大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 360 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1990/06/01
会議録
○委員長(藤井孝男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 去る五月二十五日、予算委員会から、本日一日間、平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査の委嘱がありましたので、本件を議題といたします。 —————————————
○委員長(藤井孝男君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日、参考人として国民金融公庫総裁吉野良彦君、日本開発銀行総裁高橋元君、日本輸出入銀行総裁山口光秀君及び日本銀行発券局長吉沢利夫君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(藤井孝男君) それでは、委嘱されました予算について大蔵大臣から説明を聴取いたします。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平成二年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は、六十六兆二千三百六十七億九千百万円となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十八兆四十億円、雑収入は二兆四千三百二十二億八千八百万円、公債金は五兆五千九百三十一億八千万円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、十七兆百一億一千万円となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、産業投資特別会計へ繰り入れは一兆三千億円、国債費は十四兆二千八百八十五億八千六百万円、政府出資は二千八百億円、予備費は三千五百億円となっております。 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。 造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも二千七百七十億五千万円となっております。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。 国民金融公庫におきましては、収入四千七億六千五百万円、支出四千三十六億九千三百万円、差し引き二十九億二千八百万円の支出超過となっております。 このほか、日本開発銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○委員長(藤井孝男君) 以上で説明の聴取は終わりました。 なお、ただいま大蔵大臣から要望がありましたので、お手元に配付いたしております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井孝男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○村田誠醇君 私は、大蔵省の広報体制、広報予算についてお聞きをしたいと思います。 質問に入ります前に、大蔵省の広報担当の方にお手数を煩わせまして、大変各種の広報資料をいただきましてありがとうございました。冒頭お礼を言わさせていただきます。 まず、大蔵大臣にお聞きをしたいと思うんですが、大臣は消費税のPRを含めまして広報には大変熱心でございまして、自分の顔を新聞に報道させるとか、広報の重要性についてあるいはその意義について大変御理解が深いと思っております。大臣の方から、広報の重要性というんですか、その必要性、意義について御見解をちょっとお伺いできればと思っております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) かつて厚生大臣時代に、本院の非常な御協力をいただき、薬害救済基金制度を発足させたことがございます。 当時はスモンの患者の方々との和解がようやく大詰めに近づいたときであり、そのほかに多くの薬害が世の中には存在をいたしておりました。しかし、その薬害救済基金制度を発足させながら、その制度の内容というものがなかなか一般に知らされる機会が少なかった結果として、その救済基金制度がせっかくスタートをしているという事実を御存じないままに、その問題の解決を訴訟に求めた方々が当時相当数おられたわけであります。一たん訴訟を提起いたしました後にその制度の存在を知り訴訟を取り下げ救済基金制度に乗られた方々、あるいは訴訟を提起してしまってある程度感情的な行き違いを生じてしまったために救済制度に乗りたい意思はありながら行きがかり上乗れないために解決のずれたもの、そうしたケースをその当時私は随分体験をいたしました。その当時から政府関係広報というものについて、よきにつけあしきにつけもっと拡充することはできないものかという気持ちは非常に強く私は持っておりました。 大蔵大臣に就任をいたしました時点、御承知のように消費税に対して国民の中にはさまざまな声があったわけであります。しかし、私自身が改めて大蔵大臣として事務方の説明を聞いてみますと、事務方の意図がそのまま理解をされていないケース、もちろん理解をされた上での御批判もたくさんありましたけれども、理解をされていないということについての意見というものは相当多くの場面で私は体験をいたしました。制度の創設前の段階から十分な広報活動が行われていたならば、賛否いずれにせよもっと冷静な環境で国民に御論議がいただけたのではなかろうか、これも率直な感想であります。 また、もう一つの考え方として非常に強く私の頭にありますのはイギリスのいわゆるグリーンペーパーでありまして、政府が新たな施策を考える時点で、それを制度化する以前にまず現状、そしてその現状がそのまま対策を講じずに将来に続いた場合に出てくる事態、それに対して政府が講じようと考えている手段、こうしたものを明らかにした上で世論調査をするという形で国民に対して政府の考え方を徹底し、同時にそれに対する国民の反応を調べる。厚生大臣当時、私は、ちょうど労働党内閣から保守党内閣に移りかわりますときに、労働党内閣が実施していたそのグリーンペーパーを保守党政府がどう使われるのか非常に興味を持って調べた時期がございますが、いずれも非常に有効な活用のされ方をしていたという記憶があります。 いずれにしても、政府が何を考えているかということを国民に知っていただく機会というものはできるだけ拡大しておく必要がある、そしてその考え方の出てくる基礎から国民に御説明をする必要がある、そうした気持ちを私は大変強く今も持っております。今現在行われております大蔵省の広報というものがそうした方向で国民に受けとめていただけていれば非常に幸せでありますし、この消費税につきましても、例えば国税庁の諸君が視覚障害の方々のために点字を使った資料等を作成しておりますことについても、よく気をつけて努力をしてくれている、私はそう感謝しながら眺めておるところであります。
○村田誠醇君 大変貴重な御意見をありがとうございました。 そこで大蔵省の方にお聞きしたいんですが、私の方に国税庁の事務年報(第三十七回)というのを配付していただきました。これは各議員に配付されていると思うんですが、その中に「広報活動」という項目がございまして、「広報は、指導、相談及び調査と並んで重要な意味を持つものである。」、庁報のねらいは「納税意識の高揚を図ること」、「税法、簿記会計など税に関する知識の普及と向上を図ること」、「申告期限、納期限等について、納税者の注意を喚起すること」、あるいは「納税者と税務当局との相互の理解を深め、両者の信頼関係を高めること」と、こう目的が書かれているわけでございます。大蔵省の方で現在広報を実施していますが、これは六十二年度版でございますので、昨年度もしくは今年度の広報のねらいというんでしょうか、目的、これにつけ加えるようなものあるいは特筆すべきようなことがあればちょっと御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(石坂匡身君) ただいま年報を引かれまして、調査、指導、相談、それと並んで広報の重要性というふうなお話がございましたが、この基本方針と申しますものは、これは年度によって変わるところはないと存じます。 ただ、私ども税制改革という非常に大きな法案を成立させていただきまして、それを実施をしていくという段階におきまして、特に新しい税制の内容あるいは税制改革の内容、そういったものを広く国民の皆様方に知っていただく必要があろうかと存じまして、平成元年度におきまして、何といいましょうか、指導といいましょうか、あるいは相談といいましょうか、広報といいましょうか、そうしたところにとりわけ力を注いできたということでございます。
○村田誠醇君 一般的なことで結構なんですけれども、通常、広報活動をなさる場合、これは活字媒体に限って御答弁いただきたいんですけれども、いろいろ部内で相談なさるかあるいは発議をして、こういうことをしよう、ああいうことをしよう、いろいろ部内でディスカッションが多分あると思うんですね。それから、それを実現するためにはどういうふうなことがいいか、粗いデッサンというんでしょうか、企画立案をし、それがいろいろな討議を経ることによってきちんとした企画書もしくは稟議書というような形をとってまとまってくる。そうすると今度は、それをどういう方法、手段でPRしたらいいのか中身についてもいろいろ論議をし、成案を得たら内部的な上司の決裁、機関の決裁を受けまして外部発注をする、もしくは内部的に処理をしていく。そしてでき上がってきたものをそれぞれの担当のところでもう一度チェックをして、問題がない、目的どおりだということになれば完成、納品、そしてそれをそれぞれのところに配付する、あるいは役所の窓口等において置いておく、こういうことに多分なると思うんです。大体こんな経過をとって一つの広報活動が行われるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府委員(石坂匡身君) 広報活動がどういうシステムで私どもの方で検討し実施をしているかというお尋ねでございますが、私ども、税務広報というものにつきましていろんなことをやっております。 非常に粗く申し上げますと、テレビ、ラジオといったものを通ずる番組、これが一つございます。代表的なものを申し上げますと「メイコとあなたの税ミナール」でございますとか、あるいは牟田悌三さんの「あなたのための税金相談」とか、そういった定時番組を提供いたしますとともに、非常に知っていただきたい問題に対しましてはテレビやラジオにスポットを流すというふうなことをやっております。それから、今、活字媒体というお話がございましたけれども、新聞とか雑誌というふうなものを通じましていろいろなこちらがお伝えしたいことを掲載していただくというふうな試みもやっております。 それから、量的に非常に多うございますのは、活字媒体の中でも、いろんなパンフレットをつくりましてこれを広く納税者の方々に読んでいただく、知っていただく、あるいはこちらからいろいろな説明会を催させていただく、そういった形でやっておるわけでございまして、例えば新税制につきましては、「豊かな明日へ」というふうなパンフレットをかなりの部数をつくっておりますし、あるいは「知っておきたい税情報」でございますとか、「ご存じですか、あなたの減税」ですとか、そういったパンフレット類をたくさんつくっております。そして、そうしたパンフレット類は、つくるだけではなかなか読んでいただくということもあれでございますので、各税務署に全部それを備えつけまして御自由に納税者の方に持っていっていただくというふうな手段を講じますと同時に、消費者向けあるいは事業者向けに、特に消費税の問題につきましてはこの実施につきまして中身をよく知っていただくという必要がございますので、こうしたパンフレットを用いまして各種の説明会を開かせていただいておるわけでございます。 この開催件数をちなみに申し上げますと、平成元年におきましては消費者向けに約二万三千回催しております。それから事業者向けでは三万七千回、かなりの回数を実施しておるわけでございます。 こうしたいわば結果としてあらわれてくる前提としてどういう部内的な検討を行っておるかということでございますけれども、大蔵省の中には、国税庁あるいは税関を含めましてこの税制の問題というものには関係があるわけでございますけれども、一つは大臣官房に広報室というシステムがございます。それを担当しております審議官もおります。主税局におきましてはこれを担当いたします企画官がおりまして、その下にセクションがございます。国税庁には広報課というものがございまして、そこにスタッフを抱えておるわけでございます。それから、私どもの出先には財務局がございますけれども、財務局を通じましても税制、財政のいろんな知識の伝播を果たさしていただいているわけでございますけれども、これを統括しております地方課というものがございます。 そういった各セクションが寄り合いまして、課長レベル、課長補佐レベルあるいは係長レベル、係員レベルということで十分に討議をいたしましていろんな企画立案をいたしますし、それからパンフレット類を作成いたします。ただ、私どもだけではなかなか知恵が回りかねるという面もございますので、その場合には広告代理店というふうなもののノーハウ、これを伺うというふうなこともございます。 そうした過程を通じましていろいろな資料をつくりまして、それを出先でございますところの財務局、あるいは財務事務所、税関、国税局、税務署、そういったところに広く頒布いたしまして、そうした場所を通じてパンフレット類につきましては広報を進めているというのが実態でございます。
○村田誠醇君 いろいろなポジションでそれぞれ、税関にもございますし国税庁にもあるということでございますので、中身がそれぞれ違うわけでございますから一概になかなか言えないと思うんですが、そういう広報をする場合の中身、内容、こういうのは、担当でいろいろ御検討はなさるんでしょうけれども、稟議書あるいは企画書となって上がってきたときに、直接の担当から外れて所管をするそれぞれの上司は一体どの程度その中身についてチェックなさるんですか。全部一応見るんですか。それとも、一応こういうことをしたいという稟議書と意義、目的、概要だけを見てああこれでいいという決裁なんですか。中身まで踏み込んでどんな形でどんなふうな文章になるのか、中身がどうなっているのか、こういうことまでも見られておるんですか。
○政府委員(石坂匡身君) まず、どういうふうなパンフレット類あるいはどういうふうな方針でPRを行うかということにつきましては、いろんなセクションの者が集まりまして討議、ディスカッションをいたします。そうした過程で出てまいりましたもの、これをそれぞれまた自分のセクションに持ち帰りましてそれぞれの担当の上司に諮るというふうなことで方針を決めていくわけでございます。その後は、つくります資料、税法の解説みたいなことでありますればこれはやはりそのセクションの専門家ということになりましょうし、あるいはどうすれば非常にわかりやすいものになるかということであるならば、ある程度広く、知識のないようなセクションの人にもそれを見せて、どうだろうかというふうなフィードバックもいたします。そうした形で、かなりの多くの人間が関与をした形でもってでき上がっていくというのが実態でございます。
○村田誠醇君 それでは資料——資料といいましょうか、ちょっとお聞きしたいんですが、本年度の広報予算、たしか事前にいただきました資料では二十五億でございますか、約二十五億円と出ておりますが、私ちょっと不勉強でございまして、大蔵省の予算をいろいろひっくり返して見てみましたら、大蔵省はいろんなところに広報という文字がありまして必ずしも税制のパンフレットだけではないわけですね。税関もございますのでね、どれがどれだかよくわからないんですが、例えばこれは目の区分でいくと九五〇一六一—二一二三—〇九、庁費のうちの大蔵省広報費として二億六千四百六十万五千円というのが計上されておるわけですね。そのほかにも税制関係資料作成費として四千二百七十七万八千円とか、あるいは税関広報費として三百八十一万とか、こういう数字が出ているわけです。あるいは事項の九五で国税の広報活動等に必要な経費として一億六千百一万四千円。 よく見てみるんですが、広報と書いてあるのを全部足してみてもどうも二十五億にはいただいた資料ではならないんで、どこかにあるいはその他の経費の中に入っているのかと思うんですけれども、ちょっとどういうふうに予算書を見たらいいのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(石坂匡身君) 大蔵省全体の平成二年度の税制についての広報の予算、これは国税庁も含めまして約二十六億円でございます。細かく申しますと二十五億九千九百万円でございます。 今先生お話しいただきましたのは恐らく大蔵本省の予算についてお調べいただいた数字をおっしゃったんだと存じますけれども、このほかに実は国税庁に約二十四億円ほどの広報予算がついておるわけでございます。それを全部集計いたしますと、先ほど私が申し上げましたような約二十六億円程度の数字になるということでございます。
○村田誠醇君 昨年度は大変な税制改革が行われてそれが実施されたということで、かなり消費税を広報する事務、これは各省それぞれ行われたと思うんですけれども、その際の方針というんでしょうか方向というんでしょうか、例えば新税制ができたからその中身を説明するんだ、手続を説明するんだ、いろんなことがあると思うんですね。どこに重点を置いたのか。 それから、一年間実施したわけですが、平成二年度においてはその方針、今度は重点をこっちの方に移す、従来は一般的な説明だったけれども今度はこっちの方向にしようとか、多分方針が少し違うんだろうと思うんですけれども、元年度と二年度で方針がどのようなスタンスを持っているのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(石坂匡身君) 平成元年度につきましては、ただいま御質問ございましたようにまさに消費税の実施初年度ということでございました。それで、内閣に新税制実施円滑化推進本部というものが平成元年の一月十日に設置をされてございますが、そこで一月十日に「各関係行政機関において新しい税制について国民に真の理解を求めるきめ細かな施策を実施する。」、「そのための広報、指導、相談等の施策(例えば相談窓口の設置等)を積極的に実施する。」、そういうふうな決定がございまして、これに沿いまして各省挙げましてこの税制のPR、円滑な実施ということにつきまして、各省それぞれの分野がございますが、そうした点についての取り組みが始まったわけでございます。 大蔵省について申し上げますと、ただいま御答弁申し上げましたようないろんな組織、あるいは媒体、手段を使いまして説明会等をやらしていただいたわけでございますけれども、通産省、あるいは経済企画庁、農林省、公正取引委員会、文部省、厚生省等々におきましても、それぞれの分野につきまして消費税につきましての実施についていろいろ事業者の方にも知っていただかなければならないというふうなことがございますので、そうしたことにつきまして幅広くPRをしていただきました。そうじた結果は、この実施円滑化推進本部といいますものをその後数回開いておりまして、その都度報告をしていただくというふうなシステムで進んでまいっております。 で、平成二年度に入りましても、この消費税につきましての一層の定着を図るというのが現在定まっております法律を執行する者としての務めでございますので、引き続きこうした税制改革の一層の定着のための広報というふうなこと、それからもう一つは、この税制に対する関心が非常に国民の間に高まっていると存じますので、この税の使い道を含めました税制一般についての広報といったものもあわせて実施をしていきたい、かように考えておる次第でございます。
○村田誠醇君 お忙しい中、農水省の方にいらしていただいておりますが、農水省の「農業と消費税」というこのパンフレットをいただきました。消費税、大変PRなさったと思うんですが、簡単で結構ですが、今と同じように、その際どういう姿勢でといいましょうか、スタンスでやったのか、ちょっとそのことだけ簡単にお願いいたします。
○説明員(山田栄司君) 消費税の導入に際しまして、農林水産省におきましては、今お話しのございました政府の対策本部を受けまして省内に消費税導入円滑化対策本部を設置いたしました。 この本部の方針に基づきまして、本省とか地方農政局等に相談窓口を設置しますとともに、広報活動としましては、事業者及び消費者を対象にしまして、まず事業者につきましては、農林水産省あるいは関係団体を中心にしまして各種説明会を開催さしていただいております。それから、今お手元にお示しいただきましたパンフレットにつきましては、農林省も農業、林業、漁業、あるいは食品産業等ございますが、それぞれの生産者等に対します消費税の仕組み、納税計算、転嫁対策等を説明するようなパンフレットを作成しております。それから消費者に対しましては、消費者が買い物の際に混乱が起きないようにというふうなことも踏まえまして、内税、外税の価格表示方法を店頭に表示するためのポスターを作成して配布する等、それぞれ周知徹底を図ってまいったところでございます。
○村田誠醇君 農水省の方にお聞きしたいと思います。 本年度の予算の中にも広報予算というものは当然入っていると思いますけれども、仮定で申しわけないんですが、二年度の予算が通過したときに消費税広報というのはどういうふうにやる予定なのか、ちょっと簡単に御説明いただきたい。
○説明員(山田栄司君) 消費税の広報でございますが、先ほど申しました消費税導入の際におきまして、今申しましたパンフレットとか各種説明会を開催するというようなことで昭和六十三年度補正予算におきまして約二億三千万円の予算をいただいて、普及の徹底を図ったわけでございます。その後、元年度及び平成二年度に至りましては特に消費税に関する予算は計上しておりませんで、私ども、業界団体を通じましてヒアリングを行うとか、あるいは先ほど御説明申し上げました相談窓口を設けております。そういうところでいろんな相談に応ずるというふうなことをさしていただいておるということでございます。
○村田誠醇君 昨年の十二月十三日に自民党で消費税の見直し案を決めましたですね。そして同じく十二月二十三日に、今度は政府が税制改正大綱で消費税の見直しを決めた。この中身のポイントは飲食料品等の非課税ということですから、農水省が一番、かなめと言っちゃいけませんが、目玉になっておりますね。当然かなり広報をしなければいけない。その予算もくっついているだろうと思いますし、計画があるだろうと思うんですね。この見直しに関しての広報はどのような計画になっておるのか、予定があるのか、ちょっとお聞かせ願いたい。
○説明員(山田栄司君) 消費税見直し案に対するPRというふうなお尋ねでございますが、昨年秋に見直し案が決定しまして当面私ども対応しておりますことは、所管業界あるいは関係団体等から食料品の見直しの内容その他についていろいろ問い合わせがございますが、現在はそういう問い合わせに対しまして説明をさしていただいているというふうなことでございます。それから、消費税見直し法案そのものが通りましたら、消費税導入の際に準じましたような対策につきまして今後いろいろまた考えていかねばならないというふうに考えておるところでございます。
○村田誠醇君 予算案が通過したら執行できるんじゃないですか。見直しの広報をして構わないんじゃないですか。農水省はそういう計画はありませんか。
○説明員(山田栄司君) 現在内部でいろいろ検討さしていただいておるという段階でございます。
○村田誠醇君 予算案が通ったら実施しないんですか。法律案は別としても、予算案が通ったら広報活動にすぐ着手するということはありませんか。
○説明員(山田栄司君) 先ほど申しましたとおり、現行の消費税につきましては、相談窓口を置いて各種相談に応ずるというふうな体制、あるいは関係業界から定期的にヒアリングさしていただいたり、あるいは問題点があればそれぞれ指導ないしは解決の方法を講じてきておるというふうなことでございますが、消費税の見直し法案につきましては法律が現在審議されている段階でございます。そのような審議状況を踏まえて今後検討さしていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○村田誠醇君 それじゃ、予算案が通っても法律案が通らない限り農水省としては見直し案の中身についてのパンフレット、新聞その他における広報はやらない、あるいはできない、こういうふうに理解してよろしいですか。
○説明員(山田栄司君) 先ほど申し上げましたとおり、見直し案につきましては、御案内のように食料品につきまして見直しがございます。こういうふうなことでございまして、私ども所管の業界あるいは関係団体とも重大な関心を持っておるわけでございます。そういうことで、当面はそういう団体からの問い合わせ等に対応していきたいというふうに考えておるところでございます。
○村田誠醇君 それでは大蔵省にお聞きしたいんですが、いろいろ消費税のパンフレットを出されていると思うんですね。広報活動、それはテレビ、ラジオを通じた電波媒体、それから全国紙を通じた広報宣伝のほかに、いろいろなパンフレットが出されておると思うんですが、衆議院の予算委員会に提出した資料によりますと、「新税制に関するパンフレット等」という資料がございまして、そこにいろいろパンフレットの種類と発行部数が書かれておりますが、これはこれを全部出したということでございますね。その点、確認をしたいんですが。
○政府委員(石坂匡身君) 御質問のとおりでございます。出しましたものは、これは平成元年度予算の執行といたしまして出しておるところでございます。 それから、ただいま見直しの広報につきましてのお尋ねが農水省の方にございました。若干補足して御説明をさせていただきたいのでございますが、政府といたしましては昨年の年末、十二月二十六日でございますけれども、新税制実施円滑化推進本部というものを開催いたしまして、先ほど申し上げたところでございますけれども、見直しの趣旨が国民の間に広く理解されるよう広報を積極的に推進するというふうな申し合わせをしてございます。 大蔵省並びに総理府といたしましては、政府の税制改革大綱が決まりました、あるいは予算案が概算決定いたしました後におきまして、この見直し案につきまして政府はこういうことを決めましたというふうなことをパンフレット等をつけましてPRをさせていただいておるわけでございます。恐らく委員がお尋ねになりましたパンフレットの中にそうしたパンフレットも若干含まれていると思います。
○村田誠醇君 そうすると、政府は見直し案を決めた段階でその内容を積極的に広報して推進をするという閣議決定ですか、政府の決定があると。それに基づいて大蔵省はやった。 というと、農水省は積極的に広報活動を推進しない、こういうふうに受け取れるんですが、その点についてはどうですか。
○政府委員(石坂匡身君) ただいま申し上げましたように、新税制実施円滑化推進本部、ここは関係閣僚が入っておられるわけでございますけれども、ここでそういう申し合わせをしたわけでございます。それに基づきまして広報に取りかかっておるわけでございますけれども、これはまだ政府がいわば政府案として決定をして国会にお出ししたという段階でございます。それが国会で御審議をいただいて法案として成立するということにはまだ至っておりません。そうした制約の中でございますものですから、したがいまして主として大蔵省あるいは総理府が、政府としてこういう決定をいたしました、その内容はこういうことでございますということで国民の皆様方にお知らせをする、そういうふうな段階にあるわけでございます。
○村田誠醇君 それじゃ具体的にお聞きしたいんですが、この中にあります「ご存じですか、あなたの減税」というパンフレット、それから先ほども答弁の中で出てまいりました「新税制…豊かな明日へ」、これはどのくらい発行したんですか、そして金額は大体幾らぐらいなのか、それから何回か版を重ねていると思うんですがどのくらい重版したのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(石坂匡身君) ただいまお尋ねございました「新税制…豊かな明日へ」は五十万部発行をしてございます。それから「ご存じですか、あなたの減税」は十五万部出させていただいております。そのほかに、これは二回ございますわけですけれども、そのもう少し前に出しましたものは三千七百四十万部出しておるわけでございます。この一つ一つの予算がどれくらいかということは、今ちょっと手元に資料がございませんのですけれども、消費税導入後におきますこうしたパンフレット類につきましては約一億二千万円の経費がかかっておるわけでございます。
○村田誠醇君 確認をしたいんですが、「ご存じですか、あなたの減税」、このパンフレットは二回発行して、片っ方は十五万部、片っ方は三千七百四十万部発行した、そして「新税制…豊かな明日へ」というのは発刊部数五十万部、一回、こういうことでよろしいんですか。
○政府委員(石坂匡身君) 若干私の説明が口足らずでございまして申しわけございません。 この「新税制…豊かな明日へ」といいますのは、五十万部と申し上げましたが、大蔵省の予算からつくりましたものが五十万部でございまして、そのほかに総理府の予算で作成をしておりまして、両方合わせますと約三百五十万というのが正確な数字でございます。若干口足らずで申しわけございませんでした。 それから、「ご存じですか、あなたの減税」は、内容的には同じものでございますけれども、発行が二回にわたっておるものでございますから分けて書いてあるということでございます。
○村田誠醇君 いただきました「新税制…豊かな明日へ」は二回出された。片っ方は大蔵省で五十万部、片っ方は総理府で二百五万部出しておる。中身は変わっていますか、同じものですか。
○政府委員(石坂匡身君) 中身は同じでございます。 ただ、この「新税制…豊かな明日へ」といいますものは三回改訂版が出されておりますので、そういう意味で三種類ございますけれども、中身は総理府予算を使いましたものと大蔵省予算を使いましたもの、同じでございます。
○村田誠醇君 つかぬことをお伺いします。 大蔵省の方に事前にお願いをいたしましたが、御答弁なさっている石坂審議官は昭和三十八年入省、後ろの方にいらっしゃいます銀行局長は三十四年入省とお聞きいたしましたけれども、間違いないですね。 つかぬことをもう一つ、農水省の方にお伺いしたいんですが、農水省の方は何年度入省でございましょうか。
○説明員(山田栄司君) 昭和四十年度に入省しました。
○村田誠醇君 「新税制…豊かな明日へ」というのは三回改訂をなさったというわけですね。中身の記述については若干個人的なものでは見解が相違するところもあるんですが、この中に先ほどから言っております消費税の見直しについての広報がなされているんですね。 これは、先ほどの説明ですと、政府が決めたから実施したんだということのようですけれども、農水省さんのお話ですと、国会で見直し法案が論議される、法律案としても決まっていないんだから広報はできない、のような趣旨を言われているわけですね。ところが、大蔵省さんあるいは総理府さんが出したのには堂々と「暮らしの視点に立って見直しを行います。」、こう書いてあるわけですね。これは広報の範囲を逸脱しているんじゃないですか。立法論のところまで入ってきている。国会が決める前にもう既にこの中身を今言いましたように二百五十万部も刷って国民に向かってばらまく。これは広報の範囲を逸脱していると思うんですけれども、その点はどうですか。
○政府委員(石坂匡身君) 今お尋ねの見直しにつきましての部分に限って申し上げますと、部数は三百五十万部の中で百十万部でございます。そのパンフレットにつきましては、今御指摘のように政府が決定をいたしまして国会にお出しをしております見直し案の説明が入っております。 ただ、政府といたしましては、政府がこういう政策を決定をし、そしてこれを国会にお願いしているという情報を広く国民の皆様方にお知らせをするということも一つの重要な任務ではなかろうかというふうに考えておりまして、そういう角度からパンフレット類の中にもそうしたことを書き込ませていただいてPRをさせていただいているということでございます。
○村田誠醇君 そのほかのパンフレットを見ますと、消費税の見直しのやつのパンフレットもありますけれども、大体が制度の説明。先ほど言いましたように、納期限あるいは納税者の便宜を図るためのいろいろな手順、方法の説明が加えてある。消費税の見直しというのは全然違う性質のものですね。 それは後で論議するといたしまして、先ほど入省年月日をお聞きしたんですけれども、審議官が入省なさったときに公務員としての宣誓をなさっていると思うんですね。その文面を審議官は御存じですか。覚えていらっしゃいますか。
○政府委員(石坂匡身君) 正確にはその文面は記憶にございませんけれども、毎年そうしたことをやっておるということは承知をしておりますし、そうしたことがあったということも承知をしております。
○村田誠醇君 もう一つ済みません、これで最後ですが、農水省の方、あなたも四十年入省組で宣誓をなさっていると思うんですが、文面は覚えていらっしゃいますか。
○説明員(山田栄司君) 私、四十年に入省さしていただいたんですけれども、今お話のありました宣誓はした記憶ございますが、具体的に中身につきまして十分は承知していないところでございます。
○村田誠醇君 こう書いてあるんですよね。「私は、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を深く自覚し、」——ここまではいいですね。ここはまくらです。「日本国憲法を遵守し、」——これも当たり前です。並びに法令を守ることを誓います、多少後ろの方カットしてありますけれどもね。 大蔵省として守るべき法律というのは、現行の消費税でしょう。それをPRなさるのは、立場が違っても当然なんです。しかし、見直しというのは法律になっていないんですよね。あなたがここで宣誓したときに、「法令に従い」——これは決まったものに従うということだと思う。しかし、決まっていないものをこうやって広報するということは公務員としての責任を逸脱しているんじゃないんですか。その点はどうですか。
○政府委員(石坂匡身君) 私どもは、確かにおっしゃるとおり決まった法律を執行するという立場にあるわけでございます。と同時に、政府といたしましていろいろな事態に応じまして政策を立案し、法律をつくり、それを国会に御提案申し上げて御審議をお願いするという立場にもございます。そうした後者の立場の一環といたしまして、この消費税の問題につきまして政府としての案というものを取りまとめまして国会に御提案申し上げておるわけでございますが、そうしたこの政府の案の内容につきまして、これをやはり国民の方方に広くお知らせをする点についても一つの大切な仕事ではないかと考えております。
○村田誠醇君 いいですか、大蔵大臣が政策立案というか立法で、こういうことをしたいああいうことをしたいというならいいですよ。政党がこうすべきだああすべきだということを主張するのも結構です。しかし、大蔵省がなぜこうすべきだああすべきだというPRを国の金を使って百十万部も刷ってできるんですか。あなたの意見を聞いていれば、国会の審議なんか要らないんだ、自分たちが決めたやつを堂々とPRすればいい、このように聞こえます。どうですか。
○政府委員(石坂匡身君) 非常に生意気に聞こえたとすればおわびを申し上げますけれども、私どもは法律を執行するという立場、当然それはそういうことでございます。法に定められたこと以外のことをできるわけはございません。それと同時に、法律というものを、またどういうふうな法律にするかということを御提案申し上げていくという仕事もしておるわけでございまして、その後者の仕事の中でこういうふうな政府案がございますということは国民にお知らせさせていただきたいと思います。 しかし、お知らせにしてもそれが国会で通らなければもちろん執行をできるわけではございません。そこのところは十分心得ておるつもりでございます。
○村田誠醇君 それはおかしいですよね。つまり、政策活動というのは確かに大蔵省はできますよ。こういうことを直したい、こういう不平不満があるからこういう点をヒアリングをして直す、ここまでは認めるんですよ。あるいは議員に対して、国会に対して、こういうふうに直してほしい、そういう働きかけをする、そのための資料をつくる、PRをする、これは当たり前です。私が問題にしているのは、そうじゃなくて、まだ国民的コンセンサスも、議会の中において一致した見解もできていないものを百十万部という大量のパンフレットをつくって国民に向かってPRしたということですよ。それが越権行為じゃないかと言っているんです。 私たち議員に向かって、消費税をこう直してほしい、大蔵省としてはこういう立場でこういうふうにやる、そのことは幾らPRされたって結構ですよ。しかし、国民に向かってこういう消費税のパンフレットの中にいかにも見直し案が決まりましたというような格好でPRなさる、これは越権行為じゃないんですかと言っているんですよ。しかも、宣誓で言うところの法令に基づかない——あなたが政策立法でできるんだ、大蔵省の権限でできるんだと言うんであれば、法律案なんか通らなくたって、大蔵省が政策立法として必要だと言えばどんどん広報予算あるいはほかの予算も含めて使える、こういうことになりませんか。あるいはほかの省庁がどんどん使っていって構わないんだ、自分たちはこういうふうな方向でこういうふうに法律を直したいんだからそのための広報をいたします、パンフレットをつくります、テレビ、新聞等の媒体を使ってPRします、これ許されるんですか。大蔵省として認めるんですか。それについてどうですか。
○政府委員(石坂匡身君) 今お尋ねのパンフレットにつきましても、もちろんそれはあくまでも政府の案でございまして、国会でこれからお決めいただくという話であるということは断り書きをした上で配らせていただいておるところでございます。それはこのパンフレットの中にも印刷として刷り込んでございます。したがいまして、私どもはあくまでもこれは政府の案であるということで、ただ、そういうインフォメーションということを国民の皆様方にお知らせするということも大切なことではないかというふうに考えてやっておるわけでございまして、決して法律を軽視するとか国会を、というふうなつもりは毛頭ございません。
○村田誠醇君 それでは、政府が決定したんだから、命令があったからやったんだ、こういうことですか。そのように理解してよろしいですか。
○政府委員(石坂匡身君) 政府の案といたしまして、これは税制改革大綱、あるいは要綱、あるいは法案として閣議決定を経ております。そういう意味で、政府としての意思決定は得ているものでございます。そういう背景があるということはおっしゃるとおりでございます。
○村田誠醇君 いいですか。先ほどの農水省でも、予算の中には多分見直しの広報予算も入ってますよ。計画もしているでしょう。しかし、法律案が通らない限りそれを表に出してない。それは各省みんな同じですよ。各省のパンフレットを大蔵省の広報室に御尽力いただいて大変たくさん集めていただきましたが、全部現行の消費税の説明とか手続とかそういうことばっかりですよ。何で大蔵省の説明に見直しの中身が入ってくるんですか。しかも百十万部。 あなたの判断でやったんじゃないという説明ですよね。そうすると、これは政府の問題になるわけですよ。大臣にちょっとお聞きしなけりゃ済まなくなってくるんですよね。あなたは、自分としては法令に基づいた広報しかしないんだけれども、政府の新税制の推進機関ですか、で決めたことなんだからやったんです、こういう御説明ですよね。そうすると、命令をなさった大臣もしくは政府にこの点についての答弁を求めなければいけない。大臣、ちょっとお伺いしたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどからの御論議を拝聴しながら、仮に審議官の言葉に足らざる点があればおわびをまず申し上げます。 ただ、最初に委員から広報について私自身の考え方を問われましたときに、私は二つの例で私の考え方を御説明申し上げました。一つは、まさに発足した制度についてその内容を国民に熟知していただくという趣旨に基づくものであります。そしてもう一つ私が政府広報の必要な方向として申しましたのは、政府はこう考えるということを国民に知っていただき、それに対する国民の声が返ってくる、要するに政府はこう考えるということについて国民に知っていただく広報というものも必要なものである、私はそう申し上げております。 私は、実は国家公務員の宣誓というのが、公務員の経験を持たないものですから、どういう文章になっておりましたのか、そういう点については知識を十分持っておりませんけれども、私は政府がかく考えておりますということについて国民にお知らせをするのも政府広報の一つの大きな役割だと考えておりまして、そういう考え方からまいりますならば、今委員が御指摘になっておりますポイントというのはまさに政府はかく考えるという範囲に属するものと、そのように心得ております。
