地方行政委員会 第2号
- 発言数
- 274 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/03/29
会議録
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十七日、山田健一君が委員を辞任され、その補欠として栗村和夫君が選任されました。 また、昨二十八日、岩本久人君が委員を辞任され、その補欠として喜岡淳君が選任されました。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) これより地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。奥田自治大臣。
○国務大臣(奥田敬和君) ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。 最近における社会経済情勢等にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化等を図るため、個人住民税について所得制の非課税限度額及び個人年金保険契約等に係る生命保険料控除額の引き上げ等を行うとともに、特別地方消費税の免税点の引き上げ等を行うほか、三大都市圏の特定市の市街化区域における特別土地保有税の特例の適用期限の延長等所要の改正を行う必要があります。 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 その一は、道府県氏税及び市町村民税についての改正であります。 個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、低所得者層の税負担に配慮するため、所得割の非課税限度額の引き上げ等を行うことといたしております。また、個人年金保険契約等に係る生命保険料控除の控除限度額を三万五千円に引き上げることとするほか、一定の損害保険契約等に係る保険料または掛金について、所得控除を設ける等の措置を講じることといたしております。 また、法人の道府県民税及び市町村民税につきましては、基盤技術開発研究用資産等に係る特例措置の適用期限を平成五年三月三十一日まで延長することといたしております。 その二は、事業税についての改正であります。 事業税につきましては、新聞業等七事業に係る非課税措置の廃止に伴う経過措置を一年度間延長することといたしております。 その三は、不動産取得税についての改正であります。 不動産取得税につきましては、特定地方交通線に係る不動産を無償で譲り受ける場合の非課税措置等の特例措置について整理合理化を行うとともに、日本電信電話株式会社の株式の売り払い収入を活用して民間都市開発事業として第三セクターが取得する公共施設用地に係る非課税措置を二年間延長する等所要の措置を講じることといたしております。 その四は、特別地方消費税についての改正であります。 特別地方消費税につきましては、免税点を飲食等に係るものにあっては七千五百円、宿泊等に係るものにあっては一万五千円に引き上げるほか、外国の大使等に対する特別地方消費税について、一定の要件のもとに非課税とする等の措置を講じるとともに、道府県から市町村に対し、その収入額の五分の一に相当する額の範囲内における額を交付することといたしております。 その五は、自動車税及び自動車取得税についての改正であります。 自動車税及び自動車取得税につきましては、昭和六十三年または平成元年排出ガス規制に適合したトラック、バスについて、昭和五十四年排出ガス規制前のディーゼルトラック、ディーゼルバスを廃車した者が当該自動車にかわるものとして取得した場合には、その税率を二年度間に限り軽減するほか、メタノール自動車に係る税率の特例措置を二年度間延長する等の措置を講じることといたしております。 また、自動車取得税につきましては、自動車の取得が平成二年四月一日から平成五年三月三十一日までの間に行われる場合に限り、免税点を五十万円に引き上げることといたしております。 その六は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。 固定資産税及び都市計画税につきましては、振動防止設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置を廃止する等特例措置の整理合理化を行うほが、特定粉じん処理施設について非課税とする等の措置を講じることといたしております。 その七は、特別土地保有税についての改正であります。 特別土地保有税につきましては、三大都市圏の特定市の市街化区域内において取得される一定規模以上の土地に係る課税の特例措置の適用期限を二年間延長する等の措置を講じることといたしております。 その八は、入湯税についての改正であります。 入湯税につきましては、その使途に観光の振興に要する費用を加えることといたしております。 その九は、事業所税についての改正であります。 事業所税につきましては、公害防止事業団から譲渡を受けた一定の建物に対する資産割に係る非課税措置の適用期限を二年間延長する等の措置を講じることといたしております。 以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(渡辺四郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。湯浅税務局長。
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま説明されました地方税法の一部を改正する法律案の主要な内容につきまして、お配りいたしております新旧対照表により補足して御説明申し上げます。 まず、道府県民税の改正であります。 第二十三条第一項第十一号ロ及び第十二号並びに第三十四条第三項の改正は、寡婦控除の適用要件として特定の者について定められている所得限度額及び寡夫控除の適用要件として定められている所得限度額を三百万円から五百万円に引き上げようとするものであります。 第三十四条第一項第五号及び第五号の二の改正は、個人年金保険料に係る生命保険料控除について、その控除限度額を三千五百円から三万五千円に引き上げるとともに、個人年金保険料については一般の生命保険料控除を適用しないこととするほか所要の規定の整備を行おうとするものであります。 第三十四条第一項第五号の三の改正は、一定の損害保険契約等に係る保険料または掛金について所得控除を設けようとするものであります。 第三十四条第六項及び第十項並びに第四十五条の二第一項の改正は、損害保険料控除の創設に伴う所要の規定の整備を行おうとするものであります。 次は、事業税の改正であります。 第七十二条の十四第一項及び第七十二条の十七第一項の改正は、事業税について、租税特別措置法の改正に伴い、所要の規定の整備を行おうとするものであります。 次は、不動産取得税の改正であります。 第七十三条の二第二項の改正は、日本国有鉄道清算事業団が基盤整備事業に基づき譲渡するために取得する家屋について、みなし取得の特例措置を講じようとするものであります。 第七十三条の三第二項の改正は、皇位とともに伝わるべき由緒ある物である不動産について非課税措置を講じようとするものであります。 第七十三条の四第一項第十三号及び第十三号の二の改正は、新技術事業団及び新エネルギー・産業技術総合開発機構の事業用不動産に係る非課税措置を縮減しようとするものであります。 第七十三条の四第二項の改正は、保安林の用に供するために取得した土地に係る非課税措置について、一定の施設等の用に供するものを除外しようとするものであります。 第七十三条の十四第十一項及び第七十三条の二十七の五第一項の改正は、不動産取得税の課税標準の特例等について、所要の規定の整備を行おうとするものであります。 次は、特別地方消費税の改正であります。 第百十四条の三の改正は、本邦に派遣された外国の大使、領事等が外交、領事等の任務を遂行するために必要なものとして行う飲食等に係る特別地方消費税を、相互主義により非課税としようとするものであります。 第百十四条の四の改正は、料理店等における特別地方消費税の免税点を五千円から七千五百円に引き上げるとともに、チケット制食堂における飲食に係る免税点の特例を廃止しようとするものであります。 第百十四条の五の改正は、旅館における特別地方消費税の免税点を一万円から一万五千円に引き上げるとともに、所要の規定の整備を行おうとするものであります。 第百四十四条の二の改正は、特別地方消費税の収入額の五分の一に相当する額の範囲内の額を道府県から旅館等所在の市町村に交付する制度を創設しようとするものであります。 次は、市町村民税の改正であります。 第二百九十二条第一項第十一号ロ及び第十二号、第三百十四条の二第一項第五号、第五号の二及び第五号の三、第三項、第六項及び第十項並びに第三百十七条の二第一項の改正は、道府県民税と同様であります。 次は、固定資産税の改正であります。 第三百四十八条第二項第一号の二の改正は、皇位とともに伝わるべき由緒ある物である固定資産について非課税措置を講じようとするものであります。 第三百四十八条第二項第七号の改正は、保安林に係る非課税措置について、その対象範囲から一定の土地を除外しようとするものであります。 第三百四十九条の三の改正は、簡易ガス事業の用に供する一定の償却資産について、課税標準の特例措置を講じるとともに、新エネルギー・産業技術総合開発機構が所有し、かつ、直接一定の業務の用に供する家屋及び償却資産に係る課税標準の特例措置を縮減しようとするものであります。 次は、特別土地保有税の改正であります。 第五百八十六条第二項の改正は、特定粉じん処理施設の用に供する土地について非課税措置を講じるとともに所要の規定の整備を行おうとするものであります。 次は、軽油引取税の改正であります。 第七百条の三十二、第七百条の三十六及び第七百条の三十八の改正は、軽油引取税に係る延滞金等の規定について、規定の整備を図ろうとするものであります。 次は、入湯税の改正であります。 第七百一条の改正は、入湯税の使途に観光の振興に要する費用を加えようとするものであります。 次は、附則の改正であります。 附則第三条の三の改正は、個人の道府県民税及び市町村民税の所得割の非課説措置について、本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数に乗ずべき非課税基準額を現行の三十二万円から三十四万円に引き上げようとするものであります。 附則第八条第一項及び第二項の改正は、道府県民税及び市町村民税について、基盤技術開発研究用資産及び中小企業者等の試験研究費に係る法人税割の特例措置の適用期限を平成五年三月三十一日まで延長しようとするものであります。 附則第九条の改正は、事業税について所要の規定の整備を行おうとするものであります。 附則第十条の改正は、不動産取得税に係る非課税措置を改めようとするものであります。 まず、特定地方交通線に係る非課税措置を廃止しようとするものであります。 また、保安林整備臨時措置法に基づき民有林野と国有林野との交換により取得した土地に係る非課税措置及びNTT—A型の無利子貸し付けを受けて第三セクターが取得する公共施設用地に係る非課税措置の適用期限を二年延長しようとするものであります。 なお、農林漁業団体の発電所または変電所の用に供する家屋の取得に係る非課税措置については、新たに課税標準の特例措置として附則第十一条に規定することといたしております。 附則第十条の二の改正は、新築した住宅の取得がなされたものとみなされる日に係る不動産取得税の特例措置について、その適用期限の到来に伴い廃止しようとするものであります。 附則第十一条の改正は、不動産取得税に係る課税標準の特例措置を改めようとするものであります。 まず、農業振興地域の整備に関する法律の規定に基づき市町村長の勧告等により取得した農用地区域内にある土地に係る課税標準の特例措置、日本国有鉄道清算事業団が行う日本国有鉄道清算事業団法第二十六条第一項第三号の業務に基づき旅客会社等が取得した一定の家屋に係る課税標準の特例措置、農業近代化資金等の貸し付けを受けて取得した農林漁業経営の近代化等のための共同利用施設、中小企業事業団等から資金の貸し付け等を受けて取得した中小企業構造の高度化等のための共同利用施設又は住宅金融公庫等から資金の貸し付けを受けて取得した不動産に係る課税標準の特例措置等の適用期限をそれぞれ二年延長しようとするものであります。 また、農林漁業団体の発電所または変電所の用に供する家屋の取得に係る非課税措置について、当該家屋の取得が平成二年四月一日から平成四年三月三十一日までの間に行われたときに限り、課税標準の特例措置を講じようとするものであります。 附則第十二条の三の改正は、メタノール自動車に係る自動車税の税率の軽減措置の適用期間を平成三年度まで延長するとともに、昭和五十四年自動車排出ガス規制前のディーゼルトラック、ディーゼルバスを廃車して新たに買いかえた昭和六十三年または平成元年自動車排出ガス規制に適合したトラック、バスに係る自動車税について、平成二年度分及び平成三年度分に限り、税率の特例措置を講じようとするものであります。 附則第十四条の改正は、公害防止設備に係る固定資産税の非課税措置について、その対象範囲から一般粉じん処理施設を除外するとともに、特定粉じん処理施設を加え、適用期限を二年延長しようとするものであります。 附則第十五条の改正は、固定資産税等に係る課税標準の特例措置を改めようとするものであります。まず、公害防止設備に係る課税標準の特例措置について、その対象範囲から振動防止設備を除外するとともに、一般粉じん処理施設を加えるほか、悪臭防止設備に係る課税標準の特例措置を縮減の上、適用期限を二年延長しようとするものであります。また、工業用水道等への転換設備、一定の職業訓練法人が認定職業訓練の用に供する家屋及び償却資産等に係る課税標準の特例措置を縮減の上、その適用期限を二年延長しようとするものであります。さらに、農林漁業団体が発電所等の用に供する家屋及び償却資産、外国貿易用コンテナ、国内航空機等に係る課税標準の特例措置の適用期限を二年延長しようとするものであります。 附則第三十一条の二第二項及び第五項の改正は、特別土地保有税について、所要の規定の整備を図るとともに、大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法に規定する公益的施設に係る非課税措置の適用期限を二年延長しようとするものであります。 附則第三十一条の三の改正は、空港周辺整備機構が取得する航空機騒音の影響を受けることが少ない施設の用に供する土地及び造船業基盤整価事業協会が特定船舶製造業者から買い入れて保有する一定の土地に係る特別土地保有税の軽減措置の適用期限を二年延長しようとするものであります。 附則第三十一条の五の改正は、三大都市圏の特定の市の市街化区域内において取得される一定規模以上の土地に係る特別土地保有税の課税の特例措置の適用期限を延長し、平成四年三月三十一日までの間に取得されたものについて適用しようとするものであります。 附則第三十二条の改正は、自動車取得税の特例措置を改めようとするものであります。まず、特定地方交通線に係る転換交付金の交付を受けて取得するバスに対する非課税措置を廃止するとともに、政府の補助を受けて取得した過疎バス等に係る非課税措置及びメタノール自動車に係る税率の軽減措置の適用期限を二年延長しようとするものであります。また、昭和五十四年自動車排出ガス規制前のディーゼルトラック、ディーゼルバスを廃車して新たに買いかえた昭和六十三年又は平成元年自動車排出ガス規制に適合したトラック、バスに係る自動車について、平成二年四月一日から平成四年三月三十一日までの間に取得されるものに限り、税率の特例措置を講じるとともに、平成五年三月三十一日までの間に行われる自動車の取得に係る免税点を五十万円に引き上げようとするものであります。 附則第三十二条の三の改正は、事業所税について、公害防止事業団から譲渡を受けた一定の建物に係る資産割の非課税措置、特定地域中小企業対策臨時措置法に基づき特定組合が実施する新分野進出事業等の用に供する一定の施設に対する非課税措置等の適用期限をそれぞれ延長しようとするものであります。 附則第三十二条の三の二の改正は、事業所税について、日本たばこ産業株式会社が直接葉たばこの貯蔵の用に供する施設に係る資産割の課税標準の特例措置を廃止するとともに、日本国有鉄道清算事業団が行う基盤整備事業に基づき、旅客会社等が取得した一定の家屋に対する新増設に係る課税標準の特例措置等の適用期限をそれぞれ延長しようとするものであります。 附則第三十三条の二の改正は、法人税の税率の改正に伴い、みなし法人課税を選択した場合に係る道府県民税及び市町村民税の課税の特例措置について所要の規定の整備を行おうとするものであります。 附則第三十三条の四第一項の改正は、超短期所有土地の譲渡等に係る事業所得等に係る道府県民税及び市町村民税の課税の特例措置の適用期限を平成五年度まで延長しようとするものであります。 附則第三十四条第一項の改正は、長期譲渡所得に係る道府県民税及び市町村民税の課税の特例措置について所要の規定の整備を行おうとするものであります。 附則第三十四条の二の改正は、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得に係る道府県民税及び市町村民税の課税の特例措置の適用期限を平成四年度まで延長しようとするものであります。 附則第三十四条の三の改正は、特定市街化区域農地等を譲渡した場合の長期譲渡所得に係る道府県民税及び市町村民税の課税の特例措置の適用期限を平成四年度まで延長しようとするものであります。 附則第三十八条の改正は、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法に規定する特定施設に係る不動産取得税、固定資産税、特別土地保有税及び事業所税の特例措置の適用期限を二年延長しようとするものであります。 最後に、他の法律の改正であります。 改正法附則第十五条による改正は、地方交付税法について、特別地方消費税交付金の創設に伴い、所要の規定の整備を行おうとするものであります。 改正法附則第十七条による改正は、地方税法等の一部を改正する法律について、新聞等七事業に係る事業税の非課税措置の廃止に伴う経過措置を一年度間延長しようとするものであります。 改正法附則第十八条による改正は、農用地開発公団法の一部を改正する法律について、農用地整備公団が新設し、または改良した一定の農業用施設に係る不動産取得税の課税標準の特例の経過措置を二年延長しようとするものであります。 改正法附則第十九条による改正は、貨物日勤車運送事業法について、所要の規定の整備を行おうとするものであります。 以上でございます。
○委員長(渡辺四郎君) 以上で趣旨説明及び補足説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○篠崎年子君 篠崎でございます。初めてですので、よろしくお願いいたします。 去る三月二十六日の地方行政委氏会で、奥田自治大臣はごあいさつの中で、地方自治は我が国の民主主義の根幹をなすものであり、地方分権の推進、地方財政の健全化など多くの問題を抱えている。また、治安の維持についても努力をしていくという旨のごあいさつがございまして、まことにごもっともなことで、私もその見識に敬意を表したいと思います。 ところで、私は奥田大臣とは初めてでございますので、本題に入ります前に二、三お尋ねをいたしたいと思います。 先日、憲政記念館で行われました昭和の政党特別展というのを見にまいりました。いろいろ勉強になるところがありましたけれども、私はその中で一枚のポスターに目を引かれました。そのポスターはこういうものでございます。 それは、一方に足がやせ細って、弱々しく腰の曲がりかけた人物が描かれておりまして、片方には筋肉のたくましいランニング姿の人物が描かれております。その両側に次のような標語が書いてございました。「中央に財源を奪いて補助するは、市町村を不具者にするものなり」、「地方に財源を与うれば完全な発達は自然に来る」、こういう言葉でございます。どちらにどの標語が書いてあるかということはおわかりになると思いますけれども、このポスターは昭和三年ごろのポスターでございます。このことについて、自治大臣も既にごらんになっていると思いますけれども、御感想をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 済みません。そのポスターを拝見していないことはまことに残念でございますけれども、しかし先生の今お話しの御趣旨というものはある程度理解できるんじゃないかと思っております。確かに現在のこの一極集中に象徴されておる現状というものは大変大きな政治課題を私たちに投げかけておると認識いたしております。特に九〇年代を地方の時代という形で、今先生方の御提案のいろいろな趣旨を生かしながら地方自治体の健全化を図っておるわけでございます。 ふるさと創生、活力のある、しかも魅力ある、個性ある地方自治体の育成という形も私たちの最大の政治課題の一つでございますし、また現実に先生の今御指摘にありましたように、弱々しい老人が地方自治体の姿ではなくて、むしろこれから伸び行く若者のたくましい姿が地方でなけりゃならぬ。一極集中でこういったいろいろな土地問題、住宅問題、いろいろ逆に若者の魅力がなくなっていくようなそういった形で、健全なこれからの希望はむしろ魅力のある地方の時代だという形に持っていくように努力しなきゃいかぬと。そのポスターが何を意味していたかは別として、逆転するのが九〇年代の地方自治を預かる立場の目標でなきゃならぬというふうに考えます。
○篠崎年子君 ありがとうございました。私は市議会、県議会にしばらくおりましたので、今の自治大臣のお話のようなことが地方へずっと広がっていって健全な地方自治が行われるようにということを期待しているところでございます。続いて、私、地方議会におりました関係でちょっと気になることがございますのでお尋ねしたいと思いますが、きのうの新聞に天下り高級官僚二百四十六人、人事院報告書というのが大きく出ておりました。天下りという言葉は私は余り好みませんけれども、これは民間の方へ出られたということですが、営利企業への就職と別にいたしまして、出向という名のいわゆる天下り、このことについて少しお尋ねしたいと思います。 これは大臣に直接ではなくて、お調べになっていらっしゃる関係の方で結構でございますけれども、大体一年間に、一九八八年度一年間でもいいし、またその前後でもよろしいんですけれども、その一年間で大体どのくらいの人々が各部道府県に出向をしていらっしゃるのでしょうか。
○政府委員(小林実君) 地方団体と各省庁との人事交流についての御質問でございますが、お答えを申し上げます。 各省庁から地方公共団体に出向している者の数につきましては、全省庁にまたがるものにつきましては掌握しておりません。しかし自治省と地方公共団体の人事交流によりまして、地方公共団体の幹部職員として在職している自治省関係の職員の数でございますが、特別職を除きましておおむね百五十名ぐらいでございます。
○篠崎年子君 私が調べましたのとちょっと数が違うようですけれども、大体近い数字のようですが、その中で自治省関係を除きまして、ほかに私が調べましたのではベストスリーに入りますのは、自治省、建設省、農水省、これに続いてやや少なくなりますが通産省あるいは文部省、こういうふうになっているかと思います。 そこで、中でも私が大変気になりますのは、出向という名前で地方へ出ていかれます。その方が、例えば県の総務部長とかあるいは企画部長とかそういうところにいらっしゃいますけれども、大体一年か二年間で本庁へ引き揚げられるわけです。このことについては確かにその地方の実態をよく見てくる、それをこれから政府機関の中で地方へまた反映させる、そういう意味ではある程度効果があるし、またこれから先の行政の中でそれが生かされていくと思いますけれども、地方にとりましてはそれが本当にプラスになっているのでしょうかということを私は感じているわけでございますが、その点について大臣はどんなふうな御感想をお持ちでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 確かに先生御指摘のように、自治省から地方に出ている、出向といいますか、こういった数が多いことはそのとおりですが、副知事に現在行っておるのも確かに十六名ばかり、そして主に部長クラスでは総務部長、そして課長クラスでは、一番地方自治体にとって関心の高い財政課長、地方課長といったような形で出向なさっているんです。これが大体一番多いベストスリーくらいの形なんですが、しかし先生、これは決して押しつけで行っているんじゃなくて、地方自治体にとっては頼むから来てくれという要請に基づいて行っているケースが全部でございます。 そして、私こんなことを言っちゃいけませんが、自治省の政務次官経験もした人間として言うんですが、自治省は御存じのとおり官庁としても本当に小さいけれども頭脳集団と申しますか、一つのシンクタンク、役所の構成の中では人間の数は少ないけれども、非常にやっている仕事は御存じのとおり大変な実務をこなしておる、そういった形で、比較的に優秀な、上級職公務員を含めて非常にそういった質の高い集団であるだけに、地方にとっては、できるだけこういった形で健全な財政をやるためにも、そしていろいろな知恵を出せばいろいろな形でお手伝いできるいろいろなメニューがあるわけですけれども、これらになれた、そしてまた間に合うという形で恐らく各自治体の、府県自治体が主でございますけれども、要請が多いということでございます。 私といたしましても、決して先生の言われるようなお目付役とかあるいは二年か三年間の腰かけ主義で行っているんじゃなくて、二年三年の月日が多いわけですけれども、その期間にうんとその地方に貢献してくる、そういった意味で地方の実態というものも勉強してもらう、そしてむしろ将来あるべき姿は、上意下達で上から指導していくんじゃなくて、そういう地方の実態を勉強した成果をもって下の意見を上に吸い上げていく、下意上達という言葉があるかどうかは別として、そういった形で本当にこのことはいい意味において地方側にも、またこれから自治省本省に帰って幹部になっていく立場にとっても大変貴重な修業期間である、そういった意味合いで、決して押しつけ、天下り、お目付役という性格のもので自治省は派遣しているんじゃないということをぜひ御理解賜りたいと思うわけです。
○篠崎年子君 一面から考えますと、確かに今大臣がおっしゃったようなこともあるかと思いますけれども、また反面いろいろな問題もあるんじゃないかと私は思っておりますので、ここで討論はいたしませんけれども。 次に、やはり今の出向と関係があるんですが、補助金行政ということが言われておりまして、やはりこれも長く中央集権化をするもとになるのではないだろうかとか、あるいは前の委員会のときに岩本議員の方からも陳情ということについては補助金行政と大きなつながりがある、そういったようなお話がありました。ただいま大臣、出向のことについてお話がありましたので、そのことと同じようなお答えかと思いますけれども、この補助金行政について大臣の認識をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 大体補助金なんかはない方がいいと言ったら悪いですけれども、それに頼らなくてやっていけることが一番いいことなんで、地方自治の本旨もそこにあるわけです。ですから、私たちもできるだけ地方自治体の自主財源というものの健全化、今幸いにして三割自治から四割自治、五割自治という形で地方財政も比較的充実しつつあります。しかしこれだけでやっていけるわけじゃないので、依然として交付税にももちろん頼らなければいけません。交付税は御存じのとおり国税の三二%、これは今日幸いにして国の景気がある程度安定しておりまして、非常に好調な税収に支えられて、国の方でも交付金として地方にお配りする形も非常にたくさんできるようになったんで喜んでおるわけですが、これは全く補助金じゃありません、自主財源と思っていただければいいわけですから。この交付税と地方の自主財源でやっていけば、広義の上では全部自主財源ですから、そういう形でやっていけば、別にもう各省庁の補助金に頼るという形がたんだんなくなっていく。実際なくなっていくことが望ましいんです。またそういう方向にもうできるだけ努力しているんです。 ですから、自治体が特有な形で自分たちの町の特性を生かして、決して上の官庁から、同じ箱物をつくるのに条件がこうだ、規制がこうだ、補助金を出してもらうときにいろいろな附帯的な規制、規則、それに悩んでおるような形はできるだけなくして、その町の自治体の議員さんや首長さんが自分たちが個性のある町づくりのためにある程度自由裁量でやれる。学校なら学校を何も特別立派なものにしなくても、うちは学校はむしろ木造のこういった形だけれどもほかの施設、例えば福祉施設、そういったものはもうどこにも負けぬというそんなところもあってもいいんです。だから、そういった形の、それぞれの自治体が個性あふれる、しかも住民がそれぞれの形で誇りを持てるような自治体行政というものをやっていくために補助金行政という形はできるだけ少なくしていく、そして自主財源に基づく、地方の場合は固定資産税と住民税が主でございますけれども、それに交付税資金で賄っていけるようなそういった時代を私たちは目指しておるわけでございます。
