運輸委員会 第2号
- 発言数
- 281 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/06/01
会議録
○委員長(中野鉄造君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月十八日、新坂一雄君が委員を辞任され、その補欠として粟森喬君が選任されました。 また、四月二十四日、小山一平君が委員を辞任され、その補欠として清水澄子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(中野鉄造君) 去る五月二十五日、予算委員会より、六月一日の一日間、平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 ─────────────
○委員長(中野鉄造君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日、日本国有鉄道清算事業団理事長石月昭二君及び同理事池田本君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中野鉄造君) 運輸省関係予算の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○喜岡淳君 平成二年度の予算に関係いたします件で御質問をさせていただきたいと思います。私は四国の香川県の出身でありますので、特に四国の鉄道の近代化問題、そういう件についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 これは四国の交通後進性といいますか、よく物語っておりますれども、四国で初めて特急が導入されたのは一九七二年のことであります。それから徳島県に初めて特急が導入されたのは一九八八年、今から二年前にやっと県庁所在地の徳島市に特急列車がお目見えをした。リニアモーターカーだとか近代技術の議論がされておるときに四国の徳島はやっと二年前に特急列車が入ってきた、こういうふうな状況になっております。所信表明の中で大臣は、交通網のバランスのとれた整備ということを述べられておりまして、私はまさにそのことを心から期待するわけであります。そういう意味で、ぜひ四国の後進性を克服するために大臣の格別の御配慮を心からお願い申し上げたいと思いますので、御決意のほどを聞かせていただければと思います。
○国務大臣(大野明君) 今御質問いただいたわけでございますが、私も四国へ参りますと、確かに本州等から比べるとおくれていると言っては失礼ですけれども、今御指摘のあったようなことを十分に見聞もさせていただいております。 先生の地元の香川県、予讃線の問題でございますけれども、最近になりまして電化をやったり、あるいは新型車両等を導入して高速化に努めておるところでございます。いずれにしても、運輸省としても高速化時代にふさわしい鉄道整備ができますように今後とも会社を指導していきたい、こういうふうに考えております。
○喜岡淳君 複線、電化の問題でありますけれども、これは運輸省からいたださましたJR六社の複線化率、電化率の一覧表であります。この一覧表を見てみますと、複線化率は全国平均三一・六%、JR四国は五・一%という数字になっております。また電化率でありますが、全国平均は五〇・六%、JR四国の場合は一〇・一%、平成二年三月十日現在、速報値と書かれております。 こういう状況でありまして、やはり四国の複線、電化問題については最大限の御尽力をいただきたいというふうに思うわけであります。そうしないと、せっかく瀬戸大橋がかかりまして電化をされ電車が入ってきても、その先が電化をされていなければもう動けないわけです。そういう意味で、全国的に見れば格別に四国が取り残されておるというふうに思いますので、ぜひ今後の四国の複線、電化に対して重点的にお願いをしたいと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 先生から御指摘いただきましたように、今後鉄道の近代化を図っていくためには電化工事も極めて重要な近代化の一つであると考えております。JR各社における電化ないし複線化というのは、JRが民営化しているという趣旨にかんがみましても第一義的にはJR各社が判断するものでございますが、私どもとしましても、できるだけ鉄道を近代化して、今後二十一世紀に向かって鉄道というものが交通機関の中核を占めるように各社を指導していきたいと考えております。 JR四国の場合には、先生が数字を言われましたように、複線化率においても電化率においても全国JR各社の中で最もその率が低く、今進んでいない状況でございますが、JR四国でも、経営体質が脆弱な中でもその投資を近代化に向けて努力しているところでございます。現在、予讃本線、観音寺―伊予市間百四十九・五キロメートルの電化を工事中でございまして、このうち伊予市―伊予北条間二十九・一キロメートルについては今年度中に完成を予定しております。また、坂出―宇多津間の一部区間一・二キロメートルの単線部分については、その区間の高架化に合わせて複線化する予定でありまして、現在用地買収を行っているところであり、JR四国としても精いっぱいの努力をしているという現状でございます。
○喜岡淳君 それから徳島へ行く高徳線の問題あるいは高知へ向かう土讃線の問題、それぞれ複線、電化のことはほとんど手がついていない状況でありまして、徳島へ行く路線などはもう全く電化区間ゼロメートルでありますから、今後とも格別の御配慮を大臣にはお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、四国の問題ばかり言って申しわけありませんが、私は利用者の方からトイレのことをぜひ大臣に訴えていただきたいという要望を受けております。やはり毎日快適に便が出るというのは、お医者さんに言わせますと健康のバロメーターだというふうにおっしゃておりました。ところがこのJR四国の場合は、どんどん列車、駅からトイレが撤去されておるわけです。例えは一九八八年、昭和特十三年に四国で初めてワンマンカーが導入されましたが、その区間は全路線列車設定キロ、距離掛ける列車本数ですが、そのうちの六%がワンマン化されまして、ここからワンマン列車にトイレがなくなってしまったわけです。そして一九九〇年、平成二年のワンマン率は二〇%、だから二〇%分はもうトイレがないわけであります。そうなってきますとだんだんトイレがなくなっていくという状態になるわけです。 しかも、現在JR四国が進めておりますのは、キハ五八型式あるいは二八型式の急行車、普通車、この車両からトイレを撤去する作業を現在実施中である、今やっておるわけですね、四国で。現実に今作業をしておるわけです。こういうふうにどんどん列車からトイレを外していく。あるいは高松―観音寺というところがありますが、これは予讃線と言います。この電車の中にはもう最初からトイレがついていないわけです。これで果たしてサービスの向上ということが言えるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 今後鉄道の需要を拡大していくためにはやはり他の輸送機関に負けないサービスを提供する必要があると考えます。 その中で、列車のトイレというのも、これは一方で高速化して乗車時間が短くなるということと関連もあると思いますが、確かに御指摘のように、過去投資を抑制し合理化してきた時代に、一両当たりタンク式で二百五十万から三百五十万かかるという投資、また維持管理費等の関係でできるだけトイレつき車両というものも効率的に用いるというような方向もあったかもわかりませんが、最近はむしろいろいろと快適な特急車両その他を提供して輸送需要の確保に努めるというのがJR各社の方針でもございますので、JR四国においても今後はむしろ快適な車両ということに努力していくんじゃないかと考えております。 一方で、高速化してトイレに行かなくてもいいぐらいに快適に早く目的地に着くということも大事でございますが、他方では、ゆっくり旅をして快適な旅行を楽しむということも大事だと思いますので、両々相まつように指導していきたいと思います。
○喜岡淳君 これは皆さんどうですか、今の意見は。私はちょっと合点がいきませんね。高速化するとか早く着くとかという問題よりも、これは人間の生理現象なんですよ、それは健康のバロメーターなんですから。毎日快便があるというのが健康の条件でしょう。トイレがなくなれば便を我慢するわけです。つまり毎日毎日出なくなるというのは不健康に向かっていくわけですから、それは審議官、今のは取り消していただきたいというふうに思うわけですけれども。
○政府委員(大塚秀夫君) 言葉が足らなかった点は訂正いたしますが、今後も快適な旅行ができますように、サービスについてもできるだけ努力するよう各社を指導していきたいと思います。
○喜岡淳君 次に、駅ということでお尋ねしたいと思います。 私は、駅とか停留所とかそういう言葉の概念について教えていただきたいというふうに思います。駅とは一体何なのか、それから停留所というのはどういう場合をいうのかという問題であります。
○政府委員(大塚秀夫君) 突然のお尋ねで、法律的根拠を申し上げることができないわけでございますが、私が理解しているところでは、通常、駅というのは鉄道の駅を指し、停留所というのはバスの場合に用いることが多いと考えております。
○喜岡淳君 鉄道の場合は駅、バスとかそういう場合が停留所、私も一般的にそういうふうに思っていました。ところが、これは全国的にはどうかよく知りませんけれども、国鉄の駅を無人化するという提案が四国でも分割・民営を挟んでたくさん行われております。その際、当時のJR四国が提案した資料の中には停留所にしていくんだと書いております。つまり無人化と言わずに、無人化提案を停留所化と言っておるわけです。ですから今の説明とは矛盾をするように思いますけれども、どうでしょうか、駅と停留所という問題ですね。
○政府委員(大塚秀夫君) それも当時JR四国がどのように使ったか私も今知識を持ち合わせておりませんが、我々過去にも無人駅と、たとえ無人になっても駅という言葉を使っておりますので、恐らく比喩的にバスの停留所のように手軽に乗りおりする場所というので使ったのではないかと想像しますが、詳しくは存じません。
○喜岡淳君 確かに国語上の問題はそういう解釈ができるかと思いますけれども、駅と停留所というのは私は機能、設備、役割の上で大きな違いがあると思うわけですね。 それで、新聞に投書が出ておりますので御紹介したいと思います。これは高松から高知に向かう土讃線、高知県に安和駅というのがあります。土佐の阿波駅じゃなくて高知の安和駅ですからややこしいんですが、この駅前の六十九歳の女性が投書をしております。 今まで何度も駅のトイレのことについて手紙をJR四国に出したりあるいは電話をかけたりしました。国鉄時代この安和駅にはトイレがありましたが、民営化の際に改築されてトイレが廃止になった。それで、なくなったのだから新しいトイレをどうするのかと聞いたところ、JR四国が言うのには、「後にすぐ新しくできるとの事でした。三年になりますが、一向にできません。須崎駅を通じ、再三高松本部にお願いもした末「できない」との返事でした。」市議会議員さんを通じて言うと、「簡単にできぬから待っていてください」との返事でした。ところが、この人は何回言ってもどうしようもないからついに新聞に投書すると決意をして出したわけですね。「公衆のトイレが無いため、駅周辺は汚物がちらかって、土を掛けて処理することもあり迷惑します。」「土手沿いにはアジサイも植え、婦人会とともに世話して美化につとめていますが台なしです。公衆の駅、安和にトイレの無いのはどうしてでしょうか。」、こうして思い込んでついに投書をした。投書が出たら一週間後にやっと返事が来た。しかしその返事の内容も「できない」という返答だった。 こういうお客さんと会社との意思疎通といいますか、一般の会社で言うと消費者でしょうね、もう何年もお客さんとの応対が放置されておる。こういう事態についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 一つの問題としての応対その他お客さんに対する相談窓口、こういうものの充実等については私どもも日ごろから指導しているところでございますし、JRも民営化したのでそういうところには特に留意しなければならないと思います。また、駅の施設等につきましては、今後もJR各社はできるだけ努力すると思いますが、第一義的にはJRが事業運営の中で考える問題でございます。 何といっても三島――北海道、九州、四国は経営状況が大変苦しいところでございますので、それぞれの鉄道路線を維持するためにできるだけコストを効率的に削減していくということもございますので、サービスの確保とコストの削減の中でいろいろ乗客の方々に迷惑をかけている面もあると思いますが、今後ともそういった効率的経営で鉄道輸送を維持するということを第一にしつつ、その中で需要の確保、サービスの向上ということを図っていかなければならない。そういう点では我々今後もJRを指導していきたいと考えているわけでございます。
○喜岡淳君 ぜひサービスを向上して、乗客数がどんどんふえていく方向で御指導をお願いしたいというふうに思います。 次に、鉄道の防災事業についてでありますが、四国は地形が非常に複雑でありまして、瀬戸内海沿いは山がすぐ海に迫って狭いところを列車が走る。したがって台風などが来るとよくがけ崩れが起きて不通になる。それから徳島、高知などは山の中をかいくぐって列車がトンネルを進んでいくわけです。したがってここも台風がやってきますとがけ崩れ。徳島に大歩危というところがありますが、ここはこの間の台風でがけ崩れが起きた、災害復旧には少なくとも半年かかるわけです。そういう地形的な問題もありますので、香川県を初め四国の各県とも運輸省の方に対して防災の補助について重点的なお願いを既に四国四県がしておると思いますが、この件でお尋ねいたします。 一九八八年、昭和六十三年の鉄道防災事業費の補助金、これは八十五億六千万円あったわけであります。平成二年度は十五億五千九百万円、八二%減っております。つまり五分の一以下に激減しているわけです。これはどうしてこういうふうに大幅に減ったんでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道防災事業というのは実績に対して補助金が交付される仕組みで、その対象としてはJR各社が行う河川改修、落石、雪崩対策等でございます。この中で減少いたしましたのは、国鉄民営化以降、昭和六十二年度以降、従来補助金の相当部分を占めておりました河川改修についてJR各社の負担が私鉄並に軽減されて、国鉄からの継続工事のみ補助対象としたことでございまして、こういう河川改修につきましても河川の公共事業費の中から出ておりますので、実績が減って補助金交付の必要がなくなったという趣旨でございまして、決して捕縄対策事業を削減したとか補助金を削ったということではございません。
○喜岡淳君 それぞれの事業が継続して年度ごとに行われておりますので、既に終わった分については済みということで残りが非常に少なくなってきたということが考えられるだろうというふうに思います。 それともう一点ですが、これはちょっと御検討いただければと思いますが、きょう御返事じゃなくてもいいんですが、「平成元年一月十七日 政府・与党申合せ」というこの申し合わせの中に「整備新幹線の取扱いについて」というのが入っております。整備新幹線の取り扱いに当たって、「国の財源については、運輸省所管の公共事業に配分されるべき予算の一部を転用することとする。」、整備新幹線の財源、国の財源については運輸省の公共事業の中から転用していくんだということが言われております。 そこで、平成二年度の運輸省所管の公共事業費、これを見ますと皇居事業は四つあります。港湾事業、空港整備事業、鉄道防災事業、新幹線鉄道整備事業、この四つの会計があるわけですが、平成元年と平成二年を比べますと港湾事業の費用はほとんど変わっていない。空港整備事業費もほとんど変わっていない。鉄道防災事業費が二十億円ほと減って、逆に新幹線整備事業費が二十億ふえておる。ですから、この一部転用とさっき言った問題は、鉄道防災事業費を減らしてそれを新幹線鉄道整備事業に乗せたのではないか、ここは入れかえられたのではないかというふうに思いますが、どうなんでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) そのとおりでございます。ただ、鉄道防災事業を削ったということでなしに、先ほど申し上げましたように、鉄道防災事業の補助をする必要性のある事業が減少したために、そちらで出た余剰分をその枠の中で新幹線の整備事業として予算化されているという意味でございます。
○喜岡淳君 それでは次に、JRの安全問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 大臣は所信表明の中で、安全は運輸サービスの基本だ、運輸行政のかなめだということを述べられております。ところが最近の新聞を見ておりますと、交通事故の死傷者一万人突破、あるいは海難事故の増発、この間も瀬戸内海でフェリー、客船の衝突が起きております。あるいはけさの新聞を大きくにぎわしております大阪の花博の事故の問題、さらにはJRの事故の多発などが続いております。そこで、安全問題の最高責任者としての運輸大臣はこういう事態を迎えてどういうふうにお考えになっておるのか聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(大野明君) 私は、今御指摘のように、安全というものは人命にもかかわることでございますから、これを大臣になりましたときに一番大切なことだということでもって所信で申し上げたところでございます。 その後、例えば踏切なんかでも多くの死傷者を出しておりますし、また海上においても多うございます。これを何とか是正するように取り組まなきゃならぬということで鋭意督励もし努力もいたしておりますが、いずれにしても、こういうような事態が起こらないよう指導しておってもやはり個々人の不注意で起こる場合もあったりいろいろございます。 また、今花博の問題も出ましたけれども、実は所管はこれは建設省でございますけれども、もう今の時代の遊戯機械というか、こういうものは非常に高度化したり、それから非常にある意味での危険性も伴うようなこともあるので、こういうものも我が方でもってやるようにしたらどうだとかいろいろ知恵を絞っておるところでございますので、先生御指摘のように、ひとつできるところから早急にやっていきたいと思い、今鋭意努力をいたしておりますので、もう少しの時間をいただきたいと思います。
○喜岡淳君 いつも個人の不注意とかいう問題が言われるわけですが、事故を起こす人と起こさない人があって、起こさない人の方が圧倒的な多数なわけですから、個人の注意という問題も確かにそのとおりだろうというふうに思います。この問題については後でちょっと触れたいと思います。 それからJRの事故の状況についてであります。ちょっとこれは運輸大臣にお尋ねしたいと思いますが、昨年の十二月二十六日、私はJR事故防止対策に関する質問主意書を提出させていただきました。それに対して海部内閣総理大臣から本年二月六日付で答弁書をいただいております。これを読んでみますと、「JRの鉄道運転事故件数は減少傾向にある」ということを最初のところで書かれておるわけですが、こういう認識でよろしいんでしょうか、減少傾向にあると。
○政府委員(大塚秀夫君) 件数としましてはJRになってから減少傾向にありますが、その中で最近基本的な動作のミス等による事故が連続して起こったということはまことに残念であり、そういう事故の防止に努力しているということでございます。
○喜岡淳君 その際、運転事故という場合さまざまな条件があるだろうと思います。どういうものを指して事故と言うのか。列車の物損ですが、五十万円以上の物損を生じた場合事故と言うんだと。ところが昭和六十二年四月一日以降はこれが五百万円に上がっておる。十倍になっておるわけですね。こういう条件の変化も影響しておるのではないか。さらに、これは私もなるほどと思いますので引用したいと思いますが、これは一九八九年十月二十五日、JR東日本の山之内副社長の記者会見であります。「民営化後に、それまで年二百件ほとしか報告されなかった小ミスが、実は三十倍近い六、七千件あることがわかった。」、これは山之内副社長の記者会見の発言であります。 そういうことを考えてみますと、事故が減少したということが妥当なのかどうか。特にこの山之内副社長の発言はハインリッヒの法則からいっても当然の発言でありますが、どうも事故が減少しておるというのが私は疑問を覚えるわけです。
○政府委員(大塚秀夫君) 物損等につきましてもJR後に内容を変えたわけではございませんが、事故の種類としまして、列車衝突、列車脱線、列車火災、これらを列車事故と呼んでおります。また、踏切障害、道路障害、人身障害、物損、こういうものを合計して運転事故として我々把握しております。しかし、減少傾向にあるといいましても若干の減少傾向でございます。今先生御指摘のように、いろいろ細かなミスその他について我々安心できるような状況じゃございませんので、この件数が減少傾向にあるということで我々安全対策の指導を決して怠っているわけじゃなしに、一層安全に力を入れるようにJR各社を指導しているところでございます。
○喜岡淳君 JRの重大事故の推移として、死傷者十名以上の事故、この発表を見ておりますと、民営化前の昭和六十一年度に十名以上の死者を出した事故は三件、六十年度も三件、さて六十二年度、民営化後でありますが二件、六十三年度六件、平成元年度七件、二、六、七というふうにふえていっているわけです。しかも、今御答弁の中でも必ずしも事故が減少傾向にあるとは言えないような御発言だっただろうと思いますが、そういう観点から見れば、JRの運転事故件数は減少傾向にあるというようなこの答弁書は私はやはり疑問を覚えるわけです。
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど申し上げましたように件数は減少傾向にございます。ただ、重大事故も依然として踏切事故を中心に起きておりますし、基本的動作の欠如による事故というのも生じておりますので、安全対策をおろそかにせず我我の行政の中でも最重点にしているということで申し上げた次第でございます。
○喜岡淳君 大臣の方からも、減少傾向にあるという表現は適切ではないのではないかというふうな進言をぜひしていただきたいというふうに思います。 それから次に、事故の原因とそれに対する再発防止の問題であります。私は、安全性を確立する上から再発防止の対策が何よりも大切だろうと思いますし、その具体的なやり方を検討すべきだろうと思います。今どういうような方向で御議論がされておるでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 事故防止のために、私どもの保安課長と各社の安全担当部長クラスで定期的に鉄道保安連絡会議というのを開き、各社の事故の原因、分析等を報告し合って、それぞれ今後の再発防止に努めるというようなことをやっておりますが、各社とも今年度の事業計画を見ましても安全対策に最も力を入れておりまして、ソフト面、ハード面、両方から事故の減少を図るように努力しているところでございます。 ソフト面といいますか、教育訓練の徹底、また指差喚呼といいますか、一々声を出して指をさして安全を確認するというような指導、また安全センターを設けて、そこで研修を行うというような基礎動作によるミスを減少させるための努力をしております。また、ハード面といいますか、施設整備の面では、JR東日本、JR西日本におきましては、通勤ラッシュ区間における今までのATSよりもさらに高度なATS―Pの導入を行う。また、私どもの所管しています法律でございます踏切道改良促進法等に基づいて踏切道の改良促進を行っていく。あるいは関係機関にもお願いして踏切事故防止のための啓発運動を行っていく。いろいろな対策を総合的に講じていることろでございます。
○喜岡淳君 総合的な対策を講じておられるというのは当然だろうというふうに思いますが、私はここでひとつ、交通事故の場合あるいは海の事故の場合、空の事故の場合、鉄道事故の場合、それぞれを考えながら議論をしてみたいというふうに思うんです。 まず最初に、JRの事故が起きるあるいは鉄道事故が起きる、こういった場合の事故調査は一体どういう体制で行われておるんでしょうか。特にその際私が疑問に思いますのは、よく世間の人が言うのは、JRの事故をJRの人が調査してどうするんだ、事故隠しじゃないか、運輸省は何をやっておるんだというような厳しい批判がありますし、不信感が募っておりますが、そういう意味から最高責任者として大臣はこの不信感にどういうふうにお答えをされるのでしょうか。
○国務大臣(大野明君) 今JRの事故の場合に内輪の者だけがというお話でございましたが、そうでなく、JRの場合は、運輸省ももとよりでございますけれども、警察あるいはまた労働省というようなところも全部、事故原因究明のためにそれらの者を派遣してきちんとした事故調査を行っておりますので、決して内輪だけでやっているものではございませんので、どうかそこら辺は御理解賜りたいと思います。
○喜岡淳君 ぜひ大臣もそれを声を大きくして言っていただきたいと思うんです。JRの事故をJRの人が調査団をつくって調査して何をやっておるんだと非常に不信感が強まっておりますから、ぜひ声を大きくしてそれを発表していただきたいと思うんです。 そこで、調査の際警察がかかわりますね。警察の仕事というのは、犯人捜しというか、実行犯、実行責任はだれにあるのか、やはりそういうことが本格的な任務だろうと思うんです。もちろんそれも必要でしょう。しかし同時に、繰り返される事故を絶滅するためには、事故の本当の原因は一体何なのか、事故はさまざまな要因が絡み合った中で複合的につくり出される、これがこれまでの事故の歴史の教訓だろうというふうに思うわけです。そういう意味からいきますと、複合的な事情あるいは総合的な事情、こういったものを検討することが本当の事故調査につながるんではないかですから、今やっておるJRの事故調査委員会というんですか、果たしてあれで対応できるんでしょうか。大臣はやっておられるとおっしゃっておりますけれども、あれでこれからも対応していけるというふうにお考えでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 事故防止のためには、何といっても輸送機関の運営を行うJRならJR自身が事故防止のための対策を徹底的に実行していくということが大事だと思い、それを第一義的に我々は指導しているわけでございます。 実際に事故が生じたときには、JRにも事故原因を徹底的に分析させますとともに、我々も適宜調査あるいは報告を受けてその対策を講ずるということを仕組みとしておりまして、特に先ほど申し上げましたような鉄道保安連絡会議等の場においては、各社の報告を踏まえて白熱した議論も出ているようでございますから、それなりに我々としては仕組みとして適切に動いていると考えている次第でございます。
○喜岡淳君 ここでもう一度大臣にお伺いしたいんですが、先ほどの質問主意書に対する答弁書の最後から三番目の項目です。こういう答弁なんです。「鉄道事故については、航空事故及び海難に比べ、事故原因究明のための証拠となる物件が多く残されていること等から、」証拠がたくさんあるから、事故の原因究明については鉄道総合技術研究所とかあるいは交通安全公害研究所等で十分やっていけるんだ、こういうふうに答弁されておるわけです。 私はこれは全然理解できないんです。物証がたくさん残っておるからいいんだ、よくわかるんだ、JRの事故の解決はできるんだ、この物証が残ってどうのこうのというのは主に警察の方は関係するだろうと思いますが、もっと内面的な事情、それを研究するためには、大臣に今もお尋ねしましたように、今の調査体制で本当にいいのかどうかということをもう一度お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(大野明君) 今御指摘がございましたし、また私どもも答弁をさせていただきましたけれども、今日的にはそういうような体制でやってまいりましたが、ひとつもう一層前向きに検討したい、こう考えております。
○喜岡淳君 ぜひ前向きに検討していただかなければ事故は根絶できないわけです。根絶することが大事です、取り組みということよりも。 大野大臣が歴史上日本の事故を絶滅した運輸大臣として未来永遠に残るようにぜひ前向きに検討していただきたい問題があります。それは、柳田邦男さんという方が「航空事故」という本を書かれております。この中で事故原因調査についてのさまざまな指摘をされております。JRの事故については、おっしゃったように警察が行ったりJRが行ったり、主にJRがやるわけですね。だから世間の人が不信に思うのは、身内がかばっておる、身内の内部をさらけ出すことは不可能なんだ、だから徹底的な事故原因の解明は不可能だ、世間のほとんどの人はそう見ております。そこで私は去年質問主意書の中でその問題に具体的に触れておるわけです。それは、航空事故調査委員会制度、こういったものを参考にしながら、第三者機関として鉄道事故調査委員会、これは仮の名前でありますが、第三者機関、独立した調査機関を検討すべきではないか、こういうふうに質問したところ、今言ったように、海部総理大臣からは、証拠となる物件が多く残されているからそんなものはるくらなくてもいい。全く的外れの、全くとんちんかんな答えが返ってきておるわけです。 そこで、大臣が前向きに検討されると言っておりますので、この航空事故調査委員会を研究しながら、鉄道事故を根絶する第三者機関の創設についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 行政組織をそのように整備して事故原因究明を行う必要があるかどうか、あるいは今の事故原因究明で欠けるところがあればそれを充実すべきかどうか、そういうことを総合的に判断して、私どもとしては当面、現在の組織でJR改革後も安全対策というものをさらに力を入れてきておりますので、何といいましてもまず第一義的に輸送事業者が安全の意識を常に徹底していくということが大事でございますので、そのようなことを通じて事故の減少を図りたいと考えているわけでございます。
