予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 254 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/04/27
会議録
○工藤主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算及び平成二年度政府関係機関予算中自治省所管について、政府から説明を聴取いたします。奥田自治大臣。
○奥田国務大臣 平成二年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一に、一般会計予算でありますが、歳入は三千三百万円、歳出は十五兆三千四百三十二億九千八百万円を計上いたしております。 歳出予算額は、前年度の予算額十三兆四千七百三十二億八千五百万円と比較し、一兆八千七百億一千三百万円の増額となっております。 また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省十五兆三千二百七十一億九千七百万円、消防庁百六十一億百万円となっております。 以下、主要な事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと存じます。 よろしくお願い申し上げます。
○工藤主査 この際、お諮りいたします。 ただいま自治大臣から申し出がありました自治省所管関係予算の概要につきましては、その詳細は説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○工藤主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔奥田国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。 最初に、自治本省につきまして、御説明を申し上げます。 まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、十五兆二千七百五十億九千万円を計上いたしております。 これは、平成二年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額、消費税の収入見込み額の百分の二十四に相当する金額並びにたばこ税の収入見込み額の百分の二十五に相当する金額の合算額十五兆二千七百五十億九千万円に平成二年度特例措置に係る額二百三十億円を加算した額から昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律附則第二項の規定による減額二百三十億円を控除した額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、二百七億五千万円を計上いたしております。 これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するためのものであります。 次に、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、五十四億円を計上いたしております。 これは、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するためのものであります。 次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費として、四十六億四千万円を計上いたしております。 これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するためのものであります。 次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、四十七億二千三百万円を計上いたしております。 これは、昭和四十七年度から昭和五十一年度までの間において発行された公営地下高速鉄道事業債の支払い利子に相当するものとして発行を認めた特例債の利子の一部について、地方公共団体に助成金を交付するためのものであります。 次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、九十四億三千六百万円を計上いたしております。 これは、公営企業金融公庫の上水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に係る貸付利率の引き下げのための補給金を同公庫に交付するためのものであります。 次に、広域市町村圏等の整備の推進に必要な経費でありますが、六億三千九百万円を計上いたしております。 これは、広域市町村圏等において、田園都市構想の推進を図るための地方公共団体に対する田園都市構想推進事業助成交付金の交付に必要な経費であります。 次に、明るい選挙の推進に必要な経費でありますが、十六億二千八百万円を計上いたしております。 これは、選挙人の政治常識の向上を図り、明るい選挙を推進するために要する経費について、都道府県に対し補助する等のために必要な経費であります。 以上が自治本省についてであります。 次に、消防庁について、御説明申し上げます。 まず、大震火災対策施設等整備に必要な経費として、二十六億九千万円を計上いたしております。 これは、震災等大規模災害に備えるため、消防防災無線通信施設の整備及び耐震性貯水槽など震災対策のための諸施設の充実を図るために必要な経費であります。 次に、消防施設等整備費補助に必要な経費として、百十二億八千万円を計上いたしております。 これは、市町村の消防力の充実強化を図るため、消防車、防火水槽などの消防施設を地域の実情に応じて重点的に整備するとともに、林野火災等に対する防災対策の推進を図るために必要な経費であります。 第二に、特別会計予算につきまして、御説明を申し上げます。 自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計があり、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定があります。 まず、交付税及び譲与税配付金勘定の歳入予定額は十八兆九千百九億四千六百万円、歳出予定額は十八兆七千四億四千六百万円となっております。 歳入は、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づく一般会計からの受け入れ見込み額、消費税の収入見込み額の五分の一に相当する額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。 歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。 次に、交通安全対策特別交付金勘定の歳入予定額は七百五十六億六千四百万円、歳出予定額は七百六億二千六百万円となっております。 歳入は、交通反則者納金の収入見込み額等を計上いたしております。 歳出は、交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。 以上、平成二年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。 ─────────────
○工藤主査 以上をもちまして自治省所管についての説明は終わりました。 ─────────────
○工藤主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木秀典君。
○佐々木分科員 佐々木でございます。私は、本日、最高裁判所裁判官の国民審査の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。 御案内のように、本年二月十八日に施行されました総選挙とあわせて、私どもはもう一つの選挙と言っておるのですけれども、裁判官の国民審査が実施されまして、最高裁判所裁判官は十五名をもって構成されますが、実にその過半数であります八名という大勢の裁判官が今回は国民審査に付されて行われたわけであります。私どもは、欧米と違いまして陪審員制度あるいは参審制度というものがない我が国において、国民一般が司法に参加する機会はまことに限られていると思われる。そういう中で憲法上の制度とされている国民審査というのは、国民が司法に直接に関与する制度として極めて重要ではないかと考えております。しかしながら、実際にはこの制度が非常にわかりにくい、あるいは裁判官とのなじみがない、裁判所とのなじみがないなどなどということから、この制度に対して、これは無用の長物だとか、あるいは形式的な民主主義に過ぎて意味がないとか、極論を言う方は、こんなものはなくしてしまった方がいいのではないかというような意見さえも聞かれるわけであります。 こういうことについてまず最高裁判所にお尋ねをしたいと思いますが、この審査を受ける最高裁判所側としては、あるいはこの審査をお受けになった裁判官としては、この制度の意義についてどんな考えをお持ちになっており、そして今度の審査の結果についてどんなふうに受けとめておられるか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
○金谷最高裁判所長官代理者 審査に付されました裁判官におかれましては、やはり今回のこの審査の結果というものについて重く受けとめておられる、私どもそう思っております。 また、審査の意義に関しましては、個々の裁判官のお考えを直接聞いたことはないのでございますが、委員御承知のとおり、この審査の趣旨、意義につきましては最高裁判所の確定判例があるところでございます。
○佐々木分科員 御案内のように、この制度は憲法の上で定められている制度でございまして、その実施などについては最高裁判所裁判官の国民審査法をもって定められているわけであります。この審査を管理いたしますのは自治省の中央選挙管理会ということになるわけでありますが、先ほど私が申しましたように、一つはこの制度についてのいろいろな御批判があるというのは、この制度についての国民一般の御理解がなかなかいただけていないのではないかと思うようなこと、あるいはこの制度そのもの、そしてまた審査の対象にされる裁判官についての情報が非常に不足しているというようなことも絡んでいるのではないだろうか、こんなふうにも思うわけであります。 実は今私ここに警察時報という雑誌の平成二年五月号、一番最近号ですけれども、これの百十四ページに清水光雄さんという、ごく一般の市民の方ですけれども、今回の選挙の投票に立ち会った、その「立会人の目」という一文を寄せておられます。その経験した感想文です。その方が総選挙の立ち会いと同時に国民審査の立ち会いもしているわけですけれども、当然ですが、その感想として、どうも立会人として見ていると選挙の候補者の方には積極的に投票した人も、裁判官の国民審査の方では百人のうち二人ないし三人がこれを拒否している。また、半分以上の人が投票用紙を渡されると戸惑いを見せ、あるいは仕方がない、適当に投票してやれといった表情を見せているというのを見ているというのです。「裁判官の人がらや過去の業績などは選挙公報を読んだだけではわからないので、拒否やいい加減な投票をする人がいても当然のように思う。」というようなことを言い、そしてまた、「こうしたデタラメな投票にピリオドをうつために、もっと創意工夫をこらしてもらいたい。今のままではごまかし審査と非難されても仕方がない。」というような感想文を寄せておられます。 こういうことと絡めてお尋ねすることにしたいのですが、例えばこれは東京都選挙管理委員会でつくられた公報のコピーですが、八人の裁判官についてそれぞれの枠がございますが、政令によりますとこれが一千字以内ということになっている。そしてどうもこれまではこの公報も一回だけしかつくられていないということのようです。しかも一千字以内と言いながら、これを見ますと、例えば中島裁判官、園部裁判官あたりのところは余白が物すごく多いわけです。ほかの方についてもそうです。橋元裁判官、草場裁判官についても半分ぐらいが余白になっている。そしてまた、字も非常に小さな活字でして読みにくいということもある。 そこで、最高裁それから自治省両方にお尋ねをしたいのですが、この審査の公報のつくり方なのですけれども、これは作成者は選管ということになっていますけれども、各裁判官についての経歴を含めた情報、これは最高裁判所の方から出されておるのですか。資料の提供、この点はどうなのでしょう。
○浅野(大)政府委員 中央選挙管理会の事務は私どもで担当しておりますので、私どもからお答えさせていただきたいと思いますが、審査公報の掲載文は審査を受けられる裁判官がおつくりいただく、こういうふうに制度として決められております。ですから、選管の立場では最高裁といいますか、審査を受けられる裁判官に掲載文の作成をお願いして、そちらからいただいたものをそのまま載せるということになっております。
○佐々木分科員 それでは最高裁側にお尋ねをしたいのですけれども、今のお話だと各裁判官がおつくりになるということなんですが、例えば今度の公報で「最高裁判所において関与した主要な裁判」という項目があります。例えば中島裁判官、園部裁判官については、「判事に就任してまだ日が浅いので、特に記すべきものはない。」これは全く同じように書かれているのですが、こういうものはお一人お一人が書くとすれば多少違ってもいいと思うのだけれども、全く同じ文言になっているということは、個々の裁判官に自由にお書きいただくというよりも、最高裁の事務総局のどこかのセクションでこれをあらかじめフォームとしてつくってそれを参考にしていただいているとか、そういうことになるのですか、この点どうですか。
○金谷最高裁判所長官代理者 掲載文の原稿は裁判官御自身におつくりいただいております。ただ、事務当局といたしまして、例えば履歴書をお届けしたり関与をされた裁判の裁判書の写しをお届けしたりということはいたしております。
○佐々木分科員 いずれにいたしましても、従来のものもそうですけれども、私は今度のこの公報を見ておって、審査者である、つまり主権者である国民に対して大変不親切だ、不親切のそしりを免れない。これは審査を受ける裁判官としても、もっと謙虚に御自分の経歴なりあるいはこれまでやってきた業績なり、中には裁判官でない方もいらっしゃいますから、そういう裁判官の経歴をお持ちでない方もいるわけです、外交官とか。そういう方は裁判実務の実績というものは書けないでしょうけれども、それにしても裁判官としての経綸抱負などというものをはっきり出して、人格識見ともに最高裁判所の裁判官としてふさわしいかどうかということを御審査いただく、そのためにもっと多くの資料を御自分のことについても提供なさるべきだと思うのに、どうもそういう誠意が見られないように思えてなりません。この点でこの審査公報のつくり方というのは、今後もっと検討されていいのではないかと思っておりますので、そのことをとりあえずは申し上げておきたいと思います。 それから審査の方法、これはもうかねてから随分問題にされておりますけれども、これは一種の投票であるわけですが、この国民審査の投票方法は、審査法で定められておりますけれども、これほど投票者の意思と投票の結果がそぐわない、乖離をしている制度というのはないのではないかという批判、これはかねてからございます。投票者である国民一般からもありますし、司法関係者あるいは在野の法曹や法律学者からも、もう古くて新しい問題で何度も何度もこういうことは言われている。 というのは、一つには御案内のようにこれは投票用紙に、中央選管で抽せんをした結果、この審査の対象になる裁判官の名前が印刷をされてくるわけですけれども、順番に抽せんで順位がつけられる。そしてその上に空欄があって、この空欄は罷免を可とする裁判官に対してバッテンをつけるそのための欄である。それ以外の余字記載というのは、これは無効になるというわけです。それで信任、罷免を可としない場合にはバッテンをつけない、あるいは何もつけないでそのまま投票せよ、つまり何もついてない者は信任とみなされてしまうわけですけれども、何もつけなかった人が積極的にこの審査の対象になる裁判官について信任をしているのかというと実は違うということが、今までもいろいろなデータではっきり出ているのではないか、私どもはそう考えているわけであります。 そしてもう一つは、投票である以上棄権の自由というのがあるはずなのに、この棄権の自由の保障というものが制度の上ではっきりしていないのではないかという批判もございます。私は弁護士でございますけれども、かねて私どもは在野法曹としての立場で、日本弁護士連合会でもそういうことがあったと思いますが、自治省あるいは中央選管に対して、棄権の自由を保障する方法、総じてもう少し投票者の意思というものがはっきりとあらわれるような方法を、現制度の上でも工夫できるのではないかということを申し上げたことがございます。その対応として、今各選管では投票所に一定の表示をしている。そして、わからない人は投票用紙を返すこともできるという表示があることはあるのですけれども、事前のこれについての周知徹底というのは極めて足りないと私は思うのです。例えばさっきの公報ですけれども、公報にはそういうことが全く書いてございません。 しかし、地方の選管ではそういう工夫をなさっているところもあって、かつて行われた国民審査について、今度の場合は私は見ていないのですが、以前たしか埼玉の選管だったと思いますけれども、この審査公報の裏面に今私が言いましたようなこと、棄権の問題ですとかあるいはバッテン以外のこと、余字記載をすると無効になるというようなことも記載をされて有権者に配布されたという事例があるのですが、これあたりも全く統一されていないのですね。今度の東京選管でつくられたものなどはそういうことが全くない。一般の投票者はそういうことについてもわからないままに投票所に行く。しかし、投票所に行っても一々それを見ようとしない方の方が多い。また、見やすいところにきちんと張ってないということも多いようなので、結局わからないままに投票する。棄権の自由のあることもわからないというような人も多い。 そこで、私どもはかつて申し入れをしたときに、そのことをその立会人あるいは選挙の投票所にいる方が告げるとか、あるいは場合によったら棄権箱、つまり投票用紙は返戻できるわけですけれども、返戻するというのは抵抗があるとすれば、棄権箱というものを置いて、棄権する人はそこに入れ込むということができるようにした方がはっきりするのではないかということを申し上げたことがあるのですけれども、この辺について、方法ですけれども、自治省、どんなふうにお考えか、御見解をお示しいただけませんでしょうか。
○浅野(大)政府委員 まず投票方法の周知の問題でございますけれども、私どもが今やっておりますのは、ただいま質問にもございましたように、投票所内の適当な場所に掲示をする、これを基本的なやり方として画一、統一的に指導いたしております。私どもとしては、画一的にやる指導としてはその辺が適当ではないかという判断をしたからでございますが、もとよりそういう審査公報の余白等を利用していろいろ周知を図ってきたことは、それはそれでもちろん結構なのでございますが、至るところにそういうことを必ずやるようにということまで指導するところまでは考えておらなかったということでございます。今後、各選管の御意見などもいろいろ伺いながら研究はしてみたいと思います。 それから、いわば棄権箱の設置の御提案でございますが、この問題は、もともと国民審査という制度をどういう制度としてとらえているかということとも−つかかわるだろうと思いますし、それからもう一つは、およそ投票ということをやる場合における棄権というものをどうするか、もちろん棄権の自由があるということは、これはもうはっきりしていることでございますが、管理、執行に当たる側がそのことについて一体どの程度どういう関与をするのが妥当なんだろうかという問題もあるような気がするわけでございます。 それで、私どもも今の考え方では、やはり何か棄権の自由がある、そういう投票方法について十分正しい知識を持っていただくことはもちろん必要でございますが、さればといって、棄権することをお勧めするような格好になることは、やはり管理、執行機関として避けた方がいいのではないだろうかな、こういう考え方を持っておりまして、ですから、棄権箱を設置するということは、私どもの考えでは、どうかな、そこまではちょっとやはり踏み切れないのじゃないかなというような考えを持っておるところでございます。
○佐々木分科員 今のお答えですけれども、別に棄権を勧めるということにはならないと思うのです。つまり、棄権者の意思を確保するために、保障するための便宜を図るというだけのことなんですから、これは聞かれた場合には、例えばことしの選挙のときに、私の母親は八十になりますけれども、秀典、国民審査というのはどうしたらいいのと言うから、おふくろさん、わかるんだったら投票すべきだし、わからないんだったら棄権はできるんだよということを言った。では、私はわからないから無責任なことはできないよと言って、どうやったらいいのと言うから、立会人の方に返すことができるんだ。そこで、それじゃ返すと言って返したのですが、そういうことも一般はわからない。そういうことを聞かれたときには、やはりお返しできますよということを言わざるを得ないだろうと思うのですね。 そういうことを言うということは、別にそれは棄権を慫慂している、勧奨していることになっているわけじゃないわけで、そういう点では、棄権箱という箱を置いても棄権を勧めることにはならないのじゃないかと私は思うので、前にそういう申し出をしたときには、予算の関係やなんかがあるというお話だったのですが、これは何もそんなお金のかかる立派な箱を用意しろというわけじゃないのですから、予算なんてたかだか知れている、全国で一万数千カ所の投票所に置くわけですから。この辺のところはまだ法律の上での規制がないはずだと思いますので、検討の余地があると思います。今後ひとつ御検討いただきたい、私はこんなふうに思うわけです。 時間が余りないものですから残念なんですが、もう少し進めていきたいと思います。 確かに今お話しのように、この国民審査制度の意義というもの、これは憲法によりますと、裁判官の任命についての審査というようになっておりますね。確かに情報が足りないというのは、一つには、例えば今度の八名の裁判官の中には、裁判官に就任されてからもうかなりの時間を経過している方と、それから任命されたばかりの方もあるわけですね。八名の中には、この審査までに十日、つまり任命されたのがこの審査の日の前十日ぐらいしかない、こういう方もいらっしゃるわけですね。確かに最高裁判所において関与した裁判なんというのは、もう全くこういう方はないわけですから、判断材料はないわけです。しかし一方、任命自体も審査の対象になっているのだとすれば、実はこの裁判官の任命の経過だとか理由というものは、本当はこれもまた審査の対象にならなければならない、考えられなければならないだろうと思うのですね。 これも御案内のように、アメリカなどにおいては日本と違いまして、アメリカの連邦最高裁判所判事の任命権者は大統領ですけれども、その任命に当たっては上院の承認が必要だということになっております。それで、大統領が任命した裁判官について上院では聴聞会が開かれるのですね、ヒアリング。これは一九八七年レーガン大統領のもとでは、レーガン大統領が指名をした最高裁判事が二名立て続けに挫折をした。つまり、上院の公聴会で激しい質疑があった後に、とうとう上院はこれらの人について承認をしなかったということがある。そして、こういうことが連日のようにニューヨーク・タイムズだとかワシントン・ポストだとかいうような有力紙に報道されて、それについて国民が非常に大きな関心を持つということがあったわけですが、日本では残念ながらそういうような制度になっていない。最高裁判所の裁判官の任命は内閣において行う。最高裁判所の裁判官の中でも長官については内閣の指名で天皇が任命する、こういうような仕組みになっていて国民が全く関与できない。 そこで、今この審査というものが任命についての審査も含んでいるのだとすれば、それぞれの裁判官の個人的な識見、能力あるいは業績だけではなしに、なぜこの裁判官が裁判官としてふさわしいということで内閣は任命したのかという任命の経過だとか理由についても、この公報など、あるいは別の機会にでも国民に知らされてしかるべきだと私は思うのですが、こういうことが今全く行われておりません。今度の審査の対象になった八名の裁判官のうち五名は、海部内閣が任命した裁判官でありますから、内閣の長である海部総理大臣がこの国民審査に当たって、御自分が任命をされたこれらの裁判官について、こういう経過でこういう理由でこういう観点からこういう方を裁判官として任命したのだということをあらわしていく必要があるのではなかろうか、こんなふうに思っております。今度は行われませんでしたけれども、こういう点についても御工夫の余地はないかどうか。これは自治大臣にひとつお聞きしたいのですが。
○浅野(大)政府委員 若干法律問題について先に簡単に私から申し上げます。 そもそも国民審査をどういう制度と考えるかという問題がありまして、実は二十七年の最高裁判決では、国民審査は任命行為を完成させるものではないかという上告がなされたのでありますが、それに対して最高裁は、これは解職の制度であることは明瞭であるという判決を下しておられる、そういう過去の経緯がございますものですから、そのことだけ先に申し上げておきます。
○奥田国務大臣 先ほどから御意見をお伺いいたしておりました。私たちにとっては大変重要な終審裁判所における裁判官をするに当たって、やはり正直言って国民にはなじみの薄いものであるということは事実でございます。しかも、そういった大事な権能を有する裁判官を選ぶに当たって、国民の皆さんにもう少しわかりやすい、例えば御指摘にあったような公報あたりにおいては、本当に一考すべき問題点がたくさんあったように存じております。私たちとしては、もっと司法に関心を持つように、やはり選挙を管轄する自治省としても本当に国民にもっとPRして、そしてよりわかりやすい形で、そういった公報紹介等においても工夫を凝らす余地をさらに検討すべきであろう、先ほどからそれを感じておったところであります。 なお、適否と申しますか、解職、一つの制度としてのあれですから、マル・バツという形の問題も含めて、これはいろいろ解釈上の問題点があって難しい法理もあるのかもしれませんけれども、私としては基本的にもっとわかりやすい形でやりたいな、そうすべきであるというふうに考えております。大変勉強させていただきました。
○佐々木分科員 ありがとうございました。大臣の御発言で大変意を強くしております。 審査の方法について、私どもとしては、どうしても今の審査法の投票方法では投票者の意思というものは直接に、ストレートに結果にあらわれておらない。投票者の意思と結果との乖離が余りにもひど過ぎる。だから、いずれこれは超党派でと私は考えておりますけれども、少なくとも裁判というものが主権者である国民の主権に由来をしている、その信託に基づいて行われるものであるとすれば、主権者の意思が最大限に尊重されなければならないわけで、その意思がきちんとあらわれるような方法に改正すべきだ。今自治大臣ちょっとお触れになりましたけれども、マル・バツ、そしてわからない方は白のままというような方法は、法律の改正によってできるわけでありますから、ぜひこれを提唱していきたい。できれば超党派で何とか実現したいと思っております。 最後になりましたけれども、裁判所にちょっとお尋ねをいたします。 簡単で結構ですけれども、現在の長官、草場長官ですね。長官が長官として任命されたのは何月何日ですか。たしか二月十八日のこの審査の日にはまだ長官にはなっておられないわけですね。
○金谷最高裁判所長官代理者 たしか長官としての任命は二月二十日だったと思います。
○佐々木分科員 そうですね、前長官の矢口長官の後を受けられた、矢口長官がたしか十九日までだったと思いますので、その後。そうすると、草場長官はこの審査を受けられたときは長官でない、つまり平のと言うと語弊がありますけれども、裁判官として。私は、最高裁の長官というのはその他の裁判官とは意味合いが違っておると思うので、これは時間がありませんから意見として申し上げておきますが、長官としての審査は長官以外の裁判官の審査とは別個に行われるべきだ、つまり任命の方法も違うのだからという意見を持っております。 これについてもいずれまた機会を改めまして御意見を承りたいと思っておりますので、本日はこの程度にいたします。どうもありがとうございました。
