予算委員会第五分科会 第1号
- 発言数
- 551 件
- 登壇者
- 52 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/04/26
会議録
○自見主査代理 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。 主査所用のため、その指名により私が主査の職務を行います。 本分科会は、総理府所管中環境庁並びに農林水産省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。 平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算及び平成二年度政府関係機関予算中農林水産省所管について、政府から説明を聴取いたします。山本農林水産大臣。
○山本国務大臣 平成二年度農林水産予算について、その概要を御説明申し上げます。 各位の御協力を得て御審議いただくに当たりまして、予算の基礎となっております農林水産施策の基本方針について御説明申し上げます。 我が国農林水産業及び食品産業等の関連産業は、申すまでもなく、国民生活にとって最も基礎的な物資である食料等の安定供給のほか、地域社会の活力の維持、国土・自然環境の保全等を通して、我が国経済社会の発展と国民生活の安定に不可欠の役割を果たしております。 また、我が国は、豊かな太陽と水に恵まれ、温暖多雨な気象条件のもとで、南北に長い変化に富んだ自然条件を有するとともに、消費水準の高い大きな国内市場、すぐれた生産者や高度な加工技術を有する食品産業等を基礎に、農林水産業及び関連産業の発展を図る上で有利な条件を備えております。 こうした有利な条件を生かし、我が国農林水産業及び関連産業の持てる力を遺憾なく発揮すれば、当面する諸問題を乗り越えて、我が国農林水産業等に確固たる展望を開くことが可能であります。 このような基本認識のもとで、農林水産省といたしましては、農政審議会報告「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」を踏まえ、食料供給力の確保と国民の納得し得る価格での食料の安定供給を旨として、与えられた国土条件等のもとで、経営規模拡大対策の充実等を初め、生産性向上を図るとともに、不利な条件のもとにある中山間地域等農山漁村地域の活性化を推進していく必要があると考えております。 以上のような基本的考え方のもとに、将来への明るい展望と魅力ある農林水産業・農山漁村地域の実現や関連産業の振興を図るため、平成二年度予算案において、所要の予算を計上したところであります。 平成二年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、総理府など他省庁所管分を含めて、三兆一千二百二十一億円となっております。 予算の編成に当たりましては、財政及び行政の改革の推進方向に即し、各種施策について、予算の重点的かつ効率的な配分により質的充実を図り、農林水産行政を着実かつ的確に展開できるよう努めたところであります。 以下、農林水産予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、御説明を省略させていただきたいと存じます。よろしく御審議くださいますようお願いを申し上げます。 以上であります。
○自見主査代理 この際、お諮りいたします。 ただいま山本農林水産大臣から申し出がありました農林水産省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略いたしまして、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○自見主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔山本国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、予算の重点事項について御説明します。 まず、農業施策に関する予算について申し上げます。 第一は、土地利用型農業の体質強化等を目指した構造政策を積極的に推進することであります。 まず、個別経営の体質強化を図るため、若い担い手農家等に対する経営指導、経営分析と規模拡大後の経営安定のための助成を行うとともに、足腰の強い土地利用型農業経営を育成するための新たな資金を創設します。また、地域の立地条件に応じた農業・農村の活性化を図るための農業構造改善事業を新たに発足させます。 農業基盤整備事業につきましては、大区画圃場整備の推進等生産性の向上、農業生産の再編成、農村地域の活性化等に資する事業に重点を置いて、計画的な事業の推進を図ることとし、一兆二百四十九億円を計上しております。 また、土地改良事業の農家負担金の軽減と計画的償還を一層推進するため、五年間で一千億円の資金を造成することとし、平成二年度予算案においては、一五〇億円を計上しております。 さらに、新規就農者を含めた担い手対策を引き続き進めることとし、都市と農村の青年の相互理解を深めるための交流などを実施します。 第二は、需要の動向に応じた生産性の高い農業を展開することであります。 多様な水田農業と水田利用の展開、効率的な生産単位の形成、地域輪作農法の一層の推進を旨として、平成二年度から四年度までの水田農業確立後期対策を実施します。 また、土地利用型農作物の生産性向上指針を策定し、その実現に向けて各種対策を集中的、計画的に実施するなど、主要作物についての総合的な生産対策を充実します。 さらに、肉用牛対策を充実するなど、畜産についての総合的な対策を講ずるほか、効率的な家畜の改良増殖等を推進するため、家畜改良センター(仮称)を設立します。 第三は、条件が不利な中山間地域等の活性化を図ることであります。このため、付加価値の高い農林水産業の振興、生活環境の整備、就業機会の確保、都市との交流の促進等を行う特別対策や、農林業の生産基盤と生活環境基盤を総合的に整備する事業を推進するほか、新たな資金の創設、地域の特色を生かした多様な農林業生産の振興等を図ります。 第四に、農林水産業、食品産業等の技術の開発・普及等であります。 バイオテクノロジー等の基礎的・先導的研究を重点的に推進するほか、消費者及び食品産業のニーズに対応した研究開発、研究交流、民間の研究支援を実施します。 また、先端的農業技術の実用化及びその普及を推進します。 さらに、農林水産行政の推進に資するため、各種統計情報の整備を図ります。 第五に、良質な食品を提供する観点から、優良な地域食品について、ふるさと食品としての産地、品質等の認証、普及等を行う事業を実施するほか、米の需要拡大と需給の調整のための特別事業の実施、食糧管理制度の適切な運用等により、農産物の需給と価格の安定に努めます。 第六に、食品産業対策、食品流通対策、輸出促進対策について申し上げます。 食品産業につきましては、バイオテクノロジー等を用いた技術対策を充実いたします。 食品流通対策につきましては、食料品商業について、組織化等を通ずる経営の近代化と競争力の強化を促進します。 また、海外におけるアンテナショップの増設やテストマーケッティングの実施等により、品質的に優れた日本産の農林水産物の輸出の促進を図ります。 第七に、地球環境保全対策と国際協力の推進であります。 熱帯林の減少、砂漠化の進行、地球の温暖化等の地球環境問題に対処するための調査・研究等を充実するとともに、農林水産業に関する国際協力を実施します。 以上申し上げましたほか、農林漁業金融の充実、農業信用保証保険制度の拡充を図るほか、農業者年金制度、農業災害補償制度等の適切な運営に努めることとしております。 次に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。 国土の保全と林業生産基盤の整備を図る観点から、治山、造林及び林道の各事業を計画的に推進することとし、三千三百三十億円を計上しております。 また、林業・山村の活性化を図る新たな林業構造改善事業を発足させるとともに、若者の新規参入の促進、森林組合の作業班の育成等による林業担い手育成総合対策を実施します。 さらに、国産材の流通体制の整備と木材産業の体質強化、森林の保全整備と総合利用の推進等を図るほか、国有林野事業の経営改善を強力に推進することとしております。 続いて、水産業施策に関する予算について申し上げます。 二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興を図るため、漁業生産基盤たる漁港、沿岸漁場の整備を計画的に推進することとし、二千百四十九億円を計上しております。 また、我が国周辺水域の漁業の振興を図るため、栽培漁業等つくり育てる漁業について、その振興におくれが見られる地域にも特段の配慮を払いつつ、積極的に推進することとしておりますの さらに、漁協の信用事業の統合等による漁協の経営基盤の強化を図ります。 また、水産物価格の安定を図るための需給安定対策の強化を図るほか、資源開発や国際漁業協力を推進することとしております。 次に、特別会計予算について御説明いたします。 まず、食糧管理特別会計につきましては、管理経費の節減等に努め、一般会計から調整勘定への繰入額を二千三百二十億円とすることとしております。 農業共済再保険、国有林野事業特別会計等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ、生物系特定産業技術研究推進機構への産業投資特別会計からの出融資等総額八千二百八十五億円を予定しております。 これをもちまして、平成二年度農林水産予算の概要の説明を終わります。 ─────────────
○自見主査代理 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。 ─────────────
○自見主査代理 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 また、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小森龍邦君。
○小森分科員 おはようございます。 私は、この分科会におきまして、日本の農政全般にわたって、その持つ、私とすれば最も大事な側面であると思っております、農業が日本社会にどういう位置を占めているか、それが人々の意識にどういう関係を持って、従来言われておりますように農村が非常に封建性が強い、こういう言葉で表現をされております、そのあたりを農林水産大臣にお尋ねをしたい。それは、ひいては今アメリカが日本の経済構造についていろいろと提起をいたしておりますいわゆる日米経済構造協議にも関係をする問題でありまして、単に日本社会の問題だけでなくて、いわば国際的な問題にも関連をする問題である、こういうふうに考えましてお尋ねをしたいと思います。 御承知のとおり、人間社会における人々の意識という問題は非常に人権と深くかかわっておりまして、これは申し上げるまでもなく我が国憲法は基本的人権を基盤とした国の政治の方向ということを考えておるわけでございますので、その点を踏まえて私も質問をいたしますし、同時にまた、大臣におかれてもそういう観点でひとつお答えをいただきたいと思います。 まず、日本の農業における一番大事なポイントは土地の所有形態でございまして、私が調査したところによりますと、明治の初年あるいは明治の終わりごろの土地の所有形態と、第二次世界大戦が終結いたしました昭和二十年、一九四五年ごろの土地の所有形態が、自作と小作ということに分けてみますとその比率が大体同じような状況で推移いたしております。これは学者の調査したところによりますと、政府の統計調査では残っていないようでありますが、明治の初年と明治の終わりごろとを比べてみると、大体自作と小作の関係は小作の方が面積的にはふえておる、こういう状況でございます。これが私の非常に心配いたします我が国の農業あるいは農村の封建的な人間関係をつくり出しておる、こういうふうに思うわけでございます。 そこでお尋ねをいたしたいのは、そういう意識形態というものを踏まえなければ日本の農業政策というものを本当に近代化の方向に向けて樹立することができない、こういうふうに思っておるわけでありますが、その点を加味された政策を政府は考えておられるのかどうか、そういう点をお尋ねしたいと思います。
○片桐政府委員 先生御指摘のように、昭和二十年以前で考えますと、日本の農村社会は、いわゆる地主制度といいますか小作制度というますか、そういう形態が非常に多かったということは事実でございます。そういう地主制度の改革という観点から戦後広範に農地改革が実施されて、二百万ヘクタールを超える小作地が解放されたというふうに承知いたしております。その後農地法によりまして、農地は耕作者が所有することが最も適当であるという観点から、自作農育成という施策を継続している次第でございます。 ただ、最近の農業経営規模拡大を促進するという観点から、なかなか所有権の移転という形での規模拡大が難しいということで、賃貸借による規模拡大というものも促進している次第でございます。
○小森分科員 農地改革によって二百万ヘクタールほど解放されたということは私も承知をいたしておるのでありますが、その際に、果たしてそれが従来の我が国の農村における土地所有形態を根底から変えることに役立ったかどうかという問題があるわけでございまして、私が関与いたしております部落解放運動の観点からいきますと、従来ほとんど土地を持たされていなかった者、差別の結果そうであった者が、農地改革のときにも他の者よりはかなり不利な社会的な条件のもとに立たされた。それは、非常に荒れ地であるとか、自分たちの住んでおるところから遠く離れたところであるとか、日照の時間が非常に短いとか、そういうところ、これまで社会的な条件で不利なところを耕作させられておったわけでありますから、その辺のところがかなり厳しい条件として残ってきたわけであります。 そうなりますと、今農地改革以後の戦後の我が国の農業形態においても、農地改革のところで一つの大きな変化があったから、そしてそれを例えば賃貸によって自作農面積をふやしておるからというだけでは私は日本の国の農村の構造というものを根本的に変えることにはならない、こう思いますが、いかがでしょうか。
○片桐政府委員 先生御指摘のように、農地改革の際は、いわゆる小作している農地につきまして地主から所有権を強制的に取得してそれを売り渡したということでございますので、確かに条件の悪い土地について耕作をしていたという方々については、やはりそのまま条件の悪い状態で残されたということはそのとおり事実だと思います。私どもといたしましては、そういうような条件の悪い形で耕作している方々の農業振興対策といいますか条件改善ということにもいろいろ努力している次第でございます。
○小森分科員 この問題は、私どもとすれば非常に重大な問題であると思っておるわけでありまして、農村の封建的な意識というのがさまざまな形であらわれておりますが、例えば部落差別に対してどういう形であらわれるかということについては、同和対策審議会の答申が非常に明確な分析をいたしております。 それをちょっと二、三行でありますから読み上げてみますと、「わが国の産業経済は、「二重構造」といわれる構造的特質をもっている。すなわち、一方には先進国なみの発展した近代的大企業があり、他方には後進国なみの遅れた中小企業や零細経営の農業がある。」こういう分析をしておるわけであります。「この二つの領域のあいだには質的な断層があり、頂点の大企業と底辺の零細企業とには大きな格差がある。」これは後ほど私は他の、通産省を相手取って議論をする分科会でもいろいろと議論いたしたいと思っておるのでありますが、この零細経営の農業が、つまり上見て暮らすな下見て暮らせ、上見りゃきりなし下見りゃきりなし、何事もあきらめが肝心、こういう特に農村に根強い封建的な意識とつながっておる、ここのところを同対審は分析しておるわけであります。 したがって、農林省も今までいろいろ努力をされておるということは私はわかります。個々の農機具の問題とかあるいはその他の補助金などについて努力されておることは私もわかるのでありますが、この辺のところに対してもっと的確な施策を打ち込まなければ日本の農村の問題は解決しない、そのことが回り回って今我が国の農村の非常に重要な問題となっております米の自由化の国際的な議論に結びつく。これは時間がありませんから、きょうそこの論理を詳しく申し上げることはできませんけれども、そういうことになっておると私は思うのでありますが、農政の上でそういう意識の変革をやらなければ問題が解決つかない。 そうなればその意識を支えておる現実を変革しなければ解決つかない、こういうことを強く私は思うわけでありますが、それは部落問題のみならず我が国の東北地方の農民の出稼ぎ、生産性の低いところの農民の出稼ぎというものと深くかかわって、家庭が破壊をされたりいろいろな問題が起きておりますが、そういうことと深くかかわるわけでありますが、その辺についていま少し詳しく見解を述べていただきたいと思います。
○片桐政府委員 農村地域は全国の同和地区の八割が存在しているというように承知しております。その主要な産業は農業である、また一般地区に比べまして零細経営が多い、それからまた、不安定兼業の割合が高いということで極めて厳しい状況にあるというふうに認識いたしております。農林水産省といたしましても、所掌いたしております農業振興方策とか農村活性化方策、そういう方策の中で積極的な活用を行いまして同和地区の改善に引き続き最善の努力をしてまいりたいというふうに考えております。 また、先生御指摘の意識の改善という問題でございますけれども、私ども、先生御指摘のように、さらに啓発とか教育活動、こういうものを推進することによりまして意識の改善を進めるということが極めて重要であるというふうに認識しております。農林水産省としましても、啓発事業官庁であります総務庁とか法務省、労働省と連携をとりつつ取り組んでまいりたいというふうに考えております。 具体的に、農林水産省におきましても、啓発に係る事業といたしまして、関係府県が農林漁業団体の役職員等の参集を得て開催する地域改善対策対象地域農林漁業振興推進会議、こういうような会議を開催するように支援をいたしておりまして、本会議を通じまして関係農林漁業団体の同和問題の理解と協力を深め、地域一体となった地域改善対策の効果的推進に努めているところでございます。
○小森分科員 我が国の総務庁とか法務省とか主として啓発を担当される省庁にありまして、その認識というものが非常に誤った方向に行きつつある。その認識の誤った方向というのはどういうことを意味するかというと、意識の根底に、その意識をそういう方向に向かわしめる客観的な存在というものがある。ここのところを無視して意識、意識と言うておるところに、この人たちのやっておることがなかなか効果の上がらない、いわば政策的見通しの欠陥というものがあると思うのであります。 例えば減反の政策を一つとってみましても、そもそも土地の所有面積の低い者に対して、それの五倍も七倍も土地を持っている者とパーセンテージでばさっと一律に減反政策をかけてくると、一番困るのはわずかしか土地を持ってない者が困るわけであります。ところが、そこを優遇すると、今度はせらいというものが出てくる。ねたみが出てくるということで、差別意識というのは形を変えて言うと分裂の意識でありますが、そういう分裂意識が生まれてくる。 しかもこれは、農林水産省に私は反省をしてもらわなければならぬと思いますことは、ペナルティーというものを個々人に、減反に対して応じなかったその者に対してペナルティーをかけるというよりは、農区とかあるいは地域によっては振興区という呼び方をしていますが、ある一定の単位に対して、おまえたちのところにこういう不届きな者がおるから、いわゆる連帯的な責任をとってもらいたい、こういう意味のペナルティーがかかりますから、ちょうど江戸時代の五人組制度と同じなんであります。その江戸時代の五人組制度を当たり前だと思う意識と、今日のそのペナルティーに対して農民自体から異議を言う者は余りおりません。これは農林省も既に聞かれておられるかもわかりませんけれども、部落解放運動の観点から県の農政部あたりを相手取ってそれを議論したことはあると思います。 ところが、それがみんなの意識で、おかしい、近代社会の個々人の尊厳ということから言うたら自分にかかわらないことで自分にペナルティーがかかるのはおかしいという意識、そういう権利意識が生まれてこないところに私は農村の、農業の現在時点の構造と人間の意識との照応関係というものがあると思うのであります。そういう点がありますから、少々のことではいかぬのでありまして、根底的に農村というものを改造というか改革をしなければならない、こういうふうに私は思います。 したがって、いろいろ議論をしてもあれですから、例えば今ペナルティーの例に徴して実際の政策と人間の意識、実際の客観的な農村の構造と人間の意識というものについてどういうふうに判断されますか。
○松山政府委員 転作問題にかかわるお尋ねでございます。 御案内のように、米の消費拡大に積極的に取り組んでおりますものの、これの減少がなお続いておるという状況の中で、むだを生じさせないで健全な水田農業の発展を図っていくという観点からは、全国各地の農家の方々にみずからの問題としてこの問題を受けとめていただき、さらに米の需給均衡を図りますとともに、国民の皆さんに理解していただけるような生産性の高い水田農業の確立を図るということで各地で御苦労をいただいておるわけでございます。 具体的に各村々の段階で農協の配分にいたしましてもどうするかということは、一番現地の事情に精通しております市町村長とそれから農協長との間でいろいろと御相談もいただき、できるだけ御納得のいただける形での各農家の需要にも即したような配分をお願いをしておるところでございます。 今お尋ねのペナルティーと申しましょうか公平確保措置の問題でございますが、目標を達成した方と未達成の方との間の公平を確保いたしますための最小限度の措置としてそういうものを制度の中に仕組んでございますが、具体的な全体としての仕組みといたしますと、県を単位として考えまして、県を単位に目標を達成した、達成しないというのに応じまして、全体として未達成がございましたときにその分を翌年度加算していく、それを県から市町村、市町村から農家におろしていただくというのが基本形でございます。 ただ、県全体としては目標は達成はしておるけれども、市町村によってあるいは農家によって目標の達成がされておらないような場合にどうするかというのが、これまた県なり市町村なりの担当の頭の痛いところでございますが、ここのところは各地の事情に任せておるというのが今の仕組みであります。 そこで今御指摘がございましたケース、私必ずしも具体的な形としては承知はしておらないわけでございますけれども、恐らく市町村の段階で地域の事情に応じた転作の円滑な実施を図っていくという観点からとられておる措置ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。 それはどういうことかと申しますと、御案内のように、我が国の水田はかなりそれぞれの耕作しております土地がばらばらになっておるという意味での分散錯圃の形態にあるわけでございますけれども、そういった分散錯圃の形態にあります水田農業の生産性の向上を図っていきますときには、一定の地域的な取り組みの中で、まとめた形で、あるところでは転作を行い、残りの部分で稲作を行うといったような取り組みをする方がその地域の農業発展という点から見れば好ましい、そういう恐らく判断があった上で集落ないしは一定のまとまりを単位とした公平確保措置の適用というようなことをやられておるのではなかろうか、このように考えるわけであります。 いずれにいたしましても、私ども、地域の事情に即し、かつその地域の水田農業の展開を図っていく、そういう基本的な立場で現実的な取り扱いが行われるように引き続き指導してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○小森分科員 時間の関係がありまして突っ込んだやりとりができないことを残念に思いますが、要するに、こういう点も同和対策審議会答申が明確にうたっておるわけであります。これも一行余りですから、文章を読んでみます。 「今日なお古い伝統的な共同体関係が生き残うており、人々は個人として完全に独立しておらず、伝統や慣習に束縛されて、自由な意思で行動することを妨げられている。」つまり、人々は個人として近代市民社会の一番原則である、憲法でいうと、第十三条「すべて国民は、個人として尊重される。」という、あの個人の権利意識に目覚めていない、そこが問題だ、こういうことを言っておるわけであります。 それを支えるものが、きょうは触れませんけれども、例えば漁業の面とか、あるいはその漁業にかかわって漁業協同組合の現実的な運営の問題とか、あるいは今私が申しました減反政策一つとってみても、ペナルティーの問題の中にそういう個人のつまり完全な独立ということが阻害されるような状況というものは随所にあるわけであります。その点をこれからの農林水産の行政の中にいつも念頭に置いてやっていただきたい。 そのためには個々の実情のわかる省庁が、これは私は部落問題に限って言っておるのではありませんよ。すべての近代的な合理的なことをやるために申し上げるのでありますが、やはり啓発の担当の省庁にそれが反映するような、各省庁の連絡網いろいろあると思うのでありますが、最大限ひとつそういうことを行っていただきたい、こういうことを申し上げておきます。 時間がなくなりますから農林水産大臣の方にお尋ねをしたいと思うのでありますが、先ほど来のことで大体人間の持っておる現時点における意識というものと、その意識が培われる客観的な存在の関係というものはおわかりをいただけると思うのでありまして、特に同和対策審議会の答申は極めてそれを哲学的に分析しております。例えば実態的差別と心理的差別は相互因果関係ということを言い、同時に差別の観念は単なる亡霊ではない、客観的基礎がある、こういう意味のことを言いまして、だからこそこれが全国的に高く評価をされたわけであります。したがって、農林水産大臣、そういうことをひとつ十分頭にとめていただくということをお願いをすると同時に、もう一つ今日の農政の観点で現実を私申し上げたいと思うのであります。 政府自体の統計調査によりましてもそこは明確だと思うのでありますが、つまり米なら米をつくったその粗収入、売上高ですね、その売上高に占めるいろいろな払いがありますが、例えば農薬代を農協に払うとか、あるいは肥料代を払うとか、あるいは農協があっせんしている場合も多いと思いますけれども、農機具店で農機具を購入して農機具代を払うというのが、調べてみますと一九七七年、昭和五十二年は農機具代の占める割合が二三・六%でございました。ところが、五年たって二八・四%にふえ、そして十年後の一九八七年、昭和六十二年には三一・五%に上がっておるのであります。 そして農民が働いた、つまり自分の労賃に当たる部分、最後に残る部分でありますが、その残る部分は結局だんだんそれとは逆に減りまして、一九七七年は四五・五%であったものが十年後には三六・二%に減っておる。ここに私は日本の農村が近代化されない、農機具がぐっと入ったんだから形の上では物すごい近代化されたように見えるけれども、現実の懐ぐあいというか人間の思いというものは、働けど働けど我が暮らし楽にならず、こういうような感じを持って、それはひいては長い物には巻かれろ、こういう考え方になるわけでありまして、そういう点をどういうふうに改革するのか。 私はこれは少し意地悪く言ったら、社会党も米の輸入自由化反対、自民党の皆さんも自由化反対、今のところこういう立場をとっておるわけですね。ところが、その思いがそれぞれ違いまして、日本の農業が今より半分になると農機具が半分しか売れないようになるんじゃないか、つまり大企業、工業向けの姿勢というものがあって、それがある程度ガードをかたくしておるのではないか、これは皮肉な考えですけれども、そういうふうにも思いたくなるんですね。ここらのところがかっちりならないと、本当に最終的には国際競争に勝てない、こういうことを思いますので、この辺についてはひとつ大臣の所信を伺いたいと思います。
○松山政府委員 大臣のお答えに先立ちまして事務的に若干の状況の御説明をさせていただきたいと思います。 先生御指摘のございましたように、農業の機械化が進む中で生産費に占めます機械代のウエートというのが年々高まってきておる、これは事実でございます。その場合、私どもが頭に置く必要があると考えております点は、今御指摘のございましたような稲作をめぐるもろもろの事情を考えるにつきましても、アメリカなりほかの広い土地を持っておる国とは事情が違いますから、同じというわけにはまいらぬにいたしましても、できるだけ生産性を上げて国民の皆さんにわかっていただくということが基本的に重要だ、そのためには、当然のことながら機械化できるところは機械化し、省力化できるところは省力化していくという努力が必要だと思います。 そうなりますと、今申し上げましたように機械化のウエートというのは高まってくるわけでありますが、その場合、重要な点は、その機械をできるだけ効率的に利用して、単位当たりのコストを下げていくという努力、このためには当然規模の拡大を伴なわなければならぬというようなことに相なるわけでございます。また、そういう規模の拡大をしにくいような事情にあるところでは、ある意味ではできるだけ集約的な農業を心がける、農家の取り分をふやしていくというような、そういう地域の事情に即した(小森分科員「最後に大臣から聞きたいから、ちょっと簡単にしてください」と呼ぶ)努力が必要だというふうに考えております。(小森分科員「大臣、簡単にやってください」と呼ぶ)
○山本国務大臣 お答えいたします。 先生、るるお触れになりました同和問題、これは憲法に保障されました基本的人権にかかわる重要な問題であるというふうに私は認識をしております。政府は、同和対策関連の特別措置法に基づきまして今日まで関係施策の推進に努めてまいりまして、それ相当の成果を上げてきたというふうに考えております。 農林水産箱といたしましては、関係各省庁とも連絡を図りながら、今後とも引き続き本問題の重要性にかんがみまして、特に地方公共団体などと一体となりまして一日も早い解決のために最善の努力をしていくことを申し上げたいと思っております。
○小森分科員 最後に一つだけ申し上げておきますが、部落問題のみならず、農業が荒廃をしておる地域の人が都会に出稼ぎに参ります。そこで、私の知っている、この例は同和地区でありますけれども、百世帯ぐらいの部落から働きに出て、そして自分のところの生計が立たないから、とりあえず不利なところでも働き口を求めて働くということで非常に労働災害をたくさん受けておる。百十世帯ぐらいの部落でありますが、この十年間か十五年間のうちに口まねをするように十三人の青年が労働災害で死んでいます。 そういう深刻なことがあることを踏まえて、これは単に頭の問題だ、頭の切りかえの問題だ、啓発の問題だと、特に法務省の実態を知らない人権擁護局の役人はそう言っていますけれども、これは私はこれから議論するところなんですけれども、ぜひひとつ実態を踏まえて各省庁間の連絡を密にしていただきたいと申し上げて終わりたいと思います。
○自見主査代理 これにて小森龍邦君の質疑は終了いたしました。 〔自見主査代理退席、主査着席〕
○内海主査 次に、小川信君。
○小川(信)分科員 私、日本社会党の小川信でございます。 土地改良事業のことについて若干御質問し、御意見、お考えを聞きたいと思います。 その前に、私は山口県の一区から出た者でございますが、私自身約三十年間農業関係の団体、職場におりました者で、端的に言いまして農協中央会におりましたが、そういうふうな中でたくさんの県下の農家の方々に接してまいりまして、いろいろと意見なり考え方を聞かしていただき、今日まで来たものでございますけれども、山口県の土地改良事業、特に圃場整備事業は、全国的に見ますと非常におくれておったところを最近急速にこの事業に取り組みを進めておるというような状況の中で、幾つかの農民の方々からの意見なり要望というものが出ておるわけでございます。 圃場整備事業等々については、さらに進めていきたいという気持ちは非常に強いということでございますが、その点でまず第一にお尋ねしたいのは、現在、第三次土地改良計画が進められておられますけれども、これは平成四年度が最終年度ということで進めておられるわけでございます。投資総額が三十二兆八千億という膨大な規模で行われておりますけれども、現在のこの圃場整備等百万ヘクタールというのを目標にして進められておられます。 農地の整備率を七〇%に持っていく、これで農業の近代化の基盤をつくっていこうというようなお考えでございましょうけれども、進捗率等々を見ますと必ずしもスムーズにいっていない。それから、一般公共の予算の中に占める土地改良事業等々のシェアもだんだんと低下をしてきておるというような傾向にある中で、これら土地改良計画を計画どおり平成四年度に実現できるのかどうかというような問題、さらには、蛇足になりますけれども、先般来の日米構造協議の中で公共投資を充実強化する新たな十カ年計画をつくっていくというようなことも示されておる。 これらの関連について、今後この第三次土地改良計画を平成四年度を目標に計画どおり実行するということについての自信なりお考えと、さらには日米構造協議等々にかかわる公共投資の充実について、第四次の土地改良計画等々の具体的な取り組み、さらにはそれにかかわるどういうところを重点に進めていかれるのか、その点について、これは基本的なことでございますので、大臣または局長の方から御回答いただければと思います。
○山本国務大臣 それでは、私の方から基本的な認識なり方針なり先に申し上げまして、なお具体的な問題につきましては局長の方から補足をさせたい、こう思っております。 今先生の御指摘のとおり、第三次の土地改良長期計画、これは五十八年度から平成四年度まで十カ年計画で進めてまいりました。大分おくれておったが、大分最近は進んできた、こういうお話もございましたが、どうも進捗率が、けさも勉強させてもらいますと四九%だということで、年数にかんがみますと、これはかなりおくれてきたというふうに思っております。したがって、とりあえず現行長期計画の着実な推進、早急な推進、これを図ることが今後重要だ、こういうふうにまず考えております。 また、先生時々御指摘だそうでございますが、高生産性水田農業、生産を上げるということがすべての農業の基本だということで、今私ども各所で発言もしておりますけれども、この水田農業についても生産性を高める、こういうことでございまして、それによって生産コストを引き下げるということが急務だ。とすれば、この区画の大規模化を図ることは適当である、こういうふうに必然的になるわけでございます。 先生御承知でございましょうが、現在、目標としている圃場の規模は、日本の水田の持つ自然的、社会的条件及び圃場整備の技術的水準などから一応三十アール、三反区画と俗称言っておりますが、この三十アール程度として、これによって生産性の向上を図るということで進めておるわけでございます。 しかし近年、新しい圃場整備技術が開発をされたということもあり、これもたびたび御主張だそうでございますが、もっと大規模にできないかというふうな御発言もあったように聞いております。私もそう思っておりまして、けさも質問もしたわけでございますし、勉強もしたのでございますが、一ヘクタール以上の大区画圃場整備、これも可能だ、現実にこういうものが各所に出現をしてまいりましたので、今後はこの三反区画にこだわることなく、生産性の向上が見込まれるならば大区画の圃場整備に向かいましても積極的に推進してまいりたい。そうして先ほど来お話しの、国際的な競争に耐え得る足腰の強い日本農業の構築に向かって前進をしてまいりたい、こう考えております。 詳しいことにつきましては、局長から補足の答弁をいたさせます。
○片桐政府委員 先生御指摘の日米構造協議に絡んで、今後十カ年の公共投資の方針がある程度示されているわけでございますけれども、それに対して土地改良の方ではどう対応するのかという点でございますけれども、まずとりあえずは現在の第三次土地改良長期計画、これがまだ平成三年、四年と残っておりますので、その間にできるだけこの計画に沿いまして着実に推進していきたいというふうに考えておる次第でございます。 さらに最近の農村の生活環境の改善の重要性ということもいろいろ検討いたしておりまして、土地改良事業の中でもそういう農村の生活環境整備、そういう点に今後相当重点を置いて土地改良事業というものを推進してまいりたいという方向でいろいろ現在検討しておるところでございます。
○小川(信)分科員 今大臣からもお話がございましたように、現在の目標整備水準三十アール、これを一ヘクタールにしていくということ、確かに高生産性という、生産性を高めるという上では非常に意義のあることであるし、その役割は大きいと思いますけれども、後ほど御質問したいと思いますが、これが別の面でいろいろと大きな課題を持っておるということもあるように感じておるところでございます。 次の問題でございますけれども、いわゆる圃場整備等の工事期間の問題でございますけれども、どうも過去に比べまして最近の県営圃場整備事業等々の工期というものが非常に長くかかる。私の地元の山口県の例を挙げてみましても、県営圃場整備事業で約八年から十年、団体営で四年から五年というような工期、実質完了までにかかっておるということでございます。 農業を取り巻く状況、特に水田農業を取り巻く環境というものは非常に大きな勢いで変わってきておる。こういうふうな中で、工事期間の遅延というのは、関係農家にとっては計画どおりに早くやってほしいというのが関係農家の切実な声だというふうに思っておりますし、現実そういうふうな声を聞くわけでございます。これら工事期間を計画どおりに、それよりはもっと早く完了ができるような予算的な措置とか、そういうふうなものをさらに充実していくことが必要ではなかろうかと思いますが、この辺についてのお考えを聞かせていただきたい。
○片桐政府委員 県営の圃場整備事業の工期が全国平均で見ましても約十年になっているということは御指摘のとおりでございます。今後、農業の国際化に対応いたしまして高生産性農業の確立を図るということが急務であるということはそのとおりでございまして、私どもといたしましても限りある予算をどう配分するか、こういう問題にもなるわけでございますので、新規採択地区をある程度抑制する、また継続地区の早期完了に努めるというような方向で現在も努力しているところでございますし、今後も努力したいというふうに思っております。 それからまた、農地流動化の促進という観点から、大規模経営の育成ということで農地流動化特別促進圃場整備実験事業とか、それからまた先ほど大臣からの紹介がありましたけれども、大規模経営の基礎となる大区画圃場の整備に関する事業、こういうものをいろいろやっておりますけれども、こういう特別の事業の政策上の重要性にかんがみまして、こういう事業についてはおおむね五年程度の工期とするようにいろいろ努力しているところでございます。
○小川(信)分科員 この問題についてはぜひさらに一層の御努力をお願い申し上げたいと思います。 次に、事業費の問題でございますけれども、この事業費につきましても、ここ十年間を見ますと、ところによって、また条件によって違うと思いますけれども、二倍、四倍、こういうふうに非常に工事費が増高しておるというような状況でございます。 これは事実、関係物財費の上昇とか労賃の上昇というような、物財費の実質的な上昇というものもありましょうし、また、事業内容が水準が高くなったということによっての費用の増高というようなものもありましょうし、だんだん今からやっていくところは条件の悪いところをやらざるを得ない。また、そういうところの希望にこたえるということになれば、工事そのものの費用が高まってくるというようなこともあるかと思いますけれども、やはり事業費の増高は、補助率はそれなりの一定の補助率ということで国が四五%、都道府県が二七・五%、まあ三〇%、こうなってあと地元負担というふうになりますけれども、率はそれですけれども、実質的な農家の負担、地方の負担というものが高まっていっておるというのが現実だろうと思います。 実は私が調べたものを見ますと、水田でございますので、そこで主に生産されるものはお米だ。いわゆる米と実質農家が負担する金額というものを、これは地元負担という形でも例を挙げてみますと、実は一九六五年の地元負担というのはお米でいいますと〇・三俵、十年後の七五年に〇・六俵、八五年に一・二俵、こういうふうになっております。八五年はそのときの政府買い入れ米価が一万八千六百六十八円でございます。九〇年、現在は一万六千七百四十三円ということですので、コストは高くなって米価は下がってきておるというようなことで、今は一・五俵から二俵分は負担しなければならないというような状況になってきておる。そういうふうな現実の農家の負担がふえてきておるということです。 ですから、〇・五俵なら〇・五俵、一俵なら一俵といつでも米価を基準にして地元負担は考えますよ、一俵分ほど地元は負担してください、例えばこういうふうな物納型の地元負担というような気持ちで農家の負担というものなり地元の負担というものを考えれば、それなりに関係農家は長期的な営農計画も立てられるのではなかろうかと思いますし、また事業費が増高しても、これは農家の地元負担としてはきちんと対応できるというようなことになるのではなかろうかと思います。さらに地元負担ということで、市町村と受益者農家の負担ということになりますと、この市町村負担に相当格差があるということです。 山口県の例を見ましても、一番たくさん市町村が負担をしているところは、いわゆる二七・五%の県の負担の中で、一七・五%を市町村が負担をして一〇%が農家負担というようなところもありますが、その逆に、市町村の負担は五・五%で残りは農家負担だというようなところもある。こういうふうに、負担の助成の市町村の格差が非常にあるというようなことです。この辺にもやはり何かきちんとした、それは確かに市町村の自主性、主体性というものがあるし、財政事情というものがあるかもわかりませんが、この辺をきちんと整理して対応できるような指導、そして全体的な地元負担、農家負担を一定水準で維持する、こういうふうなことが必要ではなかろうか、こういうふうに思いますが、その辺についてのお考えをいただきたい。
○片桐政府委員 確かに先生御指摘のように、圃場整備事業の反当の農家の負担というものが米の価格に比べまして次第に高くなっているということは事実でございます。私ども、従来圃場整備事業の農家負担金、大体米一俵というのが確かに基準でございました。最近では米一俵では済まないというのが実態でございます。私どもといたしましては、こういう農家負担をできるだけ軽減したいということでいろいろな工夫をしているわけでございますけれども、まず、何といっても事業費を何とかいろいろ工夫して節約をするというような方向でいろいろ工夫いたしておりまして、数年前は反当百万円近いというようなことでありましたけれども、全国平均で見ますと、最近の採択地区ですと反当九十万円ぐらいの事業費で何とか抑えているというような状況でございます。 それからまた、市町村の負担という問題もございます。これも先生御指摘のように、市町村によりましてかなり格差がある。二七・五を市町村と農家がどう負担するかということでございますけれども、私ども、全国平均で見て農家の負担が大体二〇%くらいというふうに承知しておりますけれども、確かに先生御指摘のように市町村がそれ以上に持っているところ、それ以下しか持っていないところ、いろいろございまして、私どもといたしましては、できるだけそういう市町村の負担というものについても今後いろいろルール化するといいますか、そういうことで努力したい。それからまた、市町村の負担について地方財政措置で手当てをしていただくというような方向もいろいろ工夫したいと考えております。 それからまた、従来実施した事業の負担金について償還が困難ではないかという地域もかなりありますので、その償還困難な地域については償還円滑化対策というようなことで今回の平成二年度の予算におきましても五年間で一千億円の資金を造成いたしまして、それでそういう償還困難な地域についての償還円滑化のための対策を進めたいと考えている次第でございます。
○小川(信)分科員 どうぞひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 そこで、今から二点ほど、現場の切実な声を受けまして、それについて御質問申し上げたいと思います。 現場から上がっておりました声の一つとして用排水路、農道の問題でございますけれども、特に排水路等々につきましては工事完了後ほとんどがいわゆる青線、国有地になっている。公共の用に供する役割というものが非常に大きいということでございますが、こういうような声を聞きまして、実は改めて「農業と経済」の去年の八月号が圃場整備、土地基盤整備事業の問題について取り上げておられて、志村先生の論文等を見させていただきました。 また先般資料もいただきましたかんがい排水審議会の企画部会の中間報告を読ませていただいたわけですけれども、ここにもその問題について指摘がされておるようでございますし、全体的な課題として大きな課題となっておるということだと思いますし、国もそれなりの措置は今から積極的に講じられるように聞いております。 現場の皆さん方の声からいいますと、特に排水路、農道は公共性が非常に高い。特に排水路等は集落の生活雑排水も出るし、山から流れてきた水もそこを通って河川に行くのだ、昔の田舎の小川の役割をしているのだ、そういうふうな排水路を、現在は受益者負担という状況であるものを、極端に言うと全額国、県、市町村で負担して、いわゆる公共の河川としての役割を持っておるのだということ、そして用地そのものは完了後青線になって国有地になるのだから、そういう面を十分考えて、全額受益者負担という圃場整備をする水田を持っている人たちの負担でなくて、公的な負担で全部やるべきじゃないか、こういうふうな強い声があるわけなのです。これらの問題は確かにそのような感じがするわけですし、事実その村に住み、そしてその河川の現実を知っておられる方々にしてみれば、そういう声は私は当然だろうと思います。 また、最近の圃場整備等で関連してつくられる農道等も生活道的な役割があります。また、地元の声も受けてでしょうけれども、きちんとした舗装道路にされておりますし、幅員も相当広い、まさに一般の自動車等々が通る、耕運機やトラクターだけじゃなくて普通の生活の自動車も通るというようなことからすれば、これも公共的な道路としての役割を持っているという現実があります。 こういうことからも、これらについては公的な側面が非常に高いものであるから国、県、市町村というところで負担をして整備をし、後々の維持管理等についてもここでやるべきじゃないか、こういう意見が非常に強いし、私も同感だと思います。国もそれなりの措置は講ずるような方向ではございますけれども、なかなか全額というわけにはいかないようでございますが、地元の声、農民の声はそうだ。この辺についてどこまで受け入れられるか、受けとめられるか、その辺についてお尋ねしたいと思います。
○片桐政府委員 例えば大規模なダムとか頭首工とかというものにつきまして国営事業で造成するというような場合には、公共性が非常に強いというような観点から国の負担率も非常に高くいたしておりますし、県、それからまた一応一部地元負担といいますか農家負担もあるわけですけれども、その部分を事実上市町村が負担をする形で、実際には農家の負担が全然ないというような形でそういう公共性の強い施設がつくられているというのが最近の実態でございます。特に広域農道とか農免農道とかというような道路につきましても、それからまた大規模な排水機場とか排水路とかというものについても大体そういう方向にあると承知をいたしております。 ただ、先生御指摘の圃場整備でつくられる排水路とか道路とかというものにつきましては、圃場整備事業の中で総合的に、実施される客土とか暗渠とかというものと一緒に農道とか排水路も整備される、こういう総合的な事業でございますので、圃場整備事業全体について公共性が非常に強くて農家の負担をゼロにすることはなかなか難しいと考えております。 ただ、圃場整備事業の中で特に先生御指摘の道路、この道路でも農家だけが使う道路もありますけれども、確かに地域の方々が使うとか、それから主として通過交通の処理に使う道路とかというものも圃場整備事業でつくられるケースもありまして、そういうような道路が圃場整備事業の中に含まれているときはその分の用地を買収するとか、またはその分の事業費を事実上市町村が負担するとか、そういうようないろいろな工夫をしながら農家の負担を軽減する方向で実態はいろいろなされているのじゃないかと思いますし、私どもはそういうような方向でいろいろ工夫をしてまいりたいと思っております。
○小川(信)分科員 ひとつ市町村で負担をするような方向で現場での御指導をお願い申し上げたいと思っております。 最後にもう一つ、先ほど大臣からも三十アール−一ヘクタールという大型な圃場整備、確かに生産性という面からそれなりの大きな役割があると思いますけれども、実は一ヘクタールということになりますと、山口県なんかだったら農家一戸の耕作平均面積を上回るようなものになってくるわけです。 また、そういうような規模の小さい農家、いわゆる中核農家への農地の集積の問題、経営規模の拡大の問題というふうなことを考えてみますと、実際農用地利用増進事業等々で農地を委託していく、こういうふうなときに実は現場での、これはあちこちでも起こっておるだろうと思いますけれども、農地の所有者が圃場整備の工事費の負担は、私は全部あの人に任じて田をやってもらうのだから借り手が工事費の負担をしてくれ、それから小作料もちょっとはもらわなければいかぬ、こういうふうになりますと、借り手の経営に対する負担、圧迫は非常に大きい。借り手にしてみれば、これはあなたの土地なんだから工事費の負担金くらいは持ってもらわなければ私もやれない、こういうふうなことでなかなか中核農家への農地の集積が現場では、これは貸し手と借り手の力関係で決まるかもわかりませんし、本当に借りたいという人はそれもよかろうといって受けるだろうし、預かってやるという気持ちの人はそれは困る、こういうような形が現場にあるのだろうと思います。 これらについて、農用地利用増進事業等々を使って中核農家への規模の拡大、集積を図っていくという農政の基本的な方向があれば、これらについての調整をどこかが果たさなければならない。これは市町村がやるのか、農業委員会がやるのか、土地改良区がやるのか、または農業協同組合が自主的におやりになるのか、いろいろあると思いますけれども、農水省の指導の方針というか考え方をお伺いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○片桐政府委員 まず先生御指摘の、いわゆる規模縮小農家といいますか、貸し手農家が圃場整備事業になかなか参加したがらないのじゃないかという点でございます。 私どもも、そういう状況を踏まえて、できるだけ圃場整備事業を推進して農地の流動化も進めたいという観点から、そういう貸し手農家が事業参加したくないというようなものをできるだけ参加の方向に踏み切らせるということで、貸し手農家が受け取る十年分の小作料を一括前払いというようなことをいたしまして、その一括前払いされた小作料を土地改良の負担金に充当するというようなシステムで圃場整備事業を推進したい。そういう事業を、農地流動化特別促進圃場整備実験事業というものを実施しておりますけれども、こういうものを今後とも推進していきたいというふうに思っております。 それからまた、そういう土地改良事業を実施した農地についての小作料の問題なのでございますけれども、地主が払う土地改良負担金を小作料に上乗せしている事例があるのじゃないかということでございます。 私どもといたしましては、土地改良事業による増収というか経済効果といいますかそういうものがあるわけでございますので、その効果の範囲内で小作料が引き上げられるというものであれば、これは借り手側に過大な負担を強いるということにはならないのじゃないかというふうに思っておる次第でございます。しかし、その効果を超えてさらに小作料を引き上げるというようなことがありますならば、これはやはりいろいろ問題があるということだと思います。 私どもとしましては、現在農地法の中で標準小作料という制度がございますので、標準小作料制度というものをうまく使いまして、標準小作料に比して非常に高いというような小作料につきましては、農業委員会の減額勧告というのがございますので、こういう減額勧告というようなものもいろいろ活用して、小作料をできるだけ適正にしたいというふうに考えております。
○小川(信)分科員 今二つ申し上げましたのは現場の声でございます。どうぞひとつよろしく御指導をいただきますようお願い申し上げまして、終わります。どうもありがとうございました。
○内海主査 これにて小川信君の質疑は終了いたしました。 次に、大畠章宏君。
○大畠分科員 日本社会党の大畠でございます。 私は茨城県の出身でございまして、茨城県の農家の方々やいろいろな方のお話をお聞きしながら、これまでいろいろやってまいりましたけれども、そういう実態をベースに何点か御質問をさせていただきたいと思います。 大臣御存じかどうかわかりませんが、茨城県は北海道に次ぐ農業県でございまして、いろいろな形で茨城県も、現在の農業を取り巻く厳しい環境といいますか複雑な環境の中に置かれているところでございます。私の友人も農業を営んでいる人がいますが、もうあと二、三年したらおれはやめるんだというような方も出てきております。農業にはもう未来がない、大畠さん、このままやったって将来性がないから、多分おれたちの年代の者はやめてしまうんじゃないかな、こういうような話も出てくるほど非常に深刻な状況になってきております。またその反対に、おれはやるんだ、日本の農業をつぶしてしまったら大変じゃないか、だから、大胆な発想の転換を図ってそこに活路を見出して、何としてもこの状況を乗り切るんだというような意欲を持っている人間もいることも確かであります。 そういう非常に複雑な状況でありますけれども、全体的に何となく下降線をたどってきているというのが今の農業の実態ではないかと思うのであります。いずれにしても、この農業、やはり日本の食糧確保という点では大変重要な産業でありますし、そういうことから私も、日本社会党は自給率六〇%を目指そうじゃないか、いろいろな御批判がありますが、とりあえず目標を持って行動しなかったら何にもならないのじゃないかということで、自給率六〇%というものを掲げて、どうしたら六〇%になることができるかという観点で今いろいろ振興を図ろうとしているところであります。 そういう観点から現場の実態を踏まえていろいろお伺いしたいと思うわけでありますが、まず、小さな話といいますか、現場の方の話でありますが、現在いろいろな意味で土地改良事業というのが進められております。私は非常にすばらしい事業ではないかと思うのですが、この土地改良事業の基本的な構想が大分古くなったのではないか。例えば、三十メーター掛ける百メーターというのが一つの土地改良事業の基準の面積、単位なんですが、それも、今や農業は農産物をなるべく安くつくる必要があるという時代に、三十メーター掛ける百メーターという基本的な単位でいいのかなという感じがするのです。したがって、非常に細かなことかもしれないけれども、農業政策の一つの考え方を変える、いわゆる今の厳しい状況を乗り切るためにどうしたらいいかという観点から、この水田の土地改良事業等についても三十メーター掛ける百メーターという単位もそろそろ見直すべきじゃないかと思うのでありますが、最初にその点からお伺いしたいと思います。
○片桐政府委員 現在の水田の区画整備の目標でございますけれども、確かに先生御指摘のように、現在三十アール区画というものを一応整備の目標にいたしているわけでございますけれども、日本の水田の持つ自然的、社会的条件、それからまた圃場整備の技術水準というものを踏まえまして、こういう三十アール程度というふうにしているわけでございます。もちろんこの三十アール程度の整備が進めば、それによってかなりの生産性向上が可能であるというふうに思っておりますけれども、しかし、最近の厳しい農業情勢に対応いたしましてさらに生産性を向上させたいという観点から、いろいろ新しい圃場整備の技術の開発ということをやっておりまして、最近では一ヘクタール以上の大区画圃場というものも可能になっているというふうに考えております。今後はそういう一ヘクタールを超えるような大区画圃場整備についても、いろいろな事業を考えながら推進してまいりたいというふうに考えております。
○大畠分科員 そういうことでぜひ基準を見直してほしいなと思うのです。いろいろ国民の間のアンケート結果を見ても、米を含めて食料品、安ければ海外に依存してもいいという人、あるいは、いやそうじゃない、少しぐらい高くてもいいからやはり国内で安心して食べられる食糧をつくってほしいという意見、それから日本の国産の農産物、安くできるように安くできるようにと一生懸命に努力しながら、それでも高ければそれでいいですよ、やはり安心して食べられる食糧を国内で生産してほしい、いろいろな意見があります。アンケート結果を見ますと、少しぐらい高くてもいい、そのかわり農産物の価格を下げるように一生懸命努力しながら何とか頑張ってほしいという意見が大体七割を占めているという話をいつか新聞で見ました。 私はそういう意味から、農林水産省の本当に基本的な政策、細かなことですが、基本的な政策をどうすべきかというのは大変根幹になってくると思います。今アメリカの方では大農法をやっていますね。非常に大きなところ、日本では考えられないようなばかでかい農機具でだっとやっては収穫しながら安いものをつくっていろいろなところに輸出している。そういう状況に太刀打ちするわけですから、根本的な農業政策の基本、例えば水田事業のお話がありましたけれども、今少し見直しているというお話でありますが、もっと大胆に見直さないとだめだと思うのです。そういうことでぜひとも、今のお話がありましたけれども、そういうものをベースとしてもっともっと大胆な発想の転換を図って、アメリカからでもヨーロッパからもいらっしゃい、そのくらいの迫力のある農業基盤整備といいますか、そういうものをぜひともしていただきたい。そういうふうに方向転換をするということを本当に日本国民は求めているわけでありますから、ぜひともそういう方向で御検討いただきたいと思うわけであります。 それからもう一つ、私も茨城県の北半分の方に住んでいる者ですが、そこら辺はなかなか大農法というのができませんで、山間地の土地改良というものが非常に難しいのですね。私が見ても難しいと思うのですが、そういう地域は茨城県だけではなくてほかのところにもあると思うのですが、そういうところの土地改良というものをどういうふうな形で今進めようとされているのか、ちょっと、考えがあったら今の方針をお願いいたしたいと思います。
○片桐政府委員 確かに、地理的条件等に恵まれない中山間地域、こういうところでの土地改良の進め方、非常に難しいものがございます。私どもも今度平成二年度の予算で、この中山間地域における土地改良事業というものを中山間地域の実態に即していろいろ推進していきたいということで工夫をしているわけでございます。平成二年度の予算におきまして、中山間地域農村活性化総合整備事業というものを創設したいということで予算案に盛り込んでいるわけでございますけれども、この新しい事業では、まず補助率をほかの地域よりも高くするということで六〇%の補助率ということをいたしておりますし、また、いろいろ圃場整備や何かのやり方でもその地域の実態に即して、例えば普通の地域であれば二十ヘクタール以上まとまらなければ圃場整備ができないということですけれども、もっと小さな面積でも圃場整備ができるとか、それからまた、そういう生産基盤ばかりじゃなくていろいろな生活基盤もあわせて整備ができる、そういう総合整備事業というものを推進していきたいというふうに思っております。
○大畠分科員 そういう非常に難しい事業でありますが、ひとつそういうところについても十分な配慮をいただきたいと思います。 次に、いろいろな整備事業を進めていただいておりますが、その反面、せっかくきれいになった土地改良をやったところが減反の対象になっているというところも出てきているんですね。何のために土地改良をやったのかなというような感じのところもあるのですが、この土地改良事業と現在進められている減反政策というものの、何といいますか、整合性というのはちょっと難しいと思うのですが、その両方を加えた形の政策というのは、現在その土地改良事業としては減反政策をどういうふうに受けとめて農家の方に対応してもらおうとしておるのか、そこら辺の考えをいただきたいと思います。
