地方行政委員会 第10号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/06/25
会議録
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十二日、岩本久人君が委員を辞任され、その補欠として安恒良一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) 道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 たしか長官とこの場で質問したというのは何年ぶりでしょうね。久しぶりのような感じがするんですよね。そこで、本題に入る前に二、三長官にお尋ねしておきたいと思うんです。 たしか刑事局長時代ですか、大阪でグリコ事件が起こったんですね。あなたはたしかここではっきり逮捕するということを約束なさったですね、私の質問だったと思うんですが。それから、なかなかそういうふうになっていなくて、最近では迷宮入りじゃないかというような予感さえする状況にあるんです。宮崎勤事件については次々と解明されつつございますが、これも捕まえたのはどっちかといえば子供のおやじさんですわね。警察の方もそれなりに努力していると思うんですが、宮崎の場合でもそうですけれども、捕まえてみれば、どうしてもっと早く犠牲者を少なくして逮捕できなかったのだろうかという思いがするんですよ。グリコにしろこの事件にしろまだ迷宮入りというか、未解決というのがたくさんございますが、何が、どこにそこら辺の問題点があるのか。あなたは悩んでいることも多いんじゃないかと思うんですが、まず、こういう問題について、現状について率直な気持ちを聞かせてほしいんです。
○政府委員(金澤昭雄君) 前に刑事警察の問題についてここでもいろいろ御議論がございました。当時私も刑事局長をやっておりまして、グリコ・ 森永事件を初め重要事件について全力を尽くして捜査を行っているし、行っていくということも申し上げました。その重要事件につきまして数多くは解決をしておりますけれども、世間的に見まして非常に耳目を引くような事件について相当数が残っておるということで、国民に心配をおかけをしておるということは全く事実そのとおりでございます。 そこで、原因でございますけれども、一つは社会的ないろいろな要因があるということははっきりしておると思います。特に最近のこの物からの捜査という点で見ますと、物流社会の中で大量生産、大量流通のこの物からの犯人への到達というのは非常に時間がかかりますし、また手数がかかるという面がございます。また、情報の面から見ましても、こういった情報化社会の中でございますので、いろいろな情報が警察の方に寄せられます。これを一つ一つその真偽を解明していくということにも人手と時間がかかっております。そういうようなことで、社会の面としてはそういうことがございます。 また、警察部内の面としましては、これは私どもの反省でございますけれども、現在の捜査を担当する者の中に捜査実務についての経験が余り十分でない者が相当数入っておる、こういう反省がございます。したがって、捜査に従事する捜査員の質の向上の問題、これが大きな当面問題となっておるわけでございます。その質の問題、それから最近の事件の広域性といいますか、そういう広域体制をいかに警察自体がとっていくかという問題があります。それにもう一つは国民の理解と協力ということで、いかに聞き込み捜査その他に行きまして捜査員と国民との気持ちがぴったり合って中身のある情報が早期に得られると、こういうこともこの捜査の大きなポイントであろうかと思います。 そういうことで、警察部内の問題といたしましては広域体制、それから捜査員の質の向上の問題、国民の理解と協力をいかに得るかと、こういう問題でございます。それをあわせて現在事件に強い警察を何とかして確立していきたい。これは警察の原点でございますので、今さら警察が事件に強い警察を目指すというのも一見ちょっと奇異な感じがいたしますけれども、現実を踏まえて、私も長官就任以来事件に強い警察の確立に全力を尽くしておるところでございます。
○佐藤三吾君 たしかあなたが刑事警察出身の長官として新井さん以来じゃなかったかと思うんですね。そういう意味でやはり私は国民の期待が大きいんじゃないかというような感じがするんです。 今いみじくも長官の口から出ましたように、一つは質の問題、一つは広域体制、そして最終的には国民の理解、協力ですね、私はやはりそれに尽きるんじゃないかというような感じがするんです。何分二十五万の大世帯で、そして長官を含めてエリート官僚というのですか、こういう方々がわずか五百人。こういう頂点に立つピラミッドの体制、そこから私は非常に中央集権体制というのですか、そういったものが求められていくのは無理からぬと思うんですけれどもね。鈴木さんですね、捜査評論家、前に兵庫県の刑事部長から中国管区の警察局長を最後におやめになりましたあの鈴木さんの、何というのですか、要約した意見というのがある雑誌に出ておりましたが、それによると、やはり結論からいえば警備、公安偏重に尽きるのじゃないか。警察学校の時代から徹頭徹尾部隊活動の訓練であり、部隊活動は上の命令で統一して動くのが原則、刑事捜査は一人で行動する、これでは優秀な刑事は育たないんじゃないか、こういう指摘をなさっていますね。 それから刑事畑出身で長官になられた新井元長官は、刑事警察とはローカルなもの、もっと言えば個人主義的なものだ、決して一人の指揮官に全員が一糸乱れずに行動するものではない、こう言っておるわけですね。この点は長官はどういうふうに御認識していますか。
○政府委員(金澤昭雄君) まず、鈴木達也氏のお考えでありますけれども、刑事警察の問題は警備、公安偏重の結果だ、こういうようなお話でありますけれども、私ももう三十数年警察でいろんな仕事をやってまいりまして、刑事局長もやりましたし、現在長官ということで全部門を統括して見てまいりますと、今現在警備、公安偏重というようなことは、警察部門ではこれはもう絶対にないということをもう私現在の立場からはっきり断言をしておきたいと思います。 それと、確かに刑事の行動は一人一人の個人行動というような感じがいたしますけれども、現在のこういう複雑な社会の中での捜査で、刑事の個人的な考え方による行動で大きな捜査が目的に向かって進むということはあり得ない。これは捜査の指揮者が全体を見詰めながら的確な指示をして、その指示に従って刑事一人一人が捜査、これは確かにそういった意味では個人の活動でありますけれども、その個人の活動は全体の指揮のもとに行われなければ捜査自体はうまく進まないということははっきりとした現実だと思います。 また、新井元長官が刑事警察とはローカル的なものだというようなお話でありますが、これは確かに一面そういう面もございます。一面ございますけれども、現在の大きな事件、大きな事件ばかりでなしに、すべての事件がローカル的な捜査、ローカル的な対応ではもう進まないというのは現実の姿でございますので、やはり広域的な対応によって捜査をうまく的確に進展させる必要が現在大いにある、大いにあるというよりむしろそれでなければ捜査はうまくいかない、こういうふうに私は考えております。
○佐藤三吾君 そういうふうに長官としては断言的におっしゃるんですが、それなら一体どうして大阪グリコ、これだけ関心の強い問題を決着できないんですか、いかがですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 先ほどもお答え申しましたとおり、この事件の問題点と申しますのは、一つはいろんな証拠といいますか、資料はたくさんあるわけでございますが、そのたくさんあります、いわゆる物的な資料といいますものが大量流通、大量生産の中で、その物から犯人の方へ特定させるということが非常に難しい。現在も、これは大阪府警を中心に、全国の警察が連絡をとりながら捜査をやっておりますけれども、その物からの犯人への到達というのは非常に時間がかかっておるということが一つ。 それから、これも先ほど申しましたように、情報が非常に多いということで、この情報から犯人への結びつきがなかなか難しい。特に、情報と物的資料との結びつけ、これに非常に現在苦慮しておるということでございます。しかし、全面的にこれはあきらめたというわけではなしに、いろいろな情報なり、いろいろな資料の細かな点から現在捜査を粘り強くやっておる、こういうことでございます。ただ、いつの時点で解決できるかというような見通しはなかなかはっきり申し上げられませんけれども、粘り強く現在やっておることだということを御理解いただきたいと思います。
○佐藤三吾君 さっきあなた自身がいみじくも言ったように、いわゆる質の問題ですね。それと、情報化社会というのは不便な面もありますけれども便利な面もあるはずですね、生かし方によっては。ですから、そう警察の捜査に不便を来さないと思いますね。とどのつまり、どこに今一番あなたが悩んでおり、また問題の点は何かといえば、国民の協力が、情報提供にしろなかなか警察が期待するように事件について出てこないというところにも悩みがあるんじゃないかと思うわけです。 それは何かというと、裏腹の問題としては警察に対する信頼度ですね。そこに私は起因するんじゃないかというような感じがしてならぬのです。あなたはさっき国民の理解ということを言っていましたが、それがそうなのかどうかわかりませんが、ここはどういうふうに受けとめておるのか聞きたいと思うんですが、警察官志望の応募が六十二年、六十三年、元年とこの三年間を、六十二年と対比して六十三年、元年を見ると非常に落ち込んでいますね、二年間で約四〇%落ち込んで いる。これはやっぱり異常ととらえなきゃならぬのじゃないか。特に大学卒の場合はわずか一年間で三一%も落ち込んでいる。これは一体何なのか。恐らくおたくの方でも研究なさっておるんじゃないかと思うんです。 そうしてこの質の問題と関連して裏側の問題として、警察官の非常に単純なものから複雑なものまで、万引きしたとかなんとか、そういうちゃちな事件とかもございますが、今度は強盗をやったり大胆に人殺しをやったり、こういう事件が次々に新聞に出てくる。こういうこともやっぱり否定できない事実です。 そこで、最近の新聞だったと思いますが、平成警察イメージチェンジ作戦、こういうことで警察学校にシャワーを入れるとかなんとか、いろいろ出ておりましたが、イメージチェンジも結構ですが、しかし、そういうことで国民の目というのはそらせるものではございませんで、やはり基本的には、どうやったら国民の信頼を得る警察を二十五万体制の中でつくり上げていくかということが私は一番大事なことじゃないかという気がするんです。 そこで、警察法を繰ってみると、第二条ですね、これを原点に置いて今の警察の姿を映してみると、少しはみ出ている部分がたくさんあるんじゃないか。もっと言うと、この原点に戻ることが逆に言えば国民の信頼を得る一つの手短な方法じゃなかろうかというような気がしてならぬのです。特に第二項では、司法警察に徹するという趣旨だと思いますが、戦前警察と対比しながら、警察のあるべき戦後の行き方としての姿を出していると思うんですね。こういったことが私は大事じゃないかというような気がするんです。上司や権力者を守るのでなくて、市民を守る警察官の使命、そして長官からお巡りさんまでが、一人一人がこの原点に戻って日本の警察の再生をしていく、こういうところに尽きるんじゃないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(金澤昭雄君) 警察運営の基本はまさに国民の信頼にあるというのは、もうそのとおり私も考えております。 そこで、最近の警察に対する国民の信頼が果たしてどういうふうになっておるかということで、私どもの方も確かに不祥事案の問題でございますとか重要凶悪事件の未解決の問題であるとか、こういったことが国民の警察への信頼感、これに大きく影響しておるというのは私どもも極めて深刻に受けとめております。 したがいまして、先ほどからもちょっと触れましたように、一つは、事件に強いということで、何としてでも重要凶悪事件を早期に検挙していきたい、そのためには幾つかのいろいろな内部的な問題、また国民の協力を得るためのいろいろな運動といいますか活動といいますか、そういう問題もあると思います。それにもう一つは、警察の運営が国民の立場に立って運営されるべきだ、こういうことで、この面についてもいろいろと内部的に反省をし検討をしながら対策を講じておるところでございます。 あと、最近の応募状況が警察に対する信頼と関係があるのかというお話もございましたが、これはいろいろな原因があると思います。そういった不祥事案とか重要事件の問題というものも相当影響しておることと思います。しかし、一般的に見ますと、社会全体の好況、景気の問題と警察への応募状況というのは過去にもそういう影響がいろいろとございました。また、最近の若い世代の物の考え方、風潮というものが今の警察の仕事になかなかなじみにくいというそういう風潮もこれは大いにあると思います。したがって、現在、応募状況をいかに高めるか、数多い応募者の中から優秀な人材を採用して優秀な警察官に育てる、こういうことで採用に関するいろいろな問題について現在内部的に検討しておるところでございます。 いろいろ問題はございますけれども、一つ一つ前向きに検討しながら、基本の国民の信頼をいかにして多く得るかということで今後も努力をしてまいりたいと思います。
○佐藤三吾君 前向きに努力してもらうのはこれは当たり前のことで、私はぜひそうしてもらいたいと思うんです。例えば一時、警察庁長官から参議院全国区に出た方々の中で、不正な政治資金とか選挙違反とか起こってひんしゅくを買ったとかいうことが大変警察の士気にも影響するし、問題になった時期がございましたね。そういった問題の際にも襟を正すということでやってきたわけでございますけれども、私は今長官、余り肩を張らずに、素直に国民の声を声として受けとめて正していくことが大事じゃないかと思うんですよ。 ともすると、皆さんの場合に五百人、四百八十名ですか、エリートの方というのは、もう二十代で県警の警務部長にぽんと行ってずっと出世コースを来ておる。一方の二十五万の大多数の警察官というのは、率直に言って、巡査にしても、交番のお巡りさんにしても大変な苦労で過ごされている。そこら辺にすき間が出ないのが私はおかしいと思いますね。だから、そういうすき間をやはり素直に見詰めて正していかないと、肩を張ってだけでは結果的には累積していくんじゃないかと思うというような気がするものですから、きょうは久しぶりにお会いしたので、最近私が見ておるとどうもそういう感じがしてならぬので、そこら辺はやっぱり長官自身も振り返って見てみる必要があるんじゃないか、こういうことで質問申し上げたんですけれどもね。横で聞いていて大臣、感想ございますか。
○国務大臣(奥田敬和君) 先ほどから委員と長官のやりとりを聞いておりまして、もっともなことだと思って聞いておりました。 それは今犯罪一つとってみても大変高度化していますし、むしろ捜査する側よりも捜査される側の方がなかなか頭のいいやつがふえてきていますし、一番大事なことは、国民からの協力体制がなかったら何にもやっていけないだろう。いわゆる上意下達式の行政ではそれはとてもだめなんで、むしろ国民協力のある下からの情報、それに基づいてすべての問題、交通取り締まりも犯罪捜査も全部含めてでございますけれども、はっきり言うと、国民の協力体制が本当に心からのものじゃないと、なかなかこれからの警察行政の責任を遂行できにくい。上からの権力で押しつけるだけの時代はもう既に世の中が、世界全部がそういう体制からの離脱が始まっておるように、これは基本は、人間同士のモラル社会というものの最低限度を守っていくのが警察の責任でございますから、そういった面においては私は何よりも国民の協力が一番大事な、それになるための対応が必要であろう。そういうときには、第一線の地方の警察官、国民に接しておられる、警察行政の第一線に働いておられる皆さんの機微に触れた対応が必要であろう。 そういった意味においては、いわゆる資格を持った人たち自身が常にそういった面によく配慮をしながら自分を磨いていくという気持ちが一番大事であろうと思っております。ですから、若くて階級が上なだけで威張りくさっておる形の時代はもうとっくに過ぎたのであって、かといって警察秩序というのは、これはやっぱり二十五万体制なら体制を維持するその指導者にふさわしい人間研さんをしていかなきゃならぬわけですから、それなりの苦労はあろうと思いますけれども、特に公安委員長の立場としては、上級職のそういった立場にある警察官が、今御指摘されたような国民協力、第一線の警察官の資質を上げるために自分自身が不断の自己研さんを怠ってはならないという点について、今までもやっておるところであろうと思いますけれども、特にこの点においては注意を喚起していきたいなと思って聞いておりました。
○佐藤三吾君 どうもありがとうございました。 大臣がおっしゃるように、大臣というよりきょうは国家公安委員長ですね、おっしゃるように上意下達という、警察の仕組みはそうなっておるんですね。それだけに、逆に言えばいかにそれを運営の中で国民の声を大事にするような、そういう日常運営ができるかどうかということは、私は やっぱり上に立つ人たちが考えないといけないんじゃないかと思うので申し上げたわけですが。 先週、新聞を見たら、フランスの警察官がストライキに入っていますね。あそこは労働組合があるわけです。そしてストライキに入っているんです。これはついでで悪いんですが、参考のために長官、どういうふうに受け取られておるか聞いておきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 世界の警察の中では労働組合を結成しているところもあちらこちらございます。それで、労働条件の改善の問題とかそういった一般労働組合と同じような条件の問題でストライキを行っておるというところも、これも過去からあちらこちらでございます。しかし、警察の持っております仕事の内容からしますと、そういうことが国民全体の社会の秩序、治安の問題という観点からすると、果たして警察がストライキを行うということ自体はいかがか。特に私ども、日本の治安の状況から見ますと、ほかの国のことをとやかく言うのは立場上差し控えさせていただきますけれども、日本で警察がそういう状況になることを考えますと、これは国全体、国民全体の問題として非常に耐えられないような事態じゃないか、こういう感想を持っております。
○佐藤三吾君 これは余り深入りをするつもりはありませんが、だからといって余り嫌悪感を持たずに、そういうことも大事なことだと。問題は二十五万の一人一人の警察官の本当の声をどうやって集約するかという意味で一つは労働組合の手段もあるし、方法もあるでしょう。そこら辺は素直に受けとめてもらって対応してほしいなという気持ちで申し上げたわけです。 そこで、本題に入りますが、率直に言って、長官になってからかどうか知りませんが、警察庁がマスコミを活用するのがうまくなったというんですか、うまくなるのはいいけれども少し最近目に余るんじゃないかというような感じがするんです。その典型的なのが二十日の某新聞の署名記事ですね。これは委員の中で取り上げた方もあるようですから中身は議論しませんが、もっと真っ正面から堂々とひとつ国会に臨んでくるという対応が必要じゃないかというような感じがします。 ただ、私がこの法案の場合に思いますのは、何もマスコミの皆さんからいろいろ書かれてそうだなと思うんじゃなくて、それはそれなりに勉強させてもらいましたが、六月一日に閣議決定をして、そして予算成立後わずか二週間で法案を上げる、重要法案だから上げると。そしてマスコミを通じてよく調べてみると、提案したのは四月九日という。その間どこに置いておったのか。言えば自民党の中でとか業界とか各省調整に手間取ったのが五十日、国会審議は二週間、こういうことは私は率直に言って国会軽視じゃないかという感じがします。違法な駐車が黙過できないんだ、こういうことを盛んに書かれておりますが、私もそう思います。しかし、その状態は今に始まったことじゃない、特に大都市を含めて。だったら去年の夏でも法案をつくって各党に回して、国会に出して、重要な法案だから国会を通じてひとつ国民に理解を求めていくという姿勢が私はあってしかるべきじゃないかというような感じがしてならぬのです。 国会というのは法案をただ通すところじゃない。法案を審議する中で国民の共感を求めて、そして国民の共感の中で法案を成立させていくというのが私は国会の責務だと思うんです。ただ通せばいいというものじゃない。こういう扱いが腹が立ってしょうがない一つなんです。この辺について長官自身としてどういう認識なのか、国会というのは何もろくすっぽ審議せぬでもいい、法案だけ通せばいいんだというふうな御認識なのか、私が言ったように、もっと徹底して審議を通じて国民に理解を求める、国民の共感を得た中で成立さす、こういうふうな運営こそが必要じゃないかというふうなお気持ちなのか、そこら辺はどういうおつもりなのか、まず法案の審議の前にそこら辺を聞いておきたいと思う。
○政府委員(金澤昭雄君) 国会の審議を通して国民の共感を得てということは、これはもう私ども全くそのとおりでございます。今回もそういうようなことで国民の共感を得ながら、国会の審議もいただいて法案を通していただきたいというのが率直な気持ちでございます。 時間的に短いではないかというようなお話でございますが、確かに時間的に短かったという点は私どもの方もいろいろと感じておりますが、交通局試案をつくりまして各方面に発表いたしまして、それについての御意見をいただいて、それを実効性のあるものということで取りまとめをして、やっとまとまったのが六月一日ということでございます。本当にそういう意味では国会の終盤ということでまことに申しわけなく思っておりますけれども、それに至るまでの過程がいろいろありましたので、ちょっと時間的に差し迫ってしまったと。 ただ、しかし中身としましては、現在の駐車問題が社会の中に占めております深刻さ、これを緊急に当面の対策ということでも何とか手を打っていきたいという気持ちが非常に強いという状況のもとでの決断ということでありましたので、ひとつその点は御理解を賜りたいと思います。
○佐藤三吾君 今まで、例えば駐車違反の反則金も駐車違反をなくするということを前提に法改正したのが二、三年前じゃなかったですか、二倍に引き上げたのが。しかし、一向に事態は解決しない。そしてまた、今度六月一日に出てきた法案を見ると、新聞でも書かれておりますが、小骨まで抜かれたと、こういう表現が適切かどうかわかりませんが、これで果たして今問題の駐車違反なり交通戦争と言われる事故なり打開できるんだろうかという点について、私は同僚諸君の質問のやりとりをずっと二日間聞いてまいりました。しかし、この二日間の同僚の皆さんの質疑を聞いておって、ますます胸に落ちないという気がしてしようがないんです。 確かに、マスコミも書いておりますように、四十年間で交通事故死が四十三万、負傷者を合わせると二千五十一万五千、まさに交通戦争だと。しかも、昨年は十五年ぶりに一万一千の大台を超えた。こういう事故死の問題が今度の法案を通すことによってまさに一挙に打開するんじゃないかというような書き方がされておりますけれども、私はそうは思わない。二日間の議論を聞いておってそういう確信が持てない。この点について警察庁として、いやそれは違うんだ、この法案が通ったらこうだ、こうだ、今まで現行法ではここができなかった、ここが改善できないからこういう事故死が起こり、駐車違反が起こっておったんだ、それを今度はここを変えたからそれはもう間違いなく解消するんだという確信ある御答弁ができるんならお聞きしたいんですよ。
○政府委員(金澤昭雄君) 交通事故の防止につきましての法的な対応でございますけれども、交通事故の状況が年々非常に変わってきておるというのはもう御承知のとおりでございますし、その事故の背景となっております車社会の状況も年々非常に激しい変化を見せてきております。したがいまして、それに対応してこの道路交通法を初めといたします関係法令の改正というものもその状況の変化に応じて対応してきたというのがこれまでの姿だと思います。したがいまして、余り時間がたたないのにまた改正改正ということで対応してまいりましたので、道路交通法そのものにいたしましても非常にわかりにくい法律になっておるというのは、私ども警察といたしましても十分にこれは感じております。 いずれ近い将来において、この道路交通法の全面的な見直しということもこれは当然議題に上ってくるものと思います。しかし、現実が非常に変化が激しいのに対応するわけでございますので、どうしても部分的に対応していくということにならざるを得ないという状況で今までもそうなってきておりますが、今回特に目指しておりますのは、今の特に駐車の状況にかんがみて取り締まりだけではなかなか状況の打開が難しい、したがってドライバーから車の所有者に至るまでの交通道 徳といいますかモラルの向上というものをこれを何とか実現させていきたいというのが今回の大きなねらいでございます。 そういうことで、今回の改正が実現をすればそれで全部駐車問題なり交通事故の問題が解決をするかということでは、これはもうなかなか一挙に解決はしない、こういうふうに思っております。しかし、少なくとも現状よりは二歩も三歩も前進をして全体がいい方向に好転をしていく大きなきっかけになっていくのではないか。特にモラルの問題を中心といたしますと、全体の車社会の中におけるいろいろな問題についての解決の糸口になっていくのではないか、こういうふうに考えて提案を申し上げておる次第でございます。
○佐藤三吾君 抽象的なことではなくて、これは交通局長でも結構ですが、今長官、二歩も三歩も前進すると、何が前進するんですか、二歩も三歩も。それが聞きたいのです。 それと、現行法の中でどこが限界なのか、だから改正せざるを得ぬのか、何が問題なのか、そこを交通局長、ひとつ胸に落ちるように説明してくださいよ。
○政府委員(関根謙一君) 現行法では、使用者の責任について定める部分がございますが、違法駐車関係につきましてはそのような仕組みが規定されておりません。自動車の運用管理をいたします所有者に責任があるために違法駐車が生ずるという事例も多々ございます。 例えば昭和六十二年に大阪府で起きました事例でございますが、ある会社が二台分の駐車場を確保するだけで七十二台の車を運用していたという事例がございます。この場合に、現在の規定で対応いたしますと、その車を運転して会社の近くの道路にとめた運転者を捜し出して、反則切符を切るということで対応する以外にございません。事実、この事件の場合にはそのようにいたしたわけでございますが、会社側に善処方を申し入れましても、運転者がだれであったかわからないというようなことが抗弁として言われまして、なかなか難しいことがあったというようなことがございます。 そのほか例えば、過日、東京の葛西地区でダンプカーによるひき逃げ事件が発生いたしましたが、その前提となっておりますあの周辺の道路にはいろいろな大型の貨物自動車がたくさん置かれておりまして、運転者の方がそこまでマイカーで通勤してまいりまして、それで道路上にある大型の貨物車に乗り込んで作業場に出かけ、また戻ってきてそこからマイカーで帰るというようなことでございますが、これなども使用者、つまり自動車の管理をする方々の方で適切な措置を講じておられればそのような無理なこともないのではないかというようなことがございまして、何とかそれに対応できるような仕組みを設けさせていただきたいというところから御提案を申し上げておるところでございます。
