商工委員会 第3号
- 発言数
- 191 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1990/06/01
会議録
○委員長(倉田寛之君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 去る五月二十五日、予算委員会から、本日、六月一日、一日間、平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 まず、通商産業大臣から説明を聴取いたします。武藤通商産業大臣。
○国務大臣(武藤嘉文君) 平成二年度の通商産業省関係予算の商工委員会予算審査における御審議に先立って一言ごあいさつを申し上げます。 現在、戦後の自由主義経済の発展を支えてきた世界経済システムは大きな転換期を迎えております。すなわち、ベルリンの壁の崩壊に象徴されるように東欧諸国は政治経済両面において改革への大きなステップを踏み出しており、新たな東西関係のあり方が模索されているところであります。しかし、その一方で先進国間の対外不均衡が存在し、我が国の貿易黒字も依然として巨額に上っております。これを背景として欧米において我が国に対するいら立ちが高まるとともに、保護主義的な動きも見られております。 こうした中、自由貿易体制の維持強化を目指すウルグアイ・ラウンドの進展やEC諸国、アジア・太平洋地域などにおける地域協力の動きなど、二十一世紀へ向けた貿易秩序の新たな枠組み形成に向けての試みが見られます。 他方、我が国経済に目を転じますと、内需主導による景気は持続しているものの、為替・株式市場は不安定な動きを依然として見せております。また、人口や諸機能の東京圏への集中が一層進み、国土の均衡ある発展が強く求められております。さらに、我が国の経済力に見合う「生活のゆとり」や「心の豊さ」が国民に十分に実感されていないとの指摘も少なくありません。このような状況を踏まえ、私は、以下の諸点を中心に、通商産業政策の推進に向け、全力を尽くす所存であります。 第一は、先般中間報告が取りまとめられました日米構造問題協議に関する取り組みであります。第二は、対外不均衡の是正と国際調和型の経済構造、産業活動の実現であります。第三は、地球的規模での共存共栄を目指した国際的貢献の推進であります。第四は、地域の活性化と東京圏への一極集中の是正であります。第五は活力に満ちた中小企業の育成であります。第六は、ゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現であります。第七は、技術開発等によるニューフロンティアの開拓であります。第八は、中長期的観点に立った資源エネルギー政策の推進であります。 平成二年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画の作成に当たりましては、このような基本的方向に沿って諸施策の実現を図ることとした次第であります。 この結果、一般会計は、七千二百六十三億四千二百万円を計上しております。特別会計につきましては、石炭並びに石油代替エネルギー対策特別会計四千七百二十二億六千八百万円、電源開発促進対策特別会計三千六百五十一億二千二百万円、特許特別会計五百八十二億三千二百万円等、当省所管の五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。 また、財政投融資計画につきましては、財投規模ベースで六兆七千六百二十五億円を計上しております。 通商産業省関係予算及び財政投融資計画の内容につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○委員長(倉田寛之君) 次に、経済企画庁長官事務代理から説明を聴取いたします。塩崎経済企画庁長官事務代理。
○国務大臣(塩崎潤君) 平成二年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は四百三億六千百万円余であります。 また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として五千九百十億円を予定しております。 以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。 第一に、対外不均衡の是正と世界への積極的貢献のための政策推進に必要な経費として三百三億五千五百万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、海外経済協力基金交付金二百九十九億二千四百万円余であります。 海外経済協力基金につきましては、政府開発援助の第四次中期目標の着実な実施を図るため、事業規模として七千八百億円を予定しております。 この資金としては、前述の交付金のほか、一般会計からの出資金が二千五百五十五億円、資金運用部資金からの借入金が五千九百十億円となっております。このうち、一般会計からの出資金は大蔵省に計上されております。 第二に、豊かさを実感できる国民生活の実現に向けて、内外価格差の縮小、労働時間の短縮、消費者の保護等に係る政策を推進するために必要な経費として二十四億三百万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、国民生活センターによる消費者情報の収集、提供など消費者保護施策の推進等に必要な経費二十二億七千三百万円余であります。 第三に、内需主導型成長と物価の安定の持続等のための政策推進に必要な経費として十三億八千三百万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、物価動向のきめ細かな調査・監視、消費者への情報提供など適時適切な物価対策の推進に要する経費十一億五千万円であります。 第四に、的確な経済政策の実施等のための調査・分析の充実と情報システムの高度化に必要な経費として十一億九千六百万円余を計上しております。 以上、平成二年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。
○委員長(倉田寛之君) 次に、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。梅澤公正取引委員会委員長。
○政府委員(梅澤節男君) 平成二年度の公正取引委員会関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府所管一般会計歳出予算のうち、公正取引委員会の予算額は三十七億五千九百万円となっており、これは、前年度予算額に比べて二億三千八百万円、六・七%の増額となっております。 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、独占禁止法施行経費等として三十五億二千四百万円を計上しております。 違反事件の審査のための経費、経済実態や流通実態の調査及び対策のための経費など、独占禁止法を厳正に運用するための経費等であります。 この中には、違反事件に対する審査部門の増員や、違反事件の情報収集機能、審査機能を強化する機構の拡充のための経費が含まれております。 第二に、下請代金支払遅延等防止法施行経費として二千五百万円を計上しております。 法運用の強化と啓発・普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。 第三に、不当景品類及び不当表示防止法施行経費として二億一千万円を計上しております。 公正な競争を維持促進することにより、消費者の保護を図り、景品表示行政を積極的に推進するための経費であります。 以上、平成二年度における公正取引委員会の予算について、その概要を御説明申し上げました。 何とぞ御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) これより質疑に入ります 質疑のある方は、順次御発言願います。
○谷畑孝君 日本社会党・護憲共同の谷畑でございます。 五月三十一日の新聞の各紙を見ておりますと、まず、「大店法運用緩和初日から出店表明続々と」、こういうふうな見出しになったり、あるいは「スーパー「サミット」 東中野で閉店延長 地元商店主70人抗議」、こういうことで各紙がにぎわっておるわけであります。そういうことでありますので、私は、まず質問を大店法の通産省通達ということにかかわって幾つか質問していきたい、こういうふうに思っています。引き続きまして、同じく五月三十一日の各紙の新聞におきましては、「改正入管法あすから施行」ということで「不法就労外国人規制強まるが…」と、こういうことが各紙同時に報じられておるわけでありますから、引き続いてこの外国人労働者の問題、入管法の改正ということで、二つに絞って私の質問をしていきたい、このように思っておりますので、よろしくひとつ御指導のほどをお願いしたいと思います。 それでは、まず最初に通産大臣にお伺いをしたいんですが、今回のこの通産省の通達は、基本的には大店法の出店調整期間を一年半以内に限定する、こういうことでずっと貫かれておりまして、それにおける枠組みがつくられておるわけであります。そこでこれは、従来の出店調整期間が長いということの判断の中で一年半と限定をしたのかどうか、実際のデータなどを示していただいてひとつ見解をお伺いしたい、このように思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) いろいろこの問題は、日米構造協議といいますか、日米構造障壁協議というのが正確のようでございますが、その中で象徴的に取り扱われたわけでございます。 正直、アメリカなどは大変日本の出店調整の期間が長いということで指摘をしておったのでございますけれども、それは十年以上もかかるとかそういうようなことを指摘いたしておりましたが、調査の結果は割合そういう十年以上というのは少ないケースで、確かにそういうケースもありますけれども、数としては少ないわけでございまして、調査の結果、平均はたしか大体三年か三年半だったと私は記憶をいたしております。 そこで、一年半というのはどうしてそれじゃ一年半になったかということでございますけれども、やはり今の時代というのはスピード時代でございますし、また今回このような運用改善に当たりましては、それぞれ地域社会に対して、あるいは地域の経済に対して従来大変御貢献をいただき、また今後も御貢献をいただかなきゃならない中小小売商の皆さんのことも考えなきゃなりませんし、また、しかしながら一方においては消費者を重視していくという、今国の政策全体にわたってそういう点を非常にウエートを置いて政策をある程度展開しつつあるわけでございまして、そうなるとやっぱり消費者のことを考えていかなきゃならない。それからいま一つは、今の日本の国際的社会の中に置かれている立場を考えますと、やはり開かれた日本という考え方で、日本だけが特殊な法律があるんじゃないかということはできるだけ直していかなきゃならない。 こんなことを考えまして、一応一年半が今のところ限度いっぱいであろうということで一年半ということを今度の運用改善で考えたわけであります。
○谷畑孝君 私は実は地元が大阪でございまして、大阪における大店法についての調整期間というものを調べてきたわけでありますが、普通はほとんどがスムーズにいっておる、一年半から多くて二年と。しかし、その中には時たま長くなる場合が例外的にある。そういうことで、平均的に三年になったり少しそれを超える、こういうことがある。大阪の地元の行政官庁に聞きましてもそういうような説明でございました。 私は、大店法の目的の第一条という、これはそもそも大店法の目的というものがうたわれているんですから、非常に大事なところだと思います。「この法律は、消費者の利益の保護に配慮しつつ、大規模小売店舗における小売業の事業活動を調整することにより、その周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、小売業の正常な発達を図り、もつて国民経済の健全な進展に資することを目的とする。」というのが大店法の第一条だと、このように思うんです。 そこで、今度のこの通達は、実はこの第一条の目的というものに合致するのかどうかということが非常に私自身疑問になるわけです。通達そのものが大店法の目的を逸脱し、むしろ事実上骨抜きにしてしまう、そういうような大きな危惧があると、こういうように実は思っているわけであります。そこでもう一つ通産大臣に、この大店法は廃止という声もありますが、今申しましたこの第一条を堅持される考えがあるのかどうかということを明確にひとつお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は大店法の廃止は全く考えておりません。先ほど来申し上げておりますように、今の一条にございますように消費者の保護を考えながら、そしてしかもそれぞれの地域の中小小売商のいわゆる事業活動の機会の確保ということが一条にあるわけでございますから、それも考えながら今度の運用改善をやったつもりでございます。 ただ、先ほど申し上げますように、私は決して法律に反していないと思っておりますが、法律には国際的なことまでは正直書いてございませんけれども、これはやはり日本の今の置かれている立場からいって、ある程度国際性というのは、法律にあろうがなかろうが、これは日本として今後考えていかなきゃならないことではなかろうか。その点は、この法律のできましたころと今とは相当時代が変わってきておりますのでその辺はございませんが、少なくともこの法律に反しない範囲内において私は国際性というものを考えていきたい。例えば今度の運用改善の中で、いわゆる輸入品の売り場については百平米以下は、届け出はしていただかなきゃなりませんけれども、実際の調整はほとんど行わなくてもいいような通達になっておるわけでございますが、その辺のところは現在の国際性を考え、たしか七条であったと思いますけれども、その周辺の中小小売商との調整ということを考えながらその辺が限界であろうということで百平米以下ならばと、こういうことにしたわけでございます。
○谷畑孝君 先ほど私も申し上げておりますように、やはり大店法の精神からすれば、地域の小売店関係あるいは市場の皆さん方を含めての状況に耳を傾けてじっくりと調整をすることによってこの大店法の精神がある、こういうことを申し上げておるわけでありまして、そういうことから言うならば、この一年半が妥当であるとかそういうことではなくて、やはり時には一年半を超えてじっくりと、影響が過大な場合は、そういう観点に立たなきゃならないのじゃないかと、そういうようなことを実は思っているわけであります。 そこで、やはり地元の商売屋さんが知りたいのは、とりわけこの大型店の出店で商業環境がどのように変わっていくのか、ここに対して一番大きな関心がある。その大型店が出ることによって自分の商売がつぶれるのではないか、どうなっていくんだろう、こういう不安が大きいということだと思うんです。これに対して行政独自の対策としてこの出店に対する影響調査といいましょうか、この大店法におきましては、許可するとこういう影響が出ますということ、いわゆる行政が持っている資料ですね、そういうものを生かしてそれらの内容を事前にきちっと提示する考えがあるのかどうか。その点も含めて、大事なポイントになると思いますので通産省から、どちらでも結構ですので再度回答していただきたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 現在の出店調整手続、まず出店表明されましてから事前説明に入るわけでございますが、その事前説明の段階で出店予定者がどの程度の売り上げを想定しているか、あるいはどういう商圏を予想しているかというようなのを御説明することにしております。ただ、その商業圏域の売り上げ全体がどうなるか、あるいはその他の小売商業にどのような影響を及ぼすかという点につきましては、その事前説明の段階では明確に一般的には出ておりません。 私どもとしてその点につきましては、事前商調協の段階あるいは商調協の段階で地元でいろんな調査をされ、あるいは話し合いをされて、その中で御質問のような想定をした上で調整をしていく。通産局、通産省としては独自にそういうデータを踏まえて、最終的には勧告、命令の段階に入る時点にはそのデータを踏まえて勧告なり命令をする、そういうことになると思います。
○谷畑孝君 ということは、結論的に言いますと公表はしないということですか、するということですか。
○政府委員(山本貞一君) 今申し上げましたように、一義的には地元でデータなり想定をしていただくということにしておりまして、それをもとに私どもとして判断をしてまいるということでございます。公表―公表というか、周辺の小売あるいはその全体の売り上げがどうなるかという点については、従来そういう明確な公表はしておりません。
○谷畑孝君 例えば今、特に日米構造協議問題の中で、新潟で大型玩具店が出店をするということで非常に大きなシンボル的な一つの要素になっておるのですが、マスコミも取り上げておりますが、これですね。いわゆるアメリカの巨大おもちゃチェーンのトイザラス、聞くところによりますと、新潟市のおもちゃ売り店が売り上げしておるのが四十四億、そのうちの二十億をこのトイザラスの計画の中で売り上げをしたいと、こういうことだということでありますけれども、これはやっぱり大変な影響を与えるわけであります。四十四億の売り上げのところを、それも六十三店のおもちゃ屋さんの総売り上げが四十四億、そのうちの二十億をこのトイザラスということでありますから、これは社会的に影響が大きいというように私は思うわけであります。だから、これも含めて、いやもう一年半でその手続を終えていくんだと、そしてその中でずっと調整をしながらやっていくんだというのはやっぱり無理があるんじゃないか。 そういうことも含めて、しつこいようですけれども、このトイザラスの出店による影響調査というものを、行政機構としてそれを当然実施されているのかどうかということをもう一度ひとつ質問します。
○政府委員(山本貞一君) トイザラスの件につきましては、現時点で私どもその想定はまだできておりません。ただ、今委員御指摘でございますが、大変大きな金額を占めることにはなりますが、出店計画ではその圏域というか新潟市だけの需要じゃなくて、あるいは新潟県全体あるいは高速道路を利用した近県の玩具の需要者、そういうものを全体想定した商圏を考えておるようでございまして、そういう意味でそこの実は新潟市における玩具の売り上げというのを相当大幅な増を見込むことも可能だと思うわけです。私どもとしては、そのあたり幾らぐらいの金額に想定していいのか、明確なものは現時点では持ち合わせておりませんけれども、今後そのような予想につきまして、あるいは最終的に調整という段階に至るまでに、その間において通産局を中心に需要想定をしてまいりたいと思います。
○谷畑孝君 私が言いたいのは、調整する中においては、必ず一つの柱としてどれだけの影響があるのかという、売り上げ等を含めてのここの見通しはやはりきちっと当該の小売店に公表するということが、また、それを伝達するということが非常に大事な行政のポイントじゃないかということを私自身の意見として申し上げておきたい、このように思います。 次に、この間ずっとお話をしてまいりましたように、やはり地元への十分な説明と合意というものが難しくなっておるということについては私自身が心配するわけであります。一年半ということで限定しますと非常に難しくなってくる、こういうことを心配するわけでございます。 通達では、事前説明の目的は出店計画の内容を明確にすることとし、中小小売業者の合意を得ることを目的とするものではないとしています。それなら初めから広報紙で説明しても何ら変わりはない。事前説明に六カ月もとる必要も私はないと思うわけであります。また、事前商調協も八カ月たてば審議未了でそのまま先送りをするということになっています。それと同時に、この通達の中で私一番疑問に感じるのは、全会一致というものにこだわらないということがこの通達の随所に実は出てまいります。意見が違ってもそれを併記してやるんだ、あるいは事由があって反対の委員がおられましたら、その反対の委員さんがいなくてもそのまま進めていくんだということとか、そういうようなことが通達の中に随所に出てきているわけであります。これは言いかえれば、今回の通達は、大店舗がさらにスムーズに出店のできるように、一年半という枠組みの中でもうがんじがらめにスケジュールを、日程を組み立ててしまう、やっぱりここに実は大きな問題を持っておるのではないか。そういうことで、一番冒頭にこの新聞の報じたところにおいても、たくさんの危惧が起こってきておる。増床の問題においてもそうだし、閉店の時間の問題もそうだし、こういう点について私は実は心配をしておるところであります。 そこで、一年半という通達が出てしまっているわけでありますから、ならば、大型店側には不服申し立てというものがあるわけでありますが、地域小売商の異議申し立ての保証というのは一体どこであるのか、その点ひとつお教え願いたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 今御質問の不服申し立ての件につきましては、大店法の十七条で、出店予定者側に対して通産大臣あるいは都道府県知事が命令なり差しとめ、営業停止命令を出した場合に予定をしております。 これは御案内かと思いますが、出店予定者が本来営業の自由に基づき出店を計画する、それに対して大店法上届け出という体系になっておりまして、最終的には勧告、命令、そういう一定の営業の自由の制限を加えておるわけですが、その営業の自由の制限に対して不服がある、いわば不利益処分を受けた、それに対して異議申し立て、不服申し立てをすることができる、そういう体系になっておるわけでございます。 地元の中小商店につきましては、大店法の目的は委員御指摘のように中小小売商業の事業機会の適正な確保ということでございますが、中小商店側としては直接的な利益の侵害が通産大臣あるいは都道府県知事の命令によって起こるわけじゃございませんので、行政処分に対する不服申し立てというのは法律上予定されない、あるいは他の法律の体系でも見当たらないということと考えております。
○谷畑孝君 ということは、大店法ということを武器にしながら一年半で調整は終わってそして大店舗が出店をする、これを小売商の皆さんがちょっと待ってくれという法的な差しとめとかそういうものが基本的にはできない、こういうことですね。法的にそういう大店法を武器にした形で、それを差しとめすることはできないということでいいですね。
○政府委員(山本貞一君) 法律的には今申し上げましたとおりでございます。 ただ、調整の手続の中で中小商店あるいは地元の御意見を十分伺って審査を尽くす、かつ最終的に大店審の意見を伺って通産大臣、都道府県知事が勧告、命令を行う場合には、その地元の意見を十分聞くという法律の体系も確保されておりますので、その体系の中で確保されると考えております。
○谷畑孝君 そうしたらもう一度、しつこいようですけれども、その勧告の中で、やっぱり地元との調整をよく聞いた上でこれはちょっと無理がある、こういう場合は勧告の中でその進出を事実上とめるような、そういう勧告も可能であるということですね。
○政府委員(山本貞一君) 先ほどから御指摘の法律の目的に従いまして、必要があれば出店者側に対して出店時期の繰り延べあるいは面積の削減等の内容の勧告が出せるわけでございます。
