地方行政委員会 第5号
- 発言数
- 333 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1990/06/12
会議録
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十一日、栗村和夫君が委員を辞任され、その補欠として細谷昭雄君が選任されました。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) これより地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 まず、平成二年度の地方財政計画について、政府から説明を聴取いたします。奥田自治大臣。
○国務大臣(奥田敬和君) 平成二年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。 平成二年度の地方財政につきましては、累積した多額の借入金残高を抱えるなど引き続き厳しい状況にあることにかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方債の抑制に努めるとともに、地方一般財源の所要額の確保を図り、歳出面においては、地域住民の福祉の充実と地域の特性を生かした魅力ある地域づくりを推進するため必要な事業費を確保する等限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹することを基本としております。 以下、平成二年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。 第一に、地方税については、最近における社会経済情勢等にかんがみ早急に実施すべき措置を講じることとしております。 第二に、国民健康保険制度の見直しに係る額及び国庫補助負担率の暫定措置による影響額については、地方団体の財政運営に支障が生じることのないよう措置しております。 第三に、地方財政の中期的健全化を図る見地から、財源対策債償還基金の計上、交付税特別会計借入金の一部返済等所要の措置を講じることとしております。 第四に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、地域づくりを進めるとともに、住民生活に直結した社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、住民生活の安全の確保等を図るため必要な事業費の確保等所要の措置を講じることとしております。 第五に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることといたしております。 以上の方針のもとに、平成二年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、六十七兆一千四百二億円となり、前年度に比し、四兆三千六百七十五億円、七・〇%の増加となっております。 以上が、平成二年度の地方財政計画の概要であります。
○委員長(渡辺四郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。持永財政局長。
○政府委員(持永堯民君) 平成二年度の地方財政計画につきましては、ただいま自治大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして補足して御説明をいたします。 地方財政計画の規模は、六十七兆一千四百二億円で、前年度に比較いたしまして四兆三千六百七十五億円、七・〇%の増加となっております。 まず、歳入について御説明いたします。 地方税の収入見込み額は、道府県税十四兆三千三百九十三億円、市町村税十六兆四千五百十四億円、合わせて三十兆七千九百七億円であります。前年度に対し道府県税は一兆三千六百五十三億円、一〇・五%増加し、市町村税は七千七百九十三億円、五・〇%増加しております。 なお、平成二年度の税制改正としては、住民負担の軽減及び合理化等を図るため、個人住民税について所得割の非課税限度額及び個人年金保険契約等に係る生命保険料控除額の引き上げ等を行うとともに、三大都市圏の特定市の市街化区域における特別土地保有税の特例の適用期限の延長等を行うこととしており、五百二十二億円の減収を見込んでおります。 また、地方譲与税の収入見込み額は、総額一兆八千四百九億円で前年度に対し、三千八百七十五億円、二六・七%の増加となっております。 次に、地方交付税につきましては、平成二年度の所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれ一定割合の額の合計額十五兆二千七百五十一億円に特例措置分二百三十億円、返還金三億円を加算した額から、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例措置額のうち返済を要する額の一部返済額二百三十億円、交付税特別会計の借入金の一部返済額一兆四千百六億円及び同特別会計の借入金の利子負担額一千五十三億円を控除した額十三兆七千五百九十四億円を計上いたしました結果、前年度に対し一兆二千九百四億円、一〇・三%の増加となっております。 国庫支出金は、総額十兆二千五百二十一億円で前年度に対し、一千五百七十七億円、一・六%の増加となっております。 次に、地方債につきましては、普通会計分の地方債発行予定額は五兆六千二百四十一億円で、前年度に対し六百四十九億円、一・二%の増加となっております。 なお、地方債計画全体の規模は八兆八千四十四億円で、前年度に対し七億円の減少となっております。 また、使用料及び手数料並びに雑収入につきましては、最近における実績等を勘案した額を計上いたしております。 以上の結果、地方税、地方譲与税及び地方交付税を合わせた一般財源の合計額は、四十六兆三千九百十億円となり歳入全体に占める割合は前年度に対し一・三ポイント増の六九・一%となっております。 次に、歳出について御説明いたします。 まず、給与関係経費についてでありますが、総額は、十八兆三千百六億円で前年度に対し九千二百九十八億円、五・三%の増加となっております。職員数につきましては、教育関係職員、警察職員及び消防職員について所要の増員を見込むとともに、一般職員については、国家公務員の定員削減の方針に準じ、定員合理化を行い、職員数の純減を図ることといたしております。 なお、昭和六十三年地方公務員給与実態調査結果に基づき、所要の是正を行うことといたしております。 次に、一般行政経費につきましては、総額十二兆八千六百三十八億円、前年度に対し五千五百七十九億円、四・五%の増加となっておりますが、このうち国庫補助負担金等を伴うものは五兆八千四百二十二億円で、前年度に対し二千百九十八億円、三・九%の増加となっております。国庫補助負担金を伴わないものは、七兆二百十六億円で、前年度に対し三千三百八十一億円、五・一%の増加となっております。 この中では、社会福祉関係経費を充実するほか、高等学校以下の私立学校に対する助成経費として三千二百二十四億円、地域づくり推進事業に要する経費として三千三百億円、災害等年度途中における追加財政需要に対する財源として五千五百億円等を計上いたしております。 公債費は、総額五兆九千二十三億円で、前年度に対し二千六百六十七億円、四・三%の減少となっております。 次に、地方財政の健全化に資するため、財源対策債償還基金二兆七百五十三億円を計上いたしております。 維持補修費につきましては、前年度に対し百五十五億円、二・一%の増、七千六百九十二億円を計上いたしております。 投資的経費は、総額二十一兆三千五百五十億円で、前年度に対し八千十四億円、三・九%の増加となっております。このうち、直轄・補助事業につきましては、九兆二千九百十二億円で、前年度に対し百三十三億円、〇・一%の増加となっております。 地方単独事業につきましては、地域の経済の振興を図りつつ、地域の特性を生かした自主的、主体的な地域づくりにより住民生活に身近な生活関連施設等の積極的な推進を図ることができるよう所要の事業費を確保することとし、前年度に対し、七千八百八十一億円、七・〇%増の十二兆六百三十八億円を計上いたしております。 また、公営企業繰出金につきましては、上下水道、交通、病院等の国民生活に不可欠なサービスを供給している事業について総額一兆八千四百四十億円を計上いたしております。 最後に、地方交付税の不交付団体における平均水準を超える必要経費については、税収入の状況等を勘案して所要額を計上いたしております。 以上をもちまして、地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
○委員長(渡辺四郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。奥田自治大臣。
○国務大臣(奥田敬和君) ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 地方財政の状況にかんがみ、平成二年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるとともに、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、地方交付税の単位費用を改正する等の必要があります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。 まず、平成二年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に特例措置額二百三十億円を加算した額から、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例に係る一部返済額二百三十億円、交付税特別会計借入金利子支払い額千五十三億円及び同特別会計借入金償還額一兆四千百六億円を控除した額とすることとしております。 また、平成三年度から平成八年度分までの地方交付税の総額につきましては、新たに二千二百七十九億円を加算することとしております。 次に、平成二年度分の普通交付税の算定につきましては、地域経済の活性化・自主的な地域づくりの推進等地域振興に要する経費、道路・街路・公園・下水道・社会福祉施設・清掃施設等住民の生活に直結する公共施設の整備及び維持管理に要する経費、教職員定数の改善・学習用教材用具の拡充・私学助成の充実・生涯学習の推進等教育施策に要する経費、高齢者の保健及び福祉の増進・生活保護基準の引き上げ等福祉施策に要する経費、地域社会における国際化・情報化への対応及び芸術文化の振興に要する経費並びに消防救急対策等に要する経費の財源を措置することとしているほか、地方財政の健全化を図るため財源対策債償還基金費を設けることとしております。 以上が地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(渡辺四郎君) 次に、衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員野中広務君から説明を聴取いたします。野中広務君。
○衆議院議員(野中広務君) ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、衆議院における修正の理由とその内容について御説明申し上げます。 御承知のように、さきの税制改革における消費税の創設に伴い、その約四〇%が地方交付税及び消費譲与税として、地方団体の行政運営の財源となっているところでありますが、今国会には、消費税に関して、政府からいわゆる見直し法案及び野党四会派から廃止関連法案が提出され、税制問題等に関する調査特別委員会を中心に審議が行われております。 このような状況にかんがみ、今回の税制改革に伴って地方団体の財政運営に支障が生ずることのないようにする見地から、修正を行ったものであります。 修正の内容は、政府原案の附則に次の一項を加えることとするものであります。すなわち、「消費税に係る今回の税制改革に当たっては、平成二年度及び平成三年度以降において、地方交付税法の趣旨に基づき、地方財政の円滑な運営に資するため地方交付税の総額の安定的な確保が図られることとする。」ものであります。 以上が衆議院における修正の概要であります。
○委員長(渡辺四郎君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○篠崎年子君 私は、まず基地交付金についてお尋ねをしたいと思いますが、その前に少し意見を述べさせていただきたいと思います。 言うまでもありませんが、ソ連のゴルバチョフ大統領によるペレストロイカ以降、世界の情勢は大きく動きました。米ソの核軍縮話し合い、ソ連大統領の訪米など、東西対決から東西協調へと変わりました。ソ連のヨーロッパにおける軍縮、米軍のアジア駐留軍の縮小も行われようといたしております。これらの情勢につきまして政府の見解は、これはヨーロッパのことであり、アジア・太平洋地域では依然としてソ連の脅威はあるとしておりましたが、先ほど来からの国会審議の中で、その見解は少しずつ変わってまいりました。いずれにせよ、今後の問題として平和憲法を有する我が国が率先して防衛力の削減を行い、アジア・太平洋地域でも軍縮と協調をつくり出すための努力をすべきではないかと思っております。 さて、私は米軍及び自衛隊の基地がある佐世保に住んでおりますので、基地問題には特に深い関心を持ってまいりました。全国的に基地が置かれている市町村は、地域の差はありますが、地方に行くほど基地経済に依存している比率が高くなりがちです。しかし、また一方では大切な土地や港湾、あるいは空を基地に提供しているため、その地域の開発、発展が阻害されてきたことも事実であります。私はできるだけ基地は縮小、撤去した方がよいと思いますが、現に至るところに基地があり、それに依存した地域経済もあるわけですから、本日は、まずいわゆる基地交付金について質問いたしたいと思います。 いわゆる基地交付金と言われる国有提供施設等所在市町村助成交付金、これは固定資産税の代替的なものだと承っておりますが、その性格について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 基地交付金は、ただいま御指摘のような、米軍や自衛隊の施設が市町村内の区域に広大な面積を有していたり、かつこれらの施設が所在することによりまして市町村の財政にもいろいろと影響を及ぼしているということを考慮いたしまして、固定資産税の代替的な性格を基本としながらも、これらの施設が所在することによる市町村の財政需要に対処するための財政補給金としての性格をあわせ有するというふうに私ども考えておりまして、基本的には固定資産税の代替的な性格を持ちますが、一方で財政補給金的な性格もあわせ持つと、こういう性格と理解をしているところでございます。
○篠崎年子君 そういうことに基づきましてさらにお尋ねをいたしたいと思いますが、今年度の地方財政計画ではこの基地交付金は二百八億円で前年度と同額に据え置かれておりますが、その理由は何でしょうか。平成元年度、九年ぶりに増額したことは承知しておりますけれども、昭和六十三年度に比べて八億円、四・〇%の増にすぎません。先ほどの御答弁にありましたように、いわゆる基地交付金が固定資産税の代替的な性格を有するものであれば、今回はどのように考えてこれを計画をされたのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 基地交付金は、先ほど申しましたとおり、固定資産税の代替的な性格を有するとともに財政補給金的な性格もあわせ有するものでございまして、国の予算編成上の取り扱いといたしましては補助金などの一種として取り扱われているわけでございます。このために国の財政状況が極めて厳しい中で、いわゆるこの厳しいシーリングの制約の中で、毎年度の予算編成において国の財政状況などを勘案しながらその額が決定されているわけでございます。こうした結果、昭和五十七年度以降七年間何とか据え置いてきたわけでございますが、この据え置き自体が自治省所管の予算の中では大変な努力を要した問題でございます。さらに、今御指摘のように平成元年度には約四%の増額を確保して今日に至っているわけでございまして、この厳しい国の予算編成の中で平成二年度におきましては平成元年度と同額の基地交付金の額を確保することができたわけでございまして、この額を確保すること自体が大変厳しい情勢の中で行われたというふうに御理解を願いたいと思うわけでございます。 そういう意味で、今後のこの基地交付金の総額の確保につきましては、この基地交付金の性格あるいは基地所在市町村の置かれております実情等を十分に考慮しながら、その所要額の確保について今後とも努力をしてまいりたいと思っているところでございます。
○篠崎年子君 ただいま大変な努力をしてということの御説明がありましたけれども、固定資産税の場合は三年に一度の割合で評価がえが行われているわけです。ところが五十六年度から六十三年度まではそのまま据え置かれているわけですね。大変御努力をされたということですけれども、私どもから見ますとまだ御努力が足りなかったんじゃないかというふうな思いがいたしますが、その点はさておきまして、固定資産税の場合は三年に一度の割合で評価がえが行われておりまして、税負担の高いところについては地方税法の改正の際に負担調整措置を講じてきたものだということですけれども、先ほど来からたびたび申しておりますように、基地交付金が固定資産税の代替的なものであるとすれば、評価がえに応じた見直しが絶えず必要になってくるのではないかと思っております。その意味で五十六年度から六十三年度までの間というのはどういうふうな評価がえが行われたんだろうかということで、さらにお尋ねしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 基地交付金の配分の基礎となりますそれぞれの資産の価格と申しますか、資産の価値というものは国有財産の台帳価格によりまして算定するわけでございますが、これは御案内のとおり国有財産法に基づきまして大蔵大臣の定めるところによって各省庁の長が五年ごとにこの価格を改定することになっているわけでございます。そういう意味で次回はたまたま平成三年の三月三十一日がこの改定時期に当たっているわけでございますが、この基地交付金を配分するに当たりましては、この台帳価格というものを基礎にいたしまして、全基地所在の市町村にその財産価格に応じた配分を心がけるということでやっているところでございますが、総額そのものにつきましては先ほど申し上げましたとおりの国の非常に厳しい財政状況の中で、自治省予算の中で何とか据え置きを確保するというのがやっとの状況であったということをぜひ御理解をいただきたいと思うところでございます。
○篠崎年子君 そうしますと、その意味でまいりますと、来年度、今お話がありましたように固定資産税の次の評価がえになるということで、そのときにはかなりの御努力をしていただけるものでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 明年度の予算編成につきましては、これから財政当局がいろいろと予算編成方針あるいは概算要求の要求のやり方等について検討をするということになると思いますが、私どもといたしましては、先ほど申しましたとおり基地交付金の性格やこの基地の置かれている市町村の実情というものを十分考慮いたしまして、その所要額の確保に努めなければならないと考えているところでございます。
○篠崎年子君 くどいようですけれども、念のため土地についての評価がえに伴う負担増の状況はどうなってきているのかということについてお尋ねをいたしたいと思います。 年度を追って御説明いただきたいところですけれども、時間の都合もありますので、昭和五十年度を基準にして五年ごとぐらいで御説明いただけませんでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 土地に関する固定資産税の評価がえに伴いまして負担増がずっとあるわけでございますが、これを昭和五十年度を一〇〇として指数で申し上げますと、土地に係る固定資産税額は昭和五十五年度では一八二、それから六十年度では二七四、六十三年度は三三四となっております。基地交付金の総額は昭和五十年度を一〇〇といたしますと、五十五年度は二一九、六十年度は二三二、六十三年度も二三二、こういう状況でございます。
○篠崎年子君 今の御答弁によりますと、五十五年度は評価がえよりも交付金の方が二一九ということで上がっているようですけれども、その後は土地の評価がえが二七四に対して二三二、三三四に対して二三二というふうに下がってきているようですね。先ほどの御答弁によりますと、大変厳しい財政の中でかなりの努力をしたんだと、その点を評価していただきたい、こういうお話でしたけれども、この数字から見ただけではやはり努力の跡がないんじゃないかなという気がするんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) この価格に対応する交付金の総額という観点から言われますと、仰せのとおり固定資産税の代替的な性格というものを勘案いたしますと、台帳価格に対する割合は低下してきているということは御指摘のとおりでございます。ただ、先ほど来申し上げておるとおり、代替的性格を持つと同時にこれは一種の財政補給金的な位置づけというものを財政上なされておりまして、補助金の一種という位置づけだけから考えますと、今の厳しい国の財政状況から見てシーリングの例外的な経費という形で扱われることはなかなか難しい情勢でございます。そういう意味で年々の自治省の予算要求額、予算要求の基準の中がだんだん狭められている中で据え置きを確保したということは非常に他の自治省所管の予算のある意味では犠牲をお願いしてこの総額を何とか据え置かせていただいたというような状況でございますので、この辺もひとつ御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○篠崎年子君 先ほど御答弁の中に、これは財政補給金的な性格を持っているものだというお話がありましたが、基地の所在地によっては土地の便益性というものが有効活用ですか、そういうものについて大きく異なっているところがあるかと思いますが、交付金の配分の際にそのような点を考慮の中に入れていらっしゃるのでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 基地交付金の配分の基準の多くの部分はその基地の国有財産の台帳価格に応じて配分をするということでございまして、台帳価格はそれぞれの基地の財産価値を反映し、またその地域の何と申しますか、効用と申しますか、そういうようなものも含めて台帳価格の中に集約されているというふうに考えますと、この台帳価格によって基地交付金を配分するということによりましてそれぞれの基地所在の市町村の状況というものが反映されているのではないかというふうに考えております。
○篠崎年子君 次に、交付金の対象となる施設についてお尋ねいたしたいと思いますが、米軍使用施設と自衛隊の使用施設とではその対象資産に差があることは御承知のとおりです。飛行場、演習場、弾薬庫、燃料庫等については大体同じようですけれども、司令部、港湾施設、補給所、通信施設、病院、倉庫等は米軍は対象資産でありますけれども、自衛隊使用のものは非対象資産になっているようです。これは性格的に同じようなことだと思うんですけれども、なぜ米軍と自衛隊の方で差があるのかについて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 基地交付金につきましては、米軍が使用している施設と自衛隊が使用している施設と自衛隊が使用している施設を対象にして配分を行うわけでございますが、米軍に使用させている固定資産というのは本来国が米軍にその資産を貸し付けているものでございまして、いわば国が直接使っているものではなくて米軍に貸し付けている資産でございます。こういうものにつきましては基本的には基地交付金を全部対象にいたしまして配分を行うと。逆に、自衛隊が使用する固定資産というのはこれは本来国がみずから公用で使う資産でございますので、これは基本的には固定資産税も非課税でございます。国が直接公用に使っているものは非課税でございますので、そういう意味では自衛隊が使用する固定資産について交付金を交付するということはむしろ例外的な扱いということになるわけでございます。 どうしてそういう例外的な扱いになるかといいますと、これはやはり市町村の区域内に非常に広大な面積を有している飛行場でございますとかあるいは演習場でございますとか、それから危険性の高い弾薬庫だとか燃料庫だとかというようなものにつきましては、一般の国が公用で使っているものとはやはり対応が違うのではないか。こういう点に着目いたしまして自衛隊が使っているものにつきましては、限定した施設について配分の対象にするということにしているわけでございます。そういう意味でこの対象施設につきましては限定をしているわけでございますが、関係市町村からはこの対象資産の拡大につきましても私どもにもいろいろと御要請もございますので、この対象資産の拡大につきましても今後の課題といたしまして私ども取り組んでまいらなければならないと考えているものでございます。
○篠崎年子君 今の御説明で、米軍の場合は国が貸し付けているものだ、自衛隊の場合は国自身の公用で使っているんだからということですけれども、やはり考えてみますとその地域にとりましてはこれは大きな発展の阻害になっているところもあるかと思いますので、今後対象、非対象の格差がなくなりますように御努力いただきたいと思います。 次に、海面のことについてお尋ねいたしたいと思いますが、海面は土地とは違いまして固定資産税の対象にはならないわけですね。しかし、港を持っておりますところは大抵自衛隊、米軍が使用しているわけですが、その使用されているということによって経済的な便益が大変損なわれているんではないだろうか。例えばこれは、佐世保の例ばかり申し上げまして大変失礼ですけれども、佐世保港内が今A、B、C、Dという四つの制限水域になっております。A水域は全然もう民間が入れないところで、B水域につきましてはある程度航行もできるし、それから漁業権は喪失はしておりますけれどもその地域の住民の人たちがちょっとした釣りはできる、そういったような状況にあるわけです。 ところが、最近佐世保ではこのB水域に米軍の弾薬のコンテナが水面に浮かべられまして、コンテナというと小さいような気もいたしますけれども、縦が約十九メートル、幅が十メートル、高さも四・三メートルぐらいですか、かなり大きなものです。それが八個、八個の十六個ぐらいがこのB水域に突然係留されまして、長さで言いますと百六十メートルぐらいですか、大分大きなものになってくるわけです。そうしますと、その付近を通ります船が非常に通りにくいという状況が出てきたり、あるいは米兵が銃を構えて周りを警戒しているということで、住民にとりましては非常に不安の材料になってくるわけですね。こういったようなことを考えますと、やはりこの海面ということについてもある程度の影響がありますので、この辺についてもやはり、固定資産税ではないけれどもある程度考慮すべきではないだろうか。特に制限水域の広さによって考慮されるべきではないだろうかと用いますけれども、その辺についてのお考えはいかがでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 基地交付金の対象資産につきましては、やはりこの固定資産税の代替的性格というものを一面で有しているということから考えますと、固定資産税の課税対象になり得るような資産というものが対象資産として取り上げられるということにならざるを得ないのではないかと思うわけでございます。そういう意味から申しますと、今御指摘のような海面につきましては台帳価格とかそういうものもございませんし、これをそのまま対象資産として配分の基礎の中に入れるということはやはり難しい問題ではないかというふうに考えるわけでございますけれども、この基地交付金の配分に当たりましては予算総額の七五%は対象資産の価格で案分いたしますけれども、残りの二五%につきましては飛行場、演習場の対象資産の種類とか用途だとか、あるいは市町村の財政状況などを考慮して配分するというような部分がございます。そういうような部分をこの海面の使用を制約されている点での考慮の要素として、今御指摘の佐世保の場合には従来からそういうような問題もございましてその配分の基礎のほかにそういう要素も考えながら配分をしているところでございまして、そういう配慮というものをこれからも続けてまいらなければならないのではないか。これは海面使用が制約されるという地域もございましょうし、あるいは飛行場の場合ですと空が制約される、あるいは騒音の問題とか、いろいろな基地によっての制約というものがございますので、そういうものもよく勘案しながらこの配分に努めてまいらなければならないと思っているところでございます。
○篠崎年子君 これは佐世保だけではなくて呉にもこういう状況があったようですので、今後十分このことも考慮に入れて考えていただきたいと思っております。 次に、法施行令の第三条の第二項で、普通交付税の不交付団体で、基準財政需要額を超過する額が五億円を超える団体はその五億円を超える額の十分の一、またはその超える額が交付基準額の十分の七を超えるときは当該十分の七を控除すると、こういうことになっているようですが、基地交付金が、先ほど来から何遍も申しております、またおっしゃっておりますように、固定資産税の代替財源であるとするならば財政力によって額をカットするというのはちょっとおかしいのではないだろうかと思いますが、この点の御意見を承りたいと思います。 なお、念のために、この規定によってカットされている団体の状況及びカットの額は大体どのくらいなのかということについて御説明ください。
○政府委員(湯浅利夫君) 交付税の不交付団体に対する財政措置の適用を受けている団体数、その金額でございますが、平成元年度におきまして三十三団体ございます。それで、その制限を受けた金額は約十六億円でございます。今御指摘のように、この基地交付金というものは固定資産税の代替的性格であるということになりますと、これは交付税の交付団体不交付団体に関係なく配分するということが基本になろうかと思いますけれども、先ほど来申し上げましたとおり、この固定資産税の代替性格を有しながら、他方でこの基地の所在する市町村のこうむっている財政上の影響にかんがみて特別な財政補給金としての性格を持つという、いわば二つの性格をあわせ持つものだというふうに私ども考えておりますので、そういうふうになった場合に交付税の財源超過団体に対しては、やはり一定の範囲内で財政状況を配慮しながらこの交付金を決めていく、そしてそれで調整をして残ったお金を財政力のないところにさらに配分をするという方がむしろ公平にかなうのではないか、こういう考え方からこの基地交付金につきましては交付税の不交付団体に対する調整措置を講じているところでございます。
