外務委員会 第9号
- 発言数
- 457 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1990/06/21
会議録
○委員長(山東昭子君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十日、堂本暁子君、肥田美代子君、太田淳夫君、立木洋君が委員を辞任され、その補欠として三上隆雄君、稲村稔夫君、鶴岡洋君、吉岡吉典君がそれぞれ選任されました。 ─────────────
○委員長(山東昭子君) 千九百七十二年二月二十六日に東京で署名された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○三上隆雄君 座ったままで発言を許していただきたいと思います。 まず委員長に対して、私に残された六分に対してそれ以上の時間を与えていただき、その御配慮に対して本当に感謝を申し上げたい、こう思います。 それでは、先般私が二十五項目に及ぶ資料の提示を求めたわけでありますけれども、その資料の提示は確かにいただきました。しかしながら、その提示に対して私の若干の考えを申し上げ、逐一それに対する再提示を求めたいと、こう思います。 先般の資料提示につきましては、今回の協定に基づきましてイギリス、フランスに委託している再処理についての若干の資料提出を求めたわけであります。その使用済み核燃料再処理に伴う外国との契約について、特にイギリス、フランスとの契約とその協議内容がこの間の提出されたものについては単なる概要にしか私は受け取れませんので、その点についての理由をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 先生今御指摘のイギリス、フランスとの契約と協議事項の内容の詳細でございますが、これにつきましては、イギリス、フランスとの使用済み燃料の再処理委託につきましては、既にお示し申し上げました内容以上のものは、民間企業の個別契約の詳細な内容にかかわるものでございまして、我が国の電気事業者におかれましても公表されていない、そういう事項であることを御了解賜りたいと存じます。
○三上隆雄君 ただいまそのようなお答えをいただきましたけれども、その趣旨の反応がその後若 干感じられますので、まとめてそのことについては意見を申し上げたいと、こう思います。 それでは二番目の経費の問題について、その資料提示に対して申し上げますが、使用済み核燃料の海外への全輸送の運賃については、計算の方法を明らかにしないで、原子力発電量の一キロワット当たりで試算すると約十銭程度となると、その程度の資料より提示していません。その積算になる運賃の金額そのものを明らかにしてくださいという要求ですから、それに対しての御見解をいただきたい。
○説明員(日下一正君) ただいま御質問のございました使用済み燃料の海外への輸送運賃についてでございますが、輸送価格につきましては、我が国の電気事業者と輸送業者との間で個別に取り決められておりまして、これを公表いたしますと、当事者間の守秘義務に抵触するあるいは現在または今後行われる商取引に影響を及ぼす可能性もございますので、当事者が公表してございません。一キロワットアワー当たり十銭程度と申し上げておりますが、実態的には輸送を行っておる事業者が特定されておりますので、それ以上詳細にわたりますと、実際上直接の契約価格を公表したのにも等しくなるという状態でございまして守秘義務に抵触いたしますので、キロワットアワー当たりの試算ということで御容赦いただければと存じます。
○三上隆雄君 これもまたいろいろ抵触することがあるから発表ができない、そういうことでございますけれども、これもまた後ほどまとめてお伺いしたいと思います。 それでは次に、返還プルトニウムの予想運賃について、その輸送船、輸送ルート等の具体的な方法が決まっていないとしても、少なくともそれに対する試算はあるだろうと。例えば、パナマ運河経由のときあるいはスエズ運河のとき等々のそれぞれの試算に基づいて約十銭というものも出てきていると思うんです。その場合についてやはりこの場ではっきりと公表すべきであると思いますが、いかがでしょう。
○説明員(結城章夫君) プルトニウムの我が国への返還輸送、これは海上輸送でございますが、その予想運賃ということでございます。既に実績の出ております一九八四年の動燃事業団が行いました輸送、これはフランスから大西洋を通りましてパナマ運河を通り太平洋を渡って日本まで来たわけでございますが、この返還輸送でかかりました費用は約五億円でございました。これは実績が出ております。ただ、これからの輸送費用につきましては、核物質防護のための輸送船の改造に要する費用なども必要でございまして、今先生おっしゃいましたようなルートだけに依存するわけでもございません。そういうことから、現時点においてこれを算出することは困難であるということをぜひ御理解賜りたいと思います。
○三上隆雄君 少なくとも最高の場合でこのぐらい、最低で行った場合にはこの程度の運賃、その積算に伴って最終的には電力料金が決まってくるわけでしょう。ですから、その最高時と最低の場合と、その程度の試算を示していただきたいと思います。
○説明員(結城章夫君) 最高と最低の試算ということでございますが、この輸送費用は単にルートに依存するだけではございませんで、輸送船を改造するといったことも必要でございます。その具体的な改造のやり方がまだ決まっておりませんので、この辺はどうしても今算定することができないということを御理解いただきたいと思います。
○三上隆雄君 それでは、次の問題に進みたいと思います。 高レベル廃棄物の予想運賃についても、使用済み燃料の輸送実績に基づいておおよその推定計算はできると思うんです。その場合の使用済み燃料の輸送実績に基づいた推定計算は、これはできると思うし、していると思うんですよ。そのことはいかがなものでしょうか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 これにつきましても、一回の輸送で何本のガラス固化体を輸送するのかというようなことにつきましての具体的な輸送方法が現在決まっておりません。よって、予想運賃の算出は困難であることをぜひ御了解賜りたいと存じます。
○三上隆雄君 それでは、このお答えの中に、一キロワット当たりの試算が約六十銭程度という、その程度という試算はどこから来ているんですか。
○説明員(日下一正君) 委員御質問の件は再処理費用に係ります試算のことであろうかと思いますが、私ども一般に再処理費用を原子力発電電力量一キロワットアワー当たりで試算するとおおむね六十銭程度と申し上げております。その算出根拠いかんということでございますが、百十万キロワット級の原子力発電所をモデルといたしまして、一年間に発生する使用済み燃料の再処理費用を、当該発電所の年間総発電電力量を勘案しまして、それで計算して得た数字でございます。
○三上隆雄君 あとの問題については、それ以上のことについては後ほど私の後に質問する委員にゆだねたいと思います。 それでは、次の資料について伺いたいと思います。 二番の原燃サービスが計画している再処理工場についてですが、フランス企業との契約内容については、これまたほんの概要しか提示されていませんけれども、その理由はいかがでしょうか。
○説明員(日下一正君) これは契約そのものがやはり民間企業により締結されましたのでございまして、当事者の日本原燃サービスが契約書を公表してない点について御理解いただければと存じます。
○三上隆雄君 それでは次の、年間の運転費と償却費については、企業経営に密接に関係があることですからこれまた公表しない、そういうお答えをしているわけでありますけれども、これまた公共料金に直接かかわっておるわけでありますし、しかもまた、原子力発電そのものに対する経済性が議論になっているわけでありますから、私は、少なくともこれは事業者側に国が依頼しているといえども国は国なりの試算があると思うんです。国なりの試算を示していただきたいと思います。先ほど事業者側が機密な事項ですから公表していないと言ったでしょう。では、政府としてはどのような試算で委託しているわけですか。
○説明員(日下一正君) 委員御指摘のとおり、原燃サービスの再処理事業の年間運転費及び償却費につきましては、日本原燃サービスが企業経営に密接にかかわるものであるということで公表していない事項でございます。電気事業者が購入するサービスであるから、電力料金にかかわるからという御指摘でございます。電気事業者は日本原燃サービスが提供する再処理役務を購入するわけでございます。再処理役務の購入経費がおおむね原子力発電の発電コストにどういうウエートを占めるかということが先ほど委員御指摘の事項でございまして、一キロワットアワー当たり六十銭程度ということでございますので、電力コスト、電力価格へ与える影響というところはそこから御判断いただければと存じます。
○三上隆雄君 そもそも六十銭と出てくるその根拠は、いろんな積算があって出てくるわけでしょう。政府は政府なりに判断した積算があるでしょう。じゃ、この六十銭というのは政府は妥当だと思いますか、それをまずただしておきます。
○説明員(日下一正君) 通商産業省といたしましては、電力料金の査定におきまして、各電力会社から申請がありました電力料金のレベルにつきまして、そのコスト等慎重に検討をした上で電力料金が適切であるかどうかということについて判断をしてきている次第でございます。それぞれ電力の供給に責任を有している、供給義務のある電気事業者でございますので、それぞれ電気事業者が最も有利な方法で、電力の経営の安定も踏まえ総合的に判断して個々の契約を結んでいるものだと承知しております。
○三上隆雄君 質問が前後しますけれども、前に振り返ってもう一度質問させていただきますけれ ども、返還廃棄物のそのお答えの中に、廃棄物を我が国の電気事業者に返還する選択権を有していると言っていますけれども、この選択権とは何を意味しますか。
○説明員(広瀬研吉君) 我が国の電気事業者が英仏の再処理事業者に使用済み燃料の再処理を委託しておるわけでございますが、その再処理に伴いまして生じました廃棄物につきまして返還すること、そのことに関しまして英仏の再処理事業者側が返還の選択権を有しておるということでございます。
○三上隆雄君 それでは次に、抽出プルトニウムの単価について、例えば動燃事業団が電気事業者からプルトニウムを購入する場合に、その合理的で適正な単価を算出しなければならない、こう思うんです。その単価が幾らになるのかもわからないままに再処理工場を建設するなどということはこれはあり得ないはずでありますから、それについてお示しをいただきたいと思います。
○説明員(結城章夫君) 日本原燃サービス株式会社の再処理事業におきましては、再処理をした結果抽出されますプルトニウム、これは電気事業者の所有物になります。これに対して日本原燃サービスが価格を設定するということは考えられておらないわけでございます。プルトニウムはあくまでも電気事業者の所有物でございまして、このプルトニウムを電気事業者が他者に売り渡す場合には、その売り手と買い手の間でケース・バイ・ケースの交渉によりそのプルトニウムの単価が設定されるものでございます。 御参考に、ただいま動燃事業団ではどうやっているのかということでございましたので、動燃事業団が東海再処理工場で回収したプルトニウム、これは日本の電力会社のものでございますが、これを動燃が研究開発用に購入した例がございます。その際の購入した価格でございますけれども、核分裂性プルトニウム量一キログラム当たり約百万円強であったというふうに聞いております。
○三上隆雄君 それでは、高レベル廃棄物の加工費と貯蔵費についても、今までのお答えと同様ということになりますか。これも確認をしたいと思います。
○説明員(日下一正君) 委員御指摘の点でございますが、高レベル放射性廃棄物、TRU廃棄物の加工費用あるいは貯蔵費用につきましても、日本源燃サービスが企業経営に密接にかかわるものであるということで公表していない事項でございます。
○三上隆雄君 じゃ、政府としてはどのくらいに見ますか。
○説明員(日下一正君) 政府といたしましては、原子力発電の経済性ということで廃棄物の貯蔵費用、処分費用がどの程度のものであろうかということについては議論がされているところでございますが、具体的な処分方法が確定しないと正確なところはわからないわけでございますが、現在の原子力発電の経済的な優位性を損なうものではないと試算されているところでございます。
○三上隆雄君 ただいまTRU廃棄物の加工費あるいは貯蔵費も同じであるというお答えがありましたけれども、このTRU廃棄物というのはどの種の廃棄物に入りますか。
○説明員(広瀬研吉君) お答え申し上げます。 TRU核種を含む廃棄物は再処理工場から発生してくる廃棄物でございまして……
○三上隆雄君 もう一度。
○説明員(広瀬研吉君) 再処理工場、それからMOXの燃料の工場からも発生してくる廃棄物でございます。これは高レベル放射性廃棄物ほど放射能レベルは高いものではございませんが、放射能濃度等に幅があるものでございます。
○三上隆雄君 それは低レベルの廃棄物とは言いがたいんですね。
○説明員(広瀬研吉君) お答え申し上げます。 TRU核種を含む放射性廃棄物は含まれる核種や放射能濃度等に幅がございまして、これらのTRU核種を含む放射性廃棄物のすべてが一概には原子力発電所等から発生する低レベル放射性廃棄物と同等のものとは言えないというふうに考えてございます。
○三上隆雄君 当然だと思います。後ほどそれに関する御意見を申し上げたいと思います。 それでは次に、これはイギリスの原子力発電所と火力発電所の一つの例ですけれども、その比較については、政府の調査検討の結果、これは政府の返答ですから、原発は火力の三倍にもなる例が原子力産業新聞に報道されております。しかし、今回の私に示した資料によりますと、原子力も石炭火力発電所もほとんど変わりがないという報告をされていますけれども、それに対する考え方はいかがなものでしょうか。
○説明員(日下一正君) お答え申し上げます。 委員御指摘の新聞報道、私どもも参照してみましたが、私どもとしましても英国政府にも照会をしました上で、最新かつ公式の発電コストの比較データをお示ししたわけでございまして、ヒンクリーポイントCという原子力発電所に関する公聴会におきましてイギリス政府中央電力庁から提出されたデータを提示したわけでございます。それによりますと、原子力につきましては、軽水炉でございますが、耐用年数四十年、割引率八%ということで三・〇九ペンス、キロワットアワー当たりでございます。それに対し石炭火力は二・九七から三・〇三ということで、おおむね三ペンス前後、円に直しまして七、八円前後というのが英国政府の回答でございます。
○三上隆雄君 その信憑性については、私はどれが信憑性があるとは言いがたいわけでありますけれども、この原子力産業新聞そのものにおおよそ石炭火力発電の三倍になるというような、こういう記事まで載っていますから、これについてはどういう受けとめ方をしますか。
○説明員(日下一正君) 私どもも英国政府とのやりとりにおきましていろいろ事実関係も確認したわけでございますが、英国政府の方からは、当該報道そのもの、原子力産業新聞が引用をしております新聞報道そのものについてのコメントは入手しておりません。 しかしながら、事実関係あるいは発電コストについて英国の政府ないし電力関係者あわせ聴取した結果を総合いたしますと、軽水炉につきましては、バックエンド費用を含めたとしても他の電源に比べ経済性の面で遜色はないというのが一致した見解のように見受けられます。 以上でございます。
○三上隆雄君 いや、しかしこの原子力産業新聞ではそれと逆のようなことを言っているわけですからね。この新聞は見ていないですか。元年の十一月十六日の原子力産業新聞にそう掲載しています。これは見ていないですか。
○説明員(日下一正君) 私どもも、十一月十六日の新聞であろうかと思いますが、新聞は読ませていただいております。この新聞報道も踏まえた上で、参照した上で英国政府に事実関係を照会いたしまして、ことしに入りましてから、先ほど申し上げましたような、英国政府としては原子力発電のコストあるいは石炭火力についてのコストということで、最新かつ公式のデータは次のとおりであるということで回答を得ているわけでございまして、その回答を委員にお示ししたわけでございます。
○三上隆雄君 これについては、いろいろその信憑性等からいってどこにその視点を置いていいのか私も判断しかねますけれども、一般的には私ども現地でいろいろ原子力の有利性、必要性、そのことを言うことに対して、あえて原子力というものがクリーンである、安い、しかも安定的だということをしょっちゅう言うわけですけれども、安全性にはさすが安全だとは言ってないんですが、ですから、私は安い、クリーンであるということを誇張し過ぎていると思うんです。その点についてはどう考えますか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 原子力発電所につきましては、御承知のように、エネルギー放出の過程におきまして、二酸化炭素を発生しない等々の特性を持っておりますこ とは先生御承知のとおりでございます。なお、原子力発電所のコストにつきましては、今も通産省の方からも御答弁があったとおりでございますが、条件は確かにいろんな場合があろうかとは思います。いろんな条件はあろうかと思いますけれども、基本的に経済性は十分あるものと思っております。それから安全性につきましても、先生のコメントではございますけれども、原子力発電につきまして厳重な規制を実施して、十分注意をしてこれを進めれば、その安全性は確保されていくものと私ども確信しておるところでございます。
○三上隆雄君 それでは、新型転換炉の実証炉として今青森県の大間に建設されようとしていますけれども、その推定発電コストは幾らになるのかお教えをいただきたいと思います。
○説明員(日下一正君) 先般の委員会におきまして、キロワットアワー当たり約十五円程度になろうかということをお答え申し上げましたが、その推定発電原価と申しますのは、電気事業者でございます電源開発株式会社が卸電気事業者でございますので、これを一般電気事業者へ売電する、売る価格、売る際のコストを見る観点から算出されたものでございます。委員御指摘の国の補助、あるいは民間の負担、こういうものもちゃんと加えて計算、試算するとどうかという点でございますが、当事者間の電力の売買価格でございますので十五円と申し上げましたが、仮に国の補助、民間の負担によるものについても合わせ試算いたしますと、現在の推定発電原価約十五円ぐらいと言っておりますが、それの約五割程度単価が上昇する。国の補助、民間の負担によるものを合わせ単価に算入いたしますと、十五円程度から五割程度単価が上がると、おおむねでございますが、お考えいただければと存じます。
○三上隆雄君 結局、そうしますと、十五円が大体二十二、三円になるということですか。
○説明員(日下一正君) 国の補助あるいは民間の負担はいろんな態様がございますので、きれいに何銭といって算出できるわけではございませんが、おおむね二十二、三円程度と考えても大きくは違わないと考えております。
○三上隆雄君 それでは次に、「もんじゅ」の推定発電コストは幾らになるんでしょう。
○説明員(佐藤征夫君) 動燃事業団で開発しております高速増殖炉原型炉「もんじゅ」につきましては、現在建設中でございまして、修繕費等実際に運転が行われるまでは未知な経費がございます。したがいまして、現段階で推定可能でございます「もんじゅ」の運転に直接かかわる人件費、燃料費及び資本費をベースに算出いたしました推定発電コストは、運転初年度におきましてはキロワットアワー当たり約二十八円ということになってございます。
○三上隆雄君 ちょっと今前段を聞き漏らしましたけれども、それに対する国の補助なり比民間負担分は含まれていますか。
○説明員(佐藤征夫君) 「もんじゅ」は研究開発の途上にある原型炉でございますので、国及び民間の負担により建設が行われております。このため、推定発電コスト、キロワットアワー当たり約二十八円のコスト計算に当たりましては、国及び民間による負担を資本費として計算を行ってございます。
○三上隆雄君 せっかく大島長官が見えられましたので、質問を大臣に向けてみたいと思います。 一九八四年に電事連から青森県に核燃三点セットの要請があったわけでありますけれども、それに対するプロセス、経過を簡単に、それは大臣でなく、だれか適当な政府委員からお願いします。
○説明員(結城章夫君) 青森の核燃のサイクル施設の計画でございますが、経緯を簡単にかいつまんで御説明申し上げます。 昭和五十九年の七月に、当時の電事連会長小林圧一郎さんから青森県知事及び六ケ所村の村長に対しまして、この核燃のサイクル施設の立地について協力の要請が行われたわけでございます。これを受けまして、県の方では安全性に関する専門家十一人を委嘱いたしまして安全性に関する検討を行いましたし、県内各階層の意見聴取なども進めてまいりました。さらには六ケ所村におきまして全員協議会なども開かれまして、次の年、昭和六十年の一月には六ケ所村はこの立地協力要請を受諾する旨の決定を行っております。こういうことも踏まえまして、昭和六十年の四月十八日には、青森県知事から電事連に対しまして立地協力要請を受諾する旨の正式な回答があったというふうに理解いたしております。これを受けまして、政府の方では四月二十四日に十四省庁から成りますむつ小川原総合開発会議が開かれまして、このむつ小川原開発についても申し合わせをしておりまして、さらに四月二十六日にはこのむつ小川原開発についての閣議口頭了解がなされたという経緯でございます。
○三上隆雄君 そこで、三点セットの中に低レベル放射性廃棄物の埋設施設も当然入っているわけですけれども、この低レベル放射性廃棄物の中に、先ほどもお答えがありましたけれども、TRUという廃棄物は含まれておりますか。
○説明員(広瀬研吉君) お答え申し上げます。 日本原燃産業の六ケ所村の低レベル放射性廃棄物埋設施設に持ち込まれる低レベル放射性廃棄物につきましては、主として現在計画が進められている原子力発電所からの低レベル放射性廃棄物のほかに、原子炉廃止措置によって発生する低レベル放射性廃棄物及び六ケ所村の再処理工場やウラン濃縮工場から発生する低レベル放射性廃棄物が対象となっていると聞いてございます。また、他の原子力施設で発生するこれらと同等の低レベル放射性廃棄物についても、将来受け入れることも考えていると聞いてございます。TRU核種を含む放射性廃棄物につきましては、含まれる核種や放射能濃度等に幅がございますが、このうち今申し上げましたような日本原燃産業が受け入れ対象と考えている低レベル放射性廃棄物と同等のものにつきましては、将来受け入れの対象として検討される可能性があると聞いてございます。
○三上隆雄君 何度か聞いている聞いているという表現をしますけれども、それでは青森県にそれを協力要請した段階で、この低レベル放射性廃棄物にはこのTRUというものが入っているということを正式に説明しましたか。
○説明員(広瀬研吉君) ただいま御説明させていただきましたように、日本原燃産業が計画をしております低レベル放射性廃棄物の埋設施設に持ち込まれます低レベル放射性廃棄物の対象物でございますが、先ほど申し上げました四つの分類に分けて考えていくということになっておるわけでございます。これは日本原燃産業が青森県等に申し入れの際に説明をしているわけでございまして、この四つの分類の内容につきましては青森県の専門家が青森県の方へ提出なさいました安全性に関する専門家の報告書の中にも記載されているところでございます。
○三上隆雄君 記載されていますか。
○説明員(広瀬研吉君) 記載されております。
○三上隆雄君 断言できますか。
○説明員(広瀬研吉君) 昭和五十九年十一月に青森県の専門家の方で取りまとめられました原子燃料サイクル事業の安全性に関する報告書の中に、今御説明申し上げました四つの分類の対象廃棄物が記載されてございます。
○三上隆雄君 その点については一応わかりましたけれども、これは県内でもっと詰めなきゃならない問題だと、こう思います。 そこで、これからのことは大島大臣も聞いていただきたいんですが、本県の北村知事は、その三点セットの協定はしたけれども、高レベル廃棄物については絶対拒否するということを議会で当時言明されているんです。その高レベル廃棄物の貯蔵について、一時的にしてもそれが入った時点はいつですか。
○説明員(広瀬研吉君) お答え申し上げます。 電気事業者が青森県や地元に核燃料サイクル施設の計画の申し入れをしました当初から、この再処理施設の敷地内において返還される高レベル放射性廃棄物等を貯蔵する計画であることを説明し ておるわけでございます。
○三上隆雄君 敷地内から生産というのか排出されるものについては、そのものについてはいつの時点で明確にしましたか。
○説明員(広瀬研吉君) お答え申し上げます。 再処理施設の稼働に伴いまして発生します廃棄物の貯蔵につきましては当初の計画からございまして、その旨を説明しておるところでございます。
○三上隆雄君 高レベルは当初ではないんですよ。
○説明員(広瀬研吉君) 電気事業者が立地の申し入れをします際に、それぞれの三点の施設の計画を御説明したわけでございますが、その再処理施設の説明の中におきまして、再処理施設の稼働に伴いまして発生する廃棄物はその施設内で貯蔵するとともに、返還される廃棄物につきましても、再処理施設のサイト内で貯蔵をするという計画を御説明してきたところでございます。
○三上隆雄君 今の説明の後段で、返還プルトニウムの高レベルについても貯蔵するということが言われましたけれども、それも当初からの説明ですか。
○説明員(広瀬研吉君) 返還廃棄物を再処理工場の敷地内におきまして貯蔵をするという計面を、当初から電気事業者は御説明をしてきたところでございます。
○三上隆雄君 今までの答弁だと国が全く土俵の外にいるわけですけれども、じゃ、国はどういう関与をしてきたんですか。いつもいつも電気事業者側がというお答えでしょう、国はどういう立場をとってきたんですか。
○説明員(広瀬研吉君) 国の放射性廃棄物処理処分対策でございますが、原則として事業者が責任を持つということでございまして、そのため再処理工場の稼働に伴います廃棄物につきましては、まずその敷地内で貯蔵をするという計画であるわけでございまして、また海外から返還される廃棄物につきましても、電気事業者の海外再処理委託によって生じますものでございますので、電気事業者がつくりました日本原燃サービスの再処理工場の敷地内におきまして貯蔵するという計画となっておるわけでございます。
○三上隆雄君 そう言ったら、全国の廃棄物全部青森県へ持ってくるということになるんじゃないですか。全国の三十八ある発電所の廃棄物を今外国へ移管しているわけでしょう。その返還廃棄物も全部また六ケ所へ行く。六ケ所で再処理して出たものも全部六ケ所で処理するというんでしょう。じゃ、日本全国のものが全部六ケ所へ集まるということじゃないですか。そのことは青森県へ言っていますか。
○説明員(広瀬研吉君) 今申し上げましたとおり、青森県におきます再処理工場におきましては、海外から返還される廃棄物、これを貯蔵いたします。それで……
○三上隆雄君 海外からどうして返還されるんですか。
○説明員(広瀬研吉君) 海外からの廃棄物の返還でございますが、これは日本の電気事業者と英仏の再処理事業者との間の約束事になっておるわけでございまして、先ほど御説明したように、英仏の再処理事業者側に廃棄物を返還する権利があるわけでございまして、英仏の再処理事業者は廃棄物を返還する旨日本の電気事業者に言ってきておるところでございます。
○三上隆雄君 結局は、そのフランス、イギリスへ移管したものが返還されるものも青森県で一時的には受ける。六ケ所から出た廃棄物についても、それは一時的には保管する、そういうことですね。時間がないから簡単に言ってください。
○説明員(広瀬研吉君) 返還される廃棄物は、六ケ所の再処理工場の中で貯蔵をするとともに、その再処理施設の稼働等から生じます廃棄物もそのサイト内で貯蔵をする計画でございます。
○三上隆雄君 そこで確認しますけれども、そのものの処理と保管については一時保管でしょう。一言で言ってください。
○説明員(広瀬研吉君) これは貯蔵でございます。
○三上隆雄君 一時貯蔵でしょう。
○説明員(広瀬研吉君) 高レベル放射性廃棄物につきましては、ガラス固化体が熱を持ってございまして三十年から五十年を目標とした冷却のための貯蔵が必要でございます。そのためにガラス固化体を貯蔵するという計画になっておるわけでございます。
○三上隆雄君 少なくとも青森県では、保管はするということは、最終処分地なり保管地が決定することを前提にして、これはやむを得ぬだろうということですよ。じゃ、その最終保管地をいつの時点で決定するんですか。その決定を見ない限り青森県では受けませんからね。
○説明員(広瀬研吉君) 高レベル廃棄物のガラス固化体でございますが、これはガラス固化体ができました時点で熱を持ってございまして、どうしても冷却のための貯蔵が必要でございます。その冷却のための貯蔵の後に地層処分をするというふうに段階的に進めていくわけでございまして、青森県の六ケ所村におきますガラス固化体の貯蔵はあくまで冷却のための貯蔵でございまして、最終処分予定地の選定とは関係のないものでございます。(「いつ、どこだと聞いている」と呼ぶ者あり) 最終処分予定地の選定でございますが、これは動燃事業団が中核となって進めております研究開発の成果等を踏まえて将来行うことになってございまして、現在のところ、日本全国ひとしく全く白紙の状況でございます。
○三上隆雄君 それじゃ青森県では受けませんよ、そういう状態では。(「じゃ、期限なしと同じじゃないか」と呼ぶ者あり)
○委員長(山東昭子君) ちょっと委員以外は御発言を御遠慮ください。
○三上隆雄君 そういう状態では……、青森県にもそういう説明していますか。それは今になってつけたりの説明でしょう。結局一時貯蔵の定義というものは、ガラス固化してその冷却する期間、それから三十年、五十年というのが出てきたんでしょう。最初から三十年、五十年と言っていましたか。一時的に貯蔵するということでしょう。
○説明員(広瀬研吉君) 高レベル廃棄物のガラス固化体の冷却のための貯蔵の意味、目的、それからこの高レベル放射性廃棄物の最終処分予定地の選定の進め方等につきましては、機会あるたびに地元へ御説明をしてきておるわけでございます。
○三上隆雄君 与えられた時間が間もなくなくなるようですから。 科技庁長官、いろいろ今まで青森県の経過を踏まえ、そしてまた原子力行政そのものについて、単価の面、経費の面からも議論してきましたけれども、今まで我々一般国民を説得するPRでは、原子力エネルギーというものはまずクリーンである、安い、安定的だということをしょっちゅう言いますけれども、今までの質問のやりとり、資料の提示からいって必ずしも私は安いとは言えないんです。それから安定的とも言えないんです。それから安全性の面からいくと、これほど危険なものはない、私はこう思うんです。それから処理、処理と言いますけれども、最終的にその廃棄物が世の中からなくなるんじゃないんですよ。未来永劫我々人類の責任において、日本国民の責任において以後管理していかなきゃならないんですよ、将来とも。当然この費用まで考えなくてはならぬと思うんです。 ですから、私はなぜ費用の面でしつこく突っ込むかというと、これは我々日本の国全体の中でエネルギーというものの費用が幾らかかっているか、原子力エネルギーというものはどのぐらいかかるか、そしてまた化石エネルギーというものはどのぐらいかかるか、それをまともに比較させなきゃ困ると思うんですよ。しかも最終的に処理に要する費用も正式に県民に、国民に表明して、そしてチェルノブイリの事故が起きて以降、国民の関心がこれほど変化したんだから、この時点でもう一回国民なり県民に意思を問うたらどうですか。それに対する長官の考え方をただしておきた いと思うんです。