○片桐政府委員 いわゆる米の生産調整といいますか減反といいますか、これは米の需給の均衡を図るという観点から、ぜひ農家の方々に協力していただくということになっているわけでございます。そういう水田をほかの米以外の作物をつくるというような、そういうことをできるだけやりやすくするというような観点から、私どもといたしましては、水田の排水改良対策というものに特に力を入れているわけでございます。特に水田の地下水位、これをできるだけ下げる、冬の地下水位で七十センチより低いくらいのところまで下げれば、水田でも畑作物、麦とか大豆とかその他野菜というものを導入できるということでございます。私どもといたしましては、そういう水田の排水改良対策というものを非常に力を入れてやっている次第でございます。
○大畠分科員 そういう仕組みになっているということですが、なかなか仕組みを使ってということじゃなくて、せっかくきれいにしたところも実際に減反して何もつくらないで草ぼうぼうになっているところも今だんだん出てきているんですよ。土地改良始まってあれですから、その当時随分、今の改良のものは昔もやりましたね。かなり昔からやっていますが、昔やった土地改良も同じような方式になっていますか。
○片桐政府委員 昔の圃場整備の場合にはいわゆる汎用田といいますか、そういう地下水位を七十センチ以下にするというところは必ずしも整備の目標に入っておらなかったわけでございます。第三次土地改良長期計画が発足する五十八年度からそういう排水改良というものを水田の整備目標の中にはっきりと組み込んだ次第でございます。
○大畠分科員 そういうことからすると、これまでに土地改良をやった地域について現在どうなっているんだ、その地域が現在減反とかなんとかでかなり荒れてしまっているところもあるんですね。そういうところも含めてもう一回、この土地改良事業を、今までの流れでだっとやって、時流に合って今最高の技術を使ってやればいいんだというのではなくて、これまでにやったところもぜひとももう一度見直すべきじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○片桐政府委員 確かに茨城県あたりでも排水が悪い水田、区画はきちっと整備されているんですけれども排水条件の悪い水田がございまして、なかなか転作の作物が導入しにくいという水田があるわけでございます。私どもといたしましては、そういう水田につきましてできるだけ重点に排水改良を促進するように、いろいろな事業を推進している次第でございます。
○大畠分科員 最新型の車というのは、みんな競って新しいものをつくるんですよ。古くなってしまったものはもうぽんこつだから廃車すればいいという感じになるわけですが、長く使っていくことも重要なんですよ。そういう観点から昔やった土地改良事業についてももう一度——古い物を見るのはだれしも余り好きじゃないかもしれません。でも実際に畑があって、実際にそれを持って耕している農家の方がおられるわけでありますから、そういう方々のことを考えてもう一度、二本立てといいますか、最新鋭の土地改良事業を進めるとともに昔やった土地改良事業をもう一回見直してみようという二本立てで、今後の土地改良事業、土地基盤を整備するというのは農業の本当の基盤ですから、そういう意味でぜひともそれは見直しをお願いしたいということを要望します。 それから、転作の話がありますが、農地はもうお米つくるのやめた、また別なものにしようというのでいろいろ考えていたら、今非常に花が売れています。花の需要、本当に今多くなりまして花をつくろうというので、ビニールハウスをつくって花卉なんかをやろうとしている農家の方がいるんですが、その方から聞いたのは、ビニールハウスの中に花を栽培する場合、机的に地面からちょっと高いところに棚みたいにつくって花をやるわけですが、そういうことをやろうとすると、そのビニールハウスの中の土地というものは、これは宅地ですよということで宅地並み課税の税金を取られてしまう。大畠さん、これ何とかならないんですか、机を持ち込んだらその農地は宅地で、机を出したら今度はまた農地になる、こんなばかなことはないんじゃないですかという指摘をある農家の方からいただいたんです。この件については自治省の成瀬さんがたしかおいでになっていると思うのですが、成瀬さんの方からこのことについての見解をお聞かせいただきたいと思います。
○成瀬説明員 お答えいたします。 お尋ねの固定資産税におきます土地の評価の問題でございますけれども、ハウス等の農業用施設の敷地の地目の取り扱いは、そのハウス等の施設が家屋、建物と認定される場合、具体的に申し上げますと、基礎をコンクリートでしっかり打っている、あるいは骨組み、鉄骨屋根で周壁をガラス張りしている堅固な構造物であるというふうに認められます場合には、当該ハウスは一応建物、家屋という認定になります。その屋内で耕作が行われておりますときには、地目は農地としての認定を行います。この場合の耕作とは、土地を直接耕しまして肥培管理を行って作物を栽培するということでございますが、当該ハウス等の内部でそうした形での営農が行われていない場合には、一応区分としては宅地として認定をされまして、宅地の価格そのものではございませんけれども、近傍宅地の価格に比準して評価を行っておるというのが姿でございます。
○大畠分科員 そうすると、地面から、土地から離したところで栽培しているからそこの土地は宅地ですよということではなくて、逆に、ビニールハウスが、例えば基礎を打ってコンクリートで固めたとかそういう形になっている場合にはこれは宅地並みですよという解釈ですか、どちらなんですか。建物をベースとした宅地並み課税なんですか、それとも、地面から離したところに棚をつくってそこで栽培した場合にはこれは宅地ですよという、どっちの解釈でしょうか。
○成瀬説明員 まずは、そのハウス等の施設が家屋として認定できるかどうかというところが区分の最初になろうかと思います。今お尋ねのございました例えばビニールハウス等の形態でございますと、非常に簡単に取り壊すこと等もできようかと思います。そのような場合には、そのハウスは家屋としての認定は行いません。そういう場合には、その中で行われております営農の形態に着目いたしまして、敷地の地目は、耕作されている場合には農地、耕作されていない場合にはいわゆる雑種地というような扱いで評価をさせていただいております。
○大畠分科員 今の話は、耕作しているとかなんとかちょっと私もわかりません。私の質問は、簡単なビニールハウスをつくります、そして棚をつくりました、言ってみればこういう木の机を中に持ち込んで花を栽培しました、この場合はどうなるのですか。
○成瀬説明員 そのハウス等の施設の具体的な実態がよくわかりませんと一概に申し上げることができないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、棚を設けてそこに鉢でもって花卉を栽培するということになりますと、いわゆる耕作、先ほど申し上げましたように、直接土地を耕して肥培管理して作物を栽培するという営農形態ではございませんので、耕作にはならないと思います。したがいまして、その敷地の取り扱いは宅地もしくは雑種地ということになろうかと思います。
○大畠分科員 なかなか難しい解釈なんですね。だからさっき言ったように、机を持ち込んだら宅地になって、机を出したら農地になるというような感じなんです。今農家の方は大変なんです。本当に生きるか死ぬかでどうしようかな、そこに一つの活路を見出そうというので一生懸命、まあ自治省の方はおれの知ったことじゃないよと言うかもしれませんけれども、そういった活路を見出そうとするとそういういわゆる障壁がある。そういう実態があるならば、農林省の方でも自治省の方とお話をして、例外としてそういうのは認めてもいいんじゃないか。自治省の方と農林省の方で話し合って農家の方をバックアップする。農業を捨て去るのではなくて、農業で一生懸命何とか食べていこう、おれはこれで生きていこうという人には援助する、そういう姿勢が必要だと私は思うのですが、大臣、どうですか。非常に細かな話で申しわけないのですが、少し援護射撃をしていただきたいと思うのです。
○鶴岡政府委員 従来から営農の実態とか土地利用の実態に即しまして自治省当局と相談した結果が現在のような取り扱いになっておるわけでございますけれども、なお勉強させていただきたいと思います。
○大畠分科員 勉強した結果、またすぐだめでしたという答えが見えてきておるんですが、勉強するだけではなくて、本当に農家の方と話し合ってください。もっと勉強させていただきますではなくて、農家の方の実際のそういう問題等をとらえて自治省の方と話をして——もうちょっと農林省というのは農家の味方じゃないんですか。自治省もそういう法改正も、法律というのは人間がつくったものですから、もしもそういうことでなければ、実態に合わなければ法律を変えてもいいと思うんですね。特例とする。そのぐらいぜひ、先ほど言いましたように本当に農業問題いろいろな問題はありますが、農業をやっている人が元気が出るように、そういう意味でのいろいろな障壁を、最近はやっていますから、障壁を取り除くようにぜひ農林省も頑張っていただきたいと思います。したがって、自治省の方ともう一度この件、細かい話ですが、話し合っていただけませんか。どうですか。
○鶴岡政府委員 いいかげんなつもりで答弁申し上げたわけじゃありません。一生懸命勉強しまして、考えてみたいと思います。
○大畠分科員 わかりました。その言葉を信じます。 その次の課題に入りますが、今農業を取り巻くいろいろな課題がありますが、幾つか質問を準備しましたけれども時間の関係ではしょりますが、広域農道の整備事業についてちょっとお伺いしたいと思います。 これは、今農業問題いろいろな形でありますが、広域農道整備事業は非常に日の当たらないものになっておるんですね。この広域農道というものの果たす役割というのは、大変その地域にあっては大きな影響を与える。特にこの広域農道を計画しているところは大概山間地といいますか農地を縫っておりますので、言ってみれば過疎地をずっと通っているんですね。その過疎地ではこの広域農道に対する期待が非常に高いということで、いろいろ調べてみますと、この広域農道は非常に予算づきが悪くてなかなかいかない。茨城県の実態を申し上げますと、あるところでは正直一年間に一キロぐらいしか進まない。一キロというのは、計算すると一カ月間で大体百メーターです。事業をやっている人も嫌になっちゃいますね。したがって、私はこの広域農道整備事業、広域農道というものの役割というものをもっと真剣に見直して、もっと大胆にこの広域農道というものの整備事業を促進すべきじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○片桐政府委員 広域農道を初めといたしまして農道整備事業と申しますのは、農業の生産性向上、それから農産物の流通の合理化、それからまたあわせて農村の生活環境の改善、そういうようなことで非常に重要な事業であるというふうに考えております。農道が整備されました地域におきましては、交通条件が改善されまして工場等の立地が可能になるとか、それからまた観光農業の育成とか、それからまた通勤可能圏域が拡大するというようなことで、地域の振興にも非常に大きく寄与しているというふうに考えております。広域農道を初めとする農道整備事業の推進につきましては、今後とも効率的かつ計画的な実施ということを進めていきたいと思います。確かに予算の配分といいますかそういう問題になりますけれども、最近新規採択をできるだけ抑制的にいたしまして、継続事業の促進ということで進めてまいりたいというふうに思っております。
○大畠分科員 昭和五十五年ぐらいからやっていてもまだできないとかいろいろなところがあるんです。本当にもうちょっとというか、シャクトリムシみたいにちょぼちょぼとしか進まないんですね。そういう意味ではぜひともこの広域農道整備事業に光を当てて、農林省の方でも力を入れて整備していただきたいということをお願いしたいと思います。 それから、時間がなくなってきましたけれども、茨城県で困っているものに、豚のオーエスキー病というのがあるのです。これはいろいろ複雑な状況があるんですが、全体的にオーエスキー病の発生率は下がってきたといいますが、茨城県だけを見ますとふえてきているんです。県としても非常にこの対応に困っております。そういうことで、このオーエスキー病対策、どのように農林省として受けとめて、これから対策をとろうとしているのか、それをお伺いしたいと思います。
○岩崎政府委員 オーエスキー病の防疫についてでございますが、これは昭和五十六年の発生以来、私ども、検査によりまして陽性豚を摘発して淘汰する方式によって対処してきたということでございます。ただ、その後発生頭数が増加傾向、それから、従来発生の見られなかった肥育豚での発生等、これまでとは異なった状況が見られるということもございまして、今までやってきた防疫方式に加えまして、ワクチンの応用を含めた総合的な防疫方式を確立しておくことが必要ではないかというふうに考えております。 オーエスキー病のワクチンにつきましては、まだ国内では開発されておりません。海外で開発されましたワクチンについても、その効果が必ずしもまだ十分はっきりしていないというようなこともございまして、昨年度から国と県の責任のもとに、海外で使用されているワクチンの野外条件というもとにおきます安全性と有効性の試験を実施している段階でございます。この試験では現在までのところ、安全性の問題、ワクチンによる重い副作用は見られていないというようなこと等が一部データで出てきておりますが、今後さらにその試験を推進しまして、ワクチンの使用の適否なり、使用することとした場合の条件設定の必要性とか内容等につきまして、総合的に検討を行って、オーエスキー病の防疫に一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○大畠分科員 オーエスキー病については、今お話がありましたとおりワクチンがまだ認可されていないということなんですが、もう既に、待っておられぬということで海外から輸入して、自衛手段としてワクチンを投入している農家もあるんですね。ですから、今お話がありましたとおり、ぜひとも早くワクチンを認可して安心して使えるように。ほかに方法がないんですよね、それしか。したがって早くこの問題をやっていただきたい。茨城県で申し上げますと、五十六年には百三十九頭だったのですが、平成元年度は五百七十九頭までふえているんですね。茨城県の豚は何かおかしいんじゃないかといって市場価格も下がっているという話があるんですが、ぜひ早く手を打っていただきたい。エイズだって退治できるような感じになってきたんですから、オーエスキー病ぐらいは厚生省が本気になればできると思うんですよ。ぜひそれは本腰を入れてやっていただきたいということを要望しまして、次の最後の質問をします。 今いろいろ申し上げましたけれども、いずれにしても、私も昨年一年間、茨城県農林水産の常任委員会の委員としてやってきましたけれども、どうも日本の農業政策のポリシーというものが見えないんですね。日本の農業というのはどっちの方向に行くのだろうか。海外とか何かからつつかれてはゆらゆらゆらゆらしながら何か水面に漂う藻のような農業という感じがするんですけれども、もっとしっかりとした、日本の農業はこういう形でやりますというポリシーを、やはり大臣、私は農業を営んでいる方に示すべきじゃないかと思うのですが、そこら辺、最後に大臣の持っていらっしゃる農業に対するポリシーを一言お伺いしたいと思います。
○山本国務大臣 ポリシーを語るには時間がもうありません。 先ほど来先生が非常に若さあふれて非常に御熱心に質疑をしているのを、ああ、これから二十一世紀を担う政治家はこういう方だなと思って感心して私、聞いておりました。これは話せば一日も二日も話さなくちゃならない、お互いにまた議論の機会を持ちたいと思いますが、私は、大変古くて恐縮ですけれども、いつも農水大臣として心境を聞かれた場合に言う言葉は、農は国のもとだ、こういうことを言っているのです。どんなにたくさんビルができましても、その中でテレビやコンピューターがありましても、車がたくさん走りましても、それはやっぱり人間のためにあるのですね。そして、それは人間がまたつくるのですよ。その人間を支えていくのは一体何だろうか。人間の精神と肉体をつくり上げるのは食糧なんです。ですから、食糧のことを考えずに、政治家が農業のことを考えずに政治は語れないというふうに思っております。農は国のもとです。 私、七年前に通産政務次官をやりまして、通産省で随分勉強したつもりです。今度は農林省に来ましていろいろ勉強させられましたが、きょう先生のお話を聞いていまして、先生の御経歴等見ますと、本当はこの場でなくて商工委員会の方でおやりになっているはずなのに、よくぞここへおいでくださったというふうに思いまして、これはやっぱり農業が基本です。その上に工業も商業もある、そういう認識の中でお互いが、非常に厳しいのですけれども、この国際化の中で若い人たち、農村を担っていこうという若い人たちを何としても守り育てるために、お互い政治の場で努力いたしたい、こういうふうに申し上げる次第でございます。
○大畠分科員 ありがとうございました。 以上で質問を終わります。大変ありがとうございました。
○内海主査 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。 次に、藤原房雄君。
○藤原分科員 私は、貴重な時間を賜りまして、昨今の漁業問題を中心にいたしまして御質問申し上げたいと思います。漁業も非常に多岐にわたりましてそれぞれ問題を抱えております。皆様方の大変な御努力もございますが、二百海里を初めとしまして漁業につきましては非常に国際的な問題、それから国内の問題にいたしましても諸般の問題を抱えておるわけで、それらのことについて、わずかな時間でございますので何点かに絞りまして、御質問申し上げたいと思います。 まず最初に、先月は東京で日ソサケ・マス漁業交渉が行われたのでありますが、今十四日からモスクワで行われております。この漁業交渉につきましては非常に厳しい交渉が続けられ、モスクワに舞台を移したわけでございますが、一九九二年の沖取り全面禁止の提案、こういうことからいたしまして、それぞれ関係の方々はこの推移につきましては非常に憂慮をいたしておりますし、また漁期があるわけでございますので、いつまでもだらだらと交渉しておるというわけにはまいりません。そういうこと等をあわせまして、交渉の早期の妥結とか沖取り禁止声明の撤回とか、また操業規制の強化の回避とか漁業協力費の軽減とか、こういうこと等について関係業界の方々がかたずをのんで見守っているわけでございますが、これらの交渉の状況等について御説明をいただきたいと思います。
○京谷政府委員 先生からただいまお話ございましたように、日ソサケ・マス協議中断後の協議が去る四月十四日から行われておるわけでございます。交渉の詳細につきましては、交渉継続中でございますので御容赦をいただきたいわけでございますけれども、概況を申し上げますと、今回の協議の課題になっております周辺部分、日ソ間の共同調査の問題でありますとか、あるいはまた国際機関における協力関係といった周辺部分の問題については大体論議を尽くしまして、おおむね合意の見通しが出ております。 ただ、まさに本体になっておりますサケ・マス漁業をめぐる問題でございますが、一九九二年の沖取り禁止問題、この議論をやっていますと、御指摘ございましたように漁期が大変迫ってきておるということもございまして、延々とした議論になるということで一応棚上げした形で、とりあえず本年の操業条件を具体化すべく、現在鋭意交渉を進めておるところでございます。先方も若干の弾力性は示しておるようでございますけれども、我が方の観点から見ますと大変厳しい状況にあることは変わりないわけでございます。漁獲量の問題、協力金の問題、さらにまた新たな課題として迫られております隻数制限の問題といったものを一括して、現在いわば大詰めの段階を迎えるべく我が方の代表団も、同行しております業界の代表の方々とも相談をしながら、慎重ながらかつ精力的に協議を続けておる、できるだけ早期に決着を図るよう私どもも督励をしておる、こういう状況でございます。
○藤原分科員 交渉経過中ですから詳細についてまたお聞きすることはいかがかと思いますが、非常に難しい交渉の中ではございますが、日本の公海におきます、またソ連二百海里内におきます後退に次ぐ後退という中での今日の状況、しかも九二年という提言があった後であるだけに、関係業界の方々の今後の危惧なされます心情等を思いますと、ひとつ強力な交渉を続けて、少しでも日本の漁業の今日まで父祖以来築いてまいりましたものにつきまして留保されるような条件が整うよう、ひとつ御努力を賜りたいと思うわけであります。日鮭連等におきましてはこの危機的状況につきまして非常にいろいろ苦慮されておるようでございます。また昨年は、北洋のはえ縄漁業それからツブ漁業の減船がございました。また、今お話ございましたような非常に厳しい状況の中にありますと、当然今後のことについてもいろいろ検討しなければならない。マスコミ等におきましては、昨年の十二月の閣議了解のもとにあります国際漁業再編対策、これに基づきましてどうするかというようなこと等についてもいろいろ救済対策も議論されておるようでございますが、これは今後の漁業のあり方等としまして国際漁業再編対策に基づく救済措置というのは、交渉のいかんももちろんでありますが、現状の中ではやはり検討しなければならない大事な課題だろうと思うわけであります。この救済措置の基本的な方向とか、また以西船の救済措置とか不要漁船の処理交付金、こういうもの等につきましてもいろいろ関係団体から御提言があり、また御検討なさっていらっしゃるようにも伺っておりますが、これらのことにつきましてはどのように基本的にお考えになっていらっしゃるのか。 それから、何といっても今後のこと、余り先走って申し上げるのはどうかと思うのでありますが、乗組員につきましては国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法がございますし、また、加工業者とか資材供給業者につきましては特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法、こういう法律が根っこにあるわけでありますが、こういうこと等を通しまして現在これらのことについてはいろいろ御検討なさっておるように伺っておりますが、報道されておるのですけれども、基本的な考え方をお伺いしておきたいと思います。
○京谷政府委員 御指摘ございましたように、日ソのサケ・マス協議の現状、大変厳しい状況でございます。そういった事態を受けまして、お話ございましたように関係団体の方からも、このような状況を踏まえて昨年十二月に決定しました閣議了解に基づく国際漁業再編対策の適切な実施という要望が出ておるわけでございます。この閣議了解の中で決めてある内容は、概括して申し上げますと三つございまして、一つは減船漁業者の救済対策でございます。二つ目が関連事業者のいわば転業対策。それから三番目が、お話ありました乗組員に対する漁臨法の適用といったような内容から成っておるわけでございます。 具体的にこの減船問題というものがどういう規模になるかというのは、交渉の妥結後、さらにまた政府間交渉に引き続いて民間交渉が一部残りますので、具体的な減船内容というものが決まるのは大分先になると思いますけれども、とりあえず、政府間協議が妥結した後には引き続いてことしの出漁態勢を整える必要があるわけでございます。この出漁を円滑に進める必要上、ただいま申し上げました閣議了解の第一番目の範疇にございます減船漁業者に対する救済措置のあり方について、その骨格というものをできるだけ早くまとめて明らかにすべきではないか、こういう御議論が大変強うございます。したがいまして、私ども、先生御指摘のございました閣議了解の第二、第三の問題というのは若干今後起こってくる実態を踏まえて検討していく必要があると思いますけれども、とりあえずこの減船漁業者に対する救済措置の骨格というようなものを出漁期をにらみながら早急に明らかにしたいということで、鋭意現在作業を進めておるわけでございます。でき得れば連休前にということで、連日連夜財政当局とも相談をしておるところでございます。 また、対象漁業として以西船を入れられないかというふうなお話でございますが、関係団体からはそのような要望が強く出されておりますので、私どもとしても、この際前向きに対処し対象にしていくことを現在検討しておるところでございます。 また、具体的な救済措置の内容としまして、御承知のとおり減船漁業者に対する救済交付金、それから不要漁船処理交付金という二つの方途が講ぜられることになるわけでございますが、この具体的な内容につきましては現在骨格を検討しておりますけれども、やはり六十一年度に実施された救済措置、あるいはまたその後における漁業実態の変化というものをよく踏まえて、それらとの均衡のとれた内容になるようにすべきではないかということで検討を急いでおるところでございます。
○藤原分科員 これは現状が今交渉中ではございますので、そういう中でのことですから、余り先走ってこうするということについてはいかがなものだと思いますが、しかしどうしても最小限度考えなければならない問題について御提起を申し上げ、お話もあったわけでございますが、大臣、いずれにしましてもこういう法律的な裏づけ、それからまた、現状こういうことでいろいろな対応をなさるのだろうと思いますが、地域問題というのはやはり一番大きなことだろうと思います。漁業転換しなければならない立場の方は当然これは一番大変なことだと思いますし、地域経済に及ぼす影響、この二点は特にひとつ御配慮いただかなければならぬ。減船によって転換しなければならない方々が、非常に今日までの共補償等いろいろなことをやって減船に次ぐ減船の中でいろいろな手段を講じて今日まで来ておりますから、それが最後の方々に全部覆いかぶさるような形で、最後までいた方々が大変に苦悩し、そしてまた、それらのものが漁業団体等に覆いかぶさるような形になるという、そんな究極的なあってはならないような形であってはならないだろうと思います。 それから地域問題にしましても、やはり根室が一番漁業が中心の町でありますし、過日も市議会の方々を初めとして関係団体の方々参りましたが、根室、釧路、ここらあたりが小型サケ・マスの関係でこの影響を受けるのじゃないか。漁業に生きる、こういうところであるだけに、こういう地域問題等につきましても、今日までもいろいろな法的なことを裏づけとしまして対策を講じてきておりましたが、ぜひこれはひとつ、水産庁、農水省だけでできることじゃないと思いますが、各省庁連携をとりまして、救済措置、地域経済、これらのことについて万全を期していただきたい、こう思うのですが、大臣どうでしょう。
○山本国務大臣 お答えいたします。 先生の御指摘のとおりでございまして、根室、釧路の例を挙げられましたけれども、漁業者あるいは漁業関係者だけでなしに地域ぐるみの非常に大きな問題である、時によっては大きな打撃を受ける、こういうことをよく承知をしております。当省としては、今水産庁長官から答弁のありましたとおり、閣議了解されました国際漁業再編対策、これに準拠してできる限り事態に対応していくということが必要ではないか。もちろんその前に、冒頭先生のお触れになったようにモスクワで今交渉が続いておりまして最終段階に入っているようでございますが、これはできるだけ我が方の主張を入れていただくような妥結をお願いをするわけでございます。それと相並行した形で国内問題、そして漁業者対策、関連対策あるいは地域対策、これは当省だけでなしに内閣全体の問題というふうに私どもは承知をしておりますし、また北海道でいえば知事さんを初めとして地方公共機関の方々などの力もかりながら全体の問題として対処してまいりたい。地域問題だという先生の御指摘はそのとおりだと考えております。
○藤原分科員 時間もありませんので、いろいろお聞きしたいこともございますが、交渉中のことでもございますのでこれで打ち切りたいと思いますが、ぜひひとつ今大臣のお話がございましたように、関係省庁と御連絡を賜りながら鋭意対策を講じていただきたいと思います。 次に、日本海の資源管理につきましては、農水省としましても今いろいろ計画を立てて推進をなさっていることはよく存じているわけでありますが、日本海北部地域といいますか北海道周辺のこの地域につきましては、貧栄養ということが言われておりまして生産力が非常に弱い。この増強対策をいろいろな調査の上に立って今後また沖合と近海、沿岸、こういうところでいろいろ今後の対策を講じていこうという資源管理についての構想が今着々と進められていることは理解をいたしておるのでありますが、この日本海の利用というものにつきましては、今申し上げたように、国際的な面からいいますと二百海里によって新しい漁業のあり方というものが模索をされているわけでありますが、何といっても近海を、日本の沿岸を、二百海里を大事にするということが急務だと思います。そういう中にありまして、日本海というのはそういう点では、人工衛星から見ますと本当に一つの湖のような、また日本にとりましてはかけがえのない一つの漁業資源を養殖すべき大事な地域だろうと思うわけであります。実態調査の上に立っていろいろな計画を立て、そしてまた協議を続けるということでありますけれども、ぜひひとつ日本海の資源の管理ということにつきまして今後も強力な施策を進めていただきたいと思うわけであります。 一つは、日本海の関係国との資源についての話し合いの場をつくるということも大事なことではないか。これはあすあさってすぐできることだとは思いませんが、韓国やソ連、今日まで韓国漁船のこともいろいろございましたが、皆さんの御努力によりましてひところから見ますとある程度のブレーキがかかったのではないかと思うのでありますが、日本海も決して無限の地域ではなくして、限られた地域の中でそれぞれの魚種の管理について隣接国で話し合いをしなければならない、管理を考えなければならぬ、こういうことだろうと思うわけであります。これは研究者とか学者とかという方が中心になるのだろうと思うのでありますが、そういう日本海に対しての研究者等の間のいろいろな話し合いの場を持ち、そしてまた日本海を今後より生産力の強いものにするためにはどういう方途を考えなければならぬのか、こういうことを真剣に今から考えを進めていくようにいたしませんと、目先のことだけではいけないのじゃないかという気がするのであります。いろいろなことを申し上げたいのですけれども、このことだけ一つ申し上げておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○京谷政府委員 ただいま先生からお話がありましたように、国際規制が大変厳しくなっている状況下で、我が国の漁業振興を図る上で沿岸水域を大切に使っていくことが大変大事な課題であると私どもも感じております。 御指摘のございました北部日本海水域が、その自然的な条件から見て、これまで他の地域で展開をされてきておりましたつくり育てる漁業といった面で若干おくれをとっておるというふうな実情にありますことは、私どもも道庁関係者等からよく聞いております。したがいまして、いろいろな技術的開発努力も必要でございますけれども、そういう技術開発の努力の成果を踏まえながら、お聞き及びであろうかと思いますが、本年度予算におきましても、沿岸漁場整備事業と栽培漁業にかかわる各種の施策を総合的に実施をする特定海域増養殖総合推進対策というような構想を具体化いたしまして、予算計上を図り、その実施を図りたい。その際に、やはり北部日本海水域も大変重要な対象になってくるのではないかと考えております。 また日本海水域には、御指摘のようにソ連あるいは韓国の漁業と共通の資源をとっているという面がございます。両国との間では御承知のように漁業協定を結んでおりまして、実は今回の、日ソサケ・マス協議と言っておりますが、これは日ソ漁業協力協定に基づく協議という形をとっておりまして、先ほどもちょっと触れましたけれども、両国間の資源調査を含めた共同調査を従来から行ってきております。対象がまだ限定をされておりますし、また双方の資源管理体制をどうしていくかというふうな問題にまでまだ至っておりません。また韓国との間でも、御承知のとおり日韓漁業協定のもとで一定の枠組みが構成をされておりまして、この中で科学者の共同調査あるいは情報交換といった場が設けられております。まだ端緒的ではありますけれども、そういった資源評価をめぐる科学的な情報交換をしておるわけでございます。多国間あるいは二国間の共通の資源管理体制という仕組みをつくり上げるのには相当の時間なり努力が必要であろうかと思いますけれども、御指摘の御趣旨を踏まえて、現在のフレームを生かしながら科学者レベルでの論議を発展をさせて、その上に立って、どういう仕組みのもとで資源管理体制をつくっていくかということをよく研究をしていかなければいけないと考えておる次第でございます。
○藤原分科員 この日本海の生産力についての調査、ひところはいろいろな魚種でたくさんとれたものもあったわけでありますが、最近は大体の魚種も全体的に低迷しておるということでございます。これはいろいろな影響があるのだろうと思いますが、そういう中で国費をいただきながら、いそ焼け対策とか、私の選挙区の後志管内ですとトドがやってくるとかいろいろなことがございます。私、こういうことについてもそれなりの基礎的な研究、対応をどうするかということについて取り組んでいらっしゃることはよく存じておるわけでありますが、零細な漁民の方々が毎年同じような被害を受けるということについては、非常に寂しい思いをしておるわけであります。 それから海岸工事ですね。農業の話、先ほどございましたけれども、農業土木もさることながら、海岸もどんどんコンクリで固めて護岸工事、こういうことで、魚に優しい工法というか、こういうものがなければならぬだろうと私は思うんですね。農業も、土建屋的発想と言ったら怒られるかもしれませんけれども、そういうことで工事をするということで私も何度か農林水産委員会で工法のあり方について提起したことがございますが、漁業なんか特に、非常に微妙な魚の生息するところ、こういうものを人間様の必要に応じた形の護岸工事ということで、魚がどうあるべきかということは二の次、三の次で、まあ最近少しずつそういうことが考えられつつあることは私もよく理解しておるのですが、こういういろいろなことが相乗されていそ焼けやいろいろな沿岸漁業の衰退のもとになっているのではないか。確かに便利にはなったのかもしれませんが、反面、いその状況というのは魚には決して優しいものではない、すみやすいところではない、また増殖しやすい環境にはない、こういうことなんだろうと思います。こういうこと等につきましてもぜひひとつこれは、御研究なさっていらっしゃるのだろうと思いますけれども、今後の工法のあり方等について、これは漁師の方が一番よくわかることなんだろうと思いますが、沿岸を大事にする、浅海を大事にするという観点でひとつ御検討いただきたい、こう思うわけであります。 時間もありませんので次ですが、九十九里浜で過日事故がございました。あのテレビを見まして、漁師の方が、こんなときに船が出るのは無謀だというお話をしておりました。海難事故については海上保安庁がなさいますし、海辺の事故とか浅海域については警察とか漁協とか、こういうところが一義的に見ることになっておるわけであります。また、救難救助は救難所員の方々が、漁業者のボランティアでなさっているわけであります。これは海上保安庁が中心となって、マイボートを初めとして急増します実態についての把握やまた今後のあり方についてはいろいろ検討なさるのだと思いますが、同じ事故が同じように何度も繰り返されるなんていうことがあってはなりません。そういうことからいいますと、今回のこの大きな犠牲を出したことを契機として対策を講ずるということで、二度と同じような事故は起こさない、こういう決意が政府になければならぬだろうと思います。そういうこと等を考えますと、気象通報とか事故についてのいろいろな情報というのはありますけれども、今回の状況を見ますと、やはりある地域に限られたところでマイボートの出漁がいいのかだめなのかというものがきちっと通報されるとか、または何らかの機関でこれを云云するというところが明確でないという感じがするわけであります。やはりこういうことについては今後政府としてもいろいろな角度から検討なさらなければならないと思いますが、経験豊富な漁師の方々の判断というのはそういう点では非常に大事になるだろうと私は思います。これは大臣、ひとつ閣僚の一員としまして、各省庁縦割りで云云ではなくて、内閣としましても海上保安庁を初め、浅海、海浜、こういうところでやっている方方については救難の体制も漁業者のボランティアであるのですけれども、漁業者の豊富な経験を生かしてこういう問題についてのきちっとした対応ということについて、ぜひひとつ農林水産省としましてもどういうことが適当なのかということで御検討いただいて、同じ事故を何度も繰り返すことのないような対応をお取り組みいただきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○山本国務大臣 昨晩もちょうど運輸大臣、自治大臣と一緒になる機会がございまして、今御指摘の子供さんの命が失われた問題、痛ましい話が出ました。それで、今国務大臣としてというお話でありますが、また漁業者と一番接触の深い水産庁の関係もございます。また、内閣全体として、まさに命は地球よりも重いわけでありますから、こういう事故を二度と起こさないように、それぞれの立場から総合的に真剣に対策を講じなければならない、こういうふうに考えております。
○藤原分科員 以上で終わります。
○内海主査 これにて藤原房雄君の質疑は終了いたしました。 次に、上野建一君。
○上野分科員 私は、東京湾の漁業問題との関連で、環境保全あるいは生態系の再生問題、そういうことを中心に質問いたしたいと思います。 まず、水産庁にお伺いいたしますが、実は東京湾の船橋前面の海域で四年前青潮の発生がございまして、アサリがほとんど全滅する状態がございました。そのほかいろいろな魚類の稚魚が死んでおりますが、その際、私は当時の水産庁長官に、たしか佐野さんとおっしゃったと思いますが、この青潮の原因を追求してその対策を考えてもらいたい、東京湾の漁業は全体の行政の中では既に忘れられた状態にありますけれども、しかし東京湾の漁業というのはこれから非常に重要な役割を果たすだろうと思われますし、関東一円のたんぱく源としても漁業が重要だと思いますので、そういう立場から要求をいたしたところであります。実は、昨年も青潮が発生をしているということで、これからもたびたび発生するだろうと思いますが、まず、この原因について水産庁はどう把握しておられるか、お伺いしたいと思います。
○京谷政府委員 私ども、この青潮の発生している事態というのは県の方からも連絡を受けてよく承知をしております。発生原因としてどういうことがあるかということ、完全に解明されていない面がありますけれども、私どもの足りないところについては環境庁の方でもいろいろ御調査をいただいて、この発生機構の解明について、環境庁のお力もかりながらその因果関係というものをはっきりさせるべく努力をしておるところでございます。
○上野分科員 環境庁がやっておるというお話でございますが、本来青潮によって被害を受けるのは漁業で、大体水産庁の仕事ではないのか、そういう原因を究明してやはり対策をやるのは水産庁がやるべき仕事だと私は思うのですね。環境一般として東京湾の問題を考えてもらうのは環境庁、大変結構ですけれども、漁業との関係で水産庁はもっと突っ込んでこのことをやる必要があるんじゃないか、こう思いますが、その点はどうでしょう。
○京谷政府委員 私ども水産行政の立場で、漁業の大変重要な環境条件の一つとして良好な水質が確保されておるということが必要であることはもちろん重視をしております。この青潮の発生メカニズムについて、私どももそれなりの努力をしておるわけでございますけれども、非常に複合した要因に基づく面もありまして、最近におきます私どもの研究の主体というものは、もちろんこれが発生原因の究明ということと関連をするわけでございますけれども、これを防止するための手段あるいはまた発生した場合にこれを防除するための技術というふうなことに重点を置いて進めておりまして、もちろん私ども今後とも発生メカニズムについての解明努力ということを我々なりにやっていきますけれども、やはり基本は環境庁においてお願いをしていくことが必要ではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
○上野分科員 それでは環境庁に、現在の究明の状態を、明らかになった結果だけで結構ですからお願いしたいと思います。
○奥村説明員 青潮問題につきましては環境庁も非常に重大な関心を持っておるところでございまして、今水産庁から御答弁ありましたように、環境庁におきましても昭和六十二年度から調査を進めておるところでございます。 この青潮の発生の原因といいますか発生消滅過程等につきましては、従来から一部基礎的な研究が行われてまいったわけでありますけれども、まだ十分な知見は得られていないというような状況でございまして、そのために、今申し上げたような形で解明の基礎的な調査に取りかかったわけでございます。現在のところ、まだ五年計画でやっておりますので中間的なところでございますけれども、一応の現象といたしましては、青潮は特に夏場、特に海流の上下の動きが非常に少ない時期、成層期に、海域に陸側から流入いたしました有機の汚濁物質でありますとか流入したものの中でも特に栄養塩類等をえさといたしましてプランクトン等が非常に増殖するわけでございますが、そういうものが海底の方で酸素を消費して、非常に海水の酸素を消費して無酸素状態というような状況を特に東京湾の中央部あたりで形成をするようであります。そして夏から秋口にかけまして、自然的な風向き等にもよるわけでありますけれども、海域の流動現象におきましてそれが表層にわき上がってくる、それが特に千葉の船橋等から千葉市にかけての沿岸域に湧昇してくる、このためにいろいろな被害が生じるというふうに現在のところ理解しておるところでございます。
○上野分科員 それと、埋め立てのために土砂をとったいわゆる穴ぼこが海底にありますね。名前は何というのか、深掘部とかいろいろ言っているようですけれども、そのいわゆる穴ぼこが水面下十七メーターから二十五メーターというところに現在大きいのが五カ所あるのですけれども、これとの関係はどうでしょうか。やはりそこに酸欠状態の海水がよどむ、風向きによってそれが浮上してくる、こういうことが言われますが、その点どうですか。
○奥村説明員 今先生御指摘はしゅんせつをした穴のことだと思いますけれども、それにつきましては、現在まで調査しておるところによりますと、その穴の中は非常に無酸素状態になりやすいというような結果は大体得られてきておるところでございますが、ただ全体的に貧酸素水塊の分布状態等を考えますと、今の実態におきますと、その部分だけではなく湾の中央部にもそういうような無酸素水塊というものが発生しておるというような状況にございます。
○上野分科員 これは水産庁にお伺いしますが、その穴もどう考えても関係がある、それだけではないというようなことも今言われましたが、しかし、開発によって大変深い穴が掘りっ放しになっている、こういうことなんですが、今度は東京湾横断道路会社が、土質改良のために二百二十万立方メーターの土砂が余った、その処理に困ったものですからその穴を埋めるというふうになって、今進行していますけれども、これは水産庁には事前の相談があったのかどうか。それから、それによってまた海水の汚濁が進むと思うのですけれども、一体こういうことをやって本当にプラスがあるのかどうか。 それから、環境庁についでにお伺いしますが、その穴の周辺、浅い部分とか何かは部分的には生物の産卵の場所にもなっている、そういう新しい状態も生まれているとも言われているのですが、環境庁としてはそこら辺の、この穴を埋め戻すというその過程で海水がまた汚濁される、そういうことについてどのように考えておられるのか。水産庁と環境庁、両方にお伺いしたいと思います。
○京谷政府委員 御指摘のございました東京湾横断道建設にかかわる余剰土の海に埋め戻すといいますかそういう行動について、私ども何らの連絡を受けておりません。
○奥村説明員 御指摘の穴の存在に関しまして、埋め戻すという話がありますが、詳細には聞いておらないわけでありますけれども、先ほどお答え申し上げましたように、穴の中の水は非常に無酸素状態になっておるというふうな状況にございます。ただ、一般的に申し上げまして、そういう埋め戻す等々の土砂の投棄等におきましては、当然環境保全上濁りを生じさせないようなことには十分注意する必要があるというふうには考えております。
○上野分科員 水産庁には断りがない。漁業に一番関係あるところに相談もないということ、簡単に言えば水産庁は無視されている、こう思われるんですが、これはやはりアセスか何かまではやらなければいかぬのじゃないか。水産庁というのは漁業を守る立場からもうちょっといろいろな意味で積極性があっていいのじゃないだろうか、こう思います。今の政治全体の中ではどうも水産庁というのは軽視されているような感じがして仕方がないのです。これは東京湾という立場から見てそう思うわけでありますが、今後の問題として、これの漁業へ与える影響、そういうものについては最低これからでもいいから調査をして明らかにしておく必要があるんじゃないかと思いますが、そういうことについてやる意思があるかどうか、これから検討してもらえるかどうか、その点をまずお伺いしておきます。 それから、環境庁にお伺いしたいのですが、こういう場合に環境庁も、一方で青潮の調査をやっている、だけれども一方ではまた海の中をかき回すような、あるいは汚染源になるようなことが行われているわけですけれども、これについてはどう対応しようとするのか。それはそれ、これはこれというふうに考えているのか。そこら辺はどうでしょうか。
○京谷政府委員 御指摘の案件について水産庁としてどう対応するかというお話でございますが、第一義的には、やはり沿岸の漁業と関連する問題でございますので、まず千葉県当局がどのような対応をしているのか私どもとしても事情を聞く必要があると思います。とりあえず、千葉県がこの問題についてどういう対応をしているのか、私どもの立場からよく事情を聞いた上で必要な行動を検討をしてみたい、かように考える次第でございます。
○奥村説明員 環境庁としての対応ということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、詳細についてはまだ承知をしていないところでございます。 青潮問題と濁り等々の直接の関係につきましてはちょっと詳細にわからない部分があるわけでございますけれども、横断道路のアセスにおきましても、工事中の問題ということについては十分な検討をするべきであるというふうな基本的な考えを持っておるところでございまして、やはりその実施に当たりましても濁り等の発生について十分な配慮がされるべきであろう、そういうふうに思っております。
○上野分科員 環境庁、あなた方が調査している一番大事な青潮の発生する場所と、穴ぼこのあるところが大体一致しているのです。あなたのところにもあると思うが、こういうふうに場所が大体一致しているわけです。そうだとすれば、ここに土砂を埋めるということになるともうそれはすぐ影響するんじゃないですか。影響もするし、ある程度変化も出てくるだろうと思うのです。それについてもっと、埋め立てをやること自体についてどういう結果をもたらすかというアセスぐらいはやるのが本当じゃないのでしょうか。そういうことをやる気はないのですか。これはやらなければいかぬのじゃないですか。
○奥村説明員 アセスに関しましては基本的に、事業者でアセスをやるというのが基本的な考え方になっておるわけでございますけれども、穴の問題に関しましては、先ほど申し上げましたように穴の中の水というのは非常に無酸素状態になっておるというような状況もございまして、工事をされることによりましていろいろな問題が生じるという一面もありますけれども、例えば仮に穴がなくなった場合に、そこでは無酸素水塊が基本的になくなるというような面もあるわけでございます。当然それに十分注意をしながら、工事等につきましていろいろな配慮をしながら検討調査を進めてまいりたいというふうに思っております。
○上野分科員 何もできていないようですから要望しておきますと、埋める土自体が余りいい土ではないのです。とにかく土質改良のために邪魔になる土ですから、これは明らかにろくな土じゃないのです。それが埋められるということになると、ある意味では青潮以上の被害をもたらす危険性があります。したがってこれについては、今からでも遅くありませんから、その対策をぜひ考えてもらいたい。まず土質の問題、それから海水の汚染についてどのような影響があるのか、そしてそれが漁業にどういう影響を与えるか。それからもう一つは、ここら辺のところは船舶の混雑の大変ひどいところなんです。これは水産庁にも関係ありますけれども、航行安全の問題等も含めて総合的に、運輸省などを含めて関係のところでぜひ対策を講じないと、後で問題になったときに困らないようにぜひ対策を立てておいてもらいたいと思います。この点は要望をしておきます。 それから、水産庁長官、先ほど青潮についても五カ年計画ですから完全な調査はまだ少しかかる、こういうことでありますが、そういう調査をしている間にもまた青潮が発生して魚介類が全滅する、こういう可能性が十分あるのですけれども、それに対しては、今度起こったらどういうような対策をとられるのか、その対策をお伺いいたしたいと思います。
○京谷政府委員 青潮の発生要因なりあるいはその未然防止あるいは被害が発生した場合の除去に関する各般の技術開発について、その成果が十分に出てくるまでにはまだ多少の時間がかかるということは御指摘のとおりでございます。 したがいまして、御指摘になりました昭和六十年のアサリの大量へい死といったような事例がその後も若干規模を変えて発生をし、また今後も起こる危険性があるということは私もよくわかるわけでございますが、御承知のとおりこのアサリ採取を含む各般の漁業については、第一義的には千葉県が所管しております沿岸漁業に属するものでございます。例えば六十年の発生の際には、対応策としまして種苗放流について県が所要の助成を行うとか、あるいは漁場のアサリ貝殻除去のために海底清掃をするに要する資金について低利融資を行ったというふうな措置が千葉県において行われておるようでございます。私どもとしても、そういった千葉県での対応が適切に行われることについて千葉県とまたよく御相談をし、また技術的な援助が必要でありますれば私どもの可能なお手伝いをしていきたい、かように考えておるわけでございます。
○上野分科員 それで私ども、特に東京湾の問題については何よりも汚濁がさっぱりよくならない、大体沿岸地域において下水道やら河川の改修などを含めて浄化の方向をとりつつあるけれども、一向に東京湾の水はきれいになっておらない。現在出ているこの調査、CODの現状を見ましてもほとんど平行線で、昭和五十四年から今日までほとんど変化がない。したがって、汚れっぱなしという状態が生まれています。このことは、東京湾の水が汚れるということは、関東全体の環境に非常に重要な悪い面を及ぼすわけで、もう生態系まで変わる、あるいは東京などを含めて気候も大きく変化がある、こう言われています。また、事実そういう状態があらわれておるわけです。 そういう中で、それを防止するには幾つかの方法をやらなければならぬと思うのですけれども、まず一つは、東京湾の開発、ウオーターフロントとかその他いろいろなことを含めてやりますともう今出されている計画でも百ぐらいの開発計画がある、ビッグプロジェクトと称するものだけでも百ぐらいある、こう言われて、現実にそうなっていますが、ところがそのいろいろな事業について総合的な対策がないのです。総合的な形での東京湾対策というものがない。今もお話を聞いてわかりますように、水産庁の仕事が環境庁であったり、これはいいんですけれども、やっている分はいいんですけれども、いわばどこで責任を持つのかというようなことがはっきりしていない、こういう面が強くあります。埋め立ての認可は運輸省にあって、それからいろいろな実施になると建設省が入ってくる。例えば、東京湾に島をつくるなんという計画が運輸省から出される。建設省からは、今度東京湾横断道を中心にしてまたいろいろな計画が出る。こういう意味で、東京湾保全についてはこれはもう総合的な対策を考える必要がある。私どもは、東京湾保全法というようなものを考えなければならぬじゃないか、こう言っているわけでございますが、この日本の環境全体、あるいは漁業、農業にもこれは直接かかわってまいりますが、気候条件が変わりますといろいろな問題が出ていますので、そういう意味で農林省もその一つだと思いますが、関係省庁との関係でこの東京湾保全について抜本的な対策を考えるということにならぬものだろうか。 これは農林大臣、少し所掌から離れる感じもしないわけではありませんが、しかし水産庁もまあいわば指導下にあるわけで、そういうことを含めますと、ぜひこの際せっかくの機会ですから農林大臣にお伺いしておきたいのですが、東京湾を全体として保全するための一貫した体制を考えるという立場に立てないものだろうか、その点に立ってもらえないだろうか。農林省が提唱してもいいわけですけれども、そういうことについてはどうお考えか、この際、お聞かせを願いたいと思います。
○山本国務大臣 せっかくの先生の御指摘などを踏まえまして、環境庁を初め、あるいは関係省庁たくさんに及ぶかと思いますけれども、よく相談をいたしましてまた検討したい、こう思っております。
○上野分科員 それで、最後に水産庁長官に要望も含めて少しお伺いしたいのは、やはり東京湾の干潟、浅場、自然海浜の保全について、水産庁はやはりこれは漁業とも関連しますからもっと積極的にやってもらいたい。それから二つ目は、水質の改善。それから三つ目は、なぎさの生態系を再生させるという意味で、もうちょっと何か対策を立ててもらいたい。これは環境庁にも共通する点ですけれども、そういうことでこの東京湾全体の沿岸地域、なぎさというものを再生する、こういう意味でこれから努力してもらいたいわけです。 そういう立場で考えた場合に、水産庁長官、これは長官の御意見でいいのですが、これ以上東京湾を埋め立てるというのはどだい無理だというふうに東京湾の問題に取り組んでいきますと思わざるを得ない。これは漁業の立場からなおさらそう思われますが、まだいろいろな埋め立て計画があるわけなんで、この点は水産庁長官、個人的な御意見でも結構ですが、その埋め立て問題についてはどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
○京谷政府委員 大変大きな問題で、私がお答えできるかどうか大変恐れるわけでございますが、私ども、漁業の振興を図るという立場からは、漁業展開の場であります海あるいは海浜部というものが良好な状態で保全されていくということが必要であろう。そのために、それぞれの地域の水域の漁業を所管しております各都道府県段階においてそれなりの考え方に沿った対応をしていただく、それにまた我々も応援をしていくという立場で仕事を進めておるつもりでございます。 ただ、もちろん海面を含めまして我々の技術なり、あるいはいろいろな多種多様な欲求がふえてきておりますのでその中で漁業との調整を図りながらいろいろな新しい技術を駆使するとか、新しいニーズに対応していくということが起こることもこれまた事実であります。いかなる利益が得られようとも常に漁業を優先させるということだけではいかない場合も、各地域の実情によってあるわけでございます。適切な調整の上に、そういった新しい開発と漁業が両立するような知恵も含めて、関係する役所なり都道府県ともよく相談をして対処してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○上野分科員 以上で終わりますが、最後にやはり東京湾の問題は、さらにごみ処理場としてのフェニックス計画とかまだまだ埋め立てが、もう海水をこれ以上汚しちゃならぬのですけれども、汚れっ放しのいろんな計画が次々と立てられております。したがって大臣、長官含めて、東京湾について少し重視をしていただいて対策をお願いしたい、こう思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○内海主査 これにて上野建一君の質疑は終了いたしました。 次に、仙谷由人君。
○仙谷分科員 日本社会党の仙谷由人でございます。徳島県選出でございます。 徳島県に吉野川北岸用水という極めて立派なかんがい用水路がつくられたわけでございます。関係市町村が、あの池田高校のある池田町ほか十一カ町、六十九・二キロメートルの国営幹線水路ができ上がったわけです。十九年をかけてつくられた。水利費の軽減と用水の安定を図るということがうたい文句になっておるわけでございます。ところが、今度の総選挙に際しまして、私が関係市町村の、市はございませんので町村を歩いてみますと、農家の方々はこの北岸用水の償還金、要するに農家の負担経費について大変な不満を持っていらっしゃる。改良区を実質的に運営する町の理事者の方々も、口に出しては言いませんけれども、非公式の場ではとんでもないことになっておるという御意見をお持ちのようであります。 まず、昭和四十三年に計画着工されたこの吉野川北岸用水でございますが、農林省の立場でごらんになって、当初の目算、もくろみと異なった点、何がこの目算外れというかもくろみ外れになったのか、農家に大きな不満と不安を呼び起こすようなことになっておるのか。農林省の立場ではいかがでしょうか、当初の目算、もくろみ、あるいは計画と大幅に違った、こういうことは何でございましょう。
○片桐政府委員 先生御指摘の国営吉野川北岸農業水利事業でございますけれども、この事業は全体実施設計昭和四十五年、実際に着工したのが昭和四十六年ということでございますので、完了が平成元年度完了、先生御指摘のようにかなりの長期間を要したということでございます。確かに当初着工するときにはこんなに長期間がかかるというふうには思っておらなかったわけですけれども、その後の予算の事情とか、それからまたいろいろな資材、労務費の高騰とか、そういうようなことで計画変更も二度ほどやっておりますけれども、そういういろいろな事情の変化に応じて計画変更したり、また場合によっては農用地造成面積を縮小するとか、そういういろいろな変更をしながら今回完成を見たというものでございます。確かに、そういう長期間のうちに農業事情も相当変わってきたというようなことで、当初の予定どおりの成果というものが多少変更されたということは事実でございますけれども、私どもといたしましては、この事業は吉野川北岸の地域の従来のかなり不便な水利事情を抜本的に改善するという効果があらわれてくるのではないかというふうに期待している次第でございます。
○仙谷分科員 時間がございませんので私の方から具体的に言いますが、今長期間かかったというのが当初の計画とは違うというふうにおっしゃいました。そうでございますね。うなずいていらっしゃるからそうだと思いますが、それから、資金が当初計画ではおよそ百四十七億ぐらいですか、それが六百六億ぐらいかかってしまった。具体的には、幹線水路は当初の計画は三面張りの水路をつくる計画だったのに、ほとんどが隧道、トンネルにしてしまった。そのことが費用が百四十七億から六百六億になった大きな原因。それから今おっしゃったように農業事情が変わって、特に開墾というふうな問題は、当初の開墾面積、この農業用水が行きついてそれによって多分開墾がこのぐらい行われるだろう、六百二十ヘクタール計画。それが、五十三・一ヘクタールというふうに地元で聞きましたけれども、五十三ヘクタールぐらいにしか開墾実績がなくなった、そのことがまた農家の負担金を上げておる。こういう見込み違いといいますか、あるいは状況違い、情勢の変化、具体的に申し上げますとその四点ぐらいが指摘できると思うのですが、間違いないでしょうか。
○片桐政府委員 大体先生が御指摘のとおりだと思います。