○谷畑孝君 それでは、次の質問に入っていきたいと思います。 私も商店街だとかそういう市場周りだとかは実は大店舗にはまたない一つのやわらかさがあったりして、町並みというのか、そこの町のにおいがしたりして非常に好きなわけでありますけれども、やはり大店舗の影響というのは、私どもが考えられるのは、今日の土地の値上がりによってまさしく安いところとなってきますから、ほとんど人のいない、自動車で行くという、こういう郊外になったり、そういうところに今進出があったりということにつながったりします。ときにはまた、商店街と肩を並べながら人の集まるそういうところで大店舗が進出する場合もあります。そのとき、両者においても言えることなんですが、やっぱりその町並みの景観だとかあるいは交通の渋滞の問題だとか、車と自転車とごちゃごちゃでもう日曜日などになりますと終日交通渋滞が起こっている、こういうことがありますから、ぜひひとつこれもできましたら通産省か大臣どちらでも結構ですけれども、町並みの状況と町づくりの状況と、そういうようなものが調整されたりさまざまな状況であっていいんじゃないかと私は思うんです。 それと、私今大店法の通達について発言しましたのは、とりわけ大店舗に対しての小売店の立場で発言しておるわけでありますが、しかし考え方によれば、ある商店街におきましてはやっぱり大店舗と平和共存してかえって活性化したということも、これもあわせてそれを全面的に私自身が否定するわけではなくて、むしろそんなことも実はあるわけでありますけれども、さまざまのそういうケースの中であるんだ、そういうことで、私の質問は、ぜひひとつ総合的な町づくりアセスメントというもの自身をこの際ひとつ通産省が腹を据えて、そういうことの考えがあるのかどうかということをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 正直、今お話のございましたように、私ども中小小売商の皆様方のことを十分今後とも考えていかなきゃいけないと思っております。今御指摘のように、現状を見ますと本当に町並みがごみごみしちゃって、とても消費者が物を買いに行くにも買いに行く気持ちがなくなってしまうようなこともあるわけでございます。あるいは中には、もう御子息が全然自分のうちの商売をやる気はないということで、お年寄りの御夫婦がやっておられるようなところでございますと、もう六時ごろになると店をおしまいになっちゃっているというところも結構あるわけでございます。これはやっぱり消費者のことをかんがえますと、非常に消費者にとってはマイナス、困るわけでございますから、私は今度のこの大店法のいろいろの運用改善なりあるいは将来の法改正の中でぜひ考えていきたい。 今ちょうど御指摘がございましたけれども、例えば大型店だと案外全然町とは違ったところにぼんとつくっちゃって、そこへ今度は車も何も行く、人も行くということになると、こっちの商店街がだめになっちゃうというようなことも中にはあるわけでございます。そこで、これからはやっぱり大型店と中小小売商とができるだけひとつ共存共栄を図っていくというような方向で考えていきたいという考え方と、いま一つは、やはりその地域の都市計画がいろいろございますので、それとの整合性の中で建設省あるいは場合によれば地方自治体の御協力もいただきながら、一つの新しい町づくりと商店街づくりというものと合致した考え方でいくべきではないだろうか。 それで、その商店街づくりは、できれば横よりはどちらかというと縦の関係、いわゆる高い建物の中で考えていく方が、私は今の日本の土地を大いに利用する、活用する、特に駐車場が少ないとかそういうようなことを考えますと、そういうことが必要ではないだろうかと、そういうような建物はできれば第三セクターあたりで考えていただいて、そしてできれば大型店も中小小売商も一緒にそこに入っていただいて、そしてより多くの消費者に利便を提供するというような形がいいんじゃないだろうかというようなことも考えて、建設省あるいは自治省あたりとも今後いろいろと協議をしながら、今その辺の町づくりといわゆる商店づくりというものをいかにうまくやっていこうかということを実は協議を始めつつあるところでございまして、今御指摘のような今の日本の実際の商業地域などの実態を見ながら、あるいは大型店の進出状況を見ながらそんなようなことを考えておるわけでございます。
○谷畑孝君 そこで私は、具体的に影響を受ける小売業者にとりましたら、やはり法があってこそ初めて運用ができるわけでありまして、だから今大店法の改正という形の中で小売業者を含めての反発と、こう言われないためにいろいろと新聞発表と、大蔵省を含めて、あるいは建設省を含めて、第三セクター的なそういう形にも力を入れるんだと、消費者にも力を入れるんだというのは、これはあくまでもそういう決意でございまして、例えば近代化資金にしたって、個人の国金にしても、これはほとんど個人等ではなかなか手続が難しゅうございますので、そういうことが本当に含めてできる一つの法体系というものを担当である通産省御自身が中心になってやっていくべきだと、こういうふうに実は思っているわけでございます。ぜひひとつ今の大臣の考えをさらに発展をさせていただくことをお願いしたいと思います。 次に、この運用通達の中で地方公共団体の独自規制の適正化ということが書かれておりまして、各地方自治団体がそれぞれの独自的に行う上乗せ規制とか横出し規制をその地域の状況に基づいて実はやっているわけであります。今回のこの通達はそれをだめだと、ばっさり通産省のイニシアでやるんだと、言いかえれば、一年半でこの枠組みの中でひとつやっていただかなきゃならぬと、こんなことを実はやっていると思うんです。私は過日たまたま香川県の商店街を見ることの機会を得ましたが、それぞれの商店街にはそれぞれの地方自治団体の顔がありますし、大きな成功をしておるところもあります。そういうところはやっぱり自治体の役割が大きい、そういうことですので、私は、これは地方分権という時流から見ても、あるいは大店法問題をとらえるに当たっても、地方自治を中心にして考えなければならぬという立場からも、少し行き過ぎじゃないか、そういうふうなことを思っておりまして、この点につきまして通産省、ひとつ意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 大店法の体系は御案内のとおりでございますが、全国的な調整の手続規定を定めたものだと言えると思います。その大枠の中で実際の運用は現在でも都道府県、それから商工会議所、商工会といったような地元で中心に運用していただいておるわけでございます。その点については今後も私ども変わらないと存じております。 ただ、今回のいろんな配慮から運用適正化を行うに当たりまして、私どもの通達あるいは運用というのを適正化していくと同時に、千百三十一にも及ぶ都道府県、市町村でいわゆる上乗せ、横出し規制をやっておられる、この点についても全体の運用適正化という点からぜひ進めていただく必要があると思いまして、私ども今回、先日出しました通達では、そのうちの行き過ぎたものについて是正を指導するという形で通達を出したわけです。自治省からも翌日付で行政局長通達で、そういう方向で努力するようにというような通達が出されたわけでございます。 今言われましたように、運用自体はそういう方向で地方自治あるいは地元中心に考えるというのが基本でございます。ただ、プラスアルファあるいはその横出しの規制については、行き過ぎたものについては訂正をしていく。きちっとするためには通達だけでは足りないので、来年また国会にお願いする大店法の改正の中では、そのあたりについてはさらに明確にするようにお願いをしたいと考えておるわけでございます。
○谷畑孝君 そうしたら、若干各地方自治団体の行き過ぎたものについては少し監督をしたりするんだけれども、しかし各地方自治団体がそれぞれの形で調整機能を果たすためにも、独自でつくられていることについて行き過ぎていないものについてはそのままで大いに結構だと、やっていただこうと、こういうことですか。
○政府委員(山本貞一君) 今申し上げましたのは、今回五月に出しました通達では、行き過ぎたものについて是正をしていただくようにという内容でございます。全部廃止していただきたいということではございません。ただ、今後審議会でも検討あるいは地元の御意見も伺いまして、来年お願いします法律の中ではそのあたりについてどこまでやめていただくかというところも法律論を十分いたしまして、関係省庁とも御相談して、抑制というか線を引いて、やめていただくものはやめていただく、そういうことになるかと存じます。
○谷畑孝君 だんだん時間がなくなってまいりましたので、大店法の通達についての質問はこれで終えたいと思います。 次に移りたいと思います。 先ほども冒頭に申し上げましたように、六月一日、改正入管法が実は施行されまして、そういうことで不法就労外国人の雇用主に対する罰則規定が実は設けられたということでございます。そして、この一カ月の間に大量の外国人が帰国をするという事態が発生しておりまして、各地の入国管理局は大変な事務に追われておるというのが現状だと聞いています。そこで、それでなくても中小企業の慢性的な求人難、好況に支えられた中でこういう求人難が非常に大きな社会問題にも実はなってきておるということで、中小企業の皆さんにとってみましても何としても合法的な、しかも国際連帯というそういう立場の中で外国人労働者の問題のとらえ方がないか、こういう陳情も多いと実は聞いております。 そこで、この改正入管法との関係で外国人労働者受け入れ問題に対する通産大臣の基本的な立場をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今、外国人労働者の問題は、本当に社会的にも経済的にも大きな問題だというのは認識をいたしております。ただ、ああいう政府全体の考え方の中でまとまりましたのは、やはり単純労働者に対しては、これは正直今のところはできるだけ抑えるべきではないかという考え方と、しかしながら研修を目的とされる方々はひとつこれからの日本の国際的な立場を考えれば喜んで受け入れていくべき、積極的に受け入れていくべきではないかという考え方と、私はこの二つの考え方に基づいていろいろの措置が今度考えられたと思います。 そこで、しかし実際中小企業の皆さんのことを考えますと、例えばこの間中小企業白書を見ておりましても、中小企業の大体三割の皆さんが外国人労働者というものに対して大変関心を持っておられるということは指摘をされておるところでございますから、その辺をどう考えていくかということでございますけれども、一応政府全体としてああいう方向が出ましたので、私としては、一つはやはり研修生の受け入れというのを、できるだけ中小企業においても受け入れていただくような体制をつくっていくべきではないだろうか。 それからいま一つは、今もJICAの関係でいろいろと技術協力の研修生の受け入れなどの制度がございますけれども、ああいうものもできるだけどこかで実際の研修をやっていただいているわけでございますから、そんなようなのも中小企業あたりも受け入れられるようなことを将来考えていったらいいんじゃないだろうかとか、そんなことを考える一方、中小企業御自身もやっぱり日本人労働者の皆さんが大企業より中小企業へ行こう、こういう気持ちを持っていただけるような、そういう職場環境というものをよくしていくということにお力添えをいただかなきゃならない。中小企業対策もそんなこともこれから考えていかなきゃならないんじゃないかと私は考えております。 今既にある程度の政策は行われておりますが、省力化というものに対してやはりできるだけの助成をしていくということも、私はこういう労働力不足のときには十分中小企業対策として考えていかなきゃならない。それらのいろいろ総合的なことをこれから実施していくことによって、何とかこの労働力不足という中小企業の実態を少しでもいい方向に緩和していきたい、こう考えておるわけであります。
○谷畑孝君 私、この件につきましては、前回の委員会におきましても発言を実はしておったわけです。今回は入管法改正ということがありますので、再度質問しておるということです。 そこで、やはり大阪商工会議所あるいは東京商工会議所あるいは関経連、この間ずっと経済団体も、研修生だけじゃなくて一般労働者として受け入れる方法はないものか、そういうものがどうかという意見もあります。その点もぜひ耳を傾けていただきながら前向きにひとつ検討していただきたい、こういうふうに思っています。 次に、研修生の受け入れですけれども、今現在二十人に一人ということだと聞いておるわけですが、むしろもっと零細なり一人親方なり含めて、そういうふうなところにおける研修生の受け入れ体制が可能なのかどうか。その点、ひとつ通産省の方でお答えいただきたいと思います。
○政府委員(棚橋祐治君) ただいま大阪商工会議所とか東京商工会議所、関経連などの御提言についても十分検討してほしいという谷畑先生の御指摘でございます。これにつきましては、先生も御承知のように、例えば大阪商工会議所は、研修枠を大幅にふやすと同時に一般労働枠を設けて、新しく単純労働といいますか一般労働の導入を認めるべきである。東京商工会議所も、外国人労働熟練形成制度というものをつくって、やはりそのような方向である程度の単純労働等の導入を認めるべきである。関経連についても、やはり労働許可制度のもとにおいてそういう方向について検討すべきである。大体共通した御提言でございますが、私どももこういう御提言については、大変御勉強の成果でもあり、今後十分に御参考にさせていただきたいと思っております。 他方、先生の今おっしゃいました、改正入管法のもとに行われます新しい制度の中で、確かにある企業が受け入れる場合に日本人二十人について一人しか認めない、しかも日本の企業が海外に進出をしておる、単独にしろ合弁にしろ、そういうところで将来働く人たちを日本で研修するという、そういう前提の枠組みがあるわけでございます。 私ども、産業労働問題懇談会というところで、かねてより通産省としてもこの問題について各界の権威者から随分御意見をいただいておりますが、そこの大方の御意見は、やはり当面単純労働力については慎重に対応せざるを得ないが、研修について大幅な拡充を図るべきである。現在の例えば二万数千人を倍増して五万人ぐらいに、そういうふうに持っていきたい。それによって外国の労働者の日本への受け入れのコンセンサスづくりにも役立てたい。こういうことで現在の制度のフレキシビリティーをもっと拡充すべきであると検討いたしております。 今先生御指摘の二十人に一人というのを、これは何人に一人という枠をかぶせるかどうか、近い将来もっともっと緩和すべきだと思っております。それから、場合によっては日本の企業が海外に進出をしておる場合にのみその国から受け入れるということをもっと広げまして、やはりその国の産業構造、工業化の進展にも寄与するような研修制度の方向に持っていきたい。あるいは現在、研修の三分の一はオン・ザ・ジョブじゃなくて、労働力を利用するということを認めない方向で、机の上で勉強するという制度でございますが、これも三分の一をそれにやるというのはやや硬直的な面もあるので、いろんな角度から研修制度の柔軟な枠組みについて早急に検討し、法務省等にも申し入れをしたい、このように考えておる次第でございます。
○谷畑孝君 時間が差し迫ってきまして、まだたくさん用意をしておるわけでありますからちょっと走っていきたいと思うんです。 前回も私申し上げたんですが、私の提言といいましょうか意見というものは、外国人労働者を受け入れる場合は各地方自治団体を中心として第三セクターをつくるべきだ。特にその中においては、その周辺の各大学のアジアなりの語学の先生方、あるいはボランティアの外国人、人権センター、さまざまな人たちとそれを第三セクターの中でフォローしていく必要がある。ただ単に労働力が要るから要る、こういうことじゃなくて、労働力ももちろん要りますけれども、日本の社会、伝統の相違あるいは言葉の障壁、そのようなものがそこでフォローできるような、例えば住宅のあっせんだとかさまざまのボランティアを含めてできるようなセクター的なものが必要じゃないか。そうすることによってさまざまな壁が、危惧されている問題がとれていくのではないか。これは前回のときも申しました。再度今、私の意見を言っておきたい、こう思います。時間の関係で次に走っていきたいと思います。 そこで、文部省にきょう来ていただいておるわけですけれども、実は過日、大阪の三越百貨店のところで私どもが民間団体と実行委員会をつくって、ことしは国際識字年ということでございまして、その識字年の識字展を実は行っておったわけであります。私もそこへ参加をしまして非常に新しいことを学ぶことができたわけであります。その一つは、今日でもやはり日本人であっても文字を読めない書けないという人がたくさんおられる。したがって、それに対して文字を知っていくということが非常に大事なことである。こういうことが展示されておったわけであります。 そこで、とりわけこの識字展の中で、外国人労働者の参加が非常に多いということです。特に、阪における夜間中学生などはほとんどが在日外国人であったり、あるいはそういう者が非常に多いということであります。そういうことでありますから、この外国人労働者の問題も絡んで、ことしは識字年ということでございますので、今日的な識字という問題が存在しておるということで、予算を含めて、文部省の方としてそれをどのようにとらえておられるのかということをぜひひとつ文部省にお聞きしたい、こういうふうに思います。
○説明員(鬼島康宏君) ただいまの質問でございますが、本年は国際識字年ということで、文字の読み書きのできない方々は世界にたくさんおるわけでございますが、我が国の場合は学校教育制度が大変整備充実しておりますのでほかの国々とちょっと様相が違うわけでございますが、文部省といたしましては、そのような諸外国に対して国際的な協力をしていくというのが一つございます。 国内の問題でございますが、今お話のありましたようなことでございますが、我が国におきまして文字の読み書きのできない方々がおられるということは私ども承知しておるわけでございます。この関係で、夜間の中学校というお話が今出ましたが、文部省におきましても、それぞれの地域におきまして夜間中学校が開設されておるわけでございますが、これは早くからやっておりまして、これの充実に努めてまいっておるわけでございます。この予算につきましては、それぞれの地域においての実施でございますのでどのくらいどうということは掌握してございませんが、文部省といたしましてはこれに対して助成を行って進めてきているところでございます。それから他方、社会教育面におきましても、識字学級を開設している地域におきまして助成制度を設けこれの補助に努めている、こういう状況でございます。
○谷畑孝君 文部省が一九七九年のユネスコの調査に対して、国内で文字の読み書きができない人はほとんどいない、こういうような立場で実は報告しておるということでございまして、私はそんなことじゃなくて、もっと掘り下げていけば日本人だって文字を読めない人はたくさんおる。そういうことに対してやはりその制度をもっと充実していかないとそういう受講者はどこへ行ったらいいかわからない。識字展へ行きますと、その場で相談コーナーをつくっておりまして、私ども文字が読めないけれどもどこで教えていただけるんでしょうと、こういう問い合わせが実はたくさんあるんです。そういうことと、今申しましたように、新たに長い間住んでおられる在日韓国人・朝鮮人の皆さんもたくさん夜間中学に参加をしてきておるし、今日の情勢に応じてやはりそういう社会教育として非常に大事である。ことしはせっかく識字年でございますから、文部省もぜひその点、問題意識を変えて、前向きにひとつ頑張っていただきたいということを私は申し上げたいと思います。もう時間が余りありませんから、次に行きたいと思います。 次に、法務省の方に少し質問したいと思います。先ほどの外国人労働者の問題と関連をして、私自身いつも思っていることですが、まず日本においては在日韓国人・朝鮮人の問題が非常に大きなウエートを実は持っておる。六十万ということでありますから、言いかえれば、それは先達の外国人の関係である。ここの問題をきちっとしていかないと、国際社会だとこう言っても、なかなかその登竜門を私は越えていけないと実は思うんです。 過日、盧泰愚大統領が国会で演説をされました。私もそれを聞いておりまして幾つかのことを実は考えたわけです。それは、第二次世界大戦でアメリカ、カナダの日系人の財産が没収された強制収容のあのシーンをいつも私は思い出すんです。それで、本当に偉いなと私が思うのは、アメリカもカナダもそれをずっと追跡して、今日本に帰ってきておられる日系人に対してでもその補償をするために調査をやっておられる。しかも、アメリカの政府が謝罪をしてそれは誤りだったと、こういうことで補償をしておるわけです。 そこで、私はお聞きしたいんですが、これは日本とアメリカ、カナダなり、そういう政府間の外交の中でこの日系人の収容の補償がされたのかどうか。その点を私はお聞きしたいんです。法務省の方にひとつお願いしたいと思います。
○説明員(堀口松城君) ただいまの問題につきましては、果たして当省がお答えするのが適当かどうかわからないのでございますけれども、個人的に承っているところでは、それぞれの政府が独自の調査でそういうことを行ったというふうに承知しております。
○谷畑孝君 ということは、これは外国との外交ということで強制収容の補償ということに実はなっていない。むしろアメリカにおける、カナダにおける日系の人々が自分たちの問題としてアメリカ政府に対して大きな世論化をした中でその補償になったと、こういうことですね。簡単で結構ですから、もう一度お願いします。
○説明員(堀口松城君) そういうことであると、承知しております。
○谷畑孝君 なぜそういうことを質問するかといいますと、そういうことであれば、過日の日本と韓国との政府外交の中で、在日韓国人の二世、三世の法的なさまざまの協定、そういうものがやはりあるわけでありますが、私がここで申し上げたいのは、日本にもう長期にわたって住んでおられる、しかも税金も払っておられる、こういうことでありますから、やっぱり住んでおられるということに基づいて、新たなる問題が発生するのではないかということです。だから、日韓の問題は、過日、日本が、総理大臣が謝罪をしたということでそれで終わりと、こういうことじゃなくて新たなる出発のことではないだろうか。これは回答は要りませんけれども、強制連行についての戦後補償という問題等を含めて、やがてはさまざまな問題がやはりこれから大きく発展をしていく道筋じゃないかということだけを一つ申し上げたいと思います。 もう六分ということで、えらい済みません。せっかく用意しておりますので、もう少しだけちょっと時間をいただきたいと思います。 次に、これは先ほど何回も申しましたけれども、在日韓国人・朝鮮人の問題は外国人労働者の問題とかさまざまな問題と絡んだ中でやはり大事なとらえ方だと、こういうことであえて質問するわけであります。 一番今関心があるのはやっぱり就職の問題だと思うんです。とりわけ就職ができないということだと思います。特に、それは私今いろいろ資料を持っておるわけですが、あるところでは会社のしきたりにより外国人は探らないと、こういうことになったりしてほとんど民間においては就職の道が閉ざされておるというのが現実なわけであります。 そこで、自治省に少しお伺いするわけであります。地方公務員の採用における国籍条項の存在であるわけでありますが、この中で「公権力の行使または、公の意思の形成への参画にたずさわる地方公務員であるかどうかについては、一律にその範囲を画定することは困難である。当該地方自治団体において具体的に判断されるべきもの」と、こういうふうに実は自治省は答えておるわけであります。そういうことの中で、若干現場部門におきましては公務員の採用の道もだんだんだんだんふえてきておるわけであります。しかしまた、ただ単なる現場だけじゃなくて、一般事務職員についても就職もしたいということが非常に大きな願いとして実は入ってくるわけです。大学を出て、そして各自治体の一般職を受けようとすると、いやそれは公権力の行使だと、こういうことでなかなか妨げられている場合も実はあるわけであります。 そういう点について自治省、そういう国籍条項そのものの存在ですね、そのものの存在も今後の大きな課題として前向きな方向でいこうとするのか、あるいは現状のままなのか、そのことも含めて少し見解をお聞きしたい、このように思います。
