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118回国会衆議院1990/04/26

予算委員会第六分科会 第1号

発言数
367
登壇者
42
会派数
4
開催日
1990/04/26

会議録

石井一自由民主党

○石井主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。  私が本分科会の主査を務めることになりましたので、よろしくお願い申し上げます。  本分科会は、総理府所管中経済企画庁並びに通商産業省所管について審査を行うことになっております。  なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。  平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算及び平成二年度政府関係機関予算中通商産業省所管について審査を進めます。  政府からの説明を聴取いたします。武藤通商産業大臣。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 平成二年度の通商産業省関係予算の予算委員会分科会における御審議に先立って一言ごあいさつを申し上げます。  現在、戦後の自由主義経済の発展を支えてきた世界経済システムは大きな転換期を迎えております。すなわち、ベルリンの壁の崩壊に象徴されるように東欧諸国は政治・経済両面において改革への大きなステップを踏み出しており、新たな東西関係のあり方が模索されているところであります。しかし、その一方で先進国間の対外不均衡が存在し、我が国の貿易黒字も依然として巨額に上っております。これを背景として欧米において我が国に対するいら立ちが高まるとともに、保護主義的な動きも見られております。  こうした中、自由貿易体制の維持・強化を目指すウルグアイ・ラウンドの進展やEC諸国、アジア太平洋地域などにおける地域協力の動きなど、二十一世紀へ向けた貿易秩序の新たな枠組み形成に向けての試みが見られます。  他方、我が国経済に目を転じますと、内需主導による景気は持続しているものの、為替・株式市場は不安定な動きを見せております。また、人口や諸機能の東京圏への集中が一層進み、国土の均衡ある発展が強く求められております。さらに、我が国の経済力に見合う生活のゆとりや心の豊さが国民に十分に実感されていないとの指摘も少なくありません。このような状況を踏まえ、私は、以下の諸点を中心に、通商産業政策の推進に向け、全力を尽くす所存であります。  第一は、先般中間報告が取りまとめられた日米構造問題協議に関する取り組みであります。第二は、対外不均衡の是正と国際調和型の経済構造・産業活動の実現であります。第三は、地球的規模での共存共栄を目指した国際的貢献の推進であります。第四は、地域の活性化と東京圏への一極集中の是正であります。第五は活力に満ちた中小企業の育成であります。第六は、ゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現であります。第七は、技術開発等によるニューフロンティアの開拓であります。第八は、中長期的観点に立った資源エネルギー政策の推進であります。  平成二年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画の作成に当たっては、このような基本的方向に沿って諸施策の実現を図ることとした次第であります。  この結果、一般会計は、七千二百六十三億四千二百万円を計上しております。特別会計につきましては、石炭並びに石油代替エネルギー対策特別会計四千七百二十二億六千八百万円、電源開発促進対策特別会計三千六百五十一億二千二百万円、特許特別会計五百八十二億三千二百万円等、当省所管の五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。  また、財政投融資計画につきましては、財投規模ベースで六兆七千六百二十五億円を計上しております。  通商産業省関係予算及び財政投融資計画の内容につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

石井一自由民主党

○石井主査 この際、お諮りいたします。  ただいま武藤通商産業大臣から申し出がありました通商産業省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石井一自由民主党

○石井主査 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     ─────────────   〔参照〕    平成二年度通商産業省関係予算及び財政投融資計画について  平成二年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画について御説明申し上げます。  まず、平成二年度における通商産業省の一般会計予定経費要求額は、七千二百六十三億四千二百万円でありまして、前年度当初予算額六千九百五十二億八千四百万円に対し、四・五%の増加となっております。  財政投融資計画は、財政規模ベースで六兆七千六百二十五億円でありまして、前年度当初計画額六兆三千六百三十億円に対し、六・三%の増加となっております。なお、この中には、産業投資特別会計からの出融資四百九十六億円が含まれております。  次に、重点事項別に、予算及び財政投融資計画の概要につき御説明申し上げます。  第一は、対外不均衡の是正と国際調和型の経済構造・産業活動の実現であります。  対外不均衡を背景として、欧米諸国において保護主義的動きの高まりがみられる中、我が国としては、自由貿易体制の維持・強化を図るとともに、豊かな国民生活と活力ある地域経済を実現するため、「輸入大国」への途を着実に歩むことが必要であります。  このため、経済国際化センターを通じた情報提供、対日輸出有望商品を発掘するための商品発掘専門家の派遣、中小流通業者の商品調達力を強化するための輸入開拓サンプル展の開催等を盛り込んだ総合的輸入促進対策に総額七十億七百万円を計上しております。  第二は、地球的規模での共存共栄を目指した国際的貢献の推進であります。  地球環境問題の解決や新たな貿易秩序の形成と開放的地域協力の推進、発展途上国の累積債務問題の解決、東欧諸国における政治・経済改革への支援等に向け、我が国は積極的な貢献を果たしていくことが必要であります。  地球環境問題への対応としては、地球環境に調和した新産業技術体系の構築を目指し、二酸化炭素固定化・有効利用技術、第三世代フロン開発等地球環境関連産業技術開発の総合的推進等を図るため、六十億七千百万円を計上しております。  また、いわゆるODAを対前年比九・六%増の二百八十一億九千八百万円計上しておりますほか、技術開発を通じた国際経済社会への貢献として、国際的にも広く活用し得る次世代高度生産技術に関する国際共同プログラムに新規に一億一千万円を、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムに十三億四千万円を、それぞれ計上しております。  第三は、地域の活性化と東京一極集中の是正であります。  国土の均衡ある発展を図り、内需主導型の経済成長を定着させるため、産業機能の地方分散を一層促進し、魅力ある地域拠点の形成を図るとともに、地域の活性化に向けた自主的な取組みを支援することが必要であります。  このため、産業再配置促進対策に一般会計、特別会計を合わせて四十六億円を計上するとともに、各地の産業起こしの芽を本格的事業化に結び付ける地域産業活性化推進事業に新規に十一億四千八百万円を計上しております。このほか、いわゆる「頭脳立地」施策推進のため、産業投資特別会計から十八億円の出資を予定しております。  また、地域の情報化を推進する観点から、地域社会情報システムの発展普及促進のため新規に七千三百万円を計上するとともに、情報処理振興事業協会の出資の活用等により地域におけるソフトウェア供給力の開発を図る地域産業情報高度化支援事業として、一般会計から六千百万円、産業投 資特別会計から十六億円の出資、さらに同特別会計社会資本整備勘定からの無利子融資の活用を予定しております。  このほか、民間能力活用特定施設緊急整備費補助として七億六千八百万円を計上し、民活プロジェクトを引き続き推進いたします。  工業用水道事業につきましては、百四億六千四百万円、他省庁計上分等を含めると百八十六億八千万円を計上しております。  第四は、活力に満ちた中小企業の育成であります。  中小企業の活力の発揮を通じて我が国経済の構造変革を推進するため、またこうした重要な中小企業が内外の経済環境変化に的確に対応し健全な発展を遂げられるよう、中小企業対策の総合的な推進が必要です。  このため、平成二年度においては、政府全体で一千九百四十三億円、うち当省で一千三百五十二億円を計上しております。  個別に申し上げますと、中小企業の活性化を通じた構造変革の推進を図るため、地域中小企業の起業化を支援する地域産業活性化推進事業の創設のほか、地域産業創造基盤整備事業費補助として八億円を計上しております。また、魅力ある商店街の育成のためコミュニティ施設整備事業費補助として二十二億円、中小卸売業活性化対策として三億二百万円をそれぞれ計上するほか、中小流通業者等の海外商品調達力の強化を図るため中小企業輸入商品調達力強化事業等を創設することとし、十一億一千百万円を計上しております。  また、人材、情報、技術等中小企業の経営基盤強化のための施策を講ずることとし、特に、人手不足に対処するため、労働時間短縮、人手不足対策技術開発等中小企業労働環境改善対策費として七億五千五百万円を計上するとともに、省力化投資、福利厚生施設の整備等に対する低利融資制度を創設します。  小規模企業対策については、小規模企業の自立的発展を図るため、経営改善普及事業の充実等所要の対策を講ずることとし、小規模事業指導費補助として四百七十六億六百万円を計上しております。  第五は、ゆとりと豊かさに満ちた国民生活の実現であります。  社会の高齢化の進展、女性の社会進出の増大といった我が国社会構造の変化が進む中で、経済力の高さに見合ったゆとりと豊かさを実感できる国民生活を実現するため、新たな生活文化の創造や労働時間の短縮を進めるとともに、流通システムの効率化や内外価格差問題への適切な対応が必要であります。  このため、産業側からの創意ある提案、生活者の適正な選択等を通じた新たな生活文化の創造に向け、生活文化創造拠点の整備を推進するために新規に三千四百万円を計上するとともに、個性的かつ高機能な工業住宅を適正な価格で生産するための技術開発に、一般会計、特別会計を合わせて九億九千三百万円を計上しております。  さらに、人間重視の技術開発を推進するため、人間感覚計測応用技術の研究開発に五千万円を新規に計上するとともに高齢化の進展に対応し、高齢者社会参加支援機器の技術研究開発に五千七百万円、円熟社会支援情報システムの調査・開発に三千百万円をそれぞれ新規に計上しております。  第六は、技術開発等によるニューフロンティアの開拓であります。  我が国が二十一世紀に向けて引き続き新たなフロンティアを開拓し、長期的発展基盤を確保するため、技術開発や情報化施策を積極的に推進するとともに、知的財産問題への適切な対応を図ることが必要であります。  このため、新エネルギー・産業技術総合開発機構への出資金として五十九億六百万円を計上するとともに、研究基盤施設整備のため、産業投資特別会計から二十二億円の出資を計上しており、合わせて同特別会計社会資本整備勘定からの無利子融資の活用を予定しております。また、基盤技術研究促進センターに対する産業投資特別会計からの出融資として二百六十億円を計上しております。  このほか、各分野における技術開発につきましては、バイオテクノロジー関連技術開発に十七億一千二百万円、新素材関連技術開発に一般会計、特別会計合わせて三十八億六百万円、航空機用エンジン等の国際共同開発促進に三十八億七千百万円、無人宇宙実験システム等の開発に一般会計、特別会計を合わせて五十二億七千百万円、第五世代コンピュータの開発に一般会計、特別会計を合わせて六十九億七千三百万円、超電導技術開発の推進に一般会計、特別会計を合わせて四十九億五千七百万円、未来型分散情報処理環境基盤技術開発に一般会計、特別会計を合わせて十四億六千九百万円をそれぞれ計上しております。  第七は、中長期的観点に立った総合的な資源エネルギー政策の推進であります。  まず、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計につきましては、総額として五千九百四億八千九百万円を計上しております。  本特別会計の石炭勘定につきましては、第八次石炭政策を着実に推進し、国内炭生産体制の円滑な集約化を図るため、石炭鉱業合理化安定対策を推進するほか、鉱害対策、産炭地域振興対策を実施するため、千百八十二億二千百万円を計上しております。  また、石油及び石油代替エネルギー勘定につきましては、四千七百二十二億六千八百万円を計上しております。  なお、同勘定のうち、石油対策としては、国家備蓄の三百万キロリットル積増し等の石油備蓄に三千四十億三千八百万円、石油公団による探鉱等投融資事業等の石油開発に九百九十二億二千六百万円、石油産業体質強化対策等に三百十二億四千六百万円など、総額で四千三百八十三億円を計上しております。  他方、石油代替エネルギー対策としては、石炭液化等の技術開発に二百五十六億一千六百万円、地方都市ガス事業者への天然ガス導入等導入促進対策に五十一億八千四百万円など、総額三百三十九億六千八百万円を計上しております。  次に、電源開発促進対策特別会計につきましては、三千六百五十一億二千二百万円を計上しております。  本特別会計の電源立地勘定につきましては、増大する電力需要に対応した安定かつ低廉な電力供給を確保するべく、バランスのとれた電源構成を目指し、一層の電源立地の促進を図るため、総額で一千六百三十億六千六百万円を計上しております。  また、電源多様化勘定につきましては、電力供給の安定化を図る観点から、原子力、石炭火力を始めとする電源多様化を促進するため、総額二千二十億五千七百万円を計上しております。  一般会計につきましては、資源の安定供給を確保するべく、国内・海外鉱物資源探鉱開発、備蓄を始めとするレアメタル総合対策等を推進するため、九十四億三千万円を計上しております。  以上のほか、特許特別会計につきまして、歳出予定額五百八十二億三千二百万円、アルコール専売事業特別会計につきまして、歳出予定額二百九十九億四千万円、貿易保険特別会計につきまして、歳出予定額六千九百六十五億二千四百万円を計上しております。  以上、平成二年度通商産業省関係予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明いたしました。     ─────────────

石井一自由民主党

○石井主査 以上をもちまして通商産業省所管についての説明は終わりました。     ─────────────

石井一自由民主党

○石井主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げておきます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げます。  質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。速見魁君。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 まず初めに、ただいま通産大臣の方からお話がありましたが、本日の朝刊、テレビ等でも大きくマスコミが報道されましたが、日本の市場開放をめぐる日米協議の中で三品目の問題が解決をした。すなわちスーパー三〇一条の対日適用の問題についてきょうの新聞に大きく実は報道をされておりますし、アメリカのヒルズ代表も、適用を見送る、こういうような記事が実は出ておるわけでございますが、この事実関係について一体どうなっているのか、また、今日の日米構造協議の中で問題になっておりますすべての分野にこの問題がどのような状況になるのか、まず、その見解についてお尋ねをいたしたいと思います。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 事実関係は、二十五日行われた上院の財政委員会の公聴会に出席したヒルズ通商代表が、その出席の議員より日本へのスーパー三〇一条適用を強く求められたのに対して、現時点ではスーパー三〇一条が最善の手段となるような分野は見出せない、時にはスーパー三〇一条の利用が適切でない場合がある等の証言を行われたという報道を、これは正式の、まだ私ども承っておるわけではございませんので、今ここでどうこうというコメントは私は差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、私どもは、以前からアメリカ政府に対して、このスーパー三〇一条というものは、あくまでそういう外国に対してこれを適用するということはガットの精神にも反することであるし、ウルグアイ・ラウンドに対してもこういうことはいい影響を与えるわけじゃないからということできたわけでございまして、その線に沿ってのもし発言であるということであるならば、私は大変結構なことだと思っております。  それから、日米構造問題協議に対していろいろと今お話がございましたけれども、それに対しては私どもは最初から、この日米構造協議問題の始まります前に、ブッシュ大統領と当時の宇野総理との間においても、いわゆる日米構造問題協議というのはスーパー三〇一とは全く関係のないという形で、その枠外という形で話が始まったわけでございますから、私どもはそのような考え方で今日までいるわけでございます。日米構造協議問題というのは、あくまでスーパー三〇一条とは別の枠の中でやっておるもの、こういうふうに考えております。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 わかりました。まだ正式なそういう内容がこちらに届いていないということであれば結構でありますが、いずれにしても、きょうの新聞を見まして、喜ばしいことではございますけれども、やはり今後の課題、ただいま大臣もおっしゃいましたように、現時点ではという表現がある限り、非常にこの問題は常につきまとってくる問題じゃないか、このように考えますので、政府としても、十分その点を留意をされながら、今後の対日適用問題に取り組んでいただきたい、このように要望申し上げておきたいと思います。  それでは次の問題、佐世保テクノパークの着工の見通しの問題について通産省へお尋ねをいたしたいと思います。  この佐世保のテクノパークは、御承知のように高島炭鉱閉山に伴う雇用対策として採択をされました。しかも、地元の地権者の全面的な協力によってこの問題がなされておりますので、この早期着工が非常に望まれておるわけでありますが、現時点における具体的基本姿勢についてお尋ねをしておきたいというぐあいに思います。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 佐世保テクノパークにつきましては、昭和六十三年の七月に通産大臣の承認を受けまして、現在地域公団が造成中の内陸型の工業団地でございます。これは、六十一年の十一月に閉山をいたしました三菱の高島炭鉱の閉山対策の一環でもございますし、またさらに佐世保産炭地域経済圏、経済生活圏に及ぼす地域振興を行おうということが期待できる事業でございます。この団地はまたさらに、長崎のテクノポリスの母都市である佐世保市に造成するという意味で、その地区の産業構造の高度化、多様化にも寄与するものでございます。  こういう意味におきまして、私ども通産省としては、これは非常に重要な事業であると考えておりまして、地域公団を通じて所要の助成を行いまして推進をしていきたい、かように考えておるわけでございます。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 それでは、地域振興整備公団にわざわざ本日御出席を願っておりますので、具体的な問題に入りますので御質問をまずしたいと思います。  まず一つには、団地の本格的な着工の時期と完成の予定についてお伺いいたします。

粟屋忠地域振興整備公団理事

○粟屋参考人 佐世保テクノパークの着工時期と完成予定時期についての御質問でございますが、先生御案内のように、現在既に、佐世保市が担当いたしましてこの佐世保テクノパークの北側の道路と団地の入り口とを連絡する連絡橋の工事を実施いたしておりまして、これが本年の六月に完成するものと聞いておりますが、この完成の時期に合わせまして、つまり本年の六月ごろから団地の進入路の工事に着手する予定でございます。この進入路を使いまして大型の建設機械等を搬入することになるわけでございますので、この進入路が利用できるようになりました後に本格的な工事といたしまして第一期の宅盤工事に着手いたしまして、できるだけ早期に完成させたい、かように考えておるところでございます。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 そうしますと、第一期はいつごろになる予定ですか。

粟屋忠地域振興整備公団理事

○粟屋参考人 宅盤工事の着工時期でございますけれども、ただいま申しました大型の建設関連の機械類の搬入が可能になります本年の秋口ごろを一つの目標と考えております。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 そうしますと、大体平成三年度ということになっておったわけでありますが、完成予定については平成三年度、要するに平成四年の三月までには完成できる見込みは立っておられますか。

粟屋忠地域振興整備公団理事

○粟屋参考人 この完成時期につきましては、当初土地取得等に時間を要しましたことから、全体として計画よりややおくれぎみではございますけれども、平成三年度中の完成を目標として努力いたしてまいりたい、かように考えております。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 わかりました。これは地元の協力もあっておりますし、また高島炭鉱の閉山に伴うテクノパークでもございますので、ぜひひとつ完成に向かって努力をお願いしたい、このように思います。  そこで、地域振興との関係もございますので、この団地造成に当たって特に地元企業の参加が強く望まれておるわけでありますが、どのような指名の方法を考えておられるのか、お尋ねいたします。

粟屋忠地域振興整備公団理事

○粟屋参考人 土地造成に当たっての地元企業の造成事業への参加の問題でございますが、この点につきましては、かねがね地元から大変強い御希望があることはよく承知いたしておりまして、そもそもこの事業の目的でございます地域の振興に役立ちますように、私ども公団といたしましても、ただいま先生の御指摘の趣旨を体しまして今後十分配慮してまいりたい、かように考えております。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 それでは次に、企業誘致計画についてお伺いいたします。  整備公団が行いますこの団地、あちらこちらでされておるわけでありますが、完全にそれが消化されてない部分が多分にございます。したがって、団地造成後の企業誘致、これは非常に大切だと思いますが、企業誘致に対する計画について、私は導入業種なり、そういう企業に対する事前の折衝、そういうようなものが非常に大事ではないだろうかという気がいたします。ということは、予約をするということも企業誘致の対処として非常に大事なことではないだろうかと思いますが、この予約分譲の問題についてどのようにお考えになるか、お伺いしておきたいと思います。

粟屋忠地域振興整備公団理事

○粟屋参考人 御指摘の予約分譲の件でございますけれども、冒頭石炭部長の方から御説明ございましたように、そもそもこの団地造成の目的は、閉山に伴う離職者対策の一環ということでもございますので、地域の振興を早期に実現するために、可能な限り早い時期から企業誘致が行えるように、御指摘のような予約分譲につきましても今後御趣旨を体しまして前向きに検討してまいりたいと考えております。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 ただいまの問題ですけれども、地元長崎県なり佐世保市はかなり積極的にそういう企業に向かってアタックをしておる状況でございますし、私も県議会の中でも、経済労働委員長をやっているときにいろいろなところに会ってまいりました。そういうことで、大体平成三年度に完成予定ということでありますから、そうするならば、完成後直ちに企業が誘致できるような事前の策というのは今日からやっていく方が、また整備公団としても直ちに売れるわけでありますから、いいことだと思うし、このことについてはぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思うのですが、もう一つその点念を押しておきたいというぐあいに考えます。

粟屋忠地域振興整備公団理事

○粟屋参考人 私ども実は予約分譲というのをこれまで産炭部門につきましてはそれほど多くは行ってきていないのでございますが、確かに地元の御要請非常に強いということも承っておりますし、私どもといたしましても、一刻も早く企業誘致を進めることがこの事業の目的にかなうものと認識いたしておりますので、できるだけそういうような方式を取り入れるよう、折々地元の県、市とも打ち合わせを行いながら進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 それでは企業誘致に当たりまして、導入業種それから現在考えておられる完成年度、完成した後の企業誘致の計画に対しての出荷額の予想等がわかればお知らせを願いたい、このように思います。

粟屋忠地域振興整備公団理事

○粟屋参考人 佐世保テクノパークヘの誘致企業につきましては、今後地元の県、市とも十分協議をいたしまして、その結果を踏まえて検討してまいることといたしておりますけれども、佐世保テクノパークという名にふさわしい業種といたしまして当初計画段階から考えられておりますのは、電気機械、精密機械あるいはファインセラミック等の先端産業が中心になるものと考えております。  それから、どの程度の工業出荷額が見込めるかという御質問でございますが、この点につきましては、具体的に進出の業種なり企業が固まってまいりませんと正確なことは申し上げられないわけでございますけれども、当初、昭和六十三年の三月ごろにこの団地の企画をいたしました段階で一定の業種と企業数とを仮定して試算を行った数値がございます。そういうものとして御理解いただきたいのでございますが、その試算の結果では、工業出荷額の見込み額は三百五十億円程度ということでございます。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 わかりました。  それでは、当然、企業誘致となりますと雇用問題が非常に大事になってまいります。今日の労働市場から考えていきますと、雇用問題というものもやはり非常に憂慮される部分も多分にあるわけでありますが、雇用人員等についての雇用対策についてどのようにお考えになっているか、お尋ねをいたします。

粟屋忠地域振興整備公団理事

○粟屋参考人 雇用人員につきましては、どの程度の雇用が見込めるかにつきましては、ただいま申し上げましたところと同様でございまして、具体的に進出企業なり業種が固まりませんと余り正確なことは申し上げられないわけでございますが、やはりこの団地を企画いたしました当時に試算いたしましたところでは、雇用者数の見込みは千七百名程度ということに相なっております。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 わかりました。  そうなりますと、実際的に私たちが経験をする中で考えられますことは、そういうセラミックスあるいはスーパー関係の新しい業種が地方に進出する場合、当然、技術労働者あるいは管理部門の労働者というものが相当数そちらの方に配置をされる、そういうことになろうかと思います。  この佐世保テクノパークの地点というのは非常に田舎に属しておりまして、周辺には余り住宅関係、公的住宅がないところでございまして、そういう意味では住宅対策というものも今から考えておかないと、やはり企業誘致というのがうまく進まぬのではないだろうか、このような危惧をするわけでございますが、この点は直接担当ではございませんでしょうけれども、地域振興整備公団として企業誘致、あるいは通産省として企業誘致をなされる以上、そういうものもやはり関係省庁と十分協議の上で、例えば雇用促進住宅なり公営住宅なり、そういうような住宅対策というものも今から考えておく必要があるのではないだろうかな、このような気がするわけでありますが、このことについてお答えをいただきたいと思います。

粟屋忠地域振興整備公団理事

○粟屋参考人 御指摘の雇用促進のための住宅でございますけれども、私ども公団といたしましても、この企業誘致を促進するという見地からも、住宅対策を団地の造成と並行して講じていくことが必要かつ好ましいものと考えておりまして、この点につきましても御趣旨を体しまして、地元の県、市等関係機関と十分相談して進めてまいりたい、かように考えております。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 わかりました。  それでは、ただいまの地域振興整備公団に対する具体的な質問は終わりますが、一つ要望を申し上げておきたいと思います。  ただいま私が質問をいたしました内容については、やはり佐世保のテクノパークの指定を受けるときから、高島の雇用対策の問題なり、あるいは佐世保の針尾の工業団地が実は用途変更になりまして、内陸型の団地がテクノ地帯にないということでこの団地に指定を受けました。地元の地権者としても大分協力をされて安い価格で分譲できるような条件もつくられたわけであります。そういう意味で早期に完成をされると同時に、ただいま申し上げました、例えば造成に当たっての地元企業の参加あるいは雇用対策、住宅対策、もろもろの問題について、ぜひひとつ最大限の御努力をお願い申し上げておきたいと思います。  きょうはわざわざ地域振興整備公団の理事がこの委員会に御出席をしていただきまして、心から厚くお礼を申し上げたいと思います。公団の理事に対する質問はこれで終わらしていただきたいと思います。

石井一自由民主党

○石井主査 お引き取りいただいて結構ですから。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 それでは次に、松浦火電の二号機の問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。  御承知のように、長崎県は百二十数鉱の産炭地県でございまして、石炭政策によって現在長崎県は一鉱のみとなっておりますし、特に長崎県の県北は炭鉱ゼロという状況になってまいりました。そういう観点から松島や松浦に専焼火力発電所が建設をされる、こういうことになったわけでありますが、松浦火電は、やはり地元の漁協なりあるいは地権者の協力によって二号機までの建設ができるように実は用地もつくられております。ことしの七月には電源開発が運開をするという運びになっております。  いずれにしても、用地折衝の過程の中で、通産省としては特に二号機建設ということを一つの前提に置きながら、かなり広大な形の中で用地折衝をなされてまいりました。SSKの用地の問題やあるいは新星鹿漁協との交渉の過程の中でもそこら辺が一つの大きな焦点になって、若干途中でぎくしゃくする部分も実はあったわけでありますが、そういうことを考えていきますと、この二号機というのは非常に期待をかけておるわけでありますが、二号機の建設についてのお考えをお聞きしておきたいと思います。

牧野力資源エネルギー庁公益事業部長

○牧野(力)政府委員 今委員御指摘の松浦火力でございますが、御案内のように、これは九州電力、電発、それぞれ二号機を予定しているわけでございます。ただいまの現状では、両者とも需給状況等を勘案いたしまして、九州電力については平成十一年度それから電源開発につきましては平成七年度の着工ということになっておりまして、二号機の着手まで若干時間があるわけでございます。ただ、石炭火力は電源多様化あるいは脱石油化といったような観点から非常に重要な電源でございますし、今先生御指摘のように、地元の早期着工についての非常に強い要望があるということは私どもも十分認識をいたしております。  いずれにいたしましても、今後この電力需要の動向を十分に勘案いたしまして、こういった地元の早期着工の要望というものを十分に私どもも認識して、適切な企業に対する指導も図ってまいりたいというふうに考えております。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 そうしますと、私は、実際的にこれだけ経済が成長してきて、未曾有な景気と言われているのですが、電力需要も相当好転しているのではないだろうかという気がするわけでございます。やはり何としても今日の経済の状況から見ると、この電力需要というのは少し前向きに検討して、例えば前倒しで少しでも早く着工できるような条件というものがあるのではないだろうかという気がするのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

牧野力資源エネルギー庁公益事業部長

○牧野(力)政府委員 電力需要一般については先生御指摘のとおりでございます。ただ、地域的な需給というものもございますので、今申し上げましたように、そういったものも踏まえ、かつ地元の早期着工の要望は十分に認識して、今後適切に指導してまいりたいというふうに考えております。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 わかりました。この点は、当初の計画のときのいきさつがあるものですから、そういうところに一つの政治の信頼というものが生まれてくるわけでありますから、ぜひひとつお願いをしておきたい、このように思います。  それでは、最後の質問でありますが、鉱害復旧の問題についてお尋ねしたいと思います。  これは第九次石炭政策の問題とかかわりがあるわけでありますが、昭和六十二年度からの第八次石炭政策が四年目に入ってまいりまして、この間高島炭鉱など五山が閉山をされるという状況でございまして、長崎県も現在炭鉱が一つあるだけになってまいりました。残った炭鉱も非常に厳しい条件でございますが、平成三年十一月に期限が来るこの振興臨時措置法の取り扱い問題については、非常に注目をしておるところでございます。ぜひひとつこれは延長していただいて、ポスト八次策を具体的に示す時期に来ているのではないかというぐあいに考えますけれども、基本的なお考えをお尋ねをしておきたいというふうに考えます。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 先生今御質問の産炭地域臨時措置法の問題でございますが、この法律は三十六年に制定されまして、御指摘のように平成三年十一月に法期限を迎えるわけでございますが、この法期限後の産炭地域対策のあり方につきましては、ちょうど本日午後産炭地域振興審議会を開きまして、この場におきまして大臣から審議会の会長あてに諮問がなされます。それを受けましてこの審議会で検討を進めていくということになっております。  さらに、ポスト八次策の問題に言及されましたが、これは現在八次石炭政策を進めておりまして、現在までおおむね順調に実施されてきておりますが、こうした進捗状況を見ながら、本年中には石炭鉱業審議会などの場を活用しまして八次策の後の対策をどのようにしたらいいかということの検討を進めてまいりたいと考えております。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 わかりました。  時間が参りましたので、最後に一つ、長崎県北部の炭鉱鉱害問題についてお尋ねをしておきたいと思います。  特に長崎県の北部は零細企業の炭鉱が多くございまして、鉱業権のみが存在をして、有名無資力鉱業権者の鉱害処理がうまく進んでいません。しかも、現在残存する鉱害量、新たに各市町村から求めてきております未処理、未認定の鉱害量が多数ございます。ぜひこの認定と鉱害処理を強く求めておきたいと思いますが、この点についてのお考えをまず基本的にお伺いしておきたいと思います。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 先生今お話がございました長崎県北部の中小零細炭鉱に関連いたします有名無資力鉱害、この問題でございますが、臨鉱法の上では、復旧対象となる鉱害につきましては、鉱業法上の賠償義務者を特定して、その賠償義務者の資力の取り扱いに応じた手続にのっとって鉱害復旧をやっております。この資力の認定に当たりましては、資産状況、鉱業権の処理等事実関係に基づきまして総合的な判断でやっております。そして、この資力の認定につきまして、各事案によっていろいろなものがございますけれども、今後とも賠償義務者あるいは関係者という方面の協力を促して事実関係を極力早期に整理して、そして資力の認定事務の推進を図って、これによって鉱害復旧の処理が停滞することがないように努力していきたいと考えております。

速見魁日本社会党・護憲共同

○速見分科員 質問を終わります。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて速見魁君の質疑は終了いたしました。  次に、東順治君。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 東順治でございます。よろしくお願いを申し上げます。  今もお話がございましたけれども、この産炭地域振興臨時措置法についてお伺いをさせていただきたいと思います。  これが施行されまして二十九年たちます。基本計画、実施計画等が作成されて二十七年の経過ということでございますが、通産省におかれましては大変長期にわたり大変な御努力を重ねてこられたわけでございますけれども、現状は依然として石炭後遺症等に泣いているという地域が多いように私は思います。中でも福岡県筑豊地域、これは直方市、鞍手郡あるいは中間市等を含んだ意味での筑豊地域等でございますけれども、それぞれ大変な状況がまだまだ数多く残っておるようでございます。この筑豊における振興対策の現状というものをどのように認識なさっているのか、まずお伺いをしたいと思います。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 筑豊における産炭地域振興の現状でございますが、一般的に申しまして、筑豊地区は鉱工業活動の水準が低く、また地域の財政も非常に困窮しておりまして、さらに生活保護率も非常に高くなっております。こういう点から、いまだ産炭地域の中でも非常に厳しい地域として私どもは認識をしております。これに対して国といたしましては、委員御指摘のとおり、従来、相当長期間でございますが、企業の誘致とか基盤整備とか地方財政対策、いろいろな面の地域振興対策をこの筑豊地域については重点的に講じてきたということでございます。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 まだまだ大変厳しい状況であるという御所見で、そのとおりであるというふうに私も思います。  さて、この産炭地域振興実施計画というものがございますけれども、その中で産業の振興という箇所でこのようにございます。「宮田工業団地、小竹工業団地の完成を促進し、機械工業等地域発展の中核となる大規模工業の導入に努める」、このようにうたわれて、産炭地振興にとってこの大規模工業の導入が大変大きな柱の一つである、このように実施計画では強調されております。その今出ました宮田工業団地というところ、宮田町にございますけれども、まさにここにこのほどトヨタ自動車が土地購入の申し入れを行った、このように私は伺っております。この件に関しまして通産省としてはどのように御認識をされているかということでございます。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 先生からお話ございましたように、トヨタ自動車から地域振興整備公団に対しまして宮田工業団地の用地購入の申し込みがあったというふうに聞いております。現時点におきましてはまだ具体的な進出計画の内容というのは承知しておりませんが、仮にトヨタが同団地に進出ということになれば、筑豊の産炭地域の活性化のために非常に大きく寄与するということに私どもとしても期待しておるわけでございます。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 この宮田工業団地は、もともと昭和四十八年ですか、トヨタ進出という意向を受けて地域整備事業団が着工したところでございました。ところが、第一次石油ショックで乗用車の販売台数が激減したということで、トヨタ自動車の方では進出を断念した、こういう経緯がございます。それが、今回進出ということで、実に十七年ぶりの復縁と申しますか、地元の喜びというのは大変なものが実は今あるわけでございます。マスコミ等ではこの土地購入の申し入れというのは公式発表としてもう随分大きく報道されておりますし、このトヨタの豊田社長なんかも、自動車産業ということで、これが貿易摩擦の火種にならないように、生産体制は過剰にせず必要最小限のものにしたいというようなことまで述べられておるようでございます。  したがいまして、現在の通産省の置かれたお立場というものも私はよく理解をしておるつもりでございますけれども、ただいまもお話がございましたように、これが実現をすればやはり長い間ずっと疲弊をし続けてきたこの旧産炭地というところが一気に活性化を取り戻していく、そういう大きな大きな飛躍台になる可能性が十分あるわけでございまして、どうかこの無事着工、そしてまた完成まで、福岡県、宮田町、そしてまた周辺市町村に対しましても各段の御援助を、お力をいただければ、このように私は思います。  この宮田町というところは、旧産炭地として大変長い間ずっと疲弊をし続けてきたところで、昭和三十年前後の人口は、実は町では全国で二番目という五万六千人を数えておった町でございます。それが、昭和六十年でございますけれども二万二千六百人という五〇%以上の人口減という状況で、事業所も相当多く減ってきておりますし、財政指数も〇・三二と非常に低いところでございます。それだけに、長い長い長い、本当に長い冬を通り越していよいよいよ春が来るのかというような、地元としては大変な期待と喜びの状況でございます。今、もし実現すればというお話でございましたけれども、もし実現すればで結構でございますが、もし実現すればこの筑豊振興の決定打になる、そういう可能性を秘めたトヨタ進出に対しまして、どうか最大限のお力を、重ねてお願いを申し上げたいと思いますが、その点いかがでございましょう。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 本件につきましては、私も地元の方の御意見をいろいろ承っておりますが、先生が御指摘のように非常に期待が強いわけでございまして、これを契機として筑豊の活性化が行われるであろうということで非常に大きな影響を持っております。そういう意味におきまして、本件、この団地に進出ということになれば、まさにこの活性化のためにすばらしいことでございますので、私、産炭地域の振興を担当する立場としましては、何とかそういうことが実現してもらえると、産炭地域の振興には非常に寄与するというふうに考えております。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 ぜひともよろしくお願いを申し上げます。  しかし、現状としては、このトヨタ進出に伴いまして喜んでばかりはいられないという状況が、シビアな状況があるわけでございます。それは受け皿づくりの問題です。例えば道路や水や電力、学校あるいは住宅、し尿処理施設、下水道等々、長年ずっと疲弊してきて生活レベルなんかもやはり大変に厳しい地域だけに、このトヨタ進出ということに伴いましてやはり相当数の従業員、また大変すそ野の広い企業でございますので、このトヨタに関連する下請やそういう関連会社、そういう人たちをしっかり受け入れていくということを考えていけば、この社会資本の整備の問題がやはり大変大きな問題になろうかと思います。あわせて、世界のトヨタが出てくるわけでございますので、地元の地場企業との雇用のバランスというようなことも大変深刻な問題となって浮かび上がってくると思います。  これらを含めまして、この社会資本の整備ということは、これから我が国が経済大国から生活大国へと大きく転換を図っていかなければいけない時期でもございますし、また先日の日米構造協議の中間報告等もございましたように、社会資本についてはしっかりと力を入れていくということが確認をなされているようでございますので、この旧産炭地の活性化そしてまた生活大国の実現、そしてまた長い間旧産炭地として泣いてきた、大変疲弊してきた、そういう地域が舞台であるだけに、この社会資本の投入というところにも格段のお力をぜひともお願いしたい。私は、またそれが政治の本領であろうかと思います。発展の陰に置き去りにされてきたと申しますか、エネルギー革命というもので、日本が発展をしてきた、その陰になってきた地域、そういう地域でございますので、どうかこの社会資本の整備ということにおきましては大いなる力を注いで、福岡県それから宮田町、周辺市町村、力を入れていただきたい、このようにお願いをしたいわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 本件に伴いまして、先生御指摘のように、社会資本の整備、生活基盤の整備あるいは現地地場企業との雇用の関係、いろいろ問題が関係してくると思います。私どもとして、こういう分野につきましては他省にわたる分野も非常に多うございますし、また地方公共団体と非常に密接な関係も生じます。そういうようなことで、そういう方面とも十分連絡をとりながらこれから対応していきたいと考えております。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 よろしくお願い申し上げます。  続きまして、鉱害復旧の問題についてお伺いをしたいと思います。  この地域の鉱害復旧の進捗状況とその残存量というようなものについてお伺いしたいと思います。     〔主査退席、野中主査代理着席〕