○喜岡淳君 これは大臣にまたお尋ねしたいと思いますが、陸と海と空とあるわけですね、私どもが所轄しておるところは。海の事故の場合は海難審判庁というのがありまして、ここが第三者機関として独立性を持って海難事故の原因究明に当たっておるわけです。空の場合は航空事故調査委員会、昭和四十八年に成立した設置法によって設置された、これも第三者機関として、独立した機関として事故原因の徹底解明に当たっておるわけです。どうして陸の鉄道だけこれがないんでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) これは質問主意書にお答えしたとおりでございますので、現在我々が行っていることで事故防止の推進ということが進められるという前提でございますが、もちろん今の鉄道保安連絡会議その他をさらに充実強化する必要があるかどうかというようなことについては、私どもさらに検討しなければならないと考えております。ただ、鉄道事故調査委員会というようなことにつきましては、従来何十年も前からそういう議論があったことは承知しておりますが、今日までそれにかわるような仕組みで事故防止というものが図られてきたという経緯もございますので、そういう経緯も踏まえて先生のご意見も承っておきたいと思っております。
○喜岡淳君 さっきから何回も言っておるんですが、物証となるものが多いからとか少ないからとかそこが問題じゃないわけですね。問題は、第三者機関が独立して事故原因の調査究明に当たれるかどうかというのが国民の最大の疑問なんですよ。そこはどうでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 海難あるいは航空事故の場合にはなかなかその原因の究明が困難な事例が数多く見られるということもございますが、鉄道事故というのはそれぞれについて、例えば基本的な連絡ミスであったとか、あるいは信号の機器に故障があったとか、あるいは踏切の場合には自動車が踏切へ遮断機がおりているのに突っ込んだとか、そういう原因というものが明らかになるケースが多うございますので、むしろそういうものをどうなくすかという施策といいますか、今後の政府の対策に事故防止の重点が置かれるんじゃないかと考えられますので、その辺若干先生が指摘されました海や空の場合と違う。 むしろ、先生が御心配いただいておりますように、踏切事故防止というような点においても今後踏切道の改良を進めなければならない、そちらに極めて事故対策のウエートがあるんではないか、そのように考えております。
○喜岡淳君 大臣にこの件で特にお願いをいたしますが、国民の疑問にまず答えていただきたい。それは第三者機関の調査委員会をつくること。しかも、飛行機の場合のように、その調査機関は必要な政策、施策について勧告及び建議ができるような、一切の鉄道事故を根絶するのに能力を発揮できるような実質的な中身のある調査体制を確立していただきたいということで、前向きな御検討というふうにお聞きいたしましたから、ぜひそれを具体的な問題として検討いただきたいというふうに思います。 時間の都合がありますので次に移りたいと思います。 それは、これも本当に大臣ぜひ僕は事実として受けとめていただきたいんです。これはもう本当に信用できないような話があるわけでありますが、安全に対するJR内部の意識ですね。さまざまな教育が行われた、こういうふうに言われておりますが、現場の人たちの中には安全意識はかなり私は進んでおると思います。それより問題なのは幹部の中ではないかと思うんです。 ここにJR四国が実施した社員アンケートというのがあります。これは地方新聞にもあるいは交通新聞にも既に発表された内容ですから申し上げます。昨年とことしとJR四国は全社員を対象にアンケートを実施いたしました。安全についてでありますが、去年の第一回アンケート結果を見ますと、とにかく公共交通機関としてJRは安全優先がモットーなんだ、こう答えた人は昨年の九五・三%でありました。非常に安全意識が充実をいたしておりますので、皆さん方の御努力の成果あるいは現場の皆さん方の意識がここによく出ておるわけであります。安全より利益優先という人がそれでも四%。去年公然と主張したわけですね。 さて、ことしのアンケートですが、大臣こうなっているんですよ、第二回のことしのアンケート。安全優先だと答えた人は七四・二%に大きく割り込んでおります。安全より利益が優先だという人は二〇・四%にも達しておるわけです。しかも、管理職、一般職を見ますと、ここにJR四国がつくった棒グラフが出ておりますけれども、ちょっと見えにくいかと思いますけれども、大臣、ことしの第二回アンケートを見ますと、管理職と一般職を見た場合、安全優先だと答えたのは一般職に多いんです。管理職の中には利益優先というのが多いわけですね。こう見ますと、一般職の人たちは安全問題で一生懸命意識がある。管理職の方が非常に安全意識は薄いという平成二年度の第二回社員アンケート結果になっておりますが、これは一体どういうふうに大臣受けとめればいいんでしょうか。大臣の受けとめ方を聞かしていただきたいと思うんです。
○国務大臣(大野明君) よくわかりませんけれども、現場におられて作業している方々は当然安全第一ということはもとよりでございますし、また管理職でも安全第一を考えていないわけじゃなくて、どういうアンケートかわかりませんから何とも言ませんが、例えば安全と採算性というふうにどっちかとれといったら、それはやはりもうJRも企業になってまいりましたから採算性と言わざるを得ない部分もあったんじゃないかなと。 そのアンケートの真意がわかりませんのでこれ以上のお答えできませんけれども、少なくとも鉄道従事者というものは安全確保をもう最優先にやっていることは間違いない事実でございますので、そのデータによってすべてこうだと決めつけていただくと、私も決してそんなことはないというふうに申し上げたいと思います。
○喜岡淳君 ちょっと席を立って大臣のところへ行ってもいいですか。――委員長の許可をいたださましたので。(資料を示す) そこで、今大臣にもグラフを見ていただいたんですが、こうなっておるんです。今の管理職、一般職の問題じゃなくて次の問題ですが、利益を第一に考えるべきで安全は特に重視する事柄でないと明確に言っておるそうです。今大臣は、どっちかといったら比較がある、つまりベターという問題でどっちかの比較という問題があると、明確にこう言っておるんです。質問の項目にまたこういうのがあるのが私疑問なんです。「利益を第一に考えるべきで、安全は特に重視することがらでない」、こんな項目までつけておるのはまたこれは疑問なんですけれども、これが〇・二%、去年はそれでもやっぱり公然と答える人がおったわけですよ。それがことしのアンケートでは、今大臣見ていただきましたが、利益を第一に考えるべきで安全は特に重視する事柄でないと明確な意思判断をした人は〇・九%にふえておりますね。 だから、今見ていただいたんですけれども、こういう実態についてはどういうふうにお考えでしょうか。大臣見ていただいたでしょう。どちらかという問題じゃなくて、これは明確に言っているんですよ。大臣どうですか。
○政府委員(大塚秀夫君) 私も今初めてそういうアンケートがあることをお聞きしましたので、先生からどういうアンケートか後でお聞きしてよく調べたいと思いますが、私、JR四国の管理者とは日ごろでも仕事の報告その他で接しておりますが、安全よりも利益を重視するというような態度の管理者に今まで会ったことがございません。当然輸送事業の担当者である以上は、そのポストがいかであれ、管理者であれ社員であれ、輸送の最大の使命は安全であるということは十分認識してやっておると思います。 今の質問自体がとてもアンケートにたえ得るような質問じゃございませんので、そういう質問をもし当局がしているとしますと大変私も残念でございますが、どこがやったアンケートでありどういう形であるかよく調べさせていただきたいと思います。
○喜岡淳君 今のはちょっと正確に言ってほしいんですが、交通新聞でも既に読まれておると思うんです、大きく出ていましたから。大きく出たですよ、これは重要な問題ですから。 もう一度言いますが、これはJR四国という会社がやったんですよ。ここを見てください。総合企画本部、これは会社ですよ。これは重要な問題です。だから交通新聞にも大きく出たはずですよ。ですから、今から確認するということ自体が問題であって、今も言ったように、第三者機関というのがあれが既にこんなでたらめ発想は出ていないはずですよ。もう全く孤立分断して、JRの中だけで何かやろう、あるいは運輸の中だけでやろうというところにやはりこういう世間離れした設問が平気で出てくる背景が私はあるというふうに思いますので、さっき言った第三者機関、独立したもっと世間の風の入るような、世間の常識が通用するような、そういう機関をぜひとも設置していただきたいというふうに思います。 それから、時間が迫っておりますので同じく安全問題で先を急ぎます。 衆議院の委員会の議事録なんかを見ておりますと、JRの事故をめぐってはさまざまな意見が出ております。確かに個人のミスもありましょうが、事故は皆さん御指摘されておるとおりさまざまな諸要因の複合であります。そういう意味から、事故につながる背景として、直接の原因はないとしても遠因というか、遠い原因が必ずあるというふうに思います。その中で人員の問題であります。確かに北海道や九州のようにJRが最初から二割増し程度の要員を張りつけておるところもあると思いますが、私はちょっと四国の場合を言わせていただきたいんです。 四国の場合にもレール部門では最初から二割増しの要員を張りつけておったというのはそのとおりであります。しかし現実の人員数は割り込んでおるんです、その二割をのけて私鉄並みで計算したって。これは一九八九年一月三十日、香川県地方労働委員会の中で行われたやりとりでこのような記録があります。当時のJR四国の人事課長さんが認められておりますが、私鉄並みでレール部門の要員を計算した場合、いわゆる二割をカットした場合三千八百三十五名が適正要員である。しかし、実際にいるのは三千四百名ということになります、レール部門で言いますと。やはりもう人員が割り込んでおるわけですね。そういう意味で、割り込んでおるところも中には明確にあるわけですから、人員配置についてはぜひきちんとした――どうも人が少ないからおかしいんじゃないかと言われないような適正な人員配置をしていただきたいというふうに思いますが、その点どうでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) これはJR各社共通でございますが、一方で発足時に余剰人員を抱え、その後できるだけ合理化、効率経営を図っていくという過程で人員の減少を行っているわけでございますが、特にJR四国のような場合にはその後も経営状況は経営安定基金の運用益でわずかに利益を上げるという若しい状況でございますので、各分野とも効率の徹底を図っているところでございます。ただ、その中で人員が削減されましても安全面では絶対必要な要員を確保するようにというのが基本的な各社共通の目標の一つになっておりますので、JR四国におきましても安全が犠牲になるような効率化は決して行っていないと私ども信じているところでございますし、またそのように日ごろから指導しているところでございます。 ただ、全体的に言いましたら、JR四国の経営が大変苦しい中で、先ほどから先生の御注文にもありましたように、安全投資も行っていかなきゃならぬ、高速化もやっていかなきゃならぬ、あるいは駅のトイレ等施設の整備も行っていかなきゃならぬ、そういういろいろな要請を受けなきゃなりませんので、そういう事業経営の中で効率化を図っていくということは御理解いただきたいと思います。
○喜岡淳君 今あれもせにゃいかぬ、これもせにゃいかぬとおっしゃられましたけれども、それは世間の人が聞いた場合当たり前のことなんですよ。トイレの整備も当たり前じゃないですか、一日一回みんな出るんですから。これもせにゃいかぬ、あれもせにゃいかぬから大変なんだと、そんなことを言うのは私はどうも一般的には納得できない、常識ではちょっと受け取りにくいというような気がいたします。 それで、私鉄並みに言ったって四国の場合は割り込んでおる、こういうことを前の人事課長さんも認められておるわけですからね。要するに、私鉄並みとして計算したって割り込んでおるじゃないですかという質問に対して、そうですねと言っておるわけなんですから、もう一度人員の配置については見直しといいますか、きちんとそういうことを私は指導していただきたいというふうに思います。 それから新聞等々でも報道されておりますが、人材の断層という問題が言われておりまして、久しぶりに、八年ぶりですか大学の新卒がとられた。非常にこれは明るい話題だったというふうに思います。新聞もそういうところを読めば非常に明るい感じがするわけですね。職場の雰囲気、環境というのが重要でありますので、その際労使関係というか職場のぎくしゃくした関係を一体どういうふうに解決していくのか、そういう意味で、ぎすぎすした人間関係あるいはいびつな人間関係が職場にないように、労使の間でも地方労働委員会の命令をきちんと履行しながら職場の中に明るい職場、働きやすい職場、そういう人間関係をつくるようにぜひ御指導をしていただきたいと思いますし、さらにことし七百七名ですか、大卒の関係者で採用された、これはこれからの採用の見通しというのは大分具体的になっておるんでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) JR各社の新規採用でございますが、余剰人員を抱えているので新規採用については慎重にならざるを得ないということでございます。ただ、管理者の伝承といいますか継承という意味で、管理者要員というのは適正要員か過剰人員かにかかわらず毎年最小限はとっていかなければならない。その他に技術の伝承ということも今後重要になってきて、だんだんと技術者について断層ができてくるということを防がなきゃならぬ、そういうことも考えなければならないと思っております。
○喜岡淳君 次に、踏切の問題に移りたいと思いますが、時間の都合で踏切の問題を次のように私言わせていただきたいと思います。 とにかく四国の場合は踏切が全国で一番多いんです。これは平成二年三月三十一日現在の速報値、踏切数は全国で二万三千七百四十五というのが運輸省の速報値であるようでありますが、そのうちJR四国が占めるのは千四百四十一です。わかりやすく比較するために営業キロ当たりの踏切数、営業一キロ当たり踏切が一体幾らあるのか。全国平均は一・三〇であります。四国は一・六八。もう全国平均より多いし全国トップですね。JR各社を見ても、四国の一・六八、こんな数字のところはどこにもないわけです。それほと四国は全国一踏切の多いところであります。 その踏切の多い四国で、ことしの一月八日高松市内で一種自動踏切の中流踏切で死傷者十二名の、我々田舎の人間にとってみれば驚くべき大事故が起きたわけでありますが、運輸省はこの事故について御報告を受けておるでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 受けてございます。トラックが踏切を完全に渡り切れないで乗客に死者が出たという事故だと承知しております。
○喜岡淳君 私はこの事故をめぐって幾つかのことを御質問したいと思いますが、四国運輸局が再発防止の文書を出されました。私はこの通達の内容に疑問を持っております。運輸局が出した指導内容は四点でした。これは別に御意見をいただきたくないんですが、私の意見を聞いていただきたいと思うんです。 四国運輸局が出した指導は四点です。一つは、事前に踏切の状況とか車両の構造を十分把握せよということでありました。しかし、事前に踏切の状況を調べろといったって初めて来る人はわからないわけですから、こんな指導を出したってだめです。最初から大型車は進入禁止とかそういう標示が必要だっただろうと思うんです。制限をする、禁止をする、大型車の進入を。最初から制限しておれば私はこういう事故はなかっただろうと思います。 それから二つ目に、運輸局の指導の中で、一時停止を励行しなさい、列車の通行を確認せよと言っておりますが、非常にスピードアップが甚だしくて、特急が走るようになりましたから、警報機が鳴っておっても時間は特急のスピードアップで早く来る、こういう問題もそのままなんです。 あるいは発煙筒などを使用せよという内容になっておりますが、車両に発煙筒を積んだところでがたがた壊れて発煙筒がとれない場合はどうするのか。車両の損傷で発煙筒がとれない場合は踏切の発煙筒を使うわけですが、この踏切には発煙筒は設置されていないんです。警報ボタンも設置されていないんです。事故後六カ月たった今なおついていないし警報ボタンもついていないわけです。 そういう意味では、確かに運転手さんの、ドライバーの踏切事故における過失責任、こういう問題もあると思います、みんなが事故を起こすわけじゃないわけですから。しかし、私はJR側にも問題があるのではないか、こういうふうに思っておりますので、これからも踏切の対策についてぜひ力を入れていただきたいというふうに思います。ちなみに、四国の踏切保安設備整備費補助金というのはこの四年間で四十億から十三億、三分の一に大幅に減少いたしております。事故はこの間一・五倍以上に膨れ上がっております。 この踏切問題についてぜひ御意見をいただきたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 踏切事故対策としては、踏切保安設備の改良等もございますが、最近起きた重大事故は保安設備あるいは一種踏切で起きておりますので、やはりそこを通行する自動車の安全対策というのも重要じゃないかと思っております。 先ほど挙げられました通達というのは、運輸省の出先が運輸省所管のトラック事業者、バス事業者等自動車運送事業者に対して出したものだと理解しておりますが、その他に一般のマイカーに対する安全指導あるいは踏切の交通規制、そういった問題については関係省庁、所管省庁にもお願いして総合的に踏切の事故防止ができるようにいろいろと検討を行っているところでございます。この事故に関しても四国において関係省庁にいろいろ検討をお願いしているところでございますので、今後とも事故防止については鋭意努力していきたいと考えております。
○喜岡淳君 最後になります。 会計検査院の方がお見えだと思いますけれども、御徒町の事故で会計検査院のことがよく新聞に出ておりますが、昭和六十一年名古屋市地下鉄駅建設の際、会計検査院が例の薬液不正事件を調査したといいますか検査したいうことが報道されております。業界の中においてはこの種のことが通常かしておるというような指摘もずっと前からあったわけでありまして、そういう意味で、もしこの六十一年の事故を指摘された際にそれをきちんと会計検査報告に載せておったならば、昭和六十一年以降のこの種の手抜きというのはかなり変わってきておったんではないか。どうしてそのときに会計検査報告から外したのか。この件について御質問をしたいと思います。
○説明員(左近士信正君) お答えいたします。 本件工事を検査報告に掲記しなかった理由といたしましては、本件工事が全額名古屋市からの受託工事であったということ、それから旧国鉄に直接の損害がなかったということ、それから過大に支払われた分につきましては、本院の指示によりまして返還されまして名古屋市に納付されたということ、それから薬液注入後の躯体工事は安全に施工されたということ等を総合的に勘案いたしまして検査報告に掲記しなかったものと思われます。 しかしながら、当局におきまして再発を防止するための監督体制の強化その他いろいろの改善策を講じるという報告を我々も受けておりますけれども、今回このような事故が再び起こりましたことにつきましては我々もまことに遺憾であるというふうに存じております。我々といたしましては、この事故を契機にさらに抜本的な改善策が講じられることを期待しております。 以上でございます。
○喜岡淳君 終わります。
○瀬谷英行君 大野運輸大臣には私初めて質問をさせていただきます。 大臣のお父上大野伴睦先生とは昔お目にかかったことがございますが、やはりきっすいの政党政治家でして、役人出身でないおおらかなところがあった。どうしても役所勤めの長い人は視野が狭くなるんです。政党政治家というのは視野の広いところが取り柄なんですよ。かぎ穴からのぞくようなことをやっていたんじゃ政治家としては失格なんですね。その点は、広い視野に立つ伴睦先生も大臣も同じように目玉が大きいので、多分かぎ穴からのぞくような視野でなくて大所高所に立っての見解が期待されるというふうに私は思っております。 そこで今喜岡議員の質問の中でかなり重要な問題がたくさんございました。それは安全の問題です。例として挙げられたのはJR四国の話でございますが、これは恐らく四国でけではなかろうということを私は心配するんですよ。四国だけの問題なら話は別です。トイレの問題も出ましたけれども、トイレの問題だって重要なんですよ。民営化されたからトイレは省略していいというものじゃないんです、四国の人が皆便秘しておるというわけじゃないんだから。そうすると、やはりそのトイレの問題にせよ安全の問題にせよ、これは公共性という観点からするとゆるがせにしてはならないというふうに私は思うんです。 ところが、実際問題として、この分割・民営というのは何のために行われたのか、民営の趣旨は何かということを取り違えるような幹部があると安全性を後回しにしてしまうんです。たまたまこのアンケート、ちょっと気のきかないアンケートだなと思いますけれども、このアンケートにあらわれた数字というのはばかにならないんですよね。 そこで私は大臣に期待したいのは、再建監理委員会という機関が過去においてありましたけれども、そういったような機関は大臣がつくらせたのであって、大臣の上に立つべきものじゃないと思うんですね。大臣がやっぱり役目柄からいうと一番最高位にある、その大臣が何とか委員会というものに支配されてその言うことを聞くというようなことになったんでは私は示しがつかんないと思うんですね。今後の問題としては、やはり大臣は大臣としての見識を持って指導する、安全が第一である、もうけよりも安全がまず第一である。こういう考え方というものをすべての機関に徹底させるということが私は必要だろうと思うんです。間違っても収益の方が安全よりも優先するなんという考え方を持った幹部がいてはならないと思うんですね。その点にについての大臣の考え方をまず最初にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(大野明君) ただいま瀬谷先生から、おやじのことまで引用されて、政治家はかくあるべきだという御高説を承りまして、私もそのとおりだと感じております。 それで、収益と安全の問題は、確かに私は運輸大臣就任のあいさつの中でも安全第一ということを申し上げました。また今日も今後もその姿勢は当然変わるものではございません。と同時に、私はアンケートの数字のコンマ二とかコンマ九とかという話は別にして、やはり安全を確保するということは信頼につながるわけであり、また安全性が保たれることによって人間の生命という一番大切なものも失われないで済んでいくということを考えた上での運輸行政をしなきゃならないと思っております。 ただ私ども政治家というのは専門家じゃございません。ですから、各種の審議会等の答申はいただいても、学識経験者当の答申はいただいても、それがオールマイティーということではございません。それに、やはり政治家としての感覚、またやるべき姿というものを十二分に配慮いたしまして行政を進めていくべき立場にあるわけでございますから、私は、そういう大臣はあるいは役所で嫌われるのかもしれませんけれども、それにかかわっておってはいい政治が行われないし、いい国民生活もなし得ないわけでございますから、毅然たる態度を持ってやりたいと思いますので、また皆様方の御支援をお願い申し上げます。
○瀬谷英行君 喜岡委員の質問の最後に御徒町の問題が出てまいりました。大臣もご承知だと思うんですが、御徒町の陥没事故です。東北・上越新幹線の上野駅の地下四階からずっとトンネルを掘って東京駅までつなごうという工事なんですね。その工事の途中の御徒町で陥没事故がありました。自動車もあの穴へ落っこちた。死傷者が出なかったというのは不幸中の幸いなんですね。まかり間違うとあれは大変な犠牲者が出たかもしれない。バスなんかがあそこでもって転落をしたということになりますとこれは相当数の死傷者が出る可能性があった。そういう危ない事故だったんです。そういう危ない事故だったんですからああいう御徒町の陥没事故などというものは軽く見ちゃいけないと私は思うんです。 そこで、会計検査院の今の御答弁では、名古屋の場合はJRに直接かかわりがないというふうに考えたと、一言で言えばそういうようなお話だった。しかし、しっかりやっておかなければならないところは、どんな小さなところであっても、国鉄であってもJRであっても、あるいは私鉄であっても地下鉄であっても大事なところは押さえておく必要があると思うんです。その意味で、こういう御徒町のような事故が起きてしまってから、あのときもこうだった、こうすればよかったと言ったんでは間に合わないんですね。今の会計検査院の報告を聞いて大臣どのようにお感じになりましたか。
○国務大臣(大野明君) 御指摘の御徒町の事故というものは、私も実は報道を見てびっくりし、また報告も聞いたわけでございます。 いずれにしても、会計検査院の報告というものはこれはもう役人らしい答弁であることは間違いございませんけれども、しかし転ばぬ先のつえということが大切であると同時に、発注者もさることながら施行者もやはりこれをきちんとやることによって事故も起こらないということは、一番我々が心しなきゃなるぬという気持ちを持たなきゃいけないことであります。ですから、政治とか行政とか一般生活とかそういうことを抜きにして、私の政治姿勢というよりも、人間として一生を、あとどれくらい生きるかは別として、生きていく上において大切なことは私は心だと思うんです。心はやはり愛に通じると思うんです。それがやはり一番大切なことであって、そこからの発想は初めて政治にも行政にも生かされる。 そういう意味では、会計検査院の先ほどの答弁はということにつきましては、これは役所である以上そういう答弁しかできないのは無理からぬ点もあるし、そういうシビアな答弁をせざるを得ない立場の人と、またそうでなく本当にやっていけばやっていける行政の立場の人もあるわけですから、そこら辺を十二分に、特に我が運輸省は人の移動、物の移動、いろいろなものを扱っておる行政でございますから、やはり安全確保が一番大切な使命だということを心得、これから先も一生懸命努力をさせていただきたい、こう考えております。
○瀬谷英行君 このトンネルの陥没事故というのは、たまたま御徒町では大きな陥没事故があった、幸いにして死傷者はなかった。しかし、ここから考えなきゃならないことは、じゃほかのトンネルは大丈夫かな、ほかにもやっている工事はいっぱいあるということなんですね。だからそのトンネル工事、東海道新幹線のトンネルは老朽化して大丈夫なのかなということも考える必要があるでしょう。それから青函トンネルなんというのは、あんな長いトンネルができて、ああいうのが陥没事故でも起こされたんじゃたまったものじゃないなという心配もあります。素人だからそれは余計な心配だと言われればそれっきりですけれどもね。しかし、現実に御徒町の事故だって考えていなかったような事故なんですからね。起きてみれば、どんな事故が起きるかこれはわからない。 そういう意味で点検をやってみる必要があるんじゃないか、ああいう事故を契機にして。またまた大きな事故が起きてから、ああすればよかった、こうすればよかったと言っても間に合いません。その意味での点検ということを行わせる必要があるんじゃないかなという気もいたしますが、その点どうでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道工事を行うに当たって、特に住民が住んでおりますような都市部においては細心の注意を払うことは当然でございまして、今回の事故を契機としてさらにJRにおいても徹底するように指導しているところでございます。 ただ、今回の凝固剤の注入不足というのは、工事をまず行いますときに周りを凝固剤で固めて穴をあけ、その穴をあけた後にコンクリートで周りを固めて恒久的なものにするということでございますので、この凝固剤自体は本格的な本来のトンネル工事が終わりますと一年あるいは二年以内に溶けてなくなるものでございます。したがって、一般的な、既に列車が走行しておりますトンネルの安全性というのはこれは目で確認できますので、もちろん工事竣工の際にも竣工検査を行っておりますし、安全には間違いはないと思います。凝固剤の場合には最初に土の中にパイプで注入するものですから外からはわからない。そのために従来からもパイプで凝固剤を注入するときにチャートをつくらせる、あるいはその凝固剤を運んできたトラックの写真を撮らせるというようなことで、目に見えない凝固剤が適正に注入されるかどうかということをチェックをしていたんですが、今回はそのようないろいろなチェックをかいくぐった不正が行われたということで、関係者もショックを受けているところでございます。 そこで私ども、現在凝固剤を注入して工事を行っているところがあれば一つ残さず点検するような指示しておりまして、今鉄道事業者においては全箇所について調査中でございます。そう数は多くございませんが、調査をいたしましてその調査結果によって、今後再発防止のために今までのようにチャートで注入量をチェックする。それじゃ不正なチャートをつくられる、写真を撮る、これもにせの写真に置きかえられるというようなことにならないようにさらに厳重なチェック、もちろんそういう問題が生じた建設事業者を厳しく排除するということも一つでございますが、総合的な対策をいかに立てるかと言うことで今鋭意検討させているところでございます。
○瀬谷英行君 トンネル工事、特に地下何十メートルというところのトンネル工事というのは人目につかない仕事ですから、手抜き工事、不正工事をやられたところで一般の人間にはわからないわけです。またそれを十分に監視するすべもない。そうするとやっぱり良心的に工事をやってもらう以外にないし、それから監督の方もしっかりと監督をしてもらわなきゃならぬということになるんですね。 そこで、上野―東京間のこの新幹線延長工事というのはこの事故によってとまってしまった。しかし、再開をして完成させるにはあとどのくらいの金をかける必要があるのか、予算的に今日までに使った金はどのくらいで、これからどのくらいの年月をかければ完成するのか。それからこれは概算でよろしいですけれども、金額的にはどのくらいになるのかということも御説明いただきたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 概数で恐縮でございますが、今御指摘になりました御徒町事故というのは上野から東京への東北新幹線の乗り入れ工事でございます。この東京―上野間の総工事費が約千三百億と推定されておりますが、ほとんど完成しておりまして、今回事故が起きました御徒町の工区等を残すばかりで、残りは七十四億円ということになっております。 それで、あとどのくらいでできるかということでございますが、もしこの事故がありませんでしたら来年の春、三月には東京乗り入れができたということで工事を進めていたのでございますが、今回こういう事故が起き、その原因究明にも時間がかかり、現在一応対策をまとめてJR東日本が東京都に工事再開の手続について協議を行っているところでございます。再開いたしますとその後鋭意努力して東京乗り入れを一刻も早くしたいということでございますが、当初の予定でございます来年三月というのはかなり厳しい状況になっております。今後、工事の残りの進捗スケジュール、それからダイヤの設定等を総合的に勘案してその時期をもう一度見直さなければならないと考えております。
