環境特別委員会 第3号
- 発言数
- 270 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/05/30
会議録
○委員長(大森昭君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、公害対策及び環境保全の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○篠崎年子君 まず、ゴルフ場の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 最近ゴルフ人口が千二百万人を超えて、しかも年々利用者数が六から五%ぐらいずつふえていっていると言われております。しかし一方では、ゴルフ場による影響からゴルフ場建設反対の声も上がっているようですが、その理由は、一つには、水質汚染の問題、二つには、自然の生態系を破壊するのではないかという問題であろうかと思います。 そこでまず、水の汚染の問題でお尋ねをいたしたいと思います。 ことし五月十七日に厚生省はゴルフ場使用農薬の水質目標を決めて発表しております。ゴルフ場で一般的に使用されている農薬、殺虫剤六、殺菌剤八、除草剤七の二十一種類についてその目標値を定められているようですが、続いて五月二十三日に環境庁から同じようにゴルフ場使用農薬にかかわる暫定指導指針についてということで出されております。今回指針の対象となりました農薬は、先ほど申しましたように二十一種類となっておりますが、殺菌剤イプロジオンあるいはキャプタン、これは一リットル中に○・三ミリグラム、これは厚生省では○・三ミリグラムになっておりまして、環境庁の指針では一リットル中三ミリクラムというように十倍になっているようでございます。また、発がん性があるということで心配されております除草剤のシマジンにつきましては、厚生省では○・〇〇三ミリグラム、環境庁では○・ミリグラムというふうになっているようですけれども、こういうように厚生省と環境庁の指針値が違っておりますのはどういうわけでしょうか、お尋ねいたします。
○政府委員(安橋隆雄君) 厚生省から出されましたゴルフ場からの排水によります水道源水につきましての指針値と環境庁から出しましたゴルフ場の排水口におきます指針値の関係でございますけれども、先生の御指摘のとおり、十倍あるいは十分の一というような関係になっているわけでございますが、これは従来から事業場の排水とそれが環境なり水道なりに与える基準との関係、十倍になっておりますので、そういった照応関係と同一のものとすることによって環境中の基準が守られるという経験則がございますので、それに基づいて決めたような次第でございます。
○篠崎年子君 今までの経験則からということでそういう二つの異なった値が出ているということですけれども、最近のようにゴルフ場がどんどんふえていきますと、水系の中では一つのゴルフ場だけではなくて二つ、三つと重なっていく場合があるんじゃないかということを考えますと、この指針については今後も十分監視を強めなければならないと思いますが、その点については、あるいはまた殺菌剤、殺虫剤といったようなことで複合汚染ということのおそれはないだろうか、そういうことについてやはり住民は心配していると思うんですけれども、その点はいんうか。
○政府委員(安橋隆雄君) 一般的な条件のもとでは、ゴルフ場の排水口におきます私どもの暫定指針値が現実の測定した数値と比べまして上回らなければ水道水に起因する人への健康の影響というようなものはないものと考えられるわけでございますが、先生御指摘のように、地域の実情がまちまちでございますので、私どもの示しました値というのは全国的なものでございまして、地域の実情によりまして私どもの示しました指針値よりもより厳しい値によって指導することも可能だというようなことをこの指針値を出しました通達であわせて述べているところでございますので、地域による対応ということはそういう意味では可能であるというふうに考えております。
○篠崎年子君 それでは、そういうふうに基準値が決められますと、やはり監視をしていかなければなりません。その監視体制はどこがどんなふうにしてするのかについてお尋ねしたい。
○政府委員(安橋隆雄君) ゴルフ場から流れ出します農薬の実態把握ということにつきましては、一昨年来環境庁の方で関係都道府県に実態把握の必要性ということで通達を発しまして、実態把握に努めてきていただいているところでございます。 その結果、御案内のことと思いますけれども、従来まで一万三千八百検体ばかりのゴルフ場から流れ出ました農薬につきまして調査ができているわけでございますが、その中では九四%までは農薬は検出されなかったわけでございますが、六%ぐらいから農薬が検出されるというこうとざいます。 この検出された農薬の値をこの五月二十四日に出しました指針値に当てはめてみますと、四検体ばかりオーバーしているというふうな結果も出ているわけでございますが、これは指針値がなかったときの基準でございますし、指針値は今後の実態把握の際の指導の基準ということでつくらせていただいておりますので、今後、従来同様県を中心といたしましてゴルフ場からの排水中に含まれます農薬についての実態把握に努めていただく。場合によりましてはゴルフ場自身が自主的に検査していただくというようなことも考えなければならないと思いますが、中心は、何と申しましても都道府県の方に実態把握の責任を持ってもらう。調べていただきました調査結果が指針値を上回るようなことになりますとこれは問題でございますので、農薬使用の適正化のための指導を一層徹底していただきますとか、あるいは下流の方への通報をしていただきますとかといったようなことで、環境中にゴルフ場から流れ出します水に含まれます農薬についての影響が出ないように指導を徹底をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○篠崎年子君 そうなってまいりますと、都道府県あるいは自治体がその仕事をしていかなければならないということで業務が今まで以上にオーバーしてくるということになります。特別に多くなるということはないかと思いますけれども、また経費もかかるでしょうし、そういうことについては環境庁として何らかの手を打たれるんでしょうか。
○政府委員(安橋隆雄君) 先ほど申しましたように、一昨年から一万三千八百検体ぐらいの農薬につきまして都道府県で検査をしていただいているわけでございますので、既に検査のノーハウでございますとかあるいは実績というものが積み重なっておりますので、今回の指針値の施行に伴いましてさらに都道府県側に混乱が生じるというようなことはない、適切な実態把握に引き続き御努力願えるものと思っているわけでございます。 なお、経費の点でございますが、環境庁からはかねてから都道府県に水質分析機器の整備拡充ということで助成をしてきておるわけでございますが、今後もそのような経費の助成について適切な運用をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○篠崎年子君 次にお尋ねいたしますが、このように目標値を設定されましてこれから厳重に監視を強めていくということで今までのように農薬汚染は少なくなっていくと思いますが、また一方では、このような環境破壊ということから考えまして、千葉県や佐賀県では農薬を使わないゴルフ場づくりをしようではないか、そういう話が出ているようですね。 そうしますと、ここでせっかく農薬を使わないゴルフ場にしようという指導をしながら、一方では農薬についてのこういったような指針が出てくるということでは、無農薬ゴルフ場をつくろうとした県がちょっと戸惑いを感じるとか、あるいは業者との間にトラブルが起こるとか、そういうことは考えられないでしょうか。
○政府委員(安橋隆雄君) 今回の指針を出すことになりました背景なんでございますけれども、数多くの県からの要請で、先ほども申しました六%検出されているゴルフ場からの排水におきます農薬のレベルが一体安全レベルであるのか危険なレルであるのかというような指導の判断基準を示してほしいというような要請がございまして、それにこたえる形で私ども指針を出したわけでございます。 これの指針を出すに当たりましては、もちろん関係省でございます厚生省、農林水産省とも十分連携を図りまして、人の健康の保護に十分配慮して作成したものでございまして、私どもとしてはこの指針が守られております限り環境に与える影響はないというふうにも考えているわけでございます。 ただ、この基準値の範囲内でありましても、農薬の適正な使用でございますとか農薬の使用量の削減指導といったものは別途必要であるということで、これも関係省庁と連携を図りながらこの指導に努めてまいりたいと思っておるわけでございます。 千葉県の新設ゴルフ場につきまして無農薬にするという考え方でございますけれども、これはやはり千葉県のおかれております実態でございますとかあるいは県民の意向にも沿って選択されたものであるというふうに考えておりますので、この千葉県の考え方は千葉県なりにゴルフ場関係者との協議の中で運用されていくものではないかというふうに考えておるわけでございます。 そういうことで、先生御懸念のようなことは起こらないのではないかと思っておるわけでございます。
○篠崎年子君 そういうことが起こらないことを祈っております。 次に、ゴルフ場による環境破壊の問題で、これは農薬の問題ではなくてゴルフ場をつくりますときにせっかくの森林を伐採してつくっていくとか、あるいは流出率を高めるために管を敷設したり排水を完全にしようとしているとかいうことで、特にその下流におきます保水力の低下による洪水とかあるいは濁水とか水不足の問題とか、そういうことがいろいろ考えられるのではないかと思っております。特に、美しい緑がいっぱいのように見えても、そこには虫が生息していない。したがって、鳥も寄りつかない。そういったようなことではやはり一見美しいゴルフ場も環境破壊につながっているのではないかと思います。先般あるところでちょっと聞きましたのでは、雨水の流出率ということについては、自然林では〇・一%だけれども針葉樹林では〇・六から〇・七%、あるいはゴルフ場になってまいりますとその流出率は〇・九%と言われているということです。 そこで、このような状態から考えますときに、これ以上ゴルフ場はまだ必要なのかと、そういうことについてやはり考えなければならない問題ではないだろうか。そこで、それぞれの都道府県の経済的な状況とか何かいろいろあると思いますけれども、国として何らかの基準を定めるということは考えられないでしょうか。
○政府委員(安原正君) ただいま委員お尋ねのゴルフ場の立地建設に対しますいわゆる総量規制の問題でございますが、現在の状況を見ますと、十九の都県におきましてそれぞれの地域の実情等を踏まえまして開発の凍結とかあるいは県土面積中の割合を設定いたしまして規制をするとかいうやり方がとられておるわけでございます。各地域のおかれております自然的あるいは社会的な条件というのは区々でございますので、ゴルフ場の建設に対する具体的な規制の措置につきましては、それぞれの地方公共団体におきましてその地域の実情を踏まえて適切に対処していただくのが適当ではないかと考えておりまして、委員御指摘のような形での対応というのは今特に考えている状況にはございません。
○篠崎年子君 ゴルフ場につきましては、一人当たりの面積が使用している人数からいきますと大体百六十六平米と言われておりますが、都市公園の場合は北海道で十六・五平方メートル、千葉では四・三、静岡三・七と、そういうように都市公園の面積と比べますと大きな違いがあるわけですね。ゴルフをなさる方にとってはそこは大切な場かもしれませんけれども、国土全体あるいは国民全体の自然に親しむ、そういうことから考えますと、やはりゴルフ場についてはそろそろ考えなければならないときに来ているのではないか。そういうことについて都道府県だけに任せないで、環境庁としても自然を守るという立場からしっかりした対策をとってほしいと思います。 時間がありませんので、次に移りたいと思います。――済みません、一つちょっと忘れておりました。 先ほど四月の二十日でしたか、現下のゴルフ場に係る諸問題について、関連する各省庁間で連絡を密にするためにということでゴルフ場関係省庁連絡会議というものを設置されたと承っておりますけれども、この連絡会議のあり方について、どこが主体となるのか、あるいはどういうふうなことをこれからやっていこうとしているのかということについてお尋ねいたします。
○政府委員(安原正君) お尋ねのゴルフ場の関係省庁連絡会議でございますが、第一回目の会議が四月十七日に行われました。参加いたしました省庁は全部で八省庁でございます。通産省が幹事役ということになっております。 会議で取り上げる問題でございますが、第一は環境の保全、それから第二が良好な生活環境の維持という点、それから第三がいわゆる地域振興、それから第四が国民が身近にゴルフを楽しめる環境づくり、第五が事業の健全な運営ということでございまして、これらの問題につきまして関係省庁で関連施策の状況をお互いに把握し共通の認識を持ちまして連携をとりながら必要な施策を推進していこうというものでございます。第一回目の幹事会がさらに五月二十三日に行われております。 そういう状況でございます。
○篠崎年子君 その連絡会議がこれから有効に活用できますようにということで、次に、酸性雨の問題、酸性霧の問題についてお尋ねをいたします。 さきの国会でもこのことについて私がこの委員会で質問いたしましたけれども、今や環境問題は地球規模で考えていかなければならない大切な問題でもありますので重ねてお尋ねいたしたいと思います。 まず初めに、昭和五十八年から六十二年まで、五カ年計画で第一次酸性雨対策調査が行われておりますが、その結果、概要について御報告いただきたいと思います。
○説明員(小林康彦君) 酸性雨の現状とその影響を把握いたしますために、環境庁では、昭和五十八年度から六十二年度まで、第一次の酸性雨対策調査を実施をしております。具体的には、全国十四都道府県二十九地点で、酸性雨の成分分析及び陸水・土壌影響調査を実施したところでございます。 その結果判明いたしましたことは、多くの地点でヨーロッパや北米とほぼ同じ水準の、年平均値で申し上げましてが四台の酸性雨が降っていること及び酸性降下物量が観測されております。特に、硫酸イオン降下量については主に日本海側や屋久島で多く、硝酸イオン降下量は首都圏で高い傾向が認められております。 酸性雨の影響を受けている湖沼や土壌はこの調査では確認をされておりませんけれども、今後酸性雨が続きますと影響を受けやすい湖沼あるいは土壌の存在が確認をされております。 こうしたことから、現在第二次の酸性雨対策調査を継続して実施しているところでございます。
○篠崎年子君 これは五月二十七日付の朝日新聞でしたけれども、酸性霧が雨よりも濃度が非常に高くて雨の五倍から四十倍にもなっているということを神奈川大学の工学部の井川学助教授が佐賀大学で行われました日本分析化学会で発表されたという記事が載っておりました。それから、これは五月二十八日付の毎日新聞の大阪版でしたけれども、そこには酸性雨のことで「全国で調査方法統一」「研究会着手 一斉実施へ体制作り」という記事が載っておりました。その記事によりますと、全国の各都道府県、政令都市の公害センターなど六十五機関の研究所でつくる全国公害研究協議会の内部組織である酸性雨調査研究会が来月にも初会合を持って酸性雨の調査方法について全国共通のノーハウづくりに着手をする、こういうことで、今まで環境庁のほか全国の自治体が調査に取り組んではいますけれども、調査の時期とかあるいは地点数とか調査項目などにばらつきがあって全国的なデータとしては難点があった、だからこれからは調査方法を統一して酸性雨の実態に迫っていかなければならないのじゃないかということを話されたと、こういう記事だったわけです。 そこで、今回新しくまた二十三地点を設けて第二次調査に取りかかられるようですけれども、これとあわせて各自治体の取り組みもそれぞれ行われているようですし、またその他の民間団体でもこういう調査が行われていると思いますが、てんでんばらばらのことでは一つの統計としてとった場合にやはり本当に全国的な調査になっているかどうかということでいろいろ問題もあるかと思いますので、環境庁が中心になりましてそういったような調査の方法とかあるいは時期とか地点とか、そういうことを統一的にやられるというお考えはございませんか。
○説明員(小林康彦君) 最初にお話しございました酸性霧の点でございますが、研究者あるいは私どもの調査の中でも酸性の強い霧が観測をされております。酸性の霧を含めました酸性雨の生態系への影響についてはまだ未解明の点も多いため、国立公害研究所を初め、今後調査研究の充実を期したいというふうに考えておるところでございます。 次に、地方公共団体を含めての測定の点でございますが、現在、環境庁では二十三カ所の国設大気測定所におきまして統一的手法で観測を実施いたしますとともに、離島での観測局を整備するということで、いわば全国的な骨格をなす部分の観測体制を整備をし観測をしておるところでございます。 一方、地方公共団体でも酸性雨に対します関心は非常に高く、私どもの調査では、現在、全国で約三百カ所で地方自治体による観測が行われております。この測定は環境庁がまとめております測定のマニュアルにおおむね沿っておられますので、測定方法についての統一はできておりますけれども、測定時期につきましては通年まではなかなかいかずに、六月、七月が多いというような形でばらばらでございます。それから、地方公共団体独自でおやりになっているということもございまして、まだ情報交換につきましては十分ではないというのが現状でございます。 こうした地方公共団体の努力の過程でデータを交換をし、あるいは相互に比較をし、全国的な動きに持っていくためにはぜひ共通的なものをつくりたいという地方公共団体の方の自主的な大きな動き、機運も盛り上がっておりまして、私どももそうした全国的なネット化につきまして調整あるいは主導的な役割を果たすということで現在組織化が進んでおりまして、地方公共団体と国の調査を連携をとりながら、全国的な酸性雨観測のネット化といいましょうか、そうした体制づくりに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○篠崎年子君 今のお話ですと、環境庁としては骨格をなす部分の調査ということで二十三地点をとっている、それで各地方自治体などでもやっているので、マニュアルなど環境庁に沿ってやっているから、その方もまたこれからも充実させていきたいということですね。 そうしますと、やはり調査の時期ですけれども、偏西風に乗りまして天気は大体西の方からずっと変わってきていると思うんですね。その場合に、風の流れというか空気の流れでもって調査の地点が変わっていけば、そこで同じ時期に調査をしても、ここは酸性雨が出たけれどもこちらは出てこないというようにいろいろ変わってくるかと思うんですね。そういう場合に、例えば梅雨の時期に調査をする、あるいは非常に快晴が続いたとき、雨は降りませんけれどもそういった前後に調査をするとか、そういったようなことがいろいろ考えられると思いますけれども、今、環境庁としてはその調査の時期ということについてはどんなふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○説明員(小林康彦君) 環境庁の調査では通年にわたります観測をし、それをもとに酸性雨のメカニズムあるいは移動に関しますシミュレーションのモデルの形成を目指して現在検討しておるところでございます。そうした研究が進みますと、それぞれの地点でどういう時期に中心を置いて観測をするのが適当かという方向もさらに明確になってくるかというふうに思っております。 地方公共団体が現在おやりになっておりますのは、現在のところ梅雨を中心にしましたところということで、全国的な流れを十分解析した上ということではなくそれぞれの地域の関心に沿って測定計画を立てておられるわけでございますが、本年中にも全国公害研協議会の場所で全体としてどういうように今後調査測定を進めていったらいいかの相談が始まることになっておりますので、そういう中での協議によりまして相互の連携が綿密にとられていくようになるだろうというふうに考えております。
○篠崎年子君 次に、酸性雨による土壌への影響はどうかということについてお尋ねいたしたいと思います。 先ほど御説明がありました第一次酸性雨対策調査結果によりましても、土壌への影響は余りないというふうに御説明があったかと思いますけれども、やはり雨、霧ともに土の中へしみ込んでいきます。しかし、量もそう多くないからということで影響が出るのが遅いと思いますが、やはり十年、二十年という長い期間で見た場合にはどうしても土壌への影響があり、そしてそれが植生に対しまして影響を起こしていくのではないかと思いますけれども、この辺についてのメカニズムの研究ということについてはどんなふうに取り組んでいらっしゃるのでしょうか。
○説明員(小林康彦君) 第一次の調査では土壌の成分を中心にいたしまして土壌への影響状況を追跡してきたわけでございますけれども、影響を受けたという土壌の確認はできておりません。現在のところ、まだ影響はあらわれていないというふうに見ておるところでございます。 現在やっております第二次の調査では全国で六カ所の湖沼を選定いたしまして、その周辺で大気、陸水及び土壌、植生についての調査を実施し、酸性雨の総合影響を把握いたしますとともに、全国十二地点におきまして土壌、植生の調査を実施して酸性雨の影響を監視していくということにしております。 植生に対する影響につきましては、第一次でpH三の人工雨を降らせました土壌でソバを生育させましたところ、成長に影響があるということが確認をされておりますので、現在の調査でも人工的な酸性雨で土壌及び流出液の変化を調査いたしまして、メカニズムの解明及び将来の影響予測を行うということにしております。 また、酸性雨の生態系への影響を含みますモニタリング調査を今後実施する必要がございますので、その調査方法の検討にも着手しているところでございます。
○篠崎年子君 さきに出されました第一次酸性雨対策調査結果によりましても、土壌モデル調査ではpH四では大きな影響は見られなかったけれども、pH三では土壌の理化学性が大きく変化したとか、あるいは今お話がありましたようにソバの成長についてはpH三の人工雨の場合には明らかに草丈等に影響があったというふうに報告をされております。 そこで、新聞の記事で申しわけないと思いますけれども、五月二十八日の毎日新聞社のデータによりますと、これは「西日本の衛生研究所・公害監視センターなどが実施した酸性雨調査の最新データ」ということで出ております。 その中で、年間でしますと、例えば大阪府は四・四から四・九、あるいは大阪市でも四・三から四・六というようになっておりますけれども、ピーク時のpHの値がやはり大阪市では三・八から四・一とか、京都市で三・八、滋賀県三・五、石川県で三・八、あるいは四国でも徳島県や愛媛県、高知県あたりでも三・八というふうにピーク時で三・三、pH三台の値が出ているようございます。 そう考えてまいりますと、今お話がありましたように、ソバへの影響で三のところで少し出てきたということですけれども、今のところ影響がないからいいんじゃないかというふうに見ないで、そういったような影響がある酸性雨が降っていることがある。そう考えてみると、この対策については十分急がなければならないんじゃないかという気がするんですが、その点についてはいかがお考えでしょうか。
○説明員(小林康彦君) ただいまお話しの地方公共団体が実施しております調査結果は私どもも見させていただいておりますが、平均値を比較をいたしますと環境庁の調査とほぼ同じ水準でございます。 したがいまして、今直ちに影響が出るという状況ではないと思いますが、将来的にはいろいろ懸念をされる問題でございますので、今後その対応につきましては十分な検討が必要というふうに考えております。
○篠崎年子君 次に、この第一次調査の結果によりますと、日本海側におきましては硫酸イオンの濃度が高く、硝酸イオン濃度は首都圏の方で高くなっているという結果が出ているようでございますが、硫酸イオンは工場などで石油、石炭などを燃やすことによって発生をする、硝酸イオンは車の排気ガスが主な発生源と見られるようですけれども、日本海側あるいは九州方面の酸性雨の状況から見ても、これはやはり日本国内だけでなくて外国との間の関係ということも考えなければならないんじゃないか、そういうふうに思うわけです。 昨年十月十六日のある新聞ですけれども、環境庁は昭和六十年代になって日本海側の幾つかの県に追加観測を依頼した。ことしは日本海側の二つの離島、ことしというのは昨年のことですけれども、壱岐、対馬に新たな観測所を設置したし、また、おくればせながら韓国と中国に情報交換の申し入れを行って、来年二月には日中韓三国による酸性雨シンポジウムを北九州市で開くという記事が出ておりました。 これから見ますと、来年二月というのはことしの二月のことですけれども、この日中韓三国の協調体制といいますか、そういったような会合は持たれたのでしょうか、そしてどんなふうな状況なのか、お尋ねいたします。
○説明員(小林康彦君) お尋ねの日韓環境シンポジウムは、本年二月十九日及び二十日、北九州において開催をされ、酸性雨もそのテーマの一つとして取り上げ、情報の交換及び意見の交換をしたところでございます。
○篠崎年子君 情報の交換、一定の交換ということですけれども、もしお差し支えなかったら大体どういうふうなことが議題になったのか、あるいはどういうふうな情報が交わされたのかということについて御説明いただきたいと思います。
○説明員(小林康彦君) 日韓両国から、現在の雨の状況及びその測定計画の状況等につきましての発表、意見交換を行っております。
○篠崎年子君 そうすると、酸性雨について韓国の状況はどんなぐあいだったでしょうか。
○説明員(小林康彦君) 韓国では一九八三年から二十の都市で酸性雨の測定が行われておりまして、一九八七年の測定で、年平均で見ましてソウルで五・一、蔚山で四・九の酸性雨といいましょうか、雨の結果が観測された、こういう報告がございました。また、一九八八年のソウル、蔚山等五つの都市におきます測定では、pHで四・九から六・〇の範囲にあり、平均的にはpH五台の降水が観測されております。 なお・黄砂現象が出現した場合にはpHは上昇する傾向にある、こういう観測といいましょうか、コメントも発表されております。
○篠崎年子君 黄砂現象が出たときにはpHが上昇するというのは、多くなるんですか、少なくなるんですか、どっちですか。
○説明員(小林康彦君) 酸性度が少なくなるという意味でございます。
○篠崎年子君 少なくなるということですね。 最後に、大臣にお尋ねいたしたいと思います。 本年四月十七日に環境庁から出されました「ゴルフ場問題に対する対応について」という文書を拝見いたしました。そこの中にこういうふうなことが書かれていたわけです。 ゴルフ場の建設については、樹林の減少、生態系の変化等の自然環境の破壊や、農薬による水質汚濁等を懸念する住民等から問題とされる事例が各地で見受けられるようになっている。こうした中で、建設計画が中止されるケースや公害紛争処理法に基づく調停申請が行われるケースも出てきている。 というように書かれておりまして、ゴルフ場の問題は住民が問題視するから環境庁なんかも取り上げたんだ、そういうふうに読み取れるような気がするわけですね、この文書からまいりますと。 しかし、私たちは、やはり日本全体あるいはグローバルな地球規模の環境問題ということについてはもっと国が主導権をとって指導していかなければならないのじゃないか。そのときに一番中心になるのは、やはり何といっても環境を守るという立場から設けられた環境庁が一番中心にならなければならないと思うわけです。その環境庁がそういったように懸念する住民等からの声が上がってきたから規制をするとかあるいは基準値を出すとか、そういうことではやはり私は手おくれになっていくんじゃないだろうかという気がいたします。また、今お尋ねしておりました酸性雨や酸性霧の問題につきましても、やはりこの問題については住民側あるいは各地方自治体の一番中心になっていくのは何と申しましても環境庁だ、地方自治体を締めつけるということは困ると思いますけれども、やはり主導権をとってそういったような環境を守るという立場に立って行政を進めていっていただきたいと思いますが、大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(北川石松君) ただいまの篠崎委員の御指摘はごもっともの点でございまして、住民の声もまた大切なものでございますし、また環境庁としても、環境を損ねたりあるいは水質を汚濁したりあるいはそれによって生態系を壊されたり、そういう環境に大きく影響するゴルフ場というものは規制をしなくちゃいけない、こういう考えを持っておる次第でございます。 ただ、住民の声によってと言いますが、やはり国民の声というものは常に重要視していかなければいけない、こういう思いもいたしておる次第でございます。
○篠崎年子君 今住民の声も大事だからという大臣の御答弁でございまして、確かにそうだと思います。しかし、大きな目で見た場合に、ここのところはどうしても国が主導権をとっていかなければならないという問題があるのじゃないだろうか。別にお尋ねいたしませんけれども、例えば長良川の河口ぜきの問題等も今取りざたされているようですが、そういうことについてもやはり国全体の産業の基盤も大事でしょうけれども、一遍失われてしまった環境はもとに戻らない、そういうことから考えると主導的な立場をとっていただきたいと要望いたしまして終わりといたします。 どうもありがとうございました。
○清水澄子君 私はちょっときょうは風邪をひいていまして、聞きにくいかもしれませんけれどもお許しいただきたいと思います。 今日の地球環境問題は、人権の問題と同様に、いずれの国におきましても内政と外交の最優先課題となっていると思うわけです。とりわけ日本の責任と役割が国際的にも注目されていると思います。大臣の所信表明を拝聴いたしましても、やはり「世界全体が大きな転換期に直面し、新たな価値と行動の模索が始まっております。」と非常に明確にあるべき方向を言明しておられます。そしてまた、「地球的規模で考え、地域から行動を」という、そういう環境保全のために私たちは新たな価値とそして行動的なものが要求されているということをお示しになっているわけでして、私はこうした所信表明の認識に対しましては全く同感でございます。私もやはり環境委員の一員といたしまして、こうした価値づくりと政策、そして行動に責任を持って臨みたいと思っております。 ところが、そうした視点と意欲とは裏腹に、この予算の何とつつましやかな金額であるかということです。たった四百九十六億八千四百万円、私は一番最初目を疑いました。これをいろんなところで発表しますと、みんな国民の皆さんもびっくりなさいます。しかも、この予算の半分は公害被害者補償費ですから、実質的な政策費というのは半分しかないと思うんです。ことしは史上空前の六十七兆円もの予算規模であるときになぜこれほど少ないのか。そしてこの七年間の一般歳出予算に占めている他省庁の環境関係費を見ましても、七年前よりもことしの方の比率が下がっている。 そういう事実を見ましたときに、環境政策の緊急性とその重要性を考えたときにこの予算とのギャップはどこに問題が所在をしているとお考えになっているのか、私は大臣にその理由と根拠をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(北川石松君) ただいま清水委員の御指摘のとおり、環境庁予算は四百九十六億八千四百万円でございます。その面だけを見ますと、少ないという御指摘を受けても当然であろうと思います。ただ、環境庁は各省庁の環境に関係ある予算を総合的に執行していく環境庁としての立場もありまして、各関係省庁とも十分連絡をとりながら環境関係に関しては前向きで進んでいきたい、こう思っております。 しかしながら、さりながら環境庁全体の事業予算は、これは公園のみでございますから、それ以外は、あるいは建設省の下水道とか、あるいは厚生省のごみとか、これは環境に関係ございましてもその事業は全部各省に分配されておりますので、そういういろんな面を考えながら環境関係については手落ちのないように頑張っていきたいと思いますが、今後政府といたしましても環境行政を進めるためになおなお努力をしてその予算の積み重ねを増したい、こういう思いでございます。