○村田誠醇君 大蔵大臣が新しい税制はどうあるべきかとか現行の税制に不平不満があるとか欠陥があるとか言うことについては、私もそれがけしからぬとか言うことはないです。将来に向かっての立法論的なものあるいは政見的、政策的な判断を主張をなさる分については構わない。もちろん政府も。しかし、大蔵省なり政府の行政機関が決まってもいないことをPRする。先ほど言いましたですね、法令に基づかない行為だよと。しかし、政府が命令したんなら、あるいは政府が決めたんなら、何でもやってもいいんだ、できるんだ、こういうことであれば、まさに我々はこんなところで審議する必要性がなくなってくる。 しかも、このパンフレットは三回にわたって改訂をなさったということですね。中身が当然違っているわけですよ。つまり、一番最初にはこんな見直しなんという中身は入ってなかったはずですよ。じゃ、改訂するときに、百十万部刷るときにこの見直しを入れろ、あるいは入れなければいけない、これを広報の中に入れろという指示をだれがしたのか、その点についてお聞きしたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、役所の中の事務手続のいかんを問わず、最終責任は私にあると考えております。 ただ、委員は、三回に分けて、しかもそのときどきに内容が変わったと。まさに私は、政府はかく考えておりますということを国民に知っていただくというのはやはり政府広報の大きな役割だと考えております。そしてそれは、やはりそのときどきにおいて国民が大きく関心を持たれておるテーマについて情報を提供する責任というものは政府にあると思います。 その中において、率直に申しましてそのパンフレットが出されました時期を私は正確に存じておるわけではございませんが、しかしその時期というものを考えてみますと、消費税というものについて国民に非常に大きな関心を寄せていただいておる時期であり、しかも関心を持たれている中には消費税の廃止を求められる方、改めてほしいと言われる方、このままでいいと言われる方、改めてほしいと思っているがこういうところを改めてほしいと思う、ああいうところを改めてほしいと思う、それぞれ私がちょうだいをしました投書の中から見ましても非常に幅の広いものでありました。そうした国民の声に対して政府はこう考えておりますということをお知らせをする努力というのは、私は政府広報としての当然の役割であると思います。 そして、そうして提供されました情報に基づいてまた国民としてそれに対して批判の声が出てくる、当然そういうこともあっていいわけでありまして、私はかく考えますということをお知らせする努力が政府広報の範疇を超えるものだとは考えておりません。
○村田誠醇君 先ほど大臣はこれが発行された時期がいつだかよくわからないということでありましたが、三回なんですよ。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 三回はわかってます。何月何日ということまで私は存じておるわけではありません。
○村田誠醇君 まさに時期の問題なんですよ。 政府の税制改正大綱でこの見直しを決めたのが十二月二十三日です。それから急遽パンフレットをつくるといったってそんなに簡単にできやしませんよ、年末年始の忙しいときに、しかも予算編成をされているときに。そしてこれができ上がってきたのがいつですか。恐らく一月末でしょう。つまり、発行された時期が、まさに消費税をどういうふうに持っていくのか国民の審判を仰がなければいけない衆議院の総選挙の前にこのパンフレットが出たということですよ。しかも、最大の争点である消費税を廃止するのか見直しをするのかの国民的投票だと言われた選挙のときに、大蔵省が政府が決めたからといって見直し案の中身を国の費用を使って百十万部も出す。 しかも、もう一つ宣誓書の例を出しますと、一番最後の文章が、不偏不党かつ公正に職務の遂行をするというんですよ。あなたが公務員に入ったときに。あなたのやった行為、不偏不党で公正な職務を執行したのか。これ、公正というのとみんな違いますよ。自民党の手助けをしたんですよ。政府としての、あるいは官僚としての、公務員としての職務を明らかに逸脱した。違うんですか、これ。この時期が一月末でしょう。総選挙の直前にこれが出たということなんですよ。しかも、それ以降出たパンフレットの中にはこんな見直し案という中身は何にもないんですよ。このときだけなんですよ、出たのが。違うんですか。
○政府委員(石坂匡身君) このパンフレットの経緯でございますが、三回と申し上げましたけれども、元年の五月に初版ができまして、元年の十月、それから平成二年の一月中旬でございます。今委員がお手元に持っていらっしゃるのは平成二年の一月中旬のバージョンでございます。十月までのものにはもちろん見直しというものは、政府として何ら決定しておる話ではございませんから入っておりません。その見直しの話が入りましたのは平成二年一月の版からでございます。 これは、今委員がおっしゃいましたように、十二月に政府といたしまして税制改革大綱を決定をいたしました。それから予算の概算決定をしております。そういう形で予算の歳入の一部としてその見直しの中身を決めておるわけでございます。同時に、先ほど申し上げました推進本部を開きまして、それを情報として御提供申し上げなければいかぬというふうな話も決めたわけでございます。それに基づきましてこの一月の中旬にできましたものにそれを盛り込んだ、かかる経緯をたどっておるわけでございます。
○村田誠醇君 私の聞いていることは、あなたが公務員として不偏不党かつ公正に職務をするという宣誓をしているのにもかかわらずこういうパンフレットをつくることは、権限なり義務というんですか責務、それから逸脱しているんじゃないですかと言っているんです。仮に命令されたとしても、法令に基づかないものについて自分はPRすることはできないと。そうでしょう。農水省の方は言っているわけです。予算は通ったとしても法律が通らない限りヒアリングをするとか業者を呼んで情勢を聞く、あるいは問い合わせに対して答える、そういう一般的なものは認めるけれども、こういうパンフレットの活動とか新聞広報活動については見直しの論議が決着ついてからやるんだ、こういうことです。大蔵省だけが何で突出したことができるんですか。 私が聞いているのは、広報したことがいいとか悪いとかじゃない。広報を命令されたとき、あるいは広報するときに、あなたは、なぜ現行の消費税と違うんだ、現行消費税の解説をする中に見直し案のことを入れてはまずいと——しかも総選挙の直前の二月の中旬にでき上がったパンフレット、片一方の方の意見しか書いてないわけでしょう、政府と言っているけれども。それを職務として遂行したということについてどう思っているんですかと聞いているんです。正しかったんですか。その点はどうですか。
○政府委員(石坂匡身君) パンフレットができ上がりましたのは一月の中旬でございます。 私どもは、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、政府としてこういうふうにしたいという法案を用意させていただくというわけでございますので、それをやはり国民の皆様方に広く知っていただくということが必要であるという政府広報一般の考え方に従いまして、そういうふうな見直し案を書き込みましたパンフレットを作成させていただいたわけでございます。
○村田誠醇君 だから、あなたの論理でいけば、政府が決めたんなら、あるいは大蔵省が決めたんなら、国会の審議なんか関係なくパンフレットを広報活動していいというふうに聞こえますよ。違うんですか。何にも決まってない中身をPRする。しかも金を使ってやる。しかも新聞報道によれば、やったけれどもいろいろ野党との関係もあるし、自民党の肩ばかり持っていちゃまずいというので、一月だけで説明会に配布するのをやめたと、こう書いてあるんですよ。だれが考えたって片一方の見解しか——それは大蔵大臣の方は当然入れてほしいしということになるでしょうけれども、私どもから言わせれば何でここのところに廃止法案が入らないのかと、こういうことになる。 じゃ、大蔵省の見解が廃止でもし固まったら、あるいは今度の消費税見直し案、再見直しでもしいくんだという方向を大蔵省が決めたら、パンフレットでもう一回消費税見直しますってあなたは広報活動できるんですか。やるつもりですか。その点についてお聞きしたい。
○政府委員(石坂匡身君) これから先のお話はどうなるか私どもちょっと答弁の限りではございませんけれども、繰り返しになりますけれども、政府としてこういうふうに法律を直したいというふうな意思決定があったわけでございまして、その情報を国民の皆様方にお知らせをするということは、これは私どもの仕事の一つではないかというふうに私ども考えている次第でございます。
○村田誠醇君 それじゃ違うじゃないですか。 いいですか。先ほど言った国税庁の広報の活動という中にも、納税意識の高揚を図ること、あるいは税法の中身についての知識の普及や向上を図ること、それから消費者あるいは納税者の申告期限とか納付期限についてミスがないように喚起すること、こういうことが広報の目的ですよと書いてあるでしょう。このとおりだと言っているわけでしょう。この中には将来改正しますよなんて中身をPRしますということは書いてないわけですよ。 そんなことを言うんだったら、政府が決めれば、あるいは税制改正で決めれば、大綱で決めれば、すべての広報は、政府がこう考えているんだからといってどんどんと金を使ってPRする、片っ方の意見なんか無視してやれるんだ、こういうふうに聞こえますよ。また、それがもし仮に認められるんだとすれば、我々が審議する必要性なんか何にもないですよ。つまり、政府がやりたいほうだいのことを広報していいなら、実施していいなら、こういうふうになりますよ。これはもう行政府じゃないですよ。立法府の権限まで侵害していますよ、明らかに。もしあなたがそうじゃないと突っ張るんだったら、これはまさにあなたが宣誓したのと全然違う。中身を実施しようとしているとしか思えないんですけれどもね。 もう一度聞きますよ。政府が決めたんなら、そして大蔵省が関係する税制の広報であれば、国会の審議で決着がついていなくても何でも広報できるんですね。そのことを確認をしたい。
○政府委員(石坂匡身君) 法案というものをつくりまして、国会にお出しをいたしまして、十分御審議をいただきまして、そしてどうなるかが決着がつく、そういうシステムになっておるわけでございまして、政府が決めたからといってそれが直ちに法案としてこの世の中に執行されるというものではない、それはそのとおりでございます。そのことは十分承知しておりますし、そうしたことを踏まえた上で、そうしたことわりの上で、私どもは、政府としてはこういうふうな考えを決めましたということを情報としてお知らせをするということをさせていただいているということでございます。
○村田誠醇君 ちょっと納得できないですよ、それでは。 政府が決めたんだからできるんだ、やるんだ。——それでは宣誓書に書いてあること、もう一度最後にこれ聞きますよ。それで私の希望するようなあなたの答弁がないんだったら、ちょっとこれは考えてもらわなきゃしようがないんですよね。 こう書いてあるんです、あなたが署名して提出した宣誓書には。先ほど「日本国憲法」まで読みましたでしょう。続いて「日本国憲法を遵守し、並びに法令及び上司の職務上の命令に従い、」というのが入っているんですよ。そして「不偏不党かつ公正に職務の遂行に当たることをかたく誓います。」と。年月日を書いて署名捺印して出しているんですよ、あなた。あなた、法令にも違反していますよ、これは。しかし、上司の職務の命令があったんだというなら、これは免責される部分もあります。あなたは命令されたんですか。違うと思うんですよね。もし命令されたんだとすれば、だれか上司でこういう広報活動をしろということを命令したんだ。しかし、命令を受けたとしても、職務上こういう行為が自分の公務員としての立場上できるのかできないのかの判断は子供じゃないんですからできるはずですよ。命令されたら何でもやるというもんじゃないでしょう。できるわけでもないでしょう。 もう一度聞きますよ。この「新税制…豊かな明日へ」と書かれた公報は上司の命令に従ってつくったんですか、それともあなたが企画立案をして、政府が決めたからこういう公報を実施すべきだということを発案してやったんですか。そして中身については政府が決めたことだから立法府の意思なんか関係なくやれるんだと、あるいは部下から上がってきた企画立案書の中身が現行法令に違反した部分をPRしているんだということについての内容のチェックもしないで出した。とすれば、職務の怠慢じゃないですか。その点についてはどうですか。
○政府委員(石坂匡身君) その見直し案につきましては、何度も繰り返しになるわけでございますけれども、政府として意思決定をして、そしてこの国会にお出しをしているわけでございます。その政府として意思決定をした中身につきまして国民に情報としてお知らせをする、それがそのパンフレットでございまして、それを作成するのは私どもの仕事の一部であるというふうに考えております。
○村田誠醇君 納得できないですね。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほども申し上げましたように最終責任は私にあるわけでありまして、今だれがどうこうというお話がございました。そして私も、最初に委員から見解を求められましたとき、政府はこう思うということを国民に知っていただく、それも政府公報の大切な一つだと考えていると、それを海外の例を引いて御説明を申し上げたとおりであります。
○委員長(藤井孝男君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤井孝男君) 速記を起こして。 ただいまの件につきましては理事会で協議をいたします。 村田君、質疑を続けてください。
○村田誠醇君 それでは、時間も大分迫ってまいりましたので、広報については保留をいたしまして、消費税制についてお伺いをしたいと思います。 四月末の租税及び印紙収入について大蔵省の発表をいただきました。これを見ましたら、補正予算に対してかなり上回っている部分が多うございまして、大体見通しとしては補正予算額の収入、歳入はあるんだろうとみなされますが、二つだけ税目において疑問があるんです。一つは法人税、もう一つは消費税。これは、四月末累計の収入、歳入税額でいくと補正予算額に達することができないんではないかと思われるんですが、その見通しはどうでしょうか。
○政府委員(石坂匡身君) 法人税と消費税につきましてのお尋ねでございました。 法人税につきましては、今委員からもお話がございましたように、三月期決算法人のウエートが非常に高うございます。したがいまして、この内容がどうなるかということに左右される点が非常に多いわけでございまして、ただいまのところそこがどうなるかということは確たることは申し上げられる段階にはないところでございます。 それから消費税につきましては、やはりこれも三月期決算法人のウエートが非常に大きいわけでございます。進捗割合はただいまのところ三四・九%でございます。確かにそれは低いわけでございます。ただ、消費税につきましては、これは三月期決算法人のウエートが高いという問題が一つございますけれども、もう一つは元年度が導入初年度でございまして、したがいまして、例えば四月期決算法人といいますものが通常でありますれば丸一年分四月期に入ってくるわけでございますけれども、元年度に限りましては四月一カ月分しか入ってまいりません。そうしたことから進捗率が非常に低くなっているわけでございます。また、前年度の実績も全くないというふうなところから、今の段階で補正を上回るか下回るかにつきまして正確な見通しがつけがたいということを御理解賜りたいと存じます。
○村田誠醇君 ただいま御説明がありましたように、法人税は五月末、きのうまでの税収がかなり大きいウエートを占めるということですけれども、四月末の累計と当初予算の額との差額が約七兆円ぐらいあります。過去の法人税の五月に入った入り方を見てみますと、去年度は約七兆一千億円ちょっと入っている。六十二年度は六兆円、六十一年度は四兆八千億円入っているわけです。そうすると、単純な足し算からいけば、法人税が補正後の予算額の大体一〇〇%入るということになるには七兆円入らないと予算額に達しない。この七兆円という金額は昨年五月末に入った金額七兆一千億とほぼ一緒なわけです。しかし、景気がこのところへ来て直前の二月、三月ぐらいから少しスローダウンしているだろう、こう言われておりますが、大蔵省は五月末に七兆円ぐらい法人税収が入る、予算額が達成できる、このように考えておるんですか。
○政府委員(石坂匡身君) これは、補正予算を提出いたしました時点であらゆる情報、経済見通し、あるいは各事業会社の状況等を聞きまして、そうした情報を織り込みながらつくったわけでございます。その後の経済変動というものもございますけれども、それが今度の法人税にどう反映されてくるか、そこは私どもの見込んだとおりにまいるか、あるいは若干のぶれがあるのか。若干のぶれが生ずることはやむを得ないとは思うわけでございますけれども、そこがどれくらいのものであるか、補正どおり入ってくるのか、そこは本当に正直なところを申し上げまして、正確にまだ申し上げられる段階にないというところでございます。
○村田誠醇君 私は大変疑問ではないかと思うんです。あるいは仮に七兆円程度入ったとしても、来年度はどう見てもこの金額より下がるんじゃないかと思うんです。それはあと一カ月もすれば答えの出てくる問題ですから、いいです。 問題は、消費税が三兆六千億組んであるこの予算、大変進捗割合が低い。初めての税制だから確かに前に比較するものがないからわからないのは事実ですが、こんな入り方をしていたんでは税収額が予定額に達しないんじゃないかと私は心配しているわけです。これもやがて数字が出てまいります。ですから、それが出た上で見積もりが正しかったのかどうかという論議が出てまいります。多分これは一割ぐらいあるいは一割以上ダウンするんじゃないか、これは勝手な私の感じです。こんな状態だったら平成二年度の税収は政府が見積もっているよりも下回るんじゃないかという可能性が、前の委員会でも私ちょっと言いましたけれども、この数字を見ている限り考えられるんです。その点についての見解はどうですか。
○政府委員(石坂匡身君) 今のお尋ねは恐らく平成二年度の消費税の税収につきましてのお話だと思うわけでございますけれども、これは確かに実績が出ていないということがございます。そういう意味で大変この見積もりが難しいという問題があるわけでございます。ある程度経験が積み重なってまいりますとそこにより正確な見通しが立つということになるわけでございます。そういう難しさはございますけれども、私どもは平成元年の税収を見込みましたと同じ手法を使いまして、そしてできる限り経済見通しあるいはさまざまな企業統計、そういう情報を集積いたしましてつくりましたものでございます。私どもは現時点におきまして、予算の見通しというふうなものが唯一のものであるというふうに考えておる次第でございます。
○村田誠醇君 やがてそれは結論が出てまいりますから、結構だと思います。 そこで、もう一つお尋ねをしたい。 消費税の納税が大分進んでまいりまして個人の分がもう終わったと思うんですが、最初に、制度を導入するときに、法律で言うところの中小企業の特例部分、限界控除だの簡易課税等々の制度をうまく使うと自分が受け取った消費税よりも納付する部分が少ない場合が出てくる、この場合どうするのかという質問を末端の税務署にしますと、その部分については個人であれば所得税、法人であれば法人の雑所得に入れて申告をしてください、したがって捕捉されますので決して益税というか税金でもうけるということがない、こういうふうに聞いておりますけれども、三月末の終わった段階で一体その部分に対する個人の人たちの申告がどの程度出ているのか、その数字がどの程度に上がっているのか、これは片っ方で源泉徴収税で取っているからいいじゃないかということのほかに、消費税をプラスマイナスで計算したときに個人の雑所得として計上されてきた金額が一体どのくらいの数字になっているのか、これはいつごろ大蔵省の方で集計ができるんですか。
○政府委員(石坂匡身君) 消費税につきましての申告内容の分析ということは、これは私どもも早急にやらなければならない問題であるというふうに考えております。 個人の申告は確かに三月末でございます。それから、先ほどの税収の中でも申し上げましたように、法人の申告、これは五月末に出てまいりますが大宗でございます、三月決算でございますから。 したがいまして、そうしたものを含めまして数百万件に及ぶ申告書を分析してまいりませんとなかなかその分析結果が出てまいらないわけでございますが、そうした分析には早急に取りかかりたいと思っておりまして、恐らくこれは七月末ぐらいまでには一応の分析ができるのではないかと存じます。ただ、今先生がおっしゃいましたこの雑所得の中をさらに分けてどうだろうかというところまでは、なかなか物理的に分析が難しいのではないかなというふうな気もしております。
○村田誠醇君 それは個人の分なんですか、法人の分も分析ができないということなんですか。どっちなんですか。
○政府委員(石坂匡身君) 法人の場合には法人所得一本でございますから、法人所得の動向がどうだというふうなこと、あるいは雑所得全体としての動向がどうだというふうなことはできようかと存じますけれども、その中身の要因別に分析をするということはなかなか難しいかもしれません。ただ、先生がおっしゃったような問題をどうやって実地に分析をして調べていったらいいだろうか、それは今鋭意研究をしておるところでございます。
○村田誠醇君 法人の場合の雑所得の内訳は計算が難しいと言われましたけれども、法人の申告書の中には雑益、雑損失等の内訳書というのを大半の企業が添付しているはずですね。この中には、税金の還付金については金額が十万円未満であってもすべて記入してください——もちろん義務じゃないから記入しない人もいますよ。しかし、大半は書いてありますよ。この内訳書だけを集計すれば、もちろん雑益やほかのやつもありますが、しかし、抜いて消費税だけの集計をとることができると思うんですよね。その点はどうなんですか。
○政府委員(石坂匡身君) ただいま還付金のお話がございましたけれども、還付金といいましても、法人全体の所得が赤字になって欠損還付になりますとか、あるいは消費税の中で輸出をすることに伴います還付でありますとか、いろんなものがあるわけでございまして、恐らく全部の企業が同じベースで出してくるということでもなかろうかと思います。したがいましてそこを要因別に分析するのは非常に難しいかと存じますけれども、ただ、先生がおっしゃっておられます御疑問点につきましての問題意識を私ども持っておるつもりでございます。どうすればそうした申告書の分析というものができるだろうかというふうなことは、鋭意検討しておるところでございます。
○村田誠醇君 最後に、大蔵省から出されております資料によりますと、平成元年十二月末現在での消費税の還付額、これが約四千百六十四億円と出ていますね。これは納付時に控除する人もいますし、差額だけ納付する、いろんなやり方があると思いますが、申告で還付をしてくださいと出てきたものを集計した数字なのか、それとも差し引きをした実額なのか。この点はどうなんですか。
○政府委員(石坂匡身君) 実際に税務署の窓口で返しました還付の実額でございます。それは恐らく輸出に伴うものが多いと思います。
○村田誠醇君 まだ質問を続けたいんですけれども、時間が来たことと、それから先ほどの広報の問題について理事会での協議がされているみたいでございまして、その結果を知る必要がありますので、ちょっと時間を残して、保留をさしていただいて、質問を終わらせていただきます。
○前畑幸子君 私は、国際金融問題についてお聞きしたいと思います。 一九九〇年の五月、先月、ワシントンのG7においてIMF出資順位が今まで第五位であったものから一度に第二位に日本は浮上したわけです。これはIMF第九次増額五〇%引き上げの合意を見たために実現されたということですけれども、出資順位が上がるということは通貨問題などにおいて我が国の発言力が高くなるということで結構なことだと考えます。それと同時に、国際経済における日本の責任が一層重くなると思われます。 そこで、次の幾つかの点について基本的な大蔵大臣の考え方をお聞きしたいと思います。 G7の場でこれまでは批判の的になっていました日本の黒字について、急激な削減は再考すべきであり、東欧情勢の変化を考えると日本の貯蓄が世界的に重要性を帯びてきたということで、日本の黒字有用論が議論されたということです。きょうの新聞にもほとんど、東京新聞、日本経済新聞、全部載っているようでございますけれども、この黒字有用論について一般的にどのような見解をお持ちでありますか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうどことしの四月にパリで行われましたG7の際に、IMFの専務理事の報告の中で、昨年の秋以来の急激な東欧情勢の変化を踏まえ、新たな資金が非常に必要になるという見通しが述べられ、それに関連をしまして改めて貯蓄の重要性ということが提起をされました。ただし、四月のG7の段階におきましては、なお各国の雰囲気というものはその報告を素直に受けとめるという感じではまだなかったのであります。むしろ、そういう雰囲気でありましたなら為替の論議等につきましても私はもう少し楽ができたと思うんですけれども、まだ相当厳しい風当たりがその時点では出ておりました。 しかし、それ以来さまざまな場面で局面の変化が続きます中において、東欧情勢などの世界的な経済情勢の変化というものを背景として貯蓄は非常に重要だという認識がだんだんに高まり、その中におきまして、先般公表されましたIMFの世界経済見通しにおいて日本の経常黒字が今後二、三年のうちに解消されることは望ましくないという記述がはっきりなされるという状況になってまいりました。 確かにこれまでの開発途上国の資金需要に加えまして、東欧諸国の経済改革、東西両ドイツの経済統合、また一九九二年に向けましてのEC統合などを背景として投資需要が活発化するということは見込まれておりまして、世界的な貯蓄不足が心配をされるという状況になりますと、私はやはり黒字有用論と言われるようなものは十分傾聴に値するものだと考えております。 しかし同時に、日本としては従来から保護主義の高まりというものに対してそれを防止するという観点から経常収支の黒字縮減というための努力を行ってきておりまして、それなりの効果は出てきつつありますけれども、依然として高水準にあるということを考えてみますと、やはりその是正のための努力というものは続けていかなければならないだろうと考えております。 一体その経常収支の黒字の望ましい水準はどうかという話になりますと、いろいろな議論がありまして一概にどうこうと言えるものではありませんけれども、やはり基本的には我が国の経済運営に支障がなく、かつ国際的に調和のとれた水準を一つの目途として考えていくということになるのではないか。そういう認識のもとに、昨日外為審から出されました御意見等についてもこれを評価しているところでございます。
○前畑幸子君 その御意見はいいと思いますけれども、今回の最大の特徴は、今おっしゃったような「アメリカの保護主義的批判を避けるために縮小を求める声の多かった日本の経常黒字について、肯定的な意見を盛り込んだこと」という意見が日本経済新聞に載っておりますけれども、この辺に関してアメリカの意見というのはどんな意見が多かったのでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、私は国会に出ておりまして会議に参加しておりませんので、私もその報告を聞くのみでありますけれども、各国の意見の中において赤字国の責任を非常に強く主張された国もあった、また、不均衡是正という言葉の中に赤字国の赤字解消に向けての努力とともに引き続き黒字国における経常収支黒字の縮小について意見を述べられた国もあったというふうに聞いております。 その中で、アメリカからは依然として経常黒字が異常に大きいという状態については問題であるという考え方が述べられたというふうに報告を受けております。
○前畑幸子君 黒字有用論を背景にして我が国に対して、今度新しく東欧などにも新たな資金需要が要るわけですので、資金の供与を求める要請が多くなってくると思います。我が国の資金供与が、それではどのような開発に使われているわけですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員、ちょっと恐縮ですが、東欧に限定してですか。
○前畑幸子君 違います。今回、東欧の問題が新たに出たんですけれども、今までの使われ方で結構です。
○政府委員(千野忠男君) 一般的に日本からの各国に対する資金援助には、開発途上国に対するもの、それから先進国でありますが赤字を出している国に対するいろんな形でのファイナンス、いろいろございます。 開発途上国への資金協力につきましては、例えばODAのような形で当該国の民生の安定、経済の開発といったようなことを目的としまして援助しておるわけでございます。したがいまして、世界銀行あたりからでは、例えば各国の開発途上国の民生安定あるいは経済の開発に役立つようないろいろなプロジェクトに対する援助が中心でございます。 それから、国際開発協会のような場合でございますと、これは特に貧しい開発途上国に対する援助でございますが、この辺になりますと、プロジェクト援助もございますけれども、より広くいろいろな当該国の制度でありますとか政策でありますとかをやりやすくするようにより緩やかな形の協力をしているということで、いろいろございます。
○前畑幸子君 その資金供与が地球環境保全に弊害をもたらすということも耳に入ってくるわけですけれども、そういう点に対して検証をしていく必要はありませんか。
○政府委員(千野忠男君) 御指摘のように、私どもは、開発援助を行っていくに当たりましては、環境への影響というものには十分配慮していかなければならないと考えております。 現に今まで、我が国の援助においては、まず援助を実施する前に当該国によって当該プロジェクトの及ぼす環境への影響についてのアセスメントといったようなものをまず前提として実施をしてきているところでございます。特に最近では、昨年つくられました地球環境保全関係閣僚会議の申し合わせを踏まえまして、援助の実施に際しましての環境配慮の強化に努めております。 具体的には環境配慮のためのガイドラインの整備なり審査の充実に努めておるところでございます。また、大蔵省所管の予算の上におきましてもいろいろその点の配慮をしているわけでございまして、例えば平成元年度におきましては国際開発協会に環境関連技術援助のための特別基金を七億円拠出して設立をしたとか、あるいは平成二年度におきましても国際開発金融機関を通じたこのような援助の拡充として二十六億円の予算を計上しているといったようなぐあいでございます。
○前畑幸子君 このように世界的に国際環境保全の必要性についての認識が高まっている中で、我が国の黒字資金還流計画、それから途上国の援助においても十分地球環境保全に配慮する必要があると思います。そうした中で黒字資金を海外への資金還流に回すということですけれども、一九八七年から一九九〇年では三百億ドルの資金還流措置をし、一九八七年から九二年には六百五十億ドルにふやして拡充することを明らかにしておりますけれども、この資金還流に当たっての基本的な方針はどんなものがあるか教えていただきたいと思います。
○政府委員(千野忠男君) ただいま先生御指摘のとおり、一九八七年以来実施してまいりました三年間で三百億ドル以上という資金還流措置を、昨年七月のサミットの際に五年間で六百五十億ドル以上という措置に拡充することを発表したわけでございます。 これについての考え方でございますが、まず我が国の経常収支黒字、これは結局民間部門に帰属しているわけでございます。しかし国として何らかの措置をとりませんと、こういった民間にあります経常収支の黒字というものは、現在の状況では、安全な投資先を求めまして例えばアメリカの財務省証券とか先進国にどうしても向かうのでございます。開発途上国にはなかなか還流をしないというのがほっておけば自然の流れでございます。そこで政府といたしましては、限られた公的な資金を利用いたしまして、あるいは国際機関を介在させることによりまして、こういうものをいわば触媒として民間資金の流れをかなりの程度開発途上国の方へ向けさせる必要がある、これがただいまの六百五十億ドルに拡充することといたしました資金還流措置の基本的な考え方でございます。
○前畑幸子君 そうしますと、IMFの出資シェアが拡大したことによって日本の国際社会に対する責任が従来以上に大きくなるわけですけれども、そうした意味から、特に東西関係の急速な緊張緩和が進む中で、地球環境保全のために国際的な地位にふさわしい日本の役割を果たさなければならないときがきたわけです。黒字有用論のもとでの途上国援助についての倫理的な面について改めて大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今の御質問にお答えいたします前に、先ほど千野局長からお答えしました部分に一つつけ加えさせていただきたいと思います。 この資金還流措置における資金協力と申しますものは、通常の資金協力に上積みをするという考え方と、もう一つ非常に大事なのは完全にアンタイドで行うという考え方を基礎に置いておるということ、このことを補足させていただきたいと思います。 そこで、今委員から御指摘がありました今後の日本のこうした分野においての考え方でありますけれども、資金還流のみならず、日本の海外に対する経済協力等を考えます場合に、過去、一つの反省をいたしております。 それはどういう点かと申しますと、相手国からの当然これは要請によって行うものでありますけれども、例えばその相手国からの要請というものがハードの面のみに限定されて要請を受けました場合、それに伴うソフト、周辺部分、こうしたものまで日本の方から広げて対応していこうという姿勢を欠いておった場面がなかったとは言えません。これが我が国の経済協力というものがある場合においてはその地域における環境破壊の元凶のような、現実には違っておりましてもそういう批判を受ける原因になっていたり、そうした点の問題があったかと私どもとしては反省をいたしております。あるいは、例えば医療協力を求められました場合に、病院の建設をもって終わりとし、それに伴う人材の養成についての協力を怠ってきた、こうしたこともあったかと思います。 これから先私どもが援助を考えていきます上で常に忘れてはならないことは、もちろん相手の政府の要望を受けて行う行為ではありますけれども、いわばさまざまな面において我々が環境問題等を克服してまいりました日本の状況というものを思い起こしながら、それぞれの要請された援助の周辺を我々の方から目配りをし、ある場合には積極的な協力をしていくという心構え、こうしたものが今後一層必要になろうかと、そのように考えております。
○前畑幸子君 地球環境問題についての国際的な関心がますます高まってきておるわけでして、先月ジュネーブ国連本部で開かれましたモントリオール議定書改定作業部会の事務レベル協議で、発展途上国のオゾン層保護対策を支援するための新しい国際基金創設問題について基本的な合意をしたということですが、一方では途上国の地球温暖化対策を援助する基金構想の検討が世銀を中心に進められているということですので、今後一層そういう問題に関しては気を配りながらの対処が必要ではないかと思われます。 ところで、昨年の六月十六日ですが、先輩の本岡先生がインドネシアのクドン・オンボ・ダム建設による原住民の生活環境破壊問題について大変ショッキングな状況を述べられております。政府の対処方針を質問されたわけですけれども、その後この問題についてどのように解決がされたかお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(千野忠男君) 御指摘のインドネシアのクドン・オンボ・ダム建設のその後の状況でございますが、まず、このプロジェクトはインドネシアのジャワのクドン・オンボ地区のかんがい、発電等のためのダムの建設のプロジェクトでございますが、御承知のとおり一九八五年に世界銀行が融資の承認をした案件でございます。その後、このプロジェクトに対しましては輸銀も世界銀行との協調融資の形で五千万ドルの融資を承認しておるわけでございます。そして世界銀行は、この融資の承認に当たりましては、インドネシア政府によりましてこのダムの建設に伴う移住計画が用意をされること、そしてまた適切な補償がなされることにつきましてインドネシア政府との間に合意がなされておりまして、輸銀の協調融資もこの合意を前提にしてなされておるわけでございます。 このダムは昨年の一月に完成をし貯水が行われたわけでございますが、水没地域の住民の一部がインドネシア政府の提示する補償条件、つまり代替地でありますとか補償金の額でありますとか、このような補償条件を受け入れておりませんで、そういう方々がかなりおられます。それからまた、補償を受けながらもまだ移転をしていない方方もおられます。貯水池の周辺にとどまって生活をしているという方々がまだおる。そういう事態が生じたわけでございます。このために、世界銀行としては、住民の移転、それから補償問題の解決に向けましてインドネシア政府と協議を行いますとともに、円滑な移転の促進を図るための行動計画を数点示しまして、その実施の助言を行ってきたわけでございます。 そこで、インドネシアの政府がその後どのような措置をとったかということでございますが、世界銀行等の助言のもとにこれまで着実に住民の移転計画を実行してきております。 昨年の一月末の時点におきましては、移転の総世帯数が五千二百六十八世帯あります中で、移転対象地域に居住をする残留世帯数というものは千三百三十五世帯おったわけでございますが、本年の一月末時点ではその数は七百八十九世帯に減っております。さらに、この七百八十九世帯の中で百二十五世帯はダムの近隣地区に移転することを承諾済みでございます。また、四百四世帯につきましてはスマトラ島への移転となるわけでございますが、既に移転補償金を受け取っておるわけでございます。残るのは二百六十世帯ということになるわけでございますが、この方々につきましては代替地として近隣の地区への移転が補償されておるわけでございますが、まだ移転補償金を受け入れておらないということで、現在この二百六十世帯につきましてインドネシア政府が交渉中であるというふうに承知をしております。 それから、新居住地の環境整備でございますが、既に学校でありますとかあるいは医療センターでありますとか、そういった設備がインドネシア政府により建設の完了を見ております。また、生活状況につきましても、食糧の自給は可能になりまして、既に農作物も栽培をされ耕地の土壌も前の居住地に比べて遜色のない状況になっているといったようなことでございまして、その後、以上申し上げましたようなかなりの進展が見られておるところでございます。
○前畑幸子君 もう一つ、インド政府の要請で海外経済協力基金が水力発電計画に融資を検討していられるということですけれども、これについてもスマトラ象の生息地が水没の危険があるという指摘がされているということです。この問題についてどのように対応されるおつもりですか。