○篠崎年子君 財政力の弱いところに重点的に配分をしていく、そういうことはわかりますけれども、やはり不交付団体になるということはそこの地域団体、そこの自治体がそれなりに努力をして財政力を高めていったということだと思うんですね。そうしますと、その努力をした結果やはり固定資産税の代替財源であるというその基地交付金が減らされるということになりますと、何か矛盾したものを感じるわけです。今後、これについてこのとおり進められるだろうと思いますけれども、やはり何とか考慮の余地はないだろうかと思います。これは意見にとどめさせていただきます。 次に、国庫補助負担率の引き下げについてお尋ねをいたしたいと思います。 国庫補助負担率については、昨年の一月十八日付の大蔵、自治両大臣の覚書によれば「公共事業、義務教育費国庫負担金のうち、共済費追加費用及び退職年金、退職一時金等に係る措置については、今後二年間の暫定措置とし、暫定期間終了後の取扱いについては、今後引き続き検討を行う。」、こうなっているようです。また、「公共事業に係る補助負担率については、関係省庁間の検討会を設置して総合的に検討を行う。」とされておりますけれども、これら覚書に書かれている検討というのは現在どのように行われているのでしょうか。
○政府委員(持永堯民君) 御指摘のように、公共事業等を中心として若干のものにつきまして暫定期間が続いているわけでございますけれども、そこで覚書にありますようなことで検討をすることになっております。 一つは公共事業でございますが、これにつきましては今御指摘いただきましたようなことで検討会を設けて検討すると、こうなっているわけでございまして、現在各関係省庁間で検討会をつくってやっているわけでございます。大蔵省、自治省を中心として公共事業官庁であります建設省とか、あるいは農水省、運輸省等々をもって組織をいたしておりますが、これまで今までの公共事業の補助率の経緯でございますとか、あるいは補助率問題について財政制度審議会とか、あるいは地方制度調査会とかいろんなところでいろんな御意見も出ておりますので、そういった御意見の問題でございますとか、あるいは最近では日米構造協議におきましても公共事業の問題が触れられておりますので、そういったこと等についていろいろ報告をし、あるいは議論をしている、こういう段階でございます。 今から年末の予算編成に向けましてさらに突っ込んだ議論をしていくことになると思いますけれども、私どもといたしましては、この議論に当たりましては地方団体の御意見を十分聞きながらそれを踏まえて対処してまいりたい、このように考えておるわけでございます。 一方、最初お読みになりました義務教育等の問題でございますけれども、これは文部省だけの問題でもございますので、あるいは文部省と大蔵省と私どもの三省のことでもございますので特に検討会というものを設けてやっているわけではございませんけれども、これにつきましても昔からのいろんな経緯がございますのでそういったことを踏まえて三省でさらに事務的に詰めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○篠崎年子君 次に、国庫補助負担率の一律カットのきっかけになった国の財政状況も最近は好転しているところでもありますので、国庫補助負担率の削減は早急にやめるべきものではないかと考えますが、当面、来年度、平成三年度の予算概算要求に向けて自治省はどのように対応されるのかお尋ねいたします。
○政府委員(持永堯民君) 概算要求に向けまして、まだ概算要求のいわゆる基準というものが決まっていないわけでございまして、これの段階で補助率関係をどう扱‐つかということが当然議論になると思いますけれども、最終的に結論は出ておりませんが、やはり実際に最終的に補助率問題が決まってくるのは年末にならざるを得ないと思いますので、その途中の段階にあります要求の段階でどういう形にするか、これについてはやはり今後七月の中、下旬ぐらいには大蔵省の方から概算要求基準が示されることになると思いますので、それまでに十分詰めてまいりたいというふ‐つに考えております。
○篠崎年子君 今の一律カットの件ですけれども、概算要求の中で何とかしていくということですが、特に先ほども申しましたように義務教育費の国庫負担の問題とか、あるいは共済員の追加費用、退職年金や一時金の問題とかということにつきましては今後十分御努力をいただきたいと思っております。 次に、国民健康保険制度についてお尋ねいたしたいと思います。 国保の制度につきましては、昭和六十三年から二年間の暫定措置として保険基盤安定制度の導入というのがなされておりまして、先日も国会で安定基盤の恒久化を図る改正が行われたところでございますが、国民健康保険の財政の今までの状況と、それから今後の見通しについて、こういう安定基盤の恒久化を図る改正が行われたことによって今後十分に国保の状況が安定していくだろうかということについての見通しをお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(持永堯民君) 国保の最近の状況でございますけれども、保険基盤安定制度は六十三年度に二年間の暫定措置ということで始まったわけでございまして、その後の状況を見ますと、例えば六十三年度の国民健康保険の決算を見てまいりますとその収支は千五百億円強の黒字になっておりまして、六十二年度よりも若干改善はいたしております。この若干改善を見たというのは、各市町村でいろんな努力をされたということももちろんあるわけでございますけれども、やはり六十三年から暫定措置として実施しました保険基盤安定制度あるいは高額医療費共同事業等によるこういった改善効果が寄与しているという面もあろうかと考えております。 そこで、平成二年度におきましては、今御指摘ございましたように、やはり大変厳しい国保の状況を踏まえまして、保険基盤安定制度というものを国庫負担を充実するということと相まってこれを安定的な制度にするということ、あるいは高額医療費共同事業についても継続をしていく、こういうことにしたわけでございまして、あわせましてこれは国保そのものの問題じゃございませんけれども、老人保健制度の方で加入者按分率の引き上げを行いました。そういったことをもろもろ合わせまして今回の全体の措置としては国保の保険料が全体で約八百五十億円軽くなるというような措置がとられることになったわけでございます。 しかし、今お話がございましたように、将来に向けて十分大丈夫か、こういう御指摘でございますけれども、やはり将来に向けてはまだこれから医療費の動向がどうなるかということもございましょうし、また国保の加入者が特に高齢者が多いということもございまして、高齢化が進むということもございます。そういったもろもろのことを考えますと、やはり現在、このたびとりました措置だけではなくして、今後将来に向けましては、やはり医療保険制度間の給付と負担の公平化という基本的な問題あるいは医療費の適正化という問題、そういう問題について基本的な対策を講ずる必要があるのではなかろうかと考えておりまして、そういった問題はなかなか一気かせいに決着を見ることは難しい面はございますけれども、今後やはりそういった基本問題について引き続き検討していくということが大事なことだろうと思っております。 そういった基本問題の検討を踏まえながら、今後の国保のそのときそのときの財政状況でございますとか、あるいは医療費の動向でございますとかいうものを考えながら、引き続き、随時と申しましょうか引き続きと申しましょうか、国保の運営の安定化を図るためにいろんな方策を考える、あるいは幅広い検討をしているんな改善策を考えていく必要がまだまだある、こう思っておるわけでございまして、今回の措置で将来十分かとおっしゃいますと、十分であるというお答えは私はできないと思っております。まだ引き続きいろんな努力が必要だ、このように認識をいたしておるわけでございます。
○篠崎年子君 国保の場合ですけれども、普通、国保の問題になりますと、まず国民すべて、国保に加入している人たちは、保険料が非常に高いということが一番の問題になってくるかと思いますが、国保というのは自営業者や農民の保険だ、こう言われているようですけれども、実態は大変異なっておりまして、例えばサラリーマンは健康保険に人っている。公務員やその仲間は共済組合に加入している。それらに加入できない人たちが国保に入っているわけですが、やはり仕事をやめて定年退職後に国保に入っていくというような関係もありますので、特に国保の場合には老人の数が非常に多いということもありまして、大変国保の財政の中の問題点になっているかと思いますが、やはり国保によって国民皆保険の支えができているということを考えますと、国保は何としても守っていかなければならない。しかし、なかなかそれぞれの努力だけではできないところもありますので、今後十分に考えていかなければならないと思いますが、現在はサラリーマンの健康保険で保険料の四分の一程度、国保は三分の一が老人保健に回っているようですが、二〇〇〇年には健康保険の方からは保険料の三分の一前後、国保は約四割程度は老人保健に向けられているというふうに言われているようです。このため、健康保険組合連合会や国保中央会あるいは日本医師会等から、このままでは保険料負担が重くなり過ぎて制度の維持が難しくなるというようなことで、保険料を軽減すべきである、そこで現在の三割の公費負担を引き上げて保険料負担を軽減すべきではないかという要求が出されているようですけれども、この点についてはどのようにお考えになるでしょうか。
○説明員(高木俊明君) この老人保健の費用負担の問題でございますけれども、老人保健制度は現在保険料、いわゆる拠出金でございますけれども、保険料負担、公費負担、それから悪者の一部負担、この三つの負担区分で成り立っているわけでありますが、これをどういうような形で負担するのが一番いいのかということだろうと思います。 この問題につきましては、昨年一年ちょっとにわたりまして老人保健審議会で御議論いただいてきたわけでありますが、なお継続して議論をしていくということになっておりまして、今後老人保健審議会を中心としました御議論にまちたい、この結論を踏まえまして今後検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○篠崎年子君 先ほどの御答弁の中で、国民健康保険につきましては給付、負担の公平化を図り、また医療費の適正化を図っていくという御答弁がありました。これから考えてみますと、公平化ということについては、やはり今問題になっておりますのはサラリーマンとそれからその他の皆さんとの間に大きな負担の差があるのではないかということだと思いますが、一方ではまた医療費の適正化ということも考えていかなければならない問題は出てくるかと思います。さっき御答弁になりましたような医療費の適正化ということについてはどういうふうなところについて適正化を図るべきであるというふうにお考えになっているんでしょうか。
○説明員(近藤純五郎君) お答えいたします。 一元化の問題は、私ども、高齢化社会におきまして医療費の負担の増大が避けられないというふうな問題がございまして、したがいまして医療保険各制度間の給付と負担の公平化を図ることが重要と考えているわけでございまして、そのための一連の改革を行ってきたわけでございます。国民の医療費につきましての負担が過大にならないように私ども従来から適正化対策を進めてきているわけでございますが、端的に医療費を抑制するというふうな対策といたしましては、レセプトの審査でございますとか医療費の通知でございますとか、あるいは医療機関に対する指導監査体制の強化、こういったものを中心に来ているわけでございますが、さらに前に一歩進みまして、国民の健康づくり対策でございますとか、あるいは地域医療計画の推進によります医療供給体制の整備、こういったようなものを通じまして良質な医療を効率的に供給する、こういう医療システムの合理化、効率化、こういったものに取り組んでいるというところでございます。
○篠崎年子君 今のお答えの中で適正化ということについていろいろ条件を挙げられましたけれども、その中でレセプトの審査とか監査体制を強化するとかということのお話が出ておりました。このことにつきましては、今さら始めるまでもなく、ずっと前から続いているかと思うわけですね。それが行われながら医療費の適正化というのは実現しなかったというところに問題があるかと思いますので、今後また十分このことについては審議を進めていただきたいと思います。 今ちょっとお話も出ておりましたけれども、保険制度の改革に関連いたしまして医療保険制度一元化の論議がなされておりまして、昨年十二月六日の地方制度調査会の答申でも、今ちょっとお話がありましたように、「国民健康保険の経営の安定化を図るためには、医療保険制度の一元化への道筋を明らかにするとともに具体的かつ実効ある医療費適正化対策及び保険料負担水準のあり方等の基本的事項について、早急に抜本的な対策を講じる必要がある。」、こうされているようです。 一元化といった場合に、単純な一元化ということになりますと、税収の場合と同じように、一〇〇%把握されている勤労者あるいはそのほかの皆さん、クロヨンと言われておりますけれども、そういったところにまた問題が出てくるのではないか。特に所得のほとんどを把握されているサラリーマン層につきましては、反対が大変根強いものがあるかと思います。簡単に地方負担をふやすとか、あるいは保険制度の比較的しっかりしている健保組合と合併すればよいといったような安易な態度でなくて、先ほど来からお話がありますように、医療保険あるいは医療費の適正化等根本に触れるところにやはりメスを入れなければならないかと思いますが、その点につきまして再度御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(近藤純五郎君) お答えいたします。 医療保険制度の各制度間の給付と負担の公平化、こういったものが重要であるというのは先ほど申し上げたとおりでございますが、この場合に各制度を一本化するというのも一つの考え方であるわけでございますが、御指摘のような所得把握の問題につきましてサラリーマン層の方から不信感がある、こういったような問題が指摘されているわけでございまして、給付と負担の公平化といいますのは現行の枠組みの中でやるのが現実的ではないかなというふうに考えているわけでございまして、私どもはこれを称しまして医療保険制度の一元化と言っているわけでございます。 それで、当然のことながらこの医療保険制度がこれからの高齢化社会におきましても安定したものになりますためには、やはり先生御指摘のとおり医療費の適正化というものが大切であるというふうに考えているわけでございまして、先ほども申し上げましたように、健康づくりでございますとか、あるいは医療供給体制の整備でございますとか、こういったような医療と福祉と保険が連携した形で医療費が余りふえないような形にもっていくということが大切だというふうに考えておりまして、この面に向けまして私ども全力を挙げて努力してまいりたいというふうに考えております。
○篠崎年子君 次に、高齢者保健福祉推進十カ年戦略についてお尋ねをいたします。このことにつきましては、今もお話にありましたように、医療の適正化ということからしましても健康を守るということが大変大事だと思っておりますが、やはり福祉との絡みもありますのでお尋ねをいたしたいと思います。 地方交付税の基準財政需要額の算定において、高齢者の保健及び福祉の推進という項目があります。この中にはいわゆる高齢者福祉十カ年ゴールドプランというものが算入されているものと思いますけれども、まず同プランの概略について御説明いただきたいと思います。
○説明員(辻哲夫君) 十カ年戦略につきましてのお尋ねについてお答えいたします。 これから日本は急速な高齢化が進みますが、六十五歳以上人口で見ますと、今後十年間で現在の一一%台というものが一六%台になるということで、ヨーロッパ並みとなります。このような状況のもとで昨年十二月、高齢者の保健福祉の分野におきまして今世紀中に実現を図るべき十カ年の目標ということでゴールドプラン、すなわち高齢者保健福祉推進十カ年戦略が策定されたところでございます。 ゴールドプランにおきましては、まずホームヘルパー十万人の確保、デイサービス一万カ所及びショートステイ、ベッド五万床といったいわゆる在宅三本柱の飛躍的充実や在宅介護支援センターの整備など市町村における在宅福祉対策の緊急整備、それから寝たきり老人ゼロ作戦の展開、また在宅福祉等の充実のための長寿社会福祉基金の設置、さらには特別養護老人ホーム、老人保健施設等の施設の緊急整備など七本の柱が盛り込まれておるものでございます。
○篠崎年子君 今御説明いただきましたゴールドプランですけれども、その中では六十五歳以上の人々に対しましてヘルパーの人数とかあるいは老人保健医療の施設あるいは特別養護老人ホームのベッド数とか御説明がありましたけれども、ホームヘルパー十万人とこう申します。そうしますと、大体六十五歳以上の老人人口に対しましてどのような割合になるのでしょうか。
○説明員(辻哲夫君) 六十五歳以上人口十万人当たりのホームヘルパーの数でございますが、平成元年度で二百二十人程度でございます。十カ年戦略の目標十万人を達成した場合におきましては四百七十人程度という数字になります。
○篠崎年子君 これはすべてこういった事業に対しましては一番行政の先端の仕事をします地方自治体が全部この仕事をしていかなければならないわけですが、本事業につきまして地方財政においてはこれからどのように対応していくのでしょうか。それから、今のホームヘルパーの人数の問題ですけれども、確かに十万人になるということは非常に福祉について向上されていく、こういうふうに受けとめられますけれども、最終の目標でも十万人に対しまして四百七十人ということであればまだまだこれは少ないのではないかと思います。 また一方で、最近の情勢、各地の様子を聞いておりますと、ホームヘルパーを集めるのに苦労しているという状況があるようです。ホームヘルパーといえばだれでもできる仕事のようでもありますけれども、介護の状況におきましてはやはりある程度の知識も必要ですし、また技術も必要ではないかと思いますが、そういうことについての計画はどのようになされているのでしょうか。
○説明員(辻哲夫君) ホームヘルパーがまだ少ないのではないかということについてまずお答え申し上げます。 ホームヘルパー等の在宅福祉サービスにつきましては、先ほど御説明申し上げましたように、デイサービスとかショートステイあるいは保健サイドでは保健婦さんによる保健指導、さまざまなサービスと組み合わせてこれを実施していくという考え方でございます。そういう観点から組み合わせてまいるわけでございますけれども、十年後の水準十万人体制の場合、例えば在宅の寝たきり老人につきましてはホームヘルパーさんを週四回程度利用することができるといった形で、それなりの相当な水準が整備できると考えております。 それから、いわばホームヘルパーさんのこれからの確保あるいはいわゆる知識、技術等についてでございます。ホームヘルパーさんの十万人の目標を達成するためにはこれはさまざまな工夫が必要であると考えております。 具体的には、まず処遇の改善が必要でございまして、平成元年度におけるホームヘルパーの手当額につきましては、介護中心型につきましてはおおむね五割アップするといったふうな大幅な改善に努めると同時に、平成二年度予算におきましても活動費の引き上げといったことも含まれております。また、人材難というような現状のもとで、ホームヘルパーという仕事を希望する者が増大いたしますように、その社会的評価の向上やイメージアップを図るためのPR等積極的な実施も必要でございます。 それから、今後は寝たきり老人等の介護が重要となるということから、従来からの市町村による実施や社会福祉協議会への委託のほか、特別養護老人ホームといった介護の専門施設へも委託できるといった形で多様な供給体制を確保していく、このようなさまざまなことを行うと同時に、研修事業を昭和六十二年度から実施いたしておりまして、これからはホームヘルパーの仕事というのは専門的な知識とか技術が極めて重要になりますので、研修事業の充実に努めているところでございます。
○政府委員(持永堯民君) 財政措置の点についてのお尋ねでございましたのでお答えします。 今のホームヘルパーを初めとしたいわゆる各種の高齢者対策でございますけれども、これはこれからの地方行政の中で地方公共団体なかんずく市町村にとりまして大変重要な任務といいましょうか、責任ある仕事になってくる、このように認識をいたしておりまして、そのことから十カ年戦略に盛られましたもろもろの問題につきましては、当然これは国の補助もあるわけでございますけれども、地方負担もあるわけでございますので、その地方負担分につきましては、地方交付税によりまして的確に措置をしてまいりたいと思っておるわけでございます。平成二年度におきましても、平成二年度が初年度でスタートするわけでございますけれども、平成二年度の所要額については交付税の中できちんと算定をして対応をすることにいたしております。 また同時に、地方団体におきましては、十カ年戦略に盛られておりますホームヘルパーとか老人ホームとか、あるいはショートステイとか、そういうものに限らずもっときめの細かい、市町村それぞれ独自のといいましょうか、地域の特性に応じたいろいろなきめの細かい仕事もあろうかと思いますので、そういった意味で地方の単独の経費についてもやはり措置をする必要があるということを考えておりまして、そういったことから平成二年度の地財計画におきましても、地方団体の福祉の単独分についても必要な措置をすることにいたしておるわけでございます。 いずれにしても将来の地方行政の中で最も重要な仕事になると思いますので、市町村なり都道府県が的確にこの高齢化社会に対応できるようにきちんとした財源措置を今後ともしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○篠崎年子君 日本はよく経済は一流だけれども、政治は申しませんが、福祉は三流だというふうに言われております。それから考えてまいりますと、今ここにゴールドプランが設定されて、その目標に向けて努力をされるということについては敬意を表したいと思いますし、またぜひその達成に努力をしていただきたいと思うんですけれども、まだまだこの数で足りないと思うわけですね。 例えば今寝たきり老人の場合に、大変細かなことですけれども、在宅の寝たきり老人に対しましては週四回のホームヘルパーの訪問があるということですが、大体これは計算をされるときに、週四回で一人について何時間そこに行くというところまで計算をされているんでしょうか。
○説明員(辻哲夫君) 現状の寝たきり老人に対する訪問実態を踏まえまして、おおよそ二時間ないしは三時間ぐらいを想定いたしております。
○篠崎年子君 福祉につきましてはとにかく人間の手をかりなければ達成できないと思いますので、人員の確保とその優遇策については十分御努力をいただきたいと思います。例えばホームヘルパーにつきましては、現在の処遇から五割アップということですけれども、こういうことになってまいりますと、確かにこれは魅力ある職場になるかもしれません。しかし一方では、そういう人の確保ということが地方自治体にとりましてまた大きな負担になっていくかと思いますので、地方自治体が大きな負担を感じないように国の方で十分な措置をとっていただきたいと思います。この問題につきましてはこれで終わります。 次に、特別会計借入金返済等についてお尋ねいたしたいと思います。 交付税特別会計の借入金は昭和六十一年度におきまして、借入残高が六兆一千四百四十三億五千五百万円でありました。償還の開始は平成三年度からとなっていたのですが、相次ぐ繰り上げ償還によって現在は二兆九千八百四十六億三千五百万円となっているようです。今回、一兆四千百六億円の返済ということになってまいりますと、今年度末には一兆五千七百四十億三千五百万円となってくるようですが、このことにつきまして、財政上のいろいろな技術とか、あるいはやり方とかあるかと思いますけれども、借金につきましては余り多過ぎてはいけないと思いますけれども、しかし償還が始まらないうちに特別会計の返済のみを優先させていくという考え方については疑問が残るわけです。例えばそういう金額があった場合に、地方自治体で政策の拡大等やることがたくさんあるのではないだろうか。例えば下水道の整備とか、あるいはごみ処理の問題についてとか、日ごろおくれている行政サービスを充実させる方に向けるべきではないかと思いますが、この考え方についてどうお考えになるでしょうか。
○政府委員(持永堯民君) 地方財政は、御承知のように昭和五十年代に大変財源の不足が続きまして、そのときに多くの借金をしてきたわけでございまして、そういった借金の返済が将来の地方財政にとって大変大きな負担になってくるということが予想されるわけでございます。 一方、今お話しございましたように、福祉の問題でございますとか、あるいは社会資本の整備でございますとかいうことももちろん必要であるわけでございまして、そういった面から必要な事業量はやはり毎年確保していく。一方で、やはり多くの借金を抱えているわけでございますので、中長期的な観点から地方財政の健全化ということも考えていく必要がある、こういう基本的なスタンスのもとで、平成二年度におきましても、例えば地域づくりの推進でございますとか、先ほどお話しございましたいわゆる十カ年戦略の経費でございますとか、あるいは社会資本の整備でございますとか、これは国の予算等との整合性も考えながらそれぞれ所要額を計算をいたしまして的確に見込んだ上で、それに対応する地方交付税の所要額を確保する、こういう措置をとったつもりでございます。一方、最近の我が国の経済は非常に好調でございますし、税収の伸びもいいわけでございますので、そういうことも考えて、こうした時期にやはり中長期的な観点から地方財政の健全化を進める、つまり具体的には特会の借入金の償還等をするということをいたしたい、このように考えたわけでございます。 今後とも、地方団体はいろいろな役割、財政需要が見込まれるわけでございますので、将来にわたりましても地方財政の健全化ということも考えながら、一方では福祉の問題あるいは社会資本の整備の問題等々の増大してまいります財政需要にも対応する、そういう両面から考えながら地方財政の適正な運営ができるように努力をしてまいりたいというわけでございまして、平成二年度の場合は、簡単に申し上げますと、必要なものは必要なものとして措置をし、そして長期的な観点からも一部返済をする、こういう両建てで措置をするということでございまして、その点、御理解いただきたいと思います。
○篠崎年子君 今の問題につきましては、後でまた他の同僚議員からいろいろ質問があるかと思いますので私は次に進みたいと思います。 過去の自治・大蔵両大臣の覚書による既往利差臨特等につきましては、平成二年度の繰入予定額の千九百十八億円を平成三年度以降の各年度に繰り延べているようです。これは地方に対する国の借金のようなものであると思いますけれども、国に対しては借金を認めて地方は過去に借金をした分については優先的に返済をする、こういうのはちょっと納得しがたいのですが、地方がどうしても今借金を返済しておきたいというのであれば、国に繰り延べを認めないでその分を特会借入金の返済等に充てるべきじゃないだろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(持永堯民君) 過去の臨特等の措置すべきものについて平成三年度からに繰り延べているわけでございますけれども、これは基本的には先ほど申し上げましたようなことで、中長期的に財政の健全化を図るという観点からそういう措置をお願いをしているわけでございます。といいますのは、平成三年度から借入金の償還が始まるということにもなっておりますので、それに合わせましてそういう措置をとろう、こういうことでございます。 いずれにしてもこれは法律できちっとお決めをいただいて将来毎年度措置をするということになるわけでございますので、今申し上げました本年度借入金を償還をする分とは直接的に相殺関係にはなりませんけれども、いずれにしても考え方としては借入金の返済と同じようなことで、長期的な財政の健全化という観点からこういう措置をとることをお願いを申し上げているわけでございます。
○篠崎年子君 次に、差等補助についてお尋ねをいたしたいと思います。 一部補助金の不交付団体に対する不交付措置あるいは調整措置、これはいわゆる差等補助と言われるものですが、これまでは、東京、愛知、神奈川、大阪という都道府県に限られておりましたが、今度は、川崎、名古屋、大阪の政令指定都市にも拡大すると伝えられております。財政調整の機能については当然必要とされますが、現在はその役割を地方交付税が果たしているわけです。これは地方交付税制度が限界を迎えたことを意味するのでしょうか、お尋ねいたします。
○政府委員(持永堯民君) いわゆる差等補助でございますけれども、御質問ございましたように、政令市にも拡大適用するということを聞いているわけでございます。 そこで、差等補助の考え方でございますけれども、今お話しございましたように、これが財源調整として行われるということであれば非常に問題があろうかと思いまして、私どもの理解としてはそういうことではなくして、本来、補助金というのは財源調整を目的とするものではないわけでございますが、結局、補助金を交付するに当たりまして、財政資金の効率的運用という観点から、つまり補助金の予算の枠にも一定の限度がございますから、補助金を配るに当たりましてはやはりできるだけ財政力の弱いところから優先的に措置をする、そういうような観点から裕福な団体というのは若干御遠慮願う、そういう考え方で措置されるものであればそれは財源調整ということではございませんで、そういう財政力の事情を勘案した一つのやり方であろう、このように思っております。 しかし、その場合におきましても、補助金の中にはやはり国庫負担金といわゆる奨励補助とあるわけでございまして、国庫負担金についてはそういうことをすべきではない。奨励的な補助金あるいは財政援助的な補助金については、今申し上げましたようなことで、財政資金の効率的な使用を図るという観点からやるんであれば一つのやり方かな、このように思っておるわけでございます。しかし、そういう考え方でやるにいたしましても、非常にその規模が大きくなるとか、あるいはそうした措置が非常に広範に一律に行われるということによりまして、結果的にそれが例えば国と地方の財源調整にまで及ぶとか、あるいは地方団体間の財源調整にまで及ぶというような大げさな話になってくるとすればそれはやはり問題があると思いますので、あくまでそういう財源調整を目的とすることではなくして、財政資金の効率的な使用を図る、そういう観点で行うことにとどめてやるべきであろう、このように考えておるわけでございます。
○篠崎年子君 この差等補助金の拡大ということについて自治大臣はどのようにお考えでしょうか。突然に申して済みません。
○政府委員(持永堯民君) 私の方から先に申し上げますけれども、今申し上げましたように差等補助については、いわゆる不交付団体に対して、平たく言えば若干御遠慮願うという趣旨のものでございまして、限度のある補助金の配り方として、弱いところに優先的に配るということであれば一つのやり方かなと思っておりますが、それがやはり基本的な財源調整ということにまで及ぶことは問題があるというふうに理解をしているわけでございます。
○国務大臣(奥田敬和君) 今財政局長の答えた方針で参ります。
