外務委員会 第2号
- 発言数
- 248 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/04/17
会議録
○委員長(山東昭子君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告をいたします。 去る三月三十日、成瀬守重君、翫正敏君、谷畑孝君が委員を辞任され、その補欠として山本富雄君、堂本暁子君、田英夫君が選任されました。 また、昨十六日、立木洋君が委員を辞任され、その補欠として吉岡吉典君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山東昭子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に田英夫君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(山東昭子君) 千九百八十九年七月三日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百八十三年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件、千九百八十九年のジュート及びジュート製品に関する国際協定の締結について承認を求めるの件、以上二件を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。中山外務大臣。
○国務大臣(中山太郎君) ただいま議題となりました千九百八十九年七月三日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百八十三年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 昭和五十八年に作成されました千九百八十三年の国際コーヒー協定は、国際市場におけるコーヒーの著しい価格の変動を防止し、生産国の輸出収入の安定と消費国への安定した供給とを確保することを目的として、コーヒーの輸出割り当ての実施及び停止の操作を行うこと等について規定しておりますが、同協定は昨年九月三十日に終了することとなっておりましたので、昨年七月にロンドンで開催されました第五十三回国際コーヒー理事会において、その有効期間を二年間延長することが決議されました。この有効期間の延長は、コーヒーに関する国際協力を継続するとともに、国際コーヒー理事会における新たな協定の交渉のために時間的余裕を与えるためのものであります。 我が国は、昨年九月二十九日に、有効期間の延長がされた同協定を正式に受諾するまでの間暫定的に適用する旨の通告を行っておりますが、我が国が、この有効期間の延長を受諾することにより、引き続きコーヒーに関する国際協力に積極的に貢献することは有意義であると考えられます。 よって、ここにこの有効期間の延長の受諾について御承認を求める次第であります。 次に、千九百八十九年のジュート及びジュート製品に関する国際協定の締結について承認を求めるの件につきまして御説明いたします。 この協定は、現行の千九百八十二年のジュート及びジュート製品に関する国際協定を引き継ぐものとして、昨年十一月三日にジュネーブで開催されたジュート及びジュート製品に関する国際連合会議で採択されたものであります。我が国は、本年三月二十七日にこの協定に署名いたしました。 この協定は、ジュート及びジュート製品の国際貿易の拡大及び多様化を図ることを主たる目的として、国際ジュート機関のもとで研究開発等に関する事業を実施すること等について規定しております。 我が国がこの協定を締結することは、輸入国たる我が国にとっても利益をもたらすとともに、開発途上にあるジュート及びジュート製品の輸出国たる主としてアジアの諸国の経済発展に資するとの見地から有意義であると認められます。 よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。 以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(山東昭子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 ─────────────
○委員長(山東昭子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 ただいま議題となっております両件の審査のため、本日、海外経済協力基金理事小宅庸夫君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山東昭子君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○堂本暁子君 まず、きょう議題になっておりますジュート及びジュート製品に関する国際協定について伺いたいと思いますが、ネパールとかバングラデシュなど最貧国でこういった麻の袋にする材料、麻に近い材料でございますか、のものがつくられているということで、今回どのような協定がつくられたのか、新設ということと伺っておりますので、一言伺いたいと思います。
○政府委員(須藤隆也君) 今回御審議をお願いしております千九百八十九年のジュート及びジュート製品に関する国際協定につきましては、ただいま中山大臣から趣旨説明いたしましたとおり、ジュート及びジュート製品の品質の向上あるいは生産費の引き下げ等を目的とした事業、あるいはジュート製品の消費の振興、市場開拓その他に努力することによりましてジュートの輸出国の経済発展に貢献すると同時に、ジュートの輸入国のジュート製品の安定的供給にも寄与するというような目的を持って、今般新しい国際協定をつくってそのような努力を続けていこうという趣旨で協定案ができたものでございます。
○堂本暁子君 ありがとうございました。 インドでも大変ジュートはつくられているそうでございまして、後ほどインドの食糧のかんがいに関してのダムのことも伺いたいと思っていますが、これから世界の情勢、国際情勢一般について質問させていただきたいと思います。 前回の外務委員会から今回までの間でも、世界の情勢はヨーロッパを中心に大変大きく動いてまいりました。中山外務大臣は、先日外交演説の中で、日米欧三極関係の大幅な充実によって新しい国際秩序の構築を可能にしたいと述べられました。どのような新しい秩序を求めておられるのか御所見を承りたいと存じます。
○国務大臣(中山太郎君) 東欧情勢につきましては、委員も御存じのように、大変大きな変革がさらに進行しつつあるものと考えられます。ただ、中央政府による一党の独裁体制のもとでの社会主義経済体制というものが崩壊をした後のいわゆる自由主義原理を導入した市場というものが形成されていく過程において、現在、大変苦しみを伴っている。それは経済的には累積債務を抱えた国々がほとんどでございます。この国々が新しい借り入れを起こす際のいろんな条件、例えば世界銀行等のいわゆる復興計画というものをのまなければならない、そういう場合には一部の労働賃金に関する問題とか、その国その国に応じて政治家が決断をしなければならないいろんな問題がございますので、この国々がどのような形でこれから自由化へ向かっていくのかということについて、西側の国々が相寄りまして、例えば欧州復興開発銀行というものを設立するということでほぼ合意が見られたわけでございまして、これにはソ連も加盟をする、そして出資もするというようなことに相なってまいった。しかし、事態はまだ不確実、不安定な様相を示しておりまして、私どもといたしましては、これらの国々が安定した経済の復興に向けてその政策を遂行できるように、これからも日本としてはこの欧州復興開発銀行に関与する一国としても協力をしていかなければならないと思っておりますし、また、二国間の協力もこれからケース・バイ・ケースで考えていかなければならないと思います。 そういう中で、ECの統合があと二年後に迫ってきております。これはもう動かない現実であろうと思います。そういうふうにこのヨーロッパの市場というものは、EC、さらにEFTA、それから東ヨーロッパの国々、さらに加えてソ連がこれからどのような経過をたどりますかは別といたしまして、大きなヨーロッパの市場が形成されていくことはもう間違いございません。 そういう中で、これからどのような形で日本がこの三極の経済構造を考えてやっていくかということについては、次の世紀へ向かう日本の外交戦略としては、日米欧の経済協力というものは非常に重要な意味を持ってくるのではないかというふうな認識を持っております。ちなみに経済規模で言いますと、名目GNPだけで日本は約二兆八千億ドル、米国が四兆八千億ドル、ECが四兆七千億ドルございますから、それらの国々の名目GNPを合わせただけでも相当巨大ないわゆる経済力を持った地域の連携が起こってくるというふうに認識をいたしております。
○堂本暁子君 今経済面を強調されましたけれども、例えば安全保障の面でも実質的な新しい枠組みをつくる話し合いが三極の間でなされるとお考えでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 三極の間で例えば安全保障の面で話し合いが行われるかどうかということについては、現時点で日本政府としては三極という立場で言うわけにはまいりませんけれども、先般も衆議院の委員会等で御質問がございました、例えばNATOの主催する学者等を集めたシンポジウムに日本も参加をして、ワルシャワ条約機構と西ヨーロッパのNATOとの関係、また軍縮の進行状況等について情報を集める、そういうことによってこの世界的な軍縮、平和への動きがどのような形で行われつつあるかということを日本政府としては確認をしておく必要があろうかと考えております。
○堂本暁子君 今お話に出ましたNATO、そしてワルシャワ条約機構、かつては軍事機構だったと思いますけれども、これからその集団的な安全保障機構からもっと性格が変わっていくというふうに了解していらっしゃいますか。
○国務大臣(中山太郎君) 現在変わりつつあると思っております。
○堂本暁子君 別の角度から伺いたいんですが、今度はアメリカと日本の問題で、両国は同盟関係にあるというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) そのように認識をいたしております。
○堂本暁子君 日米安保条約がある限り、同盟関係というのは軍事同盟の関係にあるのではないのか、言いかえれば軍事同盟国ではないかというふうに思われるんですけれども、その点はいかがですか。
○国務大臣(中山太郎君) 軍事だけではなしに、経済面におきましても両国が協力をしていくということが第二条に盛られております。
○堂本暁子君 実はあえて伺いましたのは、一九八一年に鈴木・レーガン会談の後の共同声明で日米の同盟関係という字句が初めて使われました。そのときには、鈴木総理は軍事的な意味合いは余りないというふうにおっしゃったんですけれども、実際に外務大臣が辞任なさるまでの事態に発展した。それ以後、八三年に中曽根総理が、この同盟関係は軍事的な側面を持っている、含んでいるということを強調されました。日米は太平洋を挟んだ運命共同体、あるいは不沈空母というような発言もまだ記憶に新しいわけですけれども、実際には現在も軍事同盟国という関係が強いのではないかという点はいかがですか。
○国務大臣(中山太郎君) 日本は専守防衛ということを基礎的な考え方として日本の防衛構想を立てております。そして、日本が軍事的大国にならないという国際的なコミットメントを確認する上からも、日米安全保障条約というものが存在することが近隣諸国に対して不安を与えない一つの効果を発揮するものである、このように考えております。
○堂本暁子君 NATOも今変わりつつある、ワルシャワ条約機構も変わりつつあると大臣おっしゃいましたけれども、そういたしましたら、先ほど二条の問題もおっしゃいましたが、日米安保もそういったむしろ政治的あるいは経済的な条約に変わりつつあるというふうにお考えでいらっしゃいますか。
○説明員(丹波實君) 安保条約につきましては、大臣から今二つの要素を申し上げたわけでございますが、一つは、日米間が同盟関係にあると申しますのは、軍事的な側面も含まった関係であるという点、それから第二条の点も大臣から申し上げましたけれども、この安保条約の性格は安保条約が成立以来変わっておりません。
○堂本暁子君 再度そこを伺いますけれども、旧安保条約にはこの第二条は入っておりませんでした。新安保条約になって加えられたわけですけれども、この条項が入れられた理由、それからどのような位置づけで入れられたのか、当時どのように考えられていたのか、そこのところをお答えいただきたいと存じます。
○説明員(丹波實君) 現行の安保条約の締結当時、一九六〇年――五九年に交渉したわけですが、日米間には既に政治、経済、社会の各分野におきまして強い協力の基盤が存在していたわけでございますが、この新条約を締結するに際しまして、日米間が当然のことながら相互の信頼関係というものを基礎にして政治、経済、社会の各分野におきまして同じ価値観に基づいて一層緊密に協力していくということを強調するために確認的に入れたのが第二条ということでございます。したがいまして、特別に新たな権利義務関係というものを設定するために第二条を設定したということではございません。
○堂本暁子君 経済協力なんかを盛った第二条でございますけれども、それでは、過去に米国側と第二条に基づいて協議をなさったような経緯はございますでしょうか。
○説明員(丹波實君) 突然の御質問でございますけれども、特に第二条というものを引用して特定の機構をつくったり、特定の協議を行ったということはなかったと私は記憶しております。
○堂本暁子君 もう一度話を転回してヨーロッパに戻りたいんですが、新しい秩序の模索が始まっている、そういう時代でございますけれども、言ってみれば、東西対峙の均衡と抑止論は失われているのではないかと思いますが、大臣、この点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(中山太郎君) まず、欧亜局長から答弁をさせていただきます。
○政府委員(都甲岳洋君) 先生御承知のように、NATOの基本的な政策は対話と抑止という二本の柱から成っております。現在におきましても欧州におきまして確かに変化は生じてきておりますけれども、しかしこの変化の過程は極めて不安定なものであるということと、このような変化が生じたこと自体がやはりNATOが一致団結して当たってきたという認識がございますので、NATOとしては当面この対話と抑止の両面の政策を変える必要はないという認識で、今後の不安定な時期に対応するために、NATO諸国としては一層団結を固めていかなければならないという認識が極めて強いということを申し上げられると思います。
○堂本暁子君 先ほど大臣からNATOもワルシャワ条約機構もともに変貌を来しつつあるというお答えをいただきましたけれども、その点とは矛盾すると申しますか、いかがでしょうか。
○政府委員(都甲岳洋君) 先ほど大臣が申されましたが、そのような方向が見えてきていることは確かでございます。というのは、ワルソー条約機構の中におきまして東欧諸国が民主化をし、そして完全に体制がいわば複数政党制に移行しつつあり、市場経済に移行しつつあるということで、従来のように社会主義を前提とした団結というものが東欧諸国の中に見られなくなったという前提がございます。そうなりますと、ワルソー条約機構軍というものが従来のようにソ連の指揮のもとに力を発揮し得るような状況でなくなったという意味で、軍事的な意味が急速に薄れつつあるというのもまた共通の認識でございます。 一方においてワルソー条約機構がそういうふうになりつつある。ですから、これは今後長い過程におきましては政治協議機構化するだろうと言われておりますけれども、そういう傾向というのは、それを受けたNATO側においても当然に傾向としては出てこざるを得ない状況でございます。そういう認識がございます。 しかし、当面まだこの不安定な時期、今軍縮交渉が行われておる段階でございまして、NATOとそれからワルソー条約軍の対峙という現実はそのまま残っております。こういう不安定な時期でこういう現実が残っている中において、NATO側におきましては、当面抑止と対話の政策によっていかざるを得ないし、それから団結が必要だという認識がまだ強いというのが現状であるということを申し上げておりますので、傾向と現状との間には私は矛盾はないというふうに思っております。
○堂本暁子君 大変微妙なところだと思いますけれども、それでも現状とそれから変わりつつある方向、これはもうだれの目にも、それから国際世論、世界の趨勢として、どちらかといえば変質し変貌していく方向性、もう玉が転がり出して坂を転がり落ちているようなそういう傾向はあるんではないか。そして多分、欧亜局長のおっしゃっている中にも、そういう傾向がありながら一方でということではないかと思います。 先日、四月十三日に外交・安保の調査会で外務省から国際情勢の御説明がございましたけれども、そのときに、欧州とアジア・太平洋地域は戦略的な環境が違う、極東のソ連軍はいまだに質的な増強を続けているんだということをおっしゃったんですけれども、アジア・太平洋ではまだそういうことでアメリカ軍を中心とした抑止そして均衡というようなことが続いているというふうにお考えでしょうか。
○政府委員(都甲岳洋君) この点につきましては、当時も多分御説明申し上げたと思いますけれども、ヨーロッパとアジアにおける戦略的な状況の差あるいは地政学的な状況の差というのがあると思います。 ヨーロッパにおきましては、御承知のように、ワルソー条約機構軍とNATO軍の地上兵力を中心とした対峙が従来中心になってまいりまして、 この分野におきましては、現在、軍備管理・軍縮交渉が進んでおります。そういうことで、ヨーロッパにおきましては、軍事的な情勢がワルソー条約軍の変質とともに大きく変わりつつあるというのが現実でございます。 他方、ヨーロッパにおきましても、米国の抑止力を維持するために海軍力は必要であるという概念は非常に強くございまして、海軍軍縮については、ヨーロッパにおいてもこれを進める状況にないというのが現実でございます。 他方、アジアの方に目を転じますと、アジアはヨーロッパのように明確な対峙的な要素になっておりません。中国の存在あるいは南北朝鮮半島の問題、カンボジア紛争の継続の問題等がございまして、それから各国の安全保障に関する利害関係も非常にまちまちでございます。そういう状況から、ヨーロッパの情勢が直ちにアジアに置きかえられないというところが一つございます。 他方、アジア・太平洋地域におきましては米国の海軍が主たる抑止力になっており、その海軍につきましては、ヨーロッパと同様、アジアにおいてもこれについての軍縮を進める状況にないということがございます。 この二つの要因から、アジアにおいてはヨーロッパにおけるような情勢の変化が及んでいないというのが現実だろうというふうに認識しております。
○堂本暁子君 今のお話ですと、まだ軍事的な緊張が続いているというお話ですけれども、超軍事大国としてはアメリカとソ連が挙げられますが、外務省としてもそのようにお考えでしょうか。
○政府委員(都甲岳洋君) 極東におきますソ連軍が、過去十年間において特に海軍力を中心として近代化、増強してきたという事実が今でも存在しているというのは共通の認識だろうと思います。そこで米ソ間におきまして、ソ連側から海軍軍縮についての働きかけはいろいろとございますけれども、米側としては、全体の戦略的な状況から考えて、海軍軍縮については、当面ソ連側とこれを行う意図はないという状況にあるというふうに承知しております。
○堂本暁子君 今おっしゃった海軍の問題ですけれども、欧米の常識的な言い方で申しますと、アメリカの方が海の力ではよりまさっているというふうに言われておりますけれども、この点についてはどのような見解をお持ちでしょうか。
○政府委員(都甲岳洋君) 米国側がどのような判断をしているかというのは米国の自律的な判断によるわけでございますが、基本的に米国の海軍が全般的なアジア地域における抑止力を維持する主要な柱になっているという認識は、アジア諸国の多くの国において共通した認識になっていると思いますし、この米軍の存在というものは、むしろ各国において安定的な存在であるというふうに理解されていると私は了解しております。
○堂本暁子君 今るるソ連の軍備について御説明いただきましたし、それから衆議院の予算委員会でも、ソ連の潜在的脅威論というものの議論はあったようでございます。脅威の定義は、侵略する意図と能力が結合したときということですけれども、ソ連は実際に侵略の意図を持っているというふうにお考えでいらっしゃいましょうか。
○政府委員(都甲岳洋君) 従来からの御答弁で申し上げておりますように、従来の政府の立場といたしましては、まさにその能力に着目をして、その能力に適時対応できるような形での措置を考えている、防衛力を考えているということだと思います。そういうことで、意図について私どもとして判断を下したことはないというふうに考えております。
○堂本暁子君 先ほど欧亜局長がおっしゃいましたように、ソ連のそういったアジアにおける軍備はいまだに大変強い、そして緩めていないということですと、そういったソ連の能力については、まだ潜在的な脅威を私たちは抱き続けなければいけないということになるわけですけれども、意図についてはコメントしないと今おっしゃいました。その潜在的脅威がなくなるという条件、どうしたら一体なくなるのか、何がなくなることの条件なのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(都甲岳洋君) まず第一には、もちろん極東方面において展開しておりますソ連軍の三分の一あるいは四分の一に当たる兵力についてソ連側がその見直しを行うということが非常に大きな要因になるだろうと思います。その他、やはりアジア方面におきますいろいろなまだ解決されていない問題がございます。これについてソ連が積極的に取り組んでいくという姿勢を示すこと。その一つには、北方領土問題の解決による平和条約の締結も含まれると思いますけれども、そのほかいろいろな局面においてソ連が積極的にこれらの問題の解決に取り組むという姿勢を示してくるということが、ソ連側に対するそういう考えを変えるに大きく役立つだろうと思います。
○堂本暁子君 北方領土の問題、そして平和条約、それが実現しない限りは、いつまでもソ連の側からの脅威が続くということになるわけでしょうか。
○政府委員(都甲岳洋君) 先ほどから申し上げておりますように、ソ連のいわば軍事的な能力というものが現実の問題として客観的に存在するという事実が大きく変わるということがやはり必要であろうというふうに思います。
