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118回国会参議院1990/06/19

外務委員会 第8号

発言数
389
登壇者
31
会派数
5
開催日
1990/06/19

会議録

山東昭子自由民主党

○委員長(山東昭子君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十五日、三上隆雄君が委員を辞任され、その補欠として肥田美代子君が選任されました。     ─────────────

山東昭子自由民主党

○委員長(山東昭子君) 千九百七十二年二月二十六日に東京で署名された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ちょっとその前に伺いたいことがあるんです。それは日米構造問題協議なんで、大詰めに来て大変深刻な対立があって厳しい状態だと、相互不信も目立っているというような話を聞くんですが、大臣、行ってらしてお帰りになったばっかりなんですけれども、実際どんな空気だったんでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 十五日に行いました日米外相会談におきましては、この構造調整に関する日米間の最終報告に向けてアメリカ側のいろいろな期待が話をされました。それは、この構造調整をうまくするためにそれぞれの政府が中間報告をまとめて、そしてこれを基盤にして最終報告の作成に向かうということを約束しておるわけでございますが、日本政府がどのような最終報告に臨む努力をするのか、そういうことについてアメリカ側から意見を求められたことは事実でございます。  私はやはりこの構造調整に関して一番大きな課題というものは、日本の国民の生活をより豊かにする、あるいは消費者の利益を中心に考えるというこの今回の一つの大きな考え方の中に、例えば下水道の普及率が欧米並みに比べて極めて低い国である、道路の整備も悪いという社会環境の整備をしなければならない、それについては前川レポートにも出ていたような、日本政府自身が既に前川レポートというものについて、数年前にこれが出ておるこの具体的な実施について政府は今真剣に取り組んでおります、こういうことを申し上げまして、ただし、アメリカ側が要請をしている公共投資のGNPに対する比率をもってこれからのいわゆる投資額というものを算定するというやり方には日本政府としてはそれに応ずるわけにはいきません、日本政府の従来の考え方としては、公共投資というものはあくまでも経済の波が大きく動揺しないように、不況が来た場合に対する刺激的な効果を経済的に与えるために公共投資の投資額の決定をしているんで、これをGNPの対比で固定的に拘束するというやり方は日本の予算の編成についての大きな拘束になるので、これは日本の考え方を変えるわけにはいかないという話を率直に申し上げてまいりました。  いずれにいたしましても、この最終報告をまとめて、日本政府としては、中間報告に盛られた日本政府のいわゆる考え方、あるいはいろいろな条件を出しておりますが、それを骨組みとしてそれに肉づけを行うということを日本政府みずからの責任において努力をする、こういうことを申してまいりまして、アメリカ側も我が方の主張に熱心に耳を傾けておられたということであります。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 大臣も言われるように、国民の生活重視、消費者の利益というようなことについてはもう疑う余地がないわけなんですけれども、今おっしゃった前川リポートが何年も前に出されてその結果が、まあアメリカの方もそうでしょうけれども、国民の立場からしましても余り目に見えた結果がないどころか住宅などは非常に大都市では手に入れにくくなった、あるいは通勤の問題も満員電車は解決されない、ますます長距離になる、そういった問題があるわけでございまして、私どもとしましてはアメリカの言っているような対GNP比何%、それを年次別にという形がどうかということはそれはともかくといたしまして、一定の住宅の整備あるいは下水道の整備、そして公園の整備、あるいは通勤地獄の解消といったようなもの、何年も言われていることです。特に野党側は生活重視という目標を何年も掲げてきたわけでございますから、一定の目安は欲しい。  その一定の目安をどう出すか。対GNP比をお断りになったけれども、じゃあそれにかわるものは何か。十年後、五年後にどうなっていくのかということが見えなきゃいけないと思いますし、それから年々そういうものをモニターしていくことが可能な目標というものはなければいけないと思うんです。その点については大臣はどういうお考えをお持ちでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 現在作業中でございまして、私が具体的にまだ申し上げる段階に達していないと思いますけれども、委員のお尋ねの御趣旨は、これからの十年間の計画においていわゆる社会環境の整備をどのような形で行うか、例えば下水道普及率を八〇%にするとか、そういうふうな問題につきまして幾らの投資を行うかという総額を明示する必要があろうかと私は考えております。今委員も御指摘のことは全く私も同感でございまして、今回まとめられる最終報告を政府みずからが責任を持ってその完全実施のためにフォローアップをするということが極めて重要であるという認識を持っております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 総額明示方式といいますと、それはやはりインフレ率を掛ける、あるいは分野別にこういった生活関連のもの、住宅はどう、下水道はどう、あるいは電車はどう、そういうふうな出し方をなさるというふうにお考えでしょうか。

須藤隆也外務省経済局次長

○政府委員(須藤隆也君) 現在、公共事業十カ年計画の具体的なあり方については検討中でございまして、まだ細かいところは公表し得る段階にございません。

山東昭子自由民主党

○委員長(山東昭子君) もう少し大きな声で。

須藤隆也外務省経済局次長

○政府委員(須藤隆也君) 十カ年計画の内容につきましては検討中でございまして、細かいところは現在各省間で詰めておるところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 この問題にかかずらわっているわけにいかないんですけれども、例えば現在時点は幾らで、総額明示すると幾らで、インフレ率を掛けるとどうだというようなことは、当然それは前提にしていらっしゃるわけでしょう。それはおっしゃれるでしょう、そのぐらいは。そんなことは当たり前じゃありませんか。

須藤隆也外務省経済局次長

○政府委員(須藤隆也君) そういう点を含めまして現在検討中でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 大臣、ともかく私どもアメリカがどうのこうのというよりは、これはもうみんな久しく待望していることなんです。はっきりした目安をぜひ出していただきたい、そのことをお願いしておきたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘の点は十分政府としても心がけてまいるつもりでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 もう一つちょっと中東パレスチナ問題なんですけれども、非常に緊迫していると聞くんです。この間、元イスラエル兵士のパレスチナ人襲撃問題、これに対する報復というようなことがありまして、もともと緊張が高く不信感が相互に満ち満ちているような土地で、状態が悪くなっているということがございます。大臣はその辺の状況をどうおつかみになっていらっしゃいますでしょうか。今、東西緊張緩和と言われながら、あそこだけがどうもちょっとおかしいんですが。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員の御指摘のとおりでございまして、世界各地でいろいろと緊張緩和の流れのある中で、この中東地域の緊張は異常に高まっているという認識を持っております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 それで、懸念材料が幾つかございますけれども、その一つはソ連のペレストロイカ、とてもいいんですけれども、その中でユダヤ人の移民が大量に移住してきている。それをパレスチナの占領地へ入植させるというようなことが今回新しくできました史上最も保守的なと言われる内閣の手によって進められようとしているのではないか。それは今以上に非常に不幸な状態を招くんじゃないかと危惧いたしますけれども、大臣はどうお考えでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) イスラエルの現内閣はシャミル内閣でございます。非常に保守的な立場を貫いている、保守的な政策をとっている内閣ではないか。そういう意味で、委員が御指摘のようにソ連からの移民で新しくイスラエルへ帰ってこられた方々のその占領地への入植問題については、これは大変国際的に関心の高まっているところでございまして、これについてアメリカ政府も大変憂慮をしているという状況でございます。  ちなみに、そのような状況が今回起こる前にも先般、昨秋イスラエルのアレンス外相が東京に来られました。また、アラファト議長も来られて、私双方ともお目にかかりましたけれども、その後エジプトのムバラク大統領の提案がございましたし、さらにそれがうまくいかない状況の中でアメリカのベーカー長官の提案がございました。そういう形で、非常にまだこの状況が悪い方向に今向きつつあるということで、先日お目にかかったベーカー長官も中東情勢、これについてはアメリカ政府としても非常に憂慮しておって、イスラエルに対しても相当厳しい意見を述べておられるというふうに私は認識をいたしております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 実際に新しく移民してきた方の入植というのはある程度行われて、起こっていることなんでしょうか。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) まず、ソ連からのユダヤ人のイスラエルそのものに対する入植につきましては、相当数で移住が行われております。例えば、私どもの承知しておりますところで、ことしの一月一カ月で六千人ぐらいの人数で移住しているということでございます。ただ、この中で実際にその入植地に入植している人というのはほとんどないというのがイスラエル政府の説明でございます。  いずれにいたしましても、この問題は今大臣もお答えになりましたように、イスラエル本体への移住はともかく、占領地に対する移住ないし入植というのは日本としてもこれは違法であり容認されないという立場をとっておりまして、これは米国もその他国際社会がそうでございますが、我が国としてもそういう立場を明らかにしておるわけでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 立場がわかりましたのですけれども、総理大臣も中東訪問されるそうですね、この夏。そういうことを伺いましたので、非常に不幸な状態が起こってからでは遅いと思いますので、ぜひ大きい関心を持って中東問題の解決に努力をお願いしたいと思います。  次に、日仏原子力協定なんですけれども、私この問題は非常にわかりにくいんですね。事柄が専門的なものを含んでいるのとまあ私の勉強が十分でないのとあると思いますけれども、そもそも一体日本政府が本当にどういう腹を固めているのか、あるいは安全とか廃棄物とかそういった国民の重大な関心がある点につきまして一体どれだけの保証が得られるのかというようなことが全くこれはわかっていない。少なくとも私にはわからないんですね。  それで、ひとつ外務大臣には原子力政策の面から伺っていきたいと思うんですけれども、今東西の間の軍事的な緊張というものは緩和の方向に向かっている、そういうことなんですけれども、そういたしますと、開発途上国、これは東西に巻き込まれまいとして非同盟というグループをつくってきました。非常にたくさんの国が参加しているわけです。そういう国々に与える影響というのはどういうふうなものだと見ておいでになりますでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) この非同盟のいわゆる議長国というのはユーゴスラビアでございます。これはチトーの国でございますから、私は実は五月の上旬にユーゴスラビアに参りまして、あそこのロンチャル外相との外相会談をいたしまして、非同盟国家というものはこれからどういう政策をとるのかということを率直に意見を交換いたしました。このロンチャル外相の話によれば、非同盟の目的というものは東西の緊張緩和、これが一つの大きな理想であったと。それが今日、米ソという超大国の間に対立から対話そして協力という情勢が生まれてくることで、非同盟国家の一つの理想というものはここに実現を見たということが意見として述べられました。  それでこの非同盟国家の中で、昨年の九月ユーゴのベオグラードで非同盟国家の会議がございましたが、その直後カナダへ訪問しました海部総理と一緒に行きました際に、カナダのクラーク外相がちょうどこの非同盟の会議から帰ってきたところでございました。いろいろと二人で三時間ばかり非同盟はどうなっていくかという意見の交換をいたしましたが、結局この非同盟国家に入っている国々は経済的に割に豊かでない国が多い。そういう中で、東の方から経済並びに軍事援助を受けておった国々がこれらが細ってくるという懸念をみんなが持ち始めているということで、非同盟というものが新しい問題をどのように今後考えていくのか、一定の目標は達成する社会情勢が出てきたと、しかしこれからどういうふうにいくのかということで、私はこれからの大きな国際政治の中で非同盟国家群がどのように次の目標を模索するのか、これはことし多分行われる非同盟国家の会議の内容というものに重大な関心を持たざるを得ない、このように理解をいたしております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そのことを伺っておきまして、そういうことになりますと非同盟の当初の目的が一応達成された、されつつあるということになりますと、非同盟の間の軍事同盟に巻き込まれないというそういう結束がどうなっていくのか、そういう共通の目標が今後どういうふうになっていくのかということはひとつ注目が必要なところだと思いますし、非同盟の中にも相当の大国もありまたLLDCもあるわけでございまして、そういったものがかえって群雄割拠の姿になっていくというようなことでございますと、このアジア地域というものは、もっと平和への努力を強化しなきゃいけないんじゃないかとこう思っている次第です。  それで、この核の問題なんですけれども、原発の問題に関して例えば核保有国であるアメリカとフランスは随分方針が違うんじゃないかと思います。その辺大臣は原発、特にプルトニウムですね、原爆材料となり得るプルトニウム、非常に人間にとって毒性の高いと言われるプルトニウム、この特別の危険物質を扱う方向について随分違うと思うんですけれども、どういうふうに米仏ごらんになっていらっしゃいますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) アメリカは、核不拡散条約というものを非常に基準にして、核不拡散の政策を外交的に展開している。フランスは核不拡散条約に加盟していない。ただし、同じような条約の趣旨にのっとって行動するという政府の方針があろうかと思います。そういうふうに私は認識を持っております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 アメリカにつきましては、もう皆様よく御存じのとおり、原発でプルトニウムを使うということはやっていないわけでございますね。それは、軍事用のものはもちろんやっているんですけれども、原発にプルトニウムを使うということは、一九七七年にカーターさんがプルトニウム不用の原子エネルギー政策を模索すると打ち出して以来、大体その路線を追求している。そしてフランスについて言えば、他国のものまで引き受けて輸出している、プルトニウムの生産を。あるいはそのプルトニウム製造の技術も輸出している、こういうことなんだと思うんです。それで、日本としてはこの場合アメリカの原子力政策には同調しがたいというふうにごらんになって、いわばアメリカには背を向けてフランスと手を組む、そういうふうに見えるわけですよ、外から見ますと。その点について、日本の原子力の政策というのはどういうことなんでしょうか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、アメリカの原子力発電に関しましては使用済み燃料を再び使用しない方式、すなわちワンススルーという方式をとって進めておることは御指摘のとおりでございます。それに対しましてフランスは使用済み燃料を再処理いたしまして、これは先生御指摘のように、使用済み燃料を機械的に切断しそれを化学的にその中身を分別いたしまして、使用済み燃料中に含まれております残りのウランとそれからプルトニウムと、それから核分裂の結果できました核分裂生成物、これは高レベルの放射性廃棄物になるものでございますが、それを分別するというそういうことをやりまして、使用済み燃料に含まれております燃料として有効な成分を回収、反復利用するというそういう政策を進めておりますことにつきましては、先生御指摘のとおりでございます。  米仏の政策はそれぞれの国情に最も適した政策として展開されておると私どもは認識しているところでございまして、基本的にウラン資源に非常に恵まれておりますアメリカにおきましては、天然ウランを濃縮しその濃縮ウランを一回だけ使うという方式で十分目下のところは燃料供給は可能であるということに対して、比較的資源に恵まれておりませんフランスは、自国に入りましたウランから可能な限りエネルギーを多く取り出すという、そういう考え方に基づきまして使用済み燃料のリサイクル方式を採用しておるということかと存ずるわけでございます。  さて、そこで先生がおっしゃいました我が国の政策はアメリカの原子力のあり方、原子力政策に背を向けておるのではないかというそういう御指摘でございました。これにつきましては、私どもはアメリカとも密接な協力関係におきまして原子力政策を展開しておるわけでございまして、現在各電気事業者が用いております軽水型原子力発電所は、これは先生御承知のとおりにアメリカで開発されましたものであるわけでございます。それ以外の原子力技術につきましてもアメリカとも十分技術協力をいたしまして、我が国の原子力の平和利用を展開してきておるところでございます。  他方、フランスは使用済み燃料をリサイクルしていくというそういう政策をとっておるわけでございまして、それに関連いたしましても我が国はフランスと密接な協力をしながら原子力政策を展開している、かように御了解賜れば幸いでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 それで、再び核不拡散条約なんですが、確かにアメリカは批准している。フランスはしていない。フランスはそのほかに海底の非核化条約とかそれから部分的核禁条約、こういうものについては批准どうなっていますか。

赤尾信敏外務省国際連合局長

○政府委員(赤尾信敏君) ただいま先生から御指摘のありましたいろんな核不拡散関係の条約へのフランスの加盟状況でありますけれども、NPT、核不拡散条約には入っておりません。それ以外の海底の核禁止条約、これにもフランスは加盟しておりません。もう一つ国連で採択された条約でありますのは部分核停条約でございますけれども、これに対してもフランスは加入しておりません。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 なぜフランスは一連のそういう国際条約、核の拡散を防ぎ地球の非核化を目的とする条約に片っ端から入らないのでしょうか。

赤尾信敏外務省国際連合局長

○政府委員(赤尾信敏君) これはフランスの政策の問題ですから私たちが正確に把握する立場にはございませんけれども、いずれにせよフランスの独自の核政策なり外交政策があるということで、未締結の状況にあるというふうに理解しております。  ただ、その際フランスが表明しておりますことは、これらの条約に加盟はしていないけれども、加盟国と同じような行動をとるということははっきり宣言はしております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 私どもは今そういう国と条約を結ぼうとしているわけなんです。それもプルトニウムの再処理というものを核心とする条約をですね。私ども、そういう国際の非核といいますか、平和利用あるいは核の不拡散、そういうものに対する国際の合意が欲しいんじゃないんでしょうか。大臣、どうでしょうか。私どもはそういう世界のコンセンサスを願っているんじゃないでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 私は国際社会で核が拡散しないということが最も好ましいことというふうに認識を持っております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そういう認識であるならば、なぜフランスとだんだん手を結ぶようになっているのかという疑問が一つあります。でも、そのお答えはまた資源あるいは技術の問題というふうにおっしゃるんだろうと思います。日本としてはどういう政策を追求するんでしょうか、この核の不拡散について。外務大臣に伺いたいのは、まず、今の世界で核の拡散というものがどのくらい問題になっているのか、あるいはそういう懸念はないとお考えになっていらっしゃるのか、その辺を聞かせていただきたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 私は先進国――フランスも含めてでございますが、先進国においては核不拡散ということが人類社会のために極めて重要であるという認識は周知のことであろうと思います。ただし、比較的発展のおくれた国々で軍事力強化を目指している国には、核兵器を持ちたいという意欲が大変強い。そういうことが現実にこの社会にはあるというふうに私は認識をいたしております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そうしますと、日本としては、核兵器を目指す国でなく平和利用に限るというそういう国であれば、途上国がプルトニウムの製造を行うというそういう技術を導入することは日本と同様当然だとお考えになりますか。その辺はどうでしょう。もしそうであればそれはどんどん広がるということだと思うんです、つまりプルトニウムの処理がですね。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 私は、プルトニウムの製造とかいろいろ核物質の製造ということにつきましては、やはり国際原子力機関、これが査察を行う、そしていわゆる核不拡散のための国際的な監視機構が絶えず監視をするという中にいろんな国が加盟をして、そして人類の核による被害を防ぐための政治的な努力をするべきだろうと、私はそのように認識をいたしております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 それは一つの保証であるかもしれない。だけれども、そういうことをなかなかやらない国もある。そしてまた、日本がプルトニウムの製造をこんな思いをしてですよ、ヨーロッパから船で運んでまでこんな思いしてでもやると、そういうことが近隣の国にどういうふうに影響するんでしょうか。  私、IAEAのセーフガードというものは、確かにそれはなければならないものだけれども、それじゃ平和利用と軍事利用がそんなに明確に区別でき得るものなのか、あるいはそういう方法をとったからそれだからもうそれで安心しちゃって、これでクリアだという免罪符になっている面もどうもあるんじゃないかとそういうことを思うんです。ですから、核の不拡散ということを日本が本当に追求し、そういうものが軍用に転用されないということを保証する最もいい方法は、プルトニウムの再生産、生産というようなことをやる、そういう機会を一番少なくしていくということが最も安全なことじゃないかと思うんですね。で、日本の場合、一つの国がそういうことをやれば近隣の国も負けずにそういうことをやるというのがこの道なんじゃないか。  したがって、非常に目立つような格好でこういうことをやり、六ケ所村で住民、国民の反対を押し切りながら核燃料サイクルのプラントが建設されていくという道程は私は実に好ましからざるものだと思いますけれども、今この日仏原子力協定、これを批准するかしないかというこの状態の中で、これを批准したら六ケ所村の原燃の持っているフランスの会社との契約というものはこれから追い風に乗るということになるんだろうと思うんです。その辺は、この協定をどういうふうに扱うかということで大臣には最も御関心が深いと思うんですけれども、核不拡散というそういう立場を私は貫くという意味からも絶対に急がないということをお願いしたいと思うんですが、いかがなものでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員はプルトニウムを生産することによる人類社会への危険性を中心に質問をされていると私は認識をいたしております。  よく政府委員が申しておりますけれども、日本という国が天然エネルギーに恵まれていないということは、我々の民族にとって致命的な宿命だと私は思います。かつて水力発電に戦後大変な力を入れましたけれども、これも実際はダムは流れてくる砂によってどんどんともう埋められていっている。だから、水力発電による発電のシェアが広がっていくかというと、これは狭まりこそすれ広がる可能性はもう全くない。これが日本国民の一つの宿命と申しても過言ではない。それからもう一つは石炭の鉱山、これが全部コスト高になって経済ベースに乗らなくなってきた。それで、かねて政府は石炭のいわゆる採掘について莫大な補助金を出しておりました。しかし、その補助金も極めて経済理論上はおかしいということで、山は閉山をするという一つの悲しい歴史が続いた。ほとんど今国内炭で電力を起こすというのは、私の記憶では北海道でこれが残されておった。  こういう状況の中で、それじゃ石炭もだめ、水力発電もだめ、こうなってくると石油の輸入ということにかかわってくる。そこで石油へのいわゆる転換を図ったわけですが、残念ながら第一次石油ショックのときに、余りにも中近東に油の元を求め過ぎておったということで政府は急遽輸入先を分割し始めて、これを幾つかの国に分散をしたという歴史がございます。それにあわせて、当時の備蓄量は三十日余りでございましたけれども、慌てていわゆる陸上及び海上における百日を超える備蓄を行って、次の石油ショックに対しても百日間は現状のままの維持が可能であるというような政策を行ってきたと思っております。  私は昔から科学技術にもある程度関心を持っておりましたから、数日前に科学技術庁の職員に対して、我々の国がアフリカのニジェールでウラン鉱を採掘しておりまして、その採掘したウラン鉱を今度は米国のオークリッジへ持っていって濃縮ウランに変えてそれを日本で燃料として使用した場合にも、つい数年前までは申請書類がアメリカの議会に十五日間これが掲示をされて、それで議会からクレームがつかなくなったらエネルギー省が署名し、初めて日本の電力会社はいわゆる使用済み核燃料の船積みが認められるというような、まことに占領行政の続きのような実は時代がございました。今日それはもう改善されておりますけれども。  さらに私どもが心配といいますか、ウランの作業料と申しまして濃縮加工賃がどれぐらい変化をしておるか。私が前に調査をいたしましたときは二十八ドルぐらいでございました。それが今は百二十ドルになっている。こういうふうな状況で、ウランを濃縮して日本へ持ってくるというだけでも一方的に濃縮加工料が上がっていくという国際エネルギーのシステムの中で、我々の国が原子力発電を発展をさせている。  そこで、使用済み核燃料から再生する方法によってこのエネルギー源を新たに加工する方法というものを科学技術庁がいろいろと原子力委員会で検討した結果、かねて二千億円ずつイギリスとフランスに金を出して再生処理の工場の建設に日本は委託をしておったわけでありますけれども、やがてはその再生処理をしたいわゆる廃棄物の中の放射性物質というものも日本に引き取らなければならない時期が近づいてきているという一つの国家のエネルギーの宿命というものを次の世代のために我々はどう考えていくかということが、これはもうこの国家にとっては非常に重大な問題でございまして、一方的にウランの濃縮作業賃を引き上げられていく国際情勢の中で、新しい自前の燃料をどう確保するかということが、これから国民にとっては真剣に考えていかなければならない問題であろうと。  特に最近中近東における先ほどから御指摘のあった緊張の状態の中で、今先進工業国は約半分の油を中近東に依存いたしております。こういう状況の中でどのような判断をしていくかということは高度な政治判断でありまして、これは与野党の先生方の御議論の中で日本の長期のエネルギー政策というものの決断にまたなければならない、このような私は認識を持っております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そうしますと、例えば資源がない、あるいはウランが高くなった、油もよそに依存している、だから自前のそれがプルトニウムだということなんですが、そのプルトニウムがほかのものと比較できるような、そんな同列に並んでいる資源かどうかということなんですね。国民が心配しているのはそういうことじゃなくて、チェルノブイリの事故、スリーマイルアイランドの事故、こういう大事故につながるという確率がどうしたってあるんじゃないか。そんなことは絶対にないんだと、この間座談会の記事を見ましたらば、原子力安全委員会の委員長はああいう事故は起こるはずがないというふうに何度もそれを繰り返していらっしゃるけれども、それは説得力が極めて欠けているんですね。なぜなら、絶対にそういうことは起こらないということが本当に言えるのかどうかということなんですよ。  私、それは科技庁の長官もおいでになるところでやりたいと思いますけれども、今それに先立って一つ国民が心配しているところはまず日本の技術水準の問題、それがあると思うんです。私はそうだと思う。それなんですね。核燃料サイクルに関する日本の技術水準は一体どんなものなのか、その辺が私は非常に気になるところなんです。それで、これは例えば国際的に見た場合、日本の技術水準というものは本当に……。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。  日本の技術水準、原子力特に核燃料サイクルをめぐる技術水準に関する御質問かと存じますが、技術水準なかなか定量的にあらわすのは難しいものでございまして、お答え申し上げるのはなかなか難しいわけでございますが、特に核燃料サイクルで非常に努力をいたしておりますフランスと技術水準を仮に比較させていただくということになりますとどういうことになるかということを申し上げたいと存じます。  フランスは、先ほど申し上げましたように、使用済み燃料を再処理すること等々によりまして核燃料サイクルに関する技術を鋭意開発してまいりましたことは、先生御承知のとおりでございます。それに加えまして、第一次石油危機の後におきまして、ジスカールデスタン前政権のもとにおきまして原子力の開発を加速いたしまして、一九八九年におきまして総発電電力量の約七五%を原子力で賄うに至っておるところでございます。それから、それに呼応いたしましてフランスは我が国と同様核燃料サイクルを確立し、これによりますプルトニウム利用を進めることを原子力政策の基本としてきていますことにつきましては今ほど申し上げたとおりでございまして、使用済み燃料の再処理それから高速増殖炉の開発等の分野におきまして極めてすぐれた技術を有しておるわけでございます。  それに対しまして我が国でございますが、これは、これも御承知のように現在の原子力発電は総発電電力量の約二六%を占めるに至っておるわけでございまして、我が国におきまして、今ほど外務大臣からお話のございましたように、自主的な核燃料サイクルの確立を図るというそういう観点から、動力炉・核燃料開発事業団の東海再処理工場の建設そしてその運転、それから同車業団は福井県におきまして高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の開発、これは具体化建設でございますが、等を進めてきておるところでございます。  したがいまして、我が国も着実に原子力開発利用を進めてきておるところフランスと同様でございまして、日仏の核燃料サイクルあるいは原子力安全、総合的な分野におきます技術水準はいずれも世界的に極めて高いものと思っておるわけでございます。特に特徴的なことをつけ加えさせていただくならば、フランスはやはりフランス流に非常に斬新なアイデア等を大胆に取り入れながら原子力闘発をやっておるというような印象を受けるのに対しまして、我が国は生産技術等における強みを発揮いたしまして、我が国のつくります再処理施設のいろんな機器等におきましては、その安全性、健全性については非常にすぐれたものであるという認識が得られておるということに特徴があろうかと存ずる次第でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 それについてはフランスにも日本にも問題があるということは後で申し上げることにしまして、科技庁長官いらっしゃいましたので、この条約の適用ですね、これについてお伺いしたいと思うんです。  それは、この条約というのは実際問題として、青森県の六ケ所村につくられようとしている核燃料サイクルプラント建設、それはプルトニウムをつくる再処理工場を含む大規模なものと聞いているんですけれども、ここにフランスの技術なり施設なりが導入されるというふうに見られるわけですね。それは非常に大きな不安を生んでいるわけです。なぜなら、プルトニウムというのは余りにも悪名が高い。そして、ただの危険の一つではなくてザ危険といいますかね、そういうきわめつきの危険だという概念を皆持っているわけです。そして、その安全性が確保されないということ、そしてその廃棄物についての処理に何の見通しも与えられていないということ、そういうことがございます。  そこで長官にお伺いしたいのは、この再処理工場が一〇〇%安全だというふうにおっしゃれるのかどうか。それから、またはそれとも確率として危険は残るんだけれども、総合的に見た場合そのリスクは許容できるというふうに考えていらっしゃるのかどうか。それはどうでしょうか。どういう踏み切りをなすって、今この条約の批准に臨もうとしていらっしゃるんでしょうか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) その先にちょっと若干補足的な御説明をさせていただきます。  核燃料サイクル施設は一〇〇%安全かと、言い切れるかと御質問でございます。これに対しましては、核燃料サイクル施設は、御承知のように、放射性物質を扱うということから潜在的な危険性を内包しておるということは否定できないところではございますが、放射性物質については厳重な管理を行うとともに、事故が発生した場合にもその拡大を防止する等の措置を実施してきておるところでございます。さらに施設の安全を確保するために、原子炉等規制法等に基づきまして、建設前段階におきましては基本設計等に関して原子力安全委員会等によるダブルチェックを含めた厳格な安全審査を行い、建設段階におきましては設計及び工事方法の認可、使用前検査等を行い、さらに運転段階におきましては定期検査等を行うなど、それぞれの段階におきましてそれに応じた適切かつ厳格な安全規制が行われることになっております。  そういうところから、公衆の安全に支障を来すようなことは起こり得ないと、かように考えておるところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 長官、どうなんですか。本当に一〇〇%大丈夫ですよとおっしゃれるわけですか。それとも多少はしようがないと。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) ただいまの御質問に対して、一〇〇%であると言えるかどうかというその結論かもわかりませんけれども、私は一〇〇%あることを期待しましてそれで今のような説明をさせたような、いわゆるダブルチェックなりあらゆる手段を講じて安全性を確保すると、こういう考え方で実施しておるものでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 一〇〇%を期待するということは、一〇〇%大丈夫だとはおっしゃれないと、そういうことですね。言えませんよね、それは。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) それは、私どもとしてはそれを期待してその対策を講じておるのでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そうしますと、リスクを許容できると。どの程度のリスクなら許容できるというふうにお考えになって踏み切られるわけですか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府要員(石田寛人君) そのリスクを今定量的に申し上げますことは難しいわけでございますが、先ほども申しましたように、これは当然こういう機械でございますから故障を起こすこともございましょうし、機械を動かすものは人間、これは十分な訓練はいたしますけれども、人間でございますからミスをすることも当然あるわけでございます。したがいまして、そういう人間の失敗、失策、それから機械の故障、トラブル、これは当然起こり得ることと私ども考えておるところでございます。それ等を考慮に入れながら、結果といたしまして公衆の皆様の安全に支障を来すようなことは起こり得ないということで、全体建設計画を進めておるところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 それはね、まるで宗教の教祖のおっしゃることを聞いているようなんですよ。何も裏づけがないんですよ。ですから私は、詳しいことはいいから長官にどの程度ならいいんですか、確率は。  例えばフランスでは五十四基の原発があります。ありまして、それを政府当局の方が報告をした中で、チェルノブイリ級あるいはスリーマイルアイランド級の炉心の溶融による大事故、そういうものが起こる確率というのは一台について一年間に十万分の一ぐらい。しかし、それを五十何基に掛け合わせますと十年間に〇・五%という確率だというそういう統計的な数字が出ているということなんです。そうしますと、フランスから導入する日本のそうした再処理工場におきまして、あるいは日本の原発におきまして、フランスよりも絶対に安全だとは言い切れないわけでしょう。どうなんでしょうか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) 今先生がおっしゃいましたことにつきましての若干の御説明を申し上げますと、チェルノブイリのごとき事故とおっしゃいましたのは原子力発電施設、発電所のことであろうかと思うわけでございます。これに対しましては、今先生御下問の施設は原子力発電所ではなくて六ケ所村の使用済み燃料再処理施設に関するトラブルのことであろうかと思うわけでございます。  これにつきましては、御承知のとおりに、原子力発電所は原子炉の中におきまして核分裂連鎖反応が起こってエネルギーを発生するエネルギー発生装置であるということであるのに対しまして、六ケ所村の再処理施設はそこから出てまいります使用済み燃料を先ほど申しましたように剪断あるいは切断分別回収するようなそういう施設でございますから、そしてなおかつウラン、プルトニウムを回収するそういう施設でございますから、全体施設の形態が全く違います。そういうこともございますし、非常に確率につきましては議論される方もあるわけでございますけれども、今この場でこれの確率は何十万分の一あるいは何千万分の一等と申し上げる数字を持ち合わせておりませんし、よしんばそう申し上げても正確ではないのではないかと思うわけでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 余り長く時間をとらないでくださいよ。三十分しかないんですから。  つまり、そういう確率というものは数学的には出せるものなんですよ、いろんな計算から。    〔委員長退席、理事宮澤弘君着席〕 そういうものを出して見せていただいてないんですね。私、これ六ケ所村の原燃サービス株式会社が出しているこの「再処理事業指定申請の概要」というのもざっと拝見したんですけれども、これ大臣おわかりになりますか、こういうのをごらんになって。これは本当に非常に断定的に書いてあるわけでございまして、これじゃだれも説得されないと思うんです。  ただ結論的に、そういう動くような活断層はないと見られるとか、それから人体に及ぼす影響というのは低いものであるとかと、そういうことを書いてあるわけなんですね。これについては今からやりますけれども、私がわかりたいのは、大臣は一体どのくらいの確率ならいいと思っていらっしゃるのか、そういうことなんですね。そのそういう確率というものを許容できるのかどうかということは、それはもう国民が選ぶことだと思うんですよ。それは私、政治家だけでやることでもないし、まして内閣だけでやることでもないと思うんです。そういうことが今一つもできていないという状態だということを申し上げておきたいと思うんです。  先を急ぎまして、廃棄物の問題なんです。このプルトニウム製造に伴う高レベル廃棄物、それの処理についての大臣のおよその計画、お見通し、それを伺いたいと思うんです。それはどこにどう処理されるのかということなんです。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) ただいま御質問いただきましたこの廃棄物、その中でも特に高レベルの放射性廃棄物の処理ということについてだと存じますが、これにつきましてはガラス固化による安定な形態と申しましょうかそういう形にいたしまして、それを冷却のための貯蔵をした後に地下数百メートルよりもっと深いところの地層の中に処分することが国の基本的な方針だということで今進めておるわけでございますが、現在のところ、この動燃の事業団を中核といたしまして地層処分に関する研究開発を積極的に進めているというのが現状でございまして、それではいつごろどれだけ掘っていつ埋めるかというようなところまではまだ現実には参っておりませんが、それを目標に今の考え方を基本にいたしまして今その開発研究を進めているというのが現状でございます。    〔理事宮澤弘君退席、委員長着席〕

