国民生活に関する調査会 第1号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1990/04/17
会議録
○会長(遠藤要君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る三月六日、木宮和彦君が委員を辞任され、その補欠として宮崎秀樹君が選任されました。 ─────────────
○会長(遠藤要君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
○会長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に宮崎秀樹君を指名いたします。 ─────────────
○会長(遠藤要君) 国民生活に関する調査を議題とし、内外価格差問題について、また先般来お話し申し上げておるように、国民の方々がどうも豊かさという認識にほど遠いというような点もございますので、きょうは総務庁、国土庁及び建設省から説明を聴取いたします。 まず、公的規制のあり方について、総務庁から説明を聴取いたします。新野官房審議官。
○政府委員(新野博君) それでは、本日はお手元に「公的規制の在り方に関する小委員会報告」、昨年の十一月二日に出しましたものでございますが、それと、一枚の紙で「内外価格差問題について(付論2目次)」というのがございます。 これに従いまして、この「公的規制の在り方に関する小委員会報告」で扱いました内外価格差問題について焦点を絞って御説明を申し上げたいと思います。 行政改革推進審議会の方では、公的規制のあり方というものに関連いたしましてこの内外価格差問題を扱ったわけでございますので、それを取り上げるに至った経緯及びこの報告書における付論の位置づけにつきまして最初に簡単に御説明をさしていただきたいと思います。 昭和六十三年の十二月に「公的規制の緩和等に関する答申」というのを行革審から内閣総理大臣に提出をいたしました。その答申の中で、公的規制見直しの基本的観点の一つといたしまして、経済構造調整の推進という視点を出しております。その点から三つの点を重視するということで、国民生活の質的向上、産業構造の転換、国際的調和、この三点を重視して検討するということになっておりまして、このうち国民生活の質的向上につきましては、国民の個性的かつ多様性に富んだ需要に対応した供給構造の変革を推進し、国民生活の質的向上を図るということで、このためには輸入の拡大を進めて内外の競争を促進するとともに、円高差益の一層の還元を図るということで、内外価格差の縮小、それから国内産業の生産性の向上や効率化を進める必要があるということが答申で指摘をされております。 このような観点を踏まえまして、一昨年の十二月の答申では、流通、物流、情報・通信、金融、エネルギー、農産物、ニュービジネス等の分野につきまして規制緩和方策を提言いたしたところでございます。 政府は、この答申を受けまして六十三年の十二月に規制緩和推進要綱というのを閣議決定いたしました。関係省庁におきましては、この閣議決定に沿いまして、答申で個別に指摘した事項について逐次実施に向けた努力が行われているところでございます。 行革審では、この答申の政府における実施状況等を点検、評価いたしますとともに、今後の課題を明らかにいたしまして公的規制の緩和等の一層の推進を図るということで、昨年の六月から審議会のもとに置かれております小委員会を再開いたしまして、各省ヒアリング、審議等を重ねました結果、昨年十一月にお手元にあります報告が決定され、審議会に提出された次第でございます。 この報告では、我が国経済社会が二十一世紀に向けて大きな変容を遂げつつあるということで、これに積極的に対応していく必要があるといたしまして、その一つといたしまして、今後は経済発展の成果を国民生活の質的向上に結びつけていくことが従来にも増して一層強い国民の要請となろうとの認識を示しながら、特に最近におきましては、内外価格差の縮小を通じた物価構造の是正及び物価水準の低下が重要な課題であると記載しているところでございます。 それで、この課題解決のためには多様な政策が必要となるわけでございますが、豊かで多様な消費生活を実現していきます上で、公的規制を緩和いたしまして市場メカニズムのもとで民間の活力と創意工夫が十分発揮されるシステムを構築する努力、これが欠かせないということを基本的に指摘しているところでございます。 以上のような点を背景にいたしまして、今後の重点目標の一つといたしまして、内外価格差の縮小に向けて積極的に取り組むことをこの報告で掲げているところでございます。 しかしながら、一口に内外価格差と申し上げましても、内外価格差の実態には個別品目の内外価格差の問題から総体としての物価水準の格差等に至るまで多様な形態がございます。また、その内外価格差の要因につきましても、為替レート水準の変化であるとか、貿易障壁の影響であるとか、あるいは土地、労働、原料等の投入財の問題、あるいは国内企業の間や輸入品等との競争の程度の問題、それに流通機構や商慣行、こういうものが複雑に絡み合って形成されておりまして、なかなかその要因を一言で言うことは困難であること、また内外価格差の縮小に向けた対応策につきましても、そのさまざまな要因に対応して多様にわたる、こういうようなことがございますので、内外価格差問題につきましてその実態、それから内外価格差の要因、内外価格差の縮小に向けた対応策を整理するという観点からこれをまとめたところでございます。 それで、この場合、本文ではなくて付論という形でまとめておりますが、内外価格差問題につきまして公的規制との関連に主たる関心を持ちつつ検討をいたしたわけでございますけれども、先ほど述べた広い観点の整理がどうしても必要になりますので、できる限り広い視野から問題の整理を試みたものでございまして、そのような性格から、本報告書の本文としてではなく付論として参考までに取りまとめさせていただいたものでございます。 それでは、一枚のペーパーの方によりまして内容を簡単に御紹介申し上げます。この報告書の方では四十四ページからでございます。 まず、「問題の所在」のところでは、現にあります内外価格差自体が問題ではなくて、結局自由な経済活動による合理的な範囲内のものであるかどうかが問題であるというようなことを申しております。 それから、「内外価格差の実態」といたしましては、物価水準の国際比較、物価水準から見る場合、それから個別品目から見る場合ということで、当時の各省の資料をもとに分析をいたしておりますが、総体としての物価水準は当時の円高の中でかなり各国に比較して高いような国際比較が出ております。また個別品目につきましても、六三年十一月の経済企画庁調査等に基づきまして、総じて割高であるというようなことが分析をれておるところでございます。 三番目に、「内外価格差の要因」のところでございますが、これは何といっても一つは急速な円高の進展であるということでございます。六十年の秋以降急速な円高の結果、従来アメリカとの比較では六十年の物価水準では割安であったのが、六十三年の時点では一・五倍以上の大きさになっておるというような状況が報告をされております。 それから、(2)の非貿易財部門の価格調整のおくれでございますが、貿易可能な商品は国際取引を通じまして価格差は次第に縮小をしてまいります。しかし、非貿易財の場合には国内価格と海外価格とを一致させるメカニズムが直ちにはききにくいということでございまして、消費者物価指数に占める非貿易財のウエートは約五割あるというようなことがここで記述をされております。 次に、(3)の輸入品の国内市場に占めるウエートでございますが、製品輸入の伸びは近年急速ではございますが、全体としての民間最終消費支出に対する輸入比率は三%程度である。また、一人当たりの外国製品輸入額はアメリカの二分の一、西ドイツの四分の一程度であるということで、輸入品をふやすことが内外価格差を縮小させることの一つの要因になってくるだろうということでございます。 また、制度の相違でございますが、エネルギーとか水道、運輸・通信、医療・教育等につきましては、国によって供給の仕組みなり公的制度が異なりまして、消費者が支払う価格というものが、政府が別途支払うもの等の関係もございまして、それだけで格差として単純に認めることはできない、非常に仕組みや制度が影響しているものが多いということでございます。 五番目に、公的規制の問題でございまして、一つは輸入規制、それから二つは価格規制、第三に参入・業務規制、第四に価格支持制度、これらはそれぞれ理由があってとられておる規制の制度ではございますが、また価格の面に影響を与えておることも事実でございます。 それから六番目に、メーカーなどの価格政策でございまして、高いシェアを占める企業の価格政策が商品の差別化ということで高価格を維持する、あるいは外国メーカーや輸入総代理店の価格政策、そういうものが一つの要因であるということを指摘をいたしております。 また、(7)の流通構造、商慣行でございますが、我が国の流通機構につきましては一律に非効率、競争制限的であるという根拠はございません。しかしながら、多数の小規模小売店によるきめ細かなサービスであるとかあるいは建て値制、標準小売価格制等がその状況いかんによっては価格を高める要因になることも否めないというような整理がされております。 それから八番目に、要素価格の格差の問題でございまして、生産流通活動に不可欠な土地、エネルギー、人件費などのコストの差というのが価格差の一つの要因であるという整理をいたしております。 最後に、企業及び消費者の行動でございまして、消費者行動が商品の選択という場合に、価格に加えて商品、サービスの多様性であるとか、あるいは高い品質であるとか、配達、サービスのきめ細かさとか、こういうものを要求する場合にはやはり価格に反映をされるという点がございますし、また企業の行動も、そうしたものに対応するという場合にはコスト増大をする可能性があるという整理がされております。 大きな四番目としまして、「我が国の流通構造と流通業の変革」でございますが、(1)の現状評価としては、現在流通システムの急速な変革が行われておるということが紹介をされております。 (2)の環境の変化と流通業の変革ということで、多様な消費者のニーズに適切に対応して商品、サービスの提供を図っていくということは今後とも必要でございまして、そのために流通の効率性を高め、流通業の変革を行っていくということが非常に必要であり、そのためには流通に係る規制の緩和等もまた十分考えなければいけない課題であるということが整理をされております。 五番目に、それでは「内外価格差縮小に向けた今後の対応策」として何が考えられるか。これは当然のことながら民間分野にかかわる問題も多いわけでございまして、政府としてとり得る問題というのは必ずしもそれほど強力な武器があるという形でもなく限界があるものではございますが、当面考えられる問題については幅広く手を打っていくべきであるとして整理したものが以下の七点でございます。 一つは規制緩和でございまして、やはり内外価格差ということを考えます場合に、原則として市場原理を一層生かしていく、そういう競争状態の中で価格を低廉なものに持っていくということであろうということで、その意味で規制緩和の見直しということが必要であるという整理がされております。 また、公共料金政策につきましても、国民の関心は物価上昇率の抑制ということから物価水準の割高感の是正の方に移行をしてきておるということから、料金、サービスの多様化を含めた格差の是正であるとか、可能な限り合理化を図り低廉な料金水準を設定するとか、あるいは料金規制のあり方につきましても市場原理を生かしていくというようなことが必要であると整理をされております。 三番目に、独禁法の厳正な運用でございまして、輸入総代理店制度につきましては監視の強化を行う。また商慣行等につきましても実態調査を充実し、独禁法上の判断基準の明確化等を図る、あるいは監視、指導の強化を図る。また再販制度等につきましても対象範囲や制度のあり方を検討するというような整理がなされております。 それから四番目に、製品輸入の拡大でございまして、これにつきましては輸入障壁の撤廃であるとか、基準・認証制度の見直しによる市場開放であるとか、あるいは輸入拡大対策をとっていく必要があるということが整理をされております。 五番目に、流通システムの変化と企業・消費者行動の転換の促進でございまして、これにつきましては政府は商品や店舗選択に関する情報を提供していく、また輸入品を含めました相談、苦情への対応の充実等を図っていくというような整理がなされております。 六番目に、土地対策等の推進でございまして、これはエネルギー対策、交通・通信産業等における技術革新、こういうようなものを含めて我が国経済社会の発展に欠かせない基本的な問題でございますが、これがまた内外価格差の問題にも寄与するという観点から、特に土地につきましては行革審が土地答申を二回にわたり出しておりますので、その積極的な答申の実施が必要であるということが整理をされております。 七番目に、内外価格差に関する調査、国民への情報提供の推進でございまして、内外価格差の実態というのは非常にいろいろな調査方法があり、難しい問題がございますけれども、なるべく実態を的確につかむ。それから、対応策の推進状況やその成果を積極的に国民に提示していく必要がある。以上のような整理をしているところでございます。 以上でございます。
○会長(遠藤要君) 次に、土地住宅問題に関連して国土庁及び建設省から説明を聴取いたします。国土庁藤原土地局長。
○政府委員(藤原良一君) では、お手元の「地価の動向と土地対策」という資料に基づきまして、最近の地価及び土地対策の概要について御説明申し上げます。 まず、一ページをお開きいただきたいと思いますが、これは三十一年以降の地価の変動状況をあらわしたグラフでございます。上が住宅地で下が商業地であります。五十年を除きまして終始地価は上昇を続けてきておりますが、特にその中でも三十五、六年、四十七、八年、そして今回と大きな異常高騰の波を三回経験しております。 次に、二ページでございますが、四十六年以降地価公示制度を実施しておりますけれども、これは地価公示を実施いたしました四十六年以降の変動率でありますが、一番右端に平成二年の地価公示の実数が出てございます。上の住宅地で全国平均で一七・〇%の上昇となっております。特にこの中で大阪圏が五六・一%と非常に高い上昇を示しております。 次に三ページでございます。これは三大都市圏の五十九年以降の地価の推移でございますが、昭和五十八年を一〇〇とした累積上昇率をあらわしたものでございます。上が住宅地でございますが、ちなみに東京圏、一番上の欄をごらんになっていただきますと、右端ですが、平成二年は指数で二三四・七、二・三四倍になっておるわけでございます。大阪圏が中ほどにございますが、二七八・一、二・七八倍、名古屋圏が一・六〇倍、そういうふうな上昇になっております。 次に、四ページでございますが、地価公示の平均価格指数を圏域別に比較したものでございまして、これは東京圏を一〇〇としたものであります。今回の地価高騰は五十八、九年ころ東京都心に端を発したわけですが、そのときの状況は住宅地で東京圏を一〇〇といたしますと大阪圏が八五、名古屋圏が五〇という比率だったわけですが、東京圏が先行して上昇いたしまして、六十三年には東京一〇〇に対しまして大阪圏四三、名古屋圏二一と、東京と大阪、名古屋、その他の地域の格差が非常に広がっております。その後、東京圏は東京と神奈川等で鎮静化が見られましたが、大阪圏、名古屋圏の上昇が著しく、平成二年ではその差が一〇〇対九一、三二といったぐあいに、特に東京、大阪圏の格差が縮まっております。 これら地価高騰の要因を五ページに記してございます。まず東京圏の上昇要因でございますが、都心部における事務所ビル需要の急激な増大、都心部の業務地化に伴う住宅地における買いかえ需要の増大、その過程で投機的取引、あるいは不要不急の投資的な仮需要が発生しております。また、背景といたしましては金融緩和による金余り状態があったということだと思います。 また、最近の大阪圏、名古屋圏における地価高騰要因でございますが、依然として金融緩和基調にあるほか、東京との割安感に伴う投資需要、あるいは関西学研、新空港、そういった大規模プロジェクトの進展によるこの地域における期待感の増大等を挙げることができるのではないかと考えております。 地価高騰に伴う問題点でございますが、これはいろいろ考えられますが、特に大都市勤労者の住宅取得の困難化、資産格差の拡大による社会的不公平感の増大、社会資本整備への支障、そういったことが考えられると思っております。 次に、こういう地価の状況に対しまして政府が講じてきた対策でございますが、需給両面にわたる各般の対策を講じてきておりますが、まず土地取引規制といたしましては、六十二年六月、国土利用計画法を改正いたしまして監視区域制度を設け、この制度を運用してございます。これは小規模な土地取引についても知事、指定市の市長に届け出る義務を課しまして高値取引を行政指導しようというものでありまして、現在一都二府三十四県十一政令指定都市、市区町村数で言いますと七百五十余の市区町村でこの制度を運用しております。 次に、七ページに監視区域の指定状況を図で示しております。黒く塗ったところが指定区域でございます。 