○堂本暁子君 一方で、先ほどからるる御説明いただいている、欧州ではもう既に変わりつつある、そしてアジアで、世界が一つの大きな流れとなって今変革しているときに、ソ連と日本の関係でもありましょうけれども、そこのところが解決しない限り、日本はいつまでもこういう脅威論で覆われていると申しますか、そういった状態にあると日本が取り残されてしまうんではないかという気もいたします。 さらに、やはりアメリカとの安保条約の枠組みの中で日本は安全保障をしてきたわけですけれども、この脅威論という言葉が何か防衛政策、それを遂行するためのよりどころと申しますか、そういうようなものに受け取られがちではないか、また受け取られるんではないかと思います。もっと大きな流れの中でそこをどう受けとめるべきなのか、外務省の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(都甲岳洋君) 日ソ間には確かに北方領土問題が未解決で平和条約は締結されておりませんけれども、それはそれとして、一昨年の十二月以来、御承知のように、平和条約の締結に向けての共通の努力というのが具体的に始まっております。そういう中で、昨年の五月以来、日本政府といたしましては、北方領土問題を解決して平和条約を締結する、それによって関係の正常化を図るということを基本的な命題に据えながら、他の四つの分野におきましても関係を拡大しつつあるわけでございます。 こういう拡大均衡による日ソ関係の発展ということについては、ソ連側でも共通の理解を得ておりまして、この線で現在対話を進め、そして問題の解決に向かって真剣な交渉を行っているというのが現状でございますので、北方領土問題があるから日ソ関係が停滞していて取り残されるという御認識であるとすれば、むしろソ連側も最近の日ソ間のこのような展開を建設的に受けとめているということを御報告申し上げられると思います。 そういう中でございますので、日米安保条約の枠というふうに言われましたけれども、やはりソ連側も日ソ平和条約を締結するに当たって日米安保条約の存在は妨げにならないという認識を示しておりまして、日米安保条約というものは日米関係の基本であるということは十分に理解をしつつ、ソ連側としては日本との関係を進めていくという姿勢を示しているというふうに御報告申し上げられると思います。
○堂本暁子君 その場合の日米安保条約ですけれども、先ほども第二条の問題が出まして、軍事同盟だけではない、もっと経済的協力とか友好的な側面を持っているのだというふうにおっしゃいましたけれども、この点がより強調されていく、そして二条をより大きく解釈していくというような ことがございますでしょうか。
○説明員(丹波實君) 先ほども申し上げたつもりでございますけれども、安保条約の核心は、何と申しましても安保条約を抑止力とするという点にあることは先生も御承知のとおりだと思うんです。先ほどからの先生の一連の御質問を拝聴させていただいておりまして、平和に対する先生のお考えは私も全く同感でございますけれども、残念ながらあのヨーロッパですらやはり抑止力というものが効いていて、そういう力によって平和が保たれているというのがいまだに現実であって、それはアジアでも同じだと思います。そういう意味で、力というものがまだ平和というもののためにといいますか、力というものが抑止になっているというのが現実である限り、やはりこのような安保条約というものの核心として五条といったようなものが必要で、それとともに、しかし日米関係全体を見ますと、第二条に規定されているようなそういう関係でもあるというのがあの安保条約の性格ではないかと私考えます。
○堂本暁子君 当初は確かに安保条約はそういう性格がより強く、また、中曽根総理が軍事的な側面を強調されたところから、再度そこが強調されたということも確かにございましょう。しかし、第二条がある以上は、それをむしろ抑止から友好の条約へというふうに持っていくと申しますか、より強めていくということはやはり難しいことなんでしょうか。
○説明員(丹波實君) 繰り返しになって申しわけありませんけれども、最近の東西関係の変化というものにもかかわらず、国際政治は依然として力というものに裏づけられた抑止を安定のよりどころにしておるということが現実でございまして、先生のおっしゃることの意味合いというものは、今後の国際情勢がどのように進展していくかという将来の問題に対する問題提起として受け取らせていただきたい、こういうふうに考えます。
○堂本暁子君 よくわかりました。 でも、現実の問題としてあの厚かったベルリンの壁ですね、あの前に立ったときに、まさかこんなに早くあの壁が崩れるということは私ども予想いたしませんでした。そのベルリンの壁が崩れ、そして統一のための選挙というようなものも実際に行われた、こういった現実がもう幾何級数的な早さで進んでおります。 その一方で、今審議官のお答えですと、私ども日本はアジアの中の東西の壁、それは見えない壁であるかもしれません、ベルリンの壁のようにかたくないかもしれませんし、目で見える壁ではないかもしれませんけれども、そういった壁が日本という国の上に私は大変大きく立ちはだかっているのではないかという気がしてならないんです。そして日本の政府がそういう見解をお持ちであり、外交政策を展開していらっしゃるということは、むしろそこから力の軍事的な、平和と逆行した方向にこの国が巻き込まれていくのではないかという危惧すら私は抱きます。むしろ私たちはその私たちの目に見えない壁、まさに東西の対峙、アジアでの対峙という目に見えない壁を、みずからの中にある壁を積極的に打ち破っていくこと、そのことの方が大事ではないか。そしてそのことによって日本も平和に対してのイニシアチブをとっていくんだということを世界に見せない限り、恐らく取り残されていくんではないか。防衛防衛ということの方を重視しておられるそのことよりも、そこのところでアジアの中で平和をむしろつくり上げていく日本なんだという姿勢を見せなければ、やはり今この時代に世界に取り残されるのではないか。そこのところの情勢の読みを誤ることは大変危険なことではないかというふうに私思いますけれども、最後に大臣の御所見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(中山太郎君) 先生も御指摘のように、ヨーロッパにおける地政学的なあるいは文化的な、歴史的なこの流れの中での東西関係の対峙が今回平和への方向性を求めて動き出している、これは現実でございますが、日本はやはり平和を目的とすることが国民の統一された願望でございます。そういうことで、平和条約が結ばれていない日ソの間に平和条約を締結して、そしてアジア・太平洋地域における平和への模索をしなければならない、これは我々の大きな願望でございます。 そういうことで、日ソ平和条約作業グループが五つの部門でそれぞれ事務的に協議を進めておりますけれども、その中の一つでございます人物交流という面におきましても、相互が信頼できる環境を醸成していくということがやはり二国間の友好親善、平和への構築の一つの大きな手だてであるということで、例えば私が就任以来、ソビエトの経済研究所の所長を外務省がお招きしたり、あるいはソ連の経済改革の調査団を去年第一回を受け入れましたし、ただいままた第二陣を受け入れております。また先般は、タス通信の社長あるいはプラウダの編集長という方も外務省がお招きをして日本を見ていただいている、そしていろんな関係者とお話し合いをしていただいている。そういうことで、今までは御招待を申し上げても日本には来られなかった方々が、今日は来られていろいろと日本の各界の方々と意見の交換をしていただいているということから、私は日ソの関係はさらにこの人的交流を進めていくことが極めて重要であるという認識に立ちまして、来年のゴルバチョフ大統領の来日を目指して日ソ間の人的交流を一層拡大し、さらにシェワルナゼ外務大臣の来日を期待して私どもはこれから日ソ関係のよりよき姿をつくり出すために努力してまいりたいと、このように考えております。 アジアにおきましては、御案内のように、――ちょっと失礼しました、プラウダの編集長ではなくて、「新時代」という外交専門誌の編集長でございました。失礼しました。それで、やはり中国問題一つ見ても、ヨーロッパとの違いは、中国は北朝鮮との関係を非常にルーマニアのチャウシェスク政権倒壊以来強化をしている、あるいはカンボジアにおいてはポル・ポトの軍隊に対する援助が行われているというように、多極的な構造をアジアはしているのではないか。 そういう中で、私は外務大臣として先般アジア局長をベトナムに初めて派遣をいたしておりますし、カンボジア和平構築のために、昨年の八月末に開かれたカンボジア和平会議にも参加をして、どうしたら積極的にこのアジアの紛争地点の解決に努力ができるか、協力できるかという観点から、先般はへン・サムリン政権下のプノンペンに外務省の課長を入れまして、そしていろんな人たちとの接触をいたしております。 このような形の中で、先日来日されましたチャチャイ・タイ首相から、シアヌーク殿下とヘン・サムリン政権のフン・セン首相の会談を日本で行ったらどうかという御提案がなされまして、外務省としては積極的にこのチャチャイ首相の御意見を尊重いたしたい、努力をしたいという考え方で今作業を進めている最中でございますが、私どもはやはりアジア・太平洋地域の平和をつくるためにあらゆる手段を尽くしていかなければならないと、このように考えております。
○堂本暁子君 先ほど欧亜局長が現状とそしてもう一つの趨勢というふうにヨーロッパの情勢を説明なさいましたが、アジアでも石橋をたたくようなやり方と、そしてもう少し日本が本当に平和のイニシアチブをとるということで外務大臣の政治的な思い切った英断も時には必要ではないかというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。 そして次に、先ほどちょっと申しましたインドの問題に移りたいと思います。 実はあした三人のインド人が来日いたします。この三人のインド人の人たちは、ナルマダ川の流域で今行われております総合開発計画、そこでの開発の現状、特に移住先を持たない住民たちの差し迫った状況、それを訴え、そして日本からのODAに抗議するために来日するということなんです。 そこで、その工事が進んでいますのはサルダル・サロバル・プロジェクトというダムですけれども、このダムについて伺いたいというふうに思 います。 まず外務省にお聞きしたいんですけれども、サルダル・サロバル・プロジェクト、SSPと略して申しますが、のODAをお決めになるについて、日本政府としてはいつどのような内容で事前の調査を行われたか、またその調査の主体はどこだったのか、そしてどのような報告書が実際にできているのか、その点を確認させていただきたいと存じます。
○政府委員(木幡昭七君) お答え申し上げます。 本件プロジェクトにつきましては、住民の移転問題を含めまして、環境面において適切な配慮を払うということが世銀とインド側との間で実は合意されていたわけでございます。我が方としましては、その点をあらかじめ確認した上で、本件について協力をしてまいるという決定を行った次第でございます。 ただいま先生からどのような事前調査を行ったのかという御質問でございますが、我が方といたしましては、インド側から提出がございました各種の詳細な資料を検討し、さらにはまた世銀からも資料を入手いたしまして十分精査をいたしました。その上で政府調査団あるいは海外経済協力基金、OECFの審査ミッションを派遣いたしまして、本件サルダル・サロバル水力発電所計画の開発計画におきます全体としての位置づけあるいは資金計画、さらには事業実施体制等につきましてインド側から詳細な資料説明を聴取したわけでございます。さらにまた現地調査も行いまして、環境、移住問題に対する対策も含め、本件の実施計画の詳細について検討、調査を行った次第でございます。
○堂本暁子君 今、インド政府、そして世界銀行からの資料、なお日本からも実際に調査団を派遣されたというお話でございましたが、その細かい内容、それを今一々伺う必要はないかもしれませんけれども、当然お手元にあると思いますが、それを見せていただくことはできますでしょうか。
○政府委員(木幡昭七君) 本件につきましては、ただいま提出を御要望でございますので、ちょっと検討させていただきまして、できるだけ御要望に沿えるように努力してまいりたいと思います。
○堂本暁子君 具体的にどのような資料なり報告なり、それから事によりましたら要請のようなものがあるんでしょうか。
○政府委員(木幡昭七君) 本件につきましては、まだ御質問の細かいところについてどういうことを御説明できるかは追って検討させていただきまして、できるだけ御要望に沿えるように努力いたしますが、我が方の本件に対する協力の姿勢を決定するに当たって一つはっきりしておりますことは、要請の段階から、先ほど申し上げましたように、本件が世銀との協調融資案件であるということが明確であったわけでございます。したがいまして、その過程におきまして、私どもはまず世銀が行った調査、その報告書について確認といいますか、よく精査をさせていただいた。そしてインド政府側の本件についての具体的な要望等を、先ほど申し上げましたように、よく何回も調査団等を派遣した過程において聴取いたしまして、我が方としては、本事業全体に関する審査は基金の審査時点では既に世銀によって行われていた、それを踏まえた上での我が方の決定である。かつまた、我が方の供与対象は当該発電所建設のうちの発電機部分のみでございますので、全体としてはその一部であるということでございます。 しかし、現在において、先生御指摘のように、いろいろ住民等の反対運動もございますことを私ども真剣に受けとめまして、本件についての対応ぶりについては、事実関係の把握も含め、非常に慎重に臨んでいるところでございます。
○堂本暁子君 大蔵省に伺いたいと思いますけれども、ちょうど二年前私は西ドイツにおりまして、世界銀行とIMFの年次総会がベルリンで開かれるときでございました。そのときに、IMF、世銀の融資が環境破壊、そして人権侵害をもたらしていることで大変大きな、恐らく世界の五十カ国ぐらいの人たちが参加しての反対運動がございました。その中で、ナルマダの計画も、これはぜひ融資をストップしてほしいということをそういった国際的なNGOから日本の代表に手渡したということですけれども、そのことは大蔵省としては、当然出席しておられると思いますが、承知していらっしゃいますでしょうか。
○説明員(宮村智君) ベルリン総会のときに、環境関係の団体の方が、本件のダムを含めまして世銀とかIMFの融資が環境に及ぼす影響というのに対していろいろ発言をされたということは我が方も承知しております。
○堂本暁子君 次のワシントンのときにもより大きな反対運動が展開されて世銀に対しての抗議が大きく盛り上がったということですけれども、二つ問題があると思います。 それだけ国際世論が世銀に対して反対しているというときに、世銀が環境アセスメントをやり、人権問題なり移住の問題についてやっているからいいのだといって世銀任せにしてしまっていいのかということが一つです。 それからもう一つは、たとえ世銀のプロジェクトだとしても、日本が直接にODAの融資をするのであれば、日本独自の環境アセスメントなり移住についての確認をしなければいけないのではないか、そこのところに抜かりがあったのではないかと思いますが、外務省はどのようにお考えになりますか。
○政府委員(木幡昭七君) 御指摘の点につきましては、私どもとしても事実関係の把握を含めて非常に慎重に対処しているところでございまして、世銀の報告にすべてお任せするというようなことではないわけでございまして、何回も調査団を派遣し、インド側とも話し合いを行っている、かつその結果についても、私どもとしては非常に真剣にかつ慎重に対処している、こういうことでございます。
○堂本暁子君 このプロジェクトは大変大規模でございまして、ナルマダ総合プロジェクトのうちのSSPだけでも一兆二千五百億円という膨大なもので、世界最大の規模と言われています。このSSPだけでもインドの三つの州にまたがっておりまして、最も影響を受けるのは上流の少数民族ですけれども、日本の調査団はいつどのような形で何日ぐらいその少数民族が住んでいる地域に入って、その人たちの移住計画がどこにいつまでに完了するかということを御確認なすったんでしょうか。
○参考人(小宅庸夫君) お答えいたします。 SSPと言われるこのプロジェクトは非常に大きなプロジェクトでございます。ダムと発電所とかんがい用水路、三つをカバーしてインドの三つの州にまたがる大きなものでございます。 それで、基金が今融資をしておりますのは、そのうちの一部、揚水発電にかかわるものでございます。この融資に先立ちまして政府から依頼を受けまして、経済協力基金も一九八五年六月に審査ミッションを出しまして審査をしております。一九八五年六月の中旬に約十日間現地の審査を実施しております。
○堂本暁子君 現地に行くまでにもうほぼ一週間かかるというように私は了解しておりますけれども、どの地域を実際に調査なさったのか。村の数にして四百二十三でしたか、そして人の数にしてほぼ十万人、それだけの方が大変広範な地域にずっと川の流域ですから広がっているわけですけれども、たとえところどころ調査なさるにしても、十日間で果たして済むのでしょうか。実際に十日間で調査なさった報告書は当然おありになると思いますので、それをぜひ拝見させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(小宅庸夫君) ただいま御説明したとおり、経済協力基金が融資対象としておりますのはダムサイトに置かれる発電機器に関係するものでございます。したがって、審査ミッションの調査対象も主としてダムサイトを中心に行われるわけでございます。他方、本事業全体の経済的な効果、これは先ほど申し上げましたように、かんがいとか一切を含むものですから、これにつきましては、 もととなるインド政府及び世銀が行ってきた調査、そういうものを前提に基金の方で調査をしております。 このプロジェクトを承認するに当たりまして、世銀が八五年六月に審査調書なるものをまとめておりますけれども、そういうものを一応ベースにいたしまして環境面の配慮も十分行われる。今先生御指摘の移住とかいろんな環境、生態系への影響につきましては、世銀とインド政府の話し合いを通じまして一連の合意がなされております。こういう合意が一応満たされる、そういう形で環境面の配慮も十分行われるということを確認いたしまして経済協力基金の審査を終えたものでございます。
○堂本暁子君 最近OECFから現地に調査にまた行かれたそうですが、見通しとしてはこのダムは完成するのか、それとも実際に途中で挫折するような感じでお帰りになったか、そこのところを簡単に一言で結構です、お答えいただきたいと思います。
○参考人(小宅庸夫君) 今申し上げましたとおり、このプロジェクトは非常に大きなプロジェクトでございます。それで、大きな部分、大部分のところは世銀がやっているところでございます。しかし、基金といたしましても、八五年に借款協定が成立しております。したがって、案件を管理する観点から、最近担当の部長が現地に参りまして、約三週間以上滞在して先ごろ帰ってまいりました。しかし、この調査もあくまでインド政府と話し合いながら、インド政府の立てたスケジュールに従って行ったものでございます。 このファインディングを一言で申し上げますと、インド政府部内あるいはインド国内の問題はまだまだたくさんあるなということでございます。しかし、プロジェクトとしては、先ほど申し上げましたとおり、非常に大きなかんがいとか発電とか、そういう経済的な効果を持つごくいいプロジェクトであると考えております。
○堂本暁子君 いいプロジェクトだと判断されたそうですが、私ここにこういう紙を持っておりますが、これはアメリカの下院で、アメリカは直接の援助はしておりません、世銀に対しての融資国の一つですから、アメリカの下院は、現地からの住民並びにアメリカの専門家を派遣した上での調査を行いました。その結果、これだけ人権並びに経済効率、そして環境について調べた結果、アメリカの下院議員六人が世界銀行の総裁あてに、この中の内容をもう時間がないので余り申し上げられませんが、実際にSSP全体としては一兆二千五百億円ぐらいのプロジェクトです。そのうちの調達できている資金は三二%にすぎない。残り六八%は調達の見込みがない。したがって、ダムは完成できないのではないかということが一つ。それから、九万人が強制退去させられたらば路頭に迷う。再定住地はない。社会的混乱を来す。そしてほとんどが少数民族である。しかも、実際に環境破壊は塩害禍、森林の水没、そしてベンガルトラですとかセンザンコウとか、いろいろ大変貴重な野生動物がいますけれども、その野生動物も絶滅する。環境に対する被害は大変大きいということが指摘されています。そしてアメリカの下院は、この結果を受けて、世界銀行のコナブル総裁にナルマダダムへの融資を直ちに中止するよう求めて公開質問状を送っております。 これだけアメリカはきちんとNGOの専門家を送り、現地の調査をし、そして原住民を国会に招いて公聴会を開いて、そして、これは続けるべきではないと。しかも、先ほどから申し上げているように、ベルリン並びにワシントンでの世銀の年次総会の折も、全く国際世論としてそういうことはやるべきではないということがもう今まで何年間も続いてきているわけです。にもかかわらず、三週間の視察にいらして、これはいいプロジェクトであるというふうな結論を持たれたということについて、私は大変不思議な気がするんですが、委員長、実は今の調査をしたということの資料をこの委員会に提出していただきたいと思いますが、そのことを理事会でお諮りいただけますのでしょうか。
○委員長(山東昭子君) 理事会で諮らせていただきたいと思います。
○堂本暁子君 それでは、OECFの今までこのプロジェクトに関して行われたあらゆる調査の報告書並びにマスタープラン、その他契約書の類など、この委員会の理事会の決定がどういうふうに出されるか存じませんが、そのことに従っていただきたいと思います。 具体的な問題ですが、六月にモンスーン期になるともう水没する村が出てくるそうです。そして、先ほど私四百と申し上げましたが、二百三十七の村が水没するわけです。そして農地は二万ヘクタール、一万五千ヘクタールの森林が沈みます。この地域は特にインドの中でも肥沃な土地として知られているところです。現地を訪れた専門家の話によりますと、もう周りはずっとはげ山である。そして住民が移住するにも移住先がない。そしてインド政府が持っている森林への移住を頼んでも、インド政府はそれを拒否した。結局、この九万人に上る人たちの行く場所はないんですね。ですから、去年の九月二十八日からボンベイを中心として六万人規模の大きなデモが行われました。また、インドで有名なソーシャルワーカーの方やそういう方たちがダムサイトに引っ越して、私たちはこのダムとともに命を捨てる、そのぐらい大きな破壊であるということを言っておられるわけです。 そして、世銀のプロジェクトであって、日本はタービンだけだとおっしゃいますが、現実の問題として日本の人がそこでやっているということを知っているわけですし、世界銀行以外に直接の融資をしているのは日本一国だけなんですね。そして、アメリカもこうやって間接の融資でさえもそういった国際世論の反対を受けて下院で公聴会を開き、世界銀行に直ちに融資を中止するように申し入れているというプロジェクトにもかかわらず、全くいいプロジェクトだといまだにおっしゃっているということは私には理解できないわけであります。 そして、実際に住民の人たちは日本に対して反日感情を持っているんです。日本が融資をしなければ、たとえ一部であろうと日本がタービンをつくらなければ、このプロジェクトは成り立たなかったのかもしれないんです。ですから、日本に対しての反日感情がずっと高まってきている。そういったことは、もう国際的な問題としても外交問題としても私は決していいことではない。そして、この間外交・安保の調査会で朝日新聞の石さんという方がおっしゃいました。日本は、さっきの平和の問題もそうですけれども、常に環境の問題についても後手後手に回っている、何としても日本は世界環境を守るんだということでイニシアチブをとるべきだということでした。 ここで大蔵省に伺いたいんですけれども、少なくとも世界銀行がそれだけ今国際世論からの反対を受けているということであれば、大蔵省は、日本は大変な発言権を持っていると思いますから、そこでこのダムの建設は中止しようというようなことを率先して進言なさるような、そういったお考えはないでしょうか。
