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118回国会衆議院1990/04/27

予算委員会第六分科会 第2号

発言数
59
登壇者
6
会派数
3
開催日
1990/04/27

会議録

石井一自由民主党

○石井主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。  平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算及び平成二年度政府関係機関予算中総理府所管経済企画庁について審査を進めます。  政府から説明を聴取いたします。相沢経済企画庁長官。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 平成二年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、四百三億六千百万円余であります。  また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として、五千九百十億円を予定しております。  以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。  第一に、対外不均衡の是正と世界への積極的貢献のための政策推進に必要な経費として、三百三億五千五百万円余を計上しております。  この内訳の主なものは、海外経済協力基金交付金二百九十九億二千四百万円余であります。  海外経済協力基金につきましては、政府開発援助の第四次中期目標の着実な実施を図るため、事業規模として、七千八百億円を予定しております。この資金としては、前述の交付金のほか、一般会計からの出資金が二千五百五十五億円、資金運用部資金等からの借入金が五千九百十億円となっております。このうち、一般会計からの出資金は大蔵省に計上されております。  第二に、豊かさを実感できる国民生活の実現に向けて、内外価格差の縮小、労働時間の短縮、消費者の保護等に係る政策を推進するために必要な経費として、二十四億三百万円余を計上しております。  この内訳の主なものは、国民生活センターによる消費者情報の収集、提供など消費者保護施策の推進等に必要な経費二十二億七千三百万円余であります。  第三に、内需主導型成長と物価の安定の持続等のための政策推進に必要な経費として、十三億八千三百万円余を計上しております。  この内訳の主なものは、物価動向のきめ細かな調査、監視、消費者への情報提供など適時適切な物価対策の推進に要する経費十一億五千万円であります。  第四に、的確な経済政策の実施等のための調査、分析の充実と情報システムの高度化に必要な経費として、十一億九千六百万円余を計上しております。  以上、平成二年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。