さらに八ページでは、さきの国会で国土利用計画法を一部改正していただきまして、監視区域の運用をより厳正にするために、利用目的すなわち土地の取得後一年以内にみずから利用することなく転売するようなケースにつきましても厳しく指導できるようにしておりますし、また遊休土地につきましても、監視区域の中におきましては面積要件や期間要件を厳しく改正しております。 次に九ページでございます。不動産、金融機関に対する指導でありますが、不動産業、金融機関に対しては六十年七月以降繰り返し指導をしてきております。特に金融機関に対しましては、いわゆる特別ヒアリングによりまして個別銀行の融資に立ち入って過剰融資のないよう指導してきておるところでありますが、平成元年十月末にはノンバンクも指導の対象に加えております。また、三月二十七日には、土地関連融資の伸び率を総貸し出しの伸び率以下に抑制することを目途に金融機関を指導することとしております。なお、下の表が全国銀行の不動産業向け貸出残高でございますが、元年十二月末では、表の一番下にございますように、不動産業向け四十六兆余、対前年伸び率一四・一%と総貸出残高の対前年伸び率一〇・九よりもかなり高い伸び率になっております。 十ページは土地税制の改正でございますが、土地税制につきましても投機的取引や不要不急の需要を抑制する観点から改正を加えてきておりまして、六十二年十月には超短期重課制度を創設しております。これは土地転がしの抑制のための制度でございまして、譲渡益に対して表面税率九一%という重課制度でございます。 一つ飛ばしまして、その下に居住用財産の買いかえ特例の原則廃止というのがございます。これは十年以上居住していた場合には処分代金の範囲で買いかえる限り原則無税だったわけですが、それが周辺の住宅地域の高騰原因の一つとなっておりましたので、これを原則廃止いたしまして低率分離課税方式に改めております。また、法人の土地取得に係る借入金利子の損金算入制限措置も六十三年末から実施しております。 国公有地・国鉄清算事業団用地の処分でありますが、一般競争入札による処分が地価高騰地域では高騰に油を注ぐという御批判もありまして、六十二年十月には地価の異常な高騰が鎮静化するまで見合わせるということを閣議決定しております。平成元年には東京等の地価が鎮静化してまいりましたので、具体的事例に即して地価に悪影響を与えないと判断された場合には競争入札による処分ができるということとしておりますが、なお東京都等ではまだ一般競争による入札は行っておりません。また、国鉄清算事業団用地につきましては、地価を顕在化させない処分方法による処分を積極的に拡大するということで、この方法も現在進めているところでございます。 十一ページでございますが、地価対策をより基本的に推進するためには国土の均衡ある発展を図ることが重要であります。そういう観点から多極分散型国土形成促進法を制定いたしまして、国の行政機関の移転を促進しております。御承知のとおり、七十九機関、自衛隊十一部隊の移転対象機関を決定いたしまして、そのうち七十六機関十一部隊の移転先を先ごろ取りまとめたところであります。できるだけ早い時期に移転を完了すべく現在作業を進めているところでございます。 次に、供給対策でございますが、宅地開発の推進といたしまして、大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法、あるいはその下の宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法、こういった法律を制定していただきまして、優良な宅地開発の推進に取り組んでおります。また再開発の推進につきましても、都市再開発法の一部改正を行いまして、工場跡地等の低未利用地における土地利用転換を円滑に進めるために再開発地区計画制度等を創設しております。その他、線引きとか用途地域の見直し、容積率の見直し等も適宜行っているところであります。 次に十二ページでございますが、さきの国会で制定いただきました土地基本法について簡単に御説明申し上げます。 土地基本法は、六十二年末ごろから衆参両院の土地問題等特別委員会におきまして、土地の公共性の観点から土地の保有、処分、利用に関する制限や負担のあり方について国民的規模の合意形成を図るべきだという決議をちょうだいしております。また、行革審からも土地対策を推進するに当たっての基本的な五つの考え方が示されておりまして、例えば土地の所有には利用の責務が伴うこと、土地の利用に当たっては公共の福祉が優先すること等を内容とする五つの提言であります。また野党四党からも土地基本法案が国会に提出されておりました。そういった状況を踏まえまして、国土庁におきましても、長官の私的諮問機関として土地基本法に関する懇談会を設けまして基本法の考え方をまとめ、法案を作成して国会に提案さしていただいたわけであります。国会では衆参両院で非常に熱心に御討議いただきまして、与野党協議、修正の上、可決していただいたわけであります。 その概要は次のページにございます。二十条から成る宣言法的な性格のものでありますが、内容は土地についての基本理念、国等の責務、土地に関する基本的施策、そういったことを内容とするものであります。十三ページの上の方にございます「土地についての基本理念」が特に重要と考えております。 四つから成っておりまして、土地は公共の利害に関係する特性を有していることにかんがみ、土地については公共の福祉が優先されるべきものだというのが大原則であります。さらにそれを敷衍する形で、土地は地域の諸条件に応じて適正に利用されるべきものであり、また土地利用に関する計画に従って利用されるべきだというのが二つ目の原則であります。三番目は、土地は投機の対象とされてはならない。四番目が、土地の利益については適切な負担が求められるのだというのが土地に関する理念でございます。この理念に基づいて国、公共団体は土地に関する施策を展開することとされておりますし、また国民もこの理念を尊重して、土地に関する取引、利用等を行うというのがこの基本法の内容、主たる骨子であります。 なお、この基本法の制定直後に土地対策関係閣僚会議を開催いたしまして、十五ページ、十六ページにございますように、今後の土地対策の重点実施方針を申し合わせております。十項目から成っておりますが、ごく簡単に御説明さしていただきますと、一つは、大都市地域における住宅宅地供給の促進でございまして、大都市地域におきましては広域的な住宅宅地の供給方針を策定するほか、工場跡地等の低未利用地の有効高度利用を促進するための制度、市街化区域内農地を都市計画において保全するものと宅地化するものとに明確に区分し、生産緑地制度の見直し等を行いながら関係制度を充実していく、そういったことを平成二年度末までに行うこととしております。 また、土地税制の見直しにつきましては、適正な利用の確保、投機的取引の抑制、利益に応じた適切な負担といった基本理念にのっとりまして、また土地に関する施策を踏まえ、税負担の公平の確保を図りつつ取得、保有、譲渡の各段階における適切な課税のあり方について総合的な見直しを行うこととしておりまして、税制調査会の検討を踏まえつつ、平成二年度中に成案を得て所要の法律案を提出するということとしております。また、大都市地域の市街化区域内農地に関する税制につきましても、関係制度の整備、充実等とあわせて見直しを行い、平成四年度から円滑な実施を図ることとしております。業務核都市や臨海部の整備につきましても、平成三年度を目途に首都圏整備計画の見直し等所要の措置を瀞ずることとしております。 十六ページに入りまして、国公有地等の利活用でございますが、大都市地域の国公有地につきましては、国有地について使用状況等を平成二年度末を目途に点検してその有効利用を図ることとしております。公有地につきましても同趣旨の要請を公共団体に行っております。 借地借家法の見直しにつきましては、できる限り早期に改正要綱案が得られるように努め、これが得られ次第速やかに所要の法律案を国会に提出することとしております。 投機的取引等については引き続き的確な運用等に努めますし、金融機関等に対する指導も厳正な指導を徹底していくということであります。 公的土地評価の適正化につきましては、不動産鑑定評価基準の見直しを平成二年度末までに実施することとしておりますし、相続税評価につきましても同税の性格等を考えながら可及的速やかに地価公示等との均衡化、適正化を図っていくということとしております。固定資産税評価につきましても、平成三年度が次の評価がえの年でございますので、固定資産税の性格を考慮し地価公示との関係にも十分配慮しつつ均衡化、適正化を推進することとしております。また基準地等に係る路線価の一部につきまして公開を行うよう地方公共団体を指導することとしております。 そのほか、開発利益の社会還元、土地に関する情報の整備、土地に関する基本理念の普及啓蒙についても適宜必要な努力を行っていくこととしております。 一番最後に、日米構造協議における「土地利用」の要旨を添付してございますが、日米構造協議におきましては、ただいま御説明いたしました閣僚会議申し合わせ十項目を中心として協議を進めまして、ほぼその範囲内で協議を取りまとめ、中間報告の内容とした次第でありますので、詳しい御説明は省略させていただきます。 以上でございます。
○会長(遠藤要君) 建設省立石官房審議官。
○説明員(立石真君) お手元にお配りしてあります「住宅問題について」という資料に基づきまして御説明させていただきます。今回の資料は、国民が居住のためにどれだけ支出をしているかという側面からつくった資料でございます。 一ページをお開きいただきます。まず、「住宅価格・家賃の現状」でございます。大都市住宅問題の現状としてそこに書いてございますが、近年の大都市圏の地価高騰によりましてどのような問題が生じておるかということでございます。 まず第一番目には、住宅取得が困難となり、特に新規の住宅取得が困難な状況になっていることが第一でございます。第二番目に、居住水準の向上のおくれ、またこれらと関連して住宅立地の外延化が進んでいる状況でございます。これらを住宅価格と所得との乖離、東京圏を例にとりまして表をつくってございます。 そこで見ていただきますのは、まず年収でございますが、これは総務庁の貯蓄動向調査による京浜地区の勤労者世帯の年収の平均でございます。昭和五十九年には五百九十四万円でございましたが、平成元年には七百三十万円となっております。その下にございますマンション、それから建て売り住宅、これらは不動産経済研究所の調査による資料をもとにしたものでございますが、マンションの価格は昭和五十九年では二千五百六十二万円、年収の約四・三倍であったものが、平成元年におきましては、一番右側でございますが、五千四百十一万円と約二倍強になりまして、年収倍率は七・四というようになっている状況でございます。また下段の建て売り住宅につきましては、価格が三千七百三十二万円で六・三倍であったものが、元年には、一番右側でございますが、五千三百七十一万円となり、年収の七・四倍を占めるに至っている状況でございます。ごらんになりますように、この段階で建て売り住宅五千三百七十一万円よりマンションの方が高くなっている状況を示しているところでございます。 二ページをお開きいただきます。 居住水準向上のおくれ、特に大都市地域でのおくれについて二番目の表につくってございます。この居住水準といたしましては、第五期住宅建設五カ年計画におきまして最低居住水準と誘導居住水準の二つの指標を設けております。最低居住水準は、この第五期住宅建設の五カ年計画期間中にできる限り早期に全世帯が確保すべき水準と考えておりまして、広さといたしましては、標準的な四人世帯におきましては三DKで住戸専用面積五十平米でございます。また誘導居住水準につきましては、西暦二〇〇〇年までに半数の世帯が確保すべき水準と考えておりまして、標準的四人世帯につきましては都市型、共同住宅の場合には主として三LDK、住戸専用面積九十一平米、そのほか一般型といたしましては三LDKにスペアとして一室を加えたもの、つまり百二十三平米というように設定しているところでございます。 上の表で見ていただきますと、最低居住水準未満の世帯は全国で九・五%でございますが、六十三年の住宅統計調査におきましては全国で一〇%を切った段階でございます。しかしながら、京浜大都市圏では一四・〇%とまだかなりの水準未満世帯が存在することを示しておるわけでございます。特に借家世帯、また四、五人の多家族世帯等に偏ってこの最低居住水準未満世帯が多いこととなっております。また誘導居住水準未満世帯につきましては、全国では現在六七・二%でございますが、大都市地域におきまして京浜大都市圏では七五・二%が未満世帯となっている状況でございます。 次に、下の住宅立地の外延化について御説明いたします。 これは地価の高騰等によりまして住宅立地が外に広がって通勤距離が長くなっているわけでございますが、分譲土地の距離圏別の供給区画数の割合を見ていただきますと、六十二年、六十三年を比べますと、東京圏におきまして三十ないし四十キロというところの圏内では六十二年が六九・〇%であったものが、六十三年には三九・三%と非常に減って非常に外延化の状況を示しているところでございます。 次に、三ページをお開きいただきます。三ページは住居費負担の現状でございます。 初めに、一カ月当たりの住宅ローンの返済額、持ち家世帯についてでございます。世帯収入ごとに全国、東京圏の平均返済額、平均負担率を表示しておりますが、例えば五百ないし七百万円未満の世帯収入の世帯におきましては、全国では一月に七万円強の返済を行い、負担率は一四・〇%でございますが、東京圏におきましては八万一千円強のローンの返済を行い、平均負担率は一六・四%となっております。平均的にも東京圏の方が全国に比べて一・六%高いものとなっているわけでございます。 四ページをお開きいただきます。こちらは貸し家の家賃の支払いでございます。 一カ月当たりの家賃でございますが、この表におきまして世帯年収を見ていただきますと、例えば三百万円から五百万円までの世帯におきましては、全国では一月三万五千円強で負担率が一〇・七%でございますが、東京圏におきましては四万四千円、平均負担率一三・四%、総計のところで見ていただきましても、東京圏におきましては全国に比べて高く、一一・七%の負担率を示しているところでございます。 五ページをお開きいただきます。それではどのくらいのローンの負担限度あるいは家賃の負担限度を考えたらいいかということについての五十年八月の住宅宅地審議会の答申でございます。 まず、アというところに家賃の負担限度と書いてございますが、全世帯を年間収入の状況に応じて低位から順次五等分した所得五分位階層の第一分位における標準世帯の負担限度を世帯収入のおおむね一五%程度として考えるのがいいのではないか、また持ち家償還の負担限度でございますが、この場合には第三分位における標準世帯の負担限度を世帯収入のおおむね二五%程度と考えるのが妥当であろうというような答申をいただいております。 下の表は、それらをもとに各分位ごと、また帯規模ごとの限度率を示したものでございます。家賃の負担限度率は第一分位の四人世帯におきまして一五・〇%、第三分位ですと二一・五%程度というように考えているところでございます。また、一番右側の持ち家償還限度率につきましては、第一から第三分位までは二五・〇%、それ以上では三〇・〇%が妥当であるという答申をいただいております。 六ページをお開きいただきます。これは諸外国との比較をしたものでございますが、住宅価格の年収倍率の国際比較についてでございます。 アメリカにおきましては、一九八七年、平均世帯収入の新築住宅平均価格は約三・四倍、イギリスにおきましては四・四倍、西ドイツにおきましては四・六倍ということでございますが、右側の東京圏におきましては、一九八九年七・四倍というように高くなっている状況を比較したものでございます。 七ページは土地対策につきましてでございますが、ただいま国土庁の方から御説明がありましたので省略させていただきます。 八ページは平成二年度の大都市住宅対策の概要を一枚にまとめたものでございますが、その一つは、所要の法律改正でございます。今国会に提出を予定しておるところでございまして、まず一番目は大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、二番目に都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、二法の提出を予定しているところでございます。 また、大都市住宅対策に係る予算措置といたしましては、平成二年度の予算案でございますが、第一番目に住宅金融公庫融資における分譲住宅購入資金について特別加算の制度を新設しております。東京圏においてはプラス四百万円、大阪圏においてはプラス百万円ということでございます。二番目に、大都市優良住宅供給促進事業の創設でございます。また三番目には、大都市農地活用住宅供給整備促進事業の創設、これらの事業の創設のほか、四番目でございますが、特定住宅市街地総合整備促進事業等これまでの事業の拡充等を図っていきたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○会長(遠藤要君) 以上で政府からの説明聴取は終わりました。 これより質疑に入りますが、本日は質疑の順位、質疑時間の割り振り等各委員が自由に質疑をしていただくことにいたしたいので、質疑のある方は挙手を願えれば会長の方で順次指名いたしたいと存じます。 なおまた、本日省庁からの御説明がございましたが、先般御説明をいただいておる経済企画庁からは田中物価局長も御出席を願っておりますので、きょうの質疑は御承知のとおりフリートーキングというような形式でございますので、本来ならば質疑の要旨をあらかじめ通告しておいて政府側が答えるということでございますけれども、そのような点で政府側としてきょう答えられない点は次の会議なり、また直接質疑者にお答えを願うという場合もあり得るかもしれませんけれども、その点はあらかじめ御了承願っておきたいと思います。 それでは、ただいまより質疑に入ります。 質疑のある方は挙手を願います。
