商工委員会 第2号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1990/05/24
会議録
○委員長(倉田寛之君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 前回の委員会において聴取いたしました所信等に対し、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大渕絹子君 通産大臣の所信表明の中で二、三お聞きしておきたいと思います。 地球的規模での共存共栄を目指した施策づくりということを掲げてございますけれども、その中に「人類共通の課題である地球環境問題は、経済成長と環境保全の両立を将来にわたって実現する方向でその解決を図ることが必要であり、国際的な協調を図りつつ、我が国のすぐれた技術力、経済力を活用した主体的な貢献を果たさなければなりません。このため、技術開発や発展途上国に対する技術協力を積極的に進めるなど総合的な対策を講じてまいります。」というふうに申されておりますけれども、地球環境問題への具体的な対応として示されております地球環境産業技術研究所、これは仮称となっておりますけれども、これはどういう目的で、あるいはどういうことをするところか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(山本雅司君) 地球環境問題につきましては、今委員御指摘のとおり、通商産業省として、最大の政策として現在進めているところでございます。その中で、実は日本の特色を生かしまして、技術によりまして環境問題を何とかブレークスルーをしたいという一つの大きな目標を掲げております。そのための具体的な施策として、今年度予算が通りますれば、地球環境に対する産業技術の面で基礎的な研究を中心にやっていきたいということで考えておりまして、その具体的な内容は、例えばでございますけれども、新しいバイオの技術を使いまして炭酸ガスの固定化を何とかできないかというようなこと、あるいはさらにはもっと具体的なところになりますと、出てきた炭酸ガスにつきましてどのような形でこれを最終的に処分が可能かとか、いろいろ基礎的なところを含めましてこれから長期計画で研究を進めていきたい、このように考えているわけでございます。
○大渕絹子君 このつくられます研究所はどういう運営がなされるようになるんでしょうか。本年度の予算の中に二十五億円の出資というようなことが書かれておりますけれども、ここで研究開発されるものについては将来どういうことに使われていくのか、あるいは開発された技術を民間と協力するような形が将来とられるのかどうか。
○政府委員(山本雅司君) 現在のところ、まだ予算を通していただいてございませんものですから、最終的な確たることを申し上げかねるところはございますけれども、基本的にはこれは財団法人ということで民間の活力を十分に活用した形でやっていきたいと考えておるわけでございます。したがいまして、その成果につきましては、日本の国内で民間もあるいはもちろん政府もこれを活用いたしますし、先ほど御指摘がございましたように国際協力にも十分使う。さらには、これは将来の構想でございますが、できれば研究自体も国際的な協力でやっていければすばらしいことではないかということで、将来これも検討していくということになるかと考えております。
○大渕絹子君 ただいまのはこれから設置される研究所ということで認識をいたしましたけれども、今までにこうした新しいエネルギーについて研究開発されて完成をされている部分、あるいは今研究開発が進められている部分について少し詳しくお聞きをしたいのですけれども。
○政府委員(山本雅司君) 実は、環境問題そのものにつきましては今度の地球環境産業技術研究所というのが初めてでございますが、今御指摘の新エネルギーあるいは例えばバイオとかいろいろな問題につきましては、それぞれ大きな項目につきまして研究組合をつくってやっていたり、あるいは財団法人をつくってやったりというようなことを現在までも強力に実施してきているところでございます。 具体的にという御指摘でございますけれども、例えばきのうの新聞などでも取り上げられました第五世代コンピューターなどは財団法人で十年近くやってきておりますし、例えばバイオにつきましては、たしか株式会社方式だったと思いますが、蛋白工学研究所というのは基盤技術研究促進センターの方からの出資などでやっております。さらにエネルギーに関しましても、超電導についてもそういう組織をつくってやっておりますし、それぞれの分野で、我が国の場合は基本的には民間の技術を結集し、政府といたしましてもいろいろの試験研究機関がございますし、さらには学界からの御協力もいただきまして、英知を結集して一番効率的な形にするために、組織形態といたしましては株式会社形態の場合あるいは財団法人の場合、さらには研究組合方式の場合等、その内容と目的に応じましてそれを弾力的に今まで推進してきているというのが実情でございます。
○大渕絹子君 開発研究がもう完成をした部分について実際に運用されている具体例がありますでしょうか。例えば、太陽熱発電プラントというものが五十六年から六十年で完成をされているというふうに資料にはあるんですけれども、そういうものを使って実際にエネルギー源として使われている部分があるかどうか。
○政府委員(山本雅司君) エネルギーに関しましては、実は工業技術院を中心にいたしまして、組織といたしましては新エネルギー・産業技術総合開発機構と申しますか、ちょっと正確には言えないぐらい複雑な名称になっておりますが、通称NEDOと申しまして、ここを中心にエネルギーに関しては研究開発をしております。 内容といたしましては、いわゆる石油の代替エネルギー関係というのは、サンシャイン計画と申しておりまして、これにつきましては、例えば石炭の液化とか水素エネルギーとかこういうようなことをいろいろ手がけてきております。その中には太陽光発電、こういうものも内容になっております。さらにもう一つは、代替エネルギーと申しますよりも省エネルギーを中心にして、今のはやりの言葉で申しますと、地球に優しいエネルギーということでムーンライト計画ということも手がけておるわけでございまして、この二つを柱として現在まで研究開発に力を注いできております。 その中の具体的な成果というお話でございましたけれども、現在成果が出だしている中で一番実用化に近いのは、私どもの感じでは燃料電池が一つの項目かと思われます。それから太陽光発電につきましても、その素材の研究、例えばアモルファスを使ってやるとかそういう素材の研究が相当進んでおりまして、これも実用化の段階に来ているかと考えております。さらに非常に細かい、今までもずっとやっている問題ではございますが、地熱の問題とかあるいは風力発電の問題とかいうのも手がけているのが事実でございます。
○大渕絹子君 石油代替エネルギーの開発が進められたのは二回にわたるオイルショックが原因であったろうと思いますけれども、現在ではそのオイルショックの問題よりも環境保全の問題が大きく取り上げられてきておるかと思います。そうした中で、地球環境を破壊しないエネルギーの開発というのはこれからも大変必要なことであると思いますけれども、この開発研究費というものは、私が見た目では非常に少ないように思われます。これから日本が脱石油、脱原子力の方向に向かっていくとするならば、もっともっと投資をした中で進めていかなければならないと思っていますけれども、その点はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(山本雅司君) 確かに、おっしゃいますように、我が国の研究開発予算というのは一般的に大変見劣りするのは事実でございます。ただ、その中にありましても、何とかエネルギー問題につきましては力を入れていきたいということで、第一次オイルショックの後、例えば石油に関しましては石油税なども創設をお願いいたしましたし、さらに電力につきましては、これは電源立地対策が主体でございますが、それと並行いたしまして電源多様化対策ということもお願いしたわけでございます。 したがいまして、エネルギーにつきましては、現在までのところほかの分野と比べますと、相当力を入れてやってきているというのが事実かと思われますが、おっしゃいますように地球環境問題も非常に大きな問題としてクローズアップしてまいりましたし、さらに基本的には、将来にわたりますエネルギーの安定供給というのは、この段階で十年、二十年をにらみますと、やはり私どもといたしましては手を抜くことはできない今後非常に重要な分野かと考えております。したがいまして、代替エネルギーの開発、さらには省エネルギー、そういう面も含めましてこれからもさらに強力にやっていかなければならないと考えておるわけでございます。 ちなみに、現在の予算規模でございますけれども、電源多様化ということで、先ほど申し上げました石炭とか太陽エネルギー等を中心にいたしまして、これは科学技術庁と一緒にやっている分もございますが、合わせますと約二千億円の予算規模になっております。それから石油代替エネルギー関係では、非常に金額は小そうございますが、三百四十億円の規模で今運営しているというのが実情でございます。
○大渕絹子君 せっかく開発をされた新エネルギーが実際には運用されていないというお答えをさっきお聞きしたと思いますし、私の資料の中にも、新エネルギーが構成している部分というのは数字が上がってきていないというのを確認しているわけなんですけれども、開発をされて、その開発された部分が適用される該当する地域がもしあるならば、小さな地域からでも一つ一つその新しいエネルギーに転換していくことによって電力を少しずつでも減らしていける、脱石油あるいは脱原子力の方向に進めていけるということはできるわけでございますので、これからも皆さん方の努力によってぜひそういう方向で進んでいっていただきたい。 一度に大きなエネルギーを求めようとするから原子力に頼らなきゃいけない、あるいは火力発電に頼らなきゃいけないというような発想になるかと思います。あるいは五万人ぐらいの小都市を対象にしたエネルギーという問題で考えるならば、その地域に適応したエネルギーの開発というのは当然出てくると思うんです。バイオによるアルコールの開発というようなこともあるかと思いますけれども、農村地域において自然に叢生する草や木やあるいは余剰農産物などによってアルコールをつくり出すことでその地域の活性化にもつながる、そしてまたそこのエネルギーはその地域で確保していけるというような方向づけができてくると思うんです。将来にわたってそういうような方向に進んでいかなければ、この地球を守り続けていくことはできないのではないかと思いますけれども、大臣にそのことについてちょっとお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今の話の中で多少私どもと考え方の違う点だけはひとつ申し上げさせていただかなければなりませんが、脱石油、脱原子力というお話がございましたけれども、原子力については必ずしも脱原子力という考え方を政府としてはとっておりませんので、地球環境保全という観点からいって、原子力というのはそういう点からいけばいわゆるクリーンなエネルギーであるということは、これは昨年のサミットでも先進諸国で合意が得られているところでございまして、この点だけは、それぞれ政党のお立場で原子力発電に反対されている政党も私はあることはよく承知をいたしておりますけれども、何としても今日本の電力の約三割近くを原子力発電の供給に負っておるところでございまして、そういう面からまいりますと、今お話を聞いておりまして、脱原子力という点については、私どもは今のところ考えておりません。 ただ、もちろん、それについて、今までよりも安全性を確保していくという点において、より強い管理体制が必要なことは当然でございまして、その点は今指導をいたしておるところでございます。 それから、地球環境保全と経済成長というものを何とか両立させていかなきゃいけないということで、今お話にいろいろございますように、新しいエネルギーの開発も当然でございますし、また例えば、エネルギー調査会で今検討していただいておりますけれども、排熱を利用したものであるとか、そういう今まで捨てられておるエネルギー源をよりひとつ活用していこう、こういう点においては積極的にこれから私どもは取り組んでまいりたいと思っております。 いずれにいたしましても、地球環境が守られていかなきゃいけないことは当然でございますので、それは私の所信表明の中でも申し上げておりますように、今長官からも御答弁申し上げておりますように、とにかくCO2の問題についてはまだまだ科学的な解明も十分ではございませんので、その点の解明をしっかりするとともに、とにかく地球環境を破壊するようなものについては、できるだけ将来そういうものをより削減する方向で代替エネルギーを考えていくというのは当然のことだと思っております。できる限り今後とも努力をしてまいりたい。しかしまた、余りにも削減が大きくなり過ぎてしまって世界の経済が停滞をすることも避けていかなきゃなりませんので、その点で、先ほど来御答弁を申し上げておりましたように、この地球環境産業技術研究所もいよいよ関西での民間の協力も得て発足いたしますし、あるいは従来、今答弁申し上げましたように、工業技術院でいろいろと研究を進めてまいりましたこともございます。例えば太陽電池などは相当もう実用化しつつあるところもあるわけでございますし、できるだけそういう新しいクリーンエネルギーを開発していく。これは本当に私ども努力をしていかなきゃならない、予算につきましてもできるだけより充実したものにしていかなきゃならない、その努力はしてまいりたいと思っております。
○大渕絹子君 ありがとうございました。いろいろ申していただきました。 ただ、さっき脱原子力の方向ではないというお答えでございましたけれども、有限の資源であるということについては石油もウランも同じであると思うんですね。その掘り尽くされたときのことをやっぱり考えておく必要があるんじゃないでしょうか。そうしたことで、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今世界的に見て、石油、石炭、ウランとこう見てまいりますと、少なくとも現時点においては一番安定的な供給がなされておりますし、特に日本の場合には十分もう相当先までの手当てがなされておるものでございますから、そういう面においては安定した供給源、こう私どもは申し上げておるわけでございます。 それからもう一つは、やはり新しいエネルギーをこれから開発していかなきゃなりませんけれども、先ほど申し上げました太陽電池にいたしましても、まだコスト的に非常に高いわけでございます。将来どんどんこういうものが普及してまいりますと、コストも私は安くいくんではないかと思うのでございますが、やはり国民の皆様方のことを考えれば、あるいは大きく言って世界の皆様方のことを考えれば、コストが幾ら高くてもいいというものでもございませんので、新エネルギーについてはその辺のところがまだまだ時間がかかる点もございますので、そういう点からいって、我々は原子力というものも無視をしていくわけにはまいらないという意味合いで私は申し上げておるわけでございます。
○大渕絹子君 大臣の先ほどの御答弁の中に、排熱利用のシステム化というようなこともあったわけでございますけれども、先ごろ出されました環境白書、「地球にやさしい足元からの行動に向けて」という章が設けられておりますけれども、そのコジェネレーションシステムの普及というようなことを図っていくべきだというような御指摘がなされているわけでございますけれども、このコジェネレーションシステムの普及に妨げになっておるのではないかと指摘されている電気事業法というようなものがあるわけですけれども、このことについてどういう見解を持っておられるでしょうか。
○政府委員(山本雅司君) 電気事業法は、当然のことでございますが、国民生活に不可欠の電気を安定的に、しかもできるだけ継続的に良質のものを供給するというのが基本的な目的の一つになっておるわけでございます。したがいまして、コジェネレーションにつきましては、実は環境白書にあるような考え方と私どもの考え方は基本的には違っておりません。私どもといたしましても、新しい形としてこのコジェネレーションはぜひ導入を促進していきたいと考えているわけでございます。 ただ、コジェネレーションと申しますと、どうしても電気と熱が同じように同時に出てまいります。したがいまして、電気だけの利用ですと非常にコストが高くなるものですから、熱も全面的に利用し、電気も全面的に利用するという、いわゆる地域的な熱と電気の需給バランスがうまくとれたところでないと導入できないという問題がございます。さらに、コジェネレーションにつきましては、先ほど大臣からもお話し申し上げましたように、ある程度の規模とかそういう環境が整備されませんとコスト的にうまくいくかどうかというような問題もございます。 もう少し技術的なことを申し上げますと、コジェネレーションで電気なり熱を供給している場合、特に電気でございますが、仮にトラブルがあったようなときに、あるいはそれが故障で電気が出なくなったようなときには、電気というのは瞬時に実は通常の送電線の方から供給しないと――最近のような高度情報化社会になってまいりますと電気は一瞬たりとも切れないわけでございますので、そういうようないわゆるバックアップ機能等も必要でございまして、これを導入する場合には総合的な環境整備が必要になるかと考えられます。 御指摘の電気事業法との関連でございますが、現在のところコジェネレーションそのものを自分の需要のためにやるという場合には電気事業法上特別の制約はございません。ただ、電気事業というのは一般の需要者に迷惑をかけないといいますか、一般の需要者の需要を安定的に満たすために全体の法体系を整備しているものですから、コジェネレーションでできました電気を例えばある一定の夜間なら夜間だけどっかほかの人に売りたいというような場合には、電気の供給者としての義務との関係でその間の調整が必要になるというような問題はございます。 したがいまして、電気事業法の現在の考え方といたしましては、一般のあるいは自分以外の者に電気を供給する場合にはいろいろ調整しなければならない点がございますが、自分だけで電気と熱をつくりたいというような場合には基本的な制約はないというのが現在の状況でございます。
○大渕絹子君 残った電気を電気会社に売るのは自由だと言いますけれども、今の実際の状態といたしましては発電される電力量が余剰状態であろうと思うんですけれども、所信表明の中の第八というところに、中長期的なエネルギー政策を推進していかなければならないとありますけれども、長期エネルギーの需給見通しということですけれども、これを見直す必要があるというふうに書かれてあると思いますけれども、本当にそういうことは必要でしょうか。今需要が非常に高まっているというふうにお考えなんでしょうか。これからもまたそういう需要がふえていくという方向でお考えでしょうか。
○政府委員(山本雅司君) ちょっとそれにお答えいたします前に、コジェネレーションでできた電気を電力会社に供給するのは、実は自由ではございません。自分のために電気をつくって使うというのは自由でございますが、ちょっとその点だけつけ加えさしていただきます。 それから、全体の需給バランスの問題でございますが、現在のたまたまこの二、三年の需要というのは非常に強くなっておりまして、電気もエネルギーも大体五%から六%ぐらいの需要がふえているのがこの三年間の実情でございます。現在私どもが長期的に持っております需給見通しでは、大体需要は年々平均一・六%ぐらいで二〇〇〇年ぐらいまで伸びるのではないかと考えておるわけでございますが、それと比べまして二倍から三倍以上の実は伸びを現在続けてしまっておるわけでございます。 したがいまして、このような状態でまいりますと、早晩非常に大きな需給バランスのギャップができてしまうというおそれがございます。それから、世界的に現在エネルギー情勢は将来に向かって一つの転換点になっているというような認識もございますものですから、昨年の六月から一年かけまして斯界の権威の皆様方に総合的なエネルギー需給あるいはエネルギー政策の検討をお願いしている段階でございます。 現在のところそれが六月には何とかまとめていただけるのじゃないかと期待しておりますけれども、今持っております一・六%とか、あるいはGNPの伸びに対するエネルギーの伸びの弾性値は〇・三というのが現在の需給見通し、現行の見通しでございますが、それが先ほど申し上げましたように五ないし六%伸びているということは、GNPの伸びとの関係ではエネルギーの弾性値が一を超すような状態が出てしまっておるわけでございます。〇・三と一というのは大変な乖離になっておるものですから、これをどのような形で将来持っていくかというのを今御検討願っておるわけでございますが、どうも〇・三という、GNPが一伸びるときにエネルギーが〇・三しか伸びないというような形でこれから経済が進むというのはなかなか難しい状況でございまして、今の見通しでは現在の需給見通しよりもどうしてもエネルギー需要はふえざるを得ないという形になると考えております。
○大渕絹子君 大変需要も伸びてくるだろうし、それに見合った見直しをしていかなければならないという御答弁でございますけれども、省エネというか、オイルショックのとき私たちが経験した、もう極力電気は消しましょうとかそういうような方向のPRというのが全然なされていない。むしろこのごろは消費こそいいのだと消費拡大を謳歌するようなことが流れていることに非常に私は遺憾に思います。そのことをつけ加えまして、次にまいります。 電源立地政策の拡充として設置される予定になっております電源地域振興センターということが出されているわけですけれども、さらに新しい原発立地をするということでこういうものがつくられるのでしょうか。
○政府委員(山本雅司君) この電源地域振興センター、これも実は予算でお願いしている点でございますが、これは今までどちらかといいますと、電源立地の関係では電源立地交付金とかそういうものをしておりまして、ハードの面につきましては相当程度地域の振興に寄与しているかと考えておりますが、実はこれからやはりハードだけではなくてソフトの面の対策というのも非常に必要ではないかということも考えているわけでございます。 したがいまして、今後推進すべき方策としましては、やはり人づくりとかあるいは研修とか、さらには、何といいますか企業の立地の促進とか、そういうものにつきまして総合的な対策をとる必要があるというように考えておるわけでございます。その場合の対象といたしましては、当然新規立地地点ももちろん対象になりますし、既存の地点につきましても必要な対策は当然立てていきたいということで総合的に考えているわけでございます。
○大渕絹子君 チェルノブイリの事故以来四年たつわけですけれども、いまだに現地ではその被害が後を絶たない。また、事故後生まれてくる子供たちの中にも障害が出ているというようなことを聞くにつけても、原子力発電所の事故の大きさというものを本当に私たちは再認識しなければならないわけでございます。日本の原子力発電所にはチェルノブイリあるいはスリーマイルのような事故は絶対に起こり得ないということを私たちはよく聞かされているわけでございますけれども、福島第二発電所の第三号機ポンプの破損事故などは、これは完全な安全体制の中で、しかも絶対に起こり得ないという発表がなされている中で起きてきた事故で、やっぱり人間が操作する中で絶対にあり得ないということは言えないと思うんですね。そうした中で、政府はずっとこれからも原発は大丈夫、日本の原発は大丈夫というようなPRを続けていくおつもりなのか、あるいはまた日本の原発だけでなく近隣諸国の原発の状況を見るときに、本当に日本は大丈夫なのだろうかというふうに疑問が残るわけですけれども、そういうことについてちょっとお聞かせをいただきたいんです。
