地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 234 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/04/26
会議録
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十五日、岩本久人君が委員を辞任され、その補欠として吉田達男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策について奥田国務大臣から所信を聴取いたします。奥田国務大臣。
○国務大臣(奥田敬和君) 委員各位には、平素から地方行政及び警察行政の推進に格段の御尽力をいただき、厚く御礼を申し上げます。 この機会に所管行政の当面する諸問題につきまして所信の一端を申し上げ、各位の深い御理解と御協力を賜りたいと存じます。 さて今日、我が国社会は、高齢化、国際化、情報化が急速に進みつつあります。今日の地方行政は、このようにさまざまな面で大きな変貌を遂げつつある社会情勢に的確に対応しつつ、個性豊かな活力ある地域社会の実現を図ることが期待されており、地方公共団体の果たす役割は、一層増大するものと考えられます。 一方、地方自治を取り巻く行財政環境には、依然として厳しいものがありますが、国、地方を通ずる行政改革と地方財政の健全化を一層進めていくとともに、今後とも地方税財源の確保を図り、各地域において住民が誇りと愛着を持てるふるさとづくりを推進するための施策を積極的に展開していかなければなりません。 私は、二十一世紀に向け時代にふさわしい地方自治の確立のため、最大限の努力を払ってまいる所存であります。 東京への一極集中化傾向が強まっている中、全国各地域がそれぞれの特色を生かした地域づくりを進めることにより、多極分散型国土形成を実現していくふるさと創生の推進が、国、地方を通ずる内政上の重要課題となっております。 現在、自ら考え自ら行う地域づくり事業(いわゆる一億円事業)等を契機として、全国各地域において、自主的、主体的な地域づくりの芽が育ちつつありますが、この芽を大きく育て、大輪の花を咲かせていくため、地域づくり推進事業を創設するなど、ハード、ソフト両面にわたる総合的な支援策を展開し、ふるさと創生の一層の推進を図ってまいります。 また、外務省及び文部省と共同で実施している語学指導等を行う外国青年招致事業(JET事業)の招致人数を増加させ、地域レベルでの国際交流の進展と外国語教育の充実を一層推進してまいる所存であります。 さらに、情報の地域間格差を是正し、住民福祉の向上と地域の活性化を図るため、全国の地方公共団体間に構築される衛星通信ネットワークの整備を初め、地方公共団体が実施する高度情報化推進事業を積極的に支援してまいりたいと存じます。 次に、地方行政の充実について申し上げます。 地方公共団体が、その機能を十分発揮し、住民福祉の向上、ふるさと創生の実現等を進めてまいるためには、国、地方を通ずる行財政の簡素効率化を図るとともに、地方公共団体の自主性、自立性の強化を図っていく必要があります。 昨年十二月に臨時行政改革推進審議会から、国と地方の関係等に関する答申がなされ、個別の事務権限の地方移譲を初め国の関与の緩和等に関する具体的な提言も行われたところでありますので、これらの改善の着実な実施を期するとともに、引き続き地方分権が一層推進されるよう努力してまいります。 地方公共団体における行政改革につきましては、これまでも自主的、総合的な取り組みがなされてきているところでありますが、今後さらに事務事業の見直し、組織・機構の簡素合理化、給与・定員管理の適正化等が積極的、計画的に推進されるよう強力に指導してまいりたいと考えております。 次に、地方財政に係る施策について申し上げます。 地方財政は、六十七兆円を超える借入金残高を抱え、これらの償還が今後の大きな負担となるなど依然として厳しい状況にあり、一方では、多極分散型国土形成の推進、高齢化社会への対応等の重要課題について地方団体がますます大きな役割を担うことが求められており、こうした面での財政需要の増大が見込まれるところであります。 このため、平成二年度においては、住民生活に直結した社会資本の整備、地域住民の福祉の充実等を図るため、地方交付税等所要の地方財源を確保するとともに、中期的視点に立って地方財政の健全化を図るため、交付税特別会計借入金の返済、財源対策債償還基金に対する財政措置等を講じることとしたところであります。 今年度の地方財政計画は、以上の措置を前提としつつ、おおむね国と同一基調により節度ある行財政運営を行うことを基本とし、次のような方針に基づき策定いたしました。まず、歳出面におきましては、地域住民の福祉の充実と地域の特性を生かした魅力ある地域づくりを推進するため必要な事業費の確保に配慮する等限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹することであります。また、歳入面におきましては、地方債の抑制に努めるとともに、地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額を確保することであります。 なお、国庫補助負担率の暫定措置及び国民健康保険制度の見直しに係る影響についても地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう措置することとしたところであります。 この結果、今年度の地方財政計画の規模は、歳入歳出とも六十七兆千四百二億円となり、前年度に比べて七・〇%の増となっております。 また、地方公営企業につきましては、社会経済情勢の変化、住民ニーズの多様化等に的確に対応しつつ、住民生活に必要なサービスの安定的供給を確保していくため、経営の健全化、活性化の一層の推進に努めてまいる所存であります。 なお、過疎地域活性化特別措置法が本年四月一日から施行されたところでありますが、過疎対策事業債の適切な運用等を通じて産業の振興等を図り、過疎地域の一層の活性化に努めてまいりたいと存じます。 次に、地方税制について申し上げます。 まず、平成二年度地方税法改正案につきましては、三月末成立させていただきました。当委員会の皆様方に改めて御礼申し上げます。 今後とも、地方税負担の公平適正化に努めてまいりますとともに、税源の偏在に配慮しつつ地方税源の着実な充実を図っていく所存であります。 なお、土地税制につきましては、税制調査会の検討を踏まえつつ、総合的な見直しを行い、平成二年度中に成案を得て所要の法律案を提出するよう努めてまいりたいと存じます。 次に、公務員行政について申し上げます。 従前に引き続き、公務能率の向上、厳正な服務規律の確保、正常な労使関係の樹立等に努めてまいりたいと考えております。 また、地方公務員の週休二日制につきましては、現在、各地方公共団体において、月二回の土曜閉庁方式が積極的に導入されているところでありますが、未整備の団体におきましても、住民の理解を得ながら、この方式の導入が円滑に進められるように努めるとともに、交代制等職員の週四十時間勤務制の試行についても、国に準じて実施されるよう指導してまいりたいと考えております。 次に、消防行政について申し上げます。 我が国の消防は、自治体消防として発足して以来四十年余りの間に、制度、施設等の各般にわたり着実な発展を遂げてまいりました。 しかしながら、地震、台風や集中豪雨を初め、最近では長崎屋尼崎店の火災など災害は後を絶たず、また、災害の態様もますます複雑多様化、大規模化してきております。 私は、このような状況にかんがみ、何よりもまず人命の尊重を基本とし、安全な地域社会づくりを進めるため、消防力の充実強化はもとより、住民、事業所及び消防機関が一体となった地域ぐるみの消防防災体制を確立することが重要であると考えております。 このため、消防施設の整備や装備の高度化等による消防力の充実強化、防災まちづくり事業の推進、広域応援体制の整備、消防防災通信ネットワークの強化、救急救助体制の整備、危険物の安全対策の充実、消防団の一層の活性化対策の促進等を図ってまいる所存であります。また、各種施設における防火安全対策の充実強化、国際消防救助体制の整備、大深度地下空間の利用に係る消防防災対策等消防を取り巻く環境の変化に対応した積極的な消防行政の推進に努めてまいる所存であります。 次に、警察行政について申し上げます。 申すまでもなく、法秩序の維持は、法治国家の根幹であり、国民の安全で豊かな生活の基盤をなすものであります。我が国の治安は、国際的にも高い評価を受けてきたところでありますが、最近における内外の諸情勢はまことに厳しく、現在の治安水準を維持していくためには、今後一層の努力が必要であります。 私は、このような情勢を十分に認識し、国民の皆様の御理解と御協力を得て、治安の確保に万全を期してまいる所存であります。 初めに、犯罪情勢についてであります。 昨年における刑法犯の認知件数は、約百六十七万件と戦後最高を記録しております。この増加は、乗り物盗等の増加によるものであり、凶悪犯は数的に減少しておりますが、内容を見ますと、連続幼児誘拐殺人事件や身の代金目的誘拐事件など、極めて悪質かつ凶悪でしかも広域にわたる事件が相次いで発生し、また、来日外国人による凶悪事件等も多発するなど、まことに厳しい情勢となっております。さらに、近年の科学技術の進歩、国際化、都市化の進展、国民意識の変化等に伴い、捜査活動は困難の度を深めてきております。このような状況に対処するため、今後とも犯罪の広域化、国際化などに対応できる捜査体制の整備充実を図るほか、捜査に対する国民の御理解と御協力を得るための諸施策を推進してまいりたいと考えております。 また、最近特に銃器発砲を伴う対立抗争事件を続発させ、国民の平穏な生活を脅かしている暴力団に対しましては、組織の壊滅を目指し、徹底した取り締まりを行うとともに、暴力団排除のための諸施策を強力に推進していくこととしております。 覚せい剤、麻薬等の薬物乱用は、国際的にも共同して取り組むべき大きな問題となっておりますが、我が国でも、覚せい剤の乱用が深刻な状況にあるほか、コカイン、ヘロイン事犯が急増し、乱用される薬物が多様化するなど極めて憂慮すべき状況にあります。このため、密輸入事犯の水際検挙、暴力団を中心とする密輸、密売組織の壊滅、末端乱用者の徹底検挙、薬物乱用防止のための広報啓発活動等の対策に努めてまいるとともに、薬物事犯の国際化に対応するための国際捜査協力を積極的に推進し、あわせて麻薬新条約の批准に向け、関係省庁とともに国内法の整備のための必要な検討を進めてまいることとしております。 生活経済事犯につきましては、海外先物商法などの悪質商法事犯が依然として後を絶たず、国民に多大な被害を与えているところであります。このような犯罪に対しましては、悪質業者の徹底検挙に努めるとともに、消費者保護の立場から、広報啓発活動を積極的に推進し、被害の未然防止と拡大防止を図ってまいりたいと考えております。 次に、警備情勢についてであります。 本年十一月に予定されております即位の礼、大嘗祭に向けて、極左暴力集団、日本赤軍等の国際テロ組織による凶悪なテロ、ゲリラ事件の発生のおそれが強く、厳重な警戒を要するところであります。また、成田空港の二期工事をめぐっても、極左暴力集団が皇室闘争と絡めて、引き続き過激な闘争を展開するものと見られます。 一方、右翼は、けん銃を使用した事件を多発させるなどテロ、ゲリラ志向を一段と強めており、今後の動向には厳重な警戒が必要であります。 このような状況に対しましては、テロ、ゲリラを根絶することを当面の最重要課題として、国民の皆様の御理解と御協力を得ながら、全国警察の総合力を挙げて対処してまいることとしております。 次に、少年の非行問題についてであります。 我が国の将来を担う少年の非行を防止し、その健全な育成を図ることは、国民すべての願いであります。しかしながら、少年非行は、依然として高い水準で推移しており、凶悪、粗暴な事件も後を絶たない状況にあります。 このため、関係機関、団体との連携を一層強化しながら、少年の適切な補導を初め、少年相談活動、非行を誘発させない環境づくり、広報啓発活動などの各種非行防止対策を総合的に推進していくこととしております。 次に、交通問題についてであります。 交通事故の現状を見ますと、昨年、十五年ぶりに死者が一万一千人を突破するなど、まことに憂慮にたえないところであります。また、都市部を中心に交通渋滞や違法駐車の問題が深刻化するなど、道路交通をめぐる情勢は一層厳しさを増してきております。このため、交通安全施設の整備、交通安全教育の推進、違法駐車対策を中心とする交通の円滑化対策などの諸対策を総合的に推進し、安全かつ円滑な道路交通の確保に努めてまいりたいと考えております。 特に駐車問題につきましては、違法駐車の蔓延が社会問題化している現状にかんがみ、関係法令の改正等を含め、的確に対処してまいることとしております。 以上、警察行政の当面する諸問題について申し上げたのでありますが、流動する社会経済情勢に迅速かつ的確に対処し、治安の万全を期するためには、警察体制の整備充実を図ることが肝要であります。 このため、平成二年度におきましては、首都圏の三県での地方警察官の増員を初めとして、捜査力の充実強化対策、重大テロ事件対策、覚せい剤事犯対策、交通安全対策を最重点として、人的、物的基盤の整備を図ってまいりたいと考えております。さらに、職員一人一人が誇りと使命感を持って職務に精励できるよう、第一線職員の処遇の改善を進めるとともに、適切な市民応接の推進、職員の実務能力の向上、規律の保持などに努め、国民の期待と信頼にこたえる警察活動の推進に心がけてまいる所存であります。 以上、所管行政の当面する諸問題につきまして、所信の一端を申し述べましたが、委員各位の格別の御協力によりまして、その実を上げることができますよう、一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
○委員長(渡辺四郎君) 次に、平成二年度自治省関係予算及び警察庁関係予算の概要について、それぞれ政府から説明を聴取いたします。小林自治大臣官房長。
○政府委員(小林実君) 平成二年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一に、一般会計予算でありますが、歳入は三千三百万円、歳出は十五兆三千四百三十二億九千八百万円を計上いたしております。 歳出予算額は、前年度の予算額十三兆四千七百三十二億八千五百万円と比較し、一兆八千七百億一千三百万円の増額となっております。 また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省十五兆三千二百七十一億九千七百万円、消防庁百六十一億百万円となっております。 以下、この歳出予算額のうち主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。 最初に、自治本省につきまして、御説明を申し上げます。 まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、十五兆二千七百五十億九千万円を計上いたしております。 これは、平成二年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額、消費税の収入見込み額の百分の二十四に相当する金額並びにたばこ税の収入見込み額の百分の二十五に相当する金額の合算額十五兆二千七百五十億九千万円に平成二年度特例措置に係る額二百三十億円を加算した額から昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律附則第二項の規定による減額二百三十億円を控除した額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、二百七億五千万円を計上いたしております。 これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するためのものであります。 次に、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、五十四億円を計上いたしております。 これは、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するためのものであります。 次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費として、四十六億四千万円を計上いたしております。 これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するためのものであります。 次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、四十七億二千三百万円を計上いたしております。 これは、昭和四十七年度から昭和五十一年度までの間において発行された公営地下高速鉄道事業債の支払い利子に相当するものとして発行を認めた特例債の利子の一部について、地方公共団体に助成金を交付するためのものであります。 次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、九十四億三千六百万円を計上いたしております。 これは、公営企業金融公庫の上水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に係る貸付利率の引き下げのための補給金を同公庫に交付するためのものであります。 次に、広域市町村圏等の整備の推進に必要な経費でありますが、六億三千九百万円を計上いたしております。 これは、広域市町村圏等において、田園都市構想の推進を図るための地方公共団体に対する田園都市構想推進事業助成交付金の交付に必要な経費であります。 次に、明るい選挙の推進に必要な経費でありますが、十六億二千八百万円を計上いたしております。 これは、選挙人の政治常識の向上を図り、明るい選挙を推進するために要する経費について、都道府県に対し補助する等のために必要な経費であります。 以上が自治本省についてであります。 次に、消防庁について御説明申し上げます。 まず、大震火災対策施設等整備に必要な経費として、二十六億九千万円を計上いたしております。 これは、震災等大規模災害に備えるため、消防防災無線通信施設の整備及び耐震性貯水槽など震災対策のための諸施設の充実を図るために必要な経費であります。 次に、消防施設等整備費補助に必要な経費として、百十二億八千万円を計上いたしております。 これは、市町村の消防力の充実強化を図るため、消防車、防火水槽などの消防施設を地域の実情に応じて重点的に整備するとともに、林野火災等に対する防災対策の推進を図るために必要な経費であります。 第二に、特別会計予算につきまして御説明を申し上げます。 自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計があり、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定があります。 まず、交付税及び譲与税配付金勘定の歳入予定額は十八兆九千百九億四千六百万円、歳出予定額は十八兆七千四億四千六百万円、となっております。 歳入は、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づく一般会計からの受け入れ見込み額、消費税の収入見込み額の五分の一に相当する額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。 歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。 次に、交通安全対策特別交付金勘定の歳入予定額は七百五十六億六千四百万円、歳出予定額は七百六億二千六百万円、となっております。 歳入は、交通反則者納金の収入見込み額等を計上いたしております。 歳出は、交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。 以上、平成二年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。
○委員長(渡辺四郎君) 続きまして浅野警察庁長官官房長。
○政府委員(浅野信二郎君) 平成二年度の警察庁予算につきまして、概要を御説明申し上げます。 平成二年度の警察庁予算総額は一千九百五十八億一千四百万円でありまして、前年度予算額一千八百七十二億五千万円に比較しまして、八十五億六千四百万円の増額となっております。 次に、その内容の主なものにつきまして御説明申し上げます。 第一は、警察庁一般行政に必要な経費七百五十一億七千万円であります。 この経費は、警察庁、警察大学校及び地方機関の職員並びに都道府県警察の警視正以上の警察官の俸給等の人件費のほか、警察庁、警察大学校及び地方機関の一般事務経費であります。 第二は、電子計算機運営に必要な経費五十二億二百万円であります。 この経費は、全国的情報管理システムその他のために設置した電子計算組織の運営に必要な電子計算機の借料とそれに付随する消耗品購入費等であります。 第三は、警察機動力の整備に必要な経費二百三十四億二百万円であります。 この経費は、災害対策の一環ともなりますヘリコプター、警察用車両の購入、警察装備品の整備及び警察通信施設の新設、補修並びにその維持管理等の経費であります。 第四は、警察教養に必要な経費四十八億五千四百万円であります。 この経費は、警察学校入校生の旅費と警察学校における教養のための講師謝金、教材の整備費等であります。 第五は、刑事警察に必要な経費二十七億八千三百万円であります。 この経費は、暴力団犯罪及び一般犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費並びに犯罪鑑識に必要な法医理化学機材等の整備費、消耗品費、死体の検案解剖の経費のほか、犯罪統計の事務等に必要な経費であります。 第六は、保安警察に必要な経費三億一千万円であります。 この経費は、青少年の非行化防止、風俗取り締まり、麻薬、覚せい剤、密貿易、けん銃等銃砲危険物、公害等に関する犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費等であります。 第七は、交通警察に必要な経費二億五千三百万円であります。 この経費は、交通安全に関する広報及び運転者対策等に必要な物件費並びに交通取り締まり指導旅費等であります。 第八は、警備警察に必要な経費七億五千二百万円であります。 この経費は、警備警察運営に関する会議、指導、連絡等の旅費、機材類の整備等に必要な経費であります。 第九は、警察活動に必要な経費百八十三億二千四百万円であります。 この経費は、犯罪の捜査、取り締まり等警察活動に必要な旅費及び捜査費であります。 第十は、警察電話専用回線の維持に必要な経費三十八億九千七百万円であります。 この経費は、警察電話専用回線を維持するためのいわゆる警察電話専用料であります。 第十一は、犯罪被害給付に必要な経費五億七千万円であります。 この経費は、殺人、傷害等の犯罪により死亡しまたは重障害を受けた場合、その遺族または被害者に対し国が一定の給付をするために必要な給付金及び事務費であります。 第十二は、千葉県警察新東京国際空港警備隊に必要な経費八十一億四千五百万円であります。 この経費は、千葉県警察新東京国際空港警備隊の維持、運営に必要な旅費、物件費及び空港警備隊員の人件費等の補助金であります。 第十三は、船舶の建造に必要な経費三億六百万円であります。 この経費は、警察用船舶の建造に必要な経費であります。 第十四は、科学警察研究所に必要な経費十億五千五百万円であります。 この経費は、警察庁の附属機関として設置されています科学警察研究所職員の俸給等の人件費と研究、調査、鑑定等に必要な機械、器具類の購入費、維持費、その他一般事務経費であります。 第十五は、皇宮警察本部の一般行政に必要な経費五十八億一千二百万円であります。 この経費は、皇宮警察本部職員の俸給等の人件費のほか、その他一般事務経費であります。 第十六は、皇宮警察本部の護衛、警備に必要な経費二億六千三百万円であります。 この経費は、皇居の警備及び行幸啓の護衛に必要な経費であります。 第十七は、警察庁の施設整備に必要な経費十八億百万円であります。 この経費は、国庫の支弁対象となっております都道府県警察学校等の施設の整備に必要な経費であります。 第十八は、都道府県警察費補助に必要な経費二百三十三億九千七百万円であります。 この経費は、警察法第三十七条第三項の規定により、都道府県警察の一般の犯罪捜査、交通指導取り締まり、外勤警察活動、防犯活動等の一般行政費の補助に必要な経費であります。 第十九は、都道府県警察の施設整備費補助に必要な経費百九十五億一千八百万円であります。 この経費は、警察法第三十七条第三項の規定により、都道府県警察の警察署、待機宿舎等及び交通安全施設の整備費の補助に必要な経費であります。 以上、平成二年度の警察庁予算の内容につきましてその概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(渡辺四郎君) 以上で所信及び説明の聴取は終わりました。 これより大臣の所信に対し質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渕上貞雄君 ただいま平成二年度の予算にかかわる大臣の所信を承りました。これから大きく変わろうとする社会に対する認識といいましょうか、高齢化社会、国際化社会、情報化社会と言われて、大きく社会が変化をしていこうとするときに、地方公共団体の果たす役割というものは、その時代に対応してそれ相当の大きな変化もまた必要であろうと思いますけれども、長年言われている過疎過密の状況というものについては一向にまだ改まっていないし、そういうものが今日、都市、地方においていろんな問題を惹起していることもまた事実であります。 したがいまして、大臣の所信表明の中にありましたように、「二十一世紀に向け時代にふさわしい地方自治の確立」と所信を表明されました。二十一世紀の時代をどのような時代というふうに大臣は御理解なさっておられるのか。 これから先の国の運営は、とりわけ地方もまたそれに従って重要な意味を持つわけであります。けさのニュースでも海部総理大臣は、アジアのヒューマンな時代にしていかなければならないと。一体そういう国の規定みたいなものについて、規定というのはちょっと語弊があるかもしれませんけれども、これから先の二十一世紀の日本の国をどのような国にしていこうとしているのか。余りにもお金が優先をしているような時代、経済優先の時代からやはりヒューマンな時代へ変えなければならないという認識に立たれておるのかどうか、そこらあたりの大臣のお考えについて御所見を伺いたいと思います。 次に、「ふさわしい地方自治の確立」と言われましたけれども、一体何をもってふさわしいというふうに言っておられるのか。どういうことをもってふさわしい地方自治を確立していくというふうに言われておるのか。大きく変化しようとする二十一世紀の時代にふさわしい地方自治を確立する、その基礎づくりのために一体大臣はこの予算の中でどのようなことを重点に置いて考えられておるのか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 大変大きな課題に対するお答えになるわけでありますが、私自身、二十一世紀を待たずしてこの最後の九〇年代、これはまさに地方の時代でなければならぬ、また地方の時代をつくるのが今日、日本の政治家の務めでなきゃならぬというくらいの使命感を持っております。 それは、委員も御指摘なさいましたように、現実の問題として大きな二つの問題に直面しております。一つは、やはりこれから二十一世紀に向けて経験しなかった超高齢化の社会の到来であります。そして他方、今日もう限界に来ておる一極集中という国土の現象であります。 したがって、これからの高齢化社会に、本当にきめの細かな、老人の生きがい対策も含め、今委員御指摘のようなヒューマンな物と心のバランスのとれたこういった形ができるかできないかという形は、まさに情報の先端基地でもあり、一番身近な行政サービスがやらなきゃならない問題ばかりを担っておるのが各地方自治体であるという現実であります。 例えば、福祉の中でも在宅福祉と一口に言っても、ホームヘルパーの問題、ショートステイ、デイサービス、今いろいろな政策が講じられようとしつつありますけれども、これらが実行できるかできないか、そして本当に生きがいのあるヒューマンな高齢化社会、そういった環境づくりも含めてやっていけるかどうか、その成否はまさに地方自治体の肩にかかっておるということであろうと思います。もちろん老人対策ばかりではなく、快適な生活環境ということになれば下水道、そういった身近な行政サービスも含めてすべてが地方自治体の肩にかかってきておるということになろうかと思います。 そしてまた、もっと大きく言えば、他面、一極集中の問題を提示いたしましたけれども、均衡のある国土形成といいましても、これは結局各地方自治体がそれぞれ魅力と活力に満ちた個性あふれる、そういった形に地方自治が展開されていかなければならないわけであります。はっきり言えば、各自治体がそれぞれみずから考えていただいて、みずから個性と誇りを持って実行していただく。ふるさと創生を含めて、一極集中排除の原点に立って頑張っていただかなければいかぬというふるさと創生の理念も私はここにあると思っておりますし、現実に平成二年度の諸施策におきましてもこれらの芽を大事に育てていくために、一億円事業でいろいろな御批判もありましたけれども、まさにそういった理念に立って地域づくりを推進していくために、例えばふるさとづくり特別対策事業とか、ふるさと財団関連に関する融資とか、あるいはふるさと市町村圏基金構想とか、一億円事業をさらに二倍、三倍、四倍に永続的に発展させていくためにいろいろな諸施策を講じてきたところでもございます。 もちろんこれらの諸施策遂行のためには地方の自主性、自立性を増すために地方財政の健全化、このことにも最大の配慮をいたしまして地方自治の確立を図ってまいりたい。二十一世紀に向かう地方自治体のそういった対応と、何としても地方の時代を実現しなければ、極端に言えば我が民族、国家は救われないというくらいの気持ちで努力いたしたいと思っております。
