建設委員会 第8号
- 発言数
- 245 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/06/19
会議録
○委員長(対馬孝且君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、以上両案の審査のため、本日、朝日大学法学部教授本吉庸浩君、弁護士五十嵐数喜君、財団法人建設経済研究所常務理事長谷川徳之輔君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(対馬孝且君) 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括議題とし、参考人からの意見を聴取いたします。 この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 皆様からの忌憚のない御意見を賜りまして、今後の両案審査の参考にいたしたいと存じます。 これより、参考人の方々に順次御意見をお述べ願うわけでございますが、議事の進行上、最初に参考人の方々からお一人十五分程度の御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。 それでは、まず本吉参考人からお願い申し上げます。
○参考人(本吉庸浩君) 本吉でございます。 今回の法案改正に関連して、私が日ごろ考えている大都市の住宅宅地供給のあり方についてお話ししてみたいと思います。 まず第一に、大都市地域で住宅宅地問題の解決を図っていくためには、自分の行政範囲、つまり東京都なら東京都だけでとても解決できるものではございませんで、どうしても近隣県を含めた東京圏、さらには首都圏といった広い範囲で問題に対処していく必要があるんじゃないかという気がいたします。 つい先日、東京都の住宅問題の解決の処方せんを検討しておりました東京都住宅政策懇談会の最終報告が発表されましたが、その中でも、何よりも東京の住宅問題を解決していくためには東京都みずからの積極的な取り組みが必要であるが、同時に東京の住宅問題はひとり東京都の力だけでは解決できるものではない。東京の住宅問題は、政治、経済、文化の中心として東京が果たしている役割と密接不可分の関係がある。東京都の力のみでは一定の限界があり、解決が困難である。国の積極的な対応を図っていくべきで、そうしなければ一歩踏み込んだ活力ある施策の展開は困難である。こういう指摘をしております。 今、東京圏を考えますと、まさに単に住宅だけじゃなくて生活全体が一体不可分の関係があるのでございますけれども、現在までの様子を見ますと、どうも一部の県では東京の住宅問題は自分のところに全く関係がないというような意見がかなりあるような気がいたします。これでは東京圏の、殊に一番深刻な東京の住宅問題は解決していかないんじゃないか。どうしても、広域的に国及び地方公共団体が都府県の行政区域を越えて大都市地域全体という視点からこの住宅問題を協力して解決していく必要があるんじゃないかという気がいたします。 そういう意味で、今回の大都市法案で国の地公共団体を通じた施策の共通指針をつくり、供給基本方針の策定に当たって国と地方公共団体の合意形成を図っていこうとする法律の改正の趣旨には賛成でございます。 ただ問題は、先ほど申しましたみたいに一部の府県でやっぱりなかなか東京の住宅問題を、おれのところに関係がないという心情がございます。これは昭和四十七、八年の列島改造論当時でも各地で東京の問題が深刻になったとき、各地方自治体なんかで団地お断りという現象がございまして、その大きな原因は、大体人がふえてきますと都市基盤の整備、学校とかそういう財源の必要が地方財政を圧迫するというようなことがございまして、団地お断りとかそういう東京からの住宅建設要請反対の声が多かったんですね。 今回は、こういうことを十分地方自治体と協力しながら、これを本当にうまく機能させていくためには、こういう精神的な考え方だけじゃなくて、もう少し例えば関連公共施設の整備の財源、国の財源をもう少し地方に配分していくとか、それからもう一つ、東京都の住宅政策懇談会なんかでも議論になりましたけれども、例えば東京都がいろんな住宅問題を近接の県に頼むとき、単に自分のところの住宅が困っているから住宅を何とか協力してやってくださいというだけじゃなくて、やっぱり東京にあるいろんな施設、業務施設なんかもなるたけその地域に分散するような、そういう具体的な政策展開がどうしても必要になってくるんじゃないか。そういう意味で、今までどっらかといいますと全体から見ますと大体国の方針を地方自治体に押しつける傾向がございましたので、今回は十分に地方自治体との合意形成を図って、今言ったような点を配慮しながら、お互いに協力関係を進めていくことが極めて大切になってきているんじゃないかという気がいたします。 もう一回申しますと、これからは国及び地方公共団体が一つの都府県の行政区域を越えて、大都市地域全体としての視点から住宅宅地供給の解決を図っていかなければ問題は全然解決しないんじゃないかという気がいたします。 第二点は、土地利用計画の詳細化、つまりこれからの住宅政策と都市計画による町づくりの連動を図っていくことが極めて大切なんじゃないかという気がいたします。そういう意味で、これからはもう少し土地利用詳細計画なんかの案を積極的に導入していくことが極めて大事になってくるんじゃないかという気がいたします。つまり、これからの住宅供給は町づくりと連動させながら地域の特性に応じた住宅政策を体系的、総合的に進めていかなければならないと思います。 ところが、現在の日本の土地利用の現状を見ますと、現行の都市計画制度では広範囲にわたって混在型の用途地域が指定されておりまして、土地利用の規制が極めて緩やかになっております。このため、区部では地価負担力の高い業務用途が住宅を駆逐してきたり、住宅系の地域についても業務用途の利用を前提とした高地価が形成されるなど、住機能の維持と住宅の供給を図っていく上で不利な点が多くございます。この点を是正していくために、ぜひともこれから地域特性に応じた土地利用詳細計画を積極的に導入、活用していくことを提言していただきたいと思うのです。こういうことをおやりになれば、例えばここははっきり住宅地と決めますればそこに業務ビルが建たないで当然地価水準も住宅は住宅、業務系は業務系の地価が出ますので、こういう住宅地が猛烈な高地価に悩まされることなく、住宅としての機能を維持できるんじゃないかという気がいたします。そういう意味で、ぜひともこの地区詳細計画を積極的に導入していただきたいと思うんです。 例えば、良好な町づくりをやっております西ドイツでは、Bプランと申しまして、さっきの日本で言います地区詳細計画みたいなものを実施して良好な町づくり、住宅供給を行っております。つまり、西ドイツではすべての開発行為に対して地区詳細計画の策定とそれに従った建築義務づけが行われておりまして、例えば御自分の土地だから遊ばしておいていいんだというようなことはこれからもできなくなっております。 例えばこのBプランによって、その地区の例えば建物の用途のあり方とか、壁面線だとか、壁の色とか、それから地区内の街路とか区画割り、区画ごとの用途、容積率、建物の階数、建物の形式、例えば独立住宅かアパートか、それからさっき言いましたみたいに壁の色、屋根の勾配までこの地区詳細計画によって決めて良好な町をつくっておりまして、これが決して長い伝統というより、たしか一九六〇年、昭和三十五年ですか、そのときの連邦建設法でこういうBプランというのが決まりまして、約三十年の歴史で現在の西ドイツのすばらしい町をつくっている。そういう意味で、こういう地区詳細計画をもっと積極的に導入していくべきじゃないか。これが今度の都市計画法、建築基準法の改正とつながりますので、こうした意味でも今度の改正案には私は賛成したいと思います。 それから第三点は、今度の改正の中で第一種住専のまとまった農地のあるところに住宅地高度利用地区計画をかけることになっておりますけれども、単に地区詳細計画としての規制だけではなくて、ぜひとも公共施設の整備を条件として規制の緩和を行って建築活動を適切に誘導していくことが極めて大事になってくると思うんです。 現在の地価高騰の大きな要因は、例えば超金融緩和とかいろいろの問題がございますけれども、抜本的には需給のアンバランスから生じているんじゃないかという気がいたします。それならば新規供給はできるかといいますと、新規供給はやはり土地の取得困難だとか、自然環境を破壊するとか、いろいろの問題がございまして、今新規開発というのはピーク時四十七年に比べて半減してきている。 そういう中で、どうしてもこれから私たちが目にしていかなければならないのは、規制市街地の中の低・未利用地とか市街化区域内農地の有効活用を図っていくことが大きな前提になってくると思うんです。これからの住宅問題というのは、単に住宅の戸数を供給すればよろしいんじゃなくて、やはり大事なのは住環境を向上させていかなければならないという課題を迎えておりますので、今度の例えば農地の宅地並み導入に当たっても、保存すべき地域と宅地化すべき地域をはっきり区分けしまして、建築を積極的に進める地域はその基盤整備を積極的にやって、その上でその容積率を緩和していくべきで、それが逆さになって、ただ容積率をふやして中高層住宅を現在の市街化区域内農地のところにふやすことはおかしいんじゃないかという気がします。ですから、基盤整備と容積率の緩和というものはドッキングした関係になければならぬのじゃないか。 私は、現在東京の練馬というところに住んでおりますけれども、御承知のように練馬というのは昔の農村地帯で道路は非常に昔の農道みたいで、そこにただ超高層、中高層がいっぱい建ちますと、交通がパンクするとか、そういう問題で住環境を破壊するという問題がございますので、ぜひとも単に規制の緩和だけじゃなくて、絶対に公共施設の整備を条件として、これらの緩和を図っていくことが必要ではないかという気がいたします。 その次は、さっき言いましたみたいに都市計画またはその他もろもろのことによって住宅問題を解決していかなければなりませんけれども、今回の法案に盛り込まれているような計画制度の充実だけでは、これはとても達成できるものではございませんで、当然のことながら今税調で審議してます土地税制、要するに保有税の強化とか、それから超金融緩和とか投機をあおっている金融政策らの他の政策を有機的、連動的に今度のこの法案改正で、同時にさっき言いました税制とか金融の問題を有機的に連携しながら実施していくことが極めて大切になってきているんじゃないかという気がします。 この辺でお話を終わりたいと思います。
○委員長(対馬孝且君) ありがとうございました。 次に、五十嵐参考人にお願いいたします。
○参考人(五十嵐敬喜君) 五十嵐です。 御承知のように土地問題が激化しまして、その端的な矛盾が社会的弱者といわれる人たちの住宅を直撃しているという状況にありまして、国会が先頭に立って住宅問題について取り組もうとしている姿勢については、非常にいいことだし、これをぜひ強化していただきたいと思っております。 ただ、住宅問題を考える場合に今非常に重要なことは、いつまでに、どこに、どのくらいの値段で、どの程度の量の住宅が建設されるかということがはっきり国民の前に明らかになることが非常に重要だと思っております。そうでないと、よく新聞等で報道されますように、ちょっと割安感の住宅、マンション等が出ますと、いわば何千倍もの抽せんになりまして即日完売というような状況が続いているというのは、ある意味でいうと匡なり自治体なりの住宅プログラムというものが目に見えないために、衝動買い的な意味も含めて買わざるを得ないというような状況が毎回毎回繰り返されるんじゃないかというふうに思います。こういう状況を打開するためには、今言いましたように、いつまでに、どこに、どの程度の値段、賃貸の場合にはどの程度の家賃で分譲の場合にはどのくらいの値段で、どのくらいの量が建設されるかということがはっきり明示されることが非常に望ましいというふうに思います。 この観点に立って今回提案されている法案を見ますと、いわば今回は住宅供給に関する法的な対応というふうに理解いたしますけれども、住宅を考える場合に若干押さえておかなければいけない前提というのがあるかと思います。残念ながら今回の法律では住宅供給一辺倒になっておりまして、そのもとの部分が手当てされていないというふうに感じます。 一つは、住宅についてはっきりと国民の居住にアクセスする権利ということを認めるべきであるということが第一であります。今回の住宅供給プログラムでいきますと、値段あるいは供給の責任主体というものが明示されておりませんので、いつまでも高額物件が出回っていて、いわば一番本当に住宅に困っている住宅弱者という人に対する住宅の見通しが見えてこないという問題があるのではないかというふうに思っております。 二番目は、今の本吉参考人も言われましたように、住宅供給といいますとどんな住宅でもいいというわけでありませんで、都内では最近ワンルームマンション等のいわば質的に非常に劣る住宅がばっこしておりまして、こういうものだけがふえるというのも非常に困るかと思います。ワンルームマンションについては政府の定めている住宅建設計画の最低水準もほとんど満足していないというような状況でありまして、こういうものだけが出回るというのも困る。そういう意味で言いますと、住宅については住宅の内外環境にかかわりますけれども、一定の水準というものを保つ住宅が建設されるべきであるということが第二番目であります。 第三番目には、どんな住宅がたくさんできても、いわば各人が支払える範囲を超えますとこれは意味がありませんで、いわば家賃なり分譲価格なりについての一定の適正な範囲というものが設定される必要があるだろうというふうに思います。 四番目には、せっかく住宅をつくる場合に劣悪な街区を形成しては将来の禍根になりますので、その地域コミュニティーなり地域環境を向上させるようにつくらなければいけないというふうに思います。こういういわば非常に地域特性にかかわる住宅プログラムをつくる場合に、いわば国の全国的視野でのトップダウン方式でできるかどうかということになりますと、必ずしも地域特性にうまくいかないということがありますので、いわば自治体が第一次ランナーといいますか第一次責任者になってそれを背後から国の方で支援するという、自治体の計画権限あるいは財源というものを第一義的に保障する必要があるだろうというふうに思います。 最後に、住宅にしろ地域環境にしろすべてはその地域住民の問題でもありますので、そういう住宅計画に住民参加が図られなければいけないというのが私の住宅に関する考え方であります。 この法案を見ますと、そのうち住宅供給のプログラムだけはできるようには思いますけれども、その他の問題は全部欠落しているというところに非常に大きな問題点があるだろうというのが第一点であります。 第二点は、今回このような法律をつくらないと果たして今言ったような私が考えます住宅というものが提供できないのかどうかということになりますと、やや法律家の目から見ましてあしき法律主義といいますが、そういうことがはびこっているように私は思います。 具体的に申し上げますと、住宅に関する、特に建設に関する法律として現在のところ三本ございます。一つは御承知のように住宅建設計画法というものであります。第二番目は、一昨年制定されました大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法というものでございます。第三番目は、今回ここに提案されております大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法というものであります。これがいずれも、今時間があればその「目的」というものを全部読み上げてもよろしいのですけれども時間がありませんので省略いたしますが、いずれも国民の生活安定に向上するように住宅建設計画を立てるという法律でありまして、これらの法律は一体どこが違うのか法律的によくわからないという状態になっております。 そもそも、特別措置法と臨時措置法というのは一体何が違うのかということもよくわかりません。同じようなほとんど区別のつかないような法律をたくさんつくって何が変わるのかがまたよく見えないということがあります。この関係で、住宅建設それ自体にとっても少し整理をして、ちゃんとしたプログラムに一本化したらどうだろうかというのが第一点であります。いわばこれはいわゆる住宅に関する公的プログラムの上位に立つ法だと思いますけれども、これを具体的に実施する法律として今回提案されています都市計画法なり建築基準法の改正が出てくるのですけれども、これがまたいかにもわけがわからないというふうな状態になっているかと思います。 例えば、今本吉参考人から言われました、住宅地の高度利用地区計画というのが特に市街化農地というものを対象として今回新しく建築基準法等の改正によってできるのですけれども、参考までに、この間参議院建設委員会調査室から私のところに送られましたその文章というものを読み上げますと、これが一体理解できるかどうかという問題を若干申し上げたいと思います。 要旨という形でその要旨がまとめてあるんですけれども、例えば二十六ページに「建築基準法の改正」というのがありまして、その中に容積率の割り増しの部分というものの定義がございます。若干読み上げますと、これはほとんど日本語じゃないんだろうというぐらいのことなんです。 地区計画の区域(住居地域、近隣商業地域、商業地域又は準工業域内であって、地区整備計画においてその全部又は一部を住宅の用途に供する建築物に係る建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合の最高限度が、それ以外の建築物に係るものの数値以上で、かつ、第五十二条第一項第三号又は第四号に掲げる数値以上その一・五倍以下で定められている区域のうち、地区整備計画及び第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合の最低限度、建築物の敷地面積の最低限度及び道路に面する壁面の位置の制限が定められている区域に限る。)内にあるその全部又は一部を住宅の用途に供する建築物については、当該地区計画において定められた建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合の最高限度を第五十二条第一項第三号又は第四号に掲げる数値とみなして、同条の規定(容積率による制限)を適用する。これが一体何のことを指すのかというのはだれもわからない。これを皆さん方が審議なさってこれを可決するといったって、皆さん自身がわからないものを国民がわかるわけがない。したがって、適用されるわけがないという感じになるんだろうというふうに思います。 なお、これは要旨でありますので、これを具体的に法文で見ますと、建築基準法の六十八条の三というのがあります。ここからずっとそれが条文になっています。それを全部集めますと、実は建築基準法というのはここに持ってきましたけれども、これは建築基準法関係法律です。これぐらい厚くなっております。これがまた何ページかふえるという形になっていまして、法律専門家でもほとんど解読不可能というふうな状況になっているのが今のシステムであります。 これは今高度利用地区だけを申し上げましたけれども、その他の条文一切についてこういう形になっていまして、これにまたいろんな施行令とかついてきますとほとんど理解できない。趣旨は了とすべきところもあるんですけれども、何か法律体系全体で見ますと、迷路の中の迷路、ジャングルの中のジャングルをちょこちょこやっているというような感じに今至っているのではないかというふうに思います。 ちなみに、こういう制度をつくりまして、さらにこういう事業要綱みたいなのをつけて、いわば税財政的援助も図るわけですけれども、これにまたついてあります参考資料の七十ページを見ますと、「住宅・宅地供給の現状」というのがありまして、市街地の再開発と市街地住宅の供給促進に関する事業の一覧表というのがついています。これを見ますと、これも何十もありまして、実はこれだけではありませんで、運輸省やその他の関係を集めますと膨大な、本一冊ぐらいになります。よくこれだけのネーミングを思いつくと思うぐらいのたくさんの要綱があります。 ちなみに読みますと、これが理解できるかどうかということです。 一つは、「市街地の再開発事業等」、市街地の再開発だけを見ましてもここにありますように、市街地再開発事業、優良再開発建築物整備促進事業、市街地再開発緊急促進事業、都市拠点開発緊急促進事業、都市再開発関連公共施設整備促進事業、複合空間基盤施設整備事業というふうにあります。これが一体理解がつくかどうか。さらにこの大都市新法に関連しましても、これはもう可決されたのかどうかわかりませんけれども、また幾つかの事業がこれにくっつけられるということで、ネーミング、よくこれだけの名前を考えつくと思われるほどの事業要綱が並ぶという状態であります。 つまり、趣旨は了とするところもなくはないんですけれども、法律の体系を見ますと、法律も要綱も、その他計画という言葉も実はたくさんの法律の中に全部入っていまして、どれがどの計画かさっぱりわからないという状況にありまして、ジャングルの状態に入っている、病膏肓といいますか、そういう状態になってきているんじゃないかというふうに思います。 これを総括的に見ますと、一つの省、一つの局、一つの課、一つの係ごとぐらいに法律があり要綱がある。一つ一つについてはその担当者はよくわかるでしょうけれども、ほかの人から見るともう全然わからない。したがって、政策効果も全く目に見えてこない。自治体も、それから施工業者の方も、市民の方も、国の施策について全くわからない、ジャングルの中ということだけになるんではないかというふうに私は思います。 端的にこの原因を法的に見ますと、要するに規制緩和に基づく誘導策というものについて政府の政策が全く一貫しないということにあるんだろうというふうに私は思います。 建築基準法及び都市計画法の関係だけ申し上げますと、規制緩和は中曽根内閣以来ずっと一貫してとられた政策でありますけれども、まず第一に行ったのが一般的な用途地域の改正というのを行いました。これが規制緩和であります。次に、特定街区、総合設計、高度利用地区、一団地都市施設などの個別制度の規制緩和を行いました。なお、市街化調整区域についての規制緩和も行っております。さらにこれで足りないということで、昭和六十二年に皆さんも御承知のように建築基準法の一般的改正を行いました。さらに、これでも足りないということで六十二年に再開発地区計画あるいは沿道整備計画あるいは集落地区計画というような規制緩和のシステムを導入しました。さらに今回、住宅地高度利用地区、用途別何とか地区というものをつけ加える。一体どこまで何をやろうとしているのか、ネーミングだけがふえてきてさっぱり政策効果も上がらないということを何回も何回もやっているのではないかというのが率直な感想です。 もっと言いますと、建築基準法のもともとの趣旨、あるいは都市計画法のもともとの趣旨と異なる、一般的に都市計画用語でいいますとポストモダンと言われておりますけれども、モダンな近代的な都市計画の中にポストモダンみたいなものを接ぎ木している。接ぎ木しているうちに、全然その内容が読み取れなくなったというのが今の状態ではないかというふうに私は思います。 そこで、簡単ですけれども、抜本的提案というものをひとつ行っておきたいというふうに思います。 こういう混乱したジャングルのような状態から抜け出すために、住宅に関する先ほど私が申し上げましたような基本理念というものをはっきりしたような住宅基本法というものをここで提案すべきではないかというふうに思います。つまり、全体が病んでいるときに、いわばそのおできのできた部分のところだけを切開したり、ヨードチンキを塗ったり、ばんそうこうを張ったりするんじゃなくて、基本的にまず住宅とは何かということをはっきりさせるために住宅基本法というものを制定すべきであるというのが一つです。 第二番目は、これを実施する個別法というものについて、もうちょっと抜本的なプログラム改変を行うべきである。その大きな法律の中に都市計画法なり建築基準法があると思いますけれども、これを従来のシステムのままにしていいかどうかについては根本的な反省を加えるべきだろうと私自身は思っております。特に、住宅については地域特性というのが非常に偏って出てきておりますので、やっぱり第一次の住宅に関する都市計画のプランナーは自治体であるということを住宅基本法の中ではっきりさせよう、それを担保するシステムとしての都市計画法の全面的改正を行うべきであるというのが第一です。 具体的に申し上げますと、先ほど本吉参考人も言いましたように、日本の場合にはよく都市計画システムについて一段階計画、つまり都市の基本目標がないままに用途、容積、建ぺい率等のいわば数値でぽんと出してくるという形になっていますから、しかも用途地域が非常に甘いということもありますので、いわば二段階計画、つまり本吉参考人の言いましたドイツ型の二段階計画に変えて、都市の基本方針を定める基本計画とそれを実施するための都市計画という形に、二段階にしたらいいというのが第一です。 第二は、例えば容積率というものが非常に都市の形成について重要な意味を持っておりますけれども、現行容積率を前提にいたしますと、その半分あるいは三分の二ぐらいまでは従来どおりの建築確認システムというやつでいいと思います。政策的に三分の一にするか二分の一にするかはまた考慮する余地がありますけれども、一部従来のものを維持して、残りの三分の一なり二分の一については自治体の専有にする。ややフランス型に似ておりますけれども、自治体の専有にする。つまり空間の公有化を図りまして、そこでその自治体の定めた計画に乗っからないと建築を認めないという形に、容積を一部土地所有者の自由、一部自治体の自由という形に転換すべきではないか。そうしますと、今言っているような規制緩和のシステムは全部この一つの法律でくくることができるということであります。なお、非常に優良なプロジェクトについては、何も建築確認とか都市計画のシステムにこだわりませんで、全く別なシステムで建築確認部分も外して自由に計画を立案してもいいというような制度に変えていく必要があるだろうというふうに私は思います。 こういう抜本的な住宅基本法と、それを担保するための法律改正の展望の中で、一つお願いがございます。それは最近、本吉参考人も言われましたけれども、自治体を住宅困難というのが直撃しておりまして、東京都を初めとしまして、東京都の幾つかの区では住宅実験というものを行っております。その中で、世田谷区とか中央区では住宅条例というものをつくりまして自治体なりに住宅に対応しようというふうにしているわけですけれども、この中で一番困っているのが、要するに権限と財源が全くないものですから、ほとんどの規定がプロパガンダ規定にならざるを得ないということがありまして、現実的に効果が上がるかどうかについては非常に危ぶまれている部分も相当ございます。そこで、国の方としましては、こういう自治体の住宅実験について、東京都からも国の方に要望が出ておりますけれども、それを全力を挙げて支援するという形に回っていただきたい。 そういう住宅実験を重ねているうちに、個別的な部分については個別条例で、普遍的部分については住宅基本法と結びつけて、ぜひ近い将来に住宅基本法を制定していただく。住宅基本法を制定した上で、その観点から抜本的に従来の個別制度を全部改変していくという形で住宅法体系というものをつくっていただけないだろうかということでございます。 ありがとうございました。
○委員長(対馬孝且君) ありがとうございました。 次に、長谷川参考人にお願いいたします。
○参考人(長谷川徳之輔君) 建設経済研究所の長谷川と申します。私は研究者の視点で意見を申し上げたいと思います。 お手元にレジュメをつくってございますのでごらんいただきたいと思いますが、それに基づいて意見を申し上げます。 都市計画とか土地政策は、非常に複雑な利害関係の調整の上に成立しているものでありますから、一方の視点から完全に理想的なものはなかなか期待しがたいと思います。制度の究極の目的というのは理想的なものが必要だと思いますが、私は都市計画の場合には現実的な対応としてこの二つの法律案というのは十分に評価に値すると思います。しかし、理想にはまだ隔たりがあると思います。運用のよきを得て実効性を高めることがぜひ必要だというふうに考えます。 まず、大都市地域住宅地等供給促進法の関係でございますが、私は土地問題というのはひとえに地価問題であると思います。今、地価の抑制なり引き下げが急務でありまして、政策の視点は実は地価の引き下げ、抑制に置くべきである。この法律はそのためのものだと私は理解をしたいと思います。 地価高騰の原因は、従来ともすれば住宅宅地の需給アンバランスから生ずる、需要が大きく供給が小さいために地価は上がるんだというふうに説明されてきました。しかし、地価対策というのは供給拡大だげで対応するのは限界があったわけでございますし、この点、総合対策がぜひ必要だ、そういう意味で地価対策については順序が必要だと思います。地価対策は、短期的には金融の是正でございましょう。それから中期的には土地税制の改革でございましょう。これは既に緒についております。長期的には実は都市計画、供給対策だと思います。あくまでも供給対策は長期安定的な対策というふうに考えるべきだと思います。 住宅宅地の供給というのは、本来、地価高騰にとらわれずに安定的かつ計画的に実施する必要があると思います。住宅宅地の供給の見通しについて市民が信頼するということで、実は焦り買いとか衝動買いというふうな不必要な需要が減少しまして、需要は安定するということになろうかと思います。 その意味で、住宅宅地の供給については次のような内容がぜひ欲しいと思います。もちろん、この法律でもってこういうことを明示するのは非常に無理でございますが、住宅政策一般としましては単に幾らの数量をつくるということではなくて、価格水準なり整備水準なりあるいは地域なりの目標を立てて、市民が理解しやすくするということが計画の大きな内容ではないかというふうに思います。 〔委員長退席、理事小川仁一君着席〕 それから、今まで需要イコール供給という計画をつくりました。イーブンであればいいという計画をつくりました。これが実は大変私は売り手市場をつくってしまったというふうに思っております。私は、計画をつくるときには、需要より供給の方が大きいというそういう状況をつくり出すことが必要だと思います。供給者間、これには市街化区域農地もございましょう、それから調整区域の中の土地もございましょう、それから既成市街地の再開発もございましょう、さらに臨海部の埋立地もございましょう。こういったいろんな供給源があるわけでございますが、その供給源の間に競争関係をつくり出すことだと思うんです。それによって実は地価が経済合理的に形成されるわけであります。 〔理事小川仁一君退席、委員長着席〕 こういう供給計画をつくることは、市場をセーラーズマーケットからバイヤーズマーケット、買い手市場に転換させるということが基本的に必要で、ここが従来欠けておって、常に売り手市場ということを前提にしておったということが私は欠陥ではなかったかと思っております。ぜひ今回の計画については買い手市場に転換するという姿勢を示してほしいと思います。 それから具体的な進め方になりますと、住宅宅地の供給についてはともすると大都市圏の自治体は地域エゴがありまして消極的な姿勢をとってきたと思います。今のままの自治体と国の関係では実効性のある対応はとりにくいと思います。私はこの際、国の責任も非常に大きゅうございますが、自治体の主体的動きも実は必要だと思います。例えば住宅立地の抑制をしておりました。それから、市街化区域内農地の宅地並み課税の骨抜きも自治体が主導でございます。それから現在固定資産税等の保有税の増徴の話もございますが、自治体においては多分消極的な姿勢をとると思います。臨海部埋立地の利用も御案内のとおり東京都臨海部副都心のようなオフィス化、業務地化が主体でありまして、その目的は専ら財政収入の増加を志向しているというふうに理解されます。私は土地利用であっても、財源再配分を含めた検討が必要ではないかというふうな感じを持っております。 それから、住宅宅地の供給というのは、むしろ公共より民間が量的にも多いわけでございます。民間企業の位置づけとかあるいは責務などというものは、やはりこういう法律をつくるときにはある程度明確にすべきじゃないかと思いますが、民間については特に触れられておりません。とりわけ宅地開発に当たって、公団、自治体と民間との提携協力関係というのは非常に必要ではないか。一方だけやればよいというものではなくて、やはりこれは協調体制が必要だと思います。宅地開発とか公共施設の整備は自治体と公団が行う、住宅建設なり供給は民間企業主体が行うという、いわば合理的な適正なパートナーをつくるということが必要ではないかと思います。 それから、土地税制は今現在政府の税制調査会で検討が進められておりますが、私は宅地開発、土地供給に当たってはもっと土地税制の方向を明確にする必要があると思います。宅地開発、供給について最大の問題点は、開発利益をどうするかという問題点だと思います。韓国のように開発負担金という制度もございましょう。土地増価税という仕組みもございましょう。いずれにしても開発利益という問題を抜きにして宅地開発はあり得ないわけでありまして、この開発利益を適正に徴収し、これを公共に充当するという視点から土地税制の役割は極めて大きいと思います。これを欠いた土地政策はいわば片肺飛行の土地政策にすぎないというふうに思います。 それから第二番目に、都市計画法と建築基準法の改正でございますが、三ページ目でございますが、私は、この法律は従来の消極的受け身の都市計画から一歩進んで、計画を積極的に実現しようとするシステムの導入に進んだことは十分に評価に値いたします。できれば土地税制と連動して、さらに積極的な対応、公共目的の実現が期待されると思います。 それから、都市計画法と土地税制の連動が欠かせないわけであります。従来、ともすると規制緩和というような都市計画法の対応は、これは土地評価とか土地税制につながりません。したがって、その利益は専ら土地の所有者に帰属してしまうということで、その利益が公共に還元されるという仕組みを欠いておりました。今回の措置も、本質的にはこういう容積の割り増しということで土地利用の効率化を進めるわけでありますが、この効率化の利益が公共に還元される、地価抑制につながる、あるいは住宅価格の引き下げにつながるという視点がぜひとも必要ではないかと思います。 それから、この中で市街化区域内農地の宅地化の問題が主体になっておりますが、土地利用規制緩和はあめだけを与えるという傾向があるのではないだろうか。従来、実はあめだけがつまみ食いされてむちが効かないという欠陥がございました。市街化区域内農地の問題は、私は相続税を含めて宅地並み課税の徹底を行い、むちを強化する必要があると思います。その場合に、市街化すべき区域と保存すべき区域と分けてやるということはどうしてもナンセンスだと思います。もともともう市街化すべき区域は決まっておるわけでございますから、それは調整区域に戻す以外については宅地並み課税をするのが当たり前で、改めてもう一度線を引き直そうというのは実は制度からするとナンセンスという感じを持っております。 それから地価と土地利用の関係でございますが、現在の地価水準というのは、実は土地の利用の収益とか効用と全く無関係な投機によって成立しております。こういうことは事実であります。