○政府委員(山本雅司君) 法律的な厳密な意味での観点から私の先ほどの答弁はちょっと正確さを欠いたものですから、初めにちょっと訂正さしていただきたいと思います。 電気事業法上の規制といたしましては、コジェネの余剰電力を電気事業者に売るのは両当事者間の私契約によってやっておりまして、規制自体は何らないというのが正確なところでございますので、ちょっと訂正させていただきます。 それから、今委員の御指摘の点につきましては、日本の原子力発電所につきまして、我々といたしましては原子力発電をやるのは何にも増してとにかく安全が第一である、原子力発電所の設備はもちろんでございますが、設備だけではなくて運転、それから全体の運営を含めまして万全の対策をとるというのが至上命題になっているわけでございます。したがいまして、そういう観点からまいりまして、例えばチェルノブイリの発電所の事故等と比較いたしまして、これは炉型が違うとか、あるいは運転の方法が違うとかいろいろございます。しかし、そういうことだけではなくて、日本の原子力発電所自体といたしましてとにかく万全の対策を立てるということで関係者は最大の努力をしているというのは事実でございまして、その事実をできるだけ率直に国民の皆様方にお話しし、それをそのままできるだけ御理解いただくという考え方で今までもやってまいりましたし、これからもやっていきたいと考えているわけでございます。
○大渕絹子君 日本の安全対策の技術というようなものを外国に提供するようなことは行われていますか。
○政府委員(山本雅司君) 実は原子力発電につきましては国際的にはIAEAという国際原子力機関がございまして、これを中心に技術的な情報交換その他緊密に行っておりますし、二国間でもいろいろの原子力の安全面での交流は積極的に進めているわけでございます。 ただ、一つだけ気をつけなければならないなと考えておりますのは、やはり技術交流というのは非常に気をつけませんと押しつけになるというようなことがもしありますとこれはなかなか難しい問題も出てまいりますものですから、できれば両国間の話し合いをもとにして相互にそういう技術を交流したり情報を交換したりする相互方式でできるだけスムーズに進めていくということが必要ではないかと考えているわけでございます。
○大渕絹子君 福島第二発電所の事故のときに当商工委員会でも大変問題にされまして再三審議がされたわけですけれども、そのときに同型の原子炉について総点検しなければならないんじゃないかという御指摘がされたと思うんですけれども、その後同じ形の原子炉についてきちんとした点検がなされたかどうかちょっとお尋ねいたします。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 福島第二原子力発電所三号機の原子炉再循環ポンプ損傷の件につきましては、原因の究明対策というのを精力的にやってまいったわけでございます。その対策――当該水中軸受けリング、これが壊れたわけでございますが、これにつきまして取りかえということをすべての発電所についてやってきたわけでございます。現在定期検査中でございます福島第一原子力発電所の二号機、福島第一原子力発電所の三号機、それから福島第二原子力発電所の三号機でございますが、これについては定期検査中ということでございますので、この中で取りかえることにしておりますが、これを除きました運転中のすべての我が国のプラントにつきましては、既に取りかえ済みというふうになっておりますし、それから運転マニュアルにつきましてもいろいろ問題があったということで早速各電力会社に指示をしておりますし、安全管理の徹底ということも強化、指示いたしておるところでございます。
○大渕絹子君 この福島の事故の経過については大変詳しい資料をお届けいただきましてありがとうございました。 ただ、疑問に思うのは、金属粉の回収というものが最終的に本当に全部行われて、この原子炉が再開をされる見通しについてはどのようにお考えでしょう。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 洗浄、回収結果につきましては、四月に我々は報告を東京電力から受けております。それで、現在そういうような回収状況を踏まえまして、残存する金属粉が今後原子力発電所の運転にどういう影響を与えるかどうか、それはプラント全体の健全性評価ということで、現在専門家のコメントも含めて議論しているところでございます。それで、今の原子力発電技術顧問会の審議を経まして、それからその後原子力安全委員会にも御説明をして、この健全性が確認されれば運転再開ということにつながっていくものだと思っております。
○大渕絹子君 ぜひ、事故が起こらないような形にしてからの再開を望むものでございます。 あともう一つ私が心配なのは、原発内で働く労働者の被曝の問題でございます。今日本で年間にどのくらい被曝の状況というものがあるんでしょうか、ちょっと数字的に教えていただけますか。
○政府委員(向準一郎君) 原子力発電所の作業者の被曝状況でございますが、これにつきましては、法令に基づきまして電気事業者から国へ報告が来ているわけでございます。これによりますと、昭和六十三年度の作業者の被曝実績は、一人当たり平均にしまして一・七ミリシーベルトという数値でございまして、法令に定められております値、これが五〇ミリシーベルトでございますので十分下回っているということでございます。それから、作業者全体の総被曝線量ということで見てまいりましても、約九十三人・シーベルトというような総線量になっておりまして、これは前年度に比べまして二人・シーベルト下回っております。 そういうことで我々、原子力発電所のいろんな定検における作業、これを自動化、遠隔化するというようなことも進めておりますし、それから被曝管理を徹底するというようなことも含めて推進することによりまして、今後とも原子力発電所で働く作業員の方々の被曝線量の低減ということは大変重要なことでございますので、電気事業者にも十分指導していきたいというふうに考えております。
○大渕絹子君 その指導が行われる中で、この間私のところに質問を聞きに来てくださった方から聞いた話なんですけれども、労災適用されている実例というものは一例もないというふうにお聞きをいたしておりますけれども、本当に被曝によって健康を害して、それが労災の適用を受けたというようなことはないんでしょうか。
○政府委員(向準一郎君) 先ほども申し上げましたように、作業者の被曝実績というのは電気事業者から報告を我々受けております。それによれば、法令に定められた数値以下ということで被曝管理がなされているわけでございまして、報告を受けている範囲ではそういうことは聞いておりません。
○大渕絹子君 しかし、実際にはその作業に従事している人たちの者の中に大変健康を害しているという訴えの声もありますし、またそれを扱った「原発ジプシー」とか、あるいは「原子炉被曝日記」などというようなものも出されておるわけでございますけれども、この人たちの声というものは、それでは全く被曝によるものではないというふうに思っておりますでしょうか。 そしてまた、この従事する下請労働者の人たちに実際にアンケートを行ったところがあるんです。そのアンケートの結果で半数以上の人がやっぱり原発の安全性については信じていない、そういう答えをしておられるんです。そして、その「原発ジプシー」や「原子炉被曝日記」に書かれていることには一理ある、電力会社がもっと反省すべきだと答えた人はそのアンケートの中の六四・八%もあった。そしてさらに、放射線被曝で病気になった場合、それがどのように判断されてどのように補償されていくのか全くわからないと答えた人たちが七〇%以上もある。そういうことの中で、本当に被曝者に対するあるいは作業労働者に対する健康管理というものは確実に行われているのかどうかお聞きをいたします。
○政府委員(向準一郎君) 原子力発電所の作業者の被曝の件につきましては、労働省が労働者の安全管理という面でいろいろ労働行政の中でやっておられるわけでございますが、通産省といたしましては、先ほど申し上げましたように原子力発電所の中における被曝管理を徹底しまして、可能な限り被曝線量を低減していくということは、電気事業者を強力に我々指導していきたいと今後とも考えております。
○大渕絹子君 原子力発電所内の被曝のことに関しては、労働省が担当ということは本当でしょうか。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 原子力発電所の中における被曝管理という面では電気事業法等の関係法規でやっているわけでございますが、労働者の安全管理という面で、下請の人々の放射線管理等が十分なされているかというのは、また労働省の別途の観点での調査というのはなされていると思っております。
○大渕絹子君 ちょっとわからないのですけれども、被曝の低減化対策としていろいろな施策が講じられていると思いますけれども、とにかく大きな電力会社の正規の社員はこういう被曝の場にさらされることは非常に少なくて、また下請のそのまた下請の人たち、ごく一番生活者として弱い立場の人たちがこういう危険にさらされているという現状を見るときに、もう少しやっぱり被曝に対する安全確保といいますか、またそれに対する補償とかあるいは労災の適用だとか、そういうものを幅広くとっていって安心して働けるような体制づくりをしていっていただきたいことをお願いし上げまして、次にまいります。 もう一点、先ほどの被曝のところで、一九七七年の衆議院の予算委員会において、楢崎弥之助さんという代議士さんが質問された中で、十年間の放射能の原因で死亡した方が七十五名、そのうち三十二名ががん死亡であるということで、そのときには政府答弁はなされておらなかったみたいですけれども、政府答弁の中で後からの参考資料では、三十三名ほどのがん死があるというようなことも議事録の中にあるわけです。こうした災害というのは、表に見えておらなくても、実際にはそれに従事する人たちがこうして健康を害されているという事実をやっぱり率直に認めた中で安全対策というものをこれからも図っていただきたいと思います。 また、今までずっと原子力発電のことについてお聞きをしてきたわけでございますけれども、こうしたさまざまな危険が伴うのにもかかわらず、クリーンなエネルギーである、あるいはたくさんの出力が可能であるために、これからも原子力発電というものを推進していかなければならないと考えるというふうにさっきも大臣からお話をいただいたわけでございます。そして今、私の新潟県では、柏崎刈羽というところに東京電力が六号、七号の原子力発電所をつくろうという計画があります。その第二次のヒアリングが六月三日に予定をされているわけでございますけれども、事務所の方にもそのヒアリングのことについて少し資料を持ってきていただいておりますけれども、その六号、七号機につきましてちょっとお尋ねをしたいと思います。 従来型の原子炉ではなくて新しいタイプの原子炉が使われるということでございますけれども、どういう点が改良されて、変わっているところはどういうところか、ちょっとお聞かせください。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 東京電力株式会社の柏崎刈羽発電所の六、七号機につきましては、改良型のBWRというものが採用される予定でございますが、これは従来のBWRに比べまして一層の安全性、信頼性の向上、それから先ほども御質問等ございました作業員の被曝線量の低減、これらを図るために通産省が推進してまいりました第三次の改良標準化計画の成果としてまとまったものが採用されるということでございまして、国内外のすぐれた技術を集大成したものというふうに我々考えております。 それで、少し具体的に特徴点を申し上げますと四点あるかと思います。第一点が、原子炉に内蔵されます再循環ポンプ、インターナルポンプと言っておりますが、それが採用されていること。それから従来型の鋼製格納容器に対しまして鉄筋のコンクリート製格納容器を採用していること。それから第三点といたしまして電動モーター、それと水圧両方で駆動します改良型の制御棒駆動装置を採用していること。それからもう一つ、四番目でございますがプラントの大容量化、タービンの高効率化ということで、出力が百三十万キロワット級ということになっているのが特徴でございます。 それで、この六、七号機につきましては、我々これらの特徴も踏まえまして通産省として厳正な安全審査を行いまして、安全性が確保されていることを確認しているところでございます。
○大渕絹子君 安全性の確保は確認をされているといいますけれども、実際にこの炉で発電をされているところがありますか。
○政府委員(向準一郎君) 今申し上げましたいろいろな改造点――インターナルポンプの採用とか、あるいは鉄筋コンクリート製の格納容器とか、あるいは電動モーター、水圧両方の改良型制御棒駆動機構、それから百三十万キロワットクラスの規模の出力のものという個々のもので見てまいりますと、それらは世界各地でそういう技術がありますし、我々もそういう技術も勉強し、国内でいろいろ確証試験もやりまして、これを全体いいところを組み合わせて日本型の第三次改良標準化計画の中でこういうような改良型BWRというものをまとめたものでございます。
○大渕絹子君 インターナルポンプで安全だということなんですけれども、内蔵することによって確認というか点検というものはかえって行われにくくなるんじゃないかというような心配もございますし、それから鉄筋コンクリート製の格納容器ということですけれども、今まで従来型ですと鋼鉄製のものが使われているわけですけれども、鉄筋コンクリート製の方が丈夫であるということでしょうか。 それからもう一点は、制御棒の駆動方法などによって常時出力の変動が行える状態にするというようなことが言われているわけですけれども、これは実際にはまだ実験段階というようなことで、この原子炉がつくられることによってそれが実験として行われるんじゃないかという懸念があるわけですけれども、そのようなことについてちょっとお聞かせください。
○政府委員(向準一郎君) 我々はこういう新しい技術を導入、採用します場合に、先ほど申し上げましたが、確証試験というのを実施しておりまして、例えば原子炉内蔵型の再循環ポンプにつきましては、昭和五十六年度から昭和六十一年度にかけましてポンプの確証試験というのを実施して問題のないことを確認しております。それからあと、今の制御棒の問題、コンクリート製の格納容器の構造評価その他の問題につきましてもいろいろ実証試験を過去ずっとやってまいりまして、それで改良型のBWRという技術の中に入れたわけでございます。 それで、今のお話のございましたインターナルポンプにつきましても点検、そういう議論ももちろんありまして、そういう面からも我々チェックをしておりますし、鉄筋コンクリート製の強度につきましても、もちろん鋼鉄製とかえるわけでございますので強度面につきましても十分チェックをしております。それから、制御棒駆動機構につきましても、二つの駆動メカニズムがあるということで微細な出力調整ができる、より精密な調整ができる、制御棒駆動調整ができるというメリットがあるわけでございます。そういうことで、そういうメリット、それからそれに伴います何か不都合があるかどうかというような点も、先ほど申し上げましたようないろいろな実証実験、確証試験を通じて確認し、問題のないことを確認して技術として導入してきているものでございます。
○大渕絹子君 経済性を追求する余り安全性というものがもし損なわれているとしたら、これは重大な問題であらうかと思います。そういう点では新しい技術導入ということでそういう心配はないのかとも思われますけれども、もしものときにもう言いわけができないわけでございますので、慎重の上にも慎重を期してやっていただかなければならないと思います。 私は、それよりも何よりもこの六号、七号機が本当に必要なのかどうか、今原発についてこれほど危険性が叫ばれて不安が叫ばれている中で、新たな原子力発電所をつくっていく必要があるのかどうかということについて非常に疑問が残るわけでございます。先ほどの新しいエネルギーの開発あるいは実施をしている中で、あるいは省エネルギーを追求していく中で電力の需給とか需要のバランスというものは保たれていくと思うんですよね。それなのになぜこのような大型のものが建設されていかなければならないのか、非常に疑問に思うわけでございます。本当にこの六号、七号機が必要で建設するんでしょうか。
○政府委員(山本雅司君) 今の御指摘でございますけれども、実はこれから電力需給は、先ほど申し上げましたように、国民生活が豊かになりあるいはテレビが大型化になるとかいろいろございまして、冷暖房も含めましてどうしても需要はふえてまいります。全くのラフな数字で申し上げますと、これからピークの需要というのが大体四百万キロワットぐらい年々ふえるおそれがあるわけでございます。四百万キロワットと申しますと、百万キロワットの発電所、これは石炭火力にいたしましても超大型、それから原子力にいたしましても今までの百十万――ほぼ一基でございますが、毎年そういうものを四基あるいはそれ以上つくらなければならないというのがこれからの見通しでございます。 それから、先ほどおっしゃいましたコジェネレーション、それなども私ども全力を挙げてふやしたいと思っておりますが、残念ながら現在のところでは今までの累積全体で十五万キロワットを下回っておる状態でございます。したがいまして、例えば今後これを燃料電池等で最大限やりましても、オーダーといたしましてこれからの五年、十年を支えるものにはどうしてもならない。今はたしかエネルギー全体の供給に占める新エネルギーというのが一%強、一・三%というのが現在の比率でございますが、これをとにかく何とか上げようといたしましてもせいぜい五%台ぐらいにしか上がらないというような、非常にいいものではございますが、そういう供給の安定性とか経済性とか、あるいは時間と場所のミスマッチを何とかうまくまとめるというのは非常に難しさがございますものですから、いいものはなかなか量的にふえない。こういうことになりますと、本当に国民生活に必要なエネルギー、特にその中でも電力の供給というのはこれからも原子力、石炭、LNG、さらに足りないところは石油という、こういうところがどうしても大宗にならざるを得ないと思います。新エネルギーとか水力とか地熱、もちろん全力を挙げますけれども、やはりどうしてもこういうものは進めていかざるを得ないということで考えておるわけでございます。 今具体的に御指摘の六号機、七号機につきましても、これは運転開始はたしかまだ六、七年先、平成八年度と平成九年度の予定でございますが、このときの電力の需給バランスでまいりまして、全体として、これは東京電力管内でございますけれども、供給の予備率というのから見ますと、いずれも一〇%以下の水準でございまして、仮にこれが稼動できないとなりますと、この供給予備率が危険といわれております八%をはるかに下回るという状況になりまして、電力の安定供給という面で支障が生ずるおそれがあるということでございますものですから、需給バランス上もぜひこれを実現していきたい、こういうように考えておるわけでございます。
○大渕絹子君 先ほど来議論をしてきたわけでございますけれども、新エネルギーの開発あるいはそれを実地に運転させていくという方向をもし大臣が示していただけるならば、省エネルギーということをもっともっと最大限に、有効に生かしていくという大臣の本当の決意があるならば、原子力発電所がこれ以上多くなる必要というのはないと思います。四百万キロワット年間にふえるという試算をしておりますけれども、それはどういう数字の中から出てきているのかわかりませんけれども、日本の産業が電気の要らない方向ということで非常に電気の需要というものは抑えられてきておると思うんですね。そういう技術開発をされていく中で、まださらに需要が伸びていく、そういう見通しを立てていること自体に私は疑問が残るわけでございます。 皆様方は原発の立地をされているところに住まいをしておりますでしょうか。私は柏崎刈羽という地域の本当に十キロも離れていないところに住まいをしております。子供も家族もみんなそこに住んでいるわけでございます。いつも非常に危険を感じつつ暮らしているということです。安全性は大丈夫、大丈夫なんだという皆さん方の声を聞く中で自分自身では、大丈夫なんだろうな、きっと大丈夫なんだ、日本の技術では大丈夫なんだろうという、そういうことで抑えながら生活はしていますけれども、毎日毎日頭の中からその不安というものは取り去られていくことはないんです。柏崎刈羽の六号、七号ができるときにおいて、こうした中で世界一の原発立地になるんですね。本当に危険を感じます。 今地元では大きな反対運動も起こっています。何とかとめていただきたい、脱原発の方向へ世界じゅうが動く中で、日本も新しく建設をされるものについて私たちは反対をしていきたいと思っているんですけれども、大臣、本当にこのまま進めるんでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほども私触れましたけれども、残念ながらアメリカのスリーマイルアイランドあるいはソ連のチェルノブイリ、こういう大きな事故が起きたものでございますから、特に核被爆国である日本の国民としては原子力発電所に対して大変危惧を持っておられるということは、私もよく承知をいたしておるつもりでございます。でき得るならば新しいエネルギーでそれにかわれば結構でございますけれども、先ほど長官も答弁をいたしておりますように、新しいエネルギーが開発されても、今約三〇%近くを占めておるこの原子力発電にかわり得るまでにはとてもここ十年二十年ではいかないわけでございまして、今エネルギー調査会でその辺も議論いただいておりますけれども、どうも二十一世紀においても、少なくとも二十一世紀前半、あと六十年でございますが、その間にはとても新しいエネルギーでそれにかわり得るというわけにはいかないだろうというのが、大体それぞれ専門の皆さん方お集まりをいただいておるエネルギー調査会でも議論されておると、私は聞いております。 一日も早く新しい、全く安全で全くクリーンで、しかも経済的にも非常に採算の合うエネルギーが開発されることを私は心から願っておりますし、また先ほどお話のございました省エネについても、最近少し省エネルギーの対策が十分でない、国民の中にも先ほど御指摘いただいたように、少しエネルギーの消費がぜいたくになってきておるという点も正直私はあると思うんです。これもエネルギー調査会で私ぜひ今度はひとつ思い切った省エネルギーの対策ができるようなことも考えてほしいという注文も出してあるわけでございます。 私は、その点はできれば原子力発電はないのが本当は一番いいのでございます。残念ながら、そういういろいろなことをやっても今なお原子力発電をやらざるを得ないというのが現状でございますので、私としては、そうなればできる限りやはり安全性をより高めていくということが必要だということで電力会社その他を指導いたしておるわけでございます。 先ほど長官の答弁がなかったので、私ちょうど持っている資料で、やっぱりそういう危険を感じておられる皆さんにちょっとこれが参考になればと思いますので数字を申し上げますけれども、故障、トラブルの件数で、一基当たりのその件数が昭和五十六年のときには一・九件でございます。それが平成元年には〇・四件にまで減ってきているわけでございます。この点は私は発電所もやはり努力をしておる、電力会社も努力をしておるんじゃないかと思います。それからもう一つの世界の原子力発電所の計画外の平均停止回数、これもやっぱりそういう計画外ですから、事故が起きて停止をしたんだと思うのでございますけれども、例えばアメリカは四・六、フランスは五・七、西ドイツは二・二、ベルギーが四・五、スペインが五・〇という中にあって一・〇以下はスイスの〇・六、それから日本の〇・四ということで日本が最低でございます。その点だけは日本の国民の皆さんに、少なくともそれぞれの世界で原子力発電所動かしている中では一番事故が少ないということは、ぜひ御理解をいただきたいと思うんです。
○大渕絹子君 ありがとうございました。 長時間にわたりまして大変初歩的な質問をさせていただきまして、委員の皆さんには大変御迷惑をかけたんではないかと思いますけれども、何にしても危険を伴うこうしたものに対してこれからも厳重にチェック体制をしていく。そしてでき得るならば、新しいエネルギーの開発に防衛費の五〇%削減をしてそちらに向けるぐらいなそれほどの画期的な方向づけをしていかなければ、新しいエネルギーがコスト安に開発をされるなんていうことは決して望めないと思うんですね。これからの国の方向として、そういうことをこれからの課題として強くお願いを申し上げまして私の質問といたします。ありがとうございました。