○瀬谷英行君 この前私がこの上野―東京間の新幹線工事について質問したのを調べてみましたら、昭和六十年、今から五年前なんです。そのとき私が質問したのは国鉄再建監理委員会がこの工事を凍結した、つまり新聞の表現は端的に言うと凍結をした、こういう言い方をしているんです。何でやりかけの工事を凍結しなきゃならぬのかということを五年前に質問しております。そうしたら監理委員会の答弁というのは、決して凍結したわけではないんだ、しかし緊急提言でもって設備投資で不急のものは抑えるようにしたらどうですかという勧告を申し上げただけだというんです。だけど、その勧告を申し上げたらその工事の方はやめちまった、凍結をした、要するにそこで中断をしたわけです。そのとき私は疑問に思ったのは、地下四階の深いところのトンネル工事を途中でやめたんでは安全上いろいろ問題があるんじゃないのか、あるいは全くやめてしまうなら話は別だ、埋めてしまえばいいんだけれども、やめる気がないんならどうして変なところで中断をするんだ、それは進めるべきではないかということを質問したんですが、どうも要領を得ないんですね。説得性がないんですよ、やめたことについての。 それで当時の大臣は山下運輸大臣でした。監理委員会の答弁がどうも要領を得ない。今急いでやる必要はないのではないかというふうに申し上げたということを言ってるんだけれども、じゃ大臣はどう考えるのかと言うと、そのときの大臣の答えというのは、監理委員会でお決めになっていることなのでということで、どういうことを言っておられるかというと、やっぱり採算性だと言うんですね。それだけ投資をして一体どの程度国鉄に収益として入ってくるのかといろいろなことをお考えになっての緊急提言であろうと、こういうふうに山下運輸大臣が答えているんですね。つまり運輸大臣みずからの判断でもって決めたんじゃない。再建管理委員会から、採算性からいうとやってみたところでどれだけそれによってもうかるかわからないんだから後回しにしたらどうかと言われて、大臣はああそうですかということになっちゃったわけです。大臣そのものの御答弁というのは要領を得なかったんです、さっぱり。 だから、さっき私が申し上げたんですけれども、監理委員会が適当な答弁をして、監理委員長の方がよっぽど素人なんですよ。亀井正夫さん、こっちの方がよっぽど素人なんです。素人が監理委員会の中でまとめた言葉を適当に発表するだけだ。それを大臣の方がその緊急提言の趣旨はこうだろうと思いますと、これではちょっと主客転倒という感じがしたんです。そういう答申を出したとしても決断をするのは大臣でなきゃいかぬ。これはやるべきかやめるべきか、どっちか二つに一つなんですから、やめるんならしようがない、やるんならばこれは続行するということを大臣が決断すべきじゃなかったかなと今でもそう思うんですが、大野大臣、昔の話になりますけれども、これはこれからも考えてもらわなきゃならぬことなので、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大野明君) 今先生御指摘になり、また同時に昭和六十年に御質問いただいたそのころのいきさつは十二分に承知いたしておりませんけれども、やはりJR各社が設備投資について基本的に考えるのは民間として当然のあり方だと私は思います。 しかし、そうだからといって、鉄道というものは何といっても公共の輸送機関でございますので、私どもとしても財投その他適切な措置をとって強力に指導していかなきゃならぬ。そういうところに政治家としての判断、英断をせいというお話でございましょうから、私は、そういうような事態が今後あったとしたときには、当然専門家の意見も先ほど申し上げましたようにお聞きしなければなりませんけれども、それ以上に、やはりこれが社会のためになるというときには決断を持つのが大臣としての立場であろうということをよく認識してやっていきたいと考えております。
○瀬谷英行君 私が大臣に特に期待したいことは、あの当時、つまり昭和六十年の段階でもって国鉄再建監理委員会というものが存在をしておって、その監理委員会の提言というものが何よりも優先してしまった。大臣というのは飾りになっちゃったわけですよ。だから委員会で大臣に聞いてみてもらちが明かない。らちが明かないから監理委員会に出席をしろと言うと、言を左右にして出てこない、そういう事実がございました。これは私は今でも覚えている。その当時の運輸委員長は鶴岡委員長だった。鶴岡委員長が大変に憤慨をして、監理委員会に直接電話をする、出席を促す、こういうことがあったんですよ。大臣の上に監理委員会が君臨をしていたんです。こんなことが過去においてはあったんですよ。だから、監理委員会で言われることは何もかも大臣がオウム返しにしゃべって補足をするというふうな格好になってしまったわけですね。 そこで私は今改めて申し上げたいんですけれども、上野と東京の間はわずか三・六キロしかない。この間、乗りかえの客がたくさん利用します。今でも私は通勤時間帯にあの上野―東京間に乗ってみます。そうすると、我々は混雑にもまれてもなれておりますけれども、気の毒なのは例えば修学旅行ですね。修学旅行の団体が来る。昔、修学旅行の団体客というのは上野駅でおりて本郷の旅館に運び込むというケースが多かったけれども、今はそうじゃない。上野から東京まで来て東海道新幹線に乗りかえて関西方面に行く、こういうケースがある。ところが、その団体客の修学旅行生なんかは、上野駅の新幹線でおりると地下四階から地上三階ぐらいの高架まで上がってきて、そのホームの混雑の中にもみくちゃになる。それでマイクでもって、何とか中学の生徒は今度来た京浜東北に乗ってください、乗り切れない人はその後の電車に乗ってくださいというようなことを放送しているんですよ。これは大変ですよ。ほかにお客がないときなら別だけれども、それがラッシュにでもかち合えば大変なんです。それが修学旅行の季節になりますと毎日のように繰り返されるんです。だからあの姿を見て私も、もしこの上野―東京間というものが早く完成をしておればこの修学旅行の生徒もストレートに東京駅まで乗っていかれるじゃないか、何であのときにぐずぐずしていたんだろうということを考えざるを得ないんですよ。もし機会がありましたら大臣もあの上野―東京間のラッシュというものを視察されたらいいと思うんです。 そういうことを考えると、あのときにちゅうちょしたということは失敗だったというふうに私は思わざるを得ないんです。今でもそういう状況が続いておりますが、その点について大臣としてはどのような見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(大野明君) 今先生から、先生の地元は埼玉でございましょうが、そこから修学旅行なんかで関西へ行くのに非常に不便だというお話がございましたが、そうじゃなくて、私の選挙区の岐阜の方から乗りまして東北の方へ行く人もたくさんおるんです。むしろ私は地元の方からそういうような指摘を何回か聞いております。ということは、東北方面にいろいろと企業誘致等もございまして岐阜の業者も随分出ております。ところが、飛行機もなかなか不便だ、結局は新幹線で行った方がベターだということでもって利用するのに、どうも上野―東京間を乗りかえるのが面倒くさい、これは早くできるといいんですがと、いやそのとおりだねという話を何回もしておるところでございます。 そのときに当時の大臣がどういうお考えだったかは別として、やはり東京のラッシュとかあるいはまた東京のそういう交通網について認識はしておったんでしょうけれども、そんなものかというようなことでそうなったのかどうかこれもわかりませんけれども、もし私がそのとき大臣だったらやらせたと思います。 そんなようなことで、今ラッシュを見てこいというお話でございましたが、私も十分承知いたしておりますし、先般の予算委員会でも、予算委員会が忙しいからまだ視察に行っておりませんと申し上げましたが、来月終わり次第行くスケジュールももう出しておりますから、十二分に視察をし、そしてこの都市交通網の万全を期すようにしていきたいと考えております。
○瀬谷英行君 無理に現場に行かれなくとも、例えば数字的に乗車効率はどのくらいかという数字を出せと言えば大体見当がつくわけですよね、それだけで。大体一メートル四方のトイレぐらいの広さのところに七、八人の人間が詰められるという状態を想定してもらえば、そこへ修学旅行生が乗り込む場合にはどんなことになるかということを考えればその困難さというものは想像してもらえると思います。 そこで私は、上野―東京間が一例なんですけれども、今後の日本の輸送ということを考えた場合に、整備新幹線といったようなものがありますが、この整備新幹線についても再建監理委員会の方針というのは要領を得なかったんです。慎重に検討しろと書いてあるんです。慎重に検討しろというのはやれということなのか、やめろということなのか、さっぱりわからないんです。そういうあいまいなどっちつかずな答申を出しておいて、そしてこの答申が最良であるというふうなうぬぼれたことを言っているんですよ。決してそんなものじゃなかったんです。やっぱり人間というのはうぬぼれと思い上がりというのは一番いけないと思うんです。ところが、再建監理委員会というものの国会における答弁を聞いておりますとうぬぼれの塊みたいなもので、おれの言うことを聞いていれば間違いないといったような調子だった。だが実際にはどう考えても説明のつかないことがいぱいあるんですね。 そこで、これからの整備新幹線ということを考えてみますと、例えば私は東北新幹線が盛岡どまりというのもおかしいなと思っているんですよ。東北線というのは青森どまりだったんです。それを新幹線に限って盛岡どまりにしてしまったんです。あれは地元の人が随分いろいろ陳情されるのも無理はないというふうに思うんです。あれもやっぱり中途半端な仕事です。 それから東海道新幹線にしても、これは現在まさに飽和状態にあるわけですね。こちらの方は大臣も時折御利用になるだろうと思うんです。いつも満席の状況で走っています。これはそれだけ線路も酷使しているし、設備についても気を配らなきゃならぬ点があると思うんです。将来を考えるならば、東京―大阪間のような利用者の多いところは新しく線をつくって、そして現在の新幹線の場合は各駅停車にしてしまって、東京―京都、名古屋、大阪間といったような区間はリニアモータカーでも何でも新しい技術を導入した新しい幹線というものを、新幹線になりますが、そういったようなものを考える必要があるんじゃないかという気がします。その場合にだれが負担をするのかということになりますと、これは民営になった会社にやらせるということは非常に難しいことになりやしないかなという気がしますし、これこそ国家的な仕事としてやるべきことではないかなという気もいたします。 それから九州にしても北海道にしましても、新幹線の恩恵に浴さないところがある。日本海側なんかはそうです。この日本海側の、例えば去年委員会でもって視察に参りました酒田地域だとかああいうところは新幹線は通らないし、飛行場はないし、どうにもならぬということを言われました。そういう地域のことを考えると、整備新幹線にいたしましても一体どうしたらいいかということをまじめに考えるのが政治家としての任務ではないかという気がいたしますが、その点大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大野明君) 国土の均衡ある発展を求めるためには、やはり高速鉄道網であるとか、あるいは今ちょっとお話のありました空港もないというようなことで空港の整備も大切なことだと考えております。昨年作成しました基本スキームにのっとってこれから鋭意進めなきゃならぬということでございますが、平成二年度の予算がもう間もなく成立するわけでございますが、そういたしましたならば私は精力的にこの問題に取り組もうという決意でございます。 いずれにしても、東海道新幹線も既に早いもので二十六年たつわけでございまして、本当に私なんかも選挙区へ戻るたびに切符をとるのに四苦八苦するときもあるわけでございます。そういうようなこともありますので、御指摘の第二東海道新幹線、それもいよいよこの予算が成立すれば山梨でもってリニアの実験線をつくり、そういうようなことも含めて検討というか、何としてでもこれをつくらなけりゃならぬということを考えております。それには非常に大きな財源が要るわけでございまして、その財源をいかにすべきかということで財政当局とも話をし、またこれからその点も強力に進めていきたい、こう思っております。 私、今先生のお話を聞いておってこれはいいことだなと思ったのは、今東海道新幹線は各駅停車というのは全部こだまにして、新しいのはそんなに駅なんかとまらずに本当に高速鉄道だということをやったらいいじゃないか、これも一つの考え方だと思いましたが、東京―京都、大阪とおっしゃいましたけれども、名古屋もとめたいと、こういうことも感じた次第でございます。
○瀬谷英行君 いや、もちろん名古屋も大事なところだし、常識的に考えて東京―名古屋間はなるべく最短距離を、南アルプスをぶち抜いて最短距離を走る、それから京都、大阪というところと早く凍結をする、こういう方法を考えるのが常識だろうと思うんです。その場合には、私なんかの場合は自分の選挙区は東海道線と関係ないから気楽なんですけれども、やはり余り蛇行すると面倒ですから、それは蛇行しないでストレートに、飛行機のようにはいかないかもしれないけれども、結ぶような方法を考えるべきじゃないか。そうすれば今の東海道新幹線を各駅にしても、ダイヤを組むにしても、こだまとひかりでもって対比をしたりなんかするというややこしい作業がなくなっちゃうんですね。だからそういう方法があるんじゃないかなという気がいたします。 それから九州や北海道、こういう人口が希薄、四国だってそうですけれども、人口が少ないところは収益だけ考えたんじゃ鉄道はもうかるわけないんですよ。そういう収益第一主義だと会社に任しておいたらできません、絶対に。だからそういう場合には政治的な視野に立って、大臣のようにでかい目玉でもって物事を見詰めてもらうということが必要じゃないかというふうに私は思うわけです。 そこでもう一つ、こういう鉄道のような、鉄道に限りませんが、飛行機でも同じですけれども、人や物を運ぶという道具は人の和というのが安全のために第一に必要だろうと思うんです。人の和がないとやはり安全問題もどこかで破綻を生ずる、こういう気がするんです。 その点で、先ごろいろいろと精算事業団の解雇問題その他でもってトラブルを生じてはおりますけれども、人間関係、組合の事情というものは極めて複雑になってしまっている。一方においては不当労働行為が行われる。一方においては同じ組合でもその不当労働行為を拍手喝采をして見ているような連中がいる。これでは同じ仕事をするのに今後ともいろいろと問題を生ずるんじゃないかと思うんですね。そういうところは労働問題だといえば所管外かとお思いになるかもしれませんが、そうとばかりは言い切れないと思うんです。これらの問題もやはり解決をするという手だてを大臣としてはお考えになっていただかなければならないんじゃないかという気がいたしますが、その点についての大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大野明君) 具体的な問題につきましては、ということは精算事業団のことになるわけですが、これは今中労委でもって係争中ですから、私からとやかく言うべきでもございませんから申し上げませんけれども、私も労働大臣の経験者でございますので、やはり労使間が非常にスムーズにいっているということは、これは確かに安全性においてもあるいはまた企業としての採算性においても、また企業の発展においても一番重要であり基本だと思います。しかしながら、それをお互いに聞く耳を持つというか、そういうようなことにやはり腐心しなければいけないんじゃないかな、私は大臣とかそういう立場でなくて、一人の政治家として、また一人の人間としてそういう気持ちで話をできる部分があればしたい。 いろいろその他にも運輸省の行政の中でも抱えておる大問題がございますけれども、私が会うことはやぶさかじゃなくても相手が出てこないのでは、これはテーブルに着いてもらえないんじゃ何とも話のしようがない。ですからそこら辺を、過去にさかのぼって何かあるとすれば糸をほぐしながらやはり人間関係を大切にしてやっていく、こういう基本を持ちながら行政に対応し、今のような問題につきましてもまた何かあれば私もできる限りのことはさせていただきたいと思っております。
○瀬谷英行君 列車の問題から空港の問題にもちょっと触れてみないと思うんですけれども、この前本委員会で視察に参りましたときは、山形県の酒田で庄内空港というものの工事をやっているところを視察いたしました。ああいう地域の人たちにしてみれば新幹線は新潟まで行かなければ利用できない。空港は山形空港まで行くのにえらく時間がかかる、便も悪い、こういうことがあるんで、そういう地方の空港の早急な整備ということを望んでおられる気持ちが強かった。しかし問題は、その空港から飛び上がった飛行機が東京へ行くのに羽田がいっぱいであるというようなことになると、今度は飛行機をどこへ着けたらいいのか、こういう問題も起きてくるんですね。 だからそういう意味で、関西国際空港なんかも今やっておりまして、日米構造協議でアメリカとの間にいろんな問題が出ておるようでありますが、アメリカの企業も一枚かませろといったような意見があるということも聞きましたが、アメリカ側がそんなことをいろいろと言うくらいならば日本だってアメリカに対して注文すべきことはいろいろあるんじゃないかな、こういう気がいたします。その点、日米対等の立場でもってこちらからも、例えば日航機墜落事故でもってボーイング社の事故責任なんというのは五年前にもいろいろと論議されているんですけれども、何となくボーイング社の責任感というのははっきりしないような気がするんですね。だから、こういう責任感がはっきりしないようなところの飛行機は何も買うことはないと私は思うんです。そういうような方法でこちらも対応する必要があるんじゃないか、そうしないとなめられるばかりだというような気がいたします。したがって、航空協定その他についても対等の立場でもってこれから臨む必要があるんじゃないかと思いますが、それらの問題。 それから空港の将来のことを考えた場合に、アメリカが今度フィリピンでも軍事基地を撤収しようという機運にあるということが伝えられている。日本でもそういうことになってまいりますと在日の米軍基地なんていうものがあくかもしれない。あいた場合にはそういう飛行場を利用すれば、日本の国内空港の足りない部分をそういう点で早いところ手を打って押さえておいて日本の国内空港の補完のために使うということも、運輸省として考えていいことじゃないかなという気もいたしますので、それらの点もあわせてこの機会にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大野明君) 日米構造協議の問題でございますが、私どもといたしましては、やはり国益ということは十分に考慮いたしまして、決してアメリカ側の言いなりになっているわけではございません。細かいことは局長から答弁させるとしましても、私としては、そういう意味でなく、やはりその中においてお互いにできるものはやったらよろしい。といって、我が国の航空行政というものの中において当然主張すべきは主張しておりますし、それぞれの対応は少なくとも運輸省はきちんとやっておるつもりでございます。 また同時に、今後もし米軍の飛行場が返還されたらということでございますが、過去におきましても米軍の飛行場を民間に転用して、今日我が国の航空ネットワークの重要な飛行場として活用いたしております。今後ますます航空需要というのがふえることはもう言うまでもございませから、その点を今御指摘のように考え、そしてもし返還されるというような動きがあればふだんからアンテナを十二分に立てておきましてそれに対応できるように、その飛行場の立地条件もあるかもしれませんし、その地域の方々の問題もあるかもしれません、また需要に対しての問題もあるかもわかりませんが、そのようなときには地方自治体や関係省庁と緊密な連絡をとって、日本のこれからますますふえる航空需要に対応できるようにしていきたいと、かく考えております。
○委員長(中野鉄造君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十分に再開することとして、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(中野鉄造君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○野沢太三君 まず最初に、国鉄改革にかかわる諸問題についてお伺いをいたしたいと思います。 昨日、JR各社の平成元年度の決算状況が一斉に公表されたわけでございますが、七社とも営業収益を伸ばしまして、しかも経常利益がみんな黒字になるということで、特にJR東あるいはJR東海につきましては一千億を超す経常利益を出すことができたわけでございます。このような成果を上げることができましたのも、第一には改革の仕組みがよかったこと、二番目としまして景気の追い風が吹いたこと、これもあったかと思いますが、何よりもJRの関係職員さらにはお客様である国民の皆様の理解と強力があったことが一番大事であったと思うわけでございます。このように成功裏に今動いておりますけれども、この間これを導いていただきました運輸省さらにはJR初め関係の皆々様に心から当事者の一人として御礼を申し上げる次第でございます。 しかしながら、国鉄改革の成否というものは、JRの成功とあわせまして、国鉄の精算事業団に残されております諸課題の解決にかかっていると申し上げてもよろしいかと思うわけでございます。改革のときに解決できなかった大きな課題として鉄道共済年金の問題がございますが、これにつきましても昨年の暮れにひとまず決着させていただきまして、四十七万の年金受給者は大変一安堵しておるところでございます。皆々様にかわり感謝を申し上げる次第でございます。また、改革の中で最も痛みの伴う課題として、政府、議会を含め挙げて取り組んでいただきました雇用問題でございますけれども、期限切れの最後の最後まで御努力をいただきましたことは本当に私どもといたしましても感謝にたえません。ただ、残された問題につきまして引き続き適切な処置をしていただきますようこれはお願い申しあげるわけでございます。 事業団に残されました一番大きな課題が国鉄の長期債務の処理でございますが、以下この問題につきましてお伺いをいたしたいと思います。 事業団債務を含め国鉄の長期債務というものが三十七兆を超すということで、そのうちの大半が事業団に承継されたわけでございますが、この債務がその後累増しておるということでありまして心配をしておるわけでございますが、この事業団債務の発足当時と平成二年当初の数字がどのようになっておりますか、これについて御説明をいただき、その増加した理由について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 精算事業団に承継されました債務は、国鉄改革時に国鉄関係係長期債務としてございました三十七・一兆円のうち、改革後のJRが経営を行っていくことが可能な限度として承継しました十一・六兆円を除きました二十五・五兆円、これが精算事業団の承継債務であったわけです。しかし、これからの毎年一・四兆円から一・五兆円の金利が発生します。改革当時はこの発生する金利を土地処分収入それから新幹線保有機構からの収入で埋めるという前提であったわけでございますが、その後の地価の高騰により精算事業団による旧国鉄用地の処分が当初の予定どおり進まなかったこともございまして、発生する金利をすべて収入でカバーできなくて金利が金利を生むという形になり、平成二年度首で二十七・一兆に上る長期債務となってございます。
○野沢太三君 JRグループあるいは新幹線保有機構が引き受けた債務は順調に減少していると伺っておりますが、このままほうっておきますと事業団の債務は雪だるま式に膨らんでしまうわけでありまして、何と申しましても当初予定いたしました用地の処分あるいは活用によりましてできるだけこれを減らしていく努力が必要かと思います。 当初、たしか用地を売りまして七兆七千億ほどの借金を返すという計画と聞いておりますが、その後大分時間もたち、用地の高騰等も伝えられるわけでございますが、現時点での評価額はどうなっておるのか。平成二年一月には公示地価も出たわけでございますので、これで見直すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 事業団の保有する用地のうち売却可能なものについて総額でどの程度で処分できるかということにつきましては、一応昨年一月の地価公示額をもとにかた目に計算しまして九・九兆円という数字を出してございますが、その後ことしの一月に新しい地価公示額も公表されたことでございますので、現在そのような新しい地価公示額をもとに、また最近精算事業団でいろいろ考えております地価の不顕在化方式による処分の成果、それによる付加価値の増大等もあわせて、全体として現時点でどの程度に評価できるか作業中でございます。ただ、これは公表すべきかどうかというのは地価との関係もございますが、できるだけ私どもとしては適切な価格にしたいということで算定を進めているところでございます。
○野沢太三君 先ほどの御説明にもございましたように、累増の原因が金利の高騰にあるということでございますと、やはり時間の勝負になるだろうと思いますので、ぜひともこれからも精いっぱい時を置かずに事を進めていただきたい。これはお願いでございます。 地価が大変上がって公開競争という原則が執行できないという中で、清算事業団におかれましては地価を顕在化させない処分方法というものを考え出していただいて、これに沿って今仕事を進めていると伺っているわけでございますが、このうち既に実施に移されておりますいわゆる建物付土地売却方式、これにつきましての進捗状況をちょっと御説明いただぎたいと思います。
○参考人(石月昭二君) 建物付土地売却方式、いわゆるマンションをつくって売るという土地の売却方式につきましては、昨年の二月に資産処分審議会から当面の進め方につきまいて答申をいただきまして、現在四カ所、津田沼の電車区、横浜の宿泊所、茅ヶ崎の機関区、甲子園口の宿舎、この四カ所につきまして検討しているところでございます。既に津田沼につきましては本年の二月末に着工いたしておりまして、年度内には募集開始の運びになろうかと考えております。その他の三件は近々着工すべく目下自治体及び関係者と協議を進めているところでございます。 なお、今年度につきましては、東京圏、大阪圏に続きまして地方中核都市、札幌、仙台、名古屋といったところでもこの方式で土地の売却を進めたいということを考えておりまして、ほぼ八件ほどの事案につきまして検討しているところでございます。
○野沢太三君 大変足がかりのいい場所に土地を持つということもあり、大変な人気も出ているというふうに伺っております。どうかひとつこの方についてもどしどし進めていただきまして、住宅の供給とあわせ債務の減少に御努力をいただきたい。お願いでございます。 それからさらにもう一つの手段といたしまして、いわゆる不動産変換ローンという形で土地を処分していく、こういった形で既にレールシティ東開発とか西開発といった会社も設立されたと伺っておるわけでございますが、この考え方とそれから役割につきまして御説明いただければありがたいんですが。
○政府委員(大塚秀夫君) 不動産変換ローン方式は、事業団の出資会社、今先生言われました既に三月に設立しましたレールシティ東開発、レールシティ西開発が担当することとなるわけでございますが、この出資会社が事業団の用地を購入しまして、都市計画に沿った包括的な開発計画に基づいて上物も開発することによりましてその資産価値を高めて一定期間管理運営した後に処分する方式でございまして、その資金を償還時にその不動産の共有持ち分権に変換できる土地処分予約権付のものとして低利のローンを行って調達するという方式でございます。 この方式は、土地信託方式あるいは今理事長から申し上げました建物付土地売却方式に比べて、商業地など少し規模の大きいものについて複数の融資事業者を募るというようなときに適したものであると考えております。既に本年は予定地として新宿の中央鉄道病院旧庁舎跡地、恵比寿の駅前の用地、梅田の南口用地、名古屋の赤萩宿舎跡地の四カ所を予定して、現在検討、計画を進めているところでございます。
○野沢太三君 大変知恵を絞っていただきまして、いわゆる不動産のペーパー化という流れに沿った大変これは結構なアイデアだと思うわけでございますが、この開発利益について、どうかひとつ売り手並びに買い手がリーズナブルな形でこれを受け取れるような今後の売り方あるいは価格設定等について御工夫をいただければ幸いでございます。 それから、日米構造問題協議の中間報告書にも指摘されておるわけでございますが、汐留等の大規模開発でございますが、事業団用地の中でも最も資産価値が高く、かつまた重要な場所にあるということで、これをやはり早期に開発し活用できるようにすべきだと考えるわけですが、この汐留の開発につきまして今どうなっておりましょうか。事業団よろしくお願いします。