今回の土地利用の効率化というのは、実は一般的には地価が上がるんではないかというふうに危惧されるわけであります。本来、私は理論的には土地利用の効率化というのは、収益価格には影響するが一般地価には連動しないというのが筋だと思います。ただ、これが連動してしまうということは、実は鑑定評価のあり方なり評価の考え方なり姿勢が実は欠陥があるんではないかという意味で、効率化の利益が公共目的に資するよう、すなわち家賃の低さや公共施設の財源に充当されるようなそういった対応をとることがぜひとも必要だと思います。 それから個々の計画でございますが、住宅地高度利用地区計画でございますが、住宅供給のために容積率の割り増しをすることは妥当であると思います。しかし同時に、その利益が公共公益に帰属し、住宅価格が安くなるということが運用上措置されることが求められると思います。ひとえに土地所有者の利益のみに帰属する、単なるあめにすぎないという点で私は不満でございます。 それから用途別の容積率型地区計画、大変難しい名前でございまして、ぴんとこないという点は確かにございますが、私はこれは一番有効な措置ではないか、既成市街地の高度利用を促進するために最も極めて有効な措置だと思います。この考え方をさらに進めて、例えば都民住宅というような構想が出されておりますが、従来の常識を一歩超えてもう少し進んだ考え方ができるのではないか。それは地価を放棄することがメリットとする新しい供給システムを考えるべきだ。今地価があるので、実はそれがみんな地価を算入してしまうということが欠陥になっております。とりわけ台東区やあるいは北区とか墨田区というような人口減少地区においては、特に人口減を防ぐためにそういった既成市街地の高度利用を進める必要があります。 そのために一つの提案としては、次のページでございますが、既成市街地の低密利用地について高層住宅化します。そのために、実は土地は地主から提供してもらいます。そして建築費は自治体が負担します。建物の所有権は地主にやってしまいます。そして管理は自治体が行いまして入居者を募集します。それから地主はイコール家主でございますが、これは地価を算入しない家賃で住宅を賃貸します。賃貸料は地主に入ります。ということで、実はこれによりますれば地主は資金が要らずに住宅ができ、自治体は用地費が要らずに住宅ができ、それから入居者は地価が入らない家賃で入れるという格好になります。今の制度は、土地を買ってものをつくるという、そのボタンのかけ違いを実はやってしまったわけです。これが実は住宅政策の大きな欠陥になっておりまして、土地を必ず買ってつくるというわけですから、必ずこれは地価が入ってしまいます。こういう形をとれば、だれも得します。だれも損しません。自治体も実はこれによって人口が定着し住民税が入り固定資産税が入りますから、自治体も得します。結局、地価を放棄することによって全員が得するという仕組みであります。そういう仕組みを実はもう一歩進めるべきで、土地を買って地価を入れてしまうというのは実にばかげたボタンのかけ違いを我々はやってしまったわけであります。こういう点についてもう一歩進めて、その既成市街地の高層住宅利用については一つの考え方として御参考にしていただければというふうに思います。 それから、遊休地の土地転換利用促進地区でございますが、多分、遊休土地の定義について明確にできないということでいろいろ議論があろうかと思います。御参考までに申し上げますと、台湾の平均地権制度のように、建物の価格が地価の十分の一以下のものは一律全部低・未利用地だというふうに割り切ってしまうというのも一つの方法かと思います。それから遊休地の利用転換を促進するために、今自治体の指導助言というのも当面の方法としては現実的で私はやむを得ないと思います。今後の課題としては、私は台湾のような建築命令というものを検討する必要があると思います。さらに、保有税の強化などの土地税制の連動は不可欠だと思います。 平均地権制度では、この場合に空地税と照価収買月という二つの制度を持っております。これは空地税というのは、自治体が建築命令をまず発します。有効利用しろという命令を発しまして、二年以内に建築しない場合には通常の固定資産税の二倍から五倍の空地税を徴収します。あるいは、その土地を公示価格で収買するという権限がございます。さらに、台湾では今この法律の改正が意図されておりまして、まず空地税を課する、空地税を課しても建てない場合には照価収買するというふうなやり方を導入しようというふうにされております。これは一つの知恵だと思いますし、かなり世界的にはいろんな制度がございます。こういう制度も実は御参考にしていただければと思います。 最後に一つ、国民としてのお願いでございますが、国民に具体的な目標を示してもらいたいと思います。仕組みはどうでも、どうでもいいと言っちゃ語弊がありますけれども、仕組み自体は大いに議論していただきますが、その仕組みによって何をしてくれるのかということを示していただきたいと思います。かつて、所得倍増計画という計画がありました。非常にわかりやすい計画で、これが非常に意義があったと思います。同じように、できれば資産倍増、地価半減、豊かさ四倍というようなそういうふうなスローガンというものをお示しいただいて、我々に実は政策の目標を示してほしい、ぜひそういうふうなことを御審議いただけることが私はこの法律を最も有効に活用することだというふうに思います。 以上であります。
○委員長(対馬孝且君) ありがとうございました。 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川仁一君 本日は、大変お忙しい中を私どもの審議のために時間を割いていただいて、ありがとうございました。私は社会党の小川仁一でございます。 早速ですが、三人の先生方にそれぞれお伺いを申し上げたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 最初に、発言の順序で本吉先生にお尋ねをいたします。 本吉先生は、読売新聞の論説委員をなされるなど、また日本都市問題や、日本居住学会で活躍されておられる等、土地住宅問題の専門家であると伺っております。 さて、先生が「かくしん」という雑誌に、土地神話の定着は首都の崩壊をもたらすということで書かれておられました。その中で、土地転がしの資金源を断つことが地価抑制の有効な即効薬と述べておられます。さらに、四十七年、八年の狂乱物価の際も、不動産への融資自粛が地価抑制に大きな効果を上げたと述べておられます。 そこで、今政府が行っています金融面からの地価抑制対策についてどのように評価をなさっておられるか、また今後どのような対策がさらに必要なのか、ノンバンクによる不動産関連企業への融資問題やエクイティーファイナンスなど、公募債市場の不動産関連への資金調達の動きなどもありますので、お考えをお聞かせ願えればありがたいと思います。
○参考人(本吉庸浩君) 長谷川参考人がお書きになっているように、地価対策は短期的に金融の是正、これが一番重要じゃないかと思います。現在、たしか不動産融資残高が四十七兆円ぐらいに上っていまして、大変な勢いで伸びている感じがいたします。それで、四十七、八年の狂乱地価のときも総需要抑制で不動産の投機への融資抑制をやったことが一つには大きな効果を上げておりますので、やはりこの際、地価抑制を図っていくためには不動産の投機的なものへの融資抑制を図っていくことが第一じゃないかという気がします。六十一年秋ごろの地価高騰のとき、一部関係者は地上げの成果は金繰り次第と言って幾らでもお金を貸してくれて、それが投機に回ったんじゃないかという気がいたします。 それから、これ言っていいのかどうかわかりませんけれども、最近、私は息子のためにちょっと住宅を建てるので、銀行にお金を貸してくれといったら、びっくりしたことには、これだけ今大蔵省なんかが不動産融資の融資抑制をやっているのに、お金を貸してくれといったら、こっちが要望したお金の倍借りてくれというんですね。貸してくれじゃないんです、借りてくれというんです。それからもう一つ驚いたことには、連帯保証人ございますね。そうすると、例えば兄弟、親戚でも何千万とお金を借りるのには皆さん判こをつくのは余り喜びませんよね。そうしたら、連帯保証人は奥さんで結構ですというんです。ですから、今、大蔵省や日銀が一生懸命不動産融資を抑制しているというふうに新聞なんかを読みますと出ておりますけれども、実際その体験はこの四月の体験でございますから、そういう形でやはりまだ非常に不動産融資が、どういう形でか専門じゃございませんのでわかりませんけれども、かなり行われているんじゃないか。 もう一つ難しいのは、お金というのは色がついてないので、さっきノンバンクという御説明がございましたけれども、市中銀行はチェックできても、ノンバンクまたはいろんな形で金が行く、それをどうチェックするかというのは専門家じゃないのでわかりませんけれども、やはり融資抑制ということは、長谷川さんのお説じゃないですけれども、短期的に真っ先にやらなければならない政策課題じゃないかという気がいたします。
○小川仁一君 ありがとうございました。 次に、五十嵐先生にお伺いいたします。 先生や長谷川先生が中心になってお書き上げになりました土地問題事典、私も読ましていただいております。 さて、住宅の理念についてのアンケート調査を見ますと、公共の責任で住宅を保障すること、住宅の水準を保つこと、住居費について各人の能力の範囲内で適正であること、住宅に関して自治体に権限と財源を持たせること、自治体の住宅計画作成に住民を参加させることについて、与野党を問わず八〇%以上の支持があると言われております。こういうアンケート結果から見て、ただいま審議されております法案は果たして十分と言えるでしょうかどうか、お伺いしたいと思います。
○参考人(五十嵐敬喜君) 五十嵐です。 私、土地住宅問題について市民運動を組織しまして、今回の衆議院選挙の際に、全衆議院立候補者に対して住宅問題についてどのような考えをお持ちかアンケート調査をいたしました。今、小川先生からちょっと説明がありましたように、送付数八百五十三人のうち、これは自民党から無所属まで四百五十三人の回答がありまして、一つ一つ申し上げますともう少し高い数字になっています。 住宅について公共の責任で保障するというものについては九一・三%ですし、住宅の水準を確保するということについては八八・五、家賃補助等の適正な援助措置を行うについては九一・五、それから自治体の権限を保障することについては九四・五、計画への住民参加については八五・三であります。 なお、非常に重要なこととして、こういうことを保障するために具体的な拘束力を持つ住宅基本法というものをつくることについて賛成かどうか、土地基本法はいわば理念法、宣言法と言われていまして拘束力がありませんけれども、住宅基本法については拘束力を持たせるような方向で考えられないかということについては、実に八二・八%の議員立候補者が賛成しております。これ、実は当落も後で調べてあるんですけれども、この回答をなさった方のほとんどが当選しておりまして、いわば国会議員の皆様方が合意していただければ私が申し上げたような法律はできるはずだと思います。 この観点から、今回の供給に関する住宅の関連法を見ますと、非常に大きなことが欠けております。それは、長谷川参考人も言いましたように、受益者負担とか開発利益の還元、これは土地基本法の関係でもあるんですけれども、これが決定的に欠けています。全然ありません。したがって、それを公共の利益のために徴収し、かつこれを公共施設等いわばインフラの整備に充てるというシステムが全くございません。その他の法律を見ましてもこのサイクルはほとんど日本では機能しておりませんで、世界各国の法制度から見たら一番おくれているのがこの部分ではないかというふうに思いますし、また土地基本法の国会審議の状況を見ましても、ほとんどこれが十分詰められてないということがあります。 なお、もう一つ申し上げますと、日米構造協議で御承知のようにいろんなことが言われておりますけれども、この公共投資関連の中で住宅に対する公共投資額も非常にふえるはずだと思いますけれども、この財源なりどういうふうにして使うかということについても全く明確になってないという意味で、若干問題があります。 なお、その他の部分についても、例えば住環境水準とかそれから自治体の権限等についてもこの法律では全然改善されていません。特に重要でありますのは、今回の調査室からいただきました資料の中にも出ておりますけれども、実は新規供給以外に、既成市街地においていわば政府の住宅建設計画法に定めている最低水準に達しない、これは正確に言いますと昭和六十年までに既に全部クリアすべきであったはずの住宅が、全国的に見まして三百五十五万世帯、三百五十五万戸も放置されているということであります。つまり住宅を供給する場合には、既存のいわば最低居住水準未満のような住宅を改善すると同時に新規供給をする、こういうバランスをしなきゃいけないんですけれども、この最低居住水準未満の住宅が三百五十五万戸も実は放置されているという問題もありまして、これの目配りもありません。そういう意味で個々に申し上げますといろんな問題がありますけれども、いずれにしても国会議員の先生方が、ここは参議院ですけれども、衆議院の先生方がほぼ全員合意なさっている水準に全然この法律は満たないという感じがいたします。
○小川仁一君 時間も限られておりますので、再度五十嵐先生にもう一つお尋ねいたします。 それでは、この法律をさらに改めることによって、先生が指摘されたような問題は解決されるでしょうか。もし仮に抜本的に改正を考えるとすればどのような法体系になるか、お考えをお伺いいたしたいと思います。
○参考人(五十嵐敬喜君) 対応の方法として二通りあると思います。 一つは、大都市法、つまりこの法律はついて今言いました住宅に関する基本原則というようなものを各条文ごとに当てはめていくという、つまり部分的な改正作業をするというのが一つです。例えば住民参加という問題でいきますと、これも先ほど言いましたように国会議員の先生方はほぼ九〇%以上の高率で合意しているんですけれども、この法律の中に一切ありません。したがって、例えば高度利用地区とか用途別容積率等について住民参加によってやっていくということを部分的に改正する方法もあります。ただこの結果は、いわば都市計画法という母体がありまして、そこから枝葉のように伸びている特別法というような、特別措置法とか臨時措置法とか特別の法のところをいじるだけで抜本的には全然変えてない。ほかのシステムについては住民参加がなくてもいいのかということになりますので、いわばその住民参加と環境への配慮とか開発利益の還元を入れるとすれば、都市計画法そのものの母体に入らないと、一部枝葉のようになっているところをいっぱい膨らませても基本的なことは改善しないということがあります。 したがって、この部分的修正ではなかなか本論にたどり着くのは法律上困難だと。これを抜本的に解決するためにはやっぱり住宅基本法をはっきりさせる。土地基本法の評価についてもいろいろありますけれども、いずれにしても土地基本法をつくって土地問題に当たるということを国会が内外に宣言した効果というのは非常に大きいものがございまして、そういうふうにして住宅についても住宅基本法をつくるということを内外に明示することによってその抜本改正が進むであろうと思います。 当面、この国会ですぐできるかどうか私わかりませんけれども、いずれにしても自治体がたくさんの今住宅施策、先ほど住宅実験と言いましたけれども、これで自治体から国に対するいろんな要望がありますので、住宅基本法をつくるまでは何もしないということではなくて、自治体の住宅実験について最大限の努力をしていただきたい。その集積を待ってぜひ近い将来に住宅基本法を制定するということを国民の前に明らかにしていただくと、地価抑制等、あるいは住宅に本当に困っている人たちに対してもっと明るい希望というんですか、そういうものを与えることができるんではないかというふうに思います。
○小川仁一君 最後に長谷川参考人にお伺いいたします。 私ども、この改正案によって本当に国民に住宅が供給できるようになるかどうか、幾つかの疑問点がございます。供給できるようにするために、補強すべき点があるのではないか。一つには財源問題があります。先生もお書きになりました土地問題事典の中で、企業の含み資産について三菱地所などの例を挙げて述べておられますが、私は企業の保有する土地の含み益に課税して住宅供給の財源にしてはどうかという考え方を持っておりますが、政府税調の土地税制小委員会の中間報告でも検討されているようですが、企業の含み益の実態とそれに対する課税についてお考えがありましたらお伺いいたしたいと思います。
○参考人(長谷川徳之輔君) 私は政府税制調査会の特別委員でございまして、本日も審議がございます。政府税調がどういうふうな方向になりますか私はわかりませんが、私自身の考え方を申し上げたいと思います。 私は、土地税制というのは必ず痛みを伴います。これは、要するに人にツケを回して自分だけが払わないというわけにはいかないものでございます。私は、企業の含み益課税、もちろんこれは重要でございますが、基本的には固定資産税の適正化ということが不可避の問題であろうというふうに考えております。その一環として、実は企業の含み資産についての課税も考慮すべきである。個人と企業の間の土地税制上の不公平は極めて大きゅうございます。特に住宅を取得するときは、企業はこれは設備であります。機械と同じであります。個人はこれは消費財であります。企業は投資した金は税で戻ってきます、個人は消費でございますから戻ってきませんという基本的なアンバランスがございます。そういう意味で、実は企業に対する課税の強化という点は公平の点から考慮すべきだと思います。 含み益税については、これはさまざまな問題がございます。含み益課税として資産再評価税をかけるべきだという議論もありまするし、保有税の強化で含み的なものを徴収すべきだという意見もございましょう。私は含み益税の課税については何らかの形で実施すべきだと思いますが、これをダイレクトに住宅問題に導入するというそういう因果関係は直接はないかと思います。これはあくまでも税の負担の公平不公平という点からの視点でありまして、それを実施することは私は必要だと思いますが、それを直ちに住宅の財源にするという点については私はいかがかというふうな意見を持っております。 以上です。
○小川仁一君 どうもありがとうございました。
○沓掛哲男君 ただいま三人の参考人から大変有意義な示唆に富んだ御意見を賜りまして、ありがとうございました。私、持ち時間二十分ですので、早速質問させていただきたいというふうに思います。 最初に本吉参考人にお願いしたいのですが、今回の我が国における地価高騰は、昭和五十九年から昭和六十二年ごろにかけて東京圏で発生し、それが導火線となって関西等に移っていったものでありますが、その端緒となった東京圏の地価高騰は、基本的には東京の国際化等に伴うオフィス需要の逼迫によるものでありますが、ちょうどこの時期、昭和六十年に国土庁は首都改造計画を策定され、その中で、都市への集中を放置すると高い事務所需要を発生するおそれがあるとの警告の意味も含めて、都心二十三区内での事務所床需要を約五千ヘクタールと試算されました。当時私たち、これはすごい需要だというふうに思いましたが、これを当て込んだ悪質な不動産業者等によって土地転がしが行われ、さらに金融緩和状況のもとで金融機関が土地取引に対し積極的に融資を行ったことが地価の高騰に拍車をかけたものと思います。 早速、自民党で昭和六十二年十月六日に緊急土地対策を発表いたしました。その検討過程ですが、事務所床と住宅については需給関係を量的に示す必要があるとして試算いたしました。坂野先生がこの小委員長をされておられたのですけれども、昭和六十一年から昭和七十五年までで新たに必要な事務所床は約千六百から千九百ヘクタールで、今回提案されているような諸施策を通じて十分需給バランスが確保されるというものでした。その後、あらゆる機会にこの量的な需給バランスを説明し、それなりに鎮静剤的な効果はあったというふうに思っております。 今回の大都市法の一部改正で、建設大臣が大都市圏ごとに住宅及び住宅地の需給関係を示し、それを基本に諸施策が進められることになっており、前述の私たちの体験からも大変適切なものと思いますが、これを実効あらしめるための方策について本吉参考人から御意見をいただきたいというふうに思います。
○参考人(本吉庸浩君) 最初に御指摘がありましたように、昭和六十一年秋からの地価の高騰の問題は、一つには僕は、今先生がおっしゃったような点はございますけれども、高騰に拍車をかけたのは単に情報化、国際化による事務所床の需要増という問題の背景に、もう一つ買いかえの特例の問題があって、これへの対応がおくれたことが地価上昇に大きな拍車をかけたんじゃないかと思います。つまり、例えば神田の八百屋さんをやっているところが急に事務所床に転換すると、それが何億で売れます。ただ、あのとき買いかえの特例で、三億で売ったところをすぐ買えば税金がただになるというので、それが住宅地に波及するようになった。 そういった背景とか、それからもう一つ、数字の難しさは、例えば沓掛先生がおっしゃった七十五年までに五千ヘクタールの事務所床、そのときに運悪いことに、たしかIBMがアジア本部というのをつくるといって、ちょうどその発表された前後のときに五百人ぐらいの職員を送り込んできたわけですね。そうすると、今おっしゃったようにこれから国際化、情報化が進展するという形で発表もあったと。そうしたら、外国の企業というのは非常にドライなものですから、地価が上がったらさっさと東京から引き揚げちゃうというような、またそうすると今度は関数関係が変わってくるということで、非常にその需要予測というのは本来は難しいんじゃないか。ただ、おっしゃったようにそれが三分の一に実際がなることがいいかどうか、その予測の難しさはございますけれども。 それからもう一つ、こういう五カ年計画とかいろんなところでこれは前から出ているんですけれども、そういう数字を示すことがいいのか。ある説によりますと、五カ年計画になったって、どうせ数字が狂ってくるんだからそんなもの意味ないという考え方と、これは努力目標で、それを掲げていてそれに近づこうとする努力というのが大事なんで、情勢が変わってくれば数字を修正すればいいじゃないか、ただ努力目標としてその五カ年計画の数字を挙げていくべきじゃないかという考え方がございますけれども、いずれにしろその需要予測というのは難しいんじゃないかという気がいたします。 それで、今度は住宅に関係がございますけれども、各地域が一自治体の範囲を超えて東京圏、首都圏なんかで全体で考えていこうということは、私はやっぱりそれは非常に大事なことだと思うんです。先ほど申しましたみたいに、今東京都で幾ら頑張っても、東京都だけでその住宅問題を解決できないので、やっぱりそれぞれの近隣県にその役割分担をしていただいて適地に住宅を建てていかなければ、私は東京の住宅問題というのは解決しないんじゃないか。 ただその際に、前にも言いましたみたいに、そういう住宅が張りつくと、学校を建てる、病院を建てる、小学校をつくらなきゃいけない、道路をつくらなきゃいけない、そういった都市施設の関連公共負担がべらぼうにふえていくことが地方財政を圧迫して、例えば高度成長時代に団地お断りとなった経験を反省しますと、やっぱり各自治体の地域エゴを排除して、東京圏をよくしていくんだという視点から各自治体に協力していただく。精神的な協力はもちろんですけれども、それをバックアップするために例の関公、国がたしか五十年に三百億つけまして現在約一千億になっていますけれども、ああいう関連公共負担の整備の財源をもう少し地方に配分をして、東京以外の地方自治体がそういう受け入れ体制をしやすいような制度を、精神的な協力というんですか、今度は全体で皆さんで協力してやっていきましょうというそういう理念と同時に、そういう何か裏づけをやっていく必要があるんじゃないかという気がいたします。
○沓掛哲男君 もう一点、本吉参考人にお聞きしたいんですが、地区計画についてでございますが、提案されております二法案では住宅地高度利用地区計画、それから遊休土地転換利用促進地区が都市計画で定められることになっております。住宅地高度利用地区計画はもちろんですが、遊休土地転換利用促進地区でも地区計画、すなわち詳細計画が策定され、その整備が図られることになります。 この地区計画制度は欧州ではよく用いられておりますが、我が国では歴史も浅く、良好な環境を保全するために幾分この地区計画が用いられているところもありますが、提案されているような住宅等の整備、すなわち施設整備に関係しては余り用いられていない状態であります。我が国では、どこでも、また一人でも二人ででも安全に住むことができ、共同して都市をつくる概念が希薄で、それぞれの敷地内で創意工夫して住まいをつくってきましたが、今や大都市内では日照一つとっても限界に近く、個々ではなく集団での合理性、合目的性の確保が必要である。そのために、地区計画制度の活用が期待されると思います。 そこで、この地区計画制度を我が国で定着させ、導入、促進するための方策について、参考人の御意見をお聞きしたいと思います。
○参考人(本吉庸浩君) 私が先ほど申しましたみたいに、地区詳細計画みたいなことを導入いたしまして、やっぱり市民が参加して、歴史的伝統がございますから一遍になかなかならないんですけれども、そういう都市づくりを市民参加を通じて体験していって、みんなが共同で町をつくっていくのだという学習をしていくことが、短期は難しいかもしれませんけれども、長い意味でいい町づくりをしていくんじゃないかという気がいたします。 それで、フランスで二十年ぐらい前にやっぱり有名な再開発を国で決めたときに、たしか小学校の学校教育で、都市の住み方というようなのを学校教育から始めたというようなことを読んだことがございますけれども、やっぱりそういう市民一人一人が都市の主人公として参加していくのだということが確かに重要だと思います。 ただ問題は、非常にまだ習熟していない。それで若干地域エゴみたいなのが発生しますけれども、大体都市問題というのは地域エゴから始まって、それを貫き通すと結局みんなが損する、そういうことをやっぱり肌で勉強していきながらみんなで都市をつくっていくという形になっていくんじゃないかという気がいたします。 先ほど申しましたドイツのBプランを見ましても、例えばそこを開発したいという人がありますと、それを行政に届けまして、それでまずBプランをつくるかということで策定するわけですね。そのときに、自治体は当然まず基本案をつくりまして、それを閲覧して、それを土地所有者その他関係者が読みますし、それからもう一つ驚くのは、それをたしか二百ぐらいの関係ある電話、電力会社、ガス会社、そういう会社まで閲覧しまして、それでそういう意見を聴取して、また今度はBプランをつくり直していく。ただ、ここで問題になっているのは、さっき言った住民参加、皆さんの意見を得ることは非常に大切な点でございますけれども、Bプランの最終決定権は地方自治体にあるというところがやっぱりちょっと考えていかなきゃいけないんじゃないかという気がいたします。 いずれにしろ、先生がおっしゃったように、私はこういう地区詳細計画というのは、これからどうしても地域に密着した町づくりの大前提として必要で、そのためにはやっぱり住民が町づくりに積極的に参加していくという姿勢が必要なんですけれども、問題は、今まで町づくりというと大体上から押しつけてやる上意下達の町づくりか、でなかったら何でも反対反対という町づくりで、その中間がなかったような気がするんです。 要するに簡単に言いますと、私は町づくりというのはちょうど会員クラブ、ゴルフの会員クラブでもテニスの会員クラブでも、それぞれが大声を出さない、酒を飲まないというルールを守りながら、自分の意思だけじゃなくて皆さんと協力していい環境をつくっていくというような方向に要するに市民参加が進んでいかなきゃいけないんじゃないか。そういう意味で、ぜひともそういう方向に進んでいくべきで、その方が、たしか西ドイツの例なんかだと大体Bプランをつくるのに四年ぐらい、それなのに大体日本の都市計画でいろんなことをやりますと十年ぐらい。ですから、ちょっと想像されるのは住民参加だと物すごく時間がかかるようですけれども、どうも西ドイツの例と比べますと、案外住民参加の方が長い目で見れば足元がスムーズにいくんじゃないかという気がいたします。
○沓掛哲男君 流れの関係上、次に長谷川参考人に地価問題についてお尋ねしたいんですけれども、東京圏における住宅価格は、平均的な七十一平米の住宅で見ますと、今回の地価高騰前の昭和五十九年で千八百万円だったのが昭和六十二年には一・八倍の三千二百万円となっております。値上がり分の千四百万円のうち、その九〇%が土地の値上がり分で、建物の値上がりは百五十万円にすぎません。住宅費を構成する土地費と建築費の比率は、昭和五十九年が土地が四〇%でありましたのに、昭和六十二年には土地が六〇%ともなっております。 住宅費を下げるためにもっと税金を投入してはどうかという意見がございましたので、私なりに調べてみました。昭和六十三年度における全国の住宅投資額は二十二兆九千億円であり、うち税金分は、これは償還不要でございますが一兆八千億円でございました。全体の税金分は八%弱でございます。税金分、今一兆八千億でございますが、それを二割の三千六百億円仮にふやしたにしても住宅価格には一・六%弱しか効いてまいりません。これから見ても、住宅価格の安定、適正化のためには何よりも土地の価格の安定が必要であると思います。 そこで、首都圏の地価安定については、長谷川参考人は余りこれから上がることはないんじゃないかというような意見もございましたけれども、東京圏の地価急騰の後を受けまして、関西でも平成元年、二年と地価は急騰いたしました。その結果、東京圏の地価に比べて関西の地価は平均で昭和五十八年が八五%、昭和六十三年が四三%と拡大いたしましたが、平成二年には九一%と、関西の地価が東京圏の地価に急接近いたしております。実需ベースから見ると、高いところにあるから下がってほしいのですが、あと三、四年もすると東京圏では関西圏とわずか九%しか土地価格の差がない、これはおかしいといった奇妙な割安感からまた高騰するのではないか。東京圏と大阪圏とでボールの投げ合いをして、スパイラル的に地価を高騰されたのではたまりません。 特に、東京圏は従来ビジネス都市と考えられていたのに、最近はそれに加えてレジャーランドとしての機能も持ち出しました。ディズニーランドがあります。また、若者の町六本木、原宿もあります。いわゆるおいしいものを食べれるグルメ、幕張メッセ、それから豪華なホテルに泊まって翌日は外国の音楽会を見れるといったような、そしてたくさんの人、私の選挙区からもたくさんの人がバスで来るんですけれども、そういう人がたくさん来れば、ますます職場が東京ではできてくる、そしてますます魅力のある都市になってしまうということであります。こういう中で、どうして大阪圏の地価が首都圏にはね返らないようにしたらよいのか。大阪と東京は、九一%にまで大阪がきた、それだったらまだ東京は三、四割上がってもいいんじゃないかというような、そういうことが通らないようにする、そういうためにはどうしたらいいのか。 先ほど長谷川参考人が言われたように、地価が住宅に顕在化しないようなそういう手法をとっていくという、そういうのも一つだとは思いますが、それがすぐなかなか今、現実の問題として時間もかかると思います。さしあたって、ここ三、四年で東京圏の地価が上がらないようにするための何か良薬をひとつ御指示いただければと思います。
○参考人(長谷川徳之輔君) 地価が下がれと命令して下がるんなら大いに命令してくれたらいいと思いますけれども、問題は地価が経済に起因しているわけでして、私は法律を幾らつくっても地価は関係ないという感じがいたします。 経済ですから、経済の根本というのはいわゆるお金であります。今回の地価高騰の原因についてはいろんなことが言われてきた、もう山ほど原因が言われましたけれども、突き詰めれば実は今回の地価高騰の原因で自分のお金でやっている人は一人もいないことなんです。すべて他人の金でやっているわけでございます。特にこの三、四年の地価の高騰の主体は、実は法人でございます。法人の財テク、あるいは個人もそれに便乗して財テク、これが実はメーンでございます。この財テクを行った原因の一つは、金融機関の無節操な貸し出しであります。同時に、財テクをやりやすくする税制であります。この金融と税制が実はスパイラル的に地価を上げたわけであります。その二つ、について、確かに原因は九九%これだと思っております。残りは、あとは一%足らず、そういうふうに言うだけという話だと思いますね。そういう意味で、実は金融と税制の改革、これは不可欠だと思います。 金融については、改革を待つまでもなく、過剰金融は既にクラッシュの寸前にあるんじゃないかと見ております。なぜ日銀が最近になって強烈な行政指導をするか、あるいは地価がクラッシュするかもしれないというレポートを出すかという背景には、実は、過剰金融が地価をむしろインフレじゃなくてクラッシュさせる、地価を暴落させるという可能性を持っているからであります。むしろこれから半年先の議論というのは、いかに地価のクラッシュをソフトランディングに向けていくかという方向に向かっていくはずであります。そして、税制の改正も今はかなりのピッチで進んでいますし、もはや大きな流れとして財テク抑制という税制の流れは消えないと思います。 そういう意味で、地価を上げた二つの要因である金融と税制というのは今は大きく方向転換しようとしているわけですから、国民の意識がそれを正当に受け入れ、それから財テクのようなことで他人にツケを回してネズミ講でもって自分の財をふやすというような、そういうスタンスを国民が捨てれば、私は地価はもうこれ以上上がらないと思います。 大阪がなぜ上がったかといいますと、実は東京のツケを大阪で払っているだけでありまして、東京で実は投機をした人が借金を返さにゃならぬ、金利を払わなければならない、そこで、東京はもう地価が上がらなくなったものですから、じゃ大阪へ行ってやろうというんで、大阪で地価を上げてそのお金で実は東京の借金を返しているわけであります。金利を払っているわけであります。要するにツケ回しをしているわけであります。大阪の人はそのツケを実は喜んでおって、その東京のツケを払っているわけでありますね。そういう意味で実にばかばかしい現象でございまして、今度は東京の人は大阪のツケを払う番なんですね。そういうことでキャッチボールでばかばかしいことをやれば、もうかるんじゃなくて相手のツケを払うと思えば、こんなばかばかしいことはもうしないわけであります。 そういうふうに事態を正確に認識して、企業もあるいは国民もそういうことを正確に認識して、要するに世の中というのは自分の所得以上のものはあり得ない、経済というのはインカムの範囲内でないと成立しないということを銘記すべきだというふうに私は思う。そういうことを銘記すれば、私は地価は絶対上がらないと思います、上がるべき理由がないと思います。