○吉田達男君 通産大臣に質問をいたします。 通産大臣は、所信表明の中で時事問題であります日米構造協議について抱負を述べておられます。大臣には、所管大臣として我が日本国民の期待の中で頑張っていられることに、その労を多として激励を申し上げる次第でございます。頑張ってください。しかし、この日米構造協議のよって来るところは、日本の経済を規制しますし、あるいは商慣習等日本国民の生活に変化を余儀なくする、あるいはまた日本国の財政に一定の枠をはめることを内容とする約束を外国にいたすものであります。このような国民の将来にわたって直接間接これを拘束するについて、政府がこれを行っておる。これについて国権の最高機関である国会は今現在議決権を行使するときにない。その意味において、通産大臣の責任は重かつ大だと思うのであります。 そこで質問でありますが、この日米構造協議が協定され、実行される、こういうことに当たってはひっきょうするに国民のコンセンサスが得られなければならぬ。これは策定の過程においても、実行する過程を考えれば、なおさらそのことが指摘されなければならぬと思うのです。情報公開の言われる政治の中でありますから、外交といえども秘密主義のそしりを受けるようなことがあってはならぬと思う。政府がこの件についてあずかっていられる中で、国民に何となく不透明感があるのではないかと、その懸念はどうか。大臣がこの中間報告をなされ、最終報告を遂げられるその過程において、議会を初め国民の民意、こういうものをどういうふうに受けとめられてこれに対応されたのか、されるのか、この点について所見を伺いたいと思います。 また、この最終報告の決定される過程において、これから間もなくでありましょうが、どのような手続をどのような日程で行われて、その中で民意がどう反映されるように考えておられるか承りたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) この日米構造障壁協議につきましては、確かにそのきっかけはアメリカの議会その他の保護主義の動き、これはどうしても日米両国にとってもあるいは世界にとっても抑えなきゃいけない。一体その保護主義の動きというのはどういうところから出てきているかというと、どうしても日米間のインバランスがやはり一つの大きな原因になっておるということから、いろいろのマクロ的な経済政策はやってきているけれども、やはりもう少し何かそれ以上に補完すべきものがあるんじゃないだろうかということで昨年のサミットのときに日米間で話し合いがなされまして、そしてお互いにひとつどういうところをそれじゃ構造上直したらいいんだろうかということを検討し合おうじゃないか、そういうことで始まったのが今日の日米構造協議の最初だと思います。 そういう中で、アメリカからも日本に対して大きく言って六項目、また日本からはアメリカに対して七項目の問題点を指摘いたしまして、お互いにこういうことは直そうじゃないかということから出たわけでございます。そして、その間いろいろそういう問題についてお互いに研究をし合っている最中においては、外へはなるべくこういうものは公表することも避けようじゃないかというまた申し合わせがそのときになされてきたものでございますから、決して私どもは秘密にしてきたつもりもございませんけれども、そういう申し合わせがあったものでございますから、一々その都度その都度外へ公表しない形できたわけでございます。しかし、もちろんこれは国民の御理解が得られなければできないわけでございますし、あるいはまたこれによって今後法律改正を必要とする場合には国会の御承認がなければ法律も成立しないわけでございますから、私どもといたしましては今後ともある程度固まったものにつきましてはこれはもう国民の皆さんにもいろいろと申し上げ、また国会においても御理解をいただくように努力をしていきたいし、また必要な法律が出てまいりますればそれもできるだけ早く私どもまとめて、できるだけ早く御審議を願うような方向にするということは当然のことだと思っておるわけでございます。 何にいたしましても、そして私どもがこういうことをやってまいりますのは、先ほど申し上げたように、確かに最初は保護貿易を防ぐためということでございますが、同時にまた、例えば私どもの立場でまいりますと、今産構審に一九九〇年代のいろいろの経済構造のあり方について御審議願っておるわけでございますけれども、たまたまそういう一九九〇年代というものの最初の年でございますので、我々といたしましても、これから二十一世紀に向かってもっとゆとりのある豊かな国民生活をしていただこうじゃないかと、そういう国民生活の質の向上という点からももっと考えていかなきゃならぬことがいろいろあるわけでございます。あるいはまた、海部総理がいつも申し上げておりますように、どちらかというと今までは日本の経済政策は生産優先的な色彩が非常に強かった、これをもっと消費者重視の政策にひとつ転換をしていかなきゃいけないんじゃないかということを海部総理自身が申しておるわけでございます。これからは私どももそのような観点に立った産業政策を確立をしていかなきゃならないという点から考えれば、今度の日米構造協議の中で出てまいりました、いろいろアメリカから指摘をされましたことは、日本自身が考えてもこれはそういう面からいけば当然やらなきゃならない点が多々あるのではないかと、こう考えておりまして、その意味でも国民の御理解は得られるものと私どもは願って、これからせいぜい決まりましたことに対してはやってまいりたい。 そこで、どんな段階に今進んでいるかということでございますが、ちょうど今ハワイでいろいろと中間的にまた協議が行われておりまして、最終、六月の終わりか七月の初めか、その辺は固まっておりませんけれども、それに向けて鋭意中間報告の中で盛り込まれましたことに対しましての肉づけと申しますか、そういうようなことを今進めておるところでございます。
○吉田達男君 経過についても考え方についても承りましたが、この構造協議の件については裏話や表話があっていろいろ言われておりますが、大臣のその考えで毅然としてやっていただきたい。中には裏話の中でせんさくする者があって、日本にとって健全野党はアメリカだなんという話もありますが、健全野党はここにおりますので、これから質問いたしますからお答えいただきたいと思います。 そこで、初めにお尋ねいたしたいのは、最近特に問題になっておる日本のGNPの一〇%を公共投資に組み込む、こういうことを構造協議の中でアメリカに約束をするということでありますが、このいわれるところの四百兆になんなんとする公共事業の枠を設定するということになると、今作業を進めておられるようでありますが、一体この枠は幾らなのか。その四百兆あるいは三百兆といろいろ言われていますが、それは結局はどういう根拠で幾らなのか。また、そのような大きい予算の枠といいますか、この財源は一体どういうふうに予定しておられるのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(相沢英之君) 日米構造協議に関連いたしまして、来年度以降の公共投資の十カ年計画をつくる、その支出総額を示すということになっております。その作業を企画庁が今やっているところでありますが、新聞その他でその総額を四百兆とかあるいは各省からの要求が五百兆になるとかいろんなことが出ていますが、これは報道機関の推計と申しますか、あるいは各省からの取材によるものでありまして、当方としてはまだ先週の初めから各省がどのようなことを考えておられるかということでヒアリングを行っている段階でありますから、今の言われております数字は当庁としては関知している数字ではございません。 それからなお、いずれにいたしましても相当巨額な金額になっておりますが、なっておりますがというか、過去十カ年間における公共投資を見ましても二百五、六十兆になるわけでありますから相当な金額でございます。それをどのように負担をしていくかということになりますと、これは事業主体としては国または都道府県あるいは市町村になるわけであります。で、国の中には各省の行政機関、政府関係機関もありますし、あるいは住都公団等の特殊法人等もあります。そういうことで種々に分かれるわけでありますけれども、せんじ詰めれば国費とそれから地方費になる、地方費は都道府県費と市町村費になる、このように考えております。これは国、地方の税収、その他の税収であります。そして、この中には例えばNTTの売却益というのも入っておりますし、財政投融資の資金等もございます。それから、なおお尋ねがあるかと思いますけれども、そういう財源を今まで使ってやっておりましたし、これからもそのようになる、このように思っております。
○吉田達男君 その考え方というのはわかったんですが、結局そこで枠はどういうふうに決めるのか。各省の出ておる要求をどういう絞りをやって幾らにする、こういうことになるのか。財源は一般財源もあろうし地方債もあろうというようなこと、いろいろ言われましたけれども、ちなみに一般会計で言うと公共関連事業費というのは六兆幾らでありますから、一般会計の一〇%ぐらいしかないんですね、平年度ベースでいけば。だから、財政投融資とかそのほか本予算以外の特別会計その他いろいろ膨れてくるんだろうと思うんです。それは予算事業費というよりも投資額でありますから。だから、その枠のつかまえ方がまだ漠然としておるというわけなんですね。そこをどういうふうに絞っていかれるのか。どの作業で大蔵省とどういうふうに詰められるのか、手続についてお答えいただきたい。
○国務大臣(相沢英之君) 公共事業の範囲をどうするかということにも問題があります。ありますが、一応私どもは今国民所得計算におけるところの公共投資の対象になっている事業をこれに含めて考えております。 問題になりますのは、民営化いたしました国鉄それからNTT、専売、それに電発でありますが、これをどのように取り扱うかということはこれからの検討にいたしたい。ただ、国民所得計算におきましてはこれらは一応民間の事業ということになっておりますから、今までの数値には、いわゆるIGのベースにはこれは含まれておりません。 それから、どのような手続でやるかということの御質問になりますが、これは各省ばらばらに見積もりを出していただいても取りまとめが大変でありますので、さしあたり一つの物差しといたしまして、過去十カ年間において伸び率がゼロまたはマイナスのところについては一応今後十カ年間をフラットに見る、それから過去十カ年間において投資が伸びているところにつきましては、その伸び率に対して三割増しまたは五割増しという数字を積算して御提出を願いたい、こういうことで出していただきまして、それらにつきましてその中身を今ヒアリングをしているということであります。 それをどう取りまとめるかということにつきましては、これは各省の見積もりをそのまま足してそれを表にするというわけにもまいりません。当然今後十カ年間における国の経済成長というものを考えねばなりませんし、アメリカ側は、先ほどお触れになりましたように、GNPに対して一〇%とか何とかというそういう比率をもって算定するというような話もありましたが、それは日米構造協議の会談の席上におきまして、そういうGNP対比で設定するわけにはいかない、それをアメリカ側も了解しておりまして金額で示すということになっておりますから、比率は出しません。出しませんが、しかしやはり今後国、地方の財政において非常に大きな影響のある問題でありますから、国の経済成長がどの程度になるか、財政規模もどの程度になるか、無論十カ年間でありますから正確に見積もるということは困難でありますけれども、およそそういうものの見当をつけまして、その中において公共投資をどの程度ならやれるかという見当をつけて枠を決めていかなければならない、このように考えております。
○吉田達男君 企画庁長官は物価について所管をしておられるんですが、今景気は続いて好調でありまして、陰りの問題も年度末ごろには言われるような話もないではないんですが、要するに今はいいんです。この時期に四百兆円の公共投資をやる、これは景気についてまたインフレを懸念する声もある。今の答弁の中で、年次のそれぞれについてお話が若干ありましたけれども、これだけのものを公共投資するに当たってそのときの云々ということではありましたが、物価の問題については懸念はないのか、どういうふうに対処されるのかお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(相沢英之君) 最近におきまして特に民間における建設投資というものも盛んになってまいっておりますし、これが建設資材あるいは建設関係の労務者の賃金に影響を及ぼしているということは数字を見ましても明らかでございます。ただ、インフレのおそれがあるのではないかという御質問に対しましては、これからの十カ年間の問題でありますし、その十カ年間における経済成長との関係も考えていかなければならないと思います。 それからまた、公共投資の持つウエートというものは民間に比べますと小さいわけでありまして、例えば昭和六十三年の実績を見ますと、政府投資全体が二十四兆八千七十三億、それから民間の設備投資が六十七兆三千五百五十八億、それから住宅投資が二十二兆一千三十二億。つまり、民間の設備投資と住宅投資を含めたものが約九十兆あるわけであります。九十兆に対しまして政府の投資は二十四兆ということでありますので、三分の一以下であります。そのウエートがそういう程度であります。決して小さい金額ではないのであります。ですから、政府投資の伸びだけが物価あるいは建設関係の資材または労賃等に大きな影響を及ぼすという心配はないんではないか。 無論、アメリカ側が言いますように、今後三年間あるいは五年間でGNPの一〇%とかなんとかというようなそういう比率の投資をするということになれば、年率にいたしまして一〇%とか時に二〇%とかいう大きな伸びをいたしませんとそうなりませんので、それはとても私どもも無理だというふうに思いますし、またそういうようなことをすれば、確かに建設関係を中心として資材、賃金等に影響を及ぼす心配はございます。ですから、その点は注意をしていかなければならない。投資の額もそのことを考えていかなければならないと思っております。 なお、日米構造協議におきましても「各年度の具体的な進め方については、日本における公共投資が経済・景気対策に大きな役割を果たしていることにかんがみ、インフレ、景気過熱を招かないように留意しつつ、各時点での経済・財政情勢を踏まえ機動的・弾力的に対処していく方針で臨む。」というふうに記してございます。これは当たり前のことを書いたわけでありますけれども、おっしゃいますように、確かにインフレになるというようなことになれば、これは一番我々としても警戒をしなければならないことでありますので、その点には十分慎重な配慮をして枠組みを考えてまいりたい、このように思っております。
○吉田達男君 インフレの懸念はあるけれども配慮する、年度を追ってその時点の経済情勢の中でまた執行もかげんする、ずばり言えば、そういうようなことでありました。初めの段階の政府の二十四兆円というものがGNPの中でファクターが小さい、こういうことでありますが、四百兆ということで、逆に十年間で思えばまた倍増になるんです。公共投資でもって景気を引っ張るという手法は、これは今では常識あるいはそれを超しておりまして、かつて田中内閣、福田内閣がオイルショックの後の景気刺激として公共事業をやり国債を発行したということが今の百六十兆の国債の圧迫になっておるわけでありますから、そういうようなことが財源的に心配はないのか。あるいは今言った数字が、民間設備投資の九十兆の今で言えば四分の一だけれども、今度言えば半分になる。こういうようなことになれば、よくよく注意をなさらぬと、余り甘く見られて、国民に対して所管の大臣として、できてしまったということじゃ済まぬのですから、私は今後とも留意を願いたいと思う。 また、答弁の中でありました各省の枠の設定について既に出しておられるようでありますが、伸び率が十年間にわたってゼロないしマイナスとか、そういうものについてはランクを決めておられますが、そういう一律のガイドラインというものが四百兆の使い方について本当に日本のためになるかどうかということでは再考を要すると思うんです。 大臣も、所信表明の中では日本の東京一極集中についてのひずみを是正しなければならぬ、国土の均衡ある発展を期して行政執行なさる、こういうことになっているが、さっき言ったそういうような今までのベースをもとにして今度四百兆を割り振りする。そうすると、結局小さいものはより小さくなって大きいものとの格差が幾何級数的に拡大してしまうんじゃないかと思うんです。むしろそのことについては重点的にこれをやるべしと、こういう観点に立ってその枠も設定すべきであると思う。特に今言った地域についてはこれは各省に判断を任せる、それぞれの中でやるのかあるいはトータルの四百兆の中でさらに高度な判断としてやるのか方法はあり得ると思うけれども、この四百兆というのは、かつての列島改造に及ぶほどのスケールを持って、日本の国の均衡ある発展をしょうとする一つの大きいポイントになると思うんです。 その意味で、今作業をなさっておられる大臣としてこの四百兆の配分というか扱い方については、東京一極集中のひずみを是正しながら国土の均衡ある発展を図るという観点で割り振りすべきであると思うが、所感といいますか所見を聞きたい。
○国務大臣(相沢英之君) 初めにお断り申し上げておきますが、委員が四百兆ということを決まった数字のようにおっしゃいますが、それは違いますので、申し上げましたように、それは報道機関がいろいろと推定をなさって書いている数字でありますから、私どもはその四百兆を目途に作業しているということではありません。 それからなお、私が政府の投資が二十四兆と申し上げましたが、これは正確にはIGベースでの数字を言いましたから、これには土地代が入っていないんであります。したがいまして、その土地代を含んだ公共事業の規模ということになると二十八兆ぐらいになるかな……
○吉田達男君 土地代二〇%ぐらいです。
○国務大臣(相沢英之君) そうですね。大体二〇%ですから二十八、九兆になると思います。その点はちょっとつけ加えておきます。 それからなお、建設公債をかつて発行したことがその後におけるインフレの原因になったんではないかというお話がございましたが、当時の景気刺激のために公共投資を必要とするという情勢とは違っておりまして、当時私も大蔵省で公共事業の関係のことを主計局長などとしてやっておりましたからよく知っておるのでありますが、当時とは情勢はもう全然変わっておりまして、現在、その公共投資を景気刺激のてこ入れに使う、こういうような考え方はございません。ですから、そういう点はひとつ御安心をいただきたいと思うのであります。ですから、景気対策として特に公共投資を景気振興のてことして使うということになりますと、おっしゃるように物価等に対する心配も出てくるわけでありますけれども、そういう考え方は今は持っていないのであります。 なお、各省に対して今企画庁が求めておりますところの数字の出し方では一律になってしまって、今まで小さかったところは小さい、大きいところは大きくなっちゃうじゃないかという御指摘でありますが、これは一応計算のやり方としてそういうことで算定をした数字を出してもらいたいということを言っているわけであります。と申しますのも、やはり過去十カ年間においてそれほどの伸びを示さないところはそれなりの理由、事情もあったろう。それから、ここ過去十カ年間において伸びているところ、例えば下水道でありますとか公園でありますとか、そういうようなところはやはり時代の要請がそこにあったというふうに考えるのが当たり前と申しますか当然のような気がいたしますし、したがいまして、一応の参考の数字としてそういうものを求めているわけでありますから、これから具体的な十カ年計画の中でどういうような事業を考えるかということになると、ただ今出されました数字をそのまま寄せてつくるということでありませんので、その点についてはいろいろとまた国民生活の質の向上に重点を置いて考えるという一応基本的な方針がございますから、その基本的な方針に従って検討を行いたいというふうに思っております。 なお、お互いに、いわゆる大都市ではございません、地方に選挙区を持っているわけでありますから、要するに同じ鳥取県でありますから、特にそれらについては、地方の時代と言われる今の世の中でありますし、大都市に比べての格差というものが決して縮まってないというような状況は、当然今後における公共投資においても私は十分に配慮していかなければならない、このように考えております。
○吉田達男君 ちょっと整理しますと、要望にとどめますが、省ごとのもの、年次計画、地域ごとのもの、整理をできたらそれをお知らせ願いたい。これは希望であります。私がその間申し上げましたことは受けとめていただいて、次に当たっていただきたい。 次の質問に移りますが、この公共投資を実施するということを構造協議で約束するんですが、これはアメリカとやるのでありまして、アメリカのねらいとするところは日本に公共投資を求めるというよりも、その公共投資の中にアメリカの企業が参入をして、そこで収益を上げながら国際収支のバランスを回復しよう、こういうことが本意であろうと思うんです。 そこで、この公共投資を事業化するときに、いよいよ実施ということになれば、これにどのような形でアメリカの企業が参入してくるか、ここのときに問題がある。それは談合の問題が一つ指摘されている。今まで入札の制度についていろいろございました。これもまた一般入札あるいは指名入札等々ある。これらの問題についてアメリカが特に指摘しておる今日において、日本の国民の税金でやる、いわばユーザーでもある日本が納得をする形で適正な企業参入がなされなければならぬが、これについて税金を払うユーザーとして、あるいはまたそういう業者を指導するという立場における行政の責任者として、どうクリアされようとするのか、お考えを伺いたいと思います。
○政府委員(棚橋祐治君) ただいま先生が御指摘になりました米国企業の参入につきましては、我々は従来から一般的に極めて開放的であり、例えば入札制度その他も透明性が十分確保されていると思いますけれども、今回の日米構造協議において、確かに我が国の商慣行、流通慣行について不透明な点が多い、調達活動についても非常にわかりにくい、入りにくいという指摘がなされておるわけでございます。これらにつきましては、通産省におきましても、企業の調達活動、流通慣行について、業種別にいろいろ違いますけれども、一種のガイドラインを今後お示しして民間企業の対応を協力的にお願いしたい、こう考えております。 それから、公正取引委員会においても、やはり同様の趣旨でいろいろ今ガイドライン等について検討されていると承知いたしております。 また、先生がおっしゃいました談合、カルテル等によって障壁がある、外国企業の参入が阻害されるという点につきましては、もし仮にそういうことがあればこれはまことに問題でありまして、当然独禁法違反の行為であれば公正取引委員会が独禁法を厳格に運用するという形で、そういう問題が起こらないように対応されていかれるものと承知いたしております。
○吉田達男君 この入札制度については、とりわけ日本的な習慣があって、その悪の象徴として談合が言われておる。これについては公正取引委員会を初めとして指導官庁も厳しく疑いのないように施行する、こういうことですね。指名入札という制度を持つと談合が発生しやすい、一般入札にしたらどうか、こう思う。気を回す者は、いや、指名入札だ、中にはアメリカとジョイントベンチャーを組んでやるべきだ、こういう話ももう既にうわさでは出ておる。この点については、税金を使ってやるものだ、日本の国民の税金で外国の人に仕事をしてもらうという場合もあり得る。しかし、日本の企業もまた研さんをして、技術的にもあるいはサービスの点でも適切な競争の中でまた仕事を受けんとしておる。ここのところで、今の入札制度がどのように運用、工夫されるべきか、改善されるところがありはしないか。 今の制度では申請すれば許可ができるけれども、その者が本当にいい仕事をしてくれるかどうかということがわかりかねる部分もある。それについては、また官庁が厳しくそれを調査して、命じた仕事が遺漏ないようにしなければならぬ。ずばり言えば、そういう背景のもとで一般競争入札をやるべきだ。いろいろありますよ、理屈言えば。時間がないから、私はそう思うが、官庁としてはどうなんですか、やっぱり指名競争、こういうことの扱いでやるつもりなんですか。