○青木薪次君 国土庁にお伺いしたいと思うんですが、アメリカと日本との構造協議の関係で、内外価格差の問題もさることながら、土地問題についてやはりアメリカは日本の内需拡大を増進したいと。国土庁も建設省もそうでありますけれども、今一番深刻になっているのはやはり大都市圏における住宅問題だと思うんですね。このことは、いわゆる土地規制もそうでありまするけれども、土地の供給体制をどうするかという問題が一番大きな問題であろうと思います。 今いろんな適切な説明を受けたわけでありますが、一つはアメリカの土地価格とそれから日本の土地価格は、最近の比較において言うと何倍ぐらいになっているのか。アメリカの土地の面積は日本の全土地の二十五倍だと言われておりまするけれども、よく言われるように日本の土地の価格は、アメリカの二十五倍の土地の何倍ぐらいで日本の土地が買えるぐらい土地が上昇しているかといったような点についてひとつ説明をしていただきたい。それで、今冒頭申し上げましたように、横造協議の中における土地問題等についてはどういう議論がなされているのかという点についてお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(藤原良一君) お答えいたします。 まず、アメリカと日本の地価、あるいは土地資産額と言った方がいいかもしれませんが、その比較でございます。これは、私の手元にあります資料は経済企画庁の国民経済計算年報によるものでございまして、あるいは企画庁からお答えいただいた方がいいかもしれませんが、日本は一九八八年現在資産額一千八百四十二兆円となっております。それに対しましてアメリカは、これは一九八七年でございますが三兆四千四百億ドル、一ドル百四十四円余りで換算いたしますと四百九十七兆四千六百億円になります。したがって、日本の土地資産額はアメリカの四倍弱ということになっております。 国土面積は、日本が三十七万七千八百平方キロに対しましてアメリカは九百三十六万平方キロですから、先生おっしゃるように二十五倍ぐらいあるわけです。したがいまして、二十五倍と四倍とを掛けますと日本の地価は百倍かというようなことになりますが、まあ都市部の地価はおおむねアメリカ、ヨーロッパを通じて日本の地価は十倍ぐらいじゃないかというふうに我々見ておったわけですが、近年の上昇でその辺が少しまた開いておるんじゃないかというふうに考えております。 それと、アメリカとの構造協議の議論でございますが、アメリカが協議事項六項目の中に土地利用政策を加えた一つの基本的な考え方は、日本の高地価が消費とか住宅建設を阻害しまた公共投資等にも支障を来しておる、そのことがひいては輸入を拡大させるのに弊害になっておるんじゃないか、そういう視点が一番大きな視点であったんじゃないかと思います。もちろん東京等の高地価がアメリカ企業の東京への参入の障壁になっておるということもございましたが、最初の点が最も大きな関心事項だったのではないかと理解しております。 協議の具体的な中身につきましてはいろいろございましたけれども、アメリカ側が関心を持っておりますのはやはり供給を拡大する、それを通じて輸入の増大に通ずるというふうな見方だったんだろうと思います。したがって、非常に土地利用供給を促進するために土地利用規制とか税制を見直すべきだというふうなことを言っておりますし、特に有効利用促進のために低未利用地の利用増進を図るための措置、そういったものを積極的に講じるべきであるというふうなところが特にアメリカ側が強く主張したところではないか、そういうふうに考えております。
○青木薪次君 工場跡地等のいわゆる低未利用地と今言われたんですけれども、工場跡地なんかについてはやはり積極的に行政が関与する必要があるんじゃないか、私はそういうように思います。なぜかならば、ほうっておけば必ずこれはいわゆる何年たったら土地は幾らに値上がりすると、普通の製造業にしてもあるいはまた販売業にしても下手に商売やるよりもそういう方向で資産価値の拡大ということをねらった方が会社としてもプラスになるというように考えているところが大変ふえてきたということを実は憂慮いたしているわけでありますが、その点について例えば農地の市街化区域内における宅地並みの課税とかという問題も、実はこれもろ刃の剣もあるわけでありまするけれども、それらの問題とも兼ね合わせて、今対策としては国土庁の土地問題の局としてどうお考えになっているのか。 それから企画庁にお伺いしたいと思うのでありますが、今生産構造や特に流通構造が日本は非常に複雑だ。私は静岡県でありまするけれども、焼津に東洋一の漁業基地がある。ここでとれたマグロが輸送されて東京の築地の市場へ来て、二流品または三流品がまたもとの焼津へ帰るというようなところが実はあるわけであります。こういうようなことは、やはりその段階ごとに付加価値をつけて、しかも運賃がかかり、いろんなことでもって庶民の食卓に乗るときには相当な価格が上乗せされているというようなことについて、流通構造を先ほどお話があったように全部一遍に変えようとすることについては、日本の流通構造自体が、いい場合だってあるわけですけれども、相対的に見て封建的な取引関係の複雑さというようなものが非常にあるわけでありまして、そういう点についてどういうようなメスを入れるか、どういうような流通構造改善のための施策を考えていくかという点について御説明願いたいと思います。
○政府委員(藤原良一君) 大都市地域の住宅宅地対策を進める上で、先生御指摘のとおり工場跡地等の低未利用地の利用が市街化区域内農地あるいは調整区域内の開発適地等とあわせて貴重な空間だと考えております。工場跡地等の低未利用地の利用促進につきましては、現在建設省におきまして都市計画法及び建築基準法の一部改正はよりまして、昔から保有しておられる土地につきましても一定の地区につきましては利用を要請し勧告するような制度、そういった制度を検討しておられるようであります。 また、勧告に従って有効活用していただけない場合の措置といたしまして、できれば特別土地保有税の重課等の可能性についても検討しておられるように聞いております。そういう方向で改正法案が今国会に提案されるのじゃないかと我々の方は期待しておるわけでございます。
○政府委員(田中努君) ただいま食料品につきまして流通の問題点を御指摘になったわけでございますけれども、確かに日本の流通は近代化がおくれている面が多々あるというふうに言われておりまして、最近のいろいろな技術革新等も取り入れて流通を近代化していくということが一つの解決の方法である。さらに流通に関しますいろいろな競争制限的な制約というものが物価を押し上げている面がございますので、そういった競争制限的な規制あるいは商慣行、そういったものにつきまして、これをなるべく物価という観点から見直していくということが私ども基本的に考えていることでございまして、流通問題につきまして累次研究会を開催いたしまして、昨年でございますが、第七次流通問題研究会の報告書というものも報告いたしております。 物価レポートの中におきましても商慣行あるいは競争制限的な効果を持ついろいろな規制等についての見直しについて、具体的には例えば建て値制の問題があるとか総代理店制の問題であるとか、あるいは流通の系列化の問題であるとか再販価格の維持の問題であるとか、そういった日本的な従来の制度につきましても新しい目で見直していきたい、こういうふうに考えております。
○前畑幸子君 私は愛知県です。土地の監視区域のことでちょっとお尋ねしたいんですけれども、私、税理士をやっておりましたので実例を二、三申し上げます。私、不審があるわけですけれども。 まず、六十二年でしたが、相続が発生して、相続前からこの物件を売って五億か六億のお金を得てそして二、三億近い相続税を払うつもりでいたわけなんですけれども、たまたま規制の対象になったために、そこは二百五十万ぐらいで売れるつもりが百五十万ということで大変金額的に差ができてしまったことがありました。 それからもう一つは、二年前ですけれども、近くで四百万で現に売れているのに、規制にかかるために二百八十五万という指導価格が出たわけですね。それで、それは安くなって私はいいんですけれども、百坪を超えているために二百八十五万であって、六十坪ならば四百万ということがすぐ二筆か三筆横で現に起こっているわけなんです。そうしますと、売る方にしてみればおもしろくないということもありますけれども、私は、そういう大きいものを買う金額が安くなるということはお金持ちが安く買えて、大企業が要するにマンション用地を安く買えて、本来はマンションを建てて安く売れるということにもなるんですけれども、逆に大企業がその土地を安く買っておきながら、建物に二割までは加算できるんですね、土地価格が。それが大体是認されている状況の中ですので、ひどいところですと四割近くまでも加算している状況。それは建物の価格が私たちではわからないわけですから、大変いい建物だと言われればそれだけの坪単価が出るわけなんですけれども、そういう不合理が出ているということを実態として感じているんです。今度六月か七月には、これが名古屋の場合は今の百坪が百平米になるということになっております。そうしますとかなりその辺の問題がまた違ってきますけれども。 それからもう一つ、愛知県の境の岐阜県に近いところですけれども、私の納税者が五万円で買いたい、工場用地です。十年ぐらい前に使っていてそしてつぶれた会社の跡ですが、五万円で買いたいという人があり、本人も五万円で売りたいんですけれども、指導上は五千円ぐらいになるんです。そうしますと、もうばからしくて売れないという。そうすると安い固定資産税ですから持ちこたえてしまう。今の未利用地としての最たるものだと思うんですけれども、そういう現況があるので、その辺の価格が余りにも違い過ぎるということ。五万円と五千円、それから四百万円が二百八十五万円ということで、ちょっとその辺が私は腑に落ちない気がしてならないんですね。 ですから、この規制緩和の問題ももう少しきちっとした対応をしていただかないと、むしろ大企業を優遇して安く買えてしまうというそういう手助けをしているんではないかという気がしてならないんです、私の今の立場として。その辺これからどういうふうに取り組まれるか、お考えを聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(藤原良一君) 監視区域の運用上の問題についていろいろ御指摘いただいたわけですが、確かに区域制度も創設されてから二年余でございまして、いろいろ現地では運用上の問題点もあろうかと考えております。私どもは、この監視区域を上手に運営していくためには地価の上昇過程でできるだけ早目に指定すること、それと地価に対しましてある程度行政指導が有効に働くために届け出対象面積の下限値をできるだけ低く設定すること、それと現実に行政指導を行う際には厳正、的確に行う、この三つのことが非常にこの制度運用上必要だと考えております。 そういうことで各公共団体にも指導しておるわけでございますが、ただこの監視区域制度は届け出制度でございまして、価格指導も通常、正常な取引価格を著しく超える、著しく適正を欠く取引についてだけ行政指導しておるわけでございまして、通常、正常と思われるその取引価格よりさらに厳しい管理価格的な不当に低いような価格で指導するような制度にはなっていないというふうに考えるのですが、確かに公共団体ではみずから判断に迷う場合には第三鑑定と申しましてその都度鑑定士さんの評価を得ながら指導しておると思うわけでありますが、そのように届け出価格と行政指導価格が非常に大きな何倍もの乖離が生じておるというふうな事態があるとすれば、私どももよく公共団体側と連絡をとりまして実態等も調べてみたいというふうに考えております。
○清水嘉与子君 総務庁に二点お伺いしたいと思います。 一点は、先ほど御説明いただきました公的規制のあり方に関する小委員会の報告でございますけれども、御指摘いただきました内容というのは至極皆ごもっともなことでございますが、先般の日米構造問題協議に触れられている内容がほとんどではないかなというふうに受けとめたわけでございます。私ども一般の庶民としましては、流通だとかあるいは規制がこれだけきついものがあるというのをむしろこの報告で知ったというよりも日米構造協議の問題で初めて知ったというのが現実ではないだろうかというふうに思います。 そこで、それはそれとして、これを一体具体的にどういうふうに進めていくのかということがやはり問題ではないかというふうに思うわけでございます。日米構造問題協議では、今中間報告でございますから、最終報告が七月というふうに承っておりますけれども、それを待たなければ、それをてこにしてこれが進んでいくのか、あるいはもう既にこれだけ報告が出ているわけでございますので、それとは別に進めていかれるのかというその辺のところをまず一点お伺いしたいと思います。 それからもう一点は内外価格差という問題でございますけれども、確かに個別物品をこのように調査をして、どちらが高いとか安いとかという比較は一つの参考にはもちろんなるわけでございますけれども、いわゆる豊かさの比較、豊かさをどう評価するかということになりますと、こういうふうな物品だけでは、物価だけでは比較ができないわけでございます。また物価にいたしましても、例えば日本の物価がどこでどういうふうに評価されたのかわかりませんけれども、同じ物価でも例えば電気製品なんかをデパートで買うのと秋葉原あたりへ行って買うのと大分それは違うわけでございますし、また衣類なんかでも私どもは知恵を働かせてバーゲンのときに買ったら安いとかいろいろ考えるわけでございますので、なかなかこれを特定することは難しいのではないだろうかというふうに思います。 そこで、豊かさの比較というのを物価、こういうふうな比較だけでなくて何かもうちょっとできないだろうか、恐らくいろんなことお考えくだすっているのじゃないかというふうに思いますけれども、ある一定の年限働いた人たちがどれだけのどの程度の家に住めて、あるいは土地を持てて、どのくらいの社会保障を受けられて、そして余暇時間だとか労働時間はどうなっているとかといったような何か私はモデルでもつくって比較しなければできないのかなという感じもいたしますのですけれども、その辺につきましてもう少し、私たちが豊かさの実感をほかの国と比べてどういうふうに比較できるのか、その辺の何といいましょうか、評価基準といったようなものをもしお考えがございましたらお教えいただきたいなというふうに思います。よろしくお願いいたします。
○政府委員(新野博君) まず最初のお尋ねでございますが、日米構造問題協議で既にいろいろ出ておる話ばっかりという話がございましたが、実は行革審におきましては、臨調以来この公的規制の緩和というのが行政改革の一つの大きな題目といたしまして従来から引き続きやってきておりました。特に臨調、旧行革審におきましては官民の役割分担の見直し、それから社会経済の変化へ規制を対応させていく、それから行政の簡素化、効率化を図るということで、大きく言えば成熟した民間に任せていいものについて政府がなお規制という形でやっている場合にはなるべくそれを外す、あるいは規制のやり方を簡素なものにしていこうというようなことで行革の一つの大きな課題として推進してきたところでございます。 ところで、六十三年の十二月に、実は小委員会報告はフォローアップ報告でございますが、その前に出しました答申というのはそうした臨調、旧行革審の視点にあわせまして、先ほど最初に御説明いたしましたように経済構造調整というのを推進していくためにはやはり基本的には自由な市場メカニズムをうまく使っていく必要があるということから、国民生活の質的向上というような視点も含めまして規制の見直しを図った次第でございまして、一昨年の十二月に出しました答申はたちまち、十二月一日の答申でございましたけれども、十二月の十三日に政府におきまして規制緩和推進要綱という形でほぼその答申の内容が閣議決定をされまして、各省で実施に移されております。 たまたまそういうことでございますが、日米構造協議の中身を見ると非常によく似ているというのは、むしろ前後関係は行革審が先行しておったと我々は考えておりまして、国民の立場に立っていろいろな改革の指摘をしたということが向こうの勉強材料にされたのではないかと推測をしておるところでございます。 それから第二点につきましては、ちょっと私の方が専門でございませんので、経済企画庁の方でひとつお願いを申し上げたいと思います。