○工藤主査 これにて佐々木秀典君の質疑は終了いたしました。 次に、草川昭三君。
○草川分科員 公明党・国民会議の草川昭三です。 昨日、選挙制度審議会が選挙制度と政治資金制度の改革について答申を提出しております。日本の民主政治の根本に触れる重大な問題提起だと思うのでありますが、この内容を見ておりますと、少数政党の切り捨てにつながるのではないか、こういうように非常に強い反対の意思を我々は表明したいと思うのであります。大臣に、このような答申を受けられて次の国会に法案を提出するという決意を持つのかどうか、お伺いをしたいと思うのでありますし、また我々は、現行の中選挙区制のもとでも、内容を工夫すればいろいろな今の問題提起は消化できるのではないか、特に定数是正等については第三者機関において定期的に行うようにすべきであるし、またそのための法律をつくるべきではないだろうか、こういうように思うのですが、その点どうでしょう。
○奥田国務大臣 実はきのう答申をいただきました。きょうの閣議におきましても海部総理から、大変御努力をいただいた答申を得た、政治改革の重要性を認識して、これはさる事件の反省も含めて、政治改革断行、今お話があったように国会開設百年という契機でもあり、答申を尊重して最大限の努力をしたい、その中には不退転の決意でこの問題に取り組みたい、各党各派の御論議も踏まえ御協力も得ながらということが付されておりましたから、答申は当然政府として最大限尊重して、また、選挙制度に関する問題でありますから、これを担当する私としても、そういった総理の意思を踏まえながらこれの成案化に努力することは当然だと思っております。 しかし、今委員が御指摘されたように、この答申をめぐって、各政党の運命にも関する問題でありますし、議員の身分に関する重要な問題でもありますので、各党各派の御論議の経過もよく踏まえて成案化に努力するということになろうかと思っております。
○草川分科員 各党各派の意見を踏まえてという非常に慎重な御答弁でございますので、その点は慎重な運営を強く要望しておきたいと思います。 なお、この答申案の中には「政党への公的助成 政党要件、助成基準などは法律化が必要。」というような答申もしておるわけでありますが、公営選挙の拡大あるいは政党選挙の見地から、政党法について大臣自身としてどのようなお考えを持っておみえになるのか、お伺いしたいと思います。
○奥田国務大臣 答申にも政党に関する公的扶助に対してはやはり法的な面の整備が必要だ、そういった形の中から政党法も検討課題に入れておられるわけでありますけれども、これらはまだ熟してないと言ったら悪いですけれども、例えば政党に対する公的助成という形については国民の御理解も得なければなりませんし、政党の公的な面の性格というものもはっきりさせるためには、やはり今日の政治資金の問題等々も含めて、これが立法過程に至るまでにはまだまだそういった論議を積み重ねる必要があろうかと思っております。ただし、将来政策本位、政党本位という形の政治に移る形においては、公的助成を得られる前段に政党法的なものも当然検討される課題であろうと認識しております。
○草川分科員 次に問題を移しますが、過日の予算委員会で在日韓国人三世の法的地位、待遇に関して私自身も質問し、大臣からその採用枠を拡大するという答弁をもらったわけでございますけれども、具体的にはどのような職種を想定しておみえになるのか、具体的にお答えを願いたい、このように思います。
○奥田国務大臣 担当でよく検討している政府委員から答えさせますけれども、私の基本的な構えと申しますか理念は、先生にもお答えしたとおり、当然の法理の問題点を持っている、例えば警察官とか税務職員とか公権力行使、そういった形の職員は、やはり日本国籍が必要最低条件である。しかし、医療一般あるいは実務一般、特に勤労性の高いような実務の面に携わる公務員、こういった形は広く開放すべきであり、無差別でまいるべきものであろう、またその方向で指導してまいっておるという実態でございます。 なお、細かいことについては政府委員から答えさせます。
○滝政府委員 基本的にはただいまの大臣の御答弁に尽きるわけでございますけれども、私の方から若干補足をさせていただきたいと思います。 私どもも大臣の意を受けましてできるだけ任用の道を開く、こういう姿勢で臨んでまいるつもりでございますけれども、今お話のございましたように、地方公務員に任用できる職種あるいはその範囲というものを、自治省として画一的にあらかじめ設定するというのは事柄の性質上やや困難ではなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。したがいまして、私どもとしては今後地方公共団体の意見も聞きながら、個別の問題としてケース・バイ・ケースで判断していくという作業も必要かと思っておりまして、そういう中でできるだけ採用の道を開いていく、こういう努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○草川分科員 これは今本当に大詰めの段階に来ておりまして、韓国側の方も大臣の非常に前向きな答弁をより具体化するために個別で少し出してもらいたい。特に今人手不足の立場から、単純労務者をこれならいいよという立場でなくて、管理職等も含めて指導していただきたい。そういう指導の姿勢が今日韓の非常に重要な時期に、大切な対応になると思いますので、その点を強く要望しておきたい、こういうように思うわけであります。 きょうは時間が限られておりますので、あとは救急問題に少し絞って質問をしたいと思います。 東京消防庁の救急業務懇話会の答申が話題を呼んでおりますが、問題はこれも国として早急に対応すべきではないだろうかと思うのでございますが、現実の問題として、東京消防庁以外にも対応できるような余地があるのか、とりあえず東京を想定しているのか、まず簡潔に御答弁願いたいと思います。
○木村政府委員 東京消防庁の救急業務懇話会の答申は、アメリカのパラメディックが行っておりますようなかなり高度の救急措置を行うことを予定いたしております。そのためには、救急措置の拡大に関する専門家あるいは関係機関との協議を整えコンセンサスを得ること、さらには今百三十五時間の教育で資格を与えておりますが、アメリカのパラメディックは千時間程度の教育を受けているというようなこともありまして、教育訓練の高度化ということが次の大きな課題になります。したがいまして、たとえ現在直ちに東京消防庁がこれを実施し得たとしても、全国的にこれに追従できるところは大都市を中心とする消防本部でありまして、全国的に一律に整然と実施していくということはなかなか困難ではないかと思います。しかし、こういう問題は全国的な水準を維持する必要がありますので、その方向に向かって努力をしていかなければいけないと思います。
○草川分科員 確かにアメリカのパラメディックというのは大変高度な対応をしているわけでありますが、この答申内容を見ると、新たな教育訓練システムを構築すべきであるが、当面、医療従事者養成施設や救命救急センターで訓練を行うという要旨になっておりますけれども、既存の救命救急センターの実情を見ますと、医師あるいは看護婦が非常に不足をしておりまして、救急隊員の教育をする余裕というのが率直に言って私はないと思うのです。そういうことを認識しておみえになるのかどうか、お伺いをしたいと思うのです。 それから、今答弁にありますように、もし本格的に消防庁が取り組むとすると、救急隊員の相当なレベルアップが必要になると思うのです。現在はたしか救急隊員として採用しておみえにならない。いわゆる消防士として、いわば消防業務を希望する人たちを人選して職員として採用している。ですから、私はこのような高度なパラメディック的な任務を与えるとするならば、採用時点においてその目的を持った者をまず選ぶべきではないだろうか、要するに消防の片手間という意識から離れるべきではないか、こう思うのですが、その点はどうでしょう。
○木村政府委員 教育訓練の問題でございますが、御指摘のように東京消防庁の懇話会が答申いたしましたようなパラメディックに近い内容の救急措置を行うといたしますと、非常に長時間にわたるかつ高度の教育が必要でございまして、そういったシステムの導入が可能となりました時点では、何らかの新しい教育システムを開発して実施しなければならない。東京消防庁の答申もそれは今後検討したいということになっているわけでございます。御指摘のように救命救急センター等ではなかなか余裕がなくて教育できないということもございますが、いずれにしろそういうカリキュラムをつくります場合には、例えば救命救急センター等のお世話になって実地訓練をするという部分もあろうかと思います。今後の課題でございます。 それから、現在の救急隊員がすべて一般の消防隊員として採用した者を充てているというのは事実でございますが、これまでの段階では警防、予防、救急、救助、こういった幅広い消防隊員の中から適性のある人を救急隊員にしているというのが実情で、それが全体の人事管理でありますとか、それから一つの仕事にずっと携わっていく上からマンネリ化するということを防ぐ上で有効であったと存じます。 ただ、今後高度の応急手当て等を行うようになりますと、御指摘のようにやはり一生そういったパラメディック的な仕事をするという意気込みで入ってくる、あるいはそういった訓練を受けた人が入ってくるということも必要でございますので、今後私どもの救急業務研究会あるいは救急の将来像を考える懇話会等で十分検討してまいりたいと考えております。
○草川分科員 ぜひそれは検討していただきたいのですけれども、例えば医師の場合、これはおたくとは違うのですけれども、救急医学会というのがあるのです。この救急医学会で救急医というのを指定しているのです。その受験資格というのは、原則として全国六十カ所の第三次救急医療機関で一定の研修を受けたドクターを対象にして救急医の試験をしている。こういうように、救急医そのものも非常に高度なすべての対応ができるような訓練をしておみえになるわけですね。教育してみえるわけです。そこへパラメディック的な行為をしようとする救急隊員を今後育成しようということになりますが、当然のことながら第三次救急医療機関というのは全国で六十カ所しかないわけですから、この場所も先ほど言いましたように非常に人手不足で困っておみえになる。そういうことになりますと、受け入れは全国六十カ所でせいぜい一人か二人ということになりますね。そういうことになりますと、先ほど来東京以外にも幅を広げたいという答弁をしておみえになりますが、数字を挙げただけでも現状はなかなかすぐというわけにはいきませんね。しかし、交通事故あるいは交通事故以外の事故というのは最近非常にふえてきておるわけで、例えば交通事故だけでも死者が一万一千人を超えているわけですね。問題は、現状で救急隊員の教育をどのようにするのか。今回の答申案に出たのは非常に大きな社会的な反響を呼んでおりますけれども、空白があるわけですから、とりあえずその空白をどのように埋めていくのかということを私はぜひ聞きたいわけです。 きょうは時間も余りございませんので、厚生省もお見えになりますから、厚生省はドクターズカーというのを持ってみえるわけですね。このドクターズカーの稼働と、消防庁が考えてみえる消防庁の連携をどううまく構成させていくか、これが残念ながら現実にはできていないわけです。この点はどのように考えていかれるのか、とりあえずドクターズカーの現状からひとつ厚生省にお伺いしたいと思います。一般論でいいですから。数とかはわかっていますから、一般論として連携をどうするか。
○澤説明員 現在救命救急センターにドクターズカーを配置すべく厚生省も取り組んでいるわけでございます。このドクターズカーは医療機関にある救急車ということでございますけれども、医師が同乗して救急現場あるいは搬送途上での医療に当たるということでございまして、消防署の救急車とランデブー方式あるいは救命救急センター以外の医療機関からの要請に応じて車が出動する、そのような体制でやっているわけでございます。
○草川分科員 私が申し上げたいのは、実は消防庁の主張するパラメディック的なものがいいのか、それから厚生省が主張しているドクターズカーというのですか、これのランデブー、今うまく結合したいとおっしゃっていますけれども、残念ながらどちらとも今まだ有効な活動をしていないのが現状だと私は思うのです。だから、その空白を早く埋めるように消防庁の方も考えるべきではないだろうか。アドバルーンだけではだめですよということを言っているわけです。 救急隊員の問題を含めて今一番重要なことは、一般の人、これは国民の側にも問題があるわけでございますけれども、救急蘇生法の普及ということを、これは厚生省の方もあるいはまた消防庁の方ももっと大きく提起をすべきじゃないだろうかと思うのです。例えば何かの事故があったとしますね。そうすると呼吸がとまる、呼吸停止、こういう患者がいたとしますと、一般的には三分から四分で心臓がとまると言われているわけです。そして、その数分後には蘇生不可能な状態になる。こういうことは、例えばの話でございますが、救急隊員がいかに医療行為が認められたとしても、通報から現場にかけつけるまでには幾ら早くても五分からあるいは七、八分はかかると思うのです。そういう間にもし呼吸が停止するという状況があるならば、蘇生をする行動を第一発見者なりあるいはその場に居合わせた者がすることによってとうとい命というのが救われるのではないだろうか、こういうように思うのですね。だから、プレエマージェンシーというのですか、救急の搬送の前にやるべきことが一つ忘れられている。私は、ここを関係者はもっと大きく取り上げてもらいたいわけです。 特に、欧米においては重篤患者の社会復帰率が非常に高いというのは、実は一般国民に救急蘇生法というのが普及している、それを身につけることが常識になっているからだと言われているわけですけれども、特に西ドイツでは、運転免許の取得時に最低六時間の救命救急の教育が義務づけられております。我が日本でも、自動車教習所でのカリキュラムに、今若干中途半端な形になっておりますけれども、少し勉強しているところがありますし、パンフレットが出るところがありますが、中途半端な形でなくて、私が今申し上げたように救急蘇生法の意義ということを十分認識をして、そういう教育を行うべきではないだろうかと思うのですが、この点は警察庁が担当だと思うので警察庁にお伺いをしたい、こう思います。
○半田説明員 運転免許を取得する場合に、今先生御指摘のとおり若干の救急関係の指導を行っておるところでございまして、逆に言いますと、その限度に尽きるわけでございます。 一般的に、一般人に救急法をどの程度教えて、これが現場で活用できるかということについてはなかなか難しい問題もございますので、従来から検討はいたしておりますけれども、さらに専門的な分野からもあるいは関係行政機関との協議も踏まえて今後の方向を探りたいと思いますが、方向としてはこれをなるべく広げたいということで検討してまいりたいと考えております。
○草川分科員 私どもも現地で消防隊員の方々ともいろいろなお話を聞きますし、また、交通事故等に立ち会われる第一線の警察官の方々の意見もよく聞いてみたり、あるいは救命救急センターに搬送された患者を診ていただく病院の方々あるいは看護婦さんの方々にも意見を聞きますけれども、先ほど言いましたように、最初のときにもし、呼吸がとまっている、それを蘇生するという行動をするならば随分助かったんではないだろうか、こう思うんです。消防隊の方に聞きますと、警察官の方もお見えになる。交通事故の対応をしてみえる。ところが、第一線の警察官が心臓に救急蘇生をしている姿というのは余り見たことないと言うんですよ。だから私は、警察官の方々はそういういろんな救急の訓練を受けておみえになると思うんです。訓練を受けておみえになるので、救急手当てというんですか、警察官の必須教育科目としても、人工呼吸を初めいろんなことをやっておみえになると思うので、そういう指導を一段と強められたらどうかと思うんですが、その点はどうでしょう。
○半田説明員 警察官につきましても、例えば人工呼吸法でありますとか止血法でありますとかあるいは副木固定法、運搬法という程度のことにつきましては、必須科目として教育をいたしておりまして、現場にいる警察官もこういうことにつきましてはできるというふうに考えております。ただ、今おっしゃいます蘇生法についてまで警察官にやらせるかどうかということにつきましては、さらに専門的に検討する余地があろうかというふうに考えております。
○草川分科員 常識の範囲内というんですか、一般的な指導として私はそれをやるべきではないだろうか。医療行為じゃありませんからね。私は医療行為をやれということを言っておるつもりは全然ございません。 そこで、私は率直なことを言って、心臓や呼吸が停止をしている人に対して何もしないことが一番悪いんだという考え方をまず持つべきだと思うんです。これは消防隊も同じだと思うんです。心臓がとまっているということは最も悪い状況なんですから、蘇生法で力を加えてもそれ以上悪くならないわけですから、ここが非常に重要な点だと思うんです。ですから、それ以上悪くなるということはないわけですから、またその判断を知らないということは最も勉強不足だ、こういうことになるわけでございますので、現実に役立つ教育というのを、これは消防庁もあるいは第一線の警察官に対してもぜひ私は指導していただきたいと思います。 時間がもうございませんので、最後に大臣にお伺いをしますが、大臣は国家公安委員長も兼務をしておみえになるわけです。救命救急というのは、自治省消防庁の考えているパラメディック的なもの、あるいは厚生省のどちらかといえばドクターズカーでいきたいという対応、こういう問題を整合さしていかなければいけません。それからまた、現場に居合わせた人、なかんずく警察官によるところの救急蘇生法の実施等いろんな問題もあるわけでございます。いずれにしましても、命を救うことが目的でありますので、この際関係する各省庁に積極的に問題を働きかけていただいて、現実にできることから実施をしていただきたいということを特に要望したいと思うんですが、その点について大臣の答弁をいただいて質問を終わりたい、こういうように思います。
○奥田国務大臣 先生の、今日一万一千人の交通事故死の現状、そしてそれに限らず人命尊重の立場から救急医療の大事なことを、今御意見をお伺いしながら本当にそのとおりだなと思っております。特に、心臓がとまっておるのにそのまま大事にして運んだってどうにもならないので、全く常識の範囲内で、これは警察官の基礎教育にも心臓蘇生あるいは電気ショック的なそういった機器の扱い、これらは必須訓練としてやるのは当然であろうと私は今思いました。と同時に、救急隊員にしても、御指摘があったのは、大変興味深く聞いておったのは、西ドイツの一般ドライバーにまでそういった形のカリキュラムといいますか、そういう形をやっているのを、これは日本でも免許取得時のそういった形の中で、全く常識的な応急医療として組み入れるべきだなと思います。そういった形で、警察、消防、もちろん基礎訓練の中で今御指摘のあったような点を入れ、人命尊重、しかも応急的な、まさに初歩的な、常識の範囲的な形の措置は、当然教育の中に組み入れていくように努力したいと思っております。
○草川分科員 ありがとうございました。これで終わります。
○工藤主査 これにて草川昭三君の質疑は終了いたしました。 次に、沢田広君。
○沢田分科員 大臣、続いてじゃ悪いですけれども、地方自治法なり憲法で示されている地方自治はありますが、地方といわゆる自治省といいますか、中央との関係はどういう位置づけにあるとまず考えておりますか。
○森(繁)政府委員 国と地方の関係はいわば車の両輪のようなものでございまして、国の行政と地方の行政それぞれ相協力し、補完し、共同して働くことによりまして日本の行政全体が進められておる、こういうふうに理解をいたしております。
○沢田分科員 命令権はあると思いますか、それともないと思いますか。
○森(繁)政府委員 一概に命令権といいましてもいろんなものがあろうかと思いますが、一般的に申し上げまして、地方自治は地方自治の分野、国政は国政の分野というものがございまして、一般的な命令権というのはございません。ただしかし、地方公共団体の長が国の機関として事務を執行する場合、機関委任事務と呼んでおりますが、機関委任事務の場合には主務大臣の指揮権がございます。
○沢田分科員 現在日米関係とかいろいろ言われておりますが、日本の社会資本の立ちおくれというものは目に余るものがあると思うのですね。大臣も外国旅行されることが多いだろうと思いますし、我々もありますけれども、いかに西欧諸国に比べて日本がお粗末で貧弱で、そしてみっともないか。飲めるのは水だけだぐらいのものでありまして、まともなものはそのくらいしかないといった現状は、政府にも責任があるでしょうけれども、地方自治体の自主性というものにもやはり問題がある、こういうふうに言わざるを得ないんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○森(繁)政府委員 生活基盤あるいは社会生活の基盤の整備というのは、国ももちろん責務を持っておりますけれども、地方団体も当然責務を持っております。そのためこれまで地方団体も懸命に努力をしてまいってきておるところでございますが、今委員御指摘のように、一部の点におきましては欧米諸国とかなり隔たりがあるということも事実でございます。ただこれは、これにとどまるものではなく、今後さらに国も含めました地方団体、総体となりまして社会資本の整備、生活基盤の整備になお力を注いでいかなければいけない、こう考えております。
○沢田分科員 なおとかなんとかという程度じゃないですよね。これはもう言うならば都市計画法ができた当時から、あるいは地方自治法は戦後今日まで続いてきているわけでありまして、短い時間の中でありますから、例えば私が一つ提案をしたいことは、土地が暴騰して都市計画税がどのように使われているかということを考えますと、やはりこれは目的税にきちんとしまして、そして都市施設の整備にきちんと使われていくという仕組みをきちんと整備していかないと、どこへ使われているのかわからぬという、そういうやり方でいったんではまず立ちおくれは直せぬだろう、こういうふうに思います。 その点は例えば都市計画では、今年は下水道なら下水道、公園なら公園、河川の改修なら河川の改修と、やはりそういうふうなものに重点的に、お互いが隣接市町村等とも協議しながら対応していくという指針を与えていくということは必要なことではないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○湯浅政府委員 都市計画税は現在地方税法におきまして、都市計画事業なり区画整理事業に要する費用に充てるために課されます目的税ということで、地方税法上もはっきり明記しているところでございます。しかし、この都市計画税につきましては、一般の税とは違いまして、この都市計画税を課するか課さないかという決定、あるいは課する場合に、どういう税率で課税するかという点につきましては、市町村の自主的な判断で条例で決めていただくということになっておりまして、そういう意味で、今御指摘のように関係市町村の間でこの都市計画税をどういう形で使っていくかということを御相談しながらやっていくことは、それぞれの地方団体の自主性に応じて可能な仕組みになっているわけでございます。
○沢田分科員 まず第一に私が言っているのは、特別会計に移行することが先決であるということを提起しているわけで、その点はいかがですか。
○湯浅政府委員 この点も都市計画税というものがもともと目的税であるということから考えまして、この経費ができるだけ明確にその都市計画事業に使われているということがわかるように、特別会計などをつくって運用していくというようなことをするように私どもは進めているところでございます。
○沢田分科員 それを言っているのは、私も二十二年から市会議員三期ぐらいやっていますから、また県もやっていましたからわかりますが、今どんぶり鉢勘定なんですよ。ですから、都市計画税を取ってもその中身、チェックを皆さんやってないでしょうから、都市計画に完全に使われているという保証は全然ないですね。全部それがわけのわからぬ、わけのわからぬという言葉は悪いですが、要すれば不透明なままに使用されておる。あなたが言ったとおりのようなことをひとつ指示をしてもらって、いわゆる特別会計で措置しろ、ただし人件費を含まず、こういうことが必要ですよ。そうじゃないと、結果的に都市計画税を取りましても全部人件費に充てられてしまって事業費は前と同じ、基準財政需要額の中で見た取らない場合とちっとも変わらない。それは予算の配分がそうなってしまうのですね。ですから、結果的には都市計画税を取ったことにはならない、そういうふうになっていますから、これは調べればわかることですから、ひとつそういうふうに特別会計をつくって都市計画にきちんと使われていく、そういうことを、指針をこれは大臣としても出してもらいたい、こういうふうに思います。
○湯浅政府委員 都市計画税につきましては、その事業がどういうものに使われているかという点につきましては、毎年度決算の状況を各府県で調べる段階で、都市計画事業の中で都市計画税がどういう形で充当されているかということを毎年調査をいたしております。そして、そういう表もそれぞれの団体ごとにつくって、そして個別に指導しているということでございますので、こういう点につきましては今後とも指導を続けてまいりたいと思っております。
○沢田分科員 それで全部出してもらってもいいが、これで論争している時間がないから、とりあえず特別会計をつくってきちんと都市計画税が都市計画に基づいて、十年以内に都市施設は整備すると法律には書いてあるのです。そうでしょう。都市計画税を取って十年以内に都市施設は全部整備するとしておる。何年たってできるのですか、できてなんかいやしないじゃないか、そういう能書きを言える立場にないですよ。十年以内に都市施設は全部整備しますと都市計画法にはちゃんと書いてあるじゃないですか。それが実行できないから目的税を今度は特別会計に設置して、それで特別会計でもせめてそれで実行するようにしなさい、あえて私も人件費は含まずと言ったのです。全額投資に充てていくようにしなければ今までの立ちおくれは直らぬから、直すための特別措置を講じなければならぬだろう、そういうことを言っておるので、そんないいかげんな答弁なんか求めているのじゃないのです。
○奥田国務大臣 都市計画税の目的からいっても特別会計として透明度を増していくのは当然であろう、そういうぐあいに指導してまいります。
○沢田分科員 それはひとつお願いをいたします。 そこでもう一つは、あと五分ぐらいで大臣いいですから、今ここでは急には答えられないでしょうが、地方交付税を例えば道路の延長とか河川の延長とか人口とかというのでやっておりますけれども、地方交付税はもっと重点的に、例えば下水道を向こう五年は三倍増にしてそのかわりほかは切る、あるいはそういうような目的、重点施策をきちんと置いて対応していくということが必要なのではないか。限りあるお金ですから、その限りあるお金でこのおくれている部分をどう取り戻すかということでいくわけですが、大体地方へ行きますと、建物を建てるのは喜んで建てているようですけれども、埋設されるもの等については極めて立ちおくれが顕著なのです。これはいかにも自分の功績を象徴するためには、大きい建物なんかつくった方が格好がいいということになるのかもわからぬ、これは心理的なものかもしれませんが。そして早期に下水道を整備しちゃった市長さんなどもおりますけれども、そういう人は後になれば立派だったと言いますけれども、それをやらなかったところのものは非常におくれていて、いまだに徳川時代と変わらないという状況も現存するのです。ですから地方交付税の操作によって、一律に何も道路の延長だなどということで考えないで、重点的にこれから向こう三年間は下水道整備、公園整備、河川の改修、こういうおくれる部分をその配分の重点に置いて、やや財政主導になりますけれども、そういう形もある程度考慮しなければならぬのではないか、こういうふうに思いますが、その点大臣に。
○持永政府委員 地方交付税の計算に当たりましては、今ちょっと御指摘がございましたけれども、例えば道路とかなんとか極端に言えばある程度やめてしまって下水に重点を置くという、そこまでは無理と思いますけれども、いろいろな経費の中でその時代時代に応じて、今の時代だったら下水道が重要だから下水道の経費を重点的に充実していこうということは、これは対応はできると思います。ただ、下水道の場合で申しますと、これは国の補助あるいは負担金が入る事業でもございますので、国の予算との連動ということも考えなければいけませんから、当然国の方でもそういうところに重点を置き、あわせて地方交付税でもそういう点に重点を置いていく、両方でやっていくというのが一番好ましいのじゃないか、このように思っております。