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 鉱害復旧につきましては、昭和五十七年に策定いたしました長期計画がございまして、これは昭和五十七年度を初年度としまして十年間、この間に処理すべき鉱害量を五千九百億円というふうに決めております。このうち筑豊を含む福岡県下の鉱害量は大体八割ぐらいを占めております。  それからさらに、進捗状況のお話でございますが、この全体の計画、十年間の計画でございますが、五十七年から平成元年度までの八年間の実績を見ますと、金額ベースでこの八年間で八四%の進捗状況になっておりますが、福岡県につきましても大体同様の進捗を見ているというふうに言えると思います。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 国では平成二年度に残存鉱害量調査を実施する、このように伺っております。この残存鉱害量調査の計画内容を詳しく教えていただきたいというふうに思います。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 鉱害の残存量の調査でございますが、平成二年度に予算案に調査費を計上しているところでございます。  調査の方法についての御質問でございます。石炭鉱業審議会の意見を承ったりしながらこれから調査の方法を決めてまいりたいと思いますが、鉱害復旧事業に関する過去の実績データの活用あるいは現地調査など、そういうことによりまして、既に発生している鉱害の復旧量と残存量、それから将来発生するであろう鉱害量の予測というようなことを行っていくわけでございます。具体的にどうやるかについては現在検討を進めている段階でございまして、準備が整い次第、平成二年度に調査を開始しまして、年度内にその結論を得たいというふうに考えております。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 的確な残存量を掌握できるかどうかということが大変大事なポイントだというふうに思いますけれども、長い間の鉱害対策でございますので、その間にいろいろ複雑な要素が入りまじって、数字の上という、そういう形で簡単にはいかないことかと思います。  例えば、先ほどの宮田町の「残存鉱害量と鉱害復旧の現状」、こういう現場の数字が出ております。家屋等を見ても、全体二千二百三十戸のうち、現在残されている鉱害家屋が八百四十七戸。それから農地におきましても、二百四十九・四ヘクタールのうち百二十七・七三ヘクタールがまだまだ復旧されてない。それから公共等の施設においても、百五十件のうち七十八件が残っている。現地に行けばこういう数字が出ているわけでございます。  問題は、この調査を進めていく上で、現地が認識をしている残存量とこれから調査されて国が認識をされる残存量、ここにいろいろな開きがあったり違いが大きく出てきたりしますと、結局国はもうこれで鉱害は終わるというふうにもし判断をされたとしても、現地としてはとてもまだ終わらないというような認識のギャップが大きく出てくることが心配されるわけでございます。それだけに、ぜひとも現地の人たちのこれまでの経緯を調査したそういう認識等を十分に含めて、そしてその上で的確な調査を進めていただきたい、このように思いますけれども、いかがでございましょうか。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 先生御指摘の点につきましては、そういうことがある場合もあろうかと思いますので、調査に当たりましては何らかの形で市町村からの意見を聞くこととしたいと考えております。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 この辺はぜひともよろしくお願いを申し上げます。  この調査をしっかりやられて、そして予算を配分されるということでございますけれども、どういうことですか。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 残存鉱害量につきましては、先生御指摘のように地元の関係者の方にもいろいろ御意見があろうかと思いますので、調査を行うに当たって何らかの形で市町村の方から意見を伺うというようなことに努めていきたいということでございます。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 この鉱害復旧のための予算配分について、その仕方をお伺いしておきたいと思います。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 予算の地域別配分を行うに当たりましては、残存鉱害量あるいは工事の緊急性、他事業との関連、関係者との個々の案件のいろいろな調整状況、それから工事の施行能力、そういうようなことを十分に勘案しまして、そして事業が円滑にできるように適正配分をやっているつもりでございます。したがいまして、この鉱害復旧に当たって予算面からの制約というものはないというふうに我々は考えております。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 私が予算の配分というふうに申し上げますのは、現地を歩きますと、一口に筑豊、あるいは直方、鞍手、中間、こう申し上げましても復旧の度合いが物すごく格差があるわけですね。その余りの格差に驚くというようなことがもう何回もあったわけです。そういうことから、いよいよ最終ラウンドみたいなところに鉱害対策が来ておると思いますけれども、それだけに、その地域の厳しい状況に合った適切な予算配分ということがこれからより大切になろうかと私は思います。そして、この地域全体が公平に、確実に復旧がなされていくということがこれから一番大切なことになるのではなかろうか、このように思います。この調査を的確にやられて、残存量というものをきちっと掌握をされて、それに応じて的確な予算を配分されて、そしてこの地域全体が公平に、全体的にきちっと復旧がなされていくということが大事であろうというふうに思うわけでございます。したがいまして、そういう意味で予算の配分につきまして非常に重要なことであろう、このように思っておるわけでございます。どうかこの辺を考慮されて、的確な御処置をお願いしたいと思います。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 工事の進捗につきましては、先生今各地でいろいろ違いがあるとおっしゃいましたが、例えば閉山の時期だとか関係者の協力の度合いとか、いろいろ個別の事情で違いはあると思います。いずれにせよ、予算が公平に、適正に配分されるということはそのとおりだと思いますので、そういうふうに努めているところでございます。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 調査が的確になされまして残存量というものが掌握をされる。現実的には私はまだまだ残されている残存量は大変に多いと認識をしておりますけれども、平成四年七月三十一日で期限切れになります臨時石炭鉱害復旧法、これはぜひとも延長ということでお願いをしたい、また、それが当然であろうというふうに私は思います。この調査結果いかんで臨時石炭鉱害復旧法の延長をなさるかどうか、そこを伺っておきたいと思います。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 この調査をいたしますと現実に法期限内に鉱害が解消できるかどうかということが把握できるわけでございますが、調査の結果、仮に法期限内にすべての鉱害を解消することができないという場合がございます、仮にの話でございますが。そういう場合には、復旧すべき鉱害というものが残存している、そういうことが判明しましたら、その鉱害は適切に処理する、これが私どもの基本的な考え方でございまして、この基本的な考え方に沿って、鉱害復旧のための法律などのあり方を検討していくということになろうかと思います。  その意味では、今の時点におきまして鉱害二法の延長はあるのだということは、いろいろなそういう調査した結果、今私が申し上げましたような場合になっても、どういう法律的な形でやっていくのかという議論がございますから、二法はそのまま延長されるのだということは今は言い切れないというふうに考えております。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 最初におっしゃいました、生活保護世帯の人たちの数も大変に多い、それから工業力も非常に低い、それからまた先ほどお話が出ましたように、社会資本整備やあるいは生活ということを考えてもまだまだ大変におくれている、さまざまに厳しいそういう状況をはらんで、私は先ほど地元の数字を提示させていただきましたけれども、現実として大変にまだ厳しい状況にあるわけで、それだけにぜひとも延長をという方向でしっかりと検討していただければというふうに思います。  地元を回りまして、そういう関係者の人どなたにお会いしても、やはり切実にこのことは皆さん語られるわけでございまして、どうか、この旧産炭地域が一日も早く活性を取り戻して、元気を取り戻して、そしてさらに、産業構造の変化に伴う新しいそういうエネルギーというものがこの町から生まれる、そして新しい二十一世紀という世紀に入っていく、そういうためにも、平成三年、四年、期限切れを相次いで迎えていくこの鉱害法の問題につきましては、ぜひとも延長ということで、その前提といいますか、そういう方向でしっかりと取り組んでいただきたいというふうに要望させていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。  それでは最後に、重ねてになるかと思いますけれども、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。  先ほどの論議の中でも御承知と思いますけれども、この臨鉱法のほかに、いわゆる通産省所轄の石炭諸法があるわけでございます。平成三年、四年にかけて相次いで失効期限を迎えます。先ほどの宮田町を見るまでもなく、筑豊全域、直方、鞍手、中間、かつて日本の高度経済成長を機関車役として引っ張ってきた、そういう町が、産業構造の変化ということでもって、あるいはエネルギーの転換ということでもって、昔、一生懸命日本を引っ張ってきた町々が今はその繁栄の陰に隠れて、むしろ大変に苦しい声をずっと上げ続けてきている。どうかそういう状況にかんがみまして、まだまだ現実は厳しい状況にあるわけでございますので、石炭諸法の延長についての見通しというものを重ねてお伺いをさせていただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 今御指摘のとおりでありまして、戦後の石炭産業が我が国の経済発展に果たしていただいた役割というのは非常に重要であることはよく存じております。ただ、時代の変化というのがございまして大変御苦労をかけておるわけでございまして、しかし、何とか御苦労かけている皆さんに少しでも明るい希望を持っていただきたいということで石炭関連六法があるわけでございます。  これを延長するかどうかということは、ちょうど、先ほどもちょっと政府委員から答弁をいたしましたように、きょうの午後から産炭地域振興審議会を開いていただくわけでございまして、このいわゆる振興法の関係についてはその延長の可否を含めてこの審議会に諮問を私お願いをいたすわけでございます。今後どういう形で審議会で御議論をいただくか、今のところ、私どもは審議会の御議論に注目をさせていただくということでございますけれども、できる限り、とにかく先ほど申し上げたような方向で結論が出ることを心から望んでおるということだけは申し上げておきます。

東順治公明党・国民会議

○東(順)分科員 どうかよろしくお願いを申し上げます。  質疑終了の時間でございますので、これで終わります。ありがとうございました。

野中広務自由民主党

○野中主査代理 これにて東順治君の質疑は終了いたしました。  次に、三浦久君。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 まず、通産大臣にお尋ねをいたします。  御承知のとおり、石炭六法が次から次へと、特に平成三年から四年にかけて期限が切れてまいります。これらの法律は産炭地域振興にとって欠くことのできない法律であります。したがって、期限後も延長すべきだというふうに思いますが、いかがでございますか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 今もちょうど答弁したところなのでございますが、本当に今日まで石炭関連六法、いろいろと石炭産業が日本の経済のために貢献をしていっていただいた。しかし、いろいろエネルギーの変換によりましてなかなか石炭産業はつらい立場におられ、また、産炭地域も非常につらい地域になってきているということをよく承知をいたしております。その辺を踏まえて今後どうするかということは、今の話でここ来年、再来年、それぞれの法律の期限が参りますので、順次審議会にお諮りをしてある程度の方向を打ち出していただき、それによって私どもは対処していきたい。しかし、先ほど申し上げたように、できるだけ前向きに対処していきたい、こう考えております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 今のお話を聞いておりますと、残存鉱害量がある限りは臨鉱法はなくすようなことはしないというような御答弁がありましたね。しかし、確たる約束はできないと同僚議員の質問に対しても答弁されておりましたけれども、今の筑豊の炭鉱、残存鉱害量が平成四年度になくなるとお思いですか。これはそんなことは絶対ありませんよ。ですから、臨鉱法などはやはりもっとスピードを上げて鉱害復旧をやる、そういう立場で延長するということをはっきり言うべきだと私は思うのですが、いかがですか。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 先生の御指摘の点でございますが、そういう御意見もございます。したがいまして、とにかく平成二年度に残存鉱害量がどれくらいあるかということをよく調べまして、その結果に応じて、復旧されるべき鉱害があればそれは復旧するのだという基本方針で臨んでいきたい、こういうことでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 あることは間違いがないのですね、なくなるなんてあなたたち自身も考えていないわけだから。ですから、ぜひひとつ臨鉱法を私は延長してほしい。  それから今大臣、産炭地域振興臨時措置法について、これをどうしていくのかということについて審議会できょうから審議が始まるというようなお話でしたけれども、それとの関連でちょっと私お尋ねしたいと思っておるのです。  そのたたき台になるのが恐らくこの前発表になりました産炭地域振興施策研究会報告、これが三月に出ておりますね。これがたたき台になるのだろうと思うのですよ。私、福岡県の実情、どなたがお話しになったか知りませんけれども、一口に言いますと、大臣、産炭地域が全県の六三%に及んでおるのです。そして人口では八八%なんです。こういう県は珍しいと思うのですね。筑豊の炭鉱が閉山になってから二十五年たっておりますけれども、そういう意味では、まだそういう閉山の後遺症というものは到底解決されたとは言いがたいものがあると私は思っているのです。  例えば生活保護一つとってみましても、最高時には全人口の一四・四五%になっているのです。今でも八・一%です。これは全国平均と比べますと八倍であります。八倍の生活保護人口がおるということなのです。そしてまた、失業問題も極めて深刻です。これは一九八八年度の統計でありますけれども、有効求人倍率は全国平均が一・○八倍、こうなっているのに福岡県では〇・五九倍です。田川では○・四一倍という状況であります。完全失業率は田川郡部では一四・四三%です。ですから、こういう状況を反映して商店の売り上げは悪くなる。そして学校も四十人学級なんてものじゃないのですね。もう二十人学級ぐらいになってしまって、かえって荒れてしまうというような状況が出てきている。それからまたアル中がふえるとか非行少年がふえるとか、そういうさまざまな社会面で悪い影響が出てきているというのが今の実情であります。  それで、私先ほど言いました研究会の報告、これを見ますと、旧産炭地について三つの区分をしているのです。一つは石炭閉山の影響による疲弊が解消していない地域、疲弊が解消している地域、閉山後長期間たっているので今の疲弊が閉山による影響なのかどうかが疑問だと思われる地域、こう三つに分類されているのです。  その分類と関係なくお尋ねしますけれども、今、私の選挙区である田川市郡、ここでは御承知のとおり赤水がまだ出ますよ。ボタ山もありますよ。そして失業の問題はさっき言ったとおりです。そして鉱害の復旧もまだ遅々として進まない。そしてまた炭住改良も、一定の前進はありますけれども、しかし、松原地区を中心にしてまだまだ改良しなければならない炭住がたくさん残されているという現状なのです。こういう田川地区というのは、旧産炭地ではありますけれども、それで閉山後もう何十年もたっておりますけれども、この今の疲弊というものが炭鉱の閉山による影響なんだというふうにお認めになるのかどうか、そう考えていいのかどうか、このことをお尋ねしたいと思うのです。

長田英機資源エネルギー庁石炭部長

○長田政府委員 筑豊地区にかつて炭鉱がございまして、その閉山によりましてその地域が非常に大きな打撃を受け、それがまた回復してないところがかなりあるというふうに認識しております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 今あなたもお認めになりましたように、筑豊地帯は大変厳しい生活環境にあるのです。そういう中で失対事業への依存度が非常に高いのです。一九九〇年度の失対四事業の就労者というのは、福岡県で一般失対が三千四百二十七人、緊就が七百五十一人、開就が二千八百六十二人、特開が二千六百三十人、計九千六百七十人おります。任就、これは千九百人おりますから、任就を入れますと一万一千五百七十人になるのです。こういう事業が地域開発とか地域振興の上からも非常に重要な役割を果たしております。そういう意味では筑豊地区にとってかけがえのない事業だと私は思っておるのですが、こういう四つの失対事業、これを今後も継続をしていくおつもりなのかどうか、お尋ねいたしたいと思います。

野寺康幸労働省職業安定局高齢・障害者対策部企画課長

○野寺説明員 昭和五十五年、さらに昭和六十年に学識経験者によります失業対策事業の制度調査研究報告というものを出しておりますけれども、そこの中で、失対事業につきましては基本的に終息を図るべき段階にきておりますということと、今後の雇用対策につきましては、失業者を吸収するために事業を起こすといったような方式はとるべきではないといったような結論になっております。いずれにしても、失対事業並びに先生御指摘のいわゆる諸事業につきましては、本年制度検討を行うことになっておりますので、その結果を踏まえまして今後対処してまいるつもりでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 私はそういう答申が出ていることは知っているのですけれども、現実に失業者の生首を切るというようなことは、絶対にしてはならぬことだというふうに思うのです。  失業対策事業の制度改善、そういう名目で八六年度から実施された失対事業の年齢制限がありますね。それからまた任就事業の実施、こういうものによって働く意思も能力もある多くの労働者が首を切られたのです。一九八五年の九月末に六万一千二百七十三名おりました失対紹介対象者が、八九年九月にはわずか一万五千四百十六名に減っているわけであります。これらの人々、特に任就に働いた人、また年齢が過ぎてもう任就からも追い出された人、そういう人々の生活の実態というのは大変なものがある、想像を絶するものがあると思うのですけれども、こういう人々についての生活実態をあなた方はお調べになったことがおありでしょうか。

野寺康幸労働省職業安定局高齢・障害者対策部企画課長

○野寺説明員 失対事業につきましては、先生御指摘のとおり、昭和六十一年八月から紹介対象者につきまして年齢要件を設定いたしました。その後、元年度までに約四万六千人の方が引退しておられるわけでございます。この制度改善を円滑に進めるための経過措置といたしまして、自立引退者の特例給付金、任就事業、高齢者の生活相談員あるいは小規模事業の廃止促進措置等の制度を実施いたしております。  具体的に失対事業からの引退後の状況につきまして御報告いたしますと、これは事業主体から報告を詳細に受けているわけでございますが、それによりますと、引退者の引退後の生活激変緩和措置のために設けましたいわゆる任就事業についております者が約八七%でございます。その他の者については、例えばシルバー人材センターへの登録ですとか、民間企業への就職ですとか、市町村の臨時職員としての御採用あるいは御家族の扶養に依存しておられるといったような状況でございます。  なお、重ねて申し上げますが、今回の制度検討に当たりましては、就労者団体等からの意見聴取、さらに現地の視察等を行いまして、引退者の生活実態につきまして十分把握した上、制度検討を行うというつもりでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 私は、今の調査のやり方というのは生活の実態を把握してないと思うのですよ。そういう意味では無責任ではないかというふうに私は思います。  ここに中央大学の江口英一教授が中心となって作成いたしました雇用・失業政策研究会、これが昨年の八月に行った調査の報告書がありますけれども、そこに「人生八十年時代の雇用政策を問う」というのがあるわけです。これには失対の就労者、任就就労者、それからこれらから排除された人々の生活の実態というものが極めてリアルに報告をされおります。お読みになったかどうかは知りませんけれども、これによりますと、この人たちの一カ月の勤労収入というのは、失対就労者の場合は乙事業で十五万五千二百二十五円、甲事業で十二万五千九百十円ですね。任就の場合には四万二百円です。そして、任就切れの場合は大体二万八千円ぐらいで働いている。それだけの収入しかない、そういうことが報告されています。  そして、受給している公的年金もほとんどが国民年金なんです。この国民年金の受給者が七五・八%なんです。この国民年金というのは、皆さんも御承知のとおり、平均いたしますと月額約三万円ぐらいですね。この人たちも月額三万円ぐらいしかもらっていないということ、そして今あなたがおっしゃった少ない退職金ですね。百万円ぐらいですか。このぐらいの退職金でもって食いつないでいるというのが現状なんです。  ですから、私の選挙区の田川市内に住んでいる知久キミという七十一歳の方がおられますけれども、この方はことしの三月の末に任就から退職をしているわけです。そうすると、国民年金はわずかに二万五千円だけ、あと退職金でそれを取り崩して食いつないでいるという。ですから何とか雇用の場が欲しい、働く場が欲しいと切実に願っているわけですよね。こういう実態というものをあなたたちがリアルにつかんで対策を講ずるべきじゃないかと思うのですが、こういう実態を御存じですか。

野寺康幸労働省職業安定局高齢・障害者対策部企画課長

○野寺説明員 田川地区を中心といたします失対事業実施地区がかなり厳しい状況にあることは、十分承知いたしております。先ほど先生ちょっと求人倍率のことを申されましたけれども、その後の数字でございますが、平成二年の二月末現在で、全国平均が一・三、福岡県の〇・八七に比べますと田川地区は〇・五二でございます。若干向上しているかと存じます。いずれにしましても、特に田川地区がかなり厳しい状況にあることは御指摘のとおりであろうかと思います。  重ねて申し上げますが、今回の制度検討につきましても、労働大臣が委嘱いたします学識経験者によって制度検討が行われるわけでございますけれども、御指摘のような実態につきましては十分把握の上、制度検討に着手したいというふうに思っております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案に対する附帯決議というのがなされましたね。これは相当前ですね。一九七一年五月十八日の参議院の社会労働委員会で採択されていますね。これを見ますとこうなっているのですよ。「現在、失業対策事業に就労している者については、失業対策事業への就労によって維持されてきたと同程度の生活内容が、社会保障対策や高年齢者の仕事に関する対策によって充足されるようになるまでの間、引き続き就労できるよう配慮すること。」こうなっているのですね。だから、今の失対で生活している生活水準、これを維持できるような社会保障制度とか他の就労制度というものがない限りは就労失対事業をやめてはいけない、こういう附帯決議が出ているのですよね。  私は、今失対に働いている人がおりますね、それで今度秋に制度検討が行われますでしょう。こういう今働いている人々の生首を飛ばすというようなこの一般失対制度の廃止、こんなものはしてはならぬと思うのですけれども、どうでしょう。

野寺康幸労働省職業安定局高齢・障害者対策部企画課長

○野寺説明員 先生御指摘の附帯決議でございますが、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法、略して中高法と申しておりますけれども、この法律が昭和四十六年、一九七一年に制定されました際に、御指摘のとおりの附帯決議があったわけでございます。しかしながら、この点につきましては、その後の昭和五十五年の失対調査研究報告によりまして、高年齢者雇用就業対策の充実とか社会保障制度の改善によりまして、失対事業を取り巻く諸対策が逐次整備充実されてきているという旨の指摘がなされております。  いずれにしましても、今後の問題につきましては、労働省としては先ほどもお答え申し上げましたとおり、制度検討を行うことにいたしておりますので、その中で、その結果を踏まえまして行政として対処してまいりたいというふうに思っております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 今の意見は非常に手前勝手な意見だと思うのですね。勝手な解釈ですよ。社会保障がそんなに充実しましたか。あなた、ずっと切り捨てられてきているじゃありませんか。  それで、平成元年、去年の十月二十五日に九州の市長会、ここで「失業対策事業の運営について」という意見書が上がっていませんか。上がっていますでしょう。これを見れば失対事業についてはどう書いてあるかというと、「現行の失業対策諸事業(失対、緊就、開就、特開事業)及び任意就業事業は、新たな就労事業が確立するまで、継続実施し、内容の改善を図ること。」そういう要望書が出されているのですよ。これは九州の市長会の一致した要望なのです。これは非常に重みがあると私は思うのです。そのほかにも補助率をもとの三分の二に戻せとか、そういう要求もありますよ。しかし、この失対事業は継続実施し、その内容の改善を図れ、こういうことを国に一致して要求しているわけですから、この重みを踏まえて、私はやはり働いている人々の生首を飛ばすような失対制度の廃止というようなことはすべきではない。再度このことは要望しておきます。意見を聞きたいと思います。

野寺康幸労働省職業安定局高齢・障害者対策部企画課長

○野寺説明員 先ほど申しましたとおり、失対の制度検討に当たりましては、就労団体も含めまして関係者の御意見、さらに実情調査等を十分行いまして、今後の方向を決めたいというふうに考えております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 次に、シルバー人材センターの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  年々高齢者がふえていくというのはもう現実ですね。労働省の推計でも、六十歳以上の労働人口は、一九八八年の六百六十三万人から二〇〇〇年には二百十七万人もふえて八百八十万人になる、こういうことが言われております。特に六十五歳以上は現在の一・五倍に急増する、そういう見通しになっているわけであります。そういう意味で、私は高齢者の就労対策を抜本的に充実させる必要がある、そういう観点からシルバー人材センターの問題についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。  現在六十五歳を超える高齢者の就労対策としては、シルバー人材センターがあるだけだと思いますが、どうですか。

長谷川真一労働省職業安定局高齢・障害者対策部高齢者雇用対策課長

○長谷川説明員 六十五歳以上の就労者対策でございますが、シルバー人材センターにつきましては、私ども定年退職後の臨時的、短期的な就労の場を確保する対策として考えてございます。六十五歳以上でありましても、一般の再就職対策等の対象になることはもちろんでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 このシルバー人材センターだけでは、年々ふえていく六十五歳以上の人々の就労要求を充足することはできないというのが実情だと思うのですよ。  一つ例を挙げましょう。田川にシルバー人材センターがあります。八八年度の事業実績ですと、会員数が七百五十人です。これに対して就労した会員は五百五人しかいません。いいですか。登録した会員数は七百五十名、それで就労した会員は五百五人。しかも、その就労した会員一人当たりの月平均の就業日数はたったの一日であります。月に一日しか働いていないのです、その五百五人の人々は。すると、一日だと給料は幾らですか。

長谷川真一労働省職業安定局高齢・障害者対策部高齢者雇用対策課長

○長谷川説明員 田川地区のシルバー人材センターにつきましては、六十三年六月に設立されたわけでございますが、今先生御指摘のとおり、昭和六十三年の実績につきましては、会員数七百五十人、月平均就業日数が一日というふうに聞いております。どの程度の収入を得たかということにつきましては、ちょっとデータを持っておりませんので、失礼いたします。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 これは一日四、五千円ぐらいなんですよね。それはシルバー人材センターによって違うけれども、四、五千円ぐらいですよ。そうすると、たった一日ぐらいしか就労できないようなシルバー人材センターをつくって、これは生きがい対策と言えるのですか。これは生きがい対策でつくったのでしょう。

長谷川真一労働省職業安定局高齢・障害者対策部高齢者雇用対策課長

○長谷川説明員 シルバー人材センターにつきましては、先ほども申しましたように、あくまでも健康な高年齢者が就業を通じて社会に参加して、そこに働く喜びと生きがいを見出す事業というふうに位置づけております。したがって、シルバー人材センターの中でも、先生御指摘のとおり、就業日数というものがある程度確保された方が望ましいという観点から、会員の就業ニーズに応じた就業機会の拡大というものを今後とも図ってまいりたいと考えております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 私は、少なくとも十日間ぐらいは就業できるようにすべきですよ。毎日やったらこれはまた大変だけれども、せめて十日くらいにはすべきだ。そのために、私はやはり今の制度のあり方を若干変える必要があると思うのですよ。例えば、市町村がシルバー人材センターに事業を委託しますね。そうすると、そのシルバー人材センターの総事業量の三分の一、それを限度にしか補助金を出さないわけですね。そうでしょう。うなずいているからそうですね。ですから、それをせめて半分にするとか、都道府県がシルバー人材センターに事業を委託する場合には補助金なしだから補助金をつけてやるとか、そういうことをすることによって仕事を誘導していく、仕事量をふやしていく、そういうことは当然考えるべきじゃないかと私は思うのですよ。そうすれば、今のように一月にたった一日しか働けないというような状況は、徐々にではあるけれども解決していくんじゃないかと思いますが、そういう御検討はなさっていただけますか。

長谷川真一労働省職業安定局高齢・障害者対策部高齢者雇用対策課長

○長谷川説明員 シルバー人材センターにつきましては、地域の高年齢者が自主的に組織して運営する独立した法人格を有する団体でございます。会員である高年齢者の就業機会の確保に当たりましては、市町村等の発注するいわゆる公共事業に大きく依存することなく、地域の企業や家庭からの受注拡大に努め、地域住民のニーズに広くこたえていかなければならないものであるというふうに考えております。  こういう観点から、先生が御指摘になりましたのは高年齢者就業機会開発事業という補助金のことでございますが、これにつきましても、過度に地方自治体に依存することのないよう、補助対象事業に限度を設けております。シルバー人材センターの全受注額の三分の一ないしは会員の就業ニーズに対応した必要受注額の三分の一のいずれか低い方の額ということで、限度を設けて運営しているわけでございます。先ほど申しました観点から、労働省といたしましては、現在高年齢者就業機会開発事業につきましては、現行制度を維持することが望ましいと考えております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 それではいつまでたっても一月に一日しか就業できないじゃないですか。それをあなたたちはもっと就労日数をふやした方がいいと言うのだから、どうしたらふえるかということを自分の頭で考えて、それを実施すべきだと私は思うのですよ。そのことを強く要求して、質問を終わります。

野中広務自由民主党

○野中主査代理 これにて三浦久君の質疑は終了いたしました。  次に、渡部一郎君。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 私は、今、大店法の影響を受けてというよりも、ニュースを聞いてショックを受けておられる中小商店の活性化の問題につきましてお尋ねをしたいと思います。  私の居住する神戸市から発想している考え方でございますが、公営マーケット、私的なマーケットあるいは商店街が約百三十ございます。これはいずれも三十軒から二百軒くらいの規模の商店街であると見ていただければよろしいかと思います。この商店街が、大規模店舗法の関係とはまた別に、戦後非常に良質かつ廉価の商品を提供して、町の人々の交流の場所にもなってきたといういきさつがあるわけでございますが、全般的に活動というのが停止されてきた。採算が合わなくなってきた、後継者がいなくなった、あるいは歯が抜けたように閉まる店がふえてきた、商店街自体で馬力がなくなってきたというようないろいろな問題が生じてきたわけであります。各地域とも一生懸命その対策を立てているわけでございますが、今回の問題とあわせて痛感しておりますのは、この商店街そのものの活性化を図らなければどうしようもないなという運動が起こっているわけであります。大臣はこうした問題については大変強いお方とかねがね尊敬しているわけでございますので、きょうは画期的な御答弁をいただきたいと思っているわけであります。  これは私どもから言わせますと、大体五十軒、六十軒ぐらいの規模になりますと駐車場が要る。駐車場がない。自転車をとめる場所もない。これでは商店として成立し得ないという状況が生まれているわけでありますから、直す場合にまず駐車場が要る。  第二番目に住宅。その上に採算を合わせるために、公団住宅あるいはそれに類するような低廉な費用ではあるけれども住宅をつくりたい。逆に低廉でなくて、もううんとお金のもうかる一億円クラスの住宅をつくって、そこを売ることによって採算を合わせる。  それから公共施設、集会所をつくってもらいたい。人がしょっちゅう集まれる集会所、これは老人ホームとは言いませんけれども、最近神戸ではやっておりますのは老人のエクササイズの場所です。年寄りのスポーツが大流行でございまして、そういうものがあるところは人が大量に集まるものですから、そういう老人エクササイズの場所、簡単に言えば集会所でございますが、そういうものが欲しいというのが三つ。  それから四番目に、地域ごとに商品でも高級な商品あるいは人目を引く商品のようなもの、あるいは映画館のようなもの、要するにキーテナントと称するものが場合によって欲しい。  それからもう一つ、ここのところに加えて店舗に対してみんなが希望いたしておりますことは、できたらでき上がったものが全天候型で欲しい、つまり冷暖房のついたものが欲しい。つまり、今までのマーケットでございますと、雨が降ったら通路のところに上から雨がおっこちてくるのですね。雨が降らないようにしてもらいたい。  それから便所の臭気がしないようにしてもらいたい。これは何を言っているかといいますと、今の法律によりますと、食い物屋の場合、商店一軒ずつに便所を置かなければならない。この一軒ずつの便所の臭気というのが耐えがたい。だからマーケットの中で公設の便所、トイレを置いてきちんとしてもらいたい。大体そんなことが出てくるわけでございます。  要するに、僕は外交委員会に長くおりましたものですから、実は自分でアメリカのモールを今までに七カ所調べてまいりましたが、そのアメリカではやっておりますモール型の商店街の再開発をすると、地域センターとしてのそういう商店街ができるのではないかというふうに希望しているわけであります。まず基本的なことでございますが、この点をそういうふうにしていただきますと地域ごとのセンターができ上がって、そして、みんな自分の家から歩いてこられる程度のところにそういうものがあるわけですから、大変うれしい。  それから大臣、もう一つ忘れました。保健所なんです。今保健所の場所がぐじゃぐじゃなんですが、その保健所の位置がよくない。みんなが保健所に行かないのです。なぜかというと、買い物に行く通路に保健所がないものですから。とんでもない遠いところで、ないのです。だから保健所がそのセンター——センターという名前で言いますが、センターの中にあるといいなとみんな希望しております。これは小さい希望でありますが、つけ加えて言うわけであります。  私の言うのは、要するに商店街を活性化していく、中小商店街の活性化とその地域センターをつくっていく、こういう考え方があるわけでございますが、いかがでございましょうか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 今いろいろ御指摘をいただきましたけれども、この中で例えば駐車場は従来の事業団の高度化資金でもありますし、また今回平成元年度から発足いたしました街づくり会社構想、その中にもたしか駐車場というのはあると思います。それから三番目の集会所も、たしか街づくり会社構想の中に入っております。  それから、あとはいろいろ御指摘がございましたが、大変おもしろい。二番目の問題などは、その地域が、商店の皆さんがそういうことで本当に合意を得られれば、これは大変おもしろい。それは多分、昔いわゆるげた履き住宅といって、下を商店にして上に高層住宅をつくって、上を貸すとか売るとかいう構想じゃないかと思うのです。げた履き構想というのは、地域は限定されたと思うのですけれども、たしかまだ今も残っておると思うのです。これは通産省だけではいけませんけれども、建設省その他と話し合って、うまくできればこういうものを充実していくというのは、私は非常にグッドアイデアじゃないかと思います。  それからもう一つ、四番目におっしゃいましたいわゆる人目を引く目玉というのは、ちょうど今度のコミュニティ・マート構想、また今の街づくり会社構想、こういうものの中にこういう思想が入ってきていると私は思っておりまして、これを充実していけばいいんじゃないか。ただ、その目玉商品となるようなものというのは、これはもう小売業者の自主的判断で、私どもはこういうものを売りなさいというわけにもいきませんので、例えば今度輸入品なんかについてはいわゆるセンターを設けまして、いろいろそこで、あるいは今度の中小商業活性化基金でソフトの面にお金が出せるようにしましたから、ああいうところで情報をそれぞれキャッチしていただいて、そして何かこういうものはひとつどこかの商店で扱おうじゃないかというようなことは、私は一つのあり方だろうと思うのでございます。  それから五番目の問題と六番目、七番日、これはみんな関係してくるわけでございます。私は今度の大店法の改正をことしの暮れから始まる通常国会にはお願いをしたいと思っておるのでございますが、それをやりますといろいろ影響が出てくるところもあると思いますので、それに対応した対策として、これはまだそうなるかどうかあれで、いろいろ私自身考えておる一つのアイデアでございまして、今事務当局にいろいろ検討しろと言っているアイデアは、私も例えば今御指摘のような考え方で、いわゆる地域の商店が一軒一軒並んでいて駐車場もない、そしてごみごみしているところでは、やはり今の人たちは大変ぜいたくになってきておりますから、難しいのじゃないだろうか。  いっそそういうところはみんな集合体にしていただいて、例えば第三セクターみたいなもので一つの建物をまず建てちゃって、そういうところへ地元の商店街の皆さん希望があったら入ってください。希望がなければ仕方がないのですが、希望があったら入ってください。今までのような、民間でやっているように高い保証金とかそういうものを払わなくていいような形で入ってください。そしてそこの自分の今までやっていたところは、先ほどのお話のように駐車場やなんかありませんから、そういうところはひとつ貸していただくなりあるいは売っていただけないでしょうか。そう言って貸していただいたり売っていただいたところにどんと駐車場の大きなものをつくったり、あるいはそれは地下も利用できるかもしれませんし、そういうようなものを公共的ないわゆる第三セクターで地方自治体も一緒に入っていただいてやっていただくようにすると、相当思い切って、商店街が活性化するんじゃないか。  いわゆる従来のようなぽんぽんとなっているようなものじゃなくて、一つ大きなビルでもつくって、それでどんと駐車場もつくり、あるいは今のお話のイベントのできるような何かもその横につくったりして、文化的なものもつくったり、集会所もつくったりしていくというのは活性化につながるのじゃないかな。これは私のアイデアですから、まだこれから事務当局が固めていくことでございますが、今御指摘のように私も大分商店街の問題をやってきた男でございますから、そんなようなことをひとつ研究してみろよということを実は言っているわけでございます。今後大店法の改正に伴って、いろいろ中小小売商の皆さんに大変影響を与える可能性もあると私は思いますので、そういうことになったときにはこんなようなアイデアでやったらどうかということで、これから一年ぐらいかけてそんなようなことを勉強していきたいと思っております。  今御指摘のありました保健所とかいうようなものは、そういうものをやるときは当然冷暖房のすばらしいものをつくったらいいと思うのでございますが、保健所というのは、またこれも厚生省の関係、地方自治体の関係がありますので、私どもから強制はできませんけれども、その場所へ行ったらみんな生活のエンジョイもできるし、そしてショッピングもできるしというような、そして必要なところは役所なんかもそこに一つぐらい入っていただいて、手続はそこで何でもできるとか、そういうことになっていけば大変いいことだろうと思っておりまして、夢として私は持っておるわけでございます。その点では、今御指摘の点と私はほとんど意見は同じであると思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 大変意欲的な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。ただし、私は大店法の質問をきょうしているわけでは全くございませんから……。  ただ、神戸では実はもう三カ所そういうのを始めまして、成功裏に進んできたのです。私がやったわけではないのですけれども、私もお手伝いしたところはあるのです。やってみてわかったことは、そのキーテナントにいずれも大型のスーパー、デパートの進出はないのですけれども、大型のスーパーがそれを抱え込んで、資金手当てをするということが結局は前提になってしまった。つまり、資金量がないのですね。駐車場をつくるにしても建屋を建てるにしても、最初の頭金が払えない。権利は持っているけれども売買できないという状況ですから、結局キーテナントが踏み込んでくるという形になってしまう。そのキーテナントがたまたまそのエリアの商店と別のものを売るならいいのですけれども、どうしても競合してくる。スーパーでございますと競合品が多くなってくる。アメリカのモールの成功例は、いずれもデパートが二軒あって、その真ん中をモールでつないで、そしてモールはスーパー型、デパートはデパート型というふうにかなりエリア分化したいきさつがある。これは参考にすべきやり方だなと私は思っておるのです。  ところが、我が国でこれをやる場合にはもう一つネックがあるのは、関係各省庁にこれがまたがるわけですね。通産省からも中小企業活性化資金が出てくるぞ、建設省とかけ合わなければ公団住宅はさわれないぞ、前の道路、駐車場を直すのは建設省と自治省だぞ、あるいは市役所だぞ、こういうのがあります上に、権利関係が分散していますから甚だまとめにくい。そこで人民どもの方から申し上げるならば、お役所がまとまってくれないか。この問題を協議するのに、僕は忘れてしまったのですが、東京に何百回、地元の会合が四百回という恐ろしい記録が残っておりまして、それほどの馬力のある方がおればそれはできるわけでございますけれども、大変である。したがって、私は二つお願いしたい。  一つは、きょうの質問の最後のあれなんでございますが、商業活動振興基金とでもいうものをいただいて、後から返済することはあってもいいのですけれども、なるべく低利の、できたら無利子の資金をひとつ貸していただけないかということが一つ。  それから第二番目には、関係各省庁に御相談に行きたいのですが、御相談に行く窓口をどこかにまとめてもらえないか。あれもやりたい、これもやりたいと地元はアイデアを言うわけですし、特に面倒くさいのは、金額の大きいのは駐車場、住宅なのです。商業としてのさまざまな規制に対して、こうしたものを何かまとめていただけないか。その二つについていかがでございましょうか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 たまたま先ほど私がちょっと触れました街づくり会社構想、これは中小事業団が出資並びに融資できることになっておりますが、その融資は無利子で、たしか二十年以内ということになっておると思います。その対象としては、例えば今御指摘のありました駐車場であるとか集会所であるとかいうものをおつくりになる場合にはできるわけでございます。しかも、もう一つこの街づくり会社構想というのは、たまたま今アメリカのお話がございましたけれども、これは大型店と中小小売商がある程度結んでやっていただくということも実は考えているわけでございます。そういう点においてはこの街づくり会社構想、特に平成二年度の予算が通れば相当本格的に進めていきたいと思っておりますけれども、これなどは大変おもしろい、御指摘いただきましたような構想をある程度埋めていけるものではなかろうか、私はこう思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 実は街づくり会社構想には私は大変敬意を表している一人なんです。ただ、私のエリアで申しますならば、お金が小さ過ぎるのですね。駐車場をつくるのでも、ちょっと申しわけないのですが、百億とか二百億のレベルは下をさわっただけでかかってしまう。上屋をさわりますと、三百億から五百億くらいぼんと融資していただかないと手がつかない。ところが、この金額は余りに小さいのですね。神戸の一つの商店街に全部お借りしたいと申し上げたいような金額になってしまっている。だから、これは通産行政というのでなくて、日本じゅうで日本の国土をつくり直すのだというふうな感覚で押してくるのでなかったら、このけたが上がらないのではないか。これは僕は何とかしていただきたいと実は思っておるのです。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 私もその点はよく理解ができるわけでございまして、先ほど申したように役所も違うわけでございますが、やはり建設省の区画整理事業とか都市開発事業、こちらの方は相当予算が出るわけでございますから、できればそういうものとこの街づくり会社構想というのがうまく結びついて、地域でやっていただけると大変いいんじゃないかなという感じが実はいたしておるわけでございます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 そこで私が申し上げるのは、そういう関係各省庁との交渉ですね。それをなるべく打ち合わせのよくできるように、中央官庁が何かまとまった窓口になっていただきたい。その都度発見して出かけていくのでは地元はたまらないものですから、それをお願いしたい。  もう一つは、いろいろな資金があるのはわかっておりますが、ともかく手付金みたいな形で商業活動振興基金とでもいうものをこしらえていただきまして、一カ所で五十億単位ぐらいのお金が無利子で最初にぼんと出てきて使い始められると、余り長期にわたる必要はないが、それで回転が始まる。これが私は必要だなと思っているわけでありまして、御研究いただけないでしょうか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 私先ほど申し上げましたのは、大店法の改正があればということを申し上げたら、いや、きょうは大店法の話じゃないよということでございますが、これは財政当局もありますので、私どもとしては、ああいう大きな国際的な立場でいろいろ私どもは指摘をされ、やっていこうということで始めようとしているわけでございまして、そういうときにやはり財政当局とも話は正直しやすいのですね。なかなか財政当局と話しても、今度の街づくり会社構想でも、今御指摘のように大変金額的には小さいものでございまして、基金にするのがいいのか、財政措置でそのまま直接やるのがいいのかはともかくとして、そういうときに思い切ったことを財政当局とも話がしやすいものでございますから、来年以降においては、私は相当のことを財政当局にお願いをしようと思っております。今御指摘の点は、何にしたってもう平成二年度の予算を今御審議願っていて、これを変えていくというわけにまいりませんし、平成三年度予算以降のことだと思いますので、今のような御意見も十分踏まえて対処してまいりたいと思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 それから、現行の商定街で困ったことが一つ生じておるわけです。これは高齢化の問題とも絡むので、次の高齢化の問題と一緒に申し上げるわけでございます。  商定街で三十軒あるところで、真ん中でやめてしまう店が生ずるわけです。そこだけ電気が消えてしまうのです。商定街というのはアーケードをかぶっていますから、真ん中で真っ暗な店が三十軒で三軒できると、もう商定街全部つぶれてしまう。それからもう一つは、みんなが足を運ぶものにお魚屋さんがある。お魚屋さんが突然廃業されることがありまして、私のエリアにもそのケースがあるのです。しようがないので、八百屋さんとかお菓子屋さんがみんなでかわるがわる魚屋さんをやっておりまして、商店街をもたしているケースがある。  この歯抜けになってしまう商店街というものに対してどういう対策を立てるか、これはかなり難物なのでございます。これをやらぬとその商店街そのものがつぶれてしまう。ところが、そのおやめになった方が、これを売りたくない、貸したくない。というのは、売ると税金がかかってくる。貸すと今度は、今のマーケットの場合は、貸したら借りた方に非常に大きな営業権が発生するものですから、貸したくない。むしろ死ぬまでこのまま持っておる、何が悪い、こう言ってそのままにしておられるケースがある。そうすると、これは意外なことですが、商店街活性化のために大変面倒なテーマになってくると私は思っておるわけであります。  一緒に申し上げるわけでございますが、したがって、保有している建物の権利を当人に保障すると同時に、町で使えるようにするためには、共同会社をつくるとか協同組合でやるとかという方法を進めていかなければならない。しかしそれは、そういう歯抜けを生ずる人に対する対策として考えていく甘さがなければいけないと思うのです。ここのところは、小さい事件のように見えますが、現実の商店街にとっては大問題なんですね。優秀な官僚をお持ちの皆様方でございますから、そこのところは何か考えていただけないかと思うのです。  それからもう一つは、高齢化社会の中で、商業をやっておられるお年寄りの方というのはぼけないのですね。最後まで元気でいらっしゃる。店で仕事をしなくなるとぼけやすいと皆さん言っておられる上に、その商店のところへ町じゅうのお年寄りの方が意見交換に来られるのです。営業しているのは、小さな商品を売るということと同時に、うわさ話とか情報交換、激励とか冠婚葬祭の打ち合わせ、言ってみればレジャーにわたるところまでそこの店が拠点になって広がっていくという状況がある。  オランダにおきましては、年寄りが半径五百メートルのところですべてのものが賄えるように国土を直せといって、今改革が始まっているんだそうで、幼稚園も五百メートルの中にある、スーパーも五百メートルの中にある、小学校も五百メートルの中にある、病院も五百メートルの中にあるというふうに、町を小づくりに直そうとしておられます。我が国はオランダと比べてみてびっくりしたことですが、町の場合は大体五百メートル以内のところにあらゆる施設が全部そろっている。ただ、それはその真ん中の商店街の周りに散らばっておる。したがって、この商店街を高齢化社会が進む中でのコミュニティー機能を高めるという意味で、この機能を高齢化社会の一つの核として考えるという面もあっていいのではないかな。そうすると、商店である、それと同時にお年寄りの方から見ればコミュニティーセンターである、情報交換場所である、生きがいの場所である、こういう機能をおのずから持っているという点に着目する必要があるんじゃないかな、こんなことまで思っておるわけでございますが、いかがでございますか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 私はこれからの商店街というものを考えた場合には、共同意識というか、そういうものを持っていただく必要があるんじゃないだろうか。今の歯抜けになってしまってどうにも嫌だという、何か共同意識、意識革命していただいて、逆に自分の店がそういうことになることによって、自分たちの仲間が非常に困ることになるんだという意識をお持ちになるようなことをこれから私どもは啓蒙をしていかなければいけないんじゃないか。  そして、やはりどうしても後継者もない、もう年をとってきたからやめるんだ、あるいはどうも見通しが悪いからやめるんだというところは仲間同士で話し合って、おれのところ実はやめたいんだ、それじゃ組合で引き取りましょうとか組合でお借りしましょうとか、そういうことをこれからやっていかなければ、なかなか個人個人のことでやっておりますと、本当に商店街そのものが今のお話で廃れていくということが私はあると思いますので、一つの啓蒙運動というと失礼かもしれませんけれども、商店、少なくとも経営者としてはそういうことまでお考えいただく。自分のところだけじゃない、自分のところが今日やってこられたのは、そういう商店街の中にあったからやってこられたのだという意識を持っていただく、いわゆるコミュニティー意識をより高めていただくということも私どもこれから大変大切なことではないかな。やはりそういうことをやっていただかないと、なかなか今のお話は最終的には解決しないんじゃないかということを思っているわけでございます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 それで、それを大臣がこの席でお述べになっても、歯抜けの問題、恐らく一件も片づかないですね。現場でやるのはだれなのかというと、私らみたいに地べたをべたべた歩いておる連中。それで、地方自治体がやらなければいけないと思うのです。地方自治体が商店街なんかと組んでやらなければいけない。そうすると、そこの機能をもっと増強させていかなければいかぬ。お説教してもだめですし、一軒ずつ事情が違い過ぎます。ですから、あなたのお店の権利は十分これで保全されていますよというシステムが一方でできる、それと同時に、いよいよ売ろうと思ったら売れるのですよということも保証してあげる、今までの既存のルールではこういうやり方もあるのですよと教えてあげる、そして相続、亡くなられたときはこういうふうにうまくいっているのですよということもお話ししてあげる、そういうきめ細やかなところが末端の前線まで浸透しなければいけない。  僕が今申し上げていることは、半分以上現行法令でできるのです。しかし、現行法令でできないこともある。それは気配りをしろという行政指導なんですね。それがないとつぶれてしまう。その気配りの細やかさを持てよと、大臣のおっしゃる意思が行政指導となって浸透することを私は求めているわけですね。そして、それが地方自治体にも浸透することを求めている。いかがでございますか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 よくわかるのでございますが、なかなかこれは難しいのでございます。ただ、今事務当局も、とりあえず今の空き店舗、私なんか借り上げてしまったらどうか、こういうことまで言うのですが、なかなかそこまでは難しいようで、とりあえず空き店舗の活用をひとつやっていきたいということで、今度の中小商業活性化基金の中で考えていくようでございますから、ちょっとそのことだけを事務当局の方から説明をさせていただきます。

