社会労働委員会 第3号
- 発言数
- 251 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1990/05/24
会議録
○委員長(浜本万三君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 まず、理事の辞任についてお諮りいたします。 佐々木満君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜本万三君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に前島英三郎君を指名いたします。 —————————————
○委員長(浜本万三君) 次に、労働問題に関する調査を議題とし、労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○糸久八重子君 きょう、私は林業労働者の問題に関してお伺いをさせていただきます。 四月十五日に発表されました総理府の森林と生活に関する世論調査では、森林への国民の期待が高まり、政府の積極策を求めております。また、国際的にも地球温暖化問題などから森林の果たす機能が再確認されておりますし、この問題をめぐる国際協定の動きもございます。 ところが、我が国は国土の六七%が森林であるのに木材需要の七割を外材に頼っていて、森食い国とか批判をされている現状でございます。環境問題に対処するためにも、国内森林の充実に努めなければならないのは言うまでもないことですけれども、林野庁のこの辺の御見解を承りたいと思います。
○説明員(田中正則君) お答え申し上げます。 御指摘のように、森林は木材生産のみならず国土保全ですとか、あるいは水源の涵養、環境の保全といったような多様な機能を有しておりますし、またその高度発揮に対する国民の要請は近年ますます高まっておるところでございます。 こういった要請を踏まえまして、昭和六十二年七月には森林資源に関する基本計画といったものを改定いたしまして、現在、伐採年齢の多様化でありますとかあるいは複層林、育成天然林の造成などをやってございます。これは従来から行っておりました拡大造林を主体といたしました森林資源整備の方針といったようなものを転換いたしまして、多様な森林資源の整備を図るということにいたしたところでございます。こういった方針に基づきまして、今後とも治山、林道、造林等の各種事業の計画的な実施や、環境財あるいは公共財としての森林の整備につきまして総合的な施策により活力ある森林資源の充実に努めてまいりたいと考えております。
○糸久八重子君 森林率七割を占める我が国でありますが、人口一人当たりの森林率は世界平均の四分の一にすぎません。そして森林が近年非常に荒廃していると言われておりますが、その原因は何だと林野庁は把握していらっしゃいますか。
○説明員(田中正則君) 御指摘のように、我が国の森林は国土面積の七割に相当する二千五百万ヘクタールを占めておるわけですが、一千万ヘクタールに及ぶ人工林を有していることから、これを中心にいたしまして毎年資源内容が充実しているのではないかと考えております。しかしながら、人工林の多くはまだ間伐とか、あるいは保育などの手入れを要する年齢にありまして、立地条件の悪い一部地域等におきましては、これらが必ずしも十分に実施されているとは言えない状況にございます。これは過疎化あるいは高齢化の進行あるいは木材価格の低迷等によります林業生産諸活動の停滞など、山村林業をめぐる厳しい条件に加えまして林道網やあるいは流通加工施設などの整備がまだ不十分であるというようなことが原因かと考えております。このようなことから、山村林業の活性化のため、林道などの基盤整備を充実いたしまして、間伐を初めとする造林事業の推進によりまして、国民の多様な要請に対応した森林の整備に努めてまいりたいと考えております。
○糸久八重子君 労働省にお伺いいたします。 森林面積のうち七割は民有林、そして三割は国有林と伺っております。これら森林に働く労働者の数はどのくらいで、どんな数の推移をしておるのでしょうか。
○政府委員(清水傳雄君) 総務庁の労働力調査によりますと、昭和四十年の林業就業者は約三十六万人、うち雇用者は約二十三万人でございましたが、五十年にはそれぞれ約二十二万人と十四万人、六十年には同じく十五万人と十一万人、平成元年には同じく十二万人と八万人、こうした形で減少傾向で推移をしていると承知をいたしております。
○糸久八重子君 先ほど林野庁からもお話がございましたけれども、国有林は七百八十九万ヘクタール、そして私有林が千四百六十八万ヘクタール、公有林が二百六十八万ヘクタールで、大体二千五百万ヘクタールの森林があるわけですが、そういう森林を管理するのには林野庁としてどのくらいの労働力を必要とするのでしょうか。それは、手入れの仕方はいろいろあるんでしょうけれども、概略見積もってこのくらいは必要だというお話をお伺いさしてください。
○説明員(岡勝男君) お答え申し上げます。 森林の造成には約五十年という非常に長い期間がかかりまして、その間さまざまな手入れや森林の管理が必要であります。一九八〇年の世界農林業センサスによりますと、農家林家、これは農家の方で山をお持ちの方、それから非農家林家、農家でないけれども山を持っておられる方、合わせて約百二十四万人の人が山林の仕事に従事されております。そのうち約九割の百十二万人は自分の所有する山林の仕事に従事しておりまして、基本的には森林の手入れや管理というものは森林所有者みずからが担っておるという実態にございます。我が国の森林は着実に現在資源内容が充実しておりまして、これから国産材時代というものを迎えようとしておりますが、現状のような林業労働者の減少、高齢化が続くとしますと、林業の担い手は今後大幅に不足するというふうに考えておりまして、林業担い手の育成が極めて重要な課題であるというふうに認識しております。
○糸久八重子君 大事な林業の担い手が年々減少していくというのは、大変困ることなんですが、いろいろ労働力の不足とか、それから今担っている人たちが非常に高齢化しているというような話を聞きまして、それが山の荒廃の原因の一つと考えられるわけですけれども、確かに総務庁の労働力調査を見ますと、ここ十年で三五%の労働力が減少している。しかも、五十歳以上が六割を占めるというように非常に高齢化しているということが資料でわかります。森林を育てるためには、先ほどのお話にもございましたとおり、五十年という非常に長い年月がかかるわけだけれども、しかしそれを育てていくためには、やはり下刈りとか枝おろしとか間伐とか、大変人手を必要とするわけです。そういう山の作業をする人がいないという問題に対して、林野庁はどう対応しようとしているのでしょうか。
○説明員(岡勝男君) ただいま御指摘がございましたように、非常に減少と高齢化が進んでおりまして、林業労働力の弱体は著しいものがございます。一方、このような中で、今御説明申し上げましたように、今後国産材時代、戦後植えられました植林の造林地がいよいよ今一人前に育ってきておりますし、また、国民の多様なニーズにこたえまして森林の整備を進めていく、こういうことが必要になっております。そのためにはどうしても林業労働力の育成確保が必要でございます。 このため林野庁では、まず森林組合作業班を中心にいたしまして、安定した雇用等魅力ある就労の場を提供できる林業事業体を育成強化する、こういうことを基本といたしまして、造林、林道の生産基盤の整備、機械化の推進、そういう施策を推進するほか、林業就業者が定住しております、生活の場であります山村地域の定住環境もあわせて整備するということに取り組んでおります。 特に、平成二年度からは林業、山村の活性化を図るための新たな林業構造改善対策を発足させたいというふうに考えております。また、就労の長期安定化、それから若年労働者の新規参入を総合的に促進いたします林業担い手総合育成対策というものを新たに実施したいというふうに考えておりまして、今後ともこのような関係施策を推進してまいりたい、それによりまして林業の担い手の育成に努めてまいりたいというふうに考えております。
○糸久八重子君 大変、林野庁としては労働力対策に多彩な対策を持っていらっしゃるようなのですが、林野庁は国有林野事業の赤字経営改善のために、人員や営林署など機構の削減とか、それから事業の縮小など、徹底した軽量経営を目指して全体の合理化を進めてきておるようですね。人員規模だけを見ましても、一九六四年のピーク時には八万九千人、これは国家公務員の場合ですけれども、いた職員が一九八八年には四万人に、そしてさらにこれからはその半分の二万人にまでしようとしているようです。 国有林というのは日本列島の背骨に当たる非常に急な地域にあるのが多いわけでありまして、木材の安定供給という使命のほかに、これは今林野庁からお話があったわけですが、山村地域の振興とか、水源の涵養とか、環境保全など大変大きな役割を果たしてきているわけです。したがって、質と量の高い森林をつくらなければいけないわけですが、そのために維持管理する人手などはどうしても必要だと思うのですね。そういう意味で、国有林にかかわる林業労働者の定員削減等については林野庁はどのようにお考えなのでしょうか。
○説明員(岡勝男君) 国有林の、私、直接担当している所管ではございませんけれども、お答え申し上げたいと思いますが、現在、御指摘がありましたように、国有林においては、いわゆる戦後の大きな収穫量の反動から木材伐採量等が非常に減少傾向をたどっておりますこと、それからさらに自然保護の観点から、いわゆる収穫の問題についても減少をたどっております。かつて、今お話のありました一九六四年には約九万人近い職員が働いておったわけですが、現在三万四千人程度の体制になりつつあります。現在、その過程の中で約二兆円に及ぶ累積債務等がございます。そういうことを総合的に考え合わせる中で、今後、国有林の健全な経営と、それから国有林野の施業の適正なあり方というものについて、林政審議会にいろいろ審議をお願いしているところでございます。
○糸久八重子君 この問題の細かいことは、これは当委員会ではなくて農水委員会の方で御論議があるようですから、申しませんが、いずれにいたしましても、大事な森林を守り育てる労働者を大きく切り捨てるということについては非常に問題があると思います。 そこで、労働省にお伺いしますけれども、最近の林業労働者の雇用状況についてはどうなっておりますでしょうか。
○政府委員(清水傳雄君) 雇用状況と申しますか、雇用の形態なり雇用の実態なり、そうしたものにつきまして、私どもで認識しておりますのは、林業労働、作業そのものが季節的な性格が強い面がある。それからまた、作業の性格上、間断的と申しますか細切れ的な、そういうふうな形のものもある。それから農業等々の兼業が多い。そうしたことから、森林を所有しておられる方のいわゆる自家労働による臨時的、短期的なものから、森林組合、会社等に雇用されておられる専業的なものまで非常に多様な就労形態になっているというふうに承知をいたしております。 こうした状況を雇用保険の被保険者の状況で見てまいりますと、平成元年度におきまして約四万七千人の被保険者がおいでになるわけでございますが、そのうちの五割以上の二万四千人が季節的あるいは短期の雇用につくことを常態とするいわゆる短期雇用特例被保険者ということになっておるわけでございます。また、林野庁でおやりになっておられる森林組合統計で見ましても、森林組合作業班員のうち、年間就労日数が百五十日未満の方々が五〇%近くを占めている、あるいはまた六十日未満の方々も約二〇%に達しておる、こんなふうな状況として承知をいたしているところでございます。
○糸久八重子君 先ほど林野庁が、全体で百二十四万くらいの林業労働者がいるだろうということなのですが、雇用保険から考えると四万七千人。そうすると、統計指標にあらわれていない多数の労働者というのはどこでだれが把握をするわけですか。
○説明員(岡勝男君) 先ほど申し上げました百二十四万人というのは、山林の仕事に従事しておられる方、そのうち百十二万人の方は自分の所有している山林で仕事をしている、そういうことで、百二十四万人すべての方が、いわゆる通常言われる労働者というふうにストレートに把握するというわけにはいかない部分を含んでおります。
○糸久八重子君 雇用保険から見ると四万七千人、その四万七千人の人たちが二千五百万ヘクタールの森林を管理するというのは大変なことなんですが、その他パート的な人もいるかもしれない。林業労働者になり手がないというのを先ほど林野庁も言ったわけですけれども、林業労働者になり手がないという理由は一体どこにあるのか、労働省、林野庁、どう把握していらっしゃるのですか。
○説明員(岡勝男君) 林業労働者の減少、高齢化が進んでおりますが、林業労働はまず非常に重筋労働であります。それから第二が労働災害の発生危険度が高い、それから、ただいま御説明がありましたように、雇用がやはり不安定でございます。それから賃金水準が類似の建設労働等と比較しますと低い水準にございます。こういった要因から新規参入が少ないという実態にあるというふうに分析しております。
○政府委員(清水傳雄君) 私どもも基本的には同様の認識を持っております。
○糸久八重子君 私が調べたところによりますと、最近の高卒者の林業への就職は二百人だということなんですけれども、こういう状況では産業としてはとても維持できないと思います。 今いろいろなり手のない理由をお話しになりましたけれども、こうも言われているんです。山林労働者というのは三Kというのがある。つまり汚ないとか危険とか、それから仕事がきついとか、そういう三K、そういう要件が若者に嫌われるのではないか。それに加えて、理由の中にもおっしゃいましたけれども、給料が安い、それから休暇が少ない、それから格好が悪い。これはまたもうプラス三Kなんですね、だから六Kなんですよ。それに屋外で働くわけですから屋根がない。屋根ですからYとして、六K一Yという非常に嫌われる職場だと、そう言われております。これは建設労働者の場合でも同じですね。そして、しかも季節雇用だということです。屋外作業のために天候が悪いと就労できないという非常に雇用不安もあるということです。 労働省はそういう林業労働者の雇用の安定策についてどう考えていらっしゃるんですか。
○政府委員(清水傳雄君) さまざまな要因、問題を抱えておるわけでございますが、やはり作業が自然的な条件に左右されやすい、季節性がある、それから林業の経営規模が零細性というふうな面を持っている。そうしたことのために雇用関係が不明確であったり、あるいは不安定であったり、そうした問題が見られるわけでございまして、後継者対策ということがいろいろ問題になっておりますし、また雇用の安定を図る、こうしたことも労働行政における重要な課題であるというふうに考えます。 従来から、いわゆる季節労働者の通年雇用の促進ということを労働省としても重要な施策としてやってまいってきておりまして、林業労働も含めまして通年雇用奨励金の活用によりまして雇用の安定に努めてきたわけでございますが、いずれにいたしましても、基本的にはいわゆる雇用面のいろんな対策が受け入れられるような林業基盤の整備というものが非常に必要である、このように考えております。 林野庁の方でも、先ほど御説明がございましたように、各種の林業振興施策を行っておられるわけでございまして、私どもそうしたものとよく連携を図りながら、ただいま申し上げましたような通年雇用奨励金等を含めました各種の雇用安定のための助成制度つきましても、より多くの方々が活用していただき、雇用の安定が少しでも実現をするように事業主への周知、指導という面につきまして今後とも努めてまいりたいと思いますし、先ほど建設労働のお話も出ましたが、そうしたものを含めまして、いわゆる雇用の場というものについて、最近の傾向として魅力のないところに非常に行きたがらない。こうした現象というのが、いわゆる生活の高度化現象の中から広くなってきておるわけでございまして、そうした中におきまして、やはり国民経済にとっても欠くことのできない、しかもそうしたことによって労働力不足に悩む、そういう業種が相当出てまいっております。そうした中でも重要な業種として私どもさらに引き続きそうした面の対策の強化に検討をいたしてまいりたいと、このように考えております。
○糸久八重子君 先ほどのお話の中で、雇用労働者は大体五万人、そのうち二万人は短期雇用、つまり臨時とか日雇いとかの方たちがそれぞれ一万ぐらいずつじゃないかと思いますけれども、不安定雇用の実態がこれでもう明白であるわけです。 そこで、この林業就労者の四万七千人については雇用区分に応じた就労の希望をよく調査して、そして林業労働者として登録制度などを設けて雇用の安定を図るべきではないかと思いますけれども、この辺については労働省いかがですか。
○政府委員(清水傳雄君) 登録制度を設けて雇用の安定を図る、一つのお考え方であろうかとは思うわけでございます。その種の対策として労働省でこれまで講じておりましたのは、御承知の港湾労働法がございます。これも作業の波動性に応じまして、いわゆる日雇い労働者的な方々をある程度プールしておく必要があると、こういう考え方から出てきたものでございますが、ただ、こうした登録制、特にそれがある種の所得保障を伴う形でそういうものを実施する。確かに一つの考え方としてはあり得るわけでございますけれども、港湾とかそうしたようにある程度場所的に限定されたといいますか、そういうある種の入れ物ができるような場合におきまして、制度なり仕組みとしてある程度成り立ったわけでございます。 ただ、この場合におきましても、どうしても費用負担の問題と、それからそうした身分的なものに安住する傾向というふうなのが出てきて新陳代謝が非常に難しくなる、現実の動かし方としてはいろいろ問題が出てくる、こういうふうな問題を港湾労働自体につきましても抱えておりまして、いろいろなさまざまなそういうことの課題解決のための検討、改善策も講じつつ現在まできておるわけでございます。林業労働のように非常に日本国土全域にまたがっている中でそうしたものをストレートに取り入れるということは、私自身は大変に難しいいろんな問題があるのじゃないかと、このように考えております。
○糸久八重子君 この問題は、また後で大臣の御見解もお伺いしたいと思っておりますが、豊かな森林をつくるために山村の健全な発展がなければならないわけですが、そのために林業に従事する人が安心して働ける行政や制度が必要でございます。 ところが、林業労働者には雇用保険とか、それから労災保険など完全に適用されていないと聞いているわけですが、この適用状況についてはどうなっておりますでしょうか、労働省。
○政府委員(若林之矩君) 林業におきましては、労災保険と雇用保険では適用事業の取り扱いが異なっておりますなどによりまして、適用状況を統一的に把握することはできませんけれども、労災保険にかかわります保険関係の成立している林業の事業は、平成元年度におきまして三万一千九十二事業でございます。雇用保険につきましては、林業の事業は平成元年度末におきまして三千八百六十七事業でございます。片方は三万一千、片方は三千八百でございまして、大変数字が開いておるわけでございますが、この理由の一番大きなものは、労災保険では作業現場ごとに保険関係を適用いたしております。また、雇用保険では事業組織を適用事業と見て保険関係を成立させておりまして、こういった取り扱いの違いによりまして、ただいま申しましたような数字になっているわけでございます。
○糸久八重子君 先ほど林野庁のお話の中に、林業労働者になり手のない理由は危険が多いとか、それから賃金が安いとかいろいろ理由が挙げられたわけですが、そういう労災保険や雇用保険に加入できないというところもやっぱりなり手のない理由の大きな一つになっているのではないかと思うのですね。そういう意味からいいますと、これらの適用拡大について積極的に労働省が事業主に指導をしていくべきではないかと思いますけれども、そういうところについては労働省はどうお考えですか。
○政府委員(若林之矩君) 御指摘のとおりでございまして、私どもも、まず労働保険の未手続事業の把握というのが非常に重要でございまして、この実態をつかまえまして未手続事業主に対します適用促進の指導を行ってきておるわけでございます。その際は林業の事業主団体等にも協力をいただきまして、適用の促進、特にこれは事業主の暫定任意適用制度というものが五人未満にございますので、事業主の方々の十分な御理解が必要でございます。こういった団体等を通じまして理解を深めていただくようにしているわけでございまして、今後ともそういった適用拡大の活動を積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
○糸久八重子君 口先だけでなくて、実際に適用拡大について努力をしていかない限り日本の森林は守れないと思いますので、どうぞその点よろしくお願いをしたいと思います。 先ほど嫌われる六Kの一つに休暇が少ないとあったわけですけれども、林業労働者には労働基準法によります労働時間とか休憩とか休日、年次有給休暇というのは適用しないと四十一条に規定されておりますね。林業労働者確保のためにも労働基準法全面適用は必須の要件であろうと思います。この点について林野庁はどうお考えになっていらっしゃいますか。
○説明員(岡勝男君) 林業労働は、これまでも御説明がございましたが、やはり気象や天候等の自然条件に左右されやすい、それから造林とか保育等季節的な雇用労働が多い。こういったことから、労働基準法に定めます労働時間、休日、休憩に関して適用除外となっております。 労働基準法の適用の問題につきましては、基本的に労働省の立場から判断されるものでございますが、林野庁といたしましては、若い担い手の新規参入を進めるという意味からも、自然条件や季節的雇用等いろいろ難しい問題はありますが、実態を調査いたしまして、労働時間や休日等の適用の可能性について労働省に相談をいたしていきたいというふうに考えております。
○糸久八重子君 労働省にお伺いいたします。 労働者の労働条件に関して法定されている労働基準法、そこからなぜ他の労働者と同じように平等に適用されていないのか、大変不思議に思うわけですが、その辺の見解を労働省としてはどうお持ちですか。
○政府委員(野崎和昭君) 御指摘のとおり、林業につきましては、労働基準法第四十一条によりまして、労働基準法の労働時間等に関する規定が適用除外されております。この点につきましては、基本的にはその業務が天候等の自然条件に左右されまして、製造業等の労働時間に関する規制等と同一にはいかないということでございまして、この点につきましては、ILO条約等におきましても、同様の理由から、林業労働者の労働時間に対する国際的な基準というのは現在までのところ設定されていないところでございます。
○糸久八重子君 何か具体的にこうしたいという、こうしなければならないという、そういう方策はないのですか。
○政府委員(野崎和昭君) そういう事情でございまして、国際的基準もなく、なかなか難しい問題ではございますけれども、社会全体として労働時間短縮が進む中で、林業労働者の労働時間、休日等の労働条件の改善を図っていくということは非常に重要な課題であるというふうに私どもも考えております。 そういった見地に立ちまして、労働省におきましても、今年度から林業労働者の労働時間、休日等に関する実態の把握あるいはそれに対する規制を考えるとして、その場合の問題点等の検討を行うべく調査研究に入ることにいたしておるところでございます。
○糸久八重子君 林業五十年とはいいましても、毎日の管理が大事で、その大事な森林を守り育てていく労働者のために、そういうなり手のないネックは早く労働省としても撤去していく。そのためにいろいろ調査をしていくということなんですが、仕事を早めて、早くこの条項がカットされるように私の方も強く要求をしておきたいと思っております。 次に、安全確保と労働災害の問題についてなんですが、業種別労働災害率とか、それから労働損失日数を見ますと、他の業種に比べまして林業については圧倒的に多いわけですね。特にその中で林業の職業病と言われております振動病については、日本の林業に貢献してきた人たちがチェーンソーというああいう機械を使った、使わせられたというのでしょうか、それによって大変障害で苦しんでいるという、そういう実態はきちんと労働省としては把握をしておりますか。
○政府委員(野崎和昭君) 御指摘のとおり、林業における労働災害は長期的には減少しておりますけれども、今なお他産業に比べまして、百万労働時間当たりの休業一日以上の死傷者数は一一・四五でございまして、全産業平均の五・六倍というような実態になっておりまして、安全対策の強化ということが非常に重要であるというふうに考えております。 また、お尋ねの林業に多く発生しております振動障害につきましては、まず何よりもチェーンソーについて振動のレベルを下げる必要があるということで、振動の限度を三G以下にする構造規格を定めますとともに、一日の使用時間につきましても二時間以下とするように強力に指導を行っているところでございます。 現在、これまで行ってまいりました総合対策第三次が終了いたしましたので、その三次までの成果について結果を把握しているところでございます。したがって、数字はまだ持ち合わせておりませんけれども、一般的な印象としましては、最近ではかなりこういった措置によって改善されているというふうに聞いておりますが、いずれにいたしましても、一人たりとも発生させないということが基本的な目標でございますので、今後ともさらにこういった監督指導に努めてまいりたいと思います。
○糸久八重子君 昨年、基準局の担当審議官を長とするプロジェクトチームを設けて、そして予防から社会復帰に至るまでの対策検討に着手しているということのようですが、その検討状況はどうなっておりますか。
○政府委員(野崎和昭君) 御指摘のとおり、労働省の労働基準局、職業安定局等関係の局で私どもの担当の審議官を中心にしてプロジェクトチームをつくっておりまして、一年以上にわたって検討を続けております。 本年度までの検討の成果といたしまして、振動障害者が症状固定ということになりました場合でも、先ほど来お話がございましたように、山間地、山村地でございますので、なかなか適当な職場がないということで、そういった方のために特別の職場復帰の助成を行おうということで、平成二年度の予算の中にそういった措置を盛り込んでいるわけでございます。そのほか、振動障害の発生そのものの予防につきましても、現在来年度、平成二年度予算におきましてさらに対策を強めようということで、そのための所要の経費等も計上しているところでございます。
○糸久八重子君 保険給付の適正化ということに名前をかりまして、症状固定の判定を安易に行おうとする傾向があるというふうに聞いているわけです。症状固定の判断については主治医の意見を尊重し、慎重を期して対処すべきだと思いますけれども、この点はどうですか。
○政府委員(野崎和昭君) 振動障害につきましては、確かに症状固定の判断につきましては医学的な見地が非常に重要でございます。そういう意味におきまして、私どもといたしましても、症状固定の認定に当たりましては、主治医の意見を尊重することを基本に適切に、慎重に対応しているつもりでございます。
○糸久八重子君 これは労災保険の改正法案も出ておりますから、そちらの方での論議にもなるだろうと思いますけれども、ここではさわりだけにしておきたいと思います。 本年の四月の十八日に臨時行政改革推進審議会の答申によりますと、国有林野事業に「可及的速やかに収支均衡を回復する。」ということを基本に置いて、そのための方策として今以上に民間事業にゆだねようとしておるようです。それをすることによって、国有林の荒廃は決定的になることは避けられない、そう思うのですね。今まで民営化を進めました鉄道事業とか電信電話事業というのはサービス産業でありますから、これと長期的視点に立って公益的な機能を追求しなければならない国有林野事業を同列に置いて、民活の利用によって事が解決できるように考えるのはやはり事実の認識を誤っていると言わなければならないと思います。この答申について林野庁はどういう見解をお持ちなんですか。
○説明員(岡勝男君) 現在、答申を受けまして、林野庁におきましては林政審議会におきまして、国有林の健全再建及び国有林野の森林施業のあり方等につきましていろいろ御審議を願っていただいているところでございます。