○国務大臣(大島友治君) ただいま委員からの種種の御質問を通じて、青森県の六ケ所村で進めております核燃料サイクル施設の計画をめぐっていろいろと地元においての議論、さらに問題、特に厳しい状況にあることについては私十分承知はしておるつもりでございますが、この計画は基本的に我が国にとっては自主的な核燃料サイクルを確立するためにはどうしても必要である、こう認識しているものであって、エネルギーの政策及び原子力の政策上極めて重要なことであるという認識に立っておりますので、いろいろと御指摘いただいておる諸問題について十分我々も配慮してまいりたい、こう思っております。 したがいまして、この仕事につきましては、今後とも政府としては安全の確保ということはいつも申し上げておるんですが、これを前提にいたしましてこの計画を進めてまいりたい。それにつきましては、もう地元の皆さん方には少しでも御理解と御協力をいただくように最大の努力をすると同時に、私はやっぱり国民に向かってこの問題についての御理解と御協力をいただけるような策を講ずるべきではなかろうか、こう考えて今後とも努力してまいる所存でございますので、何分ひとつ御了解いただければ幸いじゃないか、こう考えておるのでございます。
○委員長(山東昭子君) 三上さん、時間が参りましたので。
○三上隆雄君 じゃ、最後に一言申し上げて終わりたいと思います。 長官を初め政府の方々あるいは推進する人の考え方は、安全については十二分に配慮しながら進めると言いますけれども、今の世界の科学技術で、日本の科学技術で絶対的な安全の保証がありますか。ないでしょう。努力するだけでしょう。もし事故が起きたときどうするんだ。だれか責任とるといったってとる方法がないんですよ。ですから、我々は、これは必要だけれども、最終的にはこれは人類にあってはなくしていかなきゃならないエネルギーだなということを言いたいんですよ。あわせて地球の環境あるいは命、自然ということを考えた場合に、やみくもに経済の合理性だけを追求する、そういう考え方、思想というものを変えていただきたい、私はそのことを主張して、時間が参りましたので終わりたいと思います。 ─────────────
○委員長(山東昭子君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、三上隆雄君が委員を辞任され、その補欠として堂本暁子君が選任されました。 ─────────────
○稲村稔夫君 今、三上委員の質問にいろいろとお答えをいただいていたわけでありますけれども、私は聞けば聞くほど不可解になる面がますます多くなってまいります。そういう点でいろいろとこれからお伺いをしていきたいわけでありますが、最初に三上委員が要望された資料についての説明、ここで私もどうも聞いていて納得ができない。これでは三上委員が納得できないのは当たり前だというふうに思います。そこで、少しその点について引き続いてお伺いをしたいと思います。 第一は、私は先ほどの答弁を聞いていて、それでは電気料金というのは一体何なのだろうなという疑問が出てきているわけであります。コストもこれから先、今いろいろと使用済み燃料の再処理等を含めてこれからの原発というものでコストが全然わからぬというような形で、一体コストがわからないで国民に対してどう原発の方がよろしい、割安でございますという説明ができるのだろう、こんなことで大変不思議に思うわけであります。 そこで、具体的な数字が出てきたものを挙げていきますと、例えば高レベル廃棄物の加工費と貯蔵費用ということなども含めてそれで発電単価を伺ったのに対して、一キロワットアワー当たりが六十銭程度というふうに答えられた。その根拠をいろいろと伺ったら、百十万キロワットをモデルとして計算をしたということもこれもお答えになった。だが、どういう具体的な根拠に基づいてこの計算が出てきたのか、これは一つも明らかにならぬわけですね。答えだけしか出ていないんですよ。ですから、これはどういう計算方法を用いて計算をしたのか、その計算方法について、計算方式について、これは口で言っていただいてもなかなかわかりづらいですね、口で今は答弁をしていただいて、後で明確に計算式を私のところへ示していただけますか。 それから、いずれにいたしましても、民間のやっている者が公表しないから、だから言えない、こういうふうに言われたんですよ。そこで、そういう公表していないものについては、政府も知らないのですか。それとも、知っているけれども言えないというのですか。その辺を明確にしてください。まずその二点から。――ちょっと待ってください。あなたはだれですか。
○説明員(日下一正君) 通商産業省資源エネルギー庁原子力産業課長日下でございます。
○稲村稔夫君 政府委員ですか。
○説明員(日下一正君) 説明員でございます。
○稲村稔夫君 なぜ政府委員が出てきませんか。私には何の了解もありませんでしたよ。政府委員の答弁でなきゃ私は聞けません。
○説明員(日下一正君) これは国会のことでございますから、私どもの方から差し出がましゅうございますが、外務委員会は私ども通産省直接の委員会でございませんので、政府委員が出るという特段の御指示がございまして、それで御相談、事前にお約束させていただいて政府委員が出させていただいているケースもあろうかと思いますが、私ども先週の審議におきましても、説明員ということで通商産業省の方からはお答えさせていただいているところでございます。 大変失礼しました。
○稲村稔夫君 委員長、お願いをいたします。当然のこととして私は政府委員が答弁に当たるというのが原則だと思います。そして、政府委員がお答えになれない具体的なこと、細かいとかいうような問題について、それは了解を求めて答弁されることは、これは私は差し支えないと思いますけれども、ほかの省庁は全部私のところに了解を求めてきております。しかし、通産省だけはそれをやっていません。委員長からまず第一は政府委員の答弁を求めてください。それが一つ。 それから、本委員会において重要な政府提出の議定書を審議しているにもかかわらず、与党の委員の皆さんがこれだけしかいないというのは一体どういうことでありますか。これも私は本委員会の見識の問題として、委員長しっかりとお取り計らいをいただきたいと思います。
○委員長(山東昭子君) それでは稲村委員に申し上げますけれども、御承知のように、これは外務委員会でございまして、通常、国会の場合、いわゆる外務省そのまま所轄官庁の場合には政府委員ということでございますけれども、他の委員会においては通常課長が、いわゆる説明員が説明をする、答弁をするということが慣例になっておりまして、特別御要請があれば、先ほど日下課長の方からも申し上げましたように、特別御要請があれば政府委員が出て答弁するということになっております。それはただいままでずっと答弁を続けておりましたので、もしそういうことをおっしゃるんでしたら、もっと以前にお話を社会党からでもほかの委員会においても……
○稲村稔夫君 ほかの省庁は私にちゃんと了解を求めてきたから、それで答弁はそれでもよろしいという了解をしているところもあります。私は特に問題にするつもりで言っているんじゃありません。委員会の権威として申し上げているんです。
○委員長(山東昭子君) それでは、役所の認識が違うようでございますので、ただいまから政府委員を呼びますので、それまで質問を続けていただきたいと思います。
○稲村稔夫君 はい、わかりました。それじゃそういう扱いで、後で政治的判断も加わりますの で、特に私はそういう意味で申し上げています。 それじゃ、今の御答弁ください。
○説明員(日下一正君) 委員御指摘の電気料金であるということにかんがみて、私企業の経営にかかわることであってももう少し資料を、数字等が出せるのではないかという点でございます。再処理事業そのものは電気事業ではございません。電気事業者である電力会社が他のいろいろな物品と同様に再処理役務を購入するわけでございます。ですから、電力会社が購入する物品役務についてそれを供給する会社の経営上の秘密の取り扱いというのが基本的な性格であろうかと思います。 より具体的に、先生御指摘の再処理費用についての点でございます。再処理の費用そのものは、御指摘のとおり、電気料金の原価を構成する費用でございます。電気料金に織り込まれるものでございます。したがいまして、電気料金の原価については、事業の公益性にかんがみましてできるだけ明らかにするように努めているところでございますが、公開にはおのずから限界もございまして、例えば個別の価格等の取引や交渉に悪影響を及ぼすおそれのあるものについては公開が適切でないと考えているわけでございます。したがいまして、事業者、物品の購入に当たりましても取引がたくさんございまして、それの平均的な形でお出しできる場合もございますが、供給する事業者が一ないし二という形で非常に少数で限られている場合には、平均的なものをお出ししましても実体上個別の契約を出したのと同じことになる、こういうケースもございまして、なかなか明らかにするように努めているといっても限度があるというのが考え方でございます。 それで、なお後段でございますが、再処理費用が電気料金に与える影響につきましては、原子力発電電力量当たりで六十銭程度と私ども申し上げているわけでございます。その電気料金上あるいは発電原価の試算上キロワットアワー当たり幾ら、こういう言い方をしておりますが、それの考え方は、使用済み燃料の発生量等につきまして一定の仮定を置きながら計算するものでございまして、総費用を年間発電電力量で除したもの、より具体的に申し上げますと、年間の発電電力能力に一定の稼働率、原子力発電所の稼働率を掛けまして、それで年間どのぐらい発電されるであろうかという推定をいたしまして、それで除しているものでございます。具体的に一つ一つの数式、数値について申し上げられないのは、逆に言いますと、そういたしますと個別の原価を言ったのと変わらないことになるからでございます。 したがいまして、先生御指摘のポイントは、原子力発電が非常に安いと政府側は言うけれども、本当に安いのか、こういう御指摘でございますので、それとの関係でいいますと、キロワットアワー当たり九円という発電原価になっているわけでございまして、十分他の電源に比べて経済性があるということは、電力会社が購入する物品役務の個別の単価が幾らかということを申し上げなくても、再処理費用全体の発電に与えるインパクト、どのぐらいのマグニチュードかということについても御説明しているわけでございまして、全体の経済性について御理解をいただければと存じます。
○稲村稔夫君 そういうお答えしかもらえないから、私は政府委員の政治的判断も求める聞き方をしたかったわけでありまして、あとこの問題について続いての質問は政府委員がお見えになってからいたします。
○委員長(山東昭子君) ちょっとお待ちください。稲村委員、まだ到着しておりませんので、次をどうぞ。
○稲村稔夫君 それではほかの方の質問をさせていただきます。 そして、これに続いて私の方から幾つかの資料の御要求を申し上げました。この要求を申し上げた資料に対していただいたうち、極めて不満なものもあります。それからいただけなかったものもあります。そういうことで、これから、なぜそうなのかということを伺っていきたいと思います。 最初に、西ドイツのヘッセン州環境省作成の脱原発に関するリポート、ハンブルク、シュレスウィヒ・ホルシュタイン、ノルトライン・ウェストファーレンの各州の脱原発宣言、これについて要求をいたしましたが、これは私のところへ返ってまいりましたのは科学技術庁からの返答で、科学技術庁にはございませんという答弁。 まず最初は、なぜこれはないのかということを伺いたい。
○政府委員(石田寛人君) 従来私ども海外の原子力に関係します諸動向につきましてはその情報収集に努力してきておるところでございますけれども、今先生がおっしゃいましたヘッセン州環境省作成の脱原発に関するレポート以下のレポートにつきまして、現在私ども持っていない、あるいは承知していないことは事実でございます。 なぜないかという御下問でございますが、なかなかお答えに難しい御下問でございますけれども、最大限努力いたしまして持っておりませんことにつきましては本当に申しわけございません。
○稲村稔夫君 最大限努力して持っていませんという答弁というのは、ちょっと私もどう理解していいんでしょうかと思いますが、そうすると、これは御調査になられますか。
○政府委員(石田寛人君) これにつきましては、在外公館を通じましてお願いいたしましてぜひ入手に努力したいと存じますが、入手できますのはいつになりますか、目下のところはっきりいたしません。
○稲村稔夫君 次に、またこれから順番に聞いていきます。 それでは、幾つかについてはそういうたぐいのものも御返答をいただきました。その中で、例えば西ドイツ連邦政府がライン・ウェストファーレン経済研究所に委嘱をして脱原発に関する報告書を提出されたということがありましたので、これについて伺いましたところが、科学技術庁は、本報告については入手していないが、現地での報道によれば、その概要は以下のとおりであると聞いている、こういうことで、言ってみればあなた方に都合のいいところだけが抜き書きをされているように思います。読み上げておると時間もまたちょっとあれですから、例えば電気料金が高くなるとか、窒素酸化物がふえるとか、硫黄酸化物がふえるとかいうようなことが書いてあります。ワープロにして何行でしょうか、わずか一ページの半分しか入っていませんが、かなり膨大な報告書なんですよ。 それから、ハンブルク州の委託によるドイツ経済研究所についての脱原発に関する報告書、これも同じように書いていますね。科学技術庁は本報告は入手していないが、現地の報道によれは、その概要は以下のとおりであるということで、また同じくらいの量のワープロしたものをいただきました。これも読んでみますと、あなた方にという言葉は悪い、訂正します、原発推進の立場に立って都合のいいと思われる部分だけが抜き書きをされているような感じであります。 科学技術庁というのはそれこそ我が国の科学技術の発展のために一生懸命努力しておられると思うんですけれども、そうすると、推進であろうと脱原発を目指すものであろうと、これはどういう考え方があってそれが合理的なのかどうかということを十分に検討する必要があると思うんですが、この程度の資料しかないというのはどういうわけですか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 先生この資料を御指摘になりましてから、私ども可能な限り関係先いろいろ当たりまして、このライン・ウェストファーレン経済研究所の研究報告書あるいはハンブルク州委託によりますドイツ経済研究所の脱原発に関する報告書等々につきまして早急に調べまして、沿うものではございませんけれども報道ぶりに該当するところがございましたので御報告申し上げた次第でございます。全体これくらいのことしかわからないのかというおしかりにつきましては、まことに申しわけございませんが、原子力に関する調査、報道は非常にた くさんあるわけでございまして、なかなかその全貌を把握することは困難であるわけでございます。 それから、先生先ほど御指摘になりましたように、私どももちろん原発推進の立場の資料だけではなくて、それ以外の資料につきましても客観的に集め、なおかつそれにつきまして整理していくという、そういう使命を持っておることは十分承知しておるつもりでございます。
○稲村稔夫君 ゆっくりとちょっと節つけたみたいな聞き方して申しわけなかったけれども、私があれしているのは、例えばこれはNHKの本です。NHKの出版物です。NHK取材班の取材したものです。この中にかなり詳しく載っているんですよ。こういうふうにして公開されている出版物の中でも具体的に、なぜ私がその出版した年月がわかったかといったら、ここに書いてあったんです。だれが報告したということもみんな書いてあるからわかったんです。国内で出版されているこういうものに、しかもこれは「いま、原子力を問う」という表題なんですから、NHKといったらそれこそ信頼していいあれでしょう。信頼しちゃいけないんですか。これにあるようなこと、ここに書かれていることとはかなり違うことも結構書かれている。あなた、私から要求されるまではこんなことも知らなかったということになったら、科学技術庁というのは何していたのかなということにもなりませんか。
○政府委員(石田寛人君) もしかそうでございましたらまことに申しわけございませんが、先生よく御承知のように、昨今そういう原子力に関する出版物の数は極めて膨大でございます。私ども調査関係者はいろいろ関係資料を当たるわけでございますけれども、本当に極めていろんなものが出ておりますこと、これは御認識賜っておるとおりでございます。したがいまして、その中に書いてありますことにつきまして認識していなかったことにつきましては、まことに申しわけございませんが、以後さらに調査体制を強化して努力してまいりたいと考えております。
○稲村稔夫君 科学技術庁が外国の、今私は国内のことを聞いているんじゃないんですよ、外国の問題、外国のこういう情報を収集するのは、じゃ、どういうことで情報は収集するんですか。
○政府委員(石田寛人君) 私どもは、海外の原子力動向につきまして情報を知ろうと思いますときには、基本的には外務省を通しまして在外公館におきまして資料の収集をお願いし、それを私どもに御送付いただくという、そういうことでやっておるところでございます。
○稲村稔夫君 それじゃ、外務省に委嘱をというお話でしたが、外務省はこういう諸外国の原子力にかかわる情報というものを積極的に収集をする体制はお持ちになっているんですか。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 在外公館におきましては、我が国にとって重要と思われる情報につきましては、極力その入手に努めております。ただいま御質問の原子力関係の情報に関しましては、主要な公館には、これは主として科学技術庁からの出向者でございますが、科学アタッシェというのが大使館の館員として勤務しておりまして、こういう科学アタッシェを中心に我が国にとって必要と思われる情報の収集に努めております。それからなお、原子力という極めて専門性の高い分野でございますので、関係省庁、科学技術庁あるいは通産省等から特定の要請があることがございます。その場合にはその要請を踏まえまして関連の資料の入手に努めるということをいたしております。
○稲村稔夫君 そうすると、その科学アタッシェというのはどんな国に――それぞれ在外公館に全部と言わなくても、主要国と言いましたね、主要なところ。そうすると、とりあえずヨーロッパではどういうところがありますか。
○政府委員(石田寛人君) 本来外務省からお答えいただくのが筋かもしれませんが、私どもからの関係職員を出向させていただいておりまして派遣しておる関係上申し上げますと、ヨーロッパでは、ロンドンに一人おります。それからパリに一人おります。それからボンに一人おります。それからウィーンに一人おります。それからモスコーに一人おります。それから同じヨーロッパの中では、パリと別にOECD代表部に一人おります。あとウィーンにつきましては、これはもとはウィーンの大使館内に置いていただいておったわけでございますけれども、ウィーンにおきます国連関係の機関の代表部ができましたので、そこに一人出ていただいております。 以上ヨーロッパ関係でございます。
○稲村稔夫君 またついでに外務省の方にも伺いますが、外務省には原子力課というのが、今回私はよくわかったんですけれども、私は外務委員じゃないものですからよく知りませんでした。申しわけなかったんですが、原子力課というのがあることもわかりましたが、原子力課というのは何をされる課ですか。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 外務省の原子力課は、原子力問題の国際的な側面、つまり条約、協定関係、それからその他の国際協力にかかわる問題について主として対象として仕事をいたしております。
○稲村稔夫君 大変失礼なことを聞きますが、その仕事に携わっておられる方というのは何人くらいおられるんですか。
○政府委員(太田博君) 現在、原子力制の課員は総勢十五名でございます。
○稲村稔夫君 そうすると、条約にかかわる仕事というのがそれこそ三百六十五日じゃない、土曜日は休みだし、日曜日も休みですからあれだけれども、十五人の方がみんなでかかるほど膨大な仕事として毎日あるわけですか。
○政府委員(太田博君) これはそのときどきの状況によりまして忙しさというのには濃淡がございます。例えば最近は、まさにただいま御審議をいただいておりますフランスとの原子力協定の改正議定書、これの交渉を過去二年半以上六回にわたって行ってまいりまして、それからただいま国会で御審議をいただいておりますけれども、こういう条約の審議、条約の協定の交渉あるいはそれにかかわります審議がありますときには、原子力課は大変忙しい状況に置かれることになります。それ以外の場合には、我が国は六つ、国会批准条約としての原子力協定を締結いたしておりますが、そう毎日毎日協定について仕事があるというわけでは必ずしもございません。 なお、国会批准条約ではございませんが、最近、韓国の盧泰愚大統領訪日の際に韓国との間に原子力の安全性を中心とする協力につきましての交換公文を締結いたしまして、この準備の際はやはりかなりの仕事量がございました。
○稲村稔夫君 私は、その十五人のスタッフが大変繁忙なときにはそれはかなり手不足になるんだろうというふうには思います。しかし同時に、原子力課というふうに何か特別なセクションが設けられておりますと、それこそ一年を通じて仕事の濃淡はあるにしても、果たしてそれだけのスタッフがどんな仕事をされることになるんだろうかということは、これは私は実情を知りませんから、それだけに大変疑問になります。 こんなことを伺いますのは、関連をしてくるわけですが、要するに原子力についての情報というのは、今もう世界じゅういろんなことがあふれていると言っていいわけであります。これは科学技術庁の今の派遣官だけで済む仕事でもなかろうというふうにも思うんですね。外務省も一緒になってかなり積極的にそういう収集に当たってもらわなければ、世界の流れというものを正しくつかむことはできないんじゃないか、そんなふうにも思うんですけれども、その辺は改善される気持ちはないでしょうか。これは大臣にちょっと伺いたいですね。
○国務大臣(中山太郎君) 委員の御指摘のことは、私もかつて参議院に籍を置いておりましたときに、外務省の国連局科学課というものがございまして、専門職といいますか、原子工学を学んだ人が何人いるかということを調査したことがござ いました。ちょうど先生のお話を聞いておって自分のことを思い出しましたけれども、たしか大来外務大臣のときでありました。この人は工学博士でしたから、私と話し合ったときも、そういう意見の交換には非常に内容のある話がございました。その後、大来外相はいろいろと配慮をいたしたということがございます。 御指摘のように科学技術庁のアタッシェも一生懸命現実に在外公館等で情報の収集に当たっております。しかし、なかなか手薄なときは外務省も協力を、全部外交官で行っておるわけですから、現地の大使館の大使館員として、アタッシェとしてもしっかり頑張っておることは間違いございません。しかし、情報が非常に多いという中で、情報の中に専門的な分野のものが相当ございまして、これをどのように理解し、そしてどれが大切でどれが不必要かというような判断をすることは、これはもう専門のアタッシェでないとなかなかできないことでありまして、例えば初代のワシントンの科学アタッシェは、日本の原子力の泰斗であり、東大の総長を務められた向坊博士であります。そういうふうな方もかつておられて、いろいろと国際情報を集めているわけでありますから、先生御指摘のように、外務省においても私どもはそういうふうな点で情報収集には格段の配慮をしている、このように申し上げておきたいと思います。
○稲村稔夫君 今私がこういうことを伺いましたのは、実は私はNHKの出版物を見たときに、ドイツではライン・ウェストファーレンの経済研究所の報告というのがマスコミのもとでも非常に大きな話題になって議論をされている。そして、それがもとで、またあちこちでリポートが出たりいろいろやっているということが明らかに書かれているからですね。ということになりますと、マスコミでも随分騒いでかなり大きな話題になっているということになるならば、それこそ当然そういう情報収集のために、例えば報告書、どういう報告書であったのかということくらいのことは気がつかれるのが当然だろうというふうに思うんです。 審議官から今度は長官の方へ向けて申しわけありません。十九日の審議のときに、長官は、将来安心できるエネルギーというもの、それが出てくるということも信じながら今の対応をしているという意味のことを言われました。将来へかなりの希望を持ったお話も私は聞かせていただきました。ということになりますと、例えば今のライン・ウェストファーレン経済研究所の報告書の結論を言えば、多少の犠牲は伴うけれども、しかし社会的、経済的には短期的にも長期的にも脱原発は可能だという結論のようです。だから、いろいろと論議を呼んでいるということにもなるわけであります。ということになりますと、私は、長官が本当に将来のことを考えてということになってくれば、まさにこうした情報というのは大いに研究をしてみる、検討してみる価値のあるものじゃないか、そんなふうにも思うんですけれども、積極的にこういう情報というのは収集に努めるということを長官はこれからされますか。
○国務大臣(大島友治君) ただいまの御質問でございますが、私は先般、今御指摘いただきましたように、私の範囲内におきましては近い将来というか、やはり原子力の効用というか、その目的については重要視しております。反面、やはり新エネルギーの問題とか、あるいは将来についてのいろんな角度からの問題についても私も折に触れては勉強させていただいておりますが、とりあえずという面になりますというと、なかなかその点は、じゃ何年先は対象の現実になるかどうかについては、若干今の時点では私明言することはできないという心境にございまして、先般も一世紀の将来を議論したということもありますけれども、そういう点で見れば、今の御質問の内容の脱原発の問題ということも考えられると思いますが、私としては当分の間は原子力を主体とした日本のエネルギーというものを中心に考えてまいりたい、こう思っております。
○稲村稔夫君 そう後ろに下がらないでくださいよ。将来について、まさに安心ができるそういうエネルギーというものに向かっていろいろ検討していかなきゃならない、こういうお気持ちがあるならば、とすれば、今の原発についても可能なのか可能でないのか。私は脱原発の立場をとりなさいと今長官に言っているんじゃないんですよ。脱原発ということが可能なのか可能でないのかということまで含めて積極的に検討されるという意思はありますかと、いや、検討してもらいたいんですよということを申し上げているんです。だから、例えば今のドイツの連邦政府というのは原発推進の立場なんですよ。原発推進の立場で、委託をした研究所の報告が脱原発可能という答えを出した。このことが西ドイツで論議を呼んでいる。大いに論議をされることはいいと思うんですよ。だから、どういうことが問題なのかということも読んでみなきゃわからないでしょう。そういうことを研究される意思がありますか、こう聞いている。
○政府委員(石田寛人君) 大臣の御答弁の前に、先ほど私ども御下問の件につきまして申し上げ損ねた件がございますので申し上げます。 情報の収集のお問い合わせでございますが、情報の収集に関連いたしましては、世界各国の各種の情報、これは原発推進のものであれ脱原発のものであれ、客観的に情報をぜひこれから収集する努力を重ねていきたい、かように私ども考えておりますし、そのための努力も引き続き行っていきたい、かように考えておるところでございます。
○国務大臣(大島友治君) 再度御質問いただいて恐縮に存ずるわけでございます。決して私も原子力発電ということが絶対的なものだと申し上げておるわけじゃございません。先ほども新しいエネルギーとは何ぞやという点も、私は期間も短いんですが、これいろいろと現在収集もしておりますし、努力もして専門家からも話は聞いておりますが、ここ五年、十年でどうということについてはちょっと私も言いかねるということであって、決してそのものを無視しておるというわけではございませんので、ひとつ御理解をいただきたい、こう思うのでございます。
○稲村稔夫君 どうもちょっとひっかかるところもないわけじゃないんですけれども、ひっかかるというのは、長官もう少し積極的に御勉強になるということ、将来のこともそうですが、現在の時点でどういう考え方があるかということをやっぱり積極的に勉強していただきたい。大変失礼な言い方をして申しわけございません。
○国務大臣(大島友治君) ただいまのことを心に銘じて研究してまいります。
○稲村稔夫君 大変率直な御答弁をいただきましてありがとうございました。 次に、また嫌なことを少し聞かなきゃなりません。 私は、今の点については、少なくとも政府は情報収集という点では怠慢のそしりを免れないのではないか。これほど西ドイツでも問題になっているということを、新聞報道によればと、それも極めて断片的にしか資料提供、それも私の方の要求があって初めてということでは怠慢のそしりを免れないのではないかというふうに思うんですがね。 ただ、次の問題はちょっと怠慢では済まされないというふうに思うのでありますが、それはフランスのラ・アーグの再処理工場UP3では建設中のトラブルが起こった。そのトラブルについてフランスの原子力安全局の報告があるということなんであります。 このフランス原子力安全局の報告については、要求に対して私の方にいただいたものは、そのまま読みますと「当該報告書については、承知していない。」と。「承知していない。」というのはどういうことですか。存在そのものを知らないということですか。
○説明員(大森勝良君) 先生から御要求のありました当該資料につきまして、私ども検討してみましたが……
○稲村稔夫君 さっき私は政府委員からの答弁を求めたんですけれどもね。
○政府委員(石田寛人君) 当該先生の御指定の資料等々につきましては、極めて具体的な規制そのものを担当しております第一線の課長からお答え申し上げるのが最も妥当と思いますので、核燃料規制課長から答弁いたしますことをお許し願えれば幸いでございます。
○稲村稔夫君 そうしてください。手続はきちんとしてください。
○説明員(大森勝良君) 先生から御要求のありました資料につきましては、私ども検討いたしましたが、そういう資料が存在するということも含めまして、存在していないのではないかというふうに判断しております。
○稲村稔夫君 再々こういうものを出して申しわけありませんけれどもね。これを見ますと、NHKがフランスに取材に入ったときにその報告書を入手した、こう書かれているんです。そしてしかも、その報告書を読んだのでなければ出てこないであろう記述が随所にあるわけであります。「報告書によれば、UP3に使うタンクの積み降ろしの際、タンクの一つを落としてしまった。このタンクを調べたところ、溶接部分に亀裂が入っていた。そこで、念のためにUP3や高レベル廃液の処理施設STE3のタンクを点検したところ、UP3の溶解槽二基のうち一基に亀裂が見つかったほか、STE3のタンク五基にも亀裂が見つかったというのである。」、こういう記載がある。これは六十八ページです。 また、六十九ページには、「報告書では、ジルコニウムという素材の欠陥が明らかになったとして、素材の質や成型や溶接の方法を見直す必要があると指摘している。」、こういうふうに記載されているんですよ。 そうすると、これは先ほど審議官は、たくさんの情報があってそれは全部にはとてもじゃないけれども目を通し切れないと。私はわかりますよ、それは。しかし、私が要求したのには根拠があってやっているわけです。しかも、こういうふうに明確に記載されているんですから、報告書があるというのは事実だと私は思う。 ないと判断したというのはどういうところに根拠があるんですか。
○説明員(大森勝良君) 私どもフランスの規制当局と情報交換の取り決めを結びましてさまざまな情報交換をやっております。具体的には、そうした安全確保に関します各国の知見、情報を交換するというのは、当然のことながら各国の安全規制に貢献するわけでございますので、昭和五十四年でございますけれども、日仏間におきましては、我が科学技術庁原子力安全局、それから通商産業省資源エネルギー庁、それからフランス国の原子力関係の規制当局でございます産業再編・貿易省工業総局原子力施設安全本部、これを略称SCSINというふうに申しておりますが、この間で締結いたしまして規制情報に関します交換を行ってきているところでございます。 こうした中で、UP3につきましての情報につきましても交換しておりまして、例えばその溶解槽につきましての情報につきましては、例えば昨年会合を持ちました際に口頭ではございますけれどもSCSINから情報を得、私どもの参考としておるという状況でございます。
