社会労働委員会 第7号
- 発言数
- 243 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1990/06/12
会議録
○委員長(浜本万三君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案及び麻薬取締法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○糸久八重子君 私は、戦傷病者戦没者に関係する質問をきょうさせていただきます。 太平洋戦争の戦禍に巻き込まれて戦後海外に残留を余儀なくされた日本人は、中国とかそれから朝鮮半島とかサハリンとかフィリピンとか、いまだに多くの人たちがおられるわけですけれども、特に私はきょうは中国におられる残留婦人問題でお伺いをしたいと思うのです。 終戦時の混乱で、中国に残留した当時十三歳以上だった日本人は、厚生省援護局に言わせれば自分の意思で中国に残留したこととして、残留日本人孤児とは区別して、身元を確認する訪日調査から外されておるわけですね。戦後四十六年もたった今、この方たちは高年齢に達して年老いていく不安の中で、一度日本の水を飲んでから死にたいと、そういう切望を持っている方がほとんどなわけです。 残留婦人の四割は日本の国籍を持っていらっしゃる。そして、本人と配偶者、未婚の子供は国籍を問わず申請すれば国費で帰国ができる。その他の家族は外国人扱いで身元保証が必要と厚生省は言っておられますが、高齢化して仕事もままならない残留婦人とその家族を、戦後四十数年たって肉親関係も非常に薄らいでいる今、身元保証人を捜し出すことはとても困難な状況なんですね。今まで何人かの残留婦人が一時帰国をされましたが、滞在費を含めてすべてボランティアの働きによるものですね、往復の旅費は厚生省が出していらっしゃるようですが。 最近七名の永住帰国が決まりましたが、例えば受け入れ企業の開発もすべてボランティアの奔走の成果であったようです。国はもっとこの問題に積極的に立ち向かっていくべきだと思うのですが、五点についてお伺いをさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず一点目は、一時帰国の手続に必要な在日親族の身元保証は政府の責任でできないかということが一点でございます。 それから、二点目といたしましては、一時帰国の旅費支給だけではなくて、滞在費を支給できないかという問題です。 三点目は、一九八七年四月七日付で出されました局長通知二百十三号で、再帰国者は特別の事情のない限りおおむね十年とあるのを、もう少しこれを短くできないだろうか。何しろ相手の方たちが高年齢に達している状況もございますのでね。それが三点目です。 それから、四点目といたしまして、一度も帰国することのできない残留婦人もいらっしゃるわけですが、その方たちには慰労金を贈ることについてはどうなのか。 五点目ですが、旅費支給や事務手続が非常に煩雑なんですが、その辺をもっと簡略にできないか。 この五点について御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(末次彬君) 私ども、いわゆる中国残留婦人と申しておりますのは、当時十三歳以上で身元が判明している者というふうに考えておりまして、こういう方たちを中国残留婦人と、こういうふうに申し上げております。 御質問の第一点でございますが、一時帰国の際の旅費の国庫負担につきましては、いわゆる里帰りとして墓参あるいは親族訪問を目的とする場合を対象にして支給いたしておりますが、この点につきましては、滞在期間を通じまして始終お世話の問題もあることから、できる限り在日親族の同意を得まして、在日親族またはこれにかわる第三者が帰国旅費申請の手続を行うことが望ましいというふうに考えておるわけでございます。 また、滞在費につきましては、ただいま申し上げましたような趣旨から、できる限り在日親族の同意のもとに帰国されることが望ましいという考えから、在日親族が受け入れに消極的な場合も、都道府県を通じまして円満に帰国できるように説得に努めまして、大半のケースにおきましては在日親族は受け入れを行い、滞在中のお世話もされているところでございます。しかしながら、こういう説得によりましてもなお在日親族の御理解が得られないようなケース、これにつきましては、集団一時帰国制度というものを現在ボランティア団体によりまして試みられているわけでございますが、このような場合につきましても、国として関係都道府県の協力を得まして帰国時の出迎えあるいは落ちつき先の確保、これに努めているところでございます。 また、さらに今年度におきましては、往復の旅費、これを国が負担いたしまして、宿泊費を含めました滞在中のもろもろのお世話を財団法人中国残留孤児援護基金が行うという形で残留婦人の集団一時帰国事業、これを年二回三十人ずつ実施するという運びになっております。 それから、再一時帰国の年数の問題でございますが、昭和六十二年から御指摘のとおり一時帰国後おおむね十年を経過した者、または在日親族の病気等により緊急に帰国する必要が生じた者を対象にいたしまして、再一時帰国の旅費を国庫負担することにしたわけでございますが、ちなみにこれまで一時帰国した中国残留婦人のうち、既に永住帰国した者、それから再一時帰国した者を除きますと、大部分が一時帰国後十年以上経過いたしております。したがいまして、ほとんどの方が現在再一時帰国旅費の国庫負担の対象になるというふうに考えております。したがいまして、当面関係者に対しまして再一時帰国援護制度の周知を図りまして、その利用を促進していきたいというふうに考えております。 さらに、ただいま少し触れましたが、十年を経過していない者につきましても、肉親の疾病等の特別の事情が認められるようなケース、これにつきましては、ただいまの十年という条件につきまして弾力的運用を図っていきたいというふうに考えております。 それから、一度も帰国できない残留婦人に慰労金を支給してはどうかという点でございますが、これにつきましては、ただいま申し上げましたような永住、一時帰国の旅費国庫負担制度の趣旨、これは中国残留婦人が永住または一時帰国しようとするときにその旅費を負担するという趣旨で行っておるわけでございまして、帰国しない婦人に旅費にかわるものとして何か慰労金を出すということにつきましては、ストレートにこれは均衡を論ずることは必ずしも適当ではないのじゃないかというふうに考えております。 なお、中国残留婦人の大半は現在中国籍を有しておるわけでございまして、御質問のような慰労金の支給というものを国が行うということを中国政府あるいは中国人民がどう受けとめるか、こういった点についても慎重に見きわめなければならない、こういう問題であろうというふうに考えております。 最後に、旅費支給等の事務手続の簡素化の問題でございますが、これにつきましては、現在必要としております書類につきましては、申請のケースがこれらの条件を満たしているかどうか確認するため最小限度のものというふうに考えておりまして、書類の上でこれ以上簡略化ということは困難でございますが、ボランティア団体が申請する場合につきまして、直接厚生省に申請するというような手続の簡素化につきましては、現在検討を進めているところでございます。
○糸久八重子君 当時十三歳以上であった日本人というのは、私も考えますと、ちょうど終戦時その程度の年ですからね、あの年齢で自分の意思で中国に残留したとはとても考えられないわけですよね。ですから、残留孤児と同じような扱いを当然すべきではないかと思いますし、今私の方で申し上げました五つのことについては、先般ボランティアの方たちが見えまして、大臣にも要請をしたことと思います。 それで、例えば慰労金の問題等についても、病気で伏せっていてとても日本に一時帰国もできないというような方たちもいらっしゃるわけですけれども、それらの問題も含めて、大臣、この問題について一言お願い申し上げます。
○国務大臣(津島雄二君) いわゆる残留婦人の問題でございますが、中国孤児の方々同様、戦争前後の混乱で並み並みならぬ御苦労をされたということは論をまたないわけでございます。そのような意味で、我々としては可能な範囲内で援護の実を尽くさなければならないという気持ちでございます。 ただ、ただいま政府委員から申し上げましたように、何分にも戦後長い期間がたっておりますから、その間に中国におきまして大部分の方は国籍も持っておられるし、それから地域社会で中国人としての生活関係も持っておられるわけでございますから、そのことについても私どもはやはり配慮をしてまいりませんと問題が起きる心配はある。向こうの社会において問題を起こすことは、これは避けなければならないわけでございますから、そういうことも念頭に置きつつ、大変御苦労されたということを頭に置いて援護の実が上がるように努力をしてまいりたいと思います。
○糸久八重子君 次に、永住帰国をされました残留孤児の問題について、この方たちの生活基盤確立のための施策についてお伺いをしたいと思いますが、大蔵省の方いらしていらっしゃいますね。 まず、税制度の改善についてなんですが、既にもう帰国をされて仕事についておられるわけですけれども、その方たちの生活の基盤がきちっとできるように、そして若干の貯蓄もできるようにして、生活に張りを持たせたいという気持ちが多いわけなんですが、そういう意味で一定期間所得税の減免ができないものだろうか。例えば残留孤児特別控除とか、それから残留孤児の配偶者の特別控除というような形で、そういう減免ということができないものだろうかということをお伺いさせてください。
○説明員(河上信彦君) お答えいたします。 先生も御案内のとおり、我が国の所得課税におきましては、年間の所得に対しまして相応の所得税の御負担をいただく、こういう仕組みになっておるわけでございまして、中国残留孤児の方につきましても、我が国におきましてそれなりの所得があるといった場合には、相応の所得税負担ということはやむを得ないのかなというふうな制度となっておるわけでございます。 ただ、一つ御留意いただきたいのは、収入があったらすぐ課税ということではございませんで、現行の制度におきましても、御本人に対します基礎控除あるいは配偶者に対します配偶者控除あるいは配偶者特別控除といったような制度がございまして、こうしたもろもろの控除を考えますと、私どもよく用います夫婦子二人という家庭につきましては、課税最低限が三百十九万円ほどになっておるわけでございまして、こうした水準は諸外国と比べましてもかなり高くなっておる、こういったところがございますので、これはもうぜひ御理解いただきたいと存ずるわけでございます。
○糸久八重子君 もう一つ、これも特に要望があるんですけれども、一生懸命に働いて個人住宅を持ったという人もいるんですよね。ところが、不動産取得税とか固定資産税が高くてとてもやりきれないというような話があるわけですが、その辺のところの減免等についても、大変難しい話なんですか。
○説明員(河上信彦君) ただいまの御指摘の不動産取得税あるいは固定資産税関係は地方税でございますので、大蔵省の直接の所管ではないわけでございまして、この席でお答えすることは差し控えたいと存じますが、いずれにいたしましても、税制でどこまで個々の事情をしんしゃくできるかということにつきましては、税制上の問題があるわけでございまして、こんなことを踏まえまして、また先生の御意見も念頭に置かさしていただきまして今後勉強さしていただきたい、これが一般的な考え方と存じます。
○糸久八重子君 ぜひとも法の中で縛られないで温かい御配慮を考えていっていただきたいと思います。 労働省の方お見えになっていらっしゃいますか。 最後に、労働省にお伺いするんですが、企業に対して身体障害者を一定割合雇用するという義務づけがございますね。残留孤児の方たちというのは言葉に障害を持っていらっしゃる、そういう意味からいうと、やはり障害ということを考えて、こういう方たちも一定程度の採用は義務づけられないものなのでしょうか、その辺の御見解を。
○説明員(初谷勉君) 中国引揚者の方々につきましては、先生御指摘のとおり、言葉の問題を初め、いろいろ就職に当たって難しい問題があることは承知しておりますが、そういう方々の就職の促進という観点から申しますと、言葉になれる、あるいは社会、雇用慣行になれる、あるいは技能習得というようなことを通じまして、就職に近づけていくというのがむしろ必要ではないかというふうに考えているわけでございまして、そういうような意味合いから、先生御案内のとおり、就職相談、それから訓練手当を支給しながらの職業訓練あるいは職場適応訓練というようなことを実施いたしますとともに、中国引揚者を雇い入れる事業主の方々に対しまして、一定の助成金を支給するというようなことを通じまして、就職の促進に努めているわけでございまして、そういった方向でこれからも一生懸命努力していきたいというふうに考えております。
○糸久八重子君 ちょっと重ねてお伺いしますが、残留孤児を採用した場合には一定の助成金という制度はあるわけですね。
○説明員(初谷勉君) 賃金の一定額を助成する仕組みになっております。
○糸久八重子君 終わります。
○深田肇君 先ほど、先輩委員の糸久さんの質問に対して、大臣からお話があったわけですので、ちょっと重複するかもしれませんが、大臣に冒頭にお尋ねいたしたいんでありますけれども、中国に残留している孤児の仲間たちのことや、それからサハリンにおります残留の私たちの仲間たちのことなんでありますけれども、これは言葉をかえて申し上げますと、戦争の犠牲によってなったものであって、確かに苦労があっただろうというお言葉は出ましたけれども、率直に申し上げて、戦争の犠牲になった我々の仲間である、こういうことをはっきり確認ができるのではないかと思いますが、いかがですか。 そうだとすれば、いわゆる援護活動という形の中で各種の今までの手続があって、それなりの成果が上がっていることも認めますけれども、大変まだ不足なことが多いと率直に思います。したがって、きょうはそういうことについて一、二お話を伺いたいんであります。 まずは大臣に、こういう戦争犠牲になった孤児とか残留者に対する我々の側から見た、現在のこれだけ立派になった日本の側から見た我々のあり方論といいますか、援護に対する我々の姿勢についてもう一度伺った上で、私はどう考えても少し助けてあげるというような雰囲気があるのではないかという感じがいたしますので、お話をいただきたいと思います。もちろん中国政府や中国にいらっしゃる養父母に対する感謝のことは当然でありますけれども、本人たちに対してもっと積極的な姿勢を政府が明らかにして、日本の国民全体が国民としての世論を喚起して、そして政府の施策がよりより進むように、そういう世論づくりをするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(津島雄二君) 委員御質問の、中国残留孤児やサハリン残留邦人の問題は、明らかに戦争が残した深い傷跡でございます。そのような意味で、終戦当時六百六十余万に上る残留邦人が海外に残されたわけでございますが、その引き揚げ援護については、厚生省が責任官庁としてこれまで真剣に取り組んでまいったわけでございます。 これらの方の問題については、こうした引き揚げ援護の一環としまして、人道的な立場にも十分配慮しつつ、帰国旅費の負担、帰国孤児の日本社会への定着自立対策の推進等に努めてまいっております。これからも、これらの方々が終戦に伴う混乱で並み並みならぬ苦労をされたということを踏まえつつ、施策の充実を図ってまいりたいと思っております。
○深田肇君 なかなか戦争の犠牲によるものだというお言葉はいただけないわけですけれども、私はそういう立場をはっきり踏まえた上で、こういった問題は対応することが必要だろうというふうに申し上げた上で、時間の関係もありますから次へ進みたいんでありますが、せんだってサハリンから一時集団帰国をされた団長だとか、それからお迎えするために苦労されましたサハリン同胞一時帰国促進の会の遠山さんなどが大臣に対してお礼とお願い、いわゆるお礼は当然のことでありますが、やはりお願いが必ずつくというところに僕はこの問題が大変難しいものを秘めているだろうと思います。したがって、お礼を受けた大臣はより積極的にお願いの方も受けとめてもらって、お願いの具体化のためのお力添えを賜りたいということを申し上げた上で、次の問題に少し進めてみたいというふうに思います。 そこで、中国の問題をまずやりたいのですが、せんだっていただいたこの資料によりますと、附帯決議というのがありますね。一九八八年、昭和六十三年五月十七日ですか、百十二回国会において参議院の社労委員会で附帯決議が上がっております。そしてその次、参議院だけで言いますと、百十四回国会で一九八九年の六月二十日、同じ参議院の社労委員会で、その中で項目はたくさんあるんですが、これは私などは新米議員でありますから、初めてほっと見て不思議に思ったんですが、この二回を比較しまして、ちょうど今から考えれば去年、おととし、こうなるわけでありますが、その四のところに、「訪日調査により肉親が判明しなかつた中国残留日本人孤児について、」という項目であるんでありますが、この四つの項目が二回とも一言一句変わらない文章が附帯決議で決まるんですね。 これを私どものような立場から考えると、附帯決議を少しでも前進さしていたら、その次の社労委員会は、これはマル、これは少し足らぬからというようなことを条件つけて附帯決議ができるんじゃないかと思うけれども、同じものが、同じ文章、一言一句変わらぬものがここで一年、二年の間に決まっていくと。すると、厚生省さんは、政府はこの附帯決議をどれだけ受けとめられてやってくれたのか、やってくれてないのか、やっているんなら何をやったか。これは我々の委員会側の責任じゃなくて、政府の方にちょっと率直に伺ってみたいと思いますが、いかがですか、これ。具体的に何か一年間の間に進んだことがあれば教えてください。
○政府委員(末次彬君) この中国残留孤児問題につきましては、肉親捜しのための訪日調査は昭和六十一年度で量的に峠を越えまして、その後多くの孤児世帯が帰国するようになっているところから、こうした帰国孤児世帯の日本社会への定着自立の促進が重要な課題になっております。 附帯決議、いろいろいただいているわけでございますが、私どもといたしましては、まず昭和六十三年度、全国十五の都市に八カ月間にわたりまして通所により日本語指導、生活指導、就労指導等を行う中国帰国者自立研修センターを設置いたしまして、定着促進センターでの四カ月の研修と合わせまして一年間の自立支援体制を整備いたしております。 また、平成元年度におきましては、この自立研修センターに就労相談員を配置いたしましたほか、自立支援のための通訳派遣事業、巡回健康相談事業を新たに実施いたしております。 また、平成二年度におきましては、この自立研修センターにおきます地域交流事業の拡充、自立研修センターの職員等を対象にいたしました適応促進対策研修会の実施、また定着促進センター入所中の孤児二世を対象にいたしました地域体験実習事業、こういった事業を新たに行うなど、年々自立支援体制の強化に努めているつもりでございます。 肉親捜しにつきましては、最後の一人まで肉親調査を実施するという基本方針のもとに、昭和六十二年度以降につきましても、新たにこういった確認された者につきまして補充的に訪日調査をやっておりまして、平成二年度におきましても、三十名規模の訪日調査を実施することにいたしております。また、訪日調査によりましても身元が判明しなかった孤児につきましては、六十二年度から肉親捜し調査班、これを各都道府県に派遣いたしまして、国内情報の収集と総点検を行っております。これも平成元年度で一巡いたしましたので、平成二年度以降はこれをフォローする形で、元開拓団関係者等、当時の事情に精通した方々を新たに県に調査員として配置することによりまして、引き続き肉親調査をきめ細かく実施するという考えでおります。
○深田肇君 それなりに毎年少しずつは前進をしているという御説明をされたんだろうと思いますが、それはそれといたしまして、中国の残留の孤児の問題については、時間の関係もありますから私の方から先にいろんなことを、感じたことを申し上げた上で、結論的なお話をいただいた方がいいんではないかと思いますから。 実は、いわゆる四カ月間の定着促進というのがありますね。そしてその後いわゆる八カ月間で自立のための研修というのがあるわけですから、俗に十二カ月と、こう言われるんですけれども、日本語の習得だけでも十二カ月間では大変不足だろうし、短いだろうと思います。いわんやその間に、その方々はそのとき一歳でも四十五歳ですから、五歳なら五十歳ですから、いずれにしても十七、八歳から、もっと言えば小さい時から日本語の勉強をするわけじゃなくて、中国なりサハリンでそれなりの言葉での生活なり環境で育った者が、機会があって我々の方に帰ってきたと、訪問してきた、墓参、いろんなことがありましょうけれども、そういうことを含めながら日本に定着しようと、こう考えるわけでありますから、そうなりますと、そのいわゆる四十五年間の固定的な教育や環境の中ででき上がったものを、いろんなことがあって本人の意思で帰ってくるわけでありますから、その中で一年間で努力せよということは、一定の理屈もあるのかもしれませんが、常識的に考えて私どもは短いだろうと、困難だろうと実は思いました。 そこで、それなりに中国から帰ってきた仲間たちに接触をする機会に聞いてみたり、それからまた、そのための世話をしている埼玉の所沢の定着センターがありますから、メンバーたちの話を聞いてみたり、お世話をしているボランティアのという言葉がいいかどうかわかりませんが、我々の近隣の仲間たちが一緒になって話を聞いてみますと、本当に短い、もっと言えば中途半端過ぎる。そのこと自体がむしろ彼らを混乱させたり、かわいそうなことが起きているんじゃないか。たまたまやむを得ないことから起きたというふうにとりたいのでありますが、不幸な事件が起きたりもしているわけですね。 日常的にはもっと惨めなものでして、自分たちの生活を少しでもカバーしようとしますから、日本の生活の中で廃棄物として処理された、捨てられたものを拾って帰ってきて自分たちが使おうと思ってみたり、そういうふうにかき集めるならまだいいんだけれども、人様の方へ手を出してみたりということまで起きてくるという状況は、いわゆる四カ月間の中でとにかく最低限ここで仕上げなければならない。しかもその間における経済的や精神的な圧迫感は大変なものだというあらわれがそこにあるだろうというふうに僕は思いますので、大変これは率直に申し上げて、短いし不十分だというふうに、四プラス八の十二もそう思います。 それから八カ月の方も、実際問題はもうそろそろ生活を考えなきゃいけませんから、働きながらとか生活環境を探しながら、そこへ来て研修しようというのだから、これは言うならば定時制へ行くぐらいのエネルギーが要るわけですから、これまたとにかく四十五歳、五十歳超えた方々にとっては大変なことだというふうに思います。しかも、連れ合いを連れて帰ってきたり、そして子供を連れて帰ってきたり、中には養父母を連れ帰ってきたメンバーからしますと、大変な努力がそこに要るということはだれでも想像できるわけなんであって、最初大臣に、ぜひひとつより温かい施策なり大胆な施策が必要ではないかというふうな意味で御質問申し上げたのは、個別のこといろいろ挙げますと、大変不足であるし、足らないものがあるんではないかというふうに一つは思います。 全部しゃべっちゃいますが、サハリンの場合でも同じことなんですね。サハリンの方々の場合なんかでも、七十歳が中心だようであって、今回は五十五ぐらいの方が帰ってきておられますけれども、これは珍しいわけであって、時間の問題であって、人間の生命力との関係を含めて大変なものだと思いますから、そういう意味ではより積極的な施策が必要なんではないかというふうに実は考えているわけでございます。 そういったことを中国問題で感じましたときに、最後に中国問題で申し上げておきますと、やっぱり生活保護法の適用をする以外に今の日本の国内法ではないんだというふうには思いますけれども、だんだんと日本で生活しますと、その本人たちが言うんですよ。わがままだと言っちゃ困っちゃうんだけれども、生活保護をもらっているのが何かわびしくて、それから今帰ってきたから同じ仲間です。同じ日本人から、あれは生活保護法で面倒を見てもらっているんだとかね、見てやっているんだと言うのが中にはおるそうですから、そういうふうに言われたり見られているんではないかと本人が思う、また言われたこともあると。こういう状況になってきますから、こういう孤児たちで日本へ帰ってきて自立しようという構えでおる方々に対しては、生活保護法以外の何かいわゆる温かい施策をしてあげる方がよりいいんではないか。これはきょうあしたでできる問題ではないでしょうけれども、そういったようなことを実は感じていることを申し上げて、積極的な施策をお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうかね。