○篠崎年子君 各自治体のそれぞれの財政状況によりまして補助金の問題もいろいろ違ってくるかと思いますが、今大臣お話しになりましたように、なくなった方がいい、あるいは個性あふれる各自治体の経営がなされていかなければならない、そういう趣旨には私も賛成でございます。この補助金の問題につきましてはまた別の機会にお話を承りたいと思います。 次に、今問題となっております日米構造協議の中で、昨日も米大使から要請があったようですけれども、大店法の問題とか、あるいは公共事業などを拡大する、そういったような話がありますが、特に公共事業等につきましては、下水道の施設あるいは道路の問題等につきましてもこれは自治体にかかわるところが非常に大きくなるのではないかと思っておりますが、これについての自治省の対応はどんなふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 今、日米構造協議でいろいろ話題になっている中で、今先生は大店法問題と公共事業を例に挙げてお話しになりましたけれども、これはアメリカからの外圧という概念でとらえると非常に物事が何か日米間のエキサイトした問題になって感じられますけれども、日本の国民生活に関連する自分たちの問題だとして考えるときに、今アメリカが要求している二つの問題というのは我々自体が考えなければいかぬ問題だと思っているんです。 公共事業にしても、何もアメリカから言われるまでもなく、現在の民生に直結する社会資本といいますか、下水道にしろ公園にしろ、まだ決してそんな威張れる水準じゃありません。ですから公共事業、特に民生基盤に直結したような社会資本整備というのは、それはもうできる限りの形において、アメリカが一〇%と言うから一〇%というんじゃなくて、我々は我々の自助努力で当然その線を目指すべきであろうと思います。もちろん国内要因で技術者が足りない、材料がどうの、インフレ化の要因がある、そういったこともよく考えなければいけませんけれども、しかし、あくまでも社会資本整備というものは積極的に大胆に取り組んでいくという姿勢は当然です。 大店法の問題にしても、何もこれをアメリカの外圧と考えるんじゃなくて、国民の皆さんが、今、所得はトップ水準でも、では本当に豊かな生活実感を持っておられるかということになると、やはり物価が高い。物価の高い原因の中に流通の問題がある。流通は今のままでいいのか、やはり改善しなきゃいかぬ。本当に国民が豊かな生活実感を持てるためにはどうしたらいいんだという形で、やはり流通業者の皆さんにも反省をしてもらわなきゃいかぬ。ですから私は、いたずらに中小小売の皆さん方の御意見だけに同調するものではありません。むしろ本来の立場に立って、消費者にどうしていい品物を安く提供するかという商人道のもとに返ってサービスしてほしい、これが私の個人的な考え方でございます。 ですから、アメリカの外圧でどうこうするのじゃなくて、商売の道には行政の介入はできるだけ避けるべし、そして消費者の利益をまず最大に考える、昔の商人はみんなそうだったと思うんです。そういう特別な庇護体制で、自分らだけの縄張りで、そして消費者利益というものを外に置いた形の実態というのは決して長続きするものだと思いませんし、そういった声なき声に耳を傾けるという、御商売屋さんは御商売屋さんの基本的な立場に立って考えてほしい。かといって小さい商工業者が、ある意味で規模の大きいものが瞬時に来る形でもうショック的な影響を受けるという形を何か緩和する方法というものは行政の面でも工夫する方法があるだろう。しかし、原点はあくまでも消費者の立場に立って、そしてできるだけ行政介入は避けるべし、最小限にとどめると。 だから、通産省はみんな自治体が悪いからどうのこうのということで問題をこじつけられますけれども、自治体も消費者が主体で、住民福祉、もうすべてがなっておるわけですから、自治体がごねることで何か問題をみんなおかしくしているんだという批判は当たらないし、また、自治体の長に対してもできるだけ介入は少なくして消費者利益を、住民福祉が自治体の本旨ですから、そういった形でやっていただくように指導してまいりたいと思っておるわけです。
○篠崎年子君 最後にお尋ねいたしますが、深谷郵政大臣のリクルート関連問題が昨日はまた新聞に大きく取り上げられておりましたけれども、本会議で首相は四月上旬に答えを出すという答弁をされておりました。このことにつきまして、大臣、国家公安委員長として、また国務大臣としてこの点についてどのような認識をされていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) この前の衆議院総選挙の争点はもちろん消費税の存廃をめぐる形も大きな政策テーマでした。しかし、それと同時に、政治に対する倫理性、政治家それぞれがけじめを求められた選挙であったと私は思っておるんです。ですから、リクルートに関連された先生方は選挙では非常な厳しい世論と申しますか、大きな試練、みそぎを受けられたと思っております。リクルート関係議員で票を伸ばしたという議員は恐らくいないはずですし、また何十倍か苦労されてきたと思うんです。 例えば、これは例に挙げて失礼ですけれども、個人名を挙げて失礼ですけれども、中曽根元総理にされても今まで出られなかったような集会にも顔を出し、我々が外から見ていて、私たちは選挙区に本当に選挙期間中三日か四日しか帰れない選挙をやっておったわけですけれども、選挙区に張りつかれてあれだけやって、そしてあれだけ厳しい形になっておるわけですから、それぞれ総選挙の試練というものはまさにその意味も含まれておったと思うんです。 今回の深谷郵政大臣のことについての御見解を求められておるわけですけれども、リクルートから政治献金を受けておったというそのこと自体、リクルート社があれだけ計画的に政界工作をやったという内容を知らないで、一企業としてのリクルート社とのおつき合いの中で受けてきた政治活動資金というものに対しては、これは倫理的に、広義の意味においてはいろいろ御批判される面があるかもしれませんけれども、リクルート社、企業ですけれども、これと政治活動との間の献金云云に関しては、これは株の問題や、そして彼の場合は特にまだ政策的に関与でき得るだけのそこまでの力というか、そういった形においての、いわゆるスキャンダルめいた形での点はなかったんじゃなかろうかと思っております。 しかし、いずれにしても過度のそういった資金応援を得ておったという事実というものは決してそれは褒めることではございませんし、本人の自戒も含めて今後立派に対応してくれることであろうと期待しております。
○篠崎年子君 今おっしゃったようなこともあるかと思いますけれども、問題点としましては、国民の前にうそをつかれた。知らなかったということはもう言えないんじゃないかと思いますので、その点と、それから問題となりますのは六十三年七月以降のことについて考えなければならないということになっていると思いますので、その後にあったということについて私たちはやはり厳しく批判されなければならないんじゃないかと、これは自民党の中でもそうだろうと思うんですけれども、思っております。 それからもう一つ、よく選挙によってけじめかついたけじめがついたと言われますけれども、本当に選挙によってけじめがついたんでしょうか。先ほどもお話がありましたように、かつてないような選挙のやり方をして県民の票を得たということになっておりますけれども、私はそういうことで本当の倫理的なけじめがついたのではないと思っているということをつけ足させていただきまして、大臣への質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。 次に、難民対策経費の補てんについてお尋ねをしたいと思います。 本年の一月、私は地方行政委員会で長崎の方に視察に参りました折に、県の方からのいろいろ説明がございました。その中で、特に難民対策につきましていろいろな費用がかかったけれども、そのことについてまだ補てんがなされていない、できるだけ早く補てんをしていただきたいということと、できるだけ全額の補てんをお願いしたいという要望があったと思いますが、この点について今どんなふうな状況になっているのかお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(持永堯民君) いわゆるベトナム難民関係の経費についての問題でございますが、今までのところ関係地方団体、これは先生の御出身の長崎を含めまして六県六市五町ございますけれども、そこから補てん請求が参っております。国連が持つ分を含めた全体の金額というのは一億をちょっと超える数字になりますけれども、その中で難民の方々の食費でございますとか、あるいは生活用品の代金でございますとか、あるいは船の処理をする経費でございますとか、こういうものは国連の方で持つことになっておりまして、これは大体六千百万ほどございます。残り四千数百万が国連が持たない部分になるわけでございますが、その中で検疫でありますとか、あるいは伝染病予防、そういう経費については、関係の法令の規定によりまして国と地方が負担をするというものが、金額は若干でございますけれども若干ございます。その他の四千数百万については最終的に未措置と申しましょうか、どう措置をするかという問題が残ったわけでございますけれども、これにつきましては特定のそういう地方団体に最終的な負担をお願いするというわけにはまいりませんので、この分については関係地方団体に対しまして、私どもとしては特別交付税によりましてそれぞれの必要な額について算定をして、そして関係地方団体の実質的な持ち出しがないような形で、つまり関係地方団体の財政運営に支障がないような形で対応をしてまいりたいと、このように考えております。
○篠崎年子君 ただいまの件で、確かに補てんはされておりまして、今お話がありましたように残りの分を地方交付税で補てんをするというようなことですが、やはりこの補てんの問題につきましては、本来地方交付税というものの性質上、こういう問題について地方自治体共有の財産である地方交付税から補てんをするのはどうだろうか、何らか別の方法でしないと結局その分だけ地方交付税が少なくなっていくわけです。額としては大した額ではないと思いますけれども、別の補てんの方法はないだろうかということを考えるわけです。長崎県におきましても今まだ要請額の半分ぐらいしか入っていないということで、特に人件費とか、あるいはいろいろな小さな経費、雑費とかそういうものについての補てんを一日も早くやっていただきたい、こういう要望もありますので、今後対策を考えていただきたいと思います。本題に入る時間がなくなりますのでこれだけにしておきます。 それから、警察庁の方にお尋ねしたいと思いますが、国民の生命と財産を守るために日夜御努力をされていることについては敬意を表したいと思いますが、大変小さな問題ですけれども、先般三月の四、五、六でしたか、佐世保にカール・ビンソンが入港いたしました。そのときに反対の集会やデモとか、そういうものがあったんですけれども、私もそれに参加をいたしましたが、そのときに気づきましたのは、長崎県警だけでなくて、九州近県ですか、九州から中国の辺まで入っていたかと思いますが、各地から来ている警察官の方がたくさんいらっしゃるということと、その人数が余りにも多過ぎて、何か市民に対して逆に威圧感を与えているんじゃないだろうか、そういう感じがしたんです。本島市長等の事件もありますので、警備には十分気を使っていらっしゃるそのあらわれかとも思いますが、やはり警察が余りにも前に出過ぎていくと、結局また統制が強まっていくんじゃないかとかなんとか、そういうことも考えられると思いますので、その辺についてどんなふうな状況だったのかお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(城内康光君) お答えいたします。 長崎県警ではこのたびの米空母寄港に際しまして集会、デモが取り組まれておるということ、それからさらに過去におきまして同じような機会に極左暴力集団がこの寄港に反対してゲリラ事件を敢行したことがございます。なお御承知のとおり、極左暴力集団は大変悪質なテロ、ゲリラを展開しておる、こういう状況にあるわけでございます。そうしたことで、テロ、ゲリラを初め各種の違法行為を未然に防止するために所要の警備措置を講ずる必要がある。もちろんこの機会に右翼も動員されておるわけでございます。そういったものについて十分な警戒をしなきゃいけない、こういうことでございまして、そのために必要な警察官、これは長崎県警はそんなに大きな警察ではないわけでございまして、とりわけそういったいろいろな事態になれた、うまく処理のできる警察官を周辺から動員して当たるということは、けが人を少なくするとか適切な警備をするためにはどうしても必要なことでございますから、そういうことで所要数を動員して警備に当たったわけでございます。 結果的には検挙というようなことには至らなかったわけでございますが、それはやはり手当てをしたためにそういうことであったということでございまして、何もなかったから過剰だ、こう言われると私ども大変困るわけでございまして、やはり事なきを期するという意味で私どもは必要な警察官を動員して当たっておる、こういうことでございますので御理解願いたいと思います。
○篠崎年子君 ありがとうございました。 さて、本題に入りまして、地方税法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。 生活保護基準と住民税の課税最低限についてまずお尋ねしたいと思いますが、住民税の非課税限度額の制度は、昭和五十六年に住民税の課税最低限が生活保護基準を下回るという矛盾を改めるというところから設けられたものと聞いております。現在、住民税の課税最低限が生活保護基準を上回っているにもかかわらず非課税限度額の基準を設けているのは、課税最低限だけでは生活保護基準程度の所得しかない世帯について課税する場合が生ずるからと説明されているようですが、この説明は一応もっともなところもあるかと思いますけれども、腑に落ちない点もございますので少しお尋ねいたしたいと思います。 これは大蔵省、自治省両方に関係すると思いますが、まず初めに、課税最低限を定めるに当たってはいろいろな考え方がありまして、マーケットバスケット方式が最も正当である、こう言われておると書かれておりますけれども、それは日本の税法におきましてはこの方式がとられずに基礎控除、配偶者控除あるいは扶養控除などを積み上げることによって算定をしていますが、その理由についてお尋ねをいたしたいと思います。また、配偶者特別控除を課税最低限の算定に加えているようでございますけれども、その理由についても御説明いただきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 住民税の課税最低限の問題でございますけれども、住民税の課税最低限をどのような水準で決めるかという問題につきましては、いろいろな観点から、例えば納税義務者の割合でございますとか、あるいは地方財政の状況なども考えながら国民生活の生活水準というものを考えながら割り出していかなければならないというふうに考えられるわけでございます。そういう意味から申し上げますと、課税最低限というものをどこまで決めていくかという点は最低生活費がどれだけかかるかということと直接は結びつかない問題ではないかと思うわけでございますけれども、しかし、基本的には生活保護基準程度の収入しかないという方々に住民税を納税していただくということはいかがなものだろうかというようなこともやはり配慮する必要があるという考え方で、住民税の課税最低限を決めるに当たりましては、夫婦子供二人の給与所得者という標準世帯を想定をいたしまして、生活保護基準というものを一つの目安といたしまして課税最低限を決めるということを住民税の場合にも行っているところでございます。 その場合のやり方といたしましては、ただいま御指摘のようなマーケットバスケット方式によって決めていくというようなやり方もあろうかと思いますけれども、現在の住民税の課税のやり方、これは所得課税のやり方といたしまして、所得の計算上、基礎控除でございますとか配偶者控除でございますとかというような各種控除という制度を設けることによりましてそういう課税最低限というものを決めているということでございますので、それぞれの各種控除というものを活用しながら、そしてあるべき課税最低限の水準というものを先ほど申し上げましたような考え方で求めながら実際の諸控除の額を決めていく、こういう考え方で現在やっているわけでございます。 その場合に、配偶者特別控除まで課税最低限の算定に加えるのはいかがなものかという点でございますが、これも先ほど申しましたように、納税義務者の家族の態様というものを夫婦子供二人という標準世帯、しかも片働きと申しますか、共働ぎでない片働きの方々、そういう世帯が統計上でも非常に多いということで、一応そういう家族の態様というものを想定いたしました。これは一つの仮定のもとにおいて計算をするわけでございます。一つの想定のもとでそういう家族横成の場合に一体どのくらいの課税最低限というものがあればいいだろうかということで計算をしたわけでございますが、この片働きの夫婦子二人の給与所得者というものを前提にいたしますと、現在講じられております配偶者特別控除というものも考慮に入れて計算をした上で最終的に課税最低限がこのくらいになる、こういう計算をするということになるわけでございます。
○篠崎年子君 時間がありませんので、次にお尋ねしたいと思います。 課税最低限を設ける趣旨ということについては、立教大学の畠山武道教授が書かれました「租税法」によりますと、「担税力の低い納税者の納税義務を解除し、あるいは減少させることである。 課税最低限は国民の最低生計費に所得税あるいは住民税が食い込むのを防止するに足りるものでなければならないから、その決定は財政上の都合を理由に恣意的になされてよいものではない。なんらかの方法で国民の最低生計費を客観的に算定し、それをもとに課税最低限を決定するのが理想的な方法である。」と書かれているのを読んだわけでございますけれども、現行の課税最低限はこのような考えに基づいて算定されていないように思います。また、これは住民税においても非課税限度額というような制度をなお存続させることにもなっているようにも思うのですけれども、この点について自治省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 住民税の課税最低限を決定する場合には、仰せのとおり、生活が非常に苦しい方々に対してまで住民税の負担をお願いするということはこれはまた問題でございます。と同時に、特に住民税の場合には、市町村の行政経費というものをなるべくその地域の方々に広く分担をしていただくという考え方からいきますと、低所得者の方々にもそれなりに応分の経費の負担というものをお願いすべきではないかという意見も他方にはあるわけでございます。そういうことも踏まえまして、現在の課税最低限の決定に当たりましては国民の生活水準の状況あるいは納税義務者の数が極端に減ってしまってはこれは問題があるわけでございますから、納税義務者の方々がどの程度いらっしゃるかというような問題、あるいは地方財政の問題というものを総合的に勘案いたしまして課税最低限というものを決めていくべきではないかと思うわけでございます。 ただ、先ほども申し上げましたとおり、そうは言いますものの、実際問題として生活に非常に苦しい方々にまで税負担をお願いするということも避けるべきだという御議論もございますので、この課税最低限を設ける一つの目安といたしましては、生活保護費というものをにらみながらこの決定をしていくという側面も大事ではないかということで私ども考えているところでございます。 そういう観点から見まして、現在の課税最低限はかなりの水準になっているということは言えるかと思いますけれども、御指摘の非課税限度額というものは、従来、地方財政が非常に厳しかったときに課税最低限がなかなか上げられなかったというようなときに設けられたものでございますが、現在はほとんどは課税最低限が上がっておりますので、非課税限度額を利用しなくても税負担は軽減されるはずでございますが、世帯の構成によりまして非課税限度額を使わなければ税負担の軽減を受けられないという方々がいらっしゃるようでございますので、この制度を引き続き維持してまいりたい、そして限度額も引き上げたい、こういうふうに考えているところでございます。
○篠崎年子君 ただいまのお話で自治省の考え方はわかりましたけれども、いろいろな理論的な問題もございますので、今後いろいろお考えをいただいて、住民にとりましてはできるだけ低い課税の方がよろしいわけでございますので、その点について御検討いただきたいと思います。 次に、公的年金控除についてお尋ねいたします。 今回、地方税法におきましては公的年金控除の改正は直接には提案されていませんけれども、所得税の改正によって住民税に自動的に影響してくることにもなりますので、改正内容について若干お尋ねしたいと思います。 まず、公的年金に係る改正が昭和六十二年に行われました。このときに公的年金を従来の給与所得から雑所得に変更する所得区分が行われたわけですが、なぜこのような変更が行われなければならなかったのかということについてお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 公的年金の支給を受けられる方々の所得を課税上どういう形で算定をするかという問題につきまして、仰せのとおり、従来はこの公的年金につきましては給与所得の扱いでやっていたわけでございます。ところがこの給与所得の場合は通常、勤労、働いて給与を稼得するということ、その所得に対する課税でございますから、給与所得控除という制度が従来からございまして、それに基づいて給与所得の算定をするわけでございますが、年金所得者につきましても給与所得と同じ控除を従前はやっていたわけでございます。ところが、やはり公的年金の支給を受ける方々というのは、一方では掛金を毎年毎年払っている段階ではこれは御案内のとおり公的年金控除が働く、それから今度は支給を受ける段階で非常に有利な給与所得控除を受けるという二重の控除を受けるという点について制度的に問題があるのではないかという点がございまして、これは給与所得控除とは別の公的年金控除というものをつくってそれで所得の計算をしていこう、こういう話になりまして、そこで給与所得から雑所得に移しまして、そして公的年金控除という制度を新しく設けた、こういういきさつだと私は理解しているわけでございます。
○篠崎年子君 また、今回の所得税法の改正で公的年金控除が引き上げられておりますけれども、これは平成元年十二月に出された平成二年度の政府税調の答申の中に、一番最後のところですけれども、「公的年金受給者に対する配慮を充実する見地から、公的年金等控除を引き上げることが適当である。」というふうな答申が出されていたようでございますが、金額についてはここには触れられていないようですが、今回の引き上げ額がどのようにして決定をされたのか、そのことについてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 年金所得者の方々に対する一つの配慮といたしまして、従来から生活水準を確保するという意味から公的年金控除が行われているわけでございまして、昨年の税制改正の作業をする段階におきましてやはり年金生活者の生活を幾らかでもよくしようという観点からこの年金控除の引き上げをして、それに伴って税負担を軽減していこうと。これは所得税においてこの公約年金控除を引き上げますと自動的に住民税も翌年度からそれが働くということになりますので、最終的に公的年金生活者の方々のために非常に有利になるという配慮から今回年金控除の引き上げが行われたというふうなことでございます。
○篠崎年子君 引き上げ額等についてもお尋ねしたかったんですけれども、時間がありませんので後でまた次の方にでもお尋ねしていただきたいと思います。 今回の改正によっていわゆる年金所得者の課税最低限が大体幾らぐらいになるのか、それからこれは所得税あるいは住民税にもかかわってくるかと思いますのでそれぞれにお答えいただきたいと思います。 また、その算定方式が所得税と住民税が課税最低限が同じではなくて、社会保険料の控除につきましても異なった算定がなされているようですが、同じ税体系の中でなぜこのような異なった算定がなされたのかということについて、額は少ないと思いますけれどもお尋ねしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 今回の公的年金控除の引き上げによりまして個人住民税の課税最低限は、例えば夫婦お二人の世帯の場合でございますが、六十五歳以上でございますと従来二百七十七万七千円でございましたものが二百九十七万七千円に引き上げられます。六十五歳末満の場合には百六十九万六千円から百七十九万六千円に引き上げられるわけでございます。 所得税につきましても便宜私から申し上げますと、六十五歳以上では三百一万八千円が三百二十一万八千円に引き上げられ、六十五歳末満では百九十万九千円から二百万九千円に引き上げられることになるわけでございます。 ただいま御指摘のように、住民税の場合と所得税の場合とでは公的年金控除が同じであるにもかかわらず課税最低限が違ってくるという点の御指摘でございますけれども、これは御案内のとおり、基礎控除、配偶者控除、扶養控除という控除額が所得税と住民税とでは違っているということがございまして、この控除額から逆算してまいりました結果が今のように所得税と住民税との差が出てくるということでございます。これは年金生活者に限らず、一般的な標準世帯におきましても、所得税の課税最低限と住民税の課税最低限は、ただいま申しましたようなそれぞれの控除の金額が所得税と住民税とでは独自に別々に決められているというところから出てくる差であるというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○篠崎年子君 次に、所得税、住民税の一般についてお尋ねいたしたいと思いますが、所得税、住民税についてはいわゆる物価自動調整措置というのを採用すべきであるという議論がありまして、私どももそれに関心を持っているわけですが、このことにつきまして大蔵省、自治省ほどのように考えていられるのかお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 住民税についても物価調整減税制度というものを採用できないかというお話でございますけれども、住民税の税負担水準をどのような水準でそれぞれの方々にお願いをするかということは、先ほど来申しましたような国民生活の水準の状況あるいは納税義務者の数がどのくらいが適当かどうかというような問題、あるいは地方財政の状況などを総合的に勘案した上で具体的に決めていくべきものだと思うわけでございます。その場合に、諸控除の引き上げでやるのか、あるいは税率の調整でやるのかというような問題も含めて税の負担水準というものは決めていくものであろうかと思うわけでございます。 そういう意味から、住民税についてのみその水準について物価調整減税制度というものを設けることはこれはいかがかなという感じがするわけでございまして、他の制度、例えば地方税におきましても定額課税でお願いしているものもございます。例えば軽油引取税でございますと、一リットル当たり何十円というような形の税金もあるわけでございますが、こういうものはやはり適時適切に見直しながら法律に基づいて引き上げをお願いするというようなこともございまして、物価に単純にスライドして税率を引き上げさせていただいているというようなものでもございませんので、そういうような税体系全体を考えますと、住民税だけについてこのような物価調整制度というようなものを設けるということは、現段階では私どもは慎重にせざるを得ないんじゃないかというふうに考えるわけでございます。
○説明員(大武健一郎君) ただいま住民税について税務局長からお話がございましたので、国税である所得税についての自動調整措置についての説明をさせていただきたいと思います。 所得税の自動調整措置につきましては、六十三年の四月の税制調査会の答申でも述べられているわけでございますが、二つの視点がございます。 一つは、所得税の控除や税率につきましてインデクセーションを導入するのであれば、ただいま税務局長が住民税でお話しになりましたとおり、インフレによって同様に影響を受ける他の分野、所得税、法人税で申し上げれば、例えば減価償却費ですとかキャピタルゲインですとか債務者利益、そうしたようなものにつきましても物価調整制度を導入しなければ税体系全体のバランスを損なうんではないかということ、それから第二番目には、インデクセーションの導入というのは税制の持っております景気調整機能を阻害するおそれがあるということともに、インフレを前提とした経済社会構造をもたらすおそれもあるというような御指摘がなされているわけでございます。したがいまして、私どもとしましてはインデクセーションを導入することにつきまして慎重に対処すべきであるというふうに考えておりますけれども、他方、所得課税の負担につきましては、社会経済情勢の推移に対応しつつ適時適切に見直しを行っていきたいというふうに思っているところでございます。
○篠崎年子君 まだお尋ねしたいことがあったんですけれども、ちょっと飛ばしまして、最後に固定資産税についてお尋ねいたしたいと思います。 来年度は固定資産税の評価がえが予定されておりまして、今回は前回からの積み残しになっている最も地価が高騰したときの評価を行わなければならないということになっているようですが、地価が高騰した分がそのまま固定資産税の評価額に反映されると最も打撃を受けるのは住民だろうと思っております。この点について、先般NHKで「土地はだれのものか」という討論会がありまして、その折、鈴木俊一都知事が、自分としては三年に一回の評価かえを一度ぐらい中止してもよいのではないだろうか、こういうふうなことを述べられておられました。この点について自治省としましてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。一回ぐらいそのようなことを実施するということができるものか、どうだろうか。した方がいいんだろうか、そのことについて御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税は、資産の持っている価値というものに着目いたしまして、その使用収益すべき価値に応じて所有者に対して税負担を求めるという制度でございます。したがいまして、その使用収益すべき価値というものが常に的確に評価として反映されるというのがこれが一番大切なことではないかと思うわけでございます。そういう趣旨で、固定資産税の評価というものは本来であれば毎年毎年やるべきところかもしれませんけれども、やはり非常に膨大な数の土地、建物を評価するわけでございますので、技術的にもいろいろ制約があるということで三年に一回の評価がえということで現在やらせていただいているわけでございます。 そういう意味からいきますと、税負担を適正に所有者に求めるという観点からいきますと、やはり評価がえというのは三年に一回ずつきちんきちんとやっていくということを建前にして、それで税負担を公平に住民の皆さん方に負担していただくというのが今後ともやっていかなければならない考え方ではないかと思います。 仰せのとおり、来年の四月の評価がえに向けて現在いろいろな作業をやっておりますけれども、地価の高騰が非常に激しい地域とそれからそれ以外の地域というものが二極化している状況でございまして、これらの地価の動向というものを十分反映させながら、しかも適正な税負担を求めるためにどのような評価というものができるかということで鋭意今地方公共団体の担当者の皆さん方とも御相談をしながら作業を進めているという状況でございまして、三年に一回の評価がえを休むということは私どもは考えておりません。