○説明員(佐藤信君) ただいまの御質問に関連いたしましては、政府は従来から公務員に関しての当然の法理ということで公権力の行使あるいは公の意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とすると、しかし今お話がございましたように、それ以外の公務員については日本国籍は必要としないんだということでございまして、この考え方自体については、現在もそういうことで法制局の方でも示しておられるところでございます。 ただ、私どもといたしましては、この公権力の行使のといいますか、公務員に関する当然の法理の範囲内でできるだけこれらの方々についての採用の機会が拡大できますように検討をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○谷畑孝君 わかりました。 ちょっとオーバーをしましたけれども、これをもって質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○庄司中君 まず、通産省関係の質問を先にさせていただきたいというふうに思います。 通産省は、今年度の施策の中に輸入促進税制をかなり大胆に取り入れていらっしゃいます。ただ、輸入促進税制の背景にある国際収支の問題、例えば八九年をとってみますと、貿易収支が七百億ドルとなりまして、前年の九百五十億ドルからがたんとやっぱり改善をしたということですね。それから、経常収支の方も約二百三十八億ドルの大幅な改善をしている。暦年でとってみましても、例えばことしの一月が赤字が出たというふうに改善のテンポが非常に加速化して早くなったと、こういうことが言えるだろうというふうに思います。 ただ、これは全般的な収支の問題でありまして、アメリカとの二国間をとりますと、御存じのように五百億ドルで、もうさっぱりこれが改善ができない。だから構造協議の問題が出てくるわけでありますけれども、これは後の課題にしまして、例えばこういうふうに非常に改善のテンポが速くなってきている。そして特に製品輸入がふえてくるとか、それから目立ちますのは旅行収支が非常に赤字になってきている、絶えず有史以来であるとか新記録であるとかというふうに年々これは拡大をしてきているということであります。中期的に見てみましてもテンポは非常に速いですよね、毎年毎年がくんがくんと段階的に改善が進んでいる。そういうふうになりますと、これでまた新しい問題が出てまいります。例えば九百億ドルぐらいの黒字が出ていたときは、とにかく減らすこと減らすことというふうに、もう際限なく、いわば限りなく減らしていくという方向が必要だったろうというふうに思います。 ところが、改善が加速化してきますと、それだけでいいのかという問題が新しく出てまいります。最近の議論でも、これはもう産業界の方からも出てまいりまして、やはり適正水準を考えた方がいいじゃないのか、例えばGNPの一%であるとか二%であるとか。大体その構造協議の下敷きと言われておりました前川レポートでも二・五%ぐらいを想定していたということであるわけであります。 国民の側からいきますと、際限なく黒字が減るというのは何となく不安なんですね。一つは、やっぱり石油の依存度が非常に大きいという問題があります。それから、最近食料の海外依存度が非常に大きくなってきている。このまま限りなくゼロに向かっていく、あるいは赤字に向かっていって本当に大丈夫だろうか。片方では通産省は輸入促進税制をやっていく、今本当にそういうものが必要なんだろうか。こういうことにつきまして通産省としてどういうふうに考えていらっしゃるか。これは今の時点での判断とか評価をお願いしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) これは正直なかなか難しい問題だと思うんですね。国がコントロールしてやっているわけではございませんので、結果的に、今御指摘のような点は、確かに経常収支においても改善の傾向が見られますし、また貿易収支においては二百億ドル以上と大変急激に減ってまいりました。今御指摘の点は、このままどんどん減っていったら、下手をしたら日本の黒字はすぐなくなっちゃうんじゃないだろうか、国民から見れば、石油を初めほとんどの資源を海外に依存しておる、食料も相当部分を海外に依存しておる、そういう中でもし黒字がなくなっちゃったら一体どうするんだ、こういう不安があることは私も国民の偽らざる気持ちだろうと思うのでございます。 しかし、また一方からいくと、やはり日本の輸出が減っているわけじゃないんでございますね。輸入もふえたりしているわけですから、今後何も輸出を振興していく必要はございませんけれども、日本の場合にはやっぱり貿易拡大というのは私は行われていくんではなかろうかというふうに感じますことと、もう一つは、今御指摘のように対米に余りにも黒字が偏り過ぎているというところに問題があるんじゃないだろうか。やはり日米間の貿易収支は相当今後改善をしていかなきゃならない。 ただ、それはアメリカから製品を思い切って輸入するということも必要かもしれませんが、なかなかこれは買おうと思っても買うものがないということが一つあるわけでございます。私はこの間もアメリカへ参りましていろいろ向こうの人たちと話をいたしましたときも、日本から輸出しているものが、例えば自動車であるとか自動車の部品であるとかICであるとか工作機械であるとか通信機械であるとか、あるいは片方においてはVTRのようにアメリカにないものが日本から出ている。とにかくこういうことから考えると、アメリカ自身が日本から今出ているものを買わなくてもいいような経済構造をもっとしっかりつくっていくべきではないか。アメリカでどんどんいいものができてくれば何も日本からそういうものをわざわざ買うことはないんじゃないだろうか。日本も努力はしているけれども、おまえさんところも少し努力してくれなきゃいけないんじゃないかということを、実は私は指摘をしているわけでございます。 あるいは、貿易収支などを見ておりますと、これはアメリカだけではございません。世界の貿易収支の中で何が非常に黒字に影響しているかというと、日本の場合は自動車のシェアが非常に大きいわけであります。ですから私は、自動車工業に対しては、日本から完成車を輸出するというよりは海外にできるだけ工場をつくって海外で生産していくということがやはりいいんじゃないかということも、私は自動車工業会にはそう申し上げておるわけでございます。 そんなようなことをやって一応できるだけ黒字を減らすようなことをいたしておりますけれども、しかしこれは製品の輸入促進税制が永久なものではなくて三年という時限立法でございますから、これは現在の国際状況の中では、そして今のようにやはり世界的に見れば確かに黒字は減ってまいりましたけれども、世界の中で思うと日本の黒字というのは大きいのでございますから、三年ぐらいの間はやっぱりこれはやらしていただいたらどうか。そして三年後のことは、私は今のような形で改善されていけばそこで時限立法終わりということでいいんじゃないだろうか。しかし、そのときにまたもっと黒字がどんどんふえていけばこれはまた残さなければいけない制度かと思いますけれども、まあまあ三年というところに私は一つのそういうものを考えた点がありますので、その点だけは御理解をいただければ幸いかと思うわけでございます。
○庄司中君 その問題に関係をしまして、実はきのうでしたね、大蔵省の外為審(外国為替等審議会)の対外投資のあり方の報告が発表されました。これはけさの新聞に載っかっておるわけであります。これを読んでみますと、黒字の縮小要因として、さっき大臣が言われましたように、海外の現地生産化、海外直接投資ですね、これが非常に増えてきた、だから黒字が縮小している。もうこれは明らかに内需主導型経済ですわね、このごろ大変な景気ですから。それから製品輸入、これもそうです。ひところと比べますとGNP比で倍ぐらいになっていますから、かなりもうピッチが上がってきている。ただ、さっき大臣が言われましたけれども、自動車の直接投資というのはかなりやっていますね。そしてこれが、大蔵省の審議会の報告ですと十年先には黒字縮小要因として七百億ドルということになりまして、こういうふうな指摘も実はあるわけであります。 こんなことで、どうも外為審の認識といいますのは必ずしも通産省と同じではないんではないか。際限なく黒字減らしを今までやっていたものをどこかで歯どめをかけたい。つまり、適正水準というものを考えてみたい。そのためにはどういう理由があるかといいますと、黒字をやっぱり赤字国に還流をする、だから二つの尺度をつくる。ゾーンと言ってもいいと思いますけれども、黒字をある程度の幅の中で考える。それからもう一つの考え方は、それを赤字国に還流していく。まあ主としてアメリカに今還流をしているわけでありますけれども、やっぱり世界の情勢というものが去年の暮れから大きく変わりまして、ベルリンの壁に象徴されますように新しい市場経済への移行と新しい需要が出てきているわけでありますから、大蔵省の考え方というのは黒字について甘いということはどうかわかりませんけれども、ここでやっぱり二つの尺度で物を考えていこう、黒字の幅と還流、新しい考え方ですね、還流という考え方。そうすれば世界経済全体としてうまくいくんじゃないだろうか。こういう考え方につきましては通産省としてもやっぱり考えていかなければならないと思います。黒字のゾーンとそれからその使い方ですね、それをやっぱり考えていく必要がある時期へ来ているんじゃないだろうか。 それは市場ですからそんなに簡単にはいきません。いきませんけれども、そういうことを考えながら政策化していく、施策化していくということはやっぱり必要ではないだろうか、こんなふうに思いますけれども、通産省としてはその辺どういうふうにお考えか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今回、私EC閣僚会議に出ましたときにも、あるいはOECD閣僚理事会へ出ましたときにも、いろいろバイの会談もたくさんやりましたので、その中でこんな話も出てまいりました。例えば東ヨーロッパへ思い切ってひとつ日本の協力を求めるというのは、もうすべての方々がおっしゃいました。私がそのときに申し上げたことは、確かにある程度資金も援助をしなければいかぬでしょう、しかしよく考えてみたら、資金よりもやはり東欧諸国が大切なのは、もう立派な人間がいるんですけれども、その立派な人間をうまく企業活動に持っていくだけのものが現在欠けているんじゃないだろうか、いわゆる人間を養成しなければいけないんじゃないか。一生懸命生産性向上に従って市場開拓をやろうとか品質管理をやっていくとか、あるいは技術開発をやっていくとか、そういう気持ちを持つ人たちになっていただかなきゃいけないんじゃないか。そういうやはり人間育成といいますか、あるいは技術協力といいますか、そういうことに思い切って日本はもっともっと協力するということが大切ではないかと。 私はそのときに生産性本部という言葉を使ったんでございますけれども、例えば各国に生産性本部を設けていただいて、日本がそこからいろいろの人を受け入れるとか、逆にこちらからいろいろの人を派遣するとか、そういう形でやるということも大変大切ではないか。やっぱりこれから東欧諸国のことなどを考えますと、金というよりはどちらかというとそちらの方が――もちろん金も必要ではございますけれども、金は幸いああいう開発銀行も今度できましたから、そこから相当世界の金が入っていくと思うのでございます。もちろん日本も応分の負担はしなければなりませんけれども、やはりそちらが私は日本としてどうしてもこれからウエートを置いていくべき問題だろうと思います。そういう点から考えますと御指摘のとおりで、先ほども申し上げましたように、こういう自由経済の市場経済原理の中でやっておりますと、ゾーンと言ってもこういうのはなかなか難しいんじゃないかと思うんですね。 ですから、まあまあ今は私どもは少なくとも世界の中で黒字が非常に大きい国である以上はやはり輸入促進をしなきゃならないけれども、何も永久に輸入促進をしていこうというのは通産省は考えているわけではございません。かつては通産省は輸出振興をやっていた役所でございますから、そういう点からいきますと、大変時代に適応する私は役所じゃなかろうかというようなふうに考えているわけでございまして、現時点においては、一応この大きな黒字が残っている以上は、やはり通産省としては輸入促進ということをある程度の一つの柱としていかざるを得ないのでございますけれども、永久にその旗をおろさないのかといえば、それは私は必ずしもそういうわけではないということは言えるのではなかろうかと思うのでございます。
○庄司中君 大臣の方からお話がありましたけれども、やっぱりことしに入りましてから情勢というものは物すごく変わってきたんだろうというふうに思います。例えばIMFにしましても、やっぱり東欧の需要をにらみまして各国の先進国はもっと貯蓄率を上げなさい、そして黒字をむしろ国内で使うんじゃなくて、新しい需要に対して向けてほしいというふうなことをIMF自身が言い出すような状態にきているんですね。 それだけじゃありませんで、例えば通産省の輸入促進税制というのは今年度の施策ですから、実際に策定をした時期というのは恐らく去年の夏ごろだろうと思うんです。情勢が変わりましたのは、つまり戻ることができないような情勢になっていったのはやっぱり昨年の暮れの米ソ首脳のマルタ合意以降だろうと思いますね。ですから、去年の夏に策定したものが、それは大臣は三年というふうに言いますけれども、やっぱり情勢が変わったら機敏に対応していかなきゃならない。それは一年、二年というのは非常に大きな問題だろうと思います。それはせっかく策定をしたわけですから、メンツもありますからそれはよくわかりますけれども、やっぱり去年の夏ごろに策定したものがちょっともう情勢に合わなくなってきているのではないか。 ですから、その弾力化をあるいはどういうふうに考えていくのかというふうなことですね。国際機関もそういう報告を出しておりますし、出す以上は方向が変わってきている、流れが変わってきているということでございますから、その辺についてもう少し突っ込んだ認識といいますか施策の弾力性といいますか、その辺をちょっとお答え願います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど申し上げましたように、通産省は非常に弾力性のある役所だと、こう私は承知をいたしておりますし、世界の情勢に対応していかなきゃなりません。しかし、例えば今確かにIMFのそういうお話もございましたけれども、OECD閣僚理事会でブレイディ・アメリカ財務長官は、またちょっとそれとは違ったようなことを発言しておるようでございまして、まだまだ世界の流れというのはそういう方向に一致しているとも思えません。 また、黒字の解消も、確かに私もひょっとしたら一九九〇年度は八九年度と比べるともっとどうも黒字が減るんじゃないかなという感じを受けておりますけれども、しかし大幅にまた二百億ドルも三百億ドルも減るというようなことにはどうもいかないんじゃないかなという感じも私はしておるわけでございまして、やっぱり依然として相当の黒字が残るのではないだろうかということを考えますと、今この時点でこの政策を転換していくということはいささかまだ少し早いんじゃないか。しかし、正直ことし見て来年になってまた黒字が大幅に減っていったというようなときには、私は政策をそのときには考えざるを得ないということは当然だと思うのでございますけれども、しかしそうなるかということ、私は今の為替レートなどから見ているとどうもそういう方向には行かないんじゃないかなと、逆にそんなに黒字は思ったより減らないんじゃないか。昨年が一昨年から減ったような感じには減らないんじゃないかなと、こんな実は今私としては感じを持っているわけでございます。
○庄司中君 時間が大分過ぎてまいりましたので、つまり、一つの施策であるけれども、情勢によって弾力化していく弾力化の方向みたいなものを特に期待をしまして、次の問題に入っていきたいと思います。 ことしに入りましてやっぱり一番大きな問題といいますのは、大臣のおっしゃいましたようにアメリカとの収支の関係を背景にしました日米構造協議の問題だろうと思います。先月は非公式協議が行われまして、いよいよ本番の最終報告にかかるというのがこれからの問題だろうと思います。この報告がどうなるかというのと、それからそれをどういうふうに実行していくのかという問題は、恐らく国際経済の中で日本が非常に注目をされている、つまり日本の国際的地位に関係する問題だろうというふうに思います。 実は、この中間報告をずっと読ませていただきまして、マスコミですと、やっぱりアメリカが日本に要請したところだけしか入っていませんで、今度は日本がアメリカに要請をしてアメリカがこうするというところ、かなり分量は多いんですね、驚きました。それを全部読んでみました。確かに日米双方が問題提起をしまして、そして日本側がアメリカに七項目、アメリカが日本に六項目というふうになっております。 ただ、この報告を読んでみまして、率直に申し上げますと、例えばこういうふうになっているわけですね。日本の約束というのは今やっていることをこういうふうに変えていくということを約束しているわけですね。ところが、アメリカの約束は現状は余り動かさない。例えば、そういうことは既に措置はとりつつあるとか、既にやったとか、討議しているとか、作業を行っているとか、真剣に努力をしているとか、こういうふうなことなんですね。つまり、お互いが協議をして約束をし、我が国はこれをやる、アメリカはこれをやってほしいと約束をした、その約束のレベルに違いがあるわけです。まあある意味じゃ協議ですから反面においては交渉になりますから、その交渉力の強さ、弱さということは反映をすると思いますけれども、とにかくやっぱり約束のレベルが違うという印象を非常に感じました。 約束のレベルが違うということは、いわば協議の双務性といいますか、お互いが対等の立場で本来それぞれの問題をお互いが独自に解決していかなきゃならないんだけれども、協議をすることによって問題点を突きとめて、それを促進剤にしていくというのが恐らく二国間協議で一番大きい問題だろうと思う。言われたからやるんじゃなくて、その約束をして、約束をすることによってやっぱりそれを促進剤にしていく。両方にとってメリットがあるというふうになるだろうというふうに思いますけれども、どうもそのレベルといいますか、約束のレベルが違うんじゃないだろうか。つまり、双務性に欠けているんじゃないだろうか。そこにやっぱり問題が出てくるわけですね。非常にけしからぬと、非常にナショナルな民族主義的な気持ちになるというのもその点があるというふうに思います。 こういう約束のレベルが違うということは、必ずしも公正な協調体制に向かってはいかないというふうには思います。そういう意味では、今度の構造協議の中間報告を読んだだけでありますけれども、その双務性といいますか、そういう点についてどういうふうにお感じになっていらっしゃるのか、その辺をまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は双務性はあると思っております。確かにお互いに相手の構造上の問題を指摘したわけでございますけれども、正直、日本としてアメリカから指摘を受けたことは、アメリカから指摘を受けるまでもなくやらなきゃならない問題も私はこれはたくさんあると思うのでございます。例えば先ほど議論をしておりました大店法の問題にいたしましても、やはり中小小売商の皆さんのことを考えれば今のままほっておいた方がいいかもしれませんけれども、消費者の皆さんのことを考えればやはり今のままではよくないんじゃないか。それで、既にもう昨年「九〇年代流通ビジョン」でもああいう形で提言を受けておるわけでございまして、私どもはそういう点では消費者のため、日本の国民のためにやらなきゃならないという考え方で今度の構造協議は取り組んでいるつもりでございますし、アメリカに対しても、あなたの国のため、国民のためにやらなきゃいけないよということで指摘をしたつもりでございます。あるいは、貿易収支を改善していくためにも、そういうことをやらなきゃいけないよということで指摘をしたつもりでございます。 そこで、双務性という点で、この間ハワイで非公式の事務協議が行われましたけれども、私どもが指摘いたしましたところで、財政赤字の縮減については明らかにアメリカはうまくいっていないわけでございまして、これは日本側からハワイ会談でもその点は、おまえの方は約束しているのにどうしたんだということは指摘をしているわけでございます。これは表に出ているかどうかは別といたしまして、そういうことを私どもは言っておるわけでございますので、そういう点ではお互いの双務的なことでお互いにやろうと言ったことは、お互いにやろうじゃないかと言っているところでやれていないことは、やらなきゃいけないんじゃないかということを指摘をしているという点においては、私は双務性というものがあるというふうに受けとめておるわけでございます。
○庄司中君 その双務性に関係をしますけれども、日米構造協議全体を見ていますと、去年の夏あたりから始まったわけでありますけれども、例えばこんな構図が見えてくるといいますか、恐らく国民の皆さんはそんなふうに感じ取っていらっしゃる。といいますのは、実は大臣御存じのように、八八年に例の包括通商法、スーパー三〇一条で有名でございますけれども、制裁条項を含む法律ができまして、これを背景にしまして翌年から実は構造協議が始まった。これがやっぱり運動をしているというふうな感じを持つ。そういう感じを持つことは恐らく避けることはできないだろうというふうに思います。 この二国間協議ということがかなりやっぱり問題だろうというふうに思います。例えば、大臣この前のOECDに行かれましてアメリカ、ECの方々と話し合われたときに、さっき言いましたようなスーパー三〇一条というのは、大体ECはこれはガット違反だと言っているわけですね、実際。ところが、アメリカの側からいきますと、いわばガットがうまく機能していないじゃないか、だから二国間協議が要るんだと。片方はガット違反でけしからぬと言っている、片方はガットが機能してないから二国間協議でいくんだということは、ある意味では際限のない一種の堂々めぐりになってしまうということが言えるだろうと思うんです。それから、この前大臣が行ってEC閣僚会議をやられたときに、日米構造協議でアメリカとやったんだから今度は日欧構造協議をやろうじゃないかというふうな話があったということを新聞は報じておりますけれども、二国間協議というのは実際にはそういう連関を持つだろうというふうに思いますね。ですから、さっきは約束のレベルが違うということを言いましたけれども、約束のレベルが違うということは、二国間ですとこれはやっぱり交渉力の問題、つまり背景の問題が出てくる。もっと広い合意を得るためにはどうしても多国間の協議が実際には要るんじゃないだろうかというふうに思います。 その点で、大臣が先月の初めにカリフォルニアで四極通商会議をやられまして、そのときに、その結論については私も注目をしたのでありますけれども、今のガットは紛争の処理手続に不備があるということは、もう何回も言われておりますね。それを是正するために例の世界貿易機構に発展をしてもっと強化していく、貿易関係の調整について強化をしていくということで四極では合意をしたわけであります。つまり、多国間協議が不備だから二国間協議をやりますと方々にハレーションを起こして非常にいびつな関係になっていく、力関係でみんな決まっていくという関係になりますから、せっかく大臣が四極通商会議で合意をされました多国間の枠組みをやっぱり強くしていく、多国間で議論し合って解決をしていくという方向に私は持っていかないといけないのじゃないかというふうに思います。その点でかなりこれからやっぱり大きい問題だろうと思います。 例えば最近の国際情勢によりますと、アメリカの大統領も言っておりますけれども、アメリカ自身が西を向いてきましたね。ヨーロッパの一員だと言い出したわけです。そして、アメリカとヨーロッパが組む、そしてヨーロッパが東ヨーロッパへの広がりを持っていく。そこで一つのつながりができてきますとどういうことになるだろうか、日本はどういう立場に置かれることになるのか。これは懸念であります。予想でありますからどうなるかわかりませんけれども、恐らくそれだけやっぱり国際情勢は動いてきている。太平洋の世紀だと言われたものが西へ向かっている。今やヨーロッパ・ルネッサンスだと言われている。そっちの方へつながりができていくということになりますと、いわば国際関係、特に貿易にしても何にしても、今までのアメリカとの関係だけうまくやればすべてが回っていくという状態は恐らく変わりつつある。 私たちは、我が国がこれからどういう選択をしていくのか、そしてその選択をするためには何が必要なんだろうか、今そういういわば大きい戦略を考える時期に来ているような気がするわけです。そういう点につきまして、これは戦略的な問題ですから、大臣の方からきちんとした答弁を求めます。