○渕上貞雄君 今大臣は、これから先は地方の時代になるであろうと、その地方の時代の土台をつくっていくものがふるさと創生、こういうふうに言われましたけれども、ふるさと創生にかかわる予算一億円、一体どういうふうなふるさと再生をしようとしているのか。地方における新たな枠組みというものは思い切って今の財源配分というのを逆転させるぐらいの発想がなければ、今大臣が言われたような地方の時代にふさわしい、こういうことにはならないのではないか。せめてもその財源配分そのものを五〇対五〇ぐらいに変えるような発想を大臣お持ちでないのかどうなのか、そこらあたりをひとつお聞きしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 恐らく委員の御指摘は、今地方交付税が国税の三二%というような数字になっているものも、そういった形をもっと大きく変えたらどうか、それくらいの意気込みでなければ地方の時代は来ないということであろうと思います。 幸いにいたしまして、最近、もちろん不確定要素で長期にわたって絶対という形のお答えにはなりませんけれども、今日、国全体の経済の好調と申しますか、景気の好調に支えられまして、交付税あるいは地方税の収入も順調にまいっておることは御承知のとおりです。もちろん景気に支えられてという前提はありますけれども。したがって、平成元年度補正あるいは平成二年度の地方財政計画におきましても、返すべきものはきちんと返し、積み立てる基金は基金として積み立て、そして各地方財政計画におきましては各自治体が知恵を凝らして年度予算編成をされてきたものをほとんど、一〇〇%とは申しませんけれども、それぞれの適否をきちっと区分した上で、さっき言いましたように、活力のある個性あふれた自治体形成のために必要な知恵と創意を出された自治体に対しては、そういった形に対してできるだけ措置も講じてきておると思っております。 したがって、委員御指摘のように、今交付税率の見直しという形よりも、現在の段階の中で着実に基盤はやっていけるものであろうと。もちろん地方の自主財源確保、それをしていくための方途はいささかも怠ってはならないわけでありますけれども、そういった点には努力してまいってきておるつもりであります。
○渕上貞雄君 現在の配分率でよかろうと、とりわけ自主財源の確立については努めていかなければならないというふうに言われたと思うんでありますけれども、結局、何ぼ地方公共団体の自主性だとか自立性だとかを強調されたといたしましても、事務の権限は地方に移譲していく、仕事量はいっぱいふえる、人や金や物は現状でよろしい。こういうことではやはり自立性だとか自主性だとかというのはなかなか発揮しにくいのではないかというふうに思います。 したがいまして、国の直轄事業というものをもう少し地方に負担をかけずにやっていく、こういうことなども大切ではないかと思いますし、補助事業におきましても、補助金行政というものに対してもう少しメニュー化をして、それを確実に実施させていく。その場合に、いわゆる選択権だとか自由裁量権だとかというものをいま少し地方に任せるべきではないか。財源とそういう選択権と裁量権というものを任せてメニュー化していくことこそが地方自治を活力あるものにするし、魅力ある地方の時代にしていくのではないかというふうに思いますけれども、そういう権限の問題についていかがお考えになっておりましょうか。 次に、東京における一極集中問題については、各地方の県庁所在地においても東京と同じような状況が見られる傾向にあると私は思っています。したがいまして、人と金と物というものがそういう中心的な都市に集まることによって、地方の都市というものが疲弊をしていく。その場合に、一極集中性をどう排除するのかというようなことから多極分散型国土の形成を目指す。わかったようでわからないような言葉で多極分散型国土の形成、何をどのように多極に分散をさせていくのか。そうすれば一体一極集中というのはなくなるというふうに理解されているのか。その一極集中がもたらしている問題で象徴的な問題が土地の問題でありましょうし、交通問題であろうというふうに思われます。 例えば御茶ノ水周辺の大学を地方に移す。移した後に予備校をつくる。大学生ですから余り毎日学校には来ない。予備校生は次の大学受験に向けて一生懸命そこに来るということになれば、御茶ノ水周辺の大学が地方に移転をしたとしても、同じような形態でそういうものをつくっていくとすれば、今のような状況は一向変わらないと思うのであります。多極分散型国土形成と地方の時代、地方に自立性と自主性を求めて活力ある地方自治をつくっていこうとするならば、その多極分散型国土形成というものを具体的に一体どのようにしようというふうに考えておられるのか、大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 一極集中を排除して多極分散に持っていかなきゃこれから、極端に言えば日本の将来の民族、国家の運命をかけると言ったのは、一億二千数百万の民族がおる、しかし限られたこの国土、日本列島の限定された地理的条件、国土条件がある。一極集中しているという現実がこのまま肥大化、蔓延化していく形において一体生存の条件の中でみんながどうしたら本当に豊かな形で、生きがいを感じた形での自分たちの国づくりができるのかできないのかという原点に立ったときに、それの具体的な方策をするためには企業の分散もあるでしょう。そしてまた若者に魅力のある地方づくりもあるでしょう。それから高速交通体系の充実もあるでしょう。それらはやはり連関したものだと思いますけれども、一極集中の現況を何とかして打開しなければいけない。 これは、私たちの生存にかかわる大事なことだとも思いますし、また現実に私は東京はそんな魅力あるところだとは思いませんけれども、若者が集まる。そしてこれだけ交通が便利になり、地方にはまだ立派な自然環境があるにもかかわらず帰らないで、なぜこういう形に集中するんだろうという現状を踏まえるときに、若者に対してどこが地方が魅力がまだないんだろうか。やはりそこには働きの場もあるだろうし、そして交通問題もそれぞれ含まれているんでしょうけれども、多極分散を図らなければ、民族の生存と国家の将来をかけて政治家としてはやらなきゃならぬと私が前段に申し上げたゆえんもここにあるわけであります。
○政府委員(持永堯民君) 直轄事業の問題、補助金の問題にお触れになりましたのでちょっとお答えさせていただきます。 直轄の負担金の問題につきましては、かねてからいろいろ御議論があるわけでありまして、特にその中での維持管理費に対する直轄事業負担金を廃止しろという議論もあるわけでございます。この問題につきましては、現在一つは、公共事業の補助率は御承知のように暫定措置が今続いておりまして、来年から見直しをすることになっております。その際に当然補助事業、直轄事業を含めまして負担のあり方をどうするか検討していくというその中で十分考えてまいりたい。最近の情勢の変化といたしましては、御承知のように日米構造協議の中でも公共投資の問題が出てまいりました。そういうことも頭におきながら十分検討してまいりたいと思っております。 それから、補助金のメニュー化の問題でございますけれども、補助金の問題につきましては、例えば奨励補助金の整理でございますとか、あるいは一般財源化でございますとか、あるいは零細補助金の廃止とかいろんな問題がございまして、そういった議論の一環として御指摘ございましたこのメニュー化の問題も当然かねてから議論があるわけでございます。最近、若干はメニュー化ということも進んでおりますけれども、形式的なメニュー化にとどまるということもかなりあるわけでございますので、今後とも実質的に御指摘ございましたように地方団体が自主性、自立性を持って補助金を使えるような形でのメニュー化というものを進めるように努力してまいりたいと思っております。 このことは私どもが申し上げているだけではなくして、昨年の暮れに出ました臨時行政改革推進審議会の答申におきましてもその点が指摘をされておりまして、また、地方制度調査会からいわばたびたびそういう御指摘をいただいているわけでございまして、そういう中で私どもとしてもなるたけ努力をしてまいりたいと考えております。
○渕上貞雄君 次に、国保の問題についてお伺いをしたいと思いますけれども、自分の健康は自分で守るという理念のもとに国民健康保険が創設されたと思いますが、国保の問題についてはやはりこれから先各自治体における財政上の最大の課題になってくるのではないか。それはかなり深刻になってくるのではないかというふうに認識をしているところであります。それだけにこの国保の問題については抜本的な改革に向けていろんな御議論があることも承知をしておりますけれども、国保の財政問題についてどのようにお考えになって、どのように改革をし、私自身はかなり長期にこの問題については考えながら手当てをしていかなければならないと思っておるところでありますけれども、どのような改革を今後進めていこうとしているのか、お考えを伺いたいと思うのであります。 ちなみに福岡県でありますけれども、昭和六十年から六十三年までに四年間の制度改正分を除きまして四百四十四億九千百万円を一般会計から繰り入れられている。一般会計から繰り入れられているこのような現状につきましては、国の負担をふやして解決をしていくべきではないかというふうに思いますけれども、大臣の先ほどの御説明にもありましたように、これから先の高齢化社会に向かっていく地方の安全と安心というものを保障していく場合に、この健康保険というものはかなり精神的にも安定をさせていく重要な役割を果たしていると思うわけであります。 したがいまして、国の負担を今後具体的にふやしていかなければならないと思いますし、所信の中にもございましたように「財政運営に支障が生じないよう措置すること」としていますけれども、具体的にどのようにしておられるのか、御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 今委員の御指摘のように、国保財政の件について御質疑であったと思いますけれども、確かに嫌々出血をして一般会計で補てんされる等々、この問題が地方自治体にとって解決しなきゃいかぬ最大の急務だということで、本年度の予算編成におきましてもこの問題については対応し、制度改正も一部行ったところでありますけれども、具体的な数字に関しては政府委員から説明させます。
○政府委員(持永堯民君) 国民健康保険の問題は、今御指摘があったとおりでございまして、特に今からまた高齢化社会を迎えるということもございますので、これからの市町村にとりまして大変大きな負担と申しましょうか、仕事になってくるというふうに認識をいたしております。 そこで、現在お願いしておりますこの予算あるいは法案の中で、平成二年度におきましては、六十三年度から暫定的にやってまいりました保険基盤安定制度、つまり軽減保険料に対する補助でございますけれども、これにつきまして国の負担を実質的に充実させるということとあわせまして、この制度については恒久化を図るということの措置をとっております。 それからもう一つは、高額医療共同事業、いわゆる再保険事業でございますけれども、これにつきましても引き続き実施をしていくというようなことにいたしております。あわせまして国保そのものの問題じゃないかもしれませんけれども、老人保健制度の中で加入者按分率の見直しが行われました。そういったもろもろの結果、平成二年度におきましては保険料負担が全体で八百五十億円程度軽減になるという形に相なっておるわけでございます。 ただ、これだけで十分かという御指摘がありますと、なかなか将来ともこれで万全だとは申し上げにくい面があるわけでございまして、基本的にはやはり各医療保険制度間の負担と給付の公平化を図る問題あるいは医療費の適正化を進める問題、そういう基本的な議論がまだあるわけでございます。これにつきましても平成二年度の予算編成に当たりましていろいろ議論はしてまいりましたけれども、現実問題、各医療保険制度間で今直ちにこの仕組みを変えるとかいうことはなかなか調整が難しいことは御理解いただけると思いますけれども、そういう基本問題は残したままで、そういう現状の中でとり得る改善策というものを平成二年度ではお願いする、こういうことでございまして、今後とも将来に向けましては保険制度間を一体どうするのかという問題、あるいは医療費の適正化をどうするのかという基本論について引き続き推進をしていく。一方で、国保の財政の状況を見ながらやはりそれに対応した国の負担というものも求めていくということで、さらに中長期的には宿題があるという認識で今後とも対応してまいりたいと思います。
○佐藤三吾君 奥田さんを迎えて初質問になるんですが、私はきょうは非常に楽しみにしておるわけです。それは何かといいますと、奥田さんは石川の方で県会議員の経験もおありになる。そしてまた、昨年は国対委員長という要職で大変したたかなところを拝見させてもらいました。そういう意味合いで、きょうはじっくり議論をしてみたいなと、そう思っておるわけです。 私はきょうの大臣の所信表明をよく読んでみましたが、これは奥田さんが書いたんじゃなくて役人の皆さんが書いたんでしょうから、なかなかうまいなと思って感心しておるんですが、そういうものではなくて、本当の意味での大臣としての本音の部分も含めてきょうはじっくりお伺いしたい、こういうふうに思っておるわけです。余り政府委員の皆さんが横合いから入って邪魔をせぬようにひとつお願いしておきたいと思います。 まず大臣、自治大臣というのは国家公安委員長を兼務しておられるわけですが、就任してどういうお感じですか、感想を聞かせてください。
○国務大臣(奥田敬和君) 私は自治大臣、国家公安委員長を拝命いたしましたそのときに、幾つかの大きな課題を抱えて大変大事なポジションについたんだな、この任期中に自分が最大限その使命にたえられるかどうかということをむしろ自分にも厳しく言い聞かせております。 一つは、やはり現状ではどうにもならないだろうなと、海部内閣にとっての最大の課題として国民に公約した政治改革、これのひっきょうするところ選挙制度にくるわけですが、政党の運命と議員の身分に関する重要な政治改革の担当大臣ということに対する一つの使命感でございます。 それと、竹下内閣時代に種をまいた一億円事業、これは先ほどから申し述べましたような多極分散を図るための将来における大事な種であるという形で、このふるさと創生事業、これをさらに大きく枝葉を茂らして花を咲かす段取りをつけなければならぬ。 いま一つは、今日の治安問題というのは、御存じのとおり、現状には成田問題から、私が述べましたように皇室闘争へ向けての左翼テロ、ゲリラの問題、あるいは今日の国際的な問題になっている少年が汚染されてきておる麻薬問題、こういったテロ問題を含める治安第一線の責任者という形の中で、ことしは非常に国家行事の多い大事な年でもございますし、その中で国民の期待にこたえるような治安維持の責任を全うできるかどうか。 と同時に、今日もう極点に達しておる交通戦争に対してもどういう対応策で、まあ快適とはとても言えない車社会の現状に対してどういった形でメスを入れることができるだろうか、こういった点について大臣就任時に抱いた自分の気持ちを率直に述べさせていただいて、私の向かうべき一つの使命感とさせていただきたいと思っております。
○佐藤三吾君 なかなか大変な決意なり抱負だと思うんですが、私はこの席でちょうど今十二年半、二期と半年、その間にあなたが自治大臣としては十八人目ですよ。平均すると七カ月、その中には前任者みたいに短いのもおります。渡部さんなどは余りに短かったものですからそれもあるんじゃないかと思うんですが、とうとう自治大臣と国家公安委員長にはなり切らないまま消えていったわけです。言うなら大臣という自覚じゃなくて、自民党の幹部そのままを引き継いだ格好じゃなかったかと私は思うんですが、今言ったことからすると、大臣の場合には七カ月じゃなくて一年か二年ぐらいになるのかどうかわかりませんが、この短い期間の中で当面何をやるか。 今進民党の代表になっておる田川さんは、自治大臣になるときに、たった一つこれだけは何としてもやるということで、新聞報道関係の優遇税制を廃止して税を取る、そういうのを大臣中にやるんだとか言って、結果的にそれをなし上げて大臣を去ったんですが、あなたは、今言ったような前提に立つか立たぬかは別にしまして、まず何をやるか、いかがでしょう。
○国務大臣(奥田敬和君) 私は生意気なことを言うわけじゃありませんけれども、郵政大臣のときにはやはり時代の趨勢もございましたし、電電民営化という形の中で、そういった改革期にちょうど直面していたこともありました。また、郵政諸事業が赤字で悩んでおったものを黒字転化させなきゃいかぬという当面の財政問題もありました。これらに関して諸制度の見直しを含め、在任中、十一カ月余の期間ではございましたけれども、私はやはりその間全力を挙げてその問題解決に取り組んで、それらの問題をやり遂げてきた実績と自信を持っております。 それでその後は、もちろん政党幹部という立場の中でいろいろな形をやってまいりましたけれども、自治大臣の任期がどれだけかわからぬけれども、公安委員長の任期はあれですけれども、私はやっぱりやるべき問題として政治改革、この問題は最大限、答申が出るわけですから、これが成案化されるかされないかは別として、先ほども申しましたように各党各会派の御論議を踏まえながら、やはり何かこの問題に対しての突破口を開いて国民の期待にこたえたいという気持ちははっきりしております。 道交法の改正にしても今までほかの大臣がやれるかやれぬかわからなかったかもしれないけれども、今日の現状にかんがみて道交法の改正を含め、やはりこの問題にも全力を挙げて取り組まなきゃいかぬ。先ほど申しましたように、ふるさと創生も一億円ばらまき事業といういろいろな批判の面もありましたけれども、この芽は大切にしながら、これらに関する諸制度改革、平成二年度の予算も含め、これからもこの問題についての大きな花を咲かせるためにあらゆる諸施策を法律の面においても、今日のねじれ現象にあるという実態も踏まえながら、各党の御協力を得ながら一つでも二つでも私の間にそういった形で形に残したいと願っております。
○佐藤三吾君 大体わかりました。政治改革、道交法、後でまたひとつ質問させていただきたいと思います。 それでは、まず所信表明の中で二、三ひとつお聞きしておきたいと思うのですが、一ページの中ほどに「地方行政・消防行政」というのがございますが、その中で「個性豊かな活力ある地域社会の実現」、こういう文言をうたっていますね。大臣の先ほどからの言動によると、これはどういうふうに描いているわけですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 一つの多極分散という大きな方向に向かって各自治体が、今までの同じ、何と申しますか個性のない形の町づくりという形の原点から転換していただいて、そして本当にそれぞれの自治体が持ついわゆる文化、伝統、そして地域の特性、こういった形を本当にもう一度根っこから掘り返していただいて、そこから生まれる新しい活力を引き出して、何とか個性あふれた、誇りあふれた、そういった形の自治体づくりというものに努力をしていただきたいなと、知恵を出してください、そしたらお手伝いしますと。 今までのように、さっき御指摘もございましたけれども、上意下達と申しますか、補助事業の問題についても御指摘があったわけでございますが、上からのそういった形からむしろ一歩でも二歩でも、私たちも努力しますから脱却していただいて、できることなら下意上達と申しますか、下の自治体からの知恵を私たちはいろいろな形でお手伝いさせていただく。何も行政分野の中の枠にとらわれないで、その町づくりのためにはいろいろな形の交付税、そして町づくり特別債なんかの措置もありますし、ふるさとの地域事業の面でも、ハードでもソフトの面でも今までのように縦割り行政の中での自治体行政の推進ではなく、それぞれ知恵を出していただければ、魅力のある個性あふれた、そういった形に持っていくためにお手伝いをさせていただきたい、そういう願いを込めた文章であろうと思っております。
○佐藤三吾君 大丈夫ですか。今大臣の言うようなことをそのまま受け取ってみたら、これは自治省だけじゃなくて省庁の皆さんお困りになるんじゃないですか。大臣というのは言いたいほうだい言っていいというものじゃないと思うし、やっぱり言葉には責任を持たなきゃいかぬと思うのですね。率直に言って、今おっしゃったように、本当に地域が生き生きとしてよみがえってくる、それは今大臣がおっしゃったとおりだと思うのですね。それには余りにもがんじがらめにし過ぎておるんじゃないですか、自治体を。 例えば地方税一つとってみても、自主財源の最たるものでしょうが、地方議会でこれ一つも審議できない。全部国会で審議して地方に下達ですね。こういう状態になっておる。そうして同時に、御案内のとおりに超過課税という制度がある。ところが、それを今度は美濃部さんのときに頭を抑えてしまった、上限をつくってしまった。こういうふうに次々に抜き差しならぬように手足を縛り上げておるのが現体制でしょう。今あなたがおっしゃったようなことを言ったら、地方自治体の皆さん、目をぱちくりして、目をむいちゃうんですよ、率直に言って。 あなたも何か前に新聞記者の経験をなさっておるということを聞きましたが、同じ新聞記者の経験を持っていて、参議院議員で、今熊本の知事をやっておる細川さん、この人がこう言っていますね。「首都圏が住みにくさを訴え、過疎の地方が嘆き節をうたうのは正常な姿じゃない。」、今あなたがおっしゃったとおりです。「地方分権を進めて連邦的国家を作るのが現実的だ」と、こうおっしゃっておる、これは知事の経験の上に立って。そういう発想をこの所信表明の中で書いた、こういうふうに理解していいんですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 細川知事は私の盟友ではありますけれども、例えば九州ブロックが一つの連合的な大きな形で九州のアイランドの特徴を発揮するために、全県広域的な行政の行動で魅力あふれた九州ゾーンという形でやっていこうという地方分権の気持ちで言われたという言葉なら、私もそれは納得できます。それは九州の自治体を預かっておるいわゆる知事として、将来における全域の交通体系その他を含めてもっとよりいい形で、行政区画を外れてもみんな手を握って広域的に発展を図ろうと。それが関東圏よりも魅力のある九州圏育成という方向へ向かうなら、それはそのことなりに立派な考え方じゃなかろうかと私は思います。
○佐藤三吾君 そういう発想と軌を一にして表現的にあらわしたのがこの所信表明だと、そういう認識でとらえていいんですか。その後には、この二ページには、「二十一世紀に向け時代にふさわしい地方自治の確立のため、最大限の努力を払う」こううたっておりますから、そういうふうに理解してもよろしいんですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 結構だと思います。
○佐藤三吾君 ところが、大臣も御案内のとおりに、警察庁が今まとめておりますところの自殺白書、これを読んでみますと、各世代が自殺者が減少している中で高齢者が六千三百五十八人というふうに自殺者が出て最悪な状態にある。しかもこの原因は、病気を苦にして自殺しておるのが四八・一%、高齢者の場合四人に三人がそういう状態だと。こういうのが地域の実態として今集約されておりますね。ちょっと今、大臣の考え方と地域の実態というのは、これ一つ見てもかなり実態にそぐわない、そういうような感じを受けるんですが、どうでしょう。