○説明員(宮村智君) 本件につきましては、環境団体等非常に問題視をしておるということで、私どもも世銀事務当局から本件の進捗状況、特に環境問題との関係というのはいろいろ聴取をしております。 ただ、私どもが少なくとも聞いておる限り、もともと本件は環境問題についてインド政府とか関係州政府の了解を得た上で融資を承認した案件でございますし、融資の承認の際には住民の移転問題を含めた環境問題に関して十分インド政府が配慮することを理事会で注文をつけてスタートしたプロジェクトでございます。 その後、問題があるということで、インド政府自身も八六年の一月から八七年の六月まで一年半環境問題の再調査を行っておりまして、その間、プロジェクトの実施は延期されております。 それから、世銀としましても、その後もインド 政府に対して移住とか環境問題への取り組み強化を要求しておりまして、その際、いわゆるNGO、非政府組織の環境団体ともいろいろ接触をしておるところでございます。 私どもが聞いておる限りでは、インド政府、州政府とも相当努力をしておりまして、最近進展を見ているということを聞いております。
○堂本暁子君 私の聞くところでは、もう原住民がインド政府の立ち入りをすらも阻止をしているので、移転問題は恐らく解決しないだろう。そして、今おっしゃいましたように、ワールドバンクは、ことしの六月三十日までに移住の計画が完了し、そして環境アセスメントが完了しなければ融資を継続しないということになっているそうですが、そういったような状態に立ち至っても、なお我が国はそれをいいプロジェクトとしてタービンをつくり続けるのか、私は大変疑問を抱きます。 そして世銀は、大体このダムは百四十年ぐらい使えるというふうに言っていますけれども、実際に現地をごらんになった日本の専門家は、三十年から五十年で埋まってしまうのではないかというふうに予測しています。 このダム、大変私は心打たれましたことは、ナルマダという名前ですけれども、この名前は聖なる、汚れなきという意味だそうです。そして、ヒンズー教徒にとっては宗教的な沐浴の地でもございます。そういったところを今実際セメント打ちを行って、万一完成しなかった場合には、日本の納税者の私どもの税金二十八億五千万、これは全くむだなことになるわけですし、そういった聖なる川が開発で汚されていいものかどうか。しかも反日感情がここで盛り上がっていいものかどうなのか。そういった開発という名のもとに川を汚していいのか、直ちに手を引くべきではないかという気がいたします。 しかし、インド政府はなお日本に、このタービンは全部で二百九十億かかるそうですが、日本からのこの二十八億五千万は単なる頭金の一〇%、残りの分についても追加融資を求めているということなんですが、最後にしかと承りたいのは、この追加融資をさらになさる気があるのかどうか、それを外務省に伺いたい。
○政府委員(木幡昭七君) 先ほどから御説明申し上げておりますとおり、私ども本件については真剣に、かつ慎重にいろんな御意見があること、住民の反対のあること、そういうことを受けとめているわけでございます。したがいまして、追加融資をするかどうか、この問題につきましても、極めて慎重に我が方としては対応してまいるという考えで臨んでおります。
○堂本暁子君 大蔵省にも伺っておきたいと思います。
○説明員(宮村智君) 申し上げておりますように、世銀はスーパービジョンのミッション、環境問題を含めましてこのプロジェクトが今どうなっておるか、あるいは問題となっております移転問題はどうなっておるかというのを調査するために、去年の十二月にミッションを派遣したと聞いておりますし、来月にもミッションを派遣してそのプログレスを調べるということを聞いております。私どもはこのミッションの報告を受けて慎重に今後対応していきたいと思っております。
○堂本暁子君 世銀は、八五年と八七年、そして今のお話ですと去年もミッションを送って評価レポートをつくっているということだそうです。このレポートも当然大蔵省はお持ちだと思いますので、委員長、そのレポートについてもこの委員会に御提出いただきたいと思いますので、理事会でお諮りいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(宮村智君) 世銀のドキュメントにつきましては、一応理事会の検討要ということで、私どもの承知する限りは部外には原則出さないというふうに聞いておりまして、そこのところの御理解をいただければと思います。
○堂本暁子君 ちょっと聞こえませんでした。
○委員長(山東昭子君) 部外秘ということ、その資料は部外には出さないということなんですね、宮村さん。
○堂本暁子君 国会への提出もできないわけですか。
○説明員(宮村智君) よく世銀事務局ともその点検討をさせていただきたいと思いますけれども、一応ドキュメント自身にはディストリビューションはリストリクトされるということをはっきりうたっております。これは多分借入国との関係等も考慮してのことだと思われます。
○堂本暁子君 大変政治的な判断を必要とするプロジェクトかと存じます。そういったときにこういう環境あるいは人権侵害、そして反日感情といったような国際問題をも含むような問題に関して情報をお出しにならないということは、私ども大変判断のできないことでございまして、できるだけ多くの情報を今回は御提供いただきたい。それは、これからどういうものを出していただきたいか全部一覧表をつくって理事会の方にお出ししたいと思います。 最後に大臣に、このように、日本は大変環境破壊国である。ODAによって環境を破壊している。そのようなことはしていませんということを再三私もこの前大臣の口からも聞いているんですけれども、実際にこのようなことが地域住民を苦しめている。特に少数民族を苦しめている。元のネール首相は、少数民族を大事にしなければいけないとおっしゃったそうです。インドの首相がそういうふうに言われるその少数民族を、日本がどんなかかわり方であるにせよ、やはりないがしろにするとか、そういうことは決して許されないことだと私は思っています。ですから、大臣に最後にどういう御所見かお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) ただいま政府委員から御答弁を申し上げておりますが、外務省といたしましては、世銀のさらなる情報並びにインドに駐在いたしております日本国大使からもこの件について報告を求めて、外務省としては判断をいたしてまいるというふうに考えております。
○堂本暁子君 最後にどのような調査を実際、OECFはいいプロジェクトだとおっしゃっているんです。ですから、OECFの調査に関しては私は余り、何というのでしょうか、実際に融資しておられるOECFではなくて、日本の学者でも結構でしょうし、違う役所なりNGOなりどういう機関でも結構ですけれども、第三者による厳密な調査をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(木幡昭七君) ただいまの点に関しまして、私ども本件についてはインド政府側と累次頻繁にお話し合いをしてまいったところでございます。先ほどの答弁の中によいプロジェクトであるというお話がございました点について重ねてのお尋ねもございましたが、これはプロジェクトの経済効果の側面についてのそういう評価であろうと存じます。そのほかに、今先生が御指摘のような環境の問題とか住民の移転の問題とか、いろいろ社会的、環境的側面もございますので、私どもは事実関係の把握、その評価を含めて非常に真剣に、慎重に取り組んでいるところでございます。どのようなさらに調査をしてまいるかは、またいろいろよく検討さしていただきまして対応させていただきたいと存じます。
○堂本暁子君 最後に一つ。 それでは、経済効果とおっしゃいましたけれども、このアメリカの下院の経済効果に関してのペーパーでは、全くの失敗である、完成しないであろうというふうに述べているわけです。ですから、同じ経済効果でも日本とアメリカに関しては大変見解が違うわけで、その辺のところも十分に御検討いただきたいと思います。 どうもありがとうございました。終わらせていただきます。
○国務大臣(中山太郎君) 今委員が御指摘の点に関しましては、さらに慎重に検討してまいります。
○久保田真苗君 初めに、コーヒー協定をお出しになっています。これは昨年の九月末以来二年間これを継続し、余裕を持たせた上で新協定を考えるという、そういう過程でございますから、私、こ れ自体どうということはないと思います。お結びいただくということだと思います。 ただ、これ見てましてちょっと一つ目につくことがございました。それは、現在コーヒー豆の暴落が起きているんですね。これは、資料によりますと、半値以下になっている品種もあるわけでございます。そういうことになりますと、現地の労働者の労働賃金とか、生産国の経済に与えている影響も心配が持たれるところかと思います。そのことの是非は別としまして、やっぱりこうした先進国向けの現金作物への依存度が高いという現状では、特にそのことが心配されると思うわけでございまして、コーヒー協定の重要性も感じられるところですけれども、このコーヒー豆の暴落はコーヒー協定の輸出割り当て制度が停止されているというその現状と関係があるのではないかと思うのですが、この辺の御所見はいかがでしょうか。
○政府委員(須藤隆也君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、最近コーヒー豆の価格が非常に暴落しておりますが、その背景には確かに国際コーヒー協定の輸出割り当て制度が一時的に中断しているという事情が関係あるものと思われます。 御参考までにコーヒー価格の最近の推移をごく簡単に御説明いたしますと、このコーヒー協定が一九八三年に発効して以来、ほぼ一ポンド当たり百二十アメリカセントから百四十セントぐらいの幅の値段を維持してきたわけでございますが、ただ、一九八五年末にブラジルで干ばつがありまして、その影響で一時的にコーヒー価格がポンド当たり二百セントを超えたことがございますが、そういう異常な状況を除きましては、ほぼ安定的に一ポンド当たり百二十セントから百四十セント程度の価格で推移してきたわけでございます。この背景にはこの国際コーヒー協定に基づく輸出割り当て制度がとられていたということがあったのではないかと思われます。 他方、一九八八年の四月以来、この新協定の作成作業が行われてきたわけでございますが、昨年の半ばになりましても、新協定のもとでの輸出割り当て制度の国別シェアといいますか、輸出国の割り当てのシェアをめぐって若干輸出国の間で利害の衝突がございまして、その点で合意が達成できなかったために、とりあえず二年間暫定適用して改めて交渉しようということになったわけでございますが、そのような状況を反映いたしまして、昨年後半からコーヒーの価格が従来の二分の一程度にまで落ちてきているということではないかと思われます。 〔委員長退席、理事宮澤弘君着席〕
○久保田真苗君 そうしますと、コーヒー協定の輸出割り当て制度ができないままで推移してコーヒー豆が暴落した。しかし、国内価格を見ますと、国際価格がさっぱり反映されていないんですね。非常に多くの中間段階でこれが飲み込まれてしまって高値安定という状態でございます。ですから、値が下がれば需要がふえるというような力学はそこにはどうも働いていない。また、コーヒー豆というのはもともと内外価格差が大きい商品だと言われてきておるわけでございまして、そうして見ますと、このコーヒー協定をめぐるコーヒーの価格、その国際価格、国内価格、こういう一連の構造は今言われているような一つの望ましからざる経済構造の一環じゃないか。こういうことについて、やはり閣僚の一員とされまして大臣にこういうことにぜひひとつ目をつけていただいて、こういう不合理な価格体系が内外で起こっているというようなことにつきまして私は何とかひとつ是正の御努力をお願いしたい、こう思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 今、委員御指摘のコーヒー価格の内外価格差問題につきましては、関係省庁と十分連絡をしながら、消費者重視の立場から内外価格差をできるだけ縮めるように努力をいたしたいと考えております。
○久保田真苗君 それでは、これは新協定をおつくりになるときの一つの懸案事項として割り当て制度というようなものも十分御検討いただくことをお願いしまして、私、外務省の今の国連の平和維持活動への努力、これにお話を進めたいと思うんです。 大臣は、先般の外交演説の中でも国際協力構想の三本柱というのを挙げていらして、そのトップに平和のための協力というのを挙げていらっしゃるわけです。具体的には平和維持活動への参加ということをそのトップに挙げていらっしゃるわけなんですけれども、私拝見しておりまして、確かに外務省は今平和維持活動への参加をどのようにしていくかということにかなり積極的に仕事を進めていらっしゃるように思うんです。従来は確かに財政援助ということで割り当ての特別拠出金以外にも任意拠出というものもされまして、そんな関係で、金は出すけれども人は出さないということでは困るんだというようなそういうお考えもあってか、要員派遣を八八年六月からやっていらっしゃいまして、それは四カ所への要員派遣をやっていらっしゃるわけです。そういったものがぼつぼつ経験がある程度積まれてきていると思います。また、この二月には平和維持活動、各地へのミッションを外務省からお出しになりましたですね。そして、これは新聞報道ですけれども、平和協力隊(仮称)、その構想を専門家に委嘱してドラフトしていらっしゃる。それがどうやらでき上がったらしいというふうに伺っているわけです。 私自身は、平和維持活動、この国連の活動は平和的な交渉のための事務総長の調停活動の一環として非常になくてはならないものだと思っておりますし、それから国連外交の一環として価値があるものと思っております。したがいまして、これからの参加の仕方には重大な関心を持っているものでございますけれども、ひとつこれらが進められているそのもとになる大臣のお考えなり構想をまず伺っておきたい、こう思います。
○国務大臣(中山太郎君) 国際協力の構想の柱の一つとして平和への貢献ということが日本政府の基本的な考え方であることは御理解をいただいているとおりでございますが、実際、委員御指摘のように、汗をかく平和への協力ということが今まで余りケースとしては多くございませんでした。 こういう形の中で、今日まで、御案内のように、ナミビアとかあるいはニカラグアとか、いろんな地域で日本から平和の構築のために人的に協力をさせるというケースがございましたが、この考えられる要員派遣面では、政務官あるいは選挙監視、輸送、通信、医療等の面がいろいろあろうかと思っております。こういう平和への努力をいろんな国々が国連のもとに一緒にやっていく、これがやっぱりこれからの国際外交の中では非常に国連外交というものの価値を高からしめていくものであると考えております。 〔理事宮澤弘君退席、委員長着席〕 私どもはさらにアジアではカンボジア和平についても、この国連の監視下における平和への民主的な選挙、この実現のために人も器材も提供したいということをカンボジア和平会議で既に提案をいたしておりまして、委員御指摘のような線で日本政府としては今後とも努力をしてまいるという考え方でございます。
○久保田真苗君 それで、私はまだその経験について報告書も拝見していませんし、そういう専門家の構想なんかの調査報告も拝見したいと思っているんです。まだ拝見していないんですけれども、今までのところで私が少し感じたことをきょうは言わせていただきたいと思うんです。 まず、大臣はやっぱり演説の中で特にナミビアへの二十七人の派遣、これが本格的な要員派遣の初めてのものであるということを言っていらっしゃるんです。ナミビアの状況というのは、これは国連創設以来大変に苦労に苦労を重ねた状況の中で、今ここでともかく独立というその解決を見たことはすばらしいことだと思うんです。そして、その状況については、先日肥田委員も御質問いたしましたんですけれども、私もいささかナミビアの状況について気になる点を伺いたいんです。 それは、ナミビアでは、暫定政権のもとにやはり南ア出身の官僚がたくさん行政官としてやって おりました。したがって、南アのアパルトヘイト政策がそのままナミビアにも行われていた、そういう事実があると思います。それから警察について言いますと、これはアパルトヘイト政策のもとで、やはり教会外の集会などは本当に抑圧される、その自由がなかった、そういうこともあると思います。また、いわゆる経済依存、そういう状態もあるわけでございまして、今度新しくできた政権がどれだけこういう難題を克服してやっていけるのかということに非常に関心を持つものでございますけれども、その点は大臣はどういうふうにごらんになっていらっしゃいますでしょうか。また、日本としてこの長年の努力が水泡に帰すようなことがあっては絶対にならないというその考え方のもとで、今後どういう協力がおできになると考えていらっしゃいますでしょうか。今大変大事なところだと思います。
○政府委員(渡辺允君) 若干事実関係にも及びますので、まず私からお答えをさせていただきたいと思います。 最初に、ナミビアの状況でございますけれども、確かに三月二十一日の独立までの間過渡的な期間がいろいろございましたけれども、三月二十一日の独立を契機といたしまして、南アフリカから出ておりました南西アフリカ行政長官、それからその長官のもとでの行政機構というものは完全に南アフリカに引き揚げたわけでございます。それにかわりまして新しくナミビア共和国政府が誕生したということでございます。 それから、軍隊につきましては、既に昨年四月に国連のナミビア独立支援グループが発足をいたしました時点から始まりまして、昨年の十一月中旬までの間に南ア軍は完全に撤退を完了いたしております。したがいまして、これまでのいわば人民解放軍であったSWAPOの軍隊を中心として新しい軍隊が、それから、これまで南西アフリカ警察ということで南ア警察の一部のようなものであったものの南アの部分は完全に引き揚げまして、現地の警察隊、それがナミビア共和国の警察として編成がえをされるというような状況になってまいるわけでございます。 それで、我が国といたしましては、先日も御説明申し上げましたけれども、一つには、政治、外交的な意味で独立と同時に外交関係を開設いたしました。とりあえずはジンバブエにございます我が国大使館が兼轄という形でナミビアとの交渉を持っていくということにしております。 それからもう一つ、我が国として一番できますことは恐らく経済・技術協力であろうかと思いますが、これにつきましては、現地の状況、その必要性等を十分に把握するという目的を持って近く調査団を派遣いたしたいと思っております。その調査団の報告をも参照しながら、今後先方の需要にできるだけ見合った我が国としてもできる援助をやっていきたいというのが現在の考え方でございます。
○久保田真苗君 先日ちょっと気になる記事を見たんです。それはナミビアの政権が今後も国連の監視団といいますか、独立支援グループが引き続きとどまってくれることを希望しているのだけれども、財政的な理由でそれはできない、そういう記事を見ました。もしそういうことを当事者が望み、そして手続を経て許されるのであれば、そういうことも必要だし、日本はそれに協力できるのではないかと思いますが、その辺の御所見はいかがでしょうか。
○政府委員(赤尾信敏君) 先生も御案内のとおり、三月二十一日の独立に至る国連の役割につきましては、国連の決議に基づきましてああいうことであったわけなんですけれども、国連の決議上はナミビアの独立をもってUNTAGというか、ナミビア支援グループの任務は終了したわけなんです。したがって、それと同時にUNTAGの事務所も閉鎖されました。 ただ、ナミビア政府と一部の国との二国間の合意に基づきまして、一部の国は軍隊を引き続き残留させているというのが現状でございます。一部の国と申しますのは、マレーシアとかフィンランド、ケニアというふうに伺っております。 それで、先生は今、この国のために将来も引き続き国連のもとで協力していってはどうかというお話でございますが、これも今後国連の安保理事会とか総会におきまして、そういう必要があるかどうか、あるいは必要があるとすればどういう協力をするかということを国連の方でまず検討した上で、もしも国連として協力するということであれば、日本としても応分の協力をしていくということになるかと存じます。
○久保田真苗君 引き続き見守って救いの手が伸べられるような状態を保っていただきたいということなんです。 それで、いろいろ積まれましたその経験を生かしていくということがこれから必要だと思うんです。具体的に言いますと、まず一つは、そういった四カ所への派遣の結果あるいはミッションの結果、こういったものの報告会といいますか、そういうことを開いていただいたらどうか。その経験をお互いに共有できるということにしたいものだと思うんです。私なんかも御案内いただければとてもありがたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 大変結構な御指摘でございますので、近い機会にそのような場をつくりたい、このように考えております。
○久保田真苗君 よろしくお願いします。 それから次に、これは私の感想なんですけれども、今回ナミビアへいらした方は全部新しい方でして、そして非常にきびきびと熱意を持ってやって、もちろんよい評価を受けていらっしゃるわけです。国内でも大変歓迎したかと思います。ただ、現地で、ナミビアは広い、その中でいろいろなところ、地方へ行きたいと希望したにもかかわらず、あなたたちは初心者だから人の中でやってほしい、こういうふうに言われたというんです。それはそれで結構なんです。ただ、本当に役立とうと思うならば、やっぱりいつもいつも新しい人では困るのであって、一度行った方がまた行く、そういうPKOに習熟した人材を中核に育てていくということも必要なんじゃないか、こう思うわけですが、どんなものでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘の点は非常に大切なポイントだと思います。外務省におきましても、そういう経験のある人たちを常備させて、要請があれば出すというようなことも考えなければならない、こういうことで平和協力人材センター、これは仮称でございますけれども、平成元年度予算では、要員の発掘、登録、事前研修、派遣中の福利厚生、再就職のあっせん等を一貫して実施する可能性について委託調査費を約五百万円、さらに平成二年度におきましては引き続き約五百万円の予算を計上して御審議をいただいているわけでございます。 こういうことで、このような制度をどういうふうに持っていくか。もちろんそういう機会に直接体験された方々の御意見も十分尊重していかなければなりませんし、国会の御意見も十分尊重しながら、今後安定した人材が派遣できるような体制をいかに整備すべきかということで努力してまいりたいと考えております。
