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118回国会参議院1990/06/13

災害対策特別委員会 第4号

発言数
168
登壇者
27
会派数
6
開催日
1990/06/13

会議録

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○委員長(佐藤三吾君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。

守住有信自由民主党

○守住有信君 自民党の守住でございますけれども、きょうは委員長さん初め、理事の方々で順番を差し繰って早目にしていただきまして、まことにありがとうございました。一言だけ質疑に入る前に御礼申し上げます。  そこででございますが、去る一月十七、十八日の両日、当委員会の委員派遣で、私の郷里でもありますところの熊本県の阿蘇山の中岳噴火に伴う被害状況の現地視察に行ってまいりました。このことにつきましては、当委員会委員長の方から派遣報告という形で既に政府側にもお示しが出ておるところでございます。  御承知のように、阿蘇山は東西十七キロメートル、南北二十五キロメートルの大カルデラ内に十余の火山を有する複式火山でございまして、これまでも大規模な爆発を繰り返してまいりましたが、昨年の七月に四年半ぶりに中岳が噴火いたしまして、多量の火山灰や噴石を放出し、これが雨と重なりまして黒灰色のヘドロとなりましてあらゆるものに付着をいたしまして、農作物を初め道路やその他の施設、山林原野などにも大きな被害をもたらしております。御承知のとおりでございます。さらに、その後本年に入っても、調査後、四月二十日に大爆発を起こしました。昨年末までで既に五十回もの爆発を繰り返しまして、降灰被害は深刻な状況となっておりますが、さらに問題なのは、これが継続をしておる、いろんな観測から見ましても長期化する可能性がある、こういうことでございます。  降灰のことを私の郷里熊本ではヨナという独特の名称で呼んでおりますが、こうした全国にはない独特の名称があるということも、実は大古の昔から悩まされてきたゆえんではないか、こういうふうにとらえておる者の一人でございます。  ところで、阿蘇中岳の噴火に伴う被害状況、とりわけ最も被害の大きい農作物や林地の荒廃などの被害は、既に衆議院の災害対策特別委員会でも御論議が重ねられておりまして、その会議録を見ますと、時間の関係で私の方から申し上げますが、熊本県で約五十七億円余、お隣の大分の竹田盆地などで一億四千万円余、宮崎県で、恐らく高千穂だと思いますが、約六千万円と御回答の中で出ておるところでございます。いまだこれが継続をいたしておりますために、もっともっとこれの被害金額等はふえていくんではないか、このようにみんな見ておる次第でございます。  衆議院のさきの御論議を通じましても、その中で特に農業共済制度で除外されております被害救済の方途、いわゆる露地野菜の問題、それから雨よけ施設がこの対象になっていないということにもこの農業共済制度のいまだ足らざる側面を示しておるのではないかと思うわけでございます。これは共済でございますから保険数理という理論でございますので、種々の角度から御検討のようではございますけれども、統計分析も含めて今後結論が出るのには相当時間がかかるんじゃないか。また、火山降灰というのは鹿児島、熊本あたりの桜島、阿蘇山、一部のものでございますから、保険数理というのは全国的な数字が基盤になって可能になるわけでございます。したがいまして、保険数理によるところのこの共済制度は、希望はして要望はいたしましても、果たして本当に実現できるのか、これに非常に私は危惧を持っておりま す。そういう場合、それの結論が出るまで、議論だけではなくて、検討だけではなくて、共済制度でない何らかの応急的な方策が私は必要ではないか、このように考える次第でございます。  この共済制度、私が思いますのに、これはすべての問題につながるわけでございますが、台風その他風水害など、これもまことに不幸な災害でございますけれども、全国至るところで毎年と言ってもよいほど発生しますために、その被災地あるいは被災者対策といったものにつきましては、いろんな制度あるいは運用面で相当幅広く配慮がなされておるというふうに地元の諸君からもいろいろ聞くわけでございます。風水害など他の対策、制度、救済、そういうものと比べて、地域が限定されておるので全国的にレアケースでございます。こういうことからもこういう点を私は非常に痛感いたしますし、地域のリーダー諸君もそういうことを非常に指摘しておる、こういう次第でございます。  したがいまして、今申し上げましたように、共済制度の検討論議以外にも、応急的な緊急的な救済策、あるいはまた、当委員会の報告書にも指摘されておりますように、この降灰、ヨナに強い農政、いろんな自由化問題に対応しましていわゆる構造変革といいますか構造改革、こういう形で全国的な問題はお取り組みでございます。具体例を挙げれば、例えばこの間のオレンジ自由化に伴いまして廃園対策、転換ということがございました。ここも同じような物の見方からいわゆる降灰に強い農業の方式、これに転換していかないと毎年また起こる。桜島も同じでございます。このような角度からの考え方、やり方、廃園対策で三十万円も一反当たり出ましたけれども、それで転換させていく、降灰に強い農業方式をとっていく、こういうとらえ方を私はしております。  こういう点につきまして、入り口論、大局論として、どのような構想、物のとらえ方、考え方で既にお取り組みだろうかということをまず農林省の責任ある関係の方からお聞きしたいわけでございます。

窪田武農林水産省構造改善局農政部農政課長

○説明員(窪田武君) 先生御指摘のとおり、阿蘇火山の活動につきましては大変活発化しておりまして、その降灰による周辺地域の農作物への被害が非常に大きくなってきておるところでございます。  その地域におきます活動火山対策特別措置法に基づく防災営農施設整備計画というものがございまして、これにつきましては、関係知事が関係市町村、農業団体等の意見を聞いた上で防災営農施設整備計画を作成しまして、これを農林水産大臣が承認することになっておるわけでございます。  その中身は、ただいま先生が御指摘になったように、まず土壌の矯正とか、あるいは降灰防止のためのいろいろな施設の整備事業とか、あるいは灰に強い作目への転換のための事業とかいうものを総合的に行うということにしておる事業でございます。これにつきましては、現在、関係県におきまして、被害状況を踏まえましてその防災営農施設整備計画の作成作業を行っている段階であるというふうに聞いておるところでございまして、私どもといたしましては、その計画の提出がございますれば、関係のいろいろな判断をしまして総合的に対処してまいりたいというように思っているところでございます。

守住有信自由民主党

○守住有信君 その中で、恐らく熊本県からもいろいろな角度からの、私もいろいろ物を申しておりますので、そういう計画が上がってくると思いますけれども、例えば土壌の問題、酸性化しておりますので上土を取り除きまして、新しい生産性の高い良質の土地に、いわゆる土地改良事業、こういうふうな仕組み、発想が非常に重要になってくるんじゃないか、こう思うわけでございます。  また、具体例で細かいことかもしれませんが、今のビニールハウスはあれはヨナがひっついてなかなか下へさらさらと落ちぬわけです。これが雨が降ってべたっとひっつきまして日照不足とかいろんな問題が出ております。ところが、最近硬質ビニールというのが開発されて、ぴんと張っておるわけじゃございませんから全部さらさら落ちるわけじゃありませんけれども、相対的に見て非常に効率がいい。しかし、これは三割ぐらい高い、こういうことでございますので、こういう点も転換の方策としてやはり検討の中に、今政府側は県庁からのあれということだけでございますが、その中に皆さん方も私が御指摘申し上げますような点をあらかじめ早目に検討の中に入れていただきたい、こういうことだけをまず御要望申し上げます。  もう農政だけじゃございませんもんで、時間が短うございますので申し上げておきますのは、あらかじめ幾つかの点を私御指摘申し上げましたけれども、そういう点を既に検討していずれ県から上がってまいります。これは総合のやつでございますから、全体でございますから、それまでに早目早目に、衆議院でもいろいろ御指摘が出ておりますので、それを切に御要望申し上げる次第でございます。  それから、余り時間もございませんもんで、もう一つ気になることが簡易水道の問題でございます。  これは厚生省関係になりますけれども、現在の活動火山対策特別措置法、これには簡易水道の問題が入ってないわけでございます。なぜこれを主張するかといいますと、ヨナという言葉を使いましたが、ヨナ水という昔から使われておった言葉がございまして、阿蘇の南郷谷、阿蘇谷、いろいろ簡易水道で各町村やっておりますけれども、深くボーリングしまして地下水を使っておる簡易水道はごくわずかでございます。伏流水だとか溪谷のもともとはきれいな白川源流からの流れでございますけれども、これがヨナ水になってしまう。そして、そのヨナは小さい微粒子ですから、ろ過装置をつけましても入ってくるわけです。そして住民、それから牛馬の問題、牛、畜産の団地でございますが、それにも入ってくる。そうして昔から言葉というのはよくしたもので、ヨナ歯という、古来言い古された高森中心にそういうヨナ歯という言葉がある。これはなぜだ。歯がもろくなる。牛の歯ももろくなるようでございます。  そういうこともございますが、これはなぜまだ簡易水道施設というのがこの対策の法律制度の中に入ってないのだろうか。簡易水道の一時的な補助、助成の枠組みの中では、抜本的に全部地下水にかえてしまう、これなら大丈夫でございます、長期的な問題ですから。そういうふうな角度について御関係の責任ある省庁はどうお取り組みであろうかということを御質問申し上げるわけでございます。

永瀬誠厚生省生活衛生局水道環境部計画課長

○説明員(永瀬誠君) お話しの簡易水道につきましても活動火山対策特別措置法に盛り込まれていないのはそのとおりでございますが、その盛り込むことにつきましては、私ども、県あるいは関係町村の要望等も十分お聞きしまして、またさらに国土庁とも相談したいと思っておるわけでございます。  なお、簡易水道につきましては、水源の水質が悪化しまして飲用が困難になったというふうな場合におきまして代替水源を開発する、そういう場合に要します経費につきましては、現行の簡易水道等施設整備費がございますけれども、その中で国庫補助制度の対象としているところでございます。  御指摘の地域につきましては、現在のところでは飲料水の水質基準を超えているというような地域はないように県からの報告を受けておるわけでございますけれども、なお必要に応じまして、県あるいは町村から十分聴取いたしまして問題なきよう適切な指導をしていきたい、こういうふうに思っております。

守住有信自由民主党

○守住有信君 水俣病のような化学物質ではございません。これは自然の、地球の中にあるマグマが噴出してくるわけでございますが、健康にあれでなくても非常に長い間の、これは実験するといいましても長い間の調査が必要でございます。ところが、古来からヨナ歯と言われまして、そういうあれが現実にあるわけでございまして、その辺 のところも十分認識を持っていただきたいし、従来の簡易水道の補助事業は補助率が相対的に低うございまして、やはりこういう特別措置、こういうもので特別な配慮がこういう火山周辺地域には私は要るんだと。従来の制度があるから補助率が何ぼかもう時間がないから聞きませんけれども、その辺もひとつ、しかも飲料水というのは非常に長い人間の一生、子々孫々にまで影響する問題であるということを痛感しておる者の一人でございますから、従来の補助制度があるからこうだとかということでなくて、そこはひとつ抜本的に掘り下げて、長期を展望して御考究いただきたいということをお願い申し上げておきます。  そのほか私が気にしておりますのが、ついおととしですか、緑川水系で大水害がございまして、九地建のプロの方々の調査によると、あの水の量がもし、阿蘇山はちょうど手のひらのようになっておりますので、白川一本で外輪山から出ていきます。そこで、かつて昭和二十八年でございますか、有名な熊本市の大水害があって市内までヨナ泥土、ヘドロでいっぱいになったわけです。こういうあれがございますので、いろいろお聞きしますと、山の方は林野庁が治山ということで、そうして河川の方は河川局、積極的にいろんな方式を現在もお取り組みで、平成元年さらには二年度、こういうことでお取り組みのようでございますが、その辺のところを林野庁あるいは建設省河川局の双方から正確にお知らせをいただきまして、そしてまた防災の日もございますので、阿蘇郡の諸君たち、あるいは熊本市にもこれは影響するわけでございますので、熊本市民の諸君にもいろいろNHKやマスコミ等を通じて私は啓蒙運動をやっていこう。かつての昭和二十八年の大水害はもうみんな忘れております。そしてまた若い連中が生まれておりますからよう知らぬ。そこをNHK、公共放送らしく昔のニュースを出して、そして今各省庁がこのように取り組んでおる、こういう考えを持っておりますので、どうかお聞かせをいただきたいと思います。

弘中義夫林野庁指導部治山課長

○説明員(弘中義夫君) 阿蘇火山活動に伴います山地災害の未然防止につきましては、従来から民有林補助治山事業あるいは直轄事業によりまして計画的に治山事業を実施してきたところでございます。特に昨年七月からの火山活動に伴います泥流対策といたしましては、昨年十二月に、平成元年度の熊本県の治山事業実施計画を見直ししまして降灰地域に治山ダム二基を追加実施したところでございます。  また、平成二年度におきましては、通常の治山事業を計画的に実施しますほか、梅雨時期に降雨によりまして堆積した降灰が下流の人家あるいは公共施設等に被害を与えるおそれがございますので、緊急に復旧整備を要する箇所につきまして災害関連緊急治山事業を実施しているところでございます。この災害関連緊急治山事業につきましては、十六基の治山ダム、事業費約六億三千万円の工事内容となっておりますが、さらに四月二十日の噴火降灰に伴いまして、急遽新たに三基の治山ダム、事業費一億六千五百万円の追加実施を決定したところでございます。  今後とも、現地の状況等を踏まえまして、適切な措置を講じ、山地災害の未然防止に努めてまいりたいと考えております。

豊田高司建設省河川局開発課長

○説明員(豊田高司君) この白川流域は、従来より出水のたびごとに大変な被害を生じておりました。したがいまして、早急に抜本的な対策を行うことが必要でございます。このために、下流基準地点の代継橋というところで、基本高水流量を毎秒三千四百立方メートルから三千立方メートルに減らすという治水計画を立案いたしまして、ダム地点で洪水を防ぐということにいたしました。このダムは立野ダムと申しまして、この白川の洪水防除を目的とする治水ダムでございます。  このダムは、昭和五十四年度から実施計画調査というものに入りました。昭和五十八年度から建設事業に着手いたしまして、現在鋭意工事を実施中でございますが、その工事の内容につきましては、現在工事用道路を鋭意実施中でございます。平成二年度につきましては、引き続き工事用道路を推進していきたいというふうに考えております。  なお、補償問題につきまして若干残っておりますが、今後とも地元の公共団体等の皆さんの御協力を得まして、できるだけ早く本体着工にこぎつけたいと思っておりまして、それまでにこの補償問題を解決するよう精力的に努力、調整を図ってまいりたい、かように考えております。

守住有信自由民主党

○守住有信君 今最後のところ、立野ダム、防災ダムという構想に非常に感銘深く、かつての二十八年の大水害の体験を熊本市内でしておりますので、そうして自然性格的に見てあの大カルデラに降った豪雨とこのヨナの塊が一緒になって来るだろう、こういうふうな私は予感をしておりまして、ところが物すごい計画で努力をしておられます。  あそこの立野、白川と黒川の合流点、実を言うと私の親戚が戸下温泉というのをやっておったわけでございますが、熊本市民を守るためにもう旅館、ホテルをやめなさいということで、これは皆さん方のいわゆる阿蘇を守り、熊本市民を守るためだ、先祖以来、旅館、ホテルをやっておりましたけれども、先祖はもって瞑すべしになりますよと言って、これは真っ先に協力いたしましてとっくにばらしておりますけれども、今お話しのように、どうもまだ一軒だけ旅館さんがあるようでございます。  この長陽村でございますが、長陽村だけでなくて、この阿蘇のヨナと水害、これを結びつけて、阿蘇の町村自体もあるいは熊本市も、実は熊本市民を守るためにもなるわけでございますから、そういう私は世論を巻き起こす、このように思っております。地権者を取り囲んで、よく大都会の土地はだれのもの、こういうことを言われるわけでございますけれども、そういう考え、動きを示そうと思っておりますので、ひとつ出先の方の方々あるいは熊本県あるいは阿蘇郡の町村長さんのいろんな陳情もあると思いますが、その機会に積極的な地権者の説得を、私もやりますけれども、皆さん行政の方からもよろしくお願い申し上げる次第でございます。  阿蘇の問題とはちょっと離れますけれども、集中豪雨、地崩れ、山崩れ、山津波、これの警報、予報ということについて前から関心を持っておりまして、センサー機能と通信電波とコンピューターと警報装置、自動化システムといいますか、そういうことについて建設省、林野庁あるいは科学技術庁の方でも基礎的なもの、こういうことをお取り組みのようでございます。  そして、今パンフレットを拝見したんですが、建設省の方では地すべり監視モデル事業、林野庁の方では総合土砂災害対策モデル事業、こういうものの中でそういうコンピューターや通信やセンサー機能、いろんな測定の機器を結びつけまして住民にいち早く警報を発する、こういう仕組みだと理解しておりますが、こういう点について、これは国土庁長官が国土の調整と同時に防災推進の最高の責任者でいらっしゃいますし、かつては政務次官もなさいましたり農水大臣もやっておられるこういう大臣から伺いたい。  これは一つの例でございますが、こういう予知というもの、火山予知、地震予知は非常にあれしておりますけれども、山津波等の事故で年間何ぼ死んでおるか。財産の損壊もあります。そしてまた、今度は損害賠償請求といって国に対してこれは訴えるわけでございますので、そういう点もあわせて、いろんな仕組み、我が国の科学技術の能力、その実用化、応用化、そういうことについて政府委員から、それから最後に佐藤国土庁長官に。  山を守ることは必要ですけれども、どうしても集中豪雨のある日本の列島でございますから、これはもう逃げるしかない。ところが逃げおくれる。それをいかにして十分でも三十分でも一時間前でも警報を出すか、時間がありませんのでゆっくりしゃべれませんけれども、そういう私は関心を持っておる。まして私も通信をやっておりまし たし、コンピューターとか特にCアンドCアンドCと言われておるもの、コントロールセンサー機能と結びつける、こういうことに関心を持っておりますので、ちょっとだけ申し上げましたけれども、それぞれ林野庁と建設省でお取り組みですし、さらに国土庁防災局という全部のまとめ、推進役であるわけでございますので、まずは政府の方々からそれぞれのお考えをお示しいただきたいと思います。

市川一朗国土庁防災局長

○政府委員(市川一朗君) ただいま先生から御指摘ございましたように、私ども災害対策といたしまして基本的に考えておりますのは、災害が起きました場合に被害が大きくならないようにあらかじめいろんな予防対策を講じておく。それはいわゆる国土保全事業も含めまして治山治水事業等が中心になるわけでございますが、それ以外のことも含めましていろいろと予防対策を講ずる。それから、一たん災害が起きました場合に、その災害の被害ができるだけ大きくならないようにということでいろんな災害応急対策、あるいは被害者等が出ました場合の救済対策も含めました応急対策、こういったことが重要であるというふうに考えております。  それにあわせまして、もう一つの大きな柱といたしまして、ただいま御指摘にありましたように、災害を事前に予知するということは、被害を小さくとどめるという意味におきましても、あるいは万全の対策を講ずる上におきましても極めて重要であるというふうに認識いたしておりまして、それぞれの災害の特性に応じましていろんな対策を講じておるわけでございます。  風水害等の問題に関しましては、いわゆる気象情報を中心といたしました観測体制の強化と、それが最終的に各地域の住民に伝達できますような通信体制の充実といったようなことが課題だと思いますが、それは現時点では我が国は世界の先端を行くほど進んでおるというふうに思っておる次第でございます。  そのほかに、ただいま問題になっております火山の噴火の予知の問題もあるわけでございます。それから地震の予知の問題もあるわけでございます。それぞれの関係省庁あるいは専門の学者の方々のお集まり等もいただきまして、火山噴火予知に関しましては火山噴火予知のための研究体制をいろいろと講じてございますし、それから地震予知に関しましてもいろんな角度から各関係機関を通じましてやっておるわけでございますが、何といたしましてもそういう災害対策の大きな柱でございます。そういう観点からいいますと、まだまだ取り組まなきゃならない課題も非常に多いということで、現在いろいろと取り組んでおるというのが私どもの基本的立場でございます。