○清水澄子君 大体そういうお答えが返ってくるとは思っておりましたけれども、その中にもいっぱい矛盾があると思うんです。自然の環境保全を進めるというその直接の責任においても、やはりこの予算では余りにも少な過ぎますし、それから定員も少な過ぎると思います。 ですから、そういう面で今の大臣のお言葉を信用しておきますから、もう来年度の予算編成が始まっているとのことですから、他の厚生省や日米構造協議のあの関係から途端に公共投資がふえるというのをもって来年ふえたというふうな形ではなく、それは当然歓迎すべき点はいっぱいあるんですが、やはり環境庁独自の新しい施策を遂行できるような予算面にぜひ御努力をお願いしたいと思います。 次にお尋ねしたいのは、NGOに対する対応と姿勢についてでございます。 この中にも余りそういうことは出ていないんですけれども、環境庁が設置されてきましたのは、それは言うまでもなく一九六〇年代、あの全国に巻き起こった公害被害者の救済の世論、そういう運動から環境庁が生まれてきたと思うわけです。ですから、環境庁というのは住民運動と最も近い関係にある行政だと思います。そしてまた、環境保護というその行政目的を達成するには、これは広く国民や市民の参加と協力なくして効果を上げることはできないと私は思うわけです。昨年、地球環境に関する東京会議でNGOの参加を拒んだことが問題になっておりますけれども、やはり、環境庁は他の省庁とは異なる、市民に開かれた行政を工夫すべきだと思いますし、そしてまた市民の参加を組み入れた行政を積極的につくり出していっていただきたいと思うわけですが、いかがでしょうか。
○政府委員(安原正君) 環境行政が広く一般の市民の方、国民の方々と十分な意思の疎通が図られ、その連携のもとに進められていくことが重要であるということはもう御指摘のとおりかと存じます。 特に、地球環境問題につきましても広く一般の方々に理解をしていただいて、みずからのライフスタイルも見直しをしていただかなければならないというような状況になってきているわけでございます。また、公害につきましても、いわゆる都市生活型公害という問題が深刻化している状況にございます。そういう問題の解決にも広く一般の方々の御理解、御支援なくしては解決し得ないわけでございます。さらにはまた、アメニティー、快適環境をつくっていくということも積極的な市民の参加なくしては進まないわけでございます。 そういうことで御指摘のとおりでございますので、環境庁といたしましても、その点に十分留意いたしまして、今特に環境教育にも重点を置いてその充実に努めているところでございます。さらには、いろんなメディアを通じまして、普及啓発活動を積極的に進めているという状況でございます。 今後ともその努力を積み重ねてまいりたいと考えております。
○清水澄子君 そこで、これはもう御承知だと思いますけれども、七月九日から十一日まで、ブラッセルでヨーロッパ環境会議が開かれるわけです。これは世界で一番大きなNGOの会議ですけれども、この会議からNGOへの参加が呼びかけられてきておりまして、今、都留重人さんが議長をしておられます日本環境会議とそれから国際環境経済研究会の皆さん方がそれにこたえなければならないということで、環境問題の代表的な研究者や学者たち、また市民に参加を呼びかけているわけです。このNGOというのは、本来みずからがやらなきゃいけないんですけれども、やはり資金がなくて大変苦労をしておられます。ヨーロッパでは、そのNGOの国際会議に参加するに当たって各国の政府はいろんな面で財政的な援助をしていると聞いているわけです。 この際、環境庁としては、これらの代表者の派遣に当たりましてどういう援助ができるかということについてひとつ研究をしていただきたいということを私は要望しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(安原正君) ただいまの話、今初めて伺うものでございますので、そういう民間団体の方から御要望がありました場合によく承ってみたいと考えております。
○清水澄子君 よろしくお願いいたします。 次に、新石垣空港の建設問題とサンゴの保全について御質問いたします。 新石垣空港建設予定地の土地取引で国土利用法に違反している事実が明るみに出てまいりました。既に衆議院の環境委員会ではこれらのことが論議され、そして国土庁は、これは違法業者の告発も含めて厳正に対処するよう沖縄県を指導しているということを岩垂議員の質問に対しても答弁しておられますが、それは刑事訴訟法第二百三十九条の二項に該当しているわけでございますね。 国土庁の方にお尋ねしたいと思います。
○説明員(大日向寛畝君) お答えいたします。 御指摘の新石垣空港予定地とされております沖縄県石垣市白保カラ岳の土地につきましては、二件の無届け取引が行われたという報告を本年四月に沖縄県より正式に受けているところでございます。 国土庁といたしましては、従来より国土利用計画法違反に対しましては厳正に対処するよう各都道府県等を指導してきたところでございまして、本件無届け取引についても告発を含め厳正に対処するよう沖縄県を指導しているところでございます。これを受けて沖縄県においても近々に告発等の措置がとられるものと考えているところでございます。
○清水澄子君 それでは、法務省の方に先ほどお伺いしました刑事訴訟法第二百三十九条の二項というものを今度どういうふうに発動されていくのか、御説明ください。
○説明員(東條伸一郎君) 刑事訴訟法二百三十九条の第一項に、犯罪があるときは何人も告発をすることができるというふうに規定しておりまして、ただいま御指摘の刑事訴訟法第二百三十九条二項というのは、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と規定いたしまして、公務員の一般的な告発義務を定めているわけでございます。 お尋ねの沖縄県の告発がいずれに当たるかということは、私、ちょっと事実関係を詳しく存じませんのでわかりませんが、一般的に申し上げますと、この官吏の告発義務というのは、その当該公務員がその職務を執行するに際しましてその職務内容に関連のある犯罪を発見したとき告発義務が原則としてあるのだというふうに解されております。 いずれにしましても、告発ということは、刑事訴訟法上、親告罪ということになると別の扱いになりますが、一般の犯罪につきましては、告発というのは捜査官憲に処罰を求めて犯罪の捜査を促す、こういう機能を有するわけでございまして、それが二百三十九条二項の告発に当たるのか一項の告発に当たるのかというのは訴訟法上はそれほど大きな問題ではないということでございます。
○清水澄子君 いずれにしても、告発の義務はあるわけですね。 それで、国土庁の方にお伺いいたします。 こうした事実がこの国会でも議論され、公の場所でこの問題が明らかになったわけですから、沖縄県は、直ちにこの告発の手続をしなければならないと思うわけですけれども、今それらの告発の手続状況とか、そういう沖縄側の動きというものはどのような状況にあるか、ひとつ御報告ください。
○説明員(大日向寛畝君) お答えいたします。 県からの情報によりますと、告発の準備が完了次第直ちにその手続に入るということでございまして、早ければきょうこれが行われるものと、そのように私どもは見ております。
○清水澄子君 どうもありがとうございました。 そこで、今度は環境庁にお伺いしたいと思うのです。 私は、これらの土地転がしや法律違反は環境庁にもその責任の一端があると思うわけです。と申しますのは、経緯を振り返ってみましたとき、昨年の四月二十六日に沖縄県が空港建設予定地の白保海上案を断念して、そしてわずか四キロしか離れていないカラ岳東案をいきなり発表いたしました。それまで予定地に幾つか挙がっていた場所があったわけですけれども、それらは何ら審議されることなく地元の住民さえ全く知らなかったという、そういう非常に非民主的なといいますか、そういうことが行われたわけです。ところが、そのとき既にもう現地では今問題になっております土地転がしの黒いうわさが取りざたされておりました。私は、昨年の質問のときそこまで入る時間がなくてそこをやらなかったわけですけれども、そういう状況がありました。そしてそれがついに今日明らかになったと思うわけです。 それで、私が環境庁にも責任の一端があると申し上げましたのは、当時、変更の前に白保の予定地が決まったその段階のときにも、市民団体やあるいはこの国会でも、環境庁が調査をされました石垣島周辺海域サンゴ生息現状調査という八八年の十一月に調査されたその結果はどうであったんですかということで、再三その結果の公表を要求したことがあったと思うわけです。しかし、そのとき環境庁は、県のアセスが公表されない前にその結果を発表することは適切ではない、こういう御判断のもとに国会議員の質問に対してもその秘密行政を貫き通されました。しかし、一方においては沖縄県に対してはもうすぐ調査の結果を示唆されているという形で、それらと同じような時期からその土地転がしは始まってきているということです。そしてもう一点は、昨年四月に環境庁長官は、沖縄県が白保案からカラ岳案への変更発表をしましたとき、これも間髪を入れず、まるで五分もたたなかったわけですから実にタイミングよく、この計画変更には自然保護上の問題はないというコメントを発表されました。この発表は事業者が環境アセスを始める前に述べられたものであります。 そうすると、さきの白保案のときに環境庁が独自調査の結果を県のアセス前に明らかにすることは適当ではないとしてこられたその説明と全く矛盾していると思うわけですけれども、それらの点についてお伺いしたいのです。
○政府委員(山内豊徳君) まず、先ほど御論議のありました土地の取引をめぐる事件が私どもの責任においてという件については、率直に申し上げまして、私としては非常に心外な思いで今聞いておったところでございますが、ただ経緯に関しましては、先生今御指摘のような大きな流れの中で環境庁が現在の新しい四キロ北に持っていく案を支持していることはそのとおりでございます。 その間の事情を申し上げますと、私どもがこれはある意味では異例の直接調査ということで昭和六十三年の十一月に現地石垣島周辺二十二カ所の調査をしましたのは、十一月二十日からが現地調査でございます。これはかなり膨大な調査でございますことと、それを取りまとめるについてはどうしても時間的な経緯がかかりますものですから、沖縄県からの公式の問い合わせにも実は私どもはなかなか返事が出せないでおったことは事実でございます。 それから、調査結果についてはアセスが公表される前だからできないというふうに申し上げたかと思いますが、その意味は、本来事業者である沖縄県庁がこの空港問題のアセスの責任者なのだから、途中で異例の直接調査を行った環境庁が所見を述べるといかにも県の本来の責任であるアセスが途中で失効するようなことになっては、これはかえって無責任な状態を持ちますので、我々は、アセスがまとめられてそれに対して最終的に、当時の考え方では五十ヘクタール以上でございましたから、環境庁長官が意見を求められるときに意見を言わなきゃならない、そのための現地調査であるという理由で公表を避けてきたわけでございます。 ただ、御指摘のように、沖縄県において私どもの調査結果の感触を、どうも旧予定地のアオサンゴを中心とする海域については環境庁がこれをサポートすることはできないという感触を受け取られた時期があると思います。それは、率直に申し上げまして、受け取り方でございますから、何月何日であったとは申し上げませんが、これは四月の二十六日よりかなり以前であったことは事実でございます。私どもは、そこでかなり煮詰まった段階で県からの新しい思い切った北へ四キロの変更案を見せていただきました。これはかなり四月二十六日に近い時点でございました。それに対して私どもは、数時間の審査で物を申し上げたんじゃなくて、私どもが直接調査を行った結果、それからここはまた加えて重要なことなんでございますが、航空写真その他によって海流その他の状況を判断するという作業を加えまして、もちろん最終的には当時の環境庁長官に表明していただいた考え方でございますが、それを積み上げる過程では私の責任も含めまして事務的に新しい四キロ北への案を審査しつつああいう判断をしたわけでございます。 その間において、今お話ございましたような土地利用の問題があったことは、後で聞きますと非常に残念ではございますが、率直に申し上げまして、私どもが誠心誠意県の新しい検討案について自然環境保全上あるいはサンゴ礁保全上の観点から審査したという事実においては何らやましいところを感じておりませんものですから、その点を冒頭に私はあえて、恐縮でございますが、心外であると申し上げさしていただいた次第でございます。
○清水澄子君 局長にすべての責任があるというふうにも思わないんですけれども、その経緯には、やはり市民がこういう問題の世論を上げていたことの方が正しかった、やはりそれに耳を傾けていただきたかったというふうなことが今も残っておりますし、今、それもこういう残念な経緯になったということもお認めになったと思うわけです。ですから、環境庁は県を超えたそれほどの権限を持っていない部分が多いのにもかかわらず、国民はすべて環境庁の姿勢とか態度に大変に大きな期待をしているというこの事実は大切にすべきだし、それが私は環境庁の存在する本命だろうと思います。ですから、ぜひ今後ともこういうこれまでの経験を教訓としていただいて、これからの環境行政に生かしていただきたいと私は思います。 そこで、私どもサンゴの破壊を非常に憂えていた者からいたしますならば、おかげで白保のサンゴとカラ岳東のアオサンゴはそのまま群落は残っているわけでございますが、環境庁は、この旧予定地を中心にではありましたけれども、海中公園に指定する方針だと言っておられましたけれども、それらの計画や作業、審議、そういうものはどこまで進んでおりますか。
○政府委員(山内豊徳君) 今、全国に海中公園地区を持ちます国立公園が二十七カ所ございまして、実は沖縄県では西表島と石垣島の間が石西碓湖ということで海中公園としても非常にすばらしいところであるということで指定されておるわけでございますが、私どもは、先ほど申しました私どもの直接調査の結果からも、今おっしゃいました旧予定地の南側にあるアオサンゴ、あるいは旧予定地の南の端と言っていいほど近くございました塊状ハマサンゴの一帯は、これはやはり国立公園の海中公園地区にするにふさわしいものであるという判断をしております。そんなこともございまして、先ほど先生お話のありました四月二十六日の時点でも、環境庁長官から海中公園地区に指定したいという意向を表明させていただいております。 具体的な手続でございますが、私どもの考え方は、石垣島に新しい国立公園をつくるというのではなくて、今申しました西表国立公園の海中公園地区を広げるという形が一番現実的であるしまた管理の上からも適切じゃないかと思いまして、そういう前提で部内での検討はかなり行っておるのでございますが、実はこういう地域を広げます場合にも、ある段階では県知事の御同意、県知事の御同意は当然地元の石垣市、場合によっては隣の竹富町の同意が要るわけでございますので、本来ならば私どもの案を県なり市当局にお示しするような時期にまで持っていきたいと思って努力しているのでございますが、我々の作業ももう少し詰めなきゃいかぬ点もあることと、やはり空港問題そのものが石垣市当局あるいは沖縄県当局においても差し迫った一つの懸案になっておりますために、まだ私どもが具体的に素案を県や市にお示しする段階にいっておりません。しかし、手順としては、そんなことをまず第一のステップに、できるだけ早い機会にこの指定の実現を図りたいと考えているところでございます。
○清水澄子君 今こういう状況で、石垣島のサンゴの問題は、この十年ぐらいの間に私たち自身がむしろこれの重要性というものの認識を深めてきたと思うわけです。この際、環境庁は、もう一度サンゴの保全について、世界的に例のないサンゴだと言われているわけですから、改めてやはりアセスをやっていただきたいと思うわけです。 そういう意味はなぜかといいますと、昨年の八月にWWFJがこの新予定地に決まったカラ岳東海域を含む石垣島全島にわたるサンゴ礁の非常に子細な調査を重ねておられます。そしてやはり白保とカラ岳のサンゴが一つのもの、いわゆる生態系は一つのものだということを十二月に発表をしておられると思いますし、そしてまた最近、これは五月十八日、日弁連も、世界的に貴重な白保サンゴ礁への影響が問題となっているこういう空港建設計画についてはこれをやはり凍結すべきであるという意見書を環境庁に提出したと言っております。いろんな市民またはいろんな専門的研究者たちのグループとか、さまざまなところから、この問題がやはりまだ非常に不確定な調査に終わっているんじゃないかということの心配が起きていると思います。 特に、最近、フランスの著名な生態系の研究者であり環境科学者であります学者から市民団体に手紙が来ているわけです。その手紙に、サンゴ礁は地球の海面の〇・二%以下しか占めていない、しかしこのサンゴ礁というのは非常にすぐれた生態系の代表選手であって、その面積とは不つり合いなほど多くの種をはぐくんでいる。そしてまたこのサンゴ礁が地球の温暖化の歯どめにどんなに大きく寄与しているかということを国際科学諮問協議会で報告をしたという、そういう手紙をよこしておられます。そして日本へのメッセージといいますか、この白保のサンゴは日本自身が気づかなかったうちにこれは神から授かった自然のプレゼントだと思います、どうぞ世界の環境行政の発展のため、その大切な自然のプレゼントをどのように取り扱っていかれるのか日本の環境行政に注目しておりますという手紙が届いているわけです。今日この白保のサンゴは世界でも例のない本当にすばらしいものであるということは、今やだれしもが周知をしているわけでございます。 そこで、私は大臣にお伺いしたいんですけれども、やはり、そういう世界にも例のないような私たちの持っている幸運な資源について、その所信表明の中に「この日本と地球の環境資源を私たちの世代で使い切ることなく、美しく住みよいものとして私たちの子孫に引き継いでいくことが環境行政に与えられた重大な使命であります。」と明確に言っておられるわけですので、私は、この際ぜひ英断を振るってこの石垣島全島の白保の生態系全体を再度調査していただきたいし、その保全のために万全の力を発揮していただきたいと思うわけですが、大臣、いかがでございますか。
○政府委員(山内豊徳君) 大臣が御答弁いたします前に、ちょっと事務的な経緯だけ御説明さしていただきたいと思います。 私ども、そういった国際的な声、最近もございます声は聞いております。そういった内外の声に応じて旧予定地を四キロ北へ移すということが実現され、またそれを裏づけるためにアオサンゴ、塊状ハマサンゴを中心とする旧予定地を海中公園にしようとして実は準備を進めておるわけでございます。 そこで、国内のいろんな調査なさった方の御意見が、今先生も御披露いただきましたように、カラ岳東の新しい工事が前のアオサンゴ地域に影響するのではないかという点、あるいは生態的に一体ではないかという点につきましては、たびたび私当委員会でも申し上げた記憶があるのでございますが、やはり、そこは率直に申し上げまして、私どもが直接調査した結果、あるいはその後のデータからいって、私どもとしては違った見方をしております。つまり、地形的にはサンゴ礁の形はつながっていることは事実でございますが、その間には轟川に代表されます陸上からの土砂の非常な排出があるわけでございます。例えば逆に、これは別に学術的な議論をするのではなくて、私どもが先ほど言いました海中公園地区を指定する場合の従来のルールからいいましても、とても轟川をまたがって北の部分まで海中公園にすることはできません。これは正直に言えば、そういう案は恐らく従来の海中公園関係者から見れば評価されないと思うわけでございます。この点、確かに一般的な沖縄の石垣島のサンゴ礁は世界的にも非常にすばらしいという所感はそれぞれの専門家の方がおっしゃいますが、例えば、一昨年になりますか、昨年になりますか、日本の自然保護団体が発表されたものでも、今の新しいカラ岳東では種類としては普遍的なものであるということ、あるいは私が今申しました轟川からの土の影響をどう防ぐかが一番緊急の課題であるといった点はむしろ国内の保護団体からも指摘があるぐらいでございます。 そんな意味で、先生のおっしゃる意味は今後サンゴを幅広くとり直して調査をすべきであるという意味であれば、現在考えております緑の国勢調査などでも全国十三都県に当たりますが、そういうところのサンゴ礁の調査をしたいという意向はございますが、この新しい予定地をアセスメントの意味で調査をするつもりはないかというお問い合わせであれば、今申しましたこれまでの判断を私ども変える必要は依然としてないと考えておりますので、改めて調査をする考えは持っていないのは事実でございます。
○国務大臣(北川石松君) ただいま清水委員から白保のサンゴと石垣島の空港について御質問がございましたが、環境庁といたしましては、自然公園を初めとして良好な自然環境はこれは絶対維持し保全しなくちゃいけない、こういう考えを持っております。 白保のサンゴ礁につきましても、海中公園として指定しこれを維持していく、こういうふうに前向きで進んでいきたい、このように思っております。 なお、再調査その他については、局長から現在までの経過を答弁したとおりでございます。
○清水澄子君 それはやはり私たちが問題を指摘しているときに一緒に考えていただくことが、それを保全する、予防が最も適切に行われるようになることだと思うんです。意外と調査をしてみて本当にそうだったということもわかるわけですから、もう一度真剣に考えていただくことをお願いしたいと思います。 そこで、今回の石垣島周辺のサンゴ礁保全の問題をめぐるこういうトラブルの要因には、やはり環境破壊の事前防止にとって最も大切な行政手法でありますところの環境アセスメントがいまだ立法化されていないことに私は非常に大きな問題があると思っております。そしてそのために、私、環境庁は仕事が大変やりにくいのではないかとむしろ私は応援しているつもりでおるわけですけれども、現在あります閣議決定に基づくアセスメント制度といいますのは非常に不備なものだと思います。対象事業の範囲が非常に狭いということ、そして事業実施段階でのアセスメントであること、本来ならば計画の初めから何度もアセスメントを繰り返し実施して計画を固めていく、そういう手続的な手法になっていないと思います。そしてまた代替案の検討が現在のアセスメントでは必要とされていないこと、ましてや公正な第三者による評価が行われないこと、そして住民参加が極めて不十分な対応になっていること、およそアセスメントの名にふさわしくない制度となっていると思うわけです。やはり環境破壊防止の決め手となるような真の意味のアセスメント制度は、私は今本当に緊急に必要な問題だと思っております。国内に有効なアセスメント制度がなければ、今国際的に問題になっておりますODA援助国に対してもそれを求めることができないと思うわけです。ぜひこの環境アセスメントの法制化を私は要求したいんですけれども、このことをお進めいただく御決意はございませんでしょうか。大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(北川石松君) ただいま委員の環境アセスメントについての非常に熱意のある御質問とまた御鞭撻をいただきまして、環境保全のためには大変大事なことだと思っておる次第でございます。 ただ、昭和五十九年八月に前のアセスメント法案は流れたのでございますが、閣議で円滑な実施のための決定をいたしまして鋭意努力をいたしておりますが、法制化することにつきましては、その後の実施状況を見ながら、またただいまの御指摘の点等も踏まえまして、引き続き検討をしながら何らかの形を出していきたい、こういう思いをいたしております。
○清水澄子君 ぜひその立法化を急いでいただきますようお願いいたします。 最後に、廃棄物問題についてお伺いいたします。 今日の廃棄物問題は、これは一九八〇年の後半ごろから従来とは違った非常に本質的な変化が起きているということはもう既に周知の事実だと思います。つまり、産業構造の変化によりまして、ごみの排出量そのものも非常に膨大なものになっておりますし、またその質も非常に大きく変化をしておりますために、適正に処理することすら極めて難しくなってきております。その上、空き缶とか瓶とか、そういう廃棄物の不法投棄またはそういう散乱のごみで環境破壊が深刻な社会問題になっていると思うわけです。 こうした状況に対しまして、最近の報道によりますと、厚生省は、従来の清掃法とか自治体のみが責任を持つという状況では解決されないという、そういう認識に立たれて廃棄物法の改正とかごみの効率処理に抜本的な見直しと対策を立てておられると聞いているわけですが、それらの計画の理念とポイントについてお伺いしたいと思うわけです。
○説明員(坂本弘道君) 廃棄物の問題でございますが、確かに先生御指摘のとおり、例えば昭和六十三年度の一年間の家庭、事業所から出てまいりますごみ等は東京ドームにいたしまして百三十杯分、前年度に比べて五杯もふえておる、こういうような状況でございます。従来厚生省は、出てまいりました廃棄物を速やかに集め、焼却するなりして埋め立てをする、こういうことに全力を注いでまいったわけでございますが、ここへ来ましてこれだけごみがふえてくるというような状態になりましたので、今おっしゃいましたような抜本的なことを考えていかなければいかぬのじゃないかと、こういうふうに考えております。 現行の廃棄物処理をめぐる問題点といたしましては四点ばかりございます。その一つは、ただいま申し上げました排出量の増加、それから先生御指摘のように質が多様化してきた、こういう点がございます。それから二つ目が、不法投棄等の不正事例の発生、産業廃棄物等でございますが、こういう事例がございます。それから第三点目が、処分場、これは埋立地でございますが、処分場の不足とそれに対応した受け入れの制限。最近東北等の県でそういう要綱の制定等の動きがございます。第四点目でございますが、減量化だとか再利用システムが社会的に未定着である。こういうようなこと等々が挙げられるわけでございます。 したがいまして、このような問題の解決のため、廃棄物処理対策全般の多面的な見直しについてただいま法律改正を含め検討を始めたというところでございます。
○清水澄子君 もう時間もないので、またこれからの計画についてもっと具体的な資料などをいただきたいわけですけれども、今日の廃棄物問題というのは、今減量化とそれから再資源化ということをお話しになりましたが、これは単なるごみの処理という問題ではなくなってきていると思うわけです。やはり、そこに新しい世界観とそして人間一人一人の意識の変革が求められている、そういう本質を持っている問題だと私は思うわけです。 最近私ども社会党がせめて空き缶とか空き瓶の再処理、再資源化の法制化ができないかというので準備をしたり研究をしてみましたけれども、何と空き缶は一年間に二百十億個放置され、そして空き一升瓶は十一億五千万本が放置されている。これほど資源をむだにしているという中で、これは本当に日本の経済のあり方、そして私たちの国民生活のあり方といいますか、ライフサイクルすべてを含めたそういう全体の、もっと資源と環境という視点からこれからの廃棄物の問題は取り上げなければならなくなっていると思うわけです。ところが、空き缶一つを取り上げても何と十一省庁にまたがっていて、お互いの利害対立がありましてなかなか意見の調整ができないという問題にぶつかりました。だれしも空き缶を回収してリサイクル化しようということに反対じゃないと思うのですが、十一省庁を調整していくというのはなかなか時間がかかり、内容が環境という視点がどうしても薄められていくわけです。そういう中で私は、この廃棄物の問題は先ほど申しましたような理念からも環境を重視するという、そういう時代にふさわしい廃棄物対策というものが必要だと思います。環境教育などと教科書で教えることも社会的に教えることも大事ですけれども、実際の生活の中でそれを実行していくという、そういう生き方を社会全体がみんな求められ、モラルを持ち合わせられるようなそういう状況をつくり出していただきたいと思うのですが、これは大臣がやはりその気になってひとつ頑張っていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(北川石松君) ただいまの委員のごみについての非常に御理解のある御質問の中に、十一省庁にまたがっておってどうしようもないじゃないか、環境庁しっかりせいと言われているような思いをいたしますのですが、そういう各省庁にまたがっている環境の関係がたくさんあるのが現状でございますので、今後の環境の重要性をわきまえまして、そういうようなものが一元化できるような立法を考えるべきであろうという思いをいたしております。
○清水澄子君 ありがとうございました。 質問を終わります。
○石川弘君 大臣の所信の中で特に地球環境問題をお取り上げになっておりますし、大臣御自身も例のホワイトハウス会議にお出になって日本の立場を主張なさったわけでございますが、最初に、大臣のあの会議における御発言の内容なり、それから会議でどのようにお感じになったというか、お感じで結構でございますが、率直にお伺いしたい。
○国務大臣(北川石松君) 石川委員のホワイトハウス会議における大臣としての考え、あるいはどういう行動をしたかということの御質問でございます。 これはブッシュ大統領が、今の地球全体の、率直に言いますと病んでいる地球について地球環境をどうしたらいいだろうというところのお考えの中で、これは早急に各国の関係者を一堂に会していろんな意見を聞こうじゃないかということでホワイトハウス会議ができたと思っております。 私は、日本政府を代表いたしまして出席し、また議長も務め、三たび演説をいたしまして、欧州各国がCO2温暖化対策についてアメリカ側は手ぬるいじゃないかというような考え方の中に立ちまして、また片方ではこれは不確実性があるから研究しなくちゃいかぬ、こういうところのアメリカ側の意思も体しながら、一日もおろそかにしてはならないということも意見の中に申し述べますと同時に、日本は過去自動車の排気ガス等いろいろの公害をうまく抑制しながら経済を発展いたしてきた、だから経済の発展を損なうことなく環境保全ができるんだというところの意見も申し述べました。 世界各国がこの環境会議で地球をいかに守っていくかということの重要性を認識したと思っておりますし、またいろいろ意見が分かれましたときに、みずからは国は異なれども地球は一つというところの意見も出しました。非常に有意義な地球環境をよくするための各国の意見の集中は一つの形になってきた、こういう思いをいたしております。