○政府委員(末次彬君) 日本語学習の問題を例にお挙げになりましたわけでございますが、私どもやはり日本語の勉強といいますか、教育、これが一番大切な問題であろうというふうに認識いたしております。したがいまして、この日本語学習にどの程度の期間を要するか、これにつきまして、いろいろ専門家あるいは中国帰国者向けの日本語学校の経験者等の意見を聞いたわけでございますが、その結論といたしまして、一般的には帰国後一年の間に集中的に日本語の学習をするのが効果的であるというような結論をいただいております。したがいまして、定着促進センターの四カ月を含めまして日本語学習期間が十二カ月となるように、八カ月というような期間を定めたわけでございます。 またもう一点は、日本語教育の専門家からは、こうした受け身の授業よりも、実生活や就労の場で生きた会話を交わすことが言葉の上達には効果的であるというふうに指摘されておりまして、実生活における会話の基礎を学習する教室内での研修、これは十二カ月で効果を上げられるのではないかというふうな理解をいたしております。ただ、地域社会への定着後さらに個々の事情によりましていろんな指導が必要かというふうに考えるわけでございまして、そういう意味で、日本語指導、生活指導等を行う自立指導員、これを地域社会への定着後三年間引き続いて派遣をいたしているところでございます。 それから、孤児に関する施策でございますが、生活保護を一つ例にお挙げになったわけでございますが、私ども孤児の定着自立、これを図るためには日本語教育、住宅、就職、子弟教育、こういった施策を総合的に実施する、これも関係各省、地方自治体が連携をとりながら総合的に実施するということが必要であろうというふうに考えているわけでございまして、多くの帰国孤児世帯、これは家族ぐるみで自立への努力を重ねておられるわけでございまして、帰国後一年未満の世帯で就労者のいる世帯は三分の一を超えておりますし、帰国後約三年で過半数の世帯が自立を達成しておられるというようなことも見られるわけでございまして、厚生省としまして国、地方公共団体一体になって現行施策の充実強化に努めますとともに、個々の帰国孤児世帯の実情に応じまして、既存の制度の総合的かつ弾力的な運用を図りつつ、早期自立を図っていきたいというふうに考えております。
○深田肇君 厚生省中心でいろんなアンケートを孤児たち中心にとられているわけでありまして、見方によってはそれなりに定着したり、それなりにいろんなことがあっても帰ってきてよかったという見方もできますけれども、歴然たる事実として、帰ってきてかえってつらかったということを言う孤児がデータに出ていることは事実ですね。そしてまた、地域社会においてどうも差別されて変な目で見られているんではないかと本人が思っているというデータも出ているわけですね。それが小さいデータであるか大きいデータであるか、どれだけ深く根が張っているかという分析は今の段階で時間がありませんからいたしませんけれども、そういったこともあることをしっかり目を向けていただきまして、その方々が少しでも満足できるように、その方々が仲間としてこの日本社会でお互いに社会のために貢献できるような環境づくりをやってもらうことが必要だと思います。何といってもやはり日本国の全体のメンバーが国民感情として仲間と一緒に生活するんだという意識を持たないといけないんだろうということを申し上げておきたいというふうに思います。 そこでちょっとサハリンの問題だけを一、二申し上げたいんでありますが、お礼を申し上げたメンバーが大臣にいろいろと陳情をお願いした中で、私二つほどのことに絞ってみたいと思いますが、サハリンからこちらへ一時帰国するために招待をするという招待者の資格条件というのが大変厳しいように思います。手続も大変複雑なように思います。とにかく帰ってきているメンバーが日本の招待者に対して、それからまた招待した日本のボランティアのメンバーに対してもそうだし、本人たちも大臣に対して、この招待者の資格問題や手続をとにかく簡素化してくれということを言うんです。 時間もありませんから省略いたしますけれども、同時にまた一番気になるのは、一時帰国希望者の一時帰国に要する往復旅費の方ですよ、滞在費じゃなくて。往復旅費を支弁することができない旨の申立書を出せと。要するところは、往復旅費は大体みんな出してもらえるんだと一般的に思っていたら、往復旅費を支弁できないという理由を出して、それは間違いないという市町村が証明書を出さないと往復旅費は出してくれないと。 こうなると、四十五年間さかのぼることだし、いろんなことがあって空間があるわけですから、日本社会における環境もあるから、本来なら、人間的に言えばすぐ名のり上げればいいことなのに名のり上げられない人もいる。そこでボランティアやだれかに頼もうと、こうなるわけですが、その人が経済的余裕があるとだめなように聞こえるわけだし、こうなると、一番最初に戻りますけれども、やはり戦争犠牲に伴う問題としての位置づけからしたら、そこら辺はもっと緩やかにして、帰りたい意思があれば、せめて往復旅費はもう無条件これは支給だと、こういうふうにしなきゃいかぬと一つ思います。 同時に、本人たちがおっしゃっているように、新聞にもどんどん出ていますけれども、ルーブルにしても元にしてもそうですが、あの生活をしていて、あの社会でいわゆる一定の平均賃金をもらって生活してきている、もう年によっては年金生活に入っている、その中から滞在費を一週間でも十日でも持って帰って日本に滞在しようということになれば、もうまず本人たちは余裕がない、貯蓄はありませんと。これは想像できますね、本人たちが言わなくても。日本の側が、滞在費を政府なり厚生省が出してくれないから、じゃ我々がつくらなきゃいかぬと。三百万も五百万もつくるということが続きますか、ずっと。一回目や二回目は続くだろうけれども、そうはやれるものじゃないと思います。 そうすると、やっぱり滞在費の問題も二番目に強調したいんだが、これもいわゆる無条件で第一回の帰国はもう滞在費持ちというふうなことまで踏み切ってもらわないと、本当の意味における帰国促進や人道上の我々の援護であるということにならないんではないかと思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(末次彬君) まず、手続の点でございますが、手続の点につきましては、一時帰国旅費申請、これにつきましては、国が旅費を支給する制度の建前といたしまして、一時帰国希望者及び在日親族等が負担できない場合にこれを対象としているということでございまして、原則としてこれを確認する資料が必要であるということで、その書類をお願いしておるところでございまして、この点はひとつ御理解をいただきたいというふうに考えております。 それから滞在費の問題でございますが、これは先ほど中国の残留婦人の際に申し上げた点でもございますが、この制度の趣旨といたしまして、墓参あるいは親族訪問というより里帰りをされる場合を対象にいたしております関係上、在日親族の同意のもとに帰国するということを私ども希望しておりまして、こういった場合に通常在日親族が滞在中のお世話をするということが通例であろうということを考えてみますと、これにつきまして滞在費を支給するということはなかなか難しいのではないかというふうに考えているわけでございます。
○深田肇君 考えておられるとなると考えが違うということにならざるを得ないわけですから、きょう結論が出る問題でもないんでしょうけれども、私はそういう考え方でなくて対処のほどをお願いいたしたいと思います。 そこで、ちょっともう一問お願いしておきたいんですが、いわゆるサハリンの場合に、朝鮮民主主義人民共和国の国籍を持った人、北朝鮮国籍と書いてありますが、朝鮮民主主義人民共和国の国籍を持った人がサハリンにいて、その方については特別の審査をするようなことがちょっと文章にありますが、これはどういう意味ですか。厚生省じゃわからないですか。
○政府委員(末次彬君) この点につきましては、私どもの所管ではございませんが、私ども仄聞するところによりますと、法務省におきましてそういうケースにつきましては本省の協議が必要であるという点で若干手続を要するというふうに聞いております。
○深田肇君 それはまた後でじゃいろいろと勉強させてもらうことにいたしまして、私はそういう意味における余り差別がない方がいいということを意見で申し上げておきたいと思います。せんだって北地区の方へ行ったときにこの話も出まして、積極的にお互いに対応しようではないかという話がありますことをつけ加えておきたいというふうに思います。 時間が来ましたから、大臣、サハリンから帰ってきたメンバーが大臣にお会いをしていろいろ文書で出したお礼とお願いがあるんですが、それを受けとめられた大臣が、新聞報道によると、積極的に検討していきますという約束をしてくれているんですけれども、彼らの要望を受けとめていただいて積極的に検討してくれる、これからよりより具体的なものが出てくるだろうというふうに確認させていただいてよろしゅうございますか。
○国務大臣(津島雄二君) 先日サハリンからお帰りになった方々にお会いをいたしまして、先ほど委員御指摘のとおり、逆に私がお礼を言われるという場面もございまして、大変かえって恐縮いたしたわけであります。そのときにいろいろ御要望がございました中に、きょうの御質疑にあった点もございます。滞在費の問題、ほかの日本の国の制度との関係もやはり考えていかなきゃならないという難しさは御理解をいただきたいと思いますが、旅費の支払いなんかの手続がどうだろう、少し厄介過ぎるでないかという点は検討してみなきゃいかぬかなという感じも持っておりますし、それから当時はまだこちらからの墓参の、墓参と申しますか、サハリンの方にお訪ねをするということについて相手国政府からの通告、承諾が来てない状況でございましたから、まあ遺骨収集も含めてですかな、こちらから向こうに調査のために参るということについても積極的にしていかなければならないと思っております。 いずれにいたしましても、先ほどからの委員の御質問、サハリンからの一時帰国者の問題にいたしましても、中国孤児の問題にいたしましても、こちらも一生懸命やっておりますが、現場の具体的なケースを聞いてみますと、胸の痛むようなケースが実際あるということは私も否定をいたしておりません。その点については真剣にケース・バイ・ケースで検討し、制度の改良、改善を図るべき余地があれば、それは改善をしていかなければならないという気持ちでございます。
○深田肇君 ありがとうございました。
○堀利和君 けさの新聞に、韓国人被爆者が日本大使館の前で農薬の服毒自殺を図ったということが報道されていました。幸い未遂に終わったということで私も安心したんですけれども、為政者に対して自殺をもって抗議するということが果たしてどうかというふうに思いますが、やはりその重さ、重みというのは大変なものだと思うんです。これを日本政府が黙殺してはいけないと私は思っております。大臣もそのようにお考えだと思います。きょう私はこの問題といいますか、質問に、戦後処理をめぐって取り上げてみたいと思います。 私は、戦後処理ということについては、三つのことがあろうかと思うんです。一つは、遺骨収集、中国残留孤児、戦争被災者の補償の問題。二つ目は、戦闘地域周辺諸国に対する賠償及び復興への援助。そして三つ目は、こうした戦争を二度と繰り返さないためのいわば平和教育、戦争のこういった事実、真実というものを後代に伝えていく、そのためにも戦時下におけるいろいろな資料を公開する必要があるのだろうと思うんです。こういうことが私は戦後処理と言うべきことだと思うんですけれども、この件について大臣の御所見をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 確かに、戦争は大きな傷跡を残したわけでございます。その戦後処理のために援護行政は力を入れてやっていかなければならない、援護行政の問題として今委員は第一の問題点としてお挙げになったわけでありますが、厚生省としては、私どもに命ぜられた援護行政の領域において、全力を挙げて行政目的を達するべく努力をいたしたいと思います。 二番目の外交問題、これは当然私どもの領域ではございませんので、深く触れることは避けたいと思いますが、やはり近隣諸国と良好な関係をこれからも維持していくというときに、日本の場合には戦争という問題はどうしても避けて通れない問題であるということは踏まえていかなければならないであろう、今後の経済協力についても積極的に取り組んでいかなければならないと思っております。 三番目の平和教育の問題でございますが、私も基本的には同感でございまして、先般原爆の被害等について予算委員会で御質問がございましたときも、その被害がいかに大きかったかということを我々は肝に銘じるとともに、核兵器というものを地球上からなくすということについて、平和という問題について我々は心を新たにして取り組んでいかなければならないということをお答えしたとおりでございまして、委員と同感でございます。
○堀利和君 重ねて大臣に、もう一つお伺いしたいんですけれども、その三番目の件ですが、やはり私たちが後代に、戦争というものはどういうものであったか伝えていかなければならないし、平和というもののとうとさというものも教え伝えていかなければならないと思うんです。そのためにも、戦時下における事実、真実がどうであったか、そういった資料を公開すべきだろうと思うんですね。厚生省としてでき得る限りの情報、資料を公開していただきたいなと思うんですけれども、その点についてもう一度大臣に御意見を伺いたいと思うんです。
○国務大臣(津島雄二君) 将来のための平和教育を考えなければならない、そのために資料を保存しなければならないということがまずあるわけでございまして、厚生省は、例えば旧軍関係については、人事関係の残務整理を所掌事務として所掌しておるわけであります。 ただ、ここで考えなければならないのは、同時に資料そのものの持っている特性、例えば人事関係の資料でございましたらプライバシーという問題が入ってくるわけでございまして、そういうことも考えなければならない。資料の保存ということについてはもう全力を挙げてやらなければなりませんが、公開をするかどうかということについては、ほかの問題との関連も十分考慮に入れた上でやっていかなければならないと考えております。
○堀利和君 きょう総務庁の方にいらしていただいていると思うんですけれども、きょう衆議院の内閣委員会の方でも、行革審をめぐりまして審議されるというふうに聞いております。そうなりますと、情報公開ということも当然今後大きな問題になっていくと思うんですけれども、この情報公開と戦後処理についていろいろお伺いしたいと思うんです。 情報公開については、現在の行政における情報公開はもちろんですけれども、過去においてもあるいは将来においても、国民の知る権利の保障という視点から、原則として情報を公開するということが必要かと思うんですけれども、この見解についてお伺いしたいと思います。
○説明員(松村雅生君) 行政情報の公開につきましては、臨時行政調査会の最終答申で、行政に対する信頼を確保する観点から取り組むべき課題である、このような指摘を受けております。このような指摘を受けまして、政府におきましては、本省庁、出先機関ごとに文書閲覧窓口を設置いたしまして、そこにおいて閲覧できる文書の目録を整備いたしまして、国民に対する行政情報の公開に努めておるところでございます。 一方、今の御質問にもございましたけれども、いわゆる情報公開法の制定といったような制度化の問題につきましては、我が国において新たな分野の事柄でございまして、いろいろ検討すべき問題点がございます。例えば、公益上秘密とすべき情報あるいは個人情報とか企業情報等の第三者情報の保護の問題、それから裁判の公開制度との関係など、関連諸制度との調整の問題、このような検討しなければならない問題も多うございます。このことから、行政情報の公開の制度化の問題につきましては、総務庁におきまして学識経験者による研究会を開催するなどにより、引き続き調査研究を進めているところでございます。
○堀利和君 私、きょう質問するために、どういうふうにどうやって調べたらいいのかなと大変困ったわけなんですね。現在のことでしたらある程度、ここの省庁に行けば情報があるかなというふうにわかるんですけれども、戦時下、過去のことについて調べようと思っても、どういうふうに調べていいか実際困ったわけなんです。防衛庁ですと戦史室とか、外務省では外交資料館、あるいは総理府ですと公文書館なんかありますけれども、なかなかどういうふうに調べていいかわからないというので、大変困ったわけなんです。 そこで、総務庁として、各省庁の全資料を速やかに検索できる機能を早急に整えていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○説明員(松村雅生君) 各省庁の保有する行政情報につきましては、多様、膨大なものがございまして、これらのすべてにつきまして、総務庁でリスト化し、所在を把握するということは非常に困難だと思います。基本的には、それぞれの省庁で適切な行政情報の管理がなされるべきものだと考えております。 なお、これに関連いたしまして、国民生活に関係の深い行政情報で、かつ閲覧可能な文書につきましては、先ほども申し上げましたけれども、臨調答申等におきまして、各省庁の文書閲覧窓口に文書閲覧目録というものを整備いたしまして国民の閲覧に供する、このような制度をとっておるところでございます。
○堀利和君 私、きょう取り上げることでいろいろ苦労したんですけれども、本当に情報が得られるようにぜひ御努力をお願いしたいと思うんです。大臣も先ほど御答弁の中で言われておりましたけれども、旧軍、海軍なり陸軍の残務処理について厚生省が引き継いだ面というのもかなり多くあろうかと思うんです。 そこで、戦時下において、戦闘により沈没した船についてお伺いしたいんですけれども、特に、当時輸送船として物資を運んでいた船の数あるいは沈没した場所等について特定できるのかどうか、その辺についてお伺いしたいんです。
○政府委員(末次彬君) 厚生省は、旧陸海軍の人事関係の業務を主として引き継いでいるわけでございまして、それに必要な資料、これを私どもの方で保管いたしております。 ただいま御質問の点につきましては、私どもそういう資料から推計をしてみますと、軍に使用されておりました船舶数は三千九百三十隻、そのうち沈没したのは千四百九十隻であろうというふうに考えております。
○堀利和君 きょうはトラック諸島海域で空襲を受けて沈没した花川丸という、当時海軍に徴用されて沈んだ船のことについてお聞きしたいんですけれども、これについてどのような情報といいますか、を押さえておるんでしょうか。
○政府委員(末次彬君) ただいまの花川丸でございますが、これは厚生省が旧海軍から引き継ぎました資料によりますと、昭和十八年十二月二十五日海軍に徴用されまして、当時兵員及び軍事物資等の輸送に当たっていた四千七百三十九トンの貨物船であるということでございます。昭和十九年二月十七日、トラック湾内に係留中に米軍機による攻撃により沈没したということでございます。
○堀利和君 私の調査では、この花川丸という輸送船ですね、これは航空機用の燃料に添加する四エチル鉛という物資を積載していたということなんですけれども、この点について厚生省は把握しているのかどうか、お聞きしたいと思います。 そして、続いて、四エチル鉛という化学物質がどういうものなのか、人体にどういう影響、悪影響を与えるのか、この辺についても御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(末次彬君) 先ほど申し上げましたように、厚生省が引き継いでおります資料、このもとになりましたのは私どもの方で恩給の加算調書をつくる目的で持っておる資料がございます。これは、その船がいつ、どこを、どういうふうな経路で進んだか。つまりどこに、どの地域に、いつからいつまで滞在していたかということを、恩給上の資料といたしまして整備するためにこういう記録を持っておるわけでございます。したがいまして、当時その船が何を積んでいたかということにつきましては、この引き継ぎました資料には一切記載されておりません。
○堀利和君 続いて、四エチル鉛についてお聞きしたいんですけれども。
○政府委員(代田久米雄君) ただいま御質問の四エチル鉛でございますが、この物はガソリンのアンチノック剤、ノッキングを防ぐためのアンチノック剤の原料でございます。 現在、毒物及び劇物取締法という法律がございますが、その中で特定毒物という分類に入っておりまして、その製造、取り扱い等につきましては毒物、劇物の営業者あるいは石油の精製業者などの限られた者にのみその使用が認められておるというものでございます。 人体に対する影響でございますが、吸入あるいは皮膚接触等によりまして吸収されまして、腹痛、便秘、嘔吐などの症状を起こす、あるいはひどくなりますと血液障害あるいは消化器、神経障害等のいわゆる鉛の中毒を起こすというふうに言われております。
○堀利和君 最近はダイビングブームということで大分ダイバーの数がふえてきて、海でも沈没した船に潜ってレジャーとして楽しむことが多いようなんですけれども、トラック島で花川丸にダイバーが潜りまして、そのときに呼吸障害といいますか、皮膚障害を起こしたという事実があるんですね。そういうことからいいましても、大変大きな問題だと思うんです。 たしか、昭和五十九年に厚生省では、この花川丸から遺骨収集をしているというふうに聞いております。その際、この花川丸がそういう危険な化学物質を積んでいたかどうか調査したのかどうか。調査もせずに、いわば遺骨収集のためにダイバーに潜らせるということが実際行われたのか、その辺の事情をちょっとお聞きしたいんですけれども。
○政府委員(末次彬君) 私ども聞きますところによりますと、事前にはわからなかったというふうに聞いております。
○堀利和君 これは花川丸だけではなくて、遺骨収集する際、沈んだ船のそういう場合には、その船が戦争にかかわった船である限りどういう物資を積んでいたのか、どういう危険なものがあるのか、当然私は調べるのではないかと思うのですけれども、これは花川丸に限って調べなかったのか、一般的に他の船の場合にも同じようにいきなりダイバーに潜らせて遺骨収集するのかどうか、その辺をちょっとお聞きしたいんですが。
○政府委員(末次彬君) 一般的に申し上げますと、事前にそういう情報があれば調査をしたというふうに考えておりますが、いかんせん戦時中の輸送船の積み荷が何であるかということにつきましては、事前に調べることはなかなか困難なのが実情でございまして、先ほど申し上げましたように、私ども引き継いでおります資料も人事関係の処理をするために必要な限度で保管をしておるわけでございまして、積み荷がどうであったかということは当時からなかなかその内容を調べることは難しかったのではないかというふうに考えております。
○堀利和君 ダイビングブームということで、潜ったダイバーが呼吸障害あるいは皮膚障害ですか、起こしたという事実があるんですけれども、こういうことから見ても、遺骨収集の際にその船がどういう船であったか調べるのが私は当然だと思うんですね。 もう遺骨収集もほぼ山場を越えたというふうにも聞いておりますけれども、厚生省としてはなかなか当時の状況がわからなかったというようにもお答えになっております。私も実はそこら辺を調べたくていろいろ、どういうふうに調べていいか実はそこがわからなかったわけですね。そういう点で実際に調べてもわからないものなのか、厚生省としてもいわば調べようとしなかったのか、また、これは厚生省が調べる所管なのか、そこもよくわかりませんが、こういうことについて一言御答弁を伺いたいんですけれども。
○政府委員(末次彬君) 一般的に申し上げますと、沈船の所有権そのものは、日本領海内の物につきましては、一般的に国の財産として大蔵省に属しているわけでございますが、外国の領海内にある物につきましては、それぞれの国の領有に属するということで、直接そこの船そのものにつきまして調査をするということはなかなか困難であろうというふうに考えております。 また、当時の記録そのものは、先ほど来申し上げておりますように、何をどういうふうに積んでいたかということは厚生省の記録にはございませんし、また、当時のことでございますから、いわゆる軍事機密に属するようなこともあったのではないかというふうに考えられておりまして、そのための資料がどこにあるべきものか、私ども現在の段階ではつまびらかにいたすことはできないと思っております。
○堀利和君 私は、戦後処理という場合には戦時下のいろいろな事実、真実というものを明らかにすべきだと思うんです。 総務庁にお伺いしたいと思います。戦時下での軍事機密もいろいろあったかと思うんですけれども、もう四十五年も過ぎて今日に至っているわけで、情報公開は原則的にきちんとすべきだと思うんです。現在の行政における情報公開は言うまでもありませんけれども、過去においてもそういうような形で努力すべきだと思うんです。総務庁として、各省庁に任せるのではなくて、積極的に音頭を取って、こういった資料収集あるいは公開ということに力を傾けるべきだと思うのですけれども、どうでしょうか。