○政府委員(千野忠男君) ただいま先生御指摘のインド政府の水力発電計画でございますが、このインドのサルダル・サロバル・プロジェクトのことについて申し上げますと、このプロジェクトの状況は次のとおりでございます。 このサルダル・サロバル・プロジェクトは、インド政府がインドの西の方を貫流しておりますナルマダ川の水資源の活用のためにダムでありますとか電力総合施設、貯水池の建設整備、こういったことを総合的に行うプロジェクトでございます。 世界銀行から聞いておるところによりますと、このダムの建設のために三万七千ヘクタールに上る土地が水没をして、その結果、野生動物の居住地が一部喪失した、あるいは森林地帯が水没したといったような一定の環境面の影響が確かに認められておるようでございます。そこで、世界銀行としましては、既に事前にいろいろな環境評価を実は行っておるわけでございます。 一般に環境アセスメントはプロジェクトの準備の一部を構成するというふうに考えられておりまして、借入国が責任を持って行うべきものでございますが、このサルダル・サロバル・プロジェクトにつきましても、借入国であるインド当局は一九八三年以降環境面についていろいろな調査を行ってきたわけでございます。これを受けまして、世界銀行も一九八三年に三回ミッションを派遣し環境面での影響について検討を行っております。さらに、八四年の八月に移転問題を調査するという目的で世銀がミッションを派遣しているのでございます。そして世界銀行は、融資の前提といたしまして、インド政府が八五年の十二月末までに漁業、森林、公衆衛生といった分野における環境対策の指針となるような行動計画を作成することを求めたのでございます。 インド当局は、今申し上げました期限の中で行動計画を提出もし、また、具体的な措置の一つとしまして水没する森林の一ヘクタールに対しまして最低限一ヘクタールの補償植林を行うといったような計画を着実に実施をしてきているというふうに聞いておるわけでございます。 なお、今申し上げたのは植林という形の環境対策でございますが、植林以外にもいろいろ環境対策をやっておるわけでございます。例えば公衆衛生につきましては、インド政府とWHOによる専門家のチームによりましていろいろな寄生虫とか伝染病とかの調査が完了をしております。これに基づいて衛生対策も策定中であると。漁業につきましても、研究機関による調査を数次にわたって実施をしたようでございます。それから動植物相とか野生動物、これは先ほどお話がございましたが、野生動物などについてでございますが、調査の結果、このプロジェクトによりまして絶滅の危機にさらされるおそれがあるような希少生物はほとんどないということでございますけれども、ただし、人口圧力といいますか、人口圧力を受けて当該地域の野生動物の数が減少するおそれがあるということで、現在対応策を検討中でございます。
○前畑幸子君 我が国は大変に国内においてもいろいろな不公平やら矛盾がある中でとうといお金を援助しているわけですけれども、ただお金を与えるだけでは私は本当の意味の援助にはならないんではないかなという気がしてならないんです。 昨年のODAの実績によりますと、アメリカが九十八億ドルで第一位でした。我が国は九十一億ドルだったわけですけれども、ことしの我が国の出資額は百億ドルを突破して世界第一位の援助国になるということなんです。これだけのお金を使いながら余り感謝をされないいろいろな面が出てきているので、この辺でもう一度考え直すべき時期が来ているんではないかと思います。そして、このODA問題について我が国の国民がどのように受けとめているか。援助といいましても私たちの血税でなされているわけですので、もう少し感謝をされるような形態で使っていただきたいということを私たち国民としてはお願いをするわけです。 一番懸念することは、援助をすることによって潤っているのは還元してくる日本の企業ではないかという憶測もされるわけですが、企業の営利主義中心の援助であってはならないわけで、その辺をきちっと対処していただきたいと思っています。本当に我が国の援助が相手の国に対して役立っているのか、その点で私は疑問に思う点がたくさんあります。その辺どういうふうにとらえていらっしゃいますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今たまたま問題のプロジェクトの幾つかが例示で委員から御指摘を受け、これらにつきましては確かにそれぞれ問題があり現にその対応にそれぞれの機関が努力をしておられるところでありますが、私は、我が国の援助というものが決してそうした御批判を受けるようなものばかりではないことも幾つかの実例を挙げて申し上げることもできるわけであります。 ただ問題は、相手国の主権との関係において日本側からできるチェックというものに限界がある。それだけに、事前に相手側から出てくる計画に対して、先ほど申し上げましたような我が国の過去の経験から周辺についてのアドバイスをするとか、そうした努力はこれからもどうしても行わなければなりません。そしてそれぞれの国の生活改善、あるいは教育でありますとか医療制度の水準の向上充実というものに心を砕きながら、同時に今非常に大きく唱えられております地球環境という視点からの視野も含めて、これから先も資金協力と同時に専門家派遣等必要な協力を組み合わせて、御批判を仰がないような実績を積み重ねていくべきである、そのように考えております。
○前畑幸子君 何としても、そういう意味からODAについての国民の率直な疑問に報われるような援助方法をしていただきたいと思います。 〔委員長退席、理事梶原清君着席〕 そしてまた、今そういう懸念は一切ないということですけれども、かつてマルコスの疑惑などの例で援助したものが相手国の政権の腐敗や不正を助長していたという結果もあるわけですし、あるいは核兵器とか化学兵器を製造したり人権を抑圧したりしているような国への援助、平和を求めております日本の国がそのような政策に支援することになっては大変なわけですので、そういう点をきちっととらえて対処していただきたいと思います。 こうした素朴な疑問に答えたものが昨年十月に発表されましたODA白書であります。そこでは援助の根拠として、経済大国、世界最大の債権国、対外経済依存度が高い平和国家、非西洋国の中で唯一の先進国としての立場という五点を挙げて、援助の配分基準として相互依存関係と人道的配慮に重点を置くべきだとしているわけですので、こうした指摘に対してきちっと対処をしていただきたい。つまり、お金を出すだけが後進国に対する援助ではなくて、世界一の援助額を出している以上、援助体制がきちっとされていなければいけないと思うわけです。お金を出すだけではなくて、例えば医療に対する専門家を送るとか、教育に対する専門家を送るとか、そういういろいろな人間的愛情の面でも取り組んでいただきたいと思うわけです。そういう点について今後どのような計画がありますか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から御指摘がございましたような技術協力という視点におきまして、開発途上国の人づくりに資するために、その充実を図るという観点から、平成二年度予算におきましても対前年度比一一・三%増の二千二百六十八億円を計上いたしておるところでございます。 また、今外務省の畠中さんが見えておられますが、御本人の前で別にお世辞を言うわけではありませんけれども、中国課長当時から畠中さんが大変苦労された北京における中日友好病院、これは物の援助と人の協力とが結びつき、相手国に根づき、相手国の医療水準を現に引き上げつつある一つの日本の援助の例として委員に御披露申し上げますが、従来私どもは往々にして外務省に対してそういう点で不満をぶつけ議論をしてきたこともございますけれども、今現にそうした実績をお示しすることができる状況が生まれておりますこともどうぞ御認識をいただき、今後の御協力を賜りたい、心からそうお願いを申し上げます。
○前畑幸子君 何度もくどいようで申しわけないんですけれども、私たちの血税で世界第一位の債権国としての責任を果たしていかなきゃならないんです。その見返りが、余り感謝をされない、地元において大変聞くにたえないような状況の中で私たちの血税を使うということを懸念するわけですので、ただお金を向こうに与えて大きなプロジェクトを援助するだけではなく、もう少し精神的な面、人間的愛情の面でお金を使っていただく方がいいんではないかということを痛切にお願いをしたいと思います。 そしてもう一つ、それに関連しまして、八九年の三月にいわゆるブレイディ提案が行われておりまして、その中で、債務国の債務の削減とか金利負担の軽減によって債務国の負担軽減を行うために、国際機関の役割が大変強調されるに至っております。 〔理事梶原清君退席、委員長着席〕 そしてそのブレイディ提案は、債権国政府とIMF、世銀等の国際機関と債務国、三者がともに責任を分担して解決することを提案しておりますけれども、この点についてどうとらえていられますか。
○政府委員(千野忠男君) いわゆるブレイディ提案でございますが、今先生がおっしゃいましたように、当該国はもちろんでございますが、国際金融機関、民間銀行、みんなで協力をしてこの重債務国の経済の進展を図り、もう一度これらの国々が自力で国際資本市場のいわば信認を回復して自力で金が集められるような経済に持っていくというようなことでございます。民間銀行としましても、新債務戦略というものが債務問題に正面から取り組んだものであって実際の幾つかの国の適用においても今お話しの国際金融機関、民間銀行、債務国、それぞれが協力をしていく体制ができたということは評価しておるように思っております。 これまでもメキシコ、フィリピン、コスタリカ、ベネズエラ等の国につきまして新債務戦略に基づく債務削減などの金融支援がまとまっておるわけでございます。この債務国と民間の銀行団との間で合意されましたいわゆる金融支援パッケージのうちでどの選択肢を選ぶか、これは個々の銀行の経営判断の問題になるわけでございますが、いずれにしましても、こういったいわば体制ができたということはどの国の民間銀行も一様に評価をしておるものと考えております。
○前畑幸子君 債権問題に関しましては、アメリカ財務省の姿勢というか見解に問題はありませんでしょうか。
○政府委員(千野忠男君) 新しい仕組み、新しい政策でございますので、いろいろな関係者から前向きの評価あるいは批判的な評価、いろんな意見が聞かれるわけでございます。特にメキシコの場合、最初のこの適用のケースでございましたのでいろいろな議論があったことは事実でございます。しかしながら、結果的には、関係の各国の銀行を含むほぼすべての債権銀行がこういったパッケージに参加をして問題の解決が具体的に進んでいるということで、一部の方々のいろんな意見はございますけれども、私は全体としては評価をすべき戦略であろうかというふうに考えておるわけでございます。
○前畑幸子君 これは私の勝手なとり方かもしれませんけれども、この問題解決の負担をアメリカは民間銀行に、そして次には国際機関に、そして最後には外国の政府に負わせようとしているのではないかというふうに私には思われてなりません。特に日本にこの問題解決のために資金提供を強く依頼しているような気がしてなりませんが、その辺はどうお考えでしょうか。
○政府委員(千野忠男君) これまでに実際にこの戦略が完全に適用をされた国というのはメキシコとフィリピンでございます。これらの国は、御承知のとおり日本との経済関係というものは非常に深いわけでございます。 例えばメキシコにつきましては、一九七〇年代から八〇年代の初めまで相当多額の投資も行われ、日本の経済活動というものがかなりの貢献をしてきておるわけでございます。フィリピンは当然のことながらアジアの非常に近い国でございますし、ここも経済的に先行きの見通しも長い目で見るといいということで、日本の経済関係というものは非常に深いわけでございます。そういった二つの国でございますので、やはり関係の深い日本がある程度の協力をこの中でしたということはある意味では当然ではないかと思っているわけでございます。決して日本が負担を押しつけられたといったようなことではないと思っております。
○前畑幸子君 しかし、アメリカ政府は外国の銀行に対しても提供するように圧力をかけているような気配があり、自分の国では余りしないような雰囲気が感じられるわけです。ブレイディ構想に追加資金を供給しなくて、そして支援資金も出そうとはしていないような気がいたしますが、どうでしょうか。
○政府委員(千野忠男君) 国際的な新しい戦略を行う場合に、それぞれの関係者がそれぞれになし得るところの協力をする、みんなで力を寄せ合うということが大事でございます。 今回の新債務戦略におきましては、まず当該重債務国というものは国の経済の改革のプログラムをつくり、IMFや世界銀行と協力をしましてこの計画を実施していきながら経済力をつけていくという努力をいたします。国際機関であるIMFや世界銀行はこれに対して必要な協力をしていく。例えば金融的な支援のほかいろいろ経済政策の遂行に当たってのアドバイスを与えていくということでございます。それから、例えば日本のような場合には、当時からかなりの問題になっております大幅の経常収支の黒字というものもあり、これに対して各国から、特にアメリカなどの非常に大きな赤字を抱えておりかつまた財政的に非常に苦しい状況にある国からは、日本の経済力をできるだけひとつそういう支援にも向けてほしいという希望は当然あるわけでございますが、そういう国際的な期待にもこたえながら日本はこれに対して輸出入銀行等を通じ適切なる協力をしてきたというわけでございまして、それぞれの国それぞれの国際機関がその状況に応じ力に応じていろいろな協力をしていくということではないかと思っております。
○前畑幸子君 「金融財政事情」の去年の十月の雑誌にも、ブレイディ構想の適用国拡大は適当ではない、債務問題を解消したい銀行の立場も考慮すべきだ、というような批判めいた言葉も出されているわけですけれども、実際に債務減額を選択する銀行はかなりたくさん出ているのではないかなというような気がいたしますが、実際にこの累積債務の残高というものは今現在どのぐらいになっているのでしょうか。
○政府委員(千野忠男君) 累積債務の残高でございますが、IMFの統計によりますと、一九八八年末の数字でございますが、開発途上国百二十六カ国の債務の残高が合計で一兆一千三百四十億ドルでございます。これは前年に比べますと横ばいといいますか、ちょっと減ったといったような状況でございます。
○前畑幸子君 八五年、八七年にベーカー米財務長官が発表した累積債務問題の解決策というのは国際金融界に大変大きな反響を引き起こしましたけれども、改善の成果はどのようになっているでしょうか。現在の状況などを少し御説明いただきたいと思います。
○政府委員(千野忠男君) 御指摘のベーカー提案が出ましてこれに沿った各国あるいは国際機関の検討が続いたわけでございますが、ベーカーさんの場合にはニューマネーの供与というものを中心にした考え方であったわけでございます。具体的には成長志向の政策をとるべきである、債務国の構造改革を行うべきである、それからケース・バイ・ケースのアプローチで国外からの資金の流入を図るべきであるということで、どちらかというとニューマネーに重点を置いた戦略だったわけでございます。ところが実際問題として、各国の民間金融機関としましては、多額の累積債務を持っている国々に対しましてはなかなかニューマネーというものは出しにくいのが状況でございます。具体的にはなかなかベーカー提案のままには進まなかったというのが実態でございました。 そこで八八年の九月になりますと日本提案というのが出されたわけでございます。これはニューマネーも大事でございましょうが、どちらかといえば利息の減免ということもある程度考えた戦略をすべきではないかということが入った提案でございます。その後、ミッテランの提案とかいろいろありまして、昨年、八九年の三月のブレイディ提案の中には、今申し上げましたベーカー提案の考え方も入っておりますし、日本提案も入っておる。いろんな今までの提案がすべて取り込まれた形でブレイディ提案が昨年の三月に出されたわけでございまして、これのもとで、先ほど申し上げましたように既にメキシコ、フィリピンを初め幾つかの国においてこの戦略が適用されておるということでございます。 なお、例えば一番最初に適用しましたメキシコでございますが、かなりの額の債務の削減がなされ、しかもIMF、世界銀行などからの援助が、国のまじめな政策の運営を前提としてでございますが、行われるということになりました結果、メキシコの経済の世界の市場における信認というものが非常に高まりまして、例えば今までどんどん海外へ逃避をしておりました資本が一部帰ってくるような、あるいはほかの国からの新しい投資が入ってくるようなそういう雰囲気が徐々に醸し出されておる。これは一例でございますが、そういった効果が上がりつつございます。
○前畑幸子君 そうしますと、累積債務の増加というものは徐々に減っているということですけれども、新規の融資が停滞しているのではないでしょうか。その辺はどうなんでしょうか。
○政府委員(千野忠男君) 巨額の債務の累積がありそうしてかなりの額の例えば元本の削減を余儀なくされるといったような場合において、ここに新たなニューマネーがどんどん民間ベースで出ていくということは実際上なかなか難しい話でございます。これは国内における非常に経営が不振になりました企業に対する例えば金融機関の態度とかを考えましても同じことでございまして、なかなか債務国に対してニューマネーをどんどん出していくということは、例えば経営のあり方としてどうか、あるいは株主の理解が得られるかといったことがございまして、どの国の金融機関でもおっしゃるようにニューマネーがなかなか出しにくいということは事実でございます。 そこで、さはさりながら、ニューマネーというものがある程度ありませんとこれらの債務国の経済の回復、発展ということはなかなかこれまた難しいということで、何とかこういう新債務戦略について工夫をしてニューマネーがもう少し出やすいようにする方法はないかというのがまさに大問題でございます。 例えば五月の初めにワシントンでIMF暫定委員会がございました。これは先進国、開発途上国を含めて二十二カ国から成る委員会でございまして、日本もそれに参加しているわけでございますが、その中で新債務戦略の議論がされましたときに、私ども日本の側からは例えばこんな提案をしました。ニューマネーがなかなか出にくいのは現実の問題としてこれはもうある意味でやむを得ないところである、しかしニューマネーは必要だ、例えばブレイディ提案というものは元本の削減、利息の削減というものに割と重点を置いた戦略でありますけれども元本の削減の方に重点を置き過ぎますとどうしてもニューマネーは出にくい、むしろ当面の間は利払いの方の削減に重点を置くようなことにすればニューマネーが出やすいんじゃないだろうかといったようなことを提案したわけでございます。これは世界銀行の総裁コナブルなども同じような考え方でございまして、実は今いろいろと手探りでこの対策を考えているところでございます。
○前畑幸子君 メキシコとかフィリピンなどは順調に自助努力も含めて頑張っていられるということですので、日本においても力があれば助けて差し上げることはやぶさかではないと思います。まだまだIDAとかIFCの問題もありますので、日本のニューマネーの供給量は消極的になるつもりはないし、もっともっと日本の果たす役割に頑張っていかなければならないと思いますけれども、使われ方をきちっと対処していただきたいという気がします。アメリカの肩がわりであってはならないわけで、その辺をきちっと外務省の方も大蔵省の方も出していただきたい。日本においてもこれから高齢化社会に向かって財源が必要だということで、消費税も入れなければ国が成り立たないということですので、やはりその辺も踏まえて取り組んでいただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(藤井孝男君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時八分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(藤井孝男君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。 —————————————
○委員長(藤井孝男君) 大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 午前中の村田委員の御質問に関連し、一言申し上げます。 税制は特に国民生活に深いかかわりを持つものであり、国民もまた深い関心を有しておられることから、税制改革の政府広報に当たりましては立法府と行政府との関係につき誤解を招くことのないよう、今後とも適切な広報に心がけてまいりたいと思います。 —————————————
○委員長(藤井孝男君) それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○村田誠醇君 午前中に引き続きまして、二、三大臣の見解に対して私の意見を述べさしていただきます。 一つは、私どもは決して政策立法等について行政府が広報活動をするとかあるいは調査活動をする、それを全面的に禁止するということではありません。ですから、大臣が言われたように政府の政策を将来に向かってPRする、そのことについては別に異論はございません。 ただ、今回は、政府の広報すべき内容を大蔵省が肩がわりして大蔵省の名前でパンフレットが出ているということが問題なわけでございます。しかも、その内容たるや、国民が非常に関心を持っている税制問題について意見が対立をしている中身を、無批判といいましょうか、無条件にといいましょうか、掲載している。大蔵省は政府広報あるいは政策についての広報の範囲とその内容について明らかに逸脱をしたんじゃないかと思うわけです。しかも、その行った時期が、先ほど私が質問しましたように一月中旬に完成して一月の末にかけて、国民が関心を持っていた総選挙の直前、この不適切な時期に行われたという問題について質問したわけでございます。 したがいまして、今後とも大蔵省が広報をするに際しては、個別の法律に基づく内容を広報、周知徹底する、そういうことに配慮して十二分に執行できるように、あるいは管理監督していただくということを大臣に強くお願いをしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は午前中の議論をこれ以上継続するつもりもありません。 ただ、委員に繰り返し申し上げたいことは、政府はこう考えているということを国民に周知徹底をする広報というもの、これを完全に否定されることは、私は政府の立場として了解をすると申し上げることはできません。先刻、冒頭申し上げましたように、政府広報に当たりましては、立法府と行政府の関係につきまして誤解を招くことのないよう今後とも適切な広報に心がけてまいりたいと思います。
○和田教美君 まず、大蔵大臣に赤字公債依存体質から脱却後の新しい財政運営のあり方について御質問をいたします。 平成二年度予算で特例公債依存体質からの脱却という財政再建目標が達成されるということになっておりますが、きょうの新聞によれば、自然増収がもう少しふえれば一年繰り上がって平成元年度にその目標が達成されるかもしれないという記事も出ておりますが、いずれにいたしましても、この依存体質からの脱却というのは財政再建の第一段階にすぎないのであって、これからもさらに財政再建というのは続けなければならないということではないかと私は理解をしております。というのは、例えば新行革審が四月十八日にまとめた答申によりますと、「財政再建の第一段階が達成できた」というふうな表現をとっておりますし、財政制度審議会が三月一日に出した報告によっても「財政体質は極度に悪化した状態にある」というふうな分析をしています。 そこで、これからもさらに第二段階の財政再建というのを進めなければならないと思うんですけれども、財政審の報告にはいろんなことが書いてございます。大蔵大臣として、今後の財政運営について特にこういう観点から重点を置いてやっていくのは何々かというふうなことをひとつ簡潔にお述べを願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から最初に御指摘のありました問題、けさの朝刊に関連した部分から申し上げますと、出納整理期間に繰り越しております特例公債につきましては、まだ元年度の税収見込みが流動的であります中、当面発行を見合わせております。私どもとしては、今後判明いたします五月分の税収動向等ぎりぎりまで見きわめた上で適切に対応することにしたいと考えております。その限りにおきまして、けさの新聞記事は必ずしも正確なものであるということではございません。 また、今委員から御指摘がありましたように、新行革審の最終答申、あるいは財政審から私どもはいろいろな御意見をちょうだいをいたしておりますが、とにかく赤字特例公債依存体質脱却ということを目標にかざしてきたその第一段階をようやく越えるわけでありますけれども、今後我々としては、なお高齢化、国際化の進展などに伴います財政需要に適切に対応していきますために、何としてもやはり財政の弾力性を回復しなければなりません。しかし、委員がよく御承知のように、巨額の国債残高を抱えておりまして、なおその累増に歯どめがかかっておらない状況の中で私どもがまず目指さなければならないことは、国債残高の累増をいかにしてどこで歯どめをかけ食いとめるかということであります。これには、まず何といいましても二度と特例公債に依存するというような財政運営をしないという決心とともに、建設公債につきましても、できるだけ税収によって財源を確保していきその発行を抑えていかなければならないという問題がございます。そして、ようやくひところ三〇%を超えておりました公債依存度が平成二年度予算におきまして八・四%まで下がってまいったわけでありますけれども、五%以下に抑えていくようにという御指摘も受けておるわけでありまして、公債依存度をこれ以上引き下げてまいりますためには、歳入歳出ともに厳正な見直しを繰り返し、行財政改革というものに不断に留意をいたしながらまず公債依存度の引き下げを図る、特例公債の早期償還に努めることにより国債残高が累増しないような状態をつくり出す、これが我々の目指すべき目的である、そのように考えております。
○和田教美君 平成二年度に特例公債依存体質脱却という今までの財政再建目標が達成された。それにかわる新たな目標として財政審は、今も大蔵大臣が述べられたように、平成七年度までに国債依存度を五%未満にするというふうなこと、それから新行革審では歳出の伸びを名目GNPの伸び以下を原則とする、こういうことを提案しております。ところが、平成二年度の予算案では、一般会計の伸びは九・六%増、定率繰り入れ復活に伴う影響を控除しても五・六%増と高くなっております。日米構造協議でアメリカからも公共投資の増額要求などいろいろな歳出要求が出てきておるというふうな状況の中で、私はこの財政審や新行革審の言う目標達成というのはそう簡単なことではない、なかなか困難なことだというふうに思っております。 そこで、政府としてはこの財政審あるいは新行革審の言っている目標というものを政府の政策目標とするお考えなのか、一応漠然とした努力目標ぐらいに考えるのか、その辺の決意のほどをひとつお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員の御指摘になりました政府の政策目標とおっしゃる意味がもう一つ私にとりましてはっきりいたしませんけれども、仮にその目標に拘束力を持たせるということをお考えであるといたしますとすれば、これは私は、公債依存度にいたしましても歳出の規模にいたしましても、やはりそのときどきの経済情勢、社会情勢といったものの動向と密接に関連をするものでありますだけに、可能な限りその引き下げあるいは抑制を図ってまいりますにしても、拘束的な目標という形をとることはいかがかと思っております。やはりそうした目標設定をいたしました場合には、非常に財政運営に弾力性を欠く、結果として非常にそれぞれの時期に応じた対応というものに足かせとなる場合も考えられるわけであります。 しかし、やはりこれらの目標というものは単なる努力目標、できなくてもしようがないんだというような扱いにすべきものではないと私は思います。なぜなら、今本当に高齢化社会に向けてばく進しております日本の人口構造を考えましても、二十一世紀の初頭以降高齢化人口の比率が非常に高くなる時期を考えますと、その時期における財政というものは相当今とは別種の考え方を出さなければならないことも想定されるわけでありまして、その時代に対応した財政の弾力性を回復しようとするならば、公債依存度の引き下げにいたしましても、国債残高の累増に歯どめをかける努力にいたしましても、私どもとしては全力を挙げて取り組むべき目標だと、そのように考えております。
○和田教美君 さきの日米構造協議でアメリカ側は、生活関連、都市関連などの公共投資をもっと拡大せよという要求をしました。私は、生活者本位の政治という観点から見ると、むしろこれは日本側が積極的に取り組むべき問題だというふうに思っております。したがって、六十三年度GNP比六・七%の公共投資の水準を今後数年間もう少し高い水準に引き上げることは、私は妥当ではないかというふうに思うわけでございます。 しかし、そうは言っても、米側が言うように一〇%程度までふやすということになると、仮に六十三年度の予算で見ますと、公的固定資産資本形成は十二兆五千億円程度の追加投資が必要になって、これを一般会計の公共事業費ベースで換算いたしますと四兆一千億円ふやさなければならないという計算になります。となると、よほどの好景気で税収の大幅増が続かない限り、財政の中期展望が予定しておりますような、建設国債の発行を減額しながら公共事業費を相当大幅にふやしていくというのはなかなか難しいというふうに思うんです。そこで大蔵省もこの一〇%目標についてはあくまで抵抗したんだろうと思うんですが、いずれにしても、内外の情勢は公共投資は相当ふやすという方向に動かざるを得ないのではないかというふうに思うんです。 そこで、大蔵大臣は常々政策の優先順位ということを言われるんですけれども、今後の財政運営に当たって、新しい今言ったような財政再建目標というものを優先して考えていくのか、それとも対外関係ないしいろいろな国内の諸要求というふうなものを配慮するか、あるいは両にらみでいくのか、その辺のところをひとつお示し願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、どちらの目標を優先するかと申しますよりも、まさに今委員が御指摘になりましたように社会資本整備というもの、殊にその中において国民生活の質を高めるための努力というものは、何も外国のためではなく我が国自身のためでありますし、むしろ二十一世紀が到来いたしますまでの間に我々が最大限国民生活の質の向上の基盤をつくっていくという意味において、これからしばらくの間私どもが非常に努力をしていかなければならない目標だと考えております。しかしそれは、建設公債の限度いっぱいの発行をいつまでも続けることにより公債依存度が引き下げられない、あるいは国債残高の累増に歯どめがかけられないという状態を意味するものではございません。むしろ、我々は税として国民からお預かりをした資金の中から最大限その需要にこたえていくべきでありまして、公債依存度というものは当然下げていかなければならないと思います。 その上で、今委員が御指摘になりました中に一つ私からお願いを申し上げたいのは、我々としてGNP対比というものについて、その何%という数字のいかんを問わず、アメリカ側が提起をいたしましたアイデアに対して構造協議の席上これを拒否いたしましたのは、その数字が何%でありましても、その数字を設定いたしました瞬間からGNPとの対比において毎年度の予算というものを編成から進行過程を管理されてしまう結果を生ずるので、GNP対比という形での数字だけは絶対に我々は示すことはできない。これはそのパーセンテージがいかんということではない。むしろ我我としては、今後十年間に我が国が講ずべき社会資本の充実という視点から公共投資の十カ年計画を日本自身のためにつくるという考え方を中間報告に織り込みましたのも、そうした視点があるわけであります。委員の今御指摘の例示として挙げられましたようなGNP対比ということだけは、どうぞ対米折衝の上からもお許しをいただきたいと存じます。
○和田教美君 建設国債は今限度いっぱい発行しているわけですね。それを余裕を持たして、限度よりも少し低目に抑えて税金でなるべく埋めるというふうなお考えを今の御答弁で述べられたように思うんですけれども、そういう考え方でこれから進まれるお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 社会資本整備に当たりまして、中長期の課題としてその着実な充実に努めていかなければならないことは当然のことでありますが、一方において国債残高が累増しないような財政体質をつくるということを考えてまいりますと、やはり歳入歳出の両面をよく眺めながら、その時期における財政状況、経済事情等を眺めながら予算編成の過程においてできるだけ一般財源で対応していく努力をしていくことがまず先行すべきではなかろうか、そのように考えております。建設公債ありきという公共投資のあり方はできるだけ我々としては変えてまいりたい、そのように思います。
○和田教美君 財政の中期展望では、歳出において産投会計への繰り入れが毎年一兆三千億円計上されております。これはいわゆるNTT事業というものを継続するためだというふうに思うんです。ところが、歳入においては国債整理基金特会受入金が平成三年度以降ゼロというふうになっております。これは今すぐにはNTTの株が売れないという想定に立っているんではないかというふうに想像いたします。しかも、税収入はこれまでとは一転して三・四から五・五%増と低く見積もっております。そのほかに公債金収入が平成二年度以降毎年四千億円定額減額される、こういうことになっております。この結果、要調整額は平成三年度が三兆六千億円、四年度が三兆一千、五年度が二兆一千とかなり大きく出ているわけですけれども、NTT株の売却再開というようなことがいずれ近く行われる、あるいはまた税の自然増収はさらに続く、そういうことでこの程度の要調整額というものは埋められるというふうにお考えなんでしょうか。
○政府委員(藤井威君) 財政の中期展望の計数についてのお尋ねにまずお答え申し上げます。 先生の御指摘のとおりでございまして、財政の中期展望では産業投資特別会計繰り入れということで毎年一兆三千億円を計上いたしております。これに対しまして、確かに歳入面では、NTT事業の歳入について、最近の株式売却の見込み等を考えて一応受け入れゼロという形で中期展望を組んでおります。 歳出の方を組んだ理由は、先生もう御承知のとおりと思いますけれども、原資事情は非常にきついわけでございますが、NTT事業の歳出という制度が目指します地域の発展、開発等の目的がなくなったわけではございませんので、その財源問題を含めて今後適切に検討していくんだということで、一兆三千億円という歳出ベースの数字は計上させていただいたわけでございます。他方、歳入面では、今後見込まれます税収を計算し、先ほど来大臣が御答弁申し上げておりますような、建設国債といえどもできる限り依存しないような姿に何とか持っていきたいということで毎年四千億円ずつ減額するという形で中期展望をつくりました。 その結果、三年度以降の要調整額は、いわゆる新規施策に充てられる枠を考えなくても三兆何千億円というような要調整額が発生しておるわけでございます。この中期展望の性格といたしまして、今後の財政運営を進めていく上での手がかりということで、現状における制度、施策ということを前提とした機械的計算ということで出しておるものでございますので、そういう結果になっておるわけでございます。 御質問の、要調整額をこれからどうやって解消していくか、これは先生おっしゃいますように、我々として簡単に解決できるというようなものでは毛頭ないことはよく承知しております。これは財政当局として相当の努力を必要といたします。いずれにいたしましても、歳出歳入両面にわたっていろんな施策の組み合わせが必要であり、それらの中の組み合わせを慎重に毎年毎年の予算編成過程で努力をして決めていかなきゃいけないというふうに考えているわけでございます。
○和田教美君 税収は、六十二年度に入ってから新いざなぎ景気といわれる経済の好調の中で多額の自然増収が生じ、六十二年度当初の税収水準は四十一兆円、それがわずか四年後の平成二年度には五十八兆円に高まっております。つまり、四年間で税収規模が十八兆円も拡大したということになります。これが第一段階の財政再建を可能にした最大の要素だと思うんですけれども、しかし、この税収増は、円高、土地高、株高、原油安、金利安の三高二低の好条件、バブル経済によるものだというふうな批判もありまして、今この三高二低が崩れる危険性がいろいろ取りざたされておるわけです。ですから、今後の財政運営を想定する場合に、今までのように景気がかなり好調に続いて自然増収がふえるということを前提として考えることはもう危険ではないかというふうに思うし、その点では一つの転換点に来ているんではないかというふうに思うんですが、主計局はどういう判断でおられますか。
○政府委員(藤井威君) 将来の税収に関しましては、私、主計局の方からお答えすべきものじゃないかもしれませんが、しかし、物の考え方といたしまして、この中期展望における税収の伸びというものは二年度の予算における税収をベースにいたしまして今後のGNPの伸びから機械的に単純に額を計算しております。今後の経済情勢によってこの税収がどうなるかということは、当然毎年毎年そのときの経済情勢あるいはそのときの予算編成段階における判断によりましてこの部分が変わってくるということは事実でございます。 ただ、この部分につきまして、楽観的な見通しのもとで今後の財政運営を考えていくというような状態にはないということは我々十分認識しておりまして、この税収の伸びというものを前提に考えて、なおかつ非常に厳しい財政運営、そういうものに直面せざるを得ないだろうという認識は十分持っておるところでございます。
○和田教美君 きょうは歳入予算の委嘱審査でもございますので、歳入見積もりの問題について少しお尋ねをしたいわけです。 私は、大蔵大臣が冒頭に述べられましたこれからの財政運営のあり方ということを考えていくためにも、その前提として片づけなきゃいけない問題があるんではないかというふうに思います。つまり、それは歳入の見積もりをなるべく正確にするということがぜひ必要ではないかというふうに思うんです。 本来、財政というのは入るをはかって出るを制すというのが原則ですね。ところが、ここ数年の税収の見積もりは全く大幅な見込み違いを生じておりまして、入るをはかるということが全くできてないというふうな状態だというふうに思うんです。これはいろいろな理由があると思うんですけれども、このままほうっておくと、これから景気がもし落ち込むというようなことになると、景気によって非常に影響の大きい法人税などの税収ががたんと落ち込むというようなこともある。しかも、税収見積もりが非常に不確かだというようなことになると、大幅な歳入欠陥に陥るというふうな危険性も排除できないんではないかというふうに思うんで、その点について大蔵大臣はどういう対策を考えておられるのか、お聞かせ願いたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、事務方から見積もりについて答えさせます。
○政府委員(濱本英輔君) 毎年度の税収見積もりにつきましては、見積もり時点におきます政府の経済見通し等をもとに、我々が利用可能な資料の限界の中ではございますけれども、最大限の努力を傾けているつもりでございます。 ただ、先ほど来先生御指摘のように、経済の大きな変動に直面しました場合にその見積もり作業がいかに困難をきわめるかということは、例えば一つの企業だけとっていただきましても、その企業が年間にどれだけの生産活動を予定しどれだけの仕入れをしどういう経費を使用するかという見通し一つを考えてみましても、これはなかなか困難なことであろうという想像をしていただけるかと存じます。全企業あるいは全国民の個人個人の収入あるいは消費生活、そういったものをグロスでつかまえるということの難しさというのは御推察をいただけるところかと存じます。しかし、それに負けないように、私どもいろいろと推計の技法につきましては今回の経験も生かしまして将来にこれを実らせていきたいという気持ちを持っております。 例えば今御指摘がございました法人税収の動きというのは非常に税の性格上大きな動きをこの数年もたどってまいりましたけれども、より入念な聞き取り調査を行いますとか、あるいはいろいろなマクロ的なデータにつきましてもこれに即応した推計の仕方というものを研究していくというような努力を今後も積み重ねてまいりたい、基本的にはこのように考えております。