石井一自由民主党

○石井主査 以上をもちまして経済企画庁についての説明は終わりました。     ─────────────

石井一自由民主党

○石井主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げます。質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 大臣、今読まれた内容はわかりましたが、経済企画庁が閣内において果たすべき役割は何だと思っておられますか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 経済企画庁の現下における一番大きな仕事といたしましては、私は何といっても国民生活の安定、消費者対策、物価対策、これが第一番だと思っております。  それから、特に日米構造協議におきまして、今後の公共投資の金額の確定等の課題を企画庁として負ったわけでありますけれども、今の為替安、債券安、株安というようないわゆるトリプル安の現象下におきまして、今後国民経済を安定的に、持続的に成長発展をさせることが特に必要であると思いますので、これらの点に関しまして、各省の施策に関しまして、企画庁として各種の所要の 行動をとっていくということが必要ではないかというふうに考えております。  なお、経済協力の面につきましては、特にODAの実施状況において、果たして現在行われているODAの事業が各国の本当のニーズに適応しているかどうかということについても問題がないわけではございません。やはりせっかくの貴重なお金でありますから、それが本当にこれからの開発途上国の今後に向けての発展に役に立つように使われるように特に慎重に、かつ細心に配慮しつつ積極的な対応を考えていかなければならない。突然の御質問でございまして、まとまりませんけれども、そのように考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 経済企画庁が各省庁にまたがってその目的を達成するためには、必要に応じては他省にも介入せざるを得ないという立場にあるのではないかと思うのですが、その点はどのように考えていますか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 経済企画庁という役所は、御案内のようにいわゆる業界行政を行うところでもございませんし、直接の地方支分部局を持っているところでもございませんし、いわゆる経済のかじ取り役としての、言うなれば総括的な機能を持っているわけでありますが、その具体化につきましては、ただいま沢田委員がおっしゃいましたように、各省行政にまたがる面が非常に多いわけでありまして、それらと密接な関連をとりつつ、かつ各省の協力を得て目的を達成するようにしなければその目的が果たされないわけでありますので、各省の行政に関しましても、おっしゃるように必要な場合においては意見も申し述べる、また十分な連絡をとって進めていかなければならない、このように考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 経済企画庁に予算委員会では何回ぐらい質問がありましたか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 回数は数えておりませんが、総括質問の間におきましては毎日数回質問がありました。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 閣内では言うならば、序席というものは別として、副総理的な役割を果たす、こういうことになるわけですね。ですから、ある意味においては各省庁にまたがって監督をするというか、意見を述べるということになれば、時には抑えるという役割もしなければならぬのではないかと思うのでありますが、在任期間は、花の命は短きで、余り長くないでかわっていっておりますが、何を抑えたことがあるか、あったらお答えいただきたい。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 いわゆる沢田委員のおっしゃるような意味における抑えるとか抑えないとかということについての意識はまだ乏しいのでありますけれども、在任二月というところでありまして、これからもひとつ積極的な意味においての行動をしていきたい、このように考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 言うならば、昔で言えば、副総理と言うと少しあれになりますから、大目付みたいなものだと思うのですね。例えば、今度のタクシー料金の値上げなどは、ちょっと待て、もう少しどうなるかわからぬ面もある、だから、そういうものは上げるのは消費者対策としてもちょっと待ってくれぬかというようなことは、やはり対応という点でするべきじゃないかという気もしないでもない。  では、上がった理由は、原因はどこにあったと経済企画庁の方では考えていますか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 まだ私の手元まで事務当局から具体的な相談があったのでございませんので、詳しい点は、必要があれば政府委員から答弁いたさせますが、基本的には労働力需給の逼迫と申しますか、特に聞いておりますところでは、やはりタクシーの運転手は給与面においてもなかなか恵まれていない、勤務も深夜にわたること等もあって厳しい、したがって、このところ非常になり手が少なくなっておりまして、東京のタクシーも一割近くも運転手がいないために実際上稼働していないというような状況もあると聞いております。また、労働条件についてもこれを改善する必要がありますので、そういう意味におきまして、六年余り据え置きになっておりましたタクシー料金を改定しなければならない、このような事情にあると聞いております。ただ、庶民の足でありますから、今問題になっておりますところの深夜料金の引き上げ、あるいは深夜料金の時間を十一時から十時に直すとかいろいろな点におきまして、私どもとしてもこれから慎重に検討しなければならないというように考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 大臣、一つは、今日の土地の高騰のような場合にも、金融の方の出し方を、例えば少しは待て、少し抑制せいという指令も出ていたんですから、こんなに上がっていたのでは国民生活が困るのだから、もう少し大蔵省抑えなければいかぬのじゃないかというぐらい、しかりつけるぐらいの気迫がないと、要すれば、経済白書などでいろいろ言われておりますね、これは泣き事になってしまってちっとも前向きでないのですね。要すれば、経済企画庁は来年を見、あるいは翌年度、その翌々年度を見、そしてみずからの信念に基づいてそれぞれの閣僚を説得してそれに協力させるという姿勢がないと、これは後追いじゃだめなんですね。経済企画庁は先を見て、では百六十円でこのまま安定させるつもりか、百五十九円でも為替相場はそのままいっていいという前提で考えているのか、それとも、いや、もっと百三十円ぐらいにはしなければならぬと意欲を燃やしながら対応しようとしているのか、簡単な一つの例示でありますけれども、大臣、この点はいかがですか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 今お引きになりました為替の相場等につきましてはなかなか答えにくい点がございますが、予算委員会でも、私は現在の為替相場は円安に過ぎるというふうに判断をしているということもたびたび答弁としても申し上げております。ただ、それが幾らが適当かということになりますと、これは申し上げることがなかなか難しいと思いますが、そういうような形で意見としては申し上げておるのでございます。  また、もう一つ、その前段、どういうことを御質問でございましたか——よろしゅうございますか。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 だから、結果的には、経済企画庁というものの役割は、先を見、先を見ながら閣内の調整に当たるということで、ただいま内外価格差にしましても、百六十円とすれば石油はどんどん上がっていくわけですから、備蓄が百五十日であったにしましても、五カ月たてば今度は新しい価格で、二十ドルなら二十ドルで買った石油が入ってくるということになって、それが国民生活に影響してくることは火を見るより明らかなんですね。要するに、輸入物品が上がってくれば、これは肉にしてもその他も皆そうなんでありますが、そういうことはもう当初から予定されて読むことができるわけですね。だから、そのためには、では石油備蓄が幾らであることが望ましいとか、あるいは今買っておくことが望ましいとか、要するにそういうものの対策を講ずるのが経済企画庁が先を見て対応するということじゃないかと思うのです。国民生活を守るといっても、例えばそういうような意味において先頭を打って物を考えていくという部署にある。それを有効に生かして各省庁をコントロールする。  あえてもう一つ言えば、この国会が始まる直前、公定歩合が上がるのがちょっと待ったがありましたね。あれはどういうわけでちょっと待ったになったのか。これは大蔵省なのか通産省なのか経済企画庁なのかわかりませんけれども、そういう時期が延びたという、そのときにはまだ大臣になってなかったからあるいはわからなかったかもしれないけれども、しかし、情勢としては、経済企画庁長官をやるかどうかわからなかったから見なかったということは、政治家としてはそれは理由にはなりませんな。だから、政治家としてはあのときにちょっと待ったはどういう理由であったのか、ひとつお答えいただけますか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 私、沢田委員がおっしゃるように当時まだ閣僚でございませんでしたし、新聞そ の他で承知している範囲を超えないのでありますが、前々回の公定歩合の引き上げ……(沢田分科員「一番最初の」と呼ぶ)最初のときですね。あれは、公定歩合の引き上げというのは日銀総裁の専管事項ということになっております。事実そういうことでありますが、その公定歩合の引き上げをするときには諸般の調整というものが当然あるわけでありまして、その辺のところが十分でなかったのではないかという想像をいたしております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 短い時間ですから簡単に答えてください。  じゃG7でもっと円高志向を、調ったとか話がついたとかあるいはそうなるだろうとかそんなような、報道関係で我々も知る以外にないのですが、あなたから見てあの報道と現実とが乖離した原因はどこにあると思いますか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 G7に限らず国際的なそういう会合における為替相場の問題の取り扱いに関しましては、これはもう委員御承知のように、具体的な数字を決めてどうこうするということにはなかなかならないものでありますから、ただ、各国協調して現在の為替相場についてのおよその考え方を歩調をそろえていくということでありまして、まあその後における多少の異同はございましたが、安定化の方向へ向かうことに役に立ったのではないかと思っています。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 経済企画庁の所管は非常に広いから、じゃ例えば、労働時間の短縮に学校が、文部省がよう言うことを聞かぬ。我々、大蔵でもこの労働時間短縮の土曜休日というのは小委員会もありまして、そのときには文部省も了解したのですね。その後実行が伴わない。例えばそういうものは、大臣としてはやはり閣議の中でもっと早くやらなくちゃいかぬじゃないか。しかし、それにはそれなりの備えがまた必要だと思うのですね。ただそれだけ言って済むものではないと思うのです。そういうようなことでも何か大臣は、この任期中にこれとこれだけはおれはやりたい、やはりそういう抱負があってしかるべきだと思いますが、その点は、何を今国民に、私の果たす役割はこれです、私はこれを命をかけてやります、こういうものはたくさんあると思いますが、せめてこれとこれだけはやりたい、そういう願望なりは持っておりませんか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 冒頭の御質問と同様になかなか即答できないのでありますが、最初に申し上げましたことと関連しますが、私は、一つはやはり国民生活の安定、これには消費者としての生活、物価問題等がございますけれども、やはり内外価格差ですね。内外価格差の是正ということはやはりどうしてもやらなくちゃならない。豊かさの実感できるところの国民生活といいますけれども、幾ら所得が高いということになっても物価が高ければそういう感じは持てませんから、ですから、この内外価格差の是正は非常に難しい問題でありますけれども、これには真剣に取り組んでいきたいということを就任早々のときに申し上げました。その他ございますけれども、特にこの点は私も積極的にやってまいりたいと考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 例えば、日銀の中立性というものは守られなかったなんということは、これもまたよくないことでありまして、その点は一般から見れば、これは少し政府の横やりが入ったんじゃないのか、行き過ぎじゃないか、こういう懸念もあったし、もし、あの情報が漏れるか漏れないかによって、株式市場等についてはそうすることによって大変にもうけた人もいるだろうし損をした人もいると思うのですね。ああいうことははたから見てもよくないし、国民の信頼をそぐということもあるし、日銀の総裁のだらしなさも目に余るものがありますけれども、それはそういうことで、もっと信念を持って対応してもらわなければ困る、こういうことだけ申し上げておきたいと思うのです。  それからもう一つは、今言った内外価格差だけじゃなくて、国民生活を守るというならばあらゆる分野における——今申し上げた石油の問題にしても電力の問題にしても、これらはもう当然近くそのしわ寄せが来ることは間違いないと思うくらいな接近感を持っているのですね。私も決算書なりその他とる立場にありませんからまだ見ておりませんけれども、恐らくこの決算段階が過ぎれば、要するに石油の今までの上がってきた価格によって相当影響が出てくると思うのですね。  それからもう一つは、もう時間が、大臣がおくれてきた部分と委員長が読んだ部分で延ばしてもいいとは書いてありますが、他の人にも迷惑がかかりますから、きちっと三十分で終わらせようと思っていますが、要するにそういう立場において大臣が果たすべき役割というものを、そのためにわざわざ経済企画庁来たのですから、もっと自分の地位を高め、自分の地位によって、国民生活はこの方向に行くのですからぜひひとつ国民の皆さんは協力してほしい、こういうやはり——ほかの各省は現場なんですよね。要すれば現場の監督みたいなものなんだ、各省の大臣は。経済企画庁はもっと上の参謀本部にいるのですから、やはり経済の見通しについて国民に安心を与える。確かに内外価格差、日本の食料費は高い、外国に比べて日本の食料費が、エンゲル係数は高い、こういうようなことは当然これはもう断固としてやらなければいかぬというならば、単に内外価格差だけではないのですね。それはほかの青果のものであろうと魚市場のものであろうとほかの輸入物品であろうと、あらゆる分野の物価に対して目をつけなくてはならぬということになると思うのです。ですからあとは、労働時間の短縮については、これはもう世界の非常な要求の最たるものですから、きょうの三〇一条適用が延ばされたからなんてのほほんとしているわけにいかないのですね。  もう最後になりますから、例えばアメリカのこの千二百億ドルの赤字を今年半分に減らそう、それでこれだけいろいろ出てくる。防衛費の肩がわりも含めていろいろ出てくる。その次の来年のときに恐らく半分ぐらいしか目的達成できないと私は見ています。だから、三百億か二百五十億ぐらいしか改善されないのじゃないか。そうなると、さらにまた次の日米構造協議が生まれる。第二次が生まれる。そうすると、その次は第三次が生まれる。千二百億ドルなくなるまでこれは続くと見なくてはならない。その場合の経済の指針について、簡単にとはなかなか言いにくいでしょうけれども、私はこう思うとすぱっと言って、経済の、景気の動向については、円安の問題も含めて日本がどういうふうに対応していくか、その方針だけ、あと三分ですから、三分の間に述べてもらって私の質問は終わりたいと思うのです。しかし、私が言った言の葉の中にあった労働時間であるとか消費者対策であるとか、これはもっと自信を持って、勇気を持って、経済企画庁がタクシー代一部延ばしたそうだ、こうマスコミを通じて国民に、いや経済企画庁というのは大したものだ、やはり国民生活を守ってくれる我々の味方だ、こういうふうに言われるようになっていただかなくてはならぬと思うのです。その決意のほどを聞いて、私は終わりたいと思います。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 なかなか現実は厳しい点がございまして、私どもが考えたことが思うようにいかない点が多いのは大変残念に思っておりますが、確かに、おっしゃいますように、企画庁として各種の調査等を行って、また経済白書のような形でレポートを出すということをもって終わりとしておったのでは、企画庁としての仕事は果たせないのではないかと思っておりますので、せっかく沢田委員から大変な激励をちょうだいして私どもありがたいと思っておりますので、これからもひとつそういうような気持ちを持って取り組んでまいりたい、このように考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 一分余りましたから、じゃ、例えば労働時間、輸入牛肉あるいは電力の値上げ、それからタクシーの値上げ、これからほかにも次々と出てくると思うのです。だから、そういうときにはひとつ蛮勇を振るって、腹を切る覚悟で海部総理に、これは絶対困るというふうに、どこかで 経済企画庁の意地を見せてもらうことをお約束願いたいと思うのであります。これは国民生活に絶対だめだなと思ったときは、私はやめてもこれは応じられません、少し時間を置くべきです、それぐらいの決意をひとつ御披瀝いただいて終わりたいと思います。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 大変に激励を賜って恐縮し、また私も大いにこれから積極的に企画庁としての仕事に取り組んでいかなければならない思いを深くするものでございます。ただ、お話の中で、このままでは例えば労働時間の短縮、千八百時間、なかなか容易なことではないと思うのであります、事実上。ですから、相当思い切った措置をしないことにはこの目的期間内の達成はできないというようなことも、余りこんなことを言ってはいけないのかもしれませんけれども、そういうふうに思います。ですから、そういった点でも、ひとつ、これは主管は労働省でございますけれども、豊かさの実現できる国民生活ということを旗印にして企画庁は長期計画をつくっておりますから、そういう観点からいきましても、積極的な取り組みをしてまいりたい、このように考えております。  それから、なお電力料金その他のことを言われましたが、確かに円安の影響ということを考えなければなりませんが、幸いにいたしまして、今このところ石油の価格が大変軟調でありますので、そういうことを考えますと円安と原油安とが相殺したような形になっているのじゃないか、その他の事情というものはまだ承知いたしておりませんけれども、早急に電力、ガス等の値上げが来るというふうには私は考えておりません。いずれにいたしましても、これからも委員のおっしゃるような気持ちで積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 終わります。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。  次に、中村巖君。