川田洋輝中小企業庁小規模企業部長

○川田政府委員 今度の補正予算で二百六十億円、都道府県も入れますと五百億円を超すような規模の基金を実は設定をしていただきまして、この中でいろいろなソフト事業を進めていこうということに相なっておりますが、その一つといたしまして、今先生御指摘の空き店舗問題についても、その空き店舗活用のための実用テストをやってもらうとか、あるいは空き店舗問題にどうその商店街で対処していけばいいかというのをコンサルタントに調査してもらうとか、そういうことをやれる事業を今やっておるところでございます。ぜひともこういう事業を通じて空き店舗問題、これからも取り組んでまいりたいというふうに思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 では、最後に念押してございますけれども、大臣、そういう商宅街を直すということは、その地域の高齢化社会に対する対応にもなる、町づくりにもなる、町の人々の共同意識を高めることにもなるという点では、大臣と私は意見がほとんど一致させていただいたと思ってありがたく思っておるのです。  ただ、駐車場をつくるのに建設省とか、集会所をつくるには自治省、地元市町村とか、住宅は建設省、住宅公団、建設会社に、それから通産省がまた商店としてのいろいろな指導とか、そういうふうに何種類もございますね。それについてどういうふうに扱うかということは、大きな自治体の場合は自分で調べていける。自分で交渉能力があるわけですね。例えば神戸市あたりですと相当自分で交渉能力がありますが、普通の市の場合は交渉能力はそんなにないわけですね。神戸市だって、それこそお金で困ったりなんかして大変な苦労をしたわけですから。  そこで、ぜひお願いしたいのは、各省庁のそういうものが地元から見て使いやすいように、こういうふうにすればこういうふうになるのだというようなノーハウを事前折衝していただいておいて、商店街を直す場合にはこういうふうにするとこうなるよというものをつくり上げて、ノーハウブックみたいなものをつくって通産省から御指導いただいておく、これは本省からお願いしても悪くないのじゃないかなと私は思うのですが、いかがでしょうか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 それは大変結構なことでございまして、先ほど申し上げましたけれども、例えば私どもの予算だけでは小さい、では建設省にはこういう区画整理事業がありますよ、あるいはこういう都市再開発事業がありますよ、これをうまくかみ合わせていただいたらいいのじゃないでしょうかというのは、我々の方で当然指導はできますので、そういうことをやると同時に、窓口として、すべてこれはいわゆる都道府県が大体窓口でございますから、やはりその辺がうまくやれるような、行政的に商店の方、一般の国民の方からすれば、あっちもこっちも行かなくても、どこかへ行けばある程度うまくいくなというような仕組みができるようなことは、幾ら縦割り行政でも、国民のためにはその辺は大変必要なことだと思いますので、私もひとつ研究させていただいて、そういう要綱というか、そういうものを出すときには、そういうことも含めて各省とも話し合った上で要綱を出せるようなことになれば一番いいと思っておりますので、それはぜひ研究をさせていただきたいと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 ぜひお願いしたいと思うのです。特に地方でもう始まっている事業がたくさんありますから、そういうところの意見も審議会みたいなものをつくって十分取り上げていただいて、日本じゅうの商店、どこの町というわけじゃなくて、活性化するために適切な御処置をぜひともお願いしたい。特に、くどいようですけれども、少し大量の無利子の、活性化の実行に実際に融資されるお金をぜひとも何とか枠をとっていただきたいとお願いいたしまして、私の質問を終わります。

野中広務自由民主党

○野中主査代理 これにて渡部一郎君の質疑は終了いたしました。  次に、小沢和秋君。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 私は、我が国の石油備蓄政策の根本的な転換を検討すべきだ、そういう課題の一つとして、私の地元で今建設が進められております白島などの国家備蓄基地の建設、これ自体も再検討すべきだということについてお尋ねをしたいと思っております。     〔野中主査代理退席、主査着席〕  まず大臣に、基本的な認識についてお尋ねをしたいと思うのです。我が国は今まで何回も石油危機に直面をしましたけれども、現実にその危機が表面化するには至らずに乗り切っていくことができたわけであります。私は、これは結局のところ、いろいろ中東などで紛争があっても我が国が中東のあらゆる国々と本当に平等互恵の精神に立ってきちんと外交政策を展開し、また経済的にもつき合っていくならば、今後も石油をこのように安定して確保することができるというのが今までの経験からの教訓ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

山本雅司資源エネルギー庁長官

○山本(雅)政府委員 実は世界のエネルギー情勢、過去、一九七三年の第一次石油危機のときには、日本の国内でも初めての経験でございまして、トイレットペーパー騒ぎとか大変な実情があったわけでございます。したがいまして、それを踏まえまして実は一九七五年ごろから石油備蓄の増強が必要だという認識が高まりまして、石油備蓄法の制定もお願いいたしました。さらにそれの一環としまして国家石油備蓄も始めたわけでございます。最初は三千万キロリットルの国家備蓄、それから今は五千万キロリットルに増強するということでやってまいりました。そのような国際的な努力もございまして、一九七九年のいわゆる第二次石油危機の際には、第一次と比べまして大変平静に対応ができたわけでございます。  これからの石油情勢、世界的な石油の需給バランスが、中長期的に見ますと非常に心配な事態が最近現出しつつあります。具体的にはいろいろございますが、そういう中長期を見まして、日本としてあるいは世界全体としても石油の供給安定、需給バランスをとると同時に、いざというときに備えました備蓄対策というのは将来に備えて着々と進めなければならないというのが私どもの基本的な考え方になっております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 私も、石油備蓄というものが現実的にもまた心理的にも一定の効果を持っておるということは別に否定しようとは思いません。しかし、私がさっきから申し上げているのは、本当に我が国が中東の諸国と平等互恵の立場に立ってつき合っていくならば、いろいろ向こうの方でもめるようなことがあっても、そして一つ一つの国との関係では個々の石油供給は減ったというようなことがあっても全体としては確保してきたというのが実績ではないか、だから今後もそういう立場に立って努力をしていけば確保していくことができるのではないかということです。  大臣にお尋ねしますけれども、今世界の情勢も、米ソの間でも軍備の縮小をしようかというような話し合いが行われる、そして中東ではイラン・イラク戦争も終わって、全体としてはあの地域でも安定に向かいつつあるということが言えるのではないかと思うのです。いかがでしょう。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 私たまたま、この間イラクの石油大臣が日本へ来られまして私とも食事もしたり、役所にも来られましたし、三時間近くいろいろ話をしたのですけれども、率直な話、イスラエルに対しては大変厳しい話がございました。私はあれを聞いていて、必ずしも中東情勢というのは、全くうまくいっているのかどうかというのは疑問を持たざるを得ないというような感じを率直に私は受けたのです。そういうことで、私は中東情勢というのは、もちろんいつまでも平和であっていただきたいと思いますけれども、ああいう民族の問題、宗教の問題、いろいろ絡んでおりまして、非常に注目をしていかなければならないなあという印象を受けたのは正直、事実でございます。  それからもう一つは、御承知のように今油の値段はおかげさまで十八ドルを切るぐらいになってきておりますが、これでも昨年の今ごろと比べれば相当上がっていることは御承知のとおりであります。そうして日本の一次エネルギー供給でまいりますと、やはりまだ石油が五十何%というような高い数字を示しているわけでございまして、こういうことからいくと、石油というものに依存していることが日本の現実の姿であるならば、そして将来ともに価格が必ずしも安定していくかどうかわからない、あるいは中東情勢というのが絶対に将来もう紛争が起きないとは限らないわけでありまして、そういう点からいけば今後とも備蓄というのは全く必要がないのじゃなくて、できる範囲、できるだけ安い原油を備蓄していくということは国家のためにプラスになる、私はこう考えておるわけであります。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 私もさっきから、今まで備蓄した分ももう一切やめてしまってよろしいとかそんなことを言っているわけではないのです。世界的にもまた中東の情勢も安定化に向かいつつあるというような今の状況を考えるならば、六十二年に国家だけでも五千万キロリットルを目指して今後備蓄すべしというような規模で進めていく必要があるのかどうかということについて、ぜひこの際再検討をしていただきたいということを申し上げているわけです。実際、石油の備蓄政策というのは非常に大きな金を使っているわけですね。参考のためこの機会にお尋ねしますが、今までどのぐらいかかったか、また、ことしもどれぐらいかけようとしているのかということをちょっとお尋ねしておきましょう。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田政府委員 ただいまちょっと数字を手元に持っておりませんが、年々の予算で申しますと、二千数百億円ぐらいが備蓄に使われているというふうに承知いたしております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 あと財政投融資などでも七千九百四十八億というのがことしの予定ではないですか。だから、それだけ使うわけでしょう。両方合わせたら約一兆円ですよ。こういうような大きなお金を毎年使っている。だから私は、これがそういう世界の情勢から見て、ここまでする必要がないのではないかということになるなら早速にもそこは再検討をしなければ、後々になってあれは経済的な安全保障の費用でしたなどと言って、いいかげんなことで済ませられるような規模のお金ではないのだということを申し上げておきたいと思います。  私はそういう全体としての認識を持っているわけですが、とりわけ最大のむだになりかねないまた非常に危険もあるのは、私の地元、北九州市若松区の沖合につくられようとしておる白島の石油備蓄基地であります。御存じのとおりこの白島の石油備蓄基地は、一九八七年二月三日の大しけで工事中の防波堤が大きな被害を受けて工事を中断したわけであります。私たちはかねてからこういうような荒海、あの有名な玄界灘の真っただ中に、しかも海岸から八キロも離れた小さな白島というところに堤防を築いて七十万トンの巨大なタンク船八隻、そうすると五百六十万トンですけれども、そこに備蓄するというような計画は無謀だということを言ってきたのです。ところが、工事を強行してこういうような状況になった。工事を着工するに当たって石油公団は「洋上石油備蓄システムの安全環境対策について」というパンフレットの中で「安全性への配慮は十分です」ということで百年に一度発生するような風や波に十分耐え得るということを言っておったのです。ところが、工事を始めてまだ何年目ですか、あれは。ああいうような大しけに遭った。百年に一度というのがまさにあの瞬間に、工事始めてほんの二、三年目に起こったのですか。結局、これはあなた方が無責任なことで計画を強行したとしか言えないのじゃないですか。百年に一度の安全を見込んだと言った責任はどうとるつもりですか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田政府委員 お答え申し上げます前に、先ほどの数字の話でございますけれども、石油備蓄関係につきましては、平成二年度の要求といたしましては、国家備蓄関係で国家備蓄会社の融資二千三百七十五億円の政府保証借り入れ、それから備蓄原油の購入資金の借り入れについて五千五百七十三億円の政府保証市中借り入れ及び政府引受債がございます。それから、民間備蓄関係につきまして、備蓄石油購入資金融資が……(小沢(和)分科員「私が言ったことで大体間違いないわけでしょう」と呼ぶ)  それから、今御指摘の点でございますけれども、この計画につきましては、そもそもの段階で石油公団を中心といたしまして学識経験者等を集めましてフィージビリティー調査を実施した後、港湾法その他の基準にのっとりまして、当時としては最善の方法で計画をつくり実行に移したものでございます。  ただ、先生御指摘のように、六十二年の二月に施工途中の段階でございますけれども、予想もしなかったような異常波浪があったということで被災を受けたわけでございます。その後、私どもといたしましては本件の重要性にかんがみまして、石油公団におきましても検討の委員会を各界の最高権威を集めまして設けまして、その被災の原因の究明を行いますと同時に、また技術的な対応策の可能性というものを探ってまいったわけでございます。その結果を踏まえまして現在その工事を再開している、これが現状でございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 当時としては最善を尽くしたのだというふうに言われるけれども、しかしその設計をしたりする基礎になったあの地域の海の状況についての観測というのはほんの何年かしかやらずに、それで推測を立てたからああいうようなことになったと私は地元の市会議員の皆さんから聞いておりますよ。だから、そもそもそういうようなデータの非常に不十分な状況の中で強行した、今度はこういう事態に直面したからまたそれで手直しをしたということになったら、結局また繰り返しで、今としては最善の予測を立てたけれども同じことになったということになるのじゃないですか。  今度は確かに北の防波堤を中心にしていろいろと補強工事をするわけですね。その北の防波堤の前に消波ブロック、一個三十二トンもするような大型のブロックを山のように積むとか、その防波堤の裏側に今度は裏込め石を置くとかあるいはその防波堤の本体の中に詰め込む砂をコンクリートで固めるとかそういうことをいろいろやられるということは私は聞きました。しかし、地元の市議会の中で、では今度は絶対に安全ですか、こう問い詰められたら絶対に安全とは絶対に言えない、こういう答弁が返ってきているんですよ。一体国の方も、実質的には絶えず連絡を取りながら、むしろあなた方の方が学識経験者などを集めて検討の主体になっているはずです。あなた方の方は、これは絶対安全だということで再開のサインを出したのですか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田政府委員 ただいま申し上げましたように、石油公団におかれまして、我が国のいろいろな面での最高な権威の方に集まっていただきまして、二年半ばかりかけて対策を検討していただいたわけでございます。  その結論といたしまして、ただいまちょっと先生が一部につきまして御例示がございましたけれども、いろいろの補強対策を講ずることによって十分な安全性を確保することが可能であるという結論をいただいたわけでございます。これを踏まえまして、私どもとしては工事の再開につき了解をいたしたところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 もう既に一回やり損なったわけですからね。今度またやり損なうというようなことは、それこそ絶対に許されないと思うのですよ。だから、地元の市議会で絶対安全かということになったら、絶対安全とは言えないということになったわけですね。今のあなたの答弁はそれが絶対安全だという保証には私は聞こえないのですけれども、どうですか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田政府委員 今申し上げましたように、我が国の最高水準の方に集まっていただきまして技術的側面を十分に御検討いただきました。その結果、十分に安全性を確保できるという御指摘でございます。また、六十二年二月の被災というのは、先生御案内のとおり施工途中に起こったわけでございます。したがいまして、施工途中の態勢についても十分に強化することによって私ども安全性の確保には万全を期してまいりたいというふうに思っております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 今の答弁では私は何の保証にもならないというふうに申し上げざるを得ません。  もう一つ。今私は北側の堤防についてはかなり補強したということを言ったのですが、東側の堤防が問題だと思うのです。ここからタンク船を定期点検などのために出し入れをする必要がある。そしてこちらの側は、冬の季節風が直撃する側ではないというので、技術的にも補強ができないし、そう危険はないのじゃないかということで、余り補強をしないようです。しかし実際には、前回はこの東側の方も相当の被害を受けているのですね。ここが余り補強されないというのは今度致命的な弱点になりかねないのではないかと私は思いますけれども、この点はいかがですか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田政府委員 一応今回、補強対策を先ほど申し上げました石油公団の検討委員会で検討していただくに際しましては、全施設についていろいろ見直しを行っているわけでございます。見直しというのは再点検を行っているということでございまして、その結果、必要なところについては、もちろん先生今おっしゃった北側の防波堤だけでなく、いろいろな面について所要の補強を行うことといたしております。東側の防波堤につきましても所要の補強策を考えているわけでございまして、天端高の高さであるとか土圧を高めるための裏込め工の上に方塊等を設置するとかいろいろな補強策は講ずることといたしております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 それともう一つ私たちが心配をするのはシーバースですね。これがそういう荒海の中を八百メートルも管を延ばしてその先につくって荷役をするようになっているわけです。同じ国家備蓄基地でも苫小牧東部ですか、ここなどの場合には陸上にタンクがあってもともとシーバースといってもそう沖合に出ているわけじゃないのですけれども、防波堤でちゃんと囲ったりしておりますね。ここは防波堤もないのです。これで、シーバースというのは一番事故の起こる危険性の高いところではないかと私は思いますけれども、安全だと言えるのでしょうか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田政府委員 シーバースあるいはそれにつきます配管橋等につきましても、今回設計条件の見直し等を行った結果、所要の補強対策を講じているところでございまして、具体的にはデッキのかさ上げであるとか部材のジャケットの関係とか肉厚を変えるとか、あるいは基礎くいの根入れ長を変更するとか所要の補強対策を講ずることといたしております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 今も言いましたように、ほかのところでは自然の条件としてはもっと厳しくないのじゃないかと思うようなところでも防波堤をつくっているのですよ。ここは何で防波堤をつくらないのですか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田政府委員 当然の前提といたしまして、気象、海象条件を推定した上で、あるいは実績に基づきまして勘案した上で設計を行うわけでございますけれども、先ほどのような補強対策を講ずることによりまして、シーバースの安全性についても十分確保できるということでこういう形になっているものでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 いや、私らが聞いているところでは、あそこは本当は防波堤をつくらなければとても危ない。しかし、海の深さが五十メーターから七十メーターぐらいになるというのです。そんな深いところに防波堤をつくろうといっても技術的にできないので結局むき出しのものになった、これが真相じゃないですか。だから、仮にそうすると、工事は何とかやって完成したとしても、今後そこで荷役をする場合、これも私が聞くところでは、波の高さが一メーターになったらもう荷役を中止してそのシーバースを離れる準備をしなければならない、実際に一・五メーター以上の波になったらすぐ動かなければならないということですね。そうすると、私はさっき非常に海が荒れているところだというふうに言いましたけれども、そういうような波というのはしょっちゅうあるんじゃないですか。結局あそこから石油の出し入れがなかなかできないというような状況になりはしませんか。実際にあそこで年間にどれくらいの荷役ができるというふうにあなた方は実際の調査に基づいて判断しておりますか。そういう調査をしたことがありますか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田政府委員 先生御指摘のように、一定の有義波高で申しまして波の高さがどれくらいということで着桟限界を定めることといたしております。今先生一メーターという御指摘でございますが、私ども承知しておりますところでは、着桟限界は有義波高で一・二メートル以下、それから平均の風速で毎秒十メーター以下ということを海上保安庁の御了解を得て設定をいたしているわけでございます。  それで、では今のような波の高さ、どれくらいできるのかということでございますが、八二年から八六年の平均で稼働率を求めますと、年の平均で七七%程度になろうかと思います。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 海上保安庁の方、お見えでしょうか。ここに入れるタンク船は日立造船有明工場でつくるというふうに聞いております。そうすると、海を四日か五日くらい曳航してこの白島に持ってくるということになります。今私は非常に海の荒れるところだと言って心配をしているわけでありますが、四、五日もかけて七十万トンもの巨体をタグボートで安全に曳航できるのかどうか、これ自体も地元では大きな心配の種になっております。この検討に参加しておられるというふうに聞いておりますが、今どういう判断をお持ちでしょうか。

藤井宏之海上保安庁警備救難部航行指導室長

○藤井説明員 お答えいたします。  七十万キロリットルタンクのような大型タンクを曳航する場合には、海上保安庁としても航行安全確保のために関係者を十分指導していく必要があると考えております。  現時点ではタンクを建造する造船所等につきましては具体的に承知しておりませんが、白島石油備蓄株式会社の曳航計画はおおむね三、四年先であると聞いておりますので、その内容が具体的に明らかになりました場合には上五島石油国家備蓄基地に係る曳航事例等を参考にしつつ、船舶交通、漁業操業状況等の海域特性に応じた曳航計画の策定、曳船、警戒船等の船団構成、気象、海象予測、通信連絡等海陸一体となった管理体制等につきまして、十分な安全対策が確保されるよう関係者を強力に指導してまいりたいと考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 私の時間もだんだん迫ってきましたけれども、ここで大臣にもう一度お尋ねをしたいと思います。  今私は、白島石油備蓄基地の建設というのがいかに安全を無視した形で強行され、それについて十分な確信も得られないままにまた再開するような状況になったかということについて明らかにしたつもりであります。この際、ほかのいろいろなことをおいても、私は、こういう危険性を考えるならば、工事の中止ということも今からでも勇断を発揮すべきではないかと考えます。実際、私が先ほど引用いたしました六十二年の報告の中でも、今民間のタンクが膨大な余剰を抱えている、だから国家備蓄基地については今後の建設をやめてこういう余剰タンクの活用を積極的に図ることが国民経済的に見て適当であるということも指摘されているわけですね。十カ所のこの国家備蓄基地、まだ全部建設を続けているようでありますけれども、こういうような危険なところぐらいはこの報告の趣旨から見てもやめるという考え方はないのか、お尋ねをいたします。

山本雅司資源エネルギー庁長官

○山本(雅)政府委員 大臣がお答えいたします前に、私どもの基本的な考え方といたしまして、今御指摘のように、三千万キロリットルまでは国家備蓄で国家備蓄基地をやっておりますが、それから五千万キロリットルにふえる分は民間の余剰タンクがあればそれを活用する、こういう形でやっておるわけでございます。この白島備蓄基地はたしか五百六十万キロリットル、割合というか大変大きな基地でございまして、これができないということになりますと国家備蓄計画に大変大きな障害になるものですから、何とかしてこれを遂行したいと考えておるわけでございます。  ただ、安全問題は、委員御指摘のとおり大変重要な問題でございまして、一たん石油備蓄が問題が出ますと、海上汚濁であるとか、これはかつての瀬戸内海の小さな汚濁とか今度のバルディズのアラスカの汚濁とか大変大きな問題になりますから、これだけは何としても全力を挙げて安全性の確保に努めたいということで、斯界の最大の権威者を集めていろいろ技術的な検討を願ったわけでございまして、二年半かけた再検討ということで、私どもの苦悩の末の結論ということで、あくまでも安全には最大限に努力して遂行していきたい、こういうように考えているわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 もう一遍、その点だけ大臣にお尋ねをしたいのです。  この間、若狭湾でリベリア船籍の船が重油の流出事故を起こしました。これも大問題になったけれども、流出したトン数を見て私はびっくりしたのですよ。六百八十トンなんですね。それがこれだけの騒ぎになる。今議論しております白島石油備蓄基地というのは一つのタンク船が七十万トン、たしか一つずつの区画があって、一つの区画は十万トンぐらいの単位なんですよ。だから、破れるということになったら、十万トンくらいの単位で、あるいはもっと大きな事故が起こるわけです。そうしたら、これはあの辺一帯だけじゃないですよ。これは国際的な大問題を引き起こすのではないか。そういう点も含めて、ひとつ大臣としてもうこういう危険なところにはつくらぬというくらいの勇断を発揮していただきたいのですが、大臣、もう一度いかがでしょうか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 今、長官からお話をいたしましたように、安全対策、保安対策、これはもう十分にやっていくということでございますから、やはり私といたしましては従来の計画を進めさせていただくということでお願いをしたいと思います。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)分科員 終わります。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて小沢和秋君の質疑は終了いたしました。  午後零時三十分から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午前十一時四十分休憩      ────◇─────     午後零時三十一分開議

石井一自由民主党

○石井主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  通商産業省所管について質疑を続行いたします。関晴正君。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 きょうは我々国民にとっても世界の人々にとっても忘れることのできないソ連におけるチェルノブイリの原発事故の記念すべき四周年であります。この事故による悲惨な姿、被害の状態、まさに言語に絶するものがある、こう思います。こういう記念すべき、忘れられない日に、今青森県では低レベル廃棄物の貯蔵所にかかわる公式ヒアリングが行われている中にございます。  私は三期国会にありまして、主として青森県に建設されようというところのウラン濃縮工場、低レベル廃棄物の貯蔵所そうして使用済み核燃料の再処理工場、いわゆる三点セットと言われているのですが、この建設はまことに不当なものである、適地条件は一つもない、あるとするならばオール自民党の政治条件だけであろう、こう言って、青森県を放射能のごみの捨て場にしてはならないということを常に申し上げてきたところでもあります。きょう科技庁長官ならぬ通産大臣それからエネルギー庁長官等に御質問申し上げるのは、金によって反対勢力を静めるあるいは金によってこの建設の推進を強行する、こういう考え方があるとするならばこれは許されないことである、こういう観点から物を考えてもらわなければならないと思いまして質問するわけであります。  ウランの濃縮工場の建設については建設の許可がおりました。今遠心分離機が毎日運ばれている中にございます。しかし我々は、遠心分離機が運ばれたからといってこの工場が動くとは思っておりません。ああいう不適地の場所にそういうものは、無理しても当然これはやめてもらわなければならない、こう思っているわけであります。  残りの二つの問題でございますが、きょうの質問の中心でございます低レベル廃棄物の貯蔵所にしても再処理工場にしましても、目下申請中である、許可申請の中にある施設であります。さればこそ、きょうこうしてヒアリングがまた青森で行われるということになったのでもあります。いずれの日に許可になるのか定かではありません。しかし国は早く許可しようという心だけは見えているようであります。早くしたいかもしれませんけれども、いいかげんに許可されてはたまりません。特に今までの状況と大きく変わったことの一つに、推進の立場に立った村長が村民の意思に従って退かれました。新しくなられた村長は凍結ということを掲げて支持を得て当選した村長であります。白紙撤回を掲げた村長候補はやはり推進を抑えることが先だということで、こちらの方は敗れました。  私は、原発の言うなれば交付金のこと、電源開発三法というものについて、実はこの執行に当たって多くの疑問が出てまいりました。施設の許可がないのにもかかわらずなぜ電源開発三法による金の交付をするのかということであります。当然許可があって初めて発動すべき法律ではないのか。施設の許可がないのにもかかわらず、施設がやがて許可になるであろうという想定のもとに、その想定を勝手に置いて前々年度の会計年度において支給することができるのだから交付をする、こういって六十三年度、平成元年度交付をいたしております。また今度の平成二年度の予算においても交付の予算が示されております。私は、これは間違いではないだろうか、これは法律違反になるのではないか、こう思っているわけでありますが、まず、どうして許可にならない施設についてまでもお金を出すのか、電源開発三法というものはどんなところに目標があるのか、疑わざるを得ません。そういう点から、この問題についてどうしてそういうことをしたのか、正しいと思っておられるのかどうかという点について大臣から聞きたい。当局からでも結構であります。

牧野力資源エネルギー庁公益事業部長

○牧野(力)政府委員 お答えを申し上げます。  まず、今先生が御指摘になりましたこの低レベル廃棄物あるいは再処理施設に対して事業許可がおりていないのに電源三法に基づく交付金を交付する理由ということでございますが、その前にちょっと申しわけございませんが、この交付金にかかわります発電用施設周辺地域整備法というのがございます。この法律及びこれの関係政省令に基づきましてこの交付金が交付されているわけでございまして、今御指摘になりました事業許可というものと直接にリンクしているわけではございません。先生が今おっしゃった事業許可と申しますのは、再処理施設等につきましては炉規制法に基づく許可であろうかと思います。これは安全性を十分に審査いたしまして許可をするということでございます。ところが、この発電用施設周辺地域整備法、いわゆる電源三法に基づきます交付金を定める政省令は電源立地の促進を図るために設けられた法制でございまして、これによりますと、電源地域の開発というのは非常に重要でありますし、それと電源地域を持っております地域の地域振興というものをあわせて図ることによって電源地域の電源開発を図ろう、こういうことでございます。  この法律に基づきますと、電源開発の計画が十分に確実になった時点におきまして、電源開発の振興のために交付金を交付するということになっておりまして、なお、つけ加えますと、この交付金の交付に関しましては、発電設備及びそれに関係しますといいますか、今申し上げました低レベル、再処理等の関連施設についても同様に扱うということになっておるわけでございます。しかも、この法律の政令によりますと、再処理施設、低レベル放射性廃棄物貯蔵施設、濃縮ウラン施設はこの法律の対象になるということが政令上明確に定められているということでございます。後ほどまた御質問があろうかと思いますが、交付金の交付額決定あるいは決定時期等は関連の、今申し上げましたこの整備法の法体系に基づきます政省令に従いまして、適正に行使されたものでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 今の答弁で、あなた本当に正しいと思っているの。もう一遍聞きます。まともだと思っていますか。

牧野力資源エネルギー庁公益事業部長

○牧野(力)政府委員 繰り返しになるので繰り返しませんが、電源地域の振興、電源立地の振興という観点から設けられております電源三法の趣旨及び法令の内容にのっとりまして、適正に交付金を交付しているというふうに考えております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 あなたは、周辺整備法に基づいて計画が出ていればそれに従って出すんだと言っているわけですよね。周辺というのはどこの周辺なんです。許可になった施設の周辺なんでしょう。どこに許可になるかわからないうちに、周辺だけ単独にあるものじゃないでしょう。そんなお答え正しいと思いますか。周辺というのは、発電所であれ、あるいは低レベルの廃棄物の貯蔵所であれ、あるいは再処理工場であれ、これが設置されるところの周辺でしょう。その設置がまだ定まらない。定まらないのに周辺があるなんというのはおかしくありませんか。