○仙谷分科員 こういう見込み違いの結果、農家に負担増となって迫ってきておるやに私は聞くのですけれども、この資金が多くかかった、したがって負担金も農家に多くならざるを得ない、あるいは十九年という年月がかかったために農業を取り巻く情勢あるいは行政、農政といいますか農業政策、これも変わった。こういう農家にとっては余りいい条件でないことがふえてきたということも言えると思うのですけれども、そういう事柄については、何か農家に責任を帰すべきような事情といいますか、事由というのはございますでしょうか。
○片桐政府委員 先生御指摘のように、この事業は長期かかった、その長期間の間にいろいろ農業を取り巻く事情、情勢が変わって、事業計画を二度にわたりまして変更をいたしたわけでございますけれども、その間いろいろ資材の高騰とか工事手法の変更とかそういう形で事業費も相当高くなった、その結果、農家の負担の額もかなり増大したということは、そのとおり事実でございます。私どもそういう状況の中でできるだけ農家の負担を軽減する努力というものを国、県及び市町村ともどもいろいろ努力をしておりますし、また、今後ともいろいろ努力をしたいというふうに考えておる次第でございます。
○仙谷分科員 私も、農林省の方でもあるいは県、市、町段階でも農家負担の軽減のために努力なさっておるというふうに聞いておりますので、そのことについてはまた改めて要望申し上げますけれどもひとまずおくとしまして、この北岸用水の一環であります池田ダムから香川用水というのが香川県の方に行っておりますね。この香川用水というのは昭和四十三年に着工して五十年に完了した。そこから通水が始まっておる。水資源開発公団が施行したといいますか計画実施したということなんです。ここと比べまして、特に農家で結構でございますけれども、農家の負担金と比べまして、この吉野川北岸用水で今償還あるいは賦課される維持管理費、これの額の比較をしながらちょっとお答えを願いたいわけですが、どうなっておりますか。
○片桐政府委員 香川用水関係の負担金の額につきましては、今手元にちょっとないわけでございますけれども、この吉野川北岸農業水利事業についての国営事業の負担金につきまして先生からの質問通告がございましたので、地元の方にいろいろ問い合わせてみた次第でございます。 この国営事業の負担金は、国の方は県を通じて納めていただく、県はまた、県の負担分とそれからその下の土地改良区なり市町村の負担分というものをあわせて県が国に納める、こういう仕組みになっておりますので、具体的に農家の負担がどうなっているかということは最終的には土地改良区が決めているというような状況になっております。それで、私ども地元の方に、確かめましたところ、この地区の農家の十アール当たりの負担金は年間五千三百円程度というふうに聞いております。ただ、これを一律に長期間五千三百円ということではございませんで、当初の十五年間は五千三百円程度、その後四千円、二千円と逓減をしていく計画であるというふうに聞いております。
○仙谷分科員 維持管理費がどうなっておるかということですが、水田、畑について大体三千七百円から三千円、そのぐらいの金額が維持管理費として定められようとしておるといいますか、定められておるということで間違いございませんでしょうか。
○片桐政府委員 この維持管理費十アール当たりにつきましても、地元に問い合わせましたところ、平均で年間三千五百円程度であるというふうに聞いております。
○仙谷分科員 当初、この償還金については一反当たり、十アール当たり三千円を十五年払えばいいのだというおおよそのもくろみがあって、そのことを改良区あるいは農家の方々に伝えてあったといいますかそれで同意を得たということのようですけれども、現時点では先ほどあなたがおっしゃったように十五年間が五千三百円、五年間が四千円、それからその後五年間が、先ほど二千円とおっしゃったけれども二千二百円ということになっているようですが、香川用水の方は全く負担金がないという部分と、多くても維持管理費を含めて三千円です。本件の場合には当初の十五年間は約九千円になりますね。そのくらいの差がついておるということで事実関係としてはよろしいのでしょうか。
○片桐政府委員 香川用水の負担金の関係、詳しい資料を持っておりませんけれども、香川用水の場合には都市用水の方とアロケーションをやっているということ、それからまた市町村がかなりいろいろ負担をしているということもありまして農家の負担金はほとんどないのではないかと聞いております。
○仙谷分科員 十アール当たり約九千円の負担が本年の六月から始まるということでございまして、さらに地元の改良区、いわば幹線用水の改良区から支線を、農業用水を引く、それを管理する改良区に対する支払い、負担金及び維持管理費が約一万円くらいかかる、つまり北岸用水ができたために十アール当たり一万九千円ぐらいの負担をしなければ農業をできないのだ、こういうふうに言っておるのですが、その点いかがですか。
○片桐政府委員 この国営水利事業の末端水路といいますか、それにつきましては関連の県営事業というものが現在行われているわけでございますけれども、それの負担、工事費の負担なり管理費の負担がどうなるかということについては、現在のところ私ども詳細な数字を持ち合わせていない次第でございます。
○仙谷分科員 それはしかし負担がかかるということですね。自分の田んぼに、畑に水を引いてくるまでに支線の水路の負担がかかるということはお認めになりますね。非常に農家がこの負担に耐えかねて、負担金を払うためにほかへ働きに行かなければいかぬということまで起こっておるというふうに聞くわけでございます。この点については後からも私の方から要望をさせていただきますけれども、今の農業情勢から見ましてもっと負担金軽減の政策、行政がなされなければならないと思います。 次に大臣にお伺いしたいのですが、幹線用水路を引いたわけですが、減反という問題がございまして、三〇%減反というのが今行われております。減反の田んぼに、受益をする可能性があるということで負担金と維持管理費、支線の維持管理費も含めて要するに反当年間約一万九千円の負担がかかってくる、こういう問題が起こっているというのですよ。これをどういうふうにお考えになりますか。——いやちょっと大臣にお尋ねしたい。
○片桐政府委員 まず私の方から数字的なことについて説明させていただきたいと思います。 先生御指摘の、いわゆる転作を行いまして水を使わない水田から負担金を取るのはどんなものか、こういう御指摘でございますけれども、私どもの考え方といたしましては、土地改良事業が実施された水田について、転作が行われている場合でも土地改良事業による利益を受け得る状態にある、その年たまたま転作をやって水を使わなかったことがあるとしても、その後、稲をつくる場合にはいつでも水は使えるような状況になっていることから、この国営事業の利益を受け得る状態にあるということで負担金を負担していただくのが妥当ではないかと考えている次第でございます。 それからまた、確かに最近の農業情勢から農家の負担金がかなり過重になっている、負担金の償還が困難な状態も地域もかなりあるということを考えまして、平成二年度の予算で土地改良負担金総合償還対策事業を予定いたしております。これは五年間で一千億の資金をつくりまして、それで償還円滑化のための対策をやるということでございますが、特にこの吉野川北岸の事業につきましてはいわゆる特別型の国営事業でございまして、新計画償還制度適用地区ということでございますので、償還時に利子助成が予定されているわけでございます。したがいまして、先ほど地元にお伺いした年間五千三百円、十五年間、こういう負担金の額につきましても、この平成二年度の予算案が成立いたしましたならばもう少し引き下げるということで努力をいたしたいと考えている次第でございます。
○仙谷分科員 揚げ足を取るつもりはないわけでありますけれども、減反をして今草ぼうぼうの田んぼで、稲作をいつか行うことになる可能性があるから負担金を徴収するのだとおっしゃいました。 農林大臣、現実的な話、本当に今の減反政策がやまって稲作をもう一遍復活させる可能性はあるのですか。お米の自由化が問題になって、通産大臣は一粒たりとも入れないというのは間違っている、そういう論理は間違っていると言っているわけでしょう。自由化でもっと減反をしなければいけないかもわからないという恐怖感に農家の方々がおびえていて、だれが見たって今の減反政策を、減反部分がふえることはあっても減ることはないというのは常識じゃないですか。その国の政策で米をつくらせないということをやっておきながら、その部分から十アール当たり一万九千円も毎年払わなければならないなんという、こんな矛盾した話がどこにあるのですか。大臣、これをどう考えますか。
○山本国務大臣 減反政策についてのいろいろな議論はさておきまして、先生が今ずっとお触れになりました吉野川の北岸農業水利事業、当初の計画変更が大きく今のしかかっておるということについては、今の先生の御質疑でよくわかりました。非常に苦しい状況にある、事情があるということもよくわかりました。ただ、構造改善局長が答弁しておるとおり、平成二年度予算、これはこれから成立をさせていただくわけですけれども、成立をいたしましたならば、償還対策のための財源措置なども講じております。全部が全部これに当てはまるということでもないと思いますけれども、できるだけ工夫をいたしまして、農家の方々の負担を少しでも和らげるようにしたいと考えております。
○仙谷分科員 甚だ納得できないわけでございますけれども、さらに進んで、効果未発生水田、効果未発生畑というのが存在するようであります。つまり支線が引かれていない、あるいは引く計画もない。というのは、山の上の方は当初の計画では支線を引くことになっておったわけですが、減反政策、後継者の問題でもう米をつくれない、ましてや畑は、労働力の問題からして畑作をする余裕もないということで、県営の水利事業としましてもそこまで水路を延ばさないというところが多いようでございます。あるいは、もともと区域内には含まれておるけれども、ため池や谷水といいますか用水で、こんなもの要らないと言っておったところがあるわけでございます。 効果未発生水田、効果未発生畑、こういうものも負担金と償還金と維持管理費を負担しなければならないということになっておるようでございます。私は、この部分は、先ほどの減反部分と含めまして同様に、客観的に土地改良法九十条の負担金の徴収の項目に言う「その者の受ける利益を限度として、」という項目に法律上どうも該当しないのじゃないか。国の政策として利益を受けることがない、あるいはまた水路がついてないわけですから客観的な利益を受けることがない、そういう田畑、したがいましてそういう農家の田んぼ、畑から負担金、償還金、維持管理費を徴収することは土地改良法に違反するのではないか、そういうふうにむしろ考えるわけでございます。そしてまた、土地改良法の施行令によりますと、「これらの者の農業経営の状況からみて相当と認められる負担能力の限度をこえることとならないこと。」というのが土地改良事業に要する費用について農家が負担することとなる金額というふうに定めておりますから、この条項から照らしても、現実にもう畑作、稲作をする余地が客観的にないところ、国の政策によって畑作、稲作をしないところ、こういうものから徴収をするというのは政治としても甚だ穏当を欠くと思うのですが、いかがでございますか。
○片桐政府委員 土地改良事業は、土地のつながりとか水系による一定の地域内の土地を対象に受益農業者の申請によりまして実施するということでございますので、当該一定地域内の受益農業者の三分の二以上の同意で事業を実施しているというものでございます。したがいまして、土地改良事業の負担金といいますのも、先生御指摘の土地改良法九十条という規定がございますけれども、当該事業による利益を受ける者、こういう表現でございますけれども、その表現の中には、現実に受けたというばかりでなく、たまたまいろいろな事情で受けられないということもあるかもしれませんが、受け得る状態にあればやはり受益農家が現実に水を使用するしないにかかわらず負担させることができるというふうに私どもは解釈している次第でございます。
○仙谷分科員 減反とか水路がついてなくても受け得る状態にあると強弁なさるのであれはそれはそれで結構ですけれども、そんなことは裁判所の常識からいっても我々の常識からいってもあり得ないじゃないですか。その点ひとつよく農家の立場に立って、あるいは社会通念の上に立って再考を願いたいと思います。昨日、こういう判例がありますということで御指摘をいただきました愛知用水事件の判例を見ましても、これは現実に、間接的に利益を受けていることが認められる。ちゃんと自分が水を引く池に用水が来ておるという場合ですよ。そうですね。時間がございませんので、この判例をよくお読みいただければ、私が指摘している減反、効果未発生水田、畑について、裁判所の判例からしてこういうものを徴収できるというふうにはならないという私の考えを述べておきます。 そしてもう一つ。これは徳島の農家の方々の負担能力を超える、払えない、要するにその土地から生産ができないわけですから、利益を生まないから当然払えないのです。こんなことをされると、ほかへ行って土方をしたり、どこかへ勤めたりして稼いできた金で払わなければしようがないわけです。払えないし、払いたくない、払わないという場合には、これは現実問題として都道府県知事が、あるいは土地改良区として地方税の滞納処分ということになるということのようなんですが、間違いございませんか。
○片桐政府委員 土地改良区の賦課金を滞納した場合には、土地改良法第三十九条の規定によりまして、土地改良区は強制徴収を行えることになっているわけでございます。しかし、この強制徴収を行うか否かということにつきましては、土地改良区の判断にゆだねられているということでございますので、土地改良区の中で十分検討した上で判断されるというふうに思っております。
○仙谷分科員 質問の時間がほとんどなくなりましたので、私の方から要望申し上げておきます。これは法律的には滞納処分、強制処分できるわけですね。そうしますと、吉野川北岸用水ができて、減反があって、あるいは効果が発生していない畑でも北岸用水の負担金を課されるために、滞納処分によって公売処分に付されたら自分の田畑がなくなるというばかなことになるのですよ。そんなことにだけはならないように、ひとつ指導をよろしくお願いしたい。それから、先ほど補助金を予算化してもっと軽減するというふうにおっしゃいました。これもひとつ今後とも特段にお取り組みをいただきたいと思います。 それからもう一点は、農林省管轄の水路でございますので、農家にだけ負担がいっておるわけでございますけれども、この水路を、これだけ農業事情が変わってきて、つまりこの水を使う田畑が少なくなってきておる、あるいは広がらないというような事情もあるようですから、他の目的、工業用水あるいは上水道、あるいは徳島でいえば淡路島にこの水を持っていくとか、他の省庁との関係で非常に難しいと思いますけれども、その点をひとつ御苦労いただいて、農家の負担が少なくなるようにお進めをいただきたいと思います。ちょっと答弁をお願いします。
○山本国務大臣 これは、先生は法律家としてお聞きになったり御指摘をなさっているはずではない、政治家として、しかも地元を代表し、地元を愛する政治家としておっしゃっているのだ、私はこういうふうに受けとめておるのです。 一番最後にありました、この事業で供給される水をほかへ持っていって利用可能な道を探せ、こういうことですけれども、もちろんこれは勉強させます。させますが、非常に難しいということだけはぜひ御承知を願いたい。 それからまた、現状に即して農家負担ができるだけ減るようにしっかりやれということにつきましては、私、よく受けとめた次第です。私はこの話を聞きましたときに、土地改良区とか県から本問題について何か言ってきているかということをすぐ言ったのです。聞いておりませんということですから、先生が御指摘される前に、今御指摘のような数々があれば、当然地元と不離一体でやっている土地改良区なり県から言ってこないはずがないと私は思っております。ですから、これは土地改良区や県にもよくお尋ねをいたしまして、せっかく勉強をして農民のためになるようにできるだけ努力をしたい、こう思っております。
○仙谷分科員 どうもありがとうございました。
○内海主査 これにて仙谷由人君の質疑は終了いたしました。 午後零時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十分休憩 ────◇───── 午後零時三十分開議
○自見主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 主査所用のため、その指名により私が主査の職務を行います。 質疑を続行いたします。萩山教嚴君。
○萩山分科員 初当選をいたしまして、最初に質問の機会をお与えいただきましたことに対して心から御礼を申し上げたいと存じます。 一九九〇年代が幕開きとなりました。いろいろな分野において、九〇年代の展望を語るには国際化という視点を抜きにしてはできない状況であります。一九八〇年代後半の農業は、まさしく国際化の影響をまともに受けております。牛肉・かんきつ類の輸入自由化決定、生産調整と急激な円高に伴って内外価格差是正を図るための二年続きの米価の引き下げ、一方ではアメリカ等農産物輸出国からの執拗なまでの米市場開放圧力など、日本の農業の将来に大きな負担を与えることになったところであります。 このような厳しい状況でありますが、日本の穀物自給率は米を含めてもたった三〇%であります。食糧自給率をカロリーベースで見ても四九%しかありません。かかる意味において、自給力を高めることこそが肝要かと存じます。このことについて大臣の所信をお伺いいたしたいと存じます。
○山本国務大臣 今先生の御指摘のとおりでございまして、世界の中の日本という言葉がありますけれども、世界の中の日本農業あるいは農林水産業、こういうことだと思います。 米については、率直に感じを申し上げますと、いささか象徴的に扱われ過ぎておる。これはこれからほかのものと一緒にウルグアイ・ラウンドでやるということでございまして、いかにも日本の米だけ象徴的に言われ過ぎているんじゃないかなという感じを持っております。そしてまた、米につきましては、これはもう再々国会でも、本会議でも予算委員会でも農林水産委員会でも申し上げておりますけれども、歴代の大臣がしっかりやってまいりました、また答弁してまいりましたとおり、国内産で自給していくという方針に何の変わりもありません。 そしてまた、いろいろな厳しい状態がございます。ございますけれども、先生御指摘のとおり食糧自給率、穀物自給率とも世界の先進国の中では最も低いというふうなことなどを考えれば、これ以上低くなったら食糧安保の観点からもとても大変だ。地球の温暖化とか今いろいろ言われておりますけれども、もし大飢饉でも来たら一番先に干上がってしまうのは日本だということを考えたときに、食糧安保を、文字どおり米の自給率あるいは食糧の自給率、穀物の自給率、これを上げていくことを最大の課題に農林水産省はしなければならないというふうに考えております。
○萩山分科員 今大臣まことに御丁寧な御答弁をなさいました。ありがとうございます。 今、「祭の日は忘れない」という全国農業協同組合中央会の漫画が出ております。これを読ませていただくと、この中に、なぜ農産物だけが外圧を受けるんだ、そのあおりを受けているのは農業である、工業製品は余りにも輸出し過ぎるのじゃないか、そのあおりを我々農業が受けてはたまったものではない、今、日本は農業輸入国、世界一の輸入をしておるじゃないかというような漫画形式でイラストがかいてございます。その点について、農民のささやかな思いが本当にこうなのかどうか、大臣、御答弁をいただきたいと存じます。
○山本国務大臣 その本は見ておりませんけれども、しかし農業を営む人たちが、しかも米の場合には水田を三割も減らされるというふうな状況の中で、まさに血を吐く思いで毎日仕事にいそしんでおる。私の身の回りにも関係の方々がたくさんいらっしゃいまして、そのことは本当に惻々とわかるわけでございます。 ですから、午前中も答弁したのですけれども、どんなにビルが建っても、テレビがその中に入っても、コンピューターが入ってもあるいは自動車が走っても、それは人間を生かすためにあるんだ、その人間を生かす根本というのは食糧だ、日本の場合には二千年来これは米だったんだ、こういう意識を我々は非常に強く持っておりまして、その農民の御苦労を忘れずに農林水産省が先頭を切って、どんな厳しい状態であっても、厳しい状態であればあるほど頑張らなければいかぬと思っておりますので、また先生方にもぜひ御協力を願いたい、こう思っております。
○萩山分科員 まさにそのとおりでありまして、この漫画の中にも、世界の農産物貿易の拡大に日本は十分過ぎるほど貢献しているのだというイラストが載っております。これを公平に評価してもらわないと、おれたち生産者はやり切れないんだというようなこともうたってあります。このことが本当なら、日本も農業について真剣に再評価をし、そして農は日本の国の基になっているのだという歴史の中でとらえていただきたいし、また、世界各国の情勢の中でどしどし意見を吸い上げていただきたい、かように思います。大臣、ありがとうございました。 次に移りたいと思います。 次に、転作問題について所信を述べることにいたします。 消費者の嗜好が多様化、高級化していることは皆様御存じのとおりであると思います。これは米の消費に対しても当てはまります。都会ではおいしいお米とまずいお米がブレンドされて出ておると聞いております。また、それに優良米のレッテルを張られて、コシヒカリとかササニシキとして販売されている。だから、都会の人はコシヒカリあるいはササニシキのようなうまい米の純なる味を知らないのじゃないかなと思っております。生産地でもこうしたうまい米は業者によって青田のうちに買い付けられておったりあるいは一般消費者には純粋な米が入ってこないという状況が今あります。 例えば富山なら富山にありますコシヒカリ、本当においしい米、粘土質のところにできた自然に乾燥させた米を今手に入れようと思ったら至難のわざであります。そういう米を食べたい消費者がたくさんいるわけでありますが、自主流通米と称して今では七〇%も出荷されております。生産地においてもこういう問題をシビアに受けとめて今後の対策を立てていただきたいと思うわけでありますが、またこれは消費者のニーズに合ったやはりうまい米づくり運動推進を希望しておきたいと存じます。 私たち、県会議員のときに富山県ではうまい米づくり運動推進というものを非常にやってまいりました。それから今日まで十年以上もたっておりますから、農政を取り巻く環境というものは非常に変化したと思いますけれども、人間はだれしも、グルメ時代になってうまい米を食べたいという願いは一様であります。そういう意味に立って御処置願えれば幸いかと存じます。 こういう問題を基本的なベースに据えて、そして転作目標の面積については適地適産ということを考慮に入れて配分に当たってはいかがかということをまたお聞きしたいわけでありますし、良質米の生産地帯に十分に配慮していただきたい。これは私からの陳情とお願いになるかと思いますけれども、これについての御答弁をどなたかいただきたいと思います。
○松山政府委員 委員から御指摘がございましたように、需要に見合った米の生産を的確に進めていくということが基本的に重要だ、このように考えております。その場合、需要の動向をよく見ますと、全体といたしますれば良質米志向を強めておる、御指摘のとおりでありますが、同時に加工米あるいは外食といったようなところでは品質はまずまずのところでむしろお値段を重視する、こういうふうな需要もかなりの程度ございますので、そういう意味では、地域の立地条件を生かしながらいろいろな需要に弾力的に対応できるような生産構造を築き上げていく、これがこれからの稲作生産を進める場合の基本的な視点ではなかろうか、このように考えておるわけでございます。 今、転作目標面積の配分の問題についてのお尋ねがあったわけでございますが、御案内のように、この二十年余厳しい需給状況の中で全国の農家の方々に御苦労をおかけしておるわけでありますが、その場合、配分の考え方といたしましては、今先生から御指摘のございました適地適産という考え方を基本に置きながら、ただ全体としてやはり全国の稲作の生産者が一緒にこれは取り組まなきゃならぬ問題でもございます。その辺の要素を考え配分をしておるわけであります。 特に、水田農業確立対策という形で今、後期に入っておるわけでありますが、その場合の基本的な物の考え方といたしましては、土地利用計画にあらわれますようなそういった利用区分との整合性を図るということで、市街化区域などにはかなり傾斜配分をする、あるいはこれからともに稲作あるいは農業を担ってもらわにゃいかぬ地域を相当重視するということで、前期におきましても既にかなりの傾斜配分になってございましたが、後期対策におきましてもそういった考え方を基本に置きつつ調整をした次第でございます。 ただ、あえて担当省としての悩みを申し上げますれば、今回の後期対策の配分におきましても、いわゆる良質米地帯からはもっと傾斜配分を強めてくれ、こういう強い御要望がございましたが、他方、その他の地帯からは、もうこれ以上の転作はとてもいけないからむしろ均等配分をしてくれという全く違った意見に分かれまして、私どもそれを頭に置きながら、どういうふうな形で調和ある配分を行うかいろいろと苦慮したところでございます。 結果的には、自主流通米比率にあらわれますような良質米地帯の問題というのは重要な要素の一つとして織り込んでございまして、まあ数字としてごらんいただければと思いますけれども、ある県では五割を超えるような転作率になっておりますけれども、良質米地帯、県によって多少の違いはございますけれども、二割ちょっとといったようなところが多うございまして、それなりに考えた配分にしたつもりでございますので、ひとつ御理解いただきたいと思います。
○萩山分科員 ひとつ、またそういうことでよろしく御高配を賜りたいと思います。 次に移りますが、限られた三十分内で質問を終わらせたいと思っております。 国際化の進展に伴って農業、農村は変化をせざるを得なくなるようなことになっております。逆に言えば、農業、農村が変化すれば必ず新しいニーズが生まれてくるとされております。このニーズをいかに行政が先取りするか、そしてそのニーズに従って国民の理解と支持がもちろん当然必要になってくるわけでありますけれども、国際化時代の農業、農村の有する役割というもの、とりわけ農業構造改善政策の中でも最も重要な農業基盤の整備の必要性を、社会資本の整備の観点から、もっと農林省はPRすべきじゃないかなというふうに認識いたしております。 また特に、中山間地帯を含めた農業、農村をもっと魅力あるものにしたいな、もっと活力あるものにできないものだろうか。最大限生産性の向上を図ることはもちろんでありますけれども、先ほど申し上げましたように、社会資本の整備の観点からも水の確保は必須条件であろうというふうに思うわけであります。このことから、今私たちの選挙区でも行われております国営かんがい排水事業を初めとした生活基盤の整備に当たっております。また農村集落から排出される汚れを処理する施設といった生活関連の社会資本の整備、あるいはまた農業基盤整備の事業が全国的に展開されているやに聞いております。 農業を取り巻く環境の厳しさというものは、さきの参議院選挙で見られたとおり、土地改良事業の農家負担問題が大きくクローズアップされ、政治問題になりました。農林水産省においても負担金の軽減措置を検討されておると思いますし、もう既になされておるやに聞いております。この点もお答えに含めていただきたいと思うわけであります。 この総合かん排が計画的にでき上がる段階で受益者負担なるものがついて回ります。耕地面積によってそれが配分されると思うわけでありますけれども、今から二十年前にその計画がなされた段階においては、当時は田んぼであったと思う。もちろんそれから収益が上がるわけでありますから受益者負担がなされるべきであろう。その後の減反情勢によって休耕田はもう雑草が生えて、雑木が生えておるような状況の田んぼやあるいは畑がたくさんあるわけであります。もうそこからは収益が上がらないであろう、不可能なものを含めますと大変多いと聞いております。こうしたものに対しても耕地面積であるがゆえに受益者負担がかかってくるのかどうか、かからざるを得ないのかどうか、現在の法律はそうなっておるのかどうかということもあわせてお聞かせ願えればと思っておるわけであります。 計画の段階では、将来開墾してここは田んぼにしたいあるいは畑地かんがいをするんだといって非常に理想的なものになっておりました。だけれども、十年で完成するものが途中の計画の変更とかあるいは水利権の問題とか、いろいろ絡みまして変化を余儀なくされてきたというのが実情でございます。ですから、この計画の狂いや設計変更は、物価の上昇によって事業費の増高を見たことも事実であります。ですから、百七十何億円で完成するはずだったものが約四百億円になんなんとする膨大な金になってしまいました。 こういうことを含めてまいりますと、一体だれがお金を返すのかな、その二〇%が受益者負担であったにしろ五千戸の農家で金利も含めてそれを返すのは大変なものであろう。そしてまたダブルパンチであります。二年続きの米価の引き下げ、自由化の波というものはいやが上にも農村を襲いました。だから、これも不安となって、今農家の不満が渦巻いているわけであります。こういった問題がさきの参議院選あるいは今度の衆議院選でも公約の中に何とかしてくれということを強く要望があったことも事実であります。 また、その以前に圃場整備がなされておった、土地改良費によっていろんな施設がなされておった、いわゆる償還金がまだ残存しているわけであります。あるいは湛水防除という仕事もまだ金は返さないで残っております。その上に総合かん排事業なるものが今後十五年間続くとするなら、一反歩につき米一俵だと言っておるんだけれども、今は一万七千円。だけれども、今大臣御答弁なさって、自由化はやらぬぞ、農民のために一生懸命やるんだということでおっしゃった。だけれども、その不安の中に一俵一万円になったら、本当に一万円でいいのかどうかということも含めてそういうアバウト的な問題ではなくて、もっと国民のコンセンサスを得るような、あるいは農民のコンセンサスを得るような理解も必要じゃなかろうかなというように思うわけであります。 だから、これからの農家の負担というものはもう大変なものである。全国で土地改良費がまだ未償還部分が七千五百億円残されています。だけれども、今度利子補給でいろいろと積立金をされまして、善政を尽くしておられることは多といたしましても、これを真剣に受けとめて明るい希望の農政をしていかないと、いやが上にももう農村にはお嫁さんは来てくれません。そして先ほど私は言いました、農は日本の基である、その上にあぐらをかきやしないかなというふうに私は受けとめるわけであります。 ですから、ささやかな農家であろうが、祖先伝来受け継いだ田んぼというものに損得抜きに今死に物狂いでへばりついて、そしてその赤字補てんのために農外所得で得た収入を使っているというのがささやかな零細農家であろうと私は思うわけでありますけれども、政府は温かい志でひとつ善政を施していただきたいなと思うわけであります。 また、水田の有する貯水機能に代表されますような国土保全機能というものは、農林省は、やはりこれは半公共的なものである、公共的なものであるということを十分に御認識の上にやっていただきたいと思うわけであります。 この間、私たちは勉強会で、農林水産省や林野庁がもうとにかく国土保全のために頑張っているんだ、なぜもっと遠慮しないで堂々と大蔵省にハッパをかけてくれないのかなと。この国土保全というのは治水対策にもなっているし、急傾斜の保全にもなっている。田んぼが一たび水がなくなれば、急傾斜は瞬く間に大雨が降れば崩壊していきます。ですから、田んぼの水をためるということは地域の災害をも防除しているんだという誇りをもひとつ持っていただきたい。だから、これを総換算すると七十兆円にもなんなんとすると試算した人がおるそうでありますけれども、膨大な社会の公共投資がなされていると言われても私は過言じゃないんじゃなかろうかなと思うわけであります。 この点に自信を持ってこれからも農政に取り組んでいただきたい。そしてこれから基盤整備の事業も、この負担金対策についてはもうとっくりと県、市町村対策を含めて総合的にやっていただきたい。そうしないと、もう農村一揆が起こりかねない。自由民主党、選挙のたびごとに農家に頭を下げ、必ずやります、実行しますということを我我は公約してこうして当選してきました。その背景には、やはり総論賛成、各論反対という立場もおありでしょうけれども、そうじゃなくてこれからの農業というものは日本に対してどうあるべきか、猫の目農政と言われてきた汚名を返上して、明るい農政をつくっていただきたいなというふうに私は思うわけであります。 私も農協の理事を二期六年間、落選中にやらせていただきました。非常に勉強になったと思うのです。だけれども、農協自体も前年同期比とかいうような数字だけを転がしていたんでは、やはり農家のためにならない。それは、やはり行政機関においてよく指導していただきたいし、農業と農協とが一体となってこれからの打開策を協議していかなければならぬ問題であろうと思っております。局長さんの答弁と、そして最後に大臣さんの御答弁を願えれば幸いかと存じます。これも陳情を加えてお願いにかえさせていただきたいと存じますが、よろしくお願いいたします。
○片桐政府委員 先生から農業基盤整備事業につきまして、いろいろな角度から御指摘、御激励をいただいたわけでございますけれども、私、直接担当の局長といたしまして非常に私の職責の重大性を認識した次第でございます。 まず、農村、農業の果たしている役割というのは、もちろん食糧生産の場であるというほかに、国土保全機能、それからまたこれからは二十一世紀に向けましてゆとりある豊かな日本の経済社会を築く場合に、農村の果たすべき役割というのは極めて大きいというふうに私どもは考えておる次第でございます。その農業、農村の役割を果たしていくためには、やはり農村の基盤整備、しかもこれは生産基盤ばかりでなく、生活基盤、産業基盤全体の農村の社会資本を整備していくということが極めて重要であるというふうに考えている次第でございます。 先般の日米構造協議などでは、どちらかといえば都市の生活基盤というのが非常に脚光を浴びたわけでございますけれども、私どもといたしましては、やはり今こそ農村の社会資本整備というものが非常に重要であるというふうに認識している次第でございます。今後の農業基盤整備事業のあり方につきましても、農業の生産性向上のための基盤整備のほかに、やはり農村の生活環境の向上、それからまた国土保全機能の向上、そういう点に十分に心して実施していきたいというふうに考えております。 それからまた、先生御指摘の中山間地域の基盤整備の問題でございますけれども、これはいろいろ難しい問題、地理的な条件、いろいろございますので、難しい条件があるわけでございますけれども、こういう中山間地域につきましても特別の事業を新たに実施いたしたいということで、平成二年度の予算に提案いたしておりますけれども、そういう地理的に不利な条件に合ったような基盤整備事業というものも積極的に推進していきたいというふうに思っております。 それからまた、御指摘になりました負担金の問題でございます。近年の米価事情を初めとする厳しい情勢という中で、農家の土地改良事業についての負担金の軽減ということが非常に重要であるというふうに考えております。今までもいろいろな負担軽減の対策をやっておりましたけれども、さらに平成二年度におきましては農家負担の償還の円滑化を図るために五年間で一千億円の資金を造成いたしまして負担軽減対策をさらに進めたいというふうに考えております。 それからまた、この負担軽減を行う場合に、国の負担軽減だけではなくて、やはり県とか市町村についての負担といいますか、県及び市町村が農家に肩がわりしてある程度負担していただくという点も重要であるというふうに考えておりまして、自治省の方でそういう公共団体の土地改良事業についての負担についてのいろいろな地方財政上の措置をしていただくということを検討していただいている次第でございます。こういうようないろいろな措置を総合的に推進いたしまして、農業、農村の活性化に努力してまいりたいというふうに考えております。
○萩山分科員 大臣、決意を。
○山本国務大臣 今構造改善局長からるる細かい点も含めまして答弁があったわけでございますけれども、先生がいろいろ御指摘になったように、日本農業を守っていくために我々も努力する、また生産者である現場の皆さんにも努力していただく。農業を支え、農村を守っていくためにいろいろな施策がありますけれども、その中の大きな柱の一つに、今論議している構造改善事業というのがあるわけですね。そして最近は、中核農家という言葉などを使うわけですけれども、だんだん規模を量的にも質的にも高めていく、そしてこれは生産性の向上に持っていくのだ、こういう考え方で国、県、市町村が一体になって、団体も一体になって今進めているわけですね。 その結果、なかなか負担が大変になってきて、そしてあるところでは、先ほども質問がございましたが、出稼ぎに行かなければこれが負担できないようなケースもあるというふうなお話がありまして、いやこれは大変だなあ、こう思って聞いておりました。 そこで、今局長のお話のとおり、そういうことにつきましても、二年度予算が成立をさせていただきましたならば、それらの償還金のお手伝いも多少でもできるように配慮もしていこう。それから、さきに衆議院を通過いたしましてきのう参議院を通過いたしましたけれども、農業者年金基金法というのが、これは大法案でございますが、大蔵省等の大変な御理解もいただきながら、他の年金などに比べて非常に有利な年金制度が衆参を通過いたしました。 これなどもやはり、なぜ有利かということになれば、農村を取り巻く情勢が非常に厳しい、そしてなかなか若手が、後継ぎが大変だ、こういうことなので、安心料の一部という格好で我々も死に物狂いでこれを通していただいたというふうな経緯もございまして、構造改善事業などを中心にしながら、これからも農村を守っていくために我々も努力いたしますし、また生産者の皆さんにも、非常に苦しいと思いますけれども、しかし苦しいからといって放棄するわけにまいりませんので、ここのところ、次の時代につなぐためにお互いに努力をし合わなければならない、こういうふうに考えております。
○萩山分科員 ありがとうございます。もう一分以上ありますから、局長、一つだけ落とされたようですが、この耕地面積の中にいわゆる休耕田、減反したものまで、将来田んぼとならないものまで受益者負担に含まれるのはどうも矛盾しているということで、あるいは将来ここは開墾するということで計画設計なされたものが現在も開墾されていない、する必要もないし、またできないということで、こういう部分は一体今後どう対処されて、除外されるのか、その部分は取り上げるのか、どうかそこをひとつ明確に答弁願いたいのですが。
○片桐政府委員 いわゆる開拓予定地とか、それからまた耕作放棄地のようなものとか、それからまた場合によっては、米の生産調整のために転作をしているとか、一年だけ休むとか、そういうようないろいろなケースがあり得ると思っておりますけれども、そういう実態に応じていろいろな処理をしなければいけないというふうに考えておりますけれども、転作奨励のためにたまたま一年とか二年とか転作をするというような場合には、やはり農業水利の受益が受け得る状態であるということを考えておりまして、そういう場合にはやはり負担金を納めていただくという考え方でございます。
○萩山分科員 これで持ち時間が終わりました。どうもありがとうございました。
○自見主査代理 これにて萩山教嚴君の質疑は終了いたしました。 次に、草川昭三君。
○草川分科員 草川でございます。 きょうは、競馬法について関連する問題をお伺いしたい、こう思います。 現在、国営競馬というのですか、中央競馬のファンというのはずっと年々歳々変わってまいりまして、非常に幅広いファン層が出てまいりました。約一千万だ、こう言われるわけです。私もいろいろとお話を聞いていますと、OLからそれこそ年配の、定年を過ぎた方々がレジャーを楽しむ。昭和二十三年に競馬法ができた当時はギャンブルという発想、これが非常に強かったわけでありますし、またそれを大変心配したような意見も法律ができたときにはあったようでございますけれども、明らかに現在は新しい意味でのレジャーの対象物になったと思うのです。 しかし、その割には一千万のファン層の声が中央競馬会になかなか反映していない。若干のアンケート等はやっておりますけれども、それは全然大きな意味をなしていない。まして労働組合的な圧力団体というのもない。だから、ファンの声というものがいつも非常に無視をされているということを私はかねがね取り上げてきておるわけであります。 そういう中で、同枠取り消し問題というのが過去ございまして、私も本問題についてはいろいろと国会で取り上げてきたわけでございます。一頭一枠方式を導入してもらいたいということを申し上げておりまして、中央競馬会の方もそれなりの対応をしておるようでございますが、現在の進展状況、そしていつからこれが実施をされることになるのか、お伺いしたいと思います。
○岩崎政府委員 いわゆる同枠取り消し問題についてでございますが、このことにつきましてはかねてから先生から種々御意見をちょうだいいたしたところでございます。中央競馬会におきましては、先生の御意見も踏まえつつ運営審議会に諮るなど検討していたわけでございますが、現行の八枠制の補完措置ということで一頭一枠方式を導入して、現行の八枠制と同時併売するという仕組みとする方針を固めまして、私ども農林水産省としてもこの考え方を了承するということにいたした次第でございます。 現在、一枠一頭式の投票を導入するために、これはかなり時間がかかるわけでございますが、コンピューターソフトの開発に着手しております。また、具体的な発売方法を含めた窓口対策なり表示板の整備なり関係諸規程の整備等の実務的な検討に既に着手しているわけでございますが、これらの作業に要する期間から見ますと実施は平成三年の秋ごろと見込まれているところでございます。
○草川分科員 平成三年の秋から新しい馬券も発売される、こういうことでございまして、それはそれで結構でございますので大いにやっていただきたいと思うのです。 そこで、ファンサービスの中に施設改善というのをかねがね農林省は言っておるわけでありますけれども、あるいは中央競馬会も言っておるわけでありますが、施設改善をしておりますけれども、中を見ますと、役員馬主席とかそういうところだけけんらん豪華な、例えばじゅうたんがふかふかでひっくり返るぐらいの、そういう部屋をつくっておるわけでございます。 要するに、一般のファンのためになる改善を我我は要求をするわけであります。最近どういうようなことをやっているのか。この今の役員馬主なんというのは、東京競馬では五百六十四人の馬主のうち役員馬主がわずか三十一人、中山の場合では四百六十四人の馬主のうち二十三人の役員馬主の方々に非常に豪華な施設というのが提供されている。一般ファンというのは、さっき申し上げましたように今はレジャーの対象物で家族ぐるみで参加される方がおみえになる。平場で座って食事をするという例もあるわけです。だから私はバランスが崩れているということを思うのですが、その点はどのようにお考えになっておられるか、お答え願いたいと思います。
○岩崎政府委員 先生御指摘のように、やはり一般ファンのための施設整備ということが大切であるというふうに私ども考えておるところでございまして、競馬会では多数のファンが快適に楽しんでいただける施設となるように計画的にスタンドの改築や場外を含めました施設のリフレッシュに努めてきていたところでございます。 競馬場施設は、ニーズの多様化しましたファンの要望や混雑の緩和などに十分配慮するように、例えば発売窓口では数をふやすとともにトラブルを防止するための購入内容表示装置を設置いたしましたり、大型のターフビジョンを初めとして映像情報を豊富に提供するための機器の増設とか、あるいは食堂とか売店につきましては、ファーストフードからレストランまで多種多様な食事がとれるような、店舗数を増加したり食堂スペースを集中化するというような快適性を高めることを基本に取り組んできたということでございます。 ただ、馬主席の話が出ました。馬主席が特に華美に走り過ぎているという御指摘についてでございますが、競馬の特徴といたしますと、工業製品を利用して競走が行われる他の公営競技と異なりまして、やはり生き物である馬を利用するということから、馬主の皆さんにその飼養管理に相当の御努力をいただいているということもあって、馬主席の整備に多少の配慮をしているという実態にあることは承知いたしておりますが、もちろん施設整備の原資がもともとファンの売り上げからの負担であるということでございまして、私ども華美に走り過ぎることがあってはならないということは言うまでもなくて、この点につきましてはかねてから注意を促しているところでございますが、ただいま先生から御指摘もありますので、重ねて注意を喚起してまいりたいと考えております。
○草川分科員 よく聞いていただきたいのですが、馬主席といっても、私の言っているのは特に役員馬主ですから、中央競馬会にそれなりに貢献する一般馬主と特別の数の役員馬主とを分けているのがおかしいということを言っておるのですから、その点はよく了解をしていただきたいと思います。 それから三番目の問題になりますけれども、端数切り捨てという問題について、これも競馬法に明確になっておるわけでございますが、いわゆる十円未満というのは切り捨てになるわけです。早く言うならば、つり銭くれないわけですよ。一般の商慣行におけるつり銭をくれないという。これもたまたま四月の十五日に行われた皐月賞の一レースを例に、とってみますと、この場合の売上金額というのは、連勝複式で一レースだけで約二百二十四億二千四百十八万、そのうちの的中票の金額は約二十七億三千六百十四万。これをいろいろとその払戻金を計算しますと、百円当たり六百十四円八十三銭。だから、この四円八十三銭が切り捨てになるわけです。配当は六百十円ということになりますね。これを的中の票数に掛けますと、一億三千二百十七万円というのは切り捨てになるわけです。 たった一レースで一億三千二百十七万円というのがファンに行かないという、こういう運営方法というのは明らかにおかしいわけなんで、もういいかげんに、今売上税問題いろいろと議論になっていますけれども、一応サービスの場合、あるいはどういうように負担させるかいろいろと議論が出るところでございますが、少なくとも端数をそのまま切り捨ててしまって相手側に渡さないという商慣習はここだけだと思うのです。もちろん他の公営競技もございますけれども、これらあたりもいつまでもこういう法律を残すというのはおかしいじゃないかと思うのですが、その点、どうですか。
○岩崎政府委員 中央競馬会におきましては競馬法の第十条によりまして、また地方競馬におきましては国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律というものによりまして、払戻金算出の段階で算出いたしました金額に端数が生じた場合、その端数を切り捨てることが定められております。 これにつきましては他の公営競技におきましても同様であるということでございますので、ひとつ御理解願えないかということでございます。
○草川分科員 だからこそ昭和二十三年にできた競馬法は改正すべきだ、こういう議論なのです。もちろん他の公営競技も同じなのです。二十三年にできた法律をいつまでも正しいものだといって運営をすること自体、当局のファンを無視したあぐらをかいた行政ではないだろうかと私は思うのです。 何回か申し上げてきたわけでございますけれども、しかしファンサービスの最大のものは控除率の引き下げだと思うのです。俗に言うテラ銭二五%、国庫納付一〇%、そして運営費一五%、運営費の中で余剰金があった場合には剰余金の半額を第二国庫納付として国に納入する、こういう控除率の引き下げということが抜本的な問題になった。この前も大蔵省の主計局を呼んで他の公営競技もあわせて二五%問題について引き下げるべきだと言ったら、いや、実はこの種の話は国会では全然出てない、今回初めてだと言うのですよ。これは大蔵省の主計局が言うのだから間違いないと思うのですが、これは一千万のファンの声が届かないという最大の問題ではないかと私は思うのです。 主要国の控除率を見てまいりますと、二五%以上のところもございますけれども、アイルランド一六・四%、香港一七・九%。アメリカは各州によって違いますけれども、中央競馬会の資料だとアメリカは一七から三六と言っておりますが、三六というのはごくレアケースで大抵は二〇%前後です。イギリスも一六から三九という言い方をしておりますが、これも大体一七、八%。イギリスの場合はブックメーカーというのがいて少し条件が違うから単純平均ができませんけれども、日本のような二五%というところはございません。オーストラリアも一五%、カナダも一五・七から二七・八という数字が出ておりますが、カナダも大体二割前後、こういうことでございます。 ですから、日本の二五%というのは、いわゆる先進工業国という段階ではトップだと思うのです。しかも売上高は、平成元年でございますが、中央競馬会二兆五千五百四十五億という売り上げ、二兆五千億を売るわけですから、世界でトップです。にもかかわらず二五%という控除率は少し高いのではないかと私は思うのであります。 特に国庫納付金一〇%、その他一五%、そして剰余金が出た場合半分を第二国庫納付金として取るという言い方になっておるわけでございますが、これは昭和二十三年当時の話です。昭和二十三年、これは国営競馬でございましたけれども、売り上げが二十三億六千八百万円、今申し上げましたように平成元年は二兆五千五百億、こういうことでありますね。九百倍を超す売り上げになっておるわけです。 ちなみに中央競馬会ができて正式に国庫納付をまともに行うのは昭和三十年でございますから、三十年と平成元年の売り上げを見てまいりますと、売り上げは二百三十倍に上がっております。国庫納付金も二百六十七倍に上がっておるわけです。 昭和二十三年に法律ができたときの国会の議論をよく調べてみますと、国会の中でもいわゆるギャンブル性に危険を感じながら、しかしGHQ等の命令もあり日本の国を再建するためには手っ取り早く国庫に納入をすることが必要だからこれを認めましょうという議論があったように聞いております。ですから、昭和二十三年、二十五、六年の当時に比べると事情は変わったわけでありますから、国庫納付を下げるべきだと思うというのが私の意見です。この点についてどう思われるか。 そしてまた、この国庫納付の最大の目的というのは、畜産振興のために国庫納付をするという言い方になっておりますけれども、その畜産振興の予算を見てまいりますと、これは農水省の方の予算の使い方になるわけでございますけれども、畜産振興というのは一千億を切っております。ならば、もうおつりが出るのではないか。おつりが出るということになれば、当然、二五%あるいは国庫納付の一〇%というのは下げるべきではないか。ちなみに、畜産振興費というのは九百六十億、その他もろもろのものがありますけれども、少なくとも当初言ったのは畜産振興というふうに、限ってこの法律をつくったわけですから、納付率を、控除率を下げるべきだと私は思うのですが、その点はどうでしょうか。
○岩崎政府委員 控除率の話でございますが、現行の控除率は他の公営競技と横並びになっていることと、また仮に引き下げるといたしますれば現在の控除率でも収益が低い地方競馬の経営悪化につながるということ等を考えますと、これを引き下げることは困難であると考えております。 ただいま御指摘の、国庫納付金の四分の三相当額につきまして畜産振興のために充当するということになっております。確かに畜産局関係予算は一千億弱でございますが、中央競馬会法の三十六条の規定によりましての「畜産業の振興のために必要な経費」ということは、当然畜産関係の例えば試験研究とか家畜共済等が含まれてしかるべきであるという考え方でございまして、畜産局以外のほかの局の計上の予算でありましても畜産業の振興のために必要な経費であれば国庫納付金の充当の対象になると考えている次第でございます。
○草川分科員 国への納入が三千億になっているわけですから、当然それなりの理屈をつければ幾らでも広がっていくと私は思うのです。だけれども、当初の目的からは明らかにそれは広がっているのではないだろうかと思います。 それから、他の公営競技との関連でこれを下げるわけにいかないとおっしゃいますが、他の話は他の話でいいと思うのです、確かに赤字の公営競技もありますから。しかし私が今ここで問題を提議しておりますのは、明らかに、競馬法の中の問題点を変えたらどうなんだろうという問題提議をしておるわけです。 ちなみに今のままでいきますと、特別積立金の累計額というのは、もう五千五百六億に累積してきておるわけです。もちろん、これは現金で五千五百六億あるとは申しません。申しませんけれども、累積額が年間五百とか六百とかふえていきますと、これはやがて一兆円を超しますよ、今のままでいくと。それはファンサービスをするといったって限界があるわけですから、縛りがあるわけですから、特別積立金がこのままでいくと一兆を超えるようなことになってくるとするならば、かつて昭和六十一年、六十二年に大蔵省は銭がないから農業改良資金助成に法律をつくって百五十億、百五十億、三百億持っていったわけでしょう。こういうことが再び起きるかもわかりませんよ。 だから、私は、特別積立金というのはファンの手に届かぬ金になってしまう可能性があるわけですから、還元をするということを真剣に考えるべきではないだろうか、こう思うのですが、その点はどうでしょうか。
○岩崎政府委員 御指摘のように中央競馬会の特別積立金は毎年増加しております。ただ、その中には中央競馬会が実施いたしておりますスタンドの改築とか映像施設の充実等のファンサービスにつながります固定資産の投資というものが大きな比重を占めているということでございまして、特別積立金の中からファンサービス施設の整備拡充等々を図っているのが現状でございます。
○草川分科員 それは答弁にならぬのですよ。どっちにしても、ここ二、三年の間に余る金が一兆円を超しますよ。いかに今の局長答弁のことをやられようと、この積立金がふえている。だから、これから景気がどうなるかわかりませんけれども、自然増収が少なくなってくれば大蔵省は絶対ここに目をつけますよ。そのときには大蔵省に取られるのですよ。事実取られた経験があるのだから。そうでしょう。しかも大蔵省が農業改良資金に使うといって、百何十億お金残って不用額として結局取られしまったでしょう。だから、どっちかと言うならばファンの金だ、ファンの金がみすみすファンサービスにならないわけですから、私は声を大にして控除率を下げろ、こう言っておるわけです。 それで、大臣にも一、二点お伺いしたいと思うのですけれども、私の話を聞いていただいて一体どのようにお考えになられるのか。あるいは、特別積立金も五千億を超すということになるならば、もう留保する必要はないのではないだろうか、こういう意見も出てくるわけですが、どう思われるのか。また、高い控除率がそのままになりますと、いわゆるのみ屋というのが非常にふえてきておるわけです。また後ほど一遍大臣の答弁を聞いて、資料を少し御報告申し上げますけれども、私は控除率を低くすべきだと思うのですが、その点、どのようにお考えになられるのか、お伺いします。
○山本国務大臣 先生、競馬ファンの立場からということを前置きしていろいろお話してございまして、私も競馬ファンなんですが、テレビを通じての競馬ファンなんです。先生、生でごらんになっているので非常に質問の歯切れがいいのですけれども、私の方はテレビを通じてですから、多少答弁の歯切れが悪くて申しわけありません。 いろいろ畜産局長その他から資料もいただきながら勉強してみました。先生のおっしゃることも、ファンに還元せよということも一つの理屈だと思います。しかし、現実に、横並びの問題もある。それから、中央競馬と地方競馬の両方をにらんで考えていかなければならないということ等もある。また、今蓄積されているじゃないかというお話ですけれども、これも、大蔵省に取られるというような御論議ございましたが、有効に使っていくということも十分考えなければならないと考えておりますので、ひとつ勉強させていただきたい、こう思っております。
○草川分科員 実は、きょうは警察庁を呼ぼうと思ったのですが、時間の関係で警察庁からあらかじめ資料をもらったのです。 のみ屋の検挙状況というのをちょっと申し上げますと、昭和六十二年に六百七十三件検挙、人員は二千六百三十八人、六十三年に八百六十六件、三千五百五十二人、平成元年、検挙八百八十六件で三千五百三十八人、こうずっとふえてきておる。しかも推定ののみ屋については検挙を相当上回る暗数があることは間違いがないと思われる。こういう資料が来ているのです。だから、明らかにこの二五%の控除率が高い、のみ屋の方がかえって安い、こういうわけでございますね。だから、各地域では大変のみ屋というのが横行する状況になっている。こういうことだと中央競馬会の売り上げも限界が来ると私は思うのです。角を矯めて牛を殺すことにならないように控除率を下げてもらいたいと思うのです。 では、一体どのような形で下げたらいいのだろうか。これは私の試算でございますけれども、少なくとも平成元年の場合は国に一〇%を納め一五%の運営をする。そしてその中で剰余金が千二百二十億七千二百二十三万円出ております。そのうちの半分の六百十億三千六百万を第二国庫納付金として国に納めている。だから私は、この剰余金に上がってくる千二百二十億というものは運営上からいっても少なくとも下げることができるのではないだろうか。 さすれば、この売り上げ二兆五千五百四十五億に換算をしますと約五%ですね。四・八、九くらいになりますか、そういう数字になるわけでございますので、五%は今でも十分下げることができる、そして中央競馬会も運営ができる、こういう内容になっていると私は思うのですね。ですから、他の公営競技の一〇%はそのままにしておいても中央競馬会だけで五%下げることができる、そしてほかはほかのことを考えたらどうなんだろうか、私はこう思うのですが、もう一度大臣の見解を賜りたいと思います。
○岩崎政府委員 ただいま先生の方からの御指摘がございました。ただ、繰り返しになりますが、やはりほかの競輪等々との横並びというようなこともございまして、現実に引き下げを図ることは困難ではないかというふうに考えておる次第でございます。 それから特別積立金の問題でございますが、これは不測の事態への備えなり、先ほどから申し上げますファンヘのための施設整備というようなことに充当しているようなことでございまして、控除率を下げることによってそういう方面への充実なり何なりがおろそかになるという事態もあるということでございますので、何とか私どもとしては今のような形のもので、引き下げはなかなか難しいというふうに考えておる次第でございます。
○草川分科員 では、時間もあと二、三分しかございませんので、最後に一問。 調教師の問題に関連するわけですが、馬房制限というのがございます。現在、馬房の制限は四千百十二と聞いておりますが、調教規模が一万頭を超えるというような状況だと聞いておりまして、調教師段階における競争原理が働かない。いわゆるノー競争。ある人に言わせると、管理された自由社会の共産競馬だ。社会主義経済が崩壊しておるにもかかわらず、中央競馬会の馬房制限というのはノー競争のためにサービスが全然行われていない。もう少し競争原理を働かせるためにも馬房制限を取っ払うべきではないか、こういう意見がございます。 事実、有名な人気の馬であるオグリキャップだとかイナリワンというのは地方競馬から上がってきたわけですね。いわゆる現在の中央競馬における調教師制度の中からは人気馬は出ていない。競争原理が働かないからそういう問題が出てきておるのではないか、こういう指摘があります。この問題についてどう考えるのか、馬房制限を撤廃する意思ありや否や、これをお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
