科学技術特別委員会 第4号
- 発言数
- 154 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/05/31
会議録
○委員長(中西珠子君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。 去る五月二十五日、予算委員会から、本日の一日間、平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち科学技術庁について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 本件に関する説明は、去る四月二十日、既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鹿熊安正君 戦後、ゼロから出発いたしました我が国は、政府の積極的な科学技術の振興や民間企業のたゆまぬ努力によってエレクトロニクスあるいはまた自動車などの分野で欧米諸国をしのぐ独自の技術力を有するようになるなど、今や世界の科学技術先進国の一つになっております。しかしながら、我が国は資源に乏しく、また知的資源に依存せざるを得ないことを考えれば、今後もこれまで以上に積極的な科学技術の振興が必要であることは間違いありません。 そこで、我が国における科学技術の現状及び今後の科学技術振興の基本的考え方についてまずお伺いいたします。
○政府委員(石塚貢君) 科学技術の現状と現在政府が定めております科学技術振興の基本的な考え方でございますので、私からお答えさせていただきます。 国際化、高齢化、それから価値観の多様化など新しい時代の流れの中におきまして、人間の知的創造力こそその生存基盤として求めていかなければならないという我が国の現状にかんがみまして、二十一世紀に向けて着実に発展していくためには科学技術の振興というものに力を注いでいく必要がある、これは我が国の重要な政策課題の一つであるというふうに認識をいたしております。 我が国の研究開発総額は現在十・六兆円、これは昭和六十三年度の数字でございますが、科学技術庁の総計によりますとこういった数字でございまして、これは対GNP比にいたしますと二・八五%でございます。自由世界では米国に次いで第二位ということでございまして、先進諸外国と比べても遜色のない水準に達しておりまして、特に技術の実用化の面におきましては世界をリードしているということかと思います。しかしながら、一方におきましては研究開発全体に占める基礎研究の割合、こういったものがヨーロッパ諸国に比較いたしますと必ずしも高くないといったような指摘がございます。また、科学技術の分野でも我が国の国際社会における役割が増大している、かように認識をいたしております。 このような状況を踏まえまして、政府といたしましては、総合的な科学技術の進展を図るために、次の三点を基本方針とする科学技術政策大綱、これを昭和六十一年の三月に閣議決定されているところでございます。三本の柱といたしましては、創造性豊かな科学技術の振興、国際性を重視した科学技術の展開、それから科学技術と人間及び社会との調和といった三点が指摘されているところでございます。 また、同大綱におきましては、重点施策の推進といたしまして、研究開発推進体制の整備を図り、また推進条件といったものの整備、強化を図る必要性があると指摘した上で、研究開発投資の拡充、人材の養成、確保、科学技術振興基盤の強化、国際交流・協力の拡充等の施策を総合的に実施するものとされております。 また、重要研究開発分野といたしましては十六分野が挙げられておりますが、こういった分野につきましてそれぞれ基本計画を作成した上で、まず新しい発展が期待される基礎的、先導的科学技術の振興、それから経済活性化のための科学技術あるいは社会及び生活の質の向上のための科学技術といったものについて精力的かつ効果的にこういったものを実施する必要性があるということを述べております。
○鹿熊安正君 ただいまの御説明を聞いておりますと、特に公的部門における研究費負担割合が必ずしも高くない、そういったことをおっしゃったわけでありますが、私は、公的研究部門における研究費負担というものは、日本の現状からいたしましてもやはり国際公共投資として人類福祉の向上に貢献していくものとしてとらえているわけであります。したがって、先進諸国の一員である我が国としては、資金面でもその地位にふさわしい負担をしていかなければならないと思うのであります。 そこで、主要各国における政府負担の研究費の比較をひとつお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(石塚貢君) 我が国の政府負担研究費は、一九八八年度におきまして二・一兆円でございます。これに対しまして、同じ一九八八年度に米国では七・八兆円。また欧州に参りまして西ドイツでは一・八兆円、これは一九八七年度でございます。同年度フランスでは一・五兆円、イギリスでは〇・八兆円。イギリスの数字は一九八六年度のものでございまして、自然科学のみの数字でございます。 これを対GNP比にいたしますと、我が国は約〇・六%であるのに対し、米国は約一・二%、西ドイツは約一・一%、フランスは約一・二%、イギリスは約〇・九%でございます。 なお、諸外国におきましては、国防研究というものがこの中に含まれております。これを除きました政府負担研究費の対GNP比は、我が国が約〇・六%であるのに対しまして、米国は約〇・五%、西独は約〇・九%、フランスは約〇・七%、イギリスが約〇・三%でございます。
○鹿熊安正君 科学技術というのは人類の未来のための積極的投資であり、国力に見合った一定割合を研究費として国が出していくという考え方をしてもいいのではないでしょうか。諸外国では国防研究費が含まれているなどのため単純な比較ができないとの指摘もありますが、例えば米国について言えば、国防研究の中にハイテク技術の研究や産業界、大学への支援も含まれており民生分野への波及も大きいと考えられる事柄から見ても、対GNP比で約二倍もの開きがあるというのでは余りに差があり過ぎます。知的資源しか持たない我が国としてはむしろ諸外国以上に研究投資を行わなければならないと考えるのであります。GNPで世界第二位の地位にある我が国としても、それにふさわしい貢献を全世界に対して行うべきであり、私は政府が思い切った姿勢をとり、政府負担研究費の対GNP比率を一%以上に伸ばすというような具体的目標を掲げ、十分な予算を投じて日本を世界的な技術開発のメッカにしていくということを大臣にぜひ考えていただきたいと思います。特に情熱を傾けておられる大臣の決意のほどをひとつお伺いいたしたいのであります。
○国務大臣(大島友治君) 科学技術の必要性についての大変情熱的な御意見を踏まえての御質問で、各国との経費の取り方ということについては今政府委員の方から説明させたようなわけでございますが、委員の申されるように、私も同感ではございますが、じゃたった今すぐできるかというと、これもなかなか難しい情勢でございます。私の考え方としましても、より豊かな社会及び国民生活の創造に向けて的確な対応を図って、そして未来に対する新たな可能性を開拓するために、我が国の科学技術の予算については、厳しい財政状況の中ではございますけれども、その着実な充実に努めて、基盤的、創造的研究や各分野のプロジェクトを推進していきたい、こういうふうに考えているのでございます。 また、我が国の政府の研究開発費をGNP比一%程度にすべきとの御意見があることは、委員からもただいまも御指摘をいただきましたが、私もかねてよりそれは承知しておる問題でございます。 いずれにいたしましても、政府としては先ほど申し述べましたような科学技術政策の基本に沿って、研究開発投資の充実を含めて今後ともその一層の推進に努めてまいりたい、こう考えているのでございます。よろしくひとつ御支援をいただきたいと思います。
○鹿熊安正君 ただいま大臣の力強い決意のほどをお聞かせをいただきました。ひとつよろしくお願いいたします。 さて、科学技術の振興に当たっては、我が国の世界における責任の大きさを認識し、国際情勢の変化にも対応しながら、積極的にその成果を海外に提供していく必要があると考えられます。 そこで、今後の科学技術分野における我が国の国際対応の基本的考え方についてお伺いいたします。
○政府委員(石塚貢君) 国際社会におきまして、経済面のみならず科学技術面におきましても大きな地位を占めるようになりました我が国といたしましては、科学技術を通して国際社会に積極的に貢献していくことが極めて重要な問題でございます。今後、我が国といたしましては、創造性豊かな科学技術の振興、特に人類の公共的性格を有する独創的な基礎研究の一層の強化を図ることによりまして、科学技術面での国際貢献を図っていくことが必要でございます。 このような状況にかんがみまして、先ほど述べました科学技術政策大綱におきましても、国際性を重視しながら科学技術の発展を図るということを基本方針といたしておりまして、これに沿いまして、「当面の科学技術を巡る国際問題に関する取りまとめ」、これは昭和六十三年に科学技術会議の政策委員会のもとにございます国際問題懇談会において取りまとめた報告書でございますが、この中におきまして、科学技術分野での国際対応の基本的な考え方が示されております。まず、国際的視野に立った科学技術政策の基本理念、それから先進国や開発途上国との国際対応のための考え方といったものについての具体的な考え方を示しております。 このうち、国際的視野に立った科学技術政策の基本理念につきましては、四つの視点が掲げられております。 すなわち、まず第一といたしまして、各国と協調しながら人類全体の利益及び世界経済全体の発展の追求を図る必要があるということ。それから第二に、民生技術というものを中心とした科学技術の振興を図るということ。第三点といたしまして、国際公共財としての基礎研究の強化を図る必要があるということ。それから第四に、これまでややもすると受動的な立場で日本は対応してまいったわけでございますが、国際協力、国際対応におきましては、やはり日本の主導的な主体的な役割を発揮する必要があるといった、こういう点を述べております。
○鹿熊安正君 わかりました。 我が国がこのように科学技術分野における国際貢献を果たしていくためのプログラムの代表的なものとして、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムがあります。これは我が国がイニシアチブをとって開始した基礎研究分野での初の大型国際プログラムですが、このプログラムはこれまでの受け身になりがちな我が国の国際対応のパターンを打ち破る極めてユニークなプログラムであります。このヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの現状及び進め方についてお伺いいたします。
○政府委員(石塚貢君) このヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムにつきましては、今委員御指摘のとおり、これは我が国がベネチア・サミットにおきまして提唱し、それ以来一貫してサミット関係国の政府関係者及び科学者の意見集約を図るために、提唱国といたしまして積極的な役割を果たしてまいりました。 本プログラムの目的は、今後の科学技術の発展に向け、多くの可能性が期待できる生体の持つすぐれた機能の解明、そのための基礎研究を国際的に共同して推進しようとするものでございます。 本プログラムの実施のために、昨年十月、国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム推進機構というものをフランスの国内法によります公益法人といたしましてフランスのストラスブールに設立するとともに、第一事業年度の公募を行いましたところ、世界の科学者から大変大きな反響が寄せられまして、世界三十五カ国から千百名以上の多数の研究者から申請がございました。これを受けまして厳正、中立な審査が行われました結果、本年三月に研究グラント、すなわち研究助成金の分野の事業、それからフェローシップ及びワークショップにつきまして第一回の助成対象者が決定いたしまして、二十四カ国二百四十九名の研究者が助成されるということになりました。 これによりまして本プログラムが成功裏にスタートしたわけでございますが、科学技術庁といたしましては、本プログラムが全世界の科学者に真に評価されるプログラムとして一層発展していくよう鋭意努力することはもちろんでございますが、本プログラムの推進を通じて得られました多くの貴重な経験、こういったものを踏まえまして、今後の科学技術の国際協力の場において我が国が主体的な役割を果たしていけるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○鹿熊安正君 我が国が経済大国となり、科学技術分野においても世界有数のレベルに達したことから、海外諸国が寄せる関心、期待は大きく、我が国は科学技術の分野においてもその国際的地位に見合った国際貢献を行う必要があると思うのであります。 しかるに、海外、特に米国からは次のような批判が依然として絶えないのであります。 その一つは、まず日本はみずからは基礎研究を余り行わず、欧米諸国の基礎研究の成果を入手し、それを産業に応用して大きな利益を得ているという基礎研究ただ乗り論があります。また、我が国は、欧米諸国に多くの研究者を派遣しているが、余り外国の研究者を受け入れていないということ。さらに、我が国の科学技術に関する情報は海外で入手することが困難であると指摘されている。このような事態は以前に比べ改善されつつあると思いますが、今後我が国が科学技術を通じて国際社会により積極的に貢献していくためには、特に米国との関係を改善、発展させていく必要があることは疑いのないところであります。 先般、日米科学技術協力協定に基づく合同高級委員会が開催されまして、大島科学技術庁長官が議長として出席されたことを伺っておりますが、どのような話し合いがなされたのか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(大島友治君) 科学技術の分野におきましても、日米関係は我が国の国際協力の基軸であって、従来から各種枠組みのもとで幅広い協力を実施してきていることは事実であると思います。しかしながら、ただいま御指摘のようなこともございましたことも、これも否定することのできない事実であろうと思います。しかしながら、一九八八年の六月に新たな日米科学技術協力協定が締結されまして、そのもとでさまざまなレベルの会合を通じましてより緊密な協力関係が現在構築されておることは事実でございます。 そういうときに当たりまして、去る五月四日確かに私も米国・ワシントンに参りまして、日米科学技術協力協定に基づく合同高級委員会の第二回会合に出席をいたしまして、そして米国側からは議長といたしましてブロムリー大統領補佐官が、そして日本側といたしましては議長として私が出席したわけでございます。 今回の合同高級委員会におきましては、フェローシップ制度等を通じまして研究者の交流の拡大ということで、日本の科学技術情報の流通の拡大、それから新協定下の初の十七の共同研究プロジェクトの合意などによりまして両国間の協力を着実に進展させたほか、地球環境問題などについて幅広く討議をしたわけでございます そこでこの会議で、ただいま申し上げましたフェローシップ制度につきましても、従来は確かに人的な交流も少なかったということがございますが、今回私が参りましても、だんだんこのことにつきましては、アメリカも日本の科学のただ乗りばかりでなくて、やはり日本の技術についても基礎研究についても相当高く評価しつつあるということで、このフェローシップの前提と申しましょうか、実は若い学者といいましょうか、勉強にいそしんでいる者をことしは二十五名ひとつ日本に送りましょうというような具体的な約束もできたということは、まさにアメリカ自身も日本に対する認識を私は新たにしてきているんじゃないかというような感じを持っておるものでございます。 したがいまして、科学技術庁としましては、今後とも研究者の交流の拡大を図ってまいりますとともに、もちろん科学技術情報の流通拡大を図るなど両国相互の理解を深めつつ、より緊密で実り多い日米間の科学技術の協力というものを進めてまいりたい、こういうふうに考えておるものでございます。