牧野力資源エネルギー庁公益事業部長

○牧野(力)政府委員 今申し上げましたのは、法律の趣旨に沿ってということで申し上げたわけですが、それでは六ケ所村のいわゆる三点セットについてそれがどうかということでございます。これにつきましては、六ケ所村におきましてこの三点セットの施設の建設が進むとその地点が明確にされておるわけでございます。これは詳しくは申し上げませんが、昭和六十年に青森県、地元六ケ所村と事業者の間で協定が結ばれております地点も確定をしております。さらに、同じ六十年の閣議におきまして、この三点セットを盛り込んだむつ小川原の計画が了承され、かつ三点セットが日本のエネルギー政策上非常に重要である、推進をすべきであるという決議がなされておるわけでございます。したがいまして、その地点の設定が明確になされているというふうに考えております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 金を出しているのだから、そういうお話で頑張るのでしょう。でもあなた、閣議了解だとか閣議で定められたというのは一つの大方針ですよ。こうしたいという計画ですよ。それは否定しません。それは否定しないけれども、今ここにつくりたいということを原燃産業が許可申請しているわけですよ。この許可申請がならなかったらどうなるのです。不許可になったらどうなるのです。金は返させるのですか。お答えください。

牧野力資源エネルギー庁公益事業部長

○牧野(力)政府委員 ちょっと先ほど言い落としましたが、申しおくれましたが、先ほど申し上げましたような閣議の了解、六ケ所村、県と事業者の協定にさらにより具体的に、六十三年の八月に濃縮施設、低レベル廃棄物貯蔵施設、それから六十三年の十月には、この再処理施設につきまして、県、村も参加した地元から整備計画というものが申請をされておりまして、これを政府において既に承認をしているところでございます。したがいまして、どの地点に何ができるか、その周辺にどういった公共施設をつくるかという総合的な、これは数年間にわたる計画でございますが、この計画が既に確定をしているわけでございます。  それから、事業の許可の申請でございますけれども、これは現在、科学技術庁あるいは原子力安全委員会等におきまして、所定の手続に従いまして厳正に審査をしているところでございまして、そういったような状況を勘案いたしまして、私どもとしてはその計画及び地点が確実となっており、電源地域の振興のためにはいろいろな措置を、この交付金の交付も含めまして調整措置が必要であるというふうに地元の要請を受けて判断をしているわけでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 許可にもならないうちに許可になるであろうという確信のもとにやるのは、これは一つの考え方でありましょう。しかし、法律はそんな確信でやれとは書いていませんよ。周辺整備法というものは、施設が決まったその地域の周辺でしょう。施設が決まらない周辺というものはない。しかもこれまでの交付というのはみんな決まって、この金を出す根拠というのは、建設が始まって建設が終わるまでの間に周辺にひとつ面倒を見てやろう、こういうものですよね。今青森県の姿というものは、この再処理工場にしてもあるいはまた低レベル廃棄物にしても、御免こうむりたいと言っているのです。新しい村長がそういう方向で出ているわけです。また、来年の一月には青森県の知事の選挙もあるわけです。あなた方ができるであろうと思っても、新しい知事がこれはやめた、協力は御免でございます、こうなったらできないでしょう。できなくなったときは、あなた方の交付した金というのは返還するのですかと先ほど聞いたのです。この答弁はされておりません。  それから、今あの場所というのはいかに不適かということです。一年に四万三千回も飛行機が飛ぶ空の下、飛行機が落ちても大したことがないなんて言っているけれども、とんでもない話なんです。それから今の低レベルの場所、ここは地下水の高くて豊富な場所なんです。ですからそれじゃ困るだろうというので、今度はかたい岩盤に挑んでやろうかといってやっていますよ。だからといって地下水はなくなるわけじゃない。地下水の防水対策の技術というものは、世界的にもまだ確立されていない。したがって、ここにはまだまだ問題がある。住民投票によって決めようか、あるいはまた、こういうものはやはり御免だということで考えねばならない、そういうさなかにあるわけですよ。それをあなた方は去年から、あるいはおととしからお金を周辺にばらまいている。そうして、みんな貧乏ですから金は欲しいですよね。事業計画しますよ、喜んでやっていますよ。だけれども、やはりこれは御免だなという市町村があるわけです。市町村民があるわけです。でも、金をいただいているから今さら反対するわけにはいくまい、そういうものもある。だからこれは一種のごまかし政策、懐柔政策、選挙でいえば買収工作と同じじゃないか、こう私は見えるわけです。  だから、こうしたきちんと決まらないうちに金を出してやるなんというのは、早く促進したいという意図からなんでしょう。何で二年も、決まらないうちに二年もという、大体二年もということもおかしいのですよ。入り口もなければ出口もないのに二年前というものもないはずですよ。何と答えます、これで。あなたの答えよりもうこの辺で大臣、大臣も妥当なことをしていると思っているかどうかですよ。なるほど地域振興ということがあるかもしれない。我々は何にも地域振興になると思っていませんよ。地域滅亡の策だと思って反対運動をやっているわけなのですからね。それは理念の争い、理念の違いだからそれはそれとして、じゃ客観的に、二年後にコンクリートの打設が行われますか。あなた、明確に書いていますよね。再処理工場じゃなくて、今の低レベルの場合は、低レベルの穴を掘ってコンクリートの打設が行われる日から、その会計年度の二年前に出すことができるのですよ。コンクリートの打設が、あなたは見通しがついているのですか。いつどこでそんなことをつけられますか。答えてください。

牧野力資源エネルギー庁公益事業部長

○牧野(力)政府委員 御質問が多岐にわたっておりますので、一つずつお答えをさせていただきます。  まず交付金でございますが、法令によりますと、今先生おっしゃいましたように発電、あるいは本体の設備と申し上げますが、それのくわ打ちといいますか、それが着工をされた以後ということになっているわけではございませんで、この周辺の装置、例えば漁業補償が終わるとか、発電所の用地の取得、土地造成が終わるとか、関連道路ができるとかできているとかいうような、関連施設の整備が進められた段階以降においてこの交付金が交付をされ得るということに法令上なっておるわけでございます。その例といたしまして、もちろん再処理施設等御指摘の施設は初めてでございますが、発電所の例におきまして、現に過去、いわゆる前倒しの特例といいますか、前倒しの、着工以前に交付金を交付した例が、具体的には申し上げませんが、数件ございます。まず、これが事実として法令上の問題でございます。  それから、先生御指摘のように地元の問題でございますが、こういった交付金の交付につきましては、先ほども申し上げました整備計画に従いまして、地元の強い要請を受けて交付を行っているものではございますけれども、私ども、昨今の青森県のこの問題をめぐり地元にいろいろな御批判等があることは十分に認識をいたしております。今後、できるだけこの安全性及び地域振興、いろいろなことを含めまして、この三点セットの必要性を地元に対して御理解いただけるように努力をいたしていきたいというふうに考えております。  それから、冒頭に先生から御指摘がございました、もしこれが着工がおくれた場合に交付金がどうなるかということでございますけれども……(関分科員「おくれたときだけじゃない、不許可になったときだ」と呼ぶ)失礼しました。不許可になった場合も含めましてどうなるかということでございますが、これは非常に申しにくいわけで、過去の例を見ましてもそういう事例はございませんし、もちろん観念的にないことはないと思いますけれども、私どもとしましては、現段階におきましてはとにかく地元の御理解を得、かつ科技庁、原子力安全委員会の厳正な審査の結果、所定どおりこの施設が実現の運びになるというふうに考えております。もし、万が一不許可になりあるいは着工できなかった場合、その交付金がどうなるかという点につきましては、その段階におきまして関係省庁とも十分に協議をいたしまして適正な結論を出すことになろうかというふうに思います。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 まあとにかくこの方は、これはもう年度内に許可になるのであろうという見通しのもとに金を交付しておるんだ、こう言っておるわけです。でも、この見通しが非常に問題であるわけです。ですからこの金の作用しているのは、周辺の人たちにとっては金が来るからありがたい、でも放射能のごみ捨て場が来ることはありがたくないと思うのです。まだまだ決まらないことになれば、その間にこのお金を使っておいた方がいいと思っていますよ。そうすると、お互い人間ですから、金が出て金を使うというと、反対でも反対の気持ちというのは強くはなりませんね。また進める方も、おまえだって金を使っているじゃないか、こう言いますね。そういう作用をするような交付金になっているということを考えるときに、これはやはりやめてもらうしかないと思うのです。  それから、今あなた、発電所のときにそういう前倒しをやっているという例を申し上げましたね。でも、あなたの方で出ているこの文書に何と書いてありますか。平成元年七月二十日の文書にしましても、あるいはまた六十三年の七月二十二日の文書にしましても、読んでみましょうか。ずっとおしまいのところですよ。「放射性廃棄物の廃棄施設に係る設置の工事が開始される日は、「廃棄物埋設地のコンクリートの打設工事が行われる日」とする。」こうありますよ。この日から前々、二年前までは交付してもいいということなんでしょう。交付できるということなんです。そうすると、このコンクリート打ちがいつになるかということは、あなた方の計算からいけばことしのうちにならなければならないでしょう、ことしの会計年度のうちに。さらにもう一つ、再処理工場になりますと、これも何と書いているかといえば、「核燃料物質の再処理施設の設置の工事が開始される日は、」法律の、核燃の法律と言っておきましょう、「第四十五条第一項の規定に基づく設計及び工事の方法の認可が行われる日」とありますよ。この日が決まっておるから、二年後に決まっているとか来年に決まっているとかことしに決まっているからやったということならばやれるかもしれません。全く決まるものじゃありません、これは。再処理工場の申請は、さらにことしのうちに補正申請がありますよ。絶対ことしのうちには許可になりませんよ。補正申請が私なんだもん。来年のうちになるかというと、これだって難しい。現実に私はボーリングのデータをみんな持ってこいと言っても、会社は持ってきませんよ、隠しています。低レベルの原燃産業にしても、大変なわき水並びに降った雨の水、地下水問題、これでどうやるかといって四苦八苦ですよ。ことしのうちに許可になればいいし、したいと思っているけれども、でも私から言えばなかなか難しいものがある。それから、我々科学技術委員会にある者も現地調査もしなければならないし、参考人も呼んで調べていかなければならないし、一つ一つまたチェックしていかなければならない。ですから、あなた方が甘く考えて、なるんだと言って金を出しているけれども、その金は言うなれば推進側のために協力して出している金だと思うのです。こういうことは邪道じゃありませんか。判断力を大変迷わすものじゃありませんか。ですから正直に、そういう影響を与えるなと思ったら、きちんと許可になるまで待っていいんじゃないでしょうか。こういう紛争のあるところは待つべきものでしょう。しかも、現地において裁判までやるのですよ。一万人訴訟の原告団が訴訟まで提起している場所ですよ。正常な状態でないです。何でこうして軽率に金を出すことに一生懸命になるのです。やめてほしいと思う。  これはひとつ大臣、大臣はきちんとした大臣だから判断力もある。なるほどと、考えなければならぬなと、こういう向きぐらいはあるんじゃないだろうかと思うのです。ですから、やったからしようがない、こんなことじゃなくて、御迷惑をかけているならばやはり問題がある。行政というのは推進側にとっても反対側にとっても客観的な存在じゃなければならないでしょう。もうこれは国が推進することじゃないのです。これは電気事業連合会が考えている事業にすぎない。そうしてえらく迷惑をかけているわけです。それにあなた方まで手伝いしているじゃないですか。やめてくださいよ。  大臣、ここでひとつ大臣のお考えをいただきたいと思うのです。

山本雅司資源エネルギー庁長官

○山本(雅)政府委員 大臣がお答えする前に私どもの基本的な考え方だけちょっと申し上げたいと存じます。  確かにこの事業は事業者が推進するものでございますが、それにつきましては地方公共団体といろいろ協定を結んで基本協定でやっております。ただ、政府といたしましてはこのプロジェクトというのはエネルギー政策上不可欠のプロジェクトであるということで、原子力政策あるいはエネルギー政策の観点からぜひとも推進したいという考えを持っております。  したがいまして、そういう考えのもとに、しかし事業につきましては関係者の合意あるいは整備計画の提出、そういうものをそれぞれの段階で行政的に判断いたしまして法律上決められた手続に基づいて実行していく、こういうことでございまして、私どもの行政そのものは何ら瑕疵がないと考えておりまして、ぜひこのプロジェクトを推進し、エネルギー政策上完全なものになるようにお願いしたいと考えておるわけでございます。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 今長官が御答弁したとおりでありまして、私どもは昭和六十年ですか、それぞれにおいて同意が得られておると承知をいたしておりますので、地元の皆様方にもぜひひとつ御理解をいただいてこの事業が円滑に推進されることを心から望むものでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 済みません、会計検査院が見えていると思いますが、これについての会計検査院の見解をお答えいただきたいと思います。

阿部哲会計検査院第四局上席調査官

○阿部会計検査院説明員 お答えいたします。  電源三法に係ります交付金につきましては、会計検査院といたしましては従来から関心を持って検査してまいりました。この交付金につきましては、現行の法令、制度におきましては、整備計画が承認を得られている場合には事業の許可が出される以前におきましても交付金の交付が認められているわけでございます。このような点から、御質問の交付金の交付につきましては、現段階におきましては格別問題があるとは考えていない次第でございます。  しかしながら、今後の検査に当たりましても、ただいまの御議論の内容を念頭に置きまして交付金の検査を進めてまいりたいと思っております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 もう時間でございますので申しわけない、後の人が来ていなければやってもいいけれども……。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて関君の質疑は終了いたしました。  次に、東祥三君。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 公明党の東でございます。このたび初めて当選させていただきました。初めての質疑でもございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。時間の許す範囲で伝統工芸に関する質問をさせていただきます。  私どもの東京の下町には数多くの伝統工芸の職人さんがおります。例えば江戸手がき友禅、羽子板、竹細工、飾り細工、江戸木目込み人形などをこつこつと心を込めてつくっております。江戸に限らず全国各地には、長い歴史を有していて地域の風土あるいは住民の生活の中ではぐくまれてきた伝統的工芸品が数多くあります。私たちの生活に深くかかわり合っていて、豊かな歴史の薫りと潤いを与えてくれていると思います。大臣の地元にも、美濃焼だとか一位一刀彫あるいは美濃和紙といった名品がございます。こういった伝統的工芸品を後世の人々に正確に伝承することは私たちの責務であり、また重要な仕事であると思っております。こういった視点で、まず初めに大臣より、大変失礼でございますが、伝統的工芸品に関する御認識を承りたい、このように思います。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 今お話しのとおりでありまして、地方社会におきましてそれぞれいろいろの歴史があり文化があり、そういう中からこの伝統産業というのは育ってきたと私は理解をいたしております。そういう意味においては、長い間それぞれの地域社会の住民の皆様方の大変な心のふるさととも言うべきものではなかっただろうかと思いますときに、この伝統産業というものは今後ともより振興していただくように、政府として国として努力をしていくのは当然でございまして、そういう面でも伝統産業の振興に関する法律ができ上がったと思います。  ただ、後継者の問題だとか原材料の入手の問題だとか、いろいろ時代も大きく変化をしてきておりますので、その中において御苦労いただいていることは私どもも十分承知をいたしておりまして、何とかひとつ、そういう御苦労の中でもすばらしい伝統を今後とも守っていっていただけるように、我々はできる限りのお手伝いをしていかなければならぬ、こう考えておるわけであります。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 平成二年度の中小企業対策費は、私が知っている限りではおよそ一千九百四十三億円程度であると思います。そのうち伝統工芸品産業振興対策費総額というのは四億四千万円くらい、補助金による助成もほぼ同額の四億三千万円弱でございます。話にならないほど微々たる予算しか計上されていないのが現状でございますし、これでは今大臣の御答弁にありましたとおりいかに伝統工芸品の重要性を強調されたとしても、通産省ではほとんどこの伝統工芸品に関して無視されているとしか思えないのでございます。  無視されている証拠と言ってはなんでございますが、例えば官公庁職員抄録をめくってみましても、生活産業局の中に日用品課というのは出ておるのですが、極めて重要な伝統的工芸品産業室長、この肩書は載っていないのでございます。ほかの室長の肩書は出ています。大臣、本当に伝統工芸の伝承が重要な仕事と考えるなら、伝統工芸課ぐらいつくってもおかしくはないと思うのですが、いかがでございますか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 御指摘のように予算の関係は四億四千万ということでございますが、毎年予算のカットがある中で、我々としては精いっぱい頑張ってこの予算を確保し、伝産振興対策の充実に努めてきているところでございます。  また、官公庁職員抄録の問題でございますが、確かにこの抄録には原則として本省の課長職いわゆる政令職以上のものが掲載されているということでございます。紙面の都合上の限界もあろうかと思いますが、大蔵省印刷局の方での編集ではないかと私思います。  ただ、日用品課長、これはまさに伝産課長と同様の任務をもって室長とともに仕事をしているということを御理解賜りたいと思います。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 せめて日用品課の隣に伝統的工芸品産業室ぐらいは抄録の中に載せるぐらいの誠意は示してもよいのではないでしょうか。いかがですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 今申しましたように、通産省の中の抄録であれば我々の判断でいろいろできるかとも思いますが、各省横並びの一つの基準のもとにどこまで載せるか、紙面の都合も考えた上で編さんがなされているものと思います。いろいろ難しい問題があろうかと思います。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 伝統工芸品を愛する者として何とぞよろしく御尽力賜りたいと思います。また、今後の予算面においても、施策の重要性にかんがみてもっとできるだけ拡充をお願いしたいところでございますが、先ほどの御答弁の中にありましたので結構だと思います。  次に、生産額の推移についてでございますが、通産省の調査によりますと、昭和五十八年を境にして長期低落傾向を残念ながら示しております。例えば、昭和五十五年の伝統的工芸品、通産省の指定した品目に関してでございますが、その生産額は五千二百七十億円でした。しかしながら、昭和六十二年には四千十九億円になっておりまして、実に七年間で二三・八%も減少しているのが現状でございます。一方では、指定品を含んだ産地の全生産額はほぼ横ばいになっておりますので、指定されていない伝統的工芸品の生産額がカバーしていることになります。このように伝統的工芸品の生産額が減少している主な原因は一体どの辺にあるとお考えでしょうか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 現在、伝統的工芸品は法律に基づき百七十一品目が指定されております。この中は、近年生産高が増加しているもの、横ばいのもの、あるいは減少しているもの、三つのカテゴリーに分かれるわけでございますが、全体としては先生御指摘のように残念ながらその生産高は減少傾向にございます。  その主な原因でございますが、和服の需要の減少に伴いまして、織物とか染色等の生産高の減少というところに主要な原因があると私どもは考えております。したがいまして、我々は、こうした生産高が減少しているような分野につきましては、需要の開拓であるとかあるいは新規商品の開発など、いろいろな努力を業界とともに行っているところでございます。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 今御答弁にありましたとおり、伝統工芸品が法律に基づいて百七十一品目に指定されている。私に言わしていただければ限定されておるわけでございますが、通産省が昨年各産地においてアンケート調査を行ったところ、百七十一品目のうち七十五品目で指定基準の緩和を求める回答があったと伝えられております。百七十一に占める七十五ですから、四四%の産地から指定基準の緩和を求める声が上がったということは、指定制度そのものが問い直される時期に来ているのではないか、このように考えることはできないでしょうか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 今御指摘の七十五品目の指定基準緩和の要望の意味でありますが、実は、伝統的工芸品産業審議会から昭和六十三年に我々のところに意見具申がございました。これが、産業の競争力を回復するために現在の告示等の見直しをなすべきだ、こういう意見具申でありました。その趣旨は、伝統的工芸品の特質を失わぬ範囲内で最近の工業技術進歩の成果を活用してはいかがか、こういうことでございました。  我々は、この意見具申に基づきまして各産地にアンケート調査を実施したわけでございます。その結果、先生御指摘のように改正してほしいという要望が七十五の産地から出されたわけでございます。そして、七十五の産地の中で再度産地組合が議論をいたしまして、現在までに審議会へぜひ付議をして改正をしてほしいと言ってきたのが十八産地ございます。この十八の産地につきまして審議会で審議を行いまして、この結果、まず第一が、基準緩和のための改正を行ったもの、これが八品目ございます。第二は、告示改正が不要であって運用で対処し得ると審議会が判断したものが五品目ございます。第三は、引き続き検討中のもの五品目、こういう分類になっておりますが、私どもといたしましては、引き続き各産地から要望があれば審議会を開催し、所要の見直しを進めていく考えでございます。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 各産地からの要請があったときに対してこたえるということでございますか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 この告示の見直しというのは、先ほど申しましたように、産地組合の中でいろいろ議論をしまして、今の伝統的工芸品の技法なりというのが適切であるかどうか、もう少し近代的な技術を取り入れても伝統的工芸品の本質を失わないんじゃないか、そういうような場合にその技術的な方法について改正を行う、こういう趣旨でございますので、各産地組合の要望あるいは決議をもとにして審議会が動き出す、こういう段取りになっております。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 わかりました。  ちょっと話題を展開していきますが、現在、青山にある全国伝統的工芸品センターには、常設展示として約百四十品目が展示されていると聞いております。また、特別展示は個々の産地の展示会を二週間交代で開催しているそうでございます。そのほか、ビデオコーナーとして二百本ほど取りそろえて、資料ライブラリーには伝統工芸品に関する数多くの資料あるいは図書の収集がなされておると伺っております。  日本の伝統的な技術、技法を後世に正確に伝承する意味においても大変有意義な事業であると私は思っておりますが、指定品目だけでも百七十一あるわけでございます。そして、その一品目の中には多数の異なった技術あるいは技法を駆使した工芸品があります。そのほか、指定の枠内に入れない、ここが重要だと思うのですが、まだ指定はされていなくてもすばらしい工芸品は全国に数多くあると思います。そういった意味でそれらを少しでも多く展示して、また資料として本やビデオに保存しておくことは急務ではないのか、このように思います。  なぜならば、後継者の育成が極めて難しく、そのままほうっておいたら大切な技術、技法というものがある意味で永遠にやみの中に消えていってしまうからです。同センターのほか、全国に二十七カ所の伝統産業会館があって保存事業を営んでいると伺っておりますけれども、この日本の長い歴史を有している伝統的工芸品のためにも、もっと力を入れて拡充すべきであると考えるのですが、いかがでしょうか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 全国伝統的工芸品センターはその大消費地である東京に設置されておりまして、全国の伝統的工芸品を一堂に展示するということ等によりまして広く伝統的工芸品の普及を図ることを目的として設立されております。この目的を達成するために、先ほど先生から予算が少ないと言われましたが、予算の範囲内におきまして展示方法等を工夫しながら、最大限の努力を払って我々としては伝統的工芸品の普及に努めているところでございます。今後はより多くの技術、技法を、先生御指摘のように写真とか本であるとか、あるいはビデオ等に収録しまして同センターのライブラリーで公開をしていきたいと思っております。今あるものをさらに拡充していきたい、このように考えております。  また同センターの中で行われます常設あるいは特別展示の充実等も図ってまいりまして、このセンターが伝統的工芸品の普及啓蒙のいわばメッカとして機能するように、我々としては最大の努力を傾注してまいりたいと思っております。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 伝統工芸品として指定されていない、産地の大きさあるいは企業を構成する数が足りないがために指定されていないにもかかわらずすばらしいと思われるものも今おっしゃられたビデオあるいは本の中に収録されておりますか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 数は少のうございますが、一部そういうものが収録されている事実はございます。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 こういった資料として保管しておく本あるいはビデオ事業といいますか、こういったものをさらに拡大していく方向にあると理解してよろしいですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 その方向で我々としては努力をしてまいりたいと思っております。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 保存と同時に前向きに、新しい国民のニーズに合った販路の開拓もまた極めて急務なことであろうと私は思っております。今後の時代の流れの先端をつかむ意味でも、パイロットショップといったものを設けて時代に敏感な目を養っていかなくてはならない、先ほどの御答弁にも少しあったとおりでございます。こういった視点から、今後のパイロットショップの出店計画といったものは果たしてあるのでしょうか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 例えば、先ほど先生御指摘の青山のセンターがビルの二階にございますが、その下に京都の方で持っておるアンテナショップ、パイロットショップというのが設置されております。そうしたものが各産地の自主的な努力によりまして拡充されていくということがあれば望ましいことであろうかと思っておりますが、我々自身が今パイロットショップをどのように拡充していくかというようなことを考えているということはございません。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 聞くところによりますと、都庁跡地のコンベンションセンターの中に出店をお願いしたい旨の相談を都にされていると伺っておりますけれども、どうなっておるでしょうか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 東京都の都庁の跡地をどのように利用していくかという点でございますが、東京都は今国際会議場を中心とした総合文化会館を建設するという方向で議論をなされている、このように聞いておりまして、伝統的工芸品のアンテナショップ等がこういう文化会館の中に入るのか入らないのか、東京都としてそのような意図があるのかどうか、我々としてはいまだ話は聞いておりません。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 話を聞いているのではなくて、相談は都にされておりますか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 相談をしている事実はございません。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 先ほどの一貫した質問の背景には、法的に制約があるので、指定されている百七十一品目以外のすばらしい伝統工芸品と思われるものをつくっている人々の後継者育成、確保の難しさ、あるいはまたその工芸品をこれから持続していく上での何らかのインセンティブが欠如しているという状況を踏まえて、何らかの形でその百七十一品目から外れた職人さんの人々に対しての刺激といいますか、そういったものができないものかということが常に私の頭の中にあるわけでございます。そういった一環として、先ほど申し上げました青山の展示場の件に関しても、拡充していって、できるだけ指定されていない人々も参加できるような枠を広げていってあげれば、枠から漏れた伝統工芸品の職人の方々にも大きなインセンティブになっていくのじゃないか、このように考えているわけでございますが、いかがお考えになりますか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 先ほどお答えさせていただきましたように、今現在ではセンターのライブラリー等にそうした百七十一品目以外の収録というのは少のうございますが、我々としてはこれから拡充する段階で、今の先生の御指摘を頭に入れながら対応していきたいと思っております。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 とにかく大切な、また実用と美を兼ね備えた生活用品として伝統工芸品というのは愛されてきたわけでございます。伝統工芸品が国民生活に豊かさと潤いをもたらしてくれたことは御承知のとおりだと思います。こういった意味でこの伝統工芸品の正確なる保存に尽力していただきたいと思いますと同時に、ある意味で本物が愛される時代に入っているわけですから、もっと日本の伝統工芸品を世界にアピールできるようなPRをしていただいたり、あるいはまた通産大臣が外国へ旅行するときには伝統工芸品を持っていっていただくような、地元の岐阜だけのみならず、東京六区の下町の伝統工芸品も頻繁に持っていって世界にPRしていただきたい、このように思っているのでございますが、大臣に御所見をお伺いしたい。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 実はこの日曜日から私アメリカヘ出張するわけでございますけれども、何とか伝統工芸品の中でいいものはないかということで今物色中でございますので、もし何かいいものがありましたら、御推薦をいただいたらまた考えさせていただきたいと思います。

東祥三公明党・国民会議

○東(祥)分科員 ぜひ推薦させていただきたいものが多々ありますので、後ほどリストをこしらえて送らせていただきますので、何とぞよろしくお願いいたします。  本日はこれぐらいでやめにさせておいていただいて、また今後とも何とぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて東祥三君の質疑は終了いたしました。  次に、小森龍邦君。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 それでは質問を始めさせていただきます。  まず私がお尋ねをいたしたいと思います点は、日米構造協議にかかわって新聞等で見ます文言で非常に気になることがあります。それは、日本の経済構造の中にアメリカ側から見て大変な恣意がある、恣意というのは発音ではすぐに文字が浮かび上がらないかもしれませんけれども、ほしいままにするという、あの恣意であります。それからまた差別という文言もございます。それから行政の裁量というような言葉、どうもやっていることが不透明だというような意味を込めて、不透明という言葉もありますし、そういったものがございまして、これは私は、アメリカ自体が気がついて言っておるかどうかよくわからないけれども、大変な我が国の暗い部分を個々の事実に基づいて指摘し始めたな、こういうことを感ずるのであります。  そこで、その構造ということで関係のある言葉でありますが、同和対策審議会の答申の中に、差別がこれまで温存、助長されてきた根拠というものが、我が国の産業、経済構造のいわゆる二重性、こういうものに差別の根拠がある、こういうふうに分析をしておるわけでありまして、差別というのは、御承知のように不合理な物の考え方で、一定の合理的な基準がなくて恣意的に相手を退ける、相手を侮辱するというようなものが差別でございます。そうすると、これは図らずもアメリカは、日本の事実をよく知らず、アメリカの利害に照らしてみて日本の前近代的、不合理なところをついておるのではないか、こういうふうに私は思うわけであります。  そういうことで、日米経済構造協議の問題をめぐって、経済構造でありますから通産行政と非常に深い関係がございますので、通産行政の方にこの際お尋ねをしたい、こう思ったわけでありまして、そういう日本の歴史的におくれておる問題と、日米経済構造協議で指摘をされておる問題と、今日通産省はどういうふうな理解をもって把握をされておるだろうか、まずこの点をお尋ねをしたいと思います。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 お答えをさせていただきます。  日米構造協議といいますのは、昨年の七月十四日、ブッシュ・宇野会談でそのフレームワークが決められたわけでございますが、そのときの基本的問題意識といいますのは、日本とアメリカの間における経常収支のインバランスの問題というものがありまして、これが今後の日米間の大きな問題である。これに対して、今まで、マクロ経済政策、景気対策ですとか内需拡大対策ですとか、そういうマクロ経済対策というのが基本的に一番重要なことであるけれども、日本の、現在、構造的な障壁という言い方をしておりますが、障壁についてこれを識別し、これがもし問題があればそれを直していく、こういう考え方のフレームワークがあったわけでございますが、これは障壁という問題につきましても、あくまでも国際収支あるいは経常収支というような観点からの一応の目的の限定があってのことでございまして、日本全体における不合理をすべて直すというような考え方ではございませんで、特定の問題意識を持った中での構造的な障壁問題を議論するということが、基本的な日米構造協議の枠組みではなかったかと思っております。  今回、中間報告がまとまったわけでございますけれども、それはそういう目的の限定された中での話し合い、これもあくまでもアメリカ側からの一種のサゼスチョンというのでしょうか、アドバイスを受けながら、日本がみずからの問題として取り組み、その問題の取り組みというのはあくまでも貿易あるいは収支インバランスの是正の方向で、それはあくまでも補完的なものであるという考え方ももちろんあるわけでございますけれども、その目的の中でそういう構造的障壁を見つけていくという結果の成果が中間報告に盛られたものと考えております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 いろいろあるのでありますが、なるほど表面的には、その収支のインバランスというものを是正するという直接的利害関係からアメリカが近年こういうことを言い出したわけでありますけれども、その直接的な利害にかかわって一つ一つ見ていけば、やはりいろいろ日本はアメリカとの経済の自由な競争においてこれはかなり構造的に問題がある、こういうところに先方が着眼をしてきたのではないか、こういうように思います。  そこで、例えば日本の、これは新聞ですから、訳文が果たして本当に正確かどうかということはわかりませんけれども、一応の方向というものはこれでわかると思うのでありますが、「民間企業の排他的な調達慣行」というところに、「日本の企業や業界団体などに対し、開かれて差別のない調達ガイドラインを採用し、公表するように促す具体的な手段をとること。」と、こういう、ここに「差別」という言葉を使っていますね。これは要するに、前近代的な排他的な方法をとっておるのではないかと先方が言っておるわけですね。「反競争的行為」というところの項目を読んでみますと、「競争関係法の運用が甘いため、日本の製造業者は流通業者に不当な影響力を行使したり、奨励金などを使った販売促進策を制限したり、差別的な製品標準を設けたりし、競争業者の製品を流通システムから排除している。」随所にまだ、読み上げれば、いや、ここが恣意的であるとか、ここが不透明であるとかという言葉を使っているところがたくさんあるわけであります。  そこで、中央公論の四月号でしたか、マスコミ関係で海外の事情に詳しい人が、あるアメリカと日本との関係についての文章を書かれておりました。アメリカ側は大体、いや、日本は自由競争をやりますとか自由経済の原則ですとかという言葉では言うけれども、実際はそうなっていない、要するに、言葉で言うことがなかなか信用できないという一般的空気にあるというようなことを中央公論の四月号に書いておるのを私は読みましたが、結局、我が国の経済というものはかなり前近代的なシステムというものを温存しつつ、最先端の部分では国際競争に勝てる、こういうやり方をとっていることが今の貿易摩擦になっておるんじゃないか、こういうように思うのであります。  今にわかに、いや、それはそうですとかというようなことは、その角度で見ていらっしゃらないのでありますから、なかなかすぐには合意をいただけないと思いますけれども、そうなると、日本の部落差別というのが社会構造の二重性ということから来ていると同対審は指摘していますが、この社会構造の二重性というのは、要するに一番極端な場合は、大企業で働いておる人と同じ仕事、同じ旋盤を回して一つの製品をつくる仕事を、一次協力会社から二次協力会社、三次と、まあ俗っぽい言葉で言うと、下請、孫請、ひ孫請とこう移っていく段階で、その時間当たりの労賃というものが物すごい格差がある。  これはかって部落地名総鑑を購入した企業で、名前は秘しますけれども、もう前向きに同和問題と取り組んでいる会社ですから、殊さら名前を挙げることはないと思いますが、部落地名総鑑購入企業、これは七、八年前の数字でありますけれども、その地名総鑑を購入した親会社の時間当たりの労賃は千二百七十八円なんです。第一次協力会社、つまり下請のところへ行ったときは千百十八円なんです。それがもう一つ先へ行ったら八百三十九円。そしてついに、個人で、親子で庭の先へ旋盤を据えてやっておるというようなところまで行きますと、同じ製品を扱っても四百五十四円。これは、その会社と私らが議論したときに出てきた数字なんであります。  これでは、それはアメリカは、日本はどんなことがあっても伸縮自在に表面のところでは貿易についてアメリカをしのいでいく、アメリカ側が日本社会の構造に対してこういうメスを入れかけておる、こういうように私は受け取るのですが、その点はいかがでしょうか。私の気持ちは、そういうところまで目が向かなければ、国際的な摩擦も最終的にはその場逃れの糊塗的なことになるし、我が国内の問題も究極的には解決つかない、こう、思うわけですが、いかがでしょうか。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 すべてにお答えすることにならないかもしれませんが、アメリカとの協議との観点からお話を申し上げますと、アメリカが使う差別という言葉は、基本的にはアメリカの問題意識は、内外差別ということが彼らの頭にあるのではないかと私は思っております。日本の社会の構造の変革をしようということではなくて、全般的な現象としての話ではございませんで、先ほど申し上げましたように、輸出入あるいは投資、そういう面における外国人と日本人の差別をなくす、その中でどうも外国人から見ると、日本の分野によっては国の内外の事業者に若干差別的なことがあるのではないか、もしそういう面があればそれは直してほしいし、あるいはそういう内外差別がなくとも、市場参入についての障壁があればそれをワーカブルなもの、動くようなものにすべきではないかということが問題意識の根源にあると私たちは思っておりまして、今回の構造協議の中間報告でございますけれども、内外の経済情勢、日本が貿易立国をしなければいけないという国際的地位あるいは国内の消費者の利益、そういうものを考えて、日本みずからの課題として取り組んだ結果が中間報告であったと思っております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 差別という言葉は、内外無差別にという気持ちが一つアメリカにあってそういう言葉をとりあえずは使っておるということは私もわかります。しかしながら、次第に目が向いていくと、そのことは日本国内の親会社と子会社というような関係で、これはこの訳文が正確かどうかわからぬけれども、子会社という言葉もアメリカは使っているのですね。子会社といったら、これは日本の子会社のことですね。日本の親会社に対する日本の子会社ということですね。「子会社や関係企業による親会社株式の保有を制限する。」こういう要求を出してきておるでしょう。  ということは、やはり閉鎖的な系列関係が保持されていれば今のような賃金の形態が保持できるのです。さっき私が言ったような関係が保持できるのですね。だから、アメリカの品物を入れてくれとか、日本の品物もお互いに自由に貿易しようではないかというだけでなくて、そういう旗印でやりかけたが、どうもアメリカが不利な立場に立たされる。それは日本の国内にこういう問題があり、ああいう問題があるのではないか。特に、これは建設省にかかわることでまた建設省との話のときに出したいと私は思いますけれども、不公正入札行為ですね。  不公正入札行為というのは、昔、日本の談合と言われてきましたね。これはもう明治の終わりから大正、昭和の初期にかけては物すごいことをやられて、暴力的な介入があってやっておったのです。私の家も、今はやっていないのですけれども、ささやかな建設業を何十年やっておったから、私は子供のときからよく知っているのですよ。暴力的な介入があるのです。いわゆる純粋の素直な産業活動でないのです。その変形が今もあるわけですね。  だから要するに、言葉でまとめて言えば、不合理な、前近代的な感覚で、日本の産業は表面は近代的に見えるけれども、一たびその皮を破ってみると中はもうどろどろしておる。それでは公正な自由の競争、アメリカと日本でいえば日米間の自由な経済の交流はできないではないか、ここをつかれているというよりつかれかけている。この認識は私は必要だと思いますけれどもね。先ほど、いや、差別というのは内外平等という意味でとってくれ、もちろんそういう意味の言葉もあります。けれども、あちこち拾うてみると、やはり先見性を持って今のような見方をしなければならないのではないかと思いますが、もう一度その点いかがですか。