○政府委員(末木凰太郎君) 豊かさの問題につきましては、おっしゃいますようにどういう指標でこれを見たらいいか、いろんな議論があります。 私ども、通常それを大きくくくりますと所得とか資産であらわされる、数字であらわされる経済的な豊かさのほかに、特に本日のテーマになっております住宅あるいは生活関連の社会資本を含めた広い意味の住環境、それから労働時間がどの程度長いか短いか、労働時間の長さ、それから物価が高いか安いか、そういった項目がしばしば挙げられますが、そのほかにただいま御指摘のように、将来あるいは老後に対する安心感あるいは不安感というものもこれも大きな要素だろうと確かに思います。 ところが、これにつきましてはなかなかこれを客観的な数字で指標化して測定するということが難しゅうございます。それは結局満足という主観的なものにかかわるからでございます。ただはっきりしていますのは、経済的な豊かさだけではないはずだという議論はこれはもうかなり前からありまして、一時期「くたばれGNP」という言葉がはやったことがありますが、そういったことを背景にいたしまして四十年代から実は経済企画庁では国民生活審議会にいろいろお知恵をおかりしまして、四十九年から社会指標という形でおっしゃるようなことを数値化する努力をしてきたわけですが、最終的にはいろいろ経緯を経まして六十一年以降国民生活指標、NSIと言っておりますけれども、という形で実は毎年発表しております。 今回最新のものは実は先週発表いたしまして新聞にも報ぜられたところでございますけれども、これは国民生活に関連するいろいろな事象を大きく八つの分野に分けまして、それぞれその分野ごとに幾つかの指標を選びましてそれを合成して数値化するということでございまして、主なものを申しますと、例えば健康面ではどうなっているのか、環境と安全はどうなのかとか、あるいは家庭生活は本当に安定して幸福な家庭生活になっているんだろうかとか、あるいは学校生活はどうだろうか、こういう八つほどの分野について指標化しております。しかし、こういう非常に変動の時代でございまして、一人一人の価値観そのものも変化しておりますし、また人によっても違うものですから、万人がそのとおりと納得するような客観的な合成はまだ難しいかと思いますけれども、そういう努力はしております。今後ともこの勉強は続けてまいりたいと思っております。
○近藤忠孝君 いわゆる質問は準備した上で次回にいたしますけれども、先ほどの話をお聞きして若干感じたこと、あるいは教えてもらいたいことについてまず総務庁に二、三質問したいと思います。 これの報告の五十一ページに輸入品の占めるウエートの話があります。一人当たりの外国製品輸入額でアメリカの二分の一というんですが、アメリカの国からじかに来るのはそうなんでしょうけれども、アメリカの多国籍化している企業、そこからの輸入も含めますと日本からの輸出との関係ではほぼ一対一ぐらいではないのか、むしろそういう観点で見た方が正確じゃないかというのが一つです。 それから五十二ページのメーカーなどの価格政策。「その企業の価格政策によって国内価格が高めに設定されるケースがあり得る。」というんですが、単にあり得るだけじゃなくて、これは相当厳然として存在しているんじゃないかという点ですね、むしろ輸入障壁としては大店法なんかよりよっぽどこれの方が問題じゃないのかと思うんです。要するに大メーカーが流通まで支配しているでしょう。確かにルートは短いし単純ですけれども、逆にその点の価格がむしろ下がらない、あるいはいわゆる独占価格であるという点でむしろそれが問題じゃなかろうかという点についてお答えをいただきたいと思います。 それから国土庁について、先ほど監視区域の問題がありました。これ全面的に教えていただきたいんですが、指導勧告、これが全体の届け出件数の中のどの程度行われているものか、そしてそれの効果ですね。強制力はないんで従わないまま売買されちゃう例もあるんですが、それに従って行われている事例がどの程度なのか。要するに実際上の効果です。これに対する脱法、例えば切り売りしたり、そういった脱法などもあるんじゃないかと思うんですけれども、その辺の実態についてもわかれば教えていただきたいと思うんです。 そして、今面積の基準がかなり高目に設定されていますね、これをもっと下げろという話もありました。単に下げるだけじゃなくて、今東京ではむしろそれの基準以下の土地が相当じりじり値上がりしているという話を聞いておるわけです。となれば、全量、要するに売買全部を対象にすることによって特に東京それから近畿あるいは名古屋圏などの対策ができるんじゃなかろうか。もしこれらが効果がないとすれば許可制にいかざるを得ないんじゃなかろうか。その辺の検討は海部総理によると、されておるようですし、国土庁長官によると許可制なんてぐあい悪いというようなことでもありますが、その辺の検討の段階はどうなっておるのか。それから、抑制策としては出ておるんですが、引き下げ策という全然ないんですよね。引き下げ策についてどうお考えなのか、これについて教えてもらいたいと思います。 それから、土地基本法の関係ですから十三ページ、公共の福祉とか計画に従った利用というんですが、この計画をだれが立てるのかという問題。その地域でやはり相当な土地を所有している、となれば結局大資産家あるいは大企業、最近法人の土地所有が大変ふえていますから。となりますとそれ中心の計画になる。そうすると結局は低さ制限などが一番中心になってしまうんじゃなかろうか。となりますと従来そこに住んでいる人々が住めなくなってくるんではなかろうか。そして同時に、高度利用が進みますと土地は逆に上がるんですよね。前にここへ三井不動産の会長が来ていましたけれども、やはりそれは土地の価格は上がりますよと言っておったんで、高度利用をそういうぐあいにどんどん進めることがそういう価格政策という面でどうなんだろうかという点についてであります。 それから、土地税制について、先ほども話がありましたけれども、構造協議で要するに土地の供給という点が重視されるとなりますと、土地の供給を重視する立場から土地税制を考えますと長短区分はもっと短くしちゃえばいいということなんです。今の五年でも私はちょっと短過ぎるし、十年なら一昔前ですから、確かにこれは十年の長期で優遇をしてよろしいんですが、五年ですとそれが今でもやっぱり投機対象に十分なり得ると思いますね、それがさらに短くなった場合に、逆にこれは土地投機を促進することになりはしないかという点です。 それから十六ページの公的土地評価の適正化、実勢価格に合わせる方向へというのが、相続税でもまた恐らく固定資産税でもそういう方向だろうと思うんです、この文章を読みますと。となりますと、それこそ土地を売らなければ相続税を負担できないような事態ということが続出すること、これを促進しやしないのかということで、この辺では相続税についても固定資産税についても用途別の、例えば居住用とかあるいはごく小規模の土地所有、しかも居住用ということと、要するに営利を目的とするそういうものとの用途区分をしなきゃいけないんじゃなかろうか。これも前に土地特別委員会で議論したときには、やはり税制は一律に考えるべきですという単純な答えが来ておりましたけれども、今こうなってみたらそんなこと言っておれないんじゃなかろうか。これは外国の例でも用途別をかなり細かく、かなり厳格に住民の意見も聞いて決めて、それを守って、そしてそれが実施できるような体制になっておると私聞いていますけれども、日本の場合にもそれをもう行うべきじゃなかろうか。 以上、思いついたまま伺います。
○説明員(坂野泰治君) まず最初の御質問でございますが、外国製品の輸入割合についてでございます。外国籍の国内企業の生産品を加えればかなり比率は国内の分としても上昇するのではないかというお尋ねでございました。 私どもが昨年この作業をいたしました当時、ただいま御指摘がございましたような視点でデータを実は収集することができませんでした。したがいまして、当時利用可能でございましたデータは外国から輸入した製品が一人当たりどの程度であるかというデータだけでございましたので、その見地で記述をまとめさせていただいたわけでございます。 なお、ついでに申し上げますと、この作業で輸入品のシェアを拡大する必要があると考えましたのは、為替が変化をし、その変化に対応して製品の輸入がいろいろ行われる。まさに貿易を通じた競争を国内のマーケットの中で促進する必要があるという観点から記述を整理させていただいたということで御理解をいただきたいと思います。 それから二つ目の御質問でございますが、企業の価格政策の問題でございます。 私どものこの報告で、国内市場におきまして少数の企業が高いシェアを持っている場合において企業の価格政策いかんによってはあり得ると書きましたのは、それを十分裏づけるだけのデータが当時関係機関にいろいろ照会をいたしましたが十分に得られなかったわけでございますが、この委員会の論議としては、一つの可能性としては整理をして記述をしておく必要があるという判断から書いて整理をしたものでございます。 現実にどのような価格政策が各企業でとられ、かつそれが現実の価格にどういう結果となって反映しておるか、詳細な分析は実際問題としてなかなか難しい問題があろうかと考えております。ただ委員会の中の論議では、現実にそれがあるかどうかということについて十分な確認がとれないけれども、例えば独禁政策などの運用におきましては十分そういう目で注意をしていただくということを喚起する上ではこのような整理をしておく必要があるということでございました。 なお、現実に内外価格差が生じております上で各メーカーの価格政策がその主な原因となっているというところまではこの委員会では整理することができませんでした。 以上でございます。
○政府委員(藤原良一君) まず監視区域の運用状況でございますが、届け出された案件のうち指導をしております割合はおおむね三割ぐらいでございます。したがって、届け出件数の七割ぐらいが不勧告通知ということでフリーパスしておるわけです。三割につきましては主として価格指導を行っておるものが多いわけですが、その価格指導に対しまして関係者の対応は、これもおおむねですが、半数程度はこの際取引を取りやめるという対応であります。あと半数ぐらいが指導に従って価格を若干引き下げて取引をする、そういうふうな状況になっております。 なお、届け出対象面積の設定による全取引の捕捉状況でございますが、これも地域によって異なりますが、三百平方メートルぐらいですと全取引の一五%前後しか捕捉できないのが実情じゃないかと思います。したがってその地域の価格を誘導する効果としては非常に弱いと言わざるを得ないと思います。 ただ、これが百平方メートルぐらいになりますと、東京、大阪等非常に土地取引が細分化されております地域におきましても六割ぐらいは捕捉できる、そういうことでございますので、価格を適正に誘導するという意味ではこの制度も相当効果があるんじゃないかというふうに考えております。ただ、指導に従わずに勧告にまで行ったというケースは若干ございます。現在監視区域絡みの届け出件数は年間十四万件ぐらいに達しておりますけれども、ほんのわずかでございます。また、公表に至りましたケースは本当に少なくて一件か二件ぐらいということで、おおむね行政指導に従っていただいておるということが言えると思います。 ただ、そういう中で脱法行為とか虚偽の届け出があるんじゃないかという御指摘でございますが、確かに東京等で実施いたしました際も、当初は無届けが相当あったようであります。私どもも不動産登記関係の資料を登記所で見せていただきながら追跡しておるわけです。無届けを重ねておるような悪質な者に対しましては非常に厳重な指導を加えますと、その後はやはり法律に従ってちゃんと届け出をされるというふうなことでありますので、制度発足当初そういうところまで目を光らせながら厳格に指導していくという努力が大切だと思っております。最も悪質な脱法行為、虚偽届け出に対しましては告発等の手段も講じていくという考えであります。 それと、規制区域についてでございますが、先日も監視区域が後手後手に回っておるのじゃないかという指摘がございました。確かにこれまでの実態を見ますとそういう批判の当たる状況もかなりあったと思います。公共団体ではこういう規制行政は余りなれておりませんし、年度当初に要員確保その他組織体制を整備しないといけませんし、また予算も必要でございます。さらには市町村長さんの意見その他コンセンサスの形成も必要でございますので、どうしても時間がかかってしまうということで指定も後手になる、また届け出対象面積の引き下げ等もややもするとおくれがちになる、そういうふうな懸念があるわけであります。 したがいまして、先日も公共団体の担当者に対しまして現在の監視区域の運用状況を総点検していただく、地価との関係で早急に指定すべきところは指定し、面積引き下げの必要があるところは引き下げるという姿勢で現在点検していただいております。また、大臣もみずから、今後なお上昇懸念の強い公共団体に対しましては知事、指定市の市長とじきじきに意見交換を行い、厳正的確な制度の運用についてお願いしておるところでございます。 なお、規制区域につきましては、これはやはり当面監視区域の運用を厳正に行い、その効果を見て規制区域についても検討したいという腹づもりでございまして、総理も後手後手になる監視区域ではだめだ、もっと厳正に規制区域も念頭に置きながらひとつ監視区域の運用をやりなさいということでありますので、そういう趣旨で当面この監視区域を的確に運用していきたいというふうに考えております。 それと、現在の取引規制では価格引き下げ効果までないのではないかという御指摘でありますが、確かにそのとおりでございまして、監視区域は著しく適正を欠く取引に対して行政指導を加える。まだ適用されたことがございません規制区域にしましても、区域指定時の価格でおおむね凍結します。これは物価修正ぐらいは見てもいいことになっておりますが、そういうことですので、引き下げ効果はこの取引規制では期待できないということでありますが、やはり地価も需給の関係で決まる場合が多いと思うんです。 ただ、一般の財産と異なりまして、地価の場合は地価が上昇いたしますとかえって需要が増大するという側面がございます。これは投機とか手当て買いと申しますか、先々のための仮需要が多く出てまいりまして非常に需要が水膨れになるわけでございます。一方、供給の方は非常に非弾力的でございまして、価格が上がったからといって急に供給をふやすわけにはまいらないわけでございまして、需給両面にわたる総合的な対策を講じないといけませんし、またそもそもそういう投機や仮需要を発生させるような税構造その他制度、仕組みを見直していかないといけないんだろうということで、まさに非常に広範にわたる対策を講じ、需給関係をバランスする、そういう手だて以外に引き下げる方法はないと思いますが、ただそういう総合対策を講じて、とにかく基本法で目的としております適正な地価の形成を図るために努力していくということじゃないかというふうに考えております。 それと、基本法の計画策定でございますが、基本法では計画に従った利用をするということで、計画についてはできるだけ整備充実を図るとともに、必要に応じて広域的な見地からの配慮あるいは詳細な計画の決定を行うこととしております。しかし、この基本法で言っております計画は公的な計画、公的機関が策定する計画でありまして、これは主として市町村が策定する計画と考えていただいていいんじゃないかと思います。もちろんマスタープラン的なものは県段階の計画も入ってこようかと思います。その計画策定に当たっては住民の意思が反映されたものでなければならないというふうな規定が設けられておりますので、そういう住民意思を反映しつつ、公的に定められた計画に従ってやるんだというふうに御理解いただきたいと思います。 それと、高度利用でございますが、高度利用は押しなべてどこでも高度利用していいというものではないと思うんです。やはり地域の状況、社会経済的な状況等を中心にいろいろ考えまして、有効高度利用を促進すべき地域というものにつきましてはそういった方向で計画を定め、地域の整備を進めていくということが、非常に貴重な土地でございますので適切な方向ではないかというふうに考えておるわけでございます。 それと、土地税制につきましては大変難しいわけでありますが、やはり一つには利用を促進する、あるいは供給を促進誘導する、そういう補完的な機能があろうかと思います。ただ、そのほかに投機の抑制とかあるいは土地が他の資産より有利だというふうな側面を減殺していくとか、さらには資産格差の拡大、不公平の拡大というのがございますので、公平確保の見地からの見直し、そういうことも大変重要じゃないかと思います。そういう視点から、長短区分の問題、あるいは超短期重課制は今現在二年の措置になっておりますが、これを先々どういうふうに考えていくかとか、保有課税のあり方、あるいは譲渡益課税にしましても所得課税や他の資産課税との関係、その辺をどういうふうに考えていくのか、これは幅広に政府税調でも検討されるというふうに伺っております。 それともう一つ、公的評価の問題でございますが、公的評価は現在地価公示、都道府県地価調査、それに相続税評価、固定資産税評価と四つもある、その関係が非常に不明確だと。基本法の御審議の際にもむしろ公的評価は一元化すべきだというふうな御意見も非常に多かったわけでありますが、ただそれぞれ税には税の性格に従った評価もございますのでなかなか一元化は困難だということで、それぞれ相互間の均衡あるいは適正化を図っていく、そして国民の皆さんにもわかりやすいような評価にしなけりゃならないということで、均衡化、適正化をそれぞれ図っていこうということになっておるわけであります。 ただ、こういう地価高騰の中で、固定資産税は確かに三年に一回の評価がえのたびごとに非常に評価額が上がっていくというふうなことはなるわけでありますが、現在でも固定資産税につきましては小規模住宅等については評価額を四分の一にするとか、あるいは負担調整措置を講ずるとか、政策的な配慮が加えられております。私も直接税務担当でございませんので余り立ち入ったことは申せないわけですが、やはり評価と即イコール税額と一対一で結びつくものでもないというふうに考えております。いろいろ必要な場合には政策的な検討も加えられるんだろうというふうに考えております。 ただ、用途別に評価の仕方を変えるというふうなことについては、これはなかなか税の性格から考えましても土地なり家屋と行政サービスとの受益関係に着目した税だということで、諸外国でも余りその辺で差を設けている例がないんじゃないかというふうに考えておりますが、そういうことで御答弁にかえさせていただきたいと思います。