○国務大臣(武藤嘉文君) たまたま昨日、OECDの閣僚理事会でいわゆるワーキングランチ、食事をしてそのまま大臣だけのワーキングランチということで、予定は三時までの予定でございましたけれども、それが夕方五時になっても実は終わらなかったわけで、大変な激論が闘わされました。その激論の中の一つが、実は今御指摘のいわゆる紛争処理の手続を強化するという問題で、アメリカは、どちらかというと紛争処理手続が強化されない場合もあるからなかなか一方的措置というものはなくすわけにいかないという、大体そんなスタンスだと思うんですね。ところが、ECあるいは日本も含めてこれはまるっきり反対で、紛争処理手続はきちんとしますよ、しかしそれをする、しないにかかわらず、ガットの精神からいって、今御指摘のスーパー三〇一条とかああいうような一方的措置をやろうということはけしからぬ話だ、これはやめるべきだと、これは認めちゃいけないんだというのが我々の姿勢なんですね。それはもう大変な、二時間かかっても解決しない、そういうようなことでございまして、今世界の動きの中ではやはりそういう多国間で物事を考えていかなきゃいけない、閉鎖的に二国間でやるようなことはできるだけ排除していかなければいけないという空気だと私はきのう承知をして、大変心強く思って帰ってきたわけでございます。 日本としてはあくまでそういう多国間の中でいく、こういう貿易立国でございますから、開かれた中でいかなきゃいけない。そこでECについても、EC閣僚会議のときにも、あくまでフォートレス・オブ・ユアロップじゃいけないよ、ユアロップのEC統合はいいけれどもあくまでそれは世界に開かれたECじゃなきゃいけないよということを私は指摘いたしまして、これはもう絶対そうだと、決してそんな閉鎖的にならないということも彼らは断言をいたしました。 先ほどちょっと触れましたけれども、東欧へ日本が支援をするということに対しては非常に彼らも期待をいたしておりまして、日本もひとつ一緒になってこの東ヨーロッパの国々の経済基盤を強化し、そして立派にそれぞれの国が立ち直るようにしていってほしい、こういうことでございまして、日本はこれからもちろんアジアの地域とも仲よくしていかなきゃなりませんが、世界のどこの国とも仲よくしていくというスタンスでいくところに日本の繁栄があるんじゃないか、こういう考え方で何とか今のところは頑張り通しておるわけで、何とか今後も私は頑張り適していきたいと思っております。
○庄司中君 大臣の決意を聞きまして、時間もありますから。 特に日本の地位が高くなったわけですから、八五年以降、八〇年代後半に急速にやっぱり日本の経済的地位が高くなったわけでありますから、ある意味では、今までのアメリカとの関係だけやっていけばいいということじゃなくて、むしろ大臣がおっしゃるように、世界の協調体制をつくっていく、つまり相互依存関係を深めていく。そういう意味でもそろそろ日本は、何といいますか控え目でありながらやっぱりきちんとした提案をしていく必要があるだろう、独自な構想力を持っていく必要があるだろうと、こんなふうに考えますし、そういう方向をお願いしておきたいというふうに思います。 それでは、今度は公取の方にお願いをいたしたいと思いますけれども、さっきも申し上げましたけれども、今度の中間報告を読んでみまして、実はアメリカから要請された六項目のうち四項目までが独禁政策、公正取引問題にかかわってきておるということが言えるだろうと思うわけです。公取の対象外になりますのは貯蓄・投資パターンとそれから土地利用で、あとは全部公取の独禁政策にかかわってきているわけであります。 つまり、二国間の構造協議でこれだけやっぱり公正取引問題にかかわってきているということは、ある意味では独禁政策あるいは公取の政策自身が、何といいますかその国の市場経済のタイプといいますか、あるいは癖といいますか制度といいますか、何かそういうものをアメリカとすり合わせますとやっぱり違う違和感を持っている。その尺度に公取の政策というものがあるんじゃないだろうかと思います。そういう意味では、これは失礼なことでありますけれども、公取というのはやっぱり今まで軽く見られていたと思います。どちらかというと我が国ではそういうふうな嫌いがあったんだろうというふうに思いますので、こういうふうな構造協議の中でもう大変な存在感を示さなきゃならない、つまり責任ある対策をとっていかなきゃならない。そんなふうに位置づけられているように思いますけれども、公取としてこれをどういうふうにこの構造協議の中間報告を受けとめていらっしゃるかお聞きしたいというふうに思います。
○政府委員(矢部丈太郎君) 今回の日米構造協議におきましては、海外企業あるいは海外の製品を日本に容易に入れるようにするために、日本の市場をもっと公正で自由な市場にする必要があるというような観点から、我が国の市場システムですとか取引慣行の問題につきまして、競争政策上あるいは独禁法上の問題がいろいろ議論されているところでございます。 公正取引委員会といたしましては、経済のグローバル化が進み、また経済活動におきまして相互依存関係が深まっている中で、我が国の市場を国際的に開かれたものとすることによって、一般消費者の利益を確保するというためには、我が国市場の公正かつ自由な競争を促進することが必要であると認識しております。こうした観点から今までの構造協議問題での議論を踏まえまして、今後二つの点に重点を置く必要があると考えておりまして、一つは独占禁止法違反行為に対する抑止力をさらに一層高める必要があるということ、それからもう一つは法律の運用をもっと明確かつ透明度の高いものとして内外からわかりやすいものにしていく必要がある、こういうふうに考えております。 今般、政府決定が行われました構造協議の中間報告におきましては、こうした観点に従いまして独占禁止法及びその運用を強化するということに関しまして、公正取引委員会の審査体制をさらに強化充実する、それから課徴金を引き上げる、それから損害賠償制度をもっと活用する、あるいは刑事罰も一層活用するというような、そのほか独占禁止法の運用を明確にするためにガイドラインをつくるというような措置が盛り込まれているところでございます。もちろんこうした措置の中には、今年度予算措置にかかわるものですとか、あるいは法律の改正にかかわるものもございますので、最終的には立法府の御判断をまたなければならないものも含まれておりますけれども、いずれにしましても公正取引委員会としては、これらの措置を着実に実施していくという考えでございます。
○庄司中君 重点として二つお挙げになりました。違反の抑止力、抑制力、それから透明性ということを言われました。透明性というのは方々に出てくるわけです。いわば今度の中間報告全体について透明性ということが言われている。特に公取の政策についてはそのことが言われているというふうに思います。透明性とは一体何だろうかということが実は本当に問題なんですね。 一つは、やっぱり透明性というのは隠しちゃいけないということでしょう。ある意味じゃ公開性ということだろうというふうに思います。何でもしまっておく、隠しておくからわからない、だから公開をしなさい、情報公開もそうでありますけれども、それが一つあると思います。 それからもう一つは、それぞれの経済は国が違いますと型も違いますし、制度も違いますし、ソフトな何といいますか、癖みたいなものもやっぱり違ってくるというふうに思いますね。ですから、ある意味では違っていてもいいだろうというふうに思います。違っているけれども相手にそれがよくわかる。何だかわからないけれども違っているんじゃなくて、違っている意味が相手にもわかるという、どちらかといえば納得性といいますか、そんなものが必要なのではないか。 それからもう一つ言えることは、不合理だからわからないというのはあるんです。合理的じゃないからわからない。合理的でなければ外に出したって絶対にわかりませんね。だから、合理的なものと非合理なものをやっぱり区別する必要があるんじゃないだろうか。特に公取の政策について透明性が強調されるというのは、ある意味ではオープンにするということと、違いが説明できる、納得できる、相手もわかるというやつと、もう非合理なものは思い切って合理的なものに変えちゃうということがやっぱり必要なんであろうというふうに思います。 そういう意味で、これは透明性ということをどういうふうに受け取っていったらいいのか。これは恐らく具体的な施策の中でかなり大きな比重を占めてくるだろうというふうに思います。つまり相手があるわけですから。その点で今私が言いましたようにオープンにすることと、違いを相手が本当にわかるということと、それから非合理と合理的なものをやっぱり区別をしていくこと。そんなふうに考えますと、やっぱり政策の透明性を上げていくということはかなり大きい課題だなというふうに私も思いますけれども、そんなふうでいいんでしょうか。ちょっと一言。
○政府委員(矢部丈太郎君) 今委員から御指摘のありましたように、透明性につきましても私は二つの点があるんじゃないか。 一つは、日本の商慣行ですとか系列のように外国から見ますと非常にわからない面がある、あるいは価格だけでの取引でない不合理な面があるというような点での不透明感と申しますか、そういうような透明性を明らかにするというようなことから、今度の措置の中でもそういう実態をもっと明らかにして公表していくということを考えております。 それからもう一つ、法運用についての透明性というのがございまして、やはり独禁法違反というのはかなり抽象的でございますので、何が違反で何が違反でないのかというようなことをもっとはっきりすると同時に、行政の透明度を高める意味から、公取が処分した場合にはできるだけそういうものを公表していくというようなことも考えておりまして、透明性につきましては、委員御指摘のようにそんな二つの点を考えております。
○庄司中君 時間がなくなりましたので最後に一つだけ申し上げておきますけれども、来年度までで法律を改正するというふうに明確に約束をしましたのはカルテルの課徴金の引き上げですね。これは明確に書かれております。それから、六月に流通・取引慣行等と競争政策に関する検討委員会の報告書が出る、けさ一部の新聞には載っかっているようでありますけれども。その点でいきますと、さっき言いましたように、透明性の問題は非常にやっぱり難しい問題があるだろうというふうに思います。 例えば、私も労働組合をやっておりまして、企業の系列関係のところで具体的な問題にぶつかったことがございますけれども、加工組み立てなんかのところをとってみますと、部品点数が一万を超える、あるいは何千を超えるとかいうことになりますと、どうしてもああいう何といいますか、系列みたいな組織が要るということであります。ところが、その系列が一度でき上がっちゃいますと一つの集権体制ができてくる。下請は親会社の賃金を絶対に上回ることができないというふうな何となくやっぱり秩序があるわけでありまして、そういうふうなグループが一つの権力構造になっていくというふうに思います。グループがそうなっていきますと、このグループが猛烈な競争をしますから周りにあるものを全部はじき飛ばしていくということがあると思います。 ですから、現代技術が要請をする一種の系列みたいなものと、それが権力構造になって非常に排他的になっていくという問題ですね。これをどうやっていくのかということは、これはもう大変な問題であろうというふうに思いますけれども、この辺についても、時間がありませんから非常に簡単でございますが、一言どういうふうに考えていらっしゃるか。
○政府委員(矢部丈太郎君) 国内の競争を維持するという観点から系列がそれぞれの競争業者の間にできたとしても、国内同士ではその系列間でより大きな競争が行われているんだろうと思います。それを一たび今度外から入ってくる者から見ますと、それがやはり排他的な性質を持つのは確かに疑いのないところだろうと思いますが、そういう系列のいい点というのは必ずあるわけでございますので、経済合理性を追求する中で排他的要素というのをできるだけ除いていく、そういうことがこれからの競争政策なり独禁法の運用で必要なことではないか、そのように考えております。
○庄司中君 質問を終わります。
○大木浩君 私の持ち時間は二十分でございますので、主として中小企業問題に絞って質問させていただきたいと思います。 通産省の予算というのを毎年見させていただくわけでございまして、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、そのときどきに応じて通産省の予算の重点事項というのは非常にフレキシブルに変わってくるということはそのとおりだと思うんですが、事中小企業については、これはいつも一番ではないけれども、必ず三番目か四番目に重点事項として出てくるわけであります。しかし実際にその金額というようなものを見ますと、どうも余り伸びていないんじゃないか。私もいろいろ説明を聞きますと、去年に比べて〇・何%の伸びだとか、一億円特別なものをつけましたとか、ほとんどそういったようなお話が多いわけです。全体の規模というのはいろんな把握の仕方があると思うんですが、どうなんでしょう、この十年間ぐらい私の判断ではほとんど横ばいであったというふうに感じておるんですが、この数量的な把握というのは間違っておるでしょうか。
○政府委員(田辺俊彦君) 御指摘の点でございますが、ここ十年間厳しいマイナスシーリングの中で委員御指摘のように横ばい、あるいは十年間の期間によりましては減少ぎみに推移しておりました。元年度が千九百四十二億、それから昭和五十六年度が二千四百九十七億という状況でございます。ただし、確かにその間の一般会計の中小企業対策費は、費目としての対策費は減少してまいったわけでございますけれども、その間円高対策としての補正予算の編成、あるいは産投会計が利用し得る時点では産投会計をとりわけ金融対策等に活用いたしました。また、確かに一般会計予算は厳しい状況でございましたが、内容はスクラップ・アンド・ビルドをもって充実して対応してきたつもりでございます。 なお、つけ加えますと、二年度の当初予算におきましては、元年度が千九百四十二億に対しまして千九百四十三億円、委員御指摘のようにわずかでございますけれども、増勢をしての状況にございます。
○大木浩君 今おっしゃったように、大変にやりくりが難しいけれども量はともかく質の方で一生懸命に頑張っているぞ、こういうお話なんですが、それはお話としてわかりましたけれども、質の方で頑張っておるという中身として、例えばことしの通産省の予算説明の中の第四に「活力に満ちた中小企業の育成」というのが重点事項に入っていますね。そこに「中小企業の活力の発揮を通じて我が国経済の構造変革を推進するため」云々と、こう書いてある。要するに、中小企業の活力が伸びると我が国経済の構造変革が推進されると、こう書いてありますね。これはちょっとわかるようなわからないような、つまり中小企業は大いに頑張ってそのまま――そのままといいますか、現在の中小企業をさらに伸ばしていくとどう構造変革と結びつくのか、ここのところの御説明をちょっとまずいただきたいと思います。
○政府委員(田辺俊彦君) 御指摘の点でございますが、時に応じて中小企業は大変厳しいいろいろな情勢で、例えば円高がありましたが、影響を受けて、それからどう立ち直るかという状況に陥る場合があると思います。そういう対策が必要な場合があると思います。ただし、現下の情勢におきましては、一般的には日本の経済の九九・三%を事業所数で、雇用で七割、付加価値で五割というそういう中小企業の役割といいますか、位置づけとともに、中小企業が独自に創造力といいますか、企業家精神を発揮して新しい分野に、これは単に技術開発だけじゃなくて、事業のあり方、経営のあり方も含めまして調整をしていくということが非常に重要ではないかということで、平成元年度の予算の三つの項目の一つに委員御指摘の活力の発揮を通じて構造転換という項目があるわけでございます。 内容的には地域の活性化、これをやっぱり大企業の誘致によって活性化する場面もありますけれども、本当に個性に満ちた地域社会を確立するには中小企業の力が非常に大きいと思っております。それから、経済のフロンティア、やはり中小企業のそのフロンティア精神といいますか、これがいろいろ拡大、産業構造の変革に導いていく一つのよすがになるということだと思います。それから、現在、昨年来非常に重要な問題となっております流通構造の改善、これも中小流通業の改革によって、改革と申しますか発展、生産性の向上、近代化等によって流通構造全体が大きく展開していく。また国際化につきましても、これは大企業が先鞭をつけましたが、これからは中小企業も国際化で、海外投資も大きく伸びております。いい海外投資を進めて日本経済の先兵となるという意味におきまして中小企業の役割が非常に重要だと思っております。 そういう意味におきまして、予算の見出しの中にこういう言葉を使わせていただいたわけでございます。
○大木浩君 今のお話の中で、私は、中小企業の発展とそれから地域社会の発展というのは非常に結びついているというところは、まことにそのとおりだと思うわけでございます。ただ依然として、日本経済全体の構造改革と申しますか、これは今日米とか日欧の間でも一応構造問題というものが進んでいますから構造というのをここへ持ってこられたんでしょうけれども、私ちょっとまだ結びつきがよくわからないんです。通産省、中小企業の活力の発揮ということでいろいろ御研究でございますし、中小企業につきましてはたしか一年の十二月ですか、中小企業政策審議会高度化小委員会でいろいろと中小企業の高度化というアイデアが出ておるわけでございます。それから、先般の九〇年代の中小企業政策ビジョン中間報告ですか、ここにおいても同じような思想が出ておると思います。 そこで、この高度化ということですが、何とか化というのはこのごろ非常にはやりでございまして、情報化とか国際化とか何とか化と、やたらお化けの字がたくさん出てくるわけですけれども、この高度化という考えをもうちょっとひとつ砕いて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(高島章君) 中小企業を取り巻きます環境は非常に厳しいものがございますし、刻々と変化をしているわけでございますが、これにどうやって対応して中小企業が生き残り、また発展していくかということを考えますと、やはり個々の企業ではなかなか十二分に対応ができないところが多いわけでございます。設備を近代化いたしますとかあるいは技術力を向上しますという場合に、個々ではできないことを複数の企業が力を合わせまして体質の強化なり次への飛躍を図るということが可能になるわけでございますが、この複数の中小企業が力を結集するところ、そこに実は中小企業事業団の高度化事業というものが支援をする意味があろうかと思うわけでございます。 これまでもいろいろな形でその時代時代に事業団の業務内容は充実してきたわけでございますけれども、基本的には個々では力の及ばないことをまとまって飛躍を図る、そのための土台になるものを高度化事業という名のもとに、具体的には長期低利のお金を用意することによりましてお手伝いをしてまいるということであろうかと思います。
○大木浩君 そうすると、高度化というのは集合化というんですか、要するに一人じゃだめだからみんなで集まって力を合わせようと、そこが高度化の一番のみそといいますか、中心のお考えだということのようです。一応それは伺っておきます。 それからもう一つ、いろんな通産省の高度化の中の御説明の中で、従来からのいろんなハードな施設の整備といったものに対する支援ばかりじゃなくて、ソフトな経営資源に対する支援というような言葉が使われておると思いますが、ソフトな経営資源というのはちょっとわかりにくい言葉ですけれども、ソフトな経営資源に対する支援を強化する云々と、これはどういうことを具体的に考えておられるのか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(高島章君) 御案内のように、従来の中小企業高度化の中心は、皆さんがまとまっておやりになるときに建物をあるいは機械設備に対して援助をするということでございまして、こういったものをハードな経営資源と言っているわけでございますが、最近は、先ほど申し上げましたように非常に変化が激しゅうございまして、消費構造も変わってまいりますし、それから情報化といったこと、さらには技術革新の進展というものが非常に目覚ましいわけでございますが、こういうものに対してうまく対応していくには建物とか機械設備といった面だけではございませんで、むしろいかにして必要な情報を集め加工するかとか、さらには次のステップのための技術開発を進めるかとか、さらには幅広く優秀な人材を集めるといったものではないという意味でのソフトな経営資源というものは非常に重要になってきているというわけでございます。 それで、政策の重点というものは従来のようなそういうハードなものに対する支援だけではございませんで、そういった研究開発だとかあるいは新たな商品を開発するためのいろいろな下地になりますものを何とかして英知を絞って助成、お手伝いをしていくということになるわけでございますが、そのためには、具体的には現在各地でいろいろなそういう中小企業のソフトな経営資源を強化しようという動きに対して応援をしていく、支援をしていこうというような動きが出てきております。 具体的には、地方自治体がかみました第三セクターの形でそういう中小企業の活動を支援しようという動きがございますが、その支援する動きに対しまして事業団を中心といたしました中小企業施策のいろいろな手段をそちらへ具体的に積み上げていきたいということでございまして、そういった第三セクターに対して新たな出資あるいは融資の制度を設けたり、さらには基金を設けましてその果実で具体的なソフトの開発ができるような下地をつくっているわけでございます。また、商業関係におきましても同じくそういった第三セクターに基金を設けさせていただきまして、その果実でその商店街の人たちの活性化のいわば具体的なソフトの事業を行うお手伝いをしているということでございます。