○国務大臣(奥田敬和君) 今自殺白書の中にある高齢者の自殺実態という形の中で、何か数字を挙げてのお話のようでございますけれども、だからこそ、いわゆるこれからの高齢者に本当に生きがいを感じていただくような、そういった時代に持っていくためにも、いわゆる身近なサービス、先ほど申しましたようなホームステイとか、あるいはお預かりするようなショートステイとかデイサービスとかというようなきめ細かな福祉サービスなんというのは、やはり国からの、単なる上からの指示だけのあれじゃなくて、地域の自治体の長に責任を持っていただく形できめの細かな行政サービス、そういった方向に持っていこうというのが今の福祉行政の方向ですから、そういう方向の中で、何とかそういった今自殺白書の中での実態数字が少しでも改善されていく方向で努力していきたいというのが私の考えでございます。
○佐藤三吾君 後ほどその問題もやりますが、福祉サービスがその方向でなくて、やっと最近その方向に今法改正の準備をしておるところです。やっとですよ。だから決して今日までその方向ではない。 そこで今あなたが言う「二十一世紀に向け時代にふさわしい地方自治の確立」、そして「個性豊かな活力ある地域社会の実現」、こういうものを念頭に置いて、ふるさと創生というんですか、変なのがはやっておりますが、四月の十四日にあなたは鹿児島へ行って、そしてこういう御発言をなさっていますね。自治会、町内会などが二十七万四千ほどあるそうですが、これに法人格を与えて、そして財産等の確保、こういったものも考えていくと同時に、行政に対して発言権を与えるんだ、そのための地方自治法の改正をできれば今国会に出したいと。恐らく今廃案になっているあの例の裁判抜き代執行の地方自治法のことを念頭に置いておるんだと思うんですが、そういうようなことが新聞報道されておるんですが、これは事実ですか、事実ならどういう意味ですか。
○国務大臣(奥田敬和君) これは私が目的とするところは、今度の法改正でお願いしようと思っておる問題点でありますけれども、各自治体の中でこういう一番最小限のコミュニティー、もう自治会が現存しておることは事実でございますし、これらはお互いに、まず具体的に言いますと、財産権の問題あたりで代表者の名義になっている財産紛争というのが私の手元にも随分寄せられておりますけれども、建物一つとってみても個人所有じゃないのに、自治会がみんな出し合ってつくった施設であっても、これが法人格というか、登記もされていないという現状の中から大変なトラブルが起こってきていることは事実でございます。したがって、それらに法人格を与えて、これは不動産の面でございますけれども、そういったことに持っていってやりたいなと思っていることが一つ。 それと、今言われましたようにいろいろ市町村自治体にとってもコミュニティーの中での一番最小の手近な身近な固まりがこういった町内会、自治会であるという現状にかんがみまして、これらが将来きめの細かいそういった福祉サービスの一つの手助け、ボランティアの精神を発揮していただく、そういった情報と手助けになっていくきっかけになってほしいなという願いからそういう法改正をお願いしようと思っておるわけであります。発言は間違いありません。
○佐藤三吾君 昔といえば悪いですが、戦時中にございましたね、トントントンカラリと隣組というそれを想定しての発言なのかどうかは私は定かでございませんが、私も石川の実態はどういう実態かよく知らないんですが、私は大分で、東京に出てくるまで、いわゆる千三百戸の町内会長を十二年ほどやっていたんです。そして町内会の世話をしてきたわけですが、何かあなたは少し勘違いしておるんじゃないですか。言うなら大分で町内会で一番議論になったのは何かというと、これは市役所の下役人なのか、例えば市報を配ったり、それから市の業務を伝達したり、そういう役割をやるのが町内会なのか、それは自治委員か何かがやればいい。そうじゃなくて町内会というのは町内の皆さんが一つの任意の自治組織としてつくって、むしろ市役所に対して民意を代表して突き上げていく、そういう役割を果たすのが町内会なのか、随分議論したんですよ。規約を書くときに目的を含んでどういう町内会なのかということで随分議論して、最終的には市役所の下役人ではならない、言うなら町内の自主組織と、いかなる行政の支配も排除する、こういう確立をして、そして今申し上げたように十二年間私は会長をやらせていただいた。その中に例えば、会員の中に靖国神社の負担金として一戸当たり二円とか、護国神社の負担金を一戸当たり三円とか、それから核禁会議の負担金を一戸当たり四円とか、全部排除してきました。そして予算を公開して、そして言うなら町内民主化の一つのシンボルとしての町内会組織をつくってきたわけで、それが大分の自治体においては一つの先駆的役割でこうなって、いわゆる市役所の下請一切排除、こういう自治会組織になっている。それを今あなたの発想でいくと、今度は上からかぶせようというわけだ、自治体の。こういう発想になる。例えば東京などどうするか。東京などは町内会がない。そういうところは今あなたが言う法人格を与えることによってかぶせていく。こうなると昔懐かしいトントントンカラリになるんじゃないですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 少し委員誤解しているんじゃないですか。私は自治会をつくれと一つも言っていないんですよ。今自治会の持っている財産を、法人格を与えて、後で資産争いなり財産権争いなりでごちゃごちゃ起きている形をできるだけ防いであげよう、そういった形が各自治会要望の中であるからやるのであって、トントントンカラリになる自治会を全国一斉に網を張ってつくれなんて私は一言も言っていませんよ。
○佐藤三吾君 あなたは言っていないかもしれないけれども、新聞はそう書いてある。これは違うんかな。
○国務大臣(奥田敬和君) それは違います。
○佐藤三吾君 違うと言ったってこう書いていますよ。新聞を読むと、確かに今おっしゃるように「組織名義の財産や土地を処分する権利能力」云々というのがあります。しかし同時に、いわゆる市役所の市報を配ったり、もしくは業務の伝達をスムーズにしたり、そういったものをする意味でつくったらどうだと、こういう問題提起になっておるですよ、これは。違いますかな。
○政府委員(森繁一君) 政府委員は余りしゃべるなというお話でございますが、事実関係でございますので私から申し上げたいと思います。 大臣が鹿児島で自治会等の問題につきまして御発言されましたその内容は先ほど大臣みずからお話しになったとおりでございまして、自治会をつくるとかという話では毛頭ございませんで、現に自治会等が所有しております財産をめぐりましていろんな問題が生じております。例えばその自治会の名前で登記ができないものでありますから、代表人の名前でしか登記ができません。代表人が死亡したりした場合に例えば相続問題をめぐりまして紛糾が生じておる、こういう事例がございます。そこで、その自治会等の方からできるだけその財産問題に限って物事をはっきりさせるような法制度をつくってほしい、こういう要望が十年余り前からございました。それを解決しようといたしまして大臣がお考えになり発表になりましたのが鹿児島でのものでございます。 それからなお、新聞等での御発言もございましたが、私が承知しております限り、大方の新聞は自治会を上からつくれというふうな発言を記載しておるということはないと承知をいたしております。
○佐藤三吾君 こういうふうに書いてある。読んでみましょうか。「回覧板の配布や清掃活動など地域の自治活動を行っている自治会や町内会などの住民組織は、」と、こういうあれになっていますよ。全国で「約二十七万に上る。集会所や子供広場など共有の財産を持っている自治会」が、今あなたのおっしゃったような問題もあるので云々と、こう書いてある。大臣が否定なさるならそれで結構でしょう。そういう発想じゃないと、それはわかりました。 そこで、それなら大臣は町内会というものについてどういう御認識を持っていますか。大臣の考え聞かしてください。
○国務大臣(奥田敬和君) 地域の人たちが自発的、自主的につくられた最小のコミュニティーであろうと思っております。
○佐藤三吾君 それなら私とそう変わらないんですね。それならそれで法人格云々という問題は財産権だけの問題で言っているわけですか。それがそうなら、一体全国でそういう件数というのは、今言うように法律で改正しなきゃならぬぐらい多数起こっているのかどうなのか。一体全国的に何万件起こっているのかどうか、それも一緒にちょっと報告してください。
○政府委員(森繁一君) いわゆる住民自治組織につきましては全国で二十七万四千ほどの数がございます。名称にいたしましても、自治会、町内会、部落会、区会、いろいろの名称がございます。 その二十七万数千の住民自治組織は、全般的に申し上げますと、市区町村の全区域に設置されておりますものが約八八%ございます。それから、市区町村の中の九割以上の区域で設置されておりますものが約九%ございます。したがいまして、全国各地すべてこの自治組織があるかといいますと、これはすべてではございませんが、大方のところではこの住民自治組織が設置されているということでございます。 この住民自治組織で不動産の登記はどうなっておるかといいますと、代表者名による登記をしている住民自治組織がほとんどである、こういうところが約四三%でございます。中には登記もしていない、こういうところもあるわけでございますが、先ほど申し上げましたような形での問題がいろいろ生じておりますので、それをはっきりさせようということが今回の大臣の御発言につながっておるわけでございます。
○佐藤三吾君 これは大臣、地方自治法の改正のことまで触れられましたから言っておきますが、昔から角を矯めて牛を殺すということわざがございますように、もうどうしようもないぐらいに財産権をめぐって問題が多発しておるなら別ですよ。しかし、そうでないのにそのことを理由に法人格を与えていきますと、どうしてもその自治体の中ではいわゆる下役人的な役割を法人ということを通じて、強制はなくてもじわっとそういうふうな方向になってくるんですよ。せっかく今あなたがおっしゃった私と同じ意見のような自主組織が結果的には官製の下請機関になっていくというそういう危険性もございますから、ここら辺についてはひとつ十分御留意いただいて対応していただかないといけないんじゃないかというような感じがします。新聞がこういうふうに大きく取り上げるのも私はそこにあるんじゃないかと思うし、あなたがおっしゃったこの所信表明から見てもそういう感覚は全然ないわけですから、そういう意味では今後の対応について事が志と違った方向にならぬようによろしくぜひひとつ検討してほしいなということだけ申し上げておきたいと思います。 そこで、次に移りますが、その中でもう一つ第三セクターというようなことを言っていますね。これにいわゆる首長の兼職を認める、こういう法改正をやる必要がある、こういう発言をなさっておるようですが、これはいかがですか、大臣。
○国務大臣(奥田敬和君) 足らないところは補足して行政局長から説明させますけれども、最近地方分権も含めていろいろな形で地方自治体が第三セクターにお金も出し、第三セクターばやりと言ってもいいくらいの現状でございます。したがって、そういったときにいわゆる議会の同意を得て第三セクターに出資等々の形の中で、今のところそういった形で参画することは自治体の首長の場合認められないという実態であります。しかし、現実にはそういった形の運営に当たっていわゆる市町村民の貴重なお金を投資しているという実態にかんがみまして、そういった形がより責任を持って取締役かなんかの一員になっていることによって公正な運営が期せられるであろうということを期待いたしまして、首長の第三セクター経営監査ですか、そういった形でも発言の機会が与えられるように措置しようと思っておるところでございます。
○政府委員(森繁一君) 補足して申し上げます。 現在、自治法の百四十二条で長の兼業禁止の規定がございまして、その規定が副知事等にも準用されておるわけでございます。 第三セクターにはいろんな種類があろうかと思いますが、地方団体がかなり多くのものを出資いたしまして実態的には地方団体が非常に発言力が強い、そういう第三セクターを仮に考えました場合に、その第三セクターの長が地方団体の長を兼ねることができないというのは余りにも今度は窮屈過ぎるのではないか。むしろ地方公共団体と一体になってその第三セクターが活躍する、そういうケースを考えてみました場合には、非常に厳重な兼業禁止の規定をかけるよりもある程度これを緩めた方が現実的ではなかろうか、こういう発想が一つございます。 それからもう一つ、第三セクターの問題につきましては、現在公の施設の管理につきましては公共団体及び公共的団体しか管理委託ができない、こうなっておるわけでございます。もちろん業務委託は部分的にやっておるわけでございますが、管理を全面的に委託するということは公共団体、公共的団体に限られておるわけでございまして、この範囲も広げまして、第三セクターのようなものが公共的、公の施設を管理できるようなそういう仕組みをつくったらどうかということを大臣が発言されたわけでございます。
○佐藤三吾君 これは法案になって出てくればまたそこで議論をやりますけれども、今兼職を禁止されていますね。あなたに聞くけれども、なぜ禁止しておるのですか。それをどういうふうに認識しておるのですか。
○政府委員(森繁一君) 現在の百四十二条の長の兼業禁止の規定は、いわゆる普通地方公共団体の長とその請負関係にある者との関係が不明朗にならないようにという趣旨で定められておるものと理解をいたしております。
○佐藤三吾君 そうすると、あなたの今の解釈は第三セクターなら不明朗なようにはならぬという前提に立っておるわけですね。
○政府委員(森繁一君) 第三セクターの事業の内容につきましては、そういう不明朗になるおそれがないものも十分あろうかと思っております。
○佐藤三吾君 大臣どうですか。ゆえなしに兼職を禁止しているわけじゃないんですね。例えば後ほど申し上げますが、福岡に方城という町があったり、築城という町があったり、苅田町という町があったり、いろいろあるんです。そこでは町の公共事業というのがもう唯一の状況にある。そういう意味合いも含めて、今でさえ問題が多発しておるわけですから、そういうことを含めてこの問題について対応していただかないといかぬ。第三セクターが今全国で六百七十とか七百近くあるという、これは二五%以上の出資を持ったところでしょうが。 行政局長に聞きますけれども、一%以上持った第三セクターは何ぼありますか。答えられますか。
○政府委員(森繁一君) 大変申しわけございませんが、その資料はございません。
○佐藤三吾君 そういうふうに無数にあるわけです、率直に言って。そういう中でいわゆる兼職禁止を解いて、例えば五〇%超とかいろいろ新聞に出ておりますが、そんな基準をつくって、それが今度は二五になりどうなるということになってくるだろうし、そういうことを考えてみると、これは私は大臣の認識はいかがかなという感じがしたんですが、これはひとつ大臣、今申し上げたようなことを含めてどういう御認識かお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) そういった今御指摘の点がないように十分留意して対応しようと思っておるところでございます。措置に関していろいろ御例示がありましたように、第三セクターの内容でも、ハードな事業面を担当しておる第三セクターもあるでしょうけれども、ソフトな面で、それが町づくりに直接結びつくような面でそういった不明朗な実態が起きないような第三セクター等も今後ふえてくると思っておりますので、そういう点は十分注意してやっていこうということでございます。
○佐藤三吾君 これは大臣、注意したからといって注意し切れるものじゃないんですよ、率直に言って。ここら辺に憶病になったらいかぬけれども、これを機会に第三セクター全体に目を通していただいて、全体に目を通すことができるかできぬかわかりませんが、いずれにしても問題のあるところは新潟だってどこだってたくさんございますから、そういった問題等を含んでぜひひとつ法案作成の際には参考にしていただきたいなと。私はもう本当にこれは心配するから、そういう意味で申し上げておるわけです。 まあ、どこでもあることですが、こういうのが出てくるとすぐ天下りというのができたり、もしくは民間のノーハウを吸収するとか民間の財源を入れるというのが、なかなか民間の方は賢いですからね。公共の方は逆に言えば無責任というか、無責任と言っちゃ悪いんですが、自分の金じゃないものだから、したがってどんどんいってしりくそみたいな状態になっていくというのが今の第三セクターの中にたくさんございますから、よくひとつそこら辺を見ていただいて、そしてその上で法案をつくるかどうかの御検討をいただければいいんじゃないか、こういうふうに思います。これは蛇足ですが申し上げておきます。 次に、この所信表明の行革のところに入らせていただきます。 大臣、これは率直に言って、四ページの二行目に「引き続き地方分権が一層推進されるよう」と、こういう文言がございますが、そういう認識ですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 地方分権推進のためにはもうあらゆる努力を払ってまいりたいという決意を申し述べたというところでございます。
○佐藤三吾君 願望ですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 事実もありますけれども、もちろんそういった目標に向かっての願望といいますか、使命感をたぎらせた目的遂行ということになると思います。
○佐藤三吾君 まあいいでしょう。 いずれにしても、私はこの九年の臨調それから行革審を見てつくづく思うのは、最もこの点がやられてなかった点ですね。もっと言うと逃げ回った点なんですね。そう思いませんか。臨調は御案内のとおりに増税なき財政再建、小さな政府、こういう打ち出しをやったわけですね。ところが増税なき財政再建というのは、結果から見ると、消費税を起こし随分いろいろやっておりますが、一つだけ確かにそれを貫いた点があるんですね。それは何かというと、法人税を引き下げた、いわゆる法人税にとってみれば増税なき財政再建ですよ。だから、そういう意味では確かに財界主導の行革というのは所期の目的を達したといっていいんじゃないでしょうか。 小さな政府というのは一体何か。増税なき財政再建の中で、御案内のとおりに三K、国鉄、健保、米、この三つのいわゆる改革というのを挙げましたが、これは米の方は手をつけずに、結果的に国鉄、電電、専売の民営化というような方向ですり抜けて、そして教育、福祉、社会保障、ここの財政圧縮というんですか、そういうところに財政の最大の重点を置いてきたというふうに私は思うんですが、奥田さんはどう受けとめますか。
○国務大臣(奥田敬和君) まあ増税なき財政再建という形の中でいわゆる赤字公債の、特例債の発行の脱却ということを一つの大きな財政の指標に掲げてまいったことは当然でございます。先般の減税におきましても、法人税ももちろん引き下げの対象になって国際化に対応する一つの企業のあり方という形の中での措置を講じたことでございますけれども、まあ個人所得税においても、あるいは住民税等々においても地方団体は地方団体、国は国としての減税措置も講じたことでございます。
○佐藤三吾君 小さな政府についてはあなたの認識はどうなんですか。私は率直に言ってこれが何にもできなかった最たるものじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(奥田敬和君) それは委員の御指摘のように、小さな政府を目指した行政改革の一つの大きな目標でございましたけれども、現実面においてそれじゃ小さな政府で、例えば公務員定数の削減等々は毎年毎年努力しているわけでありますけれども、この問題において例えば省庁が統合して縮小したとか、そういった大胆な、目に見える面での小さな政府という方向には、その方向で努力はしたけれども、現実はなかなかうまく目標を達成していないということは認識できます。ただ、小さな政府を目標にしたことで、どうしても行政の機構というのはほうっておけば膨張し続ける、そういった形がありますからそれに対する大きな歯どめになってきたという形は評価できると思っております。
○佐藤三吾君 なるほど。言うなら中央政府の膨張をとめたと、小さな政府はできなかったけれども、ふえるやつは少し規制した向きがあると、こうおっしゃるわけですね。しかし私は、小さな政府、そうしてあなたがここでおっしゃる地方分権、これは一体でなきゃならぬと思うんですね。ですから、地方制度調査会も十七項目にわたっての権限移譲の問題について答申しました。しかし一向にそれを自治省は実施しようとしない。言いかえれば、地方にどれだけの権限、財源、人、これを分散するか。あなたの言う多極型の分権国家とかいう発想も、ここの分権もそういう意味を私は言っているんじゃないかと思うんですけれども、この行革九年間を顧みるとそれが何にもない。それで、今度の所信表明の中で自治大臣としては、「引き続き」というのは私はどうもわからぬのですけれども、ひとつ地方分権を推し進めよう、そういう重大な決意を表明した、こういうふうに受け取ってよろしいわけですか。
○政府委員(森繁一君) 「引き続き」というお話でございますので、その辺の経過は委員既に御承知だと思いますが、確認の意味で申し上げさせていただきますと、これまで臨時行政改革推進審議会等の答申を受けまして、政府といたしまして数次にわたりまして権限の移譲なり国の関与あるいは必要規制の是正なりということを行っておるわけでございます。ただ、それで十分かという話になりますと、地方団体側の要望からいいましても、私どもの立場からいたしましてもなお十分でない、こういう認識を非常に強く持っておりまして、一昨年でございましたか、地方制度調査会におきましても当面の権限移譲の問題につきまして地域の活性化という観点から十七項目の提言が行われたわけでございます。それを一つの土台にいたしまして新行革審で昨年一年間御議論いただきまして、昨年の暮れに国と地方の関係についての小委員会の報告がまとまり、正式な行革審の答申になったわけでございます。その中では、委員御承知のように、権限移譲、それから国の関与の是正その他含めまして国と地方の関係に関する部分につきまして非常に広範な提言がなされておるわけでございます。 お話の権限移譲等の問題に限って申し上げますれば、これらの答申につきましては現在関係各省におきましてその答申に沿って実行すべく努力中でございますので、いずれまた関係法案を取りまとめました上で国会で御審議をいただく、こういう段取りに相なろうかと思います。
○佐藤三吾君 今局長が言うように取りまとめ中であって、九年間何もできなかった、やっていないと。ところが熱心にやっておるのが一つあるんだよ。おたくの横に木村さんもいらっしゃるけれども、それは何かというと、その次の項に「給与・定員管理の適正化」というのがありましょう。ここは確かに引き続き熱心に強力にやっておるわけだよ。 ところが大臣、ラスパイレス指数というのを御存じですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 理解しております。
○佐藤三吾君 あれを物差しにしていわゆる給与・定員管理を熱心に引き続きやっておるわけだ。地方分権ではありませんよ。そのやっておる中で、結果的にあれを一〇〇として、一〇〇以上のものを一〇〇に落としていくというのが自治省が熱心にやった問題ですが、ラスパイレス一〇〇以下に落とし込んでいった自治体が三千三百十五の自治体の中で二千百八になったんです。三分の二が一〇〇以下に落ち込んでしまった。これはまた熱心にまた強力に今後も指導すると、こうあります。こういうのはなかなか熱心なんです。分権の方は不熟心、小さな政府はだめ。こういうのが非常に熱心にやられている。そうして福祉、社会保障、教育、こういうところのいわゆる補助金だとか助成とか、そういうものは打ち切っていく、こういうのが余りにも目立ち過ぎはしませんか。大臣どういう認識ですか。
○国務大臣(奥田敬和君) ラスパイレスをもとにしての御指摘でございましたけれども、ラスパイレス一〇〇をはるかに上回る自治体の指導に当たっていくのが、これは……
○佐藤三吾君 今逆になっているんです。
○国務大臣(奥田敬和君) いや、その逆になっている、一〇〇を下回っている自治体が多いということを今御指摘いただきましたけれども、これらを低くするために指導しておるというようなことは私は聞いておりません。
○佐藤三吾君 おたくの石川県を見てみなさい。ラスより高いというのは恐らく三つか四つぐらいしかないんじゃないですか。あとは全部一〇〇以下でしょう。一〇〇以下のところを、一〇〇を基準にするなら一〇〇に今度は近づけるように指導するのが筋じゃないですか。高いところをおろすなら、下を今度は上げるのが筋じゃないですか。これは政治家としてあなたに聞いておる。どうなんですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 一〇〇を上回っているところは石川県でも確かに少ないと思います。金沢市くらいでしょう。普通の小さい県ですからあれですけれども、大体九七、八、適正値のところが、市ではそうでしょう。町村に至ってはまだ八〇台のところが幾つかあるはずです。そういった実態であることはよくわかりますが、地方自治体では、いわゆる自治体職員と地域における農協職員とかといういろいろな形の給与的な問題というのが横並びするように、これはそういった自治体行政の中で、決してこっちが低くしろとか何とかしろとかという形で指導したことは聞いておりませんし、また政治家としての発言ということをお求めになりますれば、私はやはり一〇〇に近づけていっていただきたいなと、こう思います。 できるだけそういう方向で自治体財政の健全化も図りながら、自治体の長にとっては横並びのそういったことも勘案しての議会の措置であろうとは思いますけれども、できるだけそういった形でいっていただくのがいいんじゃないだろうかと。それにおいてこちらもいろいろな面で措置してまいっておることも事実でございますから。
○佐藤三吾君 一〇〇に近づけた方がいいなと、政治家としてのそう思うという発言があったんですが、それは高いところは一〇〇に近づける、低いところも一〇〇に上げる、こういう意味だと私は思うので、よく局長聞いておかないといかぬと思うけどね。 そこで、それが生きた指導といいますか、ただ下げろ下げろ言うのは、これは死んだ指導です。そこら辺もひとつよく認識をしておいてほしいと思います。 ただ私、行政改革は残念ながら引き続きというふうにはならない、地方分権の方が非常におくれておるという認識を持っておりますから。ここら辺はまた後ほど議論をしてまいりたいと思いますが、きょうは十二時五分までということに私の質問時間がなっておりますから、ここら辺で一区切りさせていただくということでよろしくお願いしたいと思います。