○岩崎政府委員 確かに厩舎制度全体としていろいろな問題があることも事実でございます。これにつきましては、若干古くなりますが、昭和五十一年の中央競馬会の運営改善懇談会で、厩舎制度全般にわたりまして厩舎間の競争制の一層の促進、厩舎運営の活性化、休日制度の問題等の諸問題が指摘されておるところでございまして、現在中央競馬会において引き続きその改善に取り組んでおるということでございます。 現在具体的に提起されて検討されておりますことは、優勝劣敗をベースとした改善策ということでございまして、メリットシステムの導入ができないかとか、あるいは預託頭数制限の緩和ができないだろうか、あるいは厩舎管理方式の改善等々について検討を行っているということでございます。
○草川分科員 もう一回念を押しますが、昭和二十七年の六月に競馬制度審議委員会というのが設置されているのです。そのときの「各委員の意見を取りまとめた要点」という中に、「控除率はできるだけ引下げるとともに適当なる納付金制度を設け、」そして畜産振興のための経費に充てろという一項があるのです。だから、「控除率はできるだけ引下げるとともに」という項は私は生きておると思うのです、この精神というのは。 だから、先ほど来局長から答弁がございますように、他の制度の関連ということを言っておられますけれども、ぜひこの問題はもう一度見直していただいて、ファンサービスに忠実に競馬会の運営がなされることを特に希望して、時間が来ましたので以上で終わりたい、こう思います。どうもありがとうございました。
○自見主査代理 これにて草川昭三君の質疑は終了いたしました。 次に、菅原喜重郎君。
○菅原分科員 まず最初に、米の流通問題についてお尋ねいたします。 米問題については、自民党も社会党も、またその他の党も本音を言わないという批判を受けているわけでございます。しかし、本音を言わなくとも現実は急激な流通の変化を起こしているわけでございます。既に、卸や小売での激しい競争が生産の面にまで及びまして、消費者のニーズにこたえようとするさまざまな現象が起こってきております。また、現在のような対応では、新行革審の最終答申にありますところの、農林政国際化時代にあって産業として自立し得る農業の確立が課題だという指摘、規制の緩和などによる競争原理の導入を進め、農業の生産性の向上と内外価格差の縮小に努め、国民の納得できる価格水準の実現を図るべきだという指摘、こういう指摘にも対応できていかないではないか、こう思っておりましたところ、今年度の秋にも米取引所の創設がなされるやに聞いているわけでございます。 このことについてお伺いするわけでございますが、実は現在の自主流通米は、大ざっぱに言って約一千万トンのうち六百万トンぐらいが自主流通米で、農家が消費したり贈答用に使うところが二百万トン、残りの二百万トンがいわゆるやみ米として市場に流れているのじゃないか。しかし、卸売業者間の過不足を調整する目的で検査済みの米が自由市場にも流れるケースがふえていて、こういう米を加えると既に三百五十万トン以上が、いわゆるやみ米としての流通になっているのじゃないかという記事もございます。それで、大体こういう認識で間違いがないのか、まずこの点からお聞きしたいと思います。
○浜口政府委員 ただいま先生は米の流通関係についての御質問をされたわけでございますが、まずこれの現在状況についてどういう検討を行っているかということを申し上げてみたいと思います。あわせて、自主流通米等々の数字の点につきまして御質問がございましたので、この点につきましてもお答えをさせていただきたいと思います。 食糧管理制度につきましては、国民の主食である米ということでございまして、需給及び価格の安定を図るという重要な役割を果たしてきております。経済事情の変化等々ございまして、これも先生御指摘のように、自主流通米等の拡大が行われているわけでございます。自主流通米が導入されましてちょうど二十年たちまして、かって昭和四十四年あるいは昭和四十五年当時は、いろいろの御議論があった中で極めて少ないものが自主流通米という形で存在しておりましたけれども、ここへ参りまして全体の流通量、大ざっぱに言いまして六百万トンというふうに我々は置いておりますけれども、そのうちの約四百万トン程度が自主流通米という形で成長したわけでございます。この自主流通米とあわせて政府管掌米と考えております政府米の方でございますが、今申し上げました六百万トンから自主流通米の部分を引きまして、おおよそ二百万トン弱がこれまでの姿でございます。 先生いわゆるやみ米についてお話がありましたけれども、私どもの把握をしております数字は、全体の需給量の中から考えまして、先生がおっしゃったような大きな数字ではございません。もちろん農家保有のものということから考えますと、いわゆる有償で行われております部分につきましては五十万トンの大台かなというふうに思っておるところでございます。いずれにいたしましても、政府管掌米の大きなウエートを占めております自主流通米がここへ参りまして大きな拡大をしております。数字を申し上げますと、六十三年ベースで供給量全体で六割程度になった。収穫面でいきますと、最近の時点はそれを上回るような数字になっているところでございます。 そういうような政府米と相並んで二本柱でございました自主流通米の拡大に伴いまして、先生御指摘のように昨年の五月に、内閣に置かれております農政審議会から「今後の米政策及び米管理の方向」という御報告をいただいたわけでございます。この御報告は、食糧管理制度について、まず国内自給を基本とする、それに需給及び価格の安定を図るという制度の基本的な役割を維持することを前提にした上で、多様化した現在のいろいろな需要に対応いたしまして、生産から流通について市場原理がより生かされる仕組みにしろ、こういう御提案がなされているわけでございます。この報告において、速やかに検討すべきとされた点につきましては、繰り返すようでございますが、自主流通米の需給動向や品質評価を価格に的確に反映させるための価格形成の場の設定をしろということでございまして、先生御指摘のようなマーケットというような言葉ではなく、現在の食管制度のもとにおきます価格形成の場ということを御提言になっているところでございます。 これを受けまして、昨年の九月に食糧庁に検討会を設けさせていただいております。生産、流通、消費、各段階の学識経験者の方々に御参加をいただきまして現在検討を行っているところでございまして、近々検討の報告をちょうだいするという段階に来ております。
○菅原分科員 今取引所の開設が農政審議会の報告に基づく検討によって進められていること、またその内容が大まかにわかってきたわけでございますが、今まで価格形成の場は大体どのようなメカニズムになっていたのか。全農が大体九五%ぐらい集荷しております。さらに卸売業者との話し合い、自主流通米については行われてきていたと承知しているわけでございますが、そうなりますと、価格形成の場として米取引所が果たす一つの機能が今までの価格形成をなしていた機能とどのような相違が出てくると思われるのか、この点をお聞きしたいと思います。
○浜口政府委員 先生先ほど取引所というふうにお言葉をお使いになられましたけれども、私どもの米の古い歴史の中で、穀物取引所というような形で米が扱われたことはございますが、食管法がなされて以来、食管制度のもとで流通の規制が、あるいは流通の管理と言うべきかもしれませんが、行われてきたところでございます。私ども、今いろいろの学識のある方々とお話し合いをして答申を承ろう、こういう段階でございますが、率直に言いまして、そういう意味で取引所の経験というものはございません。それであえて私ども価格形成の場という直截的な名前を使わしていただいておりますが、この場合におきます状況、現在の食糧管理制度のもとにおきましては、全農と全集連と言ってもいいかもしれませんが、その間の者と卸売業界の間で協議会方式というものが行われているわけでございます。それにかえまして、いわば公正な機関のもとで公平な、目に見える形での新たな価格形成の場というものが創設されるべく、現在御議論を賜っております。近々出ると思いますが、それを承りまして現実に合った価格形成の場を新たに創設をさしていただこうという考えに立っているところでございます。 〔自見主査代理退席、稲村主査代理着席〕
○菅原分科員 取引所という名前は、今食管法があるわけですから適切じゃないとは思うわけですが、しかし協議会方式でも、価格形成の場をつくりたいというなら、このつくる方式の組織と現在の食管法との関連がどうなるのか、食管法に何らかのいわゆる変更を加えようとするのかどうか、この点をお伺いいたします。
○浜口政府委員 先生御指摘の食管法との関係でございますが、食管法におきましては、食糧の管理という形で流通関係については第一次、第二次という集荷業者の規定がございます。片や買い受けの方の段階といたしまして卸売段階、小売段階ということでございまして、現在その食管法のもとにおきまして、全農、これは私ども食管法の法令の関係で指定法人という言葉で言っておりますが、指定法人と卸売団体との間の価格形成の場がいわゆる協議会方式という形で行われているところでございます。それを、やや抽象的でございますが、農家の方々あるいは消費者の方々にもよく見える形で改善をしていこうということでございまして、あくまでもこれは現行の食管法のもとでの改善というふうに考えておるところでございます。
○菅原分科員 時間もなくなってきますので米の問題だけを質問していられないわけなんですが、ただ私の要望といたしましては、今一類一等の米が自主流通米において大体二万二、三千円の間で農家が放しているけれども、おいしい米は現実にはもう一俵四万四、五千円ぐらいになっている。これはだれが見たって不当でございます。ですから、消費者ニーズに合った米の流通、こういう変化に対応できる価格形成の場の指導をぜひ慎重に、そしてまた後退することなくやってもらいたい、こういうことを望むわけでございます。しかしややもすると、こういう取引所を公式な組織に持っていきますとまたこれもどうかと思いますので、そういう点は十分に検討の上、本当においしい良質の米をつくる農民にはそれ相応のいわゆる経済的なバックが見られるような米価格形成の場を早急につくっていっていただきたいことを要望いたしまして、次の質問に移らしていただきます。 今農業問題を取り巻く環境は非常に厳しく、また一昔前よりもその内容は大変変化してきております。農業後継者対策について、また農業の国際競争強化策について、農林省はどのような新しい考えを持っているのか、お聞きいたしたいと思います。
○山本国務大臣 先生今御質問でございますけれども、農政を展開していく場合、あるいは日本農政を進めていく場合に一番大事な大きな柱というのは、次の時代を担う人だ、いわゆる農業後継者対策だ、こういうことに間違いがないというふうに私は思っております。農家にお嫁の来手がないという言葉などを聞きますと本当に胸が痛むのでありまして、お嫁の来手がどんどんあるような農家づくり、農村づくりをしなければいかぬ。 そこで、先生御承知のとおり基本的には規模拡大あるいは基盤整備、こういうことによりまして生産性を向上していく。それからもう一つは付加価値の高い農業の展開という問題がある。それから生活環境全体を整備していく。農業というのを農村ぐるみで考えていく。地域ぐるみで考えていく。こういうふうな観点で、特に地域の将来を担う若手対策ということで、例えば改良普及員による技術経営の指導だとか、あるいは各県にある農業大学校における研修教育、これはレベルを高める国内外の先進農家への派遣研修だとか、無利子の農業後継者育成資金の貸し付けといろいろやってまいりました。こういうふうに羅列すると、ただ羅列するだけかというふうなことにもなりますが、しかし、一つ一つ積み上げながらそれを総合的に毎日毎年やっていくということ以外に日本農業は足腰を強くする方法はないというふうに私は心得ております。 この平成二年度予算が成立をさしていただきますならば、新しくまちとむらの若者交流促進事業を新規でつくっておりますので、これもひとつ有効に使わしていただきたい。あるいは組織的には、省内に農業後継者対策室というのもつくりまして、これはおくればせでございますけれども、これを一つの拠点にして後継者づくりにさらに励みたい。こういうことなどを通じまして、総合的に農政を展開してまいりたい、こういうふうに考えております。
○菅原分科員 大臣、実はきのうも予算委員会の方で質問さしていただいたのですが、農業後継者の問題も、あるいは農業の国際競争力をつける強化策も、やはりその根底に主穀農業、主畜農業、これは土地利用型農業でございますから、どうしても土地の面積がないと魅力ある農業も国際競争力のつけられる農業もできないわけでございます。しかし今のいわゆる基盤整備の法律では、老齢化が進んでいる現状にとても間に合った対応ができていない。それで、ぜひこの基盤整備を建設省、国土庁、農林省三省が一体となって進めるべきだということを主張したのですが、それがかなえられないとするなら、やはり農林省は減歩を考えても全額公費負担の基盤整備事業が取り組める法改正を採用していくべきではないか、こういうことをきのう申したわけです。このことは本当に重要なことでございまして、今の制度は終戦後から積み上げてきたもう古い制度ですから、現在の状況には対応しなくなっております。ですから、この点をぜひ、これは農林省のためばかりではなくして、日本農業救済の本当に大きな柱になっていくものだと思いますので、この点をぜひ大臣に検討していただきたいなと思うのですが、御意見はいかがでしょうか。
○鶴岡政府委員 昨日も答弁いたしたわけでございますけれども、基盤整備、これは言うまでもなく、国際競争力を強化する、あるいは生産性向上のために促進するべき重要な施策でございます。またその際、土地の生産力を上げていくという意味で公共事業として仕組まれているわけでございますけれども、一応農家にも受益が及ぶということで、それぞれ事業種類ごとに国の補助率とか負担率も設けてやっているわけでございます。ただ、最近の農業をめぐる情勢からその償還金の返還がなかなか容易でないということも事実でございまして、かねて以来償還対策につきましてはいろいろな手だてをやっておるわけでございます。また、来年の予算でも計上させていただいておるわけでございますけれども、負担金の償還円滑化対策というので五年間で一千億の基金を造成いたしまして、初年度は百五十億でございますけれども、償還が容易でない地域についてその制度を利用しまして償還を円滑に進めていくような施策を進めているところでございます。 減歩問題につきましては、なお地域によっていろいろなことはあろうかと思いますけれども、全体としてそういう仕組みをとるのは、なお検討を要するいろいろな問題があるのではないかというふうに考えております。
○菅原分科員 いやこの問題は、これは私も前々回国会に来たとき皆さんにも話している問題で、今なおそういう見方ではとても対応できませんよ。大体もう五十歳以上の農業人口の比率が全就労人口の半分を超えて六〇%ぐらいになっているのですから、こういう人たちに今の負担というのは、二十四、五年ということは死んでから負担しろと言うようなものでしょう、働けなくなってから。だから、今のようなことばかり言っていたのではだめなんです。その分は減歩で取ったらどうかということを前向きに言っているわけなんですから、同じ返答ばかりしていたのではいかぬですよ。こうなったら本当に農村は崩壊するばかりではなくして、自由化にも対応できないのですから。建設省でやっている制度を何で農林省で真剣に考えられないのですか。このことを本当に強く要望しますよ。ひとつ研究してくださいよ。大臣、これは本当に大切なことですから。もう今本当にいわゆる借金ができないんですよ。こういう老齢化、そのために仕事も進まないんですから。大臣がもしこのことに突破口を開いたとなるなら、これは農業救済の大きな金字塔が打ち立てられると思っていますので、ひとつ大臣、このことを要望しておきます。 それから、大規模林道の進捗状況とその促進方についてですが、これもひとつ要望をしておきたいと思います。進捗状況の方はよろしゅうございますので、これの促進方。 さらに、きのう質問いたしましたジフィーポット植林について。どうも私がポット植林という発言をいたしましたものですから答弁の方もちょっと私の意に反する答弁になってしまったのではないかと思っておるのですが、このジフィーポットというのは、何もジフィーポットそのものだけじゃなくして、このポットはそのまま根が貫通する材料で、そのまま土に埋めて腐食していく材料だったら何でもいいわけなんです。これがもしいわゆるビニールポット、クレイポットのように全然根が貫通しないポットですと障害が起きるわけです。殊に植林なんかは大障害が起きます。根がぐるぐる回りますから。しかし貫通するマテリアルのポットですと、そしてそのまま植林できるポットですと、これはすばらしい成果を生むことがもうヨーロッパで証明されているわけです。植林するとき必ず根が傷まってしまって、松の場合は一〇〇%直立根が出てこないわけです。それをこのポットを利用しますと、多分、多分といっても七、八割方の確率で直立根を出せる植林技術の開発にもなるんじゃないかということで、昭和六十年にも、向こうのイギリスにちょうど農林水産常任委員会での農業調査団が派遣されたとき、私も資料をとって提出しておりましたので、ぜひこのポット植林、こういう意味でのマテリアルのポット植林の導入を林野庁で図っていただきたい、また研究していただきたいと思うわけでございます。 いわゆる価格の面も言われて、高いとか言ったのですが、これは全然高くないんです。というのは、今十アール三百本植えております。一ヘクタール三千本ですね。これが千本でいいわけですから、そして千本植えるというのは、本来日本の我我の先祖が長い経験から一つの技術として定着させてきたものです。これが終戦後人手がなくなったり、あとは化粧材とかいわゆる高級材に売れるとかという床柱のようなああいう材木が出てきたら、みんなそれに、金もうけにばかりいくような植林をしたんです。しかし、家をつくるとき床柱ばかりつくったって家になりませんから、はりがないと。太いやつ、広径木。そういう意味でも、このポットの植林技術の導入はこれは必至でございますから、このこともぜひ大臣に要望しておきます。このことを導入しただけでもこれは大臣、林野行政に対して大変な功績を残すと思いますので、もうこれは技術的な立場で自信を持って要望するわけでございますので、ひとつこのことも検討させるようにお願い申し上げまして、もう時間でございますので私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○稲村主査代理 これにて菅原喜重郎君の質疑は終了いたしました。 次に、江田五月君。
○江田分科員 場外馬券売り場ということについてお伺いをいたします。 日本中央競馬会法という法律がありまして、この法律を見ますと、第七条に競馬会の定款についてという規定が、その定款には目的を記載しなければならないとなっている。大体その競馬会の定款に記載されている目的というのは、今の日本中央競馬会法の第一条と同じような趣旨であると伺いました。第一条には「競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与する」ということが書いてあるわけですが、競馬会の定款に記載の目的というのは大体そういう趣旨であると伺ってよろしいですか。
○岩崎政府委員 そういうふうに考えておる次第でございます。
○江田分科員 そうすると、場外馬券売り場を設置するというのはその目的とどういう関係があるのか。さらにもうちょっと突っ込んで聞きますと、場外馬券売り場というものについては、昭和三十六年の長沼答申があり、さらに昭和五十四年に吉国答申というものがある。三十六年の長沼答申は、馬券の場外売り場については現在のものを増加しないことを原則とするというふうにある。五十四年は多少それが変わっているわけですが、その今の定款の目的との関係でどういうふうにお考えか、お伺いします。
○岩崎政府委員 三十六年の長沼答申につきましては、全体の回数を増加させないということで、そういう形の中で中央競馬会の競馬が運営されているということでございます。 それから、いわゆる長沼答申の次に吉国答申が出されたところでございます。私ども場外馬券売り場につきましては、これは中央競馬を初め地方競馬も含めまして競馬が大衆娯楽として漸次定着しつつあるということでございまして、例えば、遠隔地のファンにも購買機会を提供するというような形の中で全体として大衆娯楽として定着しつつあるというふうに考えておりますし、また、場外馬券売り場がのみ行為防止の上での効果が期待できるというようなことから、目的の範囲内で、目的を遂行するという上からも、妥当な範囲で設置していくことも必要であろうというふうに判断しているわけでございますが、先ほど申しましたいわゆる吉国答申との関係でも、地元の調整が十分行われているという前提に立ちまして弾力的な対応をとってよろしいという答申があるわけでございまして、私どもはこの原則に沿って今後とも適正に対応してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○江田分科員 三十六年の答申と五十四年の答申は考え方において変わったわけですか。つまり、競馬会の定款で、競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産振興に寄与する、そういう大目的があって、三十六年のときにはそういう大きな目的のために競馬というものが健全に定着をし、その程度今定着しているから、それほどもうこれ以上場外の売り場はふやさなくてもいいだろうという、そういう考えになった、しかしその後、どういうことですか、のみ行為などが頻発をするので、それを防止するためにもう少しふやさなければならぬという考えに至った、こういうことになるのですか。
○岩崎政府委員 長沼答申の場合には、「馬券、車券等の場外売場については、現在のものを増加しないことを原則とし、設備及び販売方法の改善に努力する。」ということが言われておりますが、ただやはり競馬そのものが大衆娯楽として定着しつつあるというようなこともございまして、吉国答申におきましては、「場外売り場の設置については、ノミ行為の防止にも効果があると思われるので、弾力的に検討して」もよろしい、ただ「地域社会との調整を十分に行うこと」、こういうことでございます。
○江田分科員 同じことを繰り返してもらってもしょうがないので、では別の聞き方をしますが、三十六年当時は場外馬券売り場というのは幾つあって、五十四年の吉国答申当時は幾つで、現在は幾つあるのか、今計画中のものは幾つあるのか、その四つをお答えください。
○岩崎政府委員 今ちょっと手元に数字がございませんので、後ほど調べましてお答えいたします。
○江田分科員 ちょっと数字まで聞くように通告していなかったのでごめんなさい。では、おおむねの傾向はどうですか。
○岩崎政府委員 増加してきております。
○江田分科員 三十六年から五十四年までの間も増加したのですか。
○岩崎政府委員 今ちょっと調べておりますので、少し時間をかしてください。
○江田分科員 では、それはちょっと調べておいてください。もし増加しているのだとすると、三十六年の長沼答申の趣旨が守られていないということになって、これは問題ですがね。 現在幾つあって、そして計画中のものが幾つあるのか、これはすぐお答えできるでしょう。
○岩崎政府委員 現在二十二でございます。
○江田分科員 計画中は。
○岩崎政府委員 私どもが申請されて受け付けているというものは今のところありません。
○江田分科員 そうですね。申請を受けて審査をしているというようなものはない。したがって、それは農水省から言わせれば、農水省が計画するというのは変ですが、別に農水省が考えているというようなものではない。しかし、現実に場外馬券場ということで、だれが計画しているかは別として、工事が進んでいたり計画が進んでいたり、あるいはその途中であったりというものはございますね。それはどのくらいありますか。把握をされているんですか、されてないんですか。
○岩崎政府委員 いろいろ何というのですか、実情というのか風聞的な話としては承っているものもございますが、現実にそういう形の中で私どもに上がってきているというものがない、こういうことでございます。
○江田分科員 非常に無責任なお答えと言わざるを得ないんですがね。風聞として上がってきていると言って、場外馬券売り場をつくるというのに、工事をやっている皆さんあるいはその工事でできた建物にテナントとして入る競馬会、その馬券売り場を承認をする農水省所管のどこになるんですか、部署は。風聞で事を進めるというのもおかしな話で、風聞なんて言うと、そんな答弁をされるんだったら、なるほど農水省と競馬会とそして工事をやる人と、全部風聞とかいう、裏で談合をやって事を進めているんじゃないかと疑いたくなりますが、もうちょっとはっきりしたお答えはできないのですか。
○岩崎政府委員 私どものところに来ているものにつきましてはただいま申し上げましたようにございませんが、競馬会の方に来ているものが幾つかあるということは承知いたしておりますが。
○江田分科員 それでは中央競馬会の方に伺いましょう。 今現在あるのは二十二カ所、これはいいとして、計画中のものはどのくらいありますか。
○佐藤参考人 日本中央競馬会の副理事長の佐藤でございます。きょうは参考人として参りました。よろしくお願いします。 現在私どもの方での場外発売所は二十二カ所ございまして、現在計画中と申しますか、話を具体的にオーナーの方と進めておりますのは六カ所ございます。
○江田分科員 二十二カ所中住居地域という建築基準法の用途地域に存在をしているもの、あるいはそれにかかって存在をしているもの、これが幾つあるか、そして計画中のものではそれが幾つあるか、答えてください。
○佐藤参考人 いわゆる用途地域別に見てみますと、東京都内の場合で渋谷場外発売所、これは住居地域でございまして、いわゆる場外の上に共同住宅があるという形になっております。その他の場外はほとんどが商業地域でございます。 なお、現在計画している中でも住居地域にかかっておる場外発売所もございます。
○江田分科員 幾つありますか。
○佐藤参考人 計画中のものでは、住居地域にかかっておりますのは岡山場外発売所でございます。
○江田分科員 渋谷に住居地域にかかっているものがあるというお話ですが、今のお話のとおり上は俗に言えばマンションですね。周辺も恐らくビルといいますか高層住宅が建っていて、もちろん住居地域ではありますけれども、いわゆるお年寄りも子供たちも家族が住んで、そこに子育てから老後の生活からいろいろな生活が営まれておって人々がコミュニティーをつくっている、そういう住宅地とは若干違う、と言うと怒られるかもしれませんが、常識的な言い方で渋谷の場合は、駅の近くの高級マンション街というような感じではありませんか。
○佐藤参考人 渋谷場外発売所につきましては、当初から、あそこへ場外をつくるときから共同住宅というものと一体に考えたような建設をいたしたわけでございます。そういうふうな意味で、住居地域ではございますが、当初から上は住居、下は場外というふうな形で明確に区分してつくった場外でございます。
○江田分科員 場外馬券売り場がのみ行為の防止に役に立つかどうか、これは恐らく議論のあるところだと思いますね。しかし、今その議論に入る時間がちょっとありませんから、それは疑問ですよということだけ申し上げて次に進みたいのですが、それでは場外馬券売り場をつくればいいことだらけで悪いことは何もないのかといえば、なかなかそうもいかない。別に競馬を楽しむ皆さんを悪く言うつもりもないし、私も競馬の健全な発展というのは大切なことだと思いますけれども、しかしやはり、お年寄りも子供もいて良好な居住環境をつくって、そこで地域の皆さんが自分たちのコミュニティーをつくっているところに場外馬券売り場をおつくりになると、そのふだんの生活関係とは違った人、と言うと変だけれども、時には財布が空っぽになったり、もうかるかどうか目を血走らせたりするような人たちが車もたくさん使いながら集まってき、また散っていくということで、良好な居住環境、コミュニティーというものが、いろいろとふだん払わなくてもいい配慮をやはり払わなければならぬというようなことが起きる。そういう心配を少なくともそこに住んでいる皆さんがお持ちになるということは自然だ、そのことはやめてほしいと思うのもまた自然だと私は思いますけれども、そういう点の配慮は、農水省及び中央競馬会の皆さん、場外馬券売り場をお出しになるときにされているんですか、されていないんですか。
○岩崎政府委員 私ども、場外馬券場の場合に、平穏な市民生活の場にまで進出して売り場を増設するというようなことまで考えているわけではございませんで、あくまで設置を了解していただけるかどうかという地元の皆様方の気持ちを尊重して決定されることで、その意味でも地元の調整が基本だという考え方には変わりはないわけでございます。
○江田分科員 地元の調整が基本だということは、地元の皆さんが快くここにそういう馬券場が来ることは差し支えないということでない限りは、普通の良好な住宅地にどんとそういうものをつくるということは、そのことが引き起こすいろいろな生活環境に対する影響を考えれば慎重に考えざるを得ない、そういう立場だと理解していいですか。
○岩崎政府委員 基本的にはそういうことでございます。
○江田分科員 競馬会、どうですか。
○佐藤参考人 競馬会の基本的な姿勢といいますのは、五十四年の吉国答申にもございますように、のみ行為にも効果があると思われるので弾力的にふやしていく、検討していくということを基本にしまして、地域社会との調整は十分図っていくということを基本にしておるわけでございます。
○江田分科員 重ねて聞きますが、地域社会といってもいろいろな地域社会があるので、いろいろな家族が住んで、その家族同士のおつき合いの中で一つのコミュニティーをつくって、良好な居住空間をつくっているようなところに馬券場をつくる。馬券場が何もかも悪いと言っているんじゃないですよ。周囲の状況に照らしてそういう馬券場がいろいろな環境の変化をもたらして、その変化というものは住民の皆さんが望まない変化が起こることがある。したがって、そういう居住地域につくるときには、住民の皆さんがそうした意味での不安がないと十分納得の上で快く了解をしてくれる場合でなければ、そこはやはり慎重に考えていかなければいかぬものだという基本的なお立場があるのかどうかということを聞いているんです。
○佐藤参考人 私どもは、設置に当たりましては地元住民の意向を尊重するという考え方を基本にしておるわけでございます。
○江田分科員 地元によって違いはないですかということを聞いているんです。
○佐藤参考人 一般的に場外をつくる場合にはそういう地元の意向というふうなことを尊重してということでございます。
○江田分科員 一般的なことを聞いているんじゃなく、地元といってもいろいろあるでしょうというわけです。商業地域もあるし、工業地域もあるし、大都会の真ん中もあるし、それからずっと一戸建ての家が建っていて人々がいわゆる住みかの拠点としている、そういう家がずっと町をつくっているという場所もあるし、そういう地元地元によって皆さん方がお出しになるときに考慮する基本的な立場に違いはないですかということを聞いているんです。
○岩崎政府委員 私どもの考え方といたしましては、地元の調整という場合に、町村であれば町村長、あるいは市であれば地元の町内会の同意ということでございます。具体的にはどこの町内会かということにつきましては、場外発売所の設置に伴います影響が設置場所なり設備の規模等により区々であるということ等から、地元の調整の範囲につきましては一律に取り扱うことは必ずしも適当でないので、個別事例に応じまして判断するということにいたしております。
○江田分科員 これは余り押し問答しても仕方がないのですが、今具体的なケースで、岡山市の新福という地域にあるケースのことにちょっとお触れになりましたのでそのことを取り上げますと、ここはほとんどが住居地域という建築基準法の用途地域指定を受けている住宅地であって、しかも建築基準法の別表第二の二十七条、四十八条関係というものによると、住居地域や近隣商業地域には劇場、映画館、演芸場または観覧場などを建ててはならない、こういうことになっているわけで、場外馬券売り場が劇場、映画館、演芸場、観覧場にはぴたりは当たりません。当たりませんけれども、こういうものを建ててはいけないよということを法が規定している趣旨というものがあると思うのです。その趣旨からすると、これはやはり住居地域に場外馬券売り場を建てるときにはいろいろな注意をしなければいけないよということに当然なると思うのですが、大臣、その基本的な考え方だけちょっと聞かせてください。
○山本国務大臣 先生ほど時間をかけてきっちりやったわけではないのですけれども、私自身も、これからお話が出ると思いますが岡山の事例もございますので、事務方にこの場外馬券売り場の設置についての従来の経緯あるいは基本的な考え方はどうなんだということを聞いてみました。これは一つは先ほど来出ているのみ屋対策がある。それからもう一つは遠いところから来るファンの問題がある。遠隔地のファンの問題がある。これは要望の方々が多いわけでしょう。しかし、人数の関係もある。そこで、平穏な市民生活の場にまで売り上げを伸ばすためにただ進出をして売り場を増設するというようなことは適当ではない、こういうことも事務方が言っているのです。それから、あくまでも設置を了解していただけるかどうかという地元の皆様方の気持ちを尊重して決定されることで、その意味でも地元の調整が基本という考え方に立っております、こういう答えでしたから、それではあくまでも地元住民なんだな、一つは前提としてこういうのみ屋対策とかあるいは遠隔地ファンの問題もありまして、それはそれで意味がある、しかし、平穏な市民生活を送っているいわゆる住居地域、これにただ売り上げを伸ばしたいということだけで設置をするなどということは不適当だ、もし何らかの形で設置を進める場合にはあくまでも地元の皆さんの意向を尊重すべきものである、こういうことを確認した次第であります。
○江田分科員 昨年の十一月、衆議院の決算委員会で当時の鹿野農水大臣が、この新福という場所に場外馬券売り場を建築中の株式会社日隈という業者について、工事の中止についてさらに強力に中央競馬会を指導する考えであるという答弁をされた。これはつい先日予算委員会でも山本農水大臣から同様の趣旨の答弁をいただいているようで、まだ会議録できてないので詳細に拝見していませんが。これを受けて中央競馬会は十二月八日付でこの株式会社に対し、工事中止要請の文書を郵送したと伺いましたが、しかし、その株式会社の方はこれを無視して工事を続行して、二月上旬に建物そのものはできてしまった。二月上旬一応できて、そこでストップしたかのように見えたが、しかし実はそうではなくて、さらにその建物の例えばガラスを入れるとか、四月の初めまで工事自体は続いていた。こういうことが事実だというふうに私の調査では出てきているのですが、これは間違いありませんか。
○岩崎政府委員 そういうことと承っております。
○江田分科員 競馬会としてはその事実は把握されているんですか、把握されていないんですか。
○佐藤参考人 三月十日現在でその事実は知っております。三月十日に私どもも調べております。
○江田分科員 調べた結果はどうなんですか。
○佐藤参考人 外郭はできております。
○江田分科員 十二月八日に中止の要請の文書を出した。にもかかわらず、中止をされずに三月の何日かまでずっと工事が続いたという事実はどうなんですか。
○岩崎政府委員 私ども、農林水産省からの再三の要請を無視しまして工事を続行されたということにつきましては本当に遺憾なことと言わざるを得ないというふうに考えている次第でございます。
○江田分科員 競馬会は、農水省の皆さんのそういう認識なり立場なりというものを共通にしていないのですか。
○佐藤参考人 競馬会といたしましては、既に起工式の段階から数次にわたりましてその工事の中止を強く申し入れておりましたし、さらに昨年末の農水省からの指示もございまして、株式会社日隈に対して重ねて工事の中止を要請した、こういうことでございます。
○江田分科員 にもかかわらず工事が続けられたという事実はあるのかないのかと言っているんです。
○佐藤参考人 残念ながら、競馬会としては工事をいわゆる強制的に差しとめるという権限はないわけでございますけれども、実際に外装がつくられておりますけれども、ただ、内装関係につきましては競馬会の意向が反映されなければ工事に着手することができないわけでございまして、競馬会として現在馬券売り場としての内装施設については一切協議にも応じておりませんし、そういうふうなことになりますと場外馬券場としては機能できないということになっております。
○江田分科員 余計なことを余り答えられますと時間がないので。私が聞きたいのは、工事の中止をいろいろ要請しても中止はされずにどんどん続行されちゃった、しかし内装まではやらないから、だからいいやということで、農水省の方のお考えはこれはまことに遺憾なことだというお考えなのに、競馬会としては農水省の方にわからぬようにやってくれよというようなことなのか。それともそうではなくて農水省と同じ立場に立って、こういう業者は信頼できない、こういう業者に任せて場外馬券売り場をつくっていたらこれはとんでもない混乱が起きるんじゃないか、そういう強い態度をお持ちになるのか、そこのところを聞いているんです。
○佐藤参考人 そういうふうな私どもの工事中止を無視してやりましたところについては、甚だ遺憾に存じておる次第でございます。
○江田分科員 そういう競馬会なりあるいは農水省なりの要請やら指導やら、そういうものを無視して事実事を進めればそれで早い者勝ちだ、やった方が勝ちだ、そういうような業者が事を進めていったら、これは場外馬券売り場ができると私はいろいろな混乱もあると思いますよ。いろいろな規制もしていかなければならぬ、指導もしていかなければならぬと思います。そういうものがきちんとできないようなことになったら、それこそ住民の皆さんの心配というのは現実のことになるので、これは早速こういう計画はやめる、これはもうここに馬券場として中央競馬会がテナント契約を結ぶようなことはない、農水省としてはこれを承認することはない、こういうことをはっきりしてほしいと私は思います。いかがですか。
○岩崎政府委員 御存じのとおりで、農林水産省といたしましては、中央競馬会からの設置申請を受けましてその可否を判断するという立場でございますが、申請に必要な地元調整が十分整っていないということからまだ申請そのものが行われていないという段階であります。いずれにいたしましても、現状におきましては地元調整が十分になされているという判断はしがたく、現状で中央競馬会から承認の申請が出される状況にはないし、仮に出されるようなことがありましても、承認が下されることはあり得ないというふうに認識をしている次第でございます。
○江田分科員 中央競馬会、この申請を出さなかったら、この日隈という会社から損害賠償か何か請求されるような、そういう契約関係でもあるんですか。
○佐藤参考人 私どもの方では工事の着工を見合わせるようにというふうに再三要請しております。建築工事を進めてもリスクは一切負わない、競馬会としてはいわゆる責任を持てないということを何回も繰り返しておる次第でございまして、私どもは損害賠償請求されるような約束は一切ないものと考えております。
○江田分科員 きょうは競馬会の方は副理事長さんお見えでしたね。理事長さんからのお答えも同じお答えだと伺っておきます。 最後に大臣、これは確かに農水省が承認をする、中央競馬会が出すところまでいかなかったら出ないわけですから、だからまた出てない出てないでずっといってしまうわけですが、地域住民としては、出てないといったっていつ出るかわからないから、いつつくられるかわからないから不安なわけです。やはりどこかで、これはもうここは出しませんという一つの判断が示されないと、地域住民はいつまでも不安で、毎週一回会議をやったりいろいろな立て看板を立てたりしなければいけないことになるので、地域住民の皆さん方の意向は十分配慮するのだから、どうぞそんなにいつもそのことばかりに注意をして毎日の生活が不安があるというような状態に置かれるのではなくて、平穏な安心した地域住民生活を送ってください、こういうことをおっしゃっていただけませんか。
○山本国務大臣 畜産局長からもあるいは競馬会、理事長はちょっと病気でして、代理で副理事長がおいでになりましたが、これは理事長と同じ考え方でございます。従来どおり、地元というのはそこに住んでおる方ですから、その方々の調整が行われない限りは承認を行うつもりはないということをはっきり申し上げておきたいと思います。
○江田分科員 終わります。ありがとうございました。
○稲村主査代理 これにて江田五月君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○稲村主査代理 それでは、総理府所管中環境庁について政府から説明を聴取いたします。北川国務大臣。 〔稲村主査代理退席、主査着席〕
○北川国務大臣 平成二年度の環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。 平成二年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は四百九十六億八千四百二十二万円であり、これを前年度の当初予算額四百八十四億五百九十二万円と比較すると、十二億七千八百三十万円、二・六%の増額となっております。 予算要求額の主要な項目について御説明申し上げます。 第一に、環境保全の企画調整等については、地球温暖化を初めとして地球環境に関する学際的、国際的な研究等を計画的に推進するための地球環境研究計画等の策定及び開発途上国の環境援助促進のための基盤整備等国際協力の積極的な推進に努めるほか、国民各界各層に対する環境教育の強化、都市生態系の再生や快適な町づくりの促進を図るとともに、環境影響評価及び公害防止計画の策定の推進に必要な経費など、合わせて七億七千七百三十二万円を計上しているところであります。 なお、これらとあわせて、地球環境問題についての総合調整機能を強化するため、庁内の関係事務を一元化し、企画調整局に地球環境部を新設することとしております。 第二に、公害による健康被害者の救済等については、従来に引き続き公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、公害健康被害補償予防協会に設けられている基金を活用した健康被害予防事業や総合的な環境保健施策を推進するほか、水俣病の認定業務を一層推進することとし、これらの経費として二百二十七億七千五十二万円を計上しております。 第三に、大気汚染等の防止については、窒素酸化物対策として自動車排出ガスの規制、低公害車の普及推進等を進めるほか、オゾン層保護対策としてフロンガス等の監視及び調査研究の推進等、酸性雨対策として監視測定体制の整備に努めるとともに、アスベスト対策及び未規制大気汚染物質対策の推進を図ることとしております。 また、騒音、振動及び悪臭対策についても一層の推進を図ることとし、これらの経費として七億九千四百二十二万円を計上しております。 第四に、水質汚濁の防止については、生活雑排水対策及び地下水質の保全対策を推進するほか、東京湾の環境保全、水質総量規制の推進、汚濁河川対策、湖沼水質の保全等の対策を推進するための経費として七億九千八百十四万円を計上しております。 このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策費として一億千百七十九万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として一億五千四百十一万円をそれぞれ計上しております。 第五に、公害防止事業団については、事業団の事業運営に必要な事務費等の助成費として三十六億三千八百十五万円を計上しております。 第六に、公害監視等設備の整備については、地方公共団体の監視測定体制等の整備を助成するために必要な経費として七億六千九百四十四万円を計上しております。 第七に、環境保全に関する調査研究の推進のための経費については、総額四十三億千七百七十五万円を計上しております。 この内訳としては、まず、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として十九億二千八百四万円を環境庁において一括計上するとともに、環境保全総合調査研究促進調整費として一億七千五百万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関する調査研究の総合的調整を行うほか、新たに地球環境研究総合推進費として十二億円を計上し、関係省庁の所管する国立試験研究機関等が行う各種の地球環境保全に関する調査研究の総合的推進を図ることとしております。 また、地球観測衛星アデオスに搭載する成層圏オゾン等の観測機器の開発、光化学スモッグや公害による健康被害の解明、その他大気汚染、水質汚濁、自然保護等に関する調査研究費についても十億千四百七十一万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしております。 第八に、自然環境の保全対策及び施設整備について申し上げます。 まず、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理等については、自然環境保全基礎調査を初めとする調査研究を実施するとともに、国立公園等の保護管理の強化を図ることとしております。 また、野生生物の保護対策については、絶滅のおそれのある野生生物種の監視調査等を実施するとともに、国設鳥獣保護区の管理強化等を図ることとしております。 これらに必要な経費として、合わせて十六億四千四百七十一万円を計上しているところであります。 次に、自然公園等の施設の整備については、国立・国定公園の利用施設や長距離自然歩道等の整備に必要な経費として二十九億七千四百六十二万円を計上しております。 第九に、国立公害研究所については、地球環境問題等環境全般にわたる研究の一層の推進を図るため、地球環境研究センターの設置など体制の強化を図り、国立環境研究所に改組するとともに、環境に関する研究と研修の緊密な連携の観点から公害研修所を統合する等機能の充実強化を図ることとし、これらに必要な経費として四十四億七千九十一万円を計上しております。 また、国立水俣病研究センターの運営等に必要な経費として四億二千八百五十七万円を計上しております。 以上、平成二年度環境庁関係予算案の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ、本予算案の成立につきましては、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。 ありがとうございました。
○内海主査 以上をもちまして総理府所管中環境庁についての説明は終わりました。 ─────────────
○内海主査 質疑に入るに先立ちまして、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川国彦君。
○小川(国)分科員 私は、地球環境を守る日本の立場、そういうものを世界にきちっと示していく、そういうような問題を抱えている環境庁に対しまして、長官及び事務当局に質問をいたしたいと思います。非常に小さな問題のようでありますが、その影響しているところは非常に大きな問題でございますので、今主査のお話のように、ひとつ簡潔な御答弁の中で円滑な質疑をさせていただきたい、こういうふうに思います。 ここ数年、地球環境の問題というものが非常にクローズアップされてまいっておりまして、地球の温暖化、大気汚染それから森林資源の乱伐等、自然環境の悪化が取り返しのつかない状況にまで広がりつつありまして、それをもとに戻すのには、産業面はもちろん消費生活において見直しをしても、人間が健康で健全に生活できる環境に戻すには百年以上かかると言われる状況があるわけです。日本では、経済の高度成長が実現した時期、産業面におきましては大気汚染防止法、水質汚濁防止法、そしてまた各規制を行うことによって公害問題をクリアしてきたわけでありますが、消費生活の中で発生するごみ処理によりまして環境汚染と、それを規制する法律が少ないことから破壊がごみの増大とともに急ピッチに進んでいる、こういう状況にあります。 例えば私どもの一番身近なものに使い捨て容器があるわけでございまして、例えば空き缶、この中にはアルミ缶とかスチール缶というものがございます。アルミ缶などは電気の塊と言われているくらいでございまして、大量の電力を使用して生産されて、一回の使用で捨てられてしまう。スチール缶は、資源回収をしても単価が安くリサイクルのルートに乗りにくい、結局は廃棄されてしまう。こういうことで、これらの使い捨て容器というものが、大切な地球資源と貴重なエネルギーを使用してつくられておりますが、たった一回の使用で捨てられごみとなってしまう、こういう状況にあるわけです。 そういう中で、環境庁は環境白書の中で「空き缶問題の現況と対策」ということを挙げられておりますが、この中で、昭和四十五年に八億缶程度であった空き缶が、六十二年には百九十億缶、こういうふうに書かれております。できますればこの空き缶の問題、それから空き瓶の問題、それからいわゆる使い捨て容器の問題、この散乱状況についてどういうような把握をされているか、まずその点から伺いたい。
○北川国務大臣 ただいま小川委員の御指摘は、前の白書を申されまして、非常にごみが多くなっておることは御承知のとおりでございまして、地球環境をよくするためには、現代社会における資源とエネルギーの多消費が挙げられておることも御指摘のとおりであります。したがって、この空き缶、空き瓶等のリサイクルを初めとする省資源の推進は、環境政策上極めて重要な課題であると認識しております。 このような見地から政府といたしましては、地球環境保全関係閣僚会議等におきまして、省資源また省エネルギーの推進、廃棄物の回収及び再資源化への推進等の取り組みを申し合わせておる次第でございます。これらの方針を踏まえまして、関係諸省庁との連携を密にしながら、資源リサイクル対策などの省資源の推進強化に努めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○高橋(光)政府委員 先生ただいま御質問の散乱の状況についてでございますが、私ども環境庁といたしまして、都道府県の協力を得まして毎年度、ある地点についてどのような状況になっておるかということを調査いたしております。これは悉皆調査ではございませんでサンプル調査でございますが、例えば国道等の幹線道路でございますが、一昨年の調査データでございますと百メートル当たり一日に二・五個というふうな数字がございます。また、河川敷等につきましては一千平米当たり一・八個というふうなデータが得られております。これらの散乱状況につきましては地域によりましてもいろいろ違いますが、傾向的には若干落ちついてきているのかなという感じで考えております。 以上でございます。
○小川(国)分科員 缶数ですが、百九十億缶ということで、スチール缶は百二十五万トン、アルミ缶は十四・九万トンと言われておりまして、製造されている缶の数でいくとスチール缶が百六十七億缶、アルミ缶が七十四億缶というのですが、皆さんの把握は、数字は大体この程度ですか。
○高橋(光)政府委員 六十三年度の生産量で、飲料用の缶といたしまして約二百十億缶という数字を私どもは得ております。
○小川(国)分科員 その内訳はどういうふうに把握しておりますか。
○高橋(光)政府委員 内容等につきましては、今手元にデータがございません。
○安原政府委員 六十三年度におきます全体の缶は今高橋審議官が申したとおり二百十億缶でございますが、その内訳はスチール缶が百四十三億缶、アルミ缶が約六十七億缶でございまして、それぞれの比率はスチール缶が約六八%、アルミ缶が三二%ということに相なっております。これの調べは日刊経済通信調べということで、私どもが独自に調べたものではございませんで、情報を集めたものでございます。
○小川(国)分科員 そのうちの約六割がごみ処理で埋められたり埋め立てに使われたり、そして再資源化は約三割、それから飲み捨て、散らかし捨て、ぽい捨てが約一割、こういうふうに言われておりまして、散乱と資源のむだということは非常に大きいわけです。 このほかまた、飲料用に使用されているPET容器も、従来リサイクルシステムによって回収使用され環境保全に役立っていたガラスの再使用瓶のシェアを占領して、瓶の循環システムを崩壊の危機に追いやっている、こういう状況があるわけです。ごみの処理には問題がないとされている紙パックでも、牛乳瓶の回収システムを今は完全に崩壊させている。また、清酒の一升瓶は年間十億本の総需要があって、世界に誇る日本の空き瓶回収システムが確立していたのですが、これも今崩壊しようとしている。紙パックの主原料は天然パルプであって、その資源は人間に酸素を供給し、炭酸ガスを減少させる、こういう大切な役割資源であって、今地球規模での森林破壊が一分間に十二万坪と言われている。一回だけの使用で捨ててしまう容器の使用を環境を破壊してまでも認めていいだろうか。こういうこれからの使い捨て容器と地球環境及びこみ問題に関して、環境庁長官は一体どういうふうに考えておられるか。 それから、使い捨てに関する消費者意識というものを先般総理府の内閣総理大臣官房広報室の世論調査で、これは昭和六十三年度の調査ですが、ごみがふえないように使い捨て商品は出回らないようにした方がよいという人は六九・五%、便利なので使い捨て商品がふえてもやむを得ないというのは二一・五%、その他八・一%で、圧倒的に使い捨てに反対する人が多いわけです。ところが、買い物をするときにごみになったときのことを考えますかということについては、考えたことがあるというのは三六%で、考えたことがないという人が六四%、つまり最終的処理のことについては生産者が責任を持って製造、販売しなければ、一般的には買わされてしまうのが現状。しかし、消費者の環境問題、ごみ問題について認識が高まっていく中で、使い捨て商品をいつまでも野放しにしておいては行政として片手落ちではないだろうか、使い捨て容器の生産制限などの規制を設ける必要があるのじゃないか、こういう考え方もあるわけですね。 そして問題は、使い捨て容器と清掃の費用なども検討してみますと、ここに身近な例として、何回も使用されていた飲料用容器の一リットル瓶が使い捨ての一・五リットルのPET容器に移行したデータでありますが、これによると、五十八年当時、再使用容器一リットルの需要が九億六百万本、PETは一・五リットルの需要が四千二百万本あった。ところが六十三年になりましたら、再使用容器は四億本、PETの使い捨ての方は九億二千万本になっている。PET容器が一本処理されるには、一つの見方ですが、五十五円の費用が必要だと言われている。つまり五百億円からの処理費が必要になる。一方、再使用容器の場合は、何億本出荷されてもリサイクルされるので処理費はゼロ円である。PETの使い捨て容器というのは、処理といっても埋め立てれば圧縮が悪く、年年埋立地を求め自然環境を破壊し、焼却すれば今度地球の温暖化や大気の汚染に結びつく。空き缶にしても同じように地方自治体の処理費によって賄われているわけですが、実際は現在ボランティア活動によって回収も行われているのですが、経済性が乏しく、今後の発展を望むこともできない。 こういうことで、これら使い捨て容器を回収するには、容器に対して経済性を求めることが必要であり、散乱性のあるもの及び自然環境の破壊につながるものについてはデポジットを導入してはどうか、こういう考え方が望ましいと言われているのですが、これに対する環境庁の考え方を伺いたいと思います。
○安原政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、今、地球環境問題が大変重要な問題になってまいっております。これの対応といたしまして、省資源、省エネルギーを徹底していくということは極めて重要な方策であると考えております。その点につきましては、先ほど大臣から答弁いたしましたように関係閣僚会議でもその旨の申し合わせをしておりまして、政府一体となって取り組むという方針を明確にしているわけでございます。 それの具体化といたしまして、先般、三月の末でございますが、閣僚会議のもとに幹事会というのがございますが、この幹事会でその点につきまして申し合わせをしたわけでございます。普及啓発を大いに進めていくというのが第一項目でございますし、第二項目のごみの減量化対策を大いに進める、第三項目につきましては再生紙の利用を促進していくということでございます。ごみの減量化対策の一環といたしまして、空き瓶、空き缶、プラスチックの回収等リサイクルを大いにやらなければいかぬということで、関係省庁が協議をいたしましてこの具体化を進めていくということになっておるわけでございます。正確に申しますと、廃棄物の回収及び再資源化の推進、回収及び再生が可能な製品、容器等の開発普及、これにつきまして引き続き検討し、ごみの減量化の一層の推進を目指すということでございます。これは直接的にはごみの減量化に資しますが、資源対策、エネルギー対策にも資するわけでございます。 そこで、具体的にデポジット制も含めてどういう方策を考えるのかというお尋ねでございます。 空き缶とか空き瓶のリサイクルを推進する上でデポジット制が一つの有効な方策ではあると考えておりますが、私どもとしましては、リサイクルの全国的な展開という観点から、まずは家庭レベルで市町村における廃棄物の分別回収の徹底を図っていく必要があるのではないかというぐあいに考えております。その一つの形態としましては、例えば地域の自治会等による集団回収というやり方もあるわけでございます。そしてまた重要なことは、この自主的な分別回収に対してこれらの活動に対する事業者サイドからの積極的な協力、この連携が必要であろうと考えておるわけでございます。こういうことで、その両面の手法を組み合わせまして総合的な取り組みを進めていくべきものと考えておりまして、今鋭意関係省庁と協議を進めているところでございます。
○小川(国)分科員 きょうは厚生、通産、自治とおいでになっておりますが、ちょっと時間の制約がありますので簡潔で結構ですが、今環境庁が申されたリサイクルの具体化、それから資源の回収、再活用といいますか再資源化ということ、そういうことにどういうふうに取り組んでおられるか、ひとつ伺いたいと思います。
○坂本説明員 ただいま先生御指摘のように、ごみが大変ふえまして、昭和六十三年度では東京ドームでいいますと百三十杯分、前の年に比べまして五杯もふえておるということで、厚生省といたしましても非常に憂慮いたしておるわけでございます。 したがいまして、ただいま環境庁からお話がございましたが、私どもといたしましても、昨年の十二月に生産、流通等の業界団体に対しましてごみの減量、再資源化についての要請を行いますとともに、市町村にも、今おっしゃいましたような分別収集等につきましてより徹底して行うように、こういう指導をしておる段階でございます。
○倉説明員 先生ただいま御指摘いただきましたごみの問題につきましては、私どもも環境保全の見地からまず第一に重要な問題であると思っております。ほかに、我が国は資源の大部分を海外から輸入いたします経済大国でございまして、資源の有効利用を図るということは、これは国際的に見ても大変重要なことであると認識しております。そういう面で、私どもとしては廃棄物の再資源化のための政策を従来から講じてきておるところでございます。 具体的には、空き缶等につきましては、その一環といたしまして、各自治体と協力して回収器の設置であるとか回収実験等を行ってきておるところでございます。今後も、廃棄物の増大を十分に認識いたしまして、空き缶あるいはプラスチック等個別廃棄物のリサイクルであるとか啓蒙普及対策等の充実に一層努力してまいりたいというふうに思っております。
○石橋説明員 地球環境の保全という観点から、御指摘のようなごみ等の再資源化等の施策というのは地方公共団体の段階におきましても大変大切なことだと思っております。私ども自治省といたしましても、関係省庁で設けております協議会に参加いたしましてその検討に加わると同時に、協議会で出されました結論等につきまして地方公共団体に通知し、指導協力を求めておるところでございます。今後ともそういう形で地方に対して指導してまいりたい、そういうふうに思っております。