五十嵐武建設省河川局砂防部傾斜地保全課長

○説明員(五十嵐武君) 建設省の所管いたします地すべり、それからがけ崩れ、土石流などの土砂災害の危険箇所は全国に約十六万カ所ございます。最近非常に全国的に頻発いたします土砂災害の現状にかんがみまして、従来防災施設によりますハード対策のみならず、警戒避難体制等のソフト対策を組み合わせた総合的な土砂災害対策を現在鋭意進めているところであります。  昭和六十年度に建設省で民間と共同開発を行いました土石流発生監視装置、さらには昭和六十三年度に地すべり自動観測システムを開発しておりまして、現在これを現地に試験的に施工する総合土砂災害対策モデル事業を全国各地で実施いたしております。  土砂災害の予知、予測は非常に難しい面もございますが、建設省といたしましては、土木研究所において鋭意調査研究を続けておるところであります。今後とも、現地におけるこれらのモデル事業を踏まえて調査研究を実施し、警戒避難体制の整備のための施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。

弘中義夫林野庁指導部治山課長

○説明員(弘中義夫君) 林野庁におきましても、災害の予知につきましては非常に重要なことと考えておりまして、全国で山地災害危険地区が約十七万六千カ所に及んでございますが、これを全部について装置をつけるということはなかなか大変なことでございますが、順次山崩れ発生予知装置等を整備するという考え方から、現在地域防災対策特別整備治山事業を実施しているところでございますが、今後ともこれの拡充に努めてまいりたいと考えております。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。  実は地震予知に関しまして大切なことは三つあると思います。一つは機械をどう整備するかという問題、それからもう一つはその機械を扱う専門家をどう育成するかという問題、それを見て、その資料に基づいてどうそれを判断するかという能力の問題、この三つが整わないといい予知はできない、こういうふうに思っているわけでございます。  政府としては、今各省庁が答えましたが、各省庁におきまして整備に全力を挙げて取り組みたい。そして少なくとも今先生の御指摘のように、予知を早くしまして、まず第一に人命の被害を少なくするということです。今おっしゃるとおり、十分か二十分で非常な差があるわけです。そんなことでございまして、少なくとも予知をより早くする。そして少なくとも基本的には人命の被害を少なくし、またその他物的損害も少なくするというようなことで全力を尽くしているわけでございます。どうぞよろしくお願いします。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 国土庁長官の所信表明をお聞きいたしまして、一つだけとても残念なことがございます。雪害対策について言及がなかったことでございます。  政令に基づく豪雪地帯は二十四道府県にわたり、九百六十五市町村に及んでおります。その面積は二十万平方キロメートル、国土面積の五二%に及ぶ地帯が豪雪地帯と指定をされております。中でも、全県地域指定は十道県に上り、九百六十五市町村のうちの二百八十市町村が特別豪雪地帯の指定を受けています。特別豪雪地帯というのは、豪雪地帯の中でも特に生活を直接脅かすほどの豪雪があるという地帯が指定を受けているところでございます。  私の住む新潟県は全県域が豪雪地帯として指定をされておりますし、住まいがあります小千谷市におきましては、新潟県の中でも特別豪雪地帯の指定を受けているわけでございます。住んでみればわかりますが、大変厳しい自然状況のもとで、政治、経済、教育、文化などあらゆる分野にわたり大きな影響を受け、無雪地帯との格差というのは本当にはっきりしていると思います。その格差の解消を私たち豪雪地帯に住む者は強く願っております。  毎年発生する雪崩の犠牲者が後を絶たない、屋根の雪おろしをする人たちが転落死する、道路除雪機に子供たちが挟まれて死ぬ、こんなような事故が相次いでいます。ニュースを聞くたびに胸が痛みます。しんしんと降り積もる雪に柱がぎしぎしときしむ音に夜たまりかねて屋根に上がって雪おろしをしなければならないような状況を皆さん想像してみていただきたいのでございます。柱がきしむとき、屋根に上がればもう三メーター以上の雪が降っています。朝まで頑張って、掘って掘って掘り続けて屋根の雪がなくなる、ああやっと終わったかなと思って見ると、もう一番最初に掘ったところには一メートル余りも降るというようなこういう経験をする。これはもう私たちのような豪雪地帯に住む者でなければわからないと思います。  雪は白くてきれいだと言いますけれども、のしかかるように降ってくる雪、上を向いて見るとき、真っ黒に見えます。黒い雪と私たちは言っています。それほど降るときはすごい雪が降ってくるんです。特に五十六年の豪雪はすごかったです。屋根に上がるのに、はしごも何にも要らないんです。屋根の周りにある雪の上から屋根の上に飛びおりて、屋根の雪を今度は掘り上げるという作業、こういうことを一週間続けてやりました。それから五十九年から六十一年にかけても豪雪の時期がありました。  幸い、ここ三、四年少雪ということで、私たちも大変暮らしやすい冬を送っているわけでござい ますけれども、何とかこの豪雪地帯でもう少し住みやすい方法はないものだろうか。ここを逃げ出してしまえば問題は解決するわけですけれども、私たちは故郷を愛しています。ここにずっと住み続けたいと思っているんです。  今、ソビエトなどでは降雪を制御するようなシステムが開発されているやに聞いておりますけれども、日本におきましてそういう技術の開発研究に取り組んでおられるかどうか、そういう事例があったら教えていただきたいと思います。

岡崎俊雄科学技術庁研究開発局企画課長

○説明員(岡崎俊雄君) 先生今御指摘の積雪地帯、特に豪雪地帯におきます雪害対策というのは大変重要な問題だと科技庁も認識しておりまして、防災科学技術研究所というところが長岡とかあるいは新庄に支所を設けましてこの雪害対策にかねてから取り組んできておるわけでございます。そういった雪害対策の関連の一環としまして、降雪制御という問題につきましても今後の雪害対策の重要な一つの研究課題ではないかという認識を持っているわけでございます。  こういう観点から、科学技術庁に実は科学技術振興調整費という、関係各省が協力して取り組むような調整費制度を持っているわけでございますが、この調整費を活用いたしまして、昨年度から防災科学技術研究所あるいは気象庁の気象研究所など関係機関の御協力をいただきまして、降雪機構の解明と降雪雲調節の可能性に関する基礎的研究、こういった題目によりまして、今先生御指摘の降雪制御の可能性が果たしてできるかどうかということにつきまして実は研究を開始したわけでございます。  ただし、なかなか難しい問題がございまして、先生も御承知のとおり、我が国のような非常に複雑な地形のようなところでこういった降雪制御ができるかどうかということを検討いたします場合には、まず降雪が発生するメカニズム、特に降雪の雲の様子というものを十分解明しないと始まらないとか、あるいは降雪雲を調整いたしました場合に周辺の地域に対してどういう影響を与えるか、こういった問題について幅広く検討しなくてはならないということであろうかと思います。したがいまして、この調整費を活用しまして始めましたこの研究の成果を踏まえながら、関係省庁の御協力もいただきながら今後進めてまいりたい、このように考えているところでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 今の研究開発のことですけれども、青森県で実際にもう始まっているというふうに聞いていますけれども、これは科学技術庁の管轄ではなくて、全く民間レベルで行われているということでしょうか。  そしてもう一つ、今、振興事業としてやっているということですけれども、毎年の予算づけはどのぐらいになっておりますか。そして、その技術が開発されて研究が完成するのにおよそどのぐらいかかると思っておられますか。

岡崎俊雄科学技術庁研究開発局企画課長

○説明員(岡崎俊雄君) 先生御指摘の青森県におきまして、青森県が中心となり、あるいは青森県の民間団体が中心となられまして降雪制御に関して研究を開始され、あるいはその過程でソ連との研究の協力の可能性について今検討が進められているやに聞いております。ただし、先ほど申し上げました振興調整費によります研究は、やはり我が国の地形あるいは我が国の降雪のメカニズムという基礎的な研究をまずきちっと進めるべきであろう、こういう観点から私どもは進めておるわけでございます。もちろん青森県が進められようとしておられます点等も十分関心を持って見てまいりたいとは思っております。  二番目の御指摘の研究の費用でございますけれども、私どもの調整費、昭和六十三年度は約一億二千万円、平成元年度につきましても同じ一億二千万円程度、それから今年度、これは実はまだ確定しておりません。これから具体的な研究計画を詰めてまいりたいと考えております。先ほど申し上げた数字で、そのうち幾つかのテーマが入っておりますので、降雪だけをとりますと約七、八千万と御理解いただいていいかと思います。ただし、これは先ほど申し上げましたように、まだ基礎的な研究の段階でございまして、今直ちにこの成果が実用につながるということではございませんので、残念ながら今の段階で実用化にするにはどの程度の予算の規模が要るかということをはじき得る段階にはまだ至っていないというのが実情かと思います。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 ソビエトで既に開発されて実施されているものが、日本でまだ開発研究がなされていないというのはちょっと信じがたいことでございます。これだけ日本の先端技術というものが進んでいて、コンピューター化もされておって、どこに山があって川があってというようなものもすぐに打ち込めるわけですよね。そうした中で、研究を進めていっていただくのにぜひ前向きに取り組んでいただいて、できるだけ早い時期にそういうものができるように、そしてスキーがしたいところには雪を降らせる、そして雪の要らないところには雪が降らないようなそういう快適な住まいができるようになったら私たちは本当にうれしいと思います。ぜひお願いをいたします。  さて、それまでの間でございますけれども、私たちは長い間、所得税の豪雪控除制度を創設してくださいということで、関係省庁にお願いしてきているところでございますけれども、まだ残念ながら実施に至っておりません。私たちが税制として特別優遇を受けているものに地方交付税の算定における寒冷地の補正であるとか、あるいは固定資産税の家屋評価の積雪寒冷補正であるとか、所得税における屋根雪処理の雑損控除、これは人夫を頼んだ人にだけ適用される雑損控除なんですが、こういうもの。あとは住宅をつくるときに雪国にだけ地上から何メーターまでは優遇するというようなことがある住宅控除、こういう税制の面の控除、優遇措置というものはあるわけでございます。  先ほど言いました屋根雪処理に対する雑損控除などというのは非常に予盾をしています。よその人を頼んで掘っていただいて、領収書をいただいた者にだけ控除される、自分のうちでお母さんが一生懸命掘る者に対しては何の控除も受けられないということでございますので、この豪雪地に住む者たちに一律に所得税を課税するときに特別な控除制度みたいなものをつくっていただけたらと本当に長い間思っているわけでございますけれども、担当しておられる方に御返事をいただきたいと思います。

長野厖士大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(長野厖士君) 豪雪地帯の地域的条件を考慮して特別控除をというお話がかねてからございますが、地理的条件あるいは社会的条件といったものを税法上しんしゃくするというのは、実は客観的な基準とかそれぞれの立場がございましてなかなか難しゅうございます、率直に申し上げまして。雪が大変という地域もございますし、雪はさほどではないけれども非常に寒くて暖房費がかさむという地域もございます。台風がよく来るとおっしゃられる地域もございます。そういう災害はないけれども、おかげで人が密集しているから家賃が高いので家賃減税をしてくれというお話もございます。こういったものを整理いたしまして、一つ一つしんしゃくしまして税法上当てはめていくということは大変難しいことと思っているわけでございます。  ただ、ただいまのことは、特別控除という形は税法上考えにくいということでございまして、既に先生も御指摘になられましたけれども、税の仕組みの中で豪雪に伴う経済的負担というものがしんしゃくできるような仕組みの中にはすべてそれを取り込みまして、雑損控除でありますとか、ただいま御指摘にございましたような点をもろもろ措置してございます。  矛盾があるとおっしゃられていた点は、実は所得課税の基本的な矛盾点の一つでございまして、人を雇わずに二倍働いた場合と、人を雇ってそれに対価を支払った場合、対価を支払うと所得というのは少なくなるという仕組みがございまして、実は大変所得税のつらい矛盾点を御指摘いただいたわけでございますけれども、事、所得を把握して課税するという仕組みの中では、対外的に支払 いが行われたか否かということがどうしても制度として入ってこざるを得ないということは申し上げさせていただきたいと思います。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 わかるんですけれども、ちょっとやっぱり矛盾をしていますよね。自分のところでも雪おろしをして、みんなそれで何とか自分のうちを守っているわけですから、そのことに対してある者は控除を受けられて、ある者は受けられないということ、これはやっぱり矛盾だと思いますね。そういう点の改正をこれからやっていただきたいと思いますし、私たちもまたどういう形で行ったら納得いくことになるのか、もう一度研究はいたしますけれども、関係市町村、豪雪地域になっておる関係県からは要望が出ておるんです。陳情も毎年来ます。だから、長い間五二%の国土の人たちがそう願っているということをぜひ頭に置いていただいて、前向きに取り組んでいただきたいと思います。  それでは、その次に地震のことにちょっと触れさせていただきたいと思います。  十八省庁で運営をされていると言われます中央防災会議というところがございますけれども、六十三年の六月、地震防災対策専門委員会で中間報告をまとめてあります。それをもとに、今南関東大地震を想定する中で震災の応急対策活動要領をつくり上げております。防災に万全を期しているというふうにお話を聞きましたですけれども、海溝地震の起こる確率というんでしょうか、マグニチュード八、さきの関東大震災に匹敵するような地震はあともう百年から二百年後であろうというそういう中間報告がなされているわけでございます。直下型地震においては、マグニチュード七クラスの地震は今後十年ぐらいの間に発生する可能性があるというふうにその報告書で述べられていますが、この十年以内にマグニチュード七ぐらいの地震が起こる確率というのは大体どのぐらいでしょうか。

市川一朗国土庁防災局長

○政府委員(市川一朗君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘ございましたように、昭和六十三年六月に中央防災会議の地震防災対策強化地域指定専門委員会というところで一つの中間報告を出されておられます。そこで今先生がお話しになった内容の報告がなされておるわけでございますが、南関東地域におきましてM八クラスのいわゆる巨大地震ではないM七クラスの地震で、いわゆる直下型地震というものの発生の可能性がある程度の切迫性があるということは指摘されておりますが、それにつきましてどれぐらいの確率であるかどうかにつきましては、この専門委員会のメンバーの先生、二、三人の先生方がそれぞれのお立場でいろいろ研究なさいまして、データ等を計算したとかそういったような例はございますけれども、この専門委員会のいわばほとんどの方が一致した形で十年以内にどれぐらいの確率で起こるかとか、そういったようなことで出されておるものは実はございませんものでございますから、私どもといたしましては、ある程度の切迫性があるということを前提といたしまして、現在対策に取り組んでおるというのが実態でございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 地震の予知等につきましては、衆議院の災害特別委員会でも、あるいはまたさきの参議院の予算委員会においてもかなり論議がされておりまして、研究開発は行われているということでございますけれども、私たちは本年の三月二十二日、ここの災害対策特別委員会で静岡県の防災研究所、東海地震対策の実施状況を視察することができました。一八五四年に安政の東海地震が起きて百三十年を経過している中で、近い将来この駿河トラフでも大規模地震の発生する可能性が極めて強いというお話を聞いてきたわけでございます。さまざまな防災政策が行われているわけですけれども、職員の説明の中に、地震は予知さえできれば被害は最小限に、そして死者はゼロに抑えることができる。先ほど大臣のお話の中にも、予知さえ可能であれば被害は最小限に食いとめることができるというそういうお話があったわけでございます。  地震の予知はとても困難というふうに、しかも直下型の場合は特に困難ということは承知をしておりますけれども、地震予知関連予算の少なさというのにもう本当に驚いています。一九七六年に二十三億円であったのが、一九七八年、これは大規模地震対策特別措置法の制定とともに予算が大幅にふえたわけでございますけれども、このとき五十八億円にふやしていただきました。しかし、その後はずっと横ばいで、ことし一九九〇年の予算では六十一億九千二百万円にとどまっています。  今国会の予算委員会において國弘正雄議員がこの件を取り上げて、関係六省庁に質問をいたしておりますけれども、各省庁とも答弁の中で予算が十分であると言った人はなかったように私は記憶しています。与えられた予算の中で精いっぱい努力をしていますというふうに聞こえました。また、橋本大蔵大臣はこの國弘さんの同じ質疑の中で、予算が決定される中において各省庁の要求に沿ってまとめられた予算である、各省庁の予算に希望どおりに沿ってまとめ上げられた予算であると、そういうふうに言っているんですけれども、だとするならば、研究に使うだけの十分な予算要求をされたならば、それは大蔵大臣のこの発言からすれば当然認められているわけでございますね。もちろんその予知予算関係だけでなくて消防庁の予算も百四十五億四千百万円、これは過去と比べてもうマイナスですよね。防災関連予算全体にしても二兆八千億円、防衛費が四兆二千億円に及ぶという今のこの時代に、戦争によって死ぬ人は全くゼロですよね。戦後四十五年間ゼロだったですよ。自然災害によって死んだ人たちは何人あると思いますか。三万八千三百三十七人、全くの自然災害だけです。こうした人命が奪われている。  この防災に対する基本的な姿勢というのは間違っていないんでしょうか。大臣、お答えいただけますか。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) お答えします。  実は私は、運輸省の政務次官を五十一年のときにやっておりました。そのときに実は先生と同じことを考えまして、気象庁の予算を十分充てんしたいということで、気象庁長官等を呼びまして一体幾ら予算をつけたらいいかと相談したことがございます。先ほど言った人と機材の問題がバランスとれぬといかぬわけですが、なかなかそれのバランスがとれない。それからもう一つは、では幾ら予算をつけて、どのように機械を整備して人を整備したら十分かという答えはないんです、はっきり言うと。そんなことでございまして、大蔵省もそのとき非常に好意を示してくれまして、言うとおり予算をつけると言うんですが、気象庁がこれで十分だと言うんです。というのは、人と機械というのは、これはバランスをとらにゃいかぬわけです。先ほど言ったようなことでございまして、仮にデータが出た場合、今度はそれを読み取る人は学識があって、経験がある人じゃないと読み取れないんです。それがございますから、実は先生の御質問というのは全くそのとおりでございますが、私は自分で十年前に十分その経験しておるわけでございます。そんなことでございまして、僕は大蔵省というのはよく予算をつけていると思います。  そんなことでございまして、先生のお答えになるかどうかわかりませんけれども、日本の地震予知技術等は世界の最先端だと思っておりまして、予算が多いか少ないかというよりか、むしろどのような成果が上げられるかというようなことに重点を置いて我々はやるべきじゃないか、こう思っておりますので、よろしく御理解をお願いする次第でございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 いろいろ今もそのことで詰めたいのですけれども、時間がないですので大変雑駁ですけれども、次に進みます。  防災白書の中で、「大規模地震から国民の生命と財産を守り、また経済・社会活動の安定性を確保するため、東京圏への人口、諸機能の過度の集中を避け、多極分散型の国土構造の形成を図るとともに」、「東京圏を多核多圏域型の地域構造に改 編する」とあります。この最初の部分の「多極分散型の国土構造の形成」というのはわかるんですけれども、後の部分が非常にわかりにくい。「東京圏を多核多圏域型の地域構造に改編する」とあるのは、これはどういうことにしようということでしょうか。