中村巖公明党・国民会議

○中村(巖)分科員 私どもは、今の政治の最大の課題というものは、これは生活をする者の立場に立った政治をいかに実現をするか、こういうことにある、こういうふうに考えておるところでございます。政府におきましても、今日本経済が発展をして、その結果として日本は大変に豊かになった、豊かになったことが実感をできる、そういう政治を実現をしなければならないのだ、こういうふうにおっしゃっておるところでございます。旧来の政治というものは、やはり生産あるいは産業というものを中心に据えた、こういう政治でありました。その陰にあってやはり生活者の利益というものが守られておらない、生活者が保護をされておらないという実態があったことは間違いがなかろうというふうに思っているところでございます。  生活者の利益を守るあるいは豊かさが実感をできる政治をやるということのためにはいろいろな施策というものが必要でありまして、例えば労働時間を短縮をするというようなことも、これは重要なことであるわけでありますけれども、それと並んでもう一つ重大なことは、生活者であるということはすなわち消費者であるという側面が大きいわけでありますから、その消費者の利益を守るということを、あるいは消費者の利益を増進をする、こういうことが大事であるというふうに思っております。この消費者の利益を守るという施策を実現をするためには、各省庁それなりに御努力をいただかなければならないわけでありますけれども、なかんずく経済企画庁というのはやはりそのために果たさなければならない役割が大きいだろうというふうに思っております。現在縦割り行政でありますから、消費者保護をするための特別の省庁というものがあるわけではございませんで、やはり経済企画庁がそういった中で消費者保護行政というものを行っていかなければならない、こういう役割を担うべきであるというふうに思っておるところでございます。  本日は、そういう観点に立って、消費者保護ということから二つの立法問題についてお尋ねをしてまいりたいというふうに思っております。  その第一は、まず個人信用情報に関する法的規制の問題でございます。ご承知のように個人の信用情報というものは、各企業におきまして、あるいは各企業が構成をしておりますところの信用情報機関、こういうものが収集をいたしておるところでございまして、こういったものに基づいて個人に対する消費上の信用供与というようなものがなされているわけであります。ところが、この個人信用情報の収集あるいはその利用ということについては、今日ではまだ法的規制というものがないわけでありまして、現在、日本にも銀行協会がやっておられる信用情報機関とかさまざまな信用情報機関があるというふうに私も認識しておりますし、また、これについて、昭和六十一年には大蔵省あるいは通産省におきまして通達というものがなされているということも承知をしておるわけでありますけれども、まず第一の質問として日本における個人信用情報機関の現状がどうなっているかということ、それについて法的規制というものはないということでありますけれども、通達を含めて、それらに対するどのような対応措置がとられているのか、それについて御説明をいただきたいと思います。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 事実関係につきましては、政府委員の方から御答弁をさせていただきます。  また、おっしゃるように、特に個人の信用情報に関する問題は多々ございまして、この点に関しまして、特にプライバシー保護のための法的措置を講ずることにつきましては、これは第十一次国民生活審議会の消費者政策部会の報告においても取り上げられておりまして、法的規制を講ずる方向で考慮をすべきであるという意見が述べられております。ただ、この法的規制につきましては、法律技術的にも検討すべき課題がなかなか多いので、今後国際的な動向等も見きわめまして、ひとつ慎重に検討をしていきたい、このように考えております。