○説明員(松村雅生君) 各省庁の文書の管理、保存、その公開という問題につきましては、やはり各省庁でその文書の内容に応じまして適切に判断される、このようなことが基本かと考えております。 ただ、先ほど作成後長年を経過した文書についての御質問でございますけれども、これにつきまして、現在の政府の対応を御説明いたしますと、行政的あるいは歴史的に重要な文書で、作成後三十年たった文書につきましては、国立公文書館、それから外交記録につきましては外交資料館というところで原則として公開する、こういう方針で処理されていると考えております。 なお、行政情報の公開につきましては、先ほども御答弁申し上げておりますけれども、さらに積極的にその公開の範囲を拡大していく、そのための努力を各省庁との連携のもとで総務庁で進めていく、このように考えております。
○堀利和君 日本に比べてアメリカでは、情報公開法ということで非常にこの辺はオープンにされているわけですね。もちろん日本とアメリカとは国に対する考え方、社会に対するいろいろな考え方が違うとは思いますけれども、非常に進んでいるというように私は思うんですね。 昨年、大変なニュースになったわけで、大変な事件だったんですけれども、米海軍の航空母艦タイコンデロガが沖縄沖で二十五年前、水爆を搭載した飛行機を過って海中に落としてしまったということが報道されたわけです。こういうことが私たちに明らかになるということが大切だと思うんです。それをどういうように解決できるかということが、今できなくても、そういう事件があったということを私たちに、国民に知らせるということが大変重要なことだと思うんです。過去に背を向け、過去に目をつぶるということは、私は大変未来に対する不安というものを感じるんですね。 そういう点で、総務庁が積極的に情報公開、こういった過去の問題についてもやっていただきたいというように思っております。これこそが戦後処理の大きな一つの課題だろうと思うんです。援護行政はもちろんですけれども、こういう情報公開を含めて戦後処理ということをお考えいただきたいと、総務庁にもあるいは厚生省、政府に強くお願いして、質問を終わりたいと思います。
○日下部禧代子君 麻薬取締法等の改正について御質問いたします。 今回御提案の麻薬取締法等の一部改正案は、睡眠薬、精神安定剤などの向精神薬の利用と不正取引の未然防止を図ることと同時に、向精神薬に関する条約の批准に備える措置であるというふうに承っております。 ところで、麻薬及び向精神薬に関する国際条約は三つございます。日本は、一九六一年に採択された麻薬に関する単一条約のみを批准しているということでございます。一九七一年二月二十一日に採択されました向精神薬に関する条約については、日本は一九七一年十二月二十一日に署名を済ませております。しかし、締約国が既に九十六カ国にも及んでいる今日ですが、いまだに日本は批准に至ってはおりません。この件に関しましては、一九七三年の七月二十日、衆議院の外務委員会において質疑が行われております。その会議録を見ますと、渡部委員の質問に対しまして松下政府委員は、「できるだけこれは早く批准し、発効させていただかなければならない、」、しかしながら、「あと一両年の日時をかしていただきたい、」というふうにお答えになっております。それから約二十年近くが経過しております。なぜ日本の批准がこんなにおくれてしまったのか、その理由をお伺いしたいと思います。
○説明員(鈴木一泉君) お答えいたします。 我が国は、先生御指摘のとおり、七一年の十二月にこの向精神薬条約を批准を条件にしまして署名いたしたわけでございます。その後、批准のために長い時間を要して検討を行ってきたわけでございますが、このたび条約を実施する国内法を本委員会に提出し得ることになりました。本条約の国会審議も今国会でお願いしているところでございます。 先生御指摘の、どうしてこのように国内法の準備に時間を要したかという点でございますが、政府としまして、我が国における薬物乱用の規制状況を踏まえながら、かつ他方で各国のこの条約の締結状況、それから、それぞれの国の国内の実施の体制等について検討してまいりまして、このために国会への提出の時間を要したものでございます。
○日下部禧代子君 余り理由がはっきりいたさないようなお答えでございますが、時間がございませんので、それほど追及しないでおきたいと思います。 しかしながら、薬物対策というものの国際性とか向精神薬の地球規模での流通、それからまた、日本の国際的な地位と立場というふうなことから見ましても、日本の対応は余りにも遅かったということは、これは否めないというふうに思います。 ところで、一九八八年十二月にウィーンで国連麻薬委員会が麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約、いわゆる麻薬新条約を採択いたしました。ことし二月に国連で初めて麻薬特別総会というものが開かれたわけでございますが、そこで、この新条約を各国がことしじゅうに批准するようにという勧告があったように聞いております。この新条約に関して四つほど御質問いたします。 まず、既に批准を終えた国はどういう国で、何カ国ぐらいあるのか、それから二番目には、この一年以内に批准を予定している国はどういう国があるのか、三番目には、この条約の発効に必要とされている二十カ国の批准というものはいつごろになるのだろうか、そして四番目には、我が国の批准の見通しということについてお尋ねいたします。
○説明員(鈴木一泉君) お答えいたします。 麻薬新条約の批准の状況でございますけれども、現在までに締約国、これは十七カ国に上っております。この時期につきましては、各国批准を前向きに検討するということで、先生も御指摘のように、国連特総においても勧告がなされているわけでございます。この勧告に従いまして、今後かなりの国が早い時期にこの条約に署名することになるものと見込まれておりますが、六月十日現在の新しい数字がございますが、十七カ国が締結しております。 先生御承知のとおり、二十カ国になりますと、この条約は発効するということでございますので、早いタイミングで発効するのではないかと思っております。そのほかの国々につきましても、ECの各国もできれば年内ということで作業を進める努力をしている、こういうふうに聞いております。 そこで、私ども日本としてどうかという御質問でございますが、日本としましても、この条約の趣旨に賛同しておりまして、昨年十二月にこの条約の署名を了しております。署名を了しまして、これを批准に向けて作業をするということでございますが、そのためにはこの条約を実施するための国内法の整備が必要だと思っておりまして、今後各国のこの条約批准に向けての考え方、各国での取り組み方、こういうものを確認しながら、この条約の詳細の解釈を早急に固めまして、関係省庁の御検討も得ながら、できるだけ早い時期に締結できるようにと努力しておるところでございます。
○日下部禧代子君 先ほどから各国の、各国の対応というふうにおっしゃいましたけれども、我が国独自のという独自性というのももう少し発揮なさってもいいのじゃないかなというふうに思います。 ところで、麻薬新条約の骨子というのは、まず組織が麻薬取引で得た収益を凍結あるいは没収するということ、あるいはまた運び屋を泳がせるといいましょうか、組織の壊滅を図るために運び屋を泳がせてやるというコントロールドデリバリーという、そういう捜査手法を多国間で導入するということと、それから麻薬取引で得た収益金を金融機関を利用して合法資金に見せかけるといういわゆるマネーロンダリング、資金清浄というふうに言われておりますが、マネーロンダリングを犯罪行為とみなすということなどが重要な柱というふうに聞き及んでおります。 特に、このマネーロンダリングというのは昨年のアルシュ・サミットでも大きなテーマでございました。ことし七月にヒューストン・サミットが行われますが、そこでも重要な課題となっているというふうに承っておりますが、ヒューストン・サミットに向けての我が国の対応はいかがでございましょう。特に大蔵省にお伺いいたしたいと思います。
○説明員(大久保良夫君) お答え申し上げます。 麻薬問題を撲滅するためには、物の面からの取り締まりに加えまして、資金の面からの対応も重要と考えておりまして、マネーロンダリングの取り締まりに対しても大蔵省といたしましては、国際的な協力体制にできる限り協力しつつ、関係省庁とともに積極的に取り組んでまいるという考え方でおります。 御指摘のマネーロンダリングそのものの防止についてでございますけれども、麻薬新条約や、ただいま先生からお話しありました昨年のアルシュ・サミット宣言において設置がうたわれました金融活動作業がグループの勧告、これが四月十九日に公表されておりますけれども、こういったところを受けまして、本人確認等につきまして何らかの行政的な措置がとれないかどうかということで今鋭意検討を行っているところでございます。その詳細につきましては、現在関係者の間で協議中でございますので、コメントをすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○日下部禧代子君 何か余りよく理解できませんでした。サミットは七月でございますから、もう少し具体的なお話が承れるんじゃないかというふうに期待しておりましたけれども、限られた時間でございますので、後でもし書類など提出いただければというふうに思います。 ところで、麻薬を撲滅するのに最も有効な対策というのは生産面から麻薬を根絶するということでございます。しかしながら、麻薬生産国の貧困、南北の経済格差というものが麻薬問題の温床となっているという社会、経済問題ということを無視することはできないというふうに思います。アルシュ・サミットの経済宣言でも、生産国に経済技術援助を拡大するという方針がうたわれております。コカの生産国で代替作物の転換プロジェクト等を推進していると言われる国連薬物乱用統制基金に各国が資金を拠出しておりますが、この基金に日本の出資金というのはどのくらいであるのか、そしてこれから今後この麻薬生産国への我が国の援助にどのような対応を考えていらっしゃるのか、その点について外務省にお伺いいたします。
○委員長(浜本万三君) 大蔵省大久保企画官、答弁がありますか、資料について。どうぞ。
○説明員(大久保良夫君) 先ほどの先生の御質問に多少補足させていただきますと、申し上げましたように現在関係者間で協議中であるため、内容等につきましては確たることは申し上げられないわけでございますが、先生御指摘のように、サミットで非常に国際的な関心を払われているということもございますし、金融活動作業グループの報告書が出ているということもございますので、行政面でできる措置につきましては、できればサミットまでにまとめられれば望ましいというふうに私どもとしては考えております。
○説明員(大島賢三君) 御質問の第一点でございますが、国連薬物乱用統制基金に対しましては、一九七三年より拠出を行っておりまして、昨年度八九年度は八十万ドルを拠出いたしております。 それから第二点の、生産国における経済技術協力の可能性でございますが、ことしの二月に国連麻薬特総がございまして、本院の下稲葉先生が政府代表として御出席なさったわけですが、その演説の中に、こういうふうに日本政府の立場を述べてあります。ちょっと引用させていただきます。 第三に、我が国は、従来アジア・中南米諸国等の行政官を対象とした麻薬犯罪取締セミナーの開催等を通じた協力を実施してきておりますが、生産国の経済・社会開発を支援することを通じて麻薬問題の解決に貢献するとの立場から、代替作物奨励のための農業開発援助等につき、我が国の経済・技術協力の手段が有効である場合には、二国間協力についても積極的に検討していく考えです。 以上が関連部分でございますが、このように二国間援助の手段を講じまして、生産国に対する麻薬対策が有効であるというような部分がございましたら、私どもも積極的に対応していきたいと思います。 この二月の前に、一月に中山外務大臣がタイを訪問されまして、その機会にタイのシティ外務大臣に、今申し上げましたような見地を踏まえまして、日本政府も政府調査団を出すというお話をなさいまして、それを受けまして、この五月の下旬でございましたけれども、十日間ほど政府調査団がタイとラオスの二カ国を訪問いたしました。そこで特に生産国に対する対策としてどういう対応があり得るかと、具体的には、特にこの東南アジア地域はアヘン、ケシの生産が非常に盛んに行われているわけでございますけれども、山の上で大規模な焼き畑農業が行われてまして、そういうところで生産が行われているという実情であるわけでございます。山岳少数民族が大体こういうことに従事しておりますが、非常に貧困でもある。かつ、焼き畑をやりますと、これが環境破壊に、森林破壊にもなるというような状況でございますので、こういった面に着目しますと、確かに二国間援助、いわゆるODAの手段を講じまして適切な対応策が講じ得るということが調査団が持ってまいった結論の一つでございます。 現在、今回の調査の結果を踏まえまして、具体的に二国間協力の手段を講じまして、どういう形で生産国に対して麻薬対策の協力ができるかということを外務省、国際協力事業団、それから関係省庁にも協力をお願いしまして検討しているところでございますので、そういうものを踏まえまして、私どもも積極的に対応していきたいと思っております。
○日下部禧代子君 お話を承りますと、調査も初めてなさったという形で対応には具体的にまだ手をつけられていないということが今のお話でわかったわけでございます。そして、今、国連薬物乱用統制基金に対する日本の出資金というのは、八十万ドルというと、これは約一億二千万円ぐらいだと思いますが、この基金の年間予算というのは五千万ドルというふうに聞いております。七十五億円のうちの約一億二千万円でございますから、経済大国の日本といたしましてはかなり少ないんじゃないかなというふうにとらえております。 ところで、次に文部省にお伺いしたいんですけれども、最近日本でも次第に麻薬取締法違反容疑で逮捕されるとか、あるいは取り調べを受けるという少年、高校生などが非常にふえてきているというふうに聞いておりますが、特に海外旅行とか留学が一般化した今日でございますと、若い人たちが麻薬に汚染されるということの機会というのも今まで以上に多くなってくるのではないかというふうに思います。そういうことに対しまして、文部省当局の御認識はいかがでございましょうか。
○説明員(石川晋君) お答えいたします。 今日、先生御指摘のように麻薬の問題、つい最近新聞報道で、高等学校の例でございますが、学内で大麻の取引といいますか、受け渡しがあったというようなことが報道されたりいたしましたが、従来から学校における薬物乱用等についての指導の充実に努めている我々といたしましては大変残念なことである、今後このようなことが起きないようになお指導の充実に努めてまいりたいと考えている次第でございます。 なお、数字的な意味では薬物乱用等の中で大部分を占めますのはシンナー乱用等でございまして、大麻、麻薬あるいはアヘン違反等の少年の数というのは大変少のうございますし、特にその中で在学中の子供が少ない、このことで我々に責任があるとかないとかいうことで申すわけではございませんが、薬物乱用の主たる内容はシンナー等の乱用でございまして、いわゆる麻薬等は我が国の場合はまだまだ低いレベルにあるんではないかというふうに考えております。
○日下部禧代子君 確かに、欧米に比べては少ないと思いますけれども、やはり汚染されてしまってから対策を立てるのでは、これは非常にお話にならないことでございまして、もう少し積極的な対策を望みたいというふうに思います。 ところで、麻薬等の取り締まりということに関して現状がどのようになっているのか。麻薬取締官が百七十人ぐらいだというふうなことも伺っておりますけれども、これ簡単に現状をお伺いさせていただきたいと思います。
○政府委員(北郷勲夫君) 麻薬取り締まりは麻薬取締官事務所とそれから警察と両方でやっておるわけであります。それから、海外から入ってくるものにつきましては税関で押さえる、こういう体制になっております。それから、麻薬取締官事務所の定員は百七十名という体制でございます。
○日下部禧代子君 これは我が国の状況で多いと見るのか少ないと見るのか、どのような御判断をなさっているのか、これは厚生大臣にもお伺いしたいというふうに思います。 確かに我が国では、アメリカのようないわゆるドラッグウオーと言われているような麻薬に関する危機的な状況というのはございません。またヨーロッパほどでもございません。しかしながら、次第に日本でも麻薬の問題というのは深刻になっていっているんじゃないか。例えば昨年の八月末までに押収されたコカインの量というのは昨年の八十倍にも上っているというふうなことも言われております。 ことし二月に開催されました国連の麻薬問題特別総会でデクエヤル事務総長は、「麻薬は文明の心臓部で時を刻む時限爆弾だ」というふうな発言をしております。そして、九〇年代を麻薬乱用撲滅の十年というふうに宣言した世界行動計画を採択しております。この麻薬対策というのは自分の国のためだけではなくて世界の平和というふうなことも含めた視点からとらえねばならないというふうに思います。 日本ではそれほどまだ深刻ではございませんけれども、こういった国際的視野からということも含めまして、政府、特に厚生省が麻薬対策にどのような危機感と、そして同時に御熱意をお持ちでいらっしゃいますのか、厚生大臣の御決意をお承りいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○政府委員(北郷勲夫君) 大臣のお答えの前に若干御説明を申し上げたいと思いますが、今文部省の方の答弁にもございましたが、日本がどういう状況にあるかという認識につきましては、今委員が言われたアメリカに比べればいい、あるいはヨーロッパに比べればまだ入り方は少ないと、これはそのとおりでありますが、お話の中にも出てまいりましたように、非常に海外交流が多いということが非常に問題であります。海外で覚えてきて、特にホームステイとかそういう機会に覚えてくる。特にマリファナなんかは比較的アメリカでは罪悪感がなしに使われている傾向にあるわけでありまして、そういう機会に覚えて、日本に帰ってきてまたそれがさらに引き続き習慣になるというような危険。それからまたコカインが、これ興奮剤でありまして、日本に覚せい剤が非常に多いわけでありますが、覚せい剤と同じ系統の麻薬でありますので、一たん入りますと非常に爆発的にはやる可能性を秘めておる、こういう心配をいたしております。 そんなことでありますので、未然にはやらせない、こういうことを非常に重点的に考えなきゃならぬというのが私どもの考え方で、したがいまして、PR事業とか、こういうものを一生懸命やっていかなきゃいかぬと思っております。
○国務大臣(津島雄二君) 麻薬等の乱用が現在の世界に共通する社会問題であるということは、委員の引用された国連の事務総長の言葉にあるとおりであります。こういう中にありまして、日本は欧米諸国と比べますと相対的に乱用は少ない状況にあることは幸いでございます。 ただ、麻薬等の乱用の風潮は一度国内に流入するともとに戻すのに大変なエネルギーを要すること。それから、最近のクラックがアメリカで猛烈にふえたというような事情を聞いてみますと、爆発的にふえる可能性を秘めているというようなこと。国際交流が盛んになっているというようなこと。政府委員から御答弁ございましたように、我々はよほど熱心に取り締まりをし、対策を講じていかなければならないというふうに考えております。このため厚生省としては、予防対策を積極的に推進いたしますとともに、国内外の関係機関とも協力いたしまして麻薬等の撲滅に努力していく所存でございます。
○尾辻秀久君 本年は戦後四十五年という節目の年であります。今日の平和で豊かな国民生活の陰に、その礎となった先ほどからいろいろお話もありますけれども、さまざまな大変に大きな犠牲があったことを私たちは忘れていけない、そう思います。そして、その痛みを今なお背負って生きておられる皆さん方が大変にお年を召されまして、今日そうした皆さんへの援護施策の充実の必要性はますます高まっていると思います。厚生省でも種々の施策を講じていただいておりますが、それらが真に適切かつ十分なものであるか、本日の援護法審議に際して援護施策全般について今後の取り組みと御決意を伺いたいと思っております。 まず、援護法についてでありますが、今般改善していただこうとしております金額については、率直にありがたいと思います。この金額については恩給法絡みで申し上げなきゃなりませんので、厚生大臣に対してといいますよりも、今後とも御指導いただく津島先生にこの際どうぞ、答えは総合勘案方式などと言わずにすぱっと出していただきますように、まずお願いをさせておいていただきたいと思います。 お尋ねしたいのは、この制度ができましてもう随分長くなるわけですけれども、今なお申請をしたいという御相談をよくお受けいたします。そこで、この制度についての周知徹底方についてお尋ねをいたします。
○政府委員(末次彬君) ただいま御指摘の、援護年金の受給資格者が確実に年金を請求できますように制度についての広報を充実していくということが大変重要であるということを私ども十分認識しているところでございます。そのため、厚生省として「民生委員 児童委員のひろば」という広報誌がございますが、たとえばこういう広報誌に掲載するなど、民生委員に対しましても広報に努めるとともに、都道府県の職員、これもよくかわりますので、こういう職員にまず理解していただくという意味でわかりやすい援護年金の手引というようなものも作成して送付いたしております。また、もろもろの会議の場等におきましても、機会をとらえまして制度の周知徹底を図るように要請をしてきているところでございまして、今後ともこうした努力を続けていきたいというふうに考えております。
○尾辻秀久君 次に、遺骨収集と慰霊巡拝についてお尋ねをいたします。 遺骨収集には私も何回か行っております。最初に行きましたときには、御遺骨が本当にあたり一面に散乱をしておりまして、涙が出るというよりももう茫然といたしました。今日遺骨収集可能な地域でそんな姿はもう見られなくなりましたけれども、ただ申し上げたように、戦後四十五年たちますと御遺骨があるなあと思って拾おうとすると、ぽろっと崩れるんです。本当にもう御遺骨が土に返っていっておられるんです。ですから、どうぞこの際ぜひお願いをしたいのは、一日も早く済ませていただきたいと思います。こんなことは先に延ばせばいいということは何にもないわけであります。 先ほど来お話も出ておりますけれども、経済大国日本が国のために犠牲になったその御遺骨に対してお金をかけないばっかりの話でありますから、これはぜひ早く済ませていただきたいと思うわけであります。 同時に、インドネシアなど、相手国の事情があって収骨不可能な地域もございますので、ぜひその辺の御努力もいただきたいと思っております。 そこで、お尋ねは具体的なことで一点させていただきたいと思っておりますけれども、スミルヌイフというところですか、昨年の秋に旧日本軍人の御遺骨が出たというふうに報道されたわけでありますけれども、これぜひ政府で調査団を派遣していただきたいと思っておりますので、いかがですかということです。 それからもう一点、先ほどの堀先生の御質問をお聞きしておりまして判然としませんでしたので、もしお手元に資料がありましたらお答えいただきたいと思うんですけれども、海没の御遺骨で収骨された数は一体幾つあるんだろうと、こう思いましたので、お手元に資料がありましたらお答えください。 以上、二点お尋ねいたします。
○政府委員(末次彬君) 昨年九月、一部報道におきまして、ソビエト連邦サハリン州スミルヌイフ、これは旧気屯というところだそうでございますが、ここで旧日本軍人の遺骨が発見されたという報道がございまして、早速私ども外務省を通じ、ソ連政府に対しまして事実確認を申し入れておりましたところ、旧日本軍人の遺骨が発見されたということは事実であるという旨の回答がございました。 このため、外務省を通じまして、ソ連政府に遺骨の調査及び引き取りにつきまして申し入れをしておりましたところ、ソ連政府から原則的に同意する旨の連絡がございまして、現在具体的な日程について検討中でございまして、私どもの希望といたしましては、その時期を本年七月末から八月にかけてということで関係者と現在調整中でございます。 それから沈没艦船の遺骨収容状況でございますが、現在まで沈没艦船のうち百十二隻の沈船から四千六百十二柱の御遺骨を収容しておるところでございます。
○尾辻秀久君 遺骨収集に関して言いますと、お亡くなりになった方の数が二百四十万柱、そのうち既に収骨されたものというのはせいぜい半分ぐらい、百二十万柱ぐらいだと思います。 海没遺骨に対しては今のお答えのとおりでございまして、まだまだ御遺骨、いろんなところで日本に帰る日を待っておられるわけでございますから、重ねてお願いだけをさせておいていただきたいと思います。 それから慰霊巡拝について申し上げておきたいと思いますけれども、本当に肉親最期の地に行って心行くまで慰霊をしたい、これはもう遺族の切なる願いでございますから、今後ともの御努力をよろしくお願いをまずさせていただきます。 そこでお尋ねは、ソ連墓参についてであります。 申し上げた遺骨収集も今日までソ連については全く認められておりませんでした。それからまたさらにちょっと言わせていただくと、シベリア抑留で亡くなった方々も我が方としては五万人ぐらいおられるだろう、墓地も三百カ所ぐらいあるだろう、そういうふうに推定をいたしております。この数字、ちょっと私も記憶に頼る数字でございますから、あるいは正確でないかもしれませんが、まあそんなものであるはずであります。そしてソ連が発表した名簿はせいぜい四千人、墓地の数に至っては二十八カ所であったというふうに思います。そうした中で、ソ連も御存じのとおりの変化をいたしておりますから、今後に私たちとしては期待をしたいわけでございまして、今後のソ連墓参をどのように進めていただけるか、このことだけお尋ねをいたします。