○石川弘君 実は私、この地球環境問題というのがかつて一九七〇年代の成長の限界に言われておりますような、どちらかというと学者の方だとか研究者の方のベースからだんだんだんだん政府ベースへ上がってきた、このプロセスにはやはりそれなりの背景があったと思うんです。 私自身の気持ちからいいますと、その発端になったのは、一九七〇年代初頭に大変な世界的な大干ばつがございまして、大臣御承知だと思いますけれども穀物ショックと言われるような時期、これは一九七二年からでございますけれども、アメリカが大豆輸出を禁止したり小麦の値段が三倍になったりというあの騒ぎでございましたけれども、どうもそういうものが政府ベースに事が上がってくることの一つの発端になったのではないかという気持ちがしておるんですが、環境庁はこの問題、そういう発端がどういうところにあったとお考えでございましょうか。
○政府委員(安原正君) 地球環境問題が今日ほどの高まりになってきた経緯でございますが、今石川委員御指摘の、ちょうど一九七二年でございますが、ストックホルムで国連人間環境会議というのがございまして、そこで地球環境を一体としてとらえるという認識が芽生えてまいったわけでございます。 その後、一九八〇年に米国政府が発表いたしました「西暦二〇〇〇年の地球」ということでその認識がますます明確化されてまいったわけでございまして、その認識等に触発されるような形で我が国の環境庁でも環境庁長官のもとに地球的規模の環境問題に関する懇談会というのが設置されて検討が始まったわけでございます。 さらに国際的には、我が国からの提唱ではございますが、一九八四年に国連の環境と開発に関する世界委員会というのが発足いたしまして、八七年に「地球の未来を守るために」という表題の報告書をまとめたわけでございます。ここでは持続可能な開発の概念が明らかにされまして、そういう報告書を通じまして地球環境問題への関心が世界的なものに広がってきたというぐあいに理解をいたしております。 その後、地球環境問題の具体的な問題への取り組みということで、まず最初の取り組みが行われましたのがオゾン層保護の問題でございまして、八五年にウィーン条約が、そして八七年にそれの具体化のためのモントリオール議定書が採択されたわけでございます。そしてその後さらに、今一番大きな問題になりつつあります地球温暖化の問題につきましては、八八年に国際的な検討を進めようということで政府間パネルの設置に至ったわけでございます。 さらに、昨年のことになりますが、アルシュ・サミットを初めといたしまして政治レベルでハイレベルの会合が相次いで開催され、今や地球環境問題は人類にとっての最重要課題の一つという位置づけになってきた、こういう経緯をたどっているものと理解をいたしております。
○石川弘君 私、今おっしゃった七二年、たまたま大干ばつのときという話がございまして、それから八〇年、アメリカが政府の報告として「西暦二〇〇〇年の地球」というのを実はつくられた。ところがこの八〇年がまた大変な穀物等高騰の干ばつの年であった。アメリカは八一年、この「西暦二〇〇〇年の地球」を出されましたその次の年のこれは七月に出ているんですが、六カ月後の一九八一年の一月、半年後にアメリカ農務省は「ア・タイム・ツー・チューズ」、「選択の時」というようなアメリカの農業政策の変換を予測するような文書を実はつくられた。それから八八年、今条約をおっしゃいました。八八年が期せずしてまた干ばつの年で、アメリカの上院の資源・エネルギー委員会はたくさんの気象学者等を集めて気象変動と農作物の関係というのを実は調査をなさっている。全くそのタイミングは一致しておるわけです。 ですから、私の感じからいいますと、この地球環境問題というのが一番最初に影響を受けるのは間違いなく一次産業、天候に支配される農業、林業、漁業というところでございますから、どうもこの地球環境問題というのはそういうことと表裏一体、まさしくタイミングとしても一致してきているということを考えますと、この地球環境問題というのは農業、食糧問題ということと切っても切り離せない最重大な問題だと理解をしているわけでございます。 そこで、そういう意味では当然農政上も大変な問題ということで、たしか昨年の秋に農林水産省は気候変動と農林水産業に関する研究会というものの中間発表を実はしていらっしゃるわけですが、こういう研究をなさった経緯なり、この中間報告でどういう点が主要な点として触れられているかということを、ごく簡単で結構でございますから御発表をいただきたいと思います。
○説明員(猪股敏郎君) 今先生がお話しになりました研究会の背景でございますが、先生から御指摘ございましたように、農林水産業というものはその特質から特に気候変動の影響を受けやすい分野でございます。したがいまして、地球温暖化の影響は世界の食糧地図に変化をもたらすなど地球規模での影響が予測されているわけでございまして、適切な対応が必要とされるわけでございます。また、気候変動に関する政府間パネルとか、そういった国際的な会議等においても地球温暖化の検討がなされてきているわけでございまして、国際的な協力が一層必要とされてきているというふうなことでございます。 こうした背景がございまして、温暖化の農林水産業に与える影響を十分検討する必要がある、そして今後の技術対策の方向等を見きわめる必要がある、そういうふうなことから昨年五月に農林水産省内に研究会を設けまして、現時点の知見をもとに検討を行い、九月に中間的な取りまとめを行ったというふうなことでございます。 その中の主な成果というふうなことでございますが、国内的な影響を中心に申し述べておりますが、農業について申し上げますと、一般に二酸化炭素の上昇あるいは温度上昇というふうなものは、通地拡大とかあるいは生産能力を高めるというプラスの面がございます。しかし一方では、作物によっては高温障害を受けるとか、冬期間冬眠に入るのに必要な基本条件が満たされないとか、あるいは病害虫や雑草の発生相の変化が起こりまして発生が活発化したり土壌有機物の分解が促進されるとか、畜産については夏期を中心にえさの摂取量の低下や肉や牛乳生産量が低下するといったマイナスの影響も予測されるわけでございます。 したがいまして、今後、温度上昇や日照条件の変化等によりまして生産量の低下や生産が困難な状態にならないように品種改良や栽培管理等の開発を行っていくことが生産力育成のために必要になるものと考えているわけでございます。
○石川弘君 この研究会の内容を見ますと、日本の場合、いろんな対応の仕方も含めてかなりの対応が可能だという読み方もできますし、あるいは先行きについていろんなまた逆な不安もあるように私思うわけでございますけれども、もう御承知のように、我々のカロリーの半分を外国に頼っておりますから、日本のことを幾ら勉強しておきましても我々の食糧というのはどうなるかと言えないこの現況のもとで、それでは気象変動が特に日本に対して大きな輸出を持っております諸外国に一体どういう影響があるかということが、私はこの気象変動問題の一番問題としなきゃならぬところだと思うんです。 そこで、きのうの夕刊にIPCC第一部会が地球温暖化について「科学的予測 一応の結論」というのが出ておりましたけれども、この内容について環境庁、内容とそれからどういう程度にこれから明らかになっていくかというような点についてお話をいただきたいと思います。
○政府委員(安原正君) お尋ねのIPCCの第一作業部会の報告のまとめの状況でございますが、今最終取りまとめをやっている段階でございます。そのドラフトが新聞で報道されたものと考えております。今後八月の下旬にIPCCの全体会合がございまして、ここに報告をされまして最終的に固まるということでございます。 私どもが今承知しておりますところを御紹介申し上げますと、地球温暖化の程度の問題でございますが、それにつきましては、温室効果を持っているガスとしましてCO2が一番ウエートが高いわけでございますが、そのほかメタン、それからオゾンとの関係で議論されておりますフロン、それから亜酸化窒素等がございます。これが人間活動に起因いたしましてその排出がふえ、大気中の濃度が上がってきておる、その結果といたしまして地球の温暖化が進んでいくということでございまして、その中でも特に寿命が長い温室効果ガスを現在の大気中の濃度に安定させようとしますと、人間活動に起因します排出を現在より六〇%以上直ちにカットしないと安定化はしない、どうしても大気中の濃度がずっと上がっていってしまうということをまず第一に申しております。寿命の長い温室効果ガスと申しますのは、二酸化炭素、それから亜酸化窒素、それからフロンでございます。それから、若干寿命が短いメタンにつきましては、大気中の濃度が……
○石川弘君 中身はそんなに長くなくても、私が質問する時間がないので。
○政府委員(安原正君) じゃポイントのところだけ申しますと、特に何らの特別の対策をとらない現状維持のシナリオの場合につきまして、全地球の平均温度の上昇でございますが、二十一世紀を通しまして十年間に〇・三度、これは誤差がございまして大体幅が〇・二度から〇・五度の誤差を伴うとされております。その率で上昇するであろうと。これは過去一万年間に見られた上昇度合いよりも大きいということを指摘しております。その率で上がっていきますと、二〇二五年までに全地球の平均温度が現在の状況に比べて約一度上昇する、それから二十一世紀末までに約三度上昇することになる可能性が強いということを言っております。 そして、その結果海面の上昇でございますが、何らの対策をとらないで今の状況が続きますと、温度上昇に伴いまして海洋の熱膨張、それから陸氷の溶融が生じまして海面が上昇する。この見通しでございますが、来世紀にかけまして十年間に約六センチメートル、これも誤差がございまして三センチないし十センチの誤差を伴う、その割合で上昇するであろうということを言っております。
○石川弘君 局長のを聞いていると私の時間がなくなりますので、結論めいたところだけを、私、問題にしているところだけを言いますと、地域変動、北米中部の気温上昇は平均より大きく、二〇二五年に冬で今より二ないし三度上昇、夏で一、二度上昇、夏は雨も五ないし一〇%減って農業に大きな影響を与えるというような記述のようです。 そこで、これを見て私は実に嫌な気持ちがしておりますのは、実はこれと同じことを八八年、八八年というのは先ほど言いましたアメリカの干ばつの年なんです。穀物が上昇に転じた年なんですが、そこで上院のエネルギー・天然資源委員会の公聴会でハンセン博士という人以外に五人のこの種の学者の方が、これは日本じゃありませんで向こうにおられる真鍋博士というような方も証言しておられるのですが、そこに書かれておることとほとんど同じになる。これは温暖化の話よりもレインベルトが上へ上がっていく、夏場に。要するに、今のアメリカのコーンベルトだとか小麦地帯とか、あの一番の主要穀倉地帯の方に雨が降らなくなるということ、それは一番最初に一九八二年にそういう種類のことが出まして、そのときにはアメリカ、カナダで三五%減少するということを言ったんですが、八八年の証言でもかなり、これは議会証言だから余り貿易交渉なんかを考えずに発言なさっておるんだと思うんですけれども、時間がないんで結論のところだけ言いますけれども、「以上述べたような事情の相乗的な結果として、米国内では温暖化によって農産物の生産量がかなり減少し、価格の上昇も生じるが、このほかに灌漑用水の争奪戦すらも劇的に増大する。そうして、主要農産物の対外供給量は激減せざるを得ない。」ということを八八年に証言をしているんですが、それと同じ歩調のことになってくる。温暖化というと何か何度上がってだとかといっていますけれども、一番怖いのは畑作地帯で雨が降るか降らぬか、実はことしが余り降っておりませんで、アメリカの水稲でカリフォルニア州の水稲、日本に輸出すると大騒ぎしているあそこで水不足が出てきたり、穀物、特にトウモロコシの植えつけが大変おくれて今シカゴ相場が上がって日本のえさを買う農民の人が大変心配している、そういうことが実は公然と語られているわけです。 私、ずっとこうさかのぼっていきますと、八一年にさっき「ア・タイム・ツー・チューズ」と言いました、要するに「選択の時」という、これはアメリカ農務省報告なんですが、アメリカ農務省報告の中で、これも今こんなことを言ったというとそんなこと言った覚えはないとアメリカは言うかもしれませんけれども、貿易政策という中に大変乱暴なことも言っている。粗っぽく言いますと、要するに生産量が激減したときは値段がうんと上がるか輸出制限をしてでも国内と国外との供給をバランスせざるを得ないということを書いておるんです。 ですから、私、大変心配をしておりますのは、こういう地球温暖化問題というと何かうんと先の問題みたいにお考えの方もあるけれども、実は目の前の問題なわけです。我が国政府がガットの貿易問題に関して、農業に関して食糧安保論と一般的に言っておりますが、ガットの会合では非貿易的関心事項という名前で言われていますけれども、そういうことはまさしくこういうことを頭に置いての論議をしておるんですけれども、残念ながら国内のこの種の問題の報道を見ておりますと農業過保護論とか、そういうような見方しかなさっていない。けれども、これは、現に我々一九七二年から七五年まで三年間、安いはずの外国の穀物が三倍にも暴騰しまして、日本政府は何だかんだ三千億も金をつぎ込んで高く買ってきたものを国内に安く売った。しかし、そういうことができたのは日本は財政力豊かでこんな国だからできたんで、発展途上国はそういうことができませんから猛烈に頑張って食糧増産をして、それが引き金になって穀物の世界的過剰になって、過剰だからもうつくるのを抑えた方がお互いいいじゃないかという今のトーンになっているわけです。ところがその今のトーンのもとというのは、実はこういうのを見ておりますとまたもとへ返る可能性が十分ある。 そういう意味で大臣にお願いをしたいのは、大臣は地球環境担当大臣であられますわけで、そういう意味では何かガットの交渉とかなんとかは御縁がないというようなことじゃないんで、大臣の担当なさっているこの問題自身が実は日本人の食糧の問題に大変つながっているということでございますので、大臣、その辺腹に入れていただいてぜひこういう問題について、特に地球環境と農業とか食糧という問題について調査研究、あるいはPRの問題、あるいは外国との交渉も含めて、この問題が大変大事なことなんだということをぜひ力説をしていただきたいと思います。 大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(北川石松君) ただいまの委員の非常に御経験の中からの含みのある農業行政、そして我々の一番大事な食糧、これは地球温暖化のために環境が変わってまいりますとやはり周期的に降る雨が変わってしまうといういろいろの地球の変化を来してまいりますので、これはもちろん自然の土、空気、水を大切なものにしている農業の行政上好ましくないと思っておりますので、今後重要な問題として地球の温暖化、例えばCO2対策を初め森林対策、いろいろな面において世界の地球環境という問題には積極的に各国が、先ほど申し上げましたように国は異なれども地球は一つという考えの中に立って、世界の国々がそれぞれ地球の温暖化をこのまま放置できない、要するに環境を悪くすれば人類みずからが滅んでいくんだというところの視点に立って前向きで環境行政を進めていきたいと、このように思っております。
○石川弘君 もう一つ、これは大臣の御所信の中にもありましたし例のホワイトハウスの会合での御発言の中にもあるわけですけれども、経済成長と環境問題の両立といいますか、ある種のバランスのとれた、日本はそれでうまくやってきたんだよというお話、その点はそのとおりなんですが、実はこれからの問題を考えました場合に、つい先日ですかの報道の中で、CO2排出問題に関して環境庁と通産省が意見を異にしておるんだというような報道がございました。私は当然そういうことはあり得ることだと思っておるんですけれども、どうも成長と環境とはバランスがとれるという物の言い方次第では、成長という言葉は一%成長だって七%成長だって成長なんです。今や高度成長を望む人はいないかもしれませんけれども、成長の限界のあの本が出たときのもとも幾何学的級数というのは怖いんだよという話だったんです。 そういう意味で、今のいろんな条件を考えましたときに特に言えますのは、私は温暖化の対策の中でCO2の排出量を抑えるとか森林の伐採を小さくするとか、あるいは逆にいって植えていくとか、いろんな対策がどれ一つ見たってそう簡単じゃないと実は思っておりますので、ここは一番、やはり少し厳しい目にいかなきゃいかぬ事態だと思っておるわけです。大臣もそういうお考えだとは思いますが、この経済成長と環境が両立するという言葉がひとり歩きいたしますと、どうしても強い方の意見といいますか、産業政策的意見が前面に押し出される危険がありますので、私は、むしろ環境問題、環境庁と通産とかというんじゃなしに、それこそありとあらゆる、例えば建設省の人だって今百年洪水で堤防をつくっているのに局地的豪雨が猛烈に出てくるという予想があるわけですから、そんなもの公共投資を猛烈にふやしたってやれぬかもしれません。海面が六十五センチも上がりますと、さっきのあれに出ていますけれども、デルタ地帯でつくっている米はみんな塩漬けになるわけです。 そういうことを考えますと、ちょっと環境庁と通産省というような話じゃないんじゃないか、それこそ全省庁を集めて、これでいいのかということを積極的におやりいただきたいと思っておりますが、大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(北川石松君) 委員の非常に環境を憂えての御質問でございます。 私みずからも通産省と環境庁が意見の相違を来して当然だと、こういう思いをいたしております。そういう思いの中で環境を守ることのためには、時に厳しい私に対する批判がありましても環境を守るということに全力を傾注していきたい。また、今憂えておっしゃっていただきました、経済の成長を損なうことなく環境を保全するんだという言葉が通り言葉になってしまって、それでは経済の成長がどうだということになりまして環境を損ねていくというようなことのないように、御指摘のように関係ある各省庁の十分な連携を保ちながら行政を進めたいと、このように思っております。
○石川弘君 もう一つ、これは締めくくりにちょっと聞かしていただきたいんですが、所信の九ページのところの第四のところに、環境庁が最近よくお使いになる言葉で「環境への負荷の少ない「地球にやさしい」」とここがかぎ括弧になっています、「ものへと改め、」るとございます。 「地球にやさしい」というのは英語では何と訳していらっしゃいますか。
○政府委員(安原正君) いろんなことがあると思うんでございますが、エンバイロンメンタル・サラウンドとか、ホワイトハウス会議では非常に新しい言葉でございますがグローバル・スチュワードシップという言葉が使われております。地球を擁護していくものの精神というような意味でございましょうか、そういったいろんな用語があると思います。
○石川弘君 いや、なぜ聞いたかといいますと、「地球にやさしい」という表現自身が持っているものというのは、優しさというんですから大事にしようということはいいんですが、それをするためには、本当を言うと欲望には抑制的でなきゃいかぬわけでしょう、特に日本はエコノミックアニマルなんて言われているわけですから。「地球にやさしい」という言葉の対の言葉とすれば、国であれ人であれ、要するに欲望には厳しくみたいなものがついておりませんと、おじいちゃんの孫かわいがりみたいな話じゃやっぱりよろしくないという気持ちがいたしますので、それと環境庁長官の所信表明も英訳をしなきゃいかぬような時代になると思いますので、ぜひ英語の方も統一的見解をおつくりをいただくことをお願いをいたしまして、質問を終わります。
○高桑栄松君 それでは質問をさせていただきます。 まず伺いたいのは、ついこの間、五月十七日の朝日新聞に、公健法が改正をされて、そのときに地域指定が解除された、二年前に解除されました。したがって、新規患者の認定がストップをしておりますけれども、その間十三の地方自治体では公健法改正後も手続に従って認定をした新患者が一万七千人あるということが出ておりますが、指定解除になって新患者が出ない、これはしかしどういうふうに考えるかということについて伺いたいと思います。
○政府委員(三橋昭男君) 公健法改正後に地方自治体が独自の医療費の補助事業を幾つかの自治体で行っていることは事実でございますし、またその中で一部の自治体からその事業の中で患者数が伸びてきているというお話も承っておりますが、私ども個々の各自治体のそれぞれの制度の詳細、また各自治体ごとの患者数の詳細につきましては、実は把握をいたしてはおりません。 しかしながら、最近の研究報告等を見させていただきますと、若年層と申しますか、小児の気管支ぜんそくが全国的に増加傾向にあるという報告も承っております。したがいまして、旧指定地域における現時点でのぜんそく児、気管支ぜんそくの増加といったものが一元的な解釈というのは非常に難しいのではなかろうかと考えております。 公健法改正当時の中公審答申におきましても地域指定を解除する合理性というものは示されたわけでございますが、同時にあわせまして、現状における大気汚染の健康影響につきましてもさらに調査研究をすべきであるという答申をいただいておりますので、私どもといたしましては、この増加要因といったものを科学的に解明するため鋭意努力しているところでございます。
○高桑栄松君 科学的な裁断というようなお話で、科学的な裁断というのは、特に病気の場合は個人差もありますし反応のあり方もいろいろあるわけで、必ずしも物理化学のように一プラス一は二というわけにいかないということはおっしゃるとおりでありまして、これが全部指定解除以前のいわゆる公害病であると言えるかどうかということについて、それを医学的に明快にそうであるとかないとか言いにくいものだろうと私も思うんです。 しかし、ちょうど人数が一万七千人というのは二年ですから、一年で割ると二、八、一六で八千五百人ぐらいありまして、公健法改正をされるときの傾向というのがそのころ年間新患者九千人ということでありましたので、ちょうど新患者が八千五百人というのは、大体十三都市というのはほとんど大部分をカバーしていると思いますが、非常に似ているので、明確であるかないかということは別にしましても、いわゆる公害病ないしはそれに近いものがやっぱり含まれているのではなかろうかなというふうに一応考えて聞いてみたんですが、いかがですかね。
○政府委員(三橋昭男君) 公健法改正前に認定をされた四つの疾患の患者さんの認定要件に該当をしている方と同様の症状を持った方がいるかどうかというお尋ねでございますが、私ども、現時点での地方自治体の独自事業の中で認定をされている認定の仕方、また患者さんの内容についての詳細なデータを持ち合わせておりませんのではっきりしたお答えは申し上げられませんけれども、やはり改正の時点での中公審答申に現状の大気汚染の影響は否定できないという御答申がございますので、その点を十分に含みまして原因究明には鋭意努力をいたしてまいりたいと考えております。
○高桑栄松君 いわゆる公害病というのは特異性疾患じゃないわけですから、どうしても一般的にもあり得る病気ということが含まれているんで、今御答弁になったようになかなか難しいところがございます。ただ、一応十三自治体が公健法と同様な医師の診断に基づいて医療費の助成が必要な患者を認定したと。これ新聞でありますからあなたがおっしゃるようによく内容はわかりませんけれども、そう書いてありましたので。 私がこれから申し上げようと思うのが実は本論でございまして、私は、百七国会でこの指定解除に関する審議が行われましたときに私の考えとして一つのポイントとして申し上げたことがございました。これをもう一度申し上げて、これについてのまた見解、考え方、これはあくまでも法的なというだけのことではないんですが、病気に対する解釈でありますけれども、そのときに私は、健康と病気というのは傾斜的なスペクトラムの中にあるのであって、ある日突然にゼロになることはない、ですから今まであるとき認めてきたものが突如法律を改正したから病気がなくなるというものではない、だから病気と健康というのは傾斜しているものだ、中に個人差も随分入ってきますから。そういうことであるから、仮に亜硫酸ガスの大気汚染レベルというのは、環境庁が特に力を入れた効果だと思いますけれども十年前に比べても半分以下になつている。これは非常に改善が著しい。これはやっぱり世界に誇るべき我が国の技術であったと思います。しかし、NOx対策というのがどうしてもおくれておりまして、そういうのを総合いたしますと、私は指定解除の条件の中に大気汚染レベルというものがある何年間かの間恒常的に低いレベルを保っているということで解除を考えていく、これは私確かに考えられていいと思っておりました。しかし、いざ指定解除、つまりそれによる患者の認定というのが今まで年間九千人の新規患者がゼロになるということは考えられないので、私はその中間にそういった大気汚染レベルの低下に伴う部分部分の解除を含めて中間的なステップをとるべきではないかということを申し上げたんですが、そのときの中曽根総理の答弁が、私が挙げた三点のうちの二点は間違いなくそのとおりである、私もそう思うと言っていただきました。そこでこういう答弁が入っているんですね。健康と疾病とは連続したスペクトラムということを自分も認める、したがってこの中間的な措置の検討はやはり一つの見識であると自分は思う、こう言って私の言っていることを、政治家の答弁ですから、褒めているのか、そう思うけれどもだめだと言っているのかがよくわかりませんけれども、とにかく見識であるという言葉で何か敬意を払われたような払われないような気がしておったわけでありますけれども、しかし中曽根さんは当時私の挙げた考え方を認めていただいたものだと私は思っておるんです。今の時点でそれを思い起こしているんです。 こういう十三自治体で出してきている数字を見ますと、やっぱりあのとき私が言っていた指定解除に至る中間的な段階というものがあってしかるべきだったのではないか、これが私が思い出していることでありまして、健康というもの、それから大気汚染というもの、これは生き物のように本当にアップ・アンド・ダウンがあって動いているわけでありますから、そういう意味で昔申し上げたことも再び思い起こしていただいてこれからの対策に考慮に入れてもらいたいものだ、こんなふうに思ったので今質問をしているわけであります。 その中間的なステップをとるべきでないかと申し上げたことを今どうお考えでしょうか。いや、法律というと面倒でしょうから、法的ではなくてでいいと思いますけれども。
○政府委員(三橋昭男君) ただいま先生が御指摘を、哲学と申しますか、お述べになりましたけれども、公健法改正の当時先生がそういうお考えをお述べになったということはよく伺っております。 現時点におきましてどうかということでございますけれども、健康人から病人までの間というのはやはり直線的につながっている、傾斜しているのかもしれませんけれどもつながっているということは私も正しいのではないかと思いますが、ただ、行政判断といたしましては、特に公健法のように認定された方に対して補償給付を行うという立場の行政判断をいたしました場合にはそこに行政的には一つの線を引かなければならなかった、また現時点でもやはり一つの線は引いておかなければならないというふうに私は理解をいたしております。
○高桑栄松君 これは決着がすぐつくという問題じゃございませんので、考え方ということで申し上げたわけでございます。 そこで問題は、先ほどの皆様の御覧間にもございましたが、今や環境汚染は地球環境の汚染というところまで広がりつつあるわけで、その中で今度はローカルな環境汚染もやはり当然考えていくことになるという考え方の順序が少し変わってきたかなと思うぐらいでありますが、今のいわゆる公害病というものが、大気汚染があればあったなりに、あるいは水質汚濁があったらあったように健康への影響が考えられるわけです。しかし、いずれにしましても、発生源対策というのが予防の第一である、これは私たち予防医学をやっている者が最初に申し上げることであるし教えられてきたことであります。発生源対策ということで考えますと、今問題にしているのがSO2とNOxですね。それにCO2というのは別にまた質問の機会を与えてもらいたいと思っておりますが、きょうはSO2とNOxについて少し意見を述べてみたいと思っているわけです。 まずSO2の現状、その後というか現在というか、どういう推移をしているか、できれば簡単にそのレベルをお話し願いたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) 二酸化硫黄の方は、先生先ほど御説明されましたように、順調に対策が進みまして現在環境基準を全国的に全部達成している、こういう状態で落ちついて推移をいたしております。
○高桑栄松君 基準達成というよりも、たしかもう半分以下ぐらいでなかったでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) そのとおりでございます。
○高桑栄松君 それでNOxの方に移りたいと思うんですが、NOxの汚染度というか濃度はどういう推移をしているでしょうか、十年、二十年ぐらいの範囲のことを聞きたいんですが。
○政府委員(古市圭治君) 窒素酸化物の方は昭和五十三年度以降おおむね横ばいという形で推移して、その後少し減少の傾向というものを示したわけでございますけれども、六十一年度以降増加の方に転じまして、現在、六十三年度の数値では前年度と比較してほぼ横ばい、こういう状態で推移しております。
○高桑栄松君 私は環境特別委員会でもしばしば質問申し上げているところでありますが、特に大型車の、つまりディーゼルエンジンから出る排気ガス、これはNOxだけじゃないわけですけれども特にNOxが一つの大きな問題で、発生源のウエートが高いということでしばしばNOx対策の一つとして大型車の機関に対してどういう対策をとっていくのかと伺ってきているんですが、どんなふうに対策をとっておられるでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) 大都市が殊に著明でございますが、その中のNOxの発生源から申しますと、工場等の固定発生源と自動車等の移動発生源を比較いたしますと、近年交通量の増加に伴って自動車からの負荷の割合がだんだん多くなってきているという状況でございます。その自動車の中でも大型車が負荷をする割合が多いわけでございまして、その大部分がディーゼル車に偏向している、殊にそのディーゼルの中でも燃費効率がいいとされておりますところから直噴式のエンジンを持った自動車の占める割合が多くなってきている、こういうことからこれの規制を強化するということが課題になりまして、昨年の十二月に中央公害対策審議会からこの自動車の排出ガスの規制強化について答申をいただきました。 この答申の内容は、殊にディーゼル車につきまして短期目標五年以内、長期目標十年以内を決めまして、殊に大型車直噴というものに一番厳しい規制をかけて、それを当面副室式まで下げてくる、さらには将来的にはガソリン車と同じ程度まで下げていく、このような世界で一番厳しい数値の答申をいただきました。それに沿って現在その規制を始めている、こういう状況でございます。