市川一朗国土庁防災局長

○政府委員(市川一朗君) ただいまの点に関しましては、必ずしも防災対策というそういう観点だけではなくして、東京への一極集中の問題等につきましてのいろんな問題点が指摘されておるわけでございまして、そういう観点から国土庁といたしまして多極分散型国土形成の促進ということもテーマに取り上げているわけでございます。  防災という観点で取り上げました場合には、特に現在、とりあえず懸念されておりますのは南関東直下型地震ということでございまして、これはいわば起こる地域がややスポット的であるといった特性がございます。スポット的ではございますが、その起こった場所につきましてはかなりの被害が生ずる、そういったようなこともございますので、一つの対策といたしまして、やはりいわゆる供給ルートとかあるいは諸機能をいろんな形で分散しておくといったようなことも必要でございますし、それから東京圏全体を考えました場合に、ある一極に集中しているというよりは、多核的な形でいろいろと配置されておる方がよろしいといったようないろいろな議論がございまして、言葉の表現としては果たして適切であったかどうかという点は、御指摘を受けますとちょっとございますけれども、そういったようなことを念頭に置きまして整理したものでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 その「多核多圏域型の地域構造」という部分について、国土庁が出しております「人と国土」の三月号の部分に少し記載があるんですけれども、「業務核都市等の整備」というところに書いてありまして、   東京圏において多核多圏域型の地域構造の形成を推進するため、NTT株式売払収入の活用等により業務核都市等の整備を積極的に推進するとともに、核都市間を結ぶ環状交通網の整備及び核都市環状帯の整備プロジェクトについて調査、検討を行う。   また、北関東地域の総合的整備の推進のための調査を行う。   (2) 三大湾地域の整備   東京湾地域の総合的な利用と保全の計画及び伊勢湾の沿岸利用計画の策定について調査、検討を行うとともに、阪神臨海地域における再開発プロジェクトの推進調整体制の整備及び事業計画推進支援方策の検討を進める。   (3) 大都市地域における大規模プロジェクト等の推進 を図っていく云々とあるんですけれども、この計画がそれに当たると考えてよろしいですか。

市川一朗国土庁防災局長

○政府委員(市川一朗君) 防災白書で表現しております「東京圏を多核多圏域型の地域構造に改編する」といったテーマにつきましては、いわゆる東京圏につきまして例えば三十キロ圏で見ました場合には、立川、大宮、千葉と、こうなるわけでございますし、それをもう少し広げますとまた八王子とかそういったようなところまで広がってまいりますが、そういったようなところにいわゆる業務核都市みたいなものをそれぞれ位置づけてつくりまして、それでいわば東京圏の中の一極集中という問題もある程度解決していこうというテーマでございますから、とりあえず伊勢湾とかそういったようなところまで広がる概念として申し上げたものではございません。大変誤解を受けた表現でございまして、いろいろ議論はあるかと思いますが、防災白書で取り上げておりますのは一応東京圏をテーマに考えておるものでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 私は次に長良川河口ぜきの質問をしたいと思いまして今の質問をしたわけでございます。  戦後二十一年から六十三年までの四十三年間で、先ほども申しましたように自然災害による死者は三万八千三百三十七名です。これは昭和三十四年の伊勢湾台風による大きな被害があったわけでございますけれども、それ以後超大型台風や大規模台風の発生がなかったこととか、あるいは治山治水等の国土保全事業の推進が行われたこと、災害対策基本法などの制定により防災関連の諸制度の整備、あるいは防災体制の充実、気象観測施設の整備、国民の防災意識の高まりとか災害情報伝達手段の発達などの普及によるところが大きいと思います。関係省庁の皆様方の努力があったものと私は思っております。  しかし、一度台風や豪雨に見舞われますと、被害が非常に続出する地域がまだたくさんあります。しかも、雨による被害、洪水、川がはんらんをして人の命が奪われるということで、水によって人命が奪われるということが非常に多いわけでございます。昨年も自然災害の中で一番多く、八十九名もの人たちの命が奪われているわけでございます。  治水事業の充実がこれからも求められるところでありますけれども、水資源公団が治水事業の一つとして建設をしている長良川河口ぜき、洪水防止のためにしゅんせつが必要である、そのしゅんせつをするために河口ぜきがどうしても必要なんだ、そういうことで今建設をされておるわけですけれども、私は現地を視察してまいりました。大変驚きました。同じ長良川流域にありながら、岐阜県に所属する海津というところの町には堤防がばっちりと築かれています。もうこれは高潮にも津波にも洪水にも絶対大丈夫という堤防が築かれています。しかし、県を挟んで三重県の長島町に入ってきますと、地盤沈下した堤防の上にかさ上げをする、わずかこれほどの幅のコンクリートの塀が一メーターほどの高さでかさ上げをされている。そうした状況のままに放置をされている。しかも、堤防をそのままにしてその長島町の下流に河口ぜきが今建設をされつつあります。これが果たして本当に治水事業の一環だとはっきりと言えるんでしょうか。

定道成美建設省河川局河川計画課長

○説明員(定道成美君) 私たち河川工事を行います場合、必ず計画高水流量という大きさを決めます。これは毎秒何トンという高水流量でございますけれども、実は昭和三十四年九月、これは伊勢湾台風でございますけれども、それから三十五年八月、それから三十六年六月……

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 そこらはわかっていますので簡単に答えてください。全部わかっています。

定道成美建設省河川局河川計画課長

○説明員(定道成美君) それで、そのときの高水が八千トンに達しました。現在もそうでございますけれども、当時の高水流量は、計画を定めて工事をしてまいりました計画が四千五百トンでございます。すると、どうしてもその差額分の三千五百トンがあふれるということになります。これでは国民の生命財産を守ることができないということで、その差額の三千五百トン分を工事するということになります。そこで、河道を七千五百トン、これは昭和四十年の工事実施基本計画で定められたものでございます。ですから、しゅんせつを行わないとどうしてもその七千五百トンが流れないということでございます。  それから、先生先ほど申されましたように、堤防につきましてはどちらかを重点的にやっているわけではございません。現在長島輪中におきましては、昭和五十七年から堤防の拡築工事を行っております。確かにまだできていないところが先生の御指摘のとおり小さいものがございます。現地では用地交渉等も、その計画の区間につきましては、ことしじゅうぐらいにはほとんど解決がつくことになっておりますので、あと堤防を広げて所定の計画断面の堤防を築造することとしております。これにつきましては、完成は今のところ地元の御理解を得つつやっているわけですけれども、先生の御指摘の長島輪中のところの堤防の拡築工事は平成六年ぐらいには概成するものと考えております。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 その長島町の町長さんにお会いをしました。河口ぜきを本当に必要と思ってやっておるんですかという質問をしました。そうしたら、せきは要らないんだけれども、堤防をつくってあげるからせきをつくれと、そういう交換条件 であったというように聞いています。せきをつくらせなければ堤防をつくる予算が与えられないと。同じ川ですよ。長良川の上流の人も下流の人も毎年洪水に見舞われるという危険を一緒に背負っているわけですよ。そういうことが本当に行政の場で行われていたとしたら全く残念に思います。  そして、実は長良川の河口ぜきなんですけれども、ここに共産党の上田耕一郎議員が質問を政府に出しているところがあるんですけれども、その質問に対して答えもいただいていますのでちょっと読ませていただきます。ずっと長いんですけれども、二の3というところだけを読ませていただきます。  「伊勢湾台風では、広大な区域が高潮の被害を受けた。長良川河口堰ができれば、揖斐川への高潮や津波の遡上をさらに激しくし、被害を拡大する危険がある。その対策はどうするのか。」という質問に対して、政府が出してきた質問の答えは、「長良川河口堰は、伊勢湾台風の時のような異常な高潮や津波が生じた場合にはゲートが全開されるので、高潮や津波が生じた場合に被害を増大させるおそれはない。」という答えをしています。  私たちは静岡の防災の設備を見に行きました。たしか大谷川と言ったでしょうか、河口水門を見てまいりました。そのときに、実地にサイレンを鳴らして水門をおろす、そういうところまで見届けてきたわけでございます。高潮、津波の危険があるときには警報が鳴って水門をおろすと言われました。でも、この答えですと、長良川河口ぜきの場合は高潮や津波が来るときにはあける、しかもそのせきには満々と水がたたえられておるのにもかかわらず、せきをあけると言われています。この矛盾は御説明できますでしょうか。

定道成美建設省河川局河川計画課長

○説明員(定道成美君) 今の先生の御指摘のお話でございますけれども、海の水が津波とか高潮で水位が上昇いたしますと陸地に浸入をします。その場合に、海岸は堤防をつくって陸地への浸入を防ぐことができますが、問題となるのは河川のところでございます。河川のところは口があいているわけでございます。そこをやるのに我々は二つの手法をとっております。  まず、河川があいていますが、海岸堤防をつくってまいりまして、そのまま同じ高さ、あるいは順番に逓減するんでしょうか、そのままずっと高潮の区間がなくなるまで同じ高さ、またそれで堤防を築いてしまうという手法。それからもう一つは、それをやっていますとずっと非常に奥まで堤防をつくらざるを得ない。そうしますと問題がありますので、海岸は高潮堤防をそのままつくる。そこで一たん水門で締め切っちゃって、海の水が陸に入らないようにする。そのかわり堤防は築かなくても済む。そういう二つの手法をとっております。  それで前者の手法、堤防をずっと大きく上までつくり上げていく手法は大体大河川、これは上から水が流れてまいりますので、閉めますと今度は自分のうちの水であふれてしまいます。これは何していることかわからないので、我々はそれを高潮堤のバック堤と言っていますけれども、ずっとこう高く、これが長良川方式でございます。ですから長良川では、河口では一番堤防が高くて、順番に中へ行くほど少しずつ低めてまいります、これは波の高さの関係もありますから。そして、川の高水流量等ですりつけているわけでございます。  大谷川の方の水門は私も五年前現地を見ておりますが、そこは水門を閉め切って津波が入ってこないようにしてしまうと。そして中の水はほとんど平生は流れておりません。ですから水門の方がはるかに地元のために効率もいいし、機能的である。これは大河川では適用できません。中小の河川に適用しております。これは例えば三陸海岸の津波を防止するところの田老町とかいうところでも、全部河川沿いに水門をつくっておりましてやっております。あるいは東京湾におきましてもところどころによく大きな赤いゲートが見えますけれども、あれは全部高潮防御のための水門でございます。そういう意味で、中小的なところにつきましてはそういう手法をとっておりまして、これは津波が来た、あるいは高潮が来たときには閉めるものでございます。その二つの手法をとっているものですから、先生の御指摘の、まず大谷川の方は水門を閉めるということは、これもまた事実のものでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 わかりました。水門を上げると、その上げた分、かさ上げになったところに高潮がぶつかった場合、それがはねのけて、長島町というところはゼロメーター地帯なんですね、そこに水が入り込むというふうに私は思います。  特に伊勢湾台風を経験した住民の方に話を聞いてきました。そのときの高潮は、橋の上のつるところがあるんですけれども、そこに水がぶつかって、その水が全部町に入ったんだと、そういう話を聞いてきたんです。だから、あげるということにとても不安があります。

定道成美建設省河川局河川計画課長

○説明員(定道成美君) 長良川河口ぜきの水門でございますけれども、これは十門ございます。これを全部上げます。それで、ゲートがございますけれども、これがおりていてこう上がるわけです。その一番下は、伊勢湾の高潮で経験しました高潮の計画の堤防以上にこれを上げることにしております。まずそれが第一点。  それから第二点の、先ほど伊勢湾の当時には橋げたが問題になったであろうと。それは、我々は三十四年当時はまだ海岸というものの概念が非常に少なくございました、高潮という堤防に対して。主に河川という概念で工事を実施していた。堤防も当時はTPの四メーター少しぐらいの高さでございました。ですから非常に貧相で、しかも波で大部分は壊れるわけですけれども、これは三面を覆っておりません、コンクリートで。ですから、当時はそういう橋が低いことと、そういうことでいろんな現象、波も水位そのものも高かったということで大災害を受けております。これはそこだけじゃなくて、ほかのところで二十数カ所長良川の場合は切れております。これが先ほどの御議論にもございました五千人の大災害を起こしたというものでございます。その翌年に海岸法が定められておりますことから、海岸のいろんな工事も進んできたというところが現状のところでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 それでは、水門を上げた状態で何メーターになりますか、一番高いところは。

定道成美建設省河川局河川計画課長

○説明員(定道成美君) 一番底がマイナス六メートルのところまで入っております。それを堤防の六・八メーター、ですからTPの六・八メーターでございます、この下が。堤防の高さ自身が六・八メーターでございますので、底をそこまで上げてしまいます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 一番下がそこまで上がるんですか。

定道成美建設省河川局河川計画課長

○説明員(定道成美君) はい、そうでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 説明をいろいろいただきましたけれども、私はどうもまだ納得ができません。この災害対策委員会で視察をして現場を見てきましたし、河口ぜきも見てきました。そういう現状の中で、治水のためと言われておるあなたたちの言い分にとても無理がある、そう思います。  私は、この計画は治水のために行われたんではなくて、さっき言ったあの伊勢湾の都市計画あるいは愛知県の都市計画、それに向けて水が必要になったんですよ、かつて。水の需要が非常に大幅に見込まれたその時期に計画を立てられておると思います。そのときに水を利用したいということでこの河口ぜきの計画が恐らく上がったと思います。  ところが、今は省エネが進んで水需要が抑えられているという状況の中で、地元の人たちが水利用だけだったらば反対だということで、反対運動が非常に大きく起こっているわけですね。その反対運動をなだめるために、そうじゃないんだと、あなたたちはもう江戸時代から、その前からずっと長い間洪水に悩まされてきたじゃないかと。その洪水を解決するんだと言われれば、地域の人た ちはこれはもう何にも言わないですよ。  ずっと長良川の上の方でウ飼いをやっている漁師さんに会ってきました。その人たちは、私たちは河口ぜきには何の関係もないけれども、河口ぜきをつくることによってアユも上がってこないし、サツキマスも上がってこなくなるだろうと。毎年一千万くらいの漁獲があるんだけれども、そのことを犠牲にしても長島や海津の人たちの生命財産が守られるならば協力をしなければならないといって、河口ぜきの建設に賛成をした。ところが、実際にふたをあけてみたらそうじゃなかった。どこに治水の利があるのだと、そういう話なんですよ。本当にみんながそう思って、上の漁師の人たちはそう訴えています。あの人たちは、自分の生活権である漁場を奪われることも覚悟で、川下の人たちの生命財産を守るために賛成をしたわけですよ。ところが、実際はそうではないのではないかと疑われているわけです。だから、そういうことが確実に判明をして、反対派の人たちがきちんと理解を得られるまでこの計画は凍結すべきだと思いますけれども、いかがですか。

定道成美建設省河川局河川計画課長

○説明員(定道成美君) しゅんせつをいたしますというのは、そのしゅんせつをいたしました結果、塩水が今は河口から十五キロメートルまで来ているわけでございますけれども、それが三十キロメートルまで及んでしまうと。塩水が三十キロまで入るわけでございます。それが堤防の下をしみ通ったりして内部の地下水を塩水化してしまうというものでございます。これは子々孫々我々としては地下水の汚染、塩水化ということはどうしても避けなければなりません。  それから、もちろんそこから上水道、工業用水道、農業用水を取っております。これが塩水化された暁には水が取れなくなる。そういうことから、しゅんせつをするということとせきを設けて塩害を防除するということは紙の裏表の関係でございまして、どちらか一方が成り立てばどちらか一方が成り立たないという関係にあるわけです。ですから、治水事業を我々は推進して、きのうおとついでしたか、地元の全消防団の方々が建設省に来られました。そういうことで、我々治水事業を推進してまいりたい、このように考えております。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 もう時間が参りましたのでやめますけれども、まだしゅんせつは行われていないわけですね。河口ぜきをつくってからやるということになるわけですけれども、その費用で私は長島町の両側の堤防をがっちりと補強してもらいたい。それをまずやっていただいて、それで必要があるなら河口ぜきの方をやったらどうですか。災害防止というならば、国土保全というならば、まずそこから手をつけなければ間違っています。何とか長官に考え直していただきたい、そういうふうにお願いをするわけでございます。お答えをいただけたらお願いします。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) お答えします。  突然の御質問でございまして、実は私、長良川河口ぜきについて全く知りません。今お話を聞きながらわかったわけなんですが、河川計画課長が答えたのが正しい答えだと思いますが、先生のせっかくのお話でございますし、一遍十分検討をお願いしたいと。私は担当じゃございませんから、検討をお願いしたい、このように考えております。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 もう時間が来ましたからやめますけれども、主計画は水資源公団がやっているんです。だから、もともとは利水の計画であったと思うんですよ。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○委員長(佐藤三吾君) 国務大臣として答弁できるのじゃないですか。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) 実は工事は水資源公団がやっておりますけれども、担当は建設大臣ということでございます。そんなことでございまして、今私が答弁したとおりでございます。

豊田高司建設省河川局開発課長

○説明員(豊田高司君) 今、大臣がお答えしたとおりでございまして、水資源開発促進法という法律がございまして、これによりまして主務大臣というものを決めます。そこで主務大臣は建設大臣であるというのが決まっております。それから、長良川河口ぜきをだれが実施するかということもあわせて決まっておりまして、これは水資源開発公団に施工しなさいということが決まっております。したがいまして、国土庁からこの二つが決められまして、その後建設大臣が水資源開発公団を指導して、それに基づきまして水資源開発公団が実際の工事を実施しておる、こういう手続に相なっておるわけでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 時間が来ましたので、終わります。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 私は、去る一月十七日、十八日の両日、佐藤三吾災害対策特別委員長を団長として一行七名、そして地元の二名の国会議員の方々の九名で阿蘇中岳噴火による降灰被害状況等の実情調査を行うために、熊本県の阿蘇町を初め高森町、大分県の竹田市、宮崎県の高千穂町を視察いたしました。その阿蘇火山を中心に、全国的な火山災害とその対策を中心に以下質問してまいります。  昨年の七月、四年ぶりに阿蘇中岳が噴火をして、十月、十一月にかけまして多量の火山灰や噴石を放出して農作物、道路、施設等に大変大きな被害をもたらしたのであります。阿蘇測候所の説明によりますと、昨年の五月から十一月までに噴出した火山灰の量は五百七十万トン、ドラム缶にして二千三百七十五万本に相当する量だということであります。特に熊本県の高森町では、五十四年の大爆発のときでも平方メーター当たり二千五百グラムであったものが、今回はその二倍以上の五千五百グラム、同町の色見地区では実に七千グラム、道路や畑などに五、六センチも積もるという降灰量を記録したのであります。  このような中岳噴火に伴う降灰被害は、熊本県を初め大分、宮崎三県に及びました。農作物、特用林産物を中心に大きな被害をもたらし、昨年十二月の時点で熊本県が十一億円、大分県が一億三千五百万円、宮崎県が六千三百万円、合わせて十二億九千八百万円の被害があると報告を受けたのでありますが、その後の被害状況はどうなっているのかお伺いをいたします。