○鹿熊安正君 どうもありがとうございました。 次に、科学技術の国際交流が深まるにつれて、一方では国際的な摩擦が高まることも事実であります。今後、その推進が特に望まれる宇宙開発について、米国が人工衛生をスーパー三〇一条に基づき指定したことは記憶に新しいのであります。こうした米国の動きは、我が国の宇宙開発が開発着手以来二十年間を経て力をつけてきた一つの証拠にもなるのではないかと考えられます。人工衛星も打ち上げられ、またロケットについても現在のHIロケット、開発中のHIIロケットと着実に進展しているところであります。 そこで一方、人類に新しい活動の場を与える有人宇宙活動については、欧米に比し立ちおくれているのが現状ではないかと思うのであります。私としては、有人宇宙活動を強化すべきであり、宇宙ステーション計画などの強力な推進が必要と考えるのでありますが、大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(大島友治君) この有人宇宙活動は、人類の未知なる可能性の探求と新たな知見の獲得というようなことで、宇宙環境利用の効率的な推進、科学技術の新たな進展等の観点から重要な意義を有するものでございまして、昨年改定された宇宙開発政策大綱においても、有人宇宙活動の展開のための基礎の形成を今後の宇宙開発活動における重点事項の一つとして位置づけてまいりたいということでございますので、まさに御質問のようなことに対してもこたえてまいりたい、こう考えておるわけであります。特に宇宙ステーションの計画については、我が国は独自の実験棟を持って参加することとなってはおりますが、本プロジェクトの推進にも努めているところは事実でございますので御了承をいただきたい、こう思います。 また、宇宙ステーションにおける有人宇宙活動に備えるためには、日本人の搭乗員の育成、技術の蓄積を図ることが重要であり、私としても日本人搭乗員のスペースシャトルへの搭乗の機会の確保に意を用いているものでございます。先般も、米国NASAトルーリー長官に対しましても、日本の参加する宇宙実験についてスペースシャトルへの搭乗の機会が与えられるよう強く要請したところでございます。 もちろん、既に委員の方も御承知だと思いますが、スペースシャトルの来年の打ち上げに対しまして、我が国におきましても三名がアメリカで指導を受けてまいりまして、そのうち一名が、毛利さんでございますが、既に決定いたしまして、去る四月二十九日にアメリカに参りまして、来年を期して訓練を受けるんでございますが、三名の方もともに一体になってやっておりますので、ただいまNASAのトルーリー長官に対しましても、一人だけでなくてあとの者についてもぜひひとつ御協力をお願いしたいということを強く要請したのは事実なんでございます。 こういうわけでございますので、今後もこのスペースシャトルを十分に利用させていただいて、宇宙実験のステーション計画への参加を、ただいま申し上げましたように国際協力プロジェクトへと参加させていただいて、そして有人宇宙活動の分野における我が国の宇宙開発を積極的に進めてまいりたい、こういうふうに考えておるのでございます。
○鹿熊安正君 最後に、科学技術庁の海洋開発に対する取り組み方についてお尋ねいたしたいと思います。 海洋は生命誕生の源であり、人類は太古の昔から海洋を漁業やあるいは交通の場として利用してきたところであります。海洋は生物資源や鉱物資源の宝庫であり、また波などの尽きることのない自然エネルギーや広大な空間を有することから、人類が一層の発展を図るために海洋開発の果たす役割は今後ますます重要となると思われます。特に、国土が狭く、陸上資源に乏しい我が国にとって、海洋開発の果たす割合は極めて重要であります。 一方、近年地球温暖化などの地球環境問題が世界的に大きな問題となっているが、地球表面積の約七割を占める海洋はこのような地球規模の環境変動に大きな影響を与えていると言われていると聞いております。この海洋が良好な地球環境の維持に果たす役割を詳細に解明し、その結果得られる知見を地球環境を守るための方策を策定する上で役立てていくことが、不可欠かつ緊急の課題であると思われます。また、それを望んでいるところでありますが、このような海洋の開発利用を推進し、また海洋の役割を解明するために未知の海洋の実態を明らかにしていくには、海洋科学技術に関する研究開発の一層の振興が不可欠かと思っております。 最近、海洋開発審議会の答申が出されましたが、この中でも海洋科学技術の推進が指摘されているところであり、科学技術庁が中心となって海洋科学技術の研究開発に積極的に取り組んでいくことが必要と考えられるが、科学技術庁の考え方をお聞かせ願います。
○政府委員(須田忠義君) 先生御指摘のとおり、我が国にとって海洋開発の果たす役割というのは非常に重要だというふうに我々も認識しておるところでございます。将来において、豊かで潤いのある社会、これを実現していくためには、長期的視点に立っていわゆる環境の保全を図りながら調和のとれた海洋開発を推進していく必要があるというふうに私ども認識してございます。また、先生御指摘のように、海洋開発の推進を図るためには海洋科学技術の研究開発、これが不可欠だというのも、全く我々もそういう認識でございます。 先生言及されました内閣総理大臣の諮問機関である海洋開発審議会、これは本年五月に、「長期的展望に立つ海洋開発の基本的構想及び推進方策について」という答申を行ったところでございます。我々関係省庁、この答申に基づいて海洋開発の推進に努めてまいりたいというふうに考えておるところであります。特に当庁としては、この答申における指摘を踏まえまして、しんかい六五〇〇の研究開発それから海中作業技術の研究開発等のいわゆる共通的、基盤的な研究開発、これをずっとやってきているわけですけれども、これを引き続き推進していくとともに、今後はさらにこれに加えまして一万メーター級の無人探査機の開発等新たな開発に着手したいというふうに考えておると同時に、深海の生物、深海には地上にはない非常に特異な機能を持った生物がおるわけでございますけれども、これについての調査研究等、新たな研究にも着手したいというふうに考えているところであります。 なお、先生言及されました地球環境問題に対する海洋の関与の役割、これは非常に重要なものがございます。したがって、私どもは、その基盤となる海洋観測機器の研究開発、これを引き続き行うとともに、関係各省庁、気象庁、海上保安庁等を含めまして、海洋大気の大循環等海洋調査について今後積極的に推進してまいりたい。特に、この部分は国際共同研究が非常に重要になってくる分野だというふうに考えております。今後ともこれらを踏まえまして、海洋科学技術の振興に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○鹿熊安正君 終わります。
○三上隆雄君 それでは、私から日本の原子力政策、行政に対して全体的な質問を申し上げたい、こう思います。 その前に、私はきょう、正式な手続をいたしまして参考人の要請をしたわけでありますけれども、先ほどの理事会でそれが拒否されたというか、それが実現できなかった。その経過について、まず委員長の報告を求めるということになりますか、その点について確認をしたいと思います。
○委員長(中西珠子君) では理事会の協議の内容ではなく、経過について申し上げます。 三上君御要求の参考人の件につきましては、本日は予算の委嘱審査であるということにかんがみ、この参考人の御出席を求めることはいかがかとの御意見がございました。そして、理事会は全会一致ということを建前といたしておりますので、理事会の協議が調わなかったために、まことに残念ではありますが出席を求めるに至りませんでした。しかし、今後とも幅広く専門家や、また国民の各層の方から御意見を聴取するという委員会としての姿勢はこれを確認いたしておりますので、御了承いただきたいと思います。
○三上隆雄君 ただいま委員長から、まことに残念であるが今回は大臣に対する委嘱審査の会議であるからというゆえをもって参考人を拒否されました。しかしながら、前向きなお答えがありましたので、今後に問題を残さないことを要望しながら、それではこれから質問に入っていきたい、こう思います。 日本の原子力政策、政策というよりも日本の行政の一面になるかもしれませんけれども、今青森県の六ケ所村に核燃サイクル施設の集中立地がなされ、それが建設されつつある、現実に進行している状況にあるわけであります。 そこで、日本の今の原子力の需要の関係等々については、きのうからいろいろ各委員がその状況を質問し、そのお答えがあったわけでありますけれども、電力の二七%が原子力発電による。火力発電が六〇%、水力が一三%。原子力が約三〇%近いウエートをなしている現状にあるわけでありますけれども、この原子力政策を進める上において常々政府は、この原子力についてはまず便利である、そして安上がりである、そうしてクリーンである、そういう説明をされるわけであります。そしてまた、安定的な資源がこの原子力エネルギーの最も重要な点だと言われておりますけれども、さすがに安全性については安全だとは言われておりません。安全性については十二分に配慮しながら進める、そういう言い方をしているわけであります。私どもは、逆に、この原子力というものは、放射能というものは世界で一番危険なものであるという認識を持たざるを得ないわけであります。 そこで、我が青森県でこの原子力にかかわりを持ったのは、一九七〇年に原子力船「むつ」が大湊港に寄港したそれ以来、約二十年にわたって原子力とかかわりを持ってきたわけであります。一九八〇年の八月には、当時の中川科技庁長官がうちの方の北村知事に原船「むつ」に関して正式に申し入れをした。先般衆議院の科学委員会で青森選出の関議員が質問したわけでありますけれども、いろいろその質問、答弁のやりとりを聞いておりました。しかしながら、あのようなトラブルの連続の中で、一千百億円も投資したあの原船「むつ」が、この間の段階でもまだこれ以上、出力試験をすることによって何らかの形でその成果が期待できるという原子力局長の答弁もあったわけでありますけれども、そういう矢先に、三日前ですか、またトラブルがありましたね。今そういう状況にありながら、皆さんがいろいろなすべき手をなしてまたトラブルが出ていると思うんです。皆さん方の予測のつかないところでトラブルが出ていると思うんです。そういう状況を踏まえながら、またその原子力船「むつ」の実験を進めるのかどうか、その態度と意義についてただしたいと思います。
○政府委員(緒方謙二郎君) ただいま先生から六ケ所の問題、「むつ」の問題、御指摘がありまして、青森県として非常に長い原子力とのかかわり合いがあるという御指摘でございました。 確かに、「むつ」につきましては非常に長い歴史があるわけでありますが、御指摘のように十六年前に出力上昇試験をやっている途中でトラブルが発生をして、自来十六年間のいわばブランクがあったわけでありますが、今回再び綿密な事前の点検をして出力上昇試験をいわば続行させていただいているわけでございます。その途中で、第一段階、最初の段階の港の中における出力二〇%までの出力上昇試験につきましては、若干のトラブルがございましたけれども所定の手当てをしまして無事に終了し、次の段階の外洋に出て出力をさらに上げていくテストをやるための準備をしている過程で今ふぐあいが発見され、その原因の究明をしている最中でございます。 いろいろ故障続きで、実験を、研究を継続する意味があるのかという御指摘かと思いますけれども、たびたび委員会でお答えをしておりますように、原子力船といいますものは非常に小型の動力で非常に高エネルギー、高出力が出せる。しかも、いわば煙が出ないわけでありますから水中で航行することも可能だというような特徴がありますので、将来こういう特性を利用した船の需要というものがいつの日にか必ず出てくるだろう。そういうときに備えてやはり技術の芽だけは研究を続けていかなければならない。将来そういう事態が、実際の具体的な船の開発をする場合に日本として何の蓄積もないということでは、これだけの海運国、造船国としてやはり非常に問題ではないかということから、これまで十六年間ブランクがあったわけでありますけれども、既に一千億の経費を投じまして原子力船「むつ」というものが動かせる状態でそこにあるわけでありますから、これを所期の目的どおり実験航海まで行いまして、必要なデータをとりまして将来の技術開発に備えていく、こういうことでやらしていただいているわけであります。 いろいろ御心配をかけている点はまことに恐縮でありますけれども、出力上昇試験と申しますのは、出力ゼロの状態から段階的に徐々に出力を上げてまいりまして、その間に何かふぐあいが出てまいりますとそれに対して必要な措置をとるということで、機械システムの一番最初の段階でやります試験でありますから若干のふぐあいが発見されることはあるわけでありますが、それはその原因を正し適切な措置をすれば、それで計画の遂行に支障を来すというものではない、こういうふうに考えて進めさせていただいているわけでございます。安全の確保はもちろん最優先で考えておりますけれども、原子力船につきましては今後とも円滑に試験ができますように、私どもも非常に強く期待をしているところであります。
○三上隆雄君 ただいま局長からそれなりの御答弁をちょうだいいたしましたけれども、私ども地元におれば、あのぐらいトラブルがあれば、一たん事故が起きてからやめてもらうんでは困るんです。その意味で長官、これは政治的な判断であなたの御答弁を確認したいと思います。
○国務大臣(大島友治君) ただいま技術的、具体的と申しましょうか、政府委員の方から説明をさせたわけでございますが、あえてそういう問題については私もかねてより聴取もし、承知はいたしておりますが、ただ私としましても、もう長いこと皆さん方に大変御心配をかけているということは、まことにもってこれ申しわけないという点は重々承知はいたしております。しかしながら、貴重な財源を費やしまして、長期にわたる懸案の問題をただ何の目的達成もなくしまうということも忍びないということは、我々の立場としても承知をしておるので、ここまで皆さん方に御迷惑をかけておるということは申しわけがございませんけれども、いわゆる日本が海運国といたしまして、将来に向かって原子力船による能力というものがいかなるものであるかという一つのデータをこの際どうしてもつかみ得ることが必要じゃなかろうか、こういう点に立って、皆さん方の御心配もあえて申しわけないとは存じながらも、安全性を十分に踏まえて今日実験を進めておるのでございますので、どうかその点も、私もあえて御迷惑とは思いながらも御協力、御理解をいただきたい、こういう気持ちで進めておるのが私の考えでございます。
○三上隆雄君 なかなか私の期待するようなお答えは出てこないと思いますけれども、もしも事故があってからでは遅いんですから、あなた方が科学的に、学術的に可能な限り、危険が出るようであればいつでもやめてくださいよ。もう一回トラブルがあったらやめませんか。これだけもう一回確認しておきます。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほども御説明いたしましたように、出力上昇試験と申しますのは、段階的に出力を上げていきまして、その間に機械のふぐあいがもし発見されました場合には、それを所定の手当てをしてさらに先へ進む、ふぐあいはもちろん直さなければそれ以上先へ進めないわけでありますから、そういう段階を追って性能の確認をしていくわけでありますので、機器のふぐあいということはある場合もあろうかと思いますけれども、それが原因となりまして地元の方々を初めとして周辺環境に影響のあるような事態が発生するということは、これは万々が一にもないものというふうに私どもは強く確信をしておるわけでございます。