末木凰太郎経済企画庁国民生活局長

○末木政府委員 基本的な取り組みの態度につきましては今長官からお答えしたところでございますけれども、事実関係、いわゆる個人信用情報機関の現状でございますが、これはいろいろあろうかと思いますが、一般に全国的な活動をしっかりやっているものとして認識されている機関は、主要なものは四つございます。  先生御承知かと思いますが、主として、信販系、物販系の業界の方々が設立しました株式会社信用情報センター、それからいわゆる貸金業を中心につくられました全国信用情報センター連合会、それから銀行系の個人信用情報センター、それから外資系の金融会社等が設立いたしましたセントラル・コミュニィケーション・ビューロー、主としてこの四つがございまして、それぞれ活動しているわけでございます。特に初めの三機関につきましては、最近三機関の間で情報交換を行う仕組みを採用しております。これらの機関の活動に対しましては、経済企画庁で六十年に研究会でいろいろな勉強をしたことがございますが、その成果等も参考にしていただいたと思います。  大蔵省と通産省からそれぞれ、金融系、物販系のこの機関に対しまして、業務の適正化について通達が出ております。大蔵省は六十一年の三月四日、通産省も同日付でございまして、時間もあれですから簡潔に申し上げますけれども、それぞれ信用情報機関に対しましては、基本的には、まず信用情報の適正な管理、秘密の保持に努めること、それから信用情報は常に正確なものでなければいけないので、変更があった場合の訂正、削除を迅速に行うこと、それから本人から私の情報がどういうふうに登録されているでしょうかというような照会があった場合に適切に迅速に対応すること等、それから、メンバーになっている会員企業に対しましては、その機関にこういう情報を登録しますよということをあらかじめお客さんから書面で同意をとっておくべきであること、もちろん秘密の保持に努めること、それから、その情報が登録される機関がどこにあって、どういうふう にアプローチすればいいかというようなことを教えてあげること等々を内容とした通達が出されております。時間の関係で簡単になりましたけれども、現状はそういうことでございます。

中村巖公明党・国民会議

○中村(巖)分科員 先般、政府の持っている情報に対しましては、いわゆるプライバシー保護法というような形で情報の管理について立法がなされたわけでございます。しかしながら、個人信用情報の分野につきましては、これが今お話し申し上げたとおりに何らの立法がなされておらないということでございまして、一面においてはこの問題は、プライバシーの保護をするという問題であると同時に、例えば他面におきましては、誤った情報が収集され蓄積をされているために、消費者そのものに対して不利益を及ぼすというこういう面もあるわけでありまして、これらの点についてやはり適切な対処が必要であろうというふうに思うわけでございます。  六十年四月に出されました経済企画庁の国民生活局関連の消費者信用適正化研究会の報告の中でもこういった立法の必要性というものが言われておりまして、そういう必要性に対処をするために、今御指摘の六十一年の大蔵省、通産省の通達ということにもなったんだと思いますけれども、その後、この報告がなされ、通達が出された後に、この問題について経済企画庁としてはどういうふうに取り組んでおるか。通達は出してしまったからもうそれでいいんだ、終わりなんだ、こういうことなのか、この報告書に見られるような立法化の方向へ向かって何らかの努力をしておる、こういうことなのか、その辺をお伺いをいたします。

末木凰太郎経済企画庁国民生活局長

○末木政府委員 その後、二つの方向で対応しております。  一つは、国民生活審議会の中に消費者政策部会というのがございまして、ここで先ほどの研究会で勉強した成果を踏まえましてさらなる検討をしていただきました。その結果は、先ほど長官もちょっと言及したところでございますが、六十三年の九月に報告をいただいておりまして、非常に大きくくくりますと研究会報告と同旨でございますけれども、若干幾つかの点については踏み込んだ勉強をしていただきました。私どもは、その報告を踏まえて、今事務的な勉強をさらに重ねているところでございます。  一言で申しますとその報告では、当面の措置としましては、先ほどの研究会の指摘のあるようなことを述べておられますが、さらに将来に向かっては、いわゆる名簿業者というのがございますが、専門的に消費者情報を集めてそれを売るという、これが本業だという業者、こういった者については、将来の方向でございますけれども、登録制とか届け出制のことを勉強せい、それから、一般的に個人情報の保護について、これは直ちにということはいろいろなお詰める点がありますけれども、法制化の方向で勉強を重ねるとともに、コンセンサスの確立を図る、こういう報告をいただいておりまして、法律的な勉強を引き続きその後しております。  第二の対応は、具体的な現実問題といたしまして、毎年消費者保護会議というのを総理の主催で開催いたしまして、消費者保護行政の重点項目について総ざらいをいたします。もちろん、事務的にはそれに先立っていろいろ各省と検討を重ねるわけでございます。そこで、ここ数年間、この問題につきましては関係省庁と常にその勉強を重ねまして、それから通達の実施状況等についてもヒアリングをいたしまして、そして消費者保護会議の席上では、その点をしっかりやっていく、政府としてもこの通達の実施を引き続き見守っていくということで、通産省、大蔵省、それからネットワークの関係で郵政省とも勉強が進んでいる状況でございます。

中村巖公明党・国民会議

○中村(巖)分科員 これが立法化をされるということになると、経済企画庁が中心になって推進をして立法化の作業をしなければならないというふうに思うのでございますが、その点はいかがでしょうかということと、やはりこの立法の必要性というものはだれしも認めているわけでございまして、民間におきましても、個人信用情報に関する立法の要綱のようなものが幾つか発表をされておる、こういうことでもあるわけでございます。その点で、立法化というものが必ずしも難しいものではない、西ドイツにおきましてもあるいはアメリカにおきましてもその種の立法がなされているわけでありますから、やろうとすればこれはやり得るものだというふうに思うわけでございますけれども、今日いまだ立法化に至らないというのは、これはどういうことでございましょうか。

末木凰太郎経済企画庁国民生活局長

○末木政府委員 先ほど申し上げましたように、法律技術的にもなお詰めるべき問題がありということでございまして、審議会の御議論では、先生方の御議論の中では、非常にこれは学問的でございますけれども、プライバシー権というのをどういうふうに構成するか、これは法律御専門の先生に釈迦に説法でございますけれども、必ずしもまだ定説がないようでございますし、そういう議論が一つありました。  それから、これは狭義の法律論がどうかというのはいろいろ議論の余地があるかと思います。技術的な問題かもしれませんけれども、具体的にどういう事項をどう保護するかという実務的な問題の方がむしろ現実的にはかなり詰めるべき点がございますのと、それから、あえて幾つか申し上げますと、情報機関に登録された事項の中ですべてが秘密ではないわけでございまして、その秘密の線をどこに引くかとか、そういういろいろな問題がございました。  いずれもしかし、おっしゃるように、決定的に難しい問題だとは私どもも思っておりません。むしろそういった点を勉強しつつ、現実の通達の実施の中でどういうトラブルが出てくるか、これを見て、抽象論はさておき、ここはどう考えたって問題であって、こういうふうに直すことについてコンセンサスがあるじゃないかというふうに積み重ねていくべきかと思いまして、余りに抽象論に偏ってしまって、それが終わらないと先へ進まないという考え方はとるべきではないと思っておりますので、現実に即して、事例に即して前向きに取り組んでまいりたいと思いますし、それからこれは、消費者保護ということでは私どもが、法案の提出がどうかというテクニカルの点をおきまして、リーダーシップといいますか、率先してやらなければならないことだと思いますし、それから、法律論でございますので、これは法務当局とも当然相談をしなければいけませんし、縦割り的には、先ほど来申し上げましたように、関係省庁それぞれやっている省庁がありますから、相談しなければいけないと思っております。