○沢田分科員 これは大臣、政治的な問題ですから事務的な問題は別。その方針が決まればそれに対応してどうにでもなっていくのですから、これは日米問題にも関係してくることですし、早急にやらなければならぬ。 もう一つ大臣にお答えいただいて退席してもらうことにしますが、市町村には開発行為というものがありまして、これは建設省の方の関係もあるのでありますが、私も法務省でも若干この問題は判例等との関係もやってきたわけでありますけれども、いわゆる開発によって土地の提供をさせるということ、寄附行為をさせるということ、これは少なくとも憲法の上から見て、いわゆる公共の福祉に反せざる限り個人の所有権は尊重されるという基本の問題に抵触をしてくるのではないのか。要すれば、ただ紋次郎方式の紋次郎というのは、いわゆる流れ者みたいにそこへ行って住宅建てちゃってどこかへ売り主は行っちゃって行く先不明というような、そういう業者もなきにしもあらずですから、そういうものに道路なりそういうものをきちんと提供させるとかいうことはこれは別であります。集団住宅をつくるとか団地の造成であるとかそういうことについては、ある意味においては下水道であれ、ごみの問題であれ、そういうことを整備することは必要ですが、そうでない限り、そこに居住している者が現存する限り、土地の寄附まで求めるというのは行き過ぎじゃないのか、少なくともそれは間違いだ、私はそう思います。 ただ、これも若干問題はありますが、四メートル道路のように、中心から二メートルだけ後退線を引いて、所有権はそのまま残るが道路として提供する、こういう場合はその限りでありません。しかし、開発指導要領で何十年か先の都市計画の道路まで提供させたり寄附させるということは、これは私は憲法違反の疑いもある、こういうふうに思わざるを得ないので、その点は買収するなら買収する。交付税のときは、それを寄附でただもらって、交付税でもらっていくのですからこれは詐欺みたいなものです。だからそういうことはさせてはならない、こういうふうに思いますが、これは大ざっぱな方針だけの問題ですから、大臣にこの二点をお答えいただいて、退席してください。
○芦尾政府委員 今委員御質問ございましたが、釈迦に説法というふうなことにもなるわけでございますが、確かに今宅地開発の指導要綱によりまして寄附を求めるという場合があるわけでございます。これは一つには開発者のいろいろな都合があるということ、それから自治体の方も今おっしゃいましたように引き取ってからのいろいろな整備をしていかなければならぬといったようなこともございまして、この程度のことはしてくださいよといったようなところから、相手方の同意を前提にいたしましたこの指導要綱というものを求めまして、そして良好な都市環境を維持していこうではないかといったようなことで寄附をお願いしようということが行われておるわけでございます。 ただ、今おっしゃいましたようにその寄附をしていただいて、その寄附金の目的なり使途がきちっと明確化していかなければならない。さらには収支の内容というものがはっきりしていかなければならないというようなことでございまして、私どもも毎年度地方財政の運営ということでも明確化を図るようにお願いをいたしておるわけでございます。
○奥田国務大臣 今御指摘になったのは、その自治体、自治体での宅地開発等々でやられる。だけれども、寄附なんというのは、それはいかに自治体といえども余り寄附強要をするなんというのはおかしいのではないでしょうか。それで、やはりそれぞれの財政需要において、こちらの方でも先買い権も含めてしかるべき形での、いわゆる購入代償というもので財政的にも措置するわけでございますから、いい知恵を出したところにはきちっと手伝いして、そしてみっともなくない形で住民理解を得てやっていく、そういった行為が本来あるべき自治体の開発行為じゃないかと思っておりますから、その点また勉強させていただきます。個々のケースはわかりませんけれども。 ただ、これからのものは余り上意下達と申しますか、上から押しつけて町づくりを進めるのではなくて、町の人たちから本当に知恵を出していただいて、そして私たちが財政的な面ではお手伝いさせていただくという形で、これからの町づくりを進めていきたいというのが私の基本姿勢でもあります。御理解賜りたいと思います。
○沢田分科員 若干ありますが、どうぞ。後でまたやります。 今言っていること、二つあったのだけれども、一つはこれで建築申請なんか受け付けないというのだ。これは恐喝です。もし寄附がされなければ受け付けないなんというのは恐喝だ。だから受け付けないということが立証されれば恐喝になるだろうと思うのですが、受け付けて今度は許可をおろさない、こういう意地悪行政というものが提供という中に含まれている。だからこういう開発指導要領などは、せめてそう言うならば条例として決める。首長の専決事項にその分まで含まれていると私は思いませんよ。ですから、それは条例で議会にかけて、そしてそれで法廷闘争で争う、これならば一応の筋が私はあると思う。 だけれども、まだもっとその先を読んでいる人は、条例で決めて行政訴訟をやっても十年か十二年かかる、そうなるとどうせ許可しなくても相手は泣き寝入りになる、そういう読みまでして決めている者もなくはない。そうなるとこれは行政権の乱用になる。そういう関係については少なくとも地方自治という精神を逸脱している、こういうことにもなるわけでありまして、そこは自治省としても的確な——いわゆる人口が急増しているからやむを得ないのだという論理は通らないと思うのですね、法は法ですから。その意味においてはやはりきちんとした的確な指導、それから、こういう指導要領とか何かをやみくもにつくっていくということではなく、それならそれで条例でかけて、やはり法廷闘争ができるようにそういうものがきちんと整備されていくことが必要だと思うのです。 もちろん、開発業者の中にも悪いのもいるかもわかりませんが、しかし適正な指導と適正な運営というものが私は必要だと思うのです。これで実際にはおどかしてみて、どこかの水道を通さないで負けた場合もありますけれども、やはりもっと国民の自主的才能、ノーハウというものを生かしていく、抑えていくことじゃなく生かしていく、そういうものを運用していかなければならぬのではないかと思うのですね。それが憲法に保障された職業であり、居住であり、あるいはまた営業であり、生活の権利でもあるわけですからね。それは万民のひとしく持っている権利ですから、それがそういうものによって阻害されるということは望ましいことではない。結論だけひとつお答えいただきたいと思います。
○芦尾政府委員 ただいまおっしゃったとおりでございまして、宅地開発指導要綱というのは、これは建設業者とか自治体とか建設省、自治省あわせまして、そういう協議の場等を設けながら、こういうふうに基準なんかを決めていっておるようではございますけれども、こういう要綱が今おっしゃいましたように適切に運営されなければならない。私どもも、例えば県を通じて市町村を適切に指導するということはこれからもやってまいりたいと思っております。
○沢田分科員 少なくとも財産の提供等については、これは公共の福祉に反せざる限りのものであって、それ以外は、金額の高い低いは別として、無償で提供しなければ建築許可はおろさないとか開発許可はおろさないとか、そういうあり方はまだまだ不十分な点があると思います。これは訴訟も起こせないで泣き寝入りなんです。出すととめられてしまって許可がいつになってもおりなければ、結果的に片一方は金利で参ってしまいますから、これは意地悪ということになる。意地悪行政になってしまう。だから、少なくともそういうことだけはないように、それぞれの指示を出してもらって、やむなければ訴訟、こういうことにならざるを得ないのでありますけれども、そういうことがないように適切な指導を切望してやまないのです。大臣の都合をわざわざ考慮してやったんだから、ちゃんとした答えをしてください。
○芦尾政府委員 いろいろ具体的な状況で考え方が変わるかとも思いますけれども、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、毎年度そういう先ほども申し上げましたような運営通達によりまして、きちっとしなければならないということも申し上げております。そういう中で指導を適切にしてまいりたいというふうに思っております。
○沢田分科員 念のためですが、それは指導して通達を出してくれるわけですね、あるいは、出してあるものを補強してくれるわけですね。
○芦尾政府委員 寄附金の問題に絞りますれば、寄附金を全面的に取ってはならないということまで言えるかどうか、そこは非常に問題があると思うわけでございます。しかし、寄附を受けた以上はきちっとそれは明確にしなければならぬ、使途もきちっとしなければならないということは、これはもう強くこれからも指導していかなければならぬと思っております。
○沢田分科員 我々政治家にも国民の寄附を強要してはならない、今度は法律で、公職選挙法にはあるわけです。それから、我々は寄附をしてはならないという法律があるわけです。それと同じように、結果的には寄附を強要してはならないということで、みずから進んで寄附をすることはこれは浄財なんですから、浄財は浄財として大いにその気持ちを寄附していくということは当然なんです。ただ強要してはならない、それから、その場合にはいわゆる対価を求めてはならない、こういうのが寄附の本来のあるべき姿です。やはり中心はそれに基づいて、公職選挙法と同じような気持ちでちゃんと通達を出してもらう、こういうことで私は了解していきたいと思いますが、いかがですか。
○芦尾政府委員 今おっしゃいましたように寄附を強要してはいけませんので、これはもう大前提であるということで私どもは指導してまいりたいと思っております。
○沢田分科員 大分おくれておりましたが、本会議の時間もあるということでありますので、ここはそれを実行されることを期待して、協力の意味で、これをもって質問を終わりたいと思います。
○工藤主査 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。 次に、辻一彦君。
○辻(一)分科員 きょうは私、公務員の公務災害の問題を一言触れて、あとは原子力の問題、防災問題に触れたいと思います。 大臣がしばらくおられないということですから、初めに少し事務当局に伺いたいと思います。 まず第一に、六十三年の予算委員会の分科会で、同様に福井県の武生市の職員の清水労災という問題に一言触れたのでありますが、この問題は、当初は公務外に認定されておりましたが、最終的には公務災害という認定になりまして、この点、いろいろと努力いただいたことを感謝をしておきたいと思います。 そこで、引き続いて恐縮でありますが、最近、外国人の入国管理等の中で、難民の急増などで法務省の方でも入国管理職員の過労死があったというようなことがあります。地方の公務員の場合、現場、ごみの処理であるとかそういう現業においていろいろな過労状況が続いておりますが、今回、福井市のごみ処理場の現場で総監督であった木村昌市さんという方が亡くなられたのでありますが、それも公務災害ではないかと我々は思うわけであります。これについての、木村昌市氏の労災認定に係る経過の大要で結構ですから、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
○滝政府委員 ただいまの木村氏の事案でございますけれども、私どもが把握しております事実関係を申し上げたいと思います。 この方は、昭和六十二年九月二十六日に勤務中に発症して入院いたしたわけでございまして、手術をいたしたのでございますけれども亡くなられた、こういうことでございます。勤務の態様は、先生が今おっしゃられたように、夕方の七時からごみ処理のPRに出かけまして、その際にいろいろPRのビデオなども見せながら、ごみの収集方法についてある地域で説明会をやっておった直後に倒れた、こういうことでございます。 公務災害の認定状況でございますけれども、九月二十六日に発症したわけでございますけれども、二カ月後の十一月十七日に、被災職員から公務災害の認定請求がございました。しかし、その後間もなく、年明けてでございますけれども亡くなられた、こういうことでございます。 公務災害の判定でございますけれども、年が明けて平成元年一月二十六日に、この件につきましては公務に係る強度の精神的あるいは肉体的な負荷を起こすほど異常な公務過重性と申しますか、公務の厳しさ、そういうものは認められないという理由で、いわば公務上の災害とは認定されずに終わったわけでございます。その後、二カ月たちました平成元年三月に、御遺族から、この認定されなかったことを不服といたしまして、福井県支部の審査会に審査請求が出されて、現在福井県支部の審査会で審理中、こういう状況でございます。
○辻(一)分科員 その認定できないという弁明書もちょっと拝見しました。また、これに対する審査請求人の木村美千代さんほかの反論もいろいろ伺ってみました。近くその反論書が公式に提出されるようでありますが、私がいろいろ伺った中での要旨をちょっと紹介しておきたいと思います。 被災者は、昭和五十九年十一月以降高血圧の基礎疾病に罹患し、特に昭和六十二年六月十七日の人間ドックの検査では、循環器系がCの判定を受けていたにもかかわらず、市当局は被災者の職務内容を軽減するどころか、高温な職場環境の中での労働を継続させ、却って前記斉藤主査の業務をもカバーさせたほか、 「前記」というのは、主査が病気で長期に休んだためにその仕事をかわって、兼務したということですが、 本来、予算措置を講じて外部の業者に発注して建設すべき大型貯塵庫の建設を被災者の献身による過重労働にまかせ、総監督としての担当職務外の業務まで遂行させてきたのである。 こういう点から、 本件災害は、その過程において発生したものであり、休日の公務執行中における被災であるから、公務起因性と公務遂行性の要件を両者共に充足する明らかな公務上の災害である。 大体こういうふうに反論していらっしゃるわけです。 また、 仮りに弁明書のいう如く、被災者の基礎疾病が自然増悪の過程にあったとしても、前記のとおり被災者が長期に亘って従事した作業内容は、高血圧症や脳動脈瘤の基礎疾病に悪影響を与える性質のものであり、しかも被災直近の公務及び被災当日の公務が直接の原因となって自然増悪の時期を著しく促進せしめたものであるから、被災者の脳動脈瘤破裂は、「その他公務と相当因果関係を以て発生したことが明らかな疾病に該当するものと認定さるべきが相当である。」 こういうような主張をされております。 これの当否云々はここで論議する性格のものでもないし、地方の審査会に、言うならば労働関係の裁判所に係っておるわけでありますから、私もこれ以上踏み込んでいくことは控えたいと思うのですが、こういう実情だということをひとつ自治省当局も十分認識しておいていただいて、そしてこれから地方に、場合によればまた中央にそういう審査結果がいろいろ上がってくることもあり得るわけでありますので、慎重な、ひとつ十分な審査が行われるように期待をいたしておきたいと思います。これはこれ以上入るのは無理と思いますから、この問題はこれでとどめたいと思います。 それで、今の問題はそれで結構ですから、第二として、限られた時間だから、大臣にちょっと聞きたいのですが、もうちょっとでお見えになりますから、その前に消防庁長官に二、三お伺いしたいと思います。 六十三年二月二十二日と二月二十七日に予算委員会の総括質問と一般質問において二時間半、原子力の安全性と防災問題を論議しましたので、資料等はお読みいただいておると思いますが、防災問題で消防庁は、今は幹部要員の訓練が中心で、住民の避難訓練等は今のところ考えてない、大体こういうような見解であったのですが、現在もその考え方は変わっていないのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○木村政府委員 六十三年二月の予算委員会における質疑応答の後に、科学技術庁あるいは原子力安全委員会あるいは通産省等といろいろ折衝をいたしたようでございます。自治省としては、大臣が答弁いたしましたように、住民の避難訓練というものを含め原子力の防災訓練を実施したらどうかという考えを持っていたようでございますが、いろいろ折衝いたしました結果は、現時点ではやはり業務担当者の非常時における沈着冷静な対応、そして住民の誘導ということを中心に考えていこう、こういう政府の考え方になったようでございます。したがいまして、現在私どもはそういうふうに考えておりますが、御承知のように北海道でありますとか福島県におきましては住民参加の訓練が行われておりますし、そういう面も地域の実情に応じて実施していただくのが結構ではないかと考えております。
○辻(一)分科員 原子力発電の事故が起こればいかに大変なことになるかということはもう御承知のとおりです。私もチェルノブイリ、スリーマイルの現場に行ってよく見てきましたが、チェルノブイリの原発は日本とは型が違うとはいえ、米ソとも百万キロワット単位の営業して二年目という最新鋭の原発が不幸にして事故を起こしたということなんですね。そこで、チェルノブイリはきのうあたりの新聞を見ても、前には十一万五千から十二万人避難をしたのが今度は新たに二十万人避難をしなくてはならない、疎開をしなくてはならない、こういうことが報道されている。それから、これは新聞の報道ですが、三十一名死亡と言われているけれども、三百人ぐらい亡くなったのではないかということも流れておる。ソ連は最高会議で四兆円の被害というように報告しておりますが、大事故が起きたら非常な大変なことになる、こういうように思います。 そこで、万一の大きな災害に備えるということが非常に大事だと思うのですが、特にチェルノブイリを見ても、三十一名という公式発表の死亡者の中の二十八名が消防士ですね。私も現地へ行って、その二十八人の消防士の方の遺影、写真がずっと並べてある状況も見てきました。とにかく事故があれば退避するのですが、消防士のいろいろな要員の皆さんが何といっても第一線に出なければいけない、出る内容になっていると思うのですね。そうしますと、事故を考えた場合に、ほかの省庁とは違って、より一歩もっと厳しいというか、十分な対処を自治省消防庁は考えなくてはならないと私は思うのです。ほかの省庁に引きずられて、まあそれじゃ現段階では今まで並みにしましょうというのでは、ちょっとこれだけの事故を踏まえた対処としてはいかがかと思いますが、これについての見解はいかがでしょう。
○木村政府委員 御承知のことと存じますが、自治省消防庁といたしましては、地域防災計画の中に特に原子力防災対策関係の計画を入れるように指導をいたし、そのための作成マニュアルを示して指導いたしているところでございます。御指摘のように何らかの事故がありました場合には、各原子力発電所にはもちろん強力な自主防災組織はあるわけでございますが、やはり地域の災害でありますので、消防本部あるいは義勇消防団が現地の事に当たるということになります。したがいまして、そういった地域防災計画の中の原子力防災の計画に基づいて、平時から着実な訓練等を行うように指導してまいりたいと考えております。
○辻(一)分科員 もう大臣が見えなければならない時間ですが、見えますか。 原発の事故が起こったときに人々は心理的な余裕を失ってしまう。この場合に、日ごろの避難計画の周知と訓練がいかに大切か、こういうことを、米ソの原発の現地へ行って、いろいろな当時の責任者からお話を聞いて、私は痛感をしたのです。 例えば六十二年の六月にチェルノブイリ原発を訪ね、それから九月にはスリーマイルの原発二号を見てきたのですが、スリーマイル二号の方では、中央制御室の警告灯が四百幾らかあるのですが、それが一遍に点滅し出した。だからどこがどうなっているのかわからないので、みんながどうしていいかわからなくなった、こう言っておるのですね。今、色を変えたりして優先順位をちょっとつけておるようですが、壁に並んでいる四百からの警告灯が一斉に点滅すれば、どうしていいかわからない、そういう状況になる。心理的な余裕がなくなるということですね。 それから、チェルノブイリでは、ここでは所長さんがどこかへいなくなったので後で随分問題になったのですが、当時、前の副所長がほかに転勤しておった、それが事故の二日目に呼び返されて事故の処理に当たった。その副所長が言っているのは、そういう大事故が起こると心の余裕を全く失ってどうしていいかわからなくなる、そこで感じたことは、第一は従業員、社員に、事故が起きたらどうなるのか、どうするのか、こういうことを十分教育しておくこと、第二は周辺の住民に原発の事故が起こったらどういう事故になるのか、そのときにどうするのかということを十分知らしめておくこと、こういうことが大変大事だということを痛感した、こう言っておるのですね。 原発は事故が起こらないことが大変望ましいのですが、我が国の場合も、新原発もありますが、二十年たって法的な耐用年数を超えるか超えかかったような原発が各地にだんだんと出てきておるわけですね。そういうことを考えますと、幹部の訓練が第一に大事だということはわかりますが、同時に周辺部における住民に対する訓練ということ、さらに避難計画をつくり、そしてその住民が参加した防災訓練、こういうことをやることが大変大事だと私は思うのですね。そういう点で、今までのように起こらないからというだけでなく、あるいはほかの省庁との関係で一応足並みをそろえていらしたのでありましょうが、ここで一遍再検討すべき時期に来ておると思います。これは長官に伺って、以降はひとつ大臣に伺います。
○木村政府委員 消防庁の示しております原子力発電所の地域計画の防災マニュアルにおきましても、住民との情報伝達の徹底ということは強くうたわれておりまして、そこあたりは時代とともにさらに詳しい具体的な計画になりつつあるものと存じます。 御指摘のように、科学技術庁あるいは原子力安全委員会は日本の原子力の安全性については自信を持っておって、余り不安をかき立てるような住民PRはしないようでございますけれども、地域住民としてそういう心得を持っているということは必要でありますので、私どもも住民参加による避難訓練というようなものは好ましいものとして対応してまいりたいと考えております。
○辻(一)分科員 以降は大臣にお尋ねします。 六十三年の二月は大臣は予算の委員長でありましたから、あのときにおける論議、総括、一般で二時間半ほど原子力の安全性や防災問題を取り上げたことはよく御承知のとおりだと思うのですが、あのときに、チェルノブイリやスリーマイルの現地調査の結果を引用して、今日、原発立地の市町村で住民が参加する防災訓練をやるべきだという要望が出てきた、どうなんだ、こういう私の質問に対して、当時の梶山自治大臣は「自治省としても今後避難訓練等防災対策の一層の充実について指導を深めてまいりたいと思います。」という答弁をしておるのですね。 それからもう一つ、今長官からもお話がありましたが、今まで防災訓練をやると余分の不安を起こすので、やはりやりたくないという気持ちが原発立地の市町村長や議会にあったのですね。ところが、チェルノブイリ以降かなりこれが変化をしてきて、そして原発を持っている全国立地市町村協議会で決議をして、国の一元的指導責任のもとに原子力防災対策確立のための特別立法の制定を求めている。こういう決議が行われて、私の方でもそういう要望を随分と伺いましたし、政府筋にも当然今まで行っておったと思うのですね。こういうように、チェルノブイリ以降、自治体の受け取り方も随分変化をしておるわけですが、そういうものを含めて、今まで自治省の状況を見ると、大臣答弁と大分食い違いがあるように私は思います。これは政策の継承性という点からいって、それは前の自治大臣の担当と言うわけにはいかないと思うのですが、これらの国会答弁における内容と、この二年間それほど進んでいないということについて、現責任者、大臣としてどうお考えになっているか、お伺いしたい。
○奥田国務大臣 梶山元大臣が委員との質疑応答の中で発言されたことは、今詳しくお話しいただいたところでございます。もちろん、前段においての発言の継続、梶山大臣の言った方向で努力するのは当然だと私も思います。そのこととは別に、辻委員がかねてから原子力の安全性、そして地域の皆さんのこういった防災体制への認識というものに対して、住民参加のもとで行われるべきであるという御主張をなさっている、そういった御熱意と御見識、その点には、私が今この立場であろうがなかろうが、深く敬意を表しておるところでございます。 現実に防災計画、原子力の安全性認識というものは、どれだけPRしても切りがないほどの重要な問題でございますし、また、原子力発電県にとってもこれは最重要な関心事であります。既に住民参加で防災訓練が行われたという形は北海道でもあったやに聞いておりますし、福島でもそういったケースが事実行われたと聞いております。そういった意味からいって、自治省としてもできることなら住民参加、全部の原子力発電県でそういった形が行われることが望ましいことは当然でございます。 こういった形で、徐々に委員の御指摘のような形で住民の皆さんにも、この原子力の安全認識というものの中で、自分たちの家族の生命はもちろんですけれども、そういったものを守る見地から、現実にもう行われている県があるわけですから、さらにこれらの形が普及していくことを望んでおると同時に、今後充実というのはどういう形で行われるべきかということについては、委員の御意見も参考にしながら、私もこの問題については前向きに取り組んでいくということで御理解願いたいと思います。
○辻(一)分科員 大臣の非常に前向きなというか、積極的な発言は受けとめました。 前のことはもう言うことはないのですが、なお一つ敷衍しておきますと、梶山大臣に、この立地の市町村に要望が出ているじゃないか、自治大臣としてどうなんだという質問に対して、私の職分にある間に何とかこの問題を検討して、安心して暮らせるようにしたい、御協力をお願いしたい、こういう発言もあったわけですね。だから、前のことはそれとしまして、今大臣の御発言の中で非常に積極的な意図を感じ取りましたので、それはぜひそういう取り組みをしていただきたい。 四、五分ありますから、もう一つ申し上げますと、この間、予算委員会で委員長でしたから十分聞いておいていただけたと思うのですが、アメリカのニューハンプシャー州にパブリックという電力会社がありますが、これが当時の日本のお金に換算して大体六千億を投じて、百万キロワットの新鋭の発電所をつくった。ところが、アメリカは認可制度が二段階に分かれていて、初め試運転を認めて、それから条件がそろったら営業運転を一〇〇%認める、こうなっていますね。初めは認めたのですが、住民の緊急避難計画あるいは住民参加の訓練等の計画が出され、何ら行われていないということによって営業運転許可が二年間得られず、六千億のお金をつぎ込んで二年間とまっておれば赤字だというのは当然で、結局その会社は倒産してしまったのですね。倒産してもそういう住民参加の防災体制をきちっと守らすという厳しさをアメリカは持っておるわけです。 私は、安全面ではアメリカにやや並ぶような厳しさをだんだん日本も持ってきたと思うのですが、防災面ではまだまだおくれがあるというように思いますので、こういう状況を十分検討いただいて、ぜひ今御発言のように住民が参加する訓練、そのもとである緊急避難計画等がきちっと行えるということをやっていただきたい。それを私は法的に義務づけて、各自治体と国と一緒になって行うべきであると思いますが、法的に義務づけるというこの問題についてはいかがですか。
○奥田国務大臣 たしかあのとき、ニューハンプシャーの電力会社の事例を引用なさっての御質問であったと思います。あのとき、やめてしまったという形のことを聞いて、ちょっとびっくりしたニュースとして自分も聞いておったように思います。また、それだけに住民も、この原子力の安全性という問題について非常に関心が高い。我が国も安全性の面においてはアメリカに劣らぬ、別に日米比較するわけじゃありませんけれども、日本の安全性も比較的高いという水準にあることを聞いておりますし、また先生もこの原子力エネルギーのいいか悪いかは別として、もう最小限必要エネルギーとして現実問題としてはかっちりとらえておられる上で、さらにその上に二重三重の安全、防災という形の中での御意見だというふうに私もお伺いしておったところであります。 したがって、やはり住民も納得する安全性、そういった形はどれだけやっても当然なことでございますし、これを法的にどういう形で義務づけるか、住民自治との問題、そして住民参加という形をどういった形で自治体を指導してまいるかという形については、もうちょっと時間をかしていただきたい。今ここですぐ法的に防災計画やるべしという形の御意見は、私も今ちょっとまだ不勉強な面もございますし、この面についてはよく委員の御指摘を踏まえて勉強させていただき、そういった方向で検討してまいることに努力したいということで御理解を賜りたいと思います。