○糸久八重子君 今までの論議の中で、林業及び山村の活性化のためには林業労働の担い手の確保は非常に不可欠な問題である、そして今の各種の制度、施策だけでは限界もあるように思われます。そのために林業労働者の抜本的な労働条件の改善を目的とした林業労働法、これは我が党がかつてずっと法案を提出しておったわけでありますけれども、この法制度についてどうお考えになるのか、大臣の御見解を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(塚原俊平君) 林業問題につきましては、大変にいろいろな形で御指導をいただいておりましてありがとうございます。特に、先週は御党の五十嵐衆議院議員を団長とされまして茨城県の方にも、本院の種田参議院議員も副団長で、御視察をいただきまして、本当にありがとうございました。大変に地元の林業関係者は意を強くしておるというような報告を受けております。 そういう状況の中で、御視察をいただきました茨城県の林業と、それから団長の地元である北海道の林業と、大変に大きな差異があるわけでございまして、現実の問題として、切るところに行くまでの時間とか、あるいはそこから木を積み出す時間とか、あるいはそこに対する労働の技術的な内容とか、そういうようなことで、これだけ地域と、それから場所によっての労働の技術力に差のある業種というものも大変珍しいと思います。 そういった中で、今かなり遅きに失した感はあるわけでございますが、特に環境問題等も大きくクローズアップされる中で、林業の担い手が大変、ただいまの御指摘のように少なくなってきたということもございまして、各省一生懸命今、今までも無論本気で一生懸命やってきたんでしょうけれども、それ以上に努力をしているというような最中でございます。 ですから、現在のところ各種施策、いろいろなものを講じておりますものですから、できるだけまずそれを円滑に受け入れられるような形をとって、何とか林業の基盤をより強固なものにしていく。ということは、今いろいろと法制化についても議論があるところなんですが、何とかある程度強固にするめどが立ちませんと、法制化したことによってまたかえって厳しい環境が生まれるというような可能性も考えられるわけでございまして、その辺はまたいろいろな御指導をいただかなくちゃいけないわけでございますが、今のところはできるだけ、今一生懸命やっている一つ一つの制度のより確立に向けて、そして基盤の整備、徹底強化というものをしてまいりたいというふうに考えております。
○糸久八重子君 重ねて申し上げますけれども、森林は経済効率に合わなくても、国土保全、それから災害防止などを重視して整備していかなければならないと思います。世論調査の結果でも八〇%の人がそうだというふうに回答しておるわけでございます。そして、その大切な森を管理する労働者の確保と、それから待遇の改善を林野庁、そして労働省は真剣に考える必要があるのではないかということを強調しておきたいと思うところでございます。 じゃ、若干時間が余るんですが、次の問題に入ると半端になりますから、きょうは私はここでおしまいにしておきたいと思います。どうもありがとうございました。
○堀利和君 本日も障害者問題、雇用の問題についてお伺いしたいと思うんです。 けさの毎日、朝日の新聞にも出ておりましたけれども、外国人労働者の問題についての経営サイドの調査報告です。首都圏で中小の経営者に聞いたものなんですけれども、七社のうち一社が外国人労働者を雇用して、そのうち七割が違法であるということを知りつつ雇用しているということでありました。そして、今後の雇用計画についても三社に一社が外国人労働者を雇用する方向で検討するというのが出ておりました。 障害者の問題とこの問題と絡んで一つお聞きしたいんですけれども、外国人労働者というのは単純労働の現場であるわけです。障害者も大企業より中小かつ零細の職場に働く傾向が多いわけですね。つまり、単純労働の職場に障害者が働く傾向があるわけです。最近、私聞いたところですと、二十三区でも下町の方では、これまで障害者の働いていた零細職場に外国人労働者が入ってくることによって職場を追われてしまったという話も聞きます。 今月、私静岡県の御殿場市の方に呼ばれて講演をしたんですけれども、そこに見えていた会場の方から、障害者を多数雇用している下請の会社なんですが、最近外国人労働者を雇っているほかの下請の会社の方に仕事が行ってしまうために大変困っているんだと、障害者の雇用の問題からいって何とかならないかということを言われまして、私としても大変苦慮したんです。この問題は確かにデリケートではありますけれども、労働省としてこういう話をお聞きになっているのか、実態を把握しているのか、しているかしていないかで結構です、一言お願いします。
○政府委員(七瀬時雄君) ただいまの先生の御質問でございますが、外国人労働者が単純労働に就労することによって障害者全体の就業の場、雇用の場に直接的に大きな影響を与えるということは現時点ではないのではないかと思っておりますが、ただ、ただいま先生おっしゃいましたような単純作業の分野、その他の分野で外国人就労の問題と障害者の雇用の問題が競合する分野があるということは御指摘のとおりでございますし、またそういう話をお伺いしたこともございます。
○堀利和君 では次に、新聞やまたは国会でも取り上げて一定の解決はついたんですけれども、東京リハビリー協会が運営しております稲城リハビリー授産施設における障害者の雇用保険の問題についてお聞きしたいんですが、十二年間保険料を納めていて、やめる際に授産施設では雇用関係がないということで保険が給付されないというような事態があって、労働省の努力によって柔軟に解決されたというふうになったんですけれども、その辺の経緯を簡単にお聞きしたい。そして、今給付がどういうふうになっているのか、お願いしたいんです。
○政府委員(清水傳雄君) 雇用保険におきましては、御承知の事柄でございますけれども、基本的に事業主との間に雇用関係があるということを当然に適用の前提とするわけでございます。それから、御指摘の授産施設の作業員につきましては、施設と作業員との間に形式的な雇用関係がないということはもとより、施設が本来の趣旨どおりに運営がなされておりますれば実質的にも雇用関係があるということにはならない、そうしたところから、雇用保険の被保険者とならないものとして取り扱っておるわけでございます。 御指摘の件につきましては、五十一年当時、その適用の関係で必ずしも適切でない取り扱いと申しますか、ボタンのかけ違いの出発点もあるいはあったのではないかなと、こういう感じもいたしておりまして、私どもの方として極めて反省すべきところがあるわけでございますが、ことしの一月、身体障害者授産施設稲城リハビリーから府中の公共職業安定所に対しまして、報道もなされました方についての雇用保険の被保険者資格喪失関係の書類が提出がなされましたが、その際いわゆる同施設の作業員であるということが判明いたしました関係上、安定所といたしましてその方の被保険者資格の取り扱いについて判断を保留いたしまして実地調査を行ったわけでございます。その結果、その方と施設との間に実質的に雇用関係があると判断せざるを得ないような作業実態である、こういうふうな事情が明らかとなりました。このため、この方につきまして、これまでの被保険者資格の取り消しを行わないで失業給付を受給していただく、そうした手続をとったところでございます。
○堀利和君 授産施設の場合には確かに形式的には雇用関係はないわけですね。今回の例を見まして、実態としていわば雇用関係があるとみなすといいますか、弾力的に運用するという形で解決されたわけですけれども、こういう問題については今後弾力的に、むしろ積極的な形で運用するというお考えはないんでしょうか。
○政府委員(清水傳雄君) 今回の事案につきまして実情調査をさせていただきましたところ、授産施設の入所者が作業時間の管理、拘束を受けるなり、あるいは残業が命じられるような、そうした施設の指揮命令のもとに業務を遂行している。それから、実質的に日給月給制のような形で報酬を受ける、そういった民間企業の雇用労働者と同様の実態に置かれていたというふうにも見られるんじゃないか、そういうふうに判断をいたしたわけでございます。 雇用保険制度といたしましては、実態として雇用関係が明確であれば被保険者として適用をしていく建前のものでございまして、そうしたところから今回の事案についてそうした手続をとったわけでございます。 ただ、一般的な取り扱いということになりますと、御承知のように、授産施設の本来の運用のあり方、位置づけ、それから授産活動のあり方、それと雇用労働との関係について、やはりいま一度整理をしていただくことが必要じゃないか、このように存じます。雇用関係ありということになりますならば、すべての雇用関係についての事業主あるいは企業としての責任をすべて負っていただくような、そういうふうな形のものが前提にならざるを得ないわけでございまして、その辺をあいまいにしつつ雇用保険だけを適用していくというふうなこと、あるいは措置費の対象になっていく、すべてそうしたものをいま一度整理をしてかかっていかなければならない性格のものである、このように考えておるわけでございまして、そうした点を含めまして厚生省との間におきましても協議を始めさせていただいている、こういうところでございます。
○堀利和君 雇用関係をめぐっては確かに難しい問題があると思うんですね。 同様に、雇用保険と並んで労災保険の問題も同じようなところがあると思うんです。全国社会福祉協議会の調べによりますと、これはもう実態として授産所の中に労災保険を適用している事例があるというように聞いているんですね。この辺を労働省として把握しているのかどうか。 実際、授産所で働く職員の場合には雇用関係があるわけですけれども、この職員と一緒に障害者も同じ仕事をやって働くわけですね。したがって、職員にとって労災があるということはそれだけの危険性があるということで、言いかえれば障害者にもその危険性があるわけです。そういう観点からいえば、労災という問題、これは大変重要だと思いますので、その辺のことも弾力的な運用といいますか、確かに雇用関係というのは非常にネックになりますけれども、労災についてもどうなのか、ちょっとお聞きしたいと思うんですけれども。
○政府委員(野崎和昭君) 御指摘のとおり、職員の方に労災保険の適用があるのは当然でございますが、作業員の方につきましても、雇用保険法と同様、実態的に見まして労働関係があると認められる場合には労災保険を適用しているところでございます。したがいまして、今後とも職安局とも密接に連絡をとりまして整合性を持って適切に対処してまいりたいというふうに思います。
○堀利和君 障害者が安心して働けるようにぜひとも御努力をお願いしたいと思うんですね。授産施設というのは本来通過施設であるわけですね。一般雇用のためにそこで訓練等を受けると。しかし、現実は受け入れがなかなか進んでいないということで長期にわたって授産施設に通わざるを得ない、これが実態だと思うんです。そういう点を配慮してぜひ今の問題も前向きにさらに進めていただきたいと思います。 次に、身体障害者等の雇用の実態調査が報告されまして、あわせて今後の障害者対策の重点方針というのも出されましたけれども、これについてちょっとお伺いしたいと思います。 この実態調査、これはいかなる目的でそういう調査がなされたのか、まずそこについてお聞きしたいと思います。
○政府委員(七瀬時雄君) 身体障害者雇用実態調査は、民間事業所におきます身体障害者及び精神薄弱者の雇用の実態を把握いたしまして、今後の障害者の雇用対策の検討に資するということを目的として五年置きに実施しているところでございます。今回は、特に障害者の方々の定着指導の問題なども念頭に置きながら、障害者の入離職の状況を中心に調査を行ったところでございます。 なお、前回の五十八年におきましては、中途障害者の状況を把握するため、採用後に身体障害者となられた方々の状況を中心に調査いたしたところでございます。
○堀利和君 そうしますと、もちろん実態調査をやって、それを施策に生かしていくわけですけれども、今回重点方針が出ました。これは障害者の十年が終わるこの三年間に向けて出されたわけですけれども、これに生かされているということでしょうか。つまり、つながっているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府委員(七瀬時雄君) 本年二月に私どもで策定いたしました今後の障害者対策の重点方針は、先生御指摘のとおり、国連障害者の十年の最終ラウンドを迎えまして重点的に障害者対策を進めるということで策定したものでございますが、この策定の過程に当たりまして、その時点で検討分析中でございましたこの調査の中身についても反映することといたしたわけでございますけれども、その時点ではいまだ分析中でございましたので、完全に反映するというわけには至っておりません。 ただ、調査結果に見られますように、身体障害者の方あるいはさらには精神薄弱者の方々の入職の経路につきまして、公共職業安定所の果たす役割というものが一般の健常者の方々に比べてはるかに高いという、そういうことにかんがみまして、重点方針におきまして、公共職業安定所が一人一人の障害者の働く意欲を真剣に受けとめ、障害者の雇用について一層重要な役割を果たすべく努力することといたした、こういう点で反映させていただいているわけでございます。 また、先ほど申し上げましたように、特に障害者の方々の定着の問題が重要な政策課題になってきておりますので、今後この調査結果を十分反映させながら障害者の方々の定着のための施策に取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、一部反映させていただいておりますが、調査結果がまとまった以降さらにこの調査結果を生かすように努力してまいりたい、このように考えております。
○堀利和君 調査結果は私は非常に報告がおくれているんじゃないかというふうに思うんですね。六十三年の十月一日付での調査なんですね。調査というのは報告を出す場合迅速に出すべきであるし、タイムリーな形で発表すべきだと、それによって初めて一歩でも進んだ早い対策というものが打ち出せると思うんですけれども、どうも六十三年の十月一日で調査を締めた形でようやく今まとまって重点方針に生かすと。この時間的な流れということから見ると、私は何かゆっくりしているなと思うんですけれども、その点はどうでしょうか。
○政府委員(七瀬時雄君) 今回の調査でございますが、昭和六十三年十一月に同年十月一日現在の状況について調査いたしまして、その結果はことしの四月に発表をいたしたわけでございます。また、調査結果の冊子そのものは近日中に取りまとめの上お配りしたいというふうにいたしております。 結果の取りまとめにつきましては、当然のことながら早急に取りまとめるように努力いたしたわけでございますけれども、一年半経過した理由といたしましては、過去三年間という長期にわたっての障害者の入離職の状況を調査いたしましたので、事業所の記入あるいは記入内容の不備なもの、そういったものについて十分正確に確認する必要があろうかと思いまして、その点の正確を期すために時間がかかったことがございますし、また離職者につきましては、その障害の中身、あるいは離職の事由、個人的な事情という事情の中でもさらに細分化した事情などを把握するために調査いたしておりますので、そういった点での確認に時間がかかり、また調査項目が非常に多かったと、こういった点があったわけでございます。 ただ、そういう状況が私どもとしてあったわけでございますけれども、御指摘のように調査をいたしましてから一年半かかったということにつきましては、十分考え直すべきところがあると思っております。今後の調査のやり方あるいは調査の取りまとめの際には十分反省してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○堀利和君 私も本当にそう思うんですね。近日中にきちんとした報告書ですか、出るということのようなんですけれども、ここに持ってきたんですが、婦人局が母性保護等の概況ということで、ただいまの身体障害者の調査と同じ、むしろその以降に実地調査されて、この中にはことしの二月一日付の調査内容まで含まれてきちんとしたものが出ているんですね。ところが、身体障害者の調査を見ますと、これ、ぺらぺらはいいんですけれども、どうも情けないんですよね。要するに、これは中間報告ということになるんでしょうか。ここに書いてないんですね、中間とも何も。これはどういうことなんでしょう。
○政府委員(七瀬時雄君) 今回の調査の件につきまして、先ほど申し上げましたように、特に障害者の方々の入離職の状況を特別に重点を置いて調査をいたしましたので、先般発表いたしましたときにそれを中心に発表いたしておるわけでございますけれども、現在最終的に冊子として取りまとめている中身につきましては、賃金の問題でございますとか、労働時間の問題でございますとか、また障害者の方々の雇用に関する配慮事項でございますとか、そういった基礎的な内容につきましても含めて取りまとめすることといたしておりますので、先般新聞発表いたしたもののほかに幾つかの項目が付加されて取りまとめられると、こういうことでございます。
○堀利和君 そうなんですね。今言われましたように、この中間報告というんでしょうか、見る限りでは、むしろ雇用調査で極めて重要な問題ですね。賃金の問題、労働時間あるいは職務内容、そういうことが落ちているものですから、これはどういうことかなと思って、私も非常に読みながら不可思議に思ったんですけれども、やはりその辺は仮に中間的な発表であっても重要な部分は欠落すべきではないだろうと私は思うわけですね。その点今後、たとえ中間であってもきちんとしたものをお出しいただきたいなというふうに思うわけです。 私の記憶違いかどうかわからないんですけれども、以前はたしか五人規模以上程度の事業所からの調査になっていたと思うんですが、今回は三十人規模以上ですね。五人でなけりゃまた別なんですけれども、そういうふうに思うんですが、その辺はどうなっているのか。つまり意図的に、極めて零細な事業所ですと、労働条件が悪いし、離職、そういうこともかなりあるわけで、そういうものを意図的に対象外にしたのか、あるいは三十人規模といっても小企業ですけれども、中、大企業にポイントを置いて調査されたのか、その辺がどうなのか、お聞きしたいんですが。
○政府委員(七瀬時雄君) 今回の調査を行うに際しまして、私どもとしては障害者の方々の入職の経路、離職に関する諸事項についてできるだけ正確に情報を把握したいと、こういう気持ちが強うございまして、そういったために障害者の入職、離職の状況を正確に把握するためには一般の労働者に比べまして障害者の方々の数が少ないわけで、そういった方々の障害者の入離職の動向を的確に把握するためにはやはり正確な情報を持っておる企業、そういったところで正確に情報を把握したいということで、関係資料が十分に整備されていると考えられております三十人以上の企業を対象としたわけでございます。
○堀利和君 確かに正確に調査すべきだし、できるということは重要なことだと思うんですが、だからといって、言いかえれば三十人以下の極めて零細な企業、事業所で働く障害者の悪い労働条件といいますか、離職あるいは入職の激しいそういうところを無視するというのは、調査の目的からいって、そしてそれによる今後の雇用対策を進める上で私は極めて問題があるんじゃないかということを指摘しておきたいと思うんです。そういうことから重点方針が出されても私たち障害者自身の立場から言うと、今言った問題からいってなかなか納得できないところも実はあるんですね。 その中で、今回の重点方針を見ますと、大きくは三本柱になっております。 一つ目は、障害者の働く場を広げる取り組みを進めるということです。二つ目は、重度障害者雇用事業所を育成する。三つ目としましては、社会の変化に対応した対策を充実させるということになっております。 そのうち、まず柱の一本目ですけれども、大企業というのは中小企業に比べて雇用率が低いわけです。ですから、大企業の雇用率をいかに上げるかということは大変重要なことだと思うんですが、その際、柱の一本目の問題としての多様な対策はあるというふうに言っておりますけれども、どうもその一つとして第三セクター方式にかなり力を入れているように思うんですね。都道府県を見ましても、二十六未実施があると、これを何とか第三セクター方式を取り入れさせるようにマスタープランまでとにかくつくらせてやるんだという意気込みはわかるんですけれども、私は大企業のこういった第三セクター方式のやり方というのは、確かに労働省が言いますように、一般雇用であることは私も認めます。しかし、たとえ一般雇用であっても障害者を一カ所に集めるということ、これは福祉で言えば施設収容主義といいますか、かつて言われた、そういうような方式と言ってもいいんじゃないだろうか。ですから、働くことが困難な障害者にとっては第三セクター方式のそういった工場に働く機会を得るという、これは確かにいいことなんですが、どうもそこに限界といいますか、雇用されるべき視点からいうと納得できないところがあるんですけれども、どのような御見解でしょうか。
○政府委員(七瀬時雄君) 総体的に障害者の雇用が進んでいないのが大企業であるということは重要な課題であると私どもは受けとめておりまして、これまで雇い入れ計画作成命令制度の厳正な運用によりまして、個別指導を徹底するように努めてきたわけでございますが、これに加えまして、昭和六十三年度から大企業を対象といたしましたブロック別の事業主懇談会を開催するなどいたしまして、大企業に強く雇用率の達成を働きかけているわけでございます。 また、いろいろ工夫をいたしまして、一カ所に事業主の方々に集まっていただき、また雇用を希望する障害者の方々に集まっていただいて、そこで集団管理選考と申しますか、そういった形で雇用の促進を図るというような手だてを講じてきているところでございます。進歩の著しいME機器を活用しながら、障害者の雇用を進めていくということもまた重要なことでございまして、労働省といたしましても、五カ年計画で障害者のためのME機器の開発に努めているというようなこともございます。 ただ、障害の重度化によりまして、直ちには一般雇用につくことが困難な方々の数も増加しておりまして、これに対処するために第三セクター方式による重度障害者雇用企業といったような、障害者の雇用に特別の配慮がなされる事業場の設置を進めているところでもございます。第三セクター企業は、重度障害者雇用のいわばモデル的な性格を有するわけでございますので、そこで開発いたしましたノーハウを一般企業に適用することによりまして、重度障害者の職域拡大に大きな役割を果たす、そういった面があることも十分認識いたしているわけでございます。 また、企業によりましては、障害者の就業しやすい職務が少ないなどの理由によって雇用が進まないという面も現実にはございますので、このような企業が出資して第三セクター方式の子会社を設立いたしまして、すぐ一般雇用につくことが困難な方々がこの子会社において雇用されていく、こういったことで、重度障害者の雇用を進めていくということも一つの役割であるということで評価すべきものであるというふうに考えて、私どもは第三セクター方式の設立を推進しているところでございます。 ただ、先生も御指摘になりましたけれども、こういった考え方で第三セクター方式を進めていくに当たりまして、企業自身が安易にみずからの雇用ということを考えずに第三セクター方式に過度に依存するというようなことがあってはなりませんので、大企業自身においても自身の雇用を進めていくということが重要であり、それについて行政が強力に指導を展開していくということは、当然に第三セクター方式を進める前提条件として必要なことであるというふうに考えている次第でございます。
○堀利和君 第三セクターについては、若干私と労働省とは評価が違うようなんですけれども、はっきり言って大企業は雇用率が低い、だから雇用率をアップさせる。どうも大企業の対策の側から第三セクター方式が打ち出されてきているんじゃないかというふうに私は思うんですね。つまり、重度の障害者がなかなか職につきにくい、だから一カ所に集めるんだ、こういう考え方というのは私はもう時代おくれだというふうに思うんですね。雇用率をアップすること、それは同時にノーマライゼーションという思想、理念にきちんと立脚してやらなきゃいけないんだろうと思うんです。 ですから、この重点方針の中でも、三本目の柱では、今言われたように、ME機器を活用するなりして、とにかく第三セクターではない一般的な職場の中に何とか雇用を進めるようにする、ここを積極的にやるべきだし、大企業に対しても、ここで頑張るべきだと私は思うんですね。つまり、ノーマライゼーションというのは通常の職場に障害者が働く機会を得る、雇われていくことなんですよね。そこがちょっと無理だから、とりあえず第三セクターで重度障害者を一カ所に集めて、雇った側の大企業は雇用率を達成しましたという、私はその辺はどうしても納得できない。雇用率アップということはその中身、ノーマライゼーションというのがどのように生かされるかということだと私は思うんですね。今、見解をお聞きしましたから、そういうふうに私との違いもあるということで言っておきたいと思うんです。 重点方針を出されましたけれども、こういうことで、問題は今私が指摘したようなことがありますが、雇用が今後どのように拡大していくのか、その辺の見通し、その辺でどういうふうに頑張っていただけるのか、ひとつ大臣の決意といいますか、お考えをお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(塚原俊平君) 体の不自由な方の雇用を一・六%に何とかしようという目標がございまして、雇用人数自体は現実に六十三年から平成元年でも八千人ふえておりますし、そういう面ではふえている部分はふえているんですが、分母の方もやっぱりふえている、雇用状況が非常にいいということもございまして。そういうことで一・六%にはまだ遠い一・三二%しか現在達成されていない。 昨日も、実は参議院の予算委員会でこの議論がございまして、御質問された方が細かな今までの雇用率アップの数字を出されまして、一年に〇・〇一%しか今のところ上がっていない。そうすると、一・六%にするには今から二十八年かかる話になるので、その一・六%という雇用率自体もこれから議論しなくちゃいけないときに、さらに議論しなくちゃいけない雇用率に持っていくのに二十八年かかるということでは一体どうなんだ、どれぐらいの見通しをきっちりつけられるんだという御質問をいただきました。職業安定局長からも、もう先生の方にもいろいろな御説明をしているところでありますが、なかなか難しい要素がございまして、数字をお出しすることができないということできのうは御答弁したんです。 一晩寝てみまして、けさも労働省の幹部職員とも話をしてみまして、何といっても少なくとも一・六%までにはどれぐらいで持っていくんだという目安だけはきちんと労働大臣答弁の中で出しておかなくちゃいけないんじゃないかというようなことで、何とか十年を目安にそこに近いものに、あるいはその位置に近づけたいというふうな決意を持っております。
○堀利和君 ぜひ雇用率達成ということは大きな目標としてやっていただきたいんですが、先ほども言いましたように、その際の方法といいますか、中身ということが重要だと思いますので、その点はぜひお考えいただきたいと思う次第です。 次に、国家公務員の採用に当たりましての点字の受験についてお伺いしたいと思うんですけれども、その前に、二日ほど前、急に私の方でちょっと情報といいますか、話が入りましたことをまず取り上げさせていただきたいんです。 関西の方で、労働基準監督官の試験を受けたいという視覚障害者の方が願書を出したんですね。きのう電話でも聞きましたら、おとといの段階で、人事院の方から受験を辞退してくれという電話があったということなんですね。といいますのは、受験要項に視力の問題があって、〇・六未満の者は合格できないんだ、こういう要件が入っているということで、人事院が電話でおとといその受験したいという視覚障害者に辞退するように電話をしたというんですが、この辺の事実をちょっとお聞きしたいんです。