○篠崎年子君 どうも突然に申しまして失礼いたしました。 続けて差等補助金についてお尋ねしたいと思いますが、これを削減されることによって今後の削減の影響額というのはどういうふうになるのか、それから今までの削減の影響額について御説明いただきたいと思います。
○説明員(原口恒和君) 差等補助の影響額の御質問でございましたが、今年度の政令都市への拡大も含めての影響額でございますが、今財政局長の方からもお答えしましたように、補助金の整理合理化の一環としまして財政資金の効率的使用の観点等も踏まえて、あるいは執行の段階で措置するものも多くございますので、現段階でこの措置によって影響力が直ちに幾ら出てくるということにつきましてはまだまとめる段階に至っていないということでございます。
○篠崎年子君 次に、今年度の地方財政計画では消費譲与税は一兆二千六百三億円、地方交付税の消費税分は一兆二千七百六十八億円それぞれ計上されております。しかし、これらの額は消費税の見直しによる改正後の収入見込み額とも記されております。現状から見て、消費税の見直しが法律として成立すると思われますでしょうか。これは大臣にお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 政府としては、御存じのとおりに見直し案を今提出いたしておりますし、この法案成立を心から願っておるというのが、これは建前論議ですけれども、これは当然であろうと思うんです。 それじゃ、具体的に成立するのかということになりますと、本院が廃止と申しますか、さきにああいった形での法案を提出された経緯もございますし、衆議院段階で見直し案は通ると思いますけれども、参議院に参った場合に、これは政治家としての立場の発言で見通しを述べさせていただきたいんですが、大変苦しい質問でございますから、なかなか難しいことであろうと思います。しかし、率直に言わせていただければ、今先生も御指摘いただきましたように、消費税のうちの四割が貴重な交付税財源になったり、また消費譲与税も含めまして四割という表現でおっしゃいましたけれども、四割ですね、二兆五千億余の財源でございますから、もしこれがなくなった場合ということを考えますと、これはもう自治体にとっては大変なことでございます。 それらのことも受けまして、先般の衆議院段階における交付税改正案におきましてこういった修正がなされて、消費税に係る行方がどうあろうと、ともかく交付税財源は確保するという形をいただいたわけで、この点については自治大臣としては大変ありがたい形の与野党挙げての修正であって、このことはもう三千三百の地方自治体関係者は本当に心から不安を一掃されたということで感謝されておられます。かといって、この立場で言いますと、何としても見直しでお願いをしたいということで、御審議を願っておるわけでございます。よろしくお願いします。
○篠崎年子君 どうもありがとうございました。大変言いにくいところをおっしゃっていただきまして、失礼いたしました。 私ども社会党を初めとする各会派が出しております消費税廃止法案の関連法案につきましてもなかなか厳しい状況ですけれども、私たちはやはり私たちとして何としてもこの消費税は廃止に持っていかなければならないと思います。そうなってまいりますと、地方交付税の財源についてマイナスになるところがあるんじゃないかというふうな考え方もあるようですけれども、この点につきましては衆議院の方から回ってまいった議決にもありましたように、やはり私どもとしてもそういう地方交付税につきましてはマイナスにならないような対策を講じなければならない、こういうふうに思っておりますけれども、もし見直しが成らなかった場合の地方交付税への影響ということについてはどのように試算をされているでしょうか。
○政府委員(持永堯民君) 見直しにつきましては、ぜひお願いを申し上げたい、こういうことでございますけれども、仮に見直しができなかったということになった場合におきましては、いわば現行の制度がそのまま残った、仮にそういたしました場合には、現在私どもが見込んでおります交付税の額よりも、交付税と譲与税を両方合わせますと約三百四十億円程度ふえてまいります。ただ、これは計算上ふえてまいりますけれども、実際に今年中にふえるかどうかというのは、あくまで大蔵省が補正予算等で消費税についての税収見積もりを変えられるか変えられないのか、そこがまずあるわけでございまして、もし大蔵省の方で消費税の税収見積もりを変更されれば、それに伴ってその約四割が逆にふえてくる、こういう形になるわけでございます。
○篠崎年子君 次に、文部省の方にお尋ねしたいと思いますが、第五次学級編制教職員定数改善計画は昭和五十五年にスタートしておりますが、この改善計画は平成三年度で最終年次を迎えるということになっているようです。現在の達成率状況について御説明いただきたいと思います。
○説明員(遠山耕平君) お答え申し上げます。 公立の小中学校の四十人学級の実施を含む教職員定数の改善計画でございますが、昭和五十五年度から平成三年度までの十二年計画で現在実施をしているわけでございまして、平成二年度の改善状況でございますが、学級編制の改善については八〇・四%でございます。それから教職員の配置の改善については六〇・〇%、計画全体の進捗率は七〇・五%と、こういう進捗率になっております。
○篠崎年子君 今の御答弁によりますと、学級数においては八〇・四、それから教職員数では六〇・〇ということで、教職員数が大変落ち込んでいるようですし、学級数の方も達成にまだ遠いということですが、これは何に原因があるのでしょうか。
○説明員(遠山耕平君) この計画について進捗率がおくれておりますのは、原因についてはこれだというのは一義的にはなかなかはっきりは申し上げられないわけでございますが、昭和五十七年度から六十年度にかけまして行政関連特例法という法律ができまして、そこでこの学級編制及び教職員の定数の改善計画については国の財政状況を考慮する、こういう一項目が設けられまして、その四年間でございますが、教職員定数の改善計画が著しく抑制されたのも一つの大きな原因ではないかというぐあいに考えております。 例えば、その数字をちょっと申し上げますと、当初の計画では四年間で大体二万四千人くらい改善する予定だったわけでございますが、実際に五十七年度から六十年度までの四年間で改善されたのが五千人強でございまして、一万九千人くらい改善が先送りになっているわけでございまして、それがずっと平成二年度までおくれが影響しているというのも大きな原因の一つではないかというぐあいに考えております。
○篠崎年子君 教職員の定数改善が大変おくれているということで今も御説明がありましたけれども、これが今六〇%ですね。そうすると、平成三年度でこれが最終年次を迎えるわけですから、その間にあと残りの四〇%を達成しなければならない。それから最近の経済情勢などから見まして、一時教職員の方に大変希望者が多かったけれども、まただんだん減ってきているのではないかということも憂慮されるわけですが、質も大切ですけれども、やはり人数を確保するということも大切だと思います。今後、この達成に向けてどういう努力をされようとするんでしょうか。
○説明員(遠山耕平君) この計画の状況につきましては、先ほど来御説明申しておりますように、大変厳しい状況にあるというぐあいに私ども認識をしているわけでございますが、これについては、法律で平成三年度完成ということが決まっておるわけでございますので、財政当局等の御理解を得ながら、目標に向けまして最大限の努力を続けてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
○篠崎年子君 今厳しい状況にあると言われました。ところが、教職員の定数を確保するためには、ことし計画をして来年すぐにぱっと確保できるというものではなくて、やはり四年間の大学の課程というものを考えながらこの定数改善に向けて努力していかなきゃならないと思いますし、また教職員がこれから先そこで仕事をしていく上にもいろいろな優遇措置が考えられなければならないと思うんですが、この辺の考え方について、これをしっかり確保しておかないと一〇〇%達成できないと思う。特に平成三年度に、これは法律として決められたものですから、ここで完全にやり遂げなければならない責務が国にあると思うんですけれども、この辺のお覚悟のほどをお伺いしたいと思います。
○説明員(遠山耕平君) 現在のところ、まだシーリングが決まっていないわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、財政当局等の御理解を得ながら目標達成に向けて最大限の努力を続けてまいりたいということでございます。
○篠崎年子君 最大の努力が来年、平成三年度で完全に実りますように私どもも応援をしたいと思いますが、十分な御努力をお願いを申し上げたいと思います。 次に、先ほど国民健康保険会計のところでお尋ねいたしましたのに対しまして、六十三年度の決算で千五百億円の黒字ということの説明がありました。そこで、これについてその年、一般財源から国保会計へ幾ら繰り入れをなすったんでしょうか。
○政府委員(持永堯民君) いわゆる財源補てん的な繰入金でございますけれども、六十三年度におきましては約二千百億円でございます。
○篠崎年子君 これで質問を終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(渡辺四郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時四十分まで休憩いたします。 午前十一時三十七分休憩 ─────・───── 午後零時四十一分開会
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩本久人君 私の持ち時間は九十分でございまして、大きく分けて五つの項目について質問いたします。よろしくお願いいたします。 まず最初の質問は地方交付税法の改正案についてであります。 御存じのように、臨時行政改革推進審議会、いわゆる新行革審というんですか、これが十二月二十日に国と地方の関係等に関する答申を出しました。政府はこれに対し最大限に尊重して所要の施策実施を図るほか、関係地方団体に対し必要な指導または要請を行うということを閣議決定をされておりますが、自治省としてその後この答申についてどうされたか、また今後どのようにされるのか、まず大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 新行革審の答申を最大限尊重するという形で過日閣議決定をなされたことは、今御指摘のとおりでございます。 従来とも答申の内容についてはその実現方向の中で努力しているわけでございますけれども、例えば権限移譲なんかにつきましては、もう既に公有水面埋立免許に係る国の認可対象の範囲を縮小したとか、あるいは特別養護老人ホームの入所措置権限の市町村移譲、現在これは老人福祉法等の改正案で審議されている案件ではございますけれども、既に国会に提案されておる段階にまでこぎつけております。また農地転用許可権の、例えば二ヘクタール以上の農地転用についても、前は大臣の認可から知事認可に移るというようなこと。あるいは都市計画に係ります市町村長の権限の拡大等についても、例えば公園四ヘクタール未満までは市町村長がそういった形で決定できるというような所要の措置が講ぜられるように現在法改正を含めて検討が行われておると聞いております。 また、地域中核都市と申しますか、人口が五十万程度、県庁所在地で、例えば、例を引くのはちょっと気が引けますけれども、私の郷里である金沢あたりの中核都市なんかの地域制度や広域行政を図る意味で地方公共団体の連合制度等、こういった形の問題というのは既に具体的に着々と検討されつつございますし、そういった意味合いでは今回の答申内容の中に盛られた形が既にそれぞれの形で進められておるという現状でございます。
○岩本久人君 この答申に盛られておる多くの問題について、必要なことについて関係地方団体に対し指導、要請を行う、こうなっておるんですが、具体的にはどういうことをやられておるんですか。
○政府委員(森繁一君) 先ほど大臣から申し上げましたとおり、この答申につきまして閣議決定をいたしまして、その決定に沿ってこれから作業が行われていく、こういうことでございますが、地方に対しましていろんな要請をするということもございます。あの答申の中には、例えば地方行革の問題なんかも触れておりますし、そういう問題につきましては地方に要請をする、こういう分野の代物であろうかと思います。他方、また国の段階で今後研究検討を重ねて必要に応じて制度化していく、こういうものもあろうかと思います。一方では地方にお願いするものもありますし、他方では我々国としてもやらなければならないことがある、こういう理解をいたしております。
○岩本久人君 個々の問題につきましては後からゆっくりお尋ねをしたいと思いますが、昨年の十二月二十九日に閣議決定をされたその内容、つまり国と地方の関係等に関する改革推進要綱によると、「総務庁は、答申の指摘に沿って、本要綱の実施状況のフォローアップなどその実施の推進に当たるものとする。」というふうにありますが、これについての総務庁の具体的なスケジュールをお伺いしたいと思います。
○説明員(西村正紀君) お答えいたします。 総務庁は、先ほど委員御指摘のとおり、国と地方の関係等に関する改革推進要綱の中で、要綱の実施状況のフォローアップをすることを任務とされております。総務庁といたしましては、各省庁における要綱の実施状況を近いうちに全般的に調査をしたいと考えております。それで、その調査結果がまとまりましたら、必要に応じまして要綱の実施をさらに促進するなど全般的な推進に努めてまいりたいと考えております。
○岩本久人君 答申書を全部ここに私持っておるんですが、これを見ると、別紙第一、第二、第三とあるんですね。 そこで、その問題についてお伺いいたしますが、別紙第一の個別事務権限の委譲等、第二の個別の国の関与・必置規制の廃止・緩和等、そして三つ目が個別補助金等の整理合理化等で、各省ごとに具体的事項を掲げて早期に実施するというふうになっておるわけですが、これらについては当然法律改正を要するものもあるでありましょう。あるいは予算措置で済むものもあると思うんです。いろいろあると思うんですが、各省ごとに現在どのように整理をされているか伺いたい。また、そのうち平成二年度の予算措置済みのものがどの程度あるのかも含めて伺いたいと思うんです。
○政府委員(森繁一君) 今委員お示しのとおり、先般の答申では、別紙といたしまして個別事務権限の移譲等につきまして各省庁別に詳しいものが載っております。 まず、権限移譲等について申し上げますと、全部で七十五の項目が掲げられておるわけでございます。この七十五の項目のうち、先ほど大臣がお答えいたしましたように、一部、例えば公有水面埋立免許に係るもの等につきましては既に実施をいたしておりますけれども、残余の部分につきましてはそれぞれ関係各省庁におきましてできるだけ早い時期に所要の措置を講じていただきたい、各省庁ともそういう努力をしていただいておる、こういう認識をいたしております。その中で法律改正を要するものにつきましては、これまでの答申に基づきますやり方は一括法の形でお願いをいたしてきた経緯もございますので、数十の項目をそれぞれの法律で単独でやるということは大変なことでございますので、いずれ一本にまとめた形の法律で国会で御審議をいただこう、こういう段取りに相なろうかと思います。 それから、補助金の関係につきましても御指摘がございました。補助金の整理につきましては、答申では六十七の件数を挙げましてそれぞれ指摘をいたしておるわけでございます。この六十七の個別問題の中で、平成二年度の予算で既に手をつけておるものもございますし、今後また、平成三年度以降、なおこの答申の趣旨に沿いまして努力をいたさなければならない、こういう問題もあろうかと思います。
○岩本久人君 たくさんの法律改正を伴うから個々でなくて一括して、一本の法律にして国会に提案する、こういうことですか。
○政府委員(森繁一君) これは総務庁の方でお答えいただくのが適当かと思いますけれども、例えば臨調の第三次答申あるいは第五次答申に基づきまして、昭和五十八年に行政事務の簡素合理化及び整理に関する法律を制定させていただいております。それからまた、行革審の昭和五十八年の答申に基づきまして昭和六十年に地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律も制定させていただいております。さらに、近年では行革審の昭和六十年の行政改革の推進方策に関する答申に基づきまして、昭和六十一年に地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務の整理及び合理化に関する法律を制定させていただいております。これらの法律は、いずれも多くの事項につきましてまとめて一本の形で法律として提案をさせていただいた、こういう経緯がございます。
○岩本久人君 そのものをいずれ出すと言われましたが、めどはいつごろですか。
○説明員(西村正紀君) 一括法の件でございますけれども、これは先ほど申しましたように、各省庁の検討状況をまず把握いたしまして、どのような事項が法律改正を要するか、このあたりをヒアリング等で聴取いたしまして、事項として一括することが可能なものにつきましては必要があればそういう方向で検討したいと思っておりますけれども、まずは先ほど申しましたように、これからどのような法律改正が必要かという調査をすることを考えておりますので、それらがどの程度の法律になるかというようなことを見きわめた上で、法改正が必要であれば一括法の検討に入りたいと考えております。
○岩本久人君 大事な部分はまた後から言いますが、もう半年たっているわけです。半年もたっているのに今ごろになって今後どのように扱っていくかというようなことをするということは大変遅いと思っておるんです。その点はまた後でやります。それは一応おいておきます。 次に進みます。十分御承知ですから読みませんが、別紙二で自治省関係で二項目ありますね、その二項目についてどう実施していくか。それから、別紙三の自治省関係で二項目、自治省と警察庁と建設省にかかわるいわゆる交通安全対策特別交付金についての改善、これは私は内容的に見るべきものがあると思うんですが、これらについて今後どのように対応していかれるのかお伺いしたいと思います。
○政府委員(森繁一君) まず別紙二の問題でございますが、そのうちの一つが都道府県の標準局部数の見直しをしろ、こういうものでございます。御承知のように、現在地方自治法の中には人口段階に応じまして都道府県の局部の所掌事務の内容が明記されておるわけでございますが、その中には現実問題として必ずしも現在では適当でないものも入っておりますし、そういうものを見直せということでございます。それから第二の点は、一部事務組合等の名称等の変更につきまして現在知事の許可が要る、こういうことになっておりますが、それを届け出制に改めろ、こういうものでございます。これはいずれにつきましても私どもといたしましては答申どおりで対処をいたしたい、こういう方針を固めておりまして、いずれ法的措置につきまして国会で御審議をいただくような運びにさせていただきたい、こう考えております。 それから、別紙三の方で補助金等の問題が触れられておりますが、まず明るい選挙推進費の補助金につきましては、地方団体の意見もございますので、その意見も十分踏まえまして適切に対応をいたしてまいりたい、こう考えておりますし、また、市町村消防施設の整備補助金につきましても、別紙三で指摘されておりますけれども、これまで補助対象の重点化を図ってきておるところでございますが、今後とも適時適切な見直しを行ってまいりたいと考えております。 それからさらに、交通安全対策特別交付金についてのお尋ねがございました。これは自治省ばかりでなく関係省庁とも関連する問題でございますが、現在この交通安全対策特別交付金は地方単独の道路交通安全施設の設置及び管理に要する費用に充てるため地方団体に交付されておるものでございます。この交付金の使途の弾力化を図るべきである、こういう意見も出されておるわけでございますので、私どもといたしましてはその対象範囲のあり方につきまして関係省庁にも検討を要請しておるところでございまして、今後その結果を踏まえまして、地方団体の要望も聞きながら、なお適切な対応をしてまいりたい、かように考えております。
○岩本久人君 私が聞きたいのは、書いてある項目を読んでもらいたいと言ったわけじゃないですよ、私はわかっておって質問しているわけだから。そうでなくて、いつごろをめどに具体的にどういう方法で実施に移していくのか、こういうことを聞いているわけですよ、再度答弁をお願いします。
○政府委員(森繁一君) 先ほど申しましたように、別紙二の問題につきましてはできるだけ早く法律改正の形で、これも一括法の形でお願いをすることになろうと思いますが、先ほど総務庁からお答え申し上げましたような時期に出させていただきたい、こういうふうに考えております。 それから、別紙三の補助金等の問題につきましては、今後関係地方団体等の意見も十分聞かなければいけませんし、関係省庁との調整もいたさなければいけない問題でありますので、この場所でいつまでということを区切って申し上げることは大変難しいかと思いますが、そういう努力をできるだけ早く重ねていきたい、こういうふうに考えております。
○岩本久人君 今の時期の問題で、今あなたは総務庁が言われたような時期と、こう言われたね。それじゃ総務庁が言われた時期というのはいつごろですか、全然わからないじゃないですか。
○政府委員(森繁一君) これも総務庁のお答えが適当かと思いますが、私ども、この地方権限移譲を推進する立場といたしましてはできるだけ早い時期、言うなれば次の通常国会にでも間に合わせるような形で法案をまとめていただければと、こういう期待を持っております。
○岩本久人君 次の通常国会ということですので、期待をして次に進みたいと思います。 答申の推進要綱では、なお書きとしてこのようなことを書いてありますね。これは大変重要なことなのでちょっと読みます。「答申に沿った改革を進めるに際し、地方制度等に関する事項について更に専門的・具体的検討を地方制度調査会等において行うに当たり、より専門性・中立性を高めた調査審議を行う観点から、その組織、運営等の特段の工夫に努めるものとする。」ということで、この地方制度調査会の根本にかかわる組織、運営、この見直しを求めているわけですね、触れているわけです。このことについて自治大臣はどのようにお考えでしょうか。自治省としてでもいいです。
○国務大臣(奥田敬和君) 地方制度調査会は総理の諮問機関でございますし、ただこの新行革審の答申に盛られている内容を率直に言わせていただくと、専門性、中立性に逆に言うと今の地方制度調査会は適正を欠いているのじゃないかという形にとられます。そういう特段の工夫をしろということでございます。これは私の口から、それは地方制度調査会は学識者も含め大変立派な人選を行ってやっておるということになるわけですけれども、しかし率直に言って答申の実現性というのは打率は低いです、正直なこと言って。 この原因は何かということになっていくと、これが新行革審の答申の言わんとしているところかなというのは、実現に当たってはどうしても各省庁間の協力体制が要るということで、各省庁の協力体制を得るにふさわしい人選でなきゃいかぬかな、これは反省事項です。一つは、答申の最終的な形に言われているように、これは何も地方制度調査会ばかりではありませんけれども、これはなかなか言いにくいことですけれども、国会議員 が、これは法で決められておることですからあれなんですが、どうしても国会の先生方が入っておるという形になると、なかなか答申のまとまりというものが、行政府としての専門性、中立性の意見をなかなかまとめにくい面があるのじゃないかと思うのです。これは地方制度調査会だけじゃなくて、あらゆるこういった諮問機関の中で。 例を引きますけれども、これは今批判を、国会では大変な御論議をもたらすところになりますけれども、選挙制度の第八次審議会、七次まではまとまった意見は一つも出なかった。ところが、八次答申に政治家を入れなかったという形ではっきり言ってまとまった。まとまった形の、いいか悪いかはこれはこれから立法府で当然厳しい論議を闘わさないといかぬわけでありますけれども、こういったことの指摘をされておるのかなという形で、今後の一つのこれを反省する材料として、先生方に御相談しなきゃいかぬ面じゃなかろうかなと、そういう形で反省いたしております。
○岩本久人君 今自治大臣が言われた打率の問題ですね。私も今からそこのところを取り上げようと思っていたのですが、一つは今言われたこの地方制度調査会の中に国会議員が入っているということですね。この中にも数人の方がおられるわけですが、そのことは自治大臣自身としていいことだと思われますか、それとも余り好ましいことではないと思われますか。それをちょっと聞きたいと思うのです。
○国務大臣(奥田敬和君) これは法律をお決めになったのも国会でございますからいい悪いという表現はできませんけれども、審議会のあり方で今答申で指摘されているような中立性、専門性という形に重点を置いて考えるときに、中立性という面において、一党の国会議員である以上はそういった中立性というよりも党の方針なりそういった形にどうしてもとらわれる。そういった形の中でその面においてはいかがかなと。ですから、これは審議会全体のあり方を先生方全体で今後考えられる大きなテーマだと思うのです。 だから、今私にこれがいいか悪いかといって言われると、これは大臣としての立場ではなかなか言いにくいです。個人としてという言い方で言わせていただければ、こういった審議会あたりは三権分立の基本的な立場に立って、答申は答申、これは尊重しなきゃいかぬ。しかし、これを本当にやるかやらないかということは国会で大いに論ずべきであると、こういう形でいった方がいいんじゃないかなと、私はそう思います
○岩本久人君 わかりました。 それとさっき言われた打率の低い大きな要素としてよく例えに出されるベルリンの壁より厚いと言われる各省庁間の縦割り先行の中にあって、どこかがまとめていろんな意見を整合させる、一つの案をつくり上げるということの難しさというものがあると思うのですね。それで、この答申を出される立場にあった委員の二、三の方がこう言っておられるのですね。せっかくいい内容のものを出しても実行に移されるものが極めて少ない、それをもっともっと具体的なことまで踏み込んで閣議決定をしてもらわないということにあるんではないかというようなことを言っておるわけですが、そのことについてどのように思われますか、大臣にお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(奥田敬和君) 今度の新行革審の答申は、閣議決定という基本方針に関してはそういう形になりましたけれども、従来の審議会からいただいた御答申というのは報告でとどめられておるケースの方がもうほとんどだと思います。閣議決定という形になると非常に行政府としての大変な拘束力を持ってまいりますから、いただいた答申は担当省庁間でできるだけ尊重して、閣議決定にまで至っている例は本当に少ないのじゃないかと思います。 したがって、先生の御指摘は閣議決定しなきゃ打率の低いのはいつまでもだめだということになるんでしょうけれども、そこは今また言われた役所の縦割りと申しますか、そういった形の根回しがしっかりできていないと、閣議決定という段階になって、それまでの間のそこへ行く手だてがやっぱり必要だなと。ですから、答申をそのまま閣議決定する、そこは今のところちょっと私としてはまだなじめない御意見じゃないかと思うのです。
○岩本久人君 せっかく諮問をしたことが報告どまりになっているというようなことをちょっと聞いたんですが、しかしこれはこの調査会というのは地方制度調査会設置法という法律に基づいて内閣総理大臣の諮問機関であるということを思った場合、報告にとどまっているということはそのこと自体いかがなものかというふうに思うんですね。だから、改めて地方制度調査会の役割とか使命とかいったものについて大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 地方制度調査会は、確かに法によって決められ、そしてこれが総理の諮問機関であるという形においては大変権威のあるものであることは当然であります。そしてまた、これからの地方制度のあり方、中でも行政の効率化を目指して、できるだけ権限移譲等々も含め効率的な政府、効率的な自治体、こういった形の中で住民福祉の実効性を上げていくという点においてそれぞれの立場から専門的な御意見、新しい御提案、新しい機構、そういった形の御提起を広く受けて、これを行政に反映させようということでございますから、この答申をいただいた以上はこの答申というものをよく吟味して、そして成案化するのに努力するという形は私たちとしては当然でございますし、またこの結果は、これはもう広く先生方の御議論の過程を踏まえて実際の法律としての実行段階に行くわけですけれども、地方制度調査会の使命というか、そういった答申というものを大変これは指針として重く受けとめにゃいかぬという気持ちは当然でございます。
○岩本久人君 既に三十分たちましたので、次に進みます。 この答申の六番目に「地方自治体の自己改革の推進」という項がございます。それで、ここの目玉は私は住民の参加機会の拡大ということだと思うんですね。その中では、新聞報道等で私は知ったことですが、国、地方小委員会の報告の素案の中には、例えば条例の制定、改廃に関する直接請求権を持たすとか、地方税、手数料等の問題についてもそういった直接住民に参加の機会を与えるといったような大変民主主義の原点に限りなく近づくような内容が盛り込まれていたようでありますが、最終的にこれが日の目を見ることができなかったというふうに聞いております。そこで、この点について大変興味深いのは、皆様方の大先輩でもある宮澤弘参議院議員が、「自治実務セミナー」という本の二月号でこう述べております。「この原案は自治省の猛反対によって削除されたのだと聞く。」、そして「負担の軽減かそれとも手厚いサービスか、その選択を住民に求めることこそ自治の原点ではないか。自治省の幹部諸君、諸君の議論は「木を見て森を見ない」ものではないか。反論を歓迎する。」、こう書いてあるんです。 そこで、宮澤参議院議員にかわってといってはなんですが、自治省の幹部と言われる行政局長ですか、財政局長ですか、そこの皆さん方の意見をまず聞きたい、なぜ反論をされないのかを含めて。案外されたのかもわかりません。されていたら、どこでどうされたかということを聞きたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 条例の制定、改廃に関する住民の直接請求につきまして、現行法では御指摘のように地方税の賦課徴収等に関する部分につきましては除外されているわけでございます。この点につきまして、御指摘の宮澤先生の論文が掲載されていることは承知しているわけでございますけれども、私どもは、地方自治法の中にこの規定が現在もあるということは、やはりそれなりに意味のあるものだというふうに理解をしているわけでございます。具体的には、地方税の関係から見ますと、個々の住民の負担が軽くなるということだけをもって賛成をして、それによって非常に容易に直接請求が成立するということは、地方団体の財政的な基盤を揺るがす問題にもなりますし、ひいては地方団体の行政執行にも障害が生じるんじゃないか、こういうことで現行法でああいう形の規定があると理解しておりますので、地方税を担当する立場からは、この規定は現在もそれなりに妥当しているものだと考えております。 ただ、それぞれ皆様方いろいろな問題についていろいろな御議論があるわけでございますので、これについて具体的に一つ一つ反論を申し上げるということは私はやっておりませんけれども、私どもは、この規定はそれなりに現在も妥当しているものだというふうに理解をいたしております。