○近藤忠孝君 監視区域の全取引の監視、これちょっとお答えいただきたいのと、それから総務庁の方は私が指摘した二点についてはこの段階では調査がなかったので、数字がなかったのでこういう表現になったというんですが、これやっぱりちょっと勉強してほしいと思うんですね。せっかくここでこういう議論をしているんですから、その素材としてぜひ提供してほしいと思うんです。 特に、二番目の問題で指摘した問題は、構造協議で国民に痛みを伴うと、確かに大店法じゃ零細小売業者に痛みが来ますよね。しかし零細小売業者は貿易摩擦の原因じゃないんですね。ところが、こちらの企業の価格政策で国内価格が決定されるようなこういう企業については、まさしく貿易摩擦の原因者ですわね。そこにメスが当たっていないというのは一番大事な問題のところに光を当てていないというので、私は会長ね、これここで議論してぜひ解明をすべき問題だと思いますので、ひとつこれは我々が解明するといっても調査の力があるわけないんで、ぜひこれは総務庁の方で、また総務庁でなくても経企庁でもどこでもいいんですけれども、これはぜひやって、ひとつ素材を提供してほしいということを申し上げたいと思います。それは答弁要りません。いや、答弁があればよろしいけれども。
○説明員(坂野泰治君) 私ども行革審を支えます庶務をやっております立場は、ただいまいろいろ御指摘ございましたようなデータを専門的に扱う、あるいは専門的に収集する仕事をやっておるところではございません。そこで、先ほど申し上げましたように、関係省庁にいろいろ御照会をさせていただいて、データなどもいただきながら行革審の審議に必要な範囲でいろいろ取りまとめを行ったということでございます。ただいまの御指摘は関係省庁の方にもいろいろ私どもの方からお伝えをいたしまして、できるだけ御協力をさせていただきたいというふうに考えております。
○政府委員(藤原良一君) 監視区域の届け出対象を全取引にできないかということでございますが、一応際限なく小さい取引面積まで決め得るということに制度上なっておりますのでどこまでも下げられるわけですが、ただ行政効率との問題もございまして、やはり百平方メートルぐらいで六割ぐらいを捕捉できれば相当取引価格には影響力が反映させられるんじゃないかというふうなことで、現在では一番低く設定しているケースが百平方メートルであります。 ただ、百平方メートルよりも小さい取引単位が多くて、しかもそういう届け出対象面積以下の小さい取引が非常に高値で行われる、そういうふうな実態が多く見られるような地域につきましては、全体の地価もその小さいものを押さえない限りチェックできないわけですから、そういう場合には百平方メートルをさらに五十平方メートルに引き下げるということもあり得るというふうに考えております。 以上でございます。
○会長(遠藤要君) 午前の調査はこの程度にとどめ、午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ─────・───── 午後一時三十五分開会
○会長(遠藤要君) ただいまから国民生活に関する調査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国民生活に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は挙手を願います。
○鎌田要人君 私は土地問題、土地対策に限定をして二、三お伺いいたしたいと思います。 人間生活の基本は衣食住であることは間違いない。その中で衣食につきましては暖衣飽食の時代と言われるようで、中身の問題は別といたしまして、一応これは内外価格差の問題等あるにいたしましても安定しておりますが、住宅問題、土地問題、これはまさに我が国において最大の内政の課題であろうと思うわけでございます。 午前中も他の委員の御質問に対しましてお答えがありましたように、国土面積二十五分の一の日本が、土地の総価格においては四倍弱、ちょっとこれはドル換算の問題もあるにいたしましても考えられないことでありまして、ただ、これが日本全体が各地域の地価が高いかというとそうではない。漸次地方に伝播しつつございますが、専らやはり東京を初め三大都市圏あるいはこれに準ずる大都市あるいは中都市の地価の上昇ということでございまして、日本列島には御案内のとおり国土の四割を占める過疎地域がございます。この過疎地域では農地の価格は逆に下がっておる、あるいはまた地方の中小都市におきましては宅地の価格も下がっておるところがあるわけであります。基本は結局、不均衡な国土利用ということに尽きようかと思います。 私も、地方行政、地方自治の立場から長年にわたって、東京一極集中だめよ、これでは日本はだめになりますよということを言い続けてきた、あるいは大都市からの人口、産業の地方分散ということを極力説いてまいりました。また、政治行政の面では、一々地方の首長が東京まで来て各省庁の役所で米つきバッタをしないでも済むように、国の権限、こういったものを思い切って地方に移せ、地方分権ということを言い続けてきた。ところが、これはほとんど顧みられなかったわけでありまして、特に国土利用の面におきましては、これまでの四次にわたる全国総合開発計画、近くは四全総におきましても多極分散型の国土を形成する、こういうことを強くうたっておるところであります。 もとより、事が一朝一夕でできれば問題はないわけでありますが、今日まで三全総の時代でも地方定住圏構想ということを言い、あるいはそれに先立つ新全総におきましても大都市からの人口、産業の地方分散ということを言い続けてきたはずであります。我が国の国土政策の基本はそうであった。にもかかわらず、現実はそれに逆行するように過疎、過密という現象が出てきて、それが今日のまさに狂乱的と言うべき、非常識とも言うべき地価の暴騰ということで、大都市に住む勤労者の夢を奪っておる。これはやはり私は政治行政の大きな今日までの欠陥が露呈をしておると断ぜざるを得ないのであります。 そういう観点から、これは本来ならば総理大臣あるいは大臣の国政基本にまたがる問題でございますのでお尋ねを申し上げなければならないところでありますが、直接その衝にある国土庁の皆さん方といたしまして、多極分散型国土形成ということが土地問題あるいは地価問題の基本的な解決につながる道である、基本はそこに帰着するという認識についてはどのようにお考えになっておられるのか、まずお伺いをいたしたいのであります。
○説明員(田守栄一君) お答えを申し上げます。 ただいま御指摘がございましたとおり、現在私どもが直面しておりますいわゆる土地問題というものの現象面をさかのぼって考えてみますと、その構造的な大きな問題として、東京一極集中あるいは東京を中心とした大都市への集中という構造的な問題があるという御指摘は、まことに正鵠を得たものというふうに私どもも認識いたしておる次第でございます。私どもも、そういう観点から、土地問題を取り組む上におきましてもその認識を踏まえて進めてきているところでございます。 例えば、昭和六十三年の六月に示されましたところの総合土地対策要綱というところにおきましても、ただいま委員の御指摘のございましたような考え方に基づきまして、いわゆる東京一極集中の是正ということを中心とした国土の均衡ある発展というものが根本的な対策の大きな柱であるという認識を明確に示してございます。また、私ども国土庁といたしましては、国土の均衡ある発展ということを実施する上でのいわば調整官庁という責任を持っておりますので、その責務の重大性を十分に認識しておるところでございます。 ただいま委員から御指摘がございましたように、四全総というものがその問題を解決するための柱としてございますが、さらにそれを踏まえまして、二年ほど前になろうかと思いますが、新しい法律を制定していただいたわけでございます。いわゆる多極分散型国土形成促進法という法律でございますが、この法律の施行につきましても、ただいま申し上げました土地政策におきまする大変重要性ということを十分に踏まえて、私ども鋭意その的確な施行に努めているところでございます。
○鎌田要人君 基本的な考えは常に一致するわけでありますが、現実、具体になってくるとなかなか進まない。 私、恨み言で言うわけじゃないんですが、例えば九州。九州というのが人口あるいは面積では日本列島の二一%を占めておるわけです。ところが、ここには例えば新幹線というのが昭和五十年に博多まで来て、それから先は一メートルも延びておらない。あるいは高速自動車道にいたしましても、青森から熊本県の八代まではつながり、先般人吉までつながったわけでありますが、まだ人吉と宮崎県のえびのというところまで数十キロがつながっておらない、そこから先は鹿児島まで来ておるわけですが。九州の自動車道、例えば九州横断自動車道にいたしましても、長崎から佐賀、別府、大分までつながるこの道路もまだところどころ、昔はきせると申しておりましたが、ちょん切れておる。ということで、東九州自動車道などというのはようやく基本計画が御承認になって、まだとてもくわ入れというところまでいかない。 そういう社会資本の整備がおくれておるわけでありまして、そういうところというのはこれからの大きなポテンシャルを持っておる。例えば仮に同じ一億という金をここで道路の投資に充てるとして、東京ではほとんど用地の買収もできないでしょう。恐らく九州でまいりますれば、これは若干の差はありますけれどもかなりの道路の延長というものができる。これは一つの資源の効率的な使用という面から見ても、これ以上東京に金をかけるよりも、むしろ東京は、これは当たりさわりがありますが、もっと住みにくくして、それで地方に定住を図っていくということが、長い目では日本のあるいは日本民族のための幸せであるとすらも私は言いたい気持ちなんであります。 そういう面で、社会資本の整備というものをもりともっとやはり地方に向けてやっていくことによって、東京の狂乱地価というものがこれ以上上がるということはこれは防げる。むしろ地方に適正な価格で住民が定住することによって土地問題の基本的な解決が図られる。それがまた日本が未来に向かって繁栄できる基本であると思います。これは感想でありますのでお答えは要りません。 そこで、これはこれといたしまして、当面の問題として、大都市圏の低未利用地の活用を図るとかあるいは市街化区域農地に宅地並みの固定資産税をかけるとか、いろいろ税の面も含めましての土地の供給促進ということが計画をされておる。これから政府税調の土地問題についての小委員会でも精力的な議論がなされるわけであります。 私の乏しい経験からしまして、ちょうど二十年前に今日と全く同じような事態で、東京の狂乱地価、三大都市圏の狂乱地価ということで土地についての総合的な対策を講じよう、こういうことで、三大都市圏域でありましたが、農地に対して宅地並みの課税をするということが昭和四十六年の地方税制の改正で行われたわけです。ところが、このときには残念ながら、法律は通ったんですが与野党通じてこれに対しては非常に厳しい批判がありまして、やはり大都市の中にも緑地を残すことは住民の健康保全、こういった面からもあるいは一朝有事のときの避難緑地という面からも残すべきだということで、実質的には骨抜きになった。私そのときに事務方で、苦い経験があるのであります。 そういったことやら、固定資産税を重課してもてあますようになって、管理費用が高くなってそれで土地を吐き出させようと。これはある意味において非常にいいように思われるのですが、私の懸念しますことは、これはいわゆる勤労大衆といいますか、庶民が手に入るような地価で土地が出てくるという見込みはまず絶望的ではないか。むしろそれで吐き出すのは零細な、例えば自分の居住用に住んでおる人たち、比較的低所得の人たち、狭い範囲の小さな土地を持っている人たちがもてあまして出して、比較的大規模の土地を持っている人は、例えば土地を細分化しましてそれで重課を免れるとか、あるいは仮に手放すにしても、これはいわゆる庶民の手には入らないで、不動産業者、デベロッパー、そういうところに渡っていくということで、決して事態の改善にはそれほどはならないのじゃないか。 そこで私は、ここでこの持ち家あるいは土地所有ということから頭を切りかえまして、そういった土地というのをまとめて、例えば東京都であるとかあるいは住宅供給公社であるとか、そういった公的な主体がそれを所有することで非常に質のいい賃貸住宅、むしろ貸し家というもので大都市圏域の住民の住宅需要を満たしていく、こういうことを考える方がベターではないか。質のいい賃貸住宅、これを大量に公的な主体で提供する公共賃貸住宅の拡充ということも一つ考えられていいのではないか。それが現実的ではないかという気もするのでありますが、建設省御当局の御意見を伺わせていただければありがたいと思います。
○説明員(立石真君) 御指摘のとおり、東京圏を初めとする大都市地域において異常に地価が値上がりしているために、中堅の勤労者が一戸建ての持ち家を持つというのは、あるいはまたマンション等を所有しようといたしますのはなかなか困難な状況になっているのは委員の御指摘のとおりかと思っているわけでございます。 そういうようなことから、大都市地域において中堅勤労者向けの住宅政策を強化していかなければならないと建設省においても考えて対策を講じようとしているわけでございますが、この場合におきまして、やはり住宅につきましては根強い持ち家所有意識、打ち家取得志向というものがございます。それと同時に、また最近は良質な賃貸住宅に住みたいというそういうニーズも多くございます。住宅政策といたしましては、そういうような現状のさまざまなニーズにこたえられるように施策を講じていくことが適切かと思っているわけでございます。
○鎌田要人君 終わります。
○会長(遠藤要君) ただいまの発言に対して、経済企画庁国民生活局長が出席されているので、局長からも今の鎌田委員の発言について御発言を願いたいと思います。
○政府委員(末木凰太郎君) 私どもも住宅冊題あるいは土地問題、専門家ではございませんけれども、国民生活に関していろんな調査を行いましたり、あるいは消費者団体の方々のお話を伺っておりますと、この問題が国民生活上の最大の問題であるということは常々感じております。 例えば、ちょっとたまたま今手元に持っておりませんけれども、一年ほど前の調査になりますが、日々の生活に対する満足度の調査をしたことがございます。そのときに、満足しているあるいは満足していないと答えた人の比率をいろいろな角度から分析してみますと、例えば年齢別にどういうふうにその差があるかとか、あるいは地域によって答え方にどういう差があるか、いろんな角度から分析したうちの一つとして、どういう住宅状況にあるかということで答えを見ますと、もう明らかに住宅事情で恵まれている方は満足と答える比率が高くて、住宅で恵まれていない方の場合には満足でないと答える比率が目立って描くなっているわけです。このような傾向はいろんなところにございまして、そういう意味でこの住宅問題、それと午前中にもちょっと触れましたけれども、労働時間の問題、暇のなさということが大きな問題だと思います。 ただ、労働時間の方は調べ方によりまして割合に、何といいますか答えが分かれることもあります。例えば、今あなたはお金と時間とどちらを選びますかというようなことを聞きますと、聞き方によっては、裸で聞きますと若い人を中心に時間の方が大事だと答えるんですけれども、別の聞き方をしまして、収入が少し減るかもしれないけれども労働時間を減らしたいかと聞くと、必ずしも時間を選ぶという人がそれほど前の問いに比べて多くないというようなことで状況が少し変わりますが、土地、住宅問題に関しての国民の方の不満というのはほとんどどういう聞き方をしてもはっきりしていると思います。 そういう意味で、私も今先生御指摘の、例えば持ち家にこだわらないで賃貸住宅にもっと力を入れるべきであるとか、あるいは大都市圏の低利用地、未利用地の利用促進の問題とかについては、専門的にお答えする能力がございませんが、非常に基本的に重要なテーマであるということは全くおっしゃるとおりだと思っております。
○石渡清元君 今の鎌田委員に関連するわけでございますけれども、内外価格差問題、とりわけ生産流通活動における中の要素価格の格差、この代表が今のおっしゃる地価、土地の問題ではないかと思うんです。 いろいろ午前中の説明の中に、土地、地価対策で、これから建設省は大深度地下の公的利用、この制度の創設を少し検討しよう、こういう御説明がございました。これが果たしてどのように地価に影響を及ぼすのか、波及をするのかが一点。そして、この資料の中でもありました借地法あるいは借家法の見直し、どういう方向で見直していくのか、これまたどのようにそれぞれ地価等々に影響するのか、まずこれをお伺いいたします。