○栗村和夫君 私はおおむね五点について質問させていただきます。 順序を申し上げますが、個人住民税関連が第一点。第二点は特別地方消費税関連。第三点は土地関連税制関連。第四点は入湯税の関連。最後にゴルフ場建設をめぐること。この五点を申し上げた順序でまいりたいと思いますが、質問の視点は、細かい数字というより、この法改正がなされますが、その社会的な背景あるいは状況、そういうことに照明を当ててみたい、こう思います。 第一点ですが、非課税限度額、篠崎さんからもお話が出ましたが、これが当然のことに生活保護基準と相対的な関連を持ってちょっぴり非課税限度額の方を高くしておく、こういう措置になります。そこで私が伺いたいのは、厚生省になると思いますが、生活保護基準、このことはいいんですけれども、今、生活保護世帯がどれくらいあるのか、ここ両三年、近年ということでもいいんですが、該当者がふえているのか減っているのか。それからよく本来ならケースワーカーが点検をしてみてどうも適当でないな、こういうケースが相当あるわけですね。これは他法適用の原則というよりも反社会的な、つまり頑健な体を持って働く年齢にいて、しかし働く意思がなくてぶらぶらしている。簡単に言えば反社会的なそういうようなケースなども時折マスコミで大きく報道されます。そういう関係のものがふえているのか減っているのか、こういう状況についてまず第一点伺います。
○説明員(炭谷茂君) まず先生の御質問の第一点目の生活保護の最近の動向でございますが、最近の動向につきましては、まず昭和五十九年に生活保護の受給者数のピークを迎えたわけでございますけれども、その当時の世帯数で申しますと七十九万世帯、人員数で申しますと百四十七万人というピークを迎えたわけでございますけれども、その後我が国の経済の好調さ、また社会保障一般の施策の充実、離婚の減少に伴います母子家庭の減少、また地方公共団体の方々における生活保護における適正化の実施推進というものによりまして、生活保護の世帯数、人員とも減少をしております。最近の推移を私どもの入手しております直近の数値で申しますと、平成元年度十月の数値では、世帯数では六十五万四千人、先ほど申しました五十九年度の数字に比べますと八三%程度の数字になっております。人員で申しますと百九万六千人という程度に減少いたしているわけでございます。 次に先生の第二点の問題でございます。私どもといたしましては、生活保護はあくまで他法他施策、またその人の持っていらっしゃる稼働能力をフルに活用していただくということが原則でございます。したがいまして、そのような適正な生活保護の実施につきましては、地方公共団体の方々とともに努力いたしておるわけでございますけれども、先生御指摘のように不正受給が発見されるということもまた事実でございます。最近の数字、六十三年度の数字で申しますと千八百九十二件、額で申しますと十八億円の不正受給を把握いたしております。これにつきましては今後とも私どもとしては収入の適切な把握等を十分行いまして、生活保護の適正実施について努力をいたしていきたいと存じております。
○栗村和夫君 ケースワーカーというのは人情の機微に触れた場での活動で、悩みあり、時にクールな対応をしなくちゃいかぬですが、同情するだけでなく、反社会的な部分に厳しくやっぱりメスを入れてほしい、行政の公平というのはそういうことです。期待をしておきます。 第二点、特別地方消費税関連ですが、これは大体三つに分けまして、第一点は自治大臣にお願いをいたします。 これは社会的背景というよりも政治的な状況についてどう判断されたかという立場の質問ですが、申し上げるまでもなく、消費税の是非論はここでやりませんが、十月一日から特消税は施行するということですが、どうしてこれだけを切り離して混乱しないように地方税の改正案を持ち出さなかったのか、そういうことについて一顧だに値しなかったのかどうか、こういうような政治状況の判断について伺わせていただきたい、こう思います。 簡単に言えば、政治というのは権力をめぐる仮借なき闘いでもありますが、しかし大方はやっぱり話し合いで円満に国民が納得する状況でまとめていく、こういうのが要諦でなければいかぬ、こう思います。消費税をめぐってはこれから見直し、廃止、再び大議論が展開される中に、この特消税を地方税改正の他のものと一緒にしないで分離してやって円満にスムーズに通す、日切れ法案ということにもあえて言えばならぬ部分ですから、その辺のひとつ率直な大臣のお気持ちを伺わせていただきます。 一つ一つやるとなんでしょうからその次は、これは事務当局でいいんですが、免税点の引き上げに関しての質問であります。 まず、飲食店の関係のことですが、五千円が七千五百円が適当かどうかということでなくて、前は公給領収証というのがありました。しかし、これは名存実亡のような形で余り活用されないなという実態があったことも承知しております。七千五百円の食べ物をしょっちゅう庶民が食うかということにもなりますが、しかし飲食、特にアルコールの出るバーなりクラブなりそういうところに行きますと大変な額の請求になってまいります。そういうところが社会風俗的な悪の温床になる面もあって、単純に七千五百円、五千円の仕掛け論ではいかぬ、飲食店と客とのかかわりのありようもございます。そして公給領収証というものは名存実亡と言っていいかわかりませんが、あってなきがごときものだから廃止したということなのか。しかしああいうものを残してきちんと明細を書いた請求書になれば俗に言う明朗会計、こういうことになっていきます。そのチェック機能を発揮した公給領収証にかわるような何かもっと簡便な工夫がなかったものかどうか、考慮されたのかどうか、その辺を伺いたい、こう思います。 それから、第三点目は旅館ですが、一万円が一万五千円になりまして、役人その他の出張旅費にしても一万五千円のところに泊まれば足が出てしまう。大方ビジネスホテルなりあるいは共済の施設なり、これが庶民の宿を利用する実態だ、こういうふうに思います。したがいまして、一万五千円のホテルが高級ホテルと言えるかどうかわかりませんが、今の社会状況の中で。その辺、一万五千円というものをひとつボーダーラインにして、それ以下、俗に私たちが理解しているビジネスホテルというようなものが一体どれくらいの比率としてあるのか。今は室内サービスをする、俗に言う給仕をする女の方の労働力も不足ですから、どうしてもビジネスホテルのような、客も極めてすきっと利用できる、経営者も諸経費の節約ができる、そういうビジネスホテル志向型にいっている、こう思います。その辺の実態がどうであるか、これはおおむねの仕掛けでいいんですがお願いしたい、こう思います。 特消税に関しては以上の三点であります。
○国務大臣(奥田敬和君) 細部の点に関しましては税務局長から答弁させることにいたしますけれども、先生のまず第一点目の特別消費税は切り離してやれなかったのかどうかということでございます。 私から言うまでもなく、この特別消費税という名前ですけれども、私はこのよって来る原因から考えるとこれは特別地方飲食税というか料飲税くらいに考えておるんです。と申しますのは、これは私の選挙区にも非常に関係あることですけれども、初め府県税の非常に大事な形で料飲税がありました。これは一〇%徴収ということで、観光県にとってみるとこの税が非常に大きな意味を持っておったわけです。それが今度の消費税制への移行に伴いましてこれが全然なくなっちゃうという形ではこれは自治体として非常に急激な厳しい財政悪化をもたらすということで、三%上乗せという形で特別消費税という形に名前を変えてやったわけです。ですけれども、この税そのものは全く府県固有の税の制度であったという認識に立っております。 さりとて、最近は非常に余暇時代と申しますか、外へ出て外食の機会も多いということで、今回の改正によってできるだけ減税対象にもっていこうと。飲食七千五百円、宿泊一万五千円ということになるとほとんど非課税対象になるわけでございますので、これに対する地方への財源補てんはまた別個の問題として、ともかく時代のニーズに対応しようということでそういった措置をとらせていただいたわけでございます。 しかし、なぜ今どき、まだ時間的にも余裕があるということでございますが、聞きますと、どうしてもこういった改正のときには半年くらいの事前の周知徹底を期すると、PR期間が必要だということもあります。説明会等々を開いて、あるいは受け入れの業者あたりがコンピューターのソフトの面を改変するとかいろいろなことが理由でございまして、半年間はどうしても事前に必要なんだという形でございました。 したがって、そういった諸情勢も勘案して、十月一日から実施ということになりますと半年間くらいの余裕しかないわけですから、これを切り離してやるということは適切ではない。切り離すと必要最小限の準備期間を確保できないということ等で切り離すことができないという結論に達して、こういったことでお願いを申し上げておるわけでございます。
○政府委員(湯浅利夫君) その他の点につきまして私から御答弁させていただきます。 第二点の公給領収証の問題でございますけれども、御案内のとおり、公給領収証制度は、以前の料理飲食等消費税の時代にこの税に対する理解を深めていただく、あるいは消費者からこの税金をいただきやすいようにするというような趣旨で公給領収証制度を設けたわけでございます。そして、その効果といたしましては、申告納入をするときに適正に行っていただけるとか、あるいは課税庁である都道府県と特別徴収義務者である旅館とか飲食店の方々との間に無用のトラブルが避けられるというようなことがございまして、この制度が料理飲食等消費税時代はずっと続けられてきたわけでございますが、反面、公給領収証制度につきましては、従来から事務が非常に煩雑であるというようなことで、業界の方々からもこれを何とか簡素化できないかという指摘もあったわけでございます。 そういうこともございまして、さきの税制改革において料理飲食等消費税を特別地方消費税に改めるに当たりまして公給領収証制度を廃止したわけでございますが、この廃止をするに当たりましては、私どもとしては、この税というのが都道府県の固有の税として既に国民の間に定着をしているということから、公給領収証制度に頼らなくても事業経営者が消費者から税を取っていただけるということが可能だということ、こういうことを考慮いたしまして、課税の簡素合理化を図る見地からこの制度を廃止したわけでございます。 ただ、廃止しただけでは税の確保というものが適正に担保できないのではないかという懸念も他方にございましたので、帳簿書類の保存というものについて新たに規定を設けまして、従来の帳簿保存に比べてもう少し詳しい帳簿の保存というものを法律上義務づけまして、そして公給領収証制度を廃止するかわりという形にしたわけでございます。この帳簿制度の導入によりまして、私どもとしては適正に課税が行われるものというふうに考えているところでございます。 それから第三点の宿泊施設の免税点につきまして、一万円から一万五千円に引き上げをお願いしているところでございます。この引き上げに基づいてどの程度の方々がこの対象になるかという点で非常に推計の要素が入るわけでございますけれども、一万五千円を超える宿泊者の割合は全体の利用者の約三%ぐらいではないかというふうに考えております。ただ、一万五千円を超える宿泊施設がどのくらい数があるかという点につきましては、私どもの現段階の調査ではこれはちょっと把握していないわけでございますが、いずれにしてもかなりの部分はこれによりまして、免税点によって税負担が軽減される、こういう形になろうかと思うわけでございます。
○栗村和夫君 特消税に関連してもうちょっと突っ込んでみたいんですが、奥田大臣、消費税の導入のときは三カ月だったんですよ、期間が実施まで三カ月。ですから、僕が言うのは、事務方は三カ月より六カ月あった方がいいということになりますが、こういう政治状況で、消費税をめぐって政府・与党がばらばらになっているわけですから、事を荒立てないで済むために、よく与野党対話を深めるためにこれを切り離してやるべきたったなと。まあそうだと言うわけにはいかぬでしょうけれども、何か六カ月ということは前の消費税の導入の三カ月の猶予期間から見ますとちょっと、詭弁とまでは言いませんが、そんな感じがいたします。 それから公給領収証です。これはこういうことなんですよ。今レシートがありますね。そして一番日本人の悪い癖は、我々もそういうちょっと見えが働くときがありますが、何だ、ちょっと高いなと思っても明細を聞くのは余り細かいような感じがして、そしてトータルだけサインしたもので会計してくるというような状況がございます。僕はそれは面倒だとか面倒でないでなくて、明朗会計を進めるためにはやっぱり明細、例えばとんかつ何ぼ食べたとかオードブルはどうだったとか、こういうのを書くのが面倒だという店主がいるとすれば、これはちょっと不遜な話であって、公給領収証まで細かく要るかどうかということは特にこだわりませんけれども、何か会計のときはきちっと明細を示してトータルを出して、そしてそのうちの消費税はどうなんだ、こういうことに直すべきだと思うんです。 そういうチェックするための事務処理の方式、ですから、消費税で問題になっているのは、本質的な逆進制のことはちょっとおくにしても、簡易課税方式や伝票方式でなく、帳簿方式にしたために納めた税金が国庫に入らないんじゃないか、このことが本質的に最も重要なことなんです。ですから、そういう視点でもう一度ちょっとお考えなり、検討するかどうか、そんなことを伺いたい、こう思います。 それともう一つ、それに敷衍してですが、いわゆる俗に暴力キャバレーとか暴力バーとかに行ってトラブルを起こすことが随分あります。これは客と飲食店経営者の間のトラブルなんですが、ちょっと高過ぎるとかいうようなことで、そういう苦情なりあるいは訴えなり相談なり、こういうものが警察の現場などにどういうふうにあって、どういう対応をされているか、このこともちょっとつけ加えて伺いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 物理的に六カ月というのは、三カ月というのもあったじゃないかという御指摘であったと思いますが、私が事務当局から聞いた形では、やはり六カ月くらいの期間は最低必要である、そういった形じゃないとなかなかPRや実施した場合のトラブルあたりの形の中で、従来の慣行からいってもこれくらいの時間は必要であるということでございました。この是非についてはまた政府委員からも補足説明をさせますけれども、ただこの免税点を引き上げるという形は時代のニーズにも沿ったものであろうし、国民の皆さんからは歓迎される措置であるだろう、私の場合はそういう形でこの法案に繰り入れることほ積極的に賛意を表したわけでございます。 また、簡易課税方式の是非については先生らの御意見もあるわけでございます。これが恐らくこれから政府の出す見直し案と、そして先生方が既に参議院において御審議願った廃止をめぐってこれからの両院における税制協議の場のやはり一つの焦点の問題になっていくだろうと思っております。そして、あの見直し論議に当たりましても、これから大いに論議を闘わしていただきまして、やっぱり接点を見出していただけるように私どもは強く御期待申し上げているところでございます。
○政府委員(湯浅利夫君) 施行期日の問題について私からも事務的に御説明をさせていただきますと、この特別地方消費税の免税点の引き上げに当たりまして、施行期日についてのいろんな検討を私どもも事務的にしたわけでございます。先ほど来大臣からも御答弁ございますように、課税庁による各種のPRあるいはこの特別徴収義務者がそれを準備するためのいろいろな準備というようなことを踏まえますと、半年というのがやっぱり適切な準備期間ではないかというふうに私どもは考えているわけでございます。 ちなみに過去の五十年、五十二年、五十七年に免税点を引き上げた場合にも半年あるいは九カ月の余裕をいただいてこういう免税点の引き上げなどをやったわけでございますが、今回はそれに加えまして外国の大公使の税の免税の問題あるいは初めて納税地の市町村に対する料飲税の一部交付というような制度もあわせてやっているということを考えますと、やはり半年間という期間をぜひいただきたいということで、この半年間の準備期間をお願いしているところでございます。 それから、二番目の公給領収証との関係でございますが、私どもといたしましては税の観点から公給領収証というものをお店の方々に義務づけるということは今回やめたわけでございます。しかしながら、お店の方々とお客さんの間の関係で明朗な会計と申しますか、そのお店の料金の明細を明朗にお示しするということとはまた別の話ではないかと思うわけでございます。お店の方々が利用者に対して明朗に料金の明細を示すということは、これはある意味では当然のお店の方々の責任になろうかと思います。ただ、一定の様式に基づいて税制上必要だからこういう領収証を切ってくださいというそういう義務づけはこの際私どもとしてはやめた方がいいんじゃないか、その他の担保によりまして税を的確に捕捉し、納税していただくという方がいいのではないかということで公給領収証の制度を廃止したわけでございます。 なお、暴力バーの問題につきまして、ちょっと私ども、この点は別の方でお願いします。
○政府委員(加美山利弘君) お答えいたします。 バー、キャバレー等飲食店の料金の支払いをめぐるトラブルについての対応ということでございますが、バーとかキャバレーとか飲食店における料金支払いに伴うトラブルの多くは飲食店側が客に対して法外な料金を請求するという事例とかあるいはお店の方とお客さんの方と料金に対する認識のずれによるトラブル等であると承知しておりますが、これらの大多数は関係者から直接最寄りの派出所等に苦情や相談が持ち込まれまして、そこで処理されているというふうに存じております。 以上でございます。
○栗村和夫君 果てしなく続きますから特消税はそれくらいにしますが、意見を言って終わりにしますけれども、やっぱり僕は義務づけ、あるいは義務づけるのに近いような措置をとるべきだと。そうすることによって七千五百円以上の納税とか客と店の間のトラブル、そういうものがなくなってくる。僕は何か事業者の方だけ見て抵抗がありそうなことについてはちょっと避けているなと。簡易課税方式にしろ帳簿方式にしたことにしろいずれもそういう対応のような感じがします。将来に向けてひとつこの辺も行く末を見守りながら、私が述べた意見も考えていただきたい、こう思います。 第三点に移ります。 土地関連税制に関連してですが、昨年のこの場所でもちょっと触れましたけれども、土地基本法ができた、したがってこれからひとつなるべく公用地あるいは庶民の住宅用地になるようなものを開放させるようにする、そのための税制は、そのための取引に関する規制は、こういうことがもろもろあやをなして総合的な成果として出てこなけりゃいかぬのですが、それをさらに象徴的な大都市、東京と限ってもいいんですが、農地の宅地並み課税をやれば庶民に安い値段で宅地が提供されるがごとき宣伝が盛んになされますが、これは私は認識において全く誤りだ、こう思います。これはやっぱり大会社も含めた不動産業界のえじきになるだけだと思う。特に地方から出てきている私たちはそういうふうに考えます。 したがって、わかりやすく論点を整理しますと、農地をもし仮に手放す、こういうときは当然時価相当額になろうと思いますが、国なり地方公共団体、公的機関がそれを取得する。そして、取得した用地は都市改造に向けた代替地に充てるとか、あるいは予想される東関東大地震などを想定しながらその避難所も兼ねた緑地帯を都心の中に、町の中にどんどんふやしていく。そして、住宅用地としては個人住宅に応ずるというのは不可能なことですから、非常に優良で機能的な集合住宅、つまりアパートですが、これを建てて、分譲するもよし、賃貸もよしということになりますが、こういう公的機関が取得してやらない限り、そういうことが基本にならない限り、私は大都市の土地問題は解決しないと思うんです。そしてできれば、四全総というのはなるべく東京に人も物も金も集中しないで地方に多極分散しろという、これは国づくりの戦略ですから、そういう視点から土地関連税制というものを検討してほしいのです。 私が申し上げた認識についてどうお考えになられますか。これはひとつ自治大臣にできればお願いしたい、こう思います。 以上が第三点目です。
○国務大臣(奥田敬和君) 東京に絞って市街化農地の件について考え方を述べさせていただきますけれども、基本的な考え方においては今先生の御指摘された点について私も全く同感でございます。農地を宅地化するという形において不動産屋のえじきになるだけでまた地価高騰もさらに助長される結果になるのじゃなかろうかという懸念も、全くそのとおりじゃなかろうかと思うんです。しかし、これは今、内閣でも基本的には一致して、東京、この大都市区の市街化農地を宅地化するものと農地として保全すべきものとこの区分をまず明確にしよう、それを急ごうということで、平成二年度にその結論を出した上でそして四年実施と、円滑な実施に移るという形で、今建設省を中心に国土庁、もちろん私たちも参画いたしましてこの内容検討を行っておるところでございます。 先生の言われた不動産屋のえじきにならない、このことが非常に大事でございますし、優良宅地になった場合にやはり公的な形での買い上げなり、そういった形は当然これは考えなきゃいかぬと思います。その上に立って、今大変な悩んでおられる皆さん方に少しでも資するために集合住宅をどういう形でつくっていくかということも当然検討する大事なここは課題でございます。良質な住宅宅地がそういった形に荒らされないように、そして本当の意味でこれらに困っておられる皆さんに喜んでいただけるような形に持っていくために関係省庁が今知恵を絞っておるというところで、基本線においては全く先生の御趣旨に沿った形で対応がなされるということを確信いたしております。
○栗村和夫君 どうぞひとつそういう視点で頑張ってください。 第四点に入ります。 これは入湯税関連ですが、いわゆる一億円のふるさと創生事業、あれは毀誉褒貶さまざまですが、私は極めて高く評価する立場なんです。十万の都市も一億円、三百人の村も一億円、あそこがおもしろい。あれから物すごく日本列島がにぎやかになりました。そのにぎやかさにもちょっと度を過ぎている感じがしているのが温泉のボーリングなんです。私は宮城県です。私が預かっていた町のすぐ隣で鹿島台というところでボーリングしたわけです。お湯は今大したブームになっているんですが、大体一千メーターぐらい掘ると四十度ぐらいの地下水があって、そこに水脈さえあれば温泉なんていうのは日本じゅうどこでもわいてくるという、簡単に言えばそういう荒っぽい話なんですね。 そこで、ボーリングブームなんですよ。新聞その他にもちょっと散見してますが、この一億円創生事業絡みだけではないんでしょうが、これに絡んでいるのが大方多いと思いますけれども、どれくらいの自治体なりあるいはそれに類したところで温泉のボーリングをしているのか。これ自治省がそこに一石を投じたという逆説も成り立つような状況のような感じがするんですが、これちょっと教えてください。
○政府委員(芦尾長司君) 確かに委員御指摘いただきましたように、一億円事業で温泉の活用を図ろうという市町村が多く出てきております。平成元年十月現在のその一億円事業の私どもの方の調査によりますと、四十道県の二百三十五市町村がこの温泉関係の事業に取り組んでおられます。ただ、この二百三十五市町村の中で、既存の温泉を活用してもっと大きくしていこうといったようなこと、それから今おっしゃいました温泉の探査というような事業に分かれておるわけですが、ざっと見てみますと、その二百三十五市町村のうちの一割程度は温泉の活用を図っていこうという、それから探査の方がその残りの九〇%ぐらいである、そんな感じでございます。
○栗村和夫君 そこはちょっと私も勉強したのでそのとおりだなと思っていますが、今三百ぐらいになっているというんですが、それくらいふえているんですか。あれは朝日新聞かな、何かで見たんですが。
○政府委員(芦尾長司君) たしか朝日新聞の記事にもそういう話が出ておりまして、私ども十日現在で一応一斉調査した結果の数字を今申し上げておるわけでございます。その後少しふえておるかもしれませんけれども、その数字はちょっとまだとっておりません。
○栗村和夫君 それじゃそういう状況に対する見解はどうですか。
○政府委員(芦尾長司君) 私どももその温泉開発につきましては、これは地域の資源を生かして、そしてみずからの地域の振興に結びつけていこうという取り組みの一つであろうというふうに考えておるわけでございまして、このような取り組みでございますが、いろいろ聞いてみますと、村民の方々のアンケートなんかでも自分たちの村に温泉が欲しいといったような結果によってそういう温泉の探査といったようなことも行われておるようでございまして、こうした取り組みも各市町村がその主体性と責任のもとに取り組まれるものであるならばこの一億円事業の趣旨に沿うものであるというふうに考えております。
○栗村和夫君 わかりました。大いに楽しい夢を咲かせるようなふるさと創生事業を先導すると言うとなんですが、ときには先導する役も自治省が持っていいのだろう、こう思います。 最後にゴルフ場建設のことですが、これがどうも異常なブームになって、非常に建設箇所が多くなって、それに対する反対運動が、簡単に絞れば自然破壊と農薬の使用、こういうことについて起きております。そこで、ゴルフ場というのはどこが所管なのかと聞いたら通産省であり、それから開発許可は都道府県だからその監督官庁は建設省であり、それから環境問題なれば環境庁でありと、こういうようなことですね。きのうから質問取りの方に迷惑をかけてしまってちょっと恐縮していたんですが、どなたでもきょうお見えになっている方でいいんですが、グローバルなお話でいいのですが。 まず一つは、千葉県の沼田知事が農薬規制に取り組みました。これは新聞で見たんですが、ゴルフ場等の開発事業に関する指導要綱づくり、それに倣う必要のあるところが出てきている。それから、北川環境庁長官がそれと軌を一にするということではないのでしょうが、ゴルフ産業振興議員連盟というものを三月五日に脱退をされている。この反対運動が起きているのに、それを指導する役所の一番トップがこれに入っているのではまずいなという、簡単に言えばそういう理由のようですけれども、そういう状況が一つあります。 そこで、自然破壊のことはどの程度、その辺の生態系をめちゃくちゃにしてしまうとか、里山とか大体は中山間地帯ですからそんなに心配なのかなという感じかするんですが、自然破壊の方より農薬公害について現時点での見解と、それから既設のゴルフ場がどれだけあり、今開発許可をして開発建設中のゴルフ場が何カ所あるのか。 これを異常にあおったのはやっぱり資産インフレだ、こう思います。株、ゴルフの会員権、円高、これが今ごらんのような混乱した証券業界、金融業界の状況になっておりますが、この反対運動のありよう、特に農薬に絞って御見解を伺いたい、農水省でも環境庁、それぞれいらしていればその担当の方から伺いたいな、こう思います。千葉県の沼田知事の指導要綱づくりと環境庁長官がゴルフの議員連盟から抜けたということは相当の重みのある社会的、政治的な出来事です。 これは三月二十日の朝日新聞の諭談ですが、日本雑草学会会長、神戸大学の松中昭一教授が、農薬なんか心配ないんだぞ、心配して大騒ぎする方がちょっとおかしいんだぞと、こういうようなことを堂々と論陣も張っていらっしゃいますし、必要以上の不安をかき立てるということも適当でないし、それから不安があるのにそれを隠ぺいするということになればもっと悪いことです。その辺の現時点での状況、箇所数、反対運動、特に農薬に絞った問題をお願いします。
○説明員(瀬野俊樹君) 先生御質問のゴルフ場の件数についてお答え申し上げます。 私どもは都市計画法を所管しておりまして、御案内かと存じますが、都市計画区域の中でゴルフ場を開発しようという場合には開発行為の許可というものが必要でございます。これは各部道府県あるいは政令市が実際には事務を行っておるわけでございますが、近時三カ年の開発許可実績を申し上げますと、昭和六十一年全国で七十四件、四千二百ヘクタール余、六十二年八十五件、五千三百ヘクタール、六十三年百十四カ所、八千九五九十ヘクタールという状況になっております。これはあくまでも都市計画区域の中での開発行為のことでございますので、全国、それ以外のところを含めてという数字になりますと私どもとしては把握し得る立場にはございませんので御了承をいただきたいと存じます。