○説明員(角野敬明君) 御説明申し上げます。 今お話がございました監督官試験の申し込みの件でございますけれども、そういう申し込みがあったという点は私ども承知をいたしております。現状は、申し込みされた方につきまして受験資格等の要件が備わっているかどうか、それを審査している段階でございます。 ただ、お話のございました辞退するようにという点につきましては、ちょっと御説明をさせていただいた方がいいんではないかと思っておりまして、労働基準監督官試験につきましては、職務の性質から、試験の種目といたしまして、いろいろ筆記試験のほかに身体検査とか身体測定というふうなものを取り入れているところでございます。例えば、身体検査に関しましては、お話のございましたように、視力の問題であるとかあるいは聴力、それから四肢の運動機能、そういうふうなものにつきまして合否の判定基準といいますか、そういう形で一定の条件を規定いたしておるところでございます。 受験を申し出られました方につきまして、現在の監督官試験におきます試験の種目の内容なり受験案内等で周知してあるところでございますけれども、そういう身体検査に関する合否の判定基準と申しますか、そういうふうなものについて御説明を申し上げた、こういうことでございます。
○堀利和君 私、これきのう聞いて非常に腹が立っているんですよ。昨年も国家公務員のI種の試験を受けたいということで願書を出して同じように辞退させられたという話を聞いているんですね。今回もそうなんですよ。説明申し上げたといっても、人事院から電話があれば、これはやっぱり視覚障害者自身弱い立場ですから、説明がどういう内容か私は知りませんけれども、要するにやめろという内容としてしか受け取れないと思うんですよ、当事者は。 で、ここにその受験要項がありますけれども、憲法なり国家公務員法に基づいていわゆる欠格条項があります、国籍の問題とか、いろいろ云々と。それとは別に、今視力の問題で言いましたけれども、この身体検査、これは法律に基づいた欠格条項とは別に、右、左に分けてありますけれども、「不合格となります」というところに入るわけですね。 今、全国でも視覚障害者のために都道府県の教育委員会では一般の、普通学校といいますか、の教員採用のための点字試験を行っているんですよ。大阪ではもう試験に合格して普通学校の教壇に立たれている全盲の方も何人かおります。例えば東京の例で言えば、なかなか採用というものは認めないわけです。というのは、今言いましたように視力制限が〇・七以下の者はだめとあるんですね。ところが、問題は、東京の教育委員会も点字の教員採用試験は認めて受けさせているんですよ。神奈川もそうですし、埼玉も千葉も。つまり、「不合格となります」ということと試験そのものが受けられないということは別なんですよ。このことで点字受験すらできないということはやはり問題なんです。結果として採用は無理、不合格となる、結果として同じなんだと言われても意味が違うんですよ。富士山の頂上に登りたい、しょせん登れないからおまえはやめろと言われても、たとえ一合目でもいい、歩けなければ五合目まで車で行って登りたい、こういうことのつらさというのか、厳しさがわかってもらいたいんですよ。その辺どうでしょうか。
○説明員(角野敬明君) 国家公務員の採用試験におきます点字試験問題でございますけれども、これまでいろいろ国会等でも御議論をいただいたところでございますけれども、私ども現在のところ国家公務員の採用試験につきまして点字試験を行っていないわけでございます。 その理由といたしましては、国家公務員の採用試験が一定数の採用が予定される事務あるいは技術等の官職のグループを対象といたして行っておるものでございまして、これは官職の職務は通常文書を媒介として行われるものでございます。そういう状況の中で、強度の視覚障害をお持ちの方について各省庁において職域開拓が必ずしも図られていない、こういう状況にあろうかと思っておりまして、そういう点から現時点では点字による試験を行っていないというのが私ども現在の考え方でございます。 ただ、視覚障害者の方につきましても、公務に入っていただく方法といたしまして、競争試験のほかに選考採用という方法があるところでございます。私どもそれぞれの職務遂行能力に応じまして選考採用の方法につきましては、各省庁からいろいろ御相談があった場合、従来から積極的に対応してきておるところでございます。
○堀利和君 特別選考はそれはそれでまたいずれ問題にしたいと思いますよ。今は点字の試験のことを通してやっているんですよ。ことしは日本の点字ができて百年なんですね。ですから、余計にそこを私は強調したいんです。 先ほど言いましたように、例えば東京都の教員採用試験でも、視力〇・七以下はだめとある以上、結果として採用は無理かもしれない。でもきちんと点字試験が行われているんですよ。受ける側ももちろん働く、採用されることが目的で試験を受けるわけで、受験マニアじゃありませんから、受けさえすればいいということではありませんけれども、受けるということが私たち視覚障害者にとっては大変重要なことなんですよ。ですから、「不合格となります」——いいですよ、不合格でも。しかしいわば受ける権利はあると思うんですけれども、そういう点で、その大阪、関西の方に対してもう一度、点字試験を実施します、しかし不合格になりますけれどもよろしいですかという確認で電話を、あるいは文書を含めてでもきちっとしてもらえますか。
○説明員(角野敬明君) 点字試験の問題につきましては、いろいろ御議論いただいておるところでございますが、さしあたり本年度について考えてみました場合に、いろいろ技術的な問題もございまして、今年の国家公務員採用試験全般についての取り扱いといたしては従来と同じような形で処理をするということで対処する必要があると思っておるところでございます。
○堀利和君 大阪の、関西の方に対しておととい電話で辞退を勧めたことを撤回しないということのようなんですけれども、これは私は大変大きな問題だと思います。 労働基準監督官の試験の話に続きまして、もうこれは長年の懸案ですけれども、国家公務員のI種の試験のことですね。きょう傍聴に本人が来ているかと思うんですけれども、この十六日に願書を提出しました、人事院の方に。一応受け取ってもらいました。ことしの七月一日の試験において点字試験は実施していただけるんでしょうね。
○説明員(角野敬明君) 繰り返しになって恐縮でございますが、国家公務員採用試験は採用を前提とする試験でございまして、各省庁において視覚障害者の職域の開拓があって一般の競争試験での点字試験の実施につながるものである、こういうふうなことで私どもこれまで点字試験は実施していなかったわけでございます。これまで国会等で具体的に本年度の試験につきまして、点字による出題を行うようにという御要望をいただいたわけでございます。私どもその可能性があるかどうかという点につきましては、人事院として真剣に検討を行ってきたところでございますが、先ほど申し上げましたような職域開拓の問題のほかにも、点字試験を仮に実施するといたしました場合に、実施方法について技術的にもいろいろ専門家の御意見を聞く等の検討が必要である、こういうふうに考えておりまして、いろいろ事前の準備等の時間を考えてみました場合に、本年度の国家公務員採用試験を適切かつ円滑に実施していく上で技術的にもいろいろ困難があるんではないか、そういうことで本年度の取り扱いについては御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○堀利和君 少なくとも点字による試験は技術的に難しい問題ではないんですよ。いろいろの自治体でも点字の試験やっていますし、大学の入試でもやっていますし、司法試験でもやっているんですよ。 私は最後に言おうと思っておったんですけれども、また最後にも言いますけれども、技術的に難しいかどうか、それを立証する意味でも、七月の一日に私たちは自主的にもう一つの国家公務員試験という形で点字で試験をやってみたいと思っているんです。もちろん試験内容の問題の出題は違いますよ。しかし模擬試験で使われるような同じレベルの内容の試験を点字で私たちは自主的にやってみたい。つまり可能なんですよ、技術的には。恐らくもっと大きな問題といいますか、基本的なところはあると思うんですけれども、なぜ点字試験を実施できないのか、もう少し基本的なところを伺いたいと思います。
○説明員(角野敬明君) 繰り返しになって大変恐縮でございますが、国家公務員の採用試験の性格といたしまして、やはり各省庁における職域開拓というのが前提になるのではないかと私ども従来から申し上げてまいったところでございますが、各省庁の職域開拓の状況等も見ながら点字試験の実施問題については検討するということでこれまで点字試験を実施していないというのが私どもの考え方でございます。
○堀利和君 採用、需要がない、ないと言われますから、ひとまずちょっと労働省の方に聞かせてもらいます。 その辺、労働省として、各省庁の需要、採用がないから人事院は点字試験ができないと言うんですけれども、この辺の指導といいますか、啓発といいますか、こういうことについてどのようにお考えなのか、一言ここでちょっとお聞きしたいんです。
○政府委員(七瀬時雄君) 私どもといたしましては、障害者の雇用に関する法律の主管省といたしまして、国家公務員を含めまして障害者の雇用の場を拡大するように常にお願いをいたしているところでございます。
○堀利和君 余り労働省にとは思いますが、しかし、お願いと言われましたけれども、具体的にどのようなことをされているのか、きたのか、もし今お答えできるのであればお聞きしたいんです。
○説明員(小泉南男君) 御説明いたします。 視覚障害者の雇用の場ということになりますと、従来は伝統的なマッサージ関係の職務というものが多かったわけでございますが、御案内のようにマッサージ関係につきましてもいろいろ問題がございまして、現在では視覚障害者の新たな職域を開発するということが非常に重要な課題になっております。 このため、私どもといたしましては、国家公務員あるいは民間企業を問わず視覚障害者のための新しい職域を開発する、例えばコンピュータープログラマーであるとか、あるいはマッサージ技術を生かした産業マッサージ師であるとか、そういった職域を拡大するためのME機器、あるいはいろいろな雇用事例、そういうものをつくりまして雇用拡大のための参考にしていただくということで努力しているわけでございます。 なお、国家公務員の関係につきましては、毎年任用状況を報告していただいているわけでございますが、その報告の結果に基づきまして、私どもの職業安定局長から各省庁の任命権者と申しますか、人事担当の長の方々に対して、積極的な雇用の拡大、とりわけ重度の障害者の雇用の拡大についてのお願い、採用の積極的な推進、こういうことを行っているところでございます。
○堀利和君 各省庁にお話はしてくださっているようなんですけれども。 それで、また人事院の方に質問を戻します。採用枠がないということも言われていますけれども、今国会の内閣委員会で社会党の山口哲夫先生がこの問題を取り上げてくださいました。 〔委員長退席、理事糸久八重子君着席〕 そのときに、法律の問題に触れたんですけれども、点字試験を実施しないことが憲法あるいは国家公務員法の平等の取り扱いの原則等に違反しないかという質問をされたんですね。で、人事院、政府としては違反していません、しませんというお答えだったんですけれども、逆にお聞きしたいんですが、点字試験を仮に実施した場合、憲法、国家公務員法等で違反になってしまうのかどうか、この点についてお聞きしたい。そして、法律あるいは規則、通知、通達等含めて、文書において点字試験を実施してはならないとか、することがそういうことに触れるんだというようなものがあるのかどうか、その辺、ちょっとお聞きしたいんですが。
○説明員(角野敬明君) 仮に国家公務員採用試験におきまして点字試験を行う、こういうことで想定しました場合に、その際の点字試験は採用予定官職の職務遂行能力を検証するための国家公務員採用試験の一つの実施方法になり得るのではないかと、こう考えておりまして、点字による試験を行うこと自体が御指摘の例えば平等取り扱いの原則などに反するということはないのではないかと、そんなふうに思っております。
○堀利和君 つまり法律上問題はない、違反でないというふうに理解していいということと私は理解します。それで、この問題はもう大分長い間というふうに言いましたけれども、十年前、昭和五十五年にも、三月十一日だったと思うんですけれども、参議院の予算委員会で取り上げられているんです。当時、大平総理大臣がこのように答弁しています。ただいまの段階ではなかなか難しいと承っておりますけれども、この困難をどうしたら打開できるか、政府として篤と検討を進め、希望が持てるようなものにすべく努力いたします、ということをはっきり答えているんですね。つまり、努力します、希望が持てるように努力しますと。この大平総理の答弁を受けまして、人事院としてはこの十年間、毎年どのような検討を具体的になさってきたのか、お聞きしたいと思います。
○説明員(角野敬明君) 現在、国家公務員採用試験におきまして点字による出題を行っていないわけでございますけれども、それについての人事院としての考え方は繰り返し御説明させていただいたところでございます。従来、そういう考え方に立ちまして、各省庁における職域拡大の推移を見ながら、さらには他の試験における点字試験の実施事例等について調査をする、そういうふうな形で検討を行ってきたということでございます。 ただ、なお視覚障害者の選考採用につきましては、先ほども申し上げましたが、私ども十分各省庁からの御相談に応ずるということで対応してまいったつもりでございます。そういうことで、この間検討を進め、あるいは具体的に対応してきたということで御理解いただきたいと思います。
○堀利和君 いまだ実施されないにはいろいろな理由といいますか、問題があるんだろうと思うんですね。で、ひとつまた労働省にお聞きしたいんですけれども、採用方法は特別選考ではありましたが、吉泉さんという方が労働省の方に採用されました。その経緯と、採用されて以降今日までの吉泉さんの何といいますか、仕事ぶりといいますか、そんなところをちょっと感想をお聞きしたいんですけれども。
○政府委員(若林之矩君) 身体障害者の雇用問題を所掌いたしております労働省といたしまして、重度の視覚障害の方を一般事務職として採用し、その職域拡大に資するべきである、こういうふうな考え方に立ちまして、重度の障害者向けの職務内容の検討を進めたわけでございます。いろいろと検討をいたしました結果、職務内容の遂行に必要な能力を有する視覚障害者として、昭和五十八年の四月に吉泉さんを選考採用いたしたわけでございます。 吉泉さんは、採用されましてから障害者関係の仕事に従事をされまして、現在は大臣官房の国際労働課に勤務をいたしております。オプタコンでございますとかあるいはワードプロセッサーなどを活用いたしまして、現在は海外情報等の文献の翻訳、分析、取りまとめといったような作業で活躍をいたしております。
○堀利和君 私も吉泉さんの仕事ぶりに感心しているんですけれども、海外労働の実態がどうなっているかと思いまして、この「海外労働情勢」というのを労働省の方からいただきました。そうしましたら、後でわかったんですけれども、部分的ではありますが、OECDの資料を翻訳したり、あるいはそういった文書を作成したり、いろいろこの中に既にもうあるというのですね、最近の、まあ何といいますか、成果と言ったら失礼ですけれども。人事院が、視覚障害者の場合、点字だと、いわゆる一般の活字の文書処理を中心にした公務員としては難しいんだという一つの理由を挙げていますけれども、吉泉さんがいろいろな点字用のワープロ等を駆使しながら現実にこうやっているんですね、いわゆる活字のこういう文書、資料の中で。ですから、私はそれをもって、これも一つでしょうけれども、無理だ無理だと言うのは無理なんですね、これ。決してそれがいつまでも通る話ではないと私は思うんです。 先日、私も、きょう質問することもありまして、詳しく知らなければと思って神奈川県庁の方に行きました。というのは、もう大分前から神奈川県では、初級、中級、上級ですか、一般行政職の試験では点字をやっているんですね。で、ことしの四月一日から初めて一般上級職に視覚障害者が入ったわけです。そんなこともあって人事の方にいろいろ話を伺ったんです。 そこで感心したのは、考え方が進んでいるんですね。進んでいるというよりも違うんですね、国とは。確かに国と県とでは採用された以降の将来における身分上の問題、幹部職員になるのかならないのかという問題で言えば、神奈川県庁の場合には本人の実力が問題であって、必ずしも幹部職員になるとも限らないし、頑張ればだれでもといいますか、ある程度なれるということで、国とは、国家公務員のI種とは確かに違うところがあります。しかし、採用試験をやる際に一般の活字では試験が受けられないから見えない人には点字で用意しますと、点字受験とはそういう意味なんですと、それで受けて合格すれば、ハンディを補ういろいろな配慮をしながら県庁の中で仕事をしてもらっていますと言うんですね。やはり私は基本的な考え方だと思うんです、ここが。文書処理だから処理だからとか、人事がどうのということよりも、そこにどう一歩踏み込めるか、この辺の重度の障害者、視覚障害者の雇用に対する、あるいは働いて生き生きと障害者が暮らせる、そういう問題に対する姿勢だなと私は思うんです。 こういうことを私一生懸命訴えているわけですけれども、それでもことしどうしても試験はやらないんでしょうか、あるいはことしやらないとしても今後どうするのか、具体的にどうしていくのかの決意を人事院の方からもう一度聞きたいのですけれども。
○説明員(角野敬明君) 繰り返しになって恐縮でございますが、国家公務員採用試験の性格といたしまして、各省庁における職域開拓ということが必要であろうという点はそのように考えておりまして、その点につきましては、先ほど労働省の方からも御答弁があったところでございますが、いろいろ視覚障害者の就業状況等に関する情報を労働省の方の御協力もいただきながら各省庁に提供するというふうな形で私ども今後努力をいたしたいと思っております。そういう形での活動を通じて各省庁における視覚障害者の方の職域拡大がどうなっていくか、そういうふうな点を踏まえつつ、私ども、平成三年度以降の実現に向けまして、点字試験の具体的な実施方法など各般にわたって人事院として鋭意検討を進めてまいりたい、そういうふうに考えております。
○堀利和君 本当に検討してくださいね。善処しますとか検討しますというのはどうも頼りないんですよ。本当に検討して、残念ながらことしが無理であれば三年度、来年といいますか、の実現に向けてぜひ頑張っていただきたい、そう思うんですね。 今国会の参議院の予算委員会でもこの問題が取り上げられまして、橋本大蔵大臣が大変貴重なといいますか、すばらしい答弁をされているんですね。ちょっとゆっくり読まさせていただきます。 「今私はここで一番申し上げたいことは、」「何よりも社会そのものが、障害を持っておられる方々に対して、その障害を越えて」、ここで聞いてくださいね、「挑戦する機会を公平に与えること、そしてそれを受け入れること、」、こういうふうに言われているんですね。そしてさらに「それが何より大切なことだと思います。」と。私も本当に大切なことだと思うんですね。そして「障害者の方々にとって一番大きな問題として公平な競争のチャンスを社会が積極的に与えてくれること、」。私は本当これは大切なことだし、すばらしい答弁だなと思うんです。 昨年十一月、私初めてこの社会労働委員会の一般質問で立たせてもらって、当時の福島労働大臣も、ありがたいことに、感銘されて涙も流されながら、障害者の雇用については全力を尽くすと答弁をいただいたわけなんですね。私はそのときにも、単に障害を持っているから不幸だとか悲しいものではなくて、見えないとか聞こえないとか歩けないという、それによって働く機会が奪われてしまう、チャンスが奪われてしまう、このことが悲しいことだということで訴えさせていただいたんです。橋本大蔵大臣の今の答弁を読ませてもらいましたけれども、どうでしょうか、労働大臣、同じ国務大臣としてひとつ御所見をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(塚原俊平君) 橋本大蔵大臣は、御父君が大変にお体が不自由であったというような中でお育ちになりまして、お父様に対する世間の目というようなものを子供の心で大変痛切にお感じ取ってお育ちになりました。私も彼の弟の大二郎君とずっと幼稚園から一緒でございまして、同じようなことを聞かされてまいりました。それだけに自分自身の体験からも、そして彼、大蔵大臣自身ずっと社労一本で来られたというようなこともございまして、その集大成とも言うべき名答弁だというふうに思います。もうまさに、私のように恵まれ切って今日まで育ってきた者にとりましては、十分に肝に銘じなければいけない、これからの自分の政治活動の一つの指針のような気がいたします。 そういう中で、これ人事院、何とかならぬのですかね。私も、恥ずかしながら初当選以来ずっと内閣委員一筋でまいりまして、結構内閣委員会では、衆議院ではいわゆるボス的な存在で今日までまいりました。ただ、この問題があることを余り認識がございませんで、非常にそのことを深く反省いたしております。労働大臣という立場では、結局人事院に対しては、今まで歴代労相が御質問をいただくたびに、あるいはそのほか折に触れてこのことの申し入れをしてきたわけでございますが、そのことをまたさらに強く言うということだと思いますが、恐らくそれほど長く労働大臣をやっているわけでもございませんし、議員になりましてからの方が人事院に対しては力も強くなると思いますので、今度は一議員として何とか本年七月にできるようにさらにもう一回検討してもらうように強くお願いはしようと思いますが、今の人事院の答弁は平成三年という一つの目安をつくっていますので、平成三年ということになりますとこれ来年ですから、そのときにはきちんとするように、当然その時期は私自身留任したいと思ってもなかなかさせてもらえないと思いますので、議員として必ずここの御答弁を、今課長がした答弁が実現するように努力をいたしたいというふうに決意をいたしております。
○堀利和君 本当にありがとうございます。大変心強い答弁、御所見をいただきました。 最後に、もう時間も来ましたけれども、先ほど述べましたように、啓発活動の一環という意味も含めて、私は仲間とともに、ことし国家試験を受けられないであろう石津君本人に私たちなりに自主的にもう一つの国家公務員試験を実施して、彼に受けてもらって、そして同じ合格発表の日に、落ちるかもしれませんけれども、発表してやってみたいなと。 私たちは、本当にこれは受験生一人の問題でもないし、国家公務員の試験一つの問題でもないんですね、大きな影響を与える問題だと思うんです。 〔理事糸久八重子君退席、委員長着席〕 そういう点で、何としてもこの国家公務員試験点字を実施、何とか成功させたいと思いますのでひとつよろしくお願いしたい。このことを強くお願いしまして終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(浜本万三君) 本調査に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(浜本万三君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、労働問題に関する調査を議題とし、労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○木庭健太郎君 きょうは、労働省はまだこういう言葉は使っておりませんけれども、いわゆる過労死の問題についてお尋ねしたいと思っております。 最近、民間保険会社が都内の企業に勤める二十代から五十代までのサラリーマンを対象にしてアンケート調査をやっておりますけれども、このときに、四五・八%のサラリーマンの人が自分も過労死する可能性があるというような答えを出しておりまして、特に部長以上の管理職、これでは三人のうち二人が過労死の可能性を心配している、こんな結果が出ておりました。 また、先日、過労死問題に取り組んでおります弁護士さんたちなんかがつくっていらっしゃる過労死一一〇番というところがあります。ここからも若干取材をさせていただきましたが、これが開設からちょうどそろそろ二年を迎えるんですけれども、この二年間で寄せられた相談件数がもう二千件を超えているというようなことを聞きまして、本当に過労死というものに関心が高まっているということを自分自身痛感したような次第でございます。 また、言わせていただけるなら、過労死の問題というのは国際的には日本人の働き過ぎへの批判にもつながっていきますし、もう一つは、労働省がこれから一生懸命取り組まなくちゃいけない労働時間短縮の問題にも密接に関連を持っていると思うんです。また、大臣は予算委員会で何回かお見受けしましたけれども、ハードなスケジュールで時たま疲れていらっしゃるなという姿もお見受けしましたし、非常にこういう問題には関心を持っていらっしゃるんじゃないかなと私も思うんですが、まず過労死問題に対してどういう大臣が御認識を持っていらっしゃるか、また、これからどんなふうにして取り組もうとされておるのかというのを最初に伺いたいと思います。
○国務大臣(塚原俊平君) 過労死は突然起こるわけでございまして、私自身も、私の父親が労働大臣をやっておりましたときのSP、護衛さんが職務中にお亡くなりになるというような悲劇を間近で見ることもございました。委員は西日本新聞の御出身だと。私も長く電通時代西日本新聞の担当をいたしておりました。東京支社、本社もたびたびお邪魔しましたが、私どもの電通も、西日本新聞もだれがいつ死んでもおかしくないような状態の働き方でございました。特に私の場合はこの体つきでございますから、過労死の要因となるものをすべて持っているわけでございまして、そういう面では、特にこの問題について、自分自身の不安も含めてかなり関心の高い、労働大臣、歴代の中でも一番関心が高いんじゃないかなというような気もいたしております。 そういった中で、当然過労死を防ぐということは大前提でございまして、ただいま御指摘ございましたが、そのためには自分自身が注意しなければいけませんし、家族も職場も、あるいは職場以外の友人が特に別の職場にいる友人に対してのチェックというものも厳しくしてあげなければいけないと思います。ただ、何といってもそれ以上にやらなければならないことは職場における健康診断であるわけでございまして、でき得る限り過労死を防ぐような枠を今広げるようなことで現在実行をしているわけでございます。 それから、加えまして、万々が一過労死というような状況が出た場合でございますが、最近、マスコミ報道等で非常に労働省の行政の中で血が通っていないというふうに御批判を受ける部分が随分ございます。本日、委員からある意味では初めて国会で、今までポイントポイントではお取り上げいただいたケースがあるんですが、きょうのように長時間お取り上げいただけるケースは恐らく初めてじゃないかなというような気もいたしますものですから、労働省の方としても精いっぱい血の通った形での認定等も今日努力をしているわけでございまして、そういった点につきましては、政府委員の方も精いっぱい今から委員の御質問に対しても御答弁もすると思いますし、もしかしたら政府委員の答弁が多くなるようなこともあるかもしれませんが、その点はお許しをいただきまして、私も御指名いただきましたときはまた御答弁をさしていただくということにいたしまして、まず冒頭のお答えにさしていただきたいと思います。
○木庭健太郎君 本当に自分自身の問題としてとらえれば、随分こういう問題に対する考え方も変わってくるだろうと思いますし、またこういう予防の問題ですね、本当は一番それをやりたいんですが、それはまた別の機会に残させてもらって、きょうは特に昭和六十二年の十月、労働省の方が二十六年ぶりに労災認定の見直しを行っておりまして、いわゆる過労死への対象が非常に広げられたというようなことになりまして、このことはあのとき物すごい評価を受けました。しかし、二年ちょっとたちましたんですけれども、実際、大臣おっしゃったように、新聞報道でも、また請求される方からも、どっちかというと実質的にそれが機能していないんではないかというような批判があることも事実でございます。 まず、この問題で一番最初に、六十二年十月のときに一体新認定基準というのは何が変わったのかという点を、まことに申しわけないんですが、簡潔にポイントを教えていただきたいと思います。