○三上隆雄君 それだけの確認だけはしておきたいと思います。 先ほど冒頭申し上げましたように、私は参考人を含めて私の質問を組み立ててまいりましたけれども、それがこのような形で拒否されましたので若干質問の順序が変更になると思いますけれども、あらかじめ御了承いただきたいと思います。 そこで、青森県に核燃サイクル施設が集中立地されている。そのプロセスと経過についてお尋ねをしたいと思わけでありますけれども、青森県と国の関係において、むつ小川原開発というプロジェクトがあったわけでありますけれども、その中で、いつの段階でこの核燃サイクル施設というのが編入されたのか、その経過と時期、その理由をお聞かせをいただきたいと思います。
○説明員(江藤勝君) 先生の御質問、原子燃料サイクル施設の受け入れまでのむつ小川原開発の経過につきまして御説明いたしたいと思います。 むつ小川原開発自体は、開発の目的、理念といたしまして、産業構造が低位にあるという事実がございましたので、工業開発をてこにいたしまして産業の振興と住民の生活及び福祉の向上、これを図っていく。ひいては今後の国民生活の安定と国土の均衡ある発展に資することを目的としてスタートしたわけでごさいます。この構想自体は、昭和四十四年の新全総において遠隔地大規模開発プロジェクトの一つとして打ち出されたわけでございます。この新全総構想を受けまして、青森県は昭和四十七年六月にむつ小川原開発第一次基本計画を作成いたしました。これは基本のパイロットプランと言われるものでございまして、この中で工業開発や農業開発その他のものの基本的な方向を示したわけでございます。 それから、これを受けましてさらに青森県は、昭和五十年十二月にむつ小川原開発第二次基本計画を作成しました。これがいわゆる現在言われております現行のむつ小川原開発第二次基本計画でございまして、この五十年十二月の青森県の計画を受けまして、昭和五十二年の八月に関係省庁におきまして、この計画を参酌しつつ国レベルで計画の具体化のための所要の措置を講ずるという申し合わせを行い、同時に閣議口頭了解を五十二年に出しております。 それから、その後石油危機等がございまして、我が国の経済構造の急激な変化等の影響で、当初石油コンビナート、石油化学、石油精製、それから火力発電所の建設を目標としておったわけでございますが、必ずしも想定どおり進まなかった。途中で国家石油備蓄基地の立地が始まりました。これが六十年までに完成したわけでございますが、その過程で昭和五十九年七月、電気事業連合会から原子燃料サイクル施設の立地要請が青森県に対してなされまして、昭和六十年四月青森県は、原子燃料サイクル施設の建設を先ほど申し上げましたむつ小川原開発第二次基本計画に付という形で織り込みまして、これを推進するということを決められまして、国においても六十年四月に関係省庁において計画修正の趣旨に沿って開発……
○三上隆雄君 質問してないことに答えないでくださいよ。むつ小川原計画にいつ入ったかということを聞いているんです。
○委員長(中西珠子君) 簡潔に願います。
○説明員(江藤勝君) むつ小川原開発計画に入りましたのは今申し上げましたように六十年四月でございます。
○三上隆雄君 それでは、それまでには全くその計画には原子力関係の内容のものが含まれてないという解釈でよろしゅうございますね。
○説明員(江藤勝君) そのとおりでございます。
○三上隆雄君 そこで、この六十年にむつ小川原開発計画の中に、これがいわゆる第二次基本計画の中に入れられたということでございますけれども、これは青森県が要請して入れたのか、国が青森県に要請したのか、その辺について明快なお答えをいただきたい。
○政府委員(緒方謙二郎君) ただいまの点は、先生今お述べになりましたいずれのケースでもありませんで、要請をいたしましたのは事業者、電気事業連合会が地元の知事並びに村に対して要請をしたという形になってございます。
○三上隆雄君 県内議論の中では、一般的にも県議会の中でも、国の要請があったから県で受け入れたと言っているんですよ。電事連がなぜここへ入ってくるんですか。その辺の御見解を明確にしてください。
○政府委員(緒方謙二郎君) 原子燃料サイクルを日本の国内で完成をさせる、これがエネルギーの安定供給のために必要であるということは国の政策として決まっているわけでございます。それを受けて事業者である電気事業者が関係をいたしまして、原子燃料サクイルをつくるためにいろいろ準備をしたわけでございまして、具体的な立地の要請をするということについてはこれは事業を行います者、この段階ではまだ会社は設立をされていなかったはずでございますので、その出資者となります電気事業連合会が事業者の立場から地元に要請をしたということでございます。
○三上隆雄君 まだはっきり私は納得いかないんですけれどもね。計画そのものには事業者は入ってないわけでしょう。国と県の計画でしょう。それが県に対して事業者が要請するという、それはどういう意味ですか。国の委託を受けて事業者が青森県行政にお願いしたということですか。
○政府委員(緒方謙二郎君) お答えする前にちょっとひとつ訂正をさしていただきますが、先ほど会社はまだ設立されていなかったと申し上げたのは、原燃サービス株式会社の方は既に昭和五十五年に設立されておりますので、私誤って答弁申し上げました。訂正をさしていただきます。 ただいまの点、時系列でちょっとお聞きいただきたいと思うのでありますが、電気事業連合会が県に対して包括的に協力要請をいたしましたのは、昭和五十九年の四月二十日でございます。同じく電気事業連合会が六ケ所村に対して協力要請をいたしましたのは、昭和五十九年の七月二十七日でございます。そして、その後幾つかのことがございましたが、昭和六十年の四月十八日に知事は、電気事業連合会に対しまして、立地協力要請を正式に受諾するという返事をなさっておられます。そして、先ほど国土庁から御答弁がありました、閣議でむつ小川原開発第二次基本計画を一部修正するという形でこの原子燃料サイクル計画を二次計画の中に含めましたのが昭和六十年四月二十六日ということになっておりますので、政府が閣議でむつ小川原計画の中に計画を決めるまでの前段階で、電気事業者が地元に協力を要請し、知事から正式に受諾するという返事をいただいておった、こういう時系列であります。
○三上隆雄君 事業者が地方自治体の青森県に対して要請する、これが国の方針だというその考え方はどうなんですか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほどもお答えしましたように、国の施策として原子燃料サイクルを日本の国内で確立する必要がある、それを電気事業者がやるべきである、こういうことでございますね。 電気事業者の方は、潜在的な幾つかの候補地点が恐らくあったんだろうと思いますけれども、その中から適地として青森県にお願いをし、青森県から正式に協力しようという御返事をいただいて、そこで国策に沿った形で原子燃料サイクルをこの青森の地で行うということを決め、それを政府が、むつ小川原総合開発計画というものはそういう計画を含んでおりませんですから、そうすると国の計画とそごを来すことになりますから、そうではなくて、国の計画、地域開発計画の中でもオーソライズをして、そういう意味でも国策としてやっていこうということで決まったもの、こういうふうに私は理解をしております。
○三上隆雄君 その経過は確認をいたしました。 それでは、下からいきますと、県が事業者側から要請を受けて、その要請を受けたこと自体が国からの要請だという判断に立って違いありませんか。その判断でよろしゅうございますか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 国の原子力政策にのっとって事業者が県に対して協力要請をしたもの、こういうことでございます。
○三上隆雄君 ですから、はっきり答えてくださいよ。事業者が県に対して要請したんでしょう。事業者イコール国だという考え方でよろしゅうございますかということを聞いているんです。
○政府委員(緒方謙二郎君) 事業者イコール国と考えていいかというような御質問でございますとちょっとお答えしにくいんでありますが、事業者が行いますこの事業というのは国の政策にのっとってやるわけでありますが、事業者は民間の企業でありますから、民間の企業であるところの事業者が国と同一であるかと言われれば、形式論を言いますとそれは違うという話になるんでありますが、政策としては国の政策にのっとった事業をやっている、こういうことであります。
○三上隆雄君 それでは、国はこの原子力政策をとりあえず進めるのだ、その進め方についての一切を事業者側に委任しておるということの解釈でよろしゅうございますか。地域の選定も方法もすべてを委任しておるという解釈でよろしゅうございますか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 国の具体的な原子力政策の中で、この原子燃料サイクルを青森県でという地名を入れて正式に決めた文書といいますのは、現在原子力委員会が決めました長期計画の中で具体的に位置づけておりますが、この現行の長期計画を原子力委員会が決定したのは昭和六十二年でございます。したがいまして、現時点では、青森県に原子燃料サイクルを立地するということは、まさに国の原子力政策として行っていることでございます。
○三上隆雄君 それでは、くどいようですけれども、六十年四月十八日に事業者が国の立場に立って青森県に要請した。その要請を受けて国も参画して正式に決定したのが六十二年、そういう解釈になりますか。
○政府委員(緒方謙二郎君) ちょっと議論を混乱させて申しわけありませんでしたが、こう御理解いただくべきであろうかと思います。 先生、先ほど六十年四月十八日に要請とおっしゃいましたが、六十年四月十八日は知事が受諾をした日でございます。要請は、五十九年四月二十日でございます。五十九年四月二十日に電事連が県に対し協力要請をし、六十年四月十八日に知事が正式受諾をし、政府は同六十年四月二十六日にむつ小川原開発第二次基本計画を一部修正するという形で閣議で口頭了解しておりますので、青森県にこの核燃料サイクルを立地するという政府の正式の意思決定は、六十年四月二十六日に行われておるということでございます。 先ほど六十二年の例をちょっと申し上げて混乱をさせましたが、六十二年に策定をされました現行の原子力の長期計画にもそのことが述べられているということでございます。
○三上隆雄君 それまでのむつ小川原開発計画に編入されたその経過等については、一応確認をいたしました。 それでは次に、私は、これから日本の原子力政策を、そしてまた青森県の核燃サイクル施設をあそこに集中立地するということを変更しなければならないという理由を若干申し上げて、政府の御見解をただしたいと思います。 六十年のチェルノブイリの事故以来、国民の意識は私は全く変わったと思います。青森県の意識も変わりました。そこで、私どもは、今開かれた国家の中で、法治国家、民主国家の中で与えられたすべてのことをなして、県に対してこの計画の白紙撤回を求めてきたんです。署名運動もやりました。我々農家が、十万農家の中で十四万六千という署名を集めました。県内外から五十万を超える署名をちょうだいしました。それを県に示して、これを何とかして白紙撤回させてもらえぬかということの要請もしました。それでも聞かない。ですから、私はちょうど一年前に参議院に、この核燃に対する問題を県民投票という位置づけで県民に意思を問う、そういう位置づけで選挙に臨んだわけであります。その結果、私を支持したのが五二%であります。それ以外に核燃白紙撤回を求めた候補のものが共産党を含めて一〇%ぐらいありました。したがって、六二、三%というものはこれを拒否したということの選挙の答えであります。 それから次に、それを通しても県はかたくなにこれを変更しようとしません。そこで、五者協定の中での受け入れのうち一人であります六ケ所村の村長選がありました。これにも凍結を唱えた土田という方が当選しまして、今やっている。当時現職の推進の古川という村長はあえなく敗退したわけであります。予想を全く裏切って敗退したわけであります。それでもなおかつその変更ができません。 そこで、さきの二月の総選挙であります。総選挙も、今ここにいて支援をしていただいている関さんが自民党の候補の二人分をとって、十六万という票をとって当選いたしました。全く不毛の、自民党以外のない青森県において、今革新系国会議員が三名という形になりました。それは何を意味するかというと、最も大きなテーマは核燃は要らないということの証左だ、私はそう思うんです。そういう状況変化に伴って、私は県がこの計画を白紙撤回の方向へ修正変更しなきゃならぬと思うけれども、青森県はまだそこに至っておりません。 そこで、これから来るこれまた与えられた権利でありますところの選挙で勝たなければならぬということで来年一月の選挙に臨むわけでありますが、それはきょうは別にしまして、そういう状況変化によって、地元の意向を国はどう受けとめて今後どう対処されるのか、まず大臣の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(大島友治君) 現在青森県の六ケ所村で進められている核燃料サイクルの施設の計画をめぐりまして、ただいまも委員の方から種々お話がございましたように、地元におけるいろんな議論がございまして厳しい状況であるということは私も十分承知はしておるつもりでございます。しかしながら、この計画は、我が国が実質的な核燃料サイクルを確立するためにどうしても必要不可欠ではないかというような考えに立って、エネルギー政策及び原子力政策上の極めて重要な課題として認識し、かつ取り上げておるというのが現状なのでございます。 このために、政府としては安全の確保を大前提にいたしまして、この計画について地元の一層の御理解と御協力を得られるように引き続き私といたしましても最大限の努力をしてこの問題に当たってまいりたい、こう考えておるので、先ほど来の御指摘についても重々私も心に秘めてお聞きし、かつまた私といたしましても実施をしてまいりたい、こういうことなのでございますので、御理解をいただければ幸いじゃないか、こう考えるわけでございます。