○参考人(石月昭二君) 汐留駅の跡地約二十二ヘクタールございますが、これはただいま先生おっしゃいましたように、私ども事業団にとりましても債務償還のための最も重要な資産でございますし、また都心に残された唯一の貴重な都市空間でもございます。したがいまして、この土地につきましての整備計画につきまいしては、御案内のように、昭和六十年国鉄時代に国土庁、運輸省、建設省三省による汐留駅周辺地区総合整備計画調査委員会というものができまして、六十二年の八月に汐留の整備のあり方ということについて基本構想が出されております。事業団となりましてから、この基本構想を踏まえまして六十二年の九月に資産処分審議会の方に汐留の土地利用計画というものを諮問いたしまして、平成元年二月、昨年の二月に答申をいただいているところでございます。この答申をいただきました利用計画をもとにいたしまして、これの早期実現を図るために必要な都市計画決定を行っていただくようにということで、東京都を初め関係機関で鋭意調整を進めているのが現況でございます。 また、この汐留駅を現実に土地処分をする、その処分方法につきましては、昨年の十二月、事業団の今後の債務の償還に関する具体的な処理方針を閣議決定いただいておりますが、そこでも述べられておりますように、事業団が保有する出資会社の株式に将来変換できる予約権付の低利事業団債を発行する方式というようなことが提案されておるわけでございますが、これらの問題について目下私どもの方で勉強しているところでございます。
○野沢太三君 汐留のような大きなしかも貴重な土地を効果的に開発するためには、事業団だけではちょっと力が足りないかと思います。道路、公園、上下水道等の公共設備の整備に加えまして、いわゆる高さ制限、建ぺい率の制約あるいは容積率の制約等がございますので、これらの問題を含めた都市計画上の議論を大いに進めるべきだと思いますが、これについて建設省のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○説明員(石川哲久君) 工場跡地、国公有地等の低・未利用地を活用いたしまして住宅宅地供給の促進を図るほか、有効高度利用を図ることは重要であると認識しております。特に国鉄清算事業団保有地につきましては、都市の枢要な位置に相当規模の土地として残されているものが多うございますので、その活用が期待されているところでございます。 しかしながら、それらの土地につきましては、現状のままでは都市機能の更新を図る上で必要な公共施設設備が十分ではございませんので、土地の有効高度利用を図ることはそのままでは難しい状況にございます。このため、都市基盤施設及び建設物等に係わる計画を一体的かつ総合的に定めることによりまして、公共施設の整備の見通しなどを考慮して、容積率などの緩和を行い、良好なプロジェクトを誘導する制度といたしまして、昭和六十三年度に創設されました再開発地区計画制度を積極的に活用いたしまして、都市基盤整備とあわせて容積率等の緩和を行い、低・未利用地の一体的、総合的な土地利用転換を進めてまいりたいと考えております。
○野沢太三君 これにつきましても先ほど申しましたように時間との競争ということが大変大事になるだろうと思います。大変いい計画でありましても、それに余り長い時間を費やしておりますと、結局これは利息との関係でもとのもくあみになりかねないということでありますので、どうかひとつ一つのモデルとして積極的な推進をお願いする次第でございます。名古屋には笹島あるいは大阪には梅田という同様な大きな土地があるわけでございますが、これにつきましてもひとつ同様な趣旨で御推進を図っていただきたいと御要請をしておきます。 このような形で、土地で債務を減らすというこれが当初からの計画でございますけれども、これとあわせまして、事業団債務を軽減する切り札といたしましてJRの株式の上場並びに売却ということが有効な手段として浮かんできておるわけでございます。JRというのはいわば特殊会社、さまざまなげたを履かせた形で再三を可能にしたという特別な会社でございますが、JRの株式の上場基準、あるいはそれがどの程度達成されているか、あるいは見通しとしてはいつごろから入れるか。新聞ではいろいろ伝えられているようでございますが、この場で答えられる範囲で結構でございますからひとつよろしくお願いします。
○政府委員(大塚秀夫君) JR七社の元年度決算が昨日公表されたわけでございますが、元年度決算によりますと、JR七社のうちJR東日本とJR東海につきましては、上場審査基準のうち経営基盤に関するもの、すなわち純資産の額、各年度の利益額においてほぼ上場基準を達成したと考えられます。もちろん上場を具体的に行います際に証券取引所のもろもろの審査を経なければなりませんが、財務上の基本的な線はクリアしているということになります。またJR西日本については、元年度決算ではいまだクリアしていませんが、今のまま推移しますと平成二年度、つまり今年度の決算で主な基準をクリアするんじゃないかと考えております。JR貨物については、経営状況次第でございますが、平成二年度において同様な結果が得られることを期待しております。 他の三島、いわゆる三島会社、JR北海道、JR四国、JR九州については、経営安定基金の運用益でようやく経常利益が出ているという状況で、いまだ上場基準に達しませんが、今後上場基準をクリアするということを経営且標にしてさらに努力を重ねてもらうように指導していきたいと考えております。 そこで、具体的にいつ上場するかということでございますが、昨年暮れの閣議決定によりましても、遅くとも平成三年度に上場を開始する、株式の処分を開始するということが決められておりますので、今省内にも有識者との意見交換の場としてJR株式基本問題検討懇談会を設け、上場に至るまでの問題点を検討することとし、今その審議を継続しているところでございますが、なるべく早期に、かつJR株式の上場の一つの目的でございます長期債務の償還財源という目的も達せられるように適切な価格で処分する方向で努力したいと考えております。
○野沢太三君 ぜひそのようにお進めいただきたいわけでございますが、どうかひとつ企業の基本的な体質を強化する中でこれが安定的に進められるよう期待をするわけでございます。NTTの先例がありまして、大変最初ブームを呼んでその後がどうもよろしくないということだけはぜひ避けるように御工夫をいただきたいと思うわけでございます。 この株式上場に伴いまして、あるいは先ほど冒頭申し上げました平成元年度の決算の中でも既に指摘をされておりますが、東海道、山陽、東北、上越といった既設の四新幹線のJR三社への売却問題というのが浮上してきておりますが、これが出てきた背景及び現在の検討状況のお話をいただきたいわけでございます。 改革法を議論いたしましたときには、三十年かけてリース料を払っていただき、その後の処分、活用なりあるいは帰属については後世の判断にゆだねるということになっておったわけでございますし、本州三社の利益調整機能として大変貴重なこれは考え方だ、おもしろい考え方だということでスタートした経緯があるわけでございます。現に、整備新幹線の財源を考える場合におきましてもこのリース料の固定という妙手を編み出していただいて現在新幹線がスタートできたということもあり、この問題については相当慎重かつ適切な判断が必要かと思いますが、先ほどの点について御説明をお願いします。
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線のリース制度というのは、国鉄改革の際に既に営業しております上越、東北、東海道、山陽の四新幹線のそれぞれの債務と営業していく上においての収益とのアンバランスを調整するために、これら四新幹線を新幹線保有機構において一括保有して収益、輸送需要に応じたリース料をそれぞれに課すという目的で出発したわけでございますが、先生ただいま御指摘のように、収益の見通しもある程度固まってまいりまして、昨年の法律の改正によりリース料も固定化されたわけでございます。 一方、先ほども申し上げましたように、それぞれ上場が近くなっております現在、特にJR東海におきましてはその財務内容から見まして償却資産が非常に少ない。と申しますのも、JR東海は一兆円の営業利益を上げておりますが、その八割以上が東海道新幹線からのものでございますが、この東海道新幹線は資産として保有しているんじゃなしに新幹線保有機構からリースしているということで、今後東海道新幹線の維持更新を行っていく上の費用の調達も償却費による内部留保から調達することができずに借入金に依存しなければならない、こういう体質になっているということがございます。 JR東海からは、上場の際に現在新幹線保有機構の保有しております東海道新幹線の譲渡を受けたいという要望が出ております。そこで私ども、他の三新幹線も含めて、現在のリース制度がいいのかあるいはこの際各JR三社に譲渡するのがいいのかということ、これは譲渡後の償却方法、譲渡額その他いろいろ検討すべき問題がございますので、ただいま財務内容のあり方等を含めて、上場の前提としての基本問題の一つとして内部で検討しているところでございます。
○野沢太三君 リース料見合いだけでも八兆円を超すという大きな値段でございますし、国民の貴重な財産であるということからいたしましてもこれは慎重かつ適切な判断が必要かと思いますが、どうかその際、JR各社の経営基盤がこれによって強化されるということについてはしっかり前提として置かれた上で適切な判断を下していただきたい、かように念願をするわけでございます。 ここで一つの提案でございますが、現在JRの持っております土地その他いろいろあるわけでございますけれども、例えば山手線の上空のように現在活用されていない空間が相当あるのではないかと思われるわけでございます。こういった空間がもし上手に活用できますると、非常な土地不足でもあり、今後の都市形成の上でもこの上空権の移転活用という制度がもし少し今よりも自由に適切にできれば随分町づくりにも裨益し、かつまたJRの諸事業あるいは含み資産としての株式の評価にもつながっていくのではないかと思うわけでございますが、この辺の規制緩和につきましての建設省のお考えを伺いたいと思います。
○説明員(石川哲久君) 利用可能な容積率の未利用部分を他の敷地に移すといいますか、いわゆる容積率移転の問題につきましては、従来から、同一街区の中におきましては特定街区などの特別な手法を、いわゆる具体的な建築物等の計画を定めることによりまして移すことができるということについては認めてきたところでございますけれども、昭和五十九年の通達でさらに隣接する街区にも容積率が移るようにしております。さらに六十二年の通達におきましてそれを広げまして、交差点を挟んだ向かい側の街区にも広げられるようにしております。 さらに、先ほど御説明いたした制度でございますけれども、昭和六十三年度に創設いたしました建築物の整備と公共施設整備を一体として定めて総合的に容積率等を緩和する再開発計画制度を活用することによりまして、複数の街区から成る地区といたしましても容積率等の移転ができるようにしてございますので、これらの制度を活用していただくことによりまして容積率等の移転について対処していきたいと思っております。
○野沢太三君 この点につきましてもやはり日米構造問題協議の中で指摘が出ておるわけでございますので、どうかひとつ積極的に御推進をいただきたいと希望いたします。 続きまして、この日米構造問題協議の中間報告の内容にかかわる点について御質問を移したいと思うわけでございます。 四月六日に公表されました報告書を伺いますと、「貯蓄・投資パターン」という項目の中で、今後十年間の新しい公共投資計画を策定することとしております。しかし、この中で鉄道投資というものは通勤通学から土地問題、住宅問題の解決等極めて生活に密着をしておりますし、また多極分散の国土づくりのためにもすぐれて公共性の高い事業と考えられるわけでございます。その意味で、都市交通を大いに充実する、あるいは新幹線をこれから延ばしていく、またこれまでございます在来線をもう少し近代化いたしましてスピードアップあるいは立体交差等諸事業が円滑に進みますよう、この鉄道投資の柱という物を今回の十カ年計画の中に確立していただきたいと思うわけでございますが、これにつきまして運輸省の考えを大臣ひとつよろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(大野明君) ただいま先生から御指摘ございましたように、この中間報告におきまして、今後の新しい総合的な十カ年計画、公共投資をしなければならないわけでございます。支出総額等については最終報告ということになるわけでございますが、これは今経済企画庁が中心になって各省庁の取りまとめをいたしておるところでございます。 しかし、運輸省としては、やはり何といっても国民が豊かさを実感できるということも考え、そしてまた国土の均衡ある発展も考え、いろいろな角度から十分検討もいたしております。いずれにしても、高速交通のネットワーク、今御指摘のように新幹線というような鉄道網であるとか、あるいはまた大都市圏におけるところの通勤通学、この混雑というものを解消していかなければならぬということも考えまして、都市鉄道の整備、これを何としてもやろうということで鋭意推進する所存でございます。
○野沢太三君 どうもありがとうございました。 そういうわけで運輸省が一生懸命御要望を出していただいておりますが、まとめ役の経済企画庁さん、今どのような状況にございましょうか。よろしくお願い申し上げます。
○説明員(藤森泰明君) ただいまの公共投資十カ年計画につきましては、経済企画庁が中心となりまして関係省庁と密接な連絡調整を図りつつ取りまとめ作業を進めているところでございます。 公共投資十カ年計画は、今後の十年間におきます公共投資の支出総額の概数を明らかにする総合的な計画でございまして、個別具体的な内容にまで言及する政策を有するものではないというふうに認識しているところでございます。その対象部門といたしまして、現在道路、港湾、空港等社会資本整備の長期計画にかかわる十五部門の計画があるわけでございますが、これのみならず、ただいまございました鉄道でありますとか文教等、それ以外の各部門について公的主体が実施する投資も含むものでございます。いずれにいたしましても、現在私どもを中心として鋭意取りまとめ作業を進めているところでございまして、現在のところその具体的な内容等につきましては申し上げる段階にないことを御理解いただきたいと思います。 なお、「世界とともに生きる日本」と題します現行の経済計画がございますが、この中におきましても、多極分散促進のための高速交通ネットワークの整備でありますとか、地域交通基盤を含めた国民生活基盤の整備を社会資本計画の主要課題と位置づけているところでございまして、このような考え方に十分留意しながらこの公共投資十カ年計画の取りまとめ作業を進めてまいりたいと思っておるところでございます。
○野沢太三君 交渉事ですから余り中身に立ち入ってということは難しいかと思いますが、先ほど申し上げましたとおり、鉄道というものはすぐれて公共的であるということもあり、民営化したといいましてもやはり国費が相当入っている、さらには執行機関も国の機関が進めるという条件等を十分勘案して計画をつくり上げていただくようこれも御要望申し上げておるわけでございます。 今東京の地価が異常に高騰する中で、まじめに働いたサラリーマンが一生かかっても家を買えないという大変深刻な事態になっているわけでございます。この中で、先般も宅地と鉄道を一体的に開発する法律というものをつくっていただき、想定するところ常磐新幹線等のプロジェクトを進めれば七千ヘクタール前後の宅地供給が可能ではないか、こういうことでやってきたわけでございますが、なかなか条件が整わず進捗状況が遅々としているように見受けられますが、今この問題についてどのような状況になっておりますか。現状並びに見通しについて御説明いただければ幸いでございます。
○政府委員(早川章君) 常磐新線でございますが、ただいま先生の御指摘のように、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的な推進に関する特別措置法でもイメージされておる線でございます。またこの線は、六十年の運政審答申でおよそ西暦二〇〇〇年を目標に整備していくということとされているおよそ六十キロにわたる長大路線でございます。 これの問題点は、整備主体、この六十年の答申のときに、当時国有鉄道でございましたが、その国有鉄道だけではなかなか整備が難しい、第三セクター等による整備が必要なのではないかという答申の中身に付記されたような、そういう意味では問題のある路線でございます。さらに、国鉄が分割・民営化いたしましてその整備主体のあり方についてさまざまな議論が行われてきているというのが一点でございます。 さらに、この線は一部三県にまたがりますために関係地方公共団体の間の御意見の調整にいろいろ時間がかかっているということでございます。さらに、用地買収等の問題、あるいはそのための建設資金の調達方法というような問題。また、これは一体化法で予定されてございますが、基本計画ということで鉄道整備とその用地の開発の基本的な計画を各都県がつくることになっておりますが、これにつきましてどのような形で進めていくかという、これはそれぞれの地方公共団体の方の問題等々非常に問題があるわけでございます。 ただ、まだ顕在化ということに至りませんが、現在関係地方公共団体の間で協議が進んでいるというふうに聞いておりまして、そう遠くない将来に整備主体についての基本的な合意等が行われてくると、そういうものを受けまして運輸省といたしましても速やかな事業の具体化に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○野沢太三君 御努力をいただいていることはよくわかるわけでございますが、現在の鉄道に対する公的補助の制度がいろいろございまして、利子補給とか運営費の補助であるとか、あるいは運賃の先取りであるとか、それなりに効果を上げておりますけれども、現在のこの用地の高騰した大都会での鉄道建設の制度としてはいずれもどうも十分ではないように思うわけでございます。どうかその意味で国あるいは自治体等からの公的な支援をもう少ししっかりできますよう建設財源の調達等も含めまして御検討を進めていただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(早川章君) 都市の鉄道整備につきましては、先生御指摘のとおり、地下鉄の建設費の補助でありますとか、あるいは鉄道建設公団を活用したいわゆるP線の工事の仕組みであるとか、さまざまな助成措置が考えられておりまして、これそれぞれにそれぞれの局面においては大変有意義なものである、さらに運賃を先取りさせていただく仕組みもある、こういうことでございますが、最近地下鉄の整備が一キロ当たり二百五十億とか三百億というように非常に高くなって、地価の高騰の影響を受けている。さらに、なかなか用地買収が手間取るという形で時間がかかるというような問題でございます。 私どもといたしましては、今後地下鉄整備を進めていくに際しまして、例えば開発利益というようなものをどのように吸収して、これは長い課題でございますけれども、しかし今やそういうものの対応あるいは考え方を整理して取りかからなければなかなか十分な鉄道整備が進まないという事態かと存じますので、地方公共団体とも十分御相談しながらそういった面に着目しつつ今後の助成あるいは資金調達のあり方を考えさせていただきたいと思っておるところでございます。
○野沢太三君 ぜひともその方向で御検討いただきまして、常磐新幹線だけでも一説によれば二十四、五兆と言われる開発利益、そのごく一部が還元できれば建設はもうすぐできるわけでございます。総論では開発利益というようなことは前から言われるけれども、各論、具体論が大変実は難しいということで今日まで実現を見ていないわけでございますが、どうかひとつそういた面に風穴をあけていただいて、この大都会がもう少し住みやすい町になりますよう御検討いただきたいと思います。また、用地の取得等につきましても、宅鉄法で集約、換地というようなうまい妙手を編み出していただいたわけですが、これが実際に生きてくるようよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、整備新幹線の質問に移らせていただきたいと思います。 公共事業十カ年計画というのが今策定されておるわけでございますが、この中に長年の懸案でございます整備新幹線の建設費がぜひとも盛り込まれますよう、しかもそれが整備計画どおりの姿で入っていただきますと国民の皆様が大変喜ぶのではないかと思うわけでございます。 既に六十三年の段階で建設促進検討委員会、政府、与党で一生懸命勉強いたしました結果、現在のところ運輸省案という形で一兆三千億余りの計画があるわけでございますけれども、この計画は非常に困難な当時のJRの経営状況あるいは国の財政状況を踏まえた大変苦心の策であったと思うわけでございます。いわば変化球を投げてとにかく道を開いたということではこれは大きな一歩であったと思いますけれども、しかしここ十年先まで見越しましてさあどうだということになりますと、ややこれでは物足りないのではないかと思うわけでございます。当面三年以内の見通しとかあるいは五年後の見直し等もあるわけでございますので、この整備どおりの建設費の盛り込みについて御努力をいただきたい。いかがでございましょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) ただいま本年度の予算について御審議いただいておるわけでございますが、本年度の予算が成立いたしますと来年度、平成三年度の予算要求の作業に入っていくということで、その中で整備新幹線につきましても基本スキームに従って着実に整備ができるように予算要求の中に盛り込むべく努力したいと考えております。
○野沢太三君 そのような形で大いに期待を私ども持っておるところでございますが、問題は、十年計画というのは一つの大きなプランではございましても、これを現実のものにしていくには財源とかさまざまな制度あるいは並行在来線の処理等まだ大きな課題が幾つもあるわけでございます。 そこで、とりあえず平成三年度の政府予算に東北、北陸、九州といった各線区の本格着工予算を計上していただきたいわけでございますが、もう間もなく概算要求の時期も参りますので、この点につきましてのお考えをひとつ聞かせていただきたいと、思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線につきましては、長年の財源問題に一応の決着をつけて、昨年八月に関係の方々の御支援によりまして高崎―軽井沢間の本格着工に入ったわけでございますが、高崎―軽井沢間以外の区間の着工につきましては、整備新幹線の基本スキームにおいて、「新たな区間等に引き続き着工する場合は、当該区間の並行在来線の取扱い、建設費、収支採算性等に関し、具体的な結論を得たのち、これを行うものとする。」とされておりまして、今後この申し合わせに沿って適切に対処してまいりたいと考えております。
○野沢太三君 そのような努力をともどもしてまいりたいと思うわけでございますが、担当の運輸省さんがまず頑張って剛速球をひとつ大蔵の方へ投げていただきたいと念願をするわけでございます。 さらにもう一つ踏み込んで言わせていただきますと、公共事業というのは長期計画というものをみんな持っております。十五本ほどあるといいますが、五年計画とかあるいは十年計画とかいう形で先々までおよその見通しがあるわけでございますが、鉄道関係につきましては国鉄改革という大きな出来事がございました関係で目下そういったビジョンがございません。その意味で、さしあたりこの整備新幹線等を主体に先々の見通し、おおよその建設のスケジュールを明らかにしていただき、そしてそれに向かって進めますよう具体的な手順、手続、具体的には工事実施計画の認可等の手順をひとつスタートさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 基本スキームに従って着実に整備ができるように今後総合的に検討してまいりたいと考えております。
○野沢太三君 整備新幹線につきましてさしあたり着工しておりますのが高崎―軽井沢ということでございます。これは採算性その他含めまして優先順位一番ということになったわけでございますが、たまたま一九九八年に冬季オリンピックを招致しようということで長野市が中心になって今国際的な招致活動をしておるところでございますし、ちょうどことしの九月にIOCの委員さんが全世界から東京に集まって総会を開く、そして長野へその大勢の皆様を御招待して怪獣尾を見ていただこう、こんな話がございます。そして来年の六月にイギリスのバーミンガムで開かれます総会におきましてどこにするか投票で決するということでございます。世界的に見ますと、スペインのハーカーとかソ連のソチであるとか、スウェーデンのエステルスンドであるとかアメリカのソルトレークシティーであるとか、そういった大変ライバルとしては侮りがたい都市との競争になるわけでありまして、このためにはさまざまな条件が整っていなければならぬわけであります。 具体的には、この十一月までに交通手段等についてはどうなっているかということも含めた質問状が来ておりまして、これに答えを書いて出さなければならない。その中で高速道路は既に関越道、上越線、さらには西宮線、長野線がおおむね完成する見通しであり、また松本の飛行場もおかげさまでジェット化が着工できる状態になりましてこれも間に合う。新幹線だけがまだはっきりしないという状況にございます。一九九八年というと遠いようでございますが、工期六年というものを想定いたしますと来年からこれは着工しないと間に合わないという事態にもあるわけでございますので、ぜひとも長野まで整備計画どおりの着工を今年度の概算要求からお願いしたいわけでございますが、これにつきましてはひとつ大臣、よろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(大野明君) 先生が鉄道全般について大変な御尽力をいただいておることは重々承知いたしておりますし、特に整備新幹線につきましてはこれまた並み並みならぬ情熱を燃やしておられて本当に私どもも心強いと思っております。 そこで、お尋ねの現在着工しております高崎―軽井沢間、そしてその延長である軽井沢―長野間の北陸新幹線につきましては基本スキームにのっとってやるわけでございますが、今もお話ございましたように、一九九八年には長野で冬季オリンピックが開かれる、こういうことで時間的な制約もあるわけでございますから、これはより一層私どもとしても鋭意努力しなきゃならぬということはもとよりでございます。 私が思いますのに、オリンピックというとスポーツかということを言いますけれども、私はそうじゃない。昭和三十九年に東京オリンピックが開かれて、日水という国が初めて国際社会に認知されたようなものでございます。やはりそこから国力というかそういうものも十分蓄積できるようになってきたわけでございまして、近いところでは先般のソウルのオリンピックを見て、それからの韓国の発展というのも考え合わせると、このオリンピックを失敗するということになるとこれは日本の権威というものも失墜しかねないというくらいのことだと思います。 そういうことから考えましても、この整備新幹線北陸をつくるにいたしましても、これはせっかくつくる以上は国民各位に喜んでもらえる、また外国から来た人々にもすごいな、立派だなと思われる形でつくらなきゃならぬ。フル企画でつくりたいという気持ちでいっぱいでございますが、それには何といっても財源問題がございますので、今後平成二年度予算が上がり次第財政当局に、まあ剛速球があるかと思えばカーブやシンカーも投げるかもしれませんが、あの手この手で私どもはやっていく、こういう気持ちでいっぱいでございます。
○野沢太三君 大変心強いお話をいただきましてありがたいわけでございますが、報道によりますと、既にフランスのTGVは五百十五・三キロという速度記録を達成し、営業速度でも三百キロを実現しておるわけでございますし、そういった高速化の流れ、さらにはEC統合の足の保障をむしろ高速鉄道のネットワークでやろうということで、国際的にも今鉄道が大変復活をしてきておるわけでございます。そういった意味で、もう一度日本の鉄道を高速交通のレベルで再編成をしていくこということが大変大事ではないかと思うわけでございますが、レール車輪システムというものも極めてその意味でまだ可能性を含んでおるということで、運輸省さん大いに御検討を期待するところでございます。 同じ高速交通の中でもう一つの我々の夢でございましたリニアモーターカーによります高速鉄道、これがいよいよ現実のものに一歩近づくということで、今山梨に実験線を建設する予算を計上していただいておりますが、この法的な裏づけということにつきましてお考えを聞かしていただければ幸いでございます。別途立法する必要があるか、それとも現行法で、新幹線鉄道整備法の延長でいけるかどうか、この辺の議論につきまして現在どのようなお考えであるか、よろしくお願い申し上げます。
○政府委員(大塚秀夫君) リニアモーターカーは、これから新実験をつくるということでございますので、将来実用化の後営業線をつくるというときになりますればそのとき考える問題かとは思いますが、現時点での法律との関係を申し上げますと、新幹線鉄道整備法の新幹線鉄道の定義は、「主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道」となっておりますので、リニアモーターカーもこの新幹線鉄道の定義に入ろうかと思われます。したがいまして、リニアモーターカーの一形態であり、現在のところ一般の新幹線と同じ法律により律することができるものと考えております。
○野沢太三君 実験の結果によってひとつその辺の判断に遺憾なきようよろしくお願い申し上げたいと思います。 このリニアに関係いたします大事な問題がありますが、東京、名古屋、大阪等の大都市の入り方につきましては、もう地下深いところを利用する以外にないだろうということもあり、現在大深度地下利用の法律について各省庁勉強していただいておると思いますが、これにつきまして今の検討状況並びに見通しについて、建設省さんお見えでございましょうか、ちょっと一言お願いします。
○説明員(櫻井知能君) 東京を初めといたします大都市におきまして土地問題を解決するためには都市基盤整備、都市基盤施設の整備が不可欠でございます。しかしながら、最近の地価の高騰あるいは土地の高度利用の進展から、施設整備のための用地の確保が極めて困難になってきております。大深度地下はそういった大都市問題を解決するための貴重な空間でございまして、その秩序ある利用を図ることが必要であるというふうに私ども考えてございます。 この大深度地下の利用につきましては、各省庁からそれぞれの事業に係ります構想が提案をされておりまして、現在政府としての統一案をまとめるべく内閣内政審議室を中心に関係省庁で検討を重ねてきております。私ども建設省といたしましても、私権等の調整あるいは安全面の配慮などに留意をいたしながら、引き続き内閣内政審議室を中心といたしました一本化に向けての調整に積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○野沢太三君 縄張りにこだわらず、真に公共的な利用に関しては地下深部はただで利用できるという大変画期的な考え方に基づくものでございますので、構造協議の中でも具体的な名前も挙げて言われておることでもありますから、前進のほどよろしくお願い申し上げます。 時間もなくなりましたので、最後にもう一つお願いしたいんですが、国鉄改革以来いろいろな制度を整えていただいておりますが、その中で一つまだ未解決の問題がございます。踏切の安全等を確保していくためにも必要な連続立体交差の協定がいまだにまだできていない。これは再三私もお願いをしたわけでございますが、それぞれの御事情があったかと思います。これにつきまして現在までの御検討の状況並びに見通しについて建設省さんにまずお願いしたいと思います。