○辻(一)分科員 これで終わりますが、今の大臣答弁をひとつ事務当局は具体化をするようにぜひお願いをして、また一年たって同じことを聞かぬで済むようにぜひお願いしたいと思います。終わります。
○工藤主査 これにて辻一彦君の質疑は終了いたしました。 次に、吉井光照君。
○吉井(光)分科員 私は、まず山陽新幹線の新駅設置についてお尋ねをしておきたいと思うのですが、まず新幹線整備の方向性についてお尋ねをいたします。 御承知のように、昭和六十二年の六月に決定をされました四全総の掲げたテーマ、これはいわゆる国土の均衡ある発展を目指した多極分散型国土の形成でございます。その中で、地方分権、分散及び地域の活性化といっても、その基盤としていわゆる交通網の整備、特に高速度交通機関であるところの新幹線の整備、これはもう不可欠の条件となってまいります。また、さきに発表されました日米構造協議の中間報告におきましても、生活関連を中心とした公共投資の拡大、これがいわゆる日本側の意見として提示をされているわけですが、こうしたものとの関連でも、今後新幹線の整備というのがどのように進められていくのか、まずこの点についてお尋ねをしていきたいと思います。
○澤田説明員 お答えいたします。 先生御指摘の昭和六十二年六月に決定いたしました第四次全国総合開発計画、この中の「計画実現のための主要施策」の中で、「定住と交流のための交通、情報・通信体系の整備」というのがございまして、この中の「高速鉄道」のところで新幹線関係に触れております。その内容は、「総合的な高速交通体系の中で、輸送需要に即したより効率的で質の高い鉄道輸送体系の整備を図る。 このため、全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画五線については、国鉄改革の趣旨をも考慮して、逐次建設に着手する。」となっております。これを踏まえまして、整備新幹線の進め方につきまして鋭意検討しておりましたが、平成元年一月になりまして、整備新幹線の建設の基本的なスキームというものが決定いたしました。それに従いまして、今後着実に整備新幹線の整備を行っていきたいというふうに考えております。
○吉井(光)分科員 そこで、ちょっとお尋ねをしておきたいのですが、最近の新駅の設置状況それから営業状況といいますか、ここらについてちょっと御説明を願いたいのです。 御承知のように、山口県におきましても全県一時間構想という構想を立てましてこうした高速鉄道網の整備充実に取り組んでいるわけですが、最近、山口県ではこうした新駅は設置をされておりません。ところが広島県あたりになりますと、新尾道それから東広島、こうしたところも設置をされているわけですが、最近の設置状況それから営業状況、おわかりになりましたらひとつお教え願いたいと思います。
○楠木説明員 御説明いたします。 最近の新幹線の新駅の状況でございますが、昭和六十二年四月の国鉄の民営化以後でございますけれども、まず東海道・山陽新幹線に新富士、掛川、三河安城、新尾道及び東広島、この合計五駅が設置をされまして、昭和六十三年の三月十三日から営業いたしております。続きまして、東北新幹線にくりこま高原駅が設置をされまして、本年三月十日から営業しております。 以上でございます。
○吉井(光)分科員 営業状況はわかりませんか。
○楠木説明員 今申し上げた日にちで営業し、こだまタイプがとまっておるということでございます。
○吉井(光)分科員 じゃ、この新幹線の新駅が果たして営業状況はどうなっておるのか、赤字なのか黒字なのか、その点はいかがですか。
○楠木説明員 ただいまちょっと手元にその資料を持っておりませんので、後で調製いたしまして先生に御説明したいと思います。
○吉井(光)分科員 そこで、山口県の先ほど申し上げました二つの駅ですが、今、防府市とそれから山陽町の厚狭駅、この二カ所で計画されているわけです。 まず防府市でございますが、これは昭和六十三年に市議会にいわゆる新駅問題を研究する交通綱整備促進対策特別委員会、こういったものができまして、そして今調査をしておるわけでございますが、これまでの調査結果によりますと、徳山・小郡間が四十四・三キロ、したがって、この間に設置しても距離的には問題ないであろう。また、市中心部などへのアクセス、それから駅前広場などの周辺の開発も可能である。そしてホームは延長四百十メートルで、十六両編成の新幹線の停車にも対応できる。それから予想乗降客も一日三千人から四千人が見込まれるのではないか。それから総事業費は約六十五億円程度と見ておりまして、地元住民団体からの強い要望もあるわけでございます。この防府市の新駅設置は、県発展の推進力となります中核都市圏構想、このかなめの一つとなるだけに、私はこの設置意義も非常に大きいと思います。 一方、山陽町の厚狭駅でございますが、これも小郡—新下関間が六十一・七キロ。この厚狭駅の新設につきましてはもう早くから取り組んでおりまして、昭和五十年には宇部市など四市八町で設置期成同盟会をつくりまして、そして運輸大臣それからJR西日本、こういったところにも積極的に要望をしております。この厚狭駅は、御承知のように北長門、秋吉台という国定公園それから湯本温泉等のいわゆる県の観光レジャー産業の発展の主要な役割を担っているわけでございます。 そこで、この新駅設置につきましては、高速交通機関としての機能を阻害する危険性もあることから、政府としてもある一定の条件のもとにその設置を認めることになっていると思いますけれども、どういう条件が必要なのか、またこの二つの駅については条件的にどうなのか、おわかりになったらひとつお教え願いたいと思います。
○楠木説明員 御説明いたします。 新駅設置の条件につきましては、大きく分けて二つございます。 一つは、新駅の設置につきましては鉄道事業の基本となる事項でありますので、その計画につきましては、旅客会社すなわちJRの経営判断として行う問題でありますので、それが地元の合意をとって上がってくるということがまず第一でございます。 それから、さまざまな技術的な問題点が細かく分けますと四つ五つございます。主な点を申し上げますと、運輸省といたしましては、まず第一に、十分な利用者がありまして経営収支を悪化させないこと、第二に、ダイヤ設定上支障がないこと、第三に、勾配、線形等から見て技術的に問題がないこと、第四に、駅周辺地域の整備等について地元や地方公共団体の協力が得られること、こういうことがありまして、最初に申し上げました大きな条件であります旅客会社において総合的に判断をしていただくと考えております。 具体的にこの両駅につきましては今地元で調整が行われていると聞いておりますけれども、このような条件が満たされれば、私どもとして会社の判断を待って適切に対処する所存であります。
○吉井(光)分科員 そこで、建設になりますというと、どうしても地方負担ということが問題になるわけでございます。特に地方に参りますと、過疎化が進むにつれて財政力も当然弱くなってくる。その一方で、地方の活性化のために新幹線の新駅を設置しようとする。そこで、先ほど申し上げましたように地方負担がどうしても大きくなって、これが一番大きいネックになっているようでございます。 ところが、この地元負担に関しまして、大臣が去る四月十四日に鹿児島市で行われた記者会見で、整備新幹線問題と絡んで、「自治省としては、地元負担は地方債の措置を講じて、自治体の財政運営に支障が生じないようにしたい」このように述べられたわけでございます。これは地元負担の軽減について非常に前向きの姿勢である、こういう報道がされておるわけでございますが、これは事実なのか。また事実であるとすれば、これは整備新幹線についてそうおっしゃったのか、在来の、整備新幹線以外もこれと同じ考え方でいいのか、この点お答えをいただきたいと思います。
○奥田国務大臣 過日の鹿児島発言はそのとおりでございます。整備新幹線については、JR、国及び地元負担に関するルールを明確に定めております。したがって、地方団体の負担については地方債の発行を認めるということにしたわけでございます。これは間違いございません。 ただし、これは整備新幹線に関する形での問題でございまして、在来新幹線においては、新駅設置についても本来的にはJR各社が負担すべきものであります。したがって、地方団体の負担に関する考え方は、細部にわたっては政府委員から答えさせますけれども、整備新幹線の場合とは当然異なったことになるわけでございます。
○持永政府委員 補足して申し上げますが、整備新幹線につきましては今大臣からお答え申し上げたとおりでございます。 在来新幹線の新駅設置の問題でございますけれども、これにつきましては、昭和五十八年の法律改正によりまして、当分の間、地方団体が補助できることになったわけでございます。その際の考え方といたしましても、本来的には、当時でいえば国鉄が負担すべきものであるけれども、あのときの国鉄の財政状況は非常に厳しいということから、当分の間、地方団体は補助できるという道を開いたという考え方でありまして、そのことは国会の御論議の中でも出ているわけでございます。 そういうことで本来的には国鉄が持つべきものだという大前提がございますので、地方団体が仮に補助をするにしてもできる範囲でやっていただくことが適当ではなかろうか。したがいまして、地方債を措置して、つまり将来に負担を残してまで補助するのはいかがなものかという考え方でございます。整備新幹線は元来地方が負担するということから出発しているわけでございますから、その違いがあるということを御理解いただきたいと思っております。
○吉井(光)分科員 それでは話題を変えまして、調整交付金のことについてお尋ねをしたいと思います。 合衆国軍隊の基地を構成する国有提供資産及び米軍資産については、臨時特例法第三条によりまして、いずれも固定資産税は課せられておりません。一定の国有提供資産は、自衛隊が使用する一定の固定資産とともに基地交付金の対象とされているわけでございます。一方、米軍資産は基地交付金の対象とされておりません。同じく基地を構成する資産でありながら、その使用の実態も同様でありながら、一方は基地交付金の対象とされ、一方は対象とされないという不均衡があるわけでございます。また、施設等所在市町村は、臨特法によりまして、米軍資産に係る固定資産税のほか、住民税の非課税措置等によって税財政上特別の影響を受けているわけでございます。調整交付金は、こうした事情を考慮いたしまして創設された財政補給金的な性格を有する交付金でございます。 ところが、基地を抱える岩国市はその対象となっているわけですが、調整交付金は、調整交付金交付要綱によりますと、施設等が所在する市町村に対して毎年度予算で定める範囲内で交付されることになっているわけでございますが、その総額を見ますと、昭和五十六年度から六十三年度まで五十二億のまま八年間ずっと据え置かれているわけです。過去におきましてはいずれも五年ごとに増額されているわけですけれども、なぜ今回八年間と、三年間もオーバーしたのか。また、五十六年度の対前年度の伸び率が四・〇%であったのに平成元年度の対前年度伸び率が三・八%とダウンしたのはどういうわけなのか。また、調整交付金本来の性格から言うならば、固定資産税それから住民税に見合うような増額がなされなければならないと思いますけれども、これらの点についてお尋ねをしたいと思います。 〔主査退席、井出主査代理着席〕
○湯浅政府委員 基地交付金と調整交付金との関連の御質問でございますけれども、御案内のとおり基地交付金につきましては、国が米軍に提供したりあるいは自衛隊が直接使用する施設についての交付金でございます。それに対しまして調整交付金は、御指摘のように米軍が持っている資産について、基地交付金と均衡をとりながら、やはり一定の補給金を交付すべきであるということででき上がっているものでございます。そういう意味におきまして、調整交付金につきましても米軍の基地、米軍の持っている資産の価値を一応前提にいたしまして、それと、米軍がいるということに関連して起こってまいります市町村の税財政上のいろいろな影響を勘案して総額を決めて、これを関係市町村に配分するということでやっているわけでございます。 そういう意味で基地交付金と調整交付金は常に一体の考え方で私ども運用しているわけでございまして、岩国基地の場合を見てみますと、自衛隊が直接使用する部分と米軍が使用する部分と二つを共用で使っているということでございまして、自衛隊や米軍に国が提供している部分につきましては基地交付金が交付される、米軍が持っている資産については調整交付金を交付するということで、岩国基地の場合には両方の交付金が交付をされているということでございます。 御指摘のように、この基地交付金と調整交付金につきましては昭和五十六年度以来八年間同額でございました。これは、一方では固定資産税の代替的性格であるということと同時に、基地の所在する市町村のいろいろな財政事情に対処するための財政補給金としての性格をあわせ持つということで、国の予算上は補給金という形で計上している関係で、最近の財政状況が極めて厳しい中で何とか据え置きを確保するのが精いっぱいの状況でございました。平成元年度には、その中でも総額の四%の増額をいただきまして現在に至っているわけでございます。 今後とも基地交付金、調整交付金の性格をよく考えながら所要額の確保に努め、また、関係市町村の状況というものをよく勘案しながらその配分に努めてまいりたいと思っているところでございます。
○吉井(光)分科員 岩国基地は御承知のように米軍と自衛隊の共用ということで非常にややこしい問題もあると思います。 そこで、基地交付金の対象資産の拡大についてでございますが、基地交付金制度は、当該施設が市町村の区域内に広大な面積を占有して、かつ市町村財政に著しい影響を及ぼしていることを考慮して、基地所在市町村に対して固定資産税にかわる安定した一般財源を付与するために設けられたいわば財政補給金的性格を有する交付金、対象市町村は国有財産法の第二条に掲げられているいわゆる対象資産が所在する市町村で、これには当然岩国市も入るわけでございます。ところが、その対象資産に自衛隊の使用する港湾施設や営舎施設などが外されているわけですね。私はこれをやはり対象資産に加えるべきではないかと思うわけですが、いかがですか。
○湯浅政府委員 国がみずから公用に利用するという資産につきましては、御案内のとおり固定資産税は本来非課税でございます。しかしながら、今御指摘のように自衛隊が使用する固定資産あるいは米軍が利用する資産につきましては、この市町村の区域内に広大な面積を持っている飛行場だとか演習場だとか、あるいは他の公用財産には見られないような特殊な影響を及ぼします弾薬庫とか燃料庫というようなものに限定いたしまして、この市町村の財政に与える影響を考えながら基地交付金というものを交付するということになっているわけでございます。そういう意味で、本来は国が所有して直接利用するものはもともとは固定資産税であるということから出発いたしまして、すべての資産につきまして基地交付金の対象にするということはなかなか難しいわけでございます。 しかしながら、各地方団体からも今御指摘のような港湾施設とか営舎施設につきましても基地交付金の対象にするようにという非常に強い御要望が出ていることも私ども承知いたしております。これは今後の努力目標として、これからもそういう問題をよく念頭に置きまして基地交付金の所要額の確保に努めてまいりたいと思っております。
○吉井(光)分科員 非常に財政的にも厳しいということもよくわかっておるわけでございますが、もう一点、総額のアップについてもぜひともお願いをしておきたいと思うのです。 先ほどの調整交付金と同様に、この基地交付金の総額も八年間据え置かれたわけですが、平成元年度予算では、今おっしゃった四%増の二百七億五千万とされたわけでございます。しかしながら、基地交付金の対象資産価格に対するところの交付金額の割合が元年度で〇・八一%と固定資産税の標準税率の一・四%を依然として大きく下回っているわけです。先ほど言ったようにこの制度が固定資産税に淵源を発する制度であるとするならば、せめて固定資産税の税率の一・四%相当の総額があってしかるべきだ、このように思うわけでございますが、これは答弁は結構です、この総額のアップについてまた格段の御努力をいただきたいと思います。 それとともに、台帳価格の改定期間の見直しですが、国有財産台帳価格の改定は、国有財産法施行令第二十三条の規定によりまして五年ごとということになっております。これもやはり固定資産税における三年ごとの評価がえに改めるべきではないかと思うのですけれども、この点はいかがですか。
○湯浅政府委員 基地交付金を配分する際の基礎となります資産の価格につきましては、御指摘のとおり国有財産台帳の台帳価格を用いているところでございます。この台帳価格は各省庁の長が五年ごとに改定することになっているわけでございまして、やはり国有財産の台帳価格を基礎に使うということが基地交付金を配分する際の一番公平なやり方ではないかというふうに考えるわけでございます。この国有財産台帳の台帳価格を基地に関してだけ三年ごとに評価がえをするということは、現実の問題としてもかなり難しい問題もあろうかと思いますので、この点につきましては今後の検討課題ということで御了解をいただければと思うわけでございます。
○吉井(光)分科員 そこで、土地税制の改革と交付金の見直しについてでございますが、御承知のように四月六日、政府税調は土地税制に関する小委員会を設置いたしまして、税制面から抜本的な土地対策の検討に入り、そして十月には報告書をまとめて、平成二年度中には法案を国会に提出をしたい、こういう報道がなされているわけでございます。当然そこでは改革の大きな柱となる固定資産税が見直されるのではないか、このように思うわけですが、もしそうなった場合、やはり基地関連交付金も当然見直しをされる、このように理解してよろしいですか。
○湯浅政府委員 御指摘のとおり、ただいま税制調査会におきまして土地税制の総合的な見直しの検討に入っているわけでございます。これはあくまでも税制ということで、国税、地方税を通じまして取得、保有、譲渡等の各段階におきまして、現在課税されている土地税制につきまして、税制の整合性をとりながら土地対策に対応すべく今いろいろな御論議をしていただいているところでございます。そういう意味から申しますと、この税制というのはあくまでも国民の税負担との関連でいろいろと議論をするという問題でございますから、基地交付金あるいは調整交付金とはやや性格の違うものでございます。したがいまして、土地税制の総合的な見直しの中でこの基地交付金、調整交付金を一緒に論議するということは、これは難しいのではないかと思うわけでございますが、固定資産税その他の土地税制の方向づけが決まった段階で基地交付金、調整交付金との間に調整を加えるべき必要性が出てくるということになりましたら、その段階でまたいろいろな御論議をしていただこうということを考えておりますが、現段階では、税制は税制、基地交付金、調整交付金は一応別のものということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○吉井(光)分科員 では、最後にひとつ大臣の御決意をお伺いしておきたいと思うのです。 御承知のように、超高齢化社会に備えるために、政府は今年度からいわゆる「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、これをスタートさせたわけでございますが、このゴールドプラン実現の成否は、その受け皿であるところの体制づくりに市町村がどれだけ真剣に取り組むか、これで決定するのではないかと思うわけでございます。それにはやはり、市町村のやる気は当然でありますが、そのやる気を支えるところの国の強力な財政支援、これがあって初めて可能になるのではないかと思います。どうか地方交付税等のバックアップによってこのゴールドプランが絵にかいたもちにならないようにひとつ強く要望を申し上げておきたい、このように思います。大臣の御所見でもあれば、ひとつお聞かせをいただければ幸いと思います。
○奥田国務大臣 この十カ年戦略に関しまして市町村自治体の負担が相当ふえるということは事実でございます。特にきめの細かいサービスという形で、ホームヘルパーなりデイサービス、ショートステイ等々が新しく市町村自治体の福祉サービスになってくるわけでありますし、施設入所のそういった措置権も府県から地方自治体に移譲されるという形も含めまして、これによってきめ細かな福祉サービスができるということで私は大いに期待しております。 地方財政の負担分に関しましては、細かく数字を挙げての説明は今財政局長からさせますけれども、積極的に、適切に、そういった負担措置はやってまいりたいと思っております。
○吉井(光)分科員 では、以上で終わります。
○井出主査代理 これにて吉井光照君の質疑は終了いたしました。 次に常松裕志君。
○常松分科員 昨今、救急医療体制の問題について大変世論でも関心が高まっているわけであります。私もこの問題については大変関心を持っております。と申しますのは、あるいは大臣も経験があるかもしれませんけれども、私の非常に近しい友人の方が交通事故に遭った。大変重い交通事故であったのですけれども、幸いにして気は失わないで、意識ははっきりしたままの状態で、大量に出血をした。そうすると、意識があるわけですから、救急隊員の方々がいろいろ話をしているのが全部聞こえて、今でも意識に残っているわけです。いやこれはひどい出血だなとか、電話するけれどもどこも受け入れてくれない、ここも受け入れてくれないというふうな話を耳で聞いて大変不安な思いをしたなんという話を聞いたことがあります。あるいは私の非常に尊敬している文化人の方で、森澄雄先生という日本の大変有名な俳句の先生がいらっしゃいますが、その方の奥さんなんかの場合も、結局救急車で搬送されたのですけれども、なかなか適切な病院に行き当たらずに、あたらかけがえのない命を失われた。そういうお話を最近よく耳にしたり聞いたりするわけです。そこで、きょうはこの救急車の問題、救急医療体制の中でも救急車の問題に少し絞ってお尋ねをしたいと存じます。 御存じのとおり、交通事故で亡くなられる方が大変ふえています。これはもう数字を申し上げる必要はありませんが、平成元年度では一万一千人を超える。車社会の進展に伴いまして交通事故で亡くなる方が大変ふえているという事情があります。一方、亡くなる要因といたしまして、がんが一位ですけれども、近年は心疾患、心臓病でお亡くなりになる方、あるいは脳血管疾患、脳溢血とか脳梗塞とかこういう疾病によってお亡くなりになる方が大変ふえているという点についても御存じのとおりでありまして、車社会の進展あるいは高齢化社会の進展に伴いまして、こうした疾病に対する救急医療あるいは救急隊員による応急処置というものが非常に大切ですし、今のままであっていいのかということが大変大きな問題だろうと思います。 特に、これは既に自治省消防庁などで発表している資料でございますからこれまた改めて申し上げる必要はないわけでありますけれども、例えば蘇生率であります。東京消防庁管内の昭和六十三年中の蘇生率でございますけれども、救急隊が現場に到着した時点での仮死状態、心肺停止状態に陥っていた方々に対して心肺蘇生処置を行った数は五千九百八十一人でありました。初診時に蘇生した率は四五%、そして七日後まで生存した率というのはわずかに七・二%。ところが大臣、アメリカでは、これは心臓発作に限っているわけですけれども八〇%にも達しているという、こういう数字がございます。 先ほど申し上げました転送、いわゆるたらい回しですけれども、昭和六十三年中に全国で四万二千六百八十人もの方々がこの転送が行われている。その転送の理由は、処置が困難であるとか、あるいは専門外ということで転送されている。ということになりますと、これは現場の救急隊と受け入れる病院の側との連絡体制さえうまくいっていれば、こういう転送、たらい回しということはせずに済むということを明らかに物語っております。 特に私は問題があると思いますのは、救急隊員の行う応急処置、応急手当てについてであります。これが本当に今車社会になって大変深刻な交通事故が起こり、重症の状態になっているとか、あるいは急性の心不全あるいは脳溢血、こういった事態のときに、今のままの応急手当てで果たしていいのかどうなのかという点についての疑問も実は持っております。こうした救急医療体制、とりわけきょうは自治大臣の所管でございます救急車の体制の現状についてどんなふうに大臣が御認識か、ぜひ承りたいと存じます。
○奥田国務大臣 最近出されました東京消防庁のそういった面の審議会の答申につきましてはまた後ほど政府委員から話させますけれども、私の率直な認識ということですから、率直に答えさせていただきます。 今委員はアメリカとの比較を例に出されて、はっきり言うと我が国の応急救助体制というか、こういった形は非常におくれておるという御指摘であったようにお聞きいたしました。確かに今、車社会のあり方で人命尊重という形を改めて問いたださなければならない大事な時期に来ておるのではなかろうか。死亡事故も車だけでも一万一千人を突破したという話でございます。しかも、今委員のお話を聞いておりながら、心臓発作というか停止で、それを途中で何らかの応急手当てができればもっと助かるべきものであろうのに、四五%という数字を御提示なさいましたけれども、私も大変残念だと思います。これは、単に救急で行って乗せて運ぶだけならだれでもできるので、その間に心臓がとまっていることがわかっていて、それに対して何の——これは厚生省と、いろいろ医療手当てについての問題はあるかもしれませんけれども、せめてとまっている心臓ぐらいやるのにそんな人工的な手だてだけじゃなくて、これは電気医療でも何でもとまっているものを動かす形でお医者さんのところまで運ぶ、そういった形も全部に一体できているのかどうかという形になると、まだ非常に不安があります。理想的なことを言えば、ドクターカーなりそういった形が理想的ですけれども、それが今急激にできることでないとすれば、とにかく救急の隊員に、消防も警察も含めてそういった心臓の蘇生の応急技術あたりは当然訓練カリキュラムに入れてやるべきであろうと思いますし、何らかここで医療と救急、救助との接点をもっと真剣にお互いに検討し合って、今この四五%という数字がせめて六〇、七〇までいくように努力させたいと思っております。
○木村政府委員 現在全市町村の九三・六%が救急業務を実施し、国民の九九%はこれでカバーされて、年間二百五十五万回出場し、二百五十万人を搬送いたしております。転送、いわゆるたらい回しも、いろいろお気の毒な事件はあるのですが、全体的には非常に減ってきているということは言えます。そして、救急告示病院も六千カ所近くにふえておりまして、全体としては充実してきたと思いますし、概して言えば救急隊員は親切で献身的であるというふうに考えられているのではないかと考えておりますが、御指摘のように救命率が低いというのは決定的な弱点でありまして、これを改善していくのが今後の課題、こういうふうに考えております。