長良恭行農林水産省大臣官房参事官

○政府委員(長良恭行君) 今お話がございましたように、阿蘇中岳は昨年七月に四年ぶりに噴火いたしまして、以後現在に至るまで噴火活動を続けておるわけですが、このために熊本県の阿蘇郡を中心といたしまして降灰による農林業関係の被害が発生いたしております。  現在までに判明いたしております農林関係の被害額でございますが、県から私どもまでに報告がございましたものによりますと、熊本県が約六十六億三千万円、大分県が約一億四千万円、宮崎県が約六千万円でございまして、合計約六十八億三千万円ということになっております。  被害の内訳につきましては、野菜等を中心といたしました農作物被害が十五億四千万円、シイタケ等の特用林産物が五千万円、農業施設が一億円、林地荒廃が五十一億四千万円等となっております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 次に、活動火山対策特別措置法によります防災営農施設の整備についてであります。  火山の噴火降灰等による農林漁業の被害を除去するための事業を行う場合、都道府県知事は、防災営農施設整備計画を作成して農水大臣の承認を受けることになっておりますが、しかし整備計画を作成できる地域は、当該地域の農作物総収入の一割以上の被害があった場合となっているために、基準に達することのできないところが出てくるのであります。そのために、防災営農計画が取り組めない状況にあります。  例えば火山噴火も、風向きによりまして、ある町または村におきましてその農家戸数の三割の農家が三〇%ないし四〇%の被害を受けるということがしばしば起こるわけであります。そういう局地的な被害が起こった場合にこういうものが見れなくなるのじゃないかという心配がありましたが、通達の内容をよく読んでまいりますと、こういうところも該当するなという気になるわけであ ります。大災害を受けたような地帯があれば、農林事務次官の通達が出ているわけでありますが、この通達では、市町村の全部または一部の地区における火山の爆発による被害が農水大臣官房長が認める基準に達しておれば整備計画は認められるというふうにも解釈されるわけであります。私はそのように解しておりますが、それでよろしいかをお伺いしたいと思います。

窪田武農林水産省構造改善局農政部農政課長

○説明員(窪田武君) 防災営農施設整備計画につきましては、先生も御指摘のとおり、知事が関係市町村長になり農業団体の意見を聞いた上で立てていただくということになっておりまして、その段階での対象の要件につきましては、先生御指摘のとおりでございます。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 次に、今回降灰の被害を受けた三県の地域は非常に似たような地域でございまして、海抜三百メーターから八百メーター、九州管内の高冷地であります。この時期は一般には野菜が非常に少ない時期でありますが、六月から十一月までは九州全体の夏秋野菜の供給地であります。そしてまた、冷涼地ですから米の質もよろしゅうございます。それから花類も最近非常にふえております。葉たばこ、お茶、それから養蚕も盛んになっております。それからシイタケ、畜産、畜産は特に牧草山野草が非常に多い地帯でございますから、畜産も非常に品質のいい牛が出てくるというような状態でもございます。  今回の噴火による降灰被害は、特に十月から十一月が激しかったわけでありますが、もうこの時期には夏秋野菜とか花卉類、こういうものは大半が終わる前でございます。特に宮崎県の場合はほとんど終わっていましたが、残っているのが被害を受けてこれだけの大きな被害にまたなっているわけです。これが仮に七月から十月ごろのような時期に降灰があった場合には、これは大被害を受けるわけであります。  今後、さらに長期化、そして断続化が予測される状態を考えますと、降灰に対応できるための営農対策をやらなきゃならぬ、このように考えるわけでありますが、例えば葉菜類から根菜類にかえていく、また雨よけをやっているのをハウスにして灰が入らない状態をつくる、こういったいわゆる防災営農体制の確立が何といってもこの地帯は必要だ、このように考えるわけでありますが、農水省はどのような見解と対応策を考えておられるのかお伺いいたします。

窪田武農林水産省構造改善局農政部農政課長

○説明員(窪田武君) 活動火山周辺地域の防災営農対策事業の方の一つのメニューといたしまして耐灰性作目等導入促進事業というのがございまして、降灰地域におきます灰に強いような作物への転換というものを推進するということにしております。  そのためにはまず第一に、計画作成の段階におきまして、関係試験研究機関等においてその地域の土質とか傾斜とか地下水とかそういう状況を見まして、当該地域に合った灰に強い作物というものを特定するのが第一でございます。  第二に、これを防災営農対策の中に盛り込みまして、作付転換のための改植とか基盤整備とか、降灰防止また除去のために必要な機械とか施設の整備を実施することを促進したいというふうに考えておるところでございます。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 考えていますということでありますが、ぜひこれは実行に移していただきたいということを要請いたしておきます。  次に、火山灰によって土質が酸化をするわけでありますから、そういう農地に対する酸性土の中和を図るための石灰の注入散布、それから土壌の中和改良をやると同時に、土壌中の成分分析をする必要があるんじゃないか。特に阿蘇一帯の畑や田んぼにはもう四、五センチも積もっているわけですから、これが入っているということは、もう土壌は相当酸化してしまっているというふうに見るわけでありますが、そういった状態を土壌分析してみる必要があるのではないか。全部やるということは大変でしょうが、抽出調査等をやって対応すべきではないか。それから、また同時に、天地返し、さっきもちょっと出ておりましたが、客土、新しい土をそこに持ち込む、こういったような適切な対応が望まれるわけでありますが、このような取り組みについてはどうされておるのかお伺いをいたします。

窪田武農林水産省構造改善局農政部農政課長

○説明員(窪田武君) 先生御指摘のとおり、土壌の改良に当たりましては、その前提として土壌成分の分析をした上でどういう措置をした方がいいのかということを講ずる必要があるというふうに考えております。  このために、防災営農対策事業におきまする土壌改良においても、農業試験場なり農業改良普及所におきまして事前に対象地域の土壌成分の分析を行いまして、その結果を踏まえまして、単に酸性土壌の矯正だけでいいという場合もございましょうし、そうでなくて、必要に応じましてバーク堆肥等の有機資材も施用する必要があるということであれば、そういうことを計画の中に盛り込んでいただいて、農作物の生育阻害を防止する等適当な措置が講じられるわけでございます。  さらに、この事業では、降灰による被害を受けやすい作物からの、先ほど転換と申し上げましたけれども、その中で土地の深耕なり整地などという措置を講じているところでございます。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 次に、農業共済制度の取り組みでありますが、現行制度では露地野菜は共済の対象になっていません。被害が一番大きいのは、露地野菜が一番大きいように見受けてまいりました。それから施設園芸は共済に入っておりますが、雨よけ施設は対象外になっている。今後これらの作物や施設についても保険制度、これは需要との関係もあろうかと思いますが、十分調査して共済制度を火山地帯についてはやっぱりつくるべきではないか、このように考えるわけでありますが、農水省の御意見をお尋ねいたします。

長良恭行農林水産省大臣官房参事官

○政府委員(長良恭行君) 農業共済制度の御質問でございますけれども、まず露地野菜の共済の制度化につきましては、私どもこれまで内部で調査研究を行ってまいったわけでございますが、正直に申しましていろいろ問題はございます。  特に露地野菜につきましては、御案内のように、天候によりまして非常に生産の変動あるいは価格の変動が大きいということでございまして、災害を受けましても価格が高騰して所得が確保される場合がある。逆に豊作のときには価格が下落いたしまして所得が確保できなくなる場合がある。こういうようなケースもございまして、災害によります収量の変動を共済事項とするにはこの制度ではなかなかなじみにくいのではないかというような問題がまず一つございます。  それからもう一つは、野菜の作付の適期というのは比較的長いものですから、ある時期に災害がございましても、再び作付いたしまして収穫を得られる場合があるというようなことがございます。そのほかにも農家の保険需要がどのくらいあるかとか、あるいは損害評価をどういう基準で適正にできるのかどうか、圃場を見てどのくらいの損害というのをできるか、そういうような技術問題がございます。  そういう状況ではございますが、私どもこの問題につきましては、なお引き続き調査なり検討を続けてまいりたいというふうに考えております。    〔委員長退席、理事山口哲夫君着席〕  それから、雨よけ施設でございますが、現在園芸施設共済で引き受けの対象となっております施設は、農作物の生育条件を一定の施設によりまして調節なり管理して栽培する施設、こういうふうになっておりまして、現在農作物を栽培するためのプラスチックハウスでありますとかガラス室は対象となっておるわけでございますが、御指摘のように、いわゆる雨よけ施設はまだ対象となっておりません。  雨よけ施設につきましては、近年施設内農作物の品質向上のための栽培施設としまして各地で設置されている状況というふうに考えておりますが、農家の保険需要でありますとか被害の発生態様等が既存の園芸施設共済の対象施設と若干異なるのではないか、そういうふうに見込まれることもございますので、雨よけ施設につきましては、 今後この雨よけ施設の設置状況でありますとか被害の発生の態様でありますとか保険需要、こういうようなことを調査いたしまして今後検討していきたいというふうに考えております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 今の問題については、私はまだ納得がいかないわけであります。  この前私ども現地に行きまして、もう悪いのは降灰のために野菜類の葉っぱが茶褐色になっている。これはカンラン、レタスの両方でございます。これは全部一反歩すき込んでしまわなけりゃもうどうにもならないから、トラクターで全部すき込んでいるわけです。本当に皆無ですから、そういうものについては調査ができないはずはないんで、調査方法等を研究して一定の、今言うように風水害などで全国的に行われるような場合とは違って、その地域というのは、鹿児島なんかもそうですが、特に常襲地域についてはやっぱりそういった共済制度を考えなきゃいかぬじゃないか。それから作物の転換も考えなきゃなりません。これはひとつぜひ今後検討していただきたい。  それからさらに、雨よけの場合、これは私もこのままでいいとは言いませんが、両側にまたビニールをかければ降灰も入らぬようになるわけです。ただ夏季から夏秋野菜ですから、上に雨よけをすることによって直射光線もある程度抑えることができる、それから外からの空気が入るために夏を越しやすい、こういうことで全面のハウスにしてないわけですから、全面ハウスのものは共済があり、雨よけにはないというなら、この降灰の場合にはすぐ横にビニールが張れるような状態のものまで進めば、これは当然共済の対象に私はすべきだと思いますが、この点についてもう一度お答えを願いたい。

長良恭行農林水産省大臣官房参事官

○政府委員(長良恭行君) 農業保険制度につきましては、全国の農家の方が保険料を掛けまして、それを基金に積み立てまして、それを被害が出た農家が取り崩すと、こういう相互扶助といいますか精神で、国が掛金の国庫負担なりいたしておりますが、基本は相互扶助でございますので、全国的に危険分散をするような需要があるかどうかというような点も大きな要素でございますし、先ほど申し上げましたような保険でございますので、適正に損害評価をいたしまして適正に支払うことができませんと、これは大きな問題になって制度自身がうまくいかない、こういう問題もございますので、私どもいろいろ難しい問題にはぶつかっておるわけでございますけれども、なお鋭意検討してまいりたいというふうに考えております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 次に、本年一月に私どもが調査をしました際に、阿蘇山の測候所長は、噴火活動は今後半年から一年続くと予測しておられましたが、この火山活動の現況はどうか、今後もまだ活動するのかどうかお伺いをいたします。

津村建四朗気象庁地震火山部地震火山業務課長

○説明員(津村建四朗君) 阿蘇山では、先ほど来御説明いたしておりますように、昨年七月から火山活動が始まりまして活発に噴火を繰り返しておりましたが、本年に入りまして、二月ごろからやや静かな状態が続いております。しかし、四月二十日に再び活動が高まりまして、この際には阿蘇山測候所では微動が急に増大いたしましたので、十四時十五分に臨時火山情報を発表して注意を呼びかけておりましたところ、約三時間後に大きな噴火をいたしまして、大きな噴石放出、それから多量の降灰がございました。それ以降、頻繁に噴火や火山灰噴出を繰り返しております。  このような活動は、当面消長を繰り返しながら続くと考えられておりまして、今後とも火山活動に警戒が必要であると考えております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 さらに、被害農家の問題にもう少し触れていきたいと思います。  今回の降灰に対しては、それぞれ市町村、農業団体等は緊急対策をしていただいて、低利資金、三%の利率の資金を融資したり、利子補給をやっているところもございましたが、さらに貸付利率を引き下げるということがやっぱりかなり長期にわたりませんと、一回被害を受けますと全滅の地帯もございますから、こういった問題についての対応をぜひ考えていただきたい。  それから、営農資金や既往資金の償還条件、これの緩和を非常に望まれていたわけでありますが、この点についても調査団の要望にもそのようなことが報告されておりますが、その後の対応と実施状況についてお聞かせを願いたいと思います。

長良恭行農林水産省大臣官房参事官

○政府委員(長良恭行君) 被害を受けられました農家の方々に対します制度資金といたしましては、私ども農林漁業金融公庫という政府関係の金融機関がございまして、そこに自作農維持資金等がございます。これらの資金は長期低利の融資でございますけれども、この融資枠の確保につきましては、被害の実情でありますとか資金需要の動向を見きわめつつ、今後とも十分協議の上、適切に対処してまいりたいというふうに考えておりまして、制度資金の融資によりまして、枠の関係で農家の方々に御迷惑をかけるようなことはないようにしたいというふうに考えております。  それから、もう一つお尋ねがございました既に農家の方々が借りておられる制度資金、これが災害によりましてなかなか返しにくいと。こうなった場合には、私ども償還条件の緩和ということで、特に償還期限でございますが、これの延長等につきまして関係方面に指示したところでございまして、今後ともこういう趣旨の徹底が図られるよう十分指導してまいりたいというふうに考えております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 次に、火山灰と水対策の問題についてであります。  これもさっきちょっと出ましたけれども、火山灰の被害を最小限度に食いとめるためにはどうしても水が必要なのであります。水で洗い落とすことがもう最大の被害対策になると思います。ところが、あの阿蘇一帯は約三割から四割近くというのは高台でございます。水が普通でも十分でない地域でもございます。それに火山が一回噴火をいたしますと、家庭の飲料水も要りますが、同時に野菜類、花卉類、茶、たばこ、桑、シイタケ、これは全部水をかけてすぐ洗い落とさなきゃ被害があるわけです。そのまま光線が当たりますと被害になっていく、こういう状況ですから、ふだんの水の三倍から四倍要るわけであります。それからまた、施設園芸などをやっているところは、これもまた全部ビニールに付着したのを洗い落とすわけであります。そしてまた、自動車も全部洗わなきゃならぬ。こういうことになりますので、水が極めて重要な被害対策になるわけであります。    〔理事山口哲夫君退席、委員長着席〕  そういった面から、水の確保対策が私は急務中の急務だ、このように思うのでありますが、農業用水の水源地を確保する、そして貯水槽などをやっぱりつくってそういった急に備えるということが大事ではないか、こういうことを考えるわけでありますが、農水省はこの問題についてはどういうふうにお考えでございますか、お伺いをいたします。

窪田武農林水産省構造改善局農政部農政課長

○説明員(窪田武君) 先生御指摘のとおり、野菜とか桑等に付着した灰の洗浄に要する水というのは相当多量でございまして、通常のケースの場合では農業用水を利用するということで対策を立てているわけでございますが、どうも利用できる用水が不足するというような場合には、この営農対策事業の中で、地下水等による用水確保のための井戸等の設備なり貯水施設なりを整備できることになっておりますので、そういうことで十分な用水確保のための事業というものをその防災営農対策計画の中に盛り込んでいただいて実施してまいりたいというふうに思っております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 この問題は、特にこういった防災営農上重要な問題でございますから、ぜひ今度の営農計画の中に取り入れていただいて積極的な対策をしていただきたいと思います。  また、阿蘇一帯を初め、大分の竹田もそうでありますが、高千穂一帯もさっき申し上げましたように畜産の本場であります。これが灰をかぶった牧草それから山野草を飼料として牛馬に与えた場合に生育に及ぼす影響はないのかどうか、畜産の専門家の方にお尋ねをしたいと思います。

山下喜弘農林水産省畜産局家畜生産課長

○説明員(山下喜弘君) お答え申し上げます。  火山噴火に伴います灰が付着した牧草等を給与した場合に牛にどのような影響があるかということのお尋ねかと思います。  かつて桜島だとか阿蘇山とかあるいは北海道の有珠山とか、こういった火山が噴火いたしましたときに、それぞれの県におきまして、県の畜産試験場におきまして給与試験を行っておりまして、この成績を見ますと、非常に大量のものを摂取いたしました場合は牛の採食量というか食欲が低下してまいりまして、肉用牛につきましては体重の一時的な減少、あるいは乳用牛につきましては泌乳量の低下、こういった現象が一部見られるわけでございます。一方、繁殖成績だとか試験の牛を屠殺いたしまして解剖をいたしました解剖所見等におきましては異常は認められない、このような状況になっております。  私ども現地での指導といたしましては、現在の降灰量程度の場合は影響が少ないわけでございますが、大量の灰が積もりまして牛の採食量が少なくなってしまうような場合は、一時的に山から里におろしまして放牧から舎飼いにするとか、あるいは舎飼いで飼う場合におきましても、飼料を給与いたします場合に灰を洗い落とすなりはたき落とすなりといったようなことで、影響を少なくするというような指導を現地でやっていただいておるわけでございます。  いずれにいたしましても、降灰によります牛に対する被害を防止するということから、地域の家畜保健衛生所等が肉用牛農家あるいは酪農家等への巡回指導を実施しておりまして、今後ともこの被害防止のために適切な衛生管理指導、こういったものに努めてまいりたい、このように考えております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 次に、桜島の噴火による降灰被害対策についてお尋ねをいたします。  桜島は、噴火活動が最近また活発化しているようでありますが、現状はどのような状態なのかお伺いをいたします。

長良恭行農林水産省大臣官房参事官

○政府委員(長良恭行君) 桜島の降灰によります農作物等の被害でございますが、県からの報告によりますと、最近三カ年間で合計二百五億八千万円というふうになっております。その内訳について見ますと、六十二年は約六十三億円、県別に申しますと、宮崎県が約十四億四千万円、鹿児島県が約四十八億六千万円。六十三年につきましては約七十億四千万円でございまして、宮崎県が約十九億円、鹿児島県が約五十一億四千万円。平成元年は約七十二億四千万円でございまして、宮崎県が約二十一億二千万円、鹿児島県が五十一億二千万円というふうに聞いております。平成二年につきましてはまだ宮崎、鹿児島の両県からの被害報告は私ども受けておらない状況でございます。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 大変な被害を受けているわけでありますが、噴火による降灰の被害状況と防災営農計画ですね、これらの被害を食いとめるためにどういう防災営農計画を立てておられるのか。同時に、鹿児島、宮崎でも同じ地域にありながらまだ指定地域に入ってなかったようなところがございましたが、これらに対する対策も含めてお答え願いたいと思います。