棚橋祐治通商産業省産業政策局長

○棚橋政府委員 ただいま小森先生がおっしゃいました系列関係等について、前近代的な流通構造、生産構造があるのではないかという御指摘の点につきまして、日本の産業構造、流通構造がすべて世界に模範となる立派な近代的なものだとも言えません。確かにおっしゃいますように、親企業と子あるいは孫の下請企業との関係において賃金格差あるいは労働時間の問題その他、下請にいろいろしわが寄っておることも御指摘の点が多々あるかと思いますが、これらにつきましては、中小企業政策を中心に極力そういう格差を是正する方向での対策を講じてきておりますし、さらに今後いろいろ講じてまいりたいと思っております。  今、堤次長から申し上げましたが、アメリカが我が国の系列支配関係において今回指摘しております問題意識は、私たちの理解では、やはり親企業と下請企業とががっちりスクラムを組んでしまっておって、アメリカのいい製品、安い製品であると彼らが思っておるものもなかなか入っていかない、これは非常に排他的な商慣行ではないかという指摘であると私たちは認識いたしております。  確かにこの系列問題については両面あろうかと思いますが、私どもは、系列ということが一概に全部悪いわけでは決してなくて、先生も御承知かと思いますが、我が国の産業の競争力のある部分においては、安定的に良質の部品その他をできるだけ低廉な価格で供給をする構造として、そうした下請といいますか系列関係がメリットを持っておる面もありまして、実はこれは、数年前にアメリカが自動車部品について系列問題を出してまいって、日本の自動車産業構造ではアメリカの自動車部品がなかなか入らない一つの問題点として系列関係を指摘したことがありますが、実はその後、例えばアメリカの最大の自動車メーカーでありますゼネラルモータース、GMまでが日本の系列のメリットを導入いたしまして、安定的な供給関係で一つの部品サプライヤー、ファミリー化という一種の系列化を採用して今日に至っておるように、アメリカの企業自体も系列化のメリットもわかっておるわけでございます。  ただ、確かに系列関係において、例えば独禁法の違反行為が行われておるようなことがあれば独禁法の厳正な運用が当然行われることは、我々としても今度の日米構造協議の中で中間報告に盛り込んでおりまして、例えば、系列関係のより開放的な透明な方向でのガイドラインの策定、公表をし、独禁法の厳正な運用の形で公取も最終報告の段階である程度明らかにしていく、こういうふうになっておるわけでございます。  先ほど先生がおっしゃいました一種の談合、確かにそういう問題もあります。これについては独禁法において、御承知の課徴金制度というのが日本にございますが、この課徴金の金額について、むしろ不正行為で得た不当利得と称するものは原則としてそれを課徴金の形で全部取り上げるべきではないかという指摘も内外から出ておりまして、独禁法改正の方向で今回の中間報告の中に盛り込まれておりまして、そうした不正入札行為、いわゆる談合についての対策もおいおい整備されていくものと考えております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 国際競争に勝たねばならぬということは、私も、自分の立場がどうあろうが、やはり日本がもっとうまくいかなければならぬという気持ちを持っておりますから、したがって、部落地名総鑑購入企業といろいろ私らが渡り合ったときに、企業の中の生産システムが人間疎外を著しく進行させるようなものもあって、よその国との貿易の関係の競争に負けぬような形を講じつつ徐々に直してくれないかという話をして、会社もわかったということでそれを徐々に直して——今までは人間疎外が激しかった、人間疎外が激しいと不合理な考え方を持つから職場でいろいろな差別事件が起きる、こういう関係になっていたわけです。そこで、系列が企業の競争力を高めるということもわかるし、大事なことだということを私も承認するのです。しかし、つまりその系列関係の中に前近代的なものが我が国は所々方々に見られる。これを通産行政の中でなるべく早くそのことに気づいていただいて直していかないと、最終的には変なことになってしまうということを私は考えるわけであります。  そこで、こういう経済構造協議の問題を私が出しましたのは、先ほども申しましたように、我が国の社会構造というか産業、経済の構造の二重性、一方では極めて前近代的なものがあり、一方では大変な零細企業で、今のように賃金の格差でも、千二百七十八円もらっている時点において、家内工業、家内労働では四百五十四円にしか日当計算したらつかないというような状況にあることが、結局世の中の不合理な考え方を肯定する根拠になっている。こういう低賃金のところは、勢い明治の改革以来もなお差別され続けてきた部落の大衆がそういうところに従事している場合が多いわけですが、そうなると、それは具体的には部落差別に結びつく、こういう関係がありますので、したがって、この際ちょっとお尋ねをしておきたいと思いますのは、これは専門分野は法務省とかあるいは総務庁とかでございますけれども、通産省の方も、産業構造からくる人間の意識というもの、そういったものについてやはりしっかりした認識を持っていただいておかねばならぬ、こういうふうに思いますので、その点は現時点、どういうお考えであろうか、お尋ねをしてみたいと思います。

田辺俊彦中小企業庁次長

○田辺(俊)政府委員 中小企業政策の立場から申し上げさせていただきますと、変動する産業構造の中で、下請企業あるいは小規模企業を含めまして、中小企業の中で、非常に格差で悩み、あるいは変動、円高もございましたけれども、そういう状況で悩みながら、苦しみながら一生懸命やっている企業群が多うございます。それらに対しまして私どもも特別の対策をもって、今、近代化、合理化に向けて努力をしているところでございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 ドルが大変動をいたしまして、二百五十円から百五十円ぐらいに、短い間にずっとドルの相場が変わったときに、私は地名総鑑を購入した企業といろいろと接触を持っていますけれども、そのある企業に、六割もドルの値段が下がると輸出はもうとても赤字でかなわぬのではないかということを尋ねたことがあるのです。いや、何とか黒字でいくんです。どうやってやったんですかと言ったら、今言ったように系列会社の協力をもらったと言うのですね。そうすると、それは外注で出す品物の単価をどんどん下げていくわけですね。系列会社は、長らくのつき合いだという封建的仁義みたいなもので、それをよう拒絶しない。だから赤字は全部下が持つ、こういう形になっているので、そのときも、その会社は合理化という言葉を使ったのです。  今あなたが言われる合理化という言葉がそうであったら、これは大変なことなんですね。やはりそうであったら、続いてこれは、国際的な摩擦は表面上はうまくいったようでもまた何か起きます。だからそこで、そういう日本の経済構造の弱さというか前近代性というか、それを近代的に合理化する、では、そこら辺はどういうふうな一つの方向性を考えられているわけですか。

田辺俊彦中小企業庁次長

○田辺(俊)政府委員 私も近代化、合理化と分けて使いましたけれども、先生おっしゃいますとおり、近代化を通じる合理化と申しますか、いい機械を入れる、それに対して支援をする、それからいい人材のトレーニングをする、あるいは新しい需要開拓のお手伝いをする、そんなようなことを通じて発展していくという意味でございます。  それから、先生おっしゃいましたそういう弱い下請企業等に関しましては、また、下請代金法等で過大な親企業からの要求に対して守るというような政策展開もしております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 もう時間がなくなってしまったので、ぜひひとつ、そういう経済構造から不合理なものを是認する意識、不合理なことを常識とする意識が蔓延しておるというその視点を押さえて、そして通産行政のところから、日本の国が本当に一番底辺のところから近代化するように、そういう政策を打っていただきたい。そのためには、次から次へと近代的にやっていくというけれども、一番底辺の部分を何とかしっかりと焦点を当ててやっていただかないとうまくいかないのではないか、こういうように思いますので、それは要望しておきます。  そして最後に、きょうも新聞に、建築基準法を改正して三階建ての木造を、アメリカの木材の輸入との関係で建築基準法を改正しようかというようなことが新聞に出ておりました。それで、私が思うのは、何か一つ政策的転換をするときに、国内にあっては国内の強い者に気を使うた改正、そして国際的には、アメリカと日本の友好関係があるからアメリカの言うことは友好的に聞かなければいかぬが、何かあるとまたそれを改めるというようなことでは、果たして客観的に合理的な感覚で総合的なプランの上に立っておるかというと、必ずしもそうは言えない。  一番こっけいなのは、今工芸品ということが問題になっておりましたけれども、私の町は有名なたんすの産地なんです。それで、物品税がひどくかかっておったころ大変問題になったのは、たんすの前板を見えがかり、見えたところを半分以上使っておったらこれは物品税かからぬ、無税なんです。それで、十万円くらいの整理だんすが税金かかって二億円のたんすが税金かからない。どういうことか言うたら、工芸品じゃ言うんです。それでよく調べてみたら、皮肉なことですけれども、新潟三区が大変キリの産地だったんです。そういうことが行政の恣意だと私は言うんですね。  したがって、その行政の恣意は産業構造から生まれてくるし、そしてまたその産業構造の反映として、人間のイデオロギーというか、物の考え方、行政の感覚というようなものも出てきて、それがまた恣意的なことをやって、その相互の関係で、表面上大変近代化の方向をたどっておると言われながら、日本はなお暗い部分を持っている。そして、その暗い部分の者、暗い部分で苦しめられる者というたら、この世に生を受けてきて同じ人生を送らなければならぬのに、それにとっては大変なことでしょう。そこが人権問題なんですね。  きょうはこの辺でやめておきますから、どうぞ。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて小森龍邦君の質疑は終了いたしました。  次に、山中末治君。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 私は、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律、これを基準にしてひとつ御質問申し上げたい、このように考えております。  この法律は、中小企業者が供給する物件等に対する需要の増進を図るために、官公需の発注のときには特に意を用いるようにという趣旨だと自分では認識をしておるわけでありますが、まずこの法律で規定をされています受注機会の増大への努力をどのようにされてきたのか、そしてパーセンテージ、数字、推移の文書はあらかじめいただきましたので、そこまでは説明は要りませんけれども、これからどのあたりを目標にして官公需の発注を中小企業にされていこうとされるのか、まずお伺いいたしたいと思います。

高島章中小企業庁計画部長

○高島(章)政府委員 御指摘ございました例の官公需法に基づきまして、中小企業者の受注機会をいかにして拡大していくかということを毎年努力をしているところでございます。御案内のように毎年目標の数字を決めておりまして、その目標が実現されるように、関係各省庁へいろいろと我々自身が出向きまして努力をしているところでございます。個別の数字は控えさせていただきますけれども、この法律がスタートいたしました昭和四十一年には全体の官公需の中で中小企業には二五・九%でございましたが、六十三年度には三九・七%というぐあいに拡大をしてきたわけでございます。平成元年度におきましてもこれまで過去最高の三九・九という目標を掲げておりまして、これが達成できるように現在関係省庁にお願いをしているところでございます。  また、その法律に基づきまして国等の契約の方針を閣議決定しておりますが、その中で中小企業の人たちに官公需が回りますように、個別の具体的な措置を講じているところでございます。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 私はこの種の質問をするのはこれで二回目なのですけれども、五年ほど前に一回させていただいたのです。ところが、今御尽力をされているということですが、目標のパーセントが三九・五、三九・八、三九・八、三九・九と、四年間ほど見ましても目標だけでも余り上がってないのです。努力をされていると思うのですが、実績も余り上がっていないのです。これの隘路は何でしょうか。それと、先ほどちょっと申し上げましたけれども、当面ここ何年かの中期的な目標を幾らぐらいに置いておられるのか、大企業と中小企業のいわゆる事業額について幾らぐらいに置いておられるのか、ちょっと説明をお願いしたいと思います。

高島章中小企業庁計画部長

○高島(章)政府委員 最近の数字が大きく上昇しておりません理由の一つは、各省庁大変御努力いただきまして、なるたけ中小企業者の受注の機会をふやすようにしていただいているのではありますけれども、大規模な工事がふえたり、あるいは技術的に非常に高度なものがふえてまいりましたために、中小企業者のそもそもの事業に必ずしもマッチしないものが出てきているということもあろうかと思います。ただ、比率は御指摘のとおりでございますけれども、絶対額は御案内のようにどんどんふえてきておりまして、元年の目標で申し上げますと、六十三年の三兆五千億に対しまして三兆七千億と、二千億も増加をしているわけでございます。  将来の目標でございますけれども、具体的な需要の額そのものについては明快なものは現在はつくり得ないわけでございますが、比率といたしましては大体五〇%を目指しまして、ぜひ中小企業の受注を確保したいというぐあいに考えておる次第でございます。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 五〇%を目指すというのは、私も五年ほど前から聞いておったのですよ。それで、これは中小企業庁が努力が足りないのか、ほかの各省庁、公社等が認識が足りないのか、そのあたりに論点が当然出ていくわけですけれども、この資料から見ますと、今おっしゃったように工事の予算額もありますけれども、総額は建設省が相当大きな予算ですね。一兆四千七百四十二億でしょう。それで四五・八%までいっているのですね。その他のところで、労働省なんかは随分上がって、六十三年度で七四・六まで上がってますけれども、ほかのところは割合予算額が多いのにもかかわらずパーセントの低いところがあるのですね。一段と御尽力を賜っていかねばならないと思うのです。  なぜ今もう一回こんなことを質問し、要望するかといいますと、御承知のように、特に中小企業の建設現場へ就労するといいますか、就職する人が少なくなっているのですよ、大企業もそうらしいですけれども。この間も中小企業の経営の方がおいでになりまして、えらいことになりました、作業服も本当は現場で使用に耐えられるような今までのような作業服でやりたいけれども、それじゃ募集しても就職してくる人がないのです、だから色合いのいい、いい格好のものも使わざるを得ないのです、こういう話がございました。  そういうところからいきますと、私は第三次産業が悪いとは思ってないのですけれども、いわゆる生産の場、第二次産業、第一次産業等に従事する人が非常に少なくなっている。このあたりを十分掘り下げてみると、せめて官公需だけでも中小企業に対する発注をもっとふやしていかなきゃならないのじゃないか。先ほどの方の質問の中にもありましたけれども、だんだん下になっていくほど、規模が小さくなるほど利益率は低いし、そこで働く人の給与等はやはり劣悪な条件にならざるを得ない。何か仕事がなければ社員を養っていけない。しかも、どんな仕事でもいいから、とにかく年じゅう回っていくような仕事が欲しいのだ、こういう傾向が今出ているのですね。  そうしたら、先ほどお話がありましたけれども、下請でやらされる。これは聞くところによりますと、例えばある企業者が一億の事業を元請にしたとしますね。それを通行料のような形で一億の中から少しはねて、そして下請にこれを八千万で君のところ仕事やれや、こういうことがある。これは余りもうからぬけれども、この次にいい仕事が回ってきたらそのときに何とかするわなという、そういう言い方で下請に出していく。下請はまたそれを孫請に出していく場合もある。こうしますと、まず一億の予算を組んで国が金を集めてきて、その仕事が一億の仕事になって返ってこない。あるときは八千五百万の仕事しかない。仕事は一億の仕事だけれども、そこに支払われる費用というのは一億を切った額しか払われないということになりますから、これは大変だというふうに思うわけですね。そこで、中小企業、零細企業等に対しての発注というものを一段とひとつ力を入れてやってもらわなければならないんじゃないか、このように実は思うからであります。  それで、今説明があったのでございますけれども、「省庁等別官公需実績の推移」というこの総額の中身、全部いわゆる元請ですな、直発注ですな。ひとつお伺いしましょう。

高島章中小企業庁計画部長

○高島(章)政府委員 この数字はすべて中小企業者が直接受注をしたものでございまして、元請を通した数字は入っておりません。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 わかりました。一段とひとつ御尽力を賜りたいと思うのです。国の段階で大きなプロジェクト等の場合は比較的はっきりしているのですけれども、末端へ行きますと、出先へ行きますと、いろいろ難しいのでしょうけれども、中小企業、零細企業、特に土木、建築等になりますけれども、その辺の声が出てきますとなかなか注文が回ってこないのだというわけですね。  それで私は、元請、下請、孫請というような形で国の官公需の発注をされることをできるだけやめて、これは発注する側がそんなことを言っているわけではないのですけれども、実態はそういうふうになっているわけですね。できるだけ分離発注というものをすべきじゃないか。大きな事業については分離発注が大分なされているようです。ところが、末端の方へ行くと必ずしもそうでない。技術屋さんが非常に忙しいのですね。ですから、一つでいけば設計図等についても簡単に一つでいきますけれども、分離発注なんかしますとこれが幾つも要るわけですね、図面、計画書等が。技術屋さんの仕事が煩雑になって、非常に大変だということはわかるのですけれども、できる限りそれはやはり指導していくべきじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

高島章中小企業庁計画部長

○高島(章)政府委員 先生の御指摘のとおりだと我々も考えております。直接中小企業者が受注の機会を得ることが最も有利であるということは、もう当然でございます。  ただ、先ほど申し上げましたように、工事が大きくなりましたり、特殊な高度な技術を要するような受注になりますと、どうしてもその全体の責任問題とかあるいは監督という問題も一方ではあろうかと思いますけれども、しかし、それはそれとしても、やはり御指摘の分割発注をどんどん進めていくということは最も大切なことでございまして、先ほど申し上げました閣議決定の内容におきましても、分割発注の推進ということは大きい柱としてうたっております。また、実際の官公需の中身が濃くなりますように、全国中小企業中央会あるいは都道府県にあります中小企業中央会等が幹事になって開いております協議会の場でもそういう問題を大いにPRをいたしまして、分割発注の実が上がるようにしているところでございますが、引き続き各省庁にもお願いをして、支分部局にもその趣旨が十分伝わりますように、これからも努力してまいる所存でございます。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 そこで、ちょっと具体的になると思うのですけれども、官公需の発注をする場合、受注側に資格、条件等がございますね、いわゆるランクというのがAランクからB、C、Dとか。このランクづけについて一定の基準をきちっと持っておられると思うのですが、よければその基準を簡単にどういう基準だということでひとつ説明をいただきたいのと、いつまでも同じランクでは企業もたまったものじゃないですね、だから下の方のランクといいますか、そういうランクが上のランクの方へ上がっていくための受注、発注を通じての指導といいますか育成方針といいますか、そういうものがあってしかるべきだと思いますので、そのあたりの説明を簡単にいただきたいと思うのです。

三沢真建設省大臣官房地方厚生課長

○三沢説明員 まずランクづけでございますが、私どもの所管しております建設省直轄工事におきましては、大手、中堅、中小といった各層の業者の方々にそれぞれの施工能力に見合った受注機会を確保するという考え方から、工事種別ごとにランクを設けまして、そのランクは金額で決めているわけでございますが、それぞれそのランクに属する業者の中から指名を行うということにしているわけでございます。  それで、そのランクづけの基準いかんという御質問でございますが、ランクづけにつきましては、一つは、工事の施工実績であるとか経営規模、経営状況、こういった客観的な事項、それに加えまして、あと工事成績とか工事の安全成績とか多少付加する事項がございますが、こういった事項に基づきましてそれぞれ一定の点数をつけまして、共通的な計算式に基づいて算定してランクづけを行うということになっております。これにつきましては、客観的な事項につきましては、いわゆる建設業法に基づきます経営審査事項の結果を用いているわけでございますので、建設省に限らず、各発注者ともおおむね共通な基準によりまして格付を行っているということが言えるかと思います。  それともう一点の御質問の、そういうランク別発注の中でなるべく上に上がるようにというお話でございますが、おっしゃるとおり、公共工事につきまして中小建設業者の受注機会の確保というのは大変重要な課題でございますので、そのために、先ほども出ておりますが、分割発注を推進するとかあるいはJV制度を活用していただくとか、こういう形でなるべく受注機会を確保していく。そのことがまたランクが上に上がっていく非常に大きな契機になるんじゃないかということで、ただいま申し上げましたような分割発注であるとかJV制度の活用といったことによりまして受注機会の確保を図っているところでございます。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 建設省の方からそういう話があって、さっき申し上げたように、建設省は事業量が非常に多いのにこの比率は高いので、いろいろ御尽力をされているのです。これは僕は技術屋さんは大変だと思います。それをやはり乗り越えていかなきゃいかんということでやっているわけです。  ところが大臣、ほかの省庁は、全部だめだとは言いません、率の高いところもありますが、やはり建設省が今までここ四、五年特に頑張っているというふうに聞いておるのですが、それと同じような努力を各省庁がまたしなきゃならないんじゃないか、このように思います。大臣は一番総括されている立場の方でございますので、その辺の決意のほどをひとつお願いを申し上げたいと思います。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 これは、たしか七月ごろに大体次の年度の中小企業向けの発注の問題について目標を決めると承知をいたしておりますので、少なくとも平成三年度におきましては、この平成二年度よりも目標が必ず上回りますように、私は強く要請をさせていただきたいと思っております。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 ありがとうございました。ではひとつ頑張っていただきたいと思います。それから中小企業庁の方も大いに頑張っていただきたい、こういうふうに思います。  それで、後になりましたけれども、私もちょっと地方で市長等やっていましたので内容はよくわかるのですけれども、大企業に発注をする、受注をさせるというメリット、これはあると思うのですよ。しかし、中小零細企業に発注をする、これにもメリットがあるのではないかと思いますが、そのあたりはいかがでございましょうか。

高島章中小企業庁計画部長

○高島(章)政府委員 御指摘のとおりだと思います。現在の官公需法は、中小企業者が不利であるからだけという意味ではございませんで、むしろ中小企業であるがために、受注の機会があった方がいいというところをより強くするための法律制度と考えられると思います。そもそも大企業がすべて得意であって、すべて大手の方が受注をした方がいいということではございません。中小企業の方が小回りがききますし、ロットの小さいものにおきましては非常に機動性があって、むしろ国等の需要者として有利な面もたくさんあろうかと思います。ただ、いろいろな情報といったことに関しましては大手の方が明らかに得やすい状況にございまして、そういう意味でやはり中小企業が不利なところもございますから、それは政策的に後押しをしてあげるということは大切だと思います。そういう意味では、先ほど来申し上げております法律の厳正な運用を通じて受注の機会をふやしたいということでございますけれども、頭から中小企業が不利であり、大企業だけがいいということでは決してないと存じまして、その点は御指摘のとおりだと思います。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 もう一つは、こういう法律がつくられたわけですから、そして中小企業庁というところもつくられたわけですから、中小企業が占める日本の産業の中での立場、位置、これは非常に大事だということなのですね。それで、今のような社会的な状況になってきますと、先ほど申し上げたようになかなか人が集まってこない、仕事も寄ってこないということで受注の機会が遠ざかっていく。何のための中小企業庁や、何のための受注の確保に関する法律やと言われては大変ですから、私も頑張って協力していきますけれども、大いにひとつ頑張ってほしい、このように考えておるわけです。時間が余りございませんので最後の方になりましたが、大臣もおっしゃいましたけれども毎年七月ごろに出ます。ひとつ大臣もしくは次官もしくは中小企業庁の方々から、中小企業庁の出先あるいはまた地方公共団体等に対して絶えずそういう指導をしていただきたい、このように思うのです。  もう一つは、その大事な中小企業を育て上げていくという責任は、やはり中小企業の大事な国ですから、行政にあるわけですね。ですから、割り振りは五〇%、五〇%を目標にして大企業と中小零細企業に発注をしていきますよということだけではなしに、その中身、中小企業をもっと育て上げていくのだという方針をあわせて一段と全国的に徹底をさせていただきたいと強く要望いたしておきます。大臣、御答弁は要りませんけれども、姿かたちであらわれるような、文書等であらわれるような方法でひとつよろしくお願いを申し上げたい、このように思います。  それから、各末端現場で起こっている状況、これはもう言い出せば時間もかかりますし、いろいろどろどろなことがあります、私もよく知っていますもので。それはそれで出先で指導をうまくやってもらわなければいけませんけれども、少なくともこの仕事は天の声ですとか、先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、何々の組合とかありますね。その中で、全部とは言いませんが、これは天の声ですということで何か話が決まってしまう。そして話が決まれば、その人が実際仕事をするのではなしに、ペーパーカンパニーのようなものですぐに下請、孫請に回ってしまうというような、これはもう言葉に出して言いませんけれども、そういうことはみんな知っているわけですね。だから、もう先刻御承知だと思いますので、そういうことをここで言葉に出して言えとは言いませんけれども、そういうことも含めて明快な受注、発注関係をしてもらいたいと思います。  そうしませんと、そこにやはりいろいろなものがたかってくるのですよ。甘いところにはアリもたかってきますので、いろいろなアリもおるのでしょう。だからそういうことのないようにしていただきたい。大臣、そういうことはもうよく御存じでしょう、末端へ行きますと。だから、それをひとつ防がなければどうにもならぬよ。構造協議の問題なんか僕は言いません、もう日本本来の問題だから。それと、中小企業というのは国の産業の中でやはり一番大事な問題。だからこれは現状のままではなしに、育てていくのだということですね。それを大臣、もう言葉で幾ら言ってもあきませんから、妥当な文書でさせてください。そして、国の方は通産大臣が窓口で総括ですから、その大臣がこれだけの決意をしてやっておられるから、やはり何とか変えていかなければいかぬぞ、そういう意気込みを出先とか地方公共団体も含めて、公社公団等が持つように一段と努力してほしい。それがなかったらこれはもう直らぬ、私はそのように思います。  後になりましたが、今のは大体土木、建築等の請負の発注等を中心にして話をしたようです。一番言いやすいのでそういうふうに言いましたが、例えば現場で大きなプロジェクトがありますね。そのときに発注を受けますわな。その人が用地買収から側道の建設から資材の搬入搬出、そういうもので地元に大変な迷惑がかかるのですよ。にもかかわらず、受注をした業者が中央のあるいはまた官公庁の指導が薄いものだから、そこの飯場で食べる日常の食物あるいはアルコール類も要るでしょう、文房具類も要るでしょう、そういうものを地元から一切買わないのですね。そして、トラックにいっぱいよその方からビールを運んできてそこへおろさせたり、ガソリンはまたよその方から運ばせておろさせたりして、地元の中小企業、小売店は余り潤わないのですよ、大臣。それも含めて、これはやはり中小企業の振興ということでとらえていただきたい。そうしませんと受注と発注との関係だけで終わってしまう。国民を忘れた形で物事が進み、国民の納めた税金が使われていくというのはいかにも片手落ちだというふうに思うのですが、大臣、その点はどうでございますか、物の購入も含めて。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 いろいろお話をちょうだいいたしましたので、私としては行政はあくまで公正でなければならないという観点、それから中小企業庁といたしましては、やはり中小企業の育成ということをより強化していくのは当然のことでございますし、いま一つは、流通の面においても、また先ほどは工事のことも話がございましたが、ひとつできるだけ自分の事業、中小企業の事業が確保されるように一生懸命努力をさせていただきます。文書でやるかどうかはともかくといたしまして、少なくとも来年度の目標を設定をいたしますときには、ひとつそのようなことをつけ加えて私の方からお願いをしたい、こう思っております。

山中末治日本社会党・護憲共同

○山中(末)分科員 ありがとうございました。終わります。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて山中末治君の質疑は終了いたしました。  次に、薮仲義彦君。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 私は、大臣に改めて確認ということではございませんけれども、最近大臣も一番中心としてその衝に当たっておられる日米構造協議の中で、一番象徴的に出てまいりますのが大店法の問題でございます。マスコミの報道等もある関係かもしれませんけれども、何か中小あるいは零細の皆さん方が、我々の立場は一体どうなるのか、こういう意味での不安、懸念等を、地元へ帰りますとよく御相談というよりも、そういう意見がございます。私は決してそういうことはないはずだ、改めて通産大臣にきちんと真意を確かめておくからと、こう申し上げて今日まで参りました。きょうはそういう意味で、中小企業に対して一体大臣はどういうことをお考えになっていらっしゃるか、改めて基本的な考えをお伺いしたいと思っておるわけでございます。  日米構造協議の中間報告等を見ますと、確かに中小企業の方は一部不安を抱かれるかな、極端な言い方をすれば、強い者が通っていくのだから弱い人はそこをどきなさいというような感じすらしないわけでもございません。しかし、大臣も御承知のように、戦後日本の国があの廃墟の中から立ち上がって、今日のようにGNP世界第二位というような世界に冠たる経済大国にまで成長してきたわけでありますが、その経済成長の陰でどれほど中小企業の皆さんが血の出るような御苦労をなさって日本経済を支え、そして盛り上げてきたか、もう一度思いを新たにしていかなければならないのではないか。本当に中小企業が経済の発展に果たしたウエートというものはすばらしいものがあるし、涙ぐましいものがあったと私は思うのですね。  日本の今日までの歴史を二、三挙げてみても、あるときは重化学工業が一世を風靡した時代もございました。あるときは繊維産業が急激に不況に陥ったときもございました。二度にわたるオイルショックで多くの方が非常な苦しみを味わいました。そのときも、むしろ大企業とは違って、小回りのきく、時代に最も適応したダイナミックな対応をして、日本の経済をしっかり支えておったのは中小企業の方が多かった。特に雇用の問題においては、昔は確かに第一次産業が日本経済を支えておりました。しかし、今のように第二次、第三次となってきたときに、雇用を創出して見事な転換を図り、高度情報化社会に対応できるように業種を転換し、努力をなさったのは中小企業の方の方が大きいのではないかなとすら私は感じます。  特に、大臣も御承知のように、この中小企業白書の統計数字を言うまでもなく、今事業所数では六百四十九万四千三百四十一の事業所が日本にございます。中小企業がどのくらい占めているか。六百四十四万八千百二十三、パーセントで言えば九九・三%は中小企業の方が支えておられるわけです。私は改めて通産大臣に、この中小企業の発展ということは我々国民の生活に非常に密着し、非常に重要である。地域においては近所の魚屋さんあるいは床屋さん、八百屋さんという中ですばらしいコミュニティーをつくって、商店街をつくって地域社会を築いておるわけですから、私は何も大企業が悪い、そういう立場に立つわけではございませんが、本当の意味で豊かで、しかも潤いのある社会を形成する上において、中小企業の育成こそ通産行政のかなめである。これも大臣の心中にあると私は思うわけでございまして、最近のこの大店法に象徴される事柄の中で、中小企業の方が抱かれる不安に対し、大臣のお考えをまずお伺いしたいと思います。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 正直、私も中小企業者であったわけでありまして、中小企業というものが日本の国の経済を支えてきたものであるという自負は、私自身も持っております。しかしながら、時代の流れというのもございまして、一生懸命努力をしていても、あくまで自由主義経済、市場経済の中で動いているわけでございますから、その時代にどうしてもついていけない分野も私は出てくると思うのでございます。そういう場合には、中小企業者の方御自身が先見性を持って対処していただかなければならないと思いますし、国でやれるのは、そういう中小企業の皆さんが御努力をいただいているのに対して、側面的なお力添えというか、あるいは支えるというような感じのものが限度ではなかろうか。  あくまでも中小企業の経営者あるいはそこで働いておられる人たち皆さんが、自分の力でそのときそのときの時代、あくまでそこで物をつくる場合、物を売る場合、それは消費者、国民の皆さんがどういうものを望んでおられるかということを常に把握をしてやっていかなければならないわけでございますから、そういう御努力をなさっていただかないと、なかなかこれはついていけないというのはやむを得ないことだと思うのでございます。そういう面において、今後とも中小企業が御努力なさる限りにおいては、日本の経済を支えている大きな力は中小企業であることには間違いないのでございますから、日本経済の発展のためにも中小企業が健全に育っていっていただきたい、そのための支えは私どもは今後ともやらさせていただきたいと思っております。  それから、いま一つ、日米構造協議の大店法等の問題での中小小売商問題、これはまた別の話かと思いますけれども、今たまたま消費者の皆さんが非常に力が強くなってまいりました。経済の発展、それが自分たちの生活にも十分反映してほしい、もっと豊かなゆとりのある生活がしたいのだ。やはり国民の声を私ども無視するわけにはまいらないわけでございまして、当然経済の発展も、最終的にはそのような国民の皆さんの生活を充実していくことに目的がなければならないはずでございまして、小売のいわゆる流通段階においても、できるだけ消費者の皆さんのいろいろのニーズにこたえていけるような、そういう小売のあり方というものが必要だろう。  もちろん中小小売商の皆さんも御努力をいただいておりますけれども、そういう中にあって、たまたま昨年、産構審、中政審、この二つの審議会で今後の流通ビジョンのあり方を検討していただきました。その中で「九〇年代流通ビジョン」という形で提言をいただき、今私が申し上げたように、時代に即応したような流通のあり方をお願いしたいという中で、大店法についても、どうも五年とか場合によると十年とかかかっているような出店調整というのは問題があるのではないだろうか、もっと思い切って縮めていただくべきだということで、大体二年というものをめどにしてということになってきたわけでございます。  そこへ日米構造協議がその後始まりまして、日米構造協議では、大店法というのは廃止した方がいいのではないかというアメリカからの声もございまして、そういうわけにはいかないということからいろいろやり、アメリカもそういうことを言うし、これは大店法を今後とも残していくためにおいては、まずとりあえず昨年出てきた「九〇年代流通ビジョン」、ここにある二年というものをもう少し縮めることはできないだろうかという形で、私自身が指示をいたしまして一年半に縮めようということで、明日また産構審がございますので、その辺の御理解を私からいただくようにしたいと思っております。  九〇年代のビジョンをつくっていただいた産構審のメンバーの中には中小小売商の代表もお入りをいただいておりまして、それぞれ団体においては傘下の皆さんの御意見も聞いていただいたと承知をいたしておりますので、この点は中小小売商の皆さんも、それは全国の全部の方というわけにはいかないと思いますが、少なくとも各県あるいは各地方のそれぞれの組合の幹部の皆さんは、その辺のところは相当御理解をいただいているのじゃないかと思っております。  しかし、来年度、十二月に召集される予定の通常国会になおそれ以上の短縮をしようという法律改正も私ども考えておるわけでございまして、そうなってまいりますと、今のようなお気持ちでわかっていただいている方々でも、これは大変だよということになるかもしれませんので、そのときには思い切った中小小売商対策を考えさせていただきたいと思っておるわけでございまして、いろいろの御心配があることはよくわかりますけれども、新しい時代に向けて中小小売商の皆さんが生きていけるような方策をその新しい仕組みの中ではぜひ考えていきたい。場合によってはそれは法律を伴うかもしれませんし、財政的にも思い切ったことをお願いしなければならぬだろうと思っておりますけれども、それは平成三年度以降においては考えていかなければならない場合も十分あり得る。中小小売商の皆さんが一生懸命御努力なさる限りにおいては、何としても立派に生きていっていただけるように私どもはきちんとしなければいけない、こう考えております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 私は選挙区が静岡です。十数年間、静岡の清水の大店法の出店調整は全国に勇名をはせるほどトラブルを起こしたところですから、私は大店法の持っているいろいろな問題は身の内に刻んでおるわけで、いつかは通産大臣とその問題で、きょうみたいな分科会じゃなくて、しっかりやりますが、私の言いたいことは、中小企業の持っている本質的な問題で大臣と論議をしておきたいのは、これは通産省のお出しになった白書ですが、ここにこう書いてあるのです。  「中小企業は、経済環境の変化に積極的に対応することにより、我が国産業構造の重要な一翼を担い続けるとともに、我が国経済が産業構造を変化させる上で、大きな役割を果たしてきた。」、いつも産業構造が転換するときに、先導的な最も重要な役割を果たしたのは中小企業だという認識に通産省は立っておられた。しかもさらに、「先進諸国に比べ層の厚い中小企業層を持つ我が国経済が、先進諸国のなかでも総じて良好なパフォーマンスを示し続けた」こう認識しておるのです。なぜ日本の国がいろいろな経済の激動の中で良好な成長を遂げてきたか、中小企業の皆さんの努力があったのです。これは大臣の所掌の白書の中で認めているのです。このことを私は言っておるのです。中小企業の大店法の中の部分的な問題もさることながら、中小企業というものの位置づけがいかに大事であるか、白書の中にうたわれることをもう一度私は確認の意味で申し上げているのです。  これは私の意見じゃなくて、そちらの意見です。「中小企業は、活発な開・廃業、規模移動を続けている一方、小回り性・機動性を強みとしている等」大企業を助けて側面から機動性で支えてきたのですよ。しかも中小企業は、活発な開業、廃業あるいは規模移動を続けながら我が国の経済に流動性を与え、転換に貢献してきたのです。  しかもこの中で、白書はこういうことを言っているのです。「中小企業の積極的意義を評価する見方は、近年欧米先進諸国でも強まっている。産業の硬直化、活力の低下とそれに伴う高失業率等のいわゆる先進国病に早くから悩まされたイギリスで、一九七一年に、中小企業の経済社会における役割の重要性を指摘した「ボルトン報告書」がまとめられたのをはじめ、最近でも、一九八五年五月のボンサミット宣言において、中小企業育成の重要性が強調された。」日本の経済の中でいかに中小企業の役割が重要であったか、これは白書の中できちんと、先進国病にかからずに成長できたのはこういうことですと。この中小企業の役割を大臣も当然御承知だと思いますが、今出ている大店法のみならず、二十一世紀、さらにはもっと将来の経済活動の中での中小企業の役割をもっともっと私は明確にしていただきたい。特に、きょうは時間がないからやめておきますけれども、元年の白書、もっと中小企業の抱えている問題をきちんと整理しておく必要があろうかと思うのです。  今、我々が中小企業の皆さんとお会いして何が大変か。一つは、白書の中にもございますけれども、廃業がふえている。ここにあるのですけれども、元年度白書の百十八ぺージに開業率、廃業率のグラフが出ているのです。残念なことに、廃業率はふえているのですが、開業率が非常に減っているのです。いろいろな事情があると思うのです。やはりこれは一つのポイントだろうかと思うのです。  それから、大臣も先刻御承知の、いわゆる中小企業の経営上の問題がどうであるかという調査、ここに歴然と出ておるのでございますけれども、今中小企業の問題点は何なのだ。一番困っていらっしゃるのは、このグラフに示すとおり求人難です。中小企業に求人難が物すごくしわ寄せされているのです。ある時代には雇用の創出に努力をした中小企業が、四〇・九というこのグラフが示しますように、今最も急激に人手不足で苦しんでいらっしゃる。  しかも、もう一つは地価の高騰。今、政府税調でも問題になさっているように、地価をどうするか。大企業と中小零細企業とのいわゆるゴーイングコンサーンという概念はございますけれども、大企業には何ら相続に対する資産の再評価がないだろう。そこで論議されているのは、新聞報道の中で出てきますように、企業に対しても相続税に近いような評価があってしかるべしじゃないか。あるいは企業に対して新特別土地保有税、これはきょうここにいらっしゃる石井主査が国土庁長官のときに上がった基本法に出てまいりますけれども、あの中でも特別土地保有税というのは地方税です。しかし、あそこでは国税にして地価を安定させよう。同時に、一番問題は、土地の値段が異常に高過ぎる。幾ら収益還元といっても、どのような仕事をやっても成り立たないほど土地の資産を高くしてしまっている。一体だれが土地の資産を高くしたんだ等々問題がございますけれども、私はやはり地価の高騰が中小企業を直撃していると思うのですね。  これもきょうは白書を通じて全部お話をしたいと思うのですが、白書にこう書いてあるのですよ。地価の高騰、ことしは出ていませんけれども、ちゃんと前に載っているのです。地価高騰の影響からやむなく廃業した事例、これは白書ですからね。東京都心で代々魚屋を営んできたB氏は、近年の地価高騰の影響や事業意欲の減退によりやむなく廃業することにした。土地を売って移転することも検討したが、魚屋は長年築いてきた顧客との関係が非常に重要な地域に密着した商売であり、移転しても続けられる目途が立たなかった。だから廃業したと白書に書いてあるのです。  このように中小企業の方の承継という問題になってまいりますと、純資産評価でいったときに地価がもろにかかってくる。こうなってまいりますと、中小企業の方は、今申し上げたように転廃業が非常に困難になってきている現実があります。それから人手不足が深刻化しておる。地価の高騰が承継を非常に困難にする、あるいは不安を抱かせる。数多くあるのですが、きょうはこの三つに対して、中小企業庁はそれにどう対応し、どう具体的に乗り越えられるようにしてあげようとしていらっしゃるのか、そのことをお伺いしたいと思います。