○稲村稔夫君 どういうんですか、ないと判断をしたというんでしょう、だけれども、私はあるということをこういうふうにして指摘をしたんです。私が要求しているには根拠があった。でも、私のは根拠がないと思ってフランス側には問い合わせも何もしなかったんですか。
○説明員(大森勝良君) 昨年、SCSINから……
○稲村稔夫君 去年のことを聞いているんじゃないですよ。
○説明員(大森勝良君) 私ども得ている情報があるわけでございますけれども、その際に特に相手方から報告書でもっていただいてはおりませんし、通常なかなかSCSIN、規制当局が報告書という形では出さないということも聞いておりますので、特に今回先生から資料の御要求がありまして、その際にフランス当局には問い合わせておりませんが、先ほど私申し上げたようなことからないのではないかというふうに判断したわけでございます。
○稲村稔夫君 審議官、あなたは今のようなことでいいと思いますか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 先生、今の核燃料規制課長の答弁をお聞きのように、原子力安全局は原子力安全局としてのルートでフランスの情報の入手に努めてきておったところでございます。そこで、当然フランス当局とも十分意思疎通をしながらやっておったわけでございまして、その中にそういうことはなかったということを根拠にそう申し上げさせていただいたということかと存じますが、安全規制情報につきましては、これまた先ほど先生御指摘のように、なるべく多重的に収集する方がいいわけでございますので、当然そちらの方が望ましいかと考えております。
○稲村稔夫君 望ましいということは、これから問い合わせをしてみるということなんですか、問い合わせもしないということなんですか。
○政府委員(石田寛人君) これは先方とのこともございますので、レスポンスがどうなりますかはっきりはしないと思いますが、問い合わせしてみたいと思っております。
○稲村稔夫君 その際に、私の言うことによく留意していただきたいと思います。ということは、マスコミが入手される程度のものなんですよ。本当に極秘だったらマスコミに漏れるはずないでしょう。マスコミが入手をされてこういう本になったり、これはNHKから報道されておる。その中でそういうふうに触れられたかどうかまではわかりませんけれども、しかし、UP3のトラブルについてフランスの報告書というものの存在が一つは明確になっている。そして、マスコミに渡る程度のものがなぜ私たちに明確にできないのか、この点はかなり問題だと思うんですね。 後ほど私は、この協定書の内容についても伺いたいというふうに思っておりますけれども、くどいようですけれども、少なくともマスコミが入手できる、そういう程度の報告書であれば、当然日本国政府にも知らされてしかるべきものであるし、私たち自身もフランスの技術を入れようというのでありますから、そうすれば、これはかなり重大なトラブルですからね、そのことについては十分にその真相を知っておくことが必要である、知らなければならない、そう思うわけです。これは問い合わせをするというのでありますから、問い合わせに当たってはそのことを十分にお考えおきいただきたいというふうに思います。私は、これは手元にないでは済まされない、そういう性格のものだと思いますので、よろしくお願いをいたします。 問い合わせというのは非常に簡単だと思うんですね。いつまでにやってくれますか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたようなルートによりまして早急に努力させていただきたいと思いますが、重ねて申し上げますように、先方のレスポンスもございますので、いつまでにどういう情報が入るかにつきましてはまだはっきりいたしません。 それから、先生がおっしゃいましたように、当然フランスの再処理技術に関しますもろもろの情報は、我々も極めて大きな関心を持っておりますことは御指摘のとおりでございます。その意味では、先生と私ども全く同じ関心を共有しておるというふうに認識いたしております。
○稲村稔夫君 早急にと言ったって、国会で私たちが知ることができる時間というのはもう決まっているんですよ。そのフランスとのかかわりの中で重要なことを今決めようとしているんですからね、協定書を。これは私たちにわかるようにしてもらわないと困りますよね。
○政府委員(石田寛人君) 先生のおっしゃいますこと私どもよく認識するわけでございますが、特 に安全性とのかかわり合いにつきましては、規制当局のお話もぜひお聞きいただければ幸いでございます。
○説明員(大森勝良君) 現在、私どもは六ケ所の再処理施設につきまして安全審査を鋭意進めておるところでございますが、その安全審査の進め方をちょっと御説明したいと思います。 申請者によりますと、この主工程の技術はフランスの技術であるわけでございますが、これ以外にも国内外の最良の技術を総合して設計するというふうにしております。また、当然のことではありますが、その施設を建設、運転し、その安全の責任を負うのは申請者であるわけでございます。そういうことから、安全規制のやり方といたしましては、規制当局といたしまして申請者から申請書等に基づきまして納得のできるまで説明を受け、災害の防止上支障がないという判断に至らなければ許可しない、これが基本でございます。 そういうことでございますので、その際、安全にかかわりますような情報が海外にあります場合、それについても必要に応じ、まず申請者に説明を求めるというのが私どもの基本的な安全確保の進め方でございます。ただ、先ほども既に申し上げましたが、各国の規制当局とも直接連絡をとり合いながら、申請者からの説明の信頼性等についてもチェックは当然しておるわけでございます。 さらに、溶解槽の件でございますが、フランスの規制当局から報告書が出ておるかどうかということは、申しわけないことでございますけれども承知しておらなかったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、規制当局から情報を得ておるわけでございまして、その情報によりますと、溶解槽の件につきましては、材質、設計の問題というよりは製作上の問題ということで、安全規制当局としては品質管理という観点でチェックしておるというふうに私ども情報を受けておるところでございまして、我が国における安全規制にこの情報を参考として生かしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○稲村稔夫君 今の点はとにかく、後の方の余分な答弁はこの後でまた議論するときに少ししてもらいたいと思う内容であります。これはまた後ほどに回します。 とにかく当面はフランスの間違いのない情報を早急に入手していただきたい、それも私たちが知り得る時期の中でやっていただきたい、念押しをして大変恐縮ですが、そのことが今の私の質問の中心ですからね。
○政府委員(石田寛人君) 今稲村委員おっしゃいます知る得る時期ということでございますが、私ども最大限努力はいたしますので、いつまでということにつきましては、再三申し上げておりまように、先方のレスポンスもございますので、最大限努力するということを申し上げさせていただければ幸いでございます。
○稲村稔夫君 おかしいですよ、最大限と言うけれども、相手側があること、それだってわかっていますよ。わかっていて聞いているんですよ。そういう中で相手側からの返事がどうだったとか、相手側の対応がどうだったとか、そのぐらいのことは報告できるでしょう。それも報告できない、はっきりできないんですか。
○政府委員(石田寛人君) これから早急に努力いたしますので、その努力の過程も含めまして最大限努力しておる御様子を御報告申し上げます。
○稲村稔夫君 自分のことまで御をくっつけるようになるから、大分悩んでおられるんだろうと思いますけれども。 とにかく、それでは今国会の会期中にあなた方のやれる範囲でやってみて、その努力の成果を私どものところに報告いただけますね。
○政府委員(石田寛人君) したがいまして、早急に先方に問い合わせいたしますけれども、その成果が何であるかにつきましては、先方のレスポンスもございます、先方との連絡のとれ方もございましょう、そういうことも踏まえまして最大限努力させていただくということにとどめさせていただきます。
○稲村稔夫君 本当に心配なことが、後でUP3でまた議論をいろいろとしたいと思っていますけれども、あるわけでありますから、それだけに私はかなり大きな関心を持っておるわけであります。したがいまして、その努力をされた結果が、本当に私たち国会として皆さんの努力が認められるのかどうかというようなこともこれはやっていただかないとわかりませんから、この点は私は御返答いただいて判断をする時間を若干後いただいておきたいと思います。残させていただきたいと思います。ということで、後またお願いいたしますね。 それでは、通産省もお見えになったようでありますから、先ほどの続きに入らせていただきたいと思います。 まず、きょうは政府委員として御出席いただいたのですか。
○政府委員(向準一郎君) はい。
○稲村稔夫君 私の方はまことに残念でありましたが、きょう私の質問の通告に対して御答弁をいただくのに政府委員でない方から御答弁になるということ、私には何も了解がありませんでした。ほかの省庁は皆さんそれぞれ了解があったわけであります。ですから、当然私は政府委員の方がおいでになるものと思って質問をいたしました。 それからもう一点は、これからお伺いすることについては政治的判断というものも加わってまいりますので、本来であれば大臣から伺いたいというところでありますけれども、政府委員から責任ある御答弁がいただきたい、こういうふうにも思いますのでお願いをしたいと思います。 先ほど来三上委員が要望をした資料について御答弁をいただいた中で、それぞれ具体的な内容について明らかにされないというものがありました。例えの例で先ほどは言っておりましたが、高レベル廃棄物の場合に、これの費用を含めて発電原価の計算方法、どういうふうになっているのかとかいうようなことも伺いました。これは答えだけあって、そして計算式を出してくださいと言ったことに対しても計算式も明らかにしていただけない、こういうことであります。 そこで私の方は、それでは一体電力料金というのは何であろうか、電気料というのは何だろう、そういう疑問にぶつかるわけです。これは少なくとも一地域一会社で、消費者の方は選択の自由がないわけですね。選択の自由がない。しかし、これはもう日常生活に欠くことができないものなんですね。ということになると、これは公共料金といっても、むしろもっと厳しいものになるんじゃないでしょうか。例えば水道料金なんかに比べても厳しいというふうに私は思いますよ。選択の自由がなく、そして厳しい条件の中にある、こういうものの料金、これがどうして決まるのかということを明らかにできないで、それで民主主義だということが言えるでしょうかね。その辺どういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 今先生御指摘のように、電気料金につきましては事業の公益性ということでできる限り明らかにすべきであるというのはおっしゃるとおりでございます。しかし、公開におのずから限度のあることもぜひ御理解をいただきたいと思っておりまして、例えば個別の価格等取引あるいは交渉に影響を及ぼすようなおそれのあるものにつきましては、その公開が適切じゃないものもあるわけでございます。そういうことで、大きな方向ということではできる限り明らかにしていきたいというのが我々の立場でございます。
○稲村稔夫君 大きな影響を及ぼすというのはどこに大きな影響を及ぼすんですか、国民ですか、会社ですか、それとも政府ですか。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 個別のやはり価格等を明確にするということで、取引とか交渉に悪影響を及ぼすおそれのあるものにつきましては、やはり公開をはばかるという部分があるわけでございますが、我々といたしましては、例えば原子力発電の想定の単価の中に 再処理費用がどのぐらい想定されているかというようなモデル計算をやっておりまして、一キロワットアワー当たりおおむね六十銭程度であるということは既にお答えさしていただいていると思います。
○稲村稔夫君 だから、それじゃモデル計算をしたそのモデル計算の計算式、計算根拠をここへ出してくださいと、こう言っているんです。
○政府委員(向準一郎君) 個別の費用というのは提出が難しいわけでございますが、計算式の考え方というのはお答えできるわけでございまして、再処理の平均単価掛けます年間使用済み燃料の発生量、それを年間発生電力能力、それに稼働率を掛けましてやりますと発電原価試算におきます再処理費用というのが出てくるわけでございます。そういうような式で計算をし、先ほど申し上げましたように、おおむね六十銭程度というふうに御説明させていただいているわけでございます。
○稲村稔夫君 再処理費用というのは、それじゃどういう種類のものがあるんですか。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 再処理の役務ということでございますが、これは使用済み燃料からプルトニウム、それから回収ウラン、それから核分裂生成物、これを抽出分離する工程でございます。これは御承知のとおりでございますが、こういうのを一連の作業として行っているわけでございまして、それを全体にいたしまして再処理費用として発電原価の中にどのぐらい占めるかといいますのが、さっき申し上げましたように、一キロワットアワー当たりおおむね六十銭というふうにお答え申し上げているものでございます。
○稲村稔夫君 役務というのはどんな種類のものがあるんですか。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 再処理の役務でございますが、先ほど答弁いたしましたのとややダブるかもわかりませんが、使用済み燃料からプルを抽出する、回収ウランを抽出する、それから核分裂生成物を分離するということでいろんな工程があるわけですが、これが一連の作業として再処理事業として流れていくわけでございます。これら一連のものを合わせまして再処理役務ということになるかと思います。
○稲村稔夫君 それじゃ、その再処理役務のところの種類はわかったということにしまして、そうすると、そういう使用済み燃料を再処理のために動かして、動かせば当然経費がかかりますね、移動すれば。それも役務の中に入れているんですか。
○説明員(日下一正君) 使用済み燃料の輸送費用、先生御指摘の点であろうかと思いますが、私どもキロワットアワー当たり十銭と申し上げてきていますのは、再処理関連の役務全体の六十銭の外数でございます。
○稲村稔夫君 保管の経費はどうなりますか。これは説明員で結構です、細かいですから。
○説明員(日下一正君) 先生保管と言われましたのは、例えば海外再処理の場合に電気事業者が委託をするわけでございますが、それは自動車とか靴を修理に出したのと同じでございます。役務を委託するわけでございますが、それを引き取るまでの間は向こう側に置かれているわけでございますが、その再処理の役務に伴って置かれております保管の費用は六十銭の内数でございます。
○稲村稔夫君 そうすると、向こうで保管をしてもらっている分は六十銭の中に含めている、役務の中に含めていることになるわけですね。 そういたしますと、フランスの場合は、UP3は稼働するまでの間に随分長い間かかっている形になりますが、その間の保管料というのは全部役務の中に含まれている。ちょっと待ってくださいよ。セラフィールドに委嘱をしているものは、これはまだしばらくはわかりませんね、できてくるかどうかね。これもどんどんと随分前から持ち込まれているわけですが、これも全部含まれて計算をしているということになるわけですね。
○説明員(日下一正君) これはイギリスないしフランスの再処理事業者が再処理契約をする際に、使用済み燃料をどのタイミングから受け入れるということを、契約の際に再処理役務そのものの始まる前から受け入れるという形になっているものでございまして、再処理の実際の作業そのもの、工程そのものがどの段階で行われるかは、先ほどからいろいろ御審議ございますように、UP3の立ち上がりの状況とか、イギリスの方の工場の状況とか、先方の再処理事業者の都合によるところもございまして、それがずれ込んでいることに伴いまして使用済み燃料を預かっている分につきましては当然再処理役務契約の中に含まれており、六十銭の中に入っているという考え方でございます。
○稲村稔夫君 そうすると、それは今までの分なんですか。これからの分はどういうふうに計算しているんですか。
○説明員(日下一正君) 私ども原子力発電あるいは石炭火力の発電につきまして発電原価の試算というのをやっておりますのは、過去におきますコストの実績をもとにいたしましてモデル計算を行っているわけでございますので、六十銭程度と申し上げていますのは過去の実績を踏まえて計算したところでございます。
○稲村稔夫君 過去の実績だというので六十銭に含まれている。これは過去の方はかなり長い期間保管をされているものですよ。稼働してきたら保管期間はうんと短くなるんでしょう。そうしたら随分変わってくるんじゃないですか。
○説明員(日下一正君) 使用済み燃料につきましては、高熱を発していることもございますので、まず発電所で一年程度プールに置かれております。それで、現地に搬入されましてからやはり工程に入ります前に物理的にも三年ないし四年置いた上で処理するようでございまして、三、四年置いたよりも非常に延びている部分は先ほどの工場の立ち上がりの状況等によるところがあるわけでございますが、基本的には発電所で発電が行われまして一年間置かれて、それから搬入がされてスムーズに動き出しましたパターンを想定いたしますと、それから三年ないし四年で向こうで再処理が行われるということで、大きくコスト計算を動かす要因にはならないかと考えております。
○稲村稔夫君 では、そこの部分はとにかく四年くらい置いておくんだから、これから先もそんなに変わらないぞ、こういうふうにおっしゃったというふうに受けとめてよろしゅうございますね。 そうすると、フランスのUP3については、建設の費用について、これはあなたの方からいただいた資料によっても、建設費については、「すべて再処理委託している顧客間で負担することになると聞いている。」と、こういうふうになっています。このCOGEMAの計画によると、少なくとも、ちょっとこれは私どもの調べているのと少し違いがありますけれども、その違いは見方による相違というようなことがあるのかもしれませんからそこは別にいたしましても、私にいただいたあなた方の資料によっていきますと、建設費は当初見積もっていたよりも約二四%増、二百七十六億フランになる、こう公式に発表されているとありますね。すると、この建設費は再処理委託者、つまり日本を含めてそのほかの委託者、ここが皆負担するということになるわけですね。そうすると、これは一体幾らになるのですか、日本側の負担は。二百七十六億フラン、為替レートのことなどもあるからなかなか面倒だということでありますけれども、それでも七千七百億円、あなた方の計算です。そのうちの幾らが日本側の負担ですか。
○政府委員(向準一郎君) UP3の建設費につきまして、今御質問のとおり、二百七十六億フランということが公表されておりますし、それにつきまして、これは再処理委託を行っておりますすべての顧客の間で負担するということでございますが、その内容あるいは日本側の負担額というのを公表いたしますことは、これは当事者間の守秘義務に抵触するおそれがあるということで当事者が公表していない事項でございますので、御容赦いただきたいと思います。
○稲村稔夫君 ちょっと待ってくださいよ。守秘義務というのは、それぞれの業者が具体的にどういう金額の支払いをするということになっているかとかなんとかということを伺ったときにあるいは議論として出てくるかもしれませんが、このUP3に対するというよりもCOGEMAとの契約をしているものは、これはあなた方が三上さんのところへ出した資料によれば、十の会社が契約しているんでしょう、再処理について。九電力ともう一つ日本原電だったかな。そうすると、一社一社ではない全体で幾らになりますかといって、どこに企業の秘密があるんですか。
○説明員(日下一正君) お答え申し上げます。 これは先方との契約の中において、これはイギリス、フランスそれぞれ競合する競争相手でもございます。また、他の顧客にも契約条件が知られると、役務、サービスの売り手側として不都合があるという点もあろうかと思いますが、契約上契約内容については開示を禁止するという了解になっているようでございます。したがいまして、日本側の十の事業者につきましては基本的には契約内容、契約パターン、同様でございますが、十の電力の総額、全体を申し上げますと、実質的に個別のあるいは日本の事業者がどういう扱いを受けているかということが国際的に明らかになる。それはCOGEMAなりBNFLなりの今後の取引に支障が出るという契約当事者としての判断によって守秘義務が課せられたものであろうかと推察しております。
○稲村稔夫君 だけれども、またこれ出してきて申しわけないけれども、NHKが権威がないとあなた方が言うんだったらこれは別ですけれども、この中にちゃんとCOGEMAへ行って聞いているんです。それで日本は四〇%だと言っているんです。NHKが四〇%だと聞いてきている。それなのに私たちにはそういうことは全然知らされない、日本政府にも知らされないということなんですか。
○説明員(日下一正君) NHKないし日本のマスコミの方は取材活動の中でいろいろ事実関係をお聞きになられるわけでございますので、私どもその信憑性については疑うところではございませんが、私ども公の立場といたしましては、私どもが先方の了解を得た上でこの数字については公表していいあるいは国会に報告をさせていただきたい、結構である、こういう了解を得られたものにつきましては公表するのはもちろんやぶさかではございませんが、私どもが海外再処理を行っている日本の事業者から聴取いたしましたところでは、契約上の義務もあり、従来から同種の御要請があり、先方に照会したこともあるけれども、なかなか先方として開示には応じられない、こういうことであったように承っております。 しかしながら、先生御指摘の四〇%という数字、私正確かどうか手元にございませんが、考え方としては他の外国の電気事業者がどういう契約をしているかにもよりますから、契約内容がほぼ公平であると考えれば、再処理の委託量に比例配分するような形になろうかと思いますので、三割とか四割とか、日本側のお願いしています再処理量に比例した形に近くなるのではなかろうかと推察いたします。
○稲村稔夫君 これでいつまでも押し問答していても切りがないみたいですから、そうすると、再処理の費用というものの中にこれは含めるんですか、それとも含めないんですか、この負担金は。
○説明員(日下一正君) お答えいたします。 この増額につきましては、昨年のことでございますので、平成元年度の発電原価試算というのが私ども申し上げましたモデル計算でキロワットアワー当たり約六十銭ということでございますが、この当該増額分は算入された形になっております。
○稲村稔夫君 そうすると、この負担金額も再処理経費の中に、六十銭の中に含めて計算をしているということですか。
○説明員(日下一正君) 先生御指摘のとおりでございます。
○稲村稔夫君 そういたしますと、これから先またさらにこのCOGEMAのUP3については、今ジルコニウムのタンクを製作することが決められて、そしてその建設がされているわけでありますから、これに対する経費というのがいろいろと入ってくるということになりまして、経費がかさんでくるであろうというふうに予測をしております。それと新しい経費の増が含まれてくるのではないかというふうに思われるんです。 それからもう一つは、UP2からUP3に向けてパイプラインを設置して、そしてそのUP3が動かないうちにUP2を使ってというようなことなのか、あるいはそのUP2でもって前処理をしてUP3でやろうということにしているのか知りませんけれども、そういう工事もされているというふうに報道されています。これも経費があると思うんですけれども、その点はどうなんですか。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 今先生御指摘のとおり、一九八九年の十一月からUP2の工場のヘッドエンド工程を利用して運転が開始されておりまして、現在のところ順調な運転が続いているということでございますし、本年八月ごろにはヘッドエンド工程も含めました全面的な稼働に入る見込みというふうに我々は承知しておりますが、今のそういう建設費の増ということにつきましても、これは含めております。
○稲村稔夫君 ということになってくればくるほど、私はやはり再処理の計算の中にどういうものが入っているのかということはそれぞれみんな明確にしてもらわなきゃ困る、そう思うんです。先ほど私は金額ではなくて中のものはどういうものがあるかということを伺いました。内容としてどういうものがあるかということを伺いました。内容としてどういうものがあるかと聞いたときにも、私の方で聞かなければ、それが含まれておるか含まれていないかということがはっきりしないでしょう。そういう細かいことも含めて金額的にもし明示ができないというのであれば、それなりにこういうものが全部、こういう経費が含まれるんですということをあらかじめ明示をして、そして電気料金というものは、こういうものの中にはこういうものが含まれるんですということをそれこそ明らかにする責任というのがあるんではないでしょうか。その点については、審議官どうお考えですか。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 先ほどもお答え申し上げましたが、電気料金の原価といいますのは、やはり事業の公益性にかんがみできる限り明らかにするということが必要でございまして、今おっしゃった企業取引に悪影響を及ぼさない範囲で今のような可能なことは御説明していきたいというふうに今後とも考えております。
○稲村稔夫君 時間が来たから私は午後の方にあとは回しますけれども、もう少しここのところを具体的に私は提出をしてもらいたいと思っていますからなお念押しをいたしますので、皆さんはちょっとお疲れでしょうけれども、しばらく御辛抱いただきたい。
○委員長(山東昭子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十一分休憩 ─────・───── 午後一時三十七分開会 〔理事宮澤弘君委員長席に着く〕
○理事(宮澤弘君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、鳩山威一郎君が委員を辞任され、その補欠として野村五男君が選任されました。 ─────────────
○理事(宮澤弘君) 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○稲村稔夫君 午前中に引き続いてもう少し、細かいことを伺って恐縮なんですがお答えをいただ きたいと思います。 先ほど来いろいろと私が聞いたのに対して、こんなものも六十銭の中へ含まれる、こんなのも含まれるというお答えがそれぞれありましたが、そうすると、六十銭をはじき出すに当たってのそういう具体的な数値は政府の方でお持ちになっている、試算をされた方はお持ちになっている、お持ちになっているけれども委員会に出すことはできない、こういう意味ですか。
○説明員(日下一正君) 先生御指摘のとおりでございまして、私ども電力料金の算定の基礎あるいは発電原価のモデルケースの算定の基礎といたしまして数値は承知をしております。
○稲村稔夫君 その中で、先ほどのUP3の建設費の問題などについて、私は日本側がどの程度のものを全体として支払うことになるのか、負担がどのくらいになるのかということも聞いたわけでありますが、これについても政府は知っている、だがそれは言えないということですか。
○説明員(日下一正君) 先生の御指摘のとおりでございます。
○稲村稔夫君 それは私は非常に問題があると思いますので、それで試算をされたものが出せないということについてはやはり納得することができないわけでありますが、きょうはもう午前中資料のことを中心にしてやっているだけで時間ばっかりとっていますので、ちょっと先へ進ませてもらいますが、運賃については、この十銭は六十銭の外だと言いましたね。
○説明員(日下一正君) 六十銭の外でございます。
○稲村稔夫君 そうすると、返還プルトニウムの予想運賃についてはどんな金額になるかというようなことは算定できない、わからぬと、こういう答弁になっているんだけれども、わからないでどうして十銭という金額が出るんですか。
○説明員(日下一正君) 先ほどから御答弁申し上げていますのは、これは使用済み燃料を英仏へ輸送する運賃でございます。したがいまして、既にこれは経費が発生をしておりまして実績がございますので算定ができております。プルトニウムにつきましては今後輸送需要が出てくる、こういうことで費用について定かでないと御答弁申し上げた次第でございます。
○稲村稔夫君 そうすると、やはり発電原価については、輸送運賃だって発電原価の中に入る、電気料金の中に含まれることになるわけでしょう。そうすればコストはわからぬということですか。 〔理事宮澤弘君退席、委員長着席〕
○説明員(日下一正君) いずれにしましても、そのプルトニウムをプルサーマル、プルトニウムとウランとの混合燃料等の形で発電の燃料として使用していきます場合には発電原価を構成するものでございまして、今後算定される形になると思います。なります。なると思いますとちょっとふわっと申し上げましたのは、燃料のコストとして入ってくるかあるいはバックエンド、そういう使用済み燃料の処理絡みに関連した費用として算定するか、いろいろ技術的な問題もあろうかと思いますが、いずれにしましても、プルトニウムを原子力発電の燃料として使用していく過程で燃料コストの中に入ってくるものだと承知しております。
○稲村稔夫君 そうすると、結局最後のところは電気料金は幾らになるかわからぬ、こういうことになるわけですか。
○説明員(日下一正君) 私どもあるいはOECD等の場でプルトニウムを用いましたいわゆるプルサーマル、MOX燃料を用いました発電のコストについて試算をされております。先生御承知のとおり、原子力発電のコストは資本費が八割を占めておりますので、燃料関係あるいはバックエンド関係、いずれにしましてもその核燃料サイクル関係のコストは約二割でございます。 それで、プルトニウムを燃料の一部として用いた場合の経済性については、今まで試算されておりますのによりますと、おおむねウランだけを燃やした通常の今までの発電コストと変わらないあるいは若干高くなる、このような数字であろうかというふうに算定されているところでございます。
○稲村稔夫君 いずれにいたしましても、先ほどから私は電気料金についての公共的視点という言葉をここで申し上げました。これは審議官も認めているんですね。公共的なそういう料金について、試算も、私の方から言わせていただけば、極めて大ざっぱ過ぎるという面もあると思います。また、そうではないというにしては知り得ないことが多過ぎる、こういうことになると思うんです。 国民に知られないで物の価格が決まる、電気料金が決まるということについては、これは何としても納得のいくところではありません。この問題はきょうの協定書そのものについてのことではありませんから、また別の場で議論をしなきゃならない問題だというふうに思います。これは納得できるというものではないということを申し上げて、この点は以上にさせていただき、次へ進みたいと思います。 そこで、外務省の方に伺いたいんでありますが、今度のこの協定書を見てまいりまして私は最初の疑問がございました。それは、フランスから核燃料については供給を一部受けているわけですね。そういたしますと、フランスから購入をした核燃料、これを使用して使用済み核燃料としてフランスなりイギリスでもいいですが委託処理をしたときに、例えばフランスがそのプルトニウムを欲しい、あるいは我が国の方から、そういうことがあるかないかということは別にして、仮定の話ですからね、我が国から買ってもらいたいというようなことというのは理論的にはあり得るんですか。