○久保田真苗君 それから、イラン・イラクの軍事監視団というものにも参加なさいましたですね。これは専門家が二人ですね、公務員と民間人と二人お出しになった。ところが、これは国連としてはこの監視団の、文民ですけれども、百八十人の枠を本来国連の正規職員の募集によってやっていくつもりだった。そこへ公募が行われたところ、若い国連職員から希望が、志願が殺到した。それはお聞きになっていらっしゃるかと思います。そこへ例外として国連の職員でない人が二人入った。それが日本。やっぱり特別拠出金一千万ドルをお出しになった効果があったんだろうというような、そういう話も漏れ聞いたんですけれども、このイラン・イラクの軍事監視団には恐らく国連の正規職員が望ましいということだったんじゃなかったかと思うんです、その職務内容からして。今後は日本の場合も、国連の正規職員としていわ ゆるそういう監視団の中枢にある政務官として出す場合に、正規職員の地位で派遣するということがもう一つ考えられないものでしょうか。
○政府委員(赤尾信敏君) 国連の平和維持活動に対する日本の協力のあり方といたしましては、いろんな協力の形があると思います。先ほど大臣からも御説明がありましたとおり、選挙監視団への参加ですとか、将来は運輸、通信、医療等の分野への参加もあると思います。特に今先生御指摘のイラン・イラク軍事監視団への参加につきましては、日本は確かに政務官、これは外務省の職員を一人と、あと民間から一人派遣したわけですけれども、同時に、今先生からも御指摘のとおり、国連の本部に職員としてたくさんの邦人職員を送り込んでいて、そういう人ができるだけ参加することができるような体制はできないかということでございます。 これは私たちも日ごろからいつも問題意識を持っているところでございまして、例えばただいまの国連本部の国連特別政治部、これが主としてPKOの関係の活動をやっているわけなんでございますけれども、そこに今一人部長職の職員がおりまして、これは女性でございますけれども、非常に活動してきておりまして、私たちも彼女の活躍を大いに期待しているところでありますし、もう一人平和維持活動のフィールドサービス部にも日本人職員がおりますが、今後こういう分野への日本人職員の派遣あるいは増員ということを大いにやっていこうというふうに考えております。
○久保田真苗君 結局、これは事務総長の指揮のもとに行われるので、中枢にあるのはどうしても正規職員になると思うんですね。ですから、そこのところもひとつぜひ押さえていただきたいということをお願いしておきたいと思うんです。 それから、今後の要員派遣の予定については、カンボジアについて大臣のお考えも伺ったところなんです。私は、こういうものというのは人数を百人以上にするとか、それから種類を何種類もにする。選挙監視だけじゃなくて、医療もやれば何もやるかにもやる、何種類にもする、そういうことを誇示する必要は別にないと思うんです。なぜなら、お金の援助ということも平和維持活動にとっては非常に貴重なんですね。人員を派遣していらっしゃるのは主として小国と途上国だと思うんです。そういうところから行っていらっしゃる。したがって、それを継続的に派遣しているということは、もちろんそれは国連の経費で賄われるのであるけれども、目に見えない負担が実にたくさんあるんですね。 それは例えば家族との接触を図るというようなことですね。オーストリアのような小さい国がゴラン高原へ派遣して、その方たちを毎月一回オーストリアへ帰国させる。それから家旅を呼び寄せる場合もある。フィンランドの人たちはゴラン高原に比較的近い安心な湖のほとりに家族を住まわせている。でも、それは国連が負担するものでは一切ないんですね。それは政府がその人たちの給料に一五%とか二〇%上積みをしている。それが毎月毎月何百人そういう形で続くわけでございますので、私は、お金を拠出するということは、それだけだといって卑下する必要もないし、また威張る必要もない。できるだけのお金を出すということは、この貧乏な平和維持活動にとっては全くアキレスなんで、それはぜひそうお願いしたいと思うんです。 ただ、これから人員も出していくという場合に、やっぱりこれは役立つ基礎をまずつくるということをぜひしていただきたいんです。ただこっちから、頭からこれは何人、あれは何人というようなことはもちろんなさるはずもないと思いますけれども、先方の都合というのが大いにありまして、はまれるところとはまれないところ、チームワークのいろいろな形がありますので、ぜひそういうところに御配慮をお願いして、まずは役立つものを一つ一つ成功させていくという形でお願いできればと、こう思っているわけでございます。 カンボジアの件につきましては、先ほど堂本委員からの御質問でよくわかりました。大変熱意を持っていらっしゃるということで、これにつきましては、地域紛争というのは非戦闘員、特に女性、子供の被害が非常に多いものでして、ぜひ一日も早く解決されるように私からもお願いしたいと思います。 この平和協力隊(仮称)の構想についても、先ほど大臣がお述べくださいました。これは私が強調したいのは、この平和維持活動への協力というのは、どんな種類の活動であれ、これはまず公務中の公務だと思うんです。それは一つは、もちろん言うまでもないことですけれども、安保理事会の決議に基づいて行われる。したがって国際的な合意がある。そして当事国が同意をしている。そして事務総長の指揮下に入るという、そういう条件でございますから公務中の公務だろうと思うんです。 ところが、新聞報道だけで言っては申しわけないんですけれども、平和協力隊の構想としてこれは財団に持っていくと、財団をつくるんだとか民間委託をするんだとか、そういうことが出ているわけです。私はそういう安易な民間委託というのはやっぱり筋が曲がるということがあると思うんですね。それよりも外務省の中にしっかりとした体制整備をしていただくことの方が先じゃないか、そう思うんですけれども、今の体制はどうなっていますんでしょうか。
○政府委員(赤尾信敏君) これまで国連の平和活動に日本が派遣しましたのは、先ほどから御説明申し上げておりますとおり、四回でございますけれども、この場合は人数も限られていたということもありまして、民間人の方あるいは地方公務員の方をすべて外務公務員にいたしまして、いわゆる外務省の職員として現地に派遣したということでございまして、この点につきましては、ただいまの先生の考えと全く一致しているのではないかというふうに思っております。 ただ、将来いろんな地域紛争への介入といいますか、等を中心とした国連の平和維持活動というのはますます頻繁かつ規模も、例えばカンボジアの場合などは非常に規模も大きくなってくると思います。そういう場合に、我々といたしましては、これまでやってきたような体制のもとで果たして対応ができるのかどうかということをいろいろと今検討している段階でございます。 問題は、いかにして効果的効率的にこういう要員の派遣ができるかということでございまして、先生御指摘のとおり、あくまで外務省の監督あるいは指導のもとできちっとやる予定でございますけれども、派遣要員の人材の発掘とか訓練もいろいろと必要なわけです、いろいろな地域に参りますから。それとか、派遣にかかわるいろんな業務等を統括的に実施するための組織としてどういうものがいいだろうかということを今一生懸命検討している段階でございます。
○久保田真苗君 近ごろ行政改革でいろいろな部局をつくりあるいは課をつくり、そういうことがスクラップ・アンド・ビルドで難しくなっておるんですね。ですから、民間委託だという線が非常に安易に出てくる。そしてまた、こんなことを言っては大変失礼なんでございますけれども、そういうことをすることによって役人の天下り先をつくっていくという官庁一流の発想があると思うんです。もちろん今回そんなことは夢にも思っていらっしゃらないと思いますけれども、しかしやっぱり一つのそういう役所流のやり方というものに引っ張られないで、これはひとつしっかりと外務省の国連外交の一環であるという位置づけをお願いしたい。したがいまして、この対象となる活動は国連の負託を受けた任務に限る、こういうことをぜひ守っていただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 先ほども御答弁いたしましたように、ただいまどういう組織でやっていったらいいのか研究中でございますから、国会の御意見も十分尊重しながら、一番いいあり方をこれから研究して決定していったらどうかと、このように考えております。 なお、先般のナミビアに対する派遣の際も、実 際に私出発する隊員たちに一々お目にかかりましたけれども、あの方々は全部地方公務員が一時的に外務省の職員として選挙管理に出張していただいたというようなことでございました。 また、ニカラグアの場合は、スペイン語圏ということでスペイン語のできる人に限るというような制限がついておりましたので、私ども乏しい経験ではございますけれども、この経験を十分研究しながら、先ほど委員御指摘のように、意見を発表させる場もつくりながら、我々の国が目指すものにふさわしいものをつくっていきたい、このように考えております。
○久保田真苗君 ニカラグアのときに、確かに民間の方を起用なさいました。私は民間の方の起用が悪いと言っているわけではなくて、民間人であっても、それは公務に従事するというステータスをしっかり与える必要がある。したがって、もし事故があった場合には、それを補償するのは一切国の責任である、そのことを確認したいのでございます。いかがでございますか。
○政府委員(赤尾信敏君) まず、とりあえず私の方からこれまでどういうふうにやってきたかということでございますけれども、ナミビアの場合もニカラグアの場合も、特にニカラグアの場合はすべての方が、一人は外務省の職員を送りましたけれども、残りの方は全部民間の方だったこともありますので、すべて外務公務員に大臣から任命していただきまして、外務公務員あるいは国家公務員として派遣されました。したがいまして、国家公務員災害補償法の適用を受けるということで、この補償の問題等につきましては万全を期したつもりでございます。
○久保田真苗君 ミャンマーの問題に移りたいと思います。 これは八八年九月にビルマの軍部が権力をとりまして軍事政権ができましたですね。そのときに二千人以上の死者を出したと、こういうふうに言われているわけなんです。それは九月十八日のことだったんですけれども、その後八九年二月に、日本はこの軍事政権が国を統治し得る能力があるということで早々とこの軍事暫定政権を承認しておりますね。 ところが、この軍事政権が、その後外国通信社を締め出したり、ニュースを検閲したり、戒厳令を布告したり、それから野党の指導者、女性で随分名が知れておりますアウン・サン・スー・チーさん、こういった方を軟禁して国政選挙に立候補できないようにしている。そしてまた、これに反対する民衆の殺害事件も起こっているようだと、こういう選挙干渉とか人権侵害とかが報ぜられているんですが、それはともかくとして、この五月二十七日にミャンマーの総選挙が行われる。その日が日に日に近づいているわけなんです。もちろん外務省はこれに関して正確な情報をおとりになって調査していらっしゃると思うんですけれども、こういう国内状況で公正で自由な選挙が本当に約束されるのかどうか、民主的な政権が期待できるのかどうか、こういう点についてどういう所見をお持ちでしょうか。
○政府委員(谷野作太郎君) ミャンマーの状況につきましては、先生からただいまお話がございましたように、八八年九月に国軍が全権を掌握したという状況がございました。しかしその後、複数政党制によりまして総選挙を実施するということになりまして、現在、御案内と思いますけれども、選挙法をつくったりその他関連の法令を公布いたしまして、今お話がございましたように、総選挙に向けていろいろな準備、選挙運動が始まっておるということでございまして、これもお話がございましたように、五月二十七日に総選挙が予定されておるということでございます。 いろいろ問題はございますけれども、一応国内の治安状況は、学校の方も逐次正常に復したりいたしまして、一応正常化に向けていろんな努力が始まっておるということではあると思います。 そこでただいま、さはさりながら一部の、例えばアウン・サン・スー・チーさん等が選挙に参加する道が閉ざされていたじゃないかというお話がございました。私どももこの点については心配をしておりまして、日本政府、外務省の報道官のレベルでミャンマー政府の民主化、開放化の努力が実を結び、国際的に認められるためにも、総選挙にすべての政治指導者が参加できることが望ましいと、そういうことをミャンマー政府に伝えてきておる次第でございます。当面五月二十七日の選挙に向けて状況がどういうふうに展開しますか、引き続き今後の状況を注意深く見守ってまいりたいと思っております。
○久保田真苗君 アウン・サン・スー・チー女史が監禁されているという、その理由は聞いていらっしゃいますか。どういう理由でこういうことになっておりますんでしょうか。
○政府委員(谷野作太郎君) 先ほど申し上げましたように、一応選挙法その他の関連法規を公布したわけでございますけれども、アウン・サン・スー・チーさんにつきましては、そのような法規に違反したということで選挙へ出る資格を認められなかったということのようでございます。
○久保田真苗君 ともかく日本政府としてはすべての政治指導者が自由に選挙に参加できることを望むという、そういう通告をしているわけですね。
○政府委員(谷野作太郎君) この点につきましては、現地におきましては、大使から先方の政府の高いレベルに内々申し入れを行っておりますし、東京におきましても、私どもから先方から参ります閣僚等にその点を私どもの真剣な気持ちとして申し入れてきております。
○久保田真苗君 申し入れがあったということでございまして、それに関連しまして、今ミャンマーへのODAがどうなっているかということなんです。 実はこれほんの二、三日前から在日ビルマ人の方たちが、日本からのODAは困るんだ、やめてもらいたいんだ、こういうことを国会議員にいろいろ言っていらっしゃる。これは総理大臣にも外務大臣にも行かれたと思うんです。こういう声が上がっている。ODAがこういった軍事政権の延命につながるということなんだと思いますけれども、前にマルコス政権のころの援助のときに聞かれたように、現地の方たちからこういう声が出ているということは、ともかくこの納税者の血税がODAとして行くわけなんで、そういう批判を受けるということはまことに本意でないんですね。こういうことについては、現地の状況あるいはどういうふうにこれが使われているのかということなど十分に調査をなさいましたでしょうか。
○政府委員(木幡昭七君) ミャンマーに対するODAの協力でございますが、先ほど先生が御指摘になったミャンマー国内の武力衝突の事件以来、かつその状況が長期化したこともございまして、我が方の対ミャンマー援助は事実上停止を余儀なくされてきた次第でございます。しかしその後、新政権の承認によって日本・ミャンマー政府関係が一応正常に復したこと、また、ミャンマー国内でも治安の回復が一応もたらされたというような状況を見まして、停止を余儀なくされておりました実施中の案件について、問題がないところから少しずつやっているというのが現状でございます。しかしながら、新規の案件につきましては、緊急的あるいは人道的な性格のものは別でございますが、いましばらくの間引き続き状況を見守るということで慎重に対処しているところでございます。
○久保田真苗君 こうした政治的な現状からしまして、あるいは政治的な指導者に対する選挙への参加の状況からしまして、日本政府も一定の考えを述べておられる以上、この状況によっては新規のODAにも影響が当然出るだろう、与えかねないというふうに思うのでございますけれども、その点の御所見はいかがですか。
○政府委員(木幡昭七君) 御指摘の問題点は私ども大事な点と受けとめておりまして、今後の状況を慎重に見守りながら、いずれにしろ、新規の案件の約束等については十分慎重な判断をさしていただく、そういうことでございます。
○久保田真苗君 ミャンマー情勢、ひとつ大臣に も御注意を喚起さしていただきまして、これから現地の状況なども十分把握していただきまして、ひとつ抜かりのない御対処をお願いして、私の質問を終わります。
○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘のミャンマーに対する日本国の経済協力につきましては、ミャンマーが受けている海外からの援助の中で日本が占める部分が一番大きいという点も踏まえて、私昨年就任以来、ミャンマーの政府の方が来られた際にも、公平な選挙が民主的に行われることが日本政府の強い要望であるということをお伝えをいたしております。御期待に沿うように今後とも努力をいたしたいと考えております。
○委員長(山東昭子君) 午後一時まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(山東昭子君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、鳩山威一郎君が委員を辞任され、その補欠として野村五男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山東昭子君) 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○太田淳夫君 最初に、議題になっておりますところの条約のことにつきまして何点かお尋ねしておきたいと思います。 国際商品協定は、目的と内容がいろいろあるわけでございますけれども、今九つあると聞いておりますけれども、この国際商品協定の現状についてちょっとお聞きしたいんですけれども。
○政府委員(須藤隆也君) お答えいたします。 御指摘のとおり、国際商品協定、現在機能しているものは七つと理解しておりますけれども、そのほかに商品の研究会というのがございまして、商品協定ほどではございませんが、各商品についてのいろいろな研究を通して商品の安定に寄与しているというような活動をしているわけでございます。 我が国としましては、開発途上国の多くの国が経済の存立の基盤を一次産品の生産と輸出に大きく依存しているという事情にありますので、このような一次産品の貿易の安定及び拡大が図られるということは、開発途上国の経済的安定のみならず、世界経済の安定にとっても重要であるというような基本認識に立ちまして、この商品の需要と供給の安定を図ることによって生産国と消費国の双方の利益に寄与するということを目的としてつくられます国際商品協定、これに積極的に参加して貢献していきたいという方針を持って対処しているわけでございますが、今後ともこのような商品協定の重要性を十分に認識して一次産品の分野での国際協力を引き続き推進していくことが必要であるというふうに考えております。
○太田淳夫君 今回のこのコーヒー協定の延長は、価格調整機能でありますところの輸出割り当て条項を停止しての延長である、こう聞いているわけですけれども、その他小麦、熱帯木材あるいは砂糖、オリーブまたはジュート協定、そういうものは統計整備、情報交換が主な業務になっておると聞いておるわけです。また、国際すず協定は一九八五年に緩衝在庫が財政破綻を来したまま昨年終わっている。現在、清算手続が行われているという状況にあることから、これらの国際商品協定の有効性にいろいろと疑問が投げかけられているわけですけれども、今のお話ですと、この開発途上国の安定のためにはどうしても必要なんであると、こういうこともあったわけでございますけれども、現状、その認識あるいは今後どういうような対応を図っていかれる所存なのか、その点をちょっとお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(須藤隆也君) 御指摘のとおり、国際商品協定は商品ごとにいろいろ事情が異なりまして、例えば今御指摘のございましたすずにつきましては、なかなかうまくいかずに清算するというような状況になっているわけでございますが、そうは言いましても、やはり商品協定そのものの重要性というのは引き続きあると思われますので、やはり対象産品の特性に応じまして協力の具体的な方法につきまして考えていく必要があるんじゃないかということで、物によりましては緩衝在庫を引き続き維持していく。例えばココアと天然ゴムにつきましては緩衝在庫が機能しております。それから、その他のものにつきましては、統計整備とか情報交換とか、あるいはジュート協定の研究開発というように、物によりましてそれぞれの協力の方法を考えて現実的な対応を考えていく必要があるんじゃないかというふうに考えております。
○太田淳夫君 確かに発展途上国に対する国際協力の観点から、やはり一次産品の問題についていろいろと我が国の対応を図っていくことは重要であると思うんですけれども、昨年六月に一次産品共通基金設立協定、これが発効したわけですけれども、この現状はどうなんでしょうか。発足後間もないために、まだ機構整備の段階にある、こういうことを聞いているわけですけれども、この共通基金の設立には日本も大きな役割を果たしてきたわけですから、今後この共通基金の機能を生かしていかなければならない。そのためにはどのような寄与をしていくお考えなのか、お尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(赤尾信敏君) ただいま先生からお話がありましたとおり、一次産品共通基金は昨年の六月十九日付で発効いたしました。 この発効に至る過程におきましては、日本政府といたしましては、一次産品が開発途上国にとっていかに重要な生産物であるか、その価格の安定あるいは生産の増大がいかに重要であるかという観点から、早期発効に向けて国連の場を中心に一生懸命運動してきたわけでございます。その結果ついに発足に至ったということは非常に結構なことだと思っております。 ただ、この一次産品共通基金が正常に運営されるためには、いろんな規則、財政規則ですとかいろんな規則をつくる必要がありまして、ただいま理事会の会合を重ねまして、その理事会の場で鋭意検討いたしておりまして、私たちの目標といたしましては、ことしの六月に第二回総務会が予定されておりますので、それまでにいろんな規則を完備した上で正式に活動を開始するということを目途に鋭意努力いたしております。
○太田淳夫君 今回のコーヒー協定の延長は、新しい協定をつくるための時間的余裕を与えるため、こう理解できるわけですけれども、一九八三年協定の運用におきましては、加盟国市場と非加盟国市場が存在することによって、輸出割り当て制度が導入された場合いわゆる二重価格の問題が生じた、こう聞いているわけです。また、アラビカ種とロブスタ種の二大品種の間に価格の大きな差があることから、それぞれの生産国間の利害も異なっている、こう聞いているわけです。こういうことからしまして、二年間の延長期間を置いて新協定作成の見通しが果たしてできるのかどうか、あるいは一九八三年協定の運用上の問題あるいは新しい協定をつくるに向けての生産国あるいは消費国の対応、それはどうあるべきか、その点どのようにお考えでしょうか。
○政府委員(須藤隆也君) 御指摘のとおり、一九八三年の国際コーヒー協定に続く新しい協定をつくるための交渉におきましては、ただいま御指摘ありましたような二重価格の問題とか、それからさらにもっと難しい問題は、輸出国同士の輸出割り当ての配分をどうするかということがございまして、現状を維持したい国と現状以上に配分をふやしたい国との利害の対立がございまして、これまでのところ合意に達することができなかったわけでありますが、この延長された二年間に関係国の真剣な努力によって新しい協定ができることを期待しております。特に最近のコーヒー価格の値下がりから、コーヒーの輸出国にとりましても現状が続くことは非常な不利益になりますので、そ ういう事態も踏まえて新しい協定締結への機運が盛り上がっているものと思われますので、新協定作成のための合意ができるチャンスはあるのではないかと考えておりまして、我が国も、消費国といたしましてこの二年間の延長協定に参加することによって新協定の作成にも積極的に貢献してまいりたいというふうに考えております。