中村巖公明党・国民会議

○中村(巖)分科員 この点の最後に、大臣が近々にこれを立法をするという、こういう決意がおありなのかどうか、それをお伺いします。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 政府委員から答弁をいたしましたように、この問題につきましては、国民生活審議会の報告にもございますように、プライバシー保護のために法的措置を講ずる方向で考慮すべきである、こういう答申を踏まえまして、立法化についてさらに検討を進めてまいりたいと思いますが、所管の問題も含めて、さらに技術的な面で検討する面も多いので、その点をできるだけ速やかに検討を進めてまいりたい、このように考えております。

中村巖公明党・国民会議

○中村(巖)分科員 これはやはり先ほど来申し上げておるように重要でございますので、できるだけ早期に、経企庁の強力なイニシアチブで立法化をお進めをいただきたい、こういうふうに思っております。  次には、第二番目として、製造物責任法のことについてお伺いをいたしてまいりたいと思います。  製造物責任法というか立法については、これは私から改めて言うまでもないことでありまして、今日まで日本におきましても、この製造物責任法というものがないために、いろいろな事件が、裁判所の中におきましてもいろいろな法的なテクニックで解決をされているとか、それがないため に解決されないとか、いろいろな問題があるわけでございます。例えばカネミ油症の問題であるとか、あるいはまた公害関係の事件であるとか等々たくさんあるわけでありますけれども、この製造物責任法についても立法の必要性があるということは今さら云々ちょうちょうする必要がない、もう必要性については間違いないだろうというふうに思っておりまして、アメリカにおきましても各州でそれぞれの立法がなされておりますし、ヨーロッパにおきましても一九八五年にECの指令というものがありましてEC閣僚会議で、とにかくEC加盟国は製造物責任立法をすべきであるということで、その指令に従って、現実にも多くの国々においてこの種の立法がなされているというふうに思っております。ECに加盟してない諸国におきましてもこれらの立法がなされているというように聞いておりますけれども、この点についての経済企画庁の現状認識はどういうことでございましょう。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 この問題は消費者保護の目的のために大変重要な問題であるというように思っております。時間もありますので手短に申し上げますが、一昨年決定された経済運営五カ年計画の中におきましても、消費者政策の分野で「事業者責任として特に重要な安全性の確保及び被害救済についての自己責任の強化と、事業者の行動の自由の両立を図るため、総合的な消費者被害防止・救済の在り方を検討する。」ということが掲げられております。企画庁といたしましては、既に昭和六十一年度以降基礎的な調査を毎年進めておりまして、そして被害者の十分な救済を図るためにそういう基礎的な調査を進めると同時に、国民生活審議会等の場を通じまして製造物責任制度についての検討を進めているのであります。  御案内のように、民法七百九条に不法責任の規定がございますが、これは製造業者に故意または過失があったということ、それから製造者の行為とその損害との間の因果関係、いわゆる相当因果関係があったということ、しかもまた、その挙証責任が被害者にある、七百九条の不法行為はそういう立て方になっております。それの例外をなすところの規定になるわけでありますが、ただECの例を見ましても挙証責任の点などにつきまして必ずしも完全な、いわゆる無過失賠償責任の考え方に基づくところの立て方になっていない点もあるわけであります。私も実はけさ見たのでありますけれども、EC指令の中で「被害者は、損害、欠陥、及び欠陥と損害との間にある因果関係に関する立証責任を負う。」ですから因果関係においては立証責任は依然として被害者にある、こういう書き方になっているわけですね。それで、従来と違う点は、故意または過失にあったことの立証責任がないという点で違うようでありますけれども、そういうようなことで、これからも製造者責任を追及するに際しての技術的な法制的な問題もいろいろありますので、各種の調査も踏まえまして、また欧州、欧米各国の実施状況も踏まえて立法化についての検討を進めてまいりたい、このように考えております。  ただ、せっかくこのようなことで事業者の製造物責任を明らかにするという考え方のもとに行政が進められてきておりますので、私といたしましては、できるだけこれは前向きにひとつ取り組んでまいりたい、このように考えております。

中村巖公明党・国民会議

○中村(巖)分科員 それは製造物責任立法の中身の問題になればいろいろな問題があることは事実で、無過失責任というか原告責任、それを柱にして、そのほかに今大臣おっしゃられた因果関係の問題であるとか、あるいは開発危険の効果も認めるのかとか、あるいはまた責任限度額をどうするのかとか、第一次産品に対する問題をどうするのか、いろいろな問題があるわけでありますけれども、そういうことはともかくとして、このように世界の状況がこういった形で製造物責任立法をどんどんやってくるという状況の中では、やはり日本はそれをやらないということでは世界に取り残された状況になってしまうことは明らかでございます。  そこで、この立法に関しては行政の中でどこが所管をするのかという問題もありましょうしいろいろ問題もありましょうけれども、今勉強しているというお話もありましたけれども、どこまで政府の取り組みが進んでいるのかということをお聞かせをいただきたいと思います。

末木凰太郎経済企画庁国民生活局長

○末木政府委員 私ども、基本的にこの問題はもう何年も前向きに取り組んできておりまして、特にこの六十年代、六十一年以降は、毎年テーマを定めまして具体的な勉強をしてまいりました。  例えばごく最近は、損害賠償措置についての研究を専門機関にお願いをしてやってまいりました。仮にPL法ができまして訴訟があった、消費者が勝訴をしても企業から賠償を履行してもらえなければ、企業に履行能力がなければ絵にかいたもちになってしまうわけでありまして、したがいまして、一般的に担保措置としては損害賠償責任保険の制度が使われることが想定されるわけで、アメリカでもそこがまさに今問題になっているのは御承知のとおりでございます。アメリカのように保険パニックのようなことになっては困るわけです。そこで、いろいろな想定を置きまして、例えば日本の保険業界というのは、いろいろなタイプの立法はあるにしても、幅はあるにしても、この法律が仮にできたらばどういう条件でこれを引き受けるか、引き受ける用意があるか、引き受けることができるか、こういうかなり実際的な勉強をいたしまして、結論としては、幅のある回答ではございますけれども、業界としては受けて立てるだろう、これは業界としての結論ではありません、研究会でございますけれども、専門家はそういうふうな見通しを一応立てております。  そういうこととか、それからいま一つは規制法規との関係でございまして、臨調以来の考え方として、一方規制緩和が進んでいるものですから、裏腹に企業の自己責任の強化、貫徹ということになっておりますが、この規制の方は一体どういう考え方をすべきか、これも具体的に取り組まなければならない問題でございまして、こういった勉強がかなり進んできていると思います。  そして、たまたまアメリカは逆方向には向かっておりますけれども、我々はそれがあるからといってネガティブに取り組むということでは全くありません。これはもちろん参考として勉強しなければいけませんし、ヨーロッパも足並みをそろえているわけですから、そういう大勢は十分見きわめて取り組んでいるところでございます。