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そうしますと、六ケ所村の再処理施設が竣工するのはいつの御予定ですか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) 青森県六ケ所村の再処理工場の稼働予定時期は一九九七年というふうに聞いております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 核燃料の運び込みはいつなんですか、プルトニウムの。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) 今計画しております一九九二年秋までに行いますプルトニウムの返還輸送の行き先でございますけれども、これは六ケ所村ではございませんで、東海村の動燃のプルトニウムの燃料工場に持ち込む予定でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 大臣ね、地下に埋めるというんですけれども、終末処理をするとき、この原子力委員会の本によりますと、これは地中数百メートルに埋蔵をするというふうに書いてありますが、そういうことなんでしょうか。なぜ数百メートルも下に持っていかなきゃいけないんですか。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) 高レベル放射性廃棄物は、安定な形態のガラス固化にしまして冷却を三十年から五十年間をめどとしまして貯蔵をいたします。その後に地層処分をするわけでございますが、地下数百メートルより深い地層に処分をするということにしてございます。これは、人間の生活環境から長期にわたって隔離しまして安全に処分をするということを目的としまして、地下数百メートルより深い地層に処分をするということにしているわけでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そういう深いところへ持っていくのは終末であって、六ケ所村には三十年から五十年ですね、まだ冷却中のものを浅いところに埋めるわけでしょう。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) 日本原燃サービスの青森県六ケ所村における再処理工場におきまして高レベルガラス固化体が貯蔵されますが、これはあくまで冷却のための三十年から五十年を目標とした貯蔵でございまして、地上の貯蔵施設に入れるということになってございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そういうことですから、六ケ所村住民は特にそれは不安を持つのは当然だと思うんです。しかも、それが安全だという保証もないんじゃないかと思います。  それで、その最終処理の場所はどこにお決めになるんですか。どこを予定地にしていらっしゃるんですか。おっしゃっていただけませんか。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) 現在、高レベル廃棄物の地層処分につきましては、動燃事業団を中核としまして処分技術の確立を目指した研究開発を進めておるところでございます。現在までの研究開発によりまして地層処分の技術的見通しが得られつつあるというふうに考えてございますが、今後さらに研究開発を推進していくことによりまして、我が国の安全な地層処分が実施できるものと考えてございます。  また、研究開発につきましても国民的理解を得つつ進めていくこととしてございまして、処分予定地の選定は実施主体が地元の理解と協力を得て慎重に行うこととなってございますが、このような所要の手順を踏まえていくことにより、将来我が国で処分予定地が選定できるものというふうに考えてございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ですから、原発のことがトイレなきマンションと呼ばれていますよね。後始末のことは全然まだ計画の中にも予定の中にも入ってこれないような状態なんですよ。それなのに高いお金を使ってプルトニウムを持ってきて、あるいはプルトニウムの再処理工場をつくって、そしてそこで国の責任において高レベル廃棄物の処理を行うという方針だけは決まっているけれども、もうフランスの会社と原燃は先に契約を結んでいるわけでしょう。そして契約を実行して着工する。九七年にはできます。でも、その先はできるものと思いますということで、できないんです。なぜできないか。候補地が幾つか挙がりそうな気配でもう非常に反発を受けるからなんです。  それは日本だけではない。どこでもそういう反発を受けているわけですね。原発七割と言われる非常に自信を持っているフランスでもそうです。いろいろなことがございましたけれども、その中でロカール首相がことし放射性廃棄物の地下貯蔵計画の一年間凍結を決めたということでございます。それは、やはり住民の大変なデモがあって非常に混乱が生じた、それが全国的に波及しているという状態の中なんです。  私どもこの五月にフランスに行きましたときに、土井委員長とともにロカール首相にもお会いしました。このことについて伺いましたけれども、確かに私どもとは原発についての考え方は違います。違いますけれども、これは決して急がないのだということです。一年凍結するということをとりあえず決めたけれども、これは本当に納得されるということを条件に、一年でだめなら二年でも説得をするんだ、埋蔵が始まるのは二〇〇〇年を過ぎてからだろう、そういうことを言われまして、私はフランスが比較的今までこの原発の問題がそのほかの国で見るほどの国民の反発を受けずに米たということもなるほどと思ったんですが、今やそういう状態じゃなくなったわけですね。  そういうことがございますので、私はもうこれは徹底的に廃棄物処理、この問題については住民の納得あるいは国民の納得ということを条件にしてやっていっていただかなければならないことだと思っております。長官はその点についてはどういうふうにお考えなんでしょうか。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) ただいま御質問をいただきましたように、いろいろフランスの問題を常に対照的に御勉強なさいまして私どもにただいま御質問になったとこう私も受け取っておるわけでございますが、いろいろその問題につきましては、先ほど来申し上げましたように、私どもも本当に時間のかかる高レベルの処分の問題でもありますが、十分検討に検討を加えて安全性のもとに今後とも放射性廃棄物の処理ということについては万全を期してこれを進めてまいりたいと、こういうふうに考えておるものでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 万全を期すとおっしゃっても、姿が見えてこないのではこれはお話にならないわけですね。私はやっぱりそういう点から考えると、この狭い国土の中でそういう高レベル廃棄物を幾つも幾つもたくさんに抱え込むというようなことは、もう既に原発があるとしても下の下の策だろうというふうに思うわけです。  それで、例えばオランダの例なんでございますけれども、私はこんなに国民の理解を得るために非常に努力をしているということだけは認めるわけでございます。それは、スウェーデンとかオーストリア、イタリーなんかは国民投票という方法をとっているんですけれども、オランダの場合も国民的な公聴審査が行われているわけでして、運営につきましては運営委員会をつくって八一年から一年間国民参加のもとにやった、参加した人たちは研究機関や運動家も含めて四万二千人が参加した、そういう公聴会を一年間次々にやっていたということです。そして、その中ではエネルギーのオプションについての国民の意思を問うという形でやっていったわけでございますから、いろいろな意見が出まして、原子力の利点についてもまた欠点についてもデータを洗いざらい国民の前にさらしてやったということでございます。  それからいろいろな世論調査、これも日本の場合は総務庁などがやっていらっしゃるけれども、政府から独立した世論調査の機関でやるということが行われておりまして、その結果例えば五〇%が省エネを支持した。あるいは原子力の拡大よりは消費の伸びを減らすことを支持した。いろいろな政策のオプション、こういうものを私は日本の場合も当然やるべきじゃないか、こういう重大関心事、やっぱりやっていただきたい、こういうことを希望しておきたいと思うんです。どうでしょうか。

藤田明博科学技術庁原子力局政策課原子力調査室長

○説明員(藤田明博君) 国民の理解と協力を得るようなためにいろんな方策を講じるべきではないかというふうな委員の御指摘ではないかと思います。  私ども、国民の方々に原子力への理解、協力を少しでも得ようというふうなことで、もちろん施設の近くの住民の方には安全審査の段階で公開ヒアリングというふうな制度をもって不安とか疑問等に直接お答えをするというふうな形での施策も講じてございますけれども、特に広報といたしましては直接の地域の方だけでなく、全国的なベースで各地で開催されます市民レベルでのいろんな原子力の疑問とか御質問等を出していただく勉強会なんかに専門家等を派遣いたしまして直接対話型でお答えをするなど、さまざまな努力をさせていただきたいというふうに考えてございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そういうことをやっていらっしやるのはわかっているんですけれども、そういう住民に対してちょこちょこと説得するというようなパンフレットも見せていただきましたけれどもああいうものじゃなくて、国民にエネルギー政策を問うという形でもっと大きく国民のオプションを十分聞く。こういうプルトニウムの生産、プルトニウムを使用する燃料は、もうエネルギー庁も科学技術庁もそれに凝り固まっていらっしゃるけれども、本当にそれが危険の一方でそれを国民が選択するかどうかということは、それはもっと全国民に聞かなきゃわからないことなんでして、私はそういう結果にならないと思うんです、新聞社の調査でも。  それで、私もう一つ長官がいらっしゃるうちにぜひ伺いたいんですけれども、これは安全の問題の中で特に六ケ所村の問題なんです。  この原燃サービスの出している報告で見ますと、再処理施設の三十キロメートル以内に八万五千人、十キロメートル以内に六千人、五キロメートル以内に二千二百人の住民が住んでいて、そして九百メートルの位置にむつ小川原石油備蓄の基地がある、そういう状態なんですね。それも心配です。そういう状態なんだけれども、さらに悪いのは南の方二十八キロに三沢の空港があり、ここに米軍と自衛隊の三沢基地があるわけですね。そして、西の方十キロの上空に定期航空路があり、南の方十キロに三沢の対地訓練区域があるわけです。ここで演習が行われるわけですね。それから、再処理施設の上空は三沢の特別管制区に含まれているわけです。したがいまして、このリポートが言っているように、航空自衛隊が多くの対地射爆撃訓練飛行を行っている、こういうことなんです。  事業者としては、これについて十分の安全を講じた建物を建設するんだと言っているんです。それは想定する事故として、どうしてもそれが起こっちゃった、そういう飛行機がおっこってきたというような事故として航空機の速度、これを五百四十キロメートルにしているんですね。時速。マッハ〇・四五なんです。それから総重量を二十トンというふうに仮定しているんです。ただこの設定は甘過ぎる、こういう特別の危険物を扱うところにしては甘過ぎるんじゃないかと私は何人かの人に聞いてみましたけれども、どうもそうだという疑いを持っているわけです。  つまり、米軍のF16は最高速度マッハ二以上なんですね、そして総重量十九・一トン。自衛隊のF4というのがマッハ二以上で、同じく二十六トン。F15はマッハ二・五、そして重量が二十九トンというふうになってまして、このマッハ〇・四五というふうに設定してあるのは非常に遅い速度だというふうに思うわけです。速度というのは当然衝撃の強さを自乗させるわけですね。ですから、例えばマッハ〇・四五、総重量二十トンというのはちょっと納得ができない。少なくともマッハ一・五、総重量四十トン程度の想定で建物強度をつくらなければならないんじゃないかというふうに思うんです。その場合建物強度というのは、それのマッハが倍になると二倍なんですか、それとも四倍なんですか、どのぐらいになるんでしょうか。

大森勝良科学技術庁原子力安全局核燃料規制課長

○説明員(大森勝良君) ただいま六ケ所村の再処理施設にかかわります私ども現在進めております安全審査にかかわる御質問というふうに承知しております。  そこで、委員御指摘のとおり、当施設に対する航空機対策として、申請者は近隣に存在します三沢空港並びにそこから飛び立ち三沢対地訓練区域において訓練を行っております航空機、これを想定して航空機対策をやっておるわけでございます。そこで、航空機のスピードにつきましては先ほど御指摘のとおり時速五百四十キロ、さらに飛行機の重量につきましては約二十トンという想定になっております。現在私ども、申請のこの想定も含めまして航空機事故対策が災害の防止上支障のないものであるかどうかということにつきまして審査をしておるところでございますので、その当否については今申し上げることはできません。  しかしながら、申請書状におきましては、現状の三沢におります我が国の航空自衛隊それから米国空軍の配備しております航空機の状況を踏まえてそのような申請になってきておるということ、さらに航空機のスピードにつきましては、訓練を行っておりますときの態様を踏まえてそのように想定されておるというふうに聞いております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 長官、この事故は絶対にあってはならない事故なんですよ。しかも、その場合に出てくるのがプルトニウムでございますよ。ですから、これは私は平均的にとか常態がこうだというようなことでやっていただいたら絶対困るんですね。もうこれはその飛行機の最高速度、そして一番重い飛行機に当然リンクして、そして建物強度をつくるべきじゃありませんか。そういう内容になってないこの事業者の申請というものは私は認められない。これは却下していただきたいと思うんです。長官、どうなんでしょうか。その点お約束いただけませんか。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) ただいまの結論的にお約束と申されましても、私も十分承知している点ではございませんのでまことに申しわけないと思いますが、ただ前段といたしまして、先生大変この問題についてはあらゆる角度から御勉強なさり、そしてまた非常に危険だということに対する私どもに対する積極的な御質問をいただいておるんで、これに対しまして私も原則的には、いわゆる資源の少ない特にエネルギー資源の少ない我が国といたしまして、過去の産業とエネルギーの問題そして経済に結ぶこの一連の関連からいたしまして、将来とも日本のエネルギーをいかにすべきであるかということは私は基本的な問題だとこう心得てやっておるわけでございまして、その中で危険性のないものはどうしたらいいのかということがやはり先生御質問の中心じゃなかろうかと思うのでございます。それと加えて、あそこの三沢の飛行場の問題とも関連いたしましてただいまの大変厳しい御質問なんでございますが、結論的にはもうちょっと私ども検討させていただきたいと、こう思うのでございます。  同時に、いろいろ廃棄物の処理の問題、それからその他この事業につきまして住民の、いわゆる国民の皆さん方の理解と協力を得るということが第一のもう大きな仕事だということで、実はその点について最近非常な危機感というものを感じながら反対の方向にいろいろと騒がれていることは、私は非常に残念だと思うよりも、さらに私どもはこれだけの大事な仕事に対して国民に対する理解と協力を得る努力がまだまだ足りないんじゃないかというような私の感じも持っておりますので、そういう点から、ただいまの御質問に対しても結論としてのお約束ということも私ちょっといたしかねますので、もっと積極的に検討させていただきたい、こういうことでひとつ御理解をいただければ幸いである、こう思うのでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 せめてこれだけはお約束ください。今私が申し上げたようなマッハ一・五、四十トン、これでやった場合建物強度はどれぐらいになるのか、その資料をぜひ至急いただきたいんです。それはどのくらいのものになるのか。それで、今こっちで出している建物強度はどのくらいのものなのか、素人にもよくわかるような資料を出していただきたいんですが、お約束いただけますか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) 申し上げます。  先生も御指摘になりましたように、これは事業者たる日本原燃サービス株式会社が私ども科学技術庁に出してまいりました再処理事業指定申請の概要書でございます。ここに書かれておることにつきましては、事業者が事業者の立場で計算いたしまして出してきたものであるわけでございます。  それで、実際今先生のおっしゃった条件を適用した場合どうなるかにつきましては、これは恐らくそう簡単に計算できることじゃないんじゃないかと思います。ないんじゃないかと思いますし、いつまでにどういう資料をどう差し上げられるかにつきましては、今ここで申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じますが、全体……

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 いやいや、そんなことはない。この条約を批准するかしないかのときなんですよ。ですから、つまりこの条約は結局原燃とフランスのソノ社というところとのコントラクトを、これが適用になったものとみなすというふうになっているわけでしょう。ですから、私どもは今そういうことを明らかにしていただきたいんです。私だって、できるものなら全部わかればもう批准に賛成ですよ。だけれども、その中で幾つも幾つも不確実なことだらけで、そして今おっしゃったことはいつできるかわからないとおっしゃるけれども、今はコンピューターがあるんですよ。  何もそこの建物がどうかじゃなくて、一体どれだけの条件があればそれに耐えるのか、で、これはそれになっているのか、それだけでいいんですよ。簡単なことじゃありませんか。公式があるんですよ、速度と重量とそれからそれに対抗する強度というものは。どうぞそれ専門家に相談なすって、至急いただきたいんです。私、幾つも幾つも専門家じゃないから全部聞いていることはできないんですよ。わかりもしませんしね。だけれども、一番心配なところ、国民が心配しているところ、それだけはちゃんと資料をいただかなくっちゃ前へ進めませんですよ、本当に。お願いできますね、長官、よろしいですね。

大森勝良科学技術庁原子力安全局核燃料規制課長

○説明員(大森勝良君) 詳細に私ども必ずしも承知しておりませんが、その飛行機に対する防護対策というのは、特にフランスから技術導入するということの関連でその中に入っているというものではなくて、まず我が国が我が国の能力でもって判断しているものであること、さらに、この計算というふうに申されましたが、確かにコンピューターを使って相当大がかりな計算をするわけでございまして、その費用並びに時間といったものは相当かかるんではないかというふうに考えられますので、検討させていただかないと何とも、条件を入れて結論を出す、回答するということはできないかと思います。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 何が科学技術庁なんですか。科学技術庁というところはそういうことがすぐできるところなんじゃないんですか。ちょっと問題ですよね、こんなことじゃ。それは、本当にこれ公式があるんです。私は、何もそんな詳しいことじゃない、その公式に当てはめると一体どういう材料を使ってどうすればいいのか、そのぐらい説明していただかないんじゃとても話になりません。この業者はそれをやっているはずですよ。ですから、その返事を下さい。  それから、このフランスの条約に関係がないんだとおっしゃるけれども、そんなことないじゃありませんか。今まさにフランスの技術を導入して、施設も多分導入してやろうとしている。そのためにこれが結ばなきゃならない状態になっているわけでしょう。そうでしょう。フランスの技術を導入してやるんじゃないんですか。どうなんですか。そうしたら、私どもがこれを国会で審議している今この場しかないんですよ。ですから、これについて自分が納得のいく返事を求めるのは当たり前じゃありませんか。一番ありそうな事故ですよ。飛行機は年じゅうおっこってますでしょう。事故だらけですよ。どうぞ長官に私約束していただきたいんです。御退席になる前に、どうぞそれだけは下さいね。私何のためにこんなしこしこやっているのかわからないですから、さもないと。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) ただいま事務的な報告もさせてはおりますけれども、まさにおっしゃられることも私も理解ができますので、私早急に検討させていただきたいと思いますから、それだけの時間の余裕だけはちょっと御理解をいただきたい、こういうことでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 いつまで。来週ぐらいですか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) これにつきましては、今大臣からの御答弁でございますので私ども鋭意先生の御指摘も踏まえまして努力いたしますけれども、私も科学技術庁におりながらそういうことにすぐお答えできないことは極めてじくじたるものがございますが、先生御承知のように決してこれは私どもたちどころに出るというようなものではないわけでございまして、当然専門家にいろいろ聞きましてなおかつこの場合に当てはめた場合一体どういうことになるかということにつきまして検討しなければならない。そう右から左に簡単にできるものでないことはあるいは御承知のとおりかと思います。その先生の御指摘を踏まえまして、最大限努力いたします。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 はい。それじゃ、次の委員会までにどういう格好でやるめどがついたと、それだけは御返事いただきますから、よろしくお願いしますね。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) 今の先生のお言葉に関しましても、持ち帰りまして最大限努力させていただきます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 長官、どうもありがとうございました。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) どうも恐縮でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 それで、先ほど話が途中になっていました技術の面なんですが、フランスもよい、日本もなかなかよいというそういうことなんでございますけれども、私、国民が核燃料サイクルというような分野について技術導入をするからには当然、東海村で再処理をやってはいるけれども、まだまだ大規模にそういうプラントをつくるというような状態じゃないんじゃないか。それ自体の安全性、それについて疑問があるのは当然だと思うんです。  ちょっとこういう科学技術庁から出ています委託調査があるんですね。それは八三年度のものなんですけれども、科学技術と経済の会というのがありますか、そこが取りまとめた我が国の科学技術力に関する調査結果を示しているんですけれども、それを見ますと、もう非常に大ざっぱに結論だけつまみますけれども、八十三ぐらいの科学技術を羅列した中で、この中にはまだプルトニウムの製造というのは載っていないんですけれども、五つの核エネルギー関係のものについてヨーロッパ、アメリカと比較しているんです。このうち日本は、核融合についてはアメリカよりやや低くヨーロッパと同等だ、高速増殖炉についてはアメリカよりやや低くヨーロッパより低いということなんです。軽水炉の安全性はやや高い。それからウランの濃縮はアメリカ、ヨーロッパから比べてやや低い。放射性廃棄物の処分については米欧から比べてやや低いというふうに、核の関係の技術については軽水炉の安全性以外を除いては低いかやや低いかというふうになっているんですね。  こういう状態の中で、東海村で経験を積んだという話なんですけれども、東海村に関してもかなりの故障がございましたですね。それからこういう状態の中で私ども本当にこの――あれはどのくらいつくるんでしたっけ。東海村の何倍ぐらいの規模でございますか、六ケ所村は。

大森勝良科学技術庁原子力安全局核燃料規制課長

○説明員(大森勝良君) 動燃事業団東海再処理工場の処理能力につきましては、最大年間二百十トン、一日〇・七トンというふうに当初申請されておりますが、現在のところ年間百二十トン、一日〇・七トンという形になっております。これに対しまして六ケ所村再処理工場の能力につきましては、年間八百トン、一日四トンという数字でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 かなり今の何倍かの規模でやるということなんです。これは資源がないあるいは背に腹はかえられないんだということですね。どうもこういう技術の程度から見ますと、急いじゃならないんじゃないかという感じが私はどうもしてならないんですね。  それは、私どものイメージに余りにも残っているのが例の「むつ」なんですよ。あのかわいそうな「むつ」が十五年も漂流して、そして進水早々に出力上昇試験中に遮へいの不備で放射線漏れという事故が発生しましたですね。そのときに硼酸入りのおむすびをつくってその傷口をふさいだというような、そういう話がまだ残っています。そして、その「むつ」の問題は実際問題として今だって解決がついてない状態なんですよ。そういうときにプルトニウムに手を出す、たくさんの高レベル廃棄物を当てもなしにつくり出していくというようなことは絶対に急いじゃいけないんじゃないか、私どうもそう思えるんです。  と申しますのは、最近、これはエネルギー庁の方だと思うんですが、調査会が答申をお出しになりましたですね。それを見ておりますと、まあ何というんですか非常な気負いが感じられるんですよ。つまり、長期エネルギー需給見通しというのがあって二〇一〇年までに二倍半にするんだと、七千二百五十万キロワットに拡大するんだというようなことを言ってらしたけれども、十分な対策をとらない限り達成は困難だというその報告は認識を示すと同時に、ぜひ実現が必要だというような判断をして抜本的な対策に取り組むというんです。何か急に原発への傾斜を強めてきた。そしてそれは例えば今後、これは何年間ですか四十基ふやすというのは。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) 四十基といいますのは、七千二百五十万キロワットが二〇一〇年度の目標値になってございますので、現在八八年度からということであります。

山東昭子自由民主党

○委員長(山東昭子君) 久保田さん、時間ですが、大臣のちょっと会議の時間がございますので、五十分で一応よろしいでしょうか。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 はい、午後ですね。

山東昭子自由民主党

○委員長(山東昭子君) それでは、午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十分休憩      ─────・─────    午後一時二分開会

山東昭子自由民主党

○委員長(山東昭子君) ただいまから外務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 私は、実はきょうこの質問をする前に、原燃の社長さんを参考人でお願いしたんです。それは、原燃から出ているこの「再処理事業指定申請の概要」というリポート、これに幾つも疑問がありましたのでお願いしたんですけれども、理事会で反対する党がございまして、その理由を伺いましたらば純粋の民間人だから無理なんだということできょうはお見えになっていないんですけれども、こういうものが公表されているわけですから、それに答えるのは私は当然だと思うんです。ですから、私は改めて原燃の社長さんにもっと詳しいことを伺いたいと思うんです。  きょうは、やむを得ませんから、科技庁から私の質問に答えていただかなければならないんです。それは、この百二十四ページにございます「プルトニウム精製設備のセル内での火災事故」というところなんです。この中では、セル内にある有機溶媒が漏えいした場合の安全性について言っているんですけれども、一体このタンクの中に有機溶媒はどれだけ入っているものなんでしょうか。

大森勝良科学技術庁原子力安全局核燃料規制課長

○説明員(大森勝良君) ただいま審査中の件でございますので、その当否については私ども申し上げる立場にございませんが、今御質問のタンクの中の有機溶媒の量につきましては、申請書状では出ておりません。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 ここでは事故として、「セル内に有機溶媒等が漏えいし、漏えいした有機溶媒の回収作業後にも漏えい液受皿の集液部に少量の溶媒が残っている状態において、有機溶媒が加熱され、かつ着火する場合である。」、こう言っているんです。でも、これは少量の溶媒が残っているというのが条件なんです。  ですけれども、このタンクに満タンになっている、あるいはタンクに入っている溶媒全部が仮に爆発して火災を起こしたと想定して、そういうときにはどうなるんですか。

大森勝良科学技術庁原子力安全局核燃料規制課長

○説明員(大森勝良君) 今先生御指摘の事故に関する評価でございますが、そもそもこういう事故評価がどういうふうな目的を持ってなされているかという点について一言だけ申し上げさせていただきたいと思いますが、再処理施設の安全性を評価するための安全審査指針というものがございますけれども、これの中におきましてその「安全評価の目的」としまして、「再処理施設の安全性の判断に当たり、施設の設計の基本方針に多重防護の考え方が適切に採用されていることを確認するために設計基準事象を選定」するということで、まず火災を起こさせない対策がさまざまとられているわけでございますけれども、それでもなおかつ起きた場合はどうかという評価をやっているわけでございます。それがまず位置づけとして申し上げたい点でございます。  次に、御質問の点でございますが、この申請書の中で火災事故を想定する際の大きさとしまして、燃える溶媒の量を〇・〇七立方メートルというふうにしてございます。これにつきましては、先ほど先生御指摘のように、申請の概要を記した資料に書いてございます表現によりますと、「プルトニウム精製設備のセル内での火災が発生する場合は、セル内に有機溶媒等が漏えいし、漏えいした有機溶媒の回収作業後にも漏えい液受皿の集液部に少量の溶媒が残っている状態において、有機溶媒が加熱され、かつ着火する場合である。」というふうにしてございます。  それで、ここに書かれておりますように、回収するための設備もついておるわけでございますが……

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 もう時間がなくなってきているんですよ。それは今私が読み上げたところなんですよ。少量のものが残っているという状態において火災を想定しているんです。だから、私が言っているのは、セルが満タンになっているときに何リットルあって、そしてそれが爆発事故を起こしたときどうなるか。火災が起こらないようにとおっしゃるけれども、爆発事故というのは外的要因からだってあるんですよ。さっき午前中に伺った、ジェット機がここへぶつかって瞬時に爆発して炎上することだってありますよね。そういう大きな衝撃が来たときにどうなんですかということなんです。どれだけの大きい爆発事故が二重に想定されているのかということを伺っているわけなんです。だから、そのお答え以外はお断りします。

大森勝良科学技術庁原子力安全局核燃料規制課長

○説明員(大森勝良君) ここで、何で溶媒が漏れてくるか、どこから漏れてくるか、その漏れてくる先であるところのタンクがどういうセルの中に入っているかというふうなことの中でこの漏えいされたものを想定し火災を想定しているわけでございますので、そうした諸条件を確定しない限り、どれだけのことが起こるかというふうにお尋ねになりましても、それはお答えしかねる点ではなかろうかというふうに思います。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 お答えしかねるというのはわかりました。だから原燃の社長さんが必要なんです、これを設計した方ですからね。  それから、次にもう一つ伺います。それは溶解槽における臨界事故の問題なんですけれども、百二十六ページをごらんください。  ここには臨界の発生防止対策として、「溶液中の硝酸濃度の異常変動等を防止し検知する種々の装置は高い信頼性を確保した設計であり」と、まあそういう表現ですよ。「かつそれらの装置も二重にあることから、これらの装置が同時に故障することはなく、溶解槽は十分なる安全余裕を見込んで臨界設計をするので、臨界の発生は考えられない。」というんです。でも、さっき多重とおっしゃったけれども、これ二重ですよね。二重でもってそれが本当に大丈夫なのかということなんです。  例えば、ジャンボジェットでも同じ航法の装置を三台も積み込んでいるというそのくらいはやるわけです。まして、こういうものに対して二重で大丈夫なのかと。これで言い切るということが非常に私は安易だと思うんですね。そして、高い信頼性を確保した設計といったってわかりません。これはコマーシャル、広告と同じですよ。こういうことは私はやはりだめだと思うんですね。納得のいく説明をしていただきたいと思うんですけれども、どうですか。二重で絶対大丈夫なんですか。

大森勝良科学技術庁原子力安全局核燃料規制課長

○説明員(大森勝良君) ただいま先生御指摘の申請書の概要に記されている点につきまして、申請書本体ではさらに詳細に記載がございます。具体的には添付書類八の三の十八ページから添付書類八の三の二十六ページまで九ページにわたり、また同じく添付書類八の三の五十五ページから五十七ページまで三ページにわたりまして、詳細な記述がございます。  その中で、今先生御指摘の高い信頼性を確保した設計であるという点につきまして、個々にどのような計測制御系統を持つかとか、それからその他のさまざまなプロセスに関する監視についての点が細かに書いてございまして、それが事故防止対策並びに影響緩和対策という形で、今私が申し上げましたようなページにわたりまして書いてあることでございます。現在私どもはこの内容につきまして個々に検討し、その妥当性を審査している最中でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 じゃ伺いますけれども、核分裂数を十の十九乗と評価しているんですけれども、十の十九乗というのはどのくらいの核物質となるんですか。どの程度の量というふうに考えてよろしいんですか。

大森勝良科学技術庁原子力安全局核燃料規制課長

○説明員(大森勝良君) 十の十九乗の核分裂数がこうした核燃料再処理施設におきましての臨界事故の想定として妥当であるか妥当でないかといった点について今審査している最中でございますが、この十の十九乗というエネルギーについて申し上げますと、百万キロワット級の発電用原子炉、これが一秒間に生成するエネルギーにおよそ相当いたしまして、百四十リットルの水を蒸発させる量に当たるというふうに聞いております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そういう検討はいつできるんですか。

大森勝良科学技術庁原子力安全局核燃料規制課長

○説明員(大森勝良君) 例えば、今の十の十九乗の核分裂数でございますが、これは申請書の中でその根拠となる文献等が引用されております。私どもはその根拠となる文献も含めまして妥当であるかどうかといったことを判断し、最終的に私どもの審査報告書で災害の防止上支障がないという判断に至りました際に報告させていただきたいと思います。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 これらの装置が二重にある。二重にあるということで十分なんですか。

大森勝良科学技術庁原子力安全局核燃料規制課長

○説明員(大森勝良君) 多重防護の考え方は、まずその当該の通常に運転しておりますプロセスが大きな変動とか異常をできるだけ来さないようにということがまず第一点でございます。  その際に、例えばそのプロセスを監視するためのさまざまな計測制御設備、これの信頼性をそれぞれ高くするために二重、物によっては三重ということも場合によってはするかもしれませんが、それで十分であるかどうかということにつきましては、それぞれの信頼性をどこまで見るか、またさらにそれに多重防護でございますので、そうしたものが働かないとして先ほど先生御指摘のようなさまざまな事故評価がなされているわけでございますけれども、そういった事故評価をした結果におきましても、公衆に放射線の障害を与えないというふうな評価がなされなければ、その災害の防止上支障がないという判断には至らないわけでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 二重にあれば、その両方ともが故障を起こすということは確率としては確かに低いかもしれないんです。低いかもしれないけれども、これはジェット機だって同じですけれども、ジェット機ですら三重に防護しているのに、この場合はもっと大きい被害ということが想定されるわけですから、こういうこの程度の通常の状態を基準にして考えちゃいけないと私は思うんですよね。  先へ進みます。そのプルトニウムの海上輸送の問題なんですがね、全部はちょっと無理ですからポイントを絞って伺います。  これはそもそも航空輸送をしていたものが途中の経由地であるアラスカからの抗議で、ノンストップでヨーロッパから飛んでこいとアメリカに言われて、そして海上輸送を何とか認めてもらうといういろんな経緯がございましたね。そうですね。それで、ここにある核防条約それからこの議定書の附属書によりますと、プルトニウムの海上輸送にはエスコルトによる護衛が必要となっている。エスコルトというのはどういうものを指して言っているのか、陸なら護衛隊、海なら護衛艦、空なら護衛機、いずれにしても軍隊による護衛を意味するのではないかと思うんですけれども、現在プランされている巡視船による護衛で核防条約及び議定書の要件を満足させているのかどうか、それを伺います。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) プルトニウムの英仏からの海上輸送に関しましては、今先生御指摘のように、日米原子力協定の実施取極、これに附属書というのがございまして、この附属書の五にガイドラインというのが書いてございまして、このガイドラインに従って輸送が行われることになります。  そのガイドラインの一つにただいま御質問の護衛に関する規定がございまして、一隻の武装護衛船を配備するという規定がございまして、この一隻の武装護衛船が何を意味するかに関しましては、八八年の十月に海上輸送の今のガイドラインに関するサイドレターというのが交換されておりまして、このサイドレターにおきましてこの武装護衛船というのは日本の場合には海上保安庁、アメリカの場合には沿岸警備、それの船舶等が該当するということが確認をされております。したがいまして、海上保安庁の船はここでいう武装護衛船に該当するということが確認されている次第でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 実際問題として安全が確保できるのか、これは海上保安庁に伺った方がいいのかもしれませんけれども、アメリカの議会などは大分危惧を示す意見も多いんですけれども、その点についてはどうなんでしょうか。