○岩本久人君 あなたは税務局長さんですね。現在の地方税のあり方とかあるべき姿とかということの答弁としては私はそれはわかる。ただ、私が言ったのは、かつて広島県知事までやられた宮澤弘参議院議員、大先輩でしょう。しかも、私が一番言いたいのは、この考え方は地方自治の原理、原点に基づくものではないのかといったような大変示唆に富む高い次元での提案なわけだから、反論するとかどうとかで行くとかいうことでなくて、その衝にある者としてお知恵をかりに行く、勉強に行くという姿勢でやっぱり一度は会うべきだったろうと思うんですが、まだ会っていないわけですね。それを聞きたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 非常に私も個人的には尊敬をする先輩でございまして、いろいろな面で現在もお教えをいただいているわけでございます。ただ、具体的な問題につきまして、この論文について私から御意見を申し上げるとか、そういうことは私は現段階でやっておりません。
○岩本久人君 本当に御尊敬を申し上げておられるなら、今からでも遅くないから、ひとつ勉強に行かれるという姿勢がやっぱり謙虚でいいですよ、それは。愛される高級官僚として今後成長されるために、大成されるためにも、ぜひともそうしてあげてください。必ず得るものがあると私は確信しております。 次に進みます。次に、地方財政の現状認識についてでありますが、自治大臣にお伺いいたします。現在の地方財政は余裕があると思われますか、どうですか。まず、その点について基本的な認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 地方財政はここ一、二年は、これはもう率直に申しますけれども、国の税収も好景気に支えられまして好調でございます。地方財政も、当然国の財政と歩調を合わせて、最近ここ一年だけを例にとって見れば非常に好調だということは率直に言えると思うんです。 ですけれども、これはあくまでも景気に左右される一時的なものだという私は認識に立っておるわけですが、地方財政全体からいうと、これは何と言っても六十七兆円という巨額の借金を抱えておる現状、そして今また高齢化対策等で厚生省が中心になって市町村に権限移譲をして、ゴールドプラン、高齢福祉の十カ年戦略というような形の問題、すべてが地方自治団体にしわ寄せされるというか、これからの財政需要というのはこれ一つだけとってもそうですし、今また日米の中間報告で言われているような、本当に豊かさを実感するための生活関連投資ということになれば、地方の生活環境の下水道、公園なんかを含めて、これはもう地域の自治体にとってみるとそういった形の住民ニーズといいますか、そういう面に本当にこたえていくためには大変な財政需要というかお金が必要になってこられる点は、もう個々の団体にとってみると本当にそんな余裕があるというようなことはとてもじゃないけれども言える状況ではないと思います。 ですから、今は多少好調の兆しは続いてきているけれども、基本的な方向は依然として厳しいという認識でおります。
○岩本久人君 ただいま取り上げておる新行革審の答申ではこう書いてあるんですよね。これは財政局長にお伺いいたします。財源余剰が見込まれる場合には交付税特別会計の借入金の償還等に優先的に充当せよと、こう書いてあるんです。 今回の今審議しておる交付税の改正案では、その交付税特別会計の借入金の返済に一兆四千百六億円、また財源対策債償還基金費として二兆七百五十三億円措置している。つまり合計三兆四千八百五十九億円の額をそういったものに措置しておるということは、この新行革審の答申に言うところの財源余剰ということになるんではないんですか。そのことについて伺いたいと思います。
○政府委員(持永堯民君) 地方財政につきましては、ただいま大臣からもお答えがございましたけれども、借金の残高もたくさんまだあるわけでございますし、またこれからの財政需要も大変大きなものがある、こういうことでございまして、大変厳しい状況にあると思っております。 そこで、答申の財源余剰云々ということでございますけれども、これは確かに平成二年度におきまして一部のものについて返済をするようにお願いしているわけでございますけれども、六十数兆円の借金の中からその一部を返したからといって、それだけのことをもって財源余剰ありと即断をすることは正しい判断ではないと思っております。ここで財源余剰という言葉を使っておりますけれども、確かに平成二年度に一部でも返すという、そういう状態を財源余剰という言葉を使うかどうかはそれは言葉の問題がありましょうが、財源余剰と我々が考える場合には、やはり全体として地方財政が楽になったといいましょうか、余りが出てきたということを言うんだと思います。そういう意味からいいますと、全体としては現に抱えておる借金もあり、これから必要な金もたくさんあるということからすれば、決して財源余剰という状態ではないと、こう思っております。
○岩本久人君 そこで、一つ伺っておきたいんですが、現在のような予算編成のスタンスでいくと、財源対策債償還基金費とか交付税特別会計の借入金、これは平成二年度末でどの程度の残高になると思われますか。
○政府委員(持永堯民君) 現在お願いしております法案が成立をいたしまして、そのとおり執行したことを前提に申し上げますと、平成二年度末の特別会計の借入金の残高が一兆五千七百四十億円になります。それから財源対策債の同じく平成二年度末の残高が三千二百四十一億円になりまして、合わせまして一兆八千九百八十一億円となる予定でございます。
○岩本久人君 そうすると約二兆円弱。今年度と同じような措置をすると平成三年度ではゼロになるという可能性もある、こういうことですか。
○政府委員(持永堯民君) 平成三年度どうなるかということにつきましては、これからの経済の動向なり来年度の税収の動向によりまして、的確なお答えはいたしかねるわけでございますけれども、いずれにしても仮に一兆八千億余りのものがさらに縮小するにいたしましても、それはさっき申し上げましたように、全体の六十七兆のごく一部の話でございますから、それ以外にたくさんまだ借入金があるわけでございますので、そういった観点からいたしますと、依然として借入金残高は非常に多いという前提で考えていかなきゃならないと思っております。
○岩本久人君 大臣の答弁も含めて総合的に判断をすると、今回の交付税の改正案等でそういう措置はするけれども、依然として地方財政全体としては六十七兆円になんなんとする借金があるわけだから厳しいという認識で今後ともやっていかれる、こういうことですね。――わかりました。 では次へ進みます。 今回のこの答申の中で私がどうしてもひっかかるのに、地方財政計画の歳出規模の伸び率を名目成長率以下とせよ、これを原則とする、こうあるわけですね。しかし先ほど大臣も言われましたように、今それぞれの自治体が抱えている切実なさまざまな課題、あるいはまた環境問題といったような全地球規模的な要請にこたえるというようなことを考えた場合、今言ったようなことをすべての自治体にかぶせるということには、その持てる基本的な体質からかなり無理があると私は思うんですが、この点についての基本的な自治省の見解を伺いたいのであります。
○政府委員(持永堯民君) 答申では確かに名目成長率以下にするという原則を書いているわけでございます。一方で、今お話がございましたように、これからの地方行政におきますいろんな行財政需要というものがふえるのは当然でございますから、そういったことから考えまして単純に名目成長率以下に毎年していくということは無理があるだろうという認識は我々も持っております。 ただ、この答申の趣旨というのはやはりあくまで将来的に国民の租税負担あるいは社会保険料を含めた公的負担と申しましょうか、それを全体として余り高くしないようにする、つまり最終答申でも出ておりますけれども、高齢化が一番ピークになります二〇二〇年ごろにおきましても租税負担と社会保険料負担を合わせまして五〇%を下回ることを目標にするというようなそういう背景、考え方があるわけでございまして、全体として余り行政の守備範囲が大きくなって、租税負担なり保険料負担が非常に高くなるというのもやはり問題があろうかと思います。 そういう観点から、行政を極力効率的に進めながら租税負担なり保険料負担というものをそう極端には高くならないようにしていこうというそういう基本的な考え方を述べられているものだろうと思っておりまして、具体の毎年の財政運営あるいは各個別の団体の財政運営ということを考えますと、これはやはり年度により、地域によりさまざまな状況があるわけでございますから、そこは実際の財政運営というのは具体のいろんな要因を踏まえて毎年毎年やっていくべき問題だろうと思っております。 そういう意味で、この答申におきましても一つは「中長期的にみて、」という前提があるわけでございまして、中長期的に見てそういうふうにするということでございまして、毎年毎年名目成長率以下に抑えなくちゃならないということではないというのと、もう一つは「適度の経済成長率が維持されていることを前提に、」というのがあるわけでございますから、例えば景気が大変悪くなって、場合によっては財政でもって景気のてこ入れをしていくということがかつてもございましたし、あるいは今後もあるかもしれません。 そういう場合は成長率以上に財政規模が膨らむというのは当然でございますから、そういうことも考えますと、あくまで中長期的という非常に高いといいましょうか、幅広い観点から、そしてまた経済成長もある程度していくという前提に立ってそういう考え方を持ちなさいという大原則といいましょうか、一般的な原則を述べられているものだろうと思っておりまして、個々の団体の一切の財政あるいは毎年毎年の予算編成なり地財計画の規模を決める際に、これが常に適用になるということでは必ずしもないと、こう理解をいたしております。
○岩本久人君 さらにこの答申では、地方交付税法第六条の三の第二項の規定による国と地方間の財源調整の見直しというのを提言していますね。これは具体的にはどういうことなんですか。何を言おうとしているのか、またそのことについての自治省としての見解を伺いたいと思います。
○政府委員(持永堯民君) 国と地方間の問題につきましては、具体的な表現としては、「地方の財政状況の推移等に応じて、地方交付税法第六条の三第二項の規定により国・地方間の財源調整を行う。」、こうなっているわけでございます。これは御承知のように、普通交付税の総額がいわゆる財源不足額と非常に乖離が出た場合、それも引き続いて乖離が出るような場合には、行財政制度の改正なりあるいは交付税率の変更をしろという六条の三の第二項の規定が現にあるわけでございまして、この答申に書かれておりますことは、現在地方交付税にあります規定、その規定をいわばそのまま当たり前のこととして書いたと、こういうふうに私どもは理解をしておるわけでございます。つまり国地方間の財源調整というのは単年度単年度だけの状況でやるんではなくして、やはりいわば中期的な状態心を踏まえてやるべきであると、そういう趣旨であるということでございまして、そのことを法律の規定をそのまま当然のこととして書いていると、こう理解をしております。 それがいわば文章の解釈の問題でございますけれども、同時に財政の実態の面から考えました場合におきましても、先ほど来申し上げておりますように、いろんな意味で借金が多いとかあるいは将来の財政需要がふえていくとかいういろいろな点からいたしまして、決して財源余剰があるとか、あるいは現在交付税率を下げる方向で交付税率の変更をするような状態ではない、そういう状況には今ない、つまり六条の三、第二項の適用を議論するような状況にはないと、こういう考え方を持っております。
○岩本久人君 わかりました。 次に、東京一極集中といったようなことに象徴されるように、現在各地方自治体間における財政力の格差というのは年々拡大いたしているというのが実情だと私は思っております。それで、これに対しては基本的に私は地方交付税の算定をより適正に行う、その基準の見直しも含めてということの方が正解ではなかろうかと、こう思っているんです。しかし、この答申では不交付団体に対する国庫支出金等の配分調整を強化することが提言をされている、また地方団体間の水平的財政調整制度の導入についても必要な検討を行えと、こう言っているんですね。これは一体どういうことなのか、私はこれはオーバーに言えば地方税制の根幹にかかわることだ、したがって安易にそのようなことをとってはならない、このように思っておりますが、このことについての自治省の基本的な見解を伺いたいと思っております。
○政府委員(持永堯民君) 確かに最近財政力格差と申しましょうか、が開いているという実態は否定はできないと思います。しかし、財政調整をするに当たりましては、やはり基本は交付税でやるというのが原則でございますが、答申を書かれた背景としては交付税で財源調整をするといっても不交付団体、東京都は手がつかないじゃないかというそういう意識もお持ちになりながらこういうようなことを書かれたんだろうと思います。 そこで、今補助金の問題と水平調整の問題と二点御指摘になりましたけれども、補助金の問題につきましては、これはやはり本来補助金というのは財源調整をするためのものではないわけでございますから、補助金を使って財政調整をするという考え方はいかがなものかと、こう思っております。 ただ、いわゆる負担金は別として、奨励的な補助金については配分に当たりましてやはり弱いところを優先的に配分するというような措置は一つの方法としてはあり得ると思いますけれども、それが財政調整ということではあってはならないと思っております。 それから次の水平調整の問題でございますけれども、これは言うなれば俗によく言う逆交付税と申しましょうか、つまり金の余っているところの金を取り上げて、国が取り上げるのかあるいはほかの団体に回すのか別として、吸い上げるというような趣旨かと思いますけれども、これは本来地方税として納めた税金をほかの地方団体に回す、あるいは国が取り上げるということになりますと、地方税そのものの性格からして非常におかしなことになってまいりますし、納税者の意識からしても非常に問題が出てくるだろうと思います。 御指摘のようにまさに地方自治制度あるいは地方税制度の根幹にかかわる問題でございますから、これは軽々にそういうことを行うべきではないと思っておるわけでございます。 そこで、答申の表現といたしましても「今後の地方制度等の改革の検討に当たっては、」云々とありまして、「いわゆる水平的財政調整制度の導入等についても必要な検討を行う。」と、こうなっておるわけでございますが、この意味は、つまり「今後の地方制度等の改革の検討に当たっては、」という前提がございます。これは今申し上げましたように、現行の地方自治制度、現行の地方税財政制度の中でそういう逆交付税的なことをすることはおよそ困難と申しましょうか、すべきでないという考え方があるわけでございますので、現在の自治制度、現在の税財政制度が基本的に変わるようなことがもしあるとすれば、そういうことがあるかどうかわかりませんけれども、仮に地方制度等について抜本的に変わるようなことがあるとすれば、そういう機会に水平的財政調整制度についても検討をしてみたらどうか、こういう意味と理解しておりまして、少なくとも現行の地方自治制度なり地方税財政制度を前提とする限りにおいては、こういうことはできない話だろうと、こう思っております。
○岩本久人君 さらにまた「地方財政計画について、必要な場合、年度内収支増減を反映した年度内再計算を行い又は翌年度以降の収支見込額にその増減額を反映させる仕組みを検討する。」と、このように書いてあるんですね。これについて自治省はどのような見解をお持ちでしょうか。
○政府委員(持永堯民君) これは地方財政計画の性格にもかかわる問題だと思っておりますけれども、地方財政計画というのは、交付税法にも書いてありますように、あくまでもこれは翌年度の地方団体の歳入歳出総額の見込みを出すというものでございまして、翌年度の財源の保障をするためにそういう作業をしているわけでございます。したがいまして、年度の途中で例えば税が非常に伸びた、予定以上に伸びたというような場合につきましては、それを改めて財政計画をつくり直すということは実は今までもしておりませんし、すべきことでもないだろうと思っております。 ただ、従来逆に年度の途中で収入が非常に減ってしまったとか、あるいは逆に歳出が非常にふえたというような場合には、池財計画の修正という形はとっておりませんけれども、何らかの形といいましょうか、交付税法等の御審議をお願いして、地方財政の運営に支障のないように措置をとっていることは事実でございますけれども、それは地方財政計画を見直すとかということではないわけでございます。 この答申の意味しているところは恐らく主として年度の途中で地方税等について増収があった場合に、それを例えば翌年度の財源にするとかという意味が含まれているのではなかろうかと思っておりますけれども、しかしそういうことをやりますと、各地方団体におきます財政運営の枠組みを来年まで含めて一々細かく枠組みをするようなことになりますし、個々の団体の自主的なあるいは自立的な財政運営というものを阻害することになるとかえって国に全部依存してしまうというようなことになりますので、それは適当ではないと思っておるわけでございます。 そういうことから、現在の地方財政法の上におきましても四条の三という規定がございますけれども、年度間の財政調整というのは地方団体レベルで行うという原則がございますから、やはりこれに従って考えていくべき問題であろうと思っておりまして、答申はそういうふうに書いてありますけれども、これはどう扱うかについてはまさに慎重に考えるべき問題だと思っております。
○岩本久人君 答申の問題は以上でおきまして、次に、自治大臣に特別交付税の問題についてお伺いいたします。 去る三月二十六日に、私はこの場で大臣に特別交付税のあり方の問題について私の考えを申し上げて、大臣の見解も伺ったんですが、その後時間をかけて考えてみてもどうも理解しがたいということで、再度この問題について大臣の見解を承りたいと思います。 私が申し上げたいのは、今回のここに上がっている改正案の中でも十三兆七千五百九十四億円のうちの六%、実に八千二百五十八億円というものが特別交付税という形で各県、市町村に配分される。恐らくこれは、去年とことしだけでも約一千億円増加しているわけでありますから、ごく近い将来には一兆円を超えるだろうと、こう思うんです。 そこで私は、この特別交付税の性格というものは、普通交付税の算定方法がより客観的で公平かつ合理性が求められる、しかし、やや画一的にならざるを得ない部分を補完するものであるというものであろうと。したがって普通交付税の方がより理想的であるという考え方が根底にある以上、このような大変多額なウエートを持つということ自体いかがなものかというふうに思うんです。時の政権とかあるいは担当者等の、オーバーに言えば恣意に左右されるということを言えば言い過ぎかもわかりませんが、しかし現在の政令、省令とか、この特別交付税を配分する規定の中には、去る三月二十六日に私が指摘したように大変あいまいな表現が使ってあるということを考えた場合、私は好ましいとは思わない。 だから、過去昭和二十七年と三十三年度の二回、それぞれ特別交付税の税率が二%ずつ下がってきているということが、私が主張する考え方もその何割のうちに入っているんではないかと、このように思うわけですが、その基本的な問題について大臣はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) これは大変大きな問題でもございますので、私の意見で率直に申しましたけれども、しかし、今先生が御指摘になったような恣音的な配分になるおそれありと、これだけ巨額になったという形の御指摘であろうかと思いますけれども、しかし、この特別交付税というやつは、普通交付税で見れなかった特殊な財政需要とかあるいは地域的特殊性に基づいた形で六%、それも将来においては一兆円規模にまで膨らんでくるような形にはなってきていることは事実でございますけれども、しかし、災害あたりが顕著な一つの例でございますけれども、そういった特殊な事件というもの、予測せざる財政需要というものは各自治体にあります。 特に私たちのような雪国なんかは、もちろん雪の降る年と降らない年では、これは大変な課題ですけれども、この特別交付税のおかげで、大きな雪が降って各自治団体がもう降雪、除雪で悲鳴を上げなきゃいかぬときに随分交付税措置で助かり、二、三十年前のことを連想しますと、もう雪が降ったら途絶しておったようなあの状態の地域でも、今日ではこの特交措置によってもう流通に支障を来されることもありません。自動車もそのために交通障害を起こしてどうのこうのということもありません。これは降雪地域における一例ですけれども、逆に公営企業なんかでももう非常に赤字とかの問題で、各地域団体、その年の状況にもよりますけれども、こういった問題。 それで、最近は上水道、水道料とかの課題でも、余り地域間格差が出る形をこれで措置されていることによって随分喜ばれるわけでございますし、いろいろな意味において地方団体のそのときの特別な財政需要に応じてきめ細かくやってあげるという形においては、決して恣意的な形じゃなくて、それぞれの基準はきちんと決まっておる形の中で計算されておるようでございますし、私は地方の弱小の団体にもそういった形でお手伝いをしてあげられるという意味においては、この特別交付税制度というのは軽々にこれを普通交付税の方にみんなのみ込んで回したらどうかという御意見には賛成をしかねるというのが現在の心境でございます。
○岩本久人君 私も軽々に全部どうせい、こうせいと言っておるわけではない。今大臣が挙げられた一つの例、大変な降雪のときに特交があって助かるとか、しかし、そういった例のときに特交でないと措置できないということの方がおかしい。ほかの方法で幾らでも措置することができるということになるわけですから、一つ一つの例を挙げればいろんなことで幾らでも言えるということを一応言っておきます。 それと、特別交付税といえどもきちっとした基準に基づいてやられておるわけだから、担当者が鉛筆をなめてどうこうということではなかろうと、こう言われました。しかし、私が三月二十六日のときに、あのときの議事録を見てもらえばわかるんですが、言ってみれば表現があいまいなんですよ、物すごく。これは事実です、見てもらえばすぐわかります、今は時間がないから読み上げませんが。それは一つ一つの事柄について判断の中身というのはかなりゆだねられておるという現状にあるということをまず認識をいただきたい。だからこそ、この前も私は一つの例として取り上げましたが、前の自治大臣の渡部自治大臣が、まあそんなことおっしゃいますな、選挙のときはお互いさまでしょうとは言いながら、この前、一昨日の福岡の補選でも、あるいは私のところの知事選であろうが市長選挙であろうが、総理大臣以下皆さん来て演説で何を言われるかということです。中央直結でないとお金が来ませんよ、県民の皆さんはどちらを選択された方が幸せですかと、声を大にして、マイクのボリュームをいっぱいに上げてなぜ言われるかということです。だから、そうしたようなことを、もしそれが誤解だと言われるなら、誤解を受けるようなものは最小範囲のものであってよろしいということから私は言っているわけだということをまず理解してもらいたい。 そこで、昭和二十七年度、三十三年度に引き下げをされましたけれども、このときの理由は何ですか。
○政府委員(持永堯民君) まず昭和二十七年度に、これは平衡交付金時代でございますけれども、特別交付金の割合が一〇から八になったわけでございます。これは制度をつくりましたときの昭和二十五年におきまして、あくまで暫定的に一〇%ということで初め発足をするという暫定措置的なことでございましたんで、二十七年に恒久化する段階で八%とした、こういうことのようでございます。 それから、三十三年度に特交を八から六にしたわけでございますけれども、その際は、従来特別交付税で見ておりました例えば単独災害復旧事業債の起債の償還費といった、主として起債の償還の経費について普通交付税で算定をするということに改正をする、そういうこととの関連で特交の率を下げた、こういうふうに承知をしております。
○岩本久人君 今の問題で、地方債月報の二月号に地方交付税講座というのがあります。自治省財政局交付税課という署名入りでありますが、この中にこう書いてあるんですね。特別交付税については、三十三年の八%から現在の六%に引き下げた理由として、特別交付税で算定された項目等の一部が普通交付税に移しかえられたというふうに書いてあるんです。つまり先ほどから私が言うように、現在の特別交付税として配分されているその項目が、三年も五年もあるいは十年も同じ項目が同じように配分されているものがあるのではないか。そういうものが私はあるというふうに踏んでいるんですが、あるとするならば、それは八%から六%に落とされたときと同じ理屈で落とすことが可能ではないか、このように思っているわけです。その点についての見解を承りたい。
○政府委員(持永堯民君) 特交算定におきまして、確かに数年間続いて同じ項目で算定しているものがあると思います。例えば、上水道の料金が高いというために、これは急に安くなることは余りありませんから、毎年毎年上水道の高料金対策費を算定する、そういうことはございます。ただ、これは普通交付税にもし移すにいたしましても、やはりかなり多くの地方団体に共通するような経費でありますと、何らかの一定の指標を使って普通交付税で算定ができることになると思いますけれども、現在特交で見ておりますものは非常に地域間でばらつきがあるということがございます。それからもう一つは、客観的な数値を用いて、何らかの指標を用いてやるといたしましても、それが的確に各団体の財政需要を捕捉できるかどうかという問題がございます。そういう両面から、技術的な面でございますけれども、そういうことからして、普通交付税に移しかえて、何らかの指標を用いて全国の市町村あるいは全国の都道府県同じような算定をするということは、現実問題なかなか難しい点がある、こういうことを御理解いただきたいと思います。
○岩本久人君 局長さん、物事には何でも理屈がつくんですよ。だから、私がお願いしたいのは、私が一生懸命訴えていることで少しでも理解できることがあったら少しは評価してほしい。とにもかくにも、私が質問したこと、主張することについては何とかして反論せないけぬという姿勢では困る。そうでなかったらごめんなさい。私はそのように聞こえているものだからそのことを特に最初にお願いしておきます。 そこで、昨年末答申されたこの行革審の中でも、「地方交付税制度の運用の改善」の中でこう書いてある。「特別交付税について、交付対象要素を見直し可能な限り普通交付税への振替を行う。」とあるんです。答申でこう出ておるんです。大臣が最大限尊重せないけぬと言っておられる答申にこう書いてあるんですよ。そして、この答申を早急に実施するために昨年の十二月二十九日にはこの答申が閣議決定されているんです。その具体的なものは何か。「国と地方の関係等に関する改革推進要綱」、この中でも「普通交付税及び特別交付税の制度の運用について、答申の指摘に沿って、必要な見直し等を進める。」、こう書いてあるんです。今回のこの新行革審の内容、もちろん多くの点で異議なしとはしませんけれども、この点だけは非常にすばらしい内容だと、このように私は思っておるわけでありますが、閣議決定をされた、そしてサインをされた閣僚の一人である自治大臣は、このことについてどのようにお感じですか、基本的にお伺いしたい。
○国務大臣(奥田敬和君) 今財政局長からも言われましたけれども、この指標で一般的に各自治体共通の要素にとらえられるものがあれば、それは移しかえていくという不断の努力は必要だと思います。しかし、特別交付税の持つ意味が、先ほどからいろいろ申し上げておりますように、普通交付税の算定後に生じた特定な、地域的な財政需要にも応じてあげるということ、そういったこと等も踏まえまして、普通交付税への移しかえというのは、そういったことの不断の努力もしながらも、何かやっぱり限界があるように感じられてなりません。 ですから、答申の内容は内容として尊重して、共通の指標ありやなしやという形において、だれから見ても、先生方から御指摘されるようなことなく、客観的で非常に高いものであるという形の中で算定することが原則として一番好ましいことでありますけれども、そういった一般化したものとそうでないものがある。そして、交付税算定の期日後に発生した事態に柔軟に的確に対応してあげるという面で、特別交付税の持っておるそういった機能と申しますか、特別交付税の持っておるそういった意義もぜひ御理解して認めていただきたいなと思います。
○岩本久人君 私は特別交付税の持っておる意義を全面否定をするという立場には毛頭ありません。ただ、それが一千億にもなるというような、余りにも多額過ぎるものが不明朗なものを含む基準の中で配分されるということはいかがなものかというのが視点です。 そこで、さっき言いました大臣の言葉をかりれば、共通の指標があるのかないのかということについて、私はあると思うから言っておるわけでございますので、そういったことについて、せっかく答申を閣議決定されてもおるわけですから、早急に検討を進めてもらいたいと思います。同時に、そういう検討が、先ほどの自治省の交付税課の署名入りの文書が既にあるということからすれば、既にそういう作業が進んでいるかとも思うんですが、その点はどうなっていますか。
○政府委員(持永堯民君) 特別交付税で算定しているものを普通交付税に移しかえるということにつきましては、これまでも幾つかやってきた例はあるわけでございます。したがいまして、大臣からもお答え申し上げましたように、これからも当然そういう努力はしていかなきゃならないと思っておりまして、現在もどういう項目があり得るかということについては検討を続けている段階でございます。
○岩本久人君 質問項目をまだ半分しか言っておりませんが、あと五、六分しかないということなので、ちょっとはしょります。 平成二年度の自治省の各省庁への要請行動、この事項についてでありますが、いわゆる七月申し入れという問題について、今年度も行われたと思うんですが、その結果、既に成立をした予算の中で自治省全体としてどの程度達成をされたか、お伺いしたいと思うんです。
○政府委員(持永堯民君) いわゆる予算編成に当たりましての申し入れでございますけれども、毎年たしか七月に行っておりますが、昨年、平成元年におきまして平成二年度の予算編成に関連して申し入れた項目がこれはたくさんございます。一々申し上げますと大変でございますので、数で申し上げますと、例えば補助金の整理とかそういう各省共通の事項と各省の個別の問題と両方あるわけでございますが、共通事項につきましては、十三項目の申し入れの中で何らかの改善が行われたというものが十一件、おのずから改善の中身の軽重はございますけれども、一応何らかの改善が行われたというのは十一件。個別項目につきましては、五十件の中で何らかの改善が行われたのは二十四件ということになっております。