○和田教美君 大幅な税収の見込み違いの最大の要因は、もう既に皆さん方から指摘されているように五十三年度に臨時異例の措置として行われた年度所属区分の変更、ここに私は根源があるというふうに思います。この点は財政審の報告でも指摘されているとおりであります。確かに年度所属区分の変更は臨時異例のやむを得ざる措置であったかもしれませんけれども、歳入見積もりの大幅な誤差というマイナスを生じておるということでこれは私はやっぱりなるべく早くもとに戻すべきではないかというふうに考えておるわけです。 仮に十二月の予算政府原案決定の時期から見ても、翌々年の三月、つまり十五カ月先の税収を見積もるということになるわけでございますから、しかも三月税収は景気の動向に大きく左右される法人税のウエートが非常に高いというので、それで誤差を生じやすいというふうに思うんですね。ですから、今のようなやり方では見積もりを正確にするといっても技術的に限界があるんではないかというふうに思うんですけれども、その点はいかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員に対して私は細細とこの理由等を申し述べるつもりはございません。ただ、発生主義的な考え方に立ったこの年度所属区分というものがそれなりに一つの一貫した処理体制であること、また既に十年以上を経てそれなりに定着をしておるということも事実であります。 しかし御指摘のとおり、確かにこれは税収見積もりを非常に難しくしておることは事実でありますが、これを急に戻そうといたしました場合には、現在のような状況でありますと本当に特例公債をもう一度発行しなきゃならぬぐらいの財源を必要とするわけでありまして、私どもの意識の中にこれはありながらも、例えば景気によりこういう措置ができる状態が来ることを期待をしつつも、当面は公債依存度の引き下げなど特例公債に依存しないで済む財政体質をつくることの方が先決である、私はそう考えております。
○和田教美君 四月分、五月分を前年度に取り込むというやり方ですから、したがって新しい年度の四月、五月あるいは第一四半期の税収というのは非常にわずかになりますね。そこで当然、蔵券、大蔵省証券を発行して資金繰りをやるということになるわけですけれども、最近のデータで結構ですから、税収は一体どのくらいのパーセントなのか。第一四半期で結構です。それと、蔵券の発行はこの三カ月の間にどのくらいか、また利子はどのくらいかかっているか、ひとつお聞かせ願いたい。
○政府委員(濱本英輔君) 四月分税収と五月分税収を合わせましたものが年度全体の税収のうちの何%ぐらいを占めるかということを数字で申し上げてみたいと思います。 最近の年度で申し上げますと、昭和六十一年度以降でございますが、六十一年度の場合、四月分が〇・三%、五月分が三・一%。以下六十二年度が〇・四%と三・二%、六十三年度が〇・四%と二・八%。平成元年度の場合には、補正後予算ベースで申し上げてみますと四月分が〇・四%、五月分が二・五%という計算になります。
○政府委員(大須敏生君) 大蔵省証券の発行実績について御説明申し上げます。 六十三年度でございますが、四月が六兆一千二百四十億円、五月が三兆七千百七十億円、六月が四兆二千六百七十億円。次に平成元年度でございますけれども、四月が六兆六百六十億円、五月が三兆七百六十億円、六月が四兆七千九百八十億円でございます。 それから、大蔵省証券の発行額全体につきましてそれぞれの年度の平均発行期間とそのときに適用されました割引歩合をもとに計算いたしてみますと、お尋ねの割引料でございますけれども、六十三年度につきましては四月が七十三億円、五月が四十四億円、六月が五十一億円。平成元年度につきましては四月が九十六億円、五月が四十八億円、六月が九十九億円。 以上でございます。
○和田教美君 大蔵省証券というのは年度を越えて発行されるものではないから財政体質に悪影響を及ぼすというような問題ではないと思うんですけれども、利子を払っているということにおいてはむだなことだということも言えるわけで、大体どういうところが引き受けているんですか。
○政府委員(大須敏生君) 大蔵省証券につきましては、昭和三十一年度以降残額日銀引き受けの定率公募発行方式をとっておるわけでございますので現実にその割引歩合が市中の利率に比べて低いものでございますから、現実にはほとんど全額が日本銀行によって引き受けられているところでございます。
○和田教美君 まあそういう問題もあるということですが、この問題はなるべく早くもとに戻すということが望ましいということを申し上げて、次に移らしていただきたいと思います。 一般歳出の概算要求額と予算額の差額、これを六十二年度から平成二年度まで見てみますと、六十二年度が千六百二十六億円のマイナス、六十三年度が千九百五十九億円のマイナス、ところが平成元年度はプラス千八百八十九億円、平成二年度は二千六百三十一億円のプラス、こういうふうになっております。 つまり、六十三年度までは概算要求額を予算編成の段階でさらに絞り込んだということがここに出てるんだろうと思うんです。ところが、平成元年度からは概算要求額よりも政府原案の方が大きくなっておる。ということは、それだけつまり概算要求についての削り込みが甘くなっている、こういうことではないかというふうに私は理解するんです。これをほうっておくと、シーリングだとかなんとか言っておりますけれども、ほとんど無意味になるんじゃないかというふうに思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(藤井威君) 六十二年度から平成二年度までの四年間の概算要求段階における一般歳出の要求額とでき上がりました政府原案との総額の差という点につきましての計数は、委員の御指摘のとおりでございます。最初二年間はでき上がった予算の方が少なかったんですが、最近二年間ではでき上がった予算の方が概算要求よりも大きいということに結果としてなっております。 こういうような結果になりましたのは、実はいずれの年も概算要求設定時にはまだ人事院勧告が出ていないということでございまして、その予測が非常に困難であるということのために、概算要求基準あるいはその前のシーリングといったような時代もございますが、そういう時代からずっと慣例といたしまして人事院勧告のはね返りによって必要とされる金額は、概算要求とは別扱いとして、その後要求が出てきた後で予算編成過程において適切に織り込んでいくということなどもやっております。結果的には、人事院勧告のはね返りの部分を完全に査定では吸収されなかったということで平成元年度、二年度は要求額よりでき上がり額の方が増額になったという結果になったわけでございます。ということでございますので、我我としましては、この概算要求基準が形骸化して意味をなさなくなるというようなことには、このことからはならないだろうというふうに思っております。 現在の財政状況という点につきましては先ほど大蔵大臣もお答えしましたとおりでございますし、また我々も委員と共通する認識を持っております。やはり概算要求基準を設定して要求段階から厳しい施策の選択を行っていく、このやり方は今後とも継続せざるを得ないというふうに考えております。
○和田教美君 新行革審の最終答申は、公共事業関係費について公共事業の分野別配分を見直して重点化するというふうに言っております。また、政府も日米構造協議の最終報告に盛り込む公共投資十カ年計画の内容を、今までと変わって安全、交流活力、生活など機能別に新しい概念を設けて従来の分野別投資積み上げ方式を見直す方針だというふうに新聞は報道いたしております。 そこで、この問題について自民党の加藤政調会長も、先日、「概算要求の際、これまで続けてきた概算要求基準を行うのか、打ち破るのか重要な問題だ。公共事業費をふやすことを考えると、削減するものも出てくる。相当な覚悟で概算要求に臨む」というふうにおっしゃっております。つまり、ここにあらわれている考え方としては、今までのような画一的シーリング、例えば平成二年度について言えば、投資部門は横ばい、それから経常部門は例外事項を除いてマイナス一〇%というふうな画一的な一律シーリングというような方式、これが再検討の時期に来ているんではないかというふうにも思うわけですけれども、特に公共投資の配分の重点化というような問題と絡んでこの点をどういうふうにお考えなのか、お考えをお聞かせ願いたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に申し上げたいのは、今公共投資十カ年計画につきましては経済企画庁で作業中でありまして、私どもといたしましてもその作業の内容を存じておりません。トータルの金額として最終的にどういう数字を出されるのか、まだこれは確定しておらないわけであります。 その範囲内でお聞きをいただきたいわけでありますが、現在我が国は十五本の長期計画を持っております。そして、そのうちの八つの分野のものは平成二年度を終期としているわけでありまして、これはそれぞれ当然のことながら継続する計画を次年度以降発足させることになります。また、現時点において進行中であり平成二年度以降まで引き続く七本の計画につきましては、引き続きその計画を期間中その計画数量に向けて事業は進行するわけであります。その時点においてそのバランスは当然変動いたします。さらに、公共投資十カ年の計画の中に、恐らく今までの例でいきますと、五年計画ができてきたわけでありますから、明年度以降終期を異にしております計画につきましてはそれぞれの計画時点の終了時において残る年数について何らかのまた計画が出される、当然その辺においてもバランスは変化するでありましょう。 そうすると、そういう意味で従来のシェアというものは必ずしも固定したものではなく、また国民生活の質の向上という視点から見直してまいります部分も当然その中には含まれるわけでありまして、いわゆるシェア論というものからいきますと変化を生ずる可能性というものは当然あるわけであります。 ただ、一方におきましては、今その十カ年計画そのものが策定作業中でありますこと、また平成二年度予算を現に御審議いただいております私どもといたしましては、予算成立後におきまして夏までかけて平成三年度予算についての概算要求基準をいかなるものにすれば現実に即応するか考えさせていただきたいと思っておりまして、現時点において定見を持っておりません。
○和田教美君 最後の質問でございますけれども、新行革審が財投債の発行を検討すべきだというようなことを言っておりますね。この財投債というのは、その性格、政府保証債との違い、発行機関、起債方法、償還方法と償還財源等について、もしこれを発行する意思があるんならそういうことを具体的に説明をしていただきたい。
○政府委員(大須敏生君) お尋ねの財投債でございますけれども、財政投融資の原資が不足する場合に備えまして、現在の原資は郵便貯金、年金が主たるものでございますけれども、この預託義務を前提としながら追加的補完的な資金調達を行う方法の一つの例示として、財投債というのがただいま御指摘のように行革審の答申で政府に対して検討を求められているところでございます。 その具体的な内容でございますけれども、現状におきましては、行革審の答申が予定しておりますような財源不足の状況がにわかに生ずるということでもございませんので、まだ具体的な検討は行っておりません。 それから、お尋ねの政府保証債との関係でございますけれども、委員御案内のように、政府保証債は各財政投融資の機関が発行主体となるものでございまして、それについて政府が保証をつける、こういうことでございまして、各年度の予算におきましてその機関別に政府保証債の限度額が定められているという制度でございますけれども、この政府保証債は財投機関、財政投融資で申しますとその出口である財投機関が発行するものでございまして、行革審で今回提起されておりますような、国がみずから財投制度の目的と機能を果たす、こういうことのために必要な原資を調達する、そのために発行する財投債とは私どもは違うものを恐らく想定なさっているんではないかというふうに考えております。 いずれにせよ、財投債の発行について、ただいま御質問ございましたような具体的な中身、具体的な対応、これについてはいまだ検討する段階には至っておりません。
○近藤忠孝君 年金の支給でありますが、今まで三カ月分を年四回で支給されていましたが、今回年六回になりました。これは改善です。いいことは褒めます。 ところが、計算しますと、ことしの二月に去年の十一、十二、一をもらって、後二カ月分ずつもらって、十二月にその前の月の十、十一、十一が二回になりますので年十三回の支給になります。そうしますと、せっかく年金受給者の要請にこたえたと言いながら、その結果、所得税、住民税が増税になります。要するに一カ月分ふえるわけです。そして国民健康保険料も増額になってくる。どの程度の増額、増税になるかわかりますか。
○政府委員(濱本英輔君) やや細かくなって恐縮でございますけれども、ただいまのお尋ねにお答えをしたいと存じます。 平成二年度の税収計算、公的年金にかかります所得税の計算を考えていただきますときに、今近藤先生が御指摘になりましたように、確定申告にかかります分と源泉徴収にかかる分、所得税に二つの部分があることをまず御承知おきいただきまして、確定申告分にかかる方からまいりますと、従来のパターンでいきますと、例えば平成二年の二月には前年の十一月分、十二月分、一月分が支給されます。それから五月には二月、三月、四月分が支給される、こういう順序でまいりまして、平成二年中には十二カ月分が支給されておりました。それにプラスすること、年度ベースでまいりますと、平成三年の二月に十一月、十二月、一月分が年金が支給されると同時に源泉徴収されておるという状況がこれまでの改正前の状況でございました。 それに対しまするに改正後どうなるかと申しますと、まず平成二年二月には……
○近藤忠孝君 細かいことはいいんだよ。どの程度増税になるのか。時間がないんだよ。
○政府委員(濱本英輔君) わかりました。簡単に申し上げます。 確定申告分は、それでまいりますと十三カ月分になるわけでございます。対しまするに、源泉徴収分は二カ月分に減るわけでございます。したがいまして、足しますと、改正前は十二プラス三、改正後は十三プラス二イコール十五ということになりまして、この関係におきましては増税を生じないということになります。
○近藤忠孝君 源泉に関する限りは僕も説明を聞いてわかりました。ところが、源泉だけでは確定しない人がいますよね。ほかの所得と合算する。これは必ずその影響を受けます。 と同時に、これは自治省にお聞きしたいんだけれども、住民税は、前年の所得が一カ月分ふえるんだから、それを基礎に翌年の住民税を計算すれば必ずこれはふえますよ。それから国民健康保険料もふえる。仕組みはもうわかっていますから、ふえるのかふえないのか、どの程度の人がふえるのか、それだけを端的に答えてほしいんです。
○説明員(林桂一君) 御説明いたします。 先生の御指摘のうち地方税に関係する部分についての増税額といいますか、につきまして御説明したいと思います。 御案内のように、十三カ月分の年金が支給されて、住民税の場合は前年の所得に課税されるということでございますので、平成三年の税の計算上変動を来す場合が出てくるわけでございます。ただ、別途、今回の抜本改正によりまして住民税はかなり大幅に減税されているということもございますし、さらに平成二年度の所得に対する課税につきましては、平成三年度分の住民税につきまして、年金受給者の税負担の一層の軽減を図る見地から公的年金等控除の引き上げといったような制度の改正も行われているわけでございます。そうしますと、十三月分の支給に伴います負担増が仮にあるとしても、その程度はかなり緩和されているものではないかというふうに考えられるところでございます。 例示的に申し上げますと、例えば夫婦二人暮らしの六十五歳以上の年金生活者でかつ標準的な厚生年金額、これは月額約十九万五千円というふうに聞いておりますけれども、その程度の厚生年金の金額を受けておられる世帯につきましては、現在でもその年収入は課税最低限を下回っているわけでございます。で、所得割が課税されていないわけでございます。こうした世帯が十三月分の支給を受けましても、やはり課税最低限以下ということになりますので、このタイプの場合は増税になってこないというふうに考えられます。また、例えば年金収入が約三百万円程度の夫婦二人暮らしでかつ六十五歳以上の年金生活者といったような場合も、計算してまいりますと、その住民税の増加額は千七百六十二円というふうな数字でございます。 国民健康保険料につきましても所得や年齢あるいは家族構成によりまして負担の増加ということは考えられるわけでございますが、国民健康保険料につきましては、同一の所得でありましても、各市町村の国民健康保険の財政の規模とかあるいは課税の方法等がいろいろ区々に分かれておりますので、そういった観点から、この十三月分の支給されることによります税負担の変動というものを一般的に推計するというのはやや困難であろうかと思われますので、御了解いただきたいと思います。
○近藤忠孝君 年金関係全体が改善される、この点はいいと思います。いいことと悪いことはきっちり分けます。 ところが、改善があっても、数が少ないとおっしゃるけれども、年金二百四十万以上の人は一二・三%いますし、相当影響があるだろう。百八十万から二百四十万の人でも、単身であれば影響出てきますね。それはどの程度かわからないと言っていますが。やってないからわからないんですよ。この問題は細かいようででかい問題なんですよ。せっかく年金生活者にいいことをしてやろうと思っても、回数をふやした、そのことのために——年金の額はふえるわけないんですよ、将来もね。全く受ける額が変わりがないのに、回数をふやしたがために税金がふえる、保険料がふえる、こういうことをほっといていいんだろうか。やはりこれでは冷たい制度だということになるんですよ。 これは簡単です。経過的な措置を一項目つけりゃいいんですよ、それぞれに。そうすりゃならないんです。これはどうですか、大蔵大臣、ひとつやってみませんか。そしたら、褒めてあげますよ。
○国務大臣(橋本龍太郎君) せっかく褒めてくださるんなら、余り注釈なしで褒めていただきたいと思うんです。 今、専門家としての自治省の立場からも御答弁がありましたが、大変知能指数の高い御質問でありますので、我が方も専門家からお答えをさせます。
○政府委員(濱本英輔君) 先ほど自治省からも御答弁ございましたけれども、確かに課税最低限を超えました場合には税がかかるということになりますが、ことしは課税最低限がかなり上がりました。上がっても年金の増額がそれを超えます場合には税がかかるということになります。それに対して近藤先生は、せっかくいいことをするのに期間の調整だけではないか、こういう御趣旨でお尋ねをいただいているのかと存じますけれども、そこはこういうことだと思います。 つまり、所得税というのは暦年課税でございますね。所得とは何かといいますと、その年中に収得した収入として特定しないといけない、そう考えられてきているものでございます。したがいまして、その所得税の基本的な考え方を動かすというのは非常に動かしにくいことでございますけれども、今おっしゃいましたように、実際そういうことがどの程度の影響を持っているかということが大事な点の一つだと思います。 今もお話がございましたけれども、今回の控除の引き上げによりまして六十五歳以上の夫婦の場合には課税最低限が三百二十一万八千円になってきております。じゃ三百万円以上老齢年金の支給を受けているグループというのはどれぐらいいるだろうかということなんでございますけれども、恐らく私どもの資料では平成元年三月末現在で国民年金ではパーセンテージにしたらゼロ、厚生年金で見ましてもパーセンテージにしましたら恐らく一%に満たない数字であろうというふうに考えられます。
○近藤忠孝君 せっかく褒めたんだから最後まで褒められるようにいいことを貫徹してほしいというのが、私のきょうの質問の趣旨なんです。 これ、実際に手紙が来た人の話によりますと、その人の場合では住民税で四六%ふえる、所得税と健康保険料で三二%ふえるというふうに実際に計算しております、今までかかっておった税金に対して。まあ今まで余りかかっていなかったのかもしれませんけどね。 そういうことで、私は、仮に少額であっても、年金生活者にせっかくいいことをしながら、そのことのゆえに増税あるいは保険料増額ということは、これはひとつ考えてほしいと思うんです。さっきのお答えじゃ全然ゼロ回答だけれども、私はひとつ検討してほしいと思うんですが、大臣、厚生大臣の経験者でもある橋本さん、検討の余地は——これをやると大分また男が上がると思うんですがね。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 全然男の上がらない答弁をして恐縮でありますけれども、私、今委員がそれぞれのアップの率だけを仰せられましたけれども、その方の受けておられる年金額はどの程度の額なんだろうか、そしてそういう年金額を受けておられる方々に対して果たして特例的な措置を設けるだけの社会的な利益というものを世の中がお認めになるだろうか、一瞬、私はそう感じました。
○近藤忠孝君 この問題ばかりやっておるわけにいかないんで、次の問題に入りますが、ぜひ考えてほしいと思いますね。 次に、みなし仕入れ率の政令委任の問題ですが、この間予算委員会で質問したけれども、時間が足りなくなってほとんど議論にならなかったんです。これが租税法律主義に反するんじゃないかという質問に対して、尾崎局長の答弁は、みなしの率というのは制度の簡素を求めてやっているだけでそれに伴う税額の増収という意味ではないという答弁でしたけれども、わけがわからないですね。 それで、私が言ったことは、問題は、売り上げに対する仕入れ割合は八〇%と見て、納付すべき消費税額の計算を売り上げ掛ける三%掛ける二〇%、それを狭めれば売り上げ掛ける〇・六%イコール税額と、こうなるわけですね。だから簡単だと。さんざん税制特別委員会で簡単だ簡単だと説明をされてきたところです。 したがって、この〇・六%というのは実質的には税率と同じ意味を持つ。それを今度事業の種類ごとに課税仕入れの割合を政令に委任するということは、この税額を実質的に決定する率そのものを政令に委任したことになる。しかも、今まで仕入れ割合八〇%、これが大体もっとみんな少ない。ということは、売り上げ掛ける〇・六が実際もっと多くなるんですよ、実態に合わせれば。それを政令に任せるということは、圧倒的多数の簡易課税制度を利用する人の相当部分が実質増税になる。その率を政令に任せてしまう。これはやはりさっきの答弁のようなこと、税額の増収という意味じゃないなんというそんな答弁じゃ全然答弁になってないんじゃないですか。
○政府委員(濱本英輔君) 御指摘の点でございますけれども、ただいま近藤先生は事実上税率を委任したことと同じではないかというふうにおっしゃったかと存じますけれども、税率そのものを政令に委任したということとは全く違っておるということをまず申し上げておかなきゃいけないと存じます。 要するに、税額を計算します過程におきまして課税対象を幾らと特定しそれに対して三%の税率を乗ずる、その特定の仕方の問題なんでございます。御指摘の簡易課税制度でございますが、法人企業統計における全産業の平均的な付加価値率二〇%をもとにしまして八〇%という仕入れ率を原則的な率として掲げまして、卸売業につきましては九〇%の仕入れ率を設定している。御承知おきいただいているとおりでございます。尾崎局長が簡素化ということを答弁したとさっき御指摘ございましたけれども、まさにそのとおりでございまして、これは制度の簡素化を図ったものと理解いたします。 ところで、先生の御指摘は、今回簡易課税のみなし仕入れ率を決めます場合にこれを政令に委任するとしました結果、ある率が仮に将来政令で定められるということになった場合に、それが現在決められている率に比べてより厳しくなる、つまり税負担をふやす方向へ新しい率が定まった場合には一種の増税効果を生ずるではないか、そういうことを政令に委任していいのかというのが今の御指摘の趣旨かと伺いました。 この点でございますけれども、今回の改正というのは、既にたびたび議論されましたように、税制改革法の十七条三項でございますか、いろいろ御議論の結果、中小企業に対する今回のこの措置というのは見直す必要があるということを法文上明記されまして、それを受けまして我々見直しが必要だと考えておるわけでございますけれども、それは当初の段階で、先ほど申し上げましたようなみなし仕入れ率の設定ということをそのときの事情で八〇%と規定しましたことに対してなお見直しが必要だという御指摘を受けているわけでございますが、厳密にこの八〇%というものを実態に即応した率に見直してみたときに、より適正な率——仮により適正な率に置き直される余地がございました場合にはそれに対応するというのがこの見直しの趣旨でございまして、税収を今のレベルよりも上げるとか下げるとかいうことをねらいにしてどうこうするという話ではございませんということを御答弁したんだと思います。 じゃ増収になるという場合が起こり得るかということでございますけれども、それは率の設定によっては計算上起こり得るかもしれません。しかし、そのことは今回の見直しの許容することであろうと私どもは考えます。既に従来におきましても古い物品税法の施行令等におきましても一定率というのは定められておりました。これは何度か改正を試みられたことがございますけれども、一度ならずこれが今近藤先生がおっしゃるような意味におきまして増収の方に働いた改正というものは、過去にも例はございました。
○近藤忠孝君 旧物品税法にそういう規定があることは知っていますが、この場合には極めて限定的です。例えば、これ主税局の方が私にこれだと言った条項ですが、物品税法十三条、これは独禁法の再販価格という限定された場合の扱いとか、極めて限定つき、あるいは免税にする場合、納税者に有利になる場合、そういう場合の一つの細かい条件を政令に委任する、これはあってもいいと思うんですよね。ところが、簡易課税、何しろ七六%もこれを活用するわけですから、今までの〇・六掛けるというのは相当これ変化しますよね、もっと数の多いところに。それは影響が極めて大きいんです。と同時に、私は税率の委任とは言っていないんで、税率の委任に準ずる——委任そのものと準ずるは大分違うんですが、しかし、実質的に同じじゃないか。何しろ売上額掛ける〇・六の〇・六が変わるんですから、しかも大きく変わるんだから。 そこでお聞きしたいのは、一体何を委任するのか。ということは、従来の〇・六%適用を受けない事業が何であるか、そしてその各事業ごとの率はどれだけになるのか、これをやっぱり委任することだと思うんです。その対象事業は大体どんな事業なのか、大体どれくらいになるのか、わかっているんですか。
○政府委員(濱本英輔君) ただいまちょっとお触れいただきましたように、今回政府として取りまとめました見直しの法案の中には、今の点につきまして「事業の種類ごとに当該事業における課税資産の譲渡等に係る消費税額のうちに課税仕入れ等の税額の通常占める割合を勘案して政令で定める」という文言を入れさしていただいております。したがいまして、今近藤先生おっしゃいましたようにある程度事業の種類ごとにそういったものを定められないかということを想定した規定になっておりますけれども、具体的にそれではどういう事業の種類にそれを分かつのかとかどういう規定にするのかというのは、今まさに進行中の年度の実績を踏まえました上で、その結果を見て検討させていただく、それ以外には今私どもなすべき手だてがないという状況にございます。
○近藤忠孝君 今、実施中の一年間の実態を見てと言うんだけれども、大体適用対象者の七六%が簡易課税でやっているんだから、どうしてその仕入れ率わかるの。全部〇・六でやっちゃっているんだもの、わかるわけないじゃないですか。それが一つ。 それから、「勘案して」というのがくせ者なんですよ。通常の状況を勘案してというけれども、文字どおりこれは大蔵省のさじかげんです。西ドイツもたしか政令委任しています。ただ、西ドイツの簡易課税の適用対象は全体のわずか一%だから、例外の例外。しかも、こういう規定があるんですよ。向こうは平均率と言っていますけれども、本法により平均率を適用しなかった場合に生ずる額と本質的に相違しない税額と同じものを定めなければならない。政令がもしこれに違反すれば、違法になりますわね。だけれども、さっきの「勘案して」なんていうのはさじかげん。そういう大事な問題を法律で決めないで政令に任せるという、これ私は租税法律主義の原則に反すると思うんですよ。 じゃなぜ法律に載せられなかったのか。これは何十種類、たくさんありますよね。それを全部今度の見直し法案に出してたらこんな膨大になっちゃって悪税が余計悪税になることがだれの目にも歴然とする、それでできなかったんだ。ということは、見直しによって悪くなるんだから、消費税は。ということは、もともと悪い税制だということ、これは意見ですが、さっきのことに答えていただいて質問を終わります。
○政府委員(濱本英輔君) 今三つのことをおっしゃいました。 一つは、もうわかっておるじゃないかということでございますが、十七条三項を読ませていただきますと、「消費税の中小事業者の事務負担等に配慮した諸措置については、納税者の事務負担、消費税の円滑かつ適正な転嫁の実現の状況、納税者の税負担の公平の確保の必要性等を踏まえ」というふうにしたためられておりまして、こういったいろいろな状況というものを勘案して議論されるべきものではないかというふうに考えます。 それから、さじかげんではいかぬじゃないかという御指摘、まことにそのとおりでございます。だからこそ、実態の調査というものが重要であり、それを踏まえた見直しが必要であるということと認識いたしております。 それから、なぜ法律で規定できないのかということでございますが、たびたび政府が申し上げておりますように、これだけ大きないろいろな声を呼んだ問題でございますだけに、これはなるべく速やかな対応が必要であろうという気持ちは持っております。状況がはっきり把握できないで対応はできません。そういう気持ちのもとに機動的な対応というものを可能にするために政令措置に委任させていただくことがより適切であろうというふうに判断した次第でございます。
○近藤忠孝君 時間が来たので終わりますけれども、私は法律で決めろというんじゃないんで、やめてしまえということだから、ひとつ誤解のないように。
○古川太三郎君 日本の通貨制度というものについてお伺いしたいと思います。 貨幣というのは現金通貨と預金通貨に分かれる。現金通貨は大別して金属貨幣と紙幣とに分けられる。現在、紙幣は日本銀行法によって日銀に発行の権限が与えられている。 そこでお伺いするんですが、紙幣は具体的には日本銀行券でありますが、これが偽造等された場合、その発見、防止などについての責任は日銀が負っているのかどうか。また、金属貨幣でありますけれども、これはいわゆる通貨法によって発行の権限は政府に属するとなっております。そのために偽造の発見、防止の責任は政府にあるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○参考人(吉沢利夫君) お答えいたします。 銀行券、これにあわせまして貨幣につきましても、市中銀行等から受け入れたものについて私ども日本銀行で監査をいたしております。監査というのはチェックでございます。率直に申し上げまして、銀行券につきましては、私ども機械による厳密なチェック、あわせて大量な処理が可能な体制をつくり上げております。また貨幣につきましても、私ども一生懸命やっております。私どもで見てどうしても判定の困難なものにつきましては、製造者である造幣局に最終的な鑑定を依頼しております。銀行券につきましても、機械がはじき出しましてもう一遍私どもでチェックしてどうしてもわからない、あるいはやはり最終的に印刷局の技術の専門家に判断を仰いだ方がいいというものもございます。そういう状況で今チェックしております。
○古川太三郎君 最終的にどちらが責任を持っているかということは、いかがですか。
○参考人(吉沢利夫君) 責任とおっしゃる意味では、私どもが第一次的に監査をやる責任を持っております。
○古川太三郎君 それは紙幣も貨幣もですか。
○参考人(吉沢利夫君) さようでございます。
○古川太三郎君 天皇六十年の在位記念金貨が発行されました。現在、日銀に相当の数が還流されているということを伺っております。もともと一千百万枚発行されて二割ぐらいが売れ残ったというのも聞いております。現在どのぐらい還流されて退蔵されているのか、また、それは偽造事件発覚前と後との関係はどうか、お伺いしたいと思います。
○参考人(吉沢利夫君) 六十一年の十一月に十万円金貨が発行されましてから五月末まで、昨日までの段階で、市中から還流してまいりましたものが二百七十三万枚ございます。そのうち今回の偽造事件等が発覚いたしました二月一日以降戻りました分が、三十三万八千枚でございます。
○古川太三郎君 そこで大蔵大臣にお聞きしたいんですが、この天皇在位六十年の金貨、この発行の目的は、天皇在位の記念として発行されたのか、あるいはいま一つ何といいますか財政を潤す目的もあって発行されたのか、そのことをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、昭和天皇が御即位六十年を迎えられるその記念をともにことほぐといった意味から発行されたと承知をいたしておりまして、財政云々という視点はなかったものと心得ております。
○古川太三郎君 財政云々は全くなかったですか。結果としてそういったことも入っている、あるいは一部はそのような考え方もあったということもできるんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(大須敏生君) 貨幣の発行の態様によりまして、貨幣回収準備資金という制度がございまして、その機能を通じまして、実際に発行されております貨幣のうちから一定部分を留保した金額について税外収入として一般会計に納付する制度があることは御承知のとおりでございますけれども、そういう意味で、発行したことによりまして結果的に税外収入が見込まれていたことは事実でございます。
○古川太三郎君 大臣がおっしゃるように本当に記念ということだけがその目的だとすれば、十万円というのは非常に高過ぎやしないか。東京オリンピックでは千円の銀貨が発行されておりますけれども、まあせいぜいいって一万円ぐらいが庶民の感覚としてはよかったんじゃないか。本当に天皇の在位をお祝いする、庶民に愛される天皇だということを考えれば、なおさら庶民の方にたくさん買っていただくという意味で金額が少ない方がいいんではなかったか。これが第一点です。 また、記念だとおっしゃるならば、金の時価とそれに要した流通費とか製作費、そういったもののプラスアルファを足した分ぐらいの値段で、金額と金の時価に余りにも差があるものを発行する必要はなかったんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(大須敏生君) 最初のなぜ十万円にしたかということでございますけれども、当時の記録を調べますと、昭和天皇御在位六十年の記念貨幣の発行につきましてこれを有識者に問う懇談会を開いているところでございますけれども、そこにおける議論としては、御在位六十年というような希有の出来事を国民的にお祝いするということでございますから金貨の発行がふさわしいだろうということと、それから十万円というような金額も多額であるし相当立派な貨幣をつくることが望ましいという趣旨の御意見をいただいたところでございます。まあそういうような御意見も参考にしながら特別法を政府として御提案申し上げ国会で可決をいただいたというふうに聞いております。 それから次に、金の量目をしからばもっとふやしたらいいではないかというような御趣旨でございますけれども、確かに世の中に流通しております金貨の中には金の地金価値とほとんど変わらないようないわゆる地金型金貨というものがあることは事実でございますけれども、それは主として産金国がむしろ財政目的のために地金に若干の付加価値を乗せて売るという趣旨のものでございまして、私どもが記念貨幣として従来から手がけてまいりましたような法定通貨としてこれを国民に受け取っていただくという趣旨の通貨とは、非常に違うわけでございます。 そこで、私どもの今までの考え方でございますけれども、国家的な記念事業と認められますような場合につきまして通常の貨幣と同様に流通する貨幣をお出しして、それをいわば引きかえていただく、こういう発行方式をとっているところでございまして、そういう場合におきましては、貨幣の素材価値というものとある程度離れて額面を設定するということは、管理通貨制度のもとにおきまして一般的な考え方でございます。 その場合に、それではその素材価値と額面との関係をどのように設定するかということでございますが、金貨の場合にはほかにいろいろ類例がございますのでそういうことが一つのめどになるわけでございます。ただいま問題になっております昭和天皇御在位六十年記念金貨幣につきましては、それを発行いたしました、あるいは発行を計画いたしました当時の考え方としては、諸外国におきます記念貨幣の発行の例等を参酌いたしまして、諸外国において記念金貨幣を発行していますその販売価格と素材価値の関係と大体同等の線を採用したところでございます。
○古川太三郎君 記念だといえば、今まで諸外国で発行されていたような地金型の金貨とかあるいは収集型の金貨とか、そういったものの方がむしろ重宝される。またメダルでもいいわけなんですね。わざわざ通貨として十万円という金額を刻んだのはどういう意味があるんですか、そのことをお聞きしたいんです。
○政府委員(大須敏生君) ただいま御説明申し上げましたように、我が国で記念貨幣というものを出す場合、これを法定通貨として発行しておる、そしてその額面金額が素材価値をかなり上回るような発行方式をとっておりますのは、実は伝統がございます。 それは、一つは非常に国民に広くこれを受け入れていただくように多額の発行をするという伝統がございまして、御承知のとおり昭和三十九年の東京オリンピックのときに初めて記念貨幣というものを出したわけでございますが、大変これが引っ張りだこでございまして、国民の皆さんに均てんして持っていただくというような観点から法定通貨方式、法定通貨と申しますか、今の額面金額で流通するその金額で発行するということが定着したわけでございます。それからまた同時に、国民の方が収集目的でお求めになるわけでございますけれども、最低保障、十万円なら十万円という額面が最低保障になるという意味で非常に便利だという側面もございます。 まあ、そういうような伝統を踏まえまして、今回あるいはその昭和六十年御在位の際も今のような方式を踏襲したわけでございます。
○古川太三郎君 おっしゃりたいのは管理通貨だから金貨の形をした十万円札と、こういうような理解をした方がいいんじゃないか。こういうことなんでしょう。だと思うんです。とにかく金(きん)の値打ちと額面の部分とは離れていても構わないんだ、紙幣ならば紙切れ一枚じゃないか、それが十万円だというような趣旨なんでしょう。と思いますけれども。 しかし、そういった乖離があるからこそ偽造というのが起こったわけでしょう。もし乖離がなければ偽造は起こらないでしょう。そういう意味でいかがですか。偽造の余地があるという部分については、この発行の仕方は非常にまずい発行の仕方ではないか、こう思うんですけれども。
○政府委員(大須敏生君) 現実に偽造事件が発覚いたしておりますので、その点について我々は十分反省しておるということは事実でございまして、これから後の大蔵委員会で御審議をお願いいたします法案においても、いわばその反省の成果をいろいろ御審議いただくわけでございます。 そこで、おっしゃいました金の素材価値と額面が近ければ偽造の誘因が少なくなるだろう、これはその限りではまさにそのとおりでございます。 ただ、諸外国の記念貨幣の発行例で見てまいりますと、委員御承知のとおり、いわゆる販売価格と素材価値との関係は必ずしもぎりぎり近い発行の形式が多いわけではございませんで、むしろプレミアム型の記念貨幣につきましては、例えばイギリスが昨年出しておりますソブリン金貨、五百周年記念の金貨でございますけれども、これは販売価格の三七%が素材価格でございます。それからアメリカが昨年発行いたしました議会制度二百年記念の金貨の場合は四七%、フランスが一昨年出しましたフランス革命二百年記念金貨の場合は三八%が素材価値ということでございます。 そのようなものと比べますと、今問題になっております昭和天皇御在位六十年記念の場合の素材価値、これは実際に交換した時点の関係ではございますが、それは四〇%でございまして、そういう意味でほぼバランスがとれておるようなことでございます。
○古川太三郎君 今挙げられたのは素材価値と販売価格の問題ですね。素材価値と通貨としての額面との関係は、今挙げられた全部が素材価値の方が値打ちがあるんでしょう。そのことを聞いているんです。
○政府委員(大須敏生君) プレミアム型記念貨幣というのはまさにそういうことでございまして、額面金額はまことに名目的な場合が多いわけでございます。実際にその額面で通用することは法律形式的にはまさに法定通貨としてやっておるわけでございますけれども、現実の経済取引では全く期待されておらないということでございます。 そういう意味では、額面価値と素材価値ということになれば、それは素材価値の方が上回る例が多いと思いますが、これはプレミアム通貨の特色で、そういう発行方式をとっておるわけでございます。これは初めから貨幣としてではなくいわば商品としてコイン商、収集家の間に頒布するというようなことが主目的で売られるものでございます。したがいまして、私どもの伝統的な記念貨幣のつくり方とは非常に違うものでございます。