野崎敦夫海上保安庁警備救難部参事官

○説明員(野崎敦夫君) お答えいたします。  私どもの海上保安庁の方ではこの護衛のための巡視船を現在建造中でございまして、必要な性能あるいは装置また設備また武装を備えた新しいものでございます。  プルトニウム輸送の護衛に当たりましては、この新造の巡視船で護衛するほかに、まずどういう経路を経て日本までその船を動かしまた護衛してくるかという経路の選定を相当慎重に行うという防護が一つございます。また、原則として寄港しない。先方の国から日本まではどの港にも寄らずに運ぶということで、脅威になるべく極力さらされないという手段をとるということ。また、船の運航するコースなり日時なりあるいは護衛の方法といったようなものについての情報を厳重に管理するというようなことから、対外的に安全を図る。そしてまた、プルトニウムを輸送する輸送船自身にも武装しました私どもの海上保安官を警乗させるといったようなことなどなど、あわせまして総合的なかつ万全の核物質の防護措置を講じたい、かように考えております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 いろんな危険が考えられますね。特に現在のようにプルトニウムを核兵器に使ったりあるいはおどかしに使ったり、そういういろいろな危険が核ジャック等を含めましてあると考えられるんですけれども、そうなった場合、仮に沈没事故とかその他を考えた場合、プルトニウムの容器の耐水圧はどのくらいなのかというんです。つまり、どのくらいの深さまで耐水圧があるのか、そういうことはいかがなものですか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) 一九九二年にプルトニウムの海上輸送を実施するに当たりましては、我が国だけではなくて出発国、これはフランスまたはイギリスでございます、その安全規制のための関係法令に従いまして、安全の確保には万全の対策を講じてまいることになります。  ただいま御質問の輸送容器の耐水性、耐圧性でございますが、これはこの九二年に使います容器はまだ決まっておりませんので、九二年についてどうかと言われますと今お答えしようがないわけでございますが、実は一九八四年に動燃事業団がフランスから日本まで海上輸送を行っております。そのときに使いました輸送容器につきましては動燃事業団において解析を行っておりまして、七百五十メートルまでの深さであれば設計上の安全性は確認されるということで前回の海上輸送は行わせていただきました。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 七百五十メートルといいますと、この太平洋の海では幾らもないんじゃないんですか。だから、私は心配はだれでも持つと思うんですね。太平洋の深さは、私ちょっといろいろ見たんですけれども、平均の深度は四千二百八十二メートルですよね。一番深いところは一万九百二十四メートル。そして日本近くには深い海、海溝がたくさん集中しているんですね。ですから、この海溝にはまる、あるいは海溝にはまらなくてももっと深い海あるいは中浅の海、七百五十メートルを超えるようなところにおっこちる可能性の方がずっと大きいわけでして、運ばれるプルトニウムのトン数を予測しますと、これはもう世界じゅうで騒がれても不思議ではないという印象をどうしてもぬぐうことができないんですけれども、この点についてはどうなんでしょうか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) 一九九二年に行います輸送に使います輸送容器は、これから選んでいきたいと思っております。今、イギリス、フランスあるいは日本で持っております各種容器がございまして、この中から最も適切なものを選んでいきたいということでございます。  万一の沈没のときの御心配でございますけれども、沈没した場合には、まず沈没させないことが第一でございますが、万々が一沈没した場合には最新のサルベージ技術を用いてできるだけ容器の回収を図るという方針になっておりまして、そういうことも含めまして、万一沈没した場合でも問題が生じないよう最も適切な容器を選んで十分な評価を行って、安全性を確認してまいりたいというふうに考えております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 海から回収するということは事実上不可能でございますよね。それは沖縄沖でもわかっていることだし、航空機事故のときの機体がなかなか回収できないというそういうことから考えても、回収するというのは意思はあっても実行はできないということだと思うんですね。私はだからもうこれはプルトニウムを輸送するというようなことは、海はもちろんのこと空を通ってもどこでも嫌われ者になるということでして、こういうことは一日も早くやめなきゃならないことだと思う。それは大臣もそうお思いになるんじゃないかと思いますけれども、どんなものでしょうか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) プルトニウムの海上輸送を行う場合、その安全性を確保することが大前提でございまして、冒頭にも申し上げましたが、我が国だけではなくて関係国、これはイギリス、フランスということになりますが、関係国の安全規制のための関係法令に従いまして、安全の確保には万全の対策を講じて実施する所存でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 役人としてお答えになることだと思うんですけれども、今私が申し上げているのはこんなことをやっている国はどこにもないということなんですよ。これはもう評判が悪くなるに決まっているし、評判が悪くなるその根拠がのっぴきならない危険だということ、そのことについて言えばやっぱりこのプルトニウムの使用というのはこれから奨励するような事柄ではなくて、やめていくという事柄でなければならないと思います。  もう一つ伺っておきましょう。  それは、再生可能なエネルギーの開発について、何かエネルギー庁の調査会とかこういった長期エネルギー需要等を見ますと、やっぱり原子力をどうしてもエネルギーの中心に据えていらっしゃるんですけれども、既にこういうものから脱却していこうという努力が諸外国では活発になされていると思うんです。それで、このエネルギー開発について太陽光発電、風力エネルギー、それから太陽熱、海洋エネルギー、こういったものの開発についてどれだけの力を入れていらっしゃるのか。特に日本の資源と見られるものがございますよね。例えば海洋エネルギーなんというのは、これは成功すれば無限にあるものだし、日本ほど立地条件のいいところはないと思われるわけです。  また、最近非常に注目されておりますコジェネレーション、これは今使われている化石燃料のエネルギーで発電をするときに三五%の効率でしか使われていないというそういう報告書が政府から出されておりまして、残りのエネルギーをどういうふうに使うかということは、環境の問題からいいましてもまたエネルギーの危険度の少なさからいいましても、最優先されるべきエネルギー源じゃないかと思います。これについて一体どれくらい努力していらっしゃるのか、それを聞かせていただきたいと思います。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) 先般取りまとめられました総合エネルギー調査会の需給見通しにおきまして、いわゆる再生可能エネルギー、今委員御指摘の太陽光あるいは太陽熱等々、そういうものを含めまして「新エネルギー等」ということで中に目標値として入れさせていただいておりますが、この見通しにおきましては八八年度現在で約六百二十万キロリッター石油換算という規模であるわけでございますが、これを約五倍強、三千四百六十万キロリッター石油換算ベースまで持っていくという目標を掲げております。全体のエネルギー供給構成の中でのシェアは五・二%ということでございます。  これまで通産省及び政府におきましては、サンシャイン計画といったような形でいわゆる新エネルギー等々の技術開発を進めてきているわけでございます。したがいましてその成果は出てきてはおりますが、まだコスト的に高いとかあるいは安定性にまだ解決すべき問題がある等々の問題は抱えてございます。しかしながら、引き続きそのような技術開発を進めてさらにコストの低減なり供給の安定性を高める、信頼性を高めるといったようなことに加えまして、コストを安くして導入を進めるという観点からいたしますと、政策的な需要創出によります量産効果をねらっていくといったような形での導入促進策も進めていくべきではないかということで、総合エネルギー調査会からの御答申をいただいております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 コジェネレーションはどうですか。これは、六五%失われているというのはどうしても早くつかまえなきゃいけませんよね。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) コジェネレーションにつきましても、今回の答申の中では大きく取り上げられてございます。コジェネレーションというのは、御案内のとおりいろんなやり方がございます。石油でやるあるいは天然ガスでやるものあるいは燃料電池でやるもの、いろいろございます。そして電気を起こすと同時に熱需要、熱供給ということですか、冷暖房あるいは給湯、お湯ですからそういう熱需要のあるところでコジェネレーションの導入が一番適しているわけでございます。  コジェネレーションが成り立つためには、長いパイプラインを引いてお湯を遠くまで運ぶわけにはまいりません。したがいまして、都市部にコジェネレーションをどうやって導入していくかということになるわけでございますが、御案内のとおり通常の石油あるいは天然ガスをたきますコジェネレーション、これはどうしてもNOxが出てまいります。多くの都市部におきましては、御案内のとおり環境基準をオーバーしている地点が多々観測されておる状況でございまして、そのようなところに石油、天然ガス型のコジェネレーションを入れていくことについては総合エネルギー調査会では一定の限界があるであろうと。したがいまして燃料電池によるコジェネレーション、この技術が開発されてきております。これはNOxの出方は極めて少のうございまして、そして電気の発電と同時に熱を出すということで、燃料電池型のコジェネレーションを今回のこの需給見通しにおきましては、現在の規模を七十倍にまで持っていこう、一千万キロワット規模まで高めていこうという目標値が設定されております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 私先ほどから、日本のエネルギー技術についての水準が必ずしも先端的なものじゃないし、むしろ欧米に比較すればまだそこまでいっていないんじゃないか、したがってこのプルトニウムをつくるというような核燃料サイクルの導入については極端に慎重であるべきではないかということを申し上げてまいりました。フランス、イギリスに次いで世界で三番目の再処理工場をつくろうとしているわけです。それは余りにも急ぎ過ぎているんじゃないか、こういったものの危険と引きかえに急ぐようなことじゃないんじゃないか、そう思いますけれども、大臣はこれを二〇一〇年までに今の二倍とか二倍半とかという原子力エネルギーをそこまでどうしても実現しなければならないというようなそういうお考えをお持ちなんでしょうか。私はもっと慎重であって当然だと思うんですけれども、いかがなものでしょうか。先に優先すべきエネルギー源があるんじゃないんでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 私の乏しい知識でございますけれども、潮流発電も科学技術庁は秋田仲で実験船をつくって実験をやっておりますけれども、これもまだ経済ベースに乗るような状況ではございません。また地熱発電も大分県等ではやっておりますけれども、問題は地熱発電をやる場合に地下の水蒸気を上げてくる、この上げてきた水蒸気をもう一回地下に還流するだけのことをやらないと、そのいわゆる地盤といいますか環境に大きな影響が出てくるという問題があります。それから太陽熱発電も、実は時計等には既に実用化されていますけれども、熱帯地域では大変効率の高いことかもわかりませんが、日本のように曇りが多い日照の少ない地理的な条件では、太陽熱発電というものが経済ベースに乗るというのは大変難しい。  風力も一部試験的にやっておりますけれども、風力発電で発電コストが下がるというような条件下にもない。また核融合も、日本ではトカマクで実験をやって臨界に近づいておりますけれども、まだこれは一国だけでやるものではなしに、ドイツに各国協力によって行うところのトカマクの計算センターをつくるというような状況でございまして、これもなかなか二十一世紀のいつごろにできるのか、具体的に確認がされていない。このようないわゆる代替エネルギーの次の問題を考えて既に実験を始めておりますけれども、当分の間経済性というものはなかなか私は見出すことは不可能であるという考え方を持っております。事実、石油ショックのときに私はアメリカへ行きまして、アメリカの石炭液化の工場等もシアトルの周辺で実際自分が行って見ましたけれども、その当時ですら一バーレルの石炭液化をするために二十八ドルかかる、こういうことでございまして、今日のように原油値段が割に低迷をしているときには、石炭液化に対する積極的なプロジェクトはあり得ない。  こういうことを考えてまいりますと、結局はすべての新しい代替エネルギーも経済性はまだ見出すほどの状況ではない。それじゃ原子力発電はどうかといえば、これは今実用化されている。しかし、将来のことを考えていくと石油も、先生も御案内のように、二十一世紀になるとこれが高騰していくことはもう明らかな国際情勢にございます。そういう中で、我々の国家がどういうふうな形のエネルギーを民族のために、国民のために確保するかということを具体的に一つ一つ詰めていけば、結局は行きつくところはどなたが考えられても同じところに行きつくというような条件のもとで、危険性を絶対ゼロに近い状態で排除するだけの技術を確立しながらこの原子力の平和利用というものの道を選ぶ以外に、残念ながらこの資源エネルギーに恵まれない島国の日本では我々国民が豊かな生活を確保する道はほかになかろうというのが私の認識でございまして、石炭資源が相当ございますけれども、これを持ってきて生だきすればたちまち地球温暖化につながる作業に協力をすることになりますし、非常に難しい国民にとっての選択の課題であろうというふうに私は認識をいたしております。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 実際問題として大臣、国民に選択の機会が与えられていないんです。私が問題にしたいのはそこなんです。国民がエネルギーの中からどういうオプションをとっていくか、ライフスタイルと組み合わせてどうなのか、経済成長を多少犠牲にしてももっと別のエネルギーを推進していくという、そういう考え方もできるわけです。  この世界で三番目の国としてプルトニウムの再処理工場がつくられるというそのことを国民が本当に選ぶのかどうか。地元民ばかりではなくて、国民全体がそう選ぶのかどうか。私、もうこれはせめてオランダ並みにもう厳正中立の立場の調査がなくちゃいけないと思うし、国民投票ということが本当は一番いいんだと思うんです。国民投票、これはもう二十一世紀に向けての最大の問題だと思うんですね。それを政府の方ではエネルギーの中心はもう原子力なんだということで、それもCO2が温室効果に寄与してしようがないからこれはもう原子力しかないんだという今非常に急傾斜が深まっているんですね。私、これはまず国民に聞かなきゃいけないことだと思います。国民にデータを十分示してそして国民に選んでもらうという態度がない限り、この反対運動は絶対にとまらないと思うんです。その点はよろしくひとつ、外務大臣のお立場からしても幾つも幾つもこうして原子力協定を結ぶたびにこういうことになるわけでございまして、どうか国民に選ばせるという道を閣僚として選んでいただきたいと思います。  それから、最後に残ってしまったんですけれども議定書の問題なんですね。この議定書の問題は幾つもあるんですけれども、時間のある限りやってまいりたいと思います。  協定が実態に合わなくなったからこの改定が必要だと。実際にはかなりもうがらっと変わった内容だと思うんです。で、八八年七月に交渉を始めて九〇年四月に署名が行われるまで一年九カ月、六回の交渉が行われたということでございます。交渉で意見の相違があったに違いないと思いますけれども、それはどういう点だったんでしょうか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答えいたします。  今回の改正の作業は現行協定の内容を新たにするということでございまして、核拡散防止強化の観点から幾つかの新しい内容を盛り込むという作業が交渉の内容でございました。ただいま御指摘のように、昭和六十三年の七月以降六回にわたりまして交渉が行われたわけでございますけれども、ただいま申しましたように幾つかの新しい規制、例えば機微な技術に関する規定の導入でございますとかあるいは核物質防護に関する規定の導入という現行協定にない幾つかの点を盛り込むというのが交渉の内容であったわけで、したがいましてその検討にただいま申しましたような時間がかかったと、そういう次第でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 そしてその結果は、そういうポイントはどういうふうに解決されているんですか。それは議定書のどこにあらわれているか、お答えください。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答えいたします。  ただいま申しましたように、本件改正議定書の趣旨は、一言で申しますと核不拡散の観点からの規制の強化ということでございまして、今度の議定書による改正の主な内容といたしましては、従来の単なる「平和的利用」から「平和的非爆発目的利用」にのみ使用されるという規定にされたと。それから二番目は、先ほども申しましたような機微な技術に関する規定の導入が行われたと。それから三番目は、核物質防護、核ジャック対策でございますが、核物質防護に関する規定の導入が行われたと。それから四番目といたしまして、保障措置でございますが、日仏それぞれと国際原子力機関の間において締結された協定に基づく保障措置が適用されることとなったということでございまして、そのほか手続事項といたしまして、核物質等について協定の適用対象とするための要件として事前通告制という制度が導入されることになりました。それからさらに、話し合いによって解決ができない問題が生じた場合のための仲裁手続の導入というのが行われまして、以上六点が主な改正の点でございます。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 その機微な技術なんですけれども、議定書の方はこういうふうに書いてありますね、「資材、核物質、設備、施設及び機微な技術」となっております。この「機微な」は「技術」だけにかかっていると見られるんです。一方、ロンドン・ガイドラインの方は、「供給国は機微な施設、技術及び兵器転用可能物質」となっているんですね。そうしますと、ロンドン・ガイドラインの「機微な」はこれ全部にかかっていると思うんですけれども、このロンドン・ガイドラインとの対比において、この議定書でもって対象になるものはどこが違うんですか。

山東昭子自由民主党

○委員長(山東昭子君) 時間がございませんので、短く答弁してください。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) 本改正議定書におきましては、ただいま御指摘のとおり、再処理、濃縮及び重水製造の「技術」のみが「機微な」という形容句がかかっておりまして、「機微な技術」とされております。ただ実際の扱いにおきましては、そういう機微な技術に基づいてつくられた設備、施設、これについてはより厳しい規制がかかるということになっておりまして、ロンドン・ガイドラインの規定の仕方と実質においては変わりがないというふうに理解しております。

山東昭子自由民主党

○委員長(山東昭子君) 久保田さん、時間が来ておりますが。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○久保田真苗君 じゃ、後に残します。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 それでは、最初に外交問題で二、三問ちょっと外務大臣にお聞きしたいと思いますが、一昨日の自民党の研修会で海部総理は、ソ連のゴルバチョフ大統領の来日は来年早々とそういう発言をされているわけでございますが、この日程はどの程度固まっているんでしょうか。

高島有終外務省大臣官房審議官

○説明員(高島有終君) 私どもが承知しております限りでは明年の訪日ということで、これはゴルバチョフ大統領から総理あての書簡の中に確認されているところでございます。しかし、それ以上の具体的な日程等については承知いたしておりません。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 さきの衆議院の沖縄・北方特別委員会、ここで中山外務大臣は北方領土の返還問題をサミットで提起される考え方を示されているわけですが、ところがこの北方領土はソ連邦ロシア共和国、この所属になっているわけですね。たとえ日ソ政府間で交渉が成立した場合においても、ロシア共和国側の意向に大きく影響されるのではないかと思うわけですが、この点はどのように受けとめてお見えになりましょうか。

高島有終外務省大臣官房審議官

○説明員(高島有終君) 御指摘のとおり、最近ロシア共和国におきまして共和国主権宣言というのが出されておりまして、その中の一つの項目といたしまして領土の変更については国民のレフェレンダムによる同意が必要という趣旨の項目が入っております。他方、ソ連邦憲法によりますと連邦法が共和国法に優先することが原則になっております。このような状況で、連邦と共和国の権限の関係は今後の連邦と共和国の権限の関係に関する調整にまたざるを得ないということでございまして、これが日ソ両国関係特に領土問題にどのような影響を与えるかという点についても、なおしばらく様子を見る必要があろうかと存じます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 ロシア共和国最高会議議長のエリツィン氏は、本年一月の日本を訪問されたときに、御承知のとおり北方領土問題につきましては五段階返還論を提唱されていたわけです。今申し上げました国民投票の条文が実際に共和国主権宣言にあるとしますと、今おっしゃったソ連国憲法とのいろいろな兼ね合い、そういうこともあろうと思いますけれども、我が国としましても共和国との協議をされることが領土問題解決への重要なポイントとなると思うんですが、その点はどのようにお考えでしょうか。

高島有終外務省大臣官房審議官

○説明員(高島有終君) 先ほども申しましたように、共和国の権限とソ連邦の権限がどういう形になるかということについては、今後のソ連邦内における調整にまつ必要があるということでございまして、他方先生御指摘のように、エリツィン氏がことしの一月にいわゆる領土問題解決に関する五段階の案を述べておられることも私ども承知いたしておりますけれども、この問題とどういうふうに関連するかという点については、今ここで明確にお答えする状況にはないことを御理解いただきたいと存じます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 話題になっております歯舞諸島、色丹島、これは北海道の一部でありますし、国後、択捉両島はかつて外交交渉の対象となったことのない我が国固有の領土である、このように思っております。一日も早く北方領土の返還を実現させて平和条約を締結し、あるいは日ソ両国の安定的かつ恒久的な平和友好関係を樹立すべきではないかとかねがね私たちも主張しているわけですが、最後に大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) かねて、たび重なる国会の御決議も踏まえ、政府は四島一括返還ということを日本の対ソ交渉の原則として位置づけておりますけれども、シェワルナゼ外相の来日を機会に領土問題で突っ込んだ両国の議論が交わされることを私は期待いたしているわけでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 それでは、きょう議題になっております問題について何点かお尋ねしたいと思います。  最初に、改正議定書の問題でございます。  今、同僚の委員からも機微な技術についての質問がありました。この協定におきましては、日仏間で原子力の平和利用を促進し開発するために、専門家、公開の情報、資材、核物質等、役務を交換することを今まで定めていたわけでございますが、今回の協定はさらにこの機微な技術を加えて協力の対象にしている。六点ほど挙げられましたが、この機微な技術とは何を意味されているのか。また、我が国からフランスへ移転される機微な技術にはどういうものが考えられるか。これは交換するということになっておりますので、その点はどのように考えたらいいんでしょうか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答えいたします。  御質問の機微な技術でございますが、改正後の協定の第八条に「「機微な技術」とは、濃縮、再処理又は重水生産の設備又は施設の設計、建設、運転又は保守にとって重要なもの」というふうに規定をされておりまして、濃縮、再処理、重水生産という核拡散の防止上特に取り扱いに注意を要する技術を指し示しております。核拡散の防止を一層確保するという観点から、従来の協定ではウラン、プルトニウム等の核物質それから原子炉等の設備、施設が規制の対象とされておりましたけれども、それに加えまして機微な技術を規制の対象とするということが最近国際的に広く受け入れられておりまして、今回の日仏原子力協定の改正にもそれが反映されたということでございます。  それから協定に基づきます交流は双方向で、我が国からフランスへも技術が移転されるのではないかという御質問でございますが、機微な技術に関しまして、現在までのところ我が国からフランスへ移転される技術で機微な技術に指定されたものはございません。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 今のお話ですと、機微な技術の中でフランスに移転されるものはないというお話でありましたが、現在のところですね、将来はしかし可能性が生じてくるんじゃないでしょうか。その点どうですか。

林幸秀科学技術庁原子力局調査国際協力課長

○説明員(林幸秀君) 現在御審議いただいております議定書が改正されました後、日本からフランスに対しまして機微な技術として移転されるものがあるかどうかという御質問でございますけれども、これは当面のところはないというふうに承知しております。  ただ、将来的に、現在計画中の六ケ所村の再処理工場が建設されるあるいは運転されるといった状況、さらには我が国独自で再処理技術を今開発しておりますのでそういったものの研究開発の状況、それによって得られるいわゆる改良技術でありますとか運転経験といったものがフランスに戻る、移転されるといったことは考えられます。そういった場合には、これは日仏改正協定上の機微な技術という格好で扱われるというふうに承知しております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 私が心配いたしますのは、先ほど久保田議員の方からもいろいろと御質疑をされてお見えになりました核不拡散、これにフランスは加入されてないとしているわけですが、かつてはイラクの原子力発電所の問題等もありました。フランスはいろんな原子力の技術を海外に輸出する中で、例えばイラクの原子力発電所というのはそのままプルトニウムを、原子爆弾をつくれるような原子力発電所であったということでありましたし、そういうことでフランスに移転された技術がフランスから第三国にさらに移転されたり、それを軍事目的に利用されるおそれはないだろうかということを私は心配して今御質問したわけですが、その点はどうでしょう。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) まず、フランスが核防条約に参加してないではないかという御指摘でございますが、これもけさほど御説明があったと思いますが、フランスは核防条約には参加いたしておりませんけれども、核拡散の防止という趣旨には賛成しておりまして、他の主要国と協力して核拡散の防止のための必要な措置はとっているというふうに承知しております。  今回の日仏原子力協定の改正議定書におきまして機微な技術の第三国に対する移転に際しましては幾つかの規制が課せられることになっておりまして、仮に我が国からの機微な技術がフランスに移転されたとした場合に、その技術をフランスが第三国に移転しようとする際には改正後の協定の第四条の三というところに規定がございますが、供給締約国――この場合には日本になりますが、日本の事前同意または平和的非爆発目的利用等についての保証を得るという条件に加えまして、供給締約国――御質問の場合には日本になりますが、日本政府の事前の文書による同意というのを条件といたしておりまして、危険な国への第三国移転をチェックするメカニズムが協定の中に盛り込まれているということでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 私ども、今回のこの日仏原子力協定改定議定書につきましては、やはり原子力の平和的な利用並びに今お話のあった核拡散の防止、その確保がやはりできるということでこの点については賛成させていただいているわけですが、この議定書、今いろいろと太田審議官の方からもお話しありましたが、果たしてそれがきちんと守られるという、まあ条約上そういうところは出ておりますけれども、具体的にきちっとそれが確保されるという何か監視のそういう行動というのはあるんでしょうか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答えいたします。  本件は国家間の正式な約束、条約ということでございますので、当事国である日本及びフランスは実際に行いました約束、これをきちんと遵守するという義務があり、また今までの例から申しましても、原子力協定に盛られました規定についてはこれをずっと遵守してきているということでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 次に、チェルノブイルの原発の事故について若干お聞きしておきたいと思うんですが、この事故を起こしましたチェルノブイル原子力発電所の現在の状況あるいは周辺地域の被害の状況、そういったものについて御報告願いたいと思います。

鈴木治夫科学技術庁原子力安全局原子力安全課原子力安全調査室長

○説明員(鈴木治夫君) チェルノブイルの事故後の最近の状況でございますが、これは例えば原子力安全委員会が昨年秋にソ連に派遣いたしました調査団の報告でございますとか、あるいは最近の国際会議におきますソ連からの報告、あるいはプラウダ等へのソ連側の掲載論文、あるいはモスクワにあります日本大使館の調査、そういったことを総合的に把握いたしますと、おおむね次のように承知しております。  まず第一に、事故を起こしましたチェルノブイルの四号炉、あれは現在四十本以上の観測孔があけられましていろいろとモニターされております。内部の放射線の強さでございますとかあるいは温度でございますとか、そういったさまざまな項目につきまして四十本以上の観測孔をあけて今監視されているという状態になっております。なお、コンクリートの強度等今後とも内部構造がもつかといった問題がございまして、ソ連当局の御説明によりますと、将来内部構造物の再配置の起こる可能性もある、そういったことで時期ははっきりいたしませんで西暦二〇〇〇年前後と言っておりましたが、あの炉を完全に解体いたしまして処分をするという方策をとるか、あるいは再度現在の石棺をさらにもう一つの構造物で覆って閉じ込めるという方策をとるか、いずれの方策をとるかについて現在検討中ということでございました。  それから周辺の汚染状況につきましては、ソ連政府は昨年三月に汚染地図を作成公表しておりますが、さらにまた、再度詳しく調査した上、地図を作成するというような計画を持っているということを聞いております。  それから今後の周辺住民の避難、移住といった問題がございますが、四月の二十五日にソ連邦の最高会議は政府の決定した計画を承認したということでございまして、その中には一九九〇年から一九九二年までさらに十八万人から二十万人の移住を行う方針が盛り込まれているということでございます。  それから事故による健康への影響でございますが、現在疫学調査のために約五十八万人の登録管理が行われております。これは周辺の住民でございますとかあるいは事故後の除染作業に参加した人たちであるとか、全部ひっくるめまして約五十八万人につきまして、いろいろな医学情報ですとか、どれくらい放射線を浴びたかといった情報でございますとか、事故当時どういう仕事をしておったとか、そういうさまざまな情報についての登録管理を行い、追跡調査をやっているということでございます。  それからソ連の保健当局等に問いただした結果でございますが、白血病でございますとかがんの発生数、そういったものにつきまして現在のところまだ特に増加したというような徴候はない、それから異常出産でございますとかあるいは新生児の発生異常、そういった胎児被曝の影響も現在のところ認められていないというようなことがわかってきております。ただしこれらの健康影響につきましては、ソ連におきまして国際原子力機関等に依頼した上で疫学調査を国際的に協力を得て行おうということを今やっているようでございますので、そういった国際的な調査の結果等を慎重に見守っていく必要があるというふうに考えております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 このような原子力発電所の事故というものが起きないことを願っているわけでございますけれども、チェルノブイルの事故から既に四年が経過したわけです。現時点におきまして、今いろいろと状況のお話等もございましたけれども、日本としてはこれをどのような意味にあるいはどのような教訓として受けとめてお見えになるでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) このチェルノブイリの事故というのは、この間実は日本を訪問されたWHOの中島事務局長といろいろ協議をいたしました。日本政府としては、世界で唯一の被爆国でございますから、この地域住民の集団的な被曝後の健康管理のノーハウは日本しかないわけであります。そういうことで、日本国政府としてはソ連邦からの要請があれば積極的に医療協力をやるということを私は申しております。  なお、この被曝の状況をいろいろと中島事務局長に聞いてみますと、結局チェルノブイリで爆発事故を起こしたものが上へ上がってそれが放射能物質を持った灰となって例えば白ロシアあるいはロシア共和国の一部にまで降下する、その降下したものがストロンチウム90のような放射性物質を含んでいるために、いわゆる被曝後に相当時間を経過してから異常が発生する可能性が非常に強い、こういうことがWHOの局長からの私への報告でありまして、ちょうどこの十一日にソ連の首相の招請で中島事務局長がモスクワを訪問しておりまして、もうそろそろ日本へ帰ってくると思います。私は日本政府のメッセージも既に伝えておりまして、外務省においては経済協力局長に、もしソ連側の要請があればあるいはWHOからの要請があれば日本政府は積極的に人道的な見地から協力を行う用意があるということを前提として協力体制の検討に入りなさいという指示を既にいたしております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 今外務大臣からお話がありましたが、確かにチェルノブイルの事故の被害というのは予想以上に広がっておりますし、まだまだ深刻な事態ではないか、こう思います。  お話しのように、ソ連でも積極的に各国の調査団の受け入れを行ってきているわけでございますし、諸外国、例えばインド、キューバ、オランダ、こういうところではもうチェルノブイルの被曝者を受け入れている国もありますし、スペインあるいはアメリカ、西ドイツも受け入れを交渉中であると聞いております。今大臣からお話があったように、日本もWHOあるいはソ連邦の要請があればとお話しでございましたが、日本は原子力発電所じゃなくて原子爆弾の被害を受けた世界で唯一の国でもございますし、むしろ他国に先駆けて、我が国は医療技術も進んでおりますし、そういった点で要請よりもこちらから積極的に臨んでいただきたいなとこう思うんですが、どうでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 先日、外務省を訪れられたソロビヨフ・ソ連大使に対しましても私は既にこの日本政府の意思を十分伝えておりまして、恐らくソ連邦の政府に私の方のメッセージは伝わっているものと信じております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 ちょっと質問が後先になってしまったわけですが、この事故の発生後、同僚委員からもお話がありましたけれども、世界的にもエネルギー源としての原子力、これから諸外国は撤退する傾向が見られるんじゃないか、こう思うわけですね。その点はどのように考えていますか。