窪田武農林水産省構造改善局農政部農政課長

○説明員(窪田武君) 桜島火山周辺地域におきます防災営農対策事業につきましては、昭和四十八年に制定されました活動火山対策特別措置法に基づきまして、鹿児島県におきましては五次、宮崎県においては二次にわたり実施してきたところでございまして、平成二年度からにつきましては、桜島火山の活動状況を踏まえまして新たに二年から四年度の三年間を対象に、鹿児島県は第六次、宮崎県は第三次の防災営農施設整備計画を作成しまして、既に承認しているところでございます。  その内容は、降灰地域の土壌矯正なり隆灰防止、降灰除去施設の整備、さらには灰に強い作目の導入等の事業を行いまして、農業経営の安定を図るというものでございます。今回の計画では、御指摘のとおり、被害の範囲の拡大に伴いまして、事業対象地域を鹿児島県におきましては四市町、宮崎県におきましては二町を加えてその対象範囲を拡大したところでございます。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 火山噴火の予知研究の問題がさっきもちょっと出ておりましたが、平成二年度の予算がどのようになっているか、そしてまた地震予知関係の予算はどのくらい組まれているのか、ちょっとこの二つをお聞かせ願いたいと思います。

津村建四朗気象庁地震火山部地震火山業務課長

○説明員(津村建四朗君) 気象庁に関する部分でお答えいたしますと、平成二年度の気象庁の地震予知関係予算は十三億三千百万円、火山噴火予知関係予算は一億九千二百万円でございます。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 マグニチュード八クラスの東海地震等については予知が可能だと言われておるわけでありますが、火山噴火については予知はできないものか、可能かどうか、その辺についてちょっとお尋ねをいたします。

津村建四朗気象庁地震火山部地震火山業務課長

○説明員(津村建四朗君) 火山現象は地下及び地上で起こる多種多様かつ複雑な現象でございまして、噴火の機構もまだ不明な点が多く、また前兆の有無やそのあらわれ方もさまざまでございまして、噴火予知はまだ研究段階にございます。  今後とも、火山噴火予知計画の趣旨に沿いまして火山の監視を続けるとともに、関係機関及び大学と連携して火山噴火予知技術の開発に努めてまいりたいと考えております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 火山噴火の予知ができるということになれば相当対策ができるわけでありますが、これについての研究費、こういうものを大幅に認めて、これは直接大臣の方の関係に当たるのかどうかわかりませんが、国土庁長官の方でもう少し、宇宙まで人間が上がっていく時代でもございますから、火山の予知がある程度できるような状態が今日の科学の進歩によればあってしかるべきじゃないかという気もいたしますので、そういった研究を進めるための予算を、さっきも出ておりましたけれども、組むべきじゃないかという気がいたしますが、お答えを願いたいと思います。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) 野別先生にお答えいたしますけれども、先生の御指摘のとおりでございまして、政府としては火山噴火を予知することは、火山災害を防止、軽減する上で極めて重要であると認識しておりまして、昭和四十九年度以降、文部省測地学審議会建議によりまして火山噴火予知計画を策定するなど噴火予知に向けました観測研究体制の強化に努めてまいったところであります。  今後とも、噴火予知研究の重要性にかんがみ、その一層の推進努力をいたしたい、こう考えております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 伊豆諸島の火山活動についてお伺いをいたします。  東京都防災会議火山部会がまとめた調査報告書を見ますと、大島、三宅島は今後も噴火し、八丈島、青ケ島も噴火の可能性があると指摘し、観測監視体制の強化を訴えておられるようでありますが、気象庁の御見解を伺いたい。

津村建四朗気象庁地震火山部地震火山業務課長

○説明員(津村建四朗君) 気象庁では、従来よりこれらの島々の火山を活火山として常時観測及び機動観測による火山観測を行っております。  火山の寿命は長いものでございまして、これらの島々の活火山は将来も噴火する可能性のある火山と考えております。噴火の時期は島によっては違うと考えられますが、今後とも関係機関とも連携して、これらの火山の監視を続けてまいりたいと考えております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 阿蘇火山の噴火で私どもが実情調査に参りましたときにも出たのでございますが、これは高千穂でこの意見が出たのですけれども、火山の情報が非常におくれて来たというようなことで、被害対策に戸惑ったような状況が出ているわけであります。  阿蘇山が熊本県にあります関係で、今までは三県にまたがるようなことが少なかったためにこの連携がうまくいっていなかったんではないかと思いますけれども、このような災害に対する対策等から考えれば、やはり情報の伝達というのは極めて重要でありますが、こういった広域的な伝達体制をつくることが重要だと思いますが、この点についてお伺いをいたします。

津村建四朗気象庁地震火山部地震火山業務課長

○説明員(津村建四朗君) 現状について御説明申し上げます。  気象庁では、噴火等火山に異常がありました場合には、必要に応じ担当の気象官署が臨時火山情報を発表いたします。直ちに関係の地方公共団体、警察、報道機関その他必要な機関に伝達することといたしております。特に身体生命に被害を生ずる場合、また生ずるおそれがある場合には、活動火山対策特別措置法に基づきまして火山活動情報を発表し、都道府県知事に通報することといたしております。  今後とも、これらの火山情報のより的確かつ迅速な伝達に努めてまいりたいと考えております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 時間がありませんので先を急ぎますが、当面する災害に対する未然防止策についてであります。  いよいよ梅雨期に入ってまいります。これは、火山だけではありませんが、河川、急傾斜地の山崩れ、地すべり、土石流、津波、農作物の被害等がこれから起こってくる心配があります。そういった点からぜひこれは各県を通じて、それぞれの自治体でやはりその地域地域の点検を完全にやることが大切ではないか。Aランク、Bランク、Cランクぐらいに分けまして調査をしておいて、いつでもそれに備えられる、予算があればすぐ工事ができるんでしょうけれども、できない危険箇所も随分あると思いますから、そういったところに対する未然防止の対策と同時に調査点検、これが必要だと思いますが、そういった面について、これは国土庁初め関係省庁の見解をちょっとお聞かせ願いたいと思います。

市川一朗国土庁防災局長

○政府委員(市川一朗君) 御指摘の対策でございますが、先生御案内と思いますけれども、昭和六十三年三月でございますが、土砂災害対策推進要綱というものを中央防災会議におきまして決定してございます。この中身は、各種の国土保全事業の実施などのハード面の対策とあわせまして、土砂災害危険箇所の周知徹底あるいは予警報体制の整備などソフト面の対策を進めることを内容としております。そして、そういったものを受けまして、関係各省庁におきまして緊密な連携をとりながら対策を講じておるわけでございますが、毎年出水期を前にいたしまして、中央防災会議会長から改めて注意を促すとともに、諸般の体制をきちっとやっていただきたいということで、かなりきめの細かい通達を出しております。  ことしも、中央防災会議会長でございます海部総理大臣名で、各指定行政機関の長、都道府県防災会議会長、これは知事さんたちでございますが、それから指定公共機関の代表者、関係者すべてに、五月でございますが、出水期における防災体制の強化につきまして注意を喚起しておるところでございます。

佐々木賢一建設省河川局防災課長

○説明員(佐々木賢一君) 建設省といたしまして、所管のいわゆる防災施設の整備、これに努めることはもちろんでございますが、まだその整備が十分ではございません。ということで、例えば水防とか、それから先ほど先生御指摘の点検等でフォローしております。水防訓練の実施等は各河川かなり全国でやっております。また、水防計画の作成等につきましても指導をしているところでございます。  さらに、防災の基本というのは自主防災であるということでございまして、国民の関心と認識を深めるために、毎年五月を水防月間、六月を土砂災害防止月間、六月の第一週をがけ崩れ防災週間ということで定めまして、それぞれ危険箇所の巡視、住民への周知、防災知識の普及等を実施しているところでございます。  また、水門等各施設の点検整備につきましては、それぞれ国、県、市町村、管理者が決まっておるものにつきましては、それぞれが点検をいたしまして、危険と思われる箇所については必要な措置を適切に実施するように指導しております。また、許可工作物等がございますが、これらにつきましても、設置者に対し点検整備を十分行わせるように適切な指導を行っております。  また、先ほど市川局長からお話がありましたように、中央防災会議からの通知、そういったものを受けまして、建設省としても各関係機関に具体的な点検等についての指示を出しているところでございます。  以上です。

弘中義夫林野庁指導部治山課長

○説明員(弘中義夫君) 山地災害の関係につきましての今の御質問につきましては、山腹崩壊、地すべり等の危険のある特に集落や公共施設等に直接被害のわたるおそれのある地域につきましては、従来から山地災害危険地区として指定してございます。昭和六十年度及び六十一年度に調査した結果では、全国で約十七万六千カ所に及んでございます。  こういう箇所につきまして、従来から治山事業を積極的に実施しているわけでございますが、先生御指摘のとおり、梅雨時期にこれから入りまして災害の発生のおそれもございますので、事前の点検整備等につきましては、毎年「林野に係る山地災害等の未然防止について」という通達を都道府県知事等へ出しておりまして、これにより周知徹底しているところでございます。本年度も例年の手続に準じまして実施してまいりたいと考えております。

野別隆俊日本社会党・護憲共同

○野別隆俊君 時間が参りましたので、あとちょっと聞きたいことがございましたが、各省庁の御努力によりまして阿蘇の被害対策等についてもかなり手厚い対策がされておることに感謝を申し上げます。同時に、特別交付税も総額では五十億円程度の交付が三県にわたってなされているようでありますが、こういった災害はこれからも未然防止対策を徹底しなければ被害は大きくなるばかりであります。  今年は、国土庁長官を初め大臣方の精進がよかったのでありましょうが、まだ一回も風水害が全国的にない。冷害もなかった。豪雪もない。噴火の方は阿蘇山そして桜島が少しやっておりますけれども、まあまあ近年にまれなる平穏な年で今日まではあるわけでありますが、まだあと五、六カ月残っているわけであります。そういう状況でございまして、いい、いいと油断をしておると大変なことが起こるかもわかりませんから、国土庁長官の所管大臣としての防災に対するこれからの取り組む姿勢についてお尋ねをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。  一番大切なことは、やっぱり地震予知、火山予知をどうするかという問題で、この充実強化に努力しますとともに、実は私も昭和五十二年、国土政務次官のときに有珠山の視察に参りました。これはもう降灰が一番多いときで、そのときに大変な問題も経験し、きょうも各省庁の話を聞きましたら、大変降灰対策が進んでいるなと、率直に言いますと実はこんな感じがしたわけでございますが、まだまだ十分じゃないという点はあるかと思います。それにつきましては、できるだけ被害を受けた人が救済されるように、より一歩でも前進するようなことでこれからも検討してみたい、このように考えております。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 長官、その後お目の方は御不自由ございませんか。大事なお立場でございます。くれぐれも御自愛なさいますよう。  さて、長官にお尋ねいたします。  本年、我が国が提案国にもなりまして国際防災の十年というお立場を発表された。世界から非常にこれは重大な関心を持って受けとめられております。まず、その取り組みについての御決意をお伺いいたします。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) 常松先生にお答えしますが、まず最初に、私の健康を心配していただき大変ありがとうございます。心より厚くお礼申し上げる次第でございます。  先ほど先生御指摘のとおりでございまして、ことしは国際防災の十年ということでございまして、我が国が中心となって国連に提案したものでございます。そんなことでございまして、防災先進国としまして、また「世界に貢献する日本」としまして積極的にこれを推進してまいりたい、こう考えております。  政府としては、既に総理を本部長とする推進本部を設置しまして、そして国際防災の十年事業推進の基本方針を決定し、これに基づきまして地方公共団体、民間団体等と連携を図りながら、各省庁が協力しまして本十年に取り組んでいるところでございます。ことしの秋には、記念式典や大規模な国際会議を開催する予定でございます。  また、今後とも基本方針に基づきまして国際協力及び国際交流の推進、我が国の災害対策の推進を柱とした各種事業に積極的に取り組んでいく予定でございますので、皆さん方の御理解と御協力、御後援を心からお願いする次第でございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 では、第二番目に移ります。  気象庁もやりそれから国土地理院もやり、あるいは建設省にもそれがある、あるいは大学にもあるというのは地震予知に関するデータの収集。いろいろな場所でいろんな角度でおやりになっていらっしゃる。そういうふうなものを一元化して、一本にまとめて、そして判定委員会が最もふさわしい即決のできるような、連絡会じゃなく、もう少し上へ上げて、長官直結の機関というもの、そういうものが考えられるようなときに参っておるのではなかろうかと存じます。  いま一つ、長官がひとつリーダーシップをとっていただきまして、日本は経済大国並びに三つのプレートの上に位置する言うならば有数なる地震大国と言われている、そういうふうな中で、地球的規模の防災という問題、十年運動を宣言したわけでありまするから、地震大国の位置づけとしてサミットを招集し、そうした中でいろいろな情報を交換し、あるいはいろいろと日本の最先端技術で世界に寄与する。こういう二点についてお尋ねいたします。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) お答えします。  先ほど国際防災の十年につきまして私いろいろな考えを申し上げたわけでありますが、先生のは率直に言いますと地震サミットの御提案だと思いますが、これは大変貴重な御意見だと思います。そんなことでございまして、今後関係省庁と十分協議して検討したい、こう考えております。

市川一朗国土庁防災局長

○政府委員(市川一朗君) 地震予知の問題でございますけれども、先生御案内のとおり、地震につきましてはその発生のメカニズムなどが科学的にまだ解明されていない部分もございまして、いろいろ難しい問題があるわけでございます。しかし、地震予知がなされれば被害の軽減が図られるということを実態に即して考えてみますと、その予知の実用化に向けて努力するということが私ども防災関係者にとって極めて重要であると私ども思っておる次第でございます。  現在、政府の中の地震予知の体制といたしましては、地震予知の推進につきまして総合的、計画的に推進するために、内閣に科学技術庁長官を本部長といたしました地震予知推進本部が設置されております。これを中心にいたしまして関係機関が密接な連携を図って進めてまいっておるところでございますけれども、私どもといたしましては、現行の体制においてそれなりにうまく機能していると考えておるわけでございますが、先生の御指摘の点等も含めまして、今後とも関係機関が一層連携を密にして、うまくいっていないじゃないかと言われないように取り組んでまいりたいと思っている次第でございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 まことにうまくいっておりません。しかし、それは次回の委員会に譲ることとします。  次に、外務省にお尋ねいたしますが、JMTDRの活動、構成、この今日までの経過をお知らせください。

大島賢三外務省経済協力局政策課長

○説明員(大島賢三君) 海外におきます緊急災害のときに、従来日本はお金あるいは物の供与ということで緊急援助を行ってきておったわけでございますけれども、十年ちょっと前にカンボジア難民のケース等もございまして、お金等のみならず、実際にもっと人を派遣してこういった場合の国際緊急援助に当たるようにという声が強くなってまいりました。  そういった経緯も踏まえまして、外務省、文部省あるいは厚生省といろいろ相談をいたしまして、かつ公立、私立病院あるいは民間医療団体の支援も得まして、医療チームを派遣するような制度をつくったわけでございます。昭和五十七年にこれが成立をいたしまして、以後エチオピアの飢饉のときの救済でございますとかあるいはメキシコの地震のときにおきます救済でございますとか、いろいろな機会に派遣をされておるわけでございます。  これは主として医療面での援助でございますけれども、その後さらに昭和六十二年になりまして、医療だけではなくて、救助隊でございますとかあるいは地震の後の復旧活動でございますとか、こういった面におきましてもさらに活動の範囲を広げました。そういう活動を可能にするように国際緊急援助隊の派遣に関する法律というものもできまして、今御指摘にございました国際緊急医療チームはその一部分に位置づけられておるわけでございます。  現在、このJMTDR、国際緊急医療チームにつきましては、約二百五十名の医師あるいは看護婦等の方々が登録をされておりまして、必要に応じて緊急に派遣されるという体制になっております。運営は、外務省及び国際協力事業団が文部省、厚生省等関係省庁あるいは日本医師会、日本救急医学会、日本赤十字社等医療関係団体の協力を得つつ行うようになっております。現在までに十五件派遣されまして、派遣国はエチオピアから始まりまして、ごく最近は西アフリカの象牙海岸へリベリアの難民のためにこの緊急医療チームが派遣されておりますけれども、全部で十三カ国派遣されておりまして、派遣医師、看護婦数は延べ約七十名という状況でございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 長官、今私がこういうふうに急に外務省へ参りましたのは、これから問題提起いたしますベース、それは人命尊重、救急災害医療という問題が非常にこれからクローズアップされ、またその基盤が非常に薄いということを海外へ行かれた教訓として、いろんなものを複合して、これから御提案を申し上げたいものでありますから、異論がございましたら堂々と幾らなりとも御反論願います。  今申し上げました海外医療、少なくとも一つの例がございます。サンフランシスコ地震とアルメニア地震、片っ方は百名の死傷者、片っ方では一万五千名が死亡しているんです。WHOが例に出される非常にわかりやすい例。なぜ。事前の準備、対策がきちっとしておるとこれだけの差が出ますよと。この中の一万五千名の死亡はほとんど医療というものが未熟のためにだめになりました。  外務省にお尋ねします。その中にきちっと明記されているんです、四十八時間以内の出動と。何でそう明記されているんですか。

大島賢三外務省経済協力局政策課長

○説明員(大島賢三君) 国際緊急医療の場合には、非常に迅速な対応がもちろん必要でございまして、今申し上げましたように、常時医師につきましても登録をし、できるだけ早く立てるというような体制をとっております。もちろん……

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 ちょっと違います。結構です。  その四十八時間以内の裏にはもう苦々しい経験があるんです、医療団に。何かといいますと、今まで四十八時間じゃなくて、向こうから要請があって出動したというその苦しみがあるんです。もう現地では、日本は非常に経済大国やないか、フランス、アメリカが百名も来た、空輸部隊で百トンから成る機動隊も来た、日本は何もしてくれぬ、もうこれに大変外務省の職員は難渋された。そこへもって、今おっしゃったカンボジアへ初めて行かれました。行きましたけれども遅かったんです。遅いがために治療が長うかかるんです。早く行って人を助けるというその目的を達するどころじゃなく、おくれて行っているもんですから治療が長引いちゃいます。そして引き揚げるまでに三年カンボジアにおったんです。そういうふうな経験があります。  いま一つお伺いします。  WHOは、海外救助のときにはこれだけの抗生 物質を使う、それ以外はなるたけ使わないでくれと。何と何と何で、何でそんな勧告が出ましたか教えてください。

大島賢三外務省経済協力局政策課長

○説明員(大島賢三君) WHOは、こういった緊急災害、特に医療面におきまして標準的な医薬品を決めております。と申しますのは、各国からいろいろな医療援助が寄せられますと、国によっては標準がばらばらになる、こういうことになりますと非常に困るわけでございまして、特に医薬品のようなものは生命に直接かかわるものでございますので、標準医薬品を決めて、各国はできるだけそれを尊重して供与するようにということでございまして、我が国もその基準を大体尊重いたしまして、かつ同時に日本語でラベルが書かれていたのではわかりませんので、英語が通じるような国には英語で、スペイン語国にはスペイン語でラベルが張られるというような配慮もいたしております。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 薬品名をおっしゃってください。済みませんけれども、薬品名。わからなきゃ厚生省。