○高桑栄松君 ディーゼル車の件につきましては、自分のことと関連して申し上げますと、私は札幌におりまして、アカシアの花が咲くのが五月の終わりごろなんですけれども、アカシア花粉アレルギーという大変しゃれた花粉症を持っておりまして、名前はしゃれていますけれども大変苦しいんですね。くしゃみは出るし目はかゆいし、鼻水は出ますし、もう人と話なんかできないというような状況で、花が咲くと本当に悲しくなくても涙が出るというわけでございましたが、東京に来てびっくりしたのは、アカシアではなくて杉花粉アレルギーというのがある。このアレルギーは十年前には聞いていなかったのに、どうして東京にそんなに急にふえたのだろう。なるほど電車に乗って前に立っているレディーがしゃべっているのを聞いておっても、やっぱり杉花粉のアレルギーで困っているんですね。 それで、これはもうたびたび申し上げましたが、じゃなぜ東京でこんなに多いのだろうか。昔はなかった。同じ杉花粉はあるのに、どうして今こんなにふえたんだろうということが文献、研究結果の発表なんかでわかりました。このディーゼルエンジンの排煙の中の微粒子でありますけれども、それが入りますとアレルギーを促進させる効果がある、それは動物実験でやっているんですね。入れたのと入れないのとでちゃんとアレルギーの起き方が違う。微粒子が入ると非常に強まるというんです。ですから、恐らく東京に住んでいる人はディーゼル排煙の中の微粒子を毎日のように吸っているわけですから、それに杉花粉が加わって杉花粉アレルギーが非常にふえたのではなかろうか。五%と言っていますから、これは驚異的な数字だと思いますよ。そういうものですから、私は杉花粉アレルギーの予防のためにもどうしてもディーゼルのあの排煙というものは早く規制をしなきゃいけないんじゃないか。 同時に、それはNOxの対策にもなります。NOxというのは、前にもこれも申し上げましたけれども、硝酸塩のような酸性のものが入ってきますと肺胞にいろんな障害を与えるわけであります。それが直ちにがんになるというところまではわかっておりませんけれども、あるいは実験で証明するのにも十年、二十年とかかりますから、動物実験ではなかなか難しいわけですね。もちろんそういうもので細胞レベルの変化を見るという方法があるわけですが、そう簡単ではないようです。しかし、肺胞に起きる変化というものはいずれは慢性化していったときに肺がんになっていく確率はどうしても高い、終点はやっぱり肺がんだろうということをこの委員会でも私は申し上げておいたものでありますが、確信を持って申し上げているわけじゃなくて、疫学的な今までのデータを考えるとそうではないだろうかと。 ところが、つい最近新聞に出ているのを見ますと、酸性の微粒子が入ると子供のぜんそくや気管支炎を起こすと。それはあるときは起こし、ある人には起きないということではっきりわからなかったが、それを何とかという方法でやってみたらそうだということがわかった、こういうのが新聞に出ていました。多分そうだと思うんです。そしてそれはがんに進展するということが考えられる、やっぱりそう書いてあるんですね。これを私が推定して言ったのが、これは今新聞の切り抜きがありませんからわかりませんが、アメリカの何とかという教授が発表したということになっておりました。 ですから、私は、このNOx対策というのは、亜硫酸ガスがうまくいったように、我が国はこういう小さな狭い領土にたくさんの車があるわけで、車のエンジンからは空中窒素を酸化するわけでありますから窒素が燃料になくたってどんどん出てくるわけで、これは車が増すほど多くなるわけです。 そこで、私は交通量の総量規制ということが考えられないだろうか、外国でもそういうことをやっているところがあるいはやり出したところがあるように聞いておりますが、いかがでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) 今先生御指摘の点でちょっと先ほど言い漏らしましたが、ディーゼル車の規制につきましては、NOxだけでなくて、それより健康被害が大きいと言われている粒子状物質につきましても我が国で初めて規制を開始するという答申で、これは十年以内に現行の六割以上は削減する、そういうような答申をいただいて作業を始めているわけでございます。 それから、一台ごとの単体規制を強化してもこのように大都市を中心として交通量がふえるということが負荷が減らない大きな原因ということでございまして、各種の施策が求められているわけでございますが、外国でもその都市の中心部への乗り入れの規制というのは幾つか例がございます。 一つは、御承知のことと思いますが、韓国ではオリンピック期間中に偶数と奇数番号で相互に乗り入れ規制をやったという例がございますし、またスウェーデンのエーテボリというところでは都心部についての乗り入れ規制というものを行っておりますし、またメキシコでは車ごとに月曜日から土曜日までマークをつけて一日ずつ乗り入れ規制をする、そういうような試みもやっている。しかし、その結果非常によくなったというところまでなかなかいっていないというのが実情のようでございます。 私どもは、そういうことも含めまして全体の固定発生源に対する総量規制をやっているように、自動車全体について大都市への総量規制というものがどういうものが社会的な合意を得られるかということも含めまして現在検討会を開きましていろんな案について御意見をいただいているという段階でございます。
○高桑栄松君 私は昨年の二月十五日の第百十四国会の代表質問で実はこれを取り上げておりまして、そのときの竹下総理から、NOxを低減させる方策を幅広く検討したい、こういう御答弁がございましたので、総理大臣がおっしゃったんだから間違いなく環境庁にも伝わっている、そのための研究費なり予算なりいろんなものが出ているに違いないと期待しているわけであります。 今、古市局長から御説明がございましたけれども、そのほかにも例えばミラノでは平日都心部へはタクシー、トラック、乗用車等が入るのを禁止しているとか、スイスではマイカー総量規制の方向で今検討しているとか、ミュンヘンでは、これはおもしろいですね、市内の建物に駐車場をつくらない。日本人は、駐車場がないと何か車をどうとかと言っていましたが、市内の建物に駐車場をつくらないという考えもあるんですね。つくらないから乗ってこれない。だからどうしてもどこかのターミナルで乗用車をおりてそこで公共交通機関を使う、こういう発想があるようであります。 私は、大きな効果が上がらないかもしれませんが、やっぱり一つ一つがやらされて、それが達していって、そしてそれが地球全体の汚染の防除に役立つのではないかと思うわけです。一人一人が努力をしなければいけない。同じように車についても、今局長が言われたように、確かに目に見えた効果がないかもしれない、しかしそれはそこだけで少しでもあるわけでありますから、例えば偶数日、奇数日で毎日それをやったら大変でしょうが、論理的にはそうやれば確実に車は半分になるわけであります。偶数日と奇数日でナンバーを偶数、奇数でやれば確実にそうなるわけでありますから、そういう意味では総量規制ということをこれから考えていくときが来たのではないかと思うんです。 そういうことで、今環境庁のお考えもいろいろ承りましたが、最後に、これらを含めまして大臣にこれに対する取り組みの姿勢というか、お考えを承りたいと思います。
○国務大臣(北川石松君) 高桑委員の、人間の健康という面からの環境の対策を、御指摘を受けながら御質問をちょうだいしました。 花粉症ということから申し上げまして、私はそんなに杉が悪けりゃ岩手県やあの辺の杉の多いところはみんな花粉症にかかるんじゃないか、こう思うんですがかからない。それは大都会の空気が全く悪くなっておる、それが花粉症という名前でアレルギーを起こしている、私はこう思っております。全く同感でありまして、そういう点につきまして、ディーゼル車のあれをまともに顔に受けますと、熱いのと目もあげられないのがぼわっと入ってくる。あれはもう許しがたいと思うんですね。私が許しがたいというとおかしい答弁で、問題を起こしてはいけないんですが、環境庁でございますから、こういう点は総量規制を含めて各省庁とよく連絡をとりながら特にディーゼル車の問題は前向きで対処しなくちゃいけない、こういう思いをいたしております。
○沓脱タケ子君 それでは、何か予算委員会の関係があるそうですから、できるだけ簡潔に大臣にお伺いしたいと思います。 大臣、ちょうど過日の総選挙もございまして、政見放送だとかあるいは選挙公報でも、大切な緑を守りますということをお約束になっておられたり、あるいは大臣御就任のインタビュー等でも、来るべきこ十一世紀に向けて次の時代に誇り得る環境行政に心がけたいなどなどたくさん伺っておりまして、その限りでは大変心強く思っておるわけでございます。そういう立場からひとつ基本的な御認識をお伺いしていきたいと思っています。 ことしの五月二十五日の報道によりますと、気象変動に関する政府間パネル、IPCCは、このままだと地球は二十一世紀百年間だけで過去一万年かけて暖まった以上に温暖化し、気象に大異変が起こると警告をされています。我が国はこの地球温暖化の一元凶でありますCO2の総発生量が世界で第四位になっておると言われています。 ところで昨年、日本政府は、地球温暖化防止に関するオランダでの国際会議で二〇〇〇年までの先進国の三〇%削減に対して猛烈に反対をされて、アメリカと一緒になって現状凍結などという消極的な姿勢に終始したと報道をされましたとおりでございます。一方では、国立公害研究所の調査によりますと、CO2の部門別排出割合というのは電力、自動車、鉄鋼業の三部門で日本国内の排出量の実に五六%を占めると指摘される状況にもあるわけでございます。ところが政府は、国際的には消極姿勢を示したと言われ、一方で大変な寄与率を持っていると言われ、しかも先ほどもお話に出ておりましたけれども、経団連などが持続可能な開発との関係でCOの排出抑制だけに焦点を当てるということになると持続可能な開発の道を閉ざすなどと開発との関係というものが出されているわけです。 そういう点から見まして、私、大臣にぜひはっきりしてもらいたいなと思いますのは、環境行政に取り組む基本はやっぱり何といっても環境破壊の一元凶というんですか、発生源を明確にして環境保全に具体的に取り組むということ以外に道はないと思うわけでございます。そういう点では、地球環境を論ずる場合に我々の日本の足一元でやられている問題、地球環境の破壊を進めているという点をきっちりとやめさせていくこと、現にその被害を受けている被害者に対する救済等をきちんとやっていくということなどが一番大事な問題ではなかろうかと思うわけですが、そういった点での基本的な認識についてまずお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(北川石松君) ただいま沓脱委員の御指摘のように、環境保全に対しては科学的な原因究明また現状把握が重要であると認識しておりますし、適切な施策を推進していかなくちゃいけないという考えも強く持っております。 こういう点を踏まえまして、やはりCO2対策、温暖化にどのように取り組むか。それは、企業も育成しなくちゃいかぬけれどもそれによって公害がより以上ふえるということは好ましくないということははっきりしなくちゃいけない。ただ、それは私は新しい角度からの研究課題をもってCO2対策もやっていかなくちゃいけない。こういう点で環境庁は各省庁にわたるいろいろの関係を通じましてその意見も十分聴取しながら対策を講じていく必要がある、こういうふうに思っております。
○沓脱タケ子君 実は今ごろ経済との調和だとかあるいは発展との関係などということが論じられるというのはおかしいんですね。公害対策基本法では、経済との調和論ということで人体被害が大変なことになったということでそれが取り除かれているんですよ。その点での基本をきちんと押さえていただくということを申し上げておきたいと思います。限られた時間ですので。 そこで、今大気汚染が非常に深刻な事態になってきているということはいろいろな報道で言われております。多くを申し上げる時間がありませんので特にNO2を中心にして申し上げておきたいと思いますが、その一つは、一九八八年度の全国大気汚染測定結果、これは環境庁の発表だと思いますけれども、これは窒素酸化物の総量規制地域で見ると未達成率は九〇%。東京、大阪、神奈川ですね。ですから、NO2の環境基準というのは〇・〇二PPmから〇・〇六に緩和をされたんですが、いわば緩和された環境基準さえ達成されていないということが実態になっております。しかも、こういう点で総体としてこれまでのレベルだった七八年度や八七年度並みの汚染が続いているということで、大体十年前の悪かった時点に逆戻りしているというのが事実なんですね。これはさっき大気保全局長、いやうまくいっていますという報告を、これは全国的なレベルで言われたんだろうと思いますけれども、高濃度汚染地域では大変な深刻な事態になっている。東京でこれは昨年の十二月の六、七日に実施されました自主測定ですがね、大気汚染測定運動東京連絡会がやった。有効数七千八百六十点で幹線道路沿いの濃度を軒並みに調べた。その結果は、これは報道されておりますから御承知だと思いますが、東京二十三区部の幹線道路沿いでは測定数二千二百五十三点、平均値が何と〇・〇七六PPm。はるかに環境基準をオーバーしています。港区では〇・〇九八PPm、大田区では〇・〇九六PPm、中央区では〇・〇八六、台東区では〇・〇八五ということで、都心部だけではなしに渋谷、杉並、豊島あたりも〇・〇八ということになっておりますから、ずっと汚染が深刻化してきているという実態を示しています。(資料を示す) また、大阪では、これも前国会でも申し上げたんですけれども、この図面を前長官には差し上げた。五年ごとに同じこの自主測定をやっている。この色の濃いのが〇・〇四PPm以上です。これが五年前、これはその次の五年前、これが昨年です。これだけひどい状態が現に起こっているわけですね。これはそういう状態が起こっている。 それから、酸性雨の問題も、既に触れられましたように、これは八六年度の東京農工大の調査ですね。この多摩川流域での調査を見たら、東京でも八六年には十年間で倍増しているというふうに言われている。大阪でも、この間大阪府が発表しましたけれども、大阪全域に酸性雨があるということを言われております。報道もされています。これらの事態というのは極めて深刻だと思うんですね、大都市に生活している者にとりましては。 そういった点についてどういう御認識になっているかという点をまずお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) まず、窒素酸化物の件でございますが、これは全国的と申しますよりも大都市さらにはその都会の中の自動車の交通量が多い幹線道路というところで問題が極めて深刻だということで、日本じゅうということではございませんが、今先生がいろんな数字をおっしゃいましたのはそのNOxの中の簡易測定法でトリエタノールアミンでもってろ紙で反応さすという方法で、風の影響等を受けますので一つ一つの数字の意味よりも継続的にどれだけの広がりでもって汚染が進行しているかということを住民の方々がやってくださっている。それを私は非常に評価をいたしておりますが、私どもの測定値の数値とはやや違うというところがございます。 しかし、それにいたしましても、申し上げましたように、例えば大阪ですと、一般的な環境測定局では窒素酸化物の方が七十二局中達成できていないのは十四という状況でございますが、一たん自動車排気ガスの影響を受けますところでは三十二局中二十二局が環境基準を達成しないということも事実でございまして、これはかなり深刻に受け取って対策をせねばと、こういう状況でございます。 それからまた、酸性雨の御紹介がございましたが、これは私どもが第一次酸性雨調査を五十八年度から六十二年度まで実施いたしまして先般発表させていただきましたが、この数値の中では、この五年間において大体pHの値が四・五から五・五という範囲内で、そう年々悪化するという状況ではございませんが、かなりこれは慎重に対応する必要から現在第二次の酸性雨の調査をさらに細かいネットワークとそれから項目を用いまして行っていると、こういう状況でございます。
○沓脱タケ子君 大臣、細かく言うたらそういうことになるんだけれども、外へ出たら毒ガスを吸い込む、さっきのディーゼルのあれじゃないですけれどもね。花粉症が起こるような状況。行き着く先は肺がんだといって言われたのですよね。そういう毒ガスを吸い込む、雨が降ったらそのような雨が降る。これでは安心して住めぬ、実際。 私はこういうのは非常に深刻だと思いますがね、大臣どうですか、御感想だけでも結構です。
○国務大臣(北川石松君) ただいまの委員の御指摘、また局長から御答弁申し上げましたが、確かに環境は悪くなっていることは事実であります。 ただ、地球上の空気なりあるいは水、土、これはやはり人間もそうでございましょうが、大きな還元力を持っておりますから、昔は水三尺流れれば清しと言われたのですが、今は水三尺流れても清くなっていかない。それは、いろいろの悪い微粒子その他が水の中にあって、水の還元力を損ねていると思う。空気もまたそうじゃないかと思います。だから、リミットといいますか、マキシマムといいますか、そういう還元力までがつぶれていくような環境にしてしまわないようにこれから英知を傾けて頑張っていかなければならない、こういう思いをいたしております。
○沓脱タケ子君 その復元力の問題の論議は申し上げたいことがあるんですけれどもね、時間がないから本論にへります。 そういう深刻な事態になっておるという状況の中で、人体被害がどうなっているかという問題が一番大事なんですね。そこで公害は終わったといって強引に指定地域の解除を公健法の改正で行ったわけでございますが、しかし以前の公害の認定地域、指定地域解除の後、先ほどもお話が出ましたように、条例や要綱や規則などいろいろなやり方によってではありますけれども、地方自治体が独自にこれらの被害者の救済措置をとられております。 細かく申し上げるとややこしいので、私、ちょっと言いますがね。 十五歳以下の子供さんとかあるいは十八歳以下とか二十歳以下とかいろいろ違いがございます。しかし、そういう違いがありますけれども、自治体が独自で患者さんの認定を行って医療給付をやっておられる。これがどのくらいあるかというと、私、今ちょっと数字を調べてみました。大阪市で六千二百十人、新しい患者数ですよ。尼崎では二千五百九十七人、東京では五千四百二十九人以上、川崎で九百四人、名古屋では七百五十五人など、これを合わせてことしの三月末で全国で一万七千人以上だと言われているわけですね。 さっきのお話では、これは環境庁はちゃんと把握をしていないというお話でございましたが、こんなものけしからぬと思うんだな。法律は外してしもうて、その後地方自治体がいろいろやっているのに、調査ぐらいしたっていい。何でそんなもの把握しないんですか。
○政府委員(三橋昭男君) 公健法改正以後、地域指定解除以後多くの地方公共団体におきまして、先生御指摘のように新しい制度を設けましたり、それから既に既存の制度をお持ちになっていたところも改正をして医療給付事業を行っていることは承知しておりますが、それぞれ個々の自治体についての患者の詳細な数字、またどのような運用方法を行っているかということについては詳細は把握していないところでございますが、一部の自治体からは患者数が増加をしているというお話は伺っております。 今、できるだけ早くこの地方自治体の情報というものをとろうとしている最中でございまして、そのような努力はさせていただくということにしております。
○沓脱タケ子君 大体、政府がやめて、新しい患者は認定しないということになったんです。新しい患者に地方自治体でもう見かねて手を差し伸べて、御苦労をされているわけですね。今までほうってあったところも、神戸市がことしの六月からまたやるとか、あるいは川崎ではもっと改善するとか、いろいろやっています。私は、こういう自治体の誠実な努力というものはもっと評価せないかぬと思うんです。 それで、私は時間がないから長官のおられる間に言っておきたいと思うのは、国の責任放棄でいわばやむなく努力をしている自治体を評価するといたしましても、こういう自治体が思い思いにやっていくということになると問題が起こるんです。なぜかといいますと、大阪府下だけ見てみましてもこれなんです。(図表掲示)やっておるところとやっていないところがこんなになっている。これはどっちもかいてあるんですけれども、これが大阪湾です。これは全部指定地域なんです。ところが、政府が指定解除をしてから自治体で独自に不十分ながらでもやっているというのが大阪市、豊中、吹田、守口、東大阪、お隣の尼崎とやっているんです。ところが堺と八尾はやっていない。ここだけそれじゃ特別空気がきれいになったかというとそうじゃない、さっきも図面を見せたとおり。自治体がそれぞれの御努力をなさるということになりますと、こういうことになるんですね。同じような被害者でこんなになるんです。赤のところは未実施です。このブルーの色のついているところが自治体救済をやっておるところなんです。 私もちょっと見てびっくりしたんですけれども、こういう問題というのは大変いろいろな問題を生む。一つは、被害者が不公平な扱いを受けるということです。それからもう一つは、自治体が努力をしておられるんだけれども、本来、公害対策ということになるならこれは原因者負担、汚染者負担の原則ですね。そういう点で、税金をお使いいただくということについて、厳しく言えば問題もないわけではない。 こういう状況になりますと、やっぱりこういうアンバランスあるいは若干の問題点というものを解決するには、公健法に基づく再指定をもう一遍行う以外に道はないんじゃないかと思うんですが、その点について、長官、本気になって考えてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(北川石松君) ただいま御指摘の、もとへ戻す、こういう考えはないかということでございますが、この点につきましては、現時点で戻すということはすぐにお答えできないと思っております。 ただ、今御指摘になられました点を考えますときには、今後、これはSO2だけじゃなしにNOx、素もいろいろの問題で空気を汚しておることは否めないと思いますから、新しい角度から私は一応環境問題を検討いたしたい、こう思っております。
○沓脱タケ子君 これは、前の指定地域の指定要件がSO2であったという問題があるのでいろいろ矛盾があるんだけれども、現状の汚染の実態というものを踏まえて、しかも国民の健康被害の実態を考えてこれは改めて指定地域をつくってもらえるようにぜひ長官にお願いしたい。 それから、もう一つ聞いておきたいのは、ちょっと話をしようと思ったけれども時間がないので、例えば車の総量規制というか、固定発生源は総量規制をやっているけれども移動発生源は総量規制をやっていないんだから、車の規制をするとかディーゼルの規制をやるとか、そういうことをやらないかぬという問題がありましたね。私もそうだと思うんです。それをちょっと論じたいと思ったけど時間がありませんので、ぜひ考えてもらいたいのは、そのことをやると同時に、新たな発生源、新たな発生源というのは何かというと、いわゆる高速道路をどんどんつくっていますわな。こういう道路について、一つは、公害発生源にならないような道路をつくるということが非常に大事じゃないかと思うんですね。 たまたま四十三号線で尼崎市が、もうたまらぬから上下一車線ずつ緑陰にして緑を植えてそれで対応するんだというふうな答申が公害対策審議会で出たそうです。長官の地元でも第二京阪の問題が出ておりますけれども、あれも九十九メートル道路やというんですわな。今でも門真あたりでは十万台ですよ。あれができたら二十五万台から三十万台ということになるんですね。NO2は今でも〇・〇五ppmぐらい。こんなもの二十万も二十五万台にもなったら、これはどないもならぬ。だから、地元の人たちは、地下方式にするか緑の山で覆うような道路にするか、一遍公害の出ない道路にしてもらいたいという強い御要望がありますけど、長官の地元中の地元だから私はひとつ公害の出ない道路のサンプルみたいなものをつくってもらいたいなと思うんです。これはひとつ建設省に強い御要望をされて、一遍こんなのをつくったらええのやというサンプルをぜひつくってもらいたいと思いますが、それについての御見解を伺って終わります。
○国務大臣(北川石松君) 研究課題として承っておきます。
○沓脱タケ子君 じゃ、終わります。
○委員長(大森昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。 午後零時五十九分休憩 ─────・───── 午後二時一分開会
○委員長(大森昭君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、公害対策及び環境保全の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中村鋭一君 環境庁が五月二十三日だったと思いますが発表なさいました、ゴルフ場での農薬の暫定指導指針の設定の目的とその内容をお尋ねいたしますが、時間の都合もございますので、ごく簡略にひとつお答えを願います。
○政府委員(安橋隆雄君) 環境庁が五月二十四日付で都道府県知事あてにゴルフ場の使用農薬に係る暫定指導指針を通知いたしました。 その目的でございますけれども、都道府県がゴルフ場を水質の面から指導する場合の指針として利用していただきたいということで出したわけでございます。 内容でございますけれども、全国的に見ましてゴルフ場におきます芝の管理使用に用いられております主要な二十一の農薬につきまして、現在得られております知見をもとに人の健康の保護に関する視点を考慮いたしましていわゆる指針値というものを設定いたしまして、あわせてその農薬に係る標準の分析法を示しておるわけでございます。 もし、都道府県で調査の結果、ゴルフ場からの排水中に含まれている農薬の値が指針値を超えますような場合には、下流で利水に障害が生じないようにとか、あるいは農薬流出の原因についてより詳細な調査をするとか、あるいは農薬の使用の適正化だとか農薬の使用量の削減の指導を一層徹底するというようなことを求めているわけでございます。 さらに、県の部局内での連絡協議でございますとか、ゴルフ場関係の自主的な調査点検等の指導にも努められたいというようなことを内容としたものでございます。
○中村鋭一君 厚生省も五月十七日に水質の目標値設定をなさいましたが、その目的と内容をこれまた簡略にお願いいたします。
○説明員(藤原正弘君) 厚生省といたしましては、水道水の安全を確保する観点から暫定的な水質目標をつくるべきというふうに考えました。このために、主要なゴルフ場農薬について、水道水としての目標となるレベルとしまして水質目標を設定すべく生活環境審議会の水道部会水質専門委員会に検討をお願いしまして、先生御指摘のように五月十七日にその報告がまとまったところでございます。 その内容の主要な点を申し上げますと、全国のゴルフ場で広範に使用されているもの及び各都道府県の調査におきまして検出例のあるものから二十一種類の対象農薬を選定いたしました。それぞれの農薬につきましては、生涯にわたる連続的な摂取をしたとしても人に対する安全性を十分確保できるレベルとして水質目標を設定いたしました。対策の基本方向として的確なモニタリングの実施等を示しました。こういうことでございます。 厚生省としましては、この報告を受けまして早急に指導通知を出しまして、モニタリングの実施等について指導をしてまいりたい、このように考えております。
○中村鋭一君 この厚生省のお考えになったのとそれから環境庁がお考えになったのとは、具体的に例えば基準値等々は随分違うものですか。
○政府委員(安橋隆雄君) 厚生省の水道水の安全性確保の面からの指針と私どものゴルフ場からの農薬の排水抑制というのは、いわば表裏一体となって人の健康の面に与える排出水の農薬の影響というのを避けるという観点でやっておるものでございますから、当然同一方向を目指したものでございますし、その策定に当たりましては、環境庁といたしましても厚生省と十分緊密に連携協力いたしまして、情報の交換その他農薬の選定等におきましても協議をさせていただいた上、決めさせていただいたものでございます。
○中村鋭一君 そうしますと、厚生省と環境庁は今局長は十分連携を保ちながらと、こうおっしゃいました。したがって、この両案は表裏一体をなすものであるから、その指導を受けた都道府県においては、何らこの指針のあるいは基準値の設定によって混乱をしたりそごをしたりすることはなくて、お互いに相補完をする指針である、このように理解してよろしいですか。
○政府委員(安橋隆雄君) 先生のおっしゃるとおりでございます。 したがいまして、環境庁といたしましても、一般的の状況のもとでは、ゴルフ場からの排水口における水質の私どもの値が満たされる限り厚生省の方の水質の目標値は達成できるのではないかというふうに考えておりますし、現実の実態把握体制におきましても、環境部局と衛生部局というようなところで、都道府県の段階で十分連携を図っていくように通達でも示しているところでございます。
○中村鋭一君 とすれば、相補完するものであってそごする点はないし、健康被害とあるいは水道水、多少の目的の違いはありましても結局はゴルフ場で使われる農薬が飲み水や人の健康にどのような影響を及ぼすかについて考察を加えられ、そういうことを防ぐために設けられたものであるならば、これを国民の立場から見たら、何で環境庁と厚生省が別々に出すんだ、相談をしたとおっしゃるならば相談をした上で厚生省なり環境庁なりが都道府県知事に通達を出せばいいじゃないか、こういう疑問が当然起こると思うんですが、それについて、それぞれもしお答えになれるんでしたら答えていただきたいと思うんですが。
○説明員(藤原正弘君) 厚生省の立場といたしましては、水道水の安全を確保するという観点から基準をつくるということでございます。それが万が一確保できないというふうな状態になった場合の対応策としましては、それは各発生源をどのように規制するか、こういうふうな観点になろうと思うんでございますが、とりあえず厚生省が打ち出しましたのは水道水の安全ということを確保するという観点からの基準をつくったということでございます。
○政府委員(安橋隆雄君) 今厚生省からお答えがありました水道水の安全確保を図るために、それではゴルフ場の方の排出水の目安はどのようなものが適当なのかという観点から、ゴルフ場の方の排水口の問題として環境庁の方で指針を決めさせていただいたわけでございまして、表裏一体でございますけれども、それぞれ水道あるいは環境に与える影響という意味での排水口の問題ということで厚生省と環境庁が連携を保ちながら出させていただいた、また県におきます監視体制につきましても十分関係部局の間で連携を図るようにいたしたいということで指導してまいりたいと思っているわけでございます。