藤田明博科学技術庁原子力局政策課原子力調査室長

○説明員(藤田明博君) お答えいたします。  海外におきますチェルノブイル事故の受けとめ方については国情によりましてさまざまでございますけれども、概しましてアメリカでありますとかフランスでありますとかいう主要な先進諸国におきましては引き続き今後とも原子力の開発利用、原子力発電を着実に推進していくという方針であるというふうに承知をしてございます。諸外国の一部におきましてはあのチェルノブイル事故の以前から、またあのチェルノブイル事故以降、原子力からの撤退というのを決定している国、例えばスウェーデンでありますとかイタリアでありますとか、そういった国々があるわけでございますけれども、このうち特にスウェーデンにおきましては、やはり電力の約半分を現在原子力に依存しているということ、それから自然環境の保護の問題でございますとか化石燃料を燃やすということに伴います環境影響、こういった点等を考慮しますと、ほかの代替エネルギーの確保にもなかなか問題があるというようなことなどから、最近原子力発電をどうするか、やめるべきかそのまま続けるべきなのか、そういった点についてさまざまな議論がなされているというふうに聞いてございます。  また、世界全体での原子力発電の運転されている実績という点につきましては、チェルノブイル原発事故が起こりましたのが一九八六年でございますけれども、一九八六年の末から昨年末、一九八九年の末までの間に約五十基、六千万キロワットの原子力発電所が新たに運転開始になっているということで、昨年末の原子力発電所の設備容量という点から見ますと三億三千六百万キロワット、世界の電力の大体一七%を原子力が賄うというふうなことで、着実に原子力発電所の数というのはふえてきているというふうになってございまして、必ずしも世界的に原子力から撤退の傾向にあるというふうに一概に決めつけるということはできないのではないかというふうに私どもは考えてございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 たしか、せんだって外務大臣もスーパーフェニックスの施設、ごらんになってきたんですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 拝見しました。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 日本の原子力発電所とこれを対比されてどうですか、外務大臣はどんなことをお感じになりましたか。中まで入られたんでしょう。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) やっぱりスケールが違うという感じがいたしましたし、あのグルノーブルのスーパーフェニックスを見たときは。しかも、日本は日本単独で建設をやっているわけでありますけれども、あそこはたしか西ドイツとイタリーとフランス、三カ国の共同建設でございまして、この一つのプロジェクトに多国間協力が行われているというところに私はヨーロッパの大変新しいあり方というものをその際痛感いたしたようなところでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 今この委員会でもいろいろ問題になっています原子力発電所の安全運転という点あるいは放射能の防護の問題とか、そういう点ではどうでしたか。比較されて何かお感じになったことがありますか、日本の原子力発電所とスーパーフェニックスの施設と。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 率直に申し上げて、相当スケールの相違があるというふうに認識をいたしております。日本の原子力発電所の場合ほぼとんど加圧沸騰型の原子炉でございますから、アメリカにおける発電用の原子炉と日本の場合とを私どもちょっと比較をして検討してみたことがありますけれども、やっぱり地震国の日本では海外と違った十分な配慮をした設計が行われているという認識を私は持っております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 次は、プルトニウムの利用計画と六ケ所村の核燃料施設についてお伺いしたいと思うんです。  これも同僚委員から既にいろいろと論議を進められた中にありましたが、プルトニウム利用を進める意義についてもう一度ちょっと説明していただきたいと思うんです。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。  原子力発電所で発生いたします使用済み燃料に含まれておりますプルトニウムは、これはこの間も申し上げましたように、我が国の技術によって生み出された我が国の貴重なエネルギー資源であると認識しておるところでございます。それで、エネルギー資源に恵まれない我が国といたしましては、ウラン資源の有効利用を図るということ、それから原子力発電によるエネルギー供給の安定化を図るということ等々の観点から、使用済み燃料を再処理いたしまして回収されますプルトニウムを核燃料として積極的に利用していくことを重要な課題と認識しておるところでございます。  プルトニウムの利用につきましては、高速増殖炉での利用を基本としつつ、高速増殖炉が実用化されるまでの間におきましても、できる限り早期に軽水炉及び新型転換炉におきまして一定規模でのプルトニウムの利用を進めていくことを方針といたしておるところでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 諸外国のプルトニウム利用の現況はどのような状況でしょうか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) 諸外国におきます再処理及びプルトニウム利用の状況を簡単に御説明させていただきます。  まずフランスでございますが、フランスは従来から自国内において再処理を実施しておりまして、高速増殖炉の研究開発も積極的に進めております。一九八七年からはさらに軽水炉でのプルトニウム利用、いわゆるプルサーマルを開始しておりまして、現在急速にその規模を拡大しておるという状況でございます。このプルサーマル計画のための燃料の供給のために、一九九三年の運開予定で大型のプルトニウム燃料加工工場の計画を進めておるというふうに聞いております。  次にイギリスでございますが、イギリスも国内において再処理を行っておりまして、一九九〇年代にはプルトニウムの燃料製造工場を建設してプルトニウムの利用を図っていく計画であるというふうに理解しております。  それから西ドイツでございますが、昨年、西ドイツの国内における再処理工場の建設計画を中止いたしましたが、これはEC統合等を背景にいたしまして、イギリス、フランスに再処理を委託することにしたものでございまして、ドイツが再処理を行わないということにしたわけではございません。ドイツも今後ともプルトニウムの利用を図っていく方針であるというふうに理解しております。ドイツは一九七〇年代から軽水炉でのプルトニウム利用を実施しておりまして、二十年来の実績がございます。現在ハーナウというところに大型のプルトニウムの燃料工場を建設中であるというふうに聞いております。  次にアメリカでございますが、目下のところ商業用の使用済み燃料の再処理計画あるいは商業炉でのプルトニウムの利用計画はございません。しかし、アメリカにおきましても高速増殖炉の研究開発計画は続けられておるというふうに理解しております。  最後にソ連でございますが、ソ連につきましては余り詳細はわかりませんが、ソ連においても引き続き高速増殖炉の開発を進めているというふうに理解しております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 今お話のありましたように、イギリスとかフランスを除きますと欧米諸国、まあドイツはこれから変わっていくようでございますが、それ以外はアメリカを初め欧米諸国、プルトニウム利用というものを余り基本的な政策としていないように思うわけでありますが、そうした理由の一つには経済性の問題があるんじゃないかと思うんですが、再処理してプルトこウムを使用する際のコストをどのように見込んでおみえになりますか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) 原子力発電の燃料といたしましてウランだけを用いる場合とそれからプルトニウムとウランをまぜて燃料とする場合のコストの比較の問題かと思います。この場合の核燃料サイクル全体のコストの比較をしなければいけないわけでございますが、この場合いろいろ前提がございますけれども、ウラン燃料を再処理しないでいわゆるワンススルーで燃やすケースと使用済み燃料を再処理してプルトニウムを利用するケースとでは、経済性において発電コストという点におきましては余り大きな差はないというふうに考えております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 アメリカの核管理研究所長のレーベンサールさんという人は、ウラン価格が五倍にならなければプルトニウムの平和利用は成り立たない、こういう発言をされておるわけですね。大島科学技術庁長官は衆議院の本会議の答弁の中で、再処理せずウラン燃料のみ利用するのと大差ない、こういう答弁をされているわけですがね。再処理してプルトニウムを利用する場合のコストを見込むにつきましては、当然ウラン価格の変動などさまざまな要因を勘案する必要があると思うんですけれども、ここまで見積もった上でウラン燃料のみ使用の場合と大差ないと、そういう認識を持っていらっしゃるんでしょうか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) この計算はいろいろ前提がございまして、その前提のとり方によりまして結果がまた変わってまいるわけですけれども、大体の傾向として申し上げますと、プルトニウムを燃料として用います場合には、燃料をつくる燃料の加工工程におきましてウランだけを燃料とする場合に比べましてより厳しい放射線管理が必要になるなどでコストが高くなってまいります。こういうことでプルトニウムの燃料は高くなる要因があるわけですが、逆に一方ではプルトニウムというのはそもそも使用済み燃料に含まれているものを利用していくわけでございますから、天然ウランを使う場合に比べまして、天然ウランを使う場合にどうしても必要になってまいりますウラン濃縮ということが要らなくなるというようなメリットもまたございます。このほか、再処理をしてプルトニウムを利用する場合には、プルトニウムだけではなくてあわせて回収ウランの活用もすることができるということもございます。  こういうメリット、デメリットがいろいろございまして、そういったことを評価していく必要がございます。そもそも発電コスト全体の中でこういう核燃料サイクル関係のコストが占める割合というのは余り大きくございませんで、全体の二割とか三割程度でございます。したがいまして、そういうことも全体勘案いたしますと、再処理をしてプルトニウムを利用する場合と再処理を行わずウラン燃料だけを使う場合とでは、経済性においてそれほどの差は生じてこないというふうに考えております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 いろんな報道なりいろんな情報があるわけでございますが、私もこれ拝見したあるニュースによりますと、フランスの高速増殖炉FBRスーパーフェニックスは、一九九六年以降プルトニウムを増殖させずに運転されることになった、こういう報道がされておるわけでございますが、これはウランがだぶつきぎみでプルトニウムの使用が経済的に引き合わなくなったからではないか、こういう情報があるわけですが、この点はどのようにお考えでしょうか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。  フランスの高速増殖炉スーパーフェニックスでございますが、先ほどお話にありましたとおりのことでございますが、一九八五年に臨界を達成いたしまして一九八六年に全出力運転を達成した後、一九八七年には使用済み燃料貯蔵槽のナトリウムの漏えいの修理あるいはその対策等のための運転停止状態にございました。  で、昨年一九八九年でございますが、一月に運転が許可されまして四月に送電網に連結、この間若干のことがございましたが、現在全出力運転に移行したところと承知しておるわけでございまして、そういう状態かと認識しております。この間、昨年十一月二十八日にスーパーフェニックスの運転を管理していますNERSA、これは先ほど外務大臣のお話にありました仏独伊の合弁でございますが、NBRSA社は一九九三年に予定しております第一回の燃料交換時からプルトニウム生産能力の引き下げを行い、一九九六年の全炉心交換時以降プルトニウムの生産を行わないとの発表を行ってございます。  これは具体的には一九九三年の燃料交換の際に現在装荷いたしておりますブランケット燃料、これは炉心の周りに置いてある燃料でございますけれども、のうちの約百体を、さらに一九九六年の燃料交換の際には約百体をステンレスの反射体に取りかえる、すなわち単なるウランをずっとブランケットを置いてあるものをステンレスにかえるということをやることによりまして増殖比、これは原子炉の中で燃えます核分裂性物質に対する新しくできます核分裂性物質の割合、増殖比でございますが、これを一・二〇、一以上でありますから増殖しておるわけでございますが、これを一・二〇から一・〇二に引き下げるということ、すなわち増殖の部分をかなり切り落とすという、そういうことであろうかと思うわけでございます。これはNERSA社によりますと、現段階ではプルトニウムの備蓄量が十分であり増殖を行う必要はないという、そういう理由によるものと聞いておるところでございます。  ただ、この決定は将来におきます増殖の可能性まで否定したあるいは放棄したものではなくて、単なる運転計画の変更であって、フランスにおきます高速増殖炉の開発計画はその方針において変更があるものとは理解していないところでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 先ほど一番最後に申し上げた点はどうですか、経済的な問題。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。  全体FBR自身につきましては、これは御承知のようにまだスーパーフェニックス自身実証の段階のものでございまして、全体高速増殖炉も将来全体高速増殖炉の利用体系が完成いたしませんと当然経済性が出てこないわけでございまして、現段階におきましては高速増殖炉は軽水炉に比べまして約二・五倍という発電コストの高さがあるわけでございますが、これはフランスにおきまして軽水炉が一般化して利用されておるのに対しまして高速増殖炉はまだ実証炉の段階にあると、そういうことによって来たるところと理解しておるところでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 我が国は一九九二年に原子炉用プルトニウムが不足するとこうなっているようですけれども、不足するかどうかはつまるところは需要と供給の関係に行きつくんじゃないかと思うんですね。衆議院の本会議では、通産大臣がさまざまな要因があるので一概に言えない、こう言われているわけでございますけれども、我が国の保有しているプルトニウムの量と今後の需要の関係、それをどのように考えていますか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) 我が国で今プルトニウムを必要としておりますのは、当面動力炉・核燃料開発事業団でございます。その関係で数字を少し申し上げさせていただきますが、ことしの三月末現在の我が国のプルトニウムの保有量を申し上げますと、核分裂性プルトニウム量にいたしまして約〇・五トンでございます。  それで、これから三年間の需要と供給の見通しを申し上げます。  一九九〇年度から一九九二年度までの三年間に我が国が必要としておりますプルトニウムは、これは消費量でございますが約一・六トンというふうに見積もってございます。一方、この三年間のうちに国内のプルトニウムの生産、これは東海村の再処理工場が今後順調に操業したとしての前提でございますが、約一・一トンの生産があるものと見込んでございます。したがいまして、現在の〇・五トンにこれからの生産量一・一トンを加え、その間の消費量一・六トンを引きますとゼロになるということでございまして、一九九二年度末には我が国の原料のプルトニウムが払底するというふうに見込んでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 今後の我が国のプルトニウム利用計画はどのように考えていらっしゃるのか、あるいはまたプルトニウム利用を進める上で六ケ所村の再処理工場、それをどのように位置づけていらっしゃるんですか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。  御承知のとおりにプルトニウムは、原子炉の中で主としてウラン235が核分裂をいたしましてエネルギーを出しますときに、それと一緒におりますウラン238が中性子を吸収いたしましてネプツニウムを経由してできる物質ということでございまして、まさに我が国の技術によって得られるエネルギー源ということであろうかと思うわけでございます。我が国におきましてはこのようなプルトニウムを含んでおります使用済み燃料を再処理いたしまして、これにより再処理の結果出てきますプルトニウムを利用していくということを基本的な方向にしておりまして、高速増殖炉と新型転換炉の開発、それから軽水炉におきますプルトニウム利用の計画を進めてきておるところでございます。  プルトニウムの利用につきましては、増殖するという点におきまして本質的な特色を有しており、あるいはウランの資源の利用効率で非常にすぐれております高速増殖炉において使おうということを基本的な考え方にしておるところでございますが、高速増殖炉が実用化するまでの間におきましても、将来の高速増殖炉時代に必要なプルトニウム利用に関連いたします広範なプルトニウムに係る技術体系とでも言うべきものを構築するため、軽水炉及び新型転換炉におきまして一定規模におきましてプルトニウム利用を進めるということによりまして、段階的にプルトニウム利用を進めていきたいということでございます。  それで、このプルトニウム利用のために不可欠な使用済み燃料の再処理につきましては、これまで英仏委託がございますけれども、今後の大きな流れといたしましては国内で行うという、そういう方向づけをしておるところでございます。そこで、現在青森県六ケ所村において進められております民間再処理工場の建設計画は、この国内再処理の原則にのっとって進めているものでございまして、我が国が今後プルトニウム利用を推進していく上の重要なプロジェクトであるというふうに認識しております。このため、政府といたしましてはもちろん安全の確保が第一でございまして、これを大前提に皆様の御理解と御協力を得つつこの計画が円滑に推進されるよう最大限の努力をしてまいる所存でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 六ケ所村の核燃料サイクルの施設計画、これに対する地元の情勢というのは非常な厳しいものがあります。そうした現況を、今いろいろ理解を得てとおっしゃっておりますけれども、政府としてはどう受けとめてどう取り組んでいらっしゃるのか、その点ちょっとお聞きしたいと思うんです。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) 六ケ所村の核燃料サイクル施設のまず工事の状況から御説明させていただきます。  六ケ所村の施設は幾つかございますが、まずそのうちのウラン濃縮施設でございますが、昭和六十三年の八月に事業許可がおりておりまして、現在工事が進められておるという段階でございます。最終的には年間千五百トンSWUという規模のウラン濃縮工場をつくる予定にいたしてございます。  それから低レベル放射性廃棄物の埋設施設でございますが、これにつきましては科学技術庁による審査いわゆる一次審査を終えまして、現在原子力委員会と原子力安全委員会のダブルチェックを受けておる段階でございます。現在申請されておりますのはドラム缶二十万本分相当でございますけれども、これは逐次量をふやしまして当面百万本程度、最終的には三百万本程度の埋設を行う予定にいたしてございます。  それから再処理施設につきましては、現在科学技術庁において審査を進めておるところでございますが、再処理能力といたしまして年間八百トン、返還廃棄物の管理施設といたしまして高レベルガラス固化体貯蔵能力千四百四十本を予定しておるところでございます。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) 引き続きまして地元の状況につきましてつけ加えて申し上げさせていただきます。  現在青森県六ケ所村で進められております核燃料サイクル施設の計画をめぐりまして、地元におきましてさまざまな議論があるということ等々は私どもよく認識しておるところでございまして、青森の状況というものが極めて厳しい状況にあるということにつきましては十分承知しておるところでございます。そうではございますが、この計画は我が国が自主的な核燃料サイクルを確立するという上に必要不可欠なものと私ども考えてございまして、エネルギー政策及び原子力政策の極めて重要な課題ということで進めさせていただきたいと考えておるところでございます。  このため、私どもといたしましては安全性の確保を大前提といたしまして、この計画に対しまして地元の皆様の一層の御理解と御協力をいただけますよう、科学技術庁、通産省及び専門家から成りますキャラバンチームを結成いたしまして、県民の方々との直接対話を行うというそういう試みでございますフォーラム・イン・青森ということ等の試みを初めといたしまして、各種の対話型の広報を充実強化いたしますとともに、きめ細かく御了解いただけやすいような広報活動の充実に現在努力しておるところでございまして、そのためにいろんなことをやってきておる次第でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 まあいろいろなことをやってこられているようですけれども、それで地元の皆さん方の理解が本当に得られるのかどうかということでございます。私たちもこの改定議定書につきましては賛成という方針に至りましたけれども、それに至る間いろんなことも党内で論議がございました。ただし、議定書の改定については賛成はしても、それが自動的に六ケ所村の核燃料サイクル施設建設を是認するという意味ではこれは決してありません。  地元におきましては、この施設の建設に対しましては三つの条件というのを私たちは主張しております。それは住民コンセンサスの尊重、二番目は風評被害の補償、三番目は高レベル核燃料廃棄物は青森県内に貯蔵しないということを主張しているわけです。二番目の風評被害への補償については若干これは満たされつつあると思いますが、一、二の点についてはまだまだこれは解決に至っておりません。そういう意味で、現地といたしましては、この核燃料サイクル施設反対または凍結、そういうことで私たちは貫いていきたい、こう考えているわけです。  政府は今までに努力をされているようでございますが、この三つの条件についてはどのようにお考えでありましょうか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) まず住民コンセンサスという点でございますが、私どもといたしましては、地元の理解と協力を得てこのプロジェクトを進めていきたいというふうに考えておりまして、先ほど来御説明しておりますようなきめ細かくかつわかりやすい広報ということで、特に対話型の広報を重視して広報活動を続けていきたいというふうに思っております。  それから二番目の風評被害につきましては、これは十分安全の確保を図って風評被害を起こさないということが大前提でございますが、国といたしましてはいろいろ、もし仮に事故があったような場合には正しい知識をすぐさま地元の方にお伝えするということで、無用の混乱を招かないようにしていきたいと思っておりますし、それから全国の消費者を対象に原子力の安全性についての一層のPRをやっていきたいというようなことで、風評被害を未然に防止していきたいというふうに思っております。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) 三点目の高レベル廃棄物の最終処分についてお答え申し上げます。  青森県の六ケ所村で建設が予定されております民間再処理施設の敷地内では高レベル放射性廃棄物のガラス固化体が貯蔵されることになってございますが、これは最終的な処分がなされるまでの三十年から五十年を目標とした貯蔵でございまして、あくまで冷却のための貯蔵でございまして、最終的な処分予定地の選定とは全く関係のないものでございます。このような計画につきまして地元の御理解を今後とも得ていきたいというふうに考えてございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 そうしますと、建設をやめたりあるいは凍結する意思は毛頭ない、こういうことですね。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) 地元の御理解と御協力をいただきながら建設計画を進めさせていただきたい、かように考えておるところでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 次は、先ほども論議がありましたプルトニウムの返還輸送の問題について何点かお尋ねしておきたいと思いますが、この英国及びフランスに委託した使用済み燃料の再処理によって得られたプルトニウムですが、我が国への返還輸送計画というのはまだ決まっていないんですか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) 詳細な輸送計画はこれからでございますが、今考えております大体のところを御説明申し上げますと、我が国におきまして当面プルトニウムを必要としておりますのは動燃事業団でございます。動燃事業団の高速増殖炉「もんじゅ」の燃料といったことにプルトニウムを利用していく必要がございまして、先ほども申し上げましたけれども、東海村の再処理工場が今後予定どおり操業した場合におきましても国内のプルトニウムに不足が生じてまいりますので、これを避けるためには一九九二年の秋ごろまでにプルトニウムの返還輸送を行う必要がございます。  それで、その返還輸送の方法といたしましては、動燃事業団が実施主体となりまして海上輸送により行う方針にいたしてございます。詳細の輸送計画につきましてはこれから検討していきたいというふうに思っております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 同僚委員からその点については輸送の方法あるいは輸送コストについて示すべきであると資料要求をされていますが、その点についてはまだ示す段階ではないということですね。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) はい。輸送計画の詳細、つまりどういう貨物船を使うか、どういうルートをとるかといったことがまだ決まっておりませんので、ただいまのようなことは詳細にお示しできる段階ではございません。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 いよいよ海上輸送されるということでございますが、いろいろと心配されておりますのはプルトニウムをやはりテロリストの手から守っていかなければならないじゃないかということではないかと思うんです。そのことにつきましては予算委員会でも同僚の委員から質疑がございました。海上保安庁の巡視船一隻で護衛するということは果たして大丈夫であるかということでそのときの論議があったように伺っております。  せんだっての昭和五十九年に動燃が海上輸送を行ったときにはフランス海軍あるいは米海軍が護衛に当たってきたと聞いているわけですけれども、今回、巡視船一隻で果たしてこのテロリストからの攻撃は十分に防護できるんでしょうか。その点どうですか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答えいたします。  英仏からのプルトニウムの海上輸送を行うに際しまして一番大切なことは、ただいま先生から御指摘がありましたテロリストに対する安全、これの確保でございまして、この点に関しましては日米原子力協定実施取極の附属書に詳細にどういうテロリスト対策がとられるべきであるかという規定がございます。これはガイドラインというふうに称されておりますけれども、その規定の一つが護衛に関する規定でございまして、ガイドラインには「輸送船は、出発から到着まで、武装護衛船によって護衛される。」という規定がございまして、この武装護衛船というのが何を意味するかということに関しましては、いわゆるサイドレターという書簡がございますが、この中で「海上保安/沿岸警備の船舶、或いは、その他の政府公船」ということが確認されております。したがいまして、我が国の海上保安庁の船がこの武装護衛船に相当するということに関しまして日米間で確認が行われているということでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 そうしますと、原文には単数形で示されているから一隻ということだと思うんですが、その点についてはアメリカからいろいろと抗議もあったというふうに聞いていますが、アメリカ側は完全にこれは了解しているんでしょうか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) この点に関しましては、日米間で共通の認識がございます。  なお、一部報道に、アメリカが日本の海上保安庁による護衛について反対であるとか批判しているというような趣旨の報道がございましたけれども、我々が承知いたしております限り、アメリカ政府からそういうような意思表示があったということはございません。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 フランス側も何か多少海上保安庁の護衛については不安を持っているということも報道されている、その点はどうですか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) ただいま先生御指摘のような報道が行われたということは承知いたしておりますけれども、フランス側からそのような懸念の意思表示があったということはございません。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 世界各国のテロリストに対する対応の常識から考えますと非常にこの点は、日本の今回のこの巡視船一隻による警備ということは国際常識から外れているんじゃないかというような評価もされているわけですが、外務省としてどのようにその点をお考えになりますか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答えをいたします。  本件に関しましては、具体的にどのような脅威が想定されるべきかという問題が前提にあると思われます。海上を輸送中のプルトニウムを奪取するということでございますが、アメリカとの間で共通の認識がございますのは、昨今の国際世論の厳しさから申しまして、どこかの国がいわゆる国家テロを行う、どこかの国がプルトニウムを奪取しようとすることはまず考えられないという前提に立っておりまして、そういたしますといわゆるテロリストグループによるテロということが具体的な脅威として一般的に想定されるわけでございます。もちろんテロリストによるテロと申しましても最近はある程度の武器、これの入手は可能でございますが、一応想定されます脅威ということを考えますと、先ほど申しましたように海上保安庁の巡視船によって対処可能であろうということでございます。  なお、先ほど海上保安庁の方から御説明がございましたけれども、海上輸送されるプルトニウムの安全対策に関しましては、単に護衛船を配備するだけではなくて、そのほか安全な航路の選定、それから輸送船そのものに対する種々の措置、それから通信体系の整備、いざという場合の緊急計画、その他もろもろの対策を総合的に講ずるということになっておりまして、その中の一環として護衛船を考えるということでございまして、全体総合的な対策をとってテロリストに対する万が一の攻撃に備えると、そういうことでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 これは私の素人考えですが、船は全然どこにも寄港せずに行くわけですから、例えば人工衛星によっていろんな監視をしていくとか、そういうことは考えられないでしょうか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答えいたします。  先ほど申しましたプルトニウムの海上輸送に関しますガイドラインというのがございまして、この中で輸送中のモニタリングというのをすることになっております。これが具体的にどういう形で行われるかということはこれからアメリカと具体的な輸送計画を策定する段階で協議をしていくわけでございますけれども、いろいろな形でのモニタリングを通じて万全を期すということだというふうに承知をいたしております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 それでは外務大臣にちょっとお尋ねしますけれども、沖縄の米軍基地の返還、まあこれは沖縄県民の皆さん方の願望でございました。その一部が返還されることに日米合意されたということでございますが、その概要についてお知らせ願いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 沖縄におきます在日米軍施設、区域の整理統合問題はかねて衆参両院の委員会でいろいろと御質問ございましたが、本日、一応日米合同委員会の結果が出てまいりましたので、お答えを申し上げたいと思います。  昭和六十三年夏以降、日米合同委員会におきまして沖縄における在日米軍施設、区域の整理統合問題について検討を続けてまいりました。本日午後の合同委員会におきましてこの検討作業の結果が合意をされました。  今回の検討におきまして、西銘沖縄県知事が米国政府に対して行った施設、区域の返還要望、並びに第十五回及び第十六回日米安全保障協議委員会会合で了承された整理統合計画のうちまだ実施されていないものを中心とし、さらに沖縄県知事が会長を務める沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会の返還要望の実現可能性、及び沖縄における施設、区域のうち米側が返還可能としたものにつきましてもあわせ検討を行いました。今般このような日米間の真剣な検討の結果、二十三の事案、すなわち日米安全保障協議委員会事案については十八件のうち九件、沖縄県知事事案については七件のうち三件、軍用地転用促進・基地問題協議会事案については十三件のうち八件、さらに米側が返還可能としたもの三件について、返還に向けて日米双方で所要の調整手続を進めることが確認されました。これら二十三の事案の総面積は、返還面積未定地でありますので正確な数値は出せませんが、おおむね千ヘクタールとなります。また、ただいま申し上げました事案以外の沖縄県知事事案及び日米安全保障協議委員会事案は今後日米間で引き続き検討を行い、必要に応じ軍用地転用促進・基地問題協議会事案についてもあわせ検討されることとなります。  なお、今回の報告の概要につきましてはお手元にお配りしました資料を御参照願います。  以上でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 ただいま外務大臣の御報告をお聞きしたわけでございます。沖縄県知事さんを初めとして沖縄県民の長年の悲願でありましたところの一部が今回返還されるようでございますが、これはその点につきましてはいろいろと評価する部分がございます。しかし、沖縄にありますところの米軍基地全体の約三・五%にこれはすぎないですね。私たちがいろいろと党としてもせんだって委員長が沖縄に参りまして要求いたしました規模に比べますと、まだまだ非常に少ない部分でしかございません。しかも、県民の要望が非常に強かった那覇の港湾施設、あるいは普天間飛行場の主要部分、そういったものの返還は見送られている状況です。その意味では今回の中間報告というのは必ずしも十分な成果とは言えないんじゃないかとこのように思うわけですが、今後もやはり先ほどのお話の中にありましたように日米協議を継続して返還をいろいろと進められるということでございますが、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 沖縄県におきましては、米軍基地が極めて多く存在をしているということで、戦争が終結以来沖縄の県民の方々には大変この基地問題で、いわゆる周辺の住民の皆様方にいろいろと基地をめぐる問題で御苦労をかけてきたことも事実だと思います。政府におきましては、沖縄県民の方々の御要望にこたえて、さらにこの米軍基地の整理縮小による基地の不用地の返還等につきまして今後とも一層の努力をいたしたいと考えております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 今回の返還につきましては、先ほど申し上げましたとおり、沖縄県民の皆様方の非常な御苦労の中に実現したんではないかと思います。また、一方ではアメリカ軍のやはり防衛費の削減の方向あるいは戦略的な基地の見直し、そういう変化に伴ってこれができてきた部分もあろうと思います。それらの部分につきましては、今後もアメリカ軍の軍縮に伴う撤退、基地変更等が行われていくんじゃないかと思います。  ただ、報道されている中に、防衛施設庁関係者の方のお話ということで、当面返還される見通しは極めて少なくなったというような発言等も報道されているわけでございます。これは非常に残念な発言だと思います。そういった意味で、今後外務大臣としてもこの協議を進められて、沖縄の県民の皆さん方のやはり要望に沿って沖縄の皆さん方の平和と豊かな暮らしを実現するために努力をしていただきたい、こう思うわけです。再度よろしくお願いいたします。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 県民の皆様方の御期待に沿うべく、政府としては今後一層の努力をいたしたいと考えております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 これで終わります。

立木洋日本共産党

○立木洋君 最初に、この協定とのかかわりもありますが、日米原子力協定の問題で去る五月の四日アメリカの上院の本会議で問題になった点についてお尋ねをしたいと思います。  二年前に日米原子力協定がこの国会で批准をされたわけですが、この五月四日の米上院本会議では、この日米原子力協定について協定の作成の手続上不正があったという問題が出され、その調査とこの協定についての見直しを求めるということが問題になったとされていますが、この事態を政府としてほどのように把握されておられるのか、まず基本的な考え方を大臣の方からお聞かせいただきたいと思います。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答えいたします。  去る五月四日、米国の上院の本会議でただいま御指摘になりましたような問題提起が行われたということにつきましては、我々もその事実を承知いたしております。    〔委員長退席、理事久世公堯君着席〕 新聞報道が行われましたけれども、その報道に基づきまして我が方としても本件について調査をいたした次第でございまして、その結果についてごく簡単に申し上げますと、上院の政府活動委員会連邦サービス・郵便・民生サービス小委員会というのがございますが、そのプライアー小委員長が、実は五月四日に先立ちます本年の三月二十三日付でブッシュ大統領に、新聞記事でも報道されました委託調査会社とそれから米国政府及び他国の関連企業との関係、それらの契約の基本的な点、ロビー活動に関する関連国内法令、万一日米原子力協定の承認に対して汚点を残す事実が明らかとなった場合にどのようにして協定を正当化すののか等の点につきまして、事実関係の調査を求める書簡を送付いたしております。  その後、ただいま先生御指摘の五月四日に至りましてジョン・グレン上院議員が、ただいま御説明ございましたように、上院本会議で日米原子力協定締結交渉時に委託調査会社がアメリカ側の政府、議会の内部情報を事前に日本側に流していたのではないかとの指摘を行いまして、日米原子力協定作成手続上の不正の調査及び日米原子力協定の見直しを求めたという事実関係でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 今お話がありましたが、アメリカのエネルギー省が日米原子力協定の準備の過程で必要な調査及び勧告等をコンサルタント会社のインターナショナル・エネルギー・アソシエイツ社、ここに委託をしていた。ところが、同時に同社はこの協定に関して最も利益のある日本の公益事業団体とも契約を結んで報告書を送付していた。これとは別に、また動燃に対しても報告書を送っていたというように報道されています。この事実については、同社のベンゲルスドルフ副社長が明言をしているわけですから、これは間違いないことだろうと言えると思うんです。  日本側としては、当時の状況、これはもう日米原子力協定の審議の経過で明らかになっておりますが、原発をいかにして促進するかという建前から、プルトニウムの使用の問題については包括的な合意をいかにアメリカとの間で得るかということが非常に重要な課題であった。これは、東海村のあのような状況でいつ中止、使用禁止なんかが命じられるとこれは大変なことになりますから、これは宇野さんのときからの問題になっておっただろうというのが背景にあったわけです。だから、これに対して全力を尽くして包括的な合意を得るように日本側としては努力をしているという背景があった。結局、今の六ケ所村つまり青森の下北半島にサイクル施設をつくるにしても、こういう包括的な合意が得られていないとこれはどうしても後々不安材料が残るわけですから、何としてでも外務省としても科技庁としてもそういう不安材料を除いておく必要があったという点で、これは相当努力をしなければならない課題として日本側にはあっただろうということは、審議の経過から見て察しはつくわけですね。  問題は、このつまりプルトニウムの移動に関して日本側が包括的な権限を求めている状態に対して、アメリカの政府部内や議会内部でも極めて激しい対立があったということは当時の審議の状況の中でも問題にされてきた点だったわけですが、こういう日本側として、つまりアメリカの政府高官や議会の中で日本側が包括的な合意を求めることに反対している人々の情報や資料を入手していたということも報道されているわけです。    〔理事久世公堯君退席、委員長着席〕 この問題について、つまりこのIEALが日米の双方に報告書を作成して提出していたということについて、政府としては日米原子力協定に影響がなかったというふうに確認することができるのかどうなのか。これは外務大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員お尋ねの件につきましては、本件自体は米国内の議論であることに加えて、我が国政府と直接関係するものではなく、政府としては特段のコメントを行う立場ではございませんが、日米原子力協定の締結は正式な手続を踏んで行われたものでございまして、日米間の原子力分野におきましては緊密な協力が継続されているという現状にかんがみ、特段の影響が生じるものとは考えておりません。

立木洋日本共産党

○立木洋君 もちろん、外務省としていろいろな物事を進める場合に必要な情報を入手するということは何も私は否定しているんじゃございません。それは適切な合法的な方法で行われるということが必要であって、それが不正なつまり何らかの形で問題があるような形で情報が入手され、それがこの協定の審議に影響を及ぼすなんということになりますとこれは問題ですから、この点についてはその点がないならないということを明確にしておくことが私は必要だろうと。もしかあるならば、今後調査した結果どういうことになるのかという問題がまた出てくれば、それはそれなりの責任が生じることになるわけですから、こういう問題についてはやはりはっきりさせることが必要だろうということを重ねて述べておきたいわけです。  ただ、この日米原子力協定の審議の過程の中で、この問題と直接関係があるという意味ではございませんが、今問題になっている輸送手段の方法の問題、この点については私はいささかやはり外務省の審議に接する態度の上では問題があったんではないかということを述べておきたいんです。  当時のこの日米原子力協定の附属書の五、当時の現物をいただいた中でこれは二年前に審議をしたわけですが、ここでは飛行機による輸送ということが問題になり、これが審議の対象になったわけです。ところが、この審議の対象になったその時期、既にその前の年の十二月、一九八七年の十二月にマコウスキー修正条項というのがアメリカで提出され、既に成立していたわけです。  このマコウスキー修正条項というのは何かということはもう申すまでもなくおわかりでしょうが、航空輸送の容器についてはこれは極めて安全性の高い厳しいものをつくらなければ航空輸送は認められないという修正条項を託してこの日米原子力協定が採択されるという経過を米議会の中では経ているわけです。ところが、このマコウスキー修正条項が米議会で成立して半年後に日本の国会で日米原子力協定が審議されたにもかかわらず、マコウスキー修正条項については一言も報告がなされなかった。この点については、国会の中ではこの航空機による輸送という問題が問題になって、そして審議が終了したら二カ月後に、この附属書五について行政府の取り決めだということによって、これが海上輸送も可能であるという合意書が交わされたわけですね。  これはやはり国会で審議をされる場合には、国民が安全の問題でどうかという問題で輸送の問題というのは一つの重要な問題だったわけですから、これが既に修正条項というのが半年前に明らかになっている、米議会ではもう問題になっているという条件のもとで日本の国会で審議をしたわけですから、少なくともその時点でこういうものもアメリカの議会では既に修正条項が出されていますということも報告をし、そして国会の審議にやっぱり付託すべきだったと。それがそのときにはまだ政府間では合意が交わされていないという状況だったかもしれないけれども、そういう手続を踏んで審議をするということが私は少なくとも外務省としては責任ある協定の審議を求める上では必要なことではなかったかと。そういうことをなさらなかったというのは私はいささかやはり外務省としての手落ちがあったというふうに指摘せざるを得ないと思うんですが、この点について外務大臣今の時点でいかが御認識でしょうか。