○佐藤三吾君 確かにそれも大事でしょう。ですから私はそれは賛成ですね。使用者責任をきちんとさせるということは大事なんですが、しかし、さっきも申し上げたように、青空駐車に対して罰金を最高二十万ですか、これは今申し上げたように、二年ぐらい前に二倍に引き上げて、さらに引き上げたわけですが、そういうことなり、点数見直しをして反則金を引き上げるということがどれだけの効果があったのかこれは定かでございません。一説によると、何か平成二年度の自治省の交通安全対策の特別交付金が三〇%減少したので慌てて穴埋めに罰金を引き上げたという悪口を書くのもございますね、新聞の中に。そうじゃないと思うけれども、そういうふうにとられておることも事実でしょう。それから、動的違反の件数が五十九年をピークに昨年は約半分に減っていますね、六百万件に。ですから、反則金も少なくなっておるんでしょうが、私はこれは歓迎すべきことだと思うんですね。そういう意味で今度二十万に引き上げて一体何の効果があるのかなという、これも私の疑問の一つです。 それから、とどのつまりは、あなたがさっきちょっと漏らしておりましたが、この十年間にマイカーが五三%ふえていますね、そして保有車両五千八百万台、これに対して道路整備はこの十年間にわずかに県道、国道合わせて三・一%しか伸びていない、そういったずれが私は今日の交通事故を引き起こしておる最大の要因じゃないかと思うんです。車はつくりっ放し、そして売りっ放し、後を必死になって公的整備が追っかける、この連続ですね。そこにこそ私は最大の問題があるんじゃないかと。今回の法改正がそういう意味で一体どれだけ役立つんだろうか、こういう疑問が消えてないんです。ちょっと調べてみましたら、そういう意味で総合交通体制をやるということで総理府に総理をキャップにした中央交通安全対策会議というのが存在する。これは今全く休眠状態、眠っておる、何にも開かれていない。そこら辺の整合性というのですか、ずれというのですか、この辺に対して一体どういう御理解なのか。取り締まり強化だけでこういった問題が解決できるとは到底思われぬのですけれども、いかがでしょう。
○政府委員(金澤昭雄君) 交通事故の防止につきましては全く取り締まるだけで解決できるとは考えておりません。これは今お話しのように政府全体、また国民全体が総合的な施策に一丸となって向かっていかなければ到底効果は上がらないと思います。私どもの方の取り締まりの面につきましても、これはちょっと別な観点でございますが、うんと取り締まって、件数をうんと上げて、うんと反則金収入を上げていけばというようなこともいろいろ議論がありますけれども、私どもは取り締まりの重点は悪質、危険、迷惑、こういったものに当たる違反を特に重点的に取り締まるべきであって、それ以外の軽微な違反というものにつきましてはこれは警告指導ということで対応したい。一昨年来この方針を全国的に打ち出しまして、その結果が先ほどお話しございましたように取り締まり件数の減少ということになっておるわけでございます。中身をごらんいただければおわかりになると思いますが、減っておりますのは特に十五キロ未満というような軽微なスピード違反、これにつきましては警告指導を活用しまして検挙件数は激減しております。 そういうようなことで、私どもの担当します取り締まり面におきましてはいわゆるめり張りのきいた取り締まりということに今後も重点を向けていきたいと思いますし、また総合的な対策につきましては総務庁の交通安全対策室、私どもの方もそこを中心といたしまして、そこで決められるいろいろな事柄、これに沿って警察としても全力を尽くしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○佐藤三吾君 私は、今言った警告指導というのですか、それは大事だと思いますから、ひとつ堅持してもらいたいし、いたずらに検挙するだけが能じゃございません。 国家公安委員長も横で聞いておりましたが、総理がキャップである中央交通安全対策会議、こういうのが総理府にあるんですけれども、これは今何にも仕事がないということで休眠状態だそうでございます。あなたはけさの新聞の中では警察庁の方にハッパをかけて云々というのが出ておりましたが、大将の方は眠りこけているわけです。こういったことについて国家公安委員長としてどういう御認識でしょう。
○国務大臣(奥田敬和君) 大将は眠りこけていると言いますけれども、組織は組織であるんでしょうけれども、今日のこの車、大都市における交通機能の麻痺状態を何とかしなきゃいかぬという気持ちは、私のみならず総理は当然、あの総合対策の責任者である総務庁の長官も含めまして、閣議前あたりの話題のときにはいつも重要な話題として取り上げられ、しかもこの総合対策に関しては各省庁それぞれ縦割り行政の弊害も指摘されるところでございまして、何とかしてこれを一体体制の中で努力しなきゃならぬという基本的な認識はみんな共通でございます。 それで、先ほど委員も御指摘なさいましたように、取り締まりだけでこの問題が解決するなんと いう生易しい問題ではないという認識はあります。しかし、委員も同じ御意見だと思いますけれども、かといってこのままで一刻も放置しておくべき問題でないという認識も、これは国民の間での共感とも言える常識じゃなかろうかと私は思います。先ほど、いい言葉を言われるもんだなと思って聞いておったんですけれども、売りっ放し、つくりっ放し、乗りっ放しという放しばっかりの連続では、これは本当に困る。しかし、かといって放置はできない。お互いに痛みを感じ合ってでも一つの方向をきちっと明示しなきゃならない。その基本は大都市部に特に見られるわけですけれども、車庫がなくても買う人、保管場所を先にきちっとやって車を買われるという、この一番原則的なモラルが崩れてきておる、こういった形をまず見直そうじゃないか。かといって、これも現実対応としてここまで許して、つくりっ放し、売りっ放しの現状をそのままにして、乗りっ放しの人だけを責めるわけにいかないという深刻な現状があります。現実に青空駐車せざるを得ない、またそういった形の中での車の利便性というものの価値感を先にとった人もいらっしゃるわけですから、現状点をいかにして現実的なものにしていくかということになれば、やはりこれからでも遅くない。新しく車を買われる、特に軽自動車の場合でございますけれども、買われる人にはその点の意識をはっきり持っていただいて、そしてお互いに共同連帯の中で我々が理想としているそういった車社会を目指そうじゃないかという一つのスタート点になってほしいということで御提案を申し上げたということでございます。
○佐藤三吾君 わかりました。 今度は軽の方が一番いじめられる改正というふうになっておりますが、軽を調べてみると、今義務でないにもかかわらず、四〇%近い人々がちゃんと車庫をつくっておるわけですね、義務づけなくても。だから、そういう意味では私はモラルなのか、車がかわいいからつくるのかわかりませんが、ちゃんと常識的なものを持っていらっしゃるんじゃないか、そう思うんですね。むしろ、今度の税制改正によって大型の二三%と軽が一緒の六%まできて、それらを一緒にするんだという、これの方が少しむちゃだなという感じもするんですね、私は。やっぱり大型には大型らしくきちんとした方がいいと思うし、そのことは今の車事情の中でとりわけそう思うんです。そこら辺は今後私は検討していかなければならぬのじゃないかと思うんです。 大臣、西ドイツに行ってみたことがございますか。西ドイツは各都市の郊外の駅やバスの出発点に公共駐車場を自治体が建設して、そこに整備して、ここまで来る車はここでストップしてそこからバスで市内に行く、こういうシステム、これはパーク・アンド・ライド・システムというんですか、というものに非常に力を入れておるのですね。言うならば大都市の中に駐車場をつくらせない、車をその中に入れないという施策が非常に徹底している。それも一つ考えていかなきゃならぬのじゃないか。こんな東京の中に今はもう駐車場できもせんですわね、土地が高くて。けれども、この中に駐車場をつくることによってどんどん車を集中化させてきている。こういう発想を変えなきゃならぬのじゃないかという意味で、非常に私は参考になるのじゃないかというような感じがしておるわけです。 スイスでは集落ごとに停留所をつくって、そしてバス路線を定着させている。公共交通というのですか、の強化に力を入れている。そのために、マイカー総量規制に全力を挙げている。こういった、いわゆる警察とは違ったところの対策が非常に進められてきております。 きょう新聞を読むと、建設省が慌てて今度住宅に駐車場をつくるなんて言っていますけれども、ああいう発想はだめなんでございます、今言ったように。今言うようにもっと、日本だって地方都市に行けばそこまでないのですから、問題は大都市、こういったところについて今言ったような方向も、私は一つの今後の考え方としてとっていかなきゃならないのじゃないか。総理をキャップとする中央交通審議会か何ですか、これが眠ってないで動かなきゃいかぬのじゃないかと思うのです。交通安全対策会議ですかね。 交通安全対策基本法が七〇年にできましたから、もう二十年たちました。この二十年の間に車は三倍にふえまして、免許の取得者は二倍になる。そして、それを追っかけるように第三次、第四次という五カ年計画をやってきたのですけれども、しかし死亡事故の達成目標はできなかったという繰り返しですね。来年から第五次に入るわけですが、第五次に入るに当たって私はそういった点を抜本的に検討する時期に来ている、そう思うんです。そういう面で見ると、規制、罰則、取り締まりというこういう対症療法に限界が来た、それでは解決できない。そういうことをお互いに認識し合って、切りかえる時期に来ておるのじゃないかという感じがしてなりません。 公共交通になると、これは国家公安委員長というより自治大臣としての出番なんですね、言いかえれば。そこら辺が私は真剣に検討されていかなきゃならぬのじゃないかというふうに思うんですが、長官の御認識を聞いた上で大臣にいただきましょうか。
○政府委員(金澤昭雄君) 交通安全に関しましては、私も今の御意見に同感でございます。特に、警察の立場から申し上げますと、警察の取り締まりだけで問題が解決するとは、先ほど来申し上げておりますように毛頭考えておりません。取り締まりは適正にやってまいりたいと思いますけれども、それ以外のいろいろのハード面で、特にハード面の問題の解決というのはこれはもう重要不可欠の問題であると思います。そういったハード面の整備が進み、また私どもの方の取り締まりなり規制なり管制なりと、こういった面がそれに相まって進んで初めてこの交通安全という目的が達成されるというふうに考えております。
○国務大臣(奥田敬和君) 第五次の交通安全対策にも触れられましたけれども、確かに総合施策でなければ実効を上げられないという現状点の認識も一緒でございますし、その点において確かに発想の転換も必要だと思います。私は、委員の御指摘に我が意を得たりと思っておったのは、このパーク・アンド・ライド方式というのは、自慢するわけじゃないですけれども金沢市が全国で一番先に取り上げてきた方式です。これは西ドイツのまねであることは間違いないと思うのですけれども、大体金沢という町が非戦災都市で都市交通の実態にそぐわない町である。かといって、戦災都市のように大きな都市計画街路がなかなかつくれない、古い城郭都市がそのまま残ってしまったということがございまして、全くモータリゼーションというかこの車社会には適合しない町が城下町の形態で残っておる全国でも数少ない町の一つです。ところが現状の車洪水で、かといって車には乗りたい。そういった時点の中で、観光都市であるだけに外部から土曜、日曜に来る人で町がかえって動きがとれなくなるといった実態がございました。 そういうことで、今委員が御指摘になったとおりの、小型でございますけれども、郊外に、都市の入り口に土曜、日曜に特に開設するような大きなパークをつくりまして、そこからバスで、公共輸送でやるという一つの形で、これは大変成功いたしております。かといって、今の都市実態を踏まえましてとてもそのことだけで解決できない。公的な駐車場も町の中にはつくらにゃなりませんとか、いろいろなことでこの駐車場対策が一番頭痛の種です。かといって東京のように、大都市のように交通機能は麻痺していない。ですから、知恵を生かせばまだ対症療法はあるだろう。 ですから、画一的にお互いに考えるのじゃなくて、各自治体が自分らの自治体行政の中で交通機能を維持するためにどうすべきかということは、さっきのお話にもございましたように、上からだけの問題ではなくて今は応急処置で東京や大阪の場合とは全然別な性格も持っておりますけれども、こういったことも踏まえて五次安全対策に関 しましてもそういった西ドイツ方式ですか、あるいはスイス方式かの知恵も全部生かして何とか新しい交通施策を講じなきゃいかぬ段階だなと。そういう点を念頭に置きながら新しい安全対策に取り組みたいと思っております。
○佐藤三吾君 どうもありがとうございました。 私は、確かに今取り締まり一点張りの交通規制ではどうにもならない。恐らく警察官の第一線の皆さんも無力感を感じるんじゃないですか、率直に言って。そんなことをやってみたって問題の解決にはならぬわけですから、この際ひとつもっと抜本的に、幸い第五次の計画立案に入っているわけですから、今大臣がおっしゃったようなことも入れながらぜひひとつむだのない、それこそ前向きの方向をとっていくようにお願いしたいなというふうに感じております。 細かい問題としましては、それぞれもう同僚委員の方で先に質問しておりますので、一応この程度でこの問題はおきまして、ちょっと関連してお聞きしたいと思っておりますのでそれを二、三お願いしておきたいと思います。 一つは、オートマチック車の免許の問題が総務庁から十八日ですか、勧告が出されていますね。今総務庁の勧告を見ますと、もうかなりの車がオートマチックになっておる。しかし、その運転免許の時間はわずかに四時間しかない、免許試験場のですね。これは実態に合わないんじゃないかと、なるほどなと思っておるんですが、これはどういうふうに対応なさっておるんですか。
○政府委員(関根謙一君) 先生御指摘のように、AT車に限って運転ができるような免許を設けることにつきまして国民各層の間での御要望もあり、また総務庁からの、過日、交通安全対策に関する実態調査結果に基づく勧告というところで、そのAT車に限って運転することができる免許の制度の創設が提唱をされているところでございます。私どもも前からこのような国民各層の間に御要望があるということを承知しておりまして、できるだけ早い機会にこのような制度を導入したいということで、現在検討を進めているところでございます。さしあたり問題になりますのは、このATの限定免許を導入した場合に運転免許試験場でありますとか、自動車教習所における教習のカリキュラム、現在二十七時間ということで、その中で四時間ほどのAT車の運転の時間を設けておりますが、これはマニュアル車を中心とした教習のカリキュラムを組んだ結果そういうものになっているわけでございますが、それを変えてどのようなカリキュラムをつくったらいいかということで科学警察研究所の交通部等におきまして今研究をしていただいているところでございます。このような結果を踏まえまして、さらに有識者等関係者の方々の御意見を伺いながらこのカリキュラムを作成したいと考えております。これはごく早い機会にこのような制度を設けることとしたいというのが私どもの考えでございます。
○佐藤三吾君 ごく近いということは具体的にはどういうことですか。
○政府委員(関根謙一君) 一年後あるいはそれに近い期間内にという考えでございます。
○佐藤三吾君 総務庁が勧告するのは私は適切だと思うんですけれども、もう六九%ですか七〇%ですか、そこまで来ておるのに改正しないのがおかしいのであって、実は私も旧型の免許しか持っていませんから、今もうあれ見るとつい後ずさりするんですよ、運転できないから、オートマチックはね。そういう意味では急いでやるべきだし、もう現実にそれが一番適応することですから、これはひとつ、大臣まで確認せぬでいいですか、大丈夫ですね。――はい、それでは早急にひとつ対応していただくということでお願いしておきたいと思います。 それからもう一つ問題なのはシートベルトの問題です。シートベルトが義務化になって三年有半になるんですが、その後効用がどうなのかというのが一つも出てないんですね。最近の統計を見ても、乗車中の事故死亡者は六十二年度が三千百九十二、六十三年度が三千七百十九、元年が四千二百五十とふえておるんです。私もこの問題についてはかなり疑問を持っておりましたから、この国会の議論の中で議論したことを思い出すんですが、最近になって自民党の西岡総務会長ですか、それから鳩山さんですか、私とそっくりの、三年前のそっくりのことを言い始めたですね。それは何かと言えば無用論を唱えている。これについては警察庁としてどういうふうに受けとめておられますか。
○政府委員(関根謙一君) シートベルトの問題につきまして西岡先生ほかからお考えを示されたことは事実でございます。しかしながら、他方総務庁の先ほど先生がお触れになりました過日の勧告でございますとか、それから国際交通安全学会の第五次五カ年計画策定に関する提言等の中におきましては、むしろ逆にシートベルトの装着をもっと一般国民のドライバーの方々に定着するように努力をしなさいという勧告もいただいているところでございます。他方、新聞記事等を見ますと、後部座席に座った場合のシートベルトが、むしろシートベルトをしないよりも危険で、腹部を圧迫して、それが原因で死亡事故になる可能性もあるといったような記事がございまして、特にアメリカでそれに関して訴訟も起こっているというようなこともございます。そこでシートベルトに関しましては一般論として現在自動車乗車中の死亡事故が非常にふえてきておりまして、昨年中三八・四%でございましたが、ことしは四〇%を上回っております。そこで、シートベルトの装着はやはり必要かと存じますが、そのシートベルトを装着したために事故がかえって悪化するということのないようにシートベルトの構造等に工夫をする必要があるのではないかということでございますとか、それからもう一つ、前に常松先生からの御質問にございましたシートベルトから脱却する器材を備える必要の問題でございますとか、シートベルトがついた自動車に乗車することに伴いますいろいろな問題についてさらに検討をする必要があるのではないかというところが私どもの率直な考えでございます。 シートベルトの効果はもちろん非常にございまして、シートベルトを締めていたために助かった、特に高いところから落ちて、転落したような場合等で助かるという例は多々ございますので、効果は非常にあるという考えでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、例えば六十二年度三千百九十二名の死亡事故、乗務中の。それから六十三年度三千七百十九、元年が四千二百五十、この数字の中でシートベルトとのかかわり合いというのはどこにも出てないんですよね、それはどういうふうにとらえてますか。
○政府委員(関根謙一君) 正確な数字が手元にございませんので、確定的な数ではございませんが、印象といたしまして、たしか七〇%ほどの自動車乗車中の死亡者の方がシートベルトを締めていないで亡くなっており、三〇%弱の方がシートベルトを締めていても亡くなったということではなかったかと存じます。
○佐藤三吾君 それはやっぱり重大な数字ですからね。シートベルトがあれだけ議論になって、是非を論じて、私は、今大臣がたばこのんでいますけれども、あのときにこういう議論をしたことを思い出すんですよね。たばこをのめば肺がんになる、それでも本人はのむ、それを法律で禁止しますか、そんなことはないでしょうという議論までやったことがありますよ、あのとき。それで、それだけやってきたシートベルトの問題だから、三年なら三年、四年なら四年実施すれば、今あなたが言ったように七〇%という数字が出ておるなら、それはやっぱりきちんと国民に明らかにして、だから必要なら必要としないと、そんなふうに皆受け取っていませんよ。私がいろいろ質問前に調べてみたけれども、そういうふうには、警察が抽象的には言っておりますけれども、数字を挙げてのあれは今初めて聞きましたね。そこら辺はやっぱり大事なことですからね。 もう一つは、さっきあなたが申しましたように、あのときの議論の中にもございましたが、 やっぱりシートベルト義務化を前提により安全性を求めて現在のシートベルトがあるわけじゃない。言いかえれば、当時の日本の車の実態の中では。ですから、やはりそこら辺をシートベルトを義務化する以上は徹底して研究して、そして義務化にふさわしいシートベルトにしなきゃいかぬということが、たしか私は結論だったと思うんですね。この二年間そういう研究なりやってきた実績ございますか。
○政府委員(関根謙一君) 交通事故の事故分析の過程で、死亡事故の原因をいろいろ調べておりますが、その過程でシートベルトの効用というものも取り上げられていようかと存じます。ただ、現在そのような資料を私手元に持っておりませんので、確定的なことは申し上げかねますが、そのようなことであろうかと存じます。
○佐藤三吾君 あなたがさっき言っていましたように、今アメリカやヨーロッパでは、一番問題になっているのは後部座席の二点式ですよ。それで、アメリカだけでも約五百件の訴訟が起こっている。そして、これは日本にとっても同じことなんですよ。事件が起こっているけれども訴訟まで行っている例が少ないだけですね。だから、日本の自動車メーカーであるトヨタ、日産も今それで頭を悩ませているわけですよ。このうち、片づいたのを見ると、マイアミですか、六歳の少女の事件では日本の企業が四億八千万の補償を取られておりますね。そういう意味では、これこそがヨーロッパじゃなくて日本の問題として真剣に早急に取り上げていかなきゃならぬ問題なんですよね。 だから、私は今、あれだけの議論をして、ここの国会の中で随分激論しましたよね。そして義務化を一応制定したわけですから、あの議論を大事にして、直ちに対応するというものが伴っていかなきゃあの議論は全然死んだのと一緒ですよね。何のためにやったかわからぬ。意図的に野党が引き延ばしを図ったという、そのぐらいのこと書かれたんじゃこれはたまったものじゃない。現実それが起こっているわけです。 そういう意味で、私は、この問題について、シートベルト問題というのは、法案が義務化が通ったから終わったんじゃなくて、むしろ問題がどんどん山積してきておるというとらえ方をして対応していかなきゃならぬのじゃないかと。私は、それがあるからこそ西岡さんもこんなのは無用という議論になってきておると思うんですね。ですから、そこら辺はやっぱり警察当局としては早急な対応をひとつやってもらいたいと思いますが、よろしいですか、長官。
○政府委員(金澤昭雄君) シートベルトの問題につきましてはいろいろ御意見が確かにございますが、これが事故防止に効果のあるということは間違いのないところでございますので、その辺の効用の広報、啓発活動をより一層強めますとともに、今お話のありましたような技術的な問題の研究開発、これも力いっぱい今後やっていきたいと思います。
○佐藤三吾君 ついでじゃ申しわけないんですが、一つだけお聞きしておきたいと思いますのは、これは大臣、これ全然交通問題と別の問題ですが、一昨日、沖縄の慰霊の沖縄全戦没者追悼式ですか、総理が初めて出席したというのは御存じのとおりでございますが、この問題で一つ当委員会としても心残りする議論が残っておるわけです。私もこの問題を指摘したんですが、それは何かというと、昨年の一月の土曜閉庁導入の際まで、これは県が定めた条例化した休日として沖縄県慰霊の日として存在してきたわけです。きのうおとといのことですから皆さんも記憶も新ただと思うんですが、沖縄にとってはこれは最大の日なんですよ、どう考えてみても。だからこそ県は条例化してこれを沖縄県慰霊の日として休日化したんですよ。それが昨年の土曜閉庁導入のときに、自治法の改正で、土曜日以外の平日は独自に休日を定めることができなくなったんです。県は昨年の六月にこの廃止を提案して、そして県民の猛反発を受けて、本年の三月にその廃止法案が廃案になったわけです。法的には慰霊の日は休日にするという従来どおりなんですけれども、この問題はくすぶっておるわけです、率直に言って。いわゆる法律違反じゃないかということを含めてなっておるわけですが、これは大臣、そんなことでは律し得ないものがあると思うんで、それこそ現実的に、もっと言うと沖縄県民の心を大事にしてやるのが政治じゃないかと思うんですが、大臣の御見解をお伺いしておきたいと思うんですが。
○国務大臣(奥田敬和君) これはどういうことでそういうようになっているかという細かい問題点は政府委員が説明することにいたしますけれども、私は全く今委員の気持ちと一緒です。これは各県が勝手に休日をやって、それで国家公務員との――休むことはいいことなんですけれども、今は休めということを奨励しているような時代にもなってきたわけですけれども、しかし沖縄のこの慰霊日に対していわゆる休日にするという形は、これは本当にこの根っこから考えまして、私はこの日は不戦平和の思いを新たにして、県民ばかりじゃなくて本当は我々も同じ気持ちでございますけれども、特に沖縄県民にとってみれば、この六月二十三日ですか、これは痛恨の、一つの大変な平和に向けての祈りの日であろう。そういうことで、沖縄全県民がそういった形の休日指定にされるという気持ちは十分理解できますし、そういう方向で対応さるべきであろうと、現実問題としては。ですから、そういった難しい面があるなら、それを何とかお互いにクリアする努力を早急に行いたいと思います。
