運輸委員会 第1号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1990/04/17
会議録
○委員長(中野鉄造君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、粟森喬君が委員を辞任され、その補欠として新坂一雄君が選任されました。 ─────────────
○委員長(中野鉄造君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、運輸事情等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中野鉄造君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。 運輸行政の基本施策に関し、運輸大臣から所信を聴取いたします。大野運輸大臣。
○国務大臣(大野明君) このたびの第二次海部内閣の発足に際し、運輸大臣を拝命いたしました大野明でございます。まことに浅学非才の者ではございますが、よろしくお願い申し上げます。 運輸は国民生活と密着しており、豊かで活力のある社会を築き上げていくために期待される役割はまことに大きなものがあると考えております。 運輸行政の基本であります安全の確保に万全を期しつつ、運輸をめぐる多くの課題に積極的に取り組み、問題の解決に最大限の努力をいたす所存でありますので、本委員会の先生方の絶大なる御支援と御指導をお願い申し上げ、まずは就任のごあいさつといたします。 第百十八回国会に臨み、当面の運輸行政の諸問題に関し、所信を述べ、各位の御理解を賜りたいと思います。 一九九〇年代を迎え、世界の政治、経済、社会が従来の枠組みを超えて激しく変化する中で、我が国においては、昭和六十一年末以来長期にわたって内需主導型の景気拡大が続いております。 交通運輸に関しましても、内需の好調を反映し、国内輸送量が旅客、貨物とも近年順調に増加し、また、国際旅客においても出国日本人や訪日外国人の数が史上最高を記録し、国際貨物も輸入の伸びが目立つなど、輸送量は好調に推移しております。しかし、一方で交通分野における社会資本整備の必要性が高まるとともに、物流の分野を中心とする労働力不足、交通事故の増加などの諸問題も顕在化しております。 このような問題を克服し、豊かさを実感できる国民生活を実現するために、交通運輸に課せられた使命はまことに重大であります。私は、このような運輸の使命の重要性を認識し、新しい時代に対応した運輸行政の展開に全力を挙げて取り組んでまいる決意であります。 また、運輸行政の展開には長期ビジョンが不可欠でありますので、現在、運輸政策審議会に、二十 一世紀を展望した九〇年代の交通政策について精力的な御審議をお願いしているところであります。 以上申し上げました基本的考え方にのっとり、当面する諸問題につきましては、次のとおり所要の施策を推進してまいる所存であります。 まず第一に、交通網の整備等を通じた均衡のとれた国土づくりであります。 多極分散型国土を形成するためには、鉄道、港湾、空港等の社会資本の充実に努め、幹線交通体系の整備を進める必要があります。 鉄道につきましては、整備新幹線に関し、財源の確保に努めつつ、北陸新幹線高崎—軽井沢間の建設を着実に推進するとともに、他の区間につきましても難工事推進事業、建設推進準備事業を実施してまいります。また、在来線の高速化等幹線鉄道の活性化を進めていくこととしております。さらに、二十一世紀における高速交通機関として期待される超電導磁気浮上方式鉄道につきましては、山梨新実験線の建設に着手し、実用化に向けた技術開発を推進してまいります。 港湾につきましては、輸入の急増等に対応するため、外貿コンテナターミナル等の施設整備を推進するとともに、港湾貨物流通システムの整備を進めてまいります。 空港につきましては、引き続き、新東京国際空港の整備、東京国際空港の沖合展開及び関西国際空港の整備の三大空港プロジェクト並びに一般空港の整備を推進してまいります。特に、新東京国際空港につきましては、混雑が限界に達し、また諸外国からは増便を強く要請されており、早期完全空港化が急務となっております。このため、用地問題について農家との話し合いを進めるとともに、妨害勢力には毅然とした対応をし、平成二年度末の概成を目指して全力を尽くしてまいる所存であります。また、国際航空貨物の増大に対応し、貨物取り扱い施設等の整備を推進するほか、地方空港の活用も検討してまいります。 なお、港湾、海岸、空港整備の各五カ年計画については、今年度が現計画の最終年度となるため、次期計画の策定に向け作業を進めてまいります。 さらに、高速道路の整備の進展に伴い運行開始が相次いでいる高速バスにつきましても、路線網の拡充を初めサービスの向上を図ってまいります。 