○説明員(関口洋一君) 先生の御指摘の農薬の関係でございますが、我が国におきましては非常に高温多湿ということもございまして、病害虫あるいは雑草の発生が極めて多い気象条件下にあります。したがいまして、ゴルフ場におきましてこのような病害虫あるいは雑草の発生にいかに対処するか、芝をいかに適切に管理するかということは重要な課題であるというふうに伺っておりまして、多くのゴルフ場におきましては所要の農薬を使用して芝等の管理を行っているというふうに聞いております。しかしながら、農薬につきましては、その使用方法いかんによりましては国民の健康あるいは生活環境に影響を及ぼすことも懸念されます。したがいまして、このようなことがないように、農薬取締法に基づきまして毒性あるいは残留性等の試験データをもとに、関係省庁の協力を得まして、環境庁長官が定めます基準等に即して厳正な検査を行いまして安全性を確認し、一定の適正な使用方法を定めまして登録しているところでございます。 したがって、農水省といたしましては、登録された農薬が適正に使用されること、これが最も重要でございますので、六十三年、一昨年の八月でございますが、「ゴルフ場における農薬の安全使用について」ということで通達をいたしまして、都道府県とも連携をして農薬の安全使用基準の遵守等の指導に努めているところでございます。 さらに、昨年の十一月に北海道で魚が死ぬという事故がございました。そういう中で昨年の十二月、同様に「ゴルフ場等非農耕地における農薬使用に伴う危被害防止の徹底について」ということで再度通達をいたしまして、安全使用の一層の徹底に努めているところでございます。 なお、平成二年度の予算におきましてもこの関係の予算をお願いしておりまして、農薬の安全使用を徹底するための安全防除指針の作成といったふうな点から指導の徹底を図っていきたいというふうに考えております。
○説明員(細田敏昭君) 御説明申し上げます。 ただいま農林水産省からも御説明がございましたが、農薬によります環境汚染の未然防止という点では、まず何よりも登録農薬の適正使用というのが原則でございます。ゴルフ場におきましてもこの原則は徹底されるべき原則でございます。 私ども環境庁といたしましては、農林水産省が農薬を登録するかどうかの判断をされる際のいわゆる農薬登録保留基準という基準を設定しておるわけでございますが、その際、環境汚染の未然防止の観点からこの基準設定によりまして農薬の規制が行われているところでございます。 また、先生御指摘のように、昨今ゴルフ場の農薬によります環境汚染への懸念が高まっている状況もございますので、都道府県に対しましてゴルフ場周辺の水質の実態把握をお願いしている状況でございます。私ども、さらに自治体からの要請もございますので、自治体がゴルフ場などの関係者に指導する、その際の参考となるような何らかの目安を示すことができないかといったところで、関係の知見の収集、整理を目下進めている段階でございます。今後とも、農林水産省あるいは自治体とも十分連携をとりながら農薬の使用に伴う環境汚染の未然防止に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○栗村和夫君 かつての水銀剤のことがありますから、ひとつよく連絡を密にしていただいて、特に農水省、環境庁でしょうが、念には念を入れて、それからPRの手だてをマスコミを通ずるなりなんなりで、あるいは討論会を企画してもらうとか、やっぱり新聞が一番僕はいいと思うんですけれども、そういうことで、マスコミの御協力なども得ながらキャンペーンはやるべきだ、こういうふうに思います。
○委員長(渡辺四郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分まで休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 ─────・───── 午後一時四十分開会
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、喜岡淳君が委員を辞任され、その補欠として岩本久人君が選任されました。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) 休憩前に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渕上貞雄君 さきの委員会の中で、尼崎市のスーパー長崎屋の火災の問題について災害後の対処についての大臣の決意表明というのはお聞きをいたしました。具体的に今後指導、点検、指示等についての問題については大臣の答弁があったようでございますけれども、その決意については表明がありましたのでわかるわけでありますが、基準の見直しについて、大幅にこういう問題について改正をしていこうとする決意なのか、基準の見直しの具体的な考え方について。あわせて今回の事故というものが五十三年の事故と同様に煙による死亡というのが大変多くなっていると思います。したがいまして、具体的にどういうものに重点を置いて見直しをしなさい、こういうふうに指示されたのかどうか、そこらあたりの考え方についていま一度御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 先般の長崎屋の火災事故につきましては、本当に大変な死傷者を白昼の火災であったにもかかわりませず出した、そういった結果を省みて直ちに消防庁当局の幹部に対して指示をいたしたことは事実でございます。 と申しますのは、あの事故で私も死亡者の写真を見たわけでございますけれども、いわゆる火の熱でやけどをしたとかいうのじゃなくて、全く本当に安らかな、衣服に関しても全然そういった傷害を受けていない形の写真を見せていただきまして、これは将来の、こういった不特定多数の人が集まるような店舗に対してやっぱりガスの上昇を防いだりあるいは防火戸を含めてのそういった措置が適切になされておったかどうかという点について、単なる点検で合格のマークをつけるということだけじゃなくて、平素の安全対策も含めてやっておるかどうかということを随時、適時点検できるような方途を講じなきゃならぬ。特に防火戸あたりが段ボールの荷物等々で作動しなかったとか、あるいは五階で一番大きな死亡事故が起きておったわけで、一カ所に固まって起きておったわけですけれども、あれらに対しても各階ごとのそういった避難ばしごなりというものが常備されておったらここまでの大事故には発展しなかったであろう等々のことを考えまして検討委員会の設置を申しつけたわけです。 そして、その中でスプリンクラー、費用の面もあるとはいうけれども、こういった大型店舗に関して単に法的な基準に合格するとかしないとかの問題だけじゃなくて、スプリンクラーは設置すべきであるし、そしてまた各階ごとの避難施設も常時不慮の災害に備えるべきであるという観点に立ちまして、改正を含む、政令でやれるのか何でやれるかは別として、ともかく直ちにそういった二度と起こさない、二度とあってはならないという考え方に立って細心の配慮を行うようにということを指示したということでございます。
○渕上貞雄君 今の大臣のお言葉に期待をいたしまして、完全に基準を満たすということではなしに段階的に少し、この基準以下はよろしいということでなくて、以下でも最低の設価というものだけは整えるように今後ひとつ、今の答弁で期待をしておきたいと思うのであります。 同時に、新聞報道によりますと、今回の火災というもの自体建築基準法や消防法というものをきちっと守っておればああいう大災害は起こらなかっただろう、こういうことがかなり多く報告をされております。したがって、このことについては間違いないだろうと思いますので、その場合、やはり査察のあり方、査察を行った後、問題点となったときの指導といいましょうか、そういうものについて今後やはり不特定多数の場合はとりわけ査察の問題についてどういうふうに考えておられるか、消防庁の方ひとつお願いを一点申し上げたいと思うのです。 それから二つ目には、基準どおりで防火管理が適切ならば惨事に至らなかったという建設省の方の発言もございますけれども、もしこれがきちっと守られておったならばあのような災害にならなかったかどうか、これは仮定の話でありますけれども、もしそれがああいう大惨事にならなかったとすれば、やはり査察の問題としてそこらあたりはきっちり、今後の指導といいましょうか、店側のそういう建築物を所有しているといいましょうか、そこを使用している方々の防災上安全に対する意識の問題も含めて、不特定多数のところではとりわけ査察の強化というものが必要であろう、この面についてどう考えておられるのか。
○政府委員(木村仁君) 御指摘のように、今回の火災の際、すべての防火戸が完全に作動しておれば五階のお客、従業員の方々が亡くなられなくて済んだのではないかということは、仮定の問題でございますが、十分考えられるわけでございます。したがいまして、先ほど来御質問なり御答弁がありましたように、消防設備、防火設備の充実、管理の強化ということが必要でありますが、その際、消防機関による査察のあり方というのも基本的に考え直す必要があろうと思います。 現在は、こういった施設は少なくとも年に二回ぐらいは査察をいたしておりますけれども、やはり予防行政は小人数で非常に多忙でもございますし、一度査察をしていろんなことを指摘しても、また次の査察までに余り注意が行き届かないというようなことがあったのかもしれません。したがいまして、査察の都度同じような違反がある場合には一定の手続によって、例えば適マークを早急に取り消すとか、そういったいろいろな方途があろうと思いますので、これも先ほど来の検討委員会で十分検討を尽くして新しい査察のあり方を考えてまいりたいと存じます。
○渕上貞雄君 ただいま答弁のございました適マークの扱いでございますけれども、とりわけこういう場合に、建築基準法だとか消防法には違反してないけれども、防火扉の前に例えば荷物が置いてある、こういう場合の指導というのはどういうふうに考えられておるんでしょうか。例えば一回勧告をしてそれで終わりなのか、具体的な報告はどのような形で求められておるのか、事務的な技術的な問題でありますけれども、お答え願いたいと思います。
○政府委員(木村仁君) これは各消防機関によってまちまちでございまして、一つの例を申しますと、一度例えば防火戸の前に物が置いてあって機能しないようになっていたということが指摘された場合には、その処理状況をチェックいたしますとともに、さらにその点について査察をし、そして二度、三度にわたって同じ指摘があった場合には警告を発し、さらにそれによってもなお管理が十分でない場合には警告を発する。そして、それに従わない場合には告発するというようなことを行っておりますし、またそういった場合には適マークも取り消すことは可能になっております。
○渕上貞雄君 ただいまの警告の次に告発、そういうことになった場合に、その建物に適マークはまだついているんですか、ついていないんですか。ただ、やはりそういう不特定多数の方が安心して入っていく場合に、適マーク一つ見て、やはりこのホテルだとかこういうお店だとかいうようなところは安心だなという国民に対する影響というのは大変大きいと思うんですよ。ですから、そういう場合どうなんですか。
○政府委員(木村仁君) 警告と申しますか、最終的には措置命令を出して、それに違反した場合には告発をして罰則が適用になるわけでございますが、そういった手続を決めてはおりますものの、先ほど我々申し上げておりますように、なかなかそこまで徹底して取り締まりが行われるという実態がまだないようでございます。したがいまして、適マークについてそういった実態に基づいて取り消しをしたという例を私どもはまだ聞いていないのが遺憾ながら実情でございます。
○渕上貞雄君 この問題で最後になりますけれども、今回の火事の反省からして徹底的にそういう指導強化をしていくという場合に、どこらあたりを具体的に強化していくんですか。
○政府委員(木村仁君) 今回の火事の教訓は、第一に初期消火が十分に行われ得なかったという点、それから第二に煙が非常に早くかつ大量に上の階に進入したという点、それから避難誘導が特に従業員について十分でなかったという点でございます。 したがいまして、先ほど来御議論がございますように、消防設備の基準等を見直しまして、例えばスプリンクラーの基準を見直すとか、あるいは基準以下ではあってもできるだけつけるように指導する、そういうことも考えておりますし、それから適マークの中には施設だけでなくて管理の計画、訓練というようなことも十分やっているかどうかというチェック項目がございます。そういう点ももう一度全体を見直しまして、どういう形でチェックして適マークを与えるかというようなことも検討しなければならないと思っております。さらには、より根本的には防火思想と申しますか、防火戸やシャッターがあるにもかかわらずその前に物を置くというような不用意なことをしないだけの管理者及び従業員の心桐え構え、そういうものを啓発していく仕事も大変重要になろうかと思っております。
○渕上貞雄君 次に、地方税の中の非課税等特別措置の整理合理化問題について、現在具体的に税調の方から答申のあった部分について整理統合というのは計画的に進められておるのか、計画を立てながらそういうものを逐次直していっておるのか、御見解をお聞きしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 地方税におきます非課税等特別措置につきましては、例えば住宅政策でございますとか福祉、教育、中小企業対策とか、あるいは地域振興対策というようないろいろな政策目的を実現するためにこれらの税制を活用するということが行われているわけでございますが、ただいま御指摘のような税負担の公平という面から見ますと、その点についてはある程度犠牲にしてこういう制度が設けられているということでございます。 そういうことから考えまして、個々の政策目的と税負担の公平の原則との調和を図るという観点から、やはりこの制度というものはその時代の推移に応じて適時適切に見直しながら、その既得権化とかあるいは慢性化というものを排除するようにしていかなければならないというふうに考えております。税制調査会におきましてもそのような趣旨に基づきまして、政策目的の意義の薄れているものでございますとか、もう既に政策効果が乏しくなっているようなもの、こういうようなものについては整理合理化をしていくようにというような御答申をいただいているところでございます。 こういう御答申に基づきまして、私どもは毎年度これらの非課税等特別措置につきましては、関係省庁とそれぞれ一つずつその効果の状況等について議論をいたしまして、そして整理をすべきものは整理をする、こういうことを毎年繰り返しているところでございます。計画的にと申しても、それを何件ずつというような件数で整理合理化するということはなかなか難しゅうございますが、今申しましたような関係省庁と毎年協議をしながら不適当なもの、もう既に役割の終わったものについては整理合理化をすべく努力をしているところでございます。
○渕上貞雄君 平成元年度では百八十八項目、二年度で百九十項目と言われていますけれども、昭和五十七年度から元年にかけまして新設が六十七件、廃止が三十六件。したがいまして特別措置と言われる、今言われたように政策税制のかかわりが非常に強い。同時に、政策税制であるだけに、税の公平性、多少不公平になっても将来を見ればいい、こういうことからそういう政策税制として行われておるものについて、ふえていく場合に、ある程度今言われたように政策目的が達成した場合に具体的に廃止をすべきだと考えますけれども、そのときに一定の年限を区切っておるものとそうでないものとあるわけですね。したがってなぜそういうふうに年限をつくらないのか。政策目的であるとすれば、毎年今おっしゃいましたように各関係省庁と計画的に打ち合わせをしているということであれば、やはり政策の進捗状況というものについてもそれぞれ点検をしながら行うことであろうと考えますが、いわゆる特別措置についてのそういう具体的な効果の面を含めて恐らく決めていくと思いますが、なぜその項目の中に年限を決められないのか。もし永久にしなければならないとすれば、それはまた別の項目できっちりそれこそ政策的に考えていかなければならない措置だと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 非課税等特別措置につきましては、ただいま御指摘のとおり、特定目的を実現するために税の公平というものをある程度犠牲にしながらやっていくということでございますから、その政策効果が果たして十分に所期の目的を達しているかどうかということを常に点検しなきゃならないと思います。その点につきましては関係省庁とも議論をしておるわけでございますけれども、今御指摘のように既得権化あるいは慢性化することを防ぐためには、基本的には期限をつけるということはこれは一番いいやり方ではないかと思うわけでございます。 ただ、非課税等特別措置の中には、例えば公団などの公共的団体についての特例措置を設けるというような場合もございますし、その場合にはその公団などがある限りはこれはやはり特例措置として必要ではないかという場合もございます。あるいは社会福祉事業などというような比較的長期にわたってこの政策目的を実現するために必要なものというようなものも非課税等特別措置の中にはあるわけでございますので、そういうものについてまで期限をつけられるかどうかという点が一つあるわけでございます。できるだけ私どもとしては恒久的な制度ではなしに、期限をつけられるものはつけていくという基本的な考え方で今後はやってまいりたいと思っているわけでございます。
○渕上貞雄君 期限をつけられるものはつけていくというそういう政策判断をしていく場合に大切なことは、実態調査をすべきではないか。実態調査をしない限り、各省庁との間の協議といいましょうか、そういうこともできにくいんではないかというふうに思いますし、もし実態調査が明らかになり、そういう政策目的というものが一定程度満たされたとすれば、私はやはり整理統合についての一定の目的は達すると思うんでありますけれども、その実態調査というものができるのかできないのか。できておったとすれば、いわゆる特定業界だとか大企業に行われているそういう特別措置ということも考えられますし、最近の経営、営業状態から考えると大変よくなっている大企業にも、なおかつまだそういう特別措置が行われていることの項目もあるようでございますが、やはりそういう実態調査というものをきちっとして公表すべきだと考えますけれども、そこらあたりいかがでございましょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) この非課税等特別措置が果たしてきちっとした政策目的を実現しているかどうかという点を私どもとしてはできるだけチェックをしていかなければならないということは仰せのとおりでございますが、何せ非常に数の多いものでございますから、これを税務当局で実態調査をみずからが行うということにはやはり限りがあろうかと思います。ですから、問題点というものをよく私どもも日ごろから勉強して、それを関係省庁とよく話し合いをして、そしてその実態を関係省庁からお伺いをするということで、できるだけ実態の把握に努めるということが私どもができる最大のことではないかというふうに考えられますので、今のお話も含めまして、今後その実態の状況については一層その調査について努力してまいりたいと思います。
○渕上貞雄君 ひとつ大いに実態調査を明確にしていくことについては期待をしておきたいと思います。 次に、先ほど同僚の議員からもお話のありました土地の再評価が来年行われるということでございますけれども、先ほど栗村委員の方から発言のございました農地の宅地並み課税のときに、具体的にそうするかどうかは別にいたしまして、ほぼ栗村委員が言われたことについて大臣賛成をなされたようであります。したがいまして、そういう基本的な考え方が了解されるとするならば、それを所轄する自治省といたしまして、具体的にその裏打ちとなる財源といいましょうか、そういうことまで含めてお考えなのかどうか。自治体そのものが裕福だとは余り考えられませんけれども、そういう具体的な措置についてどういうふうにお考えになっておられるのか。 まだそこまでいっていないということであれば、大臣、そこまでで結構でございますけれども、具体的にやはり公共機関の土地に対する先取権といいましょうか、先買椎といいましょうか、そういうものを先に押さえていこうとする考え方について、私ども今後都市開発のためには大いにやっていかなければならないことだと思っていますし、大事なことだと思っています。基本的に了解できるとすれば財源的なものまで考えられておるのか。これは私は大臣に質問するとは伝えておりませんから、失礼でございますけれども、わからないで結構でございますから、よろしく。
○国務大臣(奥田敬和君) 具体的な財政的な補助に関してはまた政府委員から説明させますけれども、今言われた御趣旨は、いわゆる優良宅地を確保するために地方公共団体が先買権を発揮してかっちりすべきじゃないか、その財政的な手当てを含めておまえたちはしっかり見ているのかというそういうぐあいに受け取ってよろしいですか。
○渕上貞雄君 はい。
○国務大臣(奥田敬和君) まさにそのとおりで、先ほども御指摘ございましたけれども、不動産屋のえさになるような形で、本当に住宅宅地を要望している庶民のあれにこたえられないんじゃないかということに関しては御指摘のとおりであったと私も同感をいたしました。 それで、それに対しての自治体の財政的裏づけいかんということでありますけれども、できるだけ協力してまいるという基本姿勢を貫いてまいるし、また具体的にそれらの措置に関してはやっておるということを政府委員から説明させていただきます。
○政府委員(湯浅利夫君) 市街化区域農地の課税の適正化に関連いたしまして、その宅地並み課税を現実にやったとしても、その土地が吐き出されたものが例えば不動産業者のえじきになってしまうというのでは困る。やはり国や地方公共団体がそれを適切に利用するようなそういう施策というものを今後考えていくべきである、こういう御趣旨に伺ったわけでございますけれども、現在この宅地並み課税の問題について、税制の問題、市街化区域内の農地に課税をするというだけでこの問題は解決しないという点は御高承のとおりでございまして、この宅地化すべき農地が出た場合にいかに計画的に優良な宅地としてそれが供給できるか、あるいはそれが公共的な施設としてその地域に役立つものになるかということを制度的に保証しませんと、宅地並み課税だけをやっても結局それは意味のないものになってしまう、こういうことで、現在土地関係の関係省庁と一緒になりまして、仮に宅地化すべき農地が出てきた場合に、それをどういう形で優良な宅地にしていくか、あるいは公共施設としてそれを整備していくかということを含めた制度化のお話し合いを今しているところでございます。 そういう中で、当然地方団体がそれを取得して公共施設をつくるという場合には、公共事業の問題でございますとか、あるいは地方の財源措置という問題も含めていろいろな御議論がこれから出てくるものだというふうに私どもは理解をしているところでございます。
○渕上貞雄君 考え方についてはわかりました。したがいまして、土地の再評価が行われようとしているときに、最近の地価の高騰という問題については大変いろんな御議論のあるところであります。したがいまして、再評価を行う場合に適正な時価というものをどういうふうに評価していくのか。例えば売買実例価格だとか不正常な価格だとか、投機的な価格をどのようにして再評価をしていく場合にやるのか。再評価をしていく場合のそこに評価する基準といいましょうか、どういうものを基準にして再評価をされていくのか。実勢価格だとか公示価格だとか、相続税評価の問題など等も含めながら、どういうふうな手順で行われているのか、説明をお願いします。
○政府委員(湯浅利夫君) 土地の評価かえにつきましては、三年に一回ずつ全市町村におきまして評価がえを行うわけでございますが、この基本的な考え方は自治大臣が定める固定資産の評価基準に基づいて行われるわけでございます。この土地の評価に当たりましては、適正な時価というものを算出していくということを基本にしているわけでございますが、固定資産税の基本的な性格というものが、継続して土地を保有していくということを前提として、毎年毎年その保有の状態というものに着目して税負担をお願いするというものでございますから、この時価というものは、今度は売買の実際の価格というよりも、そこからやはり正常な状態で売買されると考えられる価格というものに引き直してそして評価をするという考え方をとっているわけでございます。 その場合に、じゃ正常でないものというのはどういうものかということになるわけでございますが、抽象的な評価基準の考え方から申し上げますならば、例えば投機的な要因によって地価が上がっている問題がございますとか、あるいは期待利益というものが非常に考えられる、地価の高騰の中にそういう要素が非常に考えられるということが予想されるわけでございますから、そういうものにつきましてはそういう要素を排除して評価をしていくということを基本的な考え方としてやっていくわけでございます。そしてそれを課税団体である市町村がいろいろなケースというものを分析しながら、そして一つ一つの土地についての評価を行っていくということでございます。 したがいまして、最近の特に地価が高騰している地域における評価というものを考えます場合に、そういう期待利益でございますとか、あるいは投機的な要素というものが相当私どもは入ってそういう地価が形成されているんじゃないかというふうに考えておりますので、それらの要素を適正に排除いたしましてそして評価をしていくという考え方を関係市町村の方々と今協議をしているところでございます。 地価公示という制度がございまして、地価公示と固定資産税の評価というものと一緒にすればいいではないかという御議論もございます。公的な土地評価だから同じじゃないかという御議論もあるわけでございますが、先ほど申しましたとおり、固定資産税の評価というものは継続して保有するということを前提にして課税するものでございますから、期待利益等の要素を排除する。反面、地価公示というものは取引の基準になる価格でございますから、当然そういう要素が入ってくるということでございますから、性格的に地価公示と固定資産税の評価とは違ってこざるを得ないわけでございます。 それからまた数量的に見ましても、土地の評価は筆数にして一億六千万筆ぐらいございます、全国に。地価公示の点数はわずか一方七千点ぐらいでございますので、これを使って固定資産税の評価をするということは技術的にもまだまだ難しい点があるんじゃないかということでございまして、地価公示の状況というものは当然よく参考にして評価をしなきゃなりませんけれども、この地価公示と固定資産税の評価を一元化するということは私どもはできないというふうに考えているわけでございます。
○委員長(渡辺四郎君) ちょっとお願いですが、三十分ぐらいの時間しかないものですから、政府側の答弁もなるべく要点をまとめてお願いいたします。
○常松克安君 委員長、よく言ってくれました。与えられた三十分、真剣勝負なんですから、委員長、びしびしと、聞きもせぬことをだらだら書いてある文章を全部読むようなことのないように、きちっと的を射た答弁を願いたい。それがために三十年も四十年も研さんをしていらっしゃった皆さんでありますから、日本の国にとって人材の宝庫であります、そういう立場で御答弁願いたい。 私が地方税法並びに法律というものに接しましてすぐ身に感じますのは、日本の法律はクモの巣のようである、小さなチョウチョウや小さなトンボは引っかかってしまう、しかし大物は悠々とくぐり抜けてしまう、御存じのように、憲政の神様と言われた尾崎咢堂先生のお言葉を引用したわけでありまするが、さて、法律というものについてはこれは皆さん官僚だけのものではなく、行政とはサービスに次ぐサービス、このサービス精神がなければ役人をやめてもらう以外にない。サービスに次ぐサービスがこれよりもっともっと大きな国民的課題の要求になってくるわけであります。 としますと、そこにひとつ自分たちがつくった法律は断じて努力します、検討します、前向きに、やっとうまく峠へ来たなと思ったら整合性を考えまして研究いたします。それでやっと済んだなと思ったら各省庁の協議によりましてとなる。物すごくまあ私一人のためにこんなにたくさんの官僚、たくさんの方がお座りになっていらっしゃる。関係ある人かない人か僕は知りません。といたしますと、一たん決められた法律はちょっとやそっとの陳情や請願で変えられるもんじゃないという経験を踏まえますが、しかしきょうは見事にたたたたっとすべて法律改正。 一つ聞きます。個人年金の控除額、なぜこれ三万五千円でなきゃいけないんですか、十万であってもいいと私思いますが、その点はどうですか。なぜ三万五千円に決められたんですか。整合性によって公理系、法体系によって基準を明快にして御答弁願いたい。
○政府委員(湯浅利夫君) 生命保険料控除の控除額につきましては、今回個人年金についての別枠として三万五千円の控除額を設けたわけでございますけれども、これは一つには従来は一般の生命保険料控除と個人年金保険契約との相乗りと申しますか、一般の保険契約をやっていない場合には三万五千円とそれから従来の三千五百円と両方加えたものの中で両方で枠を融通し合ってできるという制度があったわけでございますが、これを今回一般の生命保険と個人年金の保険とを制度として分けまして、それぞれ別の枠として設けるという制度にしたわけでございます。 その関係で、従来一般の生命保険料で三万五千円という枠を片方でつくっておりますので、それと同じ枠を個人年金の方でつくるということで三万五千円という枠をつくったわけでございます。
○常松克安君 私が申し上げたもう一つの大事なことは、十万であってはなぜならないのかという反論を願いたいと言っているんです。
○政府委員(湯浅利夫君) 住民税の所得控除の一つとしてこの生命保険料控除というものを考えた場合には、一つには、今後の高齢化社会というものを考えた場合に、その所得をどういう形で確保していくかという問題があろうかと思いますが、基本的にはやはり公的年金というものを中心にしてそれに個人が自助努力によって自分たちの個人年金という形、そういうような形で補完をするというようなことがこれからの高齢化社会では予想されるわけでございます。その場合に、そういう自助努力を大いに奨励するという意味からいけば、お説のとおりこの控除額が多ければ多いほどいいということにもなるのかもしれませんけれども、他方そういう自助努力ができる方々と、それを生活の余裕がなくて余りできない方々といるわけでございますので、こういう控除額を余り大きくするというのもこれはいかがなものかなという議論が他方にございます。 そういうことを踏まえて、現在ございます三万五千円という控除額に合わせて今回別枠として個人年金の控除額を決めた次第でございます。