○政府委員(滝実君) 慰霊の日に関しまして、事情だけ補足させていただきます。 ただいま大臣から基本方針については御答弁があったわけでございますけれども、現在沖縄県において問題になっておりますのは、条例が実は二つほど出て問題になるわけでございます。 一つは、六月二十三日を沖縄県の慰霊の日という記念日として定めるという条例がもともとございます。これは要するに二十三日を県民の日というか、記念日として慰霊をするということで、それを県の記念日として定めている条例が一つございます。 それから、ただいま問題になっておりますように、これにつきまして、県の職員につきましてまた別の条例で、この慰霊の日を県の職員の休日とする、こういう条例があるわけでございます。要するに慰霊の日は県の職員だけ休日にするという別の県の条例がございます。要するに二本の条例があるわけでございますけれども、問題になっておりますのは、この地方自治法の改正によりまして、県が日曜、祝祭日以外を閉庁にする場合には条例をもって定める、こういう地方自治法の第三条の二の条文がございまして、これによりまして、新しくそういうような県が休日に関する日を整理する場合には、自治法で定めた日以外はこれは独自の休日を設けることができない、こういう定めがございますので、新しくこの週休二日制等の実施によりまして土曜日を閉庁にする、こういうことになってまいりますと、もともとございました慰霊の日は職員を休日にするというその部分の条例が働かないことになるといいますか、その条例を整理しなきゃならぬ、こういう問題があるわけでございます。 しかし、もともとの慰霊の日を定める条例はこれは関係ありませんので、それはそのまま従来からの条例は存続するわけでございますけれども、職員の方の休日の整理条例の問題が引っかかってまいります。そこで、今問題になっておりますようなことで、この職員を休日にする方の条例をどう整理するか、こういうような問題でございますので、そこら辺のところにつきましては、何とか今後県の意見も十分お聞きした上で、私どもとしてもできるだけの努力をしてまいる、こういうことになろうかと思います。 それからちょっと訂正させていただきますと、自治法の三条の二と申しましたけれども、これは自治法の四条の二でございますので、条文誤っておりますけれども、そういう状況で、私どもとし てもできるだけこれについては法制局とも相談をしながら、あるいは県の意見を聞きながら対応してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○佐藤三吾君 沖縄も、これからこの問題で一つの政争になる公算もあるかもしれませんので、大臣のお気持ちを率直にひとつ伝えて、政治的にもひとつ配慮していただいて、できるだけ残すように御配慮をいただきたいと思います。 さて、以上お願いして、ちょっと本題からは随分外れるんですが、せっかく大臣と長官もいらっしゃるわけですからお聞きしたいと思いますのは、ほかでもございませんが、きょうの週刊誌にも出ておりましたのでもう御存じかと思いますが、大都市を中心として土地の異常騰貴でサラリーマンが家が持てない、家賃は上がる、固定資産税どうなる、こういう時期、同時に一方では、国鉄に次いで二兆三千億の累積債務を抱えて林野庁が国有林の財政再建の問題で四苦八苦しておる、こうした時期に、山梨県の県有地の分譲に当たって、これは「清里の森」というのですか、そこで前林野庁長官、それから農水省の現役、OB、県警本部長ですか、県土木部長、こういったお手盛り分譲、こういう疑惑という表現で大々的に報道されておりますが、この点、金曜日ですか、ちょっと調査してみてくれ、こういうことをお願いしておったのですが、自治省、林野庁、警察庁、三省から、どういう状況でございましたか。
○政府委員(仁平圀雄君) 当時山梨県の警察本部長をしておりました者が御指摘の分譲地を購入しているのは事実でございまして、本人の説明によりますならば、昭和六十年の五月ごろ、現地新聞等によりまして公募されているのを知りまして申し込みいたしましたところ、抽せんの結果当せんしたので、その土地の分譲を受けたということでございます。
○説明員(今藤洋海君) 山梨県の県有林の別荘地でございます「清里の森」につきまして、林野庁の前長官、元長官等が借地権を取得しておりますということは事実でございますが、これにつきましては、林野庁として助成等をやっておるわけではございません。県の独自の企画した借地権分譲地に対しまして一個人として応募し、抽せんの結果取得したというように聞いておりますので、特に問題とされるようなことではないように考えておる次第でございます。
○政府委員(滝実君) 問題になっております別荘地の分譲でございますけれども、これは昭和六十年から六十三年にかけまして毎年一回、四回に分けて分譲をいたしまして、合計八百三十五区画につきまして、所有権の分譲じゃなくて、借地権と申しますか、地上権の分譲がなされた、こういうように私どもは承知をいたしております。 その中に、ただいまも御答弁ございましたけれども、当該別荘地の分譲計画あるいは立案に携わっていたと思われる公務員が一部含まれているというようなことは事実のようでございます。 それからこの分譲でございますけれども、主要なポイントを二つだけ申し上げますと、一つは、これは県が発売主体でございますけれども、この第一回から四回を通じまして、JRの駅にポスターを出すとか、東京都内のJR車内につり広告を出すとか、あるいは全国紙に宣伝を出すとか、こういうようなことで大々的にどうも宣伝をしたというふうに聞いております。 それから応募人の状況でございますけれども、かなりその土地によって倍率が違うようでございますけれども、応募者が区画よりもオーバーしているものですから、それにつきましては警察官を立会人とする抽せん方式をとったと。こういうふうに初めからPR文書に載せてありますし、現実にもそういうような立ち会い抽せんという方法で当選者を決めた、こういうふうに聞いております。 以上でございます。
○佐藤三吾君 いや、一番この計画から推進からやったのは、林野庁長官で退官されて、現在森林開発公団の理事長をやっておる松田さんが中心人物なんで、彼にできるだけひとつきょう出席してくれないかということでお願いしたんですけれども、私も驚いたんですが所在不明というんですね。委員部の方で随分努力したんですけれども、これは本当は警察に頼んで捜査してもらうとわかるんだけれども、きょうとうとうここに出席できないというようなことで申しわけないと思うんです。 第一期分の分譲が六十年五月二十四日から六月七日、百八十八区画。第二期が六十一年五月二十四日から六月八日、二百二十七区画。三期が六十二年五月二十三日から六月七日、二百五十三区画。四期が六十三年五月二十六日から六月六日、百六十四区画。合わせて八百三十五区画ということで、公募なさっていることは私も承知しております。 問題は、今の滝さんのお話によりますとこれは借地権分譲であって云々というお話がございましたが、その中身を見ると確かに借地権分譲でございますけれども、二十年後には更新を無料でする、そして相続もいたします、同時に知事の許可があれば転売も結構ですと、こういう式になっていますね。ですから、事実上私有、個人が所有したと言っていいんじゃないでしょうか。 それで、当時のあれを価格で調べてみると平均三万円ですが、なぜか松田さんだけ坪当たり一万五千円で買ったんですね。当時の地価の状況と対比しますと、大体二十万から三十万というんですから十分の一でしょう、こういう類のものなんですね。したがって、人気も非常にあって、第四期の場合などは平均して十・三倍、区画によっては五十三倍の申し込みがあった、こういう類のものです。特に松田さんの場合には、四百五十六坪、七百十二万円。この人が山梨県で林務部長時代から計画、実施を手がけた人なんですよね。渡邊さんという県の土木部長が三百二十五坪、こういうことになっておるわけです。 私が疑問に思うのは、確かに警察官二名立ち合いなんですけれども、立ち合いだから県警本部長が手に入れたのかわかりませんけれども、いずれにしても売る人と買う人が同じなんですね。よく言うインサイダー的なもの、こういうふうにやっぱり疑問が残るんですよね。これはどうですか、滝さん。
○政府委員(滝実君) 結果的に言いますと、この計画立案をした人が買っているという意味においては、おっしゃるようにいわば売り手の人が買い手になっているという結果にはなっているだろうと思います。 ただ、私どもが聞いておりますのは、この方が買ったのはその任地を離れてもう東京へ帰ってきてからということでございますので、そういう意味で本人も比較的気軽にお買いになったんじゃなかろうか、こういうような推測ができるわけでございますけれども、結果的にはそのようなことになろうかと思います。
○佐藤三吾君 確かに駅前で広告を、こういうのを出していますね。(資料を示す)「自然との新しいコミュニケーション」、というのを出しております。この中には、「申込みについてのご注意」というのがあるんです。そして、暴力団その他を入れないということも含めてでしょう、いわゆる面接をやって、抽せんをする。それからもう一つの問題は、したがって、「郵送によるお申込みは無効となりますのでご注意下さい。」と、これは無効になってしまう。ところが、実態はどうなのかという点で調べてみますと、今申し上げたように、分譲の公募、選考、抽せんも例外なく現地申し込み、面接と書類審査の上、警察官立ち会いのもとにということになっておるわけですけれども、実際は非公開なんです。ここが問題なんです。 私は、これが公開であったなら、さっき林政課長のおっしゃるように、さして問題ないということは言えるんじゃないかと思うんですが、公開じゃないんです。これは非公開。そして、今申し上げましたように、警察官は立ち会っておりますけれども、またこういうふうに郵送はだめですよと書いてあるんです。ところが、これに申し込ん で当たっておる当時九州農政局長であった中島さんなどの言葉によりますと、現地に行った覚えがないと言っておるわけです。ですから、郵送で申し込んで、これは無効にならずに当選しているわけです。 これは私も大分でこういう一つの事例があるんですよ、公有地山分け問題。これは自民党さんが取り上げて、大騒動になった事件なんですけれども、やはり非常に表向きは公正で、警察官も立ち会うわけだから、見た目にはそういうふうに見れますよ。ところが中身はそうじゃなくて、たしかあのときには、知事がこの土地を買うのにその周辺に変なのが来てはまずいというのでその周辺を固めたということで最後はなりましたがね。 私は、やっぱり今度の場合も、売る者が買うという、何か警察官立ち合いだけれども非公開、このことが今日疑惑という形で騒がれておる一番大きな原因じゃないかと思うんです。そして、松田さんの場合にはリクルートのときも出てまいりましたね、加藤六月当時農水大臣をヘリコプターに乗せて安比、岩手のゴルフ場に行ったという、例の件でありましたが。そういうこともございまして、どうもやっぱり疑念が晴れないんですけれどもね。これはひとつそこら辺を含めて調査をやらせたのが、滝さんのお話では非常に形式的なようでございますけれども、今申し上げましたように一番いいのは、松田さんが出て、いやそういうことはございませんということで、きちっと説明するのが一番いいと思うんです。林野庁など、現職の審議官でもいろいろございますね。そういう人たちがどうしてきちんとしないのか。疑念を晴らせばいいと思うんですけれども、この辺は林野庁の方では対応しておりますか。
○説明員(今藤洋海君) まだ、きょうの週刊誌に出たというような状況でございまして、私どもは詳細には把握しておりません。
○佐藤三吾君 これは警察庁長官がおるからあれでしょうけれども、お話の経緯については今説明のとおりで、このまま見過ごすというわけにはいかぬような感じがするので、警察が調査すると穏やかでない面が出てくると思いますけれども、自治省の方でもっと、さっき申し上げましたように、なぜ非公開なのか。そして同時に、応募規定では郵送はだめですよとなっておるのに、郵送で結局なぜ中島さんだけが当選したのか。そういう事例はたくさんございますけれども、そういった問題点についてぜひひとつ調査をして御報告いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(滝実君) 私どもも金曜日の晩から急遽電話等で事情を聞いた限りでございますので、ただいまのようなお話を承りまして、もう少しよく県から事情を聞いてその辺のところは確かめたいと思います。
○佐藤三吾君 何か大臣ございますか、感想。
○国務大臣(奥田敬和君) こういった大事な国有地をリゾート地として開放しよう、東京の近郊でもありますし、土地を持ちたいという人の願望にできるだけこたえようという、全くの県としても善意にやってた事業であったと思うんです。それが林野庁の、売れぬかと思って買ったというような答弁もあるようでございますけれども、そういったリゾート地の企画に対してできるだけ売れ残りがないように、こんな人気のある形になったというのは一回目、二回目のときにはなかなかわからなかったのじゃなかろうかと思うんです。まあしかし、私は、今委員が御指摘なさいましたように、そういった二回、三回で抽せん率が五倍、十倍となった時点においてはおのずから対応の仕方は違う、きちっとした形にするのは当然だと思います。最初の一回目のときは一・何倍かというようなときで、ほとんど申し込まれた人が当たったようでございますけれども、しかし、こういった形に疑惑が持たれないように、やっぱり公開の原則をきちんと守るべきでありましょうし、何か面接で抽せんというようなことを今聞いておるわけですけれども、それが果たして適正にやられたのかどうか。買った、買わないの問題の法的な問題点はないと私は経緯を聞いただけでございますけれども思いますけれども、今先生が御指摘なさろうとしていることは、そういった形をするに当たって公開の原則と同時に、役人のモラルと申しますか、先憂後楽と申しますか、こういった一つの原点が疑われるようなことはおかしいじゃないかということであろうと思います。 警察庁の幹部が三年間勤務した山梨に対する愛着という、一年半ですか、愛着という形で土地権利者としてそこに第二の故郷としてのあれを持ちたいと思った形は素直に受け取ろうと思っておるわけですが、本人は申し込みもし、面接もし、きちっとした手続に応じて五倍の倍率があった形で運よく当たったということでございますから、そのまま素直に信じたいと思いますけれども、なおそういった疑念に当たりましてはいま一度きちっと調査することをお約束いたします。
○佐藤三吾君 終わります。
○委員長(渡辺四郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○安恒良一君 私は、まず今議題になっております二つの法案の策定の過程について少し質問をしたいと思います。 まず、この法案を警察庁が発表されたのは本年の四月九日、このように新聞にでかでかと発表されました。その前にかなり長い間これを検討しておったと聞きますが、どのくらいの期間これは検討されて四月九日の発表になったのでしょうか。
○政府委員(関根謙一君) 私ども道路交通法及び保管場所法の改正につきまして検討を始めましたのは、昭和六十三年の七月に、「大都市における道路交通円滑化対策について」の交通対策本部決定がございまして、そのころから円滑化対策の一環としていろいろの施策を考えていたところでございます。 具体的にこの作業に入ってまいりましたのは昨年の七月に中期交通対策検討委員会を設置いたしまして内々の検討に入りました。そして、対外的に検討しているということをお示しいたしましたのは、昨年の九月末に次期通常国会提出予定法案調べということで内閣参事官室からその考えを求められた際に、検討中ということでその旨をお示ししております。 その後、いろいろな検討を進めまして、部内の交通警察懇談会でございますとか学者の方々の御意見をいただきますとか関係省庁の御意見等もいただきながら、交通局の試案を取りまとめさせていただいたということでございます。
○安恒良一君 答弁者にお願いします。一時間しかありませんから、私も簡単に聞いていますから簡単に。私はいつごろから始めたかと聞いただけですから、長々長々としゃべるのは頭が悪い証拠です、率直に言って。 そこで、私は今お聞きをしましたところ、もう約一年前からこの検討にかかられた、こういうふうに聞きますが、しかし私は四月九日に出された案というものはややマスコミ誘導ということをお考えになったのじゃないかというふうに思いますが、その点はどうなのでしょうか。 それはなぜかというと、四月九日に発表された案とここに法案として御提出された中身というのはかなり大幅に違っていますね。ですから、四月九日に発表された案そのものはどんな性格のものであったのでしょうか。その点について考え方を聞かせてください。
○政府委員(関根謙一君) 交通局試案は、道路交通法の一部改正法案のように広く国民各層の方々のコンセンサスをいただかなければ実効が難しい 法律案につきまして警察庁が前からマスコミを通じて考え方を発表し、国民各層の御意見をいただくようにしているものでございます。 今回の試案の策定に当たりましては、学者の方々の御意見等も参考とさせていただきながら、中長期的にいろいろ可能な考え方というものをお示しさせていただいたというものでございます。
○安恒良一君 どうも答えが的確でないんですよね。四月九日に発表された案というものはどういうものだったのかと、こう聞いているわけですから。というのは、九日に発表されてからその後一カ月ぐらいの間に各紙の論説を読みますと、皆さんの四月九日の案についてはおおむね各社ともこれを強力に支持をする論説が展開をされているわけですね。ですから、あなたたちはマスコミ誘導でまず発表して支持を得た、ところがいざこれをやろうとしてくるといろんなとこらから反対があってかなり後退をしたんじゃないか、こう思います。 そこで、私は本法案提出者である自治大臣に伺います。 あなたは、警察庁が四月九日に発表した試みの案をベストと考えるのか、それとも現在提出している法案をベストというふうにお考えになるのか、自治大臣の御答弁を伺いたい。
○国務大臣(奥田敬和君) ベストであるかどうかという形の認識においての今答弁はなかなか難しいことだと思いますが、試案は一つの取り締まり重点で理想を追求したと、しかし、今日成案化してお願いしている形は現実的には実施可能で新しい車社会の先鞭をつけるスタート台には十分なり得る。したがって、ベストとは言いませんけれども、成案の方が現実性がある。
○安恒良一君 ベストとは言わないが、今ここに審議を願っている方が現実的だと、こういうことになりますと、最初のいわゆる警察庁が提出した試案というものは何だったんでしょうか。警察庁があれだけ新聞にでかでかと発表した試案はあなたは何だったとお考えになりますか。
○国務大臣(奥田敬和君) 現下のいわゆる違法駐車問題そのものずばりを早急的に解決しようという一つの理想論、理想というかあるべきそういった形の実効性を取り締まり重点で解決できる、取り締まり面だけでやっていけるというような形で詰めていった案で、私はそれなりに評価をいたしますけれども、現実面においては、私はあの案はなかなか世論の支持並びに業界全般における、あるいは各学識経験を含めての全体的な支持をなかなか得にくい案ではなかったかなというふうに思っております。
○安恒良一君 なかなか苦しい答弁を一生懸命されていますね、あなたは、本心がなかなか言えないものだから。というのは、今の案がベストだと、前のやつは取り締まり重点で理想的だなんてそんなことを言われますけれども、少なくとも去年の七月ごろからかれこれ半年も一生懸命警察庁が協議をし、各省とも協議をして発表した案を理想的案であるとか取り締まり重点であるなどという評価は私はおかしいと思う。各省とも協議したと、しかも去年から十分議論したと、こう言っているんですから、片一方では。それをあなたは、いやあれは理想的案だと。本当はそうじゃないんじゃないですか。この案を発表したら、まず自動車製造業界、販売業界、それからそういうものを後押しをしているいわゆる自動車族と言われている議員連盟、その他からいろんな問題があって案がここに後退をしたのではないかというふうに思います。 そこで、後退した中身について、なぜこうなったかということを僕はちょっとお聞きしたいんです。というのは、最初に発表された案と今回提出された案では非常に大きな後退点があるわけです。 まず例えば一つ、保管場所の改正にだけ限ってみましても、新規購入や保管場所の変更の際、すべての自動車に対して車庫証明を義務づけていたのが今回は後退した、案の発表後これは届け出制に変わっていますね。車庫ありのステッカーを張っていない車に対しては、当初案は運行を禁止するというところまで出ておったのが、いわゆるステッカーの張りつけは義務違反に対する罰則はないというふうに大幅に後退している。 さらに軽自動車に関しては、改正前購入したものにも適用となっておったんですが、今回はこれを施行後購入した車だけになっている。それから初めは全国すべての適用だったのが大都会、どうも当面は東京二十三区、大阪のみ、こういうふうになっていますね。 ですから、四月九日に発表した案がここまで後退した理由、項目ごとに、こういう理由だからこのように後退をしましたと説明をしてください。
○政府委員(関根謙一君) 当初私どもが試案として発表させていただきました案との違いは今先生の御指摘のあったところかと存じます。 そこでまず、軽自動車につきましても車庫証明制度を設けるということ等を当初考えていたのをなぜ届け出制にしたかという点でございます。私どもの検討の未熟もあるわけでございますが、現在の軽自動車につきましては登録制度というのがございません。車庫証明制度は自動車登録ファイルに登録をするという行政処分を前提として、車庫証明書を持ってこない人にはその処分をしないということで車庫証明書を持ってくることを担保し、車庫証明書を持ってこさせるということで車庫を確保することを担保しよう、こういう仕組みでございます。ところが、軽自動車につきましてはそのような仕組みがございませんので、車庫証明というのは取りにくいということで、事後的なチェックの仕組みではございますが届け出制ということとさせていただいたものでございます。 それから二点目のシールの関係で、シールを張っていない場合には直ちに運行供用の制限ということを当初考えていたが、それがそうでなくなった理由でございますが、運行供用の制限とシールを直ちに結びつけるということは、その届け出制のシールにいわばナンバープレートがわりの効力を持たせることになってしまうということもございますし、ひとまずシールを張っていないことも一つの判断材料として、実際に車庫を持っているか否かを基準として、実際に車庫を持っていないということがわかった場合に、車庫を持たれるまでの間公安委員会が慎重に判断をして連行供用の制限をする、こういう仕組みにした方がいいという判断があったからでございます。 それから、新規購入者からの適用の関係でございますが、これはいわば経過規定の考え方でございます。現在軽自動車をお持ちの方々は現在の法律を前提として持たれておられますので、今回御提案申し上げておりますような厳しい法の仕組みを前提としてお持ちになった方々ではございません。そこで軽自動車関係につきましては、これは登録自動車についても実は同様の考えでございますが、新たにこういう厳しい法規制があるということを承知の上で車を持たれた方から適用する方が法の体系上望ましいという判断がございました。 それからもう一つの経過措置でございますが、どの地域から適用をしていくかということでございます。現行の自動車の保管場所の確保等に関する法律が昭和三十七年に制定されましたときは当時の六大都市から適用するということでございました。今回、軽自動車につきましてどこから適用するかということは確かに一つの難しい点でございます。これは政令でいわば経過的な手続としてその地域を定めるようにゆだねられておりますが、それを当面は交通渋滞の最も激しい東京と大阪から適用することとしたらどうかということで検討を進めているものでございます。
○安恒良一君 軽自動車は排気量に制限があるというものの走行時も駐車時も一般の登録車と占有する面積はほとんど同じなんですよ。車庫証明が必要でなかった現行法は、しかも制定当時と状況が大きく変わっているこの現在においては、私は欠陥法と言わざるを得ないと思うんです。今の法律自体が、これだけ軽自動車が全国的に普及しているということの中において欠陥法と言わざるを 得ないと思いますが、その点はどうお考えになりますか。
○政府委員(関根謙一君) 法律の三条で自動車の保有者は道路上の場所以外の場所にその自動車の保管場所を確保しなければならない旨の規定がございまして、それを守らせるような仕組みは確かに欠けております。その意味で法の完結性というところでは必ずしも完結はしていなかったかもしれないという判断はあり得ると考えます。
○安恒良一君 どうも自分たちが提案したのがずたずたになったから、しゃべり方もあなた、えらい自信がないですね。明確にひとつぴしゃっぴしゃっと答えるところは答えてもらいたいと僕は思いますね。 そこで、当初あなたたちが四月九日に発表されたのが今言われたような理由で、私は理由は納得しませんよ、理由は納得しませんが、果たして実効が上がるのかどうか。四月九日に発表されたときに各社が一斉に社説の中で、車社会のあり方として、今日の交通戦争、都市問題においてはやはり今回のこういうものは必要だということを、その他社説の中で総合的な交通政策に向けてやるべきだということが一斉に報道されたんですが、いわばかなり骨抜きになってしまっている。これで実効が上がるというふうにあなたたちは考えておられますが、私は非常に実効性に疑問があると思いますが、大臣この点どうですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 今回提案しております法案の実効性の問題でございますが、私どもまず車の持ち主、ドライバー、すべて車の関係者のモラルの向上が現在非常に大切な問題の一つであるというふうに認識しております。したがって、今回の法案が通りますと、道交法にしても車庫法にしましてもその意味での今の関係者のモラルの向上にこれは相当大きな貢献度があるというふうに考えております。 また、渋滞解消ということがこれによってある程度の実現が進むと思いますけれども、そうなりますと経済的ないろいろな問題の波及効果というものが期待をされると思います。したがいまして効果はあるというふうに考えております。
○安恒良一君 抽象的に効果があるなんと言われてもだめなんですよね。既に道交法の改正をこのところ、例えばシートベルトをつける以下三回やってきていますが、なかなか今日の交通戦争というのは道交法の改正にかかわらず実効を上げていない。むしろ、例えば死者でも既にまた一万人を超えて、交通非常事態宣言をあなたたち自身もされなきゃならぬように、今までの改正というのは三回やっていますよ。三回やっていますが、一つも実効は上がっていない。今回、今聞いたらえらい道義的に何とかうまくいくような話ですが、それでは答えになりません。 そこで、ちょっと具体的な数字でお聞きしましょう。現在違法駐車がその原因となって起こっている事故件数、そして今回の改正案によってその事故件数がどのくらい減る、具体的な数字で説明してください。
○政府委員(関根謙一君) 平成元年中におきます駐車車両に衝突をして生じた事故と駐停車車両の直前直後横断を原因として生じた事故の総件数が九千七百三十七件でごさいます。これによる死傷者数、これはいわば駐車車両を直接の原因とする事故による死傷者数でございますが、総数が一万四百七十五人。このうちの死者数は三百六十七人でございます。 そこで、今回の改正を含めましてこれから政府全体として取り組んでまいります駐車対策の効果として交通事故件数及び事故死傷者数に及ぼす影響を数字で示せとの御質疑でございますが、これは数字で申し上げるのはなかなか困難かと存じます。ただ、一つ参考となりますのは、昭和五十三年の道路交通法改正の際にダンプカーの過積載等を下命容認した使用者に対しましてその使用する車両の使用制限を設けることとした改正がございます。このときその自動車の使用者が下命容認をした場合にその自動車を使用制限することとしました罪の種類は、無免許運転、過積載等全部で六件ほどございますが、これに関する人身事故の件数は昭和五十三年、この改正がなされる前の件数が三万二千件余りでございましたものが、改正を適用されました、昭和五十三年十月一日施行でございますが、昭和五十四年中は二万八千件余りということで、これに関する事故件数は一一%ほど減少しております。ちなみにこの昭和五十三年から五十四年にかけましては全人身事故件数は増加しているところでございますので、このような減少効果というものはあったと私どもは考えているところでございます。 そこで、今回の法改正、やはり同じように使用制限等を中心とする改正が主な内容でございますが、それとあわせて各省庁で行っていただきます駐車場整備の問題でございますとかいろいろのものを念頭に置きますと、そのような手当てがなされた上は相当の効果を期待できるものと考えております。