○政府委員(野崎和昭君) 委員よく御承知のとおり、いわゆる過労死と言われますのは、脳溢血、心臓麻痺による突然死で、その原因が業務にあるとされるものでございますが、その状態をもう少し分析してみますと、御本人に基礎疾病として動脈硬化、動脈瘤等がございまして、それが自然に悪くなって脳溢血、心臓麻痺につながったということではなくて、その間に業務が介在しまして、自然な経過を超えまして急に血圧が上がった、あるいは急に血管が収縮したというようなことで血管が破裂するというような状態になった場合でございます。 したがいまして、問題は、基礎疾病である動脈硬化や動脈瘤を自然的経過を超えて急激に悪化させるような業務による負荷、過重負荷と言っておりますが、それをどう認定するかということでございまして、六十二年十月の改正前におきましては、その過重負荷の有無を発症の前二十四時間に限りまして、その間に異常な出来事があった、その異常な出来事に遭遇したために血圧が急に上がった、そこで発症した、そういう状態を業務上と認定していたわけでございます。しかしながら、その後の医学的な研究の結果、異常な出来事のほかにある程度継続的な過重負荷によってもそういった脳溢血、心臓麻痺等は起こり得るということが医学的に判明いたしましたので、発症直前二十四時間内に異常な出来事に遭遇したということに加えまして、一週間の間の持続的な過重負荷についても原因として認定しよう、そういうことで認定の範囲を広げたわけでございます。
○木庭健太郎君 そして、六十二年に改正されたわけですけれども、数字をちょっとお伺いしたいんです。六十二年、六十三年度、いわゆる過労死に関連する労災の請求件数、それから認定件数、また逆に業務外と判断された件数、まずこれはそれぞれ何件ですか。
○政府委員(野崎和昭君) 六十二年度に脳溢血、心臓麻痺について業務上の認定の請求のあった件数は四百九十九件でございます。そのうち業務上とされましたのが、全体としては四十九件でございますが、この四十九件の中には、例えば高いところから落ちてその衝撃で脳溢血が発症したというようなケースも含まれておりますので、そういうものを除きました純粋の過重負荷、そういう災害性でないものを数えてみますと二十一件でございます。この六十二年度の今申しました四百九十九件、四十九件、二十一件というのが大体旧認定基準でカバーされていたものでございます。 それから、昭和六十三年度におきましては申請が六百七十六件でございます。そして災害性のものも含めまして業務上と認定されましたのが八十一件、うち純粋にいわゆる過労死というものに該当すると思われるのが二十九件でございます。
○木庭健太郎君 業務外はわかりますか、業務外決定をした分は。
○政府委員(野崎和昭君) 今の申請件数から引き算をしますと、結局業務外とされたものが出るわけでございますが、六十二年で申しますと四百九十九件申請がございまして、広い方でとりますと四十九件認定されておりますので、業務外とされたのは四百五十件になります。それから、六十三年度は五百九十五件でございましょうか、になるかと思います。
○木庭健太郎君 いや、聞いたときに、請求件数ありますよね。翌年まで持ち越されるケースもあるわけですよね。そうなると、そういう数字を言っているとちょっと誤りになりませんか、大丈夫ですか。
○政府委員(野崎和昭君) 御指摘のとおり、請求された年度に全部認定されるということにはなりませんので、正確には今言った数字ではないと思いますが、概略の傾向としてはそういったことが言えるのではないかと思います。
○木庭健太郎君 そしてまた、業務外になりまして、その後に保険審査官に上がり、それから保険審査会で審査するわけですけれども、この際に却下された件数及び認定された件数、それぞれわかればこれもお願いします。
○政府委員(石岡慎太郎君) まず、基準局の労災保険審査官の段階で取り消し決定といいますか、すなわち業務外とされましたのを業務上として認定したケースを申し上げますと、昭和六十二年が六件、昭和六十三年が三件でございます。 それから、業務外として同じく労災保険審査官が棄却決定いたしましたのは、六十二年が百二十二件、六十三年が九十七件でございます。
○木庭健太郎君 それから、この認定件数で都道府県別の認定状況というのがございますか。
○政府委員(石岡慎太郎君) 手元に六十二年度と六十三年度の都道府県別の請求支給件数を持っております。
○木庭健太郎君 それともう一つ、六十三年度になると今度は新認定基準になって判断されたわけなんですけれども、この二十九件のうち、もし旧認定制度だったら認められなかったなと思われるものは、何件あるかわかりますか。
○政府委員(野崎和昭君) 私どもで昨日大急ぎで内容を一応精査した結果でございますが、恐らく二十一件は旧認定基準でも認定されたんではないか、八件は多分新認定基準によって初めて認定されたものであろう、そんなふうな認識を持っております。
○木庭健太郎君 都道府県のやつは後でぜひいただければと思います。 この問題をやるときに私もちょっと困りましたのは、基礎データの問題なんですね。例えば、請求件数が出ていて認定件数は出る。しかし、一体本当に却下されたのは何件なのかというのはわからない。それからまた、請求件数はあるんですけれども、いわゆる過労死と思われるような請求は一体何件あったのかなというのを調べようと思っても、これはちょっと調べようがない。そんな問題もございました。 確かに労基署自体、今、認定という問題でそういう方に作業が追われていて、なかなかその点までチェックするというのは難しいということも重々承知はしておるんですけれども、労働省としてはこの過労死の問題、またことしから五カ年ぐらいでいろんな問題をきちんと分析するようなことも聞き及んでおりますし、そういった意味だったら、いろんな原因分析をするのも大切でしょうけれども、私が思ったのは、実際過労死に当たってみて、どうして業務外になり、認定されるのか、こういうケースの場合は過労死と認めざるを得ない、いろんなケースのバラエティーに富んだ状況というのが実際は労基署段階であるわけです。現場が本当は資料を持っている。だから、そういうものを何とかぜひ活用していただければ、過労死の問題に対する皆さんのきちんとした認識もできてくるだろうし、まだいろいろ誤解されている面もあるわけですから、そんなことはぜひやっていただきたいなと。まず身内の側から、ある意味じゃ、データをきちんと分析したりそういうことをやらないと、これはちょっとまずいんじゃないかなということも思いました。 例えば、人間の問題になったら難しいんでしょうけれども、労働省内のそういう担当のところでぜひこういうものを分析して、そういう研究にも役立つし、今後の労災認定をやる上でも役立つという形で、何とかそういうことをできる人間はつくれないのかなということもちょっと思ったりしたものですから、この点、もしお考えがあれば教えてください。
○政府委員(野崎和昭君) ただいま委員御指摘いただきましたように、実はこの過労死の問題というのは非常に不明な点が多いわけでございまして、先ほど簡単に脳溢血、心臓麻痺というふうに申し上げましたけれども、その発症のメカニズム自体が必ずしも十分明らかになっていないようでございます。まして業務が、残業なら残業、深夜業なら深夜業がその発症にどういうふうにかかわっているのかということも、医学的にはほとんどわかっていないという状況のようでございます。 したがいまして、現在これだけ社会問題になっており、また結局は成人病の問題でございますので、高齢化社会が進むにつれてますます重要になるだろうということで、ただいま委員からも御指摘いただきましたけれども、こういった認定とは別に、基本的な問題の研究を進める必要があるということで、平成二年度を初年度としまして五年計画で、平成二年度予算は六千二百万円でございますけれども、そういった基礎的な解明に取り組もうとしているところでございます。 それと同時に、結局認定基準はございますけれども、その認定したケースの一つ一つが、これまた委員御指摘のとおり、後々非常に重要な参考資料になる、あるいは先例になるというふうにも思いますので、一つ一つのケースについては資料等を私どもの内部で大切に保存するとともに、それを内部で持っているだけではよくないと思いますので、わかりやすい資料にしまして広く御関心のある方にもごらんいただくようにしたい、今そういうことで作業を進めておるところでございます。
○木庭健太郎君 今あったように、確かにこの認定件数というのがまだ現実いろんな問題が起きている中では少ない。特に申請件数が、せっかく新しい基準になったのですけれども、今のところ七百件足らずでございます。もう大臣もよく御存じでしょうけれども、心臓病とか脳疾患で年間亡くなる方というのは我が国にどれぐらいいるのかというと、昨年だけ見ても日本は二十七万人いるわけです。すべてそれが労災だということはあり得ないのですけれども、それでも数字で出てくる数は〇・〇、数%ぐらいしか出てこないわけですね。何かその辺がちょっとどこかに落とし穴があるような気がするのです。 例えばこれは過労死一一〇番の方たちからちょっと聞いたのですけれども、労基署がこういう労災が起きた家族の方に、脳、心臓の病気では労災認定は極めて難しいとか、こんなものを請求しても九九%無理だからやめろというようなことを、申請を事実上断念させるようなことを言っているとか、また極端な場合は公務員には労災はない、こんなことはあり得ないのですけれども、そんなことを断定して言っているような労基署があるというようなことも、これはあくまで情報ですが、そんなふうに伝わっているということも聞いて、私どもは正直言ってびっくりしました。そんなことないと思うのですけれども、労働省として労基署にどんな指導をされているのかなというのをちょっと思いましたので、これもぜひ教えてください。
○政府委員(野崎和昭君) 労働省といたしましては、先ほど申し上げました六十二年の新しい認定基準を職員に周知させまして、その認定基準に従いまして適切に認定するようにまず指導をしております。それと同時に、今御指摘のあったことと関連するわけでございますが、御遺族等から相談があった場合には、認定基準の内容、請求の手続等をできるだけ親切丁寧に説明するようにということで強く指導しているところでございます。 ただ、非常にこの問題わかりにくい点がございますので、もう少し説明をさせていただきますと、結局過労死というのは、先ほども申しましたように、まず基礎疾病がございまして、それが動脈硬化なり動脈瘤でございます。この動脈硬化、動脈瘤がどうしてできるかということ自体が一つの問題かと思いますけれども、基本的には加齢であるとか、あるいは食生活であるとか、そういったことが動脈硬化、動脈瘤の原因になっているのではないだろうか。仕事が動脈瘤、動脈硬化の原因と結びついているということは、私どもの専門家会議での結論では認定できないということになっておるわけでございます。したがいまして、その段階までは業務上とはなかなか認定しにくい。そういう基礎疾病を持った方が、先ほど申しましたような過重負荷に遭遇しまして、自然に悪くなる以上に急に血圧が上がって発症した、そういう状態を認定することになるわけでございますけれども、当然この認定はまた非常に難しいわけでございます。 こういった私が今申し上げているようなことを恐らく一線の職員は被災者、御遺族の方に御説明をすることになろうかと思いますが、今お聞きいただいておりましてもそういう説明でございますので、何となくなかなか認められないなという、どうしてもそういう印象になってしまうのも否めないような気もいたしますけれども、そういう問題の難しさはございますけれども、相談者に対しまして初めから過労死の認定は難しいというふうなそういう冷たい印象を与えるようなことがあっては絶対ならない、あくまでも相手のお気持ちに立って親切に、ただ事実としては今言ったような考えで認定をしておりますので、そういった点はよくわかっていただくように御説明するように努めているというふうに考えております。
○木庭健太郎君 ぜひそのようにお願いして、先ほど大臣おっしゃったように、本当に血の通った形というものをやるためにはきちんと説明してやることだと思うんです。そういうのが欠落すると、そうやってやってもだめなんだというような形で受け取られがちですから、もうぜひそれはお願いしたいと思います。 そこで、今度は新認定基準の内容について少しお伺いします。 さっきおっしゃったように、発症直前の災害から発症前一週間というふうに考慮対象が広がったわけですね。ただ、今いろいろ言われているのは、その一週間と区切った理由は一体何なのか、継続したというのならもっと長く認めてもいいじゃないかという話もあるわけです。だから、一週間以前と以後、その労働を区別する医学的知見が出ているならば、それも教えていただきたいと思います。
○政府委員(野崎和昭君) 私ども六十二年の新しい認定基準を策定するにつきましては、昭和五十七年から検討を始めまして、できるだけ各方面の専門家に御参集いただきまして、六十二年にかけて種々の角度から旧認定基準の見直しを行ったわけでございます。 その結論が、発症と業務の関連の時期的な関係なんでございますけれども、三つございまして、一つは、発症に最も密接な関連を有する業務は、発症直前から前日までの間の業務である。次に、発症前一週間以内に過重な業務が継続している場合には、急激で著しい増悪に関連があると考えられる。それから、なお発症前一週間より前の業務については、急激で著しい増悪に関連したとは判断しがたく、付加的要因として考慮するにとどめる。こういうのが専門家の御判断でございまして、私どもはそれに従って認定基準を作成しているところでございます。
○木庭健太郎君 それは何か医学的なデータをきちんと指し示されて出た結果なんですかね。
○政府委員(野崎和昭君) 結局心臓麻痺、脳溢血がどういうメカニズムで発症するか十分にはまだわかっておりませんけれども、そういったケースを種々御研究いただきまして、これが認定基準そのものなんでございますけれども、そういう結論になったと、今後医学的な知見がさらに深まればもちろん認定基準は見直す必要があろうかと思いますけれども、現時点ではこういう判断で行うのが最も妥当であろうというふうに専門家の方々からは私どもお聞きしているところでございます。
○木庭健太郎君 じゃちょっと個別の問題として伺うんですけれども、一週間の見方なんですけれども、例えば年末とか年度末とか物すごく忙しいときを乗り切っていって、その一週間後にばたっと倒れた、こういうときは認定されますか。
○政府委員(野崎和昭君) 誤解を招いてはいけませんので、あくまでも一般論ということでお聞きいただきたいのでございますが、年度末、年末等の忙しい時期が一週間より前にあったから直ちにだめだというふうには私ども思っておりません。先ほど申しましたように、一週間というのは重要な区切りでございますけれども、一週間前の状態も参考にするというのが認定基準でございます。したがいまして、一週間前にそういう異常な状態があったと、その後の状態とあわせ考えて総合的に判断する。したがって、認定される場合もあれば、されない場合もあるということになろうかと思います。
○木庭健太郎君 ちょっともう少しほかの例で、例えばこんなこと、一週間の中で当然日曜日が一日入ってくるわけですね。このときに一日は休んでしまったと、その一週間のうちの一日だけですね。休日が入ったときは何か業務外となるというようなことをいろいろな人が言われたんですけれども、この点はどうですか。
○政府委員(野崎和昭君) 私ども本来の認定基準マニュアルはこれなんでございますけれども、一部にこれ以外に何かもっと簡単なマニュアルがあるという誤解を受けておりまして、そういうマニュアルの中では、一週間の中に休日があったらもう認定されないんだということになっているというお話が広まっておりますけれども、全くの誤解でございまして、私どもも大変迷惑しておりますし、国民の方にもそういうことで問題を誤解されますと、本来認定される方が認定されないということも出ますので、そういう誤解はこの機会にぜひ解かしていただきたいと思います。現実に一週間の間に休日が入っておりまして認定されましたケースは、昭和六十三年度以降で少なくとも三件ございます。
○木庭健太郎君 そうすると、もう一つしつこく聞こうかなと思ったんですけれども、おっしゃいましたので言いますと、確かに最近ある新聞も書いておりましたけれども、労働省の内部資料ということで十二ぐらいモデルケースがあるわけですよ。これにあわせてこれは認める、これは認めないというような、見た側からすると非常に厳しいような内容の、認定マニュアルなのかどうかわかりませんけれども、そういう参考資料を労働省はつくっているというようなことが新聞報道されたとおり、私もちょっと十二モデルケース見せてもらいましたけれども、それに今までのを当てはめると何かよく合うんですね、これがまた。そこが問題だと思うんです。とにかくそういう認定マニュアルというのは今おっしゃったみたいに、実際に労基署に配っているのかどうか、また、こんな十二のモデルケースをいつどこで示されたのかというのをこの際はっきりさせておいていただきたいと思います。
○政府委員(野崎和昭君) まず、マニュアルそのものでございますが、これにつきましては、監督署はもちろんでございますけれども、マスコミの方そのほか必要である、見たいという方にはできるだけ差し上げるようにいたしております。したがいまして、これ自体も相当広く世間にも流布されているのではないかと思います。そうあってほしいと思っておるところでございます。 そこで、もう一つの別な、新聞報道等によるとマル秘のマニュアルがあるんではないかと言われておりますのがこちらの一枚のこの絵なんでございますけれども、これは実は六十二年に新しい認定基準ができましたときに、新しい認定基準を説明するために、考え得るいろいろなケースを図解したものでございます。 委員お手元にお持ちでございますので、御説明申し上げますと、まず、前日だけであったのを前日だけではなくて一週間の間を見るんだと。しかし、そのときに図3、図4とございます部分は、一週間よりも前も見ることもあるぞという図でございます。それから、その下は過重負荷がかかってから発症までに若干の期間がある場合がある。したがって、いつ発症したかをよく時期を見きわめることが重要だと、さもないと発症の時期を見誤って認定を誤る可能性がある。それから、その下にございますのが、間に休日が挟まっている場合が一週間でございますので当然ございます。その場合でも一律に、図が六つかいてございますけれども、休日があっても負荷の多い状態もあるし、そういうことを総合的に判断してやるようにと。 なお、一番大事なことは、この本物と申しますか、本物の認定基準にはっきりと書いてあるんでございますけれども、過重負荷については労働時間の長さだけではなくて、業務の質とかあるいは職場環境とか、そういうものを総合的に勘案して、それが血管病変の自然の状態を超えて急激に悪化させるほどのものであったかどうかを認定するようにということで、時間の長さだけで判断してはならないということははっきりとこの認定基準に書いてございます。その説明のための資料でございますので、巷間言われておりますような、前日であるならば三倍、一週間続いた場合なら二倍なければ認定されないというのも全くの誤解でございます。そういうような労働時間だけで決まるものではございませんし、現実にも所定労働時間の二倍に満たずに認定されたケースが昭和六十三年度以降少なくとも十件ございます。 そういうことでございまして、労働時間のただ長さだけで認定する別のマニュアルがあるんではないかという点は全くの誤解でございますので、ぜひ御理解賜りたいと思います。
○木庭健太郎君 もう理解したいと思っているんですけれども、こういう形のやつがいつの間にか労基署段階に流れていて、皆さんがそれを見ながらやっているというようなことがもしありましたら問題だと思うんです。ですから、その点はきちんと、今言われたみたいに労働時間だけではやらないんだということをおっしゃっているわけですから、もちろん労基署の職員の方たちも御存じでしょうけれども、ああやって公になったりしているわけですから、こんなことはないんだということをそれならばきちんと各現場にも徹底していただきたいというようなことを要望します。
○政府委員(野崎和昭君) 全く御指摘のとおりでございますので、私どもとしましても、実は新聞に出る前にそういう話を承知しましたので、新聞に出る前に記者クラブにも説明すると同時に、新聞に出た後には、五月十四日でございますけれども、各地方の労働基準局に対しまして、今私の申し上げましたような事情を説明した文書を出しております。
○木庭健太郎君 その点本当によろしくお願いしておきます。 そして、これはこのマニュアルとはまた別の問題ですけれども、新認定基準の中での過重な業務かどうかという判断ですね。それは日常業務に比較して行うということになっています。しかし、今、時代を見ていましたら、日常業務ということであっても、例えば国際化なんかの問題で夜勤とか徹夜とかいわゆる夜働くような職場も実は急増しているわけでございます。これは日常業務なんですね。そういった日常業務自体の過重性、それがいつも継続しているようなのを見逃してしまったら、所定内労働の継続ですよね、そういうことになるんですけれども、どのような質の労働でも労災にならないということになってしまうんですね、今の体制では。そういうふうでは非常に不合理だと思うんですけれども、日常業務そのものもとらえ直す必要があるんじゃないかと思うんですが、その点はどうですか。
○政府委員(野崎和昭君) この認定の考え方は、先ほど来繰り返し申し上げておりますように、動脈硬化なら動脈硬化が長い間にわたってできて、それが加齢に伴ってさらに悪くなっていく、そしてあるとき脳溢血、心臓麻痺等につながる、そういう状態で自然につながった場合にはこれは業務上と認めることは難しいと。その間に業務による過重負荷があって、急激な血圧上昇等をそれが引き起こしまして、そして自然に放置しておいたならば発症しなかったのに脳溢血等が発症してしまったという状態になったら業務上と認める、こういう考え方でございまして、日常業務が発症につながることがあるのかないのかというのは、そういう前提に立って考えますと、通常の、普通の労働の状態の場合には今言ったような過重負荷につながっていると見ることはなかなか難しいのではないだろうか。ただ、通常の業務自体が非常に過激な業務でございまして、それが非常に長期間続いているというようなことでございますと、私どもの目から見ましても、それは過重負荷とされる場合もあり得ようと。 いずれにいたしましても、やはり具体的な一つ一つのケースに即しまして、特に専門の医師等の御意見も伺いながら判断せざるを得ない、そしてまたそういったケースが集積されることによってある程度また正しい判断が可能になってくるような面もある、そんなふうに考えております。 なお、今申し上げましたような点についての医学的な研究については、先ほど申しましたように、別途鋭意研究したいというふうに思っております。
○木庭健太郎君 それから、今度は労災認定の実務上の問題をちょっとお伺いします。 今請求人となる遺族にとって一番大きなハードルになっているのは被災者、亡くなった方の労働実態の証明の問題です。これは事実上、遺族である請求人が被災者の死が労災であることを証明できないと業務外というふうに判断されてしまうのが今の現実でございます。確かに労基署が職権で調査を行って事実関係を確認する作業をいたしております。本当はこの調査の内容もお伺いしたかったんですけれども、少し時間が迫っておりますので、そのことはちょっと省きまして、そこで問題になってくるのは、その調査で得た資料が請求人に開示されない、いわゆる見せられない。この問題、請求人の方たちはその点が非常に不満なんですね。よくわからないうちに決定されてしまうというような印象を持っていらっしゃいます。ぜひこれは、決定前に何とか資料を請求人に閲覧させて意見を述べさせる機会というのをつくることができないのかどうか、ぜひどうにかならないかなと思いましてお尋ねしたいんです。
○政府委員(石岡慎太郎君) 請求人の方から調査資料の一部を開示するというような御相談がございました際には、開示をすることによって、例えば第三者の方、お医者さんなどもそれに当たるかと思いますが、に迷惑がかかるとか、あるいはプライバシーの問題が出てくるとかという場合は無理だと思いますが、それ以外の場合につきましては、できるだけ請求人の方の御要望に沿って資料の一部の開示をやるように努力をしてみたいと、かように考えております。
○木庭健太郎君 えらく前向きに答弁をいただきまして、いや、そう言われずに多分だめだろうと思って考えてたんですけれども、ぜひそれをやっていただきたいのと、この問題御存じのとおり、同じ労働省が行う最後の労働保険審査会。この段階になるともうプライバシーも企業の秘密も、いろいろ制限あるんですけれども、関係なくみんな明らかにされるわけです。同じ労働省がやりながら、裁判でいえば一審、二審段階、これは見せない。ところが、最後の最高裁になったら突然出てくるという、この辺の問題というのは非常に不満だと思うので、今言われたようにプライバシーの問題とかおっしゃいましたけれども、まず少しでも開示できる方向をとっていただいて、最終的にどうなるかわかりませんけれども、できれば情報公開という形をなるべく堅持していただきたいというふうに思います。 それとあわせてもう一つ、業務外決定が出された場合のことでございます。認定しないよという結果は請求人に対してははがき一枚なんですね。たった一枚のはがきに業務外決定と、まあ理由書いているとおっしゃるかもしれませんけれども、本当にわずかな理由を添えただけで、あんたのところだめですよという通知が来てしまう。これは遺族にとってたまらない話だと思います。ですから、せめてなぜ業務外にされたのかというのは、そんなはがきじゃなくて、例えばきちんと文書をつくって、こういうことを分析しましたということを知らせてやるのが、ある意味じゃそういう人たちにとって大事なことではないか。もしそれができれば、逆にいえばその次のまた二審、三審へ持っていくのかどうかという判断基準にもなるわけです。ぜひともそういう文書をつくってきちんと知らせてあげる、それが一つのあり方ではないか。手間暇がかかることの問題がありますから、その辺どういう判断されるのかと思いますが、私としてはぜひ業務外、そう決定した理由については文書で知らせていただきたいと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(石岡慎太郎君) 御指摘のように、はがきをもちまして不支給等の決定通知をやっているところでございますが、そのはがきには簡潔に不支給、不変更の理由も実は書かせていただいているところでございます。これ以上詳しいことになりますと、もとよりこれじゃ書けませんので、署の方に来ていただきまして御照会をされるのが望ましいと思っております。そういうこともございまして、はがきには、この決定理由の詳細についてお聞きになりたい点があれば、当署までぜひ御照会してくださいと注意書きも書いているところでございまして、これからもできるだけ御請求人からお尋ねがあれば御相談に応じたり、あるいはその不支給の理由を御説明するなり、そういう機会をふやしてまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 それともう一点は、労災認定の長期化の問題でございます。 特に、先ほど言われたように原因がなかなかわかりにくい過労死の問題では、労基署段階で少なくとも一年、業務が立て込んでいます東京あたりではまず二年間ぐらい労基署段階での認定が出るのがかかる。さらにまた、審査官の段階にいきますとこれが一年近く、それで次の審査会段階にいったらまた一年、もうこれは非常に長期化していると言わざるを得ないと思うんです。 大臣は、所信表明の中で、「不幸にして労働災害をこうむられた勤労者やその御家族に対しては、労災補償を迅速かつ適切に行い、」と、こういうふうにきちんと述べられております。この長期化に対してどう取り組んでいかれるのか、人員をどうふやせばいいのかという問題までかかってくるかもしれません。それから配置の問題どうやっていけばいいのかという問題、いろんな問題含んでいると思うんですけれども、抜本的な対策をとるべき時期に来ていると思うんですが、この点についてぜひお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塚原俊平君) ただいまの御議論の中で、かなりの部分が労働省がさらに現場と一緒になって努力をするということで解決できる部分のことがたくさんあったと思います。現実に、今お手紙の件にいたしましても、手紙には簡潔に書くしかできないと思うんですが、御相談においでくださいと書いてある。ただ、そこまでは皆さんそれでいいんだと思うんですね。ところが、御相談に来られたときに大変担当官が忙しくて扱いがちょっと丁寧じゃなかったとか、けんもほろろであったというような事例があるというようなことも伺っておりますし、それから今の認定基準の作業、これも努力をすることによってかなり当然縮めることができます。それから今の認定の問題にいたしましても、しっかり基準局長名で血の通った形のものを出すような具体的な指示というものを出しているわけでございまして、それら一つ一つが確実に実行していけると、かなりおしかりを受けないで効果が出たという形のものが見せられるのじゃないかと思っております。 今特に、ちょっと御支援いただきました増員体制につきましても本当にありがとうございました。平成二年度でも八名増員する、八名といっても全国で八名ですから、それでも今の時代で本当におかげさまでそういうようなこともできてきておるものでございますから、今後私どもの方から現場で働く皆様方にさらにしっかりとした通達を出して、また、現場に働く皆様方が働きやすい環境も本省の方でつくらなくちゃいけないわけですから、彼らに対する温かみのある最良の、できやすい環境も我々がつくっていかなくちゃいけないわけですから、そういうことに一つ一つ努力をしていくことによって目に見えた形のものが出していけるように努力をいたしたいと思います。