○常松克安君 しからば三千五百円から三万五千円に十倍も上げたという、いろいろ法改正によって基準額を十倍に上げたという例を出してください。
○政府委員(湯浅利夫君) 今すぐに具体的にこれということが私頭にちょっと出てこないわけでございますけれども、これは金額が十倍になったということでございますが、先ほどもちょっと申しましたように、従来は相乗りできたものを今回はそれぞれ相乗りができないように制度的に分けたということがあって、そういう金額にしたわけでございます。
○常松克安君 十倍に上がったものはないと私は断言してもいいと思うんですが、間違いでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) この点は、私はちょっと今すぐに十倍のものの例を申し上げることはできません。
○常松克安君 結構なんです。済みませんでした。これからが質問なんです。 今おっしゃることと逆な考え方を私は実は持っておるんです。公的年金では老後は不安である、よって自助能力がある人は個人年金を掛けていく、こういうふうな形態にとってはこれはまことに一つの整合性を持ったお考えの査定であると思います。しかし、もう一つ考えてみますと、このもう一つ裏が整ってこなきゃならぬのではないかという考え方がある。公的年金の年齢の引き下げの論議をたまさか耳にいたす場合もございます。あるいはまたこの年金さえすら掛けられない層もあると考えねばなりません。確かに十万までは三万五千円、十万といったら一万円切る、大体相場として二万円です。しかしこの法令が通ることを待ちに待っていらっしゃる会社があります。少なくともこの年金の契約高が十倍にこれから上がってくるでしょう、この会社。それほど国民的な課題の一つの指標ではありますけれども、一方これにそぐわない方々にいたしてみますと、少なくとも公的年金というものをしっかりとした考えとあわせてこれは政府の責任としてせにゃいかぬ。 例えて言いますと厚生年金は六十七兆円持っておるんです、最高ピーク。そのうちの七兆円だけ金利を大きくするものに回しております。あとの六十兆というのは全部財投の方へ回している。公共投資は要ります、しかし、金利は安い。少なくともそれを半分の三十兆とすれば今日の四月二日の金利改定からいけばこれは大きな金利を生んでくるわけです。その運用制限を大蔵省はしますから、ここでは言えないわけです、これは自治省ですから。そういうふうなことの考えもやはりあわせた上でこういうふうなものをしていかないと、何となく急激に、うわさを耳にすれば一夜にして決まっちゃった、一夜にして。こういうふうなことをするとあとの理屈をひっつけるのにもう難儀せんならぬ。整合性と言われると今申し上げるだけでも大変なことなんです。そうして、考えてくるこの特別加算されるべき問題ではないだろうかと、こういうふうな考えを持ち合わせての意見を申し上げていることを存念していただければ結構かと存じます。 第二番目、これは一括払いの場合はどうなるでしょうか。これは少なくとも年払い、月払いは三万五千円でいいんです。ところが、最近は契約なさる人はもう退職金で一括、一年据え置きでこれだけのあなたの年金、老後は不安ないでしょう、これだけある。そうするとどうしてもこれ一括払いというものがふえる。今でさえすら契約高の中の占める率が三四%とも聞き及んでおります。そうすると一括払いの場合はこれほどうなりますか、お願いします。
○政府委員(湯浅利夫君) 一括払いで保険料を納めて将来個人年金の支給を受けるというような場合につきましては、その一括払いをした年の翌年度だけについてこの生命保険料の控除が受けられるという仕組みに現在はなっています。
○常松克安君 ここが整合性という問題で、そうしますとここで不公平が出ちゃうわけです。年々十年、年金を掛けるとします、三万五千円といったら三十五万円一応控除されますね。ところがこれが一括だと、例えば郵便局の最低の七十二万ですと一千百七十万ぐらいぼんといくわけです。それは何年間据え置きということがありますけれども。そうして掛けた人は一回こっきりの三万五千円で、少なくとも三十数万円はこれは不公平ですね。しかし、それは金を持っている人はよろしい、金を持っている人は税金を納めておられる、これが公平な立場ですよ、というような見解を述べられるか述べられぬかそれは知りませんが、法の運用という面については、一括払いの場合は証明があれば少なくともそういう運用をする。 ところがまたこんなことを言い出すと、政府の予算が一年、一年でしょう。金が余った、自然増収で。ちゃんとけりをつけなかったらあかん、余ったからといってこうはできぬというふうなことで本体まで関係するとか、いろいろそっちは論議はされると思いますが、いずれにしてもこの問題は不公平がある一面からすれば出てくるわけですね、現実問題として数字の上からいきますと。どう図られますか。
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せの点もあるわけでございますけれども、一つにはこの生命保険料控除をつくったときの考え方というものがやはり早期に自助努力というものを始めていただくということで、着実に実施できる、計画的に実施するということを前提にいたしまして、一定年数以上の払い込みを要件にするということで決められたというふうに聞いているわけでございます。また、個人住民税というのはこれは年間所得の課税でございます。ただいま御指摘もございましたとおり、年間の所得に対する課税でございますので、その年間のいろいろな要素というもので所得というものを捕捉していくということが基本的にやっぱり必要なんじゃないかという気がするわけでございます。 また、これは私は実態は不明にして余り存じませんけれども、一時払い保険というのは貯蓄性が非常に高いというふうに聞いております。そういう場合には他の金融商品との比較におきましてこの公平性というものも考えていくべきではないか、こういう議論もございまして、これらを考えた場合に、現段階では一時払いというものにつきましては初年度だけの控除ということで御勘弁をいただきたいということなんでございます。
○常松克安君 勘弁しろと言われたりて私にはどうしようもない問題ですけれども。 今や金融市場は物すごく自由化、自由化で新商品をしのぎを削ってやっております。年金だけじゃないのです。郵便局も損害保険もすべからくそういうふうになっておるんです。ですから、むしろ答弁なさるなら、そう自認して、一括払いの方は全部割引をして元値で負担が減っていますやないか、だからその上また一年分だけこうするようなことによって御勘案願うのが今の税体系ですと答弁するなら、まだ、うん、そういうこともあるかいなとわかりますけれども、ただひたすらに当方としては一年間の所得で、これは考えに値もしないじゃ、それこそ皆さんのよくおっしゃる検討に値するような問題ではないでしょうか、検討をしてみるというふうなお考えもあるんでしょうか、もう一度お願いします。
○政府委員(湯浅利夫君) ちょっと私の答弁が不明確で申しわけございませんでしたが、三つ目の理由として、今御指摘のようにこの一時払いの保険については非常に貯蓄性の高いものだというふうに聞いておりまして、他の金融商品との比較においてやはり負担の公平ということから問題があるんじゃないか、こういう議論が出ているわけでございまして、現段階でこういうものについてまで生命保険料控除を毎年毎年行うということについてはこれは難しいというふうに考えるわけでございます。
○常松克安君 今御指摘になりましたことはもう既に税調の方も指摘いたしておるわけであります。例えて言いますと、生命保険の方は掛けても解約すると元金も入らぬ場合もある。ところが年金の方は掛けた分だけ絶対原資が返ってくるのです、現実に。そこまで一般の主婦はいろいろ考えに考えて、どっちが得だろう、どうした方が税金を安くしてもらえるだろうかというのが庶民の考え方なんです。そうして考えれば考えるほどこの三千五百円から一発に三万五千円ということは、また今度は理解に苦しんでくるわけでありまするが、当委員会所属には関係のないことではありますけれども、厚生省の公的年金の考え方をこれとあわせて十二分に考えていただかなければならないのではなかろうか、このように提言をいたしておきます。 では、次へ行きます。 これも私も真剣に聞きます。いろいろ御説明いただくんですが、わけのわからぬこんな損害保険料控除、今までは所得税控除として設けられていたけれども、少なくとも昭和三十九年というんですからこれは大分前ですね。住民税の控除は認めなかったんです。ところが、これは今はもう、皆さんの特権みたいなんですよ、法律を百八十度ばっと変更してしまった。今までこれはどなたかが指摘され、議会でも、あるいは地域住民の皆さんからでも、なぜ住民税は控除を認めないのか。ところが今回、急激に住民税で認める、百八十度の転換。大体この法改正というのはぼちぼちぼちぼちと時代の変化に対応して変えるのはわかりますよ。百八十度ほんと。それがまたなぜそうなったかというと、市町村の消防と警察との関係もあって設けられていなかったというふうに衆議院の御答弁の方を漏れ承るとなっておるわけです。一向にのみ込めないんです。ちょっとまず質問の前に教えていただけませんか。
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘のとおり、住民税においては、従来損害保険料控除は認められていなかったわけでございますが、所得税が認められて住民税が認められなかった大きな理由は、地方におきましては消防などの事務を行っている、火災保険が従来は主でございましたから、消防行政などを通じまして火災の予防あるいは火災を少なくするというようなことで、結果的に損害保険料の負担軽減にこれが役立っていたじゃないか、だから、住民税におきましては損害保険料控除をすることは適当でないというのが今までの損害保険料控除に対する考え方だというふうに私どもは理解しているわけでございます。 それが、最近の損害保険の態様を見てまいりますと、火災保険のシェアというのが非常に低下してきておりまして、逆に最近では、医療費用保険でございますとかあるいは介護費用保険というような、いわば損害保険と生命保険との境のようなものが損害保険としていろいろとそういう商品が出てきたということでございまして、境目がなくなってくるということになりますと、やはり損害保険料の控除につきましても生命保険料控除をやっている以上はそれにだんだん近づけていく、あるいは今まで認められなかった損害保険料控除もやはりそういう関係等において設けるべきじゃないか、こういう議論になったわけでございます。
○常松克安君 私は頭が悪いんでしょうな。合点が何となくいかないんですね。 私はこう考えます、それを申し上げて、なるほどそういう言い方をすればその理解でいいんですよというふうにお教えください。よろしゅうございますか。 消防、警察、いろいろな事件に巻き込まれる。そうして警察や消防は既に税金でお金をどんと充実させておる。だからそういう意味では、保険を掛けるのは個人の意思でありましょうけれども、掛けても消防がおりますから火を消します、損害が少ない。少ないから、そういう保険を掛けた人に住民税の軽減というものはこれはおかしいです、二重の軽減になります。こういう説明やったらおおっと、こう言うんですよ。ところがそちらはお役人の言葉をずらっと並べるからさっぱりわかりません。こっちは余計何かごまかさへんやろか、ごまかさへんやろかと思って心配して聞いておらんならぬ。警察がある。地域住民の防犯だとかそういうものに対しては、世界の名立たるパワーで守っておる。だから税金できちんと充実させておるんだから、損害の保険を掛けてまたその保険の住民税の軽減ということではこれは相違がある。こういう説明で間違っておりましょうか。大体そっちから説明していただかなきゃならぬのを私が説明しておるんですよ。間違っていたら間違っていると、そう言うてください。
○政府委員(湯浅利夫君) まことにごもっともでございまして、私の説明が極めて不十分で、先生のお話が非常にわかりやすくいい御説明だと思います。
○常松克安君 それでは具体的に、これらが一応控除額を上げることにおいて、住民税が入るべきものが入らなくなってくるわけでございますね。これの額というのは大体どれぐらいなんでございましょうか。この一連の提案されておる法案の総トータルで結構です。 それからもう一つ、それに対する補てんをどういうふうなところから金を出して、どういう名目で補てんをしてやるのか。これは自治体にとっては非常に大事なことだと存じます。
○政府委員(湯浅利夫君) 今回御提案している地方税法の改正全体によりまして平年度の減収額が約千五百億というふうに推計いたしております。その千五百億円につきましては、これは住民にとっては税負担の軽減ということでございますので、地方財政全体の中でその分を負担してもらう、これを代替の財源でまたほかの税を取るということになれば結果的には同じことになってしまうわけでございます。この分は住民の税負担の軽減ということでございますので、財政全体でそれを負担するということで、その補てん措置は一切具体的な措置としてはございません。ただ、財政局の方で地方財政計画をつくっていただいて、それで歳入歳出でバランスがとれるということは、その減税も全部飲み込んで財政運営ができるということになるわけでございますので、それによって最終的に全体の財源を保障してもらう、こういう考え方でございます。
○常松克安君 それじゃ次に移りまして、土地関連の税制についてでありますけれども、これを延長する。しかしなかなか頭のいい人がたくさんおりまして、法律ができた途端にそれをどうくぐり抜けるか、規制すりゃしたでまたそれをどういうふうにやるか、こういうことをすぐ研究なさいます。少なくともこの世間の浮世をすべからく活字や法律で縛り切れぬということはよくわかってはおるんですけれども、悪知恵をしてそういうふうなことを専門に考えるんじゃなくって、一般論でいきまして、例えて言うなら土地の税制においてそういうふうなことを認めた、二年間を勧告する、こうなっていますね。そうしたら二年の一日前に所有者がかわったらこれほどうなるんですか。その途中の所有者は法規制で勧告される、保有で。何の利用もしておられませんやないかと。ところが、今度は一日前に急遽法務局へ行ってきまして所有権移転でかえちまう。この場合一年十一カ月二十九日かなんてなことを言うてかけられるんですか、これ。この点お聞きします。
○政府委員(湯浅利夫君) 法律の規定によって日限が決められているということでございますれば、今のような事例の場合には、その規定に従ってその期間が足りない場合には優遇措置が受けられなくなるとか、あるいは逆に税が加重になるというようなことは当然考えられるんじゃないかと思います。
○常松克安君 一口で言うなれば、先ほど申し上げましたクモの巣、まじめにこつこつと額に汗する人は損して、そういうふうな言うなら大物ぶった人はその法をくぐり抜けることを考えて、一日前に所有権を移転しておきさえすれば勧告がまた一、二年間次に延びるのや、こういうふうなことにならぬように、それこそ力のあるとうそぶいている者に対して厳粛なる法の執行というものがなくてはこれは公平ではないのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。 最終的には、あと特消税につきましてはいろいろ先輩からお話がありましたけれども、この点につきましては、どう考えましてもただ単に今回のこのことだけが問題になっているのじゃなく、歴史があるわけでございますから、参議院選挙で消費税が問題になった、逆転になった、そして苦労して苦労して、政府要員の応援もなく、野党は、私も税制委の一人でありましたので、これはもうめちゃくちゃですわ、そういう苦労の中でこの野党四法案が通った。この背景の中からいって、小なくとも政策云々論議よりももっと大きな国民的課題の上においてこういうふうな特消税が絡んで、あめとむちと一緒にして、さあどうするんや、こういうふうな運営のやり方は話し合う姿勢ではない、こう考えるような次第でございます。と言うたら、大臣すぐはいと、こうおっしゃいます、もう答弁は結構でございますから、これで質問は終わります。
○諫山博君 地方税の中に事業所税というのがあります。政令都市や人口三十万以上の大都市で二千平米以上の事業所を新設する、増設するときに企業に対して一平米当たり六千円の税金を課する、こういう法律です。この事業所税は目的税です。使途が特定されています。都市環境の整備及び改善のためという枠がかぶせられています。例えば道路のために使う、公園、水道、公害防止のために使う、防災などのために使う、他の目的のためには使用してはならない、こういう目的税であることはお認めになりましょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せのとおりこの事業所税は、地方税法に基づきまして使途を限定された目的税だというふうに理解いたしております。
○諫山博君 北九州市での取り扱いを紹介します。 北九州市は企業から事業所税を徴収していますけれども、その半額、一平米当たり三千円に相当する金を企業立地促進補助金ということで企業に支出をしています。そのほかに福岡県が北九州市と同額の金を企業に補助金として出しています。企業から見ますと、企業は地方税法に基づいて事業所税を払っていますけれども、その全額を市及び県から還元してもらっている、こういうことです。北九州市は事業所税を徴収していますけれども、その半額は企業に自動的に還元している。 具体的な例を紹介しますと、東陶機器株式会社、昭和六十三年に四千九百七十一万六千円の事業所税を払いました。平成元年に六千八百七十万二千円の事業所税を払いました。ところがそれと全く同額の金が北九州市及び福岡県から補助金として東陶機器に還元されています。北九州松下電工株式会社、昭和六十三年に一億五百二十三万二千円の事業所税を払いました。同じようなやり方でその事業所税と同じ額がそっくり企業に還元されています。私は自治省にこういう事実が存在しているのかどうか調査を求めましたけれども、事実はどうでしたか。
○政府委員(持永堯民君) 北九州市それから福岡県におきまして、今お話しございましたようないわゆる企業誘致のための補助金というものがあるわけでございます。ただ、私ども調べたところによりますと、事業所税につきましては、今お話しございましたように、例えば規模につきましては二千平米以上というようなことになっておりますし、あるいは事業の種類につきましても特定の事業だけについて事業所税を課するということではございませんで、事業所用家屋については全部税金がかかる、こういう仕組みになっておりますが、補助金の方は、例えて言いますと対象となる施設というのは工場あるいは研究施設、ソフトウエア施設というふうに限定をされておりますし、また一定数以上の雇用がなければ補助金は出さないということになっております。また同時に面積の点におきましても、こちらの方は千平米以上ということになっておりまして、補助金の方はそういう企業誘致あるいは産業振興という目的でもって出している、こういうことでございまして、それは事業所税とは直に関係のない別の問題である、こういうことでございます。 したがいまして、例えば補助金は事業所税を納める方だけに出しておるわけでもございませんで、事業所税を納めない企業についても補助金の要件に合致すれば出すということになっておりますし、逆に事業所税を納めている人に全部出すわけではない。事業所税を納めているからといって補助金の要件に該当しなければ補助金は出さないわけでございますから、補助金と事業所税というのは別な問題である、こういうふうに理解をいたしておりまして、事業所税は適正に徴収をし、そして目的税であるその性格に従って適正に使われておる、このように理解をいたしております。
○諫山博君 東陶機器と北九州松下電工について私は事実を指摘しましたけれども、そういうことはありますか。
○政府委員(持永堯民君) 個別の企業の税金の問題等については私どもから申し上げる立場にはございません。
○諫山博君 私は国会審議のために調査を求めましたけれども、私の指摘が違うんだったら違っている点を指摘してください。 このやり方は自治体から見ても企業から見ても大変問題です。例えば、企業側から見るとこの事業所税というのは都市の行政サービスの受益者だ、こういう立場から払うわけですね。企業は自治体から行政サービスを受けている。そこで、自治体の行う道路整備とか公害防止とか、こういう事業のために目的を限定して使うべき税金です。 そうなりますと、いろいろ説明がされておりまずけれども、私が指摘した二つの大企業については、少なくとも北九州市が事業所税の半額を自動的に還元していますから、半分は目的のために使われていないではありませんか。
○政府委員(持永堯民君) これは先ほども申し上げましたように、事業所税を徴収してそれを還元するということではございませんで、事業所税は事業所税として徴収をして、それは都市の整備その他に使っておる。別途、企業誘致のための奨励補助、これは福岡県とか北九州だけではございませんでいろんな団体でもやっておりますが、それはそれとして、補助金を出して企業を誘致して、そして雇用の拡大をする、地域の産業の振興を図っていく、こういう政策でやっておるわけでございますから、その税の問題と補助金の問題は全く別の話だ、こう御理解をいただきたいと思います。
○諫山博君 それでは、この二つの企業について事業税と全く同じ金額がそのまま市と県から還元されている、この事実は認めますか。
○政府委員(持永堯民君) 実は、補助金を出す場合におきましても限度額等も設けておりますから、一つ一つの企業について税金の額と補助金の額がマッチするかどうか、それは確認はいたしておりませんけれども、考え方としては別のものであるということを申し上げておるわけでございます。
○諫山博君 別の問題かどうかを聞いているのではありません。事業所税として払ったのと同じ金額が補助金として企業に払われているかという事実を聞いているのです。
○政府委員(持永堯民君) 事業所税を企業が幾ら払ったかということについては私どもから申し上げる立場にはございません。
○諫山博君 金額が言えないとすれば、事業所税で払ったのと同じ金額が企業に補助金として払われているという事実はありますか。
○政府委員(持永堯民君) その個別の企業の事業所税の顔あるいは補助金の額までについては確認をいたしておりません。といいますのは、先ほどから申し上げておりますようにこの二つは別の問題でございますから、たまたま金額が合うか合わないかというのはあるかもしれませんけれども、それは別の問題である、こういうことでございます。
○諫山博君 あなたが特定の企業について言いませんから、私が指摘したようなことは二つの企業だけではなくてたくさんあるわけです。そして事業所税と全く何千円という金額まで一致してそれが事業所に返されているでしょう。これを否定されますか。
○政府委員(持永堯民君) それは事業所税を返しているわけじゃございませんで、事業所税を払ったところにも補助金の対象に該当しないところは補助金を出さないわけですから、補助金はあくまで一定の雇用があり、一定の工場とか、そういう産業振側に役立つというものに対して出すわけでございますから、そこは全然関係ない、こう御理解をいただきたいと思います。
○諫山博君 関係があるかないかというのは別の評価の問題、判断の問題です。私が聞いているのは、企業が法律に従って事業所税を払う、これと同じ金額が補助金として企業に回されているというこの事実を否定するのかということです。
○政府委員(持永堯民君) ですからその点は税金の問題でございますから、幾ら納めておると、これは守秘義務の問題もございますから申し上げる立場にございません。
○諫山博君 あなたは企業を弁護しているとしか聞こえませんよ。私は具体的に調査を求めたんだ。あなたが企業の名前を挙げることができないとしても、大体事業所税として払われた金が補助金名目で企業に同じ金額が行っているかどうか、これは調べているでしょう。
○政府委員(持永堯民君) これは企業を弁護しているわけじゃございませんで、あくまで北九州市あるいは福岡県としては事柄をオープンにして、一定の要件に該当する工場なりソフトウエア産業については補助金を出すということはオープンになっておるわけでございますから、その政策がいいか悪いかという問題はそれは御議論があろうかと思います。しかし、それは県なり市がオープンにした要綱なりなんなりに基づいて、予算についても議会の議決を経て執行しておるわけでございますから、そのことについて私どもが企業を弁護しておるということはないつもりであります。
○諫山博君 私は、あなたがそういう態度をとられるなら、改めて具体的にこういう問題を調べていただきたい。この委員会で公表できる問題と公表できない問題があるなら、例えばA企業、B企業というような表現をとってもいいと思いますから、改めて質問しますから今の点を調べておいてください。どうですか。
○政府委員(持永堯民君) 先ほど来申し上げておりますように、金額がどうであるかということもあると思いますけれども、そもそも全く別の制度として税制があり、一方に補助があるわけですから、それについて金額が合うとか合わないとかということを議論することは意味がないことだと思っております。
○諫山博君 私は特定の企業の名前を挙げましたけれども、確かに事業所税と補助金というのは別のものです。ただ何千何百何万、そして何千円まで金額が合うわけですよ。事業所税として払った金が、あなたは別ものだと言いますけれども、とにかく同額事業所に払われている。これは少なくとも北九州市が負担している半額については目的のために使用されていないということです。半額は企業に還元されているということです。この点は改めて私は調査を求めますから、別な機会に譲りたいと思います。
○政府委員(持永堯民君) 市なり県が補助金を幾ら出すか、どういう基準で出すかということについては、これはいろいろ考え方があろうと思いますけれども、あるいは考え方についていろいろ御議論もあるかと思いますが、それは各県なり市がお決めになって、そして予算については県の議会あるいは市の議会の御承認をいただいて執行しているわけでございますから、それはあくまで私どもがここまでこういう補助金を出すのはおかしい、幾ら出すのはおかしいとかいいとかいうことを言うべき立場にはないと思っております。
○諫山博君 あなたがそこまで言われるなら、企業が事業所税として払ったのと全く同じ金額を自治体が補助金として企業に出す、こういうやり方は是認されるんですか。
○政府委員(持永堯民君) それが仮に同じといたしましても、徴収した事業所税を返すということではございませんで、それはたまたま補助金を幾ら出すかという計算をした結果そういうことになるということだろうと思います。ですから、前々から言っておりますように、それはあくまで別のものだということで御理解をいただきたいと思います。
○諫山博君 大体問題おわかりいただいたと思いますけれども、大臣どう考えられますか。事業所税として何千万か払うわけです。それは目的税ですから都市整備などのために使う、それ以外には使ってはならないということになっている。ところが全くそれと同じ金額、何千円というところまで一致するように補助金として出されているわけですよ。どういう詭弁をしようとも事業所税が補助金として還元されている、こういうことにならざるを得ません。大臣には私は突然の話ですから答弁を求めませんけれども、こういう問題だということを御理解いただきたいと思います。 そこで、今審議されている改正案の中に、皇室経済法第七条に規定する皇位とともに伝わるべき由緒ある物である不動産については固定資産税を非課税にする、こういう条文があります。ここで非課税扱いされる由緒ある物というのは何のことでしょうか。自治省答えてください。
○政府委員(湯浅利夫君) 皇室経済法第七条に言う「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」は、具体的にはその不動産というのはいわゆる宮中三殿がこれに当たります。
○諫山博君 宮中三殿というような法律用語なりまとまった用語が日本にあるんでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 宮中三殿という法令用語はございません。ですから、私はいわゆる宮中三殿と申し上げたつもりでございます。
○諫山博君 具体的には賢所、皇霊殿、神殿を指すというふうに説明を受けましたけれども、そのとおりですか。
○政府委員(湯浅利夫君) そう承知いたしております。
○諫山博君 この改正案のどこを見ても、この三つの建物に対する固定資産税を免除するということは出てこないんです。どこにそういう言葉が出てくるんですか。法律に出てきますか、政令に出てくる予定ですか、省令に出てきますか。
○政府委員(湯浅利夫君) 「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」、この皇室経済法第七条に規定する「由緒ある物」というものを法令で書くことによりましてそれが特定されるというふうに私どもは理解しているわけでございます。
○諫山博君 大臣もお聞きください。同僚委員のお方もお聞きください。租税法定主義の原則がありますから、どういう品物について税金をかける、どういうものについては税金をかけない、これが国民にわかるように決めなさいというのが憲法の趣旨でしょう。この改正案を見て、賢所とか皇霊殿とか神殿に対して非課税扱いがされるんだなということがわかりますか。
○政府委員(湯浅利夫君) この点につきましては、他の税法におきましても同様の規定で、その具体的な内容というものは具体的に別の段階で特定をするという形で運用をされているものでございまして、地方税法におきましてもそれと同じ規定の仕方をしたものでございまして、問題はないものだと考えております。