○安恒良一君 五十三年と五十四年の数字だけ私もらっていますが、こんな一年間の比較じゃ意味ないんですよ。だから、いろいろおっしゃるならば、五十三年以降今日まで三回道交法の改正をし、改正した事項が具体的にどのように事故を減らしているかというのを後からでいいですから、きょう今から長々としゃべられたら時間ありません、数字を持ってきてください。 そこで、次に行きます。この議案を提出して、いわゆる試みの案から法案になるまでに各界の御意見を聞いてコンセンサスが得られたものだと、こういうふうにいわゆる衆議院の交通安全対策特別委員会で交通局長は答弁をされている。私はその議事録を見ましたが、各界とは具体的にどこを指すのですか。どこと話し合われたのか、メーカーですか、それともユーザーですか、それともだれですか。どことあなたはお話し合いをやられてコンセンサスを得た、こういうふうに衆議院で答弁されたか、その中身を聞かせてください。どことどことやったということだけでいいです。
○政府委員(関根謙一君) いろいろな方々から御意見、御指導を賜ったわけでございますが、具体的には全日本交通安全協会等を初めといたしまして、自動車会議所や自動車連盟などのメーカー、ディーラー、ユーザーの団体、それとバス、トラック、タクシーなどの団体や組合の方々、それに駐車場協会でございますとか日弁連の交通事故相談センター、国際交通安全学会など多数でございます。そのほかいろいろな分野の学者の方々、評論家の方々などの御意見も伺っているところでございます。それから政界の先生方でございますが、説明を求められた先生方のところに、これは与野党を問わずでございますが、御説明に上がったところでございますが、その都度その先生方からも御意見をいただいております。 そういったところで、すべての方々におおむね御納得いただけるのではないかと考えて、私ども誠心誠意考えてつくり上げましたのが今御提案中の法律案でございます。
○安恒良一君 試みの案から大幅に後退して誠心誠意やったという苦しい言いわけ。むしろあなたたちとしては、いや実は試みの案でやりたかったが今回はこれでやむを得なかったと、これが一歩だからさらにこれから中身のいいのをつくるから応援をしていただきたいと、こう答えれば私は素直に聞くんですよ。しかし、あなたの言い方を見ていると、何か自分たちの発表した案はかなり骨抜きになっておきながらこの案が一番いいんだと、そんなことではとても交通局長なんか勤まらぬね、そんな姿勢では。もう少し正直に明確に、こういうふうにしたかったけれども、いろんな意見を聞いたときにここまで下がらざるを得なかったと、しかし、これを基礎にしてさらによりよきものにつくっていきたいから、ひとつぜひ国会でも応援を願いたい、こう言うなら私は立派な答弁だと思うよ。これは考え方だ。 そこで、あなたがベストだと言っているから、それでは少し中身を聞きましょう。 まず、保管場所の運用において、現在は使用本拠地からおおむね五百メートルくらいの範囲に保 管場所を設けることが望ましいということになっていますが、これを二キロぐらいまでいいだろうというのが今回の改正ですね。その二キロの根拠はどうして出したのですか。私は二キロなんてとんでもないと思っていますが、その二キロの根拠を言ってください。
○政府委員(関根謙一君) 保管場所の位置は、その保管場所をお持ちになる方の立場から考えましても、自分のところにお持ちになりたいというのが当然かと存じます。しかしながら、それがなかなか諸条件が整わずにできなかった場合、ではどこまで保管場所を持つことが通常その自動車の利用のための保管場所のあり方として適正であるかということを考えたわけでございますが、従来はその通常という言葉の解釈上、五百メートルくらいまでであればよろしかろうということでございました。 しかしながら、私どもで全国の実態調査をいたしましたり投書等の御意見を参考にし、さらに都市における駐車場発見の困難さ等を考えますと、とにかくおおむね二キロぐらいまでで探すことができるのであれば、それは徒歩ででも使うことが今の世の中では当然可能だ、つまりそれでも大丈夫だという判断をいたしましてそのようにしたい、今まだそのように決めているわけではございませんが、したいということで考えているところでございます。
○安恒良一君 わかりました。それじゃ、実態調査をしたそうですから数字を出してください。現在の保管場所が、いわゆる本人の使用の本拠地からおおむねどのぐらいにあるかということで、あなた今全国の実態調査もした中でおおむね二キロぐらい、実態調査をされたなら、現在の自動車の届け出が全部あるはずですから、これからつくるのは別ですよ、それが本当にあなたがおっしゃっているように二キロ以内までで全部散らばっているのかどうか。五百メートル以内は何台、千メートル以内は何台というふうに、あなたは実態調査をしたと今おっしゃったが、その東京や大阪における実態調査の数字を言ってみてください、具体的な数字を。
○政府委員(関根謙一君) 現在、ここにその数字を持っておりませんのですが、後ほどお示しするということでよろしゅうございましょうか。
○安恒良一君 あなた、今答弁したじゃないですか。私がこの五百メートルを二キロにするのはおかしいじゃないか、どうしてやったんですかと聞いたら、全国の実態調査を調べた結果そういうふうになっていますと言うから、それじゃ調べた数字を言ってください。それで、詳細な資料があるなれば後から届けていただきたいんですが、おおむね今私が大きくぱっと分けたように、五百メートル以内に何台ぐらい、一キロ以内に何台、千五百メートル以内に何台、二キロ以内に何台、東京と大阪の例だけちょっと言ってみてください。詳細な資料は後からもらいます、そんなもの全部しゃべられたら時間がありませんから。少なくとも東京、大阪において、今大きく五百メートル刻みで刻んでその数字を言ってみてください。
○政府委員(関根謙一君) 今、手元にその数字がありませんので、まことに申しわけございませんがお答え申し上げかねるのでございますが、アンケート調査の結果二キロ未満のところまであったということでございます。
○安恒良一君 正確に物を言ってください。今度アンケート調査と言い出したよ。あなたがしゃべったのを議事録起こしてごらんなさい。実態調査をしたと言ったじゃないですか。今度は急にアンケート調査と言う。なぜそんなうそを言うんですか。あなたは当初は、実態調査をした結果、おおむね二キロまで妥当と考えた、こう言っているじゃないですか。それで今になったら、いやアンケート調査。実態調査とアンケート調査はまるっきり違いますよ。何ですか、そんないいかげんな話。そんなことでどうして法案の審議ができますか。正確に答えてください、正確に人の言ったことに。まだ議論をうんと展開するんだから。実態調査はあるんですか、ないんですか。アンケート調査ですか、どっちですか。はっきり言ってください。
○政府委員(関根謙一君) まことに申しわけございません。実態調査でございます。
○安恒良一君 それじゃ資料を出してください。 ここは大臣にお聞きしたいんですが、私は二キロなんというのは非常に困ると思う。なぜかというと、現実的じゃない。じゃ、我々が自動車を自分で使ったとき、自分の家から二キロ遠いところまで、東京や大阪において、そこまで何で帰るんですか。それは毎日使うんですよ。毎日使うのが五百メートル以内というのならまだわかるけれども、二キロまで東京や大阪で駐車場を設けて、そこに自分の車を置いて、それからまた自宅まで帰る、そういうのが何が現実的ですか。それ、どう考えられますか、この二キロという点は。私は全くこれは暴論だと思う、現実に。人に運んでもらっている偉いさんは別、自分で毎日毎日通勤に車使うんですから、それで置いていく、もしくは商売で使うんですよ。その場合に、自宅から二キロ離れたところに車庫があって、そこから何で帰るんですか。そんな現実離れをしたようなことを、自分で車使ったことのない人が頭の中で考えるとそういうことになる。その点どうですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 二キロが妥当な距離であるかどうかという点でございますが、これは、車を持ちたいという人の気持ちと、それと都会の車庫を探す難しさ、この辺の気持ちのバランスの問題だと思うんです。 例えば、ここの国会議事堂から見ますと靖国神社あたりが二キロということだそうでありますが、あの辺のところが遠いのか近いのか。やはりその人の個人的な気持ちの持ち方であながち遠いということも言えないし、またこれは確かに近くないというのが現実だと思いますけれども、そういうことでございます。
○安恒良一君 大臣ね、ああいうような官僚答弁になるんだよ。この国会から半径二キロ描いたところに車庫があって、そこに車置いて、またここまで帰ってきますかというんだ。毎日のことですからね。ああいう官僚答弁になる。だからわしはあなたに聞いている。長官は答えることない。私が大臣と言ったときは大臣答えてください。人が指名した人だけ答えてください。私が聞いていることは、現実的に毎日毎日車使う人が二キロ離れたところに車庫を置いて、それからまた自宅まで戻らにゃならぬ、こんなことが現実的に可能なのかどうか。靖国神社まで遠くないって。じゃ、あんた毎日歩いていきますか、自分の自動車をあすこに置いて、靖国神社まで毎日歩きますか。そんなことはできっこないじゃないですか、都会で、あなた。できもしないことを、いかにも、車を持ちたいという意欲だから、それで何とかなるだろう、そんなばかげた話は私はないと思う。大臣、どうですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 今二キロの根拠についてのあれでございますから率直に言いますけれども、なかなか二キロ離れておるところに毎日通勤して、車に乗っていくということは大変なことだと思います。ですけれども、先生もおわかりのように、大都市、特に東京、大阪に関しましてだけでも、この地域としてはなかなか、今現実に、青空駐車と申しますか、そういった放置車両が、車庫のない人で車を持っている人が現実的においでる。それで将来にわたって新しく購入した場合でも、もしどうしても車庫を手に入れなきゃ新しい車が手に入らないという時点を想定した場合に、それくらいの緩和的な形じゃないとなかなか難しいんじゃなかろうかなと。本当にまじめな人は自転車に乗って保管場所からまず自転車でうちまで通うというようなことも不可能ではないわけなんで、事実、あの投書の中でもそういった形で、ぜひ二キロくらいにふやしてほしいという形もあったことは事実でございます。
○安恒良一君 自転車で行きゃいいじゃないかと言うけれども、東京や大阪で込んだところで自転車で行くと危険なんですよ。そんなことは頭の中だけの話で、また、自家用を持っている人は利便 性があるから持つんであって、毎日二キロ先のところへ置いて、またそれから自転車で帰ったり、歩いたり、ほかのものに乗ってくる、そんなことで自家用の意味がないんですよ。そんな現実離れしたことを言うたらいかぬです。ただし、これも今回の一歩のあれだというんならわかるけど、いかにももっともらしい話ししてもろうたら困りますな。そんなことは現実に自動車持つ人でも、二キロ先に置いておって、毎日毎日そこまで歩いたり自転車に乗りますが、大都会で。田舎じゃないんですよ。田舎の過疎地域じゃないんだから危ないんですよ、自転車は。そうでしょう。ですから、この点はこれからだと言うから、そこのところはよく考えてください。まだ、これここで決めると法律で書いてあるわけじゃないんだから、これは施行規則かなんかでやるんでしょう。そこを考えてくださいよ、大臣。そんな現実離れしたこと言ったら国民から笑われますわ。 それから、これも、私は法のもとの平等に非常におかしいと思うのは、施行前に購入した車については、将来的に保管場所に変更があっても車庫変更届は要らないとなっているんですね、今回のは。どうも法のもとの平等という観点から見るならこれは重要な問題を含む。施行前に購入した車は保管場所を変えても車庫変更届は要らない、ところが今度買った人からは全部それが要るんだ、これも法のもとの平等でないと思いますが、この点はどうですか。
○政府委員(関根謙一君) 今まで車庫を持って自動車をお持ちの方々は、現在の法体系を前提としてお持ちの方々でございます。これに対しまして、今度厳しい法律の内容になるわけでございますが、その厳しい内容に至る過程をスムーズに移行するということで、そういう厳しいことを前提としてそれを承知で買われた方から法律を適用することとしたいということでございます。
○安恒良一君 それも全く理由にならないですね。現在の法体系を前提で買っておっても、世の中、社会の変化に伴って道交法自体も次から次に変えていっているんじゃないですか、現状に合わせて変えていっているじゃないですか。ここだけは、いや購入したときは現在の法体系であったんだから、だからこれは義務づけなくてもいいんだ、今後新しく買うやつだけすればいい、そんなばかげた理論がどこにありますか。道交法自体を変えるときは、あなたたちは提案理由で、社会情勢の変化に応じて道交法をこのように変えていきたいと、こう言っておるじゃないかですか。一方においてはそう言っておきながら、一方においては現行法があるからと、そんなばかげた論理はありません。これは法のもとの平等ということから非常に問題がある。場合によったら、そのことについて裁判が起きるかもわからぬ。起きたときはあなたたちはどうしますか。そういうことはあり得ますよ。 それからその次に、課徴金制度も私は重要なポイントだと思います。現在、現場で警察官の諸君が一番困っているのは、違反車の運転手を特定できず反則金や点数処分から逃げられている、いわゆる逃げ得、こういう実情が存在することを私もよく知っています。しかし、それがあるからといって、これらに対する課徴金制度を今回はなくしてしまう。これもまた非常に理論的に私は理解できません、何でなくしてしまうのか。そういう問題は問題として解決する方法を考えるべきであって、課徴金制度は今度はなくしてしまうという考えはどうしても理解に苦しみますが、この点はどうですか。
○政府委員(関根謙一君) 当初、試案で刑罰をやめて行政制裁金という制度を設けることを考えたいということで申し上げました。私ども今でもこれが可能であればそのように進めたいということで、まだ検討中でございます。 今回なぜこれを見合わせたかということでございますが、現在は刑罰で違反をしないように担保しているわけでございます。その場合に、違法駐車についてだけ刑罰をやめて行政制裁金とするということにしますと法体系上問題があるという指摘をする方もおられます。それからさらに、駐車違反については刑罰ではなくてすべて行政処分で完結をするという仕組みをとることにいたしますと、これは非常に膨大な数になってまいろうかと思います。その場合に不服申し立ての数もまた大変な数になるのではないかということで、その救済機関、いわば課徴金等の徴収に不服がある人に対する不服申し立ての機関を設ける必要もあるのではないかとか、いろいろ検討してまいりますと、今直ちにこれを実現することについてやや問題があるということがわかってまいりました。そこで、この課徴金の問題は、とにかくこの次の課題ということで私どもさらに検討を進めさせていただきたいと考えております。
○安恒良一君 検討するということは検討しても、例えば違法駐車についてはレッカー車で持っていったらどうだ、ところがなかなかレッカー車では現在では人の手間や置き地がない。それなら、例えば英国でやっていますね、違反駐車にはチェーンなどで固定してしまう、こういう方法も私はお考えになってしかるべきだと思うんです。今はいろいろやっても逃げられてしまうからこの際課徴金もなくしてなどという考えは、ますます駐車違反を助長させるばかりなんですよ。 だから、今回は駐車違反をした本人だけじゃなくて、車を持っている所有者も対象にというふうにこの法律を考えられていますが、私はそのこと自体を否定しようと思いません。しかし、車を実際に運転している者の責任というものはきちっとやらなきゃだめだと思うんです。ですから、例えば今、今後検討されるのなら、英国なんかでやっているように、構うことないからチェーンで固定して、そして固定された車をとりに来ればそこできちっとしたことをやれるわけですから、動かせないようにすればいいことです。そういうこともあなたたちはお考えになるべきであって、何かこの際、実効が余り上がらぬ、第一線の警察官が苦労する割に上がらぬからということで、課徴金制度その他をこの部面においては緩める印象を与えるわけですよね。駐車違反に対して緩める印象を与える。今回の法律はそうじゃないでしょう。駐車違反に対して厳しくやろうということで本法の精神は貫かれているはずですから、その点を申し上げておきます。 それから次は、いわゆる保管場所標章ですね、六条に規定している。これは目的は何だろうか、しかもこれは罰則の担保がないんですよね。罰則の担保がなくてこれが実現できるのか、例えば車検標章には罰則が設けられていますね。こちらは罰則がないで、こんなことをして本当にいわゆる実効が上がるのか、担保ができるのか、こういうように思いますが、そこはどうですか。
○政府委員(関根謙一君) 車庫証明をとられた方あるいは軽自動車について届け出をされた方についてシールを張っていただくことを考えております。このシールを張らなかった場合の制裁措置というのは考えておりません。 しかしながら、このシールを張っていただくということで、その届け出た場所あるいは車庫証明をとられた場所に確かに車庫をお持ちであるということが周りの方にもわかりますし、また御本人にとりましても、これで車庫を持たないということがないようにモラルが高まるであろう、そういうことを期待してのことでございます。
○安恒良一君 期待をしてもだめなんですよね。片一方の場合にはちゃんと罰則がついているじゃないですか。やっぱり罰則をつけるものをつけなければ、いやそうなるだろうとか期待するとか、そんなことでできるはずがないじゃないですか。 例えば一つの例を挙げましょう。その弁慶橋を渡って私たちの清水谷宿舎から麹町のこの間、不法駐車があるということで私も何年もあなたたちに取り締まりを要望しています。要望したら二、三日間やっていますが、後は知らぬ顔。だから取り締まりで引っかかるのは時たまホテルかなんかに来た人が引っかかって、常習犯は一つもかからぬ。たったあれだけの距離でもあなたたちは本当 に誠心誠意やっていますか。何回注意したですか。私たちが国会活動に、両方に車があって大変交通が不便している、もしくは議員宿舎から出るときに非常に危ない、事故が起こったらどうするか、私はそのときは交通局長、責任をとるのかという議論まで何回もしたけれども、依然として直らない。たったあれだけの距離ですらあなたたちはようやり切らないですよ、不法駐車に対して。ホテルがたくさんある、高級レストランがある。そういうところへ出入りしている人間が置きまくっておる。第一、あのホテルができるときから僕は注意したんです、二つになったらここは大変だぞ、君たちはどうするんだと。にもかかわらず、私は大変言いにくいことを言うと、何かつけ届けでもあるんじゃないかと思うほど全然取り締まりが徹底しない、たったあれだけの距離でも。そういううわさすら立てられるぐらいの、たったあれだけの距離があなたたちはできないんですからね。ですから、もう少し法律をつくるときにはそういうところをきちっとやっておやりにならないと中途半端になる、このことは申し上げておきます。 そこで、次は運輸省に聞きます。 今度は、本法の十三条で適用除外条項がございますが、運送事業用の自動車が除外されていますが、これは一体どういうことなんですか。道路運送法等運輸省の所管の法令等によりその保管場所の確保を行うということでありますが、本法の目的からいうとやはり二つあってはいけないと思うんですね。やはりこの点については、運輸省としてはこの整合性はどういうふうにされるつもりですか。
○政府委員(早川章君) 今回、保管場所法で、従前車庫証明を運送事業用の自動車についても行っておりましたものを適用除外とさせていただいた趣旨は、現行の保管場所法の運用におきましても、保管場所証明は地方の運輸局長が事業計画上そのような車庫がちゃんと設置されているかどうか等をチェックして御回答申し上げているという運用から、言ってみますと現在の道路運送体系で免許あるいは事業計画の変更の際に一々チェックしている、あるいは定期監査によって実質的に保管場所をチェックしているということで十分保管場所の確保という実態をつかんでいる。こういうことから二重の行政措置をとることはないのではないかということで適用除外とさせていただいたものでございます。 今先生の御指摘のように、保管場所の法律と道路運送法では、例えば保管場所法は直接的に道路の適正な利用というような形のものをいっているのに対しまして、道路運送法では、道路運送事業者が道路を事業の場とするということで、したがって適切にその道路関係の法律等を遵守しなければならないという意味でやや間接的なアプローチかと存じますが、実態的に車庫をチェックしているという意味では道路運送法の体系で十分チェックされておりますので、言ってみますと保管場所の法律の目的に違反することはないと、こういう考え方でございます。
○安恒良一君 今回の場合、これは例えば今回の改正によって自家用車には保管場所標章、ステッカーを張ることになっていますね。営業車はこれもまた適用除外されていますね。しかし、あなたたちは営業車についてはそういう違反の事実はないということを責任持って言えるんですか。あなたが今おっしゃったように、チェックしているから保管場所については、事、営業車に関する限りは正確にやられています、ですからステッカーも張らぬでいいと、こういうことですが、その点は間違いございませんか。
○政府委員(早川章君) 道路運送関係で、これは事業によりまして、先生今お話しのように完全に、言ってみますと問題がないかということについては事業ごとに多少実態が違うかと考えております。したがいましてステッカーの仕組みにつきましても、道路運送体系で行いますが、例えばタクシーのように横に江戸川とかそれぞれ地域まで書いてあるような業態と、とかく問題になります貨物運送等の場合の運用の実態は違うと思いますので、私どもといたしましてはそのような事業の実態につきましてよく検討しながらこのステッカーのあり方を考えていきたい、こう考えております。
○安恒良一君 私は、今日貨物輸送、宅配が非常にふえて国民生活、経済に大きな貢献をしていることは認めますが、その自動車が不法駐車をしているのは目に余る。こういう点についてはあなたたちはどうするつもりですか。
○政府委員(寺嶋潔君) 宅配便の貨物が配達をするときに駐車をしなきゃいかぬ。その際に路側が自家用車によって占領されていることが非常に多いという事実がございまして、しばしばワンレーン内側にとまるというケースもあって大変危険でございます。その意味では、今回の駐車違反の取り締まり強化によりましてむしろ配達用の車両の停車がしやすくなるということでは大きな前進があるのではないかと思っております。貨物自動車自身ももちろん保管場所を確保しなければなりませんが、これは先ほど早川局長から御説明申し上げましたように、現行の道路運送法なり新しい貨物自動車の法律によって確保したいということを考えております。
○安恒良一君 私は、やはり今の道路運送法の体系の中で、今申し上げたいわゆる宅配が道を大きく占有して交通障害になっていることはこれは間違いがないんですから、ひとつ運輸省としては早急にこの点について――この法律が通ったら今度は自家用車がのいちゃってそこに貨物自動車がいくからうまくいくだろうなんて、そんな子供だましのような答弁をしたってだめだよ、君がここで。だからそういうものはもう一遍総体的にこの法律が成立するに当たって今の営業車のあり方については運輸省としては再検討してみる、そんな気はないんですか。再検討をあなたたちはすべきじゃないですか、現実に。
○政府委員(寺嶋潔君) 営業車につきましても道路交通法を遵守すべきことは当然でありますから、今後もこの点について指導を強めていきたいと思っております。 それと同時に、宅配あるいは貨物の配達につきまして、当然ある時間積みおろしのために停車を必要とするわけでございますから、この受け入れにつきましても駐車施設の整備等を進めて円滑な物流が確保されるように努めてまいりたいと思っております。
○安恒良一君 私の時間は二時一分までですから、もう時間ありませんから建設省にお聞きをしたいんですが、現在公営、民営を含め駐車場のスペースはどのくらい不足していますか。
○政府委員(三谷浩君) 私どもは駐車需要というものにつきましていろいろ調査をいたしました。具体的には五年に一遍ずつ交通センサスというのをやっておりますが、それでは大体七百万台ぐらい駐車需要があるだろう。それから公共的な駐車場、だれでもとまれるような駐車場、これが百万台ぐらいあるわけでございます。その残りが非常に問題になるわけでございますが、現実の問題といたしましては、例えば民間の空き地だとかあるいは工場の中の敷地とか、こういうふうなところにとまっております。したがいまして、一番問題になりますのは路上で現実にとまっている車、これが大事だと思います。私どもの調査では、同じく道路交通センサス、これは百四十三万台の自動車で推定をしておりますけれども、約百六十万台路上に駐車、今現実にとまっている、これについての駐車対策が必要であろう、こういうふうに考えております。
○安恒良一君 あなたたちのお出しになっているポケットブックの中から道路整備五カ年計画の駐車場の整備率を見ると、六十二年は一七%しか整備されていない、平成四年度、一生懸命やっても三〇%と、これがあなたたちがお出しになっている数字ですよ。いいですね。 そこで、今月の十一日付で建設省は標準駐車条例の一部を改正して地方公共団体に通知されましたね。それによると、東京都の場合を見てみます と附置義務対象となる建築物の駐車施設一台当たりの床面積はどのくらいというふうに指導されていますか。
○政府委員(真嶋一男君) お答えいたします。 附置義務を課する床面積につきまして、東京都の場合はこれまで二千平方メートルだったものを千五百平方メートルとすることという案にいたしております。
○安恒良一君 東京都では一戸の平均延べ面積は六十・二七平米でありますね。それで自動車統計で見ますと自家用車が東京都の保有率一世帯当たり〇・七五台、営業車を入れますと一世帯当たり一・三五台になります、これは統計で。そうしますと、いかに東京都が駐車場のスペースが全く立ちおくれているかということ、これがあるわけです。 そこで、私は結論を申し上げたいんですが、実はきょうは三省の大臣に出てきてほしかったんですが、この委員会ということで自治大臣だけ、国家公安委員長が出ておられますから私は次のことをぜひ要望しておきたいんですが、今日の交通状況の諸問題を検討しますと、違法駐車、保管場所法違反の取り締まりとともに、私はこれだけではだめだと、今も答弁があったように駐車場の確保があって初めて実効性を持つものだと思います。今回の法改正は、ひとりユーザーのみにやや負担を負わせるということであります。もちろん私はまずできるところから手をつけようじゃないか、それも立派なポリシーだと思います。しかし、それだけで問題は解決しないんです。それがためには運輸省、建設省、警察各省庁がそれぞれつまらない縦割り行政を争うことなく、交通行政の一元化を速やかにやらなきゃならぬ、でなければ交通戦争は解決ができないと思います。例えば私ども、大都会における適正な交通量の保持及び機能的な交通の流れ、これをつくらなければ都市は麻痺をしてしまう、こういうことをかねがね言っています。そして諸外国はそれに向けていろんな試行錯誤をやっているんです。ところが、我が国は幾らこれを言ってもやろうとしない。いろんな諸外国の経験を学んで適切な交通量の保持及び機能的な交通の流れを確保する。これは個人個人が自動車を持つこと自体は禁止できません、資本主義社会ですから。しかしながら、そのことに精力的に関係省が取り組まない限り問題は解決をしないと思うんです。こういう点について、きょうは大臣が一人出ておられますから、関係大臣と十分連絡をとって、今言ったことに意欲的に取り組んでもらいたいと思います。以上で私の質問を終わりたいと思います。答弁をいただきます。