○政府委員(太田博君) 理論的にはそういうことはあり得るかもしれませんが、実際にはそういう事態というのは想定されておりません。
○稲村稔夫君 私がその点を伺いましたのは、今度のこの協定書の中で、平和的な非爆発目的に利利用するという表現が使われています。平和的非爆発目的ということについて若干の懸念がありますので、明確にしておきたいという面があります。 「平和的非爆発」という表現で、ここに軍事というのが、例えば非軍事目的というようなことが中には書いておりませんが、これは何か理由がありますか。
○説明員(丹波實君) 本件議定書の幾つかの箇所で「平和的非爆発目的」という言葉が使われてございますが、この意味は、まず軍事的目的に使用してはならないということ、さらに核爆発のために使用してはならないということをあわせて意味しておることでございます。 ちなみにと申しますか、なお、第一条のAの(b)の中にフランスの保障措置が書かれてありますところに、「その管理の下で行われるすべての非軍事的原子力活動」という言葉がございますけれども、まさにこの「非軍事的」という意味は、逆に申しますと平和的な意味というふうな考え方でできておりまして、全体といたしまして、先ほど私申し上げましたとおり、軍事的目的に使用してはならず、また核爆発のために使用してはならないということを意味するものとして規定したつもりでございます。
○稲村稔夫君 ちょっとうがった懸念の懸念みたいな、しかもそれは理論的にあり得るかどうかというようなことで恐縮なんですけれども、例えばフランスから購入をした核燃料が使用済みになって、そして再処理を委託いたしました。そうしたところが、フランスの方では核爆発用のプルトニウムがもっと欲しいということでフェニックス用として使う予定にしていたものをそちらへ回して、そして我が国のプルトニウムをフェニックスに使う、こういうふうになったときは間接的には軍事とつながってくるということになり得ると思うんですけれども、その辺はどうでしょう。
○説明員(丹波實君) 日仏協定上は、あくまでも日本からフランスに移転されました核物質につきましては平和的非爆発目的にしか使用されないと いうことは協定の二条に明確にうたわれてございまして、私たちとしては、フランス政府はこれを守るという確信に基づいて本件協定をつくった次第でございます。
○稲村稔夫君 そうすると、それは両国の信頼ということの範囲で判断をするということになりますね。
○説明員(丹波實君) 日本からフランスに移転された核物質が平和的非爆発目的にしか使用されないということは協定の第二条から明らかである。別の言い方をいたしますと、日本から核物質が渡ったために、それだけフランスとして軍事力に転用される量がふえるということにはならないという考え方で協定をつくっておるつもりでございます。
○稲村稔夫君 先ほど私は理論的にあり得るかどうかという聞き方をいたしました。私はここの点でも理論的にあり得ることというふうに思うわけです。ですから、そういう意味では、国際条約というのは決して私は信用しないとかなんとかということを申し上げるのではなくて、全体の国際的な大きな流れがどう変わっていくかということの中で変化することもあり得る。だから、理論的なことも常に頭へ置きながら対応をしなければならぬ、こう思いますので、特にそのことは申し上げておきたい。 次に、第一条のAというところ、これは今までなかったものですね。機微な技術の移転の問題になるわけでありますが、ここで、日本側は「すべての原子力活動に係るすべての核物質について、国際原子力機関の保障措置が適用される」、こういうことになっています。しかし(b)の方で、フランスの側は、これは同じような表現、似たような表現になっていますけれども、ただそこに、フランス政府の指定するものに限定をされています。そうすると、これは日本側とフランス側とでは対応の違いというものがあることになりますが、この辺はどういうふうに理解をしたらよろしいですか。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘の改正議定書第一条のAの規定の仕方でございますが、ただいま先生御指摘のように、我が国に関して適用される保障措置の適用のされ方とそれからフランスについて適用される保障措置の適用のされ方の規定が異なっております。 その理由と申しますのは、我が国は非核兵器国といたしまして核防条約に加盟いたしまして、核防条約のもとでのいわゆるフルスコープ保障措置というものを受け入れているということに対しまして、フランスは核兵器国でございまして、核兵器国ではございますが、IAEAと自発的に協定を結びまして、いわゆる仏・ユーラトムIAEA保障措置協定というのを締結してそのもとでの保障措置が適用されることになっておりますので、規定の仕方が異なっております。ただし、実質上は日仏間で移転されます核物質等すべてに関しましてフランスが指定をするということはなっておりますので、実質上先ほど先生が御心配のような差別があるということではなくて、実際には日本からフランスに移転される核物質等すべてがフランスにおいて保障措置の対象になるということでございます。
○稲村稔夫君 その約束はどういう形の約束なんですか。何か形で、文章なら文章にしてきちんと確認をされていることなんですか。
○政府委員(太田博君) 保障措置の適用に関しましては、ただいま先生御指摘の第一条のAに協力の要件として記されているほかに、第二条のAという項目がございまして、ここにおきまして、ただいま御説明いたしましたような形で、フランスの管轄下の核物質について保障措置が適用されるということが規定されております。
○稲村稔夫君 ちょっと今のそのところも私はもう少し具体的に伺いたいんですが、要するに日本側は全部IAEAの、保障措置と言っているけれども、言ってみれば監視のもとに置かれますよということでしょう。でも、フランス政府は日本側と全く同じような体制にはならないということでしょう。これはどうしても不平等だという感じになりませんか。
○政府委員(太田博君) 先ほど申しましたようにフランスは核兵器国でございまして、当然に保障措置がすべての平和的利用に供されている原子力施設に係るということにはなっておりません。それに対しまして我が国の場合には、非核兵器国として核防条約に加盟をいたしましていわゆるフルスコープ・セーフガードを受けるということになっておりますので、保障措置の適用のされ方が核兵器国であるフランスの場合と非核兵器国である日本の場合とでは多少異なっているということでございます。
○稲村稔夫君 それは軍事施設が除外をされるという場合があるという説明であれば、それなりの理屈はわかりますけれども、平和的なのか軍事的なのか判断のつかない施設もあるでしょうし、それでまた、その平和的施設の中でもこれはフランス政府の方で指定をされなければということにはどうしてもひっかかるんですけれども、それは平等という形でいったら、どうしてもそこには不平等さというのが出てくることになりませんか。
○説明員(丹波實君) 先生の提起しておられる御疑問、極めてもっともな疑問と私たち実は考えまして、まさにこの点を、少なくとも日本の核物質でフランスに行ったものについてはきちっとした保障措置が適用されるような規定ぶりをどこかで書かなければいけないということが実はフランスと交渉して非常に大きな難しい問題の一つで、結果的にはそれを明確にできたと考えております。 そのことを御説明申し上げます。 第二条のAの一項で、一項の(b)のところにフランスがユーラトム及びIAEAとの保障措置を受けるということが書かれておりますけれども、これに関しまして別途合意議事録というものをつくりまして、その合意議事録の二項の中で、普通の言葉で申し上げますと、いろいろ書いていますが、要するに日本から行った核物質についてはフランスは保障措置の対象として指定するということを明確に書かせたわけです。したがいまして、確かに不平等云々という点は一般論としてはございます。先生のおっしゃるとおり、それはNPTその他の関係からくることでございますからしようがないと思うんですが、日本から行った核物質についての保障措置についてはきちっと保障措置が全部係るということは私たちとったつもりでございますので、ぜひそういうぐあいに全体を御理解いただきたいと思います。お願いいたします。
○稲村稔夫君 今の外務省の御努力についての意味は理解をいたしました。ただ、問題として残るのは、こういう条約上の問題として残るということにはやはりいろいろと問題があるなということを私は感じているわけであります。 次に移らせていただきましょう。 第八条の(d)に「公開の情報」の規定があります。ここが今回は「秘密指定」ということに書きかえられたわけですけれども、この理由を述べてください。
○説明員(丹波實君) これは現行の協定、旧協定にいずれなるんだろうと思いますけれども、では、「「公開の情報」とは、「秘・防衛」又は「極秘・防衛」」というふうに書かれておりまして、私も含めて先生も、一体これは何だと、非常になじまない言葉になっておるという印象を抱かれると思うんです。これは実はもともと「秘・防衛」、「極秘・防衛」というのはフランス政府が使っている言葉をそのまま使っちゃったんで、どうもそういう意味では日本国民の言葉の感覚からもなじまないということで、この議定書におきましては、「「公開の情報」とは、秘密指定を受けていない情報をいう」と。しかし、言葉をかえても内容的には同じことを言っているということは、日仏間のこの議定書をつくる交渉の過程で確認しております。したがって、言葉はかえましたけれども、言わんとしていることは変えておらぬ。ちなみに、ここで言わんとしておりますことは、安全保障上の観点から「秘密指定」を受けたものと いうことを意味しておりまして、ちなみに日本におきましては原子力基本法に定めます公開の原則ということからいって、日本にはそのようなものは存在していないということでございます。
○稲村稔夫君 私がちょっと危惧いたしましたのは、例えば「秘・防衛」というときに、それでもやはりそこでもひっかかることはひっかかっているわけですけれども、単純に「秘密指定」ということで言ったときに、秘密というのが、果たして本当に公開をしないということが適切であるという秘密であるかどうかということがやっぱり問題になると思うんです。これは私は今までの原子力関係についてのいろんな議論をしてきた中で、原子力関係にはかなり秘密に属するものというのが多いわけです。しかし、私たちは必ずしも秘密にすべき事項とは思わないというものも随分その中には含まれている。こういうことになるものですから、単純にただ「秘密指定」というふうに言われたときに、今の日本の原子力、むしろもっともっと積極的に公開してもらいたいというものがあるのに、今の状況そのまま固定をしてしまって秘密裏にみんなされてしまうのでは、これは困る。こういう感覚が私の方にあります。その辺は束縛することになりませんか。
○説明員(丹波實君) 先生の御懸念よく理解いたしますけれども、先ほど申し上げましたとおり、ここで言う「秘密指定」の意味は、安全保障上の観点から行われる秘密指定のことを言っておりまして、日本に関する限りは原子力基本法の考え方からしても、そのような指定を受けなければならないようなものは現在存在してないということでございますので、日本に関する限り、先生の御懸念は……
○稲村稔夫君 秘密はない。ここに適合する秘密はないということですね。
○説明員(丹波實君) はい。
○稲村稔夫君 わかりました。 そこで、この協定が結ばれますと、フランスとの間で、これも午前中資料をめぐって議論がいろいろとありましたように、再処理技術について我が国は移転を受ける、こういう形になるわけであります。 そこで、再処理技術について少しく伺っていきたいと思うわけでありますが、その再処理技術の中で今一番問題になっているものの一つに環境汚染という問題があると思います。この点については、イギリスのセラフィールド、ドーンレイなどで具体的に再処理工場の周辺地域で子供の白血病が随分問題になって、大分前からイギリスでは問題になってまいりました。ごく最近になりまして、さらにそれが再処理工場で働く労働者の被曝が一レムの被曝であっても白血病の子供ができる、そういう可能性があるというかなりショッキングなものでありますけれども、そういう論文が発表になりました。 そこでちょっと伺いますが、私が要求した資料の中に、イギリスのことしの二月に発売になりましたブリティッシュ・メディカル・ジャーナル、その中にある今のガードナー教授、サザンプトン大学の人ですが、合計五名の皆さんの論文というのを要望いたしました。これはまず資料提出をされた科学技術庁はお読みになりましたか。
○説明員(大森勝良君) お答えいたします。 私自身もとりあえず目を通しておりますが、専門家にも目を通してもらっております。
○稲村稔夫君 いつ目を通されましたか。
○説明員(大森勝良君) 新聞等でも取り上げられた関係上、これの発表後、比較的短期間のうちに目を通したというふうに記憶しております。
○稲村稔夫君 そういたしますと、これまた私けちをつけるようで申しわけないんだけれども、私が資料要求をしていただいたのは、こうやって原文のコピーをいただいたんですが、私は語学と物理学が苦手で農業の方をやっていたんですよね。だから、こういう原文のやつというのは実は相当頭が痛いんです。内容はいろいろと読んでもらったりなんかして私の方も四苦八苦いたしましたが、日本語に翻訳したものをお持ちになっていないんだろうかとも思いますけれども、要点くらいを日本語に直したものがいただければ、もうすぐあなたの方でわかったのは、これ発表されたのは二月ですから、その後すぐだということですから、という感じがするんですけれども、これは苦情として申し上げておきます。 そこで、イギリスでこれほどの問題があるということを考えたときに、我が国で再処理工場をつくるといったときに、このことは大分真剣に検討しなきゃならない課題だというふうに私は思うんですけれども、その辺科学技術庁はどういうふうに考えますか。――待ってください。それはあなたの答えることじゃないでしょう。
○政府委員(石田寛人君) 本件につきましては、私の横におります大森核燃料規制課長が規制の第一線におりますので、大森核燃料規制課長が答えることが妥当と存じますので、大森課長の答弁をお許し願いたく存じます。
○稲村稔夫君 ちょっと待ってください。それは、審議官はこのことは内容を御存じないということでそういうふうにおっしゃるんですか。
○政府委員(石田寛人君) 私自身は担当は若干異なりますので、本ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに関連いたしますこと、こういうことが起こっておることは存じておりますけれども、この内容についてつまびらかに御説明するバックグラウンドは持っておりません。
○稲村稔夫君 私はこの中を説明してくれとは今言っていませんでした。この中にあることが非常に重大な問題を提起していると思うので、我が国が再処理工程を考えるとしたら、考えなければならない重大問題ではないかというふうに申し上げた。だから、説明員の答弁ではだめだと言ったんですよ。
○政府委員(石田寛人君) 御指摘のとおりに、再処理施設から放出されます放射性物質等々によります公衆の被害を避けることは、再処理施設等の計画、建設、運転に関しまして最重要事項であると認識いたしております。したがいまして、諸外国におきますこのようなもろもろの再処理施設にまつわりますいろんな科学的な知見につきましては、十分配慮すべきことと思っております。
○稲村稔夫君 ちょっと飛び火をして大変申しわけございませんが、外務大臣、たまには御質問申し上げないといけないだろうと思いますので。 外務大臣は、十九日の審議の中で、原子力についての問題は、自然科学を若いころにやったので、それで比較的理解が速い方だと、それでもいろいろと難しい問題があってというようなことを御答弁になっておられました。たしかお医者さんの御出身だというふうに思っておりますが、科学の進歩というのは時間の経過によって随分大きな違いが出てくる、こういうことがあると思うんです。 それで、今の実はセラフィールドの再処理工場の問題というのは、今まで私たちが持っていた放射線による人体への影響、放射線を体内に取り込んだときの影響、これについて全く新しい医学的な見地からの、医学的といいますか、疫学的な観点からのものですけれども、問題を提起しているんです。我が国は、今フランスとイギリスに再処理を委託しようということになっています。そのときに、一つの国のイギリスにおいてこのような新しい問題が出てきているということ、これは医学上の問題としてもかなり真剣に検討しなければならない課題になるんじゃないだろうか、そう思いますけれども、その辺は私は今外務大臣として伺っているということよりも、しかしやっぱり外国へ委託をするわけですからね、その関係がありますので、どのようにお感じになるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) いずれにいたしましても、その国その国で再生処理あるいは原子力利用をやる場合には、その国の国内法に基づく安全基準、安全管理のための基準が持たれているということは、私は各国ともそれぞれそういうものが厳重に守られていることと思います。現に、日本におきましても、放射線医療の問題では千葉に国立 の研究所がございますし、私も実際そこも視察をしてみました。いろんなところで、原子炉の中も私は視察をしたこともございます。しかし、そこに入ります前には当然安全管理ということが厳重に行われているということが原則でございまして、私はそのイギリスの再処理工場におきましても、フランスの再処理工場におきましても、その工場の管理者が従業員あるいは周辺住民のために放射能防御について十分な管理をするという当然の責任があるものと、このように考えております。
○稲村稔夫君 責任の問題はそうでありましょう。しかし、これは現実に、そういう今のように一レムでも父親が被曝をした場合に白血病の子供ができる。このBMJの論文の前に書かれている、インペリアルですから何でしょう、帝国というのか王国と言ったらいいのかわかりませんが、言ってみれば王立がん研究基金がん疫学部のディレクターでいらっしゃるバレリー・ベラルという教授が、これから子供をつくる父親は十分に御注意をと書いているんですよ。かなり権威のある方だと思うんですが、この書かれている方々は。そういう問題というのは、これは非常に我々としても軽視することができない。その国の管理者の責任だということだけで済むことではない、人類全体の問題としてやはり考えていかなければならない課題なんではないだろうか、そんなふうに思うんですけれども、その辺はいかがですか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、小児白血病の異常発生とそれから患者の父親の外部被曝線量との相関が高いということ、あるいは今おっしゃった百ミリシーベルト以上の被曝のあった父親の子供については相対リスクが高いということ等については、確かに私ども原子力に携わる者にとりましては注意して見守っていくべき情報であろうと思っております。現在、先生御承知のように、イギリスの政府におきましてもいろんな調査が進められておることは御承知のとおりでございまして、それにつきましても私ども重大な関心を持って見守っていきたい、かように考えておるところでございます。
○稲村稔夫君 これは今、たまたま一番新しい情報として、私が手に入れたものの中では一番新しかったわけです。しかし、その前にセラフィールドについてはかなり膨大な調査の結果が出ていますね。一番最初は一九八四年ですか、のブラック報告、それからその後一九八八年のコマリ報告。コマリ報告は、あれは三回にわたってですかね。ということで、これも資料請求いたしまして、これはお持ちになっていたようでありますからさすがと思ったんでありますが、ただ、余部がないから貸し出すからという話で、私もねじり鉢巻きと足りないところはもう大急ぎで人に頼んで一生懸命読んでもらったりしたけれども、結局きょうに間に合うほど中は読み切らぬわけですね。だが、そのおおよその解説というのはもうあちこちでも出ておりますので、そういうものには私は目を通さしていただきました。 そういたしますと、セラフィールドにおいては、こういう直接のものではないとしても、また広島、長崎の、今までの世界の放射線の人体に対する影響というものの基準、その出発点は広島、長崎の被曝、これが基礎になっているというようなことでありますけれども、それらの広島、長崎の体験では、それをもとにしたのでははかり知れない、言ってみれば長期間の低レベル放射能による被曝の影響というものもかなり重大な問題であるというようなことがブラック報告あるいはコマリ報告の中からうかがい知ることができる。その中に参加をされた学者の中にはそのようなことを言っておられる方々がおいでになるということであります。 そうすると、我が国の基準というのにもやっぱり検討し直さなきゃならない課題があるんじゃないですか。その辺はどう思っていますか。
○説明員(大森勝良君) ただいまのコマリ報告、それから最初に御指摘になりましたサザンプトン大学のガードナー報告でございますけれども、先ほど私申し上げましたように、これらを日本の専門家にも見てもらって検討しております。先ほど御指摘のありましたブラック報告、コマリ報告、それからガードナー報告について専門家が読んで、その報告はこう言っているというところの短い結論だけ申し上げさせていただきたいと思うんです。 三次のコマリ報告、それからその前にブラック報告もございますし、それから英国放射線防護庁の報告等も出ております。いずれの報告にも共通しておりますことは、セラフィールドの再処理施設の周辺で英国の平均に比べて小児白血病が多く発生しているという事実に関しては統計的に有意であるという確認をしているわけでございますけれども、再処理施設から放出された放射性物質に起因する線量を別途評価はしておるわけですが、その線量は自然放射線より少なくて、したがって再処理施設の影響とは考えられないというふうにしておるわけでございます。また、化学物質でありますとかウイルス等の放射線以外の要因についても、さらに調査を行う必要があるというふうにその報告の中で述べられているところでございます。そういうことで原因を確定はしていないというのが現状でございまして、さらに調査が続けられているということでございます。 また、一方かわりまして、ことしの二月に出ましたガードナー論文でございますが、これは同じ小児白血病に関しまして、これまでは施設が出した放射能が人に被曝を与えて、その結果として子供に白血病を多く起こさせているのではないかという観点からの検討であったわけでございますが、そういう施設から出されたものではなくて、逆に父親が施設で働いていて、その際に受けた被曝を原因として小児白血病が多く発生しているのではなかろうかということを一定の統計的な手法でもって処理して、それを原因の一つではなかろうかというふうな形で指し示したものというふうに考えております。 このガードナー報告につきましては、先ほどのコマリ委員会、これは英国保健省の諮問機関でございますけれども、このガードナー論文につきましても見解を示してございまして、ちょっとまとめて申し上げたいと思います。 父親の外部被曝とその子供の白血病の発生との間に統計上の関連性が示されているものの、因果関係の証拠を得るまでには至っておらず、小児白血病の異常な発生の原因として考えられ得る一つの可能性を示したものである。また、本研究結果は極めて少ないデータに基づいており、またその結論がこれまでに示されたことのないものであるため、これは先生御指摘のようなこともあるわけでございますけれども、広島、長崎に関しますさまざまな研究で得られている結論といわば反する点もあるわけでございますので、その解釈については慎重でなくてはならないというふうに言っております。またさらに、関連する研究を現在進めておるので、またこれから進めようとしておるので、それによって本研究結果のより明確な評価が可能になるであろうというふうにしておるわけでございます。 そこで、私ども放射線防護を我が国においていかにしておろかという点につきまして申し上げたいと思いますけれども、我が国につきましては、平常時における施設から放出される放射性物質、これが法令で定める限度を超えないことは当然でございますが、これを下回るということのみならず、合理的に達成できる限り低くするということが設備設計に反映されているということを確認するようにしております。このようなことによって線量が実際に低く抑えられている。これは施設外の一般の方々が浴びる線量についてもそうですし、また施設の中で働く従事者の職業上の線量についてもそうでございます。 そういうことから、現状の私どもの規制の姿の中では、確かに非常に私ども重大な関心を持ってこのイギリスの状況を見守っておるわけでございますが、現状の被曝に関する我々の安全規制について、直ちにこれを変えるという必要性は今ない のではないかというふうに思っております。
○稲村稔夫君 課長は御専門は何ですか。
○説明員(大森勝良君) 大学では工学部の原子力工学科を卒業いたしました。
○稲村稔夫君 ちょっと失礼な聞き方をして大変申しわけありませんでしたが、そういう専門的な立場に立ったら、不確かさ、未知のもの、そしてそういうものについての判断を伴うというのがいかに自分たちの周りでやっていることに多いかということは十分御承知のはずですね。御承知の上で今のような御答弁をなさっているんですか。
○説明員(大森勝良君) 放射線防護に関しましては、国際的に放射線防護委員会、それから国連におきましても放射線に関する専門家のボード、こういったものがございます。こういったボードでこれまでこうしたイギリスにおける研究、それから我が国における研究も含めまして、継続的に見直しがされている。そして、見直しに基づいて私ども安全規制を厳に実施しておるわけでございます。その見直しは現在も継続的に進められておりますので、そういう際にもちろんその知見が反映されていけば、私どもの規制の方にもはね返ってくるということは当然でございますが、現時点での専門家の判断も含めまして、現状では先ほど私申し上げさせていただきましたとおりの判断でございます。
○稲村稔夫君 私がそういうことを申し上げましたのは、これまた本を出してきて申しわけありませんが、これは「放射線の人体への影響」ということで、イギリスの学者の皆さんの討論が内容として収録されています。この中にはブラック報告の責任者でありましたブラック卿も参加しておられます。そしてこの討論は、言ってみれば規制側というのか、現状の立場に立つ人たちと、それからもっと規制を強めなければならないという立場の人たち、両方それぞれの立場で物を言われていますし、また、一般の人たちと言ったら言葉が悪いかもしれませんが、自治体のそういう人命等にかかわっていたり、あるいは清掃にあれしていたりというような人たちも参加をしているようです。そして、その討論にはそういういわゆる素人と言われる人たちも一緒に参加をして、疑問を出して、それに対して学者の皆さんがまた答えておられる部分もあります。そういう中で、例えばブラック報告にいたしましても、報告書は出したけれども、その中で未知の部分、未確定な部分がいかに多いかということは、この中からもうかがい知ることができます。 私は、専門家という立場の皆さんというのは、そういう不確かさやいろいろな未知の部分というものの中に、そうしてそこの中でこの程度で大丈夫だろうという言ってみればそういう判断、あるいはこれだから大丈夫なんだという人間としての判断というのが加わっている。そこの辺のところにその判断をめぐって、未知の部分や不確かなものの判断をめぐって私は専門家の間で両方の意見、議論が出てくるんだというふうに思っているんですね。そしてそのことが一般の人たちにも理解をされるということが非常に大事なんだと思うんです。ですから、私はこういう討論をされたというイギリスの学者の皆さんのあり方に随分敬意を表しているわけです。 そこで、これまた直接外交ではなくて申しわけありませんが、外務大臣に伺いたいんであります。お医者さんの御出身でいらっしゃるということゆえでまことに申しわけございません。 私も若いとき結核をやりまして手術を受けました。私よりも後で手術を受けた人で縫合がうまくいかなかったようでありまして、出血が随分続いてかなり大量の輸血を受けました。私は先に退院してしまいましたから、その方がどうなったかということはその後はわかりませんが、最近いろいろその当時大量の輸血をやった人たちの肝炎の問題などがやっぱり知らされるようになってまいりました。そのころはそんなことはわからなかったですね。極端な言い方をすれば、もうABOの血液型が合えばとにかく輸血で何とか救おうということだったと思うんです。今日の状況と年月が非常に間が離れておりますから、当時はとてもじゃないけれども気がつかなかったことというのはいっぱいあったわけですから、という形だと思うんですね。私はその当時のお医者さんたちのやり方が決して悪いと言うんじゃなくて、それぞれにみんなすばらしかったと思うんです。一生懸命に皆さん努力をしておられたと思うんです。でも、そのときにどういう、私も手術を受けましたが、手術を受けるときにやっぱり同意書というのをちゃんと書きました。同意書を書くときに、こういうことだよといろんなことを私どもも知らされるんですね。そういうことというのは、例えば医学には全くの素人である私にもわかるように御説明をいただいて初めてサインするわけです。判こをつくわけですね。ということになりますので、その辺は私は専門的な知識に立ってその仕事に従事していればしているほど未知なものについての慎重さというのが必要だというふうに思うんですね。 今、肝臓移植が問題になっていますね、肝臓の生体移植。あれは子供さんの例えば両親の方にその未知な部分、危険性、いろいろなことを説明して納得をされた上で手術をされるんだろうと思うんですけれども、その辺お医者さんの道義なんでしょうか、という観点からいったらそういうふうにしておられると思うんですけれども。その場合に、親御さんのうちのどちらかがそれだったらということで難色を示された場合は、手術というのを説得をされるようになるんでしょうか。その辺はどんな御判断になりましょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 大変難しい問題だと思いますけれども、科学者は絶えず未知なる神秘の探求をしていくというのは基本的な科学者の姿勢だと思います。しかし、それなりに未知なるものを開発していく、探求していく中には、それが社会にどういう影響を与えるかということについても、それについて何といいますか、評価をする、こういう二面性がないと自然科学の開発というのは絶えず危険が伴うものと私は考えておりまして、ここはちょうど政府と議会との関係のようなものではないかと思います。評価するシステムを持っていなければ非常に危険性が伴うことは現実の問題として幾つかあると思います。 そういう意味で、私は例えば今回の条約を締結して六ケ所村に再処理の工場をつくるというようなときにも、結局住民の方々が国民の代表を通じてこの問題がいかなるものか、またそれがどういう影響を地域の住民に与える可能性があるかということを御議論いただいているのが今日の姿ではないかと思います。 先ほどから委員大変厳しく政府に対して追及をしておられますけれども、私当然のことだと思うんですね。ただ、政府は政府で情報を集める、議会は議会で情報を集めると、情報量の違いというものが確かにあることは否めない事実だと思うんです。それはやはり政府の方も相当情報を集めますけれども、議会は議会で独自に、例えば科学技術委員会の調査室が積極的にその資料の分析を行っているのも、それが議会で活動される先生方に対する情報提供のための一つの議会の機能だというふうに私は思っておりますが、私は、今肝臓の話をされましたが、肝臓だけではなしにいろんなやっぱり自然科学の問題について、日本の議会と政府の関係というものの中に、議会はどうしてもそういうものに対する情報の入手が難しいというのは否めない事実であると思います。 しかし、その点はアメリカなどへ行かれると、御存じのように、オフィス・オブ・テクノロジー・アセスメントという組織がございまして、あそこは上下両院でこれを管理する委員会を持っています。そして百五十人ぐらいのスタッフを全く議会と関係のないところに持って、しかも総勢六百人ぐらいの専門職のコンサルタントを擁しています。そこでは臓器移植にとどまらずありとあらゆる自然科学の分野について、いかなるものが国民のために必要か、それに対する問題点が何かという評価を絶えず議会にレポートとして送っているわけです。そういうシステムが日本にないために、なかなかこういうふうな問題についての政府 側の説明あるいは政府側の提供する情報と議会側の情報と認識との食い違いが起こってくる。ここに日本の議会のこれから反省すべき問題点が一つあると思います。 私も議会に議席を持つ人間として前からこの問題を主張しておりました。しかし、この問題について理解しないんです、ほとんどの国会議員が。(「僕らの責任ですか、それは」と呼ぶ者あり)そうですよ。いや、私は本当にこの臓器移植の問題でも、自分が超党派の議員連盟をつくってやって、なかなか議会の同意が得られない。そのために私は議員立法で、政府も怖がってこの法案を出さなかった。私が野党の公明党と民社党の先生方と相談をし、最終的には各党の合意をいただいて共同でこの国会に議員立法でこの法案を提出して、今日脳死臨調というものが現実に国民のために国民の代表によって公正な立場で議論されるように法律が整備されていると、こういう努力をやっぱり政府と与党と双方でやっていくということがこれからの科学技術を進めていく上に大変大事だと、私はそういうふうな認識を持って政治家として働いております。