○説明員(荒木英昭君) 都市におきます道路と鉄道との連続立体交差化に関する協定、いわゆる運建協定でございますが、これは昭和四十四年九月に締結しておりまして、それ以来数多くの踏切をまとめて除去いたしまして、鉄道と連続的に立体交差化する事業が以前にも増しまして円滑に進められるようになりましたことは、都市行政の側から見ましてもとてもすばらしいことだと思っております。 今先生も御指摘のとおりに、昭和六十二年に国鉄が民営化されましたので、これを契機に見直しをすべく運輸省と私ども協議を重ねております。現在の協定は事業の施行方法や費用負担について定めておるわけでございますが、社会情勢の変化とか、それから地域によりまして鉄道、都市双方の側にそれぞれかなり事情が違うじゃないかという声も相当ございますので、地域の特性も考慮しまして、JR、民鉄の双方につきまして協定の見直し対象として鋭意調整を進めているところでございます。
○野沢太三君 運輸省さんもひとつよろしくお願いします。
○政府委員(早川章君) ただいま建設省の方から御説明ございましたが、私どもの方でも、この四十四年九月に締結されました従前の建運協定という形では社会情勢の変化に対応されているものではないんじゃないかということで、現在これはむしろ担当者レベルでいろいろ議論を重ねておりまして、六十三年六月以来おおよそ十回協議が行われているということでございます。 その協議におきまして、言ってみますと地域別の負担率の数値とか地域割りの区画区分、増加費の内容等の調整でございますが、現在なお調整が進んでおる過程でございまして、ある程度の打ち合わせといいますか、ある程度の共通の認識には至っていて、ここからさあさらにといいますと、それをもう少し高いレベルに上げて議論をするというような形になるかという段階と伺っております。
○野沢太三君 ぜひともひとつ歩み寄って、もうそろそろまとめる時期だと思いますのでよろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。
○片上公人君 タクシー運賃の値上げということで、運転者の労働環境の改善についてまずお伺いいたします。 去る五月十八日に東京、横浜のタクシー運賃の値上げが認可になったわけでございますが、今回の値上げは労働時間の短縮という労働条件の改善を主目的にしたものだ、このように聞いておりますけれども、今回の値上げの理由の説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(早川章君) 東京及び横浜のタクシー運賃改定の問題でございますが、東京及び横浜のタクシーの運賃は昭和五十九年二月に改定以来現在までおよそ六年余を経ているわけでございます。 最近におきます東京のタクシーの現状等を見てみますと、例えばこれは自動車の言ってみますと実車率と申しておりますが、労働ファクターと申しますか、車が一体どのぐらい空軍で走り、どのぐらい実車で走っているかという率でございますけれども、五五から五六という、私どもの普通の見方でまいりますと車がなかなかつかまりにくい。言ってみますと、常時いっぱいということはございませんから、そのうちの半分以上人が乗っているという状態は、非常に混雑しているといいますか車の供給が足りないという事態でございます。 それに対しまして、最近の車の実際に動いている実在車両と申しまして、車をある事業者が百台持っているといたしますと、そのうちどれだけの車両が動いているかといいますと九十二台という数字でございまして、八台は常時車庫で寝ている。つまり、非常に需要が強い、お客さんが大勢車を持っていらっしゃるにもかかわらず車の方は動いてこない、こういう実態がある。その理由は何かと申しますと、運転手さんがこのところ毎年純減しておりまして、例えば近代化センターというところにタクシーの運転手さんは登録いたしますが、五十八年度には七万一千六百人余でございましたタクシーの登録運転手が、元年では六万四千人余に減っている。こういうふうにタクシーの運転手さんになっていらっしゃる方がだんだん少なくなり、かつ大変平均年齢が上がってきておりまして、つまり若い方が入ってこない、こういうような実態がある。 その理由と申しますのが、ご承知のとおりタクシーの運転手さんにつきましても三Kというような形で言われておりまして、長時間労働である、賃金が全産業平均に比べましても、年収でございますけれども平均で七十万ぐらいも低いというようなことが言われておりまして、そういった形で低賃金である、かつ勤務形態が極めて変則である、夜間の勤務が多い。こういうような問題から結局労働力が離れていっているという実態。しかし東京のタクシーに対する輸送需要、特に夜間におきまして顕著でございますが、そういうものに対応することができない。したがいまして、私どもといたしましては、ご承知のとおりタクシー事業者というものも大変零細な企業が多くて、資本金一億円以下の中小企業というのが九六%を占めるというような産業でございますので、結局その分をお客様に負担していただきながら、運転手さんの賃金水準と申しますか労働条件の向上を図っていきたい、こういうことで今回運賃改定を認めたものでございます。
○片上公人君 タクシー運賃につきましては、長距離ほど割安になるような運賃体系に見直すということも今検討しているようなこともちょっと聞いたわけですが、そのほかの検討内容、またいつの実施を目指しているのかということをちょっと説明願いたいと思います。
○政府委員(早川章君) 実は今回の運賃改定は、申請前にはいろいろ事業者の側の議論もございましたし、また申請を受けてから私どもでもこの運賃の制度的なあり方というものについては種々議論があったところでございます。 例えば、無線でタクシーを呼び出して、そのタクシーが非常に待つことが多い。つまり、お客様の方は車をもう確保できたということで非常にそこでゆっくりされてしまうようなことも多い。そういうような待ち料金をもっと何とか対応すべきではないかと、あるいは今度十一時から二割が三割になりましたが、その率をもう少し段階的なことは考えられないか。いろいろなことを考えたわけでございますが、残念ながら現在のメーターの仕組みではなかなかそこがうまくできない。新しいメーターの開発と、通産省の計量法といますか安定的にそれが維持できていることの証明が必要なわけでございますが、それがなおしばらくかかるであろうと。しかし私どもとして、現在のような初乗りとその後の言ってみますと追加の料金、それから深夜割り増しというような形だけでタクシー運賃というものを考えていくのは、ある意味では問題がちょっとドラスチックなところもあり過ぎるんじゃないか、こういう議論でございます。 その中に遠距離逓減という議論が一つございました。ただ、これはタクシーメーターということのほかに実は東京圏の深夜輸送の体系的な問題があるのではないか。 と申しますのは、バスとか鉄道とかという深夜輸送がまだ十分ついていないこの段階で、その多くをタクシーに頼っている現状で、遠距離に対してタクシーの運賃を下げてしまっていくといいますか逓減させていくと、現在実際にはかなり外縁に住居を持たれている人たちに対する輸送が本当に確保できることになるのかどうか。したがいまして、バス、鉄道による深夜の長距離輸送力を確保しつつ、その半面でタクシーについては、どちらかといえば遠方の方は鉄道で行っていただいてからタクシーに乗るという仕組みに切りかえていただく。一方、東京のタクシーはどちらかといえば東京都区内を重点的に運行する。こういうような運賃体系も考えるべきではないかという議論をいたしておりまして、現在もこの点等につきましては事業者にも検討をお願いしているところでございますが、なおそういったようなメーターの問題あるいは周辺の輸送体系の問題とも関係ございますので、具体的にいつというような形で目標を設定できているわけではございません。
○片上公人君 先ほどの話にもありましたけれども、タクシー業界の運転手不足は大変深刻になっておりますね。東京都でも一日に千七百台ほどの車が遊んでおる状態である、こう言われております。一方では、特に深夜の都心におきましてなかなかタクシーが拾えないという利用者の声も高まるばかりでございます。 今回運賃の値上げとともに千台以上の増車措置をとる、このように伺っておりますけれども、今回の値上げによりましてタクシーが容易に拾えること、そういう利用者に対するサービスの向上が図られなけりゃいけないと思いますが、この辺についてどう指導なされておるか伺いたいと思います。
○政府委員(早川章君) 東京の深夜の輸送は、先ほども申し上げましたように非常にタクシーに頼っているという面が強過ぎる面もございまして、逆にタクシーのサービスが追いついてこないという実態がございます。 他の公共輸送手段の整備についても私どもではいろいろと関係事業者の間にお願いをしているところですが、タクシーにつきましても、今度の措置によりまして労働条件が改善いたすことによりまして、今まで車庫に寝ておりまして車の稼働が上がるということは当然でございますけれども、さらにできれば増車するという状態になってもらいたいということで、私どもの施策といたしましては、運転手さんが確保できた事業者に対しましては増車を認めていこう。その仕組みも、百台、千台というような数字を設けるのでなしに、先ほど申し上げました実車率が五六というような数字になっておりますが、これが五二、五三というほぼ適正といわれております実車率になるまで運転手さんがつけば増車を認めていきたい、こういうことでやっておりまして、これは一たん事務処理の手続上時々締め切らなければしようがありませんが、一昨日の締め切りだと思いましたが、そのあたりでは二千台を超す申請が出てきているという実態でございます。
○片上公人君 ここで問題になるのは、本当に値上げした分が運転手の方にいくのかどうかという問題がございますね。タクシーの労働組合と経営者側は異例の事前取り決めを交わしてとも聞いております。先月十八日の閣議では、労働大臣が、秋に実態調査をして目的が達成されているか厳重にチェックしていく、このように発言されております。しかしながら、各種の報道によりますと、運転手さんの声として、会社がピンはねするとか労働組合がないところはどうなるのかとか、値上げの意義を疑わせるような話も聞こえてきております。値上げ分が労働条件の改善に使われるように主務大臣としての運輸大臣が各会社を指導して実現させなければならぬ、こう思いますが、どのように指導されているのか伺いたいと思います。
○国務大臣(大野明君) このたびの運賃改定につきましては、異例なことではございますが、私は大臣室に業界の代表を呼びまして、これを時短を初めその他の労働条件の緩和のために使わなければなるぬということを厳重に申し渡しました。 ということは、私は三十年ぐらい前に自分でタクシー会社を経営しておりまして、そして、当時から運転手の諸君がいろいろ言うものですから自分で二カ月やってみました。それで、私は先般も業界代表に言ったんですけれども、当時と余り変わらない、世の中の三十年たっている割には。それは非常に難しい面があることは事実なんです。もうタクシーは朝出庫したら帰ってくるまで何ともわかりませんから、そういう点非常に把握しにくい部分がありますけれども、私は最近テレビを見ておって、何かそういう人たちばかりにマイク向けているんじゃないかと思うくらい偏った報道のような気がするんです。私は、今回はそんなことないと言うまでの、まだ断言できるほどの時間がたっていませんから何とも言えませんけれども、労働大臣もそう言ったことでございますし、私どもとしても三月、半年たった後にどういう形かということを考え、私はそう長く運輸大臣をやっているとも思いませんけれども、首になった後でももし本当に改善されていなかったら、次の運賃改定は六年なり十年であろうとやらせないというような立場でやっていきたい。 本当にこれは難しいところはあるんですよ。口で言うのは簡単ですが現実はなかなか難しい業界だという認識のもとにできる限りの指導をしたい、こう思っております。
○片上公人君 運転手さんにとっては大変心強い大臣の誕生ということになりまして、どうか大臣をやめても今度は総理ぐらい目指していただきたい、このように思っております。 確かに運転手の人というのは、私もよく知っておりますけれども、若い人も年寄りの人も給料が一緒なんですね。年とるに従ってだめになる。そういういろんなことを考えますと、本当に安心して働けるような職場をつくるようにみんなで協力していかなきゃいかぬ。いつも町でぼろくそに言われるだけの運転手ではいかぬと思う。かわいそうだと思いますから、その辺配慮をお願いしたいと思います。 また、この夏にはトラック運賃につきましても、運転手不足等を理由に値上げの動向が伝えられておりますけれども、自動車の運転手不足にどう対応するのかというのは運輸行政として重要な課題であると思います。この問題で基本的に取り組むべきものは、先ほども話がありましたが、三Kとか五K産業と言われるトラック、そういう業界の労働環境をどのように改善するかにあると思いますが、その取り組みについて方針があればお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(寺嶋潔君) ただいま御指摘ございましたとおり、去る五月二十八日から各地方運輸局に対しまして区域トラックの運賃改定申請が逐次行われております。今回の申請は、運転手不足が深刻化する中で、労働時間の短縮を可能とするための収入の確保が不可欠であるということを主な理由としているやに聞き及んでおります。 ただいま御指摘のように、トラック事業におきましては、長時間労働の常態化の中で労働時間の短縮を初めとする労働環境の改善が急務となっております。運輸省といたしましては、トラック事業における長時間労働の是正について、安全で良質な輸送サービスを提供するという観点から従来より、事業者監査等を通じまして過労運転の防止の徹底に努めるとともに、昭和六十三年の四月には労働基準法の改正に合わせまして所定内労働時間の短縮について通達を出して業界を挙げて取り組みを強力に指導するなど所要の措置をとっているところでございます。また、本年十二月施行を予定しております貨物自動車運送事業法におきましても、いわゆる労働省の二・九告示の遵守等の徹底をその重要な柱の一つとしておりまして、適正化事業実施機関の活用をも図りながらさらに実効ある対策を推進していきたいと考えております。 また、トラック事業におきましては、労働時間などの労働条件が他産業に比較して劣悪であることから労働力不足が深刻化しておりまして、この問題がネックとなって円滑な物流サービスの提供に支障が生ずるおそれもあると懸念をしております。このため、魅力ある職場づくり、人材の確保、効率的物流システムの構築などの総合的な対策を講ずる必要がありまして、運輸省としましては、とりあえず昨年の十一月、プロジェクトFと名づけた物流業の労働力確保のための緊急対策を取りまとめて、業界及び行政が一丸となってこの問題に取り組んでおるところでございます。 さらに、現在運輸政策審議会の物流部会におきまして、物流業における労働力確保対策について審議をお願いしておるところでありまして、この秋には一応の結論を得てさらに総合的かつ長期的な対策を講じていくこととしております。
○片上公人君 繰り返すことになるかもわかりませんが、自動車事業の運転手不足という現象はやっぱり今までの労働環境の悪さが現象面で露呈したことだと思うんです。そして運転手の長時間労働、また、過積載がずっと言われてきたがなかなかそれが解決されなかった、いろいろな難しいこともあると思いますけれども。逆に言いますと、運転手不足、また社会的には時短という流れが大勢を占めてます。こういうような外的条件というんでしょうか、日米構造協議じゃございませんけれども、これをばねにしてむしろこれから労働条件の悪さを一気に解決を図るといいますか、業界経営姿勢の改善に対していろいろ指導できるチャンスじゃないか、こうも思います。 そこで、こういうところに担当の運輸省が本格的な的確な指導を今こそ私はすべきである、こう思いますが、これについて大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府委員(寺嶋潔君) ただいま委員御指摘のとおり、従来トラック業におきましては過積載等の違法行為が行われ、また他産業に比して労働時間が長い等の課題を抱えておりまして、それが原因となって最近のように労働力不足の問題が深刻化しておるという点は御指摘のとおりかと思います。優秀な労働力を確保するということは運送事業の経営の基本でございまして、現在のような状況に立ち至ったからには、事業者としてこれに本腰を据えて取り組まなければ企業の存立がおぼつかないということになってくるわけでございます。そのような意味におきまして、運輸省といたしましても、従来にも増して長時間労働の是正等労働条件の改善を行い、労働力確保に不可欠な条件を整えたいというふうに考えておりまして、事業者に対しましても従来にも増して一層強い指導をしていく所存でございます。 先ほども申し上げましたとおり、この十二月からはトラック新法も施行されますので、その一環といたしまして労働条件の改善について真剣に取り組んでいきたいと思っております。
○片上公人君 次に、漁船の拿捕事件についてお伺いしたいと思います。 報道によりますと、平成二年の五月十九日から二十日にかけましてカムチャッカ半島南東の北太平洋の公海上におきまして、朝鮮民主主義人民共和国のものと見られる漁船十二隻が、ソ連二百海里内の操業禁止区域の公海上でサケ・マス漁をしていた疑いでソ連の取り締まり船に拿捕されたということでございますが、この事件につきましては海上保安庁が捜査中と言われておりますが、その状況を御報告願いたいと思います。
○政府委員(野尻豊君) 今回ソ連が拿捕したという十二隻の漁船は、四月中に釧路港を出港した十二隻の日本漁船の疑いがある。これらの船舶につきましては海上運送法第四十四条の二第一項違反の無許可貸し渡しに該当する疑いが濃厚となりましたので、釧路海上保安部では関係部署と連携をとりつつ当該十二隻の所有者である会社の事務所等について捜索、差し押さえを実施しまして、現在押収資料を精査するとともに関係者から事情を聞いているところでございます。
○片上公人君 海上保安庁は、今回拿捕されました漁船のうち二隻は照宝漁業所有の第二十五幸起丸及び第二十六幸起丸である、こういう疑いが強いと見ているようでございますけれども、報道のように十二隻の漁船はいずれも北朝鮮興南港所属のオンヤン一号から十二号などの船名が使われておりますが、現在水産庁はソ連側からどういった情報を得ているのか伺いたいと思います。
○説明員(田家邦明君) 外交チャンネルを通じましてソ連側から得た情報の概略は、ソ連側が拿捕した漁船というのは名前はオンヤン一号から十二号の十二隻である、日本人の乗組員は十二隻全部で百六十九名である。三十日に得た情報がございますが、現在は全船十二隻とも既に色丹島に到着済みである、乗組員の健康状態は正常であるという情報を概略得ております。
○片上公人君 今のあれでいくと、船長さんの名前とかそういうようなのは入っていないんですか。
○説明員(田家邦明君) 今回拿捕された漁船の乗組員の氏名についてはソ連側から現在のところ確認されておりません。
○片上公人君 名前は全員じゃなしでも、例えば漁労長が三人ほど日本人であるとかいろんな話が出ていますね。そういうことについても入っていない。また、乗務員の引き渡し等についてはソ連はどない言っていますか。そういう情報は入っていませんか。
○説明員(田家邦明君) 乗組員の問題につきましては、我が方としても、あの船の中に日本人がいるという情報もありましたので重大な関心を持ちまして、ソ連側に対しましては日本人に対しての対応についての照会とか我が国の国民に対する情報、氏名とかそれから健康状態、諸般の情報についての提供を要請しております。と同時に早期返還を要請しているところでございまして、まだ返還の問題につきましては検討中ということになっております。早期返還についてはソ連側としては検討中であるという回答を得ております。引き続き早期返還につきまして要請を続けてまいりたいと考えております。
○片上公人君 保安庁の調査の進展によりまして今後明らかにされてくると思いますけれども、報道によりますと、先ほどもちょっと話が出ましたように、今回拿捕された漁船には日本人が百六十九人が乗っておる、三隻の漁労長は日本人であった、こうも見られております。具体的な人名は明らかになっているのかどうか。また、これらの乗組員の早期引き渡しを求めていくべきであると思いますが、保安庁のお考えを聞きたいと思います。
○政府委員(野尻豊君) ただいま海上保安庁で捜査に当たっているところでありまして、先生から御質問がありましたように、当該乗組員の引き渡し等については今後の問題というふうに承知しております。
○片上公人君 従来から日本船籍の漁船を技術協力船として北朝鮮へ貸し渡しをして、その操業の結果漁獲されたサケ・マスを北朝鮮から輸入しているといううわさはかなり広がっていたように思いますけれども、そのようなうわさを知っていらっしゃったかどうか。また、今回の事件につきまして水産庁は、照宝漁業等の関連があったと考えられる漁業会社との間で、今回の出漁、北朝鮮との技術協力に関する指導というのは全く行われていなかったのかどうか。事実関係の説明をお願いしたいと思います。
○説明員(田家邦明君) 本件事案については捜査中でございますので事実関係の詳細についてはコメントを差し控えたいと思うわけでございますが、漁船登録の関係で昨年北海道庁から関係者あるいは関係資料の提供等があった経緯はございます。 その前に水産庁としましては、直接あるいは北海道庁を通じましてこの関係資料に含まれている操業形態というものは国内法令上問題があるかどうかにつきまして明確に伝えておりまして、このような操業が行われることは予想しておらず、したがって事前にこれを承知しているというような事実はございません。
○片上公人君 五月二十九日の新聞によりますと、水産庁は、北朝鮮との窓口役になっていたと見られるところの照宝漁業と朝鮮遠洋漁業会社との間で結ばれておりました共同漁業の契約書を昨年の九月に既に入手していた、こう報道されておりますね。 そこでまずこの事実関係について明らかにしていただきたいし、常識的に考えましても、北朝鮮との技術協力あるいは共同漁業を行うに際しまして意見打診が全くなかったと考えることはこれは無理だと思うんです。照宝漁業の渡辺社長は水産庁に相談していたと述べておりますし、契約書の問題につきましても、釧路支庁に契約書の写しを提出し道庁経由で水産庁に届いていたはずだ、このようにコメントしておる。この経過につきましては、真偽のほどはわかりませんけれども、今回の海域におきますところのサケ・マス漁が漁業方あるいは指定漁業の許可及び取締り等に関する省令に違反をすることは明らかなんですから的確な指導を行うべきじゃなかったか。照宝漁業側の主張が正しいとすると、水産庁の対応はきちんとしていなかった、このことが拿捕事件を発生させたとも言えると思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。
○委員長(中野鉄造君) 聞き取りにくいですから、もう少し大きな声で言ってください。
○説明員(田家邦明君) 詳細なコメントは差し控えさしていただきたいと思いますが、先ほど申しました漁船登録の関係で昨年北海道庁を通じまして関係資料の提供等があった経緯はございます。その中にも、既に締結された、関係者の発言で報道されている契約書が含まれていたのは事実でございます。その際、先ほども申しましたように、水産庁といたしましては直接あるいは北海道庁を通じまして、関係資料に含まれている操業形態は国内法令上問題があることを明確に伝えております。
○片上公人君 事実関係が十分に捕捉されていないために今回の事件の違法性については慎重に言わざるを得ませんけれども、少なくとも日本船籍の漁船が運輸大臣の許可もなしに北朝鮮へ貸し渡された、こういう事実関係が明らかになった場合海上運送法第四十四条の二に違反すると考えられますし、海上保安庁もその容疑で捜査を行っていると理解はしておりますが、今後船舶法や漁業法等に捜査が進展するのかどうか伺いたいと思います。
○政府委員(野尻豊君) 今後とも関係者からの事情聴取を初め所要の捜査を行って事件の解明に当たっていくこととしておりますが、具体的なことにつきましては、現在捜査中でございますので答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○片上公人君 今回の事件は、北洋サケ・マス漁業の漁師初め皆さんの追い詰められた状況が一つ背景にあると思うんです。 日ソサケ・マス交渉に象徴されますように、我が国とソ連との漁業交渉というのは年々厳しさを加えておる。また、一九九二年にはソ連はサケ・マスの沖取りを全面的に禁止する、このように主張していると聞きますけれども、この点水産庁の対応方針を伺いたいと思います。
○説明員(田家邦明君) 先生御指摘のとおり、我が国は北洋サケ・マス漁業につきましては毎年日ソ漁業交渉を行いまして漁獲量等の操業条件を設定して、そのもとで操業が行われているところでございます。その関係で、ソ連側が一九九二年以降のいわゆる沖取りの廃止の主張を行っておりまして、現在はその方針に従ってむしろ対日漁獲量を段階的に縮小していくというような態度をとっております。 このように北洋漁業を取り巻く状況は厳しいものがございまして、こういうような状況に照らして言えば、サケ・マス漁業につきましては再編整備が不可欠であるという認識のもとに立ちまして、このため水産庁としましては、昨年の十二月末に閣議了解いたしました国際漁業再編対策に基づく措置の対象とすることにいたしまして、先般、四月の末になりますが、減船者に対する救済対策の骨格につきまして公表したところでございます。
○片上公人君 次に、この問題にも関連してですが、国内の密漁が随分行われておるようですね。これについてちょっと伺いたいと思います。 初めに、国内の沿岸漁業者、零細漁業者の生産活動を保護する制度というのはどんなになっておるか、またどのような法律のもとに規定されているのかということを伺いたいと思います。
○説明員(木下寛之君) お答えいたします。 沿岸漁業者の生産活動を保護する制度といたしましては、漁業法それから水産資源保護法、それからこれらの法律に基づきまして都道府県知事が定めます都道府県の漁業調整規則等々がございます。まず漁業法では、沿岸業者の漁業利益を物権として保護いたします漁業権の免許制度、それからこれら漁業権の侵害に対する罰則の規定等がございます。また水産資源保護法では、資源を保護培養し漁業の発展に寄与するために、爆発物あるいは有毒物を使用いたします漁法の禁止等の制度がございます。最後に各都道府県の漁業調整規則では、禁漁区それから禁漁期間の設定、稚魚、稚貝の採捕の禁止などの規定を設けております。
○片上公人君 次に、最近の外国船による不法操業並びに国内における密漁の取り締まり状況を伺いたいと思います。
○政府委員(野尻豊君) 外国人による不法操業は、我が国周辺の領海及び漁業水域においてソ連、韓国、中国、台湾漁船によるものが見られます。このような状況にかんがみまして海上保安庁では、外国漁船の操業が多い海域に巡視船艇を重点的に配備するとともに、航空機も投入し、積極的な監視、取り締まりを実施しております。平成元年中にソ連漁船三隻、韓国漁船三十二隻、台湾漁船四隻、中国漁船一隻をそれぞれ検挙しております。 次に、国内密漁の取り締まりにつきましては、全国の海上保安部署において積極的な情報収集活動や巡視船艇、航空機による沿岸部の監視、取り締まりを実施しておりまして、平成元年には二千五百五十九件、二千四百二十人を漁業関係法令違反で検挙しております。
○片上公人君 国内での密漁、漁業違反の種類についてどういうものがあるか伺いたいと思います。
○政府委員(野尻豊君) 海上保安庁によるこれまでの取り締まり結果では、小型機船底びき網漁業の操業制限違反が最も多く、次いで同漁業の無許可操業や潜水器を使用した不法操業等が多くなっております。
○片上公人君 地元の漁民の方から取り締まり要請があった場合どのような対応をしておるのか伺いたいと思います。
○政府委員(野尻豊君) 海上保安庁は、要請の有無にかかわらず情報の収集や監視、取り締まりのために巡視船艇を虞犯海域に配備しておりますが、地元漁業者から密漁取り締まりの要請があった場合には、その場所を管轄する海上保安部署が巡視船艇や航空機を出動させ、また陸上からも捜査員を派遣するなどしまして取り締まりを行っております。
○片上公人君 最近非常に需要が増大して高価格になりまして、瀬戸内海、九州沿岸でいろんなそういう高価な魚介類に対しまして潜水器を使用した密漁実態があるようでございますが、具体的に伺いたいと思います。
○政府委員(野尻豊君) 非常に需要が増大し高価になっておりますアワビ、サザエ等の高級魚介類の採捕を目的としました潜水器密漁が瀬戸内海を初め全国的に頻繁に行われております。この種の密漁は高速船を使用し、夜間計画的に行われるケースが多く、また暴力団が介入するなど非常に悪質なものが少なくない状況であります。このため、虞犯海域において巡視、警戒を行うほか情報収集、内偵、張り込みなど積極的な取り締まりを行っております。
○片上公人君 私も兵庫県の家島の漁師の方から密漁について大変困っておるという話を聞いていろいろ調べさしてもらったんですが、神戸は保安庁の管区本部がありまして、家島の方は姫路海上保安署の中に入るわけでございますけれども、この家島の周辺における密漁の実態というものは最近どのような状況であるか、こういうことを伺いたいと思います。例えば出動の要請数、検挙数等違反事例について具体的に伺いたいと思います。
○政府委員(野尻豊君) 家島周辺の密漁に関しましては、当該海域を担任する姫路海上保安署が計画的に同海域での取り締まりを行っているほか、密漁に関する情報入手の際には直ちに巡視艇を向かわせるなどして取り締まりに当たっております。その結果、平成元年中当該周辺海域において七十九件、五十七人の密漁事件を検挙しております。内訳につきましては、小型機船底びき網漁業にかかわるものが七十三件、四十七人とそのほとんどを占めている状況であります。