丹波實外務省大臣官房審議官

○説明員(丹波實君) 先生御承知のとおり、国会にお出しして承認いただきました協定は日米の改正協定本体及びその不可分の一体とされております附属書でございまして、それに附属いたします合意議事録、実施取極、それから実施取極の附属書、附属書の合意議事録、そういったものはこの協定本体及び附属書の実施上あるいは運用上必要な取り決めでございまして、それは国会に参考としてお出し申し上げたことは御承知のとおりでございます。  それで、この輸送の問題につきましては、実施取極及びその附属書が定めておるわけでございますけれども、国会に御承認いただいた後に先生御指摘のとおりその海上輸送の問題が合意されたわけでございまして、この点につきましては六十三年の十月に追加が合意されたわけですが、その合意が達成されたときに外務委員会の理事懇に御説明申し上げ、かつ理事以外の先生方にも外務委員の先生方にはすべてそのときの経緯を一応御説明申し上げて御了承いただいたという経緯でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 丹波さんがおっしゃることは私は全然知らないわけじゃなくて知っているんです、全部。しかし、それは結局問題は協定が成立するときに参考として出されたものであるということも私は承知していますし、その後理事会でそのことが説明されたという経過も知っております。しかし、協定が審議されるときにやっぱり大切な内容なんですから、それはやはり説明されるべきではなかったか。これはこの当時の審議をされた五月二十四日のときに、どうして空輸をやるのかというふうな問題について政府側の答弁は、「空輸を包括同意の対象にしたという背景には、なるべく輸送時間を短くしていわゆる核ジャック等々の危険性を減らそうと、そういうことでございました」と、これは政府が答弁しているんです。なぜ海上輸送じゃなくて空輸の輸送になったんですかと、そうしたら政府側はそう答弁したんです。今度はこういう答弁ではなくて、海上輸送もあるんだということなんですね。そうしたら、このときの五月二十四日の政府の答弁は一体何だったんだろうか。これは国会の質問に対するいわゆる欺瞞の答弁だったのかというふうに言われても仕方ないことになるんじゃないでしょうか。  そして問題は、この点について言いますと、つまりマコウスキーの修正条項というのは、先ほども述べたとおり航空輸送の容器、これは極めて安全性の高い厳しいものでなければ航空輸送は認められないという条件で出されたんですね。そうすると、これは政府の答弁で、昨年の十二月五日の議事録をここに持ってきているんですが、「このマコウスキー修正条項を満たすということを前提とする限り、航空輸送の容器、これの開発にはかなりの時間がかかるという見込みでございまして、」と、こう述べて、「九二年までには返還輸送を行う必要があるという状況でございましたので、したがいましてアメリカとの間に、海上輸送につきましても航空輸送と同様に包括同意についての交渉をいたしまして、海上輸送も可能であるというような道を開いたというのが経過でございます。」、航空輸送では厳格で厳しい容器が求められるから一九九二年まではそれは開発できない。それよりも厳しくない容器でやれる海上輸送の道を開いたんだということじゃないですか、この答弁は。  それは安全性の問題が最大の問題になっているんですよ。先ほどの同僚議員も言われた。それにもかかわらずこういうことをやって、そして審議のときにはこれは対象にならずに、先ほども言ったように、核ジャックがされないために輸送時間を短くするために空輸をやることにしたんですという政府の答弁がある。これは何と見ても私は日米原子力協定を審議した経過を知っているだけに、この外務省の態度というのはいささかやっぱり問題ではあったんではないかと言わざるを得ないと私は思うんですがね。  やはり審議に託して議論をし、いい点はいい悪い点は悪い、賛成反対、これは議会ですからそれは私は結構だと思うんです。しかし、そういうことがこういう形でやられてしまうと、やっぱり政府はそのときそのときの考え方で十分な情報も資料も提供しないで都合のいい形で審議をやってしまうというふうなことになってしまうならば、議会の民主主義のあり方というのは形骸化されてしまうし空洞化されてしまう。そういう協定の審議というのは私はやはり許せないし、そういうことにならないようにやっぱり改めなければならないということをどうしても一言申し上げておかなければならないと思うんですが、大臣いかがでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 政府が答弁を国会でいたしておって、それが後ほどまた違う形で処理がされるということにつきましての委員の御指摘は、政府としてはこれを深く受けとめまして今後十分注意をいたしてまいりたいと、このように考えております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 大臣のそういうお言葉ですからこれ以上これを繰り返して申し上げることはいたしませんけれども、私はやはりしかるべき情報はきちっと提供すると、議員の求めるものについては可能な限り出してそして審議に付して、そしていい悪いはそれぞれの立場で判断するんでしょうからそれはそれなりの判断のしようがあると思いますけれども、政府としてはそういう立場をきちっと守るということを重ねて御要望しておきたいと思うんです。  さて、そういうことを前段としまして、先ほども同僚議員が問題にしましたけれども、チェルノブイリのこの深刻な事故だったという問題については、これは今日に至るもやはり依然としてその影響は非常に厳しいものがあると思うんですね。これは人体に対してだけではなくて、やはり食糧の問題にしろ土壌の問題にしろ河川の問題にしろ、今後歴史的にも大変な傷跡をこの問題は残す。それだけに深刻な問題として国際的にもこれを受けとめて対応しなければならないということだったと思うんです。  これはどうも先ほどの科技庁の御説明でしたか、これからこういう事態があったからといって原発に対して要求の度合いというんですか、五十数基もその後建設されているんだから、ただ単なる原発に対する熱が冷めたという状態ではないというふうな御説明でしたけれども、私はやはりその受けとめ方というのは深刻であるべきだと思うんですね。  チェルノブイリのこの事故があった後、一九八八年の三月にイタリアで国際原子力機関の設置している国際原子力安全諮問委員会が過酷事故に関するシンポジウムというのを開催したというふうに承知しております。ここでは、スリーマイル島の原発事故やチェルノブイリの原発事故が原子炉の心臓部に当たる炉心損傷という最悪の事故にまで至った状況に対する重大な反省点として、この過酷事故についての対策の必要性が強調されたということですが、いろいろな国の状況を見ますと、この炉心損傷に至る過酷事故に対して何らかの設備を設置するだとか、あるいはその設備の検討をしているだとかいうふうな国々というのが少なくなく出てきているというふうに承知しているんですが、日本としてはそういう新たな設備を設置する予定はないというように聞いたんですが、それは事実なんでしょうか。なぜそういう重大な事故に関しても設備の設置の必要がないという結論になっているのでしょうか。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(倉重有幸君) お答え申し上げます。  先生御案内のように、我が国の原子力施設におきましては、設計、建設、運転の格段階におきまして厳しい安全規制によりまして十分な安全確保対策が実施されておりまして、シビアアクシデントが起こるとは現実的には考えられない程度にまで安全性が高められていると考えております。したがいまして、シビアアクシデント対策の見地から安全規制を改める必要性はないと考えております。  ただ、御指摘のいろいろなシビアアクシデントのための対策ということでございますけれども、それを設置することによりましては、例えば機器の信頼性でありますとかそれから誤操作などの問題もまた新たに発生させるということで、かえって全体としてその安全性を阻害する可能性も考えられるということもございまして、今後の研究の成果などに基づきまして、利害得失の両面から慎重に検討する必要があるというふうに認識しております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 このシンポジウムに参加したお一人の方が話しておられたんですが、今後の国際的な場において我が国の考えが受け入れられるためには一層の努力が必要であるということを感じたというふうに述べておられるのを聞きました。これは、つまり国際的に見て日本のそういう特異性を率直に記した言葉だと思うんですが、つまり日本のようにこういう原発を積極的に促進するということを国際的にも受け入れてもらうのにはなかなか一層の努力が必要だという意味のやはり発言だと思うんですね。  アメリカの原子力規制委員会の委員の方がこの安全性の問題で指摘している点については、経験的に言えば十年のうちにチェルノブイリクラスが起こる確率は八五%の信頼度で言うことができる、二十年のうちに起こる確率は九五%であるということを議会で証言しております。また、アメリカの大統領事故調査特別委員会がかって述べた内容としては、原子炉は危険なのだということを口に出して言うようでなければ原子炉を扱うべきでないということも指摘していることも見たわけですが、こういう日本としては炉心損傷に至るような重大な事故が起こるというふうなことは絶対にないというふうに言えるのかどうなのか。こういうような外国での受けとめ方と日本が極めて異なったやっぱり受けとめ方をしているという点に私は問題があると思うんですが、その点はいかがでしょうか。

鈴木治夫科学技術庁原子力安全局原子力安全課原子力安全調査室長

○説明員(鈴木治夫君) シビアアクシデントにつきましては、委員おっしゃいましたように、チェルノブイリ事故あるいはもっと前、アメリカのスリーマイルアイランドの原発事故以降、各国において研究されております。我が国におきましても、シビアアクシデントについての研究、検討を続けてきておりまして、その努力の一環でございますが、原子力安全委員会の下に原子炉安全基準専門部会という専門部会がございますが、さらにその下に共通問題懇談会というものをこれは昭和六十二年の夏でございますが設置いたしまして、我が国においてシビアアクシデントの起こる可能性がどれくらいであろうかといった検討を続けてきております。依然としてまだ検討は続いておりますが、本年二月の十九日に中間報告をまとめまして、原子力安全委員会に報告してございます。  そのまとめによりますと、我が国の原子炉施設といいますのは多段階にわたる規制等により十分な安全確保対策が実施されており、現実にシビアアクシデントが起こるとは工学的には考えられない程度にまで安全性が高められている。したがって、シビアアクシデント対策の見地から安全規制は改める必要性は現時点では見出せない。しかしながら、シビアアクシデントに関する研究や検討から得られる知見は既存の基準、指針等の充実に役立つとともに現行の安全確保対策の妥当性の確認に役立つものであり、今後ともシビアアクシデントに関する研究や検討を実施し、その成果を安全確保対策に反映していく努力を継続する必要がある。また、安全確保に万全を期すという観点から、アクシデントマネージメントについても検討していくことが望ましい、このような結論が得られております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 日本にはたしか今三十八基が作動していると思うんですが、そのほとんど圧倒的なものが軽水炉ですね。沸騰にしろ加圧にしろ軽水炉でやられておる。アメリカから導入されたということになっているわけですね。アメリカのスリーマイル島の事故というのも、最初の発端というのはささいなことに見えるような事故から、さまざまなアクシデントが重なって、炉心損傷に至るまでの重大な事故になったわけですね。あのときも結局は二次冷却水系のポンプの故障から始まったということになって、最終的には冷却材の喪失事故ということにまでなったわけですね。事故というのは、最初から大きな事故になるなんというようなことを考えているんではなくて、いろんな要因が重なり合ってそういう事故になるというのが事故じゃないかと思うんですよ。だけれども、そういうものは安全性が確保されているから問題ではございません、検討はするけれども問題ではございませんという答弁というのは、私はやっぱり答弁になっていないと思うんですがね。  それで、八六年の十二月にアメリカのサリー原発での問題についても、ここはパイプの破断からいわゆる冷却材を喪失する一歩手前まで行くというふうなことがありましたし、今度の福島の事故の場合も、これは後でお聞きしますけれども、そういう最初の警報機が鳴ったときの時点から見ればいわゆるほとんど放置されて、結局は六日後にとめなければならない事態になったということであるわけですけれども、こういうような軽水炉そのものの技術上、いわゆる炉それ自体に問題がないのかどうなのか。それから、こういう軽水炉のそもそもの作製されてきた過程というのは、これも原子力潜水艦のいわゆる軍事用から転用されてきたということはこれはもうはっきりしているわけですから、こういう根本的な問題について検討がなされないで、そして安全性が保持されるんだということを繰り返しても、それは納得させることは私はできないと思います。  政府の方が出されている資料ですが、日本でもやはり事故の発生しているというのは最近の二十三年間に法律対象の報告が三百七十八件出されていますし、それから通達対象の報告が十三年間で二百八十七件。しかし、前半後半分けてみますと、やはり後半の方が多くなっているという状況にあるわけですね。この問題については、チェルノブイリのあれほどの事故がありながら、そしてアメリカ自体でも軽水炉という問題で重大な事態が起こっているという同列系のいわゆる炉という状態に日本がありながら、抜本的にそれを検討するということをやはり必要ないと、検討は進めていくけれども今の時点でそういうものは必要ないというふうなことは私は絶対に許すわけにはいかないと思うんですが、どうでしょうか。

鈴木治夫科学技術庁原子力安全局原子力安全課原子力安全調査室長

○説明員(鈴木治夫君) 先ほど原子力安全委員会の中間報告書を御紹介いたしましたが、結論だけ申し上げましたのであれでございますが、もう少しかみ砕いて申し上げます。  委員が先ほど御指摘の一九八八年のシンポジウムにおいてまとめられたIAEAのINSAGの基本安全原則がございますが、この中では目標といたしまして、既存の原子力発電所の炉心損傷確率の目標を一炉年当たり十のマイナス四乗、一炉年当たり一万分の一にすべきである、それから将来のプラント、新しい原子力発電所につきましては一炉年当たり十のマイナス五乗、つまり十万分の一にすべきである、こういう提言をしております。  一方、我が国の原子力安全委員会の原子炉安全基準専門部会共通問題懇談会において、我が国の原子力発電所についていろいろ代表的プラントを取り上げて検討してみたわけでございますが、いろいろシビアアクシデントが起こる確率はどうであるか、確率論的な評価をしてみたわけでございます。その結果でございますが、いずれの我が国の軽水型の原子力発電所につきましても、いろいろ評価の不確かさそういったものを考慮いたしましても、一炉年当たり十のマイナス五乗より小さい、つまり十万分の一より小さい、こういうような結果が得られております。これを先ほど委員御指摘のIAEAの基本安全原則で目標としております十のマイナス四乗ですとか十のマイナス五乗、こういったものと比殿いたしまして十分満足するような値になるというふうに見ております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 その日本の安全審査で技術的に起こり得ると考えられる重大事故の場合の放射能の想定放出量、これについても検討されているということですが、重大事故の場合、美浜の場合には三号基で約一万九千キュリーというふうに承知しております。また、仮想事故では大飯の一号基、二号基では三十一万キュリーというふうに出されていると承知しております。しかし、これはスリーマイル島事故の場合の放出量というのは二百五十万キュリーですね。そしてチェルノブイリの場合には放出量は五千万キュリー。全く私はけた違いではないかというふうに思うんですが、これは一万キュリーだとか二万キュリーでは済まされないいわるゆ放射能の量の放出ということを現実には世界的に二つの重大事故では示しているわけですが、日本の場合にはこういう重大事故だとか仮想事故だとかというのはけた違いに低過ぎるという見積もりになっているのは、これはどういうことなんでしょうか。

鈴木治夫科学技術庁原子力安全局原子力安全課原子力安全調査室長

○説明員(鈴木治夫君) 今先生言われたようなアメリカのスリーマイル発電所の事故でございますとかあるいはソ連のチェルノブイリ原子力発電所の事故、そういったものを見てみますと、幾つもの設計上のそごが重なっているとか、あるいは幾つもの運転員の違反が重なっている。あるいはさまざま運転、保守のぐあいが悪くてあちこちバルブが故障しておったとか、幾つも幾つもいろんな条件が重なって起きております。一方、我が国の原子力発電所においてそのようなことが起きるか、スリーマイルアイランド発電所事故の後もいろいろ検討いたしましたし、ソ連のチェルノブイリ発電所事故の後もいろいろ検討いたしましたが、いずれも我が国においてはそのようなTMIのような事故あるいはチェルノブイリのような事故は起きないというような結論が得られております。  もちろん、諸外国の事故の教訓というのはこれは十分に生かす必要がございまして、例えばアメリカのスリーマイルアイランド発電所事故の後、我が国の安全委員会の検討では五十二項目の項目を摘出いたしまして、いろいろ安全審査面でこういうふうに改良しましょうとか、設計面で改良いたしましょうとか、運転管理面でこういうことをやるべきだというような提言を行っております。我が国におきましては、安全審査あるいは建設、運転管理にわたって、そのスリーマイルアイランド事故後安全委員会が摘出した五十二項目の改善点をいろいろと改善をやっております。  それから、ソ連のチェルノブイリ発電所事故の後の検討は、これも原子力安全委員会で調査特別委員会を設けて調査してまいりましたが、結論といたしましては、ソ連で起きたような事故は我が国では起きない。設計もがらりと違う。それから運転員の規則違反が複数重なっているような、ああいうソ連のような事故は起きない。ただし、我が国におきましても、今までやってきたことではありますが、さらに心に銘ずべき七つの項目というのを摘出いたしまして、これもまた我が国の関係者がチェルノブイリ事故以降いろいろな改善の努力を重ねているところでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 日本は外国とは違うのだ、日本は安全だ、そんなお説教を聞いておったって本当に納得するということにはならないんですよね。  結局、先ほども言いましたように、事故というのはさまざまなアクシデントが重なるからそういう事態が起こるのであって、それに対して万全を期すというのが本来のあり方でなければならないわけですね。福島の場合の三号基の事故ですか、これもいわゆる報告書、これは結局資源エネルギー庁の名前で出された報告書の中でも、これは今回が初めてではなくて、福島の第二原発の場合でも同じような状態というのはやっぱり発生しているということですよね。あれにさらに問題が重なったらどういう事態になるのかということは当然想定されなければならない問題だと思うんですよ。  時間があれですから先をちょっと急ぎますが、私はこの報告書を検討するに当たって、いわゆる日本の国内原発で事故が起こったのに関して初めて国の調査特別委員会がつくられたということですよね。ところが、この調査特別委員会がつくられて検討されたんですけれども、この報告書は調査特別委員会の名前で発表されたのではなくて、資源エネルギー庁の名前で発表されたというのは私はどうも解せないんですよ。この資源エネルギー庁というところは、これは責任を持たなければならないわけでしょう、安全確保のために。だから、調査特別委員会というのは、本当に官庁が責任を持つ体制があったのかどうか。いわゆる原発、東電がどうだったのかということを全部総合的に検討して調査の結果が報告されるというのが当然であるのに、その責任が問われる側が自分のところの名前で、調査特別委員会の報告なるものを資源エネルギー庁の名前で出したというのは、自分に都合の悪いようなことがないように出したというふうに見られてもこれは仕方がない。なぜ調査特別委員会の名前で出さなかったんですか。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(倉重有幸君) 先生御指摘の報告書の名前が資源エネルギー庁になっているのはなぜかということでございますが、これは通産省の基本的考え方でございますけれども、通産省は商業用の原子力発電所の規制監督の立場にありまして、トラブル等がありますと、それにつきましては徹底的に原因を究明し、またその対策をとらせるということをしております。その際に私ども通産省は、原子力は特別でございますけれども、非常に専門的な知識を必要とする点もございまして、行政外の大学の先生でありますとか研究所の先生でありますとか、いろんな方のお知恵を拝借しながら行政的に判断をするということに迫られておりまして、そういう面でいろいろな先生の御意見を伺うということで原子力発電技術顧問というものを私ども任命しまして、原子力の安全行政を進めてきたわけでございます。  今回の福島第二発電所三号機のトラブルに関しましても同様にお知恵を拝借するということでございまして、特別にその顧問会議を中に設けたわけでございますけれども、最終的な行政的判断は当然通産省が負うということでございまして、あくまでも顧問会議の意見は私どもはそちらから御意見を伺うということでございまして、最終的な責任は私どもが負うという立場から、報告書の名前は資源エネルギー庁になっているわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 結局、この報告書の内容についてやったらあともう時間がないからあれですけれども、この問題については重大な事故につながる可能性があったのかなかったのかというふうな問題については、報告書の中ではほとんど触れていないですよ。結果的にはならなかったということだけで満足されているような報告書になっているし、本当の意味でいわゆる重大な事故につながる可能性があるかないかということをもっとやっぱり分析すべきだし、そういう点で問題が残されているということだけは指摘しておきたいと思います。  あと時間がないので、私は再処理工場の問題について先ほど来の質疑をお聞きしておってどうしてもこのことだけは述べておかなければならないと思うんですが、世界的に見て本格的に再処理工場が民間で動いているというのはフランスだけですよね。イギリスの場合には軍用と兼ねていますから。そうして、この東海村で今再処理工場が運転されているというものの、これ先ほど来のお話で言えば処理能力というのが百二十トンですか。ですから、今目標にしている六ケ所村ではやっぱり七倍に近い量を処理しなければならない。それほど大規模なというのは世界的にもこれはまれなものですから、このいろいろな問題を総合的に検討するならば問題は私は多々ある。東海村の再処理工場というのはこれまでの十二年間に一体どれだけ作動しておったんですか。極めて少ない状態でしか作動していない。動いていない。これはなぜなんですか。

山東昭子自由民主党

○委員長(山東昭子君) 石田さん、時間がありませんから、短目にお願いします。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) はい、簡単に申し上げます。  動燃の東海再処理工場は再処理実需要を賄う工場でありますとともに、先行するプラント、パイロットプラントというそういう性格をあわせ持っておった、そういう工場でございました。そういうことで、当初予定しておりましたのは先ほど御答弁申し上げました二百十トン・パー年という、そういう規模であったわけでございますけれども、今百二十トンというスケール、実際は九十トンベースで安定した運転ができるということに現在その確信を得つつある、そういうことでございます。  全体の累積の処理量でございますが、これ稼働率につながる数字になろうかと思いますが、これまで本年の三月末現在で累計約四百四十トンの使用済み燃料を処理しておるところでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 次にします。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 日本と他国の間に結ばれております、いわゆる原子力の平和利用に関連する多国間条約と、それから二国間協定について、まずお尋ねをさせていただきます。  多国間条約の種類と締結の日時とその内容の概要を、簡略で結構ですからまずお示し願います。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) 我が国が原子力分野で締結しております多国間条約でございますが、まず国際原子力機関憲章というのがございまして、これは原子力の平和的利用の促進を目的として国際原子力機関、IAEAを設立する憲章でございます。これは一九五七年七月二十九日に発効いたしまして、我が国につきましては五七年七日十六日に批准、同年七月二十九日に発効をいたしております。  それから、核兵器の不拡散に関する条約、いわゆる核防条約がございまして、これは御承知のとおり核兵器国がいかなる者に対しても核兵器を委譲しないことを約束する一方、非核兵器国が核兵器の製造等を行わないということと、それから原子力平和利用活動にかかわるすべての核物質についてIAEAの保障措置を受け入れること等を約束した条約でございまして、これは条約自体は一九七〇年三月五日に発効いたしまして、我が国につきましては一九七六年六日八日に批准、同日発効ということになっております。  それから、原子力の分野の多国間条約、核物質の防護に関する条約、いわゆるPP条約というのがございます。これは、平和的目的のために使用される核物質の不法な取得及び使用から防護するための国際協力の必要性についての認識に基づきまして、国際輸送中の核物質等についてこれがテロリスト等に奪取されないように防護措置をとることを義務づけた条約でございます。これは、条約自体は一九八七年二月二日に発効いたしまして、我が国につきましては八八年十月二十八日に加入、同年十一月二十七日に発効をいたしております。  それから、チェルノブイリ原発事故を契機といたしましてIAEAの場で二つの国際条約が採択されております。  一つは、原子力事故の早期通報に関する条約でございまして、これは八六年の十月二十七日に発効いたしまして、我が国につきましては八七年六月九日受諾、同年七月十日に発効ということでございまして、この条約の概要は、国境を越える影響を伴うような原子力事故が発生した場合、その影響を受けまたは受けるおそれのある国が事故に関する情報をできるだけ早く入手できる制度を設けることによりまして、事故の影響の拡大を防止しまたその影響を最小限にとどめることを目的にした条約でございます。  もう一つ、チェルノブイリの事故を契機にできました条約が原子力事故又は放射線緊急事態の場合における援助に関する条約でございまして、これは条約自体は一九八七年二月二十六日に発効いたしまして、我が国につきましては先ほどの事故の早期通報に関する条約と同じように、八七年六月九日に受諾、七月十日に発効ということになっておりまして、これは原子力の事故等の場合におきまして援助の提供を容易にするための国際的な枠組みを定めた条約でございます。  なお、国会承認条約ではございませんが、アジア地域の原子力分野での協力を取り決めましたIAEA・アジア原子力地域協力協定というのがございまして、これはアジア・太平洋地域の開発途上国を対象といたしまして原子力の利用、特に放射線の利用について開発途上国に援助をする、開発途上国がこれらの技術を利用できるようにするということを目的にした協力協定でございまして、七二年六月十二日に発効して以来何回かの延長が行われまして、現在は一九八七年の協力協定、これが効力を有しておりまして、この現在有効な協定に関しましては、我が国は八七年の六月九日に同協定を受諾して六月十二日に発効したということになっております。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 今伺っていますと、随分きめの細かいといいますか、国際間の条約が幾つも結ばれているわけでございますが、それとは別に、いわゆる二国間協定が結ばれておりますね。この国際間の多国間条約と二国間の協定が相補完し、そうしてまた二国間において特質的な問題があるために二国間条約が、協定が締結をされたのか、その辺も含めて二国間協定の締結国とその締結の日時、それからその協定に特質的な、キャラクタリスティックな面を挙げていただきたい、こう思います。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答えいたします。  我が国が結んでおります原子力平和利用にかかわる二国間協定でございますが、六カ国と締結をいたしております。締結の相手国は米国、カナダ、フランス、英国、オーストラリア、それと中国でございます。  それぞれの協定の特色という御質問でございましたが、これは最初の五カ国、つまり米国、カナダ、フランス、英国、オーストラリアと結びました二国間協定に関しましては、多少の差異はございますけれども、これらはいずれも我が国が原子力を推進する際に、あるいはウラン燃料でございますとかあるいは濃縮サービスあるいは原子炉等を導入することを主とした目的といたした協定でございまして、いずれも原子力の平和利用の確保というのが主な目的でございます。それから、内容的には中国との原子力協定も同様でございますが、やや他の五つの協定と異なりますのは、中国の場合には当初から我が国がむしろ供給国の立場に立って結んだ協定だということが他の協定に比べました特色として御指摘できるというふうに考えております。  それから、これは発効の年月日でよろしゅうございますか。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 はい。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) 発効の年月日でございますが、米国との協定に関しましては旧協定が一九五八年の十二月五日、これは一度六八年の七月十日に発効した協定に改正をされておりまして、現行の協定は八八年の七月十七日に発効をいたしております。  それからカナダとの協定でございますが、旧脇定が一九六〇年七月二十七日に発効いたしましてその後改正され、改正議定書は八〇年九月二日に発効をいたしております。  それからフランスとの原子力協定につきましては、ただいまその改正議定書を御審議いただいておりますが、現行の協定は一九七二年の九月二十二日発効をいたしております。  英国との協定につきましては、六八年の十月十五日に発効した協定が現在も有効でございます。  それからオーストラリアとの協定でございますが、旧協定は一九七二年七月二十八日に発効いたしまして、その後新協定が締結され八二年八月十七日に発効をいたしております。  中国との原子力平和的利用協力協定に関しましては、一九八六年七月十日に発効をいたしております。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 今回のこの日仏原子力協定の改正ですが、改正するに至った端緒となるものはあったんですか。どういう目的で何の理由で今回改正をしなければならないと、このような運びになったんでしょうか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) 御説明いたします。  先ほどちょっと御説明いたしましたように、フランスとの現行協定というのは十八年前に締結されました古い形の協定でございます。その後、我が国、フランス及び国際的に原子力の平和利用の分野で非常に重要な出来事が幾つかございました。  我が国に関しましては、何よりも昭和五十一年に核防条約に加盟したということでございまして、その加盟した結果、核防条約のもとでのIAEAとの保障措置協定が締結されました。それから、フランスもユーラトムとIAEAとの間でその後保障措置協定を締結しております。  それから国際的には、現行協定発効後昭和四十九年、一九七四年にインドが平和的と称して核爆発実験をいたしまして、これが世界に衝撃を与えまして、各国が原子力の平和利用が核の拡散につながらないように規制の強化を図るべきであるということで意見の一致を見まして、ロンドン・ガイドラインというような合意ができておりますが、そのような核拡散防止の観点からの規制の強化の必要性というのが今回の日仏原子力協定の改正のそもそもの理由でございまして、先ほど申しましたように既にアメリカ、カナダ、オーストラリアにつきましては核拡散防止の観点から規制を強化した改正が行われておりますが、その流れに沿いましてフランスとの協定も改正をするに至ったというのが過去の経緯でございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 そうしますと、今回の改正の大義といいますか、そういうものは核を拡散させない、それから平和的にしっかりと原子力というものを利用していくんだ、そういうことを再度確認する、こういうことが今回の改正の規定の主な内容でありかつ大義である、このように理解してよろしゅうございますか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) そのとおりでございます。  もちろん現行協定も核拡散の防止という観点から幾つかの規制を盛り込んでおりますが、先ほど御説明いたしましたようにインドの核実験以降、その平和利用の確保という観点からの規制を一層強化するという立場から、幾つかの新たな規定が盛り込まれたというのが今回の改正の趣旨でございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 具体的にその改正の主な点についてただしたいとこう思いますが、まず「平和的利用」を「平和的非爆発目的利用」に変更されておりますが、この目的はどこにありますか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) 「平和的利用」を「平和的非爆発目的利用」とした理由は、先ほど御説明申しましたように昭和四十九年にインドが平和目的と称して核爆発実験を行った経緯がございますので、単に平和目的を担保するのみではなくていかなる名目、口実のもとにせよ、いかなる核爆発も禁止されそれが担保されるべきであるという国際的な動きを反映いたしまして、「平和的非爆発目的利用」ということを明記するようになった次第でございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 核物質防護の規定についての導入のこの具体的な目的、その効果はどの辺に存在いたしますか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答えいたします。  先ほど御説明申し上げましたように、国際的にウラン、プルトニウム等の核物質をテロリスト等の奪取から防護すべきであるという世論が高まりまして、国際的な核物質防護条約ができたわけでございますが、二国間協定におきましても核拡散防止の観点から協定の対象となる核物質が不法に奪取されないように核物質防護の規定を設けまして、当事国が責任を持って核物質防護に必要な措置をとるということが規定されるに至った次第でございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 事前通告制の導入は、これはいかなる目的で制定されたのですか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) 事前通告制の導入の目的でございますが、本協定の適用を受ける核物質等の明確化を図る、はっきりいつ日本からあるいはフランスからそれぞれの相手国に核物質が移転されたかを明確化するという観点から、対象核物質等を供給締約国の事前通告によって確定することが望ましいということでございまして、このため今回の改正におきまして事前通告制が導入された次第でございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 機微な技術、再処理に関する規定を導入されたのは、これはどういう目的を持って導入されたのですか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) 従来の原子力協定では、規制の対象となっておりましたのはウラン等の核物質、それから原子炉、その部品等の施設、設備でございましたが、先ほど来御説明をいたしております核拡散防止の強化という観点から技術、特に核拡散の防止上取り扱いに注意を要する濃縮、再処理それから重水生産の設備あるいは施設にかかわる技術につきましては、従来の核物質それから施設等に加えまして規制の対象とすることが望ましいという国際世論を踏まえまして、新たに規制の対象として導入された次第でございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 この議定書の改正の案文のどこを見ても青森県六ケ所村という地名は一切出ておりませんね。しかし、先日来の当委員会における審議におきましても、青森県の六ケ所村に建設を予定されている再処理工場についてフランスの機微な技術が導入される点がまさに問題となっているわけでございまして、今回の改正議定書の交渉の段階において、フランスとそれから日本と双方の交渉の衝に当たっている皆さんの頭の中に、この青森県に動燃サービスが建設を予定しておりますところの特に再処理工場というものは常に念頭にあり、さらに言うならば、具体的にこの再処理のための工場建設が交渉の中身においてテーマとなり続けたんでしょうか。それともそのことは交渉の過程において一切論議はされなかったんでしょうか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) 先ほど来御説明を申し上げておりますとおり、今回の日仏原子力協定の改正の動機と申しますか主な目的は、他の原子力協定を改正したと同様、インドの核実験等の発展を踏まえまして核拡散防止の一周の強化を図るということでございまして、この点に関して日仏間で協定の改正を行うことにつき意見の一致を見たためでございます。  他方、先生御指摘のとおり六ケ所村再処理施設建設の話がございまして、これがフランスからの技術導入によって建設されるということを踏まえまして、フランス側といたしまして現行協定を改正することによって機微な技術に関しても核拡散防止のための日仏間の法的な枠組みを早く整備する必要があるということで、この点をフランスが強く希望していたという事情がございまして、このような希望も踏まえて改正交渉に臨んだ次第でございます。先ほど先生の御質問でございますけれども、機微な技術、これは新しく導入される条項でございますので、交渉の途中で種々な角度からの議論が日仏両国間で行われましたけれども、その議論が行われた際に六ケ所村へのフランスからの再処理技術の導入ということを念頭に置いていろいろな議論が行われたことがあったということは事実でございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 そのフランスとの交渉の過程で問題になりましたのは、どこまで平和利用に限定、そういう網をかぶせるのか。それから、日本は水爆をつくる技術はこれは一切持っておりませんが、フランスは核保有国であります。そういう点について、例えば核の平和利用ということについても、その安全性が問題になる場合ほどのように規制するかについて、どちらがどのような規制を行うか等について両国の間に真摯な議論というものは行われましたか。あるいはそれが対立する形になりましたか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答えいたします。  まず平和利用、軍事利用の点でございますが、これは日仏間の本件原子力協定に基づく協力に関する限りは、フランスがたとえ核兵器国でございましてもすべてが平和利用のために使われなければならないという大前提がございます。そこで、現在のところ例えば日本からフランスに移転が予想されている機微な技術というのはございませんが、仮に将来何らかの形で日本からフランスに機微な技術が移転される場合には、この日本から移転されるであろう機微な技術に関しましては、本協定の「平和的非爆発目的にのみ使用される。」という規定が適用されるわけでございます。これはフランスが核兵器国であるということと関係なく、「平和的非爆発目的にのみ使用される。」という規定が適用されることになります。  それから安全性の問題でございますが、原子力協定の目的は先ほど来御説明を申し上げておりますとおりに平和利用の担保ということでございまして、軍事目的に転用しないために幾つもの規制が設けられているということでございまして、安全性の問題につきましてはそれぞれの国、この場合には日本とフランスでございますが、日本、フランスがそれぞれの国の原子力政策の一環として安全性の問題について最大限の配慮を行うということになっているというふうに承知をいたしております。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 この改正交渉の過程で、少なくとも青森県の六ケ所村に建設を予定されておる工場について日本国民やあるいは青森県民や六ケ所村の村民が大きな不安を抱いており、そして唯一の被爆国としてどうもやっぱりフランスと日本との核というもの、原子力というものについての認識に大きな差があるということは、フランス側はどうなんでしょうか、十分に念頭に置いていたんでしょうか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) お答え申し上げます。  フランス側の六ケ所村に建設れさる再処理工場についての認識でございますが、改正議定書の交渉自体について申し上げますと、これは先ほど申しましたような機微な技術がどういうふうに扱われるかという点が交渉の内容でございまして、ただいま先生が御指摘になりましたような考慮というものは改正議定書の交渉自体の中では取り上げられませんでした。  別途、フランスが我が国の原子力の事情についてどのような認識をしているかという点はございますが、フランスとしては日本側の事情を踏まえて、フランスとしてできるだけの協力をするということが基本的な立場であろうというふうに考えております。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 少し論点を変えますけれども、じゃフランスとしては、今回のこの改正議定書が例えば国会において満場一致でもろ手を上げて承認をされるべきものと、そのような理解をしていたんでしょうか。それとも、場合によれば国会でこのことについて、特に具体的ほは六ケ所村の工場建設等と関連して、この改正議定書がフランスの考えていることとは別な結果を生むだろうかというような予測をフランス側はしておりましたでしょうか。一切そのことには関知していないんでしょうか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) フランス側がこの改正議定書の審議が具体的にどのように行われるかについてどういうふうに考えていたかあるいは判断していたかの点につきましてはつまびらかにいたしませんが、先ほど申しましたように、フランスとしてはフランスから移転される再処理の技術が機微な技術として新しい改正議定書のもとで核拡散防止の観点からの規制の対象とされることを強く望んでいたということは、先ほど御説明を申し上げたとおりでございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 とすれば、私はやはりこういった交渉の過程において、機微な技術というものが現実に青森県の六ケ所村において建設される再処理のための工場に移転されるということであれば、その技術移転の段階において県民や村民や国民がその点について大きな不安を持ち、場合によればこのことに反対をしていく、ということはこの改正議定書そのものに反対せざるを得ないようなそういう動きといいますか国民の感情といいますか、そういうものがあることを私は先方に、ということはフランス国に対して正確に説明をした上でその上での交渉をすべきではなかったのかと、こう思うんですよ。  仮に皆さん方の立場に立ちましても、この委員会で審議をして最終的に本協定が不承認ということになった場合は、恐らくフランスは大変意外な気持ちを持つんじゃないでしょうか。その点についてどう思われますか。