○政府委員(末次彬君) ソ連抑留中に死没されました方々の墓地への墓参につきましては、昨年ソ連政府からそれまで墓参が認められていなかったウラジオストク、ザビタヤ、アルチョム、この三カ所の墓参が初めて認められまして、これらの墓地への墓参を実施したところでございます。この結果、ソ連政府から通報のございました二十六カ所に対する墓参は一応一巡したということになるわけでございます。このため、本年度から計画的にソ連地域内の墓地への二巡目の墓参を行っていきたいというふうに考えておりまして、本年度はイルクーツク、ウランウデ及びチタの各墓地への墓参を実施することにいたしております。
○尾辻秀久君 引き続きの御努力をお願いさせていただいて、次に中国残留孤児について、先ほどもお尋ねありましたけれども、お尋ねをさせていただきます。 まず、改めてですけれども、帰国孤児世帯の就労状況はどうなっておりますか。
○政府委員(末次彬君) 昭和六十二年十一月三十日現在で中国帰国孤児生活実態調査を実施いたしておりますが、この調査によりますと、この調査時に就労している孤児、これは約五割でございまして、世帯のいずれかが就労している世帯、これは六割というふうになっております。 また、これを帰国後の経過期間別に見ますと、帰国後一年以内の孤児世帯のうち、就労者のいる世帯の割合は約三割でございますが、帰国後五年以上を経過いたしますと、就労者のいる世帯は全体の八割以上になっております。
○尾辻秀久君 本当に日本に帰ってこられて、あの年になっておられるわけでありますから、生活になれる、仕事につく、大変なことなんだろうと思います。ですから、きめ細かく面倒を見てさしあげる必要があるだろうと思うんでありますけれども、定着促進センターと自立研修センター、二つあるわけでございますが、どのようなことをしておられるのか、これまた改めてお尋ねをいたします。
○政府委員(末次彬君) 御指摘のとおり、定着促進センターと自立研修センター、この二つがあるわけでございますが、帰国直後四カ月間入所いたします定着促進センターにおきましては、職業相談員を中心に入所孤児世帯に対しまして、日本の職業事情、雇用慣行等について指導しまして、世帯単位の生活設計を立てさせますとともに、それぞれの地域の公共職業安定所に求職票を提出するように指導いたしております。 定着促進センターを退所いたしまして地域に定着後八カ月通所する自立研修センターにおきましては、就労相談員が中心になりまして、孤児とその家族に、より具体的に地域社会での産業あるいは日本での職場での慣行等についてわかりやすく説明するよう努めまして、必要に応じ、公共職業安定所、公共職業訓練施設等の見学を行いまして、これらの機関の利用について指導をしております。さらに、就労相談員が地域の企業あるいは雇用主に帰国孤児の特徴などについて理解を求めまして、新たな職場開拓に努めるなどいたしまして、原則として自立研修センター修了時までには就労するよう個々の事情を踏まえながら指導を行っておるところでございます。
○尾辻秀久君 あえて今二つのセンターの働きをお尋ねいたしましたのも、この二つのセンターがあるわけですから、うまく連続性を持たせて面倒を見てさしあげるということが必要であろうと思いまして、このことを申し上げたかったわけであります。また同時に、こうしたセンターと、さらにそうした皆さんが地域定着後は派遣される自立指導員だとか職業安定所などだとか、こうしたいろんなところとの連携をうまくとってやらなければならない、この辺がどうなっているのかなとちょっと気になるものですから、お尋ねをしたかったのであります。 このことと、それからあわせて、そうしたセンターの職員の皆さんだとか自立指導員の方だとか、まさしくこうした皆さんのお力に頼るわけでありまして、そういう表現をすれば、いい人材をこういったところに確保しないとどうにもならないと思うわけでございまして、この二点お尋ねをいたします。
○政府委員(末次彬君) 御指摘のとおり、定着促進センターの四カ月間、これと自立研修センターの八カ月間、これを合わせました一年間を通じた指導体制、これを実効あるものにするということが非常に大切であるという、そういう基本的認識に立ちまして両センターを運営しておるところでございます。このため、帰国孤児世帯が地域に定着するに際しましては、個人の特性あるいは日本語の習得状況等を明らかにした資料を都道府県援護担当課を通じまして自立研修センターに送付いたしまして、これらを踏まえたきめ細かな指導を行うように努めております。また、必要に応じまして、両センター職員の情報交換と協議の場を設けております。さらに、地域におきまして孤児世帯の定着自立指導に当たる関係諸機関が密接な連携を図るために、都道府県援護担当課が中心になりまして、自立研修センター、自立指導員、職業安定所、生活保護担当部局等によります連絡協議の場を設けるよういろんな機会を通じまして要請しておるところでございまして、今後とも関係機関が一体となって早期自立に向けて努力していきたいというふうに考えております。 また、第二点の自立研修センターの職員等の資質の問題でございますが、帰国孤児の円滑な定着自立、このために直接指導に当たる者の熱意とこの指導方法が非常に大切であるということは御指摘のとおりでございまして、そのためには優秀な人材を確保するということが大事でございます。年々、処遇の改善あるいは負担の軽減を図る、こういった措置をとりますほか、本年度から自立研修センターの職員を対象にいたしまして、帰国孤児の日本社会への適応促進の指導に必要な研修を行うなど、優秀な人材確保のための条件づくりと資質の向上に努めているところでございまして、今後とも御指摘の方向で努力してまいりたいと考えております。
○尾辻秀久君 いろいろお願いをさせていただきましたので、最後に大臣の御決意を伺って終わりとさせていただきます。
○国務大臣(津島雄二君) まことに苛烈をきわめたさきの大戦の戦争犠牲者の方の援護は国の当然の責務であると考えております。このような立場から、具体的には戦傷病者及び戦没者御遺族に対する処遇の改善、遺骨の収集、慰霊巡拝等の慰霊事業の推進、さらには中国残留孤児等に対する施策の充実など、援護施策の重要性を認識し、その充実強化にできる限りの努力をしてまいりたいと思います。
○委員長(浜本万三君) 両案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(浜本万三君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案及び麻薬取締法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高桑栄松君 それでは、最初に戦傷病者関係の方の質問をさせていただきたいと思いますが、あらかじめ通告しておりました質問はすべて同僚委員の方から懇切丁寧に質問をしていただいておりますので、一応私の方の要望として項目だけ申し上げますが、一つは、再度の一時帰国者の旅費支給について、昭和六十二年開始、ほぼ十年たった人ということでございましたが、これをもっと短く、例えば三年ぐらいにできないのか、年をとっていくからということであります。二番目は、一時帰国者の旅費は出ても滞在費が出ないから来れないという人がおられるようでありますから、これは大変残念な、またお気の毒なことでありますので、考慮できないかということです。三番目は、残留婦人の場合ですが、残留日本人孤児にあるような特別身元引受人制度をやはり残留婦人にも同じような制度を考えてもらいたいということでありまして、これは陳情を受けたりしまして、私も本当にもっともだと思って、そのうちから今の三点を私挙げました。これは私ども要望ということでさせていただきます。 急遽質問を変えましたので、ちょっと二、三また承りたいと思いますが、まず一点は、もう十年以上前になりますが、私が北大の教官としておりましたころの話でありますけれども、沖縄に参りましたら案内をしてくださった方が摩文仁の丘の最終戦場、あそこに各県の慰霊碑がございます。例えば北海道ですと北海道のがありまして、そのほか札幌市の慰霊碑もございました。各県のを全部見たわけじゃありませんが、お参りをしましたら、終わりましたところ案内者が、ここには沖縄県のがないと、こう言われまして、私も各県がそれぞれ拠金をされたことだとは思いましたけれども、どういう意味で言われたか私には、戸惑いまして私自身は絶句したというか、言葉なく黙って承りましたが、これは一体どういうことになっているのか、何かその辺の事情、それから沖縄県の考え方みたいなものが何かあったんでしょうか。その辺ちょっと承りたいと思います。
○政府委員(末次彬君) 沖縄には国として国立の沖縄戦没者の墓苑が摩文仁の丘に昭和五十四年二月に建設されておりますが、ただいま御質問の沖縄県の慰霊碑につきましては、ちょっと私、今お答えするだけの知識をお持ちしておりませんので、後ほどまた調べましてお答えをしたいと思っております。
○高桑栄松君 最終戦場となった沖縄で十七、八万人でしたか、亡くなられた半分ぐらいは県民であったということがありまして、何となくそういうことについての無言の一つの何か抵抗感みたいなものを、私感じまして、何となく、だから十年たってもいまだにちょっとどこかにひっかかっているということでございます。そういうことですので、沖縄の戦争が終わったときの状況は皆さんよく御存じなので、それに対する何か思いやりというか、そういうことがあってほしいなという気持ちで今質問をさせていただきました。 二番目は、中国残留婦人のことで、よく自己意思による残留者という言葉が出てきますので、自己意思残留者というものの判断の何か基準というのはありますか、ちょっと伺いたい。
○政府委員(末次彬君) 私どもまず未帰還者ということでとらえるわけでございますが、未帰還者と私どもが申しておりますのは、終戦前から引き続き中国、ソ連、北朝鮮または南方の諸地域におきまして残留している者のうち、日本の国籍を有している、あるいは過去のある時点で生存していると認められる資料がある、自己の意思により帰還しない者でないこと等の条件を満たしている者で、こういう方を対象にいたしまして未帰還者の状況調査、帰還促進をやっておるわけでございます。 未帰還者の現況としましては、平成二年一月一日現在で千百三十二名、その内訳としまして中国八百五十、ソ連百五十六、北朝鮮七十八、その他四十八、こういうふうになっております。これらの方々に対します調査究明、これにつきましては、現地の日本国大使館の協力を得まして帰還者からの情報収集、現地残留者に対する通信調査、こういう手段によりまして実施しております。消息の明らかな者につきましては、帰国を希望する者につきましては、これは帰国手続を進めるということにいたしておりますし、その意思のない、まさに自己の意思で残留するという方々については未帰還者の対象から除外いたしております。 一たん帰国意思がないということで対象から除外した方につきましても、改めて永住帰国をしたいという場合には、これは永住帰国の措置の対象にいたしておりまして、帰国されました場合には通常の孤児あるいは残留婦人と同様の取り扱いをするというふうな方針で臨んでおります。
○高桑栄松君 今承りますと、なるほどと思う点もありますけれども、陳情を受けたときもそうでしたし、今お示しをするこの新聞にもそれが書いてあるんですが、自分の意思で好きで残った人は一人もいないはずだと、いないと、こう断言しているわけです。ですから、どういう形で確認をされたかは知りませんが、何年前かに確認をしても、またその人たちは本当は自分の意思ではない、帰りたいという人がいるだろうと思うんで、そういうことをお考えをいただきたいということが私の二番目の、自己意思残留者という言葉がちょっと法律的に過ぎるのではないかという意味で意見を述べさせていただいたわけです。 三番目は、これは急いでこれに載ってますよと通知をしたと思いますが、ことしの六月七日の朝日新聞の夕刊でありますけれども、かなり大きなスペースであります。「異国の地から里帰り夢みて」という記事でございまして、これは本当にそうだろうと思って私も新聞記事は読んでみました。これで、サハリン、南北朝鮮、中国、それからフィリピン等のことが書いてございます。この数字の読み方がよくわかりませんので、今申し上げたような東南アジアでどれくらいの残留者がいるのか。実情について、知っておられる範囲で数字をお示し願いたいということです。
○政府委員(末次彬君) 新聞報道の人員につきましては、これはいろんな数字が記載されておりまして、私どもの方の把握した数字とは多少数字の質が異なりますので、一応私どもの方で未帰還者として把握しておる数字を申し上げますと、ソ連につきましては百五十六名、中国八百五十名、北朝鮮七十八名、その他、これは南方等でございますが、四十八名、合計千百三十二名という数字を私どもは把握しております。
○高桑栄松君 私が申し上げたのは、ここに出ている数字が私よく読み方がわからないんで、ここに書いてある「海外に残留する日本人」、恐らく自己意思も入ると思いますし、自己意思でない人、よくわかりませんが、サハリンとか南北朝鮮、中国等々ではひょっとしたら自己意思とは別な状況下で残留をしたと思われる人が多いんじゃないかと思うんですが、少なくともここにある数字を全部足しますと二万人超えるですね。だから今の千百でしたか、それから見るとかなり実情との差があると思いますが、これはもうやむを得ないことだと思いますけれども、実際には相当数がまだ日本帰国を夢見ながら残留しておられるんじゃないかなということはございますが、東南アジアでのこういう方々を含めまして、戦争の結果として自己意思とは別に残留を強いられてしまった人たち、こういった方々に対して、大臣はトータルでどんなふうに今後これから援護を進めていくことになるのか、お考えをひとつ述べていただきたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 委員が今提起せられております残留しておられる方の問題、再々申し上げておりますが、戦争の残した傷跡が大きく残っておる問題でございます。こういう方々、まず数の方は今御議論ございましたように、なお精査する必要があるという問題がございます。そのためにはやはり調査をしなければならないということが第一点ございますが、そのほかに、一体自己意思で残っておられるのかどうか、帰国の御意思があるのかどうかというもう一つ問題があると思います。 これまでの中国残留婦人の方の場合、あるいはサハリンの方の場合等、達観して判断をいたしますと、政府の考え方は、帰りたいというお気持ちがはっきりしている方はできるだけお手伝いをして帰国をしていただいて、そして定住をしていただくお手伝いもしよう、こういうことであろうと私は考えております。ただ、具体的にどの地域にどういうことになるかというのは、まずそれは数の把握から、それから意思の確認とかいろいろな問題がございますから、私はこの場で今の中国とかサハリンの問題以外については的確にお答えできる立場にはございません。 しかしいずれにしても、本当に戦争の混乱で残ってしまったけれども、日本に帰りたい、しかも明らかに日本国籍であった方という場合については、極力旅費を出してさしあげてお帰りをいただき、定住のお手伝いをするというのが筋であろうというふうに、一般的には私からお答えをしたいと思います。
○高桑栄松君 それでは、二番目の麻薬等の改正案、こちらに入りたいと思いますが、去る四月の二日から七日まで、約一週間でありますけれども、キプロスで第八十三回の列国議会同盟会議がございました。参加した国会議員が八百五十ぐらいおられましたかね。我が国からは参議院から三名、衆議院からは六名、計九名で、私もその中の一人に加えさしていただきまして、これは公用で国会開会中でございましたが、やらしていただきました。 そのときのテーマが二つございまして、一つは雇用と開発、もう一つは麻薬でございまして、私は麻薬の方が医者としてはふさわしいと思って、そのつもりで準備を開始しようとしたら、麻薬は衆議院担当であるというので、私の出番は麻薬についてはなくなりましたが、そのとき若干厚生省から資料をもらったりしておきましたので、そんなのをもとに少し質問をさせてもらいますが、麻薬の問題というのは、今はもう本当に一国の問題ではなくて、国際的に協力をしなければ麻薬に対する有効な対策は、手は打てないということが現在各国で皆合意をしたことだと思うんです。そういうことでわざわざ決められたテーマに麻薬ということが取り上げられておったわけであります。 その辺を背景に考えながら、質問をさしていただきますが、まず麻薬の取り締まり体制、我が国でございますけれども、時間もございますので要領よく、適当なところで、余り細かくなく教えていただきたいんですが、麻薬等を押収している状況ですね、量とか件数があるかと思うんですが、そういう傾向から見て、その延長線上に将来我が国としてはどうなっていくだろうか、どういうものがどうなるんだろうかということについての予測を伺いたいと思います。
○政府委員(北郷勲夫君) 先生おっしゃるのは、黙っていればどうなるだろうか、こういう意味だと存じますが、それなりの対策を講じてまいるわけでございますので、それをとにかく防ごう、こういう努力をするわけでございますので、成功すれば、ならない、こういうことでありますけれども、そういう意味じゃ警戒すべき点、こういう角度から申しますと、一つはコカインの問題であります。 これは最近密輸とか密売、こういう事例がふえてまいりまして、平成元年度で九十六名がコカイン関係で検挙されております。この点が非常にふえてくる可能性があると考えます。それから大麻でございますが、これも午前中の議論にもございましたように、若い人が海外へ渡航して、そういう習慣をつけて帰ってくる、こういう事例がふえております。ほっておきますと、これがふえてくる可能性がある、かように考えます。それから、向精神薬につきましては、これは医薬品として流通しているものでございますが、これを暴力団が非常に関係して若い人に売る、こういう比較的入手が容易な部類に入りますので、こういう点を押さえていかなければこれがまたはやるおそれがある、大ざっぱに申しますと、そんなような考えを持っております。
○高桑栄松君 その中でちょっと今触れておられましたが、大麻の関係、マリファナについては、私は薬理の教授から聞いたときに、アメリカではこれはたばこみたいに考えているようだと、我が国は取り締まり対象になっているというようなことで、将来どうなるのかなと私思っておったんですが、日米で今の例えばマリファナについてはどういう解釈の違いがあるのか、麻薬取り締まりに対する根本的な相違点はどういうことでしょうか。承りたいと思います。
○政府委員(北郷勲夫君) 主としてマリファナのお話でございますが、日米で麻薬全体をとらえまして、法律的な考え方が若干違うというふうに思われます点は、アメリカの場合でございますと、特に流通面を押さえていく、こういう考え方が非常に強くあるわけであります。罰則なんかの規定を見ましても、販売目的の所持、要するに商売人を厳しくやっつける、こういう考え方が強いと思います。日本でももちろん流通面での規制は厳しいわけでございますが、それと同時に自分で使うという点、自分で使うために持っているというところもかなり厳しく規制をいたしております。これは麻薬対策は生産対策あるいは流通面での対策、あるいは消費者の対策、こうあるわけでありますが、我が国は伝統的に流通面というよりも消費面を押さえていくというようなところが考え方の特徴であるというふうに思っております。 それから大麻、マリファナでありますが、これはヘロイン、コカインなんかと比べて毒性が低い、こう一般に考えられておるのでありますが、日本の場合には若干弱いがかなりの規制をしておる、アメリカでも大麻については法制上はかなり厳しい規制をいたしております。ただ、これについてはいろいろ議論がございまして、一部の州ではいわば行政罰のような反則金みたいなやり方で規制をしておるというところもあります。それからまた、カーター大統領の当時でありますか、一時大麻の規制についてもう少し緩めてもいいんじゃないかという議論もあったというふうに聞いております。
○高桑栄松君 麻薬については水際作戦ということがよく言われているわけでありますが、たしかエイズのときも水際作戦という言葉を使われたように思うのですが、エイズなんというのは物(ぶつ)として見えるものじゃありませんので、水際なんということはあり得ないわけで、あれは水際作戦はあり得ない、したがいましてどんどん勝手に入ってきていることは確かであります。麻薬の場合は物(ぶつ)でありますから、確実に水際で押さえることができる。我が国は生産国じゃありませんから、すべて使われておるものは外国から入ってきているという前提だろうと思うので、その水際作戦の場所は税関だろうと思います。 それで、税関というのは我が国に数がどれくらいあるのかということをひとつ承りたいと思います。
○説明員(本村芳行君) お答えいたします。 税関は日本全部で九つ設置してございます。
○高桑栄松君 それは空港とか海港だとか、全部含めてでしょうか。
○説明員(本村芳行君) 空港、海港含めまして、例えば東京、横浜、函館、名古屋、神戸ということで全部で九つでございまして、各税関におきまして空港がある場合には空港も所掌する、それから海港がある場合は海港も所掌するという状況になっております。
○高桑栄松君 そのときに、違反が見つかったときに税関で何か逮捕するとか、それは警察になりますか。
○説明員(本村芳行君) 関税法上は税関職員は逮捕権がございませんので、警察の方と協議しております。
○高桑栄松君 それで港の問題で、ついこの間コロンビアの貸物船から大量のコカインが発見されたというのがございますが、これは簡単に言うと税関を通らないで持ち込もうとしたものなんですか、どうなんでしょう。
○説明員(本村芳行君) 先生おっしゃっておられるのは、先般五月の横浜における三十三キロのコカインの摘発事件のことかと存じますが、この件につきましては、警察と税関とで共同でコロンビアの船籍の船内捜索をいたしまして、それで合同調査におきまして約三十三キロを摘発したというケースでございます。
○高桑栄松君 これは港でうまく引っかかったということかもしれませんが、洋上取引みたいなものはあったのでしょうかね、今まで。どんなものでしょう。
○説明員(属憲夫君) 洋上取引につきましては、特に覚せい剤の場合はそういう手口で我が国に持ち込まれるというケースがございます。特に最近では、台湾あるいは韓国から大量の覚せい剤が我が国に入ってきているような状況でありますけれども、大量の覚せい剤を運ぶ場合には、比較的洋上での取引という手口が現在でも一般的といったような状況です。
○高桑栄松君 そこで伺いたいのは、麻薬探知犬ですね、これは人間に比べて大変に嗅覚が発達しているということで、どれくらいの効率を上げているものなのか。それからどれくらい我が国では犬を配置しているのか、ちょっと承りたい。
○説明員(本村芳行君) 麻薬等の薬物のほぼ全量が海外から密輸入されておりますのが現状でございまして、そういう意味合いでは水際における取り締まりが極めて重要でございます。その観点で麻薬探知犬は極めて有効な役割を果たしておりまして、今までの摘発実績を御披露させていただきますと、昭和五十四年から平成二年まででございますが、摘発件数が九十一件、それから摘発の数量でございますけれども、大麻草が百三キロ、ヘロインが二十一キロ等の実績を上げております。 現在、全国には二十二頭の麻薬探知犬を配備しておりまして、空港、海港ともにおける取り締まりに従事させている状況でございます。
○高桑栄松君 例えば、いつもアメリカと比較になるわけですが、アメリカは何頭ぐらい配置しておりますか。
○説明員(本村芳行君) アメリカは現在二百頭持っております。
○高桑栄松君 二百頭と二十二頭というのは大変大きな差がございまして、何か本当かうそか私知りませんが、犬の嗅覚は人間の数万倍だと。飛行機一機分の荷物は三十分でかぎ分けるというふうに、本当かうそかそう書いてあります。本当だとするとこれ大変なことでありまして、人間に月給払って……、いやこれはちょっと今言い過ぎでございますが、犬の方は余り労働条件がそう厳しくないようでございますから、人海戦術という言葉がありますが、大海戦術というそういう御見解はないかどうか承りたいと思います。