○片上公人君 実際の被害額についてはもうそれはわからぬぐらい、何億という損をしておるというような話を聞いております。 ただ、現場の話を聞きますと、保安庁の船が来るとわかるとさっと逃げる。よほどタイミングがよくなかったら捕まらない。大体はどこの船かも想像もつくし、逃げる港もわかっておるけれども現行犯でなかったらだめだということになりますと、しょっちゅう横におらなきゃいかぬ。漁をやめてついておらなきゃいかぬ。しかも、現行犯で会うた場合に注意すると向こうは暴力を振るう場合もある。それで海に落とされた人もおったり、全国的にはいろんなことがある。 しかも、これを監視するためにある地域では数千万円する船を買うて自分たちで監視しておるとか、またその維持費が年に千万前後かかるとか、それも少数の漁師さんで金を出し合って苦労しながらやっておる。このアワビもそうですけれども、いろいろ計画的に、大体何トンぐらいまでしかとらぬとか自分たちで計算して、ある程度水揚げがあるとしばらくはとらないとか、また十センチ以下の貝はとらないとか、いろいろやっておるのに密漁者が来ていきなりばさっととっていく。しかも夜中にアクアラングを使うてやるとか、あらゆる形で今漁師さんが困っておる。大変な思いをしながらやっておる。そういうことでこの数年間特に犯罪が悪化しておる。 こういう意味で、海上保安庁から改めて今後の取り締まりの決意を伺いたいと思います。
○政府委員(野尻豊君) 密漁事犯の悪質化、まさに先生の御指摘のとおりであります。海上保安庁は今後とも、悪質な密漁事犯に対しては積極的な情報収集に努めるとともに、巡視船艇、航空機を集中的に導入するなどしまして強力な取り締まりを推進していく所存でございます。
○片上公人君 この数年、アワビ、サザエ、ウニ等の市場での高価格によりまして、暴力団が資金嫁ぎにしている場合もあるようでございますし、過去には、数年にわたって放流していたアワビを素潜りで密漁していた例もございました。密漁者に対する罰則が軽いのではないかという声もあるようでございますけれども、法的検討も必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(木下寛之君) 漁業法、水産資源保護法あるいはこれらの法令におきます省令違反の罰金につきましては、昭和五十八年七月に、罰金等臨時措置法の改正内容あるいは法制定以来の水産物の市場価格の上昇率などを考慮いたしまして、それまでの十倍に引き上げまして最高限度額を二百万円というふうにしているところでございます。この罰金額をさらに引き上げることにつきましては、漁業関係法令あるいはその他の法令の罰則との均衡ということも考慮しながら慎重に検討したいというふうに考えております。 ただ、先生御指摘のように、最近密漁行為は非常に巧妙化あるいは組織化、悪質化している現状でございます。私どもは、このような事態に対処するために、地元の漁業の関係者それから地元の取り締まり機関、あるいは地方の都道府県水産部局、この三者が密接に連携をとることが一番重要だというふうに考えておりまして、昨年度から密漁防止対策推進事業という新規の事業を発足させまして密漁防止のために努めておるところでございます。
○片上公人君 次に、第六次空港整備五カ年計画の基本的な考え方について二、三質問したいと思います。 第六次空港整備五カ年計画では、最終年度の一九九五年度の航空需要にとどまりませず、二〇〇〇年、二〇一〇年という長期予測に基づいた具体的な空港整備の指針が示されることと思いますけれども、運輸省は空港設置についてどのようなポリシーを持っていらっしゃるのか。また、空港整備計画を策定するに当たりまして、その決定までのスケジュールを伺いたいと思います。
○政府委員(丹羽晟君) ただいま先生のお話のように、現在航空審議会を開催いたしまして、そこで第六次空港整備五カ年計画に向けての基本的な御議論をいただいている最中でございます。 その航空審議会での御議論の中では、二十一世紀初頭を念頭に置きました長期的な需要予測、需要展望でございますが、それと国内、国際の航空ネットワークのあり方、そういったものを十分に考慮しながら、国内、国際ネットワークが集中いたします大都市圏における空港制約の解消に向けました空港整備、それと対応いたします地方空港の整備、それから利用されます利用者の方々の利便の向上を図るいろんなターミナルなどの諸施設、そういったものの計画的な空港整備の方策を策定する必要があると考えておりまして、このような観点から航空審議会におきます審議を今現在お願いしております。 それで今後のスケジュールでございますけれども、まずは本年八月の概算要求時点に向けまして中間取りまとめを航空審議会にお願いしたいと思っておりまして、それを受けまして新しい五カ年計画の策定要求ということを財政当局に要求する予定でございます。 それからこの第六次の五カ年計画につきましては今後どういうことになるかという一応の目標でございますが、ただいま実施中の第五次の五カ年計画があるわけでございますけれども、それの策定のときの例に倣いますと、まずは五カ年の投資規模というものにつきまして、来年になると思いますが、閣議了解を経まして、それで来年の後半に閣議決定をするということを考えておりますので、これを目標に航空審議会の答申を得るように努力いたしたいと考えております。
○片上公人君 日米構造協議におきまして米国は、我が国の中長期計画の信頼性を担保するために公共投資十カ年計画の策定を求めているようでありますが、これに対する運輸省の対応方針はどうなっているか伺いたいと思います。
○政府委員(中村徹君) 公共投資十カ年計画は、日米構造協議の中間報告におきまして、今後十年間の新しい総合的な公共投資計画の策定作業ということで、現在経済企画庁を中心にその作業を進めておるところでございます。私どもといたしましては、空港、港湾、鉄道といったような公共投資があるわけでございまして、その十年間の投資がどのようなことになるか、私どもの見通しなりなんなりを企画庁に御説明しているというところでございます。
○片上公人君 第六次空港整備計画のうちに、地方空港の整備につきましてどのように取り組んでいらっしゃるのか伺いたいと思います。我が兵庫県におきましても神戸空港、播磨空港の建設構想がございまして、大変着目しておるところでございますが、御報告願いたいと思います。
○政府委員(丹羽晟君) 地方空港の問題につきましては、私どもといたしましては、国土の均衡あるいは発展を目指す交通基盤整備の一環といたしまして、国内航空ネットワークの拡充を図る上で欠くことのできない重要な存在であると考えております。それで、ただいま御指摘の大六次の空港整備五カ年計画におきます地方空港の整備の問題につきましては、現在その基本的な考え方につきまして空港審議会の御審議をいただくということと同時並行的に、私どもの事務作業といたしましては、地方公共団体からそれぞれの空港の整備情報を現在お聞きいたしている段階でございます。 先生御指摘の神戸空港のお話あるいは播磨空港のお話のあの問題につきましても、六次空港整備五カ年計画の中での取り扱いにつきましては、今後の航空審議会の審議の結果を踏まえまして私どもの方として態度を決めてまいりたいと考えております。
○片上公人君 最後に、大野大臣は去る四月十七日の本委員会におきまして就任のごあいさつの中で、先ほど喜岡さんの話もありましたけれども、運輸行政の基本であるところの安全の確保に万全を期しつつ、運輸をめぐる多くの課題に積極的に取り組んでいく、また問題解決に最大限の努力をいたす所存である、このように述べられました。まさに大変な課題を抱えておる運輸政策の中で安全の確保ということを運輸政策の基本として位置づけられた大臣の所信、これは非常に私も敬意を表しております。ところが、お昼の話もありましたように、実際は毎年一万人ほど交通事故で死んでいるとか、また鉄道の話もございましたように、踏切等では基本的なミスが続発しておるとか、社会問題として非常に大きくなってきておるようで、これは非常に遺憾だ。 そういう中で、現在運輸政策審議会においては二十一世紀を展望して九〇年代の交通政策をどうするかということが検討されておる、こう聞いておりますけれども、その中で安全性の確保という問題をどのように位置づけられてやっていらっしゃるのか、これをお伺いして質問を終わります。
○国務大臣(大野明君) 所信で申し上げましたように、交通政策の基本は安全にありと。安全というものは、今交通事故でもって一万人以上の方が亡くなる現況、これにはいろんなファクターはあると思いますけれども、個々にも注意してもらわなきゃいけない部分もあると思います、はっきり言って。また政策的にできる部分もあると思います。今日までそれを重点に運輸行政としてはやってまいっておりますけれども、新しい時代の新しい機材といいますか、そういうふうなものが出てまいりますと、これにやはり対応するべきこともより一層考えなきゃならないと思います。 私がなぜ安全確保に重点、力点を置いたかと申しますと、私は社労の委員が長いわけでございますが、安全というのは福祉政策だという観点からやはり人命尊重であり、また、たまたま亡くならなくてよかったけれども重傷を負って社会生活が困難な人も出てくるわけでありまして、そういう意味からいっても人間尊重の立場から安全を確保したい、それが運輸政策、交通政策の最大のものであるというのは、これはもう言うまでもないわけでございます。ですから、今運政審においてそういうような認識のもとにひとつ御審議をいただきたいということで精力的にやっていただいておりますので、それを見、また私の考えも加味しながらこれから先の交通政策の重要な柱として、より一層推進したいと考えております。
○片上公人君 どうもありがとうございました。
○小笠原貞子君 地下鉄建設の補助に関する問題についてまず伺いたいと思います。 地下鉄建設に対する補助方式が変わり、昨年の補正予算で繰り延べになっていた補助金が手当てされ、自治体は大変に喜んでおりました。しかし、今年度の予算でまた繰り延べという問題が出てまいりました。調べてみましたら、平成二年度の地下鉄の補助の総額、所要額といいますか、これが六百九十二億という数字が出ておりますね。それに対して予算額は四百一億という数字になっております。そういたしますと、この差二百九十一億というのがこれが大変な問題だ。 私は地元が札幌なんですけれども、札幌市で考えてみますと、その差額のうち三十二億が大変な負担だということでございます。せっかく自治体が喜んだのにまた逆戻りなんというのはちょっとこれは風潮としておかしいし、ぜひ早急に手当てされるように御努力をいただきたいというわけでございます。いかがですか。
○政府委員(早川章君) 昭和五十五年あたりから国の財政が非常に厳しいということでシーリング等の問題もございましたために、いわゆる地下鉄の建設にかかわります補助金につきましても種々の繰り延べ措置をお願いしてきたという経緯がございます。 その繰り延べ額、非常に大きなものでございましたが、平成元年度の補正で、その時点までの繰り延べ額につきましては地方公営企業を中心に対処させていただきましてそれなりの成果は生んだわけでございますが、一方、その後の平成二年度四百一億円ということで決着を見ましたいわばその数字と申しますか、補助額というものがなお実態的に必要であった金額にはるかに及ばないということも事実でございます。また、そのような後に送りました種々の問題が従来の繰り延べの措置の中でいろいろこれから出てまいりますが、運輸省といたしましてはこれからもまた、言ってみますと平成元年度の補正のときの措置の精神を生かして極力過去の繰り延べ分というものにつきましては早期にお返しをさせていただいて、地方公共団体等によります地下鉄の整備につきまして、あるいはその財政上の問題につきまして遺憾のないよう措置していきたいという考えでおります。
○小笠原貞子君 じゃどうぞよろしくお願いいたします。 次の問題は、地下鉄の駅の出入り口の設置数ですね、これについて伺いたいと思います。具体的に単刀直入に伺います。 札幌市の場合、現在東豊線というのが建設をされております。有名な御存じ薄野を挟みまして延びている線なのでございますけれども、東側は既に建設が終わり走っております。豊平側が今工事が進められているわけですけれども、ここで問題にしたいのは、東側の方は駅の出入り口が幾つもあるわけですね。四カ所あったり五カ所あったりというわけなんです。ところが豊平側の方というところは出入り口が二カ所しかない、こういうわけなんですね。東側が四カ所、五カ所あって、々路線なのに一方は全部で二カ所になっている。こういうことで、その中には非常に繁華街があったりいたしまして、同じ路線だからうちの方も二カ所じゃなくて四カ所でも五カ所でも数を多くつくってほしいというのが地域住民の願いでございます。 そこで具体的にお伺いしたいんですけれども、一つは、地下鉄補助に当たって運輸省は、地下鉄の駅は幾つだとか、こういうふうにしろというような基準を設けて御指導なさっていらっしゃるのでしょうか。それから、本来事業者が必要だということで、それじゃつけましょうということになれば、その必要だといってふやした出入り口などについても補助の対象にしていくものと私は当然考えられるんですけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(早川章君) まず最初の方の御質問でございますが、駅の出入り口の数と申しますか、箇所と申しますか、そういうものにつきましては、言ってみますと利用旅客数あるいは旅客の勤線というようなものが個々の駅ごとに違いますので、そういった旅客数の予想とかそういう形で照らし合わせまして必要と認められるものに限って実は補助の対象にする。 補助の対象といいますと、これは実は札幌の地下鉄でも線によりまして、南北線というのは相当程度の輸送人員が現在確保されてきておりますが、東豊線という形になりますと、将来的な予想は非常に多いものだと思いますが、当面ある程度の輸送人員しかないのではないかというふうなところにつきましては、五つも六つもという形の駅までの出入り口の必要性がどうかとういうことになりますと、その場合にそこまでの出入り口は要らないのではないかというような形で補助の対象として査定されることはあり得るということでございます。そういう補助をしないといいますか、そこまでの出入り口をつくることについて補助をするのは無理だというようなことを申し上げることはあるというふうに御理解をいただきたいと思うわけであります。 したがいまして、補助の対象というふうな意味で考えるのは、具体的な出入り口の数対輸送人員、あるいはその利用の動態、動線というふうな形のものとの関連であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○小笠原貞子君 それじゃわかりやすく聞きますけれども、駅の入り口を幾つにするかというような問題についても、その需要動向などを見てこれは必要であるとか必要でないとかということの権限は運輸省が持ってやられるのですか。そういうものは必要だ、つくろうというのは事業者が主体的に決めるものであるというふうに私は解釈しているんですけれども、その点どうなんですか。
○政府委員(早川章君) 先生のおっしゃるように、幾つつくるかということは事業者の御判断だと思います。そのうち補助をさせていただくのがどれかという議論はまた別にある、国が補助をするというものをどこまでにするかというのはまた別にあると御理解をいただきたいと思います。
○小笠原貞子君 ややこしいですからね。つくるのは事業者として幾つつくってもよろしい、それについて全部が補助対象になるというわけではありません、それは運輸省が必要であるかどうかを見て決めると。運輸省の権限でそういうことになるんですか。
○政府委員(早川章君) 運輸省が決めるといいましても、これは年間非常に限られた補助予算でございますし、各地方に、駅の施設をつくりたいという方もいれば線路を延ばしたいという事業者の方もいらっしゃる。その限られた補助金の中で、言ってみますとどれだけを補助させていただくかという中で、例えば地方公共団体がおつくりになるものでございますので、比較的豪華なといいますか非常にきれいな駅をつくられるケースもあると思いますが、それはそれでその都市の玄関と申しますか、社会的な施設だということで結構だと思うんですが、いわゆる輸送施設の補助としてはそこまでは要らないというふうに考えれば、この際補助は控えさせていただくということがあると御理解いただきたいと思います。
○小笠原貞子君 あなた早口だから聞いていても頭がついていかない。結論としては、事業者が決めるんだ、そしてその必要があるかどうかというのは、要らないのにつけるなんというのはいないんだから、常識的に必要だということになれば当然補助の対象にもなるということでいいですね。わかりやすく結論を私まとめました。 それでは次に、今度はエレベーターの設置の補助なのでございますけれども、国際障害者年の十年を来年迎えようとしております。運輸省が公共交通のターミナルのガイドラインというものの中でエレベーター設置を指摘していらっしゃいます。五十六年の運政審でも、八〇年代における対策として公共交通機関における施設整備については、交通弱者のための施設整備は大きな課題とし、特に垂直移動対策には十分配慮する必要がある、その対策としてエレベーター、エスカレーターの設置を強調しておられて、本当に私大事なことだと思います。 大臣お聞きになってください。当たり前のこれをやりなさいというのが八〇年代における対策の中で出されている。今はもう九〇年代でございますからね。エスカレーターの場合は補助対象になっているんですね。そういたしますと今度はエレベーター、ここにも書かれているように、垂直移動対策には十分配慮しなさいと。エスカレーターだと車いすなんか乗れませんし、そういう意味でエレベーターも補助の対象にすべきだと思いますので、その点をぜひ御検討いただきたいと思います。
○政府委員(早川章君) エレベーターの設置の関係につきまして、これを推奨していくということは当然でございますが、今補助金との関係で、補助対象としてのエレベーターをどう見るかということについての問題に限らせていただきますと、現在一応基本的にはエレベーターの設置に必要な費用は利用者負担でお願いをしていくということで、国が補助をしていくという仕組みは原則的にない。 ただ、その原則的にないと申しますのは、新線、新しくつくる場合、一緒につくられるどんがらと申しますか、躯体と申しておりますが、その箱の部分につきましては補助の対象といたしているわけでございます。ただ、言ってみますとモーターであるとか人が乗られる機器については補助の対象にしておりませんで、利用者の運賃の中からお払いをいただきたい、こういうふうにお願いをしているところでございます。
○小笠原貞子君 今そういうのが対象になっていないから私が言っているんであって、ないのはわかっているんですよ。どんがらだけは対象になっていて、どんがらって何と聞いたら、エレベーターを通す穴だけあいているというんですよね。穴だけあいていて、そして中の肝心の動かすエレベーターだとかモーターというのはつけないというんでしょう。その辺が私は大臣本当に、交通弱者のためにここまで進んできたのだから、せっかく穴だけ対象にしておいて中身は対象にしませんなんて冷たいことを言わないで、先ほどからも大臣いいことを言っていらっしゃるのでしょう、人間尊重、人の心が大事、安全、随分いい大臣の発言たくさんあります。 だから、丈夫な人ならいいけれども、そういう弱者のためには、今せっかく穴だけの分は補助対象にしているんだったら、今すぐやれと言ってもなかなか大変でしょうけれども、今後の問題としてこのエレベーターそのものも、いろいろの精神でも言われているとおり、九〇年代に入ったからということで、補助対象として御検討をいただきたいというのが住民全体の意見でございますし、私もぜひお願いしたいと思いますので、大臣その辺のところを御検討いただきたいのですが、いかがでございますか。
○国務大臣(大野明君) いずれにしても、本当に我が国はありがたいことに高齢者の方々も多くなりましたし、それから同時に、身障者の方々も社会参加ということで、今までは案外引っ込み思案であったような人々も外へ出てくる。 そういうときにやはり移動手段として交通機関を使われる。しかし、それには駅のホームというのは大体上か地下かというのが多うございますから、それに対してエスカレーターもございますしまたエレベーターもあるところはございます。ですから、新規につくるところはつくりやすいのですが、やはり駅舎の関係とかスペースの問題でもってなかなかできない場合もあると思っております。今のように、どこだか知りませんが、穴があいていて大体がないんでは仏つくって魂入れずになっちゃいますから、その点は十分に検討させていただいて、やはり皆様方の至便というものを考えていきたいと思っています。
○小笠原貞子君 どうぞよろしくお願いいたします。 今度はちょっと問題が別なんですけれども、モーターボートの場外舟券売り場という問題についてお伺いしたいと思います。 大臣も余りこういうことは御存じないかもしれません、競輪や競馬なら御存じだけれども。競艇の、モーターボートの場外舟券なんですが、それについてちょっと今問題が起こっております。この場外の舟券売り場の設置に当たりましては、モーターボート競走法の施行規則第八条というのがございまして、運輸大臣の確認が必要になっております。そしてその確認に当たって告示で場外発売場の位置、構造及び設備の基準というのが示されております。これは運輸省告示で出ているわけです。その中を見ますとこういう問題があるんですね。設置基準の中で、その一つには「文教施設及び医療施設から適当な距離を有し、」とあります。なぜ文教施設それから医療施設から適当な距離を離さなければならないか、その設置基準の中で。適当というのはどこからはかるか。適当というのはどういうことを具体的に想定していらっしゃいますか。その辺のところを初めに伺いたいと思います。
○政府委員(石井和也君) お答え申し上げます。 その設置場所から文教施設あるいは医療施設等までの距離、これが長いか短いかというのもあるわけですけれども、それ以外にも例えば通学路がどうなっているかとか救急車が入るのにどうなるかとかあるいは地形の問題、環境の問題、そういうものがすべて判断の対象になりますので、どれくらい離れていればいいかということにつきましては個別かつ具体的な要素をもちまして判断しているということでございます。
○小笠原貞子君 なぜその文教施設、医療施設から適当な距離を離さなきゃならないかというその理由を、どういうふうなことを考えて離さなきゃならないというふうにお考えになっていらっしゃるのか。
○政府委員(石井和也君) 人がたくさん集まるあるいは車が来るということでございますので、それらの影響が文教施設とか医療施設に大きな影響を与えないという配慮でございます。
○小笠原貞子君 その問題で今出ていますのは札幌の三十分くらい先の南幌町というところなんですよね。非常に静かな豊かな農村地域だったんだけれども、そこに今これをつくろうというので問題が起きているんです。(地図を示す)ここのところに場外売り場をつくろうという予定なのでございます。ここが一キロの線なんですけれども、ここの同じ通りに保育所があって幼稚園があって厚生施設があって、特別養護老人ホームがあって町立病院があるというわけです。そして小学校、中学校、高校があります。ここには道立の養護施設がある。こういう場所なんですね。一キロの中で、もうすぐ接近して同じ道路でこういうのがたくさんつながっているということになりますと、今おっしゃいました交通の問題というのはもろにかぶってくるという問題が起きるということを知っていただきたいと思うわけなんです。 交通渋滞というような問題だけではなくて、お年寄りがいたりそれから施設があったりしてというと障害者の方たちが大変影響を受けられるし、消防の障害になってもいけないし、そしてまた先ほど言いました施行規則八条でこう書いてあるんです。この規則の中で、競走に関する犯罪行為、不正防止、品位、衛生というようなものに関しての遵守義務というものの規定が出ておりました。それからまた暴力団など含め限られた人のいろいろな問題がここに出てくるというふうに考えられるわけですね。先ほど局長おっしゃったような単なる交通事故、そういう交通だけの問題ではなくて、この施行規則の中にちゃんと「競走に関する犯罪及び不正を防止し、並びに場外発売場内における品位及び衛生を保持するために必要な措置を講じる」、こういうふうに言われていることは、やっぱりそういういろいろな心配があるということからわざわざ施行規則に盛られているということを考えなければならないと、そう思うわけでごっざいます。そしてまた現金を取り扱うということがございます。だから警備員の詰所が設けられることが必要だと、こうなってくるわけですね。そうするともう非常にいろいろな問題が起こってくるわけでございます。 また、具体的に言いますと、構造及び設備の基準という中に、その舟券を発売する場所は「鉄骨造りまたは鉄筋コンクリート造りであり、かつ、窓口及び出入口は、堅ろうな構造のもの」でなければならない、こうなっているんですね。そうすると、私も余り行ったことないけれども、競輪場の売り場だとか競馬場のところでも本当にもう殺気立っていますね。そういうことから、現金を扱う窓口は堅牢でなければならない、警備員も配置しなければならないということになると、既にここできちっと書かれているように非常に心配があるということをあらわしていると思います。つまり、この舟券売り場というものはギャンブルによるさまざまな危険というものが予測されるからこそこういう規則をつくられたと思うんです。 それで伺いますけれども、全国で場外の舟券売り場というのはどこにあるんでしょうか。
○政府委員(石井和也君) 現在、場外の舟券発売所の設置されておりますのは丸亀市にありますボートピア丸亀一カ所でございます。
○小笠原貞子君 丸亀市にある。じゃ丸亀にそもそも競艇場があるということになっているんでしょうか。全国でたった一つなんですね。その競艇場のあるところで一つの売り場があるんです。 ところが、北海道の農村の真ん中にこういうものがつくられるということは一体どう考えてたらいいかというふうにいろいろ考えさせられるわけなんですけれども、まずこの地図から見てもこういうところにつくられるというのは妥当ではない。そしてまたいろいろと心配があるからこそいろいろ規則でもきちっとされているわけなんですね。そういうので、初めに申し上げましたように、建設に当たって大臣が確認をしなければならないとなっております。その大臣が確認をされる場合に大事なことは、いろいろな条件があると思いますけれども、地元住民の十分な同意がなければこういう問題を強行してはならないと思うわけですけれども、いかがでしょうか。地元住民の同意と言うことの必要についてどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○政府委員(石井和也君) 大臣の確認申請を行う場合に、地元住民の自治会の同意書それから管轄の警察の同意書というのを添付させるということを指導いたしております。
○小笠原貞子君 最後のところちょっと……。
○政府委員(石井和也君) そういう同意書を添付するということを指導しております。
○小笠原貞子君 当然地元の同意というのが必要だと思うんです。 こういう問題が起きまして、そして地元の方たちがこれは大変だというので調べたらいろいろな心配がある。特に子供を抱えたお母さんだとかなんかも立ち上がりまして、これは反対だということで反対署名というのを有権者の三割集めているわけなんですよ。きょうもそちらに来ていらっしゃるんですが、私もこういう方たちとは初めてお目にかかったわけですけれども、その署名をこんなに持ってこられた。その署名に対して私は胸を打たれたんですよ。我々だったら、はいはいなんて簡単に署名するけれども、そんな静かな農村で、住所と名前と判こを押して、こういうのをつくってもらったら困るという署名をしてくださいといったら足が震えるんですね。そして泣き出したお母さんたちもいた。だけどいろいろ調べてみんなで話をしてみたら、これはやっぱり子供の将来考えたらここのところでしっかりしなきゃならないといって、その署名は有権者の三分の一以上もう既に集まっているんです。そして、書きたいけれども名前が出たら狭い町でちょっとというようなことで、心では反対しているというような方たちがたくさんいらっしゃるということを私はぜひこの機会に知っていただきたいと思います。 そういうことで、その町村だけで反対という署名が三割以上の有権者ということがあります。また、その近辺の市町村に対してもいろいろの影響があると思うんですけれども、やっぱりそういう地元と周辺というような方たちとの十分な合意ということが私は必要だと思うんですけれども、いかがでございますか。
○政府委員(石井和也君) 先生御指摘の南幌町に場外舟券売り場を誘致することにつきましては、私どもまだ具体的な内容については承知いたしておりません。きょう初めて地図を見させていただきました。 今まで先生がおっしゃいましたように、その周りに影響をどの程度与えるかというようなことを基準に照らして慎重に検討する必要があるということと、それからもう一つは、地域の住民の同意が必要でございますので、関係者からのこういう設置につきましての相談がありました場合に、十分基準あるいはそういうものが必要であるということを指導いたしていきたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 もう時間がありませんのでたくさん申し上げられませんけれども、今るる申し上げましたように、みんなが本当に勇気を出してもう必死の思いでこれを何とか取りやめさせたいというふうな思いでいらっしゃるわけです。確認する必要なのが、運輸大臣の確認が必要ということでございますので、決してこれは好ましい動きではないということも含めて、大臣は確認をしなければならない立場なので、この辺のところは十分御検討いただきたいというので、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(大野明君) ただいま局長からも答弁をいたしたところでございますが、私も初耳でございまして、どういう経緯でそこに設定しようかという事情も何もわかりません。 しかし、大まかなというと怒られるけれども、地図を見させていただくと、一キロ以内にいろいろ文教施設とか老人ホームとか学校とかあるようでございますね。それにはやはり第八条の中身にも触れる部分もあると思いますので、いずれにしても、地域住民の皆様方の同意とかあるいはまた当該警察署の確認したものがなければならないということにもなっておりますから、私としましても、十分あれが出てきた時点で検討はさせていただきたいとこう思っております。