○沓掛哲男君 五十嵐参考人にお聞きしたいんですが、五十嵐参考人には、一つの住宅についても三つも法律がある、その他いろいろ法体系がふくそうしているというお話でございました。確かにそういう面も私はあるというふうに思っております。その一方、政策と施策の間にもいろいろなかかわり合いが非常に出てきてふくそうしてきているのが現代の社会だと思います。 そういう中で、一言今お聞きしたいんですが、国には幾つかの重要政策があり、それぞれの政策目的を達成するための施策が行われるわけでございます。Aという政策実現のためにAという施策が行われたといたします。その場合、Aという施策はB政策にとってマイナスの効果を生ずることがありますから、Aという施策を行う場合、国の重要施策に及ぼす影響を評価する、まあ施策アセスメントというようなものが必要ではないかということを感じます。 今度の法律に照らしてみますと、今度の地価高騰には超金融緩和が大きくあずかっております。金融政策の当局者にとってみれば、企業の貿易黒字のドルを円にかえてマネーフローが増加し、金利が下がり、円高の行き過ぎもコントロールできる、国内的にも好況も持続できるし、対米的にも米国の証券をも金利差があるので買えるなど、金融政策から見て彼らの金融緩和政策は結構ずくめだったのではないかというふうに思います。 ところが、国のもう一つ重要政策である地価の安定、適正化にとっては最悪の施策であったわけです。不動産業者は安い金利でどんどん借りて大都市で土地を買い、土地投機によって自分は利益を得たが、地価は上がり庶民の住宅の夢を破る悪逆非道なことが行われたのだと思います。金融当局者も、従来の概念の金融のみならず、そのときの国の重要な政策に対する影響にも十分配意してもらわなければならないと思いますが、これについての先生の御意見、さらに当委員会でいろいろ議論していただいております中で二律背反的なことが二つあるので、それについてお聞きしたい。 その一つは、提案されている二法案は大都市、首都圏に大量の住宅を適正価格で提供しようとするものでありますが、これは大都市にさらに人口を呼ぶことになり、四全総の柱である一極集中の是正と多極分散型国土形成の促進に反するのではないかということ。二点としては、この法案による住宅の中高層化等により住宅フロアの単価は安くなると思いますが、地価は高騰するのではないか。住宅供給の政策と地価安定の政策に二律背反が起こるのではないかということなんですが、時間がございませんのでノー・オア・イエスだけでお答えいただければ結構だと思います。時間を十分配分できませんでしたので、五十嵐参考人には大変申しわけなかったと思いますが、よろしくお願いします。
○参考人(五十嵐敬喜君) 時間をいただければ非常にありがたいんですけれども。 長谷川参考人なり本吉参考人なりがおっしゃっていることについて私ほとんど同意するところが多いんですけれども、一つだけ欠けている点がございます。それは日本の場合には、特に日本というよりもアジアですけれども、これはやっぱり一極集中構造をどうしても持っているということですね。ヨーロッパ、アメリカの都市と違って、ここが決定的にアジアの都市の特殊性、極めて特異な特殊性ではないかというふうに私は思っております。政府の施策がいろいろありますけれども、一極集中か地方分散かというレベルで見ますと、いろんなところで矛盾撞着を繰り返しているということだと思います。 私は、これを抜本的に解決するために、土地基本法は昨年制定されましたけれども、当面、住宅基本法をつくるべきだと思いますし、三番目には、多極分散型国土形成促進法が一極集中の排除あるいは是正にとって有効であるかどうかについて、もう一度抜本的な検討を加えるべきであると私は思っております。その三法案がそろえば、ある程度政府の施策についても適正な序列、時期、方法が見えてくるのではないかというふうに思います。今のところ、この二法案を含めまして、先生のおっしゃったように、一極集中を加速するような傾向が非常に大きいと思います。そこが国民に何となくはっきりしない、政府の施策は信用できないということの印象を与えているのではないかというふうに思います。
○白浜一良君 きょうはお忙しいところ、ありがとうございます。公明党の白浜でございます。私、東京のツケを払っております大阪の選出でございまして、ただいま自民党の先生から非常に格調の高い、時間をオーバーした質問がございました。私、単純明快に少し御質問させていただきたいと思います。 まず本吉先生に、先ほどお話伺っておりましたら、住宅問題というのは広域圏で考えるべきだというお話ございました。私も大阪に住んでおりまして、奈良県だとか和歌山とか一部滋賀まで非常に広域的な問題になっていますね。ところが、先生御存じのように、いわゆる府県単位の行政である、それからもう非常に縦割り行政になっているわけですね。ですから府県を越えた問題というのは非常に難しいのですけれども、何かアドバイスございましたら、こういう広域的な問題を解決していくためにございましたらお教え願いたいんです。
○参考人(本吉庸浩君) お教えするほど知恵はございませんけれども、私が思うのは、もう東京圏なり大阪圏というのは隣接の自治体と密接不可分な関係にあるんじゃないか。例えば、埼玉に住んでいる人は東京圏エリアというふうに、所属は東京に求めている。そこでごみなり水なり使って、それで変な話ですけれども、東京に住んでいる人が向こうに住宅を求めるのはノーというのはやっぱり若干矛盾があるんじゃないか。やっぱりそういう意味で東京エリア、東京圏というのは一体になって、地方自治は若干別ですけれども、考えて処理していかなければ、ごみの問題にしても水の問題にしてもうまくいかなくなっているんじゃないか。 ただ、そのネックになっているのが、住宅が来ますと、さっき言いましたように学校とかいろんな都市基盤整備をする財源が要って、それがなかなか地方財政とうまくいかない。ですから、さっき言いました関連公共みたいな費用を国がもう少し積極的にふやしてそういう心配をなくすことが、これは理念じゃなくて実際にその政策をスムーズに進めていく原因になるんじゃないか、そういう感じがいたします。
○白浜一良君 私も本当にそう思います。この府県単位行政というのはもうずっと明治以降続いておるわけでございまして、実際この財源問題も含めて日本の行政のあり方というものを考えないと、今は住宅問題ですけれども、ほかのいろんなテーマで問題が起こっておりますので、私もそのように思うわけでございます。 もう一点、先ほどから何回かお話しされておりますが、いわゆる地区詳細計画ですね、この辺日本は考え方がないわけです。ドイツのBプランのお話をされておりましたが、今回地区計画というのが建設省から出ているんですけれども、実際問題、建築基準法とこの用途地域だけで、実際は私はいわゆるそういうふうなドイツのBプランみたいな形じゃないと思っているんですけれども、先生どうでしょう、日本はどうなっていくのか、地区計画というものの内容をもう少しお話しいただきたいんですけれども。
○参考人(本吉庸浩君) 先生がおっしゃったように、確かに地区計画は今までは任意でございまして、Bプランみたいに義務づけられていなかったんじゃないか。ですから、なるたけその方向にやっぱり進んでいくことが、さっき言いました住民参加でございませんけれども、自分たちの町は自分たちがつくっていくんだという感じがするんじゃないか。 私、もう一つ感じるのは、ちょっとお話脱線するかもしれませんけれども、例えばさっき言った現在のままの用途地域だと混在型なので、どうしても住宅が商業系、業務系の価格に押されて、そこに住んでいる住民というのはどうもいられなくなってくるのが現状なんじゃないかという気がする。ですから、やっぱり地区計画みたいのをはっきりして、ここは住宅地として保存すべき地域だ、ここは業務系として開発する地域というのをはっきり色分けすることが、住民の参加を得て行政も参加していくことがその地域を住宅なら住宅にふさわしい環境にしていくことにつながるんじゃないか。それが今の八つの用途地域だと、殊にあいまいな地区が多くて規制も緩やかで、結局その結果は住民が圏外へ圏外へ、遠くへ遠くへ追いやられているのが現状なので、どうしてもそういうもう少し厳しい地区詳細計画を、ですから地域の用途まで決めたようなものにしていく必要があるんじゃないかという気がいたします。
○白浜一良君 どうもありがとうございました。 私思うんですね、本当にこれからの日本を考えましたら、もうちょっとコミュニティーをつくり直すといいますか、やっぱり住民のコンセンサスをどう図っていくかという、本当はそういう面で住民参加というのは一番大事な理念なんですけれども、非常に利害対立とかするわけで、いわゆるその道筋をつくっていくのが行政の仕事であり政治家の責任である、私は本当にそう思うんですけれども、残念ながら日本はなかなかそうならないという現状で、まあ努力をしてまいりたいと思うわけでございます。 五十嵐さんにお伺いしますが、先ほどおっしゃいました良質な住宅が大事である、一定の水準でなければならない。また賃貸であれ分譲であれ、適正な範囲、値段でなければならない。現段階でこのガイドラインみたいなものを考えていらっしゃることがございましたらお教え願いたいんですが。
○参考人(五十嵐敬喜君) よく言われていますように、住宅水準については住宅建設計画法に基づく五期五計の誘導水準、これを守ることです。ただ、あれは努力目標になっておりまして、とにかく積み残しが膨大にある。あれをもうちょっと最低居住水準については法制度上義務化させるということが必要だろうというふうに思います。特に、建築基準法、都市計画法の中の地方自治体の権限というのをふやしまして、その最低居住水準部分については地方自治体でいわば条例等によって確保するということをすべきではないかというふうに私は思っています。 今、最近問題になっていますワンルームマンション、投資型のやつが非常にふえておりますけれども、これは最低居住水準をみんな下回っておりまして、これを自治体でとめる方法がありません。例えば最低居住水準の平米数については、地方自治体の特殊性に応じて場合によったら条例によって規制することができる、つまり五期五計の最低居住水準を条例によって確保するというふうなシステムに変えれば住環境水準は確保できると思います。 それから適正な値段でありますけれども、これは一般的に言いますと年収の五倍とか家賃は収入の一〇%というのが一応水準だろうと思っております。ただ、これについて特に高齢者については相当な家賃補助等をやらないとできない。この財源が全く自治体にないということですね。 次に問題なのは、先生コミュニティーをおっしゃっていましたけれども、コミュニティーの関係でいきますと、例えば私世田谷区でありまして、世田谷区の条例の制定に関与したんですけれども、いわゆるファミリー層というものが全然世田谷区に入れないということで、非常にいびつな人口構成になってきております。ファミリー層対策として、単なる家賃補助ではなくて、区による区営住宅の建設あるいは区による一括借り上げ方式とか、あるいは区による家賃補助システムというような、さまざまなメニューを準備しなきゃいけないということなんです。これも財源と法のシステムが全然ないので、こういうところは思い切って自治体に権限をゆだねよというのはそういう趣旨です。それで、先ほど言いましたガイドラインに近づくような施策を講じなければいけないというふうに思っております。
○白浜一良君 今ちょっとお話もされましたのと多少重複するんですけれども、そういう実態からいくと、いわゆる公営住宅というのは数が足らないわけですね。私調べましたら、公営住宅の場合は大体賃貸料が月収の一二%、非常に妥当な線ですね。ところが、住宅の戸数から見た場合は民間開発の方が圧倒的に多いわけですね。公団、公社ぐらいで大体一八%か二〇%ですね。民間でしたらもっと高くなる。何か私思うんですが、こういう中間を埋めるような考え方、今少しおっしゃったんですけれども、そういう間を埋めるような考え方ですね。民間だとどっと比重が高くなる、公営は低いけれども、そんなめちゃくちゃなのはつくれない。そういう中間をうまく埋めるような考え方が何かございましたら。
○参考人(五十嵐敬喜君) 一つは長谷川参考人が言いましたような、要するに地価を顕在化させない実験プロジェクトをたくさんつくっていくことが一つです。ただ、これも非常に限界があります。それで、私が先ほど言いましたように、先ほどの地区計画に関連するんですけれども、要するに空間を、地面をじゃなく空間を自治体がコントロールすること、つまり容積率の何分の一かを自治体がコントロールしまして、これに、この大都市法にもありますけれども、住宅マスタープランをリンクさせる。そうすると、一つ一つの敷地での住宅供給ではなくて、都市全体としての住宅建設の計画が立てられる。空間を見ますと、東京でいきますと御承知のとおりまだ四〇%しか使われておりませんで、残りの六〇%を全部建てたらどうなるかという問題がもう一つあるんですけれども、少なくとも膨大な量の空間が残っております。これをはっきりプログラムを明示すれば住宅はコントロールできるというふうに私は思います。
○白浜一良君 あと住宅基本法もちょっと聞きたかったんですけれども、もう時間がございませんので、抜本提案をおっしゃいました、私大賛成でございます。住宅基本法を決める、それに基づく個別法を都市計画も含めてきちっとするという、大賛成であるんですが、もう時間ございませんのでこれで終わりたいと思います。 最後に長谷川さんにお伺いしたいんですけれども、一つだけお伺いします。 先ほどずっとレジュメに沿って御説明いただきました。その中で、買い手市場に転換させることが大事だ、このようにおっしゃいました。私もそう思うんですけれども、買い手市場に転換していくためのポイント、これとこれのポイントを押さえたらそういうふうにずっと変わっていくという、どのようにお考えになっているのかお伺いしたいと思います。
○参考人(長谷川徳之輔君) ここにも書きましたとおり、供給と需要の関係でございますけれども、今までの計画というのは常に需要を先に出してこれに供給を間に合わすという計画でございますね。常にイーブンな関係になっているわけです。ですから、供給が落ちれば需要の方が大きいということになってしまって、常にいわば売り手一人、買い手十人となっているんですね。だから、本当は世の中というのは逆で、売り手十人、買い手一人と、やっぱり消費者は王様だしお客様は神様だと、こういうことが住宅にもあるべきだと思うんです。 最初に計画つくるときに、百万戸分なら二百万戸の余裕のある宅地計画もできます、価格もこういうことでできます、そういう競争関係をつくりまして、市街化区域内農地の人もまごまごしておったら臨海部に負けてしまう、臨海部の土地も値段を高くしたら市街化区域の方の供給に負けてしまうという競争関係をつくることだと思うんですね。それがなくて、実は今までは全く消費者の選択の自由がないわけでございますね。消費者の選択の自由があるような量のプランを立てる。あとはどういう価格が形成されるかとか、どこに選択されるというのはまさに消費者の選択の自由ということじゃないかと。私は、住宅にも宅地にもほかの商品と同じように消費者の選択の自由が確保できるという道筋をつくることが一番大事なことではないかというふうに思っております。
○白浜一良君 どうもありがとうございました。
○新坂一雄君 大変お三人の先生にきょうはいろんなことを教えていただいて感謝しております。私、連合参議院の新坂と申しますが、サラリーマン八百万人の代表ということで、いろんな観点から建築問題の論議を深めてまいりたいと思います。 やはり、一番原点になっておりますのは政治に対するサラリーマンの不信ということで、今回の一番のへそというか一番の中心点は、やはりサラリーマンにどうやって住宅を提供していくか、しかも残酷サラリーマンと言われるようにマイホームは事実上破綻しているんじゃないかというようなことから、良質でかつ安い家賃の住宅を供給することが一番メーンになっておるわけです。 そこで、きょうお三人の先生に一点ずつ御質問させていただきたいんですが、本吉先生は練馬にお住まいでございまして、やはり四十年代私も練馬、いわゆる田園地帯の大根畑にお百姓さんでない家がぼちぼち建っていた、文化住宅という、のどかな練馬を思い出しているんでございますけれども、心配なのは、車社会の中でどんどんと俗に百万戸建設と言われますけれども、いわゆる車が入れる住宅を建てたとしても、そこからサラリーマンは都心に通わなくちゃならない、あるいはオフィスに通わなければなりません。 したがって、今先生のおっしゃったように、昔は農道だったというスペースからどんどんふやしていかなければ当然渋滞が起こり、お互いに首を絞め合いながらマイカーで、それはマイカーを使わざるを得ないような遠いところに家が建たざるを得ないからそういうことになるんでございましょうけれども、そういう住環境の悪化という意味では車対策というのは非常に大切なことになってくると思いますけれども、今度の供給するについての車対策で先生のいいお知恵がありましたらひとつお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(本吉庸浩君) 先生の御指摘に全く同感でございまして、練馬の実例でございますと、私は光が丘というところに住んでおりますけれども、分譲とそれから賃貸と、それから公営住宅があるんですけれども、ほとんど駐車場がまず団地の中に完備してない。そうしますと、もともとが農道だったところに、そこの道路に不法駐車が物すごくふえて問題がございます。 ですけれども、一つ考えなくちゃいけないのは、今もしそこの都営住宅の全部にパーキング、駐車場をつくると価格が一体幾らするか。そうすると、下手やると本体の住宅費よりパーキング代の方が高くなっちゃうというようなことが、例えば市谷あたりだと大体パーキング代が四万円とか五万円とか、そうすると都営住宅にパーキングをつけるのは理想でございますけれども、一体家賃が幾らになるかという点を厳密に計算する。それほどやっぱりある意味で明快な答えができないほど地価水準が上がっちゃっていると言ってよろしいんじゃないですか。 だから、その点をどうするかと言われても、本来やっぱりトランジットになるたけ乗らないで通えれば一番よろしいんですけれども、問題は、例えばバスがもっと頻繁に駅から住んでいるところに循環すればいいんですが、それも余り整備されてない。そうすると、先生がおっしゃったようにマイカーに頼らざるを得ない。そうすると、狭いところに行って悪循環になっているのが現状です。それならマイカー社会をキャンセルできるかどうかとなると、これはなかなかできないので、やっぱり本当にみんなが知恵を出し合って解決していく以外に明快な処方せんはないんじゃないかという気がいたします。
○新坂一雄君 一番心配しますのは、やはり先ほど長谷川先生の方から、東京のツケを大阪で払う、要するに東京化という、もっと言いますと東京もある面ではニューヨーク化といいますか、いわゆる高層、高度利用ということで、エンパイア・ステート・ビル、ひところあこがれていたようなものをどんどんつくる。ただ心配なのは、そういう車社会の破綻から、今日本ではアメリカとどこが違うかというとセキュリティー、これだけ人口がふえていながら犯罪が少ないということでございますが、今月でしたか、ある地方でいわゆる不法駐車に腹を立てて鋭利なものでタイヤを全部抜いていったというような事件がありました。したがって、そういうお互いにいらいらすることによって、首を締め合うことによって、いわゆる都市のそういう車社会の破綻からくるセキュリティーの破綻といいますか、これは幾らお巡りさんが歩き回っても車社会に勝てるものじゃありませんから、そういう面からひとつ何とかして対策といいますか、流す道がなくて都市が全体破壊されるんじゃないかというぐらい危惧するような点が一点ございます。これは意見でございますから、お話として聞いていただきたいと思います。 それから、五十嵐先生にお話を聞きたいんですが、先生のおっしゃった住宅に対するプログラム、私もこの間の質問で言ったんですが、いわゆる町の不動産屋さんがやっているように商品化して、どのくらいの家賃で住めるのが何戸、どのくらいがどうという商品見本的なものが見えてこないと、その中に具体的にないものですから、百万戸つくると言われても、具体的にそれじゃ一サラリーマンとしてどのくらいのところをやってくれるんだという政治に対する明るい兆しというか、目標に対して自分がかなり疎遠な感覚しか持てないというようなことが実情でございますが、これはどの辺のところから突破口をつくっていったらいいかということを、もしお知恵がありましたら拝借したいと思います。
○参考人(五十嵐敬喜君) だから、先ほど自治体に権限と財源が必要だと繰り返し強調したのは今のことと関係するんです。 世田谷区で区営住宅を何々団地に幾つつくります、民間借り上げ住宅が幾つあります、高齢者についてはこういう家賃補助をしますということを各区全域で出せば、住宅がいつどこにあるかということが目に見えてくるわけです。目に見えたら衝動買いはとまるわけです。それを今のシステムでいくと全くやれないし、だから住宅建設計画法に基づいて何万戸つくると言われても、さっぱりぴんとこないというのは、何も見えてないからだと思うんですね。外国に行くと、この団地には幾らのがいつまでに幾らできますよと全部紹介してくれるんですよ。あのシステムが日本にない。それは全く地元に一番密着しているところに情報発信源がない、また情報を確実にさせるシステムがないということが一番大きい問題だというふうに思います。
○新坂一雄君 長谷川先生に最後でございますが、先ほど三方一両得と申しますか、家賃について土地の値段をつけない、実際に住んでいる家賃だけのシステムをつくれないだろうかというお話、大変おもしろい発想で拝聴させていただいたんですけれども、いろいろとネックがあって、それをやってしまうと売りたいときに売れないとか、その辺の縛りがそれぞれ出てくると思うんですけれども、その辺の保障というやつを何かシステム的につくっていかなければと思うんですが、いかがでございますか。
○参考人(長谷川徳之輔君) 一つのアイデアを申し上げたので、完璧なものではございません。この案ですと、地主は建築費なしで家主になれるわけでございます。その所有権は地主にございますから、ただ条件として家賃の中に地代を入れてはいけないよということだけでございます。ですから、そういう条件つきの価格で売買されるということになれば、売買は自由だと思うんですね。 詳しい仕組み、私はそのときに抵当がどうなるとかいろんなことがあると思うんですけれども、基本的に私は家賃に地代が入るというのはおかしい。戦前の家賃というのは、実は地代は入ってなかったんです。だから、東京じゅうどこへ行っても同じだったんです。戦後、家賃の中に地代を入れるというボタンのかけ違えをどこかでしてしまったんですね。それが実は問題なんで、もう一度戦前の東京の長屋の住宅に戻ってみようということでございます。アイデアでございますので、デテールになりますといろいろ問題があると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
○新坂一雄君 ありがとうございました。
○山田勇君 三参考人には大変御苦労さまでございます。民社党・スポーツ・国民連合の山田勇でございます。 まず、本吉先生にお尋ねをいたします。 先ほどの参考人のお話の中で、いわゆる住宅と事業所の区分というものが大切であると。環境整備という形になればそれが理想でございますが、今審議しております法案の中にはこういう形で、住宅供給促進法案ですから住宅が主になりますが、事業所を入れる場合は建ぺい率が何%、容積率が変わってくるという、いわゆるげたばきですね、そういう形の促進もしておるようでございますが、その点について何かまたつけ加えることがあればお話を聞きたいと思います。 理想としては、住宅は住宅、事業所は事業所という形が理想でございますが、御承知のとおり新住宅整備法案というのがありまして、職住接近の小規模な開発をやってもいいというふうな形になります。これからパート制度等がどんどん行われていきますと、事業所と住宅の接近もすべてが悪いというわけではない。多少環境の破壊につながる面もありましょうが、その点、先生が住宅と事業所はセパレートすべきだと強く御主張なさっていたので大変印象的だったものですから、その点についてまた後ほどお伺いしたいと思います。 時間が往復十分なんで、続けて申し上げます。 五十嵐先生が、先ほどからこの法案についての目的というもの、責任主体がわからないということ、それと特に地方自治体にある程度の権限は移っても財源がないということで、この法案はいわゆる目的を達し得ないのではないかということで、我々もこの法案の審議を通じながら、実に地方自治体の財源確保ということでいろいろ苦慮をいたしております。これは各党の皆さん方が苦労をしております。その中で、三条の五項にありますように、「必要な助言、指導その他の援助」と書いてあります。それを我々は何としても、これは修正とまではいきませんかもしれませんが、「財源」という文言をきちっと入れていこうではないかということですが、これを言いますと建設省の方は「その他の援助」でカバーできるではないかと言うんですが、我々はそれでは心もとないものですから、何としても「資金」か「財源」かを入れていきたいし、またこのあと残されました審議の中でその財源、資金というものを詰めて言質をとっていきたいと思っております。 そういう中で、地方自治体にある程度の権限は移行しました。ある程度地方自治体も住宅基本政策的なもの、プロジェクトを全部上げていかなければならないようになっていくと思うんですが、その点について何か地方自治体として、この法案が施行された後これだけはすべきだということがあればお教えをいただきたい。 それと、長谷川参考人には、パートナーシップ、いわゆる協力関係というのは大変必要だということでありますが、より具体的に、こういうパートナーを組めばより住宅の促進につながるではないかということと、最後に皆さん方が申し上げていますとおり、税制と連動しなければ何にもならないということを強調されておりますが、御承知のとおりこれが後手後手に回るんですね。政府税調の答申は確かにテンポを速めております、危機感を持っておりますから。でも、二十三日か二十四日ぐらいという形になってまいります。そういうことで、きょうの日経にも書いてありますが、「インフラ整備助成」なんて、これもいわゆる法案ができてから何かまた次の目玉として完備していくということですが、そういうようなこの法案に対して、これがどうあろうが施行されますので、それについて何かここだけはこうすれば少しでもこの法律が生きるではないかというようなことを示唆いただければ結構でございます。 取りまとめて大変失礼いたしましたが、時間の都合上こういう形で質疑をさしていただきました。ありがとうございました。
○参考人(本吉庸浩君) 簡単に申しますと、私は全部が純化しろというんじゃなくて、地区詳細計画というのはその地域地域の特性に合わせてやるべきで、例えば世田谷なら世田谷はなるたけ住宅地にしましょう、それから先生がおっしゃったような、ある地域は住工混在、ですから例えば住宅附置義務なんというのはオフィスの上に住宅を乗っける、そういうことも必要なんじゃないのか、そういうことをもっときめ細かく地域の特性に合わせてやっていくべきで、事務系と住宅を全部東京で分けろというんじゃなくて、その地域地域の特性に合わせることが地域特性で、ですからある場合は純化するし、ある場合はオフィスの上に住宅の附置義務、サンフランシスコなんかでやっておりますように乗っけるとか、江東区なんかは住工混在で工場に住宅を乗っけて職住近接を図っていくという、そういうことを地域の特性に応じてきめ細かく決めていくことが大事であるかと思います。
○参考人(五十嵐敬喜君) 直ちにできることが一つあります。それは、先ほど言いましたように、事業に伴う援助要綱というのがたくさんございます。数え上げれば物すごい量ございまして、この予算もウナギ登りに上っております。これを縦割り行政にしないで一括地方自治体が使えるという形にしますと、財源ほかなり自由に流動性を持って使えると思います。今のところ一つ一つ全部目的が決まっていますので、これをやっていきますと自治体が全然消化し切れません。しかし、これを一括すればかなり自由に使える財源になります。それが一つ。 二番目は、これは韓国等の開発利益の還元法案あるいは超過利得税の考え方が非常に参考になると思いますけれども、開発利益及び受益者利益、これについて国と自治体がそれぞれ利益のうちの五〇%を徴収することができるというのがありまして、その使い道について別な財源母体をつくりまして政策ランクをつくっているんですね。一番目には弱者、二番目には地方、第三番目にはこれというふうにずっと政策ランクをつけておりまして、それを一括使えるようなシステムにしておる。その開発利益、受益者利益について地方自治体と国が五〇%ずつとること、政策ランクをつけること、そうすれば住宅に恒常的に財源が確保される、これを考えたらどうかということです。
○参考人(長谷川徳之輔君) パートナーシップはいろいろあると思いますが、まず国と自治体の協力関係、これは財源の再配分等を含めて、これは同じ国民のためあるいは市民のためでございますがパートナーシップを組んでおられる。それから官民のパートナーシップでございますが、これは宅地開発等については、基盤整備は国あるいは自治体がやるべきだと思いますが、住宅建設については民間の創意工夫を生かす方が一番いいかと思いますので、そういうパートナーシップもあるかと思います。それから、私の提案申し上げました地主と自治体と協力して地価の入らない住宅をつくろうじゃないか、それもパートナーシップだと思います。 そういう意味で、一人ではできないのでございますから、やはりお互いに協力し合うしか方法はないと思います。自分だけいい思いをするというのもやめようじゃないか、みんなでいい思いをするような、そういう住宅政策をやってもらいたいというふうに思います。 それから財源については、保有課税の強化です。これをやれば幾らでも出てくると思うんです。今は日本の土地資産は二千兆円くらいありますけれども、固定資産税の土地基準価額は二兆しかありません。もしこれをちょっとでも上げたら、例えば東京都で実効税率が今〇・一%でございます。それを一割上げたら、実はそれだけで数千億の金が入ってまいります。保有課税の強化について、財源的な意味を含めて御検討いただきたい。これはあらゆる政策のベースになるものでございますから、どうぞよろしく御検討をお願いしたいと思います。
○山田勇君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(対馬孝且君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々には、御多忙中のところ御出席をいただき、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(対馬孝且君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、以上両案審査のため、本日、財団法人国際花と緑の博覧会協会事務総長大塩洋一郎君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(対馬孝且君) 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野別隆俊君 大都市法、都市計画法、建築基準法等につきましてただいまから質問をするわけでございますが、特に関係省庁の皆さんに大変な御努力をいただいておりますが、これから国民の皆さんの期待にこたえていかなきゃならぬわけであります。そういう意味から、以下質問をしてまいりたいと思います。 土地に関する法律はたくさんできておりまして、いろいろ聞いてみますと二百数十ぐらいの法律、条例ができている、こういうふうに言われているわけでありますが、地価が高騰するたびに次次に法律はできてきましたけれども、ただ法律をつくっていくだけではだめなんでありまして、この繰り返しでないように、しかも国民の皆さんはもうあきらめ、それから不信感、こういうものが募っているわけであります。これは、政府を預かる建設大臣のあなたを初め、私ども政治に携わる者の大きな責任である、このように考えるわけであります。今こそこの地価高騰の原因を徹底的に究明して、土地を持っている人と持っていない人がこのように格差のある社会、これを何としても打破していかなきゃならぬ、そのためには今の土地神話を打ち砕くことではないかと思うのであります。 大都市では、もう今まで夢に見たマイホームも夢まで見れない状態に来ている、こういう状態でありますから、私どもはやっぱり二、三年前の地価に引き戻す、これが我々に課せられた課題でもあろうと思います。中堅サラリーマンの夢が実現する社会、これをつくり出すということでなければならないと思うんです。そのためには、当面、土地、住宅建設を公共事業の中の最重点に位置づけていただいて、国、自治体一体になって国民の期待にこたえることが政治の当面する最大課題だと思うのでありますが、最初に建設大臣の所信をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(綿貫民輔君) ただいま御指摘の住宅宅地あるいは土地問題、これらは極めて現下の政治経済情勢の中で重要な問題であるということを認識いたしておるわけでございます。この問題につきましては、与野党の皆様方で昨年土地基本法を成立させていただいたわけでありますが、その精神と流れを受けとめまして、私どもも今回法案を提出させていただいておりますが、真剣に国民の期待にこたえるような住宅宅地政策を展開したいというふうに今考えておるところであります。
○野別隆俊君 地価高騰を起こした最大の要因は、何といっても金融機関が金余りの中で金融を非常に緩めて、むしろあおったというような状態も出ておるのでありまして、そういった法人企業に数十兆という金を貸し出して、そして土地買いをさせる、その土地を投機取引する、そしてまたもうけた金で次を買う、こういうことの繰り返しが行われてきたわけでありまして、東京二十三区だけ見ましても、ここには地主が九十八万人いるのでありますが、わずかその八%の八万人の人で総面積の二五%のシェアを占めるというような状態になっているわけです。 しかも、それだけではありません。六十三年の土地資産額を見てみますと、こういう法人の土地資産額は五百十四兆五千億ということであります。この帳簿価額は八十兆六千億でありまして、その含み益だけで何と四百三十三兆九千億円、これだけのいわゆる暴利ができるような状態になって、しかもこの金で日本の二十五倍もあるアメリカを買ってさらに三十兆円の金が残るというんです。 こういうまさに国民を欺いた土地政策の状態に今なっているわけでありまして、政府税調も、きょうの新聞でも明らかでありますが、資産格差の是正と土地の有効利用を図るためには、課税の公平を図ることと同時に土地資産に適正な税負担を求めることは当然である、税は土地政策の極めて重要な手段となる、こういうことが明らかにされたわけであり、今までとかなり変わった方向に進みつつある、我々が提言した方向に進みつつあるわけでありまして、さらに市街地の宅地並みの問題、それから保有税の問題、たくさんの問題を今抱えているわけであります。 こういった状態を考えると、これは極めて重大な問題でありますが、こういった不公平税制、政府はその方針であると思いますが、資産税や農地の宅地並み課税、譲渡益課税、これらについて建設大臣本気になってこれをやる。中には業界などのいろいろな意見もあるようでもあります。しかし、そういう意見というものは国民の前に今日大きく押し縮められているわけで、ここでもう一回建設大臣、こういった面の税制をばっちりやるかどうか、このことをお聞かせ願いたいのであります。