太田博外務省大臣官房審議官

○政府委員(太田博君) 日仏原子力協定の改正議定書に盛り込まれております機微な技術についての規定と申しますのは、機微な技術がフランスから日本、とりあえずはフランスから日本でございますが、に移転される際の法的な枠組みをつくるということでございまして、その法的な枠組みが整備された上で具体的にどのような形で再処理工場が建設されていくのかということは、フランス側としてはこれは日本の原子力政策として推進されるものというふうに理解しているのではないかというふうに考えております。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 いや、まあいいです。私がお尋ねしたのはそういう意味じゃなくて、フランスがですね、もし本協定が成立をしなかった場合はフランスがどういう印象を持つだろうか、その結果として日本とフランスの間の外交がどのような影響を受けるだろうかについての推測をお聞かせ願おうと思ったんですが、もう結構でございます。  この使用済みの燃料の再処理の過程で、いわゆる核燃サイクルということが言われておりますね。ウランは濃縮する、それからプルトニウムを取り出す、これは私ども原子科学者じゃないのでよくわからぬのですが、これをごく簡単に、科技庁の方見えていましたら簡単で結構ですから教えていただけますか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) 私ども核燃料サイクルという言葉を使うときの意味でございますけれども、原子力発電の燃料はウランとかプルトニウムという核燃料でございますが、この核燃料の流れを見てみますと、天然ウランということでまず山から掘り出されまして濃縮ウランになり、いわゆる成形加工を経まして燃料集合体というものになって原子炉に入っていきます。原子炉から三年から四年たった後取り出されまして使用済み燃料ということになりますが、この使用済み燃料は今先生がおっしゃいましたように再処理を行いまして、ウランとプルトニウムを再び回収いたしましてこれをリサイクルするということでまた核燃料として使われていくということでございまして、この核燃料がまあぐるぐるとめぐって流れていくということ全体を核燃料サイクルというふうに申しておるわけでございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 そうすると、ウランは天然の鉱物から取り出しますね。プルトニウムというのは再処理の過程で誕生するものだと、こういう物質だと思っていいんですか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) 申し上げますと、ウランにつきましてはまさに山から掘り出されますウラン鉱石の中に入っておるものでございます。その天然ウランは御承知のようにウラン235という燃えると申しますか核分裂するウランが天然のウランの中には〇・七%含んでありまして、残り九九・三%がウラン238でございます。そしてウラン238がウラン235と一緒に原子炉の中におりますと、原子炉の中には中性子がいっぱい走っております。その中性子を食べまして、結果的にはプルトニウム239になるわけでございます。したがって、できるのは原子力発電所、原子炉の中でプルトニウムができるわけでございますが、それを単体分離いたしますのは再処理施設と、こういうことになろうかと存じます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 このプルトニウムが俗に例えば悪魔の申し子というような表現で呼ばれているわけですが、なぜこのプルトニウムは悪魔の申し子であるとこういう表現をされるんですか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) これはプルトニウムはその名前からいたしましてプルートー、すなわちプルトニウムの一つ前の元素はネプツニウムと申します。その一つ前の元素はウランでございますが、多分太陽系の惑星でございます天王星、それから海王星、冥王星、ウラヌス、ネプチューン、プルートーでございますか、そういうことでつけられた名前だと思うわけでございます。それで、いかにも冥王というのはどうも地獄の王とかなんとかそういう言われ方をしておるかと思いますが、命名の起源はそういうところであろうかと思うわけでございます。  ただ、別途言われておりますのは、アルファ放射体でございまして非常にアルファ線を出す。アルファ線はこれは非常に防ぎやすいわけですけれども、アルファ線を出すことによりましてそれが体に入りまして、体の一部特に肺等の深くに沈着いたしまして出ない場合がん等を発生するおそれがあるということ、それからこれははっきりしないと言われておりますけれども、そういう放射能毒に加えまして金属毒性もあるんじゃないかと言われたことがございます。これにつきましては随分専門家にも私ども確認しておるわけでございますが、放射性毒性の方が金属毒性に卓越して実際金属毒性があらわれるまでに至らないとそういうことであるようでございますけれども、そういうところからプルトニウムが先生のおっしゃったような言われ方をしておるのではないかと思っておる次第でございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 そうしますと、そういうところからそういう言われようをしているのではないかということですが、少なくともウランと比べるとこのプルトニウムというものが人工的につくり出されるものであり、今おっしゃった何ですか放射能ですか、等も格段に力が強いということがあるわけですから、これはやっぱり国民からすればこういうものを例えばフランスから船で送り返したり、あるいは日本でつくったものを、再処理の工場でできたものを保有したり残存させるということについて不安を持つのはこれは当然だと思いますが、いかがでしょうか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) 今いろいろ巷間言われておりますプルトニウムの特性等々からいたしまして、多くの皆様がプルトニウムとは一体何であろうかと、そういうものが世の中で輸送されたりすることにつきましてはいかがであろうかとお思いになることは、一面理解できるところであろうかと思います。  ただ、プルトニウムと一番長くつき合ってまいりましたのは私どもの関係機関でございます動力炉・核燃料開発事業団の職員でございまして、これらのプルトニウムを加工しましたり、あるいはいろんな格好でプルトニウムを研究開発用にあるいは原子力発電所、これは「ふげん」とか「もんじゅ」に入れます燃料としてつくっておりますが、プルトニウムと長くつき合った動力炉・核燃料開発事業団の職員あるいは専門家によりますと、プルトニウムの取り扱いはもちろん極めて慎重を要するということは言うまでもございません。最大限慎重にやりましてつき合っていけば、プルトニウムとは今後安全な関係でつき合っていけるという自信を深めておるようでございます。これもあわせて御報告させていただきます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 その辺が、もう一遍言いますが、私科学者じゃないのでそう言われるとははあと思うんですが、そう悪魔の申し子と言われていることは一面そのような言われ方をされてもしかるべき点があると、一面ということをおっしゃいましたね。それから、長年の間つき合っている人が安全だと言っているんだから安全だと思いなさいというふうにおっしゃっているようにも思うんですが、この辺はもっとやっぱり客観的に正確に教えていただきたいと思います。  それから、プルトニウムを使って福井県の「もんじゅ」でございますかね、これからせっかく皆さんは御研究をなさるんだと思いますが、この「もんじゅ」の方で仮にプルトニウムを使って最終的に得られるエネルギーというものは、従来の原子炉で得られるエネルギーと比べてどれだけ優位性といいますか、そのエネルギーの量、強さ等において優位に立っているんでしょうか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) 申し上げます。  先生のおっしゃいました「もんじゅ」の利用エネルギーと申しますのは、まさに原子炉におきまして増殖することにおきましてどれほどエネルギーの利用可能量がふえるかという、そういう御質問かと存ずる次第でございます。  これにつきましては、もし軽水炉で天然ウランを濃縮した三%濃縮ウランのみを利用していくと仮定いたしますと、天然ウラン全体一〇〇のうちの〇・七%のウラン235しか利用できない、あるいは本当は炉内でプルトニウムができましてそれも一部炉内でそれ自身燃えておるわけでございますけれども、大体せいぜいマキシマム〇・七%ぐらいしか使えないものが、増殖という行為が起こりまして本来ならば燃えないウラン238がプルトニウム239になって燃えるといたしますと、〇・七%ではなくてそもそも天然ウラン全量が燃えることが可能になるということになるわけでございます。  ただ、〇・七が一〇〇になるかということになりますと、全体サイクルの過程でいろんなことが出てきたりいたしますので倍数はそうはならないわけでございますが、軽水炉のみの場合に比べまして、腰だめでまことに恐縮でございますが、十倍から数十倍のエネルギーの獲得量になるであろうと私ども考えておるところでございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 それだけに使った後の処理の仕方、保存の仕方、これが大きな問題になってくると思うんですが、その辺はどうなんでしょうか。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) プルトニウム燃料の場合でも基本的には将来再処理をするということになろうかと思われますが、再処理をしますとやはり軽水炉燃料の再処理の場合と同じく高レベル放射性廃棄物が出てくるということになるわけでございます。ただ、この高レベル放射性廃棄物につきましては、今厳重な研究開発等を進めておるわけでございまして、安全な地層処分ができるように研究開発を進めておるところでございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 時間がないので結論に入りますけれども、その今せっかく研究を進めていると、こうおっしゃいましたね。  しかし一方で、この委員会でも私がこれまで同僚委員の質問で聞いておりますところでは、例えば高レベルはガラス固化体にして五十年間埋めておくとか、低レベルのものはドラム缶に入れて土の中に埋めるとか、何か話だけ聞きますとこんな原子力そのものの最後の処理がとにかく何が何でも密閉して地面に埋めりゃいいんだというようなあたりについて、国民がそれは大丈夫なのか、これでいいのかと不安を持つのは当たり前で、まして青森県の六ケ所村の皆さんからしたら、そういうものを生み出す再処理の工場が来て、東海村のもフランスから送り返されてきたものも何もかも全部そういうものが六ケ所村に集められて、埋めたらそれまでだみたいなことではそれは国民の皆さん反対なさるし、地元の皆さんはとてもじゃないけれどもそれだけはやめてくれと言われるのは私には容易に理解ができるんです。  その辺について最後に納得のいく説明をしていただきたいと思います。それで私の質問を終わります。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) まず、青森県におきまして放射性廃棄物が集中するのではないかという御指摘でございますが、青森県等におきます計画を御説明させていただきますと、まず六ケ所村の日本原燃産業の埋設処分場という計画でございますが、これは原子力発電所から出てきます低レベル放射性廃棄物を現在埋設処分をするという計画を進めておるわけでございます。また、同じ六ケ所村にございます日本原燃サービスの再処理施設でございますが、ここでは再処理施設から発生する放射性廃棄物と英仏から返還されます廃棄物を貯蔵する計画でございまして、これはあくまで一時貯蔵でございまして、最終処分地の選定とは関係のないものでございます。また、例えば動燃事業団の東海再処理施設から山てまいります高レベル放射性廃棄物のガラス固化体等につきましては、これは動燃事業団が別途貯蔵工学センターというものを計画してございまして、そこで貯蔵をする計画でございます。  また、その安全性の問題でございますが、低レベル放射性廃棄物の陸地処分につきましては現在まで各種の試験研究を進めておりまして、また海外を見ましても、アメリカ、フランス、イギリス等におきましては長年にわたり埋設処分の実績がございまして、低レベル放射性廃棄物の埋設処分を安全に行い得る技術的見通しは十分得られているというふうに考えてございます。日本原燃産業はこれらの内外の成果に基づきまして、先ほど申し上げました六ケ所村に埋設事業の計画を進めているものでございますが、さらに埋設事業の許可申請につきましては現在厳重な安全審査が行われているところでございます。また、先ほどの高レベル放射性廃棄物でございますけれども、これはガラス固化により安定な形態といたしまして三十年から五十年程度の冷却の貯蔵をいたしました後に、最終的に地下数百メートルより深い地層中に処分をするということが基本方針でございますが、現在動燃事業団を中核機関としましてこの埋設地層処分の技術の確立を目指した研究開発を進めておるところでございます。今後さらにこれらの研究開発等を積極的に進めていくことによりまして、安全かつ確実な処分が実施できるものと考えてございます。

中村鋭一連合参議院

○中村鋭一君 ただいまの説明につきましては、私は納得をいたしません。まだまだその辺に重大な疑義があることを議事録にとどめておきたいと思います。  終わります。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 きょう問題になっております日仏原子力協定、けさほど久保田さんが言われましたように、私にとっても大変わかりにくい協定でございます。その原因としては、やはりわかりやすい情報がないということが一つ、そしてもう一つは専門的技術的な問題であるためかと思います。ただ私にわかっていることは、その背後にあります原子力政策、これは非常に重要な問題であって、国際的な立場でしかも数十年あるいは一世紀にわたる長期的な展望で私たちは審議する必要があるということです。で、時代の大変重要な課題、それとこの日仏原子力協定は無関係ではないのではないか、それだけにこの日仏原子力協定の審議は慎重な上にも慎重に審議しなければいけないと思います。内容が複雑でありかつ無限に大きな広がりを持っているだけに大変とらえどころがないような気もいたしますが、その焦点と申しますか内容を日本の国としては大変しっかりと審議しておく必要があるというふうに思っています。  具体的な質問に入らせていただきますが、まず締結の目的としては核物質の防護に関する規定などが導入されておりまして、核の不拡散についての考えかと思いますけれども、こういったフランスに依頼してやってきた使用済み燃料、そういった使用済み燃料から再処理して抽出されるプルトニウム、これは日本はいつ引き取ることになっているでしょうか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) イギリス、フランスに再処理を委託した結果生じますプルトニウムは、次は一九九二年の秋までに日本に持ってきたいと思っております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 実際に再処理される使用済み燃料は、イギリス、フランス合わせましてどのぐらいの量になりますか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) 現在の契約によりますと、使用済み燃料の種類に二種類ございますが、まず通常の軽水炉の使用済み燃料につきましては、イギリスとフランス合わせまして五千六百トンの再処理委託を行うことになっております。また、ガス炉の使用済み燃料につきましては千百トンの再処理を委託することになっております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 その結果、精製されるプルトニウムはフランス、イギリス、それぞれ何トンずつでしょうか。

結城章夫科学技術庁原子力局核燃料課長

○説明員(結城章夫君) フランスとイギリス合わせまして合計約三十トン、これは核分裂性プルトニウム量でございますが、のプルトニウムの回収を見込んでございます。イギリスとフランスは大体半分ずつというふうに考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 同時に、再処理によってできる高レベル廃棄物、それからTRU、超ウラン元素の廃棄物の量はそれぞれまたこれはどのぐらいございますか。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) 英仏に委託をしております使用済み燃料の再処理に伴いまして我が国に返還される高レベル放射性廃棄物のガラス固化体の量でございますが、これはフランスからのものとイギリスからのものを合わせ三千数百本程度になるというふうに承知してございます。また、高レベル放射性廃棄物以外のTRU廃棄物等の返還廃棄物でございますが、これにつきましてはまだ英仏の再処理事業者からその仕様の提示を我が国の電気事業者が受けていない状況でございまして、その量は未定であるというふうに聞いてございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 輸送船のことも伺おうかと思ったんですが、けさいろいろとお話が再々出ましたのでそこは省きまして、これは直接、高レベル廃棄物そしてTRU廃棄物、これはともに六ケ所村に運ぶ予定でいらっしゃいますか。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) 我が国に返還されます廃棄物は、六ケ所村に運ばれることになる予定でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 これは、高レベル廃棄物とTRU廃棄物、両方ですか。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) そうでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 六ケ所村に三十年から五十年間の貯蔵ということですけれども、それから後はどこかに将来選定できるであろうとけさほど御答弁がありましたけれども、私は伺いながら本当にそういうところが見つかるのかと。六ケ所村だけでも今これだけ反対運動も起こり日本じゅうからの関心が集められているときに、さらに六ケ所村から移すということが可能だというふうに現在は思っておられるのでしょうか。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) 高レベル放射性廃棄物のガラス固化体の地層処分でございますが、これは動燃事業団が中核推進機関となりまして現在研究開発を鋭意進めておるところでございます。この研究開発を今後さらに積極的に進めていくことによりまして、我が国で安全な地層処分ができるものと考えてございます。  また、最終処分予定地の選定でございますが、これはこれらの研究開発の成果も踏まえまして最終的には事業者が地元の理解と協力も得て最終処分予定地を選定していくことになるわけでございますが、このような手順を踏まえまして最終的には我が国におきまして最終処分予定地が選定できるものと考えてございます。  なお、青森県六ケ所村におきます高レベル廃棄物のガラス固化体の貯蔵は、これはあくまで三十年から五十年を目標としました冷却のための貯蔵でございまして、最終的な処分予定地の選定とは関係のないものでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 今おっしゃったその三十年から五十年の間に多分安全になる技術が開発されるであろう、それから業者によってどこか最終的な場所が選定されるであろう、いずれもこれは不確定なものですね。それとももう相当予測がついているんでしょうか。安全性のある処理の方法というのが半世紀以内に開発されるということは確実におっしゃれるのでしょうか。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) 高レベル廃棄物のガラス固化体の地層処分につきましては、現在まで鋭意研究開発を進めておるところでございますが、安全な地層処分の技術的見通しは得られつつあるというふうに考えてございまして、昨年十二月原子力委員会の放射性廃棄物対策専門部会が出していただきました報告書におきましても、その見通しを踏まえた上で今後さらに重点的に研究開発を進めていくべき点を示していただいておるわけでございます。  また、このような高レベル放射性廃棄物の地層処分の研究開発は、我が国のみならず米国それからヨーロッパ等で鋭意現在研究開発を進めておるところでございまして、このような国々とも協力をしながら安全な地層処分技術の確立を日指していきたいというふうに考えてございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 けさ同僚議員も言われましたけれども、もしそういう開発をしているのであれば、それが確実に安全であるものが開発された後で実際に六ケ所村に運ぶなりいろいろしてもいいのではないか。そんなになぜ今急がなければならないのか。片方で開発がまだ進んでいるという段階で、確実なものがまだ手に入っていないわけですし技術も手に入っていないし場所も確定していない、そういった不安定な状況のままでこれだけ国家的に大変な決定をし、そして今回の協定が結ばれれば恐らくフランスの再処理工場というのもどんどんつくられていくのでありましょうけれども、そういったことが大変早く進んでいくことがいいとは思いませんけれども、そういった不確定のままで進んでいいというふうに今は了解していらっしゃるわけですか。

広瀬研吉科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○説明員(広瀬研吉君) 高レベル放射性廃棄物のガラス固化体でございますが、これはガラス固化体をつくりました時点では若干の熱を持ってございまして、そのまま地層処分するということは必ずしも適当でないものでございます。このため三十年から五十年程度の冷却期間がどうしても必要になるわけでございまして、この冷却のための貯蔵を青森県六ケ所村で行うという計画を進めさせていただいておるわけでございます。この計画は、先ほど申し上げましたようにあくまで貯蔵ということでございまして、最終処分予定地の選定とは関係のないものでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 その一時的に置かれるということですが、最終的にその処理する予定地が決まっていない段階で、そういった一時的に置くところへとにかく置こうということで六ケ所村に置かれるということには私はいささか疑問を抱きますが、これは多分幾ら議論しても平行線なのだと思うので次に進ませていただきます。  環境庁に伺いたいのですが、地球環境保全に関する関係閣僚会議がきのう開かれました。外務大臣ももちろん御出席であったかと思います。ここでの申し合わせは温暖化防止に対する対策ということのようです。去年の十一月にオランダのノールトベイクで大気汚染と気候変動に関する環境大臣会議が持たれたときの宣言、ノールトベイク宣言、これはもちろん日本も一緒に採択したのだと思いますが、きのうの会議ではこの宣言を受けてのことということですが、そのように了解していてよろしいでしょうか。

柳下正治環境庁企画調整局企画調整課地球環境保全室長

○説明員(柳下正治君) お答え申し上げます。  昨日の地球環境保全に関する関係閣僚会議で当面の地球温暖化対策の検討について申し合わせをいたしましたけれども、昨年十一月のノールトベイクでの会合その他最近の温暖化にかかわります国際的な動向なども総合的に勘案して、現時点で我が国として実施し得る温暖化対策のあり方について閣僚会議として申し合わせを行ったものであります。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 申し合わせの頭に、「科学的に未解明な部分が残されているものの、」、地球温暖化の問題は、「人類の生存基盤に深刻な影響を及ぼすおそれがある重大な問題である。」、途中抜けますが、「手遅れとならないよう的確な対応を図ることが重要な課題となっている。」というふうに書き始められておられますけれども、今回の申し合わせのポイントをお教えいただきたいと思います。