○委員長(渡辺四郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時五十五分まで休憩いたします。 午後零時四分休憩 ─────・───── 午後零時五十六分開会
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、栗村和夫君及び吉田達男君が委員を辞任され、その補欠として森暢子君及び谷本巍君が選任されました。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) 休憩前に引き続き、地方行政の改革に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 所信表明の質問を続けてきたわけですが、検察庁見えていますね、所信表明じゃないんだけれども、この問題に先にちょっと午後入らせていただきたいと思います。 御案内のとおりに、六十二年ですか、福岡の苅田町で現職の収入役が住民税を不正操作して、そして告発されました事件がございました。これは中身は何かというと、住民税の中で約八千六百万ぐらい行方不明の金が出ましたね。そのうち当時の花房収入役の証言によりますと、約五千万は時の町長であり当時自民党の国会議員でもある尾形氏に町長室で三回にわたって渡したと、日にち、時間、それから引き出したときの通帳、そういうものを提示してやったわけでございます。 この事件は、東京地検に告発されまして、東京地検が田中検事を主任にして入っておったんですが、なぜか奇妙なことに途中で福岡地検に移送されまして、田中さんはそれを理由にして検事の辞表をたたきつけて弁護士になる、こういう経緯もあったんですが、この事件が福岡地検で、昨年ですか一昨年ですか、結果的には予想どおり不起訴になりました。検察審査会がこれは許せないということで結果的に不起訴不当という議決をして、そして捜査が続けられておった。四月十日に福岡地検はこの事件については不起訴、こういう決定をやったわけです。 ちょうど私はその日に現地に調査に入っておった。私の調査が来るのを待ち構えてやったような感じになっちゃったんですが、地域の住民の皆さんから見ると、事が税金でございますから、こんな勝手なことをして、そして花房収入役自身が三回にわたって五千万確かに渡した、そう言っておる、その花房さんの背任、横領罪、これも不起訴、こういうあからさまなことをやられたんでは、法に対する信頼だけでなくて、絶望感に陥るというのが住民の皆さんの声でした。これは率直に言って私も心外であったんですが、それだけじゃなくて、当時、町の百条委員会が尾形氏に出席を求めたのに出席しなかった、また、途中で退席したということで、これもまた告発されておったんですが、これも不起訴というような決定も同時になされておるわけでございます。これは一体どういうことだろうという感じがしないでもないんですが、検察庁、いかがですか。
○政府委員(根來泰周君) お尋ねの件でございますけれども、福岡検察審査会におきまして、平成元年の一月三十日に花房正蔵前収入役及び氏名不詳者に対する業務上横領被疑事件につきまして不起訴不当との議決がなされました。また、同年十月十九日に尾形智矩前町長、これは苅田町の町長でございますが、に対する地方自治法違反の被疑事件について不起訴不当の議決がなされたことを受けまして、福岡地検において事件を再起して所要の再捜査を行うとともに、苅田町住民の告発に係る花房前収入役及び尾形前町長に対する業務上横領、背任被疑事件について捜査を行ってきましたところ、本年四月十日、いずれも不起訴処分にしたわけでございます。 この問題でございますけれども、背景事情といたしまして、要するに苅田町が県に納める県民税があるわけでございますけれども、県民税の納付率といいますか、これがどうしても未納者があるものでございますので、なるべく一〇〇%に近い県民税を納めたいという気持ちから、このある特定の地域から上がってきます税金を留保しましてそれを県民税の未納分に充てていったというのが背景事情としてあるわけでございます。したがいまして、苅田町は従来ずっと県民税につきましては一〇〇%の納付率ということでございまして、そういう裏の財源をもってやっていったわけでございます。 ところが、そういうことから裏金ができてきまして、その裏金を何に使ったかということが捜査の焦点でございますけれども、いろいろ町の各種団体に対する助成金等を裏金で払ってきたという事実が認められているわけでございます。そういうわけで、税金を全部自分の懐に入れたという話ではなくて、言うなれば苅田町の町のために使ってきたということでありまして、全体的に業務上横領、背任という犯罪が認められないということは御了解いただけると思います。 ただ問題は、その裏金のうち五千万円につきまして、花房氏は尾形氏に渡したと言い、片方は受け取っていないと言い、若干の水かけ論のような形になっているわけでございまして、この点について検察審査会でもう少し捜査をしろという御指示がございまして捜査をいたしましたんですが、結論的には、その金額の授受の事実あるいは使途について明確な証拠を得ることができなかったというのが結論でございます。そういうようなことで、この問題の五千万円につきまして、その使い道等について本人のために、本人というのは苅田町でございますが、苅田町のために使ったのかその辺について明確な証拠がないということで、犯罪の嫌疑が不十分であるということで原裁定を維持したわけでございます。 なお、お触れになりました地方自治法の違反の事件でございますが、これは例の百条委員会へ三回出頭を求められまして、一回はこれは結局出頭に及ばないということで罪とならずという裁定になったわけでございますが、あとの二回につきましては、一回目は本人は百条委員会が開かれなかったものと思って不出頭であったという理由でありまして、最後の百条委員会の出頭につきましては、これは出頭したけれどもいろいろの議場の様子から見て証言をせずに帰ったということで、最後の件は検察が起訴猶予にしているわけでございます。途中の件は本人の犯意が十分でないということで嫌疑が不十分であるという裁定をしているわけでございます。この点についても検察審査会でいろいろ御指摘がございましたけれども、再捜査をしてもその起訴猶予の分を起訴するだけの悪い情状が見当たらないということで不起訴にしたわけでございます。 なお、若干お触れになりました件でございますが、この主任検事がこの件を福岡地検に移送したということでやめたというような御指摘がございましたが、それは事実は違うわけでございまして、これは家庭の事情で検事をやめたわけでございます。その辺をひとつ御理解いただきたいと思います。 それから、たまたま先生が福岡へ調査のために御出張のときに不起訴になったということについてはまことに私どもも若干気がかりな点でございますが、これは何もはかってやったことではございませんので、ひとつその辺は十分御了解いただきたいと思います。
○佐藤三吾君 あなたの説明を聞くと、結果的には容疑が不十分で起訴に至らなかった、こういうことなんですが、私が現地へ入っていろいろ聞いてみますと、町議会議長もいましたが、これほど明々白々なものはないわけですね。花房さん自身もちゃんとはっきりそう言っていますし、そして通帳との照合をしましてもきちっとしておるし、検察庁がどうしてこれを容疑不鮮明と言うのかわからないと言っているんですね、現地は。検察審査会があそこまで明言して、そして事情も説明して、この五千万という受け渡しの模様まで全部記録して出しておるのが、不鮮明で結果的には確認できなかったということにどうしてなるのか。そこら辺の経緯というのが住民の皆さんも納得していませんし、私も何回説明を受けてもそこのところはやっぱり腑に落ちない、こういう状態にございます。 もう一つの地方自治法関係のいわゆる百条委員会の問題については、これはもう明らかに違反であることは間違いない。あのときのテレビに出た情景なり、それを報道した新聞の報道を見ても、尾形氏が意識的にボイコットしたということは明確なんです。それが今あなたがおっしゃるような格好にどうしてなるのか、そこら辺が、これもわからない。 それからそのほかに、あそこに霊園事件があったりいろいろございましたね。この問題についても全部ことごとく不起訴になっている。何かここに隠されたものがあるんじゃないかと一般の住民の方が思うのは私は無理からぬものだと思うんですよ。事が税金であるだけにこういうあいまいなことでいいのかという地域の皆さんの怒りというのにどうしてこたえることができないのか。例えば花房氏を逮捕したということでもなし、容疑についてまさにぴしっとした住民の納得できるようなそういった取り調べというのが感じられない。そういうものが現地の中には漂っておるんじゃないかと思う。これは今後の納税意識その他においても大変重大な影響をしてくる、そういうような感じがしてならぬのですが、もう一遍ひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(根來泰周君) 御指摘は、確かにそういう考え方もあると思います。少し長くなりますけれども御説明いたしたいと思いますが、まず検察審査会の議決の中におきましても、五千万円の件について、三口を渡しているわけでございますが、五千万円については、業務上横領の嫌疑は十分ではないといわざるを得ないとの検察官の裁定は一応肯認するものであるがということで、検察官の主張もそれは肯認できるという立場に立っておられるわけでございます。しかしながら、非常に重大な問題であるから、誰が、いかなる目的を持って右金員を使用したかについては、徹底的に解明されてしかるべきであり、本件においてはこの点の捜査が不十分であると思料する、こういうふうに言われているわけでございます。この検察審査会の指摘を踏まえまして検察庁で再捜査を行いましたが、結局はその使途、これは関係人の財産状況からすべて洗いざらい調べたわけでございますけれども、使途等については明確ではなかったということでございます。 なお、この中で、町から元収入役でございました花房氏に対しまして損害賠償の請求をされたわけでございますが、その点につきまして花房氏は異議申し立て書を提出しているわけでございます。この異議申し立て書の中にも五千万円を尾形氏に渡したということを述べているのでございますけれども、その使途についてその申し立て書の中で、使途の詳細は不明であるが、いずれも苅田町のために使用されたと確信している、こういうふうに言いまして、これは個人的に使ったものではないという、推測でございますけれども、そういうことを言っているわけでございます。その異議申し立て書から考えましても、個人的に、まあ端的に言いますとポケットに入れたという状況が明確ではないわけでございます。いずれにせよ五千万円の件につきましても町のために使ったということになりますれば、これは犯罪の嫌疑は十分でないと言わざるを得ないわけでございます。そういう点について検察庁でも十分捜査いたしましたが、捜査が足りないとおっしゃればそれまででございますけれども、証拠が見つからなかったということでございます。 なお、花房氏についてどうして逮捕しなかったかという御質問がございましたけれども、花房氏は相当の高齢でございますし、血圧も相当高くて調べも相当難渋したように聞いておるわけでございます。このような者を逮捕するということもこれも一つの考え方でありましょうけれども、そういう状況を踏まえて検察庁は逮捕しなかったという事情であろうかと思います。 それから百条委員会の問題でございますけれども、百条委員会も、お説のように百条委員会の重要性ということは十分理解しておるわけでございますけれども、最後の場合は相当議場が騒然といたしまして尾形氏が証言できるような状況ではなかった、それから委員の中から自分の退席を求めるような声が上がったのでそれに従って退席したものである、これはあるいはそういう言い逃れかもしれませんけれども、そういうような主張をしておるわけでございまして、偶発的な点を加味いたしまして起訴猶予、これは犯罪は成立するけれども起訴しないという処分でございますけれども、そういう処分を行ったということでございますので、ひとつ御理解を賜りたいと思います。
○佐藤三吾君 根來さん、私もそのときのテレビの状況を見ておりましたが、今言う尾形さんが呼ばれて紛糾したと、こういうお話なんです。それは尾形さんの答弁が余りにも白々しかったから議員の中で怒るのがおって、そうしてそげなことを聞きに来たんじゃないとこう言ったところ、本人がさっと帰った。これは明らかに挑戦ですよ、だれが考えても。そういうことがあなたが言うような解釈になるというのは一般の人から見ると、現場で見ておった人から見るとどうも理解できない。そういう理屈は成り立たないというのが現場の声なんですよ、住民の皆さんの。 それともう一つ、今あなたは、五千万を確かに花房氏が渡した、これは確認できたけれども、この五千万の使途が町のために使ったというふうに、そこら辺が犯意がないというふうな、ポケットにしたわけじゃないと、そういうところにこの問題を不起訴にした一番大きな原因があるような言い方をなさったんですけれども、それは尾形さんを調べた上でその確認をしたのですか。私が聞いておるのは、花房さんは渡したと、しかし尾形さんはもらっていないと、こう言い張ったというふうに聞いておるんですね。そこでその確認ができなかったので不起訴にしたんだというような言い方を検察庁の方でされておる、こう聞いておるんですけれども、そこはどうなんですか。
○政府委員(根來泰周君) どなたを調べたかということは従来から申し上げていないわけでございますが、尾形さんも被告発人になっておりますから当然御推測いただけることと思います。 私が御説明したのは、おっしゃるように、花房氏は五千万円を尾形氏に渡したと言い、尾形氏は受け取っていないと言っていることもこれは事実でございます。ただ、私が申し上げたのは、百歩譲って、仮に花房氏が異議申し立て書で申しておりますように五千万円を三回にわたって尾形氏に渡したということが認められたとしても、花房氏の供述から、要するに町のために使ったと、こういうふうに異議申し立てで申しておりますし、多分検察庁の調べでもそういうふうに言っていることに違いありませんから、仮に渡したとしても町のために使ったということになれば業務上横領は成立しないという二段論法といいますか、二段構えで申し上げているわけでございます。
○佐藤三吾君 これ以上いろいろ言ってもあなたは、もう不起訴決定したわけだからなかなか出てこないと思うんですが、しかし今このやりとりでおわかりのように、尾形氏を逮捕したわけじゃない、そうしてそこで詰めたわけじゃない、いわゆる任意出頭という限られた時間帯の中でお調べになった範囲のお話だと思うんです。私はこの問題についてそういうことを考えると、検察庁の今回の対応というか、これについてはどうしてもぬぐい切れないものが残らざるを得ない。恐らくそういう意味で、住民の皆さんはなおのことその問題について怒りが消えないと思うんです。幸い今は現地では民事訴訟で損害賠償の請求がされておりますから、今後この問題を見据えていかなきゃならぬと思うんですが、大臣、このやりとりを見て、あなたは自治大臣でもあるし、同時に国家公安委員長でもあるんですが、どういうふうにこの問題について御認識を持ち、対応なさろうとしておるのか。時あたかも消費税を含んで税金問題については非常に国民的にも関心が高まっておるときでもあるんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(奥田敬和君) 今福岡県において事務監察委員会と申しますか、まだ事態解明への努力過程であると聞いておりますので、当然関心を持って見ております。たとえ福岡地検の段階で不起訴処分になったとはいえ、こういった町民、自治住民に対して大変な疑惑と混乱を与えたような事件に対しては猛反省すべきであるということ、また先ほどの応答を聞いておりましても大変遺憾な事件であるということを再認識しております。
○佐藤三吾君 こういうことが苅田町だけではなくてほかの町村にも随時、何か裏帳簿を含めて広がっておるような感じがするんですけれども、これはひとつ大臣、今後とも十分御指導に当たって対応していただかないと、住民税ですから、こんなことを検察もこういうふうにしてあいまいにして過ごす、同時に、指導、監督すべきところが一切これについては黙して語らずというのか対応しない、こういうことになると、やはり不正をやって裏帳簿でとった方がもうけじゃないかという風潮が私は出てくるんではないかと思うんです。ですから、そういう現象は各自治体の中にまだまだ出ておるような感じがしてならぬのですけれども、そこら辺は、引き締まった意味での御指導を含めてぜひひとつお願いしておきたいというふうに思います。 そこで先ほどの話に戻ります。行政改革についての所信表明の中でもう一つ二つほど申し上げておきたいと思うのは、運輸省の所管で行っておるようでございますが、家族旅行村という整備計画が五十三年から自治体の方で過疎を中心に進められておるわけです。これに対する助成金はいろいろあるわけでございますが、今全国で三十自治体四十一地区でやられているわけですが、今度の臨調の答申を見ると、これは打ち切る、こういう方向が出されておるわけです。これは当該自治体にとってみると、またそれを予定しておるところから見ると、大変楽しみ多いものをいきなりやられるというようなことになるわけであって、自治体の中になぜそこまでという異論が非常に出ておるわけですが、この問題をどういうふうに御認識なさっておるのか。それはもう臨調が決めたことだからやむを得ないという立場なのか。やはりこの家族旅行村というのは、結構それなりに過疎地域にとっては非常に一つの希望というか光みたいになっていますから、それを残そうとなさるのか、そこら辺は自治省としてどういうふうな考え方なのか。 それと、これはもっと古いんですけれども、同じように今度の臨調の答申の中にあるのは新産都です。これは二十六年ほどたっておりますから、もうここら辺でひとつ見直すということもわからぬでもないんですが、これもまた御案内のとおりに、全国的に新産都市では臨調答申を見て非常に不安を感じておるのが実態だと思うんですが、こういった点について自治省としてはどういう御見解なのかお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(持永堯民君) 最初に家族旅行村の問題でございますけれども、臨調でそういう指摘があったということは私も承知しておりますが、それを踏まえて運輸省がどう対応するかということについてはまだ話を聞いておりません。したがいまして、今先生の御指摘の、関係の地方団体ではそれなりの期待を持っているとか、そういうことも頭に置きながら運輸省が必要な対応をされるものだろうと思っております。 それから新産の問題でございますけれども、これは確かにかなり期間がたっておりまして、今さら新産かというような声もないわけじゃないんですけれども、若干具体的に申し上げますと、現在国土庁でこの新産の基本計画、それから工業整備特別地域整備の基本計画、こういったものの改定が検討されておりまして、その改定がどういう形になっていくのか、あるいは今後のその整備計画がどうなるのか、そこらを踏まえて検討することとしてまいりたいと考えております。
○佐藤三吾君 これはひとつ大臣の方も、実力大臣ですからよく目配りして見落とさないように、恐らくこれは閣議決定になってくるんじゃないかと思うんで、そこら辺ひとつ要望しておきたいと思います。 そこで、行革問題から、もう一つ公務員行政の問題に入りたいと思います。七ページです。 ここで「正常な労使関係」云々ということを書いてあります。地方公務員の週休二日制について、現在の月二回の土曜閉庁方式の問題について「積極的に導入されているところでありますが、」、こう書いてありますが、これ今、実際どういう進捗状況になっているんですか。
○政府委員(滝実君) 現在の週休二日制のうち特に土曜閉庁に限って申し上げますと、ことしの四月一日現在の数字でございますけれども、全地方団体のうち七三・八%の団体において土曜閉庁に踏み切っているか、ないしは条例の整備を終えている、そういう数字でございます。
○佐藤三吾君 週休二日制はどうなっていますか。
○政府委員(滝実君) ただいまのは土曜閉庁に限って申し上げたわけでございますけれども、その他に週休二日制でございますとか、この問題は、ことしの四月から、国家公務員においては特に交代制勤務の職場、すなわち週休二日制の完全実施が困難と思われる職場を中心にしてトライアルをやる、要するに試行をしてみる。こういうふうなことを国家公務員については始めたわけでございますけれども、……
○佐藤三吾君 いや、地公のことを聞いている。
○政府委員(滝実君) 地方公務員についても、そのような観点からトライアルをするように指導をしているところでございます。 それから最後になりましたけれども、週休二日制の全体の数字でございますけれども、現在のところ四週六休制、この中に閉庁をやっているところもあるわけでございますけれども、開庁方式で、要するに役所を閉鎖せずに四週六休制をやっているところを含めました全体としての数字は、現在、地方団体の中で比率としては九七%の実施率、こういうことになっております。
○佐藤三吾君 この「交替制等職員の週四十時間勤務制の試行」というのはどういう進捗状況ですか。
○政府委員(滝実君) これは四月から行われたばかりでございますので、私どももまだその実態を正確にはつかみかねているわけでございますけれども、現在段階で実施している団体は極めて数が少ないというふうに私どもは承知しております。
○佐藤三吾君 これは消防はどうなっていますか。
○政府委員(木村仁君) 御承知のように、消防につきましては来年三月三十一日まで四十八時間という時間の特例が設けられておりまして、それを現在四十六時間に減少するということが行われている段階でございまして、まだそのトライアルは行われておりません。
○佐藤三吾君 特例を設けたのは私も知っておりますが、それは何も特例に頼るという意味じゃなくて、言いかえれば、どうしてもできない場合ここまでは消防に限って認めようということであって、スタートは一般職と同じようにスタートを切るべきだと私は思うんですね。そして、どうしてもここだけはできなかったというのが一般職よりも若干おくれる、二年ですか、それはわかるんですが、進捗状況はどうなっているんですか。今あなたは四十八時間から四十六時間云々と言うけれども、何%の消防でなっておるのかちょっと言ってください。おおよそでいいですよ、正確でなくていい。アバウトでいいから。
○政府委員(木村仁君) 四十六時間以下に既になっている消防本部がほとんど、九割に近いと存じます。ちょっと今数字を確かめますのでしばらくお待ちください。
○佐藤三吾君 警察はどうですか、この点は。
○政府委員(仁平圀雄君) 警察におきましても、本年度中に週四十時間制を交代制勤務の部分におきまして試行実施するということで計画を立てまして、これは期間ははっきりここで覚えておりませんけれども、数カ月ぐらいになろうかと思いますが、勤務に支障のないような期間を選定いたしまして順次実施することにいたしております。試行実施でございます。
○政府委員(木村仁君) 失礼いたしました。 四十六時間を超える消防本部は十一消防本部だけで、一・二%。したがいまして、ほかの九八・八%は既に四十六時間以下になっているということでございます。
○佐藤三吾君 それはいわゆる拘束時間を、何というんですか休息、それを少し縮めたり伸ばしたり、そういう意味で四十六時間というんじゃないですか。何交代制になっているんですか。
○政府委員(木村仁君) これは御承知のとおり、東京消防庁等は三交代制でございますし、大部分の消防本部はいわゆる二交代制ということで、二十四時間勤務と休日である一勤務の交代でございます。
○佐藤三吾君 私は、今大臣、週休二日制の問題、それから土曜閉庁の問題で、地方公務員関係、警察を含めて事情を聞きましたが、もう銀行関係、証券、金融関係は完全週休二日制に入っていますが、これは御案内のとおりに、私がILOに行ったのがちょうど昭和五十年ですからね、地方公務員の勤務労働条件に関する条約問題の国際討議に。今言ったように昭和五十年ですからもう十五、六年前の話ですね。そのときに私と自治省から行ったのは鹿児島さんですが、もう鹿児島さんは人事院事務総長をやめて退官なさっているぐらい前の話。そのときにこの問題が出たんですよ、各国の政府から集中的に日本政府に対して。各国の労働者代表じゃないんですよ。各国の政府代表が、日本はなぜということでやられたんですよ。そうしてそんなに働かせてそれで世界の市場を荒らされたんじゃたまらない、ルールを守ってくれ、こういう集中砲火を受けたんです、時の日本政府は。 当時ILOにおりました大使の鶴見さんですか、これは日本国代表だったんですけれども、本人は僕らに、その夜大使公邸でパーティーをやったときに、こんなことを言われるのは本当に恥ずかしい、こういう言葉を漏らしていました。それが今言う十五、六年前の話。そのときにヨーロッパの場合には大体週休二日は当たり前、三日要求の段階だったんですね。今は週休三日が当たり前になっておるわけです。 そういう意味で、日米構造協議摩擦も起こっておると思いますよ。そういう類のものですから、なおざりにするべきではないと思うんですね。そして、日米構造協議みたいなこんな形でやむなく言うことを聞くような問題じゃないと思うんです。そうでしょう。こういう問題こそ進んで指導を強化して、さっきの文言じゃございませんけれども、やるべき性格のものだと思うんですね。 とりわけここで強調しておきたいのは消防、警察ですね。これは労働組合はないわけだから、言いかえればそれだけ使用者責任が大きいということですよ。そうでしょう。そういう意味では警察、消防は最も進んで先頭を切ってやるべき性格のものですと私は思うんです。そういう御認識ありますか、消防庁長官。
○政府委員(木村仁君) 御指摘のように消防職員には団結権、したがって団体交渉権も認められていないわけでございますから、管理者において十分に職員の意向を酌みながら勤務条件の改善に努力をしなければいけない、そういうことは私どもいつも消防庁に対しては申し上げているわけでございまして、この勤務時間短縮、時短の問題につきましても事情の許す限りできるだけ積極的に進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○佐藤三吾君 警察庁どうですか。
○政府委員(仁平圀雄君) 警察におきましても、勤務に支障のない限りそういった方向に行くべきであるという考え方で、積極的に本年度におきましても試行実施に踏み切っているところでございます。
○佐藤三吾君 これは少し血を流さなきゃしょうがないんですよね。言いかえれば、交代職場である警察とかそれから消防などでは一般職場と違って土曜は閉庁じゃないものだから、交番を閉庁するわけにいかぬ、消防署を閉庁するわけにいかぬから、逆に言うならば、並みの公務員労働者と一緒のような勤務時間にしようとすればどうしても増員が伴うんです。ある意味では私は大臣のこの問題に対する認識というか決意というか、そういうものが非常に重要にかかわってくると思うんですが、どうですか、奥田さん。