大島賢三外務省経済協力局政策課長

○説明員(大島賢三君) ちょっと今手元に薬品のあれを持ち合わせておりません。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 手元にないですか、ございませんか。  じゃ、こちらから申し上げまして、間違いございましたら、後ほどまたそれは間違うておるぞというふうにおしかりください。  まず一つ、アンピシリン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、そして肺結核が非常に海外多い、そういうためにストレプトマイシン、これがWHOの指定勧告した薬品名でございます。今、御答弁なすったのは全く正解。公平にしてもらいたい。ドイツはようわからぬ、日本語はこうだと。そういうふうなことで、これは国内でもこれから考えなきゃいけない問題だと思って質問させていただきました。失礼いたしました。  いま一つ、話を変えます。サンフランシスコの例。これは国土庁が厚いものをお出しになっていらっしゃいます。この本に準じて申し上げます。お答えは全部できると思います。  サンフランシスコの地震の教訓は、一つ二つで結構ですから、これから日本もこういうことを考えにゃいかぬなということを御指摘ください。

市川一朗国土庁防災局長

○政府委員(市川一朗君) いろんな問題がございますけれども、現在我が国で必ずしも対策として進んでないものという観点で二点申し上げますと、一つは、被災建築物につきまして、その被災度の判定を極めて早急に行いまして、安全それから危険それから注意して入るといった三種類に色分けまでいたしまして行いました実施体制の問題、これが一つあったかと思います。それからもう一つは、ボランティア活動が極めて活発に行われておったといったようなことにつきまして、非常に興味深く私ども受けとめておる次第でございます。  もちろんそのほかに、いろいろな問題につきまして私どもの震災対策上重要な指摘が多々あったようにも思っておる次第でございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 実際このページの中に、ページ数を指定してもよろしゅうございますけれども、まず一つは、一番役に立ったのは二十メートルから成るファイバースコープであった。人命尊重のため助けにゃいかぬ。瓦れきの下になってどこに人が埋まっているかわからぬ。これがまず一つであります。第二番目には温度感知器。これはメキシコ地震の経験の教訓から、外務省の要請によって日本の救急医療隊がきちっとそれを持ってサンフランシスコに行っている。事実そのことによって百五十名の負傷者を助けているんです。大好評であった。どの国も二十メートルから成るファイバースコープを使っていない、持っていなかった。日本の外務省のこれはもう非常に大きな得点であります、メキシコを生かしたときに。そういうふうな問題をいろんなところで苦い経験をしたものですから、必要度を見て。  じゃ、その裏は何であったか。ほとんどが警察犬なんですよ。警察の捜査犬でいろいろ捜し当てる。しかし、二日もたたないうちに悪臭で犬の臭覚が失われて全滅だったんです。残ったのは日本の救急のそういうふうな立場の経験から生かされた教訓を各国ともみんな知らされました。  二十メートルからなるファイバースコープ、消防庁はお持ちですか。

飯田志農夫消防庁救急救助課長

○説明員(飯田志農夫君) 国際緊急援助隊の関係で、援助活動に関しましてはそういうものを用意しております。すぐに持ち運べるように用意をしております。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 お見事です。  温度感知器というものは非常に日本の機械がやっぱり最先端で、物すごくすばらしいんです。それを外務省はちゃんと前もって調べておいて、ぱっと指示なさったんです。見事ですね、さすが外務省です。こういうふうなこともすべからく今まで実際にその現場へ行った人の教訓から積み重ねてこういうふうに使われているという現状なんでございます。  厚生省にお伺いいたします。  厚生省は一緒にサンフランシスコの調査団の一員として名前が載っております、行かれました。その中でこういうふうにしてございます。サイプレスの高速道路の破壊により車両内に閉じ込められた子供を救出するため医師を災害現場に搬送して、子供の足を切断し救助した事例も報告されている。  日本の今日の救急災害医療学、それで本当に日本に大きな地震か何かあったときに、そこへ出かけていって太ももから両足切断、そして救出するようなことが可能でありましょうか、お答えください。

澤宏紀厚生省健康政策局指導課長

○説明員(澤宏紀君) 大災害におきます医療の確保については極めて重要なことであるわけでございますけれども、そのような個々のケースにすぐ対応できるかどうかということでございますけれども、その最寄りのと申しますか近接の医療機関から適切なチームが派遣されるよう都道府県を指導し、関係のところから派遣されるのではないかというふうに思うわけでございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 もう一度お伺いいたしますが、日本の医療にありましては、大学で教えておりますのは、医療機関の中のオペは認めるが、外へ出てのオペというものについてはカットというふうな一つの指導要綱があるんです。出してもいいですよ、あるんです。  ところが、これは緊急なんです。そこにおいて切断してでも助ける。アメリカは堂々とやっているんです。この裏には救急災害学という学問が定着しておるんです。大学の講座の中にきちっとあるんです。日本の大学の中では、救急隊にすらまだ抵抗しているんです。それもまだ落ちつかないから、災害救急講座というふうなものを設置してそういうことをきちんとしてあげないと、外務省がせっかく世界から言われているような人を派遣しても効果がない。その基本として私は論理的に聞いているんです。もう一度的確にお答え願えませんか。都道府県なんて、知事さんにそんなの任せちやいかぬですよ、医療を。

澤宏紀厚生省健康政策局指導課長

○説明員(澤宏紀君) 確かに先生おっしゃられますように、我が国の救急医療を考えました場合に、重傷患者が医療機関に運ばれた場合に、救命救急センターとか高度の医療を行う体制はほぼできておるのではないかと思いますけれども、現場に出動して的確に、おっしゃられます緊急時の外傷外科と申しますか、そういうのがどこでもできるかと言われますと疑問に感ずるところもございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 これはもう後は厚生大臣に御出馬を願わなきゃいけないことだと思いますけれども、非常に人命に関することなんですよ。大事なことなんです。こういうことにあって、きちんとその処遇をしなければならない。それを展開して、今の日本の何の診療科の標榜もない救急災害医療を熱心にやっている若い人たちが一番声を大にして求めておりますのは、救急災害の医療用の水がないと。ポリでしてございます、こっちにタンクがございます。それは地震で爆発したらみん なしまいなんです。ところが素人は、私も素人でございますが、手術に要する水は給水タンク、あの一車だけで何名の手術ができると思われますかと、こういうふうな声を現場へ行きましたときに浴びせかけられました。そういうふうに事ごとに、緊急の場合でも人を救えるか救えないか、ちょっと今のところはと。  国土庁長官、これは聞いていただいたとおりなんでございます。確かに建物やいろんなものに対してはありますけれども、人の命を救おうとして謙虚に海外へも行くお医者さんもたくさんいるんです。半年間も行って帰ってきますと、職場のいすがなくなっているんですよ。それでも歯を食いしばって、陰の一員としてまた再度取り組んでいらっしゃる。けれども、これが世界のことであるならばまだいいです。世界の教訓をひもときまして、日本における災害医療というこういうふうな問題のときに、何はともあれ、つぶれた建物はまた建てることあるいはいろいろ補修することも可能でしょうが、人の命は一秒を争います。そういうときにあってのこの災害医療というものがまだまだ日本では本当の片隅で、人の善意で支えられております。みんなベン・ケーシーのような精神の人です。しかし、それが認められておりません。何よりも災害の第一番目には人命尊重であろうかと存じます。このことに関して所管外でございますけれども、国土庁長官としての、通告いたしておりませんのであるいは御感想、御決意でも結構です、御答弁をしていただければと存じます。お願いします。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) お答えに大変難しい問題でございます。  実は先生から聞きまして、私は専門外で、先生はお詳しいなと思ってお聞きしておったわけでございます。御指摘のとおりでございまして、非常にこれは難しい問題ですが、いざ自分がその現場にあった場合に、例えば日本では、手術というのは先ほど課長が言ったようなことでございますが、設備を伴わないとできないと思います。果たしてその場合、じゃ仮にその方が手術で助かった場合だったら、例えば死んだ場合どうなるかという問題、その辺を含めてきちんとしておかないと、現場のお医者は処置ができないと思います。そんなことを含めてこれは大きな勉強項目だと思っております。  そんなことでございまして、恐らく課長も帰ったら大臣に申し上げると思います。私も津島君に申し上げまして大いに勉強させていただきたいと、こう考えております。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 いま一つ厚生省にお伺いいたします。  アメリカにおけるNDMSという組織は御存じでしょうか。

澤宏紀厚生省健康政策局指導課長

○説明員(澤宏紀君) 申しわけございません。知りません。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 通告外は答えないという一つのなにがございますものですから、御無礼いたしました。  これはアメリカにおきます自然災害におけるところの医療団体の組織の一つでございます。これは日本と違っておりまして、サンフランシスコで百名の死傷者、実際に外務省の要請を受けられまして、地震が起きてたしか三日後、日本医科大学の山本助教授は外務省の職員の方とすぐ飛ばされました。行ってお帰りになりまして、アメリカへ日本の外務省を通して医療団を派遣しましょうかと何回となく打診したが、結構でございますと。我々の国は我々で守りますと言われただけのものを見聞してお帰りになられました。  その一つは何であったか。これから二十年先に起きるであろうと言われておるカルフォルニアの大地震を想定して大統領直括の医療組織は、死者が一万二千名、重傷軽傷合わせて二十万名と想定をして、その医療団、ナースあるいは機動力、一切の絵図ができ上がっております。それを統括しているこの組織の一員でございます。  今日、国土庁長官の直結の医療団というものはどういう組織になっているか教えていただきたい。

市川一朗国土庁防災局長

○政府委員(市川一朗君) 我が国におきます防災対策といたしましては、基本的に何回もお答えしてございますけれども、中央防災会議という組織がございまして、内閣総理大臣を中心といたしまして関係の大臣が集まりまして、いろいろ対策を総合的に講ずるという体制ができております。  一たん災害が起きました場合には、自然災害の場合は主として国土庁長官が本部長となります非常災害対策本部ができます。国で非常災害対策本部ができますまでには、市町村でも都道府県でもそういった体制ができておりまして、そういった地域社会と国との連携のもとで、あらゆる医療を含めました体制が十分な連携を持って行われる、そういう仕組みになっておる次第でございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 おっしゃったことを信じたいんです。信ずるべきであります、国民としては。しかしその絵図というものは、例えば既に起こっておるわけですよ。  JALが山腹に衝突したそのときの出動要請ということ一つでも、大学は文部省、一般病院は厚生省、医師会は都道府県、そのときに出動なすったのは県医師会であり、大学病院系列の医者は一名もいなかった。病院系列はなかった。それは、我々に上の方から指示がなかった、任かすしかありませんよと。これすなわち縦割りです。人の命が救われるものも縦割りで、何か事が起きたときに人の命と。だから言わぬこっちゃないということがあってはならぬ、こういう老婆心ながらの心配が、素人の考えかもしれませんが、国民の立場として、いつ、どこでも、だれでもが最高の医療を受けられる、あるいは災害を受けたときには助けてもらえるんだと信じて、ある一面は最高責任者の国土庁長官におすがりする以外にないです、今組織は。  ところが、それはそういうふうになっておりますでは困るんです。そして、何か起こったときに、さあ見ろさあ見ろというふうなことになってはいけないからこうして発言し、求めておりますので、もう少しその辺のところを、なっておりますじゃなくて、こうこうこうだというふうなことで、また重要な再検討にお願いしたいと存じます。

市川一朗国土庁防災局長

○政府委員(市川一朗君) 災害はいろんな種類の災害がございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、主として自然災害によりまして相当広範囲に災害が拡大する体制を先ほど申し上げた次第でございます。  それ以外にいろんな形の災害が生ずると思います。それぞれにおきまして、対応の仕方を迅速にやっていかなければいけない。特に人命を守るということが最も基本であると私ども思っておりまして、今先生から御指摘ありました点につきましては、私どもは現時点では自信を持ってお任せくださいと言いたい問題でございますけれども、具体的にそういうテーマがもしあるとすれば、その辺はまたいろいろ今後の検討課題にしてまいりたいと思いますが、例えば南関東における直下型地震対策、これは今いろいろ研究しておりますし、それから東海地震対策等につきましての医療問題等につきましても非常に重要なテーマとして私どもは取り上げて、現在いろいろと体制をつくっておるつもりでございます。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) お答えします。  先生御指摘のとおりです。関係省庁協力しまして、すぐ対応できるような対策を講じていきたいと思います。よろしくお願いします。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 長官がそこまで仰せでございますから、一歩、二歩、五歩引かせていただきます。期待いたします。  一つこれも新しい提案なんでありますが、サンフランシスコの地震、この携帯の中にも報告書が入れてございます。それはどうかすると何か一部局だけが動いてしまう、そうじゃなくて、捜査隊と救助隊と医療隊と三者合同、この動き方、これが非常に効果があったとも評されております。ですから、これもひとつ何かの御討議の中に入れていただきたいと思います。ただ救急車がぱっとサ イレン鳴らして走っていくんじゃなく、もちろんそれだけじゃいかぬ場合もございましょうし、いろいろございましょうから、その辺のところをまた検討の中に十分提言を入れていただければと存じます。よろしくお願いいたします。  あわせまして、次に消防庁の方にちょっとお伺いいたしておきますけれども、いろいろな災害の中の教訓で一番困りましたのは、救急車が今の構造では役に立たぬということが宮城沖地震、新潟、いろいろなところから提言として聞かされました。  それは何かというと、仙台においては、街路樹が倒れたときには救急車は全然出ていけなかった。ただその中で一台サイレンをけたたましく鳴らして救助に応じ得たのは、蔵王町大泉記念病院、この個人病院の院長の発案においてここは六種類の救急車を持っているんです。その中でクルーザー、言うならもう雨の中、水の中、前輪駆動でありますが、それがきちっと中に装備されております。こういう救急車がそれを曲がりくねって、中央分離帯がございますから普通の車種ではもうがしゃんといってしもうたら動けぬわけです。ところがクルーザーは背が高うございますからそれをくぐり抜けてでも走り得たという、これも本当にたった一件の貴重な体験かもしれません。  そのクルーザーにつきましては、少なくとも八十メートルがけ下のものをストレッチャーで見事につり上げるだけの馬力を持っている。これは個人の私立の病院ですよ。そういう地震という教訓の中、救助という教訓の中からそういうものを得ておる、こういうことでございます。  いろいろ総合的なお考えございましょうけれども、こういう考えに対していかがでしょうか。

飯田志農夫消防庁救急救助課長

○説明員(飯田志農夫君) お話しございましたように、宮城県の地震や長崎の集中豪雨のときもそうでございましたけれども、道路が亀裂したり寸断される、あるいは浸水、交通渋滞ということで救急救助業務に著しい支障が生じておる。仙台の例でも非常に動けない救急車が大分あったということは事実でございます。こういうことで、今お話しは、救急車の今の規格をもう少し工夫したらどうかという御提言だというふうに思うわけでございます。  救急車は年間二百五十万から六十万走っていて、基本的には機動的な搬送、そして応急措置という機能ででき上がっておりますので、そういう機能を優先しておりますので、交通困難な道路の状況にもよると思います。今のお話のようなことも、わずかな亀裂とかあるいはわずかな凹凸等を乗り越えるだけの能力ということもあろうかと思います。救急車の改善だけでは全体的に乗り越えていくのには限界があると思いますが、いろいろな面で救急車の改善につきましては、応急措置の充実を含めて、現在委員会をつくって検討中でございます。またそういうところでいろいろと今御提言いただいた点も含めまして検討させていただきたい、こういうふうに思っております。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 それとあわせまして一番やっぱり懸念をされますのは、国土庁に所管する大災害、自然災害、こういうことになってきますと、救急隊は確かに見事な指令体制、ネットワークをお持ちです。しかしあれは一人か二人しか乗せられないものですから、一つ大きな事故があるともう百台ぐらい集めにゃならぬというようなことにもなりかねない状況、それがために外国では非常に混雑をしたという教訓が述べられておるんです。  あわせまして、日本国内はなおのこと道路事情が非常に逼迫したものがございます。よって、東京消防庁のように外国の方からベンツを買い込んで、一台で十名収容できる、大型化ですね。そのことによってほかの交通遮断というものをある面はなくしていく、こういう考えを指摘する声もあると思うのであります。そういう考えについてはいかがでございましょうか。

飯田志農夫消防庁救急救助課長

○説明員(飯田志農夫君) 御指摘のとおり、今現在日本の救急車は普通の規格品を改善しているという状態でございます。御指摘のとおり、諸外国に比べると規模構造、規格が小さいわけでございますので、今後のことを考えますと、御指摘のようなことも含めまして、縦横、それぞれ長さも幅も高規格な救急車の導入について現在鋭意検討中で、余り時を待たずに自治省消防庁としても導入の推進を図ってまいりたい、このように考えております。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 じゃ最後に、自民党の地震対策特別委員長をしていらっしゃいます坂野先生御一行がサンフランシスコへ行かれました調査報告と提言というものを勉強させていただきました。その中の非常に重要な提言を読ませていただきました。  すなわち、情報通信の停滞と対応であると。パニックが起こってどうしようもない、そういうときに非常に混雑をした、電話破損で不通状態が続いた。こういうふうな中から、ラジオが非常に有効であったということを先生が現に御指摘いただいております。私も同感でございます。  その中で、これはエピソードでしょうか、市長さんがラジオ放送を通して、あすの学校、会社は休みなさい、先生や上司に電話しなくても私がよいと言っているということを放送した。それを聞いて皆安堵したと。それがその後の通信情報網のアンケートの中で一番好評だったと、現場の一つのいい声をこうしてお聞き取りになっていらっしゃる。感銘を受けました。  よって、これからやはり情報のネットワーク化というのは、今あるものは電源が切られてしまうとかだめになってしまうとか、いろいろふくそうしておりますが、最後に一つ局長の方からこの通信というものに対する御意見をいただきまして、全部の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。

市川一朗国土庁防災局長

○政府委員(市川一朗君) 私もその報告書を拝見させていただきました。それから、サンフランシスコの地震の際、いわゆるラジオ放送によります正確な情報がかなり迅速に多量に流れておって、市民の対応が非常にスムーズにいったというようなことも多々指摘されております。  現在では、ラジオはトランジスタラジオの普及も含めまして、仮に電力が途絶えた場合でも、各住民はそれを持っておれば情報としては入るわけでございますので、私どもも放送機関と連携をとりながら、負けないような体制をぜひつくってまいりたいと思っておる次第でございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 質問を終わります。