○政府委員(棚橋祐治君) 一般的に政府が調達します公共事業についてのいろいろの調達につきましては、これは一般入札の場合もあれば、また指名入札の場合もそれぞれケースごとに違うと思いますが、いずれにいたしましても政府の調達については、談合等によって貴重な予算が不当に支出されるということのないように十分厳重に、それは調達の際、各官庁において注意をしておるわけでございます。また、会計検査院において事後においても十分その予算の支出についてチェックが行われるわけでございますので、現在我々が対応しております入札については、そういう貴重な予算を適正に執行していく体制が十分整備されているものと承知いたしております。
○吉田達男君 じゃ、ずばり聞きます。今現在、アメリカが参入してやっておる公共事業の中で十七のプロジェクトがありますね。その中に関西国際空港等々の特例措置があります。そういう特例措置をアメリカに持とうとしているのか、そういう考えじゃないのか。あるいはジョイントベンチャー等がささやかれておるが、そういうような方法も考えているのか。この辺をずばりお答えいただきたいと思います。
○政府委員(棚橋祐治君) たまたま私通産省の担当する分野だけしか承知しておりませんので、今先生お挙げになった具体的なプロジェクトについて今後どう対応していくかはそれぞれの所管官庁にお願いしたいと思います。
○吉田達男君 建設省、来ていませんか。
○説明員(木下博夫君) お答えしたいと思います。 お話しございましたように、日米間の問題につきましては、ちょうど関空の工事について外国企業の参入問題が六十一年ぐらいから起こっておりまして、六十三年の五月に日米間で合意をいたしております。これに基づきまして、先生お話しございました十七プロジェクトについて特例措置を適用しているということでございます。これは中身をかいつまんで申し上げますと、アメリカ企業が日本の市場に参入するに当たって習熟すること、なれ親しむことということで、例えば見積もりの期間とか入札の期間をできるだけ余裕をもって与えるという条件でございます。 今、私どもが構造協議とは別に、こうした日米合意につきまして約二年間の実績を踏まえて日米間で協議しておりますが、日本側の立場といたしましては、それなりに所期の目的を達していると思っております。 なお、加えさせていただきますと、先ほどから通産省からお答えいただいておりますが、私どもは競争入札については確かに一般競争も指名競争もそれぞれ一長一短あろうと思っておりますが、過去の経過の中では、やはり発注者の発注業務あるいは適切な業者がセレクトされるというようなもろもろの条件の中で現在の指名競争入札をとらせていただいておりますので、工事の成果その他について問題があれば別でございますが、私どもは指名競争が今のところは適切であろうと思っております。 なお加えるならば、これは日本独自ではございませんで、ヨーロッパの中でも例えばドイツとか、あるいはイギリスなども指名競争入札はそれぞれその国の制度として取り入れているところでございますので、我々もちろん制度については状況に応じてそれなりの工夫改善はするべきだと思っておりますが、現在のところは指名競争入札でやってまいりたい、こう思っております。
○吉田達男君 見解が多少分かれますが、またの機会にやるといたしまして、時間がありませんから次の質問でありますが、こういうふうに公共事業をやるということになると、いろんな産業連関上の寄与がありまして、所得も上がる、したがってインフレの問題も起こる、雇用人員がふえるという波及効果もある。いろんな産業連関があるわけです。 私がお尋ねしようとするのは外国人労働者のことでございます。仮に四百兆に及ぶ額の公共事業をやるとすれば、現在でも建設労働者は不足をしておる。中小企業者において特に労働力が不足して、極端な例ではもうやっていけなくなって操業を中止してしまったというようなところもある。そのような人材難というか、雇用労働者がないところに業界のまた入ってもらいたいという希望がある。反面、外国の方では日本の事業所で働きたいという願望が殺到しておる。日本がかって貧乏していたころに、移民をするといったら受け入れた国もあった。出稼ぎをさせてくれた国もあった。今日本は業者も求めておるし、またそういうことを希望しておる国もある。しかしながら、法務省が所管する入国管理については、入国管理法で不法労働者の不法就労について厳しくとがめて、六月一日からいよいよ改正法が施行される。社会的問題とは言いませんが、新聞論調によっては、それによって若干の動揺を与えている向きもある。もちろん不法労働者はいけません。それはどういったって、主権を持つ我々としてもおざなりにできません。けれども、そういう経過と現在の情勢、そして公共事業を何といっても大幅にふやしていくということの中で、外国人労働者の入国緩和についてもしかるべき進んだ考えを持っていい時期じゃないかと思うんです。 この点について、法務省から来ておられたらお願いをするし、また中小企業等々の中で今言ったような希望があるということを私は思っていますが、所管する通産の方で、そのような労働者は十分あるということなのか、やっぱり不足だとこういう現状認識なのか、その辺を所見として伺いたい。
○説明員(木原哲郎君) このたびの入国管理法の改正は、専門的な技術とか技能とかそれから知識を持って我が国で就労しようとする方々につきましては、可能な限り幅広く受け入れることができるように在留資格を整備いたした次第でございます。 ただ、いわゆる単純労働者につきましては、単に労働力の需給の問題だけではなくて、労働条件の問題とかあるいは長期的に見た場合の産業への影響の問題とか、さらには保健衛生、子女の教育とか住宅とか社会福祉、その他社会的なコスト、あるいはまた治安とか社会的な摩擦の問題というものもございますので、社会の各般におけるいろんな影響の問題につきまして慎重に検討する必要があると考えている次第です。受け入れの是非に関する国内の世論も、いわゆる開国派とかあるいは鎖国派とかいろいろ分かれておりまして、現在のところ国民的なコンセンサスというのはないのじゃないかと考えております。 法務省といたしましては、こういった状況にかんがみまして、単純労働者を受け入れた場合に、どのような問題が生じるかということをあらかじめ検討しておく必要があるだろうということで、これらの点につきまして目下慎重に検討させていただいております。
○政府委員(棚橋祐治君) 先生御指摘のように、確かに中小企業の分野において、昨今の景気の好況もありまして、仕事はあるが人手は足らないという分野は率直に申し上げましていろいろ耳に入っております。私どもは、中小企業対策としてそうした人手不足問題について、省力化投資その他について従来からいろんな施策を税制上あるいは融資等についてやってまいりましたが、今後さらに中小企業においては、むしろ労働環境、労働時間の問題とか、特にそういう問題等いろいろ改善して、魅力ある労働環境にしていくことがまず基本的に重要であるということ。それからさらに、今申し上げましたいろいろの省力化投資等についての施策を充実していくことなどによって、その基本的な問題の解決に取り組んでいきたいと思っております。 それから、今法務省からお答えがありましたが、今度の改正入管法では、不法入国その他について、確かに雇用主まで罰せられるという規制の強化が行われておりますが、他方、研修という形での受け入れ体制は、受け入れ業種の大幅拡大等が行われることになっております。私どもは、通産省の立場としましては、現在産業労働問題懇談会という形で各界の権威者に集まっていただいて半年ほどいろんな角度から議論をいたしておりますが、単純労働力の受け入れについては、開国論、鎖国論と今おっしゃいましたが、いろいろの政策、受け入れについての福祉政策その他を含めてあらゆる政策で、受け入れた以上、賃金の問題その他も完全に処遇しなければいけない。西ドイツが非常に苦い経験を今いたしておりますので、そういう点で慎重論が多いと言わざるを得ないわけでございます。 しかしながら、今先生おっしゃいましたように、やはり発展途上国への技術の移転その他いろいろの国際協力の観点もまた重要でございまして、私どもは特に技術移転に重点を置いた研修制度について、今後法務省を初め関係各省の理解を得て大幅にこれをふやしていく方向を今いろいろ検討しているところでございまして、この問題についてはなおさらに検討を続行したいと思っております。
○吉田達男君 入国外国人の管理については法務省の方が言われたように大変な作業だと思う。これはやはり体制をもって補強しなければならぬという側面だと思う。ただ、世の流れからいうと、やっぱり日本も国際化の時代に即応しなければならぬ。内部で労働条件を充足するといっても、これだけ四百兆という最終需要をふやせばこれは経済が回るわけですから、だから労働者が当然絶対数として要るわけですから、要るということはよそから引き抜きばかりやっておってもいかぬということですから、これはやっぱり考えていただきたい。それは研修制度等々を駆使しながら、なお検討研究を前向きになさるということですから、要望にとどめておきたいと思います。 時間がもうありませんから、大店法について通産大臣に質問をいたします。 大体、大店法については今まで衆議院、参議院の予算委員会を初め、論点というのは相当尽くされたと思っております。しかし、いよいよ中間報告になされておるものについて実施をする、約束をしたものを通達、省令ですかで出すと、こういう時期を迎えたようでありまして、そのことについてはきちっと報告を願いたい。 そこで、私が大臣に質問をいたしたいのは、私の考えは大店法を維持したい、こういう立場でありますけれども、今の質問は、大型店を規制するというよりも大型店に商圏を侵されて苦しむ小売店、商店街、これをいかに活性化させるか、こういう点であります。長い間、日本の町というものの歴史の中でショッピングの場所を提供して機能を果たしてきた商店が、大店が出るというと来させる来させないということで、時間延ばしということを今だれかが言おうとしておるけれども、実際には大店の方が専門の調査員を来させてひそかに素早く調査をして、それで気がついたときにはあれよあれよという間に大店ができて、この降ってわいたようなことのために優勝劣敗で自由な競争の中でしにせが倒れていくことを政治が見殺しにしてもいいかという問題が残っておるんです。 そこで私は、特に通産大臣はかねてから通産行政というか商工、中小関係については政治経歴においても大変に御熱心な方と伺っておるので聞くのでありますが、大型店に対応するということのために商店街、これが近代化するためにどのようにしたらいいかということであります。 時間がありませんからずばり言えば、今まで融資制度を中心に協業化してきた、こういうことでありますが、思い切ってこれを補助金に変えて助成していいんじゃないかということであります。なぜか。商店が集まって計画を立てる、議論が千差万別、なかなかまとまらぬ。その中で借金の合意をして判こを押す、これに時間がかかる。時間がかかって、いよいよオーケーとなったらその高度化資金の枠取りをしなきゃならぬ。この枠取りをするのにまた年度がかかる。そして、執行しかけたら診断を受けなければならぬ。また、診断士が私どももやったように商店街診断をやって、こういうことでなければならぬといってやる。段取りで日が暮れるわけであります。これの方が大店が出店をするよりもはるかに時間がかかって、一年仕事、二年仕事で済まぬ場合がある。 その上、その中でできた公共的なものといえば駐車場や、三百メートル以上あればどこか憩いの場所も必要だ、公園化が必要だろう。道路も、快適なショッピングとしては、公共の道路だけでもカラー舗装しようとしたら自分の金でしなければならぬ。そういうことをやった商店街の中でついていけなくて倒れてしまう商店がある。商店が倒れた場合に、後から来る者が前の人の借金をしりぬぐいしないで入ってくると商店街がそれを全部かぶってくる。こういうような公共の施設というものを自己負担させておるけれども、店舗から言うと、自分の店舗面積をふやし加工するのであれば、販売の直接手段を充実するものでありますから自己負担してもいいんだけれども、駐車場とかあるいはみんなの憩いの場所とか公園、あるいは私生活があってよそから来る人をたまたま商店街の主人が迎えるというようなものは、これは直接の販売手段じゃないんです。こういうものは公共事業でやっていいんじゃないか。今までの融資事業の実績を見ると伸び悩んでいます。それはそういう実情を示していると思うんです。 この点について、この際思い切った勇断をもって、そこまで突っ込んでいただきたいと陳情かたがた通産大臣に質問をする次第であります。
○国務大臣(武藤嘉文君) 大変御激励をいただきまして、ありがとうございます。 今度の大店法に関連をいたしまして、私は以前から今の日本の各地域の中小小売商の皆さんが大変御努力をなさってこられたことは本当に評価をいたしておりますけれども、残念ながら、後継者の問題であるとかあるいは消費者の価値観の多様化であるとか、いろいろなことが原因をいたしまして、正直言って、地方の中小小売商はどちらかというと少し力が弱くなってきておったというのが現状じゃないかと私は思うのでございます。 せっかくそういうことを考えまして、元年度の補正予算におきましても、また今御審議をいただいておる平成二年度の予算におきましても例えば中小商業の活性化というための基金をつくったり、いろいろの制度をつくったわけでございますけれども、必ずしもそれだけでは十分ではないと私は思っております。特に今度の大店法の問題に関連をいたしまして、私はやはり大店法の本来の目的でありますいわゆる消費者の利益を考えながら、同時に大型店の出店に当たっては中小小売商の分野が確保できるような形で調整をしていく、私はこの枠組みは今後も残していくべきだと思っております。 そして、その中小小売商の分野が確保されるということは、ただそれが消費者の利益にやはりつながらなきゃいけないわけでございますから、今私が申し上げましたように消費者の価値観が非常に多様化しておりますので、もう少し消費者がいろいろ商品の選択ができるような形に地方の小売商も対処していただかなきゃならない。そうなると、将来においては大型店と中小小売商とがうまくかみ合っていただくことが、逆に商品がいろいろ消費者から見ると選択もできるということにもなるかもしれない。 ところが今、正直なところ、大型店の進出に当たって地方の小売商を入れてやろうとおっしゃると、高い保証金を取ったり、あるいは売り上げの何%は必ず出せというような非常に厳しい条件がございますから、中小小売商はついていきたくてもついていけないというのが実情ではなかろうかと私は思っておりますので、思い切ったというお話を今いただきましたけれども、まだこれは建設省あるいは自治省と話を事務的に少し始めたところでございますから、まだまだこれからいろいろ議論がなされますけれども、私の一つのアイデアといいますか、あるいは私の夢と申しますか、それは事務当局にも指示をいたしまして、こんなような形でいろいろ建設省あるいは自治省と協議をしてもらいたいということをお願いいたしております。 建設省の中には都市再開発あるいは区画整理には思い切った予算があるわけでございます。こういうものと、こちらのいわゆる今度の大店法の改正が起きてまいりますといろいろ中小小売商にも御迷惑をおかけいたしますので、そういう点では今大蔵大臣とも話をいたしまして、少なくとも平成三年度の予算の中では思い切った財政措置を今度はひとつとっていただかなきゃならないんじゃないかということを申しておるわけでございます。 それは例えば一つの地方の大きな商店街があるといたしますと、そこに国と県と地元市町村で第三セクターをつくりまして、一つのデパートみたいなものをつくっちゃいまして、それで地方のそこにいらっしゃる中小小売商の皆さんに、いわゆる今のような大型店への入店のような状況ではなくて、安い保証金で、あるいは歩合は余り取らないような形でできるだけお入りをいただくというようなことをお勧めをしたらどうだろうか。そしてまた、その近くにマンションでもひとつつくりまして、これも第三セクターでやるような形をつくりまして、商店街にお住まいになっている方は住まいもそこで確保するというような形にいたしますと、今度は今までの古い商店は要らなくなりますから、そこはひとつ撤去していただいて、その土地は第三セクターへ貸していただくとかあるいはお譲りをいただく。そうするとそこに空き地がどんどんふえてまいりますから、そこに駐車場をつくったり、今お話のありましたような公園をつくったり、文化施設をつくったり、こんなような形でいく。そうすると、消費者の皆さんも一つのデパートみたいなところでいろいろ商品の選択もできますし、そしてそこの小売商の皆さんも、どうも息子はやる気がないから困ったとおっしゃっている方も、そういうきれいなものができればきっと息子さんもまたやっていただけるようになるだろうと思いますので、そんなようなことを私は一つのアイデアとして持っておりまして、何とかこれが実現をすればいい、こう思っておるわけでございます。 それ以外にもいろいろあるだろうと思いますけれども、例えばこれは一つのアイデアとして申し上げたわけでございます。
○吉田達男君 一点だけ、済みません。どうも時間が過ぎて申しわけないんですが、大臣が時間を使った経過もありますから。 大変に私は夢のある御計画だと思って、さまざまほかにもあり得ると思いながら実現を期待しております。 一つだけ私は危惧があるんです。それは、そういうことを大臣がやろうとされると、土地利用についてはどうなのか、都市計画についてはどうなのか、いろいろ国土庁や建設省の計画と突合して段取りで日が暮れるんです。話がまとまっても建設省の方の都市計画の予算がつかぬというようなことになってしまうんです。だから、そのことを大臣は――これは前の大臣か、五十九年の二月に都市計画局等々と調整をするようにという通達を出していらっしゃって、それでも今なおうまくいかない例の方が全国に多い。それはなぜか。私が危惧したのは、そのことをやるのが通産大臣である、こういうことなんですよ。そういうエリアについての施行権限をよその認可を受けてやっとさせてもらうのではなくて、この際通産大臣の権限でやるべき公共事業をやれ、こう言っておるのであります。 そこのところに踏み込むか踏み込まぬか、大大臣であるか、経験を蓄積した本当の通産大臣であるかどうか、私は見ておるんです。四百兆に及ぶ公共事業をこれからやろうとまとめて、アメリカと構造協議をやろうという中でまた一つの大きいポイントに来ておる大臣だから、あえて言うんです。頑張っていただきたい。要望にとどめます。
○国務大臣(武藤嘉文君) 大変御激励をいただきましたが、幸いもう大蔵大臣ともよく話をいたしておりますし、建設大臣、自治大臣とも、ともに協力をしていく、こういうことは本当に気持ちよく今申し合わせをさせていただいておりますので、今の内閣でやる上においては非常にスムーズにいくのではないか、こういうふうに思っておるわけであります。
○国務大臣(相沢英之君) 公共投資の十カ年計画で、最後に委員から各省別、各事業別あるいは地域別の配分について中身を知らせてもらいたいという、これは御希望ということでありましたが、今後十カ年間の事業でありますので、御希望の点は十分検討いたしますけれども、なかなかそのようにまいりかねるかもしれませんので、その点はちょっとお含みおきいただきたいと思います。
○委員長(倉田寛之君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ─────・───── 午後一時十八分開会
○委員長(倉田寛之君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は、順次御発言願います。
○広中和歌子君 通産大臣が通商産業行政の基本施策に関する所信の中で述べておられる幾つかの項目の中で、三つに絞って御質問させていただきます。つまり、日米構造協議の取り組みの中でのいわゆる大店舗法の改廃に関して。次に、東京圏への一極集中の是正と地域活性化について。そして第三に、地球環境問題が関心を集めている中で、中長期的視点に立った資源エネルギー政策の推進について。この三つについてお伺いさせていただきます。 いわゆる大店舗法でございますけれども、そもそも通産省という省は、私の理解する限りでは、自由主義体制の中で貿易を中心に産業を振興する。そして、最近の貿易摩擦に関しても交渉相手国である米国の保護主義的傾向を恐れている。ですから、そのような傾向を抑えるためにも自由主義体制を守らなければならないと、そういうことを言っていらっしゃるわけですけれども、そのような視点でまいりますと、大店舗法というのは、そもそも通産省の基本方針にはなじまないんではないか、そのように思うのでございますけれども、まずその点についてお伺いいたします。
○国務大臣(武藤嘉文君) 御指摘のとおり、私どもはやはり自由経済、自由貿易体制の中で日本の発展を図っていくということが政策の基本でございます。そういう点からまいりますと、大店法というのはいわゆる届け出の調整をする法律でございますからいささか違うんじゃないかという御指摘のようでございますが、これは目的の中にもございますように、あくまで消費者の利益を守っていくということが一つの問題でございます。 同時に、御承知のように、日本にはたくさんの小売商、特に中小小売商の皆さんが各地域地域にいらっしゃいまして、今日までそれぞれの地域経済あるいは地域社会のために大変お力添えをいただいてきたことも事実でございます。それはどこにもここにも大型店が出ているわけではございませんので、その中小の小売商の皆さんが、本当にその地域の消費者の皆さんの利便にも相当貢献をしていただいていることも事実でございますし、また何といいますか、歴史的な環境の中でこれらの中小小売商の皆さんが一生懸命努力されてもなかなか大型店と同じような力を持つようなわけにはいかない。そこで私どもとしては、それをただいわゆる自由な競争の中で行われるということではなくて、できれば共同でお仕事をしていただくとか、そういうことも今日までお勧めをしてまいりましたけれども、それだけでは不十分である。そうなると、確かに自由経済は市場経済の原理を当然考えていかなきゃなりませんけれども、しかしその方々の地域におけるやはり一つの大きな重要性を考えますと、何かそこに大型店と共存共栄ができるようなことが図られるべきではないかということから私はこの大店法というのが今なお残っておるのではないかと、こう考えておるわけでございます。 今後においてもできる限りそういうことで、消費者の利益に阻害を与えるようなことはいけませんけれども、消費者の利益を十分守っていきながら、そして大型店との共存共栄を図っていけるような形というものは私はあるのではないだろうか。そういう面で大店法というのはその枠組みだけは今後も残していかなきゃいけないと、こういうことを考えて、今度もいろいろアメリカからは今の市場経済原理からいけば大店法なんかやめたらいいじゃないかという御指摘もありましたけれども、私としてはそのような考え方から今現在においてはこの枠組みは残しておかなきゃいけない、こう思っておるわけでございます。 しかし、市場経済原理をあくまで阻害しないように、そして片っ方の中小の皆さんも何とか生きていっていただける、そのちょうど調整のところにこの法律があるというふうに御理解いただけると大変ありがたいと思います。
○広中和歌子君 所信の中でも述べていらっしゃいますけれども、消費者の利益、そして中小小売商の地域経済への貢献、そして国際協調という三点を総合的に勘案した上での選択し得る限りぎりぎりの案として決断したと、そのようにおっしゃっていらっしゃいます。私もそのお気持ちはよくわかるんですが、五月下旬の実施、そして中間報告を見ますと出店抑制地域の撤廃も残されておりますし、それからさまざまな点で非常にあいまい、オープンなままの報告書が出ておりまして、出店までのプロセスの時間は短縮されますけれども、こうした運用面だけでアメリカは果たして納得したのかなと、そのように疑問に思っていたわけでございます。 そうしましたら、けさの新聞で、これは日本経済新聞だと思いますけれども、「出店抑制地域を廃止 三十日から、一年前倒し」、五月三十日だと思いますけれども、数日で出店抑制地域を撤廃するというふうに言われておりますけれども、これは事実なのでございましょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 通達は、ちょうどきょうたしか出すはずでございますから、後ほど事務当局からお答えをさせていただきますけれども、抑制地域を廃止というのは、少し私はその新聞が正しい表現ではなかろうと思っております。抑制地域というものは一応形としては残るわけでございますけれども、今御指摘のように、非常に今まで不透明な点もございましたので、今回は通達の中でその辺は一応受けつけることは、今まではそれを受けつけるのを抑えておった点もございますけれども、それはもう受けつけるという方向でまいりまして、地域そのものを撤廃するということにはいっていないわけでございます。細かい点は事務当局から御説明させていただきます。