○国務大臣(奥田敬和君) 全く御指摘のとおりだと思っております。この問題を解決するためには本当に縦割り行政の弊と申しますか、こういった形での立ちおくれを何としても取り戻したいという一心に燃えております。今言われたように、もちろん運輸、建設両省との協力関係もお願いしながら、一元化体制と申しますか、こういった形で総力を挙げて政府としても取り組むべき課題であると思っております。 今先生の御指摘の案件につきましては、関係各大臣にもよくその意を伝えて、車の面における先進国のそういった例も見習いながら、警察庁としても、また私の担当する各自治体においてもこういった面に最大の努力をするように指導してまいりたいと思っております。
○諫山博君 最初に、横浜弁護士会所属の坂本堤弁護士一家の事件について質問します。今日までの調査の経過及び現状について簡単に説明してください。
○政府委員(中門弘君) 坂本弁護士一家の所在不明事件につきましては、届け出を受けまして以来、神奈川県警におきまして捜査本部を設置しまして強力な捜査を推進しているところでございます。特に現場周辺の目撃者等の発見、また、タクシー、レンタカーなどの交通機関に対する聞き込み捜査、さらに坂本弁護士が取り扱われました事件をめぐる紛議等がなかったかどうかというふうな捜査等を行っているところでございます。また、ポスターを作製いたしまして全国にこれを配布いたしまして、全国の警察にも情報収集に努めるようお願いをいたしまして、関連情報の入手に努めておるところでございます。 現在までのところ幾つかの情報等は寄せられておりますけれども、具体的にこの事件の解決に直接結びつくような状況が出てまいっておりませんで、引き続き捜査を推進しているという状況でございます。
○諫山博君 坂本弁護士の事件は何らかの刑事事件に巻き込まれた事件だという認識をお持ちでしょうか。
○政府委員(中門弘君) そういう認識がございますので捜査本部を設置しているわけでございます。 ちなみに、所在不明となりまして警察が何らかの犯罪に巻き込まれている可能性があるのではないかということで捜査している事件は、年によりまして多少の凹凸がございますけれども、大体二十件ないし三十件ございまして、例えば昨年の例でございますと、三十一事件があるわけでございますが、これらのうち十五件は殺人の被害者となって発見されておるというふうな状況でございまして、今回の事件がそういう結果になるかどうかということは、現時点では必ずしも明確に断定することはできないわけでございますけれども、しかしながら、何らかの重要な犯罪に巻き込まれたんではないかという疑いのもとに捜査をしておるという状況でございます
○諫山博君 今民間で坂本弁護士を救出しようではないかという相当広範な運動が始まりまして、既に警察庁長官のところには六十万人分の要請書が届けられているはずです。 ポスターを警察でつくって配布したそうですけれども、何枚ぐらい配布しましたか。
○政府委員(中門弘君) ポスターにつきましては三回作製しておりまして、最初は十一月の中旬に十万枚、二回目が十二月の中旬に二十万枚、そしてことしになりましてから四月の下旬に二十万枚作製をいたしまして全国の警察に配布いたしまして、各派出所、駐在所はもちろんでございますが、駅、空港、ホテル、旅館その他公共のポスター掲示場等に掲示を行いまして、情報収集活動に活用しているところでございます。
○諫山博君 弁護士一家三名が所在不明になって、どうも刑事犯罪に巻き込まれたらしいということになっていますが、生きているか死んでいるかもわからない、本当に具体的な情報がまだ届かないということのようですけれども、私は警察がポスターを配って調査していただいているのは結構だと思います。ただ、次に質問しようと思っている金賢姫が日本語の教育を受けたという李恩恵、この問題について新聞では百四十五万枚のポスター、チラシが配られたということになっています。これも極めて重大ですけれども、これに比べたら坂本弁護士の事件のポスターの数は余りにも少ない。私はこの問題をもっともっと積極的に調査していただきたいということを要望しまして、次に移ります。 警察庁は今月の二十二日に、金賢姫、大韓航空機爆破事件の犯人として死刑の判決を受けた人ですね、この人に日本語教育をした李恩恵という人のことが詳細に警察庁から発表されました。各新聞に報道されていますけれども、李恩恵に関する警察庁が発表した情報はどうしてキャッチした情報でしょうか。
○政府委員(城内康光君) お答えいたします。 ただいま御質問のありましたリ・ウネあるいはイ・ウネとでも申しましょうか、この日本人と思われる女性につきましては、かねてよりその身元割り出しについて努めてきたわけであります。これまで家出人で不明になっている人たちのデータとか、あるいはただいま御質問のようにポスター、チラシなどを配布した結果寄せられた情報、そういったものをずっとクリアしてまいってきておるわけでございます。 ところで、四月になりまして、韓国側から新たな情報が入手された、いろいろと金賢姫が韓国側 係官と話している過程でふと思い出したということで、それは数点ございますが、一番大事なところは恩恵が自分の名前は「ちとせ」だということを言ったという点でございますが、そういった点について突然思い出したということで、金賢姫自身がずっと忘れていたということで、いろいろ日本の話をしている過程でふと思い出したということで、連絡を受けまして早速係官を派遣し詳細について確認をしてまいった、こういうことでございます。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、安恒良一君が委員を辞任され、その補欠として岩本久人君が選任されました。 ─────────────
○諫山博君 新聞で報道された情報は非常に具体的ですね。恩恵は東京の上野周辺で生まれ育った。兄は会社員でバングラデシュに出張したことがある。母親は七十歳近くだった。恩恵は食堂でアルバイトとして働いていたこともある。非常に具体的です。この情報を警察は虚偽の情報と見ていますか、確実性のある情報と見ていますか。
○政府委員(城内康光君) いろいろ直接本人にも会って確かめてあるわけでありまして、総合的に申し上げれば大変信憑性の置ける中身であろうかというふうに考えております。
○諫山博君 これに信憑性があるとすれば、日本の警察の能力で調査できないはずはないと思います。そして、この問題はかって参議院の予算委員会でも取り上げられたことがあります。我が党の橋本敦議員が、昭和五十三年の七月、八月ごろ、新潟県、富山県、福井県、鹿児島県などで日本人のアベック四組が拉致されて蒸発した事件がある。一件は未遂だった。この問題をいろいろ質問しているんですけれども、警察の答弁では、これはやはり拉致されたものではなかろうかという認識のもとにこれからも調査を進めるということになっていますけれども、どうなっていますか。
○政府委員(城内康光君) ただいま御質問の昭和五十三年の三件の拉致事件と思われる事件、それから富山県における拉致未遂事件、これにつきましてはその後もいろいろと捜査をしておるわけでございます。この四件とも私どもはその状況、手口から見て拉致または拉致未遂事件であろう、そういう疑いが強いというふうに見ておりますし、また、発生場所が海岸部であることを考慮すれば海外に拉致されている可能性もあるということで、大変重大な事件だということで、公開手配もしていろいろと捜査しておるわけでございますが、いずれも手がかりが大変少なく、いまだに解明に至っていないわけでございます。 それからまた、李恩恵のことに戻りますけれども、金賢姫は李恩恵という女性と一年六カ月もの長い間一緒に生活をしていたわけでございますが、身体の特徴とかあるいは趣味、嗜好の面についてはかなりの情報があるわけでございますが、一緒にいたところがいわゆる工作員の訓練所でございまして、お互いの身元について詳しい話をすることが禁ぜられている、こういう状況でございましたので、いろいろリアルな話というのはたくさん伝わってくるわけでございますが、なかなか身元に直接結びつくようなものが足りなくて大変私どもは難渋をしておるという状況でございます。私どもが今度の名前の点で「ちとせ」という情報を入手いたしましたものですから、私どもの既存の資料については直ちにそれを一々当たっておりまして、今回またそれを公開することによって、また国民の皆さん方のいろいろな御協力を得つつ、さらにその身元の割り出しに努めてまいりたい、こう考えている次第であります。
○諫山博君 坂本堤弁護士の問題にしましても、それから拉致されたのではないかと言われている問題についても国民は非常に大きな関心を持っていると同時に、特に拉致事件について言いますと、外国に連れ去られたのではないかということになりますと、これは日本の主権侵害にかかわる問題です。両方の事件について厳正に速やかに調査していただきたいと思いますけれども、警察庁長官、この二つの事件についてどう思われますか。
○政府委員(金澤昭雄君) 二つの事件につきましてはまことに重大な事件だと考えております。今お話にありましたように、日本国民のこの二つの事件に向けます関心はまことに深いものがありますし、また我々警察の方といたしましても、この二つの事件の解明、これには全力を尽くしておるわけでございます。残念ながら今のところまだ手がかりがないという状況でございますけれども、今後とも全力を尽くして解明していきたいと思います。
○諫山博君 次に、問題を変えます。警察官の捜査のあり方についてです。 私は、多くの警察官が犯罪の予防、鎮圧のため、あるいは交通事故の撲滅のために献身的に働いていることを知っています。同時に、警察官の職務執行の過程で許すべからざる逸脱、行き過ぎ、誤り、人権侵害が起きていることも事実です。きょうは後者の問題、警察官の捜査の行き過ぎ、人権侵害の問題について質問します。 この前の委員会で私は運転免許証の提示の一般的な解釈について質問しました。この点で交通局長と私の意見は一致しました。例えば運転免許証の提示というのは差し出して見せることである、提出とは異なる、手渡す必要はない、この点では解釈が一致しました。さらに、警察官が運転免許証の提示を求めることができるのは法律で特定の場合に限られている、この点も意見が一致したと思います。法律で提示義務があるとされている場合でも強制的に免許証を取り上げることはできない、この点も意見が一致しました。この法律解釈が厳正に行われていると警察官の人権侵害というのは相当少なくなると思います。 日弁連が昭和六十二年、「人権事件警告・要望例集」上下二冊を刊行しました。これです。相当膨大な刊行物ですけれども、昭和五十二年に同じようなものが刊行されて、これは続編です。この中には各県の弁護士会が調査をして、人権侵害だと判断したものを全部全文列記しております。この中には検察官による人権侵害もあります。裁判官による人権侵害もあります。しかし、圧倒的に多いのは警察官による人権侵害です。その中で目立っているのが交通取り締まりから起こった人権侵害であります。この一冊の本の中に十六件が列記されています。その若干について質問します。 昭和五十五年の三月二十八日、大阪弁護士会が大阪府警本部長、大阪府公安委員長などに勧告を出しました。一たん停止違反の少年が警察官から停止を求められた。少年は停止しましたけれども、その後で運転免許証の提示を求められています。ところが提示をしなかった。そこで一たん停止義務違反という容疑で逮捕されました。これが人権侵害だというのが大阪弁護士会の認定です。大阪弁護士会の認定の部分を読み上げます。 運転免許証の提示義務は無免許運転、酒気帯び運転、過労運転等の場合に限られている。両巡査が右の場合でないのに当然の義務があるかのように運転免許証の提示または提出を執拗に要求したことは道交法に違反した疑いがあります。ましてこのことを理由に少年を逮捕するというのは人権侵害だ、これが大阪の弁護士会の認定です。 ここで運転免許証の提示について二つのことが問題にされています。一つは一たん停止違反というような交通違反の場合に、警察官が運転免許証の提示を求めることはできないんだということです。これが第一です。第二に、運転免許証の提示というのは提出とは違う、見せれば済むんだ、このことを弁護士会は指摘しています。 もし前回交通局長が答弁したような取り扱いがされていたら、この場合に運転免許証の提示をめぐってもめることはなかったと思います。 交通局長、あなたが前回答弁したようなことは第一線の警察官に周知徹底されているんですか。
○政府委員(関根謙一君) 運転免許証の提示を求め、その……
○諫山博君 ちょっと待ってください。周知徹底 されているかというのが私の質問です。
○政府委員(関根謙一君) 道路交通法の内容につきましては当然のことながら周知徹底を図っております。
○諫山博君 弁護士会の認定ですから、あなたがそれを承認するかどうかは知りませんけれども、こういう交通取り締まりのやり方はいけないでしょう。このとおりだとすれば、これは人権侵害と言われても仕方がないんじゃないですか。どうですか。
○政府委員(関根謙一君) 道路交通法違反の現行犯人を現認した場合の処理の仕方の問題かと存じます。その場合に、その者の住所、氏名等を伺うということはあり得ることかと存じますが、その住所、氏名の確認の仕方として運転免許証の提示を求めるということもあるいはあり得ることではないかと存じます。ただ、その根拠が道路交通法の六十七条を根拠とするものではないということはそのとおりかと存じます。
○諫山博君 第一線でこういうことが行われているわけですから、あなたはそれを擁護するのではなくて、こういう違法なやり方は厳しく指導する、こうしなければだめですよ。 さらに弁護士会は交通法令違反事件の捜査のやり方について触れています。犯罪捜査規範で、交通法令違反の事件の場合には簡単に逮捕してはいかぬということが決められているでしょう。それはもちろん交通局長御存じでしょうね。読み上げますと、「事案の特性にかんがみ、」「被疑者の逮捕を行わないようにしなければならない。」、これが犯罪捜査規範です。この点はどうですか。
○政府委員(関根謙一君) 道路交通法違反につきましては慎重な扱いをするということはそのとおりでございます。
○諫山博君 私は時間のある限り幾つもの事件を質問しますから、あなたは第一線の警察官を守るという立場ではなくて、こういう問題を根絶するという立場で答えてください。 昭和五十六年の四月二十二日に大阪弁護士会が大阪府警福島警察署長に勧告を出しています。これは昭和五十四年八月十日に起きた事件ですけれども、貨物自動車がスピード違反を起こした。そこで、警察官が引きとめて運転免許証の提示を求めた。ところが、運転免許証を見せたけれども、手渡さなかった。警察官は手渡すように要求した。そこで、警察官と運転手の間で十分間ないし十五分間やりとりが行われています。提示義務はあるが提出義務はない、こういう言い方をして警察官と論争したわけです。提示義務はあるけれども提出義務はないというのは、交通局長の前回の答弁どおりです。局長、弁護士会の認定どおりだとすれば、無理やり運転免許証を手渡せと言った警察官のやり方は間違っているんでしょう。どうですか。
○政府委員(関根謙一君) 犯罪捜査の一環として、現行犯人の身分、住所、氏名を認知するための手段として運転免許証の提示を求めるということはあり得ることかと存じます。しかしながら、根拠が道路交通法の六十七条ではないということもそのとおりであろうかと存じます。 そこで、いわば任意の捜査の過程でございますが、いやしくも強制にわたるようなことがあってはならないと考えます。
○諫山博君 質問していることにずばり答えてください。私が聞いているのは、運転免許証を見せたことに対して、見せるだけではだめだ、手渡せ、こう言った警察官のやり方は間違っているんじゃないかということです。そのことだけに答えてください。
○政府委員(関根謙一君) その方の住所、氏名等がわかるような形であれば、提出まで求める必要はないと考えます。
○諫山博君 声が小さくて聞こえませんけれども、手渡せと言った警察官の言い方は間違いだということですか。
○政府委員(関根謙一君) その違反をした方の住所、氏名等がよくわかるような他の方法があったにもかかわらず提出を求めたということであれば、他の方法によるべきではなかったかと存じます。
○諫山博君 長官に質問します。この交通局長のもとでは今私が言っているような問題はなくなりませんよ。弁護士会から人権侵害だといって警告をされた。この認定によれば明らかに警察官のやったことは間違っている。例えば運転免許証を手渡せといってもめたわけですよ。こういう問題が起きているのになぜ警察官を無理やり擁護しようとするんですか。これで人権侵害がなくなりますか。私は長官の意見を聞きたいと思います。 ついでに言いますと、これはスピード違反というけれども、十三キロのオーバーです。さっきのあなたの答弁では十五キロ未満の違反については警告指導に当たるというふうに言われましたけれども、こういうことで運転免許証を手渡さなかったというので逮捕されたのです。こういうことはやめさせなきゃいかぬのじゃないですか。
○政府委員(金澤昭雄君) まず十三キロについての警告指導という、その辺から申し上げますが、これは先ほどもお答えしましたとおり、一昨年からそういう方針を決めて、それを全国の警察に指導しておるところでございます。当時とはちょっと時代が変わっておると思います。 それから今具体的な現場における警察官の措置の問題でございますけれども、具体的なケースの扱いがよかったか悪かったかということにつきましては事実の確認、それができませんとやはり一般論でしかこういう場合にお答えがちょっとしづらいんじゃないかと思います。 私からは一般論でお答えをしたいと思いますが、警察官が交通の指導、取り締まりに当たって適正妥当に行うべきであるということは、これは常日ごろから第一線の職員の方によく指導をしておるわけでございます、一般的に申しまして。具体的に申しますと、いろいろなケースが起こってまいります。こういうケースが起こってまいりましたときには、その関係者のいろいろな言い分といいますか説明をよく聞いて、その説明を具体的に判断をして一つ一つ是々非々の考え方で対応をしていくようにというのが、これが一般的な方針でありますけれども、そういう方針で当たっております。したがって、今のケースが果たして今おっしゃったようなそういう状況であるかどうか、その辺をよく確認した上でないと、この席での今のケースがよかったか悪かったかについてはひとつ答弁を差し控えさせていただきます。
○諫山博君 あなたは大阪の弁護士会が警察に対してこういう警告書を発していたことは知っていましたか。
○政府委員(金澤昭雄君) 知っておりました。
○諫山博君 そうすると、弁護士会の調査は間違っているという見解ですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 弁護士会の見解が間違っておるということではなしに、私どもの方としましては、警察本部からの報告と両方あわせてこの席でどちらがどうであるということについては答弁を差し控えさせていただきたいと、こういうことでございます。
○諫山博君 弁護士会の人権侵害調査に対して警察が非協力だということがこの中でしばしば問題になっています。 例えば大阪弁護士会が昭和四十七年五月三十日に住吉警察署長に警告を発しました。署にあらゆる協力を求めたが拒否されたと、こういうふうに書いてあるわけです。これは被疑者が警察の不当な取り調べによって負傷したという事件ですけれども、被疑者の写真を見せてくれと言ったら一般の閲覧には供していないと言って断った。なぜ見せてくれないかと言ったら、人権の問題で問題だと言われた。被疑者が同意すれば人権の問題は起きないではないか、こう言ったところが、後は黙って要するに写真は見せてくれなかった。これが大阪弁護士会です。 栃木弁護士会もこういう言い方をしています。佐野警察署長に調査協力を求めたが拒否された。弁護士会の人権侵害の調査というのは準公共的活動だ。これに協力を求めて非協力な態度を警察が とったのはまことに遺憾である、こう言っているのですよ。 弁護士が社会正義の実現、基本的人権の擁護を任務としていることは法律に明記されております。そして、私は幾つかの事件を読み上げましたけれども、驚くほど警察の人権侵害は多いのですよ。こういう警告なり勧告に対して警察はどういう措置をとっているんですか。もう見過ごしているのか、何らかの対策を講じているのか、それともあれは弁護士会の方が間違いだからおまえたちに問題はなかったというさっきの交通局長のような言い方をしているのか。どういう受け取り方をしているんでしょうか。
○政府委員(金澤昭雄君) 日弁連を初めといたしまして各地の弁護士会に対する警察の対応でございますが、弁護士会のいろいろな御意見というものは私どもの方も最大尊重するというのが基本方針でございます。したがいまして、いろいろ具体的なケースにつきまして各都道府県警察の方へ勧告なりいろいろ御意見がありますけれども、それは謙虚に受け取って、内容をよく調べて、その結果いろいろの問題点があるということになりますと、それは謙虚に反省をして、弁護士会の方にも回答をしておりますし、また私どもの方も内部の今後の取り扱いについてもそういうことの再発することのないように内部を十分に戒めるということで現在これはやっております。 ただ、過去におきましては、弁護士会との折衝、応接におきまして幾つかの問題があったことは事実でございますけれども、今現在はそういうことの起きないように十分にいろいろと検討しながらやっております。その辺はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○諫山博君 私は、ぜひそうあってもらいたいと思います。さっきの交通局長の答弁を聞いておりますと人権侵害をした警察官をかばうばかりで、これではだめですよ。 それで、弁護士会については警察は余り好感を持っていないようですから、今度は裁判所の判例を引用いたします。 ことしの二月七日に福岡県山田市の小山田市長に対して無罪判決が言い渡されました。福岡高等裁判所です。現金二百万円を収賄したという嫌疑です。昭和六十年十一月四日に逮捕されて、保釈になったのは六十一年七月、約八カ月間身柄拘束されました。そしてその間、市長は辞表を提出いたしました。ついこの間になってようやく無罪の判決が下ったわけです。収賄をしていなかったのに逮捕されて八カ月も勾留される、辞表まで出させる。今どき無罪になってもこれはどうしようもないでしょう。償いようがないんですね。 裁判所はどういう認定をしたかといいますと、最初に自白したのは六十九歳の高齢者だった、こう言っています。警察官は朝早くに出頭を求めてから夜遅くまで長時間にわたり、被告人が退去することも事実上困難にした状態で大声で叱責し、少年補導員のバッジをつける価値のない人間だとして外すように命令するなどの心理的圧迫を伴う厳しい取り調べを続けていた。そして、否認を続けるだけの精神力が途絶え、その言うままに虚偽の自白をせざるを得なかった。これが最初の自白です。そして、この人は無罪になりました。 その後、市長に対してはどういう調べがされたかといいますと、裁判所の認定です。早朝から夜遅くまで厳しい取り調べを行った。気分を悪くして数分間意識を失い、医師の診断を受けた後も取り調べを継続した。報道関係者が自宅を取り囲んでいるなどと申し向けて用意した宿に泊まらせて帰宅させなかった。これらは健康に不安のある当時六十八歳の被告人、市長のことです、に虚偽の自白を強いるおそれのある行動であった。市長の辞表提出については警察官らが執拗に強いてなされたものであると認めるのが相当である。これが福岡高等裁判所の認定です。警察官が無理やりに市長に辞表を出させたんです。今読み上げたような取り調べをしたんです。こういう取り調べは悪いに決まっていますけれども、長官どう思います、こういう判決を受けて。
○政府委員(金澤昭雄君) 取り調べが私どものやっております捜査の手法の一つとして、これは刑事訴訟法で認められました、法で認められた取り調べの重要な手法の一つであるということは御理解をいただけるところだと思います。 問題は、その取り調べにおいて得られました自供、自白が任意性があって信用性があるかどうかという点でございます。この任意性、信用性の点について問題があるとせっかくの取り調べ、捜査というものがこれは今のお話のようなことになりかねませんので、私どもは、取り調べは重要である、自供を求めるという調べは重要であるけれども、そこでもう一つ重要なのはその取り調べが任意性、信用性ということで担保されるということだというふうにこれは内部でよく指導しております。残念ながら幾つかのケースにおいてその任意性、信用性に疑いがある、こういうふうに認定されるケースがありますので、この点については一つ一つ十分に反省をし、今後にいろいろと備えていく、よく戒めていくということにしております。
○諫山博君 昨年の十月、福岡市のいわゆる造園汚職事件というので最高裁判所から判決の言い渡しがありました。結論は有罪です。ただ被告の一人の自白が任意になされたものかどうかという点で最高裁判所の意見は食い違ったようです。しかしどういう調べがされたのか、この事実については福岡高等裁判所の認定がありますから、争いにはなっていません。 最高裁の判決を引用しますと、被告に対して、 欲を捨てて無欲の境地に達したとき、自供する気になれるのだ、欲を捨てよ、といった趣旨のことを告げて同日午前一一時ころより同被告人を取調室の椅子に正座させ、取調室の後ろ壁に貼りつけた「無欲」と書かれた紙に向かって対面させ、取調官とその補助者とは同被告人の後ろ姿を黙って見守るといった方法をとりはじめ、午後零時半ころ、一度、同被告人を取調官と正対させたうえで、同被告人が自供する気になったかどうかを確かめ、同被告人が依然否認の態度を維持していると分かるや、もう一度やり直しということで、再び同被告人を前同様「無欲」の紙と対面させた、 午後一時半ころから再び同被告人を前同様「無欲」の紙に向かって正座させて対面させ、このような状態が午後三時半ころに同被告人が被疑事実を認めるにいたるまで続けられた、 これが福岡高等裁判所の認定した福岡県警の警察官の調べのやり方です。これが任意性を争うことになるかどうかという点では最高裁で議論があったようですけれども、こういう調べというのはやってはいけないと思いますけれども、長官どうです、こんな調べ方が認められますか。