○大木浩君 大臣、最近アメリカやらヨーロッパへ行かれていろいろよその国の都市も見られたと思うんですが、先ほどからの中小企業対策というのをだんだん進めてまいりますと、地域、コミュニティーの中で中小企業がどういうふうに発展していくかということで、だんだん話が大きくなりますと、やっぱり都市計画というものの中で中小企業の位置づけというのを考えないととても難しいんじゃないかと思うわけで、たしか大臣は先ほど都市計画との整合性ということをおっしゃったと思いますけれども、むしろ私は日本の実態というのは都市計画がないんではないか、いろいろと規制はございますけれども、本当の意味での総合的な都市計画がない。 特に、私が一番痛感いたしましたのはゾーニングの問題でございまして、要するに地域指定がはっきりしていないものですから、あるいはいろいろと規則はあるけれども結果的に非常に混在しておりますから、一体この地域は商業地域なのか文教地区なのかわからない。ですから、もう学校の隣にパチンコ屋があり、パチンコ屋の隣に何とかというふうなことになるわけであります。そこのところをやっぱりもう少し強力に、これはもちろん通産だけではないと思いますけれども、ぜひとも御検討願いたいし、御検討でなくて現実に実際のいろいろな対策をお考えいただきたいと思うんですが、ひとつその辺について大臣の御所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今度の大店法との関連におきまして地方の中小小売商の皆さん大変心配をされておりますから、何としても勇気づけるという意味合いにおいても、また先ほども申しましたけれども、地方におきますと大都市、中都市あるいは小都市を問わず、非常に商店街がどちらかというと元気がなくなってきているというか、そんな感じを受けるものでございますから、この機会に本当に思い切って活性化した町づくりをしていきたい。となると、ただ商店の問題だけではなかなか解決しない問題があるんじゃないか。やはり例えばその地方の都市なり町なりの商店街のその中に一つ核となるような立派な建物をつくって、そしてその建物の周囲に駐車場もあれば、その前の道路も整備されれば、あるいは場合によればその近くにマンションもできるというふうな形の、そういう町づくりの中で商店が発展をしていくということを考えなきゃいけないんじゃないかということで、その大きな建物の中へその地区にいらっしゃる小売商の皆さんもぜひ入っていただく。そして、必要があればそこに大型店もひとつ入ってもらうというような形のものを私は考えたらどうか。 これは当然通産省だけではまいりませんので、今建設省にもいろいろの予算、建設省には既に都市再開発の予算とかいろいろございますから、それに加えてこういう新しい町づくりの予算もどちらにつけてもいいので、とにかく通産、建設一緒になってそこに地方自治体もひとつ協力をしていただいて立派な町づくりを、その中における商店街づくりというものをぜひやっていこうということで、こちらも思い切った予算を獲得をしなきゃなりませんけれども、各省にもそのような予算をひとつつくっていただいて、それぞれの地方に立派な町づくりができ、そしてまた商店がその中で活性化していく、そしてその地域の消費者の皆さんも喜んでそこに買い物に出かける、あるいはその近くには文化施設も設けて、文化的なものもエンジョイできるというようなものをぜひ考えたいというのが私の先ほど申し上げたことでございます。この予算は大変でございますから、ぜひ与野党ともにひとつ御協力をお願い申し上げておきます。
○大木浩君 最後に一つ、先ほど谷畑委員からもお話がありました外国人労働者の問題です。これは、私は現在の中小企業の需要ということを言われれば本当にもうほっといたら中小企業つぶれちゃうという意味での問題であるし、逆に外国人をどんどん入れたらそれでいいかといえば、下手をすると日本の社会が大混乱するという、これはもう各国とも非常に既にいろいろと苦い経験を持っている国もありますけれども、先ほどもいろいろと各省でこれから御検討ということでございましたが、具体的には一体どういう形でどの程度の緊急性を持って御検討いただくのか。これは非常に大変な問題だと思いますが、通産省のお立場としてはどういうことをお考えでございましょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 通産省は、これは産政局の中に懇談会を設けましてそこでいろいろと検討してもらっているわけでございますけれども、この間ああいう形で各省間で入管法の改正を伴っていろいろのことが決められまして、政府全体としては、とにかく単純労働者だけはなるべく入れないように、そして研修生は思い切って受け入れよう、こういう姿勢でございますので、通産省としてもできる限りいろいろの職場で研修生という形で受け入れられるものは極力これから思い切ってふやしていきたい。中小企業者の中にもぜひ単純労働者を受け入れたいというお気持ちもあるかもしれませんけれども、そういう政府の姿勢でございますから、そちらに対してはできるだけこれから省力化の設備などに対しては助成措置を考えていく、それから働く人たちの環境がよくなるようないろいろの施設に対してもできるだけ助成をさせていただくというような形で、いわゆる職場の環境整備とそれから省力化、こういう二つのことをぜひ中小企業にもお願いをしたらどうかというのが今私どもの考えている施策でございます。
○三木忠雄君 OECDからお帰りになったばかりの通産大臣にあれこれ聞くのもあれだと思うんですけれども、何点かちょっと重要な問題点だけ聞いておきたいと思います。 年末にウルグアイ・ラウンドの決着を目指してOECDでいろいろ議論されたと思います。コミュニケもけさいろいろ訳したのをいただきまして読ましていただきました。このコミュニケを読んでいろんな重要な問題が議論されたことを私も承知したわけでありますけれども、ウルグアイ・ラウンドに向かって一番大きな話題になるのはやっぱり米の問題だとか二国間の問題だとか、いろんな問題があろうと思いますが、日本側として今回のOECDで何を一番主張し論議の焦点にしたのか、この点についてまずお伺いします。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私ども日本側といたしましては何としてもこれから、世界の動きは東欧諸国を含めてどんどん変わってきておりますけれども、こういう中で必要なことは、お互いに地域が閉ざされていくのではなくて、お互いに開かれた立場で何事も多国間で話をしながら解決をしていくということでなければいけない。それがまた従来のガットの精神にも合致していることであるので、従来のガットが必ずしもしっかりしていない、例えば紛争処理手続についてもしっかりしていない、そういう点ももっとしっかりした手続をしていかなきゃいけないのじゃないか。そして、とにかくいわゆるマルチの立場で何事も解決をしていくということを貫いていくところに、初めて世界の自由貿易体制が確立できるんだと、こういうことを主張してきたわけでございます。
○三木忠雄君 それで、年末までにウルグアイ・ラウンドの決着はできると、こういう感触を持って帰えられましたか。
○国務大臣(武藤嘉文君) これはもう先ほども申し上げましたが、いろいろ大変激しい議論をお互いに展開をいたしましたけれども、議長が事あるごとに言っていたことは、とにかくこのOECDの今度の閣僚理事会というのはウルグアイ・ラウンドを何とか十二月にまとめ上げるということを目指してお互いにそれは合意をしてやってきているんだから、何とか協力してくれと、何遍もそういうことを言っておりました。そういう点においては、みんながやはり一応十二月に向かってウルグアイ・ラウンドを何とかまとめ上げようじゃないかと、こういうことで全くお互いに意見というか気持ちは一致しておったというふうに私は大体推察をいたしました。
○三木忠雄君 そうしますと、七月に貿易交渉委員会をまた事務レベルか何かでやる計画ですね。それから、報道によると、米の問題等も含めて日本はパネルに持ち込むんだというようなことが公表されたや否やとか、いろんなうわさが出ております。具体的にこの米の問題は、特にスイスを初めとする、あるいは北欧、アメリカが米は関税化の問題で何とかしようというふうな意見で、十年間で何とか関税を下げながらやっていきたいというような考え方を持っている、日本が米の問題を食糧安保という立場からいろいろ議論を進めていくと孤立化するのではないかという、こういうふうな懸念も一部報道ではされているわけです。こういう問題についての大臣のOECDにおける感触はどういうふうに感じられたですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 時たま報道では何か米の問題で日本が孤立化するんじゃないかというようなことがなされておりましたけれども、少なくとも私が出ておる限りにおきましては、米という問題について具体的にお互いに議論されたことはございません。どちらかというと農業問題は大きな議論になりましたけれども、それはいわゆる補助金というものをできるだけ早く撤廃していくべきだという立場と、それから一方においてはやはり国内政策として何らかの形においてそういう農業の補助金というのは必要だという立場と、これが非常に対立をしてこの農業問題についていろいろ議論がなされたわけでございまして、幸か不幸か、日本が攻撃されるというような立場はおかげでなかったわけでございます。
○三木忠雄君 それで、ヒルズさんと米の問題や何か大臣が話し合われたとか、あるいは二国間貿易の問題でどういうお話をされたというような報道がなされていますけれども、これは何か具体的なウルグアイ・ラウンド決着に向けてのいろんな話し合い、あるいは特に米の問題等を含めてこれを決着させようという方向で話が進んだのかどう
○国務大臣(武藤嘉文君) これはヒルズさんといわゆるバイの会談をやりましたときに、ウルグアイ・ラウンドの決着に向けて農業という問題が大変大切である、重要であると、こういう指摘がありました。私は、とにかく時間も約一時間でほかの問題もいろいろございましたので、ヒルズさんに言ったことは、日本の農業というのは非常に特殊である、戦後、世界でも類のない農地解放が完全に行われた、そういう中で非常に農民の皆さんというのは農地というものに対して特別な感情を持っているんだと、そういうことを私はちょっと申し上げまして、とにかくきょうは時間がないから、今度とにかく二時間ぐらい時間をとって私があなたに日本の農業の実態というものを、日本の農民の気持ちというものをひとつよく話をするから、それまで余りこの問題は言いなさるなというようなことを私は申し上げまして、実はそのまま終わったというようなことが実際の話でございます。
○三木忠雄君 農林大臣にかわって通産大臣は随分と努力をされたらしいんですけれども、実際に年末決着までにこの問題の解決というのは、これはなかなか難しい問題ではないか。これは、ウルグアイ・ラウンドの問題が決着しないと決着しない、こう見ていいんですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 米の問題ということではなくて、すべて今申し上げた補助金の問題とかいろいろあるわけでございます。それから、この農業問題というのはいろいろ意見が正直分かれておりますので、やはりこの農業問題という全体の問題は、先ほどのヒルズさんが言いましたが重要なポイントであるということは、これはいわゆる立場は違いましても重要なポイントであるということはやはりみんな認識しておりますので、農業の問題について何らかの形での解決は、私は必要ではなかろうかと思っております。
○三木忠雄君 そうするとこれは、十二月にウルグアイ・ラウンドの決着を目指すとなれば、それまでに何らかの決着として二国間でのいろいろな話し合いはこれから進められる、こういう方向に解釈していいんですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 二国間ではなくていわゆるルールとして、農業に対してどういうルールをウルグアイ・ラウンドでつくり上げるか。あくまでウルグアイ・ラウンドというのは自由貿易体制を目指しているわけでございますから、そういう中で片一方は、何も日本だけじゃございませんので、いろいろ農業については特殊であるから、そういうものにはある程度の制限があってしかるべきではないかという意見がたくさん今度も出たわけでございます。 だから、そういうものを制限を認めていくのか、あるいは日本のいわゆる食糧安保という立場を認めていくのかあるいは認めていかないのかと、こういう議論がいろいろなされるわけでありまして、私はあくまで日本は食糧安保という立場を理解をさせるように努力し、それによって農業というものはある程度のそういう制限はあっても自由貿易体制の中でそれはお互いに認めようじゃないかと、こういうルールができ上がればそれでいいわけでございますから、日本としてはそういう方向にこの農業問題についてウルグアイ・ラウンドにおける合意がなされるように努力をしていくという、それがやはり私は日本の立場ではなかろうかと考えております。
○三木忠雄君 そうしますと、このECの問題ですね、ECも考えてみれば域内農業補助金だとかいろんなことを随分やっているわけですよ。アメリカは関税化の問題で何とかしろとかいう話もある。ECの対応というのは、まあECと日本というのはある意味では同じような立場じゃないかと思うんですね。この点について、ECとの話し合いではどういう感触を持たれたのか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 日本・EC間では、正直、農業問題は閣僚会議では議論はたしかほとんどなかったと、私は記憶をいたしております。先ほど申し上げましたようにOECDの閣僚理事会のワーキングランチで、いわゆる事務当局は全く入れない、大臣同士だけの会合で相当農業問題については議論がなされまして、たしか一時間半か二時間近く議論したわけでございます。それで、EC各国からは農業の補助金という問題に対しての必要性ということがやはりいろいろと発言されておったわけでございまして、そういう点では多少は違いますけれども、いわゆる農業というものを完全な自由の中でというような考え方でないという点においては、EC諸国と日本は非常に共通したものがあるのではないかと、私はこういう印象を受けました。
○三木忠雄君 そうしますと、ECの定期協議会を何か設置されるやに伺っておるんですけれども、これはやはりECとの農業問題を初め、これから市場アクセスの問題あるいは構造改革の問題等も含めて、これは定期閣僚会議でのいろいろな合意事項というか、定期協議会でどういう問題を取り上げて定期協議会をこれから開催していこうと考えておるのか。
○国務大臣(武藤嘉文君) これは、実は農業問題を全く私どもは入れる気持ちはございません。例えばこれからお互いの貿易環境、今はやっぱりインバランスがございますから、貿易問題をどうするとか、あるいは投資の問題とか、そんなようなどちらかというと通産省の分野の問題が中心となった作業部会にする考え方でございます。
○三木忠雄君 そうすると、この定期閣僚協議会が通産の事務次官あるいは局長レベルの作業部会と、こういうことに解していいんですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 通産だけというわけではございませんが、今申し上げたようなことが大体中心だと思います。
○三木忠雄君 投資にしても日本が相当ECに投資をしている。それから、日本への投資が非常に障壁になっているのかどうかといういろいろな見方はあるでしょうけれども、これからの日Eあるいは一九九二年のECの統合に伴って、これがECの統合によって経済の動向というのは相当変わっていくだろう。特に東欧の支援の問題も含めまして、あるいは七月の一日に東独との貨幣の問題で金融・証券界ではこれがどういうふうに流れてくるかという、非常に七月一日、二日を見守っているわけでありますけれども、この国際インフレ対策について、こういう問題についての話し合いはどういうふうに理解しているんですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) これはドイツのハウスマン経済大臣と個別の会談で私率直に申し上げました。非常に経済基盤が違う両国が一対一で通貨を統一するということは、結果的にインフレを招かないかということを指摘いたしましたけれども、彼は自信を持って、そういうことにはならないと、こう言っておりました。それから、やはりこれから大切なことは、とにかく東ドイツを一日も早く西ドイツと同じようなレベルに持っていかなきゃいけないと、それに対しては西ドイツも一生懸命努力をするけれども、ぜひとも日本の力をかりたいということもハウスマンははっきりと私に申し入れておりまして、できれば私を中心として産業界も含めた経済ミッションも派遣をしてくれないか、というような提言も向こうから行われたわけでございます。 これからこれは詰めてまいりますけれども、できればそれを実現して、やはり東ドイツの復興には日本も力をかしていくのが結果的にヨーロッパと日本との関係、あるいは世界の国々と日本との関係においても私はいいことではないかと考えておるわけでございます。
○三木忠雄君 私のこれはうがった考え方なんですけれども、東欧諸国あるいはソ連等は、これはいろんな点があると思いますけれども、日本の品物よりも、韓国ぐらいと言ったらこれは失礼な言葉ですけれども、韓国の方が生活レベルに合うという感じで、韓国の方が積極的に東欧やあるいはソ連圏、こういうふうな貿易の方が伸びていく兆しがあるのではないか。こういう点と日本の東欧支援との問題について、通産省はどういうふうな分析をされていますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 韓国の話はもし何でしたら次長の方からお話をいただきたいと思いますが、東欧との関係においては、先ほども触れたと思いますけれども、いわゆる資金的な面倒ももちろんしなきゃなりませんが、それも直接的なのかあるいは今度新しくでき上がりました東欧を支援するための開発銀行を通じてなのか、いずれにしても資金的なものも必要かと思いますが、それよりも、やっぱり東欧支援について日本としては、いわゆる生産性本部をつくれと私は言ったんでございます。その国々の人材を育成する、東欧のそれぞれの国の人たちが技術開発とか品質管理とかあるいは市場開拓とか、そういうことにもっと目覚めていただいて、従来市場経済原理の中で生きてこられなかった人たちでございますから、やはりそういう市場経済原理をしっかりと植えつけていくということが必要であろう、そういうことに日本はできるだけこれからお手伝いをしたらどうだろうか。そのためには、技術援助というような面では、思い切って私は協力したらいいんじゃないかということを申し上げましたし、そんなような考え方でいるわけでございます。 韓国との関係はちょっと私は承知いたしませんので、堤次長から御答弁させていただきます。
○政府委員(堤富男君) 韓国の製品と日本の製品、東欧、ソ連に対してどういう傾向かということでございますが、数字をきょうたまたま持ち合わせておりませんけれども、要するに大きな差はないのではないかと私は思っております。 ただ、御存じのようにソ連との関係は四島の領土問題等がありまして、韓国の大型の施設というようなものについては確かに若干の差はあると思いますけれども、東欧についてはそう大きな差は見られないと思います。
○三木忠雄君 東欧支援の問題では、これは確かに金融の問題もあるでしょうけれども、やはりソフト面が主力になってくるというような考え方で現地の方も何か考えているようで、私はいろいろな各調査をしてきた調査部長なんかと懇談していろいろ聞いているわけですけれども、このソフト面の技術協力に対して通産省がどういうような資金的な手当てというか、あるいはまた協力態勢というものをしていくのか、この基本的な考え方はありますか。
○政府委員(堤富男君) 基本的には、大臣のお話にもございましたように技術的な面、あるいは技術というほどにはいかないかもしれませんけれども、経営のノウハウあるいは工場の管理の仕方ですとか、もっと言いますとコスト、原価計算をどうやるんだろうかというようなそういうことが非常に大事だということになっております。そういう意味では、二十四カ国がヨーロッパを中心に集まりましてこれで五回にわたって相談しております。 その中で、そういう職業訓練あるいはノウハウの訓練というようなことにつきましては人をこちらから派遣するケース、例えばこちらの技術者を東欧の諸国に派遣するケース、一つの工場をよく診断して経営の仕方を移転するというようなケース、それから向こう側にいらっしゃいます方々を日本にお呼びして、もう既に始まっておりますけれども、約半月間は講習をする、残りの半月は実際に工場に入っていただいて、見て、それでお帰りいただく。それが、先ほど大臣のお話にもございましたように、将来生産性本部をあちら側の国でつくれるようになれば、さらにそれが蓄積し、普及するというような、戦後の日本の生産性本部をつくった後のようなことが起こるのではないかと期待している次第であります。
○三木忠雄君 この問題ばかり議論しておるわけにいきませんけれども、いずれにしても日本あるいはEC統合後の一九九二年をにらんだECに対する貿易政策といいますか、通商政策というか、これは非常に重要な問題だろう。出過ぎてはまた日本の脅威論というような問題が出てくるような懸念もあるし、今非常に優秀でございますから。しかし、ECの域内のいろんな差がある、ECの中のここらの問題あるいは統治等の問題をくるめたときに、やはり日本の通商政策というものは非常に重要な私はかじ取りをしなきゃならないのではないか。こういう点を考えますので、この点についての賢明な運営、かじ取りをやっていただきたいということを要望しておきたいと思います。 それから、先ほどから意見が何回か出ておりますので私は重複は避けたいと思うんですけれども、やはり六月一日から入管法の改正に伴って今連日騒ぎになっているわけでありますけれども、この実態、どのぐらい外国人がこちらで不法労働者として働いているのか、この実情を掌握できる範囲内で説明していただきたいと思います。
○説明員(町田幸雄君) 私どもが調査した範囲では、数でいいますと昨年末ぐらいで約十万人ぐらい増加といいましょうか、かなり多いという感じが若干いたしておりますが、十万人ぐらい。国籍別で見ますと、フィリピンそれからパキスタン、バングラデシュ、韓国、タイそれから中国、そんなところが多い。 それから、一昨年ぐらいからでしょうか、男性が多くなってまいりました。かつてはじゃぱゆきさんとかいうようなことを言われまして女性が多かったわけですが、男性が多くなりました。男性は主として建設作業現場等における建設作業員とか機械部品、製造工場等の工員が多いわけでございます。女性の場合は大体ホステスさんとかそういう風俗関係が非常に多い。若干、工員とか雑役夫というようなものもございます。 それから、場所でございますが、かなり日本国じゅうに広がってはいるわけですが、主として東京を中心とする周りですか、首都圏の群馬とか少しあっちの方に広がっておりますが、そういったところから大阪方面にかけてのどちらかというと太平洋ベルト地帯といいましょうか、そちらの方に多いように思っております。それから、来るに当たって、国籍によって多少違うようでございますが、間にブローカーが介在するものがかなりあるようでございます。 十万人と最初申しましたが、ほかの先進諸国と比べますと、数それ自体としては比較の上では多くはないんですが、比較的最近急速に伸びておりますので、私たち非常に重視しておるわけでございます。 これが今私どものつかんでいる実情でございます。
○三木忠雄君 やっぱり汚いとかきついとか危険であるとか、よく俗に言う三K、こういう職業の方についているというのは大体就学ビザなんですか、それとも観光ビザが多いんですか、どちらなんですか。
○説明員(町田幸雄君) これは圧倒的に数はいわゆる四―一―四の観光というものでしょうか、それが多いわけでございます。就学生が多いというのは中華人民共和国ですか、中国の特殊性でございまして、ほかの国でいわゆる就学生でという形の者は余りいないわけでございます。 それから、パキスタンとかバングラデシュの人が多いと言いましたが、これは査証免除協定が生きていたころビザが必要ないということで入ってきた方々が多かったわけです。それが昨年の一月から停止されましたので、この二つの国からの新規の流入者は多くなっております。
○三木忠雄君 そうしますと、先月の二十四日ですか、入管法を改正するという省令を出したんでしょう。これはやっぱり手間取ったんですか。法務省と通産省と労働省が何かなかなか詰めがいろいろ難しかったのでおくれたと、そのために広報や情報が非常に少なかったり遅過ぎた、こういう点で大分法務省もしかられているんだけれども、これは実情はどうだったんですか。
○説明員(町田幸雄君) いわゆる基準省令という、在留資格の特定の者について、何というんでしょうか、どの程度のバーの高さにするかという話、これにつきまして、関係省庁との意見調整ですね、これに若干時間がかかったことは否めない事実だと思います。