見学信敬中小企業庁長官

○見学政府委員 先生御指摘のように、中小企業庁としましては、中小企業の活力ある多数としての存在が日本経済の成長をここまで持ってき、かつ日本経済が世界に伍して非常にパフォーマンスがいいと言われますが、それがもし正しいとすれば、中小企業の存在を抜きにしては語れないほど大きなものがあるというふうな位置づけをもって考えております。先生のおっしゃるとおりだと思っております。  また、御指摘の中に開廃業の問題について御指摘がございました。最近において開業の比率が比較的下がってきて、相対的に廃業の方が多くなってきてしまっているという問題点が大きな問題としてございます。御指摘のとおりでございます。景気変動等がございますので最近の工業統計表をベースで言いますと、少しずつ開業も回復しているというような兆候もありますけれども、以前のような形で開業が全体を引っ張っていってくれているというところに、やや陰りがあるのではないかというような心配感も私ども持っておりまして、今年度白書につきましてもそういった観点からの分析をさせていただいているわけでございます。  また、開廃業に伴う土地の問題について御指摘がございました。開業率が低い理由の中に幾つかの分析をしております。なかなか技術水準その他が高くなってきて、参入障壁というものが全般的に高まっているのではないか、初度投資というのがお金がかかるのではないかとか、そういった問題がございます。その中の一つの要因としては、やはり先生の御指摘がございました、土地の価格の高騰というものが新規開業を妨げてしまうというようなことも一つの要因としてあり得るのだろうと思っております。そういうふうに指摘をさせていただいております。また、廃業の面におきましても、在来の白書でおっしゃられましたように、土地の価格が反映した問題というのが生じていることもまた事実だと思います。  そして、かつ承継の問題について先生から御指摘がございました。事業の承継というのは非常に重要な問題でございます。そして労働力不足の問題もございますし、後継者難の問題もございますが、事業の承継が健全に行われることによって、その従業員の方々の生活も維持できるというようなことがございます。それが相続との接点においてかなりの税金が取られてしまうとか、そういったことで承継問題というのがなかなかうまくいっていない、こういった問題がございます。  一つは、承継をされるべき息子さん自身が流動化してしまってサラリーマン化してしまうとか、そういった問題もございます。こういったものにつきましては、一つは後継者が後継者としてやりやすい職場、例えば時短の問題でございますとか、労働条件そのものを中小企業がよくするという問題もございますが、御指摘のような土地の値段に絡まる承継問題が非常に大きな問題として存在しておりまして、大蔵省に対しましても税制改革の折にいろいろ要求をさせていただいてきておるところでございます。最近時点において、相続税全般の改正に伴いましてかなりの改善は見させていただいておりますが、まだなかなか中小企業者の承継にとって万全が図られたというところまでいっておりません。そういう意味で、私ども今後ともその充実を図るべく要求をさせていただきたいというふうに考えている次第でございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 長官、こういう分科会ですから、突っ込んだ話はここでやめておきますけれども、今御答弁ありませんでしたけれども、私が問題指摘した人手不足、承継の問題、それから開廃業の実態は一体何なのだ、よくお調べになって——先ほど私が申し上げましたように、私の意見ではなくて、皆さん方がこう改正したことは私は正しいと思う。中小企業の持っているパフォーマンスがどれほど国民生活を豊かにしてきたか、このことに着目して中小企業を本気になって育成することが私はいいと思う。できることとできないことと、昔なら内政干渉に当たると私は思うのです。でも、そうも言っていられない我慢に我慢を重ねている部分もあるのです。アメリカの議会ならすぐ外交に対して意見を言います。日本の議会はダイレクトに反応しないところが残念で、この国会の中で中小企業に対してきちんとした立場を言っていただくことは一向に構わないと私は思う。この狭い国の中で日本の経済に有効適切な中小企業の働きがどれほどあるか、これを知っておいていただきたい。と同時に、私が問題指摘したことについては、後日で結構ですから、きちんと明確な対策を私にお知らせいただきたいことをお願いしておきます。  もう時間が参りましたので、最後に大臣に、大臣がお答えにくければ担当の局長でも結構です。これは答え方によっては構造協議の大事な課題になって、火種になってはいけませんので、その辺はあえてお答えは求めませんけれども、中間報告の中で処理期間を短くしましょう。例えば説明会、事前商調協、こうあって結審があるわけですが、いずれにしても最終的には大臣が乗り出してくる法律の七条、八条のところまでいくわけですけれども、それはさておいて、処理期間を設定するということが中小企業の方にとってある意味では非常に不安な面がございます。私たちの意見が無視されて、そこのけそこのけお馬が通るとやられるのじゃないかという不安を持っております。  そこで私は、この処理期間の見直しに当たって、やはり中小企業の方の御意見あるいは今おっしゃった消費者のお気持ち、地域の活性化、将来のコミュニティーはどうあるべきか等々総合的に判断して、どうしても意見がまとまらない場合には、ある一定の冷却期間を置いていろいろな方の御意見を聞いてもう一度説明会をやりましょうか、あるいは事前の説明会というのは法的な根拠がございませんし、もしもあれを乗り越えて事前商調協に入ってしまえば、御承知のように八カ月、四カ月と自動的に通っていくのです、あの法律の体系は。静岡なんかは説明会の前にもう一つ置いてあります。あれは私はいかがかなと思うものもいろいろございますけれども、それはおいておいて、一定の処理期間をつくったということが一方的に出店者側に有利だという懸念をお持ちになっていらっしゃる方がいらっしゃいます。この点について中小企業の方の意見、また消費者のニーズあるいは地域の活性化はどうあるべきか等を踏まえて十分対処いたしますということも、出せば通るということではないんだということを前提にしたお考えがないと、これはなかなかまとまらないと思います。  もう一つは、運用という問題が必ずしも明確になってないのです。一体どうされるのだろう、私たちの意見が通るのだろうか、こういう気持ちもございます等々数多くございますが、もう時間が来ておりますので、この二つについて、どうか中小企業の方が気持ちが安らぐような、決して一方的なことではないという通産省のお考えをお示しいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 先生今御指摘の点、お答え申し上げたいと思います。  昨年の流通ビジョンで二年程度の処理期間という御答申をいただきまして、その中には先ほど大臣も申し上げましたが、中小の皆さん方も御了解いただきまして、二年という点については一応そういう方針ができておる。それを今回一年半にしようということでございます。その点もあしたまた審議会にもお諮りいたしますが、その中では確かに六カ月短くなるのですが、一年半という目標を定めることによりまして、目標期間内で積極的にというか、非常に精力的に、かつ私どもも地元の方々にもお願いして、その間話し合いを非常に密接にというか、濃密に進めていただくということを考えておりまして、ぜひその点は御理解を得たいと思っておるわけです。  かつ、今先生おっしゃいましたように、話がなかなか進まない場合の冷却期間でございますが、私どもとしては事前説明、事前商調協、それから正式商調協と法律上の手続が三段階ございますので、その間よく見ながら進めることによって、その目標期間内にできるように努力していきたいと思うわけでございます。最後は、先生おっしゃいましたように見切り発車的というか、出店側の希望のとおりになるということでは決してございませんで、先ほど先生も御指摘ございましたが、法律上の七条、八条、通産大臣あるいは都道府県知事が大店審の意見を聞いて、第三者の意見を聞いて勧告、命令を出すということになっておりますが、その段階では大店側の意見というか、希望を削るとかあるいは面積を削るあるいは出店時期を延ばすとか、そういう形で中小商店の御希望なり地元の御意向が十分反映するような仕掛けで運用してまいりたいと思っておるわけでございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 あと一分間ありますから、ちょうど大蔵省主税局税制第三課長がお見えでございますから、いろいろ全体的な税制の中で中小企業のあるべき姿、日本の地価の問題等を含めて好ましい方向にお願いをしたいと思いますので、一言だけ。

大武健一郎大蔵省主税局税制第三課長

○大武説明員 ただいま先生からお話のございました土地の問題でございますが、まさに土地自体の高騰というのがサラリーマンの生活を直撃するだけではなくて、企業自体の開業を難しくしているというようなお話も伺ったわけでございますが、現在、土地税制につきましては、まさに土地基本法に示されました基本理念にのっとりまして、土地に関する施策全体を踏まえた上で、税負担の公平確保を図りながら、取得、保有、譲渡、各段階におきます適切な課税のあり方につきまして総合的な見直しを行うこととしておりまして、税制調査会に設置された小委員会で、ただいままさに本格的な検討をいただいているところでございます。先生のお話の中にもありました土地保有税あるいは含み益課税というようなものにつきましても、その中で検討が行われるということでございます。  ただ、一点申し上げておきたいのは、土地税制の見直しに当たりましては、基本的に二つの視点、一つは、まさに持てる者と持たざる者というのがこの地価高騰によって生じてしまっているのではないかというような、そうした資産格差に対する国民の課税の適正化を求める声にどうやってこたえていったらいいか。第二点目は、ともかく大都市において、一生懸命にまじめに働けば、自分の家がいつか持てるという夢を国民が持っていただけるところまで土地政策全体を見直していく中で、土地税制はどのような役割を果たしていったらよいのだろうかという、その二点が重要だと思っております。そして、その際、持てる者と持たざる者との格差の是正ということに関しますと、先ほど先生のお話の中にもありました、実は相続税がその機能を最も果たしているという実態も踏まえる必要があろうかと思います。  いずれにいたしましても、今申し上げました二つの視点を踏まえて、御指摘のあったように、税制の原則のもと、税制調査会の御検討をなされた上で、さらに検討をしていきたいと考えているところでございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 終わります。ありがとうございました。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。  次に、平田米男君。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)分科員 まず私は、愛知県で二〇〇五年に国際博覧会を誘致したい、こういう希望が愛知県地元から出ておるわけでございますけれども、こういう愛知県の考え方に対しまして通産省はどのようなお考えなのか、お伺いをしたいと思いますのできましたら、大臣お願いします。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 私のところへも愛知県の知事さんがお越しになりまして、この問題についてぜひ協力をするようにというお話もございました。大変愛知県、瀬戸市でございますか、瀬戸市の周辺を中心とされてもお考えのようでございますし、御承知のように今のところまだ、二十一世紀における万博をどこで開くかということは、国際会議、これからの話でございますけれども、我々といたしましても二十一世紀の初頭に、やはりこれからの二十一世紀はこういうふうに世界の人たちいってもらおうじゃないか、新しい技術の問題あるいは文化の問題、いろいろと本当に二十一世紀の一つの夢といいますか、そんなようなものを展開していくような博覧会をやっていただけるならば、日本にとっても非常にいい機会になりますし、世界の人たちに対して、特に日本のようなこういう大きな経済力を持ち、またすばらしい技術を持ってきた国、あるいは環境問題その他に対しても非常にすばらしい技術を持ってきたわけでございまして、そういう国が世界の人たちに対してこんなようなことでこれからの二十一世紀いこうじゃありませんか、このような博覧会を開いていただけることは非常にいいことだと私は思っておりまして、ぜひこれは私自身できるだけ努力をしていきたいと思いますし、通産省も挙げて協力体制をこれからとっていきたいと思っておるわけであります。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)分科員 大変心強い御答弁をいただきまして意を強くしたわけでございますが、今愛知県でも一生懸命この万博の開催に向けて努力をしておるわけでございますが、なぜ愛知なのかという問題が言われておるわけでございます。私もそれは一つの問題だろうと思うのですが、しかし、今大臣も少しお触れになりましたが、日本で国際博覧会を二十一世紀の初頭でやるということは、愛知でやるというよりも日本でやるんだという視点でこの問題をとらえていかなければならないし、またそうしなければ、世界に向けての国際博覧会の意義が薄れたものになるのではないかと私は思うわけです。  御承知のように、国連は継続的発展ということをおっしゃっておいでになるわけでございますが、今世界は大きく情勢が変わりまして、東ヨーロッパあるいはソ連が思いもよらない大変化を政治的に進めておるわけでございます。人によってはイデオロギーの終えんの時代が来たのだというふうにおっしゃる方もおいでになりますが、少なくとも共産主義が崩壊をして冷戦が終わりを告げる、そういう認識に立っていいのではないかと思うわけであります。  しかし、そういう状況変化によって、これまで私たちが核の脅威によって苦しんできたことが若干緩和をされる、そういう光が見えてきたわけでございますが、同時に地球の環境問題といいますか、特に最近言われておりますが、CO2の増大によって地球が温暖化をしてしまう、それによって大変なことになるのではないかということが予想されております。核の脅威というものは、核を持っている力、そこが理性を持ち、また話し合いをして進めていくならば解決をする問題だろうと思うわけであります。また、その努力によって今の状況が生まれてきたと思うわけでありますけれども、しかし、CO2を初めとする地球環境問題というのは、私たちが日常生活をする中で、国家ではなくて一人一人が発生をさせる、また産業が発生させる、まさに私たちが生存をしようと思って活動すればそのことによって私たちの生存が脅やかされるという非常に皮肉なといいますか、シリアスな問題でございまして、そういう状況に今我々は立たされているということが目の前に明らかになってきたのではないかと思います。  そういう中で日本がこれからどういう立場をもって、「名誉ある地位を占めたいと思ふ。」と憲法の前文で高らかに宣言しておるわけでございますけれども、政府は「世界に貢献する日本」ということもおっしゃっておいでになるわけでございますけれども、困難な、まさに核以上の人類的な課題を持っているこの世界の状況の中で日本がこれからどのような役割を果たしていくか、そうしたときにここで国際博覧会を二十一世紀の初頭になって行うということは、そういう視点からこの博覧会を考えていく必要性があると私は思うのです。単に中部の活性化とか、あるいは日本も経済大国になったのだからしばらくぶりでひとつやろうではないか、そういうような視点であってはならない。やはり世界の経済大国として人類的な課題に対する責任をきちっととっていく、そういうものの一つのあり方として国際博覧会をとらえて実現に努力をしていく、そのような姿勢があってしかるべきである。だから私は、なぜ愛知かという前になぜ日本なのか、そういう視点でこの問題を掘り下げ、また政府挙げて御努力をいただきたい、このような思いでおるわけでございますが、その辺の問題につきまして大臣の所見をお伺いしたいと思います。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 先ほども私いろいろ申し上げました中に、地球環境の問題も少し触れたかと思うのでございますけれども、地球環境の保全という形において、今御指摘のCO2の問題もございますしあるいはフロンガスの問題もございますし、我々といたしましては真剣にこの問題に現在も取り組んでおるわけでございます。何らかの形で、例えばCO2を固定化してしまう技術を開発していこうとかいろいろ技術的にも進めておりますので、そういう観点から、私は世界的にレベルは一番トップだと思うのでございます。そういう日本が地球環境保全と経済成長をうまく両立させていく、それが二十一世紀の姿だと思うのです。そういう面を、せっかく技術も開発した日本がより多くの人たちに、こういう形でいけば必ず地球環境も破壊されませんよ、同時に経済成長もして皆さんの生活が豊かになっていくのですよ、こういうものを示すものをやったらいいのじゃないかということで先ほど申し上げたわけでございますから、日本がそういうことをやったらいい。たまたま愛知県が一番今熱心におっしゃっていただいておりますから、それはそれなりに私は熱心なところでやっていただくのは結構じゃないか。しかし、もちろん今度の博覧会、あくまで日本でそういう世界の人たちのためにプラスになるようなことを考えてやろうということであるということを申し上げたわけでございますから、そういう点は、お考え方は私も全く一緒だと思います。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)分科員 私と同じ考えで臨んでいただけるというふうにお答えいただいたと思います。大変意を強くし、まだこれからの日本の世界における責任あるいは地位というものをしっかり高めていく努力をお願いをしたいと思います。  それに関連をしまして、単に国際博覧会を二十一世紀初頭にそういう視点で突然やるということではなくて、やはりそれに向けて、いろいろな国際会議が予定されておるわけでございますけれども、そういうものも積極的にこの日本において行っていく必要性が私はあると思うわけであります。それまでは諸外国でやっていて日本で特段行わないで、急に万博をそういう視点でやりたい、こう言ってもやはり世界の世論というものが応じてはいただけないと思うわけでございまして、地球環境問題に当たっても世界気象会議等も開かれるとかあるいはIPCCですか、パネルの第四回全体会議等も開催地は決まっておりますけれども、そういうものが全部諸外国で行われることになっておるわけでございまして、やはり今回のホワイトハウス会議もアメリカであるということで、そういう視点からも、ぜひとも日本でそのような目的の会合を開いていただきたいな、こういうふうに思うわけでございますが、いかがでございましょうか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 たしか昨年、私の記憶が間違ってなければ環境の会議を東京でやったと私は記憶いたしておるわけでございますが、それ以外にもやはりこれからは国際会議というのを日本は積極的に招致して、できる限り日本がいわゆる世界に開かれた国だという印象をより持っていくことが大変必要であり、何といっても国際社会、世界に貢献していかなければならない、それでなければ日本は生きていけないわけでございますから、そういう点はこれからも当然我々もまた、少なくとも私の関係するいろいろな問題の国際会議にこれから私も出てまいりますけれども、できるだけその辺は努力をしていきたいと思っております。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)分科員 心強い御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  次に、航空宇宙産業につきまして若干お伺いをしたいと思います。  我が国も航空宇宙産業というのはそれなりの地位を占めておるわけでございますけれども、まだまだ諸外国に比べまして大分おくれておるとも言われるわけでございますが、今後の展望、将来の展望につきましてはどのようにお考えでございましょうか。

山本幸助通商産業省機械情報産業局長

○山本(幸)政府委員 先生御指摘のように、航空宇宙産業というのは非常に技術の波及効果も大きいということで、いわゆる典型的な先端技術産業でございます。そういう意味で、世界の先進国は非常にこれに力を入れているわけでございます。また特徴としては、国際的協力が非常に進んでいるというような産業かと思います。通産省としては、そうした航空宇宙産業の技術波及効果あるいは先端産業性という重要な意義あるいは国際協力が非常に活発な分野であるということで、今後の国際協力の重要性等も考えまして力を入れているわけでございます。  若干事例を申し上げますと、航空機関係では、一つはエンジン開発でV二五〇〇というのをやりました。これはアメリカ、イギリス、ドイツ、イタリー、それから日本ということで五カ国共同でつくったわけでございますが、大変順調でございまして、現在売れ行きも非常にいいということで今後期待されているプロジェクトでございます。それからもう一つは、将来の目玉としまして超音速の輸送機、SSTでございますが、これについていよいよ開発に乗り出そうということで、去年からその調査を開始いたしております。これにつきましては、幅広く国際的な共同をしたいということで各国に呼びかけを行っているという現状でございます。  また宇宙関係では、二つの衛星を通産省としては現在準備中でございます。一つは資源探査のための衛星、これを平成三年度に打ち上げよう。それからもう一つは無重力実験のための、フリーフライヤーと申しておりますが、宇宙に上げて、そこで無重力状態をつくっていろいろな実験を行うということでございます。これは平成五年度に打ち上げを考えておりますが、これも国際協力プロジェクトでございまして、上げた後おろしてくるのはNASAのスペースシャトルをお願いするということで今進めております。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)分科員 国際協力の中で頑張っていくという御趣旨だろうと思うわけでございますが、この航空宇宙産業というのは特に中部地域に多いと言われておりまして富士重工さんも今度半田の方に進出をされるというお話でございます。現状でも売上額が五割を超えておるわけでございますが、富士重工さんが見えますとさらにその比率が高くなるという状況にあるわけでございます。この中部地区における航空宇宙産業の状況につきましては、どのような御認識なのか。また中部地域の人たちは、御承知かと思いますが、大変厚い研究報告書を出したりなどしておりまして、これは去年の二月でございますが、財団法人の中部産業活性化センターが中部エアロスペーステクノロジーパーク構想、そういう構想を調査研究して報告書をつくっておるわけでございまして、非常に熱意を持ってこれからの中部の産業の中核として位置づけて拡大をしていきたい、こういうような考えを持っておりますが、中部の航空宇宙産業に対する御認識、また、このような航空宇宙産業を中部の産業の中心、中部をメッカにしたい、このような考え方に対しましてどのような御感想なり御意見なりをお持ちなのか、できましたら大臣にお答えをいただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 先ほど局長からも御答弁申し上げましたように、航空宇宙産業というのは、これから世界的にも非常に伸びていくというか、将来性のある産業でございますし、日本は多少おくれてはおりましたけれども、最近は相当のレベルまで達してまいりまして、二十一世紀においては最も伸びていく産業の一つであろうと思っております。そしてまた、先ほども答弁の中にもございましたように、非常にすそ野の広い産業でございますから、これがどんどん成長していくことは、結果的によりまた広い日本経済の発展にも役立つのではなかろうかと考えております。たまたま中部地区は昔から航空機の産業が非常に発達してきたところでございまして、そういうところがやはり一つの拠点になっていくということは、全く新しいところへ行くよりはそういう一つの基盤があるというところを中心として発展していくということは大変いいことではないかと私は思っておりますので、中部地区ができれば航空機並びに宇宙産業のメッカに将来なっていくということになれば大変望ましいことではないか、こう考えております。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)分科員 前向きの御答弁をいただいたわけでございますけれども、実はもう御承知のとおり、中部地区には工場等の産業施設は非常に多いわけでございます。この調査研究報告書を読みましても、工場はたくさん分布をしておるわけでございます。しかしおっしゃったように知識集約型産業といいますか、研究開発ということが非常に重要な位置を占める産業なわけでございますが、中部地区の場合は産業としては売上額は半分を超えておりまして、富士重工さんが来ますともっともっとその比率は高くなるということになるわけでございますが、いかんせん研究開発の施設ということになりますとほとんどないに等しいという状況でございます。いかなる原因によってこのような事態になったのかわかりませんけれども、やはりその産業の著しい発展といいますか力強い発展のためには、特に産業と同時に研究開発の施設も近接してあることが必要ではないかと思うわけであります。この報告書にもございましたが、研究者も単に研究施設だけにいるだけではなくて、やはり製作の現場にもしょっちゅう顔を出されて、その現場とのコミュニケーションの中であるいは現実を見る中でいろいろな研究成果も挙げられる、こういう御意見が大変多いわけでございまして、確かに新幹線等もありますので、それは東京にあれば新幹線で通えばいいのではないかということにもなるかもしれませんけれども、しかしそれはそれなりの時間と費用もかかるわけでございまして、産業のメッカとするためには、その頭脳であるあるいは電源地であるべき研究施設というものがどうしても必要ではないかと考えるわけでございます。そのような考えに対しましてはいかがでございましょうか。

山本幸助通商産業省機械情報産業局長

○山本(幸)政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。航空宇宙産業というのは、先ほど申しましたように非常に典型的な先端技術産業でございます。そういう意味で、研究開発というのは非常に重要なウエートを持つものというふうに思っております。先生御指摘のように、いわゆるメッカということで、この地域は日本の出荷額の五割以上が集まっておりますが、それを反映いたしまして実は研究開発部門もここに非常に集中いたしております。三菱重工が最近機構改革いたしまして、ここに、システム製作所というふうに呼んでいますが、名古屋の航空宇宙システム製作所とそれから名古屋の誘導推進システム製作所と二つつくりました。一つは航空宇宙、もう一つはロケットということでございますが、この両方とも単なる製作だけではなくて、研究開発についての主力部分がここで行われているというような状況でございます。  また、その他のいわゆる研究施設でございますけれども、いろいろな国立の施設もございます。昨今では、超高温材料研究センターというのが、これは通産省を中心に推進いたしたわけでございますが、ここでは宇宙、航空のための新しい材料研究をしようというようなことで、これが一九九二年から始まるということで現在その準備を行っている段階でございます。また無重量の落下実験施設、これも一九九二年度運転開始予定ということでつくられております。さらには、航空宇宙に関連しましては、実は今後いろいろな関連施設あるいは研究施設がつくられると思いますけれども、そういうものも全国の五割以上を占めるこの地域につくられるというのは、立地としては非常に自然であるというふうに我々も考えますので、先生のおっしゃるような展開になることが当然予想されると思います。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)分科員 そういう方向でぜひ進めていただきたいと思うわけでありますが、最初におっしゃいました三菱重工の、これは民間でございますが、超高温材料と無重量の方は了解をしておるわけでございますけれども、できますれば航空宇宙産業の中核的な国の研究施設が産業の中心地たる中部地域に存在する方が私はやはり適切であろうと思うわけでありまして、政府委員からもそういう方向になるのが適切だという御発言をいただいたわけでございまして、大変意を強くしたわけでございます。今後そのような研究施設の新設あるいは移転拡充等の計画があるならばこの中部地区にまず設置をしていただきたい、このように強くお願いを申し上げる次第でございますが、いかがでございましょうか。

山本幸助通商産業省機械情報産業局長

○山本(幸)政府委員 国立の研究所みたいなものをつくったらどうかというのは、県からも要望が出ていることは存じておりますけれども、昨今のような情勢ですので、新しい機関がそう簡単にできるのはなかなか難しいと思います。ただ、先ほど言いました超高温材料研究センター、今後もそういった形で官民共同していろいろな意味での施設がつくられるだろうと思います。そういう際に、今先生おっしゃったようなこの地域はメッカであるということがあって、そういうことは自然に反映されるということはあろうかと思います。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)分科員 既に御承知と思いますが、この中部エアロスペーステクノロジーパーク構想というのは十分御検討をいただいているのではないかと思うわけでございますけれども、この中にも出ておるわけでございますが、日本国内にない施設があるということが書いてございまして、エンジンの高空超高速性能試験設備というのは日本にないということでございまして、諸外国には幾つもあるようでございます。これからの航空宇宙産業の発展、日本も諸外国に追いつくためにも、諸外国には随分たくさんあるようでございますので、日本にもこれを一つくらいはつくってもいいのではないのかなと私も思うわけでございます。それは、今の経済摩擦あるいは技術摩擦から考えますと、日本だけが突出をするというわけにはいかない。そのためには航空宇宙産業というのは国際共同開発をしていかなければならないという視点は、私も十分わきまえているつもりでございます。しかしながら、諸外国にあるものも共同で使っていただくというような形で日本にもつくってもいいのではないか、つくる必要があるのではないかというふうにも考えるわけでございますが、いかがでございましょうか。

山本幸助通商産業省機械情報産業局長

○山本(幸)政府委員 先生御指摘の施設でございますが、これは私ども今年度の新しい施策として航空機国際共用大規模試験設備等設置調査費ということで、実はことしから新しい予算をとったわけでございます。これは実は先生の御指摘のように、今後超高音速の輸送機をつくろうと思いますと、それに使う風洞と申しますか、大きな風を起こして実験するのですが、それは世界にもまだございません。したがって、そういうものが必要であろう。ただ、お金が数千億円というオーダーになりますので、これはやはり国際共同プロジェクトにする、あるいはいずれにしても国際共用プロジェクトがいいだろうというふうに考えております。  今度とりました予算は、調査費でございまして、千八百万円ということでございますので、こういう施設が一体どこにあるのだろうか、世界各国はどうなっているか、つくる場合にはどんなコンセプトがいいかというようなことをこれから検討しようという段階でございまして、そういう意味では、少し長い目で見ていただきたいというふうに思います。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)分科員 終わります。どうもありがとうございました。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて平田君の質疑は終了いたしました。  次に、伏屋修治君。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 先ほどは非常に最先端技術の質問でございましたけれども、私のはまるで逆で、最末端商品の問題についてお尋ねをしたいと思います。  今、地球環境が大きな問題になっておるわけでございますが、それに関連しまして、いわゆる古紙リサイクルというものが今盛んに唱えられておるわけでございますが、その古紙リサイクルのトイレットペーパーに限って私は質問したいと思っております。  古紙リサイクルのトイレットペーパーの現状とこれからの将来のあり方については、どのようにお考えになっておられるのか、まずそこからお聞きしたいと思います。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 トイレットペーパーにおける古紙の利用率というのは、世界的に見ても大変高いものと思われます。八割近くが古紙の利用によるトイレットペーパーが国内で販売されております。ただ、我々としては、現状に満足することなく、さらに全体として古紙の利用促進が図られることを期待いたし、またそのために努力をしているところでございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 紙といいますと、静岡県が主産地のようでございますが、私ども、きょうお見えの通産大臣も同じ岐阜でございまして、岐阜というのは昔から美濃紙の産地でございます。そういう意味からも、この問題について私もいろいろな面からお聞きしたいと思っております。  今、これからもずっとそういうことについて、将来についてもより考えを進めていかなければならぬという御答弁がございましたけれども、今、政府委員の方がお答えになった以上に、各県のいわゆる家庭紙工業組合等々においては、非常に現状の問題に憂慮しながら、将来のことについていろいろと研究を進めておられるようでございますから、そういう面からも政府がいわゆる古紙リサイクルということを指導するならば、もっとそういう現実と将来のあり方について具体的な方途を示すべきではないかな、このように考えるわけですが、もう一度御答弁いただきたいと思います。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 通産省といたしましても、例えば日本製紙連合会等といろいろお話をしまして、全体として再生利用古紙の利用促進が前進するように業界内でも考えるように指導をいたしておりまして、製紙連合会におきましても、つい最近リサイクル55というような計画をつくりまして、そのために業界として努力をしていく、こういう決断をいたしているわけでございます。我々としても、そうした運動を側面から今後とも強力に支援をしていきたいと思っております。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 側面からの支援ということでございますけれども、トイレットペーパーを再生紙として生産しておるところの歴史というものは非常に長いものがあるわけでございますが、非常に大手メーカーに対する指導、側面的な援助というものは顕著であるわけでございますけれども、このトイレットペーパーのみを生産しておる中小業者、そういう方々を取り巻く環境というのは非常に厳しいものがあるのではないかな、こういうように思うわけでございます。とりわけ大手メーカーが、古紙の再生産利用というものを開発しますと、非常に注目をされまして高い評価を受けるわけでございますが、中小企業のトイレットペーパー生産者等々はその陰になって非常に苦労をしておられるようでございます。そういうものに対して、通産省としてはどうフォローしていく考えがあるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 御指摘のとおり、トイレットペーパーにつきましては、中小企業が中心となって生産が行われております。通産省といたしましては、こうした中小企業の生産しておる古紙を利用したトイレットペーパーの普及が図られることを期待しておりまして、例えば古紙再生促進センターのグリーンマーク事業の表示対象品目に追加していくなどの措置を講じております。さらにまた、中小のトイレットペーパーメーカーが構造改善事業を実施するように、昭和六十三年からその構造改善事業を開始いたしまして、共同マーケティング事業として古紙再利用のPR等を推進しているところでございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 行政諸官庁の非常に強い後押し等によりまして、いわゆるコピーとかあるいはOA用紙等の再生産が非常に地歩を固めつつあるのですけれども、長い歴史を持つ中小の古紙再生トイレットペーパーというものは、何か行政からも聞くところでは、今のようなお話がございましたけれども、疎外され見放されておる、あるいはマーケットから締め出されておるというような傾向にあるやにうかがえるわけでございます。これはひとり私が申し上げるわけではなくて、紙の工業組合のいわゆる地球環境保護という面からグリッパー委員会というのを静岡県がつくっておるようでございますが、グリーンキーパーを省略してグリッパー委員会と言っておるようでございます。そういう方々の御意見もそこに集約されておるわけでございますが、そのあたりはどういうようにお考えをお持ちですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 中小のトイレットペーパーメーカーの生産というのは最近毎年伸びておりまして、必ずしも御指摘のように中小メーカーの製品がマーケットから締め出されているというようなことはないと承知いたしております。  通産省といたしましては、先ほど申しましたようなグリーンマーク事業等を通じまして、消費者の一層の理解と協力を求め、再生紙を利用したトイレットペーパーがさらに普及していくことを期待いたしておるわけでございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 例えば、大手業者というものは非常に大量生産というものを行います。そういうことから、大手スーパー等々に出荷をいたしまして、いわゆる値引き商品というような形をもって客寄せに当てる、そういうことをやっておるわけでございますけれども、そういうような大量生産がなかなかできない中小業者は対抗措置がとれないわけでございます。通産省は中小企業を擁護しなければならないということを常々主張しておられるわけでございますが、このような大手スーパーに対抗措置を持たない中小業者に対して具体的にどのように中小業者を擁護しようとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 通産省といたしましても中小企業の家庭紙業界の近代化、活性化というのは極めて重要であると認識をいたしております。したがいまして、中小企業近代化促進法に基づく各種助成措置、具体的に申しますと、薄葉紙製造業というのを近促法に基づきまして指定いたしまして、業界が近代化設備を導入するような場合に金利措置を講ずる、あるいは税制上の割り増し償却制度を適用する、そういう各種助成措置を講じております。さらにまた、グリーンマーク事業による古紙を使ったトイレットペーパーの普及等についても、先ほどから御説明いたしておりますとおり、通産省としても側面から支援し、その普及の拡大に努めているところでございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 通産省がリサイクルという問題をかなり重要視しまして古紙リサイクルということを提唱された。そのことによって、大手業者が積極的に古紙の原料を買い入れておるということでございまして、中小業者は大手メーカーが買い付けた買い値に匹敵する値段ではなかなか手に入らない、それ以上の買い値をつけなければ古紙原料を手に入れることができないというのが実情でありますし、また、中小業者は高い原料を賄いながらそれが製品価格に転嫁できないという弱点があるわけでございます。その辺も、先ほど中小業者を守るという立場でお話がございましたけれども、それ以上に、そういうような苦衷をこちらが先取りをして具体的にもっと中小業者を守る、例えば税の軽減化とかいろいろな面での具体的な企業メリットを与えてあげることが今必要ではないのか、このように思いますが、いかがですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 今の古紙の原料買い入れ価格の問題でございますが、中小企業が大手メーカーより高い価格で常に古紙を買わされているというような事態があるとは私どもは承知いたしておりません。ただ、古紙の利用が拡大することによりまして、古紙の供給不足、ひいては古紙の価格が上昇していくというようなことは厳に避けなければならないことだろうと思いまして、古紙の回収促進ということがその意味で極めて重要だろうと思います。  そういう意味で、通産省におきましては古紙の回収システムの確立を大いに今推進をしようとしているところでございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 トイレットペーパーは、御承知のように最終末端商品でございまして、再生が全く不可能なものでございます。そういうような商品であるにもかかわりませず、バージンパルプを一〇〇%使用しているメーカーもあると聞いておるわけでございます。けれども、現物を見てみましたところ、バージンパルプ一〇〇%のものも古紙一〇〇%のトイレットペーパーも我々素人ではほとんど見分けがつかないくらいの品物でございます。しかるに、バージンパルプを使ったものは一ロール四十円ないし四十五円、それから古紙を使ったものは二十円か二十三円、そういうような値段等々がつけられておるわけでございますが、地球環境が問題とされているときに、再生不能なトイレットペーパーにバージンパルプを使うこと自体がもったいないような気もするわけでございまして、その割合は今どれくらいになっておるのか。バージンパルプを使っておる大手メーカー、あるいは古紙を使っておる、その割合はどんなものですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 トイレットペーパー分野におきまして約八割が古紙を使った製品でございます。バージンパルプ一〇〇%の製品は残りの約二割となっております。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 今申し上げた私の考えについて、今後トイレットペーパーを古紙に切りかえるという指導をなさろうとされる意思があるのかないのか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 バージンパルプ一〇〇%のトイレットペーパーの生産が最近伸びているのは事実でございます。これはやはり昨今の消費者のニーズの高級化等を反映しているものと思われるわけでございます。一方、先生御指摘のとおり、森林資源の保護あるいは省資源・省エネルギーの観点、さらには都市ごみ処理の円滑化等の観点から、古紙の利用を拡大していくことは極めて重要なことだろうと我々は認識いたしております。今後におきましては、消費者ニーズヘの対応と森林資源の保護等との調和を図りながら、全体として古紙利用を拡大していく、そういう方針で対応していきたいと思います。  したがいまして、通産省としても、消費者を含め、関係者に対し一層の古紙利用の努力が行われるよう働きかけていきたいと思っております。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 バージンパルプ一〇〇%を使用しないで古紙一〇〇%という形にトイレットペーパーを切りかえていくならば、自然保護の観点から考えていった場合に自然保護効果はどれほど上がるのか。環境庁の方にお答えいただきたいと思います。