○常松分科員 ありがとうございます。大変前向きの御答弁なんでございますけれども、実は前向きの答弁というのは既に過去において各自治大臣から何度も発言がございます。例えば、昭和六十年ぐらいからしか私も調べてはございませんけれども、昭和六十年ですからもう約四年半前でございますが、地方行政委員会で、当時の関根政府委員は、「医療行為プロパーの話になりますとこれは厚生省所管の医療行政の中の問題でございますので、そちらでも十分御努力をいただきたいと思いますし、また消防との関連においては厚生省と我が方で十分必要な連絡はとっていきながら、全体として救急医療体制の整備に努めていきたい」というふうに御答弁なさっています。あるいは、ドクターカーのことについて自治大臣から今言及がございましたが、このドクターカーの問題につきましても昭和六十一年三月二十七日に地方行政委員会で当時の小沢国務大臣の御答弁があります。「本当に救急医療の効果を上げることができることは御指摘のとおりであります。今試験的にやりながらそのいろいろな問題点の把握に努めておるところでございますが、今後とも十分検討してまいりたい」また「救急体制の万全を図るよう最善を尽くしていきたい」。同趣旨の御答弁は梶山自治大臣が昭和六十三年五月十三日、そして去年の十一月には消防庁の木村政府委員がこの救急車の問題についてほぼ同趣旨の御答弁をなさっているわけです。ところが現状は全然解決されていないといいますか、大臣は救命率のことを言いましたけれども、大臣、蘇生率は七・二%ですから、社会復帰しているのは日本では七・二%、アメリカは八〇%ですから、これは惨たんたる状況なわけです。では、今までこういう委員会その他で前向きな御答弁がありながらどうしてこの救急車の問題について壁が変わっていかないのかという点であります。 私が特にこの際ぜひ申し上げたいと思いますのは、消防法の問題です。消防法の二条の九項、そして三十五条の五、ここらをあわせて解釈いたしますと、ここでは御存じのとおり救急隊は「緊急やむを得ないものとして、応急の手当を行うことを含む。」ということがこの搬送の中身としてわざわざ法律の中に記載をされているわけであります。今現実に救急車がやっている応急手当てというのは御存じのとおり気道の確保とか人工呼吸とか酸素吸入です。しかし、これが例えば脳内出血であるとか心筋梗塞、心不全であるとかそういう今の非常にふえている疾病についてこういう応急手当てで本当に必要な応急手当てと言えるのかどうか。この点について、自治省そして消防庁はこの法律の規定を遵守してもっと積極的に踏み込んだ救急業務を行う必要があるのじゃないかというのが私の思いでありまして、そこのところが突破できませんと、何度答弁されても、何度議論しても、前に進まないのじゃないか、こんなふうに思うので、その点ぜひひとつお伺いをいたしたいと存じます。
○木村政府委員 御指摘の第二条九項の「緊急やむを得ないものとして、応急の手当を行うこと」という規定は、私どもはそういった心肺機能が停止した人の蘇生につきましては医療行為も含む相当のものを許容する条文であると考えております。 ただ、現在は救急隊員が百三十五時間という教育で従事することを認めておりますが、例えばアメリカのパラメディックは一千時間ぐらい教育を受けている。したがいまして、この条文で救急隊員が一体何ができるかということは、社会的な情勢でありますとか、医術の現状でありますとか、あるいは救急隊員の、これが一番大切でありますが、教育訓練がどの程度行われているかということの基礎の上に、専門家である医師や関係機関や救急隊の関係者のコンセンサスが成り立ってできていくのだろう。今私どもの消防庁が示しております応急手当ての基準は、百三十五時間を基準として、ここぐらいならばやっても大丈夫だろうということが書かれております。したがいまして、私どもの方針としては、今後は、今救急隊長をさらに百十九時間余計に訓練してもう少し上に進んでみようとか、いろいろ模索をしておりますが、そういうことで教育訓練の高度化というものを実践しながら拡充を図っていきたい。そういう時代が実は来つつありまして、東京消防庁の答申はやはりそういう時代を踏まえた現場からの御提言ということで評価をしているわけでございます。
○常松分科員 そうすると、消防法の二条の九項で応急手当てを施すというその中身が、現在の救急隊員の方々がおやりになっていることでは、疾病の現状その他から見て不十分だ。蘇生率がわずか七・何%ですから、そういう状況からして極めて不十分なんだ。この法の趣旨に合致しないんだ。自治省としてはもっと厚生省とも連絡をとりながら、救急隊員の中身をこの法律が義務づけているものにまで押し上げていこうというふうに考えているということでよろしいわけですね。
○木村政府委員 先ほど申しましたように、緊急やむを得ないものとして行う応急の手当てというのが、百三十五時間という教育訓練の時間を基礎とすれば今の状態ぐらいが関の山ではないか。これに対して、例えば東京消防庁はもう少し、二百時間ぐらい教育されて、普通の他の小さな消防本部の救急車がやることよりは少し上をいっておられるわけであります。でありますから、教育訓練を拡充することによって蘇生術の範囲を高めていくということが今後の緊急の課題であろう、こういう認識でございます。
○常松分科員 そこで、今後の問題についてもう少しお聞きをいたしたいわけであります。これもこの過去の委員会の中で再三にわたって指摘をされているわけでありますが、例えば全国的に見ますと、松本市や西宮市ではドクターカーのシステムというのが試験的に行われています。試験的に行われておりますけれども、これが散発的で、自治省なりがこれをもっと広げていこうとか、厚生省がこれを財政的にバックアップしてもっと全国に広げていこう、そういう情熱がどうもないように感ずるわけですね。あるいはオーストリアではお医者さんが救急車に同乗することが義務づけられているとか、先ほどから話になっているアメリカで言えば、パラメディック制度で八百時間から一千時間の教育訓練を施して、お医者さんの指導のもとに救急隊員が相当な応急の手当て、救急業務を行っている事実もあるわけですね。ですから、やればできるわけですし、やはりやる気になってもらうことだと思うのです。 そこで、先ほどからくどくて申しわけないのですけれども、まず一つは、その応急手当ての中身、あの規定を正確に今日の実情に合ったものとして受けとめていただいて、そして救急隊の方々に対して、二百時間なんて言わないで、もっと本当に現状に合った教育訓練を施すような措置を当然自治省もとるべきです。同時に、厚生省にも来ていただいておりますからこれは厚生省からも伺いたいのですけれども、やはりこれはお医者さんのバックアップ体制がなければ無理です。先ほど病院と救急隊との連絡が非常に不十分で、たらい回しみたいなことがまだまだ後を絶たないということを私申し上げましたけれども、パラメディック制度にしても、また、一体どこに搬送したらいいのかということにしても、医師と救急隊との協力関係、省庁で言えば自治省と厚生省との協力関係というものが本当に保たれていかなければ、あたら助かる命を失うという状況がまだまだこれからも続くと思うのです。とにかく助かる命は助けるという点に立って、両省の密接な御協力のもとに救急業務、救急隊の体制を抜本的に改めるというふうにしていただきたいと思います。 同時に、この際ですから、厚生省の方でも救急医療体制についての検討会も持っておられるやに伺っておりますので、救急車の問題だけではなくて、救急医療体制全体についての厚生省の研究についてもあわせて承れればと存じます。
○木村政府委員 ドクターカーにつきましては、私どもも一つのいわば理想的な形であろうというふうに考えております。現在、二百五十五万件の出場の中で医師が御一緒に行っていただいたものは一万一千二百七十九件と極めて限られているわけで、それもその都度お医者さんに依頼をして来ていただくというのが大部分でございます。そうしますと、救急車が現場に到達するのが平均五・八分で行って、そして日本の場合は病院も比較的近いわけですから、お医者さんを頼んで来ていただく時間に本当はもう病院に行けてしまうじゃないかというような話もございます。それからもう一つは、二十四時間で救急の専門のお医者さんをお願いしておくということは行政的にも財政的にも、またお医者様の数からしても不可能だということで、なかなかうまく進まない。ですから松本市や西宮市でやっておりますものについては私どもも心から応援をしているわけでありますが、全体としてはなかなか進まない。そこで、むしろ救急隊の充実というものを例えば東京消防庁の懇話会は提言しておられる、こういうことでございまして、御理解をいただきたいと思います。
○澤説明員 救急医療対策につきましては、初期、二次、三次救急体制といった体系的整備を計画的に推進してきました結果、夜間、休日を含めまして一般的な疾病の救急隊の体制はおおむね整ってきているのではないかというふうに思うわけでございますけれども、冒頭先生の御指摘がございましたように、脳卒中とか心筋梗塞あるいは頭部外傷の高度専門的な医療技術を要する救急医療体制の整備、あるいは先生ずっと一貫して御指摘いただきました患者搬送の途上での医療体制についてより一層力を入れていく必要があるかなというふうに思うわけでございます。 それで救急現場あるいは搬送途上の医療についてでございますけれども、この視点から申しますと、第一に救急患者さんの医学的判断がいかに的確に行われるかということ、それから第二にその医学的判断に基づきだれが応急処置を行うかということが大きくあろうかと思います。まず医学的判断はやはり医師がするのがベストであろう。その処置につきましては、救急車に医師が同乗するとか、看護士、看護婦の確保を図るとか、救急搬送隊員の能力を向上していただく、あるいはアメリカのパラメディック、そのようないろいろな体制があろうかと思いますけれども、厚生省も救急現場、搬送途上の医療は非常に重要な問題と考えております。現在、救急医療体制検討委員会という委員会がございまして、これは昨年九月に発足しておるわけでございますけれども、そこで十分検討していただきまして、できるだけ早く御報告をいただいて今後の整備に当たっていきたい、そういうふうに思っております。
○常松分科員 最後になりますけれども、自治大臣、私は救急隊員にも友人がいます。自分の目の前であたら助かる命が助からないという現場の救急隊員の方々の気持ちも察していただきたいと思いますし、同時に、そういうことで亡くなっていく患者さんの家族の気持ちに立っていただいて、一刻の猶予も許せない事態だと思いますので、今までの答弁もずっと繰り返してきているわけですから、今度は抜本的な気持ちに立っていただいて、救急隊、応急手当ての中身を変えたり、ドクターカーあるいはパラメディック制度などを総合してぜひ実施していただくように強く要望いたします。
○奥田国務大臣 さっき、六十年代からの、消防庁長官の関根君の意見を初めとしていろいろな各大臣の話を引用されましたけれども、それらが実ってきつつあって、ちょうど今熟してきているという段階なのです。これは縦割りの役所の関係上、例えば今応急隊員にそういったパラメディックな形をさせるかさせないかということは、今ここに厚生省からも来ておりますが、今の話にあったとおりお医者さんとの関係もございます。看護婦のそういった形の資格問題もございます。そういう中でずっとやり合ってきたのです。歴年の大臣が主張してきた形がようやく今前向きな検討態勢に入って、厚生省も応急処置については今前向きな形で理解を示してきているのです。今がチャンスだと思っております。 そういった面において救命率を高めて、今すぐアメリカのようなパラメディックにしろと言っても、今の訓練時間を含めてなかなか無理ですし、ドクターカーにしろと言っても、特異な例ならできるかもしれませんけれども、全部の救急車にそんなことができるわけではありません。したがって、応急処置を医療との関係等の打ち合わせの上でまさに今やるべき時期であるし、また、時期が熟しておるわけですから、今までの歴年の大臣が決してきれいごとを言ってきたのではなくて、その過程の積み上げの中でちょうどいい時期に来た。私の時期に必ず何とかこの問題に扉を開きます。
○常松分科員 ありがとうございました。よろしくお願いします。
○井出主査代理 これにて常松裕志君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ────◇───── 午後一時開議
○工藤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 自治省所管について質疑を続行いたします。近江巳記夫君。
○近江分科員 私は、救急医療体制の整備促進につきましてお伺いしたいと思います。 最近の高齢化あるいは成人病の増加等を反映いたしまして、呼吸器あるいは心臓が停止してから運ばれるケースというものが非常にふえておるわけでございます。いただきました資料を見ますと、昭和六十三年中におきます救急出場件数というのは二百五十四万七千七百件、搬送人員が二百四十六万八千二百三十九件、こういう膨大な数値が出ておるわけでございます。最近、交通事故も激増いたしておりまして、交通事故によります救急出場件数というのは五十九万四千百二十四件、全体の二三・一%、また搬送人員が六十六万二千二百五十二人、全体の二六・八%を占めておる、こういうことでございます。交通事故によります死者、当局も努力していただいていることはよくわかっておるわけでございますが、昨年は一万一千八十六人、負傷者が実に八十一万三千二百一人、こういう状況でございます。 そういう中で指摘されますことは、いわゆる救急体制、それぞれ関係者に努力していただいておるわけでございまして、特に消防職員の皆さんの御努力には心から敬意を表するわけでございますが、しかし、そこにはまたいろいろな問題もあり、これが充実した体制であるならばもっと多くの人が助かっておったんじゃないか、このように言われておるわけでございます。そこで、充実しておればそういう犠牲者を救えたという痛切な反省に立って、大臣はこの点についてどのよ」つな感想をお持ちか、お伺いしたいと思います。
○奥田国務大臣 今委員御指摘のように、交通死だけでも一万一千人を突破したという現状、また交通負傷者も八十万人近い、交通問題が第二次交通戦争とも言われるような大変厳しい状況にあることも事実でございます。しかも、最近の高齢化社会対応に従いまして、消防庁の救急業務というのが大変な件数に上っておることも事実でございます。 ただ、私にとって非常に残念なのは、救命率の向上をうたいながらも、我が国の現状と先進諸国、特にアメリカを中心としたそういった形のデータを比較いたしますと、こういった救急運搬の過程において心臓停止あるいは心臓発作等々に関して、もしも輸送中に一定の応急的な処置が施されるならば助かったであろうという形、救命率の現状からいって反省すべき点、多々あるわけであります。したがって、今後ともこの応急処置に関する、もちろん消防の方でもカリキュラムを組んで教育時間もふやして等々の努力はしておりますけれども、基本的には厚生省の所管に属することでもありますが、いわゆるパラメディックと申しますか、そういった形での制度導入も含めて研究してまいりたいと真剣に考えておるところであります。
○近江分科員 大臣、御答弁がありましたようにその辺の問題がやはり非常に大きいと思うのですね。 もう一つ、私が思います問題は、それは搬送の途中での点を指摘されたわけですが、今度は病院の問題なんですね。総合病院であっても救急救命の総合的なものを備えておるところは非常に少ないというような問題もやはりあるわけでございまして、病院到着までいかに充実したものにするか、また病院が一体本当に救命をするためのそれだけの体制を整えておるかどうか、高度な医療を持ちながらも体制の貧弱なことこの上ないわけでございまして、大きく分けて二つの問題がある、このように思うわけでございます。 そこで、今大臣もおっしゃいましたように、救急隊員の問題でございますが、諸外国のそういう業務内容を見てまいりますと、医療行為というものはかなり広範に行われておるわけですね。アメリカを例にとりますと、最低五百時間から一千時間に及びます高度の医療教育を受けたバラメディックと呼ばれております救急隊員によって、血圧測定、輸血、薬剤投与、注射等の応急手当てができるようになっているわけですね。このバラメディックによる心肺蘇生処置によりまして救命して社会復帰する人というのは、日本よりも格段に多いと言われておるわけです。そこに救命率におきましても大きな差が出ておるわけでございます。 こうした点につきまして、先般四月二十三日ですか、東京消防庁の救急業務懇話会が答申しているわけです。それからまた、財団法人国際交通安全学会が警察庁、建設省に対しても救急医療の高度化を求む、こういうことで提出をしておられるわけです。また、東京消防庁は救急隊員二十人を看護学校に入学させ、今後十年間で看護士の資格を持つ隊員を二百人養成する計画であると言われているわけです。また、都立病院にパラメディックスの養成センターを併設するために候補病院の選考を開始している、こういうような動きがあるわけです。今後そういう隊員のパラメディックの制度といいますか、それはやはり導入する必要がある、これは緊急の課題になっておると私は思うのですね。そういう高度な救急隊員をふやして、少なくともアメリカ並み、またそれ以上に持っていく必要がある、このように思うわけです。これには厚生省のいわゆる医師法との関係、いろいろなことがあろうかと思うのですけれども、そういう難しい問題はわかりますが、まず人命をどのように救命していくか、第一次の処置によってもう助かるべき人が犠牲になっていっているのですよ。こういうことを放置しておいていいかということなのです。 この問題について、これは消防庁と厚生省の大きな問題だと私は思うのですが、どうしますか。
○木村政府委員 御指摘のように、現在消防の救急隊員が行っております救急処置というのは第一次的なもの、あるいは若干の器具を使って行う救命処置でございまして、救命率が大変低いというのが問題にされているわけでございます。消防法第二条第九項に定めます消防隊の救急隊員が緊急やむを得ざるものとして行う応急の手当てが、いかなる医療行為まで含まれるかということは大変難しい問題でございまして、私どもとしてはその時代の医療の水準でありますとか、特に救急隊員の教育訓練の程度、知識、技術の高度化の程度でありますとか、あるいは一般の社会の要請の程度等によって決まってくるものであろうと考えておりますが、現在は、百三十五時間の教育訓練で救急業務に従事することを認めておりまして、各消防本部ではもう少しずつ長い時間を教育訓練しておりますが、その程度であります。したがいまして、現在私どもの消防庁で示しております応急手当ての基準に含まれているような一時ないしは若干の器具を使った救命措置というものに終わっているわけでございます。したがって、今後はもっと隊員の教育訓練を高度化いたしまして、そしてそれによって得られました知識、判断力、技術、その程度に応じて救命措置の内容を充実していくことが必要であろうと考えております。 東京消防庁の救急問題の懇話会が答申いたしました内容では、アメリカのパラメディックに近い内容の救命措置を実施したい、そのためにはもっと非常に組織的な教育訓練が必要であるからそれを今後検討するということになっております。自治省消防庁といたしましても、全国的な問題としてこれを考えますために救急業務の将来像に関する懇話会あるいは救急業務研究会というところで研究を続けておりまして、東京消防庁の提案も参考にして、さらに研究を急ぎ、施策に移していきたいと考えております。
○丸山説明員 先生お尋ねの救命率確保のための手当てを放置しておるのではないかというふうなお尋ね、また東京消防庁の懇話会の答申についてどうかというお尋ねでございますが、私ども厚生省といたしましても、搬送途上の医療の確保は大変重要な課題であると認識いたしておりまして、今回の東京消防庁の懇話会の答申も救急搬送現場の一つの声だろうと受け取っているわけでございます。 現在、医師法が医師でなければ医業を行ってはならないと定めておりますのは、医師の医学的な判断、技術がなければ人体に危険な行為を医師以外の者が行うことを禁止しているわけでございますけれども、現在でも救急隊員は緊急やむを得ない場合に人工呼吸、心マッサージその他の相当程度広範囲な行為を行うこととされておるわけでございます。この救急隊員の応急手当ての範囲についてはおのずから限度があると思いますけれども、いずれこの答申を受けた都の消防庁ないしは全国の救急搬送の指導に当たっておられる自治省消防庁から当方にも協議、御連絡があろうと思っておりますので、十分説明を伺いながら検討してまいりたい、かように考えております 特に、お尋ねのパラメディックの件でございますけれども、バラメディックはアメリカにおいて導入されたわけでございますが、それはまたそれなりの、要するに米国なりの事情があったのであろうというふうにも考えております。我が国におきましてはいわば医師がみずから行うこととされている行為を、米国においてはパラメディックという資格の職種が担っておるわけでございますけれども、この場合にいわば救急車内の医療と病院内医療とどう連携をつけていくか、また医療資格を定めている医事法規とどう調整をしていくかといったような問題がございまして、いわば本格的な医療が搬送途上の救急車の中で行われるべきであるとするならば、それを担う者としていかなる者がふさわしいかといったような視点から種々検討すべき問題であろうと考えております。 この点も含めて、私ども厚生省におきましても救急医療体制検討会という会を持ちまして、搬送途上の医療の向上のためのいかなる医療提供が適切であるかといった点につきましても含めて検討を続けておるわけでございます。
○近江分科員 デッド・オン・アライバル、いわゆるDOAという略称でございますけれども、し機能と呼吸が停止して一時的に死亡しておる状態の場合でも三分以内に処置をすれば助かる人が多い、社会復帰も可能だ、五分以上たつと危ない、植物人間になるだろう、このようにも言われているわけですね。このアメリカのパラメディックと我が国で許容されている救急隊員ができる範囲というのは格段に差があるのですね。例えば循環管理なんかを見ますと、アメリカは血圧測定、心電図、薬剤投与、注射、輸血、除細動、それからショックパット、これ全部認められておるのですよ。我が国はだめだ。こういう処置をすればどれだけ多くの人が助かっているかわからないのですよ。アメリカではそれだけの救命をしているわけですから、我が国も交通事故一つを見てもこれだけ激増しておる、また世界一の高齢化社会、いろいろなそういう救急に処置をしなければならぬ人が激増しているわけでしょう。ですから、これは少なくともアメリカを上回るそういうパラメディックの制度をつくり、そしてまた消防庁におかれても救急隊員のパラメディック養成のそういう機関も厚生省と協力してつくり、今約五万人弱の隊員もいらっしゃるわけでございますけれども、これは本当に焦眉の急だと私は思うのですね。本当に救命という崇高なそういう大目的に立って、両省が力を合わせてこれにひとつ真剣に取り組んでいただきたい、このように思うのです。その点が一つです。 それから、本来は医者が乗っていけば一番いいわけでございます。ドクターカーも、これは西宮なんかでやっていますけれども、全国何カ所なんですね。この効果が非常に上がっているように聞いているのですけれども、西宮の例はどうですか。
○木村政府委員 西宮のいわゆるドクターカー、これは救急隊の救急車に医師が乗っている場合もありますし、連絡し合って医師を頼んで現場に来ていただくというような形のいわゆるランデブーシステムというような運用も行われているようでございます。西宮の消防本部に問い合わせをいたしましたら、昭和五十四年十二月一日から平成二年三月三十一日まで、この春まででそういった形で出動した件数は比較的限られておりまして二百六十二件、そのうち蘇生術、CPRを実施した患者が百七十四人で、心拍再開に成功した方が七十九人、しかしながら、どういう関係でございましょうか、完全に社会復帰をした方は六人で、まだその救命率も三・四%と依然として低いということになっております。したがいまして、これあたりから見ますとドクターカーというのは、もう少し完全な形のものであれば、つまり五・八分という平均の到達時間で現場に到達する救急車の中に医師が乗っているならば救命率はもっと上がるのではないかなという、これは推測でございますが、そういう感想を持っております。
○近江分科員 ドクターカーも地域の医師会との協力だとか、非常にそういう点が一つのネックになっているということを聞いておるのですけれども、こういうことも含めて消防庁と厚生省は真剣にやはりかみ合った体制をつくっていただかないと、これは救われる人が見捨てられていくわけですよ。絶対に許すことはできないと私は思うのです。そういう点で、先ほど申し上げました第一のパラメディック制度の導入を今後されるかどうか、それをひとつお伺いしたいと思います。
○木村政府委員 パラメディック制度という形にいたしますのは、むしろこれは厚生省所管の問題になろうかと思いますが、消防庁の立場から申しますと、そういう制度ができることは大変望ましいことであろうと存じますが、当面は、私どもとしては救急隊員の教育訓練を格段と高める努力をしてまいるという方針でございます。
○近江分科員 消防庁長官からはその点は非常に前向きな御答弁が今あったわけでございますから、やはり厚生省もひとつ真剣に取り組んでもらいたいと思うのです。
○丸山説明員 先生御指摘のとおり、搬送途上の医療の確保というのは大変重要な課題であると認識しております。現在、私ども救急医療体制検討会の場で、搬送途上の医療の向上のためにいかなる医療提供が適切であるかということを重要な検討項目の一つといたしまして、検討を続けているわけでございますけれども、その中で御指摘のパラメディックの問題でございますが、米国で導入されたのはそれだけの米国の事情があったと推察をしておるわけでございます。我が国の医療の中でどのような形での搬送途上の医療を担うものが適切であるかといったことを、いろいろな選択肢がございますので、その中で適切なものが選択されるように検討をしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○近江分科員 その問題はひとつ真剣に取り組んでもらいたいと思うのです。 それから、交通事故に限って言いますと、西ドイツなどは、負傷者の緊急の動かし方、人工呼吸、ショックの防止、保温等について、六時間から十六時間の応急処置に関する教育をきちっとやっているわけです。我が国におきましても、今後は教習所の教習、免許更新時の講習においてそういうことを積極的にやるべきだ、私はこのように思うのです。この点について警察庁からひとつ聞きたいと思うこと。 それから、簡単な応急手当て、救急知識等を普及させるために、学校教育の場を通じてもそういうことを行う必要がある、このように思うのです、これは文部省の関係だと思いますが。二点、簡潔にお答えください。
○半田説明員 現在、免許証をお取りになる方々につきましては、わずかでございますが、応急手当てのことについて教育をしておるところでございます。この点につきましては、全く素人の方々についてどれだけのことができるかというかなり難しい問題がございますので、今後、専門家の方の意見を聞き、あるいは関係行政機関の知識おかりいたしながら検討してまいりたいと考えております。
○小林説明員 学校教育における救急に関する知識や技術という点でございますが、医師養成のほかに、小学校から中学校、高等学校という段階で、おのずと限度はあるにいたしましても、そうした知識や技術を教えるということは大事なことだと思っております。
○近江分科員 そういうことも、両省におかれましてそれがよく推進できるように今後努力をしていただきたいと強く要望いたしておきます。 それから医療機関、要するに搬送して着いてからの問題です。現在、救急告示病院は全国に五千七百二十八カ所と聞いておるわけでございますが、その中で高次の医療施設の整った病院が少なく、ほとんどが小さな病院であって十分な救急処置が施せないで、また他の病院に転送するということが行われておる。いただいた表を見てみますと、全国の救命救急センターも百一カ所しかないわけです。ですから、その間に手おくれになったりということで助かるところも助からないという悲惨な状況があるわけです。 これだけ医療も高度化されてきているわけです。ところが、なぜそういう体制ができないのか。確かに現場へ行きますと、今は本当にお医者さにしても専門化しているわけでございます。ところが、例えば交通事故で運ばれてくるのは、内臓が破裂しておる、骨折しておる、あらゆる分野にわたるわけです。確かにそういう難しい点もわかるわけですけれども、人命を救命するわけでございますから、非常に高度の医療を持ちながらそれがおくておる、非常に残念なことだと思うのです。本当に充実してもらわなければ困ると思うのです。この点について今後どう対処されるのか、お伺いしたいと思います。