○諫山博君 私は、これは単に欠陥法律というだけではなくて、憲法違反の疑いが極めて濃厚な規定の仕方だと思う。何に税金をかけるかということが特定されていないわけですよ。地方税法を見ますと、法律で特定されない場合には政令の定めるところによる、あるいは省令で定める、疑問の余地がないように規定されております。これが憲法の建前ですね。 そこで、宮内庁にお聞きしますけれども、由緒ある物というのは六百件ぐらいあると聞いたんですが、幾つあるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 由緒ある物の点数でございますが……
○諫山博君 数を聞きます。幾つあるのか。
○政府委員(宮尾盤君) これは、いわゆる由緒ある物の中身が非常にいろいろでございまして、私どもとしては大体約六百点というふうにこれを定めましたときに報道関係等にもあれをいたしておるわけでございます。約六百点というふうに承知をいたしております。
○諫山博君 約六百点と言われましたけれども、本来は約がついてはいけないわけですね。六百幾つあるのかというのは特定しておりますか。それとも特定はしているけれども、今記憶してないという意味ですか。約というのはどういうことでしょう。
○政府委員(宮尾盤君) 由緒ある物のリストというものはきちんとできておりまして、特定をいたしております。ただ、その教え方が非常にいろいろ複雑でございますので、例えば一箱の中に何十点も入っているというようなものがあったり、いろいろな計算の方法がありますので、私どもは約六百点というふうに言っておるわけでございますが、特定をいたしておることは間違いございません。
○諫山博君 皇位の継承とともに伝わるべき由緒ある物というのは、何らかの形で国民に知らされていますか。
○政府委員(宮尾盤君) 由緒ある物を確定をいたしました段階で、これは報道機関等の求めにも応じまして、これこれのものであるということをおおむね、その中身の全リストではございませんが、概要は公表をいたしております。
○諫山博君 これは相続税とも関係するし、地方税とも関係するし、当然税金が関係しますから、国民にわかるような方法にしなければならないんじゃないですか。一番正しいのは法律に明記する。それができなければ、法律の委任に基づいて政令に列挙する。こういうやり方が必要だし、これをせずに税金の問題を議論するというのは、天皇の問題についてはとやかく言うなという思想に通じると思いますけれども、そういう措置はとられていないんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」というのは何か、こういうことでございますが、私どもがこれに当たるものとして特定をいたしましたものは、いわゆる三種の神器、それからいわゆる宮中三殿、壷切の御剣あるいは東山御文庫の尚蔵物等約六百点と、こういうことでございまして、これは一つ一つにつきましてきちんと特定をいたしておるわけでございます。 ただ、税金の問題は私の方で御答弁申し上げることではございませんけれども、ただいま固定資産税で非課税の扱いを今回なされる、こういうものが、この宮中三殿というのが極めて明確なものでございまして、これはそういう意味では多くの方々もいろいろそういったものがあるということは御承知であろうというふうに思っております。
○諫山博君 いわゆる由緒ある物のすべてについて国民が知り得る状況にはなっていないわけですね。結論はどうですか。
○政府委員(宮尾盤君) これは、私ども物といたしましてはきちんとした特定の仕方をし……
○諫山博君 国民に知らされているかということです。
○政府委員(宮尾盤君) これの一々の詳細を、約六百点の物をどういう方法で公表するかということはいろいろあろうかと思いますけれども、これを確定いたしましたときに、先ほど申し上げましたように報道関係の求めに応じまして、こういう種類の物である、それはおおむね大体こういう物がありますということは公表をしてあるわけでございます。
○諫山博君 結局、すべてを国民に知らせる措置はとられていないということですけれども、この宮中三殿はいつから天皇の所有物なんですか。
○政府委員(宮尾盤君) いつからといいますか、それは由緒ある物として確定をしたのは昨年のいわゆる先帝陛下の崩御に伴いまして御相続関係をどうするかということを明確にしなければならない時点で、由緒ある物の範囲というものを確定いたしたわけでございます。 ただ、その由緒ある物としての、例えば先ほど例示を挙げました三種の神器というようなものは、これは非常に古くから御歴代の天皇が御相続をなさってきているというようなものでございますし、例えば東山文庫であれば、その東山文庫ができましたときからずっと天皇の御所有という形で引き継がれてきているものというふうに承知をいたしておるわけでございます。
○諫山博君 あなたの講義を聞くのが目的じゃないんです。質問に答えてください。私の質問は、この宮中三殿はいつから天皇の所有物かと、時期を聞いているんです。一言で答えられるでしょう。
○政府委員(宮尾盤君) 失礼をいたしました。いわゆる由緒物全体のことかと思いまして……
○諫山博君 そんなことば聞いておりません。宮中三殿はいつから所有物かと。
○政府委員(宮尾盤君) 宮中三殿は、今の形でいわゆる賢所、皇霊殿、神殿……
○諫山博君 答えられないんですか、いつからという質問に。答えられないのなら明確にそれを言ってください。
○政府委員(宮尾盤君) これは今の形になりましたのは明治二十二年からでございます。
○諫山博君 そんなことは聞いておりません。いつから天皇の所有物ですかというのが質問です。わからないならわからないと言いなさい。答えてください。
○政府委員(宮尾盤君) 御質問の趣旨が私も明確でないんですが、いわゆる宮中三殿と言われている今回の非課税措置をあれしておりますのは建物でございますから、それがいつからという御趣旨でございましょうか。
○諫山博君 小学生でわかるような問いをしますから、宮中三殿というのは不動産です。この不動産はいつから天皇の所有物かという質問です。
○政府委員(宮尾盤君) いわゆる宮中三殿という不動産について申し上げれば、明治二十二年にこれが建築されたときからということでございます。
○諫山博君 そうすると、明治二十二年から今日まで天皇のものだったけれども、その長い期間固定資産税はかけなかったということになるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 明治時代のいわゆる不動産に関する税制というものがどうなっておったのかということは私ども承知をしておりませんので、ちょっとお答えはできにくいわけでございます。
○諫山博君 税金をかけたことはないんでしょう、税金を払ったことは。なぜこういう議論をするかというと、この法律は固定資産税を過去にさかのぼって免除するということになっているでしょう。私が幾らか説明しますと、天皇の所有物なのか国有物なのかというのが長い間論争されたでしょう。国会でも議論になったでしょう。そして、いつかの時点でこれは天皇の所有物だということが決まったんでしょう。違いますか。
○政府委員(宮尾盤君) 今の御質問にありますように、これは由緒物全体の話でございますが、宮中三殿につきまして、これがいわゆる固有物であるか皇室の御所有であるかということについては、いろいろと長い間検討段階がありまして、それを由緒ある物ということで確定をしたのは、昨年の御相続の問題を整理する段階でそういうことにいたしたわけでございます。
○諫山博君 そうなんでしょう。あなたが明治二十二年から天皇の個人の所有だと言われるから私は根掘り葉掘り聞いたんです。これは固定資産税をただにしてくれという法案ですけれども、時価相場幾らぐらいですか。
○政府委員(宮尾盤君) こういうものは評価をするということはありませんので、時価相場幾らかということについてはお答えできません。
○諫山博君 これは固定資産税をただにしてくれ、しかも過去にさかのぼってただにしてくれというわけですから、どのくらい被害といいますか、あるいは税金の免除の金額が出てくるのかということを知りたいわけですけれども、これは評価したことはないんですか。あるいは自治省の方でこれは本来ならどのくらいの固定資産税がかかるけれども特別だから免除してくれということになっているんですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 宮中三殿について評価をしたことはございませんので私どもも承知しておりません。
○諫山博君 この問題が最初に議論されたのは天皇が亡くなられて相続問題が起きたときです。由緒ある物に対して相続税をかけないという議論が出たときに、大蔵省では何が由緒物かわからぬから内閣法制局に問い合わせをした。内閣法制局でも何が由緒物かわからぬから宮内庁に問い合わせをした。ところが、宮内庁が約六百点ぐらいが由緒ある物だからこれは相続税をただにしてくれという申し出をして、それがそのまま国会にかけられ相続税が非課税になったと聞いておりますけれども、そういう経過ですか。
○政府委員(宮尾盤君) 皇室経済法の第七条の規定というのは、経済法が制定されて以来こういう規定があるわけでございますが、これに何が該当するかということにつきましては、具体的なその物の範囲というものは確定を今までしておりませんでした。この規定は税金の規定というよりも、皇室経済法第七条の規定というのは、基本的な立法趣旨というのは、皇位の世襲制というものにかんがみまして、一般の相続と同じように取り扱うことができないものについてはこれは「皇位とともに、皇嗣が、これを受ける。」、こういう定めを置いているわけです。先帝陛下の御崩御に伴いまして当然いわゆる相続問題というのは起きるわけでございますから、これをどの範囲のものとするか、これを慎重に検討いたしまして、私どもといたしましては、これは法律の規定の解釈の問題でございますから法制局とも十分協議をいたしまして、その考え方に沿いまして由緒ある物の振り分けをいたした、こういう経緯でございます。
○諫山博君 質問にずばり答えられませんか。私の質問は由緒ある物というのは大蔵省ではわからなかった、そこで内閣法制局に聞いた、内閣法制局でもわからなかった、そこで宮内庁に聞いた、そこで話がまとまったということでしょう。そして宮中三殿についても、そういう形で由緒物ということが確定されたんじゃないですか。別な言葉で言えば税金をかけられる側がこれからこれこれが由緒物でございますというので非課税扱いにしてもらった。これに対して内閣法制局も大蔵省も全然公表されていないから判断のしようがないという経過と違いますか。
○政府委員(宮尾盤君) 要するにまず相続の問題があるわけですね。ですから皇室経済法で言うところの「皇位とともに、皇嗣が、これを受ける。」とされている由緒ある物は何かということがまずありまして、この規定を受けて相続税法ではそれを相続税法上非課税とするというのが次にくるわけでございます。したがいまして、それは税からまず始まったんではなくて、経済法七条の解釈というものが推定をしてないから、そこをまず確定をしなければならない。その結果、由緒ある物とされたものについては相続税法の規定に従ってこれは非課税になる、こういう順序になっているというふうに私どもは考えております。
○諫山博君 自治省に質問します。 ある特定の物件を非課税にする、これは憲法の建前からいって法律で明確に規定しなければなりませんね。法律で細かいことまで規定することができないとすれば政令の定めるところによる、固定資産税に関する法律はそういう規定になっています。そうすると、この法律を見ただけで、あるいはこれの政令を見ただけで何が非課税になるかということが国民にわかりますか。
○政府委員(湯浅利夫君) 法律の規定によりまして、その具体的な中身までわかるかどうかという点につきましては、現在の地方税法の中にも、例えば国有財産には固定資産税は課税をしないという規定がございますが、じゃ国有財産というのは具体的に全部列挙できますかということになりますと、私どもではそれは列挙できない、国がそれを管理をしているということでございますので、それに非常に似たようなものでございまして、こういうような規定で皇室経済法第七条に規定する「由緒ある物」ということで規定をすればそれはおのずから特定をされるというふうに理解をしていいのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○諫山博君 国有財産に固定資産税をかけない、これはもうだれが見たって議論の余地はないわけですよ。それと同一扱いするというのはごまかしだと思いますけれども、次の問題に移ります。 この法律は、将来固定資産税をかけないというだけではなくて、過去にさかのぼって固定資産税は免除するとなってますね。この規定の仕方というのは全く奇妙です。法律というものは将来のことをいろいろ決める、これが常識だし原則です。刑罰法規についてはこの点は憲法で非常に厳格にされております。 そこで、日本の税金の中で過去にさかのぼって、時効の期間の五年間も税金は取らないことにしますというような立法例があるのかと調べてもらったところが、国税で一件、地方税で一件聞きました。しかし、それはいわば徴収技術あるいは不公平を避けるために適用をわずかに繰り上げたというようなことですけれども、五年分も過去にさかのぼって税金は取らないようにする、こういう立法例が日本にありますか。
○政府委員(湯浅利夫君) 地方税におきまして、その年数は別にいたしまして、課税標準の特例措置の控除額を引き上げるということを過去にさかのぼってやった例はあるわけでございます。また、税法におきましては不利益を与え、あるいは義務を課する内容というものにつきましては、これは遡及をすることは避けるべきものであるわけでございますが、それ以外の問題につきましては立法政策の問題にゆだねられているというふうに考えられるわけでございまして、そういう観点からこの問題を御判断願いたいと思うわけでございます。
○諫山博君 私は何日間にわたって過去にさかのぼって税金を取らないという立法例を調べてみましたけれども、これに類するものはないです。 そこで、立命館大学の名誉教授の岩井忠熊という人は、こう書いております。「明治維新の神仏分離後に出現した新しい施設」だ、いわゆる宮中三殿というのは。「古くからの由来をもつのは賢所だけである。」と、こういう書き方をしております。 私は、どういう由緒物か現物を見せてくださいと宮内庁にお願いしましたけれども、これ絶対に見せないそうです。そして幾らぐらい税金が免除されようとしているのかもわからない。これに固定資産税をかけないような立法に賛成してくださいと言われましても判断のしようがないですね、これは。しかも、法律を見ても政令を見ても何に税金が免除されようとしているのかというのがさっぱりわからぬというのがこの法律の特徴だと思います。私はこういう規定の仕方というのは、恐らく天皇が亡くなられたということで慌てて法律の整備をしたのじゃないかと思いますけれども、到底納得できないということだけを申し上げて次の問題に移ります。 運輸省です。今度の改正案に空港周辺整備機構のことが出ています。この問題に関して二つのことを質問します。 一つは空港周辺地域の騒音対策の一環として、クーラーとか空調換気扇が設置されております。最初の設置から十年以上たって今取りかえるという問題が出ているようですけれども、大阪空港、福岡空港について平成元年度に幾らの取りかえを予算として予定していたのか、その取りかえに対して幾らの希望が出ているのか、数字だけを説明してください。
○説明員(松尾徹人君) 空港周辺におきまして国が行っております住宅防音工事に係ります空調機の更新に対します補助制度でございますが、平成元年度の新規事業として発足をいたしたものでございまして、お尋ねの平成元年度におきます大阪国際空港及び福岡空港につきましては、予算上は台数にいたしまして、大阪では一万百七十七件、福岡におきましては千九百四十三件でございます。 なお、これにつきまして今年度の執行の見込みでございますけれども、現在まだ年度途中でございまして集計が整っておりませんけれども、大体の見込みといたしましては、大阪につきましては約四百五十件前後、また福岡につきましては約四十件前後という見込みでございます。
○諫山博君 膨大な取りかえの予算を組んだのに、実際取りかえの希望というのほほんのわずかしか出されていないということのようですけれども、来年度の新しい予算では幾らぐらいの予定をしておりますか。
○説明員(松尾徹人君) ただいま御指摘のございましたように、平成元年度におきましては、初年度であったということもございまして若干予算と実態との乖離が生じたわけでございますが、平成二年度の予算案におきましてはそれらの実態にかんがみまして、大阪国際空港については件数にいたしまして三千二百四十件、また福岡空港につきましては千百六十件ということで平成元年度よりも大幅に件数を減らして計上をいたしておるところでございます。
○諫山博君 せっかく冷房用のクーラーなどを設置する、こういうことが予算化されているのに希望者が非常に少ないということの原因として、最初の設置のときには本人負担はなかった。取りかえの場合にはクーラー一台につき四万五十円、さらにそのほかに換気扇の取りかえについても本人の負担が伴う。これが新しい注文を阻害する要因になっているのではなかろうかというふうに言われておりますけれども、これは客観的に何か原因かということは特定しにくいと思いますから、次の質問に移ります。 今空港周辺の生活環境と騒音について、運輸省の大阪航空局と福岡空港事務所がアンケート調査を行っています。もう調査が終わったはずですけれども、何名についてアンケートの回答を求め、何人から回答が寄せられましたか。
○説明員(松尾徹人君) お尋ねのアンケートは、生活環境と騒音に関するアンケート調査と称しまして、本年二月に福岡空港の周辺住民に対しまして行ったものでございますが、発送いたしました調査票の総件数は五千二百八十五件でございます。そのうち返事が返ってまいりましたものは二千四百九件でございます。
○諫山博君 この調査の結果は、運輸省から見て都合がよかろうと悪かろうとすべて公表してもらいたいという希望が強いのですけれども、公表できますか。
○説明員(松尾徹人君) この調査につきましては、今後の私どもの環境対策の参考にいたしたいという趣旨で行ったものでございますが、結果がまとまりました段階で、もし御要請がありましたら何らかの形でお示しすることも検討してまいりたいと考えております。
○諫山博君 これは運輸省から見て都合の悪い結果が出るかもしれません。それでも公表してもらいたいということを要望しまして、次の問題に移ります。 固定資産税の問題です。地価が大変暴騰していますけれども、地価暴騰の責任というのは、もう言われているように大企業とか大銀行とかあるいは自民党の政治に責任があると思います。大企業とか大銀行というのはあり余る資金力に物を言わせまして、東京及び近郊の土地を買いあさりました。さらに、今ではほかの地域まで手を伸ばして日本全国の土地をつり上げている。この地価暴騰に対して一般国民には何の責任もない、もうこれは明らかだと思います。 そこで、地価の異常な値上がりを反映して、来年度の固定資産税の評価がえにみんな恐怖の念を持っております。従来のやり方を機械的に繰り返していたのでは大変なことになるというおそれが広がっているし、新聞でもこの点はしばしば議論されております。この問題で自治省はどういう基本的な認識を持っておられるのか、御説明ください。
○政府委員(湯浅利夫君) 明年四月に次の評価がえを行うわけでございますけれども、御指摘のとおり地価が過去において高騰している地域がございます。こういう高騰している地域について固定資産税の評価がえをどのようにするかという点につきましては、いろいろと今地方公共団体の方々とも御協議をし、適正な評価額を求めるべく現在努力をしているところでございますが、固定資産税の評価額というのは、実際の売買価格というものを基礎にはいたしますけれども、毎年毎年保有の継続を前提にして課税する税という性格から考えまして、実際の価格というものから投機的な要素あるいは期待利益というようなものは排除して評価すべきであるというふうに私どもは考えているわけでございます。そういう基本的な考え方から今具体的な作業に入っているわけでございますが、固定資産税の評価というものは単純に売買価格というものを基礎にするということではなく、そういう点をよく勘案しながら評価を進めていくべきだというふうに考えているところでございます。
○諫山博君 公的な土地評価を一元化すべきだ、こういう議論があります。野党の中からも相当強く出ております。これで一番大きな影響を受けるのは、私は固定資産税の評価だと思います。この点について渡部自治大臣は参議院の本会議で、評価の目的や性格が違う、こういうことを言っておられるし、橋本大蔵大臣も似たようなことを言っておられます。現自治大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 渡部前自治大臣がいわゆる固定資産税の評価と公示価格等々の一元化について反対の意見を述べられたということでございますけれども、私も全くそのとおりだと思いますし、その姿勢は堅持してまいるつもりでございます。
○諫山博君 一物三価とか一物四価とかそういう言い方をしながら、一本化したらどうかというような議論があることは知っております。そして、それに似たようなことを海部総理大臣も発言しているんですよ。やはり自治省としては、固定資産税の評価が異常につり上げられるというようなやり方は断固として阻止していただきたいと思いますけれども、大臣から説明がありましたけれども、局長はどうですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 地価公示と固定資産税の評価というものにつきましては、この評価の考え方、性格というものが全く違うわけでございまして、従来から申し上げましたとおり、地価公示というのは単なる売買の指標である、逆に固定資産税の評価というのは毎年毎年継続して保有するということを前提にして毎年税の負担を求めるというものでございますから、そこにおのずから評価の金額というものが違ってくるというのが私どもの考え方でございます。しかも、固定資産税の評価は全国一億六千万筆にわたるわけでございますけれども、地価公示は全国一万七千点という数にすぎないわけでございまして、これを一元化するということは技術的に考えましても非常に難しいということでございますので、この一元化は私どもはできないというふうに考えております。 ただ、地価公示という制度がある以上、その地価公示というものの内容というもの、それはよく参考にさせていただきながら固定資産税の評価というものはやっていくべきであるというふうには考えておりますが、一元化はできないと思っております。
○諫山博君 私は、固定資産税の評価のやり方、あり方を根本的に変えないと今の異常な地価上昇には対応できないと思うんです。例えば売買価格が非常に上がった、それを基準にして周囲の土地がずっと評価が高まるということが今まで行われてきました。初めに申し上げましたように、地価を異常につり上げているのは大銀行とか大企業です。ところがその隣に小さな住宅を持っている人、小さなお店を持っている人、この土地の固定資産税までがつり上げられてしまうというようなやり方が行われております。私たちは、こういう評価の仕方を基本的に改めて、大きな利益を上げているような大企業、大銀行などの土地の評価と、ささやかな住まいに使っている宅地、建物、営利と何の関係もないようなものについては評価のあり方を変えないと不公平である、社会的な正義が守られないと思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税は、その所有者がどういう方が持っておられるかということを踏まえて課税するということではなしに、そこに土地がある、あるいは建物があるということに課税根拠を見出して税負担をお願いするというものでございますから、そういう所有者の態様いかんで評価を変えるということは固定資産税の性格から見てこれはできないのではないかと思います。 ただ、御案内のとおり、住宅用地につきましては一定の特例措置を講ずるとかいうような形での軽減措置はやっているわけでございますが、所有者の事情といいますか、そういうもので固定資産税の額を、あるいは評価を変えるというやり方は現制度ではできないというふうに考えております。
○諫山博君 現在までそういう評価の仕方がされてきたことは私は知っております。それでは不公平ではないか、社会的な公平が保たれないではないかという立場からの問題提起でした。 そこで、固定資産税の免税点というのがありますね。土地だったら十五万円、家屋だったら八万円、これが決まったのは一九七三年でしょう。もう二十年近くなりますね。この免税点を抜本的に引き上げるべきではないかと思いますけれども、その点はどうですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せのとおり、この免税点は昭和四十八年以降据え置かれているわけでございます。ただ、先ほど来申し上げましたような、土地については小規模の住宅用地の課税標準の特例がその後設けられているというようなこと、あるいは家屋につきましては、この評価に当たりまして在来分の家屋の評価は原則として据え置くというような措置が講じられているという問題もございます。また、償却資産につきましては、平成元年度から少額償却資産の限度額が十万円から二十万円に引き上げられたということもございまして、取得限度額二十万円未満の償却資産は現在は課税対象にならないというようなこともございまして、免税点の引き上げが財政力の弱い市町村に非常に影響を与えるおそれもあるということを考えますと、これらの措置につきましては慎重に考えていくべき問題ではないかというふうに考えているわけでございます。
○諫山博君 これは、所得税にしても相続税にしても免税点の引き上げというのはしばしば行われたわけですね。ところが二十年近い間、固定資産税にこれが行われていないというのは現実的ではないという指摘です。検討してください。 私は、評価のやり方を根本的に改める、収益を上げている土地とそうでない住宅用の土地などは評価の仕方を改めるべきだという点も提案いたします。同時に、現在幾つかの緩和措置がありますから、この緩和措置をもっと有効に適用するということが検討されなければならないと思います。例えば二百平米以下の零細な宅地については四分の一というような軽減措置がありますけれども、これはもう非課税にしたらどうかというような提案もあります。つまり、抜本的な課税評価のあり方の再検討と軽減措置の効果的な運用というのが今必要だと思いますけれども、検討中だそうですから、そういう観点から、固定資産税というのが家屋追い出し税だと、土地追い出し税だというようにならない処理をしてもらいたいと思います。これは大臣、いかがでしょうか、基本的な考え方として。
○政府委員(湯浅利夫君) ちょっとその前に。 固定資産税に関しましては、今先生が御提案のような評価の問題あるいは税負担の軽減の問題等につきましての御意見もございますし、他方は資産格差を是正するためにはもっと保有課税を強化すべきであるという御意見も実はあるわけでございまして、この固定資産税に関しては極めて極端な意見が今闘わされているという状況もございます。私どもはこれらの意見には十分耳を傾けながら、四月からは政府税制調査会が土地税制の問題について集中的に御審議をいただこうということでいろいろと御準備もいただいているところでございますので、それらの御意見というものを十分反映させていただきながら、この土地税制、特に固定資産税の問題についても議論をしていただこうというふうに考えているところでございます。
○諫山博君 最後に大臣、とにかく今度は本会議でも固定資産税の問題が取り上げられるというような事態になったわけです。私は、従来のような固定資産税の評価がえをやっていたのでは大変だ、やはりいろいろ基本的な評価の方法も再検討するし、軽減措置が現にあるわけですから、そういうやり方をもっと効果的に活用する。そして固定資産税が家屋追い出し税、土地追い出し税にならない考慮をぜひ大臣としてしていただきたいと思いますが、お答えください。
○国務大臣(奥田敬和君) 先生御指摘のように、見直しに当たりまして特に我々が留意しなければならぬのは、古くから住んでおられる人が周辺の土地投機によって追い出し税的な性格を持たないように厳重に注意していくということは当然でありますし、今日とられておる小規模な宅地住宅に関する特例措置はむしろ今後強化していく方向の中で検討を急がにゃならぬと思っております。 先生の御意見に反論するようですけれども、先ほど述べられました用途別あるいは利用別というか、そういった考え方を導入していくという形の中で、むしろこの固定資産税が長く保有されて住んでおる人になだらかな負担の中でかかっていくという税の性格からいって、その線を取り入れるということは今すぐ納得しかねるなと先ほどから聞いておったわけでございます。しかし、先生の言われるように、今後固定資産税の運用に当たって今述べられた御意見等をしんしゃくしてできるだけ努力してまいりたいということでございます。
○高井和伸君 地方税法の一部の改正という膨大な法案を前に新米の私は戸惑っておりますので、非常に単純な質問からさせていただきまして、また私のいろんな考え方も一つの仮説を前提に立てましてお尋ねするということになりまして、皆さん方政府当局の方々の御見解を伺いながら私の立場も明らかにしていきたい、このように考えておりますのでよろしくお願いいたします。 そこで、今回の地方税法の一部を改正する法律案の提案理由のところに簡潔に五行ほどで書いてあるわけでございますけれども、この中で一番初めの「最近における社会経済情勢等にかんがみ、」、このような言葉で書いてございますが、この「社会経済情勢」というのはどのような御認識で地方税を改正なさったのか、そういった一般論からお尋ねいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 我が国の最近の国内の経済情勢を見ますと景気は比較的安定基調で来たわけでございますけれども、しかし、その中でも個人生活あるいは社会的な問題というものはいろいろと変動してきているという状況にあるわけでございまして、そういうもろもろの変動というものを勘案し、地方税法の中に規定されている住民に対する各種の税負担というものをいろいろ見直し、適切な税負担を求められるような検討を行うという趣旨でこのような文言を使わせていただいたわけでございます。