○古川太三郎君 私が申し上げているのは、記念として発行をされるべきものがなぜ通貨でなければならないのか、これに非常にこだわるわけなんです。今おっしゃったようなものは全部収集型の金貨あるいは地金型の金貨なんですね。なぜ通貨でなければならぬのか、ここが一番問題なんです。そのことを考えないで金の材質と価額との乖離があるからこそ偽造されるんです。そういった反省はされたんですか、先ほど反省をされたとおっしゃったけれども。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は就任いたしましてから昭和天皇御即位六十年金貨の偽造事件に遭遇し、改めてその発行の経緯等を承知した次第でありますけれども、当時国会の御論議におきましても、その記念というものについてなぜ貨幣でなければならないかという視点の御意見はなかったと心得ております。 と申しますことは、そのころの国民感情として、要するに御即位六十周年というものをことほぐという意味での記念貨幣の発行というものについて私は基本的にやはり合意があったものと考えております。 と同時に、もう一点申し上げたいことは、偽造が起こりましたこと、これは非常に不幸なことでありますし、そうした事態を金貨幣発行の経験を持たない我が国として事前の把握が不十分であった点については我々は本当に反省しなければならないことでありますけれども、発行当時の金の価格からまいりますと、たしか私が存じておりますのでは二十グラムの価値というものは十万円の額面に対して六万円程度の比率を持っておったと思いますが、金価格の変動の中でそれが現在四万円程度に下がっておるわけでありまして、その乖離が偽造を誘発したという御指摘をしばしば受けてまいりました。 ただ同時に、過去に金価格が非常な勢いで高騰したケースというのも多々ありまして、さまざまな場面で私どもがそれに遭遇したこともございますが、仮に額面に非常に近い価格でその含有量を定めておりました場合、額面を超えて金価格が上昇した場合には記念貨幣が鋳つぶされてしまうのではないか、そうすれば通貨としての立場から違った問題になってしまいはしないかとか、その御議論をしてまいりますといろんなケースが想定されるわけであります。 いずれにいたしましても、私どもはこうした御即位六十年記念金貨幣の発行の後のさまざまな状況の中からいろいろな教訓を学んでまいりました。今後においてこうした事態が二度と発生しないように我々としては努めてまいらなければなりませんが、発行当時におきまして、今委員から御指摘になりましたような金貨幣をもって記念すべきではない、何かもっと別種のものをという視点の御論議は、私の知る限りにおきましては衆参両院の御論議の中において少なくとも主流ではなかったように心得ております。
○古川太三郎君 もう時間が来たようですけれども、記念ということであれば本来ならば金と価額というようなものの連動は要らない。それを通貨としたために——わざわざパックに入った通貨なんて私は見たことないんですけれども。パックに入れなきゃならない通貨というのは世界じゅうどこにもない。また箱に詰めるということでしょうけれども、今度のことを反省して恐らくそのような形で出されるんでしょうけれども、パックに入っている通貨は世界じゅうどこにもないですね。過剰包装みたいな、まるで桐箱に一万円札を入れて出すようなもので、非常におかしなものだと思うんですが——時間がないから、あとは後にします。
○政府委員(大須敏生君) 一言だけパックについて御説明申し上げますと、御承知のとおり昭和天皇御在位六十年記念金貨は純金で発行しておるものでございますから、非常に傷がつきやすいわけでございます。その傷がつきやすい点を考慮いたしましてパックをつけたというのが、パックをつけました理由でございます。
○三治重信君 金融問題についてちょっと質問したいんですが、金融は大蔵省の所管であって、私は従来、日本の各業界の中で一番規制が強いところだと思っております。そして、それは国民に対しては国民の財産の安全確保ということであり、また金融機関に対する規制、その規制によって金融機関は破産とか倒れるとかいうことは全然ない。完全に大蔵省の言うとおりやっていれば営業がすごく簡単にやれる。そういうところに非常に何といいますか、退嬰的なところがあったと思うんですが、ここで金融の国際化の問題が出て、まあこれは日本の金融改革にいいことだなと思っておったんですが、最近はそれからさらに預金金利の自由化という問題が出てきております。 この預金金利の自由化というのは金融の国際化の最後の段階だろうと思うんですが、その前の段階としての金融の国際化というのは銀行やそういう金融機関の日本とアメリカその他の相互の自由化だろうと思っているんです。そういうふうなことからいくと、それがどの程度まで問題を解決して金融の自由化になっていくか。その前の段階として、金融機関の各国への自由な出店ができるかできぬか、またそれがどの程度進んだのかという問題が初めは国際化の主たる問題じゃなかったかなと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(土田正顕君) 非常に大きな問題でございますので、とりあえず要点のみを申し上げます。 金融の自由化が進んでまいっておりますことは委員よく御承知のとおりでございます。 それはいろいろな側面であらわれるわけでございますが、御指摘のありましたような預金金利の自由化という問題のほかに、金融商品の多様化、一般的な業務の自由化、それから金融市場そのものの整備拡充、具体的な例はとりあえず省略いたしますけれども、それぞれの分野で着実な進展が見られておるところでございます。それからさらに、これも委員のお言葉にありましたような内外交流、世界的な金融市場の一体化傾向が進んでおります中で、日本の金融機関、証券会社が外国に進出し、また外国の金融機関、証券会社も日本に参入してくるということも近年年を追うごとに非常に活発になっております。それで、我が国の市場はやはり世界の主要金融センターの一つになるべきものだと思っておりますが、それにふさわしい姿を我が国の市場の中につくり上げていかなければいけないと思うわけでございます。 その一連の自由化の施策の効果としまして、より一層の競争原理の活用によりまして、国民の金融に対するニーズの多様化、高度化に対応する、同時にひいては我が国経済の全体の効率化と発展に資するという効果を私どもは期待しておるところでございます。
○三治重信君 そういう流れはわかったんですが、日本の自由化の中で、段階的にというんですか、自由化を進めてきた大きな段階の部分ですが、それはどうなっているんでしょうか。一番最後が金利の自由化じゃないかと思うんですが、そういうふうな理解でいいんですか。
○政府委員(土田正顕君) 先ほどちょっと具体的な御説明を省略しまして失礼いたしました。 金融の自由化は、確かに金利の自由化もございますけれども、そのほかにもいろいろ重要な分野がございまして、例えば金融市場の整備拡充というようなことになりますと、殊にこれは近ごろどちらかといえば短期金融市場の動向が注目を浴びておるわけでございますが、コール取引につきまして無担保コール市場を創設するとか、コマーシャルペーパー市場を創設するとか、それからTB市場を拡充するとか、さらにいわゆる一連の先物市場の整備拡充とか、そういう方面の動きが一斉に進んでまいっておるところでございます。そのほか現場の商品でありましても、預金貸し出しなどの面におきまして提携商品や組み合わせ商品が続々と開発されておるというのが現状でございます。さらに業務といたしましては、金融機関に対しましていわば国債などの公共債の窓口販売及びディーリングが逐次認められており、今日ほぼ定着したと考えております。 そのほかさらに、もともと規制があるわけではなかったんですが、いわば営業態度の上からいって一種の横並び的な作用が働きましてサービス内容が各行一律であったもの、例えばCDの営業時間とか振り込み手数料とかそういうようなものにつきましても近ごろは個性のある自主的な経営判断が発揮されまして、時間延長とか手数料引き下げなどのような動きが出てきたものもございます。 このようなものを一斉に進めておるところでございますので、預金金利の自由化が最後かというお尋ねもございましたが、私どもは、非常に大きな部分ではございますが預金金利の自由化のみが残された課題だというわけではない、そのほかにもいろいろ今後なお自由化を進めるべき分野は残っておるというふうに考えておるわけでございます。
○三治重信君 そうしますと、結局、今までは四角四面に規制をしていたから預金者も、実際の銀行だとか何かはプライベートだけれども、政府が保証しているみたいに、どこへ預けても何機関に預けても同じだしということで、金融機関の選別なり預金についての態度を区別するということがなかったんだろうと思うんですが、私は一つ大蔵省の対応として、自由化によってそういうふうに自由競争するようになってくると、脱落するというんですか、行き詰まるような金融機関が、証券なんかでいうと株の大暴落とかいうようなことで、脱落金融機関が、これは大銀行と中小零細企業との競争の差以前の一つの何というんですか、経営やなんかのやり方についての脱落というものが起きてくりゃせぬかと思うんです。そういうものに対する預金者保護を新しく何か、諸外国には保険——預金についての一定の保険を掛けさすとか、何かそういう、銀行はつぶれてもいいけれども預金者には最小限度の保証はしていくようなそういう金融機関の対策、自由化ではそういう市民に対する保護の政策というものが考えられなくちゃいかぬじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(土田正顕君) 預金者がどこにどのような預金をするか、いろいろこれからは選別をするような時代になったというところは、全く御指摘のとおりでございます。預金という最も重要な商品につきましてそのようないろいろな競争が行われてくるわけでございます。その競争は現に始まっておると思っております。その際に、自由化の一連のものに共通することでございますが、やはり自由化によりましていろいろな混乱が起こる可能性はございます。しかし、なるべくそういう混乱を回避しながら自由化のメリットをできるだけ利用者に還元していくということを、我々も金融機関も目指すべきであると思うわけでございます。 そこで、その際に脱落者、行き詰まりというようなものをどうするかという問題でございますが、そのことを申し上げます前に、やはり自由化時代に金融機関にも一層努力をしていただく、例えば預金の金利の自由化によりまして預金コストは上がるわけでございますが、それを貸し出しその他の運用面の工夫によりまして幾分かそのコストアップを取り返す、さらにその金融機関の経営の効率化によりましていわば中間経費を圧縮するというようなことで極力努力を願いたいというようなことでありますし、そのために私どももいろいろ必要な制度面の手直しは考えていかなければいけない、また平生の各金融機関の営業についての監督にも気をつけて見ていかなければいけないと思うわけでございます。 それで、その際に特に重要と思われますのは、経営者の経営に当たっての経営態度と申しますか、健全経営を追求する経営態度そのものに特に期待をしたいわけでございます。 ただいま委員からお話がございました預金保険というのは、確かに金融機関がつぶれても最小限ある一定額までの預金者の預金の財産は守るという仕組みを考えておるし、それは日本にも事実そういう制度はあるわけでございますが、外国における運用例などを見ますと、預金保険そのものがあるということに依存をいたしましてかえって放漫な経営をしたというような一連の問題も近ごろ取りざたされておるわけであります。いわゆるモラルハザードの問題というわけでございますが、そういうことでございますので、預金保険制度があるからといってそれでもう万全であるとは私どもは考えておりません。やはり金融機関の経営者に効率化の努力と健全経営の努力を一層強めていただきたい。それがまず基本であろうというふうに考えております。
○三治重信君 競争を自由化しても脱落者が全然出ないということになると、結局それはまた同じような、全部の規制をいつまででも維持するという格好になるだろうと思うんですが、そこはひとつ不良経営はどんどん脱落というか整理されてもやむを得ぬ、しかしそのかわり預金者には迷惑を余りかけないというふうなことを考えてほしいと思うんです。 それから、ごく簡単に一つ。 今、金融関係のことでアメリカとの構造協議でどういうことが問題になり、またそれは構造協議で解決する自信があるのか、また、非常に大きなとてもそうすぐには解決できない問題はどんなものか、御説明願えればありがたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先日、日米金融協議が行われました直後であり、内容につきましては出席した局長たちから答えてもらおうと思いますが、その前に委員にお願いがございます。 私どもは、金融の分野というものは他の分野と異って極めて専門性を有するものでありますから、他の問題といわばバーターのような形で議論をされないために構造協議の問題と金融協議は全く切り離しております。ですから、そこのところだけはどうぞ御認識をいただきたいと思います。構造協議に絡めて、例えば金融についての譲歩を求めるとか、あるいは金融面で我々がその制度についての主張を通すために他の分野で妥協を強いられるとか、そういう事態を排除するために金融協議と構造協議は全く別のものとして位置づけておりますので、この点だけはどうぞお気をつけいただきたいと存じます。
○三治重信君 それは新しい認識です。わかりました。
○政府委員(土田正顕君) 個別の御説明ということで、項目はいろいろございますが、やはりこの中で一番関心を呼びましたものは、預金金利の自由化問題であろうと思われますので、そこに絞りまして御説明を申し上げます。 先般の金融協議におきまして米国側は、我が国の預金金利、その一部分は既に完全自由化されておりますし、そのほかそれに近い状態での自由化商品も導入しておるところでございますが、その現状では不満足であり全体の預金金利の完全自由化を早期に行うことが必要である、そのためのタイムスケジュールの提示が必要であるというような主張であり、具体的には来年の四月までに完全自由化を希望するというような言動があったわけでございます。 これに対しまして私ども日本側は、預金金利の自由化につきましては今後とも前向きに取り組むという姿勢でありますので、その姿勢そのものについて不一致はない。それから定期性預金金利と流動性預金金利のそれぞれについて当面の運びはこのようにしたいということを説明をいたしました。ただ、いずれにいたしましても、その眼目となります定期性預金の殊に小口の預金、それについては近々に金融問題研究会の報告もあるので、それを受けてその後に早期に政府として定期性預金金利の完全自由化に向けてのスケジュールを取りまとめたいと考えているという説明をいたしました。 日米金融協議の中でのやりとりは以上でございます。 私どもは、その後金融問題研究会の報告も出まして、可能な限り速やかに小口定期性預金の完全自由化をという提言もございましたので、基本線としてはそれに沿いまして、ただしそれに必要ないろいろな準備の手続、それから中間的な段階を経るという各ステップをどのようなステップを組みながらやっていくか、そういう実行的な進行管理、さらに、そういうもののスケジュールをつくるにつきましては、関係の金融機関、なかんずく金利自由化の影響を最も受けやすいというふうに思われております中小金融機関側と意見調整をする必要がありますほか、また日本特有の事情といたしまして国営の郵便貯金という大きな存在がございますので、その郵便貯金を管理しております郵政省当局とも意見調整をするとか、いろいろまだ作業が残っておるわけでございますが、極力努力をいたしまして早目にそのようなスケジュールをまとめたいと考えておるところでございます。
○三治重信君 最後に土地融資の問題で意見も兼ねて申し上げておきたいのですが、私は土地の騰貴の大きな原因は銀行の土地投資に対する過剰融資がだと思っているんです。先日大蔵省の方は土地融資の総量規制というものを発表されたようですが、その中身がどんなものかごく簡単に。 私の意見は、株や証券なんかでは担保価格を大体時価の七割程度の融資の掛け目ということに私は承知しているんですが、土地だと、聞いてみると、銀行は一〇〇%の融資をみんなやって、掛け目に対する金融機関の共通の認識はない。株式の方はどこで金を借りるにしても、証券会社でも銀行でも七割ぐらいしか金を借りれない。ところが土地は担保価格に対してほとんど一〇〇%融資が受けられる。これが法人が、多く土地を持つことによって融資を確保することが容易になる、そのために余裕があるとどんどん土地が確保されるということだろうと思うんです。こういうふうな融資の限度、担保価格に対する一〇〇%なんというのはやめて、証券とか何かと同じように七割程度にすべきだというような、いわゆる融資の基準というものをもっとしっかりやることが土地騰貴を抑える大きな効果になると思うんですが、どういうふうにお考えですか。
○政府委員(土田正顕君) 二つのお尋ねでございますので、それぞれに御説明を申し上げます。 前半の方は、融資の総量規制のようなものをやったようだがその内容はどうかというお尋ねでございますが、この御指摘の指導は本年の三月に実施をいたしました新しい銀行局長通達の内容でございます。それに至るまでのいろいろな指導の実績その他申し上げたいことがございますが、それは省略をいたしまして、さらに一段と従来の措置から踏み込んだ措置ということで次のような考え方を明らかにしたわけでございます。 すなわち、総論といたしまして、金融機関の土地融資につきましては、内需拡大に必要な資金の円滑な供給には引き続き配慮しながら、しかし金融面からも地価問題に積極的に対応するため、金融機関の融資全体に対して均衡のとれた水準にすることが望ましいと考える。そういう考え方のもとに、具体策としましては、第一に、当面、不動産業向けの貸し出しにつきましては、公的な宅地開発機関等に対する貸し出しは除きまして、他の一般のものについてその増勢を総貸し出しの増勢以下に抑制することを目途として各金融機関においてその調整を図るように要請をいたしました。それから第二に、当面、不動産業を含めさらに関連のあります建設業、ノンバンク、この三業種に対する融資の実行状況を報告するように要請をいたしました。 これは一種の総量規制と言われておるものでございまして、昭和四十八年以来こういう強い措置はとっておらなかったわけでございますけれども、昨今の地価の動向にかんがみましてあえて踏み切った次第でございます。その効果を期待しております。 それから第二に、土地融資の現場の審査に節度を持つべきであるというお話でございますが、節度を持つべきことは当然我々も要請しておるところでございます。ただ、多少テクニカルな御説明になりますけれども、不動産担保の貸し付けにおきまして担保掛け目はどうなっておるかということでは、私どもは必ずしも一〇〇%までいっぱいに貸しておるのが通常だとは認識しておりません。まあ大体八〇%とか七〇%というのが標準ではないかと思います。 ただ、その担保掛け目をどの程度にするかというのは、これはやはり個別の金融機関がみずからの経営判断で決定するのが基本でございます。それに画一的な制限を課しますることは、やはり今度は、そういう担保に依存しがちなものはむしろ借り手としての信用力に乏しい個人とか中小企業、そういうものが担保への依存度が大きいので、また大企業はむしろ担保の依存度は相対的には低くて信用貸しを随分受けておるというような状況もございますので、ここはちょっと慎重に考えなければいけないんではなかろうか。例えば土地を担保とします担保掛け目を下げましても、別途信用貸しを組み合わせてしまいますとそれは融資に対する有効な歯どめにはならないわけでございます。 そこでむしろ金融面からは、これまでもいろいろ努力してまいりましたが、例えば先ほど申しました不動産業向け融資の規制措置とか、金融市場全体の過度の膨張を防ぐという意味で金利の上昇その他をねらった適度のブレーキをかけるとか、そういう手段によって鎮静化を図っていくのが妥当な方法ではないかと考えております。
○下村泰君 今審議されている国の予算から比べると本当に微々たるお話から、まず伺いたいと思います。 去年の五月なんですけれども、国立で鍼灸院をやっていらっしゃる四十一歳の方が、大学ノートかあるいは便せんかわかりませんが、お札の紙質にやや似ているんですが、それを大体千円札の大きさに切りまして、ちょうどあのマークのところに同じようなマークをつけたもの、これをつかまされたわけですね。この場合に、ちょっと伺いますけれども、これ、にせ札事件になりますか。
○政府委員(大須敏生君) 通貨偽造罪になるかという専門的なお立場の御質問であろうと存じます。 〔委員長退席、理事梶原清君着席〕 私は専門家でございませんから適当なお答えができるかどうかでございますけれども、詐欺罪になる可能性が一つはあるんではないかと思いますが、通貨偽造ということになるかどうか、これは少し研究してみませんとわかりませんので、ちょっとこの場の答弁は御容赦願います。
○下村泰君 今回のケースは、紙の質だとか識別のマークをよく丹念に注意して見ればあるいは判別できたかもわかりません。けれども、何かのはずみにひょいとした瞬間ですと、ひょいとさわってマークがあるなぐらいで済んでしまえば、あるいはこういうのをつかまされる心配というのは多多あるわけですね。 この方がおっしゃるんです。これは差別用語に近い言葉ですからあれですけれども、御本人がそうおっしゃっているんですが、盲人の盲点をついた非常に悪質なものである。目の不自由な方がそうおっしゃっている。盲人にとって、これ明らかににせ札ですわな。詐欺事件にはなる。もちろんにせ札の形をしてはいませんわ。してはいませんけれども、目の不自由な方にとってはこれは完璧な僕はにせ札事件だと思います。ですから、徹底してこういうのは調べていただきたいと思いますけれども、このことについては導入時からもういろんなふうに問題になっています。 五年前の昭和六十年七月二十三日の決算委員会で、その当時は大蔵大臣は竹下さんでしたが、竹下さんに伺いました。「当局に対しましても日本盲人会連合等から識別マークのでこぼこが不鮮明で、指感——指の感性が悪いという等の陳情はあっておりますので、やっぱりこの問題については、今後とも引き続いてこの印刷技術というのは錬磨して研究を重ねていかなきゃいかぬというふうに思っております。そういう問題が起こりましたので、余計熱心になでていただきますのでだんだんなれも出てくるんじゃないかなと、こんな感じでございます。」と。余計熱心になでていただいてと言ったって、こういう事件起きるんですからね。 そのときに大蔵省の係の方で足立さんとおっしゃる方は「いかんせん紙幣の厚さそのものが〇・一ミリ程度の厚さ、その中ですき入れによりまして凹凸をつくるということでございますので、現在の技術水準のもとにおきましては最善のものをつくったということでございますけれども、なお一層引き続いていいものをつくっていきたい、そういう努力をしていきたいと思います。」と。事実、五千円札が縦に二つ、一万円札が横に二つ、千円札が一個なんですね。もし何でしたらここにこれ、千円札が六枚ありますけれども、持って帰られちゃ困るんですけれども、これ、使ったのと幾らか新しいのとありますが、実際にこうさわってみてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) わかってます。
○下村泰君 わかってますか。わかってりゃ結構です。 そういう状態で、事実、少し古くなったら千円札の場合にはほとんどわからなくなりますね、これは。一万円札の場合はまだいいんです。ところが、千円札で古くなったらほとんどわからなくなります。(「どこに入っていますか」と呼ぶ者あり)どこに入っているかわからない方もいらっしゃる。ここにあるんです、左の一番隅ですね。 この間郵政省の方では、はがきの下の方にぽちんと三角みたいの、こう削った。それだけで裏表と、それから縦ですか、これがわかるというふうな工夫をなさいました。これ、大変結構なことだと思います。あれからもう五年もたっているんです。もう少し何か考える方法がないものでしょうか。これをまず伺わしてください。
○政府委員(大須敏生君) 下村委員御指摘の五年前の御議論でございますが、私どもよく承知をしております。その後六十一年の六月以降の製造につきましては、委員の御指摘等も踏まえまして、ただいまの紙のすき入れによるマークでございますが、これをより深くする、こういう努力をして改善措置をとったところでございます。 それから、今後でございますけれども、今後さらにどのようなことが可能か印刷局等と相談して、不断に技術上の研究はしてまいりたいと思います。ただ、よく比較になりますのは、外国の同様の例でございますけれども、外国の場合には凹版印刷によりましてインクの部分を盛り上げるというような形で識別を可能にしているわけでございますけれども、これはむしろ私どもがとっております紙のすき入れで紙の厚さ自体を変えていくというより摩耗に対する抵抗力が弱い、このように伺っております。紙幣というのはいろいろな要請にこたえなきゃならないわけでございますが、そのいろいろな要請の中でどういうことができるか、引き続き検討していかなきゃならない問題だと思っております。
○下村泰君 外国の活動写真とか映画を拝見しますと、にせ札事件が始終背景になるようなテーマを持ったものがたくさんありますね。そこへいくと、日本の紙幣というのは確かに印刷技術が発達してそう簡単にはまねができない。それで私ら安心して使っています。目の見える者は安心して使えますよ。だけれども、目の不自由な方がなおかつ安心して使えるような方法にしていただければなおさら世界に冠たる日本の紙幣、こういうことになるんですから、よろしくひとつお願いします。大臣、どうですか。何かおっしゃいますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先日竹下大蔵大臣から委員に対してお答えをしております議事録は私も読ませていただきました。しかし、何分これはもう専門家の技術の話でありまして、私どもに意欲が幾らありましても技術的についていけないものですから、専門家の努力に私も期待をいたしております。
○下村泰君 五月の二十三日ですか、予算委員会で、マドリードの泥棒組合——組合かどうか知りませんけれども、こういう家にはこういう方々がいるから入っちゃいけないよというような、泥棒にも三分の理という、何かマークも私は拝見したんですけれども、その点で比べると日本人は心が狭いなと思いますけれども、よろしくひとつお願いします。 それじゃ今度は国民負担率についてちょっとお伺いさせていただきますが、シャウプ勧告という言葉を聞いて大臣はまず何を連想なさいますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変素直に申してよければ、子供のころのことだったと思い出します。
○下村泰君 そして今、大蔵大臣になってどういうふうでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) あの時代にもう少し調べておけばよかったと思います。
○下村泰君 ここに「シャウプ使節団日本税制報告書」というのがあるんですけれども、その一部をちょっと読ませていただきますと、「国家財政と地方財政との関係」というところで、 国、都道府県、市町村は、複雑な財政関係の網で結び合わされている。租税はこの網の、ほんの一部分に過ぎない。しかし、適切なる税制をこしらえるためには、本来ならば、まづ、この網全体を検討して租税でない部分の改革案さえをもたてなければならない。 われわれの改革案は二つの事実から出発している。第一は、地方自治ということは、占領軍および日本政府の窮極目的の一つとして宣言されている事実である。第二に、現在のところ、地方自治は極めて未熟な段階にあり、地方団体の財政力を強化し、これとともに、富裕地方と貧困地方間の財政力を更に均等化する…… こう書いてございます。 そうしますと、このシャウプ勧告というのは市町村優先の原則を示したものではないかと思われます。 〔理事梶原清君退席、委員長着席〕 地方自治を進める上でまず重視されるべきは都道府県よりも住民に身近な市町村であるということを宣言したと思うんですが、この原則はこれまで現実にほとんど尊重されてこなかったと思うんです。財政、税制においては特にそう思います。 そして、行革審の答申でも出ておりますね。「地方分権の推進」のところに「多様で自立的な地域社会の実現を目指して地方分権を推進する。地域住民の選択と責任の下に地方自治の充実を図り、その上に国・地方の分担と協働の関係をより確かなものとすべきである。」、こういうふうになっている。大臣、国と都道府県、市町村の役割分担、これをどういうふうにお考えでしょうか、ひとつ聞かせてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 臨時行政調査会でありましたか、行革審になりましてでありましたか、正確なものを私ちょっと今思い出せないんですが、住民に身近な行政はできるだけ住民に身近な自治体にという答申をまとめられたことがございます。そして、それは私もそのとおりであると考えておりまして、その中には国から地方への事業の移しかえ、同時に都道府県から市町村への事業の移しかえ、両方が含まれていると思います。そして、その事務事業が移りますに伴って財源配分もまたその責任に応じておのずから変化をしなければなりません。ただ、そうした意味で私ども考えてみますと、ここしばらくの間に思い切って都道府県の事務が例えば市町村におりたというケースでありますと、今ぱっととっさに思い浮かびますのは、東京都から二十三区に保健所業務が移管をされたケース、それから、たしか静岡県において浜松市に保健所業務が移管をされたケースがございますけれども、そうした特殊なケースが浮かぶ程度で、むしろ国と地方以上に都道府県と市町村の間における身近な事務の移しかえというものは動いていないんではないでしょうか。 そういう意味におきましては、むしろ国自身の事務事業というものを見直します場合に、地方に移譲すべき業務もありましょう。むしろ思い切って民間に移しかえていく業務もあろう。そうした視点で常にやはり行政というものは見直していかなければなりませんし、その変化に伴って財源配分もまた変化をしていくべきもの、そう思います。
○下村泰君 大臣は福祉の方も大変御専門でいらっしゃいます。——いやいや、大臣、遠慮なさることはありませんよ。大きな顔してください。たしか口唇口蓋裂で、何としても保険で面倒を見てくれというのを皆さん全部嫌だ嫌だと嫌がったのに、ちょっと道をあけてくださったのが橋本龍太郎厚生大臣であった。まだ覚えております。 現在の国会に提出されている福祉改革の法案なんですけれども、これシャウプ勧告の原則を現実のものとする初めての試みではないかと思います。租税負担率二八・三%のうち国は一八・六、地方が九・七、おおむね一・九対一になっていますね。高齢社会における国と地方の役割と税の仕組みについてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか、お聞かせください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) きのう衆議院の地方行政委員会におきましても、地方行政の視点から財源配分についてもさまざまな御論議がありましたばかりでございますが、私は、国と地方との間の税財源の配分というものにつきましては、ただ単に地方税だけではなく、地方交付税あるいは国庫支出金などいろんな制度がかかわってまいりますし、やはり根本的には国と地方の機能分担、また費用負担のあり方、こうしたものをまさにあわせて考えながら、同時に国及び地方自治体の財政状況というものもにらんで考えていかなければならない、基本的にはそう思うんです。 それだけに、例えば国が今行っております業務のうちで完全に国の手を離して地方にお任せをしてしまうものが出てくるとすれば、当然それに伴った財源というものは、それが交付税でありますかどういう形になりますかは私には今とっさに判断がつきませんけれども、移っていくことは当然であろうと思います。同時に、そういった意味での機能分担が動かないままに財源論が優先することもまたいかがか、率直に私はそんな感じを持っております。
○下村泰君 今度は介護保険について伺います。 去る五月十六日、保険審議会の総合部会で今後のあるべき保険事業の役割についての検討結果を取りまとめられました。 その中で、高齢化の進展に伴い自助努力としてみずからの老後に備えようとするニーズが高まりつつある、また、国民生活が多様化しより利便性の高い商品を求めるようになっていると。そして、年金、医療、介護保険の役割が大きくなり、今後の検討すべき貢献分野として、一に地域住民の生活向上に資する地域開発、二に介護人の育成、組織化等の介護サービスのネットワーク、三に疾病発生の未然防止のためのヘルス・メインテナンス・オーガニゼーション、四番に保険会社の持つ外務員、代理店の販売・サービスのネットワークを活用した情報提供、地域のソーシャルネットワークを挙げております。 生保と損保についても、現在は兼営が禁じられていますが、これまでも医療・介護保険の分野ではそれぞれの特色を生かしてきました。が、生保からは現物給付、損保からは年金保険などの要望も出ているそうでございます。介護人派遣等のサービスの提供も求められている点については「サービスの実施主体の在り方も含め、引き続き検討」となっています。 これ以外にも、高齢化に向けていろいろ述べられておりますが、最初にこれを読んだとき、私は厚生省の今後の施策かと思ったくらいです。公私のサービスが接近していると思います。公的サービスは後退させないと先日もこの委員会で厚生省の老人福祉課長は明言されましたけれども、実態として今の公的サービスでは魅力は感じられないので、近い将来大きなさま変わりがあるのかなと思ったりもしています。厚生省は公的な面について明言しましたが、大蔵大臣は、民間保険の将来——もう現在なのかもわかりませんけれども、の高齢化社会における役割をどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか、お聞かせいただいて終わりにします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 率直に申して、私は実は個人的にまだ自分の意見を決め切れずにおります。 と申しますのは、やはり私は我が国の場合、将来ともに公的福祉というものが国民共通の基盤として一定のミニマムをきちんと担保する必要があると考えておりますが、その上で民間保険の役割というものがむしろそれを補完する意味合いでも、またさまざまなニーズに個別にこたえていく意味でも、その役割は大変大きいと思っております。 ただ同時に、アメリカにおけるシルバー産業と言われるものの現実の姿、さらには、ちょっと名前を挙げてはいかぬのかもしれませんけれども、サッチャー政権になりましてからイギリスにおいてナショナル・ヘルス・サービスの見直しの中で出てきております現象、すなわちナショナル・ヘルス・サービスは非常にベーシックなニーズにだけこたえる、むしろそこからは健康の自己責任という意味で民間保険に多くをゆだねていくべきだという、これはなかなか抵抗があってそのとおりにはいっておりませんけれども、そういう考え方、これは考えてみますと非常に怖い考え方でありまして、お金を持っていない人は倒れちゃう。そういう状態をつくり出すところまで民間先行の姿を示しておる国が現実にありますだけに、私は民間保険が公的福祉のいわば補完的な役割として、さらには個別の対応として非常にすぐれた機能を持つことは認めつつも、一体どこまでそれが伸びていくことが望ましい姿であるのかという限界についてはまだ自分の意見を決め切れておりません。 しかし、今委員が引用されました総合部会報告というものの中に示されております考え方というものは、そういう疑問を持っております私から見ても妥当なものだ、そう思っております。
○野末陳平君 不動産の譲渡所得税のことできょうは質問します。 超短期の譲渡はかなりきつい税ですからあれはいいと思うんですけれども、五年を境目とする短期扱いと長期扱い、これについて、果たしてこの課税が今の時代に合っているかどうかいろいろ議論が分かれるところなんでして、私自身もなかなかこれだというふうに断定し切れないんですが、初心に戻ってこの譲渡所得課税のあり方を考えてみたいと思うんです。 まず、長期譲渡は分離課税になっていますけれども、この分離課税を今後とも続ける方がいいのか、あるいは計算はちょっと面倒くさいですけれども短期のような総合課税の方向に持っていくのがいいか、それについて何か御意見ありますか。
○政府委員(濱本英輔君) ただいま野末先生から御指摘がございましたように、譲渡所得課税をどのように組み立てるかというのは非常に難しい問題がございまして、ややもいたしますと供給の増加というのは需給を緩和いたしますから、土地の価格を引き下げる、抑制するという方向で考えますと、譲渡課税を軽減すべきだという主張になるだろうと思うんでございます。しかし、よくよく考えてみますと、譲渡課税の軽減というのは土地を売りやすくいたしますし、キャピタルゲインを実現しやすくする。ということは、結局、土地の取得のうまみを増加させまして土地に対する需要増に結びつくという点に思い及ぶわけでございまして、御指摘はそこにあろうかと思うんでございます。 この点につきましては、まさにこれから政府の税制調査会土地問題小委員会におきまして御議論を賜るところでございまして、先生から今御指摘ございました従来の分離課税を継続するのかどうかというところも含めまして、私どもとしましてはこれからの税調の審議を見守ってまいりたいというふうに今は考えておるところでございます。
○野末陳平君 強化しても軽減しても、どちらにしてもプラスの面とマイナスの面が今までの例を見ると出てきているわけでして、ただし、土地が有利な資産であってはいけないんだというそういう視点があってそこで税制にアプローチすれば、やはり不動産の譲渡所得の長期扱いについて一番検討しなきゃいけないのかなと、そう思うわけですね。 そこで、不動産を売って譲渡所得が発生した場合に、ごくごく大ざっぱに、短期だったらもうけに対して何割ぐらいの税率で済んでいるか、長期の場合はどうか、そういう数字は本当を言うと出ないけれども、大ざっぱにどんなもんでしょうかね。
○政府委員(濱本英輔君) 現在の税制でまいりますと、例えば個人の土地譲渡に対します課税について申し上げますと、二年以下の超短期の重課制度が適用されます場合の税率というのは課税所得掛ける五〇%か総合課税による上積み税率の二割増し、このいずれか多い方の税額による分離課税ということになっております。それから五年というところで線を引きまして、五年以下の短期譲渡の場合には、細かくなって恐縮でございますけれども、課税所得の四〇%か総合課税の上積み税率の税額一割増し、そのいずれか多い方の税額による分離課税。五年を超えます場合には、四千万で線を引きまして、四千万以下の部分につきましては二〇%、四千万円超の部分につきましては二五%。やや複雑でございますけれども、そういう課税体系になっております。
○野末陳平君 それに住民税が若干加わるわけですね。 長期の方がわかりいいから長期を例にとって言いますが、五年持てばもう長期なんですね、長期と言えるか言えないかは別として。そこで、今のは四千万以下は二〇%の所得税ですが、四千万あたりの勤労所得で考えますと、四千万以下で比較して四〇%、五〇%という税率になるわけですね。そうですね。 そうすると、単純比較で言うと、不動産を譲渡した方が、汗水流して働いた所得よりもほうっておいて寝ていても値段が上がってもうかっちゃったという楽な方がずっと税率が低い、半分だと、半分以下だと。こういうことになりますと、どうも土地の方がうまみがあって、本来だったらば働いた方が税金が安そうなのに何もしないで土地を持った方がずっと安くて得なんだと。これは素人の納税感覚からいって絶対に割り切れないような気がするんですけれども、そういうふうに思いませんか。