○三上隆雄君 今までの大臣から全く一歩も前進しないお答えしかちょうだいできないけれども、これからまた質問を進めていきたいと思います。 その一連の選挙結果を見て青森県の知事は何と言ったかというと、反対する人は認識不足だから反対していると言っているんです。自民党の県議会の先生方が、反対を唱える、あるいは慎重を唱える学者の意見を一度も聞いたことがない。県の三役もそういう状況なんです。ですから、私はきょうあえて常々原子力政策に対して一応の慎重な見解を述べている参考人を呼んでいるんです。それが拒否されました。その経過は別にして、それは別にしてですよ、ですから私は、今までの原子力政策というものが国も県もすべて閉鎖性、秘密性、平等を欠いておるという認識に立たなきゃならぬと思うんです。そのことをわかってくださいよ。 それで、一つお願いしますけれども、私は当選して初めて今回この質問の機会をちょうだいいたしました。今まで何度か理事を通してこういう審議の機会を持てないかというそういう要望をしてきましたけれども、常設の委員会でないいわゆる特別委員会だから、法案の審議がない以上審議の機会がないということで今まで一年間延びてきたんです。これほど地元で国民が批判しているときに、科学技術委員会でこの問題を真剣に審議できないということは、国政の何たるゆがみというか、私は残念でならないわけであります。 そこで、今まで私は、行政が主催して公開ヒアリングをやってもらいたいということを何度か申し上げてきましたけれども、県も国も受け入れてくれません。たまたまこの間六ケ所でやりましたね、六ケ所の現地で一カ所で。ああいうような要望はした覚えもない。青森県の多くが構成団体となっている市民団体が、あの開催では不公平でならないからとその中止を要請しても、あえて強行したではありませんか。その結果どういう結果になりましたか。幾ら動員を要請して何人出ましたか、簡潔にお答えいただきたいと思います。そのときの警備にどの程度の警官が動員されたか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先生からいろいろ地元青森の情勢を踏まえて御指摘をいただきまして、一々思い当たるといいましょうか、先生のおっしゃっているバックグラウンドを私なりによく理解しているつもりでおります。選挙の経緯その他についても私はもちろん存じ上げておりますし、私自身も実は局長に就任以来まだ一年にならないのでございますが、青森には既に五回お邪魔をしております。現地にも随分何度も行って見聞きをし、直接お話を承るように努力をしているつもりでございますけれども、まだまだ努力不足の点があるのはおしかりをいただいているとおりでございます。 選挙の結果について県民の方の不安のあらわれで、不信任のあらわれであるというお話もございましたが、もちろん先生の、選挙でございますから、先生の御当選されましたことについては、政策の問題だけではなくていろんな要素が加味されているんだろうと思いますけれども、それにつけても先生が五二%の支持を得られたということについては、やはりチェルノブイリ以降県民の方の間に不安、疑問ということがいろいろあって、それに対して事業者あるいは我々が必ずしも的確に対応してなかった点がある、こういうことで私ども率直に反省をさせていただいております。したがって、私どもとしては御批判は十分いただき、また批判をされている方の中で誤解あるいは思い込みに基づいておっしゃっている点があるとすれば、そこは我々の言い分も聞いて正すべきは正していただきたい、こういうことで御説明をし、討論をする機会を極力つくりたいということで努力をしているつもりでございます。 ただいま、それでもまだ努力不足である、先般の公開ヒアリングについてという御批判、御指摘がございましたが、公開ヒアリングは、安全委員会が主催をしたものでありますのでちょっと私からお答えするのは適当ではないんですが、原子力安全委員会が主催をして何といいましょうか、非常に整々と行う制度でございまして、立場を問わずどんな人でも平等に入れるように機会を設けた非常に大規模な国の安全委員会の行っている事業でございまして、御主張はともかくとして、反対の方の一部がボイコットされたということは、そのことについては大変私は残念に思っております。 そこで、私ども公開ヒアリング、先般行いましたのは低レベル放射性廃棄物の埋設処理についての公開ヒアリングということでございましたが、それ以外のものも含めていろいろ実情について技術的な点も含めて御説明をする機会、それから住民の方の御心配、疑念に対して直接お答えする機会をつくるということで、実は昨年度フォーラム・イン・青森というタイトルで青森県内十六カ所で、通産省、科学技術庁の課長クラスの者と、それから原子力関係の専門家の学者といいましょうか、専門家の方にも入っていただいてチームをつくりまして、地域住民の方と文字どおりひざ突き合わせて話し合う、こういう機会を進めてまいりました。 これにつきましてはそれなりに御評価をいただいているのではないかと自負しておりますが、今年度もまだ予算をお認めいただいておりませんので今年度の予算がまだ執行できないのでありますが、予算が成立次第ことしのシリーズを開始をしたい、こういうふうに考えて準備をしているところであります。 公開討論会につきましては、事業者がこれをやるということを前から言っておりまして、私どもはそれをぜひやるべきであるというふうに推奨しておったわけでありますが、御案内のとおり昨年の十一月二十六日に事業者が公開討論会をやるということで一たん決めたわけでございます。いわゆる反対の立場を代表されるような方々の御参加もめどがつきつつあった段階で、最後の段階になりまして農業団体との調整がつかなくなりまして、要すれば農業団体の方々がその公開ヒアリングには参加できないということを言われたものですから、ほかの方も農業団体の人が入らないのであれば自分たちも入らないというようなことから、この計画が実現に至らなかったわけであります。 これも私どもは大変残念なことだと思っておりまして、せっかく事業者がそれなりに努力をしてやったわけですから、運営の方法について御不満、御意見があるならば、そこは話し合いで何かやりようがあったのではないかという気もしているわけでありまして、事業者にはこれで事足りるということではなくて、引き続き次のやり方でぜひ実現をするようにということを呼びかけております。事業者の方も御案内のとおり開催の努力を続けておりまして、本年の五月二十四日に現地の原燃合同本社の平沢代表が記者会見で述べておりますが、いわゆる反対団体と共催をするということも検討したい、それからいずれにしても九月の初旬までに開催をしたいということを申しておりますので、これはぜひ実現させる方向で私どもも督励をしていきたいと思っております。 また、先般、これは地元の青森放送がテレビ番組の中で二時間以上の時間をとって企画をされ、双方の立場を代表する方が参加をされて大変実りのある討論をされたのではないか、私もビデオは後で拝見をいたしましたけれども、いろいろ傾聴に値すべき意見が出ておったのではないかというふうに考えております。 以上、申し上げましたように、先生の御努力なさっておられます公開討論会につきましては、私どもとしてもいろいろな形で今後とも実現に努力をしていきたい、こういうふうに考えておりますので、ぜひ先生の方にも地元でよろしくお力添えをいただきたいと存じます。
○政府委員(村上健一君) 公開ヒアリングの数字について申し上げます。陳述人は申込数が千八百四十九名、公開で抽せんしまして四百七十七名を選びました。当日御出席されましたのは二百七十八名でございます。それから特別傍聴人約百名、それからプレスが約二百名参加いたしました。それから陳述人は申し込みが三十九名ございまして、十六人に参加していただきました。それから、この公開ヒアリングの結果は、夜三時間生放送されたということをお伝えしておきます。
○三上隆雄君 それなりに国は努力していると思うけれども、県民にしてみるとますます不信を買うんですよ、それに対する要請を聞かないで。しかも、事業者側というのはどういう立場ですか。それを営利としてやる事業者側なんですよ、自分たちが不利になるようなことは絶対していませんよ。今まで何度もそういう経過があるんじゃないですか。やはり公正な立場でやろうとするならば国が、県が、行政がやらなければだめなんです。なぜやらないんですか。本来だったら行政がやってもらわなきゃだめですよ。 そこで今、我々農業団体が主体となって自主フォーラムという、県民フォーラムという機会を持っているんです。県下五カ所でやることになっています。それに対して国で応分な援助はできませんか。共催でやりませんか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 事業者が行うのは推進の立場であるからだめであるという御指摘でございますけれども、事業者がやると申しましても、事業者が司会をして事業者が進行一切を取り仕切るということではなくて、この前十一月二十六日に流れましたのも、中立的な団体にお願いをしてそこにやっていただくということで、実際上のかかる経費であるとかもろもろの手配についてのお手伝いをその事業者がやる、こういうことだったわけでございました。それにもかかわらず、いや裏で事業者がついているからだめだということで言われておるわけでありまして、今回原燃合同本社の方はいわゆる反対団体と共催することも検討すると申しておりますので、今の先生の御提案を会社の方にも伝えまして検討させてみたいと思います。(「共催できるかどうかと聞いているんだ」と呼ぶ者あり)
○三上隆雄君 できますか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほども申し上げましたように、今フォーラム・イン・青森とか、それからまたそういう形でいろいろ国としての努力は別途しているわけでございまして、国として決して何にもしないで責任を回避しようとしているわけではないということを御理解いただきたいと存じます。
○三上隆雄君 やるのかやらないのか、本当に言ってくださいよ。やりませんとか、まあやむを得ない、検討しましょう、どっちでもいいから確たる答弁をください。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほど来お答えしておりますように、国は国としてやるべきことをやる、それから事業者にやらせるべきことはやらせるということが基本でありまして、国が反対団体と共催でやるということはちょっと考えたこともありませんし、突然の御指摘でございますので適切なお答えを持ち合わせておりませんので、ちょっと持ち帰ってよく考えさしていただきたいと存じます。
○三上隆雄君 今反対の側だと一蹴されましたけれども、県民の側ですよ、反対の側じゃないですよ。確かに賛成の人もあるけれども、この間は賛成の団体は建設業界が賛成、その団体が一つ、推進を決議いたしました。もう一つは商工団体です。一般の県民は、それをやることによって直接経済的な潤いも予想できない、期待できない人は、だれも賛成してませんよ。あるいは政治にかかわりを持った県の行政の幹部職員ですね。県職員のほとんどはそうでないと思いますよ。幹部職員はやむを得ず賛成しているでしょう。(「そう決めつけるのはどうかな」と呼ぶ者あり)私はそう思っていると言うんだ。 そういうことで、どうかひとつ県民のだれが見てもこれは公平な運営だなと、そのパネラーも平等な立場で選ぶような、常に推進を主張しているような学者でなく、むしろ逆に推進している専門家と反対の専門家が一緒にやって、そして県下の何カ所かで勤労者が出れるような時間帯で、各団体の日当をもらって出るようなそういう時間帯でなく、そういう機会で私はやってもらいたいんです。そういう要望をしているでしょう、今までも。それをやらないんだから。 以上でこの問題については終わりたいと思います。 それから、先ほども何度か答弁の中で出てきましたけれども、原子力安全委員会の目的と政策と構成とその役割を簡潔にお答えいただきたい。
○政府委員(村上健一君) 御案内のとおり、原子力安全委員会は、昭和五十三年に原子力委員会から分かれて、国会の設置法の改正に基づきましておつくりいただきました、内閣総理大臣の諮問委員会でございます。それで、我が国の原子力規制行政、規制政策の企画立案、審議をすることが本来の目的でございまして、その審議の結果を所管の行政庁に対じて意見を言い、かつ必要に応じて内閣総理大臣に意見を申し出るというのが本来の安全委員会の仕事でございます。現在構成は、国会の附帯決議にもよりまして、原子力安全委員会は学識経験者で構成することになっておりまして、現在常勤の安全委員が四名、非常勤の安全委員が一名の五人の構成になっております。 具体的に、それではどういうことをやっているかと申し上げますと、一番端的なものは、行政庁、すなわち実用原子力発電所の場合には通商産業省、それ以外の場合には科学技術庁、行政庁が行います安全審査の結果を再審査いたしまして、許可基準に適合しているかどうかの意見をそれぞれの所管行政庁の長に申し述べるという、いわゆるダブルチェック、それから重要な原子力施設の場合には、ダブルチェックに参酌するために地元で公開ヒアリングを開催する、その他必要に応じて専門的な事柄についてシンポジウム等を行い意見を求める、大きく分けるとこの三つが原子力安全委員会の仕事でございまして、昭和五十三年に設置された内閣総理大臣の諮問委員会でございます。
○三上隆雄君 企画立案から関与して、設計に関しての審査もするわけでしょう。簡単でいいです。
○政府委員(村上健一君) 先ほど申し上げましたダブルチェックの際に、行政庁が行いました全体の審査の中の基本設計の問題を中心にダブルチェックをして、所管の行政庁に対して意見を言う、こういうことでございます。
○三上隆雄君 もし事故があった場合、例えば福島第二原発のように事故があった場合に、その審査をするのはどの機関ですか。
○政府委員(村上健一君) これは、一義的には行政庁の問題でございますけれども、安全委員会が設置されましてすぐ、安全委員会の重要任務についてということを決めましたときに、国会等の御意見もございまして、いわゆる頭から最後までのすべてのところについて必要に応じて意見を言いなさいということになっておりますこともございまして、事故、トラブル等についても所管行政庁から報告を受けて必要な意見を言う、こういう仕掛けになっておりますが、一義的には所管行政庁の問題でございます。
○三上隆雄君 私ども考えるに、設計を審査し、それを許可する、そして後で事故が起きた場合にそれもまた審査するというのは客観性が失われるので好ましくないと思うんで、その見直しが必要ではなかろうか、そう思います。
○政府委員(村上健一君) 若干お言葉を返すようで恐縮ですが、基本設計であろうと、ともかく審査をして許可するのは所管行政庁の大臣でありますので、例えば福島の発電所でございますと通産大臣が許可をする。その許可をする前に安全委員会がいいとか悪いとか申し上げて、所管大臣はこれを十二分に尊重するという法律上の手続になっております。他方、設立されましたときの国会等の御意見もございまして、頭だけやっておしまいにするのはよくないということで、ずっと後も意見を言うという仕掛けにするべきであるということで、現在は、事故、故障、トラブルについても報告を聞いて、必要に応じて意見を言っている、こういうことでございますので、これを改める必要は私ども事務方としては今ないというふうに考えております。
○三上隆雄君 次の問題に入りたいと思います。 いろいろ質問の組み立てが変わってしまいましたけれども、そこで私がひとつ提案したいことは、今青森県に立地される再処理施設というのは、東海村にその試験施設はあるけれども、世界に類例のない大型のものだ、こう聞いておりますけれども、果たして、これほど県民の多くが反対しているにもかかわらず、なぜ集中立地をしなきゃならないか。日本の科学技術、そして技術的な関係それから人間的な関係、いろいろ今までトラブルが起きてきているのは、この間福島の第二原発も見てきました。最初の常識で、認識で、慎重に慎重を期してやっていながらああいう事故が起きるんです。ですから、日本人だけが神様のような人間じゃないと思うんですよ。技術だって世界的にそれほどすぐれているんですか。世界の趨勢が、原子力政策はむしろ縮小の傾向にある。拡大している国は世界のどこにありますか。中止した国家はどこですか。縮小の方向へ持っていっているのはどこで、何カ国ありますか、簡単に言ってください。
○政府委員(緒方謙二郎君) それでは手短に御説明します。 再処理で世界に類例がないんじゃないかというお話ですが、類例がございます。フランスでは、昨日も御答弁しましたが、フランス核燃料公社、COGEMAがラアーグに持っておりますUP2は現在年間処理能力四百トンですが、これを九二年までに八百トンに増強すべく今工事中でございます。それから、同じラアーグにさらにそれとは別に、UP3と呼ばれる年間処理能力八百トンのプラントを九〇年八月全面運開の予定で建設中でございまして、今一部操業中でございます。英国は、セラフィールドに九二年運開を目途に千二百トンの処理能力のTHORPという工場を建設しております。六ケ所村は、八百トンの処理能力でございますので類例がないということではなくて、大体世界的な規模ということかと思います。 それから、集中立地の点でございますが、再処理工場はとりあえず一カ所でありますので、集中といいますが、日本国内の青森でお願いをするということでございます。 それから、低レベル廃棄物の問題。集中と言われたとき、低レベル廃棄物のことを念頭に置いて御発言じゃないかと思いますが……
○三上隆雄君 低レベルと再処理と貯蔵です。