林紀子日本共産党

○林紀子君 私は、具体的な問題も含めまして、リゾート法について質問をいたします。  総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法が施行され、現在全国で二十一道府県の基本構想が承認されている。これにより五兆六千九百億円をかけて三百三十万ヘクタールが開発される。また、現在、基本構想が申請されているのが三県、三十九万ヘクタール。そのほかに、主務省庁に基礎調査報告書を提出しているのが十六府県、二百五十八万ヘクタール。これを全部合わせますと何と国土面積の二〇%近くにもなるということです。  リゾート法の目的には、「良好な自然条件を有する土地を含む相当規模の地域である等の要件を備えた地域について、国民が余暇等を利用して滞在しつつ行うスポーツ、レクリエーション、教養文化活動、休養、集会等の多様な活動に資するための総合的な機能の整備を」とうたわれています。良好な自然ということになりますと、日本では国立公園、国定公園ということになりますが、そこは言うまでもなく自然の宝庫であり、また保安林として広い林野が指定されております。リゾート法による開発で、自然の破壊、災害が非常に心配されるわけです。  国土庁は、予算委員会の場で、我が党の神谷議員が今後の開発承認についての基本的な姿勢を質問したのに対して、基本方針に照らして一件一件慎重に検討を行い、法律の定める地域該当要件、基本方針、そういったものに適合しているものについては、逐次審査の結果、承認を行うと答弁なさいました。  まず、大臣にお伺いいたしますが、開発時の防 災に対する国土庁としての基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。  総合保養地域には良好な自然環境が不可欠の資源でございまして、その整備に当たっては二つ大きな要件がございます。その一つは自然環境の保全との調和、それからもう一つは国土の保全等の防災面に十分配慮しなければならないことでございます。このため、主務大臣の定める基本方針においても、自然環境の保全との調和や国土の保全等を特に配慮すべき重要事項として明記するとともに、都道府県が作成する基本構想においても同様に定めるよう指導しているところでございます。  総合保養地域の整備は全体としてまだ緒についたところでございますが、今後とも基本方針に沿いまして、自然環境の保全との調和や国土の保全等防災面に十分配慮して、総合保養地域の整備を進めてまいりたいと考えております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 先ほども申し上げましたように、リゾート法による開発が予定されている中には保安林に指定されているところが多く含まれています。  林野庁は六月十一日付で、保安林及び保安施設地区の指定、解除等の取り扱いについての通達を出していらっしゃいます。通達には、「都市周辺において急速に緑資源が減少するとともに山村においても森林の開発転用が一段と加速される傾向にある」し、「森林の保全と森林の適切な土地利用との調整がより重要な課題となっていく中で、極力森林の機能を維持していく必要がある。」としております。このように、通達にあらわれているように林野でのリゾート開発は急速に進んでいます。  林野庁にお聞きいたしますが、保安林でのリゾート開発に対して、防災という面からの基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。

弘中義夫林野庁指導部治山課長

○説明員(弘中義夫君) リゾート開発に当たっての森林の保全の問題でございますが、基本的には自然環境の保全、国土の保全等森林の有します公益的機能に支障が生じないよう、森林法に基づきまして適切に対処してきているところでございます。特に保安林につきましては、できるだけ転用を回避する、保安林以外の土地を利用していただくという考え方でございます。また、やむを得ず解除をするという場合には、まず解除面積を最小限度に抑えていただき、一定の森林面積の確保、堰堤等の代替施設の設置等によりまして、保安林の指定目的の達成に支障が及ばないように慎重に処置しているところでございます。  先生今御指摘になりましたように、本年六月十一日付をもちまして、森林の開発転用について、森林の保全と利用の両立を図るという観点から、残すべき森林の割合等の基準を見直し、新たに通達を改正したところでございます。今後ともリゾート開発についての森林の開発転用については、保安林制度等の適正な運用に努めてまいりたいと考えております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 我が党は、リゾート法は自然を破壊する、環境を悪化させる、また土地買い占めによる地価を高騰させる、関係自治体への多大の財政負担をもたらすものであると反対してきました。リゾート法が施行され、全国で開発が急速に進んでいますが、大企業利益優先のための開発であるためいろいろな弊害が明らかになってきています。弊害の中でも自然破壊が大きく、このままでは災害を招くのではないかと全国でも住民たちの反対運動が大きくなっています。  私は先日、山形県に視察に参りましたが、ここでは北蔵王のリゾート開発が大きな問題となっておりました。昨年七月に山形県から基礎調査報告書が提出されていると思いますが、どういう内容でしょうか、お聞きいたします。

野沢達夫国土庁地方振興局長

○政府委員(野沢達夫君) 山形県から提出されておりますリゾート構想の概要でございますが、仮称でございますけれども、蔵王・月山地域リゾートというようなことで考えられているようでございます。特定地域の面積は約十七万九千ヘクタール、対象になる市町村は山形市、寒河江市等五市五町一村。その中の重点整備地区でございますが、先生のお示しになりましたような蔵王の北地区等を含めて九地区でございます。  主な整備施設でございますが、スキー場、観光牧場、乗馬クラブ、国際チェリーパーク、あとゴルフ場、そういったものが整備されるという内容のものでございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 開発されようとしておりますこの北蔵王を水源とする馬見ケ崎川は昔から暴れ川として多くの生命財産を奪ってきました。この下流にある山形市は、明治二年の大洪水による被害が有名です。このために古くから馬見ケ崎地区では砂防工事が行われておりまして、昭和十五年ごろから砂防指定地が設けられて、昭和二十四年から三十二年ごろには多くの砂防堰堤が設けられ、ようやくこの馬見ケ崎川の安定が図られたと言われております。  このように、長年にわたり堤防の工事や上流である北蔵王の治山治水、森林の保護涵養が市民ぐるみで取り組まれてきたところです。開発というのは住民の生活に大きな影響をもたらすわけですから、この開発がどういう状況になるのか住民が不安を持つのは当然だと思います。  林野庁にお伺いいたしますが、北蔵王不動沢地域の保安林の状況というのはどのようになっていますでしょうか。どういう種類の保安林がどれくらいあるのか。国有林、民有林についてお伺いしたいと思います。

弘中義夫林野庁指導部治山課長

○説明員(弘中義夫君) 御指摘の最上川支流の上流部にございます不動沢流域につきましては、森林面積が約八百七十五ヘクタールでございます。このうち保安林の指定面積は、水源涵養保安林が約三十五ヘクタール、土砂流出防備保安林が約三百八十四ヘクタールでございます。合計四百十九ヘクタールでございます。  国有林、民有林別の内訳でございますが、国有林は水源涵養保安林が約十二ヘクタール、土砂流出防備保安林が約二百二十二ヘクタールの合計二百三十四ヘクタールでございます。民有林につきましては、水源涵養保安林が約二十三ヘクタール、土砂流出防備保安林が約百六十二ヘクタールの合計百八十五ヘクタールでございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 水源涵養保安林それから土砂流出防備保安林がそれだけたくさんある。半分ぐらいをこの保安林が占めておりますでしょうか。それだけ指定されているということは、その地域は崩れやすい、土砂が流出しやすい土地であるということではないかと思います。そうした場所の保安林解除については慎重の上にも慎重を要する、本来は解除してはならない地域だということも言えるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

弘中義夫林野庁指導部治山課長

○説明員(弘中義夫君) 最初の御質問のときに総論で申し上げましたが、ここの不動沢につきましては、現在県から上がってきました基本調査の結果につきまして内容を審査している段階でございますので、今の時点では結論的なお話をここで申し上げるわけにはまいりませんが、水源涵養保安林としての重要性に十分配慮いたしまして、先ほど御説明しました六月十一日付で出しました新しい保安林解除の考え方等をもとにいたしまして審査してまいりたいと考えております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 昭和六十一年に山形交通株式会社が北蔵王スキー場開発計画を出したときに、山形市は、学術調査等や提言を踏まえ、自然環境や景観面からの検討にとどまらず、防災上の面からも環境に与える影響について考察するなど多面的な検討を加えた結果、山形市としては認められないとしています。しかし、昭和六十二年にリゾート法が施行されて、このスキー場開発計画が再び浮上し、山形市は百八十度転換いたしました。そして、山形県が大規模リゾート整備地域として先ほどお話のありました蔵王・月山地域を指定して、去年の七月に基礎調査報告書を出すに至っているわけです。  不動沢の上流部地域は既に開発が行われていることであり、これに加えてその下部に接する不動沢流域を開発の対象とすることは、自然環境の破 壊や林地の荒廃につながる、昭和六十一年のスキー場開発にノーの判断を山形市が下したときの調査の資料にはこうはっきり書かれているわけです。この山形県の場合、こうした経過もぜひ考えて慎重な対応をしていただきたいと思いますが、国土庁としてはいかがでしょうか。

野沢達夫国土庁地方振興局長

○政府委員(野沢達夫君) ただいま先生御指摘のありますスキー場計画でございますが、このスキー場については、ただいま御指摘のありましたような経過もあったやに伺っております。  現在、基礎調査結果をいただきまして、県が関係する山形市あるいはその他地元の関係者等とよく調査した結果、基礎調査結果が出されてそういったプロジェクトが出ているわけでございますが、私どもとしましては、県から提出のありました基礎調査結果に基づきまして、ヒアリング等を通じ、山形県と協議、検討を続けているというところでございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 今、基礎調査の段階だというお話がありましたけれども、その後基礎調査報告書が提出された段階でもなかなかはっきりしたお答えが県の方からもないわけです。そうしますと、住民は大変大きな不安を持っているということですけれども、その住民の声を反映させる場がないと、今そういう状況になっているのではないかと思います。  スキー場開発計画地内に山形市の上水道源である不動沢ダムがあります。同流域の不動沢は、昨年の八月の台風十三号で大規模な崩壊を起こしており、不動沢ダムも土砂に埋まりまして貯水量は半分ぐらいになってしまったと言われております。現在、災害復旧と治山治水対策が急がれる地域であり、また災害復旧工事が多額の国費も使って実施中なわけです。現在、先ほど申し上げましたように、この不動沢の上流にはダイヤモンドバレースキー場というのが造成されているわけです。  地元山岳会のメンバーがこういうことを言っているわけですね。さらに開発が進めば、恒常的に治山工事をやることになる。市民は水も奪われた上に経済的な負担も大きくなる。リゾートで地元におりる金よりも、後始末に使う金の方がかかることにならないか、こういう心配をしているわけです。そして、この開発については市民ぐるみの反対運動が起きています。  山形市の前市民部長菊地敏蔵氏も深く憂慮するということで、過日菊地氏を代表とする馬見ケ崎川の水と北蔵王の自然を守る会という団体の方々が上京し、陳情書を国土庁に提出しています。この陳情書の内容はどういうものか、また国土庁としてはどう対応されたのか、お聞きしたいと思います。

野沢達夫国土庁地方振興局長

○政府委員(野沢達夫君) 御指摘のありました陳情書というか要望書でございますが、五月十日に馬見ケ崎川の水と北蔵王の自然を守る会の代表の方から出されております。内容は、北蔵王スキー場について計画の中止を要望されているというものでございます。  私どもとしましては、担当の職員が代表の万とお会いしましてこの陳情書を受け取っているところでございます。同時に、こういった要望書が出ておりますので、山形県の方にも早速連絡をいたしているところでございます。そういったことで対応いたした次第でございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 先ほども申し上げましたように、そこに住む人々の心配を解消するという意味でも、住民の人たちの声を本当に聞く、ぜひその立場で国土庁も対応していただきたいと思うわけです。  そして、災害は忘れたころにやってくるといいますが、蔵王だけではなく、全国で戦後荒廃した山々を植林し、長い年月をかけて防災というものを行ってまいりました。今回のリゾート法による大規模な開発でこれは一体どうなるのでしょうか。リゾート法は環境破壊、防災ということから考えても大きな問題のある悪法であると思います。このリゾート法は廃止するべきだということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 私は、きょうは消防団の活性化のこともお尋ねしようと思ったんですが、先ほど大渕絹子委員が長良川の河口ぜきのことをお尋ねしてくださいました。実は私の地元が重大関心を持っておりますので、河口ぜきのことについてお尋ねをいたします。  実はきょう午前十一時から十二時まで、長良川の河口ぜきの問題について語る会ということで十四名ぐらいの国会議員が集まりまして、建設省等の関係者からいろいろな問題の説明及びそれにまつわるお話を伺ったわけですが、その際に、特に治水上のことで地元では危惧の念が二、三あるというふうな御指摘がありまして、そのことについてお答えもいただきました。しかし、その点についてなお今からお尋ねをいたしたいと思います。  実は河口ぜきと先ほどから言われておりますが、これは三重県長島町の国道一号線の伊勢大橋の約三百メートル下流のところから対岸の桑名市まで六百六十一メートルの間にいわばせきをつくって、言ってみれば川の中に障害物をつくる。これはいろいろな理由からつくられるというお話は伺いました。私自身は、災害について大丈夫かという観点からお尋ねをいたしますので、そのことでお答えをいただきたい。何か反対している者からのあれだとか、そういうふうなことじゃなくてお答えをいただきたいと思います。  まず第一点は、これが河口から約五・四キロのところにできるそうでございますが、一応貯水ダムをつくるというふうに地元の人は言っておりますが、上流二十六キロ水がたまる。そうしますと、長良川あるいは木曽川、揖斐川という濃尾平野の三大河川、そこは中学校の教科書にも載っているような、あるいは小学校のにも載っているような日本での典型的な輪中地帯で、昔から各集落、部落ごとに堤防をつくって守っておった。それが日本の近代化とともに、川はおのおのの自分の川に流れるようにということで分水作業が行われて今の形になっている。しかし、地震が発生した場合には、堤防になっているところが実は川であったとか、宅地になっているところがこれまで池であったとか、いろいろな紆余曲折を経ていますから、そういうところで陥没が起こる心配を地元の人はしている。  とりわけ長島町の一番上流のところは、岐阜県の立田村と境界を接しているんですが、そこは昔は川であった。それを埋め立てまして岐阜県側と三重県側が半分ずつ土地を分かち合った。この杉江地区では、陥没が起こったことがあると。昭和十九年、二十年、私がまだ子供のころですが、地震があって陥没が至るところで起こったと。ただ、そのときにはたまたま川があふれるということはなかった。今回、ダム化して相当たくわえられて、しかも運悪く満潮というか非常に水面が膨らんだときに、また運悪く地震が起こって陥没が起こるということに対して不安があるわけですね。  これは長島町の町誌を見ますと、明治二十四年の濃尾の大地震のときには、家屋は倒壊をし、耕地も沈下した。さらに、堤防は陥没し、特に青鷺、松蔭のところに多しという記載が町誌にもある。あるいは昭和十九年十二月七日に発生をしました三河大地震、そのときは実は戦時中でありますが、耕地の沈下多しと。あるいは翌年の二十年一月、これは南海の大地震と言われておりますが、そのときも同じような記載が町誌にあるわけです。  そういう意味で、今回このせきをつくって、せきをつくるにはいろいろな目的があるということはお聞きしております。せきをつくって、非常に運悪くそういう現象が起こったときに万々抜かりがないかどうか、その点についてまずお尋ねをいたしたいと思います。

豊田高司建設省河川局開発課長

○説明員(豊田高司君) ただいまの御説明の中で、長良川河口ぜきは水をためると地元の人がおっしゃっているというようなお話がありましたので、まずそれについて少しだけ御説明をさせていただきたいと思います。  長良川には現在河口から海水が約十五キロぐら いのところまで入ってきております。満潮位ですと大体平均がプラス一・二メートルぐらい、これは自然現象として満潮のときに高くなる。それから干潮のときにはもちろんずっと低くなります。一日に二回御存じのように繰り返すわけであります。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 私の時間は短いので、なるべくひとつ簡潔に。

豊田高司建設省河川局開発課長

○説明員(豊田高司君) はい。  その海水が入ってこないようにするわけでありますから、特に上流側に水をためるというものでございませんので、そのところだけまず御理解をいただきたいと思います。  地震について大丈夫かという御質問でございますが、あの地域は木曽山脈、中央山脈からの流出で長年、何百年、何百万年あるいは何千万年とかかって堆積したものでございます。したがいまして、下の方は比較的かたいが上の方はだんだんやわらかくなる、そういうふうな地質でございます。そういうところをよく考えまして設計しておるわけであります。先ほど先生御説明いただきましたように、もともと我が国は世界でも有数の地震国でありますので、特に重要な構造物の設計に当たりましては大変厳しい設計基準ということで、そういった地震力を考えて設計しておるところでございます。  この長良川河口ぜきの建設の設計に当たりましては、我が国でもいろんなところで実績のあります耐震設計法が採用されておりまして、この設計震度というものは、先ほど申しました地盤の条件だとか構造物の重要性を考慮いたしまして適切な値を採用しておるところでございます。従来よりこういった方法で設計されました重要な構造物については大きな支障が生じていないという実例から考えましても、こういった設計法に基づく長良川河口ぜきについては大丈夫なものというふうに確信をしております。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 今の点についてもう一つお尋ねをいたしますが、実は先ほどの大渕委員の御質問の中に出ましたが、岐阜県側は非常にがっちりしたいい堤防ができている。三重県側を見るとどうも貧弱で、住民の不安もさもあらんという印象を新潟の先生が受けられたと。実際に長島町も伊勢大橋から海岸の方はコンクリートの堤防もかなり強化されておる。もちろんかさ上げはしてあります。ところが、そこから上流の方は亀裂も多い、あるいはまだコンクリートの堤防が完成していないところがある。しかもその地区で、地震等で陥没ということがあってはならないことですが、その点でどういう補強策というのか、あるいは今のままでも大丈夫なのか、その点はいかがでしょうか。

豊田高司建設省河川局開発課長

○説明員(豊田高司君) 今おっしゃいましたように、河川の堤防は、上流部は比較的用地買収も順調に進みました。進みましたという理由は、堤防のすぐそばに家屋が比較的少ないという関係もございまして用地買収が順調に進みまして、堤防のかさ上げ、これを腹づけと申しておりますが、これが順調に進んでおります。  伊勢大橋とおっしゃいましたが、伊勢大橋からもう少し下流は高潮堤防と申しておりますが、高潮堤防として施工しておりまして、コンクリートでがっちり固めておると。その間が確かに今おっしゃいましたように、その下流、上流と比べますと若干見劣りがするというようになっておるのは事実でございますが、これも現在用地買収を一生懸命やっているところでございます。用地買収が大半終わりましたので、いよいよ今度は上流と同じようにかき上げ、腹づけをしていくという順番になるわけでございまして、これは鋭意進めていって、平成六年ぐらいまでには何とか上流と同じような堤防にしてまいりたいというふうに考えておるところであります。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 次に、今お話がでましたが、高潮のことで地元は心配をしている、この点についてお尋ねをいたします。  高潮のことでございますが、実は地元ではたびたびお話が出ますが、昭和三十四年のあの伊勢湾台風で大変な被災を記録しております。九月二十六日には九百二十ミリバールの本当に大きな台風が来て、結局台風が上陸する。低気圧が通過をすると、その真下の水面が盛り上がるというんですか上昇する。それが満潮時に重なると大きな高潮という形で押し寄せてくる。三・九メートルを超える高潮の記録があると言われておりますが、これが地元の人はもっと高かったと、これは素人判断でそう思っているわけですね。  そこへもってきて、今回名古屋港等の愛知県側が日光川を中心に防潮堤をがっちりつくった。そうすると、伊勢湾の中にもし伊勢湾台風のようなものが入ってきた場合には、荒れ狂う高潮はこの長良川、桑名、そこに直撃するだろう。そこしかもうやってくるところはないと思っているわけですね。そのときに、川の中に河口ぜきのようなそういう障害物ができて、そこにはね返れば、先ほど話が出ました高潮は左右に分かれる。左右に分かれれば、そのせきの近くの左右の堤防が決壊する。そうしたらまたあのような惨事が起こるんじゃないか。ちなみに長島では三百八十三名の方が死んでいる。しかも伊勢大橋のすぐ真下のところ、約五十ないし百メートルのところで決壊をした。今回河口ぜきをつくっているところで決壊しているわけですが、決壊をした付近の南松ケ島では、二百名の住民のうち実に四十八名が伊勢湾台風で亡くなっている。今回そういう心配をしている人は、自分の身内にそのときに死んだ人を持っている人ばかりなんです。別にイデオロギーで反対をしているわけじゃなくて、心配だ心配だと。  先ほど来、高潮については考えて堤防も高くしてある、強化もしてあると。万が一高潮がオーバーフローしても、今は昔の四メートルの土の堤防じゃないから、コンクリートのきちっとした堤防だから大丈夫ですよと言うけれども、実際にはオーバーフローすればおだぶつだと思っているわけですね。その点で、高潮に対してこの河口ぜきをつくることで本当に安心なのかどうかという点についてお尋ねをいたしたいと思います。