○中村鋭一君 私が申し上げたいのは、それぞれに環境庁も厚生省も、片や水道汚染、片や健康被害というものについてですから、それは言い分はわかるんですけれども、指針を受け取る側の都道府県でありますとか、それから現実に今ゴルフ場を経営しております事業主体からすれば、そういうことならば国はやはりこういうものをもっと整合させて、それぞれの縦割り行政の中から出てきた基準値じゃなくてわかりやすく、相談をしたとおっしゃっているんですからもっと相談をして、どちらかの省が両方の目的を満たすような基準を設定されて指導をされればいいんじゃないか、私はそのように考えるということを申し上げているのでございます。別に縄張り根性でおやりになったんではないと思いますが、少なくとも国民の側から見れば、両方から出てきてえらいややこしいなと思うのはこれは常識として当然でございますから、そういう点は今後さらに両省連携を密にされまして、地方自治体やあるいは事業主体が混乱することのないように明確な指針をお出しいただくようにお願いをしておきたいと思います。 それから、さらに今の私の話を進めて、都道府県知事に対するんじゃなくて、今まさに世論が問題にしておりますのはゴルフ場そのもの、ゴルフ場が農薬を使う、これが健康被害を引き起こすと、こう言っているわけです。これを業者の側から見ますとこういうふうにおっしゃっているんですね。我々は近辺の住民の皆さんや国民の皆さんが反対なさるようなゴルフ場を経営するつもりはありませんし、そういうものをつくるつもりもありません。ですから、国の方できっぱりとした基準を設けていただいて、一切ゴルフ場は農薬を使っちゃいけないということであれば、それは我々は守りましょう。この薬は使っていい、この薬は使っていけない、使うとすれば基準値はこうだという明確な指導と方針を業者自体、ゴルフ場の経営自体にお与えくださいと、こういうような意見もよく聞くわけでございます。 そこで、百尺竿頭一歩を進めて、都道府県知事に対するんじゃなくて、事業主体に対して法規制も伴ったゴルフ場の農薬はいかにあるべきかというような指針あるいは法規制等々をお加えになるおつもりはございますか。
○政府委員(安橋隆雄君) 先ほども申しましたように、この指針で私どもがやろうと考えておりますことは、問題になっておりますゴルフ場からの農薬の水に溶け出しての排出が世に不安を与えているということで、現実に各都道府県においてどのような排出状況になっているかという御調査をこの二年ばかりやっていただいているわけでございます。ほとんどと申しますか、九四%の検体からは出ていないわけでございますが、六%の検体からは出ているというようなことになりまして、出てまいりましたその値が危険なレベルであるのか、あるいはそれほど危険ではないレベルであるのか、人の健康から考えてどのようなレベルであるのかということの指針が欲しいというような御要請も多くの都道府県からございましたので、そういう要請にこたえるということでいわゆるゴルフ場からの排出目安、指針値という形でお示ししたということでございます。具体的にゴルフ場の排水口から出てきます排出水につきまして、このレベルを超えないような農薬の使用を各ゴルフ場にお願いするということでゴルフ場の事業者としても十分対応いただけるのではないか。もちろん公的な機関としての都道府県知事にその監視体制ということはお願いするわけでございますけれども、これはゴルフ場自身の問題でもございます。 先生御指摘のとおりでございますので、自主的に調べていただきまして、本当に排出水にこの基準を上回るような農薬が含まれているのかどうか、いるとすればこれは大変なことであるというふうなことで、農薬の適正な使用あるいは場合によりますれば農薬の使用の削減というようなこともゴルフ場事業者自身の問題としてお考えいただく場合の参考になるようなものでもあるというふうに考えているところでございます。
○中村鋭一君 ですから、局長、私が聞いていますのは、もう御承知でしょう、今ゴルフ場をめぐって自然保護団体の皆さんや近辺の住民の皆さんが本当に心配していらっしゃるわけですね。そのために、これからゴルフ場をつくろうと思えば、住民の同意が要ります。住民の皆さんは、ゴルフ場をつくるんだったら一切これからつくるゴルフ場には農薬を使いなさんな、絶対農薬を使わないというなら近辺住民の同意も与えてもよろしい、現実にそういう動きもあるわけですね。そのときに、今のような形であれば一たん都道府県知事に対しておっしゃって、都道府県知事が指導をしてそれも排水口のところで水をとってその基準をということになっても、これは近辺の住民の皆さんからすれば不安は解消したことにはなりませんね。 ですから、ゴルフ場そのものに対して直接的に効き目のある対策をお考えですか、こういうことをお伺いしているんですが、もう一度お願いします。
○政府委員(安橋隆雄君) 私どもといたしましては、使われております農薬のゴルフ場の外に出てくるレベル自体が問題なのではないか、水を通じて出てまいります場合に、水に出てこないような体制で農薬をゴルフ場でお使いいただければそれはそれで環境に対する影響というものは外に出ないわけですからないわけでございますので、私どもの考え方といたしましては、使う場合にそれが環境ひいては人の健康に影響が出ないような使い方をしていただきたい、それをチェックするためにゴルフ場の排水口のところで排出水について調査をするということでその目的を達成しようと考えているわけでございまして、今のゴルフ場につきましての農薬不安の実効的な解消という意味では一つの行き方ではないかというふうに考えているわけでございます。
○中村鋭一君 それじゃ、一つだけ確認しておきます。 じゃ局長、環境庁としては指導なさいましたこの基準値を満たしていれば、極端な言い方をすればゴルフ場が幾ら農薬を使っても構わないわけですね。
○政府委員(安橋隆雄君) 農薬自体の使い方といたしますれば、御努力いただきましてその使用量を削減していただきますれば、それはその方がベターだと考えております。 したがいまして、排出される排出水の農薬の濃度が示しました指針値を超えていない場合であっても、さらに御努力いただいて農薬の適正使用あるいは使用量の削減ということで可能であればそういった御努力はお願いしたいというふうに考えて、そのような指導をしているところでございます。
○中村鋭一君 厚生省も確認しておきましょう。 水道の水が厚生省が今度お出しになった基準値を調べた結果満たしていれば、ゴルフ場は幾ら農薬を使っても構わないんですね。
○説明員(藤原正弘君) 水道の観点から申しますれば、今回打ち出しました基準値を守っておれば健康は確保できるということは、それは十分そういうことが言えるというふうに申し上げることができると思います。 ただし、農薬ができるだけ少ないということにこしたことはないわけでございまして、そういうふうな努力が関係方面でしていただければ水道の立場としましては大変ありがたいということでございます。
○中村鋭一君 もう一度指摘しておきますが、私、今本当に皮肉な聞き方をして恐縮でございましたけれども、やはりゴルフ場に働いている従業員の皆さんや近辺の住民の皆さんは大変心配をしていることですから、今お聞きしたような形の指導というものもそれはあるでしょう、あるでしょうけれども、国民の今の例えばゴルフ場の農薬問題に対する関心等々からいたしますと、もっと直接的にゴルフ場そのものについて具体的でわかりやすい指導指針というものを出して、それが結果的にゴルフ場では一切農薬を使っちゃいけないんだということになっても、それは当然ながらそういう法的な措置を伴う規制を加える場合は国会の同意があるわけですから、そういうふうな勇断といいますか、決断というものも役所というのはしなければいけないときもあるんじゃないか、そのことをお願いをしておきたい、こう思います。 次に、ワシントン条約に挙げられておりますところの絶滅を心配される動物の中で、付表のIの方に記載されております鯨類は何種ぐらいございますか。
○説明員(石川賢広君) 現在ワシントン条約におきまして附属書Iに掲げられております鯨種につきましては、ヒゲクジラの全種、これは十種ございます。それから、ハクジラというのがおりましてマッコウを初めといたしまして約十種、合計いたしますと約二十種が附属書Iに掲げてございます。
○中村鋭一君 付表IIから付表Iに繰り上げるとか、IからIIにするとか、IIから外すとか、こういうことは具体的には環境庁の所管でございますか、外務省になるんですかね。
○政府委員(山内豊徳君) 今の御質問はワシントン条約における指定された種の扱いでございますか。――これは国際的に締約国会議で決めて決まるものでございます。 国内的な対処をお聞きであれば、条約でございますから外務省が窓口になりますが、環境庁も含む関係省庁で相談をしながら対応しているというのが条約の対応でございます。
○中村鋭一君 そうしますと、山内さんにお伺いいたしますが、現在付表IとIIに挙げられております鯨類を将来外すという方向に向かう可能性が大きいのか、それともふやしていく傾向にあるのか、それを教えていただけますか。
○政府委員(山内豊徳君) この点は水産庁から御答弁があるべきかと思いますが、私が了解しておりますことでは、確かに鯨類はワシントン条約の対象でございますが、同時に国際的にもワシントン条約とはある意味では別に鯨の捕獲自体を規制するたしか国際捕鯨取締条約でございますか、そういう国際条約の対象でございますので、そこでの論議が率直に申しまして国際的にも物事を決めていくきっかけになるんじゃないかと思います。その意味で、私が理解しています限りではワシントン条約の締約国会議で鯨類そのものが話題になった形跡はここのところ余りないように伺っております。
○中村鋭一君 わかりました。 現在、農水省が把握していらっしゃいます国際捕鯨委員会の科学委員会の方で鯨類の資源状況の調査をしておりますが、ミンククジラ、これはどうなんですか、累年ふえていく傾向にありますか、減っていく傾向にあるんですか。ふえているとすれば、おわかりならば大体その頭数、資源状況を教えていただきたいんですが。
○説明員(石川賢広君) 南氷洋におきますミンククジラの資源につきましては、一九七八年以来我が国が協力をいたしましてIWCが目視調査というのを実施しております。この結果によりますと、これは昨年のIWC科学委員会において議論していただいたわけでございますが、ミンククジラにつきましては約七十三万頭以上いるということで、極めて健全な資源であるというふうに言われております。
○中村鋭一君 今健全な資源である、こうおっしゃいました。六月の十日からIWCが開かれますが、農水省、どうですか、具体的な調査捕鯨の頭数は今念頭にございますか。
○説明員(石川賢広君) ことしのIWCはこの六月七日から約一カ月間開かれるわけでございますけれども、ことしの調査捕獲については実施する予定を立てておりまして、目下研究者、それから関係省庁との間でその内容を詰めておるところでございます。
○中村鋭一君 ですから、私がお伺いしているのは、水産庁の方ではっきり言って三百頭はちょっと少な過ぎるじゃないか、せめて五百頭ぐらいは認めてもいいんじゃないか、そういうふうなお考えがありますかと伺っているんです。
○説明員(石川賢広君) 昨年の調査は本格調査の第一年目ということで、捕獲頭数三百頭プラスマイナス一〇%ということで実施したところでございます。この捕獲調査というのは目視調査では得られない種々の生物情報を得るために行っておるものでありまして、昨年いわば三百頭規模でやりました調査におきましても調査目的に沿った調査が実施できたというふうに確信をしております。 先ほど申し上げましたように、頭数の問題については現在研究者等と詰めておるところでございます。
○中村鋭一君 できれば本音で答えてもらいたいんです。 はっきり言って、今科学委員会は数十万頭と、健全なふえ方と資源状況をおっしゃいましたね。そして日本の調査捕鯨が例えば三百頭で、目視も含めて本当に科学的な調査ができるとあなたは思っていらっしゃいますか、その数で。例えば三百頭なら三百頭という数でできると思っていらっしゃいますか。
○説明員(石川賢広君) 調査の精度を高めるためには、科学的に言いますと、頭数がふえればふえるほど調査の精度というのは高まるわけでございます。しかしながら、昨年来かなり調査に改善を加えまして目視調査と併用するというようなことで三百頭をやったわけでございますけれども、調査を期間的に長く、つまり一年だけではなくて二年、二年だけではなくて三年というふうに長く調査をやることにおきまして調査の精度は十分保たれるというふうに考えております。
○中村鋭一君 私も自然保護議員連盟の一員でございまして、環境特別委員会に所属をさせていただいております。自然保護あるいは絶滅に瀕する動物の保護に関してはその先頭に立って闘う用意が私にはございます。 しかし、この鯨の問題は、考えてみたら、日本という国は何百年昔から、例えば和歌山県太地港の人たちは鯨を神とあがめて、鯨とともに生きることによってあの人たちの存在価値があったんです。それをいわば一方的に、何かアメリカとかヨーロッパの国の人たちのいわば情緒的なセンチメンタルな対応を主とする鯨類保護の大合唱によって、現実に太地港の人たちは捕鯨と別れを告げております。 そういうことを考えてみますと、私、絶滅に瀕する種を大事にするというようなことは極めて科学的な調査が必要だと思います。鯨の鳴き声がかわいそうだとか、鯨の親子連れはすばらしいとか、ある写真集を見て感激をしたとか、そういう次元で鯨は一頭たりともとっちゃいけないとか、そういうことをもって鯨をとっていいか悪いかという論はすべきでないと思います。いわばリーズンホワイですよ。理性をもって考えるべきことを情緒、エモーションや感情でこれを論ずるべきではない、こう思うんですが、水産庁のお考えはいかがですか。
○説明員(石川賢広君) 私どもといたしましては、鯨資源も一つの生物資源でございまして、資源状態が非常に悪いということであればこれは完全に保護しなければならないというふうに思っております。しかしながら、資源に余裕があるということであればその余裕の範囲内において合理的な利用が図られるべきだというふうに考えております。
○中村鋭一君 もう一遍確認させていただきます。 水産庁としては、資源が着実にふえていって、私の得た資料によりますと、例えばミンククジラなんかはふえ過ぎている、シロナガスですら大分ふえている、こう聞きますが、そのような傾向がはっきりしているのであれば商業捕鯨の再開に向けてこれからも懸命の努力をなさる覚悟はございますか。
○説明員(石川賢広君) 商業捕鯨の再開に向けて私どもは努力しているということはもちろん申し上げられますが、ただ先生がおっしゃいましたように、捕鯨問題につきましては一部の特に欧米諸国から、私どもが現在やっております調査捕鯨ですらやるなという、そういう批判が非常にございます。そういった面も考慮いたしますと、実際問題といたしまして商業捕鯨を再開するということについては種々の困難が伴うというふうに考えております。
○中村鋭一君 今商業捕鯨の再開に向けて努力をするという方向というふうにたしかおっしゃっていただいたと思います。それを当委員会では確認をしておきたいと思います。 長官、鯨というものについて最後にちょっとお伺いしたいんですが、長官は鯨はお好きでございますか、食べるということについてでございますが。
○国務大臣(北川石松君) 中村委員のただいまの、鯨は好きかと言われたので申し上げます。子供の時分から食卓をにぎわして食させていただいておりますから、好きであります。
○中村鋭一君 とすれば、本当に科学的な調査をして着実に、ミンククジラに限らず、シロナガスもナガスもマッコウもヒゲクジラもハクジラもふえているという証明が完璧になされるならば、今水産庁の方もおっしゃいましたけれども、ある種感情的な反捕鯨の大合唱に環境庁としてもこれは違うんですということを敢然としておっしゃって、商業捕鯨の再開に向けて環境庁としてもこれにコミットする御意思はございますか。
○政府委員(山内豊徳君) 環境庁は実はワシントン条約の国内問題の連絡会議の議長の役目をとらしていただいておりますので、それから一面また鯨を含む水産物につきましては水産庁がワシントン条約上の科学当局でもあるわけでございます。陸上の動物であれば私どもが科学当局となっておりますが、そんなこともございますので、これは端的に申し上げまして、まず科学的なデータに基づいてということはこれはワシントン条約の思想でもございますからそのとおりでございますが、実は最近開かれましたワシントン条約会議の状況を言いましても、やはりある問題に科学的という見方が複数出てくるのが実はこういう国際会議の常識でございますので、そこをやはり相当的確にかつまた賢く説明しながら乗り切らぬといけないものでございますので、余りここで私が環境庁の立場で、先生のお気持ちは十分体したいと思うんでございますが,鯨についてある雰囲気を出してしまいますとこれまたいろいろワシントン条約会議がやりにくい面もありますので、なお水産庁等を中心に御検討いただきながら、それを効果的に国際的に訴えていくことについては私どもも政府の一員として力を合わせていきたいということでとどめさせていただきたいと思います。
○中村鋭一君 いい御答弁をいただいてありがとうございました。 やはり、こういう問題は冷静に科学的にしなきゃいけないと思うんですね。鯨を一切とっちゃいかぬ、鯨はどんどん減っている、しかし鯨が減っているという論はもう既に反証が幾らでも出ているわけですね。そうすると、あと残りますのは感情的なものです。非常にセンチメントですね。それで押し通していきますと鯨は一切とっちゃいけないと。じゃ、ハクジラ類が食べておりますサバもイワシも一切とっちゃいけないということになりゃしませんか。そういうことを言っていらっしゃる方が、牛ですとかあるいは豚ですとか、こういうものを貴重なたんぱく資源として食用にしておられないかといえばそうじゃないんですね。 私、これはエコロジーの問題から考えましても、こういった鯨をとるかとらないか、日本ほど鯨を全き利用をしてきた国はないのでございますから、そういう点を冷静に判断して考えればおのずから出てくる方向は明らかである、こう思いますので、ひとつ環境庁におかれましても、水産庁、農水省とよく御相談の上、もうじきIWCの総会が聞かれますけれどもその対応に誤りのないようにひとつせっかく努力してくださることをお願いしておきまして、私の質問を終わります。
○山田勇君 新聞か何かのコラム欄で読んだと記憶をしているんですがアイルランドの政府高官がある日本のエコノミストに、確かに日本はお金もあるし物もある、しかし我が国にはこんなにすばらしい自然が残されている、もし将来日本がこんなにすばらしい自然を手に入れようとすればどれだけの費用がかかることか、そう思えば我が国だって日本に負けない金持ちであると言ったというのですが、これは確かに示唆に富んだ言葉であると思います。 経済発展と環境保全の調和、口では簡単に言えても、現実に湖沼は汚れ、ますます深刻化する排ガス公害、お手上げのごみ処理問題、先ほど来論議されておりますゴルフ場建設に見られる自然破壊など、まさに我が国内の環境問題は一日としてもおろそかにできるものではありません。さらに、地球規模で進む環境破壊、いわゆる地球の温暖化、酸性雨、フロンガスの増加などを考えるとき、アイルランドの政府高官にしても、今や自国だけが環境保全に力を入れても心安からぬものがあると私は思います。 経済大国日本としては、エネルギーの過剰消費などによる環境汚染などを考えるとき、率先して環境保全に取り組むべきであります。もちろん積極的に取り組んでいると考えますが、さらに充実した対応が望まれるわけでございます。細かな環境保全の監視を行うにもその組織が全国にないことなど、単なる調整にとどまるものとなっておりますが、現在の環境庁の機構、内容、規模などについてどのような認識をお持ちか、環境行政を預かる責任者としてまた政治家としての大臣の御見解をお伺いをいたします。
○国務大臣(北川石松君) 山田委員の非常に示唆に富んだ御質問でございますので、環境庁長官としてどのような構造の中に環境があるかということになりますと、長年環境に携わっておる政府委員に説明をさせますけれども、ただいま環境庁長官を拝命しまして三カ月、ようやくいろいろの問題がわかってきたというのが真実でございまして、その中で、環境問題はこれはもう世界的な問題でございますから、地球全体を考えるときに世界的な問題であり、やらなくちゃならぬことが山積みしておると言っても過言でないと思います。今御指摘のように、CO2、フロン、森林、それ以外にまた日本の各家庭から出てくるいろんな雑排水を初め、各企業、すべての人の御理解を得なくちゃいけない、これは大事なことでございます。 そういう点につきまして、私は、やはり大自然をよくする、環境をよくする、生きとし生けるもの、人間と語り得ないものもまた自然環境の中におりますから、こういう点についても私は、山田委員がその機構、予算はどうだ、こういうふうにまで言って激励をしていただいていると思いますので、足らざる点も多々ございますが、今後とも前向きで頑張っていきたい、このように思っております。
○山田勇君 大臣の御決意のほどはわかりました。 環境庁は調整官庁としてその機能を発揮することは言うまでもありませんが、さらに地球的規模で考えなければならない今日の環境問題に対処するためにはリーダーシップも重要であります。今、国会に提出されております水質汚濁防止法案、スパイクタイヤ法案などについて環境庁の考えがどの程度反映されているのかお尋ねいたしますと同時に、これは質疑通告していませんが、中村委員の関連的な問題を提起します。 最近つくるゴルフ場は排水機構を持ったゴルフ場が多いんです。しかし、古くからあるところは自然の形の中で水を廃棄しております。 長官、私の友人が和歌山で今大きなゴルフ場を開発しております。これはもう許可を得て、ちゃんとしております。彼の物の考え方は、あの農薬をまくというのは雑草が生えないためなんです。芝生の保護政策にはなっているような面もありますよ。ありますが、まず雑草が生えないためにまくのだそうです。芝の保護政策ではないんですね。というのは、昔は、その村の人たち五十人で一年に二回か三回ローラー方式で、ローラー作戦みたいにずっと雑草の芽を摘んでいったんですね。それによってちゃんと芝は薬を何もまかなくてもキープされる。今は、大衆スポーツになったゴルフ場、これはもう利益があるのに決まっていますから、そのぐらい過疎のところにもゴルフ場がありますから、そういう村の人たちにお話をして、きょうは七十人なら七十人、ローラー作戦でずっと、これプレーできますから、プレーの後から順番に草を取っていくとか日没少し前に取るとかしたら、農薬をまかなくても十分いけるそうでございます。今農薬の方も研究しています。中国から入れた漢方薬をまいて、これは芝も保護するし、公害がないという、そういうのを使用しているゴルフ場は一部ありますが、その友人いわく、ゴルフ場が手を抜かぬで企業努力さえちょっとすれば農薬をまかなくても済むということを言っておりまして、またそれを実践、実行するというかたい決意で彼はゴルフ場開発をやっております。 これは余談ですから御答弁は要りませんが、先ほど言った水質汚濁防止法案にしてもそれに若干関連があるのでつけ加えさしていただいたのですが、その点どの程度反映されているか、お尋ねいたしておきます。
○政府委員(安橋隆雄君) まず、水質汚濁防止法の方から私から答弁させていただきたいと思います。 水質汚濁防止法の関連につきましては、去る三月十六日に中央公害対策審議会の会長から環境庁の長官あてに「生活雑排水対策に係る制度の在り方について」ということで御答申をいただきました。私どもといたしましては、その答申を受けまして、その内容を具体化するものとして水質汚濁防止法等の改正案というのを今国会に、今衆議院の方で御審議いただいておりますが、提出させていただいたわけでございます。 この答申と現実に策定して提案させていただきました法律案との間の関係でございますけれども、答申でこういうことをすべきであるということで述べていただいております、例えば、生活排水に係ります行政責任とか住民責任の明確化でございますとか、あるいは生活排水対策の計画をつくりましてその計画の中で生活排水処理施設の整備でありますとか、あるいは住民に御理解をいただいて普及啓発をする事業をせよというような問題でございますとか、あるいは総量規制地域ということで海で水の汚れの激しい東京湾、伊勢湾、瀬戸内海等にの地域における全国一律の排水規制よりも厳しい規制をするような制度の創設といったような答申内容につきましては、すべて法律の方に取り入れまして改正案として提出しております。私どもといたしましては、その答申を受けまして政府部内の意見調整をさせていただきまして、ほぼその答申どおりの改正案ということで水質汚濁防止のための改正案を提出させていただいております。 今後この委員会でも御審査いただけるものと思いますが、どうぞよろしくお願いしたいと思っております。
○政府委員(古市圭治君) スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案でございますが、これはようやく調整がつきましてこの国会で御審議いただけるというところまでこぎつけました。 先生御指摘のように、環境庁が実際第一線の手足を持つことが少なくて調整官庁であるところから苦労するところは多いわけでございますが、この法律に関しましても、関係する省庁が非常に多かったという点、それからまた粉じんの公害という問題と交通安全確保の問題とを同時に解決する必要があったという点、それからまた生活型の公害にかかわる新しい立法の分野であったというところから種々問題があったわけでございますが、中央公害対策審議会の御意見を受けまして、その趣旨を生かして今回の法律案によりまして全国的に脱スパイクタイヤを進めていくという点については十分な内容だ、このように思っておりますので、よろしく御審議をお願いいたしたいと思います。
○山田勇君 各省にまたがることの法案の作成がいかに困難であるかということも多少お述べになったように思います。 そこで、この環境庁の環境保全に関する調査研究体制はどのようなものになっておりますか。それはまた諸外国と比べてどの程度の水準になっていますか。先ほど来同僚委員が質疑の中で、環境庁の予算が余りにも少な過ぎると。もう本当に少な過ぎるんですね。僕は、一千億円ぐらいあっても十分だと。これはもう地球的な規模で、世界的な規模で考えている中で、これは環境庁を大体なめているんですわ、はっきり言わしていただいて。だからいろんな御苦労があるわけですよね。僕は、各省が、環境庁が物を言うたらこの法案は通らぬ、環境庁で相談せにゃあかんでと言うぐらい環境庁にいわゆる権威を持ってもらいたいです。 実はこれも余談で、僕がまた次の時間を縮めれば済むことなんですが、常任委員会は僕は建設をやっております。建設省は、住宅供給として五年間で五百七十万戸というものを供給するという政府レベルの一つの公約みたいなものですから、そのために今のこの土地対策、住宅政策として建設省は必死でやっているわけです。何ぼグラウンドが高い、少ないと言うたかて三〇%です、全日本国土の。あと七〇%は山林なんです。だから、山林を思い切った形で住宅開発をしようといういわゆる都市開発一部規制緩和改正法案というのを間もなく出されます。僕は、環境委員としてはジレンマに陥っているわけです。どうしても、額に汗して働いた者が何年かの計画を立てれば会社から前借りをしてでも家が買えるという状況をつくらない限り、やっぱり国民の不満というものは極に達していると思います、これほどの狂乱地価上昇では。 そういう意味では環境庁がどの程度その相談に加わったか、また環境庁としては立場はお困りになるかもわかりませんが、建設省としては山林の一部開発を認めていこうではないかという法案に近いようなものだし、各地方自治体に今度は住宅対策の年間の計画を出させる。衛星都市も今からみんなそういう法で規制をかけていく。そうなりますと、勢い山林の開発へつながっていってしまう。これは環境庁としては心情的には反対でしょう、環境を破壊するんですから。破壊するばかりとも言えません。やっぱり人間の英知を集めて緑を多く残して近代都市へと脱皮する、それが理想論なのですが、現実としては一部の山林を削っていかなければならない、それによって働く者に対しての住宅を供給していかなければならない。 そういう形の中なので、僕は環境庁に環境保全に関して一層力を入れていっていただきたい、これはそういう意味でのお尋ねでありますのでよろしくお願いします。
○政府委員(安原正君) 山田委員よりお励ましのお言葉をいただきまして恐縮に存じます。 お尋ねの環境庁の研究体制の問題でございますが、これにつきましては、御案内のとおり、国立公害研究所が中心になりまして必要な調査研究を精力的に進めてまいっているわけでございます。最近の状況にかんがみまして、従来の公害研究に加えまして地球環境あるいは自然環境保全の問題につきまして必要な調査をやっていく必要がございますので、本年七月から全面的にこの研究所を改組いたしまして国立環境研究所ということで一層の研究体制の充実を図ることにいたしているわけでございます。 さらに、ことしの十月からでございますが、地球環境研究とモニタリングの中核的な拠点としましてこの国立環境研究所に地球環境研究センターを設置していただくという計画になっております。 このような体制の整備とあわせまして、さらに政府一体となって必要なこれからの地球環境保全に関する研究を進めていく必要がございますので、そのために関係閣僚会議で総合推進計画を立てまして、毎年度それに則しまして全省庁が一体となってやっていくことに相なっておるわけでございます。 その一翼を担うということで環境庁としましても新たに地球環境研究総合推進費というのを計上させていただきまして、省庁を超えましてあるいは国際的にも共同で研究ができるようにということで、この推進費を活用させていただくということを考えております。これによりまして必要な調査研究の総合的な推進が図れるものと期待しているところでございます。 外国との関係でございますが、例えば米国と比べた場合でございますが、最近ブッシュ大統領が米国としては一九九一年におきまして十億ドルを地球環境研究に充てるのだという表明をされております。では我が国の場合どのぐらいになっているかということでございますが、環境庁が取りまとめました平成二年度の地球環境保全関係予算は全体で四千五百二十三億円ございますが、その中で原子力を除きました分が千五百億円程度ございます。ほとんど中身は調査研究、技術開発が中心でございますので、金額的にはほぼ見合ったレベルになっているのではないかと考えている次第でございます。
○山田勇君 ありがとうございました。 私は、長官の本会議、それからまた予算委員会等の御答弁を聞いておりまして、非常に熱心に取り組む姿勢に敬意を表するものであります。特にお人柄のいい長官でございますし、我々大阪府出身者としても誇りに思う先輩政治家でございます。 そういう中で環境行政の推進は、さきにも述べましたが、身近な問題から地球規模まで役割、使命はますます重要なものとなっております。環境庁を生活環境省に格上げするという構想が言われてみたりしておりますこの時期に、今後の大臣の決意を伺いまして私の質疑を終わりたいと思います。
○国務大臣(北川石松君) ただいま山田委員の御理解のある励ましの御質問をちょうだいいたしました。特に、環境省まで昇格さして地球環境問題に対応したらどうだという実にありがたいお言葉でございます。 そういう点は新聞報道なんかでもよく拝見さしていただいておりまして、これからは生活重視の環境庁が大事なことであろうと思っております。そういう点で今後の組織についてどうするかということで、先ほど来も予算が少ないというような点の御指摘をちょうだいいたしました。事実上の環境に関する事業ですね、あるいは下水道、あるいはごみ、この辺のものは、それぞれ厚生省、建設省で行っております。そして環境庁としてこういうようなことをやりたいなということがありましても、各省間のいろいろのお話し合いを聞きながらここにより一層いいものをつくっていかなければいけない、これが現段階でございまして、今後とも生かされた環境庁の予算の中で現段階のシステムの中で各関係省庁とよく連絡をとって、より以上に効果の上がるように環境行政をやっていきたいと思っておる次第でございます。 なお、地球環境センターをつくることになったことは先ほど局長も答弁いたしましたが、非常にありがたい御指摘でございまして、将来を展望したときにはあるいは御指摘のような点が生まれてくることもあるんじゃないかというような希望を持たしていただきたいと思っております。 以上でございます。