○政府委員(濱本英輔君) 野末先生にそうおっしゃられますと、なるほど勤労所得と横並びに比べてみるとそういう感じをお持ちいただくのかな、そういう気が今お話を伺っていていたしましたけれども、何で長期譲渡につきまして勤労所得に比べました場合にやや割安の税になっているのかなということを思い返してみますのに、野末先生に向かってこんなことを申し上げるのも恐縮なんでございますが、ある長時間かけまして発生いたしました所得というものはその所得が長い時間いわば積もり積もって形成されてきてある時点において一定の水準の所得に実ったと、こういう考え方を昔からとるわけでございます。 したがいまして、それが実現いたしました時点で一発で累進税率を適用いたしますと、極めて長い期間少しずつ小分けにして課税をしてまいりました場合とは随分違った重い税を負担せしめることになる。そういうインターバルを置いてたまたま発生した大規模な所得というものに対してはやはりその点で多少の配慮が必要であるというのが、古来各国におきましても考えられてきた譲渡所得課税に対する対応ではなかったか。そこから今のような感覚的なやや食い違いと申しますか、一見妙だなと思われるような現象が生じてきているのかなという気がいたします。
○野末陳平君 時間的なことを考えるとそうだと。ところが、努力とか勤労とかそういう面を考えると、僕が言ったように、土地を中心とした不動産を譲渡したそのときのもうけの方がはるかに得だと、こうなっちゃうわけですね。まさに今それが問われているわけだと思うんですけれどもね。 一つ聞きますけれども、不動産を売った人って意外と、すごく税金を取られるかなと思うんですね。しかし、決まってみると、意外に安いとみんな言うんですよ。それは本当なんです。私のところも実はそうでして——周辺がですよ。要するに、五年以上持ったらものすごく得だな、こういう感じをみんなが持つんですね。ということは、勤労所得の課税が、まあ事業所得でもいいんですが、やはりかなりきついんだという実感を持った上で、それと比較して不動産の譲渡所得を考えるんでしょうね。あるいは自宅の場合には優遇があるから安くて当然なんですが、自宅の場合でも相当取られるんじゃないかと、不安というか何というか、初めからプレッシャーかかっている人がかなりいるんです。 どう考えても、自宅はいいんですが、不動産の譲渡所得は一般の人が考えているよりもさらに安く現実に決まるんですよね。じゃ、住民税が後から来るからって、それは来るけれども、住民税の場合はそんなおびえるほどじゃない。となると、まず税率からいってやはり相当有利だというのは実感としても言える。だから、今の大蔵省の説明では不動産の譲渡所得税が安いということの根拠にはならないと思うんですよ。つまり、そういう考え方でなく、今後検討していかなきゃだめだと思うんですけれども、どうですかね。
○政府委員(濱本英輔君) 今おっしゃっていただいておりますことは、非常に所得税というものを考えるときの核心をついた御指摘であろうかと存じます。 といいますのは、我々が所得税として徴収しておりますものの内訳を考えてみますと、勤労によってもたらされた所得もございますし、資産的なものから発生した所得もございます。それらは、それぞれ違った性質の所得かもしれません。汗をたらして稼いだ所得と銀行の利払いによって得た所得というのは、何となく質が違うような気がいたします。しかし、近代的な所得税の体系の中では、それらをグロスアップいたしますときに、金銭価値に直しまして幾らと決めましたものは、いわば質の部分を捨象いたしまして、全体を総合課税という世界の中で一くるみに取り込みまして税率を適用することが公平であるというふうに概念されてまいりました。これに対しましては控除その他によりましてそれぞれの所得に応じた多少の手当てというものは伴っておりますけれども、基本的には野末先生が今御指摘いただきました問題に我々は常に直面しているような感じがするわけでございます。 その中にありまして税率を取り出してみた場合に、一般の所得と土地を売った場合の譲渡所得にかかる税率と比べてみると何となく割安ではないかという御指摘、この点は本当にまた今の税調の審議の中でも十分御議論をいただかなきゃならないことだと、まずそれをお答えとして申し上げなきゃならないと思うんでございます。 一つだけつけ加えさせていただきますと、今、人に物を売りましたときに発生する譲渡所得というものを考えましたときに、土地を売るという場合ももちろんございますけれども、土地以外のいろいろの例えば車を売る、そのときにも譲渡所得は発生いたします。一般的に所得税の本則で譲渡所得をどう扱うかという大原則が定められております。土地の場合にはそれに対するいわば例外的な措置がさらに付加されているわけでございます。 そこで、その本則でいった場合と今の特例でいった場合とでどれぐらい違っているかということを考えてみるわけでございますが、仮に今譲渡所得として五百万円を手にしたといたしましたときに、普通の本則でいきますと、まず控除として五十万円の控除が認められます。それを差し引きしますと四百五十万円、これを二分の一いたしましてそれに税率を掛けます。四百五十万円を二分の一いたしますと二百二十五万円、それに今の所得税の税率はこの帯でございますと一〇%と考えられますので、結局二十二万五千円の税金を払えばよいということになります。 土地の場合はいかがであろうか。土地で同じく五百万円の譲渡益を得ました場合には、特別措置によりまして百万円を控除することができます。差し引き四百万円。これに二〇%の税率がかかりますと四百掛ける二〇%で八十万円ということになります。同じ五百万円の譲渡益ではございますけれども、本則でまいりますと二十二万五千円、土地の場合でございますと八十万円の税額になるなと。同じ譲渡益の世界の横並びで見るとそういう関係があるということをちょっと思い起こすわけでございます。
○野末陳平君 そういう比較は全然考えたことはないんだけれども、それはなぜかというと、世間の人は譲渡所得の中でやらずに、やはり勤労と土地というそういう見方をしている。まさに納税者感覚を無視して今後検討していけばそうなるということだろうと今考えたんです。 今ちょっと金額が出たから言いますけれども、強いて言うなら、今僕は税率を言ったんですけれども、今度は土地の譲渡所得の手取りを考えるとまた違うふうに思えると思うんですね。つまり、今もう一億二億もうかるというのは当たり前ですから、それはもうかって悪いというんじゃなくて、そのぐらいになってしまうわけです。そうすると、長期譲渡扱いでいくと住民税を入れても三割ちょっとです。そうですね。そうすると、三割としても十億円の譲渡所得は七億円が手取りですね。そうですね。長期譲渡扱いだったら住民税で四千万超が二五%、それから住民税が七・五%ですから、そうですね。十億円もうかった。もちろん取得価格は自分の手元に残るわけですけれども、もうけに対して七億円手元に残っちゃう。もちろん勤労所得でそんな十億円なんてありませんから、なおのこと、土地でもうかればもうかるほど手取りはすごい勢いでふえていくという結果になりませんか。 そこを考えるとまたこれは随分有利な税制だなという気がするんで、税率と手取り額とこの二つを組み合わせたらもう利回りとかあるいは譲渡所得の世界の中の比較とかそういうことはすっ飛んじゃって、いいですか、土地は有利だと。しかも五年過ぎたら、値上がりするなら六年目でもいい、十年でもいい、十五年でもいいんだが、持てば持つほど得だとだれだって思いますから、分離課税で供給が促進になるかというともうそういう現実的効果だってない、そういうふうに僕は判断しているんですけれどもね。そういう観点から今後検討しなきゃいけないと思っているんですが、どうですか。
○政府委員(濱本英輔君) 重ねて御指摘いただいた点はそのとおりであろうと思います。つまり、供給促進という観点から譲渡所得課税の税率というものはそこそこでいい、あるいはむしろ低税率であることが望ましいという一見もっともそうな議論というものにつきましては、非常に注意深く検討しなきゃならない落とし穴といいますか、重大な要考慮事項があるということは御指摘いただいたとおりだと思います。 過去におきましても、譲渡所得税率の歴史的な推移というものをたどってまいりますと、昭和四十年以降でも随分いろいろな変遷がございました。その間におきましては、今まさに野末先生から御指摘がございましたような議論も税制調査会の場でも真剣に闘わせたことがございました。これに対しまして一方で、譲渡所得課税を重課するとロックイン効果というのを生じましてみんなが土地を売りに出さなくなるという反論があることは先ほどもちょっとお触れになったとおりでございますけれども、これらの議論というものを今先生がおっしゃいましたような視点も十分踏まえて税制調査会において闘わしていただきたいというふうに、今我々は思います。
○野末陳平君 もう一つ考えるんですけれども、土地は決してすべての人が投資で買うわけじゃないが、投資効果というか、そういう面から考えると、預貯金金利がせいぜい六、七%である、こういうときに、土地の値上がりとその値上がり益に対する課税のあり方が今のままでいくと、これはどう考えても健全な貯蓄よりも土地の方が得だと。もちろん永久にそうだなんて言っているわけじゃないんですが。今まではもう絶対そうですから、だから土地神話を支えているわけですが、利回りという点で土地を預貯金と比べるのも乱暴ではあるが、素人が仮にどっちが得かなと思ったらどう考えても土地がまだ得だと、こうなってくる。 だから、この譲渡所得の課税のあり方というのがやはり相当今問題だと。法人の場合は今触れませんよ。個人の場合を触れますが、やはりこれは保有課税と一緒に今回考えなきゃいけないんですけれども、課税強化という方向に踏み切らざるを得ないんじゃないかなという気がするんですよ。その結果供給がどうなるかということについては、やはりあわせて考えていくから僕は効果があるとは思うんですけれども、どうなんですかね、やはり今までのは必ずしも供給促進に結びついてないんだということが一番重要なポイントじゃないかなと思います。これははっきり言って僕も絶対強化した方がいいというところまでは言い切れない、いろんな問題が背景にありますから。 そこで、時間がないので最後ですが、大臣にだけお聞きしておきますけれども、やはり個人から見て現実に土地を持ったら得なんだということはもうだれが見てもそれはわかっているんだが、少なくも税金までもこんなに得だというような実態はやはり直した方がいい。これは分離課税を直すやり方もあるだろうし、累進税率を取り入れるのもあるだろうし、それから保有課税の強化という合わせわざでいく方法もある。いろいろありますが、少なくとも今の長期譲渡扱いはちょっとおかしいと実感でそう思うんで、大臣に御所見をお伺いして、またこの次にしましょう。
○国務大臣(橋本龍太郎君) もともと長短の区分が十年でありましたものを、まあ委員はそう効果はないとおっしゃいますけれども、土地供給の促進の観点から改めたことは御承知のとおりであります。それを踏まえた上での御論議でありますけれども、今審議官からお答えを申し上げたいわば税の世界においての議論というもの、庶民感覚というものを踏まえながら組み立てられて、しかも税の専門家として述べられた御意見と、興味深くという言い方をしては大変失礼でありますけれども、私は大変興味深く拝聴をしておりました。 御承知のように、今、税制調査会の中の小委員会でいろいろな角度からの勉強をしていただいておるわけでありますが、本院あるいは衆議院において土地をめぐって交わされております御論議の中で注意すべきものと思われますものは、私どもは小委員会にも御報告をいたしております。今ちょうだいをいたしました御論議というものも、審議官からのお答えも含めまして、私は今後小委員会において御議論を深めていただく場合の一つの参考にさせていただければ、今そのように率直に思っております。
○野末陳平君 終わります。
○委員長(藤井孝男君) これをもって平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行についての委嘱審査を終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(藤井孝男君) 次に、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び天皇陛下御即位記念のための十万円の貨幣の発行に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び天皇陛下御即位記念のための十万円の貨幣の発行に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 まず、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 国際金融公社は、開発途上国の民間企業に対し投融資を行っている国際機関であります。また、国際開発協会、いわゆる第二世銀は、低所得開発途上国に対して無利子による融資を行っている国際機関であります。両機関はともに世界銀行グループに属しており、開発途上国に対する開発援助を促進するという重要な役割を果たしております。 今般、国際金融公社におきましては、我が国の出資シェアを第五位から第二位に引き上げるための追加出資に関する総務会決議が成立いたしました。また、国際開発協会におきましては、本年七月以降三年間の融資財源を確保するため第九次の増資を行うことが合意されました。政府は、開発途上国の社会・経済開発における両機関の役割の重要性にかんがみ、その活動を積極的に支援するため、この決議及び合意に従い、両機関に対し追加出資を行いたいと考えております。 本法律案の内容は、政府が国際金融公社に対して二千三百七十三万八千ドルの追加出資を、また、国際開発協会に対して約四千三百三十一億円の追加出資を行い得るよう所要の措置を講ずるものであります。 次に、天皇陛下御即位記念のための十万円の貨幣の発行に関する法律案につきまして御説明申し上げます。 政府は、天皇陛下の御即位を記念するため、十万円記念金貨幣及び五百円記念白銅貨幣の発行を予定いたしておりますが、現在、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律によっては一万円を超える額面の記念貨幣を発行することができないことから、十万円金貨幣の発行ができるよう本法律案を提出した次第であります。 この法律案は、天皇陛下の御即位を記念して、特別に十万円の貨幣を発行できることとするとともに、本法律案に基づき発行される貨幣につきましては、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律の関係条文を適用し、その素材、量目、発行枚数等を政令で定めること等とするものであります。 以上が、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び天皇陛下御即位記念のための十万円の貨幣の発行に関する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(藤井孝男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより両案の質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 私は、金貨問題について御質問申し上げます。 大蔵大臣と山岡政務次官並びに藤井委員長に、通告もせず、また私的なことで大変恐縮でございますが、許されるならば御答弁をいただきたいと思います。 十万円の金貨、即位金貨じゃなくて在位六十年の金貨を何枚お持ちか、大蔵大臣からちょっと……
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、記念のために一枚を保持しております。 なお、つけ加えますならば、私の子供たちも一枚ずつ自分たちのお小遣いをためて買い、そしてそれを保持いたしております。
○鈴木和美君 政務次官、お願いします。
○政府委員(山岡賢次君) 家族が一枚ぐらい持っているんではないかと思っていますが、よくわかりません。
○鈴木和美君 委員長は。
○委員長(藤井孝男君) 私は二枚持っておりますが、家内が何枚持っているのかはちょっと……
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私も家内の分はわかりません。
○鈴木和美君 ありがとうございました。お聞きした問題については、後ほどいずれ質問の中で生かさしていただきます。 先ほど、金貨問題について同僚議員の質問に大蔵大臣がお答えになっていたことを興味深く聞いておりましたが、偽造防止問題についての議論は本流ではなかった、こういう答弁が先ほどありました。この金貨問題の質問をずっと見まして、偽造問題に関する質問は衆参合わせて私一人でございました。私は大蔵省に対して物を言いたいけれども、少し甘さがあったと思う。なぜならば、一番最初の有識者懇談会をつくったときにあなた方が選んだメンバーはどういうメンバーか。デザインとかいわゆる形式とか、そういうものだけが議論の対象になって、どっちかというとお祭り騒ぎのメンバーが多かったんです。それだけに偽造の認識が弱かったと思うんです。 そこで私は、そういう経緯から考えて、今国民が大きな関心を持っていることは、最近は新聞報道も余りやらなくなったが、しかし現在報道されているところでは、十万枚に及ぶ偽造金貨が日本の国内に入っている、こう報道されています。警察庁にお尋ね申し上げますが、この事件の背景と捜査の進捗状況について、簡単でいいですから要領よくお答えください。
○説明員(増田生成君) お答えいたします。 まず事件についてでございますが、本年の一月二十九日、都内の金融機関から警視庁への申告により認知をいたしまして、捜査の結果、昭和六十三年三月から平成二年一月までの間に、国内三コイン業者が外国人貨幣商から合計七十数回にわたり十万五千枚くらいを輸入していることを把握いたしております。なお、現在までに警視庁において約二万二千枚を押収いたしておりますが、海外から輸入されたものについてはすべて偽貨と鑑定されております。コイン業者と関係者からの事情聴取の結果、スイスから発送されておることが判明しており、国内捜査とあわせましてスイス連邦司法警察省等関係の外国捜査機関に対し捜査員を派遣するなどして、流入ルート、偽造グループの捜査について協力の要請を行っておるところでございます。 次に事件の背景でございますが、現在捜査中の事件でございますので本事件の動機、原因等につきましては申し上げることはできないわけでございますが、事件の背景といたしまして一般的に考えられますことは、偽造金貨が大量かつかなり精巧である点からして、偽造技術の発達また海外から流入したという点において、犯罪の国際化傾向等がその背景として挙げられるのではないかというふうに思われます。
○鈴木和美君 捜査当局のこれからますますの捜査の追及、緩めないでしっかりやっていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 さて、大蔵省にお尋ねしますが、私が偽造問題について質問をしたときに省を代表して窪田さんが何と答えたか。国外の問題については刑法、取締法があるから大丈夫だと。私はたまたま百円とか十円とか香港とかシンガポールで起きているあのつぶし事件のことを当時取り上げたんだが、この金貨の問題も危ないぞと。そうしたら、それはこういう法があるから大丈夫でございます、しかし研究さしていただきますという答弁でした。これが当時の大蔵省の答弁ですよ。 大臣、ここでちょっとお尋ねしたいんですが、この金貨事件についてどういう反省点を持っているのか。防止策とかこれからどうするかということは後から尋ねますが、この事件に対して省として一体どういうふうに見解を持っているのか、改めてお尋ねしたいんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、偽造貨が流入しているという報告を最初に受けましたとき、本当に仰天いたしました。私どもこうした分野に全く今まで縁のなかった人間からいたしますと、こうした記念貨幣の偽造といった事態は全く私自身脳裏になかったことであります。それだけに、しまったという思いと、さまざまな関係の方々に大変な御迷惑をかけ申しわけないという思いと、どうしてそういう事態が発生したんだろうという思いとが交錯をいたしました。 私は、その発行当時におきましても、関係者はそれなりにその時点で考えられるだけの努力はしたと存じますけれども、結果として金貨幣の鋳造というもの、また発行というものに経験のなかった我が国の甘さが結果的につかれたということは、どなたに対しても否定のできないことであろうと思います。省を代表する立場として、今までにも本院あるいは他の院においておわびを申し上げてまいりましたが、この場をかりて改めて遺憾の意を表する次第であります。
○鈴木和美君 謝りの方はもう一回どうせありますから、後で。 事実関係をもう一つお知らせしていただきたいと思うんです。偽造事件があるなしにかかわらず、また偽造事件があったから、あの十万円の金貨が日銀の中に返されていますね。一体どのぐらいの枚数が返されているのか、事実関係をはっきりしてください。
○政府委員(大須敏生君) 昭和天皇御在位六十年記念十万円金貨幣が発行されて以来日本銀行へ還流いたしました枚数でございますが、ことしの五月末現在で約二百七十万枚還流しております。
○鈴木和美君 二百七十万枚ということになると二千七百億円ということになりますな、額面価格において。 もう一つ事実関係ですが、この金貨を発行するときに税外収入として、これは東京新聞ですが、大蔵省は五千五百億円税外収入があるといって表彰ものであったと書いてありますよ。今返されたのが二百七十万枚ということは、大体二四%になりますね。そうすると、五千五百億が正しいのか、大蔵省特会で当時これが販売されればどのぐらいの鋳造益があると見込んでおったか、同時にこれが返されたために幾ら損したのか、ちょっと知らせてください。
○政府委員(大須敏生君) 五千五百億円という御指摘でございますけれども、六十一年度につくりました昭和天皇御在位六十年の記念貨幣、そのうちの十万円金貨の分のみにつきまして一定の前提をもとにして計算いたしますと、六十一年度において税外収入として計上されたもののうちで二千七百億円がそれに該当する、こういうことでございます。 それから、ただいまの還流のお話でございますけれども、還流をいたしましてもその還流の額面自体が税外収入の減少をもたらすわけじゃございませんで、貨幣回収準備資金の仕組みによりまして、市中に流通しているものについては一〇%のリザーブを持ちますけれども、日本銀行が保有しているものについてはいわば一〇〇%の準備を持つ、こういう一〇%か一〇〇%かの差が生じるわけでございますが、その分、つまり九〇%相当分がいわば繰り入れの減少要因になる、こういうことでございまして、今の約二百七十万枚という数字を前提に減少要因を計算いたしますと約二千四百億円になる、こういうことでございます。
○鈴木和美君 私もおたくからいただいた資料でそう見ました。正式に言うと二百七十二万枚ですね。まあ二百七十万枚でも結構なんですが、それで見込んでおった金額からすれば、二千四百億円上がりが少なくなったということですね。 これは大臣、私は大蔵省的に言うのであれば、造幣特会の埋める埋めないということとか、戻ってきたものに対して一枚について四万円の価値はあるんですから損得勘定からすれば損はしてないと言うかもしれない。けれども、一般の会社で言うんであれば、これだけの大がかりな、つまり早い話が営業ですわ。売れると思って見込んだものが既に二四%返品されているわけですよ。それで二千四百億赤をつくっているんです。いいですか。このことに何の不思議も感じない大蔵省の体質に対して、私は最近非常に腹が立っているんです。答えは後で結構です。 それで、そういう事実関係から見て、私が先般質問した中でも、今回の偽造事件というものは三つに分けて物を言うことができると思うんです。 一つは、大蔵省の甘さです。率直に認めなきゃいかぬですよ、これは。なぜか。いろいろ新聞に報道されていること、私が直接聞いたこと、委員会で質問したこと、幾つか並べてみましょうか。大蔵省の認識は、まず、四万円の素材価格で六万円が国庫に入ることだ、いいことじゃないですか——これ、大蔵省商売と言うんです。二つ目は、金貨はしまい込まれる。しまい込まれるということは、——大蔵省は愛蔵という言葉を使っていますが、愛してしまっておくことでしょう。私は埋蔵と言う。いずれにしても、しまい込まれておるからインフレは起きない、こういうことを述べている。海外から金を購入することによって外貨減らしにもなりますよとも。まさか日本人が天皇陛下を利用して偽造するようなことはあり得ない。加えて、外国人が偽造するなどとはかりそめにも考えられない。 それから、文化の違いがありますね。まだ日本は金というものは記念品ですよ。外国から見れば金は財物ですよ。そういう文化の問題に対する認識、そういうものは当時大蔵省はそれほど議論はされていないんですよ。天皇陛下のことを素直にお祝いしようということで国民が望むならいいじゃないかということで出発したのが私は今回の認識だと思うんです。これが認識の点ですよ。 二つ目の点は、製造技術の問題です。製造技術の問題について、この偽造が出たために私は労働組合の代表から文書でいただきました。大蔵省の造幣局といったら、大蔵省造幣局をやめた人も指輪のいろんな細工をするのに大変な技術を持っているといって非常に有名なぐらい注文が多いんです。そのぐらい大蔵省造幣局というのは信頼性が高かった。ところが、日本の大蔵省がつくった金貨が偽造されているということに対しての製造している者の心理は、大臣、わかりますか。どれほど迷惑をこうむっているか。そのときにいろんな討論はあったかもしらぬけれども、製造している者の意見をどれだけ聞いたかといったら聞いていないでしょう。有識者委員会にそういう人たちは入っていないんですよ。認識が甘かったから、聞くほどでもなかったかもしれない。非常に残念だというのが、これは技術上の問題です。 その後いろいろ対策をとられていましょう。先ほど古川委員のメダルの話だって同じ。それは単なる技術論じゃないんですよね。頭に偽造ということが全然なかったから、それは製造の過程においても当時は万全だったと言うかもしらぬけれども、万全でないですよ。今回万全かといったら、私は調査室のこのあれも見ましたが、今回いろんな偽造防止策をすることによって万全な体制だ、二十グラムを三十グラムにすれば偽造の誘因にはならないと書いてありますが、しかし、本当に大丈夫かと聞かれたときに、大丈夫だと答えられますか。私は、先ほど言った偽造事件が起きたことの責任と国庫に二千四百億円赤字をつくったことの責任は追及しますよ。そんななまやさしいものじゃないですよ。本当に大丈夫かと聞かれたときに、大丈夫だと答えられるかどうか。これは大変問題です。これは技術上の問題です。 政策上の問題を見るとどこに問題があったか。それは何といっても素材価格と額面の差が大き過ぎたことですよ。四万円が十万円でしょう。これはいい材料じゃないですか。それからもう一つは、枚数が千百万枚だったことですよ。みんな持つであろう持つであろうと。国会でも、一千万では足りないから百万枚追加せにゃいかぬというような議論。持つであろう持つであろうと。持ってほしいという願いと持つであろうということの差があったですな。これも私は政策上の問題だと思う。先ほど通貨の議論があったが、法定通貨にしたということも政策上の問題です、私に言わせれば。これは後ほど議論させていただきます。 だから、今回の偽造事件というものは、こういう立場から見ると、何といっても私は甘さというだけでは済まされない問題があると思うんです。見解はいいですよ。私の演説的なことでありますけれども、聞いてください。こういう私の見方に対してまず理財局から答弁してください、誤っているかどうか。
○政府委員(大須敏生君) ただいま委員から御指摘いただきました点、まことに真剣な御指摘——真剣な御指摘というのは大変失礼でございますけれども、金貨についての問題の重要性を御認識になった上で、またさらに造幣局の技術等についても御理解をいただきました上での御発言でございまして、非常に教訓として伺っていたところでございます。 私どもの考え方を若干申し上げさしていただきますが、まず認識の点でございます。確かに、大臣から冒頭お話ございましたように、日本にとりましては五十四年ぶりの金貨幣の発行ということでございまして、そういう面で我々発行当局もそうでございますし、それから金貨を取り扱いますいろいろな関係者、例えばコイン商でございますとか、あるいは金融機関であるとか、そういうところでも非常になれが足りなかった、ふなれであった、こういうことでございまして、そのふなれなところの素地をつくりましたのは何といっても大量な発行がございます。大量な発行の結果、再再御指摘のような環流が始まっても、還流が金融機関の窓口に起こってもみんな不思議に思わなかったという、そこに恐らく最大の問題があったのではないかと思うわけでございます。 しからばなぜそんな大量の発行をしてしまったかということでございますけれども、それもまさに御指摘いただきましたように、当時の環境といたしましては、議事録等にも明らかでございますが、一千万枚でもなお足りないというような、何というか、一般的な空気が強かったということで、それを我々は本来ならば冷静に分析してそんなに出ないんではないかということを考えるべきであったのかもしれませんけれども、いわばそういうムードに押されたということは言えるのではないかと存じます。 それと、御記憶だと存じますけれども、昭和六十一年の秋のときは抽せん制度をとったわけでございます。抽せん制度で五対一でいわば合格した人だけが引きかえることができるというような抽せん制度を国がやったわけでございます。抽せん制度をしきましたために、どうしても手に入れたい、欲しいと思われる方々がいわば自分の欲しい数以上に申し込みをしたということがあったんではないかということでございまして、その結果、実際にふたをあけてみますと、さすがに十万円と金額が大きかったために窓口にそれほど引き取りに見えなかったということもございました。そういうところで一種の仮需要のようなものが発生しておった、それを見誤ったというような点があろうかと存じますけれども、何分にも久しぶりの経験でございまして、非常に国民が金投資についてフィーバーしておった時期でございますので、その辺を見誤ったではないかと言われれば、それは御指摘のとおりでございます。 それから造幣の技術の点でございますが、技術の点については、これは事件が起こりましてからいろいろ新聞紙上等でも報道がなされておりますけれども、報道にございますような例えばデザインが簡素に過ぎたのではないかとか、あるいは純金であったので加工が容易であったのかということについては、いろいろ調べてみますと必ずしもそうではない、これは後であるいは御議論があるかもしれませんけれども、私どもそのように感じております。私どもとしては、当時の造幣局の技術は非常に依然としてすぐれておったというふうに思うわけでございまして、現在でも造幣の専門家が見ますと偽造貨と真貨の区別は非常に容易であるというふうに聞いておりますけれども、ただ再々申し上げましておりますように、非常にふなれなためにいろいろな取り扱いをする隅々までなかなか真偽の鑑定のところの認識が不十分であったということは、そのとおりでございます。 それから政策的な面でございますが、これも確かに、後から思い起こせば、欧米諸国でとっておりますような額面を非常に低くしてそして売り出しの価格はそれを上回るようないわゆるプレミアム型の金貨にすれば、今回のような金融機関の窓口に両替を求めてくるという形での偽造の発生というのは防ぐことができたのではないかということでございます。確かにそのとおりでございますけれども、それにつきましては、今度の貨幣法の規定で貴金属を使いました記念貨幣につきまして額面を上回る価格で売り渡すことができるような制度も導入されたところでございまして、そういう外国の制度について十分研究をしていたことは事実でございます。 ただ、本委員会でさきの委嘱審査の際にも御説明申し上げましたように、我が国の記念貨幣につきましての一つの伝統がございまして、非常に国民の多くの方が頒布というか交換を希望なさるという現実がございます。そういうことがございますので、従来から各国の例に比べますと二けた程度多い発行枚数を続けてきた、こういう経緯がございまして、そういうことでございますと金融機関の窓口で交換する法定通貨のやり方というのが一番いいし、それがまた一つの投資として考えた場合には額面金額が最低保証になるというような意味でも国民の希望に沿ったものであるというような一つの伝統があったわけでございます。そういうような伝統を踏襲したということでございまして、それはその段階におきまして一つの選択でございましたが、基本的に偽造の点をよく考えればそういうことはしなかったんではなかろうかということでございます。 これはまた新しい金貨について御説明申し上げますけれども、管理通貨制度を持っております今の貨幣制度のあり方として、やはり偽造防止策を万全にすることでその問題に対処するのが正しいというふうに考えておるわけでございます。
○鈴木和美君 もう一つの点を質問してから意見を述べますが、これは専門的でございますが、法定通貨というものは一体どういうものを指すんですか言ってください。
○政府委員(大須敏生君) その通貨によります支払いが有効であると法律的に認定される、そういう通貨を言うわけでございます。逆に言えば、通貨による支払いを受ける立場がこれを拒むことができない、こういうものを法定通貨というふうに言うと解釈しております。
○鈴木和美君 十万の金貨を——法定通貨に無制限法貨と制限法貨というのがありますよね。それで、この十万円金貨は無制限法貨の方に入れたわけでしょう。そうすると、あなたの話じゃないけれども、この参考資料の中に通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律とありますが、これの七条の問題が当然出てくるわけですな。そうでしょう。七条の問題が出るということは、通貨であるからその単位の二十倍までは受け取らなければならないという法律ですな、これは。そうでしょう。だから、それは通用力ですわね。そうでしょう。私が聞いているのは、その法律を適用させたのか、何で金貨をその法律を適用させたのかということを聞きたいんです。
○政府委員(大須敏生君) 新貨幣法の七条の規定でございますと、御指摘のように額面の二十倍まで法定通用力を与えているわけでございますけれども、これは昔の貨幣法の規定で貨種ごとに、昔は補助貨幣と言っておりましたけれども……
○鈴木和美君 いやいや、十万円をこれにしたということだけ言ってもらえばいいんだよ、昔のやつは知っているから。
○政府委員(大須敏生君) わかりました。 十万円につきまして考え方としてこれを無制限にするというのは、実は金属の場合に非常に重いものでございますから、伝統的に取引の便宜等も考えまして二十倍ということを一般的に決めておるわけでございますけれども、その一般的に決められております法定通用力と同じものをこの金貨についても適用する、こういう考え方をとっているわけでございます。
○鈴木和美君 先ほど私は大臣と政務次官と委員長に、大変恐縮ですがお尋ねしたでしょう。まあそれは、名前は私的なことですから……。しかし、買い求めて持っているということですね。持っているということは、先ほど愛蔵という言葉を使いましたけれども、大蔵省は愛蔵を希望しているんですよ、この貨幣に。ところが通貨というものは「おあし」ですから、表に出なければ通貨の意味がないわけでしょう。表に出て初めて通貨なんですよ。たんすにしまい込んであるものは通貨とは言わぬのですよ。それを法律で通貨としたというところに過ちがあるんじゃないかと言うんですよ、私は。 そのときに、例えば十万円の金貨を補助貨幣と同じように、二十枚で二百万でしょう、二百万持っておってどこかのデパートで買い物をしたときにすぐぱっぱっとやってくれますか。現実に起きていることは、偽造の貨幣が出る前でも十万円金貨を持っていってデパートで五万円の買い物をしたときに五万円おつりすぐ来ますか。デパートはちょっと待ってくれと言うんですよ。偽造事件が起きてからなおでしょう。だから、愛蔵されてるもの、現実に通貨として通用しないようなもの、それを何で法定通貨としなければならぬのかということが聞きたいポイントなんです。
○政府委員(大須敏生君) 御指摘の点は二つあろうかと存じます。 一つは、そもそも国家的な記念事業、記念すべきものをなぜ貨幣として出したかという、先ほど別の委員からも御質問がございましたが、つまりメダルでなくてなぜ貨幣かという点が一つあろうかと存じます。それからもう一つの点は、貨幣にした場合に二十倍という通用限度でございますか、これをこの金貨について——これは新しい金貨について考えてよろしゅうございますでしょうか。
○鈴木和美君 どっちでも結構ですよ。
○政府委員(大須敏生君) もう一つは、新しい金貨についてこれを適用するのが適当かどうかという考え方でございます。 そこでお答え申し上げますけれども、最初の、メダルでなくてなぜ法定通貨にしたかという点でございますけれども、これは再々……
○鈴木和美君 ちょっと。メダルの話をまだ私はしてないんですよ。なぜ十万円を法定通貨にしたのか、七条適用にしたのかと聞いているんです。
○政府委員(大須敏生君) はい、わかりました。二十倍の制限を課しましたのは、ほかの貨幣と同じ扱い、ほかの貨幣よりも劣るような扱いをするのもよくないし、かといって今委員御指摘のように二百万円のような多額に上るものをさらに青天井にして無制限にするのもいかがであろうかというようなこともございまして、特別法によりまして二十枚の限度を設けたわけでございます。国際的に見ますと、例えばアメリカはこういう貨幣についての通用限度を無制限にしておりますし、イギリスでございますと金貨については無制限にしております。しかし、例えばイギリスでございましても銀貨、白銅貨等につきましてはそれぞれ枚数によって限度を設けておるというのが実態でございますし、逆にカナダはむしろ高額の貨幣につきましては通用限度を一枚にしておる。あるいは西ドイツなどは、私人間では一定の制限を課しておりますけれども公的機関にこれを支払う場合には無制限にするなど、いろいろな立法例がございます。 私どもはそういうものを参考にして昭和六十二年の法律をつくるときに検討したわけでございますけれども、明治以来続いていた一円以上の貨幣についてはすべて二十倍を限度としておる、そういう実態があったものでございますから、それを踏襲して法律にさせていただいたというような経緯でございます。
○鈴木和美君 私はちょっと違うと思うんですよ。 つまり大蔵省は、十万円の金貨を貨幣にしておった方が、一円でも十円でもいいですわ、お金と同じように、つまり信頼感とかそっちの方にあなた方はウエートを置いてこの法律を適用したんだと思うんですよね。ところが、それはさっきも言うように通貨というのは「おあし」ですから歩くことが前提なんですよ。しまっておくというところには、これは規定は適用しないんですよ。そうでしょう。大蔵省は愛蔵してほしい、こう言っているんだから。それが前提でこの法案が全部仕組まれているんです。 そこで、私はここのところにもう一つの知恵を出すべきだったと思うんですよ。これからでも遅くないですよ。これを法定通貨にしたから、いいですか、四万円のものでも十万円で売れるということを国が保証したからそういう偽造が起きてきたんですよ。こういう問題が一つありましょう。それからもう一つは、新しく法律をつくればいいんですよ。四万円ではあるけれども十万円の価値とするという法律をつくればいいんですよ。何も七条をわざわざ適用させることはないんですよ、無理無理。七条というのは、二十倍までこれは通貨として受け取らなきゃなりませんよということなんでしょう。二百円の買い物をするときに、例えば一円で二百円の買い物してごらんなさいよ。お店はちょっと困りますと言うですよ。十円で二十枚持っていったら、いや応なし取らなきゃならぬのですよ。それが七条の規定なんですよ。銭っこは歩くことが前提なんですよ。ところが、歩かないものをここに適用させたというところに根本的な省の私は落ちがあると思うんです。アメリカはこうだ、ドイツはこうだああだと言うけれども、貨幣、補助貨幣の歴史はそれぞれによって違う。それから国々のシステムによって違う。だから私は、そういうことを考えると、十万円金貨は素材価格が四万円なんだけれども十万円として扱いたいと。地金であれば四万円なんでしょう。貨幣で扱うから十万なんですよ。十万であるということを法律的に裏打ちすればいいんですよ、何も七条適用でなくたって。そういうところに私は何としても問題があると思うんです。 それから、もう一つ聞かしてください。もう一回聞くけど、通貨というのは「おあし」じゃないですか。埋蔵するものは通貨とは普通言わないんじゃないですか。ここのところの私の理屈はおかしいんですか。