○国務大臣(綿貫民輔君) 土地税制につきましては、ただいま政府税調におきまして抜本的な見直しということで作業が開始されておるところでございます。私ども建設省といたしましても、ただいま御審議いただいておりますような住宅宅地供給促進の法律を出させていただいておりますし、またこの税制と関連いたしまして生産緑地法の改正等も考えておるわけでございます。それらにつきまして、特に低・未利用地に対する特別土地保有税の強化とか、あるいは市街化区域内農地に対する固定資産税及び相続税の課税の適正化等の所要の税制上の措置も必要だというふうに考えておるわけでございまして、これらの実現のために私どもも強力に各方面に働きかけていきたいと考えております。
○野別隆俊君 次に、大蔵省にお尋ねをいたします。 地価高騰の最大要因は、先ほど申し上げましたように金融機関の見境ない土地融資、見境ないというのは言い過ぎかもしれませんが、最近銀行の方からあおっているような状態も出ているわけです。これはもうあちこちでその事実を聞くわけでありまして、土地を買いなさい買いなさい、金は何ぼでも貸しましょう、もう保証人も非常に軽くできるような状態で貸し付けがなされてきた感が非常に多くあります。そのような状態で、大蔵省もかなり金融引き締めの指導がなされてきたとは言われておりますが、現にまだ不動産業界の融資残高は四十七兆円もあると言われています。こういう状態でありますが、今大都市においては一時横ばい状態に来ているようでありますけれども、地方都市にまだこういった資金が流れて地方の価格をあおっている、こういう状態も出ているわけであります。大蔵省のその後の指導、今日までどのような指導をやってきたか、そして今後どのょうな指導をやっていくのか、はっきり抑えることができるのか、これを明らかにしてもらいたいと思います。
○説明員(大久保良夫君) お答え申し上げます。 お尋ねの、土地関連融資規制につきましてどのような指導を行ってまいったか、また今後どのように指導していくのかという点でございます。 金融機関の土地関連融資につきましては、かねてより通達の発出、特別ヒアリングの実施等を通じまして、投機的土地取引等に係る融資を厳に排除するということを指導してきたところでございまして、その趣旨は各金融機関に着実に浸透してきているものと考えておりますが、金融機関の土地関連融資の伸び自体は、土地取引等に関連した根強い資金需要を反映いたしまして概して総貸し出しの伸びを上回っております。また、御指摘のありましたように、最近の地価動向を見ますと地価上昇の地方への波及傾向が一段と強まっておりまして、当局としては、地価問題の重要性にかんがみて、金融面からも従来からの措置に加えましてさらに一歩踏み込んだ措置を講じる必要があるということを判断いたしまして、土地の関連融資の抑制につきまして本年三月通達を発出したところでございます。 この通達でございますが、金融機関の土地関連融資につきましては、最近の地価動向にかんがみまして金融機関の融資全体に対して均衡のとれた水準にすることが望ましいという基本的な考え方を示しますとともに、当面、不動産業向けの貸し出しにつきましては、その増勢を総貸し出しの増勢以下に抑制するというように金融機関に対して求めることといたしております。 今回のこの量的規制の効果につきましては、三月に通達を出しましたので四―六月期以降に顕現化してくるということでございます。八月に集計されるということになりますが、当局としては以上のような指導の効果を非常に注意深く見守っているところでございまして、今後とも地価動向を初め金融機関の融資動向、金融情勢等を踏まえまして適時適切に対処してまいりたい、こう考えております。
○野別隆俊君 まだ質問の数が多うございますから、ここでは要望にしておきますが、金融引き締めが今日土地価格を抑える非常に大きなかぎになっている、このように我々は判断いたしておりますので、金融面でそういった土地投機に走るようなことのないような状態にするように徹底した指導強化をさらにしていただくように、これは要望しておきたいと思います。 次に、大都市法に規定されています建設大臣が策定する今後十年間の三大都市圏の住宅供給目標の量については、もう前からよく聞いておりますように、東京圏では二万九千ヘクタールを何としても確保しよう、そして四百三十万戸、うち新規に供給ができるものは二百三十万戸だと。さらにそのうち百万戸は子供を持つ中堅勤労者の住宅をつくっていこう。これは海部さんを初め建設大臣の方針でもあります。また近畿圏では一万三千ヘクタール、百九十万戸。名古屋圏では九千ヘクタール、九十万戸という答弁をいただいてきたのでありますが、これらについて種別にどういう形で、例えば公共でどれぐらいか、公団でどうか、公庫でどうかと、こういった数字をやっぱり明らかにしていく必要があるのじゃないか。 今までの過去の実績を見てみますと、思うような実績が上がっていないのです。特に公共住宅などは、十年前に六万戸台の建設をしておりますが、今日では四万二千戸に下がっている。予算はわずか一%か二%伸びているだけです。土地は二〇%も三〇%も、もう四年間では三倍にもはね上がっているわけですから、当然予算もそれに伴うものでなければできないはずであります。ところが現実には、この七、八年の間に六万戸のものが四万二千戸台に落ちているんです。ですから、やっぱりそれぞれの割り振りを明確にしていくべきではないか。しかも、その建てるものは賃貸住宅を何ぼ、個別住宅を幾ら、マンション的なものをどうする、こういったものをやっぱり明らかにすることが大事ではないか、このように考えておるわけでありますが、この点についての御見解を明らかにしていただぎたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 今回の大都市法の体系をごらんいただきますと、都府県の境界を越えまして広域大都市圏を一体として国と公共団体が調整をし協議をし、共通の住宅宅地の供給目標を定めるということで、それをさらに都府県の供給計画に落として、そしてさらにその重点地域と申しましょうか、具体的にどの地域で住宅宅地を大量供給する。そのために融資でありますとか補助金でありますとか、都市計画の制度、建築基準法上の制度、いろんなことを駆使してそこに重点的に宅地と住宅を供給しようと。その地域を都市計画の方で住宅市街地の開発整備保全の方針の中で決めていただく、こういう一連の流れになっておるわけでございます。 その際に、当然のことながら一般勤労者のための住宅というものにシフトするといいましょうかウエートを高めるといいましょうか、そういう形でやることについて国と公共団体とがよく話をし、そういうことができる地域を重点地域として指定をしていく、こういう体系になっているわけでございます。 そして、今先生が御指摘いただきましたように、これをフォローする意味で別途住宅建設計画法というのがございまして、四十年代以来ずっと五カ年ごとは五カ年計画をつくっておりますが、この体系はそれぞれの大都市地域の将来を見通しまして、それぞれ長期にわたる見通しのもとに近五カ年の間にどのくらい公営住宅を建設する、あるいは公団住宅を建設する、公庫住宅に対する融資をするというものを五カ年の事業の量を目標として決めまして、そして各主体にノルマを課して仕事をしていく、こういう体系になっているわけでございます。 したがいまして、今回の今申しました大都市法の体系の中で四百三十万戸、最終的には一般勤労者のために百万戸新規供給をしたい、こういう首都圏についての構想があるとしますと、これは具体的にはそれぞれ大都市法の中で即地的な先ほど言いました都市計画の中に取り込まれる際にも配慮されるべきでございますし、別途五カ年計画の中で十分にそれを担保するだけの事業量を決めていく、こういうことに相なろうかと思います。 したがいまして、その五カ年計画の中で、今先生言われましたように、東京圏について公共的な主体がどれだけの建設をするということを決めてこれを具体的に実施をしていく。そのときに、大都市法の体系が国、公共団体の同一の責務、あるいは各事業を実施するときの共通の方針として働く、こういうことに相なりまして、したがいまして、五カ年計画をつくってフォローするという体系の中で先生言われましたことを実行していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○野別隆俊君 私は、特にここで心配するのは、過去の実績も明確になっていないような状態でございますから、わかっておれば過去十年間の供給された量ほどの程度あったのか、これをまずお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 今申しましたように、公営住宅、公団住宅、住宅金融公庫融資住宅、これにつきましては各年度ごとにどれだけの実績が上がったかということはきちっと押さえております。ただ、今先生御指摘の三大都市圏におきましてどうかということになりますと、今お話に出ました四百三十万戸に相当するのは民間も含めた全体の量でございますので、そういうもので見てまいります場合には、現在の統計からまいりますと着工統計しかございません。 したがいまして、公的資金住宅は今言いましたように各事業主体ごとに押さえた統計を各地域にばらして集計すれば確実な数字があるわけでございますが、民間住宅を込めたものは着工統計しかございませんので、それでお答え申し上げますと、三大都市圏で昭和五十五年度から平成元年度までの十年間の住宅着工戸数は約七百九十一万戸でございます。このうち、一般勤労者向けというのを把握するのは民間住宅を入れた場合には極めて困難でございますが、公的資金というのはそれぞれ目的があって事業をやっているわけでございますので、公的資金を利用した住宅の着工戸数を見ますと、公営住宅はそのうち約二十三万戸、住宅金融公庫融資住宅、これは持ち家、分譲、貸し家があるわけでございますが、全部込めまして約二百三万戸、公団建設住宅、これは賃貸と分譲ございますが、全部込みで十八万戸、その他の公的資金が十三万戸でございまして、公的資金住宅は合計二百五十七万戸、それから純民間資金によります住宅が約五百三十四万戸ということでございまして、合計で約七百九十一万戸という実績になっております。
○野別隆俊君 その中で勤労者向けの住宅はどのくらいできているかはわからないのかどうか。
○政府委員(伊藤茂史君) 今ちょっと答弁が不十分だったと思いますが、民間資金を含めて一般勤労者向けということになりますと、例えば親からもらっていました住宅を建てかえるというようなものもございますので、なかなかそういう民間住宅について、あるいは賃貸住宅を民間が供給して一般勤労者が入っているかどうかというような把握もございませんものですから、一般勤労者向けと考えられます公的資金住宅、つまり公営、公団は完全にそういう意味ではおっしゃるような意味だと思いますし、金融公庫もそういう一般大衆のための、民間では融資できないものに対する融資と、こうなっておりますから、そういう施策的なものが全部ほとんど一般勤労者向けだと、こういうふうに解しますと、今言いましたように二百五十七万戸は確実に一般勤労者向けに向かっている。それ以外の純民間資金の五百三十四万戸の中には今申しましたいろんなものが入っておりますので、この中は仕分けはできないということでございます。
○野別隆俊君 次に、なかなかはっきりした数字がつかめないようでありますが、特に今度総理大臣や建設大臣が明らかにされたのは、今後十年間で東京圏域に百万戸を供給する、こういう構想を発表されたわけです。その横想がまた明確にならないような状態になる心配があるわけでありまして、今後この構想を達成するにはさっき申し上げましたようなやっぱりぴしやっとした計画がなければ、後でまた我々が非常に心配するような状態になるのではないか、こういうことが懸念されるので聞いているわけでありますが、この構想については自信を持っておやりになれるかどうか、もう一回これをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 先ほど御説明申し上げましたように、今回の大都市法の体系の中では最終的には重点地域を即地的に決めていく、都市計画でお願いするというところまでまいりまして、全体の戸数とそういった重点的に供給する地域とをキーポイントにしまして、国と公共団体が同一の考えのもとにいろんな施策を駆使する。これは予算的なものもございますし、それから制度的なものもあるわけでございますが、そういうものを駆使して一般勤労者向けの住宅供給に重点的に志向していこう、こういう考え方でございます。 それで、その中で今先生がおっしゃいましたように、それでは百万戸を担保するための公営住宅、公団住宅、公的資金住宅その他の民間に対しますいろんな施策の住宅につきましてどういうふうに割り振りをするのか、それから地域別にどういうふうに割り振りをするのか、こういうお話だと思いますが、これにつきましては、先ほど申しましたように具体的に予算の裏打ちをしなければならない住宅建設五カ年計画の中で、国全体の計画を決め、地方計画を決め、都道府県計画を決めるわけでございますが、その際に今回の大都市法で決めます計画体系と調和のとれたものでなきゃならない、こういうふうに法律に書いてございますので、これは同様に両方とも百万戸構想を裏打ちする形で決めなきゃならない、こういうことになろうかと思います。 そうして具体的には、五カ年計画の中で事業主体別に、地方別、都県別にどういうノルマを課すかという中で、百万戸達成のためのノルマを十分計画してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○野別隆俊君 そこで、この計画を進めるためには大変な財源が要るわけでございます。国の方ではこの計画をおろしてこれから進められるわけでありますが、都府県、市町村自治体、公社、公団、民間団体、農住組合等が一体になってこれは推進していかなきゃならぬと思うのでありますが、基本は何といっても財政対策、財源であります。 今までのような状態でこの法律のもとに計画を示して、今後東京都では百万戸は別に推進をされるわけでありますが、そのほか全国的にもそうでありますが、これは今までどおりで補助を出す、そしてこの地域を決めるわけですからある圏域の中でつくらなければならない。そうなると、その関係の市町村の財政というのは相当大きな財源が要ることになります。そういう場合に、国がこういう計画を持ってきても市町村がなかなかのめなくなるんじゃないか、こういったことが考えられるんですが、市町村の割り当てについては財政対策も含めてどのような手法でやっていかれるのか、まずこれをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 先生御指摘のとおり、こういう住宅宅地対策を進めるに当たりましては、公共団体の協力、特に財政負担の御協力をいただかなければ目的は達せられないと思います。その際に、私ども、できるだけ国の方できちっとお金を出すと同時に、公共団体の負担もできるだけ軽減されるような方策を考えていきたいと思いますが、先ほど言いましたように、まず住宅建設につきましては五カ年計画で計画を決めまして、これは毎年計画に基づく予算要求をして予算編成上十分のお金を確保していきたい、こういうことでございます。 問題は、これに倍増すお金がインフラと申しましょうか関連公共施設関係に要るわけでございます。特に、今回戦略的に住宅宅地を供給したいと考えております市街化区域内農地あるいは低・未利用地あるいはニュータウンといったようなところでは、そういった関連公共施設の整備のコストというのは非常に大きいものがあるわけでございます。私ども、今回のこの大都市対策の成功不成功の大きなかぎは一つはここにあるだろうと考えております。従来から、通常事業、本来の道路事業とか河川事業をできるだけこういった住宅宅地関連のところに配分をしてほしい、こういうことの努力をいたしておりますが、これを当然やると同時に、これに加えまして別枠で、住宅宅地関連公共施設整備促進事業というのがございますが、これを活用する、あるいは宅地開発事業者によります立てかえ施行制度等を活用するというようなことで、公共団体の負担増をできるだけ軽減しながら関連公共施設の整備を図ってまいりたいと考えております。 今先生がおっしゃいましたのは、もっと大都市地域を全般的に財源調整するような財源措置についてもお触れになったかと思いますが、これは別途土地税制の議論の中で、これはことしの年末になろうかと思いますけれども、年末にかけての税制の検討の中で、私ども、でき得べくんば大都市圏を一体として整備する財源調整のための財源措置というようなことを検討していきたいというふうに考えているところでございます。
○野別隆俊君 財源対策については、今までと同じような例えば半額負担、こういうことになっておるようでありますが、そうしますと、これは住宅だけ市町村はやっているわけじゃありませんから、その他の道路、公園、下水道、各種事業をやっているわけですから、今度そういうものを特別にこういったことによって適地であるがゆえにやらなきゃならぬ、そうなる場合に自治体の財政というのはどうにもならない状態になるのではないか、他の仕事をやめなければできなくなるのじゃないか、こういう心配があるわけであります。 国は今までと同じ負担しかやらないということになれば、これは仕事がそのために倍量になれば、地方の財源がないわけですから、地方の自己財源がなければこの手当てはできないでしょう。起債をやれば、起債は当たり前の利息が取られることになる。これは少なくともやっぱり財源対策としては特殊な手法の財源を出さなければ、今のままでは、せっかくここは適地である、二十キロしか首都圏から離れていない。しかし、その町村としては、どんなに適地で空き地があってもそこの市町村の財政が厳しければやれないではないか。この法律と同時に、私はやっぱりこの中にそういう財政対策をうたわなきゃならぬのではないか、そして財政検討を急ぐべきではないか、このことを申し上げているんですが、そういうことをやらなきゃならぬのではないかということについての御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 今でも住宅宅地関連公共施設整備促進事業というのは、制度的にはあるわけでございます。ただ、地方財政の立場からいいますと、その中身については一般の通常事業と比べて公共団体にとって決して有利なものとはなっていないわけでございます。したがいまして、既存の制度にもまだまだ、私ども前々から自治省の方にお願いをしてございますけれども、改善すべき余地があるということでございます。それを一生懸命やりたいということが一点でございます。 それからもう一点は、先ほどちょっと申しましたように、新しい考えのもとに広域的な公共施設の整備のための、あるいは住宅建設のための財源を別途求めるという措置ができないかということで、これは税制として検討中という意味でございまして、この両方を柱として考えておりますので、この両方を考えた場合に、今の法律の中で措置するという余地はちょっとないというふうに考えているところでございます。
○野別隆俊君 この財源対策については今度の横造協議の中でも指摘がされておりますが、この発表でも、公共事業に優先的に金を使わなきゃならぬ、その金はアメリカ側などからいうと五百兆と言われている。今、四百兆が歩み寄って何か四百五十兆が出そうなような状態にもあるわけでありますが、何かそういう財源対策はできるんじゃないか。 これは建設大臣どうですか、今こそやるべきときではないですか。市町村にもやれる体制をつくる、このことが大事ではないかと思うのでありますが、もう一度、何か政府で企業の負担による税制などを考えたことがあるやに新聞で見たのでありますが、何か特別にそういう制度を別につくるお考えがあるのかどうか、これもお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(福本英三君) 私どもといたしましては、先ほど住宅局長が御答弁されているように、大都市地域における住宅宅地供給の促進を実効あらしめるために、住宅、社会資本整備の財源を充実させるということが非常に重要だと考えておるわけでございます。そういう財源の問題を、今土地税制の見直しがなされておるわけでございますが、そういった土地税制の見直しの枠内で、そういう流れの中で何か考えていくことはできないかというように考えておるわけでございます。 そういうことでございまして、今現在、政府税制調査会において土地税制の見直しがなされておりますので、審議中でございますので、その審議の推移を見ながらその財源の確保を中心とした新たな方策についても検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○野別隆俊君 建設大臣にもう一回この問題について、今の法的な問題、これに見合うような財源対策を考えているのか、それとも構造協議で今示されている公共事業に対する大幅な資金投入をすべきだという、我々が考えていることをアメリカ側が盛んに言っているわけでありますが、そういった状態でありますから、もう少し積極的にそういう面での働きかけをするなりして財源対策を考えるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(綿貫民輔君) 公共事業の拡大につきましては、今たまたまアメリカとの構造協議の中で取り上げられておりますが、建設省では既に六十一年に、国土建設の長期構想という中で二〇〇〇年にあるべき姿ということで、公共事業別にいろいろ目標値も設定して今日まで努力をしておるところでございます。残念ながら、今まで財政再建という国の方針の中で、ややもすれば十分な財源が得られなかったということは大変残念なことでございますが、たまたま今赤字公債脱却というような方向で財政の健全化もできつつある中で、この公共事業拡大の財源的後押しをぜひしていただきたい、私どもも強くこれを要望してまいりたいと考えております。 なお、税制との関連においての財源という問題につきましては、ただいま税制調査会で御協議をいただいております中で、さらに新しい財源が生み出せれば、それを活用していただければさらに結構なことだというふうに考えておるわけでございまして、私どももその方向についても強い希望を今後とも申し上げていきたいと思っております。
○野別隆俊君 この財源問題は、今後この事業を進める上に極めて重要な役割を果たすわけでありまして、机上で計画をするのはできますけれども、現実にさっき申し上げますように自治体がやるわけでございますから、ほとんどやる仕事というのは。そこの時点で、今のように例えば財源のない市町村で適地はあると。財源は今言うように今までどおりですから、一方の一般的な下水道もいっぱい借りている、住宅も借りている。その上に今度計画をされる新たなものをやらなきゃならぬわけですね、この住宅が新たに来た。そうすると、そこは自主財源がないじゃないか。その手当てを何をするかというと起債で金を借りなさいと、こうおっしゃるわけでしょう。起債を借りれば、五年なら五年は起債についてはあるいは置くというようなことにして貸すのでありましょうが、起債を広げても結果的には後で払うのは自治体なんです。だから、今の半額の助成ではやれないのではないか。一定の期間を切っても、これがやれるような状態をつくってやらなければ、仮にあなたがどこかのBならBの市長さんをしている、ところがもう財源いっぱいだと、こういう状態でやれると思いますか。計画は立てたが、場所もあるけれどもやれなかったじゃ困るんじゃないですか。やれないんじゃないですか。どうですか。
○政府委員(伊藤茂史君) 先ほど関公促進費の制度のお話ちょっと申し上げましたが、やはりその地方債の元利償還等を交付税の算定の際に基準財政需要等に算定をするというようなところが今現在の制度のあり方としては目いっぱいのところだろうと思いますので、そういうことをぜひともお願いをしたいというようなことでまいりたいということでございます。
○野別隆俊君 この問題については、私は、今度新たな法律をつくられるわけでありますから、住宅法の中にやはり財政という問題をうたい込むことが必要だと、このように考えておりますから、このことは強く主張をいたしまして次に移りたいと思います。 次は、今大都市圏の勤労者の所得が大体平均七百三十五万、これは去年の実績でございますが、そういうことになっているということでありましは、マンションを買おうとしても八倍もする。高いところは十キロ圏域になりますと十四倍とか十五倍と、こういう状態でありますが、八倍というのは三十キロ圏域程度のところではないかと思います。これを、この前の答弁でも明らかにされているように五倍ぐらいでやろうというような計画のようですが、現在、五倍ということは東京の都内の三、四十キロ圏域にはないのではないかという気がしてならないんです。しかし、五倍にする計画のようでございますけれども、現状はそうですが、過去五年ぐらい前はどうであったのか、これをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 首都圏におきます暦年ベースで民間の不動産経済研究所が毎年発表しておるものの値でございますが、五年間と申しますか、六十年から申し上げますと、六十年が年収が六百三十四万円、マンション価格が二千六百八十三万円で四・二倍、六十一年が年収が六百六十三万円、マンション価格が二千七百五十八万円で四・二倍、六十二年が六百六十万円に対しまして三千五百七十九万円で五・四倍と、ここらあたりまでがマンション価格と収入のバランスが非常によかった時代でございます。その後、六十一年以降の地価の上昇が六十三年にどっとあらわれまして、平均年収が六百八十二万円に対して四千七百五十三万で七・〇倍、平成元年は年収平均七百三十万円に対しまして五千四百十一万円で七・四倍と、こういうふうに相なっておるところでございます。 したがいまして、五十年代の後半から六十年の初めにかけまして非常に収入と住宅価格の安定期が続いておったということでございます。
○野別隆俊君 先般の委員会におきまして、小川理事の質問に対して伊藤住宅局長は、首都圏の平均勤労者の所得に対して五倍程度で供給をしよう、おおむね四千万円ぐらい、家賃にすると十四万円ぐらいが限度になると答弁をされているのでありますが、勤労者の所得の五倍、この当時の論議ですから四千万円ということになると年収八百万、八、五、四十ということで八百万円ということになるのでありますが、八百万ももらうような人はちょっといないわけでありますけれども、どうですか、八百万になるようなことになるのですか、年収が。それとも五倍は三千五百万というふうに、私は大体五倍なら三千五百万前後ということになるんじゃないかと思うんですが、その辺についてはどうなんですか。
○政府委員(伊藤茂史君) ちょっと説明が不十分で御理解いただけなかったかと思いますが、私どもはじきました根拠は暦年の平成二年でございます。平成二年の京浜地区の一般勤労者の平均所得というものを推計をいたしまして、この推計のもとは総務庁の貯蓄動向調査によりますもとの数字に、政府の経済見通しがございますので、それに基づく所得の伸びを推計いたしましてやったものでございますが、これで七百六十五万という数字を得たわけでございます。この七百六十五万という数字をもとに、現在の公庫融資でありますとか民間のローンでありますとか、それから七百六十五万の所得の人がどのくらい貯蓄を持ち得るかというようなことを推計いたしまして計算をいたしますと、自分の貯蓄とそれから公庫からの借り入れあるいは住宅取得促進税制の効果等々を勘案しましてはじきますと、三千九百十九万円というのが資金調達可能量、お金を用意できる限度ということになったわけでございます。その際のローンの負担は収入に対しまして二五%ということで計算をしております。そうしますと、先ほど言いました所得七百六十五万円に対しましてこの三千九百十九万円というのは五・一二倍と、こういう計算になったものですから約五倍、こう申し上げてきたと、こういうことでございます。 したがいまして、先生おっしゃいましたように、所得が幾らかというところで決まります。六百万円なのか七百万円なのか八百万円なのかということと、それからローンの負担について二五%なのか二〇%なのか三〇%なのかというところでまた非常に違います。それから金利の状況でも違うということでございまして、私どもは今言ったようなことを設定して約四千万円、約五倍と、こう申し上げた次第でございます。
○野別隆俊君 七百六十五万。どうですか、公務員で七百六十五万というのはどの程度の人がもらっていますか。 私も公務員をした経験がございますが、七百六十五万円、これは中堅サラリーマンで普通の――大企業あたりの人ではこういう人はいるかもしれませんが、年間一億ももらう人も二百万しかもらわぬ人も計算の中に入っているのかもしれません。こういう計算が成り立っているのがあれですが、どうですか、公務員ではどの程度のところでございますか。
○政府委員(伊藤茂史君) ちょっと公務員が幾らかというのはちょっと私専門でございませんのでよくわかりませんが、貯蓄動向調査によりますと、六十三年が六百二十一万、平成元年が六百五十二万でございまして、京浜地区につきましては平成元年が七百三十万と既に七百万を超えております。同時期に九州地区で見ますと六百万ぐらい、六百十七万でございますので、地域差も相当あるというふうに思います。京浜地区は御案内のとおり一番地方的には高い。この統計自体は非常にポピュラーな統計でございまして、これに基づいていろんな施策をつくっているというのが現状でございます。
○野別隆俊君 私はきのう実は公務員の三十五歳から四十歳ぐらいの人に聞いたんですが、四十歳といえばもう中堅も中堅、この人たちは子供二人、もうかなり大きい人になっているんですよ。その人が五百二、三十万ですよ。こういう人たちがかなり多いんです。だから私は、これは平均賃金で五年分、こういうふうに言われておりますから、少なくともこれを上げるんじゃなくて土地を下げる、さっきも申し上げましたように三年前の価格に土地を引き下げればこれは必ず実現できるわけです。やっぱりそういう意欲を持って当たってもらわなければ、現実には勤労者の大部分は五年分ではこういう家に住めないんです。五年分の所得を全部吐き出したって住めないんです。そのことをひとつ銘記しておいていただきたいと思います。とにかく土地を下げる、こういうことによって住宅の価格が下がるんじゃないか。 それから、この十年間に四百三十万戸建設されるわけでありますが、これだけ国が一生懸命唱えて、国会でも論議をしてきたわけでありますから、公営住宅を思い切ってつくる必要があるのではないか。公的資金による住宅は、さっきも申しましたが、四百三十万戸の中にどのくらいの比率になりますか。この前の答弁では、何か三割ぐらいは公営住宅でやるという御答弁のようでございましたが、今後、公的資金による住宅建設、これにどのように取り組んでいかれるのか。 それからまた、同時に、国有地を初め公共用地をもう少し積極的に住宅に供給していくべきではないか。もうほとんど九〇%以上が民間に依存している。当然民間に依存せざるを得ない状態でありますが、公有地はかなり残っています。私の生まれた宮崎でもそうでありますが、町の中に牧場がある。宮崎大学の牧場がございます。牛はほとんどいません。遊ばしてあります。草が生えています。大学は二十キロぐらいのところに移転をして、これは農村に移転をしていますから、農地もたくさん残っているんです。値上がりを待っているのじゃ困るわけでありまして、少なくともこれを、全部とは私は言いませんが、これは一つの例で申し上げますけれども、大都市でもこれが相当あるのではないか。どのくらいの土地が東京二十三区にあるのか、ちょっとお答え願いたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 三点ほどあったと思いますが、まず前の二点をお答え申し上げます。 まず、四百三十万戸の目標をこれから決めると。これはもちろん国と公共団体と話し合いをしまして、最終的に協議をした結果として決まるものでございますが、決まったとして、その中で公共的な住宅がどのくらい含まれるのか、こういうお話でございます。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、具体的には、この十年間の目標を調和のとれた形で次期五カ年計画それからその次の五カ年計画を決めていかなきゃならぬわけですが、その中で公共住宅についてそれを担保するための事業量というものを計画目標として決めることに相なるわけでございます。しかも、具体的にどの地域で住宅プロジェクトが実施されるか、あるいはそのときの事業主体ほどうなるかというのは時々刻々その具体的な事業の運用が進みませんとこれはわかりませんので、今そういうことを十年間にわたってきちっと決めていくということはこれは至難のわざでございます。私どもはそういう五カ年計画の中でノルマを課して百万戸達成するための事業目標を決定したいと考えております。 ただ、今現在の公共賃貸住宅の供給量等々を勘案して、若干それに努力義務を課すというようなことで上乗せをしたような考えでまいりますと、この前申しましたのは三割弱ぐらいにはなるかなということで申し上げたことがございます。したがいまして、百万戸の中にはその三割ぐらいは公共的な住宅でできるだけやっていきたいということになろうかと思っております。 それから、二点目の国有地に対します取り組みでございますが、私ども、先生の御指摘どおり、できるだけこういう国有地とか公有地につきましては、価格の折り合い等々がつき住宅立地上非常に適地であるならば、住宅プロジェクトとして土地を活用したいというふうに考えております。現に、政府で決めております総合土地対策要綱あるいは昨年十二月の土地対策関係閣僚会議の「今後の土地対策の重点実施方針」におきましても、住宅建設適地については公共的住宅プロジェクトの用地に活用するということに配慮すべきというふうにされておりますので、私どもはこの閣議の決定方針に沿いまして、国公有地が公共住宅プロジェクトに活用できるように積極的に個別個別にアタックしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、現時点でどのくらい東京圏にあるかというお話につきましては、私ども所管でございませんので完全には把握しておりませんが、量的には非常に小さいものでございます。ただ、民間の土地に、市街化区域内農地あるいは低・未利用地にこれを住宅地として大いに利用しようということでございますので、国公有地については率先をして活用したいというのが私どもの気持ちでございます。現在、既に国有地を使ったプロジェクトとしては、新宿百人町の建築研究所跡地で郡や区が取得をしておりまして、これが二・一ヘクタールだとか、横浜市の山元町の公務員住宅跡地の〇・四ヘクタールであるとか等々、幾つか既に非常に近いところで公共住宅の土地として活用しているものがあるということでございます。
○野別隆俊君 国有地と同時に公有地、これは国鉄の土地、今はJRになっていますが、元国鉄用地というのも相当残っておるのではないか。一部は民間に売られておりますが、こういったものは今のところ凍結状態にありますけれども、一番交通の便がよくてやれるのは、駅の付近に持っているわけですから、そして鉄道沿線に持っているわけでございますから、こういった公有地、今のJRの土地なども含めて、これについてどういうふうにお考えになっているか。
○政府委員(伊藤茂史君) 再度申し上げますと、公共住宅プロジェクト用地として積極的に取り組んでまいりたいということでございます。