○説明員(本村芳行君) 先生御指摘のとおり、現在二十二頭の麻薬探知犬が全国で活躍しておりまして、マスコミ、テレビ等で非常に大きく取り上げていただいておりますし、また各委員会におきましても、麻薬探知犬につきましては種々御質問をいただきまして、私ども税関としては非常にこの場をかりて御礼申し上げる次第でございます。 この麻薬探知犬につきましては、私ども大蔵省税関といたしましても、平成三年度以降、各税関における業務の実態でございますとか、あるいは麻薬探知犬の育成可能数、麻薬探知犬も実はゼロの段階からきちっとした麻薬探知犬に育て上げるためには百三十頭の中から最終的には一頭きちんとした麻薬探知犬になるという状況がございまして、そこらの犬を引っ張ってきましてすぐ麻薬探知犬というわけにはなかなかいかない事情がございまして、そういう麻薬探知犬の育成可能数等も十分考えまして計画的かつ着実にふやしていきたい、かように考えている次第でございます。
○高桑栄松君 伺いますと、やっぱり競争率は大変激しくて、公務員上級試験よりも大分難しいように今承りましたが、この辺けんけんごうごう議論をしていただきまして、探知犬をふやした方が非常に効果が上がることだろうと思うんです。これ一つお話させていただきました。 そこで、麻薬取締官というのは現在法律で定員が決まっているというのでふやそうと思ってもふやせないという実情のようでありますが、現在どうなっておりましょうか。
○政府委員(北郷勲夫君) 法律で人数は決まっております。
○高桑栄松君 何人ですか。
○政府委員(北郷勲夫君) 百七十名でございます。
○高桑栄松君 やっぱり麻薬の取り締まりというのは、これテレビの見過ぎかもしれませんが、一カ所を追いかけるのに何人もチームを組んでやったりしているわけで、これは大変なものだろうと思うんですが、人数は外国に比べてこれも非常に少ないんじゃないかと思うんで、取締官についても、国際条約を批准し、今度それに伴って我が国も国際的な取り締まりの一翼を担うとすれば取締官を増員する必要があるのではないか、こう私は思います。 それから、新聞によりますと、最近の新聞ですが、毛髪から過去の麻薬を、使用者の吸収された部分が毛髪の中に入っているということで、この鑑定が国立衛生試験所でかなり精密にできるようになったと新聞には記載してあります。いかがですか。
○政府委員(北郷勲夫君) 最近非常に機械が進歩しまして、微量物質の検出が可能になりましたものですから、髪の毛を分析しますと、麻薬をいつどれくらい使用していたかということがわかるのであります。衛生試験所でも研究いたしております。それは新聞に載っておりましたことは事実でございます。 どれくらいの期間できるかというようないろんな問題があるんですが、髪の毛はどんどん伸ばせばいつまでも伸ばしておいていただくわけにもまいりませんので、ある期間が来ると切れてしまうものですから、ただ、うんと長くした場合にどのくらいまで検出可能かというところまでは研究いたしておりませんが、二年ぐらいまでの成績は得られる、こういうふうに聞いております。
○高桑栄松君 確かに髪の毛は一カ月で一・一センチとか一・三センチとか伸びる。ですから、五カ月で五、六センチ伸びるということになりますね。だから一カ月で一センチ、一・一から一・三というと、男ですと一カ月に一遍ずつ刈ると、そこはなくなっていくわけですが、五センチぐらい長いのがあると約半年ぐらい前のが出てくるかもしれませんね。それはそうだと思うんです。女性はその何倍か伸びておりますから、過去の服用したものが本人が全く知らないといっても出てくるという意味ではこれ非常にいいと思うんです。 しかも、これは薬の別で覚せい剤、モルヒネ、コカイン、大麻、それぞれ別々に検出できるというふうに載っておりますし、事実そうだと思うんです。ですから、こういう方法はもっともっとひとつ普及をされた方がいいのではないか。所持者あるいは使用者に対しても日本は規制をしている、これが我が国の麻薬の違反者の比較的少ない理由のポイントだろうと思いますね。ですから、そういう点はもっと研究を進められる、研究費もふやすということだろうと思うんです。 時間がだんだんなくなってまいりましたが、総理府に薬物乱用対策推進本部というのがあるようでありますが、どんなことをやっているんでしょうか、ちょっと伺います。
○説明員(平石治兌君) 御説明申し上げます。 薬物乱用対策推進本部というものは、薬物乱用対策に関しまして関係行政機関相互の事務の緊密な連絡をとるとともに、総合的かつ効果的な対策を推進するため昭和四十五年六月総理府に設置されたものでございまして、広報、啓発、取り締まりの強化を中心に関係各省と連携をとりまして、その強力な推進に努めているところでございます。本部長は内閣官房長官でございまして、本部員は関係十四省庁の関係局長でございます。平成二年度におきましても四月二十日に本部会議を開催いたしまして、政府の薬物乱用防止対策の指針を取りまとめました「平成二年度薬物乱用防止対策実施要綱」を策定したところでございます。これ以外につきましても薬物乱用防止広報強化月間の設定や薬物乱用事犯取り締まり強化月間などを指定いたしまして、関係省庁と連携をとりまして、その対策を進めております。 〔委員長退席、理事糸久八重子君着席〕
○高桑栄松君 アメリカでは税関とか警察とか関係機関が情報をコンピューターで一元化管理をして非常にその意味では成果を上げている。成果を上げていると書いてあるんですが、その割に取り締まりがどうなのかな、アメリカは一番膨れているんじゃないかと思うんですが、ただコンピューター管理をすることによって横の情報がすぐ行っているわけですが、今の総理府のはそういうことをやっておられますか。
○説明員(平石治兌君) コンピューター等によります情報管理等は実施しておりません。
○高桑栄松君 ハイテク日本としてはまことにちょっと情けないですね。予算がないのであれば、ぜひ私からも予算を要求させてもらいたいと思いますが、今横の情報をキャッチしてすぐ流してやりませんと、逃げる方は早いわけだから、もうだめですものね。だからどうぞひとつ早急に進めてもらいたいと私は思います。 それでは、次に一九八八年の新しい麻薬条約について承りたいと思いますが、麻薬の不正流通は今や一国ではどうしようもない国際的なものである。その中で我が国も批准をしようというわけでありますが、批准のためには国内法の整備が当然必要であってこの社労にもまたかかってくるんだろうと思いますけれども、私はこの一括全部済むまで待っているんじゃなくて、個別に可能なものから逐次実施していく方が今の世界が期待している、考えている麻薬取り締まりに対する対策ではないかと思うんです。日本は何かとおくれがちですから、できそうなものから逐次やっていってはどうかということを私思いますが、これ外務省かな、お願いいたします。
○説明員(鈴木一泉君) お答えいたします。 先生御指摘のとおりに、この条約につきましても早急に日本も締結する、こういう必要がございまして、私ども鋭意作業を続けているところでございます。 この条約の内容につきまして、先生も御承知のとおりですが、麻薬、それから向精神薬の製造、それから販売、輸出入、栽培、それからこれらの行為によりまして得られました収益の譲渡、それとか隠匿、こういう問題を犯罪といたしましてこれを取り締まるように、またはそれに刑罰を科すようにと。それから、この条約の新しい点でございますが、こういう行為を国外犯についても罰するようにする。それからマネーロンダリングと言われます行為、そういうものをちゃんと取り締まれるような体制にする。そのほかにいわゆるコントロールドデリバリーと申しますが、管理のもとに犯人を特定するために麻薬等の物質を移送する、こういうようなこと、いろいろ新しい点を書いております。 こういうものにつきまして、現在のところ関係省庁さんの協力も得まして、国内法でそれぞれどの程度の手当てが必要なのかどうか検討しているところでございます。その検討結果にかかっているわけでございますけれども、国内立法が必要ということであれば法律を新たにこの国会にお諮りするという必要が出てまいりますし、その必要がないものにつきまして、例えば行政レベルで対応可能というものにつきましては、またそれなりに別の手当てで考えていきたいと思っております。
○高桑栄松君 時間がなくなってきましたので、もう一つ承りたいのは、自己使用を禁止するということの前提は私は教育だろうと思うんです。だからその教育について力を入れてもらいたいということでありまして、麻薬中毒の悲惨さは医学を学んだ私たちはよく講義で聞かされております。例えば精神科では医者が非常に麻薬に近いから麻薬を自分に使うチャンスがある。しかし、一回使うとそれだけで中毒になることがある。これは私が医学部の四年目のときに精神科で講義を承って、それ以来大変怖いものだともう思い込んでいるんです。したがいまして、手術でも受けるときにはモヒのようなものは使わないでくれ、ほかのもっと別なので我慢するものはするからと、我慢と言ってもこれは大変ですけれども。そういうぐらい私は一回でというのは怖いと思っていました。 だから、これは麻薬を近辺に置いている医療関係者が一番使いやすい。アメリカの調査なんか見ますと、医者で一回少なくとも使ったことがあるのが六割ぐらいだというんですね。医学生で八割というんですから、非常に怖いと思うんです。ですから、教育に力を入れてもらいたいということが一つです。 それから、質問だけしまして、答弁をまとめていただきたいと思うんですけれども、治療薬、単なる精神病院に入れて使用させないで別なものに薬剤を転換していってということでどれぐらい復帰できるのか。再犯率が非常に高いように思うので、これはどうしたらいいのかなと。したがってもう一つは、根本的に治療薬がないのかということが一つあります。 その二つ、教育関係と治療関係を承りまして、最後に大臣に、麻薬は今、私、冒頭に申し上げましたように、国際的な協力体制の一環でございますので、日本独特なという主張ばかりしておられないということで、効果を上げていく必要があると思うんです。日本は何かと国際的な関係ではどうも取り組みが遅いというふうに私は思うので、その辺、大臣に最後に麻薬対策に対する決意を承って私の質問を終わります。
○説明員(石川晋君) お答えいたします。 まず教育面でございますが、学校教育で麻薬等についてどのように指導しているかということでございますが、麻薬、覚せい剤を含む薬物乱用の防止に係る教育につきましては、小学校、中学校、高等学校の各教科の中では保健体育という教科の中で指導しております。また、これらの問題は特別活動における保健指導というような分野でも取り上げるよう指導しているところであります。このため、かねてから日本学校保健会の専門家の協力を得て薬物乱用の害等についての指導に関する教師用の指導書をつくるとともに、学校保健担当の先生方等の研修会などの席で随時この問題を取り上げ、教職員の意識の啓発とともに児童生徒への指導の徹底を図っているところであります。 このような観点から、今回の新学習指導要領においては、特に高等学校では「生活行動と健康」という分野の中に喫煙、飲酒、薬物乱用と健康という項を設けまして、特に今回、大麻、覚せい剤などの薬物の乱用が心身の健康や社会に及ぼす影響について理解させるよう項を設けたところでございます。このような形で指導を進めているところであります。
○政府委員(北郷勲夫君) 治療薬の問題でありますが、治療と関連しまして再犯の率を見ますと、麻薬の患者につきましては、再犯率といいますか、は非常に低い、数%ということであります。しかしながら、覚せい剤につきましては非常に再犯率が高いわけで、検挙者数の半分ぐらいが二度目三度目、こういう状況であります。これは一つ暴力団関係者が多いという事情が大きいわけでありまして、なかなか言うことを聞かない、簡単に言うとそんなようなやりづらい相手だという事情もあります。 それから麻薬の中毒の薬でありますが、これはもう先生専門家でおられますから御存じのとおりでありますが、従来使われておりますのはやや依存性の弱い薬、メサドンなんかを使いまして、同じ麻薬の系統の薬であってもレベルの低いものを使う、それでだんだんに治す、こういうやり方であります。 今おっしゃいましたのは中毒そのものを治す薬、こういう意味だと理解いたしますが、これは麻薬をめぐるいろんな体の中でのメカニズムがまだはっきりしない面もありますし、しばらくさらに時間はかかるものというふうに考えております。
○国務大臣(津島雄二君) 麻薬等の乱用は人の生命、身体への危害にとどまらず広く社会的害悪をもたらすものでございます。まさに内部から社会を崩壊させる要因でございますし、一たん歯どめがきかなくなると爆発的に広がるおそれを持っております。社会的害悪という意味におきましては、御本人の問題にとどまらずに、例えば医療の現場等に恐るべき影響を与えるというのは、最近のアメリカの週刊誌の記事が幾つか出ておりますが、麻薬患者が数百万に及ぶというアメリカの実情では救急医療の現場は大都会では崩壊に瀕しております。搬送途上の工夫をしてみたところで担ぎ込まれた救急病床は麻薬患者でいっぱいだという実態が報告されていまして、私本当にこれは大変なことだと思っておるのでございます。 そういう意味で、これらの取り締まりを強力に行いますとともに、乱用の未然防止が何よりも大事だと思います。そういう意味では、委員からの御指摘もございましたが、幸いに日本はまだ社会的にかなり抵抗力を持っている。今この抵抗力をさらに強めていかなければならない。これは要するに、広く国民に対して乱用の危害についての啓発活動を推進するということに尽きるんではなかろうか。麻薬等の乱用を許さないという社会環境の確立を図っていくために、関係各省とも御協力をして一生懸命やってまいりたいと思います。
○高桑栄松君 ありがとうございました。
○沓脱タケ子君 それでは最初に、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正に関連してお尋ねをしたいと思います。 戦後四十五年、午前中からも各委員から御指摘がありましたように、各種の戦後処理の未処理の問題というのが随分残されています。海外残留邦人の問題、遺骨収集の問題、国内の戦争犠牲者の方々への援護の問題、随分たくさんあります。いわば国内でも広島、長崎の原爆による死没者調査がやっと先日発表されたというばかりの状況であります。私どもこういう事態を見てまいりますと、戦中戦後を生き抜いてきたというんですか、生き残ってきた私どもにとりましては、本当に胸の痛むことが余りにも多いわけでございます。わずかな時間を活用して、きょうは遺骨収集の問題について若干お尋ねをしておきたいと思います。 戦没者の概数というのが二百四十万人、遺骨の送還概数というのが、これは百二十一万柱と言うていいんですか、体と言うていいんですか、約半分でございます。戦後半世紀を経てなお半分の遺骨しか送還されていない。本当に戦争の悲惨さというんですか、もう何とも言えない胸の詰まるような思いでございます。 私も、実は毎年お盆になりますと墓参に帰りますけれども、私どもの小学校時代は男女一クラスという小さな小学校でありまして、当時の男子生徒というのは二十五人でございましたが、墓参のたびに本当に胸が痛いのは、そのうちの十三人が戦死あるいは戦病死をして亡くなっているという状況でございます。 したがって、戦後処理としてなお収集努力、特に遺骨の収集等につきましては、大いに継続をしなければならないと思うわけでございます。そういう点で、安易に打ち切ってはならないなということを思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(末次彬君) 海外戦没者の遺骨収集につきましては、昭和二十七年度から開始をいたしまして、相手国政府の理解と協力を得ながら現在まで政府として積極的に推進してきたつもりでございます。その結果、海外戦没者二百四十万人のうち約百二十二万人の御遺骨を送還いたしております。 現在、旧主要戦域に残されております御遺骨約百十八万柱というふうに推定されておりますが、この中にはいわゆる海没遺骨約三十万柱、それから陸上にありましても相手国の事情によりまして遺骨収集が現実に望めない地域、これが約四十七万柱含まれておりまして、これらを除きますと、現在収集可能な地域におきましては大体四分の三程度の収集が終わったというふうに考えております。また、この収集可能な地域に残されております御遺骨の大半も奥深いジャングル等にございまして、収集作業そのものが大変困難な状況にあるのが現状でございます。 終戦後四十五年余が経過したわけでございまして、当時の現地の事情を知る戦友あるいは現地におられる住民の方々の高齢化に伴いまして、残存遺骨に関する新たな情報が非常に少なくなってきておりますが、早期収集という御遺族の心情を私ども踏まえますと、こういった御遺族の心情を踏まえつつ収集に努力していかなければならないというふうに考えておりまして、本年度は東部ニューギニア、ソロモン諸島、フィリピン、沖縄、硫黄島、この五地域において収集を実施いたすことにしております。 また、先ほど申し上げましたインドネシア等の、相手国の事情で遺骨収集が実施できない地域につきましても、今後とも外務省を通じ粘り強く折衝いたしまして、これらの地域におきます遺骨収集の実現に向けて努力していきたいというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 遺族のためにも、また戦争の悲惨さを語り継ぐためにも、遺骨収集は継続をされる努力を真剣に進めていただきたいと思います。 具体的な問題で申し上げておきたいんですが、「硫黄島・玉砕記録」、こういうのがあるんですね。これは大臣ごらんになったかどうか知りませんが、私は拝見をしてもうびっくりしましたけれども、ちょっと参考に。 ——それはもう本当にすさまじいですね。硫黄島の遺骨の収集状況を見ますと、戦没者の概数が二万百人ですね。遺骨送還概数というのは七千三百三十人ということになっておりますが、約三分の一でございます。硫黄島といえば外国ではありませんので、せいぜい一里四方ぐらいの小さな島でありますから、本来なら全部ほじくり返して二万百人の遺骨が一人残らず収集されてしかるべきだと思いますが、非常に少ないわけでございます。これは何でこんなに少ないんですかね。
○政府委員(末次彬君) 講和条約締結後の昭和二十七年に初めて硫黄島の遺骨収集のための調査団を派遣いたしまして以来、今日まで延べ三十一回に及びます調査、収集を実施してきたわけでございますが、地上で発見される御遺骨は少なく、この間に収集した御遺骨のほとんどが埋没地下ごうかぢの収集でございます。 先般、私も現地に行ってまいりましたが、この硫黄島におきます遺骨収集につきましては、この地下ごうの状況が非常に変化しているというところから、人員、機材の輸送、宿泊施設の提供、こういった点につきまして防衛庁の協力を得ながら、またこの硫黄島で現実に地下ごうの構築に携わった戦友会のいわゆる生き残りの方々にも御同行を願いまして、埋没地下ごうの入り口の発見に全力を傾注いたしておるところでございます。このためにブルドーザー等の機械力も投入いたしまして地下ごうの効果的な発掘を行うということを全力を挙げて努力しておるところでございます。
○沓脱タケ子君 これは硫黄島から出てきたある戦争中の文書のコピーなんですね。何て書いてあるかと言ったら、「敢闘ノ誓 一、我等ハ全力ヲ奮テ本島ヲ守リ抜カン 一、我等ハ爆薬ヲ抱イテ敵ノ戦車ニブツカリ之ヲ粉砕セン 一、我等ハ挺進敵中ニ斬込ミ敵ヲ皆殺シニ」——あと見えません。「一、我等ハ一発必中ノ射撃ニ依ツテ敵ヲ打倒サン 一、我等ハ各自敵十人ヲ斃サザレバ死ストモ死セズ 一、我等ハ最後ノ一人トナルモ「ゲリラ」ニ依ツテ敵ヲ悩サン」と、こういう構えで頑張ったわけでございまして、戦争の狂気じみた無残さというんですか、そういうことがこうして二万人以上の方々を玉砕をさせてしまっているわけです。 今現地へ行きますと、いまだに多くの故人の遺品だとか当時の手紙なども出てくるようでございますが、今もお話がありましたけれども、私も行ったことがないのでよくわからないけれども、その記録などを拝見しますと十八キロにわたる地下ごうがつくられている。その地下ごうに全部集まって入って頑張ったようでございますからあれなんですが、考えてみたら一里四方の島なのですから、そこで二万人からの方々が亡くなっているわけだから、本気になって収集するつもりになればほとんど残らず収集できるはずだと思うのです。 ただ、残念なというのか何というのか、ちょうど米軍に占領されたときには遺骨がばらばら集められて、その上を飛行場の滑走路にどんどんつくり上げていったというふうなこともありますし、その後今日では自衛隊の基地として活用されているというふうなことがありますから、恐らく基地内にもかなりあるのではないかというのが関係者の大変危惧になっておるわけでございますので、これは基地の中も含めて、さっきも防衛庁の御協力をいただいておるとおっしゃいましたけれども、これは外国じゃないのだから、外国なら相手国の御都合でどうでこうでと言えますけれども、たったわずか一里四方の小さな島で二万人以上の方々が玉砕をされている。その遺骨さえも、日本の国土なんです、それさえもまともに収集できないというのはやっぱり遺族にとっては残念だと思います。ですから、この硫黄島の遺骨の収集努力を続けていただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
○政府委員(末次彬君) 遺骨の収集に当たりましては、通例戦友の記憶あるいは現地からの情報、こういったことをもとにいたしまして実施しておるわけでございますが、硫黄島の遺骨収集につきましては、現地の情報というのはなかなか入りにくいという状況がございます。そのために先ほど申し上げましたように、延べ三十一回にわたりまして職員を現地に実地に派遣いたしまして調査を行いつつ収集を実施してきておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、それにもかかわらず地下ごうが埋没いたしまして、その所在の確認がなかなか容易ではない、また、当時の埋葬地点が必ずしも明らかでないというような事情がございまして、現時点におきましてすべての御遺骨を収集することは大変困難だというふうに考えております。 しかしながら、先ほど申し上げましたように、関係御遺族の心情を踏まえながら、これは埋没地下ごうにつきまして、硫黄島全体につきまして私どもそれこそシラミつぶしに調査をいたしたいというふうに思っておりますし、また地表につきましてもできる限り協力を得ながら全面的に全地表について調査を実施する等の努力を払っていきたいというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 大臣に一言言っていただこうと思ったのですが、時間も余りないようですけれども、簡単に一言やはり御決意だけ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) さきの大戦における戦没者の遺骨収集は、国としても取り組むべき重要な課題と認識しております。硫黄島における遺骨収集は、これまで関係遺族等の御協力及び防衛庁の支援を得ながら積極的に推進してまいっております。埋没地下ごうの所在が明らかでないなど困難な事情もございますけれども、御遺族の心情も察し、さらに御遺骨の早期収集に全力を尽くしてまいりたいと思います。
○沓脱タケ子君 それでは、次の麻薬取締法の一部改正に関連をいたしまして少し質問をしたいと思います。 既に麻薬の害悪というのが、一人一人の個人はもちろんのこと、社会的な破壊につながるという重大問題であるということはもう今や明白でございます。データによりますと、諸外国と比べましても我が国は汚染がまだ少ない方だという現況を見まして、何としてもこれはこれ以上広げない、あるいはもう根絶していけるという対応というのは極めて大事だなというふうに思っております。したがって、国民への啓発あるいは教育、取り締まりの徹底という点では大いに努力をしていただきたいと思っておるところでございます。 私は、この問題についてもきょうは質問をしたいのですけれども、後の時間の都合がありますので、実は関連をしまして私、麻薬患者の治療というのがほとんど今精神病院等でやられているということに着目をしてきたんですが、そういうことと関連をいたしまして、少し周辺へ延びますけれども、お聞きをしておきたいと思っています。 それは、精神病院とかあるいは老人ホームなどのたくさん所在する市町村の国民健康保険の財政というのが大変なことになっているなという問題でございます。御承知だと思いますが、国保新聞の六十三年十一月二十日号に、大阪府和泉市保険年金課長の長岡敏晃さんという方が「国保制度潤滑化のために」と題する提言を出されています。 これは御承知かと思いますけれども、これを見てまいりますと、 病床数とくに精神病院・老人病院等が大阪府下でも これは大阪の和泉市でございますが、 本市も含め阪南地域に集中しているところである。市町村(保険者)の意志に関係なく病院が建設された経過があり、そのため国保財政に及ぼす影響は非常に大である。というのは他の市町村から病院等へ住所を移し当該市町村の被保険者になる方が多く、ちなみに精神病院では平均一人一年間で三百六十万円、また老人病院では四百八十万円の医療費がかさみ、これに充当するべき保険税(料)は一九、六八〇円となっている。 というのが言われていました。 医療施設がある故をもって本来、他市町村の負担すべき医療費を住所認定市町村が負担しなければならないという矛盾を解決する方策として、国に於いて応分の調整をし、当該団体に過重な財政負担とならない処置をとるか、あるいは別枠で国が負担すべきではなかろうか。 という御提言でございます。 こういう事態になっているということは、これは厚生省よく御承知でございましょうね。