○国務大臣(奥田敬和君) 確かに先生御指摘のように、これは我々も含めて反省しなきゃなりませんけれども、十五、六年前を振り返りますと、本当に豊かさだけ何とか経済の数字の面だけでも追いかけるために、世界から働き過ぎ、働きバチとかと言われるような状態の中で一直線で来たんじゃないかと思っております。最近になってようやく国民の間はもちろんのこと、ゆとりと申しますか、余暇の利用の仕方もだんだん少しは板についてきたといいますか、休みが多いと何かすることがなくて、むしろ休みのあることが逆にもう何か怠け者というような風潮で見られる時代から、ようやく最近は努めて自分たちの余暇時間というものを大切にしながら、心のゆとりと申しますか、豊かさというものを求めるような時代になってきたと思っております。とりわけ今委員御指摘のように消防、警察、そういった立場にある皆さんが、過長勤務といいますか、そういった長期的な休暇も余りとれないというような実態にかんがみまして、何とかこれを普通の市民と同じ形の中でのそういったゆとりを持てるような体制を何とか築くことはできないだろうかな、そのときにはすぐまたマンパワーが足りないとか人手をふやせとかということになってくるのかもしれませんが、それはできるだけ制度、システム、機器の利用等々の合理化も図りながら、何とかその方向で努力していきたいと思っております。
○佐藤三吾君 その言葉を私は信用しまして、その裏づけをこれからひとつ大臣に大いにやっていただくということで見守っていきたいと思いますから、ぜひひとつ今言った決意で対応していただきたいし、これはどうしても消防であるとか、今消防は長官言っておりませんが、いわゆる拘束時間をちょっと操作して、そして四十六時間とかいうこと、そういうちゃちな発想にすぐ立つわけだけれども、それはやめていただいて、警察の場合にも交番がある。この交番というのは閉庁するわけにいかないんですね、言いかえれば。ですから、そういう意味ではどうしてもやっぱり人員増が伴ってきますね、交代職場については。これは大臣、何人も納得すると思いますよ、率直に言って。普通の職場は全部閉庁でできますけれども、できない職場、病院であるとかいろいろそういうところについては、これは私は何も総定員が云々だからということではなくて、そこはそことして、週休二日制に伴う所要の措置としてきちっと割り切っていくようなそういった閣議でのきちんとした整理が必要だと思うんですね、臨調でもそうですが。そこら辺、ひとつぜひ踏まえてよろしくひとつお願いしておきたいというふうに思います。 そこで、警察にちょっとお聞きしますが、最近やたらに駐車問題でにぎにぎしく新聞に出てきておるわけですが、何か新聞によりますと車庫法とか道交法の改正を近く出されるということですから、それはそこでまたひとつ議論させていただきたいと思うんですが、私が不思議でならぬのは、三十七台に一台しか車庫がないというんですよ。平均してみると、おたくのいろいろな数字を出してみると、三十七台に一台分しか車庫がない。それをおたくの方もお認めになった。しかし、車を買うときには車庫があるかないかをきちんと現行法でもって押さえることになったわけでしょう。車庫がなかったら車を買えないでしょう。全国の警察官はちゃんと目を光らせているはずだと思うんだけれども、それが今数えてみると三十七台のうち一台分しかないなんというへんてこなことにどうしてなるのですか。ここら辺がどうも私わからない。何か警察もグルになっているんじゃないかというような感じもするんですが、いかがですか。
○政府委員(関根謙一君) ただいま先生御指摘になりました三十七台に一台分しか車庫がないという点については私はちょっと初耳でございますので、その点は後ほど調査した上、御返事を申し上げたいと思います。
○佐藤三吾君 いや、それなら大体あなた考えて何台ぐらいの比率ですか。
○政府委員(関根謙一君) まず大部分の方は車庫をお持ちであると考えております。 そこで、車庫証明の関係でございますが、現在、軽自動車を含めまして五千五百万台ほど自動車がございます。この自動車すべてについて車庫を確保しなければいけない旨、現在の自動車の保管場所の確保等に関する法律、つまり車庫法の三条で定められております。この中で、車庫証明を必要とするのは軽自動車以外の自動車でございまして、これが四千万台ほどでございます。この軽自動車以外の自動車、普通自動車と申しますと、これにつきましては自動車登録ファイルに登録する際、すべて車庫があるということを警察署長がチェックするようになっております。他方、軽自動車の方でございますが、こちらの方にはそのようなシステムができておりません。そこで、全体の数というのははっきりはわからないのでございますが、私どもいろいろ保管場所法違反の事件等を調べました際にアンケート調査等を行いました結果によりますと、かなりの高い比率で皆さん車庫をお持ちであるというふうに考えております。
○佐藤三吾君 それなら今報道している新聞、これは全部誤報ということだね、各社とも。あなたのところの感覚で言えば、そう大したことはない、でも法改正をする、こういう意味ですか。
○政府委員(関根謙一君) 大部分のといいますか、高い比率で車庫をお持ちであるというのは、要するに高い比率で現行車庫法は守られていると確信をしておりますが、しかしながら、登録時点を過ぎた後、車庫を持たない方々でありますとか、初めからそういうチェックがない自動車について車庫を持たないという方もかなりの比率で他方あるということでございます。 ところで、基礎台数が非常に多量の台数でございますので、比率から申しますとかなり高い比率で車庫を持ち、車庫を持たない方の比率はそれに比べればはるかに低いと思いますが、やはり路上駐車台数ということで考えると非常に多量の台数になるということで、そこでそれを何とか防止したいということで検討しているところでございます。
○佐藤三吾君 私は深刻だと思ってちょっと法案が出る前にと思ってお聞きしたんですが、余り深刻でなさそうな感じがしましたから、ひとつ今度法案を出す際には、今言う車庫を持っていない車がどの程度あるか、実態調査の上できちっとして出してほしいと私は思うんです。架空の議論をしてみたってしょうがない。建設省さんなんて駐車場等整備事業三カ年計画とかをつくって、慌てて義務づけなきゃならぬということで大わらわのようでございますが、今あなたの報告を聞いているとそんなに大わらわでもないような感じがするので、建設省さんの方にも注意を喚起した方がいいんじゃないかと思うんですけれども、いずれにしましてもそれだけ御注文申し上げておきます。その際ひとつまた議論させていただきます。
○国務大臣(奥田敬和君) 今の交通局長答弁で数字が具体的に出なかったために、委員の御理解をいただく答弁ではなかったと思います。 しかしながら、御存じのとおり、もう死者が一万一千人を突破している現状でございますし、私たちの住んでいる都市はまだ渋滞現象もそれほどひどくはなっておりませんけれども、今日の大都市区、特に東京を中心にしての交通麻痺状態と申しますか、違法駐車を含めての状態は、本当に車が果たして自分らの生活に便利を与えるものであるのかどうか。逆にある意味においては車によって窒息寸前の状態に来ているんじゃないかという懸念すらあるわけであります。 その原因を調べてみますと、一時的な違法駐車をしても、私も一回回りましたけれども、これはレッカー車で引き上げていくにしては全部が違法駐車のような状態で、ちゃんとまともに駐車場に入っている、あるいはパーキングメーターのところに入っている車というのはむしろ珍しくて、違法しておる方が得だ、ただだ、そういった交通モラルの問題自体を含めて、やっぱり車を持った人には、とりわけ都心へ乗り入れしていただく人にはコストがかかります、そしてあなたの一台の違法駐車がどれだけの交通渋滞を来すかという実態をやっぱり認識してほしい。 そういったために今度お願いしようと思っているんですけれども、現実において、現在四千数百万台の普通車が車庫証明を受けるということになっているけれども、果たしてそれが車庫を持っているのか持っていないのか、だれもチェックしていない。証明書だけを持ってくる。はっきり言って、売る側は勝手にうちの車庫を貸してあげますとか、うちらの方で便利するといういわゆる車庫飛ばしというような現象の中で、ともかく車庫を持っておる人に売るということになっているのに、違法を承知でそれを助けるということがあるかないか、そこまでまだ調べておりませんから断定できないにしても、ともかく車庫を持ってなくて車を持っておられる人が相当数おられることは間違いない。そうすると青空駐車にならざるを得ない。 わけて軽自動車に至っては、これは人間の二、三人で移動できますけれども、しかしそれにしても恐らく車庫を持っておられる、あるいは車庫に準じたちゃんとしたどこかに車を保管する場所を借りておられる、こういった形が行き届いているのかどうか、こういった点を一応乗用車に関しては再チェックする。そして軽自動車においても、やっぱり車庫証明あたりが必要ではなかろうかなというような認識の上に立って今回の法改正をして、先生方の御意見もよく聞いた上で一番妥当な線、そして取り組むべき交通渋滞をいかにして今より以上に少しでも快適な方向の車社会をつくるために知恵をかしていただきたい、そういった意味での決断でございますので、出さぬでも出してもいいようなそんなゆっくりした状態じゃありません。 もちろん建設省にも、駐車場もないわけですし、町の中でビルをつくってオフィスに貸す方は、建てる人はいっぱいいても、駐車場を経営してもらっても採算が合わないというような実態というのはどうしても納得できないので、それは公的であれ民間活力を利用するにしろ、どちらにしてもこの問題はひとつぜひ御支援、御理解、御協力をいただいた上で、何とかソフトランディングできる道交法の改正としてやっていただきたいということをぜひ御支援をお願い申し上げます。
○佐藤三吾君 大臣、一番初めに何をポイントでやりますかと言ったときに、交通問題と言っておったのに、随分ずれがあるなと思いながらも、法案が出れば別ですけれども、きょうはおたくの答弁を信ずるしかないわけですから、次に行こうと思ったんですが、大臣の方はやっぱり深刻に受けとめておられるようでございますね。大分差があるなと思いました。 現象で見ると、今言ったように駐車場の問題が確かにございますが、今の日本の道路網なり交通網よりも車の絶対数が多いんですよ、言いかえれば。だからあふれておるわけです。それをどうやって規制するかということで、自動車会社の方にも責任を持たせぬと、単なる使用者とか購入者だけをたたいていく発想というのはおかしいんじゃないかというふうに思っていたんです。それがどういう形がいいかということについてはまだ妙案はございませんが。 それともう一つはトラックですね。今トラックは積載過重というのか何ていうのか知りませんが、ちょっとひどいんですね。もう十トントラックが十五トンか二十トンぐらい平気ですね。これもそういう目で見ていった調査がないからわかりませんけれども、事故はもういつでもと判断していいんじゃないですか。暴走車みたいなものでしょう。こういうことを考えてみると、あれも過積載ということについてきちっと規制はあるんですよ。車庫についてもちゃんと規制があるんですよ。それがどうして堂々とまかり通っていくのか、これが私は不思議でならない。そこら辺の問題も、きょうとは言いませんから、今度出すときにはちゃんと答えを出しておいてくださいよ。そうせぬと、そこら辺の問題をなぜというのをしないと、何ぼ法律を変えてみたってまた起こると思うので、そこら辺ひとつぜひこれは大臣にも要請しておきたいと思います。よろしいですか。
○国務大臣(奥田敬和君) はい。
○政府委員(関根謙一君) 先ほど数字の点で御報告がおくれましたが、私ども本年の三月十二日から二十一日までの十日間、保管場所法違反の車両一万二千台ほどにつきまして、その所有者に車庫を持っているかどうかアンケート調査をいたしました結果、約二五%ぐらいの人が車庫を持っていないということを答えております。そのうち軽自動車関係は約四〇%ほどの人が車庫を持っていないという答えをしております。
○佐藤三吾君 これは大部分じゃないじゃないですか。 ひとつ大臣、かなりこの問題については深刻にとらえておるようですから、この程度でこの問題とどめます。 次に移りますが、厚生省は見えていますか。これは大臣もちょっと聞いておいてほしいと思うんですが、今厚生省で四月の十九日に社会保障制度審議会の答申が出されて「地域における社会福祉の基盤整備を促進するための関係法律の一部を改正する法律案について」の答申というのが出ております、長ったらしいんですが。要は何かといいますと、後ほど説明をしてもらいますが、いわゆるこういう社会福祉関係の八つの法律、社会福祉事業法、老人福祉法とか精神薄弱者福祉法とか、こういった法律の中で、今までどっちかといえば市町村が端役にやられて、ほとんど国か県が権能を持っておったわけです。そういったものをこの際ひとつ市町村に全部責任を持たしてしようということを日本では今ようやく検討しておる、さっきこういう話をしたんですが、ヨーロッパの方ではこれは当たり前です。四十年ぶりの大改正ということで新聞で報じられておるわけですが、こういった内容についてちょっと厚生省、説明してくれませんか。
○説明員(伊達卓三君) 今国会に提出を予定させていただいております老人福祉法等の一部改正の件でございますけれども、この趣旨について申し上げますと、高齢者の保健福祉、それから身体障害者等の福祉の増進のために、住民に最も身近な市町村におきまして在宅福祉サービスと施設福祉サービスとをきめ細かく一元的にかつ計画的に提供したいということで体制づくりを進めていきたいというふうに考えておりまして、また各種の在宅福祉サービスにつきましてもそれぞれの法律にきちんとした位置づけをしたいということで、こういう考えのもとに八本の法律につきまして改正を考えているというものでございます。現在その中身につきまして、国会提出に向けまして準備中ということでございます。
○佐藤三吾君 問題は大臣、こういう法律が今言うように、あなたのさっき話したように、前向きというか、住民福祉に沿った形でいく姿勢というのは結構なんですけれども、往々にして今までの経過から見るとその際には権限がついてこなかったり、金がついてこなかったり、それから人がついてこなかったり、超過負担が起こったり、いろいろな今度は自治体の方で頭痛鉢巻きというのが今までの普通の状態なんです。きょうわざわざこの問題を厚生省に説明をもらって大臣の見解を聞きたいと思ったのは、そういうことを今度のこの問題で繰り返してきたのでは何の意味もないんです。市町村が十分それに対応できるものが伴っておらないと、法改正の趣旨は形式だけで実体が伴わないということになりがちなんで、そこら辺の危惧を覚えるからこそ私はちょっときょう問題を大臣の耳に入れておきたいなと思ったんですが、大臣、この問題についての御認識なり、さっきはちょろっと言葉の中に出たようですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(奥田敬和君) これはまた御指導願わなきゃいかぬわけでありますけれども、私自身、これは今こういった閣僚の立場でなくて、例えば福祉事務所と保健所が別々に大きな立派な建物を建てて、横に対する一体感もなくってやっておるというような、これは縦割りと申しますか、そういった横との連絡がなくってやっているような形というのは本当に残念なことだなと。同じ健康と、そうしてそういった困ったお年寄りの身の回りの世話なり御相談に乗るという形のものが、大きく言えば健やかな社会の相談相手として、健康な人も、あるいはお年寄りの福祉対策にしても、これは本来一体的であってもちっともおかしくないものだがなと思っている面がございました。 しかし、県がそんなことわかるはずがないんです。町のどこに、これがひとり暮らしのお年寄りであるか、この人が今、一番細やかなことは、老人の収容施設に入れるんじゃなくて、病院へ入れるんじゃなくて、むしろ在宅ケアでやっていくとか、デイサービスでちょっとお世話してあげるとか、あるいは施設に入ってそのまままだ歩けるのまで歩けないようにしてしまうようなところへ入れるくらいなら、むしろみんながボランティアも含めてやっていけるような、そういった身近な情報というものは、本当は府県行政の中ではそこまで目が届くはずない。はっきり言ったら、市町村自治体が責任を持ってそれをやって、しかも国に対して財政的に、あるいは交付税で措置するもの、補助でやるべきもの、住民が自助努力でやるべきものというのは当然そこで分担が決まってくるわけですから、こういった形で今度の法改正が今政府委員の説明のとおりに行われるとすれば、あるべき方向にようやく考えてきたな、そうあるべきだと。もちろん市町村財政をお手伝いする立場からいえば、当然そういった財政措置等においてはできるだけの対応はして措置しなきゃいかぬと思っております。
○佐藤三吾君 大臣、そのとおりだと思うんで、自治省は、予算編成期になると、例えば超過負担を調べて各省に、これはひとつ今度の予算編成で計上してくれとか、そんな要請を毎年やってきておるわけです。今言うように、各省は縦割りというのはこれはもう弊害はわかっておってもこれをつぶすわけにいかぬでしょう、縦割り省庁を総合省庁にするわけにいかぬでしょう。いかに実力大臣といっても、なかなかそこまでは手が及ばぬでしょう。 そうだとすれば、自治省所管大臣として法案のできる過程でちゃんとそこらの把握、確認をして、そうして自治体に迷惑のかからぬようにしていく、これはどうしても自治大臣のある意味じゃ宿命かもしれぬと思うんですね。その役割をやっていただかないと、どうしても縦割りの弊害がすっと出てくるわけです。そして結果的に趣旨と内容が全然ちぐはぐになって、そのしわ寄せを今度は自治体が一身にかぶる、こういう繰り返しをやっていくわけですから、甘えさせるんじゃございませんけれども、私はやっぱりそこら辺の目配りはぜひ、さっき強調なさっておったようでございますから、お願いしておきたいというふうに思います。 そこで、時間がございませんので、一つ二つ、ぱっぱっと聞きますが、一つは何かといいますと、総務庁が御案内のとおりに、大体国体は一回りしましたが、国民体育大会ですね、国体の監察に入りまして、そして新聞報道によりますとむだの改善勧告、こういうことで、もう国体しか使わない、あとは何にも使わぬというような施設に二億円かけたりしてみたり、子供たちが授業の時間を削って訓練に強制的に入らされておるとか、式典の練習やれよとか、それからそこの県が天皇杯をもらおうと思って優秀な選手を引き抜いて体育の先生にするものだから、ぼこっと先生がふえて、四、五年とか十年ぐらい体育の先生が余ると。こういうむだがいろいろあるということを文部省に勧告なさっておるようでございますが、これはそのために被害を受けているのは自治体なんですよ、文部省じゃなくて。 そして、これはもう国民体育大会が近づくと各県で必ず問題になった点なんです。四十数年間、問題になってきた。これについて大臣としてどういう対応をなさるのか、これは一言でいいからひとつお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) これは一言でいいと言われますけれどもぜひ言わしていただきたいんですけれども、実は平成三年、来年石川県が二回目の国体開催県ということになっているわけです。それで大変知事さん以下自治体は苦労しておるわけですが、この国体誘致ということの二回目をいかにして成功させるかということで各自治体が、今までだとメーン会場を県都というか県の中心である金沢を中心にしてやるわけですけれども、これを県下全域の市町村に一つずつの種目をばらまきまして、そして各地域で、今言われましたそのための施設をつくるために、これこそまた一極集中の弊を招くような結果にならぬように、水泳は水泳、ボクシング会場はボクシング、バドミントンはバドミントンという形で全部の町村が一つくらいの種目を持つという形で、メーン会場は当然金沢になるわけですけれども、市町村自治体がみんな一つずつくらいの種目を受け持つ形で、それで体育館施設をつくり、屋内、屋外の競技場施設であってもそれが将来にわたって間に合っていくようにということで、競技場を集中させないで全県下ばらまき国体という形でやる。小さい県ですから、そんな天皇杯、皇后杯を無理にとるということはなかなかできません。ですけれども、とるようにやっておりますからひょっとしたらとるかもしれませんけれども、そのために無理な、本当に無理な形で競うようなことだけはやめたらいい。国体も一巡して二回目に来れば、今先生が御指摘になったように、やはり全国の若者の祭典であるにしても、今までのような国体を利用してのいろいろな整備、それは行われることはいいとしても、それが過度に集中したり、そして天皇杯、皇后杯をとるための過度な選手養成の中でそういった基本姿勢を曲げちゃならぬという形でやっておるはずでございます。 今後ともこの国体というのは、一巡後どういう形でやるのがいいか、それぞれの自治体で知恵を出してやられるのがいいか、あるいは全部に割り当てて無理にやらせなくても立候補したところでちゃんとやらすようにした方がいいのか、そういった点を含めて国体のあり方についてはまさに再検討の時期に来ておるんじゃないかということを痛感いたします。
○佐藤三吾君 これは、今大臣の決意だと受けとめるんですが、来年、再来年ですか、石川は。
○国務大臣(奥田敬和君) 来年です。
○佐藤三吾君 来年ですか。ぜひ私もその状況をきょうの答弁と照らし合わせてひとつよく見させていただきたいと思います。各県でもこれは本当に困っている問題ですから、困っていながらやむなしという格好になっているわけですから、ぜひそういうことで対応なさっていただきたいというふうにお願いいたします。 それから、今度は話はまたがらっと変わりますが、けさ新聞には出てないんで、けさテレビで見ましたら、一つの何というんですか、難問が片づいたということで報道されておりましたが、それは何かというと、韓国・朝鮮人三世の問題ですね。指紋押捺を三世についてはなくすということで、日本政府の方でその案をソウルに持っていって折衝を始めるというようなことがきょうやられてましたが、どうも指紋押捺問題になるとやはり警察庁、だから所管の自治大臣、国家公安委員長、こういうところが一つの壁だということがいろいろ言われておったんですが、私はこの問題は、朝鮮、韓国ともに隣の国ですからね。しかも日本と朝鮮半島との歴史を考えたときに、やはり普通の外国人という対応というのはいかがなものかというふうに考えておりますし、早急なこの問題の打開をしないと両方の国の中における大変な問題になってくるんじゃないかというような感じもしておったわけです。けさそういうテレビを聞きまして一つのめどの方向が出てきたかなという実感をしておるんですが、これについて自治大臣、国家公安委員長の役割が大きいんじゃないかと思うんですが、衆議院の予算委員会の答弁を見ますと、大臣の見解として、例えば地方公務員の中の部分についての採用であるとかいろいろ出されておりますが、何か在日の一世、二世そして三世、この人たちの対応について、大臣そのものが何か特別な認識を持っておるのかなというような感じもするんですが、そういうことはないですね。
○国務大臣(奥田敬和君) 過去の歴史の経緯も踏まえて、特に韓国、朝鮮の問題というのは、私たちは二国間関係においても特に重要な意味合いを持っておると思っております。特に私の方は、日本海側ということになればむしろどっちが近いというと向こうの方が近いくらいに、そういった地理的な影響もございますけれども、これらの問題に関しては同じ、外交関係無差別の原則に立つという形は当然でありましょうけれども、韓国、朝鮮に関しては、我が国のそういった近い将来において、あった歴史的な事実も踏まえ、日本に永住して、日本に在住されている皆さんもそれぞれのいわくと原因があっておられるわけですから、当然配意は必要であるという基本的な気持ちはもちろん持っております。 ただここで、今三世問題にお触れになりましたけれども、この指紋押捺の問題になってくると、我々は一日も早く本人確認の別途な形での方途を見出すべく、技術的には一日も早く解決するように努力いたしますけれども、本人の識別の確認の方法が今のところこれにかわるべき有力な手だてがないという実態も踏まえて、今苦慮しておるというのが現状でございます。
○佐藤三吾君 「在日韓国・朝鮮人の処遇改善に関する提言――開かれた日本社会と東アジアの明るい未来を求めて」という提言が先ほどなされておりますが、その中には福田元総理大臣とか土井社会党委員長なども呼びかけ人に入っておるようですね。趣旨は何かといえば、やはり隣の国ですからね。そして過去の歴史があるわけですから、日本はその両方を踏まえて、差別のない、きちっとした友好関係を確立すべきじゃないかというところにあると思うんです。 先日、西ドイツの前の首相であったシュミットさんが来て講演なさったときに私聞いてなるほどと思ったのは、言うなら、ドイツが戦後何に一番苦しんだかと言えば隣の国との友好確立、隣の国との友好確立なしに国際連携などあり得ないということで全力を尽くした。そしてフランスや隣の陸続きの国の皆さんとやっとそういう意味での理解を達し得て国際社会に出ることができた。日本はそれがないじゃないか、そここそが大事じゃないかということを指摘しておりましたが、私はまさにこれから日本が戦後を離れて国際社会の中に一員として入っていくとすれば、やはりそこが一番大事じゃないですか。韓国、朝鮮を含めて、隣の国中国、そういったところも含めてもっと重視をしていかなきゃならぬのじゃないかというふうな感じがしますので、よりいい方法があればというお言葉でございましたが、警察庁の方、知恵の多い人が集まっておるわけですから、国際的感覚に合うものを必ず見出すと思いますから、余り指紋押捺にこだわらずに、サインという方法もあろうし、いろいろあるでしょう。ですから、そこら辺を踏まえて、大臣もひとつ汗をかいてほしいなという気持ちです。 私はあと四、五分ございますが、五分ぐらいサービスせいという意見がございましたから、もうこの辺でやめますけれども、一言大臣のお言葉があればいただいてやめたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御指摘のとおり、歴史もあり、お互いに引っ越しのできない中国、韓国、朝鮮の皆さんとの二国間関係でございますので、そういった点をよく配意して前向きに取り組んでいきたいと思っております。
○常松克安君 大臣、きょうはますますお元気なことで、午前中のようにどうかひとつ違いますと言って怒らぬように、生きがようございまして、怒られぬように質問も重ねてまいりますから、前もってお断り申し上げておきます。 まず一つ、所信表明の中でまことに感謝にたえないことでございます。私の知るところによりますと、初めて救急救助体制の整備、言うなら救急医療を含めて、諸般今日大変に国民の皆さんからも問題になっておりますこういうことに関して、英断を持って、この問題をおろそかにすることはもはやでき得ない、こういうようなことでの書きとめをいただきましたこと、これは敬意を表します。これに対してまずもって大臣の決意のほどをお伺いしておきたい、かように思います。