○岩本久人君 時間がありませんのでこの個別の問題はやめたいと思うんですが、平成三年度、つまり来年度の七月要請という問題が来月あるわけですが、これに対する自治省としての基本的な考え方をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(持永堯民君) 具体的な内容につきましてはまだ検討を始めた段階でございまして詳しく申し上げる段階ではございませんけれども、基本的な考え方としては、先ほど来御答弁を申し上げておりますように、まず、地方財政が依然として非常に厳しいという大前提のもとに、国、地方を通じます行財政の簡素効率化を進める、あるいは国と地方の間の財政秩序というものを適正なものにしていく、あるいは補助金の整理等々を初めとして、地方団体の自主的、主体的な財政運営ができるようなそういう改善をしてもらいたい、そういうことを考え方の中心としながら、特に注意してもらいたい事項について申し入れをしてまいりたいと考えております。
○岩本久人君 次の問題に入りますが、地方公共事業に対する国の補助率の問題です。 午前中もちょっとあったようでありますが、これについては、実は、私もかつて県議会議員時代に十年間毎年のように全会一致で決議して、国に要請行動、まあその陳情が余りにもどうなのかということは一回私も取り上げたことがありますが、そういうことで大変なエネルギーを使ってやってまいりました経験を持っておりますが、昨年の一月十八日の大蔵大臣と自治大臣の覚書があります。これには「公共事業に係る補助負担率については、関係省庁間の検討会を設置して総合的に検討を行う。この場合、昭和六十二年度引下げ分については平成三年度から復元するものとする。」、こう書いてあるんですね。ところが、ことしの五月二十三日の日経新聞には、「来年度も復元せず 公共事業補助率で大蔵省」、そして中身は、「大蔵省は補助率を復元しない方針を六月中に開く「公共事業補助負担率に関する関係省庁検討会」で表明する。」、こうあるんですが、この報道記事についての大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) この日経新聞の記事の出所等については私は知りません。 私は、結論から申しますと、これは補助率カットのなかった五十九年段階にまで復元していただきたい、またそうするのが筋だと思って、今各省検討の場に出ている局長連中には強くそのことを申し入れておるわけであります。しかし、今お示しになりましたように、大蔵・自治大臣の覚書というものもございます。これによると、ともかく今日の暫定措置は平成三年をもって六十一年時に復元するということがまず議論のスタート台になると思っておるわけです。ですから、最低六十一年水準に復元する、しかしあくまでもノーカット時代の、補助率カットでなかった五十九年の形にまで復元して地方の財政需要にこたえてやってほしいというのが私としては当然主張すべきことでございます。ですけれども、今度は自治体の皆さんからは事業量も非常に要望も多いんです。だから、ある程度の公共事業量のいろいろな地域のニーズがございますから、それらも確保したいという強い要望も踏まえて交渉しなければなりませんけれども、こういったことを勘案しながら、地方自治体の意向もよくお伺いしながら基本的な方向に向かって交渉したいと思っております。
○岩本久人君 ただいま大臣から、補助率復元の問題について、私が言った六十一年でなくて五十九年まで戻したいという決意をいただいて、大変高く評価をいたします。 そこで、一つ聞きたいんですが、大臣は今の答弁の中で、去年の一月十八日の大蔵大臣と自治大臣の覚書が議論のスタートだ、こう言われたわけですね。私は、この種のものは議論の余地はないものではないのか、それだけの権威のあるものではないのか、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 覚書の線はこれは守ってもらわなきゃ困ります。ですけれども、私としては覚書以上の形で、地方自治体の現在の情勢というのはそんなに決して甘くないということで、補助率ノーカットの時期まで、当然これは暫定的な措置として約束してきたことだから覚書の線までは、六十一生復元の線はこれは当然であります。
○岩本久人君 時間が来ましたので最後にします。 そうすると、ここの六十二年の引き下げ分については平成三年度から復元するということはもう絶対的に確定しておることだということですね、それだけ。
○国務大臣(奥田敬和君) もちろんそういう認識でおります。
○常松克安君 大臣、時にはよそごとを考えられるときもございましょうが、その間をついて大臣というようなことは私申し上げませんが、どうか論議の隅々に至るまでよくお聞きの上御指導、御鞭撻並びに反論がありましたら、どこからなりとも手厳しくお願い申し上げます。 私は、二十九歳にして市会議員をスタートいたしまして、ささやかなる地方議員の経験でありまするが、時として困りました。それは国保事業会計でございます。当時、私たちは国保の事業につきましては夕焼け保険だと。なぜか、心は真っ赤だ。いつも出てくると赤字、赤字、赤字、こういうふうなことで、非常に苦慮した。そのときから、もうお国の自治省は一体何を考えておるんだと。大体国が国民の健康というものを皆保険にしながら、それの財政的なバックアップはというふうには思い続けてまいりました。地方所管に入れさせていただきまして、聞くところによれば、それはそれなりに苦慮していらっしゃる、その努力は多といたすものでありますけれども、よってまず国民健康保険制度の問題から入りたい。 今回制度化されました保険基盤安定制度によりまして都道府県、市町村の負担がこれから増加するということは考えられるんではないだろうか。二年前の改正の際は、地方負担分五百億円のうち、交付団体の分については地方交付税の特例加算が行われたのでありまするが、これは今後全くの地方負担になってこないんだろうか、こういうふうに考えますが、その辺のところからお答え願いたいと思います。
○政府委員(持永堯民君) 国民健康保険の保険基盤安定制度でございますけれども、六十三年度におきまして二年間の暫定措置ということで導入をしたわけでございまして、その段階におきましては、暫定措置ということでもございましたので、いわば既定の財源ではなくして、特例加算、つまりプラスした財源でもって二年間措置をする、こういうことになったわけでございますが、このたびはこの国庫負担の方も充実をするということと相まちまして、これをもう安定的な制度化にしていこう、こういう考え方でございますので、そうなりますと、財源の面におきましてもこれはいわば地方財源の既定のといいましょうか、既存の財源で対応していくという考え方になったわけでございまして、そういう前提のもとではございますけれども、当然その所要額は全体として地方財政計画に計上して、そして個別の県、市町村に対しては地方交付税の算定を通じてそれぞれの所要額を措置していく、こういうことでございますので、この保険基盤安定制度による県なり市町村の負担があることによって、各市町村、各団体の財政が大変困った事態になるということはないようにしなきゃならないと思っております。
○常松克安君 こういうふうな問題の恒久的措置の財源としてたばこ消費税の地方交付税対象税目化がなされたわけでありまするが、今回はそういうふうな検討はなされなかったのかどうかお伺いいたします。
○政府委員(持永堯民君) 厳密に申し上げますと御指摘のようなこともあるいは考えるべきという考え方もあるわけでございますけれども、今お話しのたばこ税についての際は、社会保障系統の地方負担を初めとして非常に大きな金額のものについて国から地方へ財源を移すということだったものですから、つまり国の負担を地方の負担にかえるということもありましたので、国の財源を地方の財源に移しかえるというそういう措置をとったわけでございますけれども、今回は金額的にはそれほど前回に比べればそう大きなものでもないということもございますし、それから、もともと国の負担を地方に移すということでなくして、お互いに新しく負担をする、こういうことでございますので、財源の移しかえまでは実はいたさなかったわけでございます。確かに御指摘のようなことをやるべきだったという御意見は理解できますけれども、そういう両方がお互いに新たに持ちましょうと、こういうことでございますので、若干前回とは事情が違うという点は御理解いただきたいと思います。
○常松克安君 何回となく御指摘があったことでありますから、基盤が非常に軟弱なものですから非常に赤字という問題を抱えて地方の方も大変になってくるわけです。その辺のところをいま一度また検討深いものをいたしていただきたい、こういうふうに申し上げておきます。 次に、今度は厚生省の方に参りますが、国保医療費という問題については地方の格差があると言われております。この地方の格差は縮小してきたのかどうか、この辺のところを御指摘願いたいと存じます。
○説明員(大塚義治君) 先生お尋ねの医療費の地域格差の問題でございますが、我々も地方間の医療費の格差というものを極力縮小しなければならないということで、例えば一昨年の国民健康保険法の改正によりまして高医療費市町村対策というようなものも導入される、あるいは一般的にそれぞれの自治体の御協力も得て格差是正に努めてきております。なかなか数字的にこの差が大きく縮小するという状況にはございませんけれども、高医療費市町村対策が始まってまだ間もないということもございますし、引き続き格差是正に向けて努力をしたいと、かように考えているわけでございます。
○常松克安君 数字をもってお答え願いたい。
○説明員(大塚義治君) 保険料の格差で申しますと、例えば……
○常松克安君 保険料と言っていません。医療費と言っております。
○説明員(大塚義治君) 失礼いたしました。それでは医療費で申し上げますけれども、一つの例でございますが、高医療費市町村の指定という制度がございます。六十三年度から始まりました施策でございますけれども、非常に高い医療費の市町村を全国で百四十六当時指定をいたしました。医療費は少し長期的に見る必要がございますけれども、その百四十六の指定市町村の地域差指数、これは総体的に見てどういうレベルにあるか、この指数を見た一つの単年度の数字でございますけれども、指定市町村のうち指数が減少傾向を見せたものがおよそ三分の二、指定をしたにもかかわらずまだ減少しない、むしろ指数が上がっておるというのがおよそ三分の一、こういうような状況でございます。この数字一つをとりまして評価するのはなかなか難しゅうございます。もう少し経年的な状況を見なければなりませんけれども、一つの方向づけとして私どもはその効果のあらわれも見てとれるのではないか、かように存じておるところでございます。
○常松克安君 今お話がありましたように、なかなか努力はしておりまするが、一朝一夕にしてそういうふうには現実はいっていないと、こういうふうなお話かと思います。しからばこの是正というものが進んでいないのは、もはやこれは地方団体の責任でできる限度を超えているからなのであって、医療制度全般にかかわることではないかという検討の段階に入っているんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○説明員(大塚義治君) お示しのように、医療費対策というのは一つ一つのこれといった決め手の対策があるわけではございませんで、さまざまな対策を地道に積み重ねるということが基本であろうと思います。 こうした観点から、私どもといたしましては医療保険サイドからできる努力、例えば医療費の審査、支払いにおける点検の強化というような医療保険サイドからできる努力、あるいは医療供給体制の観点からの適正配置のための努力、さらにはもう少し広げまして、医療費に間接的につながってまいりますいわゆるヘルス事業といわれるような保健事業、さらには福祉関係の諸施策、こういうものを総合的に今実施していく。従来からも努力をしてまいりましたが、今後さらにこれを強力に進めていくという形で、将来的には医療費全体の伸びを適正なものにし、国民負担をノーマルなものにしていく、こういう考え方で努力を続けたいと、このように考えております。
○常松克安君 今おっしゃいましたことを実際に実践して、実績を上げた箇所を具体的に挙げてみてください。
○説明員(大塚義治君) 一つ一つの対策からその効果額というのは非常に難しいわけでございますが、例えば審査、支払い段階におけるチェックによります財政効果額、これは手元にございませんが、後ほど数字としてお出しできる数字がございます。 それから、医療機関の適正配置につきましては、御承知のように地域医療計画というものを医療法の規定に基づきまして策定をしておるわけでございますが、これにつきましては既に全県で策定をいたしたところでございます。
○常松克安君 そういう答え方もあるでしょう。それはそれでいただきますけれども、例えばここにこういうものがございます。我がふるさと三重県におきまして、私が誇れる一つの町なんです。「紀宝町総合保健対策事業計画書」、これをおつくりになりましたのは、京都大学医学部を卒業されまして、四十数歳にして三重県の保健所長を棒に振って途中退職して、住んでいる町づくり、すなわちそれはもう健康からだ、医療費が云々じゃない、レセプトがどうのこうのじゃない、健康であるということは病気にかからないことです、それを実践しようじゃないか。そういうふうな今計画をお出しになりましたこと、どれほど活字を羅列し、論理的に組み上げられようとなさいましょうとも、それをやる人が本当の人材確保と申しますか、一人の立ち上がる人がなければこれは実現できないわけなんです。言葉ばっかり走ります。数字ばっかり走ります。データだけに頼ろうとします。 しかし、この計画書というものの実態がどこにあるか。大臣、これからちょっと聞いていただいてもらいたいんです。これは、たった一人の、十数年前、保健婦になられまして、すぐさま一番悪いこの紀宝町に赴任した人が二村恵美子さんでいらっしゃいます。なぜそんなところへ行くんですか。それは私はその町で生まれ、生まれて今日生あったがために町にお返しをしたい。国保は三重県じゅうでけつから五番目、ワーストファイブ、十年間赤字が続いております、だから行くんです。一人のそういうヒューマンというものはなかなか得がたいものでございます。 そうして、この方が中心になりまして一生懸命頑張って十数年間、そして国保が剰余金を出すまで十年かかりました。三重県では第三位まで健全財政、剰余金は出る、疾病率はぐんと下がる、受診率は下がる、ぼけは少なくなる、こういうふうなものを現実データとして示して、自分一人じゃいけないので、その方の御主人であったのがこの京都大学の御主人です。この人が町長さんの熱烈たる要請で保健所をおやめになって、ともにこの事業計画書をつくった。私、三重県内にこういうものをつくっている市町村を探したらあらせんのです。ようつくらぬのですわ。失礼な言い方ですが、こんな細かく、明確なものです。さすが公衆衛生学科を出た方でありますから、見事なものです。その基本は何か、病気を云々じゃないんです。病気にかからないようにするには第一予防、第二予防、第三予防を十年間かけて蓄積されてきた。そして見事なデータが、今厚生省が頭を痛めていらっしゃる国保の財政というものを財政という見方じゃなく、この人は人の命、健康にすることがすなわちその町づくりにつながると。こういうふうなものを一読しておいていただきたい。 どういうふうなことに私は感銘したのか。例えばやまびこ会、やまびこのように次から次へと共鳴して、みんなで高血圧を予防して健康になり、会員をふやす。ところが、行政のレクチャー、行政から受けたものを教えても全然失敗しているんです。受け付けないんです。これは高血圧で本当に苦しんで病院を退院した人が会長さんになって、三十名の枠で一生懸命食生活からやっているわけです。だからなじみがいい。行政がやったら全部失敗します。頭からいきません。活字では動きません。 第二番、みどり会、これはどういうことか、貧血を予防しようと五十九年にできました。栄養調査の結果、野菜がとても不足しているので緑を食べましょうから会が始まりました。第三番目、つくしんぼう会、ツクシのようにスマートに、健康へと伸びて、ちょっぴり辛抱もしながら学習し合い、糖のコントロールをして健康な生活を送るためにつくしんぼう。その次、たけのこ会、一枚一枚タケノコのようにはいで、肥満を予防しようとする会であります。 そして、この人が十数年たっての結論が、先生は住民です。我々じゃございません。はっきりと先生は住民です。住民の直接参加、これはもう各県にいろいろこういうような奇特な方がいらっしゃるのを知っています。これだけじゃありません。しかし、もう明確に、今おっしゃっていただいた字では保険料は下がりません、疾病率は下がりません。こういう方がいなければ、またこういう方こそ大臣表彰として私はライトを当てるべきだと思うんです。こういうふうな結論として、一番最後には、スズメの学校からメダカの学校へ、ピーチクパーチクむちを振って教えるような時代ではない。メダカの学校だ、みんながともにやる。一年一回の健康祭なんてすごいことです。 これを聞かれまして、課長さんに質問いたします。こういうふうな成功の要因は三つあると思うんですが、一体何と何と何とだと思われますか。
○説明員(大塚義治君) 難しい御質問で、先生のお尋ねに明確にお答えできるかどうかわかりませんが、ただいまのお話を聞いておりまして、私の個人の感じということでお答えをさせていただきますが、一つはやはり地域に入った実践から生まれた知恵であり工夫であるというところが一つ大きな成果を生んでいるゆえんであろうと思います。それと裏腹であろうと思いますけれども、基本的には専門的な知識を豊富に持った方がなおかつ地域に入り込んで、先生のお言葉によりますと住民の方を先生として今日まで長い間努力をされてきた、その継続性というのが二点目ではなかろうか。三点目、それはやはり役所仕事ということでなくという趣旨のことをおっしゃいましたが、やはり住民側のニーズに立った発想、これで実践を進めてこられた、三点ぐらいがただいまのお話の中から私が受けとめた印象でございます。
○常松克安君 全く明快であります。一つだけ申し添えさせてください。この裏にはやはり涙ぐましい町長の苦境があったんです。ここへ行き着くためには、その対する施設、あるいはそういう保健婦をもう一名ふやすとか、議会場で、そんなもので健康、健康と言うより、もっと建物が必要じゃないか、町長、何でそんなところへ金つぎ込むんだと。それを一身に受けて、いやそうじゃない、健康町づくりというものはと歯を食いしばってこられたがゆえに十年でやっと花が咲いた。ここに最初はいるんな批判があって、むだとわかりながらも、人の命というベースのためには財政的なものを基盤としてきちっと手当てをしていかなきゃいけない、これを知っていただきたかった、わかっていただけますか、私の主張は。アイデアとやる気と町長さん、この三位一体こそが成功の原因でございますと、十五年目になって私に教えてくださいました。 そして、誇らしげに、最初私が保健婦で行きましたときには五十名しか健康診断はありませんでした。今や年間一万名、この予防予防という徹底のために一万名、肺がんから胃がんから子宮がんから、それが来やすいように今日まで皆さんによって盛り上げていただきました。こういう話なんです。 大臣、この話をお聞きになりまして、いろんな基準はございましょうけれども、何とかこういう方々の、陰に隠れて本気になってやっていらっしゃる方を何か表彰してあげて、そして宣揚してあげることもある面の中央の行政という立場の長の御決意かと存じますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 今お聞きしておりまして、今厚生省がやろうとしているゴールドプランと申しますか、十カ年戦略をまさに先駆的に実践している町があるんだなと、それは本当に町民にとっては一番幸せなことだと思います。今いみじくも表題をつけられて、私は町づくり、ふるさとおこしの全国からそういった実践的な新しいアイデアを生かされておる自治体の表彰も行っております。健康町づくりという形の中で、町長さんも非常に御熱心に取り組まれたようでございますし、そういった形を言いましても、今すぐここでわかった、表彰すると、こういうわけにはいかぬのです。ということは、この規定は県から推薦していただきまして、それを私が選ぶということになっているわけです。県から来ぬとちょっと都合が悪いんですけれども、先生の仰せですからできるだけそういった新しい活力のある町づくりの中で、健康を表題にした、そして町が明るくなって、もう長い間国保の赤字で苦しんでいた町の財政も健全化して、町民も健康になった、そういった形でもう珍しい、いいことだなと先ほどから聞いていたわけですけれども、もしそういう形で御推薦があれば一生懸命に努力します。
○常松克安君 と言いながら、厚生省もなかなかいきな計らいをされるんですよ。こういう実績を上げたものですから、本来なら下から上へ上げて予算要求、重点政策、いろいろな形ですけれども、よくやったと、何か今必要なものは要らないかと。どうしても巡回のバスが欲しい、よし、要求もなしにすぽんと与えられた。ここはお見事、その後が悪い。これより以上にこのお医者さんは、この町民全体のデータバンク事業、このために予算要求したときが悪かった、厚生省は。あかん、国保の黒字になったところにはやれぬ、赤字のところにやるのであってと。本当にくやしそうな表情で職員の皆さんがおっしゃっていました。やる気のところが、これからデータバンクによってがんをデータベースにほうり込んで、そしてその人たちの食生活の中から防ごうとしておるのに、やる気のところにはやらぬ。赤字のために苦しんでおるところへ先にやって有効にする、そんなデータバンク事業なんでしょうか。
○説明員(大塚義治君) 私どもの国民健康保険制度の中の助成措置の一つといたしまして、データバンク事業、コンピューターを利用しまして地域住民の健康に関する情報を管理する、これを健康対策なり保健施策に反映させる、そういう事業に対する助成をいたしております。これは必ずしもその対象市町村が財政的に赤字、黒字という基準はございません。したがいまして、財政的には黒字でございましてもこれを助成対象とすることが可能でございます。ただ、通常の助成と同じでございまして、都道府県を通じての御申請を賜るということが一つと、全体としての助成枠という金額の枠の問題もございますから、そこで行政的な判断を加える必要がございますが、赤字、黒字は条件にいたしておりません。
○常松克安君 よく聞いておいてください。赤字、黒字と言うてません。よく聞いて答えてもらいたいんです。これは申請もしておるの、却下された。私は赤字、黒字と言ってないんです。もうくどいことは言いません。こういうふうなやりたいところに落とさないで、そんな赤字で、赤字ということは対応に困っておるところなんだ。そんなところにやったって使い方自体もわかりませんやないかと。それはむだと違いますかというふうなことのお話があったことをお伝えして、これでこの質問は終わり。 次に私は、先ほどの地方議員の経験の中で特に不思議に思いましたのは政管、健保に傷病手当があるんですが、国保にはありゃせぬのです。それで、申し上げます。一体政管、それから健保、ここのところに傷病手当として支出した金額、全体の総給付に対する構成比率をお答えください。
○説明員(大塚義治君) まことに恐れ入りますが調べまして後ほど御報告させていただきます。
○常松克安君 このデータちゃんとそっちからもろうたんですよ。構成比率もちゃんとパーセントまで入れてもろうたんです。それで教えてもろうたんです。政管は国が出し、本人が出す。健保は本人が出し、事業主が出す。国保は本人の医療費負担、そして政府からいろいろな援助をする。総体的には変わらないが、しかし任意条項となっておりますが、今全国の市町村では傷病手当を実施しておるところはゼロでございますと。これは実態までこんなたくさんデータを全部もらいましたよ。通告もしましたですね。まあいいです。 そういうふうな現状の中で、こういうような傷病手当という考えはいかがでございましょうか。
○説明員(大塚義治君) 先生御承知のとおりかと思いますけれども、ただいま先生おっしゃいましたように、国保制度におきましては、傷病手当金は任意給付という扱いになっておるわけでございます。これは一つには傷病手当金というもののそもそもの性格に由来するところがございまして、本来被用者の休業中の補償という性格を持ったものでございますが、国保の場合には被保険者の多数は、むしろ被用者以外の、しかも極めて多様な職業状況におられる方々という面がございまして、これを一律の給付というようなことにはなかなかなじみにくい面があるという点が一つございます。 さらに、いささか事務的なことになりますが、そういう基本的な性格を反映いたしまして休業期間の認定というものをどうしたらいいのか、あるいは収入というものをどういうふうに認定すればいいのかという事務的な難しさ、これも一方であるわけでございます。さらに実態的な問題でございますけれども、市町村国保自体の財政状況、一般的に申し上げまして大変厳しいことは御承知のとおりでございまして、こういったさまざまな要因から任意給付という性格をとり、なおかつ現状においては先生お示しのようにこれを給付しておる市町村保険者はないという状況にあるところでございます。
○常松克安君 おっしゃらんとすることも理解できます。しかし、平成七年には一本化というような論議も日を経ずして論議に入っていかなきゃいけませんし、何にしても公平さを欠いておる。片方はあり、片方はない。やる気になれば、税務署へ行って税金を納めている分だけ持ってくればよろしい。休んでいる期間病院の入院の証明を持ってきたらよろしい。幾らでもやる気ならばそれは敢行できるはずなんです。あるいは私見ではございまするが、今いろいろのこだわりを持っている時代に入ってきておるものですから、その分だけ事業主じゃなくてそういうふうな立場の世帯主が自分が倒れたときに後の安心のために特別加算で任意に払ってくる、こういう考えもいたすこともできるわけであります。 ですから、これは新しい時代、二十一世紀の高齢化、いろいろな問題がございますけれども、一家の柱が倒れたら片方は六〇パーなり四〇パーは、いずれにしても最低限度のものはもらい得る。片方は保険料を下げることが精いっぱいで、赤字赤字で運営が精いっぱいで、そんなところへ気が行きません。国保といったらもう本当に暗い感じ。しまいになってくると、最高の所得がある人、こういう人がちょっと親戚の会社へ、わしをそこの社員にしてくれと健保へ逃げちゃう。こういう全体が暗いイメージだからだんだん悪くなってくる。そういうときに、国保というものの中にあることが世帯主がいざというときには支えられるんだ、そういうふうな考えというものをやはり持ち続けていく要求のある時代に入ってきた、こういうふうに御理解し、なお一層の検討を踏まえていただきたい、こう思います。 じゃ、次に移りますけれども、次は老人医療における保険外負担の軽減という問題、これについてお尋ねいたします。 まず一つ、厚生省は昭和六十年には調査していらっしゃいまするが、その以後税外負担についての調査をなさったことはございましょうか。
○説明員(伊藤雅治君) 保険外負担の問題につきましては、六十一年の老人保健法の改正時におきます国会論議、それから衆参両院の附帯決議を踏まえまして六十二年にその是正についての通知を出させていただいているわけでございます。したがいまして、この通知に基づきまして現在でも都道府県を通じまして指導をしておりますが、全体的な調査につきましては、六十年の調査が最終のものでございます。
○常松克安君 たしか六十年の調査によりますと、入院患者一人一月当たり平均負担額は二万七千五百円。地域別では、東京、千葉、神奈川、埼玉等では四万九千四百円。四国では六千百円となっており、この格差がある。これで間違いないでしょうか。
○説明員(伊藤雅治君) 間違いございません。
○常松克安君 ところが、この負担額というものについては、差額ベッド代や付添看護婦料は含んでおりません。差額ベッド代の一日平均は約二千円、月六万。付添看護婦だけでも一日約一万、月額約三十万を超える高負担。ただし、これは正規の場合と違う場合がありますから、一部保険給付のあるところもあります。こういうふうになってまいりますと、だんだんだんだんと高くなる。この辺でぼけ、中間施設、病院、いろいろな形態がございましょうけれども、十カ年の大きな計画の一端としては、やはり五年たった今日、何が物を言うか、現実はどうなっているのか、こういうふうな調査というのは、私は個々の施策を云々問いません、別段階にして、まず調査をすべき五年目になってきているんじゃなかろうかと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(伊藤雅治君) 実態を常に把握しておくということが重要でございます。したがいまして、必要に応じて調査を行うということを検討させていただきたいと思います。ただ、非常にこれは難しい調査でございまして、前回の調査は、医療機関に書いていただく、こういう方式でございますので、できるだけ調査方式等も含めてその実態をどうやって正確に把握するかということも含めて検討させていただきたいと思います。
○常松克安君 いや検討と言ったって、十五回の検討とよく言うんですけれども、十五回も検討しておっても、結論が出ない場合もありますけれども、これは調査を実施すると、こういうことなんでしょうか。
○説明員(伊藤雅治君) まず私どもは通常日ごろから都道府県を通じましていろいろ実態を把握するための指導等をやっているわけでございますが、一方におきまして、全国的な実態を調査する必要があるということであれば、その調査も検討したいということでございます。
○常松克安君 まあよく考えて答えられるものですな。実態がないからせぬでもいいというのか、実態はあるけれども、ちょっと今もう少し置こうというのか、どっちなんですか、一体。
○説明員(伊藤雅治君) 実は調査の方法自体が非常に難しい問題がございます。と申しますのは、それぞれ医療機関が正直にお答えいただくというのが大前提になるわけでございますが、それぞれの保険外負担、それぞれの患者さんによっても違いますし、それから地域によっても違うということで、調査方法も含めて十分その辺のところについて検討をする必要があるというふうに実は考えているわけでございます。当然のことでございますが……
○常松克安君 やるのかやらないのか、どっちなんですか。
○説明員(伊藤雅治君) その調査をやるということについて検討させていただきたいということでございます。
○常松克安君 とうとう外しましたな、そうはさせませんぞ。これは言葉の遊戯をしているんじゃございません。ここでいろいろやりとりより以上、生きている人間の生きざま、老いるということの方がもっと重大なことなのであります。でありますから、そういうふうなものは既に東京都におきましては介護、そういうところについた分の差額については援助する、実施に踏み出しました。ということは裏を返せばそういう難しい問題が現実にあると判断したからこういう施策が実は成ったわけでありまするから、これを全国ベースにのっけて実施をしていく考えを深めていくためにもこの調査が必要である、こういうふうに私は考えて申し上げているんです。もう一度お答えください。