○政府委員(緒方謙二郎君) 低レベル廃棄物につきましては、これは低レベルではございますけれども、放射能が十分減衰いたします期間、安全をとって三百年間と考えておりますが、三百年間有効に管理をするということを考えておりますので、そういう場合にはある程度まとめた方がいろんな意味で、専門家の張りつけ方、行政の監督の目の行き届きやすさ等々からいって、集中することのメリットがある面ではあるという点がございます。 それから、世界の趨勢が再処理から離れているんではないか、原子力利用から離れているんではないかというお話でありますが、やめたというのは、先生、多分西ドイツのバッカースドルフに建設中の再処理工場が建設をやめたということが強く頭にあっての御発言ではないかと思うんでありますが、西ドイツは自国内で発電をした使用済み燃料を再処理するという方針は変えておりません。問題はどこで再処理するかということでありますが、最初は自分の国の中で工場をつくってやろうとしたんでありますが、これを取りやめまして、フランスまたはイギリスの先ほど申し上げた大型の工場に持っていって、そこで再処理させよう、こういう決定をしたわけでございます。ちなみに、九二年のEC統合というようなこともございまして、全体を見ての判断であろうかと思われます。原子力政策の変更というよりは、むしろ再処理工場の配置計画といいましょうか、分担計画の変更ということだと思います。 英国、フランスは再処理を続行しております。フランスは原子力発電の比率が日本よりはるかに高い七割でございます。お隣の韓国も原子力発電の比率は五割程度になっております。
○三上隆雄君 ほとんど科学的、技術的なところの質問はできなかったけれども、プルトニウムをあえて再処理しなければならないという考え方が私ども理解できないんです。その意味で、日本で再処理するよりも輸入した方がいいということがはっきり学説的にも言われておりますから、その辺についての考え方をお伺いしたい。
○政府委員(緒方謙二郎君) 本来丁寧に御説明すべきですが、時間がありませんのでかいつまんで申しますと、プルトニウムの利用につきましてはいわゆるワンススルー、核燃料を使い捨てをするのではなくて、再処理をして、それから回収される回収ウランあるいはプルトニウムをもう一回使うという、これが日本の原子力政策の基本になってございます。それで、現在は日本の国内で再処理をする能力が東海村しかございません。これは実験、研究開発を兼ねた非常に小規模なプラントなものですから処理能力がありません。そこで、現在やむを得ずフランス、イギリスに再処理を委託しているわけでございます。しかし、これは長期的に見ると、やはり日本の国内でこういう核燃料サイクルを確立すべきだというのが原子力委員会の政策でございますので、そこで六ケ所村に今建設をお願いをしているわけです。 したがいまして、長期的にはイギリス、フランスに委託をしているものから国内に変わってくる、こういうことでございまして、長期的にごらんいただきますと、輸入ではなくて日本の国内でそういうプルトニウムの核燃料のサイクルを確立をする、こういう考え方でございます。
○三上隆雄君 いや、安いか高いかと聞いているんですよ。科学的に、日本でこれぐらい危険を伴いながら、官民両方のいろんな投資をしながらあえて再処理施設をつくること、輸入した方が安いという議論もあるから、それについて簡潔にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(緒方謙二郎君) 困ったことに、実はプルトニウムというのは市場価格がありません。国際取引商品ではなくて、したがって国際価格というものがないものですから、取引をされるその都度当事者間で決めている結果になっております。 それで、輸入した方が安いというのは、そういう御議論を一部の方がなさっているのかもしれませんけれども、これはなかなか比較することが難しい問題でございまして、なおかつ日本の国内で核燃料サイクルを完結させようというのは、経済性の問題だけではなくて、やはりエネルギー供給の安定性というセキュリティーの観点を含めての問題でございますので、そこのコストの計算というのはなかなか難しい問題になってくるのではないかというふうに思います。
○三上隆雄君 終わります。
○稲村稔夫君 私の時間、きょうは少ないものですから、あらかじめ通告をしておいた順序とは限りませんで、今のいろいろなやりとりなども聞いておりまして、私はまず大臣から御見解を伺っていきたい、このように考えますのでひとつよろしくお願いをいたします。 理屈で言い合うことというのは立場があっていろいろ渡り合うであろうということは、これは民主主義国家は当然自由にやられるべきであります。ただ、そういう中で民主主義の原則に照らして基本に置かなければならないのは何かということをきちんとしておかなきゃならないというふうに思うんです。 そこで、本当に基礎的なことを、失礼で恐縮なんですけれども、ここできちっと確認をしておかなきゃならぬと思いますので、大臣の御見解を伺いたい。 それは、人の命と健康、それと科学技術、さらには経済、これがいろいろ相入れないという場合が起こり得るわけです。対立するということがあり得るわけであります。こういう対立が起こりましたときに、民主主義の原則に照らして、一体どこに視点を置いて判断をすべきだとお考えになっておられますか。大変基本的なことでもう決まり切ったことだということなのかもしれませんけれども、大事なことなので大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(大島友治君) 極めて難しく、極めて簡単だというふうにも理解できる問題でございますが、やはりあくまでも私は生命の尊重ということを基本にしたいというふうに考えております。
○稲村稔夫君 生命の尊重ということを基本にして考えましたときに、そこでいろいろと生命が脅かされるのではないかという危惧が起こる、こういうことがありますね。それから、実際に何かあって生命が脅かされるという事実が起こるということがありますね。事実が起こってからでは遅いということにもなります。その場合に、おそれがあるというときにはどのようにお考えを持って対応をされるか、これもひとつ伺っておきたいと思います。――局長が大臣にかわってそういうことを判断するんですか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 大臣のお答えする前にちょっと私から申し上げさしていただきたいと思います。 これは先ほどの基本的な御質問よりもさらに難しい御質問であります。おそれがある場合どうするかという御質問でありますけれども、今、先生がいみじくもおっしゃいましたように、生命を脅かされることがあるのではないかという危惧がある、そういうおそれがあるということと事実ということはまた違うわけであります。したがいまして、まず科学的に見て危惧というものが本当に事実につながるものなのかどうか、科学的、客観的にどれだけの危惧、危険性があるのかということを冷静、客観的に評価する必要があると思います。その上で判断をすべきことではないかというふうに考えております。
○稲村稔夫君 大臣もそう考えておいでですか。
○国務大臣(大島友治君) 私は、局長が今言ったからというわけじゃございませんけれども、どちらが将来に発生するかというその判断を、いわゆる本当に危惧の問題が発生するか、いや、そこまでいってもそれは危惧につながらないというところの判断というものは、極めてこれは難しい問題じゃないかというふうに私は感じておりますので、その辺は客観的、主観的あらゆるものの検討の上に立って判断をすべきじゃなかろうかと考えております。
○稲村稔夫君 わかりました。大臣の答えの方が率直だというふうに思います。 客観的にということ、これもなかなか難しい問題であります。しかし、危惧とおそれというのはどこで線を引くかというのは常に論争になりますけれども、その危惧というのは徹底的に解明していかなければならない課題、こういうことにもなるのではないでしょうか。 例えば、起こってからその反省があちこちでされているという事実、例えばチェルノブイリ一つにいたしましても、あのチェルノブイリで、政策的に進めていた立場も、運用していた人たちも、科学者も、あのような形で起こってくるということは想定をしていなかったということにもなります。ですから、そういうおそれというものに対して、私は科学という観点からいったら本当に客観的だということが、だれでもが納得できるようなそういう取り扱いをしていくのがまた民主主義のもとでの科学という立場に立つ基本姿勢ではないかと思うのですが、その辺私の意見を長官、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(大島友治君) 大変立派な考え方と思いますが、しかしそれを割り切る時点は一体どこにあるかということになりますと、いわゆる客観的に危惧すべきであるかないかということを科学的に技術的に判断するということになると、これまた非常に難しいことではあると思いますけれども、やはりそういう角度からその問題を判断して、これがすべて一〇〇%是だとか一〇〇%非であると言うのはそこがなかなか難しいわけです。その辺をお互いの中でまずまず、まあ半分以上じゃないけれども、民主的に、この辺ならいいだろうというものを科学的な判断を下せるようないわゆる科学技術の面から見た進め方というものが大事じゃなかろうか。非常に難しいことでございますけれども、私はそういう意味で今の委員の御意見を理解したい、こう思います。
○稲村稔夫君 長官のお考えは、私もかなりの部分についてはほぼ同感だというふうに思います。それであればあるほど、やはりいろいろと危惧のあるということについての対応というのは、科学技術庁の立場からはできるだけ客観的にそして慎重にという扱いが必要になってまいります。その客観的なことが、民主的にやはり皆さんから認めていただけるような対応ということに努力することが必要なんだというふうに思いますということが、先ほど来の議論を聞いていまして痛切に感ずるわけであります。これからの原子力行政の中でその点を、大変くどいようで恐縮でありますけれども、きちんと貫いていただけますかどうか、もう一度お伺いをいたします。
○国務大臣(大島友治君) 重ね重ねの御意見を承って、私も真剣にこれはやるべきであるという意識をますます高めてきておるわけでございまして、それはあくまでも一方通行ではいかぬ、お互いに理解し得るような手段を最大限に努力すべきがこの仕事ではなかろうか、こういう判断に立って今後進めさせていただきたい、こう思います。よろしくお願いします。
○稲村稔夫君 基本的なことを伺いましたので、あとは私は本当に簡単なこと、技術的なことで、余った時間といったら言葉は悪いですけれども、もう本格的なことを聞くには時間が全然ないのですよね。ですから、ちょっと派生的な形のものになりますが、伺いたいと思います。 福島第二原子力発電所の第三号炉の再循環ポンプの損傷事故について、これは市民団体がアメリカの情報公開法に基づいて人手をされたNRCの資料、これにはいろいろなことが書かれておりますが、大事なことがいっぱいあると思うのですけれども、まず第一はこの報告書、直接の担当省庁でありますエネ庁が読んでおられるでしょうか。それから、科学技術庁の方も読んでおられるでしょうか。読んでおられるとしたら、どういう感想をお持ちになったかお聞かせをいただきたい。
○説明員(倉重有幸君) 今先生御指摘のNRCの資料、バイロンジャクソン社の見解を含めた形のNRCの資料かと思いますが、それにつきましては、エネ庁としては承知をした上で実はこの福島第二原発三号機の再循環ポンプの損傷事故につきまして報告を受けたのでございます。 この資料につきまする見解いかんというお尋ねでございますけれども、これにつきましては、バイロンジャクソン社が行った解析評価というのがございますが、これは隅肉溶接部の構造を正確に模擬していないというようなこともございまして、必ずしも厳密なものとは言いがたい面がありまして、具体的な数値の妥当性を議論するには不向きかというふうに考えておる次第でございます。 これに対しまして、我が国ではその実現模の模擬試験のデータに基づいて精密なモデルにより詳細な解析評価を行っております。したがいまして、私どもとしては正確な信頼に足るデータに基づいてこのトラブルについて評価をした次第でございます。
○稲村稔夫君 科学技術庁、ちょっと待ってください。今のあれを伺いながら私の方はエネ庁の担当者の方の考え方をもう少し伺いたいと思うところが出てまいりました。 大変これは失礼なことを聞くので恐縮ですけれども、ネズミを象の大きさまでに拡大して走らせたらどうなるというふうに、本当に突然の質問で大変恐縮ですけれども。
○説明員(倉重有幸君) ちょっと質問の趣旨がよくわかりませんのでどういうコメントをさせていただいたらいいのかわかりませんが、私どもとしましては、この評価に当たりましては幅広く情報を入手して評価をしたということでございます。
○稲村稔夫君 さっぱりわからないようで、私の質問の趣旨がおわかりにならないのは、私はその辺の問題意識が薄いから多分ぴんとこなかったのだと思うのです。というのは、スケールアップということについては非常にいろいろな問題があるんじゃないかということであります。バイロンジャクソン社の指摘の中にもスケールアップの問題も含まれているというふうに私は思いますね。 ネズミをそのまま拡大して象の大きさになったら、走れと言ったら途端に骨折を起こして動けなくなっちゃいますよ。そうでしょう。象が何であんな太い足をしているか。あの大きさだったらあの体重を支えるためには骨の断面積はそれこそネズミの比率では絶対だめですね。あの大きさにたえられるだけの骨の断面積にならなきゃならないのですよ。あの大きさのときには筋肉の量だとか体の表面積、そしてそれに基づく体温の問題、それに基づいての心臓の問題やいろんなことが全部あれされないと、スケールアップでそのままいかないわけですね。この辺のところはどういうふうに理解をされたのでしょうか。 それを聞いたらもう時間がなくなってしまいますから、私は最後に私の意見を言って、あとそれぞれ一言ずつでいいですからお答えをいただきたいのです。 福島の第二原発というのは非常にまだそういう点では議論を残しているんではないかというふうに思います。積極的にもっともっと問題点を解明していくというのが、これが先ほど長官のお答えになった人命を大切にするという観点から大事なんではないか、行政の面ではその辺をもっともっと徹底的に解析をしていくことが必要なんではないか、こう思うのであります。その点についてお答えをいただきたい。
○説明員(倉重有幸君) 先生御指摘のそのスケールアップの問題点でございますが、私ども模擬試験をする場合に実物よりも小さい模型で試験をする場合がございますが、それにつきましてはその実物との相関関係を十分考慮した上で解析評価等をすることとしております。
○稲村稔夫君 それで全部わかったら心配ないんですよ。
○政府委員(村上健一君) バイロンジャクソン社のポンプの件についてのNRCの資料の問題につきましての原子力安全委員会の件について御答弁申し上げますが、原子力安全委員会もこの資料を外交ルートで入手して、よく理解し、承知しておりまして、通省産業省の報告の過程に、その都度この内容について参考にされているものと思っております。 それから、ネズミと象の話については、安全委員に直接聞いてみないとわからないと思いますので私の推定でございますが、ネズミが象になるかどうかということなどを科学的に判断していろいろ検討するというお立場を原子力安全委員会は常日ごろとってきておられるものというふうに考えます
○稲村稔夫君 時間がなくなりました。今の答弁もふざけたところがあって、ちょっと聞きたいところがありますけれども、終わります。