○政府委員(坂本龍彦君) ただいま御指摘がありましたようないろいろな施設がある市町村には、そこに入所をする人の医療費の負担というものが大きくなってくる。したがって地元の市町村の国保財政はいろいろとそういう面での影響を受けるという事態は全国的にいろいろと見られるところでございまして、そういった問題については私どもも認識をいたしております。
○沓脱タケ子君 今提言をなさいました大阪府の和泉市の実情でございますが、どういう影響を示しているかという国保財政の影響をちょっと申し上げてみたい。 ここでは精神病院が五つ、老人病院が三つ、それからそのほかに特養ホームが二つ、養護老人ホームが一つあるのですね。精神病院五つと老人病院三つで六十三年度の医療費総額は一億二千八百七十一万五千円ですね。そのうちのいわゆる他市から転入をしてきた人たちの分を含めます市の負担額というのは五千百七十万三千円ということになっている。老人ホームの方もそうなんですね。医療費総額が九千二百四十八万八千円。その中で、他市から来た人の分で市が負担をしなければならないのが二千三十九万二千円ということになっております。 もう一つ同じような貝塚市、やはり大阪府の貝塚市でありますが、ここも同じような大変な事態が起こっていました。ここは、大体精神、結核病床については、この貝塚市というのは全国平均の八・四倍という大変集中した地域になっています。ですから、その財政影響というのは転入入院者に係る影響額、精神と結核病院への転入入院者に係る影響額ですが、どんなことが起こっているかというと、国保の医療費が三億七千三十万円、この金額というのはこの貝塚市国保財政の一二・六%に当たります。それに対して、国庫支出金という形でいわゆる療養給付費等負担金、財政調整交付金とかあるいは財政調整交付金特別事情分などというのを加えまして、合わせて二億一千三百五十万円ということになっているんですね。だから、ちょっと手は加えているらしい。ところが、貝塚市負担分というのが一億五千六百八十万円残るというわけです。これは市費単独で負担するということもあるかもしれませんけれども、その分がその市の被保険者の保険料に転嫁されていくわけですね。 そういう状況が起こっていますし、そのほかこの近隣の高石という市もやっぱり医療費は一三%、あるいは昔から精神病院の非常に多かったと言われている熊取町ですが、ここでも同じような変化が出てきているわけでございます。 具体的に、そういう市町村に大きな影響が出ておりますが、これはだれが考えても不合理でございます。精神病院、結核病院あるいは老人ホームなど、長期療養型の病院とか老人施設というのがたくさん設置されている市町村ほど他の町からの転入者がふえるわけです。それを抱えて、保険料収入は、もう言うまでもなくこれはもう最低かあるいは免除か減免かというような人たちばっかりになるわけですから、医療費だけがかさむ。したがって、その医療機関のたくさんある当該市町村の国保財政というのは窮地に追いやられるわけですね。これはだれが考えてもわかることでございます。 ですから、厚生省に対しても既に要望書が出ていますね。これは昨年の七月でございますが、近畿都市国民健康保険者協議会から国民健康保険に関する要望書が出ておりますが、そこで明確に指摘をして、ぜひお願いをしたいと言っておるのは、こういうことです。 他市町村からの転入者による医療費の負担増分等に対する特別補助制度の創設について 老人施設、精神施設等が充実している市町村では、他の市町村から転入し、その施設等に住所を置くことになるものが多く、また長期化することから、当該保険者にとって、その医療費負担は大変大きなものとなっており、保険者間に負担の不均衡を生じさせている。 よって、国においては、このような長期入院者等の医療費に対しては、特別な補助を行う等、保険者間の負担の公平を図られたい。 という御要望が出ておるわけでございます。 そこで、大臣、もう時間が余りありませんが、こういうことは早く解決をするべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(坂本龍彦君) ただいま御指摘になったような事情は、全国的にいろいろなところに見られるわけでございますし、また昨年の七月に近畿都市国民健康保険者協議会からの要望書も私どもは受け取って、このような事態については十分認識をいたしております。 〔理事糸久八重子君退席、委員長着席〕 そこで、国保制度の中におきましては、いろいろな要因において市町村ごとに、医療費の負担でありますとか、あるいはその他財政上の不均衡でありますとか、こういう問題がございますので、それに対しまして、例えば、高齢者が多いことによる市町村の財政負担につきましては、老人保健制度あるいは退職者医療制度といったような制度の創設によりまして、全国的に医療費負担の公平化に努めておるところでございます。 さらに、精神病院あるいは結核病院、そういった入院患者、また老人ホームの入所者という人たちの問題につきましては、国保の財政調整交付金の中でそういう市町村の事情を勘案いたしまして、特別調整交付金というものを交付いたしております。さらに、その特別調整交付金によってもカバーされない影響額につきましては、普通調整交付金の算定基礎に入れるというような方法によって、できるだけ市町村の財政力に応じた調整を行っております。 このように、従来からこういった対応を行ってきておるところでございますけれども、国保の各市町村の財政の問題につきましては、非常に多くの要因が関係しております。そういう問題と、さらにそういう調整に要する財源というのも一定の枠の中で配分を考えるわけでございますから、御指摘のような問題につきましても、こういったさまざまな要因との関連を十分に考えながら、慎重に今後検討をする必要があろうかと思っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、各市町村ごとに実態というものが非常に異なっておりますので、そういった実態を的確に把握いたしまして、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
○沓脱タケ子君 それで、老人ホームに対しては国の方も三分の一を補助するとか、精神病院とか結核病院の長期療養型の病院には市町村国保財政の二〇%以上財政影響がある場合に限って二〇%を超える分の二分の一ですか、こんなものを補助するというようなことをやっているんだそうですけれども、こんなものあんた、影響額が二〇%を超すいうたら、もうそこの国保はつぶれますわな。今申し上げた貝塚市の例で一二・六%、それから高石市で一三%ですよ。それ、大変なんです。 それで、手当てをしてないかいうたら、ちょびっとはしているらしいですね、これは詳しくはよくわからないけれども。それでなおかつ、十万そこそこの都市で、一億五千六百八十万円というその部分だけの赤字が出るんですね。これは国保問題全体のもろもろの諸問題というのはありますよ。これとは全然別なんです。まさに医療機関、精神病院やら結核療養所があるということで、長期療養者がそこの町へ来るというおかげで被害をこうむるというのですか、負担をこうむるというふうなことになっているわけでございますから、今局長は当面実態を把握してというふうにおっしゃいました。実情はよく把握もし、市町村の意見も具体的に聞き、これは当然のことですが、とにかく早く解決をしてもらいたいと思うんですね。だって、病人はそんなのお構いなく医療機関があればどんどん行くわけですから、こういう矛盾というのは行政上の矛盾として、大臣、手を打てばすぐに解決できる問題だと思いますので、ぜひ早急に解決をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(津島雄二君) 従来から、市町村の国保財政をいろいろ難しくしている要素の一つとして今委員の御指摘のような点があることは私ども認識をいたしております。 国保財政はいろいろな要因が働いて苦境に立つものも出てくるし、これに対応するためにいろんな工夫もしてきた。低所得者のための基盤安定事業とか、それから財政調整交付金を有効に活用するということをやってきたわけでございますけれども、これを一層積極的にやっていくべきものだと思います。 いずれにいたしましても、市町村の実態を的確に把握いたしまして、これに対して適切に対処してまいりたいと思います。
○沓脱タケ子君 時間ですので、終わります。
○乾晴美君 私は、先に麻薬取締法等の一部を改正する法律案について質問させていただきたいと思います。 午前中も問題になっておったと思いますけれども、向精神薬に関する条約というのが一九七一年に採択されてもう二十年にもなるにもかかわらずまだ批准されていないというような問題で、御答弁の中で、各国の状況をよく見てからでないとできなかったというようなことでお答えいただいたと思いますけれども、それでは余りにもお粗末過ぎるのではないかと思います。採択したということはもうそれだけの決意を持ってなされたと思いますので、そしてまた、我が国は今やもう経済的には世界的にリーダーシップをとってもいいというような日本ですので、もっと早くなすべきではなかったかというような気持ちを私も持っております。 こういったことで、国際的に薬物乱用防止策への我が国の貢献というような点から問題にはならなかったでしょうか。
○説明員(鈴木一泉君) お答えいたします。 まず、日本のこの条約への批准の作業がおくれた点について外国との関係で問題が出なかったのかどうかという御質問でございますが、この点につきましては、各国ともにこの条約では、薬物の取り締まりと、それから麻薬、向精神薬というものが薬物としての毒性、その半面治療薬、研究のための物質、薬品、こういうことにも使われておりますので、このバランスを各国の国内でそれぞれ実施の体制でとる必要がございました。 その関係で、例を申し上げますれば、先進国の中では例えばフランス、西ドイツはかなり早い時点で、それぞれ七五年の時点で批准をいたしておりますが、アメリカについては八〇年、イタリアについては八一年、イギリスが八六年、カナダが八八年ということでございまして、各国の国内での法律的な整備の関係でそれぞれ時間をとっていた状況がございます。 我が国におきましても、薬物の乱用に対する規制ということで既存の麻薬関係の関連取締法によってかなり厳しい規制が行われておりまして、この条約の対象とする向精神薬の乱用というものも薬物四法でかなりの規制がなされていたという側面がございまして、この条約が締結されました七一年でございますが、その時点では向精神薬の乱用も大きな国内問題とはなっていなかったという状況がございます。 しかしながら、最近に至りまして、我が国をめぐります麻薬の問題というのが非常に憂慮される事態になってきておりますし、他方、国際的な取り組みということで各国が協調すべしという意見が国際世論でも高まってきておりますので、今般この条約をお諮りし、国内法もお諮りしている状況でございます。
○乾晴美君 我が国には余り心配なかったから、そういうことで遅くなったというような感じもしないわけでもないですけれども、先ほどもこれは教育に力を入れなきゃいけないだとかということで、中学、高校では常用しているとかまたは飲んだことのある人というのが低いのではないかと言われているんですけれども、実際にどんな調査をされて、どれぐらい具体的に少ないかという数字でお示しいただきたいというように思います。これは文部省にお聞きしたいと思うんですけれどもね。 私も昔高校の教師をいたしておりましたけれども、シンナーにつきましては、友だちがシンナーを吸っているのを見たことがあるかというような問いに、東京都の高校では半数の人があると答えているわけですね、これはシンナーですけれども。私も高校で調べたときに、シンナーを吸う子たちにどうして吸ったのと聞きましたら、友達に注意をするために、自分も吸ってみないとその人の気持ちがよくわからないから吸ってみたんだとか、それから少量だったらやめられると思ったとかというような、いとも簡単な大人では考えられないような理由でそういうことがあるわけなんですね。ですから、これも相当きちっとしたところで教育をしていくなり実態把握というのは大事だと思うんですね。きちっとした数字を教えてほしいと思います。
○説明員(石川晋君) 中高校生の薬物乱用の実態につきまして、我が省として調査した数字はございませんが、昭和六十三年の警察庁の調べによりますと、まず御指摘のうちシンナー等の乱用で補導された少年、これは十四歳から十九歳の年齢で押さえてあるわけでございますが、これは二万四千六百五十六人おります。うち中学生は四千百三十三人、高校生は三千二百十七人でございます。これはちなみに中学生、高校生の該当年齢人口で言えば、中学生について言えば〇・〇七%、高校生は〇・〇六%に当たるわけであります。 次に覚せい剤、この場合は少年が千二百七十三人、うち中学生二十九人、高校生四十二人であります。また、いわゆる麻薬、大麻等ですが、このうちまず大麻については少年が百三十一人、また麻薬取締法は少年が一人、アヘンについてはゼロということで、いわゆる麻薬等については非常に少ないが、御指摘のようにシンナーの乱用で補導された少年というのは相当数いる、こういう実態でございます。
○乾晴美君 よくわかりました。 その次に、先ほどの御説明の中で今度こういった麻薬教育に関して新指導要領の中でやろうということで私も調べさせていただきましたら、中学、高校の保健の中で先ほど御説明のとおりだと思います。小学校ということも先ほどおっしゃったかと思うんですけれども、小学校の内容についてはお触れいただけませんでしたので、よろしくお願いします。
○説明員(石川晋君) いわゆるこれらの教育について大きな範疇で言えば、いわば生活行動と健康、このような範疇の中で生活行動にかかわるさまざまな習慣、そういったものが健康に大変好ましくない影響を与えている、このような観点から指導している。その中で、特に高等学校につきましては、この問題の重要性にかんがみ特記事項として喫煙や飲酒、薬物乱用というようなことにつきましても書いた、学習指導要領にそのようなことを書いたということは、このものの性質からいってすべての学校でそういうことを指導しなさい、こういう趣旨になるわけでありますが、小学校段階につきましては、特記事項としてではなく生活行動や環境が主な要因となって起こる病気の予防あるいは好ましい生活習慣を身につけること、こういったような指導をしてくださいと一般的にお願いしているという現状です。 したがって、すべての学校で麻薬まで教えているというようなことはございませんが、多くの学校では喫煙等小学校レベルでも取りつきやすいところからこれらのことについての指導が行われる、こういうことでございます。
○乾晴美君 教育というのは大変難しいと思います。アメリカでもそういう薬物乱用に関しての教育はなされておると思うんですけれども、怖いんだぞとか恐ろしいんだぞとかということでおどすだけというのでは大変失敗しているというふうに聞いております。 それで、ただいまの御説明では小学校から、小中高と指導なさるというわけなんですけれども、勉強会も研究会も開かれているというんですが、その指導法は十六ミリを使うだとか、どういう方法で指導をなさるかということ。
○説明員(石川晋君) 具体的な指導内容については各学校現場にゆだねられている話でございますから、一律にこうである、あるいはこうでなければならない、かような性質ではございませんが、一般的に教科、保健の領域で指導する場合には、やはりスライドを使うとか、絵を使う、図を使う、あるいは関税局等でおつくりになったビデオ等もございますが、こういったものを活用する中で的確な知識、それとともに生活行動に対する影響というようなことを指導しているということでございます。
○乾晴美君 それから、そういうことに関して学校だけじゃなくてPRにも努めなければならぬというようなお返事がありました、先ほど。でも、国民に対するこういった広報、啓蒙啓発の計画はどうやっていらっしゃいますでしょうか。社会で、家庭で、生活指導の中でどのように計画されているか。
○説明員(石川晋君) 国民に対する広報一般というのは教育だけの問題ではございませんが、今特に指摘された家庭とか地域ということにつきましては、私ども学校における健康教育というものと地域社会、家庭における健康教育というのは十分関連を図って行われなければいけないと、かような観点から現在学校、地域ぐるみの健康教育の推進というようなことを教育指導、運動として進めているわけでございますが、そういった中の一環として生活行動にかかわる健康の問題というような形でこういった問題も取り上げていくということを考えておるところでございます。
○乾晴美君 麻薬に関する相談活動の現状はどうなんでしょうか。
○政府委員(北郷勲夫君) 麻薬に関しまして、相談員を各県に置きまして相談に乗っていただいているわけでありますが、現実には麻薬の患者というのは実際には少ないわけでありまして、むしろ問題は各県でどういうPRをしていくか、青少年活動の場に行っていろいろ麻薬の害とかこういうものを明らかにしていくと、こういう活動が現実的には大事だと。そういう意味で相談員とかあるいは麻薬の対策の推進員とか、こういう人たちにそういうところへ出ていっていただいていろいろ麻薬の害についてわかりやすく説明してもらうと、こういうふうなことをいたしております。
○乾晴美君 これも先ほども問題に出ておったんですけれども、海外渡航ブームで今若者の人たちが大変麻薬というか、そういった体験をしてしまうのではないかというようなことで今から質問させていただきたいんですが、私たちの連合参議院の同僚の議員さんの中のお嬢ちゃんもアメリカのテキサス州の方に留学をなさっておるそうなんですが、そのお嬢ちゃんからのお手紙では学校の中で、大学だそうですけれども、悠々とたばこを吸うようにマリファナを吸っているというような手紙が来たので大変恐ろしくなって連れて帰りたいというような話を同僚もなさっていますけれども、海外へ私たちが旅行するときに、病気に対しては予防接種とかというような注射をしたりして警戒するわけなんですけれども、留学をするというようなことになりましても、十二歳以上の四割近くがコカイン経験者であるというようなアメリカに行くわけですから、そういう行く人たちに対して今は年間一千万人ぐらいの若者が海外へ出かけていくということになっているそうですけれども、そういった方々に対して事前にどのような指導なり対策なりをなさっていますでしょうか。
○政府委員(北郷勲夫君) 例えば留学だとかそういう場合にどうするかというようなのは私もよくわからないのでありますが、一般的に海外渡航いたします場合に、精いっぱいの努力と申しますか、空港に麻薬の害を示すパンフレットを置いたり、また、国によっては大変に重い刑罰を科せられるところがあるわけでありまして、そういう情報を掲載しましたパンフレットをやはり空港に置くと、こんなようなことはいたしておるわけであります。しかしながら、今御指摘のアメリカのような場合に、行ってきちっと守っていくというのに有効な対策というのはなかなかないわけでありまして、行く人の心構えをきちっとすると、これしかやはり結局はないんじゃないかというように思います。
○説明員(本村芳行君) 若干御説明さしていただきます。 留学生が場合によっては、日本の留学生の方が海外に行かれまして、帰りにまたいろいろな理由からか麻薬等を持ち込まれるケースも幾つか散見されておりまして、私ども大蔵省関税局及び税関といたしましては、やはりこの麻薬の問題は特に海外からほぼ全量が日本の国内に入ってくるという状況でございますので、水際においてとめなければならないという認識に立ちまして、年二回薬物乱用事犯取り締まり強化月間という、これは二月と十月でございますが、この時期に合わせまして白い粉キャンペーンというものを実施しております。 ただいま北郷局長の方からも御説明ございましたように、そういう機会をとらまえまして海外に行かれる旅行者の方々に空港その他におきまして、薬物はいかぬのだということで種々PRをしておりまして、国民の皆様方の御理解と御協力を得ていきたいということで、白い粉キャンペーンを鋭意実施している状況でございます。
○乾晴美君 しっかりやっていただかないと大変なことになるだろうと思うわけです。 ただいま水際ということが出ましたので、それでは水際のことでちょっと聞かしていただきたいと思います。先ほど税関の箇所は九カ所だということを伺いました。しかし、海、空と両方でやってるというんですけれども、これだけたくさんの飛行機が外国から来ているんですが、一機の飛行機に対して何人の方が当たられているかという実数をお示し願いたいと思います。
○説明員(本村芳行君) 税関におきましては、麻薬だけの検査ということを専任でやっております職員はおりませんで、麻薬の取り締まりとあわせまして今問題になっております例えば不正商品であるとか、あるいはワシントン条約違反の該当物品、こういう物の密輸取り締まりを総合的に当たっている状況でございます。特に、入国旅客とか輸入商業貨物の通関検査におきましては、迅速な通関の確保という点にも十分留意しつつ必要があると判断される場合には麻薬等が含まれているか否かということで検査を実施している状況でございます。 それから、また税関、特に空港等におきましては、そういう水際における密輸入を効果的に取り締まっていくために麻薬犬を配置するとか、あるいはエックス線の機器を配置いたしまして、そのほか警察等々の関係取り締まり機関と十分連携を図りながら重点的な検査、取り締まりを実施している状況でございます。
○乾晴美君 まあ飛行機一台に対して何人ぐらいかということでお答えはいただけませんでしたけれども、非常に人数としては少ないのではないか。水際が大切だと言いつつ専任の人も置いていないということで、手薄になっているんではないかなと思うんです。 それで、今年度ももう既に麻薬の押収量といいましょうか、相当の数字になっているんではないかと思うんですけれども、特にコカインというんですか、それが多いという、その理由についてはどのようにお考えでしょうか。
○説明員(本村芳行君) 先生御指摘のとおり、本年に入りまして特にコカインの押収量は、税関におきます押収量でございますが、昨年のコカインの押収量は約十三キログラムでございましたが、本年は五月までに既に三十七キログラムということになっております。 このコカインの急増の理由といたしましては、一つは、アメリカにおけるコカインの取り締まりが非常に強化されましたために、特に南米のコカインの密輸のカルテルが新市場を開拓するということで、日本等に新市場開拓で種々企図をしていると、いろいろな企画をしているという点が一点挙げられます。それからもう一つ、コカインの薬理作用が、日本は覚せい剤の乱用が中心でございますが、コカインの薬理作用は覚せい剤と非常に類似しているという状況がございまして、このような理由からコカインの押収量が今のところ非常にふえているという状況でございます。
○乾晴美君 この間、先ほどの説明で合同捜査したと、そのときに三十三キロ出てきたと、たまたまそれ見つけたからコカインが多くなっているというようなことではないんですね。やっぱり全般的になさっていると、その中でコカインが特に多いという中で、今の御説明ではアメリカが強化されたから日本の方へターゲットを絞ってきているんだというようなことで情けないことだと思うんです。どちらにいたしましても、水際だとか捜査の体制というのか、それを強化していただきたいというように思います。 先ほどそういったことで、薬物乱用対策推進本部というのを設置しているということを聞かせていただきましたが、十四省庁にわたっているというので、その十四省庁というのはどことどこなんでしょうか、お教えいただきたいと思います。
○説明員(平石治兌君) 御説明申し上げます。 総理府本府がまず本部員として参加しております。そのほかに警察庁、総務庁、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、通産省、運輸省、海上保安庁、郵政省、労働省、建設省、自治省、以上でございます。
○乾晴美君 アメリカで麻薬対策がうまくいかない理由に、余りにもたくさんの関係省庁があり過ぎてその縄張り争いのためにというようなことも挙げられておるそうです。日本でもこんなにたくさんの十四省庁が分かれているということなんで、できるだけ関係部署を網羅した総合的な連絡という、そういう調整機関の仕事を本部長のもとにやっていただきたいというふうに思います。 次の問題に移りたいので、ここで麻薬対策についての今後の取り締まりについての大臣の御所見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(津島雄二君) 麻薬等の乱用は、人の生命、身体への危害にとどまらず、広く社会的害悪をもたらすものでございます。そして、内部から社会を崩壊させる危険を持ち、また一たん広がってまいりますと爆発的にふえる危険もはらんでございます。そういう認識に立ちまして、麻薬等の乱用防止対策においては取り締まりをしっかり行いますとともに、乱用の未然防止を図ることが何よりも必要でございます。特に委員御指摘のとおり、海外との交流、若い方がどんどん外国に出るようになりますと、そういう方々が悪い慣習を覚えてお帰りになることのないように、我が国を出るときから麻薬の怖さをちゃんと身につけていって、健康で帰っていただくように対処してまいりたいと思います。