○国務大臣(奥田敬和君) いつも先生がこういった消防関係、しかも救急業務を通じての人間愛と申しますか、そういった形で御提言いただいておることに本当に心から感謝申し上げます。 その意を受けてかしりませんけれども、東京消防庁の方の救急業務懇話会、なかなか権威のある先生方がいらっしゃる形ですけれども、あの答申が出されました。その中には、私たちはもちろんですけれども、国民の多くの皆さんにも共感をいただける提言が多数なされておると思っております。 特に、救急業務の中で、輸送中に亡くなられるケースが多いという実態にかんがみまして、やはり消防士に、先生が日ごろ御指摘のようにパラメディックな形のアメリカでの体制、そういった形も検討させていただきまして、これは厚生省とのやりとりもありますけれども、行くべき方向はまさに人命尊重という一点に尽きるわけでございますから、何としても御理解をいただくという方向の中でこの答申の精神と実務の一歩でも前進を期したい、こういうぐあいに願っております。
○常松克安君 外務省来ていただいておりましょうか。外務省が扱っていらっしゃいます海外援助の中で、数年前インドネシア首都ジャカルタに設置されましたチプト・マングスモ病院救急医療センターというのがこの一環として行われたと思いますが、簡潔に概略だけ少し御報告願えませんでしょうか。
○説明員(斎藤泰雄君) 先生御指摘のチプト・マングスモ病院救急医療センターでございますが、これはジャカルタ市の急激な都市化によります交通事故の増加、それから各種労働災害に対処するという目的を持ちまして、インドネシア政府から我が国に対しまして無償資金協力の要請がございました。この要請を受けまして諸般の調査を行いまして、昭和五十九年八月に閣議決定を経まして、五十九年九月二十一日に二十二億七千二百万円の無償資金協力を実施し、このための交換公文を締結いたしました。施設は昭和六十一年三月に完成してございます。 この救急医療センターにつきましては、救急外来部門、救急病棟部門、救急産婦人科部門、救急手術部門等の設備を有しておりまして、医師四十名、看護婦七十八名、医療スタッフ二百七十二名の合計三百九十名が一日平均大体四百名程度の救急外来患者の治療に当たっているというふうに承知しております。 また、技術協力の一環といたしまして、看護婦として三名の青年海外協力隊員が派遣されておりまして、看護技術向上に大いに貢献しているというふうに承知しております。
○常松克安君 これについては大臣、お聞き願っておけばよかろうと思います。内容を少し申し上げておきます。消防庁長官もお聞き願いたい。 これは実は、例えばインドネシアにおいて日本が海外援助した。これが国民の皆さんの命の大切さということで非常に喜ばれておるわけでありまして、外務省の一環のあり方もいいこともやっていらっしゃるんだ、このように敬意を表しておきます。 まず一つ。救急車の車が六千㏄なんです。日本は二千、よういって三千なんです。日本は貨物です、一応。向こうはいいスプリングなんです。それから第二番目は、この救急隊員の方々は気管内挿管をやります。心臓電気ショックも行います。それから注射はもちろんのこと、血圧もきちっとはかり伝送することになっています。心電図、これもセンターに伝送するようになっています。そして人命を助けている、こういう実態なんです。 じゃ、こういうふうなことをだれが指導してきたか。これは今日、大阪府立千里救命救急センターの所長でいらっしゃる太田先生が半年間にわたって、医者から救急隊員からこういうふうなもの、日本では何だかんだといって縦割り行政であってできぬ。その中でも一生懸命やっている。しかし、これを海外でそういう話を聞かれたときに、設計図からカリキュラムから教育から全部をやられて、今言われた陣容で多くの方々の命を助けていらっしゃる、こういう一つの実績なんですね。日本で今やっていらっしゃるんです。やっていますけれども、あれやこれやといろいろひっかかる問題がある。しかし、それを最初のスタートとしてやりますから、最初のスタートですから、何もかもあっちゃこっちゃ各省庁の整合性というておらぬでよろしい。人の命だという一点に絞って全部やっていらっしゃる、こういうことです。 さて、こういうふうな卑近な東南アジアの一例を、また日本の国がそういうふうなことの援助の中で生かされている事例を通して、今大臣もお話しになりましたが、これから東京消防庁のことを略して東消、東消と質問してまいりますから、よろしくお聞き届け願います。 東消におきまして救急業務懇話会から答申を受けておる。消防庁にありましては、分家の方が先にスタートしておる、分家の方が一生懸命やっておる、本家はどないなることやらと心配もありましょう。この答申内容の報告を受けていらっしゃると思います。これに対応してどういうふうに今後取り組んでいかねばならぬか、この一端のお考えを長官の方からお示し願いたいと思います。
○政府委員(木村仁君) 私ども、救急における傷病者の救命率を高めるということが現下の最大の急務であるという認識を持っております。かかる観点から、今回の東京消防庁救急業務懇話会答申も、救急隊員の行う応急処置について新たに導入すべき処置等を明確に提示しております。これは現代の社会的要請にもこたえ、これからの救急業務のあり方を具体的に示したものとして私どもは評価をいたしております。 自治省消防庁といたしましては、東京は最先進地でありますので、そういった御努力をしていただくのは大変ありがたいのでございますが、全国的な立場から救命率の向上を図っていくという考え方の中で、救急隊員にさらに高度の教育訓練を施しまして、その資質と申しますか、知識、技術を高度化し、そして救急隊員による救命処置の高度化、充実を図るという施策を講じていかなければならないと考えております。 そういうことでございますので、かねてから医療関係の専門家も含めた救急業務の将来像を考える懇話会、あるいは救急業務研究会等において検討を続けてきております。今回、現場を持ちます東消で御指摘のような答申が得られましたので、これも参考にしてさらに研究を進め、救急隊員による応急処置の充実、さらに自治省としては、特にそのための教育訓練システムの充実等について検討して、積極的な施策を講じてまいりたいと考えております。
○常松克安君 もう少し具体的にいきましょうか。何と何と何が答申の中に画期的な提案として提示されておるんでしょうか。また、それに対してどういうふうになされるのか、お願いします。
○政府委員(木村仁君) 第一は救急車による搬送中のプレホスピタルケアについて、ドクターカーシステムあるいはランデブーシステム、そして救急隊員による応急処置の高度化、この三つの方法があるが、少なくとも東京都における現状では、救急隊の教育の高度化による処置の高度化ということが一番適当な方法ではないかということを明確にした点が第一の画期的なことかと思います。 第二は、言うまでもなく、搬送中の応急処置の具体的な内容について示していることでございまして、例えば気道開放及び確保については、これまではほとんど一般の人々もやれる応急処置程度のものでありましたものを、気管内挿管でありますとか経鼻エアウエー、あるいはマギール鉛子等を使ったいわゆる第二次救急的なことをやるとか、あるいは循環補助につきましては、手による心マッサージから機械的心マッサージに高度化する。あるいは心電図、血圧、呼吸モニターを配備して伝送できるようにする。あるいは、いわゆる心室細動で、不整脈が出る細動について除細動という器械を使った処置をする、あるいは耐震血圧計による血圧測定をやる、こういったことが示されております。 さらに、そのために教育訓練の高度化をしなければならないということを明確にいたしておりますが、この面につきましてはなお今後研究をする必要があるというふうにいたしております。 いずれにしても、その三点で大変画期的であると評価しております。
○常松克安君 そこはそこまでとして、後ほどこれに対してはまたまとめて厚生省医事課長さんの方から医療行為に関するぎりぎりいっぱいの答弁があろうかと思います。期待いたしております。 次は、もう少し別な角度でもう一つ行きます。 警察庁にお尋ねいたします。国際交通安全学会からの提言において、特に救急医療体制に対しての提言があったと存じますけれども、簡潔にひとつ御説明を、また、それに対して警察庁はどう取り組もうとされているのか、お願いいたします。
○政府委員(関根謙一君) 国際交通安全学会の提言にあります救急医療体制の整備のうち、警察関係についての提言は、一般運転者に対しても、免許取得時及び免許更新時に応急手当ての実践的な教育を強化し、あわせて救急用品の車内積載を義務化すること等も有効であろう、こういうことでの提言でございます。 私ども、現在指定自動車教習所等におきまして、一般運転者ないし運転免許取得前の教育で一応の応急手当てを教えることとしておりますが、到底この水準にまでは達しておりません。そこで、漸次この水準に近づけるべく、これから努力をしてまいりたいと考えております。
○常松克安君 私は、救急医療体制についての提言を受けておると言うんですよ。よろしゅうございますか。免許証を出すとか、これでは全然すれ違いです。もしも私、この資料がなければえらいことなんです。それは、ああと言って終わっちゃうんです。そんなものは書いてないんですよ、私の求めている答弁の内容は。こう言っておるんです。「病院到着までの応急手当てがきわめて貧弱な点と、高い医療能力をもつ総合病院の救急部門の開設率が低い点で、重大な欠陥がある」、これが一つ。次は、「救急隊員の医療行為の制限を緩和、もっと幅広い応急処置ができるような上級の救急隊員の導入が有効」、ここを聞きたいんです、ここを言ってもらわにゃならぬ。大事なことです。 もう一つ聞きます。警察庁長官の肝いりで今回は西ドイツ並びにアメリカのパラメディックを調査、派遣されました、その方の救急医療だけの調査をした結果の報告書が届きました。日本の救急医療体制のいかに貧弱かの差、これだけを簡潔に、局長いつも申しわけございません、答弁が長うございますから、なるべく短く、私三十分しかないんですから。
○政府委員(関根謙一君) 西ドイツの救急医療体制ということで、被害者にできるだけ早く治療行為を受けさせることを目的として西ドイツではドクターカーの整備を推進していることでありますとか、それから航空医療活動を実施しているということで、ヘリコプターに医師、救急隊員にそれぞれ乗り込んでいただいて、年間に九千件近い交通事故負傷者の救護に当たっているということになっているとのことであります。
○常松克安君 まことにうがった、推測の域を脱しませんが、端的に申し上げます。 大体交通事故という場面をとらまえますと、一番早いのはやっぱりパトカーです、警察庁です。今までどっちかといいますと、過失の問題で、Aが悪いかBが悪いか、あるいはまた、それがどういうふうな違反案件かというだけのことが、今回考えまして、警察庁は、テレビにも出られるわ、いろいろな角度からお出になりまして、特に救急部門に対する発言が物すごく意欲的で、まことに結構なことですとおっしゃいます。 申し上げますが、警察庁の中で救急隊を、別働隊をつくろうと。遅い、消防庁に任しておいたらあかん、厚生省の医療行為でごたごたしておると。そうしておいて、こっちは交通事故で人の命が助からぬと指摘を受ける。もうたまらぬ、よし、こうなったらまことに大きなネットワークが全国にあるんだから、交通事故に限ってだけでも人の命は大事だということで、救急隊といいますかいいませんか、それは知りません。しかし、そういうふうな内部研究の過程でもあるんですか。率直に聞きます。
○政府委員(関根謙一君) 行政機関内部の事務配分の問題にかかわることかと存じます。警察も、国民の生命、身体、財産の保護を責務としておりますが、その観点から救急体制の整備ということも必要かと存じます。しかしながら、ただいまも申し上げましたように、行政機関内部の事務配分の問題等もございますので、今後関係省庁とその点につきまして御相談をしながら検討を進めたいと考えます。
○常松克安君 ちょっと重大な発言なもので、もう一遍お聞きいたしておきますけれども、大臣も心得てちょっと耳にしておいていただきたいんですけれども、厚生省はあるわ、そうして今まではどっちかというとパラメディックは消防庁。ところが今の御発言を聞いていますと、人の命ということに関しても大事だから警察庁も意欲的。まことに結構なんですけれども、問題の視点というのがしまいに各省庁とも食い違ってばらばらになってしまって、省庁という省庁皆言い出すと、まとまっていこうというところに、知恵を出し合っていこうとするときにだんだんだんだんセクショナリズムが拡大してしまうような懸念も持たざるを得ないんですが、もう一度局長さんにお聞きしますが、考えるというのは、よく打ち合わすけれども、警察庁としても無関心でおれません、非常に魅力を持った一つの働きという部門で今後基本的にベースに乗っけて考えていきますよと、こういうことなんでしょうか。
○政府委員(関根謙一君) 先ほども御答弁申し上げましたように、個人の生命、身体、財産の保護は警察の責務でございますので、救助活動というのは従来から一貫して行っているところでございます。その救助に伴いまして必要な応急処置としての手当て等は行う必要があると考えますが、なお関係行政機関とも相談をして積極的にどのように進めるべきか検討してまいりたいと考えております。
○常松克安君 ちょっとこれ以上言うとまたしつこくておしかりを受けそうなので静かにしますけれども、大臣、ちょっとまとめて一遍その辺のところお答え願えませんでしょうか、今。
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御指摘は人命第一、事故発生、駆けつけるものはまず警察、けが人が出た、今度は消防庁、そういった形の中で、いわゆる一体的運営という中で消防庁と警察庁は比較的一番密接にうまく連動しておる体系だと思っております、消防庁の長官を指導しているのも私ですし、公安委員会において警察をあれしているのも私の所管でございますので。しかしながら、今先生の御指摘は、パラメディックの問題一つとってみても、行政単位が違うためにばらばらで、万一その手違いのためにとんでもないことになるんじゃないか、したがって警察にも救急隊をつくれ、交通救急隊でもいいからつくれと、こういうような御指摘でもあろうかと思います。 しかし私は、一義的にはもちろん通報の入るのは交通担当の部署ではありますけれども、この間のいわゆる通信通報のシステムなりあるいは伝送のシステムなり、あらゆる形が一体的体制で運営されるならば、この二省庁間の問題点というのは、これからお知恵を承らなければなりませんけれども、比較的にスムーズにやり得るであろう。警察の交通隊員の中にもこういった訓練もすることも可能ですし、そしてこういった相互の情報連絡も密にすることも可能ですから、ひとつ人命第一の形で相互間の壁を取っ払ってこういう形の対応をしたらいかがかというような御提言もあれば、前向きに真剣に考えてまいりたいと思っております。
○常松克安君 まことに安心いたしました。私の提言はまた大臣逆でございまして、消防庁は営々としてネットワークで今日まで努力を重ね重ね来ておるものですから、そこへもってきて警察庁の方でまた別なものをつくられると余計混乱するし、第一消防庁の救急隊の立場ありゃせんやないか、こういうことを申し上げているので、大臣はそれは一義的にございませんとはっきりしていただきまして、これで安心しました。長官、安心してください、そういうことですから。消防隊の救急隊がなくなってしまうようなことになりませんから。 今度は、厚生省に来ていただいておりますので、今東消に対する答申及び警察庁に対する提言の中でどうしても医療行為という問題でのひっかかりがあるんですが、これに対しての基本的な見解を教えてください。
○説明員(丸山晴男君) ちょっと長くなって恐縮でございますけれども、現在の救急隊員の応急処置といいますのは、先生御承知のように、傷病者が医療あるいは医師の管理下に置かれるまでの間、緊急やむを得ない場合に短時間で効果をもたらすことができる処置を行うというようなことでございまして、この緊急やむを得ないものとして行う行為といたしましては、一種の刑法上の緊急避難ということで位置づけられているわけでございまして、この考え方は、人体に危険な行為であるけれども、その者の生命を救済するために行う必要な行為を安全に行う仕組みが医療の仕組みでありまして、そのような行為を行う場合にはそのために必要な医学的な知識、技術を備えた医師その他医療資格を有する者が本来行うものであるということを定めておりますのが医療の資格制度でございます。 救急隊員の行う応急手当てにつきましては、医療の管理下に置かれるまでの間の処置でございまして、現在のその手当ての範囲につきましては、搬送途上の救急車の中における行為として見ますと、現在でも人工呼吸、心マッサージ、酸素吸入等相等程度の広範な行為が定められておるわけでございますけれども、私どもも搬送途上の医療の確保につきましては大変重要な問題であると認識いたしておりまして、また種々の方策が考えられるとも思っております。厚生省としてもどのような方策が適当であるか検討をいたしているところでございまして、今回の東京消防庁の救急業務懇話会の答申は救急搬送現場からの一つの声であると受け取っております。 この救急隊員の行為の範囲につきましてはおのずから限度があると思いますけれども、いずれ同懇話会の答申を受けた都の消防庁あるいは全国の搬送業務の指導にあたっておられる自治省消防庁から私どもにも連絡協議があろうかと思っておりますので、十分説明を伺いながら話し合いをしてまいりたいと思っております。
○常松克安君 今いろいろ各省庁あるいは大臣の方から御答弁いただきましたことをベースにいたしまして、五月半ば過ぎ、予算委員会で私は改めて総合的にまた質問させていただきたく存じます。 なお、まとめてあと一点だけ厚生省に申し上げておきますけれども、これは予算委員会での答弁に連動していきますから。 昭和三十三年に医務局長は注射を打ってよしという通達を消防庁に与えておる。いつ消されたんだろうか。あるいはまた、スーパーでは血圧計を売っておる。ところが救急隊の生きるか死ぬかの真剣勝負のときにそれは医療行為でだめだとおっしゃる。そんなものをはかって、振動のえらいところで上下狂ったらあかん。ですから、東消は提言の中に、最近はがたがたしても安全装置がついておる、ぴしっと振動抜きにとれるものをというわざわざそこへ字句をつけていらっしゃる。こういうふうに非常に今幅の広い、前へ突っ込んでいただいて、本当に課長さんに感謝申し上げます。勇気ある、踏み込んだ、いまだかつてそんな救急隊に対する答弁はなかったんですから、物すごく中へ入っていただいた答弁をありがたくちょうだいいたします。 せんだって厚生省においても、この問題は重大だとして東大名誉教授の浅野先生を座長にして救急医療体制検討会を開きました。そこで今申し上げました太田先生なり東消の幹部からいろいろなコンパクトの意見を聴取して、みんなが言う救命率を上げるためにどうするかということを、縦割りを一切乗り越えてこういうふうな問題を討議していこう、こういうふうなことをしていただきました。これは感謝にたえないことであります。後ほどまた予算委員会でいろいろと答弁を要求することがあろうと思います。よろしくお願いします。 以上でございます。
○神谷信之助君 それでは、現在政治の焦点である日米協議、それにかかわる二つの問題について質問をしたいと思います。 まず第一の問題は、昨夜決着がついたという木材交渉のうちの木造三階建て建築の問題、これについてお伺いしたいと思うんですが、どういう内容で決着したのか、ほかの問題は別にして三階建て建築の問題だけ。それはどういう段取りで実施なされるのか、簡単に答えてもらいたいと思います。
○説明員(山中保教君) 昨夜決着いたしましたもののうち木造の三階建て共同住宅につきましては、一九九一年度までに防火、準防火地域の外でこの共同住宅の建築を限定的に認めていきたいということでございます。この場合、規模につきましては五百平方メートルから千平方メートルの間に、建物は敷地の境界から後退距離といたしまして三メートルから四メートル、それから一時間の耐火性能、それから二方向避難等の条件を付しまして限定的に認めたいというふうな中身でございます。 それから、九三年度までは、同じく防火、準防火地域の外でございますけれども、条件といたしましては規模を千平方メートルから三千平方メートルの間で、敷地境界からの後退距離あるいは耐火性能、二方向避難等につきましては九一年度のものと同じでございますが、そういう条件を付して一般化を図りたいということで決着を見たものでございます。
○神谷信之助君 きのう建設省からお聞きをしたところでは耐震耐火、いわゆる安全性の確保の問題、これについて日本側は相当期間を必要とする、それが一つのネックだという御報告だったんですが、結局今おっしゃった合意というのは、安全性の問題についてどういう形での合意になったわけですか。
○説明員(山中保教君) 今回行われました協議において、私ども建設省といたしましては、我が国がたび重なります災害によって教訓を得て、細密な国情に即しました安全基準を定めておる、この水準を下げることはできないけれども、安全性の確認されました新材料、工法はこれまでも積極的に建築基準の中に取り入れてきたところでございまして、今後とも技術開発の進展に対応して建築基準の見直しを実施する、こういう基本的な考え方で協議を続けてまいりました。 先ほど御説明をいたしました木造の共同住宅の三階建てはこの基本的な考え方に基づくものでございまして、現在建設省において新木造建築技術の開発プロジェクトという技術開発をやっておりますが、その技術開発の成果を踏まえて認めたものでございまして、これからこの決着に基づきまして具体的な法令の基準等の見直しを進めていきたいというふうに思っております。
○神谷信之助君 消防庁に聞きますが、今話のあった技術開発のプロジェクトに消防庁も参加されますか。消防庁は今言った耐震耐火、いわゆる防災上の観点というのは当然お持ちになっているわけです。九一年それから九三年を目指してやっていくということになっているんだけれども、例えば防火戸の方は政令ではもう決められているけれどもテストはまだやっていない状況だという報告を建設省から聞きました。それから木造三階建ての場合は、それはまた政令改正が必要で、まだ現在今のプロジェクトで検討中だという報告なんです。 そこで、九一年、九三年というこの期限の中にそういった問題についての安全性の担保が確実にできるのかどうか。この辺では消防庁の特に責任は重大だというふうに思うんだけれども、その辺についてはどういうようにお考えですか。
○政府委員(木村仁君) 昨夜の合意について御説明を建設省からいただいておりますが、対象地域が防火、準防火地域を除くこと、あるいは一時間耐火性能及び二方向避難の問題が明確にされていること、さらに従来からの性能基準の原則に立つということで、従来建設省から、我が国の稠密な国情に即した安全基準の水準を下げることはできないが、今後とも技術開発の進展に対応して建築基準の見直しを実施する用意があるという基本姿勢で進んでいただきましたことを評価いたしたいと存じます。 先ほど御指摘がありましたように、建設省の研究会等には当然参加させていただきますし、さらに基準の見直しにおいては御協議をいただくものと考えておりますので、消防の安全の見地から十分御意見を申し上げたいと存じます。いずれにいたしましても、建築基準の関係と消防の関係は不即不離の問題として協調してやっておりますので、十分に検討を加えさせていただきたいと存じます。
○神谷信之助君 この問題で最後にちょっと自治大臣にお聞きをしておきたいと思うんですが、二十四日の閣議の後に綿貫建設大臣が記者会見をなさって、その記者会見の中で今の三階建て建築の問題について、一体政治協議なのかあるいは事務協議なのかわからぬ、三階建ての譲歩案にしても消防庁の反対を押し切って作成した、事務レベルではこれが限界だ、政治決断をしようにも交渉の内容の詳しい報告は官邸からも外務省からもないという発言をなさったという報道があるんです。これは二十四日、つい先日です。だから、この時点では安全性などを確認できないまま政治決着なんか行うことはできぬという意味で建設大臣はおっしゃったんだろうと思うんですけれども、それがゆうべ、急転直下解決、協議成立ということになったわけです。 しかし、今消防庁長官は、安全性の担保については十分消防庁としても意見を言うし、頑張る、責任を持ってやるという趣旨の発言がありましたけれども、安全性がはっきり確認されないままの政治的決着というのは、これは消防庁を所管されている自治大臣としても許すわけにいかぬだろうと思うし、この耐震耐火の安全を担保するための実験、テストも繰り返さなきゃなりませんし、最低の必要期限というものも要るわけで、それを無理やり短縮してしまうということはそういった危険を国民にもたらすことになります。だから、三〇一条の適用除外のためのやむを得ない政治決着ともしおっしゃるのならば、それは結局のところ三〇一条というドスを突きつけられて屈服するという主権の侵害にもかかわる極めて重大な譲歩と言わざるを得ないようになります。 したがって、自治大臣としては、今消防庁長官も言っていましたけれども、安全性がはっきりするまでは、九一年度や九三年度という期限が仮にあろうがなかろうが、これはきっぱりとした態度をとらないと、国民の安全を守るという政府の責任も果たすことができないだろう、こういうように思いますので、この点要請を込めてひとつ大臣の見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 私も二十四日の閣議でこのことが余り問題になったという記憶はありません。ただ、もし建設大臣が木造三階建ての安全性を確認するまではイエスともノーとも言えないというような形で記者団に発表されたとすれば、それはそれなりに当然担当大臣としての見識であろうと思っております。 消防庁を所管する立場の私も、そういった木造三階建てのアメリカ側要望に対して、安全性なり耐震性なりというものは当然確保されるという前提に立ってやっていくわけで、普通三階部分の住居部分に対しては特に防火上の必要設置をするとか、あるいは一、二階の使用材料に関しては耐火というか、火に強い材料を使用させるとか、いろいろな形でそれはお互いに相談し合わなければいかぬことだと思いますけれども、もちろんそういった形の決定に対しては、耐震耐火、あらゆる意味において安全性を考えた上で担当省との協議に乗るという基本姿勢でまいるつもりでございます。