次に、活力に満ちた快適な地域づくりのため、地方公共団体と連携しつつ、長期的な展望に立った計画を踏まえ、地域交通体系の整備を進める必要があります。地方におきまして、中小民鉄、バス及び離島航路に対する助成等を行い住民の足を確保する一方、都市におきまして、地下鉄補助の充実等による鉄道の整備やバスの活性化を進めてまいります。特に、東京圏を初めとする大都市圏におきましては、地価の高騰や都市活動の二十四時間化に対応し、住宅適地の拡大に資する都市高速鉄道の整備や深夜輸送力の増強に努めてまいります。 以上のような交通体系の整備に加え、九〇年代観光振興行動計画に基づく総合的な観光振興や海洋性レクリエーションの振興を図るとともに、物流ネットワークシティ構想の具体化、民間活力を活用した港湾の再開発や沖合人工島の建設を進め、また、地方空港の国際化を促進するなど地域の創意工夫を生かした多様な施策を展開し、地域の振興を図ってまいります。 第二に、経済社会の変化に対応した運輸産業の基盤の強化と活性化であります。 まず、国鉄改革につきましては、JR各社が今後とも国民の期待する安全で快適な輸送サービスを提供できるよう経営基盤の強化を図るとともに、改革の趣旨に沿って、できる限り早期かつ効果的に株式を上場、売却してまいりたいと考えております。さらに、国鉄清算事業団用地の新たな方法による処分や事業団の帝都高速度交通営団に対する出資持ち分の処理等により、本格的な債務処理の早期実現を目指してまいる所存であります。 物流につきましては、昨年十二月に成立した貨物運送取扱事業法及び貨物自動車運送事業法につきまして、国会における附帯決議の趣旨を踏まえ、周知徹底を図るとともに関係政省令の制定等を行い、円滑な施行を図ってまいります。このほか、深刻化する労働力不足への緊急対策として、魅力ある職場づくりや広報活動の積極的展開等を推進するとともに、国際宅配便、トランクルーム等消費者ニーズに対応した物流サービスの健全な育成に努めてまいります。 外航海運業につきましては、長期不況からの回復が本格化の兆しを見せておりますが、なお経営基盤は脆弱なため、その強化と労使合意に基づく日本船への混乗を円滑に実施するための環境整備等を図ってまいります。 また、船員をめぐる労働環境の変化を踏まえ、日本人船員の外国船への配乗を促進するための法制整備等船員の雇用対策を推進してまいります。 さらに、同様に回復基調にあります造船業につきましても、引き続き経営の安定化、活性化を図るための施策を推進してまいります。 航空につきましては、今後とも企業間の適正な競争を促進し利用者サービスの向上を図っていく方針であります。国内航空運賃につきましては、割高な二十七路線の運賃の値下げ及び割引運賃の導入、拡充を行うとともに、国際航空運賃のいわゆる方向別格差につきましては、今後ともその是正に引き続き努力してまいりたいと考えております。また、国際航空につきましては、航空交渉により路線網の充実に努め、国内航空におきましては、コミューター航空の育成にも努力してまいります。 将来の運輸産業の発展のかぎとなる技術開発につきましては、超電導磁気浮上方式鉄道、新形式超高速船、運輸多目的衛星システム等の実用化を目指してまいりますほか、さらに、二十一世紀に向けての技術開発課題について検討を進めてまいります。 また、運輸産業の効率化、交通機関の安全性や利便性の向上を図る観点から、情報化を推進してまいります。 第三に、国際社会への貢献であります。 我が国は、国際社会において相互理解を深めつつ、より大きな責任と役割を果たすことが求められております。 国際観光は、国民各層が幅広く参加できる国際交流として極めて重要であります。このため、海外旅行倍増計画を推進してきたところでありますが、目標の旅行者数一千万人の達成を目前に控え、新たな振興方策を検討してまいります。また、外航客船旅行に関しましても、その振興に努めてまいります。 国際協力につきましては、鉄道、港湾、空港等開発途上国の発展の基盤となる輸送基盤の整備に対する協力や船員養成等運輸分野における人づくりに対する協力を推進するとともに、開発途上国における国際的な観光地の整備への総合的支援を進めていく所存であります。 さらに、現在、国際社会の直面する最重要課題の一つである地球温暖化、オゾン層の破壊等の地球的規模の環境問題に対応し、温室効果気体世界データセンターの気象庁への設置を初め、観測・監視・研究体制の充実強化を進めるほか、船舶からの大規模な油流出事故に対する国際的な防除体制の整備について検討するなど、総合的な地球環境保全施策を推進してまいる所存であります。 また、海上保安庁におきましては、国際条約に対応し、巡視船艇及び航空機による広域哨戒体制の整備や全世界的な海上における遭難・安全制度導入のための施設整備を促進するほか、プルトニウム海上輸送の護衛のための準備を進めてまいります。 