柳下正治環境庁企画調整局企画調整課地球環境保全室長

○柳下説明員 お答え申し上げます。  我が国のトイレットペーパーの生産量は、平成元年で約六十七万トンという資料がございます。一定の前提をもとに計算いたしますと、トイレットペーパー一トン製造いたしますのに、直径十四センチ、高さ八メートルの立ち木約二十九本に相当するパルプが必要になる、このような試算ができるようであります。そこで、もし我が国のトイレットペーパー生産がすべてバージンパルプであったと仮定をするならば、平成元年のトイレットペーパー生産に要する立ち木は約二千万本になりますが、先ほど通産省からの答弁にもございましたように約二割がバージンパルプというお話でございましたので、約四百万本の立ち木が保全されるということになろうかと思われます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 地球環境保護という面で先ほど政府委員の方から答弁がございまして、グリーンマーク運動をやっておられるようでございます。続いて、グリーンマーク事業は昭和五十六年から発足して運動を続けておられるわけでございますが、事業の現時点における実態についてお伺いしたいと思います。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 グリーンマーク事業は、財団法人古紙再生促進センターがグリーンマークを表示しまして、学校、町内会等の団体がこのマークを集めると苗木とか球根あるいは古紙利用の学習帳などを送る制度でありまして、これによりまして古紙の利用促進を図ろうとするものであります。現在グリーンマークのついている対象品目は、トイレットペーパー、雑誌等の八品目でございまして、銘柄数としては八百八十六銘柄に及んでおります。また、グリーンマーク事業に参加している団体の数は現在まで約八千団体に上っております。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 通産省から出ております「グリーンマークのてびき」という小冊子を見ておりますが、非常に丁寧に、植木の手入れ、植え方、いろいろなことが書いてあるわけでございます。環境庁の方はエコマークというような形でやっておられるわけでございますね。ついせんだっても古紙一〇〇%のトイレットペーパーを見せていただきまして、そこにグリーンマークがつき、エコマークがついておるわけでございますが、十ロールか十二ロール入った一つの大きな袋、提げるパック、あれにエコマーク、グリーンマークがついておるわけですけれども、一般の人はそれはほとんど目につかないのではないのか、こちらが意図しておるようには目にとめないのではないか。それを持って帰ったらすぐパックを裂いてロールを一つずつ棚に入れるとかなんとかという形にすると、せっかくエコ・マーク、グリーンマークで地球環境保護という趣旨をうたってあっても、目にとまらなければ何にもならない。そういうような面でエコマークとグリーンマーク、環境庁と通産省、その辺は具体的には話し合いを進めておられるだろうと思いますが、いかがですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 環境庁のエコマークと通産省のグリーンマーク制度、やや趣旨が違うところがございます。グリーンマークの事業の方は古紙の再生利用の意義を国民に啓蒙、普及する、ひいては森林資源の保護に資していきたい、こういう緑を大切にするというような観点からのマーク、制度でございます。一方、環境庁の所管であります財団法人庁本環境協会が実施しているエコマーク事業、これは環境一般に対する負荷の低減を図る目的で実施されておりまして、我々の緑よりもさらに幅広い、オゾンであるとか水に対する環境負荷を低減させるというような若干異なった観点からの制度であると承知をいたしております。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 広い分野で環境庁はエコマークであるわけですけれども、その一分野の中に古紙の再利用ということはあるわけでございまして、いわゆるトイレットペーパーのパックにしましてもグリーンマークがついておらなければエコマークをつけないと環境庁は考えておられるようです。だから両方で自然環境を保護していこう、こういうねらいがあるわけでございますので、その辺はPRの仕方をもう少し考えてもいいのではないか。いわゆるエコマーク、グリーンマークのついたトイレットペーパー販売コーナーに、もう少しぱっと選挙で目につくようなイメージ。ポスターのようなものをぽんと張って、やはりさっき環境庁の方がお答えになられましたように古紙のリサイクルのトイレットペーパーによると自然木をこれだけ伐採しなくて済むのです、地球環境を守ることができるのです、そういうようなことを具体的にもう少しイメージポスター的なものでPRをしてもよいのではないか、このように私は考えるわけですが、どうなんですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 先生御指摘のグリーンマーク制度等についてのPRを国民にもっと真剣にやるべきだという御指摘はもっともだと我々も思っております。それなりに我々の古紙再生促進センターもこれまでも努力をしてきておりますが、さらなる努力を傾注してまいりたい、このように考えます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 一層のPR御努力をお願いしたいと思います。  先ほどもお話がありましたけれども、日本製紙連合会が古紙の利用率を高めるために九五年までに現在五〇%の古紙利用を五五%に上げるという、いわゆるリサイクル55計画というものを立てられておって、始められておるようでございます。そういう中で古紙の回収率は一体どのような回収率になっておるのか、お尋ねしたいと思います。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 平成元年の古紙の回収率は四八・二%、ついでに利用率についてもお話ししますと四九・九%でありまして、世界的に見ましてもこの利用率、回収率は最高の水準にあると認識をいたしております。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 そういう古紙のリサイクルというのが最近軌道に乗りかけておるわけでございますが、またそれが強く叫ばれておるにもかかわりませずごみはふえ続けておるわけですね。そして、ごみの中でも紙類の占める割合は非常に急増しておるわけです、東京二十三区を見ましても急増しておるわけでございますが、その要因はどこら辺にあるとお考えですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 紙ごみの量が急増しておる主要な原因と申しますのは、やはり何と申しましてもOA化の進展に伴うコピー用紙等のオフィス用紙の消費が増加しておる、一方においてその回収がほとんど進んでない、こういうことが原因であろうかと思います。政府といたしましては先月の二十九日に省エネルギー・省資源対策推進会議を開催いたしまして、各省庁でオフィス用紙を中心とする古紙の分別回収を実施していこうということで決定を見ております。  また、民間に対しても働きかけをしていこう、こういうことが決められまして、私自身四月十日に経団連に参りまして民間の経営者の幹部に、民間においてもこうした古紙の利用さらに分別回収に努めてほしい旨、強く要望してきたところでございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 確かに分別回収によって紙のごみ急増を何とか回避したい、わかるわけでございますが、最近、企業等々で見ますといわゆる破砕機というのがありますね。破砕機によってごみを破砕してしまう、いわゆるそうめん状みたいにしてしまう。そういうようなことがやはり古紙再生につながっておらない。それがごみになっていくのではないか。いわゆる企業秘密を守らなきゃならぬというのでそのままの紙が出せない、破砕機にかけるというようなことがございましてそういうことがふえておるのではないかと思うわけですが、その辺はどうですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 オフィスから出ていくコピー用紙、情報用紙等につきまして、企業の経営者として機密が外に出ていくのはやはり問題だというのは我々もよくわかるわけでございます。したがって、今通産省として考えておりますのは、本年度、東京都の例えば丸の内であるとか霞が関のオフィスビル十カ所ぐらいを選びまして、どうやったら分別回収がうまく進むか、モデル実験事業を推進しようと東京都といろいろ協力し合いながら進めていこうということで話し合いをしているわけでございます。先生御指摘のようにシュレッダーにかけられたペーパーがごみの大量化につながっていることは事実でありますので、いかにしてこうしたオフィスビルの紙ごみを処理していくか、分別回収していくか、これを本年度大いに実験し、勉強してみたい、このように考えております。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 今まではどちらかといいますと官が主導で再生紙の使用というのが地球の環境問題と絡みながら進められてきたわけでございますが、最近では企業イメージの面からも民にそれが移り始めたわけでございます。関係者に言わせると、この夏ぐらいにはいわゆる官と民の再生紙使用量というのは逆転するだろう、こういう予測もされておるようでございますが、どのように認識をされておられますか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 私どもは官においても大いに古紙利用を進めるべきであろうと思いますし、また民においても、これは大いに国民的運動として取り組んでいただきたい、このように思っておりまして、両方ともやはり大いに前進を図るべき筋合いのもの、このように認識をいたしております。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 最後に、環境問題、資源いわゆる古紙のリサイクルというものが社会的テーマとして大きくクローズアップされている昨今でございます。この流れを積極的に取り入れ、業界の活性化対策により一層の努力をする必要があると思いますが、その辺の御所見をお伺いして質問を終わりたいと思います。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 古紙の回収利用促進は省資源、省エネルギーあるいは森林資源の保護、ごみの減量化の観点からこれからますます重要になってくる課題であろうと思います。トイレットペーパー等におきましても古紙の利用が促進されますよう、業界の活性化等を図ってまいる考えでございます。また、業界自身におきましても、これに対して積極的な取り組みを我々としても期待いたしておるところでございます。

伏屋修治公明党・国民会議

○伏屋分科員 終わります。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて伏屋修治君の質疑は終了いたしました。  次に、前島秀行君。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 私は、静岡の貿易研修センターの移転問題について、これだけ一点に絞って質問をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  この貿易研修センターの移転問題は、地域にとっては非常に大きな影響がありますので、この数年来非常に関心を持っているところであります。当然、市長初め地域の住民も大きな期待を込めての施設でありましたものですから、その点を十分御理解をいただきたいという点も最初にお願いを申し上げておきたいと思います。  そこで、かなり具体的に話は進んでいるようでありますので、まず最初に、なぜ貿易研修センターをあの富士宮から逗子の方に移転しなければいかぬのか、この原因についてまず第一にお答えを願いたいと思っています。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 お答えさせていただきます。  最終的な正式決定があったというわけではないのでございますが、内部的にはいろいろの、後で申し上げますような諸般の事情を考えますと移転をせざるを得ないのではないかということで、そういう方向で検討させていただいているわけでございます。  まず、申し上げたいのは、現在の研修所の状況でございますが、現在の研修所の状況といいますのは、稼動率にしますと五〇%ぐらいでございます。例えば本科コース、これはこの研修センターのメーンなコースで九カ月のコースでございますが、当初百二十人ぐらいの研修生を抱えておったわけでございますが、現在は定員枠としては八十人ぐらいの研修をする予定でありながら、実際には三十五人というような状況になっておるわけでございまして、一方で六十二年から赤字が発生し始めております。六十二年四百万円、六十三年になりますと三千九百万円、元年でございますと推定でございますが、約三千万円ぐらいの赤字が発生しているということでございます。  この赤字の原因等を分析いたしますと、やはりこの貿易業務ということに集中をした研修センター、研修という事業が、最近のグローバリゼーション、企業活動が海外でも経営をするようになるというようなことから、日本人のみならず外国人に対しても研修を行う、あるいは同じ研修であってもかなりレベルの高い研修を行うということになりますと、どうしても都心からのアクセスの時間というのが非常に重要な点になってまいります。これは研修生を集めるという観点からも、あるいは研修生に立派な講義をする講師を集めるという観点におきましてもなかなか困難を感じておるわけでございます。それが今後の時代の要請に応じて研修内容を高度化し、それに合った教授陣あるいは研修生に研修所に来ていただくというようなことになるためには、やはり都心からのアクセスという点が非常に重要なファクターとして浮かび上がってくるということが、この移転を検討せざるを得ない大きな状況になっているわけでございます。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 経営上あるいは立地的な条件ということが大きな要因だ、こういうふうに申されているわけでありますけれども、後で過去の経過なんかは私の方から地元の意向として伝えたいと思うのです。この一連の移転の問題等々について、  この設置の経過から見ると、当然地元の自治体、県、市を含め、そしてまた地元の住民等との関係で十分事前の協議といいましょうか、了承といいましょうか、というものがなされてしかるべき経過なんでありますけれども、聞くところによりますと、かなり地元との間には、現実に進められている作業との間には大きな開きがあると私は思うのでございます。特に六十三年六月八日に、神奈川知事の方から逗子の国際村の構想が出され、その誘致第一号として貿易研修センターを誘致するんだ、それが内定したということをいきなり発表されて地元の皆さんはびっくりしたというのが率直なところでございまして、その前後から、地域の皆さんからどうもそんな動きがあるのでという話が私のところにも参って、私も通産省を初め神奈川の関係者の皆さんに聞いてみた、こういう経過なんですね。  そこで、確かめておきたいのは、この一連の問題を静岡の県、市とは事前にちゃんと相談をし、事前に了承をした上で今の作業が進められているのかどうなのか、その点ちょっと確認をしておきたいと思っています。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 この問題に関しましては、先ほど申し上げましたように赤字が発生していること、それから非常に稼働率が悪いということで、この経営問題を何とかしなければいけないという問題は六十二年ぐらいからあったわけでございますが、具体的にどういうところにどうするかということは、実は現段階におきましてもその詳細について方針が決まっているわけではございませんけれども、神奈川県の先ほどの湘南村につきましての誘致第一号として内定したという報道があったことは我々も知っております。ただ、これは我々も非常に心外でございましたので、早速その当時に神奈川県の方にその発表ぶりを伺ったわけでございますが、実際には配られた資料にも、また発言内容におきましても、誘致を希望している、非常に重点的に今後誘致をする項目という中でこの研修センターが引用されていることは事実でございますが、少なくとも内定というような意味でのあれはまだなかったわけでございます。  そういう意味では、誘致を受けていたことは事実でございます。誘致につきましては、たしか六十二年の初めぐらいからだと思いますが、かなりの誘致を受けていたことは事実でございますけれども、それについて決定をしたというような意味での意向を県に伝えていたことはないわけでございます。したがいまして、誘致を受けていた事実を新聞に発表するなとまでは言っておりませんでしたけれども、その時点におきまして我々としてはまだ方針を決定していないということもありまして、そのお話のあった時点では、必ずしも十分な県あるいは市町村に対する移転を前提とした接触はなかったと私は思っております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 その六十三年の六月時点で静岡県並びに富士宮市の方には一切、全然接触はなかったということですか。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 これは通産省というよりはセンターが中心に仕事をしておるわけでございますので、すべての記録があるわけではございませんけれども、私たちといたしましては、少なくとも移転を前提とした接触というのはなかった、移転を前提とした協議という形ではなかったと思っております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 これは余り大したあれじゃないですけれども、ただ手続的に、これからやる上で重要なことなので私言っておきますけれども、六十三年の六月八日の新聞、すなわち六月七日に神奈川知事が発表する以前に、六十三年三月三十一日には既に貿易研修センターの方から、全職員に移転するよという報告が伝達されているのですよ。そうすると、貿易研修センターが全従業員にこの伝達をしたという以前に県なり市なりに貿易研修センターは伝えてなかったのか、あるいは役所として通産省は当該の県並びに市の方には一切その種のものは言っていませんでしたか、この点だけちょっと確認しておきます。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 現在に至るまで、法律的な意味で申し上げますと、財団法人としての研修センターにおきまして移転を正式に決定したという事実はないわけでございます。ましてや通産省といたしましては、研修センターの方から正式な決定があったという意向がない以上、内部として決定ができないわけでございます。したがいまして、その六十三年の三月時点で、私、実は詳細を承知していないわけでございますが、組合との話し合いの中で一つの可能性なり方向としてそういうことの検討があり得るということは、可能性として言ったということまでは私は否定できないと思っております。移転の可能性が俎上にのぼってきているというのは、これは検討段階としても逐次その方向が固まってくるという段階でございまして、一つの可能性として言ったのではないかと思います。御質問の、県、市に、対していわゆる移転を前提としてそれの協議に入るというようなことはなかったということは、少なくとも申し上げられると思います。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 いずれまた議論するところもあると思いますけれども、まあこれ以上のことはあれしません。  いずれにせよ今までの経過、現地の受け取り方は、六月八日に神奈川県知事がもう発表をして、しかも内定という形が突然出てびっくりした。その過程で従業員等々には正式に、三月三十一日付で、もう貿易研修センターの第二キャンパスを三年から五年の間に湘南国際村に設置する方向で話が進んでいる、こういうふうに正式に言っているわけですから、それが特に地域の関係者の方にちゃんとなかった点については、ぜひこれからそういうことがないように強くお願いをしておきたいと思っております。  それで、その後、ことしの一月十八日ですか、十九日に一斉に報道されましたが、当時の松永通産大臣が日本記者クラブで国際研修交流センター建設構想というのを発表されているわけであります。これに関連する報道で、いわゆる富士宮の貿易研修センターをそこへ移して、貿易研修センターを改組して、新たにつくろうとしている国際研修交流センターをそこでやるのだ、そして貿易研修センターの中心事業として国際ビジネススクールをやるのだという当時の松永通産大臣の記者会見発表、十九日にそれが報道されているのですけれども、これは事実かどうか、その構想は現在進んでいるのかどうか、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 平成二年の一月十八日に、当時の松永通産大臣がプレスセンターにおきまして講演をいたしまして、その中で国際的な最近の重要な観点というところから人材養成ということについて強調され、そのコンテクストの中で国際研修センターにつきまして、例えば神奈川県の湘南村に設置することを検討しているというふうに発言したことは事実であります。新聞等につきましては、必ずしもそれ以上の細かい内容につきましては当時の通産大臣の演説のお話の中には入ってなかったわけでございまして、恐らくその後関係方面を取材したということは考えられます。  ただ、現在この時点で私申し上げられるのは、方向性といたしまして、先ほど申し上げましたように、最近の内外の経済情勢、特に非常に経済のグローバリズムが進んだ段階におきまして、研修制度というものを今後考えていくということはかなり高度な内容のものを考えなければいけないのではないか。そのためには日本人のみならず外国の方にも、日本の市場へのアクセスあるいは日本での経営の仕方等も日本の内部で教える機関が必要なのではないかということで、非常に多角的な中身を持った高度な研修事業をやるというところまでは方向性として考えております。ただ、その詳細につきましては、まだ移転の正式決定を見ない段階では必ずしも明示的なものができているわけではございません。ただ、繰り返しになりますが、いずれにしても、現研修センターの状況を考えますと、移転するという方向での検討はやむを得ないものということには変わりございません。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 通産大臣が発表した方向で移転をし、新たにそこに交流センターをつくるという方向は間違いないと私は思うのです。現に貿易研修センターがその方向でいろいろな実務を詰めているわけですからね。  そうしますと、この貿易研修センターは、最初に例の四十二年にできて、それから六十一年に特別認可法人から財団法人に変わりましたですね。このときは、基盤技術研究促進センターを特別認可法人でつくる、新たな認可法人をつくるので、それで当時行革との兼ね合いがあって追加はできないので、新たなものをつくるためにはどこかつぶさなければいかぬということでもって、この貿易研修センターが特別認可法人から財団法人になったという事実は間違いない事実ですよ。それが六十一年にあって、今度は国際研修交流センターをつくる。時代の要請であることは事実でしょう。そういう情勢があるので今度は貿易研修センターそのものを逗子に移します、こういうのが偽らざる経過だろうと私は思うのです。  そうすると今度の移転そのものが、最初に言われたように、地域の側から見れば全く貿易研修センター並びに通産省等々の方針で移動するのですよ。そして六十一年のときも、通産省あるいは郵政省等々の特殊法人をつくるので、これが特殊法人から財団法人に格下げされて、それが今日財政的に大きな負担を、マイナスを来す要因になったことも事実ですよ。二度にわたって貿易研修センターの都合と通産省の都合と政府の方針で今日まで来ているのですよ。したがって今度の移転も、地域の都合ではなくて貿易研修センター並びに政府の方針で移転するんだ、そっちの都合なんだというふうに確認してよろしゅうございますね。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 まず最初の特殊法人から財団法人に変わった六十一年、これは民営化をしたという状況がまずありまして、そのときの趣旨というのは、民間の活力あるいは民間の知恵というものを活用してやっていく、それまでの特殊法人という形では弾力的な運営がなかなか難しいということもあって民営化をしたわけでございます。現段階で考えますと、むしろ民営化の活力を使ってもなかなか状況がうまく展開してないという状況が移転を考えざるを得ない一つの背景にもなっていると私は思っております。  今回の移転の状況は通産省の方針でということではございませんで、あくまでもセンターがこれを検討し、内部的にいろいろ試算もしております。あるいは内部的な研究のプログラムの改正についても検討しております。しかし、それではどうしても現在の赤字状況を脱し得ないという結論を得ているわけでございまして、その状況を踏まえて、いわばセンターがどう考えるかということを前提にして通産省がその方針を承認するかしないかということになろうかと思います。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 四十一年、財団法人になるときも今度のときも通産省の指導、外郭団体でありますし、それから貿易研修センターの都合、状況、そしてまた新たに逗子につくるというのは、通産大臣がみずから一月十八日に言っているのですから、通産大臣、通産省の方針に関係する形で、連動する形でいっていることは間違いないわけですよ。したがって、その辺のところをはっきり認識をしてもらっておきたいということが一つです。  それと、大臣、素朴な問題としてちょっと、この貿易研修センターを地元の人がどう受けとめてきたかということなのですよ。これは御承知だろうと思いますが、最初にできるときにその当時の東銀の相談役の堀江薫雄さんが会長になられて世界経済交流協会というものをつくった。それでこれが計画立案する機関だったわけですね。そして財界の方の受け皿として貿易大学、これは研修センターのことです、貿易大学設置準備協議会というのができた。その会長は石坂泰三さん、当時の経団連会長で、名誉会長には当時佐藤総理がなられた。副会長には前通産大臣の三木先生がなられ、そして当時の通産大臣がなった。こういう形でこの構想が膨れ、できていったわけですね。いわば地元の人たちは、これは国家的な仕事なんだ、国家的な行事なんだという受けとめ方で受けとめて、その誘致もし、誘致が決まった後、積極的に協力をしてきたという経過があるわけなのですね。  したがって、地元の方は当時市長を中心にして協力委員会をつくり、地元の人間も三十一名が協力委員となって、土地の問題だとか、道路拡張に土地を提供させるのだとか、貿易研修センター専用のための水道の設置については市が金を出すとか、こういう形をつくってきたわけなのです。それはひとえに国家的行事なんだ、国の仕事なんだ、そのことが市の発展にもなるという位置づけできたわけなのですね。  そして、その当時のその地域の地元の皆さんの気持ちを代表しているあれとして、研友社という管理会社があるのですけれども、その十周年のときに、当時区の職員であり出張所長であった、しかも上井出の住民であった木本さんがこういう文章を書いているのですよ。   先祖代々から承け継がれた由緒ある土地を自分達の代で勝手に処分することについては、区民の一人一人が苦悶されたことであろう。しかし立場を変えてみれば、先祖の残してくれたこの土地が、市政発展の一翼を荷い、また国家的事業に貢献し、杉桧の森林が研修施設に姿を変えてわれわれの手に戻って来たと考えられないだろうか?   こう考えてみると、われわれが誘致に努めたことは長い歴史の一頁に誇りをもって刻まれてもよいであろうし、そこで働く研友社の皆さんは、 と、ずっとこう書いてあるわけですね。  こういう気持ちで誘致をし、そして代々伝わってきた共有の土地、財産区の土地二十万坪を提供をした。その後の施設の拡張についても、個人の私有地も提供し、市の金もつぎ込んでやった、こういう経過なのですよ。それを、時代の変化もあることは認めますけれども、その特殊法人から財団法人になり、しかも誘致をして云々だから、今度ははいさようならというふうに簡単にされては困るというのが地元の皆さんの偽らざる気持ちなのですよ。  したがって、この貿易研修センターの処理の問題については、最後まで通産省は貿易研修センターを指導し、県を指導し、市を指導して、地元の住民が納得するように処理をしてほしいし、責任を持ってほしい、そういうことを私は強くお願いしたいのです。その点、大臣、最後まで責任を持ってくれるかという点をぜひ確認をしておきたいと思うのです。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 実は私の承知をしていない案件でございますから今どうこう申し上げられるわけではございませんけれども、しかし今のいろいろの質疑を承っておりまして、特に最後のいろいろのお話を承りますと、最初の設立のときから今日まで地元の皆さんが非常に御協力をいただいたという点はよくわかりますので、今お話のあったように、ここはどうも余り場所としてもよくないし余り効果が上がってないからこっちへ行くよ、おまえの方はもうはいさようならというような、そんな冷たいことのないように、それは私も責任を持って対処していきたいと思います。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 そこで具体的ですけれども、一つ約束をしてほしいのは、これから進めていくに当たって、特に市と地元住民それから研修センターの関係者、すなわちあそこには組合もあるのですよね。それから研友社という管理会社がありますね。この管理会社の責任者は貿易研修センターの責任者がやっていますから、市、地元住民、地元は対策委員会というものをつくっていますから、それとそこで働く関係者、労働組合、研友社の職員とこれから協議をし、そこと合意がなければこれからの作業を進めない、結論を出さない、こういうふうに約束してもらえますか。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 お話のように、大臣のお言葉もありますので、今後地元との検討は十分していかなければいけないと思っております。ただ、一方で、先ほど申し上げましたように赤字がかさんでくる状況にもございまして、地元対策が全部終わらなければというところは、万全の努力をするということはお約束はできると思いますけれども、正式決定という点につきましては、あるタイミングで我々はやらざるを得ないという事態も考えられると思っております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 では、正式決定はいつしますか。見通しを言ってください。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 現在検討中でございますので、明確なことはまだ申し上げる段階ではないと思っておりますが、かなり検討が煮詰まっておるということも事実でございますので、そう遠くない時期だとは考えております。ただ、いずれにしましても、今後の地元との協議につきましても万全を期したいと思っております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 地元と十分、特に私は、市も含めて地元の関係者と絶対に事前に了承をとった上で具体的なものを決めていってほしいということをぜひお願いをしておきます。  改めて確認しますけれども、特に従業員の問題、私は存続を願っていますし、現時点でも存続をぜひしてほしいという立場ですけれども、万が一移転せざるを得ないという事態になったとき、あそこの従業員は全部地元の人間なんですよ。そうすると、逗子の方には行けませんからね。そうすると、この従業員の問題をどうするかということがあるわけですよ。ここはちゃんと責任を持ってくれますね。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 先ほども申しましたとおり、基本的方針としては飛ぶ鳥跡を濁さずというつもりでやっておりますので、地元並びに現在働いている従業員の皆様とも十分話をさせていただき、またさらに、跡地をどう利用していくかという意味の、今後のかわりとなると申し上げてもいいのかもしれませんが、そういうことについても意を用いていきたいと思っております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 責任を持ってもらう対象として研友社の職員も対象になりますね。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 現在それは検討の対象になっていないと思います。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 そうなってくると、あなた、とんでもない話ですぞ。研友社というのはどういう組織だか御存じですね。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 失礼いたしました。全体といたしまして、研友社の皆様もその対象の中に入れて今後の検討をするということでございます。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 研友社を含めて、歴史的経過は時間がないから言いませんけれども、絶対研友社を外せるようなものじゃないですからね。そこはぜひお願いをしたい。  最後にお願いしておきますけれども、いずれにせよこういう経過の問題でありますので、ぜひ自治体の長、地域住民、関係職員との間で十分合意を得た上で物事を進めてほしいということが一つと、それからもしどうしても貿易研修センターが移転せざるを得ないという事態になったら、その後はそれにかわり得る施設は貿易研修センターに準ずるものでないと地元は納得しませんから、歴史的経過ですから、この辺のところはぜひ頭に置いて処理をしてほしいのです。その見通しについてちょっと最後に答えていただいて私の質問を終わります。

堤富男通商産業省通商政策局次長

○堤政府委員 現在検討中でございますので、具体的に申し上げるわけにはいきませんが、今先生のお話を十分頭に置いて、今後検討していきたいと思っております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 時間ですので、終わります。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて前島秀行君の質疑は終了いたしました。  次に、金子満広君。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 私は、全国の革靴産業の振興の問題、特に今業界でも、関係団体、地方自治体でも大きな問題になっているTQ制度の見直し問題と関連をして、幾つかの問題について政府の考え方をお聞きしたいと思います。  まず、TQ制度になって四年になるわけです。来年三月で期限が切れるわけですが、このTQ制度というのは、もちろん革靴の輸入を完全自由化するための移行措置だ、こんなことは考えていないし、そんな位置づけはしていないと思いますが、念のため伺っておきたいと思います。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 先生御存じのとおり、皮革、革靴につきまして、八六年四月一日から輸入制限措置を撤廃いたしましてTQ制度に変えたわけでございます。これは一つは、国内産業の置かれた立場を考慮しながら、輸入制限というガット上整合性に問題がある、それを改めていく必要がある、市場アクセスも改善する必要がある、こういう考え方に立ちまして、全体の整合性をとるためにTQ制度を導入したわけでございます。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 そこで、これは大蔵省関税局の企画課長の吉田道弘さんが講演したものをまとめて出したものですが、「貿易実務ダイジェスト」という八六年四月号に掲載されている文章がございます。その中では、今のTQ制度の問題について次のように述べているところがあるのですね。「今後自由化するものがある場合には、そこに行く中間段階の受け皿として、この制度を活用すべきだということも含まれていた。それが最初に適用されたのが皮革の関係になったわけである。」つまり、この制度というのはTQ制度を言っておるわけですね。これはもちろん課長さんの自由な発言ですから、これが政府の方針だとか、通産省もこれに縛られるとか、こんな解釈は私はしませんけれども、こういうような解釈が出てくるということを指摘だけして、具体的な問題に移りたいと思うのです。  これは言うまでもないことですが、革靴産業というのは典型的な都市型の内需産業なのですね。同時に、その実態というのは零細企業の集団になっている。しかも、それぞれの地域に根差した歴史的な地域産業、地場産業でもある。そして、革靴産業というのは、地域経済の中でも重要な役割を果たしてきているというのはもう皆さん御存じのとおりだと思うのです。これはTQ制度が導入されるそのときの国会で、これは参議院ですが、私の同僚の市川正一議員が質問した中で、当時村田通産大臣が次のように答えています。「我が国の革靴製造業は、従業者九人以下の企業が全体の七〇%以上を占めておる極めて小規模な零細企業で構成されております。国際競争力にも乏しい、また歴史的、社会的にも困難な問題を抱えている産業であると、このように認識をいたしております。」大臣、この認識はもちろん変わりないですね。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 先生御指摘のように、革靴、履物製造業の中で非常に中小零細企業が高いウエートを占めているということは、我々も、統計上明らかであるということでそういう認識をいたしております。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 これもわかり切ったことですけれども、日本の革靴の歴史というのは欧米のそれに比べてまだ非常に浅いのですね。百年前後ということであり、国民全体が革靴を履くようになったのが戦後なのですね。特にここ四十年、三十五年くらい前からが一番普及してきた、そういう時期だと思うのですね。そういう中で、革靴というのは今や国民生活にとってはなくてはならないものになってきている。靴を除いては生活は考えられないわけですね。同時に、靴が健康に及ぼす影響というのは非常に甚大だ。足に合わない靴がいろいろの病気を引き起こすなんということも欧米ではたくさん出ているわけですが、そういう点で日本人に合った靴を日本で開発する、そして普及する、これは非常に大事なことで、こういう観点から革靴産業について考えていかなければならぬ。  そこで具体的な問題ですが、TQ制度になってからの革靴の輸入数量の推移について伺っておきたいと思うのです。つまり、八六年制度が導入された、このときの枠と実績、それから一番新しいのは八八年だと思いますが、八八年の枠と実績について数字的に、足数、何足というので答えていただきたいと思います。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 八六年度のTQの枠は、第一次枠でございますが、二百四十五万足、そして八六年度の輸入実績は百六十五万足、八八年度でございますが、枠が三百十一万足、八八年度の実績が三百四万足ということに相なっております。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 それから、同じ時期における国内生産はどのくらいになっていますか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 八六年の生産統計、これは雑貨統計でございますが、国内生産は八千六十万足という数字に相なっております。——失礼いたしました。先ほど申しました八千六十万足というのは、工業統計による数字でございます。これは八七年までしか出ておりません。雑貨統計、カバレージが違うわけでありますが、雑貨統計によりますと、八六年の生産数量は四千七百五十六万足、八八年が四千八百三十四万足でございます。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 そこで、TQの枠外の革靴で、御承知のスポーツシューズ、よく言われているカジュアルシューズが大量に入ってきている。これがどんどん入ってきているということは、ある意味ではTQ制度そのものが形骸化してくるということに通ずると私は思うのですね。  これは私の方で調べたわけですが、スポーツシューズの名前で入ってきているカジュアルシューズ、通勤通学、レジャーなんかに履けるもの、その輸入の実態は、革靴全体で一九八六年に四百二十万足だったのが、八八年、三カ年間で千七百二十万足に急増しているのですね。だから、実に二年で四倍強になっている。この数字は間違いないと思いますが、よろしいですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 スポーツシューズの輸入実績でありますが、八八年度が千三百五十五万足というふうに我々の統計ではなっております。確かにおっしゃるとおり、スポーツシューズの輸入量は近年大変急速にふえてきております。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 若干数字にあれはありますけれども、大量に入ってきていることだけは間違いないわけですね。  こうした実態について、これは通産省自身が出しているわけですが、昨年十一月一日発行の「我が国産業の現状」、これは新版で、通商産業調査会、通産大臣官房調査統計部編で、「皮革製品工業」「革靴」というところの「特徴・見方」というところに次のようなくだりがあるのですね。「運動用靴の輸入も韓国、台湾からの安価な製品が大量に流入しており、八八年は千四百十五万足、同五三・〇%と著しくふえてきている。国内メーカーはこれら輸入品による国内市場の侵食という打撃を受けている。」こうありますが、具体的にこの打撃というのはどういうものなのか、事例がありましたらこれをひとつ知らせてほしいと思うのです。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 スポーツシューズについての輸入の影響でございますが、先生御指摘のとおり八八年まで輸入が大変ふえておりまして、国内産業の生産も減少傾向をたどってまいりました。そういう意味で影響があったことは事実であろうかと思います。ただ、八九年には生産は回復をいたしておりまして、五・二%の増加を示しております。  一方、輸入は減少を示しております。輸入の減少というのは、近隣の韓国、台湾等からの輸入が、それらの国の通貨の切り上げ等による相対的な競争力の低下あるいは労賃アップということで対日輸出の速度がやや鈍ってきたということも言えるのではないかと思いますが、いずれにせよ八八年までは、そういうことで大変影響があったと思われるわけであります。  ただ、事業所数、従業員数については革靴全体でほぼ横ばいで推移をいたしておりますが、従業員の小規模のところには事業所数の減少が見られる、こういうところが今先生御指摘になった通産省の作文の言う影響の典型的な事例ではないかと思います。今後とも我々は輸入品による国内市場への影響については注意をしながら、その動向を見守ってまいりたい、このように考えております。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 八六年から八八年までの間の事業所数の減り方が通産省はある程度わかっていると思うのですが、いかがですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 実は事業所数というのは工業統計によりまして、最近時点までの統計というのはなかなかとれないわけでありますが、例えば八六年の全事業所数は二千百三十三、その翌年の八七年は二千九というような数字になっておりまして、若干の減少が見られるわけでございます。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 TQ制度を導入した後、事業所は減っている、それから従業者、そこで働いている人たちの数が減っていることは先ほどもおっしゃったとおりだと私は思うのです。そういう点、事態は深刻に受けとめなければならないと思うのですね。  とにかく輸入がふえる、スポーツシューズ、TQの枠の外のものまでぐっとふえると、内需産業である革靴産業は競争に勝たなくてはならないわけですね。結局どういうことになるかといえば、低賃金、低工賃が慢性化してくるということだと思うのですね。これは非常に問題なんですが、そういう低賃金そして低工賃という中で何があらわれるかといえば、一つは転業、廃業です。そして後継者がいなくなる。若い人たちが後継ぎをしても先がちょっと見えない、こういうのは非常に深刻な問題になっていると思うのですね。  その点で、通産省の担当者はもちろんのこと、大臣もこの事態はそれなりに受けとめておられますけれども、この事態をこれ以上悪化させてはならない、これは今それこそ政治全体に課せられた大きな責務だ、義務だとも言えると思います。考え方とすればそうだと思いますが、その点は大臣、どうですか。これ以上悪化させないように努力するというのが政治全体としての大きな責務なんだ、こういうことですか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 なかなか難しいのは、やはり消費者のニーズというのもあるのじゃないかと私は思うのですね。特に今、私ども通産省は逆の方向でございまして、輸入促進をお願いをしているときに、TQの枠が少しふえてそれによって日本の国内生産が落ちて、それを何とかしろというお話は、今私どもが進めている政策とは少し逆の方向でございますので、大変難しいのでございます。しかし、現実に革靴をおつくりいただいている製造業の皆さんが非常に規模の小さい業者で非常に御苦労いただいていることはよく承知をいたしておりますので、その辺はどういう形に持っていくのか、大変、私も今何ともお答えが難しいのでございますけれども、とにかく、通産省として今片一方で輸入拡大をお願いしているときに、片一方でもう輸入はこれ以上ふやさないよというようなこともなかなかどうも言えないものでございますから、国内の革靴をおつくりいただいている業者の皆さんに、できる限り消費者のニーズに合ったようなものを、ひとつ御苦労でございますけれどもなるべく競争力のあるような価格でおつくりいただくことをお願いするよりほかに方法がないのじゃないかと私は思っております。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 革靴産業が貿易摩擦を引き起こしたのでないことは天下の常識であって、つくった革靴をどんどん外国に売りまくった、それで苦情が来てお手上げだという状態では全然ないわけですね。輸出はもう微々たるもので、履物全体からいえば日本は相当輸入しておるわけですね。スリッパまでいろいろ入れれば足数にして一億足以上は、大量の輸入をしていると思うのですね。だから、国民の履物の三分の一くらいはいろいろな意味で外国製ということもあるわけです。私はそういう意味では、少なくとも貿易摩擦を引き起こしたのは革靴産業ではないんだということだけは言えると思うのです。  消費者のニーズに合った、もちろんニーズに合わなければ何の商売でもできないわけですから、日本人の体型、そしてまた湿気の多いこの日本に見合った靴を開発する、そういう点では政府、通産省自身もいろいろの援助、補助をやらなければならない、これは当然のことだと私は思うのですね。しかし、今大臣も言われるようにこれ以上悪化させない、輸入がどうかこうかはあれだけれども、これ以上業者、従業者それから関係団体、地域の地場産業を悪化させない、これは基本的には確認はだれでもできることで、もっと悪くなってもしようがない、今日米構造協議でどんどん輸入しろというときだから黙って目をつむってくれ、これはできないはずですから、それは最低守っていかなければならないことだ。そこで、TQ制度を維持すれば全部これでオーケーというわけじゃない、これも万能の対策じゃないわけですから。しかし、これがすべてを解決する問題ではないけれども、今さしあたってこのTQ制度というのが革靴産業を守る上で重要な防壁になっているのだということだけは、政府もあるいはまた業者も関係団体も、その点は一致して認められることだと思うのですね。  そこで、これは通産省の事務当局で結構なのですが、いろいろの業者団体や関係団体から陳情、請願、要請というものが来ておると思いますが、全部でなくていいのですが、その特徴的なものがあったら内容をちょっと紹介してもらえますか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 例えば本年に入りまして日本機械靴協会、日本靴製造団体連合会から「TQ制度維持継続のお願い書」というのが私どもに届いておりますし、また本年四月、つい最近でございますが、タンナーズ協会の方からもそのような要望が出されております。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 今二つの団体のお願いという形で出ている内容は、具体的には二つありますね。一つは「輸入割当数量 平成二年四月一日〜平成三年三月三十一日の一年間の割当数量を平成三年四月一日以降も継続すること。」二番目は「現今の関税率「一次税率(二七%または三〇%)、二次税率(六〇%または、四千八百円/足のうちいずれか高い税率)共」、平成三年四月一日以降も継続すること。」これが具体的な要請の内容になっているわけですね。東京都の東都製靴協同組合、これは下島正寿さんが理事長をやっておるところであります。それからもう一つは東京靴工組合、これは木島初雄氏が委員長をやっておるところでありますが、ここからも同じ趣旨の陳情なり要求が出ているわけです。  東都製靴の点でここで私からも申し上げておきたいと思うのは、一つは「わが国の革靴産業は欧米の靴産業に迷惑をかけていないこと。」つまり貿易摩擦とは全く関係がないのだということを最初に一つうたい、もう一つは「わが国の革靴産業は零細企業の集団であること。」この二つの問題を強調し、そして具体的なものとして次の陳情をしているわけですね。一つは「輸入割当数量 平成二年四月一日〜平成三年三月三十一日の一年間の割当数量を平成三年四月一日以降も継続すること。」だから現在のものを継続してくれということですね。もう一つは、これは先ほど読んだのと同じでありますが、現今の関税率、一次税率それから二次税率、これを平成三年四月一日以降も継続してもらいたい、こういうことですが、いずれはともかくとして、このTQ制度はここで廃止するとかなくすとかいうことではなくて、最初にもう伺っておりますが、TQ制度は継続する、そういう方向で努力するというように当然なると思いますが、これも念のため確認しておきたいと思うのです。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 TQ制度の見直しにつきましては、従来からECあるいはアメリカ等から要望が出されているのも事実でございます。加えて本年度におきましては、ジュネーブで行われておりますウルグアイ・ラウンドの場におきまして、TQ制度の撤廃を含む厳しい要求が諸外国から出てくる可能性もあるわけであります。一方におきまして国内の厳しい事情というのも我々もよく理解いたしているつもりでありますし、また先ほど先生が御披露なされました各団体からの要望等もあることも事実でございます。その辺を頭に置きながら、我々としては今後対応をしてまいる所存であります。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 大臣、今の点は確認しておいていいですね。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 今局長から答弁のありましたとおりで、TQ制度を維持しつつ、関係国からの具体的な市場アクセス改善の要望なども踏まえながら対処していきたいと思っております。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 TQ制度は維持する、その上でいろいろ対応していくということですから、これは確認しておきたいと思います。  そこで、これも先ほど御披露したわけですが、大蔵省の吉田課長がTQ制度導入のときの経過についていろいろ語ったところがあるのですが、私は、これは今後交渉する上で日本政府の態度として非常に重大な問題を含んでいると思うので、その点を申し上げておきたいと思います。  例えば、随所に出てくるのですが、もうIQのままではだめなんだ。そして米国側はそれでは全然満足しない、このままではとても引き下がれない、報復すべきだ、こういうのが向こうから出てくる。米国側はさらに追い打ちをかけるとか、そして大統領が三〇一条の発動を宣言したわけであるとか、あるいはもう交渉は明確なデッドラインの宣言を米国側が行うところまできたとか、通産省が一応考えたのがTQ制度への移行だったとか、そのためにほかの関税が引き下げられて、その点では二百億円穴があくわけですね、そういうような表現とか、そしてとにかく大変だ、大変だ、圧力がうんとくるんだ、これを連発しておるのですね。そうすると、別な意味で言うと、押されてます、押されてます、こういう表現になるわけですね。  これは八五年のことですよ。ところが八八年、八五年もアメリカの代表はヤイターさんだった、その同じヤイターさんが、御承知のように牛肉・オレンジのあの自由化に道をあけるときに過渡的措置をとったわけですね。あの後有名なことを発言しているのです。日本というのは風圧をかければ幾らでも折れる、これは有名な言葉で、国会でも何回か議論された内容ですけれども、私も、既にお話にあるように圧力というのはかかってくるんだと思うのですね。ただ、それをいかにかわすかじゃなくて、いかに押し返すかという点で、特に貿易摩擦を起こしたことのない革靴産業なんだから、この点はしっかり腹に据えてやってもらいたいと思うのです。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 大臣が先ほどお話しなされましたように、全体の日本の立場ということから見ますと、輸入の増加というのは国際社会の中で求められているということも事実であろうかと思います。ただ、その革の問題につきましては、国内の事情というのも我々は十分理解しているつもりでありますし、そうした実態を踏まえながら国際的な交渉も、向こうからの要望について十分話し合いをして対応してまいりたい、このように思っています。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 じゃ、最後に一言だけ。  これは東京靴工組合の方からも出ている問題でありますが、「革製履物の関税割当について、TQ除外品目として、現在、スポーツ靴・(軽)登山靴と称して一般革靴となんら変わらない靴の輸入が急増してきている。これらの靴についてTQ除外品目の内容を適切に改正し、規制すること。」もう一項目は、「ここ数年関税割当とは別に、革履物の製甲・本底・ヒールなどの部分品輸入が増大している。これにたいして足数換算などその実態を把握するとともに、関税上の対策を講じること。」これは当然のことだと思いますが、この点もひとつ検討して、やはり重大問題ですから、部品をどんどん別々に入れてこっちで組み立てして、そしてTQ逃れをするというようなことは許せないわけで、この点も厳格に対処してもらう、このことをひとつ、どうですか。