○神谷信之助君 第二の問題は、大店法の規制緩和問題であります。この問題はいろんな角度から議論を今日までやってきていますが、きょうは地方自治の角度から質問したいと思います。 通産省にお聞きをしますけれども、地方公共団体の独自規制について通産省の方で平成元年の三月末現在の調査をなさったようですが、県と市町村を分けて、大店法の上乗せ規制、それから横出し規制それぞれ幾らあるのか、その点についてまず報告してもらいたいと思います。
○説明員(金子和夫君) お答えいたします。 地方公共団体の独自規制の概要につきましては、通産省調べによりますと、まず全体で千百三十一、そのうち県でやっているものが三十五、それから市町村でやっているものが千九十六ということでございます。
○神谷信之助君 上乗せ規制と横出し規制、それぞれ県、市町村別に。
○説明員(金子和夫君) まず、上乗せ規制すなわち大店法の対象としております五百平方メートル超の店舗を対象としている規制につきましては、県が十二、市町村が百五、いわゆる横出し規制、五百平米以下の店舗を対象としているものが、県が二十三、市町村が九百九十一ということでございます。
○神谷信之助君 この上乗せ規制、横出し規制という通産省の判断の基準、これはどういうことでしょうか。何をもって上乗せ規制あるいは横出し規制というように考えておられますか。
○説明員(金子和夫君) 今お答えいたしましたように、上乗せ規制というのは、大店法の対象としております店舗、これはすなわち五百平方メートル超でございますが、その店舗を対象として地方公共団体の規制があるもの、それが上乗せ規制というふうに考えているわけでございます。 それからいわゆる横出し規制につきましては、五百平方メートル以下の店舗を対象として地方公共団体の規制がなされているものというとらえ方でございます。
○神谷信之助君 そうすると五百平方米上と下とこうやっているんだから、いわゆる千百三十一というのが地方公共団体の独自規制のすべてであるということが言えるわけですか。あるいはそれ以外に何か独自の規制をやっている地方公共団体があるということになるんですか。
○説明員(金子和夫君) いわゆる地方公共団体の独自規制につきましては種々の観点からなされているかと思いますが、これは私どもの範囲で調査したものでございまして、大店法に関係する規制というとらえ方でございます。
○神谷信之助君 今大店法を問題にしているんですから、大店法にかかわる独自規制というのはもうこれですべてだということが言えるわけですか。あるいはこれ以外の規制というのはあるのか、あるとすればどんなことをおっしゃっておるのか。
○説明員(金子和夫君) 今申し上げましたように、大店法の規制に関係する地方公共団体の規制ということで通産省の方で調べたものでございまして、そのほかいろんな観点から独自規制はなされているかと思います。しかしながら、大店法関係で我々の範囲で把握しているものは先ほど述べました数字ということでございます。
○神谷信之助君 これは先に自治省に聞きましょうか。憲法九十四条に基づいて地方自治法の十四条一項で「普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。」ということで、条例制定権が載っていますね。それで商業活動の調整の問題については、地域の実情に応じて個別具体的に行われる必要があるという極めて地域性を有している。したがって地方自治法の二条十三号の産業の振興に関する事務あるいは同十七号の消費者の保護に関する事務を行うことに該当するというように自治省はお考えになっているようですが、この大店法に関連する条例の規制内容、これは地方公共団体の事務に含まれるというように思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(森繁一君) 今委員お示しのように、地方団体は憲法、それから地方自治法上条例制定権があるわけでございます。条例を制定いたします場合には、当然地方公共団体の事務ということでありますけれども、この大店法に関連する事務というのは地方公共団体の事務、こういうふうに理解して条例をつくっているというものでございます。ただ、大店法自体の枠内の問題というのは機関委任事務でございますので、それを除きました箇所につきましては地方団体の事務、したがって条例制定権ありということになります。
○神谷信之助君 通産省にお聞きしますけれども、通産省の方の考えは、いわゆる大店法に基づく規制の緩和という点は自治体の条例を全廃しようとお考えなのか、あるいはそうでないとすればどのような条例なら認められるというようにお考えなのか、この辺はいかがですか。
○説明員(金子和夫君) お答えいたします。 私ども先般の日米構造協議の中間報告に盛られておりますように、まず大店法につきまして運用適正化措置などをとることとしておりますが、その国の法律の適正化と相まちまして、大店法の趣旨に照らしまして、地方公共団体の規制の中で行き過ぎた規制についてはその是正を指導するということで考えておりますので、その方針でやっていくというふうにしております。
○神谷信之助君 それでは自治省に聞きますけれども、実際の条例をつくるときには、当然自治省にもいろいろ相談があろうかと思いますけれども、法律を超えた、いわゆる違法の条例をつくるというような場合については、自治省としてはそれに対して指導、助言を当然なさっておられるんじゃないでしょうか。その点はいかがですか。
○政府委員(森繁一君) 一般的に地方団体が条例を制定いたします場合に、個々の条例全部につきましては私ども実は相談を受けるようなそういうシステムにはなってございません。ただ、非常に法律的に難しい、判断を要するとか、そういうものにつきましては個別的に相談に応ずるということになっております。いずれにいたしましても、法令に違反しない限りとか、そういう条件の範囲内での条例の制定権ということでございます。
○神谷信之助君 それで自治省としては、千百三十一自治体で独自規制の、独自規制の中には条例でない要綱もあるかと思いますけれども、少なくとも条例については違法の条例はあるというように認めますか。違法である条例、それは存在するとお考えですか、いかがですか。
○政府委員(森繁一君) 今委員お示しのように、県、市町村、いろいろ独自規制をやっておりますが、実は条例でやっておりますところもありますれば、条例以外のその他の措置でやっておるところもございます。県段階では条例で規制をしておるところはございません。市町村ではあるようでございますけれども、その市町村の条例すべてについてチェックしたわけではございませんので一概には申しかねますが、私どものスタンスとして申し上げますと、大店法がありましても、それに直接関連する部分は除きまして、当然に地方団体の条例制定権があるわけでございますから、その条例をつくるということをもって直ちにその条例が法令違反ということにはならないと考えております。
○神谷信之助君 一般論としてはそうなんだけれども、現実に自治体は条例をつくっておるわけです。そして今通産サイドからは盛んにやかましく規制緩和の問題でおっしゃっているわけです。現に昭和五十二年の三月二十六日の政府の統一見解が出ていますが、ここで「当該地方の小売業の特有の実態を踏まえた上、合理的と考えられる内容を有する条例を制定して規制を行うことは、ただちに違法であるとは言い難いと考える。」というのが通産省も含めた政府の統一見解だったわけです。それで来ているわけです。 したがって自治省はこの立場で条例についての判断もお考えになっていると思うし、もし違法な条例が仮に制定されておったとすれば、それ自身問題になって、自治省にも当然県を通じてでも問題になってくるでしょう。したがって現実にそういう問題で自治省としては違法の条例だと指摘をした、指導あるいは助言をした例がないということは、現存する自治体の条例というのは違法とか、いわゆる統一見解を外れるようなそういう条例ではない、そういうものはないというように判断していいのではないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(森繁一君) 先ほど申しましたように、すべての条例を当たっておるわけではございませんが、私ども自治体がその権限の中で議会の議決を得て条例をつくっておりますものでございますから、その限りにおきましては違法な条例というのはないものと、こういうふうに信じております。ただ中身によりましては、先ほどの統一見解にもございましたように、「合理的」という文句が入ってございますが、その合理的の面でややともいたしますと行き過ぎたものがあるんではないかなと、こういう懸念はいたしております。
○神谷信之助君 もう時間が余りありませんから大臣にお伺いをしておきたいと思うんです。 問題は、大店法が許可制だったのが届け出制になって、その時期にいわゆる大型店ラッシュ、あるいはさらに五百平米になったときに規模が五百平米未満の出店ラッシュというのがだあっと出てきて、それがその地域の商店街の方々との紛争を招く、そういう事態がずっと広く大きくなってきて、いわゆる上乗せとか横出しと言われるような規制が、地域の町を壊さない、あるいは地域の小売業者の利害と結びついて一定の規制をせざるを得ない、そういう状況で生まれてきたと、こういうように私は思うんです。 ただ問題は、大店法では売り場面積とか開店日、閉店時刻、年間休業日数、これだけが規制になっているのです。ところが実際の場合、市町村の場合でいきますと、都市計画からいうてどうなのか、適当かどうかという問題がある。それから消防の観点がありますね。この間の尼崎のスーパーもそうですけれども、消防車が入れないでしょう。だから十五人の死者が出るというそういう状態が起こる。あるいはそこへばんと大型スーパーが来ると交通渋滞が起こってどうにもこうにもならぬという問題が起こる。したがって極めて都市計画上大きな問題だと。 それからもう一つは、商店街自身が寂れていくという例も出てくるし、廃業がふえるという問題で町壊しが始まる。こういう問題が起こってくる。いろんな状況から、そういう都市計画、都市政策上の観点というのが大店法そのものには含まれていませんから、町を形成するそういう責任を持つ自治体としては、一定のそういった規制なりなんなりを考え、そして調和を図り、共存共栄の道を進めていくということが必要欠くべからざるものになってきて現状が生まれてきたというように思うんですよ。 横出し規制なんかですと、五百平米未満のコンビニエンスストアなどこれがどんどんつくられていく、そうした場合、通産省はそれは商調法があるんだから商調法でやれや、こういう話ですけれども、しかし商調法はできてから文句があったら調整しましょうということですから、できる前にそういう紛争を未然に防止をするため、地域の町づくりを進めていく上でこれは必要欠くべからざるものだ、こういう点を考えてみますと、通産省が言っているようなそういう現在ある条例やあるいは指導要綱などというような規制、その存在が問題なのではなくて、現実にこの実態に合わない、今言いました売り場面積と開店日と閉店時刻、年間休業日数だけに限定をしたようなものではなくて、都市計画の観点なり防災の観点あるいは交通渋滞などそういった問題を含めたような大店法にすることが必要になっているんじゃないだろうか。そして、その点では知事あるいは市町村長、その地域の実態をよくわかっている者、そこに許可権限を与えて、そして町づくりとあわせて進めるという観点が必要なのではないか、こういうように私は思うんですけれども、この辺についての大臣の見解を聞きたいと思うんです。
○国務大臣(奥田敬和君) 先ほど行政局長が答弁しておりましたように、地方自治の原則尊重の上から、やはり法に違反しない限り自治体の決議は尊重さるべきものだという基本姿勢はそのとおりであろうと思います。そしてまた、国の法令が改正されるということになれば、その経緯、内容にかんがみて、それは自治体の方においてもそれなりの指導をしてまいらなきゃならぬと思います。 ただ、先生後段に言われましたように、小売店舗、大店舗という差別の内容は別として、本来あるべき姿はやっぱり共存共栄でやってもらわにゃ困る。そしてこの大店法ができた趣旨は地域小売商の激変緩和と申しますか、こういった形で生まれてきた法の趣旨であろうと思っております。 ですけれども、消費者の声がありませんから、商店街の皆様の声ばっかりが今聞こえてくるような、どうしても団体からの声というのは大きくなりますけれども、消費者の声というものを大事にしなきゃいかぬだろう。消費者は価格が安く、サービスがよく、そしてできることなら品ぞろえも豊富で、将来それによって値が下がるというような期待感というのがとても大きいわけでありますから、当然地域のそういった都市計画上の問題、そして大店舗と小店舗の共存共栄のあり方はどうしていくか、地域商店街の活性化は地域自治体の責任者としての最大の仕事でもありますし、こういったもろもろの点を考えて、今日の形において大店法が、日米報告の中での結果は別としても、どういう方向で改正されるべきであるかということに関してはもちろん重大な関心を持ってこの問題を見つめてまいりたいと思っております。
○神谷信之助君 もう時間がありませんから答弁は要りませんが、ただ一言言っておきたいのは消費者の利益という問題です。これはもう時間がないのでくどくど言いませんが、衆議院の予算委員会でうちの正森議員が具体的に挙げましたよ、東京都の小売の価格調査とか商業マージン率の問題とか、それから寡占化が進めば価格がかえって上がっていくという問題とか、実際消費者の利益になるのかどうか、一時的にはなっても長期的に見ればならないよという問題もいろいろあります。それだけちょっと指摘をしておきます。 私も消費者の利益が大事だ。消費者はその地域住民です。小売商店業をやっておられる方もまた住民です、一緒に消防団をつくり、町内会をやり、そして一緒に町をつくっておられるわけですから。その点ではまさに一緒になって、それでサービスを悪くしたら町におられぬようになりますよ。大型店は関係ないですけれども、小売業者の人なんかは向こうがサービス悪いよといったら商売いかぬようになりますからね。だから本当に消費者の利益はどこにあるのかという点ではもっと研究していく必要があるというように思います。それだけ申し上げて私の質問を終わります。
○諫山博君 法務省に一番に聞きます。 きのう日航機墜落事故で、前橋の検察審査会が、不起訴にしていたのは不当だという議決をしました。私はテレビを見ていましたけれども、遺族たちは涙を流して喜んでいました。かたき討ちをしたいというんじゃないんだ、こういう事故が再び起こらないようにきちんとしていただきたいんだという談話がテレビで発表されています。 きょうの日経新聞を読みますと、「議決に強制力はないが、七百八十五人もの遺族の申し立てを受けて審査会が出した「民意」を、地検が再捜査にどう反映するかが焦点となる。」、こう言われております。これが多くの国民の感想だろうと思います。 検察審査会が不起訴不当という議決をして検察庁が再捜査をする。ところが、これが起訴に至る例は非常に少ないというのが統計上あらわれております。私は、本件では本当に捜査を尽くして、遺族なり国民の期待にもこたえるような処理をしてもらいたいということを要望しますけれども、法務省いかがでしょう。
○政府委員(根來泰周君) 問題の日航機の事件については、事故原因も明確でありますけれども、その原因を作出した者がだれであるか、あるいはその者について過失があるかどうかというところが争点でございます。 仰せのように、昨日、前橋検察審査会におきましてボーイング社のAOGチームの関係者あるいは日本航空の関係者四名につきまして不起訴不当という議決が出たことも十分承知しております。私どもも、その原因がどうであるかということについては十分手を尽くして捜査したものと考えておりますし、また検察審査会の審査に当たりましても、担当した検察官あるいは検事正が席上に出席いたしましてその事情も十分説明いたしたところでございまして、その審査会の真相解明にも十分協力してきたつもりでございます。しかしながら、こういう議決が出ました以上、さらに審査会の検討を踏まえまして慎重に、かつ時効も迫っておりますので適正に処理するものと期待しております。
○諫山博君 私は事件の内容は新聞で報道されている以上のことは知りません。ただ、新聞の解説によりますと、ボーイング社の関係者は「関係証拠から本人を十分特定できると判断した。」、こうなっております。日航関係者では「職務上の義務を尽くしていれば、修理ミスを発見できた可能性があった」、これが新聞の解説です。つまり、事実認定の問題もありますし、業務上過失罪の法律評価の問題もある。そして検察庁は検察庁の立場を説明したけれども、検察審査会はそれを入れなかったというのがきのうの結論です。 こういう場合は、起訴するかどうかは検察官が独占しているわけですけれども、やはり判断を裁判所にゆだねる。これは根拠なしにゆだねてはいけませんけれども、これほどの問題になっている事件であるし、検察審査会がこういう結論を出している場合には、検察庁だけで結論は出さない、判断は裁判所にゆだねる、こういう態度も必要だと思いますけれども、この点はどうでしょう。
○政府委員(根來泰周君) 仰せの点は、検察権の行使についてどういう確信を持って裁判所へ公判請求をするかという基本問題に触れるわけでございます。そういう点で手抜かりがあった場合は国家賠償法ということで責任も追及されるわけでございますが、仰せの点は十分私どもの部内でもいろいろ従来から検討しているところでございますし、またこの事案に即してもいろいろ考えるところがあろうかと考えております。
○諫山博君 次に、犯歴データの問題です。 当委員会でこの問題は随分議論されました。そして警察の方では行政処分、懲戒処分をしたということが新聞に報道されたし、私も処分の内容を文書でいただきました。そこで、きょうはこの問題の中で、懲戒処分の対象となった事実は何であったのか、警察庁はどういう事実を把握して懲戒処分をしたのか、この問題に限って説明してください。
○政府委員(仁平圀雄君) まず、大阪の事案についてでありますが、当事者の関係といたしましては、藤田克彦警部補につきましては照会回答出力表によりまして三十数人分の個人情報を、また電話によりまして数回にわたって七、八人分の個人情報の概要をそれぞれ依頼者に通報したことにより諭旨免職処分にしたものであります。西山衛警部補につきましては、電話によりまして数回にわたって三、四人分の個人情報の概要を依頼者に通報したことにより減給処分に付したものであります。また、山口瑞穂警部補につきましては、電話による数回にわたっての約十人分の個人情報の概要を依頼者に通報したことにより減給処分にしたものであります。また、大阪の事案につきまして、関係幹部の監督責任といたしまして、現警察本部長以下を戒告処分等に付しておるところであります。これはいずれも監督責任ということでありますので、説明は省略させていただきます。 次に、香川の事案についてでありますが、当事者である木村次郎警部補につきましては、数回にわたって四、五人分の個人情報を依頼者に閲覧させたことにより諭旨免職処分に付したものであります。また、この香川の事案につきましても、関係幹部の監督責任を追及しておるところでありまして、現本部長を戒告処分にいたしましたのを初め、関係幹部の処分をいたしております。 以上でございます。
○諫山博君 警察官で実行責任を問われた者は何人か、さらに流出された犯歴データは何人分だったのか、数だけ教えてください。
○政府委員(仁平圀雄君) 当事者関係といたしましては四名を処分いたしておるところでございます。また、漏えいいたしました情報の数は、ただいま申し上げました分を合計するわけでございますが、合わせまして約五十名ぐらいの関係になろうかと思います。
○諫山博君 法務省に質問します。 この事件は検察庁で不起訴にされました。検察庁はどういう事実認定をして、なぜ不起訴にしたのか、説明してください。
○政府委員(根來泰周君) この二つの事件は、大阪府警あるいは香川県警から検察庁に送致になった事件でございます。 まず、大阪地検の関係でございますが、これは警察から送致になった事実と少し認定を変えて認定しております。といいますのは、証拠上送致になった事件の全部が認定できないという見解であろうと思いますが、ただいま警察からお話がありました警察官が、その金融会社といいますか、そこの関係者に対しましてある人の犯歴、経歴等に関する個人照会回答結果が記載された照会回答出力表一通を交付して、職務上知り得た秘密を漏えいし、それに対して今度はその金融会社の職員が、今の警察官の上記の犯罪に際しまして、その警察官に対して個人照会回答の結果の漏えいを要求して、その旨決意させて秘密漏えいを教唆した、こういうことでございまして、地方公務員法違反ということでございます。 それから、高松地検関係でございますが、これは警察から送致された事実と同じ事実でございまして、香川県警の警察官がある人から依頼を受けて、ある人の情報を印字した調査結果を閲覧させたということ、それからその金融会社の職員が警察官に対してそれを見せてくれということで依頼をしたというようなことでございます。そういうようなことで、これも地方公務員法違反ということで事実が認定されまして、結局二人は起訴猶予になったわけでございますが、警察官二人は既に諭旨免職といいますか免職処分を受けておる、あるいはその金融会社の職員も辞職している。それから改悛の情が著しい。警察側もこういうことについては、今後こういう事件が起こらないように再犯の防止といいますか、そういうことについて十分検討し実行に移している。こういう諸般の事情を考慮いたしまして起訴猶予にしたものと承知しております。
○諫山博君 検察庁の認定では何人分の犯歴データが流出したということですか。
○政府委員(根來泰周君) ただいま申し上げたように、大阪府警の関係では一人でございます。それから香川県警の関係では二人分の犯歴、経歴情報を印字したものを閲覧させた、こういうことでございます。
○諫山博君 私もこの数字をきのう聞いて驚いたんです。警察の認定と検察庁の認定が極端に違う。どこからその違いが出てきたのかということです。 もう一遍確認しますけれども、警察の方では大阪関係で一人分の流出ということを検察庁に報告したわけではないんでしょう。送検するときは何人分ということで送検しましたか。
○政府委員(仁平圀雄君) 送検した関係はただいま法務省の刑事局長が答弁申し上げたとおりでございます。 そのように絞られました理由というのは、つまり、これは送りました罪名は地方公務員法の秘密漏えい罪なり秘密漏えいの唆しでございますが、証拠として立証できなかったということでございます。事件として立件するに足る証拠の収集ができなかったということでございます。
○諫山博君 あなたの説明だとすれば、証拠が固まらなかったけれども処分をしたということになりますよ。薄弱な証拠に基づいて処分をしたと。私は前回この委員会で、私も流出した犯歴カードを持っている、こう言いながら六名分を示しました。私の手元に六名分あったのに、検察庁の認定ではどうして三名分しか認定できなかったんですか。私はきのうこの話を聞いて、警察が協力をしなかったのかな、警察が検察庁に対して事実を握りつぶしたのかなという感想が一つです。もう一つは、検察庁が警察に十分な取り調べをすることができなかったのかなというのが二つです。私の手元にさえ六人分のカードがあるのに、なぜ検察庁は合計三人分しか認定しませんでしたか。検察庁に質問します。
○政府委員(根來泰周君) 先ほど申しましたように、警察からの送致事実と検察庁の認定が違うわけでございまして、警察が握りつぶしたといいますか、そういうお言葉を引用させてもらうと、そういうことではなくて、警察からは九名分でございますか、送致を受けたわけでございます。しかし、いろいろ調べましたところ、その九名分についてはいろいろ本人たちの弁解もあるわけでございますので、厳密に申しますと、そのうち裁判にかけられるような事実というのは先ほど申しました特定の人間の分だけだ、こういうことであります。
○諫山博君 これから先はもう水かけ論になりますけれども、警察は懲戒処分をしたんですよ。諭旨免職の人もいるんですよ。何十名分の犯歴データを流出したということで懲戒処分をしているんです。ところが、何となく証拠が薄弱だったみたいな説明だし、検察庁に行けば合計わずかに三名と。 そこで、この問題は私は押し問答しませんけれども、この問題について警察庁として通達を出しましたね。私のところに届けられたのは次長通達と関係課長通達、この現物を持ってきてくれと言ったら、現物を持ってきてくれないんですよ。一部分を要旨だけ書いて届けてくれました。現物を持ってこれないのですか。
○政府委員(浅野信二郎君) 私ども、通例内部の通達につきましてはそのままの形で外部にお示しするということは避けております。ただ内容によりまして必要な場合には、どういう内容が書いてあるかということを御要求によりましてお知らせするという形でそういう方法をとったものでございます。
○諫山博君 国会でこれだけ議論され、そして再発防止に努めますということになって懲戒処分まで行われて、警察内部でどのような再発防止の措置がとられたのか、現物で説明できないというのは私は納得できません。警察庁長官、どうです、外に出せないものですか、これは。
○政府委員(金澤昭雄君) ただいま官房長からお答えをしましたとおり、内容については細かく御説明をしたと思います。どういう内容についてどういうことをだれに徹底をさせたかということが御要求の重要な部分だというふうに判断をして、官房長の方で答弁をしたような形でお答えをしたものと思います。要は中身の問題というふうに考えております。
○諫山博君 国会に出せないということは、警察の問題については批判を許さないという態度ですよ。 さらに、この問題に関連しまして監察についての訓令というのが警察庁から出ている。この訓令を持ってきてもらいたいと要望しましたら、これまた訓令は来ませんでした。要旨だけが届いております。こういう問題は国会にも出さないんですか。長官、答えてください。
○政府委員(金澤昭雄君) ただいまもお答えをしましたとおり、内容については詳しく御説明をしておるものと思います。どういう内容についてどういうふうにしたということを御要求になった、こういうふうに解釈をして、そのとおり内容についてお答えをした、こういうふうに理解をしております。
○諫山博君 例を挙げれば切りがありません。警察職員の服務規程を見せてもらいたいと要望しました。ところが、この服務規程も届けてもらえないのですよ。服務規程がなぜ私に渡せないのですか。なぜ委員会に出せないのですか。これも長官お答えください。
○政府委員(仁平圀雄君) 服務規程につきましても、大変部内の実務的なことが多いわけでございまして、警察の活動の中身等が外部に漏れるという問題もあるわけでありまして、これは内部に徹底させればいい問題でございますので、一応御提出は差し控えさせていただいたわけでございます。
○諫山博君 委員長に要望いたします。 私は警察行政の問題を議論するためには、こういう内部資料を見ることがどうしても必要だと思うのです。後で理事会で出していただくように検討してください。