中村巖公明党・国民会議

○中村(巖)分科員 私もPLクライシスの問題については知らないわけではありませんけれども、しかしそれはやはりアメリカならアメリカなりの経済的あるいは社会的風土というものがあってそういう問題が起こっているわけでありまして、それがあるから日本でもって立法をちゅうちょしようという考え方は全く前向きでないというふうに思っております。  私どもの党といたしましては、政府が余りおやりにならないので議員立法でこの製造物責任法を国会に提出して御審議をいただこうか、こういう考え方に立ち至っているわけでありますけれども、政府サイドとして今、勉強は大変結構ですけれども、やはり早急に立法化の作業を進めるべきであるというふうに思っておりますけれども、政府のそういう今後の見通しというか、いつごろになったらどういうふうにできるのだということ、また、できないのだとすれば、早急にはできないのだと言うならば、何がそれを阻んでいるのかということについて最後にお聞かせをいただきたいと思います。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 確かに今までいろいろやっているようだけれども、一体どうなんだという御質問をちょうだいしたわけでありますけれども、欧州のECの国でも、一九八五年七月にEC指令によりまして、加盟各国は三年以内に製造物責任法を整備しろということを義務づけておりますが、まだ十二カ国中御案内のように六カ国しかできていないわけであります。それはもちろんいろいろな問題点が多いからだと思いますし、私もこの問題は、話を聞けば聞くほどいろいろと問題が多いと いうことを痛感せざるを得ないということであります。  ただ、確かにこれからの国民生活を考えた場合も、当然に製造業者の責任を明らかにすることは進めていかなければならないわけでありまして、いつまでにと言われますと、今の段階で確答は難しいのでありますけれども、できるだけ積極的にひとつ取り組んでまいりたい、このように考えております。

中村巖公明党・国民会議

○中村(巖)分科員 これを早くおやりにならないと、今の時点での日米経済構造協議の問題には、これは爼上に上っていないかもわかりませんけれども、やがては、アメリカにおいてはこれだけメーカーが大きな責任を負わせられている、ところが日本のメーカーはそういう責任を負っていないじゃないかということが問題にされてきて、日米間の摩擦の一つの原因にもまたなっていくのではないかということも危惧をされるわけであります。この点から考えても、早急な立法が望ましいということを申し上げて、私の質問を終わります。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて中村巖君の質疑は終了いたしました。  次に、冬柴鐵三君。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴分科員 公明党の冬柴でございます。  きょうは、一般消費者の保護に関する基本的な経済政策や計画の総合調整、あるいは消費者保護会議というところを所管される経済企画庁に対して、訪問販売に関する件をお尋ねをしたい。本来通産行政に絡む部分が多いとは思うのですけれども、お答えいただける範囲でちょうだいしたい、このように思います。  この訪問販売に関する法律というのは昭和五十一年に施行されまして、六十三年十一月に相当大幅な改正がされたと承知しているわけですけれども、六十三年改正法施行以降、警察庁の生活犯罪白書等で訪問販売等に関する犯罪被害、そういうものがどういうふうに推移しているのか、あわせて先物取引などの利殖商法、そういうものについての被害もどうなっているのか、そこら辺をお知らせいただきたいと思います。

末木凰太郎経済企画庁国民生活局長

○末木政府委員 警察庁からいただいたデータによりますと、利殖商法、警察庁の用語では資産形成関係の事犯ということになっておりますが、これはここ数年申し上げますと、六十二年の被害額が四百五十一億一千八百万円、六十三年が四百二十五億円、平成元年が三百七十八億六千万円、こういう数字になっております。  それから、これは相互の関係はちょっと明確ではありませんけれども、いわゆる無店舗販売でくくられるものは六十二年が三百十五億三千万円、六十三年が百三十三億円、平成元年が八十九億五千五百万円、こういう数字をいただいております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴分科員 今三年の流れをお聞きいたしますと、規模は四百数十億とか三百億を超える金額で非常に大きいのですけれども、逐年減少傾向にあるというのは非常に喜ばしいことですけれども、それはどういうところに原因があると分析していらっしゃるのですか。

末木凰太郎経済企画庁国民生活局長

○末木政府委員 いろいろな要因が重なると思いますし、私の気持ちとしては、特にこの訪問販売法については改正の効果が、それは定量的には難しいのですけれども、六十三年改正の効果もあったと私、考えたいと思いますが、なかなかデータで立証するのは難しいと思います。  それともう一つは、これも定量的に説明するのは難しいのですが、率直な話、警察庁はこういった消費者関係の事件について非常に力を入れて取り締まりをしていただいておりまして、これは統計になってしまうと難しいのですけれども、もっと短期に見ますと、非常にきつく取り締まりをしていただきますと、その後少なくともしばらくの間はかなり鳴りを潜めるということがございます。法制度の問題それから具体的な取り締まりの成果、それからあわせて、私ども、日常やっております消費者に対する情報提供、啓蒙等がございまして、これについてはかつて先生から余り大きくそれにおんぶするなという御指摘をいただいたことがございますけれども、それはそれとしまして、それなりの効果もあろうか、そういったいろいろな効果があらわれているのではないかと思っております。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 私は、周辺も含めましてこういう訪問販売による被害というのは実際に幾つも経験をしているわけなんであります。バブルスターだとか磁気マットとか、私なんかも磁気マットを買わされた被害者だと思うのですけれども、それから、何でも吸い上げてきれいにする電気掃除機とか。  例のバブルスターでございますか、糖尿病にも効く、肝臓にも効く、腎臓にも効く、水虫も治るというような広告のもとにいろいろのものが売られる。私は一番基本的には、そういうような商品に対する知識が欠けている点じゃないかと思うのですね。一体そんなバブルスターのような何でも効くというものは本当かしらと疑うのが当然だと思うのですけれども、やはりそんなものもあるのかしらという気もするのだと思うのですが、非常に高いものを買わされる。  でありますので、やはり取り締まりを強化するということもむろんやっていかなければなりませんが、次から次へといろいろなものを考えていくわけですね、専門にやっている人がいるわけですから。それにひっかからないように予防するためには、そういうものが出ましたならば、自由な取引との関係もあるでしょうけれども、皆さんひとつ注意しなさい、用心しなさいということをもう少し積極的にPRするということが何よりも必要じゃないかという気がいたしておるのであります。  それを一体だれがどこで判定してどういうふうにやるかということが問題になると思うのでありまして、バブルスターの点につきましても、通産省がこれを許可したとか厚生省が認定したとか言えば、それだけで信用する。ところが通産省や厚生省が許可したり認定したということは、例えばそれを使っても電気の面で危なくないとかマッサージの効果があるとかということに限られているわけなんですけれども、しかし広告はそう書いてない。消費者は宣伝を丸のみする。しかも危ないところは印刷物にしないで販売員の口コミでやる。手口も非常に巧妙になっているわけなのですね。ですから私は、そういうようなことがありましたらば、何省ということに限らず、結果的にこういう点で問題だということを一般庶民にできるだけ早い時期に広く知らせる努力をもっともっとすべきじゃないか、これは感じでありますけれども、申し上げたいと思うのであります。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴分科員 今は体験を交えて相当詳細にお話をいただきました。長官のお話の中から一番の問題点というのが浮き彫りにされたと思うのですね。問題は、商品というものもさることながら、売り方です。訪問販売というのは、くつろぎの場である家庭の中、居間というところが突然外部から闖入したセールスマン、セールスウーマンによって取引の場になってしまう。  実は私、昭和三十九年に大阪で弁護士を開業して今日まで二十数年たつわけですけれども、大阪は商売の都ですから、いろいろなことを考えて非常に熱心に商売をされる。ですけれども、中には人の弱みにつけ込んで商売をするというようなことも考える方がありまして、明治不動産事件というような大きな事件がありました。そして、それがつぶれて、残党といいますか、そういう人たちが四万に散って豊田商事の前身をなしたり、あるいは小口金融のサラ金というのは今全国普遍化しましたけれども、これも大阪が発祥の地だと聞いています。  そういうことで、私大阪で弁護士をしていますと、こういう、霊感商法も随分ありましたし、いろいろな事件を扱うわけですが、被害者のほとんどの方が御老人なのです。一人住まいで小銭を持っていらっしゃる。私がやらせていただいた事件も、ある大学の高名な教授の奥様ですけれども、御主人が亡くなって、相当広大な屋敷と退職 金等があって何不自由ないわけです。息子さんも地方の大学の先生をしておられるものですから、お一人で住んでおられた。そこへ訪問販売にこられまして、実にたわいのないものを九百万円以上買わされて、なお何百万円かの契約書に判を押して、それを息子さんが見つけられて私が担当させていただいたのです。相当な学問のある御婦人ですけれども、なんでこんなにだまされたのか。入ってこられて言葉巧みにやるわけですね。  私も北海道の山林原野事件というのをやりまして、いろいろ事情を聞きますと、マニュアルを見ましたけれども、入っていくとき、断られたらしまいですから、うまく中へ入ることから、全部マニュアルがあるわけです。名刺の出し方からパンフレットの説明の仕方から、そしてお仏壇が目につけば、失礼しますということで上がっていって黙って鈴をたたいて合掌するとか、それから台所にちょっと汚れたものがあればさっとそれをかいがいしく片づけてあげるとか、こんなことをやられたらみんな、一人住まいの老人にとっては涙の出るようなことをやられるわけです。そして、最初から商売したらいかぬとか、それがいつの間にか、実印を持って銀行まで一緒に行って預金を引き出して、たわいのないものを買う。  今、磁気マット、バブルスターとおっしゃいましたけれども、これは商品じゃないのです。ある場合は豊田商事のように金、金がだめならプラチナになりますし、確かに商品は五十三品目、十四役務、二権利、こういうふうに限定して指定されますけれども、今長官がおっしゃったように次から次へこれは入らないというものを考えて、問題は売り方なんですね。何もそういう高価な、一つ数百万円するつぼを買うという気持ちなんか全然ない人が、催眠術にかかったようにそれを買ってしまうわけですね。ですから私は売り方だと思うのですよ。  訪問販売法、今局長からの御説明で被害が減りつつあることは非常に喜ばしいし、この法律の効果だというふうにも思える部分がある、私もそれは否定しません。しかし、私は前にも指摘したのですけれども、訪問販売法が決定的に問題なのは、商品を指定して、この商品を売る場合はこの法律が適用される。それでは、その商品に指定されてないもの、例えば宝石とか貴石とかこういうものは今入っていないと思うのですけれども、そういうものをもしそういう形で売りに来られた場合、これはまた訪販法がどうなるんだろうということになりますし、次から次へ考えるわけですから、現在の商品を列挙して指定するというのはちょっと、今すぐでなくても……。まだ一年半ほどしか改正法が施行されてからたっていないわけですから。  それから、相当網羅的に指定されているということも確かに言い得ると思います。しかし、今私が言いましたように次から次へ考えて新しい商品なり役務を開発して、それを売りに来るというのが彼らの手口ですから、消費者保護会議等で根本的に、商品を指定するという考え方をやめにして、むしろ除外をする。例えば行商のお魚屋さんとか昔からの富山の薬売りさんとか、そんなものまで訪問販売に入れちゃうとちょっとどうかと思いますが、それを取り除くという作業は大変煩雑だとは思いますけれども、そういうふうにしないと禁圧できないのじゃないかな、僕はこういうふうに思うわけです。  その点について、昔からある議論ですからひとつお考えを聞かせていただきたいと思うのです。