○小川(国)分科員 今、それぞれ省庁熱心にお取り組みいただいている姿勢は伺ったのですが、現実は、空き缶にしても空き瓶にしても、プラスチックなどの散乱性容器というのはもう全部ワンウエーで使い捨てになってしまっている。今非常に活用率の高い一升瓶なども、おしょうゆに使える、しょうちゅうに使える、清酒はもちろん、あるいは油にも使える。それからビール瓶、これは回収が非常に順調にいっていたものなんですが、これもプラスチックあるいは合成樹脂のものができたり、みんなぽい、使い捨てになるわけですね。ところが、そういう合成樹脂のものをつくったりプラスチックのをつくるのには大変なエネルギーを使う。しかも、今度それをまた再生させるのも大変なものがある。瓶は五回も六回も十回も同じものが回転して使えるわけです。ところがそういうものがだんだんと押しやられて、都内でも新聞を回収する業者はなくなる、それから一升瓶の回収業者もどんどんやめていってしまう、こういうことで資源を再資源として活用していく人人の業界がどんどん廃れていってしまう、そして新しいものが次々とGNPの成長の中でつくられていく。こういう状況で、残念ながら今の各省庁のお取り組みではいま一歩で、地球の資源の有効活用という面からいけば日本は非常に立ちおくれているのではないかという感がするわけです。 各国の状況を見ますと、諸外国における今申し上げた散乱性飲料容器についてどういうような規制があるか調べますと、使い捨ての本家と言われたアメリカでもデポジット方式が採用されている。一九七一年にオレゴン州を皮切りに、バーモント、メーン、ミシガン、アイオワ、コネチカット、ニューヨークを初めとして十一州が使い捨て容器に規制を行っている。 ヨーロッパでも、西ドイツでは、一九八九年の三月一日からプラスチック容器一本につき〇・五マルク、日本円で四十円の強制デポジットを課するそういう法律といいますか条例が導入されたと言われている。これは、プラスチック瓶の処理は極めて困難でリサイクルが難しい、ドイツ国内に年々増加するプラスチック瓶を捨てる十分な場所がない、焼却は空気の汚染につながり、問題の置きかえにすぎない、解決にはならない、こういうことから、小売組合など一部反対はありましたものの、この法律といいますか条例が施行されて半年で使い捨てプラスチックがガラス瓶に取ってかわっている。その七、八割がリサイクルされている。 それからスイスでは、スチール缶、アルミ缶の使用禁止の法律が出ている。すなわち飲料容器に関する法案が提案されている。その中で、ビール、炭酸飲料、ミネラルウオーターではワンウエー容器の使用比率がボトラーごとに七・五%を超えないこと、こういう条件が付されている。四百ミリリットルを超えるワンウエー容器は禁止だ、こういうことになっておる。 それからデンマークでは、再充てん容器以外は使用禁止だということで、一九八一年からビール、ソフトドリンクについてワンウエー容器の使用を禁止している。オーストリアでは、アルミ缶、ペットボトルヘのデポジットが行われている。イタリアでは、一九八八年の十一月に食品、飲料容器の素材ごとにリサイクリング組合を設立する法令ができた。その中で、プラスチック組合は素材価格に一〇%を課税して原資をつくる、ガラスと金属については、一九九二年までにリサイクリング率五〇%の目標を達成しない場合はリサイクリング税が容量別に賦課される。 こういうふうに見ると、もう世界の大勢というのは環境保全に向けてデポジットなりワンウエーの禁止なり、どんどん進んでいるわけです。そういう状況から見ると、日本の各省庁の対応はもう靴の上から足かいているような状況だと言わざるを得ない状況があるのです。長官、いかがでしょうか。こういうところについて日本としてもう一歩進んで、今こういった各国のような規制なり統一規格なり、そしてまたデポジットなり、そしてまた再利用ができるようなシステム、そういうことに取り組むお考えはございませんか。
○北川国務大臣 ただいま小川委員から本当に世界の例を挙げられまして、例えばそれを再生するにしても燃料が要る、この燃料は地球温暖につながるではないか、CO2を発するから、そしてそれを規制するところの各国はこういうようにやってきたじゃないか、日本はどうだというところの、本当に環境を思い、また捨てられる物の再生というものの重要性を指摘されました。 また、そういうところに、例えばこの間新聞で私見せていただいたのですが、外国の御婦人が百貨店で物を買われて、ポリ袋を出したのを、これは要りません、かえって、いけませんよと言ってそれを拒否して受け取らなかった、こういうことを新聞紙上で見まして、私はそういうところに、これからの環境行政は国民の御理解もまた非常に大事であるし、そして供給と需要の中でこれがよりよい環境政策に生かされていくように環境庁も前向きでこの問題に取り組まなくちゃいかぬ、こんな思いをいたしております。
○小川(国)分科員 ほかの省庁の皆さん、今の私の指摘に対して各論的に、そういう今の各国の大勢の流れを見ながら日本として各省ごとにどういう取り組みが考えられるか、ちょっと一、二分ずつで結構ですが。
○坂本説明員 先ほども申し上げましたように、ごみがここ年々急激に増大をしておるということでございます。厚生省といたしましては、従来からこの出てきたごみをいかに速やかに集めて焼いてそれから埋めるかというようなことに主力を置いたわけでございますが、それがふえてくるということでなかなかやり切れない面がございます。そういうことからいきますと、やはり生活の利便性ということとの引きかえではございますが、少しは節度ある社会ということも求めていかなければならぬのじゃないか、かように考えて、今検討しておる段階でございます。
○倉説明員 先生御指摘のように、廃棄物の問題は大変重要なわけでございますが、容器等について規制を行うとかそういうことにつきましては、容器の特性によっていろいろとございまして、例えばプラスチック等については、軽量であるとかあるいは衛生的であるとか、あるいは昨今のように人手不足とか置き場所が足りないというときにはやはりプラスチックの方が小売店の方は好むとか、そういうような小売店とか消費者方の希望もございまして、私ども今のところ直接規制をしようというところまでは思ってはおりません。 なお、デポジットにつきましても、私どもの方でも先ほどの自治体といろいろ実験等をやってみたわけなのですが、置き場所であるとか、あるいは置いておいた場合に大変不衛生であるとか、あるいは回収の手間等が非常に難しいというようなことがこれまでの自治体との実験ではわかっておるところでございます。 ただ、廃棄物問題は大変重要であるということから、そういうことにかかわらずこれからも通産省としては再資源化に一層努力をしていきたいというふうに思っています。
○石橋説明員 この問題につきましては、自治省は厚生省さんあるいは環境庁さん等の省庁と若干立場を異にするわけでございます。立場を異にすると申しますのは、直接この規制という権限を自治省が持っておるわけではないという意味で立場が違うわけでございまして、自治省としては、先ほど申し上げましたように地方自治体に関係深い行政でございますので、この協議会に参加することによって協議会でのこの問題についての検討の成果を踏まえて、地方自治体に啓発の面等で関係省庁と連携をとりながら協力していく、そういうことで、御指摘のような問題について前進が見られた場合には自治省としても積極的に地方公共団体に対応してまいりたい、そういうふうに思っております。
○小川(国)分科員 各省庁ごとにいろいろ取り組みをいただいているし、それからまた政府機関の外郭団体みたいなものもありまして、空き缶から空き瓶からそういう散乱性容器というものを回収する努力はされている。それを一生懸命、観光地でも一般の国道やあるいは農村地域でも、ごみを捨てないようにしましょう、環境をきれいにしましょう、美しくしましょう、富士山きれいにしましょう、いろいろなことをやっていますね。それで、また業界ごとに新聞広告出して、空き缶を回収しましょう、スチール缶を回収しましょう、アルミ缶を回収しましょう、それから瓶も回収しましょうとやっているのですが、もうそれではどうにも手に負えない。それから、例えば通産省では空き缶処理対策協会が通産省の外郭というか認可した団体としてある、あるいはオール・アルミニウム缶回収協会がある。あるいは、社団法人の日本観光協会がある、社団法人のプラスチック処理促進協会がある、財団法人のクリーン・ジャパン・センターがある、財団法人の日本環境協会エコマーク事務局がある、あるいは食品容器環境美化協議会が農水省の所管である。各省庁いろいろな外郭団体をつくってやっているのですが、私は、そういうものをもっと一本化して、そしてやはりリサイクルする、回収するところを一カ所に、市町村単位でもいいし、幾つかの市町村が集まってもいいから各県、各自治体ごとにつくってもいいし、また何カ所つくってもいいし、そういうものを回収するリサイクル装置を自治体やそれから業界団体や消費者団体がみんな一緒になってつくって、そして回収していくシステムをもうつくっていかないとならないんじゃないかという感じがするのですよ。 環境庁さんが空き缶問題連絡協議会というのをつくっていらっしゃるのですが、これは空き缶でつくられたのでしょうけれども、つくった五十六年には九回会合をやっているのですが、それ以降は毎年二回ぐらいになってしまって、もう六十二年以降は年一回になってしまっているんですね。環境庁から厚生省から十一省庁の連絡協議会ができているんですよ。やはりこういうところを活用して、今各省庁が持っている意見をもっとまとめて国として一元化して、そしてあらゆる製品をできるだけ回収する、再資源として利用する、こういうことをやはり環境庁さんあたりが音頭取りになって、空き缶で一つ持っているんですから空き瓶も入れる、それからその他の散乱性容器も入れる、ワンウエー容器も入れる、こういうものを入れて、そういうところからやはり資源を大切に保存していく、またそれが地球環境を守っていくことに通ずると思うのですが、大臣、ひとつ今私の指摘した点から、まとめの御意見を聞かせていただきたいと思います。
○北川国務大臣 小川委員から非常に適切といいますか、情熱を込めて廃棄物とそれから環境の両立を、廃棄物回収、リサイクル、それを環境庁でまとめてどうだ、こういうことを御指摘受けました。各省庁間の連絡機構の開催がだんだん減っているということも御指摘を受けますと、これはいかぬなという思いをいたしますので、この点について、よく環境庁の中の担当者とも話し合って、前向きでこれを検討するようにいたしたい、こう思っております。
○小川(国)分科員 終わります。
○内海主査 これにて小川国彦君の質疑は終了いたしました。 次に、馬場昇君。
○馬場分科員 私は、メチル水銀の環境基準についてお伺いいたしたいと思います。 大臣も御承知と思いますが、我が国のメチル水銀の環境基準は、昭和五十一年WHOが示した環境基準、それをそのまま踏襲いたしまして五〇ppmになっているわけでございます。ところが、それは十年前ですから、だんだん各国の研究で五〇ppm毛髪水銀量、それ以下で神経症状を起こした例があるという研究成果が出ましたものですから、WHOとUNEPとILO、それでIPCSという国際化学物質安全計画が、これはやはり改定しなければいかぬ、もう少し五〇ppm以下で厳しくしなければいかぬ、そういうような方向で実は一昨年、一九八八年五月に厳しくする方向でIPCSの第一次草案というのを各国に送ったわけでございます。 これが第一次草案の原文でございますけれども、これを送ったわけでございます。これを我が国の環境庁が見まして、厳しくするのは困るのではないかというような方向で研究をやるんじゃないか、対応をとるんではないかということが伝わりましたものですから、私は、今衆議院の副議長をしております村山さんと一緒に、当時の青木環境庁長官に党を代表して話し合いに行ったのです。ところが青木さんは、こういうぐあいに、私に答えました。IPCSの結論が出たら、今は五〇ppmですけれども、それが一〇ppmであろうと二〇ppmであろうと、それに従う、それが環境庁の使命である、こういうことを言明されたわけでございまして、そのことは当時の新聞に大きく載っているわけでございます。 そういう話がされたわけでございますが、北川長官は、この青木長官の言明を踏襲されて環境行政をやられますか。
○北川国務大臣 ただいま馬場委員から、前青木長官の新しいクライテリアが出た場合それに従う、新しい北川はどうだ、こういう御指摘でございますが、青木長官のおっしゃったことには私はやはり重要な要素がある、環境庁として。私は、青木長官のおっしゃったことに、よくみずからも検討しながら、やはりそこに基準が出てまいりましたら検討したい、こう思っております。
○馬場分科員 その基準が四月十日、十一日に日本国政府に来たわけですね。これはもう第一次草案が出てから一年以上各国の専門家が集まって検討して、そして最終結果が四月の十日ごろ日本国政府に来たわけでございます。これは長官も御承知のとおりでございますが、これが来たときに長官が記者会見でおっしゃっていますね。この新しい、新クライテリアというようなIPCSの報告書が来た、それを受けて環境庁長官はどう考えるのだという記者さんの質問に対して、新聞で見たのですけれども、環境庁の役目は生きとし生ける者の環境をよくすることであり、新しいことが出てくれば対応しなければならない、こういうことを新聞報道で読んだのですけれども、その気持ちですか。
○北川国務大臣 ただいま馬場委員の御指摘のとおり、その気持ちには変わりありません。
○馬場分科員 そこで、これが新クライテリアというIPCSから出ました表紙を見てみますと、メチル水銀の環境保健基準という形で、これが日本政府に、環境庁にも来ているわけでございまして、私も手に入れているわけでございますけれども、これを読んでみますと、結論という項がこれにあるのですよ。この報告の結論というのがありまして、そこにこう書いてございます。魚を多食する人は、低い危険率で、毛髪水銀量の五〇ppm以下の危険率で神経障害が出る可能性があると書いてある。そしてそこにイラクの研究例を挙げてあります。これは、イラクは集団有機水銀中毒事件が起こったわけでございますが、それで胎児、胎内で汚染された八十四組の、母の毛髪水銀、子供の神経障害、これを四年から五年追跡調査しているのですよね。そのイラクの例ですけれども、母親の毛髪水銀値が最大で一〇ppmないし二〇ppmで、幼児には五%の神経障害が出る可能性があるという研究成果が実は出ておるわけでございます。 日本は、いわゆる妊婦の毛髪水銀も五〇ppmですよ、今。それがイラクでは一〇ないし二〇ppmで神経障害が胎児に起こる、そういうことが公式専門家の結論として出ているわけでございますけれども、この評価報告に対して環境庁はどうお考えですか。
○三橋政府委員 先般私どもの手に届きましたIPCSのクライテリアでございますけれども、先生御指摘のように新しい、一九七六年以来の再検討のクライテリアがこのたび出たわけでございまして、ちょうど四月に入りまして私どもも手に入れたわけでございます。 今鋭意中身を勉強中でございますけれども、一般的にいいましてIPCSのクライテリアと申しますのは、今回のもそうでございますが、具体的に環境の基準を数値として定めるといったようなものではなくて、その時点その時点における最新の科学的なデータといったものを収集整理、評価をして取りまとめた報告書的なものというふうに認識をいたしておりますけれども、しかし、その一番新しい科学知見が収集され、国際的な専門家が取りまとめたものでございますから、私どもとしては十分この中身を検討させていただきまして対処をいたしたいと考えております。しかしながら、この報告書が大変膨大なものでございまして、しかも内容の検討に際しましては、その報告書の中で引用されております文献にさかのぼって調べる必要もございましたり、それからこのクライテリアの中で使われております専門用語の使い方につきましても、このIPCS独特の厳密さと申しますか、そういったような使い方がされておりますので、その辺も十分検討しながら勉強をさせていただきたいと思っております。
○馬場分科員 ちょっとIPCSのクライテリアをえらい軽く見たような答弁ですけれども、現在の毛髪水銀値の五〇ppmというのは、WHOの専門家会議がこのようにして出したものをそのまま日本はとって五〇ppmを毛髪水銀値の基準にしているわけですね。今度のこれも同じですよ。だからそのような取り扱い方をしてもらわなければ困る。今まだ研究中みたいですけれども、こういう例が一番最近あるわけですから、だから五〇ppmを例えば妊婦については一〇とか二〇とかに下げる、こういうことを当然研究しなければならぬ、こういう問題だと思うのです。 そこでもう一つ、人体への影響というところで、こういうことが書いてある。メチル水銀の人への影響は、成人と胎児あるいは生後間もない幼児、こういうのは影響が違うと書いてある。ところが日本の場合、今すべて胎児だろうが幼児だろうが成人だろうが毛髪水銀値五〇ppmを基準にして考えておるわけでございますから、当然成人とかあるいは胎児とか幼児、こういうふうな区別をしろというぐあいに書いてある。これを区別する気がありますか。
○三橋政府委員 成人と胎児に対する有機水銀の影響というものにつきましては、前回の一九七六年のクライテリアにおきましても胎児の方に対する感受性が高いという指摘はなされておったところでございますし、また今回のクライテリアにおきましても引き続き、この胎児に対する影響というのは重要であるから詳細な研究が今後必要であるという指摘がなされていると理解をいたしております。 そこで、このような指摘がクライテリアの中でなされておりますので、私どもといたしましては、今までも国立水俣病研究センターの方で胎児に対する影響等の研究を実験動物等によりまして進めておりますけれども、このような研究センターまたはそのほかの専門家の研究班もございますので、このような水俣病の研究の中で今回のIPCSの指摘を十分踏まえました研究体制を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○馬場分科員 これは長官に聞きますけれども、今言われたようにこの前のWHOの専門家会議でも指摘してあるのです。それを我々も大分指摘しましたところが、胎児への影響についてはさらに研究の必要があるとして、研究するということで数値を出してないのです、この前の昭和五十一年五〇ppmをつくったときも。それから十何年そのままなのです。今また水俣病研究センターでやると言っていますけれども、これは被害を受ける人間として、長官、大人と胎児が違うというのは当たり前でしょう、どう思いますか。
○北川国務大臣 馬場委員の御指摘のとおり、胎児それから幼児、大人、これは全く違うと思います。それは全く同感であります。それは一つの野菜を見ましても、芽生えてきたときと大きくなったときでは抵抗力が違うものでございますから、その点御指摘のとおり違うと思いますので、ただいま庁の方からも答えましたように鋭意この点についての研究をなお進めなければならない、こういう気持ちであります。
○馬場分科員 次に、今の胎児の問題ですけれども、この新環境基準とも言われるべきものの中にもこう書いてございます。新たに研究しなければならない最も重要な点は、いわゆる胎内暴露に関するどれだけの量でどういう反応が出るか、これが一番研究しなければならぬ問題だ、こういうことについてやはり国際的な疫学調査をすべきだ、臨床的にもこれだけの母親の毛髪水銀値があればどれだけの胎児に対する神経障害の影響がある、こういうものをきちんと客観的に検査する方法を確立する研究をしなければならぬ、こういうぐあいに言われておるわけでございます。こういうことをやられますか。
○三橋政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、IPCSの今回の勧告の中に胎児に対する影響を詳細に検討すべきである、研究すべきである、いわゆる低レベルの胎児への影響について、その可能性を十分詳細に研究すべきだというその必要性を指摘されているところでございますので、我が国におきましてもこの胎児への影響については、先ほども申し上げましたように水俣病研究センター等を中心にして鋭意その解明のための研究が必要だと考えておりますし、そのように努力をしたいと考えております。
○馬場分科員 研究研究と言っている。さっきも、胎児は十年以上も研究結果が出ていないわけです。だんだんそういう低位毛髪水銀量でもって神経症状なんかの被害者が出てくる、こういう状況もあると思います。 そこで研究はぜひやってもらいたいわけですけれども、当面、この文章を読んだ後住民が、特に水俣病多発地区の住民が一番ぴんときましたのはやはり恐ろしい、大変だということで、少なくとも水俣病多発地域の出産をする可能性のある女性の毛髪水銀だけは今はかろうと思えばはかれるわけですから、少なくともその女性の毛髪中の水銀量を定期的にはかってくれ、そして研究するときは、はからなければ何も実際行われないのですから、それをはかってくれという要望が非常に強いのです。これは当然はかって、例えば心配のないようにとかあるいはこれは大変だから食事の指導をするとか、魚を余計食べないようにするとか、いろいろ指導も必要と思いますが、少なくとも妊娠可能性のある女性の毛髪水銀量をはかろうと思えば簡単にはかれるわけですから、それを水俣病多発地域でやるべきだと私は思いますが、どうですか。
○三橋政府委員 このたびのIPCSの報告、勧告の中で出産年齢の女性の毛髪水銀値の問題が指摘されていると思いますけれども、この指摘の中では、例えばある時点で水銀汚染が高濃度に起こったといったような事件と申しますか事故と申しますか、そういう発生がございましたときには、特にその胎児への影響を考慮して、できるだけ妊娠をしている女性がメチル水銀を取り込まないような配慮をすべきだろうという指摘がされていると理解をいたしております。 先生御指摘の、特に水俣地区の出産年齢の女性の毛髪水銀値をどうするかということにつきましては、実は現在、鹿児島県の出水市の周辺の一般住民のも髪につきましては毎年測定が行われております。したがいまして、このように既に出水の方では調査が行われておりますのでこのデータも参考としながら、それからIPCSに参画されました日本の専門家の御意見も十分お聞きいたしまして、どのようにするか検討をさせていただきたいと思っております。 〔主査退席、戸田主査代理着席〕
○馬場分科員 大臣、実は昭和三十五年ごろ熊本県で水俣病が多発したときに、毛髪水銀の調査はやっているのですよ。それはそのまま余り使われていない。そして、さっきも言ったイラクなんかはそれを五年間も追跡調査をやっているわけですよね、母親の毛髪水銀値と胎児の神経障害。ところが水俣については、三十五年ごろそれをやっているわけですけれども、その資料も私はあると思うのですが、そういうことで、何もその後追跡調査なんかやっていないからああいう被害も大きくなるわけです。少なくとも出水では今確かにやっている。少なくとも多発地域全体で妊婦に関する限りまずそれをやっておる。さっき言ったような基本的な研究はなるべく早くやるというようなことと、毛髪水銀値は妊婦の心配なところは全部やるということでぜひ決断をしてもらいたいと思いますが、大臣、どうですか。
○北川国務大臣 ただいま御質問の趣旨を体しまして、その研究者、またこれに従事している人の意見も聞かなければいけない、そして今多発地区の妊婦の毛をクライテリアの何%になるか、それだけのことをやるべきじゃないかという御指摘がございますので、この点についてよくこれから、私も長官になってまだ二カ月足らずでございますけれども、御意思を体して皆さんから意見を聞いてみたい、こういう思いをしております。
○馬場分科員 北川さんは三木先生の御薫陶を受けられた人だと私は思います。案は私が初当選してきました昭和四十七年ころ、三木先生が副総理兼環境庁長官でございました。三木先生に対して一番地域住民と患者が願っていることは、地域住民は死の海と化した海をきれいにしてくれということ、それから患者は補償金とかなんとかが主たる目的じゃない、もとの体に治してくれというのが患者の願いだ。そこでそのことを三木先生と何回もやりました。そしてついに三木先生と一緒に水俣に行きました。そしてそこで三木先生は、この海をきれいにします、水俣湾のヘドロは除去します、この約束と、治る研究をいたします、水俣病研究センターをつくるとその場所でおっしゃっているわけです。その中の一つのヘドロ処理の問題が、その三木先生の決断でもって昭和四十九年からヘドロ処理工事が始まりまして、四百五十億円の費用がかかりました。 ことしの三月環境庁は、熊本県は終わった、こういうぐあいに言っておるわけでございますけれども、あと二五ppm以下のヘドロはいっぱいあるわけですよ、二五以上のところを処理したのですから。ところが、徳山湾で水銀騒動がありまして、私も行きましたが、あそこは一〇ppm以上は全部処理したのです。熊本は二五ですよ、あそこは一〇ですよ、これだけ差があります。そしてまだ海はきれいになっていない。二五ppmもある。 この間熊本県が、工事が終わったというので昨年夏と冬に二回水俣湾の魚をとりまして水銀値の検査をしたのです。そうしたら、二百種検査をしたところが、規制値を超える魚が十六種まだおったのです。魚の体内に水銀の規制値を超える魚が十六種類おった。これは全重量の一五%ございます。だから、まだ危険な規制値を超える魚が十六種類も泳いでおるわけです。ところが熊本県は、あそこの漁場を開放する、漁獲禁止していたのをやめる、こういうことを言って今大騒動になっております。もちろん、漁協も反対です。全住民も反対です。裁判も起こっております。また鮮魚商はそんな魚は買わぬと言っております。そして、絶対にこういう危ないところの漁獲の禁止を解除すべきじゃないということを言って今大問題になっているのですが、これは環境庁長官としてはどうですか。こういう漁獲禁止について解除すべきじゃない、そういう危ないのは食卓に上らせるべきじゃないということについてはいかがですか。
○安橋政府委員 先生御指摘のとおり、水俣湾におきましては基準を超えるような水銀を含みました魚が一部生息しておるということは私ども承知しておるわけでございます。このような状況で水俣湾を漁場としてどのように考えていくかということを含めまして、熊本県では水俣湾の魚介類対策委員会を設けられまして検討をしていらっしゃるわけでございます。この委員会には学識経験者、地元関係者が参加していただいておりまして慎重な検討が行われていると聞いておりますので、私どもといたしましては、この学識経験者、地元関係者を含めた委員会での検討結果を見守りたいと考えておるわけでございます。
○馬場分科員 何でも研究したい、見守りたいとかなんとかであなた方は、環境庁というのは本当に人間の健康を守る、自然を守るというのが環境庁を設置した目的なんですね。守るという気は全然ないじゃないですか。特にこの新クライテリアでも、例えば妊婦なんか、特に長期暴露の可能性を減らすためにはppmも国際基準を下げろということとともに食事指導なんかもしろと書いてある。例えば食事というのは、危険な魚を食べないというのが一番の食事指導でしょう。ところが、これは今危険値のある魚がおるわけですから、漁場を開放したら大変なことになるのですから、このIPCSの新環境基準でもそういうことはするなと言っておるのですから、環境庁がその研究会にでも、環境庁の意見としてはこういう新クライテリアも出たのだから慎重にして漁場を開放しないようにと指導する意思はありませんか。これは長官の政治決断ですよ。
○北川国務大臣 ただいまの御指摘につきましては、特に三木元環境庁長官を非常に尊敬していただきまして、その決断によっていろいろの日本の公害、また環境がよくなった点も現実の形。例えば自動車にしてもいろいろ出ております。こういう点を考えますときに、まだ就任浅うございますが、各省庁の意見も聞きながら前向きで検討してまいりたいと思っております。
○馬場分科員 余り時間がありませんけれども、もう一つ環境庁の姿勢として、水俣病は、ちょうどチッソがアセトアルデヒドの製造をやめたのが昭和四十三年です。四十三年以降は水俣病は発症していないという考え方をとっておられるようでございます。その証拠には、国とか県が今特別医療事業をやっているのですけれども、昭和四十三年以降の人にはこの特別医療事業は発症しないのだという考え方のもとで適用していないのです。こういうことから考えますと、昭和四十三年以降は発症していないという考え方を持っている。ところが、環境庁がお金を出した昭和六十二年度環境庁公害防止等調査研究委託費による報告書が日本公衆衛生協会から発表され、この中で、熊大の元講師で現在国立予防衛生研究所に勤めておられ、そこの室長である衛藤光明さんが、昭和四十八年に猫を解剖して、水俣病であるという診断をなさった論文が全部これに載っております。これは環境庁が出した、研究委託したものです。四十八年に猫が水俣病で発症した、こういうことが載っているわけでございまして、衛藤さんは何と言っておられるかというと、「本例は明らかに有機水銀に罹患したネコ」と診断、「四十四年以降も汚染が続いていると推測できる」、こう書いて、最後に、これは四十八年の猫発症ですから「昭和四十八年時点まで水銀汚染のある魚介類が存在しており、それを多食したネコが自然発症したという歴史的証拠になると考える」、こういう研究論文を環境庁に出しておられるわけです。 もう時間がありませんけれども、そういう点で一言、四十三年以降もこの新クライテリアによりますと当然発症しておると言えるわけでありますから、発症しておるということを認めますか。
○三橋政府委員 四十三年を境にして水俣病の発生はあるのかないのかという点でございますけれども、確かに、四十三年という年を区切っていろいろ施策上の判断をいたしましたのも、四十一年にチッソが循環方式の排水設備を整えまして四十一年の中ごろからは海の方へはメチル水銀が流れ出なくなったという事実と、四十三年になりますとチッソはメチル水銀を排出いたしますアセトアルデヒドの製造を完全に中止をいたしております。(馬場分科員「結論だけでいいですから」と呼ぶ)そういう意味で、四十三年を境にいたしまして地域の方の毛髪水銀の量がある程度下がってきたとか、あるいは水俣湾でとれるアサリの調査によりますと格段にメチル水銀の量が下がっているとか、そういう事実がありましたので四十三年ということでございますけれども、一つの目安ということでございますけれども、当然ながら、前から住んでいらっしゃった方で四十三年以降にも認定をされた患者さんは存在いたします。
○馬場分科員 時間が来ましたので、これは長官に申し上げておきたいと思うのですけれども、水俣病に対する今の魚介類の安全基準だとか水俣湾のヘドロの除去基準とか、胎児性水俣病の判断基準も、全部WHOの毛髪水銀値の五〇ppmの環境基準から出てきておるわけです。ところが、この五〇ppmは危ない、こういう指摘があるわけですから、これは全部見直さなければならない、私はこういうことだと思うわけでございます。ところが、現在見ていますと、環境庁も熊本県も、ヘドロ処理は終わった、認定審査も大体切り捨ててしまってもうほとんど少なくなってきた、一九九二年に国際的なイベントを水俣の埋立地でやろう。しかし、昭和三十四年に水俣病の終結宣言というのを一回出したことがあるのです。これは、見舞い金協定をやった、漁業補償をやった、だからもう終結したという宣言を出したら、今度の状況でしょう。また九二年の国際イベント前とか中にも、もう水俣病の終結宣言を出そうと国や県は思っているのではないか、私はこう思うのですが、そうではなしに、今言ったように、基準から見直して一からやり直さなければならぬ、こういう状況になっておるわけです。 だから問題は、いろいろ見直せとか研究せいと言いましたけれども、一番大切なのは環境庁の水俣病行政を再検討しなければいかぬ、今の時期ではそこが一番大切ですよ。絶対に切り捨てる方向ではなくして、本当に再検討してまた一からやり直すという決意はありますか、それを聞いて質問を終わります。
○北川国務大臣 今回の新しいクライテリアをお示しになりまして水俣病のことをおっしゃっていただきましたので、これは新しい一つの知見だと思っておりますから、こういう点を踏まえまして水俣病対策に万全を期してまいりたい、こういう思いをしております。
○馬場分科員 終わります。
○戸田主査代理 これにて馬場昇君の質疑は終了いたしました。 次に、小松定男君。
○小松分科員 日本社会党・護憲共同の小松定男です。 まず、今大きな問題になっております地球全体としての環境破壊に対する問題を大臣にお伺いしたいと思います。 今、地球温暖化や熱帯雨林破壊などで、人類だけではなくて地球全体の生物を含めて生存権が危機にさらされているわけですが、我が国も環境破壊については大変責任もあるわけです。この地球の問題については先日ある主婦が投書しておりました。自然破壊から地球を守れ、地球は今の大人たちのものでもない、未来の子供たちの貴重な財産だということが投書にありましたが、まさにそのとおりだと思います。こうした地球規模での深刻化している環境破壊に対して、まず、大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○北川国務大臣 ただいま小松委員の御指摘になりました地球環境問題は、人類の生存基盤にかかわる重大な問題でございます。高度な経済活動を営み、そのために地球環境に大きな公害をもたらすことは許されるものではないと思っております。そういう点につきまして、今後は我が国としては、すぐれた技術力を持ちながら、国際的な中でその役割も果たしていきたい、こういう思いをいたしておる次第でございます。
○小松分科員 そういう大臣のお答えですけれども、ただ私が見るところ、残念ながらまだまだ我が国の場合、環境問題に対しての取り組みといいますか、非常に積極性におきましては何か欠けているような点もあると思っております。 そこで、例えば四月二十二日、十年ごとに、ことし三回目になりますが、アースデーの世界的な取り組み、これは一億人の人たちが世界各地でいろいろなイベントなどを持って全世界の人たちに訴えた。我が国でも約二百カ所ぐらいそうしたことが行われたのですが、こうしたことに対して、もっと政府並びに環境庁は積極的にそうした国民的な運動として盛り上げる、そういう啓蒙活動を含めてやらなければいけないと思うのですが、その点についていかがですか。
○北川国務大臣 ただいま御指摘の、これは二十二日でしたか、アメリカでなにしまして、アースデー、これは地球環境保全のためには地球的視野に立ちまして、皆さんが、生きとし生けるみんなが行動してもらわなくちゃいけない、ただ学者が何かすることではだめだという点で、企業も国民も挙げて地球環境保全へ努力をしていく、そういう点で意義のあるものだと考えております。 ただ、我が国といたしましては、六月五日が地球環境の日といたしまして、この日を環境をよくするための啓発のために一週間の日時を置きまして国民の前に大きくこれを御理解を願うところの運動を展開していきたいと環境庁では思っております。
○高橋(光)政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げましたが、先生御承知かと思いますが、この国連の環境デーと申しますのは、一九七二年に国連の人間環境会議がございましたときに日本国政府の提案によりまして国連が定めた日でございまして、それ以来、日本政府、地方公共団体を初めといたしまして鋭意この六月五日を含む一週間を環境週間といたしましていろいろな啓発活動をいたしてまいっておるわけでございます。先生、今御指摘でもございますので、ことしにつきましても、六月五日につきましては従来にも増して啓発活動に努めてまいりたいというふうに考えております。
○小松分科員 そこで大臣にお伺いしますが、実は今回のこのアメリカにおけるワシントンの地球環境の会議の中で、ブッシュ大統領が、やはり環境も大事だが経済も非常に大事だというような意味の、正確な答えは別にしてもいわゆる経済優先的な発言があったということで非常にヨーロッパ各国は憤慨したというようなことで、これについて何かヨーロッパ諸国は、環境問題はもちろん真剣に考えているので、ああしたブッシュ大統領の発言に対しては非常に不満を持って憤りを感じているということが報道されておりました。 そこで日本の場合、それはヨーロッパのような方向でいくのか、いやアメリカが言うような方向でいくのか、大臣、この点、どういうふうに考えていますか。
○北川国務大臣 ただいま小松委員からホワイトハウスにおけるところの会議の内容についても御指摘がありました。 私ども、ECとともに共同議長を務めまして、いろいろの意見も述べてまいりました。特に、ECといいますか今の欧州関係の方たちは、昨年のノルドベイクの会議がありますし、即実行ではないかということを言ったのもそのとおりであります。最初のブッシュ大統領の演説が、やはり経済というものを重視しなくちゃいけない、こういう演説でございました。その後、欧州諸国の強い御意見もあり、また我が国としても、私どももまた一日もおろそかにすることはできない、悔いを千載に残してはいけない、こういう演説をいたしました。 その反響が出てまいりまして、アメリカは、地球の不確実性のある問題だから研究所を設けたらどうか、こういう御意見もありました。我が国は国際パネル間でやはり新しいニーズに対処しなくちゃいかぬのじゃないかという意見も出しておりましたので、その間の、十七日の各国のいろいろな意見を踏まえまして、最終の十八日の閉会のときのブッシュ大統領のごあいさつは、研究に加わるだけではいけない、実行をしなくちゃいけない、こういうふうに変わってまいりました。ですから、最終的には各国がこの協議、各国の意見を踏まえた中で地球環境をより早くよくしなくちゃいけないという点では一致点を見出して大きな成果があった、このように考えております。
○小松分科員 そこで、今地球温暖化の問題など防止策をどのようにするかということでいろいろ問題になっているのです。五〇%から八〇%炭酸ガスの総量を減らしていかなければ、今の温暖化あるいは地球規模での問題がさらに一層拡大されてくるだろう。要するに、それをやるには相当な企業——世界もそうですけれども、日本の場合、特に環境問題では、経済の発展はこれはいいんですけれども、それに基づいて全体的にも相当に破壊をされておりますので、責任があるかと思うのです。 そこで、こういう炭酸ガスの総量を減らしていくということになると、当然企業はいろいろな意味で、先ほどの経済性を優先してまいりますと問題が出てまいります。そういったときに、環境庁の立場としては、今はもうそういう時代ですから、企業にも十分な啓蒙活動というか指導をやって、そして日本も、全世界の中での経済優先という頭を、地球を守る、環境を守るということに重点を置かれてもいいのじゃないかということを含めて、ひとつこの点はどういうふうに……。
○安原政府委員 先生ただいま御指摘のCO2につきましての点でございますが、六〇%ないし八〇%の排出削減が必要になるという点でございますが、これはまさに今、IPCC、政府間パネルで科学的な知見を踏まえまして検討しているところでございます。大気中の炭酸ガスの濃度をふやさないようにするためには、現在排出しているレベルよりも六〇ないし八〇%程度削減することが必要であるという方向で今議論がされておることはそのとおりかと存じます。 御承知のとおり、それでは具体的な温暖化対策をどうするのかという点につきましては、先ほど大臣が言及されましたように、昨年の十一月にノルドベイクで環境大臣会合がございまして議論がされたわけでございます。そこでの合意は、温暖化対策に対応していくために、当面、先進国としましてはCO2等の温室効果ガスの排出を安定化していくということで合意しようということになったわけでございまして、ただ、合意をしました安定化につきまして、どのレベルで安定化させるのか、いつから安定化させるのかということにつきましては十分な検討が必要であるということで今せっかくIPCCが検討しておりますので、IPCCの方で検討してもらおうということになっておりまして、今その検討がIPCCで行われておるという状況でございます。そこで、私どもとしましても、そのIPCCの検討作業を全面的にサポートしていく必要があるということで協力を行っておるところでございます。 そこで、我が国の国内対応の問題でございますが、御指摘のとおり、我が国は高度の経済活動を営んでおりまして、地球環境とのかかわりが非常に大きいわけでございます。そこで、先生おっしゃるとおり、個人の生活あるいは企業の社会経済活動そのものが地球環境と大きなかかわり合いを持っておるわけでございますので、温暖化対策の必要性につきまして広く国民の方に御理解をいただいて、その対応を一人一人が心がけていただくということが大切かと考えております。その点につきましては、閣僚会議でも申し合わせをしまして、普及啓発を大いにやるということで現にその活動を活発化しておりまして、先般三月末の閣僚会議のもとの幹事会の方でも、政府として率先して各省庁力を合わせてその普及啓発活動をやっていこうと言っておるわけでございます。 それから、先ほど大臣が申されましたように、そうしますと経済との関係はどうなるのか。アメリカはかなり経済面の重視をしておる考え方をとっておるわけでございますが、私どもも経済との関係につきましては十分よく考えていかなければならないと考えております。これまでの過去の経験に徴しまして、あるいは今後の問題といたしましても、特に省エネルギー、省資源というものをもう一回徹底して進める。それから、CO2の少ないエネルギー源あるいは出さないエネルギー源にできるだけ転換をしていく。エネルギー源の転換でございます。それと技術開発を総合的に計画的に進めていく。そしてそれを普及し、途上国にも移転していく。そういう努力をしていけば、これは経済に悪い影響が及ばないわけでございまして、経済成長も維持しながらCO2の排出を抑制していけるということで、環境対策と経済成長というのが両立していけるのではないかと考えておりまして、そのための具体的な方策につきましては、今政府部内で鋭意検討しているところでございます。
○小松分科員 ひとつ前向きで取り組んでもらいたいと思うのです。 そこで、バルディーズと言うのですか、要するに、アラスカ沖でタンカーが石油を流しまして、アメリカでこれが問題になりまして、実は環境を守る団体が十の原則、企業に対する責任、それがバルディーズの原則ということで言われておりますが、時間がありませんので逐一申しませんが、この中で幾つか非常に特徴的なことがございます。 これは石油をアラスカ沖でタンカーがやったのですけれども、企業に十分責任を持たさなければいけないということから、これから発生して、例えば企業の中に環境問題を専門にする取締役を必ず一人置かなければいけないというそういう法律を、商法と言うのですか法律と言うのですか、つくろうということでやられております。 それから、企業が株主総会に報告を出すときには、もう一面からその一年間通しての環境がどうであったかを、先ほど水俣のチッソの問題が出ましたが、やはり企業もそのくらいの責任を持ってもいいんじゃないかということで、ぜひこのバルディーズの十の原則というのは、アメリカも大変そういった点では、これはまあアメリカ政府がやるのではなくて、市民運動がそういうふうに高まっていく中で持たせていくのですが、この十の原則の中には細かくいえばまだ幾つかあります。だから、そういう点について環境庁として、いいと思うので、この点、ひとつどういうふうに考えているか伺いたいと思います。
○安原政府委員 先生御指摘のバルディーズの原則というのは環境庁といたしましても承知しておりまして、関心を持っておるところでございます。その中で、特に先生が、環境問題の専門管理者を置くとかあるいはその評価をきちっとして年次報告をするとかということが重要ではないかという御指摘でございます。 私どもも、その点につきましては同じような考え方を持っておるわけでございますが、我が国の状況をちょっと御紹介いたしますと、まず最初の専門家の点でございますが、公害規制の対象となります特定工場につきましては公害防止統括者とかあるいは公害防止管理者の選任をすることが義務づけをされておるということでございます。これは特定工場における公害防止組織の整備に関する法律というのがございまして、若干レベルの問題はあろうかと思いますが似たような制度があるということでございます。 それから、公害等に関する環境の状況をできるだけ明らかにしていくという点でございますが、これにつきましても、地方公共団体ベースでございますが、地域の環境モニタリングの結果をある程度把握しまして公表しておるケースがございますし、それから地域の企業と地方公共団体が公害防止協定を締結いたしまして、その協定に則しまして各企業の情報を把握するとか、そういうふうな事柄で努力をしているという状況もございます。 いずれにしましても、先生せっかくの御指摘でございますので、バルディーズの原則も一つの重要な参考としまして、私ども、企業活動における環境配慮は大変重要であると考えておりますので、関係方面にわかりやすい形で協力を求めていくように引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
○小松分科員 まだ森林の問題とかゴルフ場の問題とかいろいろとあるものですから、先へ進めていきたいと思います。 ゴルフ場の問題に移りたいと思います。 最近このゴルフ場をめぐって、農業問題を含めていろいろと問題化しておりますが、そこで、まずこのゴルフ場が自然破壊あるいは水源への影響、そしてまた森林も大きく自然が破壊をされる、そういうことでございますが、この開発に対して大臣、環境面からどういうふうに認識しているか、ひとつその点、伺いたいと思います。
○北川国務大臣 ただいまの小松委員のゴルフ場に対する御指摘でございますが、これはゴルフ場を建設しますとやはり大自然が改変をいたしますし、また農薬による水質汚染というものも心配されておるところでございますから、これは環境が悪影響を来さないように十分配慮しなくてはいけない、そんな思いをいたしておりますし、また緑の保全あるいは農薬による環境汚染、そういうようなものをある面は守り、ある面は防止するという点から、関係各諸庁と連絡をとって対処してまいりたいと思っております。 特に環境庁では、昭和四十九年以降は良好な自然環境の保全という観点に立ちまして、国立・国定公園の特別地域でのゴルフ場の建設は認めておりません。また、現在、国立・国定公園の普通地域においても規制の強化を図っていきたい、このことを検討いたしておる次第でございます。 なお、地方公共団体におきましては、環境保全の観点からゴルフ場につきましては森林の保存率を定める等いろいろの措置がとられておりまして、こうした措置についても環境庁として必要に応じまして適切な指導をいたさなくてはいけない、このように思っております。
○小松分科員 農水省の考え方は、これは森林やそうしたことが、ゴルフ場というのは平地だけじゃないですから、どんどん山を崩してまいりますので、農水省の立場からこのゴルフ場開発の問題についてどういう認識を持っているのか、ちょっとお願いします。
○甕政府委員 お尋ねの、ゴルフ場等が森林を開発いたしまして自然環境に与える影響が心配されるのではないか、どういう考え方を持っておるかということでございますけれども、私ども林野行政の立場からとりましても、最近森林に対する要請が多様化と申しますか高度化しております中で、森林の国土保全でございますとか水資源の涵養でございますとか、生活環境面に対する役割でございますとか、これはきちんと確保していかなければならないというのが基本的な立場でございまして、そのために森林の保全を図りながら適正な利用を進めるといった見地から、森林法に基づきます保安林制度あるいは林地開発許可制度の運用を図っておるところでございます。 保安林につきましては、その指定の公益的な目的がございますので、できる限り転用を回避する、また、やむを得ず解除をする場合におきましては、解除面積を最小限にする。また、一定の森林面積を確保いたしますとか、貯水池あるいは堰堤等の代替施設をきちんとつくる、こういったことによりまして保安林の指定目的の達成に支障を及ぼさないようにということで慎重に措置しておるところでございます。 また、保安林以外の森林につきましては、林地開発許可制度に基づきまして、公益性の高い森林以外の土地に開発行為を極力向けていくという指導をいたしますとともに、やむを得ず開発行為の対象となる場合には、地元市町村等の意見も十分徴しまして、一定の森林面積を確保する、あるいは防災施設を設置するというようなことによりまして、森林の機能に支障を及ぼすことがないよう措置をしておるところでございます。 これからも、ゴルフ場への転用の問題等々社会的にも関心を集めている折でございますので、保安林制度あるいは林地開発許可制度の運用につきまして、引き続き適切な運用を図ってまいりたいと考えております。
○小松分科員 最近、ゴルフ場の問題で、これは環境庁の方にお伺いするのですが、千葉県などではゴルフ場をつくるに当たっては、今度は農薬は禁止、こういうことを打ち出しましたが、しかし考えてみますと、全国的に今この問題が大きくなっているのですが、例えば千葉県でそれを禁止をしても、ほかの県ではそれをやっていくということではいろいろとまた問題もあるかと思うのですが、やはりこの農薬の使用問題について、確かにこれは現在の使用量あるいはそういったものからすると、これはもう明らかにいろいろな被害が出ているということがわかっているわけですから、それについてはやはりそういう農薬を千葉県のようにしていくということが望ましいと思うのですけれども、それをやるにしても新しい許可するところ、今までのところは別のようなことになっているようですが、果たしてそういうことでそれが守られるのかどうかというのは、私もちょっと疑問に思っているのですが、このあたりはどうなんでしょうかね。
○安橋政府委員 千葉県の新しいゴルフ場を開設したところに対します無農薬の方針というのは、やはり千葉県の置かれております実態でございますとか、あるいは県民の意向といったようなものを踏まえまして一定の判断を下されたのではないかというふうに考えているわけでございます。 ただ、地域による実情、実態の差というものがございますので、この方針を全国一律に適用するということについてはなかなか難しいところもあるというふうに考えておりまして、環境庁といたしましては、農薬の適正使用なり、あるいは使用量の削減というようなことで対処することが現実的ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○小松分科員 時間がありませんので、この点、一点だけ触れておきますが、住民はこれについての農薬の使用状況などを含めて情報公開を非常に強く求めております。そういった関係で、これもやはり環境庁としてもぜひそういったことを含めて、これから、住民に隠そうとしているから余計心配があるのですけれども、これは原発もそうですけれども、そういうことでぜひこの点はもっともっと住民にオープンにするように、ひとついろいろな意味で指導してもらいたいと思います。 そこで、最後に一つだけ、これは別の問題として農水省の方の関係でお尋ねしたいのですが、今、埼玉県の方から市民農園の整備促進法の制定促進に関する要望書というのが私どもの方にも出ているのです。これは農水省、市民農園というのは都市化したところで小さい菜園など市民の人たちがやっているのですが、今そういう法がないためにいろんな問題が出てくるのです。 ですから、一つの一定の市民農園整備促進法というものをつくっていただいて、何とかそれを、これは税制面もあります、農地を使ったりなんかします。それから、今のままでは農地ですから、そこに耕すものを置いたりなんかする小屋もつくってはいけません。そういういろんな不備がありますので、この辺についてひとつこの整備法をつくっていただきたいということがありますが、これについてちょっとお答えいただきたいと思います。
○片桐政府委員 先生御指摘の市民農園の整備ということは、健康的でゆとりある国民生活の確保を図るとともに、良好な都市環境の形成、それからまた農村地域の振興という観点からも非常に重要であるというふうに考えております。 このため、政府といたしましては、農林省と建設省と両省で協力いたしまして、このような市民農園の整備の促進を図るために、市民農園整備促進法案というものを今月の二十四日に閣議決定をいたしまして国会に提出したところでございます。 この市民農園の法案の概要を簡単に紹介いたしますと、まず、都道府県が市民農園整備に関する基本方針をつくる。それで、またこの基本方針に基づきまして市町村が市民農園区域というものを指定する。この指定された区域の中で土地の権利を有する方々が市民農園の開設についての認定を受けるということでございます。この認定を受けた市民農園につきましては、農地法の農地の権利移動とか、それからまたそういう施設、小屋や何かをつくる場合の転用の許可、これを許可除外にするとか、都市計画法の開発許可等の特例を設ける、また政府なり地方公共団体がいろいろ資金の確保とか指導助言その他の援助を行う、こういうような内容でございまして、私どもといたしましては、この法案の早期成立を期してまいりたいというように考えております。
○小松分科員 終わります。
○戸田主査代理 これにて小松定男君の質疑は終了いたしました。 次に、草野威君。
○草野分科員 私は、地球環境問題につきまして二、三お尋ねをさせていただきたいと思います。 昭和六十一年ごろのある新聞でございますけれども、社説の中でこんなことが書いてあります。 「炭酸ガスが増えたら人が死ぬのか。そんなことより今日明日のことが大事だ」というわけで、これまで予算がつかなかった。国立公害研究所では、炭酸ガスは公害と認められないので研究できなかった。 炭酸ガスの増加が、地球環境にどう影響するのか、本当のところは、まだよくわかっていない。 こんなような社説が六十一年ごろ載っていたわけでございます。 あれから四年経過するわけでございますが、環境庁等の御努力によりまして、この地球環境問題につきまして、とかく日本人は環境問題に関心が薄かった、こんなふうにも言われておりましたけれども、徐々に関心も高まってまいりまして、ことしのアースデー等につきましてはかなり盛り上がりがあったのではないか、このように受けとめております。 そういう中で、実はこの温暖化問題でございますけれども、現在地球の温暖化が進んでいっている、そういうことについて端的に環境庁としてはどういうような認識で見ておられるのか、これを伺いたいと思うのです。 環境庁から発行されておりますパンフレット等によりますと、きちっと温暖化の傾向は科学的に証明をされておる、こんなこともパンフレットの中にも出ているようでございます。それはパンフレットを私も読みましたけれども、こういうパンフレットが大臣、出ているのです。こういう中に、温室効果は科学的に証明されていますとか温室効果ガスは確実にふえているとか、非常に詳しく述べてあるのです。それはそれで結構だと思いますが、また逆に、NASA等の研究の発表によりますと、この十年間に限ってみれば地球の気温は変わってない、こういうようなことも発表されております。要するに両論あるわけです。こういうことについて、環境庁としてはどのように受けとめておられるのか、まず冒頭にお尋ねをしたいと思います。
○古市政府委員 ただいま委員の御説明の資料でございますが、私どもの方から出している資料によったと思われます。その中に御紹介しておりますが、この要旨を申し上げますと、これまでの研究によりまして産業革命前の一七〇〇年代、これは炭酸ガス、CO2が約二八〇ppmと言われておりますが、その後増加をいたしまして一九八六年には三四五ppm程度まで達している、これはもう明らかなことでございます。 それからまた、ハワイにございますマウナロアの観測所の結果では、最近約三十年の増加というものが明瞭に示されておりまして、年間約一・五ppm程度の増加を続けているということでございます。 いろいろな説が言われておりますが、IPCC、国際的な政府間の気候変動のパネルというのがございまして、そこで科学的な知見をまとめておりまして、その結果を五月には中間報告で出すということになっておりますが、現在その中の第一作業部会におきましても、このままいきますと確実に炭酸ガスが増加して地球の温暖化が進行する、このようなことが報告されているという状況でございます。
○草野分科員 今環境庁のお話しのとおりでございますが、環境庁としてもそのような認識でこの温暖化傾向をとらえていらっしゃる、こういうことですか。
○古市政府委員 そのとおりでございます。
○草野分科員 この温暖化の原因については、いわゆる人間活動によるもの、そういうことで例えばCO2だとかフロンだとかまたメタンだとか、こういう物質の影響ということが言われているわけでございますけれども、今御説明の中にありましたCO2の問題につきましてお尋ねをしたいと思うのです。 このCO2の大気中の濃度、これは我が国においてはこの三十年間大体どのような傾向を示しているのか、もしおわかりになれば御説明をいただきたいと思うわけでございます。 環境庁の資料によりますと、例えばこのCO2の排出量等につきましてはこの二十年間ほぼ横ばいか若干減っておる、こういうような資料はちょうだいしておりますけれども、CO2の濃度につきまして、この三十年間、例えば一九六〇年、七〇年、八〇年、それから現在、最近ですね、これがどんなような変化を示しているのか、もしおわかりになればこの点についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
○古市政府委員 今手元に三十年間にわたっての正確な資料がございませんが、先ほど委員お触れになりましたこの資料の中では、一九七一年から一九八七年までについてのCO2の排出がほぼ横ばいである、こういうデータを示させていただいております。三十年にわたるCO2の観測というのは、私の承知いたしますところでは日本では同じ基準でそう長期にははかられておりませんで、先ほど申し上げましたハワイのマウナロアの観測が三十年間同じ手法で観測いたしておりまして、それが着実に伸びている、こういうことが示されているわけでございます。
○草野分科員 三十年間でもしわからなければ、最近のデータで結構です。最近のこのCO2の大気中の濃度、これはどんなになっていますか。
○古市政府委員 我が国でもCO2の測定が近年行われまして、これもその資料によりますと、ハワイにおける観測と同じような傾向で増加しているというデータが得られております。
○草野分科員 確かにCO2の濃度の測定、いわゆる定常測定、これについてはたしか三年か四年ほど前でしょうか、そのころから岩手県の綾里で定常測定が開始をされているというように聞いております。ただし、その前の状況についても、例えばこれは東北大学の観測のデータでございますけれども、一九六〇年には三一六ppm、一九八〇年三三八ppm、八三年から八四年ごろにかけては三四二ppm、こういうような状況が、これは東北大の観測グループによりまして発表されていることを私も書物で読んだことがございます。 これからいきますと、この北半球が急激に大気中のCO2の濃度がふえているような感じがしてならないわけでございますが、特に三十年前、一九六〇年三一六、これに比較しまして現在がかなりふえているのじゃないかと思いますが、気象庁のデータによりますと、この三年間のデータが、一九八七年から八九年まで三五〇・六、三五三・三、三五三・五ppm、このような状況でございます。そういたしますと、この一九六〇年から比較をいたしまして三七ppm、こういうような濃度の変化が言えるわけなのです。 こういうことについて環境庁はどのようにごらんになっておられるか。先ほどこの二十年間のCO2の排出量の変化がほぼ横ばいか若干下がっておる、こういうような御説明をちょうだいいたしましたけれども、一九六〇年から現在までの濃度の変化を見ますと、かなり急激に三七ppmもふえておる、こういう状況なのです。こういうことについて環境庁はどのようにとらえていらっしゃいますか。 〔戸田主査代理退席、自見主査代理着席〕
○古市政府委員 先ほど私どもの方から出しました資料で一九七一年から八七年までのCO2の排出が横ばいだと申し上げましたのは、これは事業活動、それからまた自動車の排気ガス、その他いろいろな排出源からの排出量というものがもろもろの技術革新、公害対策によって横ばいに抑えられている。また、これは当然エネルギー源が変わっている。石炭から石油、天然ガス、原子力に変わった、これを含めまして排出の方の推計値が横ばいであるということでございます。 一方、お触れになりました測定値は三陸沖ではかっております地球の大気のそこにおける濃度というものが上がっているということでございまして、これは地球全部つながっておりますから、ハワイにおける測定値と同じような傾向値で伸びている。御指摘の一年間に数ppm、一・幾ら、大体それを三十年伸ばすとそのような数になろうかと思いますけれども、過去における伸び率と現在の伸び率というのは少し違うのかもしれませんが、現在かなり急速に昔に比べて増加しているというところが関係者に危惧を持たれているということでございます。