○小笠原貞子君 それじゃ次に、また戻るんですけれども、エレベーター、エスカレーターの設置というものが大分このごろふえてまいりました。そこで、大手私鉄の場合、六十二年度から始まっております五カ年計画づくりがございまして、エレベーター、エスカレーターの設置というものが具体的に計画として出ております。その当初の計画と、現在までどれくらいできたかというその数字を教えていただきたい。これは私鉄大手と同時にJRの場合についてもその数字がどういうふうにふえてきているかというのを伺いたいと思います。
○政府委員(中村徹君) エスカレーター、エレベーターの設置状況につきましては、JRにつきまして、エスカレーターは平成元年度末で百五十八駅、エレベーターは百四駅となっております。これは六十年度末に比べますと、六十年度末でエスカレーターが九十二、エレベーターが七十五ということでございますので五〇%以上の伸びになってきているということでございます。 それから民鉄につきましては、エスカレーターは平成元年度末で百六十四駅、エレベーターは五十四駅となっております。同じ六十年度末で比べますと、六十年度末でエスカレーターが八十八駅、それからエレベーターが二十七ということでございますので大体倍近く設置されてきている、こういうことでございます。
○小笠原貞子君 そうやって数字を見ますと、本当に皆さん御努力いただいてここまでできたわけでございますけれども、全体の需要から見ますとまだ、本当に初めはもうゼロに近かったんだから、先ほども言いましたように、来年国際障害者年十年ということになりますので、一層テンポを上げての御努力いただいて、弱者が安心して交通の場に参加できるようにということをお願いいたします。よろしくお願いいたします。 それじゃ次は地方バスについて伺いたいと思います。 地方バスという問題は、北海道におりますと非常に僻地、広いところを抱えて大きな役割を持っていたわけですけれども、どんどん交通が不便になりました。考えてみますと五十七年の四月なんです、私当委員会で取り上げました第三種路線バスというものがございまして、それについて補助というものがあったんですけれども、それがもう三年間で打ち切られてしまいました。非常に大変になっております。この第三種の路線バスの廃止後、結局自治体が廃止代替バスを出さなきゃならなくなってしまった、こういう状態になっているわけです。 この運営費補助の対象となっております自治体が廃止代替バスを運営しておりますが、それの市町村数と系統数、代替バスの、これは五十七年と六十三年と比べてどういうふうになっているかというこの数字なんでございますが、時間がないから私が調べた数字を言っていいですか。これは廃止代替バスが五十七年百四十五市町村、系統でいうと三百五十三ということでございましたが、六十三年には市町村が三百六十六にふえて、系統数で千六百六十九というふうにふえております。その数字間違いございませんね。
○政府委員(早川章君) 間違いございません。
○小笠原貞子君 こういうふうに代替バスが急速にふえてきたということは、第三種の生活路線バスがどんどん廃止されたということの裏返しになると思うんです。 そこで、この代替バスを運行する自治体がふえた中で一番問題になっておりますのが、大変な費用をしょい込まなければならないということでございます。欠損に対して補助をしていただけるんですけれども、この額が非常に少ない額なんですね。私も調べてみました。例えば北海道の士別、六十三年度の士別市では代替バスだけで赤字四千四百万を出しております。そして道と国の補助を合わせますと一千万、残り三千四百万すべてが士別市などの、金利がちょっと入りますけれども、その負担になっているわけです。北海道全体を考えますと圧倒的には人件費の経費がかかっているというような大変な重荷をしょっているわけです。 それで、補助していただいております補助単価というのを調べますと、六十二年、六十三年、平成元年はキロメーター当たり九十九円九十三銭、これは全然上がっていないですね、六十二、六十三、元年。その前の年は九十九円六十八銭、その前の年が九十九円十五銭。だから実質的には六十年以来全然ふえていないということで、赤字で大変苦労しているというようなことで今深刻な状態になっているわけです。 そこで大臣に切にお願いをしたいんですけれども、こういった補助単価を五年も六年も据え置きというのではなくて、何とかこのアップについて御努力をいただきたいというふうにお願いをしたいと思いますが、大臣がやれと言ってやってくだされば実力大臣なんだからやっていただけると私は期待しております。ぜひアップをお願いしたいと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(早川章君) 先生具体的にお取り上げなのは、廃止路線代替バス運行費の補助でございますが、地方バス全体につきまして大変厳しい財政状態、マイナスシーリングがかかる中で運輸省は逐年わずかではございますが増額を図ってきたところでございまして、平成二年度につきましても百三億六千二百万円という、前年に対しては一億強の増加を図って対応いたしてきているわけでございます。 その中で廃止路線代替バス運行費の補助の関係でございますが、ちょうど平成二年度から補助要綱の変更の時期に当たっておりまして、具体的にこの廃止路線代替バスの関係につきましても、現在わずかではございますが単価アップを考えておりまして、これは要綱を定めて、その中に単価の関係が出ますので、まだ確定はいたしておりません、予算も通っておりませんので、ということでございますが、そういうことの対応をわずかではございますがやらせていただきたい、こういうふうには考えているところでございます。
○小笠原貞子君 わずかでもやってくださっているという姿勢は大いに私は評価するわけでございます。余りにもまだ少ないということでお願いをするわけです。 そして、士別市というのを調べましたら、今言ったような代替バス、第三種補助の打ち切りによってというようなことから士別軌道というところに三千七百四十万出しているんです。それから第二種の補助、これは道北バスの分を五百万出している。そして通学バスというのがございましてこれに補助を出している、千七百七十五万というお金ですね。そうすると合計いたしますと六千十五万、これが毎年市の単独の予算で出さざるを得なくなっている。だから、本当に地方の自治体といったらこの足の問題、特に北海道なんか大変ですから、というところで深刻になっているということも御認識いただいて、ぜひ今後ともアップに努力をしていただきたいと切にお願いをいたします。 そして、その問題と関係して林野庁にちょっと伺いたいんだけれども、この士別がこれだけ大変なのに、今大きな問題になっているのは、運行している士別軌道というものは林野庁が株をみんな持っているということなんですね。その林野庁も財政が大変だということからでしょうけれども、この大変な士別軌道の株を士別と朝日町に買えと行って来ているということでまた一つの大きな問題になっています。私はこういう大変な自治体に押しつけるということはちょっとおかしいなと思うんですが、その点について林野庁、これは買えというふうに御指導なさるのかどうか。時間がもう切っていますので簡単にお願いします。
○説明員(山口展弘君) お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のように、士別軌道株式会社につきましては我が国有林野事業特別会計が約九五%その株を所有しております。 この経緯は、御案内のように、昭和十四年に当時の帝室林野局が木材の円滑な搬出、運送を目的といたしまして取得したわけでございます。その後昭和二十四年になりまして国有林野事業がその株券を引き継いだものでございます。しかしながら、その後林業をめぐる情勢の変化によりまして、昭和六十三年あたりになりましてほとんど運材料がなくなったということで、トラックによる運材部門を士別軌道株式会社は廃止いたしました。そこで私ども国有林野事業の株所有の目的でございました運材事業ということの必要性がなくなったということで、現在私どもでその株を持っている必要はないということで、地元の士別市及び朝日町に対しましてその株を取得していただけないかというお話をしてまいっております。
○委員長(中野鉄造君) 小笠原君、時間を経過しております。
○小笠原貞子君 それはわかりました。だから、押しつけないでくださいということを一言と、それから大臣、この地方バスについていろいろの問題を先ほどから提起いたしましたので、代替バスだとか第二種のバスだとか通学バスだとか、苦しんでいるこういうバスに対しての助成、補助というような問題をぜひ真剣に御検討いただきたいということを最後にお願いして、一言御見解を伺って終わりにしたいと思います。
○国務大臣(大野明君) 先ほどこれも局長から答弁いたしましたが、北海道士別に限らず私の岐阜県にもそういうところはございます。ですから前から岐阜でも陳情もいただいておりますし、これは住民の生活路線でありますから、でき得る限りそれに不便を来さないような政策をとっていきたい。金目も、局長から先ほども御答弁申し上げましたように、毎年毎年財政当局とけんかをしながらふやしておりますから、これがまたふえるように努力するのが私の立場であろうと考えております。
○小笠原貞子君 よろしくお願いいたします。
○粟森喬君 私はまず、整備新幹線の着工と今後の完成見通しなどについてお尋ねしたいと思います。先ほどから何人かの方がとりわけ公共交通、鉄道、整備新幹線のことなどをいろいろ質問して、その都度運輸大臣が決意表明を述べられているわけですが、具体的な中身について幾つかお聞きをしたいと思います。 北陸新幹線でございますが、ルートについて私の知る限りでは富山と石川県の小松まで環境アセスが進んでおりますが、特に長野から直江津といいますか糸魚川といいますか、そのルートの環境アセスはお済みになっているのかどうか。そしてどうなっているかをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 環境アセスメントは済んでおります。
○粟森喬君 済んでいるんですか。
○政府委員(大塚秀夫君) はい。
○粟森喬君 そうしますと、ことしの予算額などから見たときに北陸新幹線というのは何年後に完成する見込みになりますか。
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線については、その財源問題等で長年懸案になっておりましたけれども、昨年基本スキームが決定いたしましてそれに基づいて着実に整備を行っていくというのが現在の状態でございますので、今のところいつ完成するか等のスケジュールは定めていないところでございます。
○粟森喬君 定めていないというよりも、私は最近の経済環境や社会環境を見て、新幹線のあるところとないところ、大変地域格差が出てきているということ。この間の政治経済情勢で申し上げるならば、いわゆる国の財政が大変厳しい状態であるということで足踏みをしていて、それが再開されたということと、必ずしも運輸省の立場が積極的にこのことに対応しているというふうにはどうしても思えないというか、今お聞きをしたって、北陸新幹線ができると言ったら大体何年ごろできると言うのが常識でございます。 いつできるかわからない新幹線というのは、それはいかなる意味を運輸省といいますか所管省としては考えているのか、もう一度その点を明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 今申し上げましたように、長年の懸案に、関係の方々の御尽力もあり我我も努力しました結果一応のめどをつけて、昨年高崎―軽井沢間について本格着工したわけでございます。この高崎―軽井沢間については、工事実施計画の上でも五、六年の工期ということで今進めているところでございます。 ただ、その他の整備新幹線については残念ながらそのスケジュールというものは持っておりませんが、基本スキームに定められた内容によって我我は着実に整備していくということによって御期待に沿わなきゃならぬと考えております。
○粟森喬君 特にこの辺のところをはっきりさせてほしいと思うんですが、例えば長野の問題一つとっても、オリンピックができればフルだ、そうじゃなかったらミニだ、こういう話が巷間ではかなり伝えられているわけです。これは基本的に長野までも含めてフルでやるということを運輸省は正式な見解として持っているということでよろしいんですか。
○政府委員(大塚秀夫君) 高崎―軽井沢間については現在着工しておるところでございますが、軽井沢―長野間につきましては、基本スキームにおいて、一九九八年冬季五輪の開催地問題等を考慮して三年以内に結論を得るものとするとされております。この中には規格問題も入っておりますので、現在私どもはフル規格あるいは運輸省案、そういう結論は出しておりません。
○粟森喬君 その上でちょっと申し上げたいと思います。 北越北線といいますか、当初貨物専用にするという部分を、いわゆるスーパー特急というんですか、これに格上げしていこうということになりまして、越後湯沢へつないで、これは地形で言えば確かに最短距離で上越新幹線に使うことになるわけですが、これができるということと北陸新幹線との相関関係を考えますと、果たして本当に北陸新幹線というのができることになるのかどうかという懸念は私は存在すると思うのであります。 といいますのは、ちょっと時期も一遍確認したいと思いますが、いわゆるスーパー特急というのは最高速度が百七十キロとか百六十キロというふうに言っておりますね。ミニ新幹線は百二十キロでございます。そうなればだれが考えたって速い方が、在来型といいますか狭軌のものもあれば、それができることによって北陸新幹線というのは結局は幻に終わるのではないか、こういう懸念が一部にあるわけでございますが、そのことについての見解をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 基本スキームでも運輸省案というのは第一歩であり、整備計画は維持されるということになっております。ただ、地元の御要望その他で、効果的に整備新幹線のスキームを実行するためには北陸新幹線においても運輸省案のスーパー特急等の整備が先行されるべきだということで、その旨が決定されているところでございます。 今御指摘の北越北線についても、この線を高速化、近代化することによって上越線、信越本線、北陸本線のネットワークを結ぶことが新潟県なり富山県、長野県等の地元の皆様にとって大変便利になるのではないか、そういうことで現在工事を進めているところでございます。
○粟森喬君 特に鉄道計画で、先ほどから何人かの方も指摘していたわけですが、予算というのは毎年単年度でやりますね。過去の例を申し上げても、つくると決めると大体何年をめどというめどをつけられる。そのめどというのは、ある種の財政の裏づけがある程度確定をしなかったら計画そのものが出せないわけでございます。今日のやり方というのはまさに細切れでございます。 例えば、高崎から軽井沢をやることが決まりましたね。軽井沢以降のことについては、一応基本スキームとしてはでき上がっているけれども、オリンピックがあることによって新幹線になるのかミニになるのか。いわゆるミニというのは例えば山形で今やっているもの、これはある種の効果を私たちも期待したいと思うけれども、いわゆる今北陸新幹線と言われる沿線は文字どおり交通の過疎県でございます。例えば、石川県のことをとってなんでございますが、飛行場を見たって自衛隊の飛行場を借りておるわけでしょう。富山県の飛行場を見たってこれまた河川のところでございまして、都合の悪いときは使えない。 そういうところの過疎に対する政策的な背景というのは本当につくられているのかということ、こんなことを言ってはなんでございますが、JRが民営になったときに公共性も安全性も守るというふうに確かに言われました。しかし、つまるところ、経済性の原則だけでやられたらとてもじゃないが北陸で新幹線をやる人はいないですよ。コストを考えたらそれで合わすなんというのは無理ですよ。それを何とかしなければならないということが本当に今の状況であるのかとういと、私は別に皆さんそんなにお顔を知らないわけでもないし、個別には不信感を持っているわけじゃないんですが、行政が今やっていることを見て、これで北陸新幹線がいつできるのかと聞かれたときに、別に選挙区の人に聞かれたから言うという意味だけじゃなく、余りにも私は行政の対応としては十分じゃないというか、もうちょっと具体的に基本スキームから裏づけされたもの、実はことしの予算の裏づけも大分前から聞かされていました。来年へ向けてこれから準備をされるんだろうと思います。しかし、少なくとも今私が言っているようなことが解決できなかったら、いわゆる運輸省の本来の目的というものが本当に果たせるのかどうかということについてかなり私は強い懸念と疑問を持っているわけでございます。 大臣、その辺のところについて、通り一遍ではなく、具体的にどういうことを決意として語られるのか、お願いを申し上げたいと思います。
○国務大臣(大野明君) 今平成二年度の予算を審議、成立間近ではございますが、その最中に来年度のことをつぶさに言うわけにはまいりません。しかし私どもは、均衡ある国土建設、多極分散ということを考えれば、これは政治として当然やらなければならないということを考えております。 しかしながら、やはり財源問題というのが一番大きな問題でございますが、これにつきましても、公共投資の新しい十カ年、日米構造協議の中でうたわれておりますし、何とかあらゆる知恵を絞って、北陸に限らず整備新幹線の基本スキームにのっとったものをやっていこう、またやらなきゃならぬという強い決意を持っております。 しかし、今日その財源の、財政当局との折衝もございますが、捻出方法について今ここで申し上げるわけにはいきませんが、北陸、先生は石川ですが、ここには富山の鹿熊先生もいらっしゃいますし、やはり北陸出身の先生方というものは命をかけておると思うんですよ、そういうものを十分に踏まえて解決していきたいと考えておるところでございます。
○粟森喬君 今のお話を聞きまして、率直に私の印象を申し上げます。 今運輸省の予算の中で一番重要な扱いというのは、国鉄の精算事業団のいわゆる借金といいますか、債務負担した部分がかなり財政的なウエートを持っています。ことしの場合、後でちょっとお聞きしようと思ったんですが、営団地下鉄の分だとかいろいろなものを入れまして約一兆円ぐらい使う。新しい建設部分は言ってみればごく微々たるものですね。比率で申し上げるなら。先ほど小笠原先生も言われたように、例えば過疎バスであるとか、どうしても助けなきゃならぬところに、本当の意味の政策誘導という意味で言うと私はかなり問題があるんじゃないかと思います。 といいますのは、ここは私なりの個人の私見でございますが、この車社会で、車で大変なことになったのは、鉄道なら鉄道に対する役割というものとの相関性を運輸省としてはちょっと見誤ったんではないか。通勤地獄などというのは東京にいたら当たり前になっているでしょう。通勤をするのに快適な感じなんというのを感じた人は恐らくいないわけでしょう。私は今近いところに住んでいるからそんな身ではありませんが、過去勤めていたことを思うと。それがだんだんひどくなっていることに対して、それは財源の問題を含めて、結局車で通うというのは時間もかかる、そしてそのことで新しい問題も起きる。公共交通というものの鉄道なりが、一時期JRの赤字に象徴されるように何となく利用が遠のいたその原因解明とそれから先見性、恐らくこれからの問題で出てくるのは、これだけ車がふえたらどうしてももう一遍公共交通、鉄道などの大量輸送に戻らざるを得ないというか、戻る必要性があると思うんですよ。 そんなところに今積極的な予算が組まれているのかというと、必ずしも十分じゃない。それが新幹線であり、中都市であれば地下鉄です。地下鉄も私がいただいた資料を見る限りでは全部赤字です。採算ベースであの種のことができないというのは、それは改良の仕方にもあるだろうけれども、技術開発の問題だとか、そういうものに対して運輸省が率先して技術開発をしてノーハウを提供するという機能もない。そういうことが今日の状況を私は生んでいるのではないかと思うんです。 ですから、運輸省の役割というのは、今日的にそういう意味でどこかで見直していくという基本線がないと本問題は解決をしないのではないかと思うんですが、その辺のところについての見解を若干お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(中村徹君) ただいま御指摘のございました公共交通機関の整備というのが必要であるという認識は、私どもも全くそのとおりだというふうに考えております。それが国鉄の民営化、JRの誕生ということで、国鉄がこれまでの大変な債務を背負っていた問題は、やはり国民に負担をできるだけ少なくしながら解決していくという政策は極めて重要なものであるというふうに思っておりますし、それはそれなりに私どもも一つの考え方に基づいて政策を遂行してきたし、これからもその線に従って第二の国鉄はつくらないという方針を持って進めるべきだというふうに考えております。 ただ、そのことと公共交通機関を整備していかなければいけないということは別の問題としてやはりとらえて、これを我々としては今真剣に取り上げて取り組んでいかなければいけない時期に来ているというふうに思っておるところでございます。
○粟森喬君 少し細かい話でございますが、幾つか申し上げたいと思います。 特に公共交通というのは、競争形態であろうと何であろうと、結果的に乗る側にしたらほとんど選択肢というのがないわけです。バスと電車と私鉄が走っていても、結局一番早く来たものに乗るか一番近いところに乗るしかないわけです。そういう意味で、競争の形態をとりながらも一定程度の独占性があると思うんです。独占性であるがゆえに幾つかの問題が私は出てきておると思うんです。 例えば、私も個人として若いころは余り感じなかったんですが、JRの駅の構内というのは大変不便でございます。けさほども便所の話が出ていましたが、当たり前のことなんです。人間の生理的な現象が起きたときに、どこに駅の構内にあるかといったら、その表示も十分じゃないし、それから例えば障害者の問題がこれほど言われているのに、今はもちろん障害者の法が駅の構内へ行けば、これは国際障害者年の一つの役割だと思いますが、駅員の方が車いすの方を抱えて連れていってくれることになりました。しかし、そういう制度になっているということを知っている人知らない人がいます。やっぱり直そうとするというか、公共性というのは私は経済性と相対立する関係があると思います。年に非常に限られた人数しか使わない障害者のために駅の構内を改築するというのは大変なお金が要ります。しかし、なおかつそういうことをやろうということが十分じゃない。特に公共交通というのは高齢者や障害者の人たちの利用する頻度が多いんです。 そういうことに今後政策誘導といいますか、政策主導をやられていく道筋というのをどこかでもう一度これは具体的な柱として明確にしてほしいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(中村徹君) いわゆる交通弱者の問題、高齢者とか身障者とかいうものに対する対応の問題と、それから輸送サービス全般について輸送サービスをさらに向上すべきである、そういう意味で特に鉄道事業者についての公共性の認識というのを高めるべきだという御指摘だと思います。 いろいろ御批判を受けておるとは思いますが、私どもも同様の観点から常にサービスのあり方というものを考えて、かつ指導をしてまいりたいというふうに考えております。具体的にはただいま運輸政策審議会で議論をしておりますから、そういう過程でそういう問題も取り上げて議論をさせていただきたい、かように考えておるところでございます。
○粟森喬君 今の問題と多少関連をするわけですが、今の運輸省の技術水準についてお尋ねをしたいと思います。 先ほど野沢さんも若干触れていましたが、フランスのあの例の新幹線です。私も若干運輸省の関係者の方に聞いたら、日本の場合は、スピードアップだけではない、環境アセスが大変厳しいからそんな速く出すことは余り考えていなかったというか、出すだけの基礎的な体力はあるんだけれども、そういうことを余り求めないという立場で対応してきたということでございますが、日本の鉄道に関する問題で言いますと、技術力の問題についてもうちょっと研究に力点を入れてほしいと思うんです。 例えば地方で地下鉄をつくるというときに、今非常に軽量になって、幾つかのケースが出ましたが、やはりまだ研究の余地といいますか、私らのような素人が見ても研究なり検討の余地は十分残されている。そういうものが積極的に開発されて公共交通が完結をしていかないと、今社会問題として車のはんらんの中で都市が破壊されるという状況があるわけですから、その辺の研究の状況と今後の見通しなどについて若干お聞かせください。
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道の技術開発というのは、一方でリニアモーターカのように二十一世紀への鉄道ということを目指した技術開発あるいは在来線の高速化、近代化を安全性と両立させつつ考えていくという技術開発、またコストダウンのために安い鉄道をつくるという技術開発、こういう問題いろいろあると思います。我々の附属機関としての交通安全公害研究所でも鉄道の試験研究を行っておりますし、リニア等につきましては財団法人鉄道総合技術研究所、これはJR各社が負担金を出し合ってもとの国鉄の鉄道技術研究所のスタッフが受け継いだ研究機関でございますが、ここでも行っております。 先生御指摘のように、フランスもあのような形で高速の試験をやっております。ただ、フランスの試験というのは坂を利用し、高速を出すために大きな車輪を、実用化は難しい、営業には使えないような車輪を使って、日本のリニアモーターカを意識してスピードを出したというものでございますから、このこと自体は余り驚くに当たらないと思いますが、油断はならないので、やはり世界に冠たる日本の鉄道の技術を今後も継承していくためには絶え間ない技術開発を今後も続けていかなければならないと思い、運輸省としても説教区的に支援していくつもりでございます
○粟森喬君 世界に冠たると言われましたので、自負と客観的評価と間違えないようにひとつ頑張っていただきたいと思います。 JRの決算の報告が出たわけでございますが、新幹線保有機構の対応の仕方については、先ほど申し上げた整備新幹線の財源問題と非常に関係があるというふうに思っています。もちろん運輸省の枠だけで、先ほども申し上げたように鉄道の復権といますか公共交通の復権のためには、従来のシーリング枠にとらわれていたら絶対にやれないことだけはわかります。従来の枠にとらわれないという意味では、これはどっちでもいいんだよということになるかというとそうでもない。新幹線保有機構の問題を処理するときには、少なくとも整備新幹線の問題について一定の結論との関連性を明確にしてからこの処理の問題については決めていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線鉄道保有機構の業務と申しますのは、国鉄改革時に既に営業しておりました四新幹線の債務処理をどうするかということで、それぞれの新幹線が持っている債務とそれぞれの新幹線の収益力にアンバランスがございますので、新幹線保有機構が一括保有して、収益力に応じたリース料を本州三社新幹線をリースする会社に貸している形で、収益と債務の調整を行うことが目的でございます。一方整備新幹線につきましては、鉄道建設公団が建設してこれをその地域のJRに貸しつけるということでございますので、両者は直接的な結びつきはございません。 新幹線保有機構の新幹線のリース問題については、JR株式の上場問題と関連して財務体質の強化という面から検討しておりますし、一方整備新幹線の整備については、先生御指摘のように国土開発、地域振興という見地から今後も着実な整備を進めなければならないものと考えております。
○粟森喬君 そういうことで一応当面のことは理解をさせていただきます。 車庫の問題で若干お聞きをしたいと思います。 扱いがこれからどうなるのかということで多少違いが出てくるのだと思いますが、今法的な規制をかなり強めようということで、その審議の仕方についてはいろいろあるわけでございますが、私は車社会における一つのモラルをつくるという意味ではこれまた手おくれの典型みたいなものになってしまったんではないかと思います。 そこでお願いをしたいのは、法律が厳しくなったからやるというんじゃなく、車社会における一つの秩序をつくるためには駐車場をちゃんとつくるということをやっぱり公的な機関がかなりちゃんとやっていくということ。それは何かというと、住宅という意味で言うと公社公団等の建設のところだと思います。新しいものに新しい基準があることを承知していますが、既設の分に対してどういう対応をするのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(梅野捷一郎君) お答え申し上げます。 公的な住宅団地におきます駐車場につきましては、従来から生活の関連で大変重要な課題でございまして、駐車スペースをどういう形で確保するかということは取り上げてきた重要な課題でございます。今御指摘ございましたように、新しくつくっている住宅につきましては、公共団体がつくります公営住宅あるいは住宅・都市整備公団がつくります公団住宅、それぞれ立地条件とかいろんなことでそれなりの基準を持って、目標を持って整備をしているところでございます。 今御指摘の古い団地につきましては、最初に申し上げましたように、従来から駐車スペースをどうするかということでそれなりに住宅団地の屋外の土地の使い方という中でそれ相応の努力はしてきたわけでございますが、なかなか必ずしも十分ではないという実態でございます。また、古い団地につきましてはかなりの団地が建てかえというような形で進んでおりますので、そういう機会もとらえながらできるだけきちんとした形のものに持っていきたいというふうに考えているところでございます。