○木庭健太郎君 最後になりますけれども、冒頭述べたように、既にこの新認定基準が始まってから三年近くが経過してまいりました。労基署や審査会が過労死として認定してないものを裁判所が遺族の訴えを認めたような判決も実際に出ております。そのとらえ方はいろいろあると思いますけれども、実際に出ておることも事実でございます。それから先ほどおっしゃったように、労働省は今年度から五年間で過労死の要因、原因、そういう研究を今から始めようということになるわけですけれども、過労死というのは先ほど言われたみたいにいろいろよくわからないものがあるので、全く今までの労災と違って新しい形の労災だというふうにとらえることが私はできると思うんです。こういう問題に対して、今の労災補償というのはオール・オア・ナッシング、やるかやらないか、これでやらざるを得ないということなんですね。 ところが、実際にこういう問題を取り扱っている裁判官の中に、今のいわゆる民事訴訟みたいなやり方でどうにかならないかなと、被災者の状況に応じた形でのランクづけという言い方はどうなりますかね、そういった形でかげんしながら補償額を変動できるようなことがあれば本当にやりやすいのじゃないかなというようなことをおっしゃった方も実際にいらっしゃいました。それは非常に大きな問題です。 そういう状況を踏まえた上で、まず第一の問題としてぜひやっていただきたいなと思うのは、今の過労死の労災認定基準ですね、二年ちょっと経過しました、実際に。先ほど言われたみたいに少し運用の面で見直さなくちゃいけない部分が実際出てきておるんで、ぜひ五カ年ともあわせながら積極的にこの見直しを推し進めていただきたいし、また、これはもうちょっと将来の問題になってくるでしょうけれども、先ほど言いました労災補償のあり方そのものも含めて抜本的見直しへぜひ着手していただきたいというふうに私は念願しておりますんですけれども、大臣の御決意をぜひお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塚原俊平君) まず、ただいま御答弁をいたしましたように、現実の姿の中でできるだけ早くしっかりした結論が出せるように努力をするというのが第一、今当面きちんとやることであります。それからその次に、一番最後の話として、業務上の寄与度に合わしていろんな制度をつくるという、これは社会保険制度全体の話も出てくると思いますので、かなり勉強を要するテーマにもなってくると思うんです。だからそこを、無論これは勉強していかなくちゃいけないんですが、その間にまた先生が言われた五年間の、三年がたったんでこれからちょっと基準の見直しをしなくちゃいけないというのはその中間にあると思いますので、まずその制度の見直し自体勉強するというぐらいの、でも精いっぱい勉強しますけれども、答弁なんですが、認定基準の見直しにつきましては、やはりこれから今の基準の形で精いっぱいいろんな形でさらに今以上に迅速に、かつ血の通ったものを進めていく中で、また新しいものがいろいろと出てくると思いますので、そのときに合わせましてできるだけきちんとしたもの、より皆様に御納得していただけるものが出せるように、これも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 ありがとうございました。終わります。時間です。
○沓脱タケ子君 それでは、御就任後大変うれしいとお喜びになられた大臣に対する初質問で、私もうれしいです。ところが、話の内容というのは大変深刻でございますので、労働省にひとつしっかりと対応をお願いしたいのであります。 話は三和銀行従業員への不当な差別問題。三和銀行の従業員二十名の方々が連名で、平成元年五月二十九日、「不当差別人事是正に関する要請」というのを銀行の人事部長に出しました。その後、返事がないものですから、同じく平成元年十二月九日に同趣旨の要請を渡辺頭取に提出したのであります。 要望事項は五点でありまして、資料等はお手元に届いておるかと思いますが、若干申し上げますと、「同年齢標準者の本俸、資格、職位に是正すること」というのが一です。二番目は「不当な差別によって被った賃金面での損害を、当初に遡って全額支払うこと」。三番目は「永年の不当差別によって、本人及び家族の名誉が傷つけられ、経済的困難や精神的屈辱を被ったことに対する慰謝料を支払うこと」。四、五と次に続いておるわけでございます。 一体どれだけ差別をされてきたかということなんですが、これはお手元へ差し上げております一覧表のとおりです。これ全部申し上げるわけにいきませんから、上から若干申し上げますが、お手元に行っている横書きの一覧表です。これによりますと、一番目に書いてある森沢順一という方、五十五歳、勤続三十八年、この方の八九年の給与は五百七十万円。同期入行者の平均的職階及び年間給与、これは大体職階はほぼ皆次長になっているんですね。ですから、年間給与というのは千四百万ないし千五百万。随分ひどいでしょう。二番目の喜家村という方ですが、年齢五十五歳、勤続三十八年、この方の八九年度給与というのが五百四十万。同期入行者の平均的職階及び年間給与というのは同じく次長、千四百万ないし千五百万。三番目に書いてある宇野進という方、五十歳です。勤続三十二年、年俸、八九年給与は六百九十万です、この方は。同期入行者の平均的職階及び給与は、課長、千百万ないし千三百万。四番目の橋本守という方は四十八歳ですが、この方も勤続三十年、そして六百四十万の八九年度の給与ですね。同期入行者の方々は、職階は課長、千百万から千三百万程度。 これ皆言うていると時間がたちますのであれですが、こういう大きな差ができているわけですね。同期入行者の標準者と比べて、年収で四百万から一千万近くの差ができているわけですが、この資料というのはほぼ概算ではありますけれども正確なんですね。 大臣ね、これ華々しいですよね、銀行というのは。こういう華々しい装いの銀行にこんな実態があるというのは御想像できますか。ちょっと私も実は驚いたんです。いかがでしょうか、御感想をひとつ。
○国務大臣(塚原俊平君) 一応労働大臣としての答弁を先にさしていただきますと、私も資料を見せていただいたが、これらの資料だけでは状況がよくわからないので所感を申し上げることはできないが、いずれにしても事務当局を通じ早急に調査することといたしたいということしかやっぱりなかなか言いにくいんだと思うんですが、国会議員、衆議院議員でいいですか、衆議院議員の塚原としての。 この最初の方なんかは、私のおじいちゃんの死んだ病院に出向しているんですよね、堺の市立病院、私も母親が堺なものですから。それで非常にいい病院で、これすごいなと思いますね、そういう……。
○沓脱タケ子君 私余りひどいので驚いたんですがね。こういう差別というのは他の銀行にもあるんですね。現に東海銀行では十二名の従業員の方々が、この方々は愛知県の地方労働委員会に救済の申し立てをしておられます。 さっき述べましたような方々の年間給与のこういう大きな開きが出てきているというのは、同期の人と比較した月収の格差というのがあるんですね。ですから、資格とか職位、学歴の違いはありますけれども、とにかく同期の人と比べて余りにも格差が大き過ぎるなと思うんですね。 これは縦書きにした、差し上げた資料の下を見ていただきますと、これは一九八九年六月の給与で比較をしたのが出ておりますが、この方々の中の一番左の上に書いてありますように、一九五九年の入行ですね。異議を申し立てた二十名のうちの一人の方は、六月の給与は三十八万七千八百五十円です。同期に入行した人たちの給与の中では一番低い。ほかの方は五十四万一千円、あるいはこれは支店長職で、この人は大学卒かな、八十九万七千五百円、それから次長職の方は六十九万六千円、課長職の方は五十四万二千五百円。同じく一九六六年の入行で名前の出ている二十名の方々というのは、大体三十九万三千円とか三十六万円とか二十七万二千円です。同期に入った方々では五十万、四十九万百円あるいは四十六万一千一百円というふうに差がついているわけですね。 余りにも格差が大きいんですね。三万や五万の格差じゃないんです。この結果をもとにしてボーナスが支給されるわけですね。ボーナスも大変査定が大きいようでございますから、したがって年収はびっくりするほど大きな差が生じるわけです。この格差というのは終生ついて回るわけです。まず退職金にはね返るでしょう。さらに年金ですね、年金は月収を基礎にして組み立てているわけですから、月収が同期の人に比べて仮に半分であったら年金額もほとんど半分になるわけですから、賃金格差というのは一生ついて回る。そういうことに大体仕組みはなっているのと違いますか。いかがです。当たり前のことなんです。
○政府委員(野崎和昭君) 御指摘のとおり資料のような差がございましたならば、それが恐らく通常の場合退職金にはね返り、また年金にもはね返るであろうというふうに考えます。
○沓脱タケ子君 そうなんですね。ですから、具体的に言いますと、個人的にこれをひとつ見てみた。この名簿の中の一番に書いてある森沢順一さんという方は勤続三十七年、年収五百七十万円ですが、現在は大阪府の堺支店から堺市立堺病院に派遣されているという方です。五十五歳時点で退職金が支給をされましたが、八百五十万円なんですね。三十七年勤続をして退職金が八百五十万円。これは、通常でありましたならば大体二千八百万前後だそうです。そうなりますと、退職金三分の一以下。もう一人、柴田さんという方、これは四十五歳で勤続二十六年の方で、平行員ですが、同期の同じ高卒の人と比べて六十三年度分の年収を見たら、この柴田さんは六百三十万で、同期に入った同じような方が千九十六万円。その差額は一年に四百六十六万円。もう一人、この名簿の十五番目に書いてある安居和子さんというのは、この方は女性ですが、勤続二十七年。ところが、これ年収が三百二十万ですね。この人は時間外手当や生計手当等を除く定例給与というのは、ことしの四月分で二十二万三千二百五十円、同期の高卒の男性は、一人は三十五万六千円、一人は四十六万六千二百円。随分格差があるなと思って聞いてみましたが、この安居さんという方は勤続二十七年の間にお子さんを二人出産をしておられます。だから、こういう問題というのがえらい影響させられているなということも感じます。この安居さんという方の二十二万三千二百五十円というのは、三和銀行では大卒四年目の男性とほぼ同じ金額です。片や勤続二十七年で、片や大学卒四年とが全く同等だというのはこれはちょっと考えられないですね、実際。 大臣、こんなことまかり通っているというのはちょっと考えにくいと思いますがね。御感想ありますか。
○国務大臣(塚原俊平君) ちょっと三和銀行の味方をして、高卒と大卒で年齢的に四つ差があるから、四つずらして計算してみても、やっぱりちょっとあれなんですね、今、一生懸命計算してみたのですが。だから同じ答弁ですけれども、すごいなと思いました。
○沓脱タケ子君 私もちょっと余りにもひどい差があり過ぎるなということで驚いているんですが、なぜこんなことがまかり通るかということなんですね。合理的な理由があると思いますかね、これ。こんなもの答えられへんのと違うかと思いますけれども、これ私は合理的な理由がないと思うんですよ。だって、このそれぞれの方々は、上司の方あるいは労働組合にも聞いてみましても何にも言われないんですよ。総合的判断の結果だと言うて答えられるだけなんですね。 そういう結果がどんな細かいところにまであらわれてくるかといいますと、一例を言いますと、これは柴田さんという人の話ですが、定期昇給が大体一年に千六百円らしいな。その定期昇給を何と昭和五十九年から平成元年まで四分の一の四百円しかもらっていなかったというんだね。だれだったかな、女の人も言うていましたね。千四百円の定期昇給の四分の一で三百五十円、定期昇給分しかもらわないと、それが何年も続いているわけだから、非常にひどいわけですよね。これ会社に要望出しましたら、昨年出したでしょう。それでことしになったら、四百円しか定昇がなかった柴田さんは四月から千六百円になったそうですよ。ほかの人もそういう変化はある。 私は、こういう総合的判断というのは、結局査定の結果なんだと思いますが、百歩譲って考えまして、一定の査定とか会社への、あるいは銀行への貢献度とかというようなことは、それは勘案するということは許されるといたしましても、こんな大きな格差が許されていいものだろうか。ちょっと大き過ぎはしないか。限度を超えていると思いませんか。ちょっとその点、御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塚原俊平君) 今の柴田さんの例をとると、五百八十万円ですから、昭和五十九年までは割に普通だったのですよね、きっと。そこからが、だから何でそうなったのかということですよね。全然答弁にならないですけれども、わからないですよね。
○沓脱タケ子君 とにかくわからぬですよ、私ども聞いても。私は、この方々にお目にかかって御意見を聞いてみたんですが、それはもう全然話わからぬのです。 この二十名の従業員の方は、だからもう我慢をし切れなくなってついに要望書をお出しになったわけですが、要望書にこないに書いてありますわ。これはお手元にありますけれども、全部読んだら時間かかるからあれですが、 私達二十名は、三和銀行員として、入行以来誠実に勤務して参りました。この間、職務を忠実に遂行し、その能力は同僚に比し何ら遜色はないと自負しております。 にもかかわらず、現在私達は同年齢層の人に比し、極端な冷遇を受けています。 私達はこの処遇に納得できず、機会あるごとにそれぞれが質問を繰り返し是正を要請してきましたが、何ら改善されず、むしろ格差は拡大してきております。 最後に書いてありますけれども、 この不当な差別は、やがて退職金にも大きく影響し、更には年金にまで及び、私達の人生の終点まで尾をひいてゆきます。 私達とその家族の「人間の尊厳」は、過去、現在、未来にわたって踏みにじられることになることを思うとき、強い憤りを感じざるを得ません。 もはや忍耐の限度であり、私達の名誉と地位は速やかに回復され、賃金も妥当な水準に是正されるべきであると考え、積年の思いをこめ下記の通り要請いたします。 と書いてあるんですね。 この方々の心情を大臣どう思われますか。私もう驚きました。いかがですか、大臣、御感想があれば。
○国務大臣(塚原俊平君) 極めて事務的な答弁をしちゃうと、いわゆる企業の雇用の関係になりますから、そういうことになっちゃうんでしょうけれども、その文章、ここに書いてある文章が私がその立場だったら一々そのとおり、もしこのような状況であったら本当にこういう気持ちを私も持つと思います。
○沓脱タケ子君 本当によくぞよくぞ三十年も四十年近くも我慢して頑張ってこられたなということで、本当に断腸の思いがいたします。 ところで、五月十四日に東京の都労委で石川島播磨の労働者が提訴をした件について不当労働行為として救済命令が出されましたが、どういう趣旨の命令であったか、簡単にひとつお述べをいただきたいと思います。
○政府委員(岡部晃三君) 本件は、石川島播磨重工労組東京支部内におきまして、はぐくみ会または石川島連絡会議と称する組織に所属しておりまして、組合内各種選挙への立候補あるいはまたビラ配布活動を行った申立人二十三名に対しましての事案でございますが、会社が職務、等級格付等にかかわる人事考課におきまして低い評価を行ったことは、はぐくみ会系集団としての正当な組合活動を嫌悪して行った不当労働行為であると認定をいたしまして、救済の命令は申立人らと同期同学歴者との間に存する賃金、一時金に関する格差の是正等を命じたものでございます。 なお、本件は現在中央労働委員会で再審査が行われております。
○沓脱タケ子君 この都労委の救済命令というのは非常に画期的だなと思って実は拝見したわけですが、こういう命令の趣旨から考えてみますと、本件も同じような不当な本俸や資格、職員の差別というのがやられているということになりますと、結局不当労働行為になるんじゃないかと思うんですね。 この方々は労働組合運動の中で、例えば代議員に繰り返し立候補するとか、組合活動に参加をされるとかという活動をよくやられてきた方々が多いんですが、もしそういうことになれば、二十名の従業員を嫌悪した結果差別をしたとしか言いようがないんです。だって何ぼ聞いても上司も言わぬ、労働組合も何にも答えてもらえない、総合的判断やというような話だけですから。だから、不当労働行為として石播の場合には命令が出ているんですが、そういう問題に結局なるんではないかということが一つ考えられる。 もう一つは、労基法の三条の「均等待遇」ですね。これによりますと、「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」という三条にも抵触をするのではないかというふうに思うわけでございます。 そういう点で、私、会社の出来事なんだから、労働省そんなピンからキリまで知らぬとおっしゃると思いますが、しかし大臣もちょっと驚かれたようですし、私も実は驚きました。そこで、実情をひとつ御調査をいただきたい。そして、必要があれば是正方を銀行に要請をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(岡部晃三君) 先生のお尋ね、不当労働行為問題とそれから労働基準法違反問題というふうに分かれると思いますが、この不当労働行為事案に関しましては、三和銀行の事案が該当するか否かにつきましては、これは労働委員会等の権限ある機関において判断されるべきことでございますので、この辺につきましては、労働委員会等の処理にゆだねたいと考えております。
○政府委員(野崎和昭君) お尋ねのケース、具体的な名前も挙がっておりますので、労働基準法三条に違反するかどうかという点も含めまして、労働基準局の方で事情をよく調査してみたいと思います。
○沓脱タケ子君 じゃぜひ調査していただきたいと思います。不当労働行為であるかどうかということは私も断定をしているわけではありませんので、ちょっと慌てないでおいていただきたい。そういう疑いがあるからひとつ調査をお願いしたいと申し上げたわけでございますから、御理解をしていただきたいと思います。ぜひ調査をしていただきたい。 最後に、もう時間もありませんので、一つお伺いをしたいのは、ことしの二月二十日、大阪の地方裁判所で、三洋電機定勤社員・パート労働組合という組合員ら十五名に対して、三洋電機株式会社が一九八七年二月に行った解雇は無効であるという判決をいたしました。これは御承知だと思いますが、会社はこの控訴をせずに解雇無効の判決が既に確定をしているんですね。ところが、会社の側はいまだにこの十五人の方々に就労もさせない、話し合いも誠実な団体交渉をやろうともしないという状態が続いているわけでございます。で、十五人の方々は法的な措置が決まったんだからぜひ就労をさせてもらいたいし、それに関連して団体交渉をやってもらいたいという要求書をお出しになっておられるわけですが、これは、労働省、どうでしょう。会社に対して団体交渉に応ずること、あるいは判決に基づいて就労させるように指導をするべきではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(清水傳雄君) これは前回法案審議の関係で職業安定局長に御質問になった件の継続の関係のような感じがいたしまして、ちょっと先にお答えします。 私ども聞いておりますのは、その方々から地位保全の仮処分の申請が大阪地裁に申し立てられて、この二月の二十日に会社側が解雇回避努力を怠ったとして雇いどめを無効とする仮処分の決定が大阪地裁よりなされたというふうに聞いておるわけでございます。会社の方は異議の申し立てを行いつつ仮処分に示された金員の支払いを行ったと、こういうふうに聞いておりまして、基本的には今後も審理等その推移を見守るべき事柄じゃないか、このように考えております。
○沓脱タケ子君 局長はありますか。
○政府委員(野崎和昭君) 給与は支払われているというふうに伺いましたので、やはり労働基準法上は問題はないものと考えますので、裁判の問題でもございますので、そういったものとして処理されるべきものと考えます。
○沓脱タケ子君 解雇は無効だということになって、しかも上告を会社はしてない、控訴してない。だからその判決は確定しているんですよ。上告しましたか。私が清水さんに聞いたのでは判決は確定したと。それでどうして就労させないんだということで問題になっているわけですよね。事実関係違いありますか。あったらちょっと言ってください。
○政府委員(清水傳雄君) 私が聞いておりますのは、仮処分の申し立てを行った。それについて仮処分の決定が行われておる。会社側は異議を申し立てを行いつつ仮処分の決定に示されましたいわゆるその間における賃金に相当する金員のお金を支払ったと、こういうふうに聞いております。
○沓脱タケ子君 仮処分なんだけれども、異議の申し立てしてないでしょう。これ、事実関係の認識がちょっと違うと思うんです。異議の申し立てをしてない。そうなんですよ。通常なら、していたら別に私問題にしようと思わない。異議の申し立てをしていないままで就労もさせない、金だけ送っておけばいいじゃないかというやり方をしているから、労働者に対する首切りは、解雇は無効だということになって地位保全やられているんですよ。金だけやったらもういいんだというような、そういう態度を大きい会社だからというので勝手にやってもらったら困るじゃないか。ちゃんと確定したらきちんと原職に復帰させなさいと、せめて労働省それは言わないかぬですよ、そこですわ。
○政府委員(清水傳雄君) これは経緯をお答え申し上げますけれども、もちろん今先生の御質問と私どもが聞いておりますものとちょっと異なりますので、その辺は確認もしなきゃならぬわけですが、私ども聞いておりますのは、この五月の十五日に異議申し立てに対する第一回の審理が行われた、こういうふうにも聞いておりますし、現在審理中であるというふうに承知をしておるわけでございまして、これはまた再度確認をやらさせていただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 時間がありませんから、事実認識は違うということですので、再度確認をしていただいて、また折を見てひとつ伺いたいと思います。 終わります。
○乾晴美君 私、パート労働のことについて質問さしていただきたいと思います。 パートタイム労働の雇用形態というのは多種多様である。そして、全体の把握というのは非常に難しいんだと思います。その定義についてもいろいろあって、統計をとるのにも困難を来しているような状態で、統計に出てくる資料も必ずしも一致していないというようなんですけれども、それでも週三十五時間未満の短時間雇用者、そして三十五時間以上の呼称パート、呼称アルバイトの合計は昭和六十三年で約八百万人、また年間四十万人ずつのペースでふえていっているのではないかと言われているわけです。 そうすると、パートタイムの労働者というのはもうまさに基幹的労働力化しているということなんですが、そのうち女子が四分の三を占めておる。産業別では卸とか小売業、それから飲食店、サービス業、製造業に就労している者が多いというのがあるわけなんですが、規模別で見てみますと、女子パートタイムの労働者の半数が、一人から二十九人規模のところに多く採用されているということなので、その雇用と労働条件が非常に問題が多いのではないかということなんですが、まず労働契約締結時の労働条件の不明確性が挙げられるんですね。 今度徳島県で、これは全国的に行われたのかもしれませんけれども、産業別民間企業賃金等の実態ということで調査報告が平成元年度に出されているんですが、実際はこれは一九八九年の九月現在だと思います。パートタイマーに関する調査というのが出ているんですが、これによりますと、雇用契約の方法なんですが、全産業で見てみましても、口頭でやっているというのが五四・五%、文書が四五・五%というわけです。それから、雇用契約期間の有無というのが、ないというのが六〇%なんですね。それから、退職金制度はどうですかというと九六%がない、そして年次有給休暇がありますか、ないですかという有無につきましても六二%がない、こういうふうになっておるわけです。産業別で見てみますと、鉱業においては、今申し上げました四つの項目についてはすべてなしというのが一〇〇%という結果になっておるわけですね。 このごろ行われております中小企業のパート労働者のための「なんでも相談ダイヤル」というのがあるんですが、そこに寄せられてきているのも、徳島県だけじゃなくて全国的にもそういう傾向があるんだなと思うわけなんですが、神奈川県の方がこのようなことを寄せてきているわけです。採用時に条件の明示はしなかったのに、一部の人だけ準社員になってしまっている。その基準はないんだと、利害関係による人事のようで、非常に不安に思っている。正社員組合はあるので、公平な基準が適用されるように働きかけてもらえないだろうかというような相談が来ているわけです。 ほかにもたくさんそういった相談の事例はございますけれども、時間の関係で割愛させていただきますけれども、やはりパートタイム労働契約の確立というのは非常に大事だと思います。契約書の交付だとか一定数以上のパートタイム労働者の採用に当たっては、労働組合あるいは従業員代表との協議を義務づけるというようにしなければならないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(石岡慎太郎君) パートタイム労働者につきましては、御指摘のとおり労働契約の締結に際しまして、賃金、労働時間等の労働条件がなかなか明示されていないといった問題点がございます。そのため労働省といたしましては、昭和五十九年にパートタイム労働対策要綱を策定いたし、また昨年の六月にはこれをさらに強化いたしまして、大臣告示という形で、パートタイム労働指針を策定いたしまして、労働条件の明示につきましては、雇入通知書を事業主は交付するように強力な指導を行ってきているところでございます。その成果もあるようでございますが、まだまだ不十分でございますので、あらゆる機会を通じまして労働条件等の明示が契約時になされるよう指導してまいりたいと考えております。