○太田淳夫君 次はジュートの件でございます。 ジュートは、主要生産国を見てみますと、バングラデシュとか、あるいはネパール、インド、そういう国々になるわけです。日本も協定の作成、運用に大きな役割を果たしてきたことは評価されるわけですけれども、一次産品総合計画の「その他の措置」についての最初の協定である一九八二年のジュート協定の第二次協定が作成された。これはいいことだと思いますけれども、一九八二年協定は生産国の経済にどのように寄与したと外務省としては判断されているのか。あるいはこの協定のもとで実施されました研究開発あるいは消費振興等の具体的な事業、これはその後どういうような状況になっているのか。また、それに対する我が国の参加、協力の状況についてお尋ねしたいと思うんです。
○政府委員(須藤隆也君) 一九八二年のジュート協定につきましては、昭和五十九年一月に発効しておりますが、現在までに研究開発等に関して二十の事業を承認してきております。しかしながら、まだ協定が新しいこともありまして、二十の事業のうち既に実施が始まっているもの、これから実施されるもの等いろいろございます。例えば二十の事業のうちの一つに、ジュート及び関連繊維の胚原質の収集、保存、分類及び交換プロジェクトというようなものがございますが、これはジュートの品質を改良することによってジュートの生産性を高め、競争力を高めることを目的とするプロジェクトでございます。このようなプロジェクトが今後順調に進んでいきますと、ジュートの生産及び供給の安定、生産コストの削減が図られることによって、生産国におけるジュート産業の活性化につながるものではないかと思われます。特に、御指摘のとおり、バングラデシュは輸出所得の四割近くをジュートの輸出に依存しているものでございますから、このような研究開発プロジェクトの成果に期待するところは非常に大きいものがございます。 それから我が国の協力につきましては、先ほど申しましたプロジェクトにも参加しておりますし、特に我が国におけるジュート製品の消費振興、市場開拓事業のためにも拠出しておりまして、先ほどのプロジェクトと消費振興事業を両方合わせまして、これまでに合計で五十万米ドルほどの拠出を行って積極的な貢献をしてきておりまして、新国際ジュート協定のもとでも引き続き協力してまいりたいと考えております。
○太田淳夫君 それでは問題を変えますけれども、きょうの各紙の報道を見ますと、この予算委員会でもいろいろ問題提起をされておりましたところの対中国第三次円借款についての問題が報道されております。 ある報道によりますと、「自民党の小沢幹事長は十六日、国会内で中山外相と会い、昨年六月の天安門事件以降、凍結している対中国第三次円借款について「米中関係と日中関係は違う」と述べ、早期に凍結を解除するよう求めた。外務省が米国議会内の中国に対する人権問題批判に配慮、慎重な姿勢を崩さないため外相に再考を促した」ということが一つありますし、また、ある報道によりますと、同じように小沢幹事長が申し入れをしたと。「「米国を説得してでも凍結を解除するべきだ。日本と米国では中国に対する立場が違う」と申し入れた。」、それに対し「外相はとくに答えなかったという。」という報道がそれぞれされておるわけです。また、政府筋は「「基本的には日中二国間の問題だから、サミットがあるからどうこうという訳ではない。サミットではこの問題を日本としては提案しない」と述べ、七月のヒューストン・サミット前に日本独自の判断で凍結を解除する可能性もあることを示唆した。」、こういう報道がされているわけでございます。確かに予算委員会でも大蔵大臣あるいは総理の姿勢等はそれぞれ報道されているわけです。しかし、外務大臣の御意見等はちょっと見えなかったような感じがするんですが、外務大臣、いかがなお考えでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 基本的には日中関係というものは長い歴史的な経緯を踏まえまして、お互いに重要な隣国であるという考え方を堅持しております。中国の近代化支援の日本の立場には何ら変わりはございません。 私どもは、既往案件につきましては条件の整ったところから実施中でございまして、新規案件については慎重に今検討をしているという最中でございますが、九〇年度新規案件については、予備的準備行為も既に実施をしておるという中で、小和田外務審議官を先日来北京に派遣をいたしております。これはあくまでも次官級の政治会談をやっているわけでありますが、きょう小和田外務審議官の帰国の報告を私は受けることになっておりまして、この最も新しい事態における中国政府の考え方というものもよく外務審議官から報告を聞いて、外務省としてはこれからの方針の指針にしたい、このように考えております。
○太田淳夫君 この問題につきましては、我が党も予算委員会等で同僚の委員から意見の開陳等がございまして、それぞれ進められておると思います。今お話しのとおり、小和田外務審議官がお帰りになったら、外相がお聞きになっていろいろとこれからの対応をさらに前進をする方向でお考えになる、こう私どもは承っておるわけでございます。 せんだって、これもある新聞に中国の古い友人がいろいろと意見を述べている記事が出ておりました。それは、「中国は早くから中国との友好に努めてきた人を「最初に井戸を掘った人」として大切にし、民間人でも国賓並みの待遇で歓迎」している。あるいは日本の政治家の中にもそういう方々がお見えになりますね。その方は、一人の方でございますけれども、こういうことをおっしゃっておりました。天安門の事件、確かにあの問題については学生にも問題があったし、あるいは中国政府も対応を誤ったんじゃないか。しかし、これは「中国政府を批判するつもりで言っているのではなく、ただ残念だと言いたいのです。米国政府がそれをとやかく言うのはおかしな話です。中国には中国のやり方があり、外国人が指示をすべきではありません。」、こういうことをこの方がおっしゃっているわけです。 米国政府、特に議会がいろいろ人権問題等で厳しい態度をとっていることもよくわかるわけでございますけれども、この間予算委員会で私もちょっと述べ忘れたんですが、今のブッシュ大統領は初代の北京事務所長でいらしたわけです。したがって、日本に対してもいろいろと友好的な態度、姿勢を示されているようでありますけれども、本質的にはやはり中国の現在の首脳と非常に親しくされている。したがって、日本はやはりある程度日本独自として中国問題の解決の方途を探ってまいりませんと、むしろアメリカの方が日本を差しおいて、あのニクソン外交ですか、ありましたね、頭越しで米中の国交回復に進んでいった。日本はその当時一歩おくれたわけでございますが、そういったようなアメリカとしてはドラスチックな解決の方法もとるんじゃないか、私はそういうふうに考えていたわけですが、今外務大臣のお話をお聞きしておりまして、予算委員会等で政府も前向きな答弁をされている。したがって、外務省もこの辺でやはり日本は日本の独自の姿勢として、日中問題についてもいろいろと米国政府に気兼ねをしているなんて報道されることなく、日本の外交の本筋として外務省はやはりイニシアチブをとった行動をしていただきたい、こう思うわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 海部内閣としては、海部総理が西欧各国の首脳と会談をいたします際にも、アジアの国としての日本が中国に対するどういう考え方を持っているかということは絶えず会う首脳ごとに説明をしてこられております。すな わち、中国を孤立化させることは国際社会の中で決して幸せな方向ではないということで、日本側はあくまでも中国を孤立させないということが大事であるということを主張し続けてきておりまして、そういう立場から我々の国というものは中国がさらに改革・開放路線を進めてもらうということが何よりだと。私も先日来、例えば人民日報の社長が来られたときもお目にかかっていろいろお話をいたしておりますし、あるいは日中友好二十一世紀委員会の座長でしたか、会長がお越しになったときも懇談の中で日中関係のあり方というものを申しておりまして、政府としては一貫して孤立をさすべきでないという考え方で進んでおりますし、我々としては申し上げたような案件をただいま検討し、できるものから前向きな考え方で進めていくという方向にあるわけでございます。
○太田淳夫君 次に、日ソの問題についてお尋ねしておきたいと思うんですが、御承知のとおり、ゴルバチョフ大統領のウラジオストク演説あるいはクラスノヤルスク演説を初めとしまして、ソ連は我が国に対して関係改善に非常に意欲的だ、こう言えると思います。 最近では北方領土問題を交渉の場にのせようという動きもあるようですし、またヤコブレフ政治局員の信頼醸成への積極的発言もあったわけですが、こうしたソ連側の動きに対してやはり日本としてもできる限り関係改善に積極的に努力すべきじゃないか、こう思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 日本政府としては、もう繰り返しで大変恐縮でございますが、北方領土問題を解決して日ソの平和条約を構築したい、締結したいという基本的な考え方は何ら変わっておりませんし、そういう状況をつくるための日ソの間の人間的な信頼を深めさせていくというためには、日ソ平和条約作業委員会の、何といいますか、五つの項目の中の一つである人物往来、人的交流というものにも大変力を入れていることは委員も御承知のとおりであります。 ただいまも経済改革に必要なミッションが日本へ来られておりますし、私は実は今夕も、今仙台に軍縮問題で来られているソ連の次官ともお目にかかることになっておりまして、私どもとしたら、日本というものをもっとよく理解をしてもらいたい。しかも世論が大変な力を持ち出した民主化の進んだ今新しいソ連への変革の過程の中で、オピニオンリーダーの方々と日本のそれぞれの関係者が話し合っていくということが我々の関係の解決に一つの大きな力になっていくのではないかというところで、特にそういう面に配慮をしておるということを申し上げておきたいと思います。
○太田淳夫君 今お話のありましたウラジミール・ペトロフスキー・ソ連外務次官ですか、お話のように今夕お会いになるということでございますね。 そこで、軍縮という面から若干お伺いしたいと思うんですけれども、ゴルバチョフ大統領のアジアにおける軍縮提案というのは非常に広範囲にわたっておったわけですね。これは中距離ミサイル四百基の撤去であるとか、あるいは極東から二十万人の兵力を一方的に削減するということを表明されてきたわけですが、これは欧州地域の削減から比べましても、比率的にはむしろ高い削減ではないかと思われるわけです。また、太平洋艦隊を三分の二削減するとか、あるいはソ連領外のアジア地域に駐留する全兵力を撤退させようということで、モンゴル等も撤退を考えていられるようですね。 こうしたソ連の動きに対して、関係を少しでも改善していこうという我が国としては、やはり何らかの対応というものを考えるべきではないか。これは外務省というよりもむしろ防衛庁かもしれませんが、その点に対する外務大臣のお考えをちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 先にちょっと欧亜局長から……。
○政府委員(都甲岳洋君) 先生今御指摘になられましたソ連側の一方的な削減について幾つかの提案がございます。これについて確認されるものにつきましては、私どもとしても基本的にはこれを歓迎するところでございますが、先生御指摘の中で若干事実関係について触れさせていただきますと、中距離ミサイルの四百基撤去というものにつきましては、アメリカとのINF合意の中で、ソ連東部地域よりの四百基の撤去ということでアジア地域から百基の撤去ということになっておりますけれども、これはいずれにしましても米ソの合意の枠の中での撤去ということでございますので、一方的ではないという事実関係だけを指摘させていただきたいと思います。 それから二十万人削減につきましては、ゴルバチョフが北京に行きましたときに、昨年でございますが発表いたしましたのは、東部地域から二十万人、極東地域から十二万人ということを言っております。この十二万人の内訳はどういうことになるのかということは必ずしもつまびらかになっておりませんので、例えばモンゴルから五万人を引くと言っておりますけれども、それはこれに含まれるのかどうかとかというような問題もございまして、必ずしも今までのところ明らかになってない。そういう意味では、私どもとしては実態をなお見る必要があるということがございます。 それから、太平洋艦隊の三分の二の削減という御発言がございましたけれども、これは多分何らかの誤解だろうと思います。北京におきましてゴルバチョフが発表いたしましたのは、十六隻の極東からの廃棄ということを言っておりますけれども、これは防衛白書によりますと、太平洋地域におけるソ連艦隊は八百隻以上でございますから、それからすると五十分の一ということになりますので、規模的には大体その程度のものではないかということと、一般的に言われておりますのは、古くなった艦艇の一部撤去ということは行われたようだということで、そういう事実を指摘しているんではないかというような議論もございます。 いずれにいたしましても、全般として見ますと、やはり極東方面におきましてソ連軍が全体の三分の一ないし四分の一を配備してきたということ、特に艦艇につきましてはその質的な近代化を強めてきているということ、そういう意味で、その軍事的なプレゼンスはむしろ強化されたという状況が続いているということは事実でございますので、そういう事実を前提といたしまして、私どもとしては、それから北方領土におきましては依然として師団規模の兵力が展開されておりますし、こういうような状況をまずソ連側において改善していただくということが非常に必要なんではないかという認識を強く持っております。
○太田淳夫君 衆議院の予算委員会における総理の答弁を見ましても、日ソ関係については、今までのようなかたくな一辺倒の姿勢であってはいけない。できるだけ人的、文化的な交流を拡大均衡の形で進め、信頼できる関係を構築したいという日ソ関係の今後の拡大についての姿勢も述べてみえるわけですけれども、せんだっても四月三日の予算委員会で石川防衛庁長官がやはり今御答弁されたと同じようなことをお話しになっているようですね。極東ソ連軍は量的には減っても質的な近代化が進み、ソ連の脅威は残ると。これに対しまして、モスクワからの時事の報道ということで各紙に報道されておりましたけれども、ソ連の外務省のグレミツキフ情報局第一次長は「日本側が懸念を持つなら、ソ連は極東ソ連軍の問題、およびアジア・太平洋地域の広範な緊張緩和の問題について話し合う用意がある」、「この話し合いはいかなるレベルでも、何カ国が参加してもよい」と、こういう提言もされているわけですが、これについては外務省はどのように受けとめていらっしゃいますか。
○政府委員(都甲岳洋君) アジア・太平洋全体についての安全保障の問題につきましては、けさほどもこの委員会で御答弁申し上げましたように、ヨーロッパとはやや違う戦略的、地政学的情勢にあるということは御説明申し上げたとおりでございます。そういう背景はございますけれども、日ソ間におきまして、従来ともアジア・太平洋地域 の安全保障の問題につきましては、日ソ外相会談あるいは事務レベル協議等におきましても十分に率直な意見交換を行ってきておりますので、今後ともこの分野における意見交換を率直に行うということは相互理解の観点からも必要だろうと思います。そういう意味で、先般、昨年の九月に中山大臣がシェワルナゼと会われたときにも、次に東京に来られたときにはこの安全保障の問題についてより突っ込んだ話をしようということを合意されておられますけれども、私どもとしてはあらゆるレベルでそういう対話を今後とも続けていくことは必要であるというふうに考えております。
○太田淳夫君 ソ連がいろいろとそういった軍縮提案を今行っているわけですけれども、ソ連はいろいろ提案をする、日本はいろんな理由でそれを忌避をしてきているというのが現状じゃないかと思うんですが、その中で、やはりせんだっての予算委員会でも我が党の市川書記長が問題提起しておりましたけれども、そのいろんな軍縮提案があって世界が軍縮の方向に進んでいる、平和の配当をいろいろとどのようにそれぞれの国の平和、経済の繁栄のために使っていくか、いろんなことをやっている中で、我が国としては防衛費を突出させているという形で示してきているわけですね。これはソ連だけではなくて、周辺諸国への配慮という点からも批判をされてしかるべきじゃないかという今の状況になっているわけですが、そういった意味で、むしろ我が国から積極的なやはり軍縮提案を示すべきではないかと、こう私どもは考えておるわけですね。 せんだって、これは報道ですからあれですが、外務省、防衛庁及び関係省庁はそういった日ソ間の軍事的な意思疎通を図るための信頼醸成措置の可能性について四月から具体的な検討に乗り出されたということも報道されておるわけですけれども、こうしたことをやはり積極的に行っていくべきではないかと、こう思うんですけれども、その点はどうでしょうか。
○政府委員(都甲岳洋君) 私どもはいわゆる信頼醸成措置という問題につきましては、日ソ間の信頼の欠如の最大の問題は、やはり北方領土問題が解決されてなくて平和条約が締結されていない、このことが信頼欠如の根拠になるというふうに考えております。それからまた、北方領土に先ほども申し上げましたような師団規模の兵力が展開されておりますし、それからアジアにおける近代化を含む軍事力強化の傾向が今まで続いてきて、客観的にはそれが今まで残っているという状況もございます。ですから、基本的にはそういう基本的な問題が解決されるということが重要だというふうに考えております。 安全保障の問題につきましては、先ほどから申し上げておりますように、もちろん日ソ間で対話は続けておりますけれども、そういう具体的な措置になりますと、やはり相当客観的な情勢を念頭に置いて慎重に対処していかなきゃならないという状況だと思います。 そういうことで、もちろんいろいろと検討はされておりますけれども、現在具体的にソ連と信頼醸成措置について協議に入ったというような事実はまだございません。
○太田淳夫君 外交青書の中に「ソ連の真の狙いは何かを見極めつつ、慎重に対応していく必要がある。」という立場が書かれているわけですけれども、そういう立場、また今のお話等を承っていますと、我が国がアジアの安定あるいはアジアの緊張緩和に貢献できるとはちょっと思いにくいんですね。例えば米国やイギリスがソ連との間に締結している公海及びその上空の事故防止協定、そういったものを日ソ間でも締結するようなことも我が国から提案をするとか、あるいは一方的な軍縮という上から、先ほど私も申しましたけれども、衆議院の予算委員会で市川書記長がいろいろ提案しました。とりあえず防衛費を三年間凍結するあるいは削減する、そういうことを我が国が率先して行ってみずからはっきりとした方向を示さなければならないんじゃないかなという感じがするわけです。ソ連は、これからゴルバチョフ大統領が訪日を予定されているわけですけれども、そういう中で一層日本に対してもあるいはアジアに対しましてもいろんな方途を提案してくるんじゃないかと思うんですけれども、そういうときにやはり日本として対応におくれをとらないように今からきちんとした方途を考えていくべきじゃないかと思うんですね。先ほど申し上げましたような事故防止協定というのは、これは実際行われていることですけれども、そういうこと等のようなものが我が国から提案できるのかどうか、それを含めてちょっとお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(都甲岳洋君) アジア・太平洋地域におきます安全保障の問題につきましては、先ほど来御説明している状況でございますが、基本的にはやはりソ連側の基本的な問題点の除去についての努力が非常に必要だという問題がございます。 他方、やはり我が国が戦後とってきた防衛姿勢そのものがアジアにおける非常な安定的な要素になってきている。専守防衛で平和外交に徹してきたということ、それから、軍事大国にならないという中で米国との安全保障条約、枠組みとしてアジアにおける安定的な状況をつくり出してきたということそのものが私は一つの大きな役割を果たしてきていると思います。しかし、ソ連との間の安全保障の問題につきましては対話が必要であることは当然でございます。この点は従来も行ってきておりましたし、今後ゴルバチョフ大統領が来日されるに向けてその対話は一層強化されていくべきものというように感じております。ただ、具体的な信頼醸成措置の今後の問題につきまして、これをどういうふうに扱うかということについては、やはり相当慎重な検討が必要であるというふうに現在考えております。
○国務大臣(中山太郎君) 今欧亜局長が御答弁申し上げました線上で、シェワルナゼ外相が本年ある時期に来日をされる、その時期に日ソの外相会談が持たれて、そこでいろいろと日ソ間の二国間問題、またアジア・太平洋における問題というものが討議されると私は考えております。 そういう中で、私ども日本国としては専守防衛で今日までもやってまいりましたし、軍事大国にはならないという姿勢を堅持してこれからもまいらなければならない。そういう中で、ソビエトにおける新思考外交あるいは国内の経済改革というものの変革というものの過程を十分こちらも認識をしながら、これから二十一世紀にかけてのアジア・太平洋地域における安全保障というものがいかにあるべきか、また、専守防衛に徹してきた我々の国家がこれからの安全をいかなる方法で確保できるかということは、政府としては一番基本的に考えておかなければならない問題であると認識をいたしておりまして、この国会の御議論も十分踏まえた上で、私どもは新しい時代への展望を開くために日ソ間における積極的な話し合いというものを進めていかなければならないと、このように考えております。