南学政明通商産業省生活産業局長

○南学政府委員 まず、スポーツシューズの定義の問題が先生から御指摘ありましたが、スポーツシューズの範囲をどういう範囲にするかというのは国際的な取り決めに基づく分類が設定されておりまして、この分類に従って個々の物品の定義が行われておりまして、現在のスポーツシューズの定義というのも同じ国際的な考え方に沿ってやっておりますので、それを逸脱して我が国が勝手に決めていくというのはなかなか難しい問題であるということを御理解いただきたいと思います。

金子満広日本共産党

○金子(満)分科員 終わります。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて金子満広君の質疑は終了いたしました。  次に、網岡雄君。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡分科員 お許しをいただきまして、愛知で二〇〇五年に開催を予定するということで誘致運動を続けております愛知万国博覧会の問題につきまして御質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。  冒頭でございますが、東海四県にとりましては、愛知で海部総理大臣が誕生じ、岐阜県では通産大臣である武藤先生が大臣になられ、運輸大臣も大野先生がおやりになっているということでございまして、先ほど申しましたように二〇〇五年を目指しまして、世界に日本がどのような考えで、二十一世紀の初頭に当たって日本の持っているすべてのものを世界に問うというような形で万国博覧会を持とう、こういうことで今準備をしておるわけでございます。同時に、そのことを中心にいたしまして、俗に言う三点セットということが言われているわけでございますが、第二東名、そしてリニア新幹線、中部国際空港というようなハードな面の建設というものも、愛知県を中心にいたしまして、中部八県が一体となってその推進のために努力をしておるところでございます。そういう意味で、東海四県にとりましては、冒頭申し上げましたような情勢にありますだけに、万国博覧会の開催というものは今の時期では絶好の機会だ、こういうふうに私どもとらえておるわけでございますが、以下若干御質問申し上げますので、よろしくひとつお願いを申し上げたいと思います。  まず第一でございますが、二〇〇五年に国際博覧会を愛知で持つことを計画しておるわけでございますが、この国際博覧会を日本で、そしてなぜ愛知で開催するのか、こういう意義について通産省が一体どういう認識と御理解をお持ちになっているのか、まず通産省としての考え方をお聞きしたいのです。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 お答え申し上げます。  御承知だと思いますが、国際博覧会、特に一般博覧会の場合は、新しい時代の展望をその人々に与える、それから人類がさらなる進歩を遂げるその方向づけをする、そういう機能があると存じ上げます。  そういう意味で、日本が今大変大きなGNP大国でありますし、二十一世紀に向けて世界的なリーダーというか、そういう位置づけになると存ずる次第でございます。特に科学技術あるいは文化、あるいは環境とか資源とか社会問題とかいろいろな点で、経済問題だけじゃなくて、日本がそういう新しい方向づけあるいはビジョンを示す、それが二十一世紀の初めに大変有意義なことで、日本が果たすべき国際的役割ではないかというふうに私ども通産省としては考えております。そういう意味で、アジアの一角というか、アジアでそういう情報なり技術の発信基地になるという意味でも非常に意義は高いと考えているわけです。  さらに愛知という点につきましては、大阪なりあるいは東京なりあるいは沖縄なり、いろいろなところで国際博覧会が行われましたけれども、中部地区の地域開発、地域発展あるいはさらなる今先生が御指摘されましたようないろいろな意味でのインフラストラクチャーの整備というものも含めまして、私どもとしては非常に意味の高いプロジェクトだと存ずる次第でございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡分科員 通産省のお考えを今お聞きしまして、私ども地元の愛知で考えている考え方とほぼ同じような視点になっておるわけでございますが、ぜひひとつ通産省のそのお考えを基軸にしながら、今後国際博覧会の誘致に向けて国が大いに、もう一歩踏み出したような形で御協力をいただきたいというふうに考えているわけでございます。  以下若干具体的な問題について御質問を申し上げたいと思うのでございますけれども、今まで地元愛知県が中心になりまして、中部八県規模で誘致態勢の整備に当たってまいりました主な内容を項目的に申しますと、昨年に二十一世紀万国博覧会誘致推進委員会の本部を愛知県の中に設置をいたしました。推進の活動を続けていくセンター的な役割を果たすということで設置をされ、さらに二十一世紀万国博覧会誘致準備委員会というのを、これも地元の各地方自治体、それから各経済団体などの協力をいただきまして、それぞれ委員会が設置をされております。さらに、二十一世紀万国博覧会誘致推進協議会という、これまたもう一つの経済団体を主軸といたします協議会が設立をされまして、この三本の誘致態勢の組織が昨年の一年間をかけまして、それぞれの委員会の機能を発揮いたしまして誘致運動に全力を傾けてきたところでございます。  そこで、ことしに入ってでございますが、今まで大阪万博とかあるいはつくば万博とかいうのが開かれたわけでございます。その際は政府がまずゴーサインを出しました後で準備態勢に入ったという条件の違いがございますけれども、私ども今地元愛知県を中心にして中部八県が準備をいたしておりますのは、そういう政府からの声がかかっていない時期に誘致態勢を自発的に整えていこう、こういうことで準備に入りまして、先ほどの両博覧会と比較をいたしますと、いち早く地元愛知県の瀬戸市に、大体面積三百五十ヘクタールだと言われておりますが、その地域に二〇〇五年に予定をしております万国博覧会の誘致を行おうということで、開催地の候補地の決定を既に二月五日の段階でしておるわけでございます。  そして、四月十一日に二十一世紀万国博覧会基本問題懇話会というのを開催いたしまして、これは前の三つの委員会とは別に、愛知県で開催をする意義と二十一世紀のイメージというものをまずつかむ、それから二十一世紀の国際博覧会の意義とその博覧会のあり方について、それから三つ目には二十一世紀の万国博覧会のテーマの考え方づくり、こういうことで、万国博覧会を候補国として申請をいたしますための条件といいますか、そういうものの条件づくりのために具体的にやっておるわけでございます。  そういうような努力がされておりますし、ことしの予算でございますが、さきの候補地の三百五十ヘクタールの面積のうちで県有地が、これは非常に運がよかったわけでございますけれども、約四分の三のところが県有地になっておりまして、四分の一ぐらいが民有地ということになっておるようでございます。したがって、四分の一の民有地をこれから毎年県費を投じて用地買収に入るということで、ことしの平成二年の予算におきましては三十一億の予算計上を行いまして、ほぼ二十三ヘクタールの民有地の買収に入るということで、既に予算措置がとられておるというような状況でございます。また、四月十四日には知事と議長がパリのBIEを訪問をして、地元県として万国博覧会の誘致について具体的な誘致活動もしておる、こういう目に見えた積極的な活動を展開をしておるわけでございますが、こうした一連の地域の具体的な活動について通産省当局はどのような評価というものをされておみえになるのか、その辺のところを聞かせていただけぬでしょうか。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 地元の熱意というか、大変すばらしいものというか、アイデアもそうですし、行動力も含めまして私ども敬意を表しておる次第でございます。  先ほどございましたが、一般的には政府が決めてから場所を決めるとか、従来確かにそういう形でございましたが、今回の場合は愛知県が候補地を一応決められるという熱意がございました。ただ正式には、国際的にはというか、政府が誘致を決定しましてから政府が場所を具体的に決めるということでございますが、その地元の熱意なり事情をその場合は十分勘案して決めることになると思います。私どもはその意味で、順序は地元の熱意によるものであり、かえってそういう意味では今後スムーズにいくと考えておるわけでございます。  それから、先ほどございました各委員会、準備会、それから学者とかいろいろな方が入っていただいている基本問題懇話会、四月十一日に会合されまして、私どもも承知しておりまして、内々非公式に御相談なりアドバイスというか申し上げておりますが、このプロジェクトにつきまして、愛知県、名古屋市、財界の皆様方あるいは先生方を含めた御熱意に対して、私どももできるだけのことは申し上げたいと考えておるわけでございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡分科員 そうしますと、愛知県を中心にいたします地元の自発的な誘致活動というものは、今御答弁がありましたように、アイデアもいい、行動力もある、そして誘致活動がスムーズに進行していると大変いい評価をいただいているわけでございますが、今の時点で、通産省御当局が具体的に二〇〇五年に向けて万国博覧会を愛知でやりたいということの政府としての意思表示をするには、一体どの時点というふうにお考えになっているのか。これは大阪とかつくばとかいうようなことの教訓を私どもも見ておるわけでございますが、やはり準備というものは本体の博覧会の会場だけではなくて、先刻御存じのように、それを中心にいたします交通問題とか道路問題とかといったようなあらゆる関連事業、関連整備というものが当然表裏一体の形で整備されなければならないわけでございます。そういうのはゴーサインが出たからといってとんとんと進んでいくものではございません。  先ほどの候補地の運び一つ眺めてみましても、幸いこれは三百五十ヘクタールのうちの四分の三近くを県有地として持っているという全国でもまれな好条件を持っておりますから、こういう決定というのがある程度早く手を打たれることになったと思うのでございますが、それにしても四分の一の民有地を整えていきますためには、愛知県の財政をもってしても、今年度でいけば三十一億ぐらいの予算計上ということで、大体七、八年ぐらいの積み重ねをやらなければ達成をすることができない、こういう状況にあるわけでございます。  そういうことは一例でございますが、この時期でいつだということを私は明確に申し上げるのを御遠慮申し上げますけれども、しかし、これはもう五年も六年もということではなくて、できるだけ早い時期に、かつてやられた大阪万博の際のような前向き閣議了解というような一つの節をつけた政府の腰の切り方というものが、こういう二十一世紀にかける大事業を遂行していく場合に、地元として準備をしていく場合に非常に一つの大きな力になってくるわけでございます。したがって、そういうものを本当に地元としては一日千秋の思いで待っているわけでございますが、冒頭申し上げましたように、時期といたしましては、総理大臣を初め有力閣僚の皆様がこの東海四県から出ておみえになりますこの時期に、ある程度そういうものの足場を固めていきたいというふうに地元として望むのは当然のことでございます。そういうことなどもありまして、今言ったような評価をしていただいたわけでございますが、そういう評価の上に立って、先ほどのような情勢判断を踏まえながら、前向き閣議了解というようなものが一体やれないものかというようなことを大臣と担当局長とにそれぞれ御答弁がいただければと思っております。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 今度万博条約の新条約が発効することになりますと、御案内かと思いますが、候補地を決めるのが九年前ということになります。二〇〇〇年というのは三つも候補がございますので、二〇〇五年の候補ということになりますと、一九九六年に正式に決まることになると思います。これから六年ぐらいあるのですが、それに向けて今努力をなさっておられるわけでございます。  現時点では愛知が一つの候補でございますが、将来競争者というか、ほかの国が出てくる可能性はもちろん考え得るわけでございます。かつ、一九九六年に決定ということになりますと、政府の具体的な閣議云々ということになりますと、過去の例から見ましてもその決定よりもっと相当前にというのは、確かに前広にということであればいろいろ都合のいい点もあるのですけれども、国際的に競争者の状況もまだ十分わからない状態でもありますし、私どもとしては関係各省、外務省、大蔵省等ともいろいろ今後御相談申し上げる必要もあると思います。そういう意味で、今先生の御趣旨は私ども地元の事情としても理解はできるところでございますが、まだ相当先の話でございますので、手続的にはもうちょっと先ではないかなというのが従来私どもが考えておることでございます。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 今、山本審議官から事実関係をお話をいたしたわけでございまして、私は心情的には大変今のお話よくわかるのでございますが、やはり常識というものもあるものでございますから、幾ら早くても閣議了解というのは十年ぐらい前ではないかなと思うのでございます。まだことしは一九九〇年でございますから、十五年前でございますのでいささか早いかと思いますけれども、心情的によくわかっておりますので、今の内閣で決めなくても、私としてはできる限りこれが実現する方向で今後とも努力をしていくつもりでございますから、そういうことで御理解をいただきたいと思います。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡分科員 一言これは確認をしていきたいわけでございますが、今局長から御答弁がございましたけれども、例えば昭和六十三年十二月十四日、第百四回のBIE総会で政府代表が日本での万国博覧会の開催の要請を、これは国の発言としてなさっておみえになりますね。それから平成元年五月二十五日、第百五回のBIE総会が開催されましたときに、これまた日本の政府代表が今度は愛知万博と、こういうふうに愛知県における国際博覧会の開催について支援の要請を行い、しかもこれは地元としては非常に感謝をしておると言っておりますけれども、愛知県から持ってまいりました中部圏の全容を理解してもらうためのPRパンフレットを、議長の正式な許可をいただいて第百五回のBIE総会の公式な資料として配布をされているという事実があるのですね。そういうことを日本政府の代表として、日本政府の行為としてなさっておみえになるわけでございますね。  それからもう一回は、平成元年十二月十四日でございます。この時点では、日本政府代表という立場から、年数と固有名詞を入れまして規定をして、二〇〇五年において愛知で国際博覧会の開催をしたい旨をこれまた政府の代表として、公式なBIEの総会の席上で政府の意思として御発言をなさっておるわけでございます。これは三回にわたって発言をなさっておるわけでございます。こういうことからいきますと、政府の行為としてもう既に国際会議という舞台の中でやられているわけでございまして、私が先ほど言いましたように、地元の活動というのは、三点にわたる評価をなさっていただきましたように、具体的な行動がもう既に出ているわけでございます。ですから、正式な閣議了解がいかぬというならば、大阪万博の際にやられたように前向きにとにかくいこう、これはBIEといういわゆる国際会議で日本の代表が発言したことの追認だと私は思うのでございますが、そういうことで、前向き閣議了解ということでいけないものでしょうか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 先ほども申し上げましたように、もう心情的にはよくわかりますし、政府の中でもこれは非常に前向きにとらえているわけでございます。しかし、正式にその閣議了解ということになりますと、果たして十五年前がいいのかどうかという点において、私先ほどちょっとまだ早過ぎるのではないかなということを申し上げたわけでございまして、せっかくのお話でございますから、私も総理と一遍よく相談をしてみたいと思っております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡分科員 地元の大臣でございますから、万博を中心にした三点セットのあれがどんな規模のものであるか、それから関連整備というものがどういうものだということは先刻御承知のとおりでございまして、それを一つずつやっていくためにはかなりの時間が必要だということはもう十分御理解をいただいているところでございまして、そういうときに政府の腰を切った節がございませんと、それはやはり進まないという事情がございます。どうぞひとつその辺は御理解をいただいて、善処をしていただきたいと思います。  もう時間が来ましたが、さっき二、三分超過をしましたので、そういうことで私も質問させていただきたいと思いますが、条約の点でございます。条約の内容については資料がございませんけれども、条約改正が行われまして、今批准の設備に入っているわけでございます。  そこで御質問申し上げますけれども、現在改正された国際博覧会条約というものは何カ国批准をしているのか。その批准をした国で著名な国といいますか、そういう言葉を使うとあれになるかわかりませんが、私ども普通の人間が名前を聞いたらすぐわかる程度の国というのは、一体どの程度のものがあるかというようなことでお答えをいただきたい。  それから、この条約が正式に発効する、こういうことになりますと、四十七カ国中何カ国が批准をしたときにその条約の効力が発効することになるのか、いわゆる発効条件というものは一体どういうものなのか。  そして第三は、この条約の批准について今外務省では一体どういうお考えを持って、どのような準備をなさっているのかという点についてお答えをいただけないでしょうか。

須藤隆也外務省経済局次長

○須藤政府委員 お答え申し上げます。  まず最初の批准した国の数でございますが、国際博覧会条約締約国四十三カ国のうち、現在までに受諾、批准した国は十七カ国でございまして、主な国といたしましては、フランス、イギリス、イタリア、カナダ、ソ連、豪州、韓国、その他幾つかの国がございますが、合計で十七カ国でございます。  それから、この条約改正案が発効するための要件でございますが、これは条約改正案の三十三条に規定されておりまして、その規定によりますと、締約国の五分の四の国がフランス政府に対して受諾を通告した日にすべての締約国について効力を生ずるということになっておりまして、国の数でいきますと、三十五カ国が受諾を通告したときに発効するというように規定されております。  そこで、日本政府としてどうするかということでございますが、もともとこの条約改正案が審議されましたときに、我が国といたしましては、大阪万博以来四回にわたって万博を開催する等、万博の積極的な意義にかんがみまして、万博の開催については前向きに対処したいということであったわけでございますが、この条約改正の趣旨、その経緯から見まして、万博の数が非常に多くなってしまいましたために、少しこれを整理したらどうかというような発想に基づいて、従来開かれておりました一般博は十年ごと、特別博は二年ごとくらいに開いていいというような慣習をもう少し整理して、一般、特別を含めて五年に一度くらいにしようというような話でありましたために、従来に比べて開催するのがやや難しくなるのではないかというような考え方もありまして、改正案の採択自体には消極的な態度をとったわけでございますが、その後、批准する国の状況とか先ほどから御議論になっておられます二〇〇五年の万博との関係等を慎重に検討しておりまして、この条約を批准することが二〇〇五年の万博を日本に誘致することに有利なのか、あるいは逆に不利になるのかというような点も見きわめた上で、いつ批准するかあるいは批准しない方がいいかというようなことを適切に対処していきたいというふうに考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡分科員 最後です。  今外務省の御答弁がございましたが、経過についてはわかりました。お聞きしました。ただ、今度の条約改正は、発展途上国に対する博覧会開催のことも配慮するというような形での条約改正などが行われております。もちろん私ども日本や愛知県という地元にとりましては、二〇〇五年に万博を開催したいという考えを持っているのでございますから、第一義的に考えれば二〇〇五年に博覧会をやりたい。こういうことに合わせて条約改正について判断をしていただきたいわけでございますが、やはり経済大国としての日本の立場からいいましても、これから世界に飛躍していく立場からいいましても、この発展途上国に対する配慮というものも日本としては一つの配慮すべき主要な要件でありますので、そういうことを踏まえながら条約改正について対応していただきたいということをお願いしておきます。  最後でございますが、大臣、去年だけでも大蔵委員会、それから衆議院における決算委員会などで、歴代の通産大臣が積極的な前向きの御答弁を愛知万博に対してはなさっておいでになるわけでございます。武藤通産大臣におかれましては地元であるということもございますので、ぜひひとつ従来の通産大臣答弁、特に三塚元通産大臣に至りましては、例えば閣議了解の場合でも、時期はおっしゃいませんでしたが、そのときが来れば私は責任を持って支援をいたしますと言うなど、明確なかなり節をつけた御答弁をされておるわけでございます。そういうことも含めまして、先ほどできるだけ早い時期にとおっしゃっているわけでございますが、いろいろ申し上げた諸般の事情もこれあるわけでございますから、ぜひひとつそういうことを踏まえて、重ねてひとつ大臣としてのこの問題についての、歴代通産大臣の御答弁を踏まえながら、地元の出身であるということも踏まえて、御答弁がいただければと思いますが、よろしくお願いいたします。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 確かに地域代表で出てきているわけでございますからあれでございますが、今はあくまで日本の通産大臣でございます。先ほど申し上げましたようなことで、もちろん今お話しのようにいろいろのインフラの関係、三点セットとおっしゃいましたけれども、私はよくわかっておるつもりでございます。しかし、それはもちろん万博とも関連はありますけれども、これは中部地区の、あるいは日本全体の国土形成の上からいって進めなければならぬ仕事でございますから、それはそれなりにどんどん進めていただくべきでございまして、たまたまそういう方向があるから、ちょうどその中心になる中部地区に万博が催されたらいいのじゃないかということでのお考え方が愛知県にあると思いますので、その辺は十分理解しておるつもりでございますし、今後も積極的に、できるだけ実現するような方向で私も御協力をしていきたいと思っております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡分科員 終わります。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて網岡雄君の質疑は終了いたしました。  次に、長谷百合子君。

長谷百合子日本社会党・護憲共同

○長谷分科員 四年前のきょう、一九八六年四月二十六日、ソ連のチェルノブイリ原発事故が発生をいたしました。この原発事故は、全世界に放射能汚染の恐ろしさを余すところなく教えてくれました。そして、この事故発生後、二度と同じ惨禍を繰り返すべきでないという決意のもとに、世界各国で脱原発の機運が大きく盛り上がったのは周知の事実でございます。  本日の新聞報道等によりますと、四年たった今日に至ってもチェルノブイリの被害はさらに拡大しており、約二十万人の人々の移住が必要なほど、そして膨大な広さの農地が汚染によって使いものにならなくなるほど、原子力発電による放射能汚染は私たちの生活に致命的打撃を与えるものであることがますます明らかになっていると思います。このことは他国の問題ではございません。人類の生存基盤が根こそぎ奪われてしまう危険性を常に持っているのがこの原子力発電と言えると思います。私は、日本もまた脱原発に向けて大きく勇気を持って踏み出すべきときであるとも考えております。  そのような観点に立ちまして、チェルノブイリ事故四周年に当たり、東京電力福島第二原発三号機事故について質問をいたします。  それでは質問に入ります。東京電力福島第二原発三号機における再循環ポンプ破損事故について御質問いたします。  この事故によって再循環ポンプ内部がめちゃめちゃに壊れ、大量の金属片や金属粉が発生し、炉心にまで流れ込んだということは既に報道され、伝えられているとおりでございます。東京電力は四月十七日、この金属片や金属粉の回収状況と、会社としての今後の対策を発表いたしました。その内容につきまして通産大臣の御意見を伺いたいと存じます。  まず第一に、金属片、金属粉の回収状況の結果という表でございますが、なぜ推定量で示されているのかということでございます。東京電力の発表によりますと、この表によれば、回収作業前の分布状況調査だけでなく、回収量まで九五%信頼区間の幅、つまり何キログラムから何キログラムという形で示されております。市民団体等が東京電力になぜ回収量の正確な重量が示せないのかを聞いたところ、回収した金属片と金属粉の重量をすべてはかったのではなく、その一部をサンプリングして全体の重量を推定したものであるというお答えでした。これは明らかな手抜き作業と思われます。その結果、回収量には四キログラムもの幅ができております。つまり、回収された金属の量は、まだほとんどが未回収の核燃料のものを除きまして、初めに予測したもののほぼ全量に近いとも、まだ四キロも残っているとも言えるあいまいなものでございます。この表自体、十数キロという数値も数グラムという数値もお構いなしに、有効数字二けたで表示するという強引なつくり方で、ほとんど意味のない表になっていると思っております。  通産省では、現在この回収結果について評価中であると聞いておりますが、こんなデータをもとに行っているのでしょうか。また、あいまいな四キログラムを残したままの回収結果では、とても安全評価などできないのではないかというふうに御質問いたします。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  福島第二の三号機の再循環ポンプの損傷につきましては、回収作業を進めてきておりますが、まず回収につきましては、原子炉圧力容器、系統配管・機器等について調査をする。それから原子炉冷却材浄化系というのがございまして、ろ過脱塩装置という系統がございます。それから燃料集合体、この三つにつきまして調査区分をしまして、まず洗浄、回収作業に先立ちまして、サンプリング調査によりまして金属粉等の分布状況を調査し、そして洗浄、回収をし、回収量の評価をし、残存量の評価をするというステップで進むわけでございます。  金属粉の発生量ということでございますが、これは設計寸法等から算出しましたもとの重量と実測値の差で、我々考えておりますのは、三十キロから三十三キロぐらいが発生量であると推定しているわけでございます。それで、今のような回収区分、調査区分に応じまして回収しました結果、二十七キロから三十一キロという回収量が評価されたわけでございます。  それで、残存量でございますが、原子炉圧力容器、系統配管・機器等につきましては、五十二グラムから百二十グラム程度であろうというふうに評価されております。それから燃料集合体でございますが、これには二キロから二・五キロ程度が残存しているのではないかということでございまして、残存量全部を足しますと二・一キロから二・六キロというふうに考えておりますが、今後、今のような回収状況を評価しまして原子炉の健全性を評価するということから考えますと、今のような原子力圧力容器、系統配管・機器等に五十二グラムから百二十グラムというのが評価に当たって考慮すべき数値であろうと考えております。  しかし、残存量の寸法というものも調査しておりますが、ほとんどが粒径〇・一ミリ以下の微細なものという評価がなされておりまして、そういうことで、今回提出されました回収状況等から、我々といたしましては今申し上げました燃料集合体、各機器あるいはプラント全体、これにつきましての健全性評価を今行っている最中でございます。  以上でございます。

長谷百合子日本社会党・護憲共同

○長谷分科員 ただいまのお答えの中で、具体的な数字、何がしという形の数字は私の方でも持っておりますけれども、その幅が結構大きなものでございますので、このようなあいまいなところで、次の質問とも関係があるかと思いますが、大きな幅を残したままで行われているものを、今のお答えの中でもありましたように、原子力発電の健全性ということを前提になされているがためにこのあいまい性というものを無視されているとしたら、これは大変なことだというふうに考えております。ここのところはどうなんでしょうか。健全性ということを前提としないで、この誤差がやはり問題になるのではないかというところが私の一番気になるところなんですが、どうでしょうか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 今申し上げましたように、誤差というのは、いろいろの秤量をいたします場合の分析誤差というのが出てくるわけでございます。そういうことで、誤差も考えて回収量を評価するのが適切だと考えておりますが、健全性を評価するに当たりましては、こういう分析誤差も含んで、こういう回収の数値がなされたという前提で、我々は健全性を評価していきたいというふうに考えております。

長谷百合子日本社会党・護憲共同

○長谷分科員 ですから、調査の方法等も同時に明らかにして、この分析誤差というものは一体どういうところで出てきているのかをもう少し明らかにして、安全性を保障していただきたいと思います。  それから二番目の質問になりますが、金属片と金属粉とをなぜ別々に分けて示さないかという御質問でございます。  三十キロから三十三キログラムというのは、ポンプの破損状態から導き出した金属削りくず全体の推定発生量です。したがって、金属粉等という言い方の中には、核燃料の下部タイプレートやジェットポンプで見つかった大きな金属片も含まれているはずでございます。このうちの何キログラムが金属片で、何キログラムが金属粉なのでしょうか。大きさ何ミクロン以上を金属片と呼び、何ミクロン以下を金属粉と呼んでいるのかということも含めて、それぞれの量を示していただきたいと思います。  さらに、材質を調べれば、羽根車や主軸、水中軸受けなど、それぞれどの部分の金属片が何キログラムあるのかということもわかるはずです。そういう検討がなされて初めて回収の努力が行われたと言えるのではないでしょうか。御質問いたします。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 今回、我々回収作業を徹底してやるということで進めて、東京電力に調査をさせてきたわけでございますが、「金属粉等」と書いております今回の評価の対象になった粒径といいますのは、〇・一ミリ以下の寸法のものが九八%、残りの二%がすべて〇・二ミリ以下、こういうような状態のものが回収されたものでございまして、我々こういうものを総称しまして「金属粉等」と言って考えているわけでございまして、こういう前提で評価を進めていきたいと考えております。  なお、予備調査の段階で、比較的大きな金属片と呼ばれるものは既に回収済みでございます。そういうことで、先ほど申し上げました数値というのは金属粉、今のような粒径のものを申し上げているわけでございます。

長谷百合子日本社会党・護憲共同

○長谷分科員 ただいまの御答弁の中で大きな金属片はすべて回収されたということですが、これはどの程度の大きさのものですか、例えば肉眼で見えてしまうとか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 大きな金属片として回収しておりますのは、例えば原子炉圧力容器の底部で十個ほどの金属片を回収しておりますが、回収重量としては十八グラム、長さにしますと十五ミリから百五ミリ程度のものでございますし、重さが〇・五グラムから九・二グラム、こんなものが発見されて回収しております。それからジェットポンプの中におきましても十二個の微小な金属片を回収しておりまして、回収重量で九グラムということでございますが、これの寸法も長さが十ミリから五十ミリ程度、重さが〇・二グラムから一・七グラムというようなものでございますし、燃料集合体につきましても金属片が百六十三個程度見つかっております。これにつきましても寸法的には二ミリから百ミリ程度という長さでございますし、重さといたしましては〇・一グラムから四・七グラムということでございます。そういうことで、こういうような微小金属片は予備的な調査で既に回収しておりまして、先ほど申し上げました残りの回収しました寸法すべてが〇・五ミリ以下とかあるいは〇・一ミリ、こんな寸法のものでございます。  以上でございます。

長谷百合子日本社会党・護憲共同

○長谷分科員 では最後に、座金の破片回収は終わっていないのではないかということを御質問申し上げます。  東京電力は座金破片を並べた図を示し、座金破片がすべて回収されたという説明を行っております。しかし、ここにも図を持っておりますが、幾つかの大きな疑問があります。  まず、破片は完全には一致しておらず、すき間にあった金属がすべて摩耗粉になってしまったというふうに言われておりますが、そんな根拠はございません。まだ破片が残っている可能性を示しているというふうに思っております。さらに、並べられた破片をよく見ると、大半はもとの形より大きくなっております。座金の材質はステンレスですので、破片を並べるために金づちでたたいて延ばしたということは聞いておりますが、そのぐらいのことでこの図のように形が大きくなるということは考えられません。ということは、これらの破片は座金破片ではない可能性が大きいと思うのですが、どうでしょうか。しかも、東京電力がマスコミに公表した写真を見ると、一部の破片はぴかぴかと光っていて、全く腐食の跡が見られません。昨年の六月に発見されたとされる破片ですが、同時期の七月に発見された破片と比べても大変不自然でございます。この東京電力の座金の復元推定の図は捏造であり、現実には大半の破片がまだ炉内に残っているのではないでしょうか。大変不安に思っておりますので、御見解をお示しくださいませ。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 今御指摘のございました座金の回収状況でございますが、五個の座金、これを回収するということで進めてきているわけでございますが、今お話がございましたように、徹底した調査の結果、重さにいたしまして座金一個が十二・四グラムというような重さでございます。これが五個ということでございますので、六十二グラムの重さのものを捜し出すということでございますが、捜し出しましたものの重さを全部足して未回収のものというのが三・九グラム、約四グラムというのが数量的に未回収ということでございまして、この四グラムにつきましては金属粉になっているのじゃないかということでございます。この座金を見ましても、摩耗した跡というのが発見されております。そういうことで、欠損部分といいますのは細かな金属粉となりまして、他のものと一緒になって大部分回収されたというふうに我々考えております。

長谷百合子日本社会党・護憲共同

○長谷分科員 もう一つ、最後になるのですけれども、通産大臣は、チェルノブイリ原発事故が大変大きかったということは新聞報道のとおりであるということですが、原発の担当大臣としての所見をお伺いしたいと思います。同時に、安全確保についての決意を伺いたいと思います。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 チェルノブイリ事故というのは大変な事故であることはよく承知をいたしておりますが、それだから直ちに先ほどのお話の脱原発というようなわけには、私は直接的には考えておりません。やはり原子力発電というのは今日本の電力の供給源の大体二六%を占めておりまして、また一方、いわゆる化石燃料である石油、石炭、これの問題が地球環境の問題から大きく取り上げられておりますし、そういう面からまいりますと、原子力発電というのは今後ともやはり必要である、こう考えております。  ただ問題は、チェルノブイリのような事故が絶対に起きないように、今いろいろ東京電力のお話もございましたけれども、私はできる限り点検を早くいたしまして、少しでも老朽化しつつあるところは一日も早くそういうものを取りかえるということと、それからやはり作業員の皆さんが真剣に作業をしていただくためには、その作業員の生活環境、また実際の労働時間、こういったようなものももう少し検討していただく必要があろうと思って、電力会社にもそういうことは申し上げておるわけでございます。いずれにいたしましても、しっかりした管理が行われ、安全が確保されれば、原子力発電というものは日本にとって今後も必要なものでございますから、私としては、せっかくのお話でございますが、脱原発というようなことには同意いたしかねるわけでございます。

長谷百合子日本社会党・護憲共同

○長谷分科員 今の大臣の御答弁でございますが、私の質問は、その安全ということにおいて、この東京電力の回答なんかを見ましても非常に大まかでありまして、これで安全が保障されたというわけにはとてもとてもいかないという状況であります。こういった状況に対して大臣初め通産省の皆さん、こういう不安な、いいかげんな調査書をもとにすることなく、十分な指導をされていかれることをぜひともお願いしたいと思うわけです。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 私は就任以来、電力業界に対しましては、今まで以上に安全管理については気を遺ってもらいたいということを何回も要請をいたしております。今のこともちょっと細かい点でございますから十分承知をいたしておりませんでしたが、この報告書についても私もよく承りまして、今後とにかく国民の皆さんが不安を持たないような形に報告書などは持っていくことは大変必要だと思っておりますから、そのような考え方でこれから対処してまいります。

山本雅司資源エネルギー庁長官

○山本(雅)政府委員 基本的には今大臣から御答弁ありましたとおりでございますが、委員の方の御質問の中で、何か今の報告書で安全は確認されて、すぐにでも再開するかというようなニュアンスがちょっとあったのですが、そういうことではございませんで、いわゆる事故が起こりまして金属片が中に流れて、それが原子炉の中を全部回っていたものですから、原子炉をもちろんとめまして、全部解体して懸命にその中を洗浄して、可能な限りの科学的知識をもとにしてその金属片を集めたところの報告、それからもう一つは、それに伴います、今度どういう管理体制をするかというようなことについての東京電力の中の調査結果、あるいはこれから改善しようとする報告が出てきたところでございます。  したがいまして、私どもがこの福島第二の三号の事故に伴いまして、これをいつ再開するか、どういう条件でやるかというのは、先ほども審議官から答弁申し上げましたように、全体の原子炉あるいは発電そのものの健全性を改めて総合的に判断するという作業がまだ残っております。したがいまして、今出てきたのがいいかげんだとかあるいは非常になまぬるいとか、そういうことではございませんで、またこれは一つのステップで、事実関係は相当解明できたと私どもは考えておりますが、総合的な判断というのはまだこれからやる、こういう状況でございます。

長谷百合子日本社会党・護憲共同

○長谷分科員 原発の問題というのは大変深刻な問題でございまして、住民の皆さんが非常に不安に思っておられるということも事実でございますので、今の御答弁にもありましたけれども、やはり慎重に、今の科学ではこの程度だというようなことで、仕方がなかったというようなことが後になって残らないように、慎重の上にも慎重な指導をなさいまして、私たちの不安というものを取り除いていただきたいと思います。  このことを御要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

石井一自由民主党

○石井主査 これにて長谷百合子君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして通商産業省所管についての質疑は終了いたしました。  次回は、明二十七日午前九時から開会し、総理府所管経済企画庁について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。      午後六時三分散会

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