○委員長(渡辺四郎君) 後ほど理事会で検討いたします。
○諫山博君 次に、ほかの問題です。 フェリス女学院の弓削達学長さんのところにけん銃の弾が撃ち込まれました。いろいろ調査したところによりますと、これはたまたま嫌がらせにけん銃を発射したというのではなくて、弓削さんが部屋の中にいて、踏み台に上って本をとろうとしていた、その影がガラス窓にシルエットとして映っていた、弓削さんがおりた直後に二発のけん銃の弾が発射された、こういうことが報道されております。そして、きょうの新聞では木村武士という右翼団体の元幹部をしていた人が逮捕された。この男は、弓削学長の家で発見されたけん銃の弾と同じ口径の弾を三発持っていた。つまり、木村何がしが五発の弾を持っていたけれども、二発は使われていた、三発が残っていた。そういう事実が報道されて、新聞などはこれが犯人じゃないかという言い方をしております。それだけではなくて、弓削学長さんのところに警察庁から犯人を逮捕しましたよという、電話かどうか知りませんけれども、とにかく木村を逮捕しましたという連絡があった。そうすると、どうも常識的にはこの男が犯人ではなかろうかと思われるわけですけれども、特定できましたか。
○政府委員(城内康光君) ただいま御質問にありましたように、昨日夕刻警視庁におきまして元右翼の団体の事務局長をしております四十九歳の男を銃砲刀剣類所持等取締法違反ということで検挙をしております。本人がけん銃を持っておりまして、実弾の三発とそれから空薬きょうが二発あったという点はただいまの御指摘のとおりであります。 現在取り調べ中でございますし、いろいろな供述があるわけでございますが、そういったものにつきましては、私どもの言葉で言えば裏をつけると申しますか、はっきりさせるような過程が必要でございます。また、そのけん銃につきましてもいろいろと鑑定をするというような手続が残っております。しかしながら、状況から申せばそういった犯人である疑いというものは極めて強く持たれるような状況ではある。ただ、私どもが断定をするというときには、やはり人権にもかかわることでございますので慎重でなければならないということで、断定するというところまでは至っていない、こういう状況でございます。
○諫山博君 もう一つだけ事実を質問します。 新聞では口径が一致した、こう書かれていますけれども、口径が一致するだけではまだ不十分だと思いますけれども、同一弾丸だということは特定できましたか。
○政府委員(城内康光君) 一般論でございますが、口径が一致したと申しましても、例えば二十二口径、三十八口径、いろいろあるわけでございますが、ただそれだけではいけなくて、やはり発射痕といいますか、けん銃の中にライフル溝が切ってありますので、そういったものがその弾丸にどういうふうな、同じ銃口から発射した弾丸のそういった痕跡というのは皆同じでございます。ちょうど指紋みたいな格好になるわけでございますが、そういったところをしっかりと鑑定しないとなかなかはっきりしたことは言えない。ただ、常識的に申せばそういう状況が大変強いということで、弓削先生のところには関連するかもしれないということで、これは御連絡を申し上げるのが当然のことと思っておるわけでございます。
○諫山博君 警察庁長官に幾つかのことを要望します。 私は、これは単独犯ではないと思います。例えば、脅迫のはがきがしばしば舞い込んだ。それから銃弾が撃ち込まれた後も手紙やはがきが来たし、電話がかかった。そして、はがきとか電話による脅迫というのは弓削さんだけではなくて共同声明したほかの学長さんたちにもかかっている。こういうことを見ると、明らかにあの共同声明に反発をする右翼の連中が組織的に本件を敢行したというふうに見るのが筋だと思います。長崎の事件でも同じようなことが言われましたけれども、結局これは単独犯として処理されました。背後関係も含めて徹底的にこの問題は捜査してもらいたい。 それからもう一つは、恐らくこれは殺人未遂の意図ではなかったかと思います。あの銃弾が撃ち込まれたときの状況を見ればそうとしか思えないんです。単なる嫌がらせではないわけですよ。だから、当たっていないんだから大したことではないんだというような軽い処理ではなくて、こういう問題を絶対に再発させないというような立場から捜査を要望したいと思います。長官の説明をお聞きします。
○政府委員(金澤昭雄君) 警察といたしましては、いかなる立場であっても暴力行為で人の言論を左右するというようなことは絶対にあってはならない、こういうこれは基本的な認識でございます。したがって、こういう事案につきましては未然防止、起きた場合には徹底検挙ということの方針で臨んでおります。ただいまの事件につきましても、もちろん個人的な犯罪であるのか、組織的な犯罪であるのか、あらゆる方面から捜査を進めてまいりたいと思いますし、またその意図が殺人未遂であるのか、単なる嫌がらせであるのか、これも真実をはっきり見きわめた上でそれに従った対応をしてまいりたい、今後もそういうことでやってまいりたいと思います。
○委員長(渡辺四郎君) 午後四時二十分まで休憩いたします。 午後三時五十二分休憩 ─────・───── 午後四時二十二分開会
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方行政の改革に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高井和伸君 奥田自治大臣におかれましては、ただいまの休憩時間中選挙制度審議会から第八次かと思いますが答申があったように聞いております。この答申は内閣においてこれを尊重しなければいけないと義務づけられた答申だと理解しておりますけれども、先ほどの自治大臣の所信表明の中にも政治改革をやるという大きいテーマで御主張なさっておられました。ただいま答申があったその現場に立ち会われまして、今後の選挙制度をいかに持っていくか、内閣の構成メンバーとしての国務大臣として、あるいはまた所管の自治大臣としてどのような御覚悟なのか御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 今御指摘のとおりに、第八次の選挙制度審議会の政治改革全般に関する答申を総理がいただかれたわけでございます。もちろん大変な時間と、政治家は含まれておりませんけれども、各界の有識者の皆さん方の貴重な御意見の結集でもあろうかと思っておりますので、政府としては最大限これを尊重しながら、何とか各党各派の御理解をいただけるような形で努力を傾注することは当然でございます。しかしながら、この問題は、議会開設百年というこういった大事な節目に当たることではありますし、さりとて政党の運命に関する、議員の身分に関する重大な案件でもございます。各党各派の諸先生方の御論議の中でそれぞれの御意見をお聞きしながら、何とかして政治改革の大きな実りあるものに持っていきたいということを願っております。厳粛な気持ちで答申をいただいたということでございます。
○高井和伸君 ただいまの御決意、ありがとうございました。厳粛なお気持ちだということでございました。 それで、今の御答弁の中にございました政党の運命、それから議員の運命というそういう視点はもちろんでございますけれども、日本国がいかなる政治的レベルにあるのか、いかなる政治的な成熟度にあるかというそういった外国からの目は、やはり選挙制度がどのような制度を持っているかということが非常に大きなはかりというか、物差しになろうかと思います。ある意味では日米構造協議においても日本の政治がやや安く見られている、三点セットでいろいろ経済、円安云々と言われているのは、やはり日本は政治的にやや三流国じゃなかろうか。その一つの大きな要素として選挙制度の問題があるんじゃなかろうかと。そこに金がかかるとかいろいろのことがございます。今おっしゃられたその政党のレベルあるいは議員の運命のレベルを超えた日本国のたくましさ、強さ、そういった面からこの選挙制度をどの方向に持っていくべきか、どのようにお考えなのか、御所見を伺えればありがたいと思っております。
○国務大臣(奥田敬和君) 大変大事な政治哲学と申しますか、そういった形の意見の御開陳でございますので、余り私も大きなことは言えませんけれども、これ私が言うんじゃなくてマスコミが書いておるわけですけれども、政治は三流で経済は一流だなんていう形で、今日ほど政治に対する国民の関心、また政治に対する国民の不信感、いろいろな意味において非常に厳しい形であることは先生も肌で感じられておられるだろうと思っております。そういった意味合いにおいて、何としても今日の円安、株安、債券安というトリプル安もむしろ政治が、経済の基調は順調だけれども、日本の政治の一つの先行き不安感を含めてこういった影響を与えているんじゃないかという御批判も一部にあることは承知しております。それだけに政治の制度、政治家自身のそういった姿勢、あらゆる面を含めて私たちに今改革、改造、あるべき姿はどうかということが問われておる情勢だと認識いたしております。それだけに、先ほど厳粛な気持ちで受け取ってまいったということは、今先生が御指摘のそれらの面をすべて含めて今しかない、やらねばならぬということで御理解を賜りたいと思うわけであります。
○高井和伸君 今のお言葉の今しかないというのは、私も選挙を経て素人議員でございますけれども、国民の皆さんが非常に望んでおられるところだと思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 それから、本日の所信表明の中でもう一つ大臣が強調されました点で、車社会に対する、具体的には道交法の改正というふうな言葉が出ておられました。 それで、事務的な面で先にお尋ねいたしますけれども、私考えてきよう質問したいのは、特に東京都の交通事情を中心に据えた交通行政ですか、警察行政の一環である道路の通行の確保という面から、もっと絞りますと違法駐車の側面をどうしておくべきかという点でお尋ねしたいわけでございます。 先ほどの議論の中で、車庫という問題がございました。これは非常に大きな問題で、日本全国にわたる問題でございますけれども、来年早々、都庁が丸の内から西新宿にやってくる。私の住まいが新宿方面なものですから、大体丸の内方面から、国会から新宿に行くコース、靖国通り、新宿通り、内堀通り、外堀通り、そして大久保通り、明治通りというようなあたりを毎日うろうろしている立場から申し上げまして、日本のキャピタルたる東京の交通事情が非常に絶望的な状況にあろうかと、それに対して先ほどから大臣から非常に力強い御発言が多々ございました。道交法の改正という中身を具体的にはちょっと私存じ上げておりませんけれども、中心はぜひとも違法駐車に対する対応をきちっとやっていただきたい。 実は前回、百十六国会の地方行政委員会の中でも、関根交通局長さんが、瞬時において東京都内における違法駐車の台数は十八万四千台で、八七%が違法駐車であるというようなことがデータで、とてもじゃない、それをレッカー車で持っていったところでそれを受け入れる駐車場もない。そこで、道交法におきましてそういう違法駐車を取り締まるべく駐車違反というペナルティーがあるわけでございますけれども、具体的な現場においては、違法駐車している人はだれかがやったわけですから、違法行為をやった人間を特定しなきゃいかぬという面で大変な労力だということが、違法駐車を摘発というんですか検挙というんですか、それを罰することができない制度になっているんじゃないかと思うわけです。 他面、罰する制度の方では、要するに切符という交通反則制度がございまして、制裁を科す面ではかなりうまくいっていますけれども、だれが運転して、そこにだれが違法駐車させておいたかということの特定が非常に大変な難儀なことだ、これが人の手数がかかるということでうまくいってないんだというふうに私は理解しております。 そこで、私が端的に今考えているのは、時限立法じゃなくて地限立法、東京都の中の山手線の中に限って、違法駐車したら直ちにその所有者に二万円ぐらいのペナルティーを科す。どういうペナルティーかは別としまして、もう二度とやったら痛い目に遭うぞという面でやらぬ限り、新宿あたりの違法駐車は、私は毎日毎晩見ているわけですが、なくならぬだろうと思うんです。全国に展開するのは非常に問題があろうかと思いますけれども、局地的な立法でもして東京の事情を特によくしていただきたい。 私の選挙区である岐阜県においては、やはり運転する人は非常に忠実に、岐阜市の中においても車をとめるときにはちゃんと駐車場に入れますということで、一時間二百円程度の駐車場にぱっと入れちゃうんです。遵法精神というんですか、道交法を守るというのか、岐阜県警がしっかりしているというのか、そういったところの落差が東京と岐阜県じゃ全くこんなに差があるわけですよ。 それで、違法駐車、先ほどの中にございましたけれども、みんなでやれば怖くない、たくさんになってしまえばもうどうしようもないというところで、警察当局の皆さん方はわかっていて、現状の制度の中で非常に困惑し対策に頭を悩ましておられるんだろうと思うんです。前回、百十六国会の議論を見ましても、後で建設省の皆さんにも駐車場法というのでちょっと聞きたいんですが、もうそういうレベルの問題じゃなくて、抜本的なばしっとしたことをやらないと、東京都内の違法駐車による交通渋滞、それに伴う都市機能の低下、ましてをや一極集中という東京の機能が落ちたんでは日本経済は大変なダメージを受ける、これは計量はしにくいんですが。そういった段階において、私としては、公営バスだとか地下鉄だとか、それからタクシーだとか営業車ですね、そういったものがすいすい走れるような東京都にしなきゃ、これは日本がもたないだろう。 余り広く話をしますといけませんので、東京都レベルで考えておるわけですが、私の現在の道交法改正は、刑事罰じゃない何らかのペナルティーを科す。違法駐車一合について二万円ぐらいの発想でやらぬことには減らないだろう、こう思うんです。私の道交法改正私案は以上のごとくでございますが、今どのようなことをお考えなのかちょっとお尋ねしたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) 高井先生のお考えは参考にさせていただきたいと存じます。 私ども、東京都を中心といたします大都市における違法駐車の問題は、やはり都市機能を麻鹿させかねない大きな問題であると認識をいたしております。そこで、現在検討中の道路交通法関係で違法駐車をなくすようなシステムができないかということで考えているところでございます。 一つは、現在の仕組みによりますと、違法駐車をした運転をしていた人を捜し出して、その人に反則金を含む刑罰を科するという仕組みでございまして、車両の管理について責任を持ってしかるべき所有者、使用者といった人たちの車両管理責任みたいなものが問われる仕組みになっておりません。そこで、その所有者、使用者にも何らかの形で違法駐車、特に違法駐車のうち車を放置してしまいます放置車両について所有者、使用者の方に責任を負っていただくような仕組みを考えますとともに、あわせて放置車両の運転者につきましても、その放置行為について従来より重い責任を負ってもらうというような仕組みを検討しているところでございます。
○高井和伸君 私の回りの見ている車ですと、大体大きな黒い、通称右翼と言われる方々の車がやたらと目につくという現状がございます。そして一方通行のようなところにとめてある車がまた目につきます。さらにバス停のところに駐車しているのも目につきます。メーン道路に一車線ふさいでいるのも大いに目につきます。こういったものはたちどころにいろんな面で摘発しないことにはイタチごっこになろうかと思います。今お話を聞いているだけでは、ある種の証拠方法というんですか、どうやって違法状態を確認するかというのは、皆さんお得意のところはチョークでタイヤと道路にひょいとやって時間を書いてやっていくというようなやり方をしています。 別論になりますが、あのチョークはなかなか落ちなくて、私に言わせればいわゆる器物損壊罪になるのじゃないか、タイヤに対する、落とそうとしても落ちないという。人のタイヤに勝手にチョークつけるなという立場でございますので、もう少しそこら辺について証拠を固める器材の開発、例えば日時、場所、すべてを音声で入れて、データを写真に入れて、一時間前と一時間後の使用前、使用後というような証拠を固める上のもっと簡素化したそういったものも道交法に盛り込んだことでやらない限り、やっぱり一般理論だけのことでやれば、たちどころにいろんな面で警察当局は違法状態を摘発するときに迷ってしまうし、金もかかってしまう。そこら辺から工夫しないことにはいけないだろう。近ごろはやりのビデオカメラでディジタル化したものでやるだとか、いろんな面での工夫があろうかと思います。そういったところとセットにしていただかないと、単に今のお話だけじゃとてももう間に合わないだろうと考えるわけですよ。 そこで、ちょっと前後しまして先取りみたいな話になりますけれども、これはやっぱり都市機能として東京都の道路事情がもともと悪いところに車がふえ過ぎている。公営のバス、それから営業車というタクシー、そういったものがスムーズに走ることは非常にまた望ましいことである。やっぱりいけないのは、余り乗らない方々が酒飲みに来て、大きな道路の一車線をふさいでも、みんなふさいでいるからいいだろうというような調子でやっている軍だろうと思うんですが、余り営業じゃない車が一番問題になるんだろうと。先ほどおっしゃっていた車両の管理責任として所有者や使用者に責任を問うということは、これは非常に問題な点だろうとは思うけれども、万やむを得ぬ地限立法的な側面でやらないといけないと思うんです。例えば私が感ずるのは、自動車税を払っていないと車検が更新できないというようなもので、そういったペナルティーをじゃんじゃんオーナーに科しておいて、登録のところに未納金がある限り車検が更新できないというようなことにしてじゃんじゃんやってもらうことはやむを得ないだろう。 それで、私もあちこちら法律家なもので見ましたら、そういった道路関係に対して基本法というのがあって、交通安全対策基本法というところにもやはり「車両等の使用者の責務」ということでばっちり書いてあるわけでございまして、もちろん製造者の責任は安全な車をつくらなきゃいかぬというようなことが書いてありますけれども、さらに交通安全対策基本法第七条の「車両等の使用者の責務」というようなところからいってもばんばん押していけるんじゃなかろうか。これはもう可及的速やかに立法していただかないことには、その態勢も周知期間も非常に必要な法令だろうと思いますので、特に東京都庁の西新宿への移転に間に合うようにぜひとも強力な施策をやっていただきたい。それがまた全国に波及もするでしょうし、先ほど大臣がおっしゃった車を持つということはコストがかかるんだというイメージも、東京なんかの場合特にそれを強調してもらわなきゃいけないし、それがまた全国に波及するだろうし、それが先ほどから大臣のおっしゃっておられる所信表明の中の遵法精神というような基本的な警察行政の原理にも法秩序の維持という面にもそぐうし、さらに車が減れば、C02が減って地球の温暖化だとか公害問題についてもまたいい結果を及ぼすことは目に見えているわけでございます。 そんな面で、先ほどのような道交法の改正だけじゃとても不安に思うわけでございます。特に私の言いたかったのは、今ありますペナルティーま、もちろん刑罰としての罰金がありますし、それに準じたような交通反則金がございますね。それ以外の第三のパターンとして、それは別に刑罰じゃないんだけれども、国民の財産の道路を占有して勝手にみんなの交通を邪魔した罰金だと言えば、罰金というのはこれは一般用語ですが、気楽に払えるだろうし、しょうがないと思うだろう。運が悪かったと思わせないような仕組みを、証拠方法というか証拠原因というか、証拠をつくる段階からぜひやってもらわぬと、とてもじゃない、人件費がふえちゃうだとかということになると思いますので、近ごろ発達している最新機器、コンピューターを使ったようなそういったもので何とかクリアしていただきたいと思うんですが、私の言った意見についていかがでございましょうか。
○政府委員(関根謙一君) まず違法駐車車両を証明すべき証拠集めの機材の開発という点でございますが、御指摘のとおりかと思います。鋭意開発に努力したいと存じます。 それから、取り締まり方法の点でございますが、現在レッカー車による移動保管という方法をとっておりますが、そのほかに輪どめ等の措置も導入できないかということで、これは諸外国に例があるものですから、それもあわせて検討しているところでございます。 なお、刑罰以外の行政制裁の仕組みにつきましても検討しているところでございます。
○高井和伸君 あと一点、全国普遍的な法律だと非常に問題もあろうかと思いますので、そういった地眼的な、地域を限定したような立法をぜひ検討してもらわないとバランスがとれない話になろうかと思いますが、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(関根謙一君) 自動車の保管場所の確保等に関する法律は、俗に車庫法と言われておりますが、こちらの方は地域を限定してこの法律を適用するように定められております。道路交通法の方は、全国すべての道路における交通の方法でありますとか、全国斉一を図ることが必要な技術的事項を定めているものでございますから、地域限定というのはなかなか難しいと思いますが、なお検討してみたいと存じます。
○高井和伸君 そこで大臣にお尋ねしたいんですが、日本国の力強さも、この首都機能多極分散という言葉に反するようでございますが、現実的には一極集中でいろんな面で日本の行政、産業、経済、そういったものの基盤が東京にございます。その東京の交通事情は今のままではおかしい状況でございますが、その道交法改正に向けての私の私見ないしは局長さんの御答弁を踏んまえて大臣の御決意を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御提言は、今後の車社会をいかにするかという形においては大変交通局長も参考になったと思っております。 前段にこれが同じ日本かということで岐阜市の事情についてお述べになりましたけれども、私も本当に自分のふるさととこの大東京を見て、一体これが同じ社会かと。逆に言えば、違法駐車一つとってみても、全く隣近所の目も、余り監視されない横着さというものがここまで野方図になっていったんじゃ一体道路は市民のものなのか、国民のものなのか本当にそういった大きな疑問を感じておったところでございます。私が当面どうするといったようなそんな問題ではないんで、今度の道交法改正を含めて提起することによって、先ほど先生も言われた、いわゆる車を売る側、買う側のモラルも喚起してもらわにゃいかぬと同時に、やっぱり道路はみんなが共有して、しかも快適な生活利便を図れる大事な生命線なんだというような形の中で、そういったきっかけになればいいな、またそれはしなきゃならぬと思っておるところでございます。 ですから、ペナルティーを科すことが目的では決してないんであって、私が言いたいのは、売る側も買う側もこういった物社会の甘えというものを反省する、環境も大事にするという、これがすべての問題の起爆剤になってほしいということで、今真剣に交通局長を初めスタッフが法案作成に努力しているところだと私は思っております。もっと極言すれば、土地がない、家が買えない、せめて車でも買うかという形で、車を寝床にしているわけじゃありませんでしょうけれども、こんな形で大型車がふえていったんじゃ、本当に我々の政治の貧困の反省と同時に、こういう形で世の中が動いていったら、これまた大変な時代が来るということで、せっかく先生方の御提案を念頭に置きながら何とか国民合意を形成して新しい秩序社会の中での前進になるように努力したいと思っております。
○高井和伸君 建設省の方に来ていただいているはずでございますが、駐車場法というのがございまして、今のような話の中で、駐車場法の立法趣旨から見て、違法駐車をなくするためにどのように機能し、現実的に都市部、特に東京などにおいてどのような駐車場法における措置が生きているのか。簡潔にで結構です、もう時間がありませんので。
○説明員(安達常太郎君) 建設省といたしましては、駐車場法に基づきまして駐車場の整備を進めているところでございます。 今お尋ねの駐車場法の関係でございますけれども、簡潔にということでございますので申し上げますと、駐車場整備地区というのを定めまして、自動車交通のふくそうしている地区につきましてこの地区を定めて駐車場を重点的に整備していこうという考え方をとっております。 それから、路上駐車場というものについての規定がございまして、路上駐車につきましては、現在流通体系の変化といいましょうか、特に荷さばきの問題でいろいろ議論が出てきておるわけでございます。 それから、大規模な建築物につきましては駐車需要を発生するということで附置義務基準というものを課しておりまして、自治体の方で条例をつくっていただきまして附置義務駐車場の設置をしていただいているということでございます。全部を述べてはおりませんけれども。
○高井和伸君 一点だけ。 瞬時において十八万四千台の駐車が東京都内に違法駐車として存在する、そういうようなデータが警察庁の方から発表されているんですけれども、そういった面と今のようないろんな御努力の効果面では、ほとんど効果がないと言っていいのか、微々たる効果しかないと言うべきなのか、これから大いに効果が発揮されると言うべきか、そこら辺はどのような駐車場法になりますか。
○説明員(安達常太郎君) 駐車場整備に関しましては、予算の制度といたしまして融資の制度、これはかなり整っております。具体的に申し上げますと、無利子融資の制度、道路整備特別会計からの無利子融資、あるいはNTT株式の売り払い収入の活用による無利子融資、こういった措置が講じられておりますほかに低利の融資制度、これも幾つかメニューがそろっております。民間都市開発推進機構からの低利融資、道路開発資金からの低利融資、日本開発銀行からの低利融資、こういったことでかなり公的な融資制度が整ってきておるわけでございます。さらに税制の面でも、地下式の都市計画駐車場等に対しましては、固定資産税、不動産取得税の軽減措置があるなど優遇措置が施されております。またさらに、再開発事業で整備される駐車場、これにつきましては補助が行われております。駐車場の一部というのは、これは附置義務分でございますけれども、再開発事業の場合には補助が入っております。 これらの助成策によりまして、公共団体、第三セクター、民間等が行う駐車場の整備は採算性の点で改善が図られておりまして、広く活用されているというふうに考えております。今後ともこれらの制度の整備充実を図り、駐車場整備に建設省としても積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○委員長(渡辺四郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十四分散会