○野別隆俊君 これから大変な戸数を建てていくわけでありますから大変でありますが、公営住宅と公団住宅、いずれも毎年毎年この十年間減りっ放しでありますが、これはどういうわけでこういうふうに減っているのか。今まではいざ知らず、こういったここ三、四年の間、積極的にやれやれと言いながら、国や公団の住宅は減っている。住宅金融公庫は個人が建てるやつでございますから、ふえるのは当たり前の話、これは努力をして努力をして皆建てているわけでございますが、その他公的資金によるものも依然として余りふえていないんです、個人のもの以外に。なぜこれだけ住宅問題が騒がれているのに、五十五年に六万一千九百九十四戸を一年間に建てた公営住宅が毎年ずっと減りまして五万台に減って、昨年は五万一千九百四十七戸です。一万戸以上も減っているんです。さらにこの公団住宅は、八万三千二十九戸を五十五年に建てているのが一万六千七百七十五戸という、まさに何分の一ですよ。これでは、やれやれという意気込みはあっても実際やってないじゃないか。今後これをどういうふうにされるのか。 私は、さっきも申し上げましたが、少なくとも公営住宅については一戸建てじゃなくて賃貸住宅を大幅につくっていくべきじゃないか、そして低所得者にこたえていくべきではないか、このように考えるわけでありますが、この減った理由、今後どうやっていくのか、この点についてお伺いをいたします。
○政府委員(伊藤茂史君) 先生の御指摘は、過去をずっとさかのぼりまして、非常に必要量も高く事業量の多かった時期と現在とを比較されたわけでございますが、私どもは毎五年、先ほど来何回も申し上げておりますように、五カ年計画をつくっております。五カ年計画というのは、長期の見通しのもとに五カ年間にどれだけの公共住宅をつくるべきであるかという目標量を決めて、これをノルマを課して仕事をしているわけでございます。したがいまして、比較すべきは、五カ年計画の目標値に対してどれだけその事業量が減ってきているか、あるいはそれをオーバーしているかというふうに見るべきではないかと思います。 そういう目で見てまいりますと、現行の第五次五カ年計画は、公営住宅、まあ改良住宅はちょっと除きまして、五カ年間で二十二万五千ということでございますので、五万一千戸ずつ毎年建てればよろしいわけでございます。予算上は五万一千戸を超える五万二千戸という予算を毎年計上してきているわけでございまして、公団住宅につきましても十三万戸という計画でございます。したがいまして、二万五千ちょっとというぐらいになりますが、そのくらいの戸数を毎年建てればいいということになるわけでございます。したがいまして、これも毎年予算上はその戸数分をいただいてきたわけでございます。したがいまして、予算の制約はない、予算が少ないからできなかったということではないということでございます。 最大の理由は、公営住宅の事業主体でございます地方公共団体、公団の事業主体でございます住宅・都市整備公団が、その住宅を建てます用地がなかなか買えないということでございます。遊休地もあるではないかというお話でございますが、遊休地は非常に遠隔地のものが若干残っておりまして、これは大規模な公共施設でありますとか、都市計画の手続とかがいろいろ要るというようなことで残ったものでございまして、すぐ使える土地、すぐ建てられる土地というのが非常に買えないということでございます。こういうことで、用地取得難が非常に昔に比べますと大変なことになっておるというのが第一点でございます。 それから第二点目は、公営住宅のこの計画の中には、古い公営住宅の建てかえというもののウエートがだんだんとふえてきておるわけでございます。これはやはりお住みになっている方々との話し合いが成り立って、それから事業に着手するというようなことで、非常に時間と人手のかかる仕事でございますが、そういうことで、住民との話し合いを長年にわたって続ける努力が実って建てかえられればよろしいんでございますけれども、これがおくれてくるというようなことがある。これは公営や公団にもあるわけでございます。 それから三点目は、先ほど先生が御指摘になりましたように、公共団体にとってみて非常にその周辺の公共施設の整備その他を含めて負担が大きいというようなことで、公共団体との関係でなかなかうまくいかないというような問題もございます。これは公共団体がどういう人口政策をとるかとか、あるいは学校とか病院とか保健所とか、そういったほかの施設にまで及ぶような大きな問題でございますが、そういう問題もあります。しかし、この大規模な公共施設の問題は、過去大都市に人口が急激に集中した時期と今と比べますと、相当問題は小さくなってきております。したがいまして、今時点では、一応大きいのはやはり用地を取得する能力がなかなか発揮できないということと、地主さんの了解がなかなかとれない、こういうことにあろうかと思います。
○野別隆俊君 次に移ります。 地価の上昇が住宅価格や家賃に影響しているわけでありまして、そういう面からいけば、都市計画区域内の農地、こういったものを特に協力をいただいて住宅建設をやっていく。これはやっぱり農家の場合は土地は金で買うわけじゃありませんから、そこに市が借りるなり、自治体なりそういうところが借りてでも建てられるわけです。そういった計画が進められているわけでありますが、この数年間の状態は、農家の住宅意欲というものが高まるという形で皆さん計画されたんですが、実際どうだったのか、この数年間の経過を見てどう反省されているか、お伺いをしたい。
○政府委員(伊藤茂史君) 一般的に農地所有者の意向を調査してどうかということはちょっと私どものところではわかりませんが、私どもでは農住事業というのをやっております。つまり、農協からお金を借りまして農家の方が自分の水田をつぶして賃貸住宅を建てる場合に国が利子補給をするという制度がございますが、この仕事をやっている限りにおきましては、賃貸住宅を建てて資産を保全をしながら収入を得ていこうという意欲は非常に強うございまして、現在は予算では約四千戸、実績は三千戸ぐらいと思いますが、だんだんと、例えば六十年度が千五百八十五戸、六十一年が千六百五十戸、それから六十二年が千五百九十戸、六十三年が千七百八十戸ということで次第にふえてきておりまして、これが一千戸を切っていろいろと御批判をいただいた時期もあるわけでございますが、最近はこういう形で堅実にふえているところを見ますと、やはり先ほど申しましたような意向はあるものというふうに私ども踏んでおります。
○野別隆俊君 この農住組合の設立状況はどうか、お聞かせ願いたい。
○政府委員(藤原良一君) 農住組合は、五十六年に農住組合法の施行以来この制度の活用に努めているわけですが、現在までに十四地区において組合が設立されておりまして、なお三地区が準備中でございます。そのほか、各地で最近設立の検討が進められている状況でございます。
○野別隆俊君 特に三大圏域には農住組合が設立されてそういった住宅推進を図っているところでありますが、この農住組合制度は、各県のそういった中核都市、こういうところまで広げる考えはないか、広げるべきではないかと思いますが、この辺についてお伺いいたします。
○政府委員(藤原良一君) この制度は、先生御承知のとおり、当面、営農の継続を図りながら農地の宅地転換を進めるという制度でございまして、道路、公園等の基盤整備の整った良好な住宅宅地の供給を図る上で非常に有効だと考えております。 この制度は、御指摘ございましたように現在三大都市圏が適用対象地域になってございますが、平成三年五月で組合設立認可申請の期限が参りますので、その際に法律改正をお願いしたいと思っております。その際、現在制度上我々いろいろ問題意識も持っておりますので、そういう意識の中の一つの課題としてそういう地域の拡大も考えておるところでございます。 〔委員長退席、事小川仁一君着席〕
○野別隆俊君 次に、建設関係に移りたいと思いますが、大工等の熟練工の不足問題、供給基本方針に定められた住宅宅地の供給目標を達成するためにさまざまな施策を総合的に実施をする必要がありますが、事業を遂行する上で幾つかの懸念材料がございます。その一つは、建設労働者、特に大工等の熟練工の不足であります。 先般、ミサワホームの総合研究所が取りまとめたリポートを見てみますと、大工の高齢化が非常に進んでいる。そのためにそういった技術者が減っている。このままいきますと、二〇〇〇年には住宅不足はどんどん重なりまして、約二百万戸ぐらいずっと積み残しになっていくんじゃないか、こういうことまで警告をされているわけであります。供給基本方針を達成するために非常な支障になるんじゃないか、こういうことを考えるわけでありますが、建設省では大工等建設熟練工の長期的な需給についてどのような見通しを持っておられるのか、お伺いします。
○政府委員(伊藤茂史君) 先生御指摘のとおり、住宅建設を進める上で今後の労働力の問題というのは非常に大きいと私どもも思っております。そのためには、一つには給与水準の向上でございますとか、それから労働災害の防止等の労働条件の改善とかといった労働環境そのものをよくしていく、他産業に負けないぐらいよくしていくというような問題が一つあろうかと思います。 そのために、建設省としましては何ができるかということでございますけれども、私どもは技術開発によってできるだけ必要な労働力数を減らす施策といいましょうか、そういうことがまず一点大事だろうと思うわけでございます。現在の技術開発の状況と申しましょうか、労働生産性の面から必要な技術開発ということを考えてまいりますと、一つは中高層住宅的なものの生産性が非常に停滞をいたしておるわけでございます。したがいまして、こういった面での生産供給高度化のための技術開発、あるいはセンチュリーハウジングシステムと私ども言っておりますが、百年もつような住宅という意味でございますけれども、いろんな設備面の取りかえは自由にできまして、躯体部分はぎちっと将来の生活様式にも合って百年もつようにしようというような開発プロジェクト、これはもう既に開発済みで現在普及段階に入っておりますが、そういった中高層住宅関係の技術開発ということが非常に大きな点でございます。 それからもう一点は、何といっても木造住宅、在来工法を中心とします国民に根強い需要のあります木造住宅関係でございますが、この点では個個の住宅産業の努力によりまして非常に技術開発が進んだ分野と取り残された分野の生産性の格差が非常に続いております。したがいまして、できるだけ生産性向上を果たすような技術開発の中身についてはオープンシステムにする、だれもが使えるようにする、こういうことでオープンの技術開発を進めたいということがございます。それから、海外の例えばツーバイフォーの工法といったようなものもますますこれから普及していかなきゃならぬだろうというふうに考えているわけでございます。 それと同時に、一方で労働条件の改善というものがこれが直接的に非常に効くわけでございます。 〔理事小川仁一君退席、委員長着席〕 そのために、私どもは労働省等関係の機関に技能者の養成とか研修とかといったような問題に大いに力を入れていただきたいということで要請をすると同時に、私どもとしましても技能労働者が生涯どういうような給与水準でどういうふうになったらよろしいかというような生涯のガイドラインと申しましょうか、将来に不安があってはなかなか職業につけぬわけでございまして、そういったガイドラインの策定でありますとか、どういうふうに職場環境を変えればよろしいかといったような職場環境改善のガイドラインとか、そういったものもいろいろ勉強して、そういった労働条件の改善にも私ども手を出していきたいというふうに考えているところでございます。
○野別隆俊君 労働省にお尋ねをいたしますが、雇用促進事業団や各都道府県で職業訓練校や技能開発センターなどが設置されておりまして職業訓練を行っておりますが、最近、技能訓練所等も含めましてかなり各県でも数年前まで統廃合がなされてきているわけです。そのために技術者が少なくなっているという状態もあるわけでありますが、現在の職業訓練所の設置状況等はどうなっているのかお伺いいたします。
○説明員(廣瀬正君) お答え申し上げます。 公共職業訓練施設は、先生ただいま御案内のように、県立の職業訓練校、これが二百七十ございます。それから雇用促進事業団立の技能開発センター、これが六十七校ございます。それで、建設技能労働者を養成するためにはこれらの公共訓練施設におきまして、平成元年度の建設業関連職種の訓練の受講定員でございますが、これは三万一千七百五十名となっております。これは全受講定員の約四割が建設関連の職種である、こういうことに相なっております。
○野別隆俊君 これらの訓練所における技能関係の養成人員は今わかりましたが、今三万一千七百五十名ということでありますが、これはもう一回聞きますが、これは技能者はいろいろ学校の場合あると思いますが、三万一千七百五十名の中で建設関係の人たちがこれだけかどうか、お伺いします。
○説明員(廣瀬正君) それぞれ訓練施設におきまして訓練科目がございますが、この訓練科目が建設業関連の訓練料目ということでとらえております。
○野別隆俊君 そこでお尋ねしますが、建設省、今の建設関係に携わっている労働者は五百六十万人とも聞いているわけでありますが、五百六十万から五百七十万。一年間に建設関係に入ってくる労働者はこの前の答弁でしたか四万人前後のようなことを聞いたのでありますが、もう一回はっきりした数字をお示し願いたいと思います。
○政府委員(望月薫雄君) 平成元年度の平均ならしで見たときに、建設業に従事している者は五百八十万人と私ども承知いたしております。過去五年前と比較して大体五十万人くらい増加いたしておりますが、今先生お尋ねのいわゆる新規学卒者といいましょうか、若者で高校卒、大学卒で入ってくる者は学卒者の大体四%台五万人弱、こんなところが最近の傾向でございます。
○野別隆俊君 五百八十万人に対して五万人ということは百分の一の供給しかないわけでありますが、最近は外人なども相当入っているように伺うわけでありますが、どうですか、これで技能者は十分あるのでございますか。さっき私が申し上げましたように、ミサワホームなどの研究の結果では、このままでいけば二〇〇〇年には二百万戸ぐらいずっと積み残しがくる、中には家を一軒建てるのに二年間ぐらいまたがる場合がある、こう書いてある。一軒に行きましてそれが終わるまでやっていると次は仕事が受けられないのでございまして、一人で三軒も四軒も一遍に受けるわけです。そうなると、ずるずるやられて一年半から二年もかかる、こういう状態になっているんですが、どうですか、建設の技能労働者はどのくらい不足しているのかお尋ねします。
○政府委員(望月薫雄君) お話しのように、最近の建築関係の投資の急速な拡大あるいは特にそれは地域的に集中している、こういったこと等と相まちまして、いわゆる技能工の不足現象というのはかなり際立ってあらわれています。ことし三月の私どもの調べたところでは、言うなれば鉄筋工、型枠工あるいはとび工、左官、こういった主要職種については不足率が三・四%という数字が出ています。この不足率というのは、現在働いている就業者数プラス新規に採用したかったけれどもとれなかった人、これを分母にいたしまして、そのとれなかった人を分子にしたものでございますが、これは三・四%、ちょうど一年前の昨年の三月にはこれは二・五%でございましたので、一%ポイントくらい上がっているということは、かなりやっぱり建築系統を中心に深刻の度を深めている、こういうふうに分析いたしています。 今おっしゃったようなミサワホームの報告書というものも私ども接しておりますが、やはりそういった傾向を特に住宅系について際立って整理し報告したもの、こう理解いたしておりまして、事態は決して楽観はしておりません。
○野別隆俊君 建設業がこれだけ日本の大きな公共事業をやっているわけでありますが、最近若年労働者がなかなか入らない。特に高校、大学になりますと、もう本当に入ってくるのは少ない。まあ高校はある程度おるようでございますが、大学生は非常に少なくなってきている。このままいくと大変な状況に入るわけでありますが、建設業界に対する六Kと申しまして、建設業界は危険である、汚い、きつい、給料が安い、休日が少ない、格好が悪い――近ごろは格好が非常に物を言うような状態になっているようでございますが、こういったことが挙げられるというような状態で、日本の大事な建設業界がこのままでいいのかどうか。 大臣、建設業界はこのままでいいのか。待遇が悪い、いろいろあると思いますが、こういった面について大臣の感想をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(綿貫民輔君) 今御指摘のように、建設業界の使命はまことに重大でございますけれども、今御指摘の六Kとかいうようなことで若年労働者が余り集まらないとかいろんなことが言われておるわけでございまして、我々も大変このことに着目をいたして、ぜひ魅力ある業界をつくりたいということで、官民一体になりましてただいま構造改善プログラム等を中心にして取り組ませていただいておるところでございます。それぞれの企業においては、女性を入れるとか服装を改善するとかいろんなことをお考えのようでございますが、さらに突っ込んで皆さん方とともにぜひ業界の体質改善と申しましょうか近代化のために取り組んでいきたいと考えています。
○野別隆俊君 建設業界は、常用雇いというのが非常に少のうございます。一つは臨時的な雇用が多いためにこういったことになってくると思いますが、これは事務当局で結構でございますが、こういった労働安全の問題それから賃金の問題、確かに給料は一日一日は高いかもしれませんが、安定的な賃金体系になっていない、こういった面、それから福利厚生の問題、こういった労働条件改善の面は極めて大きい面がございます。この辺についての指導行政、これからどのように指導していかれるのか。ばっちり指導をやらなければますます建設業離れが深まっていくのじゃないかという懸念がされるわけでありますが、この点についてお伺いいたします。
○政府委員(望月薫雄君) 先生の御指摘、全く同様に私ども受けとめておりまして、今後、建設業というものが本当に魅力のある、実力のある産業として伸びていただくためには、何よりも若者から見て一つの夢を感ずるような業態にしなきゃならないということが基本的な課題と受けとめております。 ただ、ここで一つの問題点は、建設業というのは御案内のとおり基本的にはやっぱり受注産業である、こういったところがあります。また、単品生産産業である。こういったことからして、どちらかというと発注のあり方によって左右されるという構造面がございますが、それはそれとして、やっぱり雇用面で若者あるいは働く者がそこに魅力を感ずるような条件が整備されなきゃならぬ。 最近、給与水準等々も着実に上がっておりますが、やはりまだ御指摘のような福利面等々の問題もございます。あるいはまた、労働時間も季節によってでございますが非常に長いとか休日もとれないとか、こういったことなどなどがやはり若者にとって魅力を薄く感じさせるというか、要するに若者離れというようなことも起こっておるわけでございまして、そういった意味ではこの問題はトータルに構えなきゃならない。言うならば、建設業の構造問題にまでメスを入れなきゃならないということで、端的に言うと元請、下請の関係、これも総合業者と専門工事業者の適切な役割分担という格好の中でしっかりした関係を構築するとか、幅広い問題を抱えております。あるいはイメージアップということを一つ考えた場合でも、イメージを支える実態をどう整理するかということなどなども含めまして、先ほど大臣が御答弁申し上げました構造改善プログラムというのを昨年度から、今現在二年目でございますが、精力的に取り組んでいるわけでございまして、幸いにして業界もともどもに機運も非常に盛り上がっている中でございますので、この時期に非常に強力に推進していきたい、こういった思いでいっぱいでございます。
○野別隆俊君 時間が来たようでございますから、最後に申し上げておきますが、土地問題はひとえに地価問題であります。地価を抑えるということが今日極めて大事であります。そのために今度の新法もできたものと。この法律を十二分に活用して、そして地価抑制、私は地価安定じゃなくて地価抑制、地価引き下げ、さっきも申し上げましたように二年前のような状態にして国民の皆さんの期待はこたえる、本当によくなった、住宅問題は政治の力で解決した、国民の世論が解決させた、こういう状態ができますように心からお願いいたしまして、当局も大変御苦労でありますが、大臣を中心に一体になって頑張っていただきますことを心から皆さんにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○西野康雄君 私は、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を中心に質問をしていきたいと思います。 ただいま議題となっております両法案のうち、大都市住宅促進法案は、三大都市圏を対象に住宅建設の促進を図ろうとする法律案です。一方、都市計画法及び建築基準法の改正案は、全国の都市を対象に建築規制等の緩和を図り、都市における土地の有効利用の促進を図ろうとする法案です。両法案かなり性格を異にしているにもかかわらず、建設省は提案理由の中で、両法案は一対のものと考えております、こう述べておられます。同時成立を求めておられるわけですが、その間の事情をまず御説明ください。
○政府委員(望月薫雄君) この両法案につきまして今までも御発言申し上げさせていただいていますが、まず現下の住宅宅地問題にこたえていくためには、一つ大事なことは、広域的な取り組み体制を確立することである。具体的には、建設大臣が中心になりまして関係都府県と協議協調の上で基本方針をつくり、それを受けて県レベルでも県の一つの行政の課題として県計画をつくっていこう、こういった流れが一本ございます。 それからもう一つは、これを現実に展開していくためにいろいろと今先生おっしゃったような都市計画法あるいは建築基準法におきます制度の抜本的な改善、改正をしたい、こういったことを踏まえているわけでございますが、これはいずれか一方で足りるというものではもともとないわけでございまして、これは両々相まって一体のものとして有機的に機能するというところにこそ現下の土地問題に対する切り口があると私ども確信いたしております。 そういった意味で、計画を広域的につくり進めるという体制と同時に、それを実現するための具体の制度というものをしっかりと動かすようにという、その辺の関係を大都市法の中にも条文として、これは法の三条の六の第三項でございますが、重点地区等においてはそういうものを積極的に使うようにというふうな努力義務規定まで入れさせていただいているわけでございます。そういった意味で、これはぜひ一体のものとして進めさせていただきたい、かように思う次第でございます。
○西野康雄君 都市計画法及び建築基準法の改正案は、政府の総合土地対策の一環として、昨年末、土地対策関係閣僚会議で決定された「今後の土地対策の重点実施方針」に基づいて国会に提案されたものです。この法案は、市街化区域内農地に対する課税の適正化や遊休地に対する課税の強化など、現在政府の税制調査会で検討中の土地税制の総合的見直しと密接な関連があるかと思いますが、この法案と現在検討されている土地税制の改正との関連について御説明願います。
○政府委員(望月薫雄君) 現在御提案申し上げておる法案の中での際立った特徴、ポイントを申し上げさせていただきますと、まずは市街化区域内農地におきます計画的な、俗に言ういわゆるマンション、中高層住宅の供給施策を進めるための地区計画制度の導入、これが一点。それからもう一つは低・未利用地の高度利用、有効利用を促進するための地区計画制度の導入、これでございますが、これらについては、その背景といたしまして、現行のままでの税制ではいろいろと欠けるところがあるというか不十分である、言うならばこれらの制度を本当に有効的確に遂行し、所期の目的でありますいわゆる住宅の計画的大量供給をするということのためには、やはりそういった方向に結びつけるインセンティブを与えるための税のあり方というものが非常に大事になっておる、こういうふうに我々は考えております。 そういった中で、市街化区域内農地のいわゆる長期営農認定制度、あるいはまたいわゆる相続税の軽減措置、あるいはまた低・未利用地に対する現行の保有税制が果たしてそれで十分かといった点は我々もこの法案を提案するからには非常に重要なテーマと認識いたしておりまして、この辺を私どもは政府税調等の場においても御説明申し上げ、今後また実現に向けてしっかりと努力していきたい。そのためにも、今回御提案している制度というものはぜひお認めいただきたい、かように考えている次第でございます。
○西野康雄君 私は土地税制の方が先にあってしかるべきじゃないかと思うんですが、この法案と同じく市街化区域内農地に対する課税の適正化に対応する法案として、今国会に提出が予定されていたものに生産緑地法の改正、これがあったかと思いますが、これが見送られることになりました。その理由を御説明願いたいと思います。また、都市計画法及び建築基準法改正法案のみを今申しましたとおり土地税制の改正に先行して国会に提出して成立を急ぐ理由、これについても御説明願います。
○政府委員(真嶋一男君) お答えいたします。 六十三年に閣議決定されました総合土地対策要綱におきまして、市街化区域内農地のうち保全するものについては市街化調整区域に逆線引きを行うほか、生産緑地制度を見直して生産緑地地区の指定を行うということにされておりまして、建設省におきましてもこの観点から生産緑地地区の指定要件の見直しについて検討を進めてきたところでございます。しかし、この総合土地対策要綱におきましては、生産緑地地区の見直しは宅地化すべき農地に係る各種の税制の見直しの検討と一体的に行うべきであるとされているところでございまして、御承知のとおり、その税制の見直しは現在政府税調で土地税制の総合的な見直しの一環として検討をされているさなかでございまして、その成果を見た上で私どもは生産緑地法の改正ということを堤川すべきであるというふうに判断して今回の提出を見合わせたものでございます。 私ども現在御提案申し上げている制度がなぜ税制改正に先立ってということの理由は、私どもとしては、一つのこういう枠組みを政府税調にお示しすることによってはっきりした土地利用のイメージを浮かび上がらせて、それに対して税制はどう対応していくかということでございまして、これまでにはこういう仕組みはございませんでしたけれども、今回こういうパターンが必要であるというふうに考えたところでございます。
○西野康雄君 次に、改正案の内容について御質問をいたします。 改正案は、市街化区域内農地の宅地化の受け皿としての住宅地高度利用地区計画制度の創設、既成市街地における住宅建設促進のための用途別容積制度の採用、工場跡地等の遊休地の有効利用促進のための遊休土地転換利用促進地区制度の創設が三本柱になっているかと理解しております。 まず、これらの制度による土地の有効利用策の前提となる大都市における土地利用の現状について、国土庁が行った大規模低密度利用地の実態調査等を中心に御報告をお願いしたいと思います。
○政府委員(三木克彦君) 国土庁では、平成元年度に首都圏の既成市街地及び二十キロ以内の圏内にございます二千平方メートル以上の土地につきまして、土地利用の状況、法規制の状況等をもとにいたしました土地利用転換の可能性の検討を行っております。 この調査は、おおむね一時間通勤圏内でまとまった集合住宅の建設可能な土地についての調査でございまして、対象となりました総面積は約十二万ヘクタールございます。調査対象になりました区域につきまして、二千平方メートル以上の適合する要件の土地は約二万三千六百件、面積の合計は一万七千四百ヘクタールでございまして、全区域の一四・五%に当たります。このうち未利用地、農林地など比較的容易に利用可能と思われる土地が約二千六百ヘクタール、工場、倉庫等一部が土地利用転換可能と思われる土地が約三千七百ヘクタール、より高度利用を図ることが望まれる土地、これが約二千ヘクタールございました。 以上のような結果でございます。
○西野康雄君 それだけの土地はあるんですが、実際こんなに宅地化が見込めるのかということが一番大事なポイントかと思いますが、三大都市圏の市街化区域内農地について、総合土地対策要綱において宅地化するものと保全するものとの区分を明確化することを基本とし施策を講ずることになっております。具体的にはどのような方策が講じられてきたのか、またどの程度の宅地化が見込めるのかについて御説明願います。
○政府委員(望月薫雄君) 市街化区域内農地の宅地化の施策としては、いわゆる土地区画整理事業による宅地化の促進、さらにはまた、いわゆるあめ法と言っておりますが、農地所有者による賃貸住宅供給のときの一連の施策、こういったもので宅地化あるいは住宅供給というものを進めているのが一方ございますが、その一方でいわゆる保全すべきものとしては生産緑地制度があることは先生御指摘のとおりでございます。 ただ、その間において、いわゆる農地の宅地並み課税の問題が言うところの長期営農継続認定制度という税制の扱いの中で、現在おおむね三大都市圏でいうと八五%ぐらいの農地がいわゆる長期営農認定制度というものに乗っかってそのままいわば宅地化が進まないのが現状でございます。言いかえれば、こういった広大な農地については、土地所有者の意向によって宅地化もし、あるいは農地のまま保全されるという格好に現在なっているわけでございまして、やはりそもそも市街化区域というのはおおむね十年間をめどとして計画的に市街化を図るべきところという一つの土地利用の方向が決まっているゾーンでございますので、こういったところについては、先ほど来御指摘のように、都市計画の上で明確に位置づけるということが非常に大事であるということを痛感さしていただいておるわけでございます。 そういった意味で、私ども今後この問題を考えていく上においては、やはり保全すべきものというものはしっかりと都市計画の制度に乗っかったシステムとして保全していただく。例えばの話、生産緑地にしっかりと指定する、あるいは場合によっては線引きの見直しということによって俗に言う調整区域への逆線引きというようなもの等々の施策を講ずるのが一点基本になろうと思いますが、片方で宅地化を図るべきところについては宅地化を積極的に進めるための制度、政策の拡充というものがこれまた重要である。そういった観点で私ども今回住宅地高度利用地区計画制度というものも御提案申し上げて、従前、例えば大体半分ぐらいのエリアが一種住専に決まっていますが、十メートル、二、三階以下のものしか建てられなかったところについても、勤労者向けの住宅というものを頭に置きまして中層住宅を供給するようなひとつの特別の制度を導入したいというようなことを考えているというのが基本でございまして、いずれにしましても、今問われているのは都市計画の上でしっかりと位置づけをするということが非常に大事だ、こう考えているわけでございます。
○西野康雄君 過去においてもいろいろと宅地並み課税の問題を出してきましたが、しかしやっぱり圧力に屈してきたというのが現状ではないか。今後ともそういうふうなことが起こるんじゃないか、そんな危惧が心の中でしているわけです。 住宅地高度利用地区計画制度、これは市街化区域内農地で宅地化しようとする地区について中高層住宅の建設が容易になるように、第一種住居専用地域に課せられている高さ十メートルまでという建築規制を二十メートルまでに緩和しようというものですけれども、低層住宅地域とされる第一種住居専用地域内に住宅地高度利用地区を設けて二十メートルまでの中高層住宅の建設を認める必要があるのか、その理由をお伺いいたします。
○政府委員(真嶋一男君) 大都市地域の市街化区域内農地はそのほとんどが第一種住居専用地域に指定されているところでございますけれども、その中で、本来ならば中高層住宅地として高度利用がふさわしいという立地条件のものもかなりございますが、しかし、基盤となります道路等の公共施設が未整備なために第二種住居専用地域に指定することができないで容積率を低く抑えている、高さを抑えているというような地域が存在しております。こういう地域におきまして、一定の限られたエリアに詳細な町づくりの計画、俗に言うマンションを建てられるようなそこを中心とした計画、そして公共施設をあわせて整備するということで都市環境の保全がそこで担保されるという考えに立って、その限られた地区で高さ、容積率等の制限を緩和するという方法があってもいいのではないか、それが土地の有効高度利用を促進しようとする趣旨に合うのではないかということでこの住宅地高度利用地区計画を制度として設けたいというふうに考えておるわけでございます。 この場合、周辺が大体第一種住居専用地域であることが多うございますので、高さを無制限に高くするというものでなくて、六、七階建ての中高層の住宅地を想定しまして、高さの制限は二十メートルまで緩和できるということにしたところでございます。 なお、先生御指摘のように、将来こういう住宅地高度利用地区計画でずっと建ちそろってきて、そしてそこ全体が適切な中高層住宅地という形になりますれば、そこは用途地域を第二種住居専用地域に変更するということもあり得るというふうに考えております。
○西野康雄君 第二種住居専用地域に転換をするということですけれども、中高層住宅の建設が必要であるというならば、当該地区を中高層住宅の建設を認めている第二種住居専用地域だとか住居地域に用途地域の変更を行う方が本筋ではないか、こう思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(真嶋一男君) 先ほど申し上げましたとおり、全体としては一種住専に指定してある。それは、一つには基盤施設、公共施設が不十分であるということからそういうふうになっているところでございますが、スポット的にあるエリアで公共施設を自分たちで整備するとか、そういう御判断で、しかもそこを現在のまま放置すればミニ開発が進むおそれがあるとか、そういうことも十分に容易に予想されるところでございますので、そういう条件を満たすところについてはスポット的にそういうマンションを建てられる地区を考えることが土地の高度利用あるいは土地の環境上、ある望ましい一つの施策ではないかということでこの制度の創設を御提案申し上げた次第であります。
○西野康雄君 住宅地高度利用地区計画制度は、第一種住居専用地域から第二種住居専用地域への移行の中間的な制度である、こう御説明なさっておられます。住宅の高層化など都市の形態が急速に変化している中で、用途地域が長期にわたって固定化されていったという、このことが問題ではないかと思います。用途地域を都市の活動の実態に合わせ、適切に用途地域の変更を実施するよう地方自治体を指導すべきではないだろうかと考えておりますが、どうでしょうか。 また、住宅局長の私的諮問機関である市街地住宅懇談会が報告書の中でこう指摘しております。段階的な用途地域変更制度の導入も検討していくべきだと考える、そういうことですが、この導入を検討していくべきであると考えるが、どういうふうにお考えでしょうか、ちょっとお聞きします。
○政府委員(真嶋一男君) 初めに御質問ございました用途地域の変更のことでございますが、都市計画法上おおむね五年ごとに見直すという仕組みにいたしておりまして、これは多少のおくれはございますけれども、地方公共団体としてはその方向で御尽力をいただいているところでございまして、さらに必要があれば臨時の用途地域の見直し等もこの法律に関しては必要ではないかというふうなことも内部で議論をいたしておるところでございます。