○政府委員(山本貞一君) 今大臣からも基本的な考え方は御説明ございましたが、抑制地域というのは俗称でございますが、略称とすれば特定市町村というふうに私ども呼んでおりますが、特定市町村につきましては従来は届け出、自粛指導という形で行われておりました。今度のきょうこれから出します通達におきましては、そのあたりにつきましては地元――具体的には市町村、それから商工会、商工会議所等でございますが、そういう地元の事前説明の段階で出てきた御意見を出店者に通知をする、そういう仕掛けを今後とも残しまして、ということは基本的には特定市町村というグループの色分けというか、そういう基本的枠組みは残すということでございます。その中の運用の方法なり、それから運用の実態が変わるということでございます。
○広中和歌子君 三年後の最終的な結論でございますけれども、大店法は廃止に至るのか、それとも例外として適用除外地域を指定して大店法を残していこうとなさるのか。今からおっしゃりにくいというところもあるかと存じますけれども、方向としては廃止の方向なんでございましょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 少なくとも三年後に廃止をするという考え方は持っておりません。中間レポートの中にも私どもはっきり書いておりますけれども、あくまで大店法というのは存続をしていきたい。 ただし、来年はぜひ国会の御理解をいただいて法律改正をさせていただきたいと思っておりますが、その法律改正をした後、いろいろのことをひとつフォローアップしておきまして、そしてさらにそれから二年、今からいけば三年、その法律改正をさせていただいてからは二年後にもう一回見直しをする。そのときには、場合によればこんなような地域は外してもいいんじゃないかということがあり得るのではないか、検討項目の中にそういうものを入れますということを中間レポートこ私ども盛り込んだわけでございまして、法律そのものを廃止するというような考え方は、今のところ持っておりません。
○広中和歌子君 大店法が廃止になるならないは別といたしまして、いずれにいたしましても野放しの出店というのは、それが大規模店舗であろうとその他の店とかにいたしましても、レストラン等あるいはパチンコ屋とか、そういったものを含めまして、むしろ地方自治体がそれぞれに都市計画法にのっとった用途指定の中で、いわゆる住民の居住環境というんでしょうか、利便性、そうしたものを踏まえた形で行った方がいいのではないか。そのような考え方を私は持っているのでございますけれども、通産大臣はそれについてどのようにお考えか、そしてまた構造協議の中でそうした視点が導入されたかどうか。 アメリカの場合には大店法というのはございませんけれども、いわゆるゾーニングというそれぞれ地域地域で住民の立場からの店を入れるか入れないかとか、そういったものを細かに決めているわけでございますけれども、アメリカの側からそのような提案はなされたかどうかを含めましてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) そういうことをアメリカから具体的に私ども注文を受けたことはございません。 そこで、私どものそれに対する考え方でございますが、今までも実はこの大規模小売店舗法に基づいていろいろ調整をさしていただくときには、その地域の都市計画との整合性というのは十分考えてやっていただくようにお願いをいたしておるわけでございまして、アメリカの各州で行われているような、いわゆる法律に基づいておりませんけれども、当然その地域の都市計画、例えば全く都市でないところへ余りぼんとお出しになることは困るんじゃないかとか、そういうようなことはできるだけ出店調整のときにお願いいたしておるわけでございますので、今後もそのような考え方は出店調整の中で、町づくりといいますか、その都市都市の都市計画との整合性というのは十分考えてやっていかなきゃならぬというのは当然だと思っております。
○広中和歌子君 きちんとした町づくりをしていらっしゃる地方自治体もございますけれども、しかしながら、私自身の考え方でございますけれども、むしろそれが余りにも無視されているところが多過ぎるのではないか。ですから、私はこうした大店舗の出店いかんに関して、むしろ地方自治体にその権限が譲られるべきだという考えを持ってはおりますけれども、果たして地方自治体がきちんとした都市政策をお持ちなのかどうか。そういうことについて伺いたいと思いますが、建設省の方いらしていただいておりますか。
○説明員(近藤茂夫君) 都市計画制度の中には、いわゆる詳細土地利用計画である地区計画という制度がございます。これは市町村が、地域住民の基本的な理解が得られる場合には建物の用途とか、あるいは敷地とか規模等に関しまして一般の用途地域による規制より、よりきめの細かい規制をすることが可能な制度がございます。私どもは良好な市街地形成を図るという観点から、そういう地区計画制度の活用を指導しているところでございまして、現在全国で四百カ所近く、商業系も一割以上ございまして活用されているわけでございますが、御指摘の商業系の地域につきましても、そういう地区計画制度の活用というのは今後とも指導してまいりたいと思います。 ただ、先生御理解いただきたい点は、都市計画の土地利用計画でございますので、これは建築基準法の建築確認という段階で実効性が担保されるということでございますので、やはり販売される商品の種類とかあるいは営業時間とか、こういった経営形態に関する調整はそもそもなじまない、このように考えております。
○広中和歌子君 私は、この大店舗法を建設省にお預けしよう、そのようなつもりで言っているのではございませんけれども、ともかくいわゆる整合性のある、地方末端に至るまで美しく、そして住みやすい都市という視点からお伺いさせていただいているわけでございます。 現実にここに資料をいただいているわけですけれども、かなりの市町村が、少なくともすべての市町村がきちんとした都市計画を持っていない、ましてや用途指定ですか、それは持っておられないんじゃないかということ。それから、例えば商業地域というふうな指定があるところでもかなり緩やかな規制であって、ホテル、モーテル、ボウリング場、マージャン屋、パチンコ屋、いろいろ非常に緩やかなんですね。そういうようなことに関してもうちょっと進めた、住民の意見を聞いた都市政策というのをなさっていくお考えがあるのかどうか。 今度の大店法に関しての何か一般の論争を聞いておりましても、業者同士の話し合いは聞かれましても、いわゆる住民の側からの声が全然入ってこないんですね。そういう意味におきましても、これから建設省そして通産省、特に大店舗法をきっかけにしてよりきめ細かな話し合いというんでしょうか、連係プレーをしていただきたいとお願いする次第でございます。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど吉田議員からの御質問に対してお答えをさせていただいたのでございますが、私ども今建設省あるいは自治省にもお話をさせていただいて、三省協力をさせていただいて、これからひとつ新しい町づくりの中で商店もつくっていくというような形のものをぜひ実現したいなと。先ほどもちょっと触れましたけれども、建設省の方で今都市再開発であるとか区画整理であるとかいろいろ御事業をやっておられますけれども、そういうものとこちらの町づくり構想を一緒にいたしまして、本当に文化的な施設あるいは公園も含めた一つの町をつくって、その中に新しい商店街、今は横に広いんですけれども、それを縦に長いものをひとつ考えさせていただいたらどうだろうか。それで、そこに空き地がどんどん出てきて、もっと空閑地をつくって、そこに駐車場もできるとかあるいは文化施設をつくるとか、そんなようなことを私どもはぜひ将来これを機会に実現したい、こういうことで今事務当局同士で話を始めつつあるところでございます。
○広中和歌子君 先ほどの御答弁も伺いながら大変期待を寄せているわけでございます。 次に土地対策について、都市部の集中を是正し地域の活性化を図ると同時に、都市住民によりよい居住環境を提供するためということで、五月十九日、企業が保有する大都市部の工場用地などの地方移転を促し、跡地を公団住宅など、公園とか公共用地への活用のために、そうした政策を誘導するための新税を明らかにされているわけでございますけれども、これを工場等移転促進税制というんでしょうか、これについて御説明いただけますか。
○政府委員(岡松壯三郎君) お答え申し上げます。 ただいま先生のお話にございました工場等移転促進税制と申しますのは、昨年度の通産省の新政策に盛り込んだものでございますが、土地税制一般と一体で議論をするということで実は持ち越しになっているテーマでございます。 中身は、先生お話しになりましたように、大都市から地方への工場の移転を促進するに当たりまして大都市の土地を手放しますと、それにかわる工場を地方につくった場合に地価が大きく違うものですからそこに譲渡益が出てしまう。その譲渡益に対して大体五割ぐらい税金で持っていかれてしまうということになりますと、地方へ出ていこうというインセンティブがそがれてしまうことになる。そのようなことから、そこで考えました構想は、二つの条件を付して、その条件を満たすものについては課税上の特例を認めたらどうだろうかということでございます。 二つの条件と申しますのは、大都市において手放した土地を公共用の用途に売却するということと、それからもう一つは、それによって得られた資金を地域の開発に寄与するような方向で使うという、細かい点は省略いたしまして大きい方向で申しますと、そういう形でその二つの条件を満たすような行為につきましては、買いかえ特例として譲渡益についてはこれを軽減措置をとるという税法の改正を要求したわけでございまして、今年度も同じような考え方で税制の改正要求を進めてまいりたいということを検討中でございます。
○広中和歌子君 現在、土地問題というのが非常な関心を集めているわけでございますけれども、私は土地税制というものが地価の抑制に大きく寄与するんではないかという考えを前から持っているわけでございますが、今の工場等移転促進税制、つまり追い出し税みたいなものだと思いますけれども、それについて大蔵省の方にいらしていただいておりますので、どのようなお考えでいらっしゃるのか、今土地税制を審議していただいているはずでございますけれども、その中からこれを積極的に前向きに検討していただけるのか、その点についてお伺いいたします。
○説明員(河上信彦君) ただいま御指摘がございました税制の買いかえ特例、事業用資産の買いかえに当たりまして譲渡益の八割を繰り延べる、こういう制度がございまして、昨年通産省の方からこの制度を活用するというような御要望があったわけでございますが、ただいま通産省の方から御説明があったような経緯がございまして、昨年につきましては特段具体的な措置はなかったわけでございます。 この制度につきましては、国土政策といったような観点から措置されておるわけでございますけれども、一方で、主として土地が中心かと思いますが、土地を持っておいてそれを売却する、その売却益が繰り延べになるということで、ある意味では土地というものがほかの資産に比べまして有利になっているんじゃないのか、こんなような問題点の指摘もまたあるわけでございます。 土地税制につきましては、先生御案内のとおり、現在政府の税制調査会におきまして土地問題小委員会が設けられておりまして幅広い角度から検討がされておるわけでございます。こうした検討の中におきまして、国土政策との観点とともに税制の観点からも幅広く御議論されるかと存じまして、こうした検討を見守ってまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○広中和歌子君 産業構造が急激に変化する中で、特に大都市で、埋め立てることによって工場であったようなところがいわゆるウオーターフロントとして非常に今注目を浴びており、そこはむしろ住宅地または公園として非常に望ましいなんていうような考え方もあるわけでございます。そういった意味で、通産省がお出しになった、追い出し税なんて言うと大変言葉は悪いかもしれませんけれども、工場移転促進税制というのは大変好ましいのではないかと思います。 しかしながら、これは数年前私は予算委員会で質問したことがあるのでございますけれども、現在では産業構造の変化もかかわっていくと思いますけれども、余り高度に利用されていないそういう工場用地でございますね、仮にそれが一般に売られたといたしましても、公団住宅も含めてですけれども、住宅地などへの用途指定変更について、それが非常に難しいというようなことを伺いまして、まさに縦割り行政ということを身にしみて感じたわけでございますけれども、通産省、大蔵省、建設省、自治省など非常に緊密な連携による政策が求められないか、改めてこの場でお願いすると同時に、建設省の方にもう一言、工場用地の用途指定変更ということ、それはもっと早急に速やかに、そして前向きに行われる可能性があるのかどうか、そのことについてお言葉をお願いいたします。
○説明員(近藤茂夫君) 工場地域につきまして、現に工場が稼働している段階で地域指定の変更等、基本的には難しいと思いますけれども、例えば跡地が出てきた場合にこれを簡単に用途の変更ができるように、実はおととしの再開発法の一部改正という法律改正によりまして再開発地区計画制度というのをつくっております。これは公共施設の整備を条件としながら容積の割り増しを認める。その場合にベースとなる用途地域は大体工業系でございますけれども、それを特例の用途を認める。そういう方向で市町村単位で用途変更がスムーズにいくような制度を既に設けております。 施行後一年ぐらいしかまだたっておりませんけれども、関西中心にもう十カ所以上現実に出ておりますので、そういった一種の詳細計画である再開発地区計画制度をうまく活用することによって、先生御指摘の方向に進めていきたいと思っております。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。 では次に、地球環境問題について、これにかかわるエネルギー問題について質問させていただきます。午前中同僚議員から大変詳細なる御質問がございまして重なる部分がございますので、できたら、その部分は排除いたしまして質問させていただきたいと思っておりますけれども、一、二感想がございますので申し述べさせていただきます。 私は、原子力発電のことについて質問するつもりはなかったんですけれども、先ほど大渕委員から御質問がありまして、そのお答えについてちょっと意見を述べさせていただきたいんです。 大臣は、日本の原子力発電所の技術が非常に進んでいて、そして事故率というんでしょうか、それは先進国を比較した中でも四分の一ぐらいで非常に低いということ、ですから安心してくださいというふうなおつもりでおっしゃったんだろうと思いますけれども、地球環境問題の恐ろしさというのは、要するに汚染物質というのは人間と違いまして国境というものを知りませんから、それこそ国境を飛び越えて、例えば台湾で起こった事故は日本に直接に影響がある、その恐ろしさではなかろうかと思います。先ほどのまたエネルギー庁の御答弁にもございましたが、いわゆる日本の進んだ技術、情報、そうしたものを他国に差し上げるということが押しつけ、内政干渉になっては困るといったような御視点もありました。 しかし、原子力発電に関してはそのようなことを言っていられないんではないか、むしろ日本がすぐれた技術を持っているのであれば進んで情報公開をし、そして他の国を助けていくという視点が必要なんではないかと思います。このスタティスティックスの数字を読みますと、現在原子力発電所運転中のものが四百二十五基、そして計画中のものも含めますと六百基に上るわけでございます。で、こういうことを言っては差しさわりがあるかもしれませんけれども、多くの国が参加しておりまして、その中には技術的に日本ほど進んでいないような中進国も含まれているわけでございますので、ぜひこの点は御配慮願いたいということをお願いすると同時に、さらに技術発展が進みますように要望するわけでございます。 この前、私はやはりアメリカ上院議員の主宰によりますところの議員が集まっての環境国際会議に出席した帰り、ボストンのMITのエネルギー研究所に立ち寄ったわけでございますけれども、そこでその所長のウッド教授が大変おもしろいことを言っていらしたわけです。今原子力の技術の改良が望まれるわけだけれども、例えば医療技術の中に使われております人間の脳を断層写真に撮る、いわゆるCTスキャナーというのでしょうか、そういった技術なども原子炉の中に組み込んで使えないかといったようなこと、そういうことを言っていらしたわけです。それからチェルノブイリの事故のときなど、いわゆる事故をとめるために人間が炉の中に入っていくわけですけれども、本当に死を覚悟しての行動だと思うんです。そうしたことを含めまして、なるべく人間のかわりにロボットがもっともっと活用されなければいけないんじゃないか。そういう点で日本はどこまで技術が進んでいるのか、そしてまたそうした技術を海外に技術移転をする、それこそ地球規模の観点からやっていただきたいとお願いする次第でございますが、コメントも含めましてどうぞお答えいただければ幸いです。
○国務大臣(武藤嘉文君) 細かい点は事務当局から御答弁させていただきますけれども、今事故とおっしゃいましたが、先ほど私がこれに基づいて申し上げたときには、たしか私は故障と申し上げたつもりでございますので、もし事故であったらそれは訂正させていただきますし、正確には故障が正しいあれでございますからひとつお願いいたします。
○政府委員(向準一郎君) 二点御指摘いただきました。一つは国際協力の件、もう一つはロボット等技術開発の件でございます。 まず国際協力につきましては、チェルノブイリ事故以降世界各国で国際協力の必要性というのは再認誠されたわけでございます。それで、我が国といたしましても二国間協力ということで、先進国では米国、西ドイツ、スウェーデン、フランス、こういう国々と安全情報交換ということを定期的にやってきております。それから、アメリカと共同研究ということで配管の振動試験とか、日本の振動台を用いてそんな研究もやってきております。それから、開発途上国との関係でございますが、具体的には昭和六十三年度で見てみますと、中国には国家核安全局というのがございますが、そこから研修生を五カ月受け入れまして日本の原子力発電所の使用前検査の研修、それから韓国とは運転管理に関します専門家の派遣ということをやってきておりますし、それからインドネシアとは、原子力庁からの要請に応じまして、原子力規制のセミナー開催に対しまして専門家を派遣したというような実績もございます。 そういうことで、技術協力とかあるいは情報の提供というのは大変重要でございますので、今後とも我々は進めていきたいと考えておりますし、国際的にはIAEA(国際原子力機関)とかあるいはOECDのNEA、ネアと言っておりますが、そういう活動に対しても積極的に参加貢献していきたいと考えております。いずれにいたしましても、やはり原子力の安全に関する国際協力は相手方の立場を尊重しつつ進めていくことが重要だというふうに考えております。 それから、ロボット等の技術開発の件でございますが、実は工業技術院の大型プロジェクトの中で極限作業ロボットの開発というのをやってきております。この中で実用原子力発電所の作業ロボットというのを昭和五十九年から進めてきておりまして、その間試作品をつくり本年度総合評価をするというスケジュールで進めてきておりまして、これは原子力発電所の通常運転時、高い放射線下の作業あるいは点検というのがある場合、運転員とか保守員にかわりまして行うというものでございます。 それから、今お話がありましたCTスキャン等の新技術の件でございますが、現在いろいろ溶接部の検査等につきましては超音波探傷検査等の技術を使っております。しかし、今後各部の検査の内容によりましては、今お話しのようなCTスキャンあるいはホログラフィーとか新しい技術があるわけでございます。こういう技術の適用が望ましいことがあるわけでございますので、今後もこうした技術の動向というものを十分勉強していきたいというふうに考えております。
○広中和歌子君 大臣にお伺いさせていただきますけれども、大臣もいろいろ環境会議なども含めて国際会議にお出ましになり、地球規模でのCO2削減についていろいろな御意見を求められたりということが多いと思いますけれども、CO2削減計画、それは五〇%を二十年後に達成しようとか、それはできないとかいろいろな意見があるわけですけれども、具体的なことは別といたしまして、一般的に削減とそしてそれのいわゆる環境コストの経済へのかかわり、それについてどのような認識をお持ちなのかお伺いさせていただきます。
○国務大臣(武藤嘉文君) CO2の問題については、確かに地球温暖化に影響を与えるということが言われておりまして、これを何とかしなきゃいけないということでございますが、私の承知しておるところでは、まだ完全に科学的な分析は十分なされていないと承っております。しかし、そういうことが言われている以上は、やっぱりCO2がふえないようにしていかなきゃいけないことは当然でございますので、できる限りCO2の固定化の技術を早く完成するとか、あるいは代替エネルギー、新エネルギーの開発を促進するとか、そういうことは進めていかなければなりません。 通産省でたまたまこの間ワシントンで行われました環境会議に発表させていただきましたのは、いわゆるCO2の削減をしないままで今とっておる省エネルギー政策などを一生懸命やっていったときに、二〇〇〇年に大体どのぐらいの経済成長率になるかというと、二・九%という数字が出ているわけです。それを、例えばCO2を二〇〇〇年において、今と同じ、今といいますか去年ですけれども、一九八九年と同じ量の排出に抑えた場合にはこれが一・六です。それから、二〇〇〇年に去年の排出量の二割カットした場合、このときは一・三です。こういう世界の経済成長がそうなるであろうという分析を一応いたしておりまして、それをワシントンの環境閣僚会議で出したわけでございます。 そういうこともございますので、私といたしましては、やはり経済成長が低下するようなことはいけないのではないか。だから、低下しないように、その点は、今のお話のCO2の固定化の技術を早く開発をしてそれを実行する、あるいは省エネをやる、あるいはまたより代替エネルギーを開発するとか、そういう形にしてできるだけCO2も抑えていかなきゃならないけれども、何とかそういうようなことをして、経済の成長そのものは何らかの形で少なくとも世界全体のパーセンテージで二・九%ぐらいの経済成長は確保しなきゃいけないのではないか、こう考えているわけでございます。
○広中和歌子君 確かに、CO2削減を含むさまざまな環境対策が経済へどのようなかかわりを持つかということに関して、経済学ではまだ十分な結果が出ていないのではないかというような気がいたしますけれども、少なくとも日本の体験といたしましては、例えば自動車のCO2排気規制、あれがむしろ日本の自動車の競争力を非常につけたというような事例もあるわけでございますから、政治家の立場としては、少々学問的な事実が不確実な場合には、むしろ前向きな旗を振っていただきたいなというような気がするわけでございます。 いわゆる新エネルギーの開発導入について既に伺ったわけでございますけれども、私がこれはアメリカから聞いてきたところによりますと、日本では研究も進んでいるし、民間でもかなり開発が進んでいるということを伺っているんですが、しかしながらそれが実用化されているかどうかということにつきましては、むしろアメリカの方で日本の機械を買って、例えば風力発電とか太陽熱利用の発電が行われている。そういう事情があることは事実なのでございます。なぜ日本が技術を持ちながらそれが実用化されないのか、今まで何がネックになっていたのか、そういうことについてお伺いいたします。