○委員長(大森昭君) 本件に対する質疑は以上で終了いたします。 ─────────────
○委員長(大森昭君) 次に、自然環境保全法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。北川環境庁長官。
○国務大臣(北川石松君) ただいま議題となりました自然環境保全法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国においては、すぐれた自然環境の保全を図るため、自然性の高い地域を自然環境保全地域等として指定し、その保全に影響のある一定の行為を制限する等の措置を講じているところでございますが、現行の規定にある動植物の捕獲、採取以外の行為についてもこれを防止するとともに、自然景観や動植物の生息環境を保護する見地から、四輪駆動車やスノーモービル等の無秩序な乗り入れを防止するための措置を講じていくことが課題となっております。 この法律案は、このような課題を踏まえ、自然環境保全地域等における自然環境の適正な保全を図るため、許可を要する行為を追加しようとするものであります。 以下、改正案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、自然環境保全地域等において動植物を殺傷し、または損傷すること、自然環境保全地域の道路等以外の地域のうち環境庁長官が指定する区域内において車馬を使用すること等を許可を要する行為に加えることとしております。 第二に、国立公園等の特別地域において動植物を殺傷し、または損傷すること、特別地域の道路等以外の地域のうち環境庁長官が指定する区域内において車馬を使用すること等を許可を要する行為に加えることとしております。 第三に、鳥獣を捕獲し、または鳥類の卵を採取する行為と同様にこれらを殺傷し、または損傷する行為を制限することとしております。 なお、これらの改正の施行につきましては、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日からとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(大森昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高桑栄松君 それでは、ただいまの法案につきまして質問をさせていただきます。 最初に、自然三法について、今新しい制限条項といいますか、そういうものが加えられるということになったわけでありますが、もちろん目的は地球環境保全、保護ということになっておるのは当たり前というか、当然のことでございましょう。しかし、ちょっと気になることは、今までは、例えば自然三法に盛られているのは捕獲、それから採取を制限していた。これは現行の規則でありますが、これで今まで十分な効果を上げていなかったのかなと。つまり、今日まで十何年かたった。十八年ぐらいですか、たったわけでありますけれども、今までの現行規則で罰則を受けた実例というのは何例ぐらいあるものでしょうか、ちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(山内豊徳君) お尋ねの点だけに端的にお答え申し上げますが、実は従来も動植物の採取、捕獲そのもので罰則を受けた例というのは、後ほど先生から御論議もあろうかと思います、かすみ網を用いて行う密猟などではかなりの件数があるわけでございますが、個々の国立公園の利用者がそういった点で罰則を受けた例というのは余りございません。 具体的にありますのは、どちらかといいますと、自分の庭先の眺めをよくするために届け出を、手続をしないで木を切ってしまった例とか、あるいはある営業用の施設を建てるために一切手続をしないで現場の土地の形状を変えてしまった例というものは、もちろんこれは年間一、二の例、数年間のうちにかなりの例がありますが、捕獲そのもので罰則までいった例は極めてわずかの前例しかないというふうに御理解いただきたいと思います。
○高桑栄松君 というのは、御指摘になりましたように、思い出したのは、植物学者が何かうっかり、うっかりというのか知らないで持ってきた。というのは新聞に大きく出たことがありましたが、学者もさっぱりその辺はわからないでやっておったんだなと、こう思いますが、今伺いますと、今までの法律ではほとんどないみたいに近い、かすみ網は別だと。後でかすみ網のお話は聞きたいと思っていますけれども、そういう前提のところにもう一段階加えるということは、実効を上げる意味ではどれくらいの効果があるんだろうかということで伺いたいんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(山内豊徳君) 今罰金なり罰則を受けた例は余りないことを申し上げましたが、残念ながら該当する事例は潜在的にかなりあったのではないかと思われますことと、お尋ねの点に答えますと、最近利用者がふえたということでやはり高山植物などが踏み荒らされるとか、あるいは折って持って帰る。先ほど学者の例をお話しになりましたが、これはどうも根ごと土を掘ってとったケースでございますからまさに従来の法令で罰則のかかる例でございますが、やはりそういう事例が目につくようになった。現場のレンジャーからもそういう困った例がやはり目につくようになったということは、もうここ十年と申しましょうか、法令は実は十数年ぶりではございませんで、鳥獣保護法などはたしか大正、昭和の初めから採取、捕獲だけはやっておったという長い歴史があって今日までそのままになっておったような法令でございますが、いずれにいたしましてもここの十数年ぐらいの目につく事例はかなり出てきているのは事実でございます。
○高桑栄松君 今伺いながら考えましたのは、法律が幾ら整備されても一般の国民がよくその内容を理解していないということが一番問題のように思うんですね。ですから、自然保護に関するというか、今のような禁止されているものはこういううものだというようなことをやはり教育的にも少しこれは進めていただかないといけないですね。環境庁の担当されるものは、どちらかというと実力で行使するというよりはどうも教育という問題、倫理というかそういうものが非常に多いと思うんです。それはまた環境庁の非常に大事なレーゾンデートルでありますから、そういう意味でそういうことにも今度は力を入れていただきたいなと、こう思います。 それから、伺いますと、例の崎山湾サンゴ事件ですか、こういったことで起訴しようと思っても法律の条文がなかったとかという、私、これ変な話だなと思うんですけれども。ただあの事件だけを考えますと、私は、法律で条文がなかったというからむしろあれだけ大きなニュースバリューがあった。だから私は、教育効果というのは絶大でなかったかと思うんですね。大新聞社の社長があれでおやめになるという、それくらい大変な倫理的な問題、実害というよりは倫理的な問題があったと思うんです。ですから、逆説的ですけれども、そういう条文がなかったからあれだけ大きく取り上げたということで、その意味はそれなりに私はやはり評価できるんじゃないかと、こんなふうに思います。 それで、今の御答弁にもあった内容にも関連があるんですが、自然環境保全についての具体的な問題点を二、三聞いてみたいと思うんです。 一つは、さっきお話が出ましたかすみ網であります。 このかすみ網は、使用が禁止されている。しかし、その製造と販売についてはどうなっているのか。きょうは通産省にそのことを御説明を願いたいと思います。
○説明員(広沢孝夫君) かすみ網の問題につきましては、私ども通産省でも大変頭を痛めておりまして、今までさまざまな検討もしておりますし、また、かすみ網が不正使用者向けに製造されたりあるいは販売されることのないようにさまざまな指導を行っております。 もちろんこの問題は、不正使用に対します取り締まりの強化でありますとか、あるいは国民の意識の向上、こういったことが第一義的には大事だと思いますけれども、そういったかすみ網が不正使用者向けに製造、販売されることのないようにということも私どもとしては大事だと思っておりまして、漁網をつくっております組合でありますとか都道府県、こういったところについては指導をしておるわけでございます。 また、実態につきましてもさまざまの調査をしております。まず、かすみ網に使われております網地でございますけれども、これは一般に漁網に使われております網地と同じものでございまして、区別ができません。また、かすみ網をつくっておりますと言う人ももちろんおらないわけでありまして、この網地をかすみ網に仕立てるという段階は余りに簡単な工程なものですからそれ自体を正確にとらえるということもなかなか難しいという状況で、正直申しまして私どもとしては今申し上げました指導を今後とも強化をしていきたいということでございますが、それを明確に区別をしてやっていくというのはなかなか難しいというのが実態でございます。
○高桑栄松君 どうも使用が禁止されているものが売られているというのは、矛盾という言葉が非常にうまくこれに当たりますね。盾と矛、禁止されているのに売られている。じゃ。買った人は床の間に飾っておくのかなと思うわけですが、多分使用しているんですね。だから名前のとおり、それはちゃんとかすんでいるわけですね。それでかすみ網と言っているのかなと思うんですが。 確かに、漁網がそのままかすみ網になるというのを、私も実物を見せられたり現地を見たりして、これは本当に取り締まりはどうしようもないということは伺っておりますが、そうなるとさっき申し上げたやはりエデュケーション、教育というのがまずあるんですね。その上にどうしようもない一部の人がいるということになるんでしょうが。しかし、何とかやはり使用を禁止しているものなんですから、漁網であろうとやはりそれがかすみ網にかすんでしまわないように何か方法を考えてもらえないか。例えば、何か知りませんが、漁網として製造したものについては封印みたいなものをぱちっとしておく。これがついているかいないか、ついていなければこれはかすんだやつだとすぐわかるように、例えばですよ。私のあさはかな知恵でございますからわかりませんが、そういう何か方法が欲しいということであります。 次は、国立公園のレンジャーのことでありますが、先ほどの御答弁の中でも、今日までもう十七、八年たっているのに実際には処罰、罰則を受けたのはないと。それは結局現場を取り押さえない限りは犯罪が証明されないわけだから、だからこれもやっぱり取り締まりが大変難しいということで、我が国のレンジャーが国立公園にどれくらいの割合で配置されているかとか、実情をちょっと簡単に承りたいと思います。
○政府委員(山内豊徳君) 日本の国立公園は、御案内かと思いますが、民有地もあれば営林署の土地もある、さまざまの土地の所有権の上に、言葉が不適切かもしれませんが、地図の上で線を引いて国立公園を決めておるわけでございます。それが、二十八の国立公園があるわけでございますが、十一の事務所が全国にございまして、さらにその事務所から枝のように分かれた管理官の駐在事務所も幾つかございますが、現在レンジャーが十一の事務所に百十三名配置されているということでございます。 ちょっと先走った答弁になるかと思いますが、アメリカ、カナダなどではかなり人数も多いということで、日本でどのくらいの面積を持っているのか単純に計算だけいたしてみましたら、一人当たり一万八千ヘクタールということで、尾瀬が二つぐらいあるところが一人分ぐらいであるわけでございます。そんな現状でございます。
○高桑栄松君 一人当たり一万八千ヘクタールですか、よほど目がいい人でもとても届きませんですね。 だからこれで管理をするということが問題なわけで、専門官、そういうレンジャーをふやしていく努力を、最近は毎年一人ずつくらいふえているようでありますが、そういうところへ入っていって何かする人がもっと飛躍的にふえているんでしょうから、一人ずつといっても大変なことだと思いますね。ですから、これについてはやっぱり人員をふやすということが一つありましょう。 もう一つは、それの補助役というのか、これを補助する者にボランティアがあるわけであります。そのボランティアは、我が国では無償で美化、清掃に従事する、それから利用指導などをするということで、これはやっぱり相当なそれだけの知識、経験を持っている人がボランティアになるということだろうと思うんですが、ボランティアの数というのは、今、大ざっぱにどれくらいになりますかね。
○政府委員(山内豊徳君) ちょっとその前に、先ほど国家公務員の百十三名だけを強調いたしましたが、先ほど言いましたように、日本の国立公園は市町村、都道府県の区域の上でもございますものですから、その点では実は数を積み上げておりませんが、市町村役場の方、あるいは県によりましては出先に県の公園事務所をみずから特って協力していただいているところもありますので、そういった、アメリカ、カナダと違って、国以外の行政機関が大分この仕事を協力してやってくださっているという事実は強調しておきたいと思います。 さて、ただいま御質問のいわゆるボランティアでございますが、現在、自然公園指導員という形で私どもで委嘱状を差し上げて活動していただいている方が約二千人ございます。それから、国立公園ごとにパークボランティアというネーミングで一カ所大体五十人前後でございますが、トータルしまして一千人弱ということかと思いますが、二千人の自然公園指導員のほかにパークボランティアを約一千人お願いしているということでございます。そのほか、国立公園そのものじゃございませんが、鳥獣保護区とか都道府県における鳥獣保護行政のための鳥獣保護員というような制度もございまして、これは数はそのほかにもございますが、そういった方々の御協力をいただきながら先ほど言いました百十三名のレンジャーが国立公園の運営に当たっているという現状でございます。
○高桑栄松君 ボランティアの数も、承るとやっぱり思ったほどではないなと思いますが、これはそういう山の中とか鳥とか植物とか、大変そういうのを好きな方々でしょうから、それなりに関心もあって一生懸命やってくださるという意味で私は大変大事な方々であろう、こう思いますが、このボランティアの方々に、例えば不正行為を発見したときにどういう権限が与えられているのでしょうか。
○政府委員(山内豊徳君) その点は端的に申し上げますが、指導員という名前で委嘱をさせていただいておりますが、文字どおり利用者に、どう申しましょうか、ボランティアの立場から助言と申しますか、助言よりもっと法律的には手前のことになると思いますが、例えば木を折っているところを見かけたら、ここは国立公園だからそれはいけないんですよということを御注意申し上げる、ある意味では先生のおっしゃる教育的な立場を発揮していただく方でございます。 それから、むしろパークボランティアになりますと、私も二、三現地で見て感激したのでございますが、みずからごみを拾い、空き缶をパークボランティアの方が拾っていらっしゃるということが通りがかった利用者に非常に効果を持っているという、これは非常に御本人に失礼な言い方かもしれませんが、ある意味では一番大きな教育効果ではないかと思ったりして見ております。
○高桑栄松君 エデュケーションの効果をお話しになったようで、それは非常に善意の方々でありまして、一生懸命拾っていってくれる人がいるから安心して捨てていくという人もひょっとしたらいるのではないかと、こう思うわけです。 それで、例えば高山植物をカットしている、それを、いけませんよと言っているのか、それともそれを起訴できるのかというようなことはいかがですか。
○政府委員(山内豊徳君) その点になりますと全く本人には権限はございませんで、見かけて警察当局に連絡をするという役割になろうかと思います。 その点は、実は残念ながら環境庁職員でございますレンジャーでも同じことでございまして、司法的な権限は持っておりませんので、公務員であればかなり本人に対して、場合によってはそこに、何と申しますか、とどまってもらって警察に連絡することは可能だと思いますが、ボランティアの方々にはそこまでお願いするのもなかなか社会的に難しいかという状況でございます。
○高桑栄松君 我が国の国家公務員のレンジャーでも同じだというのは、僕はちょっとうっかりして、そうでないと思っていましたけれども、アメリカの同じレンジャーとかボランティアはどういう資格を持ちますか。
○政府委員(山内豊徳君) アメリカのレンジャーの場合は、まず基本的にアメリカの国立公園は連邦の土地そのものの上に成り立っておりますものですから、まずそこに土地所有者としての権限が強いということがございます。 それから、これは立法論の違いだと思いますが、たしかレンジャーにも、日本で言う警察官そのものじゃないまでも、司法的な権限を立法上持たせておるようでございます。ただ、それはあくまでも連邦が地主である土地の中での権限でございますので、日本の法制の場合は、例えば新宿御苑は環境庁の直轄の土地でございますけれども、あの中でやはり違法のことが行われましても、あそこの職員が人を捕まえたり勾留することはできないのが日本の法制ではないかと思っております。
○高桑栄松君 私の承ったところでは、アメリカのボランティアは連邦職員とみなされて不法行為に対しては起訴する権限が与えられている、ただ、月給はもらっていないだけだ、こういう話のようで、起訴をするときには証拠を握る必要がありますから強制捜査であるとか証拠押収という権限が与えられる。これがなかったら、警察に届けてもなくなっていたということになるんじゃないかと思うんですよね。 これは御意見を承るまでもないことだと思うんですが、そういう意味の、やっぱり承った方がいいね、レンジャーにそれがないとは私、うっかりしていました、あるんだと思っていたから。レンジャーにそれがなかったら、レンジャーというのはレジャーみたいじゃないですか。ちょっと伺いたいですね。
○政府委員(山内豊徳君) レンジャーというのは、私の理解ではアメリカ語の軍隊用語だったと思いますし、アメリカでは実はどうも初めは連邦軍隊、アーミーが国立公園を所管していることもあったようでございます。 ただ、日本の場合、いろんな行政がございますが、この種の管理にあずかる職員に権限を与えている例は、皆無じゃないと思いますが、かなりないことと、それから何をやっているかという点は、実はこれも申し上げにくい言い方ですが、デスクワークが非常に大変なわけでございます。同じ管内、一万八千ヘクタールの中の旅館の建て直しがあれば道路の拡張もある、あるいは場合によっては歩道の修理をしなきゃならない、そういう意味では全部が全部デスクワークとは申し上げませんが、かかり切りになるほどございます。なおかつ、それとあわせて、例えば尾瀬のような現場では、ビジターセンターを中心に環境庁の職員であるレンジャーが利用者に対する相談に応じたり、いろんな利用上のいい意味での御注意を差し上げるというようなこともあわせてやっておる、そういう状況でございます。
○高桑栄松君 それはデスクワークは多いはずですよ。一万八千ヘクタールを一人でカバーしていますと、もうあらゆることがすぐデスクに入ってくるわけでしょうから、立山黒部にはたった一人しかいないとかと伺いましたが、やっぱりそれは人数が少ないからということにすぐ帰結するわけです。ですから、そういうことをいろいろ考えて、自然保護というものをどういうふうにしっかり指導していくかという意味で、私はレンジャーにもそれからボランティアにも何がしかのちゃんとした権限を与える必要がある、そのためにはその人たちをちゃんと教育する必要があると思うのです。何でも権限を持っているからというので威張ってやるようなことでは困るので、無差別にやられても困りますから、教育が必要だ。 ただ、今ここで思い出しましたのは、私、昔聞かされたんですが、昔、我が国の碩学大先生方はドイツへ留学をしたわけです。ドイツへ留学をした大先生、帰ってきて大先生になったはずでありますが、大先生が下宿の子供をおんぶかだっこしていて、きれいな花が咲いていたので折って子供にやった、そしたらその小ちゃい子供が、これはおじちゃんのと聞いたというんです。もう非常に恥ずかしかったというけれども、大先生が公の物はおれの物という精神があったわけだ。我が国でも、花見をして花を取ってこの辺に挿すとかこうやるとかというのは今でもやっていますよ。あれは自分のじゃないはずなんだ。おじちゃんのと聞きたいですよ、これは。これはもう何十年も前の話です。 ですから、我が国にはそういう意味のモラルのエデュケーションが非常に足りない。エデュケーションというのは学校教育じゃないです。やっぱり小さければ家庭内の親子、そして地域、そういう人たちがみんな同じような行動をとっていればそれでいいわけです。それがないということが私は問題じゃないかと思う。 最後にもう一つ、ちょうど時間いっぱいになりますが質問をさせていただきたいと思いますが、国立公園内に国有、公有、民有の土地がいっぱい交錯をしているわけでございます。アメリカは今全部国有だという話で、日本はそれが入りまじっているから開発制限等々について大変困難な交錯があるんだろうと思うので、こういうことについてできるだけ国は買い上げて国有にしていった方がいいんじゃないか。それができないものがナショナルトラストになっているでしょうが、そのナショナルトラストにも国は補助をしているんでしょうか、それをひとつ伺いたいと思います。
○政府委員(山内豊徳君) まず、現在ございます制度を御説明いたしますと、国立公園の中の民有地を買い上げるという制度がございますが、ただこれはあくまで国立公園の核心になるような、私どもの言葉で申し上げますと特別保護地区であるとか第一種特別地域という、それだけのランクのある風景地を民有地のままほうっておくと困る場合には買い上げるという手段でございます。現在までに五千ヘクタールぐらいの買い上げを実現しております。 〔委員長退席、理事清水澄子君着席〕 それから、ナショナルトラストに国としての助成制度があるかという点は、ストレートにナショナルトラストの運動に国が財政的に応援する制度は現在ございません。税制上のいろんな優遇措置はこの三年ばかり非常に充実したつもりでおりますが、国の補助制度はございません。
○高桑栄松君 では終わりに、大臣に。 私、いろいろお話をさしていただきましたが、新しい自然環境保全法等の改正に当たりまして、自然環境保護ないし保全に対する大臣のこれからの行政の進め方というか、御決意というか、そういうことを承らしていただいて終わりたいと思います。 〔理事清水澄子君退席、委員長着席〕
○国務大臣(北川石松君) 高桑委員の、環境を保全するためにこのたびの法案の審議に当たってボランティアあるいはそういうモラルとか、いろんな点から御指摘を受け、お子さんに桜の花を折って渡したら、おじちゃんのと言った、今そういうことを聞きますにつけても、日本人の中にある無意識のうちに大自然の枝を折ったり、あるいは公徳心の欠如というよりも無意識に犯しておるというのもありますので、この法案によってより一層理解をしていただく、自覚を深めていきながら私は環境を守っていきたいと思っておりますし、また先ほど来御指摘のような種々の点についても今後前向きで対処していきたい、こういう思いでございます。
○沓脱タケ子君 それでは、今回の本法案の改正案は当然の措置という立場で若干の質問をさしていただきたいと思います。 今回の法改正によりまして国立公園、国定公園の特別地域では環境庁長官が指定する区域内において車馬、動力船の使用、航空機の着陸の規制等が追加になるわけです。これに関連して、スノーモービルが盛んに雪原を暴走して植生の破壊をやったり動物への脅威を与えたりなどの被害が国立公園や国定公園において起こっているということがたくさん私どもにも報告をされております。 時間の都合もありますから多くを申し上げられませんけれども、例えば知床では多い日は三百台のスノーモービルが走り回って天然記念物のオジロワシの繁殖に支障を来しているとか、あるいは屈斜路湖ではオオハクチョウが音におびえて姿を消すだとか、あるいは十和田八幡平では高山植物の宝庫、鳥獣の生息地に影響が出てきている、あるいは磐梯朝日でも樹齢百年以上のシャクナゲが踏みつけられてしまっている。このほか大雪山とか八甲田山、奥日光等々たくさん被害が出ていて、各地では規制を要望しているというのが私どもの耳にも届いておるわけです。 このスノーモービルは全国で今一万二千五百台ぐらいと言われているんです。北海道では二月から五月が本格的なシーズンだと言われておりますが、登山者は山に入るのに入山手続の提出義務があるんです。ところが、スノーモービルは野放し状態、だから大変なんです。営林署等ではあっちこっち乗り入れ禁止の立て札を立てたりしているけれどもさっぱり効果かない、ときにはスキーヤーだとか冬山登山との接近も多発してきているということです。 そういう状況なのですが、そういうところで今回の法改正に基づいてスノーモービルの乗り入れ規制の指定区域というのをつくるわけでしょうけれども、これを実態に即してできるだけ広いエリアにする必要があるのではないかと思いますが、その点はいかがでしょう。
○政府委員(山内豊徳君) 今回新たに加わりました車馬の乗り入れ禁止のうち特に雪の多いところでは、おっしゃるようにスノーモービルが我々問題意識としても大きな柱でございます。 私どもとしましても、考え方としては効果的なと申しますか、意味のある区域をなるべく幅広く指定したいと考えておりますが、これは国立公園の境界線ではございませんけれども地元の自治体の了解なしに環境庁だけで決めるわけにいかぬ点もありますので、取り締まり的な面の効果も加味しながら取り上げていきたいと思っております。 一面、利用者の中の声としては、禁止は禁止として、むしろ積極的にスノーモービルを大いに走らせていいところをつくってくれないかという要望もあるんですが、そのことへの対応よりもまず法案の成立後やらなければならないことは、禁止区域の指定のことではないかと考えております。
○沓脱タケ子君 スノーモービルともう一つの問題は四輪駆動車、これは富士青木ケ原や奥日光でも盛んに自然破壊がやられているということですが、これの規制強化も非常に大事と思います。 これはせっかくの法律改正だから、必要なエリアを設定して規制をする。その規制が実効を上げるためには、先ほどからお話が出ております人員の配置ですね。立て札を立てておいたって踏みつぶしていくというのは、それはモラルの問題もありますけれども、だれも何にも物を言わないんだからついついそうなるということもありますし、本当に実効を上げるためには必要な人員配置の増加というのは何よりも大事だし、それの裏づけになる予算の増加、これが非常に大事だ、せっかく法改正するんだからそれをやり得る裏打ちというのはそこだろうと思いますので、ぜひ長官、長官の時代の大きなお仕事としてやっていただきたいと思いますが、ちょっと一言御決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(北川石松君) 沓脱委員の非常に御理解のある、そういう侵していくものに対する管理的役目をする人員が十分じゃないんです。そういうものをふやしたらどうだということをおっしゃっていただいて大変意を強くしながら、これも本当に前向きで一人でも多くふえるように善処してまいりたい、このように思っております。
○沓脱タケ子君 それは困難でしょうけれども、実現できるように格段の御努力をぜひお願いしたいと思います。 もう一つ聞いておきたいと思いますのは、自然環境保全等の法律というのは、「自然性の高い地域を自然環境保全地域等として指定し、」というふうに今もおっしゃられたわけでございますけれども、ところが今、とりわけリゾート法というのが八七年に制定をされましてから、貴重な国土の自然環境がかなり乱暴に破壊されていくという傾向がございます。 私は多くを申し上げるつもりはございませんが、そこでちょっとお聞きをしたいんですが、国立公園、国定公園の中にあるゴルフ場の数が特別地域、普通地域別に今どのくらいあるか、ちょっと教えてください。
○政府委員(山内豊徳君) 御案内と思いますが、国立公園の特別地域では昭和四十九年以来一切ゴルフ場の造成を認めておりませんが、それまでに認めた実績もございます。それから普通地域につきましては四十九年以後も幾つか認めた例がございますので、数だけを申し上げますと、国立公園で六十八、国定公園で四十六のゴルフ場が現在ございます。
○沓脱タケ子君 これは届け出のあった件数で、造成中の、可能性もあるということで含めますと、特別地域が八十三なんですね。それで全体では百二十四。国立公園、国定公園の中で今も造成中、そんなものは私、やっぱりぐあいが悪いなと思うんですよ。 そこで、最近問題になっている一、二の例を挙げてみたいと思います。 もう時間がありませんから時間いっぱいを使って申し上げておきたいのですが、例えば北海道の旭川では鳥獣保護区のところにメモリアルカントリークラブが計画をされているんだそうです。ここは南北の鳥類の渡来地と繁殖地であって、六十一種類の大規模な生息地なんだそうです。しかもその地域は、厚い岩盤のために地下水はなくて、沢水が近隣住民の飲用水として使われている。九ヘクタールの森林が伐採されてここにゴルフ場をつくるということになると、これは鳥獣保護の問題からいいましても、地元住民の立場からいいましても大変だということで反対運動が起こっているというふうな問題。 それからもう一つの例をちょっと挙げておきますと、これは大阪の太子町なんですね。ここのゴルフ場の建設予定地というのは金剛生駒国定公園にすぐに接したところで、その地域には葉室一須賀古墳群というのがあるんです。非常に大きな古墳群です。これはまだ指定をされていないと思いますけれども大きな古墳群で、その地域は稲作や麦作が日本に伝わった時代に入ってきたスバコやオオバコなどという帰化植物などもあるような地域なんですね。 この地域というのは非常にややこしい地域になっていますわ。ちょうど二上山のふもとになりますけれども、大変水のうまいところで、大阪ではめったにうまい水は飲めないんですけれども、太子町というのは行ったら必ず生水を飲ましていただくというほどおいしい水のあるところです。その地域は隣が河南町で、そこは阪南ネオポリスなんというような住宅街がいっぱいつくられていたりしているんですが、ここにゴルフ場をつくろうというわけです。ところが問題の太子町は小さい町ですから、ゴルフ場ができますと町の面積の一〇%がゴルフ場になってしまうということなんです。 そういう点で大阪は極めて緑の少ない地域なものですから、大阪の緑と自然を積極的に守るためにひとつ国定公園を広げるというふうな積極的な措置をとって、こういう無理なことをさせないようにひとつ指導を強化してもらいたいなと思うんです。 私は、少なくとも国立公園、国定公園、あるいは鳥獣保護区、あるいは歴史的な遺跡等の保護地域ではゴルフ場の新設については禁止するというぐらいの規制の手続をぜひ打ち出すべきではないか、そういう点でひとつ長官の環境庁としての御英断をぜひ求めていきたいと思うんです。 太子町の問題は具体問題ですが、これはこの間近畿行監局から大阪府が注意を受けて、それで国定公園の範囲を広げますという回答もしているようですから、環境庁がちょっと御指導になれば片もつくであろうと思いますし、その辺について余りうるさく言いませんから、最後に申し上げた国立公園、国定公園、鳥獣保護区等に新たなゴルフ場をつくらせるというようなことは禁止だという規制を御英断をもってぜひ打ち出してもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(北川石松君) 昭和四十九年以降、国立・国定公園の特別地域内では自然環境保護という点から建設を認めていないのは御承知のとおりだと思っておりますが、そういう点で国立・国定公園内の普通地域についてはこれを禁止することまで現段階でできないけれども、ゴルフ場建設の規制強化を図るという意味では前向きで検討していこう、今こんな思いをしておるところでございます。