○粟森喬君 当たりさわりのないお答えをいただきまして、政策誘導というのはより積極的な側面がないと、今社会問題化しつつあるところが果たして対応できるのかといいますと、やっぱりかなり問題だというふうに思います。それぞれ省庁の縄張りがあったり関係があってなかなか難しいんだろうと思いますが、私どもが見てても、諸外国などでそういうことに積極的に取り組んでいるところ、あるいは地方的にもかなり積極的にやっているところ、あるいは地域社会の中でもそういうことを積極的にやっているところ、かなり多様な要素がありますが、政策誘導的に積極的にやっていただくということをお願いしたいと思います。 次に、東京における公共交通の確立の問題について若干私の意見を申し上げます。 タクシーの値上げのとぎに、運転手を確保するという大義名分があったようでございますが、実態が変わらないというルポルタージュは嫌というほどテレビで聞かされております。いわゆる東京における公共交通というのを東京の都議会でもかなり論議をしているようでございますが、いろいろな制約があるかに聞いています。これは運政審でやるのか、首都圏の公共交通の問題を今後どういうふうにして考えていくのか、そのことに対して一定の手順をどう踏んでいるのか、現状についてと見通しについてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(早川章君) 現時点でどんなプログラムでどんなことをやっているのか、こういう御質問だと思いますが、まず鉄道につきましては、昭和六十年に運政審の答申が出ました。東京における鉄道網のあり方というのが出されまして、西暦二〇〇〇年を目途とした一つの絵がかかれております。それに基づきまして営団とか都営あるいは民営鉄道、その他新しく考えられている第三セクター等の手法によりまして鉄道の整備を推進する、これがまず第一点でございます。 それからバス等の対応につきましては、それは非常に個別、具体的な形になりますが、例えばその中でも深夜輸送等の問題については、運輸省は昨年の秋でございますがアクションプログラムというような形で東京圏における公共輸送手段による深夜輸送対策を推進する、こういうような形で個別、具体的に推進を図っている、こんなふうに御理解いただきたいと思います。
○粟森喬君 運政審での審議というのはそれなりに大切な意味を持っていることは十分承知をしていますが、審議の経過なども私聞かせていただきましたが、どうも積極策というか中身にかなり時間がかかっていて、真の意味で政策を新しくつくり上げて新しい公共交通政策を確立するという意味ではいささか迫力に欠けているというのが私の持つ印象でございます。したがって、今の時代にふさわしいものにするために新しい見地は何かあるかお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(早川章君) ただいま先生お話しでございましたのは、恐らく東京につきまして関東運輸局が出しましたいわゆる地方の各運輸局が中心になりまして実施しております各県あるいは都県単位の計画という形のものだと思いますが、もちろんそれで具体的にもいろいろ個別のテーマが上がっております。 もう一つ、ちょっと先ほど御説明が抜けましたが、運輸省は現在、改めまして運輸政策審議会で地域交通部会というのを開催いたしまして、これでどちらかというと過疎地域の交通問題の今後のあり方と大都市交通、特に鉄道を中心として今後どういうふうな具体的な整備を実施していくべきかということについての審議をお願いいたしております。特に大都市交通の現状と問題点というものに対する今後の考え方が、言ってみますと今後の東京圏の鉄道中心とした輸送網の整備というものを決めていくものだ、こういう中身になろうかと考えているところでございます。
○粟森喬君 海上保安庁おいででございますか。――来てない。じゃいいです。質問を終わります。
○寺崎昭久君 自動車損害賠償保障制度についてお伺いしたいと思います。 自動車ユーザーの間には自動車損害賠償責任保険について、いわゆる自賠責保険でしょうか。保険料は取り過ぎだ、あるいはもっと安くしてもいいんじゃないかという声が根強く残っております。これは給付に比べて保険料が高いというよりは、例えば保険金の累積収支残高を見て、二年分もあるんだからもっと安くしてもいいんじゃないか、下げられるんじゃないか、こういう認識だろうと思います。ちなみに六十三年度のリトンベーシスにおける累積収支残高を見てみますと、この数年間毎年払っている金額の二倍以上を残っているわけであります。こういうことを見る限り、もう少し下げてもいいのかなと思いたくなるわけでありあますけれども、現状の給付内容を前提にして保険料が妥当なのかどうか、その根拠も含めてまず御説明いただきたいと思います。大蔵省お願いします。
○説明員(山本晃君) お答えいたします。 自賠責保険におきましては、いわゆるノーロス・ノープロフィットの原則にのっとりまして、保険料の合計と支払い保険金の合計が等しくなるように、収支均等と言っているわけでございますが、そういう収支均等になりますように保険料率というものを算出しているわけでございます。現在の保険料率が適正かどうかということをチェックするためには契約年度別という概念、いわゆる私どもポリシー・イヤー・ベースというふうに言っているわけでございますが、この手法が用いられているわけでございます。 やや技術的になりますので簡単に御説明をしたいと思いますが、これは例えば、ある年度に締結をされました自賠責保険契約に係ります保険料収入すべてをカウントいたしまして、それに伴いまして当該契約に基づいて支払う保険金もすべてその年度にカウントするという方法でございます。先ほど委員御指摘のリトンベーシスというのは、保険料は同じでございますが、支払い保険金が実際にその年度中に支払われた保険金ということに相なりますので、契約年度とは異なることになるわけでございます。例えば平成元年度について申し上げますと、元年度に契約した保険にかかわる収入はすべて入っているわけでございます。自賠責保険といいますのは車検とリンクをしておりまして、中には三年物の契約あるいは二年物の契約、一年物の契約というふうにあるわけでございますが、それが全部入っているわけでございます。 一方、支出の方につきましても、最長三年契約の分まで含んでおりますので、例えば元年度ベースで見ますと、平成二年の三月末に結んだ契約、仮にこれが三年物でございますと平成五年三月末までの事故をカバーするということに相なるわけでございます。また、交通事故の場合、事故が起こりまして責任関係がはっきりするまでかなり時間的な差も出てまいりますので、実際の支払いは相当長期になるということがございまして、通常は事故が起こりましてから七、八年ぐらいでほぼ全体が出てくるという状況でございますが、料率検証の上では七年で一度収支を締めるということにしているわけでございます。 いずれにいたしましても、こういった契約年度ベースによります推計といいますものは、事故率等の実績をベースにして行われているところであり、またこの検証結果というものは毎年公表をしてきているところでございます。 私どもといたしましては、今後とも自賠責保険の保険料の水準というものが適正に保たれるように、その点につきましては厳正に努めてまいりたいというふうに考えております。
○寺崎昭久君 保険料率がポリシー・イヤー・ベースで決められるというのは理解できるところであります。しかしながら、このポリシー・イヤー・ベースで将来を推計するといってもそれには実態が伴なっていないんだと思います。ポリシー・イヤー・ベースというのは過去の実績を見る場合には妥当な数字だと思いますけれども、これをもとにして保険料率を決めるというのにはやや疑問が私は残るわけであります。 何よりも、自賠責保険料率というのは、今ちょっと事故率等を勘案してということをおっしゃいましたけれども、ユーザーの方から見ればどういう基準で何を要素にしてどのように計算をしたのかというのが全く見えない。そういうところからも高いんじゃないかという声が出ると思うんですけれども、考え方と基準等について若干お話しいただければと思います。
○説明員(山本晃君) 事故の予測、保険料率を算定する場合の予測の手法ということに相なろうかと思いますが、まず、当然のことながら保険金の支払い額がどのくらいになるかということを推計するわけでございますので、事故件数掛けることの単価ということで総額が出てくるわけでございます。 まず事故件数につきましては、前年度までに発生しました事故というものを実際の保険金の支払いの実績をベースにいたしまして、若干の推計は加えておりますが、それによりまして前年度までの事故率というものを出すわけでございます。そして当該年度につきましては、前年度までの事故率をベースにいたしましして予測するということにしておりますが、次年度以降ということになりますと、恣意性を排除するという意味も込めまして、また今後の交通事故の動向ということが不透明であるというために事故率を横ばいにして指定しているわけでございます。 今の事故件数というのは実際に発生した事故年度ごとの事故でございますので、これを契約年度の方に転換するわけでございますが、これにつきましては、原則、過去二年間の実績に基づいて配分をして契約年度ごとの事故件数を出すということをやっているわけでございます。 単価につきましても、平均支払い保険金単価というものは過去の実績が出ているわけでございます。将来につきましては、過去のトレンドというものを織り込んで予測いたしまして各支払い年度の単価を出し、そしてこれを同じように契約年度に転換する。この手法は全く事故件数と同じ手法で行っているわけでございます。実際には、過去の契約年度分については、推計部分のウエートが小さくなります。契約年度で申しますと五契約年度前、例えば平成元年度の検証の場合でいいますと、五十九契約年度より以前というものは実績の支払い額に置きかえているわけでございます。したがいまして、平成元年度の検証で申し上げますと、六十年度以降は若干推計の部分が多くなってきて、委員御指摘のとおり、近づけば近づくほど推計の部分というものは多くなるということは事実でございますけれども、過去においてもいろいろと実際の交通事故の発生率とかそういったもので予測をした場合がございますが、実際問題としてかなり実績と食い違いがあるということもございまして現在の手法に変えているわけでございます。 保険というのは技術的にやや難しい点があるためになかなか契約者の御理解を得られにくいという問題があるわけでございますが、私どもといたしましても、可能な限りわかりやすい形で検証を行うよう今後とも努力してまいりたいというふうに考えております。
○寺崎昭久君 算定の手法というのは、今お話もございましたように、推定だとかあるいは判断とかそういうものも含めてやや技術的な細部にわたるものでありますので、また別の機会にじっくり聞かせていただくとして、その保険料が妥当かどうかということをユーザーに納得してもらうためにもう一つ大事なのは、どういう考え方とかどういう算定方法でこれを決めましたということ、つまり情報を公開するとういうことではないかと思うんです。情報が公開されているという状態であれば、詳しく読む人、読まない人、見る人、見ない人がいるかもしれませんけれども、それなりの納得する手だてはあるという、そういう意味での納得は出てくるんだろうと思うんです。 この四月六日に日米構造協議において発表された日本側の中間報告というのがありますけれども、この中に「政府慣行」という項がありまして、審議会について幾つかの提言というか確認を行っております。既に御存じのことかと思いますけれども、「政府が主催する「産業界に関連する審議会や研究会」の成果は、一般に公表すること。「審議会等」の構成については、議事内容が消費者利益に関連する場合には消費者利益を効果的に反映する者をメンバーとすること。「審議会等」の審議内容が反競争的でないこと。」というようなことが確認されております。 今私が公開をと言ったのはこういうことを申し上げているわけでありまして、アメリカに約束をする前にまず国内で審議内容だとか算定の基準であるとか、そういったものは公開していただきたいと思うんですが、この場でぜひ明快な回答をいただきたいと思います。
○説明員(山本晃君) 委員御指摘のとおり、日米構造協議の中間報告におきましても、政府が主催する審議会等の成果は一般に公表するというふうにされておるところでございますが、自賠責審議会におきましては従前からすべての答申を公表してきております。また、毎年行われております定例会での審議内容についても公表してきているわけでございます。 今後とも、御指摘の趣旨というものを踏まえまして、自賠責審議会の審議の成果につきましては積極的に公表してまいりたいというふうに考えております。
○寺崎昭久君 審議内容について公表されているというのは私も部分的には承知しております。なお注文をつけたい部分があるわけでありますけれども、今前向きに公表されるというお話でありますので、それに期待しながら次の問題に移りたいと思います。 自賠責審議会の構成についてお伺いしたいわけでありますが、自賠法の第三十四条に、十三名の委員を選ぶこと、その内訳も細かく規定されているわけでありますが、なぜかユーザー代表というか被保険者代表がこの審議会のメンバーになっていないわけです。今申し上げました日米構造協議の中間報告の中でもユーザー代表を入れなさい、利益者代表を入れなさいと書いてあるんですが、これは早急に改めていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○説明員(山本晃君) 委員御指摘のとおり、自賠責保険審議会の委員は、自賠法の三十五条の第一項及び第二項によりまして、関係行政機関の職員あるいは学識経験のある者、また自動車運送に関し深い知識及び経験を有する者、保険事業に関し深い知識及び経験を有する者ということで、合計十三人ということが定められているわけでございます。 なお、この自賠法第三十九条に基づきます自動車損害賠償責任保険審議会規則というものがございます。この第一条によりまして臨時委員というものを置くことができるというふうにされておりまして、現在ユーザー代表として日本自動車連盟の、個人名を出して恐縮でございますが、犬丸さんという専務理事の方が臨時委員となっているわけでございます。また学識経験者という形で四名の方が委員になっているところでもございます。こういった学識経験のある方の中には団体とかそういうようなあれはございませんが、実質的にはユーザー代表の立場で実際にも自賠責審議会の場でも私どもいろんな指摘を受けておるところでございます。
○寺崎昭久君 今の御説明からも、私はまだユーザー代表が入っていないんじゃないかと思わざるを得ないわけであります。 確かに自動車連盟の代表とかそういう方が一部入っていることは承知しております。しかしながら十三名の正規メンバーの中には入っていないわけでありまして、学識経験がなければ自動車が運転できないとか、保険料が払えないというわけではないのでありますから、この十三名自体も見直す必要があるし、構成についても早急に見直す必要があるんじゃないか。少なくとも政府、業界、ユーザーそれから学識経験者、一対一対一対一の比率ぐらいで構成することが望ましいんじゃないか、そのように考えているような次第ですが、この審議会の委員の構成を見直すつもりがあるのかどうか聞かせていただきたいと思います。
○説明員(山本晃君) 自賠責保険審議会の構成については、現行法上先ほど御説明したような内容になっておるわけでございます。ただ、他方で審議会等の構成については、「消費者利益を効果的に反映する者をメンバーとすること。」というような日米構造協議の中間報告でもございますので、また先生御指摘の趣旨等も総合勘案をしながら慎重に私どもとしては検討してまいりたいというふうに考えております。
○寺崎昭久君 ぜひ今の方向でお願いしたいと思います。 なお、自賠責審議会の現状の構成についても一言申し上げたいんですが、この十三名のメンバーの中には、「保険事業に関し深い知識及び経験を有する者」という中にいわゆる自算会の代表が入っているように思うんですが、保険料を計算する団体が委員として入るというのはどうも奇異な感じがいたします。ちょうど法案を提出した政府の政府委員あるいは大臣が審議や採決に参加するのと同じ意味だろうと思いますし、先ほどのお話にありましたように、この部分というのはやっぱり改めて、必要であれば臨時委員とかそういう位置づけにするべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(山本晃君) 今自算会の話が出たわけでございますが、自算会と申しますのは、損害保険料率算出団体に関する法律に基づき設立されました第三者機関でございまして、料率の算定あるいは検証を担当しているわけでございます。 今委員からいろいろ御意見があったわけでございますが、私どもといたしましては、公正中立という観点からはやはり「保険事業に関し深い知識及び経験を有する者」という中に入るのではないかというふうに思っておるわけでございます。ただ、委員から今御指摘もあったわけでございますが、現行法を前提といたしますと、審議の公正さなり中立性というものは私は害してはいないのではないかというふうに考えておるところでございます。
○寺崎昭久君 自算会のメンバーを臨時委員ということにして、農協共済の代表を入れた方がむしろ保険事業に深い知識云々というところに該当するんじゃないかというように思うわけでありますけれども、何かお答えありますか。
○説明員(山本晃君) 委員御指摘の農協共済の関係でございますが、農協共済の関係の方が現在では臨時委員として入っておられます。
○寺崎昭久君 正規の委員と臨時委員というのがちょっと逆転しているように私思いますので、その点重ねて指摘しておきたいと思います。 次に、保険料の水準とあり方について若干の質問をいたします。 昭和六十年に自賠責保険料が全車種平均で二九%引き上げられました。これは損保会社扱いも農協共済もともに同じ料率に上げられたわけであります。この二九%の高率アップになったのは、損保会社扱いの損害率が反映されたものではないかというように推定されるわけであります。と申しますのは、農協共済の損害率というのは資料によりますとそれまでも常に一〇〇%以下であったわけです。ですから二九%もの高率引き上げをする必要はなかったんではないかというように考えられるわけであります。結局のところ、損保会社扱いも農協共済もともに引き上げられたわけだありますけれども、このことを考えてみますと二つの問題があるんじゃないかと思います。 一つは、もし、損害率の高いところに合わせて料率の引き上げが行われたとすれば、その時点で低い方、つまり農協共済というのは利益をもう約束されたという状態が生じるわけであります。したがってこのことから二つの問題が出てくるというんですが、農水省は自賠責の第二十五条にあるノーロス・ノープロフィットの原則に反した決定を行ったと言えるんじゃないか、少なくともその疑いのある決定を行っていないかということが第一点。 それから第二点は、保険金の運用に関する事業体、今は三つになっているわけでありますが、その三つというのはそれぞれ資金の運用方法だとかあるいは日常の管理方法には違いがあるわけであります。それでなおかつ同一料金を設定するということになりますと、予定利潤の発生ということとノーロス・ノープロフィットの原則との間にはこれから先も矛盾がつきまとうんではないか、そのように思うわけであります。 それで具体的な質問をさせていただきますが、昭和六十年の保険料率改定のときに農水省は、農協共済について、あらかじめ利潤が見込める水準でいわゆる横並び保険料を決定したと私は認識しているんですが、実際にはどうなのか。私の認識は間違っているのかどうか、その辺を御説明いただきたいと思います。農水省お願いします。
○説明員(岩村信君) 今お話にありました農協が行っている共済の部分でございますけれども、これについてはいろいろ経緯もありまして、制度発足当時からというわけではなくて昭和四十年代から新たに制度に入っているとか、料率の問題ですと、地域が農村部に偏っているとか、それから田舎といいますか農協の組合員が大部分でございますから、そういう方の所有する車が都市部の乗用車などと違って軽自動車であるとか原付のもの、そういうことに偏っているとか、そういうことからいろいろな差が出てくる。損害率といいますか、現実に差があるということは事実としてはあろうかと思います。ただ、料率の定め方といいますか、掛金は、我々としては、審議会のいろいろな御意見だとか、それから実際はこれは共済規程で決めるわけですけれども、それについては関係省庁の同意を求めるといいますか、協議をするという損害賠償保障法の規定があるわけでございまして、そういうものをそういう法律に基づく手続にのっとって定めているわけで、現実には個々にはいろいろあろうかと思いますけれども、我々としてはそういうことを総合的に勘案した上で適正な水準に定まっているもの、こういうふうに現時点では理解しております。
○寺崎昭久君 適正な基準におさまっているものとおっしゃいますけれども、例えば全国共済農業協同組合連合会の資料によりましても、損害率というのはたしか六十三年度のポリシー・イヤー・ベースでも七〇%の水準にあると思います。言ってみれば取り過ぎだと思うんです。でもこの取り過ぎというのは同一料金にしたために発生した取り過ぎであるわけです。この取り過ぎについては法律違反とも言えるわけですけれども、このまま放置するんでしょうか。
○説明員(岩村信君) 繰り返しになりますけれども、取り過ぎかどうかといいますか、掛金については先ほど申し上げたような手続で定めているわけで、そういうことから算定された掛金率とそれから実際の掛金率というのですか、そういうものの差が出た場合にこれを今後どう処理するかという問題ではないかと思うんです。 我々はこの点について、過去にもそういうケースがあるわけで、そういうものについては、被害者救済というような自動車損害賠償保障法の目的に合った形で還元というようなことを過去にも行っておりますし、今回改めて料率を改定しているわけで、そういうこともいろいろ勘案しながら関係省とも十分相談をしながら今後のあり方ということについては考えていきたい、こういうふうに思っております。
○寺崎昭久君 どうも自賠責法二十五条に基づいたお答えはいただけないようでありますけれども、今後の問題も含めてどうするのか考えなければいけない問題であろうと思います。 これは基本的な考え方ということで、できましたら運輸大臣にお伺いしたいんですけれども、保険料率というのは同一であるべきだと考えているのか、あるいは事業体の運営によっては変えてもいい、つまり保険料率の自由化を考えてもいいのか、将来の問題になるかもしれませんが、お考えをお聞かせいただければありがたいのですけれども。
○説明員(山本晃君) 自賠責保険及び自賠責共済と申しますものは、自動車事故による被害者の保護ということを目的としておりまして、その加入というものが強制をされているわけでございます。そういう性格にかんがみまして、昭和四十四年の自賠責答申でも指摘されておりますように、責任保険、責任共済というものを通じて同一の料率であることが望ましいというふうに考えられておりまして、したがいまして、両者の間で異なった料率を適用するということは私どもとしては適当ではないのではないかなというふうに考えておるわけでございます。 なお、自賠責制度は自賠責保険がいずれにいたしましてもその大宗を占めているわけでございます。平成元年度の保険料と農協の方の共済掛金の割合というものは保険料の方が九三、そして共済掛金が七%でございます。そのように大宗を占めていることから、自賠責保険の検証で料率水準というものを検証しているわけでございます。 先ほど保険料の自由化云々ということが出たわけでございますが、一般的な生命保険なり損害保険につきましては恐らく自由化というような方向にあるいは今後進んでいくということはあるのかしれませんが、自賠責保険というものの性格上制保険であり、極めて社会性、公共性が強いというものにつきましてはいわば自動車を持っている者の一種の税金的なものでもあるということから申し上げますと、やはり料率は同一で、しかしこの同一という意味は可能な限り低廉ということも同時にあるわけでございますが、そういった同一料率ということがいいのではないのかなというふうに考えておるところでございます。
○寺崎昭久君 同一は好ましいかもしれませんけれども、それに固執している限り二十五条の問題は解決しないわけでありまして、私は今のお答えで満足しているわけではありませんが、次へ進みたいと思っております。 運輸省の「自動車損害賠償保障制度の概要」という資料によりますと、自賠責特会の運用益の一部を活用して自動車事故対策事業を行っている、そういう報告がされているわけでありますが、運用益をこうした事業に使う法的根拠というのはどこにあるんでしょうか。
○政府委員(早川章君) 運用益を事故対策センターに入れていくということでございますが、自動車損害賠償責任再保険特別会計法というのがございます。その特別会計法の第四条第一項をごらんいただきますと、再保険金等のほかに事故対センターに対します出資金、貸付金及び補助金を保険勘定の歳出とする、こういうふうに規定されているところでございます。
○寺崎昭久君 私は、保障法の趣旨、目的というのは、第一条に書かれておりますように、自動車の運行によって命が奪われたり体が傷ついたりというときに使うのがこの保障法の保険の目的だと思うんです。だとすると、運用益が生じた場合にはその分で料率を引き下げるとか、あるいは給付内容を充実させるということが妥当ではないかと思うんですけれども、御見解を伺います。
○政府委員(早川章君) 現実に事故対センター等に充てておりますお金は、いわば滞留資金の運用益という形のものの一部を充当いたしておるわけでございますが、この運用益をどう使うかということにつきましては、言ってみますと交通事故防止とかあるいは救急医療体制を整備して、失わなくてもいい命が失われることのないようにするとかそういう形で、事故防止あるいは被害防止という形を通じまして実際には保険料とかそういう形にはね返る。逆に言いますと、それだけ支出の方が少なくなるというふうな政策に用いていくことが妥当ではないかということでございます。 実はごく最近時点では、昭和五十九年の自動車損害賠償責任保険審議会の答申等にも、滞留資金の運用益につきましては、「将来の収支改善のための財源として留保しておくことを考慮するとともに、交通事故防止対策、」その他幾つか書いてございますが、そういったものの「増進等に資する施策に効果的に活用することが適当である。」と言われてきているんだというふうに理解いたしております。
○寺崎昭久君 私その審議会の答申は拝見しておりませんけれども、この法律に定められておりますように、損害賠償を保障する制度を確立するというのが法の趣旨であるわけです。少しこの運用益の使い方については拡大解釈をされているんではないでしょうか。
○政府委員(早川章君) これも先生御承知のとおりかと思いますが、当初この法律が制定された当時にこの運用益の問題が出てきているということではないようでございます。しかしながら、現実に滞留資金の運用益等が生じた場合に、そういうものをより実際の被害額あるいは被害者が少なくなることによって間接的、あるいははね返りとなるかもしれませんが、自動車損害賠償というものの仕組みがより効果的に働く、あるいは有効である、あるいは保険金の減につながるというような効果をもたらすものに運用していくという精神で、例えば特別会計法も、法律上も明確にその収入あるいはその歳出にこれを充てることができるという形になっているんだと理解をいたしております。 その意味で、いわば自動車損害賠償保障法の精神と違った特別会計法ができている、こういうようなことではないと理解いたしております。
○寺崎昭久君 では具体的に使い方についてお伺いしますけれども、私がこれまで得た情報ですと、六十三年度の補助金というのはおよそ二十億ぐらい支出されているようであります。これは運用益から事業に対しての支出でありますが、二十億円ぐらいあったようであります。これは農協共済であるかあるいは損保会社扱いであるか、それによっても中身が違うと伺っておりますけれども、この使途の中にはパトカーだとか白バイだとか、あるいは消防車を寄贈したとか、そういう目的のために使われているように伺っておりますが、そういう事実があるのかどうか確認したいと思います。
○説明員(山本晃君) パトカー、白バイというお話が出ましたが、パトカー、白バイあるいは救急車、こういったものにつきましては保険会社の分の滞留資金の運用益から出ております。
○政府委員(早川章君) 私どもの方が所管しております言ってみますと再保険特別会計の関係で、事故対センターあるいは保障勘定から自動車事故対策費の補助金として出ておりますものにはその種のものは含まれておりません。
○寺崎昭久君 保険会社扱いであれどこであれ、ユーザーが保険金として払ったものがパトカーに化けるというのはおかしいと思うんです。こういうパトカーだとか白バイというのは一般会計で用意するべきものであって、極端なことを言いますと、自分の生命保険が道路をつくるのに使われていたのとよく似ていることだと思うんです。 こういう使途は早急に改めなければいかぬじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(山本晃君) 滞留資金の運用益につきましては、四十四年以前というものは活用されていなかったわけでございます。四十四年十月の自賠責保険審議会の答申によりまして、滞留資金の運用益については、今後は保険料負担の軽減に充てるほか、救急体制の整備等交通事故対策にも活用すべきであるというふうに提言をされているわけでございます。 直近では、先ほど御紹介がありましたが、五十九年十二月の答申におきましても「将来の収支改善のための財源として留保しておくことを考慮するとともに、交通事故防止対策、救急医療体制の整備、自動車事故被害者救済対策の充実並びに前記の医療費支払適正化及び後遺障害認定対策等の責任保険の収支改善や被害者保護の増進等に資する施策に効果的に活用することが適当である。」というふうに提言されているわけでございます。この趣旨に沿いまして、医療器具であるとか救急車等の救急医療体制の整備、あるいはパトカー、白バイ等の交通事故防止対策の充実、こういったことに有効に充てておるところでございます。
○委員長(中野鉄造君) 寺崎君、時間が参りましたので、そのつもりでお願いします。
○寺崎昭久君 きょうはいろいろお伺いするつもりで来たんですが、やり残したことがたくさんあります。ただ、一点言えることは、この自賠責保険の運用については、法律の趣旨を逸脱して、流用というと言い過ぎかもしれませんけれども、余りにも拡大解釈がなされているし、ユーザーの利益が損なわれていると思っております。この問題については今後も私しつこく追及していきますので、よろしくお願いします。 どうもありがとうございました。
○委員長(中野鉄造君) 以上をもちまして平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会