○政府委員(金澤昭雄君) ただいまのお話のケースにつきましては、最高裁の判決の中でもいろいろと議論が分かれておったように承っております。いずれにしましても、先ほどから申しておりますように、取り調べの方法、これは自白の任意性、信用性に重大にかかわってまいるということは私どもの方も十分認識をしておりますので、今後全国の警察に指導、教養の点について一層徹底をしていきたいというように考えます。
○諫山博君 昨年一月の文藝春秋に、「戦慄のケイサツ強国フクオカ」という表題の文章が載っています。この中で福岡県警というのがいかに無理な調べをするところかということが出ておりますけれども、その中身は省略しまして、次の事実について答弁してください。 福岡県警の取り調べに関して、昭和六十一年六月、福岡県道路公社総務部長が首つり自殺、同年九月筑穂町長が首つり自殺、同年十二月田川郡方城町議が首つり自殺、昭和六十二年十月朝日工業総務課長が飛びおり自殺、昭和六十三年一月福岡市下水道局課長が首つり自殺、全部これは福岡県警の取り調べに基づくものです。こういう自殺事件がありましたか。
○政府委員(中門弘君) 個々の事案についてただいまここに手持ち資料を持っておりませんけれど も、おおむね御指摘のような事案があったと承知しております。
○諫山博君 福岡県で短期間の間に五名もの人が自殺をした。驚くべき事実ですけれども、これは福岡県特殊な状況ですか。全国的にこういうことがあるんですか。
○政府委員(中門弘君) 事件の内容あるいはその当時の関係者等の状況によりまして、自殺者が出るか出ないかケースが異なるわけでございまして、特定の地域が特に多い、あるいは特定の地域が特に少ない、そういう状況ではないと思います。
○諫山博君 昭和六十一年六月から昭和六十三年一月までの間に五名の人が首つり自殺をしたり、飛びおり自殺をする、しかもこれは福岡県特殊の状況ではないということのようですけれども、警察庁長官、この事態をどう思われますか。
○政府委員(金澤昭雄君) 私どもの方としましては、特に贈収賄事件につきましてはその関係者の心理的な動揺というものがあるわけでございますので、そういう事件のそういう関係者につきましての取り調べ、事情聴取につきましては今のような心理的な動揺も十分に考えた上で対応をするようにということを、これも常日ごろ指導をしておるわけでございます。そういう結果が出ますと、これは本当に社会的に見ていろいろと大きな問題になりますし、また残念なことだというふうに理解をしております。
○諫山博君 私たちは警察の違法な取り調べになれ過ぎたのではないかと思うんですよ。何も罪を犯していない人がうその自白をする。長い間裁判を受けてようやく無罪になる。恐らく無罪になるのは罪を犯してない人のごく一部分だと思います。こういう事件がいかに普遍的に行われているのか、幾つか質問します。 昨年の九月十二日東京家庭裁判所が綾瀬母子強盗、殺人、強盗致死事件で、これは要するに処罰をしないという結論をしました。事件の内容は、十六歳の少年三人がマンションに押し入って七歳の男児が騒いだので絞殺した。帰宅した母親も殺した。そして八万三千円を強取した。有罪になれば死刑判決もしくは無期懲役ということになりかねない事件です。三人とも自白をしました。ところが東京家庭裁判所は、この自白は間違いだという認定をして裁判に回さなかったんです。家庭裁判所はどういう事実を認定したかといいますと、取り調べ警察官に頭をこづかれたことがうかがわれる、やや無理な取り調べがなかったとまでは言えない、少年らが警察官の言動のために畏怖心を抱いたであろうことは推測にかたくない、こういう認定をしながら、犯罪捜査規範を引用しています。 少年事件の捜査の基本というのは、少年の健全な育成を期する精神をもってこれに当たらなければならない、この配慮が欠けていたというんです。さらに、少年を取り調べる場合には、取り調べの言動に注意する等、温情と理解をもって当たり、その心情を傷つけないように努めなければならない。家庭裁判所はこう言っております。 犯罪を認めれば死刑になるかもわからない、無期懲役になるかもわからない、こういう事件で、十六歳の少年が三人とも自白をした。幸いにして、家庭裁判所で無実は晴らされましたけれども、こういう問題を警察はどのように受けとめていますか。これは警察庁長官と国家公安委員長にお答え願います。
○政府委員(金澤昭雄君) 少年事件につきましては、これは一般の刑事事件とまた別に特に慎重な扱いを第一線の警察の方に求めております。今お話がありましたように、少年事件には特に少年の健全育成という観点からの取り扱いというものが要求されますし、また少年の特性を踏まえたそういう処遇というものが要求されますので、その辺少年法の精神を十分に加味していろいろな処遇を行うようにというふうにしております。 また、それにあわせて、やはり事件の適正な解決ということは当然のことでありますので、事件の解決と少年の処遇、この辺のバランスを十分にとりながら慎重に対処するように、これは第一線の方に今後も十分に指導していきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 人権と犯罪捜査、この中には今先生が御指摘された問題点がもう常に介在しておる、残念なことであると思っております。特に福岡県警、福岡県の例を挙げられての御指摘もございましたけれども、県民性からいって、歌の文句にもありますけれども、なかなか義理人情も厚い反面、口も気も荒い、そういったいろいろな特質を備えた福岡県の中で、県警の体質も御指摘があったようでございますけれども、できるだけ憲法に保障された人権、特にデリケートな青少年犯罪の世代のそういったことを考えて、捜査には特に慎重の上にも慎重に当たってほしいなと、もう先ほどからの御討議を聞いてつくづく感じておりました。
○諫山博君 福岡県の県民性と言われましたから、自分のことを言われているのかなと、荒っぽい県民性ということになるかと思ったら、義理人情だそうですから、これはいいとしまして、もう一つ挙げます。 昭和六十三年七月二十一日に、岡山家庭裁判所が十五歳の窃盗、保護事件について検察庁に送らないという決定を下しました。これは他人の家に忍び入って財布を盗んだという被疑事実です。自白を見ると、六畳の間の状況が詳細に述べられているようです。財布のあった場所、財布の形、こういうものが図面で示されているようです。そして、取り調べ中に、警察官の指示によって、その少年は被害者のところに被害弁償に行きました。ところが、被害者は少年が本当に盗んだかどうかはっきりしませんでしたから、その被害弁償を受け取りませんでした。結局、少年はうその自白をしたわけですけれども、家庭裁判所の認定によりますと、おまえしかやった者はいない、そして警察官が少年の足を両足で挟んだ、机を押してきた、そして鋭い追及や態度に威圧を受け、精神的に動揺し、心理的苦痛を免れるために警察官に迎合して虚偽の自白をしたものだと、こういう認定がされているはずですけれども、この認定は間違いありませんか。
○政府委員(加美山利弘君) お答えいたします。 ただいま申されました岡山家裁の認定ですが、私ども家裁の審判決定文によってそのような件について承知しております。ただ、無理な取り調べということの認定の指摘がございますけれども、岡山県警の報告によりますと、取り調べにつきましては、防犯課に接続した補導室で行われており、短時間で本件を自供している。また、取り調べ官は対面して取り調べをしており、警察官一名が立ち会っているが、足を挟んだとか、あるいは机を押したとか、そういうような取り調べを行ったということはないと私どもは聞いております。
○諫山博君 長官に質問します。 私は、家庭裁判所の決定書を読み上げて、こういうことは間違いないかと聞いたんです。今の答弁では、家庭裁判所の決定にそういうことが書かれていることは間違いない、しかし岡山の警察に聞いたら、そんなことはやった覚えがないと答えた。どうもこれで済まされているんですね。これで警察の人権侵害がなくなると思いますか。裁判所が慎重に調べて一定の結論を出した。ところがあれは裁判所の決定が間違っているんだ。おれたちは無理な調べはしていないというのが第一線の警察の言い分ですね。これでは警察の違法行為はなくならないじゃありませんか。長官、どう思いますか。
○政府委員(金澤昭雄君) ただいまの保安部長のお答えは、岡山県警からの報告をそのまま申し上げたんだと思います。要するに、我々は家庭裁判所の出されました決定を謙虚に受けとめて、今後の少年事件の捜査に的確にそれを受け入れていくということが大切なところでありまして、今現場での応対につきましては、その報告自体はそうであっても、その決定を十分に受けとめた上で今後の問題に生かしていくというこの方針には変わりがありません。 したがいまして、全国の警察とも、それぞれの裁判所なりいろいろな機関で出された判断というものは十分に尊重していく、こういうことでございます。
○諫山博君 今の答弁なら私は納得できます。ただ、どうも交通局長の説明を聞いていても、さっきの話を聞いていても、あれは弁護士会が間違った認定をしたんだ、家庭裁判所の方が違っているんだということを皆さん方が言い出したら、第一線の警察はどうしますか。裁判所は信用しない、弁護士会も信用しない、おれたちがどんな調べをしても上の方は守ってくれる、こうなるでしょう。 例えば交通違反の問題にしても、免許証の提示を求めることはできても、免許証を手渡せと要求することはできない。これは交通局長が認めていますよ。ところが第一線では免許証を見せただけではだめだ、手渡せ、こう言って紛争が起こった。その場合に、ここに座っている偉い人たちが、警察の方が間違っていたんだという指導をしなければ人権侵害はなくならないじゃありませんか。刑事訴訟法を勉強するときに真っ先に教わるのはこういうことですね。百人の真犯人を逃すことがあっても一人の無実の罪を出してはいけない。これは世界共通の刑事訴訟の原則だと思います。仮に真犯人が逃げるようなことがあっても、無実の罪をつくることから比べたらはるかに罪は軽い。そういう立場を警察庁は本気で考えているんでしょうか。もちろん私は真犯人が逃げていいとは言いませんよ。徹底的に捕まえなければなりません。刑事事件に強い警察ということは大事です。しかし、罪を犯してない人がうその自白をする、この警察の病理現象をどう解決しようとしているのか、この点について長官の説明を聞かせてください。
○政府委員(金澤昭雄君) もう原則はそのとおりでございます。無実の者はつくらない、警察の捜査も真実の探求でありますし、真犯人の摘発と事件の解決でありますから、その過程で無実の犯人が出るようであれば、事件の解決というものは、これはもうその一つだけで全部崩れ去るというふうな認識をしております。 先ほど来交通局長が訴えましたのは、現場での対応で現場の警察官にもそういう話がある、そういういろいろな状況の説明があるということを御説明を申し上げたのでありまして、法律的な判断をどうこうというところは、これはこの前から御答弁申し上げておりますように、法律的な判断はああいうことでございます。現場の警察官の考え方なりそのときの応対がこうであったということを御説明申し上げたというふうに御理解いただきたいと思います。 今後も、この具体的なケースにおきましては、いろいろな御批判なりいろんな御意見が出てくると思いますが、適正捜査ということの実現のために、いろいろな御意見、御批判は我々としましては謙虚に承って、今後の参考にしながら適正捜査をやっていきたい、こういうふうに考えております。
○諫山博君 地方行政委員会の重要な仕事は、警察行政が公正に行われるということだと思います。私が指摘したような警察官による人権侵害というのは、ただの一件もあってはならないというのが私たちの仕事だと思います。ところが、この問題を質問しようとすると材料には事欠かないんですよ。二、三日分の新聞を読むと、もうすぐ質問の材料があります。この間、私は判例時報を三年分調べてみました。ところが無罪判決を受けた刑事事件というのは、例外なく本人が自白をしていますよ。本人が自白をしてなおかつ無罪の判決を受ける事件が山ほどあるというのが日本の実情です。私は地方行政委員会に席を置く者として、この問題は最後の最後まで質問します。新しい問題が起これば、すぐに私はこの問題を国会で追及して、こういう問題が起こらないようにどういうふうな措置をこれから講じていくのかということを議論していくつもりです。 その前に、皆さん方に要望したいのは、第一線の警察を無理やり擁護するのが温情ではないだろうということです。 私は最後に、この問題について国家公安委員長の見解を聞きます。ついでに申し上げますと、弁護士会からの警察官への勧告書、要請書は、それぞれの都道府県の公安委員長のところにも何回も来ています。恐らく奥田さんの目にはこれは触れていないと思いますけれども、どうされますか。
○国務大臣(奥田敬和君) 弁護士も、それでまた一般犯罪に携わる警察官も、目指すところは社会正義を守って、そして人権を大切にしていく、別に犯人をつくることが何も目的じゃございませんから、そういった意味では、今後いろいろ御示唆に富んだ中に、第一線の、そういった社会正義をたぎらせて人権もよく守ろうという意識に燃えておった警察官の、あるいは御指摘されるような点があれば、これは今後とも反省の材料として慎重に対応していかなきゃいかぬということを戒めておる次第であります。 したがって、各県の公安委員会にも、今先生の御指摘の事実、そういった点をよく反省点に立つように指導してまいるつもりでございますけれども、先ほども言いましたように、人権と犯罪捜査という面にはなかなか微妙な問題がたくさん介在しておるんだなということを改めて勉強させられた次第でございます。
○秋山肇君 今までに十時間質疑が行われてまいりました。その中で、今度付託をされている二法案についての論議がほとんど尽くされてきたと思います。今の質問もお聞きをしておりますと、私の個人の感じを言いますけれども、やはり我々が委員会で時間を決められたところで持ち時間を守るということが大事なことなんだと、スピード違反をした人にいろいろ警官の問題も出ておりましたけれども、まずそれには、我々が質問時間を守っていくということが大事なことだろうというふうに私は感じておりますので、これは人に言って自分が守らないわけにいきませんから、私の持ち時間以内に終わるようにいたしたいと思います。 私は、最近の我が国のこれだけマイカーが多くなってきた一つの理由、昨今の地価高騰が、まじめに働いても自分の家が買えない人たちが車でも買おうか、いい車を買おうという人が多いんではないかなというふうに思います。そしてせっかく車を持っている人が、駐車場を確保する問題で自分の希望する車も買えないというのが現実の姿なのかなというふうに思っているわけであります。 東京近郊の自治体でこの駐車場を有効に使っている一つの例が鎌倉市にあります。鎌倉市では、市役所の駐車場を休みの日に有料で市民に開放しており、その管理を市のシルバー人材センターに委託しているそうです。ここで注目すべきことは、鎌倉は観光都市であり、休みには駐車場の需要が最も高まるのに対し、市役所は当然休日は訪問者が一番少ないわけでありますから、この需給バランスに目をつけて、市役所の駐車場を休日開放している点であります。さらに、この駐車場の管埋をシルバー人材センターに委託することによって高齢者の生きがい対策に寄与している点は、駐車場問題を考える上で大変参考になるんではないかなというふうに思っております。 ところで、具体的な質問に入る前に大臣のお考えをお聞きをいたしたいんですが、最近、都庁の新宿移転の問題が週刊誌等をにぎわせているわけでありますけれども、この新都庁舎にしても、駐車場問題、周辺の渋滞については大丈夫なのかなというふうに思うわけです。特にあそこはパーキングで使われていたところには建物が建つ、甲州街道、青梅街道の違法駐車の問題、交通渋滞等を考えますと、現在の計画では千百五十台程度用意する計画のようですが、職員がマイカー出勤をしないとしても、庁有車もあるし、いろいろな国からのお客さん、一般来庁者の車、業者の車等ひっきりなしに入れかわり立ちかわり車の出入りが予想されるわけで、現在の需要だけでなく、将来的な需要をもっと今のうちから対応できるように見込んでおくべきであったんではないかなというふ うに私は思います。 また、今大阪の府庁舎も、平成四年の具体的な設計に向けて現在調査期間中であるということですけれども、都庁舎同様、将来的な需要を今から見込んでおくことが必要ではないかと思います。今までの議論では、民間に駐車場の設置義務を強化することばかりが強調されておりますが、それ以上に行政側が管理する建物については、他の模範となるような十分な駐車スペースを確保するよう自分のところが率先してつくっておくべきだと思うんですが、この点大臣のお考えを最初にお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 今鎌倉の例を引用されてのお話でございました。私は、さすが鎌倉だなと、やっぱり観光都市はそれくらいの配意があってしかるべしということで、地方自治体の方がむしろ大都市よりもといったらおかしいですけれども、そういった面において大変知恵を働かせておられるということを聞いて頼もしく実は思いました。 確かに、御指摘のとおりに東京都庁も世界の東京、それでこれから外国のいろいろなお客さんもおいでになるでしょうし、都庁職員が国際都市東京を代表するそういった使命感に燃えて、快適な場所、お客さんの接待も含めて、都民サービスということを第一義に考えれば、これもまた時代かなと思いますけれども、今基本的に御指摘になったのは、それだけのマンモス官庁の移転に当たって、また新たなそれが道路渋滞の原因、その要因をよく分析をして、よく検討してやったのかなという点においては、今初めて勉強させていただいたんですけれども、千数百台の駐車施設、これも大きいと言えば大きいですけれども、私はもっともっとこういうのならつくってほしいなと。むしろ高層化されるなら、地下の三、四階ぐらいは全部駐車場施設に充てて、東京で背の高いことだけを誇るんじゃなくて、むしろ駐車施設の収容パーキング台数においてさすがマンモス東京都庁だなというぐらいに発想してほしかったなと、今にすれば本当にそのことはもう手おくれなのかもしれませんけれども、都知事に会ったら早速そういった先生からの御指摘も含めて話したいと思います。 ですけれども、今建設省も道路の一部を一時駐車帯という形でそのときの都市交通の流れを見ながら考えてもいただけるようですから、そういった形でのパーキングを含めてのそういった施設の中で何か知恵を働かせてくれるだろうということも期待しているわけです。そういった面の御指摘は、確かに今後のこういった官庁ビル、特に県庁なり都庁ビルに当たっては一番先に考えてほしい重大な御提起だと思って聞いておりました。
○秋山肇君 具体的な質問に入らせていただきます。 高崎市の市街地を走っておりますと、一度はごらんになったことがあると思いますが、昭和六十三年十月より駐車場案内システムの一環として個別案内板が稼働し始め、ことしの三月には全面完成したと聞いております。この駐車場案内システムが導入されることになった背景を御説明いただきたいと思います。
○説明員(荒木英昭君) 高崎市は戦災をほとんど受けておりませんで、戦前の都市基盤のまま都市化が進展しておりましたので、中心市街地の道路整備のおくれや駐車場不足が目立っておりました。これに加えまして急速な自動車の普及によりまして、深刻な交通渋滞や駐車待ちが生じておったわけでございます。また、郊外型の店舗の立地によりまして、中心商店街の相対的な地盤沈下が生じており、自動車利用客への利便性を増すために駐車場の整備がかねてから望まれておりました。 高崎市の中心市街地におきます駐車場は、現在四十五カ所、約五千台の容量を有しておりますが、場所のわかりにくさや特定の駐車場への集中などによりまして利用効率の悪いものとなっておりましたこと。また、中心市街地内で新たな駐車場を整備することは地価高騰等により極めて困難な状況にあることから、既存駐車場の有効利用が望まれておりましたわけでございます。 こうした状況を改善するため、個々の駐車場の満車や空きぐあいの情報をあらかじめドライバーに知らせ、空き駐車場に案内することにより、駐車待ちや駐車場探しの自動車を減少させ、交通混雑の解消と駐車場の有効利用を図るため、先生おっしゃいますように、昭和六十二年度補助事業により本システムの整備に着手し、平成元年度に供用開始したものでございます。
○秋山肇君 いろいろメリットがそれで出てきたわけですが、このシステム導入後、システム整備に伴う整備効果調査を二回実施しており、その結果、一、入庫台数が増加した。二、特定の駐車場に集中していた車が満空案内により近隣の空駐車場に駐車するようになったので、駐車場の利用率が高まると同時に平準化された。三、デパート等特定休日のある駐車場は、休日情報が提供されるので便利となった。こういった評価がされているようであります。当局においては高崎市のこの駐車場案内システムの導入についてどのような見解をお持ちですか。
○説明員(荒木英昭君) 駐車場案内システムの整備は、駐車場の有効利用を図ることによりまして、結果として駐車場整備にも匹敵する効果があることは、今先生おっしゃいますように、むだな駐車場探しの交通が減りますので、駐車場の有効利用だけではなくて、都市交通の円滑化にも寄与しているというふうに評価しております。したがいまして、当高崎市の場合にも、先生おっしゃいますように、前後の効果の調査をいたしますと、駐車場の利用率が二〇%ぐらい上がったようでございますが、中心市街地や商店街の活性化に大きく貢献しているのではないかと思っております。したがいまして、今後も積極的にその整備を推進していきたいと考えております。
○秋山肇君 警察庁においても駐車誘導システムに取り組んでいるようですが、その内容と効果はどのようなものですか。
○政府委員(関根謙一君) 警察でも数年前から、神戸市、福岡市、倉敷市等全国で約二十都市において駐車誘導システムを構築しているところでございます。内容は、警察の交通管制センターとリンクいたしまして、事故や渋滞の情報と行き先地における駐車場の空きぐあい等の情報とを組み合わせるということで情報提供をしております。駐車場の満空の状況はもとよりでございますが、その経路における事故の状況ですとか、駐車場周辺の交通渋滞状況等も提供しております。若干自治体が構築しているものと違うところもありますが、今後とも自治体や民間駐車場とも協力をいたしまして、交通管制センターの機能を生かしたそういう駐車誘導システムを構築するように努力してまいりたいと考えております。
○秋山肇君 次に、横須賀市の駐車場行政指導についてお伺いいたしますが、横須賀市ではこのほど、ビルやマンションを建てる場合、計画戸数分の駐車場を設けるよう行政指導に乗り出したと聞いておりますが、これはどのような内容でしょうか。
○説明員(島崎勉君) 横須賀市の駐車場に関する指導要綱でございますが、御指摘のとおり、マンションの建築に対する中高層建築物指導要綱に基づいて指導を行っているというふうに聞いております。具体的には指導要綱自身には明文上の規定はないわけでありますが、実際に建築物をつくる場合に建築主に対して事前の相談願いを出させるということで、その相談の際に一戸一台の駐車施設の義務を行政指導するという方法でやっているというふうに聞いております。
○秋山肇君 それが横浜市では中高層マンションの延べ面積が二千平方メートルを超える場合二〇%から三〇%の駐車場設置を義務づけた上、口頭でできる限り多くと指導しているようですが、一〇〇%設置の行政指導というのは全国的に見ても珍しいというか初めてなんだと私は思うんですが、横須賀市の試みに対してどう思われますか。
○説明員(島崎勉君) 私どもで把握している限り におきましては、一戸に一台の駐車場まで要求しているという公共団体は先生おっしゃいますようにほとんどない状況でございます。 この横須賀市の例につきましては、いろいろの観点からその指導方法も含めてよく考えられた試みだというふうに思いますが、一方ではいろいろ周辺の駐車場の利用の可能性ですとか、それから敷地内の空地利用をして駐車するというようなケース等いろいろあると思いますので、全国的にどこでもかしこでも一戸に一台というふうに義務づけるということに関しましては、事業者の理解と協力のもとに余り行き過ぎにわたらないような配慮も一方では必要であろうというふうに考えております。
○秋山肇君 一〇〇%というのは大変な負担になるのじゃないかと思うんですね。 さらに、建設省においても駐車場情報を含めた渋滞などの交通情報を自動車内のディスプレーに表示する路車間情報システムを開発中と聞いておりますが、このシステムの進行状況はどのようになっておりますか。
○説明員(小野和日児君) 路車間情報システムは、今先生お話しになりましたように、自動車に現在位置、行き先案内、それから渋滞等の道路交通状況等を自動的に伝えるシステムでございます。昭和六十一年度から建設省と民間二十五社が官民共同研究で開発に取り組んできておりますけれども、基本的な機能試験が終わったところでございまして、現在実用化に向けて詰めを行っている段階でございます。関係機関と連携をとりながらなるべく早く実用化したいと考えております。
○秋山肇君 行楽地における駐車場対策についてお伺いしますけれども、休日の行楽地や都心部のショッピング街などでは曜日やシーズンによって特に駐車の需要の発生が多くなるわけで、また各地で盛んに開催されております地方博覧会など一定期間のみ必要とされることもあり、これらについては臨時駐車場等を利用してしのいでいることが多いようです。根本的には広域の駐車場案内や誘導システムなど全体として駐車施設の効率的な活用を図ることが必要ではないかと思いますが、行楽地や催事場での駐車場対策についてはどのような対策をお考えですか。
○政府委員(関根謙一君) 例えば現在大阪で開催中でございます花と緑の博覧会の会場等周辺におきましては、駐車誘導システム、いろいろな仕組みを考えまして、それで観客の方々の駐車を一定の場所に秩序あるように整備すべく誘導に努めているところでございます。そのほか各種イベントでの駐車需要に対しまして適切に対応すべく警察としても努力しているわけでございますが、いずれにしても日常的な駐車誘導システムの整備がまず必要でございます。 先ほども御答弁申し上げましたが、交通管制センターの機能を生かした自治体、民間駐車場との連携のもとにおけるこの種の駐車誘導システムの構築にさらに努めてまいりたいと考えております。
○秋山肇君 民間がやっている駐車場に無断で車をとめられていた場合、この車を警察では処理をしてくれないわけですね。そうすると、この車の扱いについては大変困るということをよく駐車場をやっている人に言われております。このときにどういう処置をしたら一番いいのかお答えをいただきたいと思います。 それから、先日、交通制御工学の先生が調査された結果によりますと、都内で毎日二十万台もの違法駐車があるけれども、交通の円滑化や安全上から排除しなければならないのは渋滞交差点周辺など五%未満で、あとの九五%は許容しても交通上の実害がないものということでした。五%未満となるとちょっと極端なような気もするんですが、要は単に全面駐車禁止に規制するばかりでなく、本当に必要なところだけ駐車禁止にして、そこに関してはとめたらすぐに排除するといったように、答弁にいつも出てきますけれども、もっとめり張りをつけた対策を講じるべきではないかと思いますが、このような意見があることに対して長官はどのようにお考えですか。