○三木忠雄君 省庁の調整も終わったことだから私はあれですけれども、十万人というか、この問題はやはり非常に誤解をされて入管に殺到されたわけでしょう。これから入ってくる人たちに対して、雇用をした人たち、事業所が罰せられるという、それが誤り伝えられて非常にパニックが起こっていると、こういう問題があるわけですね。 したがって、やはりこういう問題は早めに決める、一週間や二週間ぐらい前に徹底するというんじゃそれは相当な誤解もあるだろうし、いろんな点があろうと思います。それから、言葉が違いますからね。法務省、日本語だけで出しておけばいいけれども、やはり各国語でいろいろ訳さなきゃいけないだろうという問題もある。終わってしまったことをどうこう言うわけじゃありませんけれども、やはり情報量が不足しておった、あるいは広報の面が大分足りなかった、あるいは期間、いろいろ省庁間の詰めが余りにも手間取り過ぎて非常におくれをとって、こういう点が誤解をされたと、この点が今回のパニックになっていると思うんですよ。したがって、やはりこういう問題についての各省庁間の連携というものが非常にスムーズにいってない。 これからあと何点か申し上げますけれども、これはやはり入管が責任を持つほか、どこが責任持つか知らぬけれども、最終的に入ってくるのは恐らく入管でしょうからね。こういう点で法務省の考え方をもう少し徹底しなければならないんじゃないか、この問題についての反省はどう思っていますか。
○説明員(町田幸雄君) ただいま委員から御指摘を受けましたことについて若干御説明させていただきたいわけですが、先ほど申しました基準省令の関係は、今後入ってくる外国人の方々の在留資格についてどのくらいの基準でもって入れるかという問題でございまして、それに若干手間取ったことは事実でございますが、先般来、東京入国管理局に出頭申告、私は不法就労しておりましたと言って出てきた方々はこれは在留資格とは関係なしに、いわばもう在留資格がなくなっている方々でございまして、この方々がいわゆる罰則をかけられるのではないかというようなことを懸念して出頭したのだというようなそういう報道がなされている案件でございます。 この関係につきましては若干の英字新聞等の記事が引き金になったような説明を聞いておりますが、ことしの一月ごろから出頭してくる人の割合が若干多かったわけでして、そして三月ごろ、私どもの見たところでは、本人たちにいろいろ聞いてみると、当時はホームシックだとか、あるいは自分の国に残した家族が病気になったとか、そういうようなことが多かったわけでございます。確かに委員御指摘のとおり、私どもとしては十分努力したつもりでおりますが、まだまだ広報が足りなかったという面は若干あったかもしれない、このように反省いたしております。
○三木忠雄君 難民と間違って強制送還された場合には旅費はただで送ってくれるでしょう、法務省の長崎の難民収容所のね。それと同じように誤解されて宣伝されているような感じがあるんじゃないかという話もあるんですよ、実はね。だから、この際かえって送り賃ただだからそれでいこうかと、難民並みに扱ってくれるんじゃないかという、事業者がそういう考え方を持ったところもあったという意見も私は聞いたことがありますけれども、こういう点の周知徹底というものは、やはり各言葉が違うわけですから、よくやっていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 それから、締めるのはいいんだけれども後の問題として絶えず、この間もNHKのテレビかどこかのテレビかわかりませんけれども、納豆をつくっている従業員がやはり十万人の中の一人だと、そうすると業者はどうするんだと、こういう問題で三〇%は減産ですなと、その分どうなりますか、高くなりますなと、こういう感じですね。確かにこれは違法行為でしょう。しかし、これに対する対応が全然できていなかった。ある意味では、法的に守るためには入管が六月一日から省令をぴしっとやりますというのは結構なんです。しかし、それに対する中小企業等は労働対策が全然行われてない。決していいことじゃないんだけれども、現に十万人が働いているという、こういう事実があるわけですね。 これから十年間で四百兆も公共投資をやろうと、これは四百兆になるか三百兆になるかわからぬけれども、実際そうなればやはり危険な仕事あるいは汚い仕事、こういうところの方向にいろんな面で労働者が足りない、こういうことになってくれば、ただ引き上げればいいというだけでそで済むのかどうかという対応、次の対応というものを明確にしてこういうものをやらなきゃいけないんじゃないか、こう私は考えるんですよ。そういう点で中小企業の企業倒産というのが最近ふえてきている、人手不足倒産がふえてきている、こういうような話をよく耳にするんですけれども、実態はどういうふうな状態になっているのか、お示しいただきたいと思います。
○政府委員(高島章君) 最近は景気が持続的拡大をしておりますので、倒産全体は非常に減ってきているわけでございますが、今先生御指摘のように、いわゆる人手不足で倒産をしたという件数は実は非常にふえてきておりまして、数字で申し上げますと、六十三年には五十七件でありましたものが元年では二百四十二件と四倍にもふえてきているわけでございます。人手不足倒産は何かというのは厳密な定義はないわけでございますけれども、従業員が退職した、熟練した労働者がいなくなったために資金繰りが非常に苦しくなって倒産したといったようなものを広く人手不足倒産と、こう言っているわけでございますが、今申し上げましたように、そういうものの件数はふえ、非常に深刻になってきておることは事実現状でございます。
○三木忠雄君 そうしますと、この入管法の実施に伴っていずれ法務省が考えているのはゼロにしたいわけでしょう、新たに今度入れたいわけでしょう。こういう形になってくると、厳密にそこまでいくかどうかわかりませんけれども、数字上あるいは法制上十万人はなくなる、こういう原理原則にはなるわけでしょう、どうですか、法務省。
○説明員(町田幸雄君) おっしゃるとおり、私どもとしては正規に在留資格をお持ちの方々が日本国内で活躍されることを期待しております。
○三木忠雄君 法務省はそのとおりだと思うんだね、法を守らなきゃいけないから。私も法務委員長をやっておっていろいろそういう問題で課長の気持ちもわかりますよ。 それで、実際に労働不足、週休二日制あるいは年次有給休暇二十日と、こうなると、日本興銀等でいろいろ試算した調査を見ると二百七十万人ぐらい足りなくなるだろうと、こういうふうに言われているんですね。日本の高齢者を雇うという場合もいろいろあるだろうと思うんです。しかし、これから十年間公共投資をやらなきゃならないというこういう中にあって、省力化、大臣が先ほどからおっしゃられたいろんな問題点はあろうと思いますけれども、やはりただ機械だけでやるというわけにいかない、ロボットだけでやるというわけにいかない問題がいろいろあろうと思うんですよ。こういう問題に対して労働省として、あるいはまた通産省としてどういう対策を講じていこうとしているのか、この点についての基本的な考え方を伺っておきたいと思います。
○説明員(伊藤庄平君) 御指摘の中小企業の労働力不足の問題と今後の長期的な見通しの関係でございますが、労働力の需給、特に供給側の構造を見てまいりますと、一九九五年あたりから生産年齢人口が若年者を中心に減少し始める、こういったことが確実に予想をされておるわけでございまして、今の景気の状況等が持続するとすれば、やはり供給面では厳しい状況が出てくることは十分予想されるかと思います。 ただ一方、そういった供給構造が変わる中で見てまいりますと、高年齢者が非常にふえてまいる。また、日本特有の形として女子の労働力率が二十代後半から三十代と減少をする。そういった傾向の中で、今後女子の労働者の職業意欲も高まってまいりますので、こういう女子労働者をどう活用していくかとか、そういうことが需給のバランスを決める大きい要素になってくるだろうと思います。 私ども、中小企業につきましても、現在でも積極的な職業紹介等を通じまして、また求職者の方にもいろいろ人手不足職種のよさというものを理解してもらうためのガイダンス等を集中的に行いまして、いろいろ中小企業への充足対策というものをやっておりますが、さらにはこの中小企業におきましても、労働時間あるいは作業環境、そういったものの魅力づけをやっていくことを積極的に支援いたしまして、そういったところへの充足率が高まるように努力する一方、中小企業者自身も高齢者を積極的に活用することを考えるとか、女子労働者が働きやすい環境の整備を図っていただくとか、そういうことについても私ども支援してまいりますが、そういったことを通じて労働力の需給関係を安定したものにしてまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(高島章君) 先ほど大臣の方からお話し申し上げたことと重なるわけでございますが、基本的には合理化なり省力化をしてなるたけ人手を少なくするということと、もう一つは、今労働省からもお話ございました、いかにして魅力ある職場にするか、労働時間をきちっと短縮し、あるいは寮、施設等もきちっとしたものにしていくといったことであろうかと思います。 ただ、そういうのんびりとした話ではないんじゃないかというおしかりは当然かと思いますけれども、個々の企業は長期的に持続して発展していくものでございますから、そのベースになるところを着実に確実に解決していくということがやはり中小企業の長期的な発展には不可欠だと思っておりまして、そのために予算、税、そして金融面で大いにそういうことが支援できるように、我々としては精いっぱいの助成策、お手伝いしていきたいと思っております。
○三木忠雄君 まあ経済は動いていますので政策的な羅列をしてみてもこれは始まらない問題ですが、いろいろ職業訓練の問題として、先ほど来も大阪商工会議所の例が出ました。あるいは各省でいろいろ考えておるし、中小企業団体でもいろいろ考えているし、中国なんかはソフト技術の問題で、電子の問題なんかはそういうような協会、個人で中国と取引をしている人たちもいるわけです。大企業の場合はいろいろな点で職業訓練あるいは研修だといってできるわけでありますけれども、やはり中小企業が独自でそういう人たちを連れてくるというようなことは、なかなか研修などということはできない。したがって私は、例えば日本へ来たいという東南アジアなら東南アジアの各国のそういう人たちを三月なり半年なり訓練する、また受け入れも、商工会議所であろうとあるいは中小企業等協同組合であろうと、ある程度認知できるようなもの、そこから中小企業に人員配置ができる、こういうシステムをしっかりつくるべきじゃないかと思うんです。 いずれ一般労働だってゼロというわけにいかないんだろう。これは今の法規制どおり法務省がきちっとやれば、恐らく十万人もゼロに近い数にならざるを得ない。まあいろんな点があるかもしれない。そのためにブローカーだとか暴力団だとかいろんなものがはびこってきて、この雇用問題でいろんなトラブルを起こしているわけですから、こういう問題――一般労働に対する単純労働はただだめだと言うだけじゃなしに、ある程度研修をし語学を教え、日本の秩序に合うように訓練をする。これに対してODAで予算を組んで、そういう形で東南アジアにいろんな訓練費用を出すとか、いろんな関係を考えて、やはりそういう一般労働者も幾分なりとも条件づきで一定期間そういう形で受け入れができるようなシステムをつくっていくべきではないか。 これは各省、十二省にまたがるそうですから、こういう問題は非常に難しい問題だろうと思うので、政府としてこの問題を早く解決するために連絡調整会議をつくるとか、あるいは立法化をするとか、しなきゃいけないものは早くやるとか、こういう体制でやはり公共投資も何百兆とやらなきゃいけない。こういう状況の中で労働不足はやはり深刻な問題であろう、恐らく人手不足倒産がさらにふえてくるのではないか。こういうことも危惧をされますので、まあ通産大臣が音頭を取るのかだれがとるのかわかりませんけれども、政府でこの問題を至急対応を考えて、いついつまでにやりますぐらいの決心でこの問題は結論を出すべきではないか、こう考えますが、これに対する通産大臣の国務大臣としての見解を最後に伺って、私の質問を終わりたいと思うんです。
○国務大臣(武藤嘉文君) まあ縦割り行政でございます。大変難しいのでございますが、私は、例えばODAの予算などの中で今御指摘のようなことを考えてみたら大変いいんじゃないかなという、今お話を承りながら感じておりました。 いわゆる技能労働者は幾らでも受け入れるというのでございますから、ある程度初期的でもいいから技能をとにかく向こうで植えつける。言えば、堂々とこれは日本に入れるわけでございますから、そういう面において、ODAの援助は何もプロジェクトの援助だけじゃなくたっていいわけですから、ODAは各国にそういうのをつくるとか、あるいは各国で難しければ、例えば東南アジアのどこかにそういうものを設けて、そこで技術を少しでも身につけさせてこちらへ受け入れるとか、そういうODAの予算を使う面でこれは私の方で相当できる話でございますから、今のお話を聞いておりましたので一遍参考にさしていただいて、そのかわりことしというわけにはまいりませんけれども、来年度のODA予算の中でそういうものができないかどうかを早急にひとつ検討さしていただきたいと思います。
○市川正一君 大臣、御苦労さまでございます。 きょうはいささかソフトな質問でまことに恐縮です。 国会内には、現在会員百五十二名に及ぶ超党派で映画の愛好と振興を目指す映画議員連盟が活躍いたしております。実は武藤大臣も創設以来のメンバーのお一人でいらっしゃいます。会長は田村元前衆議院議長なんです。それで事務局長は、きょうはお見えになっておりませんけれども、前田勲男委員、そして福間、井上両理事も、また私も幹事役を務めております。 映画産業の所管は通産省であるということともかかわっておると思うんですが、そういう立場からおととしの五月の本委員会で私は映画の振興について質問をいたしました。ちょうど二年たった。その間、芸術文化振興基金、以下基金と申しますが、これが具体化し、その中に映画枠が設けられるなど一定の前進があったと考えますが、それを踏まえて若干の質問をさしていただきたいと思います。 前回質問いたしました際に、当時の末木審議官が私の行った一連の提案に対して勉強さしていただきたい、こう答弁なさったんですが、通産省のこの間の勉強の成果のほどを承りたい。
○政府委員(山本貞一君) 先ほど委員御指摘のように、映画産業は私どもの所管になっております。また、文化としては文化庁でいろんな施策をやっておられまして、私どもこの二年間で先生の御指摘もございましていろんな勉強をいたしましたし、かつ施策も講じてまいりました。 まず、昭和六十三年の十二月に次世代映画産業懇談会というものの結論というか報告を受けまして、映画産業を担う人材の育成それから撮影施設の整備等を目的としました複合型映像製作拠点構想というものについて、平成元年度から関係地方自治体の御協力を得ながら具体化を進めるべく今調査等を行っておるところでございます。 また、金融税制上の措置といたしましても、その後というか先生の御質問以降、中小公庫あるいは中小企業信用保証協会の対象にする、それから中小企業基盤強化税制の対象にするというようなこともやってまいりました。かつ、東京映画祭というのを昨年東京で行いまして、これにもかなりの公的な資金を投入するというようなことをやってまいりました。
○市川正一君 それでは文化庁にお聞きしたいのでありますが、これまで文化庁予算にあった優秀映画製作奨励金の予算が、今年度は一作品当たり従来の十分の一の百万円になっています。名称も優秀映画作品賞に変わりました。昨年度まであった製作奨励金について、今まで製作費の上昇に応じて引き上げるよう要求いたしますと文化庁の方は、これは助成金ではないんだ、賞金だ、こうおっしゃって応じてこられなかった。それならば、今回なぜその賞金を引き下げたのか、ここをひとつ聞かしてください。
○説明員(根木昭君) 文化庁におきましては、先ほどお話しのとおり、昭和四十七年度以来でございますけれども、毎年その年度に公開されました優秀映画、長編映画につきましては十本を選んで製作奨励金一千万円を差し上げるといった優秀映画の奨励制度を実施してまいったところでございます。この制度につきましては、すぐれた映画製作を奨励するということでそれなりの重要な役割を果たしてきたというふうに私ども考えるところでございますけれども、他方その一千万円の奨励金――先ほどもちょっとお話がございましたように、映画製作経費が当初に比べますと高額化しておるという現状は確かにあるとおりでございます。また、製作奨励金そのものが次の映画の製作を奨励するという意味合いと、優秀な映画の顕彰といった側面が両方とも混在しておったといったような事情があったわけでございます。 そのようなことがございました関係上、このたび平成元年度末に芸術文化振興基金が発足をいたしたことにかんがみまして、当該基金におきまして製作奨励金をより充実した形でもって基金の方から奨励金として差し上げるというふうなことで、実を申しますと文化庁サイドで行っておりました奨励金は基金の方で御対応いただくということになったわけでございます。一方、文化庁サイドにおきましては、新たな制度の創設ということになりますけれども、年間を通じてすぐれた映画を選んで賞金を一本百万円ということで差し上げるといったような、言うなれば本来の意味での顕彰制度を別途創設したということでございます。文化庁サイドのこの事業と、それから基金サイドの製作奨励金、その両者が両々相まって映画の振興に寄与するのではなかろうか、このように考えておる次第でございます。
○市川正一君 それは、私は文化庁の責任回避だと思う。基金と文化庁予算とはそれぞれ違う役割と任務があるはずです。どっちに予算つけたからこっちは要らぬというふうなものじゃないはずだ。 そうすると、優秀映画関係予算の差額の一億一千五百万円はどこへ行きましたか。
○説明員(根木昭君) 先ほども申し上げましたように、製作奨励制度といたしましては文化庁サイドから基金の方に御対応いただくということで移させていただいたところでございます。 文化庁におきましては、確かに減額という点はあるわけでございますけれども、それとは別途、例えば国内研修員制度を拡充するとか、あるいは映像芸術の全体的な振興ということでフィルムセンターの充実を図るとか、そういったことに私どもの方では専ら精力を傾注しておる、こういうことでございます。
○市川正一君 それは流用であって、こんなもの、あなた、本来のところへ出さずに、これはおかしい。 それなら聞きますけれども、あなたは研修制度と言われたが、これは何名ですか。三名でしょう、ことしは。一人当たりの予算額は何ぼですか。
○説明員(根木昭君) 国内研修員制度につきましては一人当たり年間四十万円でございますけれども、これを受け入れ先の機関、あるいは個人の場合もあるわけでございますが、そちらに謝金という名目で差し上げて受け入れていただく、こういう制度を今実施いたしておるところでございます。 映画につきましてはことしから新たに実施をいたしまして、従前の国内研修員制度に三名プラスをした、こういうことになっております。
○市川正一君 映画の製作現場はごらんになっていると思いますけれども、撮影だとか美術だとか照明だとか編集とか、いろんな分野があるわけですね。これにかかわっている人の現状は、映画製作だけでは暮らしていけぬので、いろんなアルバイトをして頑張っております。それが実態です。私は、今のこういう研修制度で新しく養成をしていくという場合の予算が、いみじくも謝金とおっしゃったけれども、それじゃ、あなた、まるで寸志の年間四十万円って、どこへ行った言うたらそこへ行きました、何ぼや言うたら四十万円、こんなあほなことないですよ。少なくとも対象になっている期間はこれに専念できるような助成をすべきじゃないでしょうか。製作奨励金の減額分ぐらい、それを私は認めるわけじゃないけれども、一億一千五百万円、これぐらいは人材養成の助成をもっと厚くするとか対象をふやすとか、そういう方に使ってしかるべきじゃないですか、どうです
○説明員(根木昭君) 確かに先生のおっしゃるような面もあるわけでございますが、映画に関しましてはことしから国内研修員制度が初めて発足をいたすという面もあるわけでございます。おっしゃる趣旨も踏まえまして私ども今後とも勉強をさせていただきたいと思いますけれども、とりあえずは国内研修員制度に映画関係を乗っけたということで、一応御理解をいただければというふうに考えるところでございます。
○市川正一君 通産省は勉強なさってかくかくたる成果みたいなお話がさっきございましたけれども、あなたも勉強すると言うて、そんなもう勉強ばかりしておっても間に合わぬですよ。私は何もあなたに怒っているのでなしに、もっとしっかりやれという激励の質問ですから、勘違いせんといてや。 それで、もう一つ聞きますが、優秀映画鑑賞全国ネットワークの問題なんです。去年の実施状況を見ますと全部で二十四回開かれておりますけれども、その中で自主的な映画サークルがかかわっているのは見たところ一回だけのように思うんです。御承知の「映画芸術の振興について」という中間報告でも、自主的な鑑賞組織の育成を期待するということが述べられております。ところで、全国には地域的な広がりを基礎にした自主的な鑑賞組織が多数あります。その中には、全国ネットワーク制度をぜひ使いたい、活用したい、こういう希望もあるんですが、なかなかこたえてもらえぬというふうに聞いております。こういった自主的サークルから文化庁に要請があれば、プログラムの選定や運営について相談に乗り、助成の対象にしていく、そういう開かれた運用にするのは非常に積極的な措置だと思うんですが、御同感でしょうか。
○説明員(根木昭君) 先ほど申されました優秀映画の鑑賞促進事業でございますけれども、これは、実は東京国立近代美術館のフィルムセンターが実施主体となって、各地の公立の文化施設、いわゆる公立文化会館とタイアップしながら、一種のネットワークを構築しながら全国各地に映画の名品を巡回をして、現地でそういったものを見ていただくという趣旨のもとに実施をいたしておるところでございます。 いろんな御要望があるわけでございますが、昨年は二十四回以上ということで実施をいたしたわけでございまして、今年度四十回以上を一応念頭に置いてその措置を講じさせていただいておるということでございます。この制度そのものは私ども非常に重要な制度であるというふうに考えておりまして、今後とも拡充に努めてまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○市川正一君 私が提起しているのは、その回数ももちろんのことですけれども、映画を本当に愛し、またそれの発展を望む地域の自主的サークルなんかをもっと大いにそういう場に参画させていくということをひとつ御検討願いたいということです。よろしゅうございますか。
○説明員(根木昭君) 現地におきましては、文化会館を中心といたしまして実行委員会という組織をつくりまして、その実行委員会が実施の母体になっておるということでございます。したがいまして、現地にそういった御要望があれば、実行委員会にあるいは御参加をいただくといったようなこともあり得るのではなかろうかなというふうに考えております。
○市川正一君 そういう発展方向を、ぜひイニシアチブを文化庁としてもとっていただきたい。 次に、基金の問題に戻りますが、映画にも基金によって助成措置がとられることになりました。この助成措置を決めるに当たっては各界の意見を聞いたと思うんですが、例えばどういう団体から意見をお聞きになりましたか。
○説明員(根木昭君) 合計六団体から意見を聞いております。具体的に申し上げますと、映像文化製作者連盟、日本動画製作者連盟、日本映画復興会議、映画演劇関連産業労組共闘会議、日本映画製作者連盟、日本独立映画製作者協議会、以上の六団体でございます。
○市川正一君 私は、この基金の今後の運営というのは非常に大事な意味を持ってくると思うんです。そして、この製作奨励金にふさわしい規模にこの助成額もふやしていく。さらに、製作だけでなしに、配給や鑑賞の分野にも広げていく必要があるというふうに考えております。その運用に当たっては、いかに民主的な運用を確保するかということが非常に大事な意味合いを持ってくると思うんです。 そのポイントとして、運営委員会や審査委員会の構成、その人選に当たっては、今まで意見を聞いてきたそういう諸団体などにも推薦を要請するなど、日本映画の振興にかかわるさまざまな分野の人々の意見を可能な限り反映されるように努められることを私は希望いたしますが、そういう立場から取り組まれる姿勢をお伺いいたします。