○稲村稔夫君 大臣の見識を本当にありがとうございました。 もう一つ確かめておきたいのは、さっきのかなり具体的な話のことです。肝臓移植を受ける子供の御両親のうち、多分その説明は十分されて、そして納得の上でということなんだと思うんです。そうでなきゃできないはずですね。そのときに、説明を聞いたら、その御両親の意見が分かれちゃったというような場合に、あえて説得に入るものなんでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 説得に入るのは医師の立場で医師が説得をする。しかし両親のうち片方はそれを受けない。もちろん自分の臓器を提供するわけですから、これは危険が伴うのは当然のことだと思います。しかし、私もこの臓器移植問題を専門的に調査してきましたけれども、もしその親が拒絶した場合に片親はどう言うか。それは、あなたは子供を愛していない、こういう言葉を必ずこの夫婦の片方は言うに違いない。だから、いわゆる脳死状態からの臓器を摘出することが現在の科学では最も賢明に近い方法ではないか、私の出した結論はそういうことでございまして、私は基本的に生体肝移植は反対であります。
○稲村稔夫君 外務大臣、ありがとうございました。 そこで科学技術庁長官、私がこんなことを外務大臣に伺いましたのは、今の原子力、特に原発とか、特に再処理施設等々にかかわっての問題で、六ケ所村を中心にしてのいわゆる住民との対応の問題、このことを頭に置いているからなんです。私は、人間の命にかかわる心配があるものについては、当然残っている危険な部分のもの、そして、だが克服できる部分あるいはそういうものを、どちらをどういうふうにして選択するか、選択はやっぱり国民の皆さんの判断によるというふうに思うんですね。 ちょうど子供さんの臓器移植について、いろいろな観点からの条件を危険性も含めて検討して、そして御両親が納得すれば、それは移植が行われるということになるでしょう。しかし、御両親の中のどもらかがその中で反対をされるということになれば、嫌だということになれば、肝臓移植は実施されないということになるわけでしょう。しかも、今私は外務大臣の生体肝移植には反対ですと言われたことについて、御見識だというふうに伺いました。本当に敬意を表します。 〔委員長退席、理事宮澤弘君着席〕 私は、生きた人間社会というのはみんな同じような観点で対応しなきゃいかぬのじゃないか。先ほど来、未知の部分、不確定な部分というようなことをいろいろと私は言いましたですね。そういう未知な部分、不確定な部分も含めて、やっぱり住民がきちんと理解をするようなそういう措置というのが、そういう努力というのが政府側にとっては大事なんじゃないだろうか、そう思うんですけれども、その辺は、科学技術の分野での最高の責任をお持ちになる長官はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(大島友治君) 私、ただいま外務大臣のお話を聞いて、ともに脳死の問題も勉強させていただいた。しかし私は全くの素人であります。しかし、いろいろその問題点は難しい。大臣も、脳死の場合の臓器移植は可なるも、生体の移植は不可だというような結論を今も出されたようですが、しかし、と言いながらも、現実に実施の段階に入っておるということを見れば、これをいかに片づけるか非常に難しい問題である。 と同様に、やはりこの連日問題になって御質問いただいておることについても、先生の御心配いただいているような現実というものを踏まえながら、いかに国民の理解を得るようなことをやってこれを進めるべきか。私どもの立場とすると極めて難しいけれども、これを今だめだというふうに結論づけるわけにもいかない。やっぱりそういう問題のポイントも踏まえながら住民の理解と国民の理解、協力を得るために努力しているというのが私どもの立場なんでございます。
○稲村稔夫君 長官の複雑な意味合いを込めての御答弁、この場ではわからぬわけではないけれども、国民にはそのままでは通らないという感じがしますよ。 またこれちょっと自分の体験から申し上げて大変恐縮なんですけれども、私は畜産加工の方の勉強を少しいたしました。学生時代にその研究室にいまして、北海道庁から、子供に離乳食を食べさせたら、離乳食の粉乳と穀粉のまざったものですね、それを食べさせたら下痢を起こして死んじゃったという事故が幾つかあったということで調べてくれということで持ち込まれました。下調べをするように教授から言われました。五人ほどでもってアンモニアがないかどうかということで窒素の測定から始めました。窒素の量でもってアンモニアの量がある程度推計できるわけです。それから細菌の、ばい菌、バクテリアですね、それの調査をいたしました。いずれも許容範囲でありました。問題なかったわけです。そこでその五人の学生みんな、当時ひもじい時代でしたから、いいあんばいに教授は帰ってしまっておりましたから、十袋くらい持ち込まれましたので五袋あけまして、そしてお湯で練って食べちゃったんです。そうしたら翌日みんなじんま疹でやられましてね、下痢にもやられました。結局プトマイン中毒というのでやられたということであったようであります。これはまさに生兵法ということで失敗をいたしました。 同じ研究室で今度は、その当時は肉を加工する、ハムをつくるとき亜硝酸を入れると色がきれいにでき上がります。この亜硝酸を入れましてハムをつくった。そのときに委託をした農家の方がそれを見まして、こんな薬入れて大丈夫なんですか、そう言われたんです。それで、いや亜硝酸というのは人体に影響がありませんから大丈夫です、私たちそう教わったんですと。当時それが常識だったんですよ、まだ。今は亜硝酸は絶対だめです。でも、そのときに全くの素人である農家の皆さんが率直に出した疑問、こんなものを入れていいんですか、こんな薬が入ってもいいんですかといって出された率直な疑問が実は当たっていたわけですよね。もう卒業論文書いているころですからいっぱしの専門家になったつもりでいた方が、実はもう当たり前のこととしていつの間にか未知な部分、不確定な部分、そこのところを確かめることを省略していた、忘れていたと言ったらいいのかもしれません。 こういう体験を考えていきますと、今の原子力というのにはまさにそういうことを改めて考えなきゃならない、そういう時期が来ているんじゃないだろうか。そのことを先ほど来のセラフィールドの幾つかの事件、調査というのは私たちに知らせているんではないだろうかと思うんですが、その辺は長官だったらどう考えますか。
○国務大臣(大島友治君) 大変難しい御質問を御体験の中からの問題として投げかけられたわけでございますが、一応私も理解できないでもござい ませんが、しからば、今の原子力というものを考えた場合に、その亜硝酸に相当するものであるかを断定することができるかどうかということになりますと、まだ私もそこまで断定の域にはいっていないということで、基本的には、先日も申し上げましたように、日本のエネルギーの問題、資源の問題、そして産業、経済というものを考えた場合に、やはり全くネグレクトするわけにはいかぬというところから、いろいろ派生する問題を慎重に検討し、これを排除することに努力しながら現在やっておるというのが私の心境でございます。
○稲村稔夫君 それじゃ、もう少し違った聞き方をさせていただきます。 例えばセラフィールドなんかではこういうことが起こっています。そしてこんな議論が今起こっています。こういう危険性というのは今研究の最中です。まだわかりません。しかし、日本のエネルギー事情はこうなんであります、そういう言ってみれば陰と陽というんでしょうか、そういうことをはっきりとさせながら、住民の皆さんに、私たちはそれで原子力を選ぼうと思っているんですが、皆さんはどっらを選びますか、こういう提起の仕方だってあるでしょう。 〔理事宮澤弘君退席、委員長着席〕
○国務大臣(大島友治君) たまたま専門の方からも一応回答させたいと思います。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 私もたまたま大森核燃料規制課長と同じような専門を持つ者としまして、先生の御指摘非常に、私は今もう専門家ではございませんけれども、不確定性のことにつきましては極めて重要なことであろうと認識しております。実際、科学技術庁の不確定性がすべて解明されることは非常に望ましいですけれども、これはもちろん先生御承知のように望んででき得ることではなく、不確定性をすべて解明することは世の中の森羅万象すべてを認識するということでもございますので、とてもそうはならないわけでございます。 その意味では、例えば原子力の場合について申しますと、核分裂エネルギーの発見あるいはそれを安全、安定に取り出す技術の開発、一連の流れを見てまいりますと、どこまでどういう状態になれば周辺の皆様に御迷惑をかけずに実際できるか、そういうことであって、その辺、先生のおっしゃいますように、絶えずアンサーティンの部分はあるじゃないかということがあるわけでございますが、その不確実性の部分につきまして全体見た場合、周辺の皆様に御迷惑をかけずにやれる、そういうところを見きわめて踏み切るということであろうかと思うわけでございます。 それで、放射線の人体に対しまして与える影響について申しますれば、これは先生よく御承知のとおりに、私どもこの地上に生きております限り、好むと好まざるとにかかわりませず、前の単位で申しますと年間百ミリレムの放射線を受けておること御承知のとおりでございます。これまた地上、場所によりまして違うのは御承知のとおりでございまして、花崗岩層のところでは若干放射線量が高い。東京、関東ローム層の上におります我々はそれよりもかなり低いという若干の変動がありますこと御承知のとおりでございます。そういう、全体我々は好むと好まざるとにかかわらず年間百ミリレムの放射線を受けながら生活しておるわけでありますが、もちろんこの放射線とて少なければ少ないほどいいという謙論があるかもしれません。あるいは最近の議論によりましてそうではないという、いろいろな議論があるようでございますが、いずれにいたしましても、その中で原子力エネルギーを取り出すために必要な施設から出ますところの放射性物質によります我々が新たに受ける放射線量というのは、例えば関西と関東の違う量の幅のうちとか、基本的に申しまして新たな物質を我々の体に負荷するわけではない、そういう状況であるということも先生御承知のとおりでございます。 それもすべて含めまして、私ども全体原子力の実態がいかなるものであるかということを客観的に、私も個人的に極めて説明下手でございますのでうまく申し上げられませんけれども、客観的に、冷静になかなかうまく申し上げられませんが、そういう状態におきまして皆様方によく御説明申し上げ、どういう格好でどういう選択があり得るかということにつきまして十分な情報を差し上げますことは極めて重要なことであろうかと考えておるところでございます。
○稲村稔夫君 審議官、私はこの間の審議のときにあなたの答弁でちょっとひっかかったときもあるんです。 というのは、正確にその言われたとおりのことは覚えていないけれども、たしかあれは久保田さんのときだったか堂本さんのときだったか、再処理にかかわってのあれで、今の大衆に害を及ぼすようなことにはならないようにというその観点から、そういうことは起こり得ないという言葉をあなたは使った。あなたは、今は専門家でない、かつては専門家だったみたいな言い方が今あったけれども、起こり得ないという答弁というのは、これは生兵法の方ですか、それとももう少し何か別に意図があってのことですか。非常に意地の悪い聞き方をして申しわけないけれども。
○政府委員(石田寛人君) まず、専門について申しますと、今も昔も私は原子力の大専門家であったことは一度もございません。絶えず単なる国家公務員でございます。ただ、大学におきましてたまたま原子力工学を学んだ、それだけでございます。 起こり得ないと私はあのとき申し上げましたが、起こり得ないと考えておりますと申し上げたと思いますが、実際、これは厳格な安全規制を実施することによりまして公衆の安全に支障を来すようなことは起こり得ないと考えておると申し上げたわけでございます。
○稲村稔夫君 私はそういう言い方というのは、本当に厳しい言い方をさせていただけば、今御答弁になったのは言い抜けのための答弁ということになると思うんです。要するに未知の部分、不確定の部分というものを持ちながらその害を及ぼすということがあり得ないということは、それこそ言えることではないということになるわけでしょう。 そして、私が先ほどからずっと言っているのは、ちょうど生体移植がいいか悪いかということは別にしても、少なくとも生体移植のときには御両親の両方ともがその気にならなかったらだめなものです。そのためにはリスクの分も全部十分に納得をした上でもってそういうことにならなきゃならないんです。にもかかわらず、今の科学技術庁がやっておられる住民に対する説得というのは、リスクの部分についてはもうほとんど触れられていないじゃないですか。このことをやっているともう私の持ち時間なくなってきちゃうんです。時間が私は余るかと思って心配していたら、足りなくなっちゃって困っています。 それでやむを得ませんから、今のようなことがあるので、私は再処理の外国委託ということについて、やはり外国に対して私たちは今度はいろんな責任ある対応をしなきゃならぬということになるということで、質問の方を先へ進めていきたいと思います。 私にいただいた資料の中でラ・アーグの資料は確かにいただいたんです、ヘルスフィジックスというやつを。これは去年の七月のやつです。でも、これも私の苦手な横文字なんです。それで間に合わないんです。私が要求をした時期が遅いと言われればそれまでなんだけれども、まず第一は、これにはラ・アーグの――これは私はセラフィールドの調査、例えばブラック報告と類似のものがというふうに言って要求をいたしましたが、これはとうとう私は目を通すこともできない、間に合いませんでした。ラ・アーグでは放出放射能の関係というのは、これではどんなふうに書かれているんですか。簡単に説明してください。
○説明員(大森勝良君) お答えいたします。 先生に差し上げました資料は、著者につきましては、フランスの国立放射線防護部のデューセという名前の博士の論文でございますが、この発表 されましたものは米国の保健物理学会誌――アメリカの雑誌でございます。昨年発表されたものでございます。 本論文は、その最初のところにどういう趣旨でこの調査がなされたかということが書いてございますけれども、フランスのプレスで、これまでしばしばラ・アーグ周辺の県で、これは既に二十年前に使用済み燃料の再処理工場というのは建設され、運転されてきているわけですけれども、昔から住む人たちの間で悪性の腫瘍による死亡率が高いというふうな話がいろいろあるということで、その付近に関します疫学的な調査を行ったという趣旨の論文でございます。 一応論文の結論について触れさせていただきますと、本論文によりますと、そのラ・アーグ再処理施設のあるボーモン・ラ・アーグ地区における一九七〇年から一九八二年の間の白血病、それから一九七五年から一九八二年のその他の悪性腫瘍による死亡率は、この地区を含むラ・マンシェ県全体の死亡率の値とは差がなかったというふうな結果が出ておるものでございます。
○稲村稔夫君 これは私はイギリスであることがフランスでないというはずはないというふうに思うんですね。ですから、それだけにこの論文もどういうふうになっているかはもう少し、それこそ後でゆっくりと検討させていただくということにさせていただきます。 それで、ラ・アーグで再処理をやるという、その再処理には幾つかの問題点があるわけです。その問題点について、これからちょっと短い時間ですけれども、どのように考えているか伺いたいと思います。 一つは、再処理について言えば、溶解槽、濃縮缶などの要するに高温でもって、高温で熱して硝酸で溶かすというこの過程につきまとう金属腐食の問題があります。この問題は東海の再処理施設でも起こっておりますね。 それから、燃料棒はジルコニウムの被覆を着ているわけですから、手っ取り早く言えばこれはジルコニウムというノリ巻きのノリで巻いた、それをノリ巻きを切るようにして切って、そしてなべに入れて酢を入れて、そして炊いて中だけ溶かしてしまってと、非常に単純な言い方、私は原子力は専門じゃないですから素人なりの言い方で伺うわけですけれども、そういたしますと、そのときにジルコニウムというのは極めて溶解しづらい、酸にも溶解しづらいものですね。そうすると、ここでこれが不溶解によるところのパイプだとか、あるいはろ過装置についての目詰まりというような、これもありましたね、東海の中では。こういう問題というのはみんな解決したんでしょうか。
○政府委員(石田寛人君) 先生御承知のように、動力炉・核燃料開発事業団の東海再処理工場でございますが、先生ただいま御指摘になりましたようなトラブルをこれまで経験してきたところでございます。これはその工場が再処理の実需要を賄う工場であるとともに、パイロットプラントとして先行プラント的性格を有する工場であったということにおきまして、一面通らざるを得なかった道というふうにも私ども考えておるわけでございますが、まず御指摘の高温の硝酸による金属腐食でございますが、これにつきましては、耐食性に非常にすぐれました材料、チタン5タンタルという材料でございますが、を酸回収蒸発缶とプルトニウム蒸発缶に使用しておるということ。それから、先生御指摘になりました不溶解残渣によります目詰まり、これについても経験したところでございますが、これにつきましては、むしろ実際運転の仕方、必要に応じて洗浄を実施するとともに、清澄装置の二系列化、清澄装置を二系列つくるということで安定運転ができるということ等等、有機溶媒の除去の問題、いろいろございましたけれども、これまで経験いたしましたトラブルを克服いたしまして、現在、これまで御説明申し上げてまいりましたように、年間九十トンのベースで運転を行う見通しをつけている、そういうことでございます。
○稲村稔夫君 今実績は何トンですか。
○政府委員(石田寛人君) 本年の三月末現在で、累積処理量四百四十トンと承知いたしております。
○稲村稔夫君 聞いたことにうまく答えてもらいたいですよね。じゃ、九十トンに見合う実績はどうなりますか。こういう聞き方をしたら少しはわかりやすいかな。
○政府委員(石田寛人君) これにつきましては、さらに若干の御説明を加える必要があるわけでございますが、九十トンの見通しをつけましたのは、これらのトラブルを解消してそうなったわけでございまして、全体四百四十トンと申しました過去の累積でございます。これは昭和五十二年からホット試験を開始し、五十六年から本格運転を行ってきたわけでございますけれども、それまでの累積が四百四十トンであったというわけでございまして、今私割り算をとっさにはできませんけれども、全体九十トンベースでいきますと、これまでの累積は非常に小さな量でありますことは御指摘のとおりでございます。
○稲村稔夫君 その九十トンというのは年間。
○政府委員(石田寛人君) 年間九十トンベースの運転を昨年九月から行ってきておるということでございます。
○稲村稔夫君 そうすると、去年の一年間の実績は幾らですか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 今申しましたように、九十トンベースは昨年九月でございまして、例えば年度ベース、平成元年度のベースで申しますと、平成元年度処理量は四十九・一トンでございます。
○稲村稔夫君 約半分ということですね。これはジルコニウムのクラッドの出方というのは変わらないんですか。ジルコニウムの錯化合物、これは析出されてきますね。
○政府委員(石田寛人君) 先生の御趣旨は、ジルコニウムにかかわります錯化合物、溶解残渣等々のことであろうと思いますが、基本的に出るというプロセスにおきましては変わるところはございませんが、先ほど申し上げましたようなことで対応しておるということでございます。
○稲村稔夫君 量を減らすということではなくて、要するに掃除をしょっちゅうやるということで何とか切り抜けようと、こういう話ですわ、手っ取り早いところは。それでは、再処理の過程の中で温度が十分に高くなる、そうすると硝酸との結合ということが一部では起こってまいります。そういう中でニトロ化合物が生じてくるということが理論的には考えられるわけですが、その辺は検査をしてごらんになりましたか。
○政府委員(石田寛人君) ニトロ化によります爆発の危険性が潜在的にあり得ること等につきましても、十分これは心すべきことであることは御指摘のとおりでございます。これにつきましては、全体プロセスにおきます温度を例えば百三十五度以下に適切に制御すること、あるいは先ほどちょっと申しましたけれども、溶存しております有機溶媒の除去をすること等々によってその防止が図られてきておるところでございます。
○稲村稔夫君 時間だけ経過しますので、まだまだ聞きたいんですけれども、私は基礎的、技術的な問題点というのは一つも解決をしていない、そういうふうに感じているんですよ。例えばクラッドの量の問題も出ましたけれども、言ってみれば清掃をよくしてという形であって、これはクラッドが少なくなるような方向ではないわけです。ニトロ化合物の取り扱いを十分に注意しなきゃならぬということは、これはもう当然なんでありますが、その危険性を完全に取り除くということはなかなか容易なことではありません。常に潜在的にはある、こういうことにもなってまいります。 そんな観点の中から、西ドイツでバッカースドルフの再処理施設の建設が中止になったことに私は大きな注目をしているんです。このバッカースドルフで再処理施設が建設中止になった理由はどういうふうに掌握しておられますか。
○政府委員(石田寛人君) 西ドイツにおきますバッカースドルフ再処理工場の建設が昨年六月建設 中止ということになりましたのは御指摘のとおりでございますが、これは私どもの認識では一九九二年のEC統合等の背景のもとにおきまして、ドイツにおきましてはドイツ独自で再処理いたしますよりも、イギリス及びフランスへの再処理委託を行う方が相対的に有利になったということ等の事情によるものであると承知しておるところでございます。 ちなみに西ドイツは、イギリス及びフランスに再処理を委託することによりまして、再処理リサイクル路線は堅持する方針と承知しておるところでございます。
○稲村稔夫君 バッカースドルフの中止になった理由というのには、私はまだ意見があるんですけれどもね。私の調べた範囲の中でいけば言われたようなことだけではないのでありますが、しかし言われたことだけで判断するとしましょう。そうしたら、日本も再処理をやらないで全部何で外国に委託という方針にならないんですか。
○政府委員(石田寛人君) 今ほどちょっと申し上げましたように、ヨーロッパは何といいましてもECという大きな一塊でございます。それに対しまして、我が国はこれらの国々から遠く離れております。その我が国におきまして、なおかつウラン資源にも恵まれていないという、そういう状況下にございます。したがいまして、これまでいろんな機会に重ね重ね御説明申し上げてまいりましたように、我が国が購入いたしますウランから取り出し得るエネルギーを最大大きなものにしていきたい。そのためには、ウラン235のみならずウラン238の持つ潜在的エネルギーをも利用したい、よってそのために核燃料のリサイクル路線を採用していきたいということで原子力委員会の方針を決めておるところでございまして、そういう我が国の事情から我が国は使用済み燃料も再処理しプルトニウムを利用していくという、そういう方向をとっておるということを御理解賜れば幸いでございます。
○稲村稔夫君 ウラン238をまた回収ウランと――回収ウランのことは、これはこれでいろいろと問題がまた別にありまして、それも議論するとまた二時間くらい欲しいんですけれども、そうはいきませんので、きょうはこっちの方じゃないんですからそれはやめさせていただきますが、ただ、バッカースドルフの廃止になったあれのときは、問題の中には市民の中からかなり強い反対の声が上がりました。これを連邦政府は受け入れたというのが基本的スタンスの中にあるんですよ。そのときに評価の問題として検討されていた問題は、気象条件それから水の問題。これは地理学上の問題と水の保護という問題であります。それから住民の分布、それから地盤の性質、外部からの危険な影響。これはいわゆる武装集団のことじゃない。自動車が飛び込んでくるとか飛行機が落ちてくるとかいうような、いろいろな外部から物が飛び込んでくるということのようです。交通路の問題。そして、その外部からの危険な影響の大事なポイントの中に、軍及び民間の防衛施設というのまで加わっている。こういうものをもろもろ検討して、結局はその再処理施設は適当ではないということになったわけですね。我が国の六ケ所の場合に、これらのことというのは本当に住民が納得できるように検討されているんだろうかというところに随分問題があると思うんですね。 そして、例えば今のバッカースドルフにしてもラ・アーグ、セラフィールド――ここで私は非常に単純な幾つかの問題だけちょっと聞いておきたいと思うんです。一つは、活断層がラ・アーグとかセラフィールドにありますか、地震が起こるという、地震の巣などというのはありますか。
○政府委員(石田寛人君) 全体施設周辺の詳細でございますので、核燃料規制課長から答弁させます。
○説明員(大森勝良君) 地質、地盤、活断層の御指摘があったわけでございますが、大陸と我が国日本の地質構造等相当違っております。そういった点がございますので、当然のことながら各国の原子力施設の安全確保を図る観点ではそれぞれの国の状況を踏まえてそれぞれの国の国民の安全確保を図っていくということでございますので、私ども地質、耐震等につきましてはそういった条件の大きな差を踏まえまして、我が国におきましては我が国の条件を踏まえ厳しい耐震性を要求するという形の安全確保策をとっておるところでございまして、これは原子力発電所でも、また核燃料サイクル施設においても同じでございます。
○稲村稔夫君 国内の問題を議論すれば、まだ本当にたくさんの問題点があるわけであります。しかし、今度の問題について私の懸念、この条約を結ぶことによってというよりも、条約に基づいてフランスとの間で行われ、今後将来イギリスとの間で行われるであろう使用済み核燃料の再処理の問題について、特にイギリスにおいて明らかになってきたようないろいろな人体へ及ぼす影響の懸念、こういう問題はきわめて重大な問題だと思います。したがいまして、こうした問題を明確にしていかなければならない。だが、フランスにおいては残念ながら、やはり放射能の影響について公表されているものは極めて少ないという状況のようであります。私は、我が国がそれらの国々に再処理を委託して、委託したものによって、そこで放射能汚染によってフランス国民なりイギリス国民なりに重大な健康障害を与えるということになったら、我が国の道義的責任というものが問われると思う。 そういう点では今後に極めて重要な問題がありますので、その点についてまず科学技術庁の方へのお願いは、こうした人体に対する影響については本当に徹底的に、しかも至急に突っ込んだ検討をして、安心だと言うことができるような体制をつくってもらいたい。また、そういうものをしっかりと踏まえた上でなければ、外国に処理を委託するということは極めて問題がある、こういうことを強く申し上げておきたいと思うんです。 そしてまた外務省も、協定を結んでそれで事が済むということではなくて、やはり情報の収集等についても積極的にやっていただいて、我が国が加害者などと言われないようにということには十分な配慮をしていただかなきゃならぬ、そう思うんです。そのことも強く要望しておきます。 納得をしたわけではありませんが、要望を申し上げて、私はあとフランスのところは特にひっかかっているところがあって先ほど資料要求いたしました。この資料の結果を確認させていただきたいので若干時間を残しますけれども、ひとつぜひ資料は提出していただきたいと思います。
○政府委員(石田寛人君) 今の先生の最後の件につきまして御報告申し上げます。 午前中、稲村先生の方からフランスの原子力施設安全本部、SCSINのUP3のトラブルについての報告書を入手できないかという御要請がございました。私全力を挙げて努力いたしますとお答え申し上げました。それで質疑中からゼスチャーで多分おわかりになったと思いますが、早急に午前中あるいは昼時間にかけまして在京フランス大使館の原子力アタッシェのモリエット博士に確認いたしましたところ、そのような報告書は存在いたしますけれども、これは技術的な内部の報告書であって非公開のもののため、フランス政府以外の者には渡せないものであると聞いていると述べたようでございます。なお、NHKのテレビの放映におきましても、内部資料ということを言っておったようでございます。 そういう状況にあるということをまず申し上げるとともに、本件につきましては、在仏日本大使館を通じた外交ルートによりまして、さらに入手の是非等につきまして確認するよう今外務省にお願いしつつあるところでございますので、全力を挙げて努力すると言いましたプロセスの一端を御紹介申し上げたところであります。
○矢田部理君 日仏原子力協定の論議に入る前に、昨日の昼前後から起きました空母ミッドウェーの爆発火災事故についてまずお尋ねをしたいと思います。 ミッドウェーの事故、火災と爆発が相伴ったわけでありますが、この事故の概況とその原因につ いて、まず外務大臣から説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 米空母ミッドウェーの洋上での火災に関しましてのお尋ねでございますが、二十一日午後一時三十分までに米側より当省に対して連絡のあった事項を取りまとめてお答え申し上げたいと思います。 本件は、二十日十一時四十七分、艦内の一部に煙が発生をした。そして十二時二十三分、火災が発生。火災については零時三分までに完全に消火をした。したがって、現在火災はなく、安全性は確保されている。二十日に発表した爆発については、その後確認したところ、物が爆発したのではなく、火災により物が燃焼し、空気が摩擦音を二度発生したものである。火災の発生場所は第四甲板補修用資材保管ルームの中である。負傷者は十六名、うち重傷者は六名。また十六名のうち四名は横田に移送、五名は横須賀に移送、残りの七名は艦内。行方不明者は二名であります。 現在ミッドウェーは自力で横須賀に航行中で、二時三十分ごろに横須賀に入港をするということであります。 事故発生場所は北緯三十五度、東経百四十二度、横須賀の東方約百二十五海里の場所であります。 事故発生当時、ミッドウェーは通常の飛行訓練を行っていた模様でございます。 以上が重立った現在知り得る情報でございます。