柳下正治環境庁企画調整局企画調整課地球環境保全室長

○説明員(柳下正治君) 温暖化対策につきましては、地球環境問題の中でもとりわけ深刻な影響が懸念されるということから、科学的な知見の集積とともにできるところから手おくれとならないように実施するということが重要とまず認識いたしました。このため、我が国といたしまして国際的な政策づくりに積極的に貢献していくということとともに、我が国として実施可能なところから直ちに対策に着手していこうということを認識いたしました。  そこで、具体的に当面の方策といたしまして二つのことを申し合わせたわけであります。  一つは、地球温暖化防止行動計画というものを本年秋の早い時期を目途にこの閣僚会議で策定いたしましょうということであります。これは、我が国としての当面行います地球温暖化対策の基本的な方針と、それから実行可能な対策の全体像を明らかにしていこうということでありまして、少し具体的に申し上げますと、先ほど先生御指摘の国際的に例えばノールトベイク宣言などが出されておりますけれども、そういった国際的に出されている合意を踏まえまして、例えば二〇〇〇年までに極力低いレベルで温室効果ガスの排出の安定化をさせるべく十分な検討を行った上で目標を設定いたしまして、そしてそのために必要な各種の対策、例えば温室効果ガスの排出抑制対策でありますとか、造林緑化等の温室効果ガスの吸収源の保全整備対策でありますとか、あるいは科学的知見の整備、技術開発、普及啓発、国際協力等々の諸対策を明らかにしていこう、このような内容であります。  もう一つの申し合わせ事項は、地球温暖化防止のための世界的な長期ビジョンについて国際的に提唱していこうということでありまして、これは温暖化対策は長期的視野に立って総合的にやっていかなければいけない、しかも世界と一体となってやっていかなければいけないという観点から、このような百年程度の長期的なビジョンづくりを世界に対して提唱していこうではないか、このような内容でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 外務大臣に伺いたいんですけれども、今環境庁から御報告いただいた世界的な長期ビジョン、これをヒューストン・サミットで日本としては提唱したいということが報道されておりますが、いかがでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) ただいまヒューストン・サミットにおける議題に関しましては各国のシェルパの間で協議が行われておる点でございまして、その結果を待って明らかにいたしたいと考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 そういたしますと、この地球環境の問題ですけれども、そこで日本としては何らかのイニシアチブをとると申しますか、指導的な役割を果たすということを今までるるおっしゃってこられましたけれども、今回も何らかの形でそういう提案を日本からするとか、それから積極的に対応するとか、そういうことはお考えでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今申し上げましたように関係国との間でシェルパ同士の話し合いをやっておる最中でございまして、日本としてはもちろん環境問題も一つの大きなテーマとして考えておりますけれども、各国間のすり合わせをこれからいたす過程でございますから、その協議が終わりました段階でサミット全体の議題というものが何になるかということが決まるものだと認識をいたしております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 そういった各国間のすり合わせでということはよくわかりましたけれども、今までにも日本は地球環境ということにはできるだけ寄与していきたいということは国としても、それからきのうも総理の談話が新聞に載っておりまして、できるだけ早くに行動計画を具体化する、そして世界的なところでも関与していくというようなことをはっきりおっしゃっていらっしゃいますけれども、そういったことに関してはそういう日本の姿勢ですね、具体的なテーマではなくて姿勢は変わらないということでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) お説のとおりでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 どうもありがとうございました。  次に、最近、総合エネルギー調査会が「地球規模のエネルギー新潮流への挑戦」という中間報告を発表いたしました。このことを質問したいと思います。  原子力の問題というのは非常に直接的にエネルギー対策だというふうに思います。今エネルギー対策がどのような形で考えられているのか、そのことが大変大事だと思いますけれども、今回出されましたこの二〇一〇年を目指したエネルギーの供給見通し、最終的には原油に換算して六億六千六百万キロリットルと予測していらっしゃいますけれども、これは二酸化炭素を抑えるためなのかどうか、その点を伺いたいと思います。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) お答え申し上げます。  総合エネルギー調査会は昨年六月審議を開始いただきまして、約一年間で審議がまとまったわけでございます。今回の審議のポイントは三点あったわけでございます。一つは我が国のエネルギー需要が今後どうなっていくだろうかという点。二番目が資源制約の問題。三番目が地球温暖化等地球環境問題でございます。  まず我が国のエネルギー事情でありますけれども、御案内のとおり我が国は世界でも一人当たりのエネルギー消費量におきましてはOECD各国平均の約六割強という、過去の省エネ努力等もございましてそういう状況でございます。  それから特に家庭部門でありますが、一世帯当たりのエネルギー消費量は欧米先進国、例えばドイツ、英国、フランス等々の約三分の二、アメリカの約三分の一と、これは気候の違いを考慮してもそういう状況でございます。そういう状況の中で今我が国のエネルギー需要は伸びているわけでございますが、その一つの大きな原因として、まさに国民の皆さんが生活の向上という形でより広い住宅に住みたい、そしてその住宅はより快適なものでありたい、これは暖冷房とか給湯とかいろんな問題が出てまいります。それから、大変恐縮なんですが、女性の社会進出に伴いましていろいろな便利な機器とかなんかのニーズもふえております。こういう状況の中で、このままいきますとかなりの省エネ努力を行えないならば相当程度需要がふえそうだということ。  そしてもう一つの産業界でありますが、これも御案内のとおりだと思いますが、第一次オイルショック以降、もう一回オイルショックございましたけれども、世界のトップレベルの省エネを実施してきております。OECD諸国の平均をはるかに上回る省エネをやってきております。したがいまして、省エネの余地が減ってきております。そういう中でエネルギー需要がふえていくであろうと。それじゃどうしたらいいか。  第二点目の資源制約でございます。これも御案内のところであると思いますが、発展途上国、これがまさに民生向上あるいは経済発展のちょうど飛躍の時期に来ておりまして、ここの需要増大を中心に世界のエネルギー需要が石油を中心にふえております。そして他方、石油供給の方はOECD地域、これは北米とか北海でございますが、そこでの石油供給力は減退をしてきております。したがいまして、資源制約、石油需給の逼迫化が懸念されております。  三点目が地球環境であります。御案内のとおり、地球温暖化問題は温室効果ガスによる温室効果の問題でありますが、その約半分がCO2、残りはフロンとか亜酸化窒素とかメタンとかいろんなものがあるわけでございますが、半分がCO2と言われておりまして、その半分のCO2の約八割が化石エネルギーの燃焼によって出ているということでございます。したがいまして、我が国の事情を考えますとエネルギー需要はふえていく。それも国際的に見てもある程度やむを得ないし、省エネ努力等もあってそれは安定している。しかしながら、エネルギー需要がふえるということは資源制約とか地球温暖化問題のためにはよくないことでございまして、これがまさに一番のポイントだったわけでございます。  その結果、審議をいろいろと行いまして、先ほど委員御指摘の需給見通しでありますが、まさに大きなポイントは二つでございます。できる限りの省エネ努力をやってみようではないか。で、今回の需給見通しでは、いわゆるエネルギー消費のGDP原単位というのがございます。GDP一億円をつくるのにどれだけのエネルギー消費をするかということでありますが、これを二〇一〇年までの二十二年間に三六%改善しようという大変高い目標を設定しております。ちなみにこの三六%と申しますのは、一九七三年、第一次オイルショック直前から今まで十五年間、二回のオイルショックがあったわけであります。しかもこの間に石油価格は三倍、四倍というのが二回起こったわけでございますが、その間の改善率と同じだけの省エネをやろうではないかということが一つ。  そうやって需要を極力増大を抑制いたしまして、それにどういうエネルギーで供給していくべきであろうか。従来でしたら資源制約ということでありますれば石油代替エネルギーということだけでよかったわけであります。しかしながら、今度は温暖化に対応しなくてはいけません。したがいまして、石油代替エネルギーの中でこの議論の中では非化石エネルギー、よく国際的にも言われておりますが新エネルギーとか水力、地熱、原子力、これがいわゆる非化石燃料と言われておりますが、これへの依存をできるだけ高めていこうというのが今回の需給見通しの特徴でございます。  まさにそのように、委員御指摘になりましたようは、今回のエネルギー政策の見直しあるいはその中での需給見通しは、大きな目的として地球温暖化にどう対応していくのか、今のような状況の中でということであったわけでございます。したがいまして、今回そのような需要面あるいは供給面での努力によりましてあの需給見通しができたわけでございます。ちなみにあの需給見通しの中にも書いてございますように、その結果いろいろの努力はしておりますが、我が国の人口は二〇〇〇年まで約七%ふえるというのが厚生省の予測の中位ケースでございます。それから需要面、供給面の対策ともこれは長いリードタイムが必要でございます。したがいまして、今回の需給見通しの結果出てきておりますCO2の総排出量というのは二〇〇〇年までは一六%程度ふえざるを得ない、そしてそれ以降ほぼ安定化するということを、需要、供給両面の対策をとることによって実現しようというものでございます。  ただ、御案内のとおり我が国は、先ほど申し上げましたように、省エネ等の努力の結果一人当たりのエネルギー消費量は少ないということがございますので、当然のことながら一人当たりのCO2排出量というのも国際的には低うございます。先ほどのような総排出量のもとでも我が国の一人当たりの排出量は二〇一〇年におきまして二・五四トン年間燃料消費によって出るということになっておりまして、現在のOECD諸国の平均は三トンを超えております。そのような形で、今回の需給見通しあるいはエネルギー政策の中で、地球温暖化対策に向けてとり得ることをできるだけ取り込んで検討を行ったということでございます。  長くなって恐縮でございました。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 今るるお述べになったことを伺っていますと、日本人はこれからまだ暖房も必要だし女性の社会進出までが問題になったわけですけれども、そのことと実際に温暖化によって地球環境が破壊されるということとをどうはかりにかけるのかというのは大変難しい問題だと思います。そこはジレンマの部分でどちらをどうとるかということは難しいとは思いますけれども、例えばドイツは二〇〇五年までに二五%の削減というようなことをもう打ち出してきていますね。今度のヒューストン・サミットでそれをコール首相としては発表するというふうに言っていますね。二五%削減を言っている。スウェーデンも二〇%の削減を二〇〇〇年までにすると言っている。その中で日本はどういう理由があるにしろ一六%の増ということになっているわけですが、この点は国際的に説得力があるでしょうか。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) 各国のいろいろな目標値の設定につきましてほ、各国それぞれ事情が異なると思います。確かに、ドイツにおきますれば――これは先ほど日本は人口がふえると申し上げました。二〇〇〇年七%、二〇一〇年で一一、二%ふえますが、ドイツは五%ぐらい減るという前提になっております。それから、これまでの省エネ努力の違いもございます。そういう事情があるんで一概には申せませんが、日本におきまして一六%程度ふえるということが、でもそれ以降は安定化するということでございますが、国際的にどういう議論になるか。それはまさに各国の事情、これまでの努力、いろいろなそういう点を含めて国際的な議論をしていかざるを得ないだろうと思っております。  ただ同時に、先ほど委員から御指摘ありましたように、エネルギー消費というものがどういうことを意味するのかということについて、まさに我我一人一人が使っているわけでございますので、それについての国民的議論というのをできるだけ喚起していくことが必要であろうと思いますし、それによりましてエネルギー消費がもたらす意味をよく国民一人一人あるいは企業すべてが理解をして、それを行動に結びつけていくということが必要であろうと思っております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 ぜひその国民的議論、どういう議論を巻き起こしたいと思っているのか伺わせてください。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) 先ほどちょっと申し上げましたが、一人一人がより快適な住宅に住みたい等々のニーズというのがございます。それはエネルギー消費を伴います。それがまさに資源制約とか先ほどの環境問題へ影響を与えているということをよく理解をしていく。そして、ある意味では我々の生活のスタイルあるいは社会システムの問題があるかもしれません。したがいまして、その辺も含めて国民的な議論を喚起せよというのが今回の答申の中にも委員会の方から強く指摘されまして書いてございまして、通産省としてこれを各省とも協力してできるだけ大きな形で国民的議論にしていきたいと思っております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 何か大事なものが落ちていませんか。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) 申しわけありません。よくわかりませんが……。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 今生活とおっしゃいますけれども、この表を見ますと九%から一三・二%、一六・七%と原子力発電がふえているわけです。そしてその中で絶対量も大変増加しておりますし、けさのお話ですと大体四十基ぐらい新しく発電所をつくらなければならない。六ケ所村一つでもこれだけ国民的な反対が起こっているところで、四十基の原子力発電所をつくることが可能なんでしょうか。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) 御指摘のとおり、需要面の問題だけではなくてエネルギー供給の方についても国民の議論を十分喚起する必要があろうと思っておりますが、まさに先ほども申しましたように、非化石エネルギーの中のやはり主力は原子力、大きいウエートを占めるのが原子力であろうかと思います。そしてこの四十基ができるか否かということにつきましては、先ほどの省エネ努力、これができるかできないか、三六%ができるかできないかと同じような形で大きな議論の対象に今なっているかと思います。  しかしながら、総合エネルギー調査会での審議におきましては、もちろんこれから九〇年代いろいろなエネルギー問題についての理解あるいは原子力についての安全対策あるいは地域振興の問題等々、広報問題も含めましていろいろな努力をすることによりまして、実現を目指し得る規模ではないかということで調査会から御答申をいただいております。したがいまして、この辺につきましても今後の大きな課題になろうと思っております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 まさにとにかく原子力というものが、確かに日本の場合はそういう方針が今まであったのかもしれませんけれども、平和利用ということで、しかしこれだけ温暖化の問題が起こってきたとき、地球環境に対してどのようなエネルギーを私たちが使っていくのかということは国民的な課題だと思うんです、最初に申し上げましたように。そのときに、けさからるるいろいろお話があるように、果たして本当に原子力を発電としてこれだけ増加していくということを頭から国民の選択なしでやっていいのかどうか。もう一回振り出しに戻ってエネルギーのあり方、使い方、そして今まさに課長がおっしゃった社会システムのあり方、そこまで原点に戻ってもう一度国民に問うてみる必要が私はあると思うんですけれども、担当者としてはどのようにお考えですか。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) 今回の総合エネルギー調査会でも、審議の過程で委員の方々が強く言われた点でございますけれども、今回の答申なりあるいはその結果の中に含まれています需給見通しを含めまして、これが始まりである、今回の答申とか需給見通しを踏まえてそういう大きな議論を喚起していく、あるいはそれを理解をしてもらうべくいろんな議論をしていくということがまさに今後最大の課題であろうし、それがまさに重要なんだということを総エネ調の委員の方々も言われておりまして、まさに委員御指摘の点と同じであろうかと思っております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 随分違うんじゃないかと思うんですね。例えば、私これ最初から終わりまで読ませていただきましたけれども、どこにも原子力発電について本当に国民的な信を問わなければならないというようなことも書いてありませんし、それから、どちらかといえば地球温暖化の問題があるけれども、問題解決の技術の登場を待つまでもなく大きな制約がかかろうとしているということで、決して積極的に取り組んでいるようには私は思えないんですね。  ですから、こちらの環境庁の方でおっしゃっている二〇〇〇年までにもっと安定化させて抑えるということから比べますと、ここに出ている需給見通しというのは大変に甘いのではないか。しかも、原子力発電というものを四十基つくるということを前提にした上でのエネルギー政策であるというふうに読めるんですけれども、そこのところでもう一回今の社会的な状況その他を見ますと、そんな簡単にいくものではない。それを国民にとにかく説得しなければならない、わからせなければならないというふうに先ほどからおっしゃっていらっしゃいますけれども、そういうことをわからせる前に私たちは自分たちの選択がしたいと思うんですけれども、そういった視点は全然ないように思いますが、いかがでしょうか。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) 答申の中に何カ所かに書いてありますが、この需要面での省エネ、先ほど申し上げましたような三六%の改善、あるいはこのような供給面での原子力あるいは新エネ等々の供給ミックス、それの実現、これは決してその実現は容易なものではないということであれしております。  したがいまして、今の委員御指摘のような点については、かなり厳しくこれは織り込まれて審議が進められたものと理解しておりまして、ちなみにその先ほどの新聞等でも原発四十基の問題あるいは省エネ三六%の問題、どちらもこれは実現が本当にできるんだろうかというような形での御議論も起こっているやに理解しておりまして、ただ同時に、その総合エネルギー調査会でも委員会でいろいろな御議論があったんですが、このような省エネの数字等々、これはやはり一度出ますとそれなりに簡単にできるのではないかと思われがちであるがゆえに、その辺はよく国民の皆さんにわかるように議論を今後展開してほしいというふうなまさに要請も別途受けております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 もう少し話を進めたいと思いますけれども、問題は十年あるいはそれ以上という長いリードタイムを必要とする。これはなぜかといえば、あくまでも原子力発電を当てにしてのことだからだと思います。そういうことゆえに、ドイツとは違うんだ、各国それぞれ事情があるというふうに言われましたけれども、それでももし日本がヒューストン・サミットでそういった地球環境のリーダーシップをとろうとするのであれば、やはり即刻何かをすべきだろうと思うんですね。  そういう考え方からいうと、非常にどちらかといえばこれからのより豊かな生活、果たしてより豊かな生活と省エネとが両立するのかどうか、そういった視点というのはまあ書いていないわけではないです。特にもう一冊の省エネの方の冊子がありますが、そちらの方にはそういう言葉は、字句は確かにあります。そしてもっと本当に倹約していかなければいけないんだということが書いてありますけれども、この全体としてのまとめの中にはそういった字句はありません、はっきり言って。私ちゃんと両方見てみましたけれども、比べてみましたけれども、ありません。ましてや原子力部会が書いたところにはさらにありません。  ですから、そういった各個別のそれぞれの部会でもって出された中間報告、それは省エネの部会ではそういうふうに大変積極的にもっと社会システムの問題、人間の生き方の問題ということを指摘しておられますけれども、原子力部会の方ではいかにしてこれから原子力発電を普及していくか、そしてそのことを啓蒙するかということが視点になっています。全然逆のことが書いてあると思うんですね。それのまとめとしてのこの総合エネルギー調査会の中間報告書の総論というところは、どちらかといえばより原子力の発電所の基数を増大するということが強調されている。ずっと読んでいけばそれははっきりわかります。「国民の不安感の解消と信頼感確保を図るとともに、原子力発電所の基数の増大、運転年数の長期化等に対応するため、安全規制体制の充実」が必要だというような書き方で書いてあるわけです。  そして、例えば「バックエンドに対する不安の解消を図るため、国民の理解の増進に努力する。」というふうにも書いてあります。でも、先ほど中村議員もおっしゃいましたけれども、バックエンドへの不安、これは私も最初に伺いましたが、わかっていないもの、示されないもの――私たちにわかりやすくこういう技術が必ず開発されるということではないですね。開発の途上である、それから六ケ所村以外にどこかに使用済み燃料は置かれるであろう、見つけることができるであろうという、これは不確定な要素です。それですから、そこに対して私たちは、当然のことながら国民は不安を抱くんだと思うんですね。抱かない方がおかしいと思います。  さっきも、プルトニウムがどんなに恐ろしいものかということの、それがむき出しになった場合その放射能はどんなに恐ろしいか、人体に対して、地球に対してどんなに恐ろしいものかということはるる御説明がございました。そういたしますと、ここに「バックエンドの不安の解消を図るため」と、これはむしろ欺瞞になってしまうんではないか。不確定なものを、いや絶対安全だから安心しなさいというふうにおっしゃるようなことになるんではないか。そういったトーンがこの総合エネルギー調査会の中間報告には、まあどこでおまとめになったのかわかりませんが、個々の冊子とは別に全体をまとめたものは、大変どちらかといいますとこれからエネルギーを多く使っていくということを前提にした上の冊子になっていると思うんです。  こういった時代にまさに環境庁がおっしゃった二〇〇〇年に向けての、ここにはっきり書いてありますけれども、多くの先進国は二酸化炭素排出の安定化は第一段階として遅くとも二〇〇〇年までに達成すべきことに合意とあります。日本もこれには参加していたわけです。そうしますと、一方でこういう国際的な約束をし、そして国内の総合的なエネルギーの政策というものは大層矛盾しているような、もしこれをきちんと守るのであればもっとより厳しいエネルギーの対策というものが設計されていいんではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) ノールドベイク宣言の合意内容についてはいろんな解釈があろうかと思いまして、安定化についての合意ということでそこは日本も合意していると了解をしておりまして、今回のエネルギー需給見通しはおきましても二〇〇〇年以降そのレベルで安定化するということを省エネあるいは代エネの方の努力によって実現を目指そうということでございます。  そして、今回の需給見通し、あるいはこれの総論に書いてございます対策編、いろいろと御不満の点はあろうかと思いますが、率直に申しまして、直ちにいろんなこういうふうな対策をとるべしということで、エネルギー利用の効率化であれあるいはいろんな省エネであれ、あるいはいろんな新しい非化石エネルギー、新エネも含めまして、あるいは原子力についてのいろんな対策も含めまして、それについては原子力部会で詳しいことが各論としてまとめられておるわけでございますが、直ちにそのような対策を政府、民間努力をして実施すべきという形でまとめられているものと思っておりまして、そういう意味では我が国の政策の一つとして最大限やっていくべきではないかと思っております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 もう一つの問題は、これ最初から終わりまで地球の温暖化に対応すると、確かにCO2は地球にとってよくないということははっきりしているわけですが、それじゃ放射能だって地球にとっていいはずがないと思うんですね。そういった放射能による公害、原子力発電による事故があるときないとき両方あると思いますけれども、いずれにしても原子力発電によってチェルノブイリの事故もあったわけですが、そういった放射能による地球環境への汚染とか危険とか、そういったことは一行もそれこそ出てきません。この点はどのようにお考えでしょうか。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) きょうの御審議でもほかの委員の御質問で私伺っておりましたが、放射能については潜在的な危険性もあるということで、ただそれを技術的にコントロールをしていく最大限の努力をするということで対応しているわけでございまして、原子力のその部分につきましては原子力部会等の報告書におきましてもその対策についてるる触れられていると理解しております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 もう一つの問題は、石炭の使用量も増加しています。そして、石炭は二酸化炭素だけではなくて窒素化合物も硫黄化合物も排出するわけですが、この点はどうでしょうか。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) いわゆるSOx、NOxでございますが、これはどこかに書いてあると思いますが、我が国の硫黄酸化物、窒素酸化物の除去ということは国際的にもトップレベルでやられております。したがいまして、これは世界でも最高水準であろうかと思っております。石炭、二〇〇〇年までふえております。これは石炭火力というのが現在建設中のものも幾つもあるわけでございまして、その辺の数字が出ているということでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 そうしますと、石油もふえ石炭もふえ、新聞報道などでは大変原子力発電に今度は傾斜していくというふうに報道されていますけれども、現実にこの表自体を見ますと、確かにパーセンテージだけ見れば原子力発電が九%から二〇〇〇年が一三・二%、二〇一〇年が一六・七%というふうになっていますけれども、石炭はパーセンテージこそ一%減っていますが、一九八八年に一八・一%、二〇〇〇年に一七・四%、しかしこれを実際にトンで見ると、一億一千四百六十万トンから一億四千二百万トンと三千万トン近くふえているわけですね、実際には絶対量といたしましては。そして石油の方も、パーセントは五七・三%から二〇〇〇年までの十年間で五一・六%と六%近く下がってはいますけれども、絶対的な数量は二・七六億キロリットルから三・〇八億キロリットルにふえている。こういうふうに絶対的に石炭もふえ石油もふえ、当然これだけふえているのであれば二酸化炭素は排出されるわけです。  それで、一方で原子力発電の問題がある。何かもう少しドイツが違う形の――まあ省エネを今までやってこなかったからできるのだ、人口がふえないからできるのだとおっしゃるかもしれませんけれども、よそがこうだから日本がこうということではなくて、日本独自にもっと積極的な対策がとられてもいいんではないか。特にその中で気になるのは、やはりこの原子力発電の問題だと思うんですね。これだけ今温暖化の問題が出てきているときに、ここの数字の出し方というのは、どんなに日本が外に向けてきれいごとを言ってみても、一たん中身を見るとこれだけ日本は省エネをやってないではないかと言われる数字だと私は思いますが、いかがですか。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) 冒頭申しましたように、この需給見通しのエネルギー需要は、先ほど申しましたように、二回のオイルショックを挟みます十五年間の利用効率の改善と同じ程度のものをオイルショックを避けつつ二十二年間で実現しようという目標を実現した後の姿、織り込んだ姿ということでこの需要が出ております。  したがいまして、この需要はそれだけの省エネ努力を織り込んだもの、そしてその中でどんなエネルギー源を張りつけていけるだろうかということで、石油代替エネルギーあるいはその中の非化石エネルギーというものはどこまで可能だろうかということで努力していった結果、需要全体がそういう意味でふえておりますから最後に石油等が量的にふえるという形にはなっておりますが、各非化石エネルギー等々の供給というものをできるだけ制約要因がある中で確保していった結果ということで御理解いただければと思います。    〔委員長退席、理事宮澤弘君着席〕

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 前提として経済的な需要がふえると今おっしゃいましたけれども、そのあたりがやはり非常に問題なのではないか。けさ久保田さんも、たとえ経済的に横ばい状態になったとしてもやるべきことはやらなければいけないのではないかと。例えばスウェーデンのように、本当に八方ふさがりかもしれませんが身を切るような思いでとにかく原子力発電はやめるというような決定をした国もあるわけです。その中で、やはり日本はこれからどんどんそういった経済成長をしながら一方で地球環境をやる。これは相当矛盾したことだと思うんですね。これを見る限りでは、どちらが優先しているかと言えばやはり経済的な需要を優先しているというふうに思えてならないわけです。というか、そういうふうに少なくとも読めます。  そういった中で、やはり今大変脱線をしているような、私としては日仏のバックの部分でお話をしているわけですけれども、原子力協定の裏に、やはりこれだけの膨大な原子力発電所を持つのであればどうしてもそこでもって先ほどから問題になっている再処理の問題、そして核燃料の問題、今度は次なる問題が出てくるわけです。ですから、そういったことを単に需要の問題からだけこういう形で出されている。まあだけとは申しません、さっきおっしゃったみたいに温暖化の問題が三つ目のポイントだというふうに言われましたけれども、果たして本当に大胆な発想がそこにあるのかどうか。やはりどちらかといえば需要のことを考えた上でこれだけの、まずそれ先に需要ありきなのではないかという気がするんですね。そうしますと、果たして国際的にそれが通用するのかどうか、そのことに大変危惧を抱きます。  二番目の危惧は、しかもその中に原子力発電が組み込まれていて、四十基というのが今言われている数ですけれども、その四十基、実際には実現不可能だというふうに私は思います。その実現不可能な四十基を予定してこういったものをつくる。しかも、それを国民にPRしなければならないと先ほどおっしゃいましたけれども、どうもそこのところでむしろ国民に何を知らせるべきなのかというところの出発点が違っているんではないかという気がするんです。そこのところのPRをもう少し、国民はエネルギーに対してどう考えているのかということを問うという姿勢はおありにならないんでしょうか。

中澤佐市資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○説明員(中澤佐市君) 大変大きな議論でございまして、私の所掌範囲を超えるような議論であろうかと思いますが、ただこの報告の中でこの需給展望、第四章でございましたか、その冒頭に、この需給展望、需給見通しは二つの前提条件のもとでの政策努力目標としてのものであるというふうに書いてあろうかと思います。    〔理事宮澤弘君退席、委員長着席〕 一つは、一定の経済発展に対してエネルギーサイドから重大な制約を生じさせない。そして、エネルギー消費に関して規制的措置の導入を前提としない、こういう形の中での最大限の努力ということでこれをまとめております。逆に言えば、そこは今委員御指摘のような大議論というのが必要であるのかもしれないということをここは言っているとも理解できるわけでございます。まさに審議会での議論もそこであったわけでございまして、国民にもわかっていただけるようにそこはそういう形で書かれておるというふうに御理解いただきたいと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 まさにそうであってみれば、審議会の中での大議論でなくて、それは国民の中での大議論を持つべきものだと思います。ほとんどここの部分に関して言えば報道も一行二行で済んでいたように思いますし、この点が強調されていないということも言えましょう。今こうやって伺っているときに最終的にそのことをおっしゃるわけですけれども、まさに今私が申し上げたいのはこれは国民的な議論に付すべきではないかということなんですね。ですから、けさオランダの話も出ました。スウェーデンの話も出ました。そういった国民投票にしていいほどの問題が審議会という私どもが接することのないところで大議論になっていたとしても、それはちょっと違うんではないか。そして、国会の場と、そして国会だけではなくて一人一人の国民が自分たちの孫子の代まで影響のある問題なのですから、そこで本当に真剣に議論をして自分で選ぶということのプロセスが必要なんではないかと思うわけです。  まだ科学技術庁長官が見えないので、ちょっとその点は後で長官にきちんと伺いたいわけですが、次へいきたいと思います。ありがとうございました。また後でちょっと長官見えてからその話は展開していきたいと思うのです。  というわけで、原子力発電所というのが絶対に安全なのかどうかということがけさから、科学技術庁に伺いますが、るるお話が出ていました。事故がなくても果たして本当に安全なのかどうか。ちょっと先にそれじゃ伺います。原子力発電が事故がなくても地球環境に対して何らかの影響を与えることがあるのではないか。事故さえなければいいというものではないんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。  もちろん原子力施設に関します事故は起こしてはならないものでございますが、事故以外、平常時におきましても当然放射性物質は安全かつ厳重に管理すべきものと考えておりますし、先ほどからも御答弁してまいっておりますように、現実にはできると思っておるわけでございます。  地球環境との関係で申しますと、各種のエネルギー、それぞれメリットとデメリットがございます。原子力発電はそのエネルギー発生の過程におきまして、先生おっしゃってきましたように炭酸ガスを発生しないという大きなメリットを持っております。他方、核分裂生成物そして放射性廃棄物あるいは誘導放射能があるということは確かでございます。それに対しまして、化石燃料は燃やせば炭酸ガスができること等々、あるいは資源の偏在の問題もございます。あるいは太陽、風力等等のエネルギーもございますが、これは非常に変動の激しいエネルギーであるわけでございます。  すなわち各種のエネルギーは、若干文学的な表現で恐縮でございますが、すべて菩薩の面と夜叉の面を持っておるわけでございます。絶えずそのいい面を我々最大限に利用していくというそういうことでございまして、したがいまして私どもの傘下の動力炉・核燃料開発事業団が建設し、あるいは運転しております高速増殖炉原型炉は「もんじゅ」、新型転換炉原型炉は「ふげん」と言っておるわけでございます。これはまさにその命名のゆえんは文殊の知恵とそれから普賢の慈悲で、文殊、普賢が乗っております象と獅子、すなわち非常にフューリアスなエネルギーを出す可能性があるわけでございますが、それを必ずコントロールし得るという、そういう趣旨であるわけでございまして、まさにそういうことで必ず放射性物質はコントロールできるものということを思っておりますし、これまでの実績もそうであったと考えておる次第でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 獅子を縛る安全な縄があるかどうか私はわかりませんけれども、CO2にしても百年前にだれが一体この温暖化の問題が起こると思ったでしょうか。むしろ人間は大変有効なエネルギーを発明したと思ったんじゃないでしょうか。それが今やはり地球規模での環境問題になっています。そして、余り獅子の方を比較することはできないかもしれません。それぞれどんなに小さな獅子でもたくさんそれが集まればやはり大きな公害になりますし、一匹で大変恐ろしい獅子だっているかもしれません。  そういうことで申しますと、やはりCO2とそれから放射能ということを比べた場合に、地球環境への汚染と申しますか危険性といったらば、やはり放射能の方が大きいのではないか。ですから、ましてや今は事故が起こらない場合の議論をしているわけですが、そうやって獅子をおりに入れそして手足を縛り口を封じ、しかしそれであらゆるときに獅子が縄を切らない、おりを破らない、そしてそれが五十年、百年たったときになおかつおりを出ない――蛇に化けて出るかもしれないのです。そういうことを考えますと、やはり私たちがこれから持つべきものは獅子の手を縛るのではなくて、もう今これだけ科学が発達した時代でありましたらば、やはり獅子ではなくてむしろもっといいエネルギーをどう使っていくかということの段階に来ているんではないかという気がするんですね。  先ほどから安全ということを言葉でいろいろおっしゃいました。潜在的な危険はあると。しかし、その潜在的な危険を人間には害を及ぼさないようにする。でも、潜在的な危険というのは獅子をおりに入れているようなものではないか。そういった意味で絶対に安全ということが言えないのであればできるだけ獅子の数は少なく、さらには獅子はわざわざ掘り出してまで使わない方がベターであるという発想が百年という単位で起こっても不思議ではないんじゃないかというふうに思います。CO2の場合も百年前には安全だと思われていたものが今これだけ問題になっているんです。百年後まで果たしてその獅子をおりの中に封じ込めることが可能なのか。十万年たたなければ害は消えないというふうに聞いていますけれども、十万年というのはもう本当に人間の寿命からすれば孫子の代をはるかに超えた時代ですけれども、少なくとも百年、二百年というけたでまだそういうことがおっしゃれますでしょうか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) 先ほども申し上げましたように、各種のエネルギーにつきましてはそれぞれメリット、デメリットがございまして、メリット一方のエネルギー源というのはなかなか考えられないということであろうかと思います。その意味では、各種のエネルギーのメリットをうまく見つけ出して引き出して使うということが非常に大事であろうかと思います。  原子力につきましては、現在までのところ、原子力発電所の計画、建設それから運転、各段階におきましてそれぞれ事業者も努力し国もしかるべき規制をやってきたということによりまして、これまで公衆の安全に支障を来すようなことはなかったわけでございますし、これからも公衆の安全は支障を来すようなことはないであろう。それからさらに、私ども各種の技術開発をこれから丁寧に行っていきそれをしかるべく適用すれば、先生おっしゃいましたように百年後あるいはかなりずっと後、我々の子々孫々に至るまで原子力は安全に活用していき得るものとかように考えておるところでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 公衆に何か起きたときはもう遅過ぎると思います。  実際にアメリカでもスリーマイル島の発電所の事故があり、ソ連でもチェルノブイリの事故がございました。日本でも福島の第二原発が問題になっています。これだけ事故がもうすぐそこで起きているわけですね。その事故の大きさ小ささ、あるいはどの程度危険なのか、それからどの程度の公害があるのか、そういったことも私たちは知らされないわけです。現に福島原発の事故の資料というのもお出しいただかない。むしろこういったものが出てくればどういう事故が起こったのか、その程度の事故なのか、それともこの程度に重大な事故なのかという判断もつきましょうが、その資料すらお出しいただかない。そして、とにかくおりの中に獅子は入れてあるんだから安全だと、そのことを住民に説得すると言われてもこれは納得がいきません。現にチェルノブイリの食糧とかそういったものが汚染されていることは重々御存じだと思いますけれども、そういうことで私たちに影響がないと言い切れるでしょうか。

石田寛人科学技術庁長官官房審議官

○政府委員(石田寛人君) 食品汚染の問題は別途多分厚生省からお答え申し上げるとしまして、全体の安全性一般の問題について申し上げますと、先ほど獅子をおりの中に入れるとは多分申し上げなかったのであって、まさに科学の力によって獅子をコントロールすると申し上げたつもりでございます。  これはなかなか実際どういうことかということであるわけでございますけれども、精到に研究開発を積み重ねまして、慎重が上にも慎重を重ねまして例えば高レベル廃棄物の中間貯蔵をやり、あるいは例えば実際高レベル廃棄物の場合は、先ほど質疑ございましたけれども、全く皆目見当がつかないというわけではございませんで、実際ガラス固化体をキャニスターに入れておくという格好はできておるわけでございまして、それが地中に埋めたときに放射能がどう動くかということを一歩一歩確認しながらやる必要があるということで、非常に慎重にやっておるということを御了解賜ればありがたいわけでございますが、そういうことを前広にやりながら最大限の努力を傾注していけば、放射能と人類は共存できる、人間は原子力を使い続けていけるということをまず申し上げたいと思うわけでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 科学技術庁長官に伺いますけれども、大変に自信を持って役所の方たちは皆さん地球と人類と放射能が共存できるとおっしゃっていらっしゃるわけです。きょう、けさからずっと伺っておりまして、安全性には問題がないということをるるおっしゃっていらっしゃるわけですが、私は逆に人類と放射能は共存できないものではないかと思うんですね、本来。  ですから、どんなにそれをコントロールする技術が進んでも、どこかでコントロールから抜けてくる。だからこそスリーマイルのような事故が起こり、チェルノブイリのような事故が起こり、そして福島原発のような事故が起こっているわけです。もし完全に人類がコントロールできるのであれば、これらの事故は起こっていないはずなんです。こういった地球温暖化、そして地球の環境が問題になっている時代にもう一度、科学技術庁のそして日本の科学者の方たちが安全だとおっしゃることと、それから国民の危険に対しての直観のようなものもあるわけです。そういったものをできるだけ公表していただいて国民の議論に付すべきだというふうに長官はお考えにならないでしょうか。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) 大変高度の議論をしている中に飛び込んでまいりまして、私も血迷うような気持ちではございますけれども、実は御質問でございますからお答え申し上げます。  まさに絶対的なものというものが世の中にあれば、私どももそれを絶対としてやれば結構なんでございますが、なかなか絶対一〇〇%というものは何事によらず保証する限りにあらずということになりますので、けさほど来からも私もお答え申し上げておりますように、そうあることを念願しながら今日の産業、経済、そしてエネルギー、殊に日本のエネルギー資源のない国としてやはり国際的な経済大国となるための維持することは一体どこにあるかということを考えると、やはりこの問題も当分考えなきゃいかぬと。やがては百年の後にはエネルギーなどというものは全く心配のないものが我々の目の前に、もっとも私いなくなりますけれども、出てくるかもわかりませんが、それは保証の限りではない。先生のおっしゃるように一世紀を単位としてくくるならば必ず人類に幸福をもたらすエネルギーが出てくるかと思いますが、今日の状態においては私はやはり一〇〇%の安全を期待しながら最大の努力をして、日本の産業、経済、そして国民生活の安泰を図ってまいりたいというのが私の気持ちなんでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 百年後に地球が滅亡している可能性もないとは言えないんじゃないでしょうか。その可能性も私はあると思うんですね。今安全なものができるとおっしゃいましたけれども、できないかもしれない。そして、本当に百年前にだれも二酸化炭素がそんな危険なものだというふうには思わなかった時代があったわけです。でも、二酸化炭素が今や地球環境を危険な状態に置くかもしれないと言われているように、放射能だって百年たったらば地球環境にとって危険な存在になっているかもしれません。そうであるとすれば、今私たちはよりそういう危険性が少しでもあるものはできるだけ抑えるというか使わずにおくというか、そういったことも人間の知恵だろうと思うんですね。  ですから、科学者にとって大変安全性のあるものが発見できて、それをどんどん突き詰めていくことも一つのそれは探険であるかもしれませんけれども、私ども一般の庶民にとりましては六ケ所村にそういったものが来ることがどんなに恐ろしいことか、それはもうきょうさんざんここで皆さんおっしゃいました。もう一回繰り返す気はございませんけれども、やはりそういった十分な私どもが情報と、一方的にこれは安全なのだということの御説明ではなくて、けさからずっとおっしゃっていることは絶対安全ですからそのことを説明しなければならない、そのことを国民にわかってもらわなければならないという議論なんです。  そうではなくて、私が長官に伺いたいのは、逆に国民の皆さんは今こういった地球環境が問題になる時代に、日本としては日本のエネルギーはどうしましょうか、経済大国であることを少し足踏みしてもというようなことを言うとしかられるかもしれませんが、あえて私は言いたいと思います。経済大国であることを足踏みしても、もう少し完全に安全だということが確証が得られるまで、もっと私たちはエネルギーを使うことをやめようではないかというような選択があるかもしれないんです。これは主権在民の国であり民主主義の国であるとすれば、これだけ国家の大事業であるとすればやはり国民に問うべきではないかというふうに伺いたいわけです。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) 立場が変わればなるほどいいことも言われるなという私感じを今持ってお聞きしましたんですけれども、やっぱり私たちは私たちとしての立場として、先ほど来申し上げたような、何といってもこの日本が資源のない国として特に経済というものが今日発展してきたことは一体那辺にあったかということを考えると、確かに今おっしゃられるように、これを一時ストップして果たして今日の経済というものがどこまで維持できるか、なかなかこれは証明ができないわけなんです。国民が果たしてそれに満足感を持って協力していただけるかどうか、これも保証の限りでないということでございますので、ただいまの御説をまことにごもっともだとお聞きしながらも、即座にそうしますと私は残念ながらお答え申し上げることができないことはひとつお許しをいただきたい。  やがて新しいエネルギーでしかも人類生活に影響のないものというのは、いろんな面から私も今勉強させていただいて、絶対また百年後にそういうものが出ないということも言えないような暗示も――私も今勉強中なのでございますので、そういう点もあって安全なものも絶対出ないとは限らない、こういうことも私は感じておるのでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 そういうことを別に申し上げているわけでもないし、それから即刻やめていただきたいということの御答弁をいただきたいと言っているわけでもないんです。そうではなくて、これは本当に国民的な、そして恐らく一世紀ぐらいのレンジで考えなければならないほどの大問題であろう、ここの場で議論しているということは、やはり日本の選択になるということだと思うわけです。  申し上げたいことは、あくまでも政府で決定なさるだけではなくて、やはりもっと国民の中に一年なり二年なり三年なり本当にこの問題についての議論を広く広げていくということがあってから、むしろ次なるステップに行ってもいいんではないか、それが地球環境ということと同時に――先ほども申し上げたんですが、今回出されたエネルギーの中間報告ということの中の需給の見通しなんですが、そこでは原子力発電所をとにかくふやすということ、そして石炭も石油も使い続けるということが二〇〇〇年まで続いているわけです、日本の場合は。ですから、そういったような見通しではなくて、もう少しこういった議論を広く国民に問う姿勢を科学技術庁としてはおとりになるべきではないか、そのことを申し上げているわけなんです。そのことなら長官は御答弁いただけると思いますが。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) ごもっともな御意見でございますけれども、それを端的に申しますと、じゃここでぴしゃっとこの問題をやめちゃって、そしてその……