○説明員(根木昭君) 基金の審査会といった形でもってそういう組織ができようかと思いますけれども、その具体的な人選につきましては、目下のところ日本芸術文化振興会において検討中でございます。ただ、芸術文化関係者の御意見もいろいろ伺いながら、公正中立な立場から御審査をいただくということを第一義に置いておりまして、したがいまして、映画につきましては幅広い映画関係者の方々にお願いをする、そういった方向で恐らく実現をするのではなかろうかなというふうに考えておるところでございます。
○市川正一君 大臣、映画産業の振興は通産省の所管事項でございますが、冒頭に勉強の成果を伺いましたが、議論をお聞きになって所見を承りたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 映画というのは国民の大変身近な、しかも健全な娯楽だと思います。そういう面では国民生活の中にも定着していると思うんです。しかし、テレビの普及によりまして、やはり昔と違ってなかなか映画産業というのがうまくいかなくなってきているというのは、私は事実ではなかろうかと思います。そういう点で時代も変わってきたものですから、テレビの方と映画のつくられるのとは違っているようでございますが、私もかつては自分自身が映画をつくりたいと思った時代もありまして、撮影所通いなどをしょっちゅうした経験もございますけれども、本当に映画というものは健全な娯楽だから何とかそれこそ健全に育っていっていただきたい。 今のようなお話を聞いておりましても、なかなかこれは大変だなと思います。しかしまた、一面からいいますと、逆にこういうものに国の助成が多くなりますと、かえってそういう文化的なものが国の方針によって曲げられるというようなことがあってもいけませんから、私はそういう面においてはやっぱり映画産業が主体性を持って自主的に頑張っていただくことがいいのではなかろうかなという感じがいたしております。余り国が援助をするということは、逆に言うと、それによってかえって阻害要因、阻害といいますか、マイナス要因が出てくるのではないかなという心配もいたしておりますので、ただ映画を国の助成だけでいくということは、私は問題があるんじゃないかなという感じも正直いたしております。
○市川正一君 これをやると、またあかんのですね、時間が。この間、今泉議員がメセナのお話をなさいましたでしょう。要するに、金は出すが口は出さぬ、これなんですよ。心配は、金も出さぬと口ばかり出す、そういう官僚統制の発想がまだ残っているということなのであって、ここはやっぱり一掃してもらわぬと困る。いずれまた映画議員連盟の総会のときにお越し願って特訓をさせていただくということにして、きょうは次の問題に移らせていただきます。文化庁、どうも御苦労さまでした。ひとつしっかり頑張ってください。 それで、次はややハードな問題でございますが、もう本論にずばり入ります。東電の福島第二原発三号機の再循環ポンプ事故の問題です。大臣は、先般、我が国の原発の事故や故障というのは非常に少ないんだということを強調されました。私はそのデータの信憑性を機械的に今ここで論ずるつもりはないんですけれども、問題は、そういういわゆるトラブルをどういう物差しで見るかという問題なんです。 今取り上げました東電福島第二原発の問題も、例えばこの報告書をここに持ってまいりましたが、これによると、「ポンプ損傷事象」となっているんです。日本語というのは便利ですね。損傷事象というと、いかにもちょっとしたけがみたいな、傷みたいなものです。しかしこれは、私は破壊事故というふうにあえて申したいんですが、それはさておいて、この報告書が公表されました。まずこの事故についての評価の問題でありますが、この百ページの「まとめ」の(1)のところで、ポンプの損傷事象は、それ自体は安全上重要な機能を有する機器の損傷でなく、原子炉の緊急停止を要するようなものでもないというふうに述べておりますが、こういう評価なんでしょうか、通産省は。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 まず福島第二原発のこの事象でございますが、我々はこれをこういうふうに認識しております。 本事象は、原子炉の通常運転時に出力制御等に重要な役割を持ちます原子炉再循環ポンプの損傷ということでございまして、それから、さらに大量の金属粉が原子炉圧力容器の中などに流入したという事態でございます。これはやはり国民の皆様から原子力発電というのをごらんになって、やはり信頼性を損なう重要な問題というふうに認識しております。 それで、今お話がございました「事象」という言葉でございますが、これは今のような認識のもとに、こういうような状態を包括する言葉ということで使わしていただいたわけでございます。 そこで、このポンプの位置づけということでございますが、安全審査と安全という観点から、やはり安全上重要な機器等ということで考えますと、一般公衆あるいは放射線の従事者に対して過度の放射線被曝を及ぼすおそれのある機器等、あるいは一般公衆あるいは放射線従事者に及ぼすおそれのある放射線被曝を緩和する設備、これなんかは安全上重要な機器というような位置づけをされておりますので、今申し上げましたように、通常運転時は大変重要な機能を持っているわけでございます。しかし、安全審査上のこの機器の位置づけというのは、今申し上げましたとおりということでございます。
○市川正一君 そもそもこのポンプというのは、今までの通産省が出している一連の報告などでも重要機器と位置づけられています。そして多くの技術雑誌も、原子炉の心臓部に当たる、こういうふうに言っているわけですね。それだけの大きさ、重さを持っています。確かに原子炉は緊急停止しませんでしたが、逆に言えば、あれだけの事故を起こしながら緊急停止しなかったことが実は大問題なんです。大量の金属片や金属粉が原子炉内に流入して、事故後一年以上も経過した今日でも運転できないでいる。これは極めて大事故になる危険性を持っているということは、例えば私が持ってまいりましたのはこれはアメリカの雑誌ですが、ニュークリアエンジニアリング誌が一九八九年の十一月号で、フィンランドのBWRで金属片が流入して制御棒が動かなくなったという事例を紹介しております。そしてまた、ニュークレオニクスウイークリーの八九年十月二十六日号は、炉心内に入った金属片が燃料棒を破損した例などを挙げて、危険性を警告する情報は国際的にも非常に多うございます。 私は、今度のこの福島の問題は、実際には通産省の安全問題の軽視とつながっていると指摘せざるを得ぬのですが、率直にいかがでしょうか。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 今回の事象をもう少しつけ加えて御説明させていただきますと、今回の事象によりまして、例えば水位の低下とか圧力の上昇、あるいは出力の急激な上昇というような安全上の重要なパラメーターが大きく変化した。それで安全保護系が作動しまして緊急停止をする必要があったということではもちろんございません。しかし、一月一日に警報が発生いたしまして、その後異常兆候があり、再び一月六日に警報の発生が出まして、それでそれぞれの段階を考えてみますと、状況の正確な把握と原因の追及、それから迅速な対応という面で考えますと、不十分、不適切な面があったわけでございます。 そういうことで、本事象というのがこのように進展拡大した、これを許したというようなことは大変重要な要因を持っているというふうに我々考えておりまして、この件につきましては、東京電力に対しまして、原子力発電所の運転管理に当たりましては常に安全を最優先ということから、迅速かつ的確な対応をする必要があるということで安全管理の徹底等を強く指示したところでございます。
○市川正一君 その点は、この報告書を見ましても、同じく百ページの「まとめ」の(2)のところに、警報発生後直ちにポンプを停止していなかった手続を問題にいたしております。 だとすれば、私はもう一つ伺いたいのは、最大の問題は、ポンプの速度を九三%の通常運転状況のときは、水中軸受けリングの固有振動数と変動差圧の周波数が強振する、そういう設計上の欠陥があるのではないか。というのは、六十六ページにグラフがございます。そして最大の振幅になるときがちょうど九三%の通常運転のときという、いわば構造上の欠陥があるのではないかと、これは報告書も分析をいたしておりますけれども、なぜ設計変更を指示なさらないんですか。
○政府委員(向準一郎君) 水中軸受けリング上面に変動差圧というのが運転中かかるわけでございますが、これはいろいろな周波数成分というものがあるわけでございます。それで、そのうち今お話がございましたように水中軸受けリングの固有周期と一致するものがありまして、それが比較的リングに高い応力を与え今回の事象につながったわけでございます。しかし、もう少しこれの原因を見てみますと、水中軸受けリングの溶接部の溶け込み不足というのがございまして、ここに応力の集中ということがありまして今のような強振ということにつながって、そこからひび割れが起こって今回のような事象につながったわけでございます。 そういうことでございまして、こういうようないろんな周波数から成ります変動差圧、それからポンプの回転数に応じまして固有周期というのも変わるわけでございます。そういうことで、一般的には振動に対する構造物の設計、これは発生応力が疲労限度に比べて十分小さくなっておればいいというわけでございまして、今回の対応につきましても完全溶け込み溶接型及び一体遠心鋳造型、このいずれでも実規模の模擬試験をやっておりますが、そしてそれに基づきまして詳細な応力解析をやっております。これらいずれのタイプの改造につきましても、強度上十分な余裕があるという確認をしております。 そういうことで、このような振動周波数変動のある中で使いますようなものにつきましては、こういうような設計で、疲労限度とそれから発生応力との解析を行いまして、小さい数値でおさまればその対応としては十分じゃないかというふうに考えております。
○市川正一君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、私この後東電の柏崎刈羽原発、先般大渕委員からも触れられたこの問題もやる予定でありましたが、次の機会にぜひしっくりとやらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○井上計君 私の質問時間をかなり市川委員にとられましたので、私の方では簡単に質問をいたします。 大臣、大変御苦労さまでした。もう大変なハードスケジュールで、大臣どうかなと心配しておりましたが、さすがに若さと健康を誇っておられる大臣で、お疲れの御様子もありませんので安心をいたしました。 〔委員長退席、理事中曽根弘文君着席〕 そこで、大臣、ちょっとお伺いしたいんですが、予算委員会の一部の理事の強い要求といいますか、主張で大臣の出発がおくれた。それから、まあきょうもこれがありますからまた早く帰ってこられたということで、新聞報道を見ますと、日本の大臣はおくれて来て、まだ終わらないうちに途中で引き揚げておる、けしからぬというふうな批判がECやあるいはOECDの閣僚会議でも出ておるという報道がけさの新聞に出ておりますけれども、率直に申し上げて、これは大変なことだと。日本がやはりこういう情勢の中にあるにもかかわらず、いわばそういう重要な国際会議を無視しておるというふうな批判が高まってくるとゆゆしき重大問題だというふうに私は懸念するんですが、大臣はどういうふうな御感想をお持ちになりましたか。これをひとつお伺いします。 〔理事中曽根弘文君退席、委員長着席〕
○国務大臣(武藤嘉文君) 実は、日本・EC閣僚会議におくれたのは私ではなくて中山大臣の方でございまして、私のは幸い飛行機が順調に飛んだものでございますから予定の時間に十分間に合ったのでございます。ただ、中山外務大臣の方が乗り継ぎの飛行機がトラブルがありまして、日本・EC閣僚会議は三十分おくらしてやったのでございますけれども、正直、一時間以上にわたって私一人だけが日本側の出席者という形で会議が始まったわけでございまして、そういう点は本当に残念であったと思います。 また、昨日になりますけれども、OECD閣僚理事会のいわゆるワーキングランチ、先ほど申し上げました大臣だけでの討議が非常に長引きまして三時の予定が五時になっても終わらないという形であったがために、残念ながら貿易問題の全体会議は二日目に実は延びたわけでございます。私の一番出るべきところは実はその貿易問題でございまして、その貿易問題の全体会議に私自身もスピーチできなかった、またいろいろ貿易問題に対する各国の意見を承ることができなかったというのは非常に残念に私は思っております。 ぜひとも将来は、こういう国際会議は、日本がいかに国際的に理解をしているといってもやっぱり行動で示さなければ誤解を受けるわけでございまして、そういう国際会議だけは、どうしてもこれは行けないならかえって行かない方がプラスであろう、行くのであればやはりその国際会議に十分責任を果たす役割をして帰ってくるのが当然でありまして、ただ顔を出しただけだというようなことはかえって私は将来においてはやるべきではない。将来、国際会議に出るときは、やはり日本は日本の役割をきちんと果たすというだけの時間的な余裕を与えていただいて出席しなければいけないんじゃないか。 本当にOECDは、今度は場合によればこれはかえって欠席した方がよかったのかもしれないという印象を私は受けておりますし、正直もう一つ、先ほどもたしか三木委員からだったと思いますけれども、国際的に非常に日本の評価が高まってきておりまして、こういう国際会議に参りますとバイの会談を向こうへ行ってから、例えば先ほどのドイツのハウスマン経済大臣にいたしましても、あるいはモスバッカー商務長官にいたしましても、向こうへ行ってから私とぜひ会いたいという申し入れがあったわけでございまして、こういうものが日本を立つときには予測もできない、そういうバイの会談が非常に多いわけでございます。これもまた非常に大事なことではなかろうか。そういう会議も大事だと思いますから、その辺のある程度の余裕もいただいてから出ていくというのが私は将来においては必要であろう。 率直にということでございましたから、私は今度参りまして感じた率直なことを申し上げた次第であります。
○井上計君 大臣のお考え、御感想、率直に承りまして、さもありなん、こういう感じがします。これは我々当然、特に野党に問題があるわけでありますけれども、今後の大臣のそのような重要会議の出張等に対しては、野党各会派ともその点を十分配慮していかなくてはいけないな、改めてそのように感じました。 さて、そこで予算、中小企業対策費の問題でお伺いします。 先ほど大木委員からの御質問にありましたから若干重複しますけれども、端的に私の考えを申し上げますと、中小企業対策予算の一般会計予算に占める割合は、たしか二十年前は私の記憶では千分の六・五ぐらいだったんですね。まあ一%に満たない、けしからぬということを随分我々は言ったものですけれども、五十六年、約十年前にはこれが〇・五三四%、要するに千分の五・三四ですね。だんだん毎年毎年低下しまして、元年度予算は当初予算と比べますと〇・三七七%ですね。だからもう一%の三分の一程度である、まあ補正予算がありましたから若干ふえますけれども、それでもまだ〇・四%にはかなり低い。平成二年度、今審議中の予算でいきますと大体〇・三七ぐらいですね、だから非常に少ないわけですね。中小企業の事業所全体で九九・四%、六百二十三万事業所のうちで九九・四%、従業員数は全体の八一%を占めておる中小企業の対策費が幾らシーリングの時代とはいえ余りにも少な過ぎる。これはひとつ大臣にこれからぜひまた御努力をいただかなくちゃいけない、こう思います。 そこで、あわせて申し上げますけれども、現在中小企業はもう御承知のように大きな転換期に差しかかっておるわけでありますが、特に中小企業が転換期の中で一番必要なのは今後のやっぱり情報化対策をどうするか、情報化事業に対する取り組みをどうするか、あるいは融合化、いろいろと法律もできました、施策もできましたけれども、融合化対策をどうするかというふうなことなど中小企業ではなかなかわからない、できないことがたくさんふえておるんですね。それについてこの中小企業対策予算の中で組織化対策費というのがあるわけですけれども、これが元年度予算で五十三億、二年度予算はややふえまして五十八億ですね。全体の数からいっても人員も非常に少ないです。現在の指導員ではなかなか今これからの必要な情報化あるいは融合化等々の専門的な指導をする人がほとんどいないようですね。そういう面ではこの予算の増額と同時に、そのような面に配慮をすべきである、このように特に要望し主張しておきますけれども、以上で質問終わりますが、大臣から今後のひとつ努力することについての御見解等々を承りたい、こう思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今お話しのようにシーリングというのがずっと続いてきたものですから、通産省のシーリングの中でなかなか中小企業対策が十分でなかったというのは私は事実だと思います。それではいけないわけでございまして、まあやっと平成二年度だけ少し、わずかでございますけれども、ふやしたわけでございますが、今後、今御指摘のような情報化時代を迎え、またせっかく融合化の法律までつくったわけですから、やはりそれが推進されていくようにしなければならないと思います。 そういう面における予算の充実という点においては十分平成三年度において考えていきたいと思いますし、先ほど来お答えをしておりますように、中小小売商の問題も非常に大きな問題としてこれから起きてまいりますので、それらも含めて平成三年度におきましては少なくとも思い切った増額がなされるように全力を奮って努力をしていきたい、こう考えておる次第でございます。よろしくお願いをいたします。
○井上計君 どうもありがとうございました。終わります。
○池田治君 一昨日の夜、久しぶりに自宅に帰りましてテレビをつけましたら、武藤大臣の顔がぱっと浮かびまして、非常に頼もしく思った次第でございます。大変御苦労でございました。 そこで、いろいろOECDでも先ほどからお話がありましたように東欧諸国の話も出たと、こうおっしゃいましたが、どこの国がどういう内容で話を始めて、どういう結論になったかということをもう少し詳しくお話しを願えませんか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 東欧諸国の問題はいわゆる日本・EC閣僚会議におきましていろいろ議論をさせていただいたわけでございます。OECDでは、先ほどの話で私はバイの会談がしょっちゅうございまして、もう全体会議のときも欠席がちでございました。大変残念に思いますけれども、ワーキングランチはこれは私ずっと最初から五時過ぎまで出ておりましたが、ワーキングランチのときには東欧問題は正直出ませんでした。 日本・EC閣僚会議で出ましたことは、もうこれはアンドリーセン委員長が中心となって発言がいろいろなされたわけでございますし、それからバンゲマン副委員長からも東欧問題については発言があったわけでございます。
○池田治君 その発言の内容は、日本に資金的な需要が多いので投資をしてくれ、こういう内容でございますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) とにかく東ヨーロッパがせっかく市場経済原理を導入しようという形で立ち上がろうとしているからこれを支援をしていかなきゃいけない。それについては、日本もできるだけのことを応援してほしいということに対して、私が先ほど申し上げましたけれども、例えば、日本からは資金というだけではなくて、人の問題という面において生産性本部などを設けていただいたらいいんじゃないだろうかと、そしてできるだけ日本の技術も思い切って導入をするという形で協力もさしていただくということもするし、あるいは人の養成にもできるだけお手伝いをさせていただこうということをこちらから申し上げたわけでございます。
○池田治君 そういったように、OECD閣僚会議でも話が出るし、またゴルバチョフさんもアメリカ・ワシントン入りをしましてブッシュ大統領と会談を始めたようでございまして、このようにどんどんと国際緊張緩和というのは進行してきております。そして、共産主義諸国も一党支配に終止符を打ちまして、自由市場と民主主義国家へと移り変わろうとしております。 このような時期に際しまして、私のような素人が考えますと、対共産圏輸出統制委員会(ココム)の制限でございますが、これもそろそろ目的を到達して戦略物資か非戦略物資かわからぬようなものまで制限するというようなことを撤廃してもうココムも解散する時期に来たんじゃなかろうか、こう私は思いますが、大臣のお考えをお願いします。
○国務大臣(武藤嘉文君) これは、実はこの間予算委員会でも私答弁さしていただきましたけれども、思い切った規制緩和は私は歓迎すべきことだと。しかしながら、まだいろいろな国際情勢からいって、今すぐ撤廃をしてしまうというのは、これまた時期尚早ではないかということを私は前にも御答弁させていただきましたけれども、今なおその考え方で、思い切った規制緩和は今後も続けていくべきだと思いますけれども、ココム規制そのものをやめてしまうというのはまだまだ時間的に私は問題ではなかろうか、こう思っております。
○池田治君 規制緩和そのものはちょっとまだ時期尚早だということでございますが……
○国務大臣(武藤嘉文君) 規制緩和をなくするのは、です。
○池田治君 六日から今度始まるココムハイレベル会合というのがございますね。ここでアメリカは規制対象を五から十ぐらいの重要技術に絞り規制リストの三分の一くらいに当たる四十品目の自由化を即時行う、そしてまた電気通信とかコンピューター、工作機械の三分野の自由化を拡大する。こういうことを骨子とした提案を行うそうでございますが、日本政府も独自の提案があるやに聞いておりますが、アメリカの提案とは多少違った提案をなさるおつもりでございますか。
○政府委員(内藤正久君) 六月六日、七日に行われますココムの会合で今御指摘のような項目についての議論が進むものと承知しております。それで、それぞれの項目につきまして基本的な考え方は、御指摘のとおりの国際情勢の変化、東欧情勢の変化が一つございますし、それから、そもそもココムは不必要なものまで貿易を制限するというのは趣旨でございませんから、また最小限度にするという考え方でございますので、全体としての規制緩和の方向というのは日本側も全く同じでございます。それで、今おっしゃられました、まずココムリストをコアリスト化するということで、本当に必要なものだけに改めて絞り直そうという作業を今年末までに全会一致で進めていこうという方向が検討されることになっておりますので、それについては日本側も全く同じ考え方でございます。 それから、産業用の汎用リストにつきまして規制を大幅にその間縮減して実行しようということについても、事前にもいろいろ議論をいたしております。その他、合理化の優先三分野等についても日本案がもとになって実は議論をされておるということでございまして、先生御質問の非常に個別の項目について違いがあるのかどうかという詳細は、ココムの合意上ちょっと公表を差し控えさしていただきたいんですが、考え方で申しますと、規制緩和ということで全く同じでございますし、例えば一分野の工作機械について申しますと、日本が原案を提出して今まで議論してきた内容について、アメリカ側がそこまでは歩み寄らないというふうな議論があったのに対して、今回はそれを受け入れて新たなアメリカ側の提案が出てきたというふうなことがございますので、かなり入り組んだ関係になっております。したがいまして、方向性は一緒でありますが、具体的な内容は、日本もかなり進んだことをいろいろ言っておるわけでございます。
○池田治君 それは、アメリカに日本が主張してそれを認めてくれなかったのが今回認められたというのは、工作機械の分野だけでございましょう。ほかの分野もございますか。
○政府委員(内藤正久君) そこの内容の詳細は今後のさらに議論でございますので差し控えさしていただきますが、考え方としては、それ以外の分野についても同様のものが数多くあると思っております。