○高井和伸君 抽象的なお答えなんでもう少し聞きたいんですが、個人生活にいろんな変動要素が加わっているという御発言でございましたけれども、具体的にはどんなことを想定なさったんでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 一つには、最近は個人生活も経済状況の好況を踏まえていろいろと豊かな生活というものが一方にある中で、他方ではやはりなかなかそういう豊かな生活の恩恵が受けられないという方々もいるということも考えながら、例えば個人住民税の負担の軽減がどうあるべきかという問題を考えたわけでございますし、また特別地方消費税の負担の問題から考えますと、最近の消費水準の向上あるいは消費内容の質の向上というようなものを踏まえて、いろいろとゆとりのある生活というようなものを求めておられる、そういう中で特別地方消費税の課税というもの、税負担というものをどういうふうに考えていくべきか、こういうようなことからこれらの税制につきまして検討させていただいたわけでございます。
○高井和伸君 今のお言葉を海部総理の言葉で言えば、豊かさの生活実感の中にないその欠落部分を地方税の場面で埋めよう、こういう趣旨なんだろうと思いますが、この落差を今細かく消費生活の中だとか、ゆとりのある生活というような言葉で述べておられましたけれども、我々庶民の生活のレベルから言いますと、やはり持つ者と持たざる者の格差、これが一番国民に絶望的な、非常に不安な気持ちを与えているんじゃないか。その最たるものが地価の高騰である。それをもう少し細かく言えば、働くサラリーマンが自分の家をいつ持てるんだろうか、いや、もう持てないんじゃないかというようなところで非常に不安感を持った現今の情勢が私の気持ちでございまして、そういった社会情勢、経済情勢にあるんじゃないか、この点について税務局長さんいかがでございますか。
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せのとおり、最近の資産格差というものが地価の高騰に起因して、いわゆる持っておられる方と持っておられない方々との格差というものが非常に拡大してきているという問題、それからそういうことを踏まえて、一生働いても自分の土地、住宅が持てない、こういうような事態についてこれからどうするかという問題はございます。今回の地方税法の中では、この問題について具体的にそれを税制という形で示しているものはないわけでございますけれども、これからの地方税制あるいは土地税制の見直しという問題から考えますとその問題を一番大きな問題として考えていかなきゃならない、そういう視点から土地税制というものを見ていかなければならないという点につきましては、私どももこれからよく注意をしていかなきゃならないというふうに考えております。
○高井和伸君 ただいまの税務局長さんの答弁は私の質問しようとしたところを先に答弁されてしまったんですが、具体的に地価高騰に対する地方税レベルにおける対応は、いろいろ細かいのがあるのでそれらしいというふうに私も見ているんですが、具体的に税制の問題から、地方税のレベルから地価高騰に対する対応は細かいものもあると思いますので、総合的に言って、先ほどないとおっしゃられたんですが、そんなことはないんだろうと思うんですが、特例措置の延長など、例えば超短期の課税の特例などいろいろあろうかと思いますが、そこらを含めて一応この改正案ではどんな点に配慮したのか解説していただければありがたいです。
○政府委員(湯浅利夫君) 先ほども申し上げましたとおり、土地問題につきましては、実は昨年の十二月に土地に対する基本認識といいますか、国民共通の基本認識を確立しようということで土地基本法が制定されたわけでございます。この土地基本法というものは基本的な理念を規定しているわけでございますから、この土地基本法を受けて具体的な施策というものをこれから検討していかなければならないという事態にあるわけでございまして、そういう意味では、平成二年度の税制改正の法案の中では、具体的に土地基本法に基づいて新たに措置をしたものはないということで、先ほどないと申し上げたわけでございますけれども、しかしながら、今まで行ってきた土地税制のうち今後も継続して行うべきものもいろいろございます。例えば譲渡益課税でございますと、長期短期の区分の問題でございますとか、あるいは地方税で言えばいわゆるミニ保有税をどうするかというような、期限が到来したものにつきまして、これをとりあえず手始めにと申しますか、これにつきまして平成二年度の税制改正では手当てをさせていただいたということで、基本的な新しい問題につきましては、今後の検討課題ということでこれから取り組んでいかなきゃならないと思っているわけでございます。
○高井和伸君 今のお話よくわかりましたんですが、地価の高騰に対して、所管の地方税のレベルからどのぐらいの牽制というか、有効な施策ができるかということで、私の考えるところ、余り税金ですべてをコントロールすることは危険だし、またそんなにもできないだろうという立場があろうかと思います。それは、大きく言えば日本の経済体制が基本的には資本主義、自由経済であるということで取引の自由というものが根本にあるわけでございますので、そこら辺のことからいいますと、期待し過ぎもいけないし、といってやらないのもいけないというような感じを私は持っております。 税務局長さんとしまして、平成二年度のレベルはこんなものなんだけれども、これからはもっとしっかりやるというようなお話でございますけれども、そこら辺の地方税というレベルからの地価高騰に対する牽制というかコントロールというのは、どのような御認識でおられるか。私の先ほどのような抽象的な、やり過ぎも危険だし、やらないのもいけないというような中途羊端なことを言っておりますけれども、そこらどう御認識なさっておられるんでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 土地政策というものは、非常に複雑多岐にわたる問題でございますから、土地税制ができたから土地政策ができるという問題ではないと思います。むしろ従来から言われておりますのは、土地政策というものがまず基本にあって、土地の利用とかあるいは土地に対するいろいろな、何と申しますか規制なども含めた土地利用制度というようなものが基本にあって、それを補完するという形で土地税制というものがあるべきだというふうに従来から言われているわけでございます。 そういう意味では、土地税制に余り大きな期待をしていただくということは問題があるわけでございますけれども、しかしこういう土地についても大きな問題があるわけでございますから、そういうことばかりは言えないわけで、それぞれの分野でできることをやることによって総合的に土地政策というものを一つの政府としての施策として結びつけるという考え方でやっていかざるを得ないのではないかと思うわけでございます。 そういう意味で、土地制度を前提にした各種の税制ということになりますと、地方税では取得段階、保有段階、譲渡段階、それぞれに地方税が仕組まれております。取得段階では不動産取得税、それから特別土地保有税の取得分、それから保有段階では固定資産税、都市計画税、それから特別土地保有税の保有分、それから譲渡段階では譲渡益が出た場合に住民税がどうそれに対応するか。そういう形で取得、保有、譲渡、それぞれの段階で地方税というものが仕組まれているわけでございますから、これと、国税もそれぞれそういう形での仕組みがあるわけでございます。それらを総合的に見まして土地政策にマッチしたような税制というものをこれから検討していかなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。
○高井和伸君 あともう少し今の点でお尋ねしますが、先ほど政府税調がまず基本的に今考えている、それが出たところで地方税でどういうことができるかというお考えだったようでございますが、行政の機動性から見ますとやや非常に遅いというか、期待したほどのスピードが上がってないという印象なんでございますけれども、これは総合的な政策ですからそう簡単に動かないという感想もあるわけですけれども、自治省自身でそういった大きい枠以外に考えておられる地価高騰に対する施策はあるんでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 自治省全体ということになりますと、私の所管が地方税を所管しているということで、その他の分野についての御答弁はちょっと私もいたしかねるわけでございますが、地方団体もこの土地問題については非常に苦慮している点では間違いないわけでございますから、税制以外の問題についても地方公共団体が対応できるもの、また対応しなきゃならない問題というものはやっぱり積極的にこれからも対応していかなければならないんじゃないかというふうに基本的には考えております。
○高井和伸君 今度は各論の問題でございますが、固定資産税の評価の問題でございます。 先ほど諫山委員の御説のとおりの見地から私も考えているわけでございますけれども、これは国民のレベルからとりますと、固定資産の評価額、これはあらゆるものの基準に援用されているというか利用されているわけでございまして、それひとりで生きているのはもちろん固定資産税の課税標準というんですか、課税対象枠の場面でございますが、国民生活に占めている割合というのは非常に大きいものなんです。 それで、これはあと一つ国土庁の公示価格の問題がありますし、大蔵省の相続税の路線価格の問題がございますけれども、先ほど諫山議員がおっしゃったように三本も四本も値段があるというのは、これは日米構造協議で指摘されるまでもなく、日本のいろんな場面における行政能率を落とすものだろうと私は思うんです。それぞれ各制度趣旨があり、それぞれの制度に、価格の表示に制度目的があり限界もあるわけでございますけれども、私は自治省だけではできない、そして大蔵だけでもできない、さらに国土庁だけでもできない、大きな問題はもうここの議論ではちょっとできない議論かもしれませんけれども、やっぱり基準というものはひとつしっかりしていただいて、あとはそれを少し加工する格好で税率を変えていけばいいわけでございますし、それに対する補正値を掛けていけばいいだとか、そういうことでできるわけでございます。 やはり日本の行政システムの簡素化だとか、行政改革だとか、そして日本の経済が非常に強い構造で世界に立ち向かっていくためにも、この三つの国における評価はぜひとも一本化していただかなきゃいかぬというふうに私は考えているわけです。その工夫をぜひともやっていただきたい、これは希望的な立場で私の意見を述べておくわけでございます。 そして問題は、今の土地の値段と従前の評価がえというものの落差が余りにも激しくなってしまって、適正な運用がこの固定資産税の評価という場面では従前のようなシステムじゃもう無理だろう、結局は非常に高い固定資産税を払えない所得の低い、しかも評価額の高い土地に住んでおられる方はそこを出ていくより手はないということに、先ほどのお話ですと追い出されてしまうというような税制に順次行くんだろう。 これをもっと簡単に言えば、我々町の喫茶店で三百円だとか三百五十円のコーヒーを今は飲んでおられます。しかし新しい土地の値段で収得したビル、そういったビルでの喫茶店というのは、もう開店間もなくすぐ閉鎖してしまう。もうやっていかれないという状況を私たち毎日生活の場面で見ております。この固定資産の評価がえにおける波及効というものはじわじわ我々の個人生活のレベルに達しまして、コーヒーは少なくとも五百円、いや千円ぐらい出さないともう町の真ん中の喫茶店では飲めない。官庁の水道代も場所代もただのようなところならば飲めるかもしれませんけれども、商業地における喫茶店のところではそういった波及効でできなくなるだろう。いろんなある意味で非常に厳しい状況が、まだ土地が高いだけだから担保力が出てそこで金もたくさん借りられるというようなのんきなことを言っていられますけれども、今のところ古い賃貸借契約でいろいろ商売やっていられるわけでございまして、これが固定資産税の評価かえによりまして、公租公課の変動によって家賃が変わり、商売上の単価が変わっていくという非常に大きな基本的な部分で国民の生活に影響する。 そういった固定資産税の評価というのは各論の世界で非常に慎重にやっていただかないといけないだろう、このように私は考えているわけでございますが、従前の方法のとおり、先ほどからお話を聞いておりますと適正な時価である。これは経済的に保有し続けていくことが前提である。しかし、また複雑なことをおっしゃいまして、使用収益していくことも前提になっている、こうおっしゃるわけです。しかも、住まいと、金をもうけている土地によってそれは差をつけないというようなことをおっしゃって、私にすれば非常に矛盾したことをおっしゃっておられるように思うわけです。使用収益するということは、町の真ん中の貸しビルの土地と、町の真ん中の昔風のしもた屋におばあもゃんが住んでいる土地と、先ほどのお話では全然評価は差をつけない、こういうお話でございますけれども、これはやっぱり基本的にはおかしな話でございます。 もう一度聞きますが、固定資産税はどういう土地の保有状況に対して価値判断しておかけになるんでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税の基本的な性格は、先ほど来申し上げましたとおり、その土地をあるいは資産を継続して保有しているという事実、これに着目して、その価値に応じて税負担を求めるということではないかと思うんです。その場合の価値というものは、それぞれ具体的な収益力ということではなく、いわば抽象的というか潜在的といいますか、使用収益すべき価値というものに着目して税負担をお願いする、こういう趣旨ではないかと思うわけでございます。 ですから、一つの土地があったときに、たまたまその土地では高収益を上げる何か仕事をやっているもので土地を使っている、隣のところは収益力は余りないけれどもそういう仕事をしているというのが隣り合わせた場合に、それじゃ収益力の高いところの土地は税金を高く取っていいんですかというそういうような税金では固定資産税はないということでございます。そういう意味で、隣同士にある土地というのは通常利用すればこの程度の利用価値はあるであろうという潜在的というか、抽象的な利用価値というものを前提にして課税をするということにせざるを得ないのではないかというのが固定資産税の、よく物税物税と言われておりますが、その物税たるゆえんではないかと思うわけでございます。 そういう意味からいきますと、利用者がどういう形で利用しているかということに着目して税負担を変えていく、あるいは評価の方法を変えていくということは実際問題として無理があるのではないか。これは例えば農地と宅地というような非常にはっきりした点では評価のやり方が違うのははっきりしていますが、例えば宅地という場合に、その宅地の中の使われ方というもので評価のやり方を変えるということは極めて難しいんじゃないか。今まで住宅であった土地がある日その住宅が取り除かれて今度は工場になるかもしれない、商店になるかもしれないということがあるわけでございますから、それをその都度評価を変えるということは固定資産税の場合にはできないわけでございますから、やはりそこの土地というものの抽象的な潜在的な使用収益力というものに着目して課税をする。そういった場合には実際の売買価格というものからいろいろな不正常な要因というものを除いて評価をするということが基礎になければならないのではないかということを私どもは考えているわけでございます。
○高井和伸君 私に言わせれば投機的、期待的利益というのも一つの収益力の基礎であって、除外すべきものじゃなくて、そういうものの総合力が適正な時価なんだろうと思うわけですよ。 そこで、今のお言葉を返すようで申しわけないんですが、抽象的な収益力といいながら東京都の練馬区の農地に対する宅地並み課税じゃなくて、原則なんだけれども、長期営農地ならばある意味では三十四分の一ぐらいの宅地との比較でしかやっていないということは、先ほどの抽象的収益力等のお話ではどのように理解したらよろしいんですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 市街化区域内の農地につきましては、農地の評価であるとすればこれは使用収益する価値というものは通常の宅地よりも極めて低いわけでございます。だからそれに基づいてこの課税をするということになりますと、市街化区域内農地というものは農地並みの評価しかできないということになります。しかし、それではやはり公平でないんじゃないかということで、むしろ三大都市圏の市街化区域内農地は基本的には宅地並みに評価をするということを今やっているわけでございます。その点ではむしろ特例でございます。農地でなくて宅地並みに評価するということでございます。 しかし、そうは言うものの、長期に営農を継続したいという方々にはやはりその意思を尊重して、そして税負担を一定期間軽減すべきではないかということででき上がったのが長期営農継続農地という制度なのでございます。ですから、その制度の認定を受けない方々は当然宅地並みの評価で課税を受けているわけでございますが、長期営農継続農地に認定された方々につきましてはこれは別途の観点から農地として税負担をお願いしているということで、これについて税負担について不均衡があるのではないかというような御議論がいろいろと最近強く出てきている。これに対してこれからどう対応していくかというのが私どもの問題だというふうに考えておるわけでございます。
○高井和伸君 今のお話ですと、農地と宅地は非常に截然としていて、しっかりしてわかっているという話が前提にございます。これと同じようなことで極端なことを言えば、そこにビルが建っているか工場が建っているかというようなことの差によって課税もある意味では可能じゃないか。荒っぽい区分である程度収益力とのバランスをとっていくということが、私に言わせれば固定資産税が生き残っていくための非常に細かい配慮じゃなかろうかと思うわけでございます。そんなことを考えております。そのことについては結構です。 あと時間が少ししかありませんのでちょっと技術的なことでお尋ねをいたします。 超短期の土地所有の譲渡に関する課税の特例が平成五年度までというふうになっておりますが、そのほか今度は優良宅地等の造成に関する土地の課税の特例は平成四年度というふうになっております。他にもいろいろ見ていきますと、一年度延ばしたり二年のものがあったりして、いろいろばらついておりますが、端的に今のところの点だけはどのような立法趣旨なんでございましょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) これらの措置は基本的には所得税の長短区分などと歩調を合わせながら、それから各種の、例えば優良宅地などを造成した場合には今度は譲渡益を軽減するとかというようないろいろな税制上の優遇措置も逆にありまして、それらの措置の期限というものを所得税と住民税とで整合性をとりながら決めていくというようなことがございまして、それで多少期限がまちまちのような感じを受けるわけでございますが、国税、地方税を通じての整合性は一応とっているということでございます。
○高井和伸君 最後に、整合性のことはわかりましたけれども、超短期譲渡の課税特例を平成五年までに切ったという理由は具体的に言うとどうなりますか。
○政府委員(湯浅利夫君) この長短区分の問題は、原則十年というものを五年に直しているわけでございますが、こういう点につきましては、投機的な需要の抑制という観点からこれは積極的に存続をしていこうではないかという考え方で、今回二年の延長をしたということでございます。また逆に、優良住宅地のためのいわば軽減措置の方については、これは土地税制の総合的な見直しが行われるまでの間、とりあえず一年だけ延長しておこう、こういう考え方で国税、地方税の考え方を合わせたということでございます。
○秋山肇君 私は、地方税法の一部を改正する法律案の中で特別土地保有税に関連して何点かを質問いたしたいと思います。 この特別土地保有税が創設された当時の背景及びその目的というのはどういうところにあったんでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 特別土地保有税が導入される前後の状況を見ておりますと、三十年代以降の我が国の高度経済成長によって、当時もやはり都市問題の中での住宅問題あるいは土地問題というものが非常に大きな課題になっていたようでございます。そこで、四十四年度に宅地供給の促進を図るために、所得税におきまして、個人の長期譲渡所得については分離の軽課制度、それから短期譲渡所得については分離の重課制度ということで、初めて長期は軽課、それから短期の譲渡は重課するという制度を設けたわけでございます。その結果、個人からかなり土地が放出されたというふうに聞いておりますが、その放出された土地が有効利用されることの担保がなかったために、結局これが最終的に法人に買い占められて、それが契機となって、当時金融も極めて緩和していたということもございまして、地価の高騰を招いたという背景があるようでございます。 そういうようなことを受けまして、四十八年度の税制改正におきまして、国税において法人に対しまして短期の譲渡益に対して新しく重課制度を設けるということと裏腹にこの特別土地保有税を創設するということにいたしまして、投機的な土地取引の抑制というものをこの税制で期待をした、こういう背景があったようでございます。
○秋山肇君 この四十八年というのは、田中内閣の列島改造ブームのいわゆる第一次の土地ブームといいますか、全国総不動産屋と言われたその時期の直後ですね。たしかその時期に、土地があちこち買われるということでこの制度がつくられたんだと思うんですが、この制度を四十八年につくって現在まで来ているわけですけれども、この効果はあったんですか。
○政府委員(湯浅利夫君) この特別土地保有税を創設したときの基本的な考え方は、先ほど申しましたように投機的な土地取引というものをこの税制によって抑制できないかという問題が基本的にあったかと思います。それで、この税は評価額ではなしに実際の取引価格を課税標準にしてやったものですから、相当の税額であったことも事実でございます。そういうことで、この投機的な取引に対してかなり抑制的にこの税制が働いたというふうに考えていいのではないかという気がするわけでございます。
○秋山肇君 現実は、確かに取引額によって課税されましたから、金額的にはかなりになったかもしれませんけれども、創設をされたときには既に土地ブームが終わっていたときじゃないんですか。この辺どうですか、どう判断されますか。
○政府委員(湯浅利夫君) その辺の事情は私も詳しくはあれでございますけれども、四十八年当時というのは地価についてもかなりまだまだ投機的な働きがあったのではなかったかなというふうに私は考えておりますけれども、そういうことを踏まえてこの税制ができ上がったということじゃないかと思っております。
○秋山肇君 私の記憶ですと、現在のこのところで言われている地価の高騰と四十七年ごろとの違いというのは、四十七、八年、このころは山の中でもどこでも、北海道の山の中でも土地であれば買ったというのがこの四十七年ごろのことだったと思うんですね。今度の現在のものは、東京に端を発したいわゆるビル用地とかそういうことだと思うんで、ちょっとその状況が違うと思うんですね。 ですから、この税の関連に戻りますと、創設当時と現在では社会情勢や土地を取り巻く状況も相当変化しているんだと思うんですよ。それで、このような中で一・四%という低い税率の保有税が土地税制としての意味を持ち得るのか、私は疑問に思うんですが、この点いかがですか。
○政府委員(湯浅利夫君) おっしゃるとおり、四十八年当時の地価の高騰の状況と今回の地価の動向というものは全く違った様相を示していると思います。 それで、この特別土地保有税も四十八年度に創設をされてから幾つかの大きな改正をやりながら時代の情勢に対応してきたということは言えるのではないかと思います。例えば昭和五十三年度には新しく免除制度を設けて、むしろ今までは土地の投機的取引を抑制するという観点からこの税制ができたのでございますが、それがさらに土地の有効利用を促進させるというような観点からの税制にもなってきた。また今お話しのように、三大都市圏というような大都市圏に土地問題がだんだんと集中してきたということを踏まえて、例えばミニ保有税という三大都市圏にしか適用されないというような税制を新しくつくったというようなことで、それなりに特別土地保有税も創設以来その社会の情勢に対応すべく努力はしてきたわけでございます。 今お話しのとおり、一・四%という税率というものが果たしていいのかどうかという点につきましてはいろいろと見方もあろうかと思いますが、先ほど申しましたように、これは実際の売買価格に対する税率ということでございますので、税負担的にはかなりのものじゃないかというふうに私どもは認識しているわけでございます。
○秋山肇君 確かにいろいろな、適用除外になるために、使用目的をはっきりすれば、あるいは駐車場に使ったり材料置き場にしたりというようなことで逃れてきているという法人もあるわけです。そういうまた売買価格に対しての課税であるということでかなりウエートとしては重い税金であるということもわかるのですけれども、そういうことの中で現在の土地の保有税というのを見てみますと、東京都の場合で八七年度において都市計画税を含めても、時価に対して実効負担率はわずか〇・〇六%にすぎないと推定されておりますし、西欧諸国の五%前後に比べてもかなり低いと言えると思うんです。しかし、ここで急に一挙に上げるというのもどうかと思いますけれども、この土地保有税を時価の一%程度に引き上げてというような声もあるのですけれども、この点についてはどうお考えですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 土地の保有課税をもっと強化すべきであるという御議論につながるのではないかと思うわけでございますが、現在この土地保有課税、これは土地保有だけではなしに財産税という観点から国際比較をしてみますと、各国の税制度はそれぞれ違っておりますから一概に論ずるわけにはいかないわけでございますが、日本の場合、固定資産税、都市計画税、特別土地保有税というものがある。アメリカの場合にはプロパティータックスという財産税がございます。それからイギリスは現在まではまだレートという財産税がございます。それからフランスにも財産税がございますし、また西ドイツについても不動産税というようなものがあるわけでございます。 これを国民所得に対する割合で見る限りでは、昭和六十二年度でございますが、日本は国民所得に対して二・一%、アメリカが三・三%、日本よりやや高いわけです。イギリスは五・六%、これはかなり高い。それからフランス二・一%、西ドイツ〇・五%ということでございますから、フランス、西ドイツに比べると日本はまあまあそこそこ、それからイギリスの場合を見ますとイギリスの場合には、これは現在進行中でございますけれども、唯一の地方税であるレートが廃止されて税制改正が今行われているというようなことが報道されているわけでございますが、そうなりますとイギリスの財産税のウエートはかなり下がってくるんじゃないかというようなことを考えますと、国民所得に対する財産税の比率というものはそれほど日本が低いというふうに言えるのかなという感じがいたします。 特にまた、四十年代の固定資産税の国民所得に対する割合はちょうど一%でございましたけれども、これが六十二年度では一・八%にまで上がってきております。これは土地だけじゃなしに固定資産税全体でございますけれども、その中では土地のウエートが非常に高くなっているということは事実でございます。そういう点をひとつ頭に入れておく必要があるんじゃないかと思います。 それからもう一つの国際比較の際に比較する問題としては、土地資産総額の国民総生産に対する割合、これを見ますと、アメリカの場合には〇・五から〇・八で大体ずっときているわけであります。それから西ヨーロッパあたりでは大体一前後。だから国民総生産と土地の資産総額というのはほぼ同じでずっと推移してきているということになっているわけでございますが、我が国の水準は最近急激に上昇いたしまして国民総生産の五倍という数字になっておるという点がございます。 ですから、この異常な国民総生産に対する比率を見ましても、これはやっぱり国際比較だけで我が国の固定資産税の比率、その実効税率というものを単純に比較していいのかどうかという問題がやっぱりあるんじゃないかと思います。だからそういう点を考えながらこの固定資産税の税負担水準というものをどの程度でお願いするか、マクロの問題といたしましても、現在一・八%近くまでいっているものを本当にこれをもっと上げるべきなのかどうか。これは資産強化に対する割合ということになりますと、ただいま御指摘のように非常に低い率になってくるわけでございますが、そういうふうな形で保有課税を強化するということが国民経済という観点から見て果たして適切なのかどうかということもこの際よく勉強しなきゃいかぬのじゃないかという感じがいたしておりますので、保有課税の強化論に直ちに私は賛成できない感じがするわけでございます。