○矢田部理君 事故の中身についてはさらに詳細にいずれ伺わなければなりませんが、事故の原因についてはどの程度わかっているんでしょうか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生お尋ねの事故の原因でございますけれども、昨日来私ども米側に照会をしておりますが、現時点ではまだ米側から回答が来ておりません。
○矢田部理君 ミッドウェーはもうかねてから核疑惑艦船で、私は完全に積んでいると思いますが、この帰港問題で当委員会でもしばしば問題になっている艦船ですね。事故の起こった場所いかん、内容いかんによっては大惨事に発展する可能性もある極めて問題の艦船だったわけです。したがって、事故原因の究明もしないまま火災はやんだのかもしれませんが、横須賀に帰港をするというのは大変問題なんじゃないでしょうか。自治体自身も、横須賀などでありますが、事故原因の究明と安全性の確認がされるまでは横須賀に入ってもらっては困る、そういう態度をとるべきだと政府などにもあるいは外務省にも申し入れをしたはずでありますが、にもかかわらず原因が全くわからないまま帰港を受け入れるというのはどういうことなんでしょうか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 火災の原因でございますけれども、これは今申し上げましたように、まだ正確な原因はわかっておりませんが、先ほど外務大臣から御説明いたしましたように、昨日の段階では火災と爆発があったということが米側から発表されておりましたが、その爆発というのはいわゆる爆発ではなくて火災であるということでございまして、物が爆発したのではなくて、火災によって物が燃焼をして、空気が摩擦音を二度発生して、それが爆発のように聞こえたということでございまして、その火災も、先ほど外務大臣が申し上げましたように、けさの零時三分までには完全に消火したということでございます。 なお、つけ加えさせていただきますと、昨日来私どもは、単に原因の究明のみならず安全対策にも万全の措置をとるように米側に申し入れておりまして、今回の入港に当たりましても安全防災措置をしっかり講じてほしいということを申し入れてございまして、米側もまさにそういうことを講じた上で入港するということでございます。 それから、神奈川県横須賀市の御要望に関しましては、私どもは在京のアメリカ大使館に一応伝えることは伝えましたけれども、今申し上げたようなことで、アメリカ側としては万全の措置をとった上で入港するものであるということを言ってきております。
○矢田部理君 事故が起きたのが十二時二十三分、その前に煙が出ておったという外務大臣の報告でありましたが、外務省に事故の通告があったのは昨日の何時ごろでしょう。防衛庁はまた何時ごろ連絡を受けたでしょうか。両省から伺いたいと思います。
○政府委員(松浦晃一郎君) 外務省に第一報が入りましたのは午後四時ごろでございます。
○矢田部理君 それはどこからどんな内容の第一報だったでしょうか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 在京の米国大使館からでございまして、その時点でわかっておりますことに関しましては連絡がございました。
○政府委員(米山市郎君) 防衛庁の方への連絡でございますが、たまたまミッドウェー等との共同訓練が予定されていたこともございまして、横須賀の米軍基地内にいる海上自衛隊の連絡官が現地においてミッドウェーが事故を起こしたと、こういう情報を入手したことから、昨日午後三時ごろ海上幕僚監部にその旨の報告がございました。 また、その後事故の詳細について情報入手に努めたわけでございますが、米側からの情報といたしましては、午後四時過ぎ自衛艦隊司令官あてに通知が参りました。
○矢田部理君 太平洋船隊の中枢とも言うべきミッドウェー、しかも核搭載の可能性が極めて強いミッドウェーが事故を起こした。火災事故だということで説明をしようとしているようでありますし、事実火災事故なのかもしれませんが、それにしても場所いかん内容いかんによっては、先ほどから申し上げておりますように、大変な問題に発展する可能性があるのに、この種事故が発生後四時間前後たってからでしか日本へやっぱり伝えられない。日本近海における事故ですよ、しかも。というのは、どんなシステムになっているんでしょうか。こういう事故なり災害が発生したときの日米の連絡関係はどうなっているんでしょうか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 最初に外務省について申し上げますが、これは先生御承知と思いますけれども、事故につきましては、一般にアメリカ側は事故の発生につきまして日本側に通報する義務を地位協定上負っているわけではございませんけれども、今回の例がそうでございますけれども、公共の安全に大きな影響を及ぼすあるいは及ぼしかねないようなことに関しましては、米軍によるものがはっきりしておりますものは、その都度外務省に在京のアメリカ大使館から連絡が行われるということになっております。
○矢田部理君 外務大臣、近海におけるしかも共同訓練に入ろうとしている事故、あるいは共同訓練中の事故と言ってもいいんでしょうがね、そういうものの連絡が緊急になされるシステムにはなっていないんですか。四時間というのは大変な時間帯ですよ。これは日本の、何というか、そういう安全というか、国民の生命を守る上でも大変なことなんじゃありませんか。その辺は防衛庁もそうでありますが、四時間前後もたってから、どの程度の第一報が入ったのか知りませんけれども、知らせを受け、場合によっては大変な緊急の対応策をとらなきゃならぬという状況に発展する可能性もあるわけですが、大臣としてはこの辺はどんなふうに認識されておりますか。また、今後こういうおくれに対してとるべき措置について何かお考えはございませんか。
○国務大臣(中山太郎君) 一般に米側の軍関係で事故が発生した場合には日本側に通告してくるという条約上の義務は負っていないという認識でございますが、近海で行動している場合には日本政府に連絡をできるだけ速やかにされるというのが私は好ましいことであると思っております。 なお、この機会に申し上げておきますけれども、この事故の情報に基づきまして私は本日午後一時十五分に本院内からアメリカ大使に対して、横須賀に入港する場合には十分安全を確認した上で入港されたいということを直接私から大使に口頭で伝達をしてございます。なお、米国大使は十分その点について留意をすると、留意をしておるということを申しておられました。
○矢田部理君 あわせて事故原因の究明でありますが、以前にもミッドウェーは横須賀で事故を起こしていると思うんですね。間もなく退役するであろうという見方もあるわけでありますが、原因の究明は極めて重要だと考えます。アメリカは事故調査団を配置するということでありますが、この事故調査を緊急に行わせるとともに、日本としてもその事故原因調査のために人を送るなど明確に事故の原因と責任をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 何分にも米国の艦船の中で起こりました火災でございますので、先ほど来申し上げておりますように、私どもは米側に火災原因につきまして究明方依頼するとともに、原因が判明し次第連絡してほしい旨を申し入れてございますので、まずアメリカ側の原因究明の結果を待ちたいと、こう考えます。
○矢田部理君 もう入港しちゃった時間ですから今さら取り返しがつかないのでありますが、私はやっぱり事故原因を究明し、かつ安全が確認されるまでは入港をさせるべきでなかったと。しかし、現にもう入港したということになっている時間帯でありますから、だとすれば、早急にこの事故原因究明のための要請をアメリカにするだけではなくて、日本もこれにかかわって、とりわけ横須賀の港にいるわけでありますから、事故原因を明らかにし安全対策に万全を期するべきだということが第一点。これは外務大任に答弁を求めます。 二点目は、今外務大臣も少し触れられましたが、条約上の義務ではないということのようですが、やはり米艦隊の日本近海における事故、これほどの範囲ということについてはもう少し議論をする余地がありますが、日本の国民の生命や財産にかかわるような可能性のある範囲では少なくとも連絡義務、緊急に日本にやっぱり連絡をする、通告をするという体制をつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 原因の究明に関しましては、さらに私どもも引き続き米側に申し入れをいたしたいと思います。 同時に、先ほど外務大臣からも御披露がございましたけれども、安全対策に関しましても昨日来米側に申し入れてきておりますが、引き続き安全対策をしっかりするように米側に申し入れたいと考えます。 先生が御指摘の事故発生の通報義務を米国に課すべきではないかという御指摘でございますけれども、これは先ほど外務大臣からも御指摘ございましたように、地位協定上米側は日本側に通報する義務がないわけでございまして、にもかかわらず、先ほど御指摘いたしましたように、公共の安全に大きな影響を及ぼす事態あるいは及ぼしかねないような事態に関しましては私どもに通告してきているわけでございまして、先生御指摘のように、今後とも迅速に事故発生の際には日本側に通報するように私どもは引き続き米側にも依頼をしたいと思いますけれども、そういう義務を米側に課すということは、繰り返しですけれども、現在の地位協定上そういう義務を米側は負っていないわけでございますので、その点は御理解いただきたいと思います。
○矢田部理君 お願いをすることじゃないんですよね、日本国民のそれは生命、財産に極めて重要な問題なんですから。現行法上は義務がないということは、それはわかりました。しかし、任意に通知をいただくとかお願いしてお知らせしてもらうということではなくて、今後のやっぱり日米間の重要な課題として通報義務についてやっぱり努力をする。そういうことの段取りをつけるために外務省としても日米交渉をやるという立場に、外務大臣、立てませんか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 繰り返しになりますけれども、事故発生後の取り扱いに関しましては、引き続き日米間で連絡を密にしていくようにさらに米側と話し合いをしていきたいと考えております。現に、きょうちょうど日米合同委員会が開かれまして、合同委員会の場でも米側とこの問題について話し合ったところでございます。
○矢田部理君 そのことを強く要請するとともに、アメリカは事故調査団を配置するということですが、調査団の編成とか、配置の日程とか、いつごろまでにとかという計画とか、めどということについてほどの程度わかっておりますか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生が今言及をされました調査団の派遣に関しましては、私どもはまだ確認をしておりませんので、具体的なことに関しましては現時点では承知しておりません。
○矢田部理君 防衛庁に伺いますが、防衛庁は日米共同訓練、海上自衛隊が中心になってやっておる最中あるいはやる直前というふうに伺っておりますが、共同訓練は当然中止ということになるわけですか。
○政府委員(米山市郎君) この共同訓練、海上自衛隊と航空自衛隊両方ございます。二十日から二十九日までの間、海上自衛隊につきましては五日間、航空自衛隊につきましては四日間でございます。 とりあえず、もちろん昨日の共同訓練は中止をいたしました。本日も中止をいたしております。明日以降の問題につきましては現在米軍と調整をいたしておりまして、ミッドウェーを除いた形でやるかということも含めまして検討をいたしております。
○矢田部理君 事故原因がはっきりしないわけですし、まだ調査についてもめどが立っていないわけでありますから、事故原因がはっきりしないあるいは安全性の確認はしたがってまだできないという状況下では、きょうあすという議論だけでなしに、この日米共同訓練は中止をすべきであるということを強く要請しておきたいと思いますが、そういう方向で考えられますね。
○政府委員(米山市郎君) ミッドウェーは今横須賀の方に帰港をいたしているわけでございますが、それ以外の数艦艦艇がまだ行動をいたしております。これはちょうどミッドウェーが日本周辺をずっと本州から九州まで一周するような形で行動をするのに伴って戦術技量向上のために共同訓練をしようということから計画されたものでございますが、そういう中で、ミッドウェーだけを外した形でも十分訓練の目的は達成できるという判断もございます。そういった点も含めまして現在調整をいたしております。
○矢田部理君 ではこう言いましょうか。これはもともとミッドウェーが中心なんですよ、太平洋艦隊の。そして、それを守ったり、守る中でどう攻めるかという訓練に違いないんです。その中心の航空母船を欠いた演習なんというのは私は余り意味がないと思うが、いずれにしても、ミッドウェーのこの火災なり爆発の原因究明がはっきりするまでは、ミッドウェーを中に挟んだ、中心にした訓練はやらないということは言えますね。
○政府委員(米山市郎君) 実際問題としてミッドウェーを挟んだ訓練というのは事実上不可能でございます。
○矢田部理君 それから、ミッドウェーについては核の搭載の有無がもう一つ極めて重要な問題であります。もともとその予定をきょうあるいは今度の原子力協定にちなんでやりたいと思っておったのでありますが、来週月曜日に総理が三時半からここにお見えになるそうでありますから、他の各艦船の寄港の問題や核の有無の問題もありますのであわせてそれはやりたいと思いますので、一応ミッドウェーの質問はきょうのところはこの程度でとどめますが、来週またさらによろしくお願いしたいと思っております。 それから、本論に入りますが、外務大臣と科学技術庁長官、両大臣にお尋ねをします。 日本は非核保有国です。それからフランスは核保有国なんですね。この核をめぐる扱いの決定的に違う国が平和目的、非爆発目的で協定を結ぶことになっている。この間に矛盾やあつれきや問題は協定上全く生じないものというふうに受けとめておられますか。まず両大臣の認識を承りたいと思います。
○国務大臣(大島友治君) 日仏の協定上において は、私はそれはないと思います。特に、今までは平和利用だけ、平和利用それから非爆発、そういうことを今度は加えて利用目的というものを明確にしておるのであって、したがって両国間の協定の内容については問題はない、こういうふうに認識しております。
○国務大臣(中山太郎君) 日本は核の平和利用、これに限定をするということが基本でございますし、フランスは、委員御指摘のように、軍事用にも利用している国であります。私どもの国は核不拡散条約に加盟しておりますが、フランスはこれに加盟していません。しかし、核不拡散条約に加明したと同じような行動をとるということを国際的に公約をいたしておりますから、私は本協定を結ぶについて特に大きな問題はないという認識を持っております。
○矢田部理君 大島さん、協定の第一条のAというのをお読みになったことありますか。協定上問題はないと言っておられますが、第一条のAの(a)と(b)、(a)は日本政府について規定をしております、(b)はフランス政府について規定をしております。同じでしょうか。随分違った規定になっていませんか。
○国務大臣(大島友治君) 御指名はいただいたんですが、条約の内容でございますので外務省の方から一応お答えいただきたいと思いますが。
○矢田部理君 そうじゃなくて、あなた協定上平等だと、問題ないと、核保有国と非核保有国との関係で協定を結ぶことにあつれきや問題や違いはないかということに対して問題ないとおっしゃるから、私は問題あると見るので、それならば第一条ごらんなさい。あなたは少なくとも大臣で、この協定の締結についての一定の責任を持っておられるはずだから、特に御指名を申し上げます。
○委員長(山東昭子君) 丹波審議官。
○矢田部理君 丹波さんはまだ御指名してないんだよ。
○説明員(丹波實君) 申しわけありません。
○矢田部理君 わからないというんならいいよ、ずっと待つけれどもさ。
○説明員(丹波實君) 条約の技術的な解釈その他に関係するものでございますから……
○矢田部理君 ちょっとお待ちください。いや、技術的じゃなくて、これ読めば明白に日本に関する条項とフランスに関する条項は違っているんです、並列して並んでいながら。だから困るんですよ、こういう問題についてもう少し明確な認識を大臣なり為政者は持ってもらわないと。外務大臣は読まれましたか。
○説明員(丹波實君) 委員長の御指名を得まして、まず技術的な側面と申しますか条文の立て方、その他必要な事項を私の方から御説明申し上げたいと存じます。 先生がおっしゃるとおり、確かに第一条のAの(a)と(b)の書き方は日本とフランスの間では異なった書き方になっておるのは先生御指摘のとおり、その点については何ら異論ございません。しかし、その理由は先生御自身今言われましたとおり、日本はNPT条約加盟の非核兵器国である。そういう意味で、IAEAのフルスコープ保障措置の適用がこのNPT条約上義務づけられておるということがこの第一条のAの(a)に表現されておるわけでございます。他方、フランスは核兵器国でございまして、またNPTにも入っていない。したがいまして、IAEAの保障措置を受け入れる義務はないけれども、一定の範囲の、まさにここが(b)で言う「指定される」ということになるわけですが、一定の範囲の核物質につきましては、保障措置を自発的に受け入れているということがこの(b)の中にあらわれておるわけでございます。 最後に、しかしながら私思いますに非常に重要なことは、日本から核物質がフランスに行ったときの保障措置の対象といった場合には、それは必ず保障措置の対象になるということが第二条のAの一項及びこれに関します合意議事録で非常に明確にうたわれてあるということでございまして、先ほども実は御説明申し上げたんですが、この規定を明確にするために私たちはフランスとの間で大変苦労いたしまして、そういうことを非常に明確にしておるわけでございます。したがいまして、日仏間で行き来いたします核物質に対する保障措置という点については、日仏が平等の規定になっているという点はぜひ御理解いただきたい、こういうふうに考えます。
○矢田部理君 丹波さんが大臣にかわり、かつ私が質問しないことまで答弁を先回りして言っておられますが、(a)の日本政府に関する部分につきましては、「すべての原子力活動に係るすべての核物質について、国際原子力機関の保障措置が適用される」、こうなっているんです。これに対してフランスについては、すべての原子力活動ではなくて、「非軍事的原子力活動」と軍事を除いているのが第一です。ここが抜けています。それから、「すべての核物質」ではなく、「核物質のうちフランス共和国政府により指定される」べきものについてのみ適用がある、指定されないものについては適用がない、二重のしり抜け規定になっているんです、これは。そじゃありませんか。
○説明員(丹波實君) 私はしり抜けという言葉は使いませんけれども、この違いが存在しておることにつきましては、先生の御意見に私は先ほど申し上げましたように何ら反論すべきものは持っておりません。しかしながら、その違いはどこからくるかと申し上げますと、日本はNPT加盟国であって、IAEAとの間でいわゆるフルスコープの保障措置をする義務を持っている。フランスは残念ながらフランスの政策があって、核保有国でありNPTに入っていない。したがって、IAEAとの関係ではフルスコープの保障措置をしなければならない義務を持っていない、そういうところからきておるわけでございます。 しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、日仏間で行き来します核物質についての保障措置については、ほかのところできちっとしておりますので、現実には御心配いただく必要はないんではございませんかということを実は御説明申し上げようと思って努力しているわけでございます。
○矢田部理君 ほかに心配もあるので私もおいおい申し上げていきますが、外務大臣、核拡散防止条約にフランスは加盟していないんです、独自の核政策を持っていますから。これ自身も問題なのでありますが、同時に、外務省筋の説明は、欧州原子力共同体、ユーラトム、それから国際原子力機関、IAEAに加盟しているから大丈夫なんだ、こういう議論がありますね。そうでしょう。この共同体なり機関が持つ拘束力、核拡散防止条約が持つ拘束力とは全く同質のもの、同じ法的性質のものでしょうか。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 IAEAに関しましては、これは保障措置の実施と、それから途上国に対する技術援助という二本の柱を目的とした国際機関でございますが、先ほど来説明がございますように、フランスは核兵器国でございまして、非核兵器国と同じような形で保障措置を受けるという義務は負っておりません。ただ、実質上は、先ほども御説明ございましたように、核兵器国といたしましてIAEAとの間にいわゆるボランタリーサブミッション、自主的な保障措置取り決めというのを締結いたしておりまして、この締結自身は国際約束としてフランスが拘束される形の取り決めでございます。
○矢田部理君 核拡散防止条約の規定については、法律上義務規定、言うならば法的拘束力を持っているというふうに読めます。ところが、その二つの機関の持っている諸規定につきましては、今あなたがたまたま言われたように、ボランタリーサブミッション、いわば任意の協力というものである。政治的、道義的にはある種の拘束性を持っておるわけでありますが、法的拘束力を持たないという明確な違いがあるのではありませんか。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 ボランタリー、自主的と申しますのは、例えば日本の場合には、核防条約に加盟いたしますとIAEAとの間にフルスコープ保障措置協定を結ばなければならないという義務が発生いたします。 ところが、フランスを初めといたします核兵器国の場合には、IAEAと先ほど申しましたような形の保障措置を自主的に受け入れる協定を結ばなければならないという義務は先生御指摘のとおりないわけでございますが、一たん受け入れるという決定をいたしましてボランタリーサブミッションの協定を結びました後は、その協定を遵守しなければならないという義務が生ずるわけでございます。
○矢田部理君 あなたの説明によっても、一たん結べばということと結んだ以上は受け入れられなきゃならぬということですが、即義務規定になっているかどうかについてはもう少し私は違うんではないかという見解を持っています。 もう一つは、この協定にちなんでロンドン・ガイドラインということをしばしば言われるわけですが、これは法的拘束力がありませんね。紳士協定でしょう。その点はいかがですか。
○政府委員(太田博君) ただいま先生御質問のロンドン・ガイドラインは、まさにガイドラインという言葉で示されておりますとおりこれは指針でございまして、国際条約ではございません。
○矢田部理君 ということなどで、フランスの受けている国際的な制約と日本の持つ制約にまず基本的な違いがあるというふうに私は指摘をしたいのですが、同時に、日本の場合には原子力協定とあわせて国内法が、原子力基本法とか幾つかの関連法がありますね。つまり平和目的、非軍事利用というふうには書いてないが、非爆発目的とも書いてないが、そういう性質のものとして原子炉等規制法などもあるし、幾つかの原子力関係立法がありますが、これは日本の場合には平和目的に限っている。そして、それに反すればしかるべき制裁ないし対応措置がとれるようになっておりますが、フランスの国内法は、条約ではせっかく「平和的非爆発目的」と書きますが、それに見合った国内法というのはあるんでしょうか、あるいは体制は整備をされているんでしょうか。
○説明員(丹波實君) まず、フランスにおきます原子力関係の法体系について簡単に御説明申し上げさせていただきたいと思いますが、フランスにおきましては原子力の研究開発、そういったことに関します問題を包括的に対象とした日本のいわゆる原子力基本法とも言うべき基本的な法制というものは持っておりません。しかしながら、個々の分野で、例えば原子力の開発管理、原子力施設の放射線の防護あるいは環境安全あるいは防災、核物質の防護あるいは原子力損害賠償等、そういう個々の分野におきましてそれぞれの国際条約及び国内法令が実施されておるということになっております。
○矢田部理君 その国内法制の中では、フランスは核保有国ですから当然と言えば当然でありますが、平和目的、非爆発目的などという限定はもちろんないんでしょうね。
○説明員(丹波實君) 何分他国の国内法の問題でございますので、確定的な自信はございませんけれども、あえて申し上げますと、先生おっしゃるとおり、フランスは核兵器国でございまして、自国の中で原子力の平和利用活動ということと軍事利用活動という双方の活動を行っているわけでございますので、そういう理由で平和的目的ということに限った国内法というものは私は存在していないんじゃないかというふうに考えております。
○矢田部理君 そこが心配の種の背景になるわけですが、その前にもう一つだけ伺っておきたいのは、どうもこの協定と日本の原子力基本法を読み比べてみますと、微妙な違いがあるような気もするし、そうでないのかなと思ってもみたりするんですが、「平和的非爆発目的」にかかるのは利用と開発なんですね、協定では。原子力基本法では「平和の目的に限り」と書いてあるのですが、利用と開発だけではなくて、研究、開発、利用と研究が入っているのですが、協定上研究が除かれたのは特別な意味があるんでしょうか。また、研究はその対象に入れないという趣旨でこういう文章になっているのでしょうか。 それから二番目には、協定では、「平和的非爆発目的」とわざわざ「非爆発目的」と書いてあるとすれば、これは日本では自明の理だということを説明するのでしょうが、日本の法制としても平和の目的にもう一つ裏打ちするための「非爆発目的」という限定をつける必要があるのではないか、その二点について伺っておきたいと思います。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘のように、日仏原子力協定あるいはこれはフランスとの間の協定には限りませんで、ほかの国と日本が結んでおります原子力協定についても同様でございますけれども、通常、我が国がフランスあるいはアメリカと原子力の分野で協力をいたす場合には共同の開発というのは前提に置かれておりませんで、専ら利用というのが協力の対象になるということで、協定の場合には「利用」ということが書かれているものと承知をいたしております。 それから第二点、これは国内法の問題でございますので、後ほど科学技術庁の方から御説明があると思いますが、この際、一言だけ外務省として御説明をさせていただきたいと思いますのは、今回、ただいま先生御指摘のように、「平和的利用」ということから「平和的非爆発目的利用」というふうに規定の仕方が変更いたしましたけれども、現行協定の平和的目的ということも、解釈といたしましては爆発目的が許されていたわけでは決してなくて、現行の平和的目的という規定の中でも爆発目的のために利用されることは許可されていなかったというふうに解釈されるわけでございまして、と申しますのは、実際上、核爆発というのが平和的な目的のものであるか軍事的な目的のものであるかということは実質上区別ができないという点からそういうことになるわけでございますが、今度の改正ではその点をより一層はっきりさせる、念のために「平和的非爆発目的」ということを明記したということでございまして、実体上は現行協定のもとでも爆発目的のための利用は禁止されているというふうに解釈いたしております。
○矢田部理君 にもかかわらず、インドがやったから入れたのだという議論もあるわけですから、日本の場合にもこの点は明確にしておくべきだと思います。 それからもう一つ、今度の原子力協定で「機微な技術」という表現が使われておる、これを加えることになった。この「機微な技術」というのはいろいろこういう技術だと言っておりますが、もうちょっとわかりやすく説明するとどんなことですか。 〔委員長退席、理事宮澤弘君着席〕
○政府委員(太田博君) 御説明いたします。 「機微な技術」と申しますのは、協定上は八条の(j)項に「濃縮、再処理又は重水生産の設備又は施設の設計、建設、運転又は保守にとって重要なもの」、つまり濃縮、再処理、重水生産に関する技術という規定がなされております。これがなぜ「機微な技術」というふうに呼ばれるに至ったかということでございますが、実は先ほど先生から御指摘のありましたロンドン・ガイドライン、ここで「機微な技術」という概念が確定されたわけでございますが、原子力関係の技術が多々ございますが、そのうち再処理、濃縮及び重水生産、この三種類の技術につきましては、これを悪用いたしますと軍事転用につながるおそれのある技術ということで、特に「機微な技術」という指定が、そういう定義が行われまして、したがってそういう技術として厳しい規制が課せられるに至った、そういうことでございます。
○矢田部理君 ごく簡単に言えば、核兵器開発に直結する技術とでも受けとめた方がいいと思うんでありますが、そういう技術を今度の協定の中に取り込むということから、さらに問題が先ほどの議論と関連して派生するわけでありますが、一、二この条項に即し私なりに考えてみたのですが、例えばフランスから日本に移転された機微な技術がありますね。これに日本が新しい技術、改良された技術をつけ加えると、これも一般的には機微な技術というふうに考えられるわけでありますが、そのつけ加えられた、日本によって改良が加 えられた機微な技術がさらにフランスに再移転されるというようなことになった場合にどんな問題が出てくるかということを私なりに考えてみました。 〔理事宮澤弘君退席、委員長着席〕 その一つは、第八条(k)というところを見てほしいのですが、第八条(k)では、移転された機微な技術に基づく設備等とは、それに利用された技術の主要な部分が移転された機微な技術であるとして両国政府が合意により指定されたものとなっています。合意により指定されたものとなっています。そこで、フランス側が、利用した技術の主要な部分ではないと主張して指定を拒否した場合には、協定の保障から外れることになるんじゃありませんか。その点はどうですか。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 先ほど先生御指摘の八条のまず(j)でございますけれども、先ほど申しましたような種類の技術で両締約国政府が合意によって指定をするということになっておりまして、両国政府が合意によって指定されて初めて協定上に言う機微な技術ということになります。先ほど先生御指摘のように、果たしてただいま例に挙げられましたように、フランスから日本に導入された技術に基づいて、それを改良して新たにつくられた技術、これが機微な技術に相当するかどうかということは、日仏両国で今申しましたような合意に達すべく協議をするわけでございますが、その協議に際しまして考慮すべき要素というのが合意された議事録の6というのがございまして、そこに検討するに際して合意すべき事項というのが書いてございます。これに照らしまして、果たして先生がただいま例として申しましたように、フランスがこれは機微な技術ではないと言って頑として拒否することが合理的な主張であるかどうかというのは、こういう点も参考にいたしまして両方で協議をする、そういう建前になっておりまして、フランスが一方的に自分だけの判断で決められるものではなくて、両国政府が十分協議をした上で機微な技術に相当するかどうかを判断するという仕組みになっていると了解しております。