○澤説明員 医療機関の整備についてでございますけれども、救急医療対策につきましては、昭和五十二年度以降、特に休日、夜間におきます救急医療の確保のために、初期、二次及び三次の救急医療施設並びに救急医療情報センターから成ります体系的整備を計画的に推進してきているところでございます。その結果、初期、二次の体制につきましてはおおむね基本的な整備水準は達成してきているところであると考えておるわけでございます。しかしながら、先生御指摘になられましたように、高度の救急医療施設と申しますか、三次の救命救急センターや救急医療情報センターにつきましては、なおその整備充実の必要がありますので、それぞれの都道府県の実情を踏まえながら今後とも救急医療体制の整備充実に努めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○近江分科員 これはやはり思い切った財政投資もして、確かにそれだけのスタッフをまた設備を整え、待機体制をとること自体は非常な財政負担が考えられるわけですが、それはやはり力を入れなければいけないと思うのです。やっておりますと言うと確かにやっておることはわかるわけですけれども、現実が今申し上げたそういう背景もあり激増しているわけですから、格段にひとつ力を入れていただきたいと思うわけでございます。 そこで、ヘリコプターの導入でございますけれども、私この前ドイツへ行きましてアウトバーンを走っていまして、ちょうど七百メーターぐらい先で交通事故があり、バスですから見えていたのです。運転手さんが言うには、五分以内にヘリコプターが来ますよ。見ておりましたら、赤十字マークをつけた黄色のヘリが本当に四分ぐらいで来ました。もちろん医者も乗っているわけですけれども、すぐに連れていく。実に行き届いておるなと感心したわけでございますけれども、我が国の都市圏は、道路状況もあり、実際に病院に連れてくるまでにかなりの時間がかかっているわけですね。しかし、それではヘリが飛べるかというとまた難しい問題もあろうかと思いますけれども、少なくとも各都道府県にそうしたヘリの配置もして、これを一つしたからこれでいいというものではないと思うのです。やはりそういう体制をつくり、それがきちっと積み重なって充実したものができると思うのです。ヘリの導入については消防庁も答申もされているわけでございますけれども遅々として進んでいないように思うのです。今後どうされるか、お伺いしたいと思います。
○木村政府委員 御指摘のように、ヘリコプターを救急事業に使うことによりまして極めて高い効率を上げることができるわけでございます。御指摘の消防審議会からの答申は昨年三月でございますが、二十一世紀の初頭までには各都道府県の区域に少なくとも一機以上の消防ヘリコプターを整備しようという提案がなされておりまして、現在自治省にヘリコプターの広域使用に関する調査研究委員会を設けまして導入のあり方について研究しております。いずれにしても、十五分以内に県下のあらゆるところにヘリコプターで到達できる体制を整備しようということで、いろいろ方策を研究している段階でございます。ヘリコプターの場合には機数が少なくて済みますし、あるいはドクターを搭乗させることも可能になろうかと考えます。
○近江分科員 時間が来ましたので終わります。 いずれにしても、大臣、この整備充実について本当に全力を挙げて頑張ってください。
○工藤主査 これにて近江巳記夫君の質疑は終了いたしました。 次に、土肥隆一君。
○土肥分科員 私は、戸籍謄本あるいは抄本請求の統一請求書不正横流し事件というのが福岡県で起こりました件について、特に戸籍法の問題についてお聞きしたいと思います。 この事件の概要については時間がかかりますので、私が新聞の記事等で知っている範囲のことを申し上げまして、法務省としてはその後どういう手続をとられたのか、お聞きしたいと思います。 これは六十三年五月ごろ福岡市のある興信所が有印私文書偽造という容疑で警察の摘発を受けました。これは毎日新聞ですが、そのときに家宅捜索をいたしますと、千枚以上の職務上請求書というのが見つかった。今手元に持っておりますが、「戸籍謄本 住民票の写し等職務上請求書」というのがございます。どうしてこういうものがあるかということについては後でまたお聞きいたします。そこで、県警あるいは福岡法務局が一九八八年、昭和六十三年の夏ごろ県弁護士会へ通知いたしました。これは簡易裁判所の手続をとるようにという通知だと思いますが、そのときに弁護士二名が通知されているわけでございます。名前は不詳でございますが、年齢は出ております。その二名なる弁護士が興信所に流したものは数十枚と報告されております。県の弁護士会では綱紀委員会に送付いたしまして、八月の末ごろ懲戒相当というふうに認定されて懲戒委員会にかかっているというふうに新聞には出ております。 法務省に入りましたこの不正流用事件のその後の状況がどうなっているか、お聞きしたいと思います。
○房村説明員 ただいまの事件につきましては、弁護士会の方で懲戒委員会に付されて懲戒の手続がとられているというところまでは聞いておりますが、その後最終的にどうなったかまではまだ現在聞いておりません。多分審理中ではないかと思います。 あと、こちらの法務局の方から簡易裁判所に過料の裁判を求める通知をいたしておりますが、その裁判につきましても結果がどうなったかはまだ承知いたしておりません。
○土肥分科員 どうなんでしょうか。弁護士会が自主的に審理なさるわけですけれども、通常こういう事件の場合はどれくらいの期間をかけて検討し、結果が出るのでしょうか。おわかりならばお知らせください。
○房村説明員 弁護士会の懲戒委員会は弁護士法に基づいて組織されております委員会で、そこでの審議は法律にのっとって行われていると思いますが、具体的にどの程度の審理期間がかかるかまでは、申しわけないのですが承知いたしておりません。
○土肥分科員 例えば法務省から、県の法務局でもようございますが、今どういうふうな状況かということを弁護士会に聞くことはできるのでしょうか、それも越権行為になるのでしょうか。
○房村説明員 それはもちろんこちらとしても関心のあるところでありますので、余り長期にわたるようであればその後の経過を知らせてほしいということを問い合わせるつもりはございます。
○土肥分科員 できますならばその途中経過でもお聞かせいただいて、後日お知らせいただきたいと思います。 さて、戸籍法というのは、昭和でいきますと五十一年五月二十一日、第七十七回国会で改正されました。大きな柱は、一つは戸籍の公開制、だれでも見ることができる。ただし、法務省令で定める場合を除きその事由を明らかにしなければならないということ、それから市町村長は、その請求が不当な目的によるときにはこれを拒むことができる、これが大きな柱だと思います。その事由を明らかにするというのは、申請用紙に理由を書いてもいいのか、それとも口頭でもいいのか、窓口ではどういうふうにされているのか、お知らせください。
○房村説明員 ただいまの法律の要求しております事由を明らかにしなければならないというのは、通常は申請書にその理由を記載して明らかにしていただいておりますが、口頭でされる場合であってももちろんこれは可能でございます。
○土肥分科員 そうすると、それは口頭でもよろしい、窓口の人がその理由を聞く。ところが、窓口の職員の方が不当な目的によるということが明らかなときにはこれを拒むことができる、こう書いてありますが、どういうときが不当であるというような省令なりマニュアルなりがあるのでございましょうか。
○房村説明員 もちろん一般的な形で、どういう場合に不当な目的があってこれを拒絶することができるかということは、こちらで事例を想定いたしまして市町村には指導をいたしております。
○土肥分科員 もう一つ、法務省令で定める場合を除きというのは、弁護士会を初めとする八つのグループ、例えば行政書士、司法書士、海事代理士、土地家屋調査士、社会保険労務士、税理士、弁理士、こうなっております。この八つの団体に限っては、事務上の合理化と不当な目的など一々専門的な問題については窓口が判断できないからということで、「戸籍謄本 住民票の写し等職務上請求書」、今私ここに持っておりますが、こういうものに書き込んで出せば一種のフリーパスというのでしょうか無条件に出されるのでございますね。
○房村説明員 先生御指摘のとおり弁護士、司法書士等規則で定める八団体のものにつきましては、統一請求用紙の使用を願いまして、職務上の請求を統一用紙を用いて行う場合には正当な目的によるものとして通常取り扱っております。
○土肥分科員 弁護士法を取り寄せてみたわけであります。そして、日本弁護士連合会が「弁護士倫理」というのをちゃんとうたっておりまして、「弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする。」「弁護士は、その使命にふさわしい倫理を自覚し、自らの行動を規律する社会的責任を負う。」「弁護士は、その使命が基本的人権の擁護と社会正義の実現にあることを自覚し、その使命の達成に努める。」「弁護士は、名誉を重んじ、信用を維持するとともに、常に品位を高め教養を深めるように努める。」こういうふうにすばらしい倫理規定がうたってありますが、他の諸団体についても、弁護士法あるいは「弁護士倫理」などに準ずるような規定がございますのでしょうか。
○房村説明員 諸団体のことになりますと必ずしも当省の所管に属さないところもございますけれども、一般的にいきまして、それぞれの資格が法律で定められ、かつその資格に応じた倫理と申しますか、そういうものを保つようにとの要請は当然なされていると考えております。
○土肥分科員 では、法務省が掌握しております例えば司法書士についてはいかがでしょうか。あと何でしょうか。土地家屋調査士もそうですか。それから社会保険労務士もそうではないかと思いますが、そういう倫理規定ないしはその運用規定を管内でチェックするようなシステムはできておりますか。
○房村説明員 大変不勉強で申しわけないのですが、倫理規定のようなものを司法書士会などにおいて制定しているかどうかまでちょっとただいま承知しておりませんので、調べさせていただきます。まことに不勉強で申しわけございません。
○土肥分科員 結構です。私も十分申し上げなかった点もあるかと思いまして申しわけなく思いますが、できましたら後で教えていただきたいと思います。 さて、そういう八団体だけ特別に、言葉は悪いですけれども、いわばフリーパスのような、職務上の請求書を出しますと無条件で窓口では戸籍謄本を出してくれるわけです。そういういわば一種の信頼関係を法務省も諸団体と確認した上で、こういう職務請求書をつくりなさいという指導をなさったのですね。その指導なさってできたものがこの請求書なんですが、これが不正流用される。新聞によると、この事務所から一千枚出てきたというわけでございますが、しかしこの二人の弁護士が取り扱ったのは数十枚だ、こう報告されておるわけです。法務省として、ではそれが何枚だったのかということを確認することはできないと思いますが、弁護士さんが弁護士法に基づきこれだけ立派な弁護士倫理を持っておるにもかかわらず、ある興信所から一千枚もの用紙が出てきた。これは本当かどうかわかりませんよ。新聞ではそう報道されているのです。そうすれば、あと残りの七団体も言ってみれば同じような形で、言葉は悪いですけれども、フリーパス的な利用のされ方をしているのではないかというふうに思うのですが、御意見はどうでしょうか。
○房村説明員 その点につきまして私ども、この事件を契機に、このような不正流用事件が再発することがあってはならないということで各八団体の方々に申し入れをいたしまして、現在の統一請求用紙の取り扱い方について問題点があるかどうかを調査した上で改善策を講じてほしいということを依頼し、かつ、この統一請求用紙の趣旨というものを会員の方々に周知徹底していただきたい、こういうことを依頼しております。それに基づきまして各団体では、現在それぞれ改善方を講じているところというぐあいに承知いたしております。
○土肥分科員 改善方をお願いしていらっしゃるということでございます。それは徹底していただきたいと思うのであります。 私はちょっと日本の戸籍法の勉強を一夜漬けでいたしました。明治三十一年に戸籍法が制定されて、大正四年にもう一遍改正されて、そしてあとは今回の改正まで同じだったように思いますが、そこでいつも疑問に思いますのは、戸籍法が日本でつくられたときに、特に戸籍法の公開の原則というのがございますね。何をもって公開の原則というものを明治の戸籍法、そして今度の改正まで、この改正でも、戸籍の謄本もしくは抄本、戸籍に記載した事項に関する証明書の交付を、手数料を納めて何人でも請求できるというわけです。言ってみれば公開制ですね。なぜ公開制として出発したのかを教えていただけませんか。
○房村説明員 先生御存じのとおり、戸籍というのは日本国民の身分関係を記載してこれを公に証明するという制度でございます。例えば民法でいきますと、行為能力という制度がございまして、未成年者であると親権者の同意を得なくては取引ができないというようなことがございます。あるいは婚姻をする場合には、例えば重婚はできないとか、もちろん婚姻年齢の問題、それから離婚後一定期間婚姻できないというような制限がございます。それから、例えば相続の場合にどういう人が相続人になるかというような、そういうそれぞれの法律行為をするときあるいは法律効果がどうなるかというのを判断する際に、その取引の相手方あるいは問題となっている人の身分関係がどうであるかということによって、それぞれ法律効果が異なるわけでございます。したがいまして、その法律取引に入る者あるいは法律効果を知りたい者といたしましては身分関係を確実な方法で知りたい、そういう要請にこたえますのが戸籍制度でございます。 そういう戸籍制度の本来のねらいからいたしますと、なるべく広くどなたにもその確認の手段を講ぜられるようにすることが一つの理想であるわけでございます。そういうことから、明治三十一年の戸籍法以来原則として公開して、どなたでも閲覧できるあるいは謄抄本の交付を請求できるというぐあいにいたしたわけでございます。
○土肥分科員 よくわかりました。しかし、今日、今回の件につきましてもそうでありますが、いわば人権の思想あるいはプライバシーの問題、憲法における平等な権利というようなことを国民がだんだん自覚してまいりまして、そしてその間におけるさまざまな問題が出てまいりまして、少しずつ今度は公開制というものが制約されてくるということであろうかと思います。 今日、聞くところによりますと弁護士さんたちはかなりの数の戸籍謄本の取得をしているようでございまして、これなしにはほとんど裁判も行われないほどでございますが、かなりの数が出ている。しかも、それは弁護士だけではなくて、他の七つの団体もかなりの数を請求しているということにおいて、今回のように興信所にこの請求用紙が流れるというようなことは大いに容易に考えられるというわけです。この職務上請求書は、法務省が恐らく行政指導なさってこういう書式ができ上がったのだと思いますけれども、例えばこれをもらいに行きます使者、住所、氏名、請求者との関係、これは弁護士さんなら弁護士さんとの関係ですね、そこには補助者とか事務員とか、そして住所、氏名があって、捺印をすることになっています。私も多少弁護士さんの事務所に出入りしたことがあるのですけれども、事務員さんはしょっちゅうかわるのですね。そして、またやめられちゃった、そして新聞で広告するなんてことがあるわけです。ですから、この使者というのは、言ってみればだれでもいいわけですね。いかがでしょうか。
○房村説明員 ただいま先生御指摘のとおり、統一請求用紙を用いて窓口で実際に請求する場合に、弁護士本人が請求する場合には問題ないわけですけれども、確かに必ずしもその弁護士本人の方が来るとは限りませんで、その事務所で使用されている職員がその弁護士の使者として窓口に来るということも多いわけでございます。その使者について、職員はくるくるかわるのではないかという、あるいはそういうこともあろうかと思います。 そこで、私どもといたしましては、一応そういう弁護士本人が請求するのでない場合には、ただいま先生が御指摘になりましたように、統一請求用紙にその使者の住所、氏名、それから請求者である弁護士等資格者との関係、こういうものを記載をさせた上で、必要に応じてその使者の身分証明書の提示を求めるとか、あるいは疑問があれば当該事務所もしくは弁護士会に電話で確認するというようなことで、その身元の確認をするように指導いたしておるところでございます。
○土肥分科員 身分証明書を持たせるということをおっしゃいましたが、もうそれはできているのでしょうか。
○房村説明員 身分証明書と申しますか、例えばその事務所の所長である弁護士が発行する身分証明書というようなものはあるように聞いておりますが、私どもとして全事務所で行っているかどうかまでは把握いたしておりません。
○土肥分科員 私は、やはりこの部分でチェックする以外にないと思うのですね。何も弁護士さんはみんな悪いと言っているわけではないのですけれども、ある弁護士さんが自分の判こを押した、職印を押した、それがどこかへ流れていって後はだれでも受けられるというのがこのモデルだと思うのです。ですから私は、弁護士事務所に働いている、あるいは使者というかお使いに行く人が自分の身分を明らかにするような、例えば私どもがよく免許証の番号など郵便局でも控えさせられるわけですけれども、何らかそういう手段、あるいはその人が弁護士事務所の事務員であるというものを写真入りで持っておく、そういうふうな身分証明書というものがない限りはこういう種類の事件は相も変わらず続くのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○房村説明員 確かに先生御指摘のような問題があろうかと思っております。その点につきましては、日弁連の方に問い合わせたところ、弁護士会においても、弁護士の職員の証明書を発行することを検討いたしておるというようなことも聞いておりますので、連絡をとり合ってなるべく身元確認のための確実な手段が講ぜられるようにいたしたいと思っております。 また、現在の弁護士から流れてほかの人が使う心配があるという点につきましては、今回の事件をきっかけに各団体に申し入れをいたしまして、この統一請求用紙に連続番号を付して、その会から資格者、弁護士とか司法書士に渡す際に、どの弁護士に何番の書類が渡ったということを記録しておく、こういう仕組みを採用してくれるように依頼いたしまして、弁護士会においては既にそういう方向に改善するということを聞いております。したがいまして、今後は、統一請求用紙を使用する場合にはその番号によりどの弁護士が入手した用紙であるということが確実にわかる措置を講じておりますので、流用については従来に比べれば防ぐ機能は非常に高まっていくのではないかとは思っております。
○土肥分科員 私は、それでも流れるというように思うのですね。そもそも公開の原則自体がやはり今日問題だと私は思います。非公開とはもちろん申し上げませんけれども、やはりその辺はきちっと初めから、初めからと申しましょうか、こういう用紙、職務上請求書をおつくりになったときからそういう問題も起こる、流用事件が起こるというようなことは当然想定されるわけです。ですから、今おっしゃったように、弁護士会のみならずあと七つの団体にもきちんと使者というものが明確にされるようなものにしていただきたいというふうに思います。 それから、戸籍法の問題でもう一つ申し上げますのは、要するに市町村長が不当な目的によると判断した場合にはこれを拒むことができるというふうになっておりますが、文書でも口頭でもいいというふうに課長は今おっしゃいました。しかし、これも公開の原則あるいは請求の中身によっては一窓口の職員が、市役所や区役所の職員がそれを拒むということはほとんど難しいんじゃないか。 例えば、ある請求書に「債務者何某について代位による相続登記を申請するため」こう書いてあった。私はこれを読みまして、全然わからないのですね。ある弁護士さんに聞いたら、債務者がいてそれからお金を取り立てたい、だけれども本人から金が取れないからその親が持っているであろう財産の相続人にして、そしてその親から金を取り立てる、そのときに弁護士がかわって遺産相続の手続をしてやる、そのために謄本が要る、こういうわけです。こういう「債務者何某について代位による相続登記を申請するため」と書かれたときに、窓口の係の人がそれが不当であるか正当であるかということを判断できるのでしょうか。
○房村説明員 なかなか難しい問題ではございますが、一般的に申しますと、先ほども申し上げたように、相続関係を確認するというのはある意味で最も戸籍に頼らざるを得ない場合でございまして、私どもの指導としては、相続関係を確認する利害関係のある者が相続関係確認のためという申請であればこれは不正な目的とは言えないというぐあいに考えておりまして、またそういう指導をしております。 なかなか判断には難しい事案があることは先生御指摘のとおりでございますが、その点は、私どもとしても絶えず市町村の担当者に対する研修等を強化して適切な判断をするように努めているところでございます。
○土肥分科員 とても難しいのですね。ですから、窓口チェックというのはほぼ不可能であると私は思わざるを得ないわけであります。では戸籍法を変えるかということになると大問題になりますので、やはりこれは運用において、特に八団体にはきちっと指導していただくということ、そして指導もきめ細かな指導をしていただきたい。それから、窓口業務に当たる市町村の役場の人が困らないような、何か法務局との連絡もとっていただいて、これはどうもおかしいなと思ったら事前に法務局に電話して、これはどうでしょうかというような、ホットラインとは言わなくても、窓口の人がそれで絡まれて文句を言われるようではかわいそうですし、そこでは窓口の人が毅然とした態度で拒否なら拒否をしてもらわない限りこういう問題が起きてしまうというふうに思うのですが、御意見をちょっと手短にお願いします。
○房村説明員 おっしゃるとおり、各団体への指導は強化いたしたいと思っております。また、窓口の職員の対応につきましては、今回の事件を契機にこのような疑いがある場合には直ちに法務局の方に連絡をしてほしいということをこちらから通知をいたしております。その連絡を受けた法務局の職員が必要に応じて調査に当たるという体制を整えております。
○土肥分科員 それにしましても、私は、この八団体を含め一般の市民が戸籍謄本の照会をするときにはどうしても人権の問題あるいは差別の問題に絡んでくるということは免れ得ないと感じるわけです。 私が入手しました文書に大阪の府知事が法務大臣にあてて要望書を出しているのがございまして、その文書を読みますと、いかに自治体がその問題について苦しんでいるかということが書いてあるわけです。それは、戸籍法第十条の自由公開の規定が今や自治体では非常な重荷になっている、こういう意味です。憲法の精神にのっとった就職の機会均等、両性の合意による結婚等個人の基本的人権を阻害するものになっている、戸籍上の秘密が公開されるというプライバシーの侵害、同和問題における重大な差別事件を引き起こす原因、戸籍公開の原則に従うことはむしろ憲法の精神に逆行するものではないか、行政は極めて無責任であるという強い批判を地域住民から受けている、こういう意味のことを言っているわけです。私は本当にそのとおりだと思うのです。 ですから、今回のような事件が起きまして、私は、これは氷山の一角じゃないか、もっと徹底的に調べればぞろぞろ出てくる問題ではないかということを申し上げて、法務省当局の大阪府知事の法務大臣あての意見書の御意見、御感想を聞かせてください。
○房村説明員 現在の戸籍法は、先ほどから申し上げましたように戸籍の公開とプライバシーの保護というものの調和を図った公開制限の制度を設けているわけでございます。先生御指摘のとおりなかなか難しい問題もございますが、その制度の趣旨を生かして今回のような事態が再発することのないよう法務省といたしましても今後も種々努力いたしたいと思っております。
○土肥分科員 あと一分ありますからもう一度念を押しておきますが、福岡弁護士会の審理の経過、他の七団体の内規のようなもの、ぜひともお示しいただきたいと思います。ありがとうございました。
○工藤主査 これにて土肥隆一君の質疑は終了いたしました。 次に、中野寛成君。
○中野分科員 私は救急ヘリコプター、初めてではありません、一昨年一度取り上げたことがございますので、その後の経緯等も含めてお伺いをさせていただきたいと思います。 もちろん西ドイツのアウトバーンのケースはよく引用されるところでございますけれども、それ以外にも、現在の先進国の中でヘリコプターを活用した救急医療対策というのは大変大きな効果を発揮するようになってきておりますし、日本においてそれが逆にまだまだおくれているということを私は大変残念に思っているわけであります。 ドクターズヘリコプター、やはり医師も乗ることに大きな効果が上がると私は思うわけであります。先般、東京都においては救急隊員の医療活動の枠を広げるということが大変大きなニュースになっておりますけれども、これも大きな意味があると思いますが、あわせて、やはり医師を乗せた救急ヘリコプターまた救急車等の活用というのは大変必要であろう、こう思うわけであります。憲法に保障された人間の生存権をいかに守るかという視点に立って考えれば、これはまさに重要な問題でありますし、緊急を要する問題であろうと思います。また、最近の交通事故死者が急激にふえておりますこと等をも考え合わせまして、急を要する問題だ、こう思っております。 折も折、先般NHKがそういう特集番組をつくりましたら、やはりこの救急ヘリコプターの話が出てまいりました。いよいよ日本も本格的な論議が行われるようになったなというふうに思って喜んでいるわけでございますけれども、昨年三月二十日付の消防審議会で、「各都道府県の区域に少なくとも一機以上配置されることを基本とし、」ということで、私の大体考えております方向の答申も出されております。そういうことで、具体的な調査プログラムが作成されつつあるのではないかというふうにも思うわけでありますけれども、まずそのことからお伺いをいたしたいと思います。
○木村政府委員 御指摘のように、昨年三月に消防審議会からヘリコプターの救急等の利用に関する答申が出されまして、二十一世紀初頭までには各県が少なくとも一機の消防ヘリコプターを配置するよう施策を講じるべきであるという答申を得ております。消防庁としては、この答申を踏まえまして、昨年、消防ヘリコプターにつきまして、消防ヘリコプターの広域的な有効活用に関する調査研究委員会を設置いたしまして、導入のために必要な具体的な検討を行い、いわばその中間的な報告がもうそろそろ印刷が上がってくる予定になっております。平成元年度におきましては、主としてヘリコプターの消防、救急業務に対する活用のあり方や、全国にどの程度配置したらよいかというような技術的な問題を詰め、なお平成二年には、いかなる形で保有するのがよいかという組織論に入っていく予定になっております。
○中野分科員 きょうは運輸省、警察庁、厚生省からもお越しをいただいておりますので、まず先に警察庁からお聞きしたいと思いますが、この救急体制、交通事故等のことも含めまして警察庁としてこの救急ヘリコプターについてどうお考えか、お聞きしたい。 もう一つは、私の大学の恩師がこの問題を大変詳しく専門的に勉強しているものですから大変厳しく要求されるのでありますが、その先生の話によりますと、例えば誘拐事件が起こった、人質を連れてどこかへ立てこもって、そして凶器を持って何かやるというふうな状況のときに、警察、消防はどう対応するか。まずパトカーが行き、そして犯人を説得しという活動が警察としては行われる。しかし普通であれば、その人質もしくは警察官も含めて危害を加えられる、生命が脅かされるということがあるとすれば当然そこには救急車も待機させるのが本来の姿ではないか、こういうふうに言われるわけであります。人間の生命を大事にするという視点に立てば至極もっとも、財政上の問題はあるかもしれませんしいろいろな問題があるかもしれませんけれども、しかし少なくともその方向に向かって努力するという姿勢が必要であろう、私はこう思うわけであります。 今私は誘拐事件を一例として挙げましたけれども、例えば最近はやりのスピードレース、これまたある意味では事故がつきものであります。外国の有名選手を招待しようと思えば、医師つきの救急車または救急ヘリコプターを適当なところに配置してくださるのでなければ日本で出場はしたくない、むしろそういうことを契約書に入れるぐらいの要求をするという話さえある、こういうことを聞いたことがあります。このくらいにこの救急体制については諸外国とも大変関心が高い問題でありますが、日本の場合はまだまだそこまではいかないという話を聞いたことがあります。こういうことも含めまして、警察のお考え方をお聞きしたいと思います。
○平林説明員 お答えいたします。 警察用のヘリコプターは、現在、救難、救助活動でありますとか犯罪捜査活動、交通情報の収集あるいは取り締まり活動、それから空からの機動警ら活動、そういったような大変幅広い活動に当たっておるわけでございます。今先生がおっしゃられました交通事故の負傷者に対する救急活動でございますが、これにヘリコプターを使う点につきましても関係省庁とも十分協議をしまして必要な協力をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、今人質事件で救急車を配置するというような話がございましたけれども、私の承知する限りでは、消防の方にお願いしましてそういう現場の近くに救急車を配置してもらっておるというふうに私理解しております。 以上でございます。