○政府委員(大須敏生君) 最初の点は、法定通貨としながら実際は愛蔵する、つまり流通過程に入ってこないことを期待している貨幣であるならば、それをあたかもそういうことが予想されているような二十倍の規定をなぜ適用することとしたか、こういうお尋ねではなかろうかと存じますけれども、逆にそういう規定を置かないとした場合には無制限に通用するということになるわけでございます。アメリカの立法例もそういうわけでございますけれども、つまり特に規定を設けなければ、その国が保証しておる貨幣でございますから、国の制度としてつくられておる貨幣でございますから、無制限に通用するわけでございます。 したがって、問題は、おっしゃるような意味でもし一枚とか二枚しか持たないということを前提にするならばむしろ一枚とか二枚とかの通用限度を決めたらいいではないかというような御提案でございますと、これはまた一つの考え方になり得るわけでございますが……
○鈴木和美君 ちょっと違うよ。
○政府委員(大須敏生君) 違うんでございましょうか。
○鈴木和美君 違う、違う。あなたの言う論であるなら、お札だっていいんですよ。いいでしょう。お札は一万円札で二百枚持っていったってみんな取りかえてくれるでしょう。何で金貨の十万円だけ二十枚でなきゃならぬというように言わなきゃならぬのですか。 それから、現実には金貨を二十枚持って買い物に行く人がいますか、天皇在位の記念のやつを。だから、どう考えたってそっちは矛盾があるんじゃないですか。無制限では困る無制限では困ると言うけれども、国が十万円の保証をしているんですよ。そうでしょう。だから、金貨を例えば百枚も持っていって買い物をしたっていいんですよ、理屈からいうんであれば。それを無制限の方にすればいいのに、制限の法貨にしちゃったから二十枚というのが出てくるだけのことであって、私は根本的には十万円は十万円で保証するような法体系で出せばよかったんじゃないかということを言っているんです。どうしても意見が違うというんであれば問題は別ですよ。 時間がございませんから、そこで大臣にお尋ねしたいんですが、先ほど私が申し上げた三つのつまり問題点がある。一つは、大蔵省は甘かったんじゃないか。甘かったことは、オープンのところで討議された中でも大丈夫だと言ったじゃないか。その背景はこう考えていたじゃないか。それからもう一つは、先ほど聞いたように国に大蔵省は二千四百億円赤字をつくったんです、会社で言うんであれば。それからもう一つは、枚数。この三つをあわせてみると、相済みませんでしたということで済むのかと言うんです。例えば、資本金に損がなくても、会社の経営の中で、こういう商品こういう商品を売ってこれだけもうけますといって設備投資をさせておいて返品されたら、そのときの企画の重役はどういうような責任をとらされますか。私は、そういうものをもっとシビアに省は考えてやらにゃいかぬのじゃないかということを言わんとしているんですわ。感想を述べてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は先刻もおわびをし、委員から、また後で改める折があるという言葉もいただきました。先ほどの感想で率直に申しましたように、私は、これは国民は対しても大変申しわけなかったと既に本院でも表明し、改めておわびも申し上げたいと思います。そして、発行当局としての大蔵省は、さまざまな視点から今委員が述べられましたような甘さというものについて、これは幾らおしかりを受けても、これについて返す言葉はございません。 ただ、一点私は委員にお言葉を返したいと思うのでございますが、と申しますのは、私は、大蔵省が現在保有しております貨幣鋳造能力というものについて、それほど技術の劣るものだとは考えておりません。そしてむしろ、その意味において……
○鈴木和美君 技術は優秀だと言っているんだよ。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど三つに分類された中の一つでありますから。——私はその意味において、にもかかわらず偽造されたという現実があるということは一層技術の錬磨に努力をしなければならないものである、そのように考えております。 また、この御即位記念金貨幣の発行というものは、委員のお言葉でありましたけれども、私はむしろ、国民とともに御即位六十年というものをことほぐ意味から発行されたと考えておりまして、財政収入がまずあってというものではなかったと思います。しかし、結果として、今二千四百億円という数字が現実に上がっておりましたように大量に市中から返ってきている、今御指摘になりましたような問題点が生じておることも否定をいたしません。その責任をと言われるならば、その責任は財政当局の最高責任者として私もともにいただかなければならないものである、そのように考えております。
○鈴木和美君 くどいようですが、先ほどのお話じゃないですけれども、まあ役目柄しようがないですわな、今の大蔵大臣が責任とるのか前の大蔵大臣が責任とるのか、まあそのときそのときとありますから。 私は事務当局にも言うた、これで今度は万全かと。そうしたら、万全ですと言った。それはそう言わなきゃだれも今度は買わないですわな。けれども、本当に万全かと問い詰めた。こういう問題についてオール万全な結果は私はあり得ないと思うんですよ。だから、おまえさん方が万全だと言ったって、チョンボが起きたら橋本龍太郎に責任を負わせる気かと、私はそう言ったですよ。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そういうことです。それは負わなきゃならない。
○鈴木和美君 いや、負うとか負わないとか言っているんじゃないんですよ、私は。そのぐらい慎重に考え慎重に考えてやらなければ、天皇陛下に傷つくという問題もありましょう。それから、日本の貨幣に対する国際的な信頼。それから金(きん)に対する認識ですよ。それからまた、金(かね)余り現象だというような時代に入ったときの金(きん)の論争もありましょう。私が言わんとすることは責任ということ、ただやめればいいとかなんとかを言っているんじゃないんだよ。もっともっと省はきちっと腹を踏まえてやらにゃいかぬぞと。五千五百億上がってくるから渡りに船よといってアイデア賞を出すというようなことが新聞に書かれるような、そんなはしゃぎのものではないんじゃないかっていうことを言いたいんですよ。ましてや、造幣局の労働者が今どういう思いをしているか、このことを考えたときに、私は大変なことだと思うんですよ。 きょうは造幣の担当者もおいでだと思いますので造幣の官側に聞きたいんですが、今、造幣の製造数量を決めるときに、あなた方官側と労働組合はどういう話をされていますか。私が聞いている限りにおいては、余り話をしていないという話です。それから、年間予定されておった計画の数量と実行の枚数はどのぐらいになっていますか。
○説明員(岩崎優君) 製造計画を実施する場合につきまして、私どもは基本的に、貨幣供給に支障を来さないよう月々きめ細かに計画を策定しております。作業の実施に当たりましては、労働基準法に定めます時間外労働に関する協定を組合と結ぶ必要がある等のため、できるだけ早目に計画を提示し、組合側に十分な説明を行うとともに、組合側の意見も聞きながら、円滑な作業ができるよう努めてきているところであります。昨年度におきましては、組合側から計画の提示が遅いとの意見が出された経緯がございます。この組合側の意見を十分踏まえ、本年度は早目に組合に計画の提示を行い、十分な話し合いの時間を持ち、より一層作業が円滑に行えるよう努力しているところでございます。 二点目の平成元年度の貨幣製造計画でございますが、当初計画では三十億七千万枚の貨幣を年度を通じて製造する予定でございました。最終的な実績は五十五億五千万の貨幣を製造いたしております。
○鈴木和美君 大臣、ちょっと聞いていただきたいんですが、今せっかくの答弁ですけれども、今の造幣局の枚数というのは大体四十五億ぐらいが平均になっているんですわ。ところがそのつくる機械が古いですな。一分間に大体百枚ぐらいしかできないんですよ。古い機械なんですわ。もう一つは、補助貨幣というのは日銀の在庫というのが一つ、それから流通に出ているやつでちょっとおかしくなったものを直すというようなことがあるもんですから、年間の製造計画が決まっても必ずしもそのとおりにいかない事情というのがあるんですわ。これは私も理解するんです。そこへきて消費税のごときが出てきたものだから、一円玉を一生懸命つくらにゃならぬわけですわ。これは当初製造計画にないですわ。記念ということになるとまたそこへ押し込むわけですな。ですから、当局の方も話し合おうと思っても、内情もそういう内情なものだからなかなか話し合えないという実情的なものはわかるんです。 わかるけれども、私が言いたいことは、今ああいう答弁はされているけれども、年間の製造計画が何枚で、機械がどういう機械で、人間が何人ついて、超勤計画はどのぐらい組んでいるということは必ずしもやってないですよ。やってもむだだからなのかもしらぬ、つまりさっき言ったように動くから。そういう実情があるんだけど、私はやっぱりしっかりした話をしてほしいと思うんですよ。それはぜひお願い申し上げたいと思うんです。 そこで私は、そういう実情の中で、大臣に、働いている造幣労働者の認識についての見解をどうしても聞いておきたいんですわ。いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) しばらく前でありますけれども、大蔵省関係の各労働組合代表の方々と話し合いの場を持ったことがございます。そのときに、造幣の労働組合の代表の方もその席におられました。そしてその際に私が申し上げましたのは、今ほかの組合はちょっと別にいたしまして造幣の話だけを申し上げますけれども、本当によく努力してもらっている。今委員からも御指摘がありましたが、昨年は特に一円貨を中心とした貨幣の大増産というものがあり本当によく頑張ってもらっていると思っております。 昨年、貨幣大試験の際に大阪の造幣局にも参りましたけれども、そのときにおいても、非常に一生懸命の努力の姿というものは見せてもらったと、私はそう申しました。ただ、造幣の組合の中には大変しゃれた方がありまして、その貨幣大試験のとき、外部からのお客様をお招きいたしました席で、職員で編成しております楽団がございますが、その食事の際の演奏で「日曜はダメよ」を演奏されまして、休日出勤を頼まなければ増産体制に追いつかない状況のときでありましただけに、私はちょっと顔から火の出るような思いをいたしました。しかし、そんな話の披露しながら、本当によく頑張ってもらっているという認識はその席でも申し上げたことであります。
○鈴木和美君 大変ありがとうございます。 労働組合もいろいろありますけれども、造幣の労働者はそんなに数が多いわけじゃないです。私は非常に純粋な労働組合だと思うんですな。 それで、大臣の認識、今そういう認識がある中で「日曜はダメよ」と、そこまでしゃれた言葉を言われたというぐらい苦労してやっているわけですわ。その苦労しているのに報いる方法なんですが、私は、これは何とか考えてやらにゃいかぬのじゃないかと前から言っているんですわ。それはもう、年間計画の中に一円玉は来る、五円玉は来る、そして金貨は来る、これで本当にいいのかと。 それで、制度的にそういうものを労使間で話することができないのかと思っていろいろ聞いてみたら、平成二年度三月における年度末手当の支給に関する労働協約というのがあるんですな。一般的な国家公務員と違って、この第二条に期末手当及び奨励手当というのがある。一般公務員は年度末手当と期末手当、これもう決まっているんですよ。印刷局と造幣局は製造がありますから、そういう製造業というものも含めて奨励手当というのがあるんですな。つまり、奨励手当ということは、お願いしますというのもあるし、御苦労さまというのもあるし、そういうものが労働協約の中にもはっきりしているんです。ところが、実際にこれを適用するかということになると、横並びであるとか年度末手当ということだからだめだとかということになって一向に進展した例がないんですよ。私は、しかられるかもしらぬけど、グリコのおまけでもいいよ、気持ちよと言ったことがあるんです。それですらもやってもらえない。それで国は金貨や一円や大いにやれと言ったって、これは私は大変無理があると思うんですね。今ここでその返事をもらおうと思いませんから、大臣もどうぞその点は含んでこれからの造幣局の御指導をお願いしたいと思うんです。 なお理財局も私の真意をぜひ釣んでもらって造幣の御指導をお願い申し上げたいと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(大須敏生君) ただいま貨幣製造に関する造幣職員の御努力につきましての大臣の御発言、私どもまことにそのとおりと思っておるところでございます。 それから、貨幣の製造計画でございますが、これはいつも概算要求の前の段階で翌年の年度分をつくるわけでございますけれども、その際私どもは、一方で日本銀行等からどういう貨種についてどういう需要があるかというその需要をお聞きするわけでございますが、同時に造幣局の御担当の方から造幣局の製造能力、施設、そういうものも勘案して決めているということでございます。 ただ、委員御指摘のとおり、六十三年度、平成元年度というところにつきましては、いわゆる一円玉の問題が非常に大きくなったわけでございまして、五十五億枚を超すような大量な製造をお願いしてきたところでございます。その際にとられました造幣職員の御努力に本当に感謝している次第でございます。
○鈴木和美君 ぜひよろしくお願いを申し上げます。 そこで、時間がそんなにありませんけれども、二、三お聞きしておきたいと思います。 一般的には、どうでしょう、自分で十万円の金貨を持っているときに、今の二十グラムの金貨と、今度三十グラムになるということになると、何となく三十グラムで十万円のものを持ちたいということになりはしませんでしょうか、同じ十万円ですから。もちろん御在位と即位とは違うかもしらぬけれども、持つ方からいうと三十グラムの方がいいんじゃないかな、そういう感じを一般的に持たれる。そうすると、先ほどの二百七十二万枚じゃないけれども、二十グラムの方はまたどんどん返ってくる格好になりますね。そういう問題点についてどういう見解をお持ちか。つまり、これはまた赤字が多くなるんじゃないか。返されたら、返されたものはどうするんですかという疑問もあるんですがね。それはつぶせばいいという議論もあるかもしらぬけれども、しばらく置かなきゃならぬでしょう。 それからもう一つは、一千百万枚で偽造が起きたから三百五十万枚だという理屈なのか、三百五十万枚という枚数になったのはどういう算出根拠があったのか、聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(大須敏生君) 今回新しく立法をお願いしております御即位記念の金貨につきましては金の量目を三十グラムにふやしているところでございまして、このふやすことを私ども決意いたします過程におきましては、まさに委員御指摘のような二十グラムと三十グラム、同じ十万円でありながら、しかも同じ純金を使っておりながら、それが二つ流通するという問題があるのではないかという点は十分認識しておったところでございます。そして、おっしゃるように、二十グラムの分の金貨幣の還流がさらにふえるのではないかというような点も一つの懸念材料でございます。 ただ、率直に申し上げまして、一月の末に偽造事件が発覚いたしまして以来、先ほど御答弁が日本銀行からもございましたように急速に還流がふえておるわけでございます。特に三月、四月が多かったわけでございますが、そういう還流の状況を見まして、偽造問題を契機とする一つの還流の山というのが既に来ておるんではないかという感じがございます。それがさらに新しい金貨をつくることによって加速されるかどうかという点についての予測は非常に難しい問題がございますけれども、私どもはそういう事態につきましては、ただいままさに委員がおっしゃいましたように記念の趣旨が違う、それからまた、還流がふえてくれば今度は逆に愛蔵していらっしゃる流通過程に残った金貨の価値は相対的に高まってくる、こういうようなことでございますので、その問題は結局はこの新しい金貨が巷間に出ます時期にはかなり様子は変わってくるのではないか。むしろ我々としては今、記念金貨についての偽造を契機とする国民の信頼感の欠如というか信認が揺らいだことに対しまして、何とかしてそのイメージアップを図りたい、そして立派な金貨をつくって愛蔵していただきたい、こういうことで、まさに御指摘のような問題点は考えましたけれども、この際増量に踏み切った方が妥当ではなかろうかというようなことを決めたわけでございます。 それから二番目の三百五十万枚という点は、実はこの偽造事件の起こります前に三百五十万枚というのは決めておったところでございまして、具体的には一月の初めにもう既に発表しているところでございますが、これは平成二年度予算の編成の一環として決めたわけでございます。したがいまして、偽造事件そのもののことを直接考えているわけじゃございませんけれども、私どもは、前回の御在位六十年の記念貨幣が千百万枚出まして相当数これが還流しているという事態を踏まえまして、かなり希少価値のあるものにしなければいけないということで、どのぐらいにすればそれが妥当なレベルになるかというのは非常に予測が難しいわけでございますけれども、そういう意味では三分の一程度にしたらいかがであろうかという割り切りをしたわけでございます。
○鈴木和美君 あと三分しかございませんので、大臣に最後にお願い申し上げます。 私がまず第一に申し上げたことは、国民の非常に関心事でありますので、偽造事件の真相解明を何としても全力を挙げてやってもらいたい。これは警察庁の方にもお願いしたところですが、大臣の方からもまた御助言をいただきたいと思うんです。 二つ目は、大蔵省はかたい役所ですから法律を直すのは大変なことかもしらぬけれども、反省をよくやって万全の体制をとってくれよということ。やっぱり信頼される大蔵省ということと、お金ですから慎重に私は扱ってもらいたいということ。 それからもう一つの問題は、今のお話じゃございませんけれども、造幣の労働者の問題ということについてしっかりした御指導をいただきたいということを申し上げまして私の質問は終わりますが、最後に大臣の御見解をいただきたいと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から御指摘を受けました第一点並びに第二点につきまして、私どもは本当に恥ずかしい思いをしながら今この席におります。それだけに、今回この法律案の御審議をいただきますまでに省内また省外のさまざまな方々の御助言を得て、再びこういう事態を起こさないという視点に立っての努力も一生懸命にみんなにしてもらいました。また、捜査当局も全力を挙げて捜査に従事してくれておると信じておりまして、この事件そのものも解明されることを願っております。 また、第三点として指摘されましたことに、私の方から私自身の感じというものを知っていただきたいと思って申し上げたいと思います。 けさの閣議におきまして、平成二年度秋の叙勲についての候補者の選定について論議がございました。実は私は非常にこうした問題に疎くて、七十歳を超えないと叙勲対象にならないと思っておりましたところ、その選考基準を見てみますと、そのほかに五十五歳を超える方でありまして特に危険な仕事に従事する、あるいは人に目立たない環境で努力をしていただく、そうした方々も叙勲の対象となるということがその資料を見てわかりました。 閣議が終わりました段階で、私は官房副長官に対して幾つかの質問をいたしました。例えば、それぞれの職場に現在もなお所属しているいわば現役の公務員を推薦しても、五十五歳を超えていてそれぞれのその分野に現に在職している人間を対象としても、申請をした場合、審査の対象になり得るのか。例えば危険という視点でまいりますならば麻薬取締官でありますとか、これは隠れたという部分にも値するでありましょう。海上保安庁、警察、消防といった職種の諸君はまさに非常に危険度の高い仕事に従事しておるわけであります。しかも第一線業務は一定の年齢でリタイアをし中の事務にかわっていくわけでありますから、五十五歳を過ぎてなお在職している可能性というものは多分にあるわけであります。また、人に目立たないという分野で私が例示で挙げたのは、たまたま造幣、印刷といった部門でございました。 たまたま副長官はそういう質問を想定しておられなかったと見えまして、しばらく考えられたあげくに現実にそれが対象として決定されるかどうかは別として推薦の対象たり得るという回答をいただき、記者会見の際にも、きょうはそんな話題もありましたということを御披露したようなことであります。 いずれにいたしましても、日ごろ国民の目に直接触れる機会の少ない職場において黙々と努力をしてくれている諸君の労苦というものについては常に心をいたしてまいりたい、そのように思います。
○前畑幸子君 私は、議題となりました国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御質問をさせていただきます。 これは国際関係の調和の中で大変重要な問題でありますし、こうした国際機関に対する援助は日本としても積極的に取り組むべきことだと考えております。しかし、こうした開発途上国に対する援助等についていま少し現状をよく見きわめて検討の必要のある問題等もあるのではないかと考えております。 八八年世銀に対する増資が行われております。我が国はアメリカに次いで世界で第二位の出資国となったわけですが、増資が行われる理由としましては、深刻化している累積債務問題への対応としてIMF、世銀等の国際機関の果たす役割がだんだん大変大きく求められているということだと思います。その一環として、IMFに対するさきの第九次増資問題は予定されていた八九年内に決着がつかずに九〇年の五月ワシントンのG7でようやく合意に達したということですが、理由があったのではないでしょうか。八九年内に増資を行う予定がどうして合意がおくれたかということについて、大臣の御意見を聞きたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもといたしましては、IMFの出資順位につき、従来から日本の経済力に相応した発言権を持ちたい、そうした意味で第九次増資に際し、日本のシェアを拡大するということについて強く各国に対して働きかけておりました。そして昨年のG7の段階におきましても基本的に日本の地位が上昇するということについて各国に異論があったわけではありませんでしたが、その結果順位の低下する国々の間にいろいろな議論がございましたこと、あるいは今まで比較的高い出資シェアを持っておりました国が結果的に相対的な中でシェアが下がっていくということに対する抵抗等があり、これが調整に非常に時間を要したところでございます。 幸いに今回その決着がつき増資が軌道に乗りましたことを喜んでおりますが、おくれたという事情は、まさに順位の変更について下がる国の中に非常に自国の地位の低下、発言権の低下ということに対しての心配が強かった、そしてその調整に非常に時間を要した、率直に申し上げてそういうことになろうかと思います。
○前畑幸子君 IMF、世銀の対象国というのは主に中所得の累積債務国であるわけですけれども、IDAなどには世銀の補わなければいけない役割が大変期待されていると思います。今回の増資は、特に貧しい発展途上国の累積債務問題に見られるような困難への対応を目的としているのではないでしょうか。
○政府委員(千野忠男君) 委員御指摘のとおりでございます。 国際開発協会、第二世銀といいますのは、御指摘のとおり特に貧しい開発途上国に対しまして無利子の融資などを行う機関でございます。今御指摘のように、世界銀行の対象の国よりも一般的に言いまして貧しい国に対するものでございます。
○前畑幸子君 IDAへの追加出資は全額通貨代用国庫債券で行われるということです。そしてまたIFCへの追加出資は全額現金で行うということであるようですが、出資形態がこのように異なっているということは何か理由があるのでしょうか。融資の状況等から御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(千野忠男君) IFCの方は、世界銀行やIDAに比べまして出資金の規模が小さい、各国の財政負担も相対的に小さい。また、IFCの場合は、開発途上国の民間部門の発展に資するという観点から加盟国の民間企業への投融資が中心でございますので、そういう意味で機動的な投融資を主たる業務としている、こういうふうに言えるわけでございまして、なるべく流動性の高い形で資本金を保有しておくことが望ましいという事情がございますので、各国ともIFCにつきましては現金で出資をすることになっているわけでございます。 他方、IDAの方は、これは出資金の額が非常に大きい、各国の財政負担も大きい。それに加えまして、IDAの融資というものは通常長期間にわたってディスバースがされる、そのタイミングにつきましても比較的予想が可能でございます。そういうことから国債によって払い込みを行いまして、実際の資金需要を見ながら償還を行うという方法がとられておるわけでございまして、そういう意味で、こちらにつきましては国債による払い込みが認められているわけでございます。
○前畑幸子君 そういう形態はわかりました。 NICSなどは、途上国という言葉が当てはまらないほどに成長しておるわけですけれども、その反面、中南米とかアフリカ諸国、サハラ地域などの困難な状況というのはますます深刻化しております。中南米諸国は中所得の国が多くて新債務戦略の対象になってくる国が多いと思いますが、経済調整計画の推進など困難な問題の解決はまだされていないと思います。最貧国に対する第二世銀などの融資によってももう到底対応できないのではないかと思われる点もあります。そうなった場合に、融資ということからむしろ棚上げというか無償というような援助で対処しなければならないという事態ができてくるようなことはないのでしょうか。
○政府委員(千野忠男君) 御指摘のように、援助を受ける国の実情によりまして援助の形態も変わってくるわけでございます。 例えばラテンアメリカの中にも、一九七〇年代非常に隆々として躍進をし、先進各国からも注目を浴びて多額の民間資金が流入をしたような国がたくさんあるわけでございます。そういう国がその後の経済の不調から今いわゆる重債務国として債務累積問題に苦しんでいるわけでございますが、こういうような国はいわば中進国でございますので、こういうところに対しましては基本的には民間の資金の流入、そして場合によってはそれをIMFなり世界銀行なりが助けるという形の援助になっているようでございます。 また、一般の途上国でございますが、こういうところは例えば世界銀行が対応をする。さらに例えばサブサハラ諸国でございますとか非常に貧しい国の地域になりますと、これはやはり融資ではなかなか難しいということで、例えば無償資金が供与されるといったようなこともございます。 御指摘のとおり、国によりまた経済状況によりまして、融資の形あるいは援助の形が変わってくるかと思います。
○前畑幸子君 昨年のIMF報告では、それまでメキシコ、フィリピンに先ほどもおっしゃいましたように新債務戦略が適用されたようですけれども、その内容をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(千野忠男君) 国によりましていろいろやり方が変わっておるわけでございますが、例えばメキシコの場合でございますと、新債務戦略の形は次のようなことになっております。 民間銀行の金融支援のパッケージとしまして三つございまして、この三つの中から民間銀行がどういう形で支援をするかを選ぶわけでございます。一つは元本の削減でございます。メキシコの場合は、デット・ボンド・スワップと申しまして、既存の債務を三五%割引をしたメキシコ国債と交換をするという形になっております。それから第二のオプションが利払いの軽減と申しまして、これもデット・ボンド・スワップの形をとるわけでございますが、今までの債務を一対一で、ただし金利につきましては以前の金利から新しく六・二五%ということで低くいたしまして、そのような条件のメキシコ国債と交換をするわけでございます。第三がニューマネーでございます。 こういう形で、メキシコの場合は元本削減、利払い軽減、ニューマネーの中から選択をする形になっているわけでございます。次に新債務戦略の対象になりましたフィリピンでございますが、この場合は二つのオプションといいますか、第一は元本の削減でございますが、これはメキシコの場合とはまたちょっと変わりまして、キャッシュ・バイ・バックと申しまして割引率五〇%で既存債務を買い戻すという形でございます。それから第二にニューマネーでございます。この二つの中から選択という形になっております。 こういったように、同じ新債務戦略ではございますが、国の状況によりましてケース・バイ・ケースでいろいろな形になっておるわけでございます。
○前畑幸子君 この二つの国以外には適用国はありませんか。
○政府委員(千野忠男君) そのほかにもいろいろ進行中のものがございます。 例えばコスタリカでございますが、この場合はフィリピンと同じように元本削減、それからもう一つは利払い軽減でございます。こういった形で今進行中である。ベネズエラにつきましては、元本削減、利払い軽減、ニューマネーといったような形で今進行中ということでございます。いわば完成された状況になっておりますのはメキシコ、フィリピンでございますが、そのほかにも幾つかの国が進みつつあるということでございます。
○前畑幸子君 この新債務戦略の第一号適用はメキシコ、次にフィリピン、そして今おっしゃった国が適用国になっているわけですけれども、累積債務額というのはブラジルが世界一厳しいということではないでしょうか。その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(千野忠男君) 確かにブラジルにつきましてもかなりの債務の累積がございますのでそういった希望があるかもしれませんが、この新債務戦略が適用されるかどうかということは幾つかの条件を満たしていなきゃいかぬということでございまして、まず第一に各国の民間金融機関とその国とが債務の削減に具体的に合意をするということ、第二に、その国がIMFや世界銀行との間で協議をいたしましてその国の経済の改善の計画について合意をして、そしてその合意のできた経済改革プログラムを実行していくということ、こういったことが必要になるわけでございます。今おっしゃいました国につきましてはまだそういった条件が整っておらないということでございます。
○前畑幸子君 そうしますと、国際機関が経済調整計画に厳しい目を向け出すということは、新債務戦略というのが今後広がっていかないんではないでしょうか。その辺はどんな感じですか。
○政府委員(千野忠男君) 新債務戦略につきましては、それの適用を受ける当該国もやっぱりいろいろ悩むんだろうと思います。第一にこの新債務戦略の目的というのが単に債務を一部棒引きをしてもらうとかいうようなことではございませんで、何とか従来のような資本市場における信認を取り戻して自力で各国から必要な資金が借りられるような状況にもう一遍戻りたい、これが目的でございまして、それを国際機関や諸外国あるいは民間銀行が助けるということでございますので、したがってこれを選択する国というものは厳しい経済改革を進めなきゃならないということでございます。結局これなしには、諸外国からの信認というものが得られないということでございます。したがって、受ける側もいろいろ苦しみ悩みながらその選択をするんだろうと思います。
○前畑幸子君 そうしますと、中南米が確かに累積債務の現状を見て必要なわけですけれども、すぐ近くであるアメリカがそれを独力でもう救済できる余力がなくなっているわけで、そこに深刻な問題があるのではないかと感じられます。それで日本の資金力を当てにしているのではないかという感じがいたしますが、今回の新債務戦略はそうした我が国の資金力を当てにしたアメリカの押しつけではないでしょうか。そんな気がしますが、そういう心配はないでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、経済面におきましても、自由主義世界におけるアメリカあるいは社会主義経済圏におけるソ連という二大強国がそのほかの国々を支え得るといった強大国の時代というものが軍事の場合と同様に既に崩れて今変わりつつあるということは、私は御指摘のとおりであろうと思います。ですから、そういう視点からもし物を申すとすれば、今委員が御指摘になるような言い方もあるいはできるのかもしれません。しかし、今回のIFCの場合におきましても、我が国が追加出資をいたしたいといいながらアメリカがその出資割り当てを減らしているわけではございません。あるいはIDAの場合におきましても、その拠出額の二十五億二千三百万SDR、すなわち三十一億八千万ドルというものは依然として拠出国の中の最大でありますし、今度のIDA9における拠出額はIDA8に比べましてもドル建てで一〇・六%の伸びを示しているということを考えますと、現在のアメリカの財政事情の中でなおアメリカは最大限の努力を続けていると私は考えております。要は、余力のある国々が全力を尽くして困難を抱えている国々を助けるという今の枠組みの中におきまして、委員が御指摘になりましたような視点からこの問題をとらえられることは私はちょっと違うんではないんだろうか、そう考えております。
○前畑幸子君 私のみならず、西欧が今回の新債務戦略は日米共同作戦ではないかと皮肉を言ったり警戒をしたと言われているわけですので、私も心配をするわけです。我が国の金融機関もメキシコなどにはかなり融資をされているわけですので、それなりにメキシコというのは日本にとって重要な国ということは言えると思いますけれども、我が国にとってそれ以外にも重要な累積債務国があるのではないでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 累積債務国はほかにも確かに委員御指摘のとおりにあります。ただ、先ほど局長から申し上げましたように、それぞれの国がみずから自分の国の経済を立て直すというそれだけの意欲を持たれ、そしてその計画をお示しをいただくことがこの新債務戦略のベースにはあるわけでありまして、私は、先ほど局長が新債務戦略についてこれを受ける立場の国々にも辛さがあるという言葉を使いましたのは、まさにそうしたことであろうと思っております。
○前畑幸子君 ブレイディ提案は新規融資に関してはこれを各債務銀行の任意選択とするものであり、問題点がそこにあるのではないかと思います。代価を払っても債務問題から抜け出したいという銀行があるという事実を無視しているところにこの提案の問題があるんではないかと思います。それで、この点を無視したまま債務減額を債権銀行がとるべき共通の方向として決めたならば、新規の融資に関して各銀行が任意選択をすることにしたということが問題になってくるわけでして、今その一つとしてメキシコ協定が実現しているわけですが、そこに多くの問題がありはしないかということが懸念されるわけなんです。 それで、先ほどのシェアの問題でちょっとお尋ねいたしますけれども、提案されている今回の増資によってIDAへの我が国の累積出資シェアは一六・五%、IFCに対する追加出資後のシェアは六・四七%ということで、これはいずれもアメリカに次いで第二位となるわけです。今おっしゃったアメリカのシェアはいずれも日本のシェアと逆に落ち込んでいるわけです。IDAでは二七・一%から二五・九%へ、IFCでは二六・九〇%から二六・〇八%へと下がっております。IDAに対してはアメリカの出資はその全体の四分の一以上を持っていただいているわけで、かなりの出資を行っているということは確かでございます。一方、アメリカの今の財政事情を考えればこうした出資に対して消極的にならざるを得ないこともわかるわけですが、それを我が国、日本が肩がわりをしているという印象に私には思えるのです。その点を先ほどからお聞きしているわけなんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 事務的に千野局長から補足をしてもらいますけれども、私は先ほどからも申し上げておりますように、その比率の変化というものを肩がわりというとらえ方をされるのはいかがなものかと思います。むしろ日本の今世界の中における経済力というもの、それに相応する発言力をとる、同時にそれに適応する出資を行う、それがアメリカの肩がわりとおっしゃられることはちょっと私は納得がまいりません。 日本がそれだけ発言権を持ち、午前中の御質問でも海外におけるさまざまな国際金融機関のプロジェクトにつき問題点が指摘され、そうした問題点について日本自身の発言権を強めなければならないという御指摘もいただいたわけでありまして、むしろ私は日本がそれだけの責任を負える立場になった、そのように考えております。 事務的には局長から補足をいたさせます。
○政府委員(千野忠男君) まずIDA増資の方でございますが、先ほど大臣からお話がございましたように、IDAの第九次増資におけるシェアというものは依然として世界の中で拠出国中最大のものである。これはフローといいますか今回の数字二一・六一%、これも世界最大でございますし、今までの累積の出資額のシェアは二五・九%でございますが、これも世界最大のシェアである。かつまたドル建てにいたしますと第八次に比べ一〇%を超えるような伸びをしているということで、今の本当に巨額の財政赤字を連年出し続けているような状況からすればかなりの努力をアメリカもしているということは、これは認めざるを得ないのであろうかと思います。 それからIFCについてでございますが、このIFCは、御承知のように世銀グループの一機関ということで民間部門育成のために民間企業に投融資をするわけでございますが、このIFCの当局からは、資金基盤を強化をしたい、そしてまた我が国の投票権シェアというものを我が国の経済力あるいは国際社会への貢献度というものからして幾ら何でも第五位というのはおかしいじゃないか、そういったような貢献度なり経済力からすれば日本は第二位に上がるべきであるというようなことで、かねてからIFCの当局の方から我が国に対しまして追加の出資を行うような要請があったわけでございます。我が国としましてはこの要請に、IFCの活動を支援するという観点及び第二位の出資国になるということを考えまして応じたわけでございます。 実はこのIFCの場合についてちょっとほかにも似たような例がございますので申し上げますと、これは御理解いただきやすいと思うんでございますが、IFCの今回の追加出資につきましては五カ国がこれを行っておるわけでございます。 日本は二千三百七十三万ドルの追加出資をして、従来の五位から二位になったわけでございます。次にフランスでございますが、フランスはイギリスと同率の四位を確保するという目的で三百六十万ドルの追加出資をしておる。それからイタリアとインドは、カナダと同じ六位に並ぶというような目的を持ちましてそれぞれに四百三万ドル及び二百五十五万ドルの追加出資をしている。韓国は現在三十七位でございますが、世界銀行の方でのシェアは二十九位でございまして、世界銀行におけるシェア並みの二十九位にやっぱりしたいという希望を持ちまして三百六十三万ドルの追加出資をした。 そういうことでございまして、結果として追加出資後はアメリカが一位、日本が二位、ドイツが三位、イギリス、フランスが並んで四位、それからイタリア、カナダ、インドが並んで六位、韓国は世銀並みのシェアの二十九位になった、こういったようなことでございまして、この例からもわかりますように、何といいますか、ほかから肩がわりを要求されたということではなくて、いろんな観点からこういったことが行われておるということでございます。