○乾晴美君 それでは、次の方の法案に移らせていただきたいと思います。 戦傷病者のことなんですけれども、この間二十八日にサハリンから十二人ではありましたけれども、集団帰国をしたという新聞を見せていただきました。初めてということなんですけれども、中国残留日本人より大幅におくれた理由、初めて帰ってこれた、こういう理由は何だったのでしょうか。
○政府委員(末次彬君) サハリンからの集団一時帰国は、確かに今回集団としては初めてお帰りになったわけでございますが、サハリンの残留婦人の帰国制度そのものは六十三年度から実施いたしておりまして、集団という形でお帰りになったのは今回が初めてでございます。
○乾晴美君 大変中国に比べておくれておるというように思います。厚生省のサハリンに対しての今後の取り組みと、それからサハリンにおける残留日本人の実態調査、いわゆる生活調査とか残留者の数とかというのは、今現在どれぐらいわかっておいででしょうか。
○政府委員(末次彬君) まず、実態でございますが、私どもは留守家族等から届け出によって把握しております樺太地域における未帰還者の数は、平成二年四月一日現在で百三十名でございます。また、この時点でこれ以外に厚生省が把握しております残留者の数は百五十一名となっております。こうした樺太地域の未帰還者等の消息を明らかにするために、外交ルートを通じましてソ連側に現地調査の実施を申し入れておりまして、先般、調査団を受け入れることに原則的に同意する旨の連絡がございまして、現在、具体的な日程等についてソ連側と調整中でございます。こういった実態調査の結果等を踏まえまして、樺太残留の邦人の一時帰国あるいは永住帰国等につきまして、御要望に応じ努力してまいりたいというふうに思っております。
○乾晴美君 この間新聞で見たのですけれども、三百人はおいでるということのようでございまして、実際のお調べになった数字とは差があるのではないかと思います。早急に実態調査なり確実な数字をお示しいただきたいというように思います。 中国の残留婦人のことに関しましても、ある程度実態調査はできているんだろうと思うんですけれども、特に中国東北部の農村における実態把握というのはどれぐらいできていらっしゃるでしょうか。
○政府委員(末次彬君) 中国の残留婦人につきましては、在日親族からの届け出に基づきまして実施しております未帰還調査の一環として消息の把握に努めておりますが、このほか中国政府との意見交換の場等を通じまして状況把握に努めておりますが、今後ともいろんな機会を通じまして情報収集に努めてまいりたいと考えております。
○乾晴美君 それでは、早急になさっていただきたいというふうに思います。 ちょっと私非常に不勉強だったので、よくわかりませんでしたので教えていただきたいのですけれども、この戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案ということで初めて目に触れましたときに、軍人軍属と準軍属だけに適用している法律というふうには正直思いませんでしたのです。ずっと読んでいきますと、その人だけに限っているということなんで、この援護法が一般の民間戦災犠牲者にも適用できないんだろうかなというふうに思ったのですが、それはできないでしょうか。
○政府委員(末次彬君) いわゆる援護法は軍人軍属等、国と雇用関係のあった者、または雇用類似関係にあった者が戦争公務により受傷、死亡した場合に、その障害者または死亡者の遺族に対しまして、障害年金、遺族年金等を支給するというのがこの法律の目的でございます。 したがいまして、このような特別の事情のない一般の戦災者、これについては援護法の対象にすることはできないというふうに考えております。
○乾晴美君 この援護法に適用ができないというのはわかりましたけれども、それじゃ一般民間戦災の犠牲者、戦傷者だとか死没者、遺族ということの全国的な調査はできているんでしょうか。また、今後の対応とかというのはお考えでしょうか。
○説明員(下野省三君) お答えいたします。 総理府におきましては、さきの大戦における空襲などによる被害の状況などにつきまして、これを記録いたしまして、長く後世に伝えることによりまして、不幸にして戦争でお亡くなりになりました一般戦災死没者の慰霊に資することを目的といたしまして、全国戦災史実調査というものを昭和五十二年度から実施しているところでございます。この戦災史実調査は、戦災をこうむりました都市の被害状況とか、戦災によって犠牲をこうむりました国民の種々の社会生活における実情などにつきまして、既存の文献でございますとか関係資料を収集整理いたしまして、そして当時の国民の悲惨な体験を記録してまとめておく、こういうことを主眼といたします調査でございまして、先生御指摘のような一般戦災死没者あるいは一般戦災者の実態調査というようなものとは少し性格を異にしたものでございます。したがいまして、総理府におきましてもその種の調査をやっておらないところでございますし、これからやる予定があるかというお話でございましたが、戦後四十五年を経ておるということ、当時の非常に悲惨な状況等から考えますと、なかなかこの調査というのは難しいんじゃないかというふうに考えておるわけでございますが、私どもといたしましては、一般戦災死没者、これに対する慰霊の措置の一環といたしまして、ただいま申し上げました全国戦災史実調査、こういうものは引き続き行ってまいりたいというふうに考えております。
○乾晴美君 雇用関係にあったとかないとかということじゃなくて、やはりともに戦ってきた人間で、同じ日本人であるというようなことで、一般のそういった人たちにも何らかの新しい特別な法をつくるべきときが来ているんじゃないかというように私は思います。 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○勝木健司君 質問させていただきます。 戦後四十五年を今経過しようといたしておるわけでありますが、今日におきましても戦争のつめ跡の大きさというものを痛感させる問題の一つに中国残留孤児の問題があります。私も、私ごとですが、昭和十八年に中国の大連市で生まれまして、中国残留孤児の皆さんとは同世代になるわけでありますが、場合によっては私自身が残留孤児になったかもしれないわけでありますから、そういう意味では中国残留孤児の問題につきましては他人事ではないなというふうに思っております。 そこで、中国残留孤児の問題につきまして一、二質問をさせていただきますが、昭和五十六年の三月から中国残留孤児の訪日調査が始まって、はや十年になろうといたしておるわけでありますが、第一次、第二次と回数を重ねるごとに、残念ながら身元判明率が低下をしておるということでありますので、その実態はどうなっておるのか、どこにその原因があるのか、また今後この身元判明率を高めるためにはどのような対策を講じられようとしておるのかお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○政府委員(末次彬君) 訪日調査につきましては、御指摘のとおり、五十六年三月からこれまで二十回にわたり実施してきたわけでございまして、本年二月から三月にかけまして実施いたしました訪日調査におきましても、四十六名中身元判明が十二名ということで、判明率二六・一%でございまして、残念ながら低い水準にとどまっておるのが実態でございます。このように、近年訪日調査におきます判明率、これが低下いたしておりますのは、肉親と離別時の年齢が低い者が多いという点、それから最近まで自分が日本人であることを養父母から知らされていなかった者が大半である、こういったことによりまして、身元判明につながる具体的な手がかりが少ないということが原因であろうというふうに考えております。 このため、私どもとしましては、各報道機関の協力を得まして、肉親からの対面の名のり出、あるいは身元解明の手がかりとなる当時の関係者からの情報提供を積極的に呼びかけまして、一人でも多くの孤児の身元が判明するように努力を重ねております。なお、こういった訪日調査の段階で身元が判明しなかった孤児の肉親調査につきましては、肉親に関する国内情報の収集と情報の総点検、こういったことを目的としまして、昭和六十二年度から肉親捜し調査班を各都道府県に派遣してきたわけでございますが、昨年度でこれも一巡したことから、平成二年度以降はこれまでの肉親調査、これをフォローする形で、元の開拓団の関係者等、当時の事情に精通した方々を新たに県に調査員として配置することによりまして、引き続き身元未判明孤児の肉親調査をきめ細かに実施していきたいと考えております。
○勝木健司君 帰国した孤児のおよそ九〇%近くが、私の生まれた中国東北地区からの帰国者だというふうに言われております。孤児自身が日本人であることと、そしてまた父母の地であります日本に帰りたいとの一念からの帰国であろうというふうに思うわけでありますが、ところが、問題は帰国後の生活だというふうに思われまして、帰国孤児の平均年齢が四十五・六歳ということでありますので、まさに実年真っ盛りということで働き盛りの年齢でありますから、帰国後の生活に大変な不安を抱いておるということであります。私は、引き続き国と地方公共団体が一体となりまして、孤児対策に積極的に取り組んでいく必要があるというふうに思うわけであります。 そこで、厚生大臣にお伺いしたいわけでありますが、帰国孤児の定着自立の支援策、そしてまた孤児の子弟の就労及び就学対策に今後も力強く、今以上に力強く取り組んでいただきたいというふうに思うわけでありますが、厚生大臣の御決意をお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 帰国孤児世帯に対しましては、全国六カ所、定着促進センターで四カ月間、まず必要な言葉、生活習慣の指導を行い、それから八カ月間、自立研修センターに通所をさせて、自立支援体制として整備をしてきたわけでございます。その後また、日常生活上の相談、各種指導を行う自立相談員を帰国後三年間派遣をするとか、それから就労相談員の自立研修センターへの配置とか、それから自立支援通訳の派遣とか巡回健康相談の実施等々やってきたわけでありますけれども、きょうも御議論を拝聴しておりますと、まあ全体としては成功しているという評価をしていただけるとは思いますけれども、個々の例に当たっては、まだまだ胸の痛むようなケースがあるんではないであろうか、なかなか日本の社会になじめない方もあるんではないか、かように感じております。これからさらに一層きめの細かい体制の整備を心がけてまいりたいと思います。 特に二世の就学の支援については、確かに孤児の方御本人もお気の毒でありますが、二世の方はこれからの人生がかかっているわけでありますから、できるだけ早く日本の学校になじんでいただかなければならない、そういう意味で財団法人中国残留孤児援護基金というものをつくりまして、高等学校、専修学校、大学等に就学する場合の就学資金を貸与しておりますが、これをなかなか活発に利用されていると承っております。日本と中国の学制、学校制度の違いから日本の大学入学試験が受けられない孤児二世なぞに進学の道を開くために、自立研修センターに準備教育を行う課程を設けるとか、いろいろやっておりまして、本年の四月には七人の孤児二世の方が大学への入学を果たしておるということで私もうれしく思っておるところでございます。文部省に対しましても特別な配慮を要請し、これらの方々が学校教育を十分受けると同時に、日本語の理解度や学力もさらに改善をされるように努力をしてまいりたいと思います。 必要とあれば、残余の点は政府委員から答弁させます。
○勝木健司君 相当前の段階でもやられておりますから、確認の意味で今決意をお聞きした次第であります。 また、これも確認の意味でございますが、遺骨収集ということで、旧戦域におきまして亡くなられた方が二百四十万人にも上るということでありまして、こうした方々の遺骨の収集について、まだ相当数、約半数の方々の遺骨が残されているということが、先ほどの質疑の中でもやりとりされておりますが、遺族の方々の高齢化を考えますと、一刻も早く遺骨を収集すべく努力すべきではないかというふうに思うわけであります。年々遺骨収集が困難になってきております現状を見てみましても、遺族の方々は、せめて最愛の夫とかあるいは父親が戦った現地を訪れ霊を慰めたいと思っておられるというふうに思うわけであります。 こうした遺族、遺児の思いにこたえまして遺族慰霊巡拝を実施しておるわけでありますが、特に遺族の高齢化等を考えますと、今後この遺霊巡拝事業についてもいよいよ充実していくべきじゃないかというふうに思うわけでありますので、重ねて厚生大臣の御決意のほどをお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(末次彬君) まず、遺骨の収集の点でございますが、御指摘のとおり、戦後四十五年経過いたしまして当時の事情を知る戦友あるいは現地住民の高齢化に伴いまして残存遺骨に関する情報が大変少なくなってきているのが現状でございます。しかしながら、御遺族の心情も踏まえながら早期収集に向け努力しておるところでございまして、本年度においても、東部ニューギニア、ソロモン、フィリピン、硫黄島、沖縄の五地域で実施することにいたしております。また、相手国の事情で遺骨収集ができないインドネシア等につきましては、外交ルートを通じまして粘り強く折衝して実現に向けて努力していきたいというふうに考えております。 また、慰霊巡拝は、これは昭和五十一年度から、肉親の戦没した地で慰霊追悼を行いたいという御要望に応じまして、主要戦域を対象に実施いたしておりまして、平成元年度からは遺児を中心とした慰霊巡拝も実施いたしております。本年度はフィリピン、ソロモン諸島、中部太平洋、東部ニューギニア、中国、硫黄島、ソ連、この七地域について慰霊巡拝を実施する予定にいたしております。
○国務大臣(津島雄二君) 戦後四十五年が経過いたしまして、当時の事情を知る方々が高齢化してまいりましてだんだんと情報が少なくなっているという悩みはございますけれども、御遺族の心情を考えますときに、早期収集には一層の努力を傾けてまいりたいと思います。
○勝木健司君 次に、麻薬取締法の一部改正案につきまして御質問さしていただきたいと思います。 まず、最近の麻薬、覚せい剤の取り締まりの実態についてでありますが、麻薬とか覚せい剤、向精神薬、シンナー、大麻等が具体的にどのような傾向を示しておるのか、またこの取り締まり体制はどのようになっておるのか、現体制の中で何が一番の今、現状問題点になっておるのか、簡潔にお伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(北郷勲夫君) ヘロイン、コカイン等の麻薬は比較的少ない。平成元年の麻薬取締法違反の検挙者は約二百五十名、それから麻薬の中毒者は十二名ということであります。それから、覚せい剤の乱用問題は大きい問題でありまして、平成元年に覚せい剤取締法違反で検挙された者は約一万七千名ということになっております。 最近における問題点といたしましては、先ほど来いろいろ議論がなされておりますように、海外から入ってくるもの、これをどう抑えるかということ、あるいはまた、従来から日本に保たれております麻薬、薬物に対します一つの倫理規範、こういった国民の意識をどう守っていくか、こういうことが大事だと考えております。
○勝木健司君 具体的には、全米では安価で持ち運びが楽だということで効力が短時間しか持続をしないということで使うほど欲しくなるというクラックが大流行しておるというふうに聞いておりますが、その予備軍としての中毒患者が二千九百万人とも言われておりますが、大変急増しておるというふうに聞いております。国際間がだんだん人的交流あるいは物的往来が増大していく今日にありまして、最近は米国の薬物消費の限界から我が国が新市場として国際薬物犯罪組織の標的になっておるとの観測もありますので、決して我が国だけが蔓延しないという保証は一切ないというふうに思うわけでありますので、この水際での取り締まり強化、薬物密輸の水際阻止というものが痛感されるわけでありますので、これが果たして万全であるというふうに考えられておるのか、お伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(北郷勲夫君) 先ほども大蔵省の関税局の方からの話もありまして、大変に努力をいたしておるところであります。しかしながら、日本に入ってまいります貨物の量あるいは人間の数、大変多いわけでありまして、先ほど麻薬犬の問題も出ましたが、このにおいを消すという技術もまたあるわけでありまして、なかなかこれを完全に水際でとめるというのは非常に技術的に難しい問題だと私は考えます。生産国からよく言われております消費地の需要を抑える、こちらの方が日本の場合にはまず基本でなきゃいかぬというように私は考えております。
○勝木健司君 取り締まりの第一線に携わっておられるいわゆる麻薬Gメンの問題についてお伺いしたいというふうに思うわけでありますが、この水際作戦につきましては、警察、税関、入国管理局、海上保安庁等との緊密な協力関係が必要であるというふうに思いますが、そのためにもこの麻薬取締官について、人員の問題、どのような採用形態で採用されておるのか、また最近の定員の増加の状況等についてまず御説明をいただきたいというふうに思います。
○政府委員(北郷勲夫君) 最初に先生おっしゃいました関係機関の協力問題でありますが、麻薬に関しましては大変各機関ともいわば共同の目的を持っているわけでございますので、協力関係は非常に密接だと私どもは理解いたしております。 それから麻薬取締官の人数でありますが、これはいろいろ機械化とか、設備を導入いたしまして一生懸命やっておるわけでございますが、現状で必ずしも十分というふうには考えておりません。現に今回法律改正で対象物も広がるわけでございますし、それからまた海外の情報を把握する、こういう問題もございますので、今後体制の強化を図ってまいりたいという考えでおります。
○勝木健司君 最近の定員の増加、昭和四十七年は百七十名と伺っていますけれども、その後。
○政府委員(北郷勲夫君) 最近では定員の増加はございません、ここのところ数年間は。
○勝木健司君 麻薬Gメンは極めて地味な仕事だということで、給与待遇は十分果たされておるのかどうかお伺いをしたいというふうに思うわけでありまして、自衛官、警察官、消防士と比較した場合、単純な比較は確かに難しいというふうに思いますが、お伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(北郷勲夫君) 麻薬取締官の給与体系はいわゆる行政職の(一)が適用になっておるわけでありまして、公安職の給与表が適用になっております警察なんかとは若干違った処遇になっております。しかしながら、現実の処遇の問題としてはいろいろ配慮も可能なわけでありまして、またどだい給与だけで立派な人間が集まるわけじゃありませんで、麻薬取締官事務所には採用上はそれぞれ能力のある人間を採用いたしておるつもりであります。
○勝木健司君 ますます麻薬取締官が文字どおり身命を賭して職務に邁進されることに今後なっていくだろうというふうに思われます。麻薬Gメンは法律上、小型武器の携帯とか、いわゆるおとり捜査が認められておるということでありますので、大変危険な場面に遭遇することが容易に想像されるわけでありますので、これまでの間に麻薬Gメンで職務遂行中殉職された方がおられますでしょうかどうか、お伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(北郷勲夫君) 最近では幸い死亡という事故は生じておりません。
○勝木健司君 それでは、現在殉職された方々に対する国としての補償というのはどのようになっておりますか、お伺いをしたいというふうに思います。 最近の新聞によりますと、自衛官の生命の値段が安過ぎるということで、去る二月の沖縄で起きた陸上自衛隊救難機の問題が問題提起をされておりまして、わずか九百万円と、一方、犯人逮捕で殉職した警察庁の警察官の場合は、最高で八千万円の見舞い金が支給される、贈られるということでありまして、こういった場合、今まで幸いにしてそういうことはないということでありますが、今後万一不幸にして殉職される麻薬取締官がおられた場合は、その十分なる補償が必要であるというふうに私は思うわけであります。この補償問題につきまして、新聞でも報道されております自衛官あるいは警察官との関係に劣らず重要な問題であると思いますので、厚生大臣、このような問題についてどのようにお考えですか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 麻薬取締官が職務を遂行中に死亡または負傷した等により障害が残った場合には、国家公務員災害補償法により一般公務員の五割増しの遺族補償年金または障害補償年金を支給することになっております。 また、警察官等に対する特別ほう賞実施要領により、殉職者褒賞金または障害者褒賞金を支給する、これも同じように適用になっております。 問題は、警察官の場合には、さらにこれに加えて警察表彰規則による賞じゅつ金というのが付与されると承っておりますが、この点について、今後の麻薬犯罪の動向も見ながら研究してみなければならない課題かなというふうに思っております。
○勝木健司君 時間の関係で次に進ませていただきますが、昨年の四月の、財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターが、十五歳から二十五歳までの男女、青少年を四百人を対象に行った意識調査によりますと、友人や知人から薬物使用を誘われたことがあるかという問いに対して、実にシンナーでは約二〇%、大麻で一一%、覚せい剤で三・八%、麻薬で二・五%があるというふうに回答をしておる。いずれかを誘われた経験のある者も約二二%にも達しておるということであります。 また、断る自信があるかという問いに対しては、シンナーと大麻で約一割強、覚せい剤と麻薬で一割弱が余りない、全くないというふうに回答をしておるわけであります。このような少年の実態について、厚生大臣どういうふうに認識をされておりますか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 麻薬等の乱用は、本人の生命、身体への危害にとどまらず、社会的な害悪をもたらす重要な問題でございます。 現在、我が国では覚せい剤の乱用が多いという点は先ほど政府委員から申し上げましたが、国際的な問題になっているコカイン、ヘロインなどの麻薬あるいは睡眠薬などの向精神薬の乱用は、まだ総体的には少ない状況にあるかと思います。 しかし、若い者の意識調査で、今御指摘のような結果が出ており、十分な警戒が必要だと思いますし、また国際的な交流が非常に盛んでございますから、修学等のために外国に行って不幸にしてそういう悪い習慣を覚えてくるということも当然心配をされるところでございます。 そのような意味におきまして、麻薬等の取り締まりに努める一方で、青少年を含めて広く国民に対して乱用の危害についての啓発活動をし、麻薬の乱用を許さないという社会環境の確立を図っていかなければならないと思っております。
○勝木健司君 また、最近の警視庁のまとめによりましても、新聞報道でありますが、昨年一年間に大麻事件で逮捕または書類送検された少年が六十二人、昭和六十一年の約二倍ということで、このうち中学生が一人、高校生が二十人、大学生が二十人などとなっており、特に高校生は六十一年六人だったのが三倍強にもふえておるという現状、実態であります。精神的に弱い者が手を染めるというのが一番多いのではないかというふうに思われるわけでありますが、麻薬の恐ろしさのPRも大切では確かにあるわけでありますが、特に青少年に対して精神的な強さを、また心の健全性を培っていく、そういう保たせるような教育というのも大切ではないかというふうに、今後とも非常に重要なポイントになってきておるというふうにも思われます。 そこで、文部省としてこの問題について初等、中等教育課程においてはどのような対策を立てられておるのか、そしてどのように教育委員会や現場を指導しておられるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○説明員(石川晋君) お答えいたします。 麻薬でありますとか覚せい剤、薬物乱用、具体的にこれらの教育につきましては、主として中学校、高等学校において教科、保健体育、あるいは特別活動における保健指導、あるいは生徒指導といったような分野で指導しているところでございます。このため、かねてから日本学校保健会の専門家の協力を得まして、薬物乱用の害等についての指導に関する教師用の指導書を作成し、これを配付しているところでありますが、また、それとともに学校保健担当者に対しましては研修会等各種の機会を通じましてこれらの問題について取り上げ、教職員の意識の啓発と児童生徒への指導の徹底を図っているところであります。 この観点から、特に新学習指導要領におきましては、高等学校におきまして保健体育の中に薬物乱用と健康に関する内容を項目として取り上げ、健康教育の観点からも内容を強化するというようなことで、その充実を図っているところでございます。 なお、委員御指摘のように、これらの問題、具体的な薬物、覚せい剤の問題だけでなく、こういった的確な知識の指導ということとともに、子供たち一人一人が心身ともに健康に育つというような面も大変重要なことであるというふうに考えておりまして、一つには、心の問題については学校における保健室の相談授業の活性化等の施策を考えること。それから個別の一人一人の児童生徒についてそういった問題について相談を十分受ける体制、こういった点についても努めてまいりたいというふうに考えているところであります。