○説明員(伊藤雅治君) 東京都の事例につきましては、付添看護の保険の給付額と実額との差額について都の方で公費をもって負担するという仕組みでございます。そのことにつきましては、医療機関の付添看護料の負担をどう考えるのかということでございますが、私どもといたしましては、本来付き添いが要らない病院の体制を目指すべきではないかというふうに考えております。したがいまして、老人病院が十分入院しているお年寄りのお世話ができるような病院の職員の数を十分そろえて、そしてそれが診療報酬で間に合うという形を始めるべきではないかというふうに考えております。したがいまして、この四月の診療報酬改定におきまして介護職員を加配した病院につきましてはその分の診療報酬をお支払いするという制度を新たに導入いたしまして、現在二十六病院ほど承認しておりますが、そういう病院がふえてくることによってこの付添差額の解消というものが実態として問題が解決していくんではないかというふうに考えておるところでございます。
○常松克安君 それも一つの方途でありましょう。そのお考えについて異論を挟むものではございません。しかし、現実はもっともっと厳しいものでありまするから、それはよく認識をしていただきまして、調査というもの、あるいはこういうふうな方途の施策というものを十二分にお考えの中に入れていただきたい、こう申し上げておきます。 次に、一番最近問題になっておりますのがこのショートステイの問題でありますけれども、法規制によりましてこれは七日間ということに厳密に決められております。しかし、この延長の実現というものが非常にニーズは多くなっております。あるいはそういう方々のお話も、寝たきり老人の言葉じゃなく寝かしてはならぬのだ、もっと訓練をして在宅ケアでお帰りになってももっと自立できるように、あるいは看護のあり方を教えてあげたい、こういうふうな現場からの声もございまして、これを延長、少なくとも半年間の延長というものがあるべきことではなかろうかというこういう御意見もございます。いかがでしょうか。
○説明員(辻哲夫君) ショートステイ事業についてのお尋ねでございますが、ショートステイ事業そのものは、一定の短期間寝たきり老人をお預かりして家族の負担を軽減するというのが事業の目的でございます。 そこで、半年間程度ということはできないかという御指摘でございますけれども、現実問題といたしましては、例えば二、三日冠婚葬祭に出席されるといった需要がありましたり、あるいは老人自体の立場からはできる限り家にいたいという方もいらっしゃいますし、また、できる限り住民の皆様に回数を多く使っていただくという方向を目指すということも必要であるという観点から、原則七日というルールを外すことは困難と存じますが、確かに利用者が必要とする利用期間に幅があることは事実でございまして、必要度が高いと認められるケースについて利用期間が延長できる方向で検討してまいりたいと考えております。
○常松克安君 まことに前進した御答弁でありまして、七日間の壁を破ってその人その人の立場に応じて延長ということを踏まえていこう、こういうような意欲的な御答弁、敬意を表するものであります。なお、どうかひとつその延長の度合いというものは最低一カ月、こういうふうに私は心して言っておきましたということにいたしておきますから御存念ください。 次は、消防庁長官に、私が出れば救急のことを言わざるを得ないものでありますから申し上げます。 消防法本法の改正、こういうことも必要ではなかろうか、こういうふうに考えております。ということは、どう考えても、これからいろいろ尽力して前へ進んでいただきますけれども、消防士で入って救急隊の業務をする。実績からいきましても、六十三年でいきましても二百五十四万件、約二百五十万件。ところが火事の出動は六万件。平成元年度の東京消防庁の消防として出動したのが六千五百件。救急隊として出動したのが三十七万件。もうこれ看板が、ちょっと業務名が違うんじゃないかと思うぐらい業務の――数だけでは言えません、それをいろいろ今大臣の固い決意、御指導がありまして前へ進みました。しかし、いつまでたっても消防士で入って出口が救急隊員、これは非常にアンバランスといいますか、当然いつの日かこの辺のところを明確にしていかなきゃならない。そうなってくると、やはり消防法本法、「応急の手当」という字句からぼんと抜け出して救急隊という本法設立をせにゃいかぬのじゃないか、こういうふうに、ちょっと先走った考えかもしれませんがいたしておるんですが、いかがでございましょう。
○政府委員(木村仁君) 救急業務に関しましては、救急の業務の定義を初めとしたしまして、救急隊の構成、救急業務の諸活動を行うために必要な事項を現在は消防法で規定しているのは御指摘のとおりでございます。 私どもといたしましては、現段階としては消防法の体系の中において必要な規定が整えられていると理解いたしておりますので、現在これを独立法にするという考え方は持っておりません。しかしながら、今後は救急隊員の専門化ということも進むでございましょうし、また社会的な要望等も変わってまいるといたしますと、今独立法をつくるべきではないかという御意見は将来に向けての一つの貴重な御提言と存じますので、今後検討の課題とさせていただきたいと考えております。
○常松克安君 では次は交通事故関係に移ります。 率直に申し上げまして、調べてみますといろいろな縦割り的な中から、研究所があってみたり分析所があってみたりいろいろあるわけであります。それで、車の構造安全という問題につきましてまず一つ、各自動車会社に自動車の安全対策を指示されたと報道されているが、その内容についてちょっと運輸省の方から御報告願いたい。
○説明員(樋口忠夫君) お答え申し上げます。 現下の厳しい交通事故状況にかんがみまして、本年三月、運輸省といたしましては当面の道路交通の安全対策の推進につきましての行動計画というものを策定いたしまして、その中で自動車の構造、装置についてより一層の安全規制の拡充強化を図ることとしたところでございます。 まず当面の対策といたしまして、自動車メーカーに対しまして自動車の構造、装置の安全性に係る研究開発を強化してほしいということ、それからあわせて、自動車のいわゆる国内向け仕様車と輸出向け仕様車との内外格差というものがあるわけなんですが、その解消等を図るよう指示いたしました。特に、今御指摘のお話になるわけでございますが、内外仕様格差の面におきましては、具体的に申し上げますと、安全性の一層の向上にかかわるエアバッグ、衝突時に使うものでございますが、それから後席三点式座席ベルト等の装置を装着した車両を自動車ユーザーの要望に応じてそれが提供できるようにしてほしいということを自動車工業会を通じまして自動車メーカーに指示をいたしたところでございます。
○常松克安君 もっと端的に言っちゃいますと、横のドアの中に補強板を入れるという指示も入っているんですか。
○説明員(樋口忠夫君) 御指摘のドアの補強板を装着するという点につきましても今回の通達では指示をしてございまして、若干この点について御説明申し上げますと、このドアの補強板を装着することにつきましては米国において米国安全基準として採用されているものでありますが、その採用されている理由といたしましては、米国では側面衝突が多いことによるものであるというふうに聞いております。しかしながら、側面ドア強度の保持につきましては、米国の交通事情のもとでは有効であるとはいいましても、側面衝突のより効果的な乗員保護基準につきましては、実は現在日米欧共同で、国連の欧州経済委員会の下部組織であります自動車安全公害専門家会議というのがございますが、その場で基準作成のための作業を日本も入りまして進めているところでございます。 したがいまして、先ほど先生からお話がございましたように、今回自動車メーカーに対しましても、ドアの側面衝突への対策につきましては国連で進められている基準作成作業の結果を待って対応すべきなのかもしれませんけれども、当面の措置といたしまして、より安全上望ましいものであろう、そういう観点から、ドアの補強板について要望がユーザーからあれば、自動車メーカーとしてそれに応じられるよう指導したということでございます。
○常松克安君 じゃ、ちょっと逆な言い方をして申しわけないんですけれども、補強板を入れる、またそういうような検討をいろいろな各国の情勢にかんがみて指示をする。じゃ今度は逆に、今まで入れてなかったのはやはり安全上に問題があったと認められますか。
○説明員(樋口忠夫君) ドアの補強板につきまして、実は現在、今申し上げましたように国連の場で専門的に検討を進めておるということでございます。それと同時に、米国では特殊な交通事情ということもございまして、世界では米国が特に補強板を取りつけるということを指定しておるという状況もございますので、日本のユーザーがそれを望むならばとりあえずつけてやろうじゃないかということで、現在国連の場で検討していただいております結果が出た段階で、日本としましてもそれなりに対応を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○常松克安君 じゃ、逆に申しまして、NHKの放映によりまして実験が行われました。例えばドアのロックの問題です。日本の高級車は少なくとも五キロ、十キロのスピードの間でかかります。それは何で要請されたか。衝突したときの衝撃で外へ飛び出されて即死が多い。そのことによってロック。ところが西ドイツの車、欧州の車はロックはかけないで走る。なぜ、ドアのかぎというものが非常に安全弁というものがしてある、構造上。大衆の目の前でテレビが映し出しました。そこに一トンの圧力を加えました。日本の自動車のドアは完全に吹っ飛びました。ところがヨーロッパの車は一トン半でも微動だにしない。二トンでもドアはロックをかけずとも開かない。あけてみてロックのギアというものが少し変形して完全に残っている。これを見せつけられた私たちの立場からいきますと、何とまあヨーロッパの車は丈夫にできておって、日本のものはやわいな、こんなにまで安全性というものが差があったんだろうか、こういうふうな場面を見せつけられました。いかがでございますか。
○説明員(樋口忠夫君) 我々といたしましても、その辺の実情につきまして自動車工業会を通じましていろいろと調査をいたしたところでございますが、一般論としてお話し申しますと、基本的には排気量でありますとか車両重量でありますとか、そういったレベルのもので考えたときに同格と思われる車種間におきましては、外国車と比べて日本車が遜色があるという状況にはないというふうに我々は聞いておるところでございます。
○常松克安君 それじゃまるでテレビでそれに対して答弁した自動車業界のおっしゃったとおりを代弁しておるだけなんですよ。そうすると、行政は自動車業界の出張所なんですか。我々国民の安全性の心配に対するそれが答えなんですか。いかがですか。
○説明員(樋口忠夫君) 我々といたしましても、そういった状況も一部当然承知しておりますし、一般論として見たときに、今申し上げたことば我々は事実であろうというふうにも考えておるところでございますけれども、今のようなお話もございますのと、それからもう少し我々の方としましても調査を進めていきながら自動車の安全基準のあり方につきまして検討していこうということで、先ほど申し上げましたように三月に行動計画というものをつくりまして、その中で安全基準の規制の強化の方向につきましてこれから作業を進めようというところでございます。
○常松克安君 運輸省はそういうふうな科学的な調査、科学する研究所を幾つお持ちなんですか、車の構造に対しての。
○説明員(樋口忠夫君) 運輸省の附属機関でございます交通安全公害研究所というのがその機関としてございます。
○常松克安君 そこではそういうふうなデータは出てないですか。
○説明員(樋口忠夫君) 自動車の構造、装置、個別につきまして現在当方から研究所の方に要請をしておるということでございまして、それに基づいて研究を進めております。そういった関係で、今先生から御指摘を受けたような点についての研究は行っておりません。
○常松克安君 後日その研究データ並びにその実例を挙げて御説明いたしておきます。ないということは絶対ないんです。 もう一度問い方を変えます。その答え、交通安全に関する外国車との比較、こういうふうに国民が不安を抱いておる数点に対して、項目を挙げて研究所に実験を要請される用意はありますか。
○説明員(樋口忠夫君) 現在、運輸省内部におきましてそういった点も含めて考えておるところでございます。
○常松克安君 いつごろ出ますか。
○説明員(樋口忠夫君) 今年度中に一定のところまではやりたいと思っております。
○常松克安君 じゃ方向を変えて申し上げますが、昨年十二月十七日に実は岸壁から車が落ちてしまいまして、親子三人が亡くなられたという事件が川崎市でございました。そのときの問題を端的に言いますと、ドアというものが自動では水圧でもう全然あかぬ。棒でたたいても素手でたたいてもあかぬ。そのはたにおりました魚釣りをしておる人が、あれよあれよという、五分間浮いていたんですけれども、助けようもなく亡くなられてしまう。しかし、こういうふうな問題については、スウェーデン、西ドイツにおいては必ずそういう事故に際してガラスを割る脱出用具というものが装備されてきつつある、こういうふうになっております。よって、運輸省、警察庁のこういうふうな道具を装備をするお考えについての見解を承りたい。
○政府委員(関根謙一君) 交通事故による死者を一人でも減らすという考えから、そのような脱出用具につきましてもいろいろ検討をしているところでございます。現在幾つかの種類の脱出用具が開発されていることを承知しておりますが、当面はドライバーの方々の関心を高めるために、ライフハンマーとかいろいろ名称があるようでございますが、こういったものを備えることが安全確保のために役立つということを広報すること等をまず進めていきたいと考えております。
○常松克安君 なお、次回また詳しくやりますが、いま一つは、シートベルトのとめ金が外れなくて救急隊の方々もそれをカットするのに非常に苦慮している面、あるいはシートベルトが云々じゃない、シートベルトをとめている座金というものがショックで変形して動きがとれなくなってしまう。よって、西ドイツには日本からシートベルトを切るそういう用具がどんどん輸出されている。青森県の救急隊は八台これは装備してございますというふうな件も後ほどいたします。 最後に、時間も参りまして、大臣突然でございますけれども、あれこれいろいろ各省庁でばらばらばらばら言っておっても、非常に縦割り行政的なものがあります。前回大臣から行政のこの問題に対するおくれは認めますと、もう少しデータというものが公表されることによって交通事故を少なくとも減らすならば、まことにそういうふうなところで考えを一にするものであると、こういうふうな言葉をちょうだいいたしました。 ただ、ここでやっぱり問題になってきますのは、総理府が中心だ、警察庁だ、運輸省だ、いろいろあって、交通事故による一万名のとうとい命のことを考えますと、西ドイツ、何でも外国のまねをすればいいというものではないですけれども、何かそこで一元化したもの、最高の権限を持って。もっと私言いたいのは、業者は一体何をしているんだ、業者は製造元なんだ。それがそこへ行って事故の原因究明をやるぐらいの誠意があったって当然じゃないかというふうな気持ちがいつもするのでありますが、悲しいかな行政のいろいろな縦割りがある。そのことによって切磋琢磨していい面もあるのですけれども、何とかここで国家的な立場で一元化したものを、窓口は一応名称は総務庁となっているのですけれども、ところがそこには権限が与えられていない。こういうところについて何かひとついいお知恵を拝借する所見はございませんでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 先生からこの間御指摘を受けました。確かに私は今、公安委員長という立場で、先般も交通局長を含めて幹部に強く言いました。それは先生の御指摘のあったように、事故に当たって今まで警察だと、日時やら、どっちが加害者か被害者か、そんなことばかり調べるのが仕事だと思っているけれども、本当に事故を分析する、今言いましたつくった方の通産省なり運輸省なりそれぞれのこれは縦割り行政のそういった形の問題点もありますけれども、ともかく事故の原因分析、その場合には道路が悪かった、あるいは自動車の今言った構造的な欠陥も指摘せにゃいかぬこともあるでしょう。そういったことで警察庁にもやっぱり研究所はあるわけですから、そこでできるだけ単に事故のそういった現象分析、現象調査だけでなくて、原因の面が、事故を一つでも減らすためには必要であるという形で、そういうことの対応を少し検討してみるということを命じてあります。 ですけれども、これは本格的な対応を迫るにはこういった形で各省にそれぞれの専門の研究所もあるわけですから、できるだけ横の連絡を密にしてお互いに情報を公開し合っていく、そして、一人でも多く人命救助に当たっていくという基本的な立場に立って考えなきゃいかぬなと思っております。 そして、私は先ほどから聞いていて、縦割り行政の弊害も何とかしなきゃいかぬです。ですけれども、これは先生に御指摘されて、あのパラメディックの問題でも今厚生省と本格的に協議をやっています。そして、きのうも厚生大臣からもお話があったのですけれども、今もう既にこの消防士、救急隊員と申しますか看護士と申しますか救急看護士というのですか、名前は別としてこれの今研修年限を一体どれくらいにやっていくかというのがもう詰めの段階に今入っているくらいに非常にこれ積極的に対応してくれています。こういったことは本当にありがたいことだと思うと同時に、先生方の真剣な御提案がやっぱり今までの欠陥であった縦割り行政を必ず破っていく、そのきっかけになると思います。 きょうの論議なんかも私は総務庁の長官に伝えます。そしてこういった形は安全対策の焦眉な問題であると同時に、いわゆる行政の横の連絡、そして目標は一つですから、いずれにしても、売る側にしても乗る人にしてもつくる人にしても、立場は違ってもいかに安全性を高めるか、いかにして人命を大切にするかという基本点は一緒ですから、この点においての対応にせっかく関係省庁にお話しさせていただきたいと思っております。
○諫山博君 自治省の所管する税金の中に特別土地保有税というのがあります。大企業の土地投機を抑える、あるいは大企業の遊休地、未利用地を活用する、これがこの制度の趣旨です。最近私はこの税金の課税状況、徴収状況を調べて非常に驚きました。 質問いたします。一九八八年度、昭和六十三年度の特別土地保有税の調停額、徴収実績額、猶予額、免除額を金額で説明してください。
○政府委員(湯浅利夫君) 昭和六十三年度の特別土地保有税のまず調停額でございますが五千百四十八億円でございます。それから徴収実績でございますが七百七十八億円、それから徴収猶予額でございますが二千三百七十八億円、それから免除額は千八百九十四億円、こういう形になっております。
○諫山博君 数字にはあらわれていませんでしたけれども、これ以外に未収額があるはずです。 そこで、昭和六十二年度について私が金額を指摘します。調停額が四千七百三十八億五千二百万円、徴収実績額が七百四十二億八千二百万円、猶予額が二千三百九十三億六千六百万円、免除額が千四百九十四億六千七百万円。間違いありませんか。
○政府委員(湯浅利夫君) 私、ちょっと手元に六十二年度の今の数字を持っておりませんので確認できませんが、至急確認した上でお答えさせていただきます。
○諫山博君 そうしたら、直ちに確認してください。
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘のとおりの数字でございます。
○諫山博君 年度を少し飛ばしまして昭和五十五年度を指摘します。調停額が二千七十二億円、端数は切り捨てます。徴収実績額が六百四十七億円、猶予額が九百二十三億円、免除額が三百八十五億円。間違いありませんか。
○政府委員(湯浅利夫君) 間違いございません。
○諫山博君 これは驚くべき数字です。昭和六十三年度をもう一遍振り返りますと、調停額が五千百四十八億円、税金として徴収されたのはわずかに七百七十八億円、大半が徴収猶予になったり免除されたりしています。日経新聞がこういう状況を批判しています。「特別土地保有税対象額の七割免除に」。朝日新聞、「企業に甘い土地税制」。まさにそのとおりです。どうしてこういう結果になったのか、説明してください。
○政府委員(湯浅利夫君) 特別土地保有税は、当初に御指摘がございましたとおり、投機的土地取引の抑制とそれから土地の有効利用を促進するために、昭和四十八年度に設けられた税制でございます。そういう意味で、この税制がある意味では一つの牽制になりまして、土地の取得を抑制するという効果があったことは事実でございますけれども、今御指摘のように徴収猶予額あるいは免除額が年を追って大きくなってきた一つの原因は、特別土地保有税は新規に取得された土地だけではなくて、過去に取得された土地も一応潜在的に課税客体になっているというようなことで、毎年毎年課税客体の土地が累積していくということによる数値の累増というものも一つにはあるわけでございます。 しかし、その技術的な問題は別にいたしまして、この特別土地保有税というのが土地政策を補完するための政策税制として設けられまして、取得をしてから土地の有効利用をした場合にはこれが免除になる、それから土地の有効利用をしようとするときに一定の要件を満たした場合にはその税額を徴収猶予される、こういう制度がございますので、これに基づいてそれぞれの措置が講じられている、こういうふうに御理解を願いたいところでございます。
○諫山博君 あなたはそういう説明をされますけれども、朝日新聞の批評は「企業に甘い土地税制」です。 そこで、今どういう事態になっているかといいますと、例えば国土庁が政府税調に対して最近資料を提出しました。法人の未利用地の具体的な計画を持たないものが七八%。その中で、当初から利用の意思がないものが五〇%。当初から利用の意思のないものは、年度別にどのように移り変わったかといいますと、法人の場合、昭和六十年が一五%、これは昭和五十五年購入分です。昭和六十二年が二六%、平成元年が五〇%、激増しております。同じ時期に、個人の所有地についてはどうかといいますと、利用意思のないものが二九%、二五%、二九%、相当の比率を占めていますけれども、未利用地が激増しているということではないんです。法人の場合は、わずかな期間に利用の意思のない土地が倍加した、これが実情です。 東京都の場合を調べてみますと、個人の買い主、法人の買い主、それぞれの割合が出ておりますが、昭和五十七年度は法人の買い主が二五・八%、昭和六十二年が四五・七%、つまり法人が買いあさっているわけです。これが土地の狂乱物価をつくりました。これを抑えなければならない特別土地保有税が大した効果を発揮していない。これが実情ではないでしょうか。これは土地税制小委員会でも随分議論になりましたけれども、こういう状態を放置していいと考えているのか。これは大臣にお聞きしたいと思います。今世間で言われているのは、特別土地保有税が機能を発揮していないじゃないか、何とかしなければならないではないかということが今大問題になっているわけですから、責任者である自治大臣からお答えを願います。
○国務大臣(奥田敬和君) 今日の土地投機、土地買いあさりの陰に、法人のこういった土地所有、このことが原因になっているということは私は否定しません。そしてこのことがまさに今、政府税調も含めて土地政策のかなめの論議の問題点として指摘されておるわけでございます。自治体側にとってみると、恐らく企業に甘いというか、やっぱり企業を誘致して雇用を期待するというような思惑もあるでしょうし、そして民間の人はお金もうけのために知恵が回るというか上手だというか、そういった形で随分法人の土地所有というものの恩典もあります。これは先生恐らく後で御指摘されるんでしょうけれども、損金算入できるとかあるいは長期の価格の期待含みという形でいろいろな理屈をつけて購入して、そして市町村長なんかに結局税金の猶予をさせるために、駐車場名目とか、将来建てる計画というのをあすにでもできるような形の期待をうまく増幅させて、私は法人の土地所有、特にそういった形で取得しながら遊休地であるという形に対しては、税調で結論が出ることを期待しておるわけですけれども、そういった形で、現実はそのとおりであろうと。これに対する対応は急がにゃならぬという気持ちでおります。
○諫山博君 いずれにしましても、特別土地保有税という国民から期待されている税制が調定額の七割も免除されているというのは国民は納得しないと思うんです。この問題で国土庁とか建設省がさまざまな積極的な意見を出していることが新聞で報道されました。例えば、もっと面積を下げるべきだ、二千平米ではなくて千平米から税金をかけたらどうかということが建設省から提起されている。国土庁では、地方税だけではどうにもならぬから新しい国税をつくろうというような声が出ているというふうに報道されております。この点は所管は自治省ですから、もっと自治省の積極的な発言があってしかるべきだと思いますけれども、制度が悪いのか運用が悪いのか、どちらかだと思いますけれども、抜本的にあり方を再検討するという意思は持たれませんか。
○国務大臣(奥田敬和君) 抜本的に検討を開始しているわけです。そして、今年度中にその結論を出そうということで、今御指摘がございましたけれども、建設省は今この遊休地の制度創設をどういう形できちっと枠組みをするか、それによって特別土地保有税の強化という形の中でうまく企業が吐き出してくれるかどうかという形も含めて今せっかく検討しているという形でございます。それもそんな時間が長くなっちゃ困る問題ですから、これらは税調の方でも結論を急いでおる。建設省の方は遊休地の制度創設をもう本当に結論を急いで具体化の方向に来ておるというふうに聞いております。
○諫山博君 問題は変わりますけれども、固定資産税の評価額というものが一般に公表されないということになっているわけですけれども、課税の公平のためにはこれは公表したらどうかというような声があるし、さらに評価額そのものを公表することはできないとしても、評価額算定の基準となる路線価格はもっと広範に公表すべきではないかという声があって、これは自治省で検討されていると聞いていますけれども、どうなっていましょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) そういった形の声がさきの衆参の委員会でも御指摘もございました。そこで、何分にも国土庁がやっている地価公示の場合は一万五、六千点ぐらいの大体公示で決まっておるようですけれども、御存じのとおり、数字を挙げると、私もそんなにあるのかと思ってびっくりしたんですけれども、固定資産税の場合は一億六千万とか五千万筆とかというような膨大な形になるようでございます。かといって、この問題は、一部公示しろという形で、公平さを確保する上においてもこれはすべきであるという形の御意見が非常に強いこともよく承知しておりますし、来年度評価がえに当たって一部を公示するという形で御理解をいただいておるところでございます。
○諫山博君 路線価格を全国で千カ所ぐらいなら公表できるという話もありますけれども、大体そういう数字ですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 今大臣から御答弁のございましたとおり、来年度の評価がえに向けまして今地方公共団体との間で路線価の公開をぜひするようにということで御相談をしているところでございます。地点数をどのくらいにするかということにつきましては、これはもう少しお時間をいただいて具体的な詰めをまず進めたいと思っておりますので、御了解をいただきたいと思うわけでございます。
○諫山博君 今度は全然別な問題に入ります。公務員労働者の扶養手当です。 人事院がお見えだと思いますけれども、まず扶養手当の法律的な根拠は次のようになっているでしょうか。私から読み上げます。給与法の第十一条二項二号「満十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子及び孫」に扶養手当を支給する。この十八歳という計算の仕方は最近改められたようですけれども、満十八歳という年齢は変わっていません。そして、「満十八歳に達する」という言葉は昭和二十五年、つまり四十年前に決められて今日まで手直しがされていないと思いますけれども、間違いありませんか。
○説明員(大村厚至君) 御指摘のとおりでございます。
○諫山博君 国公法二十八条一項は情勢適応の原則を決めています。これによると、給与は「社会一般の情勢に適応するように、随時これを変更することができる。」、こう規定されています。国公法の六十四条二項は、「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められる」こういう規定です。国家公務員に対する扶養手当もこの適用を受けるのだと思いますけれども、間違いありませんか。
○説明員(大村厚至君) 公務員の勤務条件の一つでございますのでそういう適用を受けるというふうに考えております。
○諫山博君 ここで注目していただきたいのは、社会一般の情勢に適応するということが求められている。生計費、民間における賃金などが考慮されなければならない。そしてこれは随時変更することができるものだというのが今の法律の規定です。 そこで、四十年前に十八歳までの人に扶養手当を払うということが決められた根拠として、稼得能力という言葉が使われているようです。つまり収入を上げることのできる年齢というのは十八歳以上だと。十八歳までは普通高校生だから稼得能力がない、これが理論的な根拠だと聞いていますが、そうですか。
○説明員(大村厚至君) 社会一般の情勢につきましては、それ自体具体的な指針は明らかではございませんか、公務員の勤務条件につきましては、納税者でございます国民一般の理解と納得を得られるものである、そういう必要がある。それからもう一つは、基本的給与でございます俸給表につきまして、民間における賃金等を考慮して定めることとされていることをあわせ考慮いたしまして、具体的には民間における給与等の勤務条件の実態を適切に把握し、それに対応しているということでございます。
○諫山博君 大臣にお聞きします。 人生七十年あるいは八十年の中で一番家計の苦しいのは何歳ごろだろうか、これが一つ。もう一つは、子供が何歳ぐらいでどういう生活条件になっているときが一番家計は苦しいだろうか。どう思われますか。
○国務大臣(奥田敬和君) 最近は子供を持っているのが統計上一・五七とかという数字で示されておりますけれども、二人と仮定して結婚年齢から大体平均的な形でいくと四十から四十四、五。ちょうど子供が大学受験から大学生に移るということになりますと、二十五ぐらいで結婚したとしてそれにプラス十八すると、やっぱり四十過ぎが一番家計の面で、ちょうど今の先生のお話とあれしますと、大学進学期を抱えたころが一番働き盛りであると同時に、家計支出が一番苦しくなる時期じゃないでしょうか。