○矢田部理君 あなたがおっしゃった合意議事録6(b)というところですが、利用技術の主要部分であるかないかの判断基準は、一つは濃縮、再処理、または重水生産の工程との関連の特有性の程度、二つ目にはその技術が移転された機微な技術の貢献の基礎の上に開発された場合、その貢献の大きさとなっていて、特有性の程度とか貢献の大きさという基準を出しているわけですが、この基準そのものが極めてあいまいもことしたものではありませんか。特有性があるとかないとか、貢献度が高いとか低いとかというのも、少しくこれは裁量に属する部分が多過ぎやしませんか。だから、フランス側の主張の幅をかなり裁量的に認めているということになると、機微な技術論議がいろんなところに発展する可能性をこの条項は秘めておって抑えが効いていないという感じがしてならないのでありますが、いかがでしょう。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 確かに先生ただいま御指摘のように、この合意議事録の六項、ここで書かれております特有性あるいは貢献の大きさというのは、客観的な基準がはっきりとこの協定の中に書かれているわけでもなく、また実際に存在するわけでもございませんで、そういう意味では自動的に特有性あるいは貢献の大きさについて両国政府の間で意見が一致するという性質のものでないことは確かでございます。ただし、これは技術というものの性格上、それから技術の開発の性格上、どうしてもその点は極めて客観的に明確に記述するということが困難でございまして、具体的な問題、具体的なケースが起きました際に両国政府が誠意を持って話し合うということが合理的な解決を見出す方途ではないかというふうに考えております。
○矢田部理君 もう一つ別の問題点を提起しますが、日本が開発した新技術を付加した機微な技術ですが、それがフランスに移転をされる、それがさらにフランス国内で再移転される場合が想定をされるわけでありますが、その再移転先が直接的な核兵器製造過程ではないとしても、フランス政府の管轄下にある認められた核兵器の研究開発にも従事している機関またはそれに間接的に関係している機関である場合に、その日本からの機微な技術は間接的にせよ核兵器の効率的な開発製造に利用される可能性を含んでいる、否定できないというふうにこの全体の条項から読めるのでありますが、その歯どめはないのではありませんか。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘の、一たんフランスに移転された機微な技術がフランスの中で、フランスの管轄内で移転される場合の規制が行われないのではないかという御指摘でございまして、確かにこの点につきましては、日仏両国とも機微な技術につきましてその国内移転を政府の規制のもとに置くという制度はとっておりませんので、国内移転の場合に規制の対象にならないことは御指摘のとおりでございます。 ただ、今先生御懸念のように、核開発にも従事しているようなところにそういう技術が国内的に再移転されるおそれはないのかということでございますが、この協定上、先ほど来御説明を申しておりますとおり、機微な技術につきましては平和的非爆発目的使用という義務がかかっておりますので、フランスの国内でどこに移転されるかに関係なく、フランスとしては協定に基づきまして日本に対して、平和的非爆発目的のみに移転された機微な技術を使う、そういう義務を負っているわけでございまして、そういう意味で平和利用が担保されているというふうに考えております。
○矢田部理君 協定の目的論から説明するしか外務省はないんだろうと思いますが、その目的論と行為論とは必ずしも一体ではないんでありまして、とりわけ合意議事録の五というのを読んでごらんなさい。再移転された機微な技術は、フランス政府の管轄に入るときからこの協定の適用を受けないこととなる、このことが確認される、明確に書いてあるんですよ。こうなってくると、日本から向こうに移った機微な技術、日本の新しい技術がつけ加えられた機微な技術、軍事目的に利用される、核兵器の開発につけ加えられるということでもクレームをつけることはできない、フランスの国内問題になってしまう。この歯どめはどこにもないだけではなくて、むしろ向こうに移るという確認条項まであるというのが実際ではありませんか。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘の合意された議事録の五に書かれていること、すなわち「改正後の協定に基づいて移転された機微な技術が」、これが例えばフランスから日本に移転された機微な技術といたしますと、「供給締約国政府の管轄へ再移転される場合」というのは、フランスから日本に移転されてきた機微な技術が再びそのままフランスに戻るというケースでございます。 この場合には、「当該供給締約国政府の管轄に入る時から」というのは、フランスの中に再び戻ったときから「改正後の協定の適用を受けないこととなることが確認される。」ということでございまして、これはそもそもフランスにあった機微な技術が日本に移転されて、それがそっくりそのまま戻るということでございまして、そもそもフランスにあった機微な技術がまたもとの形に戻るという意味で協定の対象にはされない。もともとフランスにあった技術そのものが戻るということでございますので、あたかも日本に移転されなかったと同じような状態にある技術というふうにみなすことができますので、この際は日本からフランスに移転された技術ということではなくて、もともとフランスにあった機微な技術ということで協定の対象にならない、そういう趣旨でございます。
○矢田部理君 先ほどからの議論を前提にしないで答えている。もともとあった技術ですよ、フランスに。しかし、それが日本に渡ってきて新しい技術がつけ加えられた。それの扱いいかんによっては歯どめがかからないことがありはしないか、 また、この条項はそれに使われる可能性を持っているのではないかという指摘なのであります。この議論はこの程度でとどめますが、これは条文を読んだってそういうことになるんだから、あなたに確認を求めるまでもなく、そういう点で対等平等条約だという両大臣の認識は、いろんな問題を具体的に展開していきますと必ずしもそうではない。とにかく、やっぱり核保有国とそうでない国との協定の難しさを、苦渋がにじみ出たような部分も含めて、相当はらんでいる条約なんだと、そこが機微なところなのかもしれませんがね。そういう点で、日本の平和目的を貫徹するために最善の運用上の努力を今後していかなきゃならぬということを私は特に留意されたいということを申し上げたいのであります。 ですから、もとに戻りますが、やっぱり核拡散防止条約に入っていないということもあります。したがって、欧州各地の原子力機構等に入っておっても、それは法的拘束力はないということは、これは外務省の文書でもきちっと書いてありますよ。保障措置については任意のものだというようなことにも十分留意をされて今後の対応をしていかないと、ただ平等だ、間違いないんだということだけではだめなんだということを特にこの条約、協定に即して指摘をしておきたいと思います。 次のテーマが幾つもありますので、そちらにかわります。 プルトニウムの海上輸送問題でありますが、その前段に通産省に伺っておきましょう。 総合エネルギー調査会というところで長期エネルギー需給見通しというのを出されましたね。それによりますと、全体のエネルギーの中で原子力の占める割合は現在九%、二〇〇〇年にはそれを一三・二%にする、さらに二〇一〇年には一六・七%に格上げするということになっているのでありますが、この原子力のエネルギーを拡大するに当たって濃縮ウランとプルトニウムをどの程度の比率で分担していくのか、エネルギーのもとにしていくのかということについての数値は出ているんでしょうか。
○政府委員(向準一郎君) 今回取りまとめられました長期エネルギー需給見通しでございますが、これは各エネルギー源につきまして供給の安定性、経済性、環境負荷、導入可能性等の観点から統合的に評価を行いまして、それで適切なエネルギーミックスを構築するという観点から、原子力につきましても開発目標というのを策定しているところでございます。数値につきましては、先ほど先生がおっしゃったとおりでございます。 それで、原子力発電においてプルトニウムをどれだけ使うかということにつきましては、今申し上げましたのは原子力発電をどのぐらい導入するかということでございまして、プルトニウムの利用、ウランとの比率ということは、むしろプルトニウムの需給バランス全体から見て決めていく問題だろうというふうに我々は考えております。
○矢田部理君 そうすると、プルトニウムがなけりゃないで濃縮ウランでやっていくという考え方ですか。
○政府委員(向準一郎君) 我が国の核燃料におきましてプルトニウムをどういうふうに考えているかということでございますが、我が国におきましてウラン資源を有効に活用していくという観点で、使用済み燃料を再処理しましてプルトニウム、それから回収ウランを利用していくというのが我々の原子力政策の基本となっているわけでございます。 そういうことで、このような考え方に基づきまして、電力会社におきましては、再利用して得られるプルトニウムにつきましては、新型炉の開発用に利用するものを除きましては全量を軽水炉の燃料として使用していく方針ということでございます。 現在、じゃそういうような軽水炉でプルトニウムを利用する考え方はどうかということでございますが、軽水炉でプルトニウムを利用しますプルサーマル、これは現在PWR、BWRそれぞれ一基ずつ少数体装荷ということで実証試験を実施しているところでございます。 今後につきましては、今の少数体実証試験の結果も踏まえましてP、Bそれぞれ一基ずつ炉心の約四分の一程度MOX燃料を装荷して実用規模の実証試験というのを計画しております。さらに実証試験を経た後、一九九〇年代後半でございますが、プルサーマルの本格利用という計画も持っております。 そういう意味で、我が国の原子力利用という中ではプルトニウムの利用というのは大きなウエートを占めるものでございます。
○矢田部理君 プルサーマルの話もわかるけれども、その割合はどんなふうに試算し、見通しを立てているかということを聞いたら、それはないんでしょう。
○政府委員(向準一郎君) プルトニウムの利用の割合につきましては今回の長期エネルギー需給見通しでは入っておりませんが、原子力発電をどれだけ導入するかという数値を決めたものでございます。そういうことで、先ほども御答弁申し上げましたように、プルトニウム需給バランスという問題を議論する中でどれだけ入れていくかということは決まっていく問題であるというふうに考えております。
○矢田部理君 その分野では決まっているんですか。
○政府委員(向準一郎君) そういう意味で、先ほど申し上げましたように、現在プルサーマル少数体実証試験をやっておりますし、それを踏まえて実用規模あるいは本格的利用というステップを踏んで我が国は導入していくということになっております。
○矢田部理君 濃縮ウランならいいというふうな立場に私ば必ずしも立ちませんが、値段の比較がさっき出ましたですね。プルトニウムの方がかなり我々の試算では高い値段につく、危険性も高い、毒性も強い。そして、日本のエネルギー事情を盛んに言われるわけだけれども、今濃縮ウランは余っているんですよ。供給過剰と言ってもいい。この間、韓国とソビエトの間では物すごく安い値段でソビエトが韓国に出すという話も出てきております。値段もずっと落ちる傾向にある。この十年ぐらいの見通しの中でどうしたってプルトニウムを入れなきゃならぬという必然性とか緊急性は私には感じられないんです。何でそんな高いものを、廃棄物の処理も始末もつかないまま無理やり押し込もうとするのかということに一つ疑問があるからどんな計画になっているのかなと聞いたら、まだどうも抽象的なお話はするが、具体的な計画の中身にはなっていないようですから、それはそれとして置いておきますが、同時に、輸送の問題がまた片がついていないんですね、輸送の問題。 あれは何年前でしたか、私もここで盛んに空輸問題をやって、どうしても空輸でやりたいと。三年前ですね、八十七年ですか。あのときの議事録読んでみたら、どうしてここへその顔で科技庁は出てこれるのかと思うほど随分いろんな話をしていますよ。これは重大な責任問題、今から幾つか出しますけれども。あれほど空輸を主張した政府が今度海上輸送に切りかえざるを得なかった最大の理由は何でしょうか。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘のように、当初航空輸送が予定されていたのが途中から海上輸送に変わった理由でございますけれども、日米協定の実施取り決め、これが署名されました後に、米国におきまして航空輸送容器の開発について、いわゆるマコウスキー修正条項というのが一九八七年の十二月に法律として制定されまして、このマコウスキー修正条項というのが極めて厳しい基準をプルトニウムの航空輸送に使われる容器の開発に課されたということでございまして、その厳しい規制をクリアする見込みが当面立たないということから海上輸送の可能性について米側との話し合いが行われるに至ったというのが経緯でございます。
○矢田部理君 こんなことをしゃあしゃあと言え るんですかね。いいですか。自分の議事録を読むのも余りいいものではありませんが、六十三年の五月十七日、当参議院外務委員会です。「二番目には、キャスク、輸送容器ですね、これについても開発が必ずしも十分じゃないんじゃありませんか。アメリカのサンディア国立研究所に頼んで、動燃が依頼をしてやっているようですが、六十一年夏にはそれが失敗をして、いまだ完成を見ていないというように言われているのですが、これはどんなふうな状況ですか。」という話をしたら、長長と説明をした結論として、「輸送容器の開発の見通しが得られたと考えております。」と。ここにおいでになりますか、結城さんという説明員。どうなっているんですか、これ。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほど外務省の方から御説明がありましたように、アメリカの国内でマコウスキー修正条項というものができました後に基準が厳しくなったわけでございます。ただいま先生がお読みいただきましたときの議論というのは、マコウスキー修正条項の前のものと思いますが、当時のアメリカのNUREG〇三六〇という基準、それに該当する容器の開発をやっておりまして、サンディアの研究所での実験などをやりまして、その結果の見通しというものはつきつつあったわけでございます。したがいまして、その時点での当時の結城課長の説明というのはマコウスキー修正条項をクリアする容器の開発ではなくて、その前のNUREG〇三六〇という基準を満足すべき容器の開発の見通しは立っております、こういうことで御説明したものと思います。その後にマコウスキー修正条項ができまして、実はこのマコウスキー修正条項と申しますのは、まだそれに基づく具体的な技術基準が決まっておりません。非常に厳しい何といいましょうか要求目標が決まっておって、それに基づきます具体的な技術基準というのが決まっておりませんので、まだ具体的な開発をし、その試験を行うということができないような状況になっているわけであります。したがって、現段階ではそういう技術基準あるいは試験方法が確定をしていないマコウスキー修正条項というものをクリアする容器の見通しと聞かれましても、ちょっとめどがないものでございますから、そこで当面は海上輸送によらざるを得ないと、こういうことで御説明をしているわけでございます。
○矢田部理君 素人をだますみたいなことを言っちゃだめだよ。ちゃんとそのとき私はマコウスキー法案をきちっと指摘をした、今この科技庁などが考えている基準はだめなんじゃないかと。読んでみますと、「アメリカの議会でマコウスキー法案というのが出された、それを見ますと、最高巡航高度から落下をさせて大丈夫かどうかということをやっぱりテストすべしというような厳しい内容」になっている。今そちらが考えているような実験程度では極めて不十分だと、現にアメリカの動きがそうなっているじゃないかという具体的な指摘までして、もうその論議のときにはそういう問題は俎上に上っておった。にもかかわらず、あなた方は強弁をして空輸だ空輸だと言ってそちらへ持っていったんじゃありませんか。この責任はどうするんですか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほど私御説明の中で、マコウスキー修正条項成立前と申し上げたのは誤りのようでございまして、そこは訂正をさしていただきますが、当時動燃が開発をし成果の見通しが得られつつあると当時の国会で御説明をしましたのは、先ほど申し上げましたNUREG〇三六〇という基準をもとに議論をしておったわけでございます。それで、私どももちろん航空輸送というものが考え方の上では基本であろうということは思っておりまして、航空輸送容器の開発というものは依然努力を続けていくわけでございます。ただ、先ほど御説明しましたように、マコウスキー条項の技術基準あるいは試験方法というものがまだ決まっておりませんので、それを今直ちにやるという見通しは立っていないものでございますから、他方、これは別途累次御説明しているかと思いますけれども、国内のプルトニウムの需給というものが一九九二年には払底をいたしますので、外国から輸送しなければならない需給状態になりますので、当面この輸送というものは海上輸送によらざるを得ない、こういうことになりまして、昨年十二月原子力委員会にもお諮りをした上で……
○矢田部理君 ちょっと端的に答えてよ。もう時間なくてね。もうさっきから、私が聞いたことに。 くだくだした説明は要らないんですよ。完全に見通しを誤ったんじゃありませんか。少なくともその法案についての認識を軽視をした。そこの謝罪から今度はスタートすべきなんですよ。弁解から始めるべきじゃない。大臣どうですか。これは責任問題ですよ。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほど来の答弁の一部繰り返しになって恐縮でありますけれども、マコウスキー修正条項はなるほど成立をしているわけでありますけれども、先ほど御説明しましたように、これに基づく技術基準、試験方法というものが具体的にまだ定められておりませんので、それに基づいて容器の開発をするということが困難な状況である、そういうことから、他方九二年には輸送しなければならないという現実がありますので、このような解決策をとらしていただきたい、こういうことでございます。
○矢田部理君 後段じゃなくて前段の話をしている。前の見通しは間違って、いいですか、言葉だけの問題で済むんじゃないんですよ。そのための予算もここで見ると十二億幾らかの金を使っている。容器の製作だとか実験だとか性能試験だとかいろいろやってきた。アメリカにも頼んできた。そんな簡単な、間に合わないからこっちだとかいうことで済む問題じゃないんですよ。あれほど私が指摘をした。そのときどうしても基準がわからないんならば、わかるまで問題をやっぱり送るべきじゃありませんか。あんなに急いで何としても認めてくれと言って認めさせて、強弁に強弁を続けたものが、そしてそのために予算まで組んで支出をしてきた、十何億という。そこの謝罪なりきちっとした折り目、けじめをつけるのが筋じゃありませんか、政治家の。大臣どうですか。――ちょっと待ってください。大臣のあれを求めているんだよ。あなたの弁解聞いているんじゃない。あなたには聞いてないと言うんだ。そんな弁解を求めているんじゃない。時間がもったいないんです。大臣の謝罪を求めているんだ、まずは。これだけ税金のむだ遣いをして、済みませんでしたぐらいな一言言ったっていいじゃないですか。
○委員長(山東昭子君) 大臣の答弁の前に原子力局長の方から事実関係をまず。
○矢田部理君 いや、事実関係要らないんだって、もうさっきから説明しているんだから。大臣。
○国務大臣(大島友治君) 私、先ほど来聞いておりますが、今の御質問になったその内容の当時の、二年前のことですか、この詳細については私も十分承知はしてないんですけれども、しかし政策の変更についていわゆる空輸でなく船だと、しかし空輸については相当の、先ほども費用が十数億かかったと、ここへ来ていつの間にかこうやったと、それはけしからぬじゃないかということはまさにそのとおりかと思いますが、私の今知る範囲内においては、決してその方向をすべてを捨ててしまって船だということでなくて、同時並行的にやはり従来のかけた費用を生かすために検討をしていると……
○矢田部理君 それがまた問題なんだ。
○国務大臣(大島友治君) というふうに私どもは聞いておるわけなんですが、その辺のことについては私どもとしてははっきり全く捨てたというわけでないと理解をしておるわけでございます。
○矢田部理君 そこの後段がまた問題なんですぞ。空輸はだめだと、今度は海上輸送だと言って、そして補正予算まで組んで二百億の船の建造に取りかかるという。この船について、巡視船、アメリカとの間で、いいですか、時間がないから話を進めます、交換公文を見ますと、武装護衛船 によって護衛されなきゃならないという交換公文がありますね。この武装護衛船、今度海上保安庁が二百億かけてつくるそうですが、いいですか、海上保安庁、運輸省に聞いた方がいいのかな、これでアメリカとの間では完全に合意ができているんでしょうか。その二百億かけてかくかくの装備をする船でアメリカは結構ですと、同意します、了解しますという合意はきちっとできているんでしょうか、まず。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘の日米原子力協定の実施取極の附属書に関する交換公文というのがございまして、そこにただいま先生御指摘になりましたような武装護衛船による護衛ということが規定されております。それで、この武装護衛船が何を意味するかという解釈につきまして、海上輸送に関するサイドレターというのがございまして、そのサイドレターの中におきましてこの武装護衛船、これは英語ではアームド・エスコート・ベッセルとされておりますが、これについては海上保安庁、沿岸警備の船舶あるいはその他の目的を達成し得るような公船という、そういう解釈が……
○矢田部理君 ちょっと、アメリカとの了解がきちっとこれでついているかと聞いているんです。そこの結論だけ言ってください、時間がないんだから。
○政府委員(太田博君) そういう解釈がなされておりまして、したがいまして、海上保安庁の巡視船というのも、ここで言う武装護衛船に相当するということにつきまして日米間で共通の認識がございます。 そこで、海上保安庁の巡視船と申しましてもいろいろな巡視船がございますが、具体的にこの一隻の海上保安庁の巡視船による護衛ということを一つの要素といたしまして、これからアメリカとプルトニウムの海上輸送に関しまして詳細な輸送計画というのを策定することになっておりまして、その際詳細な輸送計画が協議されますが、その一つの要素として一隻の海上保安庁の巡視船で問題がないということについて日米間で共通の認識がございます。
○矢田部理君 微妙な発言ですね。一つの要素として一隻の巡視艇で、巡視艦で大丈夫だという了解がついていると。そうすると、別の要素が加わるんですか、余地があるんですか。
○政府委員(太田博君) 先ほど申しました日米原子力協定の実施取極の附属書の五でございますが、これは海上輸送に関するガイドライン、指針ということになっておりまして、この指針にはプルトニウムを海上輸送する場合にとるべき措置、これが列挙してございます。そのうちの一つが武装護衛船であるということで今一つの要素と申し上げたわけでございまして、そのほかの要素といたしましては、その指針に列挙してございますが、輸送船にしかるべく武装した乗組員を、護衛者を乗船させることですとか、港における安全性の確保その他要素があるので一つの要素と申し上げた次第でございます。
○矢田部理君 そういう意味での要素ならわかりますが、この一隻の護衛船、今建造に入ったんでしょうか、入ろうとしているんでしょうか。その護衛船でよろしいと、アメリカ了解という話はきっちりついているんですね。そこを結論だけイエスとかノーで答えてください。
○政府委員(太田博君) 我が国が建造を開始した船を前提として輸送計画をつくるということでアメリカは了解をいたしております。
○矢田部理君 というのは、なぜこんなことを聞くかといいますと、アメリカの国務省筋から二月に今の護衛では同意できないと、巡視船護衛ではだめだという通告が外務省に来ているとか、これまたアメリカの議会筋でいろんな議論が起こっているわけですよ。そういう話も報道等によって伝えられているので、あなた方はこの前もうそを言ったから、もう一回念のためにしつこく聞いているんだ、大丈夫ですかと。二百億も出すんですぞと、もう一回確認しておきます。
○政府委員(太田博君) ただいま先生の御質問は、「諸君」の六月号にその種の記事が出まして、これが新聞等でも報道されたわけでございますが、その「諸君」に掲載されました論文に言及されているものと考えておりますが、その「諸君」の論文に出ておりました諸点、すなわち今先生が申されました……
○矢田部理君 結論的な話だけでいいです。
○政府委員(太田博君) はい。あの「諸君」の記事、つまり二月にアメリカが海上保安庁の船ではだめだと言ってきたというのは事実無根でございます。
○矢田部理君 この問題が、しかし議会筋で必ずしもきちっと抑え切れていない動きがあることは、恐らく外務省だから知っていると思いますよ。それあたりがてこになってさっきみたいな、マコウスキー法案みたいな議論が出てこないようになることを厳しく求めておきますが、同時に、今度は船だ船だと言っておって飛行機は消えたのかと思ったら、ことしの予算見たら飛行機の予算もまたついている。飛行機も追求する、船だってまた議会との関係で不安定だ、こんな次から次と――もともと海上輸送で来た。四十日もかかって、費用が高くなって、シージャックの危険があるからだめだ、飛行機でなきゃだめだ、だめだと言っていて、今度は、飛行機はキャスクの条件が満たないからだめだ、船にした。船だってまだ不安定です。両方にしかもまたお金を出している。飛行機の研究も追求するということになると、これは私は会計検査上からも大変問題があると思う。依然としてこの不安定な政策決定を明確にしないままに二重投資をしている。 検査院に来ていただいておりますが、どうですか、検査院。
○説明員(天野進君) 本件につきましては、我が国のエネルギー政策上重要な問題であります。さまざまな観点から検討を加え、判断されてしかるべきものと考えておりますが、ただいま先生の御指摘も踏まえながら、今後会計検査を行っていきたいと考えております。
○矢田部理君 会計検査院も、政策上の問題だけではないんですよ。物すごく変わって、猫の目のようにくるくる変わっています。押さえ切れていない。またまたこの飛行機の余地を残し、かつそこにも予算を計上しておきながら、補正予算まで組んでこの船の方に投資をする。これだって本当にアメリカの了解を得ているのかどうか、大変問題としてやっぱり残るのであります。 それならばもう一つだけ聞きますかね、キャスクの研究はおおよそあと何年でできるんですか。その研究ができたら飛行機に切りかえるんですか。切りかえるときには船はどうするんですか。それとも、飛行機はしないで船だけで今後ずっとやるんですか。この辺の見通しなり考え方を整理してください。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほど御説明しましたように、昨年の十二月にこの問題について原子力委員会で御議論をいただきまして、その結論が次のようなことになってございます。若干の経緯を説明しておりますが、「今後とも、動燃において航空輸送容器の開発を進めていくものとするが、一九八七年十二月に米国議会で成立したいわゆる「マコウスキー修正条項」を新たに満足する必要が生じたことなどから、その開発にはなお相当の期間を要する見込であり、一九九二年までに実用化することは、不可能と判断される。このため、当面の返還輸送は、海上輸送により行うものとする。」ということでございまして、原子力委員会の政策決定として、動燃において航空輸送容器の開発は進めていくものとする、しかし当面間に合わないから海上輸送をする、こういうことでございます。 先生のお尋ねで、じゃいつ開発できるのか、こういう点でございますが、これは先ほど来申し上げておりますように、マコウスキー修正条項に基づきます具体的な技術基準、検査基準がまだ決まっておりませんので、それをクリアする容器がどういうタイミングで開発され得るかというのを今確たる見通しとして御説明できない状況になって おります。
○矢田部理君 もうここまで来たら船なら船と決めるべきなんだ。依然としてその当てどもないところにやっぱりお金をつぎ込む、相手の条件次第だと、その条件も決まらぬ、いつ決まるかわからぬ、「むつ」でも大分失敗しているわけですが。どうもやっぱり科技庁なりその関係者がおやりになることは無責任きわまりない。謝りもせず弁解だけしている。このことを厳しく私は申し上げておきたいと思います。 さて、中身に入りますと、容器の問題とか輸送体制の問題とか値段の問題とか、それからこの覚書で決められたさまざまな条件の整理の問題など、船の輸送にとってもまだまだクリアしなきゃならぬたくさんの問題がある。その一つ一つを実はやりたかったのでありますが、時間が制限をされておりますので、どうしますかな――例えば、あれですか、船で運ぶ場合のキャスクはやっぱり飛行機と同じように大事なわけですが、これについては開発済みですか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 既存のキャスクがございます。
○矢田部理君 それはIAEAの基準を満たすもの、あるいはその程度のものですか。
○政府委員(緒方謙二郎君) IAEAの基準はもちろん満たし、日本の基準あるいはイギリス、フランスなどの基準を満足するものでございます。
○矢田部理君 従前から問題になっておって、水深にしたって、これはまあどういうコースを通るかは別として、かつては、あれでしょう、この覚書にもよるが、危険地域はだめだと言っているんでしょう。これは中近東を回るわけにいかぬ、ずうっと遠回りで四十日もかけて船で持ってくる。物すごい深いところもあるわけですよ。そうすると、その海の深さの程度にも随分問題があるわけです。薄い皮で、浅いところで大丈夫ぐらいの基準じゃありませんか、この基準を見ると。飛行機のときにも問題になりましたがね、これだけ毒性の強いもので、半減期で二万数千年もかかる、最高の毒性を持ったものを完全に、事故や、海中に落下したときにすくい上げたり、それから、どうしても見つからなかった場合に水圧や海水の腐食に耐え得るような、何万年も耐え得るようなものはできっこないのです。その点では海上輸送でも依然としてたくさんの問題を含んでいる。ですから、もともと国際的な基準も私は極めて不十分だと思うが、日本が少しそれに積み増しをしたからといって十分なものではない。それは飛行機のときに議論したから繰り返しはしませんけれども、まだまだこれは問題が多いんですよ。衝突した場合、沈没した場合、また、きょうの空母ではありませんがね、火災が起きた場合、護衛の体制も含めてたくさんの問題があることをひとつ十分に指摘をしておきたいと思います。 そして――あと何時までですか。
○委員長(山東昭子君) あと三分です。