○説明員(田守栄一君) お答えをさせていただきます。 御質問のポイントは、大深度地下開発という手法が検討されているけれども、それが地価政策という点から見てどういう評価をすべきかという点、そして借地借家法というものの改正というのが同様に地価政策の上でどういう効果を持っていると認識しているのかという点かと存じます。 まず、借地法の方からお話をさせていただきますが、これにつきましては実は日米構造協議におきましてもこの問題が取り上げられまして、中間報告の中に言及がございます。これによりますと、借地借家法の改正というものを検討して、早ければ今年度じゅうに改正要綱といったものを出すような方向にしたいというようなことが書いてございます。そういう意味ではかなり具体的な方向が出てきたということが言えるかと思います。 それでは、それが地価にどういう意味を持っているかということでございますけれども、これは借地借家法の改正の内容をどうするかということによってももちろん変わってくるところでございますが、私どもは次のように認識をしておるところでございます。すなわち、借地借家法は、御案内のように借地人あるいは借家人という者が経済取引の上で非常に不利な立場に置かれてきたというかつての歴史的な経緯を踏まえまして、その不当に不利な立場を補完するという観点から、御承知のように借地人、借家人の立場を強化したわけでございます。しかしながら、近年の状況を見ますと、その踏まえられた歴史的な経緯と状況に変化が見られると存じます。 第一は、借地、特に借家に関しては需給関係がいろいろな点で違っている面もございます。それからもう一つは、委員から御指摘の地価との関係でございますが、地価が構造的に上昇していくという局面におきましては、いわゆる投機的な取引というものが大きな役割を果たしてきておるわけです。 そうなりますと、その土地を保有している人がいわばできるだけ土地を転売あるいは売却をすることによって利益を得ようとした場合には、その上にある借地関係あるいは借家関係といったような複雑な権利関係が設定されている土地の場合には、どうしても売却をした場合の何といいましょうか、評価額がそうでない場合に比べて下がってしまうという経済実態がございます。その原因は借地借家法に基づいて非常に強い保護が借地権者、借家権者に与えられているというところが原因になっているという指摘がございます。 そこで、そのような中では、結果としてはつまり地価が非常に上昇している局面におきましては、どうしても土地を保有している方はその借地借家法の適用を受けない方が将来の利益を大きくするためには有利だという考え方に基づいて行動をしがちなわけでございます。そうなりますと、結果として土地が十分に利用されないという事態を招来することが予想され、かつそういうことがかなりの程度現実になっているというふうに指摘がされているわけでございます。そのような事態は、大きく考えてみますと、そもそも借地借家法ができましたのは先ほど申し上げましたように借地人、借家人の弱い立場を保護するという観点からできたにもかかわらず、結果として土地の有効利用が行われないために土地の供給が少ない、抑えられる、したがって地価が上がる。それがひいては借地権者、借家権者の利益を結果として害しているという、当初の立法の段階では予想されなかったような事態が現出しているというふうに考えられるわけでございます。 したがいまして、単に借地人とそれから土地所有者との利害関係のみならず、借地借家人の利害の保護という観点から見ても、新しい経済実態を踏まえてもう一度見直してみる必要があるのではないだろうかという考え方から、既にこの数年にわたって法務省を中心といたしまして借地借家法の見直しが行われてきているところでございます。したがいまして、今のような土地政策との関係から考えた上での借地借家法の改正というものはそういう意味を持っていると私どもは認識しておりますし、その観点からの適切な両利害関係者の権利関係のバランスを十分に踏まえた上での適正な修正というものが行われることは、土地政策という観点から見て好ましい効果が期待できるものと私どもは考えておる次第でございます。 また、大深度地下利用政策についてでございますが、これにつきましてはどういう内容で大深度利用を考えるかということによってもちろん効果が違ってまいりますけれども、仮に地上で道路をつくる場合の例えば用地補償費といったような形での問題がそれによって解決できる、あるいは緩和できるような形で大深度利用というものがもしできることになるとすれば、それはいろいろな意味で土地政策という観点にも好ましい効果が期待できると存じます。 例えば、もしそれがなかった場合には地表の土地を買収するということになりますので、それはいわば土地に対する需要が非常に増加するということを意味し、結果として、特に道路等の社会資本の場合には大変広い土地を必要といたしますために、需要が大きいとそれはどうしても価格に好ましくない影響を与えるわけでございます。それを大深度という形で開発ができ、それが土地に対する需要を緩和するような形で開発が行われることになるとすれば、今申し上げたような形で土地政策に対してもよい効果ができることになるのではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。
○石渡清元君 最初の借地法、借家法の見直しの関係、情勢がつくられたときと大分違ってきたと、こういうお話はわかるわけでありますけれども、私がお伺いしたのは、できたら内容的にどのように改正をされるのか、あるいはその改正のねらいが、新しい経済実態というふうに表現を使われましたけれども、地価とか家賃とかあるいは住宅価格のコストアップを抑える効果につながっているのかどうかということをお伺いしたかったわけでございまして、もう一度お答えをいただきたいと思います。 そして、大深度地下の公的利用についてでありますけれども、結局、大深度部分のいわゆる都市基盤整備ということでありますので、当然その地域は非常に高付加価値的な地域になるわけであります。したがって、私はこれによってその土地ほかなり価値のあるものに上がってまいりますので、一方では地価を抑えようとするところに、またその土地の高度利用ということで、大深度、そういったような制度を導入するということと地価の問題は何か逆行するような、単純に私はそういうふうに思うわけでありますけれども、その辺のところをもう一度御説明願います。
○説明員(田守栄一君) 補足的に御説明をさせていただきます。 借地借家法に関しましては、やはり特に土地価格に関しては好ましい影響があるというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。その理由は、やや重複するかもしれませんけれども、現在のもとでは土地所有者の立場から見ますと、土地に対して借地権を設定しない方が有利だというふうに計算をする行動が強く見られるわけでございます。そのことは土地の需給関係という点から見ますと、本来そうでない場合にはいわゆる供給という形でマーケットに出てくるものが出ないわけでございますから、その分だけどうしても需要の方が多うございますので価格が上昇するという傾向を構造的に持つこととなるというふうに私どもは考えているわけでございます。 したがいまして、借地法というものが仮に改正されてそういう要素が、つまり土地所有者がその土地の上に借地権を設定しても、土地所有者の持っている土地の経済価値が今よりは下がらないということであれば、その土地を利用してその上に借地権を設定し、あるいは借地権者はその上に建物を建てるという形で建物あるいは住宅の供給が進むわけでございます。ということは二つの面でいい面が出るのではないか。 すなわち、土地が今のままでいくとなかなか利用されないままでいくのが、利用されることによって土地の供給が結果としてふえますから、地価全体の中で見たときに供給がふえることを通じて土地の需給関係が緩和するという形で地価にいい影響が出ることが一つ。もう一つは、土地を有効に利用した結果建物が建てられ、それが住宅あるいはオフィスの需給関係に対して供給増という形をとって価格を緩和するという方向に働くという二つの意味におきまして好ましい方向に働くものというふうに私どもは認識しておる次第でございます。 ただ先ほども申し上げましたが、あくまでこの所有権者と賃借権者との間の権利関係というのは土地政策の観点からのみ決められるものではなくて、権利関係というものを適正に調整をする必要がございますので、そういう観点から法律的な均衡ということも十分に配慮して決められることになろうかというふうに存ずる次第でございます。 また、大深度につきましては、委員のお考えではむしろ地価に対して高度利用を促進することを通じて地価が上昇するという結果をもたらす方が大きいのではないかという御指摘がございました。この点につきましては、大深度利用の仕方あるいはどのような形でどの場所で大深度を利用するか、それから大深度利用をする場合の法律関係をどうするかということによってかなり確かにいろいろなケースは生ずるかとは存じます。 しかしながら、現在のままでまいりますと、どうしても交通の混雑を含めてむしろ地表の開発というものが不可避的になる可能性の方が大きいのではないだろうか。そうなりますと、例えば高速道路をさらにつくるというようなことになった場合に、地表で高速道路をつくる場合における地表の土地の価格の上昇に比べまして、大深度という形で道路をつくった場合の方が土地に対する不必要な需要が減るという形では、やはりプラスが大きいのではないだろうかというふうに認識しておる次第です。 なお、委員の御指摘のように、だからといって大深度を乱用いたしますと、東京というものがますます過度な利用ということになってしまって、先ほど鎌田委員から適切な御指摘がございましたように、東京一極集中を是正するという観点から大きな問題を招来することになろうと思います。したがって、それは大深度利用そのものが悪いのではなくて、むしろ大深度利用という制度をどのような形でどういう場合に利用し、どういう場合には利用してはならないのかという大きな政策のところで枠組みを考える、すなわち東京一極集中というものをどのような形で是正していくのかという観点からむしろ問題を整理していくべきものというふうに考える次第でございます。
○石渡清元君 わかりました。 大深度地下利用はまだこれから詰める段階でもございます。借地法あるいは借家法の見直しも好ましい結果にぜひなってほしいな、こういうふうに思っておるわけでありますけれども、先ほどからの答弁をお伺いして、何か土地政策の視点だけではなく、というものの土地供給の促進、それにかなりウエートが置かれているような気がしてならない。 と申しますのは、これから都市政策あるいは都市計画が、どんどんどんどん住宅建設を急ぐ余りにやや中長期的な都市計画ができるのかどうか、特に大都市圏ですね、それが私非常に心配をしておるわけでございまして、先ほどの鎌田先生のお話ではないですけれども、今四全総の多極分散型国土形成促進をしなきゃいけないという方向にいっているんですが、大都市圏に住宅をどんどんつくることが果たしていいことかどうか、過密の上にさらに過密の拍車をかけるような方向になるような気がしてならない、その辺の御見解はどうでしょうか。
○説明員(立石真君) 大都市地域において、現在の住宅の困窮状況に対応しまして、建設省といたしましては住宅地の供給をしたいというように政策を掲げているわけでございますが、全国計画との関係につきましては先ほど鎌田委員のお話もございましたが、やはり私たちの考え方といたしましては、全国に多極分散型の国土構造をつくるということは、地方におきまして積極的に公共施設あるいは社会資本整備を行って活気のある地域をつくる、またそういう各地域において居住生活を充実するような社会資本整備をしていく、そういうことによって地方を活性化することによって全国を多極分散構造にしていくことが基本であろうと思っているわけでございます。 そういう観点から考えますと、東京を住みにくくすることによって多極分散をするというわけにはやはりいかないのではないかと基本的に思っておるところでございます。そのような観点から、現在の大都市地域における住宅問題に対応していくためにやはり積極的な政策が必要であろうというように考えております。
○石渡清元君 今、住宅困窮だというお話がありました。私は、現在の大都市に限ってお伺いをいたしますけれども、数量的な困窮というよりもむしろ価格とかそういうようなサイドじゃないかと思うんです。 それは確かに、だからといってどんどん住宅を建設し、人口がふえた場合に、例えば水資源はどうなるのか。また、ことしから国連総会で決められた国際防災年の十年が始まりますけれども、国土の保全の見地から見て、どんどん建ててしまってよろしいのかどうかということに非常に私疑問を持っているんです。したがって、大都市優良住宅供給促進事業、建てかえとかリニューアルとかそういうことでかえていくならいいんですが、低未利用地は使う、あるいは農地の活用までやろうというような、その辺だと非常に、むしろ鎌田先生の先ほどのあれじゃないけれども、環境的にさらに生活環境が悪化するような方向にいくような気がしてならないんですが、その辺はいかがでしょうか。
○説明員(立石真君) もちろん住宅政策、優良な住宅を供給することを推進したいといいますのは、やはり居住問題、それからまた良好な居住環境を確保しつつ行うことが基本であろうかと思っているわけでございます。御指摘のとおり、今は住宅がないというところの人はいないわけでございますから、戸数としては充足しているわけではございますが、大都市地域におきましてはやはり住宅の質がかなり悪い、あるいは狭い家に多家族で住んでいるという状況が多い。また狭い賃貸住宅から広い賃貸住宅あるいは広い住宅に移ろうと するに当たりましても、そういうような住宅が非常にまだ価格が高く手に入らない、そういうようなことであろうかと思っているわけでございます。 今後の住宅政策を進めるためには、もちろん地域的な水問題、防災問題等に配慮しなければならないと思いますが、これらの地域政策と一体となりながら良質な住宅、そしてまた良好な住環境を確保することに努めていかなければならないと思っております。
○石渡清元君 良好な都市環境あるいは住環境を確保するためにも、この資料の中でも大都市農地活用、何回もお伺いするようでありますけれども、これは果たして必要かどうか。私は、必要最低限の都市空間ということをかなり確保していかなければ良好なとか良質な住環境とは言えないんじゃないか。大都市圏でかなり数少ない、かつ狭い農地活用まで果たしていいかどうか、あるいは農地を宅地化することによっていい環境になるかどうかというその整合がちょっと釈然としないんですが。
○説明員(五十嵐健之君) お答え申し上げます。 先ほど来先生御指摘の点は、実は本日でございますが、本日閣議決定させていただきました大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法、それから都市計画法、建築基準法の改正ということで今国会に提出させていただこうとしているものがございまして、それに関する御質問かと承知いたします。 法律の内容でございますので事務的に私の方から御紹介申し上げますが、この法律で期待しておりますのは、先生御指摘のように、市街化区域農地と申しますか、要するに農地の部分と、それから低未利用地、工場跡地等でありますが低未利用地、この二つが今例えば首都圏で申し上げますとかなりの量になっているわけでありまして、低未利用地の方でまいりますと大体首都圏で二万九千ヘクタールぐらい、それから市街化区域農地の方でまいりますと三万数千ヘクタールあるわけでございます。私ども積極的に農地を全面的に全部つぶして宅地化していこうということを考えているわけではないわけでございます。そこは誤解いただきませぬようよろしくお願い申し上げたいわけであります。 問題は、自然増にいたしましても社会増にいたしましても、人がこれからどんどんふえていくわけでございます。四全総で申し上げましても、三千万の首都圏人口が放置しておくと三千五百万になっちゃう、二〇〇〇年でございますが。それを三千三百万人に抑制していきたいというようなことがあります。この場合でも約三百万人の人々がふえていく、それがまた住宅需要がふえていくわけであります。これを放置しておきますと、完全に虫食い状態と申しますかスプロールが進んで、必ずしも良質と言えない住宅がどんどんでき上がっていくというのを私どもは警戒しているわけでございます。 それで、先ほど申し上げました二つの法律で実施しようとしておりますのは、町づくりの観点からどこを中心に住宅を供給していくかという点を決めまして、そこに都市計画制度あるいは税制あるいは融資、補助等々のできるだけの施策を集中しようとしているものであります。つまりいい町をつくっていきたい。そして、農地の部分につきましてはこれは今後土地税制としていろいろ御議論いただくところでありますのでどうなるか私どもにはよくわからない点でありますけれども、私どもが考えておりますのは、農家の方に、ずっと農業を続けられますか、あるいは宅地化なさいますかという選択をしていただこうと思っているわけでありまして、そこからスタートいたしまして、できる限り、例えばさっき三万数千ヘクタールと申し上げましたけれども、このうち二〇〇〇年までの間に、つまり約十年の間に一万ヘクタールほど宅地化していただけないかという希望を持っているわけでございます。全面的に農地を宅地化しようということで考えているわけではなくて、むしろ一定の環境のまとまり、そういう環境の整備を行いながら住宅の需要にこたえていきたいということで法案を提出させていただいているところでございます。