○諫山博君 実はこれは大蔵省がきちんとした数字を持っているんですよ。もうちょっと後になりますね。大蔵省、税調に提出したグラフの資料があるはずですけれども、何歳ぐらいが一番経済的に苦しいのか、その時期に子供はどうしているのか説明してください。
○説明員(潮明夫君) お答えいたします。 先生今お話しの資料でございますけれども、それによりますとまさに四十代から五十代ぐらいの中堅層の方が、働き盛りではありますけれども、教育、住宅等の支出がかさんでいるということになろうかと思います。
○諫山博君 私はグラフを正確に調べてみたんですけれども、夫だったら四十七歳から五十五歳ぐらいまでの間、そして平均的な家庭は子供が二人ですから二人の子供が大学に行っているとき、この期間というのは大蔵省の統計では大幅に赤字です。一番ひどいときは一年間に二百万円の赤字、この状態を脱すると黒字になっている。つまり子供が高校から大学に行って、大学を卒業して一人前になるまでの約七年間から八年間ぐらいは平均的な家庭では赤字、こういう数字じゃありませんか。
○説明員(潮明夫君) 五十九年度の国民生活白書によりますと、先生おっしゃるとおりでございます。
○諫山博君 そうでしょう。間違いあるはずないですよ。 そこで文部省に質問します。 高等学校を卒業してさまざまな学校に通うわけですけれども、私が調べてみて大学、短期大学、専修学校、浪人、予備校、つまり十八歳で卒業してもなかなか職業にはつかない人が多いわけです。今私が指摘した大学、短大、専修学校、予備校ないし浪人、この世代の中における割合がわかりますか。
○説明員(喜多祥旁君) 平成元年度の数字で申し上げさせていただきます。大学、短大、専修学校、各種学校合わせまして三百二十六万人おります。なお、浪人につきましては正確な数は把握いたしておりませんが、昨年度、大学、短大に不合格になったという者が約四十万人おります。
○諫山博君 三百二十六万というのは同世代の青年に比べて何%になりますか。
○説明員(喜多祥旁君) 同世代に比べまして何%という数字は持っておりませんが、大学、短大の進学率で申し上げさせていただきますと三六・三%でございます。それに専修学校が加わりますのでさらに数字は上がると思います。
○諫山博君 専修学校を含めたらどれだけになりますか。あるいは予備校を含めたらどうなりますか。これは私は詳細な調査を求めていましたけれども、資料持ってきてませんか。
○説明員(喜多祥旁君) ただいま詳細な資料を持っておりません。大学、短期大学合わせますと二百五十四万人でございます。そして専修学校、各種学校合わせますとおよそ七十万人でございます。そして大学、短大を不合格になっている者がおよそ四十万人でございます。
○諫山博君 大学、短大、専修学校を合わせて約五九%ではありませんか。
○説明員(喜多祥旁君) 恐れ入りますが、そのパーセントにつきましては今手元に数字がございませんので、御容赦願います。
○諫山博君 浪人四十万というのは予備校を含めておりますか。
○説明員(喜多祥旁君) 四十万人のうち予備校に行っている者もおりますし、あるいはもう就職した者もおります。そのすべて含めた数がおよそ四十万人でございます。
○諫山博君 浪人というのは進学を目指して勉強している人で収入のない人でしょうね。
○説明員(喜多祥旁君) いわゆる浪人という方はそうでございます。
○諫山博君 高等学校を卒業して進学のために就職していない人の数を私は正確に計算していただくように求めていましたけれども、残念ながら答弁が出ませんでした。しかし、私のいただいた資料では、浪人、予備校を除いて五八・六%のはずです。 そこで、次に移ります。学生の生活源はどこから得ているか、これは「大学と学生」という本の中に出てきます。私が具体的に説明します。 自宅通学、寮生、下宿間借り、こういう人をすべて平均して家庭からの給付が百十七万五千五百円、アルバイト収入が三十一万四千二百円、奨学金が九万四千七百円、定職その他が一万五千二百円、間違いありませんか。
○説明員(喜多祥旁君) 間違いございません。
○諫山博君 やはり同じ資料からですけれども、家庭からどのくらいの給付を受けているのか、これは学校別の数字が出ております。国立の場合は八十二万六千六百円、公立は七十二万八千四百円、私立は百三十万一千円、間違いありませんか。
○説明員(喜多祥旁君) 間違いございません。
○諫山博君 仕送りは学校によっていろいろ違いますけれども、もう一つは居住別によって違います。自宅からの人は九十万六千円、寮で生活している人は百十九万一千円、下宿間借りが百五十万円、平均して百十七万五千五百円、この数字は間違いありませんか。
○説明員(喜多祥旁君) 間違いございません。
○諫山博君 何のためにこういう質問をするかと言いますと、学生というのはとにかく金がかかるんですよ。日本は世界一金がかかるそうです。ところが、この人たちは稼得能力があるということで扶養手当の対象になっていないんです。四十年前にそういうことが決められて、今なお改められていません。この場合にたくさん国家公務員がおられますけれども、恐らく自分の家庭を振り返ったら、十八歳までしか扶養手当を払わないというのは非現実的だとお考えだと思います。 そこで、教育費の問題をもう少し聞きます。消費支出の中で教育費がどれだけの割合を占めるのか、これは勤労者について質問します。昭和四十五年度は教育費の割合は二・七%、平成元年は四・八%、間違いありませんか。
○説明員(坂東眞理子君) 総務庁統計局の実施しております家計調査によれば、先生のおっしゃるとおりでございます。
○諫山博君 一九七〇年から一九八九年まで教育支出の伸びが六・九倍、消費支出の伸びが三・八倍、これはどうですか。
○説明員(坂東眞理子君) そのとおりでございます。
○諫山博君 今度は教育費の割合がどういう年齢の人に負担がかかってくるのか、教育費の負担というのは世帯主の年齢によっていろいろ割合が違います。平均すると四・八%、世帯主が四十歳から四十四歳までは六・三%、世帯主が四十五歳から四十九歳までが八・七%、‘間違いありませんか。
○説明員(坂東眞理子君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
○諫山博君 大臣が言われたように、この世代が一番高い教育費を負担するわけです。そしてこの世代がさっき大蔵省の説明でもありましたように、人生八十年の中で赤字の出る年代なんです。ところがこの年代には扶養手当が払われないというところに問題があるわけですけれども、幾らか観点を変えまして、労働省に質問します。 国家公務員、地方公務員は十八歳を超したら扶養手当を払わないということになっていますけれども、民間ではこの枠を突破しているところがだんだん出始めました。一番新しい資料で、民間企業でどれだけの企業が十八歳以上の人に家族手当を払っていますか。
○説明員(上原信博君) お答え申し上げます。 労働省が昭和六十一年に実施しました賃金労働時間制度等総合調査によりますと、扶養手当の制度のある企業が全体で七六・六%、そのうち満十八歳以上で在学中の子供に支給する企業の割合は五三・二%でございます。
○諫山博君 五三・二%の民間企業が十八歳以上で在学中の者に家族手当を払っている。この数字はどのくらいの企業を調査して出てきた数ですか。
○説明員(上原信博君) 日本全国を対象にしまして、昭和六十一年十二月末現在、本社の常用労働者が三十人以上の民営企業のうちから、一定の方法により抽出いたしました約六千企業でございます。
○諫山博君 これは民間企業の家族手当の実態を示していると思いますか。労働省としては自信の持てる数字ですか。
○説明員(上原信博君) お答えします。 我が方として把握できる範囲はこれまででございます。
○諫山博君 十八歳以上で在学中の者に家族手当を支給するという企業が過半数を超したわけですけれども、これは年度別にわかりませんか。私の聞いたところでは年々この数字はふえてきている、こう聞いていますけれども、実態がわかりますか。
○説明員(上原信博君) 我が方は、この調査は毎年やっておりませんので現在のところはまだわかりません。
○諫山博君 人事院は同じような問題を調査されましたか。
○説明員(大村厚至君) 昭和六十三年に民間給与実態調査の中で調査しております。
○諫山博君 労働省の調査よりか十八歳以上で家族手当を払っている民間企業の比率は低いでしょう。
○説明員(大村厚至君) 今の労働省のお答えよりも低い数字になっております。
○諫山博君 人事院は幾つの企業を調べましたか。
○説明員(大村厚至君) 私どもの民間給与実態調査は七千七百ほど調査しておりますが、そのうちの千事業所、本店事業所でございますが、そういう千を調査対象としております。
○諫山博君 この場に総理大臣がいないのが残念ですけれども、同じ問題を調査して人事院と労働省の数が違う、これは私には理解できないことです。あってはいけないことだと思うんですよ。 そこで、労働省は人事院と違った数字が出ているわけですから、何らかの形でもっと人事院として民間企業の実態を調べてみようという気はありませんか。
○説明員(大村厚至君) 私どもも給与を調べまして、民間と比較して民間準拠という形でやっております。今先生おっしゃったように多分対象事業所も違うでしょうし、規模も違うということでございますので、その辺は私どもの調査を信頼してやってまいりたいというふうに考えております。
○諫山博君 労働省に質問します。 どうも労働省の調査は人事院よりか当てにならぬということのように聞こえますけれども、幾つぐらいのどういう職種を調べたのですか、あらゆる職種を網羅しておりますか。
○説明員(上原信博君) 職種といいますか、産業でございますが、日本標準産業分類によります分類でございまして、一応、鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業、飲食店、金融・保険業、不動産業、サービス業を調べております。
○諫山博君 労働省はこういう調査はしばしばするわけで、いわば調査の専門家ですよね。そして私も、どういう規模の企業が調査されたのか、どういう種類の企業が調査されたのか詳細な表を見ました。とにかく労働省の調査では十八歳以上で在学中の者に家族手当を払っている企業が五三・二%に達したということは重大だと思います。 そこで、大蔵省に質問します。所得税法で特定扶養親族ということで扶養家族の控除額が決められましたね。昨年から実施されたのですかね。これはどういう年齢の人をどういう取り扱いをすることになったんですか。
○説明員(潮明夫君) お答えいたします。 いわゆる特定扶養親族に係ります割り増し控除制度でございますけれども、年齢十六歳から二十二歳までの扶養親族に係ります扶養控除額につきまして、一般の扶養控除額、これは三十五万円でございますが、にかえまして四十五万円を控除するという制度でございます。
○諫山博君 十六歳から二十二歳までをなぜ特定扶養親族と扱うのか、これは税調の中間答申がありますね。読み上げますと、十六歳から二十二歳までは、「教育費を含む種々の支出がかさむ世代の所得者の税負担の軽減を図る見地から、一定の年齢の扶養親族について、扶養控除の割増控除を設ける。」、この趣旨で十六歳から二十二歳までは特別扱いということになったんですか。
○説明員(潮明夫君) お答えいたします。 そういうようなお子さんを持っておられるような、今おっしゃったようなまさに働き盛りで収入は比較的多いわけでありますが、教育費等の支出がかさみますそういう世代の方の税の負担について一層の軽減を図るという趣旨でございます。
○諫山博君 自治大臣、聞いてください、ここが大事なところだと思うんです。大蔵省は十六歳から二十二歳までは特別金のかかる年代だ、だから税金の面で特別考慮すると言っているのですよ。ところが、国家公務員も地方公務員も、十八歳になったら一人前だからもう扶養手当は払いません。私はそこに矛盾を感じているんです。これは大蔵省が言っているだけではありません。自治省も住民税について同じような扱いをしているはずですけれども、どうなっていますか。
○政府委員(湯浅利夫君) 住民税におきましても、特定扶養親族に対します割り増し扶養控除制度は、この前の税制改革におきまして制度化いたしまして、その適用を平成二年度から実施することにいたしております。なお、控除額につきましては、一般の扶養控除が三十万円に対しまして、この方々には五万円プラスの三十五万円の控除を適用するということにいたしております。
○諫山博君 所得税の場合は対象者が八百万人ぐらいいると聞きましたけれども、住民税は恐らくもっと多いんじゃないかと思いますけれども、何人ぐらいが対象になりますか、これが一つの質問。もう一つは、やっぱりこういう制度ができたのは、十六歳から二十二歳までは、特別金のかかる年齢だということからですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 対象人員につきましては、今年度から適用するということでございますので、確定したことは申し上げられませんが、今先生おっしゃるように、国税で八百万人ということであれば、住民税の場合には納税義務者数が多いわけでございますので、それよりも上回ってくるというふうに考えられます。 なお、この割り増し控除制度を設けた趣旨は、先ほど来御指摘のような税制調査会の中間答申などを受けまして、働き盛りの方々で収入は比較的多いけれども、教育費の支出がかさむなどで生活にゆとりのない世帯に税負担の軽減を幾らかでも図っていこう、こういう趣旨で設けられたと承知いたしております。
○諫山博君 これから大臣にお聞きします。 四十年前に、子供が十八歳になったらもう一人前で、収入があるから扶養手当は払わないということが決められたんですね。四十年前というと、もう時代が違いますよね。それは、子供の進学率もはるかにふえたし、教育費も高くなったし、そして、大蔵省も自治省も、やはり十六歳から二十二歳までというのは大変金のかかる年齢だから、税金の面で特別な扱いをしようということになったんです。 自治体の労働者がこの問題を取り上げて、制度の改正をしてもらいたいという運動を開始しているんです。自治体労働組合全国連絡協議会などが請願運動を始めまして、次のようなことを要望しております。「扶養手当の支給要件のうち、職員の子および孫、弟妹にかかわる支給年齢を当面、二十三歳未満までに引き上げるよう、所要の法律改正をおこなうこと。」、そしてなぜこういう法律改正が必要であるかということを、大体私が今指摘したような観点で述べております。これは私本当にもっともな要求だと思うんですよ。十八歳になったら一人前で、もう収入があるんだから家族手当は払いません、四十年前はどうだったかは知りませんけれども、こんなやり方は今の社会では通用しないです。地公法では、職員の給与というのは生計費、それから国、それから民間事業、こういうところを考慮して決めなさいと書いてある。ですから、この要求を実現するためには、請願事項にも書かれているように法律の改正が必要だと思います。 私は、自治大臣に法律を改正してくれ、イエスかノーか、こういう質問はしません、これは余りにも問題が大き過ぎるから。ただ、私が今質問したような点を聞いていただいて、このまま放置していいとはお考えでないと思いますけれども、どう考えられますか。感想を聞かせてください。
○国務大臣(奥田敬和君) 感想ということでございますから率直に答えさせていただきます。 四十年前の法律であるということを不勉強で、きょうお聞きしたわけですけれども、私用い出しておりました。ちょうど私が大学に入ったのはそのころですから、当時は仲間で五%ぐらいが大学進学の時代でございました。それが今五〇%台の数字を挙げられておいでましたけれども、確かに経済的に余裕があるから大学だという時代ではなくなって、もう全く二人に一人がそういった進学という形になりますから、これは大変な問題だなという認識は先ほどから痛切に感じております。確かに、働き盛りで経済的な意味では恵まれておられるわけでしょうけれども、子供さんの進学期ということで、言ってみれば、大学に進学されるお子さんを持ったことで手当は減るわ、経費はかかるわというダブルパンチの世代の実態というのが、先ほどの御論議を聞いてまさにそのとおりだなと思っております。 ですけれども、これはまた、先ほど人事院の答えにもありましたように、先生も御指摘されましたけれども、民間の形に準拠するという公務員の給与実態にかんがみまして、早く制度が、民間の方では随分やっておられるようでございますから、そういう実態を踏まえて、まあもちろん人事院も検討されていると思いますし、これは政府も前向きに、地方公務員だけでできる問題ではありませんから、本当に、四十生前の給与法の実態というものは、今日の時代にはそぐわない面が指摘されて、わかる、理解できる、感想ですから、まさにそういった形ですべきであろうと、これはもう率直な感想でございます。
○神谷信之助君 きょう私は三点について御質問したいと思います。 まず第一点の問題は交付税法案にかかわる問題です。この法案については、借入金返済の問題とか補助金の問題とか、その他いろいろ挙げればたくさんあるんですけれども、時間の関係もありますから、現段階における最重要点について、一点に絞って質問したいと思います。 まず、財政局長、この法案の交付税総額、これは今政府が国会に出している見直し法案、あれを基礎にした金額、これをもとにしているということで間違いありませんね。
○政府委員(持永堯民君) そのとおりでございます。
○神谷信之助君 我々は、もう既に御承知のように、この消費税は公約違反でもあるし、民意も明らかなんだから、したがって廃止すべきだという立場をとっています。それで、きょうから衆議院の税特委も審議を開始して、野党の廃止法案とそれから政府の見直し法案、これの議論がいよいよ始まります。したがってまだ結論も出ていない段階に、消費税の見直しを前提にした交付税総額を決定するという本法案を急いで、結論も出ないのに先に成立をさせようとするのは私はこれは納得できない。午前中の同僚議員の質問に対しても、建前としては見直し法案をと大臣もおっしゃったけれども、しかし現実にはなかなかそうはと言いながら苦しい御答弁をなさっていましたけれども、一方的に政府や自民党の考え方をこの交付税法案成立によって押しつけるということになってしまいます。これは私はまさに不当なやり方だと思いますが、いかがですか。
○政府委員(持永堯民君) 地方交付税につきましては、もう御承知のとおりでございまして、地方団体の非常に重要な財源でございますから、年間の計画的な財政運営を行うためにはやはり早く交付税を決める必要があるということがまずございます。そこで、改正案によります普通交付税の決定が早くできませんと、国の予算が上がりましてもいろんな事業が執行ができない、あるいは地方団体の受け入れ態勢といいましょうか円滑な事業の執行に支障が出るということもあるわけでございまして、とりわけ積雪寒冷地等においては早く事業を確定する必要があるという状況があるわけでございます。そういったことから法律におきましてもこの普通交付税の決定は八月中に決定するように書いてあるわけでございますが、今年度の場合におきましても、やはりこの法律どおり八月までに決定をさせていただくことによりまして、地方団体の財政運営に支障が出ないようにさせていただきたいというふうにお願いをしているわけでございますし、そういうことを望んでいるわけでございます。 今御指摘ございました消費税の問題でございますけれども、確かにこの消費税の問題につきましてはいろいろ今までも御議論がありました。また、現在あるいはこれから国会でも審議がされるわけになっているわけでございます。しかし、そういった議論の結果、消費税の取り扱いに伴いまして仮に地方交付税の原資に変更が出てくる、変わってくるというようなことになれば、その時点で地方財政の円滑な運営に資するために地方交付税の総額の安定的な確保を図られることとするというための所要の措置を講ずる。具体的には補正予算あるいは法律改正ということになると思いますけれども、そういう形で御審議をいただくということになろうかと思います。 そういう対応をすることによって地方団体の財政運営にも支障がないようにすることができるのではなかろうか、このように考えておるわけでございまして、国会におかれましても、今申し上げましたような点を御理解いただきましてこれまでこの改正案の御審議を進めてきていただいている、このように理解をしているわけでございますが、政府といたしましても、地方交付税は非常に重要な財源であるということにかんがみまして、八月決定ができますように、ぜひこの改正案の成立について御理解を賜りたいと思っているわけでございます。
○神谷信之助君 それはちょっとおかしいんじゃないですか。きょう一緒に御説明なさった地方財政計画、これで今年度の地方自治体の全体としての歳出規模、必要な需要額というものが提案されたわけだ。だから、これだけは要りますよ、これだけは地方自治体必要ですということは政府が提案された。それをやるのに必要な財源については、これは交付税の三二%の枠なり決められた枠なりで、もし不足をすれば政府がちゃんと補てんをし充当しなきゃいかぬ、これも地方財政法上決まっているわけです。いいですか、そういう建前でしょう。だから、現実に交付税が自治体に金が行かない、それが決まるまでは金が来ない、こういうことになれば確かに自治体は困るでしょう。しかし、暫定措置はできるわけでしょう。四月、六月の交付分は暫定交付できるわけですから、したがって実務的に問題ない。 問題は確かに九月以降に問題があります。これは交付税法案自身が確定をしないと配分の方法が決まらないという問題が起こるでしょう。しかし、自治体の方としたら、財政規模はわかりますからね、地方財政計画でこれだけの需要は必要だということを認められているんだし、そして内部的にはそういった必要な配分は大体こういうつもりなんだということは自治省から説明をしようと思えばできるし、それに基づいて予算上の展望を、実際に具体的に予算化するかどうかは別にしても展望は持つことはできる、そういう状態です。それを、これが決まらなかったら、大臣の午前中の答弁にあったけれども、自治体に迷惑がかかるとか、予算編成上どうだこうだとおっしゃるのは、私はそれは筋違いだと思いますよ。 廃止をせいという多数意見があり、国民が多数で、参議院選挙の結果は逆転現象が起こっている。あるいは、つい先般の福岡の補選でも明らかに消費税廃止の声が大きな勝利の原因になっていることは、そういう評価を各界やマスコミの各紙もやっているわけでしょう。だから、そういう主権者である国民の意思が明らかであるのに、無理やり消費税の定着を考えて、そして見直しの法案を強引に進め、それを基礎にしてこういう交付税法案を出された政府・与党の方に責任があるんだよ。自治体に混乱が仮に起こるとすればそれはそちらの責任なんです。本来それは外して提案をする、そういうことをやるべきだと思う。それが主権者である国民の意思を踏まえた議会制民主主義の原則に基づいた政府あるいは与党のとるべき態度でしょう。それをやらないで、そうして自治体が迷惑するから困りますよというようなことをおっしゃっても、また実際上の問題として確かに九月になったらそうなるでしょう。しかし、時間はありますから、早くそれまでに臨時国会を開いてそして改めて提出をする、そういうことをやれば具体的に実際上の混乱は起こらない。そういうことははっきりしているのに、いかにも何か自治体に迷惑かけるかのようなそういう状況なり、現状の押しつけ、そして消費税問題についての決着がつかない、我々は廃止と言っているんだけれども、少なくとも決着がつかないその段階で交付税法案を強引に成立させようとするのはちょっと無理があるんじゃないですか。大臣、いかがですか。
○政府委員(持永堯民君) 若干実務的なことを申し上げたいと思いますけれども、地方団体の財政面に支障が出るかどうかということでございますが、一点は概算交付四月、六月行くんだからというお話がございましたけれども、確かに資金繰りとしてはそれは四月、六月は参りますが、問題は、地方団体にしてみれば、資金繰りも重要でございますけれども、やはり平成二年度の普通交付税が幾ら来るかということがどう決まるかが非常に重要なわけでございまして、大体ほとんどの地方団体では御承知のように九月の定例会で補正予算を組む。これは国の予算も通って、公共事業その他いろんな補助金の内示等も大体出そろいまして、それに合わせて財源の面でも交付税が決まって、それでいわば実質的な肉づけ的な予算を九月に組むのが通例でございますから、その九月の予算編成までに間に合わないとなると、地方団体としてはいわば安心した形で予算の編成ができない。確かに地財計画その他で大筋は示しておりますから、ある程度大ざっぱなことはわかると思いますけれども、やはりきちっとした数字がどうなるかということはわからないわけでございますので、そこは九月予算の編成に支障がないようにするためには八月までには決定をしたい。その前にはこの法案をぜひ上げていただいて決定をさせていただきたい、こういうことでございまして、資金繰りの問題と決定の問題とは違うという点はぜひ御理解をいただきたいと思います。 それから、現に今そういうことになるものですから、地方六団体におきましても非常に強く交付税の成立を要望しておりますし、六団体に限らず全国の地方団体がそういう要望を強くしてきているわけでございますので、その点もぜひお酌み取りをいただきたいと思っておるわけでございます。
○神谷信之助君 大臣、答弁の前に、今ちょっとおっしゃったけれども、財政局長、そうおっしゃっても私は通らぬと思うんですよ。というのは、今度は衆議院で修正されてきてますね。だから交付税、この法案で単価ももうみんな出ているわけでしょう。 〔委員長退席、理事渕上貞雄君着席〕 それは動かさないんでしょう、仮に総額に増減があってもちゃんと補てんをせいという法律になっているんだから。配分の単位費用の算定基準も変わらないんだし、言うなれば今出されているもの自身は逆に言うともう単位費用は変えませんよと、こうなってるわけです。だから大体こういうものだということは今までのなにからいえばある程度の概算ができる問題です。たしか九月までなんですよ。あとの問題は九月まで決めればいいんです。 だから、これを撤回して、そして消費税抜きの、出されている地方財政計画なら地方財政計画に基づく、あるいは現在提案されている単位費用の測定基準に基づいたなににしてというふうな点、足らぬ部分についてはどう補てんするかという政府の方で案をつくって、そうして臨時国会を召集してやれば、急いでやれば九月に間に合わぬことはない、私はそう言っているのですよ。やろうと思ったらできることをやらない、そこに問題がある。そういう点でちょっと大臣のこの点についての見解を聞いておきたいと思います、政治家として。実務はもういいんだよ、言いたいことはわかっているんだよ。
○政府委員(持永堯民君) ちょっと事務的な問題もございますので。 単位費用は変えないというお話がございましたけれども、これはやはりもちろん衆議院で修正ありましたように総額を確保しなけりゃなりませんか、まず変わる変わらないの前に単位費用を今回決めていただかないと決まらないわけでございますから、そういう意味でまず改正案をお願いしているということでございます。 それからもう一点は、九月でいいじゃないかというお話がございましたけれども、実は交付税の算定作業は通常でありますともう既にかなり進んでいる状況でございますけれども、八月算定するためにはやはり五月の末ごろから普通でありますと作業が始まるわけでございますが、そういった意味でも作業上からしてもかなり窮屈な日程になっておりますので、その点も御理解をいただきたいと思っております。
○神谷信之助君 反論はあるけれども、もうやめます。
○国務大臣(奥田敬和君) 現状において消費税の見直し、廃止をめぐる国会論議が今始まったという形は十分認識して、その結論というかその方向を非常に重大な関心を持って注目しているわけでございます。 〔理事渕上貞雄君退席、委員長着席〕 もちろん、今御指摘のとおり、財政局長からも話がありましたけれども、私たちはこの作業をするために地方自治体に安心した形で交付額を決定してあげたい。それも法律でも八月いっぱいということで決められておるわけですから、何としてもそれ以前に作業も終え、法律も通していただきたいということは当然でございます。 だから、私もはっきり言ってこの八月に間に合うように、地方自治体にいたずらな不安を与えちゃいかぬ、この気持ちはみんな一緒だったと思います。ですから、何が何でも、急ぎたい気持ちはやまやまですけれども、私はもう八月のそういった交付に措置していただければいい。したがって、衆議院の方でもこういった形をよく踏まえていただきまして、与野党御協議いただきまして、そして修正の中でも消費税のこういった税制改革の行方に関係なく、ともかく地方交付税の安定的確保を図ってやろう、今度の場合には総額の歳出を決める法案でもあるから、そういった形で協力しようということで大変な形での修正決定をしていただいてこちらに回ってきたという経緯がございます。 私にとってはそれは大変ありがたいことですけれども、実際手続上いえば八月交付に間に合うことによって地方自治体の財政運営に支障を与えない、これが基本であったわけでありますけれども、早いにこしたことはない、早く安心させてあげたいという気持ちが御論議の過程の中で、そういった方向でこちらに回ってきたわけですから、私としては非常にそういった高い見地に立っての地方自治体財政運営に支障を与えていかないという形のあの与野党修正には感謝申し上げております。
○神谷信之助君 八七年の売上税のときには九月十九日に成立しておる、そういう例もあるんです。 実務上の問題、今局長言っていましたけれども、これをやっているとまた時間かかりますからもうあと議論しませんが、いずれにしても私はごり押しだと思うのですよ。我々はやっぱり去年の参議院選挙、ことしの衆議院選挙、我々だけでなしに他の党の諸君もそうだけれども、消費税廃止が公約になっているんですね。その点はこれは断固堅持をしてやっていかなきゃいかぬし、それが含まれるやつをそのままのめのめと早いことさっさとやるわけにいかぬという点だけは強調しておきます。 第二の問題は、これは予算委員会でもやってきたリゾート法にかかわる問題です。これはまず自治省ですね。 地価高騰に伴って固定資産税の評価がえが来年だということで、強い不満を国民の多くが持っておられることは御承知のとおりです。我々は、したがって評価がえは凍結することを、前例もあるんだからやりなさいと主張をしているわけです。その立場からちょっと聞きますが、年金生活者など低所得者に対して固定資産税の減免措置、いわゆる不均一課税を行うことは可能なのかどうか。どうお考えでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 御案内のとおり、固定資産税というのは資産の保有と市町村の行政サービスとの間に存在する受益関係に着目して、その資産の価値に応じて税負担を毎年お願いするという、よく言われるのは物税という考え方でございまして、所有者の所得の状況というものは一応これは査照をして税負担をお願いするというのが基本的な税の性格ではないかと思うわけでございます。そうは言うものの毎回の評価がえにおきましては、一挙にその税負担が上昇しないように一定の負担調整措置を講ずるとかというようなことはやっているわけでございますけれども、低所得者というものに着目して税を減免するというそういう税の性格ではないんじゃないかというふうに考えているところでございます。