○草野分科員 ハワイにおける観測状況と我が国における三陸沖の観測状況が同じである、こういうお話でございますけれども、これは若干違うのです。違うのは当然かもしれませんけれども、一九八五年、年平均値が三四五・八なのです。我が国の場合、八九年三五三・五、約八ppm違うのです。やはりこういうところから見ても、我が国の場合大気中のCO2の濃度がハワイ等に比べても増加の傾向がかなり強いのじゃないか。確かに最近の三年間の増加率を見ますと〇・四%、一・四ppm程度になっているようでございますけれども、この増加率といいますか、この傾向については正常なものなのか、かなり異常なものか、どういうとらえ方を環境庁はされていらっしゃいますか。
○古市政府委員 正常、異常というのと少し違うかもしれませんが、このような率で伸びていけば、最もその影響が恐れられております地球全体の温暖化の進行ぐあいが非常に進むという意味で異常な事態である、このように言われているわけでございまして、環境庁も同じような認識を持っているわけでございます。
○草野分科員 異常な認識をお持ちであるということでございますけれども、では、このような傾向が続いていった場合、二十一世紀の中ごろまでのCO2の増加傾向の予測はどんなふうに見ていらっしゃいますか。
○古市政府委員 現在の段階で、いつの時点でどのくらいの濃度になるのかというのは、先ほど申し上げましたように、世界各国の知見を集めましてこの五月にその数値も含めて報告書が出されるということかと思います。 ただ、その濃度自身という形、ちょっと今数値を承知いたしておりませんが、その影響の結果、これは炭酸ガスだけではございませんが、温室効果ガス全体の影響の結果、例えば西暦二〇三〇年には産業革命当時の二倍の炭酸ガスの濃度に達しまして、その結果、地球の平均気温というものの影響も一・五度から三・五度上昇するであろう、このような内容で中間報告が書かれている。これはさらに検討されるところだと思います。
○草野分科員 そういうような状況にもしなったとすると、我が国にはどんな影響が出てくるでしょうか。
○古市政府委員 地球全体の気温の上昇、これはまた一様でないだろう、北半球の高緯度を中心にその気温の上昇が非常に大きいであろう、こう言われておりまして、我が国だけではございませんで全地球的な影響を受けるわけでございます。 例えば世界的規模で農業、それからまた全体の生態系、それからまた人類の居住環境、それからさらには水資源、それからまた太平洋諸島においては水位の上昇によるその国の消滅というようなことも含めましてマイナスの影響が非常に大きいのではないか、このように言われております。
○草野分科員 お話しございましたように二〇三〇年ごろ、例えば温度が一・五度から三・五度くらいまで上昇するかもしれないという見方もある、これは一つの説でしょうけれども。その場合の我が国における影響については、もうそんな遠い将来のことじゃないのですね。三十年、四十年先、ほんのわずかなのです。 我が国としてもかなりの影響があるという今お話でございますね。農業に対する問題、海水の上昇の問題、水の問題、いろいろな問題が出てくるわけでございますけれども、これはすぐ間近なんですね。これは他人事のように考えていたら大変なことになると思うのです。また、そのときになってから急に減らそうと思ってもこれは減るものではありません。何十年、何百年かかっていかなかったら地球の温度を一度すら変えることはできないわけです。何かそういう取り組み方が、環境庁だけではなくて、環境庁を含めて政府全体としてもう少しこれは真剣に、また早急に取り組む必要があるのではないかと私は感じてならないわけでございます。 例えば海面の水位が一メートル上昇した場合、我が国にはどういう影響が出てくるでしょうか。また、その対策はどんなことが考えられるのでしょうか。この辺を説明してください。
○古市政府委員 御質問のその辺のところをあらゆる分野につきまして現在IPCCの第二作業部会で検討が進められているところでございます。したがって、一メートル上がればどうというふうに的確にお答えできませんが、例えば私どもの方のパンフレットに一つ紹介させていただいておりますのは、「海面の上昇によって海岸が侵食されて、経済的に重要な砂浜や沿岸の観光資源が失われるおそれがある。地域によっては、わずか三十センチの海面上昇でも三十メートル以上の海岸線が後退すると予想される。」こういうことを私どもの内部の研究班の報告書の中に述べているわけでございますが、これは地域によって非常に異なることで、今正確なお答えができなくて申しわけございません。
○草野分科員 そういう問題については環境庁ももう少し研究をしてもらいたいと思うのです。水位が一メートルふえた場合にどうなるか。例えばどのくらいの人たちが避難をしなければならないか、直接影響をこうむるのか、そのための対策はどうしたらいいのか、これは建設省等では既にいろいろな研究を開始しているわけでございます。環境庁としてもそこら辺のところは、これは非常に重要な問題なので、もっと具体的な研究をすべきじゃないかと私は思います。 その問題はそれといたしまして、大臣にお尋ねしたいと思います。先ほどから話が出ておりますIPCC等の問題でございますけれども、環境庁の地球温暖化対策検討グループ、こういうグループがあるのだそうですね。その中でCO2を凍結しても年四%の成長は可能であるという意味のことを発表されております。それはそれで結構でございますけれども、一方、通産省は排出量を凍結すると経済成長は大きく落ち込むのだということを言っているわけです。こういうことにつきまして、これからのエネルギーの供給のあり方、省エネルギー政策、いろいろな議論が出てくると思いますけれども、この考え方についてどういう根拠、どういう背景があるのか、そこら辺を簡単に御説明いただきたいと思います。
○安原政府委員 先生御指摘のIPCCで今温暖化の問題につきまして対策戦略の問題も含めて検討が行われておるわけでございます。その中で特に私ども重要と考えておりますのは、昨年十一月、オランダのノルドベイクで関係国の環境大臣会合がございまして、そこで先進国としましてはCO2等の温室効果ガス等の排出の安定化をやっていこうということに合意したわけでございまして、安定化の水準及びその時期につきましては、IPCCに専門的な立場から国際的に検討してもらおうということになっておりまして、今鋭意IPCCの検討が行われておるということでございます。 そこで、私どもとしましても、積極的にその枠組みづくりに貢献するという立場から、このIPCCの検討作業を支援していくというのがスタンスでございます。その関連で、環境庁もあるいは通産省も、関係省庁でいろいろ安定化につきましての検討をしておるという状況でございます。 通産省の方が先般のホワイトハウス会議で、世界モデルを使いまして、CO2の安定化あるいは削減をした場合に、どの程度の経済成長への影響が出るかという試算をいたしまして、それを説明をした経緯がございますが、その趣旨は、私ども聞いておりますところでは、特別の対策をせずに、一定の目標を立てて、そしてCO2の排出を抑えていくということにいたしますと、経済活動にも影響が出るということを指摘しているものでございます。 私ども政府としての立場は、環境庁長官がホワイトハウス会合で述べられたとおりでございまして、適切な政策をとっていけば、これまでの経験からいいましても、地球環境保全、特に温暖化対策と経済成長は両立することができるのではないかということで考えておりまして、その旨を大臣の方から御説明をされたわけでございます。 そういう意味で、私どもは、今いろいろな対策をとった場合にどの程度のCO2の安定化ができるか、具体的ないろいろなケースに当たりまして検討を続けておる。その際は、もちろん政府部内で十分相談をし協議をしながらこの作業を進めたいと考えておる次第でございます。
○草野分科員 そのことはわかりました。また、長官がそういう会議の席上で発言されたこともよく承知をしております。 それで、ちょっとこれよくわからないのですけれども、例えばヨーロッパの場合は、できるだけ温暖化の到来を防いでいこう、いわゆる防御主義だ、こう新聞に書いてありましたね。それに対してアメリカの場合は、経済的な混乱を招かないように、共存というような意味のことを書いてある。いわゆる適応主義、こういうことを書いてあるのですけれども、こうなると、我が国の場合どっちにつくのですか。
○北川国務大臣 草野委員の先ほど来の、地球温暖化に対して、地球環境問題に対しての非常に含蓄のあるいろいろの御指摘を受けまして、特にこのたびのホワイトハウス会議におきましては、今御指摘のEC、欧州の国々からは即時CO2対策を実施しなければいかぬじゃないか、このことを申してまいりまして、アメリカ側といたしましては、ブッシュ大統領の最初の演説では、不確実性のある問題について、特に経済的に成長をとめてしまっては環境対策もできないではないか、こういう意味においての研究の重要性を演説をいたしました。 そういう中で欧州とアメリカとの相違点を指摘してまいりましたけれども、十八日の最後のブッシュ大統領の演説におきましては、研究の段階を通り越して、これを実行に移さなければならないという前向きの発言がありましたし、またこれはアメリカ側の各長官あるいは担当の方々からは、この環境問題に対する研究所というものをつくったらどうだ、こういう御意見もありました。私は、特に欧州の皆さんの御意見の中では、即時実施しなければいけない、悔いを千載に残してはいけない、こういう意見を申し述べますと同時に、またこれは不確実性のある問題であると同時に、科学的に、また技術的にも研究をするために、国際パネル間の一つの研究のような場を設けてはどうだ、こういうことも申しまして、最終的に、先ほど申しましたように、ブッシュ大統領も非常に前向きな演説をいたしまして、各国から集まりました環境問題に対するこの会議は非常に大きな成果があったと踏まえております。 以上でございます。
○草野分科員 時間が来ましたので、最後にもう一問だけ……。 このIPCCの第一部会で、全体の排出量を五〇ないし八〇に大幅削減をする、こういう結論をまとめている、こういうふうに伝えられておりますが、日本はこのIPCCの結論については尊重する立場ということも聞いておりますが、もしこういうような結論が出た場合、我が国としてはどのような対処をするのか。これが一つです。 それから、地球環境のいろいろな国際会議、これからスケジュールがずっとあるようでございます。八月に先ほどお話があったこのIPCCの結論、十一月にはそれを受けた第二回世界気候会議、そして一九九二年には欧州条約の締結、こういうようなスケジュールがずっとあるようでございます。そういう中で、環境庁としては、環境保護を指導するという立場で国内の調整、それから国際的な役割、これをどのように推進されていくのか、そこら辺の決意を承っておきたいと思います。 また、最後に、この地球環境保全対策の総合的、また一体的な取り組みを図るために、現在の環境庁、これをやはり環境省、こういうふうに発展をさせるべきではないか。そして、もっと権限、予算、こういうものも飛躍的に拡大をしていかなければ、これからの日本の環境行政というのは非常に大変だと思いますので、そこら辺についての大臣の意見も最後に承りたいと思います。 済みません、もう一つ、あわせて全部聞いておきます。オゾン層の問題ですけれども、フロンガス、これは西暦二〇〇〇年以前に早期にやはり全廃を目指さなければならない、私はこのように思いますが、これについての御意見も一緒に承っておきたいと思います。
○安原政府委員 大臣がお答えになります前に、私の方から御説明をさせていただきます。 今第一点の先生の御指摘のCO2を六〇%ないし八〇%程度削減が必要であるということにつきまして、今IPCCの方で検討を続けておるわけでございますが、それは今の大気中におけるCO2の濃度を一定に保つ、これ以上ふやさないためには、新たに排出するのはその程度大幅に削減しないとどうしても大気中の濃度が上がっていってしまうという問題でございます。今具体的に排出をできるだけ抑えなければいかぬということで、当面先進国でいろいろ検討されておりますのは、先ほどのノルドベイクのCO2の安定化の問題でございます。そこで、その問題につきましては、今IPCCで行われておりますので、先ほどもお答えいたしましたように、我が国としては積極的にその検討作業をサポートしていきたいというぐあいに考えておるわけでございます。 その結果の中間報告がまとまりまして、先生がおっしゃるとおり、十一月の第二回世界気候会議の閣僚レベルでその中間報告が検討されまして、その後、先日のホワイトハウス会議でもはっきりとブッシュ大統領の方でも申しましたように、恐らくその後、温暖化防止のための枠組み条約の交渉が開始される。それの第一回会議を米国が主催するということでございます。交渉が行われまして、一九九二年のブラジルにおける国連会議での採択を目指すというのが大体のコンセンサスになっておるのはそのとおりでございます。 我が国としましては、そういう国際的な動向に対しまして積極的に対応しなければならないということで、その基本方針を明らかにしておるところでございます。これは関係閣僚会議の基本的な方針の申し合わせの第一項目でもあるわけでございます。そして、それを具体的に国内でできることからやっていくということが重要でございます。そのために省資源、省エネルギー対策、それからできるだけCO2の排出の少ないエネルギー源に転換していく、それから技術開発を進めていく、こういう三つの柱の政策を強力に推進することによりまして対応していきたい。それによって、経済成長も維持しながら必要な対応が可能になるのではないかと考えている次第でございます。 あとフロンの問題につきましては、大気局長の方から御説明いたします。
○古市政府委員 現在、フロンの削減の国際条約は、今世紀中に特定フロンを五〇%削減するということになっておりまして、我が国もこれに加盟しておりますが、この六月にこの削減率を強化するということでロンドンで会議が開かれて、特定フロンは今世紀中に全廃ということになる予定でございます。私どももこれに参画して積極的な役割を果たしたいと考えております。
○北川国務大臣 草野委員の非常に地球環境を思っていただく御理解のある御質問の中で、技術的な点につきましてはそれぞれ局長が答弁いたしましたが、世界の会議の中では、この間のホワイトハウスでも日本が非常に中心的存在になりました。そういう点で今後とも積極的に取り組んでまいりたい。 いま一つの、環境庁を環境省に昇格したらどうだ、この御意見は、我々に、環境行政に温かい御理解と前向きの姿勢をとらせていただく御鞭撻を承りまして感謝いたしております。アメリカは環境庁をすぐさま環境省にこのたび昇格をする、長官を国務大臣に昇格さす、こういう方針をとっているやに承っておりますが、我が国としましては、まず環境庁の中に地球環境部を七月に設けまして、環境庁内の充実については鋭意努力をしてまいりたい、このように思っておる次第でございます。ありがとうございました。
○草野分科員 以上で終わります。
○自見主査代理 これにて草野威君の質疑は終了いたしました。 次に、伊藤忠治君。
○伊藤(忠)分科員 私は、水道水源の保全と産業廃棄物の処理問題について質問をいたします。 実は同様の問題を昨年の六月十五日に物価対策特別委員会でも取り上げまして、政府に対して善処方を強くお願いをしたところでございます。きょうもまた類似のケースを再び取り上げなければいけないわけですが、問題を見ますたびに非常に悲しい思いがしてなりません。つまり、問題の特徴点といいますのは、水道水源の上流に近いところに産業廃棄物の最終処分場が設置をされるわけであります。このケースは、私の地元のみならず全国的に日を追うごとに非常にふえてきているのではないか、このように私自身把握をしております。 それで、この問題を当該のとりわけ県ということになりますが、いろいろ事業者が操業を行うに当たって申請がございますけれども、これに反対をする住民との間にやりとりが起こるわけです。つまり、処分場は適正に管理がされておればまずその水源を汚染する心配がない、こういう前提で物事が運ばれるわけですが、もし遮水シートなどが破損でもすれば、それが見過ごされていたりしますと、当然これは地下水にしみわたって水源の水質汚染ということになるのは明瞭でございまして、住民の命にかかわります。したがって、下流で生活をします住民にしてみれば命にかかわる水の問題でございますから、最終処分場が水道水源の上流近くに設置されるということについては真剣に考えまして、納得のいくまでそういう操業については同意するわけにはいかないという行動がどうしても起こるわけでございます。そういうことを知っておりますから業者の方も極秘裏に用地買収をいたします。計画が表に出て初めて住民は知るわけでございます。 私の県都の水源の上流にも同じケースがございまして、当該の自治体と住民が一体になりまして、やはり安心ができない、水源条例もつくりまして、反対運動が起こったわけでございますが、結果どうなったかというと、業者と自治体が協議をいたしまして、今和解交渉の最中でございますが、最終的に業者が持ち出した条件といいますのは、広大な処理場の土地を買収したその費用、買収費、この中身は借金して買えばその金利負担も当然伴うわけですが、業者が要求した金額というのは、山林の買収開発だったのですが五億をはるかに超えます。だれが考えても一億数千万という金額でございますが、和解の条件として最低これだけはということで請求してきましたのが五億何ぼでございますから、結局それは、市が払わなければその処理場は撤退をしないということになりますと、これは市民の税金でございます。こういう不合理なといいますか、事態がそこまで至らなければこういう解決しかなかったのかという思いが非常に強く私はいたしまして、結局市民が税負担をして撤退をしてもらうという格好でしか問題の解決がなかったのか、それだけの予算をもし市の施策につき込めば住民福祉の面でも非常にサービスが向上したであろうと思いますときに、非常に残念でならぬわけです。今回私が取り上げますケースもまさに一緒のケースでございます。類似のケースと申し上げましたが、一緒のケースでございます。 それで、今回の場合には、大体立地条件を一口で申し上げますと、非常に団地開発の急増でございます地帯と言われます京都府それから奈良県の県境山を少し越えたところで、これはもう皆さんも御承知のとおり、全国でも住宅建設、人口急増地帯として奈良県は有名でございます。恐らく産業廃棄物のこの業者は広大な土地を、山林を伐採しまして水道水源の上流に今度操業するということなんです。ですから住民が警戒するのは当然でございますから、用地買収の名目も一回、二回、三回、四回にわたって理由が変わっております。一番初めが、ミニゴルフ場、次が山林の植林、三回目の理由が畜産団地、四回目の理由が工業団地なんですね。こういうふうにして土地を買収しないことには地権者も土地所有者もなかなか売れない、そういう住民感情がある中での開発になっているわけでございます。かなり住民運動も続いたわけですが、結果的には操業の許可申請が県によって認可をされました。当該の町としては水源保護条例も制定して頑張ったのですが、結果的には操業は始まると思います。 全く一緒のケースで、一方は操業に至らなかった、一方は抵抗があったけれども押し切った格好で結局操業されるということなんですが、いずれにしましても、このような水道水源の上流に最終処分処理場があちらこちらにできるということについて、これをどのように政府としてはお考えなのか、まずその点についてお伺いをしたいと思います。
○杉戸説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、水道の水源にそのような産業廃棄物の処理施設などが設置されるケースもございますが、昨今この産業廃棄物、非常な勢いで増加をいたしておりまして、その最終処分場の確保がそれに対しまして非常に至難な状況になってきております。そういったことを背景にそのようなケースも生じておることは存じておりますが、しかし、健全な国民の生活とか産業活動を営む上で、また生活環境の保全や公衆衛生の向上の上からも、産業廃棄物処理施設はぜひ整備をしていかなければならないものでございますが、施設によります環境問題が生じないように、これは廃棄物処理法でいろいろ構造に関する基準とか施設の維持管理に関する基準などを定めております。さらに、この当該施設を用いまして産業廃棄物を処理するに当たりましては、処理に関する基準などを定めておりまして、このような基準がきちっとしっかり守られるならば、河川の汚濁等の問題は生じないと考えております。 厚生省といたしましては、こういった基準に適合した処理が行われますように処理業者等を十分に指導していくことといたしておりますが、しかしながら、先生今いろいろお話がございましたように、地域の住民の方が非常に不安を覚えておられる、そのようなケースもございます。そういった事態の解消あるいは土地利用との調和などの観点から、それは地域の事情に応じまして産業廃棄物処理施設のあり方についてなお検討する必要がある、そのように考えておるところでございます。
○伊藤(忠)分科員 結局、水源の上流と言いますけれども、これは利根川の例もよく出ます、琵琶湖の例も出ます、そういうことを言っているのじゃないんですね。ケース・バイ・ケースなんです。ですから、うんとローカルな方へ行けば水道水源の上流というのは大体山林なんですね。人がほとんど住んでいないという地域が多いと思うんですね。そうしたら自然破壊ということも当然ございますし、流れも急流ですし。こういう問題が起こっている地域には、特定の上流のエリアにはそういう最終処分処理場は遠慮をいただくというようなことが、法的にもちろんきちっと整理ができればこれは一番いいのでしょうけれども、なかなかそうもいかないでしょうから、私が申し上げたいのは行政指導で、そこのところが緊急避難的に何とか回避させていく政府としての指導が行えないかということなんです。やはり県としても現行法がある以上、それを前提にして県としての権限という範囲で対処をしますから、どうしてもそこに住民との乖離が出てきます。ここまで来ますと、政府がやはり今のうちに問題解決に乗り出すという、ここをやはり積極的な姿勢と対処策を講じるときが来ているのじゃないか、このことを私は強く訴えたいのですが、どうでございますか。
○杉戸説明員 御指摘のように、現在の廃棄物処理法を適正に運営していけばそういう問題は起こらない、県の方もそういう前提に立っての指導をしておるところでございます。実際に、この施設の設置に当たりまして県に対しましてその計画の届け出をする、そういう義務が課せられておりますし、それから、届け出を受理いたしました都道府県知事は、廃棄物処理法の規定に基づく技術上の基準に照らし合わせましてその設置の届け出を審査して、もし基準に合格しない場合にはその設置の届けに関する計画の変更、あるいは極端な場合はその廃止をする、そういったような措置を講ずるようにいたしております。また、この施設の設置後、もし構造とか維持管理が基準に適合していない、そのように認められるときは、都道府県知事は必要な改善命令とか使用停止命令をすることができる、そのようになっておるところでございまして、これによりまして生活環境の保全が図られていると考えております。実際にきちっとした施設でなければ設置できない、そのようなことでございますが、しかし都道府県などでは、設置が円滑に行われるように、設置を計画した早い段階で設置者から相談を受けまして必要な指導を行うというような要綱を定めておる、そういうところもございます。 こういう状況から、厚生省といたしましては、今後、地域のそういう実情との調和が図られつつ施設の設置を円滑に進めるための方策について、幅広く意見を聞いて検討していく必要があると考えております。水源の地域におけるそういう設置についても幅広く含めて考えたい、そのように考えております。
○伊藤(忠)分科員 限られた時間でやっているんですからすれ違いの答弁をしないでくださいよ。私が二回目に言ったのは、立地規制についての政府の考え方を聞いているんですからね。あなた、基準があって、それに合致しないような施設でしたら認めない、当たり前ですよ。そんなこと、ここに書いてあります。これは県がちゃんと指導していますから、そういうのはみんな知っているんです。まず一点目のこと、立地規制、端的に答えてください。
○杉戸説明員 立地規制につきましては、最初にお答えを申し上げましたので、ちょっとそれを省かせていただきました。先ほど申したとおりでございまして、廃棄物処理法上は、その立地規制をそれて行うということは現行法上ちょっと困難……(伊藤(忠)分科員「行政指導を聞いたのです」と呼ぶ)それも先ほどお答え申しましたように、きちっとした適切な設置そして管理等を行えば、現行法上で十分問題なく運営できる、そのように考えております。
○伊藤(忠)分科員 これは厚生省ですか。私は物価対策のときに質問したんですけれども、そういう答えと違うんですよ、少しは。違いますよ。ですから、今言われたのは本音で、これは少し言い方も変えられたのかわかりませんが、いずれにしてもそういう答弁ではとにかくもうどうしようもないところまで来ているわけですよ。だから、私たちも問題を取り上げて、何とか一歩でも二歩でも現状の打開を図るための政府の積極的な対応について検討してくれないかということを、口を酸っぱくして言っているわけですから、木で鼻をくくったような答弁をしないでくださいよ。全然問題の解決になりません。 それで、次に申し上げますけれども、これはどうですか。あなた今、処分場の処理基準ですね、これはちゃんと決まっておりましてこのようにやりますと言いますけれども、結局は業者の自前じゃないですか、検査は。他人が入って、随時立入検査をやって、あるいは定期的に検査をやって、抜き取り調査なんかもやって、それでその検査の報告を、これをきちっと例えば公開をしてなんという、一般の住民の皆さんに、この処理場はこういうふうに心配のないようにやっておりますということが証明できるような、そういうシステムに現在なっていますか。なってないですよ。私そう思っています。随時ですから、怪しいなと思ったら入る、問題があるなと思ったら入るんですが、問題があるかないかということは、業者が自分で検査をしてデータを報告するんでしょうか。自前でやっているんですよ。住民がそれで納得するでしょうか。何の問題解決にもならぬと思う。では、住民の代表、そこまで言いません。例えば、当該の県なりが定期的に立ち入りをしまして自分たちでちゃんと調べてそれを公開をする、だからこの処理場は操業しておっても水源を汚すというような心配はございません、きちっと情報も公開するというふうなシステムになっておればまだしもですが、そこまでもいっていないんですよ。これはお認めになるでしょう。
○杉戸説明員 最終処分場からの放流水等につきましては、これは廃棄物処理法に基づきまして、これは環境衛生指導員というのが各地におりますが、それによります立人検査あるいは指導などを行っております。現在、環境衛生指導員は全国で二千三百余名おりまして、その者が事業場等へ立ち入りまして、そして水質検査などもいたしております。随時行っておりますが、年間約五万件ほどの水質チェックなどの立入検査を行っております。厚生省では、この指導員の増員などによりますそういう先生御指摘のような監視体制について、強化に努めているところでございます。 また、一部においては確かに不適正な処理の事例もございます。そういうところから、その産業廃棄物についての立入検査とか指導の強化について、ことしの四月二十四日付でございますが、都道府県知事あて通知をいたしたところでございます。この通知では、各都道府県知事が立入検査についての年間計画を策定する、それから最終処分場からの放流水の採集とかあるいは分析とか、不適正な業者からの改善計画書の徴収等を行うよう、各都道府県に指示をしたところでございます。今後とも先生御心配のようなそういった点は、県の方のそういう指導強化によりまして行っていきたいと思っております。 それから、先ほど先生不十分な答弁だとおっしゃいましたが、初めに申しましたように、そういう立地規制的なことについてでございますが、これは現行の廃棄物処理法では難しいところでございますが、そういう住民の不満の解消というような問題とか、あるいは廃棄物処理施設等土地利用の調和というような問題につきましては、地域の実情に応じてまだ検討の余地があるということで私どもは考えておるところでございます。
○伊藤(忠)分科員 ということは、ここは非常によくない、そこに処理場が操業するということはよくないというふうなケースを見れば、当該の自治体が対応するんでしょうが、そういう場合にはひとつ業者を説得してやめてもらうというふうなことも考えていかなければいかぬという意味なんですか、今の答弁は。違うのですか。
○杉戸説明員 私どもが今考えておりますのは、現在、廃棄物処理をめぐる状況が随分変わりつつございます。廃棄物の排出量が、これは一般廃棄物、産業廃棄物ともに増大をいたしております。それから、それに対します最終処分場の確保というのが非常に困難な状況になってきております。そこで、将来的にこういう廃棄物処理を適正に円滑に行うにはどうしたらいいかという点で、これは現在の廃棄物処理法を中心に行っておりますが、そういう制度の見直しも含めまして多面的に検討を進めていきたい、このように考えておるところでございます。 それから地域地域についてでございますが、例えば三重県における各市町村での条例の制定とかいろいろな動きがございますが、こういった問題につきましては、各自治体で独自の権限でそれを制定され、そして独自の考えで進めておられるところでございます。私どももよくそういう状況などは把握して理解に努めたいと思っております。
○伊藤(忠)分科員 時間の関係で次に移りますけれども、水道法第二条で水道事業者に対する責務というのがきちっと明記をされているわけですが、結局、水道事業者にとってみれば、水源上流で何が起こるかということはすべて受け身の立場に立つわけですね。ですから、もし何かあったときにそれを未然に防止できなければ大変なことになる、そういう問題でございますから、取水口の水質基準というのを、そこでさらに一つのハードルを設けるということが事前に防止をするという意味からも必要なのではないのかと私は思うのですが、この考え方についてお考えを聞かせていただきたいと思います。
○杉戸説明員 水道水源の水質保全というのは非常に重要なことでございます。それに対しまして、良好な水源の確保そして水質の保全ということは水道事業にとって大変重要な課題でございますので、この公共用水域の水質保全につきましては、その目標として、先生御案内のことと存じますが、公害対策基本法に水質の環境基準が設けられております。そしてこの達成、維持のためには水質汚濁防止法で排水基準あるいは各種の水質保全のための措置が講じられているところでございます。この環境基準の達成が全国一律の排水基準で担保できない場合には、各県でのあるいは河川での状況に応じまして上乗せ規制、県条例などを定めることも現実的にはかなり広く行われているところでございます。 正常な水道水の供給の確保ということは私どもは最大の重要な課題と考えておりますので、環境庁など関係のところとよく相談をいたしまして、水道水源の保全に一層努めてまいりたいと考えております。
○伊藤(忠)分科員 いずれにしましても、お答えになったように、立地規制の問題も含めた今日の事態を解決していくための総合的な検討を、法体系の整備も含めまして、ぜひともお願いをしたいと思いますし、現行水道法を見ましても水源の保全について対応できるかどうか非常に不備な点もございますので、私は引き続き問題提起をさせていただきたいと思います。 最後に長官にお伺いいたします。 産業廃棄物の処理問題といいますのは、水源の保全にとどまらず、自然の保全も含めまして、生活環境も含めまして、大変大きな問題として今後さらにクローズアップされると思うのですね。ですから環境庁としては、権限、機能の強化というのですか、私流に言わせれば生活環境庁というか、省でもいいのですが、それぐらい権限を持って——今は各省庁に機能、権限が分散していますね。これはいかぬと思うのです。今日大変問題が山積している状況ですから、一元的な環境行政というものをびしっとやっていかないと、国民がよくやるなと言うような行政指導なり施策というものが望まれているんじゃなかろうかということも常々考えておりますので、それらの点を踏まえて長官の御答弁をいただければありがたいと思います。
○北川国務大臣 伊藤委員からただいま環境問題、そしてまた先ほどは廃棄物による水源汚濁という視点からの環境についての御指摘を受けました。環境庁といたしましては、もちろん廃棄物については、再生するものは再生し、廃棄物はだんだんふえてきておるので、これは国民または業者の皆さんが御自覚をしていただくと同時に、今おっしゃっていただいた各省に分散しておるのを一つにしたらどうだ、省に昇格したらどうだ、こういうお話もございますが、この点については、各関係省庁と鋭意協議をしてよりよいものを生んでいくための努力をしていきたい、このように思っております。
○伊藤(忠)分科員 終わります。
○自見主査代理 これにて伊藤忠治君の質疑は終了いたしました。 次に、倉田栄喜君。
○倉田分科員 私はまず水俣病に関して御質問をさせていただきたいと思います。 まず北川環境庁長官に、水俣病に対する長官の御認識及び解決に向けてどのような方向で検討なさっておられるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。 〔自見主査代理退席、主査着席〕
○北川国務大臣 ただいま倉田委員から御指摘の水俣病は、我が国の公害問題の原点といいますか、これによりましてから公害というものが環境行政の中で重要課題の一つになってまいりました。善意の何もわからない方がお魚を食べて病気になっていくということ、これは許されない問題であると認識いたしております。今後環境庁といたしましては、水俣病対策については、過去のようなことが再び起きないということを一つの原則にいたしまして、水俣病について、この間からも基準とかいろいろ言われておりますが、こういう点についても前向きで当たっていきたい、このように思っております。
○倉田分科員 ただいま長官から、水俣病については再びこのようなことを起こしてはいけないというお答えをいただきましたけれども、ぜひともそのような姿勢で取り組んでいただくと同時に、現在水俣病に関していろいろな問題が起こっているわけでございますので、これも早期に解決をしていただくようお願いを申し上げておきたいと思います。 そこで、現在存在する水俣病に関連して種々御質問させていただきたいと思います。 まず、現時点における水俣病の認定申請者数、認定数、棄却数についてそれぞれお伺いをさせていただきたいと思います。あわせて、その中で熊本、鹿児島両県にわたってはどのような数字になるのか、これも明らかにしていただければと思います。
○三橋政府委員 熊本、鹿児島におきます認定業務の状況でございます。平成二年の三月末現在で、両県の合計でございますが、再申請を含めました申請総件数は一万六千三百二十件となっておりまして、このうち認定者は合計で二千二百三十名となっております。また認定を棄却された方が一万七百八十二名、今認定を待っておられる方が三千三百八名という数字になっております。
○倉田分科員 認定を棄却された方々を大まかに対象とする事業だと思いますけれども、六十一年から特別医療事業制度が実施されております。この制度の概要並びにその対象者、どのような方がこの制度の対象になっておるのか、またどういう要件を満たしておればこの制度の手続に乗っていくのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
○三橋政府委員 特別医療事業でございますけれども、御指摘のように昭和六十一年六月から熊本県と鹿児島で実施をしているものでございまして、この対象になります方々は認定申請を棄却された者の中から一定の要件を満たす者に対しまして、医療費の自己負担分を補助する事業でございます。なお、本年三月から、はり、きゅうの施術費につきましても補助対象とすることにしたところでございます。この事業は、両県におきます認定審査会におきましてその医学的判断にもかかわらず水俣病ではないかという健康不安を訴える方が多かったという状況にかんがみまして、その方方の病状の経過を観察する、また原因を究明することがその方々に対する精神的、身体的負担の軽減につながる、また両県における水俣病対策の円滑な推進に資する、こういう趣旨から実施がなされたものでございます。 対象者の要件と申しますのは、棄却者の中から、水俣湾周辺の一定地域に昭和四十三年十二月以前に居住をしていた方々で一定の神経症状を有する方々でございます。
○倉田分科員 その一定の神経症状というのは、具体的に言えばどういうふうな症状でございますか。
○三橋政府委員 一定の神経症状と申しますのは、四肢末端のしびれ感というものでございます。
○倉田分科員 熊本県の方では、四肢抹消性の感覚障害者のうちから原因不明の感覚障害を有する者で汚染地域に一定期間居住していた者、このような説明がされているみたいでございますが、この理解でもよろしゅうございますか。
○三橋政府委員 そのとおりでございます。
○倉田分科員 そこで、もう一度お伺いをいたしますけれども、現在この特別医療事業の対象とされている方々の数というのはどのくらいございましょうか。
○三橋政府委員 平成元年末でございますが、両県合わせまして千八百九十二名の方が対象になっておられます。
○倉田分科員 いわゆる汚染地域に一定期間居住されておられる方々、その対象として千八百九十二名の方が対象になっておられるということです。原因不明ということではありますけれども、この汚染地域に千八百九十二名の方々が住んでおられて対象になっているというこの事実については、どのようにお考えになっておられるわけでしょうか。
○三橋政府委員 この特別医療事業の対象になる方々は、認定申請者の中から、ただいま御指摘のありましたような症状を有しておりますけれども有機水銀の影響によるものかどうかということについては認定審査会において総合的な医学判断のもとでそうではないという方を、この対象に選ぶわけでございます。そのような意味で、地域におきまして、神経症状、知覚異常といったものをお持ちの方が水俣地域では大変健康に不安を持っておられる、そういう現状が反映されているものと考えております。
○倉田分科員 今ちょっとお触れになった点についてもう一度確認をさせていただきたいわけですけれども、有機水銀の影響という点でございます。 この点、ちょっとはっきり聞き取れなかった部分もあるわけでございますが、いわゆる汚染地域に存在をしておられる方々で、水俣病とは認定されておらないけれども類似をするような症状というのも考えられるわけでございますね。普通考えると、やはり有機水銀の影響があるのではなかろうか。また、実際にそのように訴えておられる方方も、自分たちとしてはやはり水俣病だというふうにお思いになっていらっしゃる方々であろうと思いますし、ということは、有機水銀の影響を受けているのだというふうにお考えになっておられるのだろうと思います。そういう方々の思いというもの、この問いというものに対して、環境庁としては有機水銀の影響なのかどうかということについては本当にどういうふうにお考えなのか、改めてお答えを願えればと思うのです。
○三橋政府委員 この両県におきます認定審査会におきましては、水俣病についての大変高度な学識と豊富な経験を持った専門家の皆様による総合的な検討、審査がなされているわけでございまして、有機水銀によるとされるものにつきましては水俣病と認定されていると私ども理解をいたしております。しかしながら、この特別医療事業の対象になられた方々につきましては、総合的な医学判断の中で水俣病ではないという判定が下された皆様でございますので、私どもとしては、この方方は有機水銀の影響による症状ではないと理解をいたしております。
○倉田分科員 この問題については恐らくいろいろな観点から深く検討をされる必要があるであろうと思うのですけれども、今のお答えは要するに、有機水銀の影響を受けている方というのは水俣病として認定をしていくのだ、しかしながら有機水銀の影響を受けてないと思われる方々を対象として、その不安感を取り除くためにこの特別医療事業制度というのがあるのだ、だから特別医療事業制度の対象者としてはあくまでも有機水銀の影響を受けている方々ではない、このように考えていると理解をしてもよろしゅうございますか。
○三橋政府委員 そのとおりに理解しております。
○倉田分科員 その点、私は決して納得をするわけではないわけですけれども、また勉強させていただきたいと思いまして、次に進みたいと思います。 いわゆる後天性の水俣病の判断基準につきましては、昭和四十六年の次官通知と五十二年の保健部長通知、それからさらに五十三年の次官通知というものがあるわけですけれども、これらの通知というものは基本的には全部同じ考え方である、このように理解をしてもよろしゅうございましょうか。
○三橋政府委員 四十六年の事務次官通知、五十二年の環境保健部長通知、また五十三年の通知、この三回の通知につきましては、同じ判断に基づいた通知であると考えております。
○倉田分科員 四十六年の次官通知につきましては、当時の新聞報道等によりますと、疑わしきは救済せよ、こういう内容で広く報道されたように記憶をしております。これは、四十六年の次官通知がこの新聞報道のとおり、疑わしきは救済せよという趣旨で発表されておるということで理解してはいけないのでしょうか。
○三橋政府委員 四十六年の事務次官通知でございますけれども、これは認定対象者が水俣病に罹患しているか否かについての認定要件を示したものでございまして、この通知によりますと、水俣病が否定できないと医学的な根拠を持って判断し得るぎりぎりのレベルまで救済するという考え方をこの四十六年通知の中に示したものと考えております。
○倉田分科員 水俣病が否定できないぎりぎりのという御答弁ですけれども、これらの件がこれらの点に絡んで新聞で疑わしきはというふうに報道されたことについては、どのようにお考えになっておりますか。
○三橋政府委員 当時の報道で疑わしきは救済という言葉での報道がなされたわけでございます。この疑わしきは救済という意味につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、医学的に判断をいたしまして水俣病であることが否定できないぎりぎりのレベルまで救済をするという考え方であると理解をいたしております。これは当時の大石長官が四十七年の衆議院公害環境特別委員会におきまして御答弁になった趣旨と相違するものではないと考えております。
○倉田分科員 先ほどのいわゆる特別医療事業対象者に戻りますけれども、この方々というのは、水俣病を否定できないぎりぎり、水俣病ではないわけですね、明らかに。しかしながらぎりぎりの症状を有する、そういう方々も含まれているということになりましょうか。
○三橋政府委員 現在認定をされております患者さんにつきましては、水俣病としてぎりぎりのレベルまで医学判断をして認定されてある方である。したがいまして、特別医療事業の対象になった皆様方はこの医学的にぎりぎりの線よりも外れた方々というふうに理解をいたしております。
○倉田分科員 ぎりきりということが問題みたいですけれども、ぎりぎりの線なのか、ぎりぎりの線でないのかどうか。私はそういう方々も含めて何らか制度的にでも救済をしていくことが、現実にお苦しみになっておられる人たちが存在する中で水俣病を解決していくという一つの方向になるのであろうと思います。そういう意味からすれば、この医療事業制度、いろいろな評価はあるでしょうが現実には治療費も払われており、先ほどもはり、きゅうの方にも制度を拡充している、こういう御答弁がありました。この医療事業制度の今後について、もっと内容を充実していく方向とか、あるいは将来的にはどのように見通しをされておられるかということについては、どのようにお考えでしょうか。
○三橋政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、この特別医療事業につきましては本年三月から、はり、きゅうの施術費につきましても対象にして制度の充実を図ったところでございまして、水俣病の解決に当たりましてもこの特別医療事業が現地におきまして円滑な対策を進める一つの大きな柱になっているという理解でございまして、認定をお受けになっていない皆様方がまだ三千人以上いらっしゃる現状でございまして、その中で私どもは認定業務を大いに進めながら、今後この特別医療事業の対象になる方々もまた適正に選んでいきたいというふうに考えております。
○倉田分科員 私もいろいろな問題があるであろうということは理解をいたしますけれども どうか場合によってはこの制度自体をさらに充実をしていただいて、水俣病の認定をすることができないとしても、水俣病の認定患者に準ずるような救済制度を考えていくという方向で検討していただければというふうな思いを持っておりますので、この点を強く要望しておきたいと思います。 次に、やはり水俣病に関連をいたしまして、現在いわゆる水俣病訴訟というものが各地に存在をしております。一九五六年五月に水俣病が公式発見をされてから既に三十四年間の歳月が流れております。水俣病であるかどうかということで見解の違いというものが存在をしてこのような裁判ということになっておるわけでございますけれども、裁判で争わざるを得ない方々にとっては三十四年間の年月というのは非常に大きな負担でありましょうし、何とか生きているうちに救済をしてほしい、これは切実な願いであろうかと思います。この訴訟については、一九八七年三月に熊本地裁の第三次訴訟で国の責任を認める判決がありました。しかし、これは控訴されて現在控訴審で争われております。また、昨年十二月には東京地裁の方で、一審でございますがこれは結審をしております。先ほど申し上げましたように原告側としては何としても一日も早い解決を望みたい、その場合にはともかく話し合いでも解決をしていただければという思いが強いのではないかと私は推測をいたしておりますけれども そのためには国自体もまた同じ交渉のテーブルに着くべきである、こういう要望が強く存在をいたします。この裁判ということも含めて早期解決という観点から考えるならば、同じ交渉のテーブルに着くということは必須の要請ではなかろうかというふうに私は思うわけでございます。現実には熊本県の方でも交渉のテーブル等含めて必要な話し合いが持たれていると思いますが、国としてこの点についてはどのようにお考えになっているのか、お伺いをしたいと思います。
○三橋政府委員 私ども水俣病の問題の解決につきましては、公害健康被害の補償等に関する法律に基づきまして、医学を基礎といたしまして患者さんの公正な救済に努めてきたところでございますけれども、この認定業務についての御不満がございまして幾つかの裁判が起こされているということについては大変残念なことだと思っております。この訴訟につきましては、多くの関係省庁の法的責任が問われておりますし、また、原告の皆さん方が水俣病の患者かどうかということについてのとらえ方、それから関係省庁の法的責任の問題について、原告と被告との間で主張に大きな隔たりがあるという現状にございます。これまでの判決の中で国の主張が理解をされていない面も多く認められるところでございまして、国といたしましては、今後ともその国の立場が十分理解されるように主張、立証に努めていく必要があると考えております。このような状況でございますので、交渉等によって解決が図られるという状況では今ないという考え方でございまして、現時点で交渉をするというようなことは考えていないところでございます。
○倉田分科員 これもまた要望でございますけれども、ぜひともこの点も早期解決という観点、生きているうちに解決をという原告団の方々の願いを思えば、交渉のテーブルに着くことぐらいは検討をしていただきたい、またその方向で臨んでいただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 時間が参りましたので、あとちょっと何点か問題点だけを指摘して、現状だけの御答弁をいただきたいと思います。 現在、水俣湾の漁場開放ということが問題になっております。今熊本県としては留保しているということでございますが、この点について環境庁としてどのように対応されておられるのかということが一点。 それから、四月十一日にIPCS、国際化学物質安全性計画の新しいメチル水銀環境保健評価基準というのが発表されました。この新クライテリアによりますと、成人についてはこれまでどおり毛髪水銀が五〇ppmで神経障害が起きるとしたものの、胎児には特に危険であるとし、イラクのデータでは、妊婦の毛髪で一〇ないし二〇ppmで障害があることが紹介をされております。妊婦の毛髪水銀値が二〇ppm以下のときは、子宮内で暴露される子供についてはまだ疫学的研究が必要である。この新クライテリア基準については非常に重要な問題であると思いますし、また環境行政については今後非常に大きな影響を与えていく問題ではなかろうかと思います。そこで、この点について環境庁長官としてどのようにお考えなのか、お伺いをしたいと思います、 まず漁場問題についてお答え願います。
○安橋政府委員 水俣湾におきましては、なお基準を超える水銀を含みました魚類が一部生息しているということは私ども承知しているわけでございます。このような状況で水俣湾の漁場開放をするかどうかということにつきましては、現在熊本県の方で、そういった問題も含めまして、水俣湾の魚貝類対策委員会というようなものを設置いたしまして検討していらっしゃるわけでございます。このメンバーとしては学識経験者あるいは地元の関係者等が含まれておりまして、慎重な御審議がそういった専門家の間でなされているということでございますので、この検討結果を見守っていきたいというふうに考えているところでございます。
○北川国務大臣 ただいま御指摘のIPCSから新しいクライテリアが出された場合にはやはりこれに対応していかなければいかぬと思います。また、それは新しい知見として、よく専門家の意見も聞きながら、水俣病に関しては万全の体制をとっていかなければいけない、このように思っております。
○倉田分科員 長官にもう一点お伺いをしたいと思いますが、長官の三月一日の記者会見で、水俣訪問についてどうですか、こういう御質問があったと思うのですが、庁内の意見の方を聞いてみたい、こういうふうにお答えになったと私は新聞記事で読みました。この水俣訪問については、長官いかがでございますか。
○北川国務大臣 ただいまの倉田委員の現地を見ろということでございますか、この問題につきましては、私はやはり就任して間もないし、これに関してみずから知るところも多くしていきたいという気持ちで、環境庁内のみんなの意見をよく聞いた上で、諸事情を踏まえながら慎重に行動したい、このように思っております。
○倉田分科員 確かに、現場の声を聞く、それから現地に行くということは、これはまた一つの大きなことであろうと思いますので、私はぜひとも長官も水俣においでいただきたいと強く要望しておきたいと思います。 質問時間、持ち時間が終了いたしましたので、最後に、実は地下水の問題についてお伺いをしたいと思ったのでございますが、地下水の資源としての重要性、また、保全の問題、最近は特に汚染の問題が強く警告をされております。そこで、この地下水の調査、保全、汚染の問題について総合的に簡単にお答えを願えればと思います。
○安橋政府委員 地下水は、先生御指摘のように、我が国の重要な水資源の一部を形成しているわけでございまして、これが汚染されるようなことがあってはならないということで、昨年の水質汚濁防止法の改正で有害物質の地下浸透禁止というようなこともやっておるわけでございますが、今後は地下水の汚染の実態把握あるいは回復対策についてもあわせて検討をいたしまして、環境問題から地下水が問題にならないように万全を期していきたいと思っております。
○倉田分科員 済みません、建設省、国土庁において、この地下水保全等の問題については現在どのような規制をなされておりますか。
○副島説明員 我が国の水の使用量のうちの六分の一が地下水に依存しているわけでございまして、私ども、水資源として非常に重要な分野であるというふうに考えております。ただ、私どもは水資源としての有効利用という観点で行政を進めておるわけでございますけれども、具体的な規制等々の問題につきましては、それぞれの地域の実情に応じて各地方自治体において条例等を制定していろいろ進めておられるというのが実情でございます。
○定道説明員 地下水は水の循環機能の上から見まして河川水と非常に関係があるということで建設省河川局はこの地下水のあり方について取り組んでおります。各種の地下水の賦存の考えられるところ、あるいは現在も採取されているところにつきまして、昭和五十年以降各種の調査を実施しております。そしてそれに基づきまして、地下水の適正な保全と利用あるいは管理のあり方についての検討を重ねているところでございます。
○倉田分科員 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○内海主査 これにて倉田栄喜君の質疑は終了いたしました。 次に、大木正吾君。
○大木分科員 ゴルフ場の農業問題について、環境庁中心に伺いたいのでございます。 最近、千葉県の沼田知事が農薬規制問題について、新しいゴルフ場には農薬を使用させない、こういうふうな要綱をつくって大分全国的に注目を浴びているわけでございますが、これについて環境庁あるいは農水省その他関係の省庁はどうお考えですか。
○北川国務大臣 ただいまの大木委員の御質問によりまする、沼田知事さんによりまして千葉県がゴルフ場の規制を思い切って発表なさいました。この点につきましては、私は、地域の実態、県民の意向を踏まえて選択されたものと思っております。また、地域の事情によっていろいろ格差がございますので全国一律に適用はできませんけれども、各地方自治体、またそういう県民の皆さんのお考えの中に立って行われることについて、環境庁も前向きで取り組んでいくことを申し上げたい、このように思っております。
○大木分科員 環境庁ですから前向きに取り組むことは、これは当たり前のことなんでして、今環境庁長官が各府県ごとに状況が違うなんて余分なことを言うのですが、最近の日経新聞、四月二十一日ですか、全国四十三都道府県において農業の問題について自治体指導を強める、こういう記事がありますね。この記事を見ましたか。
○北川国務大臣 ただいま御指摘の農薬の問題でございますが、私はみずから農業を営んでおりますので、やはりいろいろと農薬を使うときがありますが、それは原薬を希釈、ダイリュートといいますか、薄めるときに非常に薄くいたしまして、みずからの体に被害のないように努めております。それにしましても、やはりその田に二十日間ほどは入らないということも自分で心得ております。ゴルフ場ではやはり虫を殺さなければいかぬということから農薬の濃度を強くして使用しているのであろう、私はまだ視察をしておりませんが、そのような考えの上に立って農薬の使用というものは厳正にしてもらわなければいけない、私はこういうふうに思っております。
○大木分科員 あなた御自身の受けとめ方が甘いのですよ。結果的にゴルフ場問題について今自民党の総務会でさえも、そうでしょう、内海さん、とにかく総務会としては異例のことなんでございますが、農薬問題について議論が始まっているわけでしょう。新聞記事を拝見いたしますと、総務会のメンバーの大半の方々がこういった問題について前向きに検討している、こういった話をしていますね。ですから、単に千葉県の問題じゃなしに、沼田知事があえてこういった思い切った措置をとったということの背景には、まさしく住宅問題なり水質汚染の問題とか、今水俣病の議論がありましたけれども、そういったものに将来関係するといいましょうか、要するに人間あるいは植物、動物の生態系にも及ぶ、こういった問題が千葉県的にあるのですよ。 あなたは千葉県に行ったことありますか。あそこは二百メートルの丘陵ですよ。海岸に行ったらもう十メートルもないくらい、三メートルしかないですよね。水源が非常に浅いのですよ。だからあちこちゴルフ場周辺で、井戸の水を飲んだところが危いとか、そういったことがたくさん起きているわけですよね。だから思い切ってこういったことをやったのではないですか。しかも、そういった規制が四十三都道府県で起きているわけですからね、環境庁長官としては、こういったものを全国的に水の検査等を中心としながら広げていく、そういった指導、権限があなたにあるかないか私はよくわかりませんけれども、そういった考えを持つべきじゃないですか。どうなんです。
○北川国務大臣 ただいま大木議員から千葉県の地形等もおっしゃっていただいて、環境庁として強い姿勢でいったらどうだという御指摘を受けましたが、その点も踏まえまして、環境庁としてよく検討しながら頑張っていきたい、こういうふうに思っております。
○大木分科員 これは本当は予算の一般質疑等で取り上げたかった問題なんですけれども、分科会を軽視してはいけませんよね。問題の質が極めて濃いし、同時に国民生活なりレジャー等に関係の深い問題ですからね。 話を変えますが、全国のゴルフ場の数、同時に、これから幾つくらいになっていくのかについては、どなたか返事ができますか。
○安橋政府委員 本年三月現在で千六百九十四というふうに承知しております。これ以外にもただいま造成中のものあるいは建設中のものがございまして、それらを含めますと二千七、八百になるというふうな数を承知しております。
○大木分科員 環境庁、どなたか知りませんけれども、受けとめ方が少し違うのじゃないですか。私の手元の資料ですと、二月一日付で千五百六十三のゴルフ場です。そして造成中のものが五百五十、合わせまして二千百十三です。そして、これの面積を言いますと二十万ヘクタール。東京都の三多摩を含めた全地域が大体二十万くらいですから、東京部分が日本列島じゅうでゴルフ場になろうとしている、こういう状態であることは知っていますか。
○安橋政府委員 ゴルフ場の面積が一ゴルフ場当たり幾らということと今既に二千になんなんとしていることを掛け合わせますと、今先生御指摘のとおり二十万ヘクタールになるということは承知しておるわけでございます。
○大木分科員 結局沼田知事がやったことについて私たちも極めて高く評価しているのですけれども、ただ問題は、新しくできるものについて農薬は使用させない、既存のものについてもだんだん農薬の制約を強めていく、こういうふうにおっしゃっています。例えば千葉県は産廃銀座という通りがありまして、君津とか夷隅とか、あの辺に行きますと廃棄物を谷にどんどん不法投棄しているのですね。そういった状態で、これもゴルフ場の問題とあわせまして水質問題に影響を与えていっているわけです。だから私は、こういったものをつくるからには、沼田さんにもお話ししようと思ってはいるのですが、何らかのペナルティーというものを考えないと。現にやっている産廃の業者がおりますが、この業者に対して始末書をとったりいろいろなことはやっているのですけれども、依然としてごみの山はふえていっている。夜中に来て積んでいるというわけです。ですから、せっかくのこういった問題について環境庁としては前向きな具体的な指導をしてもらいたい。
○安橋政府委員 産業廃棄物を初めといたします廃棄物が環境を汚染することがないようにするために、環境庁といたしましても最終処分場の基準といったものにつきまして、関係の厚生省とも連絡を密にしながら基準をつくっております。またそれの遵守ということで、これも厚生省と連絡を密にしながら、要は基準がきちっと守られてごみあるいは廃棄物が環境を汚染することのないように都道府県に対します指導をさらに強めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○大木分科員 先ほども建設省の方がお答えになっていたようですけれども、実際水源地の水質の検査、これに対して各自治体、国でもそうですけれども、現在の水質保全の人材というか器材というか、そういったものが日本列島じゅう全体的にやれるような、例えば年に二回でもいいです、余り人をふやしたくはないですが、状態になっているのですか、どうなんですか。