○太田淳夫君 それで、予算委員会でも申し上げたんですが、ブッシュ大統領の基本的な戦略がありますね、その中に中国とソ連の開発というのも市場経済に取り込んでいく、それも入っておりましたね。そういう戦略をいろいろと考えてまいりますと、一九九二年EC統合の問題があります。そして大ヨーロッパ帝国ができるのかどうか、ヨーロッパに一つの大きな経済圏、そしてまた政治圏になるかもしれません。それと、ソ連とアメリカあるいは中国、日本との問題、これは非常に大きな問題じゃないかと思うんです。 時あたかも大統領選挙があります。ブッシュさんのいろいろの戦略を考えますと、やはりヨーロッパとアメリカは親しいわけですけれども、それに対抗するヨーロッパの大きな、一つのEC連合ならEC連合、これにヨーロッパが結集する。それに対抗してソ連、アメリカ、中国、これがやはり一つの大きな経済的なつながり、政治的なつながりでの一つのグループをつくって対抗していかなきゃならないんじゃないか。よく外務大臣は日米欧という三極体制とおっしゃいますが、日本はそのときはどういうふうになっていくんだろうか ということも多少心配しているわけです。 最近の報道を見ていますと、中国の李鵬首相ですか、ソ連を訪問される予定と聞いております。昨年ゴルバチョフ大統領が中国を訪問されたわけですから、その答礼等もあろうかと思いますが、やはり中国、ソ連の間で大きな、EC統合あるいは東欧が変わってきている、そういう状況をにらんでの動きが今あるんじゃないかと思うんですね。日本がよほどここで決意をしていろんな外交的な対応を考えてまいりませんと、日本がいつもアメリカについてばかりではいかぬと思いますけれども、何となく日本が今度かえって孤立をしてしまうような感じもしないではないわけですけれども、一九九〇年代あるいは九二年の大統領選挙というものをにらんだ場合に、どのような日本としてのあり方をとるべきか、相当お考えになっていらっしゃると思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 極めて重要なお尋ねではないかと考えております。 御指摘のように、ヨーロッパ、ECの統合というものは間違いなくこれは進行をしていく。しかもそれが一九九二年をめどに結ばれていくんだろうと思いますし、東ヨーロッパがこれから大変な困難を伴いながら、膨大な累積債務を抱えながら民主化あるいは自由化への道をたどり続ける。また、そこへEFTAという経済圏が関連を強めてくる。あるいはまたイタリーとユーゴスラビアあるいはオーストリーあるいはハンガリーというような南欧の国が一つの経済ブロックをつくる可能性も、既にイタリーの外務大臣から直接私は聞いております。そういうふうなヨーロッパの大きな動きと、それからアメリカとカナダの自由市場の協定が成立してきて巨大な経済圏が構成されつつある。アメリカがメキシコに対して自由貿易協定を結ぼうという申し入れをしているということも存じております。しかし、メキシコはこれに同意を与えておりません。 アジアの問題は、御案内のように、私は非常に極が分散していると実は認識をしておりまして、ソビエトの経済改革というのがどういう経過をたどりながら安定していくのか、これは何人も実は予測ができない現状ではないかと思います。極めて不透明で不確実、しかも国内の政治が非常に大きくこれから試される時期に入っていくのだろうと思います。そういう中で、ソ連は外に向けては新思考の外交をやっておりますから、新しいアジア地域あるいはヨーロッパ、アメリカに対する関係ができていくんだろうと思いますが、委員御指摘のように、アメリカと中国とソ連が一つになるんじゃないかというような御趣旨のお尋ねでございましたけれども、私は先日もECのアンドリーセン副委員長と二時間ばかり懇談をいたしたときに、これから二十一世紀にかけて歴史は一体どういうふうな展開をするんだろうかというお話し合いを相互にいたしました。それは二十世紀というものは、二十一世紀から振り返ってみると、恐らく戦争の世紀であったという印象を受けるのではなかろうか。しかし、二十一世紀はやはり軍事力を利用できない政治、つまり大型のスーパーパワーが持っている核兵器を中心にした巨大な兵器を駆使できない世紀になるだろう。そういう中で、やはり地球規模の麻薬の問題とか、地球の環境問題とか、国際テロの問題とか、人口問題とか、そういった問題が先進国の間で解決を迫られる世紀になるんではないかと。そういう中では経済力を持った国家、技術力を持った国家が非常に強くなるということで、日本というものは、戦後四十五年経過いたしましたけれども、国民の皆様方の御努力により、また自由市場経済と、それから民主主義の政治が堅持されたために、今日は大変経済力の強い、また技術力の発達した国家になったわけでありますから、そういう国家の力というものをこれからの新しい時代に向かっていかに展開していくかということが外交の一つの背後に大きな力となって動いていくのではないか。 こういうことを考えてまいりますと、地球全体の中でいわゆる名目GNPが非常に高い地域、例えばアメリカで五兆ドルぐらい、近いですね、ECが大体五兆ドルぐらい、近いと思います。日本が二兆八千億ドルぐらいになると思います。そういうふうな自由市場経済原理を踏まえている国で、経済力を結集しながら自由化に向かう国々をある程度経済協力していく、そして平和な地球をつくっていくという一つの大きなパターンがこれから展開されていくんではないか。私はそのような認識を持ちながら外交に努めておるということでございます。
○太田淳夫君 あとちょっと問題がありますが、時間がありませんので、きょうはこの程度にしておきたいと思います。 終わります。
○吉岡吉典君 ジュート協定についてまずお伺いします。 一次産品の輸出に大きく頼っている開発途上国にとって、その価格の安定及び供給の安定という問題は非常に重要な問題であります。このジュート協定はそういう要望にこたえようというものであると思います。ところが、その価格及び供給の安定という点については、検討するということが述べられているだけで、それ自体がこの協定の中には規定されておりません。私は、そういう点では輸出割り当て制度あるいは緩衝在庫制度などが織り込まれなかった点は不十分な点だと思っております。日本政府としては、こういう点がこの協定に織り込まれるように努力なさったかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(須藤隆也君) 先生御指摘の点は非常に大事な点でございまして、この協定を作成するに当たりましても議論の大きな焦点の一つになったわけでございますが、御案内のとおり、一次産品の価格を安定させるための手段といたしましては、緩衝在庫あるいは輸出規制等によって価格に直接影響を与えるような措置をとっている商品協定は、例えばココアとか幾つかの商品協定にございますが、そのような協定のほかに、商品の性格によりましてこのような緩衝在庫あるいは輸出規制になじまないようなものもあるわけでございます。 この協定の作成の交渉の過程におきまして、ジュートに関しても緩衝在庫あるいは輸出割り当てをした方がいいんじゃないかという意見もあったわけでございますが、交渉の議論の中におきまして、緩衝在庫をつくっても、ジュートについては質が変わってしまう、変質してしまうというような問題、あるいは緩衝在庫によって市場の価格に影響を与えるために、ある程度の規模の国際取引市場がないと有効に働かないわけでございますが、ジュートの場合にはそのような規模の国際取引市場は現在のところないというような問題、あるいは緩衝在庫をつくる場合には輸出国あるいは輸入国が資金を分担し合って必要な手当てをするのが慣例になっておりますが、ジュートの場合には輸出国の方が非常に貧しい国が多いというようなこともありまして、資金負担の困難性というような問題、そういうものも踏まえていろいろ議論が行われました結果、結局今次の新協定案におきましては、価格安定措置を伴わない範囲で研究開発とか市場の拡充とか、費用の削減とか、そういう事業の実施を通じてジュートの安定供給に役立てていこうというような話し合いになりまして大方の合意ができたわけでございまして、我が国もそのような合意に賛成したという経緯がございます。 なお、先生御指摘のとおり、この協定の三十一条の1におきまして、ジュート及びジュート製品の価格及び供給の安定化の問題について引き続き検討を行うということが規定されておりますので、今後、先生御指摘の点も踏まえて、このような検討を行っていくことにしたいと思います。
○吉岡吉典君 開発途上国にとって非常に重要な問題ですので、今答弁があった趣旨で引き続き努力していただきたいと思います。 私は、話題を変えて、これまでも本委員会で何回か取り上げてきたことのありますプルトニウムの輸送問題について幾つかの点をお尋ねしたいと思います。 プルトニウムというのは、私以前この委員会でも述べましたけれども、名前のもとは地獄の王というところから出たと言われているように、毒性が非常に強い。計算上では角砂糖二個分で日本人全体を侵すというほどの毒性を持っている、そういうふうに言われております。また、簡単に核兵器になる。そういう点から、このプルトニウムの輸送という問題は、空輸であれ海上輸送であれ陸上輸送であれ、核ジャックの危険と相まって国際的にも国内的にも非常に大きい問題になっております。私は、これまでの委員会でも、このような輸送を中止することが必要だということを言ってきましたけれども、これが再び輸入が問題になっておりますので、幾つか明らかにしておきたいと思います。 まず、これまでの英、仏等からの日本へのプルトニウムの輸送及びこれからの輸送計画、これを簡単で結構ですから明らかにしてください。
○説明員(結城章夫君) これまでの海外から我が国へのプルトニウムの輸送の実績でございます。 プルトニウムといたしましては二種類ございまして、我が国の使用済み燃料をイギリス、フランスで再処理した結果、回収されました我が国のプルトニウムを持ち帰るケースと、外国から我が国が新たにプルトニウムを購入したケースがございます。これらを総計いたしますと、これは核分裂性プルトニウムの量に換算いたしての量でございますけれども、合計千三百三十キログラムのプルトニウムを我が国に輸送いたしております。 それから、これからの予定でございますが、現在、我が国の電力会社はイギリス、フランスと再処理の契約を結んでおりますが、この契約量に見合いまして、これから合計三十トン程度のプルトニウムが回収される見込みでございます。これを一九九二年以降、二〇〇〇年少し先までかかるかと思いますが、我が国に順次返還してくる予定でございます。
○吉岡吉典君 プルトニウムの輸送問題とあわせて、使用済み核燃料の再処理に際しては、その契約に際して、プルトニウムと同時にできる高レベル放射性廃棄物というものも引き取るということが一体の取り決めになっているというふうに言われております。この点は事実であるかどうかということと、この高レベル放射性廃棄物、つまり死の灰、これの引き取りは今まで行われた事実があるか、あるいは今後はどういうふうにして引き取っていくのかというこれからの引き取りの計画、大体いつごろから、どういう輸送方法で引き取り、どこにどのように処理しておくか、その期間を含めて明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(広瀬研吉君) 海外再処理委託によりまして発生します高レベル放射性廃棄物の我が国への返還につきましてお答え申し上げます。 我が国の電気事業者は使用済み燃料の再処理をフランスの核燃料公社とイギリスの核燃料会社に委託をしているところでございまして、これまでにフランスまたはイギリスにおける再処理によって生じた高レベル放射性廃棄物が我が国に返還された実績はございません。 フランスに委託をしております再処理に係ります高レベル放射性廃棄物のガラス固化体につきましては、一九九三年以降に返還されると承知してございます。 イギリスに委託をしております分につきましては、電気事業者とイギリスの再処理事業者との間で話し合いが進められ、今後、その取り扱いが決まるものと承知してございます。 我が国に返還されますガラス固化体の量は、フランスからのものとイギリスからのものとを合わせ三千数百本程度になると承知してございます。 海外から返還されます高レベル放射性廃棄物のガラス固化体につきましては、青森県六ケ所村に建設を予定しております民間再処理工場の敷地内で受け入れ、貯蔵することが計画されているところでございます。
○吉岡吉典君 そうしますと、青森県の六ケ所村というのは、使用済み核燃料の再処理工場が建設を予定されているだけでなく、高レベル放射性廃棄物、つまり死の灰の置き場所にもなる、そういうことになるわけですか。
○説明員(広瀬研吉君) 海外から返還されます高レベル放射性廃棄物、これを今申し上げました青森県六ケ所村に建設を予定している民間再処理工場の敷地内で貯蔵するということでございますが、これは冷却のための貯蔵でございまして、一応三十年から五十年を目標とした貯蔵を計画されてございます。
○吉岡吉典君 その点わかりました。 プルトニウムの需要供給計画、今後の回収プルトニウムの輸送計画、今総量をお伺いしましたけれども、細かくお伺いしている余裕もありませんので、私正確を期す上で、これまでの国会答弁その他で明らかになったもの、私の調査したもの含めて表をつくってみました。この表に間違いがあるかないか、科学技術庁の方でお調べになっているものに基づいて、もし誤りがあれば指摘していただきたいと思います。ちょっと委員長、資料配付をお願いしたいと思います。
○委員長(山東昭子君) はい、渡っております。
○説明員(結城章夫君) これからの我が国のプルトニウムの需要供給計画が先生お配りの資料の2に書いてございますけれども、ここにありますそれぞれの数字は、私どもが押さえております数字と同じでございます。
○吉岡吉典君 これ「1、既輸送分、2、今後のプルトニウム需要・供給計画、3、今後の輸送計画、4、高レベル放射性廃棄物の引きとり」と大きく四つの柱で表をつくったんですが、大体全体としてこういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○説明員(結城章夫君) この資料全体、大体正しいかと思います。
○吉岡吉典君 次の問題ですが、外国から日本に運ばれたもの、この表でも明らかにしておりますように、羽田空港あるいは東京港あるいは神戸港、こういうところへ外国からプルトニウムが輸送されてきた。それは日本国内では茨城県東海村の動燃事業団東海事業所まで輸送されるはずです。日本国内の輸送はどういう体制で行われてきたか、つまり警護体制ですね、この点お知らせください。
○説明員(結城章夫君) 日本に到着したプルトニウムは大部分のものが東海村に行っております。その場合の国内の輸送でございますが、これは動燃事業団が運んでおるものが大部分でございまして、動燃事業団がみずから警備会社による警備を行っておるということもございますけれども、港湾につきましては海上保安庁、陸上輸送につきましては通過するそれぞれの都道府県の警察にそれぞれ警備をお願いして実施しておるというのが実態でございます。
○吉岡吉典君 そうしますと、日本へ到着したものは、車で陸上輸送だけじゃなくて、そこからまた船で輸送するという場合もあるわけですか。
○説明員(結城章夫君) 大部分は東海村に行っておりまして、その場合は陸上輸送を行っております。 先生の資料の実績のところの海上輸送の括弧の中でございますが、「七八年分については神戸港」と書いてございますが、神戸港に着いた後、これは関西電力の美浜発電所までさらに船で運んだというふうに承知しております。
○吉岡吉典君 今後の問題ですが、これから十年ぐらいの間に三十トンのプルトニウムを英、仏から日本まで輸送しようということなんですね。これは量においても世界最大の量のプルトニウム輸送だというふうに思います。また、距離においても、航路にもよりますけれども、大体三万キロに近い輸送距離になると思います。距離においても、これは世界に例のないプルトニウムの輸送だということですね。さまざまの事故あるいは核ジャックという危険があるという点で、先ほども触れましたけれども、世界的にもこれを中止すべきだという声が広く上がっております。もちろん日本の国内でもそうですね。 例えば一つの例を挙げてみましても、ことしの 二月に米ソ両国の有力な学者がまとめた報告書を「生存と人間性発展のための国際財団」というところが発表しておりますけれども、これにもこの国際的な輸送計画を中止するように求めております。これは科学技術庁も御存じだと思います。 先ほど申し上げましたように、私どももこういう危険な輸送は、空輸であれ海上輸送であれ反対で中止を求めてきておりますけれども、そういう国際、国内の批判、これをどういうふうにお考えになるか。国際的にますます多くの団体がこの中止を求める動きをしようとしていますけれども、この輸送計画というものは再検討することは全く考えられていないかどうか、お伺いします。
○説明員(結城章夫君) 我が国がイギリス、フランスに頼んでおります再処理、この結果回収されますプルトニウムというのは我が国の貴重なエネルギー資源でございます。したがいまして、これを再利用するため、我が国に持ち帰ってくることがどうしても必要でございます。現在、動力炉・核燃料開発事業団の方では「もんじゅ」という高速増殖炉原型炉を建設中でございまして、このための燃料が必要でございます。この燃料を確保するために、一九九二年の秋までにはプルトニウムの返還輸送を実施する必要があるというふうに考えております。 このプルトニウムの返還輸送は海上輸送により行う方針でございまして、この輸送の実施に当たりましては、安全の確保に万全を期してまいります。また、日米原子力協定その他に基づく十分な核物質防護対策を講じて、その円滑かつ確実な実施に努めてまいりたいと考えております。
○吉岡吉典君 次は、外務省にお伺いした方がいいんじゃないかと思いますけれども、国会で日米原子力協定が承認を求められた際には、この協定ではプルトニウム輸送は空輸ということが明記されており、参議院本会議で行われた当時の森山外務委員長の本会議での報告でも、回収プルトニウムの輸送は「専用貨物機により行われることが合意されております。」というふうに述べられておりました。それが途中で海上輸送ということに変更された問題については、私はこの委員会でも論議したことがありますから、きょうは同じことを取り上げることはできませんけれども、こういうふうに空輸だ海上輸送だというふうに変更してきたことと関連してお伺いしておきたいのは、海上輸送だという場合、この護衛は海上保安庁が行うということが閣議で決定されていますけれども、これが海上自衛隊に変わるとかあるいは他の方法に変わるというふうなことは全くないかどうか、この点確認しておきたいと思います。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘のプルトニウムの英、仏からの輸送の護衛に関しましては、海上保安庁の巡視船をもって充てるというのが政府の方針でございまして、海上自衛隊の自衛艦による護衛というのは検討しておりません。
○吉岡吉典君 報道によりますと、昨年十二月閣議決定の際に、将来、海上保安庁の巡視船の派遣を超える対応が必要となる事態を想定せざるを得ない場合には、その時点で再検討するということが確認されているということが当時報道されておりますけれども、そういうことはないんですか。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 先生御指摘の昨年の十二月十九日の関係閣僚会議、党四役の会合におきまして申し合わせが行われまして、その申し合わせと申しますのは、「海上における犯罪の予防及び鎮圧は第一義的に海上保安庁の任務であるので、プルトニウム海上輸送の護衛船として海上保安庁の巡視船を派遣するものであり、このため、平成元年度補正予算において、巡視船の建造に必要な予算措置を講じることを検討する。」というのが申し合わせ事項でございまして、それ以外には申し合わせ事項はございません。
○吉岡吉典君 あなた方もごらんになっていると思いますが、最近、エコノミストにアメリカの核管理研究所の三人の学者の論文が発表されておりますが、その中には「米国の国防当局者が米国の供給した核燃料から取り出したプルトニウムの海上輸送のために何が起こるか分からない計画を承認するかどうかは疑問である。」と、こういうふうに指摘しているということが、つい最近ですが、指摘されております。それからまた、日本の新聞報道によっても、アメリカの海軍当局は海上保安庁の護衛には不安を表明している、そういう報道もあります。そういう点を見ると、これまでアメリカに空輸だ、海上輸送だと振り回されてきた経過から見て、また、海上保安庁では危ないというふうなことになりかねないという気がします。もちろん、我々はどのような方法であれこの輸送に反対だということですけれども、こういう変更の可能性というものは全くないというふうに断定できますか。
○政府委員(太田博君) お答えいたします。 プルトニウムの海上輸送につきましては、米国と詳細な協議を行って具体的な輸送計画というのを策定することになっておりまして、その輸送計画の一つの要素が護衛船ということでございます。アメリカとの間では海上輸送に関するサイドレターというのがございまして、ここでアメリカ側としても海上保安庁の巡視船による護衛で妥当であるということを申しておりますので、我々といたしましても、それを踏まえまして今後アメリカ側と詳細な輸送計画の策定を行っていきたいというふうに考えております。
○吉岡吉典君 国会で日米原子力協定を承認したときには空だということを断定して、それがその後国会の承認も得ないままに海上輸送だということに変わって、それで国会が承認したのと違った海上輸送の補正予算の要求が行われて、私はこんな変な話はないというふうに思いますけれども、そういう経過から見ると、一連の報道から見て、そういう変更が全くないという今の答弁、そのまま信用しかねるわけですけれども、一応断定的にそうおっしゃいますので、そのとおりで進めたいと思います。 次の問題は、再処理をイギリス及びフランスに依存している問題です。 フランスでもイギリスでも再処理工場で市民運動が起こっておる、これに反対だと。フランスもイギリスも私のところの機関紙の特派員がおりましてそういう運動も取材していますけれども、例えばイギリスのセラフィールドでは、日本からちょうど使用済み核燃料が到着した瞬間に取材に行って、それに反対する運動も取材してきて、うちの新聞で書いたこともあります。セラフィールドを日本の核のごみ箱にするのかというスローガンを掲げての運動だったと、そういう反対運動の状況があるわけですけれども、そういう反対運動の状況というのはよく御調査になっていますか。
○説明員(結城章夫君) イギリス、フランスの再処理工場の状況につきましては、私どももいろいろと調査をいたしております。新聞報道などによりますと、イギリスのセラフィールド再処理工場周辺において幾つかの訴訟の動きがあることは承知しておりますが、地元の方々の中で大きな反対運動が起きているということではないというふうに承知しております。 それから、フランスのラ・アーグの再処理工場周辺におきましてでございますけれども、これは特に目立った反対運動はないというふうに聞いております。
○吉岡吉典君 私はそういう認識は正確な認識ではないと思います。 今セラフィールドのお話がありましたけれども、今ここで働いている人あるいはその周辺の子弟、子供に白血病が非常に多く出ているということが大問題になっております。そしてイギリス政府は、事実上この小児の白血病がセラフィールドの核燃料再処理工場と因果関係があるということを認めている、国会でもそういう答弁が行われているというふうに言われておりますし、再処理工場あるいはその周辺で白血病が多く出ているということが事実だとすれば、これは日本でも青森県の六ケ所村に今核燃料再処理工場を建設しようとしているときですから、日本にとってもよそごと ではないという問題になります。政府としては、この問題についてはどういうふうに調査なさっていますか。
○説明員(結城章夫君) イギリスのセラフィールド再処理工場周辺の小児の白血病の問題でございますが、これは昭和五十八年十一月にイギリスのテレビ局で取り上げられて以来、いろいろと報道がなされておるものでございます。この点につきましては、イギリスにおきまして政府が中心となっていろいろと調査を進めておりまして、幾つかの報告書が作成されております。その報告書によりますと、現時点において再処理工場と小児白血病との因果関係が証明されたということではないというふうに承知しております。 私どもといたしましては、現在、イギリスの保健省の指示でいろいろと調査が進められておりますので、その動向を慎重に見守っていきたいと考えております。