○政府委員(関根謙一君) 民間駐車場の中に置き去りにされたり勝手にとめられた車両についての措置につきまして、まず私から御答弁申し上げたいと存じます。 この種の自動車はいわば駐車場の経営者の方とその無断で駐車をしている方との間の民事上の問題でございますので、話し合いで円満に解決していただくことを期待しておりますが、ただ、無断駐車車両によっては他の車両の出入りができないことになるというような場合もございまして、実害が生ずるような場合がございます。そのような場合にはその車両の持ち主を調査して、撤去するように警察の方でお手伝いをするというようなことも努めているところでございます。
○政府委員(金澤昭雄君) 駐車の規制と取り締まりに対するめり張りの問題でございますが、まず駐車の規制の問題につきましては今お話にありましたように五%というのはちょっと、その程度かどうかというのは疑問があるところでございますけれども、何せ二十万台、十八万台という違法駐車を全部検挙するということは到底不可能でございますから、やはり規制としましては必要なところは規制をする。交通の安全と渋滞円滑化にさほど支障のないところは、まずそういうところの規制はできるだけ見直しをしていくということが必要だと思います。また、短時間の駐車の必要性につきましては、例のパーキングメーター、パーキングチケットということでそういう設備を設けて短時間駐車を認める。また、日曜祭日のようなそういう日につきましては駐車規制の問題をもう一遍見直す。こういう見直しが必要になってきておると思いますし、現にその見直しをやりながら駐車禁止規制の一部解除をやっておるところでございます。 したがって、規制の方もめり張りをつけていく。それに伴います取り締まりの方につきましては、これはずっと説明を申し上げておりますように、悪質、迷惑、危険というような観点から、例えば交差点周辺でありますとか、また幹線道路で非常に他に迷惑を及ぼす、こういうところを中心に現在も取り締まりをやっておりますが、今後ともこの辺の方針を第一線の方に徹底をさせていきたい、かように考えております。
○秋山肇君 これは答弁要りませんが、そこに駐車場があってもなかなか入れないで、銀座の場外馬券売り場の隣に駐車場がありながら違法駐車がいっぱいあるというようなのは、なかなか運転者のモラルに反しているんで、これは運転者の良心に任せるしかないのかなと私自身も思うわけですけれども、ぜひ今御答弁のように実行していただきたいと思います。 次に、路肩走行車両の問題についてお聞きいたします。 よく高速道路の渋滞のときに見かけるんですが、路肩を走行する車両があります。渋滞のときには、走行車線で身動きできなくなった車両から近くのサービスエリアへ行くために路肩を横切る女性や子供が多く、そこをすごいスピードで走行する車が極めて危険であると考えます。この路肩走行車両の検挙率はどのくらいでしょうか。
○政府委員(関根謙一君) 路肩走行は人々の公平感を害し、交通秩序を乱す悪質、危険な違反という認識で取り締まりを行っておるところでございますが、昭和六十二年ぐらいからの件数を申し上げますと、六十二年が六千五百件余り、六十三年が一万件余り、平成元年が一万二千件弱、そして平成二年、ことしでございますが、一月から五月までの間に約五千件弱ということで、年々この取り締まりの件数はふえてきているところでございます。
○秋山肇君 この路肩走行は、ドライバーのマナーの問題ととらえることもできますが、路肩の持つ本来のあり方から判断しますと、他のドライバーに与える影響も大きく、事故が起きてからでは済まないと思います。この路肩走行車両に対して、当局では今後どのように取り組んでいかれますか。
○政府委員(関根謙一君) 先ほども申し上げましたように、路肩走行は人々の公平感を害しますし、また路肩の本来の機能から申しましても緊急車両の走行を妨げるなどいろいろ問題もございます。 ただ、これは先生、先ほど御指摘でございますように、いわばモラルの問題かと存じます。これを取り締まりのみによって対応するということはなかなか困難でございます。 そこでまず、路肩走行を防止するための広報啓発活動でございますとか各種の講習会における運転者教育の機会を通じまして、そのようなモラルの向上に努めたいと存じております。あわせまして、高速道路における走行の問題につきましては、白バイ隊を高速道路に上げまして、この路肩走行についてチェックするように努めてまいりたいと考えております。
○秋山肇君 ついつい混んでいると、左側があいているとすっと通れるから走りたい気持ちになるのはわかるんですけれども、これはかなり厳しくしていかないと大きな事故につながると思いますね。 次に、県警レベルの取り組みについてお伺いします。 富山県において、速度感知器と信号制御装置をドッキングさせた暴走抑止システムが運用を開始したということですが、その後の運用状況はどのようになっておりますか。
○政府委員(関根謙一君) 富山県警察が設置をいたしました暴走抑止システムは、平成元年十一月二十五日から運用を開始しているところでございます。その開始前後の三カ月で事故件数をとってみますと、設置前が二十一件発生していたのに対しまして、設置後はこの道路におきましては十件ということで大幅に減少しております。さらに、平均の走行速度、これは夜間、夜十時から明け方の朝の六時までの間の暴走行為を抑止しようというものでございますが、この時間帯における平均走行速度が設置前は八十四キロほどでございましたが、設置後は規制速度の六十キロに近い六十四キロということで、効果はかなりあるものと考えております。
○秋山肇君 増加している幹線道路での交通事故防止にかなり効果が上がっているというふうに思うんですけれども、今のスピードのあれからすると、かなり効果が上がっているんではないかと思います。当局としては、このシステムについてどう評価し、今後どのように普及させるお考えですか。
○政府委員(関根謙一君) 最近特に増加しているのが夜間における交通事故でございますが、夜間における交通事故の発生の最大の理由は、スピードの出し過ぎにあろうかと存じます。そこで、夜間における交通事故防止の観点から、主要な幹線道路にはこのような暴走の抑止システムを整備してまいりたいという考えでございます。 その整備の仕方でございますが、来年度から第五次の交通安全施設等整備五カ年計画が始まりますので、その機会等を利用いたしまして整備拡大を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○秋山肇君 次に、保険制度の問題点についてお伺いいたします。 現在の交通事故に関する保険制度というのは、自賠責保険や任意保険というものがあり、その保険金も事故の増加に伴い高額化してきております。この自賠責保険や任意保険は現在どのような制度内容になっておりますでしょうか。
○説明員(磯田壯一郎君) お答え申し上げます。 まず、自賠責の方でございますが、いわゆる自賠責保険と通称しておりますのは、自動車損害賠償保障法という法律に基づきまして、車の運行の用に供する者、運行供用者と呼んでおりますが、この方々が車の運行によりまして事故を起こしました際、他人の生命とかそれから身体を害しました際に、その損害につきまして賠償の責めに任ずることに法律上なっておるわけでございます。この法律を担保いたしますために、車の運行供用者に対して強制的に保険をつけさせているわけでございまして、これが自賠責保険と呼ばれる保険でございます。 この場合、最低限の保障ということで、死亡の場合に最大限二千五百万円まで保険金が出るように一応制度として担保されておるということになっております。
○説明員(山本晃君) 私の方からは、任意自動車保険についてお答え申し上げます。 まず、任意自動車保険の概要でございますが、対人事故によります法律上の損害賠償責任を担保いたします自賠責保険の上乗せとなります対人賠償責任保険、これが一つございます。それからもう一つは、対物事故による法律上の損害賠償責任の負担を担保します対物賠償責任保険というのが二つ目にございます。 そのほかのものといたしましては、車両に損害が生じた場合に支払われます車両保険、それと自動車に搭乗中に死傷した場合に支払われます搭乗者傷害保険、また自損事故によりまして自賠責保険の対象外となった場合に支払われます自損事故保険、これは対人賠償責任保険に自動附帯されているものでございます。そのほかのものといたしましては、事故の相手方に法律上の損害賠償を請求できる場合で、当該相手方の自動車が無保険である場合に支払われます無保険車傷害保険、こういった制度になっておるところでございます。
○秋山肇君 車を所有している人の、自賠責保険というのは、これは強制ですから一〇〇%と言っていいんでしょうけれども、任意保険の加入率はどのように推移してきておりますか。
○説明員(山本晃君) お答え申し上げます。 任意保険のうち一番問題になりますのが対人賠償責任保険の普及率でございますが、これは昭和六十年度が六一・六、六十一年度が六二・二、六十二年度が六三・〇、最新で一番数字がとれるところは六十三年度末でございますが、六四・一%ということで、毎年着実に上昇しているところでございます。このほか、農協共済等に加入しているものも約一六%程度ございますので、これを合わせますと、六十三年度末の普及率は約八〇%程度となるということでございまして、この普及率を算出するに当たりましては自動車保有台数を基準としておりますので、この中には中古車として流通段階にあるもの等も含まれておりますので、実質的には普及率はかなり高くなっているのではないかというふうに考えております。
○秋山肇君 現在の制度を見てみますと、保険が車に対して掛けられていると思うんですね。保険料は事故が起きた場合次の年から何%か増加し、事故を起こさないと無事故割引で何%か減額されることになっておるわけですね。そうすると、現在のような車社会においては一人で何台か乗るケースや一台に複数の人が乗るケースがあり、個人で事故を起こそうが同じ車でない限り保険料の面に関しては増減が関係してこないことになるわけだと思います。としますと、これまでの調査から見てもわかりますように、違反や事故を起こす人は何度も起こすわけですし、起こさない人は全然起こさないわけです。違反や事故を何度も起こす人と起こさない人が同じ保険料というのでは不公平ではないかと思います。そのような意味からいくと、現在自動車に対して掛けられている自動車保険をドライバー個人に掛けるようにした方がいいのではないかと思うんですね。そうした上で、違反や事故が多い人にはその頻度に応じて保険料をアップし、違反や事故が少ない人に対しては保険料を割引するというような配慮をすることによってドライバーの安全運転の促進に、促進という言葉はいいかどうかわからないんですが、直結すると思うんですが、この点、大臣、何かお考えがありますか。
○説明員(山本晃君) お答えいたします。 任意自動車保険の対人賠償責任保険は、自賠責保険の上乗せとして自賠責保険が車両単位で付保されているということから任意保険も車両単位に付保されているわけでございます。 なお、他人の車で事故を起こした場合の担保と いたしまして、大部分の自家用車は他車運転危険担保特約、これが対人、対物賠償責任保険に自動附帯をされておるわけでございますが、この場合、まず事故を起こした車に付保されております対人、対物賠償責任保険が優先されるということになっておりますので、委員御指摘のように事故を起こした運転者の保険に関してはメリ・デメが働かない場合があると考えられるわけでございます。ただ、他人の方の車に例えば家族限定がついている場合、あるいは年齢条件が付されておりましてその年齢条件に合致しない場合には、当該事故の保険は対象とはなりませんで、事故を起こした本人の他車運転危険担保特約が適用されるということになりますので、この場合にはドライバー本人のメリ・デメに反映をされるということになるわけでございます。 いずれにいたしましても、事故が起こった場合には、もちろん保険料負担の公平性という問題が当然あるわけでございますが、この自賠責保険に上乗せされております自動車保険といいますものも、まずは第一義的には被害者救済、こういう観点が重要かと思われるわけでございます。そういった観点からは、だれが運転していてもその車の保険で損害がてん補されるという、車単位に付保した方が被害者救済という点からは実益が大きいのではないかというふうに考えられるわけでございます。 仮にドライバー単位に付保するということになりますと、家族が一台の車を保有する場合の保険料負担の公平の問題、あるいは運転する頻度の少ないドライバーが逆に無保険となる可能性が高くなる、こういった問題もあるわけでございます。確かに委員御指摘のような事故の形態というものもあるわけでございますが、通常の事故の形態は自分で保有している車による事故が大半であるというふうに考えられること等から、自動車保険をドライバー個人に掛けるということについては、特に被害者救済という観点から現状では慎重にならざるを得ないというふうに考えております。
○秋山肇君 私が何でそんなにこだわるかというと、せっかく警察で春秋の交通安全運動で優良運転者表彰というのをして、署長表彰からだんだん、最後は県警、東京で言えば警視庁、警視総監というあれになるんでしょう。最後は金賞かな、金のあれですね。そういう人たちが今言っているように、そういうもらう人ばっかりじゃないですけれども、個人で気をつけている人たちに、保険制度というのは、これだけ車も多くなれば運転者も多くなるわけですから、この保険のシステムというのは変えていったらいいんじゃないかなと思ったから質問したんですが、ちょっとこれは大臣は何かお考えありますでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) いや、考えも何もありませんけれども、先生の御指摘されたアイデアはおもしろいなと。生命保険でも、言っては悪いけれども年齢差もありますし、お医者さんの診断を受けて、個人格差はあるわけですから、任意保険の制度でやったらそれもまた一つの知恵かなと。わけて、これから車社会であっちこっちへ行ってレンタカー、いろいろな形で車についた保険よりもドライバー自身の、そういったことはあっていけないことですけれども、そういったときの格差は当然あっていいだろうと。それはしょっちゅう事故を起こしている、毎年事故を起こす常習者の保険と起こさない人たちに対するそういったことは、制度上それは各生保なり損保なりで当然新しいアイデアとして考えていくべきいい提案だなと思って聞いておりました。
○説明員(山本晃君) 委員御指摘のように、ドライバーの安全運転という観点からは、現行の任意保険でもメリ・デメ制というものがございまして、確かにこれは車両単位であるわけでございますけれども、このメリ・デメ制によりまして今最高限でたしか六〇%ぐらいまでの割引になっておるわけでございまして、こういった六〇%の割引を適用されている方が全体の三割ぐらいあるということでございまして、そういう点でも現行制度でも相当の効果は上げているんではないかというふうに私ども考えているわけでございます。 ただ、いずれにいたしましても、委員御指摘のように、ドライバー単位に付保するという方式が全く考えられないかというと、それは必ずしもそういうことではございませんで、ただ保険料負担の公平性あるいは被害者救済、こういった問題も総合勘案しながら、今後とも多角的に検討してまいりたいというふうに考えております。
○秋山肇君 やっぱり免許証を持っている人も多くなるんだし、今のレンタカーの制度なんというのは、日本だってかつてはレンタカーなんか乗っていると何か笑われるのが今は逆に、行楽地に行ってレンタカーを借りるとかいうふうに変わってきているわけでしょう。だから、それはぜひひとつ、新しい行き方というのはなかなか取っかかりにくいんでしょうけれども、勇気を持って取り組んでいただきたいなというふうに思います。 それから次に、今度の改正案の骨子の中にもあるんですが、転落積載物等に係る除去の費用負担についてこれまではどのようになっておったんでしょうか。
○政府委員(関根謙一君) 現在は法律上何ら規定はございませんのですが、しかしながら、多くの場合は運転者や転落積載物の持ち主がわかっている場合にはこれらの方々が負担をしていたところでございます。しかしながら、トラブルも間々生じますし、判明しない場合等もございますので、今回規定の整備を図っていただきたいということでお願いしておるものでございます。
○秋山肇君 これまでは今もお話にありましたが原則的に原因者負担となっているようですが、事故の規模が大きかったり、原因者にその支払い能力がない場合等一部公費負担しているケースがあるようです。撤去や復旧費用に関しては一部であろうとも公費負担すべきではなく、事故を起こした原因者の負担にすべきではないでしょうか。そのためには、任意保険においてその支払いが可能になるような制度内容に踏み込みをすべきと考えますが、その点はいかがでしょうか。
○説明員(山本晃君) 任意保険におきましては対物賠償責任保険がございまして、この対物賠償責任保険によりますと、積載物の転落によりまして、国を含めまして他人の財物を滅失、破損、汚損したことに伴う賠償責任というのはカバーされる仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、例えば積載物の落下によりまして道路が破損したり汚損したような場合には対象となりますが、単に積載貨物が落下しただけの状態では任意保険の対象とはなっていないわけでございます。 通常、貨物を運送している車両を保有する方々あるいは荷主は運送保険、これは自動車保険とは別の分野の損害保険でございますが、運送保険または動産総合保険を付保している場合が多いというふうに聞いているわけでございますが、例えば動産総合保険の場合は、転落積載物の除去については残存物取りかたづけ費用保険金が支払われることになっております。また、運送保険につきましても残存物の取りかたづけ費用についても特約という形で付保することができることになっておりまして、任意保険で担保するということも考えられないことではないわけでございますが、現状では動産総合保険等でカバーされておりますのでそちらが適当ではないのかなというふうに考えておるところでございます。
○秋山肇君 今までは何か落とし逃げというかな、ひき逃げというんじゃなくて落とし逃げの人があったわけでしょう。それで、その処理についてはみんなこういう任意保険の掛けた中から集まった金の中でそれを補てんをするということのようだったですけれども、今回はこういうはっきり条文が改正されたということで一歩前進というか数歩前進だなというふうに思っております。 次に、建築基準法から見た駐車場問題をお聞きしますが、これは先日の予算委員会でもお聞きをしたわけですが、こういう駐車場不足の問題の中で、用途によって駐車場ができない部分というのが多いわけですね。ですから、この問題はぜひひ とつ大臣にもお考えをいただいて、駐車場がつくりやすい状況をつくり出していただきたい。住環境を損ねるからというようなことも、もう各戸に車があるという状況になってくるとそういうこと自体を考え直さなきゃいけないんじゃないかなというふうに思いますので、ぜひこれは前向きに御検討いただきたいと思います。 駐車場についてですが、駐車場にかけられている固定資産税というのは用途地域の中で雑種地扱いというふうになっていると思うんですが、何で雑種で一番高い税金を取っておるんですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 駐車場の土地につきましては、例えば立体駐車場の敷地でございますとか、あるいはスーパーなどに附置されている駐車場というようなものは、これは建物と一体として利用されているということで宅地として評価されるわけでございます。ただ、青空駐車場でございますとか、あるいは鉄骨などの構築物によって駐車施設をつくられている、そういうものの敷地については、御指摘のように雑種地というものを適用いたしまして評価をするということになっているわけでございます。 雑種地というのは、要するに宅地だとか田畑だとかその他の地目に該当しないものを一括して雑種地という形で取り扱う関係上、この範囲が宅地に準ずるようなものから原野に近いものまでずっとあるわけでございます。この評価に当たりましては、土地の位置とか利用状況とか、そういうものを考慮しながら付近の土地の評価との均衡を図りながら評価をしていくという考え方でやっておりますので、一般的に市街地内に所在する駐車場で雑種地の扱いを受けているものは付近の宅地と同じ程度の評価額になるというような扱いになるんではないかと思うわけでございます。
○秋山肇君 答弁に逆らって言うわけじゃないんですけれども、やっぱり雑種地の方が高いんですよね。それで、高いといったって駐車場でお金を取れば高い固定資産税だって払えるじゃないかと税務局長お考えかもしれませんけれども、これを今大臣にお願いしているような用途を変えていただくというのと同時に、この辺ももう少し駐車場の扱いを、田畑とかいういろんな地目の中で、都市化してくると、雑種地というと何にも使っていない地所じゃないか、遊休地の今度の税金かけるぞというようなことになるので、地目としてもう少し市街地では考えたらいいんじゃないかと。 これはグラウンドも雑種地なんですよ、そうでしょう。グラウンドというのはみんなの健康増進のためにといいながら、地目からいくと雑種と、何かよそもの、のけもの扱いみたいな地目なんですけれども、この辺についてどうお考えですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 土地の評価につきましては、先ほども申し上げましたとおり現在は田畑、宅地その他十の地目に分けているわけですが、何にも該当しないというものがございますから、これを一括して雑種地という扱いにしているわけです。 ですから、この雑種地の中には非常に利用効率の高いものから利用効率の低いものまでかなりいろいろなものがまざっておりますので、近隣の土地の評価額というものを参考にしながら大体同じ程度の評価額で評価をしていこうという考え方でやっておりますので、今御指摘のように宅地よりも高いというような評価はちょっと私どもは考えられないんじゃないかなという気がするわけでございます。 駐車場という地目を新しくつくるというのも、これもなかなか現実問題として難しいわけでございますので、やはり雑種地の中の駐車場というものを評価するに当たりまして現在のやり方がいいかどうかという点については、これはまたよく検討もしてまいらなきゃいかぬと思いますが、扱いとしてはやはり雑種地で扱わざるを得ないんじゃないかという感じでございます。
○秋山肇君 私の言っているのは、湯浅さん、もう少しすっきりした何か、やっぱり明治のころに決められたものでずっと来ている。今度の交通問題にしても、皆さんからの質問の要旨というのは時代に合った変え方をしなきゃいけないじゃないかというような質疑があったわけでしょう。ですから、私が言っているのは急に変えるというわけじゃなくて、雑種地は駐車場だけじゃない、いろんなあれありますよ、確かにそれみんな合わないのを雑種地に持っていっているけれども、何かネーミングからいって雑種地というのは余りよくないんじゃないかなという気がするんですね。 ですから、もう少しその辺のところをすっきりしたものにしていただいたらどうかなと思うのと、最後に大臣にお伺いしますけれども、私いろんなあっちに飛んだりこっちに飛んだりしているような質問をしてまいりましたけれども、この駐車場問題を含んだ大都市の問題、今の税の、大したことじゃないネーミングの問題等も含めまして大臣のお考えをお聞きをして私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 私、大臣の御答弁の前にちょっと言わせていただきたいと思いますが、実はこの雑種地という名前は固定資産税の評価基準を決める前に、不動産登記の際に名称が雑種地というのがございまして、これを私どもの方は地目でございますのでそのまま使わせてもらっているというような関係で雑種地という名前を使っているわけでございます。今御指摘の点も含めまして、私どもも将来検討してまいりたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 先ほどからいろいろ多岐にわたる御提言を聞いて、大変勉強させていただきました。こういった現状は現状として難しい問題を抱えていることは事実でございます。これを突破していくのにもう一発で効く特効薬はないわけで、いろいろさまざまな、先ほどから御指摘ございましたように、もう総合的な行政が実ってこなきゃなかなか治らない病であるということだけは間違いありません。したがって、モラルの向上というような内服的な治療ももちろん大切でございます。かといって外科的な療法の都市改造、道路政策を含めての療法も大事でございます。したがって、そういった両面相まって自治体は自治体としての知恵を絞って、そしてお互いに何としても健康体に、もう健康体になれぬかもしれませんけれども、なれぬと言ったら終わりなので、なるように努力するという方向の中でひとつ今日御提案申し上げておる法案の趣旨も生かしていただいて、また先生の先ほど来のいろいろな御提言を各省、各自治体、私たちも含めまして勉強して、そして頑張ってやっていかにゃいかんなと思っております。