○神谷信之助君 そこでお尋ねをしますが、リゾート法の第九条、これでは二条一項一号ないし四号施設、すなわち特定民間施設のスポーツまたはレクリエーション施設、教養文化施設、休養施設、集会施設及び政令で定める特定民間施設のうち、自治省令で定めるものについて不均一課税が実施できることになっておりますが、これはそのとおりですね。
○政府委員(湯浅利夫君) 地方税法の第六条には、「公益上その他の事由に因り必要がある場合においては、不均一の課税をすることができる。」という規定がございます。この規定に基づきまして、地方団体はそれぞれの判断によりましてその公益上の理由がある場合には不均一課税を行うということになるわけでございますが、リゾート法に関連する問題としては、リゾート法の第九条におきまして固定資産税の不均一課税を行った場合にはこれこれの補てん措置を講ずるということでございますので、この考え方の裏にはリゾート法に伴う公益上の不均一課税というものを適当なものというふうに考えた上で補てん措置を認めるという考え方で対応しているのではないかと思っております。
○神谷信之助君 いや、あなたおかしいですよ。えらい人ごとみたいにおっしゃるけれども、自治省もこれ共管でしょう。だから、ここでいっている二条一項の一号ないし四号施設、先ほど言ったような施設、これは公益性が認められるという場合ですね、地方税法の条項に従って、これは不均一課税はよろしいと、それで、リゾート法によって、それについては交付税措置をしますよ、こういうんでしょう。自治省もそれは公益性を認めてよかろうとはっきり言ったんだ。 そこで、私は先ほどの質問と関連して、利益を得るために特定の企業、しかもリゾート開発をするといえば資金力は豊富でノーハウを有する、そういう大企業には公益性があるということを理由にして固定資産税の減免をする、しかし片一方、社会的な弱者に対しては先ほどの税務局長の答弁のように血も涙もない、どうも私はここら辺が納得できない。 それでもう一つ聞きますが、この第二条の一項の五号、宿泊施設に対してはこれは不均一課税の適用除外、対象外になっていますね。だから、それは固定資産税の減免はできないということになるわけでしょうか。その点はどうですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 税法の立場で私ちょっと申し上げましたので、ちょっと人ごとのようだというお話でございましたが、それぞれの団体が地方税法の六条の規定に基づいてみずからの判断で不均一課税をすることはできるわけでございます。その場合に、その補てん措置を講ずるということが裏にあるということは、その不均一課税は行ってもそれは適当な不均一課税であろうという考え方で、それを仕組みとしてできているんじゃないか、こういうことを私先ほどちょっと申し上げたものでございまして、ちょっと言葉足らずで恐縮でございますが、そういう観点の中で、どれとどれを減収補てんするかというのはまた別の政策判断から出てくる問題ではないかと思っております。
○神谷信之助君 今の質問は、二条一項の五号、これを除外されておるんですね、第九条の規定から。だから、五号というのは宿泊施設、これに対しては固定資産税の減免はできないということになるんですかと聞いている。それともやれるんですかと。
○政府委員(湯浅利夫君) 地方税法の第六条の規定を使ってそれぞれの自治体がどれを不均一課税するかということは、それは自治体の御判断に任せられるという問題ではあろうかと思います。ただ、補てん措置が講じられていないというものは、それなりに自治省としてその部分をやることが適当かどうかという判断を別のところでやっぱりやっているんじゃないかというふうに私は思っております。税法を主管する立場からすると、そういうふうに今考えるわけでございます。
○神谷信之助君 それじゃ、国土庁に聞きましょう。 この九条で、二条一項の五号、宿泊施設を適用除外にした理由、これは何ですか。
○説明員(岩崎忠夫君) ただいま先生が御指摘のように、リゾート法による基本構想に従って、重点整備地区内で整備される総合保養地域整備法第二条第一項第一号から四号までに掲げる特定民間施設については、法人税、所得税の特別償却も講ぜられておりますし、また固定資産税の不均一課税等の税制上の特例措置が講じられることになっているわけでございますが、御案内のとおり、宿泊施設については税制上の特例措置の対象とされていない、こういうところでございます。 このように、特定民間施設のうち、税制上の特例措置が講ぜられる対象施設を限定した理由でございますけれども、特例措置を講ずる対象施設は、特定民間施設のうち、総合保養地域において特に重要な構成要素となる施設で、国民が多様な活動を行うために必要不可欠なものに限る必要がある、こういう判断が一つあったろうと思います。 そこで、特に第一号から第四号までの施設、これはスポーツ、レクリエーション施設、教養文化施設、休養施設及び集会施設でございますけれども、この施設については国民が多様な活動を行うために必要な施設でありまして、特に税制上の特例措置を講ずる必要がある、こういう判断が働いたものと、こういうように考えております。
○神谷信之助君 いや、なぜだめなのかということ、だめな方の理由を聞いているんです。いい方の理由はさっき言っているよ、私も。
○説明員(岩崎忠夫君) そういうことで、お答えをただいま申し上げましたように、税の特例措置を対象とする施設について最小限必要不可欠なものに限定しよう、こういう判断が働いたものと、こういうように理解いたしておるわけであります。
○神谷信之助君 宿泊施設とか会員制のゴルフ場とかいうのは収益性が高いから外したという説明を聞いておるけれども、違うのか。
○説明員(岩崎忠夫君) それらの税の特例措置を講ずる上で、御案内のとおり一般的に収益性が高いか低いかということも判断の一つの要素になっているものと考えております。
○神谷信之助君 ところが実際どんな状況が起こっているかといいますと、兵庫県の淡路島の南淡町ですが、ここではリゾート産業の大和ハウスのホテルを誘致をしたい。だからそのためにさまざまな優遇措置を設けています。例えば実質的に三年間固定資産税を免除する。これは一度税を徴収した後に奨励金という形で同額をその大和ハウスに交付する、こうなっているんですが、これはリゾート法の第九条の違反にはならないのか、どうなんですか。
○政府委員(芦尾長司君) リゾート法の第十三条では民間事業者に対してその能力を活用させるといったようなことから、その当該事業者に対して「出資、補助その他の助成をすることができる。」ということが片一方では書かれておるわけでございます。この規定等に基づいて各地方団体、民間事業者に対しているんな優遇措置を講じておるものというふうに考えておるということでございます。
○神谷信之助君 リゾート法の十三条にはそうなっていますわね。補助なり出資なり助成なりいろいろ至れり尽くせり何でもやれるように書いてある。しかしおかしいんじゃないですか。片一方九条では固定資産税の減免はしない、ホテルについて。そうでしょう。対象外にしている。ところがそれは一たん徴収して同額返したら実質的には免税になったことと同じじゃないですか、いかがでしょう。
○政府委員(芦尾長司君) 固定資産税の減免そのものが、宿泊施設なら宿泊施設でございますけれども、これを減免するかどうかということは、その地方団体の判断で可能であるということが片一方で言えると思います。しかし、その減免したものについて、全国的な制度の中で地方団体の財源補てんを片一方で講じていくかどうかということはまた別の次元の話になるんじゃないかと、そういうふうに思うわけです。 今のお話でございますけれども、それはまたその地方公共団体の判断といたしまして、地域振興政策上の立場でそういう方策が有益であるということであるならば、そういう方策は講ずることがあり得るだろうということは言えるんじゃないかと思います。
○神谷信之助君 これはおかしいですよ。そういうことでいけば、九条で宿泊施設は固定資産税の減免の適用外だと、交付税の補てんはしませんよと決めているんです。十三条で補助は何ぼでもやりなさいよと、それで、固定資産税分は補助しますと、そのまま返すと、まさにあんた骨抜きやないですか。九条の規定というのはまさにあってなきがごとしじゃないですか。九条でいうところの二条一項五号の宿泊施設を適用外にしたのに、それで先ほど自治省も、一号から四号までは適用したけれども、五号の宿泊施設は収益性が高いから外したんだと、もうかるということで。それに対して片一方では十三条がありますからと、一体どういうことなんです。そうしたら、九条というのは何のための規定だということになりませんか。
○政府委員(芦尾長司君) その九条の場合は、不均一課税に伴ってそういう振興策を講じたときに、その地方団体の財政収入が落ちるものですから、その部分を補てんいたしましょうという制度であろうと思うわけでございます。それは全国的な規模の上に立ってそういう財政措置というものを講じていくべきだろうという一つの姿であろうと思うわけです。それで、片一方でその場合に宿泊施設が除かれておるわけですけれども、それは収益性が一般的に言えば高いということ、だからそういうものにまで全国的にそういう措置を講ずるべきではない。ただしかし、その当該地方団体でそういう施策が必要であるということを認める団体があって、独自にそういう判断で施策として地域振興策の一つであるということで講じられるということは、施策としては認められるのではないかというふうに思います。
○神谷信之助君 当委員会で、前に諫山さんが北九州市の問題で、同じように誘致企業に対して一たん税金はもらって、それで県と市が半分ずつ返すという問題がありましたよ。北九州の方の企業立地促進補助金交付制度要綱の制定についてということを見ますと、ここには徴収した税との関係というのは全然出ていません。明らかになっていません、形式的に。だから、趣旨が違うんだと言って盛んに財政局長言ったんだ。しかし、南淡町は違うんですよ。南淡町の工場及び観光施設誘致条例、これには有形固定資産の投資額、土地に係るもの、これに対して奨励金を出すんだけれども、奨励金は当該施設に対して町税として賦課徴収した固定資産税を、土地に係るものを除いてこれを交付すると書いてある。固定資産税そのものを今度は奨励金として交付しますという条例ができているんだ。これは二重、三重のペテンみたいなものやないか。だから、九条と十三条で、九条では適用外だと、そして自治省の方も、そういうものについて自治体が個別に固定資産税を免除することについては適当かどうかというから、十分考えなきゃいかぬと、こういう言い方をする。それで、あなたのところの方は、十三条があるのやから補助をするのは構いませんと。それで、現場ではどうなっているかといったら、土地に係るものを除いて、建物については固定資産税まけます。これで一年二千五百万、三年間これからいくと七千五百万、税金分をそっくり奨励金として渡すんですよ。これはまさに何といいますか、至れり尽くせりで大もうけのちょうちん持ちをするという状態になっているというように思うんですよ。これはどういうことになりますかね。 この大和ハウスは、リゾートホテルを全国に百三十二カ所オープンしているわけです。料金は一泊二万円から三万円。会員制システムをとっておりまして、入会金、預託金合計一千万円。これで会員になれると。それで、大和ハウスの石橋信夫会長はこう言っていますよ。進出するためにお願いに行った場所はない。我々の方から使わせてくれといってお願いに行った場所はない。知事が要請し、市町村が大阪まで来る。我々が見に行って、いける場所といけない場所がある。いけるというと行政で直ちに用地買収の組織をつくる。そして、我々が逃げると言ったらいかぬですから、すぐ新聞発表というようなやり方をとられます、知事も出席してね。というように豪語しています。これはNHKの「ドキュメントリゾート」に出ているんです。だから、もう全くぬれ手でアワのつかみ取りです。 過疎のところですから、どうやって現状を打解するか糸口が他に見出せない。それで政府は、リゾート法を制定して、地域の活性化はこれがいいぞと、こうして誘導している。市町村は何としてもリゾート企業誘致しかないと考えるのは当たり前なんだ。それで結局、さまざまのこういった優遇措置をやるわけです。こういった状態というのは、そういう今とにかく取り残された過疎の市町村、そういうところがもうどうにもこうにも、おぼれる者はわらをもつかむでやっているんです。それをまさに大きな顔をして、大名気取りでそういった大企業が乗り込んでいく。いろいろな優遇措置もやる。金がないわけじゃないんだよ。資金力もちゃんとあるんだ。それをリゾート法に名をかりて、片一方では例えばホテルなんかはだめですよと、公益性はないんだから、ほかの問題と違うんだからと言いながら、十三条だいうて、結構ですよと。そんなのあんた裏口入学や。そんなことが許されていいのかどうか。私はこの辺はひとつ考え直さにゃいかぬのじゃないかと思うんですが、一体大臣どういうようにお考えですか。
○政府委員(芦尾長司君) 今るるお話がございましたが、一つには、その地方団体としては、そういうホテルならホテル、企業の立地によって、その地域に及ぼす波及効果でございますとか、雇用の場が確保できるというようなことでいわゆる誘致をすることになろうかと思うわけです。しかし、そういうことで立地をした当座については、いろいろな振興策を講ずる、その一環としてそういうような方途を講じておるだろうと思うわけです。 いずれにいたしましても、そういう措置を講ずるといいますのは、地域の条例でそういう制度がされておるということでございますが、やはりそれはその議会の御意見を聞いて、それによって制度が措置されておるということであろうかと思いますので、その地域の自主性、自主的な判断に基づいてなされておるだろうと思います。 ただ重要なことは、その地域の自主性といいますか、そういうものは失ってはならないということは言えようと思います。その点につきましては、その地方団体の自主性といいますか、そういうものは大切にしていかなければならないということは言えると思います。
○神谷信之助君 あなたの自主性というのは、どういうことですか。企業に来てください、税金は戻しますよ、さらにこんなこともしますよ、道路もつくりますよと、なければ。そういうちゃんと環境整備は我々の方でやりますから、どうぞ来てくださいと。それが自主性ですか。来てもらわなきゃならぬそういう過疎のところが、おぼれる者はわらをもつかむで飛びついているわけだよ。飛びついたのは、おまえが飛びついたのだから、それは自主性だと。何ぼ飛びついても、持ってる人には持ってるようにしてもらわにゃいかぬよ。持ってない人だったらわかる。向こうはちゃんともうけるんだから、もうけるために出てくるんだから。そんなものははっきりしているんじゃないか。それを何でもかんでもそうやってやっていく。だから、そこに問題が出てくるんだ。
○政府委員(芦尾長司君) そういう企業が進出してくる、それは企業は企業の判断で利益が上がるかということでやってくるんだろうと思うわけでございますが、こちらは地域住民の福祉向上というものが念頭にあって企業の誘致を行う。そういう地域住民の福祉向上が念頭にあるということが一番重要になるんだろうと思います。 そういう意味で、先ほども申し上げましたが、そういう企業が立地する場合の経済効果の問題でございますとか、雇用の場が確保されて地域の住民の所得が上がっていく、そういうことが地方団体にとっての判断の一番重要なところになるんじゃないかと思います。
○神谷信之助君 それはもう一遍後で言いますが、そうはいきませんよ。 もう一つ具体例を言いますが、京都府で承認された丹後リゾート構想、この重点整備地区の一つに由良海岸地区があります。その中にある栗田半島に、今言いました南淡町と同じ大和ハウスがホテルを特定民間施設として建設する計画を進めているんです。このホテル建設用地提供のために宮津市は、土砂の流出防備のための保安林を解除しています。財産区の土地、これは四万二千二百七十平米、これを平米当たり千九百円、約八千万円で売却しようとしている。これ、今議論になっています、議会で。それだけじゃなしに、そのための道路が全然ないですからね、そのための道路をつくってやるし、上下水道もつくる。だから五億円から六億円も投資しなきゃならぬ。それを市がやろうという。これだったら、全く大和ハウスの利潤追求の事業活動に自治体はまさに財政をつぎ込んで協力する、こういうことになるわけです。先ほども言いましたように、石橋信夫会長は、自分のところから言ってないのだ、向こうから、じっとしておっても知事が先頭になって頼みに来るとほくそ笑んでますよ。こういう状況になっているんです。もちろん、それができればあなたがおっしゃるように多少のおこぼれはあるでしょう。若干の雇用の機会もふえるだろうし、それなりのものもあるかもしれません。しかし、国土庁長官がこの間の予算委員会でも言っています。これは自然に淘汰されるからそれでええんやというわけにいかぬのだよ。だめなところはやめるんだ。高い料金でサービスが悪かったら成り立たぬからつぶれるんだ。つぶれてしもうたら困るんだよ。過疎の市町村で何とかとこう言っているのを、だっと行くるんでしょう。全国至るところにできるわけだ。共倒れの危険というのは多分にあるんですよ。それらがそういうなけなしの金をつぎ込んで、少し雇用人口もふえるとか何とかいうことで一生懸命やってみたわ、そのうちさっさと逃げていく。これは新産・工特のときがいい例です。さっさと逃げていくわけです。景気が悪くなったら、せっかく山の中の過疎の町村に来てもらったやつがぱっと皆赤字や言うて逃げていく。たまったもんじゃない。 しかし、今度は規模が大きいですからね。これは大臣、私はこういう点で非常に目を光らさないと危険だというように思いますよ。当該の市町村はわらをもつかむ思いですから、バラ色の夢を描いて乗るでしょう。しかし、客観的にそこの自治体の財政の状況からいって、どこまで行けるのか行けないのか、そういった点をちゃんと自治省が見てやらなきゃ、そして可能性、将来の展望、こういったものも含めて援助してやるということがなかったら大変なことになっていくと。うまいこといくところはいくかもしれませんよ。うまいこといくところがあるに決まってるんですよ。うまくいかないところが出たら困るんです。 だからそういう点で、今も丹後の例を言いましたけれども、そういった五億か六億の投資をして、まあこれが一つですからね、それだけではないんだ、宮津市の場合はほかにこっち側にもう一つ天橋立てから丹後半島にかけての部分もありますからね。これもやろうとしているんだけれども、それはもう大変な投資をしなきゃいかぬということになるんで、将来の見通しは一体どうなるんだと。それは悪いと思ってやるわけはないんです。うまくいくと思ってやるんだが、そのとおりいく保証はない。 そこで、リゾート開発に対する民間企業の投資総額というのは、この間の予算委員会の質問で、総額としては約六兆円、全体構想全部終わりますと六兆円超えるであろうという状況を明らかにしたんだけれども、こういった府県なり市町村がつぎ込む公共事業の方の総額、この見通し、投資総額というのは一体どうなのか。これは国土庁、自治省、どちらでもいいですから。
○説明員(岩崎忠夫君) リゾート法の第十一条におきましては、国及び地方公共団体は、承認基本構想を達成するために必要な公共施設の整備に努めなければいけない、そういう旨の規定があるわけでございます。 そこで、こうした関連公共施設整備の総額、金額が幾らぐらいになっているか、こういうお尋ねでございますけれども、公共施設の整備につきましては、この総合保養地域整備法によるリゾート整備のみならず、多方面の要請にこたえて行われるものであるということが一つございます。また、交通ネットワークの整備等につきましては、特定地域を越えて広域的な効果を持つ、そういった公共施設もあるわけであります。また、そもそもリゾート整備自体、一面では総合的な地域づくりの側面を持っているわけでございまして、その地域において行われる公共施設の整備は、大なり小なりリゾートと何らかの関連を持っているともいえるものであります。 こういうようなことから、リゾートのための関連公共施設整備としてこれを特定あるいは限定するということは大変私ども困難でございまして、現在関連公共施設整備費としての集計は行っていない状態でございます。また、県の作成いたしますリゾートの基本構想におきましても、関連公共施設の整備についての基本的な考え方は明示いたしているわけでございますが、それについての事業費はこれこれでありますということは掲げるようにはなっておりません。しかしながら、この承認基本構想を達成するためには、交通基盤とかあるいは生活環境基盤等の関連公共施設の整備というのは私ども不可欠な重要なことと考えておりますので、こうした法の趣旨を踏まえまして、今後とも関連公共施設の着実な整備に努めてまいりたいというように考えているところでございます。
○神谷信之助君 だから困るんですよ。おんぶにだっこなんだよね、進出企業は。例えば先ほど言いました栗田半島のところはこれは道路がないんですよ。海岸線はありますよ。予定をしているホテルは、先ほど言った保安林のいわゆる財産区の森林ですよ。森林の中だ。道路はないんです。道路をつけなきゃならない。それはそのホテルを利用する人、その周辺の海洋センターなんかありますから、そういう人は若干は利用するかもしれませんよ。しかし、主にはそのホテルをつくるために道路をつけてやるんだ、市道を。こういうところもある。もう道路があるところもありますよ。いろいろある。こんなおんぶにだっこですよ。進出するホテルがやればいい、企業が半分なら半分持つとかやるならわかる。あるいは全部自分のところが出して私道にするならまだわかる。これ、全部言うがままになる。だから、先ほど言いましたように、大和ハウスの石橋信夫会長は、進出するためにお願いに行った場所は一つもありませんと。そして百三十二カ所も既にリゾートホテルをオープンしている。そういう中へ、今度はこのリゾート法の網がかかって、より一層自治体の方が援助してくれる、環境整備をしてくれる。こうなったらもう大変なことじゃないですか。 それで、先ほどどうなるかわからぬとおっしゃったけれども、三重県のサンベルトゾーン構想の場合は、名古屋通産局の委託を受けて調査をやった。それによると、初期需要の資金として、施設建設段階に民間投資は三千五百四十五億、公共投資は五千十六億円、計八千五百六十一億円だと、そういう発表をしています。その計画に基づいて公共投資がどれだけ一体必要なのか。三重県はこれ、第一号指定のところでしょう、第一号か二号。だから、この指定を受ける前に名古屋通産局の委託を受けて調査した。そうすると、民間投資が三千五百億、公共投資の方が五千億、余計出すんだよ。それで、片一方で固定資産税を取って、補助金、奨励金として返してやる、もう至れり尽くせりなんです。 予算委員会で私が指摘したように、このリゾート構想そのものが放漫施策で乱開発で、しかも自然破壊の危険がある。しかも、それを望むところの市町村はどうかといったら、財政能力の弱い、基盤の弱いそういう自治体が中心になる。この点からいうと、自治省あたりが自治体負担の実態をしっかり握って、えらい貧乏くじを引いてしもうたということにならぬように、自治省としては目を光らせてもらわにゃいかぬと思うんですけれども、大臣のひとつこの辺の御見解、特に自治体財政の円滑な運営について責任を持っておられるわけですから、国土庁なりあるいはその他の関係省庁とも、六省庁もあるわけですから、そういった閣僚の皆さんにも御相談をいただいて、そして大変なことにならないように、とにかく各府県全部一カ所ずつできるんですからね、十五万平米以上のそういう構想が。だから、大変なことになってくるという、そういう危惧を私は強く持っておるんですが、この辺についての自治大臣の御見解を最後に聞いておきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) これからの生活は大変余暇利用がふえて、こういったリゾートがブームになっておるわけでありますけれども、せんだっても本委員会でも御指摘ありました。全国画一的なリゾートで、そういった形になっていくことを大変心配されている御指摘でございました。私はそのときにまさに同感だとお答えしておきましたけれども、今このリゾート法の目指すところもこういった余暇利用、これが国民生活の豊かさをやっていけば一番いいわけですけれども、健康な余暇利用とするためにそれぞれの自治体が知恵を働かせておる。また、自然環境を大事にしておられるところがこういった適地にもなるわけです。したがって、先生が御指摘されたように、その大半は過疎に悩んでおられる地域であろうと思います、自然環境がそれだけ守られておるという地域になりますから。 しかし、さっきから先生の話を聞いていると、もうそれぞれ大変綿密に県と相談し合って、このリゾート計画もそんないいかげんな形で立てられる計画じゃないと私は信じておりますし、過疎町村がそれによってすぐだめになってしまう、おんぶにだっこでだまされてしまうような形の御指摘がございましたけれども、それもちょっと即断でなかろうかなと思うんです。しかし、そういったリゾートの形に関しても、その地域町村の皆さんはすばらしい自然環境を何とか生かしたいという気持ち、ところがそれを生かすソフトの知識というのはなかなかないでしょう。 だから、そういう意味において大企業即悪という形じゃなくて、そういった何か百五十もチェーンを持っておる会社らしいですけれども、それはそれなりにそういったノーハウを持っておるということもあるわけです。ですから、それに関連しての社会資本の整備で多少地方自治体もリスクを担ぐわけですけれども、入ってくる企業だって、これは金もうけだと言ってしまえばそれだけですけれども、これもやっぱり大変なリスクを背負っていくわけです。だめだったら逃げていってしまうというようなことですけれども、逃げていくまでには大変なお互いに知恵を出し合うわけですから、できるだけ逃げていかぬような形で双方のソフトとハード面でお互いにタイアップし合う。私の言いたいのは何とか民間活力も利用しながら自然環境もそれぞれの特徴あるものを生かしながら同じ形のものを追っかけっこするという形はこれは本当に禍根を残すであろうと。 ですから、自然環境も大事にしながらそういった設備投資にどれくらいの形をやって、向こうの言いなりということじゃなくてよく相談し合って、そして県もそれに参画し、もちろん国も最終計画決定のときには参画するわけですから、自治省も当然これに対して過度な計画あるいは横着な事業主体に対してはある程度厳しくそれを指導してまいっていくという基本姿勢で、先生のように初めからおんぶにだっこでだめになってしまうという即断をしないで、もうちょっとみんな今自治体は知恵を出し合って、何とかして活性化の手だてを持ちたいということで、ある意味においては夢にも燃えておるわけですから、そういった地方自治体の自主性もひとつ尊重してそういう方向でやっていただきたいなと思います。感想でございます。
○神谷信之助君 自治省がもっとそういう点では目を光らす、それから援助してやらないと、それはわらをもつかむですからね、何とか過疎から抜け出したい、何とか少し町がよくならぬかと。だから、みんな大体そういう思いでいっぱいのところへぱあっと来ていますから、したがってそういう点では本当に自治省としての責任を果たす意味で十分援助をし、冒険をせにゃいかぬときはせにゃいかぬけれども、しかし見通しのないことはやらせないようにせにゃいかぬし、そういう点のなにをちゃんとしないといかぬ。だから私は今やられているのが本当にうまいこといくのかどうかと。 恐らく初期にやるところはまだいいかもしれません。全国ずうっといくんでしょう、これ。後発組というのはそれこそどうにも、新産・工特のときでもそうですよね、初めやったところはいいけれども、あとはもうみんなえらいことになっている。そういう点も含めて、金太郎あめみたいな同じことをやらぬようにちゃんとしてやらにゃいかぬということだけを申し上げておきます。これは私はこれからも何遍も追及しますけれども、そういう点をひとつ申し上げておきたいと思います。 それで、あともう時間がありませんので、厚生省の方の老朽水道管の更新と補助制度の問題をやります。 もう時間がありませんから私の方で言いますが、今大臣、水道の普及率が八八年三月末現在で九三・九%、約九四%なんですよ。これは結構なことなんですね。しかし、この中で見ますと一九五七年から七〇年の十三年間に四〇%から八〇%に急上昇しているんです。その原因は何かというと、値段が安く取り扱いが便利な石綿のセメント管が利用されたからだ。これがだあっと広がったわけです。ところが、石綿セメント管はもう五年前に製造中止になった。しかし実際には中小規模の水道事業体ほど石綿セメント管の割合が高いんですけれども、これは耐用年数が大体二十五年が限度ですから、今どんどんあちこちでしょっちゅう壊れて、それでその補修に走り回るという状況です。 だから、厚生省が今度老朽水道管の更新と補助制度というのをやって石綿管をかえる、そういう制度を始めたんです。 それで、私はもう時間がないので大臣に最後お願いだけしておきますが、これは厚生省の所管事務ではあるんだけれども、更新を急ぐ必要があるんですよね。ところが、更新に補助が出る制度というのは一定の条件があります。例えば京都の今言いました宮津市の場合ですと、上水管で石綿管が三三%、簡易水道で三四・三%。ところが、用水単価が八十九円なんですよ。用水単価が百三十円以上じゃないとこの補助の対象にならない、えらい安いやないかというと、水源池が明治時代につくられた、だから用水単価が安いわけね。しかしほっておくわけにいかないので、毎年五百メートルから千メートルくらいの石綿管の更新をやっているんです。これじゃいつ完成するかわからない。しょっちゅう補修はせないかぬわ、修繕はせないかぬわというので、かえって費用が要るわけですよ。 だから、ちょうど大臣にそういう点で一言だけお願いしておきたいんだけれども、今アメリカとの構造協議の中で、公共事業の十カ年計画でGNP比でうんとふやせ、こういう要求が出てきておるんだけれども、私はこれは我が国に対する内政干渉でけしからぬと思っておるのですけれども、しかし公共事業の予算が少ないことは事実なんです。だから、こういった点で市民生活に直接影響のある水道管、セメント管の更新の制度について、厚生省の所管ではあるけれども、自治体に直接影響もあるわけですから、大臣の方でもこの補助対象の枠を拡大するとか、あるいは今人口五万人以下なんですが、それを十万人まで広げるとか、とにかくことしの予算は二十億なんです。二十億じゃ全国に行きやせぬでしょう。大体対象が、たしか千五百余りの自治体があるけれども、この補助対象枠に入るのはそのうちの四割で、それでことしの予算は二十億ですから、いつになったらこの順番が来るかわからぬ、今の枠の中でも。だから、この点は大幅に増額して、枠も広げて、国民生活に直結するそういう問題については手厚い対策を立てるということをお願いしておきたいと思うんですが、大臣の御意見はいかがですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 今先生の御提議された御趣旨を厚生省によく伝えておきます。
○委員長(渡辺四郎君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時十三分散会