○石渡清元君 農地の関係で農業を続けるか否かというような簡単な質問、設問でなくて、もう少しその地域に合ったというか、基本的な考え方あるいは総合的な考え方でぜひ住宅建設を行っていただきたいし、また本当に生活者が豊かさを実感できる都市基盤の整備に十分留意をしていただきますことをお願いいたしまして終わります。
○小林正君 三月三十日付の日経新聞に「国有地を有効活用」というので、サブタイトルで「国有財産中央審に諮問 土地の証券化など探る」というこういう記事がございました。大蔵大臣が三月二十九日に、国有財産中央審議会に今後の国有地の管理処分のあり方ということで諮問をされたわけでございます。その趣旨として、適正な土地利用、国有地の確保、活用、そして三つ目に管理処分方式の多様化、こういうことで検討が進められる、そして、従来、財政再建のために国有地の売却を積極的に進めてきたこれまでの路線の転換を図るんだ、こういうことでございます。特に、国有地の高値の売却というものが地価高騰の引き金になったという反省から、地価自身を顕在化させない処分方法として土地の証券化などの導入の可能性を探る、こういうことで小委員会を設置して、六月までに答申を出させる、こういう内容でございます。 これは、私はかねてからかなり関心を持って見てきたわけでございますけれども、昨年の十二月に土地基本法が制定をされまして、所有から利用というところに大きな転換を図っていくんだという基本的な考え方で、具体的に土地の有効利用を進める一つの方策として国有地についてまずここから始めようじゃないか、こういうことだろうと思うんですが、そういう積極性は大いに結構だというふうに思います。 それで、地価を顕在化させないために、いわゆる土地信託、証券化、新借地方式、権利金を払わないかわりに借地権も設定しない方式とかという、等々のいろいろな方法論について検討がされている。なかんずく、「証券化では土地信託の受益権を小口に分けて証券化する手法など、国鉄清算事業団が旧国鉄用地の処分で計画しているいくつかの手法を検討する。」、こういうふうになっております。 それで、実はことしの三月八日に旧国鉄跡地の処分の現状と課題ということで、金融関係者を含めまして多くの方が受講されているので、「旧国鉄跡地の処分の現状と課題 土地の金融資産化を中心として」、こういう講演がされております。こういう中でも、今この記事に出ております土地の証券化等の問題について清算事業団としても具体的な検討が進められているという状況でございます。この記事の後に「二カ所で土地信託企画入札を実施 国鉄清算事業団」と、こういう記事があって、信託銀行による土地信託のコンペティションが実施されるという記事が載っております。 この問題についてなんですけれども、大蔵省としてこういう土地の証券化という方向で今後検討を進めていく課題というものを提起する。そして一方、清算事業団は清算事業団としてこうした検討をしながら具体的に土地信託方式による対応というものもされてきている。それからもう一つは、建設省を中心としてこれは昨年の十一月二十七日に研究会の中間報告というものが出されているわけです。都市開発の推進と不動産の証券化プロジェクト推進のための新たなファイナンスシステムとその可能性ということで、やはり今申し上げましたような点についての研究、まあ検討までいかないのかもしれませんが、研究が進められているようでございます。 これは、今後の問題としてそれぞれがそれぞれの立場で研究を進めるという段階と、それが国の一つの政策的な課題として調整され、まとめられていく中心的な部分というのはどういう形で今後できてくるのか、従来どおりばらばらにやっていくのか、それからこれを実現するに当たって今までの研究経過からいって乗り越えるべきハードルというものがあるとすればそれは何なのか、そして具体的に六月の答申を得て今後どういうふうにこの方法が具体的に展開をされる段階を迎えるのか、それらについてお伺いをしておきたいというふうに思います。
○説明員(田守栄一君) お答えを申し上げます。 ただいま小林委員からの御質問、大変重要な問題についての御質問かと存じます。すなわち土地の証券化ということを中心とした政策手段についてどのように評価し、これからどういうふうに政策的に持っていこうとしているのかという御質問かと存じます。 いわゆる土地の証券化というものによって何が意味されるのかということについては、今の段階では多分まだ土地の証券化ということ自体議論の段階でありますので、必ずしも的確な内容が統一されている状況にはないかと思います。しかしながらそのねらいの一つは、やはり土地というものが一方においてこれからの開発も含めて国民経済の中で非常に重要な資源であり、そして土地以外の財によっては代替することができないという非常に重要な土地という資源である、それをこれからさらに効果的に使っていかなければならない。一方におきまして、その仕方を誤ると土地の価格の好ましからざる上昇ということも招来しかねない。その辺のバランスをとって、いわば連立方程式を解いていくために私どもいろいろな形で、あるいは政府の中のいろいろな部署におきまして検討を重ねておる段階でございます。 そういうことをやる上におきましては、多分決め手というものが一つこれが決め手というようなものではなくて、やはり土地政策というのは非常に複雑な要素が複雑に関連しておりますので、そこのところについて、いわば病気に例えますならば複数の成人病が併合症としてあらわれているわけでございますから、診断を的確にした上でその症状あるいは原因に応じていろいろな治療方法というものを考え、そしてそれを実行していく、そしてそれが総合的に働き合って初めて土地政策というものが一定の効果を生むというようなものだと認識しておる次第でございます。したがいまして、土地の証券化という小林委員の御質問の点についても、そういう総合的な土地政策の一環として私ども位置づけておるわけでございます。 しかしながら、これを具体的にどういう形で、あるいはどのようなタイミングでどういう形にするのかということについては、まだそこまでの段階には至っておらないように存じます。したがいまして、ただいまの六月の答申の内容あるいはその答申を踏まえてどうするかということ確ついては、とりあえずまず大蔵省の方として一つの勉強をしているというふうに私どもは理解をしているところでございます。その成果を見た上で、また私ども国土庁としても必要に応じて適切な取り組みをしてまいりたいと存じております。
○会長(遠藤要君) 総務庁新野審議官、今のあれについて大蔵省や何かとのあれはないんですか、知っているならお答え願いたい。
○政府委員(新野博君) 特に私も新聞記事以上には承知をいたしておりませんが、多分国有財産の有効活用等に関連してそういう問題を検討していると仄聞いたしておりますので、それ以上のことはお答えはできません。
○小林正君 やっぱり土地はどんどん有効利用していって、需給関係の中で高騰を抑えていくというので、まず国の方で率先垂範してやっていかなければならないことだろうというふうに思うんです。今国有財産を処分する環境にないという形でそのままほったらかされているとか、あるいはまた清算事業団等の関係の中でも、どうもそれが結局地価高騰を誘発する要因になるということでこの間抑えられてきたというような経過があるわけですけれども、需要の方は待ったなしにどんどんいく、これに対してどうするのかという課題も一方にあるわけですから、やはりそれがそれぞれ問題意識を持ちながらも、大体ほぼ同じようなテーマで論議がされてきたというふうに思うんですね。 ですから、これはてんでんばらばらでいいのかというと、総合的なというふうに今おっしゃいましたので、これは総合的にそれぞれが研究されているのをやはり同一のテーブルで調整を図りながら推進していく中心というものをつくっていく必要があるんじゃないかと思うんですね。それらについてはどういうお考えなのか、再度御質問したいと思います。
○説明員(田守栄一君) お答えを申し上げます。 国有地の有効利用という観点から政府として統一的に取り組む必要があるのではないかという小林委員の御指摘と存じます。私どもも、まことに御指摘のとおりだというふうに存じております。 これまでも御指摘がございましたように、国有財産あるいは旧国鉄の跡地の問題も含めましてその処分というものと、それから地価への影響ということについては、これまでも十分意を用いてきているところでございまして、土地対策関係閣僚会議というものが御承知のようにございますが、そこにおいても重要なテーマとして政府全体として総合的にこの問題については対応を今までしてきておるところでございます。 昨年の二月には、特にこの問題につきましては、国有財産等の処分につきましては周辺地域の地価の動向等に照らして、地価に影響を与えないような形でやっていこうということについて基本的な方向づけがなされ、またその一環として一般競争入札というものをどういう場合において実施するかということについても、土地対策関係閣僚会議でも十分議論がなされて一つの方針が打ち出されておるところでございます。また、それを踏まえて関係各省では緊密な連絡をとり合って、その処分が地価に対して不適切な影響がないように十分な連絡、調整をしてきているところでございます。 しかしながら、御指摘のように、それでは十分かということになりますと、新しいいろんな経済状況の変化に対応していろんな問題が出てまいりますので、そういう多様な問題に対して適切に多様な政策手段で対応する必要がございます。その一環として、例えば国有財産についての管理については、一義的に大蔵大臣が責任を負っておられるわけでございまして、そういう観点から、先ほど御指摘のような一つの多様化の一環としての動きがあるというふうに御承知いただければ大変ありがたいと思います。また、繰り返しになりますが、その結論を見まして私ども国土庁といたしましても、土地政策の観点から適切な政策の提言が出れば、それをまた踏まえて政府全体として取り組んでいくということが必要になるのではないだろうかというふうに考えております。ありがとうございました。
○小林正君 これは、建設省の研究チームの皆さん方の中間報告という形で出されている中では、単に国有地の問題ではなくて、既に不動産業者が取得をしている土地についても、周辺地価高騰を招かないような方式で、しかも有効利用ということをテーマにした形で問題解決が図られるというその手法の選択というものを求めて今研究をされておられるわけで、都市計画全体の問題と、それからもう一つは有効利用すべき土地の面積等もいろんな手法の選択の問題になるというふうには思いますけれども、いずれにいたしましても、まず国有地の問題とし、あるいはまた清算事業団の抱える土地等については、今言ったような配慮というものを十分にしながら、しかも一刻も早く問題解決が図られる、それで六月の答申ということで急がれているというふうにも思いますし、日米の構造障壁についての協議のテーマでも関連する課題でもありますので、政府として積極的なこの方向での一つの検討を進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。
○乾晴美君 午前中御説明いただきました国土庁の「地価の動向と土地対策」の五ページのところなんですけれども、ここで、「地価高騰の要因」のところの第一番のところですが、その中の四番目にあります「金融緩和による金余り状況」というところなんですが、午前中からずっとるるいろいろ説明を聞かせていただきましたけれども、一番やはり大きい問題はここにあるのではないかというふうに思うわけです。 大企業の金が余っているという、その金が余ったのが土地を買うというようなことで非常に高騰を呼んだ大きな原因だなというふうに私は思うわけです。やはりそういうことになってきましたら、税制の問題といいましょうか、もっとたくさん利潤のあるところからたくさんお金をもらっていくというようなことで、消費税に対しましても大企業には有利になっているではないか、そういうようなことのもろもろが土地の高騰に大きく要因している、たくさんの要因の中でも私これが大事なんでないかなというふうな感じで午前中聞かせていただきましたけれども、どのようにお考えでしょうか。
○説明員(田守栄一君) お答えを申し上げます。 委員御指摘のとおり、今回の地価の上昇局面におきまして、金融緩和という経済実態というものが大きな役割を果たしたのではないかという御指摘は、私どももそのように受けとめてございます。したがいまして、私どもといたしましては、そのような認識に基づきまして、金融政策、金融機関に対する指導監督の衝にあります大蔵省に対しまして、かなり以前からこの問題につきまして意見交換をし、そして適切な指導を関係金融機関等に対してするように要請をしてきたところでございます。 例えば監視区域制度を運用しておるわけでございますけれども、その監視区域制度、すなわち国土利用計画法という法律の趣旨に反するような仮に取引があった場合に、それに融資が行われるということがあってはこれはいけないことでございます。したがいまして、そういうようなことが現実にあるのかどうかということについては、十分に監督官庁の立場から現状を把握し、指導をしてほしいという要請をしてきておるところでございまして、大蔵省の方もこれを受けて通達を出すことを初めといたしまして、十分な金融機関に対する指導を行ってきたところでございます。 また、いわゆる金融機関という分類に属さないノンバンクと言われている分野の業種におきましても、土地取引に対する金融が増加しているという統計もございます。そこで、このいわゆるノンバンクと言われる貸金業者に対しましても、投機的な土地取引に対する融資を自粛するようにという趣旨の行政指導を大蔵省の方からしていただいているところでございます。 また、これはたしか三月、つい先月でございますが、新しい行政指導を大蔵省が金融機関にいたしておりまして、これは土地関連の融資につきまして総量規制、規制というとちょっときつうございますが、不動産業界に対する貸し出しの伸び率というものを、それ以外のものも含めた全体の貸し出しの総量の伸びの枠内に抑えるという具体的なガイドラインを示しまして、それの実施についての行政指導に乗り出してきているところでございます。 かような形で金融、特に円滑な成長のために必要なお金では必ずしもなくて、土地に対する投機のために流れてしまうようないわゆるだぶついたお金を吸収していくということについて大蔵省を通じてお願いをしているところでございます。現実にも、統計を見ますと、特に金融機関からの不動産業界に対する貸し付けの伸び率については一時に比べますと鈍化をしていると思いますが、依然としてまだ全体の貸し出しに比べますと不動産業界に対する貸し出しの伸びが少し多うございますので、この点は先ほど申し上げました三月に出されました通達に基づく大蔵省による行政指導の効果を期待しているところでございます。
○乾晴美君 ありがとうございました。
○谷畑孝君 私どもの同僚の小林委員の関連をしたことを一つだけ要望したいんですけれども、とりわけ国公有地、国鉄清算事業団用地の処分ということについてであります。 土地の問題につきましては、どうしても住民といいましょうか、そういう住民自身が参加をしているというのか、また参加ができるというのか、そういうものが一番公平であり一番納得ができる、こういうことだと思うんです。特に国公有地あるいは国鉄清算事業団ということになりますと、これは非常に坪数も平米も大きいですし、国民の一番関心事でもある。特に、これをただ単なる競売だけですると、価格だけの競争になって非常に大きなまた高騰の要因にもなる。 そこで、住民の参加ということになってきますと、やっぱりそこの都道府県を中心とした地方自治団体が一番身近なものになる。そうしたら、その地方自治団体がその競売の中で参画できる財政規模がない。だからむしろ都道府県の地方公共団体が中心となって第三セクター的な会社をつくる。例えば関西新空港のように地方公共団体が入って一つの会社をつくる。その会社が国公有地なり、あるいは国鉄の清算事業団と随意契約ができるのかどうか。しかもその随意契約が他のところを含めて少し優遇をされていくようなそういう制度というものができないかどうか。そういう点についての質問と、また可能なのかということを少しお聞きしたい、こう思うんです。住民が参加できる、形態としてはそれが一番ベターではないかと私自身はそう思っているものですから、ひとつそういうことについてお聞きしたいと思います。