○政府委員(伊藤茂史君) 市街地住宅懇談会にお触れになりましたので若干御説明さしていただきますと、今先生は検討すべきことと考えるというふうに言われましたけれども、実はこの懇談会は題名どおり懇談会でございまして、全員の話が一致しますれば提言的なものになりますけれども、懇談会の中である発想が出たというときには、そういうことが議論されたというようなことで議論された内容を項目的に書いた部分がございまして、その中に段階的用途地域の変更制度というのが書いてあったのでございます。この趣旨は、今先生御指摘のとおりの趣旨そのままでございます。別にこれは説明を要しません。 ただ、現行の都市計画制度との関係で、やはり先ほど来都市局長申しておりますような今回の住宅地高度利用地区計画というようなことで、地区計画としてそういう社会情勢の変化に応じて用途地域を変えていくということの方が制度的になじむということで、今回この趣旨はその中に十分生きているというふうに住宅局長の懇談会としては考えておるのではないかと思っております。
○西野康雄君 住宅地高度利用地区に指定され、そして二十メートルまでの中高層住宅の建設が可能となりますと、またここで地価が高騰をする、こういうことが明らかじゃないかなと思います。地区指定と同時に監視区域に指定するといった措置が必要ではないかと考えますが、どうでしょうか。
○政府委員(真嶋一男君) 現在のこの住宅地高度利用地区計画制度の運用につきましては、私どもは確かに一種住専から二種住車的なものに変わるという点で地価の高騰を招き、それが当然住宅価格に反映してくるというようなことは避けたいと思っております。 それで、まず典型的に考えておりますのは、農家の方が土地を保有したままその上に住宅を建てていくというやり方でございますれば、これは地価が顕在化しないということの一つの方法であろうということで、それをお手伝いするような方向での政策努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。 なお、今の御提案の監視区域につきましては、そういう方向をもちろん考えてまいりたいと思っております。
○西野康雄君 その監視区域でございますが、もうしり抜けになっている。監視区域を指定しても、もう業者の方は非常にうまく監視区域を逃れる方法というのを見つけております。例えば、大阪ではやっているのが箱売りという、土地代の一部を建築費に上乗せして地価を安くという、こういうふうな形をとっている場合、あるいはリクルートの浦和の駅頭のことでもう御存じかと思いますが、裁判所の即決和解という方法、監視区域でも調停や和解、こういうふうな形で行った場合は届け出をしなくてもよい、こういうふうな即決和解だとか、そういうふうなしり抜けがいっぱいある。今その実情、監視区域のしり抜けだとかそういうふうな実情を把握なさっておられるのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(藤原良一君) 国土利用計画法に基づきます価格審査の対象は、要するに客観的に土地等の代価と認められるものを幅広く含めて審査しておるわけでございます。御指摘のような土地と一体として建築物を譲渡されるような場合には、建築物の代価に土地の代価が転嫁されておるということを防ぐ趣旨から、まず建物の代価を審査いたしまして、この建物評価額を一体として譲渡しようとする価格から差し引きまして、その結果によって土地の価格を判定する、そういう手続をとってございます。 御指摘のとおり、当然のことですが、土地だけが全く利用されずに転売されるというケースから見ますと、そこに付加価値をつけて土地を有効利用する形で譲渡されるということは当然望ましいと思うわけですが、そういう行為の中で、そういう箱売りという言葉を私初めてお聞きしたんですが、そういう半ば土地代価が転嫁されるような感じで届け出の正しい履行を免れるということは防がなけりゃならないということで、公共団体ともよく意見交換をしておるところでございます。 それといま一つ、国土利用計画法においては、司法と行政との調整を図る観点から、民事調停法による調停とか、あるいは民事訴訟法による和解等を届け出義務の適用除外としているところでございますけれども、やはりこれも紛争がないにもかかわらず届り出義務を免れるために即決和解を悪用するという事例も見受けられましたので、国土庁といたしましては、このような悪用を防止するために六十二年の七月に、こういう即決和解が民事調停等の事案処理に必要となる情報を裁判所に対して提供することといたしまして、この情報の活用方について最高裁判所にお願いしまして、最高裁判所から下級裁判所に対してその旨周知されておると承知しております。そういうことで、裁判所と公共団体が情報交換をしながらこういう悪用を防ぐことにしております。
○西野康雄君 法の目というものは幾らでもかいくぐろうと思えばかいくぐれる。金融を、銀行に土地に関しては融資をするなと言っても、法人成りをさせてM&Aの方式で融資をさせてみたりとか、それは何ぼでもあるというふうなことで、本当に法律をつくってもまた次の抜け穴をつくるという、藤原土地局長も頭の痛いところだと思います。 住宅地高度利用地区の指定要件にどのぐらいの広さの地区を指定しているのか、規模の要件が掲げられておりません。どの程度の広さの地区を指定していることになるのか、御説明をお願いします。
○政府委員(真嶋一男君) 具体的には、新市街地におきます、つまり農地を中心とする市街地ということでございますが、そういう住宅街区の標準的な規模としておおむね一ヘクタールというものが目安になるものと考えますので、私どもはおおむね一ヘクタールというものを基準として考えていきたいと思っております。区域とか周辺の状況によりましてこれを若干下回る場合もあってもやむを得ないと思っておりますけれども、基準的なところはこんな面積を考えているところでございます。
○西野康雄君 都市における合理的な土地利用や建築形態を形成していく上で、昭和五十五年導入された地区計画制度の普及を図っていくことが極めて大切だと思いますが、今日までこの制度の普及はどの程度になっているのか実績を御報告いただきたいし、また今後この制度をどのような型で拡大していこうとされているのか、御説明をお願いします。
○政府委員(真嶋一男君) 地区計画制度は近年次第に活用されるようになりまして、一番新しい統計が平成元年の三月末でございますが、四百十地区、約一万三千五百ヘクタールという実績を上げているところでございます。今後この地区計画を推進するために、市街地周辺で市街化区域内農地の宅地化が進むと予想される区域、それから既成市街地において再開発等によって土地利用転換が予想される区域等については特に積極的にこの制度を活用するよう、いつ、どの地区で地区計画を策定するかについて、そういう計画を明らかにする地区計画策定のプログラムを作成するよう公共団体を指導してまいる所存であります。
○西野康雄君 住宅と商店、住宅と工場等が混在する既成市街地は、住居専用地域に比べて指定容積率も高く、住宅供給の可能性が強いにもかかわらず高地価で阻害され、そして住宅の建設が不可能な状態になっております。 そこで、今回の改正案では、これらの地域内で地区制度を利用して建築される建物について用途別容積制度を導入し、住居用の建物について容積率の上積みを認め、既成市街地内の住宅供給を増加させようとするものですが、この制度の導入によってどの程度住宅の供給が見込まれるのか、御説明願います。
○政府委員(伊藤茂史君) 先生御案内のとおり、今回の用途別容積型地区計画は、住居地域、近隣商業地域、それから商業地域、準工業地域の四用途地域において適用される制度になっております。ちなみに東京都区部におきます四用途地域というのはどのくらいの面積になるかといいますと、二万九千ヘクタールほどになります。これは二十三区全体の全用途地域面積の五一%ぐらいに当たりますので、相当広い面積がこれに当たるということになろうかと思います。この中で、御案内のとおり道路等の公共施設が相当整備されておる、敷地も相当まとまったものがあるというようなところでこれを指定いたしまして住宅を供給しようというものでございまして、私ども積極的にこれを活用して、公共団体の協力を得ながら住宅供給に資したいと考えているところでございます。 その際に、今先生何戸ぐらいかとこういうお話でございますが、実は今回の首都圏、東京圏の四百三十万戸供給可能量というものをはじきました際に、新規の宅地というところで二百三十万戸、それから既存の宅地で二百万戸というふうに申し上げたかと思います。この二百万戸が言うなれば、今先生おっしゃいましたように、既存の併用住宅であるとか商店とかを建てかえているときに、住宅が建てかわると同時にさらにプラスアルファで住宅が供給されるものを含んでおるわけでございまして、私ども一応この二百万戸のうちに、既存の住宅戸数を差っ引いたプラスアルファの純増分を八十五万戸ぐらいかなと、これはいろんな過去の統計から操作していますからあれですが、見込んでおります。したがいまして、これが既存住宅地の建てかえ再開発から二百万戸見込まれて、プラスアルファがそのうち八十五万戸というような感じでございますのでこういう戸数を予定しておりますが、これを生み出すためにできるだけ今言いました五一%の地域の中で公共施設がきちっと整備されているところを指定していきたいということで、具体的に何戸ということはちょっと申し上げかねるところでございます。
○西野康雄君 改正案によると、住宅用建築物を建てる場合には非住宅のビルを建てる場合に比べて最大限一・五倍、こういうことで容積率が上積みされることになっております。理屈で考えると、その上積みされた容積分の住宅は用地なしで建設される、そういうことになります。その分、住宅価格や家賃は本当を言うと安くならなければならないわけです。この制度を利用して供給される住宅の価格や家賃についてどのような指導を行っていくのか、またこの制度を活用して供給される住宅については、分譲価格や家賃の規制が可能な公的住宅をできるだけ多くするように指導していくべきじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(伊藤茂史君) 私どもも、先生今御指摘のようなことを非常に期待をいたしておるわけでございます。ただし、今回のこの制度は、冒頭の御質疑にお答え申し上げましたように、あくまでも都市計画法、建築基準法上の制度でございまして、住宅価格の低減等を目的にしたものではないわけでございます。したがいまして、この制度をそういう住宅価格の低減やら家賃の低減に結びつけるためには、既存の住宅関係のいろんな事業制度というものを住宅が建築されるときにそれに付加するということで初めて担保されるものでございます。したがいまして、私ども今言われましたように、公共的な主体を含めて、できるだけ住宅建設に公的なコントロールが入る形で持っていきたいということで考えておりまして、そういう融資助成等を通じてできるだけ住宅価格の安定、家賃の低減に努力をしたいということでございます。
○西野康雄君 用途別容積率が適用される都心の混合市街地は、非常にビルの需要が多い。それに引きかえ、住宅の方が空き家率が目立ったりしております。住宅用マンションと言いながらも、かなり事務所用に現在も使用されております。用途別容積制度により容積の上積みが認められ、そして建てられた住宅用マンションが事務所等に転用され、この制度が悪用されるケースがもう目に見えておるわけです。住宅の他用途への転用についてどのような歯どめを考えておられるのか、御説明をお願いします。
○政府委員(伊藤茂史君) 私ども今回の大都市法の体系の中で重点地域に指定をし、その中でこの制度を活用するという場合に、最大の眼目は、やはり一般勤労者のための住宅に資し得るようにということがあるわけでございます。そういう点からしますと、先ほど申しましたように、二十三区内に五割もあるわけでございますけれども、実際はその中で公共施設が相当整備されているところ、しかも土地柄からいってそういう一般勤労者向けの住宅が供給されそうなところということにまず重点があろうかと思います。それに加えてさらに、都心地域でもやはり人口が減っては困るということで、公共団体の考え方からこの制度を地元と協議しながら活用していくというケースもあろうかと思います。したがいまして、先生が御心配いただきました点も非常にあるというふうに考えるわけでございます。 現行制度で申し上げますと、まず建築確認の際に、住宅部分と非住宅部分がはっきり構造的にきっちりわかるかどうか、だれの目に見てもわかるかどうかというような点で、まず構造的な審査でそういう点が検証されなきゃならぬだろうというのが一点。それから、でき上がった後、その住宅の建物の管理者から定期報告という形で特定行政庁に報告が出るわけでございますが、その際に利用の状況をもあわせて報告させるということで定期的に報告をさせようということ。それから、建築物の標識といいますか、この建物はこういう地区計画制度でできた建物で、何階から何階以上は住宅ですということを建物に標識をつけるというようなことで、市民の目に触れるようにしておくというようなことを励行するように行政指導をさせたいと思っております。と同時に、その地元が人口をふやしたい、あるいは住宅として残したいという意思が非常に強くてということがありますれば、地区計画自体がそういうことをさらにきつく縛れることになりますので、別途詳細な用途規制を地区計画で定めることも可能かと思います。 あと、違反が判明した場合には、通常の建築基準違反の手続に乗ってまいりますので、当然是正命令等の措置を厳重にとりたいというふうに考えております。
○西野康雄君 建築基準法第十二条の、今おっしゃった定期報告の制度ですね。これは「報告を求めることができる。」と規定されているわけです。そうではなくて、報告を出さなければならないとか、あるいは求めなければならないとか、そういうふうな強いものを出していかないと不十分じゃないだろうかと思うわけです。用途別容積制度を利用した建築物についてすべて定期報告を求めて、そして住宅用として利用されることを確実に確認するよう特定行政庁をきっちりと指導していかなければならないんじゃないかと思うんです。今おっしゃっていたことではやっぱりしり抜けかなと、そんな感じがするんですが、どうですか。
○政府委員(伊藤茂史君) 先ほどの定期報告でございますが、これは法律の書き方はそうなっておりますが、事実上相手方に対して義務づけることができるということで、現実に義務づけてやっておるところでございます。
○西野康雄君 少し角度を変えます。 アメリカなど欧米諸国では、空中権と言われるものを利用して都心部に高層住宅が建設されているわけですが、空中権と言われる容積の移転による方法で都心部の高層住宅の供給を増加させるような方策を検討してみたらいかがかなと思います。 それともう一つは、空中権というのか地上権というのかわからないんですけれども、僕の頭の中で転がしている中で、例えば十階建てのビルを建てるとワンフロア、二十階建てのビルを建てるとツーフロア、大深度地下を利用するときに私権をどこかで制限するのと同じように上の方も制限をして、そしてそれを召し上げていくという、そういうふうな方法もあっていいんじゃないだろうかと思うんですが、その空中権との兼ね合いもひっくるめて建設省の答弁をお願いします。
○政府委員(伊藤茂史君) 住宅を供給したいという立場からしますと、先生の御発想まことにもっともだと思うわけでございますが、現状の都市計画、建築規制というのは、具体的にその土地を持っている人が土地をどういうふうに利用するかということでいろいろ利用の上限を定めているわけでございまして、したがいまして公共的な住宅でありますとか公共的なコントロールが入った住宅がそこに入ろうとしますれば、当然にその権利者との関係できちっと契約関係を結んで権利を買うという形で初めて入るわけでございます。土地所有権を買って入るのが一番完璧でございますが、今言われましたように、一部分地上権を設定して上に公共住宅を乗っけるというようなことも今現在やっておるわけでございまして、容積の一部活用とか空中権、現行制度の範囲内でできるだけ公共的主体にそういう活用を指導してまいりたいと考えております。
○西野康雄君 東京都でなされている公共建物との合葉で住宅の供給を増加させる方式を、例えば国の機関の建物にまで拡大させるということはできないでしょうか、大蔵省の見解を求めます。
○説明員(鈴木一元君) 先生御存じのとおり、これほど土地問題が厳しいときに、特に都心部では大変な問題でございますので、私ども国の施設としましてもできるだけ効率よく、できれば立体化あるいは集約化というような形でどんどん進めているわけでございます。現に国有財産法も、国と例えば地方公共団体の施設を合わせて国の土地の上に建てるというようなことを認めているわけでございまして、まさにおっしゃる合築でございますけれども、これをできるだけ広げてきたわけでございますけれども、率直に申し上げて住宅というところまではまだ進んでおりません。 御存じのとおり、住宅となりますとやはりいわゆる借家権というものができてしまいますので、仮にその後国の施設として全体を使いたいというようになったような場合、そこら辺が事実上使えなくなってしまうという問題がございますので、先生がおっしゃるようないろいろな問題点もございますし、それから住宅という問題が非常に問題でもございますので、私どもなかなか難しいなとは思うのでございますけれども、今後少しそういったことで法律的にもあるいは技術的にもうまくいけるような方法があるかどうかというのを研究してみたいと存じます。
○西野康雄君 現在、東京や大阪の大都市の市街地に建設されるマンションは、居住用としてではなく投機的な転売を目的として購入されております。マンション価格高騰の原因となっているわけです。一つはそれは税制もあるわけで、仮に一千万の所得のある人は所得税が二百万円と。彼が二千万円の借金でマンションを購入すると、年間の購入金の金利が百万円と建物の減価償却分の百万円、合計二百万円が経費として計上されて、結局は所得税がゼロになってしまう。こんなことがあって余計投機的な部分とか、そういうふうなお金持ちがとにかくマンションだけ買っておけばいいわというふうなことになっておると思うんですが、投機目的の需要やあるいは転貸目的の需要を排除する有効な措置をとらない限り、用途別容積制度によって市街地の住宅供給を増加させても果たしてサラリーマンに行くのか、やはりまたお金持ちが税制度を悪用したりしながらマンションを買い占めていくという、そういうことになりはしないだろうかと思うわけで、投機目的や節税目的の住宅取得を抑制する具体策があったらお示し願いたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 御指摘のとおり、現状を見る限り投機的な目的、節税目的のための住宅投資、住宅取得があることは事実だと思います。こういうものを含めた上で、これを広い意味の需要と見て供給対策を打つというようなむだはなかなかできないと思うわけでございます。したがいまして、できるだけこういうものを抑制するという先生の御指摘はそのとおりだと思います。 ただ、投資をした方が得だというのは、やはり一番要因として動いておりますのは税制の関係だと思いますので、この税制を直さない状況のままで住宅サイドで売った先々これをフォローするということは、これは極めて難しい話になろうかと思いますので、基本的には税制を直しまして、住宅を賃貸人を入れなくても節税で結果的にプラスするというような、そういう税制はやはり住宅供給対策としてはマイナスに働きますので、できるだけ是正をしなければならないだろうと思います。 したがいまして、基本は税制でございますが、住宅サイドでどういうことをやっているかと申し上げますと、公団、公社の公的な分譲住宅につきましては、必ずみずから居住をするための住宅ということで制限がついておりますので、みずから居住するかどうか購入する際に十分チェックをいたします。現在の住宅の状況から、入居する際に当然に例えば住民票をとるというようなことはやっておるわけでございますが、さらに転売をしたということがわかりますれば、五年間または十年間の買い戻し特約の規定を置いておりまして、買い戻しできることになっております。それから、五年以内に、譲渡代価の支払いが全部完了しちゃいますとこれは完全に自由になりますけれども、完了するまでの間どうしても譲渡をしなきゃならないというようなことがあります場合には、申し出て承認をするというようなことでチェックをいたしているところでございます。 ただ、民間が供給をしてこれに公庫とか銀行がお金を貸しているというものについては、これはあくまでもお金を貸しているという内容になっておりまして、住宅を売ったという内容になっておりませんから、そこのフォローは極めて難しゅうございます。したがいまして、そういう事実が発覚したときに公的資金の融資につきましては当然に繰り上げ償還をさせる、それから住宅取得促進税制等の税金につきましては還付をさせる、こういうことが打てる最大の手ではないかということで現行やっているところでございます。
○西野康雄君 今おっしゃったような方策がうまく機能しておれば我々も苦労しないし、こういう質問もしなくて済むわけでございます。 東京の都心部に夜間人口を増加させるということで、都心四区で実施している住宅附置義務制度の実施状況はどのようになっているんでしょうか。今回の改正案による用途別容積制度とこの住宅附置義務制度をうまくかみ合わせていくことによって都心部の住宅供給の大幅な増加が期待されるのではないかと私は思うわけですが、住宅附置義務制度と用途別容積制度との関係について御説明願います。
○政府委員(伊藤茂史君) 住宅附置義務制度でございますが、東京都の場合、中央区、港区、文京区、台東区、新宿区の五区でいわゆる指導要綱で実施をしております。平成二年二月一日現在で、制度発足以来五千七百戸の住宅供給の実績がございます。 その住宅附置義務についての建設省の態度でございますが、一律に住宅の設置を義務づけることが過度な権利制限となる等の問題がありまして、一般的な制度化については慎重な態度をずっととり続けております。ただ、地域の特性に応じまして公共団体と事業者の間の相互の理解、協議によって事業者側の協力のもとに都心の空洞化対策として住宅が残っていくということは、住宅対策としても一定の効果があるものというふうに考えております。したがって、今回の用途別容積地区計画制度が創設されますれば、公共団体の場合には今までですと容積率のおまけなしに附置義務制度があったわけでございますけれども、今回はこの用途別容積地区計画制度ができますので、これで言うなればインセンティブがつけられるわけでございますから、むしろこちらの方を公共団体としては活用して都心部の人口流出対策にも使えるということになるのではないかというふうに思っております。したがいまして、私どもは新しい制度の方を活用してほしいというのが基本的な態度でございます。
○西野康雄君 よく竹村健一さんなんかの本を読みますと、埋立地がペンペン草が生えて余っているという、そういうふうなことが書いてありますが、産業構造の転換等によって大都市地域において工場跡地、鉄道施設跡地、臨海部の未利用埋立地等、低・未利用地が多数発生しております。これらの地域は工業専用地域や工業地域、準工業地域等、工業系の用途地域に指定されております。したがって住宅の建設が制限されているわけですね。また、容積率が低く抑えられているため住宅の大量供給が困難となっております。これらの低・未利用地の有効活用を促進するためには用途地域の変更あるいは容積率の変更が必要ではないかと思いますが、いかがお考えですか。
○政府委員(真嶋一男君) 工場跡地、鉄道跡地あるいは臨海部の埋立地等の多くは、用途地域は工業地域に指定されております。一部工業専用地域ということに指定されているものもございますが、これらの土地を有効高度利用を図ることによりまして住宅宅地の供給を促進するということは極めて重要であるというふうに考えておりますが、この地域の実情を見ますると、道路とか公園とかという公共施設が整備がなされていない場合が多うございますので、このままでは住居系の用途地域の変更を行うというわけにはまいらない状況にございます。 そこで、土地区画整理事業等の事業を行うことによって公共施設の整備をいたしまして、そうした上で用途、容積の変更を行うというようなことを現在行っておりまして、それによって住宅宅地の供給を図ってまいりたいというふうに考えております。
○西野康雄君 どんどんと事業を進めていただきたいと思います。 次に、遊休土地転換利用促進地区制度について御質問いたします。 衆議院の会議録を拝見いたしますと、都市局長が、東京圏内に工場跡地等の低・未利用地が市街化区域内面積の一割に相当する二万八千ヘクタール存在すると御報告なさっておられます。この具体的な内容について詳細を御説明をいただき、またあわせて、私も大阪圏でございますので、大阪圏についても調査しておられれば報告をお願いします。
○政府委員(真嶋一男君) 建設省の国土地理院が宅地利用動向調査というのをこれまで何回か行っておりますが、そこで空地とか工場跡地とか未利用地の埋立地だとか、あるいは屋外駐車場等を含めておりますので、そういう低・未利用地は、東京圏でございますと約二万八千ヘクタールで、市街化区域内面積の約一〇%でございます。これは昭和五十九年の数字でございます。それから大阪圏では約一万ヘクタール、これは市街化区域面積の約六%、調査時点は六十年でございます。なお、名古屋圏について申し上げますと約八千ヘクタールございまして、市街化区域面積の約八%というふうになっております。これは名古屋の場合は昭和六十二年の調査でございます。 以上でございます。
○西野康雄君 遊休土地転換利用促進地区の指定の要件について見てみるというと、第十条の三の一項一号、相当期間にわたり住宅の用、事業の用に供する施設の用に供せられていないことと規定されておりますね、この一項を見るというと。この相当期間というのは大体何年ぐらいなんでしょうか。二年以上というような規定もせず、幅を持たせた書き方をしております。ここでもまたしり抜けがあるんじゃないか、そんな気がするわけでございます。
○政府委員(真嶋一男君) 相当期間は、最終的には都市計画の決定権者が遊休土地転換利用促進地区を決定する地域における土地の需要供給の状況を勘案して判断することとなりますが、通常の経済活動として許容される限度というのが頭にございまして、これは国土利用計画法の遊休土地制度というものが一つ前例がございます。ここで二年程度が標準というふうに考えておりますので、私どももそういうふうに考えております。 でございますが、土地需給が非常に逼迫している地域とか、あるいは付近の建築活動が非常に活発であるというような地域におきましては、短期間で新たな有効利用がされるということが強く要請されるということもございましょう。そういうところでは必ずしも二年というようなものにとらわれずに、弾力的に運用する必要も出てまいると思っております。
○西野康雄君 同じ第一項第一号で、「政令で定める要件に該当していること。」と規定されていますが、「政令で定める要件」とは何かを具体的な御説明をお願いしたい。 そしてまた、同じく二号で、「著しく支障となっていること。」、三号で、「機能の増進に寄与すること。」、こういうことが地区指定の要件になっておりますが、これは要件としては厳し過ぎて、これが果たして地区指定として場所が浮かび上がってくるのだろうか。私はむしろ「機能の増進に寄与すること。」という三号だけでよいような気がするわけですが、どうでしょうか。 また四号で、おおむね五千平米、こういうふうに規定をしております。おおむね五千平米以上というこの根拠をお示し願います。
○政府委員(真嶋一男君) 初めに都市計画法第十条の三第一項第一号の「政令で定める要件」についてでございますが、その要件としては二つ考えておりまして、一つは何らの用途にも供されていない場合でございます。それから第二としまして、何らかの用途には供されているが、その利用の程度が周辺地域の同一または類似の用途の土地の利用の程度と比較して著しく劣っていると認められる場合、これを定めることを予定いたしております。 次に、同法十条の三第一項第二号の著しく支障がある場合、あるいは第三号の機能の増進に寄与するというような意味についてのお尋ねでございますが、都市計画法第十条の三第一項第二号に規定します、周辺地域の計画的な土地利用の増進を図る上で著しく支障になるというのは、市街地内に相当規模の遊休土地が存在するということによりまして、商店街、事務所街、住宅街といった連続的な市街地が形成されておる場合に、その市街地が分断されることによって一体的な市街地の形成が図られない、妨げられているというような状況、それから、相当の商業集積が図られております地区においてその遊休土地の周辺市街地への客足が遠のいて例えば商業地域の活動が低下するというような場合、良好な住宅市街地が形成されている地区におきまして遊休土地が十分に管理されていない等の理由から周辺の環境にマイナス要因となるというような場合を言うものと考えております。 また、お尋ねの第三号の都市機能の増進に寄与するということは、遊休状況にある土地を転換して都市計画その他の土地利用規制の範囲内で有効に利用されることにより、住宅の供給の促進、良好な生活環境の確保、それから商業業務機能再編成等が図られることを考えております。 この今回創設をお願いしております遊休土地転換利用促進地区制度は、土地取引の有無にかかわらず低・未利用地のまま放置している土地所有者に対して有効利用を義務づけ、一定の条件のもとで有効利用の勧告を可能とする内容の私権制限であるところから、相当程度の公共性が認められる場合に限定することが必要であるというふうに考えておりまして、同法第十条の三第一項第二号、第三号の要件をそれによって付加したというものでございます。 御指摘の第二号の要件につきましては、相当程度有効利用が進んでいる既地市街地内に位置する相当規模の遊休土地については、通常の場合、周辺地域の計画的な土地利用の増進に著しく支障になっているというふうに考えておりまして、十条の三第一項二号の要件にその結果該当することになるというふうに考えておりまして、この要件によって本制度の実効性が妨げられるということにはならないのであるというふうに判断しております。 それから、五千平米の根拠を申し上げます。都市計画法第十条の三第一項第四号に規定いたしますおおむね五千平米とした根拠についてのお尋ねでございますが、その具体的な基準としては三つの理由を考えておりまして、一つは、遊休土地転換利用促進地区は都市計画として定められるものでございまして、その地区内の土地が有効利用されることによりましてその土地の周辺を含む相当程度の規模の地域の都市機能に影響を与えるというような規模の低・未利用地を対象とするということが必要であって、小規模なものの適用については一定の限界があるというふうに考えております。 それから、このような規模としては、少なくとも一般的に都市計画法上用途地域の指定等に当たりましては一街区程度ということの単位で考えておりますが、これが五千平米におおむね当たるということでございまして、そこが必要であること、それから一街区の規模としては、今のことの繰り返しでございますが、土地区画整理事業の設計基準ということにつきましてもこれをおおむね五千平米ということが定められておりますので、ここの数字を使うということにした次第でございます。
○西野康雄君 五千平米ということは、企業が持っている土地の中で三千平米だとかあるいは四千五百平米だとかそういうふうなものはここでは出てこない、こういうことになるかと思います。ここでもしり抜けというんですか、企業の側の持っている工場跡地というのがなかなか出てこないなという気がするわけです。 さて今度は、五千平米のことは聞きましたので、改正案では遊休土地の通知要件として、遊休化されている土地が一千平米以上の一団の土地であるということを要求しております。一千平米以上の土地とした理由は何なんでしょうか。それを考えると逆に一千平米以下の土地は遊休化されたまま放置されてよいのか、こういうふうなことになってまいります。一千平米以上の遊休地に今のうちにそれっとばかりに小さな小屋でも建ててしまいますと遊休地の通知から逃れられる、こういうふうなことにもなります。脱法行為が発生することにもなりますが、このあたりの一千平米についての御見解をお願いします。
○政府委員(真嶋一男君) 先ほどお答えしましたのは五千平米についてでございますが、その五千平米は持っている人が複数であっても一つのブロックとして五千平米であれば対象とするということでございますので、そういうことで御理解をいただきたいと思います。 次に、千平米の話でございますが、この遊休土地転換利用促進地区制度は、基本的には土地所有者に対しまして有効利用の責務を課して、市町村が指導、助言を行うということによって土地所有者がその土地を有効に使うことを促進しようという、いわばソフトな制度でございます。遊休土地であるという通知は、このような指導、助言を行っても依然として有効利用されない場合に、土地所有者に利用計画等の届け出義務を課するとともに、勧告、買い取り協議という手段によって利用促進を図るものでございまして、指導、助言というよりはまたもう一歩突き進んだ強い私権制限と考えられるために、その対象となる土地は、有効利用を図ることが周辺の土地利用の増進に寄与するというような公共性を有することから千平米という数字を持ってきたものでございまして、同様の措置が講じられております国土利用計画法の遊休土地制度の対象となる最低面積も、同じような理由から監視区域について千平方メートル以上としているところでございますし、その辺のことも頭に置いてこういう制度をとったものでございます。 それから、遊休土地である旨の通知は、未利用地についてのみでなく、何らかの用途には供されているがその利用の程度が周辺土地の同一または類似の用途の土地の利用の程度と比較して著しく劣っていると認められる低利用地についても行うことができるというものでございまして、通常の利用とは認められない小屋を建てるというような偽装的利用の土地は通知の対象となるというものでございます。 以上でございます。
○西野康雄君 遊休地に関して朝日新聞の四月二十七日、国有地のことに関してですが、これは国公有地というものを遊休地である通知から除いておられます。その理由は後で聞くといたしまして、まず基本的な部分で、使用目的がはっきりしていない未利用国公有地、例えばこの新聞によりますと、「JR新宿駅から約二キロの旧東京教育大跡の国有地約一万五千平方メートル。「立ち入り禁止」の看板がある。十五年以上手つかずで、利用計画は今のところない。地元には「公園にして残して」という声もある」、こういうことでございます。 そこで、大蔵省にお聞きしたいのは、使用目的がはっきりしていない、このように新聞に載っているような未利用地が三大都市圏でどれだけあるのか、リストを公表願いたいと思います。
○説明員(鈴木一元君) いわゆる大蔵省が所管しております、一般会計及び特定国有財産整備特別会計の二つの会計の普通財産という形で申し上げますと、例えば三大圏で申し上げますと、首都圏では六十七件、約六百ヘクタール、それから近畿圏では十六件、約十ヘクタール、それから中部圏では六件、約二十ヘクタールございます。 ただ、これは普通財産ということになっていて、そういう意味では直接的な意味の行政目的には使っていないのでございますけれども、かなりの部分がもう地方公共団体を中心としましていろいろ利用計画ができているものでございます。ですから、実際に今未利用地と言われたときに非常に困るのでございますけれども、話が少しでも進んでいればということで申し上げれば、ほぼないと言っても言い過ぎでないくらい、あるいは逆に言えば、例えばがけ地とかそれ以外に使いようがないといいますか、そういうような感じになっているわけでございます。 たまたま先生今御指摘になった朝日新聞の件でございますけれども、それはもともと旧教育大学の跡地で、筑波に移った後の跡地でございまして、スポーツセンターといいますか、そういったスポーツの鍛錬場と申しますか、そういうのをつくる予定だったのでございますけれども、これが急遽北区の方につくることになりまして、それでさしあたり利用目的が、言ってみれば予定していたものが消えてしまったわけでございます。また、今後その地域に合わせた適切な利用目的に使いたいということで、当然のことながら国有地は公共用とか公用優先でございますので、そういった観点から適切な利用に供することにしております。