○秋山肇君 保有課税というこれは、本来の目的は土地を持ってそれを転がしていくということを防ぐということだろうと思うんですね。土地を買って自分の工場を拡張するとか、今お話にもいろいろ出ていたけれども、ビルを建てるとか、そういうことに使うのであればこれはいいわけでしょう。それをしないでこれをほうっておいて、また値上がりしたら転がしていっちゃおうということが列島改造ブームのときの土地転がしじゃないかと。登記もしないで中間省略でぼんぼんぼんともう三人も五人も間を抜く。今度の東京に端を発したものについてもそういうことでしょう。そういうことを防ごうというのがこの税の本来の目的だったわけです。 だから、そこに残っている人たちというのは余り公平的に、今湯浅さんの方で別に悪いわけじゃないけれども、私は本来はやっぱり早く買ったものは使ってくださいと、土地本来の目的、そこから収益を上げるものに、収益が上がるか上がらないかいろいろ使い方ありますけれども、そういう目的に使ってもらわなければいけないというふうな基本でいいんじゃないかと思うんですが、その点はどうですか。私は、別に強化というよりはそういうことを言っているんで……。
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せのとおり、固定資産税はずっと継続して持っているということを前提にして税負担をお願いするわけでございますかじら……
○秋山肇君 いや、固定資産税じゃなくて、この保有税も含めて。
○政府委員(湯浅利夫君) 保有税も含めて、ともかく固定資産税というのはそういう性格のものでございますから、余り税負担に過重な負担を求めるわけにはいかない。しかし、今仰せのような有効利用をしていない土地、いわゆる低未利用地に対しては何か税によるインセンティブを与えて有効利用させる方法がないかという点につきましては、これはやはり検討しなければならない問題ではないかというふうに考えるわけです。 ただ問題は、この低未利用であるということをどういう形で特定し認識するかという点が技術的に見ても極めてもう難しいわけでございまして、課税をする税務当局にこの土地は未利用地だ、これは低利用地だということを認定させるということはできないわけでございまして、そのことをやるためには低利用地、未利用地というものはこういうものなんですという制度がまずその前提になければ困るのではないかということで、今土地関係省庁とも相談しながらそういう低未利用地であるということをどういうような形で特定するのか、そういうところから勉強してほしいということで検討を今お願いしているところでございます。
○秋山肇君 一例で言いますと、これはちょっと私の質問から外れますけれども、今の判定が難しいということ。ですけれども、私のところの隣に環状八号線に面してある企業が二千坪の土地を持っている。これはもう特別土地保有税の前から持っている土地ですよ。駐車場にして使っているわけです。駐車場もそこの系列の運輸会社が何台も置いておる。しかし、この会社はその土地を利用したいわけですよ。ところが、環八から二十メーターが住居地域、高度三種の三〇〇%なんですよ。それから先は違うわけですから、二千坪あると実際には高度利用しようとしてもできない。 この間予算委員会で私が言った中にあった用途、容積の問題というのを関連して詰めていかないと、せっかく企業としては土地が高くなっている、その税金が高くなる、高度利用しようとしても使えないネックというのがあるわけで、ですからこの判定は確かに地方税の税務当局で認めにくいというのはよくわかるんですけれども、この辺ぜひひとつ、これは大臣に再三お願いしていますけれども、各省庁連携をしていただいて、有効に使える土地は有効に使っていかなきゃいけないんですけれども、そこにあるネックは、建設省の所管になるんでしょうけれども、都市計画の問題だということを税務局長もちょっと頭の中に置いておいてください。 それから、三大都市圏だけではなくて今度の土地問題も東北は仙台、北海道は札幌、九州は福岡、それから広島に来てというふうな地方都市にも行っているわけですね。そういうときに、この特別土地保有税というのはそういうところにも対象範囲を広げていかなきゃいけないと思うんですが、その点いかがですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 特別土地保有税そのものは全国を対象にして実施をしているわけでございますけれども、今御指摘の問題はいわゆるミニ保有税ではないかと思います。 ミニ保有税につきましては、現段階では三大都市圏の特定市に限ってやっているわけでございますけれども、宅地需要というものがだんだんとそれ以外の地域に拡大しているということが御指摘のように今あるわけでございますので、当面、ことしは期限が来ましたので三大都市圏の特定市に限ってさらに二年間の延長をお願いいたしておりますが、それ以外の地域の拡大につきましてはこれからの土地税制の検討の中でいろいろな角度から検討していくべき問題ではないかというふうに考えております。
○秋山肇君 十年が来て二年の延長ということですけれども、二年延長して、二年でそれで終わりになるのか。これは先ほどから私は自分の考えでもあるから言っていますけれども、十年経過したからといって課税対象から外しちゃうということをするんですか。そういうことは適正ではないというふうに思うんですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 御案内のとおり、特別土地保有税ができたときにはこれは半永久的に有効利用しない限りには課税をするということで始めたわけでございますが、たしか昭和五十七年度の改正だったと思いますが、そのときにやはり半永久的というのは税制度としても過酷ではないかということで当時の土地譲渡の長短区分を十年ということで一応決めたということもございまして、十年間というものを一つの目途としてそれでこの特別土地保有税も十年間だけ課税しようということにしたわけでございます。そういう点では、土地問題というものが今後どういう形で推移するかということにも関連するわけでございますが、この十年間をもっと延長するのかあるいはそのままでいいのかという点も含めてやはり御議論をいただくべき問題ではないかと思っているわけでございます。
○秋山肇君 最後に、大臣締めくくりで、今私がいろいろな聞き方をしてますけれども、要は四十七、八年ごろの列島改造ブームの反省でこの税制が生まれて、その後々も今度のようなこういう土地ブームといいますか、土地の動きが激しくなったと。五十七年にずっとそのままじゃいけないというんで、十年間という時限を切って、十年間は税金を取ろうということでしょう。それが過ぎたら外そうということですけれども、そういうことを十年の間に、私さっきも申し上げていますけれども、土地転がしの土地は重税を課して、使おうとしている土地だったらやっぱり十年の間には使わなきゃいけないんであって、この辺は何らかの勧告措置というか、何らかのあれをこれからも考えなきゃいけない問題だろうというふうに思うんですね。 だから土地基本法の成立を受けて低未利用地の利用促進、土地税制の総合的な見直しとか、いろいろあるわけですけれども、私はいろいろな聞き方をしていますけれども、要は土地は有効に使っていかなきゃいけないんじゃないかと。固定資産税というのは、先ほどの御説明のように高い税を住居に対してかけたんでは住民はこれは大変なきついことになるわけですけれども、そうかといってそれじゃほかのところとの比較ということは難しい。だから公平を期すために固定資産税の評価ももっとオープンにしてということを言ったら、税務局長がそれはことしからということになっていますからと。そういうことでもろもろのことをこの間の予算委員会から、委員会が違いますけれども、引き続いて土地問題だけで質問してまいりましたけれども、締めくくりで、大臣お聞きになっていて、お考えをお答えいただいて終わりにしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 秋山先生の御意見を先ほどからずっとお聞きしておりました。先般の予算委員会でも御質疑いただぎましたけれども、私は全く先生の御意見には同感でございます。 それで、土地はやっぱり公共的社会的性格を持つという形を先般の土地基本法で明示したわけでございますし、その目的を達していないような土地、例えば遊休地であるとか、あるいは土地転がしのために値上がり待ちの土地であるとか、こういった形に対しては、本当に特別土地保有税ですか、これはむしろ強化すべき性格のものであるという認識を持っております。そのかわり良質な宅地化に協力をしていただける、こういった形に対してはむしろ税制上も含めての恩典措置は講ぜられるべきであろうし、いずれにしても持っている土地を社会に生かしてほしいという基本性格で、今度関係閣僚会議でこの問題については今平成二年度中に結論を出そう、そして先生がいつも指摘されている遊休地等はこれもはっきり新しい制度創設をやろう、建設省が担当ですけれども、こういった形の中でひとつ結論を急いで、私も土地対策閣僚会議のメンバーでもございますから、その点先生の御趣旨をこの結論を急ぐ閣僚会議の中で大いに開陳をしてまいりたいと思っております。
○委員長(渡辺四郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認めます。 本案の修正について渕上君から発言を求められておりますので、この際これを許します。渕上貞雄君。
○渕上貞雄君 私は、本案に対し修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付をされております案文のとおりでございます。 私は、提案者を代表して、その概要と趣旨を御説明いたします。 まず、修正案の内容でありますが、政府提出の地方税法の一部を改正する法律案中、特別地方消費税に係る改正につきまして、これを削除するというものであります。 次に、趣旨について御説明いたします。 政府改正案は、本年三月三十一日で失効するものもありますが、そうでないものも含まれております。この特別地方消費税は、施行期日が本年十月一日であることからも明白なように、いわゆる日切れではありません。政府は施行に準備期間が必要と強調されますが、旧料理飲食等消費税がこの現行特別地方消費税へと大改正されたときは準備期間はわずかに三カ月でありました。 日切れ法案として審議を簡略化して法案を成立させること自体、国会審議の形骸化という批判があり、法案提出方法、時期の改善などを求める声が強く、特に毎年、参議院においては審議日程の制約を余儀なくされ、改善が求められているのであります。したがって、少なくとも今回の場合、この日切れでもなく、消費税問題ともかかわるこの特別地方消費税については、衆議院段階におきまして政府提出案として残し、その他の部分のみを審議すべきでありました。ところが、政府・自民党は、近年、みずから提出した地方自治法改正案、地方税法改正案の法案の二度にわたり、審議日程の関係からその一部分離処理を求め、改正点を抜き出して議員立法で成立させる手法を用いたにもかかわらず、今回はかたくなにこれを拒否いたしました。このような姿勢は私たちには信じがたいものでありますが、自民党も政府も態度改めようといたしません。したがって、ここに至り、私どもは修正案の提出を余儀なくされたものであります。 日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院は、消費税に反対の立場から、消費税の強行導入後はこれを廃止して国民が求める不公平税制の是正を中心とする税制の再改革を行うよう強く主張してまいりました。そして私たちは、参議院選挙に示された民意を反映させるため、民社党・スポーツ・国民連合、社会民主連合と共同して消費税廃止、税制再改革のための九法案を立法化し、本院において実に八十四時間余にわたる御審議をいただきました。その結果、全法案は参議院において可決され、参議院提出案件として衆議院に送付されましたが、残念ながら自民党によって審議未了、廃案とされました。しかし、先般の衆議院総選挙において自民党は過半数を維持しましたものの、消費税強行導入の裏づけとなっていた三百議席を大きく下回り、国民は消費税に厳しい批判を持っていることが改めて証明されました。 野党は、消費税廃止関連法案を衆議院に今国会提案するため、現在、鋭意立案作業を進めており、税制審議が始まる前に提出が予定されております。したがいまして、平成二年度の税制のフレームは今後、慎重な国会審議を通じて定められるべきものであり、特別地方消費税問題も今後、与野党の提案と議論のもとで結論が出されるべきであります。政府改正案に限定して、いわゆる日切れという名目で簡便に一括審議で決められるべきものではないのであります。 衆議院における自民党三百議席は過去のものとなり、参議院においては与野党逆転をいたしております。与野党が歩み寄らなければ法案の処理はできないという現実があるにもかかわらず、みずからの提案のみに固執する自民党の姿勢は極めて遺憾であります。特に本院においてはそうした与党の横暴はもう許されないのであります。私どもは、消費税廃止と税制再改革の実現によって大減税と地方財政の拡充強化を追求しており、政府・自民党が言う小手先の特別消費税の自治体負担に基づく減税についてはにわかには賛成しがたいものであります。 以上、修正案の概要とその趣旨を御説明し、委員の皆様の御賛同をお願いいたして提案理由の説明を終わります。
○委員長(渡辺四郎君) それでは、これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○諫山博君 私は日本共産党を代表して、ただいま議題となりました社会、公明、連合参議院三党の地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成、政府提出の地方税法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 まず政府提出法案についてであります。 反対理由の第一は、金余りと言われるほど担税力のある大企業に対する優遇税制をそのまま延長していることです。政府は従来、地方税における特例制度については、その適用期間が終了するものについては制度の見直しを行い、必要でないものについては廃止を、まだ必要なものについても適用期間の短縮や特例措置の内容の縮減を行うという説明をしてきました。ところが改正案では、外国貿易用コンテナに対する特例、国内航空機に対する特例、民活法に規定する特定施設の特例など、固定資産税や不動産取得税におけるこれら課税標準の特例措置がその内容の縮減を伴うことなく延長されています。こうした事例は固定資産税だけでも九項目ありますが、うち五項目は大企業が主にその恩恵を受ける特例措置です。こうした特例措置の適用を受けるのは、主に私鉄や電力会社、NTTなど担税力のある大手企業であり、特例措置の延長ではなく、廃止こそが望まれているのであります。 反対理由の第二は、天皇の納税義務を免除し、新たな非課税措置を導入していることです。法案は、皇室経済法第七条に規定する「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」について、それに係る固定資産税や不動産取得税を非課税にするとしています。さらに附則で固定資産税の非課税措置については八九年度以前の年度分についてもさかのぼって適用するとして、課税漏れに対する遡及適用を遮断する措置を行っています。これは実務的処理の場合を除いて税法上全く例のない措置をあえて講ずることにより、新たな特権的免税制度を設けるものにほかなりません。 このように天皇という特定の個人に着目した非課税制度の創設は、従来、所有者の人的要件は考慮されず、その物的要件のみが考慮される物税と性格づけをしていた固定資産税についての政府の見解にも反するものと言わなければなりません。 反対理由の第三は、特別地方消費税の改正です。特別地方消費税は誕生そのものが消費税絡みであり、今回の改正も特別地方消費税そのものを見直すというのではなく、存続を前提とした消費税の見直しの中でその廃止が問題になり、地方団体の存続の要求を受けて改正案のようになったものであります。したがって、特別地方消費税の改正は政府・自民党の消費税の見直しの一環であり、免税点の引き上げや税収の一部を市町村に交付する制度の創設など住民や自治体が受け入れやすい改正内容となっているのは、特別地方消費税の定着をまず図り、あわよくば消費税そのものの存続、定着をねらったものと言わなければなりません。 以上、政府提出法案に対する主な反対理由を述べましたが、社会、公明、連合参議院三党共同修正案は政府提出法案のうち特別地方消費税の部分を削除するものであり、賛意を表明するとともに、いわゆる日切れ以外の改正部分については分離をして審議を尽くすべきものであることを強調して、私の討論を終わります。
○委員長(渡辺四郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより地方税法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、渕上貞雄君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(渡辺四郎君) 少数と認めます。よって、渕上君提出の修正案は否決されました。 それでは次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(渡辺四郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(渡辺四郎君) 次に、過疎地域活性化特別措置法案を議題といたします。 まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院地方行政委員長島村宜伸君。
○衆議院議員(島村宜伸君) ただいま議題となりました過疎地域活性化特別措置法案について、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 御承知のように、現行の過疎地域振興特別措置法は、過疎地域に対する当面の緊急対策である旧過疎法の失効により、昭和五十五年に旧法と同じく、超党派の議員立法として制定されたものでありますが、この三月末日をもちまして有効期限が経過しようとしております。 これまでの間、積極的な過疎対策の推進の結果、着実に成果が上がりつつありますが、依然多くの過疎地域においては、人口の著しい減少に伴って地域の活力が低下していると言わざるを得ない現況にあります。 このような見地から、今後とも引き続き、過疎地域について総合的かつ計画的な対策を実施するために必要な特別措置を講ずることにより、これらの地域の活性化を図り、もって住民福祉の向上、雇用の増大及び地域格差の是正に寄与しようとするものであります。 以上がこの法案を提案した理由であります。 次に、本案の内容について御説明申し上げます。 まず第一に、過疎地域の範囲については、国勢調査の結果による人口の減少率が、昭和三十五年から昭和六十年までの二十五年間に二五%以上、または人口減少率が二〇%以上で高齢者比率が一六%以上、または人口減少率が二〇%以上で若年者比率が一六%以下の地域で、かつ、昭和六十一年度から昭和六十三年度の平均財政力指数が〇・四四以下の市町村の区域としております。 なお、今後実施される国勢調査の結果、これらの人口減少率等と同様の要件に該当することとなる市町村については、過疎地域の市町村として追加していくこととしております。 第二は、過疎対策を総合的かつ計画的に実施するため、市町村及び都道府県知事は、都道府県知事が内閣総理大臣と協議して定める過疎地域活性化方針に基づき、それぞれ過疎地域活性化計画を策定し、相互に緊密な連携により活性化対策事業を実施していくこととしております。 第三は、過疎地域活性化のため、国の負担または補助の割合の特例、過疎対策事業債の発行、市町村道等の都道府県による代行整備等の特別措置を引き続き講ずることとするほか、過疎対策事業債の対象の拡大、介護支援機能及び居住機能等を有する小規模の複合型施設の整備事業を補助の対象とする等、特別措置の拡充を図ることとしております。 第四に、この法律は、十年間の時限立法とし、平成二年四月一日から施行し、平成十二年三月三十一日限りでその効力を失うこととしております。また、現行の過疎地域の市町村のうち、本案で対象とならないものに対しては、五年間過疎対策事業債の発行を認める等、激変緩和のための経過措置を講ずることとしております。 以上が本案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(渡辺四郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○神谷信之助君 過疎地域活性化特別措置法案、いわゆる新過疎法案については不十分な点があるものの、過疎地域の現状と抱えている問題から見て緊急に必要な対応であると考えます。 そもそも過疎地域が生まれた原因は、歴代自民党政府の高度経済成長政策によるものであります。一九六〇年以降、高度経済成長政策は資本と人口を大都市圏に集中させました。その大都市圏への労働力の供給源になったのが農山漁村地域であります。この結果、農山漁村地域では若年労働力を中心として急激な人口流出に見舞われました。農山漁村地域は急激な過疎化が進み、自治体の財政力の弱さと相まって、地域住民の経済的な生活基盤を初め、防災、教育、医療など、基礎的な地域社会の機能も失われる事態となりました。 現在の過疎地域の現状はどうか、人口の減少率は鈍化の傾向にありますが、なお引き続き多くの市町村で人口が減少しており、特に若年層の流出と高齢化現象が顕著になっています。したがって、本法案が高齢者比率や若年者比率を加味することにしたのは当然であります。過疎法が立法化された一九七〇年当初は過疎地域市町村数が七百七十六団体、ところが一九八〇年現行過疎法が制定されるときには千九十三団体、現在は千百五十七団体となっています。過疎地域市町村数は二十年前の一・四九倍にふえているわけです。これは現在までとってきた過疎対策がまだまだ不十分だったことを端的に示すと言えます。すなわち、財政力が強化されなければ活性化を期待できないことは明らかでありますし、そのためにこの過疎法が必要であったわけであります。 ところで、今回過疎指定要件が変更になりますが、それによって百三団体が適用除外になると聞いております。しかし、適用除外になる百三団体のうち、財政力指数が一以上は三団体です。その他の百団体は現行法であれば適用になる四十一団体を初め、その他の多くは財政力指数が〇・四四以下、人口減少率も二〇%に届かないが、高齢者比率は全国平均より数%以上上回るという現状で、決して過疎が克服されたとは言いがたい状況が生まれています。 そこで、我が党はこの人口減少率を、提案をされております二五%以上というのを二〇%以上に据え置いて、それから高齢者、若年者比率を加味した人口減少率を下げ、より適用市町村の拡大を図るとともに、なお、現過疎市町村でこの要件を満たさない団体については、当分の間適用による全面的救済を図るという改善案を提示してまいりました。しかし、残念ながら我が党の提案は事実上協議の対象にならず、衆議院地方行政委員会における委員長の趣旨説明の中に、経過措置の五年間を当分の間とすべき意見のあったことを付言するということで、不十分ながら賛成をするという態度をとった経緯がありました。 したがって、この際、今後この不十分な点を克服して過疎対策をより前進をさせる立場から、提案者であります委員長にお尋ねをするわけですが、本法案が実際に実施をされるその状況に応じて、これらの改善のための改めての法律の改正、こういったものも含めて検討をお願いする、そういうふうにしていただきたいと思うんですが、そういう提案者のお考えを聞きたい、こういうように思います。
○衆議院議員(島村宜伸君) お答えをいたします。 本法案の審議に当たりましては、各党で十分お話し合いをして全会一致で衆議院では可決をいたしました。その経過に照らしまして、これからも十分意を用いていくところでございますが、もし足らざるものが出てきた場合にはそれなりの対応をしていただくように政府に要望しているところでございます。
○神谷信之助君 今の提案者の御答弁のように、今後の状況に応じて十分御検討いただくことをお願いしておきたいと思います。 そこで、具体的にこの法律の適用に当たっての自治省並びに国土庁の方の御意見を聞いておきたいと思います。 経過措置の五年間というのは激変緩和ということでありますが、今回の法改正に盛られました対象事業の拡大などの恩恵をすべて受けられるようにしなければ、今まで過疎の克服を目指して一生懸命努力をしてきた市町村が適用除外になることによって、総合的かつ系統立った過疎対策事業が途中で中断をするというそういう不合理な状況も生まれかねません。現に一九八〇年当時、前回ですが、いわゆる卒業と言われた市町村が今回また適用される、いわゆる卒業取り消しの自治体が新たに適用される自治体の一割近くになっています。したがって、経過措置は財政力指数が一以上の団体を除いて現在の過疎市町村はすべてこの新過疎法を全面的に適用すべきではないかというように思うんです。 今回適用除外になりました市町村の中にはいろんな切実な陳情が寄せられておりますが、例えば秋田県の羽後町では過去二十五年の人口減少率は二三・三%、それから高齢者比率は一四%、若年者比率は一六・二%、それぞれわずかな数値で該当しないということになります。しかし財政力指数が〇・二五であります。したがって、今町議会へ提出されている平成二年度予算でも二億三千万円余りの過疎債を予定しているわけですけれども、当該羽後町では適用除外となった場合に、五年間経過措置はあるにしても、将来にわたって町の行政に大きな支障を来すことはもちろん、過疎脱却を目指す若者の意欲の芽を摘むことにもなりかねませんと訴えてきています。 また、北海道では音別町とか東神楽町など六十三町村から、新法における対象地域の要件については現行過疎地域町村が引き続き対象となるよう配慮することとの要望が議会の決議として我が党にも届いております。 経過措置について法文の附則十二では「政令で定めるところにより、第十二条の規定を準用する。」とありますが、その立法趣旨は経過措置の五年間について少なくとも新過疎法の恩恵がすべて受けられるようにするということだと思うんですが、自治省、国土庁の方は、この立法趣旨に則して経過措置の五年間については新過疎法の恩恵がすべて受けられるように政令の制定あるいは運用面で配慮していただきたいと思うんですが、どのようにお考えか見解を聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(野沢達夫君) 現行の過疎地域振興特別措置法に基づく過疎地域でございまして今回の新法の対象とならない市町村についての経過措置についてのお尋ねでございます。 新法におきます経過措置につきましては、ただいま先生が御指摘になりました過疎債に関する規定のほかに、財政上の激変を緩和するとともに、既に着工しております事業の完了を図るという趣旨に基づきまして、市町村道などの基幹道路、これにつきまして都道府県が代行整備するという事業がございます。これらにつきましてもやはり五年間の経過措置が設けられているところでございます。これは新法の附則の第八項でそのような規定が設けられております。この五年間でございますが、前回、現行の過疎法が制定されましたときには四年間という経過措置でございましたけれども、過疎債と同様に今回五年間とするというように手厚く措置がされているところでございます。 そのほか、政令段階でございますけれども、農道整備事業あるいは林道整備事業などにつきまして国庫補助の特例が過疎地域にございます。これらにつきましてもやはり五年間の経過措置を設けたいと考えておりまして、現在、関係の政令の改正の準備を進めているところでございます。 私どもといたしましては、こうした措置を運用していくことによりまして今回新法の対象から外れることになります市町村の行財政運営に支障がないように、ひとつ適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
○政府委員(持永堯民君) 過疎債の問題につきまして私の方からお答え申し上げます。 今御質問にございましたように、附則に経過措置の規定があるわけでございまして、これを受けまして、自治省といたしましてもいわゆる卒業市町村に対しましては五年間過疎債を措置していく、こういうことでございます。これは提案者の御説明にもあったわけでございますけれども、考え方としては激変緩和ということでございますから、やはり逓減方式で、六年目にはゼロになるわけでございますが、逓減方式で過疎債を措置していくということでございます。 それから、今度新しい法律で対象事業が拡大されましたので、拡大する部分についても卒業市町村も適用になる、こういうことでございます。
○神谷信之助君 これは要望だけして答弁は要りませんが、継続事業など認可事業については過疎債が適用になりますね。今度は五年間でしょう。だから、その五年間新規事業もやれないという状況が続かないように、五年間の経過期間であっても事業の性質なり内容なりに応じて五年間に限っては適用できるように、そういったいろんな配慮もしていただくように重ねて要望して私の質問を終わります。
○委員長(渡辺四郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 過疎地域活性化特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(渡辺四郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(渡辺四郎君) 次に、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。 先般、当委員会が行いました地方公共団体の財政状況及び地域振興対策の実情調査のための委員派遣につきましては、既に報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時九分散会