○沓脱タケ子君 結構です。
○中村鋭一君 たしか慶良間水道だと思うんですが、最近よくテレビなんかで報道しておりますが、あそこにマンタ、イトマキエイ、季節にもよるでしょうが、あれがプランクトンを食べに集まってきて、それを見に来る観光客が物すごくふえている、そういうことなんですが、山内さん、そういう事実、御存じですか。
○政府委員(山内豊徳君) 今お話しのございました慶良間水道のイトマキエイの問題につきましては、私は直接現地を見るという意味では存じておりませんでした。先生の御質問でいろいろ現地の管理官からも様子を聞いておりますので、これをめぐる概要につきましては二、三承知していることがございます。
○中村鋭一君 どういうような状況ですか。
○政府委員(山内豊徳君) この地区は、まず沖縄海岸特定公園の海中公園地区ということで、地区を拡張しましたのはたしか昭和五十三年であったかと思いますが、海を全部海中公園にするのではなくて、もちろん特定の部分を限って海中公園にしております。 今お話しのございましたイトマキエイにつきましても、実はこれは既に現行の自然公園法に基づきまして関係長官が許可なくして捕獲できないものとして指定をしているところでございます。ただ、これにあからさまに違反する捕獲例があるというよりも、先生御指摘のように、それ自身を見物する意味から、観光客と申しますかダイバーと申しますか、その方がかなり多くなっている実情にあるということで国定公園でありますために沖縄県が第一線で管理をしていただいておりますが、たまたま石垣にある管理官事務所の者もその実情を聞き知っているという程度でございます。
○中村鋭一君 これも一部に報道されたんですけれども、このイトマキエイをつかまえて、海を仕切りましてそこで観光客に例えば背中に乗せたりさわらせたりしようという、そういう計画があるような報道がなされたことがあるんですけれども、環境庁、もしこういうようなことが起きた場合にはひとつ適切な指導をしてやってくださるようにお願いをしておきます。イトマキエイというのは、本当に貴重な、それこそ絶滅のおそれある動物に加えてもいいぐらいのかわいい動物でございますので、そういうものが人工的に損傷を加えられたり、単に金もうけの手段に使われるようなことがあってはいかぬと思いますので指摘をしておきたいと思います。 沖縄県で沖合いの砂を掘りましてその砂を持ってきて人工海岸に使っているということなんですが、ところがその砂を掘る場所が魚類の貴重な産卵床である、こういう報道もあったんですけれども、そのことは承知していらっしゃいますか。
○政府委員(山内豊徳君) これにつきましても御指摘に基づいて知ったわけでございますが、そういう状況がありますところが実はいろんな場所の場合がございまして、先ほど来申し上げておりますような海中公園の中そのものであればいろんな許可、場合によっては届け出という対応があるのでございますが、どうも先生御指摘の事案というのは自然公園保護の区域に入っていないところの砂が問題、問題といいますか、御指摘であろうかと思います。そのような意味で細かな実態は必ずしも私どもが把握していない点もございます。
○中村鋭一君 農水省の方でこの事実は把握しておられますか。それが例えば魚の産卵床であれば、その砂をとっちゃいかぬというような規制を加えることはできないんでしょうか。
○説明員(海老沢志朗君) お答えいたします。 水産資源保護法というのを先生御存じのとおりでございまして、第四条第一項第五号において「農林水産大臣又は都道府県知事」が「水産動植物の保護培養に必要な物の採取又は除去に関する制限又は禁止」を内容とする「省令又は規則を定めることができる。」となっております。 現在、沖縄県の場合ですけれども、知事がこの規定に基づいて沖縄県漁業調整規則というのを定めております。その規則の三十八条において、漁業権の設定されている漁場内で岩礁を破砕し、または土砂もしくは岩石を採取しようとする者は知事の許可を受けなければならないということになっております。
○中村鋭一君 そのように、このイトマキエイもそうですし、今の砂にしても、既にある法律、法令等をフルに活用して、そういうことがなるたけ防がれるようにお願いをしておきたい、こう思います。 今回の自然環境保全法の一部を改正する法律案も目的があってこのように改正されるわけでございますから、観光客が人工ビーチで遊ぶために沖合いで砂を幾らでもとって、それが法の目を逃れているから結果的には魚の産卵床を奪っているというようなことが黙過されるようなことは、私は環境庁としても農水省としてもそのままに放置しておいていいことではないと思いますので、そのことを指摘をしておきたいと思います。 終わります。
○山田勇君 私は時折カナダを訪れるのですが、国立公園などの管理面でのすばらしさ、また上手な利用の仕方などいつも感心をしているんですが、これもしっかりした監視体制があるからできることであります。 貴重な動植物や美しい自然の景観を保全するためには、今国民の余暇生活を充実させるために進めているいわゆるリゾート開発についても自然破壊という観点からも考慮する必要があると思いますが、この点の取り組みをどう考えておりますか。また、今後の国立公園の管理体制の強化についてはどうお考えでしょうか。
○政府委員(山内豊徳君) まず、リゾート構想に基づく整備なりの進め方につきましては、御案内かと思いますが、大きな基本構想を国土庁を中心とする所管省六省庁がお立てになります場合に環境庁も協議を法律上受けておりまして、これについては私ども意見を反映して基本方針をつくっていただいておりますが、問題は各県がお決めになる基本構想を決める段階の調整かと思います。その意味で、私どもできるだけ協議に先立って事前に該当の県の自然環境部局と連絡をとりながら、私どもでも納得のできる自然環境を大事にしたリゾート構想になるように中身を調整しながら国土庁から正式の協議を受け、それに対して場合によっては私どもからも意見を申し上げて条件をつけるというようなことも考えております。 二番目に、今回の法案の改正にも関連しましての御指摘と思いますが、こういった改正を契機にもっと自然公園、国立公園の管理を外国との比較においても充実すべきではないかという点でございますが、これは先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、私どもとしましても管理体制それ自身を強める方向で十分努力していきたいと思いますし、またこれまでもやってきました市町村とか県の公園事務所の協力関係、それからボランティアの方にいろんな意味での社会的な位置づけもこれからも高めながらそういった方面との御協力をいただきながらレンジャーを中心にした国立公園の体制を強化していきたいと考えております。
○山田勇君 これも幾ら監視体制を強化しても、そこを利用する人たちの一人一人の道徳の意識の問題もあります。 僕はカナダに小さい子供を八十人ばかり連れて、カナダ政府の協力を得て子供たちをキャンプ生活で十五日ばかり毎年行っております。そこで行われていますことといえば、朝八時になりますとそのキャンプを利用したキャンピングカーまたテントを張っている人たちが一斉に起きまして、全部ごみを拾ったり、もし空き缶とかチューインガムの紙が落ちていたらそれをごみ箱へ入れる、そういうふうなことはどのキャンプ場へ行ってもやっております。自然に自然を利用する人たちが守っているという姿をいつも見て感動しているわけです。 環境問題は国民全体の理解と協力を求めることも重要でありますが、利益優先、利潤追求の企業にどう責任を持たせるか。この点、アメリカでは企業活動の環境責任に関する原則、いわゆるバルディスの原則というのがあります。投資家や環境団体が企業に対し環境保全の立場から求人や投資の面で圧力をかける運動を進めているようですが、バルディスというのは昨年三月アラスカの南海岸で史上最悪と言われる原油流出事故を起こしたエクソン社のタンカー、バルディス号のことですが、この原則には地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨の原因になることを極力避ける、原材料は可能な限りリサイクルをさせる、また消費者が安全に使える商品を提供するなど厳しい義務規定が設けられているようですが、我が国としても企業に対する責任にどう今後対処しようとするのか、関係各省庁との関連もあると考えますが、環境庁としてのお考えをお聞かせください。
○政府委員(安原正君) ただいま山田委員から言及がありましたバルディスの原則というものがあるということは承知しておりまして、私どもも大変関心を持たせていただいているところでございます。 このバルディスの原則で言われておりますことと対比しまして我が国の状況がどうなっているか、ちょっと御説明をさせていただきたいと思います。 まず第一点の産業活動による環境汚染の防止でございますが、これは関係法令等に基づきまして世界でも最も厳しい規制を我が国では行っているということでございます。 それから、その公害防止の責任者、管理者を設置する問題でございますが、これにつきましても、特定工場における公害防止組織の整備に関する法律というのがございまして、一定の工場につきましては公害防止統括者あるいは公害防止管理者の設置を義務づけているわけでございます。 それから、三番目の情報公開の問題でございますが、これにつきましても、地方公共団体におきまして地域の環境モニタリング等の結果を公表いたしておりますし、さらに地域の企業との間ではケースによりましては公害防止協定を締結するということで各企業の情報を把握するというような取り組みが進められているわけでございます。 それから、第四点目が民間企業の海外活動に際しての環境配慮の問題でございますが、これにつきましては、昨年六月末の地球環境保全関係閣僚会議の申し合わせによりまして、「民間企業の海外活動についても適切な環境配慮が行われるよう努める。」ということで申し合わせをしておりまして、この申し合わせに基づきまして経済団体等に働きかけをやってまいったところでございます。先月、経団連が海外進出に際しての十の環境配慮事項というのを取りまとめて公表しておるということでございます。それから、五月の十八日に国会に提出をさせていただきました環境白書ではございますが、この中で、民間企業または事業者にあっては環境保全に対するみずからの社会的責任をはっきりと自覚していただいて、企業活動の展開に当たっては地域や地球環境への配慮を徹底する必要があるというような提言もさせていただいているところでございます。今後とも関係方面、企業に対しまして協力を求めていく努力を続けたいと考えております。
○山田勇君 今回の法改正の大きな柱となっております国立公園内での四輪駆動車やスノーモービルなどの乗り入れによる自然環境の破壊に対しては厳しく規制されてしかるべきだと思います。また、サンゴ礁に傷をつけた事件などもありましたが、これまでの環境庁の対応はどのようになっていますか。また、今回の法改正が行われた場合の効果また実効性はどのようなものとなるのか、それは果たして現在の国立公園の管理体制で対応できるのかどうか。どう見ても不十分ではないかと思うんですが、その点も伺っておきます。
○政府委員(山内豊徳君) 今までも、例えば今回指定をしますところ以外の本当の国立公園の核心部分では、実は馬車の乗り入れも禁止しておりまして、これにも大きな罰則がついております。それについては先ほど来申し上げておりますように、罰則をもって臨んだ例がないという面もございますが、少なくとも原生自然環境保全地区のようなところには今までは馬車の乗り入れは例はなかったという意味でも一応安心してきたわけでございますが、今回は先ほど申し上げましたように非常に多くの対象者にさらされる地域での事件の防止ということが問題になるわけでございますから、率直に申し上げまして、現在のレンジャーの体制だけですべての効果を持たせるということについてはなお努力を要する面が多過ぎると思うんでございますが、私は、やはりこのような改正、こういうことが罰則をもって臨まれているということを知っていたことだけ、だけといいますか、そのこと自体も実はこれは利用者に対する一つの啓発教育効果もあるんではないかと思います。カナダの例につきましては、私も同じような例を聞いたことがございますが、あるいは必ずしも罰則ではないけれども、公園の枯れ葉でも子供のときからこれは公園のものだよと教えられているということを聞いたこともございます。 そんなことで、もちろん管理体制は、先ほども申し上げましたようにボランティア活動との組み合わせ、あるいは市町村、県の地方自治体体制との関連なども考えながら、今回せっかくこうやって御審議いただく法案でございますので、これを施行する段階では十分意味のあるものにしていきたいと考えております。
○山田勇君 次に、絶滅に瀕している動物の問題についてお尋ねします。 これは誤解をしてもらうと困るんですが、ちょっとした暴論ではないかと思うんですが、自然環境の中で自然に絶滅していった動物は過去の地球の歴史の中でたくさんあると思うんですが、こういった自然に絶滅していく種族を保護し存続させるのは自然の摂理に反するといったようなことを聞いたことがあるんです。このような意見があるとすればどうお考えでしょうか。 そこで、問題はトキとイリオモテヤマネコのことですが、この現状と保護繁殖のための施設など、どう取り組んでいるのかをお尋ねします。 終わりに、自然保護と環境行政の充実を強く望んで私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(山内豊徳君) それでは私から、具体的に御指摘のありましたトキとイリオモテヤマネコの保護増殖の現状を端的に申し上げます。 トキにつきましては、御案内と思いますが、中国側の大変な協力で三年間、一年間延期をしまして中国のトキをお借りしておったんでございますが、これが交配による増殖を果たさずにお返しすることになりました。ただし、非常にうれしいことには、今度はこちらの日本におりました雄トキを中国の北京動物園で向こうの雌トキとペアリングしてくれるということの約束が成り立ちまして、ことしの三月送ったばかりでございます。シーズンはこれから来年に向かってでございますが、何とかこれによって日中のトキによる増殖効果を期待したいと思っております。 イリオモテヤマネコにつきましては、生息地の西表島において個体数が非常に少ないという現象がございまして、たしか五十四年度から私ども給餌事業、えさを人為的に出す事業をやっておりますが、その結果もあって、現在のところ個体数は百頭前後確認されているのがございますので、一応我々の今行っております保護事業は意味を持っているものと、そのように理解しております。
○国務大臣(北川石松君) 山田委員の、自然の摂理の中で自然になくなるものもあるんじゃないか、こういう御質問の中で、生物をどういうふうに保護するのか、非常に難しい御質問だと思うんですが、私は長い進化の歴史の中で我々人間もともに地球の生態系をつくってきた、こういう思いをしております。 そういう思いの中で、野生生物保護というものは私は人為的にこれを滅ぼしてはいけない、こういう思いをいたしておる次第でございますし、地球環境の保全という観点にいたしましても、野生生物を保護していくことも大変大事だと、このような思いをしまして、今後とも環境庁といたしましては、やはり積極的に、大自然というものの中に人間も生きとし生けるものもみんなやはり生息していくいい環境づくりに邁進したい、こう思っております。
○久保田真苗君 法案に入ります前に、お願いがございます。 それは、環境庁の審議会等への女性委員の登用状況はどんなものか、それを伺わせてください。
○政府委員(渡辺修君) 環境庁には中央公害対策審議会など五つの審議会がございまして、その委員の総数は百七十名でございます。その中で婦人委員は十四人、八・二%おられます。 ただ、ここで一言申し上げたいのは、この五つの審議会の中で臨時水俣病認定審査会、それから公害健康被害補償不服審査会、大変専門的な審査業務を担当している審議会でございまして、女性委員の参加が得られにくいということで今までのところゼロということでございます。それを除きますと百五十五人中十四人で九%、各省平均よりは大分いいと。もちろんこれからも大いに努力をしていきたいと思っております。
○久保田真苗君 まるで女性には専門家はいないと言わんぬばかりの御答弁でございます。 ここを見ていただきますとおわかりのとおり、環境委員の中には各党手厚く女性委員を配置しまして、その出席率も極めて良好、熱も人一倍なんでございます。そういう環境庁でございますから、専門家がいないとおっしゃらず、比較的医療とかあるいは福祉とかといった面には女性は専門家が多いわけでございますので、ひとつ婦人問題担当室のリストなどを参照していただきまして、ぜひ近々に女性を登用していただきたいというお願いなんです。 大臣にこの際申し上げておきたいと思いますのは、先般、国連の婦人の地位委員会が三月にございまして、そこで二〇〇〇年に向けてのナイロビ将来戦略というのがございますんです。今度それの実施状況について勧告が出ました。この勧告の中に、政府や政党に呼びかけて、一九九五年までといいますとあと五年なんですけれども、それまでに指導的地位につく女性を三〇%にしてもらおうという、そういう勧告が出ました。もちろん日本の委員も賛成していることと思います。そして、来年はアジア・オセアニア地域で地域会議もございます。それは公的地位につく婦人の問題なんでございます。一九九五年にはナイロビに次ぐ世界会議が予定されているわけでございますので、ひとつ各省庁に全部頑張ってもらわなきゃいけないんですけれども、その中でも特に婦人の地位委員会は環境問題についての政策決定にはぜひ女性を多数登用するようにというのがございます。それは非常に大事なことだと思いますので、申し上げるまでもないことなんですけれども、今婦人問題企画推進本部の中で、先日までは森山議員が官房長官で副本部長にお人りになっていたんですけれども、それは六カ月で打ちどめになりまして今や男性ばかりという中になりましたので、私は老婆心までにひとつぜひ環境庁を督励していただくようにお願いしたいと思います。 御所信のほどをどうぞ。
○国務大臣(北川石松君) ただいま久保田委員の非常にありがたい御指摘を受けた御質問をちょうだいいたしまして、御承知のように森山委員は環境庁長官もやり、やりというのは大阪弁でごめんなさい、環境庁長官もしていただき、そして官房長官もしていただいた。特に御婦人の、女性の方が各種審議委員にたくさん入っていただくことは、私は総和という点からも非常にありがたいと思っております。 そして、女の方は耐えられますから、耐える心というのを持っていらっしゃる、そして産む心も産む形も持っていらっしゃる、そういういろいろの面を私は大事にしなくちゃいかぬと思っております。環境庁というところは耐えなくちゃならない。そして新しいいいものを産んでいかなくちゃならない。こんな思いをいたしますと、今もおっしゃったようにたくさんおっていただきまして、私は頑固者であって、特に名前が石松でございますけれども、やはり女の方は大切にしなくちゃいかぬと本当は思っております。 言葉がついぞんざいでございますので、ただいまの久保田委員の御指摘を受けながらの、女性審議委員をふやすことには本当に鋭意前向きで特に環境庁は審議委員その他に検討してまいりたい、こういうことを申し上げておきます。
○久保田真苗君 大切にしていただかないでも結構ですから、たくさんにしてください。お願いいたします。
○国務大臣(北川石松君) その点で今申し上げたんでございます。
○久保田真苗君 それでは法律改正案に入ります。 幾つかの改正案がございますけれども、まず、今いろんなこういうものをお出しになっていらっしゃるにつきましては大きな問題意識を多分お持ちだと思うんです。私もこれは非常に必要なことだと思っておりました。 と申しますのが、例えば先ほどからも富士山その他の地名が出ておるんですけれども、富士山の北西側には寄生火山が多くて、また青木ケ原の樹海というのでも非常に有名なところなんですね。ところが、ここは本当は余り人が行かないところなんですけれども、実際には林道が二本通っていまして、そこに地元の方々が植林等に利用されていらっしゃるわけです。その付近に鳴沢村の入会権が認められている草原があるわけです。ここに小さな寄生火山が三つありまして、私どもが行ってみたところによりますと、この寄生火山、特に地元の方たちが鹿の頭と呼んでいる火山、そこのところが四輪駆動車だのオフロードの登山用二輪車で冒険を楽しんでいるんですね。そういう人たちが多くて、もう植物は踏み荒らされ地肌はむき出しになっているという状況なんです。もちろんこれはもう御承知のことと思いますし、それから精進口登山道というのがあるんですが、そこは二輪車で走り回っているという人が多うございまして、もう足で行く登山者の人が逃げ回っているというような状況もあるわけでございます。そういうところでは自損事故というのもあるんですね、冒険やってますから。そして、大変地面が荒らされているという状況なんです。 これは一つの例なんですけれども、今度の法改正ではそういうことを念頭に置いておやりになったんだと思うんですけれども、環境庁の問題意識としてはそのほかにどんな場所、そしてどんな行為がありましたか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(山内豊徳君) 私どもが今回提案さしていただいております車馬乗り入れに関する規制の考え方の一つの問題意識が、今先生がおっしゃった場所あるいはそういう態様もございました。ただ、これはやや法律論的な言い方で恐縮でございますが、あくまでも自然公園法であり自然環境保全法でございますので、それによってほかの利用者が迷惑を受けるというだけではなかなかこの罰則は適用できない。やはりどうしてもそれによって植物が傷んだり、生物、鳥類の成長に危害が及ぶという、何と申しますか、広い意味での生態への影響を防止するという大目的が要ると思います。そのような意味でほかの例を申し上げますと、先ほどもございましたように、知床半島などで道をそれて雪の林地内にスノーモービルを走らせる例でございますとか、それからやはり道路ならざるところでしかもそれが鳥とか哺乳動物に対する影響が明らかなようなところに車馬を伴ってずかずか人が入っていく、そういうような事例を念頭に置いて今回の法改正を考えさしていただいたわけでございます。
○久保田真苗君 先ほどから出ていますように、そういう地域の指定ということをひとつ鋭意よろしくお願いしたいと思います。 少し細かい点について伺いたいんですけれども、保全法の十七条三項八号、これに「損傷」という言葉が加わりました。二十六条三項「殺傷」、「損傷」、二十七条三項五号「殺傷」、「損傷」。それから自然公園法の十七条三項八号、二十六条三項、二十七条三項五号、これにおきまして今まで「採取」とあったものを「採取し、若しくは損傷し、」というふうに改められ、「捕獲」とあったものを「捕獲し、若しくは殺傷し、」というふうに改まるわけでございますね。 たくさんそういうものが加わったんですけれども、条文の規定からしますと、これは故意、過失を問わないことになるわけなんですが、過失で損傷した場合どうなるのかお答えいただきたいと思います。
○政府委員(山内豊徳君) 今回改正をお願いしております箇所、いずれもそうでございますが、具体的に罰則を伴うこの種の法律につきましては、これは自然公園法に限らず故意によるものを処罰する。逆に言いますと、特別に過失でも罰するという明文の規定がない限り故意によるものを罰するという刑法の大精神が適用されますので、今回提案をお願いしております規定はいずれも故意の場合を罰するための改正をお願いしているというふうに御理解いただきたいと思います。
○久保田真苗君 わかりました。 次に、保全法二十五条四項四号、公園法十七条三項十号におきまして「車馬」とあるわけです。この車馬とは何かということですね。
○政府委員(山内豊徳君) 我々立案段階でも、車馬という日本語に、何と申しますか、日本語の古いイメージもございましたので、このままでいいだろうかということを議論しましたんですが、この点につきましては、法制局においても従来の刑罰規定の同文の例からいって次のように解釈して車馬という言葉を意味すれば十分であるということでございます。車馬とは、牛、馬などの人を乗せることのできる動物、これが一つのグループでございます。それから、人力、畜力、内燃機関その他の動力によって移動する車をいう。例示としましては自動車、オートバイ、スノーモービルのほか自転車、荷車もこれに入ります。ただ、子供の三輪車は入らないというのが従来の解釈でございます。 そういった意味で、私どもは、これは具体的な罰則も伴うという規定でございますので関係当局とも十分相談をいたしまして、そのような運用の明確な範囲を持つ言葉として使っていきたいと思っております。
○久保田真苗君 そうしますと、「動力船」ということなんですが、これは手こぎボートを含まないという意味だと思いますけれども、動力船だけで大丈夫なのかということなんですが、いかがですか。
○政府委員(山内豊徳君) これは、湖なりの性格からいえば、御指摘のように、たとえ手こぎの船でも禁止した方がいいところ、人が体だけ入ってもいけないところというのはあると思いますが、それはむしろ特別保護地区のようなもっと厳しい別の面での規制をしておるところでございまして、通常、湖のようなところで、水鳥その他へ影響があるのは今先生おっしゃいましたような動力のついたモーターボート的なものを規制することで足りるという判断から、手こぎの船などはれないという従来の解釈どおりでこの動力船という言葉を使っております。
○久保田真苗君 「航空機」なんですが、航空機のうちにグライダーは含まれるのか、また、ハングライダーは含まれるのか。 それから、航空機の着陸を制限していますけれども、ヘリコプターの低空ホーバリングですね、そういうものは含まれるのか。そういうものもかなりの影響があると思いますが、どうですか。
○政府委員(山内豊徳君) 航空機という法律上の用語の従来の解釈例では、先生がお挙げになったうちではグライダーは含まれますが、ハングライダーは含まれないという解釈例がございますので、私どもとしてもそれはこれに従わざるを得ないと思っております。 それから、着陸ではなくてホーバリングといいましょうか、低空でこういう航空機的なものが舞うことについては今回の規定では処罰できないと解釈しております。 なお、蛇足かもしれませんが、アメリカの国立公園なども実はこの問題が依然として問題になっておるというようなことも現在聞いておるような次第でございます。
○久保田真苗君 ヘリコプターの低空ホーバリングといいますのは、テレビだけで見ていましても一番すさまじいものなんじゃないでしょうか。その音といい、立てる砂ぼこりといい、それからあたりに響く環境の騒々しさといい。これは知床半島で例の木を切るか切らないかという問題がありましたときに、あれをヘリコプターでつってお出しになった。そういうことがそうすると今後もあり得るのか。そういう特別の地域でそういうことをやるようなヘリコプターのホーバリングが許されるのかということにつきましては私はいささか疑問があるんですが、その点何とかなさるというお気持ちはないんでしょうか。
○政府委員(山内豊徳君) 御指摘のお気持ちも理解できるつもりでございますが、今の御指摘の点が最小限度の公共的な資材を入れるためにヘリコプターを使うという意味であれば、例えば尾瀬のようなところで最小限度の機材を山小屋がシーズンに備えて入れるというような例も認めておるところでございます。 ただ、着陸は許可がなければできないけれども、それ以外のそれにすれすれの行為をどうやって規制するかということは、恐縮でございますけれども、罰則を適用しての法文をかざしての指導以前の問題といいますか、そういった意味では一般の管理の中での、何と申しますか、問題意識は持って十分対応していきたいと考えております。
○久保田真苗君 それじゃ、環境庁はホーバリングについては問題あり、問題意識を持っている、それでそれに対応するというふうに伺っておきます。よろしいですね。
○政府委員(山内豊徳君) 今私申し上げたような意味は、着陸を含めて許可があればできる地域もございますので、すべてこれがいけないと一概に私は申し上げたつもりではございませんで、着陸の場合は許可がないと違法行為になるけれども、ホーバリングの場合はそれもないけれどもそういった意味で認められる場合と認められない場合をはっきりさしていきたいという意味でございます。
○久保田真苗君 ともかく、自転車はいけなくてヘリコプターの低空ホーバリングはいいとか、そういうのはちょっと均衡がとれないように思います。そのことは私は意見として申し上げておきます。 次に、自然三法は今までも罰則つきの規定があったんです。現在までに三法、それぞれ処罰対象になった件数もあると思うんですが、それはどのくらいございますか。
○政府委員(山内豊徳君) 私どもがここ三年ぐらいの間で知っております国立公園絡みの罰金以上の例は実は三例ございまして、それは必ずしも動物の捕獲ではなくて、自分の家の眺めを確保するために木を切った例とか、登山道を勝手につくった例などでございますので、正確な意味で動植物の損傷に絡むものがどうかと言われれば、先ほど申し上げましたように鳥獣保護法によりますかすみ網の密猟が年間五十件から六十件検挙されている。これはどのような科罰までになったかまで私ども完全なフォローをしておりませんが、少なくとも警察の検挙例が年間五十例から六十例あることを私ども知っております。 そのように罰則あるいは警察による検挙という例はかなり少ないという印象をお持ちいただくかと思いますが、実は先ほど来お話のございます管理官の仕事にも絡むのでございますが、罰則適用まではいかないけれども現地の管理官あるいは管理事務所長がいろんな注意処分あるいは誓約書をとるというような例はこれはかなりございまして、最近の五年間だけでも二十例ぐらいございます。中には、一応警察官に通報までしたけれども司法処分までいかないで、しかも例えば自分が勝手に掘り起こした植物をまた埋め戻したというようなことで、地元の指導員がそれを確認して本人には御注意を申し上げることで済んだという例も含めまして、五年間に二十例ぐらいの例を把握しております。これはいずれも罰金までいかない例でございます。
○久保田真苗君 かすみ網は後でお伺いします。 検挙例が多いのは当然だと思うんですけれども、その他の例については余り件数がないということは今までもあった罰則つきの法律の実効性が余りないんではないかなという懸念を持つんですけれども、それについてはどうでしょう。もしそういうことの何か問題があれば教えていただきたいし、どうしたら実効性を確保できるのかという点につきましても御意見があれば伺っておきたいんですが。