末木凰太郎経済企画庁国民生活局長

○末木政府委員 おっしゃるとおり、長く議論してきた問題でございます。指定商品制を廃止すべきだという御意見があることは承知しておりますけれども、とりあえず六十三年改正では指定範囲の拡大ということをやったわけで、特に六十三年改正では日常生活の用に供するものの中から指定するという枠を外しまして、日常生活に使わないものも指定し得ることにして、その結果、金なんかも日常の生活に使うわけじゃないにしても指定できるようになって、かなり広範に今指定されております。その結果、国民生活センターあるいは全国の消費生活センターに寄せられた訪販関係の相談、苦情でも、ほとんどが指定商品でございまして、指定商品外である程度の件数があるものは限られてきております。新聞が典型でございます。  それから、そのほかで問題が残っておりますのは、物を買っているのか役務を買っているのかそれとも職業訓練を受けているのかという議論の余地のある、例えばあて名書き商法とか士商法とか、そういう分野について確かにもやもやしたものが残っておりまして、これは検討課題といえば検討課題で残っておりますが、一般の商品、役務についてはかなりカバーされたと見ておりますので、おっしゃる点は引き続き課題にはなっていると思いますけれども、当面はこの改正法の成果をもうちょっと見守ることがいいのではないかと思っております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴分科員 私もいましばらくこの改正法でやらざるを得ないだろうと思うのですけれども、しかしこれは常に考えてほしい一つの視点だと思うのですね。こういう訪問販売法を持っている先進国はほとんど、今局長が答弁されたのと反対に、私が言ったように商品を指定せずに、除外理由を設けるということになると、指定しませんから、どういうものでもかかるわけですね。その点は、ぜひ将来この問題を考えるときに常に考えていってほしいことだと思うのです。  それからもう一つはクーリングオフの問題ですけれども、これは、そういう形で購入意思というものをはっきりと形成していないときに判を押さされたというようなことが多いわけですね、もう催眠術にかかるわけですから。それを考慮期間約一週間の間に無条件に取り消せる、これはいい制度だと思うのですけれども、ただ、そういうものを、交渉を妨げられたり、幾ら言ってももういないとか、いろいろな形でしたいわゆる行為規制に違反したような行為があった場合、例えば行為規制としては訪問の目的を告げないとか不実のことを告げたとかあるいは消費者を威迫した、いろいろあります。重要な事項を告げないとか判断力の不足に便乗したとか虚偽の記載を慫慂したとかつきまとった云々というような、いろいろやってはならない行為がありますけれども、そういうものが認められた場合は、クーリングオフの期間が経過しても、もちろんつきまとったとかそういうことの立証責任はこちらにありますけれども、取り消し権を認める規定を置く必要があるんじゃないか。それで大分助かるのじゃないかな。これはいわば民法の実体規定をいわゆる行政法であるこういうところへ入れるのはどうかという考えもあるとは思うのですけれども、こういう被害者を救済する一つの根拠としてやはり非常に重要な視点だと思うのですけれども、その点はいかがですか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 政府委員からなお補足した答弁をさせていただきますが、私は前段の対象指定から除外という問題については、おっしゃる御趣旨はよくわかりますので、ひとつ当面は指定範囲の拡大ということで対処したいと思いますけれども、なおこれは検討させていただききたいと思っております。  それから後段につきましては、私は、クーリングオフの制度の改善という前に、クーリングオフというような制度があることを知らない人が国民の大部分じゃないかと思うのですね。私どもはこういう仕事の関係でそういうことを概要を今まで耳にいたしておるわけですけれども、やはり一般の人は知らないと思うのです。ですから、そういう制度があって、言うなればだまされたり何かしたときには契約の解除もできるのだということをもっともっと私は一般にPRする必要があるのじゃないかというふうに考えております。  なお、今委員最後におっしゃいましたことについては、政府委員から答弁させます。