○政府委員(深沢亘君) お答え申し上げます。 先ほど来の御議論のように、地球環境問題に対応します一つのやり方として環境負荷の小さなエネルギーの開発、そういう意味で先生のおっしゃる新エネルギーということにつきましてのポイントがあるわけでございますけれども、これは従来から通産省といたしましても非常に積極的に対応してきている分野の一つでございます。 それで、先生が今御指摘の中に、アメリカはうまくやれていて、ましてや日本が機器まで輸出しているのに、なぜ日本でと。例えば今先生がおっしゃられましたのは風力発電でございます。これは今例えば風力発電でまいりますと、日本の場合にトータルで数千キロワットぐらいの導入だと思いますけれども、一つの発電規模としましては五から三百キロワットぐらいのところでございますでしょうか、これが今どんなところに入っていこうとしているかといいますと、離島、山間部の独立した電源とかそういったところでございます。 これに対しまして、例えばアメリカなんかをごらんいただきますと、カリフォルニアとかハワイとか、非常に多数の風力発電がございますけれども、やっぱり風況、風の状況というのがかなり違います。どうもあれは風が吹いていればうまくいくかということじゃなくて、やはりかなり一定の方向にコンスタントにというようなことでもっていろいろやってまいりますと、日本はかなり風が強うございますけれども、カリフォルニアだハワイだとかああいうところの状況と比べますと、やはり非常に条件が悪そうなところもございます。まあそうは言いながらも、その辺の状況を調査しながら前向きにやっていこうということでもっていろいろ努力をしている最中でございます。
○広中和歌子君 アメリカの電力会社は三千余あるそうでございまして、かなり大規模なものでも二百三十もあるという非常に数が多いというふうに伺っております。それに比べまして日本は九大電力会社。かなりそれぞれの電力会社が大きな体制でもって、技術開発を含めまして、発電に当たっているわけでございますけれども、その大きなところと小さいところのそれぞれメリット、デメリットがあろうかと思ます。 これから新エネルギー、特に風力とか燃料電池とかといったような小規模のエネルギーから電源を得ようといったような場合には、今の体制の中でうまく対応できるのかどうか、もしできないとしたら何か。そう言っては失礼ですけれども、規制とかさまざまな制約があるのかどうか、それについて伺いたいと思います。
○政府委員(深沢亘君) 今のような自然条件とかその辺のところの難しさを私ちょっと申し上げたわけでございますけれども、太陽光発電なりそれから風力発電なり、新しいエネルギーということでいきますと燃料電池みたいなそんなものがございますけれども、いずれにしましてもそういう制約を克服しながら、今の状況でございますとだんだん実用化段階に入ってきておりますけれども、かなりのハイコスト、コストが非常に高うございますので、その辺のところを量的な規模を求めつつ、それから一つの単位も大きなものにしつつ、条件のいいところを選びながらということでもって努力を重ねていく以外にないと思っております。 いずれにしましても、最近で言いますと、そういうものがうまく導入できますように、保安面からの規制的なところも緩和したりしながら、従来でございますと一件一件チェックさしていただきましたが、それを一定規模以下のところは届け出、それ以下のところはもう届け出もしなくていいような、そういったような手当てもしながら円滑な導入ということを進めるべく今準備もしておるところでございます。そういった可能な限りの努力でその辺のところの規模拡大、量的な拡大ということを求めていくつもりでおります。
○広中和歌子君 アメリカではそうした自然力を使った発電も盛んです。それからコジェネレーション、これは必ずしも省エネ化、CO2排出に関してはいいかどうかちょっと疑問があるわけです。というのは、そのアメリカの電力の五〇%は石炭を使っている、しかもそれほど質がよくない石炭かもしれないというふうに言われているわけです。しかしながら、コジェネというのは省エネに役立つということは事実だろうかと思います。 そうしたアメリカの動きは、今現在では全発電量の七%がコジェネだそうでございますけれども、次の世紀には一五%から一六%の規模に膨れ上がるのではないかと、そのように言われております。これを推進するものとして公共事業規制政策法(PURPA)というのがございます。つまり、余った電気は買えるという、買えるだけじゃなくて買わなければならないといったような法律がカーター大統領のときにできたそうでございます。 先ほど午前中の御答弁で日本では企業同士のプライベートな相談によってそういったことが現実に行われていると。廃棄物、ごみから電気をおこしてそれを電力会社が買っていらっしゃるということ、日本でも例があるわけでございますけれども、これからはむしろ個別分散型のエネルギーを利用する、つまり小さなエネルギーを利用するために電源が分散していく分散型のエネルギー体質にこれからなっていくのか、そのようなことも含めましてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(深沢亘君) これからなおやはり経済成長というのは進んでいくと思います。 その背景には、民生の向上等を含めた背景があろうかと思います。それに応じまして、やはりエネルギーの需要の増大、それからそのエネルギー全体の需要の増大を超えた格好で、アメニティーの向上等を背景にして、電力の需要というのはふえていくと思います。 それに対しまして分散型の電源だけでいけるのかどうかという点につきましては、非常にある意味で問題があろうかと思います。やはり大型のものを可能な限りつくっていく。それから分散型のものにつきましては、そういう条件に応じながら、今まだコスト的に高うございますから、その辺のところの技術的なカバーもしながらやっていこう、両面いろいろ対応していかなきゃならない、こう思っております。
○広中和歌子君 ちょっと一言、済みません。 最後に、アメリカの場合は逆に三千もある電力会社、歴史的な条件でそういったふうになったらしいんですけれども、むしろこれから統合するような形になればというようなことを言っておりましたんですけれども、ともかく新たなエネルギー時代が来ているわけでございまして、非常に柔軟に御対応を願いたいと思いますと同時に、コジェネレーションなどといいますと、どうしても非常にそれが使いやすいような集合的な建物、居住空間、そういうものが求められるのではないかと思います。そういう意味でも、都市計画、いわゆる建設省とかさまざまな省庁との縦割りではない、横の連絡をとられながら新しい政策を進めていただきたいと御要望申し上げて、質問を終わります。どうもありがとうございました。
○市川正一君 日米構造協議の中間報告が四月六日に発表され、七月の最終報告に向けて今作業が進められております。また本日は、もう午後三ごろと聞いておりますが、大店法問題について運用適正化の通達が出されることになっています。私はこの二つのことを踏まえながら通産大臣にお伺いいたしたいと思います。 そもそも日米構造協議は、日米の貿易不均衡、いわゆるインバランスの是正のために開始されたはずのものであります。それならば、今回の中間報告によってこのインバランスがどれぐらい解消されるのでありましょうか。まずお伺いいたします。
○国務大臣(武藤嘉文君) 確かに貿易インバランスを少しでも改善しようというところから始まったんです。そのもっともとはと言えば、アメリカの議会を初め保護主義的な動きが出かかってきて、これはやっぱりどうも貿易のインバランスがあるんじゃないだろうかというところから、貿易のインバランスの問題を何とか少しでもというところから始まったと私は承知いたしております。 そこで、それじゃこの日米の構造協議で貿易のインバランスがどれだけ解消していくのか、改善されるのかということでございますけれども、これは残念ながら私は、定量的にそういうことを申し上げるようなことはできないと思います。
○市川正一君 まさに率直に申されたように、定量的に測定できないだけでなしに、本来日米貿易インバランスの解消が目的であったはずのものが、いつの間にか経済構造改善の協議が中心になってきております。しかも、それによって貿易インバランスの改善なるものは期待することはできない。もともとこのインバランスについてはアメリカ側からも、これは内調が監修しておりますところの国際情勢資料でありますが、米戦略国際研究所のワインスタイン氏がこう言っております。ほとんどの経済専門家、これはアメリカの経済専門家でありますが、「米国の巨額な対日貿易赤字のうち、日本の制限的もしくは不公正な貿易慣行に起因するものは、そのわずか一五%にすぎない、との意見で一致している。貿易赤字の残りの八五%は、米国の貿易収支全体および国家予算に巨額の赤字をもたらした原因でもある、米国経済に深く根差した問題に基づくものである。」、言うならば、こういう良識的な声も当然巻き起こっております。 ところが、日米貿易インバランスの解消の名のもとに、今回の中間報告でアメリカは、大店法や公共投資等々いずれも純粋な内政問題で、本来外交交渉の対象とすべきでないようなものまで二百項目にも及ぶ要求を出してきている。 本委員会または通産省にかかわって申すならば、大店法の問題はその一つであります。山本審議官がいらっしゃいますが、四月二十一日の衆議院予算委員会でこういうふうに答弁されている。「小売商業者の事業機会の確保あるいは消費者の保護、その調整で法律ができております大店法、そういうような制度、運用はアメリカにはない、そういうこと自体がアメリカ側としては問題があるという主張でございまして」云々、こうお答えになっている。すなわちアメリカにはない制度だから廃止しろという、大臣、こういうのを内政干渉と言うのと違いますか、どうでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) まず一つ、今御質問の中にございましたけれども、これはいろいろなおっしゃり方はありますけれども、今度の日米構造協議は、確かに構造的なものをお互いに指摘し合ってそれを直していこうということでございまして、外交交渉という形ではないというふうに私は受けとめているわけでございます。いわゆる普通の外交交渉とは違う、その辺は、お互いの構造を直していく上において、こういう点はおまえの方はここを直すべきではないか、おれの方はこういう点を直そうと思うよというようなことで指摘をし合ってやってきたという面においては、いわゆる純粋の外交交渉と私は考えておりません。 それからいま一つ、私先ほど申し上げましたように、インバランスの解消が定量的にどれだけいくかわからないということを申し上げたのでございますが、先ほど一五%というお話もございましたけれども、ある程度の改善はなされていくだろう。しかし、定量的に幾らということは、私はなかなかこれは計算ができないんじゃないかということを申し上げたつもりでございます。そして、私どもがアメリカ側に申し入れた、おまえの方はここを直すべきではないかというところは、今ちょうど御指摘のありましたアメリカの大幅な財政赤字、こういうものをやはり改善していかなきゃいけないんじゃないかということを私どもは指摘いたしたわけでございます。 また、アメリカの消費が余りにも膨大である、だから結果的に、物を消費をするために外国からたくさん買わざるを得ない、これはインバランスにも影響するわけだから、そういう面では、消費もそれは結構かもしれないけれども、貯蓄率をもっと高めていただかなきゃいけないんじゃないかということも指摘をいたしておるわけでございます。また、日本側もできるだけもっともっと市場は開放し輸入を促進していかなきゃいけないということも申し上げておるわけでございまして、全くインバランスの解消に役立たないということはない。定量的には言えないけれども、今よりよくなっていくということだけはこれは言えるのではないか、この点はそう思っておるわけでございます。
○市川正一君 何か観念論みたいなお答えなんですが、まことに遺憾であります、私は大臣とは農林大臣のころからのおつき合いなんですが、今の山本富雄農水大臣は、ヤイター米農務長官が行った日本の米市場開放発言に対して、内政干渉だと言うて見解を表明されております。その後二の矢がまだ出ていないようですが、いずれにしても本音は、そういうことを大臣はお考えだろうと思うんです。だから、何となしに割り切れぬようなインバランス論を今伺ったわけであります。 実際、アメリカの内部でも、例えば元大統領経済諮問委員会委員で、今アメリカのCATO、公共政策研究機関というんだそうですが、その研究所長であるウィリアム・A・ニスカネン氏が日経新聞でこういうことを言うております。「日本の新内閣は米国の圧力に従順であり続けるよりも、むしろ自らの利益を主張すべきである。米国の圧力に従順であることはより一層の圧力を招くだけである。」、さらに続けて「米国の制裁の脅しの下で輸出自主規制の交渉や、国内的規制措置ないしビジネス慣行の変更についての交渉は拒否すべきである。」とまで言い切っております。 そこで私は、大店法問題に即して以下お聞きしたいのでありますが、大店法の運用緩和、改正をしなければならない理由として政府が従来挙げてきたところを要約しますと、一つは、出店まで十年もかかる、二つは、輸入拡大にこれがつながる、三つは、消費者利益だ、四つは、アメリカなど外国企業の出店が今のままではできぬ、こういうふうに大体要約できます。 ところで、第一の出店まで十年もかかる、ここに議事録を持ってきたんですが、海部さんはしょっちゅうそう言うているんです。この論拠は、ほかならぬ通産大臣御自身が四月二十一日の衆議院予算委員会で答弁なさいました。これはレアケースだ、まさにごくまれなケースであると言うことによって、この問題はリアルに戻りました。しかし私が言いたいのは、三月の末に、じゃ本当にどれぐらい期間かかっているのかということを通産省に資料要求いたしましたら、ここに文書で回答をいただいたんですけれども、何と書いているんですか。「届出から出店までの期間の統計につきまして、当方ではまとめておらず、提出いたしかねます」こういう文書回答をいただいたんです。ということは、この中間報告に至る四月初めの日米協議の際に具体的データなしで、十年もかかる、いや八年や、中には十三年もやと、こういう事実と違う認識、こうして臨んでおられたということになるんではないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 後ほど事務当局から説明をいたしますが、この間何か私の方で、データではたしか平均三年半ぐらいというのが出ていたんじゃないかと思います。細かい……
○市川正一君 三十五カ月ですよ。
○国務大臣(武藤嘉文君) 三年弱ですか。
○市川正一君 弱でしょう。三年半と大分違います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 六カ月違う。約三年ちょっとというふうに承っております。
○市川正一君 それはまた後でやります。
○国務大臣(武藤嘉文君) 事務当局は後でいいですか。
○市川正一君 もういいです。 今大臣がお答えになったのはここにその回答も来ています。これはおかしいやないかと言うたら、にわかに平成元年分だけ慌てて出してきました。これはずっとの統計じゃありません。それで、その一年分のものを見ると、平均して約三十五カ月となっています。大臣はなかなか記憶力が確かで三・五年と、こう読まれたんだと思うんですけれども、そういうことなんです。だから、そんな十年もかかっているというのが通常ではなしに、まさに大臣のおっしゃったレアケースなんです。 次に、二番目の問題ですが、大型店の方が輸入製品を多く扱うという主張でありますが、これも具体的にデータはないんです。おおむね大型店が大体三割、その他の小売店が七割という、関西弁で言うと目の子勘定です。大体そういう認識なんです。これについても四月の二十三日の衆議院予算委員会で関西大学の保田教授の研究の結果を正森委員が提起しました。そして、大型店が扱う輸入製品は一二%だということを明らかにいたしましたが、私はこの面からも輸入拡大のためにというのも根拠薄弱だというふうに言わざるを得ぬと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(山本貞一君) 大型店と小型店の輸入比率の点を申し上げますと、今先生言われました大型店については、私ども特っているデータでは、単年度でございますが、大体一一、二%、御指摘のような数字でございます。中小商店につきましては、そういう全体のデータは、大変申しわけございませんが、今まできちっとしたものは統計としてとっておりませんで、輸入統計でもとれませんので今持ち合わせておりませんが、中小企業庁の方でアンケート調査でなされたものがございまして、それによりますと、昭和六十三年度のデータでございますが、外国製品を取り扱っている企業が五四%ぐらい、その中で一〇%未満扱っているものが三七%、一〇%から三〇%未満が一一%、三〇%から五〇%未満の企業が二%、五〇%以上の企業が三%程度と、こういうデータがございます。これからまさに推測というか推計でございますが、大型店と中小商店の輸入比率というのは確かにそれほど違わないように思われます。 私どもは、交渉の過程ではこの点はアメリカには言っておりまして、アメリカもその点は最終的にはデータの争いというようなことで主張したわけではないと存じております。
○市川正一君 確かに大臣も御答弁の中で「私は、中小小売商も一生懸命輸入品を扱っておってくれるところは多いわけでございまして、何も大型店だけが輸入品を扱っているとは思いません。」と、こういうふうに述べていらっしゃることは十分私も承知いたしております。で、きょう出される通達での大型店の輸入品売り場にかかわる特例措置の出店は、今明らかにいたしましたように、即輸入拡大にはつながらないにもかかわらず、輸入品を扱う増床は百平米までは大店法の適用を除外にするといたしております。それ以外の増床は御承知のように五十平米までです。しかし、大店法はもともと国内の業者と外国の業者は差別しているんですか――してないんです。とすれば、これはまさに私は逆差別と言わざるを得ぬと思うんですが、この認識はいかがですか。
○政府委員(山本貞一君) まさに御指摘のように、外国企業であろうと日本企業であろうと、差別はつけておりません。 ただ、今度輸入品につきまして特例措置を設けましたのは、やはり現下の国際情勢なり日米関係なりを配慮して、輸入の拡大を図るという日本の一つの方針、それも頭に置きまして輸入品売りを、百平米ではございますが、具体的な詳細な手続なしに届け出をやっていただくだけでふやしていただく。そのふやすことによって、そこで売られる輸入品はふえる。そういう意味で、私どもはまあネット増というか、その分がネット増になると考えておりますので、今の国際的な情勢にも合う。かつ、それにつきましては周辺の小売業とのそう大きな問題も生じない百平米以内であり、かつ輸入品というのはそもそも地元の商店との間で国産品と比べると比較的競合が少ない。そういう考えから今度ああいう措置をとりあえずというか、五月の通達で取り入れることにした次第でございます。
○市川正一君 輸入拡大に結びつかぬじゃないですか。それをさっきから言うているわけです。 次に、消費者の利益になるという言い分でありますが、大型店の方が中小小売商よりも価格が安いというデータはあるんですか。
○政府委員(山本貞一君) ちょっと古いデータで恐縮ですが、昭和六十二年の総理府の全国物価統計調査報告によりますと、総合で申し上げますと、一般小売店を一〇〇といたしまして、大型スーパーチェーンが九五・七、それから中小スーパーマーケットが九二・二、それから百貨店は、高級品を扱っているという性格あるいは贈答品が多いという性格上と思いますが、一一三・七と、そういうデータがそれではございます。 ただ、この中を見てみますと、食料品はその差が非常に小さいようにあらわれておりまして、申し上げますと、一般小売店を一〇〇といたしますと、大型スーパーチェーンが一〇一・八と、これは大型の方が若干高い。それから中小スーパーマーケットが九七・七と、そういうふうに出ております。一方、被服とか履物とかこういうものを見ますと、一般小売店を一〇〇といたしますと、大型スーパーチェーン店が七四・一、中小スーパーマーケットも七四・一ということで、物によって違いますが、かなりの違いがございますが、総計では、先ほど申し上げましたように、スーパーマーケットの方が若干安いという統計になっております。
○市川正一君 ですから、これも一概には言えぬわけですよ。 今御答弁なさった山本審議官御自身が四月二十一日の衆議院の予算委員会で、食料品や家具あるいは家事用品は一般小売店の方が価格が安いということを答弁の中でお認めになった。しかもその根拠になっているのは、総理府の全国物価統計調査報告に基づく推計でしょう。通産省が実際に調査し試算したものじゃないわけです。それはまあ同じ役所だから総理府のことを引用されて結構なんですが、具体的データは必ずしもないんです、ぴったりしたのが。 私ここに持ってきたのは、経企庁の物価局が出している「物価レポート」です。また、経済白書も出しています。これは、今までスーパーと一般小売商との比較をやってきていたんです。ところが、どういうわけか八二年以降その項目がないんですわ、やりおらぬ。別に疑いのまなざしをもって見ているわけじゃないけれども、しかしそれにしても、これによればやっぱり一般小売店の方が安いという指標も出ているんです。だから、これは押しなべてどっちやというわけにはいかぬ問題なんですよ。それを、いや消費者利益になるのやと言うて、一方の旗ばかり振るわけにはいかぬのですよ。消費者にとっては価格が安いこと、あるいは利便性、多様性等々から見て、日本の今の生活構造から一般小売店の存在はやっぱり必要なんです。ですから、小売店とスーパーや大型店との共存共栄の競争こそ消費者利益に真にかなうものだというふうに私は言いたいんです。 四月二十日の朝日新聞の「論壇」に、流通経済専門のある大学教授が「大店法改廃は「消費者利益」か」と題する問題提起をなさっていますが、その中でこう言っているんです。独占状態になると「競争力が減退し、価格が硬直化し、消費者ニーズへの対応が鈍化する。欧米先進諸国の寡占的な商業構造が好例だろう。それを消費者利益と言えようか。」と、こう問いかけているんです。 商店街振興対策議員連盟会長でもあるとお聞きしている武藤大臣、今やっておられますか、もうやめられましたか。
○国務大臣(武藤嘉文君) もうやめました。
○市川正一君 元会長でもあった武藤大臣に、あえてそういう問いかけを私は試みたいんですが、時間の関係もあって具体論としてお聞きしたい。 すなわち、今指摘いたしました寡占的な商業構造というのは、将来のことではなしに、今日ただいま直面している深刻、切実な重大問題、こう私は思います。特に本日の大店法の運用適正化措置の通達によって、大型店の出店ラッシュを招くことは火を見るよりも明らかであります。 伺いますが、八九年度の第一種の申請件数は幾らでしょうか。また現在、事前説明、事前商調協の審議中のものは幾らでしょうか。件数だけお答え願いたい。御連絡していたと思いますけれども。
○政府委員(山本貞一君) 八九年度の第一種大規模小売店舗の届け出でございますが、三百三十二件でございます。それから、今の出店表明から三条届け出前までのものにつきましては一千弱ございまして、三条届け出以降手続中のものが五百程度ございます。