○政府委員(山内豊徳君) 私どもの現時点での理解では、従来捕獲とか採取というふうに法律が限定しておりましたのは、これは国立公園制度ができる以前からこういう場所では産業としての農業とか産業としての狩猟が行われておりましたためにそれについては許可がなければ狩猟してはいけない、農業を営んではいけないという意味でむしろそういった産業活動の行為を捕獲、採取ととらえて規制してきたと思います。その意味で申しますと、実は従来のような例は違反して畑をつくるとか違反して山に入るということはないことはございませんが、これはやはりかなり限られた事例であったと思いますので、その意味で私は現行の規定はかなり貫かれていたと理解しております。 ただ、今回お願いしておりますこれに損傷を加えるということは、先ほど申し上げましたように、利用者が多くなったことによりあらわれる現象という面がございますので、そこは率直に申し上げまして相当体制をきちんとしていかないと見落としが出てくる、あるいは犯人不明のような例が出てくるということは御懸念のとおりだと思います。 その点につきましても、繰り返すようで恐縮でございますが、百十三人という現役のレンジャーのみならず、市町村役場の協力、それから市町村においては観光協会とか野鳥の会とか、いろんなそういういわば民間団体も組織的に非常に協力していただいて効果を上げている例もございますので、そういった方の地元協力、それから私どもで委嘱をさせていただいております公園指導員、パークボランティア、あるいは各都道府県知事から委嘱を差し上げております鳥獣保護員といった、数だけそろえますと全部で約四千を超える数をお願いしているわけでございますけれども、そんな方を総動員してと申しますか、そんな形で実効を上げていきたいと考えているのが現状でございます。
○久保田真苗君 今職員あるいはボランティアの方のことにお触れになったんですが、この「国立公園管理官定員の推移」という資料を見ますと、これは一番初めに昭和三十三年に発足したときが四十人でございますね。そして今百十三人とおっしゃいましたですね。その中で昭和四十年代の後半から昭和五十年代の半ばごろまでは少ないとはいえ三人、五人、まあ十人以上のことはないんですけれども七、八人というふえ方もしているんですね。ところが昭和五十八年ごろから毎年せいぜい一人ですね、毎年一人なんです。ボランティアも大事なんですけれども、まずはこれに当たる国の管理官というものが非常に大きい役割を果たすと思うんです。ところが全部で百十三人。そして国立公園の数は、これは保護区等と重なっていると思うんですけれども原生自然環境保全地域が五つ、自然環境保全地域が九つ、そして国立公園が二十八でございますか、そういうところに配置していらっしゃるんです。 私も知床へ行ってみたことがございますけれども、あの知床半島全部に対してレンジャーがたった一人ですね。あそこは熊も出ますんですよ。そういうところへ一人で行って、そうするとこちらはお留守になっているという形でございまして、これじゃ連絡なんかもどうなさるんだろうと非常に気になったことがございます。せめて一人のところは二人にということにしていただかないと、あの知床を一人だけで毎日てくてく回っているんじゃなかなからちが明きませんですね。そうすると、今のの倍ぐらいにしていただきたいと思うんですけれども、今のふえ方でいきますと平成百十年になって初めて倍ということになるんですね。ちょっと気の遠くなるお話なんです。 私、資料がありましたのでアメリカの方の資料を見せてもらったんですね。これを見ますと、アメリカの国立公園体系の中にある「営造物公園の事例」というのですけれども、これはもちろん国の面積も違うし人口もある程度違いますから一概には言えないんでしょうけれども、職員数が八千四百六十九人、そして利用者数が約三億人となっているんですね。私、日本はどのくらい利用者数があるのかしらと思って白書を拝見したんです。そうしたら九億を超えているんですね、年間利用者が。これは延べだと思うんですけれども、随分多いなと思うんですよ。それだけの数字で見ますと、利用したい人はいっぱい日本にいて、そしてそれに対応する体制が非常におくれている。これじゃ国民へのサービスも行き届かないどころか、やっぱり野生の生物の保護という面で人口圧に押されてしまいはしないか、そういうことを非常に心配いたします。 まず、その体制づくりをしていただきたい、こう思うんですけれども、今私が申しましたことをどうお考えになるか聞かせていただきたいんです。
○政府委員(山内豊徳君) まず、環境庁ができまして五十三名だったものが大体百十三名のレンジャーになっていることを強調申し上げますと、その点では当初から倍増でございますが、先生細かく御指摘のように、昭和五十年代になりますと毎年の伸び率が非常に抑えられております。これは御案内かと思いますが、国家公務員の定員そのものの考え方がこの年代から非常に厳しくなっておりますので、環境庁としまして、私から非常に言いにくいのでございますが、レンジャーだけ増員するんじゃなくて、いろんな行政分野の需要がございますと、限られた国の増員構想の中で配置していきますとこういう結果になったわけでございます。 私ども決してこれをもって十分という意味で申し上げるわけじゃございませんが、なお我々としてもいろいろ工夫といいますか、政府部内での一つの工夫といたしまして、いわゆる部門間配転によって林野庁などで仕事をなさっていらっしゃった方を私どもでいただくということも加味しながら実質的な増員に努めているつもりでございます。 今後どういう展望を持つかについては、問題意識としては先生のおっしゃる点、私も方向としては十分受けとめて対応してまいりたいと思いますが、しかし直ちに今の国の定員事情の中でどういう絵を描くことができるか、私どもこれからもう少し時間もいただきたいと思っております。例えば、端的にレンジャーを倍増ということも一つのお考えだろうと思います。これは留守のときに連絡がとれるとれないだけじゃなくて、保全的な仕事と利用者に対する指導のような仕事を一人二役じゃなくて一人一役でやっていくというようなこともあろうかと思います。 ただ、知床の例をお出しになりましたので、私も現地を一、二お訪ねしましたので二つだけ言わせていただきたいのでございますが、一つは、ああいう場所でも地元の羅臼町なり斜里町で職員を一人ビジターセンターにつきっきりで出させていただいて利用者指導をしていただいている、そういう御協力もいただいております。それから、ああいう場所でございますと国有林がかなり面積が多うございますので営林署が、その後機構の異動はございましたが、国有林である限りは営林署の職員によるいろんな巡察活動なども加味されているわけでございます。もちろんこれは国立公園の運営とはまた違った役割を持った人ではございますが、しかしいろんな事案に対しては営林署当局ともいろいろ御協力をいただきながら仕事を進めているつもりでございます。 それから、アメリカの例との比較では、確かに数の上ではかなりの差がございますが、逆にアメリカのようなみずから地面を持った営造物公園でございますといわば何から何まで責任を持たなければいけない、そういった意味ではたしかアメリカの国立公園の中では、住民がいてもいわゆる村長さん、町長さんの選出がないぐらいに連邦職員がすべて責任を持っているという面もございます。そうはいいながら、やはり私どもも必要な場合には先生のおっしゃいますように外国の例も引き合いに出しながら今後の充実に努力していきたいと考えているところでございます。
○久保田真苗君 時間も時間ですから私ちょっと要望をしてしまいますけれども、ボランティアの方たち、さっき四千人ぐらい参加しているとおっしゃいました。その四千人の方たちの身分の問題なんですよ。 これは、事故による死亡、負傷の場合は補償されるわけですね。
○政府委員(山内豊徳君) 実は、残念ながらあくまでこれは活動の委嘱でございますので、身分的な意味ではその援助の準公務員的扱いはございませんボランティア制度でございます。
○久保田真苗君 そうすると、その仕事をしていて、いわば公務を援助していて、それで傷害を起こしたときはどうなさっているんでしょうか。
○政府委員(山内豊徳君) その点の不備が指摘されましたために、六十一年からでございましたか、制度の枠組みとしては指導員の方が加入できる災害補償保険制度を環境庁が音頭をとってつくったという経緯はございますが、これも保険料その他は御自分の負担でお願いしているというのが現状でございます。
○久保田真苗君 またアメリカの法律を引き合いに出すんですけれども、アメリカもボランティアの場合決して連邦職員のいろんな規定を適用することにはなっていません。ですけれども公務災害の場合は同じように補償される、それから不法行為を注意したりそれを起訴したりするときには連邦職員の身分を持たせるという内容になっていますね。 四千人からの方がいらしたら、それはやはり環境庁の長とされましてその辺の身分保障といいますか、あるいはその人たちが有効に今度の法律改正等によって行われるところのもろもろの役割を守っていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(北川石松君) ただいまの委員の、ボランティア活動において自然環境保全に協力していただいて守っていただく方が公務あるいはその他によってされることの補償という点について何もないということはまことに遺憾でございますので、十分これは前向きで検討しなくちゃいけない問題と思っております。
○久保田真苗君 ひとつ前向きに早急によろしくお願いします。 もう一つ、大臣にお伺いします。 今度の法改正は、個人の損傷、殺傷等ですね、あるいは特別の地区へ乗り入れることを禁止する、そういう内容でございますから、これは個人が知るということが非常に必要な法改正だと思うんです。それを知らずにいるということではやっぱりはかばかしくないと思います。 この周知徹底方について、どういう方法をおとりになるか、お教えいただきたいと思います。
○政府委員(山内豊徳君) まず、一般的な形では、今回法改正の趣旨を国会でお認めいただきましたら、先ほど来申し上げておりますように罰則による直接の抑制だけでなくて、こういう事柄に罰則をもって国の法律が臨んでいるということを正しく理解してもらうための法の、どう言いましょうか、具体的な施行よりもっと幅の広い法の趣旨のPRについていろいろ努力したいと思います。 それから第二には、やはり具体的には、管理官を中心とする現地でのこれは国立公園の監視体制と申しますか運営体制の問題でございますので、例えば今申し上げてきましたような指導員の方に対する法の趣旨の徹底、それからもうちょっと具体的にどこの国立公園のどういうところではじゃどういう役割分担で今後シーズンにこういった利用者指導に臨んでもらうかを、今までも毎年これは定例的に指導員と管理官事務所の会議などもやっておったのでございますが、この法改正を機会に少し具体的な役割分担も含めて事務運営の体制をはっきりさせていくという、そのような方向でさしあたりは努力したいと思っております。
○久保田真苗君 それでは次に、先ほども別の委員がお聞きになっていましたが、絶滅のおそれのある野生動植物についてでございます。 このワシントン条約が七三年に採択されまして、日本も八〇年に国会で承認、加盟しているわけです。ただ、日本は、その後、条約の履行について不十分という一つの烙印を押されているんですね。大臣も御存じと思いますけれども、一九八四年にいわゆる対日非難決議というのがクアラルンプールの地域セミナーで採択された。その中身は、野生の生物及びその製品の国際取引において日本は主要な位置を占めている、しかしそのワシントン条約の内容が守られていないということを自分で認めているじゃないか、だから至急改善策を立てなさいという決議があったわけでございます。その結果、八七年に絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律が成立いたしました。ただ、ワシントン条約で認められています留保の品目が日本は非常に多いんですね。そして国際的にもいろいろ批判が聞こえてくるわけです。 日本の現在の留保状況、それから改善の見通し、それをお聞かせください。
○政府委員(山内豊徳君) 現在日本が条約に基づいて留保しております種類といいますか品目は合計十種類になっておりますが、これまでに今お話のございました対日の非難があった年次以降をとらえましても、四種類は既に留保を撤回したと、言いかえれば、十四種類であったものが十種類になっているということでございます。十種類のうち六種類は先ほども御論議のございました鯨の種類でございますが、そのほかにタイマイ、ヒメウミガメ、インドオオトカゲ、アカオオトカゲが日本の留保品目となっておりますが、ごく最近では、今申しましたように新しい順から言いますと、イリエワニ、ジャコウジカ、サバクオオトカゲ、アオウミガメは古くて六十二年以降、四種類は留保を撤回して今日に至っております。
○久保田真苗君 今おっしゃったタイマイ、これはべっこうの材料でございますよね。それからヒメウミガメ、インドオオトカゲ、アカオオトカゲ、これは皮を使ってベルトだのハンドバッグをつくる。それはみんな高級装具品として非常にもてはやされる。したがいまして、非常にもうかるものだということなんですね。そこで海外から、日本人は強い円に任せて絶滅のおそれのある動物を買いあさっているというような非難が出てくるわけなんですけれども、今挙げましたこの四種はもうそろそろ留保品目から削除すべきじゃないんでしょうか。これはなくてもよろしいものなんじゃないんでしょうか。大臣、どうお考えになりますでしょうか。
○政府委員(山内豊徳君) 大臣に御答弁いただく前に事務的な感覚を御答弁させていただきたいのでございますが、この四品目のすべてというわけじゃございませんが、やはり先ほども申し上げましたように、締約国会議そのものの場でも原産国の立場からいろんな科学的なデータについての議論もございます。それから、私どもの理解では、できれば人工増殖によるものがもし可能ならばそういったもので、これは条約の趣旨からいっても人工増殖可能なものであればこれは輸出のできる場合が出てまいります。そんなこともかみ合わせながら、もちろん方向としては何とかこれを少なくする方向が見出せないかということで政府部内の、私どもも入りました関係機関省庁との連絡会議でも議論はしておりますが、今のところ具体的にこれをいつまでにということまでは結論を出し切れない。 それから、今申しました科学的な考え方からの条約会議の場でいわば大いに議論をした上で結論を出すべき事柄、例えばI種かII種かという問題もあり得ますので、私どもは単に実情が困るからというだけではなくてそういったデータも踏まえながら近く行われます締約国会議にも備えたいと考えているのが現状でございます。
○久保田真苗君 大臣、来年このワシントン条約の締約国会議というのを東京へお招きになっていらっしゃるんですね。今、四品目についてはさしあたり通産省と協議していらっしゃると思うんですけれども、もしこの協議がそれまでに調わないというようなことですと、主催国が非常に消極的な姿勢だというような、そういう国際会議だと開いていただかない方がよろしいんですね。それは、主催国が消極的だというような会議だったらよそに悪影響があることですし、また国民も非常に恥ずかしい思いをするわけですから、それまでに何とか早急に結論を出してそれなりの対応をしていただきたいと、こう思います。 いかがでしょうか。
○国務大臣(北川石松君) ただいま来年の会議を控えての我が国の態度について御指摘でございます。これはもうできる限り各省庁と前向きで積極的に応対し取り組んでいきたいと、こう思っております。
○久保田真苗君 よろしくお願いします。 環境庁が去年の十二月にいわゆるレッドデータブック、緊急に保護を要する動植物の種の選定調査の結果を発表なさったんです。これは他の国にもおくれをとらないくらい早くそういう研究をお進めになったことは非常に評価したいと私は思うんです。このレッドデータブックというのは、もう種の保存に赤信号がついているという、そういう野生動物をリストアップしたものでございますね。 それで、お話を伺いましたところ、既に絶滅した種が二十二、それから絶滅の危惧のある種、このままの圧迫要因が続けば存続が困難なものが百十、そして近い将来このままなら危惧種に入ってしまうというのが百十四、そのほか生存条件が脆弱なもの四百四、計六百五十種が出ているということです。 このうち、最後の希少種四百四というのはまずさておきましても、二百四十六種の絶滅に瀕している種があるということはかなり多い数だと思います。そして、今、日本全国が非常に急速に開発されている結果、自然条件の変化が影響して絶滅種の増大のおそれが非常に多いと思うんですね。これに対して、せっかくレッドデータブックをお出しになったんだから、環境庁はこれに基づいてどういう対策をお立てになるのか、それを聞かせてください。
○政府委員(山内豊徳君) レッドデータブックで私どもが発表させていただきました内容については御紹介のとおりでございますが、ただ厳しさの中がどちらかというと下から二番目の危急種、バルネラブルなどでは、実はかなり漁猟の対象になっていて、いわば人間が漁業をして食べているような魚も入っているという意味でかなり赤信号の前の黄色信号も含めて実は我々洗いざらい専門家に調べてもらったということが一つございます。それにしましても、こういうものを私どもが提示させていただきましたのは、おっしゃるとおり、これからどのような施策を立てなきゃならないかということを知るためにもいろんな種類の動植物ごとにデータを出したわけでございます。 ただ、率直に申し上げまして、従来いろんな法律で規制してまいりました例えば鳥獣、鳥と哺乳動物というものと、さらにこれは広がっておりまして、昆虫でございますとかいわゆる植物で言えばコケ類のようなものもございます。そういった意味ではこれは必ずしも直ちに、どう申しましょうか、法律があれば何でもできるという問題じゃなくて、昆虫の生息地の保存をどうするか、あるいはコケのようなものは森林全体との関係でどうやって保存していけばいいかという、従来の鳥獣保護法のような端的な許可とか届け出ということでは尽くせない面がございます。 そんなことで私どもは、まず報告申し上げていることはさしあたりできることからということで、特殊鳥類の国内譲渡の規制法などでは既にこのレッドデータブック以後、八種類でございましたか、政令改正をさせていただきまして、国内の取引規制を行ったりという手をつけた部分もございますが、多くの部分につきましては、どのような対策がそれぞれの動植物の種類ごとに意味があるか、それから動植物そのものを保護することがすべてなのか、あるいは生息地の保護がなければならないのか、そういったこともかなりまだ学術的にも論議をしてもらうポイントもございますので、現在各分野の専門家に検討会の形での招集をお願いいたしまして、そこからまとまったものをグループごとにでもできるだけ早く対策の上に明らかにしていきたいと思っておりまして、そういった検討作業に既に入っているということは御報告したいと思いますが、必ずしもこれはすべての種類に共通の立法をすればいいというものでもない点がありますことの難しさもございますこともあわせて御説明させていただきたいと思います。
○久保田真苗君 いろいろ慎重に研究をなさるのはそれは結構なんですけれども、開発の方が早く進むんですね。そうして、生息地、繁殖地、営巣地、そういうものを確保しなければならない。それも、こういう絶滅に瀕している種を確保するためにはやはり相当の広域を確保しなければならないというのはこれは常識だと思うんですね。ところがそういうふうになかなか立法もしない、対策も一様にはいかない。ほかの省庁と違いまして、そう言っちゃ失礼でございますけれども、余りのんびりしていただいておりますと、既にそれは取り返しがつかない。ほかのものならやり直しがきくということもあります。でも、これはやり直しがきかないんですね。絶滅になってからではもういけません。 ですから、各省庁の連絡会議というのがあって、局長レベルなんですけれども、環境庁が議長さんだそうですね。そうしますと、やっぱり調整とか呼びかけ責任は環境庁にあるわけなんです。私がもう一つ、もう一歩踏み込んでほしいと思うのは、局長さんレベルの会議ですとやっぱり実務者レベルになりますので、一番大きい調整はハイレベルのところでお願いしたいと思います。やっぱり大臣に、必要な発言、調整、こういう一番大事なところはひとつ閣議でどんどんと発言していただいて、こういうものが手おくれになりませんように。 それから、先ほどから出ておりました白保のサンゴなんかも、根拠がないからないからと言っていますとみんなだめになってしまう。個人が損傷、殺傷するというのはこれはよくないことだけれども、被害の程度は大したことないんですね。水質全体が汚染される、あるいは農薬全体が周りじゅうを荒らす、廃油全体が周りじゅうの田んぼを荒らすといったような大被害というのが起こらないように、大臣にひとつ要所要所をお願いしたいと用います。
○国務大臣(北川石松君) 委員のお気持ちを体しまして、前向きで頑張ってまいります。
○久保田真苗君 次に、かすみ網なんです。 今の事柄、鳥獣保護と関係がありまして、一番今心配なのがかすみ網なんですね。これは、今心配というより前々から心配なんですね。かすみ網はもともと日本古来の猟法だと言われていますそうで、昭和十年ごろには全国で一千万羽も捕獲をしていた、これは百科事典に出ているんですけれども、そういうことなんです。これは一網打尽なんですね。今言いましたようないろいろな種類の鳥、そういう多種類の野鳥を無差別に大量に捕らえるということがございまして、それではいけないということで昭和二十五年から禁止になっていますんですね。ところが、禁止後四十年にもなるんですけれども、まだかすみ網による密猟が後を絶たないということなんです。これはバードウイークのたびに問題になることでございます。だけれども後を絶たない。一体どうしたらいいのか。 かすみ網による密猟の実態をどういうふうに環境庁はとらえておいででしょうか。
○政府委員(山内豊徳君) かすみ網は、今お話しございましたように、二十五年九月以降はこれを使用する行為は罰則をもって鳥獣保護法によって禁止されて今日に至っているわけでございます。私どもとしましては、密猟の多い地域は幾つか県の名前を挙げれば限られた面もあるのでございますが、ただ現場で対応します場合はまさに鳥獣保護行政だけの課題ではなくて警察力そのものも発動していただいての対応が必要でございますので、毎年、シーズンを控えて警察庁あるいは関係省庁を含めて連絡協議の上、関係の都道府県にいろんな対応をお願いしているところでございます。 そんなことで、先ほども申し上げました検挙者の数で密猟の規模を申し上げる以外ないのでございますが、毎年、検挙者の数だけでも数県において合計五十名から六十名の検挙者が出ているというのが実情でございます。 ただ、最近特に私ども憂慮しておりますのは、かすみ網を用いての密猟がはっきり申し上げまして非常に悪質化している。つまり、監視とか警察が立ち入ることを妨害するような周辺のいろんな障害物をわざわざ仕組んだ上で密猟をしているという例もございまして、そんなことがここ数年の罰則の適用例などでもあらわれておりまして、従来は五万円程度の罰則例が多かったのでございますが、最近は懲役刑の執行猶予のついた処分、あるいは十万円、二十万円といった罰則例もございます。もちろん、これはいずれ先生御自身も御論議の、製造面での規制ということも確かに大きな課題でございますが、私どもとしましてはこういった取り締まり体制がやはり十分社会的な抑止効果を発揮できるように高めていく必要があるかと思いまして、現在までもそうなのでございますが、先ほど御紹介しました県の職員だけではなくて警察官あるいは鳥獣保護員なども総動員していきまして、県によっては延べ人員でございますがシーズンには一千人を超える人員をこの問題に投入して警察を中心に密猟の取り締まりに当たっているという状況にございます。
○久保田真苗君 おっしゃるとおり、悪質化しているということはいろいろな新聞等にも出ております。かすみ網による密猟は自然保護団体の推計によりますと、中部地方、東海地方を中心として三百万から四百万羽を捕らえているのじゃないかと。それは焼き鳥屋さんにも出ている、その中には渡り鳥のツグミなんかもみんなひっかかって出てくる、こういうことはみんなが知っていることなんですね。しかも、そのやる方たちというのは常習化していて、業者であって、それも非常に悪質で暴力団などの資金源になっているということはもう公然の知識でございます。レンジャーじゃなくて監視をする人、そういう人たちがくぎにひっかかって踏み抜きをするようなそんな仕掛けまでしている、こういうことが出ておりますね。これは大変な反社会的な行為だと思うんです。 こういった禁止されているはずのかすみ網がなぜ四十年間も続くのか、このことを考えますと、やはり現場を押さえるということだけでは、それはもちろん大事なんです。それは大いにやっていただかなきゃなりません。県の方も協力していただかなきゃならないし、警察もです。それは大変御苦労なんだけれども、これだけではおさまらない。それは山の奥でございますし。そういう状況にありますと、私は、やっぱりかすみ網というものの製造、販売、所持、こういうことが事実上行われている、これを禁止することはできないのか、そう思うわけです。 これは通産省にお伺いしますけれども、網をかすみ網として製造、販売する、それを禁止することができませんか。
○説明員(広沢孝夫君) 私どもの方でもこのかすみ網の問題というのは大変頭を痛めておりまして、ただいま御提案のございましたかすみ網の製造あるいは販売というものを禁止できないかどうかということについても真剣に勉強をいたしております。ただ、今までの勉強をしておりますところでは大変難しい問題がある、製造を法的に規制するという点になりますと大変難しい問題があるということを申し上げざるを得ないわけでございます。 と申しますのは、かすみ網と申しますけれども、実はその網自体と申しますのは漁業用に使われております網とまず同様のものと考えてよいものでございまして、漁業用のものがこれに転用されておるというのが実態でございます。したがって、網地の段階でかすみ網用のものとその他のものというのを区別するということは非常に難しゅうございます。それでは網地の段階からかすみ網というものに仕立てる段階をつかまえることはできないのかということなのでございますけれども、これがまたかすみ網に仕立てるということは大変簡単な工程と申しますか、工程とも言えないぐらいの簡単な作業でございまして、その網の通常使われておるものでいいますと四隅にリングをつけるということと、それから網をたるませるためだと思われますが糸をその中に通していくという非常に簡単な工程でございまして、網地を買ってきた人が自分でこれを仕立てるということもまた簡単にできるというような代物でございます。したがいまして、今までの勉強の結果ではということでございますが、なかなか難しい問題があるということでございます。 ただ、この問題、私どもも非常に大事な問題だと思っておりまして、法的規制の問題、これは可能かどうかということも含めましてこれからも引き続き研究、検討を続けていきたいと思っているところでございます。
○久保田真苗君 かすみ網の製造、販売につきましては難しい点があると思うんですけれども、ひとつ工夫をお願いしたいと思うんです。 そして、私なんか素人考えかもしれないけれども、そういったかすみ網に近いような網を、これはナイロンか絹で非常に細いかすみのように見える細かいものでございますから、そんなに漁網としてどんなことにでも使うということじゃないと思うんですよ。そうすると、かすみ網として使われる可能性がかなり高いというところから、いろいろあるでしょうけれども、例えばこれは鳥のかすみ網として使ってはいけないんだというようなことをその商品にともかく書いておくとか、たばこにだって書いてあるんですからね。それからあと、防鳥網はある太さ以下の製造を禁止するとか、ちょっと専門的なことなので環境庁もあわせて御研究願って、これひとつよろしくお願いいたします。 それから最後に残ったのがあるんです。 環境白書を拝見しました。この中でコジェネレーションの問題が出ているんですね。それは、化石燃料のエネルギーの有効利用率が三五%だというふうに書いてございます。そして、廃熱として捨てられているものが六五%というふうに書いてございます。それを利用する、六五%の熱として捨てられるものを利用するということでコジェネレーションを提言していらっしゃるわけなんです。ここにはアメリカ、イギリス等のコジェネレーションの例を挙げていらっしゃるわけですけれども、もうお聞きする時間がなくなりましたから。 私が伺いたいのは、これだけ三分の二も廃熱として捨てられてしまう。日本でなぜコジェネレーションがもっともっと普及しないのか、その問題点は何なんでしょうか。次の手としてどんなことをすればこれが普及するような効果があるんでしょうか。これは地球の温暖化問題、それから燃料の節約の問題、その他もろもろ合わせて非常にいい示唆を得たので、ひとつぜひ今の質問にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(安原正君) コジェネレーションは、御承知のとおり、化石燃料等を燃やしまして発生します熱の高温部分から電力を取り出すとともに、その廃熱から熱をあわせて取り出す仕組みでございます。新しいそういう多段階のエネルギー利用、効率的なエネルギー利用ということで今その普及が始まり出した段階でございます。規模はまだまだ少ないわけでございます。 今後の問題として普及していく上でどういう問題があるかというお尋ねでございますが、第一点は、やはり高温部分から電力を取り出すという仕組みでございますので、どうしても高温で利用します場合には窒素酸化物がそのままでは発生してしまうという問題がございます。そこで、この窒素酸化物の排出をできるだけ減らして、それの環境負荷がかからないような技術開発あるいは仕組みの利用ということが一つの課題かと考えております。 それからもう一つは、今、現状で使われ出しているケースは、一般的には自家消費のための電力ということでコジェネレーションが行われております。したがって、熱に応じて発電をするというようなことにしますためにはやはり一般の電力系統との接続の問題が生じてまいります。そういうことで、フルに利用する社会的なシステムづくりを考えていく必要がある。いろいろ問題はございますが、大きく言ってこの二点かと考えております。
○久保田真苗君 社会的システムをつくるということ、それが非常に大事だろうと私も思うんです。うわさによりますと、こういったコジェネレーションでつくった電力を電力会社以外の人が供給することに対してなかなか反対もあるんだというふうに伺うんですが、今、地球の状態がこういうふうになっておりますときに、そういうことが万一あればそれは余りにも私的な利益にとらわれた考え方だと思います。 ひとつ大臣にこの問題について鋭意御研究と御推進をお願いして、終わります。
○委員長(大森昭君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 自然環境保全法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大森昭君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三分散会