○池田治君 品目が百二十あるわけですから、それは三つや四つあると思いますけれども、これはアメリカの主導でココムというものは始まり、そしてその主導によって制限緩和をしたり急に制限したりするようなことになる。これは西側諸国からもこういう批判はあるわけなんです。そこで私はアメリカと異なった日本の独自性というのをあえて聞いているわけですが、この点どう理解されておりますか。
○政府委員(内藤正久君) ココムは御案内のとおり十七カ国で構成しておりまして、すべて全会一致ということになっております。したがいまして、その中で基準は、戦略性の部分と共産圏諸国等における当該国における商品の調達性という二つの点が議論になっておりますので、我々は後者の点でいろいろ主張することがたくさんございます。 したがいまして、独自性はやはり持っておるし、十七カ国すべて独自性を基本的には持っておる。ただ、戦略性についての分析につきましては、やはりインテリジェンスをいろいろ持ちあるいは軍事的な活動をやっておるという国の情報というのがウエートを持っておるということで、項目によっていろいろ違いがあるのだと思っておりますが、基本的には我々は、我々の得られる情報に基づいて、独自性を持った議論を進めておるつもりでございます。
○池田治君 通産省は、ゴルバチョフ大統領の執務室の机の上にアメリカ・アップル社製のパソコンが置かれていることは知っていますか。
○政府委員(内藤正久君) その事実は、私存じておりません。
○池田治君 そのことが代表するように、ココム加盟国全員一致で許可される特認ですね、今おっしゃいました。特認件数というのはアメリカが過半数を占めているでしょう。これは事実でございまして、そういう過半数を占めたうち約五〇%がコンピューターだと、こう言われております。この事実はどう理解されていますか。
○政府委員(内藤正久君) ココムの一定のレベル以上のものにつきましてココム本部に特認申請を求めるというのは御指摘のとおりでございますが、その具体的な件数については非公表ということで申し合わせになっておりますので御勘弁いただきたいのですが、一般的な傾向として、米国の特認申請が比較的多いということ、かつコンピューターにかかるものが多いということは確かに事実でございます。その場合に、企業が特認を受けてまで輸出をするかどうかという企業の態度が基本でございます。 それでアメリカの企業の場合には、特認の審査は全会一致でありますのでかなり時間がかかりますが、時間をかけても輸出をしようという企業態度がございますけれども、日本の場合にはむしろそのレベルというのは事前にわかっておるものでございますから、そこに時間をかけてさんざん議論するのは煩瑣であるということで特認のレベルに出てくるものが比較的少ない。あるいは我々の審査の中で特認が必要ですよということを申し上げると取り下げてしまうというふうなケースもございまして、そういう企業活動の姿勢の違いというところが特認の件数の違いになってきておるものだと理解いたしております。
○池田治君 その意味ではわかりますが、しかしコンピューターの特認件数が多いというのは私は理解できないんですよ。 そこで私は、これも素人の考えですが、アメリカは安全保障を理由として共産圏へ輸出するのをできるだけ制限しておって、それでこっそり特認をとっては貿易上の利益を得ている。ちょっとずるいんじゃないか。日本ももう少しずるく上手に通産省もやったらどうかなと、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(内藤正久君) 先ほども申し上げましたように、まずココムの規制リストがあり、リストの中でどのレベル以上の技術のものが特別の扱いを要するかという基準がございますので、その基準自身はココム十七カ国全会一致でまず決めておるわけでございます。それで、かつその一定レベルを超えるものについて特認申請が出てきました場合に、これも一件ごとに十七カ国の全会一致で決めております。 したがいまして、基準もかつ適用についても我々は関係国の中では透明であると思っておりまして、そういう意味で公平性は確保されておる。したがって、特定の国が特認を利用して非常に利益を得ておるというふうな運用にはなっていないと理解をいたしております。
○池田治君 そういうところがお役人らしい発想でございまして、特認をとるためには裏で根回しをしている、ずっと諸外国の方はこれをやっているわけですよ。あんたらみたいに全会一致でございますからということではなしに、こっそり根回しして十七カ国の同意をとっていて、それで輸出をする。これは特認ケースだから問題にならぬ。日本の東芝さんみたいに、ノルウェーの方へわからぬだろうと送ったらそれがソビエトへ入ってココム違反で莫大な賠償金を取られる、こういうような事実があるでしょう。それは通産省の努力が足らぬから東芝に非常に迷惑をかける。東芝から私はお金をもらっているわけじゃございませんので、ひとつ誤解のないようにお願いします。 そこで、コンピューターの自由化拡大等が行われた場合に、現在輸出が規制されている三十二ビット以上のパソコンの輸出は可能になりますか。
○政府委員(内藤正久君) コンピューターは、先ほど来申し上げておりますように、重要分野ということで規制緩和を検討中でございますので、現時点では明確ではございませんが、私の感じておりますところでは、三十二ビットクラスのパソコンというのは原則として規制が解除される方向で議論が進むものと推定をいたしております。
○池田治君 そういう私の主張の内容はわかったと思いますので、できるだけの規制緩和をして、自由貿易体制を維持していただきたい、かように念じます。通産大臣も、この平成二年度商工委員会審査における武藤通産大臣所信表明の中の第三では、「地球的規模での共存共栄」を目指した国際的貢献の推進でありますと立派なことをおっしゃっているんですから、ひとつもっと力を入れていただきたいと思います。 それから次に移りまして、商法の改正が衆議院で審議されていますが、この改正点の一つの中には資本金の増額というのがございます。株式会社は一千万まで、有限会社は三百万までの資本金でなければ設立を認めない、こういうことになっております。商法の規定がつくられたのは随分前のことでございますから、貨幣価値も減少しておりますし、資本増加ということも理解できないわけではございませんが、しかし現在の既設、新設の中小零細企業というのは日本の場合かなり多いわけですから、これについてはかなり影響力も大きいと思っております。 そこで、資本金が何だか取引の安全に役立つんだとか信用増加に役立つんだとか言われますけれども、私も三十年近く弁護士をやってきましたが、資本金百万だからあんな会社だめだよと言っていても、中身は金を持っているんですね。固定資産も数十億、年商も百億近いところ、こういう会社がたくさんあります。登記簿謄本をとったら資本金は何億円となっているけれども、しかし中身たるや債務過重で倒産寸前の会社がたくさんある。こういう実態でございますので、私は中小零細企業が迷惑を受けるんじゃなかろうかという心配をしておりますけれども、中小企業庁の方はどう判断されておりますか。
○政府委員(里田武臣君) 先生御指摘のとおりのような懸念は十分あるわけでございます。しかし、法制審議会商法部会の方で御検討いただきましたのは、先生も御指摘になられましたように、有限責任の会社が債権者を保護するという視点から今回資本金を上げるということでございまして、一方中小企業の方は、今御指摘になられたようないろんな問題があるわけでございます。私どももそういう中小企業の立場を配慮しながら法務省といろいろと調整をしてまいりましたけれども、その過程でできるだけ中小企業の御意見を拝聴しながら調整をいたしまして、そういう債権者の方と中小企業の立場をお守りするというぎりぎりの接点のところで現在の法案をつくらせていただいた、こういうぐあいに私どもは理解しております。 したがいまして、そういう法律の結果、なおかつまだいろいろと問題が出るということも予想されますので、御案内のとおり五年間の猶予期間、それに加えましてさらに三年間の追加というような猶予処置もとってございますし、それから税制の措置につきましても現在大蔵省に法務省ともどもお願いをしているというようなところでございます。
○池田治君 大体、株式会社というのは日本には何十万とあると思いますが、その何割ぐらいが現在の会社で資本金一千万以下ですか。有限会社で三百万以下の有限会社は幾らありますか、パーセンテージで、概略でいいです。
○政府委員(里田武臣君) 株式会社は合計百二十六万二千でございまして、そのうち資本金一千万円以下は現在八十三万五千であり、全体の約六六%を占めます。それから、三百万円以下の有限会社の方は、統計がございませんけれども、各種の統計をいろいろと勘案いたしますと大体七十万ぐらいでございまして、これは現在会社の約五〇%に相当するということでございます。
○池田治君 そんなにたくさんある会社ですから、中小企業者の意見を聞きまして私たちの意見をつくりましたといっても、そういう何十万という人の意見聞けやせぬでしょう。――答えなくていい、答えなくていい。ですから、あなたたちの耳に入る範囲内ではそういう意見が多いと思うんですが、しかし耳に入らない何十万という会社もあるわけですから、もう少し法務省にも通産省、中小企業庁としての立場を御主張なさっていただきたいと思っております。 それから、もう一つの改正点には一人株主制度も認めるということもあるようでございますが、これも私が考えますには、同族会社とか個人会社を助長するだけで、株式会社のいわゆる公的機関性、つまり社会の公器であるといった側面が陰に隠れてしまって、一人のワンマン会社になったり大会社が子会社をたくさんつくったり、こういうために役立つだけじゃなかろうかという心配もしておりますが、この点はいかがでございますか。
○政府委員(里田武臣君) 確かに今回の商法の改正で一人でも設立できるということになりましたけれども……
○池田治君 まだなってないですよ。
○政府委員(里田武臣君) じゃ現行法の方はどうかといいますと、一応七人の発起人が必要ということでございます。しかし、先生もよく御案内のとおり、会社を設立しました後、株式を譲渡して一人で会社を運営するということも法律上はできるわけでございまして、現に調べてみますと、そういう個人に近いような会社というのがもう相当数存在しているという実情でございます。 それで、先生御指摘なのは恐らく、例えば税法とかそういうところでいろいろ問題が出るのでないかということでございますけれども、これは私どもが答えるのが適切かどうかわかりませんけれども、留保金課税の問題とかいろいろ措置がとられているということでございますので、私どもはむしろこういう一人でも企業が起こせるということは、それだけ現在開業率も低下しているということで、日本経済の先行きに対して活力の面で若干懸念なしといたしませんで、中小企業政策の中でも開業促進ということについて力を入れているような状況でございますので、むしろ会社の設立が容易になるということは歓迎すべき点ではないかと言えばちょっと言葉が過ぎますけれども、そのような受けとめ方もさせていただいているような次第でございます。
○池田治君 一人株主制にすると設立はやさしいですが、今度逆に資本金一千万にすると設立は難しくなる新規開業というのがございますよ。これは矛盾していますがね。そこらあたり、やっぱり中小企業と親身になった相談をされて保護育成に努めていただくようお願いをいたしまして、時間でございますから私は終わります。
○今泉隆雄君 まず二つ質問があるんですが、最初に、五月三十日に通産省から出されました通達の中で、いわゆるDAT(ディジタル・オーディオ・テープレコーダー)の標準規格としてSCMS方式、これはシリアル・コピー・マネジメント・システムというものが認定されたということがその通達の中にあるんですが、今までCD(カセットデッキ)から直接デジタル録音ができないようにしていたんですが、今回急に録音されるようになったわけです。何でこんなに急にこの新方式が採用されたのか、そのいきさつを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) DAT(ディジタル・オーディオ・テープレコーダー)につきましては、ただいま先生が御指摘になったような事情でございます。 何でこういうことになったかという経過でございますが、実は昨年六月に、日米欧主要なハード、ソフトの両業界から構成されていますDATジョイント・ワーキング・グループというのがございます。これがアテネで会合をいたしまして、このDAT問題に関しましては新たな技術的な解決方式として先生おっしゃったSCMS(シリアル・コピー・マネジメント・システム)という、この方式を実施するために立法行政措置をとるように各国政府等へ提案するということで合意したわけでございます。これを受けまして、五月中旬に日本の関係企業からも当省に対しましてこのSCMS方式をぜひ採用してほしいという提案がございました。これにつきましては、通産省としまして技術的な内容、その導入のメリット、デメリットいろいろ十分検討いたしまして、先般五月三十日付で関係メーカーに対してそうした対応をするようにということを求めたわけでございます。それが経過でございます。
○今泉隆雄君 これがそのテープレコーダーのテープで非常に高感度のものです。一つのノイズもなしに流すことができるというもので、これが発展すればほとんどの機械がこれになるというふうに思われるんですが、しかしこの方式は現在まだ世界的標準規格としては確定していないわけです。それで世界最大の市場と言われるアメリカでも現在法制化が難航しております。御存じかどうかわかりませんが、この六月にアメリカの議会で初めてメーカーに義務づけるかどうかという法案の公聴会が開かれる。そして、法案の成立は早くても年末になるかわからない。しかもそれが不成立の公算がある。なぜかというと、各音楽出版社、レコード会社、作曲家、そのほか十を超える関係団体がこれに反対をしている。アメリカですら、そういうものがそこで話されたにもかかわらず、国内では非常な反対がされているわけです。ところが、どうして日本だけ早くこれが発売されるということに踏み切られたんですか。
○政府委員(山本幸助君) 先生御高承のとおり、現在の著作権法上では、著作物、これは家庭内録音というのはゆるされているわけでございます。CDなどのディジタル録音物から直接ディジタル録音ができるということになりますと、消費者の利便というのは非常に増進するわけでございます。ところが、他方ディジタルレコードというのがどんどんとたくさん複製される、いわゆるネズミ算式にできるということになりますと、先生おっしゃるように、著作権保護の観点から非常に問題になるということでございます。 今回、ディジタル録音物から一世代は直接の録音ができる――先ほど言いましたSCMS方式というのは、日本語に訳しますと連続録音の管理方式ということで、連続して録音することは管理しよう、一回限りでは結構だと、こういうシステムでございます。これは先ほど言いましたように、国際的にもいろんな議論された結果合意された方式でございます。こうした方式というのは、先ほど言いましたように、もともと家庭内では録音は許されておるわけでございますけれども、そうした消費者の利便と、それから著作権者の方の懸念と両方を配慮して考えた制度でございまして、現時点で最も適切であるというふうに判断をしたわけでございます。
○今泉隆雄君 そういうお話ですが、私がこの通達を見てきのういろいろなところを調査した結果によりますと、日本のレコード協会は反対をしておりまして、国際レコード協会にも反対をして脱退寸前にまでいっているということだそうです。それから、レコード会社は、一切この著作権問題が解決しない以上、電機メーカーがハードはつくっても附属するレコード会社はソフトはつくらないということを言っております。例えばソニーであったりするように電機メーカーとしコード会社が一緒のところですね、これはソフトをつくらないと言っているんですね。それから、日本で一番大きな団体の芸団協、これは俳優さん、音楽家、私どもを全部含めて、そこが、これはなぜ話し合いをしないのにこういうものをやっているのかと、これも大反対をしております。それから、そもそも日本の著作権者、実演者、レコード産業もそうですけれども、私的録音をするということ自体がまだいろんな問題があって、その報酬の問題、請求権の問題というものは今日でもまだ解決されていないわけですね。 それはもちろんこういう優秀な機材がどんどんできることは私は大変結構だと思いますけれども、そういう問題が解決されていないときに、こういう機材機器がどんどん先行していくということは非常に疑問があるわけです。どうしてアメリカのように公聴会を開いてこういう団体と話し合って進めるということをなさらないんでしょう
○政府委員(山本幸助君) 昨年六月、国際的にアテネで合意したわけでございますが、その際には著作権関係の国際的な団体でございます国際レコード・ビデオ製作者連盟というのも入っておりますし、米国レコード産業協会も参加しているわけでございます。そうした参加のもとに、一般の消費者の利便とそれから著作権との両方をうまく成り立つというためには、この方式、すなわち一回だけは録音できる、それ以外はもう録音が不能になる、そういう機械の方式がいいということになったわけでございます。 私どもも国内のソフト業界あるいは関係業界のいろいろ意見を聞いております。その際、国内の関係者の中には、この方式を採用することは、それはそれで技術的には結構だけれども、むしろ著作権者の保護のためにいわゆる賦課金制度、これを導入することを急ぐべきじゃないかという意見も強うございます。ただ、このSCMS方式を採用することと、それから先ほど言いました著作権の保護のために賦課金制度をつくるということは、別に排他的でございませんで、いわば補完的といいますか、この制度を導入しても当然この賦課金制度というのは導入可能でございます。現在、この問題につきましては、著作権審議会において慎重な検討が行われているという状況でございます。
○今泉隆雄君 それは話には聞いておりますが、とにかく一番大事な著作権を持っている私どもであったり、それから芸団協であったり、それから今お話しの中の日本レコード協会、これは国際レコード協会に加盟をしているところが脱退をするなんていうことも言っておりますし、そういうような一番大事なところとお話し合いがなされていないようなので、何とかやはり発売される前に話し合っていただくということをぜひ私は要望したいと思います。 もう一つの質問に移ります。 この前、大臣にお伺いしたこととちょっと関連しますけれども、海外進出企業の問題で、日本の海外進出企業の中でちょっと経済侵略の面があるんじゃないかということで質問しましたら、大臣がやはりそういうことは通産省の方でもちゃんと指導していくというお話がございましたので安心しておりまして、まあそれでいろいろ新聞を見ていましたらば、これはちょっと少し前の、半年か一年前の新聞なんですけれども、もう一度また出ておりまして、マレーシアの中で三菱化成が三五%出資したARE(エイシアン・レアー・アース)ですか、その会社でつくっているものに放射性物質があって、それをつくっている村ですね、そこの村では非常な問題が起きている。子供がみんな病気になって脳性麻痺になったり、女性がみんな流産をしたり死産をしたり、白血病が非常に多い。それで、調べてみたら放射性物質が全部野外に放置されていたということがわかって、訴訟が起きたそうです。その判決がこの八月におりるという記事、それから雑誌、そういうものを読みまして、四割の住民がそこの村を捨てたという記事も書いてありましたが、そういうものに対して通産省は現状をどういうふうにおとらえになっているのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(高橋達直君) マレーシアにおきまして、ただいま委員御指摘のような、日本企業が参加している会社が、レアアースの生産に関連いたしまして、地域の住民との間で公害問題として住民運動を起こされたり、あるいは訴訟に発展しているということは私どもも承知をしておるところでございます。特に訴訟につきましては、ただいま委員からお話がございましたように現在係争中でございますが、当該企業の放射性物質の取り扱いの適否あるいは健康被害との因果関係が裁判上争われているところでございまして、私どもといたしましてもその成り行きを注意深く見守っておるところでございます。 いずれにいたしましても、係争中でございますので、原告側あるいは被告側の双方の主張の是非というものは裁判において明らかにされるということでございますので、その成り行きを見守っているところでございますが、一般的に海外において我が国企業が関与した現地法人がトラブルの中に巻き込まれているということは好ましいことではないわけでございますので、私どもとしても一刻も早くこの問題が解決されることを希望しているところでございます。
○今泉隆雄君 これは、日本でもしこの問題が起きたら、もうえらい大騒ぎになったと思うんですね。日本でできないからといってマレーシアでつくるという、大体その考え方が私は非常におかしいと思うんですが、その辺はどうお考えになりますか。
○政府委員(高橋達直君) これは、マレーシアの当該地域におきまして、非常に重要な物質でございますいわゆるレアアースでございますが、これはテレビの赤色カラーに使ったり、ハイテク関係に非常に重要な物質でございます。それを非常に含んでおるすず鉱石の取り残し分、これが原料とされまして、それの精製事業でございますので、その地域でないとなかなかできないというものでございます。 私どももいろいろ事情を聴取しておりますけれども、当該企業は、決して住民側が言っているようなずさんな扱いはしてないということで、マレーシアの原子力許可庁の指導のもとで、その放射能の出る物質があるわけでございますけれども、十分にそれは管理をしておるということでございます。他方、会社側の言い分によりますと、自然放射能の強い地域ということで、その地域はそういう物質も非常に豊かにあるということもありまして、一般的に自然放射能の強い地域であるというような、そういう地域の特殊性のあるようなことも言っておりまして、いずれにいたしましても、現在係争中でございますので、その辺は客観的に裁判の中で明らかにされていく、そしてその裁判の中の結果に基づきまして、私どもも適切な指導をしていきたい、かように考えておるところでございます。
○今泉隆雄君 最後に、大臣もお帰りになったばかりでお疲れだと思いますけれども、産業構造審議会の海外進出企業のガイドラインにはっきりこう書いてありますね。投資先の環境問題については十分に配慮するというふうに書いてあるんですが、これはもう環境問題を通り越して、一つの立派な公害輸出につながっているというふうに考えるんですが、最後に、大臣として今後やっぱりこういう問題が二度とないようにどういうふうに手を打たれるか、それだけお聞きして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私も今話を聞いておりまして、事実関係がはっきりわかりませんので個別案件として申し上げるわけではございませんけれども、全体の問題といたしましては、一昨年ですか、私どもの産構審でお願いをいたしまして出てまいりましたこのガイドラインは当然守っていただくべきだということで各経済団体を通じて指導いたしております。また、昭和六十二年におきましては経済七団体でもそのようなことをお決めいただいているわけでございますから、当然そのような方向でそれぞれの企業が良識を持って進出していただいていると私は理解をいたしておりますけれども、万が一にも公害を外国へ輸出するなんていうことは、これはもう絶対に許されるべきことではございませんので、そのような点は今後も強く見守りながら、万が一にもそういうようなことがあったら、十分それは反省を求めなきゃいけないと思っております。
○今泉隆雄君 質問を終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上をもちまして、平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十七分散会