第四に、安全で良好な生活環境の確保であります。 交通安全の確保は運輸サービスの基本であり、運輸行政の要諦でありますが、昨年末、政府として道路交通事故に関する非常事態宣言を出す事態となり、また基本動作の励行を怠ったこと等による鉄道事故も相次いで発生するなど、まことに憂 慮すべき状況にあります。このため、陸海空にわたり、運航管理体制の充実、交通安全施設の整備等を推進し、また交通にかかわるすべての人々の自覚と責任を促し、交通安全の確保に最善の努力をいたすとともに、交通事故被害者の救済にも努めてまいる所存であります。 次に、災害対策につきましては、一九九〇年代が国際防災の十年と定められたことにかんがみ、気象観測と予報、地震観測と予知及び火山観測等気象業務体制の充実や海上防災体制の充実に一層努めてまいります。また、安全で潤いのある海岸の整備を推進してまいります。 さらに大気汚染、騒音等の交通公害対策や海洋汚染対策、さらには廃棄物処理対策の推進にも努力してまいります。 このほか、運輸行政をめぐる課題は数多くありますが、私は、長期的展望に立ちつつ、各課題の解決に向けて積極果敢に取り組んでまいる所存であります。 以上、運輸行政の当面する諸問題につき述べましたが、これらは申すまでもなく委員各位の深い御理解を必要とする問題ばかりでございます。終わりに当たりまして、重ねて皆様の御支援をお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(中野鉄造君) 次に、平成二年度運輸省関係予算に関し、説明を聴取いたします。二階運輸政務次官。
○政府委員(二階俊博君) このたび運輸政務次官を拝命いたしました二階俊博でございます。微力でございますが、大野大臣を補佐して懸案事項の解決に全力を尽くしてまいりたいと存じます。運輸委員の先生方の一層の御指導を心からお願い申し上げます。 それでは、平成二年度の運輸省関係の予算につきまして、概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計につきまして申し上げますと、歳入予算総額は二十四億六千二百万円、歳出予算総額は、他省所管計上分一千百六十九億三千三百万円を含め九千三百一億四千三百万円をそれぞれ計上いたしております。 次に、特別会計につきまして申し上げます。 自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳入予算額二兆八千三百三十一億四千五百万円、歳出予算額六千四百八十一億六千百万円、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額四千百十五億八千百万円、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入予算額三百九十八億七千三百万円、歳出予算額三百六十九億三千三百万円、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額三千七百八十八億三千六百万円をそれぞれ計上いたしております。 なお、港湾整備特別会計及び空港整備特別会計の歳出予算には、日本電信電話株式会社の株式売り払い収入を活用した無利子貸付金の所要額を計上いたしております。 また、産業投資特別会計の歳出予算には、運輸省関係海岸事業及び新幹線鉄道整備事業に係るNTT株売り払い収入を活用した無利子貸付金の所要額が計上されております。 また、平成二年度財政投融資計画中には、当省関係の公団等分として二兆二千五十五億円が予定されております。 このほか、民間事業者が実施する民間事業者の能力の活用による施設整備事業の一部貸し付けに要する資金のNTT株売り払い収入を活用した日本開発銀行等からの無利子貸し付けによる運輸関係社会資本の整備を図ることといたしております。 運輸省といたしましては、以上の予算によりまして、国鉄改革の推進・定着化対策、空港、港湾、海岸、鉄道等運輸関係社会資本の整備、交通ネットワークの整備、海運、造船及び船員雇用対策、国際交流の推進、観光の振興、貨物流通対策、運輸関係の技術開発の推進、地球環境問題への対応、海上保安体制及び気象業務体制の充実強化、交通安全対策等、各般にわたる施策を推進してまいる所存であります。 運輸省関係予算の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。 以上をもちまして平成二年度の運輸省関係の予算につきましての説明を終わります。
○委員長(中野鉄造君) 以上で運輸行政の基本施策に関する運輸大臣の所信並びに平成二年度運輸省関係予算に関する説明の聴取は終わりました。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十一分散会