○矢田部理君 それで、実はようやくこの資料の一部が出していただきました。これはここ二、三日大変どなったり怒ったりして初めて出てきた東海村の再処理施設の保安規程。中を見ますと相当白紙の部分があるから、相当抜かれたとは思いますが、再処理問題、特にこの日仏原子力協定は六ケ所村の再処理問題とも連動しているわけでありますから、私の地元の東海の再処理問題を俎上にのせながらこの問題の議論を実は本論としてはしてきたかったのでありますが、残念ながら時間が来てできません。 そこで大島さんにちょっとお考えをいただきたいのは、どうも予算委員会以来ずっと見ておりますと、原子力、それからこれは外務大臣に聞いていただきたいのですが、外交、防衛は情報非公開が原則になっているんですね。原子力は安全問題が極めて重要です。この再処理工場についても、これだけ時間がたっても稼働率が極めて低い。しょっちゅう故障しています。当初予定の計画から見れば、大変に処理能力も低い水準に来ているわけです。環境に対する影響もいろいろ指摘をされておるわけなんです。そのもとになる保安規程というのは極めて大事な規程だと私は思っているんです。これを一晩じゅう騒ぎまくらなければやっぱり出してくれないという点で、内容上、個別上の問題は、この保安規程はきょう昼過ぎにもらいましたから改めて勉強して個別的にはやりますが、もうちょっとやっぱり、原子力基本法も自主、民主、公開、情報公開法の制定に先立って公開ということを原子力基本法は決めているわけです。情報をオープンにする必要があるんじゃないでしょうか。とりわけ国政調査に対しても、それは私企業の分野だから、企業内の問題だから、そんな説明で出さないということになったら、これは原子力問題は全くやっぱり密室で進められることになります。 その点で大島さんに、あなた科学のことがどれだけ強いかは存じませんが、やっぱり大臣就任中に情報公開だけはやった、大島科学技術庁長官は大したものだと言われるぐらいのやっぱり情報公開の基本のところだけ押さえてほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(大島友治君) 大分きょうは私に対しても機微に触れた設問等をいただきまして大変恐縮に存じておるわけでございますが、実はその資料につきましても、きょうはまず出そうかなということで提出の準術中ということではございましたけれども、そんなことじゃだめだから出せということで実はそこにもお出ししたというのも一例でございますから、今御質問と御期待をされたような結果が在任中できるかできないかは別といたしましても、私は委員の御趣旨に沿って最大限の努力をしてまいる予定でございますから、ひとつ御協力をいただければ幸いだと思います。
○矢田部理君 残念ながら時間が来ましたので終わります。
○吉岡吉典君 協定に入る前に、私もこの委員会で過去に問題になった点、一点質問しておきます。 それは、昨年六月、当委員会で強行可決された宇宙基地協定問題です。その当時批准書を寄託したのはノルウェー一国という状況であり、私は、そういう状況で急ぐ必要はない、十分審議してこれはやるべきだと主張しましたが、強行採決されました。 そこでお伺いします。 その後批准したのはどこか。特にアメリカは批准しているかどうか。 第二点は、その後アメリカでは、計画にミスがあったという議論が起こったり、計画の縮小とかあるいは有人宇宙基地は高くつくから無人宇宙基地にせよというようなさまざまな議論があります。そしてまた、この三月には日本、欧州の宇宙開発機構代表が米下院科学・技術委員会で証言し、宇宙基地建設をおくらすなと要望しております。そこで二点日の質問は、宇宙基地計画は予定どおりの規模とテンポで進む、そう見ているのかどうなのか。今問題になりました見通しの狂いという問題もありますので、最初にこれにお答え願いたいと思います。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 まず最初の、現在までに宇宙基地協力協定を批准した回はどこかということでございますが、日本のほかにノルウェーとデンマークでございます。米国はいまだこの協定を批准しておりません。 米国に関しましては、この協定をできるだけ早く締結したいといたしておりまして、既に協定自体については議会の承認を得ておりますけれども、この宇宙基地協力協定に基づいて米国が協力をするのに必要な関連国内法、特に特許関係の法律の改正という手続が残っていると承知しておりまして、米国政府としてはこの特許関係の法律の改正をできるだけ早く行って、できるだけ早期に協定の締結をしたいといたしております。 それから、本計画がおくれるのではないかということでございまして、昨年の夏ごろアメリカがこの宇宙基地計画の見直しということを提案したのは事実でございます。それから、予算の関係もございますが、アメリカとしてはできるだけ当初 の計画が大幅なおくれを見ないように最大限の努力をするというふうに申しております。
○吉岡吉典君 わざわざ強行採決までして、その後批准書を寄託したのは日本を除けばデンマークだけ、提案者のアメリカも批准していないという状況ですわ。これで予定どおりこの宇宙基地計画が進む保証はどこにもないと思います。もちろん私どもこの宇宙計画そのものに反対しておりますから促進せよというわけじゃありませんけれども、外務省の見通しというものはこの点でも私は非常に大きな問題があったということを指摘して、本論に進みたいと思います。 まず最初に、一九七二年に現行の日仏協定が結ばれましたが、その後日仏の原子力協定の内容、特にフランスから日本に行われた協力内容について、大きい項目だけで結構ですから挙げてください。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 日仏間、特にフランスから日本への協力でございますが、まず核燃料、ウランの供給というのがございます。フランスからは、我が国のウラン鉱石の総確保量の約七、八%を依存しております。それからウラン濃縮役務、これをやはりフランスに頼んでおりまして、我が国の総利用の約二割程度をフランスに依存しております。 それから、この委員会でもさんざん議論されました使用済み核燃料の再処理、これをイギリスとともにフランスにも委託をしております。 それから、東海再処理工場の建設、これはフランスに頼んで建設をしてもらったということでございます。
○吉岡吉典君 六ケ所村はどうですか。
○政府委員(太田博君) それから現在進行中の、あるいは近い将来に予想される協力といたしましては、ただいま先生御指摘の六ケ所村の再処理施設の建設、これはフランスから技術導入を行って建設するものでございます。 それから、委託いたしました再処理の結果出てくるプルトニウムの返還、これもフランスから行われるということになっております。
○吉岡吉典君 主としてプルトニウムにかかわる協力であるということが特徴だと思いますが、もう少し突っ込んで、東海村の再処理工場建設については具体的にはどういう協力を得たんですか、簡単で結構ですから。
○説明員(林幸秀君) お答えいたします。 東海村の再処理工場につきましては、動燃事業団がフランスのサンゴバン社と溶解槽等の主要な機器の購入あるいは設計図等の設計技術の移転等、そういった協力を行いまして、昭和五十二年から運転を開始しておるという次第でございます。
○吉岡吉典君 事実上フランスの再処理工場を買い取ったようなものだというふうに私は言えると思います。 六ケ所村の再処理への協力はどういう内容ですか。
○説明員(林幸秀君) 六ケ所村に建設される計画でございます再処理工場につきましては、日本原燃サービス株式会社がフランスのSGNという会社の――これはSGNというのは会社の名前でございますが、設計図等の設計技術の移転、技師の派遣等の協力を行うということにしておる次第でございます。
○吉岡吉典君 六ケ所村の場合も基本設計までフランスからもらってやるということですね。ですから、日本の再処理工場というのはほとんど全面的にフランスに依頼するという形になっていると思いますが、ついでですからお伺いしておきます。 東海村それから六ケ所村、この再処理工場についてフランスからの協力、技術移転ですね、これについてはどれぐらいな協力料を支払うことになるのか、けただけでも結構ですから。
○説明員(林幸秀君) お答えいたします。 動燃事業団が再処理技術を導入するということにいたしまして、これは日揮という日本の会社とサンゴバン、これがジョイントベンチャーを組みまして建設工事の基本計画を動燃と締結したわけでございますが、この契約に基づきまして支払われました金額といいますのは、総計約百二十二億円というふうに承知しております。 一方、六ケ所村の場合でございますけれども、これは日本原燃サービスが先ほど申し上げましたフランスのSGNという会社と技術移転契約を締結しておりまして、その金額は二百八十億円支払っておるというふうに聞いております。
○吉岡吉典君 繰り返すようですが、日本の原発というのは、私どもは日米原子力協定によって強くアメリカに従属させられてきている。それに補足する形で使用済み核燃料の再処理はフランスに大きく依存すると、こういう形で日本の原発政策というのが今後進められようとしているという実態がこの日仏原子力協定のこれまでの実態ではなかったかと思います。 そこでお伺いしますが、今幾つか項目を挙げられました協力、これは民間レベル、あるいは政府レベルもあるかもしれませんけれども、いずれにしろ具体的な取り決め、協定というふうに銘打つのか、契約書というふうに銘打つかわかりませんけれども、多くの取り決めによって実行されていると思います。六ケ所村の再処理工場についても、この協定の附属書の中で一九八七年にこの契約が結ばれたということが述べられているわけですね。で、私、後で文書で結構ですから、どういうそういう取り決めあるいは契約があるかというリストですね、まあリストの名前だけでは何のことかちんぷんかんぷんわからないのじゃ困りますので、どういうことを取り決めたものかということがわかる程度の資料をいただきたいと思いますが、いただけますか。
○説明員(結城章夫君) 今允生から御要望のありました資料をこれから作業をしてつくってお届けしたいと思います。
○吉岡吉典君 これはぜひお願いします。 そこで、そういう資料をいただけるということになれば、私は衆議院での答弁を見て実はびっくりしたことがありますけれども、これはどうやらどういうわけでの答弁か疑問が出る問題が一つ出てさました。それは、民間の私的な契約だから内容はつまびらかでないという趣旨の答弁がお二人から行われているわけですね。で、民間の契約だからつまびらかでないということになると、核という重大問題をめぐって政府は全く中身を知らないままに、もう民間に任せっきりだというふうにこれは受け取られる答弁なんで、これはもし事実がそうだとすれば大変なことだし、事実がそうでなければ、なぜそういう答弁なさったかは別として、これはその取り決めの内容は実は百も承知だということなら、そういうふうに正確を期しておいていただきたいと思います。
○説明員(結城章夫君) 私ども科学技術庁は原子力行政を担当いたしております。ただいまお話のありました我が国の電力会社がフランスの会社などとやっております各種の契約につきましては、私ども原子力行政を進めていく立場上必要な範囲において電気事業者から内容を聴取し、その内容を把握しております。また、その概要につきましては、必要に応じまして国会等の場でも御説明しておるところでございます。
○吉岡吉典君 科学技術庁のみならず、これは国会の場での答弁ですから、政府としてつかんでいるかどうかというような問題は、これは非常に重要な問題なんですね。必要な範囲でつかんでいて、あとはもうそうすると業者に任せっきりなんですか。これははっきりしておいてもらわないと、日本政府というのは野放しだという批判を国際的に受けることになりますよ。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 先生、今御指摘の点でございますが、決して野放しというわけではございません。今も核燃料課長が御答弁申し上げましたように、原子力行政遂行上必要な点につきましては押さえておるつもりでございます。同時に、事業実施主体はそれぞれ民間企業でございますから、その民間企業がその事業を実施するために各種の契約、私契約を取り 結んでおるわけでございまして、その内容につきましては、また民間企業それぞれの活動、それぞれの民間企業におきます経済活動を遂行するのに必要な部分もあるわけでございますので、それとの兼ね合いはございますけれども、原子力行政遂行上必要な点につきましてはすべて押さえておるつもりでございます。
○吉岡吉典君 まだ必ずしもはっきりしませんが、この問題、それぐらいでおきましょう。 それで、リストをいただけるということですから、私はリストをいただいた上で改めてまた何らかの機会にお願いしようと思いますけれども、私は、この公開の原則からいえば、そういう取り決めというのはやはり発表すると、これが本来のあり方であり、民間の契約だから国会には出さないというふうなことこそ疑惑を生むもとだと思います。これはいずれにせよリストをいただいてから改めてまた問題にさせていただきます。 で、なぜ改定するのかという問題です。日仏の間で今説明がありましたような多くの協力がこれまで行われてきた。この説明によりますと、インドが核爆発実験を行ったのを契機に各国による核不拡散政策の強化というふうなことが挙げられ、国会の答弁でも基本はそこにあると、こう述べられております。私は核保有国がふえることにはもちろん反対ですから、核不拡散を一層強めるということ自体は結構なことだと思います。しかし、先ほども論議がありましたけど、この協定を結んでいる片方は不拡散条約にも入ってない核保有国で、核保有国と非核保有国とが協定を結んで片方の核爆発を抑えるということは、やっぱりさまざまなさっき論議がありましたような矛盾を生むと思います。私は、不拡散を本当に徹底させるということであれば、そして本当に対等な原子力行政を日米であれ、日仏であれ結ぼうと思えば、やはりそういう心配のない状態、つまり核兵器を持っている国と持っていない国があるという状態、それをなくすこと、つまり核兵器を全廃して核兵器のない世界に向かうことこそ最も本来のあり方だと思います。この点外務大臣はどうお考えになるかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 我々世界で唯一の被爆国である日本としては、核が平和のうちに使われる、平和利用の目的に限られて人類の福祉のために使われるということであれば、核の利用というものを認めることは可能でありますけれども、これが兵器に使われるということは好ましくないということで、私どもは核兵器というものについての考え方は一貫して国是としても非核三原則を守っているわけでありますから、そのような考え方で今後ともいくべきであると考えております。
○吉岡吉典君 もう一つ、私国会での答弁や改定の説明書を読んで、これは私の誤解かもしれませんけれども、こういう現行協定が日仏間の原子力平和的利用協力関係の実態に十分には沿わないものになっているので改定するというふうに書いてあるのを読んで、実は私は、これは日仏間の今までの原子力協定にトラブルでも起こっているのかあるいは今までの協定をはるかに超える新しい何か物すごくでかい協力でも何かやろうということなのだろうかというふうに、この説明書を読んだり国会の答弁を読んだりしましてそういう疑問も持ちましたので、何かうまくいっていないこととか何かがあるのか、そうじゃないのか。詳しい答弁要りません。そういう心配ないということなら、それだけで結構ですから。
○政府委員(太田博君) 実態に即さなくなったというのは、今先生が御心配のような何か不都合なことが起きたということではございませんで、十八年前の現行協定、非常に古い協定でございますが、その後のいろいろな発展、例えば保障措置協定の問題ですとか防護措置を適用する問題、あるいは機微な技術の問題、こういう新しい形の規制を実態に即したものを取り入れる、そういうのが目的でございます。
○吉岡吉典君 それはそれでわかりました。 いずれにせよ、私はこの日仏の今進められている原子力協定というものについては、さっきも触れましたように、プルトニウムを中心とする協力ということで重大な疑問を持たざるを得ません。 そこで、この原子力開発利用長期計画によっても、日本の原子力開発というのが次段階の課題に本格的に取り組むべき時期を迎えようとしている、こういうふうに書かれておりますね。世界的にはスリーマイルあるいはチェルノブイリ事故をめぐって原発政策についてのさまざまな検討が加えられた時期に、日本ではいよいよこれから本格的に原発政策を進めていく。しかも、その内容はこれまでの論議等を見ても非常にはっきりしていることは、核燃料も濃縮ウランからプルトニウム、そして原子炉も高速増殖炉に転換していこうという、そういう方向が明らかにされていると思います。私はこういう方向、とりわけこの六ケ所村の核燃料サイクル計画の強行というふうなものは、やはり日本の原発政策が非常に重大な、私らから言えば非常に危険な画期をなすそういう局面に入ろうとしているという心配を持たざるを得ません。 誤解のないように私日本共産党の核問題についての立場を申し上げておきますが、我が党は原子力の軍事利用には強く反対しております。しかし、平和利用一般を否定するものではなく、原子力の発展、原子力の開発によって人類が全く新しいエネルギーを得た、さまざまの有効利用の可能性も開けたと思っています。それを妨げているものが軍事利用優先だという問題と、同時に、この技術というものはまだ未完成の技術だということを踏まえて、原子力基本法の言うところの自主、民主、公開の三原則を厳守して対処しなくちゃならないというのが私どもの考えだと。そういう点で、この今の再処理工場の問題あるいはフランスで先ほども問題になりました再処理の委託、輸送というふうなものについて少し立ち入ってお伺いしておかざるを得ません。 まず英仏での使用済み核燃料の再処理問題ですけれども、時間がありませんから、イギリスでは一体どうなっているのかということだけお伺いしておきます。というのは、イギリスではまだ再処理が行われていないと私は聞いておりますし、同時に、イギリスの再処理工場というのは停止しているんだという話もあります。実態はどうなんですか。
○説明員(結城章夫君) イギリスにおきましてはBNFLという英国核燃料会社でございますが、セラフィールドに天然ウラン燃料年間千五百トン処理の再処理工場を持っております。これはB205工場と出しております。一九六四年に運転を開始いたしまして、これまで順調に運転しておると聞いておりまして、稼働が停止しているということは聞いておりません。さらにイギリスはこれに引き続き大規模な再処理工場を現在建設中でございまして、これはTHORP工場というわけでございますが、濃縮ウラン燃料年間千二百トン処理の工場でございまして、一九九二年に運転に入る予定でございます。
○吉岡吉典君 今の新しい再処理工場ですが、これに対して雑誌「世界」に載った論文によりますと、その工場建設資金には日本の支払った契約金が充てられている、こういうふうに書かれております。日本の契約金というのはもう全部先払いなんですか。また、実際にこの「世界」の論文が指摘しているように、日本の契約金が充てられているというのは事実ですか。
○説明員(結城章夫君) このイギリスのTHORP工場の建設費は、再処理を委託している顧客、これは日本に限りませんでドイツ、スウェーデン、各国ございますけれども、そういった顧客間で負担することになっていると聞いております。
○吉岡吉典君 時間がだんだん過ぎますので幾つか聞きたいことがありますが、飛ばして、東海、六ケ所村の再処理工場の問題についてですが、私どもが考えるのには、再処理工場というものは廃棄物の処理を含めてまだ技術的に未開発だというふうに我々は考えております。 そこでお伺いしますけれども、東海の再処理工場にしても世界の幾つかの再処理工場でも、これ まで全く事故のなかった、トラブルの全くなかった再処理工場というのはありますか。
○説明員(結城章夫君) ただいまの御指摘は再処理技術が未確立ではないかということだと思いますが、イギリス、フランスにおきましては既に二十五年以上の商業工場としての運転実績がございます。この間何度かトラブルは生じたと聞いておりますけれども、逐次改良が続けられまして、現在商業工場として順調に運転が続けられていると理解しております。 ただいま申し上げましたように、新たな再処理工場をフランスにおきましては既に昨年操業を開始いたしておりますし、イギリスにおいても大型の再処理工場の建設を進めているところでございます。さらに我が国におきましては昭和五十二年から東海村の動燃事業団の再処理工場のホット試験が始まっております。これまでこの再処理工場では幾つかのトラブル、問題点は生じておりますが、我が国の技術力によりその都度克服してきておりまして、現在順調に運転が行われているところでございます。
○吉岡吉典君 東海の再処理工場を含めてトラブルのなかったものはない。特に東海などは動かない再処理工場と言われたほどで、やはりこれは私はまだ本当に技術が確立されていないということだと思います。そういう点ではあなた方と意見を異にします。 そういう状況の中で、六ケ所村で新たな核燃料サイクルの計画が進められております。この問題で先ほど安全審査中という答弁がありましたが、一部では安全審査の基準さえ示されていない、こういう指摘がありますが、この点の真相はどうですか。もしそうでないというのでしたら、納得できるデータ、安全基準の内容を示して答えていただきたいと思います。
○説明員(大森勝良君) 再処理施設の安全審査といいますか、まず安全規制全体でございますけれども、当然のことながら原子炉等規制法がございますし、それに基づく法令がございます。さらに原子力安全委員会が定めました各種指針がございまして、およそこの指針の数、関連しますもの十本ばかりございますけれども、そのうち、再処理施設安全審査指針というものが昭和六十一年二月二十日に安全委員会によって定められてございまして、これを中心として安全審査を今進めているところでございます。
○吉岡吉典君 そうすると、法律、指針、そういうふうなものだけということですか。
○説明員(大森勝良君) 私ども安全審査を行う際には、これら指針に基づいて行っておるわけでございますけれども、当然のことながら、先行いたします東海の再処理施設におきますさまざまな経験、私ども審査をした経験がございますし、それから実際に運転をしているわけでございますので、そこでの経験が活用されます。さらに、指針というようになっているわけではございませんが、私ども安全審査を行う際に専門家の意見を聴取いたします。現在進めております六ケ所村の再処理施設につきましては、約五十名の原子力安全技術顧問にお願いいたしまして各種の分野からの意見をいただき、審査を厳正に進めているところでございます。
○吉岡吉典君 この青森県の六ケ所村につくられる核燃料サイクルの中身ですけれども、どんな施設がつくられるか。これは私衆議院の答弁を読んでみますと、一つはウラン濃縮施設、それから低レベル放射性廃棄物の埋設施設、それから再処理施設、高レベルガラス固化体の貯蔵施設、この四つが答弁で出ていますけれども、そのようにとって結構ですか。
○説明員(結城章夫君) 六ケ所村の核燃料サイクル施設は大きくは三つでございまして、ウラン濃縮施設と低レベル放射性廃棄物の埋設施設及び再処理施設でございます。ただ、再処理施設の中にイギリス、フランスから返ってまいります返還廃棄物の貯蔵施設がございますが、これは原子炉等規制法上は廃棄物の管理事業ということで別の許可が与えられることになっておりますので、そういう意味では四つになります。
○吉岡吉典君 今複雑な言い回しですけれども、フランス、イギリスから返還される高レベル放射性廃棄物にしても、日本国内、六ケ所村でできる放射性廃棄物にしても、この六ケ所村に三十年ないし五十年貯蔵されるということはこれまでの答弁でもはっきりしているわけです。だから、これは膨大な施設が必要であるわけですから、私は三つとかいうふうなことじゃなく四つだと思います。 私はなぜそういうふうなことを言うかというと、先ほどもここで論議になりましたけれども、私は六ケ所村へ行っていろんな宣伝資料をもらってきたんです。そうすると、この高レベルの貯蔵施設のことは何も書いていないんです。三つの施設をつくるということしか書いていない。ウラン濃縮工場、再処理工場、そして低レベル放射性廃棄物貯蔵センター、こういうふうに三つの施設をつくるということだけ書いてあるわけです。 それから、さっきのように知事に説明したのか説明していないのかというふうな論議が起こるのには私はそれなりの根拠があると思うんです。なぜ一体、そういうふうにこの三施設だと言って、放射性廃棄物の貯蔵という問題を事実上隠すような宣伝物をつくるんですか。これははっきりしておいた方がいいと思いますので、どなたか。
○説明員(結城章夫君) そのパンフレットで申しております再処理工場には、再処理施設そのものと返還廃棄物の貯蔵施設と両方含まれておるわけでございます。それを合わせて再処理工場と言っておるわけでございます。といいますのは、同じ敷地の中に同じ会社がやるものですから、一まとめにそういうふうに申し上げておるのだと理解しております。 私が四つと申し上げましたのは、原子炉等規制法上の許可ということになりますと、再処理施設と返還廃棄物の貯蔵施設は別の許可が与えられますので、そういう意味では再処理工場が二つに分けられるということで四つになるわけでございます。
○吉岡吉典君 先ほど私が技術が未開発だという問題に関連して反論ありましたけれども、高速増殖炉の技術はもう既に完成しているんですか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 御承知のように、我が国の高速増殖炉は実験炉「常陽」が茨城県におきまして運転中でございますし、現在原型炉「もんじゅ」は福井県におきまして建設が進められている最中でございます。御承知のように、原子炉の開発におきましては、実験炉、原型炉、それから実証炉、実用炉と、そういう段階で開発が進んでいくわけでございますが、現在、原型炉の建設が進みつつあるというそういう段階であろうかと思います。その意味では高速増殖炉は開発途上ではございますけれども、技術的には現在高速増殖炉の技術を動力炉・核燃料開発事業団が身につけつつある、そういう状況と御理解賜れば幸いでございます。
○吉岡吉典君 やはりこれも完成していないわけですね。それから、高レベル放射性廃棄物の最終処理、地層処分、こう言っておられますが、これの見通しというのは立っていますか。この長期計画によると、地層処分の第一段階から第四段階までがあるというふうに書かれておりますけれども、どの段階ですか。
○説明員(広瀬研吉君) 高レベル放射性廃棄物の地層処分の研究開発につきましては、今先生お手元にございます長期計画にあります四つの段階のうちの第二段階、処分予定地の選定の段階にございます。 その処分予定地の選定の中でやりますことは、地層処分の研究開発をまず進めるということでございまして、今までの研究開発によりまして地層処分の技術的可能性の見通しが得られつつあるというふうに考えてございます。今後ともさらに研究開発等を推進していくことによりまして、我が国で安全な地層処分が実施できるものと考えてございます。
○吉岡吉典君 四段階の手順を踏むといううちの まだ第二段階だというところでもう見通しは立ったというふうな言い方は、これが科学技術庁の見通しだとすれば非常に甘いと思います。国会答弁では白紙に近いと言わぬばかりの答弁だって行われているのが現状で、私は高レベル放射性廃棄物の再処理の見通しというふうなものなんか全く立っていないというのが現状だと思います。そうじゃないんですか。
○説明員(広瀬研吉君) 今までるる白紙の状況であると御説明をさせていただいてきておりますのは最終的な処分予定地の選定の状況についてでございまして、地層処分の技術的な可能性を得るための研究開発を今一生懸命やっておるところでございますが、技術的な可能性としてはその見通しが得られつつあるという状況でございます。ただ、最終処分予定地の選定につきましては、今後処分事業の実施主体者を決める、またその実施主体者が地元の理解と協力を得てその予定地を選定する等の手順がございますので、現在のところまだ全く日本全国白紙の状況であるということでございます。
○吉岡吉典君 どこへつくるかというまだもう一つ前の段階なんですね。ですから、これはどこへつくるかの見通しもないのに見通しが立ったなんということはとても言えないし、そのことと無関係の技術も私はないと思いますよ。 私は、結論的に日本がいよいよ本格的な次の段階の原子力開発の時代に入る、こう言っている。その内容はプルトニウムを中心とする高速増殖炉、そういう方向であるんですね。この長期計画によると、六ケ所村に次ぐ第二の民間再処理工場までつくるという計画も述べられているわけですね。そういう状態というのが私は世界からいろいろな目で見られているということについて、ここで政府の皆さんにも考えていただきたい。 端的に言いまして、私は最近、アメリカを初め幾つかの国の学者が、日本は非常に巧妙に核武装の準備を着々と進めているという疑惑あるいは強い批判を持っていることを聞いて、知ってびっくりしました。私自身が、日本政府が今着々と核武装の準備を進めているというわけではございませんけれども、そういう疑惑が国際的に非常に強い。その強い理由の一つは何かというと、すぐ原発になるプルトニウムの大量の輸送を、今輸送方法をめぐってありましたけれども、なぜやろうとしているのかという問題が一つ。それから同時に、安全性からいっても経済性からいっても国際的にも問題があるとされているプルトニウムに向かって、なぜ日本の原発政策を大きくこのように転換しようとしているかということがこの一つの理由になっております。 それからもう一つの理由ですね。これは――その前に今の問題ですね。そういう国際的な批判があっても、やはり今の予定どおり計画は進めようという考えかどうか、これを一つお伺いしておきましょう。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 我が国が平和利用を規定しております原子力基本法を厳重に守って原子力開発、利用を進めておることは御承知のとおりでございます。 それから、プルトニウムを利用いたそうとしておりますのは、これまで重ね重ね御説明してまいりましたように、ウラン全体の持っております潜在的エネルギーを可能な限り大きく引き出したいということで、プルトニウム利用と将来的には高速増殖炉の体系を目がけて努力をしておるわけでございますので、その辺のことにつきまして、よろしく御了解賜りたいと存じます。
○委員長(山東昭子君) 吉岡さん、時間が参りましたので短目にお願いします。
○吉岡吉典君 もう一問だけお願いします、外務大臣に予告していましたので。 私は、今の説明が繰り返し行われていても、なお世界の日本の核武装への疑問が非常に強いと、私は知ってびっくりしました。ですから、これには科学技術庁の説明だけでは解決しない政治の問題があると思います。政治の場で日本がどこからどう見ても核武装をするなどということはあり得ないんだということが貫かれなければならない。ところが、国会答弁を見ると、いや憲法上は核は保有できるというふうな答弁が飛び出したり、それから原潜の保有は可能だというふうな答弁がついこの間の国会でも出る。そうすると、そういう疑惑を持っている人は、やはり核武装の権利だけは保有しておきたいんだなという疑問が出てくることは私は当然だと思います。そういうのをなくすためには、やはり日本が世界から核兵器をなくす先頭にもっと積極的に立つこと、少なくとも非核三原則の法制化というふうなことが必要だと私は思います。もちろん、それに加えて私は再処理工場というふうな問題は技術面からもそういう面からも中止すべきだというふうに思っていますけれども、それは別として、外務大臣、政治の場からこういう疑惑を晴らすために、日本政府は少なくとも非核三原則の法制化ぐらいには踏み切るべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(中山太郎君) 私は、唯一の被爆国として国民全部が核は持たないという考え方、これは法律よりももっと上の国民の合意になっていると私は思っております。また、世界が日本の核の武装について不安を持っているという御指摘でございますけれども、今委員御指摘のように、これはやっぱり政治がコントロールしなきゃならない。そのために法律によって原子力委員が任命され、その任命は国会の承認案件でございますから、原子力委員会を構成する原子力委員の任命については、あくまでも国民の代表である国会が承認するという原則を確保している限り、私はこのシビリアンコントロールの原則は堅持できるということを信じております。
○委員長(山東昭子君) それでは、本日の質疑はこの程度で終了させていただきます。 ─────────────
○委員長(山東昭子君) ここで、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 ただいま議題となっております本件審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、よろしゅうございましょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十五分散会