豊田高司建設省河川局開発課長

○説明員(豊田高司君) まず、当時の堤防がどんな堤防であったかというのを調べてみました。先ほどおっしゃいましたように、当時の堤防は高さがTP四メートル、標高四メートルということでございます。それで、何でできておったかと申しますと、通常の土でできておりました。表面には多少草が生えておったかもしれません。土でできておりました。こういう堤防であったわけです。  なぜかというと、そのときまであの地方で伊勢湾台風によるような大きい高潮の被害を受けた経験がなくて、上流から降った雨が流れてきて堤防を越えるという被害が多かったわけでありますので、そういった上流に降った雨に対応するような堤防であれば十分だと考えておったわけでありまして、そういうことで土の堤防で高さが四メートル、そういう状況のところに、今おっしゃいましたような三・九メートルというようなデータが残っておりますが、これに風が大変強うございますので、風による波しぶきがあって、地元の方にはもっと高かったような印象があったかもしれません。そういったことで、四メートルのところに三・九メートル海面が盛り上がった。そこに風による波も来て堤防を越えたということでありますから、ひとたまりもありません。  この結果、おっしゃった伊勢大橋の下流ばかりでなく、長良川下流では隣の揖斐川、木曽川も入れますと全部で二十数カ所、至るところが切れております。切れなくても半分切れたりさんざんな目に遭ったわけでありまして、これではいかぬということで、すぐ災害復旧でいわゆる海岸堤防というものができました。この海岸部だけではなしに、これはもう少し中までやらないとだめだということで、今は伊勢大橋のところまで、大体そのところまで海岸の堤防と同じような構造でできておる。これは先ほど申し上げたとおりに三面張りの構造にしておるわけです。  それで、この高さがどれぐらいかと申しますと、当時四メートルぐらいの堤防を河口地点では 七・五メートルというような大きい堤防にしよう、こういうことであります。それから河口ぜき地点では五・八メートルのでかい堤防をつくる。なぜこれが違うかというと、ずっと行くに従いまして波の影響が薄らいでくるので、同じ高さではなしに少しずついきます。こういうぐあいになっておりまして、これは全国どの川でも河口部におきます高潮堤防の考え方でございます。  もし、こういうところにせきができたらどうなるかという御心配はもっともな御心配でありますが、このせきのゲートは、その堤防よりさらに高く、大体六・八メートル以上にまで上へ上げてしまいます。こういうことで、高潮が来ましてもそれがゲートに当たってあふれるというようなことはないわけです。もちろん高潮堤防を乗り越えないような高さに、先ほど伊勢湾台風の気圧が九百二十ミリとおっしゃいましたが、そういうような猛烈に気圧の低い台風が来て、さらにそれに波を計算いたしまして、波が来ても越えないという高さにしておるわけであります。  もし万一、伊勢湾台風よりもっと大きいものが来たらどうなるかということでありますが、そのときは確かに越える可能性がございますが、これは越えましても大丈夫なように天端もコンクリートで張り、後ろ側もコンクリートで張って、波は少し越えるかもしれませんが、堤防そのものはがっちりとして壊れないようなそういう構造をしておるわけであります。  現在できております高潮堤防は、地盤沈下等の関係もございまして、一部分暫定的なところがございます。これは本格的にすべく今基礎から、下流から順次工事を施工しておるところでございます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 今のお話でございますが、もう一点だけ最後にお尋ねをします。  長島は、ゼロメートル地帯と言いますが、実はもともと長良川の水面よりも三メートルぐらい下で生活をしている町なんです。実際にこの河口ぜきがなぜこんなところにできるのかと。利根川やあるいは日本の河川には河口ぜきをつくっているところがたくさんありますという先ほどからのお話ですが、こんな五・四キロのところにつくってもらったらかなわぬと、そういう非常に大きな心配をしておるわけです。  それは、大きな貯水ダムが二十六キロにわたってできて、そして満々と川が水をたたえるということになれば、それよりも三メートル下のところに住んでおれば、堤防はいろいろ下の方では水がくぐっておると、いろんなことが起こって自分たちがいつか何かの災害、例えば大雨、安八水害のときは四日間連続して雨が降ったという、そういう大雨とか台風、地震等で思わぬことが起こったときに、またまた全町村二カ月間水につかってしまうわけですね。そういうことが起こるんではないかと。こういう場所につくってもらっては困るという気持ちが強いわけですね。  きょうは、長官はお見えになりませんが、政務次官がお見えになりましたので、今騒いでいる騒いでいるとおっしゃいますけれども、これは岐阜県の町村長会は確かに建設促進で岐阜県庁に何か陳情を持っていったというのが六月八日にあったそうです。しかし、六月八日の同じ日には、岐阜県の安八ですかな、そこで長良川の河口ぜきをもろもろ考えようという会があって、そこで二百名も集まってシンポジウムをやっているわけです。反対というわけでなくても、考えたいという人はたくさんおる。そこで、一度現地を見ていただきたい。そして本当に安全なのかどうか、こういう五・四キロのところになぜ河口ぜきをつくらなきゃいけないのかということについて、いろんな情報を与えていただきたいとお願いをしまして、私はもう時間が来ましたので質問終わりますが、よろしくお願いしたいと思います。

豊田高司建設省河川局開発課長

○説明員(豊田高司君) 今、満々と水をたたえるとおっしゃいましたが、くどいようでございますが、現在ある塩まじりの水が真水になるだけだというふうにぜひ御理解をお願いしたいと思います。  それから、五・四キロのところになぜつくるかというお話でございますが、全国に潮どめぜきというものが大変たくさんあるわけでありますが、それを見てみますと、基本的にはできるだけ河口に近いところで水利用がしやすいところだとか、あるいは住んでおる方のところに塩水が入らないようにするためにできるだけ河口に近いというのが理想でございます。しかし、川によっては大変川幅が広くてそれが不可能なところがございます。ということで、できるだけ下流に近いところで、技術的にも経済的にも妥当性のある地点を選択したわけでございます。これがずっと上流に参りますと、そこから下流はやはり塩水が入ってまいりますので、いろんな障害が出てくるということでございます。  それからもう一つ、もし大雨が降ったらどうなるかということでございますが、まさに大雨が降ったときのために、その川底をもっとたくさん水が安全に流れるように川の底を掘り下げておるわけであります。おっしゃるとおり、今のままほっておきますと、もし大雨が降ったら大変なことになります。そのために川の底を掘って水がたくさん流れるようにするわけでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

秋山肇税金党平和の会

○秋山肇君 私が最後の質問ですけれども、皆さん方の質問の中に共通するものというのは、災害が起これば人命がそこで失われる。我々も災害対策で視察に行くときには必ずそういう悲惨なところを見なければならないわけであります。今の長良川河口ぜき、川口の問題ですが、私は川の上流の問題で幾つか質問をいたしたいと思います。  先日、テレビを見ておりましたらば、民有林の問題が取り上げられておりました。戦後、農地改革というのがあって、農地改革によって農業生産というのは私は上がったと思うんです。ところが山林にはそういうことがなくて、大きな山地主の方々が山をしっかり支えている、それによって治山治水というのが守られてきたんだろうというふうに思っておりましたところ、相続という問題で土地が細分化をされている。それではその山がきちんと管理をされているかというと、相続した人が山を維持できない、木を持っていても手入れもできないというようなことがテレビで映されておりました。リゾート法にも関係するかもしれませんが、そういう土地のいろんな形が変わってくることによって山が荒れてしまうんじゃないかなというふうな気がいたします。  その辺について、大臣いらっしゃらないんですが、政務次官は長野県の御出身でもありますし、山の相続の問題というのは、御存じのように、農地相続というのは農地を細分化しない、農業をやる人に農地を相続させようということがあるわけですけれども、山についてはない。立木については相続のときに多少軽減があるようですけれども、土地については一切ないということなんですが、この点、山を保全するという意味で、次官のお考えをお聞きいたしたいと思います。

伊藤公介自由民主党国土政務次官

○政府委員(伊藤公介君) 秋山議員からいろいろ御指摘をいただき、御心配をいただいて感謝いたしております。  実は私、選挙区は東京でございますが、自分が生まれ育って両親がおりますところは信州の海抜千五十メートルというところでございまして、文字どおり山合いの村でございました。私が鮮明に記憶をしておりますのは、たしか河野一郎さんが現職の建設大臣のときでございましたが、伊那谷に台風がございました。私どものふるさとも山林が荒れ狂うような台風で村が大変な時期を迎えたことがございました。私も政治の道に参画をさせていただいて、この山林の、あるいは治山治水という問題については大変な関心を私は持ってきているわけでございます。  今、議員から御指摘をいただきました山林に対します防災、治山治水という問題につきましては、林野庁が担当しているところもございますし、私ども国土庁あるいは建設省、また地方自治体とも十分連携をとって、昭和六十三年三月には中央防災会議において土砂災害対策推進要綱を決 定して、関係機関が十分対応できるような体制をしているところでございます。  今、ちょうど国土庁が過疎と過密を解消して均衡のとれた国土をつくろうと、そうした政策を推進していく中で、リゾート法の問題も今議員御心配いただきましたように、これから十分そうしたことにも配慮をしながら、美しい国土のその美しさを失わない、そうしてまた新しい時代に備えたそれぞれの地域のリゾートに対する要求にもしっかりこたえていかなければならないというふうに思っております。関係省庁とも十分緊密な連絡をとって対処してまいりたいと思います。

秋山肇税金党平和の会

○秋山肇君 最近では、都市化、国土開発の進展に伴って、都市周辺及びリゾート開発等により森林が急激に減少し、生活環境が悪化しております。私は、森林の維持、造成を通じて、山地に起因する災害から国民の生命財産を守り、水資源の涵養、生活環境の保全形成を図る治山事業は極めて重要な国土保全政策の一つであると考えます。  そこで、災害に関連した治山事業について幾つかお伺いしたいのですが、ここ数年の山地災害の発生状況及び対策はどのようになっておりますでしょうか。

弘中義夫林野庁指導部治山課長

○説明員(弘中義夫君) 最近の山地にかかわります災害につきましては、融雪災害、梅雨災害、豪雨、台風等に伴います災害がございます。  その被害状況でございますが、治山施設にかかわりますもの、それから林地荒廃にかかわるものと大きく二つに分かれるわけでございますが、昭和六十二年におきましては約二千八百カ所、被害額で約七百三十四億円でございます。六十三年度は五千五百カ所、一千百七億円という状況になっております。  これらの山地災害に対します復旧対策といたしましては、林地荒廃につきましては、再度災害が起こるという危険性がやはり非常に高いわけでございますので、緊急を要する箇所につきましては、災害関連緊急治山事業等により復旧に当たっております。また、人家の裏山とか小規模な崩壊につきましても、林地崩壊対策事業により早急に復旧に当たっているところでございます。  もう一つの治山施設に対します災害復旧につきましては、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法等に基づきまして早期に復旧に努めるとともに、これとあわせまして治山施設災害関連事業においても復旧整備にかかっているところでございます。

秋山肇税金党平和の会

○秋山肇君 今の報告にもありましたけれども、ここ数年の山地災害の発生状況を見ますと、増加傾向なわけですね。  そこで、荒廃山地の現状並びに整備の状況はどのようになっておりますか。

弘中義夫林野庁指導部治山課長

○説明員(弘中義夫君) 今申し上げましたように、災害の後復旧に努めているわけでございますが、現実には荒廃地、荒廃危険地等の荒廃山地が全国でもむしろ増加傾向でございまして、約二百三十六万ヘクタールそのような荒廃山地がございます。これに必要な治山施設の整備を行っているわけでございますが、平成元年度末まででは約三四%の八十万ヘクタールにとどまっているのが現状でございます。  このような状況に対処いたしまして、安全で豊かな国土基盤の形成、森林の水源涵養機能の拡充強化というような観点から、第七次治山事業五カ年計画を現在実施中でございます。この計画の中でも、荒廃山地の復旧を緊急かつ計画的に実施する計画でございまして、この五カ年計画の平成二年度末におきます進捗率は約八三・七%となる見込みでございます。

秋山肇税金党平和の会

○秋山肇君 荒廃山地の整備は低い状況に今あるわけで、安全な国土基盤を確立するためには、山地災害を未然に防止するための予防治山事業を積極的に推進するべきではないかと考えます。その点について具体的な事業計画等があったら教えてください。

弘中義夫林野庁指導部治山課長

○説明員(弘中義夫君) 先生御指摘のとおり、荒廃山地の復旧というものは、災害が起こった後での復旧では不十分でございますので、私どもといたしましても、山地災害の未然防止のための予防対策を講じていくことが人命財産の保全を図る上からも、また治山事業そのものの効率的実施という観点からも最善の措置ではないかと考えておるわけでございます。  こういう考え方から、林野庁といたしましても、これまで山地災害危険地区への対策といたしまして、予防治山あるいは地域防災対策特別整備治山事業等により実施してきたわけでございますが、さらに、こういうものとあわせまして、点的な荒廃地に対する対策だけでなく、面的な広がりを持ちました流域保全のための荒廃森林の整備を行います水源地域緊急整備事業とか、あるいは災害防止機能の高い森林を整備しつつ、あわせて地域住民の憩いの場として活用できるような生活環境保全林整備事業等を実施して、総合的な、いわゆる面的な予防対策を推進してまいりたいと考えております。  今後とも、このような総合的な山地災害の未然防止のための予防治山対策を推進してまいりたいと考えております。

秋山肇税金党平和の会

○秋山肇君 今のお答えにあったように、大勢の人たちに参加していただく、理解していただくということが山を守るということにおいてやはり大事なことだろうというふうに私は思います。これからもぜひひとつ今のお答えにありました計画等を整備して、またPRしていただいて、大勢の国民の理解を得ていっていただいて、災害の予防に役立てていただきたいと思います。  次に、建設省にちょっとお伺いします。  我が国には急な山や谷、がけ地が多い上に、地震や火山活動も活発であります。また、台風や豪雨、豪雪に見舞われやすい気象条件が加わり、しばしば地すべり、がけ崩れ、土石流による被害が発生しております。この土砂災害というのは、多くの場合突発的に発生し、また破壊力も強大なため、一度起こると一瞬にして人命や家屋が失われるわけです。  まず、現時点での土砂災害の危険箇所の整備状況はいかがですか。

五十嵐武建設省河川局砂防部傾斜地保全課長

○説明員(五十嵐武君) 建設省で所管いたします土砂災害の危険箇所は全国で約十六万カ所ございます。これらの危険箇所につきましては、五カ年計画に基づきまして計画的に整備を促進しておるところであります。  その整備率でございますが、平成元年度末におきまして、土石流危険渓流につきましては約一八%、地すべり危険箇所につきましても同じく一八%、さらに急傾斜地崩壊危険箇所、いわゆるがけ崩れ危険箇所でございますが、これの整備率は約二〇%となっております。今後ともこの整備率を上げるために全力を傾注していきたいと思っております。

秋山肇税金党平和の会

○秋山肇君 今の答弁だと大変低いですね、多いので二〇%ですから。この低いという原因はどのような点にありますか。

五十嵐武建設省河川局砂防部傾斜地保全課長

○説明員(五十嵐武君) 非常に整備率が低いという御指摘でございますが、このがけの危険箇所を例にとりましても約七万七千カ所と非常に膨大な危険箇所がございます。したがいまして、この事業の歴史が比較的新しいということもございまして、現在鋭意整備を進めておりますが、依然として整備水準としては低い段階になっております。これからも整備水準の向上のために全力を尽くしたいと思っております。

秋山肇税金党平和の会

○秋山肇君 確かに工事のやりにくい場所であり、今の数が多いというだけじゃない問題もあるんだと思うんですが、一層の早い整備を進めていただきたいと思います。  近年、大都市周辺部において市街地が拡大をしているわけですが、丘陵地や山地等における人口増加率が年々高くなってきているわけです。急傾斜地を含むこれらの地域では、集中豪雨等による土砂災害発生の危険性があり、現に昨年八月には川崎市においてがけ崩れ災害が発生しております。  そこで、このような急傾斜地を含む土砂災害危険箇所周辺の地域住民に対し、土砂災害に対する 認識、警戒避難体制について周知徹底を図るべきだと思いますが、その点について具体的な方法はとっておりますでしょうか。

五十嵐武建設省河川局砂防部傾斜地保全課長

○説明員(五十嵐武君) 御指摘のとおり、土砂災害危険箇所は全国で約十六万カ所あるということでございますが、これらの危険箇所につきましては、地域防災計画に掲載したり市町村の広報紙、これらに掲載を行って、さらに指定地区に指定された箇所につきましては標識の設置、これらを行いまして地域住民への周知に努めておるところであります。  さらに、国民的な認識を高めるために、毎年六月一日から一カ月間土砂災害防止月間として、さらに六月一日から七日までの一週間はがけ崩れ防災週間というふうに位置づけまして、住民の方々の理解が得られるように努めておるところであります。  さらに、総合土砂災害対策モデル事業、地すべり監視モデル事業、これらを実施いたしまして警戒避難体制についての強化が図られるよう努力しておるところであります。  以上でございます。

秋山肇税金党平和の会

○秋山肇君 これから梅雨に入って雨の時期になるわけですけれども、土砂災害予防対策としては、日常的な防災活動のみならず、緊急時の応急対策も細かく対応する必要があると思います。そのためには、日ごろから関係機関との連携を密にし、総合的な土砂災害に対する対策の推進体制を整備しておく必要があると考えますが、国土庁の具体的な取り組みはいかがでしょうか。

市川一朗国土庁防災局長

○政府委員(市川一朗君) 土砂災害の問題は、最近特に大きな台風とか地震等がないせいもございまして、この数年人命が失われる災害の過半を土砂災害が占めておるということもございますので、先ほど政務次官が御答弁申し上げましたように、六十三年三月でございますか、中央防災会議におきまして土砂災害対策推進要綱を定めたわけでございますが、御指摘のように、それに基づきまして今後関係省庁が緊密な連携をとりながらやっていく必要があると考えております。  私どもの考え方といたしましては、まず危険な箇所をなくすということがもちろん先決だと思いますけれども、それは先ほど来の御質問等にもございましたように、一生懸命やっておりますけれども、必ずしも十分まだ進んでないという面もございます。したがいまして、そういった危険箇所につきましてできるだけその周知徹底を図るとか、あるいは予報警報体制をしくとか、それから避難体制の整備とか、そういった非常にソフトの面を、防災関係者だけでなくて、地域住民とも連携をとりましてやっていく必要があるという基本的な考え方で現在も取り組んでいるわけでございますが、さらに一生懸命取り組んでまいりたいと思っている次第でございます。

秋山肇税金党平和の会

○秋山肇君 終わります。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○委員長(佐藤三吾君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十八分散会

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