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 いえ、それを伺っているんではないんです。そうではなくて……。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) 国民の理解の得られるような立場まで努力してからこれをやったらいいじゃないかということじゃなかろうかと思うのでございますが、もしそうでないというんでしたらもう一度お聞かせいただきたいと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 すぐにぴしゃっとやめてこの電気を消すわけにはいかないんです。そうではなくて、こういった形で政府の方でどんどん方針をお決めになるのではなくて、審議会という私たちから見れば密室のようなところでこういった方針をお出しになるのではなくて、もっと広く国民に問うというような、例えばスウェーデンなんかはまさにそういう国ですけれどもいろいろ公聴会を開く、オランダもそうだということをけさ久保田さんはおっしゃっていらっしゃいました。公聴会をあちこちで、各県で全部公聴会をやったらどうですか。そのぐらいのことはできると思うんですね。  そういったことを全然なさらないで、一方的に政府でこういうことを決めてそしてわからせたい、国民に説明するんだということばかりが強調されている。そういうことではなくて、むしろ北海道から沖縄まで皆さんどう考えますかと。そちらでもってなさる公聴会は、原子力がいかに安全かということの説明会なんです。こういうことを望んでいるわけではなくて、もっと抜本的にどれだけ原子力をふやすのか、それとももっと私たちの生活を安全にするために百年後の安全を担保するために今私たちはエネルギーを使わないような選択をするのか、原子力をどうするか、そういったところまでをきちんと問うような、強いて言えばスウェーデンがやったような国民投票をするところまで本当はやってほしい、そう思います。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) 御趣旨は今度は十分わかりましたんですが、実は午前中もこの問題について、皆さん方からの大変な御意見やあるいはまた一般国民からの反対の気持ちがあるということはまことに残念だと私は申し上げた。しかし残念というよりは、今先生のおっしゃられるような国民に対する積極的なあらゆる手段を講じて理解を得られるような公聴会をもうとことんやるとか、そういう点に対する我々の努力がまだ足りないんじゃないかということも身にしみて感じておるということを申し上げておりますので、したがって、これからもただいま申されたようにこれをやめるんでなくて、今のいろんな計画を立てるについても事前にこれからの対処するためにはいろいろとあらゆるPRを私どもは努めるべきであるということでしたら、それについては私ももともとそのつもりでこの問題に取り組んでおることだけは御理解いただきたいと思うのでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 もう一回確認をさせていただきますが、PRに取り組んでいきたい、そのPRは原子力の安全性に対してのPRですか。それとも、本当に原子力をなくすということを考えている人がいるかいないかということを確認なさるような作業でしょうか。どちらでございますか。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) それは一方的にこうだとは申されませんし、私どもはやはり先行きに本当に安全なものができればいい。それまでの日本の、いわゆる資源のない日本としてのエネルギーをいかにすべきか、と同時に日本の産業、経済というものの連動性をいかにこれを維持していくかというものを踏まえながら私はそれを努めてまいりたいとこう思うんで、やめるための説明とかあるいはそうでないとかという一方的でなくて、私の基本的な考え方は日本国の産業の発展、経済の振興というものの前提におけるエネルギーの活用というものを前提に置いて私はやっていきたいと、こういうことでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 産業の発展というのはやはりエネルギーを伴うと思うんです。ですから、十年、二十年というけたで本当に考えるのであれば、産業の発展とエネルギーをどうするのかというところまでを視野に入れなければ議論できないと思います。ですから、そういった問題、もう産業の発展を前提とし豊かな生活を前提としていたのではこの議論はできないわけです。そういうところまでを視野に入れた上で日本はどういう方向を選択するのかというようなことを本当に国民に問うようなことをなさるのかどうかということを伺っているのです。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) くどいようで恐縮でございますが、先生のおっしゃられる点も十分踏まえた上で、私は国民に対する日本の立場というものを前提にしてPRしていきたい、こう思っております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 確認させていただきますと、本当に産業の発展という前提ではなく、原子力発電というものに対して一人一人の国民がそれを是とするか否かということを御確認くださるわけですね。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) その件も踏まえてということで御了承をいただきたいと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 では次へ参りますけれども、事故というのが絶対にないわけではない。その事故というのがまさにチェルノブイリだったと思います。そして、チェルノブイリの事故以後大変な放射能汚染がヨーロッパで進みました。日本に輸入されている食品について、これは厚生省、通産省、それから農林水産省に伺いたいのですが、輸入食品の汚染状態は今どうなっているか、その点を伺わせてください。

野村瞭厚生省生活衛生局食品保健課長

○説明員(野村瞭君) お答え申し上げます。  ただいまの御質問、輸入食品の汚染の実態ということで御質問になられたと思いますが、それに関する安全対策も含めてお答え申し上げたいと存じます。  一般に輸入食品につきましては、厚生省が所管をしております全国の検疫所におきまして、エキスパートであります食品衛生監視員が食品衛生法に基づきまして監視業務を実施しておりまして、食品衛生法に違反するものにつきましては廃棄でありますとか積み戻し等の処分を行うなど、輸入食品の安全確保に努めているところでございます。  御指摘の昭和六十一年四月下旬に発生いたしましたソ連チェルノブイリ原発事故に伴う輸入食品の安全性の確保につきましては、事故発生直後から直ちに諸外国の情報を収集し、ソ連邦、北欧及び東欧などヨーロッパ地域から輸入される食品につきまして放射能測定器によります検査を各検疫所におきまして実施しているところでございます。これら輸入食品中の放射能の濃度につきましては、放射線医学及び防護に関する権威ある国際機関でもございます国際放射線防護委員会、ICRPと言っておりますが、ここでの勧告にございます安全基準を十分下回るように、我が国の専門家の意見に基づきまして種々の放射性核種の影響等も考慮しつつ、セシウム134とセシウム137を指標といたしまして、暫定限度を食品一キログラム当たり三百七十べクレルと設定いたしまして検査を実施しております。  現在、特にヨーロッパ地域から輸入される食品のうちで食品の種類でありますとか対象国によりまして汚染のおそれのあるものを中心として検疫所で検査を実施しておりますが、事故発生以来これまでに約四万五千件の検査を実施しておりますが、現在までに今申し上げました三百七十べクレルという基準を超えました食品は、例えばトルコ産のナッツでありますとか月桂樹等の香辛料、またフィンランド産の牛の胃、それからフランス産のタイム、これは香辛料でございますが、これら合わせまして十二カ国五十一件に上っておりまして、これらにつきましては輸出国への積み戻しを指示してきたところでございます。  厚生省といたしましては、今後とも基準を超える食品が輸入されることのないよう安全確保に努めてまいりたいと考えている次第でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 ぜひそうしていただきたいと思います。健康に大変不安がないようにしていただきたいと思うんですが、ICRP、国際放射線防護委員会が決めています一人の人間の一年間の放射被曝の許容量、これはどのぐらいでしょうか。

野村瞭厚生省生活衛生局食品保健課長

○説明員(野村瞭君) これは最近ICRPでも改定がなされましたが、一般公衆人に対して被曝許容できる限度として一年間当たり百ミリレムということに定まっております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 一キロ当たり食品の中に三百七十べクレルが基準というふうにおっしゃいましたけれども、それを決められたときはたしか一九八九年、去年の四月以前の五百ミリレムのときではなかったんでしょうか。

野村瞭厚生省生活衛生局食品保健課長

○説明員(野村瞭君) 御指摘のとおり、私どもが最初に基準を定めましたときにおきましては一般公衆人の許容限度は五百ミリレムでございましたが、その後百ミリレムということになりましたので、私どもが設置をしております検討委員会で再度検討をお願いいたしましたところ、同じ三百七十べクレルでいいという結論に至ったわけでございます。  少しく詳しく申し上げますと、この基準を定める際には、我が国の一般的な食生活パターンといいますか、食構造でありますとかさらにはその中で輸入食品がどの程度の割合を占めているかということが大きなポイントになるわけでございますが、私どもは輸入食品すべてがヨーロッパ諸国から来るという前提でかなり安全率を見込んでいるわけでございます。現実にはヨーロッパから輸入される食品というのは五%ということでございますので、かなり幅があるわけでございますので、許容限度が五百ミリから百ミリに変わっても安全性は担保されるということで、検討会で同じ結論が得られたということでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 人間の体への被曝の許容量が五分の一になったにもかかわらず同じであるということは何か納得がいかないと申しますか、確かに輸入の食品が大変少ない、そういうことはあるかもしれませんが、どういう相乗作用があるのか、そして被曝した食品をやはり何らかの形で口にするわけですし、そういった基準について果たしてそれでどうなのか私も厳密にはわかりませんけれども、五分の一に被曝の許容品が減ったにもかかわらず輸入の基準は相変わらず前のままであるということ、これは何かちょっと納得がいかないと申しますか、もうちょっと調べてみたいなという気がいたします。きょうはこれ以上詳しく伺うつもりはございません。  次に輸入飼料の問題なんですけれども、今人間の食品のことについて伺いましたけれども、最近飼料の脱脂粉乳、それの子豚とか子牛への放射能被曝が問題になっている。それが指摘されています。こういった家畜でもやはり影響があるのではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

川上博志農林水産省畜産局流通飼料課長

○説明員(川上博志君) 輸入飼料につきましても、食品と同様一キログラム当たり三百七十べクレル以内という基準を設定いたしております。また検査体制につきましても、ソ連並びにその近隣諸国で製造あるいは収穫ないしは保管が行われ、さらにそれらの国を通過した飼料で放射能汚染のおそれがあるものにつきましては、通関前に輸入業者によります自主検査を実施し、その結果を国の肥飼料検査所に報告させるとともに、同じサンプルにつきまして東京肥飼料検査所におきましても検査するというダブルチェックを実施してございます。三百七十べクレルを越えましたものにつきましては、輸出国への返送を指導いたしておるところでございます。  その検査の結果でございますけれども、検査件数につきましては二十二万五千七百八十トン、これは六十一年以来平成二年の四月まででございますけれども、千五百四十三件二十二万五千七百八十トンにつきまして一応検査をいたしまして、その不合格の件数につきましては五件六百八十四トンでございます。これらにつきましては輸出国への返還をいたしておるところでございます。農林水産省といたしましては、こういった措置を通じまして飼料の安全性の確保に万全を期してまいりたいというふうに考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 実際に家畜への影響のようなものは調査なさったことがありますか。

川上博志農林水産省畜産局流通飼料課長

○説明員(川上博志君) 家畜への調査はございませんけれども、牛乳に入ります放射能でございますけれども、三百七十べクレル以内というふうに設定をいたしまして、ちょうど三百七十べクレルの放射能の含まれたそういう輸入飼料を成畜に与えまして、その結果、牛乳にどのぐらい出てくるかという調査をいたしましたところでは、二十べクレルというふうなデータがございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 とにかく人間への汚染も怖いわけですけれども、そういった家畜が汚染されそのまた家畜を私たちが食べるということになったときには、どこかでチェックがない場合には大変危険だと思います。ですから、家畜への影響も十分に気をつけていただきたいとお願いをいたしまして、次に参ります。  チェルノブイリの事故以後私は初めてピートモスというものを知ったんですが、これは土壌改良の目的で家庭菜園や観葉植物などに使われているものらしいんですけれども、これが一部北欧のフィンランドから輸入されていた。やはりこれも最近二百べクレルという高い放射能が浜松の放射能汚染測定室から報告されています。こういった汚染されたピートモスがどういう形で日本へ入ってきたのか、これも農水省に伺いたいと思います。農水省ではこれはどういうふうに扱っていらっしゃるか。

上杉健農林水産省農蚕園芸局農産課長

○説明員(上杉健君) お答え申し上げます。  これは、発端は一昨年になるかと思いますけれども、園芸用資材として輸入をしましたフィンランド産のピート板、これはピートモスを圧縮加工しておるものでございまして育苗用などに使われておりますけれども、これからチェルノブイリ原子力発電所の事故の影響と思われるセシウムが検出された、こういう報道が当時ございました。これを受けまして農林水産省では、この放射能が出るというそういう資材を使用するのは好ましくないということから、ピートモスの業界に対しまして放射能検査を行うように指導をいたしますとともに、輸入業者を通じまして輸出国側に対しまして善処方を申し入れたところでございますが、その結果フィンランドの輸出元の方から、輸出に当たりましては日本側の食品としての安全基準である三百七十べクレル、これは先ほど御質問ございましたが、これの水準を超えないものを輸出するというふうなことになりました。以後、向こう側の国営の機関などの検査を受けた上で輸出がこれまで行われてきておる、こういう状況でございます。  なお、現在のピートモスの輸入状況は、年々ふえてきておりますが、輸入先は放射能の問題のないカナダがほとんどでございまして、数字的に申し上げますと、輸入全体の九二%ぐらいがこれはカナダから入っております。フィンランドからの輸入は比率で言いますと〇・七%程度のものでございます。こういったことでございまして、一昨年の指導もございますし、放射能の汚染のおそれはないというふうに考えているわけでございますけれども、なお農水省といたしましては、輸入先国がまた変わるかもしれないということもございますから、そういった動向も踏まえまして今後必要があれば適切な指導をしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 私が伺いたいのはその量でもないし何でもないんですが、こういうものが民間のそういう測定室からわかったわけですけれども、どうしてそれだけ汚染されたものが、食品の場合には先ほど厚生省から伺いましたが、こういったピートモスのようなものが汚染されたまま日本に入ってしまうかというその経路ですね。

上杉健農林水産省農蚕園芸局農産課長

○説明員(上杉健君) これは、先ほど申し上げました安全基準の三百七十べクレルを超えるものはだめだというふうなことになっておりますから……

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 チェックしていらしゃるんですか。

上杉健農林水産省農蚕園芸局農産課長

○説明員(上杉健君) はい。これは輸入品につきましては相手国の検査機関の証明かついてございます。それから輸入後もそれぞれの業者が検査するように指導いたしております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 そうすると、相手がやるそれから業者がやるということで、公的には何もしてないわけですか。輸入に関して輸入の基準のようなものはないんですか。

上杉健農林水産省農蚕園芸局農産課長

○説明員(上杉健君) これは、輸入の場面につきましては通産省の方からお答えいただきたいと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 はい、それじゃ通産省に伺わせてください。  通産省に伺いますが――そうですね、輸出入については通産省の御担当なので通産省に伺いますが、こういったピートモスのようなこういう輸入されるものは、食品じゃなくても大変に汚染されている可能性があるわけです、フィンランドとかノルウェーとかそういうところからの場合は。

藤田昌央資源エネルギー庁長官官房国際原子力企画官

○説明員(藤田昌央君) 輸入課長が来ておりませんので……。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 通産省、お願いしてあったんですが。

藤田昌央資源エネルギー庁長官官房国際原子力企画官

○説明員(藤田昌央君) 担当は輸入課長でございますが、農水省の方からお答え申し上げたいということで先生の御了解をいただいたということで、きょう参っておりません。申しわけありません。また御質問ございましたら……

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 私はきのうお会いして、そのときに伺ったことで言わせていただけば、自由品目なので基準は設けてないということでした。こういうことですと、結局どこでもチェックをしていないというようなことが起こるわけでして、やはりどこかできちんとチェックをしなければいけないんではないか。  チェルノブイリの事故から四年たった今でもこういった影響が遠く日本でも起きているわけです。目に見えない形で、忍び寄るような形で発生しているそういった放射性物質が長い間にだんだんに私たちの中で影響を及ぼすかもしれない。最もやはり恐ろしいのはプルトニウム、そして超ウラン元素と言われるものなんですけれども、こういったプルトニウム239の半減期は二万四千年ということであれば、一たん環境中に漏れた場合にはもう何十万年でも影響があり続けるということを考えると、やはり先ほどから安全安全とおっしゃっていらっしゃることをそのままうのみにするわけにはどうしてもいかないのではないかというふうに思います。  次にもう一つ気になることなんですが、そういった確実にもう絶対安全だということが言えない原子力なんですけれども、そのODAとの関係を伺いたいと思います。  最近、インドネシアの中部ジャワで原発の発電が予定されている。そこに立地の調査に日本が関与しているというふうに報道されていますけれども、これは事実でしょうか。一九九〇年の六月十二日、十三日に開催されたインドネシア援助国会議ではこの件についてはどのような決定がなされたか、これは外務省にお伺いいたします。

木幡昭七外務省経済協力局長

○政府委員(木幡昭七君) お尋ねの件につきましては、インドネシア政府から本年三月、JICAの経済協力事業の一環としての開発調査の案件として我が国に対し、原子力発電所建設に関するフィージビリティー調査をしてほしいという要請が来ていることは事実でございます。  本件につきましては、我が方今関係省の間で検討を行っている段階でございます。検討に際しましては、インドネシアにおける電力の需給状況、電力政策における原子力発電の位置づけ、あるいはまた建設にかかる資金手当ての見通し等、いろいろ多岐にわたって検討を要する問題がございます。  他方、開発調査そのものにつきましては、インドネシア側からは毎年多くの要請が寄せられております。したがいまして、その開発調査の案件としてのまた優先順位といったものも考慮に入れるべき問題としてございます。いろいろそういう点を考えて、今検討をしているという現状でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 ODAの原発に関して、原子力発電所をODAの案件とすることについては外務省はどのような方針をお持ちですか。

木幡昭七外務省経済協力局長

○政府委員(木幡昭七君) 広く原子力分野ということで申し上げますと、その分野におけるODAによる国際協力についてでございますが、これにつきましては私ども原子力の安全性確保が何よりも極めて重要であるという認識から、これまで原子力発電分野、その原子力発電の安全規制等の問題を含め、主として研修員の受け入れとか留学生の受け入れ、あるいは専門家の派遣等の形での協力は行ってきたところでございますが、原子力発電所そのものの協力ということにつきましては私どもこれまでODAという形で推進した例はございません。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 ありがとうございました。  原子力委員会がことしの三月、今おっしゃったこの三月の会議でしょうか、で中国、韓国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイの代表を東京に招いてアジア地域原子力協力国際会議を開催したと、そしてそこで原子力発電の国際協力について話し合いが行われたということですが、それは事実ですか。

林幸秀科学技術庁原子力局調査国際協力課長

○説明員(林幸秀君) 原子力の安全確保とそれに関係します平和利用の担保といいますのは、これは開発途上国を含めまして世界の共通関心事項であるというのは先生御承知のとおりだと思いますが、その関係で特に日本におきましては、発展途上国の中でもアジアの国であるということからアジア地域の国といろいろ協力をしていこうということで考えております。  先生御指摘のございました本年三月でございますけれども、近隣アジア地域の国々の大臣を含めましたハイレベルの原子力の関係者を招きまして、原子力委員会主催によりまして第一回アジア地域原子力協力国際会議というのを開催して、近隣アジア諸国との協力をより一層推進するというための協力のあり方について意見交換を行ったところでございます。  ただ、この中で議論されましたのは、アジアの中では原子力の状況というのは大きく二つに分かれておりまして、一つは日本あるいは韓国あるいは中国といった原子力発電を実際進めておる国あるいはやろうとしておる国、それからそれ以外の東南アジアの国なんかではむしろ放射線の利用といったものを中心にした国、両方に分かれているわけでございます。これはいずれも平和利用を前提にして安全確保をきちっとやった上で進めていくということでございまして、その辺の中身につきまして協力をどういうふうにやっていくかということを議論したわけでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 インドネシアのアヒムサ原子力庁長官が二〇〇三年から二〇〇四年ごろに中部ジャワのムリア半島に原発を完成させたいという発言をしていて、これに日本が関与するのではないかというふうな情報が流れていますが、この点はいかがですか。

林幸秀科学技術庁原子力局調査国際協力課長

○説明員(林幸秀君) 今ほど御説明いたしましたことし三月の第一回のアジア地域の国際協力会議におきまして、今先生御指摘ございましたインドネシアのアヒムサ長官がその初日に発表なさいました。その中で今おっしゃいましたようなインドネシアの計画を、これはプレスの方も含めまして聴衆としていらっしゃったわけでございますが、その中で御説明がございました。しかし、それは御説明があっただけでございまして、それについてどうこうするということはその会議の場では出てございません。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 今後はいかがですか。

林幸秀科学技術庁原子力局調査国際協力課長

○説明員(林幸秀君) これは原子力委員会、科技庁だけで決める話じゃございませんでして、これは関係省庁、外務省あるいは通産省と実際そういう話があった場合によく協議をするということになろうかと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 まだ協議の席には上っていないということでしょうか。

林幸秀科学技術庁原子力局調査国際協力課長

○説明員(林幸秀君) 原子力委員会としましては、一応そういった案件がある、先ほど外務省の方から御説明ありましたようにあるということは一応お聞きしてございますが、その段階に今とどまっておるわけでございまして、実際そういうのがODAの案件として上がってきた段階でそれは原子力委員会としてそれなりの判断をするということになろうかと考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 どうもありがとうございました。  次に、省エネのことについて伺いたいんですけれども、いろいろ省エネ私も見てみましたらば、特に燃料電池ですとかそれから太陽光とか、そういったものはもし本気でやるならば相当に具体性があるということを知りました。今原子力発電所の方に入れていらっしゃるだけの精力を、科学の開発として科学技術庁としてはより積極的にこういった新しいエネルギー、特に実現性の強い太陽光発電とかそれから燃料電池、こういったものについてはどう今対処していらっしゃいますか。

大津幸男資源エネルギー庁長官官房省エネルギー石油代替エネルギー対策課長

○説明員(大津幸男君) お答え申し上げます。  ただいまの質問若干いろいろ錯綜していましてあれでございますが、私ども新エネルギーの導入促進に当たっては、いろいろな問題がございますけれども、量産によるコスト低下を図るためのいろいろな初期市場の創出というものを考えてございます。今先生御指摘のございました太陽光発電と燃料電池につきましては、先般六月十四日に総合エネルギー調査会の石油代替部会というのを開きましてその中で、私どももかなりもう使える段階に来ているというそういう認識を持ってございますが、ただいかんせんこれにつきましてはまだまだ実績等もございませんし、そういう意味ではどの程度量が今後ふえるか、その辺につきましては今後実際に使って皆さんに受け入れてもらう、そういう環境ができればそれなりの見込みができるんじゃないかと思っております。  私どもは、いろんな新エネに対してこういうものを要するに世の中に使ってもらうためのいろんな方策を行うべく努力していますし、もう一つは、今度の第二部会の中でもそういうものが使えるようないろんな環境整備等にも努めてございました。そういう意味で、私はかなりこれからは、今はほとんどゼロでございますから、それがこれからかなりふえる可能性はそれなりには期待してございます。しかし、少なくともこれはあくまでも発電量から見まして非常に小規模な発電でございますから、大容量の百万キロワットとか、そういうようなものにとってかわるようなものじゃ性格的にはございません。その辺はぜひ御理解していただきたいと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 それは大変理解した上で私思っているんですけれども、量産すればまあキロワット二十万とか三十万、今百万ぐらいかかるそうですが、それが安くなるということです。そうだとすれば、送電線の中でのロスの大変に大きい大規模な発電よりも、こういった小規模の発電が、確かに小さいかもしれませんが、たくさんできるということ。特に太陽光などは場所はとるそうですが地方だったらば随分と利用できるんではないかと思うんです。六ケ所村にしてもどこにしても、日本じゅうどこでもこういったCO2が少し出るだけで、太陽光の場合は全く何も出ない、大変環境に対しては安全であるという発電所であれば、どこの地域住民でもそういうものがあるんだとしたら、その選択をするのであれば私はやはり安全なものを選択すると思うんです。  これに対してどれだけの優遇措置とか開発のための資金、国家から開発のための援助をするとか、そういったことは実際にやっているのかどうかお教えいただきたい。

大津幸男資源エネルギー庁長官官房省エネルギー石油代替エネルギー対策課長

○説明員(大津幸男君) ただいまの御質問は太陽電池についてだと思いますが、太陽光発電につきましては、私どものサンシャイン計画等によりまして、研究開発につきましては毎年かなりの額をそれに注ぎ込んで、今先生御指摘のように割と高うございますが、少なくとも使える段階までは今達してきたんじゃないかと私は思ってございます。  問題になりますのは次の質問で、そういう太陽光発電を実際に使う場合のいろんな政策的な補助とかその点でございますが、私どもはローカルエネルギーと申しますか小さい地域のエネルギーで新エネルギーを使う場合には、これはモデル性と申しますか、皆さんに対して広報とかそういう趣旨があるものにつきましてはモデル事業と称しまして二分の一の補助を行ってございます。それで、今先生の御質問ございました太陽電池につきましても、ことしの二月に山梨県の甲府に、あるガソリンスタンド屋さんが太陽電池を使ったスタンドをつくりまして、それを私ども非常にPR効果と申しますか、趣旨があるということで二分の一を補助を行いました。そういう意味では、これが日本における第一号でございまして、その一号が今後どういう形に普及していくか私ども予想つきませんが、一応そういう意味で私どもできる限りのそういう意味の政策的な補助は行っているつもりでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 サンシャイン計画とムーンライト計画というのだそうですが、太陽とか月とかそういった地球が汚染されないような、そういったものがよりこれから熱心に開発されるべきだと私は考えます。そういうことから申しますと、余りにも今は大規模な原子力と。確かに発電所は必要なんでしょうが、その代替としてそういったものが必要なんではないかと。  そして、最後に科学技術庁長官と外務大臣にもお聞きいただきたいと思うんですが、先ほどからオランダの話、いろいろ出ておりました。やはり私はスウェーデンというのが大変気になる国でございまして、今最後に伺った省エネ、省電力を中心とした新しいエネルギー対策を模索していると、それでいながら一方で大変八方ふさがりだということも事実だろうと思います。ですから、チェルノブイリ以後に再度、二〇一〇年までに原子力発電所を全部なくすという方針を国民投票で決め、そしてさらに今度はチェルノブイリ以後に二基を近々なくすということを決め、もう大変積極的にそういうことをやっていて本当に大丈夫なのかとすら思いますが、あとSOの関係それから窒素酸化物等も、そういったものも放出しない厳しい基準をつくっている。そうすると石炭火力発電所も建設することはできない。  本当に私はきょうずっと伺ってきました日本のエネルギー対策のお話、産業を進めてなおかつそのためにどうするかということが前提になっているのに対して、本当にスウェーデンという国は大変な選択を迫られている。そしてこのことは、もうもしかしたら生活の中で電気が実際に使えなくなるかもしれない。それからもしかすると産業も輸出ができなくなるかもしれない。そういったような実際の痛みがスウェーデンにやってきたときに、スウェーデンとしてはそこでもってより大きな選択と申しますか、大変に苦しい思いをしているんだと思いますけれども、それでもとにかくそういうことをやっているスウェーデン。  それに引きかえ日本は、やはりきょうずっとお話ししてきたような内容で言いますと、幾ら日本が外国に対して地球環境を大事にしているのだと言っても、しかし国内のエネルギー政策を見ればとてもではないけれどもオランダとかドイツとかスウェーデンと比較すればやはり本気でやっているとは思えない。少なくとも国民全部でそういうことを選択し痛みを感じ、そして電力供給がもしかしたらなくなったときにどうするのかというところまで踏み込んで考えているわけですね。ですから、人間が地球の未来をどう考えるか、そのことと、現在をどう考えるか、その大きな選択に挑戦しているように思うんです。  ですから私は、今回の日本の「地球規模のエネルギー新潮流への挑戦」、こういう題がついていますけれども、日本のエネルギー政策の答申については、しかし私は本当の挑戦をしているのはむしろスウェーデンやオランダの人たちではないか。自分たちが不便をし、もしかしたら輸出すらできなくなるかもしれない。恐らく電力業界、国民、産業界、すべてが何かを問われるような事態になるんだと思うんですね。そうすると、日本の挑戦は挑戦でも挑戦になってない挑戦のように読めてしょうがなくなってくるわけですが、そういった中で果たして日本は世界の中で地球環境のリーダーたり得るのかどうか、外務大臣と科学技術庁長官にぜひ伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 大変高度なお話で、御答弁をどういうふうに申し上げていいのか先ほどから考えておりましたが、オランダのお話を出されまして、私もオランダによく参りまして、私はオランダでうらやましいと思うのは、あの国は天然ガスに非常に恵まれているということです。それで、あそこにあれだけのグラスハウスをつくって、花の栽培も全部天然ガスでやっているわけです。しかも、それが地下から出てくる天然ガスを使っている。しかも、それで国の機能が動いているという、民族というかその土地、国の持っている特性というのが日本と根本的に違うと思うんです。  我々はインドネシアあたりからガスを買わなけりゃしようがない。だから、天然ガスすら日本では恵まれていない。これはもう我々の宿命だと思います。それから、もう石炭もだめになったということも先生よく御存じだと思います。それから、石油もだめになってきた。そういうことで、新潟県の方で少し石油が出るようでございますけれども、とても産業に使えるような量が出ているわけではない。ということになってきますと、一体それじゃどうしたらいいのかという、政治に携わる者の選択する責任が出てくるんだろうと。  そこで、まあ先生の御指摘のように国民投票をやって一回国民の意思を確かめたらどうかというような話ですが、原子力発電自身がこの原子力の取っかかりから、プルトニウム、ウラニウム235とかいろいろなところから入っていって、どういう形になって実は原子力によって発電がされているのか、そこいらのことまで国民一般が実際に知り得る教育水準にあるかというと、私は非常に疑問を持っています。私も国会議員になってみて、本を読んだりいろんなことをしてみてやっと大体の全貌がつかめてきたと。しかも、私はどちらかというと自然科学の教育を受けた人間ですから、理解することは非常に文科系の人より早い教育を受けています。それでも相当難しかった。こういうことで一般の国民に原子力を使ってどうかという投票を求めるということは非常に問題が難し過ぎる。これはやはり国民から選ばれた国会議員が、少々えらくてもそれぞれ勉強してもらって、そして最も正しいと思うことをみずからの判断で意思を決定する以外にこの問題の解決の方法は私は難しいと思っています。率直に申し上げてそう思っています。  ヨーロッパを見てみたら、ソ連からほとんどガスパイプラインでガスの配給を受けているというような大陸の独特の姿がある。この島をどうするかという問題が出てくるんじゃなかろうか。電気は、御案内のように、今先生もおっしゃっていましたけれども、送電線で送ってくるようにすればどんどん電圧が下がってくるという悩みがある。電力を貯蔵するバッテリーは残念ながら工業用に使うほどのバッテリーはできない。実はこの国はエネルギーについては一つの悲しい宿命を持った国家だと思うんです。だから、あとは結局どうしたら電気をつくることができるかということを政治家が勉強し議論しながら、その国家のために自分の責任において判断せざるを得ない、私はそのような認識に立っておりまして私方々で講演するときに電気の下でこの四分の一は原子力で発電されていると御存じですかということをよく聴衆に訴えることがございます。そうして国民に理解を求めながら政治家自身がみずからの責任においてこの国家のために判断せざるを得ないのが今日の現状じゃないか。私はそういう意味で国会議員の責任というのは極めて大きいという考え方でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 本当に国会議員の責任で議論できるのならいいのですけれども、やはりむしろそうではなくて、審議会とかそういうところで議論されていることに非常に私は疑問を持ちますし、それからもう一つは、私たちがまさに今議論できるような材料が与えられない。どうやって議論できますか。これがまず第一点。  それから国民はそんなに愚かではないんではないか。スウェーデンの人もそれほど原子力の炉の中のことまで一々わかった上で判断しているのではない。しかし、その国の国民が何を選択したかということは国民一人一人の責任ですから、電気が例えばもう何時までで切れようがそれから輸出ができなくなろうが、それは国民の選択です。でも、私たちこうやって十分に材料のないところで審議もできない形ですと責任が持ち切れないと思いますし、やはりこれは何年かかってもどんな努力をしてもそれは国民がわかるような形で情報を出し、そして国家的な選択をすべきではないかと私自身はそう思います。  科学技術庁の長官にもぜひその点を責任者でいらっしゃいますから最後に伺いたいのですが、いかがでしょうか。

大島友治自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○国務大臣(大島友治君) 私は先ほど来申し上げておりますように、今外務大臣も言われましたような資源と日本の国の産業、経済の発展の宿命的なものを踏まえるということになりますと、やはり基本的には外務大臣の申されたようなわけでございますが、しかし現実の問題としてこれを進めていく上においては、先ほど来先生のおっしゃられるような御心配の点も十分踏まえると同時に、私はあくまでも、私も個人的な考えでいえば全く先生と同じように率直に物事は出して、そしてお互いに理解の上に立って物事を進めるというのが私の信念でもございますけれども、やはり政府、組織という中におってひとりよがりだけではだめなんだから、そういう点については私も先生のお考えも十分取り入れながら、政治家としてまた日本の将来、国民のためということを考えたならば、おっしゃられるようなことも十分踏まえてこの問題に取り組んでまいりたい、こう思うのでございます。  ただ、現在の状況におきましては、原子力の問題につきましては、できるだけ最大限に私は国民に理解させることをどうしたらいいかということを今連日頭を悩ませながらこれを努力していることは現実でございますので、それもお含みいただきたいと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 委員長、最後に一言。

山東昭子自由民主党

○委員長(山東昭子君) 短目にお願いします。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 外務大臣、やはり日本は国際的に問われていると思うんです、地球環境ということで。宿命的な国だということもよくわかりますが、宿命的な国であればこそ、そこでの本当に地球をリードするような思い切った発想なり政策なりを世界の人は見ているのではないか、宿命ということをしょいながらもなお日本はそれだけのことをやったということもまた一つの真理ではないかというふうに思います。よろしくお願いをいたします。

山東昭子自由民主党

○委員長(山東昭子君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後六時三十分散会

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