○説明員(田守栄一君) お答え申し上げます。 ただいまの委員の御質問の点は、特に清算事業団による大きな跡地の処分については、規模も大きいこともあって地域への影響が非常にある。したがって、その処分については住民の意見の反というものを重視すべきではないかということがまず第一点だったと思います。 確かに、その跡地全体が当該地域においてどういう形で利用されるかということについて考えますと、その地域への影響の非常に大きな面がございます。その点につきましては、都市計画法その他の関連法に基づいて、その跡地のある地域においてその跡地がどういう形で使われるべきかというのはいわば計画の中で位置づけられるということになろうと思いますが、その際の大きな意味での地域の計画をつくる場合においては、地方公共団体を中心とした利用計画と地域全体の計画の策定をする上で、いろいろな形でその地域の方々の考え方がいろいろなルートを通じて反映される形ができていくのではないだろうかと思います。しかしながら、他方、個別具体的に価格を幾らにするかといったようなことも含めて、直接の取引に対して果たして同機な方式が適用できるかということについては、いろいろなこれは個別具体的な所有権の移転の問題でございますので、この点については慎重に対応しなければならないかというふうに存じます。 他方、それではそういう場合には、むしろ地方公共団体を中心として第三セクターというものをつくってそこで買えるようなシステムをつくってはどうだろうかというお考えでございますが、これは大変一つの卓抜したアイデアではないだろうかと思います。地方公共団体の中には、既にそういう考え方は基づいて具体的な方式を考えられているところもあるように存じます。 また国鉄に関しましては、国鉄清算事業団の用地につきましては、既に出資会社方式をつくってそこでその利用を考えていくという方式をも具体的に提示されておるわけでございまして、その方式の活用の一環として今申し上げたような方向で運用ができる可能性が高いんではないだろうかというふうに承知している次第でございます。他方、金融的な面については、またなかなか地方財政の問題もございましょうから、これらについては全体の財政の大きな枠組みの中でそういう問題については対応していかなければならないかと存じております。
○日下部禧代子君 午前中こういう御質問があったかもわかりませんけれども、土地問題、住宅問題に関しまして二、三御質問させていただきたいと思います。 私、しばしば今までイギリスを中心といたしましてヨーロッパで生活あるいは滞在することが多うございましたが、日本に帰国いたしまして一番最初に感じることは、やはりああ私は貧しいんだなということであります。なぜ貧しいんだなというふうに思うかといいますと、その原因は、やはり自分の住まいでございます。私はことさら貧しいところに住んでいるからかもわかりませんけれども、一昨年も数カ月イギリスにおりまして、私のイギリスの普通の友人でございますが、貴族ではございません、普通のサラリーマンの家庭、公務員でございますが、一千坪のお庭などを持った家を購入したと、私より若い人たちでございます。そういったお家なんかに招かれておりますと、今さらのごとくああ私は貧しいと。だけれども、日本に帰ってくると経済大国と言われるし、イギリスにおりましても、日本のたくさんの旅行者がいらっしゃいまして、イギリスのロンドンの目抜き通りで大量に高価なブランド物を仕入れていらっしゃる。そういうのを見ますと、本当に日本は経済大国なのかなというふうな錯覚を起こしますし、イギリスの人もそうお思いになります。 しかし、日本に一度いらっしゃいますと、どうしてこのような狭いところにお住みになっていらしてあのようなお買い物ができるのかなというふうにお思いになるわけであります。それは日本では一点豪華主義だとか、今や一瞬豪華主義というのがあるようでございますが、そういういわば文化の形が現存しているということを説明するのは至難のわざでございます。そういう日本の方たちがお買い物をするというのも、やはりお家に帰ってきては非常に貧しい住宅ということもあるんじゃないかな。それが貧しい住宅にいっぱい買い込んできてまたお家が狭くなるという悪循環があるのかもわかりませんが、そういう問題を含みまして、今まではこれちょっと前提でございまして、幾つかの御質問をさせていただきたいと思います。 私の友人に外交官なんかかかなりおりますけれども、最初日本にいらして、これもいわゆる先進国と言われる国の外交官でございますが、大使館の中にお住まいを持っているいわゆる一等書記官クラスまではいいんですけれども、二等、三等書記官になりますと自分でお部屋とかお家を購入しなければならない。外交官としての並みの生活をする、つまりお客様をお呼びする、そういうことができるスペースを保つためには一カ月最低百万ぐらいの家賃のマンションでなければ満足できない。それで本国に電話をかけたり打電しますと、一体おまえはお城を買うつもりかというふうなことが返電として来たというふうなことをよく聞きますけれども、そういうことができる、それでもなおかつ購入できる先進国の外交官たちはよろしいんですけれども、もうお聞き及びのように小さな国々、たくさん独立した国々がございます。そういった国々が日本で大使館を持つということは非常に難しいということはこれは報道されているところでございますが、民間がそういった小さな大使館に対して何かいろいろな手だてを講じているというふうなこともこれは報道で見聞きしておりますが、国としてそういう施策をお持ちでいらっしゃるかどうか。 それからもう一点、同じような問題でございますが、東南アジアからの方たちが随分日本で、特に東京なんかにお住まいになっていらっしゃいますけれども、家主が白人にはお家を貸すけれども、東南アジア系の方々あるいはアフリカの方々に対しては余りお家を貸さないというふうなことも問題に出ております。そういった問題に関しましてどのような対策をとっていらっしゃるのか、これが大きな項目の第一点でございます。 それから第二点といたしましては、御承知と思いますけれども、今日のように土地問題、住宅問題ということが深刻になってしまったその大きな、もとを正せばということでございますが、原因というのは、やはりこれは土地、住宅に関する基本的な理念というものが、あるいは哲学というものが日本になかったということではないかというふうに思います。 西ドイツあるいはイギリスなどの戦後の一番最初に出てきた基本的な国の施策というのは住宅政策でございました。これは皆様方十分御承知のことだと思います。西ドイツにおきましての住宅問題を議案に出したときの、アデナウアー首相でございましたか、そのすばらしい演説。あるいはイギリスで戦後アトリー首相が住宅政策を中心といたしまして福祉国家をつくっていったというそのときの議会での演説というのは、これはもう皆さん御承知のとおりだと思います。そういった中に含まれているものは、まさに土地あるいは住宅というのは人間のあるいは生活の基本的なものである、基本的人権としてきちっと位置づけている。 ところが、我が国の場合にはそういう観点からの発想というものがほとんどなかったんじゃないかというふうな気がいたします。この点に関してどのようにとらえていらっしゃるのかということでございます。例えば、北欧あるいは西ドイツなどを見ましても非常に公有地の割合が大きいんですね。これはもう御承知のとおりでございます。ところが、日本の場合には公有地というのはどんどん売ってしまうというような傾向がございます。そういったことが、今日の大きな、どこから手をつけていいかわからないという先ほどのさまざまなお答えがございましたけれども、複合的成人病だというふうにおっしゃいましたけれども、どこから手をつけていいかわからないというのはやっぱりそのようにしちゃったということもあるんじゃないかというふうな気がいたします。 その基本的な政策ということに対してどのように反省を込めてとらえていらっしゃるのかということがございます。その中に、戦後日本が進めてまいりましたあの持ち家政策、そのことが果たして成功だったのかどうか。御承知のように日本の地主さんというのは先進国一数は多いわけであります。しかしながら、一人一人が所有している土地というのはこれは先進国一狭いわけであります。そういった問題も含めまして、大きな第二点の問題についてのお答えをいただきたいと思います。 それから三点目は、これは私自身の福祉という専門の分野からの質問でございます。 御承知のように、厚生省はいわゆる十カ年戦略というものを出されております。今度の国会でそれは大きな施策として出されているわけでございますが、その中で中心となるのはいわゆる在宅サービスというものをこれから非常に重点政策として進めていこうという御方針が出ているわけでございます。しかしながら、文字どおり在宅サービスというのは宅にいるということでありまして、住宅というものがきちんと整備されていない限りにおいてこの在宅サービスは、これからの厚生省は行動の厚生省だというふうに今厚生大臣のお話を承ったばかりでございますが、幾ら厚生省が行動しようとしても、この住宅というものがきちんとしていない限りにおいては絵にかいたもちになってしまうのではないか。 その住宅というのも、冬になりますと毎度のことながら悲しい事件をテレビや新聞で見るわけでございますが、お年寄りの焼死という問題、これは住宅の中で暖房も不十分であって、そして狭いというその中で起きてくる。これは全く政策がほとんどなされていないということから出てくる非常に悲しいそしてつらい現象ではないか、現実ではないかというふうに私は思うわけであります。したがって、こういった問題も含めましていわゆる高齢化社会への対応というものをどのように建設省はお考えでいらっしゃるんでしょうか。 特に、ヨーロッパで高齢化社会対策として非常に重点を置いておりますのは、いわゆるイギリスではシェルタードハウジングでございます、北欧ではサービスハウジングというものがございます。これはまさにインテグレーション、ノーマライゼーションということを現実化するためには、やはりその地域の中に、いわゆる日本語で言うとケアつき住宅ですけれども、そういうみみっちいものじゃなくてもう少しきちんとしたものなんですけれども、そういう住宅政策というものが中心になって、さまざまな人間が生活していく機能というものがそこにきちっと集中なされていて、そしてお年寄りもそれから若い者もインテグレートできるというふうなそういう生活が実際にできるような施策ができております。これはいわゆる福祉政策というよりも、土地じゃなくて都市政策だというふうに言ってもいいんじゃないかと思います。 ところが、そういうことを実際に実現するためには、例えば日本では老人ホームは厚生省の管轄でございます。普通のマンション、そういったものは建設省の管轄でございます。今申し上げましたシェルタードハウジングとかサービスハウジングというのはこれはいわば厚生省、建設省が一緒になって政策を立てねばならないものでございます。これから厚生省が進めていこうとしている在宅サービスというのも、やはりこういう縦割り政策ではほとんど不可能であるということが考えられるのではないかなというふうに思うんですね。 そういった観点も含めまして、いわゆる高齢化社会への対策というものをどのように建設省はおとらえでいらっしゃるのか。例えばスウェーデンなどですと、もう一九七五年に既に建築法というものが改正されまして、よく知られているいわゆるバリアフリー条項というものが取り入れられました。一九七七年以降住宅を建てるには、どのような住宅であれ、高齢者あるいは障害者がきちんと住むことができるような規制といいましょうか規定といいましょうか、そういうものをきちんとつくっているわけであります。そういうことを含めましてどのような対策をお考えでいらっしゃるのかということ、大きな項目に分けて三つほどお尋ねいたします。
○説明員(立石真君) まず第一点でございますが、委員の御指摘のとおり、第一点の前の話でございますが、日本の経済社会が非常に大きなものになっているにもかかわらず、住居あるいは居住環境について外国と比べますと非常に見劣りする状況にある、そういうことがよく指摘されております。私たち住宅行政に携わる人間といたしましても、こういうような批判といいますかそういう状況に対しまして、良質な住宅あるいは良好な環境の住宅供給に努めてまいりたいと思っておるところでございます。 第一点についてでございますが、在日公館のための、特に職員のための住宅あるいはまた東南アジア系を中心とする外国人に対する民間の賃貸住宅供給の問題等につきまして御質問があったと存じます。これらの問題に対しましては、これまでは住宅行政として直接的な対策を講じてきていなかった領域かと思っております。ただ、公共住宅につきましては、日本人以外の外国人でありましても、永住権を取得している人等に対しましてはその入居を認めるというような対策を講じているところでございます。 第二点でございますが、御指摘のように日本の住宅の水準が外国と比べてまだ非常に低いわけでございます。しかしながら、この現況といいますのは全体の住宅ストックの問題かと存ずるわけでございます。 御承知のように、日本は戦災によって住宅が焼失し、あるいはまたその期間非常に住宅建設が行われなかったこと等によりまして、戦後絶対的な戸数におきまして四百万戸を超える住宅不足が存在していたわけでございます。また建っている住宅にいたしましても、非常に狭くかつ質の低い住宅というのが戦後途端の状況であったわけでございます。こういうものに対しまして、二十年代の後半から住宅建設、特に戸数の供給ということに重点を置いて推進をしてきた歴史を持っております。 特に住宅建設五カ年計画が立てられ出しました第一期五カ年計画は、昭和四十一年度からの五年間でございますが、そのときのテーマは住宅難の解消、一世帯一住宅の確保とか実現ということが当時の最大の課題であったわけでございます。この当時一年間に百ないし百五十万戸の住宅を建設するということを重点に進めたわけでございます。しかしながら第二期になりますと、一世帯一住宅が地域によっては達成するようになりましたので、一人一室の規模を有する住宅の建設ということをテーマといたしまして、当時年間百五十万戸程度の住宅建設を続けたわけでございます。 このように、当初は住宅建設戸数を確保する、できるだけたくさんの住宅の建設を行うということがテーマになったわけでございますが、第三期、つまり昭和五十一年度以降におきましては量的な住宅不足は一応は解消してきた、しかし居住の水準が低いということで量と質、つまり規模も質もある程度いいものを供給したいというようなテーマに転換いたしまして、もちろん地域的には住宅建設の戸数も必要ですが、現在ではむしろ特に良質な住宅あるいは良好な居住環境の確保ということで住宅建設を進めているわけでございます。このような意味におきまして現在の住宅供給を進めているところでございまして、御理解をいただきたいと思うわけでございます。 また、公有地の比重が大きい話につきましては、直接的に担当しておらないものですのでお答えしかねるかと思うのですが、持ち家政策につきましては、日本の持ち家率は現在おおむね六〇%強になっておるところでございます。英国は六四%、アメリカも六四%等でございまして、アメリカ、イギリスに比べればほとんど同じの持ち家率を実現しているわけでございます。持ち家政策といたしましても、非常に国民のニーズが高いという面から進めておりますし、また持ち家を建てる国民のエネルギーというのを実現していくことも大事かと思っております。 なお、先ほどの御質問、御意見もございましたが、大都市地域におきましても持ち家を推進すると同時に、最近の事情に照らしては賃貸住宅の供給を特に重視した政策を進めていくことも必要だというふうに考えているところでございます。 第三点でございますが、高齢化社会に向けての住宅政策としての対応でございます。これまでも高齢者向けの住宅の供給につきましては、公共賃貸住宅あるいは公団等の行う公共住宅、さらに住宅金融公庫の高齢者住宅に対する融資の加算等を通じまして、質的にあるいはまた戸数的にも高齢者向けの住宅政策を充実してきたわけでございますが、特に御指摘の厚生省の在宅サービス政策等と一緒になりまして、現在はシルバーハウジング構想というのをモデル的に進めているところでございます。 御指摘のように、今後の高齢化社会を考えた場合には、老人が元気で在宅しつつ、かつ何かの病気等が起こった場合には在宅におけるサービスあるいはバックアップができるようなことを行っていくことが必要だと考えておりまして、住宅政策でも今後ますますこの面を強化していきたいと考えておるところでございます。
○日下部禧代子君 どういう政策であったかということをお尋ねしたというよりも、今まで例えば第一に量的なものをふやすにしても、ただ量的なものをふやすだけであって、その理念というものがきちんと、あるいは哲学というものがきちんとなかったがゆえに今のような問題が起きたのではなかったのかという御質問を私はさせていただいたんですけれども、そのことについてはどのようにお感じでいらっしゃいますか。お感じでいらっしゃいますか、御感想をというのは、こういう国会では余り御感想をお述べになってはいけないのですか。もしあれでしたらば答えていただきたいというふうに思いますし、その縦割り行政というものをどのようにこれから総合的にやっていくのかという一番基本的な問題を私はさっきお尋ねさせていただいたんですけれども、そこだけをもうちょっと、時間がなくなってきそうなのでお答えいただければと思います。
○説明員(立石真君) 住宅政策についての理念の問題でございますが、私が述べましたのは、国としての住宅政策の理念につきましては、この住宅建設五カ年計画を立てる過程におきまして、特に住宅宅地審議会等の審議を経まして、国としての理念を盛り込んで住宅建設計画を立てているわけ でございまして、それをもって理念としてお話をしたつもりでございます。 また、縦割りの問題はむしろ第三点に関することかと存じますが、先ほど申しましたように、高齢者対策につきましては特に在宅サービス等を含んで厚生省とも協調しながらそういう面を進めていることでもありますし、今後強化していきたいというようにお話ししたわけでございます。
○会長(遠藤要君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○会長(遠藤要君) それでは、速記を起こしていただきます。 本日の調査はこの程度として、これにて散会いたします。 午後三時二十二分散会