○乾晴美君 私もその労働指針というのは読ませていただきました。でも、ほとんどが「努める」とかというようなことで、強力なものではないのではないか。そのために、これは昨年の九月にできている、その指針は六月二十三日にお出しになったと思うんですけれども、九月の統計でもこういうふうになっているということなので、やはり義務づけていかなきゃいけないのではないかということでお尋ねしているわけなんです。 その次には、パートタイマーを雇用している理由なんですけれども、徳島県の場合、全産業で見ますと、賃金コストの抑制だというのが一三・五%なんです。産業別では、卸とか小売業が二七・八%。それから、業務内容がパートタイマーで間に合うのだというのが全産業では六・七%、鉱業、建設業では一〇〇%までそうなんだと。雇用調整が容易であるというのが九・〇%で、産業別では卸、小売業が一三・九%。一般の労働者の求人難だからというのが全産業では二六・〇%、製造業では三六・二%というふうになっておるわけなんですけれども、雇用調整が容易というのが九・〇と非常に少ないようですけれども、事実上は一年を超える雇用期間でありながら、雇用調整を容易にするための短期契約の更新を繰り返しているという例も多いのではないかと思うんです。 雇用調整のために解雇、雇いどめが行われるようなことが非常にパート労働者の雇用の不安定性の原因をつくっているのではないか。それが突然に行われるような場合には生活に不安とか困難もくるのではないかと思うんですが、やはり「なんでも相談ダイヤル」の中で、埼玉県の女性、五十五歳の方からの相談でも、精密機械の組み立てで、一年更新で十五年間勤務した。五十五歳になった途端に契約切れを理由に四月いっぱいでやめてくれ、こう言われたというのが来ているわけなんです。解雇要件についても正規従業員との均等を義務づけていかなければいけないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(石岡慎太郎君) 確かに御指摘のように、パートタイム労働者につきましては、三カ月とか六カ月とか期間の定めのある方が非常に多い事情がございます。したがいまして、経営上の理由等によりまして、あるいはまた期間満了等に伴いまして雇用関係が終了するというケースが正規の労働者よりは多いと我々も考えております。 しかしながら、パートタイム労働者といいましても、やはり一般の労働者と同じように労働者でございます。したがいまして、基準法の例えば十九条の解雇制限やあるいは二十条の解雇予告の諸規定が当然ながら適用されるわけでございます。労働省といたしましては、事業主に対しまして、パートタイム労働者につきましても基準法が適用になるということをあらゆる機会を通じて指導して、問題のないように努力をしてまいりたいと考えております。
○乾晴美君 経営者の側にいろいろ御指導なさるという御答弁なので、そうするほかないだろうとは思うんですけれども、この「なんでも相談ダイヤル」の中で、経営者の方からもいろいろこんな場合はどうなんでしょうかと、もう当然知っていなきゃならないようなことも出てきているわけなんです。ちょっと一例だけ読み上げさしていただきますと、経営者の方、パート労働者に対して八時間を超えると割り増し賃金を支払わなくてはならないのでしょうか、どうでしょうかというような相談も来るなどしてあきれているわけなんですが、その指導もしっかりなさっていただきたいと思います。 次は、パートタイマーの就業規則があるかどうかということなんですが、徳島県の場合、全産業で見ると五五%がある。産業別では、金融とか保険業では一〇〇%あるんです。けれども、運輸とか通信業では七八・六%がない。次いでサービス業では五九・五%がないとなっているわけなんです。パートタイム労働者について適用されるいわゆる就業規則がないケースが見られるということは、これは労働条件の低下とか雇用管理のおくれの原因になっているのではないかと思います。 「なんでも相談ダイヤル」で、これは東京都の例なんですが、区の幼稚園のパートをしている。初めてパートの仕事をしましたが、パートの身分がこんなにも低いとは思わなかった。民間の実態は報道されているけれども、自治体のパートの実態も知ってほしい。就業規則もなく、時給額の明示もなし、早朝、残業の手当もないんですよというようなことが来ているわけなんです。就業規則の作成とか変更に際しては、パートタイム労働者への意見聴取も義務づけるというようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(石岡慎太郎君) 御指摘のように、我々も調査をしてみますと、パートタイム労働者についての就業規則がないといった問題がございます。特に十人以下のような小零細企業ではその傾向が強いと思っております。基準法では、御承知のように、十人以上の場合は就業規則の作成を義務づけているわけでございますが、十人以下はその義務がない、こういったことも一つの要因かと思いますが、いずれにしましても問題でございますので、小零細企業につきましては、従来からも行っているわけでございますが、今後も就業規則のモデルを作成する事業などを強力に展開して就業規則ができるようにしてまいりたいと考えている次第でございます。 なお、法制上、例えば基準法を直して十人以下にも就業規則を作成する義務づけを行ってはどうかという御発想もあるいはあるのではないかと思いますが、その点につきましては、労働基準法研究会に現在労働契約等法制部会というものを設けまして、学識経験者の方々にその問題も含めまして就業規則、労働契約の全般の問題の御検討をいただいているわけでございますので、その検討結果をまちまして、必要があれば法的な措置の検討も行ってまいりたいと考えます。
○乾晴美君 よろしくお願いしたいと思います。 その次は、パートタイム労働者にとっては、いわゆる通勤時間が短いということが非常に重要な条件だろうと思うんです。しかし、出店があるから、あちらへ行け、こちらへ行けというように、転勤だとか出向により就労不能になる場合もあるわけなんで、パートタイムの労働者に対しては、遠隔地配転だとか出向等の原則禁止というのを義務づけたり、またそういう指導をしていただきたいと思います。 また、労働時間管理につきましても、パートタイム労働者は、その多くの方々がいわゆる家庭の事情などと両立させながら就労しているために、始業だとか終業時刻の変更が急にあったり、変形労働時間だとか、休日、時間外労働などが障害になることが非常に多いと思うんです。 それで、変形労働時間制の適用除外であるとか、また所定時間外の労働とか休日労働のどちらも原則禁止というふうなことにはなりませんでしょうか。
○政府委員(石岡慎太郎君) パートタイム労働者の就業の実態を見ますと、非常に複雑なものがございます。例えば有給休暇の点につきましては、しかしながら一般労働者の労働時間と比べまして、それに比例した形で有給休暇を与えるなど法的な面での対策もいろいろ基準法を改正して行ってきているところでございますが、なお御指摘の問題につきましてはよく検討をさせていただきたいと思います。
○乾晴美君 それもまた、何か要望ばかりしているみたいなんですが、ぜひよい方向へ向かってよろしくお願いしたいと思います。 次に、賃金についてなんですけれども、これはパートというわけではありませんで一般のことなんですが、全産業の平均賃金は、徳島県の場合二十三万六千七百八十六円、性別に見ますと、男性が二十八万二千百五円、女性が十六万二千四百九十五円というわけで、その差は十一万九千六百十円ということです。女性は男性の五七・六%しか賃金をもらっていないというわけなんです。 パートタイマーの賃金というのは、女子のパートタイム労働者の時給は、全国平均では六百四十二円というようにお聞きしております。女子の一般労働者の八百九十九円のこれまた七一・四%であるということなんで、非常に女性は低いなと。でも、徳島県の全産業の中での賃金というのは五百円から五百五十円未満というのが三四・八%と最も多いわけなんです。四百五十円から五百円未満というのも一〇・二%あるわけなんで、男女の格差ということもさることながら、非常にパートタイマーにおいては賃金水準が労働に見合ったものではない。同一価値の同一賃金というんでしょうか、そういう原則からも大きく離れて低水準の賃金となっておるんではないか。 「なんでも相談ダイヤル」で、今度は東京の話なんですが、これは商社の準社員である。正社員と同じ仕事なのに賃金、手当などは全部半分ぐらいしかないというようなことも来ているわけなんです。 賃金、労働条件における、いわゆる時間比例による均等待遇といいましょうか、不合理な格差の是正というのは絶対図るべきだと思います。法定の最低賃金を初め、最低賃金の引き上げということもこの際考えていかなきゃいけない時期に来ているのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(石岡慎太郎君) 最低賃金の問題を御提起なさいましたが、当然ながら、最低賃金法による最低賃金につきましては、パートタイム労働者にも適用されておりまして、その賃金の水準の改善に貢献していると思います。今後とも、パートタイム労働者のことも念頭に置きながら、適正な最低賃金の制度の運用に努めてまいりたいと思っております。 それから、パートタイム労働者と一般労働者の賃金の格差の問題につきましていろいろ御指摘がございました。この点につきましては、確かに問題もございますので、昨年六月に策定いたしましたパートタイム労働指針の中でもこの問題を取り上げているところでございます。すなわち、パートタイム労働者の賃金につきましては「労使において、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように努める」、このような趣旨がパートタイム労働指針に入っておりまして、労使ともこれに合意いたしておりますので、我々といたしましては、この指針に基づきまして労使に指導をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○乾晴美君 その賃金につきましても「努める」というようなところですので、努力義務だということでなかなかはかどらないのではないかというふうに考えます。 次は、パートタイマーの定期昇給の有無なんです。徳島県の場合は、全産業では四九・五%があるんですが、五〇・五%がなし。産業別では、鉱業というところでは一〇〇%がありません。それから運輸通信業では七八・六%がありませんというようなことなんですけれども、定期昇給があると答えた企業につきましても、正規従業員との間には不合理な格差があるのが普通だと思います。「なんでも相談ダイヤル」の方でも、長野県の方ですが、商工会議所のパートを十年間やっているけれども、ほとんど賃金が変わっていない、何とかならないだろうかとか、北海道の自治体の非常勤に行っているんですが、一年更新で五年間勤務した。その間の賃上げは全くなかったし、交通費も全くいただいておりませんというようなことがあるわけです。同職種で同作業で同経験の正規従業員との不合理な格差というのは厳然としてありますので、そこら辺のことをもう少し善処すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(石岡慎太郎君) 私どもの調査によりましても、昭和六十年の数字でございますが、パートタイム労働者につきまして定期昇給制度を設けている企業の割合が五五・一%ということになっておりまして、いろいろ問題は確かにあろうかと思います。しかしながら、これは先ほどお答えした問題と同じ問題だと思うんですけれども、パートタイム労働者の賃金につきましては、やはりこれは労使で決めていくというのが建前でございます。労働省といたしましては、先ほどの指針に基づきまして労使の間でパートタイム労働者の賃金が通常の労働者との均衡等も考慮して決められるように指導をしてまいりたいと考えております。
○乾晴美君 次は、年次有給休暇のことなんですけれども、先ほど考えていると言いましたけれども、徳島県の場合は年次有給休暇の有無につきましては、全産業では三八・〇%、産業別では鉱業は一〇〇%ありませんということで、規模別では十人から二十九人のところでは八六・七%ないというふうに答えておるわけです。ですから、改正労働基準法による年次有給休暇の比例付与というのが徹底していないのではないかというふうに思います。一年未満の短期就労を繰り返す場合でありましたら、通算の雇用の期間が長くなっても有給休暇が保障されていないというのが現状だと思います。「なんでも相談ダイヤル」の東京の場合ですけれども、一日三時間、週六日勤務している女性なんですが、有休を要求したら制度がないと言われて断られたとか、岐阜県の中華料理店のコックさんですが、有給休暇がなくて休むと賃金カットされる、社会保険、雇用保険もなく、残業手当もありませんというようなことで悩みを訴えてきておるわけです。 改正労働基準法による法定の有給休暇の取得を徹底させるということと、勤続一年未満のパートタイム労働者についても有給休暇の制度を図っていかなきゃいけないと思います。いかがでしょうか。
○政府委員(石岡慎太郎君) パートタイム労働者の有給休暇につきましては、六十三年四月から改正基準法に基づきまして、週の所定労働日数が四日以下のパートタイム労働者に対しましても、一年以上継続勤務した場合には通常の労働者の年次有給休暇の日数に比例したものを与えるということでやってきているわけでございます。しかしながら、今その実態について御調査をお述べになりましたが、そういう実態は甚だ我々としても遺憾に考えている次第でございます。今後一層改正労働基準法の有給休暇の規定の周知徹底とその監督指導に努力をしてまいりたいと考えております。
○乾晴美君 次に、パートタイマーの退職金制度はどうなっているか見ますと、徳島県の場合、全産業で四・〇%ということで、ほとんどの事業所で退職金制度は設けていません。産業別に見ますと、あるとする事業所の割合が最も高いのは金融と保険業で二二%でした。鉱業とか建設業、運輸と通信業、それからサービス業では一〇〇%の事業所がないとなっているわけです。正規従業員との間にも不合理な格差が見られるし、中小企業退職金共済制度というような公的な共済制度もパートタイム労働者に適用するものとなっていないんだなと思います。 「なんでも相談ダイヤル」、今度は大阪の女性なんですけれども、まくらなどの製造をしているところへお勤めの方でパートで二十三年間勤務した。朝の九時から夕方の五時まで勤務したのですが、これは正社員と同じです。ところが、二月に退職しましたけれども退職金が一銭も出なかった。社会保険も雇用保険もなかったというようなことですね。こういうことがあっていいかなと思うんですが、退職金制度の適用を促進し、正規従業員との不合理な格差というのはなくしていかなきゃいけないと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(岡部晃三君) 私どもの調査によりますというと、パートタイムにつきまして退職金制度がある企業の割合は四・五%でございます。これは、規模別に見ますというと、千人以上の規模の企業ではパートについて一二・四%の企業で退職金制度がございますが、三十人—九十九人規模におきましては三・九%と著しく低い水準でございます。 したがいまして、このような中小企業において特にパートタイムの退職金制度が進んでいないという状況でございますので、私ども、今般、中小企業退職金共済法を改正いたしまして、パートの方々が入りやすくなるような、そのような仕組みを考えまして、それを盛り込んで法律案を今回提出したところでございます。いずれまた御審議を賜りたいと存じます。
○乾晴美君 次は、職業紹介といいましょうか、雇用指導体制についてお伺いしたいと思うんですが、パートタイム労働に関する職業の紹介制度が十分に整備されていないんでないか。そのために、職業相談、雇用指導などがニーズにこたえられていないんでないかということで、今回、国がなさっておりますパートバンクといいましょうか、そういうのを見せていただきますと、五十二カ所から五十七カ所にふやしましたよ、そしてパートサテライトというんですか、それを新設十五カ所やりましたよ、それから雇用労務の相談コーナーというのを十九カ所から二十二カ所にふやしましたよ、こう言うんですけれども、パートタイムで働いている人というのは非常に地域性が強いだろうと思うんですね。 このように数を見ましても、県下で一カ所というようなことであれば、とても情報が行き届かないのではないかというふうに思うわけです。もっとそういうサービスを図るべきであろうと思います。平成二年度のパートタイム関連予算を見ましても、八億五千二百万円という、これ非常に少な過ぎると思うんですが、労働大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(清水傳雄君) パートタイム労働を雇用される方の職業紹介、これは基本的には職業安定所でももちろん行っております。パートバンクとかパートサテライトとか、こうしたものは安定所でやっております職業紹介の延長線上にあるわけでございますけれども、やはり何かパートを希望される方の御相談しやすいような、そうしたターミナルとか、そうしたところに進出をいたしまして、そしてそうしたお世話なり御相談ができるような、そういう街頭進出をパート専門で安定所が行っていく、こういう感覚で設置をいたしてまいっておるわけでございます。 いわゆるパートバンクにつきましては、パートタイムの雇用の需給が集中をしている、そういうところを中心にこれまで設置をしてきております。そういった意味で都市については人口の基準を一応設けて、現在、平成二年度を含めますと五十七カ所設置ということでございますし、さらにもっと地域密着型ということをねらいとして、今般新たに、もう少し小さな都市、おおむね十万以上の都市ということで、パートサテライトというのを平成二年度十五カ所設置を初めて行ったわけでございます。 これからもそうした需給の動向なり地域のニーズというものを勘案して対応いたしてまいるわけでございまして、今の人口の基準というのも、当然需給環境を見ながら設置するということの基礎的な一つの考え方として人口という考え方を持っておるわけでございますけれども、柔軟には対応してまいる、こういうふうな基本的な考え方でおります。
○乾晴美君 確かに新しいものを、パートサテライトというんですか、新設されるという努力は見られるんですけれども、県下で一カ所、二カ所というのは非常に少な過ぎるのではないか、もっとサービスをするためには市町村単位ぐらいに必要ではないかと私は考えております。 次に、フルタイム型のパートタイムの労働者についてちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、パートと言われている労働者の四分の一の方がフルタイムのパートとして働いているというわけなんですが、これは問題がいろいろあるのではないかと思うわけです。その対策も非常に悪いと思いますけれども、フルタイム型パートというのは考えられないのではないかと思うんですね。これは原則として認めないものにして、速やかに正規従業員化を図るということが必要だと思います。こういうものを認めておるということが私はおかしいと思っているんです。フルタイム型パートタイム労働者の正規従業員化を推進するための法規対策とか対策要綱を策定していって、強力なものとして行政指導を行っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(佐藤ギン子君) 先ほどからの答弁でも申し上げておりますように、パートタイム労働者の雇用管理の改善につきましては、五十九年の対策要綱、それから平成元年の労働大臣の指針などを通じまして改善に努めてきているわけでございます。確かに今御指摘ございましたように、フルタイムの形のパートタイム労働者、一部見られるわけでございますけれども、こういう方たちにつきましては、パートタイム労働指針におきましても、通常の労働者と同じぐらいの労働時間を働き、しかも通常の労働者と同じような就業の実態にある者につきましては、通常の労働者としてふさわしい処遇をするように努めるということになっておりまして、この旨啓発指導しているわけでございますが、御指摘のように必ずしも十分ではないわけでございます。今後さらに努力をしてまいりたいと思います。
○乾晴美君 私もパート労働の指針読ましていただいたんです。でも全部「努める」というような、努力義務ばっかりなんですね。私が時間を割いていろいろ申し上げたのは、何としてもパートタイム労働法という法律にして強力なものにしていっていただきたいという願いからでございます。そのことについてお聞かせいただいて私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(塚原俊平君) 先ほどの職安局長の答弁にあったパートサテライトの方の話なんですが、大臣の方にも御指名がありましたので。これから徐々に、恐らく好評だと思うので、より入りやすい零囲気でそういうような地域をふやしていきたいと思うのですが、現実の問題としては、旧郡単位ぐらいに職安があるんですね。職安というと何か物すごく昔のイメージで暗い感じがするんですが、今ハローワークなんという横文字など使いまして、本当に明るいスペースをつくりまして、パートのコーナーもきっちり見て、もう図書館の本を選ぶようなところよりももっと明るい感じをつくっていますので、ぜひともPRをいただきまして、そちらの方にもおいでをいただいてごらんをいただきたいと思います。 〔委員長退席、理事糸久八重子君着席〕 それから、当然パート労働者と通常勤務の労働者の方との格差、これをなくしていかなくちゃいけないし、例えば今御指摘があったようにパートで転勤があるなんというのは、これは本当に異常な話でございまして、パートはパートならではのいい点というのはたくさんあるわけでございますから、そういう点につきましては、間違いないようにこれからもさらに指導を強化していかなくちゃいけないと思うんです。 それから、パートタイム労働法につきましては、本当にいろんな御指摘をいただくんですが、現在の場合、当然使用者の方とのお話し合いをしなくちゃいけないのですが、もう一つ、通常でお働きになっている方も、労働組合等もいろいろな御意見があるわけでございまして、十分その辺の合意形成をこれから図りつつ慎重に進めていかなくちゃいけない問題だというふうに考えておりますので、せっかくの御質問で、早急にはいと言いたいのですが、引き続き検討ということできょうのところはお許しをいただきたいと思います。
○勝木健司君 それでは質問さしていただきます。 労働時間の短縮についてでありますけれども、労働時間の短縮はゆとりのある生活を築いていく上で大変重要な課題の一つだろうというふうに思います。最近、地方議会におきましてもゆとり宣言の採択等が急速に進むなど、ゆとりのある生活を求める国民の声というものがますます高まってきております。しかし、平成元年度の年間総労働時間は前年と比較してみますと、わずか二十三時間しか減っておらない、パーセントにしても一・五%しか減っておらないということでありますので、このままでいきますと政府目標であります、また国際公約ともなっております平成四年度の千八百時間の達成は不可能ではないかというふうに思われるわけでありますが、労働大臣の政府計画実現に向けての決意をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(塚原俊平君) 平成四年に千八百時間程度にするというようなお話につきまして、これを現実にするためには年休を二十日とって、時間外を百五十時間に抑えて、週休二日を完全にしてというようなことでありますので、現実の問題としてはかなりきつい要件が出てきていると思います。ただ、そういった中で現在のところ平成三年四月を目途に、まず四十六時間を四十四時間に、少なくともまず隔週、ここのところを押さえることが第一歩でありまして、これでまだ大分遠いんですけれども、一生懸命努力をしながら進めていきたいというふうに考えております。 そういった中で、中小企業との御相談というのが一番大きい問題点でありまして、私どもの地元では中小企業四百五十時間の時間外を四十五時間短縮するという話を、大きな企業があるものですから、その企業と中小企業の間でやっと話がついたという段階で、それでも大変な進歩であると新聞にはかなり大きく書かれたんですが、そういうような状況でありますので、さらに私どもその辺の中小企業に対してもきめ細かなことを数多く考えながら、できるだけ目標に近づけるように、これは国民的課題でありますので、頑張っていきたいと思います。
○勝木健司君 そこで、私ども民社党は国とか地方公共団体の強力な支援のもとに政労使一体となった労働時間の短縮を早期に推進する体制を整備していこうということで、時限立法としての労働時間短縮促進臨時措置法、いわゆる時短促進法を制定したらどうかということで抜本的な政策を提唱しているわけでありますけれども、労働省としてこういった問題についてどのように考えられておるのかお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(野崎和昭君) 民社党で御提案になっておられます法案の内容につきましては、私どもの方も十分拝見をさしていただいております。労働省におきましても、従来から大企業と比べて労働時間短縮が進みにくい中小企業に対しまして種々の行政指導、援助を行っているところでございますが、近く中央労働基準審議会で労働時間問題の審議を再開いたしますので、その際には中小企業における労働時間短縮の問題を重点に御検討いただきたいというふうに思っております。民社党の案につきましては、そういった際にも十分検討さしていただきたいと思っております。
○国務大臣(塚原俊平君) 失礼いたしました。民社党の提案に対して当然大臣が答弁しなくちゃいけないわけでございまして、本当に日ごろ党として取り組まれる大変な御姿勢に敬意を表しております。もう一生懸命民社党さんの提案のものにつきましても現在勉強さしていただいております。
○勝木健司君 そこで、特に中小企業について気を使っておられるようでありますけれども、私ども時短促進法の中でも中小企業、特に雰細事業所においての時短を進めるために、財政的な裏づけ等々も、財政的な援助も必要じゃないかということで時短助成金とか時短投資減税とか時短環境整備貸付制度等々も問題提起をしておるわけでありますので、その辺もぜひ十分吟味をしていただきたいというふうに思いますが、その辺についてはいかがですか。
○政府委員(野崎和昭君) 御指摘のとおり、中小企業におきましては時間短縮が進めにくい一つの大きな要因は生産性の問題でございまして、これはやはり設備とかそういった問題についての援助が重要かというふうに思います。 いま一つ、時短そのものに対する助成と申しますか、賃金等に対する助成ということは可能かという問題でございますけれども、これにつきましては、私どもも前々からいろいろと勉強はしているつもりでございますけれども、なかなか実効のある案が考えにくいというような点もございます。いずれにせよ、そういった点についてよく検討をしてまいるつもりでございます。
○勝木健司君 週四十時間制への段階的移行ということで、もう二年が経過をしたわけでありますが、施行後三年を目途に予定されております四十四時間、四十六時間が四十四時間への円滑な移行というのがこれから当面の重要な課題となってくるというふうに思われます。そこで、その改正時に現行の週四十六時間制を猶予されている事業所における労働時間の改善状況について、一体改善されておるのかどうか御説明を願いたいというふうに思います。
○政府委員(野崎和昭君) ただいまお尋ねの点、四十六時間制の適用猶予事業場というのは小零細企業でございまして、全体として統計資料が非常に乏しゅうございますので、これについては現在その状況を把握するための調査を行っているところでございます。しかしながら、猶予事業場の中で、製造業の三十人から九十九人のところが猶予事業場でございますが、これは三十人以上ということで、毎月勤労統計でその時間短縮の状況がつかめるんでございますけれども、改正労働基準法が施行以来の二年間で二・二%減少しております。猶予時間は二時間でございますので、二・二%ではまだ足りませんけれども、あと一年ございますので、そういう目で見ればかなり猶予事業場においても着実に時短は進んでいると言っていいんではないか、そういうふうに期待をしているところでございます。
○勝木健司君 賃金労働時間制度等の総合調査で見る限りでは、業種のとらえ方が若干違うとは思いますが、猶予対象事業所であろうと考えられる産業規模の事業所においては時間短縮は進んでいるとは言えないんじゃないかというふうに私どもは思うわけでありますので、もっとこれから、来年の四月一日に向けて週四十四時間制への移行時期がそういうふうになるのかどうかということも含めて考えていいのか。 そして、改正後初めて今月から来月にかけて実態調査をすると、そして秋口に向けて報告がなされるということでありますけれども、これが事実かどうかお伺いをしたいということ。同時に、もっと言ってみれば、もう早い時期に、改正後一年以内に実態調査を行うべきじゃなかったかというふうに思われるわけでありますけれども、その辺についての御見解もあわせてお聞きしたいというふうに思います。