○委員長(渡辺四郎君) この際、お諮りいたします。 委員外議員寺崎昭久君から発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、寺崎君に発言を許します。寺崎昭久君。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) ただいま、委員外発言をお認めいただきましてまことにありがとうございました。せっかくちょうだいした時間でございますので、できるだけ簡潔に質問をさせていただきます。 まず最初は、昨年の暮れ、交通事故非常事態宣言が出されましたけれども、これを持ち出すまでもなく、毎日のようにかけがえのない人命が失われ、また傷ついた人が治療に専念されているという昨今の交通事故というのはまことに痛ましいものがあり、また看過し得ない状況にあると思います。とりわけ大都市における交通事情というのは深刻そのものでありまして、これまでにもこうした問題についての質問はなされたかと思いますが、最初に大臣の現状認識及び交通安全対策についての御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 本委員会でも現状認識についてはたびたび述べてまいったところでございますけれども、今日の第二次交通戦争と言われ る実態、そしてまた特に東京や大阪などの大都市区における最も車が生活に密着した利便の、もう欠かせないものになっておりながら、その反面、現実において交通機能を麻痺するような違法駐車を含めて起こっておる現状、こういった認識の上に立って何としてもこれ以上悪化させてはならないという形で、かといってこれは警察の取り締まりだけで解決できる問題ではありません。しかし、何としても車社会のあるべきモラルをまず確立してもらいたい、と同時に、その秩序形成の中で行政の果たすべき役割を各省庁とも一体体制のもとで現状打開に努めてまいりたいということでございます。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) ありがとうございました。 効果的な交通安全対策を講じるには、何といっても交通事故の原因を正確に把握するということが大事だろうと思いますし、また実態を踏まえた対策を的確に行う、それも総合的な見地から行うということが大事だと思います。 この六月に総務庁から交通安全対策に関する調査の結果が発表されました。大臣もお読みになっているかと思いますが、それによりますと、運輸省、建設省、警察庁、その他の省庁も含めて交通事故に関する業務統計、これはなされているけれども相互間には必ずしも互換性がない、あるいはデータの分類がまちまちである、項目にアンマッチがあるというようなことが指摘されております。そのために総合的な観点からの分析がなされていないし、また交通事故現場にいわゆる専門家、医者であるとか心理学者であるとか、そういう専門家が立ち会っているというケースもほとんどない、これは早急に改善するべきだという指摘がございました。私はちょっとこれは初歩的な問題がなされてないのはどういうわけなんだろうかという疑問を持ったわけでありますけれども、事故現場に立ち会うのが一番多い警察庁として、この行政監察で指摘されたような問題点を解消することが交通事故の減少につながるという認識を持っておられるのかどうか、まずその辺からお聞きしたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 私どもも過日総務庁から勧告を受けました「交通安全対策に関する実態調査結果に基づく勧告」の中に挙げられておりますただいま先生御指摘の点、十分意識して対策を講じようとしているところでございます。現在でも交通事故の現場に行く機会が一番多い警察といたしましていろいろの事故の実態調査及び分析を行っているところでございますが、その結果が、統計データの分類基準が異なっていたり、その統計データの相互利用を図るための項目が違っていたりということでお互いに利用することが難しいようなところがございました。その点はとにかく関係省庁と共通の問題でございますので努めて是正するように努めたいと存じます。 あわせまして、専門家の方々、これは交通工学、医学、心理学等の方々でございますが、こういう方々にも現場に来ていただいて総合的な見地からの事故分析をしていただくということの勧告がございます。このことの重要性も十分に認識しておりまして、現在このような措置を講ずべくいろいろと関係省庁とともに具体的な検討に入っているところでございます。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) 今の交通事故統計の活用あるいはありようについて見直しをするということですが、これは責任省庁というのか、窓口省庁というのは総務庁と考えてよろしいんでしょうか。警察庁、いかがでしょうか。
○政府委員(関根謙一君) そのとおりかと存じます。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) 総務庁が働きかけをすれば、当然のことながら警察庁は前向きに対処するというか対応していくというように受けとめておりますけれども、運輸省、建設省も同様に考えておられると思ってよろしいでしょうか。
○説明員(藤川寛之君) 今お話がございました事故のデータを詳細に調査して、それをデータファイルして分析してやるというようなシステム、それにつきましては私どもとしても非常に必要なことだというふうに考えておりまして、私どもといたしましてもこれまでは、特に私どもは土木研究所というのがございますが、土木研究所等におきまして関係する、例えば警察庁の科学警察研究所であるとかあるいは自動車研究所であるとか、そういうところと連携をとりながら具体的な交通事故の情報の処理あるいは分析等をやってきているところでございます。私どもとしてもさらに充実していく必要があるというふうに考えておりまして、今後関係するところといろいろ調整を図りながらこの体制の充実を図っていきたいというふうに考えております。
○説明員(野崎典重君) 運輸省といたしましても、主として車のハード面の安全対策ということで従来より事故解析等に努めてまいったところでございますが、先生の御趣旨のように、この事故問題につきましては総合的な対策が必要であるという認識に立ちまして、今後関係省庁と十分連絡をとって対応していきたいと考えております。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) それぞれありがとうございました。そういう生きた統計をつくっていただくこと、また事故対策に生かしていただくことを期待しております。 ところで、昭和四十五年から五十五年にかけて自動車、二輪車の保有台数というのはおよそ二倍に伸びておりますけれども、交通死者というのは半減しております。このような自動車、二輪車がふえる中で交通死者が半減したという背景とか主な理由というんでしょうか、それについて警察庁に判断をお伺いしたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 二輪車の事故は主として若年ドライバーによるものが多いわけでございまして、私どもこの点に着目をいたしまして若年の二輪車ドライバーに対する安全運転教育に最も力を注いできたところでございます。その成果も一つはあろうかと存じます。それから各二輪車のメーカー等におかれましても、二輪車の安全性というのがいわばセールスポイントと申しますか、それにつながるという意識を多分お持ちなんだろうと思いますが、二輪車の安全性向上のためのいろいろな施設、装備を備えて、若年二輪運転者の教育等に努めております。そういったことが種々合わさりまして現在のような効果をもたらしたものと存じます。たしか、昨年も一昨年に比べて二輪車運転者の事故が総体的に減少していようかと存じます。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) 今ソフト面の御指導についてお伺いしましたが、もう一つハード面でちょっと調べさせてもらいましたところ、四十五年から五十五年の交通安全投資というのは相当伸びておりまして、この統計で見る限りやはり安全に金をかければ交通事故は、とりわけ歩行者の交通事故とかそういうのは防ぎ得るんではないかというように考えたわけでございます。聞くところによりますと、今第五次交通安全施設等整備事業についての計画を練っておられると伺っておりますけれども、今後もぜひそういうハード面の投資にも特段の力を入れていただきたいと思うんですが、今後この五次整備事業にはどういうところに力を入れるのか、あるいは金額的にふえるのか減るのか、そういったこともお話ししていただければ幸いだと思います。
○政府委員(関根謙一君) 交通安全施設の整備は、事故防止のために大変役に立つということは、ただいま先生おっしゃられました昭和四十五年から五十四年に至るまでの過程で交通事故死者数が約半減に近いところまで激減したということからも明らかかと存じます。 そこで、私ども次の平成三年度から始まります第五次の五カ年計画におきましても、交通安全施設の整備が交通事故の抑止につながるという観点から、その充実に努めているところでございます。 内容でございますが、先ほど秋山先生の御質問にお答えをした際に申し上げました夜間事故を抑止するための新型の車両感知器と警告板、それと危険運転車両の撮影装置等をワンセットにいたし ました異常高速抑止システム、これをまず整備したいと考えております。 それから違法駐車問題に対処するために現在福岡県等で整備をしておりますが、テレビカメラとスピーカーとそれから交通管制センターにおけるモニター等がワンセットとなっております違法駐車抑止システム、これも整備をしてまいりたいと考えております。これらの施設整備とあわせまして従前の信号機等の改善等とあわせて交通事故の抑止及び交通渋滞の解消化について大きな効果を期待しているところでございます。
○説明員(藤川寛之君) 道路交通の安全対策の中でハード面でございますが、道路交通環境の整備につきましては建設省の方で担当している部分もございます。その建設省で担当している部分につきましては、警察庁と一緒になりまして、公安委員会と一緒になりまして五カ年計画をつくっておりまして、現在第四次の特定交通安全施設等整備事業五カ年計画というのを実施しておるところでございます。現在次の五カ年計画に向けて私ども中でいろいろ検討しているところでございますが、より交通安全対策の中身を充実していく必要があるというようなことで具体的な検討を進めておりまして、一つはやはり交通弱者であります歩行者、自転車の事故が依然として多いものですから、そういう弱者対策ということで、歩道の整備であるとか、あるいは自転車道の整備であるとか、これを重点的に進めたいというふうに考えております。 それからもう一つは、やはり安全で快適で円滑な道路交通の確保を図ってやる必要があるということで、具体的には例えば交差点の改良でありますとか、あるいは登坂車線の設置でありますとか、そういう対策を引き続き実施したいというふうに考えております。 それから、特に不法駐車が問題になっておりますので、これがやはり交通事故の原因にもなっているところもございますので、駐車対策につきましても、さらに施策の充実を図っていきたいというふうに考えております。 それから道路利用者にやはり適切でわかりやすい情報を提供してやる必要がございますので、そういうわかりやすい道路交通情報の提供というようなことにも配慮したいというふうに考えておりまして、そういう視点で現在具体的な施策の検討をやっているところでございます。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) 夜間の事故、交差点あるいはその付近の事故がとりわけ多いということなのでぜひ重点的にこの辺に施策を当てていただきたいと思いますし、従来にも増した安全施設の整備をお願いしたいと思っております。 ところで今、違法駐車の話が出ましたけれども、この問題について質問をいたします。違法駐車が昨今の大きな問題であるというのは改めて申し上げるまでもありませんけれども、恐らく好んで違法駐車をやっているという人はほとんどいないんではなかろうかと思います。とすれば、とりわけ大都市においては駐車場が足りないということがその背景にあると考えざるを得ないと思います。したがって、この問題を解消しないと、幾ら取り締まりを強化しても、結局一升ますに三升の水を入れるのが難しいのと同様、あふれるものが常につきまとうと考えるのが真っ当な考え方ではなかろうかと思います。 そこで、現在駐車スペースの需給関係というのはどうなっているのか、例えば東京都の例で結構ですから、お尋ねしたいと思います。建設省がよろしいでしょうか。
○説明員(藤川寛之君) 駐車需要とそれから駐車場の供給との関係でございますけれども、私どもこの詳細な統計とかデータというのは不足しているところがございまして、現在私どもで把握しておりますのは道路交通センサスというのを、これは五年ごとに全国的に実施しているわけでございますが、その道路交通センサスでもって把握しているデータがございます。これは昭和六十年に最近では実施しておりますが、全国の自動車の約三%、百四十三万台を対象に自動車の発着地、目的地、駐車場所、駐車時間等を調査したものでございます。それから推計いたしますと、いわゆる車を動かして目的地でとまるという駐車需要でございますけれども、それに限定して予測いたしますと一日に大体六千百十万台の需要がある。ピーク時間でどうなっているかというのを調べてみますと、ピーク時間で大体七百万台の駐車需要があるというふうに予測されます。この七百万台の駐車需要のうち、いわゆる駐車場でありますとか、あるいは空き地とか、いわゆる路上以外にとまっている車を除きますと、路上にとまっている車の台数は百六十万台というふうに予測しているわけでございます。ですから、この路上にとまっている百六十万台についてどういう対応をしていくかというのが今後の大きな課題だというふうに認識しております。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) 今のお話ですとデータ不足であると。道路交通センサスを五年ごとに行っているというお話がございましたが、私は果たしてこの程度の統計で昨今の道路交通の渋滞を解消するとか、あるいは違法駐車を解消するとか、そういうことが可能なんだろうか、そういう施策が果たして打てるんだろうか、五年というと車の台数も年によっては五百万台とかそういう大変な数でふえているわけでありまして、もっとこの需給関係をしっかり把握する、そういう体制が必要なんじゃないかと思います。恐らくこれまでも五年とかその単位で、私から見るとかなり大ざっぱな調査をされてきたんじゃないかなということを懸念しているわけでありますが、実態を刻々とつかむようなそういう仕組みができていれば今日の駐車場難というのも随分緩和されたんではないか、あるいは、先ほど御質問ありましたけれども、建築基準法の問題だとか駐車場の問題とか附置義務の問題も今とは違う形になっていたんではないかというように考えられるわけであります。 やはり交通事故の事故死が一万人を超えた、非常事態だ、原因の一端は違法駐車にあるんだと、そういうことをおっしゃいます。私もそのとおりだと思いますけれども、やっぱり今の駐車場の需給がどういう状態になっているんだという目から見て、今駐車場をこれだけつくらなくちゃいけない、あるいは住宅地の駐車場をこうしようという施策をやらなければいけない、そういうことじゃないかと思うんですが、駐車場の需給について責任を持って統計をとっているという省庁はどこなんでしょうか。
○説明員(藤川寛之君) 今御指摘がございましたように、やはり駐車場対策を進めていく上で駐車場の需給関係をきちっと把握するということは御指摘のとおり非常に重要なことだというふうに私ども考えております。 この駐車場の需給関係でございますけれども、先ほどは全国ベースでどうだということをちょっと御説明させていただきましたが、やはり駐車場の需給関係をチェックするためには、これは都市の規模によっても全然違ってまいりますし、それから地域の、地区ごとの用途がどういうふうになっているか、例えば住宅地なのかあるいは商業業務地区なのか、そういう地区によってもいろいろ需要の特性が違うわけでございまして、やはりそういう都市ごと、あるいは地域ごとの需給をきちっと把握するということが必要だというふうに私ども考えております。 実は私ども昭和六十二年からそういう視点に立ちまして都市ごとあるいはでかい都市ですと地区ごとというんでしょうか、そういうごとに駐車場の需給関係がどうなっているか、そういうものを踏まえて駐車場の整備というのはどうやるべきかというようなことの調査をやっているところでございます。既に平成元年度までに三十五都市につきまして調査を終えました。現在、平成二年度でございますが、現在五十四都市で調査を進めておるところでございます。私どもとしては、こういう調査を進めることによって駐車場の需給実態というのをきちっと把握して具体的な駐車場整備計画を策定し駐車場の整備に対応していきたいとい うふうに考えているところでございます。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) これまでの調査が十分だったか不十分だったか、言ってもせんないことですから繰り返しませんけれども、今おっしゃったように、需要の特性も含めてきちんと把握して、それを都市計画法だとかあるいは建築基準法だとか駐車場法だとか、そういったものに反映して、やはり総合的な対策を持って交通の安全そして円滑な交通というのを確保するようにぜひ御努力いただきたいと思います。 今の問題に関連して若干お聞きしたいんですが、これは建設省です。 建築基準法第四十八条によりますと、第一種住居専用地域では二階建て車庫は認めないとされておりますけれども、一家に二台の時代ということになれば、地下だけじゃなくて、二階建ての駐車場も認めてもいいんじゃないか。 それから駐車場法の二十条に基づく附置義務条例というのが各都市で設けられておりますけれども、東京都なんかの例で言いますと、二百メートル以内の場所に設置してもそれを認めれば駐車場を持ったというようにみなしますよという規定があるわけですけれども、中にはそれを悪用して、ビルはつくった、できたときには駐車場を売っ払ってしまったというケースもあると聞いております。こういうようなことを考えますと、もっと附置義務を強化する、場合によっては違反者には罰則を加えるというぐらいのことをやった方がいいんじゃないかと思っております。 それからもう一つは、公営住宅法等には附置義務すらないわけであります。先日の警察庁の統計でも、例えば軽の四〇%が駐車場なしだということですが、調べた場所が集合住宅の付近であるというようなことを考えますと、やはり駐車場がないということが違法駐車の原因になっている。今後公営、公団住宅あるいは集合住宅を建設する場合には必ず車庫をつくりなさいということを建築許可基準にしてはどうかと思うんですが、この三点について具体的に答えていただきたいと思うんです。
○説明員(島崎勉君) 建築基準法の部分についてお答えを申し上げます。 第一種住居専用地域でございますが、この住居専用地域につきましては主として低層住宅の地域ということでございまして、事務所とか工場等は厳しく制限をしているというような地域でございます。自動車車庫につきましては、今先生おっしゃいましたように、一階または地階に建築されるものについて三百平米以下というような形になってございますが、特にこのいわゆる二段式になっている場合でございますが、二段式になっている場合であってもいわゆる二段目が屋上というような形で屋上を利用するというようなケースの場合には、基準法上の扱いといたしましては一階建てということで扱われることになろうというふうに考えてございます。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) 法律の解釈を私伺っているんじゃなくて、二階建てを認めたらどうですかということを聞いているので、そのことについて答えていただきたいと思うんです。
○説明員(島崎勉君) 第一種住居専用地域は、その住居地域内につくられる建物の高さが基本的には十メートル以下というふうに制限をされている地域でございまして、具体的にはやはり二階建て住宅を主体とした地域ということでございますのでいろいろ環境上の問題もございまして、二階建ての駐車場ということにつきましては慎重な対応が必要ではないかというふうに考えております。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) あとの二つもお答えいただきたいんですけれども。
○説明員(安達常太郎君) お答えいたします。 附置義務関係でございますけれども、平成元年度末で全国百三都市において条例が制定されております。未制定都市がまだかなりございますので、今後いろいろの機会をとらえて重点的に条例の制定を指導してまいりたいと考えております。 それから、附置義務の強化でございますけれども、実は今月の十一日に新しい標準駐車場条例を通達したところでございまして、先生御指摘のとおり基準の強化等よりきめの細かい基準の設定をしたところでございまして、今後ともこの新しい標準条例を公共団体に指導してまいりたいというふうに考えております。さらに、住宅関係の附置義務についても今後見直しについて検討してまいりたいと考えております。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) それじゃ最後の質問をさせていただきます。 今回、登録車にもこの法案ができますと標章を表示させるということになったわけでありますけれども、私は手続の簡素化あるいはユーザーに余り過重な負担をかけないという観点からすれば、ワッペンを張るんであれば、車庫証明制度というのは届け出に変えてもいいんじゃないか。従来は車庫の有無は最初に確認するということになっておりましたが、今回の法改正によりまして後でも車庫の有無を確認する、そしてなければ一定期間の車の使用禁止をするというような措置を講ずることができるようになったわけでありますから、例えば車庫証明制度というのは届け出制に変更しても実効性において支障がないんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(関根謙一君) 今回改正をお願いしております登録自動車関係の制度の改正でございますが、これは主として車庫飛ばしといったような車の持ち方があるところから、これを防止したいということも今回の改正のねらいの一つとしているところでございます。 現在は登録自動車につきましては、車庫証明制度ということで、事前に車庫があることを警察署長において確認をするという仕組みでございますが、その後車庫を引き続き確保していることを保証するためにシールを張るというような仕組みを考えたところでございます。でございますので、現在のシステムをこの際変えるということはいかがかと存じますが、しかしながらその手続につきましては簡略化を図る等、ユーザーの負担の軽減には十分配慮してまいりたいと考えております。
○委員以外の議員(寺崎昭久君) どうもありがとうございました。
○委員長(渡辺四郎君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、道路交通法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(渡辺四郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(渡辺四郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、渕上君から発言を求められておりますので、これを許します。渕上貞雄君。
○渕上貞雄君 私は、ただいま可決されました道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、税金党平和の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、非常事態ともいうべき現下の厳しい 交通事故状況にかんがみ、道路交通における危険の防止及び円滑化を図り、もって交通安全対策に万全を期するよう、左記事項について善処すべきである。 一、第五次交通安全基本計画の作成に当たっては、国、地方公共団体のみならず自動車製造業者等を含む官民一体となったすべての関係者の積極的参加の下、交通事故原因等の総合的な分析体制の整備等、近時の交通情勢の変化に対応した実効性のあるものにすること。 二、厳しい交通情勢の現状に対処するため、第五次交通安全施設等整備事業五箇年計画を量的質的に拡大充実させること。 三、駐車対策の立ち遅れた現状を踏まえ、都市計画や商店街活性化等の総合的観点から、早急に駐車場に対する施策の充実を図ること。特に、駐車場条例の制定促進、附置義務の拡大、大規模住宅団地における立地規制の緩和、荷捌き施設の増設並びに公共施設の地下空間等の積極的活用、駐車場建設に係る助成の抜本的拡充並びに税制面における優遇措置等によって、出発地の保管場所を含む駐車場の整備を強力に推進すること。 四、都市の交通環境の悪化の現状と地域の交通需要等の実態を踏まえ、パーク・アンド・ライド等の積極的推進により、公共交通の拡充に努めること。また、公安委員会は、スクールゾーン、バスレーンの設置等交通の規制を行うに当たっては、地域の交通状況、道路状況、生活環境などの特性に応じた適正な交通量を保持するとともに、安全かつ機能的な交通流を形成するよう配慮すること。 五、駐車取締りに当たっては、駐車禁止規制の見直しを行うとともに、悪質違反者に対する重点的取締りを行い、不公平感を生じないよう配意すること。また、駐車場案内・誘導システムの拡大充実等に努め、駐車違反の予防対策を強化すること。 六、地域交通安全活動推進委員及び協議会の活動については関係市町村長の意見を聴取する等、住民の意見の反映を図るとともに、委員の人選については偏ることのないよう特段の配慮を払うこと。 七、改正の趣旨に照らし、法の的確な運用を図るため保管場所の現認等に努めるとともに、保管場所に係る届出の受理、車庫証明書の発行及び保管場所標章等の交付については自動車保有者の負担軽減を図り、迅速かつ簡略化に努めること。 八、関係業界に対して法改正の趣旨の徹底を図り、自動車の登録時に際し、不正行為が行われないよう強力に指導すること。 九、二法律に係る政令等の制定及びその運用に当たっては、本委員会における議論を十分踏まえること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、皆さん方の御賛同をお願いいたします。
○委員長(渡辺四郎君) ただいま渕上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(渡辺四郎君) 全会一致と認めます。よって、渕上君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、奥田国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。奥田国務大臣。
○国務大臣(奥田敬和君) 道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして熱心なる御討議をいただき、厚く御礼を申し上げます。 政府といたしましては、審議経過における御意見並びにただいまの附帯決議の趣旨を十分尊重いたしまして、駐車対策等の推進に万全の措置を講じてまいる所存でありますので、今後とも御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○委員長(渡辺四郎君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) これより請願の審査を行います。 請願第一〇九号暮らしと福祉を守る地方自治に関する請願外四十六件を議題といたします。 まず、理事会において協議いたしました結果について、専門員に報告いたさせます。竹村専門員。
○専門員(竹村晟君) ただいま議題となりました請願四十七件につきまして、理事会の協議の結果を御報告申し上げます。 理事会におきましては、第一〇九号暮らしと福祉を守る地方自治に関する請願外同趣旨の請願十五件及び第三六九号重度身体障害者が居住する家屋などの固定資産税の減免に関する請願外同趣旨の請願三十件につきましては保留すべきものと決定いたしました。 以上が理事会における協議の結果であります。
○委員長(渡辺四郎君) それでは、理事会において協議いたしましたとおり、第一〇九号暮らしと福祉を守る地方自治に関する請願外四十六件は保留といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、渕上貞雄君が委員を辞任され、その補欠として清水澄子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認めます。 理事の指名につきましては、都合により、後日これを指名いたします。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 地方行政の改革に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十八分散会