○前畑幸子君 我が国の世界経済における地位とかお金の保有状況から見ますと、こうした国際機関に対する出資の増額も必然的なことはわかりますけれども、先ほど大臣が言われましたおくれた理由が二位、三位、四位のところが大変問題があったということで、そうすると、今の御説明はみんながそれぞれ三位になりたい、四位になりたい、もっと上になりたいという希望があったということとちょっと反するような面も感じられないんでしょうか。そういう国際機関に対するお金ばっかりではなくって、先ほども申し上げましたように人材面とかあらゆる側面での協力を進めることも必要でありまして、生活の指導だとか医療に対するケアだとか、そういう能力的なもの、人材的なものも含めてしていただきたいと思います。お金をたくさん出すことだけがよしとは思いません。私の取り違えだとあれですけれども、今御説明のあったその三位、四位、五位のところが二位に日本がなることに懸念を示したというようなとらえ方ではなかったんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) もう一度正確に申し上げますが、昨年のG7の際にも日本の地位が上昇することに他のセブンの国々の異論はございませんでした。しかし、その結果順位が下がる国につきましては、これはそれぞれの発言権の問題でありますから、やはり下がるにしても自分のところの下がり方を少なくしたいというのはこれは人情でありまして、そうした中において、今局長から申しましたような幾つかの例がございますけれども、日本と同様に上昇しようとする国とその結果順位が下がる国との間において順位についての論争があったということは事実であります。しかし、日本の順位が上がることについて他から懸念が示されたということはございません。これは議事録の上ではっきり申し上げておきたいと、こう思います。 また、委員がお述べになりましたように人材協力といった面についての努力をこれからも必要とすることは当然でありますが、人材協力は実はシェア、発言権というものには連動しないものでありまして、人材において優秀な人材をこうした機関に送っていきたいということはこれからも我々は努力をしていくことでありますけれども、これが発言権に結びつくものではないということはぜひ御理解をいただきたいと思います。 その上で申し上げたいと思いますのは、私どもはできる限り世銀等金融の部分だけではなく他の分野における国際機関にも日本人の登用を求めておりますけれども、一つは国際機関で通用するだけの専門知識と語学力というもの両方兼ね備えられている人材というものが限られている——例えばかつてOECDから環境庁のある職員を名指しでOECDに欲しいという要請がありましたときに、逆に国内的に手放せる人材ではないということで二年を限って出向という扱いをいたしたことが私の記憶でもございますけれども、こうした面で語学力及び専門知識の両輪を兼ね備えている人材が限られているということ。と同時にもう一つは、我が国の雇用の慣習との関係において、民間企業から例えば国際機関に出向していただく、これは相当長期にわたる勤務になるわけでありまして、これが帰国後の地位といった問題と関連をし、なかなか人材が得がたいといった問題点もあるわけであります。また、国際機関そのものの処遇の問題がそうした人材にふさわしいだけの処遇を必ずしも確保し得ないという状況等もあるわけであります。 そうしたものの壁を越えながら、私どもとしてはこれからもそれぞれの機関においてより日本人が活躍できる舞台を広げてまいりたい、今後ともに努力をしてまいりたいと思っております。
○峯山昭範君 非常に短い時間でございますので、端的に二、三お伺いをしたいと思います。 預金金利の自由化の問題について初めにお伺いをしたいと思いますが、金融問題研究会というのがありますね。これはどういうふうな会合でございますか。
○政府委員(土田正顕君) 御説明をいたします。 金融問題研究会と申しますのは、位置づけとしましては銀行局長の私的研究会でございますが、平成元年二月二十二日に第一回の開催をいたしましてから現在までに十四回の会合を開いております。それで、そのテーマは、現在までのところでは預金金利の自由化等についてお願いしてきたわけでございますけれども、ごく最近の業績として申しますと、五月二十九日に一千万円未満の定期性預金の金利自由化について報告を取りまとめていただいたところでございます。
○峯山昭範君 実は私も今のこの報告書を読ませていただきました。それで、問題がいろいろとあるようにも思うし、たまにはこういうような研究会もいいことを言うこともあるんだなということも感じているわけです。 まず一つは、私は私的研究会、私的諮問機関というのはできるだけつくらないでほしいということを今まで、もちろん大臣の場合はそれだけ強烈な枠組みがあるわけでありますが、しかしながら局長も何でもかんでもつくっていいというわけじゃない。なぜかといいますと、やはり行政というのは法によって運用されているわけでありますから、法が決まってない部分を勝手にそういう私的な懇談会をつくって行政をゆがめてもらっては困るという思いがあるから私どもはそう申し上げてきたわけであります。そこら辺はそういうふうに心得て、これからの私的諮問機関の取り扱いというのは、やはり昔から国家行政組織法の第八条というのがあるわけですから、その精神に基づいてきちっとした運営をやってもらいたいなという、そういう気持ちが強いわけであります。 しかしながら、実はこの金融問題研究会が報告をした、その報告のメンバーを見ますと、とにかくすごい人がいっぱいそろっております。ようこんだけの人を十四回も集めて、局長ようお金があったなと。普通は私的諮問機関というのは、大臣ならばポケットマネーでやるというのが原則的になっているわけでございますが、いろいろとそこら辺のところはやりようがあったんでしょう。それは結構です。 そこで、金利自由化という問題、これは非常に大きな問題で、この間からの日米構造協議の中でも出てまいりましたし、あるいは日米金融協議というのが先般もありましたが、そういうような中でももっと自由化をと。それで、この研究会報告の中にもありますように、もっと前向きに取り組んでもらいたいという気持ちが非常に強いわけでありますが、この報告をどういうふうに受けとめていらっしゃるのか、そういう点を含めて一遍御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) この預金金利の自由化の問題は、やはり預金者、金融機関、それから資金の借り手であります企業などに広範な影響を及ぼす問題でありますところから、中立的な立場から十分に検討をお願いしたい、それが適当であると考えまして学者の方々にお集まりをいただいたわけでございます。 それで、この報告のエッセンスでございますが、ポイントは、できる限り早期に小口定期預金金利の問題を含めて預金金利に関する規制を撤廃する、そして小口の分野を含めた完全自由化を行うべきである、ただしそのときに性急な自由化による混乱は回避すべきである、したがって例えばその完全自由化の時期とかそれに至るプロセスを示すというようなことで手順を踏んでやってもらうことが適当であろう、こういう報告であったかと存じます。 そこで、私どもはこの報告を受けまして、その趣旨に沿い、預金者間の公平その他いろいろな観点から小口の分野につきましても極力早期に完全自由化を実現したい、そのための具体案をつくりたいということで、これから関係の金融業界との意見調整、さらには日本の場合には国営の郵便貯金という独自の存在がございますのでそれを所管しております郵政省との意見調整その他に努めて、なるべく速やかに成案を得たいと思っておる次第でございます。
○峯山昭範君 実はこの報告書を読んでみますと、私もここまでは知らなかったわけでございますが、西ドイツは一九六七年、イギリスは一九七一年、イタリアは一九八四年、米国は一九八六年、スペインは一九八七年、それぞれ完全に自由化されている、こういうふうにあります。今のおっしゃった問題もよくわかりますが、例えばシンガポールとかマレーシア、フィリピン、インドネシア、台湾、こういうふうな国々も完全自由化が行われている、こういうふうに報告の中にあります。したがって、ぜひとも、局長が今おっしゃった問題もたくさんいろんな問題があると私は思いますが、今、日本は金融大国にもなっているわけでございますし、そういういろんな観点からやはり早急に自由化という問題に取り組んでいただきたいというのが私のきょうの趣旨であります。 さらにもう一つ申し上げますと、その場合、この報告書の中にもありますけれども、小口預金者、そういう人たちを犠牲にして今の米国でのいわゆる銀行やそういう金融機関の活動があるのではないかという、日米構造協議の中でもそういう話が出ておるわけですね。そういうふうな意味では、要するに零細な小口預金者、そういう人たちの立場というものをしっかり踏まえてこれから金融行政というものをやっていただきたいと思います。これが二点目です。 それから、三点目にもう一つお伺いしておきたいのでありますが、この報告が出た後、新聞報道にもいっぱい出ておりますが、要するに普通預金のいわゆる自由化という問題も検討していただきたい。検討するというふうなことが新聞でいっぱい報道されておりますが、それに関連して、実際問題として現在、銀行の預貯金高というのは銀行局長さんはもう掌握していらっしゃると思いますが、普通預金というのは一体どのくらいあるのかということを教えてもらいたいんです。これは数字無理でしょうか。普通預金というのは概要どのくらいあるものなのか。特に普通預金というのは金利が非常に少ないわけでございますが、そこら辺のところが構造協議の中でちょっと出てきておりましたので、一体どのくらいの金額になるのか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) ただいま三点の御指摘でございます。 第一点は早急に自由化に取り組めという御趣旨でございまして、その点はいろいろな留意事項を示しつつも、この金融問題研究会の報告が「極力早期に完全自由化が実現されることが望ましい。」ということを述べ、政策当局において「具体的措置が速やかに実施されることを強く希望する。」と結んでおられるというところを私どもは踏まえてまいりたいと思っております。 第二点は小口預金者の立場を十分配慮せよということでございまして、これはまことに御指摘のとおりでございます。今度のこの金融問題研究会の報告でも「小口定期預金金利自由化の意義」というところで大口の預金のみが自由化され、小口の預金が規制されている状況は、過渡的な現象だとはいっても預金者間の不公平感などの問題を惹起するというものである。殊に、金利自由化が進みますと多くの個人預金者層にとってより身近な現象になり、その関心も高まってくる。したがって、従来以上に大きな社会的要請として一層の預金金利自由化を求める声が出ているということに留意しなければいかぬということでございます。その点は、原則論としてはまことにそのとおりであります。 ただ、それに付随して多少留意すべき事項を申しますならば、やはり小口預金者の場合にはしょせん手に入れます利息そのものの額は小さいわけでございますので、有利性というよりも、むしろ安全性とか、それから流動性預金になりますといろいろなサービスを組み合わせるとか、そういう要求も出てまいると思いますので、一概に金利が高いということだけが小口預金者に報いる道ではない、そのほかにいろいろ総合して検討すべき観点があるというようなことになろうかと思います。 それから三番目に普通預金でございますが、金融問題研究会は一応小口定期預金の金利の自由化についての報告を完成したわけでございますが、さらに今後、流動性預金、特に普通預金の金利自由化についても、これは前々からの議事の予定でもありますが、早急に検討を行うという体制に移るものと私どもは承知をしております。それで、この普通預金を中心といたします流動性預金の金利自由化については、いろいろ定期性預金とは違った新たな問題点をも考えていかなければいけないと思いますので、研究会と並行して私どもも勉強をしてまいります。 ところで、普通預金はどのくらいあるかということでございますが、これは手元にございます平成元年九月末の全国銀行及び信用金庫までを足したところの実額で申しますと、六十六兆一千三百四十八億円という数字を所持しております。それから、ちょっとこれはベースが違いますので大変恐れ入りますが、預金全体の中に占めまするところの金額面での構成比を申し上げますと、これは平成二年二月末とか四月末とかちょっとその時点はふぞろいでございますのでイメージとして御了解いただきたいと思いますが、都市銀行にあっては一二・〇、地方銀行一五・八、第二地方銀行協会加盟行一二・五、信用金庫一三・〇というようなあんばいになっております。
○峯山昭範君 今のお答えを聞いておりますと、僕はもっと少ないのかと思っていましたが、案外普通預金というのは多いんですね。その利息は非常に少ない利息、今局長から利息が高いとか低いとかいうよりもサービスの問題だというお話もありましたが、これは確かにサービスもあるかもしれませんが、六十六兆というような大変な金額が定期性預金とは別にそういうふうな普通預金で低い利息で運用されているということはやはりそれなりに問題があって、公平性の問題からいってもやはりきちっとした方がいいんじゃないかと私は思います。 それから、これは今局長がサービスとおっしゃったから思い出して言うんですが、私、ある人から金融自由化の問題でちょっとサービスのことを聞かれたことがあるんです。要するに、銀行通帳を持って一万円貯金をした、するとティッシュペーパーを二つくれた、こう言うんです。それで、その人が同じ銀行へ行って、自動振り込み機というのがありますね、あれで十万円を振り込んだ、貯金した、そうしたら何もくれへんかった、これはどうなっていますね、こう言うんですよ。直接窓口へ行って手間かけていろいろしたらティッシュペーパーをちゃんと二個くれたと言うんですよ。同じ銀行で今度は機械でやったら十倍も貯金しているのに何もくれへんかった、こう言うわけですよね。ある主婦の方が私に、ちょっと自由化の問題で話をしたらそういう話があったわけです。 ということは、逆に言えば、このサービスという問題は、そういうことが現実にあるんだろうと私は思うんですけれども、皆さん方は銀行に対してどういうふうに御指導していらっしゃるのか。局長の答弁を聞いていると、利息なんか上げなくてもいいんだ、サービスをちゃんとすればいいんだというふうに聞こえたものですから、サービスということになるとこれはどうなるのかなと思って今質問しているわけですが、いかがですか。
○政府委員(土田正顕君) ちょっと補足をいたしますと、私がサービスという言葉を用いましたのは、いわゆる景品という意味ではございませんで、例えば口座振替の取り扱いをするとか、それから定期性預金と組み合わせまして普通預金の残高がある程度多くなりますと自動的に定期性預金に振りかえるとか、そういうようないわゆる金融サービスの方のことを主として意図したわけでございます。いわゆる景品類の方は、これは余り役所の方が一々指導している問題ではございません。あれも銀行の団体、全銀協なりなんなりで多少はいわば一種の自主申し合わせのようなことをやっておる可能性はございますが、ちょっとそこのところは定かではございません。いわゆる景品的なサービスを預金につけるということは、例えばアメリカで金利自由化をスタートさせた初期にかなり派手な広告を出したりパンのトースターをつけるとか、何かそういうような預金勧誘活動をやったような例もあると思います。そのような新聞広告を見た覚えがございます。しかしながら、それはやっぱり長続きする方法ではありませんで、今はかなり鎮静化しておるというように聞いておるわけでございます。 いずれにいたしましても、そういういわゆる景品的な意味でのサービスをどうするかというのは、これは役所が取り合っていろいろ指導しているという問題ではないところを御了解いただきたいと思います。
○峯山昭範君 そこのところは私の取り違えかもしれませんが、現実にそういうことがあるわけでございます。したがってサービスという意味は局長のおっしゃる意味だろうと思いますが、最近はそういうふうな細かいところも随分銀行は一生懸命頑張っているようですよ。局長、一遍行ってみてください。 時間がございませんので、もう一つこの法案に関連をいたしましていわゆる世銀の融資の問題で、大臣、この間から例のインドのナルマダ川流域のダムの問題が委員会等でたびたび取り上げられていますね。こういうような問題、トータルでは相当な金額になるのにもかかわらず、今回日本は二十八億円融資をしておるわけでありまして、この金額が多いか少ないかは別にいたしまして、トータルでは相当な金額になっているわけですね。 こういう問題が起きてちょっと何かあると、ストップしようというふうな動きがすぐ出てくるわけですね。こういうのは問題だからもうちょっとちゃんとせい、百万人もの人がいわゆるダムで沈むんだから動かないといけないんだからそこら辺がちゃんとできないと融資できないよと。それは確かにそのとおりなんだけれども、要するに、日本はそういうような問題にも口を突っ込んで話がどんどんどんどん進んでおきながら、国会とかこういうところで問題になるとちょっとストップした方がいいんじゃないかとすぐ変わっちゃうわけですね。そこら辺のところは、質問する方も前の人はやめろと言うて私はやれと、ちょっと何となく矛盾するみたいな感じですけれども、僕はやはり日本の将来としてはこういうふうな問題にがっちり取り組んでいく必要があると思う。したがって、自信を持って決めたからには多少のことはあってもきちっとやっていくというふうなことがないといけないし、まずい点はまずい点できちっと直すようにする。 これは新聞報道ですから本当のことは私どもわかりませんが、結局、日本は二十八億を融資しながら実際は二百九十億という発電設備やなんやかをきちっと、日本の商社はたくましいね、とにかくね、ちゃんと行って商売やってきておるわけです。そういう点を見ていますと、いろんな面で考えなくちゃならない問題がたくさんある。こういうふうな問題は、やはり日本の姿勢としてODAのあり方並びにこういう世銀やそれぞれの融資のやり方についても基本的に考えなくちゃならない問題があるのではないかというのが一つ。 それからもう一つは、今回のG7で、先ほどから大臣もお話しございましたIMFの第九次増資で日本が二位になりますね。これはもう大臣の先ほどのお話聞いておりましてそのとおりでございますし、日本の責任もそれだけに大きくなると私は思います。非常に責任が重くなると同時に、これからのそういうような世銀の融資先あるいは関係機関の融資先についても日本もやっぱり慎重に検討する必要があるであろう、そういうふうに思いますと同時に、もう一つだけ言いますと人の問題、人の面で日本はもう少し人材を派遣したりあるいは育てたりするような面を考えないといけないんじゃないのか。言葉がだめだから人数が少ないんだというだけでは済まないのでありまして、やはり人を養成する、育成する、そういうようなのを大々的に進める。いつまでたっても金だけ出して人を出さないというんじゃ困るのでありまして、金も出すけれども人もどんどん送り込む、それで結局世界に対して日本が非常に実質的に貢献をしているというふうにならないといけないんじゃないかと私は考えておりますが、これらの点を一まとめにして大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘の点は私はそれぞれに非常にもっともな御指摘だと思いますし、私どもが守らなければならない、また考えていかなければならないポイントだ、そう思います。 ただ、一点つけ加えさせていただきますと、ナルマダ川の問題につきましては、ちょうどアジア開銀の総会でインドに参りましたとき、私も気になりましてボンベイで状況を聞いてみました。そうしますと、報道されております以外にも三つの州が関連するわけでありますけれども、その州同士の間の意見の違いがありましたり、人種的な問題が絡んでおりましたり、報道されております以上にも非常に複雑な問題点があるようであります。先般、基金の方からも調査団を送ったようでありますが、先日の予算委員会における報告によりますと、二つの州では立ち入り調査が認められたが、ある州では州当局から立ち入りを拒否されたといったような事態もあったようでありまして、それにもまたさまざまな原因があったようであります。いずれにいたしましても、世銀とともに今後この対応について慎重を期してまいりたいと思いますけれども、相手国政府との関係も踏まえながら十分対応してまいりたいと存じます。 また、もう一つの人材の点につきまして、委員が述べられましたような視点からまいりますと私どもも同感であります。これについては前に外務省あるいは文部省にも依頼したことがありますけれども、特殊語学を必要とする分野において特に我々としては人材の不足を感じております。それだけに学校教育、殊に専門語学の研修の中において特殊語学における専門家養成というものを教育の段階から考えていかなければならない、そのようなことは頭にあることでありまして、御指摘については我々としても大切に受けとめさせていただきたいと思います。
○峯山昭範君 いずれにしましても、これから環境問題につきましても地球規模で大きな会議等でもたびたび取り上げられているような現状でございますし、特に病気と貧困の排除という問題とか、それから大気汚染の防止あるいは森林資源などの保存というような問題、非常に大事な問題でございますので、そういう問題にも我が国が率先して解決のために頑張っておる、そういうふうになるようにしていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○近藤忠孝君 最初にIDA、IFC増資問題について質問いたします。 これらがいずれもシェアの面あるいは人事の面でアメリカを先頭にした少数の先進大国に完全にその運営権が握られているという——これ、質問通告しておきましたけれども、時間の関係で省略します。 中身の問題になりますが、アメリカの一九八二年の財務省報告書に第二世銀についてこう書いています。「発足当初からアメリカは国際開発諸機関を、安全保障、経済的利益、人道主義という三つの基本的なアメリカ外交政策を実現していく機関として把握してきた」、その上さらに「国際開発諸機関の国別貸付・融資先がアメリカの外交政策上の優先順位とおおむね合致しているという事実は、アメリカと友好関係のある諸国がアメリカの二国間援助だけであれば不可能と思われる開発資金を享受していることを示している」と述べているわけですね。このことはIDAなども同じことで、当時のリーガン財務長官は「IDA融資上位の十カ国のうち七カ国」——国名は省略します。「これらの諸国はソ連の拡張政策にさらされている」と議会で証言をしております。要するに、IDAもアメリカの対ソ戦略上重要な途上国に優先的に配分されているということを認めたわけであります。この観点は現在もほぼ当てはまるんです。 大蔵省の資料に基づいて私の方でIDAについて融資先上位十二カ国を調べてみました。これだけで融資総額の七割から八割を占めていますが、その融資先は、相互防衛関係を維持している国として当時のリーガン財務長官やマクナマラ副長官が議会証言をして挙げた国、要するに対ソ戦略上重要なインド洋外周諸国として挙げた国、その他アメリカが軍事同盟を結んでいる国、また戦略上の主要国、重要国として挙げている国が大体この上位十二カ国を占めておるわけであります。 〔委員長退席、理事梶原清君着席〕 IDAの実態は、最も貧困な開発途上国を対象にするというのでありますけれども、事情は同じことで、一九八一年上位十カ国中六カ国がアメリカの世界戦略上の重要国で融資総額の五七・八%、一九八九年でも上位十二カ国中六カ国、総融資額の三七・五%と四割を占めている。こういう状況を見てみますと、要するにこの中身というのは、端的に申しますと、アメリカを先頭とする先進大国の安全保障、経済的利益に沿った配分であり運営じゃないかと指摘せざるを得ないんですが、端的にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(千野忠男君) 世界銀行やIDAの融資というものは、これはすべて理事会で審議をされ、その融資が決定させるわけでございます。その理事会のメンバーは二十二人から成っておるわけでございますが、これは出資の大きさには必ずしもかかわらず途上国の代表理事が十二人、そして先進国側は十人という格好になっております。しかも、多数決で議決するということではなくて各理事の意見を踏まえたコンセンサス方式でやっておる。そしてまた、一般的な発言権ということにつきましても必ずしもIDAの場合は出資額に応じた発言権ということではございませんで、かなり途上国に配慮した発言権の配分になっているわけでございます。 そこで、例えば今委員から御指摘がありましたような地域配分でございますけれども、それは理事会で議論をして決めるわけでございまして、アメリカも理事を送っておりますし大株主の一人としていろいろなお考えもありましょうが、実際の融資の決定はアメリカの意向で決まるわけではございません。今申し上げましたように、先進国そして開発途上国から成る二十二人の理事会で主としてコンセンサス方式で決まるということでございまして、必ずしもアメリカのそういう思惑によって配分が決まっているとは私どもは思っておりません。 なお、この世銀グループの融資というものは、一般論としまして、融資対象プロジェクトの事情など経済的側面のみを考慮して決定するということでございまして、政治的な配慮がこれに入るということはできないということが協定上も明記されておるわけでございます。
○近藤忠孝君 今の答弁にもかかわらず実態の本質は私が指摘したことであるということを申し上げて、次の質問に移ります。 通告しておきながら時間の関係で先ほど落ちてしまった問題です。 五月二十三日の予算委員会総括のときに、私は新行革審最終答申についてこういう質問をしました。国民負担率を五〇%未満にというぐあいになっているけれども、これは二〇二〇年の国民負担率について五〇%まで容認するという画計であるということ、現在の負担率が四〇・四%、要するに負担率が一〇%上がるということ、それで現在の国民所得が三百二十六兆九千億円ですから現在価格で約三十二から三十三兆円の負担増となると質問しました。これに対して橋本大蔵大臣の答弁は「行革新の最終の御意見の中でも目標を示されました中で我々は全力を尽くすつもりであります。」と。何に全力を尽くすのか。これが一つですね。 そしてこれに金額を当てはめてみますと一世帯年百万円以上の負担になりますが、これは何によって捻出するのか。社会保険料の引き上げか税負担なのか、どちらなのか。これについて端的に答えてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 端的にと仰せられますけれども、そう端的にばかりはいかないんであります。と申しますのは、委員は今五〇%まで引き上げていいという容認論であるという言われ方をされました。しかし、五〇%以内にとどめるべきである、それを五〇%までいいよと言っているという読み方は私は少しつむじ曲がりの読み方だと思っております。むしろそこまでに何とか食いとめろということでありまして、私はどうも委員のお読みになりましたその読み方自身に異論がございます。 しかし、今委員がお尋ねになりましたような視点からまいりますならば、租税負担と社会保障負担を合わせました国民負担、その今後のあり方というものは、究極的には国民が必要とする公共支出の水準と表裏をなすものでありますから、受益と負担のバランスを考えながらそのときどきの情勢のもとに国民的な選択が行われるべき事項であるということが申し上げたい第一であります。 同時に、今後高齢化社会の進展に伴って、また国際社会における日本の立場の変化の中で、国民負担率は確かに長期的にはある程度上昇していくことはやむを得ないものと思いますけれども、臨調の答申にいたしましても財政審の報告にいたしましても、その上昇を極力抑制すべく努力することを私どもに対して述べておられるのでありまして、ここまではいいよというようなことをおっしゃっているとは私は思いません。 しかし、その際、租税負担と社会保障負担のいずれにウエートを置くべきかということでありますならば、もう委員がお読みになって御承知のとおり、臨調や行革審の答申では受益と負担の関係がより明確な社会保障負担に重点を置くべきであるという指摘をしておられるわけでありまして、先般の財政審の報告におきましても同様に社会保障負担を重視すべきだということを述べておられます。このことは、給付と負担の適正化、公平化というものを進めていく中において、年金あるいは医療など社会保障給付の財源として今後とも受益と負担の対応関係が明らかな社会保険料というものを基本として考えるべきである。給付と負担の関係が切り離された関係にあります租税ということに多くを求めることは効率化に対するインセンティブが働かない、そうした指摘もなされているところであります。私どもはそうした中で努力をしていこうとしているわけであります。
○近藤忠孝君 私はつむじ曲がりかもしれませんが、五〇%を超えるんじゃないかという心配を逆にしておるんです。 時間の関係で、次に進みましょう。 今のは二〇二〇年でしたけれども、十年後の二〇〇〇年について考えてみますと——細かな計算は時間の関係で省略しますが、新行革審でも二〇〇〇年初頭に国民負担率は四〇%半ば、四五%、そのときの社会保険負担率は一四から一四・五。これは厚生省、大蔵省が示した資料から明らかです。となりますと、引き算をすると三一%、これが租税負担率です。現在の租税負担率が二八・三%なので、国民所得比で二・七%増税するということになります。そうしますと、現在の国民所得掛ける二・七%は八兆八千億円、これは増税です。 〔理事梶原清君退席、委員長着席〕 となりますと、十年後には消費税の税率を二倍から三倍引き上げなければならないことになるんじゃないか。要するに、十年後には消費税の税率は一〇%というようなことになりゃしないか。いろんな統計が私はこれをはっきり示していると思うわけでありますが、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ここは委員が私どもに質問される場所で私どもが質問してはいけないのかもしれませんけれども、委員はその間における経済成長はどの程度に見ておられるのでありましょうか。それによって国民所得の伸びが出てまいり、その中でその数字が適正なものかどうか改めての論議をすべきものではないでしょうか。
○近藤忠孝君 私が申し上げたのは現在価格で申し上げたんです。だから、十年後にはもっと多くなります。もっと額は大きくなる。どうですか、答弁してください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) よく私どもがおしかりを受ける言葉をお返しいたしますと、どうも算定の基礎が明らかではないようであります。 しかし、いずれにいたしましても、我々としては二十一世紀初頭において四〇%半ばまで上らないように、これはたしか臨調の非常に早い時期から示された目標であったと記憶をいたしておりますが、そうした方向に向けて努力をしてまいります。
○古川太三郎君 先ほどに引き続いて十万円の貨幣の発行に関する法律案についてお伺いします。 先ほど中途になりましたけれども、大蔵省としては記念金貨を発行するんだと言いながら、通貨としてそれを考えていらっしゃる。しかしながら、金の時価が非常に大きい場合には問題ないと思いますけれども、時価が少ない場合には偽造の余地が十分にあるということを先ほど申し上げました。そのために偽造の防止としておっしゃっているのは、先ほどから聞いておりますとブリリアント加工、あるいは機械装置で簡単にその真贋がわかるというような形、あるいはパックに入れて通用さす、あるいは通し番号を入れる、また二十グラムから三十グラムに金の量目をふやす、こういったことが通貨の偽造対策になるんだと言われておりますけれども、日本の鋳造技術は——これは向こう、ヨーロッパの方は何千年もの歴史を持っておりますから、私は日本は確かに技術は上手だとは思いますけれども、まだまだ簡単に偽造をしてしまうような世界がたくさんあると思うんです。そしてまた金というのはどうしてもこれは形を変えていくものだ、また変えやすいんです、財産として。それを承知で金貨をつくられているわけですね。そういう意味で、偽造がまたもや起きるようなことがあっては、私はこれはもう日本の通貨の信用性という意味からも非常に大きな問題を抱えるんじゃないか、こう思うわけなんです。 金の量目が少ないという場合には、これはどうしても日本の円が高くなればなるほどこの金貨の値打ちというのは下がってくるわけです。せっかく円が高いと喜んでもこの金貨の値打ちが下がるようなことがあっては、天皇陛下の即位というような名目をつけられた以上非常に問題が出てくるんじゃないですか。偽造を防止するというのは、国民から愛されるような金貨にする一つの方法かもしれない。一つの条件なんです。もっともっと広い意味で金貨が国民に愛蔵されるような方向をつくってもらいたい。六十年の在位金貨で相当のダメージを受けながら、またもや同じような方法で——変わったといえば二十グラムから三十グラム。しかし今、金貨は非常にまた安くなっているんです。十万円の値打ちがあると言われても、恐らく今の三十グラムであれば五万から六万ぐらいのものでしかないんです。まだ四万の差があるんです。そういう場合には、その分だけのまだ偽造の余地が出てくる、こういうように考るわけです。 それで、まあ竹下さんが六十年のときには大蔵大臣をされていました。そして総理大臣になられた。今もうおやめになったから責任の追及もないかもしれませんけれども、橋本大蔵大臣はまだお若い。次の次というような声もあり、もしこれで次に偽造が出た場合にはどうされるのか。そんなつまらないことで私は責任とらされるのは非常に格好悪い、そう思う次第でございます。それだけに、金の量目をそういうように少なくする、けちるというようなことはしないで、十万円ならば五十グラムぐらいの金の量目をつけて、本当に欲しい人に三カ月間ぐらいかかって予約を受けて、そして出されてもいいんではないか。この法律案には反対ではございませんけれども、金の量目をどうするかということはこれは政令で決めることですから、まさに大蔵省のこれからの責任は重大じゃないか、こう思うので、大蔵大臣の信念ですか気持ちですか、だけをお聞きしまして、終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは信念で済む話ではございませんで、問題は一つは、委員は為替レートとの絡みでお話になりましたけれども、それよりもストレートに私は金の地金の相場の変動というものはこれは当然頭に置かなければならないだろうと思います。 その昭和天皇御即位六十年の金貨をつくりました時点でも、その時点における金の含有量、金額的には六万円ぐらいの価値があったわけでありますが、それがその後の金相場の変動の中で実質的な価値が下がってそれが偽造を誘発したとよく言われております。しかしそれは、今度は、今委員が述べられましたような処置を講じました場合に、実質の金の相場が変動して今度は高目に振れた場合に貨幣としての額面を超える金の地金としての価値を生ずる可能性もあるわけでありまして、それは今度は通貨が鋳つぶされるとかそうした問題を誘発するということにもなってくるわけであります。その部分は、正直、私どもとしては金相場というものが変動する限りにおいてある程度考慮には入れつつも、やはり現時点においてはその増量という手法において対応するということでやむを得ないことではなかろうかと思っております。 また、その偽造防止対策というものが万全かと言われれば、これは私は、万全であるないということについて力説をするだけの学識を持ちませんけれども、少なくとも造幣、印刷の専門家を初め省外の専門家の御意見も伺いながら、そして今その公表されております偽造防止策というものがそれですべてなのかどうか私もわからないぐらい事務方の諸君が真剣に検討してくれて結論としてまとめたものでありますので、私どもとしては二度と再び不幸な事態を起こさないことを本当に願いながら、そしてそのためにも捜査の一日も早く完了し偽造事件についての終止符が打てることを願いながらこの御審議に臨んでおります。率直な私の気持ちを申し上げて、お答えにさせていただきます。
○委員長(藤井孝男君) 以上で両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、国際金融公社並びに国際開発協会への加盟に伴う法律の一部改正案及び天皇即位記念十万円貨幣発行に関する法律案に反対の討論を行います。 まずIFC、IDA増資法案に反対する理由の第一は、両機関の基本的性格が、世銀に次ぐ第二世銀などとしてこれを補完し、アメリカを中心とする独占資本主義国陣営の世界支配の重要な機構として機能してきたIMF、世銀体制の一構成部分をなし、発展途上諸国に対する新植民地主義的支配の手段としての役割をその本質とするからであります。最大の出資国で投票権の五分の一前後を占めるアメリカを先頭に、いわゆる先進国サミット参加国だけで半分以上の投票権を独占し、総務会、理事会、総裁など主要人事を握り、事実上の運営権を握っているのであります。そして、アメリカの世界支配戦略に沿ってその戦略上の重要国に優先的な資金配分が行われているなど、その運営の実態もアメリカなど資本主義大国の安全保障、経済的利益に合致したものになっているのが実態であります。 第二は、IFCは、発展途上国における金融面の制約によって進展を阻止されている有望な民間開発プロジェクトまたは民間企業を対象に、民間金融機関との協調融資を行う形で、商業的条件による外国資本などの導入を助長することによって、発展途上国への発達した資本主義国の過剰資本の輸出と新植民地主義的進出を助長、促進する役割を果たしているからであります。 第三は、IDA第八次増資以来、本格化したIMFの構造調整ファシリティーと関連させたIDA調整融資が実施されておりますが、その前提条件をなすSAFコンディショナリティー、すなわち政策枠組み書は、IMF、世銀、IDA、さらには二国間援助国まで含めたそれらの共通のコンディショナリティー、共通の低所得発展途上国への経済管理手段として機能するなど、介入、支配の重要な手段となっているからであります。構造調整政策の押しつけ、介入は国際収支、貿易量の規制、為替の切り下げ、金融統制、国民への税収奪の強化、労賃の抑制、失業など多分野にわたり発展途上国の経済困難、疲弊の重要な原因となってきたのであります。弱い立場にある発展途上国でつくっているG24でさえも、IDAコンディショナリティーは厳し過ぎる、最小限のものにすべきだと言い、また、借り手の国で構成するUNCTAD事務局の一九八七年の報告書も、公式的にはIMFと世銀、第二世銀などの両機関の間にはクロスコンディショナリティーはないものとされているが、非公式には実際にそれがあることを暴露しているのであります。 こうしたわけで、これまでのアメリカ中心、大国支配の古い国際経済秩序を打ち破らなければなりません。各国の経済主権を確立し、平等、公平の関係を基礎にした新しい国際経済秩序の確立を目指すことは発展途上国、非同盟諸国の共通の要求でありますが、まさにその実現のために一層の努力が必要であります。 天皇即位記念十万円貨幣の発行に関する法案は、即位の礼、大嘗祭など憲法で定める象徴として国事行為を行うのに必要不可欠でない儀式に対し八十一億円もの巨額の予算を計上していることとあわせ、天皇の即位を利用して行われる天皇美化、神聖化であり、主権在民の基本原則に反し、反対であります。 以上、本二法律案に反対の討論といたします。
○委員長(藤井孝男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井孝男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 本岡君から発言を求められておりますので、これを許します。本岡君。
○本岡昭次君 私は、ただいま可決されました国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブ及び税金党平和の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 開発途上国の発展を支援していくため、世界経済における我が国の立場等を考慮しつつ、引き続き、国際機関等に対する資金面、人材面等についての協力を推し進めるとともに、世界経済の持続的な発展と調和ある対外経済関係の形成に努めること。 一 国際機関による融資等に当たっては、開発途上国における国民生活の安定・向上、経済の自立的発展及び世界的な環境保全の確保等が積極的に行われるよう努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(藤井孝男君) ただいま本岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決をいたします。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井孝男君) 多数と認めます。よって、本岡君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、橋本大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(藤井孝男君) 次に、天皇陛下御即位記念のための十万円の貨幣の発行に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井孝男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十分散会