○安橋政府委員 水質汚濁防止法上の問題として申し上げますと、人の健康に影響を与えるような有害物質あるいは環境汚染をするような工場、事業場からの排水につきましては、環境庁の方から各都道府県に依頼をいたしまして定期的な観測、測定を行って、その結果悪いものがございますれば排出源に対しまして指導をするというようなことで体制を整えているところでございます。
○大木分科員 私は実は千葉の方を視察してみたのですが、実際問題、これは千葉が昨年の晩秋に調査した結果なんですが、県庁の職員の方々あるいは保健所の関係の方々の援助等も得ましてやったのは、百四ゴルフ場中の十二カ所しか検査できなかったのですよ。その中の九カ所から挙げますけれども、殺虫剤関係でスミチオン、ダイアジノン、殺菌剤としてイソプロチオラン、さらには除草剤としてオキサジアゾンとか、こういった物質が一応全部検査の結果出てきている。他の結局残った約九十ゴルフ場にももっとひどい濃度のものもあるかもしれませんし、同時に同じのもあるかもしれませんし、別のもあるかもしれません。 ですから、これは問題からしますれば今すぐに人間の生命にかかわる問題ではないと思うのですが、長い年数今の状態でもって農薬をばらまいていきますと、恐らく沈殿していく状態からしますれば必ず千葉県に住む方々の子供さん方、孫の方方に影響が出ることは間違いがないのですよ。そういったような深刻な状態を考えたりしますと、むしろ環境庁なり厚生省なり、建設省でも結構ですが、水質汚染の状態の調査について、調査の効率性ももっと高めてもいいでしょうけれども、絶対的に要員が足らない。検査をする機材といいましょうか資材、そういったものも足らない。そういったことはお認めになっていただいた上で、自民党総務会の、内海さんもメンバーじゃないかと思うのだけれども、せっかく西岡さんが張り切ってやり始めたのだから、行政官庁が後におってはいかぬですよ。長官のところでも具体的にそういったものについて、どれくらいのメンバーが足りないんだ、どういったものが必要なんだということを今直ちにやるべきですよ。沼田知事の勇断というものを無にしてはいけませんよ。ですから、そういったことについてもうちょっと具体的に聞きたいと思います。
○安橋政府委員 私どもの方でゴルフ場につきまして検査を県の方に依頼いたしまして取りまとめたもの、三月末現在でございますけれども、三百九十四のゴルフ場で検査をいたしまして、一万三千八百検体の検査をしたわけでございます。農楽の種類にいたしますと七十四種類でございます。その結果、ほとんどのところでは検出されなかたわけでございますが、一部で農薬が検出された事例もあるわけでございますが、レベルといたしましては、先生御指摘のように直ちに人体に影響を与えるようなものではないのではないかと知見からして言えるわけでございます。ただ、私ども、県がゴルフ場を指導する際の水質の面からのはっきりした目安というものが今の状態ではございませんので、早急にこれをつくるべく調査、準備を急いでいるところでございます。また、それとあわせまして、先生御指摘のとおり調査の対象のゴルフ場をふやすというようなことで、しっかりした実態把握も充実していきたいと思っているわけでございます。 それからなお、農薬の問題でございますが、私ども販売する場合に登録をお願いしているわけでございますが、その登録保留基準といったもので、一定の期間以上効果が残存するようないわば半減期が長いような農薬につきましては登録をしない、したがって販売しないというような体制をとっているわけでございます。そういうことでございますから、ずっと農薬がそのうちにたまりたまって土壌が大変なものになるというようなことのないようにしたい、そういう体制を通じてそういうことがないようにしたいということにしておるわけでございます。
○大木分科員 私は百姓の次男坊ですから、土壌が酸性化した場合どうなるかとか、あるいは農薬を使った場合どうなるかということぐらいは子供のころから若干気がついているわけです。この問題は自民党総務会でも取り上げられているし、同時に大き世論的な面でもございますし、私自身ゴルフやってはいけないと言うわけではない、私もいたしますし、そういった面ではいいのですけれども、ただ、日本のゴルフ場というのは、内海さん、国際的に旅行してみられてどうですか、箱庭的に少しきれい過ぎる、こういう感じがしませんか。むしろ草がもうちょっとあったって、高温多湿の日本列島なのですから出ることは当たり前ですよ。そういったことも考えられまして、とにかくきれいにしなければゴルフができない、スコアがよくならない、そんなぜいたく言っていられませんよ。ゴルフに参加した方は必ず、十五分でいいからゲーム終わったら途端に草をどこかむしって助けてやるとか、そういったマナーというものも涵養しなければいけません。 今は人体に被害がない、そのとおりですね。しかし、百姓の次男坊の経験からしますと、何年もこれを放置しておきますと、沼田さんが今ぴしっと言ったということは、これは恐らく放置したら必ずそうなるぞ、水質に影響が出まして大変な問題が起きる、取り返しがつかなくなってしまう、チェルノブイリほどではないと思いますけれども、そういったことを考えたから彼はやったと思うのですね。そういった前向きな姿勢ということを、ある程度ゴルフ業者あるいはゴルファーの方方から批判がありましても、人間は自分の生態系というものを一番大事にしなければならないのですから、環境庁自身がもうちょっと前に出た行政的な指導ということを、特に環境問題、地球の暖かさの問題を含めまして、私はむしろ環境庁は環境庁じゃなしに環境省ぐらいにしてもいいと思うのですけれども、そういった形でもってあなた方もうちょっと前向きに出なければ、それは世論がそれを援助しますからぜひやってもらって、こう考えているのですよ。ですから、沼田さんの問題に加えてペナルティーを考えてみてもいいと思うし、同時に水質検査がもっと完璧に、どこのゴルフ場についても、二千を超したときにおきましても年二回は水質のあれができる。同時に農薬問題については本当に農業する程度にしてしまって、殺菌剤はしょうがないだろうと思うのですが、除草剤、殺虫剤等はむしろ別の方法で解決する方法があるはずですよ。ですから、そういったことを含めて、この問題については環境庁の前向きな思い切った、大胆な、西岡さんに負けないくらいの気持ちであなたにぜひやってもらいたいというのが私の希望なのですが、長官どうですか。
○北川国務大臣 ただいま大木委員から非常に前向きの御鞭撻をいただぎまして私も感激しておるのでありますが、特に土の問題を出されまして、農薬は土に蓄積していくと一のものが二、次には四になってきたときはこれは被害を及ぼすであろうと思っております。また、土は泣いているということを私は大分前に言ったことがあります。土の還元力を侵してしまってはいけない、こんな思いをいたしますし、特に沼田知事の英断を環境庁としても高く評価しております。そういうことを考えながら、これから地域の環境というものをよく踏まえまして環境庁としても前向きで取り組んでまいりたい、このように思っております。ありがとうございました。
○大木分科員 ゴルフ場問題についてこれぐらいにしておきますが、この背景にありますリゾート法問題ですね。これについて、実は農水省の林野関係の方も含めてちょっと伺いたいのです。 今、大体外国におけるリゾートなどといいますと、相当総合的な施設がたくさんありまして、老人の保養施設からたくさんあるわけですけれども、日本の場合には恐らく九割までがゴルフ場とリゾートマンションに占められている、こういう状態だと思うのですが、それによって起きるいわゆる森林の伐採問題、こういった状態について、関係の方いらっしゃったらちょっと状況を聞きたいのですが。
○甕政府委員 ただいま委員御指摘のとおり、最近のリゾート、ゴルフ場に限りません、いろいろな種類の開発が、かなりの部分が森林を対象に行われる、こういう実態にございます。こういったもろもろの開発の中で極力森林の保全が図られることが必要であるというのが当然のことながら私どもの基本的な立場でございます。したがいまして、森林の保全上問題が生じないようなことを基本に利用面との調整を図る、こういう立場に立ちまして森林法に基づく保安林制度あるいは林地開発許可制度の運用に当たっておるところでございます。 保安林は、これは御承知のとおり水源の涵養でございますとか災害の防備、生活環境の保全等の公共の目的を達成するために指定をされておりますから、その解除に当たっては、原則として治山事業をやりましたところでありますとか、急傾斜地でありますとか、山地災害の危険箇所でありまますとか、重要な施設の保全を目的とするところでありますとか、これは当然除外をして用地選定をしていただかなければなりません。また、防災施設等の設置につきましても、要件は厳正に審査をしまして適正な運用を図っておるつもりでございます。 また、保安林以外の森林につきましても、林地開発許可制度によりまして災害の防止、水資源の涵養、生活環境の保全等の面から見ましてその開発が周辺地域に支障を及ぼさないように、許可をする場合には許可をするという対応をいたしております。具体的には、やはりその森林の植生でございますとか地形でございますとか自然条件がございますし、水の利用状況等も総合的に勘案いたしまして防災施設、貯水池等の施設等にもとういう計画があるか、また、一定の森林は残置するというようなことも含めまして厳正な審査を行って適否を判断して対応しておるという現状でございます。
○大木分科員 これは環境庁長官に聞くのはちょっと酷なことかもしれませんが、リゾート法というのは大体日本語で法律ができておりまして、総合保養地域整備法なんですね。そうでしょう。しかも第二条の定義の中では、スポーツまたはレクリエーション施設、そして教養文化施設、休養施設、集会施設、宿泊施設、交通関係、販売関係とか、ここで八つほど項目が挙がっているのですよ。実際に私、ずっと見てまいりまして、休養施設、教養文化施設というのはリゾートの中に見たことないのですよ。見ても、県なんかが特別な指導をしたり補助したりした中でたまにありますけれども。ですから、現在のリゾート法というものは、さっき申し上げたゴルフ場問題もその中の最大問題なんでありますけれども、本当にリゾート法というものを法律の建前どおりにやる、こういったことについて環境庁長官、どういうふうにお考えですか。
○山内政府委員 御案内のように六省庁がリゾート法を主管しておりますが、環境庁長官には必ず協議をするということになっております。その場合、主として自然保護の観点からの協議を受けているわけでございますが、確かに県が青写真をつくります場合にできるだけ個性あるリゾートをつくるようにということは、これは県も一生懸命考えておりますが、私ども幅広くそういう目からも見て、お求めがあれば相談に応じている立場でございますが、結果的にある程度共通の要素に集約されている事実は私ども感想としては持っているのが実態でございます。
○大木分科員 大体リゾート法というのは地元の自治体なり住民の方々の意見を中心にしながらつくられているのが国際的なリゾートですよね。しかし、現に日本の場合どうですか。例えばスキー場でもめた水上とか、あの地域のこともございますけれどもマンションが四千ぐらいもできてしまって、町の世帯数よりも余計にできる、町の旅館はお客さんがもう半分くらいに減ってしまうという状態で、慌てて今度はそれに対して反対運動が、町がやるのかあるいは町民の方がやるのかわかりませんが、起きる。そういった状態で来てしまっているわけでございまして、やはり地元の、言えば過疎地帯の自治体の税収を当てにしているかもしれませんが、都市計画税とかそういったものをどうも免除している地域もございまして、結果的にリゾート法が全然地元のためにならぬ。地元の雇用の増進にもならないし、土地の値上がりには影響するかもしれませんが、あと商業上とか商売上の問題についてはほとんどプラスがないという状態が現在のリゾートのあり方なんですよ。これについては根幹的に考え直すべきあるいは行政指導すべき状態じゃないかと私は思うのですが、前のゴルフ場問題に関連しますけれども、そういう考え方は関係省庁の中には、まあ環境庁だけじゃないのですけれども、ございませんか。
○片桐政府委員 いわゆるリゾート法の主務大臣、六大臣になっておりますけれども、その中で農林水産大臣も主務大臣ということでございます。 確かに先生御指摘のように、リゾート法に基づく承認を受けた構想、現在二十地域ございますけれども、ゴルフ場とかそういうものが多いわけですが、また地域によっては観光牧場とか体験農園それからまた農村公園、マリーナ、そういうような地域の特色を生かした施設の整備を構想しているところもあるわけでございます。私どもといたしましては、農山漁村の特色を生かして、また農林漁業の健全な発展との調和を図りながら、特色ある魅力的な施設の整備が行われるように都道府県を指導してまいりたいと考えております。
○大木分科員 時間がありませんから言いっ放しにしますので、これは答えは要りません。 私の考えで、例えばの話がこれは千葉県の館山、船形漁港というのがありまして、ここの漁民の方々は、経営者であってしかも漁民なんですね。そういった立場でもって、結果的に話を聞きますと、マリーナをつくる、石原慎太郎さんがたしか運輸大臣のときだったですか、新聞に話がぽんと出ました。現地から呼ばれまして行ってみましたら、もしマリーナをつくるのだったら私たちは十兆の金を積んだって絶対に漁港を放さない、こういう話なんですよ。命がけで守ろうというのですよ。要するに、マリーナがどんどん入ってきますと、九十九里の事故もございましたけれども、そこに油が浮いてしまったら魚類はどんどん沖へ、二キロ、三キロ先へ行ってしまって沿岸漁業はだめになる。同時に、卵を産む場所がなくなってしまうのですよ。 そういったことを幾つか見ているわけだけれども、いずれにしても今言ったような、失礼ですけれども、言えば非常にきれいな言葉でもってお答えが返ってきたのですけれども、とにかくもっと具体的に、ヨーロッパ並みといいますか、フランスあるいはアメリカの資料も随分たくさん見てみましたけれども、日本みたいにゴルフ場ととにかくもうかるだけのリゾートマンションとの二つだけで、それを称してリゾート地域、こういうふうに言うことは本当言って少しおこがましいよ。この問題についてはこの方が一番専門家のはずなんだけれども、とにかくもっと根幹的に考えてもらわぬと、総務会の議題にもしてもらいたいと思うし、内海さん、国土庁長官をやったこともあるわけだから、そういった経験などを長官もぜひ聞いていただきまして、リゾートと言うにふさわしいものにしてもらいたいのですよ。その根幹の問題は、リゾート地域に住む住民の問題、自治体を中心として発想してもらいたいと思うのです。確かに金が要りますから、資本の問題もあります。ありますけれども、そういうふうにしないと、リゾート、リゾートなどと立派なことを言う資格が余りありませんし、先進国日本が経済的には大国だけれども社会的にはCランクの方になってしまう、こういう問題になりますので、このことは私の意見として申し上げさせていただいて、終わります。 ありがとうございました。
○内海主査 これにて大木正吾君の質疑は終了いたしました。 次に、東祥三君。
○東(祥)分科員 公明党の東祥三でございます。このたび当選させていただきました新人議員でございますので、初めての質問でもございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。 本日は時間の許す限り、ちょっと大きな問題でございますが、地球規模の環境問題について種々御質問させていただきたいと思います。細かいところに入れるかどうかわからないのですけれども、大枠の問題あるいは地球問題を考える上においての根幹をなす部分と言ってもいいかわかりません。そういったことに関して質問させていただきたいと思います。 先日の四月二十二日のアースデーにおいて観察されたように、近年、地球の温暖化、オゾン層の破壊あるいはまた熱帯雨林等の破壊等による地球規模の環境問題に対しての、国境や文化あるいは世代を超えた人々の関心あるいは連帯によってこのかけがえのない地球を守ろうとする行動が見られます。また、単に個人だけではなくて、国連環境計画、UNEPだとかあるいはユネスコ、国際自然保護連合、世界自然保護基金、国際環境連絡センターを初めとする国際機関の代表、そしてまた世界のNGOが国境、体制を超えて地球を救うための行動の連帯の輪が広がっているように思えます。 この点を踏まえまして、まず初めに環境庁長官から地球規模の環境問題についての御所見をお伺いしたい。よろしくお願いします。
○北川国務大臣 ただいま東委員の地球環境についての御質問、非常に大きな問題であるということは御指摘のとおりでございまして、我々人類の生存基盤に深刻な影響を与える問題でありますし、私は、十七、十八日のホワイトハウスにおきまして、EC諸国とアメリカの間にありながら、国は異なれども地球は一つ、この考え方に立って、全人類の英知を結集して世界各国が手を携えて行動しなくちゃいかぬのじゃないかということを申してまいりました。その中で、我が国は高度な経済活動を営みながら地球環境に大きなかかわりを、より地球環境を守っていく、つまり両立するところの政治というものをなす必要があるのじゃないかということも私は申してまいりました。 しかしながらなお、昨年のオランダのノルドベイク宣言にもございましたように、温暖化のCO2対策については一刻も許せない、悔いを千載に残すようなことがあってはいけないからすぐ行動しなくちゃいけない、こういう点も申してまいりました。 以上でございます。
○東(祥)分科員 ちょっと哲学的になってまいりますけれども、地球環境問題を考える上での何か新しい概念が最近出てきたように思えてなりません。 御案内のとおり、一九八四年に、日本の提唱だと伺っておりますが、あの国連に環境と開発に関する世界委員会、WCEDが設置されましたけれども、この委員会が一九八七年に報告書を出しまして、その報告書では、将来の発展の基礎である環境を損なうことなく開発を進める持続可能な開発、サステーナブルデベロプメントという概念を提唱いたしました。これは、その後の国連総会においてもこの報告書が提出されて、今後、開発と環境あるいは地球的な環境問題に関しての国際会議が開かれたとき、この報告書の結論、またこの概念、持続可能な開発といった概念を尊重していこうではないか、今日、ある意味で世界における共通の意識、共通の概念というものになっているような気がするのです。ただ、英語から日本語に単純に訳しておりますので、ある意味で日本的にはぴんとこない。そういう意味で、持続可能な開発というものについて、環境庁長官はどのような概念の合意を持っていらっしゃると思われますか。
○北川国務大臣 ただいま持続可能な開発についての東委員の御質問でございますが、私は、この地球の環境というものは人類のみにとどまらず生きとし生けるものすべてのものになくちゃいけない、こういうように思っております。また、今日までこの経済の発展を来してきたケミカルサイエンスといいますか、科学も技術も、また企業を超えて、人間の英知がこの地球の環境を悪うしたと言っても過言でないと思っております。そういう意味におきまして、持続可能な開発ということは、片方でやはり我々人間が営んでいくところのそれを損なうことなく、地球環境をよくしていくことの人間の英知というものがこの持続可能な開発というものに注いでいかなくちゃいかない、こういう思いをいたしております。
○東(祥)分科員 多分、意見の分かれる非常に難しい問題だろうと思うのですけれども、実はこういった問題を考えるためにいろいろと本をあさっておりましたら、絵本を見つけたのです。「ぼくのジャングルを救って!」という絵本でございます。長官、読まれましたか。(北川国務大臣「いや、ちょっとまだ読んでおりません」と呼ぶ)本当は読みたいのですけれども、これを読んでいると私の質問時間が終わってしまいますので、だめになってしまいます。私もメキシコに住んでおりましたので、その本を読んだときにまた感動した次第でございますけれども、これを要約してまいりました。ちょっと聞いてください。 主人公はオマール・カスティーヨというメキシコに住む八歳になる少年です。 オマールはある日、お祖父さんからメキシコの南にあるジャングルの話を聞きます。どこまでも高い木、たくさんの動物、すみきった空気……。それは、生き物が大好きなオマールにとっては、想像するだけでワクワクしてくる世界でした。そして、彼は、大きくなったら絶対にジャングルに行くぞと決意するのです。 ところが、その日、お祖父さんのところから家に戻った時、テレビでとてもショッキングな事実を知るのです。それは、メキシコのジャングルはすでに破壊が進み、唯一残ったラカンドンのジャングルも、いまや木が伐採されようとしている事実です。テレビの画面は、ジャングルに火がつけられ、燃える木の間をシカがおそれおののいて逃げていくシーンを写しだしていました。 「ぼくのジャングルが壊されている」 オマールはテレビを観ながら、高ぶる感情を抑えることができませんでした。ジャングルを救うには、どうすればいいんだろう。 オマールは、大統領に手紙を書きました。大統領様、お願いです。どうぞメキシコ最後のジャングルを残してください。そして、ジャングルにいる動物を死なせないでください。 でも、返事はきません。もう一通書きました。しかし、今度も返事はありません。何日かしてオマールは、お父さんに聞きます。 「どうして大統領は返事をくれないの。ぼくはもう四通も手紙を書いたんだよ」 「いいかげんにしろよ。そんなにジャングルが救いたければ、お前が行けばいいじゃないか」。仕事に疲れていたお父さんは、真剣に取り合ってくれません。 翌朝、オマールは荷作りをし、ジャングルに出掛けようとします。その決意が堅いことを知ったお父さんは、自分も一緒に行くことにしたのです。懸命になって働き、時間を作って、オマールと二人でラカンドンのジャングルに向かって旅立ちます。彼らの住むメキシコ・シティから、ラカンドンまでは千四百キロ。その道のりを、二人はお母さんが作ってくれた「ジャングルを救おう」と書いた旗を持って二十九日間かけて歩くのです。 何度も何度も、もうやめようと思いました。 足はマメだらけです。雨の日もあります。途中で、お金も底をつきました。しかし、二人は励ましあい、ジャングルの危機を訴えながら、この旅を続けたのです。 そうして、ようやくラカンドンに着き、市長に会うことができました。市長は、オマールの訴えにニコニコ笑うものの、ジャングルの伐採を止めるといってくれません。 オマールはとてもがっかりします。しかし、ジャングルを実際に見ることができました。これだけでも長い旅をしてきた甲斐があったし、いままで以上に闘志が沸いてき、よし、やっぱり大統領に会わなければダメだ、と決意を固めるのです。 メキシコ・シティに帰ったオマールは、大統領府の前の広場にテントを張り、大統領が会ってくれるまで、くる日もくる日もお母さんが作ってくれた旗をもって広場を行進しました。それが新聞で報道され、彼と一緒に広場を行進してくれる子どもたちの輪が大きくなっていきます。そして、五日目、大統領が会ってくれたのです。しかも、ジャングルの伐採を止めようと約束もしてくれました。 ところが、現実には、ジャングルの破壊は止まなかったのです。 ここで終わっております。この絵本に私が感動するのは、それが実話だということでございます。現在オマール君は十三歳。このときの体験は、ジャングルを救うことは簡単ではない、でも自分一人の力ではなく多くの子供の力が集まれば可能になるということを彼に教えた。ある彼と会った人が言っておりました。オマール君は、あれから自転車で各地の学校を回り、ジャングルを救うことの大切さを訴え続けました。その行動の中から、メキシコの子供たちの間に遺産の会という組織ができているそうでございます。今、遺産の会では、子供たちだけで植林をしたり、ジャングル破壊反対のデモをしたりしているそうです。彼らはこう言います。遺産と名づけたのは僕たち子供が地球の遺産を継ぎたいからです。僕たちが遺産として残してもらいたいのは、お金ではなく、ジャングルや動物、そして楽しく泳げる海や川、呼吸しても害にならない空気ですと。 この絵本は、スウェーデンでまず出版されました。以来、多くの国で翻訳され、それがきっかけとなって、オマール君を支援する子供たちの輪が世界的に今広がっているといいます。さらにまた、スウェーデンの子供たちは、まだ手つかずの自然が残っている中米のコスタリカにモンテベルデという、緑の森、山といいますけれども、そのコスタリカのジャングルを自分たちの手で保護しようと、子供のジャングル基金というナショナルトラスト運動も始めています。日本の子供たちの中にも、これらの運動を支援する輪が広がっているのです。 そういうことを若干調べさせていただきました。先ほど私は、持続可能な開発ということについて長官のお考えを聞きましたけれども、実際は、私たち大人たちが今の生活基盤を維持し続けようと思っていけばどうしても将来子供たちが大きくなったときに見ることのできるものを壊しているという、そういう現実を多分世界の子供たちは気づき始めている。また大人たちに任しておけば一体我々の世の中はどうなるのか、今こういう状況になりつつあるんではないか、このように思えてなりません。 そういう意味におきまして、持続可能な開発というのは一体何を意味しているのか。少なくとも私が思うのは、明確に言えると思うのは、子供たちあるいは将来の世代の人々が彼らの欲求を充足する能力を我々が絶対損なっちゃいけない、損なわないように今日の私たちが自分たちの欲求を満たしていくという新しい生活スタイルをある意味で見出していかない限り、一体何が起こるかわからない。それはとりもなおさず、オマール君の闘いでありませんが、子供たちが大きくなったときに今我々が見ているものが全部彼らには見えなくなってしまう。こういうふうに思うんですが、長官、この絵本についてでも結構でございますが、御感想を伺いたいと思うんです。
○北川国務大臣 ただいま東委員からメキシコのオマール君のラカンドン市の森林を思う、またそこにすまっている生態系の生きとし生きるいろんな動物、植物、いろんなものを愛する心のいちずな思いが胸の中に私にも響いてまいります。そんな思いの中で、我々の孫や、ずっとまだ二十一世紀というものに残していくものは何か、何もなくなるんじゃないか、こういう御指摘だと思う次第であります。 だから、私はいつも言っているんですが、この経済の発展を来してきた日本の企業も、そして今日までこれに貢献した技術も科学も、そのすべてが今度は地球の環境を取り戻すために、そこに英知を結集して、いいものを生まなきゃいけない、こういう思いをいたしております。 そういう意味におきまして、政府としましては、やはり森林については植林をしていかなくちゃいかない、また発展途上国にもまた援助もしていかなくちゃいかない。それと同時に、十七、十八日に行われましたホワイトハウスの会議においても、直ちにこれを行動にしなくちゃいかないという面と、あるいはまた不確実性についてはなおなお英知を結集して研究していかないかぬ、この二つを両立さしながら持続する地球というものを、今より悪くしたら絶対にだめなんですから、このことを踏まえながらこれから英知を結集していかないかない、私はこういう思いをいたしております。
○東(祥)分科員 よくわかります。ただ、植林といっても、熱帯雨林を一たび伐採してしまえば、植林したとしてもまたもとの姿には絶対戻らないというのも、これは事実でございます。そういう意味におきまして、我々の生活が不自由になるかもわかりませんが、ある意味で何らかの形で熱帯林伐採に規制をはめていかなければならないだろう。しかし、もちろんこれは今度は別の開発という問題で、発展途上国の開発問題あるいは南北問題にもかかわっできます。日本のODA、政府開発援助とも抵触してくる極めて難しい問題でございます。そういう意味からいって、ただ単に対症療法的に、日本はこういうふうにやったからそれの見返りとしてこういうふうに環境保護をやっていくということでは多分ないんだろうというふうに思えてならないのですけれども、長官いかがでございましょうか。
○安原政府委員 熱帯林の保全が極めて重要であるというのは、もう御指摘のとおりでございます。私も先日、大臣に随行いたしましてホワイトハウス会議に出たわけでございますが、そこでブラジルの代表が、アマゾンの熱帯林の重要性を十分自覚して、これを保全していくための新しいイニシアチブをとっていきたいということを力強くその会議の場で紹介しておりました。それに感銘を受けたわけでございます。その話につきましては、ブッシュ大統領が締めくくりの演説におきまして、特に途上国の努力にまず言及したわけでございますが、イの一番にブラジルの新しいイニシアチブを評価するということを申されたわけでございます。 確かに熱帯林の保全というのは、一度切れはなかなかもとへ戻らない、もう御指摘のとおりでございます。この熱帯林をどういうぐあいにして保全していくかにつきましては、全世界がその英知を集めなければならない。昨年の十一月のノールドベイクの会議におきましても、気候温暖化の観点からも熱帯林の保全というのは非常に重要である、そこで、今本土の半分くらいの面積が毎年毎年世界から熱帯林の減少という形であらわれてきている、これを何とかその減るテンポをなだらかにし、そして何とかバランスをさせ、来世紀の初頭にはむしろ今減っている分くらいを逆に純増に持っていかなければならない、そういうことが議論されたわけでございます。そのためのフィージビリティーの調査も国際的にIPCCに検討してもらおうということになっております。 そういう検討も踏まえながら、具体的には各国別に、今FAOが間に立ちまして、熱帯林行動計画という形で熱帯林を保全していくための具体的なプランが策定されつつあります。これの策定作業も日本としても支援していかなければならない。ITTOという国際機関もございます。そういうものも支援していく。そういういろいろな形で熱帯林の保全に我が国としてもできるだけの努力をしていかなければならないと考えている次第でございます。
○東(祥)分科員 今熱帯雨林のことだけが突出してしまいましたけれども、私が基本的に言いたいのは、熱帯雨林伐採もそうでございますし、地球の温暖化の問題、二酸化炭素の問題もそうでございます。中長期、大陸規模という時点で考えれば、酸性雨の問題もそうでございます。オゾン層破壊の問題もそうです。これは、一つ一つ切り離して論じ合うことのできないものが多分今何かひょっとして起こっているのだろうというのが、基本的な認識としてあるんだろうというふうに思うのですね。 そういう視点から次に入っていきたいのですけれども、地球規模の環境問題というものが一体いつごろから脚光を浴びてきたのか。私は八八年にはずっと中東の方におりまして、熱波が襲ってきてギリシャで多数の人々が亡くなってしまったわけですけれども、また同年にアメリカの中西部においても異常気象が起こったりして、こういうある意味で人身といいますか、人間が死んでしまう、それによって喚起されてきた。また、一九八五年にオゾンホールが南極で発見された。 ここで一つ言えるのが、おもしろいことをある本で読みました。日本の南極隊観測者によって、春のオゾン濃度が減少しているというのは一九七五年ぐらいからずっと記録されていた。ところが、一九八五年になってハーマンという人がこのオゾンホールの問題を指摘することになった。それよりもずっと前に、十年前に、もう日本人が状況は見ているのですね。ところが、何なのかという基本的な問題意識が足りなかったのか、熱意がなかったのか、その事実自体を見ていてもそれをさらに深めていくことができなかった。もちろんその南極隊員の観測者を私は責めているのではありません。ある意味でこういう地球問題というものを考える場合、どうしても問題意識から探っていかなくてはいけないのだろう、その根幹を揺り動かさなければいけないのだろう、私はそのように思っておりますし、先ほどの環境庁長官のお話を聞いていても基本的には同じベースにいるんだなというふうに思います。そういう視点から、日本は地球規模の環境問題に対して一体いつごろから取り組んできたのか、まずこの辺ちょっとお伺いしたいと思います。
○安原政府委員 御承知のとおり、一九七二年にストックホルムで人間環境会議がございました。そしてその後、その成果とも言えるわけでございますが、翌年に国連でUNEPが設立を見たわけでございます。そういうことで国際的な取り組みが始まっているわけでございますが、また米国の方ではカーター大統領時代に、一九八〇年でございますが、「西暦二〇〇〇年の地球」を公表したわけでございます。 そういう動きを受けまして、環境庁の方では、一九八〇年その公表がありました後、地球的規模の環境問題に関する懇談会、いわゆる地球懇と称しておりますが、環境庁長官のもとにいわば私的な諮問委員会を設けまして、学識経験者の方にいろいろ御意見を伺いながら問題の検討を進めてまいったわけでございます。また、その一つの成果だと存ずるわけでございますが、地球懇の意見も踏まえまして我が国から、当時の原環境庁長官でございますが、国連の方にこういう地球環境問題について特別の委員会を設けていろいろ検討したらどうかどいうような提唱をいたしまして、その提唱を受けて国連の方に一九八四年、先ほど東委員がおっしゃいました環境と開発に関する世界委員会の設置を見たということでございます。その委員会の最終会合は東京で行われまして、その後、昭和六十二年に報告書が公表されたわけでございます。その中のキーワードは、先ほど先生がおっしゃいました持続可能な開発という概念でございます。 そこで、環境庁としましては、この世界委員会の報告を受けまして、我が国としての取り組みについて具体的に検討していく必要があるということで検討に着手したわけでございます。そして、地球懇のもとに特別委員会を設けまして、有識者の方の意見をいろいろ聞きながら提言をまとめていただいた、また環境庁自身もプロジェクトチームをつくりまして対応、取り組みについての検討の方向をまとめたわけでございます。 そういう経緯をたどっている次第でございます。
○東(祥)分科員 もうあっという間に時間が過ぎ去ってしまって非常に残念なのですけれども、日本が国際機関あるいは既存の機関を通じて地球環境問題に対して何らかの関心を示しているというのはよくわかります、ちょっと悪くとっているかもわかりませんけれども。私が述べたいのは、日本独自が一体どういう取り組みをやってきているのか、こういうことでございます。簡単に言っていただけますか。
○安原政府委員 例えば、地球の環境問題と申しましてもいろいろございますが、欧米で問題にされております一つの問題として酸性雨の問題がございます。これにつきましては、我が国ではちょうど四十八年から五十一年ごろにかけて関東地域で雨水により目や皮膚に刺激されるような痛みを感じるというケースが生じたものでございますから、これの解明をする必要があるということで、昭和五十年から環境庁の方では湿性大気汚染調査を実施いたしております。そして、当時、降り始めのころの雨を測定いたしますと、pHの値が低くなっております。すなわち、酸性度の強い雨が観測されたわけでございます。その後、少し間があいておるわけでございますが、また五十八年から六十二年に第一次の酸性雨対策調査を実施しましたし、さらに引き続きまして六十三年から、現在やっているわけでございますが、第二次酸性雨対策調査を続けておるというのが一つの例でございます。
○東(祥)分科員 今酸性雨の調査研究ということでお話があったわけでございますが、今日、御案内のとおり関東平野の約半分ですか、五十万ヘクタールにわたって杉はもうほとんど全滅している。これは酸性雨の影響であるというふうにも言われております。ある意味で焦点がぼけたのかよくわかりませんけれども、一九七五年に基本的に酸性雨が始まっているが、その最終的な本質的な部分がひょっとして解明できなかったのか、簡単に解明できるような問題ではないので、その後持続的に第一次調査、第二次調査をやられているということでございます。 私、もう時間がありませんので最後にお聞きしたいのは、基本的にこういう問題を扱うときの根っこの部分、視点でございますが、対症療法的にいくのか、それとも予防療法的にこういう問題を考えていくのか、二つなんだろうと思うのですけれども、予算を見ておりますと往々にして、細かくはいきませんが、機器、ハード部門に大量のお金が投じられていて、ソフトの部分、つまり調査あるいは観測、こういったものに余りお金を使っていない、そのように思えてならないのでございます。それがとりもなおさず、一つの問題に対しての取り組み方の例としてあらわれてくるのではないか、私にはそのように思えてならないのです。そういう意味で、もしこの点に関して御所見がございましたらお願いしたいのですが。
○安原政府委員 御指摘のとおり、また大臣も言及されましたように、地球環境問題はまさに人類の生存基盤にかかわる重大問題でございます。これにつきまして十分な対応をやっていかなければならないということは、もう申すまでもございません。しかも非常に広範な問題でございますし、一国だけでは対応できない広がりを持つ問題でございます。そういう認識に立ちまして、政府としましては、関係省庁が一体となりましてこれに取り組んでいかなければならないという認識を持っているわけでございます。 そこで、関係閣僚会議におきまして当面の基本的な六項目を決めておりまして、これに従って今政府が挙げて取り組んでおる次第でございます。 第一は、国際協力でやっていく必要があるということで、国際的な枠組みづくりが重要でございます。具体的には条約という形があるわけでございますが、そこで、それの形成に向けて日本として積極的に参加し貢献していくというのが第一点でございます。 それから第二点としまして、地球環境問題、特に温暖化の問題につきましてはまだまだわからない点もあるわけでございまして、この不確実性を減らしていく努力が必要でございます。そこで、地球環境につきましてのモニタリング、調査研究を、省をまたがって、あるいは学問分野を超えて国際的に協力し合ってやっていこうということにいたしております。 第三点が、経済の持続的発展を図りつつ環境面のきちっとした対応をしなければならないということでございまして、そのための一つの方策としては、やはり技術開発でございます。技術開発を大いに進めるということでございます。 それから第四点、第五点が、途上国も一体となってやってもらう必要がある、これの自助努力を支援していくということでございます。それから環境配慮を徹底するということでございます。 第六点が、国内の対応としまして省資源、省エネルギー等の施策も徹底して進めていく必要がございます。そこで、個人のライフスタイルあるいは企業の行動を変えていく必要があるということでございまして、そのために必要な普及、啓発に努力しているというのが現在の状況でございます。
○東(祥)分科員 ありがとうございました。具体的に温暖化の問題だとか、またIPCCの報告内容が出ましたのでその点についても聞きたかったのですが、時間が来てしまいましたので、こういう問題に関してまた別の機会に御質問させていただきたいと思います。 本日はどうもありがとうございました。
○内海主査 これにて東祥三君の質疑は終了いたしました。 次に、小岩井清君。 政府当局に申し上げます。 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
○小岩井分科員 日本社会党の小岩井でございます。 私は湖沼の水質保全と汚染対策についてお伺いいたしたいと思います。 湖沼水質保全特別措置法に基づいて、国は、湖沼水質保全基本方針を定めて、指定湖沼と指定地域を指定して、指定湖沼と指定地域において五年ごとに水質保全に関して実施すべき施策に関する湖沼水質保全計画を都道府県知事が定めてきたところでありますが、私はこの指定された湖沼のうち特に水質の汚染のひどい二つの湖沼について、昭和六十年十二月十三日に指定されて昭和六十二年三月二十七日に湖沼水質保全計画が策定された手賀沼と印旛沼の水質保全と汚染対策について質問したいと思います。 最初に、六十二年三月二十七日に湖沼水質保全計画が千葉県において策定されましたが、その概要についてお答えいただきたいと思います。
○安橋政府委員 お答えいたします。 手賀沼と印旛沼はいずれも先生御案内のとおり昭和六十二年三月に、県知事が作成しました湖沼水質保全計画に対しまして内閣総理大臣が同意を与えたということで正式決定になった計画でございます。この計画はこれまた先生御案内のとおり五年間の計画でございまして、初年度が昭和六十一年度、最終計画年度が平成二年度、本年度になっておるわけでございます。 手賀沼の方につきましては、その平成二年度の水質の最終目標値をCODで十八ミリグラム・パー・リットル、印旛沼の方につきましては、最終目標値をCODで十ミリグラム・パー・リットルと設定いたします。その目標値を達成するために、両計画ともそうでございますけれども、一方では下水道なりし尿処理場の整備あるいは底泥のしゅんせつ等の事業、それから小型合併浄化槽の普及というようなハードの対策を行いますとともに、家庭排水対策、例えば台所の三角簀の子の普及でございますとか、そういった対策、あるいは地域住民へのきれいな水にして流すというようなPRの徹底を行うといったことを通じまして、冒頭申し上げましたような水質目標値を達成するというような計画になっているわけでございます。
○小岩井分科員 ただいま計画を御答弁いただきましたが、昭和六十一年度から平成二年度までということで、平成二年度の水質については印旛沼がCODで十ミリグラム・パー・リッター、手賀沼が十八ミリグラム・パー・リッターでございます。 計画はそうなっておりますが、実際はどうなっておりますか。この経過、水質の状況ですね、平成二年はまだ出ていないかもしれませんが、昭和六十一年から前年度までの状況についてお示しをいただきたいと思います。
○安橋政府委員 まず計画策定前の実態はどうてあったかということでございますが、昭和六十年度で印旛沼につきましては一二ppm、手賀沼につきましては二九ppmあったわけでございます。それに対しまして、昭和六十三年度まで私どもの手元に数字がございますが、六十三年度は印旛沼につきましては一〇ppm、手賀沼につきましては二〇ppmでございまして、既にお答えしましたように、目標値からはまだ若干上回っている水準ではございますが、計画策定前の昭和六十年度に比べますと改善が図られてきているのじゃないかというふうに考えております。
○小岩井分科員 目標値、先ほど印旛沼が一〇ppm、それから手賀沼が一八ppmと言っておられましたね。これは、環境基準はどういうふうなことになっていますか。
○安橋政府委員 環境基準でございますけれども、手賀沼につきましては五ppm、印旛沼につきましては三ppmということでございまして、現在進行中の湖沼保全計画の目標値というのは五年間の計画でございますので、この環境基準の達成のための一つの中間的な地点ということで平成二年度の目標値を定めたというふうに理解しておるわけでございます。
○小岩井分科員 中間的な地点ということで、五カ年間で目標値を定めたということですけれども、これは特に手賀沼ですね。これは目標値一八ですけれども、二〇で、まだ上回っていますね。それから印旛が一〇で一〇ですか。しかし、環境基準からいうと印旛が三で手賀沼が五だ。かなり遠いですね。 ですから、これは具体的に施策の状況、どういうふうに施策をしていくのか。先ほどやってきたことを伺いました。今後どういうふうにすれば環境基準に近づくことができるのかということを御答弁いただきたいと思います。
○安橋政府委員 計画上、この目標年度の水質に近づくために、種々の事業の進捗度を規定しているわけでございますが、例えば下水道事業でございますけれども、ちょうど昭和六十三年度、三年目でございますが、この事業の進捗率が、処理人口ベースで申し上げまして五三%の進捗となっております。これが手賀沼でございます。それから、印旛沼の方では、やはり下水道の目標年度に対しまして六十三年度末で、人口比ベースで六三%の進捗ということになっているわけでございます。 下水道がさらに進捗していきますれば、かなり水質が改善されるかと思いますが、それ以外の事業、例えば畜産の関係の事業でございますとか、ごみ処理施設の事業というようなものの進捗とも相まって、全体として目標年度の数値に近づくのではないかと考えているところでございます。
○小岩井分科員 六十三年度の下水道普及率、印旛沼が六三%、手賀沼が五三%ということです ね。これは当初の下水道普及率を想定をした数字とどうなっておりますか。
○安橋政府委員 ただいま申し上げました印旛沼六三%、手賀沼五三%と申しますのは、五カ年計画の全体のこれだけやりたいという目標に対しまして、中間年度でございます三年度目である六十三年度末現在で印旛沼が六三%、手賀沼が五三%の進捗である、そういうことでございます。
○小岩井分科員 この両沼の汚染状況は好転しないわけですね。五カ年で、全体の六三が印旛沼で、手賀沼に至っては五三でしょう。見通し、どうですか。五カ年、年度終わって大体どの程度になりますか。
○安橋政府委員 ただいま申しましたのは人口比率に対しましての事業の進捗度合いでございますが、金額ベースで申しますと、手賀沼につきましては一〇〇%の進捗になっておりますし、印旛沼につきましては八七%の進捗率になっているのでございますが、何分計画をいたしましたときと比べまして用地費その他で事業費の単価が上がっておりますので、冒頭申し上げましたように人口比の進捗率というのが落ちているわけでございます。
○小岩井分科員 これは金額ベースで手賀沼は一〇〇%クリアしていて五三%ですね。ということは事業費の単価が上がっている。これはおっしゃるとおりだよね。それから印旛沼については、金額は八七%で、これは一三%差異がありますね。これは原因は何ですか。 それともう一つ、とすればこれは下水道というのは環境庁の所管ではないけれども、こういう水質保全計画が遂行されないという状況になって、これは下水道所管官庁に対して環境庁としてどういうふうに働きかけてきたのか、これも含めて伺いたい。
○安橋政府委員 先ほど人口比ベースで五三なり六三%だと進捗率を申し上げましたが、これは五年間で達成すべきものの第三年目としての六十三年度末で五三%なり六三%なりということでございますので、平均的なペースで進みますと、三年目を終わったところでございますから六〇%というのが平均なんでございますが、手賀沼の方が五三%ということでやや平均ペースよりは落ちているかなということでございますが、印旛沼の方は人口比で見ましても平均ペースよりもやや上回っているかなということでございます。 それから、確かに下水道事業というのは先生御指摘のとおり環境庁の事業ではございませんが、建設省の方で計画を立ててやっていただいているわけでございます。ただ、私どもといたしましては湖沼法で水質保全計画を立てていただいたようなところ、内閣といたしましてもその計画に対して同意をしているというようなこともございますので、この計画の完全なる実施ということで建設省初め関係省庁には予算の重点的な配分ということで御協力をお願いしているということでございます。 そういうこともございまして、事業費ベースでは非常に高うございますが、人口比ベースでもまあまあのところまで来ているのではないかというふうに考えているわけでございますが、まだ二年間、平成二年度でございますとあと一年間でございますけれども、できる限り計画が達成できますようにさらなる御協力を関係省庁にお願いしたいというふうに考えているところでございます。
○小岩井分科員 下水道予算の重点的配分を要請をしているということですね。具体的にはことしどうなっていますか。
○安橋政府委員 指定湖沼は御案内のとおり全国で九つあるわけでございまして、そのうちの二つが手賀沼、印旛沼でございますが、指定湖沼として指定され、かつ水質保全計画がすべての指定湖沼についてつくられておりますので、それぞれの地区につきまして計画の円滑な実施のための事業予算協力をお願いしておりますし、かつ実績的に見ましてもこのような対策が急がれる地域につきましては、予算のそれ以外の地域よりも重点的な配分がなされているというふうに評価しているところでございます。
○小岩井分科員 ぜひ建設省にこの指定湖沼についての下水道の重点配分について強力に要請をしていただきたいというふうに思います。 それと印旛沼については、これは上水道の水源になっていますね。これは一〇ppmということですけれども、上水道の限界は幾つですか。飲料に適さなくなるという事態も考えられますから、その点について、どうですか。
○安橋政府委員 印旛沼につきましては、上水道の水源にもなっておるということもございまして、環境基準といたしましては先ほど申しましたように三ppmということで定めているわけでございますけれども、現実には御指摘のとおりでございます。一〇ppmというところでございますが、徐々にではありますけれども改善の方向に向かっているのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○小岩井分科員 徐々にではあるけれども改善の方向に向かっている、この浄化のスピードがかなり緩慢ですよね。これは下水道だけではなくてほかの事業で積極的にやっているという事業は何ですか。
○安橋政府委員 浄化の効果の大きい事業といたしましては下水道でございますが、それ以外のものにつきましては、例えば合併処理浄化槽の普及でございますとかあるいは畜産農家におきます家畜ふん尿の処理施設あるいは粗大ごみの処理施設でございますとか、そういったハードの事業の進捗を図っているところでございます。 それから、ソフトの事業につきましても、計画の中身のところで申し上げましたように、家庭に対します啓発普及というようなものも市町村を中心にやっていただいているというような次第でございます。
○小岩井分科員 積極的にやっておられるだろうとは思いますが、家庭の合併浄化槽ということもおっしゃられましたね。それから台所用のろ紙などの普及もやっておられるようですね。普及率はどうですか。どの程度普及しているのですか。啓蒙だけに終わっているのですか。具体的にどうですか。
○安橋政府委員 具体的に台所対策に協力している家庭がこの手賀沼なり印旛沼なりの流域に何戸あるかという数値自体は把握しておりませんけれども、いわば住民運動といたしましてきれいにして流す、一戸一戸の負荷量はごくごくわずかでございましても何十万、何百万と集まると非常に大きな汚れになるというようなことも理解いただきまして、できる限りきれいにして流していただくというような意味での普及も台所対策とあわせてやっているという現状でございます。
○小岩井分科員 ということは、下水道事業だけしかやってないということじゃないですか。というのは、啓蒙しているだけで、具体的に家庭用の合併浄化槽なり台所のろ紙等の普及について啓蒙だけではなくて行政指導をしてそれを確認をしていくということにしていかなければ、この浄化対策が進むわけはないですよ。 だから、印旛沼もそうなのですが、特に手賀沼は毎年夏になるとアオコの発生が湖面一面にあるでしょう。これは下水道の普及だけに頼っていたら遅々として進みませんよ。ほとんど回復不可能に、この両方の沼は死んでしまいますよ。死んでしまう。こういうふうに思いますけれども、どうですか。その辺のところは具体的予算をつけてきちんとやるべきだと思うけれども、いかがですか。
○安橋政府委員 代表的なものとして下水道の整備の状況を申し上げたわけでございますが、それ以外の事業といたしましても、例えば家畜ふん尿処理場につきましては、昭和六十三年度末で、印旛沼でございますが事業費ベースで一三五%の進捗を見ております。それから、ごみ処理施設につきましては、事業費ベースで一一二%の進捗を見ております。それから粗大ごみ処理施設につきましては、事業費ベースで一〇〇%の進捗を見ております。それから最終処分場でございますが、これにつきましては事業費ベースで一〇〇%の進捗を見ているというふうに、下水道以外にもそれぞれの事業につきまして、できる限り水をきれいにするというような意味でハードの面の対策を進めていただいているということでございます。 ただ、特に手賀沼につきましては、流入する水の重なりあるいは流れ出す水の量というものが大変少のうございますし、湖自体非常に閉鎖的なものでもございますので、一度汚れてしまいますと——発足年度の六十年度には二九ppmであったということを申し上げましたけれども、一度汚れてしまいますとなかなかそれの回復は難しいというようなこともあるわけでございます。国、県あるいは関係市町村、それから地域の住民の方々が必死になって努力していただいておりますので、わずかながらではあるが改善の方向に向かっているということで、私どもも含めましてさらなる努力が必要ではないかというふうに考えているわけでございます。
○小岩井分科員 努力をするという姿勢は理解をいたします、姿勢は。ただし、姿勢だけではだめなんですね。具体的に一つ一つの施策をやっていかなければいけない。下水道は建設省所管だとすれば、環境庁は——今、九湖沼と言われましたね、九湖沼を指定していると。これは全体の予算は幾らでやっているんですか。どうも積極的に事業を進めているとは、姿勢はそうだけれども、施策の面で進んでいるとは見えないのですが、どうですか。
○安橋政府委員 環境庁といたしましては、湖沼を指定いたしまして計画づくりのお手伝いをするということでございます。 現実の事業は、下水道でございますと建設省あるいは合併処理浄化槽でございますと厚生省、それから家畜ふん尿処理場ということになりますと農水省、それぞれ事業を持っていらっしゃる省庁に、この計画自体内閣総理大臣の同意ででき上がっているものでございますから、その計画の進捗ということで御協力をお願いし、重点的な配分をしていただいているということでございますし、現実にもこういった対策が急がれる地域につきましては予算が重点配分されておりますがゆえに、他の地域よりも進んだ対策がとられているということだろうと思います。 しかも、手賀沼のような日本ワーストワンのところではございますけれども、だんだんと改善の方向に向かっているということで私どもとしては一応の評価をしておりますが、現状自体はまだ基準からほど遠いという御指摘、そのとおりでございますので、一層努力をしていかなければならないと思うわけでございますし、この平成第二年度で最終年度を迎えますけれども、さらに平成三年度以降も新しい保全計画をつくっていただきますれば、私どもとしてもそういった計画の実現、手賀沼、印旛沼をきれいにするための対策の一層の充実ということで努めてまいりたいと思っているわけでございます。
○小岩井分科員 姿勢については理解するというふうに先ほど申し上げましたけれども、どうも環境庁は啓蒙であとは、これは縦割り行政の弊害だと思うのだけれども、一つ一つの施策は各関係省庁がやっているということで、靴の上からでもかいているような感じで、環境庁自体そういう感じなんですね。ですから、湖沼水質保全特別措置法を法律としてつくっているわけですから、積極的にこの施策の実を上げなければいけないと思うのですよ。上げるというのは結果ですから、環境基準に近づけていくということだと思うのですね。この点について、これは押し問答になってもいたし方ありませんので、最後に長官の方からお答えをいただきたいというふうに思うのです。いかがでしょうか。
○北川国務大臣 ただいま小岩井委員の御指摘の縦割り行政ということで、環境庁としては、それはただそこで監督するだけじゃないかというような意味合いの言葉だと思うのでございますが、この点につきましては、各省庁間とよく連携をしながらやってまいっておりますけれども、今の御趣旨を踏まえまして、これからの環境行政、特に人間の一番大事な水というものに対しまして環境庁としても鋭意各省庁間の連絡をしながら、環境庁の中もまた密にいたしまして頑張っていきたい、こう思っております。
○小岩井分科員 長官から御決意のほどを承りましたので、それについて御期待申し上げたいというふうに思います。積極的に施策を進めていただきたい。また、各省庁とも連絡をとり合って、この水質保全と汚染対策が進むように御期待申し上げたいというふうに思います。 若干時間を残しておりますが、終わります。
○内海主査 これにて小岩井清君の質疑は終了いたしました。 次に、斉藤一雄君。
○斉藤(一)分科員 私は鉄道の連続立体交差事業に伴う環境影響と対策についてお伺いをいたします。 まず、在来線の鉄道騒音ですが、いまだに環境基準が設けられていないという状態であります。これについてどう考えているのか。また、沿線の住民の立場に立ちますと、騒音なり振動なり日照なりいろいろな被害をこうむっているわけでありますけれども、こうした鉄道騒音等に対してどのような対策を進めているのか、お伺いしておきたいと思います。
○古市政府委員 在来線鉄道の環境基準につきましては、在来線と申しますものがいろいろな形がございますが、運行の本数、それからまた列車の形態等が多様にわたっております。また、地域の土地利用に対して、騒音の住民の受けとめ方という状況も変わっておりますので、これに対応する新幹線に対する環境基準のように全国一律の基準を策定するのが現実にはなかなかなじまないという問題がございます。 そこで、私どもは従来より在来線鉄道騒音問題につきましては個別の実情を調査いたしまして、その実情に対応して必要な所要の対策を講ずるというように関係省庁とともに努めているところでございます。 具体的な対策といたしましては、住民の騒音の受容を最小限度におさめるために防音壁の設置、それからまたバラストマット等を敷く、また軌道を重くする重軌条化等のほかに、地域の状況によりましては民家の防音対策等に努めているわけでございます。
○斉藤(一)分科員 新幹線の環境基準は御承知のとおり住居地域で七十ホンということになっているわけですが、ここでは「可及的速やかに環境基準が達成されるよう努めるものとする。」という目標が設定されているわけですね。在来線についてはそういうものが何もない、騒音の出しっ放しということで、もう受忍限度を超えていると思うのですが、その辺についてどうお考えかお尋ねしたいと思うのです。
○古市政府委員 在来線にも新幹線と同様な環境基準を設定するという御要望が従来から非常に強いということは承知いたしておりますけれども、先ほど申し上げましたように地域の実情というのがまことにさまざまでございますので、個別な対応ということで対策を講じているところでございます。 しかし、例えば瀬戸大橋が架橋されまして従来なかったようなところに非常に大量の交通量が発生する、また、青函海底トンネルができまして津軽在来線が従来にも増して飛躍的な運行本数になるというような状況については、何らかの基準が可能であるのではなかろうかということも含めまして現在検討させていただいているというところでございます。
○斉藤(一)分科員 東京都の場合などは、環境アセスメントの審議の際に明らかになっているのですが、都内の在来線の環境基準については一応新幹線の環境基準を目標にすると明確にしているんですね。地方自治体が明確にしているものを環境庁がその地域の実情がさまざまなのでというようなことはいかがかと思うのです。 ですから、そういう弁解ではなくて、環境行政を預かっている立場からもう少し、検討するとか基準を設けるべく努力するとかいうお答えが当然あってしかるべきではないかと思うのですが、その辺は大臣、どうですか。
○北川国務大臣 ただいま斉藤委員御質問の都市におけるところの騒音公害でございますが、御指摘のように新幹線だけが基準を設けて都市周辺はほっておくのか、これではいかぬじゃないかということだと思いますので、環境庁といたしましてはそのような点に適合した、基本的なものにおいてはどうしていくかというところに対しましても今後鋭意取り組んでいかなくちゃいけない。従来がこうだからこれでいいということでは、やはり騒音とか排気ガスとかいろいろな問題においての環境を損ねておりますから、この点については関係各省庁ともよく連絡をとりながら今後鋭意取り組んでいくという考えを申し上げておきます。
○斉藤(一)分科員 ぜひお願いいたしておきます。 鉄道連続立体交差事業では、御承知のように地下化、掘り割りあるいは高架化というものがあるわけですけれども、私は騒音、振動などの公害を防止するためには地下化が一番望ましいのではないかという確信を抱いております。その点についてどうお考えでしょうか。