末木凰太郎経済企画庁国民生活局長

○末木政府委員 おっしゃるような措置を、制度を取り入れますと、一つには消費者が不当な拘束から離脱することができるというメリットがあり、もう一つはそういった悪いことをする人に対する抑止力という機能があるわけでございます。 その二つの点については、おっしゃるとおりそういう効果が期待できると思います。  ただ、前回の改正でも議論がありながらこの点については法改正に取り入れられなかったのは、これは、御承知かと思いますけれども、現行法制のもとでも、民法九十条に違反するようなことをしていれば当然無効であるとか、あるいは詐欺、強迫の程度まで行っていれば九十六条で取り消しができるとかいう制度がありますので、それとの関係をもう少し詰める必要がある。法律論、これは法務省や何か、いろいろ議論いたしました。あるいは学者の御意見も聞きましたが、もうちょっとやはり詰めなければならないのかな。  そこで、こういった法律論はありますけれども、要は先生おっしゃることは、今の二つの点、悪い者を抑止する、それから消費者の救済を図るということでございますから、これはとりあえずは、まだ改正法も施行されて一年ちょっとでございますので、従来なかった禁止行為等の規定も追加されまして取り締まりもしやすくなっておりますし、まずは現行法でできるだけ最大限にこれを使ってみて、今おっしゃるような法律論については、これはもう前回の改正で終わりということではもちろんないわけで、いろいろな問題、まだ議論があったわけでございますから、勉強させていただきたいと思います。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴分科員 この法律は民法の領域じゃないと思うのですよ。民法の領域というのは、対等な人が完全に自由な意思のもとで締結した行為、こういうことなんですけれども、訪問販売というのは突如来られて、そして相手はプロですから、非常に言葉巧みにその商品のいいところとかそういうことを言われて、こちらはもう言われるままに動くような状況になってしまったところでの契約というのが問題になるわけです。  訪問販売というのは、アメリカでもどうも随分あるようですけれども、何か非常に日本の社会に適合したというか、随分たくさんの、何兆円という産業になっていますね。ですから非常にいい面はあると思います。買いに行かなくても持ってきてくれるわけですし、それから今まで磁気マットなんて知らなかった人が、これはいいのだということで、確かにこれはいいと思って使って本当に効果がある人もあると思います。いいのですけれども、中に豊田商事のように、金(きん)を渡す気持ちもなければ何もないのに、あたかもあるように装ってこれをやったという、それも大がかりだ。これが対等な関係じゃないという例証に、前も言いましたけれども、例の豊田商事事件というのは二万七千八百名の方が債権届けをしているわけですね。そしてその被害額が一千百億円です。空前の事件ですけれども、実に、そのうち六〇%以上が六十歳以上のお年寄りなんですね。そのほか、主婦とか障害者、いわゆる社会的に弱者と言われる方々を入れれば、実に八〇%の人がそうなんです。  この破産管財人をやられた中坊公平さんというのが今回日本弁護士連合会の会長になりまして、私も非常に親しくしている方ですけれども、こういう人から話を聞きますと、私も豊田商事の事件を担当させていただきましたけれども、これは指定商品に入っておりませんから、クーリングオフはありません。それから、私どもも何とかこれを逃れたいということで、もちろん民法の九十条あたりの意思の欠缺、瑕疵の規定等をいろいろ考えましても、これはなかなか適用できる事案じゃなくて非常に苦しいことなんですね。  そういうことを考えますと、私は取り消し権、行き過ぎた行為というものは、確かにこれも法に列挙されておりますから、そういう行為があれば、訪問販売という取引形態をとった部分、取引について告知すべきことを告知しなかったとか、もう非常につきまとったとか、いろいろな事情が立証できればその契約から解放される、そういう規定があれば非常に助かるなということを私は実感している一人でありますから、将来とも消費者会議等あるいは担当者会議でも結構ですけれども、常に議題にのせていただいて万遺漏のないようにしていただきたい。  これは今訪問販売だけしか挙げませんでしたけれども、ほかにも通信販売とか、それから役務の中で私が扱った事件ですけれども、まだ大学を出て就職したばかりの人に、今こういう勉強をすれば資格が取れて、そして講演に行けば大体五万円ぐらいの講師料がいただける、そういうものは我々の方であっせんができるというようなことを言葉巧みにして、申込者が判を押しますとどさっと教科書を送ってきて、それで数十万円の金を請求された、こういうことがあるわけでして、ですから商品や役務やそういうものを特定したり、あるいは民法があるから取り消し権はいいのだとか——弁護士のところに来るときにはもう全部クーリングオフの期間を過ぎているというのがほとんどです。ですから、この訪問販売に関する法律は、被害の状況とかあるいはどういう方々がどういう形でこういう被害に遭うに至ったのかということもきめ細かく常に経済企画庁あたりで調査をしていただきまして、ぜひ万遺漏のないようにしていただきたいと思いますけれども、その点についての御決意のほどをお聞かせください。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 確かに、物品だけではなくて役務の面、また各般にわたって訪問販売、通信販売等においてそういうような消費者サイドにとって大変に不利など申しますか、まずいことが起きていることは委員が御指摘のとおりでございまして、消費者行政をお預かりする立場からいいましても、ひとつ今後とも積極的に取り組んでまいりたいと思うのであります。  どうもこれは個人的な感想になりますけれども、世の中にそんなにうまい話が転がっていることはないので、そういうふうな話があったらばまずまゆにつばをつけてよく検討するとか考える気持ちが、私はやはり消費者としても必要なのじゃないかという気がするのであります。そういう意味におきましても、広い意味における消費者教育をさらに進めていかなければならないということを感じております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴分科員 もう一言だけ。  確かに消費者行政の中で教育、啓蒙は非常に大事なことですし、大臣もそういう点を非常に重視しておられるように思うのですけれども、前も指摘したのですが、案外被害にかかる御老人はそういうものについて、むしろ一番知ってほしい人がなかなか御存じじゃないという実態があることも含んでおいてほしいわけです。豊田商事の事件でも、永野会長が刺し殺されたというショッキングなテレビがありましたですね。あれが六十年の六月十八日だったのですけれども、わずかその前、六十年の三月、四月というのは国会でもすごく、この豊田商事の金商法は大変だということで大問題、連日新聞にも載っていたのですね。それで六十年三月が九十八億円、四月が九十四億円やられているのです。これが豊田商事の中ではビッグツーの売り上げの月なんですね。それを考えますと、あれだけ騒いでいる中でまだそれをやっていたのかという、そういう人がそれだけいられる。それはみんなお年寄りであり社会的な弱者であるということを考えると、余り教育とか啓蒙だけに重点を置くと間違うんじゃないか。そういう意味で私は、もう少し指定商品を考えるとか取り消し権を考えていただくというところにこれの解決の道があるように思われてならないわけであります。  以前もいたしましたけれども、ぜひこれは取り上げて前進をさせていただきたいとお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて冬柴鐵三君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして総理府所管経済企画庁についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  分科員各位の特段の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに 厚く御礼を申し上げます。  これにて散会いたします。     午前十時三十四分散会

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