○市川正一君 わかりました。通産省からいただいた資料を私どもの方で整理いたしますと、一九七四年から一九八八年度までの間に三条届け出が第一種で五千六百六十六件、そのうち出店したものが四千二百四十七件です。その差の千四百十九件が算術計算をいたしますと現在事前説明あるいは事前商調脇の審査中ということになります。そこへ今お答えのあった八九年度の申請三百三十二件を加えますと、千七百五十一件ということに相なります。 今回の通達は出店調整処理期間を一年半にするわけですね。そうしますと、これを五月三十日から実施するというその結果、通産省の強力な行政指導のもとに一年半以内に出店調整を終了させていく、すなわち来年の十二月までには全部出店できるということになるわけです。そうでしょう、基本的には。 さらに、次期国会には、出店調整期間を一年以内にする大店法改正を実施するとも、大臣が骨組みは残して換骨奪胎というのはこれかもしれませんが、ということも伝えられている。そうすると、七九年度から八八年度の十年間の出店は合計千六百一店舗、千七十八万七千平米ということに相なります。これにほぼ相当するものが一気にこの二、三年の間に出店するということになり、大型店のシェアは現行の約三〇%から四〇%に拡大する、こういう事態を迎えるという認識を大臣はお持ちなんでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 必ずしも全部あくまで出店を認めるんじゃなくて調整をするわけでございますから、そしてまた、今度の出店調整でどうしても話がつかないときは大店審に上げていただこうということも私どもは言っておるわけでございますので、今のまま全部が全部認められるかどうかというのは、これは私はまだわからないと思うんですね、やってみないことには。 あるいは、その床面積にいたしましても、あくまで調整をするわけでございますから、これはそれぞれのやはり商調協におかれましていろいろ調整をしていただくわけでございますから、その点のところも、それが物すごく大きくたくさんできる、今出ているものが必ずしもストレートに全部認められるとは考えておりません。
○市川正一君 いや、通達が三時に出ると言うから、その中に出ていますやないか。一年半という、いわば枠が決められてしまう。そして、実際には今まで地元が中心になっていたのが行政指導によって、言うなれば見切り発車していく。そういう軌道が用意ドンで三時にピストルが鳴るんです。 立ち入ってお聞きしたいんですが、今回の通達では八二年―八四年の出店抑制措置で実施した相当水準地域、先ほど同僚議員が御質問にもなりましたが、小規模市町村ですね。ここでの出店抑制地域での抑制制度は存続するんですか、せぬのですか、ひとつはっきりお答え願いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほども御答弁を私は抑制地域と言ったら、こちらから特定地域と、こう言うのが正しい、こう言ってくれたんですが、いずれにしてもそういうような地域の問題については、その形は残すわけでございます。
○市川正一君 形は残す。そうするとまた、形は残すけれども、中身はもう骨抜きやということになると私は思うんですが、時間が迫ってまいりましたので……。 そこで、店舗面積や開店日などの調整は商調協もしくは大店審でやられることになるんですが、その結論に同意できない消費者や周辺小売商の意見を反映する保証はどこにあるんですか。また、通産省に対してどういう措置がとれるんでしょうか。
○政府委員(山本貞一君) 調整の過程で、今若干不十分だという御意見もございますが、地元あるいは消費者の方々の代表に入っていただきまして、そこで御意見をいただく。それから、話し合いがつかなかったものにつきましては、大規模小売店舗調整審議会にかけて調整をしていくという形にしております。 あと、出店者なりあるいは利害関係人がそういう結果について、過去たしか私の明確な記憶じゃございませんが、訴訟された例もございますが、そのケースの場合については、明確に大店法というのは、例えば一万平米つくりたいという当初の申請があれば、それを的確に認めたものでもないので、訴えの利益かないというふうに判断がされております。 一方、消費者の方からも同様な観点から、それについては削除されたのが不満であるということで、訴訟とかそういうものにはなじまないのではないかと考えるということです。
○市川正一君 そこを結局大店法の七条二項で意見の申し出はできる、それだけですね。もしその意見が受け入れられない場合はそれでアウトです。そうでしょう。通産省の行政指導でやるから、行政不服審査にかけることができるのか、あるいは大店審の結論に対して裁判を行うことができるのか、そうしたらなじまぬとおっしゃる。それはそうです。今までそういうことになっておるんです。例えば岩手県の江釣子ジャスコの場合は原告適格性がないということで門前払いにされてしまっているんです。そんな殺生なこと、これはもうむちゃです。私は、もう時間が参りましたので、いろいろありますがこれまた次の機会にさせていただくことにして、結局、調整期間を一年半と枠を決めて見切り発車をしていく、それが今回の通達のねらいやというふうに私は言わざるを得ぬのです。 そして、このことと関連して、先ほど同僚議員もおっしゃったけれども、日本の大店法というのは売場面積と開店日と閉店時刻と休日日数のこの四項目なんです。大臣はさっき都市政策や町づくりの問題にちょっとお触れになったけれども、しかし、こういう町づくりとか都市政策の視点からの調整なり規制というのは本来欠落しておるんですね。ですから、自治体や住民が町づくりあるいは環境問題、交通渋滞などについて意見を反映していくために条例や指導要綱で規制をしているというのが現状なんです。ですから私は、それぞれの自治体かつくっている条例、あるいは横出し規制ですね、これは専門用語で恐縮ですが、そういう積極的な意義を認めて、そういうものをさらに育成していくということを図るべきだ。 私は最後に、小売商の方の振興と育成、消費者の利益、都市計画に基づく町づくり、この三つの調和を図るという立場から、大店法の廃止とか運用緩和ではなしに、許可制を含む自治体に大幅な権限を与えるべきであるということを主張して、まことに意を尽くしませんが終わります。ありがとうございました。
○池田治君 日米関係につきましては先輩議員がいろいろ質問をなさいましたので省略させていただいて、私は日ソ関係についてお尋ね申し上げます。 昨年の九月か十月に外交安全保障調査団の一員としてソビエトへちょっと行かしていただきました。その際、ソビエトで政府高官からお聞きしましたのは、ソビエトは大兵力の削減をする、そして国際紛争を解決するためには武力の行使は一切しないということを繰り返し繰り返し申されて、ペレストロイカの進行に一生懸命で、他国の侵略はしないと、こういうのが高官の公式な場面での発言でございました。そして私的な場面になると、日本から企業がどこか進出してくれるところはないかなと、こういう財界に対する要望がございました。 それもそのはずです。ホテルに泊まってももう石けんも置いてありません。相当政府高官のお泊まりになるホテルでしたけれども、そこにも石けんはございません。そうして、私はちょうどウオッカを飲み過ぎたためか、水が悪かったためか知りませんが、クレムリンで会談中トイレへ行きたくなりましてトイレへ行ったところ、そこの紙がまたかたい。所信表明演説の表紙のようなかたいのがクレムリンの中に置いてあります。これはゴルバチョフさんも内政も大変だが、便所の中も大変だなと、こう思った次第でございますが、そういうことから消費財が不足しているということは身をもって体験してまいりました。 そこで、ソビエトについてお伺いいたします。 去る五月十六日のガット理事会では、ソ連のガットのオブザーバー参加が承認されております。この参加の理由の一つには、自由市場経済へ移行するために勉強したいというのが目的だろうと思っておりますが、さらに将来は正式加盟したいとの意向も表明していると伝えられております。 そこで、通産大臣にお伺いしますが、将来のソ連のガット正式加盟はあるのか、また正式加盟のための条件はどういうものを西側諸国は要求するか、この点についてお教え願いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) ガットへ入っていただくためには、やはりあくまで自由貿易体制また市場原理を国内の経済では導入をしていただく、そういう体制が確立しないことには、ガットの加盟国もなかなかこれははいよろしいよというわけにはいかないんじゃないかと私は思いますので、その辺は、ソ連自身がこれからどういう形で社会体制をお変えになっていくかということにかかっておるのではなかろうかと存じます。
○池田治君 ガットの目的は、自由多角的な無差別な国際貿易の実現をしようという自由主義経済諸国の目的にあろうと思います。その前提には、やはり自由主義のメカニズムが機能してないとガットに加盟はできない、これは通産大臣のおっしゃるとおりだと思います。 そこで、この自由市場経済の導入を目指すためには、ソビエトはペレストロイカがどうしても成功してもらわないと加盟はできない、こう思います。我が国は、このペレストロイカの正しい方向性を支持して、どんどん進行していくことを祈っていると、予算委員会等でも答えられておりますが、これを黙って見ているだけで済ますのか。もっと積極的にソビエトのペレストロイカに対する支援の方法はないものだろうかと、こう私は考えておりますが、通産大臣のお考えをお聞かせ願います。
○国務大臣(武藤嘉文君) ペレストロイカを支援するということは日本の政府として既定路線でございますから、それはもう今後もそのように支援していきたいと思いますけれども、今のお話は、それならばそれが成功するように何らかの経済的な援助をしたらどうかと、こういうことではなかろうかと思いますが、そういうことになってまいりますと、日本の場合にはやはりまた北方領土の問題がございまして、政経不可分の原則を今のところはとっておりますので、その辺がどういうことで――もちろんできる限りの経済協力はするのが当然でございますけれども、あくまでその政経不可分の原則を無視してまでやれないというのが私は日本の現在の実情であろうと思います。
○池田治君 政府としての特別な支援というのはソビエトも期待はしておらないと思います。ODAのような発展途上国並みにソビエトを扱うのは、ソビエトにとっても大変失礼な話だろうと思いますので、そこまでは期待しておりませんけれども、日ソ間の貿易をやりやすいような環境づくりということは必要なんじゃないかと思いますが、この点について、通産大臣、何かお考えはございませんか。
○政府委員(畠山襄君) 大臣が申し上げましたように、政府の支援は政経不可分という原則でございますけれども、他方、委員御指摘のように、ペレストロイカの方向性を支援していくことは必要でございますので、私どもといたしまして具体的にソ連の、例えば経済改革調査団を受け入れるというようなことは、そのペレストロイカが求めておりますものが、一つは市場経済ということでございますから、その市場経済とはどういうものであるかというようなことを向こうに知識を伝授といいますか、伝えますためにも必要でございますので、今申し上げたソ連の経済改革調査団の受け入れあるいはその他の生産性向上のための協力プログラムとか、そういった面での協力を積極的に実施していく考えでございます。
○池田治君 その点はまた後でお尋ねしますが、現在といいますか、一九八九年末でソビエトの対外債務は二百八十三億ドルあると言われております。このソ連の西側諸国に対する輸入代金の支払い遅延、こういう問題も大きな問題となっております。これまでの遅延した機関は地方機関や地方の企業レベルでありましたけれども、最近は中央の公団にまで広がっていると伺っております。また、この原因が各企業や公団の貿易権限の拡大など改革に伴う過渡的な現象、すなわち計画経済から自由主義経済への移行の過渡的な現象であろうかと、こう言われておりましたけれども、それだけでもない、改革全体に誤算があったのではないか、こういう見方もあるようでございますが、通産省はどのように見ておられますか。そしてまた、もう一つ。ソ連の対外債務、輸入代金支払いが今後どのような形になると見込んでおられますか。見込みで結構でございます。
○政府委員(内藤正久君) 今先生御指摘のとおり、ソ連の代金支払いに遅延が生じてきておりますが、その原因あるいは今後の見通しについては現在いろいろ調査中でございます。したがいまして、現時点で我々の集めておる情報で申しますと、まず一つは、先生御指摘のように、ペレストロイカへの移行期の中で中央の公団、地方の公団合わせまして一方四千ぐらいございますけれども、それに直接貿易を行う権利を与えた。しかし、どれだけの外貨があるかということの見合いなく輸入をしたために混乱が起こっておるのであるということが一つ。それからもう一つは、ことしの第一・四半期に消費財の輸入を非常に多くやったということで一時的な混乱であるという説明をソ連側から受けております。 ただ、ソ連側の公式の説明以外にいろいろな情報の中で、御指摘のようにそれ以上の問題点があるのではないかという西側からのいろいろな情報もございます。したがいまして、その真実の姿ということは必ずしも把握いたしかねておりますけれども、我々としてはその動向を十分に注視していきたいというふうに思っております。
○池田治君 この二百三十八億ドルの対外債務のうち、日本に対する債務はどれだけあるのですか。そしてまた、何か不明な点があると今言われましたけれども、これはペレストロイカの進行がどのように発展していくか、一説によると、ゴルバチョフも暗殺されるのではないかとか、ペレストロイカも途中で挫折するのじゃないか、これは西ドイツで聞いた話ですが、そういう説もあるようなので、こういうことを御心配なさっているのかどうか、この点お尋ねいたします。
○政府委員(内藤正久君) 我が国に対する債務額、必ずしも全体として把握いたしておりませんが、我々の運営いたしております貿易保険の観点で申しますと、現在保険の責任残高は約三千三百億程度でございます。なお、現在支払い遅延が生じております金額を民間団体の調査で調べてみますと、対ソ貿易のカバレッジは大体八〇%と見ておりますけれども、その段階で二億五千四百万ドル程度が現在の遅延額でございます。 それで、今後の動向の中で今我々が支払い遅延を考えます場合に、経済的な状況と政治的な状況あわせてございますが、政治的な状況については可能な限り情報を集めるということで、御存じのとおり、ゴルバチョフはなお今後とも活躍をし続けるという議論もあれば、ワインバーガー元国防長官のように年末にはもう権力を持っていないのではないかという両面の議論もありますし、そこのところしかとはわかりませんが、我々そういうふうな情報も含めていろいろ集めていきたい。ただ、経済的には多くの議論が――消費財の需要が非常に多いという中で生産等がうまくいっていない、したがって現在の停滞的な状況から、より縮小の方向へ向かうというふうな情報もございます。いずれにしても、これは確認のできていない情報でございますので、可能な限りの情報を集めて注視していきたいと思っております。
○池田治君 今保険の問題が出ました。輸出保険というのは私も詳しいことはよくわかりませんけれども、新聞等によりますと、鉄鋼とか化学品などについての輸出額の〇・〇一%が今までの保険料だったけれども、これを〇・〇二%に引き上げる、こういう報道を見ました。この保険料をだんだん上げられますと貿易をしようとする人たちが保険料が高いので利益がないから貿易しなくなってくる、貿易抑制策と一致するんじゃなかろうか。こういう心配もしておりますが、それより先に、保険を支払わなければならないような危険な状態があったのかどうか、保険事故が何件ぐらい生じているのか、これもお教え願いたいと思います。
○政府委員(内藤正久君) 現時点で保険金の支払いという事故には至っておりません。しかし、支払い遅延があるということで約款に基づきまして損害発生通知が出てまいります。現時点における損害発生通知の総額は保険金額ベースで四十一億円でございまして、それは保険価額ベース、要するに貿易の契約で割り直しますと、約百二十億円程度というふうなものが支払い遅延の状況になっております。 それで、先生の御指摘の料率を引き上げたのかという点でございますけれども、貿易保険の運用の中ではいろいろ保険料率を国ごとに、地域別に決めておりまして、それで従来ソ連は最優良国ということで非常に安い料率で引き受けておったわけでございます。それを今回最優良国から通常の優良国へ移しかえたということでございまして、そういう意味の運営操作というのは世界の保険機関どこでもやっております話でございますし、日常の運営の一環でございます。
○池田治君 ということは、保険の扱いを最優良から普通の方へかえたということは普通やっておられることでしょうが、ソビエトから見れば、信用があったのが少し落ちてきた、こう解釈してもよろしゅうございますね。
○政府委員(内藤正久君) 支払い遅延という現実の事実があるわけでございますので、それに見合った保険運営上の対応を図っておるというのが我々の立場でございますので、ソ連の方からどう評価されるかというのは、ソ連自身がいろいろ評価されることだと思います。
○池田治君 そこで、支払い遅延で保険の支払いがなされたということですが、保険事故という特別の事故はなかったということで安心しておりますけれども、支払い遅延で保険金を出した場合には、後日その支払いがあった場合にはまた保険金の回収という形をとられるわけですね。最優良から普通の取り扱いにしたというのは、そうすればまた最優良に上がってくる可能性もあるわけですか。
○政府委員(内藤正久君) 現実の状況に応じて運用を変えてまいりますので、従来と同じような最優良国扱いにできる条件が整いますれば、もとへ戻るということでございます。
○池田治君 ペレストロイカを支援するために、口だけではしようがございませんし、また支払いもできないのに輸出するわけにもいかない、通産省も大変お悩みだろうとは思いますが、民間企業がソ連に製品を輸出しやすい環境づくりを行う必要が私はあろうと思うんです。 そこで、保険理論の点からは保険料の値上げはやむを得ないとしても、広く国際経済の視点から保険料の値上げにかわる何らかの対応はできないものかどうかと考えますが、これはいかがでございましょうか。特に今度の東西の話し合いによる世界平和ということが問題になっておりますけれども、これもまたペレストロイカの成功いかんによってどうなるやわからない。こういう点もありますので、我が国としてはペレストロイカ支援というものに積極的にもっと出ていくべきだと私は考えておりますので、保険料にかわる何らかの方法があればお教え願いたいと思います。
○政府委員(内藤正久君) 保険は、先生御案内のとおり、貿易保険法の中で収支相償った形で運営するということが基本原則になっております。したがいまして、一つは保険料を上げるという選択のほかに、保険にかかってくる母数を広くするということによって運営が健全化されるという面がございます。そういう点につきましては保険全体の運営として昨年度来そういう方向で努力をいたしてきております。それからもう一つは、一昨年国会で資本増加をお認めいただきましたけれども、一般会計からの繰り入れをして基盤を強化するということがございます。しかしあくまでも基本は、保険は保険理論にのっとった収支相償うというベースのもとで、非常に特例的な場合にのみ資本繰り入れを行うということかと思っております。 したがいまして、例えば債務国からリスケジュール(債務繰り延べ)の要請が非常に相次ぐという中でリスケの金利を従来より非常に低下させるとか、あるいはリスケの回収率が低下していくとかそういう実態がある場合、あるいは最貧国の債務救済を国際的に合意するような場合、そういうものの補てんとして資本金充実をいたしたものでございまして、それ以外の個別の特定国の支払い状況に応じてそれを補てんするための資本金増額というのは、国会でお決めいただいた法律の考え方にも合わないし、従来からそういう考え方はとっておりません。
○池田治君 考え方はよくわかりましたが、現在政府は、特に海部さんがこの前東欧諸国に行かれて、ポーランドとかハンガリーには既に経済的な援助も大々的に行うということも宣言されております。それに対しても、経済改革調査団の受け入れをする程度でなくて、東欧と同じような支援策はとっても私は決してやり過ぎではないんではなかろうか、こう思っております。 特に、一般会計からの保険金の繰り入れですか、この問題は私は別に法律を使わなくてもそのままで通産省の押しの強さだけでやれる問題ではなかろうかと思いますが、大臣はどうお考えになりますか。
○政府委員(内藤正久君) 運営を健全化するという観点からいえば、資本金増額は基本的には一つの重要な柱だと思っておりますけれども、ただ財政当局との交渉の中で財政の節度の接点がございますので、やはり一つの考え方に沿った形で対応を図っていくということかと思っております。
○池田治君 まあ頑張ってやっていただくようお願いします。 終わります。 〔委員長退席、理事中曽根弘文君着席〕
○井上計君 質問の前に大臣に申し上げておきます。 大臣、けさから大臣のお顔を見ていると随分お疲れのようです。若さと健康を常に誇っておられる大臣にしては非常にお疲れだなという感じがします。衆議院からずっと長い間の予算委員会で、あるいはその間日米構造協議問題やら大店法の御苦労やらお疲れは当然だと思いますけれども、ぜひ十分御自愛をいただかないと、実はさっきから思い出しているんですけれども、八年ほど前であったと思いますが、山中大臣が、この委員会が終わって委員会からすぐ成田へ行かれて、何の会議でしたか出張されて、そして海外出張中に健康を害して、その後大臣を辞任されてずっと静養されたということをさっきから思い出しておるんですが、どうかひとつ十分御自愛をしていただいて、いつまでもひとつ若さと健康を誇っていただくように、これは質問の前に要望しておきます。だから、一問だけ大臣にお尋ねをして、後はもうお休みいただいて結構ですから。 四月四日であったかと思いますけれども、予算委員会で、暫定予算の審議でありましたが、私が大臣に、当時まだ日米構造協議の中間報告が出る以前でありましたが、大店法の問題について中小小売商が大変な不安とそうして不満に今おののいておる、だからぜひその中小小売商が少しでも不安を和らげるように、不満が少しでも減るように特別な対策を講じていただきたいという要請をしました。また、そのときに大蔵大臣にも、それについてひとつ格別の予算の配慮をしてもらわぬと困ると申し上げて、たしか大蔵大臣も通産大臣と相談をしてと、こういうお話があったと、こう思います。 その後通産省では、この大店法の問題等についていろいろと施策を発表され、また対策を講じておられまして、かなり中小小売商も安心はしておるようですが、まだまだ大きな不安が残っておりますが、そのときに大臣がお話しになりましたけれども、今後の商店街のリフレッシュ対策であるとか、あるいは個店対策等について抜本的なことを検討していこうと、こういうふうなお答えをいただいたんですけれども、その後そういう進展の中でさらに具体的にどのようなものをお考えになっておるかどうか、このことについて大臣からお答えをいただきたい、こう思います。 〔理事中曽根弘文君退席、委員長着席〕
○国務大臣(武藤嘉文君) 大変私の健康まで御心配いただいてありがとうございます。 山中先生と私と違いますのは、山中先生は糖尿病が持病でございまして、私は幸いそういう持病を持っておりませんので、多分大丈夫だろうと思っておりますけれども、まあ何にしても健康には注意をさしていただきます。 今のお話でございますけれども、けさほどから二回ばかり私お答えをさせていただいておりますが、やはり実際問題として地方の商店街を私ども時たま見させていただいておりますが、特に夜間などこのごろは早くお店をおしまいになってしまっている商店街がたくさん地方にあるわけでございます。しかし現実にはまた、消費者の皆さんはどちらかというとこのごろは結婚されてからも職場にいらっしゃる御婦人もだんだんふえてきておりまして、どうしてもこういう共稼ぎの御家庭のことを考えれば、商店街というのはできればやはりもう少し遅くまでお店をお開きをいただいている方が、私はそういう共稼ぎのおうちなんかにとってはいいことではなかろうかと思います。しかし、現実には後継者がなかなか育ってこないということもあって、商店街が案外このごろ活性化を少し阻害されておられるわけでございます。 こういう点を考えても、この大店法の今度の問題が起きてきたからどうこうだけではなくて、まあ正直、そろそろ思い切った対策を考えなきゃいけないと思っておりましたときにこういう問題が起きてまいりましたので、財政当局というのは何か大きな問題が起きないとなかなか理解を示しませんけれども、幸いこういう問題が起きてきたので私も大蔵大臣に話をいたしまして、大蔵大臣もぜひこれはやらなきゃいけない、海部総理もぜひともひとつ財政当局も協力をしてほしいということのアドバイスもございまして、財政当局も今回のこの大店法に関連しては、いろいろの施策が具体的に固まってくればできるだけそれには協力をしたいと、こういう姿勢に今いるわけでございます。 そこで、先ほど来例えばということで私は申し上げたわけでございますけれども、いわゆる横に長い商店街、そしてそこには駐車場かないとか、まあ物を買いに行くだけであって、そこでは生活の潤いを求めようとしてもないとか、いろいろそういうお話もあるわけでございまして、街づくり会社構想あるいは最近はハイマート構想であるとか、いろいろ通産省も新しいアイデアを考えてきておったのでございますけれども、たまたまこういうものとうまくひとつ結びつけて、そしてそれに思い切って大蔵省からの財政的な予算も獲得し、あわせて建設省の都市再開発の予算とかあるいは区画整理の予算とか、こういうものもそれに加えていただき、地方自治体ではいろいろまたふるさと創生論というような形で地域の活性化のために思い切った施策をやろうという今自治体のそういう考え方もございますので、そういうところにはできればそういう予算あるいはそれに伴った地方債とかそういうものも活用していただいて、思い切った金をひとつ新しい商店を含めた町づくりに使えないだろうかということで三省協議をこれから始めようということになっておるわけでございます。 その中身としては、先ほど申し上げたように、ひとつ第三セクターでもつくって、それでデパートのようなビルとマンションみたいなものと、そしてそこへできるだけ多くの商店街の皆さんに入っていただく。そして、そこでまあ必要のなくなった商店についてはできるだけそこをひとつ駐車場あるいは文化施設あるいは公園なりに使わしていただくようにお貸しをいただくというようなことをしていきたい。そして、それでもなおかつそういうものには乗っかっていけないという方も中にはおありだと思いますので、そういう方については、転廃業の何らかの資金手当てをさせていただくというようなことをやらせていただいたらどうだろうかというのが、まだ三月ごろでは固まっておりませんでしたけれども、今大体の方向としてはそんなような方向でこれから年末に向けていろいろの施策を私ども固めていきたいと、何とか中小の小売商の皆さんにこの機会に安心してというか、喜んでいただけるような施策を固めていきたいと、こう考えておるわけであります。