○西野康雄君 私が国有財産未利用地の保有状況というのをリストを出してくれと言ったときに、大蔵省が出してまいりました。「これらの大部分は、①国、地方公共団体等による利用計画が既に定められているもの、②将来の公用、公共用への需要に備え処分を留保されているもので現在地方公共団体等において利用計画を検討中のもの等である。」と、こういうふうなことが書いてあるが、このリスト以外の部分、あなたは今これはたまたまだと、こういうふうにおっしゃった。私は農学部出身ということで、全農林だとか全林野だとか、いろいろと調べてもらいました。このリストじゃないんです。利用目的がはっきりしているのはこのリストに載っているんです。載っていないのだけでも、東京教育大学農学部駒場七・三ヘクタール、神奈川県平塚市の果樹試験場三十七・三ヘクタール、同じく平塚にあります農業土木第一、第三試験場約十ヘクタール、林業試験場十一・九ヘクタール、これは目黒の下目黒と品川区の小山台のところです。蚕糸試験場、杉並区和田四・二へクタール、家畜衛生試験場、小平市五・一ヘクタール、蚕糸試験場日野桑園、日野市です、九・五ヘクタール、千葉市で畜産試験場が六十八・一ヘクタール、北区の西ケ原で農業技術研究所三・二へクタール。大方の使用目的のあるのはこのリストに載っているんですが、そのリスト以外のものが何ぼでもあるということですよ。そんなおかしな答弁ないです。
○説明員(鈴木一元君) 先生、私が今申し上げたのは、大蔵省が直接的な意味で所管している国有地でございます。 二つございまして、米軍が使っておりましてそれが返ってきた、いわゆる返還財産と私たち申しておりますけれども、返還財産が返ってきたときに三分割というやり方をやっておりまして、三分の一は国が直接、それから三分の一は地方公共団体、残りの三分の一については将来の行政目的といいますか、あるいは公用、公共用の目的のためしばらく様子を見ましょうということで三分の一がとってある部分がございます。これを今私申し上げるのを忘れてしまって申しわけございませんでしたけれども、そういう格好で残っているものがまず一つございます。 もう一つは、これは国の会計制度の中の話でございますけれども、さしあたり今すぐ行政目的には使っていない、あるいはかつて行政目的に使っていたのを廃止したということで、普通財産という形で残っているものもございます。これにつきましては私どもまさに今点検中でございまして、その結果を見てまたいろいろ対策なりあるいはそれぞれの担当の役所に効率的な利用というのを要請したいというふうに思っております。
○西野康雄君 これは十五年ほったらかしにしてあるんだが、今ほとんどないというふうな発言をなさった後、また三分の一がある、これがあると、そんなものじゃ審議できませんよ。きっちりとリストを出してください。そうでしょう。国公有地がどれだけあるのか把握していなければおかしいじゃないですか。第一この政府機関の二十三区内跡地、六月七日の朝日新聞、「再開発型で活用を」、「政府機関が地方移転した後の東京二十三区内の跡地利用について検討していた大蔵省理財局の「都心部における国有地利用研究会」は六日、基本的考え方をまとめ、国有財産中央審議会に報告した。」、リストがあるはずじゃないですか。それが出せないというんなら審議はできませんよ。どうですか、委員長。
○委員長(対馬孝且君) 責任ある答弁をしてください。
○説明員(鈴木一元君) 確かに先生おっしゃるとおり、十五年ほったらかしじゃないかというような意見、いろいろ新聞にも書かれておることをもちろん私ども十分存じております。ただ、現実問題いろいろ計画がつくられてから実際にそれが動き出すまで、大部分相手方は地方公共団体でございますし、そういうことに予算の問題あるいはいろいろ地元との調整というのがございまして、どうしても時間がかかってしまうという問題があることは御理解願いたいと存じます。 実は、そういうことでいろいろ先ほどからの跡地、三十六ヘクタールというのを国の機関移転の跡地として今大体そのくらい出てくるんではないかというふうに思っているのでございますけれども、こういうものについても公共用優先ということを考えたところで、同じようにそれを移転跡地になった途端からすぐ使えるというような状態になるかどうかは、またそれは正直言って自信はございません。ですから、先生おっしゃったような研究会のそういった報告でも、少しそういうことである程度時間がかかるならその間暫定的な利用というのを考えてみたらどうかというような報告も私ども受けております。
○西野康雄君 ほとんどない、こういうふうな答弁をなさったんです、あなたは。私は、こういうふうな理財局がやっている以上はリストがあるんですよ、だからそれを出せと言っているだけの話で、にわかに転換できませんどうのこうのというふうなことを言っているんじゃないんです。国公有地がある、それに対してここにこれだけありますよ、ここにこれだけありますよという、そのリストを出しなさい。そこから物事というのは始まってきて、この条文の国公有地を除く、港務局のあれを除くという、そこにかかってくるんですょ。大事なことなんです。だから出す、これしかないんですよ。
○委員長(対馬孝且君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(対馬孝且君) 速記を起こして。 もう一回正確に答弁してください。
○説明員(鈴木一元君) わかりました。 先生、後でもちろんお出ししますけれども、ただ正直申しまして、余り細かく件数が多くても私ども事務的に大変でございますし、そこら辺は先生、相談させてください。
○委員長(対馬孝且君) 調査資料を出しなさいと言ったら、あなた出すと言ったんだから。
○説明員(鈴木一元君) 出します。
○西野康雄君 期間の明示をお願いします。
○委員長(対馬孝且君) いつごろまでか正確に答えなさい。
○説明員(鈴木一元君) 一週間ぐらいいただけますでしょうか。
○委員長(対馬孝且君) それでは、一週間後に資料は提出するということを確認しました。
○西野康雄君 それでは、国公有地等々をお除きになった理由をお述べいただきたいと思います。
○政府委員(真嶋一男君) 初めに、遊休土地転換利用促進地区に入れました理由をちょっと申し上げさせていただきますが、都市計画というものは、その決定に当たって、その土地の所有者がだれであるか考慮しないということで考えておりますので、これまでもそうでございましたが、地区計画とかあるいは都市施設等の他の都市計画と同様に、国公有地も遊休土地転換利用促進地区の対象とすることとしたものでございますが、一方、都市計画に基づきます具体的な制限であります開発許可とか地区計画の区域内における行為の届け出義務に関しましては、国や地方公共団体は適用除外ということでこれまで法制上組み立てられておるところでございますので、これらの規定と同様に、遊休土地である旨の通知以降の適用は規定除外とすることといたしたものでございます。 しかしながら、遊休土地転換利用促進地区にございましては、国や地方公共団体につきましても民有地と同様に有効利用の責務を負うことになっておりますし、それから、指導及び助言に関する規定ということも当然活用されることによりまして有効利用を図るよう要請することができるようになっておりまして、低・未利用の国公有地につきまして有効利用を促進する手段としてこの制度は有用なものだというふうに考えているところでございます。
○西野康雄君 国公有地の問題というのは、これは非常に今回の土地に関してキーポイントではないかなと思います。建設省は、国や地方公共団体は第五十八条の五で計画的な土地利用の増進を図るため必要な措置を講ずる努力義務が課せられているから、長期に遊休地として放置しないとおっしゃっていることがあるわけですが、各地の国公有地の現状、今ちょっと新聞の記事を出しましたけれども、なかなか利用されずに長期に放置されているケースが多いかと思います。これは関係各省の話し合いがつかないとかいろいろ理由はあるかと思いますが、改めて遊休地の通知の対象に国公有地を加えていただきたいなと、かように思うわけですが、建設大臣、御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(綿貫民輔君) 国公有地の有効利用ということにつきまして、私どももその問題につきましてはいろいろと協議をしてきたところでございますけれども、それぞれの国公有地の問題につきましては、今御指摘のような地価を顕現化させないようなことで利用できればまことに適切だというふうに考えております。
○西野康雄君 その遊休地に関してですけれども、時間もございませんので、いろいろと質問も用意しておりましたがなかなかいきませんが、その遊休地の税でございますけれども、土地の保有に関して固定資産税、都市計画税のほか、企業などの遊休地について特別土地保有税が課せられているわけですが、三大都市圏の特定市街化区域内にかけられる特別土地保有税は二千平米以上に限られる、昭和四十四年以前に取得した土地は除外される、駐車場や資材置き場など土地利用と認められているものはもう課税免除であるとか、興和不動産ですか、JRの品川駅操車場の横に広大なテニスコートをつくったりして、そんなのも免除になっておったりしますけれども、課税免除の例も多いと思いますが、その実態はどうなっておりますか、自治省にちょっとお尋ねしたいと思います。
○説明員(成瀬宣孝君) お答えをいたします。 ただいま御質問の中にございましたように「特別土地保有税につきましては納税義務の免除制度が設けられておるわけでございますけれども、これは御案内かと思いますけれども、既に社会通念上相当程度の利用がなされております土地につきましては特別土地保有税の負担を求めることが適当でないことにかんがみまして、昭和五十三年度から、この税自体は昭和四十八年度に創設されたものでございますけれども、昭和五十三年度から恒久的な建物、施設等の用に供する土地で土地利用計画に適合するものにつきましては納税義務の免除制度が設けられているわけでございます。この納税義務の免除制度につきましては、土地利用計画に適合するもので、具体的な施設の例示でございますが、事務所ビル、店舗などのいわゆる建物のほか、工場や駐車場、資材置き場、遊園地などの施設につきましても、恒久的な用に供するものとして定められた一定の基準に適合するものが対象となっておるものでございます。
○西野康雄君 予定しておりました質問が非常に多くて、ひょっとしたら答弁の御用意をなさっていながら答弁の機会がなくなってしまった、そういう方々もいらっしゃるかと思いますが、いよいよまとめに入らなければなりません。 午前中のヒアリング等々でも非常に問題になっておりましたのが、企業の資産再評価、すぐ含み益課税の問題となりますが、そこからなかなか議論が進まない。土地インフレが日本の経済構造にどのような影響を及ぼしているかについて、体系的、総合的な解明が十分になされ、国民が日本経済の真実の姿を理解するため、土地を含めた資産再評価が不可欠だと思います。含み益課税をかけるかどうか、その税率はどうするかはその次の話であります。あらゆる点で企業に有利な土地制度、土地税制になっていることが、自由競争の中で富とその最高の蓄積手段である土地を企業に集中させ、いわば土地本位制とも言うべき特異な経済社会体制をつくり上げてしまっておるかと思います。個々の企業が悪いとか特定の企業が悪いとかそういう問題ではなくて、土地転がしや地上げを容認する制度がもう既にでき上がってしまっている、このこと自体が私は大きな問題ではないかと思います。 このことが、外に対しては経済大国であっても、内に対しては社会資本の整備はおくれ、勤労者はまともな住宅を持てなくなっているというふうな現実の根本的な理由ではないかと思います。土地対策に対しての意気込みというんですか見解というんですか、それを国土、建設両大臣に見解をお伺いしたいんですが、国土庁長官はいらっしゃいませんので藤原土地局長にお願いしたいと思います。
○政府委員(藤原良一君) 私ども土地政策を推進する立場からも、土地税制の果たす役割には大いに期待しておりまして、特に土地の資産としての有利性をできるだけ減少させて、投機的な需要や仮需要を極力抑制する、それと個人、法人を通じた税負担の公平を確保すること、土地の有効高度利用を促進する、こういった点に特に期待しておるわけでございます。 そういう認識に立ちまして、私どもも例えば法人、個人の均衡を確保する観点からは、法人保有土地について一定の負担を求める新税を創設し、この新税の創設によって得られる税収の使途についても十分検討するべきだと、そういうふうに考えております。具体的内容につきましては、今後引き続き私どもも詰めていかなければなりませんが、政府税調でも鋭意積極的、総合的に見直しておられますので、そちらの方の審議にもそういう観点からの審議を大いに期待しておるところであります。
○国務大臣(綿貫民輔君) 地価の安定化ということは、社会の公正を維持する上において極めて重要な問題だと認識いたしております。私どもといたしましては、昨年与野党で成立させていただきました土地基本法の趣旨にのっとりまして、供給面から地価対策に処していこうということで今回法案も出させていただいておるわけであります。 なお、政府の税調におきましても、土地税制について抜本的な検討が今進められておりますが、これらと相まちまして、供給面から地価安定に処していけるものだと考えております。
○西野康雄君 長い間ありがとうございました。私、借地借家法のところで少し聞きたいなと思っていたことがあったんですが、午前中、ヒアリングの中で長谷川さんが非常にいいことをおっしゃいました。既成市街地の低密利用地について高層住宅化する。このため、土地は地主が提供、建築費は自治体が負担、建物の所有権は地主に帰属、管理は自治体、地主は地価を算入しない家賃で住宅を賃貸する。自治体は税収増で回収する。こういうふうなシステムを述べておられました。たしか空き家率が京浜都市圏で八・一%、百万戸、これは古い木造賃貸アパートが大半かと思います。こういうふうなやり方もあるんじゃないかということです。三方一両得のシステムということをおっしゃっていました。講談の大岡政談では三方一両損ですが、こっちの方は三方一両得でございますので、ひとつ検討をなさってはいかがかということを提言して、私の質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。
○白浜一良君 本日は法案審議でございまして大事な委員会でございますが、実は私、現在、花の博覧会が大阪で行われておりますが、大阪選出でございまして、先日の予算委員会におきまして、この花博に関しまして事故が続いているということで実は大塩事務総長に来ていただきましていろいろ御説明願いたかったのでございますが、大変お忙しいということで来られませんでした。本日は少しお時間をいただきまして、この花博に関しまして若干御説明をいただきたい、このように思うわけでございます。きょうはありがとうございました。 まず、事務総長にお伺いしたいのですけれども、開幕して二日後にウオーターライドが転覆しまして人身事故が起こりました。十七日の日曜日まで九十三日間ずっと事故続きでございました。日曜日まで九十三日間で五十七件の事故が起こっている。平均しましたら三日に二件の事故が起こっているわけですね。非常に意義深い、大阪にとりましても大事な博覧会でございますが、花博じゃなしに事故博だというこういう悪評もあるわけでございますが、協会の実質責任者でございます事務総長といたしまして、この一連の事故、非常に傷ついているわけでございますが、どのようにお考えになっておりますか。
○参考人(大塩洋一郎君) ただいま御指摘がありましたように、開幕以来事故及び故障が相次いでいることは御指摘のとおりでございます。私ども協会といたしましては、常に安全ということを重点に置きまして従来から用意をしてきたところでございますが、大変このような頻発する故障、事故につきましては、協会といたしましてもまた非常な期待を受けているだけに甚だ残念であり、かつまことに遺憾と思っている次第でございます。今後とも安全を第一ということで運営に十分配慮していくつもりでございますけれども、できる限り故障をまず少なくするということを重点に今後対策を重ねていくつもりでございます。
○白浜一良君 非常に官僚的な答弁なんですけれどもね。要するに事務総長として責任を感じませんかということを、私はその一点を聞きたいんですけれども。
○参考人(大塩洋一郎君) 私といたしましては、特にこの万博が始まった早々ウオーターライドのような事件が起きましたことにつきましては、まことに不本意であり、かつ残念であり、個人的には非常に心痛む断腸の思いがいたしております。この世界に向けて意義ある万博の評価をいただきますためにも、また日本がお預かりしておりますこの万博を成功させるためにも、私自身心引き締めてこれから安全第一をモットーといたしたい、かように考えておりまして、私はこのためにいろんな対策を講じつつ今後対処してまいる所存でございます。
○白浜一良君 そこで、実は予算委員会で建設大臣からいろいろ御答弁をいただいたんですけれどもね。要するにウオーターライドに関しましては、人身事故にもなりましたので警察が今捜査しているわけでございますが、きちっと原因究明がされなければ再開できないんじゃないかと、このことを確認したんですね。大臣もそのとおりだとおっしゃったわけでございますが、協会としてもそういう認識をお持ちになっておりますか。
○参考人(大塩洋一郎君) ウオーターライドの再開につきましては、まず安全な運行の確保が優先いたします。そのために協会といたしましては、捜査当局の原因究明とは別の立場でウオーターライドの安全の確保という観点から、事故発生当時の状況につきましても事業者でありますジャスコから事情聴取を行いますとともに、種々安全対策について検討してまいったところでございます。 ウオーターライドは、たくさんの入場者の移動を可能にするような、そういう一つの動線として考えられておりますし、そういうたくさんの人々に楽しんでいただくための施設でございます。ですから、これから夏休みに入ります暑さの中で多くの人を迎えるということになりますので、入場者に快適な御覧をしていただきますためにも安全な運行が確実に確保できるという判断ができた段階で運行の再開をしたいと、このように希望しておるところでございます。
○白浜一良君 ジャスコ、博報堂から再開したいという要望が出ているという、協会としても検討されていると、すべて伺っておりますが、先日一部報道されていたんですけれども、いよいよ再開の見通しというそういう記事でございましたが、協会といたしましては、ただいまおっしゃいましたように安全確保という面で再開にめどをつける根拠というか、その点ございましたらお話ししていただきたいと思います。
○参考人(大塩洋一郎君) ウオーターライドの運行のための安全の強化対策といたしまして、ジャスコから去る五月二十三日に協会あてに対策案が提出されました。 その概要を見ますと、ウオーターライドの運行に関する責任の権限を一元的に運転指令室というそういう集中管理の権限を持ったところに集中させる、そして運行の管理体制の抜本的な改善を図るということが明確になって提示されております。それから第二点といたしまして、緊急事態の発生のときにすべての乗り物、船、ライドの運行を停止させるシステムについていろんな安全の対策が講ぜられております。そういう安全性を高めるための安全装置が種々付加されて検討されております。 協会といたしましては、これらの対策につきまして検討いたしまして、現在のところこれを十分評価できるものというふうに判断しておる次第でございます。この安全強化策に基づきまして運行に向けまして準備作業を行いますためには、これについて了承を与えなければいけません。この了承を一両日にも事業者に対して、安全強化対策の了承をこれでよかろうということで回答するつもりでございます。
○白浜一良君 夏休みに来月入るわけで、子供たちも楽しみにするのは私たちもよくわかります。今、少しお話しされましたけれども、運転再開への今後の見通し、大体こういう時期でこうなってこうたっていくという、大体お考えがございましたら見通しを示していただきたいと思います。
○参考人(大塩洋一郎君) ウオーターライドの運行を再開いたしますためには、まず必要な安全対策を実施に移す、先ほど言いましたようないろんな装備だとか施設だとかの改善を必要とします。さらに、試運転を実施する必要がございます。さらに、要員の訓練もこれは同時並行的でもいいんですが行う必要があります。そして、万全の体制ができたというふうに判断ができた段階で営業の進行を、再開を認める、こういう段取りになろうかと考えております。 協会としましては、先ほど申しましたけれども、入場者が多くなると見込まれます夏休み前までには既に営業の運行がなされている状態であることが望ましいというふうに考えております。
○白浜一良君 それと角度を変えまして、二十四人の方がけがをされたわけでございますが、直接ジャスコの担当者がいろいろこの賠償問題を含め折衝されていると、このように伺っておりますが、協会としてこの賠償問題はどうされるか、お伺いしたいわけでございます。
○参考人(大塩洋一郎君) まず開幕早々二十四名という負傷者が出ました。この負傷された方及び家族の方に対しましてまことに申しわけないと協会も心からかように思っておるところでございまして、事故直後にも私を初め幹部の職員がお見舞いに伺っております。 その後、負傷された方々の補償の問題につきましては、今御質問の、事業主体でありますジャスコに対しまして誠意を持って対応するようにという指導を行いまして、毎日のようにジャスコからの連絡を受けつつジャスコと一体となってこれのアフターケアに努めてまいったところでございますが、補償につきましては、現在負傷が完治された方からお話を進めているという状態でございまして、その結果、現在までに十三名の方々と合意ができておるのでございますが、他の十一名につきましてはまず負傷の回復を第一といたしまして、負傷が回復し次第それを見ながら話し合いを進めるようにいたしております。 いずれにしても、今後とも誠意を持って対応いたしたいと考えております。
○白浜一良君 いよいよ夏休み前でございまして、本当に子供がたくさん楽しみに集まるわけで、もし事故が起こればもう悲惨なことになるわけでございます。九月三十日まで本当に長い期間残っておるわけでございますが、二度とこういうことのないように、本当に有意義な楽しい安全な博覧会で終わるように切に要望するものでございますが、最後に事務総長、今までの過去を踏まえまして決意をお述べいただきたいと思います。
○参考人(大塩洋一郎君) ウオーターライドの事故を初め、ロープウエーとかCTMとか、御指摘のような故障、事故が続いておりますことは甚だ遺憾であり、今後まず故障の絶滅、故障が事故につながらないような適切な体制とそれから機敏な措置ということに重点を置いて万全を期したいと思っております。 現在、四月二日の事故以来ウオーターライド緊急対策本部というものを設置いたしまして、私が総長となりまして事務処理に当たってまいりました。 また、全部のそういう出店者の方々と花の万博安全対策の連絡協議会というものを設置いたしまして、私が会長になりまして毎月二十日を一斉安全点検ということにいたしておる次第でございます。今日まで、四月、五月、六月と三回の総合安全点検を行ったところでございますが、特に利用頻度の高い乗り物につきましては、これますます点検ということを強化することがまず第一と考えております。 このようなことで、何よりもまず安全を第一とし、安全こそ最大のサービスであるということで、この実り多い花博をぜひとも楽しんでいただけるように、そしてその意義がわかっていただけるように、これから協会一丸となって推進してまいる所存でございます。 よろしくお願い申し上げます。
○白浜一良君 それでは、どうもありがとうございました、結構でございます。 話題がころっと変わりまして、本題の質問をしたいと思いますが、建設省既に御存じだと思いますが、経企庁の物価局から出ている「土地利用計画の重要性について」という、六十三年ですか、プロジェクトのレポートが出ております。私これを読みまして、なかなかいい内容が書いてある、このように認識しているわけでございます。 非常に欧米社会と比べてそういう土地利用、開発規制に違いがあるわけでございますが、比較してどうこう言うわけじゃないのですけれども、これは経企庁も指摘していることも踏まえまして、いわゆる土地利用また開発規制、日本の現状を踏まえまして大いに改正すべき点があるというふうに認識するわけでございますが、お考えを伺いたいと思います。
○政府委員(真嶋一男君) 六十三年の八月に経企庁の物価局で取りまとめた報告書を私どもも拝見しておりまして、我が国の土地利用計画制度は、建築物の用途については自由度が大きいということ、それからもっと用途の純化を図るべきだというような御提案もされていることも承知しております。 一方、我が国のこれまでの制度は、確かに用途の地域は八種類で、そしてその用途の専用地域というのがやはり三種類ございますけれども、それを除けば許容される用途の範囲というのは割合に広いということが一つの特色になっております。これはそれなりに意味のあるものだと私も考えておりますが、しかしこれをある地点、場所によっては都市環境の保全の上からももっときめ細かい規制を加えるところも必要になってくるだろうということの観点から、地区ごとの整備の方針とそれから建築物とか公共施設に関する詳細計画を内容とする地区計画制度というものを昭和五十五年に創設いたしまして、現在四百十ほどの地区が指定されておるのでございますが、またそのほかに沿道整備計画というものを昭和五十五年につくりましたし、それから再開発地区計画というようなものを昭和六十三年につくりました。 そういうことで、詳細な土地利用計画のための制度というものをところよっては導入してきたところでございまして、さらにまた今回の御提案申し上げ御審議いただいております都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案においても、公共施設の整備とあわせて、良好な中高層住宅を形成することを目的とした住宅地の高度利用地区計画制度というものも創設をしたいというふうに考えているところでございます。 外国と比べて自由度が基本的には高いというところは、基本的には日本の都市と外国の都市を比べた場合に、日本の都市がこれまで非常なダイナミズムと申しますかそういうような状況下に置かれていた、それに対して外国の都市はおおむね完成された中での規制であるというようなところに基本的な背景の違いもあろうかというふうな認識を持っておりますが、いずれにしましても日本の都市も次第に方向としては良好な都市環境の形成を図るために地区計画というものを積極的に活用していくということが大きな流れであろうというふうに考えているところでございます。 以上でございます。
○白浜一良君 私、不十分だから言っているのですよ。今おっしゃったようなことはみんなわかっておりますけれども、そういうものが不十分だから私言っているわけでございますが、わかっていることをるる説明されても何ら益はないわけでございます。 もっと端的に表現しましたら、これは土地が高騰したというのは、金融面、税制面いろいろな理由があるわけでございますが、都市計画という面で言いましたら、これだけ土地が上がっている現状から見れば、地価を安定させるまたは良質な住宅を供給するという面で言いましたら、もっとある意味で規制が強くなっても国民的合意は得られるんじゃないかと私は思うわけでございますが、どうですか。
○政府委員(真嶋一男君) 都市計画の規制の強化と地価との関係でございますけれども、例えば人口動態等が安定している地方都市というようなことをイメージいたしまして、そこの地価水準というものを思い浮かべますと、地価水準はその土地の利用可能性に起因する収益性ということに結びついていると言うことができると思いますが、そういう静的な状態での土地利用が行われているという状況では、土地利用の内容の変更が地価水準に相当影響を与えるということは私どもも考えております。 しかしながら、現在の大都市地域を見てみますと地価水準が非常に異常な状態になっておりまして、土地の利用可能性というものに起因する収益性と大きくかけ離れている状況で現在決まっているということはもう御案内のとおりでございます。こういうところにおきまして土地利用の規制を強化するというようなことが、それは規制の内容の程度により相対的な関係には多少の影響を及ぼすことはあると思いましても、絶対的な地価水準に直接的に影響を与えるというふうには余りにも現在の地価水準は高くなり過ぎているというように考えて、規制によってこれを下げるというようなことは難しいというふうに考えております。むしろ、このような大都市地域における地価対策としての土地利用計画の役割というのは、土地の有効利用を促進して現実に住宅供給を増加させることによって需給環境を改善していくということが必要であろうということでございます。
○白浜一良君 そういうことを聞いてないんです。話変えますわ、具体的に言います。 要するに、この経企庁のレポートで、日本の現在のそういう法体制では、制度では、市街化地域の周辺がみんな乱開発される、また非常に点的な開発が多い、土地が細分化される、ミニ開発がどんどん進むという、そういう問題があるというふうに経企庁も指摘しているわけですね。これは言われるとおりなんです。そういうことは、例えば都市計画法や建築基準法をきちっと改正すれば克服できる問題もあるわけですよ。そういうことをやればできるんですから、どうお考えですかということを私闘きたいわけなんです。
○政府委員(真嶋一男君) ミニ開発に対してどういう規制措置があるのかというお尋ねだと思います。 市街化区域内において開発許可を必要とする開発行為の規模、これは今千平方メートル以上となっておりますが、都道府県知事が規則でこれを下げる。下限は三百平方メートルとなっておりますが、そういう方法を用いまして開発許可制度を運用するということも実態上行われているところでございます。そのほか、地区レベルの道路、公園等の公共施設の配置や建物の用途、形態等の制限を詳細に定めますいわゆる詳細土地利用計画であります、先ほどちょっと申し上げました地区計画ということをその開発に先行して策定し指定しまして、これに則しまして単発的な建築行為の際における道路の位置指定という制度もございます。こういうものを組み合わせて指導してきたところでございますが、こういうふうな開発許可制度を余計厳格に適用をするとか、地区計画の積極的な活用を図るということによって乱開発を防止するということに今後とも努めてまいりたいと思っているところでございます。
○白浜一良君 もっと短く的確に言ってくださいね。 今ちょっと関連したことをおっしゃったんですけれども、例えば千平米だと届け出許可が要る、府県知事は三百平米まで下げられるとなっています。しかし、実際大半が千平米以下なんですよ。だから千平米以下が乱開発されるわけですよ。例えば大阪で言いましたら、それを三百平米を規定しているのは堺市だけなんです、大阪府下で。御存じですか、私も一覧表をもらっておりますけれども。だから、この面積以下が非常に乱開発されてしまうんですよ。そういう事実を認めてくださいよ。どうですか。
○政府委員(真嶋一男君) 先生お持ちの資料と私の資料は同じでございますので、それはそのとおりでございます。 ただ、こういうものを地方公共団体も行政的に努力をして次第に広がっているというところは評価していただきたいと思います。
○白浜一良君 まして、いわゆる市街化区域、調整区域以外の都市計画区域は、これも三千平米以上が許可制になっております。これも知事が三百平米まで下げることができることになっている。これなんかを見ましたら、本当にほとんどもうそういう適用は実際されてないわけですね。この辺が結局乱開発されるという、経企庁の指摘にまつまでもなく、非常に手の行き届いていない面があるということをよく認識していただきたいんですよ。しかるべき対応をしなければ、日本の開発はもうめちゃめちゃになる。 大阪市内なんかで言いましたら、ペンシルハウスといいまして、土地が高いから本当に細っこい家がいっぱい建つんですよ。見ていたって全然町が不細工で、土地が高いから十坪か十二坪の面積で、二階建てでは少ないから三階建てぐらいにひょろっとして、そういう値段でないとこれを買う人がいないわけですよ。果たしてそれが健全ないわゆる町の発展か、都市計画かということを私は疑って言っているわけでございまして、ひとり適正な対応を。局長の話を聞いても意味がわかりませんわ、何かむにゃむにゃ言うてはって。きちっとしてください。 それと次にお伺いしたいのは、要するに最近の地価の高騰というのは、商業地域の地価が住宅地価へ波及した面があるわけでございます。それは結局、先ほども質問が出ておりましたが、住宅地が業務用地に転用される、そういう期待感がある部分が非常に地価を引き上げるという要素が実際あるわけですね。それを防ぐためには転用を規制するということが非常に大事になってくるわけです。もう一つは、いわゆる住宅専用地域の純化を図る、住宅のみというそういう用途を規制するということは非常に大事であると思うわけでございますが、この点に関しまして御見解はどうですか。
○政府委員(真嶋一男君) 一つには、商業地への期待が住宅地の値段を押し上げるということでございますが、まず第一種住居専用地域等に専用地域がかぶせてございますればオフィスは建ちませんので、そういう意味での用途地域上の役割というのはあると思っております。しかしそういう地域でも、専用地域でも地価が上がっているといところに今日の地価問題の異常さがあるというふうに認識をしているところでございます。 それから、ではみんな住居専用地域をかければいいのかというと、それは現在使われている町の状況から見て、住居専用地域をかけたならば、そこで工場を持っている人、商業ビルがある人は今度建てかえるときに建てかえられないというようなことも、いわば既存不適格というふうに申しますが、そういうこともそこまで行えるかというとなかなか難しいところがあろうと思います。私が一番初めにも申し上げましたけれども、土地利用の規制だけで今の地価の問題を解決するには、今の地価の状況はそういうものを超えた状況にあるというふうなことを考えております。ただ、新しい住宅地を開発するときにそういうところを第一種住居専用地域というようなことで指定して住宅地の環境を守ろうということは極めて有用であり、そういうことは努めてまいりたいと思っております。