○吉岡吉典君 この問題も、私は科学技術庁は軽く軽く見ようというふうにうかがえてしようがありません。特にここにおける放射能汚染問題はいろいろな国際会議でも繰り返し問題になってきている点です。私は、そういう点でやはりもっと真剣にこの事態というものは調査していただきたいと思います。 それとあわせて、大体世界の動向としてはアメリカも西ドイツも商業用再処理を断念しているという状況で、イギリスの場合とても、いつまでも商業用の再処理を行うかどうかわからないということを指摘する専門家もおります。そういう状況のもとで日本政府は、今後、そういう各地での反対運動、また長距離の輸送ということを伴わざるを得ないイギリス、フランスへの再処理を引き続き依頼し続けるということなのかどうなのか、その点、そういうまた可能性があるかどうかということの見通しとあわせてお答え願いたいと思います。
○委員長(山東昭子君) 時間がございませんので、答弁を短くお願いします。
○説明員(結城章夫君) 我が国では、エネルギー資源の有効利用を進め、原子力発電の供給安定性を高めるために、使用済み燃料を再処理して回収されたプルトニウムを利用するということが基本方針でございます。そういうことに基づきまして、我が国の電気事業者がイギリス、フランスと再処理の契約を結んでおりまして、この契約が順調に行われるよう政府としては期待しているところでございます。
○吉岡吉典君 じゃ、終わります。
○中村鋭一君 北方領土問題についてお尋ねをしたいと思いますが、その前にジュートの国際協定のことにつきまして一つだけお伺いをしておきたいと思います。 こちらの第一章第一条、その中の(d)項に「機関の活動において、特に、天然の産物としてのジュートの利用がもたらす有益な影響につき周知を図ることにより、環境上の側面に妥当な考慮を払うこと。」と「目的」の(d)項に挙げられておりますが、この「環境上の側面に妥当な考慮を払う」とはどういう意味なんでしょうか。
○政府委員(須藤隆也君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、今次新しい協定におきまして、特に環境問題の側面に妥当な考慮を払うという一項が新たに設けられたわけでございますが、これは近年の環境問題の重要性の高まりを認識して新たに規定されたものであると承知しておりますが、この規定の趣旨は、ジュートの競合品でありますパルプとか石油化学製品に比べまして、石油化学製品あるいはパルプが生産や流通あるいは廃棄の過程において、資源の枯渇とか大気汚染とか、そのような資源環境問題を引き起こす可能性があるのに対しまして、ジュートは植物の天然の繊維でございますから、資源としても無限でありますし、かつ環境に対しても無害であるという、そのようなジュートの特性に着目いたしまして、ジュート機関がジュートの市場開拓をする際等に当たって、そのような環境面のよい影響、よい面を大いにPRしてその活動に寄与しようというような趣旨で入れられたものと理解しております。
○中村鋭一君 大変丁寧に説明をいただいたんですが、これは一口に言えば、天然の麻の繊維を使っているものであるから、プラスチックとかビニール、そういった加工物と違って環境に及ぼす影響が甚だ少ないので、こういう天然のものを大いに使うようにいたしましょう、そういう側面を強調しようと、こう理解をしておけばいいわけですか。
○政府委員(須藤隆也君) そのとおりでございます。
○中村鋭一君 随分協定とか法律の条文はわかり切ったことを難しくわざわざ目的に挙げるものだという一例として質問をさせていただきました。 日本国内にもこの麻袋を製造したり加工をしている業者、私近畿ですけれども、近畿中心に何社かありますけれども、日本の業界はこの国際協定の締結についてはどういう評価をしております
○政府委員(須藤隆也君) この協定の目的といたしますところは、ジュート及びジュート製品の国際貿易の拡大並びに多様化を図っていくということでございまして、そのために研究開発とか生産性の向上とか、いろいろな事業が計画されているわけでございますが、このような事業の一環といたしまして、我が国におけるジュート製品の市場開拓、消費振興の事業も行われておりますし、これからも予定されておりますが、例えば穀物袋、米袋のようなものにジュートの麻袋を使ったらどうかというような新規の商品開拓活動も行われておりまして、このような事業の実施はもちろん生産国のためにもなるわけですけれども、我が国におけるジュート産業の経営安定にも貢献するものではないかと思われますので、我が国のジュート産業からも歓迎されるものではないかと思っております。
○中村鋭一君 北方領土問題についてお尋ねいたしますが、過去の日ソ間の交渉の経過を、簡単で結構ですが、逐年的に報告をしてください。
○政府委員(都甲岳洋君) できるだけ簡単に御報告申し上げたいと思います。 御承知のように、日ソ関係におきます北方領土問題の交渉というのは、国交回復のとき、一九五五年から五六年が初めでございますが、このときに共同宣言で、国交回復をまず先にして、平和条約交渉は後に継続しようという合意をいたしました。その際に、歯舞、色丹は日本側に引き渡す、しかし、具体的な引き渡しは平和条約締結後にするということの合意が明確にございました。ただ、その後、一九六〇年にソ連側が一方的に声明でこれを取り消そうとした経緯は御承知のとおりでございます。 その後の平和条約交渉はその合意にもかかわらず行われておりませんでしたが、日中国交回復直前にグロムイコ外相がやってまいりまして、日中との絡み合いで日ソをむしろ先行させたいという希望を表明したわけですけれども、具体的には日中国交回復後の一九七二年十月に初めて大平外務大臣が訪ソいたしまして第一回目の平和条約交渉が行われました。その後、その翌年の七三年に田中総理が訪ソされて、これが第二の山場になると思いますけれども、戦後の未解決の問題を解決して平和条約を締結することが必要であるという認識を示し、この未解決の問題の中に四島問題が含まれているということを口頭で確認した経緯がございました。 その後、残念ながらソ連側は非常に態度を硬化することになります。オイルショック、それから一般的なソ連の態度硬化ということがございまして、七五年、七六年と平和条約交渉が行われましたけれども、七三年のこの合意を共同コミュニケに盛り込むか盛り込まないかというような不毛な議論に終始し、実態的な面ではむしろソ連側の態度は硬化したという状況がございました。 一九七八年には園田外務大臣が訪ソいたしましたけれども、このときには領土問題があるので平和条約は締結できない、かわりに善隣友好協力条約を締結しようということでお互いに案を示し 合ったけれども、日本側は検討できないということで拒否したという経緯がございました。このときにソ連の態度が非常にかたくなっているということは非常に如実に示されたわけでございます。 そういうことで、七〇年代から八〇年代の初めにかけましては、ソ連は領土問題については解決済み、聞く耳は持たぬということで、当時のグロムイコ外務大臣は、領土問題を話し合うのであれば日本に来ることはできないということを言いまして、一九七六年から十年間、日本を訪問しなかったという時代がございます。 そこで、ゴルバチョフ政権になりましてから、一九八六年一月にシェワルナゼ外務大臣が訪日いたしまして、領土問題を含めるというか、平和条約交渉の再開が行われたわけでございます。そこで、その年の五月に安倍大臣が訪ソいたしましてさらにこれを継続いたしました。 その次の山場といたしましては、やはり一昨年の十二月、一九八八年の十二月にシェワルナゼ外務大臣が訪日をいたしまして、その際に領土問題について具体的に話し合い、そして平和条約締結が日ソ関係の正常化に必要だということで平和条約作業グループができ、現在まで四回の交渉を行っているという状況があることは御承知のとおりでございます。 昨年の五月に宇野外務大臣が訪ソいたしまして平和条約交渉をさらに継続いたしました。その際に、拡大均衡ということで平和条約問題も含めて日ソ関係を今後発展させていこうということで合意を見たという経緯があるのは御承知のとおりでございます。 以上が、簡単でございますが、日ソ関係の平和条約問題の交渉の経緯でございまして、いずれも山場のときにおきましては国際情勢の緩和という状況がございまして、フルシチョフの平和共存外交あるいは第一次デタントの七〇年代の初め、それから今回の冷戦の解消が始まったという時期、これがそれぞれの山場になっている。そういう意味で、今回の交渉は非常に大きな国際関係の山場を迎えた中での交渉であると我々は認識しております。
○中村鋭一君 その辺を少し詰めてお伺いする前に、先日、請願陳情に見えました北海道知事の横路さん初めたくさんの皆さんが、外務委員長の山東さんも含めて、我々に北方領土問題について真摯な御意見をちょうだいし、かつ請願もお受けした次第でございます。そのときに、労働団体の連合を代表してお見えになった代表団のお一人が、こういった重要な問題であるから、国民の前に交渉の経過をもっともっと明らかにしてもらいたい、情報公開の原則を貫いてもらいたいと。これは国際間のネゴシエーションですから、それは外務省の立場からすれば、ここからここまでは言えるし、しかもこういう交渉事ですから、片言隻句とでも言いますか、極端な場合は例えばゴルバチョフさんのほんのちょっとした一言が重要な影響を与えますから、その間、いわゆる行間の意を酌み取るような面もありますから一概には言いにくいかと思いますが、しかしそういう意見があることはあるし、私もまた、こういった交渉の経過というのは常に細かい点まで国民に公開をしていくべきだ、こう考えるんですが、その辺につきましてのお考えがございましたら、大臣、お聞かせ願いたいと思うんです。
○国務大臣(中山太郎君) 北方領土問題解決というのは、我が国にとりましては国民全体の大きな悲願でございますが、この問題は現在日ソ間で交渉中でございまして、これを全面的に公開をするということは外交交渉上でき得ないことでございますけれども、国民の皆様方の正しい御理解を得るためには、ある時期に経過等について国民に御報告をすることが必要な時点には、政府としてはそういうこともやらなければならないと考えております。
○中村鋭一君 大臣おっしゃるとおりでございます。おっしゃるとおりではありますけれども、例えば大臣がシェワルナゼ外相と話し合いをなさる、そういったときにプレスに対して、一つの客観的な、懇談の形でもいいですから、例えばそのときのシェワルナゼ外相の顔色はどうだったかとか、にこにこ笑いながらこういうことを言ったんだとか、非常に厳しい表情であったとか、こういうことも国民に知らせていただければ我々の判断の手がかりになるだろう、私はこう思いますので、ひとつお差し支えのない範囲で、そういったニュアンスも含めて、常にこういった交渉の経過を国民になるたけ明らかにしていただければと思います。 これまでの日本政府としての北方四島の返還に対する交渉の姿勢に変化はありましたか、それとも、終始一貫日本が主張していることは全く同一でございますか。
○政府委員(都甲岳洋君) 日本政府といたしましては、歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島が歴史的にも国際法上も我が国固有の領土である、そういうことで我が国は共同宣言の交渉時より一貫して北方四島一括返還の立場をとっておりまして、その返還を要求してきております。そういう意味において、日本側の立場に変更はございません。 それに対してソ連側の対応は、かつて共同宣言において歯舞、色丹の二島は平和条約締結後引き渡すという合意をした経緯がございます。その後、態度を変えまして、一切議論には応じないという姿勢をとった時代も、先ほど御説明申し上げたようにございました。一九八八年以来はまた若干柔軟になりまして、領土問題に関する議論には応じるというふうに姿勢に変化を見せております。 そういう観点から、平和条約交渉及び平和条約作業グループで領土問題に関しまして歴史的、法的な見地を中心に真剣な議論が行われているというのが現状でございます。しかしながら、基本的な領土問題についての立場については、ソ連側の立場は現在のところ変わってはおりませんことを非常に残念に思っております。しかし、政府といたしましては、やはり四島一括返還の実現のために今後とも粘り強くソ連側との交渉を行っていきたい、そういうふうに考えております。
○中村鋭一君 私がお尋ねしたのは、日本側の交渉の態度に変化があったかどうかでございまして、ソ連側がこう言っている、ああ言っているというのはこれから私がお尋ねしようと思っていたことでございます、先にもう言っていただいたんですが。 日本側の地方自治体でありますとか、それから市民団体の返還運動でありますとか、それから総理府、総務庁が主導をしての北方四島返還運動の経過と、それから今の盛り上がりぐあいとでもいいますか、こういった点について、できればちょっと数字も交えて御報告をお願い申し上げたいと思います。例えば動員数の変化でありますとか、請願の現在に至る署名者数等々ですね。
○説明員(戸谷好秀君) 北方領土返還要求運動等の経過ということでございますが、北方領土返還要求運動は昭和二十年代から民間の国民運動として展開されまして、その後国民の皆様の理解というものを得て年々拡大しております。 最近でございますと、全国各地において青年団体、婦人団体、さらには労働団体等多くの民間団体がいろんな運動をやっていただいております。ことしの二月でございますが、五千万人の返還要求署名というものを達成いたしまして、新たに六千万人を目標に運動を展開するということが決められると聞いております。 それから、各都道府県におきまして北方領土の返還を求める民間団体が一緒に運動をやろうというような県民会議の設置を進めておりますが、これも昭和六十二年には全県で設置をしていただいております。県民集会、研修会、キャラバン活動等ということでいろんな活動が行われておりまして、先生おっしゃるような数字というものも調べてみたんでございますが、一つ申し上げますと、先ほどの署名が五千万人、近年では昭和六十三年二月に二百六十万人、平成元年二月に四百万人、本年度は先週の十三日に三百万人の署名を両院に提出をしたということです。 それから、根室を中心にいろんな行事を行って おりますが、これにつきましても最近は参加者もふえてまいりまして、昨年一年では一万人を超える参加があるというふうに聞いております。 以上でございます。
○中村鋭一君 例えばJRの大阪駅前に大きな看板がありまして、あれは巨大なサケの魚拓をとったような写真ですか、絵ですか、ありまして、下に北方領土、こう書いてあるわけですね。あれは総務庁の予算でおつくりになったんですね。
○説明員(戸谷好秀君) あれは総務庁、私の方でお願いいたしまして、総理府の予算の方で執行いたしたようです。
○中村鋭一君 あれは全国で何本ぐらいああいう看板を立てていらっしゃるんですか。
○説明員(戸谷好秀君) 私、正確に今承知しておりませんが、全県の大きな駅前ということで、約五十ぐらいじゃなかったかと思っております。
○中村鋭一君 そういう看板等も含めて、じゃ総務庁としては今大変な盛り上がりがある、こういうふうに理解はしておられますか、国民運動としての。
○説明員(戸谷好秀君) 先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、やはり現場の声を聞きましても、いろんな行事をしましても、参加をしたいという声が上がっておりますので、現在の状況は国民世論の大きな盛り上がりを示しているのではないかというふうに思っております。
○中村鋭一君 私も北方領土返還市民運動の参加者の一人として何回か北海道にも参りましたし、こういった運動にも参加をしております。私自身の体験からしますと、やはりここ数年前まではソ連側のかたくなな態度、特に領土問題は解決済みだと木で鼻をくくるようなごあいさつをいただいて、我々がこういう運動をやっていることが本当に功を奏するんだろうか、何か一生懸命言っているけれども、それはどうもむだなんじゃないだろうか。時折はむなしさというんですか、そういうものを感じていたんですが、今の状況は、御説明にもありましたように、随分ソ連側の態度が変わってきているように思うんですね。 それは、ヤコブレフさんが日本にお見えになりましたし、それから安倍晋太郎元幹事長がソ連に行かれてゴルバチョフさんとお話をされたときに、報道によりますと、ゴルバチョフさんの対応そのものが、領土問題は解決済みではなくて、これから話し合いをしていこうじゃないかというふうな反応であったというふうに理解をしているんですが、その点につきまして、もう少し具体的にソ連としての北方領土についての考え方がどのように変わってきているかという外務省の評価をお聞かせ願いたいんです。
○政府委員(都甲岳洋君) 先ほど、申しわけありません、私の方から概略は申し上げたんでございますが、それぞれの時代によりましてソ連の対日政策の硬軟両様の立場があらわれております。 一九五六年のいわゆるフルシチョフの平和共存の時代に国交回復が始まりまして、当時領土問題の話し合いが行われ、二島を返還するということを明確に約束した。そういうことで、日本側としましては、残された問題は国後、択捉の返還問題であり、それを解決して平和条約を締結するというのが明確な立場であったということはお話し申し上げたとおりでございます。 一九六〇年に日米安保条約の改定が行われましたときに、ソ連側は、情勢が変わったということで、日本の領土から外国の軍隊の基地が撤退されない限り歯舞、色丹は返還できないという態度に変わりまして、これに対して日本側は、もちろん国会の批准を得た条約の中で約束をしたことを一方的な宣言で撤回することはできないということで強力にこれに反論をした経緯は御承知のとおりでございます。そのように、ソ連はその短い時間にも態度を変えた経緯がございました。 一九七〇年代の日中国交回復との絡み及び当時の第一次デタントと言われる国際緊張緩和の情勢において田中・ブレジネフ会談が行われて、その中でブレジネフの方から、未解決の問題を解決して平和条約を締結する必要があるという中に、この未解決の問題の中に四島の問題が含まれるということを口頭で田中総理に対して確認したという時代がございました。これもソ連側のいわば日ソ関係の進展にかけての意欲をあらわしたものだと思いますし、当時のシベリア開発等に対する思い入れもあったものであろうと思います。 その後、石油危機、それからソ連側の軍事的な高姿勢というあらわれからソ連側の態度が順次硬化していき、特に一九七〇年代の後半において、領土問題は解決済みという立場に戻り、一切問答無用という立場に返っていったという経緯がございました。一番強くあらわれましたのは、一九七八年の園田外務大臣の訪ソのときの事情は先ほど申し上げたとおりでございます。 その後、これが八〇年代の初めまで続いたわけでございますけれども、ゴルバチョフ政権の登場とともにシェワルナゼ外務大臣の訪日がありまして、少なくとも話し合いは続けるということで平和条約交渉が再開されたのは一九八六年の一月でございました。一昨年の十二月に平和条約交渉を具体的に始めようということで平和条約作業グループができて、四回今まで既に会合が行われているという状況で、領土問題についての話し合いには応ずるし、平和条約締結のための話し合いはする、交渉はするけれども、しかし、残念ながら領土問題そのものについては、現在までのところ、ソ連側の公式的な立場は変わっていないということでございます。 他方、ソ連側の民間におきましてはいろいろな議論が出ておりまして、この辺はソ連側においても、この問題は何とか解決しなきゃならないという意識が民間あるいは学界等を通じて出てきているということもまた事実だろうと思いますので、私どもはその辺を非常に注目しているところでございます。
○中村鋭一君 こういった交渉事には世界的な政治状況、社会状況の変化が当然ながら影響を及ぼすということが考えられます。あるいはソ連の経済問題も北方領土返還に重大な影響を及ぼす。そこで、例えばベルリンの壁が取り払われた。ゴルバチョフさんが議長という、チェアマンという呼び方から今やプレジデントにおなりになった。大統領に就任された。ですから、こういった問題と北方領土返還運動を絡めて考えますと、案外早い機会にソ連の態度にいわゆるコペルニクス的大転回が予想されないものでもない。この半年間の世界状況の変化を見ていますと、それは一向にあって差し支えないと、こう思うんですが、そういった客観状況、経済的条件、社会的条件、政治的条件の今の急激な変化が北方四島の返還に良好な影響を及ぼすと、私はそう思うんですが、大臣はこういったことについてどのような御見解をお持ちでございますか。
○国務大臣(中山太郎君) 世界の軍事的な問題で軍備管理・軍縮問題が大きな一つの流れになっていく、そういう中で、ソビエトの対外政策が変化を起こしてきたという状況を踏まえながら、話し合いというものが以前よりもいい環境に向かいつつあることは事実であろうと思います。また、この問題に関して、先日の米ソ外相会談で米国のベーカー長官からソ連のシェワルナゼ外相に対して、この北方四島の問題は東西間の問題として考えるべきだという言葉が出たということを報告を受けております。
○中村鋭一君 そこで、来年のゴルバチョフ大統領の来日が大きな、本当に大きな山場になるだろうと思いますが、この来日に臨む外務省としてのお考え、姿勢を一言お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(都甲岳洋君) 先生先ほど御指摘のありました国際情勢の大きな動きの中で実現いたしますゴルバチョフ大統領の来日でございますが、これはロシア及びソ連の歴史を通じてソ連の首脳が日本を訪問する初めての機会でございます。我が方からは首相が四回行っておりますけれども、そういうことで、この機会をやはり歴史的な契機ということにしたいという思いは双方にございます。結局、何がそのような歴史的な契機になるか ということについての理解がソ連側で十分に進むことを我々は希望しております。私どもとしましては、やはり基本的な領土問題を解決して平和条約を締結するということが日ソ関係の完全な正常化につながり、それによる日ソ間の全面的な協力の展望が開けるというふうに考えておりますけれども、ソ連が、現在のソ連の国内情勢、国際情勢の見地から、同じような判断に立ち至るということを私どもは非常に強く希望いたしておりますし、そのためにも対話を強め、相互理解を強め、可能な限りでの拡大均衡という形で関係の進展を図っていくということが必要であろうというふうに考えております。
○中村鋭一君 ひとつせっかく頑張っていただきたいと思います。全国民の悲願でありますし、これは与野党を問わず、全国会議員も国民の皆さんの世論というものをしっかり受けとめてこれから大いに頑張っていきたい、こう思います。 一言だけ苦言を呈しますけれども、新聞に報じられているところによりますと、政府と与党である自民党との間に意見の調整を要するとか、あるいは小沢幹事長の言っていることと外務省のお考えとが少し食い違っているとか、調整を要するとか、このような報道がなされておりますけれども、与党の自民党が政府の外務省とこんなに重大な国民的課題をこれからやっていかなければいけないときに雑音が入るようでは困りますので、その辺はしっかりと意見調整をなさいまして、まさに全国民打って一丸となって北方領土が返ってくるように頑張っていただくことをお願いをしておきまして質問を終わります。