○井上計君 あと中小企業庁長官にお尋ねをしますから、あなたはお聞き取りだけいただけば結構です。 今大臣からいろいろと具体的な施策についてお話をいただきました。大いに期待をいたしております。 そこで、今のお話の中で中小小売商業対策といってもいろんな広範囲に特にこれからわたっていくと思いますし、また新しい商業集積地づくりも考えていかなくちゃいけません。そこでこれはむしろ私は私見を申し上げ、提案を兼ねますけれども、一つは、今大臣のお話のように、現在ある商店街あるいは商業集積地を残して、そしてそこを活性化するという場合と、新しい集積地をつくるという場合とあるわけですね。その場合、やはり私が考えておりますのに、新しい集積地をつくる場合に、例えて言うと、現在の商店街をそのまま残しておく、新しい集積地は公園とかいろんなところの近くに、仮店舗とは言いませんが、仮店舗のようなものをつくって共同体、共有体のような施設をつくっていく場合に高度化資金を使いたいんですけれども、現在の高度化資金では店舗を残したままでの新しい共同施設については、これは無利子融資がありませんね、これもひとつ考えていったらどうであろう。そういう場合の事業団融資、高度化融資あるいは中小公庫の融資についても考えていったらどうであろうか、これを改正したらどうであろうか、そうすると、いわば中小小売商が不安なく次の新しい集積地をつくるために参加できる。それがよければまたそういう現在の商店街の再開発にも持っていけるであろう。これは一つの提案ですが、ぜひひとつお考えをいただきたい。 それから、いま一つは、夜の商店街がもうどこでも大変寂しいんですね。今大臣がお話しになりました。特に大臣も御承知でしょうが、これは大木委員もおられますけれども、私の選挙地元の名古屋市は夜七時過ぎたらもう商店街は真っ暗で死の町ですよ。というのは、商店街の目抜き通りに銀行あり、証券会社あり等々、みんな閉めるわけですから。以前、二十年ほど前までは、歩道がかなり広いですから露店を出していまして非常ににぎわったんです。ところが、その後市条例なんかで露店を全部禁止したものですから、全く人が出てこなくなった。私は、それぞれ市の条例等いろいろありますし、まあ保健衛生の問題あるいは交通問題等々いろいろありますけれども、ある意味では昔の夜店のような露店を出していいと、特定地域に限ってですけれども、そういうふうなものをむしろまたやるようなそういう指導が活性化のために必要ではなかろうか。これも一つの提案です。 それからもう一つは、大型店が進出をして中小小売商がだめになったという宣伝は随分方々であります。ところが、共存共栄をして成果を上げてよくなったという宣伝は余りないんですね。知らない人が多いんです。古くはもう四十年近く前になりますけれども、私も若干そのときに関係しましたが、東京の武蔵野市吉祥寺の駅前北口商店街の再開発、これは伊勢丹という大型店を中心としてあの商店街の再開発をやって見事に成功したわけですね。こういう例がほかにもあるんです。 それから、最近ちょっと新聞で見たところですけれども、滋賀県の長浜が、長浜楽市という秀吉時代の市を再現したような形で、非常にまた大型店を核にして成果を上げておるという新聞報道もありますけれども、大型店を中心としてそのようないわば共存共栄の成果を上げているそういう商店街もあるわけですね。それらのものを、資料を何かひとつつくられて、ぜひ中小企業庁、通産省が、そういう不安を持っておる中小小売商あるいは各地域の商店街にもっと十分PRをされたらどうかなと、これはひとつ提案を兼ねてお尋ねをするわけですが、どうでしょう。
○政府委員(見学信敬君) 大変ありがたい御提案をいろいろいただきましてありがとうございました。 先生御指摘のとおりに、新しい商店街づくりというのは、例えば全く新しい郊外、場合によっては高速道路沿いであるとか、いろいろな新開地を求めて出ていこうという動きもございますし、またそこへ大店舗も出てくる、そして共存共栄の形にしようではないかというような動きもございます。また、中小企業だけで行こうという動きもございます。あるいはまた駅前を中心とした旧来の商店街が、新しい動きに対抗してと申しますか、リフレッシュをしようというような動きも当然あるわけでございます。 御案内の中で第一点の、小売業の言うならば集団化のようなもの――工業、製造業の集団化として団地政策があり、そして卸売についても卸売団地という形で集団化政策がある。ところが小売業については、旧来の商店街をいろいろ改造するという高度化資金はあるけれども、ちょっと離れたところへ集団化をしよう、こういうような町づくりをしようというのはないではないか、御指摘のとおりでございます。全くその方向で私どもも一つのメニューとして考えたいと思っておるところでございます。現在のところ、共同店舗のような形で、全く新しい場所であることもあり得るんですけれども、いわゆる集団化としての町づくりのような、平面の少し広い、そしてそれぞれの個店がたくさん入っていく、こういったような小売業者を中心とした町づくりを集団化の形で高度化資金を見ていくという制度は、残念ながら今のところ御指摘のとおりないわけでございまして、そういったものが一つの大きなポイントだと思っております。検討をさせていただきたいと思っている次第でございます。 それから、共存共栄のお話がございました。今申しました共同店舗のような形で高度化資金を出すときに核となる大企業、大店舗が入って、そして旧来の中小企業の方が一階に専門店的にわっと入る、こういう形式というのは相当ございます。既に事業団融資で数十を数える例がございます。たしか五、六十あると思いますが、これらについては非常に成功例が多うございます。そうしますと集客力も非常につきますし、非常に目をみはるような改善をされている例がございます。 そして最近では、そういったものをVTRにとりまして、事業団のVTRでございますが、町づくりのための診断指導に使う。それを、五つ六つの例を入れて、どういう形でそういう町づくりというか、商店街というか、一つの共同店舗がつくれたかというような例を言い、そしてその運営についての最大の問題点、そういったものについても事前にお店の方々に勉強してもらうという意味でのVTRをつくって、現実に診断指導に活用をし始めているところでございます。なかなか商店街もたくさん数多うございますから、先生御指摘のようにPR不足なところがございます。そのほかにも、商店街全般にわたって、近代化をした、大きな町づくりをしたものについて、上下二冊になった立派なパンフレッドで全国について本当に商店街の模範例のようなものをやはり事業団でつくらせております。これもこれから商店街の近代化に取り組む人たちのためにつくっております。まだまだ不足していると思います。先生御指摘のとおり、そういった共存共栄の形のものなどを中心に大いにPRをし、商店街の方々に大いに考えていただこうというふうに考えております。 たまたま先日、補正予算を通していただいたところでございますが、昨年度の補正予算で商店街対策として大きな予算をつけていただきました。国費で二百六十億、そして地方からはほぼ同額のものを出すというような形で県域につくる。これがしたがって、各県平均しますと十億ぐらいの単位の基金をつくる、そしてそれを目減りしないように運用益でもって、商店街がソフトの形で勉強をしてもらう、そして新しい近代化に向けてそれぞれが勉強するための、例えばコンサルタントの方を呼んでみんなで勉強する、そういう勉強代に補助金をつけよう。こういう発想のもとにちょうどできたところでございますし、こうしたソフトのお金を十分に使いながら、かつ、この大店舗法の改正を控えておりますので、そういったこともありまして、商店街への大きな影響をよい方向に、商店街が近代化し、流通が近代化し消費者のためにもなるような形に、そういうふうに指導を持っていきたいと思っている次第でございます。 それからもう一点ございました。夜の町になってしまっている、それが寂しくなっている。昔は路面に縁台でも置いてというようなところがございましたけれども、町が早く暗くなってしまうということが、確かに各商店街の大問題でございます。 その一つは労働者対策で、やはり夜遅くまでするわけにはいかぬなという社会情勢がございます。ただ、お店の長さと労働時間というのは、どっかで切り離せるものなら切り離したい。つまり、交代制をしけばできるわけでございます。ところが、小さいお店では交代制まではなかなかいかない、こういうジレンマがございます。ある程度交代制ができるところはやっていただくということに当然入っていくべきだと思います。 それから、おっしゃるように、地域に限っては路面を使うというような御提案、これについては実は私の頭にはございませんでしたから、早速勉強させていただきたいと思っております。 なお昨年来、設備近代化資金を対象に、その商店に対してシースルーシャッターのようなものを中心とした設備改造資金を出すようにいたしました。つまり、夜中も電気をつけてシースルーでショーウインドーは明るくなっている、こういった設備をすることによって商店街が真っ暗にならないで済む。そして、言うならばウインドーショッピングをその明るさの中でやっていただく、こういったことも商店街には必要ではないかということを考えまして、新しい試みとして入れたところでございます。方向は先生の御指摘のとおりでございまして、そういったものを今後とも拡充してまいりたいと思っております。ありがとうございました。
○井上計君 終わります。
○今泉隆雄君 先日の大臣所信表明の中で、生活のゆとり、心の豊かさということを再三にわたっておっしゃっておりましたけれども、大臣がお考えになっていらっしゃる生活のゆとり、心の豊かさ、それは具体的にどういうものをお考えになっていらっしゃるか、また通産省として、そういうものを豊かにするためにどのような産業を振興させようとなさっていらっしゃるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) やはり国民一人一人がそれぞれの価値観に基づいて自分の好きなライフスタイルができて、そしてそれでゆったりとした気持ちを持って生活をしていけるというのが、ゆとりのある私は人生ではなかろうかと思います。 それじゃ、それに対してどういうことをしていったらいいのかということでございますけれども、現実には、まず一つは、やはり労働時間が非常に長いというか、日本人は働き過ぎだと。そんなに働かなくてもそういう生活がもっとエンジョイできるようなことをしていくというのが一つだろうと思います。 それからもう一つは、特に都市においてそういう傾向が強いと思いますけれども、外国から言われているように、ウサギ小屋と言われるようなそういう狭いところで暮らしていかなきゃいけない、もう少しゆったりした部屋を持って暮らしていけるようにしたいということをやっていく。そういう居住の環境をよくするということにこれから努めていかなきゃならぬだろうと思います。 それからもう一つは、やはりそうでございますね、一人一人が一生懸命働いたらそれに見合った何らかの報酬が得られるというか、とにかく働けば本当に自分が働いてよかったなというような実感を持てるような報酬というかあるいは給付というか、そういうものが得られるようなことに日本の産業界をもっていかなきゃいけないんじゃないだろうか。そんなことを通産省としてこれからやっていけば、今のようなそういう生活が皆さんにしていっていただけるんじゃないか、こんなように考えております。
○今泉隆雄君 非常に結構なお考えだと思いますが、これはやはり日本だけじゃなくてアジア諸国、今韓国の大統領がいらしていますけれども、そういうところにも広めていかれるようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今ODAのあり方を私どもいろいろ再検討させていただいておりますけれども、やはり今まではどちらかというと国土の開発のために役立つようなプロジェクトが中心であったかと思うのでございますけれども、しかしODAの本当の考え方というのは、もっと人道主義に基づいて私はできてきた制度だと思いますので、そういう面でもっともっと民生安定のために役立つようなことにODAのお金は使われていくべきだと考えておりまして、そういう意味合いにおいては、今のような生活をアジアのそれぞれの国においても皆さんがエンジョイしていただけるような方向に私は努力していくべきだと考えております。
○今泉隆雄君 ODAのお金はそういうことで非常に結構だと思いますけれども、この間、首相が第二次世界大戦は侵略戦争であるということをはっきり申されました。それは、軍事的な意味の侵略であったということであったと思います。ところが、これは大臣は御存じないでしょうし、恐らくここにいらっしゃる委員の方も御存じないでしょうけれども、今タイでは「イーブン・ユン・ピー」という歌が非常にはやっております。この「イーブン・ユン・ピー」の「ユン」というのは日本軍という意味を皮肉に言っている歌なんですが、その日本軍というのは、エコノミックアニマルという意味での日本軍という意味なんだそうです。 それで、現在韓国とかマレーシア、タイなどに日本の企業が工場をつくって、非常に安い賃金で現地の人を雇っているということで、韓国なんかの労働者がストライキをしたり、御存じのように最近非常に問題になりましたし、そういうことがしばしば行われていまして、それからファックス一枚で首になったりとかという事件があります。これはやっぱり私は経済的侵略と考えているんですが、こういう企業が海外に進出するについての規制する法律、またそういうものの監督というものはほとんどなされていないのが現状ということの話を聞きましたが、そういう企業に対して、今後のことに関して大臣のお考えはどういうふうになっているでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私ども、海外へ企業が進出していただくことは、貿易のインバランスの解消からいっても結構なことでございますし、それぞれの国の経済力を強めていただくという意味においても結構なことかと思いますけれども、また逆にそれぞれ海外に進出された企業がその地域社会でトラブルを起こされるようなことも、これまた好ましくないわけでございます。やっぱりそれぞれの国の地域社会が、日本企業に来てもらってよかったと、こういうふうに思っていただかなきゃならないと思います。 そういう面で、昭和六十二年でございますか、もう三年ほど前に経済七団体でいわゆるよき企業市民であってほしいということから、海外投資の行動指針という形でガイドラインをおつくりになって、十何項ございます。通産省におきましても、昨年、産構審でやはりそういう海外へ進出されるときにはこうあるべきだという十カ条の行動指針を出して、それに基づいて各企業にぜひそのような行動指針に基づいてやっていただきたいということをお願いしておるというのが現状でございます。
○今泉隆雄君 最後に私のちょっと専門の文化の話をお聞きしたいんですが、五月十五日の通産省公報にこういう記事が載っていました。ゆとりと豊かさ政策小委員会で、生活者にとって最も身近な文化提供は映画、音楽、演劇である。「音楽、演劇についても設備の充実、人材の育成、国際展開等を図ることが必要である。」と指摘されていますが、通産省としてこういうような人材の育成そのほかのことをお考えになっていらっしゃるのでしょうか。考えていらっしゃると非常にうれしいんでございますが、いかがなものでございましょうか。
○政府委員(山本貞一君) 今御指摘の点は、恐らく産業構造審議会のゆとりと豊かさ小委員会の報告書の中に述べられている方向づけだと思いますが、私どもサービス産業を所管する官庁といたしまして、映画、音楽、演劇等の文化芸術産業の振興は非常に重要だと思っておりまして、従来から努力をしております。一つは金融面、税制面での支援措置でございまして、例えば中小企業金融公庫の融資あるいは中小企業信用保証協会の債務保証あるいは中小企業等基盤強化税制といったような施策を今申し上げましたような文化芸術産業についても適用できるようにしたわけでございます。 今先生御指摘の人材育成等につきましても、実は私ども今どういう手だてがあるのか一生懸命に勉強しておるところでございますが、従来の勉強で申し上げますと、平成元年度に映像プロダクションについての調査を行いましてその現状を分析して、人材育成等についてどういう支援のあり方があるかというのを中小企業事業団に委託して調査をいたしております。その他、構想段階のことでございますが、複合型映像制作拠点整備事業、すなわち映像メディアコンプレックスパークという構想でございますが、そういう構想の調査を進めまして、その中でいろんなそういう映画、演劇関係の技術者あるいは関係者の人材育成というのもそこで取り上げたいと考えておる次第でございます。今後さらに勉強をしてまいりたいと思っております。
○今泉隆雄君 ありがとうございました。ぜひ何かお手伝いをさせていただきたいと思います。 最後にこれだけお聞きします。この前の松永大臣のときにもお聞きしたことで、あれからちょっとまた情勢が変わっているみたいなんですが、演劇そのほか映画でも冠興行というのがありまして企業がお金を出す、お金を出すかわりに広告宣伝をする、もう巨大な広告宣伝というのがされていてそれが非常に困った現象だったんです。しかし最近それが非常に少なくなりまして、メセナ方式というものが盛んになるようになりました。メセナ方式というのは、つまり広告を非常に抑えて文化をパートナーとしてやっていく、そしてその見返りを余り求めないという方式なんです。金は出すけれども口は出さないという、非常に私どもにとってもありがたい話なんですが、そういう企業の考え方が盛んになって、あっちこっちで企業メセナ協議会とか、商工会議所なんかでもそういうものをたくさん全国的につくられておりますが、通産省はそういうものをどういうふうにお考えになりますでしょうか。
○政府委員(山本貞一君) たしか四月でございましたですか、もうちょっと前でしたか、今泉先生の御指摘がございまして、PR重視の冠方式から、見返りを求めない、より高い立場での文化活動というのが企業に求められるのではないかという御指摘がございました。私どももその点全くそのように考えておりまして、ただ基本的には企業は営利団体でございますが、今の大きな流れとしては、やはり企業の社会的責任なりあるいはゆとりと豊かさの社会での役割という点から、今先生も申されましたそういう見返りを求めない方式、この前パトロネージの考え方ということもたしか先生の御指摘がございましたし、私どももそういう方向が望ましいと申し上げました。 さらに最近では、その企業メセナ協議会というのがたしかことしの二月に正式に一応非公式の機関として財界を中心に発足しておりまして、もう参加企業も九十社を数えるように伺っております。今大きな流れとして、あるいはまだ小さな流れかもしれませんが、そういう動きにあることは私どもとしても非常に望ましいことと思っておりますので、通産省としてもどういう手だてで支援できるか、あるいはより促進できるか、一生懸命勉強をしておるところでございます。
○今泉隆雄君 最後に、これは質問ではございません。 もう御存じだと思いますが、メセナというのはフランス語で人の名前で、ローマ皇帝の時代の大臣で文学、美術の非常な後援者でメセナという人なんです。ぜひ武藤大臣にもメセナになっていただきたいと思います。どうもきょうはありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、工業所有権に関する手続等の特例に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。武藤通商産業大臣。
○国務大臣(武藤嘉文君) 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 近年、先端技術分野を中心とする技術水準の大幅な向上等を背景に、工業所有権に関する出願件数の増大、出願の内容の高度化及び複雑化といった状況が生じております。このため、特許・実用新案の審査要処理期間が長期化し、この点について内外から厳しい批判がなされております。また、出願人側においても、技術開発に不可欠な工業所有権に関する情報の利用が次第に困難になるといった状況が生じてきております。 本法律案は、以上の状況に対処し、工業所有権に関する手続の円滑な処理及び情報の利用の促進を図るものであります。具体的には、社会の急速な情報化の進展を踏まえ、書類に基づいて手続を行うことを規定している現行の工業所有権関係四法に関して、電子情報処理組織、いわゆるオンラインシステムを使用して手続を行う等の特例を規定するものであります。 なお、昭和六十三年五月から工業所有権審議会において慎重な審議が重ねられた結果、本年二月に電子情報処理組織の使用等に伴う特許等制度のあり方に関する答申が提出されており、本法律案はこの答申を踏まえた内容となっております。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、電子情報処理組織による手続等の導入であります。手続をする者は、電子情報処理組織を使用し、または磁気ディスクを提出することによって、特許出願その他の手続を簡便かつ迅速に行うことができることとします。また、書面の提出により行う手続については、一部の手続について電子計算機により処理を行うための補充的措置が必要となりますが、今後とも存続させることとします。さらに、特許庁が行う処分、通知等や一般の閲覧等についても電子情報処理組織を活用することとします。 第二は、磁気ディスクによる公報の発行であります。磁気ディスクをもって特許公報等を発行し、工業所有権に関する情報の迅速かつ的確な利用を促進することとします。 第三は、手数料等の予納制度の導入であります。特許出願人等が、納付すべき手数料等の見込み額をあらかじめ納め、手続の都度、その中から所要の金額を手数料等の納付に充てることを可能とします。 第四は、指定機関の活用であります。書面による手続に関し必要な情報処理業務等を指定機関に行わせることとし、所要の規定を置くこととします。 第五は、要約書の導入であります。特許出願人等は、発明の要約書を願書に添付して提出するものとし、要約書の記載内容を特許公報等に掲載することにより特許公報等の利便性の向上を図ることとします。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いをいたします。
○委員長(倉田寛之君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十一分散会