○白浜一良君 私、地価の話はしてないんです。良質な住宅または住環境の問題として私は都市計画を論じているわけでございますからね、間違わんといてくださいね。 ですから、これはもうだれでも言うことなんですけれども、いわゆる地区計画の話をされましたですね。地区計画も今建設省で考えていらっしゃるのは不十分なんですよ。いわゆるドイツで言うようなBプランに当たるようなそういうものじゃ実際ないわけで、だから、乱開発を防ぐ、また良質な住宅を供給するという面で、住環境を整えるという面で、そういう地区詳細計画というのをきちっとつくって、そういうものにのっとっていわゆる都市というものを形成していくべきじゃないか、このように私は御提案申し上げたいわけでございます。
○政府委員(真嶋一男君) 私どもも基本的には方向として地区詳細計画の活用が今後の都市の環境のために一番いい方法であるというふうなことを考えておりまして、五十五年以降、先ほど申し上げたように四百十の地区計画が指定されておりますが、最近は年間百件程度の制定がされており、だんだん活発になっているということでいい方向であると思っております。今後とも努力をしていきたいと思っております。
○白浜一良君 先ほど質問に出ておりました用途別容積型地区計画の新設で、いわゆる家賃を抑えられないかという問題が先ほど出ました。またいわゆる事務所等への転用に対する危機感、これも出ました。 それで、そういうことも踏まえまして私が思いますのは、こういう計画を進めて、一つは果たして十分な居住水準が確保されるのかどうかという問題。それから、いわゆる用途別地域にさらに混在が広がっていくわけでございますが、住環境という面からそれがどう良質に保全されていくのかという問題。それから三つ目には、いわゆる商業地域にも住宅がふえることになるわけでございますから、当然病院とか学校とかそういった施設も関連して非常に必要になってきます。これとの関連はどうか。それから四点目には、いわゆる地方自治体が積極的にやらないと、上で計画を練るだけでは実は進まないわけでございますから、その辺をどのようにお考えになっているのか、御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 先ほど用途の転換と価格について申し上げましたように、今回の用途別容積型地区計画は、都市計画、建築規制、現行制度の枠内でつくり上げた制度でございます。したがいまして、居住水準の確保の問題を言われまして、例えばワンルームマンション的なものがいっぱいできるというようなことはいかぬと、こういう御説だと思います。私どもそのとおりだと思いますが、当然に今回の制度の限界といいますかそういうものがございまして、制度の中に取り込むことは極めて困難だと思います。したがいまして、別途、用途別容積型地区計画の一般的な地区計画の計画事項という中で住民の意見等を十分勘案しながら取り込むことは可能でございますので、まずは地区計画の計画事項として住戸規模等の規制をやるということが一点と、それから、先ほど価格で申し上げましたように、一般的な住宅事業として採択する際にできるだけ補助事業、低利融資といった公的なコントロール下に置くということで居住水準の確保にも努めたいということでございます。 それから住環境の確保でございますが、今回の用途別容積型地区計画は、先ほど来申しておりますように、公共施設が整備されている地区で敷地規模等も相当広いところでかつ住宅という、住宅と住宅外の用途との業務の性格を判断して、住宅について容積率をふやしていいんではないかというこういう判断でございまして、あくまでも現行都市計画の枠内で環境を守っていくということの中で、住宅だけはほかのものと比べて環境を阻害する要因として少ないから一・五倍程度の容積率を認めよう、こういう発想でございます。したがいまして、それでもまだ良好な環境の市街地を小るためにはさらにプラスアルファの規制が要るということで、敷地規模の最低限度とか壁面の位置とかいったものをさらにプラスすることで環境の確保を図りたいとしております。 それから三点目で、公共的な施設がさらにこれで要るようになるではないかというお話でございますが、先ほど来申しておりますように、公共施設は整備されておりますけれども、結果的に今の用途地域、用途制の中では、併用住宅であったものが業務地域に全部変わってビルディングになっちゃう、それで住宅はなくなる、こういうことで学校もあいちゃう、保健所もあいちゃう、こういう状況が都心及び都心周辺で起こっておるわけでございます。したがいまして、道路だけではなくてそういった公共施設も既に現状あきがあると申しましょうか、そういう条件のところが一番適しているわけでございまして、そういう地域にかけるということから、先生御心配のように、さらにこれによって、若干公共施設の整備が変わることはあると思います、例えば幼稚園から学校とかいうように変わることはあるかと思いますけれども、一般的に申し上げまして公共施設をさらにプラスするということが要らない地域について考えていくということでございますので、大丈夫だろうと思います。 それから四点目で、自治体が積極的に取り組むか、ここが一番問題でございます。今回のこの法律の体系でいきますと、大都市法の方で重点地域を指定するということの中に、この重点地域の中ではこういった都市計画制度、建築基準法のいろいろな制度、いろいろな住宅事業を重点的にやれということを関係の公共団体に義務づける規定を置いております。したがいまして、そういう形で事実上担保するつもりでございますが、さらに都心地域及び都心周辺、東京で申しますと都心三区だけではなくてほとんど二十三区で人口の減少が起こっております。したがいまして、附置義務制度みたいなものがどんどんと出てきているわけでございますが、今回の用途別容積型地区計画につきましては、先ほど説明しましたようにプラスアルファで住宅が置けるということから、今までの附置鏡務以上に効果の高い人口保持策といいますか増加策といいますか、そういうものになり得ると思いますので、公共団体側にもこれを利用する十分な下地はあると思います。私ども十分に話し合いをしながら、できるだけそういう方向に持っていきたいと考えております。
○白浜一良君 いわゆる容積率の規制緩和という件に関しまして、これも経企庁のリポートを見ましたら二つの角度で書いております。 〔委員長退席、理事小川仁一君着席〕 一つは、土地価格を抑制した上で公的機関が低い価格で土地を取得して開発を進める制度、これを一つ提案しているわけですね。もう一つは、民間開発があっても適正に公共施設整備を負担するいわゆる受益者負担ですね、開発利益を還元するということでございますが、こういうことをこのリポートでは言っているわけでございますが、これに関するお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 先ほど申しましたように、今回の用途別容積型地区計画等におきましては、都市計画、建築基準法の制度として当然に公共的なプロジェクトが入るというふうになっておりませんが、先ほど来申しておりますような大都市法の全体の体系、さらには公団、公営、公社といった事業主体の意欲、それから今回の都市計画制度の活用等におきましては当然に公共団体が相当イニシアチブをとって具体の制度の運用に当たりますので、そういった観点から、できるだけそういった公共的なプロジェクトが組み込まれるように実現をしていきたいというふうに考えております。さらには民間が開発した場合におきましても、それを買い取るあるいは借りるといったようなことも十分可能でございますので、これは全体の住宅プロジェクトを組む中で十分協議をしていきたいということでございます。
○白浜一良君 先日、建設省の方と懇談しておりましたら、非常に現場的な話が出てきたんですけれども、今のいわゆる都市計画でいきましたら、自治体が変わると非常に連続性がない。例えば十二メーターの道がばっとある市では走っていますが、市がB市に、違う市に行ったら途端に道が六メーターになったという、そういう非常にぶっち切りの計画にならざるを得ないという、そういう現状をちょっと伺ったわけでございますが、なぜこういうことが起こるのか御説明を願いたいと思います。
○政府委員(真嶋一男君) 都市計画の街路の決定でございますが、国道、都道府県道、市町村道がございますけれども、現在は幅員十六メートル以上の幹線道路は知事が決定して、十六メートル未満のものは市町村が決定するという仕組みになっております。 それで、実際都市というものは、行政区画を越えて拡大している大都市圏ではそういうことは一般的になっているわけでございますが、そういうところについては一体的にやるべきであるということでございますけれども、今の制度上は、それは一つ一つの市町村が決定して、そして知事がそれを承認するという仕組みになっております。 それで、今お話しのようなことは知事承認のときにやり直せるんじゃないかということもございます。ございますけれども、多少のそごのところは承認という立場ですとやむを得ないというふうな判断をするときもございます。それから、時期的に計画のずれがあって、何年かたてば直るけれども今はそんな格好で認めざるを得ないということでございまして、これは都市計画というものとそれから市町村の行政というものがなかなか一致していないという現状から見て、避けなくちゃいけないことですけれども、そういう実態がやむを得ず起こっているところはございます。
○白浜一良君 何かそんな傍観者的なことを言わはったら困りますわ。それをきちっとしてもらうための局長さんや。そやから、要するにやっぱり自治体でそれぞれ財政的な違いもありますやろうし、ばらばらに立てざるを得ないそういう計画があると思うんです。それは、ほっといたらどうしてもちぐはぐになる面は今おっしゃったようにやむを得ない。やむを得ないというのは我々が言うんです、あなたが言ってはいけないんです。だから、そういう面でやはり国が財政的なことも含めましてもう少し手を入れてこういうことをきちっとできないのかということを私は伺いたいんです。
○政府委員(真嶋一男君) 地方の大規模な、例えば数字で申しますと十六メートルで切っているところは、そこのところは国の関与するレベルがそこで違うということも一つ表現しているわけでございます。ただ、そうだからといってこういう状態をやむを得ないと言っているままではいけないと思いますので、こういうことについては結局私どもは、制度的には知事が市町村決定の承認をするという役割を果たしてくれていますので、そういうところに適切な判断をするようにという指導を機会あるごとにやっているということで、今後ともそういうことをやっていきたいと思っております。
○白浜一良君 きちっとお願いしたいと思います。 それから、話が変わるんですが、準工業地帯に最近いわゆるマンションが建つという、こういうことがあるんですね。そうすると、工場があって、そこにばんとマンションが建つわけでございます。そうすると、いわゆる日照権の問題とかさまざまなトラブルがある。結果的にそういう地域ですから工場をどんどん追い出していこう、住環境を守らなければいけませんから、そういう流れになっていくわけでございます。その工場が資産も資本も余力があれば十分そういう動きが出るんですけれども、零細な事業の場合はなかなかそこは進まない、こういう事態はこれからも十分あるケースだと思うんですね。 〔理事小川仁一君退席、委員長着席〕 こういうものに対して何か積極的に対応される考えはないのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 具体の例を仰せでございますが、現在の準工業地域を前提として、マンションが建つ場合のいろんなトラブルをどういうふうに調整しているかという問題と、それから本来的にこの準工業地域を含みますその地帯をどういう町づくりをしていこうかということで、公共団体がイニシアチブをとりながら住民の意思を十分反映して町づくりも土地利用計画も決めて、その中でそういったトラブルが起こらない形で土地利用を決めていくという方向と二つあろうかと思います。 前半の部分は、現在、公共団体が中高層建築物の指導要綱というようなものをつくりまして、いろいろと公共団体は苦心をして住民との話し合いが行われる形でということで規定をしております。ただ、この中には建築基準の確認申請との関係を非常に密接に見て、同意をとらなければ確認申請ができないという形にしているものもございますので、そこまで行き過ぎは是正をするという方向で指導しておりますが、事前の住民との話し合いは十分に行うように、住民の話し合いの仕方はこういうふうにやりなさいということで細かなマニュアルを既に公共団体に対して指導しておるところでございます。したがいまして、これはもう事前に建築確認の前の段階で話し合いをする以外にはとるべき道はない、その方法は穏やかにということでマニュアルをつくっている、こういうことでございます。 それから、将来ここは準工業地域だけれどもどんどん住宅が建ちそうなところであるというようなところにつきましては、先ほど来申していますように、地区計画、建築協定、特別用途地区といった手法は既にあるわけでございますので、公共団体がリードをしまして、地域住民の意向を十分踏まえて、新しい用途規制、高さ規制をきちっとして、その新しい同意を得た土地利用計画のもとで建築行為が行われるということ、そういうふうにするのが基本であろうというふうに考えておりますので、そういう方向で指導いたしてまいりたいと思います。
○白浜一良君 次に、住宅供給に関しまして何点かお伺いしたいと思います。 首都圏で見ましたら、世帯数は、私が調べた資料でございますが千三十七万世帯、住宅戸数は一千百四十万。これは数の上からだけですけれども、約百万ほど家が余っているということなんです。しかし実際は住宅不足だ、こういう現実の声が非常にあるわけでございますが、ここの数字ほどのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(伊藤茂史君) 先生御指摘のとおり、京浜大都市圏でも住宅戸数と総世帯数は一割ぐらい住宅数がオーバーしております。比率としては一世帯当たり住宅戸数は一・一〇ということでございますが、全国で見ましても一・一一ということで、これは全国的な現象でございます。これは現時点で人が住んでいない住宅、つまり二次的な住宅というものが一つございます。それから、ある時点でぽっと切りますから、必ず分譲住宅は分譲売り出し中の住宅というのがございましょうし、それから賃貸住宅も借家人募集中という住宅はもちろんあります。そういう住宅が一つあるわけです。それからもう一つは、さらには建築中というのもあるわけでございます。したがいまして、そういった広い意味の空き家というものはこれは必ずつきものでございまして、あるわけでございます。 諸外国と比較しまして、一・一〇という数字は決して大きい数字ではございません。諸外国と日本との差は、二次的な住宅の比率が非常に違うということでございます。それから首都圏につきましては、どちらかというと売り出し中、賃貸人募集中という住宅戸数がほかの地域よりも若干高いという特性がございます。したがいまして、これをもって住宅が余っているということではないというふうに思います。
○白浜一良君 今おっしゃったことと同時に、やはり余り良質でない住宅、老朽化も含めましてたくさんあるということだと思うんです。 それで、首都圏の人口増加の予測がございますが、東京圏で言いましたら、平成十二年、約百六十万人ほどふえるという、四全総ではこういう計画になっておりますね。しかしながら、いわゆる東京通勤圏の住宅計画というのは四百三十万戸。しかし単純にこれを考えましたら、百六十万人ぐらいですから世帯に直したら五、六十万世帯。四百三十万のうち、建てかえが二百万入っているわけですね。二百三十万が新たに供給されるという、これ数字の上だけのことなんですけれども、人口増加という面からだけいいましたらいわゆる五、六十万戸でいいわけでございますが、実際は新たに二百三十万ほど供給されるという、この辺の数の関係はどう考えておりますか。
○政府委員(伊藤茂史君) 先生御指摘のとおり、今回の首都圏の四百三十万戸供給可能であるというこの量は、四全総におきます東京圏の将来の住宅建設戸数、これは需要の数字ではじいておりますが、これが十五年間で五百七十万戸、これを十年分に直しますと三百八十万戸、この三百八十万戸に対します数字として、供給可能量として四百三十万戸ということを出したわけです。つまり需要を上回る供給可能な土地があるよと、こういう意味でございます。 したがいまして、今おっしゃいました世帯増であるとか、それから現地建てかえの量であるとかというのはむしろ需要の方のお話でございまして、この三百八十万戸の内訳が正しいかどうかということだと思います。そうしますと、これは四全総でいきますと、十年間の世帯増が大体三百八十万戸の三分の一ぐらいが世帯増だと、こう言っております。この三分の一が世帯増、つまり世帯数がふえることによって住宅ストックがそれだけ余計要るということでございますが、この比率は、ほぼ現行の五カ年計画が三七、八%でございますので、将来に向けて若干これは比率は下がってくる、つまり建てかえがふえたりリプレースがふえたりしますから非常に下がってくると思いますが、したがって非常に妥当な数字だと思います。 したがいまして、世帯増は三分の一ぐらい、そうしますとむしろ古い賃貸住宅が建てかわっていく、木造の家が建てかわる、それから持ち家も建てかわりますし、それから東京圏の場合には土地利用の転換ということで、そう古くない建物もかわるかもわからない。むしろ土地の高度利用ということで建てかわるというようなことございますので、いわゆるリプレースが通常のほかの地域よりも高くなることは可能でございます。 したがいまして、そんなにこの三百八十万戸が先ほど言いました世帯数との関係でいきまして不都合な数字ではないと思います。そしてこの三百八十万戸に対して供給可能量としては四百三十万戸分あると、こういうのが今回の考え方でございます。
○白浜一良君 私は、へ理屈みたいに聞こえますけれども、こういう数を出しましたのは、いわゆる全体の供給計画が出されるんですけれども、今大事なことは、どこに例えば公営住宅つくる、このぐらいの値段のマンションをつくる、そういう具体的ないわゆる住民がわかる形、自分だったらあそこ住めるなと、ああいうものができたらここ住めるなと、そういう具体的にイメージできる計画にしないといけないということで私この数字を挙げたわけでございまして、当初ですからそれは全体包括的でもいいんですけれども、できるだけきちっとした形でそういう値段、場所、それから全体の数というものを地域ごとにきちっと計画を組み上げていくという、そういうものが必要じゃないかということを私は言いたいがためにこの数字を言ったわけでございますが、いかがでしょうか。
○政府委員(伊藤茂史君) 先日来、制度の仕組みとしてはいろいろ申し上げておりまして、数字も理屈を申し上げておりますが、その中で委員の方方から、一般勤労者が夢を持てるように、手の届くようなものとして想像できるようにと、こういうお話でございます。 したがいまして、私どもはこの大都市法の体系の中で四百三十万戸という供給戸数を示し、それから住宅五カ年計画でそれを事業主体別に五カ年分のノルマを課すという形で具体の制度上の施策は進めますが、その中でできるだけ一般国民が夢が持てるように、どういう形で持てるかということをできるだけ具体的に示す方法をこれから考えていきたいと思います。これはこの前もお約束をいたしましたので、ここでもう一度お約束しますが、具体の制度としてはそういうものがございませんけれども、それは説明するなりなんなりそういう形で、申し上げるときには説明できるような形で、一般勤労者の夢をなくさない形にしたいというふうに思います。
○白浜一良君 それで、具体的に伺っていきますけれども、きょう先ほども質疑されておりましたが、首都圏のいわゆる分譲住宅ですね、七百六十五万年収で五・一二倍で三千九百十九万ですか、先ほどおっしゃっていましたですね。一応それはそれとして、そのぐらいの収入のある方がたまたの自分のマンションであれ一戸建てであれ手に入れられて、それはそれで置いておきます。 しかし、それ以下の方もたくさんいらっしゃるわけですね。例えば全国平均でいいましたら六百五十二万がいわゆる年収の平均らしいんですけれども、その平均よりも低い世帯というのは六割いらっしゃる。果たしてこの層の方はどこに住めるのかということになるわけですね。まずやはり考えられますことは、要するに公営住宅、これ今のデータで調べましたら、家賃の負担率というのが一二・四%らしいんです、これは平均でございますけれども。ですから、所得に対して家賃の比率がこのくらいですから、比較的助かっているわけでございます。 ここで大事なことは、公営住宅の場合にこれ以上いわゆる家賃負担率が上がらないということがまず大事なことなんですね。必要な戸数、これほどこまでかというのは難しい問題がございますが、そういう戸数を供給するという、こういう二つの面が大事なんですけれども、まずこの点に関して伺います。
○政府委員(伊藤茂史君) 今先生がお話しいただきましたのは、住宅建設五カ年計画の本来の目的でございます。つまり、長期的な見通しに立ちまして、今後五カ年間にどれだけ公営住宅の戸数が要るか。つまり、公営住宅が予定しております、低額所得者で民間の家賃では最低居住水準が確保できないという人たちに対しまして公営住宅を供給しよう、それが五年後にどのくらいの世帯数がいるだろうかということを推計しまして必要な建設戸数をはじいているわけでございます。 したがいまして、その公営住宅層の所得にふさわしい家賃ということで、これは完全な政策家賃でございまして、今先生がおっしゃいましたように平均的には一二%になっておりますが、例えば東京都の考え方でまいりますと、一種につきましては、施策対象層全体の収入の平均でございますが、これに対して一六%の水準で決める、あとは土地柄によりまして非常に便利のいいところは若干上がるところもございますが、そういう一六%頭打ちで、原価がどんなにかかっても一六%で切って供給をする、こういうことで、二種につきましては一五%というふうになっております。ほかの道府県もほぼこれに近い形で供給をしておりますので、結果的に先ほどおっしゃいましたように一二%になる、こういうことでございます。 したがいまして、五カ年計画で必要需要量をどれだけと押さえ、これは大都市圏については地域別に押さえますが、それを的確に供給するということが今のシステムでございまして、これをぜひとも守っていきたいということでございます。
○白浜一良君 ですから、一定の数を供給するということと、家賃を政策値段としてきちっと据え置いていただく、これが大事なことだと思うんです。 この上は、公営住宅へ入れない方はどうするかといったら、いわゆる賃貸でいいましたら公団とか公社の住宅に入ったり、民間の住宅に入ったりするわけですね。公団、公社でも、資料をとりましたら家賃負担率というのはもう二〇%前後なんですね、平均いたしまして。非常に家賃というのが家計を圧迫してくる率がだんだん上がってくるわけです。民間のそういう賃貸マンションも含めまして、老朽化した家は別でございますが、新しくなればどんどん上がっていくわけでございます。そうすると、非常に家計が家賃で圧迫されるという現状がどうしても出てくるわけです。 そこで大事なことは、そういう人たち、たまたま公営住宅に入れた人だけが助かればいいというものではないわけです。全体が平等なそういう利益を受けるべき立場であるわけでございまして、ですからそこで大事なことは、要するにいわゆる家賃控除という制度がございますね、そういうことも大事でしょうし、家賃というもの、住居費全体に対するいわゆる補助政策が建設省としても要るんじゃないかと私は思うわけでございますが、お考えを聞かしてください。
○政府委員(伊藤茂史君) 基本的には、公団の分譲住宅でありますとか公庫の融資を受けましてマンションを買ったり持ち家を持てる層以下の方々につきまして、賃貸住宅を供給するということで需要をはじくことになっております。それで必要な戸数を五カ年計画の間に供給をするということになるわけでございますが、先生御指摘のとおり、大都市圏、特に東京圏では今言いました一番アッパーの部分がだんだんと上がっておりますので、当然に賃貸層がふえる形になろうかと思います。そうしますと、先ほど来申していますように、いろいろ御指摘を受けていますように、公営住宅、公団住宅の事業能力といいましょうか用地取得能力といいましょうか、そういうものに限界があって、これは努力してもなかなかいかないところがあるのでどうするんだ、こういう論理に必然的になってまいりまして、先生の御指摘は、最終的には民間賃貸に対する家賃補助、家賃控除、こういうお話だと思います。 まず一般論として、次の五カ年計画に向けてどうするかということは、今住宅宅地審議会で御議論いただいていまして、最大の論点となっております。したがいまして、審議会の答申を得て、お考えを聞いてから対策をつくることになると思いますけれども、現状の制度の中で考えるとしますと、今現在、地域特賃Bというのがございます。これは民間賃貸住宅を公社が借りまして賃貸住宅を経営するわけでございますが、その際に補助金を国と公共団体からもらって家賃を引き下げて入居層に適正な家賃にする、こういう制度でございますが、こういった制度は今言われました家賃補助制度と思想的には全く同じでございます。ただ、この戸数は今現在非常に微々たるものでございます。 したがいまして、公営、公団住宅にプラスをしまして、そういう住宅あるいは東京都が考えていますような都民住宅的なもの、こういったものを将来非常にふやすべきであるということは今現在言えるかと思います。ただ、それ以上に抜本的にどういう施策があるかということは、ただいま申しましたように審議会で勉強中でございますので、もうしばらく時間がかかるかと思います。
○白浜一良君 勉強されている間に、実際東京都なんか御存じのように特に都心部は空洞化していくということで、江戸川区なんかはそうですが、お年寄りが住宅が建てかえされたらもう住むところもないということで、そういう老人に対する補助をやっているわけですね。どうしても新婚家庭、若い人たちはもう都心部は住居費が高くて住めない。そうすると、若い人たちがいないような変な町になっちゃうわけですね。それをとめようということで、御存じのように、いわゆる新婚世帯に対する家賃補助を台東区ではやっていますね。ですから、地方自治体の方が先行してどんどんやっているわけですね。 大臣、申しわけないですけれども、要するに大事な問題なんです。これは予算もかかりますし、大蔵省とのいろいろな難しい問題もあると思いますが、やはり良質な住宅があってこそ健全な生活ができるわけですから、どうしても谷間になるそういう問題、いわゆる家賃控除という問題も大事ですし、さまざまな形で家賃補助の形態はあるわけでございますが、いろいろ研究していただいて、そういうものを前向きに進めていただきたいと私念願しているわけでございますが、大臣一言御所見をお願いします。
○国務大臣(綿貫民輔君) 前々からも家賃控除の問題についていろいろ御提言をいただいておりまして、私どもも良質な賃貸住宅というものを住宅政策の中に考えていかなければならないということはかねがね申し上げておるところでございます。御提言のようなこともいろいろと研究はいたしておりますが、今後さらに幅広い住宅政策の中でいろいろとまた考慮をしていくべき問題ではないか、こう思っております。
○白浜一良君 もう一つ、要するに家を今度は買う方、買える立場にある方のお話を少ししたいと思うんですけれども、五月に総務庁の住宅に関する行政監察結果報告書というものが出ました。要するに、公庫など公的資金による住宅にも幾つか問題がある、こう指摘をしているわけでございます。 三月二十六日、住宅金融公庫法の改正のときに私も若干質問させていただいたんですけれども、非常に融資限度額がもう現状とほど遠いという話、局長もそれはよくわかっていらっしゃるわけでございますが、なかなか過去の経過から引き上げられない、このような答弁であったと思います。今回のこの総務庁の勧告によりましても、「融資限度額等は、毎年度におけるわずかな限度額の引上げが行われているものの、大都市地域と地方都市における融資率に顕著な差があり、」「分譲住宅購入を促進するようなものとはなっていない。」云々とありまして、「住宅の取得を推進するよう、公庫融資体系の見直しを検討すること。」、このように指摘されているわけでございますが、ことしから大都市地域における特別加算をされるということなんですが、その内容を少しお話しください。
○政府委員(伊藤茂史君) 今回の大都市地域の特別加算というのは、従来ありました特別割り増し貸付制度というのがございますが、これにさらにプラスをしたものでございます。 したがいまして、例えば団地住宅、いわゆる公庫融資つきマンションと言っておりますが、これで申し上げますと、平成二年度の基準金利によります通常の貸付限度額は千四百八十万、これは東京、横浜、川崎といった大都市地域の例でございますが千四百八十万でございます。これに特割りと申しております特別割り増し貸付額が八百万つくわけでございますが、さらにそれに東京につきましては四百万プラス、それから大阪圏につきましては百万プラス、こういうことにいたしたわけでございます。したがいまして、全部足し上げますと二千六百八十万円ということに相なります。
○白浜一良君 本当はいわゆる実勢にほど遠い額でございまして、努力されているのはわかるんですけれども、その辺を、この総務庁の報告書じゃないですが、もう一度しっかり研究をしていただきたいと思うわけです。 不動産経済研究所の調査によりましたら、この五月に首都圏で発売されたマンション二千七百八十七戸あるらしいんですが、そのうち公庫つきのものは九百八十八戸、三五・五%、こうなっております。確かにこれにはワンルームマンションもあるでしょうし、もっと高額な億ションみたいなものもこれは当然ありますから、この数そのものをどう見るかということも大事なことなんですけれども、しかしながら三五・五%というのは非常に低い、これはもう間違いないと思うわけですね。ですから、住宅取得を推進するための公庫融資制度でございますから、大都市圏でしっかり機能するように改善をしてもらいたい。これは要望として言っておきたいと思います。 それから、次に中古住宅の問題です。中古住宅の場合は、新築住宅の融資と比べて非常に金利も高い、返済期間もより短い、月々の負担が重いということが指摘されているわけです。結局、大都市地域ではもう新築が高くて買えない、だからもう中古でも買おう、こういうふうに努力されておる方がおるわけですが、そういう方にとっては、金利が高い、返済期間が短いというのが非常に負担になっているわけですね。この辺の現状を御説明願いたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) 中古住宅につきましては、先生御指摘のとおり相対的にはやはり所得の低い人たち、若年層が買うという現実がございます。私どもも、居住水準の向上政策を図る上で、中古住宅に対する融資制度を充実すべきだというのが基本姿勢でございます。 平成二年度予算におきましては、貸付限度額を新築も四十万円ふやしましたけれども、中古につきましても四十万円ふやしまして、貸付限度額を千四十万円といたしました。そして、利率は百二十五平米以下の規模のものにつきまして五・八ということでございまして、新築が五・三に対して先生の御指摘のとおり若干高くなっております。償還期間は最長二十年ということでございます。 私どもも、従来からこの中古住宅制度、特に金利面につきまして改善をずっと要求をし続けてきておりますけれども実現をいたしておりませんが、今後とも努力をしてまいりたいと思います。
○白浜一良君 努力をしていただきたいと思います。 それから、融資の適正化ということで、せっかくこの融資を受けながら第三者へ転売するという、こういう目的で投機的に行われているという事実もあるわけです。総務庁の調査によりましたら、十二団地九百二十四戸で調べましたら、三・七%に当たる三十四戸が購入後三年以内に公庫貸付金の繰り上げ償還を行い、公庫の抵当権を抹消し、第三者へ転売が行われていた、このようになっております。当然この中には転勤されたというような正当な理由もあると、それは当然あるんですけれども、しかし詳細に見ましたら、三十四戸のうち六戸は三年以内に二回も転売が行われている、こういう事実がございます。不正利用者もいるということですね。ですから、公庫融資においてはみずから居住するために住宅を購入、建設することはこれは当然原則なんですけれども、こういう不正利用もあるわけでございまして、そういうものを防止するために何か具体的なことをお考えになっておりますか。
○政府委員(伊藤茂史君) 公庫融資の場合には、業者から消費者に対して住宅を売るときに、消費者が公庫と契約を結んでお金を借りる、こういうことでございまして、業者と消費者との間の売買契約とは違うわけでございます。したがいまして、法律的には当然に相手の転売を規制するのに限度があると思います。 現在はどういうふうにやっているかといいますと、公庫法で当然ながら本人の居住の用に供するということが条件になっておりますので、金融措置をする場合に、当然相手方はそこに住むということを申し出た者にお貸しをするということになっておるわけです。したがいまして、申し込み案内におきましてそういう趣旨を十分に徹底をするというのが第一義であろうということで実行いたしております。それからさらに、それぞれの民間デベロッパーとか公社とかの事業主体が販売に当たりまして本人居住をするということを十分徹底するように、公庫からもお願いをするということをやっております。それから業界全体に、先ほど先生御指摘のようにいろんな動きがあるやに新聞に出ておりますので、業界団体に対しましても公庫つきのマンションにつきましては適正に譲渡をするようにということでお願いをしておるわけでございます。 その後、具体に転売が発覚した場合には、先ほどお話が出ましたように、繰り上げ償還をさせるわけでございますが、それはなかなかわかりませんから、転売されそうな地域、つまりマンションの価格が上がった地域でありますとか、それから都心に近いところとか、そういったところでございますが、そういうところについては実態調査を入念にやっていきまして、これはもう人間の数に制限がございますので難しゅうございますけれども、できる限りフォローをしていって、そして具体の事例があれば適正に処理をするということで、これは見せしめの効果があるかと思いますが、そういうことを一生懸命やっておるわけでございます。と同時に、その際に融資条件に違反をして転売したことがわかりますと繰り上げ償還をさせるわけですが、その際に違約金制度なるものも最近設けまして措置をしているということでございますので、そういう実態的な調査も今後徹底してやっていきたいというふうに考えております。
○白浜一良君 もう時間でございますので、最後に、今回二法案がかかっておりますが、いずれにいたしましてもどういうように運用されていくかということが非常に大事でございまして、良質な住宅を供給していただきたいし、またそういう流れにならなきゃならないし、住環境の改善に本当につながっていかなきゃならない、このように思うわけでございます。最後に建設大臣の御決意をお聞きして終わりたいと思います。
○国務大臣(綿貫民輔君) いろいろと御指摘をいただきましたが、今回提出させていただいております法案を成立させていただきまして、さらに税制調査会の土地税制のいろいろの裏打ちをしていただくことによりまして、いろいろの実際的効果が出るように一生懸命やっていきたいと考えております。
○委員長(対馬孝且君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時九分散会