○猪木寛至君 きょうは国際コーヒー協定並びにジュートに関する協定ということで、ちょうど私はコーヒー園で、子供のときに向こうに移民をしまして、コーヒーを栽培する、収穫をするという経験はほとんど日本の人にはないんじゃないか。そういうことで、ちょっと私のコーヒー園時代の話をさせてもらいたいと思います。 ちょうど一九五七年、当時は移民が非常に盛んでした。それで、我々も最後の都会からの移民ということでサントス丸という船でブラジルに渡りまして、とにかく行けども行けども砂漠と赤土の中を走りまして、着いたところがファゼンザスイサという大変奥地のコーヒー園でしたが、五十年ぐらいたったもう本当に古木というか、もう枯れ枝ばかりの実は余りついてないという非常にひどいコーヒー園でしたが、それでも着いた日からあのコーヒーの実をしごきまして、コーヒーをとりまして収穫をする。一俵幾らということで、それを一俵つくらないとお金がもらえないということで、まあ家族全員が働いてやっと、食べるといってもぜいたくなんかできません、米と本当に豆を食べる。そういう労働条件の中で非常に当時としては過酷な、我々行った人たちが逃げましたら鉄砲で撃たれた、そんなような時代でもあったので、我々はとにかく契約期間は終了させたんですが、そのときに、コーヒーをつくるときに草刈りというのが、四メートル四方にコーヒーがありまして、それをエンシャーダというくわの横に広がったもので取っていくんですが、これは四十五度ぐらいに暑い日にもう一日じゅう日に照らされながら仕事をすると、着ているこういうシャツが自分の汗で塩の塊になりまして、こうやると、脱ぐとごわごわで立ってしまうというぐらいひどい暑さでした。 そういう中で、ブラジルのコーヒーというのは、こうしごいて全部下に落としてしまって、それでふるいにかけて袋詰めにする。私は世界じゅう歩きましてキリマンジャロとかコロンビアとか、いろんなコーヒー園も見て回りまして、キリマンジャロなんかだと、赤い実だけを落としまして三回、四回という形で収穫をします。そういうことで、ブラジルのコーヒーはちょっと質が悪いということで、この協定の中にも出ておりますが、国際価格という問題で、大変この協定ができたということはすばらしいことだなと思います。当時我々の聞いた話では、収穫ができ過ぎると、国際価格が落ちるということで海にトラックで持っていって捨てた。何とももったいない話だったんですが、そういう本当にコーヒーの産出国というところが大変貧しい国が多い。そういうことで、やはりこれから、コロンビアもそうですが、麻薬栽培というものに走ってしまう。国際的な問題になっておりますが、そういうようなやはり農業の育成という、国内だけではなく、海外のそういう貧しい国の代替農産物というか、そういうことが日本の政府としてもこれからやっていただきたいことだと思います。 そういう体験をしましたが、日本にいますと、移民の状態というものも余り報道されておりません。我々はそういう現場の中で、そしてブラジルが移民というものをそれだけ受け入れてくれまして、そしてここへきてちょうど出稼ぎというんでしょうか、そういう移民の二世、三世が今日本へ四万人ぐらい帰ってきているわけなんですね。そこでいろんなピンはねというか、そういう上前をはねるような、あるいは向こうで契約をしておいてほっぽりっ放しと、いろんな問題が今起きております。私がちょうどこの間ブラジルの方へ、前回の委員会でも報告させてもらったんですが、ずっと回ってきたときに、そういう大変陳情がありました。 そんなことで、労働省にちょっとお伺いしたいと思いますが、今大体四万人ぐらいと聞いておりますが、大体どのぐらいでしょう、日系人が。
○説明員(伊藤庄平君) ただいまのブラジルの日系の方々の国内での就労の状況でございますが、定かには数字を私どもつかめてないのが現状でございます。外務省の方でいろいろ現地の方の事情を調べていただいたり、そういう数字から推計いたしますと、私ども大体一万八千人から二万人、新聞等では四万人と報道されておりますが、確かでございませんので、大体その間の数ぐらいが日本国内で就労している可能性があるというふうに考えております。
○猪木寛至君 その人たちが日本へ帰ってきてからの労働の例えば労働保護というような形、いろいろ問題が出ているようですが、そういうことに対して労働省としてはどのような今対策をとられておりますか。
○説明員(伊藤庄平君) 御指摘のように、ブラジル日系人の方々をめぐって就労ルートの問題とかその他で新聞報道されているような、私どもとしても非常に残念な事実があることは事実でございまして、その辺は非常に労働省としても問題であるというふうに考えております。 この問題につきましては、日本国内で就労する限り、労働者派遣法、これは就労のルートの問題でございますが、あるいは職業安定法、労働条件についての労働基準法等、これがそのまま適用されることは、これは法律上何ら問題なく適用されるわけでございまして、私どもそういった方々にこれらの法律の厳正な運用または監督等を通じまして何とか労働条件あるいは就労ルートのきちんとした形というものを実現していきたいということで、これからも最善を尽くしていきたいというふうに思っております。
○猪木寛至君 同時に、外国労働者の受け入れについての所見をちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(伊藤庄平君) 外国人労働者一般の問題でお答え申し上げますと、いわゆる外国人労働者の問題につきましては、私ども政府全体の現段階の統一方針でもあります、いわゆる特別の技術や知識を持った外国人労働者あるいは外国人ならではの感性等を生かして就労する方々については、できるだけこれを受け入れて、その受け入れ態勢も整備していく。ただ、いわゆる単純労働者といいますか、一般労働者の方々については、国内への経済、社会、多方面にいろんな影響を及ぼしますもので、その辺のいろんな角度から慎重に検討していくべきものということで対応しておりますが、先生御指摘のブラジル日系人の問題、これはまた違った側面からいろいろ考えるべき余地もあるかもしれませんけれども、現在我が国の労働力不足等の問題と結びついて直ちにそれを受け入れ ていくとなると、国内で私どもが目指しております高年齢者の活用の問題とか、女子労働者の能力の活用の問題とか、この人手不足の中で望ましい雇用就業構造をつくり上げていきたい、そういった方面もややもするとおくれさしてしまう、いろんな影響がございますので、これにつきましても、現在、いろんな角度から慎重に検討さしていただきたいというふうに思っておるところでございます。
○猪木寛至君 ありがとうございます。 それと、この間の前回の委員会のときにちょっと御紹介した、今世界的に問題になっておりますライオンタマリンの動物保護と、それから環境問題と、それからニカラグアに行きまして野球の道具をぜひ送ってほしいというチャモロ次期大統領からの依頼があったんですが、ライオンタマリン、なかなかイメージがわかないので、きょうは私写真を持ってまいりましたけれども、こういうお猿さんのライオンみたいな、これが二百五十頭しか今もう生存しておらず、それを何とか四百頭にふやさなきゃいけない。また同時に、その周りが泥炭地域ということで九年間今も燃え続けているという非常に世界の話題になっているところで、私もそこを見てまいりまして、何とか火を消さなきゃいけないなということで、私独自で幾らかかるんだということで聞きました。そうしたら、三万ドルで何とか消えますというので、まあ三万ドルでは無理だろうと思いますが、行った以上相談に乗らないわけにいかない。そういうことで、私は帰国しまして政府の方とも交渉しております。大変積極的な今対応をしていただいております。そういうことで、写真も大きくしてまたごらんになっていただきたいと思いますが、このように煙がずっと出ているんですね、その一帯が。何とかそれを日本のやはり信用ということが、いつもラストランナーという日本のイメージがあるようですが、何とかトップランナーという形で資金も人も技術も持ってそういうことに協力していただきたいと思っております。そういうことで、非常に今回は積極的な対応をしていただいております。ありがとうございます。 それでもう一つ、野球の道具、これは今中南米は大変貧しい、それからまあチャモロ政権が今後どうなっていくのかという大変微妙な部分があると思います。サンディニスタの協力なしにはやはりこの政権は持続できないであろう。その辺について、局長がおられるので、ちょっと御意見をお聞きします。
○政府委員(瀬木博基君) ただいま猪木委員から御指摘がございましたとおり、ニカラグアは四月二十五日の新大統領の就任に向かって非常に重大な時期にあるだろうと思います。 この時期に猪木委員がいろいろな形で関心をお示しになり、またオルテガ大統領、次期のチャモロ大統領とお話しいただいたということで、我々も大変感謝いたしているわけでございますが、委員からお示唆のありました野球の道具につきましても、ただいま航空会社等とも話をいたしておりまして、輸送が実現するような方向で話を進めております。
○猪木寛至君 ありがとうございます。 本当に世界も回っていていろんな問題を抱え、環境問題というのはこれから二十一世紀の本当に大きな問題であろうと思います。 それと、先ほど中村先生の方から随分北方の問題とソ連問題というのが出ていたものですから、大臣にちょっとお伺いしたいんですが、これは経済とエネルギーというものは切り離して考えられない。そういう意味で、ソ連が埋蔵している石油あるいはガス、天然資源という部分で、今後の日ソの関係がよくなれば、当然そちらも改善されるんでしょうが、今後どういう方向に行くのか、先ほど何遍ももう答弁されているのであれなんですが、改めてお聞きをいたします。
○国務大臣(中山太郎君) 現在日ソ間には平和条約はございませんが、貿易量は昨年六十億ドルに達しております。西側の国の中では第三位。一位がフィンランドで二位が西ドイツ、三位が日本というポジションを得ておりまして、民間貿易は活発に行われているという状況でございますが、問題は国と国との平和条約が締結されていないという不健全な形での民間の貿易が行われているという中で、私どもとしては一日も早く平和条約を締結したい。その前提条件である領土問題を日ソ双方の協議によって問題を解決して一日も早く平和条約を締結する。さらに、いろんな二国間の協力というものが、平和条約が署名、締結できれば、私は飛躍的に増大する可能性は十分ある。また、そうあらねばならぬと実は考えております。 先生御指摘のように、来年は大統領も来られるわけでございますし、それまでにも外相会談が少なくても二回は開かれるだろうと思っておりますので、全力を挙げて日ソ間の問題解決に日本側の責任者としては努力をいたしたいと考えております。
○猪木寛至君 過日、新聞に出ておりましたが、「千島列島、サハリン島 環境協力の場に」ということをソ連の外相が表明しているんですが、これはどういうことを意味しているのか。ただ、向こうとしてこちらに対してぶつけたのか、何か意味があるんでしょうか。
○政府委員(都甲岳洋君) ソ連との間におきましては、環境協力協定というものを今交渉を始めている段階でございます。この交渉ができまして、協定の枠組みができた中でどのような分野での環境協力をやっていくかということをソ連側と具体的に協議をしてまいりたいというのが現在の考え方でございます。 今回、ソ連側から提示がありました件につきましては、私ども具体的な内容を承知しておりませんので、実体的な内容においてはそうでございますし、地域についてサハリン、千島列島ということを言っているようでございますけれども、その具体的な内容については先方の意図が必ずしも明確でないというのが現状でございます。
○猪木寛至君 そこでちょっとエネルギーの方で質問をしていきたいと思います。 日本の経済成長の中でトリプルメリットというか、これは円高、石油が安かったこと、それから金利が安かったということで、日本にとっては大変ラッキーだったと思います。同時に、ここへきてちょうど円安傾向になりながら、石油の高騰もちょっと目立ってきております。それから金利の問題。その辺で今まさに日本のエネルギーというのはアキレス腱、第一次オイルショック、第二次オイルショックということを経験してきまして、そういう中で中東に依存しているこのエネルギー体質というものを、先ほど私はソ連の話を出したのは、そういう意味で、サハリンの方で非常に開発が今まで行われていてガス油田あるいは石油開発というようなことが進んでおりますが、通産省に今後のソ連のエネルギーというものについてちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(中澤佐市君) 猪木委員御指摘のとおり、今エネルギー政策といいますか、エネルギー問題というのが非常に大きな転換期を迎えているのではないかと思っております。我が国のセキュリティーということからいたしますと、委員御指摘のとおり、八割ぐらいは対外依存しておりますし、石油に約六割弱依存しておる。その石油はほとんど輸入しているという状況。それから、先ほどから環境の議論もございましたが、地球環境問題、温暖化問題にどうやって取り組んでいくか、これは地球環境という重大な問題であると同時に、人間の生活や経済活動はまさに化石燃料といいますか、そういうものに依存しているわけでございますが、それをどうやってやっていくかということ等々を考えまして、現在、通産省におきまして総合エネルギー調査会という審議会があるわけでございますが、そこで御審議をいただいております。 全体の我が国のセキュリティーの確保あるいは地球温暖化問題への取り組みということで、いろんな観点から今省エネルギーとか代替エネルギーとか、あるいはそのエネルギー源の確保ということで議論をさせていただいておりまして、その中で今のソ連のいろんな資源の問題というようなこ とも御審議いただいているところでございまして、現在の予定では六月ごろを目途に御審議はまとめていただけるのではないかというふうに思っております。
○猪木寛至君 今これは日本だけの問題でなくて、やはりエネルギーというのは世界全体を見ていかなきゃならないと思うんですが、この東南アジアの急激な需要の伸びと、これは今回ソ連とそれから東欧の変化という問題の中で、この辺がどのように今度は世界的なエネルギー市場に影響してくるか、それをちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(中澤佐市君) 今の総エネ調での審議の一つの大きなテーマでございまして、世界のエネルギー需要というのは、石油需要を中心にしまして今かなり伸びております。この原因というのは、もちろん世界的な経済好調というのはあるわけでございますけれども、同時に、まさに先ほども御議論ありましたそういう飛躍の段階を迎えました発展途上国での需要増大、それからソ連、東欧の需要の動向ということで、現在の御審議の中では、今後とも世界のエネルギー需要というのは構造的にふえていくのではないかという議論が大勢になってきております。
○猪木寛至君 需要が伸びていくのに備えてCO2という問題が大きな問題になってきております。いろんな世界会議が予定されています。既にもう何回か行われていますが、結局いろんな報告を見ますと、会議が行われて、それは大変だというんですが、具体的に何をしようというところまでまだいってないと思うんですね。 それから、この前の総合安全保障の方で地球環境保全というテーマでやったときに、世界はほとんどそれにまだ対応していませんというある先生の意見があったんですが、その辺について、ちょっと環境問題になっちゃったのであれなんですが、石油の今後の伸びと、それを抑えるやっぱり努力が必要だと思うんですね。その辺の具体的な策は何か今講じていますか。
○説明員(中澤佐市君) まさにそのために今一つの大きな課題がいわゆる省エネルギーと言われておりますが、今我々はエネルギー利用の効率化を進めるということ、これによりまして需要の伸びをできるだけ国民生活の向上との両立を図りつつ抑制をしていくということが一つの大きな課題になろうかと思っております。 もう一つは、今の石油の問題とも絡みますが、石油代替エネルギーというのが今まであったわけですが、これに今は地球温暖化問題というのがもう一つ大きな問題としてあるわけでございまして、石油代替エネルギーの中でのさらによりクリーンなエネルギーへの依存をどうやってふやしていけるかというようなことを今検討している最中でございます。
○猪木寛至君 例えばその代替の中には原子力というものもありますが、原子力のことはきょうはやめにしますが、ガスについては今どのような状況になっておりますか。
○説明員(中澤佐市君) 天然ガスは、御案内のとおり、CO2問題という意味で言いますと、燃焼時のCO2の排出量というのは、石炭を一とすれば〇・六ぐらいということで、化石エネルギーの中ではCO2の面では一番有利なわけでございます。したがって、これの導入をどうやって進めていくかというのが一つの大きな課題になっておりますが、これはもう御案内のところでありますが、欧米諸国の多くは天然ガスをガスのままパイプラインで使っておるわけでございます。我が国の場合にはこれを極低温で液体にしまして持ってくるというようなことから、いろんな他にも困難な問題もございまして、その調和を図りつつどうやってふやしていくかというところが今の検討課題になっております。
○猪木寛至君 これは、ソ連との非常に深い関係の中で、埋蔵されている量としてはソ連の方に一番多いと聞いておりますが、一つは今後、先ほど中山大臣が申されたように、人的交流ということを大変重要視されています。この前安倍先生が行かれたときに千人交流という話が出たんですが、これは、的にはもう何か案がまとまっているんでしょうか。
○政府委員(都甲岳洋君) この件につきましては、政府と党でそれぞれに、あるいは民間の参加も得まして、三年間ぐらいにわたって実現しようということで今案をつくりつつあるところでございます。
○猪木寛至君 国交がないときに必ずスポーツとか文化が交流を始めて、そこから経済交流というものが起きて政治決着という形になるのが、私が今までいろんな人から聞いた話なんですが、今ソ連の問題も、先ほど中村先生から経済問題が大きな問題ではないかということの御指摘があったんですが、まさにそういう意味での今後の日本のエネルギーの安定供給という部分で、その辺は大臣として積極的な考え方があるんでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘のように、日本のエネルギーというのは海外依存度が極めて高い。先進工業国家としては省力化に全力を挙げて今まで乗り越えてきましたけれども、必要最低限なエネルギーというものはどうしても確保しなければなりません。そういう面で、できるだけシッピングチャージの少ない地域からエネルギーを確保するということが日本のコストダウンにつながっていく一番の基本的な問題だと思うんです。 そういう中で、シベリアあるいはサハリンに天然ガスあるいは石油、いろんな天然資源がある、エネルギー資源があるということは特に言われておりますけれども、現在私どもの聞いている話では、ソ連においては石油の産出量が落ち始めているのではないかという情報にも接しておりまして、私どもとしたら、これから日ソ間の民間、政府レベルでいろんな話が行われると思いますけれども、そういう中でどういうふうな方途によって日本のエネルギー問題が解決をする一つの新しい道が開けるのか、日ソ両国の国交の正常化とともに、これらの面についても飛躍的な発展が期待されるものではなかろうか、このように考えております。
○猪木寛至君 同時に、公害という問題なんで、私もソ連に行きまして、それからこの前ブラジルにも行きまして、とにかくやたらにエンジンの効率が悪いというんですか、排気ガスのひどさ、メキシコもそうなんですが、メキシコの方はまた後でお聞きしますが、その辺の汚染の越境問題というんでしょうか、こういう問題も含めて本当に日本がこれから取り組んでいかなきゃいけない役割というのは大変大きいわけですけれども、その辺、例えばソ連あるいはブラジルとか、そういうエンジンの改良あるいはそういう技術の提供ということは日本政府としては考えているんでしょうか。
○政府委員(都甲岳洋君) 今のような問題は環境協力の一つの議題として今後話し合われていくものだと思います。民間の間でそのような話し合いが行われているかどうかということについては、現在承知いたしておりません。
○政府委員(赤尾信敏君) ただいま先生から特に途上国への技術移転、環境絡みでの技術移転の御質問がございましたので補足いたしますと、これは国連におきます環境関連の会議ですとか、今のIPCCの場ですとか、いろんな場でいわゆるCO2の排出をいかにして将来規制していくかという問題と同時に、そういう環境汚染抑制の技術を先進国から開発途上国にいかに移転していくか、これは技術的な移転と、そのための資金協力と両方あわせて大いに検討している段階で、これはマルチの場におきましても、また日本と途上国のバイの場におきましてもいろいろと検討いたしております。
○国務大臣(中山太郎君) 昨年九月の海部総理のメキシコ訪問に際しましても、メキシコ側から大気汚染の解決のために日本側への強い協力要請がございました。それに対して、政府が調査団を出すということで進めております。 なお、御指摘のように、東欧圏においてはエンジンの非常に効率の悪い車が多いということで、いわゆる壁が取られた時点から、西側に入ってく る車が非常に大気汚染の原因になっているということをオーストリーとかあるいはその地域の外務大臣からも話を聞いておりまして、これから日本としては、例えばポーランド、ハンガリーにおける生だきの化石燃料がございますが、そういう問題につきましても技術的に協力をしていかなければならない、このように考えております。
○猪木寛至君 本当に先ほど申し上げたラストランナーということですね、大変ありがたくない名前をもらって、でもこれからひとつ大きく日本も変化をするときで、批判ばかりするのではなくて、ぜひ我々が外へ回っていろんなことに触れて、そういう陳情も含めて、本当に細かいことですが、先ほど申し上げたライオンタマリンの件は世界的な話題になっていて、そしてそういうことを日本が積極的にやっている一つのアピール、動物保護は実際にやらなきゃいけないし、同時に、そういう世界に向けてアピール度の高いこと、これは先ほど中南米局長の方も積極的に動いていただきまして、私もやりますと期限を切ってきた。だから、日本のこれからの外国との話し合いの中で、日本へ持ち帰ってこれを検討しますということは、これは外国の人が一番嫌うあいまいな表現だと思うんですが、そういう意味で、大臣がこれから行かれて返事をしてくるというのは大変でしょうが、やはり日本の信用度を高める意味で、やはりこちらからあえて期限を切って、どうしますということを言わなければいけないこれからの国際上における日本の話し合いの姿勢というものが強く感じられたので、そこをお願いいたしまして、きょうの質問は終わりたいと思います。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(山東昭子君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、山本富雄君が委員を辞任され、その補欠として石渡清元君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山東昭子君) 他に御発言もなければ、千九百八十九年七月三日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百八十三年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件、千九百八十九年のジュート及びジュート製品に関する国際協定の締結について承認を求めるの件、以上二件についての質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。 なお、以上二件に対する以後の審査は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十八分散会