○政府委員(野崎和昭君) お尋ねの点は二つあるかと思いますが、まず猶予事業場の関係でございます。六十三年の四月に改正労働基準法が施行をされまして、法定労働時間が四十六時間になったんでございますが、小零細企業につきましては三年間猶予されておりまして、その猶予期間が来年の三月末で満了いたします。これにつきましては、この猶予期間をさらに延長するとか、そういう話は現在のところ全く出ておりませんので、予定どおり猶予期間の終了とともに少なくとも四十六時間制に移行していただけるものというふうに考えております。 次に、全体の法定労働時間四十六時間制につきましては、御指摘のとおり、改正労働基準法を御審議いただきました際に本院本委員会でも御議論がございまして、施行後三年をめどに四十四時間に移行することを目標にすることとなっておりまして、これにつきましても予定どおり来年四月には四十四時間制に移行したい。そのために、現在移行に伴って必要な労働時間の実態調査を行っているところでございまして、秋までには実態調査の結果を取りまとめまして、中央労働基準審議会にお諮りしまして、年内には御答申をいただきたいと思っております。そういたしますと、施行までに三カ月の準備期間がございますので、労働協約、就業規則の改正等についても必要な準備期間が確保できるということで、できるだけこの日程どおりスムーズに運営してまいりたいというふうに思っております。
○勝木健司君 そこで、週四十四時間への移行が来年四月一日からということだろうというふうに思いますけれども、そのときにもやはり適用猶予措置というのをとるつもりでおられるのかどうか。それと同時に、もしこういう適用猶予措置をとられるということであれば、必要最小限度にとどめるべきじゃないかというふうに私どもは考えるわけでありますけれども、その基準というものを示していただきたい。 同時に、週四十四時間制への移行に際して、四十時間制というのが最終目標であるわけでありますから、計画的な移行というものを促進するという観点から、四十時間制への移行時期もあわせて四十四時間制の導入と同時に明示すべきだというふうに考えるわけでありますので、これもさきの国会答弁でも、九〇年代のできるだけ早い時期というふうに明言をされておりますから、これの早い時期というのはいつのことなのかも含めてお答えいただきたいというふうに思います。
○政府委員(野崎和昭君) 四十四時間制への移行の際の猶予措置の問題でございますけれども、先生御承知のとおり、日本の労働時間というのは企業規模によりまして非常に大きな格差がございまして、そういった実態を踏まえながら法定労働時間を短縮していくということになりますと、やはりおくれている部分については猶予措置を設けることによって全体のテンポを早めることが可能になります。そうすることが、速やかにかつ円滑に法定労働時間を縮めていく適当な方法だというふうに考えておりますので、四十四時間制への移行に際しましても猶予措置を設けることが適当だというふうに考えておりますが、具体的にはいずれにせよ実態調査の結果に基づきまして、各産業、各規模で現状あるいは近い将来の姿がどうなるか、それを見きわめまして審議会で十分御検討をいただきまして、具体的な猶予対象を決める、そういうことになろうかというふうに考えます。いずれにしましても、猶予措置を設ける場合には、御指摘のとおり、必要最小限度にとどめるべきことは当然だと思っております。 次に、四十時間労働制への移行時期の点でございます。御指摘ございましたように、これも本院本委員会で改正労働基準法を御審議いただきました際に、「一九九〇年代前半にできるだけ速やかに移行できるよう努力する」、また「一九九三年というのは努力目標の一つの大事な地点である、」という答弁を総理がいたしていると思います。 また、現行の経済計画におきましては、おおむね計画期間中に、と申しますのは具体的には平成四年度末、一九九二年度末でございますが、までに週四十時間労働制の実現を期すということ、これは実態的な話でございますけれども、そうなっております。したがいまして、経済計画の期間中に大企業、中堅企業等が四十時間制をおおむね実現すれば、それに近接した時点で労働基準法の法定労働時間を四十時間に改正するということが可能になってくる、そういう展望を持ちましてその目標の実現に向けて全力を挙げてまいるつもりでございます。
○勝木健司君 所定内労働時間は、要するに改正労働基準法の施行等で減少傾向には確かにあるわけでありますけれども、所定外労働時間の削減あるいは年次有給休暇の二十日の完全取得という問題が次の今後の課題だろうというふうに思われます。 そこで、この所定外労働時間の削減に関しましては、時間外労働の限度に関する目安、指針というものがあるわけでありますけれども、どうも現状追認的で有効に機能していないのが実情じゃないかというふうに思われます。そこで、この所定外労働時間の上限の法定化、あるいは賃金割り増し率現行二五%の引き上げ等、こういう法的規制に踏み切る時期に来ているのじゃないかというふうに考えられますけれども、見解をお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(野崎和昭君) 先生よく御承知のとおり、我が国では終身雇用慣行でございまして、業務の繁閑による生産量の調整を時間外労働で行うということで、どうしても時間外労働が全般的に長目になりまして、特に現在のような好況の時期になりますと非常に長くなる、またしかし逆に不況期になると非常に短くなるという実態がございます。そういう我が国の特殊性はございますけれども、長時間労働が好ましくないことは言うまでもございませんので、御指摘のとおり労働省では労使で三六協定を結ぶ場合であってもこれを超えないようにという月五十時間の上限を設けております。これにつきましては労使の御意見もお聞きして設けているものでございますが、これをさらに進めてこの上限を法定化するとか、あるいは御指摘のように割り増し賃金率を現在の二五%から引き上げるという点につきましては、やはり環境がもう少し熟することが必要ではないか。 具体的に申し上げますと、割り増し賃金率、現在全体の企業の九五%がまだ二割五分のままでございます。これが大企業あるいは一部の企業等でより高い割り増し率が慣行的に実現される、そういう状態ができれば法制化の検討も可能になると、そういうふうに思っているところでございます。
○勝木健司君 年次有給休暇についても労働基準法の改正で十日に引き上げられたわけでありますけれども、まだまだ依然として欧米主要国とは格差が大きいのが実態じゃなかろうかというふうに思われます。直ちに二十日付与をするということは困難であるということであるならば、二十日に向けて漸次段階的に引き上げていくスケジュール的なものも必要だろうというふうに思うわけでありますけれども、御所見をお伺いしたい。 あわせて、年次有給休暇の取得を妨げている理由の一つに病気等に備えるというのも大きな一つになっておりますので、こういう実態にかんがみて、例えば有給病気休暇制度なんか創設したらもっと時間短縮が進むんじゃないかというふうにも思われますけれども、御所見をお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(野崎和昭君) 最初に大臣からも申し上げましたけれども、千八百時間を実現するための一つの重要な課題が年次有給休暇の二十日付与、しかも二十日完全取得ということでございます。ところが、日本の現在の姿は十五日付与、消化率半分でございますので七日ないし八日ということで目標の実現までにはまだかなりのギャップがございます。 そこで、現在労働省では、労使の専門家にお集まりいただきまして、連続休暇取得促進要綱という、労使と申しますか国民全体に対する二十日付与、二十日消化に向けてのガイドラインをつくろうということで現在鋭意検討をしていただいておりまして、内容的にはとにかく付与された年次有給休暇は完全にとると、そういう意識改革、そういうシステムをまずつくろう、それから付与される日数を現在の十五日から二十日に延ばすためにどんなメニューがあり得るかということを検討していただいておりまして、それほど遠くない時期にそういった御報告がいただけるものと思いますので、それを受けまして連続休暇取得促進要綱というものを定めまして強力なキャンペーンを展開していきたいというふうに思っているところでございます。 病気休暇の点につきましても、その専門家会議で御議論をいただいておりまして、議論の一つとして未消化の年次有給休暇というのがどうしても出るのでございますけれども、これはそのまま消滅させないで積み立てておいて、それを病気休暇に使えるというふうにするということも一つの方法ではないかというような点も検討されております。そういった点を参考にしながら二十日付与、二十日完全消化という大きな目標に向けまして最大限努力してまいりたいと思っております。
○勝木健司君 大蔵省、来ておられますか。—— 次に、パートタイム対策についてお伺いをしたいというふうに思いますが、我が党を初め野党の強い要求によりまして、パート、内職の非課税限度額も百万円に引き上げられたわけでありますけれども、なおこの引き上げを望む声が多いわけでありまして、例えば平成元年度の東京都の最低賃金は、日額四千百六十円、時給五百二十五円となっておりますし、また六十三年のパート女子労働者の一時間当たりの所定内給与額も六百四十二円となっておりまして、常用雇用者より少ない日数、時間数であったとしても百万円を超えるケースが出ているのが今実態だろうというふうに思われます。 そこで、パートタイム労働者は産業によっては一番の繁忙期に収入の調整を行うということで、企業にとっては人の確保がなかなかしづらいという状況になっておるわけでありますので、大蔵省としてこれを近い将来例えば百五十万円程度に引き上げるといったような構想は持っておられるのかどうかお伺いをしたいということと、同時に、こうした状況を克服するためにも私どもは引き上げは必要であるというふうに考えるわけでありますけれども、労働省としてどのような対策を立てるべきだというふうに考えられておるのかお伺いをしたいというふうに思います。
○説明員(長野厖士君) パート収入の非課税限度額の問題でございます。率直に申しまして、このテーマは多々ますます弁ずという側面がございますが、昨年十一月に百万円に引き上げさせていただきました。この百万円と申します水準は、例えばイギリスですと夫婦子二人、四人でも百万円いっておりませんし、アメリカは夫婦合算課税でございますけれども、夫婦二人で百三十六万円という水準から考えますと、この百万円という水準はかなりのものである。 そこで、先生が御指摘になられました就業時間を調整するというお話、実はこれは従来の仕組みでございますと、パート収入の非課税限度額を超えますと、御主人と申しますか、配偶者の控除がなくなる、したがって、二人合わせますと税金が急にはね上がりまして税引き後の手取りがむしろ減ってしまう、一円稼いだために五万円ぐらい税金がかかって負担がふえてしまう、こういうお話でございましたので、これも今回の税制改革の中で配偶者特別控除というものを設けまして、そういうことにならないように、それ以上の収入があれば税金部分はもちろん若干の御負担になりますけれども、手取りがひっくり返るということはないという仕組みにさせていただいて解決したところでございます。 現在、パートを合わせますと、奥様が例えば百万円働かれますと、共働きの世帯の課税最低限というのはお二人ですと三百六十四万円というところまできました。かなりの水準であろうと考えています。 もう一点つけ加えますと、実は税法上パート所得というものだけに着目した制度が可能なわけではございません。これは一般的に給与所得者全体について適用することになるわけでございますから、パートで百万円稼いだのとフルタイムで百万円稼いだのと税法上差をつけるわけではございません。そうしますと、これ以上の引き上げという問題は給与所得者全体の税負担をどう考えていくかということでないと解決のつかない問題でございますので、なお今後の宿題といたしたいと存じます。
○政府委員(佐藤ギン子君) ただいまの大蔵省の答弁でほとんど問題は尽くされているように存じますけれども、私どもといたしましても、賃金の実態とか物価水準などを考慮いたしまして、引き続き課税最低限のあり方につきましては検討してまいりたいと考えております。
○勝木健司君 私ども民社党もパート従事者の地位向上のためにパートタイム労働法案の制定を提言しておるわけでありまして、パートタイムの労働契約の明確化とか、あるいは長期パートの雇用継続の保障とか労働組合の加入の促進とか、あるいは労働条件の改善等々がその柱でありまして、先ほども、パートタイム労働対策要綱とかパートタイム労働指針を定められておりますけれども、これも一歩踏み込んでこのような法律を制定する必要があるんじゃないかというふうに感じられるわけでありますけれども、労働大臣の御所見をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(塚原俊平君) 先ほどの答弁のところで委員に首をかしげられてしまいまして、ちょっと言葉、説明足りないところもあったかもしれませんが、要するに法制定をする場合の範囲ですね、もう非常に何か難しいんだと思うんですよね。 今、委員が御指摘いただきましたところをきっちり法制化するというのも一つのアイデアだと思います。ですから、まず現実の問題として、今労働指針を出したりして、前の御質問でもありましたけれども、「努める」ばかりであれじゃ全然だめじゃないかというようなことがございましたが、それを「努める」という言葉以上に実際には強く私どもが指導するようなことをまず努力してみて、そういう中にあって、もうこれは日本の国で、特に日本の国の経済の機関、大企業もありますけれども、やっぱり中小企業大きいわけで、そんないろんなことを考えてみると、もうパートなしでは特に人を集めるときに考えられませんものですから、そういうようなともかく今努力して、そのしている間にいろいろな形でお話し合いをさせていただきながら法制化につきましては検討をさせていただきたいというふうに考えております。
○勝木健司君 大蔵省来ておられますから関連してお伺いしたいと思いますが、これも我が党を初め野党の強い要求で通勤費の非課税限度額も二万六千円から五万円まで引き上げられたわけでありますけれども、まだまだ新幹線通勤の定期代が八万七千九百五十円とか、これは東京—三島間ですけれども、あるいは上野—宇都宮間が九万三千円とか、上野—高崎間が九万二千八十円とか、そういったように五万円を大きく上回っているのが実情であります。そういった意味からも、この際新幹線通勤も含めて通勤費は全額非課税とすべきであるというふうに考えますので、その辺の見解をお伺いしたいということ。 それと、現行制度において通勤手当を支給されておれば限度はあるものの非課税となるわけでありますけれども、手当が支給されていない、例えば特にパート、アルバイトとか、あるいは中小零細の労働者に見られますように、そういう込み込みで時間給幾ら、一日幾らということで、そういった場合に交通費ももらえない、そしてしかも非課税となるものもならないというので余りにも不合理じゃないかといういろんな地方からの苦情を聞くわけでありますけれども、自腹を切る場合にもその分だけ非課税となるように今後改めていくべきじゃないかというふうに思っておりますので、見解をお伺いしたいというふうに思います。 それともう一点は、地方によりましては鉄道、バスではなく自家用による通勤というのが一般的になっているところが多いわけでありまして、現行制度では自動車等の利用については原則として距離に応じて限度額が定められております。そこで、地方におきましては自動車が通勤のための必需品であるという現状で、自動車の取得費の一部をこれらに加えての控除の対象にするとか、あるいは電車通勤と同じようにガソリン代とか駐車料金等を五万円まで、あるいは全額非課税とするようなそういう制度を拡大すべきであるというふうに考えておるわけでありますけれども、見解をお伺いしたいというふうに思います。
○説明員(長野厖士君) 先生御指摘の点の中に実は通勤手当の大変難しい問題が御質問自身の中に含まれております。すなわち、込み込みで二十五万円の給料を出すところと二十万円が給料であって五万円が通勤手当であるというときに、通勤手当非課税という制度をやりますと込み込みのところが不利になる、通勤手当で出しているところが有利になるという問題がございまして、本来でありますと通勤費というのはもう手当という形と関係なく経費の側面で給与所得控除の中で考えていく、日本の給与所得控除というのは大体平均の給与収入の三割ぐらい、世界で最も多い水準にしておりますので、その中で含まれておると考えるのが本当の筋であろうというふうなことでございまして、給与所得控除水準の問題になってこようかと思います。 しかし、さりながらかなりの企業においては通勤手当というものを出しておられる実態がある。そこで、平均的にどのくらい出しておられるかを見て公務員にもそれを支給しよう。その公務員の支給水準を前提としてそこまでは手当として非課税にしてはどうかという考え方でまいりましたが、一昨年の特に民社党と自民党の話し合いの中でこれは遠距離通勤をこれから住宅問題も抱えて考えていくんだということで五万円ということにいたしました。そのこと自体の中に実はつらい矛盾がございますけれども、公務員が、例えば私自身で申しますと、当時の限度は二万六千円ですから、これが五万円になっても何ら公務員には恩典にならないといったような問題がございました。したがって青天井にするということは実は大変な支払い能力のある企業だけが適用対象になる、それがよろしいのかどうか、むしろ自腹を切っているところも配慮していくのであれば、給与所得控除の方の中に入っておると考えて、こういったものは余りやるべきでないんじゃないかという考え方もございますけれども、五万円というのは大体JRで申しますと百キロぐらいということで、そのくらいまではということでさせていただいたわけでございます。 あわせて、新幹線にもお触れになりましたけれども、そのときの取り扱いで新幹線の定期代も対象に加えるということをさせていただきました。 車につきましても、同様に自家用車の通勤につきましては五万円ということにさせていただいておりますが、自家用車につきましてはどのぐらいが適正な通勤距離かというのは大変難しゅうございますので、自宅と通勤場所の距離を見まして、鉄道があったらこのくらいかかるだろうということをはじいた上で、それをスライドさせて限度額にさせていただいておりますけれども、五万円というのはかなりの水準になっておるのではなかろうかと考えます。
○勝木健司君 もう時間が来ましたので次に譲ります。 〔理事糸久八重子君退席、委員長着席〕
○西川潔君 それでは質問させていただきます。 我が国は現在急速に高齢化が進んでいるわけですが、高齢化は先進国に共通した現象でございますが、そこでお年寄りの方々の労働力のことについて質問させていただきたいと思います。 お年寄りが増加する、高齢者の雇用をいかに確保していくか、これは重要な課題だと思うんですが、先日公表されました総理府の「高齢期のライフスタイルに関する世論調査」によりますと、七割の方々が年をとっても仕事をしたい、こう答えておられます。そしてその理由は健康のためや、趣味とか生きがい、社会参加など、そして僕の周りにはボランティア、そういうお仕事もしてみたいな、潔さんと。収入よりも時間、体力、そして内容に重点があるように私は思います。この世論調査から高齢者の雇用のあり方について今後どういうふうに受けとめられていくのか、まず大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塚原俊平君) ただいま委員御指摘のように非常に高齢者の方の勤労意欲というものが高くなってきております。また高齢者は大変な御経験を持っておられますし、そういう面ではこれからの日本の国がより豊かに繁栄していくための大きな戦力であることもこれまた間違いないと思います。そういったことで今国会に高年齢者雇用安定法の改正を提出するなど雇用機会の確保に努めるようにこれからも施策の充実をますます図ってまいりたいというふうに考えておりますが、非常に労働行政の中の高齢者対策、大きな問題であるんですが、これは平均寿命が延びたという大変おめでたいことの裏返しで、これはまたおめでたい問題でありますので、何とかこのおめでたいことをきちんとクリアすることによってさらにすばらしい国をつくっていくことになると思うので、またいろんな立場からの御指導をよろしくお願いいたします。
○西川潔君 高齢者の方が退職される場合ですが、今までの経験を生かして再就職できることが私は望ましいと、こういうふうに思うんですけれども、特にホワイトカラーの方につきましては、これがなかなか難しいことがたくさんおありのようです。定年を迎えて自分の希望と現実とのギャップにショックを受ける人もたくさんいらっしゃるわけですが、このために定年退職前に訓練をして再就職をしていただく。地方自治体でもいろんなことをやっておられますが、労働省といたしましてはこういう点をどのように受けとめておられるか、また今後どういう対策があるのかお伺いしたいと思います。
○政府委員(甘粕啓介君) 先生御指摘のとおり、これからの高齢者の人たちの生き生きとした雇用という面では能力という問題が一番重要なテーマではないかというふうに思っているところでございます。そういう意味で、先生定年退職前というお話がございましたけれども、やっぱり高齢者の人たちが若いときから今のいろいろな求められる知識、技術、技能の変化に対応していけるということを計画的にやる必要があるというふうに思っておりまして、そのための必要な訓練経費ですとか、訓練期間中の賃金について助成をするということを一つやってございます。 それからもう一つ、ストレートに定年退職者の人たちということになりますと、今までの知識、技能、経験を生かした再就職をしたいという人がございますし、またそういう知識、経験を生かして、むしろ経理士ですとか社会保険労務士だとか自立をしたいという方もございます。それからまたシルバーというふうな短期就業という格好の就業をしたいとか非常にさまざまでございます。そういう意味で私ども訓練の仕方、方法につきましても、公共訓練で行う場合ですとか、あるいは再就職先と考えられるような企業に訓練を委託するとか、あるいは必要な資格を取るための受講料とか、そういうものについて助成をするとか、いろいろ工夫を凝らしてございますし、特に定年退職前に勤めている企業には賃金を助成する。それから、むしろ再就職先と考えられるような企業には訓練のための委託費を支給するというような仕組みで、定年前からそういう必要な知識、能力を獲得するような仕組みをつくりまして努力を続けているところでございますが、特に本年度からは現在の予算の中で、今までの知識、技能、経験をもっと生かすような再就職ができないかということを考えておりまして、これは大企業から中小企業に再就職をする場合に、同じ経理、同じ旋盤、同じ設計という職種でも必要な職務内容がもう少し中小企業は幅が広い、そういうところを補てんするような仕組みを、公共訓練を使ってもいいし、専修学校を使ってもいいし、あるいは企業に委託をする、非常に弾力的に補完するような仕組みを本年度からぜひとも実施したいということで予算案でお願いしているところでございます。
○西川潔君 本当に労働省の御努力、あちこちでお伺いしておるんですけれども、我々現場を回りますと、私はどこそこの会社でこれぐらいの立場でおったけれども、こんな仕事はできないとか、我々直接よくお伺いするんですよ。潔さん、何ぞいい仕事ないかということでいろいろ御紹介もさせていただくんですが、昔は学校でこんなことをしていたからそういうことはできないとかといろいろ現場では難しい問題がたくさんあるんですけれども、高齢者の雇用の実態は、人手不足でありながらなかなか厳しいものがたくさんございます。 そこで、私はこの問題を考える上で幾つかの問題があると思うんですけれども、第一の問題点は、ある程度の所得、すなわち年金が制度として保障されていること。これもまあ多いにこしたことはないわけです。第二は労働時間、労働形態での改善が必要ではないかなと、こう思います。例えばワークシェアリングとかフレックスタイムなども大変よい方法だと思うんです。第三の問題といたしましては、技術とか労働力といった個人の質の問題ではないかと思います。この三つが要素となって雇用の状態を変えていくと思いますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(塚原俊平君) 一々ごもっともな御指摘でございます。 今年金のお話されましたが、委員大変御熱心に年金も御論議されているというようなお話を伺うのですが、結局は要するに、私と委員は同級生なんですよね。昭和二十一年の七月と二十二年の三月ですから。ですから、いわゆる一番のベビーブームのときでありまして、結局私たちがどんどんどんどん追っかけていっちゃうんですよ。今のお年寄りはいいんですけれども、いわゆる今の厚生省の構想、最初出した構想なんかを見ましても、我々がいくとどんどんどんどん年が上がっていくんですね。六十一になると六十二になって、ちょうどその世代に当たるんです。 それで、そういった面では自分自身の、我々自身の老後のことも考えてみましたときに、今、人手不足感が広がっているという御指摘の中で、今自身は高齢者雇用というようなことを言っていましても、企業なら企業の方で対応しますから、こういうときにだんだん省力化等が進んでいったときに、途中までは委員が御指摘になるように、ある程度高齢者が十分に機械を使う、簡単な機械を使うことによって大きな効率を上げるというところまでいくと思うんですけれども、今度我々が高齢者になったときはもう全然要らなくなっちゃうというような段階にどんどんなっていくというような心配も非常にあると思うんです。そういう面では今御指摘いただきました一つ一つのことが当面一つ一つ解決していかなくちゃいけない問題でもあるし、私ども、私は太っていますから割に早死にするかもしれませんが、どちらにしろ我々が高齢化したときにこれは大きな問題点になってくると思うんです。 そういった面で今のような形で御指摘をいただけるということは我が省にとっても大変にありがたいお話でございますし、十分に今のお話も検討させていただきまして、さらに委員自身の御体験の中から労働省に対しましてこういう点があるよ、こういう点があるよという具体的な御指摘を、この場だけではなくて結構でございますので、どんどんいただきまして、私どもそれを参考にしながら、いわゆる我々の世代がこの年に達したときにさらに豊かな日本国であって、我々がのんびり、なおかつ仕事をして暮らせるようなそういう環境をつくっていくように、自分自身の問題ですからこれからも頑張っていきたいと思いますので、御指導をお願いいたします。
○西川潔君 御丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございます。 昭和二十一年、同期だということをお伺いいたしまして、えらい違いだなというのが実感でございます。片や労働大臣で私は一介のタレント議員でございますけれども、本当に百二万もの人に応援していただきまして、こちらへ参りまして真心で一生懸命やらせていただいております。ただいま答弁の中で、私は体が大きいから早死にをするというようなことをおっしゃっておられましたが、そういう何か我々が寂しくなるようなことはおっしゃらないでいただきたい。本当にそう思われるのでしたら短い人生にいいことをして死んでいただきたいというように思いますから、今大臣就任中に一つでも二つでも三つでもお年寄りのために、また、いい福祉のために御努力いただきたいと思いますが、御健康でいつまでも本当に頑張っていただきたいと思います。 大臣もおっしゃったように、僕自身もそうですけれども、我々の時代になったときに健康な状態でお仕事に、また、今皆さん方がいただいておられるような年金がいただけるのかというのが本当に心配でございます。私ももう一回は当選したいんですが、一回では年金がもらえないということも先輩議員からもお伺いしております。年金のために頑張るということではなしに、皆さん方のために一生懸命努力いたします。 次に、こちらへ参りましてもう四年になるのですけれども、お年寄りの方々のお話は随分聞きます。勤労青少年というお話、きょうはお伺いしたいと思います。 私は、もう十歳のころから社会に出てずっと仕事をしているわけですが、本格的な高齢化社会を目前に控えているわけです。そういう社会経済の活力を維持増大していくためには、これからの産業社会を将来にわたって担うとなると、勤労青少年の役割がますます重要になってくると思うんです。いつも言われるようにお年寄りを支えるのは若い人たちの力でございますので、こういう方々のためにも政府としてはどのように考えておられるのか、ぜひお伺いしたいと思います。