○中野分科員 実態的にそういう方向へ進んでいるということであれば大変私どももうれしいと思いますし、生命を大事にする、そしてできるだけ早期に対応をする、事前に対応する、そういう方向での御努力をなお一層お願いを申し上げておきたいと思います。 また医師の問題につきましては、医師を確保すること等を含めまして、それからもう一つは、これは文部省になるかもしれませんが、国立大学附属病院だとか、また各省庁、国立関係のそういう病院を持ったりいたしておりますが、そういうところの協力等も大変必要であろうと思うわけであります。こういう救急体制について厚生省としてはどういう考え方と案をお持ちでございましょうか。
○澤説明員 救急医療にヘリコプターの活用をということでございますけれども、救急医療活動においてヘリコプターを利用することは状況によっては大変有効であるというふうに考えるわけでございます。現在、離島等僻地において重症の救急患者が発生しました際には、必要に応じましてヘリコプター等により設備体制が整った病院への搬送が実施されているところでございます。僻地以外の地域において救急患者搬送にヘリコプターを利用することにつきましては、どのような患者さんの場合にヘリコプターの利用が必要かとか、ヘリコプターによりどのような効果を上げることができるかとか、そのためにはどのような体制が必要かとか、離発着地の確保の可能の問題、いろいろ検討が必要であろうかと思うわけでございます。 厚生省におきましては、昨年九月に設置しました救急医療体制検討会で今後の救急のあり方を検討していただいているところでございますけれども、その検討会の検討項目の中に、重症の救急患者、例えば四肢の切断、手、足とかの切断、緊急接合が必要であるとか、それから多発外傷、一カ所の外傷じゃなくて全身外傷の程度が多いというような患者さん、それから重症の熱傷患者、やけどの患者さんですけれども、このような特殊な患者さんに対応する整備も必要ではないかと考えるわけでございます。 そのような患者さんは余り発生頻度も多くないのではないかということで、全国あっちこっちに病院の整備も大変だろうということで、拠点、拠点にそういうような広域救急センターというようなのを設置したらどうだろうかということも検討項目になっているわけでございますけれども、そうするとどうしても広域搬送が必要になるということになってくるわけでございます。そのようなときにはヘリコプターの活用が非常に有益ではないかと思うわけでございます。その際にはまた、医師をどのように確保するか、医師の同乗ができれば、患者さんを速やかに医師の管理下に置くことが望まれるわけでございますので、医師をどのように確保するか、いろいろそのような問題があるわけでございますけれども、厚生省としても、その検討会で検討していただき、また、関係省庁とも御相談をさせていただきたい、そのように思っておるわけでございます。
○中野分科員 次に、運輸省からお越しいただいておりますが、この救急ヘリを大幅に導入するとなる場合に、運航上の問題とか何かネックになることがありますか。また、運輸省としてこれら問題について協力できること、前向きのお考えはありますか。まずお伺いいたしたいと思います。
○松本説明員 お答えいたします。 航空法によりますと、一般に航空機が陸上におきまして飛行場以外の場所に離着陸することはできないようになっております。ただし、事前に運輸大臣の許可をとった場合におきましては飛行場以外の場所においても離着陸できることになっております。 しかしながら、先生御指摘のような場合であろうかと思いますが、警察庁とか防衛庁、それから都道府県の警察とか地方公共団体の使用する航空機などが捜索または救助の目的で飛行する場合には、このような規定は適用されないことになっております。したがいまして、消防機関等のヘリコプターが救助または捜索の目的で飛行場以外の場所に離着陸することは航空法的には特に制約はございません。
○中野分科員 わかりました。そうすると、あとは結局熱意の問題と財政の裏づけと、それからどれだけ必要か、むだな投資をする必要はありませんから。 その具体的な実態の調査等は、日本の国内事情及び国際的に諸外国がどういう方法をとっているかということの研究等々に合わせてプログラムは進められるべきであろう、こう思うわけでありますが、やはりこれまた各省間の協力、連係プレーが必要であろうと思います。そういう意味では、きょうは私は自治省、とりわけ消防の方を中心にお尋ねをいたしているわけでありますけれども、そういう総合調整ということになりますと、これはやはり大臣中心に積極的なお取り組みが必要であろうと思います。ましてこれは、ヘリコプターを国内生産だけではなくて輸入するということになるとまた貿易摩擦解消にも役に立つわけでございます。 大臣にお伺いいたしますが、ひとつ実力大臣の間に大幅にそのプログラムが、スケジュールが進んでいくという方途をつくっておいていただきたいなという気がするわけでありますけれども、その総合調整、そして財政上の問題等も含めまして大臣としていかがお考えか、お聞きをいたしたいと思います。
○奥田国務大臣 委員は大変早くからヘリコプター活用という形で、非常に卓見と申しますか、そういった見通しを持っておられたわけでありますけれども、我が国の場合、本当にヘリコプターが最も安全で機動的でこういった応急体制には一番役に立つ乗り物でありながら、ヘリコプターに関する限りは後進国であったと思っております。ですから、私は日米欧の経済摩擦のときに、そんなものヘリコプターをたくさん買えばええやないか。そうしたら、今ちょうど運輸省から話しておりましたようになかなか難しい規約がありまして、どこにでもおりられるヘリコプターだと思っておったら、なかなかビルの上におりるのにも、東西南北の角度がなければだめだとかあれだとかいうことで、今は少し直しましたけれども、随分そういったヘリコプター時代に対応するような措置がとられつつあるわけです。ですから、ようやく各県でもヘリコプターを持つようになりました、防災体制もありますから。警察はまた持つようになりました。ようやく府県自治体の中でもそういった機能、ヘリコプター時代の到来の一つの先駆けを今やっておるわけです。今度はまた消防庁がそういった答申を得てやろうということになると、大体府県自治体で四機ないし五機のヘリコプター、そういった体制を持つようになるわけです。 そういうことになると、確かにこれは救助体制を含めて、防災面も含めて大変な戦力になってくるな。ヘリポート一つでも、アメリカはカリフォルニア州だけで私のちょっと聞いたところでは二百六十カ所ですか、あるのですけれども、今日本全国でヘリポートが一体幾つあるかということになると、ここ四、五年ヘリコプター、ヘリコプターと言ってきましたがお粗末な限りだと思うのです。けれども、これはまさに時代の流れの中で一番おくれておった面を委員は御指摘をされて、そして新しいそういったヘリコプター利用による人命救助体制も含めて予見をされておるわけでありますから、その御意見を最大限尊重して——そして、恐らくそれぞれ持っておっても横の連絡ができなければこんなもの宝の持ちぐされですから。ただ飾ってあるのかもしれない。僕は今そこまで余り知りませんけれども、ヘリコプターのパイロット、しかも常時出動できるかできないかの対応態勢といったものがもうそろっておるのかどうかもまだ不敏にして勉強していませんが、恐らく、自治体にも全部にそろったら横の機動性も発揮して人命救助の一線で連携をとれるように、幸いに自治体、消防、警察の責任所管大臣ということでありますから、それらの面における調整は委員の御指摘のように責任を持ってやってまいりたいと思っております。
○中野分科員 僻地、離島等につきましては自衛隊のヘリコプターもかなり使われているということをお聞きしますが、よく例に出されますのがあの日航機の事故で、御巣鷹山にもっと早く医師が乗ったヘリコプターが到着し、捜索に当たっておればということがよく言われます。あれは夕方六時過ぎの事故でございましたから、夜の捜索というのは危険を伴うということでいろいろな事情があったのであろうというふうに思うのでありますが、しかし、例えば探照灯をつけたヘリコプターが夜のうちに事故が起こって直後に到着をして捜索に当たり、治療をしておれば、あと何人の方が助かったかわからないというふうにも思われるわけでございます。また、ああいうところですから、自動車で行こうといったって行けないわけですから、これはまさに人が歩いていくかヘリコプターが行くかしかないわけでありますから、そういうことなどを考えますと、まさに救急ヘリコプター、また探索用のヘリコプターが必要な典型的な事例であったろうと思います。ただしかし、こういうことは離島、僻地、山の中だけではない。いわゆる高速道路がこれだけ発達をいたしておりますが、そこへ行きますのに今パトカーや救急車さえ随分時間がかかるという問題がある。むしろ交通停滞を起こすようなところもある意味では僻地なんですね。救急という問題から考えればまさに僻地であり、場合によっては離島になってしまうわけです。 そういうことを考え合わせますと、この問題は大変急を要するということがあります。それで各都道府県等に、またそれぞれ配置の構成は幾つかの市で共同でという広域行政も必要でしょうね。そういう工夫はされるといたしまして、できるだけ早くそれを実現をしていただきたいと思いますが、それまでに運輸省、消防、警察、自衛隊等々が連携をとって、やはり今日ただいまからでもより有効な活用、活動がなされるべきであろうと思うのであります。そういう事故が起こったときには、これはまさに時間との戦いでございますから、そういう意味では、西ドイツのアウトバーンみたいに、現場に到着するまで十五分間というのですから、あの地域はヨーロッパの中でも特に発達しているようでございますけれども、既に法律とか条例で、連絡を受けたら何分間でそこに到着しなければならないというふうに決められているというのですから、これはまた大変なものだろうと思います。むしろそのくらいの意気込みを持って、現在は現在でできることをまずやることが大事だろうと思うのであります。 横の連携をとる間に時間がかかって、到着するのに何時間もかかるようでは、これはもう全く意味をなさないわけでありまして、そのことの研究は既になされているのであろうとは思います。また、いろいろな事件のときに自治体からの要請があってやったりしていると思います。しかし、時には自衛隊は自治体からの要請がなければ出動できないんだという話もまたよく聞きます。この辺は臨機応変の判断というものが当然そこに必要になってまいります。自衛隊側の判断だけではなくて自治体側の判断、即座に判断をして要請をするということも必要でしょう。その臨機応変に対応していくという対策を講じなければいけませんし、そのことがたびたび今日まで指摘されていると思うのでありますが、このことについて現在はいかがなっておりますでしょうか。
○木村政府委員 例えば離島の多い県におきましては、陸上・海上・航空自衛隊のヘリコプターを患者の搬送でありますとか急病の際に出動をお願いしまして、大変よく活用されているという記録がございます。しかし、残念ながら全国的にはまだそういった出動のシステムというのは、委員御指摘のように、各知事が判断をして要請をするという形以上には発達していないようでございます。今後さらに検討させていただきたいと思います。
○中野分科員 本当に各知事が、まあ知事御自身が印鑑を押してからというのではないのだろうとは思いますが、しかしまだまだ、これはいろいろな事故のときに必ず指摘をされることでございます。これもまた各省庁間の調整も必要でしょうし、自治省の的確な指導というものが望まれる。自治省から自治体に、自治体ですからみずから治めるべきところですから、なかなかもって自治省の指導どおりにというわけにはいかないかもしれませんが、しかし自治体側も、ややもするとその判断をする体制が整っていない、また判断にちゅうちょをする、自治省との連絡をとらなければいけない、判断を求めなければいけないなどというふうなことでは、これは困るわけであります。一つのマニュアルがしっかりできておって、それに応じてまさに臨機応変に対応するということでなければならぬと思うわけでありまして、自治省としての、消防だけではなくて自治省全体としての判断と的確な指導というものが必要ではないだろうかというふうに思うわけでありまして、このことについてはいかがお考えでございましょうか。
○奥田国務大臣 さっきからいろいろ大変貴重な御意見で勉強させていただいているのです。今ちょうど防災無線を、宇宙に飛ばして全国の都道府県にいわゆる通信システム、これは会議もできるし、映像も送れるし、広域間も含めていろいろな形での府県行政を、もうこれは大変なシステムなんです。それを今自治省が計画して、各都道府県で計画しておりますけれども、こういった問題も生かして、今これは行政面の一つのシステムとして防災も兼ねてやろうと思ったわけですけれども、これらも直ちに委員の御意見も交えながら利用できると思うのです。こういったシステムが立派な、そのために星を飛ばしてやるわけですから、これらをもっと広域行政にも結びつけた形で、各府県のそういったヘリコプター機動力も本当に連絡とり合ってやっていけば、先生の理想像にはいかぬまでも一歩前進するなと今思い浮かべておったところで、確かにそういった意味合いにおいては、そういった活用を連携を密にしながら広域行政の協力体制も考えながらやっていこう、その間の調整は、もう真剣に検討を始める時期だなと思っております。
○中野分科員 最後にもう一回だけ大臣に御見解をお尋ねいたしたいと思いますが、本当にこの問題になりますと、大臣がもう率先しておやりになっておられますけれども、これは例えば通産省の問題でもある、そして消防、警察、運輸、自衛隊、随分と関係する省庁が多いと思うのですね。そして、これが全国に普及するとなると、随分と財政的な問題もあると思うのですね。ですから、これはそれこそ大蔵省の問題もあるでしょう。そういうこと等々考え合わせますと、ある意味では関係閣僚会議ぐらい招集して、ひとつ総合的な抜本的な対策というものをそこで立案されるということがあってもいいのではないかという感じがするわけでございまして、これは奥田大臣だからなおさらお尋ねしたい気分になるわけであります。ひとつ大臣、主導権を、リーダーシップを発揮してそういう方向に持っていっていただきたいな、こう思いますが、いかがでございましょうか。
○奥田国務大臣 委員のそういった先を見た時代というものはまさに今到来しつつあるわけですから、手おくれにならないうちに今の時代から、これは今運輸省も非常に力を入れてこのヘリポート時代に対応する形で、もうちょっと今までの役所仕事ではないくらいのスピードで対応していただいているはずです。もちろんこれらの主管官庁とも連絡をとりながら、ちょっとこの休み中防衛庁長官が出張される間私が防衛庁長官をやりますから、防衛庁にも話をしながら、そういった各省庁の大臣に委員の御意見も踏まえながら話し合いをして、前向きに取り組んでいきたいなと思っておるところです。
○中野分科員 どうもありがとうございました。終わります。
○工藤主査 これにて中野寛成君の質疑は終了いたしました。 次に、遠藤和良君。
○遠藤(和)分科員 きょうは運輸省にもお越しをいただいておりますので、地方の活性化という意味から最初に運輸省の皆さんに若干の質問をさしていただきます。 徳島県で鉄道新線阿佐東線というのが今建設中でございます。これは第三セクターで運営をするものでございますけれども、この工事の進捗状況、それから運行の計画並びに収支の見通しにつきまして御報告を願いたいと思います。
○田口説明員 私の方から最初に阿佐東線の工事の進捗状況について御答弁申し上げます。 阿佐東線は、四十六年に日本鉄道建設公団が国鉄の新線として工事を行っておりました路線でありまして、その後工事が凍結されておりましたけれども、昭和六十三年の九月に地元の第三セクターができまして、そして昨年の三月に工事が再開されております。 進捗状況といたしましては、平成三年度の完成に向けまして現在鋭意工事が行われているという状況でございます。
○小幡説明員 次に、阿佐東線の運行計画と収支見通しについて御説明申し上げます。 阿佐東線の連行計画につきましては、海部—甲浦間の折り返し運行というのを基本的なこととして考えておりますが、JR四国の牟岐線と一部列車について相互直通運転の計画もございまして、この具体的な内容につきましては開業時までに両者で詰めていくというふうに聞いております。 また、収支見通しについてでございますけれども、この区間は輸送需要を多くは望めないわけでございます。そういうことで、基本的には決して楽ではないものでございますけれども、国からの補助金であるとか、あるいは地元の地方公共団体の方で積み立てていただくことになっております基金の支援というようなこともございまして、開業後十五年目ぐらいには累積赤字が消えるというふうな見通しとなっております。
○遠藤(和)分科員 確認をいたしますけれども、平成三年度に工事が完成をいたしますと、平成四年の四月一日ごろから供用開始ができる状態なのかどうかということと、JRとの相互乗り入れは地元としても大変強い要望がございますし、牟岐まであるいは徳島までという考え方もありますけれども、少なくとも牟岐までのJRとの相互乗り入れはぜひ実現をしていただきたいと要望します。いかがでしょう、供用開始はいつごろになりますか。
○小幡説明員 平成四年の四月には開業できるというふうに聞いております。
○遠藤(和)分科員 ありがとうございます。 それから、JRの牟岐線のことでございますけれども、JR牟岐線にぜひ特急列車を走らせてもらいたいというのは、国鉄の民営化以来の地元の皆さんの強い要望でございました。これをぜひ早く実現をしていただきたい、こう思うものでございますけれども、特急を走らせる見通しはどのようになっておりますか。
○楠木説明員 JRの方の担当の業務課長の楠木でございます。 先生御質問ございましたJR牟岐線に特急列車を走らせる見通しいかんということでございますが、御説明いたしますと、そもそも列車の運行形態やダイヤの設定につきましては、基本的に旅客の利用実態に基づきましてJR四国旅客会社において決定されるべきものでありますけれども、現在、JR四国におきましてはことしの秋にダイヤ改正を予定しておりまして、牟岐線については特急列車を導入する方向で検討を進めているところでございます。運輸省といたしましては、このJR四国会社の判断を待って適切に対処する所存でございます。
○遠藤(和)分科員 大変よいお話を伺いましてありがとうございます。秋というのは恐らく十月という意味ではないかと思うわけでございますが、これにJRに特急が走る。そしてどこまで走るのかというのが一つの関心でございます。牟岐から高松に行くのか、あるいは牟岐から岡山に行くのか、こういう判断がありますが、その辺の状況はいかがなものでございましょう。
○楠木説明員 まず、現在建設中のいろいろな施設がございますので、この施設の完成を待ちまして秋の中の特定の時点で開業をいたす、こういうことでございますけれども、どこまでかという点については、現在、急行列車がございましてこれの格上げということを考えておりますので、それとの関係で会社の方で検討中でございます。
○遠藤(和)分科員 急行列車の格上げとすると、恐らく牟岐—高松間ということに考えてよろしいですか。
○楠木説明員 最初の御質問にお答えいたしましたように、あくまで会社の方で決めることでございますので、このような全体の中で検討しているというふうに御承知願いたいと思います。
○遠藤(和)分科員 よくわかりました。会社の方からそういうふうなお話がありましたら、ぜひ運輸省としても認可をよろしくお取り計らいお願いいたしたいと思います。 それから、自治大臣、新過疎法ができまして、この新過疎法の中にも、第二項目だと記憶しておりますが、地方の交通網の整備ですね、これは道路と鉄道と両方あると思いますけれども、これに対して十分な計画も立てたりあるいは国としても支援をしていく、こういうことがうたわれているわけでございます。確かに、地方におりまして感じますことは、交通ネットワークの整備というものが本当に緊急の課題である、このように思います。ただいま徳島県県南地域におきまして、今御報告ございましたように鉄道網の整備充実が言われているわけでございますが、自治大臣としても格段の御配慮を賜りたい。御要望したいと思いますが、いかがでございましょうか。
○奥田国務大臣 新過疎法で今度過疎債の適用範囲を拡大して、いわゆる道路間の問題にも全部やれるように措置したところであります。今言われたのは、何かさっき聞いていたら鉄道の話だったのですけれども、鉄道はどういうことになるのか、そこの具体的な話については私から余りそそっかしい答弁をして御迷惑をかけるといけませんから、担当の局長から答弁させます。
○持永政府委員 今大臣からもお話申し上げましたように、新しい過疎法でいろいろな事業の拡大はいたしておりますけれども、JRがやる仕事についてはこれはJRでやっていただくわけでございますので、過疎債で措置をするということにはなりません。
○遠藤(和)分科員 私は過疎債と限った話をしているわけではなくて、地方の交通網の整備に対して大臣は特別の理解をし、ここは国務大臣といたしましてもよく推進を願いたい、こういう意味での質問でございます。
○奥田国務大臣 そういった意味合いにおいては、全力を尽くしてお手伝い申し上げたいと思います。
○遠藤(和)分科員 ありがとうございました。 それでは観点を変えまして、去年参議院の選挙がありましたし、ことしは衆議院の選挙がありましたわけです。特に私思いますのは、最近寝たきりのお年寄りがふえているわけでございますが、この方々は、投票の意思がありながら投票所に行くのは困難である方がふえております。最近の統計によると、たしか六十万人ぐらい寝たきりのお年寄りがいるわけでございますが、今そのうちで在宅で郵便投票できる方というのはごくわずかだと思います。やはり少し制度を高齢化社会に合わせて公選法の改正をする必要があるのではないか、私はこのような認識を持っております。 そこで、お伺いしたいのですけれども、在宅で郵便投票できるという人は、今の公選法の規定ではどうなっておりますか。
○浅野(大)政府委員 現在、公職選挙法四十九条で郵便による不在者投票を認めておりますが、この要件といたしましては、身体に重度の障害がある方というふうに定めております。そういう意味では、そういう障害がある方は郵便投票を認められるわけでございますが、身体の障害のない方は郵便投票の対象にならないということになっております。
○遠藤(和)分科員 私も公職選挙法のその条項のところをよく読ましていただきました。やはり、身体障害者手帳が発行されていない方はなかなか在宅で郵便投票することは困難である、難しい、このような規定になっておるわけです。ただ、私がここで問題にしたいのは、身体障害者手帳の発行というのは、そもそも厚生省さ0んがお考えになりまして、福祉を受ける条件になるとかいろいろなそういう目的でつくられたものでございますね。これは、選挙のときに在宅で郵便投票できる人の基準としては、身体障害者手帳の発行基準ではなくて、新たなそういう趣旨の基準をお決めになった方がいいのではないか、このように私は思うわけでございます。公職選挙法と申しますのは、投票の意思のある方にあまねく投票のできる機会をつくってあげるところに大きな意義がございますから、そういった新たな基準の策定というものをお考えになってはどうかと思います。 具体的に私の提案でございますが、例えばお医者さんの診断書であるとかあるいは同意書であるとか、こういうふうにある程度客観的に投票に行くことが困難であるということが証明できるものがあれば、在宅で郵便投票できるようにした方がいい、こういうふうな基準、同意書あるいは診断書等があればこれを許可する、こういうふうな基準の定め方を考えるわけでございますが、いかがでしょう。
○浅野(大)政府委員 投票の機会はできるだけ確保されなければならないという点は、まことに御指摘のとおりだと思いますし、年々寝たきりのお年寄りの方が多くなっていらっしゃるということもまさにおっしゃるとおりでございまして、確かに一つの問題点だと私ども思っております。 ただ一方、私ども選挙を管理、執行する立場として非常に悩みますのは、やはりそこの公正さをどう確保するかということが非常にございます。ちょっと長くなって恐縮でございますが、公職選挙法が昭和二十五年にできましたときには、在宅投票というのがかなり広く認められておったわけなんでございます。ところが、その次の年、二十六年でございましょうか、その辺は委員もよく御承知のとおりなんでございますけれども、いろいろ問題がありましたものですから、二十七年にその制度そのものをやめてしまった。昭和四十九年に、再び在宅投票を制度化しようということで今日の制度ができたわけでございまして、そのときにもいろいろ幅広く検討は行われたようでございます。例えば、障害というようなとらえ方じゃなくて、ともかく歩行困難な方を対象にできないか、あるいはまさに寝たきりのお年寄りのような方を対象にできないかというようなことも検討されたのでございますが、やはり、一体どういう基準でやったらいいか、明確な基準ができるだろうかというようなことがありまして今日まで至っておるというような状況でございます。 なお今後、一体公的な証明方法をどうしたらいいのか、公正確保の点はどうなのかということは、引き続き研究させていただきたいと思います。
○遠藤(和)分科員 在宅以外に、例えば施設、病院とか老人ホームに入居している人、その方々もベッド数に応じて制限があるのですね。これはベッドには関係なく、例えば小さな病院であってもしっかりしている病院であるとかたくさんありますし、その辺については知事さんとかあるいは市町村長さんが認めたものについてはその病院の中で投票ができるとか、こういうことが今後課題ではないかと私は思います。 ともあれ、今後も高齢化が進むわけでございますし、こうした高齢化社会に対応して公職選挙法を改正し、当然無原則にだれでもできるというのはおかしいわけでございますけれども、機会をできるだけ広げてあげる、そして投票の意思がある方が漏れなく投票に参加ができる、こういうふうな形の高齢化社会に応じた公職選挙法の改正というものをぜひ目指していただきたい、このように考えますが、どうでしょう。
○浅野(大)政府委員 御指摘いただきました方法につきましては、まさにそうだと私ども考えております。これまた申し上げるまでもないかもしれませんが、病院等での投票につきましては、やはりある程度の設備がなければ公正の担保という意味でいろいろ問題があってもいかぬというようなこともあって基準をつくらしていただいているというようなことでもございますが、それでも現実問題として選挙が行われますと、しばしばそういう指定施設で問題事例が起こったりするということもあります。そこらは、私どもも選挙管理委員会として十分周知をして、やり方についても正しく御指導申し上げて、そういうことがないようにしなければいかぬということはもう当然でございますけれども、そういうようなこともありまして、やや慎重な姿勢をとっておるというような状況でございます。
○遠藤(和)分科員 それではまた違った課題でございますけれども、固定資産税のことについてお伺いしたいのでございます。 具体的な事例を挙げさせていただいて恐縮でございますが、徳島県に民間と自衛隊の共用空港の徳島飛行場というのがあります。この部分につきまして、いわゆる自衛隊、総理府が所管する地域に対する固定資産税はどうなっているのか、あるいは運輸省が所管する地域についてはどうなっているのか。あるいは第三セクターがターミナルビルをつくっているわけでございますが、ここの地域に対する固定資産税はどのようになっているのか。これをまず御報告願いたいと思います。
○湯浅政府委員 具体的な問題につきましては、私どももちょっと資料を持っておりませんけれども、基本的には国が持っていて国が直接使っている施設につきましてはこれは固定資産税は課税されないことになっておりますので、非課税でございます。 それから、その上に、例えばその国有地を借りてターミナルビルを民間で建てるという場合には、それにつきましては固定資産税が課税されるというふうに考えております。