○中川嘉美君 きょうは時間的に大変限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。 きょうはテーマを一つに絞りまして、東大病院のアイソトープ管理について伺っていきたい、こう思います。 まず、冒頭に伺いたいのは、東大附属病院、これは昨年の秋、研究、治療に使用しているところのラジオアイソトープの安全管理に関して科学技術庁の立入調査を受けたわけでございますが、その現状、それから今後の対応、この辺について伺いたい。経過はもう結構です。今まで大体私たちも存じ上げております。現状並びに今後の対応というものは一体どんなものか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(村上健一君) 東大附属病院の問題につきましては、先生御案内のとおり、立入検査の結果、管理不備の問題等に関しまして、三十七項目といいますか、三十七件の指摘を行いまして、その結果、既に三十六件については改善され、残りの一項目が今後改善される予定となっております。 それから、この立入検査に付随いたしまして、同病院敷地内に高い放射線が検出されるという事情が発生いたしまして、この問題についても、病院側、東大側等にいろいろ指示してまいりました結果、高い場所にあります放射性物質を取り除いて保管するという計画が東大の方で出されまして、今週の月曜日からそのための準備作業が始まったところでございます。
○中川嘉美君 現状並びに対応ということに対する御答弁としては、これは時間の問題がありますから、私たちはできるだけ簡潔明瞭にと思うわけですけれども、ちょっとまだ御答弁としては浅いんじゃないかな、このように実は思います。 このことに関してのいろいろの報道が既になされているわけですが、三月の四日付のある報道によりますと、 自主閉鎖している研究用の主なRⅠ施設の再開は平成三年度以降にずれ込むことが確実になった。このため、病院の研究者の間では「RⅠを使う研究から取り残される」と焦りが募っている。しかし、ずさんな管理を長年放置してきたことに対する病院側の反省のなさに厳しい批判が学内外に根強くあり、再開までに越えるべき課題が多い。 自主閉鎖されているのは内科研究棟のRⅠ中央研究室(ビキニ研)と南研究棟のRⅠ研究室。特にビキニ研は、研究室前の中庭に放射性物質が不法に埋められていることが判明。研究室を再開するには、中庭を掘り返して汚染土壌ごと除去しなくてはならない。ところが日本アイソトープ協会、日本原子力研究所などから汚染土壌などの引き取りを断られたため、処分方法が決まらず、閉鎖から三カ月たった今も再開の見通しは全く立っていない。 こんなふうにずっと出ておりますが、現在研究用の主なRⅠ施設が閉鎖されているということが出ているわけですけれども、今後の研究再開の見通しはどうなっているか、またその際、中庭などの汚染土壌、この処分は一体どういうふうにするのか、この辺について伺いたいと思います。
○政府委員(村上健一君) 今、委員御指摘の報道部分については、私どもも十分把握しているところでございます。まず、この管理不備問題を指摘いたしまして、すぐ東大側が自主的に使用を中止されておりまして、その状態が今御指摘のとおり現在も続いておるところでございます。 それではいつごろ再開が可能かという問題につきましては、私ども規制当局の側からいつ使ってどうということを申し上げる立場にございませんで、先般責任者の方に私の方からも申し伝えましたところでは、もう一カ所改善すべき点が、実は汚染している土壌の保管回収作業との関連がございます観点もございまして、もう少しその改善には時間がかかる予定でございます。それで、仮にその改善が完了いたしますと物理的には再開の見通しが得られるかと思いますけれども、私がお話ししました責任者の方のお話では、この際完全に管理体制の見直し部面も含めて十分大学として納得のいく状態でなければ再開するつもりはないというふうに先方からお話を伺っておりまして、直接のこの事業者の責任である病院の院長も同様の御見解であるということを申し述べておきます。
○中川嘉美君 報道記事の中に、さらに 東大としては、年内に南研究棟を再開し、ビキニ研は、設備を一新した施設にする方向で検討しているが、除去だけでも巨額の費用が必要。新施設も予算を獲得できなければ、さらに後にずれ込む可能性があり、再開が平成三年以降になるのは確実となった。 というような記事も出ているわけですが、いろんな角度からこの件については検討していく必要がありますけれども、今の御答弁をもって今のところは現状認識としておきたいと思います。 きょうは時間がないので次の方へ進んでまいりたいと思いますが、東大のアイソトープ管理問題について、私はここでちょっと所管である科学技術庁に対しましてあえて一言申し上げておきたい、こんなふうに思います。先ほど三十七項目という話がありましたので、そのことに関連しても申し上げなければならない。言うまでもなく、今回の東大の事故に対する科学技術庁の対応、これについて基本的な姿勢といいますか、こういったことについて二、三私はどうしても質問をしておきたいと思います。 まず最初に、昨年十一月十六日、科学技術庁が東大病院に対して実施した立入検査の先ほどおっしゃった三十七項目、これに対して実は私どもが資料要求を科技庁の方にしたわけでありますけれども、いただいたこの資料、最初こういう一枚のぺらっとしたのが私どもに提出されたわけですが、これ見てみますと、「十一月十六日に当庁が東大病院に対して行った立ち入り検査で指摘を行った事項の概要は次のとおりである。」、こう書いてありまして、それで「施設に関する事項十三項目(例)」となっておりまして、「使用室等が耐火構造になっていない。定められた防火戸が設置されていない。器具、設備、施設に定められた標識が取りつけられていない。」、こんなことで十三項目として例がちょろっと述べられている。それから今度は「取扱いに関する事項」については「五項目」と書いてありまして、例が一つか二つぽんと並んでいるだけです。これでずっと三十七項目全部いただけると思ったところが、何項目となっていて、その中に本当に二、三例が出ている、当たりさわりなく出ているわけですね。 それで、これではしようがないぞということで、さらにこの三十七項目を要請したわけですけれども、けさ会館に来て見ると、三十日七時三十分にお持ちしましたけれども、お留守でしたと書いてある。大変遅くまで頑張っていただいてこれは大変感謝したんです、わざわざこんな時間までやって持ってきていただいたな。放射線安全課の樋口さんとおっしゃる方に持ってきていただいた。ところが、見てみると、残念、せっかく持ってきていただいたんだが、この最初いただいたのと何も変わらないんですよ、この二枚になっているのと。 ちょっと二、三例を申し上げてみましょう。三十七項目がここに出ていまして、「十三項目」のところが「十三件」になっているだけなんですよ。それから、「(例)」という表現が先ほど申し上げましたようにありましたが、例じゃまずかろうというので取ってあるんですよ、これは。ただ取ってあるだけ。そしてそこに先ほど申し上げた「使用室等が耐火構造になっていない。」という表現が、「使用施設に必要な構造・設備の不備。」となっているだけなんです。同じことですよね、これ。それから、「定められた防火戸が設置されていない。」、これは省かれてますね。「器具、設備、施設に定められた標識が取りつけられていない。」、これは「器具、設備、施設への標識の不貼付。」となっている。同じことですよ、これ。本当に表現をちょっと変えただけで中身が同じ。これでは小学生だって見破りますよ、こんなものは。 ゆうべ七時半に持ってきていただいたのはありがたい。私、七時二十九分に出たんですけれども。本当にこれじゃ小学生だって見破りますよ、こんなインチキなものじゃ。何で三十七項目載ってないんだ。本来ならば、さっと持ってきていただいておればこんな委員会の部屋に持ってこなくて済んだ。こういうことだから私たちはなぜなんだということになってくる。だから、私はさっき申し上げたように、科学技術庁に対してはこのような基本的な姿勢というものがすべてを反映しているのじゃないだろうか、こういうふうに思うわけです。一、二枚のぺらっとしたこんな資料じゃ何にもならない。 さらに申し上げるならば、科学技術庁がどういう趣旨で東大病院に対して指摘をされたか。聞いてみると、どうも東大側のプライバシーにもかかわるんだということで出せないというふうにおっしゃったらしい。なぜここまで気を使わなければならないのか。これだけずさんな管理が既に明らかになっている。にもかかわらずそのプライバシーを守らなければならない理由というのは一体どこにあるんだ。もう世界じゅう知ってます、この事件自体は。何で明らかにできないか、この点をお答えいただきたい、このように思います。
○政府委員(村上健一君) お手元に間に合いませんで非常に恐縮に思っている次第でございますが、伺いました者の説明が若干不十分であったかと思いますが、この出しました指摘事項というのは実は行政指導の文書になっておりまして、いわゆる項目ごとに法令に照らして不備の点を文章の形で三十七、項目と称しておりますが、実は同じようなものも全部一つ一つと数えておりまして、三十七にいっておりますので三十七件という方が実は正確なんでございますけれども、そういうものでございますので、先生の方でいろいろ御指摘いただく上に、要するに内容が三十七がどういうことであるかということがわかれば十分ではなかろうかと。行政指導の直の文書をお出しするのもいかがかと思いまして、そういうふうに整理させていただいたわけでございます。 例えば、標識が貼付されていないというのは、東大附属病院の中には実はアイソトープを使う場所が放射線発生装置を含めまして四カ所ございます。それで、ある場所に標識が貼付されてないとき一つ、それから別の場所にやっぱりついてないのがわかったときに二つと考えておりまして、それを一つと数えないで二つと教えているものですから、先生の方にお持ちするときにその同じようなことを二つ並べないで、例えば標識貼付されてないものについて二件というようなことで、そういうことを全部網羅して三十七が全部わかるようにしてお持ちした次第でございますので、最初にお持ちしたものと二度目にお持ちしたものは全く同じものではないというふうに思っております。最初の方は、確かに例ということでお示ししたのはよくなかったと思っておりますが、実際はそういう内容で指摘して、類似の指摘も全部まとめると、例えば「施設に関する事項」としては十三件ございまして、「取扱いに関する事項」は五件ございます。それから、「記帳に関する事項」が九件、「測定に関する事項」が五件、「健康診断に関する事項」が一件。それでおのおのの内訳が類似のものをくくってわかるようにお出ししたつもりでございますので、これ全部足していただきますと三十七件わかるようにしてお出ししたつもりでございます。 なお、行政指導の文書そのものをお出しすることについては御容赦いただきたいというふうに思います。
○中川嘉美君 それじゃ百歩譲って、今の御説明をなるほどそういうこともあるのか、こう受けとめたとしましょう。表現全く同じですよ。ただ専門的なような言い方にちょっと変えてあるだけです。 今その文書の問題、最後出ましたけれども、私は、言うならばその具体的なこの指摘事項三十七項目には当然前文みたいなのがあるわけですよ、東京大学に対して科学技術庁から。前文的な表現もこれ当然あるはずなんだけれども、表現というのかないしは趣旨ですね。これが全然ここへ出てきてないわけなんで、なぜこの指摘事項の前文に当たるものが私どもに対して公表できないのか、その点があります。相手方のプライバシーとか名誉とかメンツとか、こんなことで資料が出せない、とんでもないと私は思う。先ほど申し上げたように、これはもうそれこそ世界じゅうみんな注目の的ですから。この場において、科学技術特別委員会においてこれだけの、単なる前文が一体どういう形で東大側に出されたのか、それすら示せないって、これ問題ですよ。どういうことですか。
○政府委員(村上健一君) 行政指導の通常の文書でございまして、まず、あて先は病院長でございまして、発出人は担当課長でございます。前文がございまして、放射性同位元素等の使用にかかわる安全確保の徹底についてということになっておりまして、去る十一月十六日、立入検査を実施したところ、別添一の立入検査は、結果に示すとおり極めて不適切な管理が判明したことはまことに遺憾である。ついては、再びかかる事態が発することのないよう下記の事項について特段の措置を講じられたいということで三十七件が書いてありまして、そのいわゆるエッセンスといいますか、実質的に意味のありますものはその指摘した事項であるものですから、その申し上げました前文というのは今申し述べたとおりでございますので、その実質的なところを三十七列挙して先生にお渡ししたという、そういうことでございます。
○中川嘉美君 じゃ別に何でもないわけですな、これ。いやいや、資料要求したときに、どうしても出せない、そこに何か非常に理由があるように技術庁の方おっしゃる。そうなってくると、これはここでやっぱり議題に出していかなきゃならない責任も感じる。では、その先ほどおっしゃったのは後ほどこちらへ提出していただけますね、そこの部分は。
○政府委員(村上健一君) 先ほどから申し上げておりますように、通常行政指導の文書といいますのは、ある意味では行政部局間の私文書という、本来の意味の私文書という意味ではございませんけれども、行政部局間の連絡文書といいますか、そういうものでございますので、通常はお出ししないことになっておりますので、先生の御指摘もございますので相談させていただきたいと思います。
○中川嘉美君 次、進みます。 関連してちょっと伺っておきますが、これらの安全管理の手落ち、これは単なるつけ忘れとかあるいは記帳漏れといった、東大側において、そういったような簡単なものなのか、あるいは日常的にやるべきことをやってないいわゆる悪質な管理体制だったのか、この辺はどちらですか。
○政府委員(村上健一君) ちょっと何とお答え申し上げていいかわからないんですが、三十七指摘いたしまして二カ月ほどの間に三十六項目改善されたということから見ると、私どもが非常に厳しく細かく指摘したということであったかと思いますが、他方、先生御案内のとおり、病院のアイソトープの使用というのは他の事業所と少し違いまして、診療でも使う、それから研究でも使うということでございまして、この当該案件は研究に使用するものでございますけれども、同じいわゆるお医者さんの卵がお使いになるというようなことで、例えば昼は病院に勤務しておられて夜は研究ということで、通常の勤務体系と違うといったようなこともございまして、若干他の事業所よりも管理状況がよくないといったような特殊事情があるということで、その両方だというふうに御理解いただきたいと思います。
○中川嘉美君 私は、今回の立入検査をするまで常にいろいろなことは守られていたんだけれども、しかし今回に限って手落ちがあったというふうには考えられないと思うんです。日常的にこうした管理をしていた実態というものが明らかになったという重大性というものは、私はこの席で指摘しておかざるを得ないと思います。 念のために伺っておきますが、過去、東大への立入検査、これをされたことがあるかどうか明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(村上健一君) 先般、責任者の方に直接おいでいただきました際にも私申し上げましたが、昭和四十一年六月に初めて立入検査を行いました。なお、当庁の行っております立入検査は、全国に約四千九百カ所ほどございます事業所を大体毎年四百カ所ぐらい行っております。 その立入検査の初回として二十四年前に初めて行いまして、何件かの指摘を行いました。その後昭和四十八年、七年後にまた立入検査を行いまして、やはり十五件ほどの指摘を行ったところでございます。それから三回目は昭和五十六年、九年前でございますが、二月に立入検査を行いまして、そのときは三件の指摘を行ったところでございます。 そういうふうに申し上げると、検査が甘いとおしかりを受けるのか、やっぱり何年かたつと人も研究者もみんなかわるのでルーズになるのかどっちかというようなことになるのかもしれませんけれども、いずれにしても私が責任者の方に申し上げたのは、過去毎回指摘をしておってこういうことであることは非常によくないことであるので、今回だけで済むようなことで終息しないと、いずれまた五年か四年後に同じことが起こるので、今回は徹底的に、私どもとしては、実は複雑な大学の病院の組織という管理体制にやはりどうしても何か問題があるんだろうというふうに思っておりまして、大学のことでございますので内政干渉するわけにまいりませんが、東大側も総長の下に本件についての特別委員会をつくっておられまして議論しておられますので、ひとつ抜本的に何かお願いしたいということを申し上げているところでございます。