○政府委員(岡部晃三君) 勤労青少年、これはやはり何と申しましても心身が成長過程にある人々でございまして、そういう人たちの職業人としての成長ということにつきましては、健全な育成を図るということが眼目でなければなるまいというふうに考えております。そのために私ども合い言葉といたしておりますのは、職場環境の整備ということと、それから健全な余暇対策、この二つの軸足によりまして施策を総合的に推進をしていきたいというふうに考えております。
○西川潔君 先日、友人の高校の先生にお伺いしたんですけれども、高校卒業後の進路でございますが、三分の一が進学、三分の一が就職、残る三分の一が上に行けない場合は浪人をするとかあるいは現在流行語になっておりますが、フリーター、いわゆる無職と聞いて僕自身もびっくりいたしております。 そこで、お尋ねしたいんですが、最近の若年労働者、つまり十五歳から二十四、五歳と言われておりますが、離職率、また新規の学卒者についての離職の状況についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(清水傳雄君) 私ども労働省で調査の結果でございますけれども、六十三年でございますが、二十歳未満の若年労働者の離職率が二八・八%でございました。十年前で見ますとこれは一八・四%、また前の年の六十二年の二三・九%に比べましても大幅に増加をいたしております。また、二十から三十の間の労働者につきましても、二十歳未満の層ほど際立った増加は見られないものの、やはり高い水準になっている状況でございます。 それから新規の学卒でございますけれども、六十三年三月の中学新規卒業者、一年以内、平成元年三月末現在でございますが、の離職率が四一%でございまして、これも十年前と比べますと一四・四ポイント増加をしている。高等学校の学卒につきましても、これは二一・一%でございますが、これも十年前に比べますと五・二ポイント増加というふうな形で増加基調にあるところでございます。
○西川潔君 先ほど糸久先生もおっしゃっておられましたですが、最近、若者の間では嫌われる職種の代名詞として三K——きつい、汚い、危険、それに加えて給料が安い、休暇が少ない、格好悪い、そしてこれは新三Kと言われておるわけですが、屋根がないのでYが加わって六K一Y、こういうふうに言われているそうなんですけれども、勤労青少年が自分に適した職業を選択して職場に定着することは有意義な職業生涯を過ごす上からも大変重要なことだと思います。若いころというのは、目標ですか、そしてまた職場環境、私も義務教育しか行っておりませんのですが、とにかく学歴管理社会と言われるようなそういう職場の状況の中で不安なんです。確かな目標とか目的とかというのを十五、十六、十七、十八というような多感な年ごろではなかなかつかみにくいのですね。そういう意味で、政府としては今後どのような対策を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(岡部晃三君) 勤労青少年の職場定着対策でございます。 労働省におきましては、勤労青少年の福祉推進者の制度あるいは勤労青少年福祉員を置きまして勤労青少年のニーズにこたえるということにいたしておるわけでございます。公共職業安定所におきましては、中学の新規卒業生につきましては、職場に適応することを促進するために就職後も継続的な指導に力点を置いて相談員が職場を訪問する等の施策をとっております。また、高等学校卒業の就職者につきましては、移転就職者を中心といたしまして重点対象者を把握いたしまして同様の指導を行っているところでございます。一方、雇用促進事業団の雇用促進センターにおきましては、職業ガイダンスを実施するというふうなことで、何とかしてやはり職場定着の実を上げたいというふうに考えております。
○西川潔君 勤労青少年が職場に定着するようにするためには今度は魅力のある職場づくりだと思います。勤労青少年の中でも十代後半の勤労者の多くが中小企業で働いておられます。これは本当に現状としてはそうでございます。特に勤労者の個性と能力が生かせる職場づくりがなかなか難しいと聞いておりますが、ただ若いから何とかなるということではなしに、最近現場で聞くのは、もう何か非行の予備軍になってしまいそうだというようなお話も随分聞いております。そして高齢化社会、高齢化社会って潔さんなんかがお年寄りのことばっかり言うから若い者は置いていかれるのではないかというようなお話もよく聞かせてはいただくんですが、ここらあたりをどういうふうに考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(岡部晃三君) 中小企業の問題でございます。これは中小企業と大企業の間に非常に大きな格差が現実にはございます。単に賃金面あるいは労働時間面ばかりではございませんで、福利厚生等各面にわたりまして格差がございます。それは中小企業単独で進めることができないいろいろな福祉面の施策ということも存在することが私どもだんだんに明らかになってまいったわけでございます。したがいまして、中小企業労働者の福祉の増進という観点から一昨年から中小企業勤労者福祉サービスセンターという制度をつくりまして、これに対する助成を通じまして中小企業に働く青少年の方々を含めまして魅力ある職場づくりということに努めておるところでございます。 それからまた、先ほど申し上げましたような、各種指導員、福祉員というものも相当な数にだんだんふえてまいりまして、中小企業団体の推奨する施策と相まちまして実を上げたいというふうに考えているところでございます。
○西川潔君 ありがとうございました。 次に、今度は勤労青少年ホームについてお伺いしたいと思います。 福祉施設に恵まれていない中小企業で働いている青少年のために勤労青少年ホームを運営されておられますが、具体的にどのような活動を行っておられるのか、私もまだ実はこちらの方には一度も行ったことがないものですから、ぜひお伺いしたいと思います。
○政府委員(岡部晃三君) 勤労青少年ホーム、年々ふえまして、現在全国で五百三十四カ所に達しております。これは主として地方公共団体がつくるものにつきまして国が補助金を出すという形でこれがつくられるわけでございます。これは、勤労青少年の健全育成あるいは健全な余暇活動の推進ということから、スポーツ教室の開設あるいは文化、教養講座の実施ということによりましてお使いをいただいているわけでございますが、これには指導員を配置することによりまして、勤労青少年のいろいろな生活相談あるいは職業相談、指導にも当たるというふうな活動状況でございます。
○西川潔君 この福祉施設は恵まれない勤労青少年のためにホームの果たしている役割は大変大きいものがあるというふうに聞いておりますし、時々ちょっとかた苦しいところでもあるというふうなお話もお聞きもいたしております。最近の若者の価値観やニーズの多様化というのは、本当に世の中がこんなに幸せになってまいりましたので、随分個々の考え方も違うわけですが、特に僕はもう少しリゾート施設的なものに変えてはいかがかな、何か差を感じるというふうに現場では聞いておりますので、ここらあたり、一朝一夕にはいくことではございませんのですが、大臣、いかがでしょう。
○政府委員(岡部晃三君) まさしく御指摘のとおりの悩みを私ども持っておりまして、そもそも勤労青少年対策自身あるいはまた勤労青少年福祉法自身が実はこれは一昔前と申しますか、集団就職の時代と申しますか、「ああ上野駅」とか、あるいはけなげな新聞配達少年というようなことからスタートした行政であったわけでございます。したがいまして、最近のように飽食の時代でございまして、いろいろ調査をいたしましても、勤労青少年の関心は何にあるかということになりますというと、非常に多くの方々が、スポーツでございますとか、旅行でありますとか、あるいは音楽でありますとか、あるいは異性というふうな御回答が多いわけでございます。このように非常にニーズそのものが変わってきておるわけでございまして、先生の御指摘のような観点は非常に私ども切実に、また地方の指導員から報告を受けているところでございます。 現在、勤労青少年ホーム、年間約六百万人の方が御使用になっている、非常に盛況でございます。一ホーム当たり一万一千人の利用でございます。しかしながら、なお枠がございますので、これがフル活用されますようにホームの魅力づくり、活性化を図ってまいりたいと考えております。
○西川潔君 御丁寧に御答弁いただきましてありがとうございます。 ただいま「ああ上野駅」というなつかしいお歌を、これは多分新川二郎さんだったと思うんですが、(「違う、井沢八郎」と呼ぶ者あり)井沢八郎、ああそうですか。前島先生大変ありがとうございました。新聞は山田太郎さんでございますね。ぜひまた御報告させていただきます。皆様方お喜びになると思います。こういうところでそういう話題が出るというようなことも僕自身は大変うれしく思います。 最後に、大臣にお伺いしたいんですが、将来へ向かい、これからの産業社会を担う勤労青少年を健全に育成していただく、我が国にとってこれは本当に高齢化社会にとっても大変な問題だと思います。これから政府はどういうところに重点を置いて、どのように政策を進めていかれるのか、労働大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塚原俊平君) 勤労青少年福祉法二十周年、それから第四次勤労青少年福祉対策基本方針の最終年度がいよいよ来るわけでございまして、今度第五次勤労青少年福祉対策基本方針をつくっていくわけです。その中で、ただいま委員数多くお触れいただきましたが、ともかく今労政局長精いっぱい若ぶって出てきて新しい答弁をしようとして「ああ上野駅」という感じの答弁ですから、もうずれちゃっているんです、労政局長の世代と。私どもがずれちゃっているし、私どもと今の二十の人がずれちゃっている。例えば私の父親はクレージーキャッツまではついていけたんですけれども、ドリフターズはもう全然笑いがわからないわけですね。何でおもしろいんだというわけですね。私も最近ちょっと不安になってきたのは、ずっと笑い番組を見てきてとんねるずまではついていけたんですが、ウッチャンナンチャンがちょっとだんだんわからなくなってきているんですね。そうすると、自分自身も年齢的にかなりそういうことが理解できない年齢になってきたのかなというような気がいたしております。 ですからそういったことで、これから第五次の対策をつくるに当たっては柔軟な頭脳を使わなくちゃいけないと思うんですね。柔軟な頭脳というのは一体何なんだといったら、局長クラスではだめなわけでありまして、当然労働省の若い諸君にも頑張ってもらわなくちゃいけないし、また実際に働いている方々にも直接入っていただいて、何が望みなのか。例えば今の中小企業の経営者連中にしたら、いやもう勤労青少年対策やっているよ、野球のチームがあるんだ、寮に来ればカラオケ歌えるんだ。でも、これもだめなんですね、今のときには。そうすると、例えば勤労者ホームをつくるにしても、それよりもまださらに新しいものをつくらなくちゃいけない。そうしたらカラオケボックスでなんていったら、カラオケボックスなんていうのはほかのことに使っちゃうわけですからね。そうすると、それじゃほかのことをするような青少年ホームになっちゃ、これはまた困っちゃうわけですから、健全な形で、なおかつ今のニーズに合わせなくちゃいけないということになれば、もう我々の頭じゃ考えられないということになってくると思うんです。 ですから、本日のいろいろな御指摘等もいただきましたし、委員と委員の御子息の間でも全然何考えているかわからないというところも恐らくあるんだと思うんです。十分何かお話し合いをしていらっしゃるみたいですけれども、それでもあると思うような感じですから、できるだけ柔軟な頭脳を取り入れる中で新しい対策というものを講じていって、それから今御指摘のあった青少年ホームなんかについてもせっかくある施設ですし、またこれからも幾つかふやしていかなくちゃいけないというようなことですから、より皆さんが喜んで集まってもらえるような、なおかつそこで健全にすばらしい余暇を楽しんでいただけるような、そういう形のものをつくっていくように、今までの労働省の一つの考え方のパターンよりもさらに若返らせた形のものをつくり上げていく中で新しい諸施策を講じてまいりたいというふうに考えておりますので、どうぞそういうことにつきましても、さらに労働省をごひいきいただきまして、御支持、御指導をくださいますようにお願いをいたします。
○西川潔君 本当に御丁寧に御答弁いただきましてありがとうございます。ただ、局長さん、人生の先輩の皆さん方にちょっときついお言葉がございましたんですが、私は性格的にはそういうことは申し上げられない性格でございまして、でも、こちらへ参りまして、社会的にもそうなんですけれども、やはり若い人たちをしっかり支えてくれているのは先輩、屋台骨をしっかり支えてくださっているのは人生の先輩の皆さんですから、我々は本当に御指導いただいて、それに真心で努力をするという、大臣はいろいろお若い皆さん方のことも随分勉強していらっしゃるというのがきょうはわかりました。ウッチャンナンチャンと今おっしゃったようなタレントの皆さん方のことはきょうの皆さん方はおわかりにならないと思います。ドリフターズの皆さんとかというところまではわかると思いますけれども、ウッチャンナンチャンまでは。若い人たちのことも随分勉強していらっしゃるということもわかりましたし、以前金丸信さんという方に明石家さんまを御存じですかと言うと、いやいやサンマか、ううん山梨ではそこそこのものが食えるよというような、もう全然ちんぷんかんぷんの答えが返ってくるというようなことでございましたんですけれども。 こういう施設にしてもそうですけれども、そういうところに参りますと、このごろはモーターボートであるとか水上スキーであるとか、またパラセーリングであるとかというようなことでないと若い人たちはもうついていけなくなっておりますので、本当にお仕事が終わって余暇を過ごすときには、そういうふうな目的を持って職場でも働けるような、夢を持てるような御指導をこれからもいただきたいと思います。 きょうはこれで終わります。ありがとうございました。
○尾辻秀久君 大変お疲れだと存じますが、最後でございます。過労死に至るといけませんし、実はピンチヒッターでもございますので、できるだけ早く切り上げさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 労働時間の短縮については今既にお尋ねがあったところでありますけれども、これは日米構造協議においても取り上げられたとお聞きいたしております。具体的にどのような協議がなされたのか、お伺いいたします。
○政府委員(野崎和昭君) 日米構造協議におきましては、御承知のとおり日米双方から問題点をまず提起したわけでございますが、労働時間短縮の問題はアメリカ側の指摘事項そのものには入っておりませんでした。しかしながら、第一回会合におきましてアメリカ側から、貯蓄・投資パターンという指摘事項があったんでございますが、その協議の中で、要するに消費拡大のためにもっと余暇機会を増大することが必要ではないか、そのために労働時間短縮が必要ではないかという発言があり、これに対しまして日本側から、労働時間短縮対策の現状、特に公務員の完全週休二日制に向かっての実施状況等について説明をした経緯がございます。 そういうことで、御承知のとおり中間報告には、民間部門の消費拡大等に関連しまして、国家公務員の完全週休二日制の実施に向けて本年四月から交代制職員等の週四十時間勤務の試行を実施すること及び民間部門の労働時間短縮の推進のための啓蒙普及を図ることについて触れられているところでございます。
○尾辻秀久君 この問題についての大臣の御決意もお尋ねしてみたいと思っておりましたけれども、これは既に先ほどお尋ねがあり、まさしく国民的な課題であるとお答えになりました。私は大臣の人生が決して短いものだとは思いませんけれども、御答弁をお聞きいたしておりまして大変誠実なお人柄でございます。きっと誠実に取り組んでいただけると思いますので、末永く御活躍をいただきますようにお願いだけをさせていただきたいと思います。 ただ、この問題につきまして一言申し上げてみたいと思うんですけれども、私たちが今日あるのは、日本が今日あるのは、これは私たちが勤勉であったからにほかならないと思います。ですから、今日の日本を維持するためにはやはり私たちが勤勉でなきゃならない、このことだけは忘れていけないと思うんです。ただ、今日まではがむしゃらに働いてきて勤勉であった。今、少しその勤勉さの質といいましょうか、勤勉さの変化を求められているんじゃないかな、こういうふうに思います。 こんなことを申し上げますのも、前にも申し上げたことがあるんですが、私五年間世界をほっつき歩いておりまして、いろんなところで稼がせてもらいました。ですから一働き手、労働者というのでしょうか、として外国の人たちと一緒に働いたからそんなことをその体験から思うんであります。 ちょっと変えて言いますと、今、日本の陸上競技の中で世界的なレベルにあるのはマラソンだけです。ですから、私たちが今日まで勤勉であった働き方というのは、短距離競走が不得意な私たちがまさにマラソンで勝つためにややだらだらと長く働いてきた、こんな傾向があったのも事実だと思います。そうしてそういうものを給与の面からまさしく日本的に持ち込んできたのが月給制なんだろうなと思います。時間給と月給というのは随分そういう意味ではやはり違うんだろうと思うわけでありまして、ですからこんなことを国際会議の場とか、そんな日米構造協議みたいなところで協議をしたり、議論をしたりするときには、どうしても欧米と日本の労働時間に対する意識の違いということも考えていかなきゃいかぬのだろう、こういうふうに思うわけでございます。 そこで、こういう状況になってきますと、まず月給という給料の払い方で日本がずってやっていけるかなとついつい思ってしまうんですが、労働省はこんなことについてはどんなことをお考えでしょうか。
○政府委員(野崎和昭君) 先生御指摘のとおり、欧米の、特に現場労働者は時間給でございまして、西ドイツなど労働時間の短縮が非常に進んでおりますけれども、時間が短縮しますとその分だけ当然時間給ですので減収になるわけでございます。したがいまして、その減収になった分を減収にさせないように交渉をする。例えばベースアップ、全くの仮定の数字でございますが、一〇%を要求するところを五%で我慢しておく。そのかわり我慢した五%分は減収に充てて減収にならないようにしろと、そういう交渉をやっているようでございます。 日本は御指摘のとおり基本的には月給制でございまして、今度は月給を据え置いたまま時間短縮をやりますと時間当たり賃金が上がりまして企業にとってはコストアップになるわけでございます。しかし、結局やっていることは同じような感じがいたしまして、日本も月給は下げないでそのかわりベースアップの方を少しかげんして時間短縮をやっている。ヨーロッパの方は時間給でございますけれども、結局やっていることは同じだという意味で、月給制、時間給制という違いはあっても結果的には労働時間短縮ということについては同じような状況になるのかなというふうには今まで漠然と考えていたわけでございます。 ただ、日本の場合によく言われますことは、生産性向上の成果を余りにもベースアップに配分し過ぎて時間短縮に配分する割合が少なかったのではないか、それが現在の日本の時間と賃金のアンバランスを生んでいるんじゃないかという指摘もございまして、今後はもう少し労働時間短縮ということにウエートを置いて生産性向上の成果の配分をする必要があるというふうに私どもも考えております。
○尾辻秀久君 大臣にこんなことをお尋ねするといいますか、大臣がアメリカあたりへ行ってそんなことを言われると、逆におまえの方が体力があるんじゃないかと言われるかもしれませんけれども、日米構造協議みたいなところで今みたいなお話、あるいは基本的にまだまだ私たち日本人というのは、私も典型的な薩摩の体形をしておりますけれども、体格、体力において劣るところがあると思うんです。そうした違いというようなもの。ですから、一時間あたり馬力かけて仕事をすると、どうしても肉体労働のみならず知的労働をさせられても体力の差というのを感じるときがあるわけですけれども、そんなことが話題になったというようなことはございませんでしょうか。
○国務大臣(塚原俊平君) まだ私はアメリカやなんかへ行かせてもらえないものでございますのであれなんですけれども、現実に構造協議等は労働省から総務審議官と松原審議官と二名参加をさせていただきまして、いろいろな形で意見を述べさせていただいていろんな議論をしてきました。ただ、その中で今の話題が出たということはなかったということでございます。
○尾辻秀久君 先ほど申し上げましたように、今私たち日本人が求められておるのは一生懸命ばっと働いて、休むときまたきちっとぱっと休んで心身ともにリフレッシュする、そのことが求められておるんだろうと思うんです。先ほど年次休暇についてのいろんなお話もあったわけでありますが、そうしたきっちり働いてきっちり休む、その休み方についての労働省のお考えというのをお聞かせください。
○政府委員(野崎和昭君) これからは先生御指摘のとおりしっかり働き、しっかり休むということが一番大事かと思います。ただ、現実にはしっかり働きの方は間違いなく実現できていると思いますけれども、しっかり休むという方がなかなか実現できない。なぜそれが実現できないのかということは、余暇施設の問題から、あるいは学校のあり方の問題から考えますと、非常に範囲は広いんでございますけれども、当面労働省といたしましては年次有給休暇を完全消化する、そして現在付与されているのは十五日でございますけれども、これを二十日まで引き上げる、それを目標にしておりまして、先ほどもお答え申し上げましたように、専門家会議でその具体策を鋭意練っているところでございます。 日本人が年休と申しますか、休暇を二十日とった状態というのを一応想定してみますと、現在は三大休暇を中心に八日ほど休んでおりますけれども、これを夏休みとかゴールデンウイークを年次有給休暇を使ってもう少し延ばす。それからもう一つ議論になっておりますのは、一斉に休むというのはどうも少し、観光地等込み合いましてなかなかうまくいかないということで、各人がばらばらにとる一週間程度の休暇の慣行をつくったらいいんではないか。それからさらに、リフレッシュ休暇というふうに言われておりますけれども、五年十年に一回ずつ一カ月とか三カ月とか長期の休暇をとる、そういう慣行もつくったらいいんではないか。そんなようなメニューをいろいろ並べてうまく組み合わせますと、二十日消化に何とか計算上はたどりつきますので、そういう社会になるように全力を挙げて労働省も努力してまいりたいと思います。
○尾辻秀久君 今一斉に休むというお話もございましたが、確かにそのとおりであります。ただ、また労働時間短縮ということは、一面言いますと一企業だけで取り組んでもどうにもならないわけでありまして、どうしても地域ぐるみといいましょうか、あるいは同業種といいましょうか、あるいは企業系列全体として取り組むといいましょうか、何かやっぱりそうした取り組み方の方が有効だと思うわけでありますが、これについての労働省のお考えはありましょうか。
○政府委員(野崎和昭君) 中小企業は時間短縮がなかなか進めにくいのは先生よく御存じのとおりでございますが、その原因を考えてみますと生産性が低い、コストアップになるということもさることながら、それよりも大きな理由は取引先、親企業との関係とかあるいは同業他社との競争関係と申しますか、そういうものが時間短縮の歩みをとめているということがいろんな統計からうかがえるわけでございます。 したがいまして、そういった隘路を乗り切るためには、先生御指摘のとおり、同業種あるいは同一地域で一斉に足並みをそろえて週休二日制なら週休二日制に持っていっていただく。それから親企業の発注関係が非常に問題になる場合には親企業も加わった下請関連企業の集団で時間短縮を一斉にやっていただく、そういう方法が私どものこれまでやってまいりました経験からも最も有効な方法であるというふうに思っております。 現在も同一地域、同業種の中小企業集団については約六百三十集団、それから企業系列につきましては平成元年から始めたばかりでございますので、五十集団の集団を指定しまして、そこで自主的にそういった労働時間短縮の運動を進めていただいております。
○尾辻秀久君 先ほどから労働時間短縮についてはいろいろ御意見もあり、また私なりにもお尋ねをさせていただきましたので、最後に大臣に取りまとめて一言述べていただいて、私の質問を終わりにさせていただきます。
○国務大臣(塚原俊平君) 大変一つ一つ大切な御指摘をいただきました。 我々実際に会社勤めをしていた経験からいきますと、ともかく会社自体がおまえが休んだらもうつぶれちゃうというような感じで指導していくわけなんですよね。それで、たまたまきょう沓脱先生の質問の中でああいうような形のものが出て、あの人たちには、じゃおまえたちやめたらつぶれちゃうというふうに会社が指導して思わせているのかどうかわからないんですけれども、現実に私なんかそういうようなことでずっと指導されてきて、それじゃと、たまたま父親が死んで選挙に出るかどうか迷って二カ月会社を休んだけれども、会社はどんどん大きくなっているわけですわね。ですから、関係ないんですよね、一人……。 だから、そういうことを考えると、まず連続休暇をとる絶対条件の一つとして、少なくとも企業で働いているときは、おれは企業に大切なんだという自負心で働くのはいいけれども、あるときころっと精神構造をきちんと変えて、休むときはおれなんかいなくたって関係ないというふうにならないとなかなかもう、携帯電話を持ってどこかへ避署に行くなんというかわいそうなことになっちゃうというようなこともありますので、そういうところは、果たして労働省としてどこまでこういうことについて具体的な部分についてお話し合いができるかわからないんですが、在任中にできるだけこういうことについても話し合っていきたいなというふうに、そういうことを考えております。 いずれにいたしましても、今回代々木の方で行われましたメーデーに初めて御招待もいただきまして、その中でたった一つ、時間短縮のお話をさせていただきました。まさに国民的な課題であるということでそのときもお話をさせていただいたわけでございますが、きょうも御指摘の中で、千八百時間程度ということで、なかなか難しいだろうというような御指摘をいただきながら、本来ならば経済計画の中に一応そう出しているんだから、確実に今の状況じゃ難しいわけですよね。そしたらけしからぬというお話をいただいてもしようがないんですけれども、そこを各党ともやわらかく、頑張っていかなくちゃいけないということで、皆さんそういうやわらかい言い方をしていただくということは、逆に何が何でもこれは実現しなくちゃいけないという、各党各会派もうみんな一致したお話だと思うんです。あらゆる労働省に課せられた重要な問題がありますけれども、その中でも特に最重要課題だという認識をいたしておりますので、ともかく目標に近づけるように一歩一歩頑張っていきたいというふうに考えております。
○尾辻秀久君 終わります。
○委員長(浜本万三君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(浜本万三君) 速記を起こしてください。 本件に対する質疑は以上で終了いたします。 —————————————
○委員長(浜本万三君) 次に、小委員会の設置に関する件を議題といたします。 育児休業制度等について調査検討するため、小委員十三名から成る育児休業制度検討小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜本万三君) 御異議ないと認めます。 つきましては、小委員及び小委員長の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜本万三君) 御異議ないと認めます。 それでは、小委員に小野清子君、尾辻秀久君、清水嘉与子君、西田吉宏君、前島英三郎君、糸久八重子君、日下部禧代子君、深田肇君、木庭健太郎君、沓脱タケ子君、乾晴美君、勝木健司君及び西川潔君を指名いたします。 また、小委員長に小野清子君を指名いたします。 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及びその補欠選任並びに小委員会から参考人の出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十五分散会