○遠藤(和)分科員 もう少し詳しく説明を願いたかったわけでございますが、今徳島県の飛行場の場合は、いわゆる防衛庁が管理する地域につきましては固定資産税見合いの交付金を自治省から出している、それから運輸省の所管する地域については全くなし、それから第三セクターの管理するターミナル地域については、その建物につき固定資産税が課税をされている、こういう実情にあると聞いておりますが、これは間違いありませんか。
○湯浅政府委員 徳島空港の具体的な問題につきましてはちょっと私どもも掌握しておりませんけれども、御指摘のとおり、自衛隊が使っている飛行場につきましては固定資産税は課税されないわけでございます。しかしながら、基地の所在する市町村のいろいろな財政状況というものを勘案いたしまして、現在そういう基地の飛行場などの所在する市町村に対しましては、国から基地交付金という形で交付金が交付されるわけでございます。 また、民間の使っている部分につきましては、これはある程度まとまったものでございますと市町村交付金というものが国から出る場合がございますけれども、国有地の上を一部民間が使っているというようなそういうところにつきましては市町村の交付金は恐らく交付されていないのじゃないかと思っておりますので、これについては固定資産税も非課税、それから国からも市町村交付金は交付されない、こういう形になっていると思うわけでございます。
○遠藤(和)分科員 それで私は二つ問題があると思います。一つは、このターミナルピルのところでございますけれども、ターミナルピルのところは運輸省がいわゆる有償で貸与しているのです。有償で貸与しておりながら運輸省自身は固定資産税あるいは見合いの交付金のようなものは一銭もその市町村に払っていない、これはどういうふうなことなのかということです。固定資産税第三百四十八条第二項ただし書きがあります。このただし書きをよく読んでみると、確かにそういう例は書いてないのです。ないのですけれども、ただし書きの精神というのは、そういう固定資産を有償で貸した場合は貸したところに固定資産税をかけるということが原則である、このように理解するわけでございますが、ここの理解をどういうふうにすればいいのかということ。 もう一点は、運輸省が行います空港整備法にのっとった空港、第一種、第二種、第三種とあります。この空港については空港特別会計から要するに固定資産税に見合いの交付金が市町村に出ます。ところが、この共用空港の場合はこの空港に該当せず、したがって、運輸省が管理をしている土地については一銭の固定資産税も交付金も出ない、こういうことがあります。そうすると、地元から考えますと、民間であれば全額空港特会から出る、あるいは自衛隊専用であれば当然自治省から交付金が出る、しかし、共用空港というのは運輸省部分については固定資産税もかけられないし交付金も出ない、こういう矛盾があるわけでございますが、ここの部分についてどのように理解すればよろしいのでしょうか。
○湯浅政府委員 御指摘のとおり、飛行場の本体は今自衛隊が管理しているわけでございますから、この部分は基地交付金の対象になるわけでございますけれども、共用しているほかの民間だけが使っている部分、民間空港の部分につきましては、これが仮に滑走路から何から全部民間空港でやっている場合には、仰せのとおり市町村の交付金の対象になるわけでございますが、そういう本体がない場合には市町村の交付金は交付されないという形で今は運用されているわけでございます。そういう点では、仰せのとおり自衛隊ど民間が共用している部分で、かつ民間だけが使っている部分については、固定資産税も課税できない、あるいは国からの交付金も交付できない、こういうような形になっていることは確かでございます。ただ、一般的に国が持っている資産あるいは国が持ち、かつ使っている資産については、これは固定資産税が課税されないというのが基本的な考え方でございます。 たまたま空港のような広いものにつきましては、滑走路や何かなどを含めた非常に広いものについては、それが仮に民間だとすれば固定資産税が入るのにその分が入らなければ困るだろうというので、市町村交付金が出ているわけでございまして、それを全部網羅して国から市町村交付金を出すのがいいのかどうかという点は、やはりこれはまた別の観点から議論をしていただかなければならぬのかな、これは税制の問題の外で議論してもらうべき問題があるのじゃないかなという気がするのでございます。
○遠藤(和)分科員 後の部分のお答えがあったのですが、前の部分はありませんでしたね。要するに、運輸省が所管している地域に対して有償で第三セクターに貸している。有償でありながら運輸省の所管しているところは交付金を出していない。こういうことがあります。ここはどう理解しているのですか。
○湯浅政府委員 この点につきましても、全体を貸しているということではなしに、民間の空港用として使っている、国有資産のうちの一部をそのターミナルに貸しているというような場合におきましては、これは全部ではない、いわばその固定資産の公用または公共用としての効用を高めるためにそれは使われているのだというふうに考えまして、そういう場合には市町村交付金の対象にしないというのが今までの取り扱いになっておりまして、この取り扱いが現段階でも妥当なんじゃないかなというふうに私どもも考えているわけでございます。
○遠藤(和)分科員 私は妥当だとは理解できない。民間の飛行場であれば全部の地域を勘案をして空港特会から交付金が出るのです。ところが、たまたま共用空港である、そうすると民間が利用している部分については何も出ない、これは矛盾があると思うのです。これは法律の体系がそうなっているからしようがないといえばそうなんです。しかし、考えてみると、むしろ法の体系の方が少しおかしいのじゃないか、整備する必要があるのじゃないか、私はこのようにも理解できるわけです。ここでその議論をしても始まりませんから、その辺の事情もよく勘案をいたしまして、要するに自治省が出しております交付金も、自衛隊部分のところももちろんですが、この運輸省の所管している部分についても勘案をして、地元の理解を得るために交付金を少し増額してはどうか、このように考えますが、どうですか。
○湯浅政府委員 基地交付金は基地交付金という一つの政策の中ででき上がっているものでございますので、やはり基地を対象資産として配分をするということになるわけでございます。この基地交付金につきましてもすべての基地施設が対象になるということにはなっていないわけでございますが、空港のような非常に広い土地を占めるというようなものについてはこの対象にするということでございますので、この民間の空港輸送のために供する資産を基地交付金の対象にするということは、これはなかなか難しいのじゃないかと思うわけでございます。ただ、この基地交付金というのはそういう対象資産というものに着目すると同時に、その基地の所在している市町村の財政事情というものも十分勘案しながら配分をするということにいたしております。 御指摘の例えば徳島空港の所在する松茂町という町につきましては、過去の状況を見てみますと、非常に厳しい枠の中でも増額の努力をいたしているところでございますが、今後ともこれは対象資産の増加状況も含めましてその辺のところをよく勘案しながら配分に留意してまいりたいと思うわけでございます。
○遠藤(和)分科員 最後に一つ、新過疎法で今度徳島県におきましては二団体、美馬町と池田町がいわゆる新しく卒業いたしまして、三団体、勝浦町と佐那河内村と日和佐町がいわゆる入学をした、こういう状態になっているわけでございます。この卒業いたしました池田町でございますけれども、この場合昭和六十二年度の財政力指数が〇・四七三とここの部分だけ突出しているのです。これは特別な事情がありまして、そのときだけNTTや日本たばこの民営化によりまして法人税収入が伸びているのです。あと平成元年度の場合は〇・四〇四でございまして、恐らくこの適用を受けないという理由は財政力指数がこの要件以上であるという判断があったと思いますが、この突出した部分は今後は低下していく見通しがあります。したがいまして、この新過疎法第二十九条に新しく区域を決める、そういう条項があるのです。これは平成二年度の国調の結果決まると思いますが、この池田町の場合、平成三年度には新過疎法の対象になる見通しがあるのかどうか、この辺を最後に伺って質問を終わりたいと思います。
○細野説明員 先生、俗に卒業とおっしゃいましたように、前に過疎地域でありましたものが新しい活性化特別措置法で活性化対策地域にならなかった地域に池田町もあるわけでございます。御指摘のように、池田町につきましてはこの六十一年から六十三年度の三カ年、直近三カ年の平均財政力指数が要件を超えているということでならなかったわけでございますが、今後一体追加公示の対象になるのだろうかどうなんだろうかということでございます。人口関係の要件もございますし、平成二年の十月に国勢調査が行われます。人口トータルにつきましてはすぐ十二月末ごろに速報がされるというふうに総務庁から聞いておりますが、年齢関係、年齢の構成にかかる人口につきましては、来年、平成三年の十一月ごろに公表されるというふうに聞いております。今度の新しい過疎法では、追加の場合も一緒でございますが、要件は、人口の減少率だけじゃなくて、年齢関係に係る部分もございますので、人口トータルで追加の要件に当たるということにもしなれば、まだ現時点ではわかりません、将来の話でわかりませんが、来年、平成三年の四月、年齢構成に係る部分も関連してということになるとその翌年というあたりで、追加の地域になるということになれば追加の公示を作業的に進めたいというようなことを考えておるところでございます。
○遠藤(和)分科員 よくわかりました。ありがとうございました。
○工藤主査 これにて遠藤和良君の質疑は終了いたしました。 次に、中村正男君。
○中村(正男)分科員 私がどうやら第三分科会で質問をさせていただきます最後のようでございまして、御苦労さまでございました。 私がお聞きをしたいテーマは厚生省の主管らしいのですが、いろいろお聞きをいたしますと、本来は文部省の事業としてスタートをしたという経緯もございますし、また、自治体行政が主としてこの問題にいろいろかかわっておられます。そういう意味合いでは自治省にもひとつ大いにこれからも努力をお願いしたい、そういう意味合いで分科会にこの問題を出したわけでございまして、その点、御了解をいただきたいと思います。 留守家庭児童会というのは、御案内のように都市児童の育成事業として昭和五十一年七月三十日に補助金制度が発足したわけでございますが、それに至る以前としては、文部省が留守家庭児童会の育成補助金制度を昭和四十一年から開始されてきたわけであります。この目的は、近年どんどん都市化が進む中で、いわゆる女性の社会進出も活発化をしておりまして留守家庭というものが非常に増大をしてくる、一方では児童の社会的な環境もいろいろな面で非常に悪くなってくる、そういう意味合いで、まだ幼いこうした児童に対して、特に文部省が学校現場を活用して、一般的な授業が終わった後も、その子供さんの健全な育成のためにいろいろお世話をするというふうな形で、いわばかぎっ子対策が児童会の取り組む一番大きなテーマであったと私は思うのです。 とりわけ最近は、いろいろ新聞等で見ますと、小学児童の喫煙のパーセンテージも具体的な数字で出てきておるというふうなことも報道されておりますし、あるいは孤独に耐えかねて幼い命を自分で絶つというふうなことも悲しい事実として新聞で報道が続いております。 したがいまして、この留守家庭児童会の事業については、都市部では住民の要求も非常に高まってきておるわけでございまして、全国を調べますと約六千クラブぐらい、六千カ所ぐらい児童会が存続をする。私の地元の大阪府としても、これを条例化して一クラブ当たり年間八十万円の交付金も出してこれの育成に当たっているというふうなこともございますし、東京都では、その職員を正規職員として採用して職員の身分あるいは雇用の安定、同時に、その事業に寄せる職員のいわば資質の向上ということにも積極的に取り組んでおるというふうに伺っております。ただ、全国的にその運営は非常にばらばらな状態でもありますし、国は補助金は出しておりますけれども、この児童会そのものの制度化については全体的にまだ踏み切っていないというのが現状ではないだろうかというふうに私は思うわけでございます。 したがいまして、まずきょうは、最初は文部省の方から、今私が申し上げたことについての現状認識と、それから今後のこの児童会、今文部省はこれを校庭開放事業という形に切りかえて、体育局の所管の事項にしておるようでありますが、もともとは本来文部省が始めた事業でもありますので、私はその辺まずお聞きをしたいと思います。
○富岡説明員 先生御指摘のとおり、文部省では昭和四十一年度から四十五年度まで、専ら留守家庭児童を対象としました児童会におきます生活指導を行うことを目的としました留守家庭児童会育成事業というもので助成事業を行ってまいりました。その後、別に、子供に放課後の安全な遊び場を提供するということをねらいといたしました校庭開放事業が始められたということもございまして、ひとり留守家庭の子供だけでなく子供たち全部に遊び場を確保していくという政策が適当ではないかということで、昭和四十六年度からはこの事業を校庭開放事業、そして現在は、先生御指摘のとおり学校体育施設開放事業という形でやってきておるわけでございます。 それで私どもといたしましては、児童の保育と留守家庭児童の保育というような問題につきましては児童福祉の観点からの政策を進めていただく、私どもの方といたしましては、学校体育施設開放事業等を中心といたしました放課後の児童の健全育成という立場から、学校外でのいろいろな活動、放課後の活動の充実に努めていくということが私どもの立場だということで、現在、これは先生御案内かと思いますが、学校のいろいろな施設の開放事業を通じました遊び場の確保とか、いろいろな団体活動とか地域活動の奨励というようなことで、文部省ができます範囲のいろいろな学校外活動の振興に努めていくという立場で施策を進めているところでございます。
○中村(正男)分科員 厚生省さん、今私が申し上げたような経緯でこれが今行われておりますが、厚生省としての現状認識、それからその役割、お聞きをしたいと思います。
○秋山説明員 核家族化の進行、あるいは女性の社会進出などによりまして、学校放課後の留守家庭児童に対する健全育成の要望が高まっているということは私どもも承知いたしておりまして、厚生省といたしましては、児童健全育成の見地から放課後の留守家庭児童について児童館において必要な指導を行っておるところでございます。 また、人口急増の新興住宅団地や、あるいは都市部におきまして特にその需要が高いということもございますので、先生のお話のように、本来ならこれは児童館の整備をして、それで現状の中でやるということになりますけれども、整備が整っておりませんので、地域組織による自主的な活動といたしまして、児童育成クラブに五十一年度から助成を行っているところでございます。これに対する平成二年度の予算案、今御審議いただいているところでございますけれども、二千七百二十六カ所分を計上いたしているところでございます。今後ともこれらの留守家庭児童対策の一層の推進に努めてまいりたい、このように考えております。
○中村(正男)分科員 自治省はどういうふうな認識をされておりますか。
○持永政府委員 いわゆるかぎっ子対策につきましては、大変重要な問題であると認識をいたしております。そこで、今お話ございましたこの児童育成クラブにつきましては国も補助をされておるわけでございますが、それに伴って必要になる都道府県あるいは市町村が負担する金額、平成二年度ベースで申し上げますと約十二億円強でございますけれども、これにつきましては、地方財政計画に計上いたしまして所要の財源措置を講ずるということにいたしておるわけでございます。 いずれにしても、こういう問題は今後とも所管省であります厚生省、あるいは学校開放の問題にちょっとお触れになりましたけれども、そういった問題については文部省になろうと思いますが、所管省と連携をとりながら的確な財源措置をするように努力をしてまいりたいと思っております。
○中村(正男)分科員 文部省と厚生省、それから自治省、三省がこの事業にかかわっておられるわけです。それぞれ役割分担があると思うのですが、一体この事業はこの三省のどこの省が本来主体的にやっていくのか、私自身ちょっとつかみかねておるわけなんです。これはそういうものじゃないんだ、それぞれ文部省は文部省としての役割、責任があり、厚生省は厚生省であり、自治省は自治省であるんだということなのか、そのあたり、質問のポイントがぼけてしまうのですけれども、これは本来文部省、とりわけ学校現場の施設を使っての児童会というのが一般的なんですね。地域の学校から離れたところでのそういう活動もございますが、大体は学校現場の放課後の施設を使う。あるいはごく直近のところでそういう建物を用意して、そして子供さんも先生、先生と言っていますね。そこらあたり、文部省はどういう意識なんでしょうか。
○富岡説明員 子供の側面につきましてはいろいろな面があろうと思いますけれども、子供が帰ってきまして親御さんが面倒を見られないという点は児童の保育という点の問題が大きいということで、児童福祉の観点から御対応いただくということが基本にあろうかというふうに考えているところでございます。 ただ、放課後の児童のあり方ということにつきましては、例えばいろいろな遊びを学校体育施設などを使ってやったり、社会教育施設で遊んだりというようなことはもちろん私どもとして応援していくことでございますので、こういう関係の事業につきましては努力をするということで対応しているという実情でございます。先生御指摘の、学校を例えば児童育成クラブ等の場にするというようなことは、学校施設は学校教育に支障のない限りそれぞれの設置者に御判断していただくということでございますので、学校そのものということにはちょっとまいらないわけでございまして、一応私どもの方といたしましては、児童福祉以外の社会教育等の部分については文部省としては一生懸命頑張っていく、こういう姿勢でいるわけでございます。
○中村(正男)分科員 実際上の運営面は、各自治体の教育委員会がかなり深くかかわっておると私は思うのですね。そういう意味合いでは、極端なことを言いますと家族の方々も学校にお預けしている、学校で面倒見てもらっている、こういう認識が一般的じゃないか。厚生省は予算措置をしてもらっているというふうに具体的にお聞きをしたのですけれども、実態はそうじゃないかと私は思うのです。教育委員会が運営の面、また子供さんの親御さんもこれは学校で面倒見てもらっているんだと思っている。もう少し文部省主体の児童会ということに、もとの軌道に戻すべきではないかと私は思うのですが、そのあたりもう一遍、どうですか。
○富岡説明員 先生のお言葉に沿えないかもしれませんが、学校の例えば施設等を利用するということは、地域の実情によってございますし、実際の指導の場面では、学校の先生がやっていなくても先生という言葉をお使いになることはよくあることでございますが、学校そのものがそれを受けるというふうな建前になっておるわけではございませんで、実際上それぞれの役割分担ということで進めていくべきことだというふうに認識しておるわけでございます。
○中村(正男)分科員 それでは、本当にこの事業に愛情を注いで携わっておられます方々は、一体三省のうちどこが主体的に考えておられるのですか。
○富岡説明員 例えば、福祉関係の立場から行いますいわゆる学童保育というような形で行われているクラブの指導者等につきましては、それぞれの福祉関係の部局が担当していただいておる、こういう認識を持っておるわけでございます。
○秋山説明員 私どもは、この事業を実施するに当たりましては、民間の指導者、地域の児童の保護者あるいはボランティアというようなものを利用いたしまして、地域福祉センターとかあるいは団地の集会所などを利用してさまざまな場所を活用するということでやらせていただいているわけでございまして、あくまでもボランティアの方々を中心にしたこういう事業というふうに認識をいたしております。
○中村(正男)分科員 それでは、運営の面の、とりわけそれぞれのクラブの財政ですね、そのクラブの財政については、地方自治体の出先を含めて文部省はどの程度のかかわり合いを持っておられるのか。あるいはそれは厚生省がそういった財政についての管理監督をやっておられるのか、自治省なのか。いわば財政面でのクラブの健全育成、そういう面の面倒はどこが見ておられるのでしょうか。
○秋山説明員 厚生省が実施いたします児童育成クラブにつきましては、私どもが各自治体を通じて助成をするという立場でございますので、私どもの方でその予算は一応確保させていただいております。
○中村(正男)分科員 私が、献身的にその業務に携わっておる方々の身分をお聞きしますと、嘱託だ、パートだ、アルバイトだ、あるいは東京都のように正職員だ、非常勤だ、本当に千差万別なのです。結局、自治体とその身分の安定あるいは雇用問題についてそれぞれ話し合いをしておられるのが実情ではないかと思うのです。そういう意味合いでは、私は、自治省がそのあたりのいわばコーディネーターといいますか、まとめ役といいますか、そういう役割が非常に強いのではないかと思うのですが、それも各都道府県単位であって本省のかかわる問題ではないというふうな感じがしてならないのです。自治省、その辺はどうでしょうか。
○持永政府委員 地方団体はいろいろな仕事をたくさんやっておるわけでございますけれども、やはりそれぞれの仕事によりまして所管の各省というものがあるわけでございますから、基本的には、今お話がございました育成クラブの問題等については厚生省、あるいは学校開放事業等については文部省、そういう形でそれぞれの所管省がまずいろいろ仕事のやり方なり財政的な手当ての仕方なりを御検討いただきまして、私どもはそれに沿って所要の財源を手当てしていく、こういう立場にあるわけでございます。 確かに、先ほど来お話がございますように、全体として、こういった問題は厚生省と文部省の境目にあるようなものもございますけれども、地域によって厚生省がおっしゃっておるようなやり方をする方が好ましいところもありましょうし、あるいは学校の先生にお願いして学校を使ってやる方が好ましい場合もありましょうし、地域の実情によっていろいろ差があると思います。そういったことで、地方団体はいろいろな形で対応するということになろうと思いますが、個別の事業の問題につきましては、基本的にはまずそれぞれの所管省で御検討をいただくことが必要ではなかろうか、このように考えておる次第でございます。
○中村(正男)分科員 私は、そんなに難しく考えて、三省それぞれが、個別の事業主体はというようなことではないと思うのです。遠方の子供さんのことじゃない、要はその校区の子供さんのお世話を、しかもその学校を主体にやっておられるのであって、難しく地域の育成事業だ、どうだというようなことではないのじゃないか。私は、この児童会のそのことについてのより国の関与、制度化をきょうはお願いに来たわけなんですが、これも日本の縦割り行政の一つの大きな弊害じゃないかなと率直に思うのです。自治省は直接的には関係ないという感じがしてならないような答弁なんですが、私はそういった方々とお話ししますと、これは自治体にお世話してもらっているんだという意識が非常に強いのです。そういう面で、この制度はぜひこれから充実させていかなければならないというのが時代の要請だと思うのです。 たまたま、昨日でしたか、街頭で「何だろう子供の権利条約って」というビラを配っていたのですが、国連で採択された子供の権利条約、これも早晩日本の国会でも批准をしなければならぬ、そこまで国際的にも子供の権利あるいは保護ということが強く打ち出されてきておるわけです。それがいわば末端の暮らしの中では、三省庁がそれなりに努力はしてもらっておりますけれども、実態面では職員さんの身分、雇用の問題がばらばらである、また運営も非常にそれぞればらばらな状態である。 聞くところによりますと、入りたいけれども、あなたのところは留守宅じゃないから入れない、そういう差別的なことでクラブにも入れてもらえないというような苦情も来ている。根源的には、事業はどんどん時代の要請があるにもかかわらず国として一元的なきちっとした制度化がなされてない、そこに一番大きな問題があるのじゃないかと私は思うわけでして、ぜひひとつそういう面で、きょうは奥田自治大臣に聞いてもらいましたので、問題提起をさせていただきますのでよろしくお願いして、最後に大臣の所見をお伺いして終わりたいと思います。
○奥田国務大臣 さっきから大変興味深く聞いていたのですけれども、女性の社会進出がこれだけになってまいりますと、これは本当に捨てておけない問題ですし、今お聞きしますと、何か放課後の勉強の場ですか、遊びの場も兼ねて——私は、この間、鹿児島県の加治木町というところへ参ったのです。ここは児童文学者の椋鳩十さんというその道では有名な方がおられたところなんですけれども、そういったことは別にいたしまして、この間のふるさと創生事業で、ここの町長さんは、子供のこと、特に子供の遊び場、学習場、これが今日の管理社会の中で一番おくれている、だからこのお金を有効に使わせてほしいという形で、もちろんあの一億円だけでは足りませんでしたから別な形で措置しまして、総額にして三億円近く環境整備も含めて投入しました。片方には椋先生の児童記念館みたいな、大人の皆さんにも結構楽しめるような施設にして、その隣を全部子供の遊び場にする。そして学習場として図書館、ですけれども、ここは変わっておりまして、机も何も置いてなく、寝転ぶところもあるし腰かけるところもある。そこには図書がたくさんありますけれども、持って帰ってもよし、借りてもよし。この運営はだれがやっているのだと言ったら、近所のボランティアのおばさんと、児童の中で自然とボスができてもう全部勝手にやらしておる。しかも、大人は外から監視とか何とかではなくて、本当に自主的にやらしている。実に明るく伸び伸びと、そしてお母さんらが働きの場へ行っても、そこは外の広場も結構敷地もとってありますし、こういった管理社会の中で本当に濶達な、伸び伸びとした、しかも子供の自治意識もそこから育ててやりたいという町長さんのアイデアで、これはすばらしい、この人は将来の町おこしはまさに子供にかけておる、そんな形を見て感激したのです。 こういったソフト事業で、今文部省や厚生省の所管のことは別にして、ここは人口一万数千人の小さな町ですけれども、そういう形があれば、ことしの平成二年度でもソフト事業で大体二千億ぐらい交付税措置をする予算を持っております。ですから、こういった知恵を出す地域に対しては、こういった児童対策も含めてお手伝いできるなと、今聞いておって思ったわけです。 ですけれども、基本的には今先生の御指摘のものはもう既に六千カ所、しかも、聞いてみますと厚生省もことしの予算でも三千カ所近く措置を講じておるわけですから、この芽は大事にしていきたいな。ですから、これはそんな厚生省や文部省と言わず、片面から見れば教育であり、片面から見れば児童福祉、片面から見れば自治体にとっては将来の大変大事な宝が育っていくわけですから、これは各省とよく連絡をとって、そんな所管争いをするような仕事ではありませんから、そういった意味ではお金は厚生省が出せばよし、自治体ももちろん負担は別の地財計画の中で措置してまいります。文部省はそういった大所から児童のそういった授業外の余暇に関してのそういった点も注意してもらわねばいけませんし、三位一体体制の中で何とかあるべき方向にしよう。しかし本来これは、果たして先生の御指摘のように、きちんと職員の身分も張りつけて資格を持った人にやらすのがいいのか、あるいは場を提供してそれを外から児童心理を少し勉強された人がじっと見守っていてあげた方がいいのか、その点も研究課題として、この児童クラブの本旨だけは大事にして、自治体も協力してまいるという姿勢で御理解賜りたいと思います。
○中村(正男)分科員 ありがとうございました。ただ、大臣が例に出されたようなそういうユートピアのところはいいのですが、大都会のかぎっ子対策というのはそんななまはんかなものではできませんので、そういう意味合いできちっとした基盤の制度化だけはやってもらって、その上で、いろいろな地域によっての特色があっても私はそれは大いにいいことではないか、ぜひひとつ御検討をお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
○工藤主査 これにて中村正男君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして自治省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。 これにて散会いたします。 午後三時三十二分散会