○中川嘉美君 長官にちょっとお聞きしておきたいと思いますが、事の重大性とか常識では考えられないいわばお粗末な管理に対する科学技術庁の姿勢というものはやはりちょっと問題があるように私は思う。この点について長官の御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(大島友治君) 本問題につきましては、私自身これを関知しまして、遺憾を通り越してまことに残念至極だという感じを受けたのが私の印象でございました。 そういうことでございますので、いやしくも東大の附属病院においてかかるような事態が起きたということは、まず今申し上げたとおりの感触で私は取り扱っておりまして、いろいろ三十七の問題につきましても内部的に私も詰めてまいりました。さらにまた、東大のみならず全国にはたくさんのものがある。そういうところからまた次々に出てくるんじゃないか。それをどのようにやっているのかという、私も厳しい内部の追及というかそういう立場で今これを見守りつつ解決に当たっておるわけでございますが、大学の自主性というものからしていたずらにこの問題に入ることについては十分注意をもってやりたいと思います。しかしこれはまさに大きな問題であるということを十分踏まえまして、委員の御期待に沿うように、近く私も現場の方も確認をさせていただき、御指導申し上げて仕事を進めてまいりたい、こう考えております。よろしくひとつお願いします。
○中川嘉美君 もう時間がありませんので最後に要望だけしておきますが、私どもの党としても科学技術部会で、去る三月の下旬ですが、現地に行ってきました。それで三月三十日、私どもは長官のところへ申し入れをさせていただきに上がったわけですが、あのとき六項目ありましたね。きょう、時間さえあれば一つ一つ、まだそんなに時間がたっていないけれども、どういうふうに誠意を持って取り組んでいただいておるか聞きたかったけれども、ちょっとこれは無理だと思います。次回にこれを譲って――どの程度前向きに誠意を持って我々の申し入れに取り組んでいただけるか非常に問題だと思うんです。このことをここでぜひ要望しておきたいと思います。 特に東京大学ということになりますと、私、衆議院におりましたときの東京八区のど真ん中なんです。文京区、台東区の住民が飲料水を初めとして、技術的なことがわかっていらっしゃらないと言うと大変語弊がありますけれども、専門なことになりますので、それだけに非常に不安感に駆られておるということをひとつ十分勘案していただきまして、東大だけじゃない。もう四千カ所、何千カ所あるわけだけれども、どうかひとつ厳しく科学技術庁としてもこれから監視をしていただきたい、指導していただきたい、このことを最後に要望いたしまして終わりたいと思います。
○吉川春子君 原子力船の「むつ」についてお伺いいたします。 今月の二十八日に「むつ」はまたまた事故を起こして、原子炉出力を六%上げた段階で原子炉が緊急停止をしました。地元自治体は、「むつ」が万一事故を起こせば実験を中止させるというふうに説明しています。しかし、過日私がむつ市を訪れて原研にただしましたところ、十六年前の放射線漏れ事故でさえふぐあいなどと言いまして事故とは認めていないんです。政府が考えている実験を中止するような事故というのは一体どんなものを言うのか、お伺いします。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほどもお答えをしましたように、今の出力上昇試験は段階を追ってテストをしておりまして、万一機械のふぐあいが発生した場合にはそれを補修する等行いまして実施をいたしますので、外部に対して影響のあるような事故が起こることは万々が一にもないものというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○吉川春子君 きのうから局長はふぐあいと言い、大臣は事故と、こういうふうな言葉を言っておられますけれども、ないものと確信すると言っても起きるのが事故なんです。そうしますと、そのいかなる事故が起きようともそれを乗り越えて実験はしていく、こういうことなんですね。
○政府委員(緒方謙二郎君) ただいま御指摘の点につきましては、昭和六十年の一月に科学技術庁から当時の原子力船開発事業団に「原子力船「むつ」による研究開発の進め方」ということで文書で指示をしておりますが、この中に次のように述べております。ちょっと途中から読みますが、「万一予期せぬ事情により、研究開発計画に大幅な変更が必要となった場合には、その時点で「むつ」による研究開発は中断することとする。」、こう書いてございます。いわゆる中断条項というふうに世間で言われている部分であります。 私ども、先ほど申し上げましたように、そういうことは万々が一もないと思っております。万々が一そのようなことがあってはならないわけですが、この中断条項というのは、その意味でそういうことは決して起こさないという決意の表明でもありまして、そういうことが起きないように研究開発を進めていくんだという趣旨を明らかにしたものでありまして、ある事態を想定して、こういう事故が起こった場合に研究を中断しようということを想定しているわけではないわけであります。 したがいまして、万一不測の事態が生じた場合どうするかということでありますけれども、ここで言う中断と申し上げておりますのは、そこで万一不測の事態があった場合には、一たんそこに踏みとどまりまして、その時点で厳しい姿勢でその後の取り扱いについて、必要に応じて原子力委員会等の意見も聞いた上で判断をする、こういうことになろうかと思います。
○吉川春子君 地元の自治体が、事故が起こったときはやめてほしいと言っていることは御存じですよね。十六年前の放射線漏れのような事故が起こっても科技庁としては中止はしないと。しかも、今おっしゃられた科技庁通達が、研究開発の中止の場合について「研究開発計画に大幅な変更が必要となった場合」というふうに言っていまして、住民に対して多大な影響を与えたとか、環境に影響を与えたとか、こういうことは全然実験の中断の条件になってませんね。全く研究開発第一主義じゃないですか。
○政府委員(緒方謙二郎君) どういう事態が起こるかということでありますが、私ども具体的に事態を想定しているわけではありませんし、外部にも御迷惑をかけるような事故は万々が一にも起こらないというふうに信じておるわけでありますが、十六年前の事象はどうであったかといいますと、これは警報が鳴ったわけでありますが、外部の方にフィジカルな意味で御迷惑をかけたという以上に、その後の経過をごらんいただいておわかりのように、実は十六年の間空転を余儀なくされるような事態があったわけでありますから、これは結果として研究開発計画に非常に大幅な変更が生じたわけであります。したがいまして、そういう意味で研究開発に大幅な変更が必要となる場合というのはいろんな場合、いろんなケースというものがあり得るんだろうと思いますが、そういうことで、そういう場合にはその時点で一たん踏みとどまって、何が何でも研究を続行するということではなくて、その場所で一たん研究は中断をして、その時点で冷静に、また厳しい姿勢で安全性ということを十分考えて判断をしていく、こういう立場を述べたものであります。
○吉川春子君 地元自治体が十六年前の放射線漏れ事故のようなことがあったら、一例ですけれども、直ちに中止してほしい、こういうふうにおっしゃってますけれども、そうすると今の局長の答弁ですと、あれはああいうことがあっても直ちに中断するわけじゃないんだ、一度踏みとどまってまたそれをクリアして実験は続けるんだ、こういうことになるんですね。
○政府委員(緒方謙二郎君) 十六年前の放射線漏れについては、その時点で踏みとどまって研究を続けるのではなくて、大幅に研究計画を変更してその後補修をしたわけであります。同様の例というのはちょっと起こるとは信じておりませんけれども、何かあった場合に、何か起こったときに地元がやめてくれと言ったらすぐやめるという、そういうことではなくて、それは先ほど申し上げましたように研究計画に変更が必要になるようなそういう事態であるかどうかということを判断をして、その時点で踏みとどまって判断をして、それから先の進め方というものを決める、こういう立場を述べているわけです。
○吉川春子君 長官にお伺いいたしますが、私たちはもう直ちに実験を中止して廃船せよとこういう立場なんですけれども、科技庁の通達の内容が、研究開発の中止の予期せぬ事情が起こった場合、研究開発に支障を来した、大幅な変更を要する場合、こういうことで環境についても住民についてもそういうことは入ってないんですよね。こういうような考え方では本当にこの問題の処理の仕方として納得できないんですけれども、大臣のお考えいかがですか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほどからの繰り返しになりますが、私が申し上げておりますのは、どういうことが起ころうと研究開発計画に大幅な変更が必要になった場合ということを言っているのでありまして、外部に対して大規模な御迷惑かけるような事態が万々々が一に発生すれば、それは当然大幅な変更が必要になろうかと思います。それは当然そういうことだと思いますけれども、それでは具体的にどういう事象が起こったときに研究開発計画が大幅な変更が必要になるか、それはその時点で踏みとどまってよく冷静に判断をしなければいけない。その場に何か起こったと伝えられても、それはよく分析をすると手直しがきくものである場合があるわけでございますね。それは外部に対する影響ではなくて、何か途中で機械のふぐあいがあってとまってしまったというときに、とまったからこれは事故だと。事故だからすぐ中断だと、こういうことではなくて、それは手直しが、直せるものなのかどうなのか、外部に被害を与えるおそれがあるのかないのかということなども含めてその時点で冷静に判断をしよう、こういう趣旨を述べているわけでありまして、先生の御趣旨と別に真っ向から反しているんではない、ちょっと違う言い方をしているということではないかと思います。
○国務大臣(大島友治君) 御趣旨について今政府委員の方から説明はさせましたけれども、これは一体技術的に条件が盛り込んでないじゃないかというこのとらえ方において、やはり委員の指摘の内容と違った面で答弁しているんじゃなかろうかというような感じでございますので、じゃ私の方からはっきりその点をといってもなかなかこれ難しい問題でございますが、それは委員の指摘されました問題も十分私踏まえまして検討をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
○吉川春子君 「むつ」は大変浪費を重ねてきているわけですけれども、今までにそのかかった用、全体幾らになりますか。
○政府委員(緒方謙二郎君) およそ一千億円でございます。
○吉川春子君 人件費などを含めてですね。
○政府委員(緒方謙二郎君) これはすべて含めての概算額でございます。正確には一千十八億円というふうな額になっております。
○吉川春子君 争いません、ちょっと時間がないので。 解役に要する費用はどれくらいと考えておられますか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 解役につきましてはいろんな方法がございまして、どういう技術的な方法をとるか、そこがまだ決まっておりませんので、現段階でその費用を申し上げることはできません。
○吉川春子君 一千億を超える費用にしても、当初の計画の十倍以上かかっているわけですけれども、総合エネルギー調査会の試算によると、百十万キロの原子炉を解体する場合に三百億、こういうふうに言われているわけです。この原子炉から出る廃棄物の管理はどうするんですか。どれぐらいの年数を必要としているんですか。それから放射能、低レベルの放射線廃棄物を半永久的に管理する費用をどれぐらいと考えていますか。要するにこれからどれぐらい費用がかかると考えていますか。細かく教えてください。
○政府委員(緒方謙二郎君) これからかかります費用は、これから実験航海をやり、それから陸上施設の運営または解役等、先生御指摘のような費用もあるわけでありますが、これは先の計画がまだ、予算単年度主義でこれから逐次御審議をいただいてやっていくわけでありますので、将来の費用すべてを計算するわけにまいりませんが、平成二年度予算では三十六億八千九百万円を計上させていただいているところであります。 それから廃棄物関係ですが、低レベル廃棄物につきましては当面は陸上の施設に保管をするということになっております。
○吉川春子君 一年後には解役、廃船、こういうことになっているのに、まだその費用も国会ではっきり出せないということは本当に無責任だと思うんです。 ちょっと私なりに計算してみたんですけれども、地上施設の維持費にことし九億円計上していますね。「むつ」で働く職員が九十八名。一人の人件費を七百万と見て、廃船後はその半分ぐらい必要かなと見て、そして三百年管理とさっき言われましたね。「むつ」についてじゃありませんよ、六ケ所村の低レベルで三百年とおっしゃった。その三百年で計算してみましたら、今日段階でも二千四百億ぐらいかかる。つまり、これまで続けてきたむだ遣いの二倍ないし三倍の費用が、これからの「むつ」のためにかかるわけなんですね。その計算について違うというんだったら根拠を示して反論していただきたいと思います。 私は、大臣にお伺いしたいんです。「むつ」がいろいろな無理に無理を重ねて洋上で実験を強行したりして、当初の予算額を十倍以上上回ったわけですね。これからも莫大な費用がかかるわけです。原研の労働組合も、計画時点からもう既に四分の一世紀がたっている。その船体、炉体とも旧式なので、改めて実験を行う意義はない、こういうふうに指摘をして実験の中止と廃船を求めているわけです。私どもも、当初からそういうことを求めてまいりましたけれども、今政府のできることは、これ以上の浪費をしない、直ちに打ち切る。そして、「むつ」がどういう意味があったかといえば、直ちに、今なぜ失敗したか、この失敗の原因を率直に学んで、その教訓を後の日本の原子力行政に生かすことで、原子力船の見通しも何もないのにまたさらに何千億ものむだを重ねて実験を続けるなんということは、これは国民にとっても許されないことです。これはみんな国民が払うわけですから、国民が払うんだからどんなにむだ遣いしてもいいということにはもちろんならないと思うんですね。だから、そういう意味でこの問題の責任、決着をどうつけられるのか、大臣の見解をお伺いします。
○国務大臣(大島友治君) 大分厳しい御質問をいただいておるわけでございますが、この原子力船は在来船に比べまして出力の大きいこと、それからまた高速とか長期連続の運航とか水中の運航等実現できるという一つの特徴というか、そういうものを一応関知した上に立って我が国における原子力船「むつ」の実験を始めたわけでございますから、そういう点でこれからの海洋国としていわゆる海洋輸送にも大きく貢献させようというようなねらいが当初はあったわけでございます。また、世界の有数の造船とか海運国たる我が国としては、原子力船の研究開発を段階的着実に進めて、将来必要が生じたとき何とか適切な対応ができる程度にまで原子力船に関する技術または知見とか経験等蓄積、涵養を図ることが必要だ、こういう理念に立ってやっておるんだが、先生から御指摘されるというと、なるほどおかしなことになっているんじゃないかとは思うけれども、私もまだ今の費用の何倍ということを反論する根拠のある計数はつかんでおりませんけれども、従来のこうした考え方によって続けておるということは事実でございます。 既に実験開始が可能な状態にある「むつ」を使って、陸上では得がたい貴重なデータをどうしても経験を蓄積しまして将来に備えていくことが必要じゃなかろうか、こういう観点に立ってこの事業を進めているわけでございますので、私といたしましても、確かに費用も相当かかってはおりますけれども、事ここに至っては即座にこれをやめるということでなくして、従来の考え方を十分に守りながら、そして皆さん方の御理解と御協力を得られるように、私も真剣にこれにぶつかってまいりたい、こう考えているところでございますので、多少なりとも御理解いただければ幸いだ、こういうことでお願いする次第でございます。