○勝木健司君 もう時間が参りましたので、これで終わりたいと思いますが、先ほど同僚の先生からもありましたように、十四省庁にまたがるような、そういう麻薬の問題でありますから、もっと厚生省なり警察庁あるいは文部省と連携をとりながら、十分なそういう麻薬取り締まりについての実効が上げられることを希望いたしたいというふうに思います。 最後に、厚生大臣の決意のほどをお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 今回の法律案を御審議いただく過程でいろいろ問題の大きさが浮き彫りをされてまいりましたし、また国際条約に批准をするという問題もございますので、この機会に私ども心を新たにして麻薬問題に取り組んでまいりたいと思います。
○西川潔君 私は、まず麻薬取締法の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。 まず、痴呆症のお年寄りに使われている向精神薬について、本当にずぶの素人でございますので、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(北郷勲夫君) 痴呆症に対しまして痴呆症プロパー、そのために向精神薬を使うということはないと思います。向精神薬が効能として痴呆症の効能は持っておりませんので、直接痴呆症のために使うということは私はないと考えます。
○西川潔君 従来、痴呆は治療できないということだったわけですけれども、現在は効果に限界があるといたしましても、ある程度薬物による治療ができるというような報道もいろいろ読ましていただいたり、見せていただいたりもするわけですけれども、その主なものに、いろいろな脳機能の改善薬、今向精神薬の話が出たわけですが、この向精神薬はお年寄りの場合はなかなか反応がよくないというようなこともお伺いしております。そうしたときにその効果を上げようということで投与量が多くなったり、そういたしますと、またパーキンソン症状が起こったり、日常生活の機能が低下したりというようなことも聞いております。寝たきりになったり、失禁、転倒といった事態が生じたということもお伺いしておりますが、この治療薬といたしましての向精神薬の使用についてどのようになっているかを教えていただきたいんですが。
○政府委員(北郷勲夫君) 痴呆症をずばり、痴呆症の治療というために使われるということはないと思うんでありますが、要するに痴呆症を適応症とする医薬品はまだ開発されていないわけであります。しかし、老人の場合には痴呆症があるなしにかかわらず、一般的にいろんな病気をお持ちなわけでありまして、例えばその方が不眠症であるとか、どこか痛みがあるとか、そういうときに、そのための医薬品をいろいろ使われる、こういうことはたくさんあるわけであります。正確な資料はございませんが、老人の場合の特色は、いろんな症状がたくさん出る、それに伴って医薬品の数がふえる、こういうことがございます。通常の場合でも、私ども承知いたしておるところでは五つか六つは出る。多い人では十以上、先般の聞いた話では二十幾つ、こういう例もあるわけでありまして、大変多種類の薬が使われるというような実態はあるわけであります。
○西川潔君 次に、一九八七年の新聞記事でございますが、「覚せい剤原料含む「せき止め薬」 若者が乱用、中毒広がる」、精神障害が四人、四名さんが入院、「薬剤師会 製薬会社 薬局に注意文書」と、こうあるわけですが、また一九八八年の四月には「広がる新幻覚遊び 有毒キシレン野放し スーパーなどで簡単に入手」という記事も読ませていただきました。 せきどめ薬は、いろいろと後で勉強させていただきますと、メーカー側が製造中止したりもいたしましたということもお伺いしておりますが、この対応をそのときにどういうふうにとられたかというのを、この二つの点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(北郷勲夫君) これは六十二年ごろの話でありますが、一部のメーカーのせきどめ薬を通常の使用方法と違って、いわば大量に飲んで、飲んだ結果その成分がいわば麻薬とまでは申しませんが、覚せい剤に近いような効果を得られる、こういうことで乱用されたというケースがございました。 これに対しまして、薬局の団体であります薬剤師会も非常に注意をいたしましたし、管下の薬局に対して一人一剤といいますか、多量に売らない。それから、明らかに乱用目的というようなものは気をつけて売らない、こういうような活動を行ったわけであります。そのほかに、また特定の商品、製品に集中しておりましたんで、その商品自体をメーカーが実は変えまして、そういったいわば興奮をもたらすような物質を除いた製品に変えまして、いわば自粛したというような格好になりますが、製品の種類を変えて、内容を変えて売った、こういうようなことになっております。現在では大体鎮静化をいたしておるという状態にあります。 それから、その次のキシレンであります。キシレンは、これはいわば有機溶剤に使われるもので、トルエンなんかと似たような物質でありますが、これはいわばシンナーみたいなやり方でいい気持ちになるというような印象になるわけですが、これがあったんでありますが、これは現在キシレン自体が毒物劇物法で劇物に指定されておる物質であります。それで、その後いろいろまた調べておるんでありますが、一時非常にはやったのでありますが、その後はおさまっておりまして、現在ではむしろキシレンについては余り問題はない。トルエンについてはまだ乱用があるという状態でございます。 なお、そのキシレンについてさらにもし問題が起これば、私どもとしては適切に対処したいと考えております。
○西川潔君 ありがとうございました。 実は、このせきどめ薬というのも私も随分長い間飲ましていただいておりまして、カップがついておるんですが、つらいときにはちょっと多い目に飲みますと随分よく眠れたもんなんです。特に何か心配で力を入れて質問をさせていただいたんですけれども、中身が何か変わって新しい形で今また市販されているようなお話をお伺いしたんですけれども、中身を変えて果たして今度は効くか効かないかというようなことが心配になってくるんですけれども、そのあたりまではお調べにはなってないんでしょうか。
○政府委員(北郷勲夫君) 効かなきゃ大変でございますから、有効性については変わらず、何といいましょうか、むだと言ってはなんですが、有害なところを除いて有効性は変わらない、それは当然効かない薬ではございません。
○西川潔君 愚問で申しわけございませんのですが、素人というのはこういうものでございまして、本当にこういうこともこちらでお伺いして、また皆さん方に御報告を申し上げたいと思います。 次に、同じく一九八七年、また新聞を持ってまいりましたのですが、七月に「麻薬サボテン 若者らの乱用防げ 大麻がわりに購入者ふえる」という記事がございますが、これはもう麻薬サボテンなんてのは私は本当にこの記事を見てびっくりいたしました。名前がウバダマと言われるサボテンが、人間の体内に入りますと幻覚作用を起こす、誘発するということでございますが、アメリカでは一九七〇年に制定された連邦法の乱用物質規制法で、ウバダマの規制を各州、各市の法律にゆだね、例えばテキサス州の場合なんかは、ウバダマはアヘン、大麻などと同様の麻薬として扱われております。販売者が逮捕されたり、また罰金刑を科せられるということもあるそうでございますが、厚生省では実態の調査を行われたそうですが、その調査の結果を教えていただきたいのと、今回いろいろ資料読ましていただきまして、改正の対象となっていないわけで、その点についてもお伺いしたいと思います。
○政府委員(北郷勲夫君) これは、やはり昭和六十二年ごろの話であります。ウバダマ、これはメスカリンという幻覚成分が含まれているわけでありますが、その後、麻薬取締官事務所を通じまして、各地のサボテンの販売業者から聞き取り調査を行いました。サボテンというのはいろいろ観賞用にも使われるわけでありまして、いろんなところで売っているわけでありますが、結果的には乱用に結びつくような事例は発見されませんでした。 それからまた、試験研究所におきまして、サボテンの中の幻覚成分の分析を行いまして、含有量が非常に少なく、〇・〇五%という結果になっておりますが、したがいまして、この程度でありますれば、サボテンを食うわけでありますが、そんなにたくさん食うわけにまいりませんし、今、現在のところ心配はないというように判断をいたしております。 これもまた、もしその中から物を取り出して精製するというような問題が起こりましたら、適切に対処いたしたいと考えております。
○西川潔君 国会へ参りまして一番きょうが笑わしていただきました。 いや、サボテンをそんなに食うというようなこともお伺いしたことはないんですけれども、そんなに本当に害はないのでしょうか。これ、もしいただいて。
○政府委員(北郷勲夫君) それは当然のことながら、たくさん食べればだめです。
○西川潔君 いや、何でもたくさん食べたら悪いですけれども、それはお魚でも野菜でもお肉でもそうなんですけれども。少量でもこれは麻薬として、アメリカではこういうふうに販売した者は罰則だというような、罰金、逮捕というような州もあるそうでございますので、ひとつよろしく御指導のほどをお願いいたします。これ以上は御質問を申し上げません。 次に、社労にお世話になる前には法務委員会の方で三年間お世話になっておりまして、刑務所という刑務所、そしてまた少年院、女子の収容所、いろいろな現場を視察さしていただきまして、勉強さしていただいたんですけれども、特に最近は女性の方が本当に多うございます。そしてまた、未成年者の方々が多いわけです。本当に心配で心配でたまりません。簡単に入手できるという点では今のサボテンもそうなんですし、また麻薬、大麻、大変心配でございます。先日も高校生の大麻の汚染についての報道がされておりました。使い始める前に予防する、これが最も大事であると思うんですけれども、一九八七年の六月に厚生省と警察庁の共管の麻薬・覚せい剤乱用防止センターが設立されました。大変御尽力いただいていることも存じ上げておりますし、正しい知識の普及、そして国民的な関心の高まりについてもまだまだ足りないと思うんですけれども、最近は本当に手をかえ品をかえ、おすしに入っておりますおしょうゆ、ああいうものに液体を入れて宅配便だとか、主婦の方々にはいろいろ訪問販売でもって誘惑の手が伸びているということです。諸先生方が本当にいろいろ御質問申し上げたんですけれども、大臣にもう一度お伺いしたいんですが、本当にもっともっと力を持っていただきまして、いい方向で御指導いただきたいんですけれども、一言お聞かせいただけませんでしょうか。
○国務大臣(津島雄二君) 麻薬等の乱用は、しばしば申し上げるとおり、人の生命、身体への危害にとどまらず、広く社会的害悪をもたらすものでございます。内部から社会を崩壊させる要素をはらんでおるとさえ言えるわけでございます。また、国際的な交流が盛んになってまいりますと、容易に外から入ってくる可能性があり、また一たん流行になる、歯どめがきかなくなりますと、一部の国に見られるように、爆発的にふえる要素があるわけでございます。こういうことを念頭に置きまして、麻薬等の乱用防止対策は取り締まりを強化いたしますとともに、基本的には乱用を未然に防止するということが肝要ではなかろうかと思います。このような観点から、広く国民に対し啓蒙活動を推進し、麻薬の乱用を許さないという社会環境を確立してまいりたいと思います。
○西川潔君 ぜひ本当によろしくお願い申し上げます。 続きまして、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。 昨年の改正によりまして、厚生年金、国民年金、児童扶養手当、原爆被爆者の各種手当は完全物価スライド制が導入されたわけですが、既に四月一日よりアップされております。ところが、この法律による障害年金、遺族年金は、つまり本日の審議を待って、いまだに引き上げが行われていないわけです。この間年金受給者の皆さん方は本当に年金額のアップを一日千秋の思いで待っておられるわけですが、障害年金、遺族年金等の額もほかの年金の諸手当と同じく四月一日から自動的に改定されるようなものにできないものかと私自身思うんでありますが、年金額の改定を政令にゆだねてしまうことには、確かに年金額が恩給法に準じているとか、総合勘案方式であるとか、いろいろと問題があると思います。法案が提出されるから国会で審議される、国会で審議されることにより施策が進んでいくという面があるわけですから、なかなか難しい問題は多々あると思いますけれども、大臣にひとつお伺いしたいんですが、何とかならないものでしょうか。
○国務大臣(津島雄二君) ただいま挙げられました遺族年金等、いわゆる援護年金の額は、先ほど委員自身申されましたように、恩給の額の引き上げに準じて手直しをしておりますので、恩給の額の引き上げの方が法律によっている現状で、援護年金の方だけを政令に委任することは困難と考えます。ただ、幸か不幸かと申しますか、援護年金につきましては七月に支給をされるわけでございますから、実はこの法律をきょう通していただけますと、改善額による七月支給に間に合うように私ども努力をいたしますので、委員が申された受給者の方に全く迷惑がかからないように処置することができるかと思います。どうぞよろしくお願いします。
○西川潔君 実はこちらこそよろしくお願いしたいんですけれども。 それでは、次に参ります、大臣にそのように頭を下げられますと。この援護法の資料を見ておりまして、大変素朴な疑問を感ずるわけです。戦傷病者の方々と原爆被爆者の方々の補償のあり方でございますが、基本的に国家補償として同等になぜできないのかなと不思議に思うわけです。そんなことを考えながら資料を見せていただきますと、原爆二法には幾つかの手当について所得制限がございます。一方、戦傷病者援護法にはそういう規定が見られないわけですが、これはどういうことなんでしょうか。
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。 先生も御存じのとおり援護年金は、軍人軍属等国と雇用関係あるいは雇用類似関係にあった人が、戦争公務により受傷、死亡した場合に、障害者または死亡者の遺族に支給されるものでございまして、そういう面から所得制限が設けられていないというぐあいに承知いたしております。 それから一方、原爆被爆者対策につきましては、これは原爆放射線によります健康障害に着目いたしまして、被爆者の障害の実態に即した対策を重点的に実施するという形になっておるわけでございます。 この観点から、原爆放射線によります健康障害を現に有している被爆者に対しましては、支給されます医療特別手当等につきましては、所得制限を設けておりません。 これに対しまして、特別手当、健康管理手当等放射線障害が現にないあるいは関連が明らかでない場合にも支給される手当につきましては、一般の社会保障との均衡も考慮いたしまして所得制限を設けておるところでございます。
○西川潔君 ありがとうございました。 重複いたしますが、残留婦人は孤児と違って身元がはっきりしておりますから、いわば自分の意思で中国に残ったのだという午前中からの説明もお伺いいたしましたが、孤児との分かれ目は十三歳未満かそれ以上という年齢で、孤児も残留婦人も、さきの大戦の大きな犠牲者であることには変わりはないと思います。残留婦人に対しても孤児同様の温かい援助の手を差し伸べていただきたいと私は思います。 中国残留婦人が一時帰国する際の旅費については、国費で負担する制度ができておりますが、滞在費は出ません。政府は、日本に滞在中の滞在費の負担については、一時帰国の目的が墓参りや親族訪問にあることから、日本にいる親族が行うことが望ましい、こう言われておりますが、残留婦人の場合は、御本人にも増して親族も大変高齢化しております。親族との緑も遠くなりつつあるのが現状でございます。 この際、もう一度御検討をいただいて、諸先生方も質問をなさいましたが、もう一度滞在費について何らかの形で、国費でというお願いを申し上げたいのですが、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(末次彬君) 中国残留婦人と申しますのは、私どもは当時から身元が判明しているという方々を中国残留婦人と、こう申し上げておるわけでございまして、基本的にそういう方々が日本に帰国される際には、いわゆる残留孤児と同様の処遇といいますか、対応をするというのを基本にいたしております。 ただ、中国残留婦人と申しますと、一般的に日本語を習得しておられるといいますか、日本語を身につけておられる、あるいは日本の社会習慣を身につけておられるということから、いわゆる帰国者のセンターへ入って日本語を勉強していただく必要はない方々という、その点が違うだけでございまして、その他の点につきましては、いわゆる残留孤児と同様に私ども対応しておるつもりでございます。 ただいまの滞在費の点でございますが、委員よくおわかりのとおりでございまして、私どもの基本的な立場としてはいわゆる里帰りをされる、そういうスタンスで考えておりますので、できる限り在日親族が受け入れていただくということが望ましいというふうに考えておりますが、それが困難な場合につきましてボランティア団体、これによります集団一時帰国、あるいは本年度から宿泊費用を含めまして滞在中のいろんなお世話を財団法人の中国残留孤児援護基金が行うという形で、こういった方々が円滑に一時帰国できるように配慮をしているところでございます。
○西川潔君 戦争によりまして大変多くの問題が引き起こされたわけです。いまだに未解決の問題も多いようでございますし、関係者の方々は年々年老いていくわけですが、私なんかは昭和二十一年の七月の二日生まれでございまして、もちろん戦後でございます。本当に平和な時代に幸せに両親に育てていただきまして、こういう問題にはまじめに真心で、戦争を知らない子供ではございますが、取り組んでまいりたいと思いますので、きょう午前中から今まで諸先生方がいろいろこの法律の一部を改正されるに当たって御質問をなさいました。ひとつ全部をまとめていただきまして、最後に、今後こういう問題にはどういうふうに当たられるかということを大臣にお答えをいただきまして、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 委員が戦争のころのことを振り返りながらの御質問でございましたが、さきの大戦は非常に大きな傷跡を残し、今なおこれが残っておるわけでございます。厚生省といたしましては、そういう戦後処理のうちで特に私どもに付託をされた仕事をしっかりと関係者のお気持ちを体しながら熱心に取り組んでまいらなければならないわけでありますが、まず第一に戦傷病者戦没者遺族等の方々に対する援護でございますし、二番目に、遺骨収集や慰霊巡拝等の戦没者の慰霊事業でございますし、それから三つ目は中国残留孤児等、このほかサハリンとかいろいろ戦争のときの事情で現地にとどまられた方々に対する引き揚げ援護等の業務を担当しておるわけでございますが、これらの施策の充実に努めつつ、御遺族を初め関係者の皆様方の御期待にこたえたいと思います。また、こういう問題に真剣に取り組んでいくことがやはり将来の平和に向けての国民の認識を高めることにつながっていくと私は信じておるところでございます。
○西川潔君 ありがとうございました。
○委員長(浜本万三君) 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。 これより両案の討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより順次採決に入ります。 まず、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜本万三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、糸久八重子君から発言を求められておりますので、これを許します。糸久君。
○糸久八重子君 私は、ただいま可決されました戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項につき、速やかに格段の努力を払うべきである。 一、戦没者遺族等の高齢化の現状等にかんがみ、国民の生活水準の向上等に見合って、今後とも援護の水準を引き上げ、公平な援護措置が行われるよう努めること。 二、海外旧戦域における遺骨収集については、相手国の協力を得て早期収集に一層の努力を払うとともに、慰霊巡拝等についてはさらに積極的に推進すること。 三、中国残留日本人孤児に関する情報収集について、引き続き中国政府の積極的な協力が得られるよう配慮するとともに、訪日調査により肉親が判明しなかった孤児に関する調査に最大限の努力をすること。また、中国及びサハリンの残留邦人の帰国援護については、今後とも積極的に推進すること。 四、帰国孤児の定着先における自立促進を図るため、日本語教育、就職対策、住宅対策等の諸施策の総合的な実施に遺憾なきを期すること。 五、ガス障害者に対する救済措置は、公平に行うとともにその改善に努めること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(浜本万三君) ただいま糸久君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜本万三君) 全会一致と認めます。よって、糸久君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、津島厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。津島厚生大臣。
○国務大臣(津島雄二君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(浜本万三君) 次に、麻薬取締法等の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜本万三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。 この際、小野清子君から発言を求められておりますので、これを許します。小野君。
○小野清子君 私は、ただいま可決されました麻薬取締法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 麻薬取締法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。 一、麻薬等の乱用防止には、これらの乱用を許さない社会環境を確立することが重要であることにかんがみ、乱用による危害を広く国民に周知徹底するための施策の充実を図ること。特に、青少年に対する薬物乱用防止のための啓発を十分に行うこと。 二、麻薬等の犯罪の重大性にかんがみ、取締り体制の充実強化を図り、関係各機関の連携のもとに、諸外国とも情報交換を密にし、総合的、かつ、強力な取締りを推進すること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(浜本万三君) ただいま小野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜本万三君) 全会一致と認めます。よって、小野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決しました。 ただいまの決議に対し、津島厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。津島厚生大臣。
○国務大臣(津島雄二君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(浜本万三君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十一分散会