○吉川春子君 時間ですので終わります。
○新坂一雄君 本日、二年度一般会計の予算の委嘱審査ということでございますが、時間が限られておりますので非常に端的なお話を承りたいということで質疑応答したいと思うんですが、今るる同僚の委員からお話ありますように、原子力発電問題等の原子力関係のお話をただしたいんですけれども、電源立地のためにことし高速増殖炉「もんじゅ」の建設、これで五百億計上されておりますが、端的に伺いますが、この五百億の中身、ことし何をしようとされているのか。それから再処理開発、これで百四十億円計上されていますね。これの中身について、それから最終的に何をなさろうとしているのか、これについて伺います。
○政府委員(緒方謙二郎君) 「もんじゅ」と再処理についての予算の御質問でありますが、「もんじゅ」の建設は総額でおよそ六千億円かかる事業でございまして、民間から千三百八十億円の拠出を得て行うわけでありますが、ことしの予算五百億はこれの建設費でございます。建設は今おかげさまで進捗率八五%強になっておりまして、最後の段階になっております。九二年の臨界を目指して建設の最終段階にあるということであります。 それから再処理の方につきましては、各種の技術開発、安全性の研究等を行っているほか、東海再処理工場の関連経費がこの中に計上されております。
○新坂一雄君 この「もんじゅ」の建設については、いわゆる増殖をすることによって夢の電気ということで研究開発されているということでございますけれども、それだけに非常に高いエネルギーといいますか、そのための大変な制御をしていかなきゃいけないということに対する安全性に対する危惧というのはやっぱりつきまとっていくと思います。原子力全般に言えることですけれども、やはり薬になったりあるいは毒になったり、ちょうど裏腹の関係になりますものですから、その辺のところがやっぱり国民の理解と協力を増進しということが基本にあると思います。 今までの議論を伺っておりますと、原子力発電に対する信頼性といいますか、事故に対する不安がなかなか国民全体にとっては払拭されていないということでございます。 こういう観点からいいますと、原子力発電の安全対策というものは、やはり組織的あるいは予算的にも十分つぎ込んでいかなくちゃいけないというふうに思っております。この中に百億円の原子力発電安全対策費というのが盛り込んでありますが、これの中身についてお願いいたします。
○政府委員(緒方謙二郎君) 安全性の実証試験を各種行っていくための費用がこの中に計上されております。
○新坂一雄君 それはそうなんでしょうけれども、具体的に例えばどういうことなんですか。
○政府委員(緒方謙二郎君) 実証試験は、まず第一が安全性実証試験ということで予算的には七十三億八千万円ございまして、これは再処理施設等の安全性実証等十二の課題を掲げましてこれの実証をやっております。それから次に、核燃料サイクル関係推進等調整等委託費二十一億円でございまして、最後に原子力関係研修事業等委託費一億一千七百万、合計をして九十九億八千百万という金額になってございます。
○新坂一雄君 時間がありませんので、この安全性実証試験、それは当たり前の話でございますので、具体的に何をやっているかというのは後で資料で届けてください。 それできのうも指摘したんですが、例えば福島原発についての事故についても、先ほど同僚からありましたように、原子力の安全委員会の立場が、いわゆる原因になっているタービンが基本設計でないということで、その当該検討の対象にならないということで、裁判的に言うといわゆる門の外でもって却下されてしまったというような形で、非常に一年に二十件、三十件起こっている原子力発電の事故が根幹に、いわゆる勧告したというところまでいかなくて対象外になってしまうというようなことが、やはり市民の不満を、あるいは原子力発電に対する信頼性を失っているんじゃないか。もちろん組織的にはそれでいいんでしょうけれども、やはり国民の理解、協力を原子力発電で深めていくためには何かちょっとずれているんじゃないかという気がいたします。 それで、最後に大島大臣に伺いたいんですけれども、例えば飛行機の事故に対して航空事故調査委員会設置法というのがありまして、第三者機関で客観的にこういう事故一つ一つについて国民の信頼を回復する、あるいは信頼性に基づく調査をしていくというふうなことができるような第三者の調査委員会、いわゆる原発事故に対する調査委員会設置というような考えを出していかなくては信頼が損なわれてくるんじゃないかというようなことも思っているんですが、いかがでございましょうか。これをひとつ最後に質問したいと思います。
○政府委員(緒方謙二郎君) 安全性について非常に御熱心に御指摘をいただきましたことは全く同感でございます。安全性についてはもう万全の上にも万全を期するべきであるし、その点について国民にわかりやすく御説明をし御理解をいただく必要があるという点では私ども全く同感でございます。ちょっと突然の御質問で、通産省と安全局が今おりませんのでかわりに御説明しますと、先ほど報告事項の数が少ないんじゃないかというふうな御指摘かと思いますが、法律に基づく報告事項と法律には基づかないが何かあったときに報告をする事項と分かれておりますけれども、いずれにしてもこれは結果としては報告をされておりますし、事の軽重に応じて法定外の報告事項についても、行政庁はもとより、商業発電所は通産省ですが、通産省が聞くことはもとより、原子力安全委員会も報告を受けておりますので、これが全く報告をされていないということではありません。 それから、飛行機事故の場合のような第三者の調査機関をつくったらどうかという御指摘はごもっともでございます。専門家を入れて見る必要があるケースがあろうかと思いますが、これも実はすべてのケースではないのかもしれませんが、事の重要性に応じまして、福島の場合は当然やっておりますが、行政庁において、通産省が第三者の外部の専門家に委嘱をしまして、委員会を設けて専門家の目で検討する。通産省の資源エネルギー庁の職員が判断をしているということではなくて、学者の先生方にもお手伝いをいただいて審査をし、それが安全委員会にも報告をされている、こういうことが現実に行われておりますので、ちょっと御説明をさせていただきました。
○国務大臣(大島友治君) 今政府委員の方から説明したような原則論は御承知だろうとは思いますが、委員の感じているように、今日これだけ科学技術の面を通して原子力のように世界的、国内的にも発展してきている問題につきましては、あらゆる角度からもっと国民によく知っていただき、また知らせることがぜひ必要じゃなかろうかということは私も十分承知しておりますので、その点を踏まえまして、委員の御要望にもこたえるように今後も進めてまいりたい、こう考えております。
○小西博行君 きょうも非常に時間が短いわけでありまして、特に後の予定もあるということで原子力局長なんかは非常に早口で答弁をされておりますので、こちらも何かいささか急がなきゃいけないという感じでございますが、まず日米科学技術協力協定、これによりまして共同プロジェクトをやっていこうというようなことで、五月一日、日米の実務レベルの合同委員会というものが開かれまして、十七項目の共同プロジェクトが進められている、そういうことはよく御認識のことだと思いますが、このプロジェクトは今後継続的にずっと続けていかれるというふうに理解していいのかどうか、そしてまた、この経費につきましてどのような考え方で対応していこうとしているのか、この点をまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(角南立君) 新しく十七の協力プロジェクトが合意されたわけでございますが、これについてはそのプロジェクトの目的が達成されるまで継続をいたします。それぞれのプロジェクトが何年かかるかということは今わかっておりませんけれども、それぞれのプロジェクトに応じた期間、進捗に応じて決定されるものだと考えております。 次に、それじゃそのプロジェクトをどうやってお金をつけていくかということでございますが、これはそれぞれのプロジェクトについていろいろな研究所が絡んでおります。それぞれの研究所の費用を活用するとともに、このような科学技術協力協定に基づく協力プロジェクトを円滑に実施するために、昭和六十二年度から科学技術振興調整費を活用いたしましてこういったことの国際共同研究の推進に充てる、こういうような制度も用意して遺漏のないように努めてまいりたいと思っております。
○小西博行君 予算の面でちょっと長官にお聞きしたいんですが、ことしは科学技術庁全体で四千九百億、六%のアップというようなことで、うまく通過すれば大体五千億近い予算を組めると思うんですが、こういう予算に対してどのようにお考えになっておられるのか。十分というようにお考えなのか、あるいは足らないというようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(大島友治君) 予算は大事なことなのでございまして、私も日本の科学技術の水準が非常に高く発展している段階において、ここのところ予算委員会あるいはこの委員会を通じまして、科学技術についてのいろいろ大変な御質問と同時に、積極的にこの仕事を進めるためには予算についてまだまだもっとちゃんとやるべきではなかろうかという指摘、御指導というものをいただいておるので、まさにそのとおりだと。だからといって、私のところだけが倍増するわけにもいかぬということではございますが、皆さん方の強力な御意見等も踏まえまして、私も積極的にこの予算を何とか獲得して安全性を大原則とした発展に努力してまいりたい、こう考えておるので、ひとつよろしくお願いします。
○小西博行君 私も、科学技術という分野は将来大変大切だから適切な予算を計上して大いにやってもらいたい、そのような気持ちはあるんですが、きょうは中身をいろいろやる時間がありませんけれども、科学技術庁の中でも原子力関係、これが非常に予算的には大きいわけです。いろんな共同プロジェクトといいましても金は余り出さないというようなことで、これから果たして、特に日米間のいろんなそういう科学者の交流であるとかあるいは共同プロジェクト、こういうものでいわゆる技術摩擦とかあるいは経済摩擦とかそういう部分がかなり解消されるのかどうか、その面でどのようにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(大島友治君) その前にちょっと。この予算につきましても、実は科学技術庁というものが設立されてことしで三十四年でございますか、それで二十年前ぐらいは、ちょっと聞いたんですけれども、約五百億ぐらいの予算だった。今、約五千億に近くなってきておるということになると、大体二十年間で十倍の伸びはしておるということは御参考までにちょっとお耳に入れておきたいと思いますが、この程度でいいかどうかは今後私どもも詰めてまいりたいと用います。 そこで、日米の問題につきましても、私も先般御承知のように会議に参りまして、相手の議長をやられました方も非常に率直に御意見等も述べていただき、また積極的に御協力をするというような意思が私には感知できましたので、私は、日本は国際的にも経済大国といっても、お金もさることながら、精神的な面で、そしてまた中身の科学技術の面で、いわゆる基礎研究と同時に技術というものとバランスのとれた日本の発展というものを相手に理解させるということが、有効適切な経済効果も上げられ、両国の提携した科学技術の推進というものが将来に向かっても世界的にも冠たるものになるのではなかろうか、こんな感じで進めてまいりたい、こう思っております。
○小西博行君 私も十年前に議員になって科学技術特別委員会に入りまして、科学技術庁というのは、日本の要するに先端技術、基礎研究、こういうものを全体を取りまとめて、そしてこういう研究分野でこれから日本が伸びていこう、そういうことをイニシアチブをとってどんどんやっているというふうに私は本当は思っていたわけです。ところが、実際文部省なんかの、これは大学を統括していますね。文部省の予算が大体四兆八千億足らずぐらいだと思います。何さま四兆ですね。十倍です。こういうような大きな金額を持ったいわゆる文部省関係での、特に大学の研究機関というのが一つございますね。 科学技術庁の方は、理研初め幾つか研究機関もあります。そしてまた、いろいろなプロジェクトによっては科学技術庁が予算をとって、そして各省庁にそれを小分けと言ったら悪いけれども、少しずつでもこれで頑張りなさいということで分ける。ところが、現実にその問題についてはお金を出したから、じゃ報告しなさいとか、あるいは科学技術庁はこうですよとか言う権限というのは割合少なくて、プロジェクトがあるとそこへ出す、そういう感じが私は最近非常に強うございまして、だから私はやはり将来の日本を考えた場合に、大学の場合は自由研究、学問の自由と研究の自由というのがありますから、どんな研究やられてもそれはいいんじゃないかと思うのですかね。少なくとも科学技術庁というのは、やはり日本の将来のためになる一つのターゲットを持って研究をやっていく。そして、もちろん学者に対してもいろいろな研究の意味でまとめていく、あるいはお願いしていく、あるいは共同の研究施設を使えるような体制を組むとか、いろいろな方法があるんじゃないかと思うのですがね。 そういう意味で私は、人件費なんかを省いていくと科学技術庁というのはその予算が割合少ないなと。研究所は当然必要な経費はかかるわけですから、あとは人件費と、先ほど申し上げたいろいろな目的によっての金額になってきます。そういう意味で私は、科学技術庁はさっき申し上げた日本の科学技術の分野についてもう少しリーダーシップをとっていかなきゃいけない。そのためにはもう少し大きく飛躍してもらいたいなと。そのためには予算が六%伸びたとか、さっき言われた五百億から、十年ですか二十年ですか、十倍になったからといって自慢すべきことではない。むしろもっと経済は伸びているわけですから、そういう意味ではもっと堂々とやっていただきたいというのが私の真情です。 特に日米間あるいはヨーロッパとの関係の学者の交流だとか、あるいは向こうにおる優秀な方を日本の省庁の中に来てもらおうとか、計画的には非常にすばらしい計画に見えるんですが、実際は定員制の問題があったり、予算が少ないから雇えないとか、あるいは先進諸国では余り住宅その他の条件があるんで来にくいとか、いろんなそういう問題がありまして割合少ないんだろうと思います。世界の先進国に比べて外国人が日本でいろんな研究をする場というのは割合歯どめがあるんじゃないかな、そういうことをつくづく思いますので、もうやめますけれども、その辺を長官ひとつ十分覚悟をして、決意を新たに、長官のときにこれはずっと予算が伸びたぞ、しかもこういうようなことを具体的にやっている、新しいものをやっているというようなめり張りをぜひつけて科学技術庁を盛り上げてもらいたい、そういうことを申し上げて、何か御意見がありましたら御意見を聞いて終わりたいと思います。
○国務大臣(大島友治君) 簡単に一言だけ。 大変な激励をいただいたんでありますが、二年度の予算というものは既に今もうできております。平成三年度の予算に向かいましては、委員の大変強力な御支援を何とか形に出してみたいものだなという今決意をしているものでございますから、よろしくお願いします。
○委員長(中西珠子君) 他に御発言もなければ、以上をもちまして平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち科学技術庁についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中西珠子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十五分散会