○古市政府委員 ただいまの、連続立体交差事業については高架より地下化方式の方がいいのではないかということでございます。一般論としてはそういう形が考えられるかと思いますが、その事業を行う土地の実情によりましてそれができるところとできないところ、例えば地下水脈があったり、地下に共同の敷設物があったり、その土地の状況によって適用される手法がいろいろかと思います。したがって、一般論としてはそのように思いますが、その状況に合わせて手法の採用を検討するということかと思います。
○斉藤(一)分科員 これは、地下化にするか高架化にするかという議論のときに必ず出るのは、その地形とかあるいは事業費とかさまざまなことがあるわけですね。ただ、私は特に環境庁に質問しているわけですから、そういう立場でお答えいただきたいと思うのですが、何よりも住民の健康を大切にしていく、それから公害を少しでも減らしていく、できるだけ環境を保全していくという立場に立ってもらいたいと思うのですね。 環境庁が、事業費が幾らかかるからとか地形がどうのこうのとかいったようなことで沿線の住民の気持ちを、まあないがしろにしているわけではないと思いますけれども、軽視されては困るわけですね。環境庁としてはどこに一番中心を置いて関係各省と協議をしていくんだという姿勢は、当然あってしかるべきだと思うのですが、その辺、大臣、どうですか。
○古市政府委員 ちょっと専門的なことになりますので、私からお答えさせていただきますが、財政的な見地から云々ということを条件に出して考えたということではないわけでございまして、その地域に先生おっしゃいましたような地形の問題、いろいろな条件がございます。 私どもの基本的な立場として環境保全を重視すべきだというのはそのとおりに考えておりまして、たとえ地下化をとろうと高架方式をとろうと、周囲に及ぼす騒音の影響というものがどういうことになるのかという配慮が私どもは一番大事である。ただそれだけでなくて、地域によっていろいろな要件が加わるのではなかろうか、このように考えます。
○斉藤(一)分科員 そういう立場で環境庁は大いに国民の健康を守り、日本の公害を少しでもなくすという確信を持って関係各省とも協議を進めてもらいたいということを希望しておきたいと思います。 二番目に、道路交通騒音の現状と対策についてお伺いいたします。 御承知のように、昨日、委員会として大原交差点を初め環七の視察を行ったところですが、この環七の現状は、御承知のとおり騒音、振動ともに、ほとんど全面的と言っていいと思うんですが、環境基準を上回っている。また、ほとんど要請限度を超えているという実態が再度明らかになったわけであります。 そこで、道路交通騒音の環境基準の達成期限というのは、環境庁の昭和四十六年の告示で、設定後五年以内を目途とする、ただし道路交通量が多い幹線道路は「五年を越える期間で可及的速かに達成を図る」としております。ここで「可及的速か」というのはどのくらいの期限を指すのか教えていただきたい。そして、環境庁としてはいつごろをめどに置いているのかという点についてもお答えいただきたい。 私の考えでは、まず要請基準を解消して、その後ということはないのですが、環境基準ももちろん達成していくということだろうと思うのですけれども、そうした目標を明示してもらわなければ、せっかくの環境庁の告示も絵にかいたもち、何の役にも立たない一つの文書ということになってしまいますので、その点を具体的に明らかにしていただきたい、こう思います。
○古市政府委員 自動車によります道路交通騒音でございますが、各種公害対策の中でも都会におけるこの問題が一番対策に苦慮するものの一つでございまして、御指摘のような状況にあるというのは残念ながら事実でございます。そういうことで、私ども、関係省庁の協力も得まして、この要因がいろいろございますが、まず一台ごとの自動車単体から発生いたします騒音の規制を年次ごとに強化いたしまして、現在世界で最も厳しい規制まで参っております。 しかし、これが交通流が非常に都会に集中いたしまして台数も集まってきたということから、単体規制の効果が相殺されて改善が見られない、こういうようなことでございます。 そこで、この交通流を分散して円滑化するために、いわゆる都心を通らないバイパス等の道路交通の網を変えていく、それからまた遮音壁や環境施設帯、沿道施設対策を行う等各種の方策を総合的にやっているわけでございますが、結果的には、昨日先生が御視察になったような状況がなかなか改善されていないということでございます。 したがいまして、当然要請限度というものが第一番目の目標で、まずそれを達成し、その次には環境基準と参りたいのですが、あらゆる努力を現在重ねているところでございます。
○斉藤(一)分科員 この単体規制の効果が自動車交通量が多くなるその他の原因で相殺されてしまう、これはどこからでもよく聞かれる話なんですが、それであってはいけないと思うのですね。総量規制にいたしましてもあるいは環境基準、基準の解消にいたしましても、年々車がどのくらいふえていくのか、あるいは交通量がどのように増大していくのか、あるいは副室式よりも直噴がふえてきているとか、さまざまなことがすべて分析され評価されて、その上で環境基準なり要請基準を達成していくということでなければならぬわけですよ。 今のようなお話ですと、何年、何十年たっても同じ御答弁しかいただけない、こういうふうになろうかと思うのですね。そういうものをすべて予測した上で、大気にすれば、例えば総量規制を導入したときに、当然そういうものを計算して、そして六十年末には環境基準を達成できるんだと大見えを切ったわけですからね。そういうふうな目標をやはり設定しなければ、全く環境庁の職員自体も努力目標がないわけですからどうにもならぬと思うのですね。 ですから、いま一度、「可及的速か」と言っているのはいつのことを指しているのか、環境庁が出した告示ですからそこはごまかさないで言っていただきたいということと、要請基準、環境基準をいつ解消できるという期限をおたくたちが持っておられるのか、それを示してもらわなければ環境行政にならぬのです。いま一度、そこは大臣でも結構ですし、お願いいたします。
○古市政府委員 明快なお答えができないのはまことに申しわけなく、また残念でございますけれども、目標をどこに置くかというのは、あくまでも公害基本法で示しております環境基準、また要請基準、それの達成に向かって努力を続けるということでございます。 したがいまして、今までとった対策だけでは不可能で、抜本的な沿道土地の利用計画、またさらには一極の都市集中、過密な集中ということもございます。一つ大きなビルができますと、その周辺に千台を超す自動車が一挙にふえてくる、こういうことがございますので、もうこれは騒音だけの基準の問題ではない、都市の過密の問題である。同じような状況が、窒素酸化物の大都市の問題でもございます。単体だけの規制ではいけない。 そこで、騒音については、現在、環七より内側は土曜の夜から日曜日にかけては大型車の乗り入れを規制している、また夜間は中央車線を走る、そういうような制限が行われております。これをもう少し量的にふやす方法はないか検討いたしておりまして、実際、これは東京都の方とも相談いたしまして、NOx対策の上からも騒音対策の上からも、都市への総量規制というものが具体的に可能かどうかというのを、昨年から東京都、環境庁の中で研究班を開いているという状況でございます。
○斉藤(一)分科員 それでは、環七の騒音が沿道の住民の健康に非常に大きな影響を与えているわけですけれども、そうした点については環境庁としてどのような認識をされておりますか。
○古市政府委員 これは環七だけでございませんで、非常に交通量の多い沿道に住んでおられる方方については、健康上また精神的に非常に影響を受けておられる、このことは東京都におきましても調査が行われておりまして、その結果からもうかがわれるというふうに思っております。
○斉藤(一)分科員 今、具体的な認識は示されませんでしたけれども、少なくともそうした被害をこうむっている住民の立場に立って、いずれにしても早急に、基準の達成に向けて最大限、環境庁としては努力をしてもらわなければ困るということをつけ加えておきたいと思います。 それでは、次に、環境アセスメントと都市計画事業を初めとしたさまざまな事業との関連についてお尋ねしておきたいと思うのですが、まず、基本的に環境行政を進めているお立場でどう考えますか、お尋ねしておきたいと思います。
○安原政府委員 環境の問題に対応する場合に、未然防止ということが非常に重要でございますので、そういう観点から環境影響評価を必要な事業について実施をしているわけでございます。環境影響評価をやります事業につきまして、それがまた、都市計画事業であるというケースが多うございます。その場合には、例えば東京都の場合でございますと、この環境影響評価の手続と都市計画の手続とを調整をする規定が置かれておりまして、その間の調整が図られているわけでございます。そういう形で環境影響評価の結果が都市計画の手続に十分反映されることが重要であると考えております。
○斉藤(一)分科員 環境庁としては、当然のことであるし、一番重視しておかなきゃならない点だと思うのですね。 そこで、東京都の実情をひとつお話しして御見解を伺っておきたいと思うのですが、御承知かと思うのですけれども、環境アセスメントの評価書が都計審に出されるのは都市計画決定をするときにあわせて審議をされる、こういうことになっているのですね。私も何回となくこの問題を取り上げたのですが、どうもその裏には建設省の都市局長通達ですか、五十七年の十一月に出ているのですけれども、これが出されて、そして、片や建設省の通達、片や環境アセスメント条例、都条例というものを同日に決めるという形で、そこに接点を置いて運営をしているというのが実情であるわけであります。 私から言わせれば、先ほどもお答えがありましたように、まず十カ月もかけて環境アセスをやるわけですから、そして最終的な結論とも言うべき評価書、これをまず十分審議をして、そして、それを都市計画事業等に十分反映させていくというのが常識的なやり方ではないかと思うのですね。 私も、東京都の都計審の委員を六年も七年もやりましたけれども、三十も四十もある都市計画事業を都計審で決めるときに、しかも、大体三時間か四時間の日程しかないわけですから、そこへ十カ月もかけて出てきた評価書を同時に出して、そして、環境影響評価もやる、都市計画事業についてもいろいろな詳細についても検討する、とにかく極端に言えは、五分か十分で評価書を読んで、意見がある人は意見を言ってくれというのが実態ですよ。こんなことでは、東京都が環境アセスメント条例をつくった意味がないです。 そんな形式的なことを環境庁としてもお認めになっていないと僕は思うのですね。当然のことながら、環境庁として、先ほどもお答えがありましたように、事業に環境アセスメントの結果を十分反映させていくのだ、強い意志がおありだとすれば、そういう点を解決をしていかなきゃいけない、こういうふうに考えるわけです。その点についてはひとつ大臣から御所見をお伺いをしたい、こういうふうに思います。
○北川国務大臣 今委員が御指摘の点は、まことにごもっともな点も多々あり、また、種々のさまざまな要素があるとおっしゃっていただきました。そういういろいろのファクターを考えますときには、今すぐ目標を達成するということは困難でございましても、沿道で影響を受けられる住民の皆さんのことを思えば、一日も早く、一歩でも対策が進展するよう関係各方面の協力を得ながら全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
○斉藤(一)分科員 時間もありませんから、最後に環境庁の姿勢なり認識をお伺いしておきたいと思います。 臨海部開発を初めとして、今東京の一極集中がどんどん進められておるわけです。例えば、臨海部を初めとした開発で、居住人口にして二十万人近くふえますか、就業人口にして三十万人くらいふえると思うのですが、当然のことながら中枢管理機能が集中してくる、建物は高層化してくる。そして、交通機関、交通整備をしていかなければいけない。道路も整備していかなければいけない。それに応じて自動車の走行量も大変ふえてくる。こういうことを環境庁としてどうお考えになっているのか。 新都市ができてから、車がふえてから対策を考えようというふうにお考えになっているのか。今、現に臨海部開発を初めそういう開発がどんどん進められている、そのことについて、これは大変だぞと、環境行政を一生懸命進めている立場から、窒素酸化物はふえてくる、二酸化窒素の寄与濃度も増加してくるということを考えれば、人ごとじゃないのですから、今から根本的な対策を練っておかなければいけないと思うのですよ。 きょうは具体的にどうのこうのということじゃありませんけれども、そうしたことについて最後に大臣から、感想でも結構ですけれども、お答えいただければと思います。
○北川国務大臣 ただいま委員御指摘のように、東京一極集中というものは過度の環境を悪くするいろいろな要素、窒素酸化物あるいは生活雑排水、いろいろな問題が出てまいりますので、国土庁を初めとする各関係諸庁と前向きで話し合いながら分散方も考えなければいけない、こういう思いをいたしております。
○斉藤(一)分科員 どうもありがとうございました。
○内海主査 これにて斉藤一雄君の質疑は終了いたしました。 次に、大野由利子君。
○大野(由)分科員 公明党の大野由利子でございます。よろしくお願いします。 初めに、私は、先日行われましたアースデーに関しましてお尋ねをしたいと思います。 このアースデーは、地球の環境破壊を阻止するために自分に一体何ができるかという問いかけのもとに、去る二十二日に世界で百四十カ国、一億人からの人たち、市民、団体が参加して行われました。また我が国におきましても、全国二百カ所余りの会場で一千を超すさまざまな団体、市民が参加して行われまして、メーン会場として東京江東区の夢の島公園で三万人の市民が参加して行われました。ごみ問題をテーマとしてアースデイ・フェスティバルが開かれたわけですが、これには公明党も参加いたしまして、展示実演コーナーに出展し、会場を訪れる人々に地球環境保全を訴えました。石田委員長も公党の党首としては唯一参加したわけでありますが、アメリカではブッシュ大統領も参加したというふうに伺っております。 ところで、このような市民の真剣な環境保全の思い、世界的規模のアピール運動について、環境庁長官はどのように認識していらっしゃるか、そのことについてまず初めにお伺いしたいと思います。
○北川国務大臣 ただいま御質問を賜りました大野委員の、アースデーによって地球環境保全ということのとうとさを知らなくちゃいけない、また、これはアメリカの民間団体が中心になって四月二十二日をアースデーとしていろいろな行事がアメリカで行われ、また日本でも行われた、ただいま委員がおっしゃったとおりでございます。環境庁といたしましては、これも大切でございますが、いま一つは、六月五日が国連によって地球環境の日となっておるのでこれの啓発を進めていきたい、こんな思いもいたしておりますけれども、何といいましても地球環境を守るためには、国民がみんな御理解をしていただいて、国民一人一人の地球を守ろう、環境を守ろうというその思いが、あるいは企業に響き、あるいは地方自治体に響き、そして政治の中に大きな力となってくる、私はこのように考えておりますので、国民の御理解を得、ともに協力してもらうための地球を守ろうという運動は大いに結構だと思っております。 〔主査退席、自見主査代理着席〕
○大野(由)分科員 このような民間また市民の環境保護、地球保護への取り組みに対してどうしてもっと支援できないのか、その辺は、今お話を伺っていますと大変深い御理解は持ってくださっているようでございますが、もっと積極的にこうした民間の取り組みに支援をしていただいてもいいのじゃないか、そのように思います。ブッシュ大統領も参加しているわけですが、このことに関しましていかがでございましょうか。
○高橋(光)政府委員 ただいまの政府としてのこのような啓発活動に対する支援ということでございますが、先ほど大臣も御答弁申し上げましたが、従来から過去二十年近くにわたりまして日本政府といたしましては、国連の環境デーを含む一週間を環境週間といたしまして、地方自治体を含めましていろいろな啓発活動をやってきております。ことしにつきましても地方公共団体を含めましていろいろなイベントをすることにいたしておりまして、個別に、例えば後援名義等が必要であれば、具体的な内容をお開きしまして、それに対して後援をするという形で応援をしていきたいと考えております。
○大野(由)分科員 今おっしゃったような国連主導の行事、また官製の公主導型のものももちろんでございますが、こうした市民が一生懸命やっていることに関しましても何か側面的にこれからもぜひ応援をお願いしたい、そのように思います。 来年のアースデーにつきましては、政府はどのように参加される御予定でございましょうか。
○高橋(光)政府委員 アースデーそのものにつきましては、今委員からお話がありましたように、一九七〇年かと記憶しておりますが、アメリカで一個人の方が主唱されまして、その後広がっていった。その間、必ずしも毎年今のような形でアースデーというふうな広い支援を得ていなかったわけでございますが、最近の地球環境問題の広がりに伴いまして、アメリカ政府、ブッシュ大統領がことしの一月に四月二十二日をアースデーとするということで、政府もいろいろなことをやっておられるようでございますし、また民間もそれぞれの立場でやっているということでございます。 先ほどの繰り返しになって恐縮でございますが、私ども日本政府としましては、国連の環境の日自体が、日本政府が国連の会議において提案をいたしまして決議の上決められた日でございます。再来年に予定されております国連の環境と開発の会議も、まさにこの六月五日を含む日に行うという決議が昨年の年末になされておりまして、私ども政府として行うものについてはこの環境週間の環境デーを中心に行ってまいりたい。しかし、それのみならずアースデー等によりまして民間がそれぞれの立場で地域環境を含めて改善のための非常に幅広い努力をされるのであれば、それに対して後援等をすることにつきましては、先ほど申しましたように個別に判断してまいりたいというふうに考えております。
○大野(由)分科員 六月五日を一生懸命やっているからそれ以外は必要ないということはないと思いますので、今後ともぜひその点よろしくお願いしたいと思います。 次に、沖縄県石垣島のサンゴ礁の自然保護の問題について質問させていただきたいと思います。 国際的に非常に貴重なアオサンゴとか、また巨大なハマサンゴの群生地が天然記念物級ということで大変高い評価がされておりますが、この石垣島の白保の海を守りたい、こういう声が全国また世界に非常に広まっております。この白保のサンゴ礁保護について環境庁のこれまでとってこられました対応について、まずお聞かせ願いたいと思います。
○山内政府委員 白保の新石垣空港と呼ばれます空港計画はかなり長い経緯がございまして、簡単に申し上げますが、昭和五十七年には第三種空港として大まかな指定はされたのでございますが、その後事業者である県みずからがいろいろ影響調査をいたしております過程で、やはり旧予定地にございましたアオサンゴが非常に貴重なものではないかという声がその時点でも内外に高まりました。そのために、昭和六十二年八月でございましたか、沖縄県知事は、それまでは二千五百メートルの空港を予定しておったのでございますが、五百メートル縮小する、つまりアオサンゴの場所から空港を離すための一つの計画縮小を打ち出されたわけでございます。しかしながら、それでは果たして影響がどうだろうかということがございまして、昭和六十三年になりましたでしょうか二月に国際自然保護連合、IUCNという総会が開かれまして、その席でも日本の参加団体からの提案によりまして、何とか空港の場所を再考できないだろうか、リコンシダーできないだろうかという日本政府に対する決議なども採択されたのでございます。経緯として申し上げますと、そんなことから私どももやや異例ではございましたが、そういった内外の指摘のあるサンゴ礁の実態について、環境庁みずから調査班を組みまして、昭和六十三年十一月約一カ月間の現地調査をしたわけでございます。その結果につきましては、必要であれば後ほど御説明いたします。 今お話しのように、アオサンゴは種としては特別なものではないのでございますが、北半球のあのあたりでは非常に大きなものである、つまり長い年数かかってできたものであるという点は指摘のとおりではないかという判断。それからもう一つおっしゃいました塊状のハマサンゴが非常に群がった状態でございまして、旧予定地は全体として見ると非常に健全で目立った生態系のサンゴ礁があるということがわかってきたわけでございます。そんなことを結果と申しますか感触といたしまして沖縄県当局に伝えた経緯があったのでございますが、そういうことを踏まえまして沖縄県知事におかれまして翌年の四月に、思い切って旧予定地を北へ四キロメートルずらしてしまう、それから、古い案では八十ヘクタール以上の埋め立てを予定していたのでございますが、これを縮小いたしまして埋立面積を四十数ヘクタールに狭くする、そういう二つのかなりの措置を知事が打ち出された、それが今日に至っているというのが経緯の内容でございます。
○大野(由)分科員 大変長きにわたって大変いろいろな御努力をなさってきたということはわかりますが、今回新たな予定地におきましても非常にいろいろ危惧をされておりまして、日本自然保護協会とか元外務大臣を務められました大来佐武郎さんが会長をなさっていらっしゃる財団法人世界自然保護基金日本委員会いわゆるWWFJも、新予定地も日本で最高級のサンゴ礁が生息する環境だ、そのように判定をして、生態系を破壊しないようにということで空港建設の計画の見直しを求めております。また日本だけでなくて、国際自然保護連合、IUCNの事務総長であるマーチン・ホールドゲート氏からも竹下元総理あてに、このサンゴ礁の保護のため危機を訴えるということで手紙が来ている。また、アメリカ、イギリス、フランスとか六カ国の十二人の研究者から海部総理あてに計画変更の手紙が来ている。そのようなことが報道されております。またニューヨーク・タイムズとかイギリスの科学雑誌ネイチャー等にもいろいろな意見広告が出されている。 このように新たな予定地に関しましても、日本だけではなくて世界のマスコミや市民団体などが非常な関心を持ってこれは見ております。国際的に反響の広がりをもたらしているわけですが、これに対して環境庁はどのような見解を持っていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
○山内政府委員 実は、今先生がお挙げになりました中でIUCNの決議は、旧予定地のアオサンゴ及びこれに伴う塊状のハマサンゴをぜひ守ってほしいという趣旨でございますものですから、知事が四キロ北に移すという決断をいたしましたときに、私の名前でホールドゲートさんにもお手紙で説明したりしております。その後新しい予定地で危惧の声が日本国内からも出ているようであるがという指摘もありましたが、それに対しましても、以下述べますような観点から環境庁としては、アオサンゴの保全についてはかなりといいますか大きく評価していい措置であるということを手紙で伝えたりしております。その後、今おっしゃいました幾つかの団体で新しい予定地の調査などもなさったわけでございますが、その結果、先ほど言いました環境庁みずからの一カ月間の調査のときと違った非常に新しいデータが出たといいますような、実は私も現地に一度行ったのでございますが、私ども想定しておりましたことを大きく変える状態ではございません。 そんなことで、今先生御指摘の中には、新しい予定地のサンゴ礁の問題と、このくらいの変更では旧予定地のアオサンゴに対する影響があるのじゃないかという二つの懸念が確かに指摘されておるわけでございますが、私どもは二つともにつきまして、まず、古いアオサンゴに対する影響は、距離がかなり離れていることあるいはその間のサンゴ礁の状態、潮流の全体的な傾向などから見まして、これは全く心配しなくてもいいんじゃないかくらいに私自身は実は判断しております。それから、新しい予定地のサンゴに対しましては、これは先ほど言いましたように埋立面積を狭くはしておりますが、埋め立ての工事と工法によほど気をつけないと影響が出てくることがあります。この点は今後の問題としても、事業者である県当局がいろいろ工事の準備をなさる過程での助言というようなことは私どもの役目かと思っておりますが、いずれにしましても、そういった御懸念に対しては、私ども、特にアオサンゴを守る観点からは今回の新しい案をむしろ評価していただいて大丈夫ではないかという判断を、必要な場合にはIUCNの関係者にも手紙をもってお知らせをするというようなこともやってきて今日に至っておるわけでございます。
○大野(由)分科員 政府で調査されました地点は南の方ではありませんで、かなり東北の方の地域の調査をなさったようでございます。南の方はまさに白保と一体になったサンゴの群生地、これは影響がないということは絶対あり得ないということで、また、ある面ではむしろ前回よりも心配に思われる要素もあるという声がたくさんございます。先ほど大丈夫だとおっしゃいましたけれども、それは何を根拠にして大丈夫とおっしゃっているのか、お伺いしたいと思います。
○山内政府委員 先ほど言いましたように二つの問題があるわけでございますが、四キロ北にずらしました新しい計画でも古い予定地のアオサンゴに影響があるのではないか、これは実は、旧予定地からは四キロ離れておりますが、アオサンゴの位置からは四キロ以上離れることになるわけでございます。時々、四キロ離れたけれども南の端と北の端を比べると数百メートルの移動ではないかという御指摘をなさる方もいらっしゃるのですが、本体は四キロずれていることと、旧予定地のアオサンゴからは四キロ以上離れているということです。 そこで、その間に実は、陸上部では轟川という川がございまして、これ自身は実は問題があるのですが、かなり赤土を排出しております。ところがその赤土の広がりがアオサンゴのある方の南側ではなくて北側に傾向としては流れていくということ、これは大体航空写真その他で目視できるわけでございます。そんなことから、新予定地の工事が古い予定地のアオサンゴに影響があるということは私どもはほとんど心配しなくていいのじゃないかということが一つでございます。 それからもう一つは、今環境庁が調査をしたと言うけれども、新予定地の北の方に調査スポットがあって、南の方に実際調査のステーションがないのではないかということをおっしゃっていると思うのでございますが、これは先ほど言いましたように、ステーションを置いての調査はいたしませんでしたけれども、遊泳調査という形で新予定地の沖合側、リーフ側といいますか、そこの状況は私どもは把握はしておったわけでございます。したがいまして、沖縄県知事が四キロ北にずらす判断をなさったときも、そういう角度から言えば、もちろん工事工法に注意をするという前提はございますけれども、新しい予定地のサンゴに対しては影響は避け得る。 それからもう一つは、ここは先生の御指摘にないことになるかもしれませんが、新予定地で見出されるサンゴというものをどういう貴重性と考えるかという問題があるわけでございます。私自身が理解していますところでは、自然保護協会でございますとかが調査をなさったレポートにも、種類としては普遍的に存在する種類と見ていいだろうけれども、生息の度合いが高いから心配があるという御指摘であったかと思います。したがいまして、端的に申しまして、旧予定地のアオサンゴあるいは塊状のハマサンゴの価値と比べる場合には、そこにおのずから段階が出てくるのじゃないかということで、影響論に対しましては潮流その他の判断から影響はまずないと考えたこと、それから新予定地のサンゴに対しましては今言ったこと、それから工事工法に十分の措置をとるということによって環境保全上の問題が避けられるというのが私どものその当時の判断でございますし、その後いろいろな団体の御指摘をデータとして私自身も拝見させていただきながら、その判断は今変えなくてもいいのではないか、そのように考えているわけでございます。
○大野(由)分科員 潮流の検査までなさったのでしょうか。
○山内政府委員 私が先ほど申しました轟川の排出土砂の影響に関する潮流の傾向というのは、これはむしろ航空写真その他で痕跡として残っている傾向のことを申し上げたつもりでございます。ただ、今先生御指摘の潮流という意味が、現在沖縄県が事業の実施に向かって行っております環境保全のための図書と申しますか、これは公有水面埋立法の手続によって作成する必要があるわけでございますが、それに必要な潮流検査であれば、これは現在、事業者である沖縄県が一定のインターバルで潮流調査を行っております。その結果は当然、工事工法に対する配慮、あるいは埋立地から離れてはおりますけれどもリーフ側にありますサンゴに対する保全上の配慮に活用されるべく、県の方では潮流調査をなさっているという状況でございます。
○大野(由)分科員 大変複雑な潮流になっているようですが、島に住んでいる人たちは経験的に、北の方で流した長靴が南の方に流れてきたりとかということで、北の方の影響は南にないということはあり得ないという判断を下しております。そういった意味で調査結果に大変な食い違いがある。一体この食い違いはどこから来ているのかということを思いますが、そのことに関しまして見解を伺いたいと思います。
○山内政府委員 先ほど申しましたように、サンゴの価値に対する見方、それはその一帯の生態系をどの範囲で見るかということは、確かにいろいろな御指摘はあるわけでございますが、私どもは実は、先ほども御紹介いたしましたように、二千五百メートルの計画を五百メートル縮める、これも一つのアオサンゴに対する影響を避ける措置でございます。あるいはそれをさらに北に四キロずらすという議論の前には、四キロまでずらさなくてももうちょっと、少しでも北へ行けないかというような議論もあったりしまして、事業者である沖縄県としてアオサンゴを守るために、ある意味では時間はかかったけれどもいろいろな判断を重ねてきたという状況があるわけでございます。 それからもう一つは、新予定地のサンゴは、埋立面積が少ないということもありまして、私どもはIUCNが総会で決議したような世界的な貴重性と言われるアオサンゴ、それを取り巻く塊状ハマサンゴの旧予定地のサンゴ礁の状態とはまだかなり見方を変えてもいいのじゃないか。逆に言いますと、これは後ほど大臣から御答弁があるかと思いますが、旧予定地の白保のアオサンゴを中心とするサンゴ礁についてはできるだけ早い機会に国立公園のようなものに指定して、むしろ積極的に守るということを制度的にもはっきりさせていきたい。そのようなことで、今の新しい空港予定地については工事工法について十分な配慮をすること、あるいは今お話のありました潮流その他の影響について綿密な事業者の対応は私どもとしても期待するということでございますが、それは、空港は空港として、どう申しましょうか結論を出して、旧予定地は海中公園なら海中公園として守っていくというはっきりした政策を打ち出すことで十分対応できるのではないかという考えをしているわけでございます。
○大野(由)分科員 白保を守ることもできないで日本の環境また地球の環境保護はあり得ない、そういった観点から、沖縄のサンゴ礁の問題は、日本だけではなくて世界的にも大変な注目を浴びております。そういった意味でいろいろな問題を、調査を県任せにしないで環境庁としてしっかりリーダーシップをとってやっていただきたい。つい最近ですが、沖縄県が設けました空港の建設工法検討委員会が工法のことを発表いたしましたけれども、これに対しましても、この工法でかえって心配だ、そういう意見も出ております。地上部分の掘る量が非常に膨大にふえて、海上への土砂の流出を防ぐすべはないはずだ、そういうような意見も出ております。そういった意味で、新しい工法によります工事によるサンゴ礁に与える影響または先ほどの潮流による影響、そうしたものの調査とかを県に任せないで政府としてきちっと環境アセスメントをまず作成をしていただきたい、そのように思いますが、いかがでございましょうか。
○山内政府委員 これは、この空港問題に限らず自然環境への影響を、いわゆる空港のような建設事業の場合にだれの責任で影響を把握していくかという大きな問題になろうかと思いますが、私どもは先ほど言いましたように、本来はかなり規模の大きな埋立事業でありましても事業者が責任を持って実態を調査し、またそれの影響を判断して、それを例えばオープンに発表しながら対応していくというのが、いわゆるアセスメントの基本ではないかと思います。特に国際的な内外の世論の高まりにかんがみて、先ほど申しましたように、直接環境庁が石垣島周辺のサンゴの状況だけは把握しておかないと何を判断するにしても物が言えないからということで、約一カ月にわたる調査及び文献調査その他を入れますとかなりの時間をかけて調査をしたわけでございます。私の先ほどの説明が十分でなかったかもしれませんが、今新しい計画になったら沖縄県が手続もなしに何でもやれるというわけでは全くございませんで、依然として公有水面埋立法の手続は全部これは詰めなければいけないわけでございます。その中には、今言いました環境保全に関する図書を明らかにするということで、海流調査だけではなくて工事工法の影響あるいはその他、これは自然保護に限らず騒音とかそういったものも含まれるわけでございますが、そういった環境影響調査を事業者がしっかりやらなければならないというのが少なくとも公有水面埋立法の建前であるわけでございます。ただ、これはかねてから申し上げておるんでございますが、内外の議論という経緯もございましたので、私どもはお求めがあれば、あるいは場合によっては必要があれば県にいろいろな助言をしていくということでは、先生の御懸念のように全くもう沖縄県当局に何もかもお任せするということでない姿勢はとる必要があると思いまして、その旨は対外的にも申し上げておりましたし、また県当局にもその趣旨は伝えて今日まで至ってきております。
○大野(由)分科員 沖縄の大変美しい自然を守りながら、また自然保護、環境保護をやりながら、また沖縄の人たちの生活水準もしっかり向上していただきたい、そういう願いに立った上でどうあるべきかということを一番真剣に悩んでいかなければいけないと思うのですが、この候補地に関しましても、今まで全く資料が公開をされてない。今回のカーラ岳東の方の海岸にしましても、突如発表されたということで地元の人たちは大変な怒りを持っているわけですが、現空港の拡張を含めて四候補地あった。それも詳細な発表等がなされてない。県民、市民の人たちの十分な検討がなされてない。そういったことも含めまして、この空港建設に関しましては、本当に世界の注目も浴びておりますし、県任せではなくて、これは県が主というのじゃなくて、本当にリーダーシップをとって国としてもっと積極的に対処していただきたいと思いますが、環境庁長官、いかがでございましょうか。
○北川国務大臣 ただいま局長の方から委員に詳細にわたって御答弁申し上げましたが、国際的にサンゴ礁を守るという関心も高まっており、また諸般の状況を踏まえながら、今後白保のサンゴ礁を守るということについては、地元沖縄県また石垣市等とも協議しつつ、国立公園、海中公園地区として指定をし、その保全に万全を期していきたい、このように思っております。
○大野(由)分科員 もう一点、ちょっと時間がございませんのでほんの一言になってしまうかと思うのですが、廃乾電池のことでお伺いしたいと思うのです。 電池の水銀に対する心配、不安が非常に高まっておりましたけれども、厚生省の例の安全宣言以来、冷水をかけられたように廃乾電池の回収率が落ちております。また、一生懸命廃乾電池の回収をやっておりました地方自治体、団体が、厚生省の発言によってやる気をなくしてダウンをしております。私は、細かく申し上げる時間がないのですけれども、国の環境改善をしていく、そういうリーダーシップをとっていかなければならない厚生省の態度が一体これでいいのかどうかということについてお尋ねをしたいと思います。例の厚生省の発言以来、電池の回収が落ちている、またそういう電池の回収をやめた団体や自治体がふえているということを厚生省ではどのように見ていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○坂本説明員 使用済みの乾電池対策の検討を行いました生活環境審議会の廃棄物部会適正処理専門委員会報告におきまして、現状では特段の措置を講ずる必要がないという結論を得たものでございます。具体的には、廃棄物処理施設からの一般環境への水銀排出実態とか既存の環境中の水銀濃度に関する調査結果をあわせて評価したものでございます。今先生御指摘のこのような報告書が出てから市町村の回収率が落ちてきたのじゃないかということでございますが、それは事実でございます。回収するかせぬかにつきましては、廃棄物自体が市町村の固有事務というようなこともございまして、そちらの御判断にお任せしてはおるのでございますが、一方では北海道の方へ運ぶようにというような指導もしておるのが現状でございます。
○大野(由)分科員 いろいろな調査の方法があるかと思いますが、京都大学の環境保全センターの高月教授もこれは非常に危険性を言っておりますし、また、どういう根拠をもとにして先ほど厚生省では安全とおっしゃったのか、いろいろな見解があるかと思いますが、調査方法等によっても違うかと思いますが、そう簡単に厚生省が安全宣言をしていいものかどうか、もっと慎重にしていただいていいのじゃないか、反対意見があるということはより厳しく見て対処していただくのがいいのじゃないか、そのように思います。ちょっと時間がないので残念ですけれども、時間が来ましたので、以上で終わりたいと思います。大変ありがとうございました。
○自見主査代理 これにて大野由子君の質疑は終了いたしました。 次に、東中光雄君。
○東中分科員 大気汚染対策、特に大都市地域におけるNOx対策について伺いたいと思います。 窒素酸化物、NOxによる大気汚染が東京、神奈川、大阪の大都市地域を中心に大変ひどい状態が続いています。昨年十二月の環境庁発表の八八年度の全国大気汚染測定結果で極めて明らかであります。全国の幹線道路に設けられた二百九十九カ所の自動車排ガス測定局のうち、NOxの環境基準を達成できなかったのは埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫の九都府県の九十五局、三一・八%となっています。特に東京、大阪、神奈川のNOx総量規制地域では未達成率は約九〇%、ほとんどの測定局で環境基準をオーバーしています。それから、肺がんの原因になる、杉花粉症患者をふやす原因物質だとも言われている浮遊粉じん、SPMの大気汚染がこれも悪化をしています。特に、測定局の環境基準達成率は前年度が五二・六%から四七・〇%へ低下しているわけですね。対策をとられているはずなのにいよいよ悪くなっていっている。大体環境基準自体が〇・〇六にふやしたんですから、緩和したんです。それがまた突破しておる。だんだん悪くなっている。一体どういうことなのか。環境庁、一体どう思っていらっしゃるのか。
○古市政府委員 ただいま委員の御指摘の数字の中にはNOxだけでなくて浮遊粉じんも入っていた数字だと思いますが、全般的に大気汚染の状況というものは、最近改善が見られていないというのはそのとおりでございます。そういうことで私どもは、自動車の単体の対策、自動車の交通流対策それから固定発生源対策、この三本柱で窒素酸化物対策を推進しているところでございますが、この中で、自動車の総量というものが今御紹介されまた大都市中心に非常にふえておりますので、それが個々の対策を相殺してそういう結果になっている、このように分析しております。
○東中分科員 対策がとられて強化されておるのに悪くなってくる。環境庁は一体何しているんだということになりますね。 これは大阪で、大阪NO2簡易測定運動というのがありまして、一九八九年度、第三回目の調査報告書というのを持ってきたのです。これを見ますと、第一回目にやったのは七八年度NO2測定ですが、五月二十三日、二十四日の二十四時間測定です。二回目は八四年の五月二十三日、二十四日の二十四時間測定。それから八九年度のNO2測定濃度分布図、測定したのは四月二十六日、二十七日の二十四時間。ここに表というのですか分布図を持ってきましたけれども、長官、ちょっとこれを見てください。これが一番初めです。黄色とか青とかいうのは、〇・〇二ppm以下が青で、黄色が〇・〇三ppm以下、赤になってくると四になり五になり六になり六以上になる、こういうのですが、これを見てもらったらわかりますが、これだけひどくなっているんですよ、大阪は。私の選挙区も随分これはひどいんですがね。長官の選挙区もえらいひどいんですよ。この中を見てみますと、大阪市内ではNO2環境基準の上限値〇・〇六ppmを超えた測定点が年平均約三一・八%、非常に多いんです。中央部から、大阪の選挙区でいったら第二区、私のところなんか非常に多いんです。それから市外の、大阪府下、府地域でいいますと守口が一番高い。それから次いで門真、寝屋川、こういう順番になっておるんです。環境基準上限値を超えた測定点は、守口は三〇%以上、門真は二一%以上。 これは自動車交通によるものですけれども、ところがこれが、今どんどん道路をふやしてきていますね。御承知の第二京阪がそうですし、私のところは淀川左岸線がぐっと延びているし、そういう新たな高速道路建設、国道、巨大な幹線道路綱という計画がどんどんふえてきよった。いよいよこれはますますもってどうにもならぬやろうと思うんですが、一体どうするんですか。今簡単におっしゃいましたけれども、特別な対策が要るんじゃないかと思いますけれども、改めて局長もう一遍。
○古市政府委員 大阪の例の御紹介がございましたが、その地区で行われております簡易測定の図のものでございますが、その窒素酸化物の量というものは、私どもは、一時間ごとに空気を吸引して自動測定機ではかった数値をお示しして、それが年間平均値、月間平均値あるいは環境基準を超したパーセントという形で発表させていただいております。先生のお示しのグラフは、ろ紙を用いた簡易測定によって、一つ一つの数値ではなく全体の汚染傾向を経年的に比較する、こういうことでやられたことかと思います。したがって濃度ではなくて、その方法によりましても、大阪地区に汚染が広がっているというのは、私どもの測定局の数値でも同じ傾向が見られます。 そういうことで、先ほどおっしゃいました守口、門真それから寝屋川、大阪の中心部の外でも、残念ながらNO2の濃度は改善されずにやや漸増の傾向を最近示している。その原因は先ほど申し上げましたとおりでございまして、都市への過度の集中、それから最近景気が拡大して燃料消費量も都会の中で上がっている。一番大きな原因はやはり自動車の交通量が多い。そういうことで、やはり都市全体の許容量というのがございますので、自動車につきましては総量規制という方策を具体的に検討する必要がある、このように考えて現在検討会を始めているわけでございます。 なお、大阪につきましては過日の報道でもノー・マイカー・デーというのを官民あわせてスタートさせた、そういう形が必要になってくるのではなかろうか、このように思っております。
○東中分科員 自動車交通対策として、これは「新・中期展望の「今後の対策の方向」に掲げた各種対策の概要」の中に載っているわけですが、「交差点周辺等の具体的な高濃度汚染地区における各種汚染対策の調査研究」それから「局地的大気汚染浄化装置の技術的可能性に係る調査研究」という項目があります。要するに、汚染対策の調査研究を進めておられるのですが、沿道脱硝装置の研究というのは環境庁でどの程度やられているのですか。
○古市政府委員 一台ごとの単体対策だけで片づかないという形で、各種の対策を組み合わせて取り組んでいるわけでございますが、その中の一つといたしまして、自動車交通量が非常に多い、そこの道路のところ全体を掘り割りのような形であるとするならば、そこを何らかの仕掛けで覆って、沿道に脱硝装置を敷設いたしまして、そこで全体の沿道の空気の中から排出されたNOxを抜いてしまおう、こういう構想で今検討を始めているわけでございます。具体的には、環境庁で行っておりますのは、昭和六十三年度から三年計画で公害健康被害補償予防協会の基金を利用いたしまして、その可能性につきまして、小さな規模でございますがパイロットプラントで実証性について検討を始めているところでございます。
○東中分科員 これは六十三年からですね。その前に国公研、国立公害研究所で研究をやっておられるように聞いておるんですが、その到達点なんかはどうなんでしょうか。
○古市政府委員 私ども、国立公害研究所において研究費でなされましていろいろその可能性について出されたものを踏まえて、この三年間のパイロットプラントをスタートさせた、こういう関係になっております。
○東中分科員 公害研の研究に当たった主任研究員のレポート、一応の研究報告を読ましてもらいましたが、アンモニア触媒還元法によって九〇%程度のNOx除去率を得ることは十分可能性がある、そういう格好で書いてある。そこまでいっておるんだったら、それをもっと実用化するために大いにやってもらわにゃいかぬ、こう思うんですが、そういう方向に沿っての今の三年間の研究ということですか。
○古市政府委員 そのとおりでございまして、これの問題点は、火力発電その他の固定発生源で現在燃焼されている排煙の中からの脱硝というものは、高温で高濃度でしかも比較的少ない量を取るわけでございますけれども、この沿道脱硝になりますと異なりまして、非常に大量の換気ガスの中の非常に低濃度のもので、しかも温度が低い、化学反応が起こりにくいところのものを取るわけでございますから、理論的にその可能性は出されておりましたけれども、実際プラントのモデルをつくってやれるかどうかというところで、現在、この部屋よりはちょっと小さいのかもしれませんけれども実証的なモデルプラントをつくって、どの程度効率が上がるかというところまでやりたい、こういう形で進んでおります。
○東中分科員 この間四月十三日の朝日でしたかに「トンネル内のNOx除去装置を開発へ 東京都来年度に実験計画」という見出しで出ているわけですが、「東京都は、主要道路のトンネル部分で車の排ガスまじりの空気をまるごと浄化し、NOx濃度を低くする装置の実用化を図ることになった。」ということで、この記事によりますと「都自動車公害対策室の測定では、皇居わきの千代田トンネル・平河町換気所などで、窒素酸化物のうちNO2は、環境基準値を十倍ほど超える濃度を記録している。」そういうこともあり、「将来的にはトンネルだけでなく、汚染の激しい交差点などについても、一帯を覆い「トンネル化」して浄化する計画も考えている」ということで、「検討委員会を発足させ、来年度には試験装置を開発、現場での実験に入りたい、としている。」こういう報道がされているんです。環境庁がなかなかぐずぐずしているから都も乗り出したという感じを私は受けているんですが、さっきの局長のお話を聞くと、なかなか精力的にこの部屋程度での研究を進められているということで意を強くしたんですけれども、東京都もそのように動いているということについて環境庁としてはどういうふうにお聞きになっているんですか。
○古市政府委員 この種の技術が東京都でも取りかかられたという報道がございまして、各所で開発が進められていくというのは環境庁にとっても非常にありがたいことだと思っております。ただ、この情報で大きく新聞に出ましたけれども、内容は私どもの方がはるかにまだ進んでいる段階でございまして、東京都は今年度から始めて、今おっしゃったような方向に向けてやりたいという願望がちょっと書いてあるわけでして、実際問題は私どもの方が予算のけたといい進行ぐあいといい先にいっている。しかし、そういうものを競争する必要はございませんで、情報交換していいものに持っていけたら、このように思っております。
○東中分科員 さっきの八八年度からの三年計画、もうことしが最終年度ですね。やっておられる規模もお伺いしたんですが、見通しはどうでしょう。何とかいけそうだ、あるいはいかなくてもいくようにしようというふうに伺っていいでしょうか。
○古市政府委員 先ほど申し上げましたように技術的に非常に難しい問題がございますので、大量のガスの中から薄い濃度のものを抽出するということでございますので、現時点ではいつ実用化のめどが立つというところまではまだ残念ながらいっていない、このように聞いております。したがいまして、この三カ年で一応理論的に言われておりますものをある大きさの規模のものでやってみて、その後はその結果を十分検討いたしまして、実際のプロジェクトの方にどのように結びつけるか、このようなことになろうかと思います。 なお、この私どもの額は、平成二年度で申し上げますと約四千万の額でやっているわけでございますが、これはある企業と一緒にやっていることでございまして、企業全体の投資というのはまた相当な額でございますので、そういうものの方に事業化できる方向にいけばと思っておりまして、私どもはひとつそのスターターの役割を果たしたいということも含めてやっているわけでございます。
○東中分科員 土木学会それから日立造船とかいろいろ言われていますね。大いに開発を進めてほしいと思うんです。 建設省、来ていただいているんですが、建設省も沿道NOxの除去装置の研究をやっていらっしゃるように聞いているんですが、建設省は本当にもう道路だけつくったらいいというわけにいかぬわけですから、NOxがオーバーしておる、環境基準を超しておるわけですから、どういうふうに研究で取り組まれておるのか、その進めぐあいについてお伺いしたいと思います。
○井上説明員 建設省では土木研究所というのがございまして、そこにおきましてトンネルの坑口から排出される汚染空気の浄化、それからまた長大トンネルにおきます省エネ換気、こういったものが同時に達成されるのではないかということで、昭和五十六年から六十一年まで脱硝技術を検討した経緯がございます。しかしながら、実現に当たって数々の課題があるということが明らかになりましたために、現在は研究を一時中断しております。 土木研究所でどんな研究をしておったかということを簡単に御説明いたしますと、まず昭和五十六年から五十八年にかけましては、光照射法という方法による脱硝について研究を行っております。これはどんなものかと申しますと、排ガス中にアンモニアを添加いたしまして、これに紫外線を照射することで窒素酸化物を窒素と水に分解または硝酸アンモニウムという無害なものに変化させまして、それを電気集じん機で除去するという方法でございます。その結果わかりましたことは、有害物質であるアンモニアの処理及び一部の反応過程で効率が悪いといったようなことが課題として残りました。 それからさらにまた、昭和五十九年から六十一年の三カ年かけまして、今度は吸着吸収法、こういった方法によりまして脱硝についての研究を行っております。これはどういうことかと申しますと、アルカリを展着いたしました活性炭、これと化学反応で窒素酸化物を吸収除去する方法でございます。このときに二酸化窒素の除去はまあまあいけたわけでございますが、一酸化窒素をほとんど吸着しない、こういった問題点がございまして、トンネル内に適用するには一酸化窒素を二酸化窒素に一遍酸化する別のシステムの付加が必要だ、こういった課題がわかったわけでございます。 こういったふうに六年間、光照射法、吸着吸収法といったものに関する基礎的な実験を行ってまいったところでございますが、その後もいろいろな技術情報は収集しておりまして、今後とも民間等におきます脱硝技術の開発動向を十分に把握いたしますとともに、建設省の土木研究所、ここを中心に実験等を行いまして、その技術的可能性について今後とも研究してまいりたい、かように考えております。
○東中分科員 六年前からやってきて、いろいろの問題があるから中断するというのはちょっと理屈が合わぬですね。問題があったらそれを調査研究していってこそ調査研究なんで、問題があるから中断するというのは私はちょっと了解しがたいです。しかし、今後やると言われておるので、中断しておったのは今年度から始まっているわけですか。東京都もやっている。環境庁もやっている。沿道の公害対策ですから、それは一番道路をようけつくる建設省、大いにやってもらわなければいかぬと思うんですが、どうでしょう。
○井上説明員 先ほども申し上げましたように、中断いたしましたと申しましても、その後も、いろいろな民間機関、あるいは先ほど環境庁の方からお話ございましたけれどもそういった関係機関での技術開発が一体どのようなことで、我々の残した課題がその中ではまたどんなふうに解決されておるかというようなものも含めまして、技術情報は私どもきちっと集めてきておりますので、今度はまた我々の今までのノーハウをもとにしまして新たにやっていく、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○東中分科員 この間の四月十八日の衆議院建設委員会ですが、首都高速道路公団の佐藤理事が答弁されているんです。トンネル化が問題となっている中央環状線新宿線の排ガス処理について、トンネル内の排ガスを浄化する技術はまだ実用化段階にはなっていないが、しかし東京都の方では前向きに検討すると伺っている。私ども公団としても、技術の可能性についての研究の促進はますます重要であるということから、関係機関と協力して積極的にこの問題に取り組みたい。実施するところでそう言っているんです。これはぜひそういうふうに建設省全体として進めていただきたいと思っています。 特に大阪の淀川左岸線で、正蓮寺川の水を揚げてしまって、そこへ掘り割りをつくって左岸線道路をつくる。通過自動車台数が二〇〇〇年で一日二万九千四百台というふうに言っていますけれども、実際上四車線のあの規模でいくと、一日大体十万台通過可能ということになって大変なことになる。この地域の周辺は、これはもうNOxの汚染の非常にひどいところなんです。四貫島交差点周辺で私たちの方で調べたら——この大きい丸は全部〇・〇六ppm以上の分です。国道四十三号線と桜島守口線の交差点なんですが、この交差点の少し離れたところに環境庁の測定局があって、此花区役所前、ここを見てみても、昭和六十三年のものは〇・〇六二です。六十二年は〇・〇六六です。六十一年は〇・〇六〇ppmになります。だからもうオーバーしているんです。そこへ今度この道路が来るわけでしょう。だから何としてもこの道路は、掘り割りでやるから有蓋、かぶせてしまえということが地元の要求で、大阪市議会で自民党も含めてその請願は有蓋、要するにトンネル化する、上を公園にするということを可決しているんです。 ところが、なかなかその実施がいかない。脱硝装置がうまくできてないので、だから部分ふたにする、全部ふたかけにしないということになっているんです。そういうふうに、全面ふたかけ方式の要望が強いのはよくわかっているけれども、しかし、道路トンネルの低濃度排気ガスに対する小規模な脱硝装置の実用化がまだできてないから、それができたらやれるように、掘り割りのところでそういうふうにはしておくけれども今はやらない、こう言っているんですね。こうなりますと、もうこれで動き出したら、あの辺は今でさえ大変なのに一層大変になってくるということで、むしろあの道路をつくって上を公園にすることによって環境を整備するんだ、道路建設と環境整備という両方出されたわけですね。そういうことになっておりますので、何とか有蓋道路にして、トンネルに近いわけですから、そして脱硝装置をつくるということを、これは超党派で決まったことですから、そういう意味でも、この装置の開発、実用化ということにぜひ建設省も環境庁も進めていただきたいということなんです。長官、ひとつよろしく頼みます。
○北川国務大臣 東中委員から道路行政、またNOxの汚染等について非常にいろいろと御指摘を受け、また御質問がございました。特に、今おっしゃっている道路は、昔はきれいな川が流れていたところです。それは私も承知しております。そういう中で、全部トンネル式にしろ、こういう御意見もありました。先ほど建設省も言っておりましたが、硝酸アンモニウムにするについては、私の方の局長も言っておりますようにやはり濃度が薄い、簡単に一つのものをつくっていくにはいかないだろう、こういうこともあるだろうと思いますけれども、あそこを道路にすることは、中心地帯、福島からこっちの非常に込んでくるのを解消するという一つの考え方もあっただろうと思っておりますが、今おっしゃっていらっしゃいますところの諸点につきましては、今後窒素酸化物対策もやらなければいけませんし、また排ガスの規制も強化しなければいけない、いろいろの要素を踏まえながら対処していきたいと思うのです。 そんな思いをしながら、昭和四十七年に私は、それなら水で自動車動かせと言うたら、あいつはちょっと気違いやぞと言われたのを今思い出しています。そんな思いをしながら、私はやはり科学が、技術が環境をよくするために取り組んでいかないといけない、こういう思いをいたしまして、東中委員の地元の淀川のこちらを走る道路についての御意見を一応踏まえまして、関係各諸庁とよく協議をしながら対処してまいりたい、こう思っております。
○東中分科員 終わります。
○自見主査代理 これにて東中光雄君の質疑は終了いたしました。 次に、山元勉君。
○山元分科員 大変遅くまで御苦労さんでございます。時間も大変遅くなっていますから手短かに、御質問申し上げたいと思いますけれども、御答弁頑張っていただいて、真剣な御答弁をいただきたいというふうに思います。 私は琵琶湖の水質の問題についてお尋ねをしたいというふうに思います。 御承知だと思いますけれども、滋賀県の富栄養化防止条例は施行されてから十周年になるわけです。この間の推移を考えてみますと、当初七五%にまで達した石けんの使用率が現在三〇%を割る状態にまで落ち込んでいるわけです。条例が石けんの使用を義務づけているものではございませんけれども、条例施行後合成洗剤の開発と普及が急激に進められたということを考えてみますと、住民のあのときの思いが無惨にも踏みにじられた、こういう思いが深いわけでございます。県民の多くがあのときに、琵琶湖にまで赤潮が発生をした、富栄養化状態がここまで進んでいるということに驚いて、これを何とかしなければという意欲に燃えて条例制定に声援を送ったといいますか合意をして、努力をしてきたわけです。考えてみますと、あのときに国がこの県民の熱意にこたえて石けんの使用運動に力を与えていただいたら、あるいは推進について支援を与えていただいたら、今の状態というのは違ったものが出てきたのではないか、滋賀県民の努力が大きく報われるような状況になっていたのではないかという思いがしてならないわけです。 国が、先般雑排水のことで前向きに画期的な思い切った措置をとられることになりましたし、きょうの夕刊にも出ていましたけれども、スパイクタイヤの禁止について英断を下された、そういうことからも考えて、私はこれらについて高く評価はしますけれども、今からでも遅くないので、国が石けん使用推進についてあらゆるマスメディアを使って教宣をしていただけないかどうか、まずお聞きをしたいと思います。
○安橋政府委員 滋賀県が昭和五十四年に滋賀県琵琶湖富栄養化防止条例というのをつくられまして、燐を含む家庭合成洗剤の使用禁止というようなことを含めまして、行政と住民が一丸となった富栄養化防止対策を推進されたということは現在でも高く評価しているところでございます。その結果、燐を含む合成洗剤というのは現在ではほとんどのところでは販売されていないような状況になっているわけでございます。住民の側からのこうした生活雑排水対策への積極的な取り組みが、今後もやはり生活雑排水対策の中で重要な位置を占めるのではないかというふうに考えているところでございます。 今回、水質汚濁防止法の改正案を衆議院に提出させていただいておりますけれども、この中でも、生活雑排水対策の中で住民の方々の果たしていただく役割というものが非常に重要であるというふうに考えております。環境庁といたしましては、生活雑排水対策の推進に当たりましては、下水道の整備とともに、先生御指摘の石けん洗剤の適正使用の啓発を進めていくことが非常に重要であるというふうに考えておるところでございます。こうしたことがやがて湖沼を初めとする富栄養化の進行した水域の水質保全のためにも役立ってくるのじゃないか、そういう意味で、ぜひ啓発推進を進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○山元分科員 合成洗剤についてあの当時、有燐、無燐について随分と論議がありました。私も県民と真剣になって論議したのです。その中で、界面活性剤については有害でないということで押し切られたという思いがするのですけれども、少なくともこれが蓄積され続けると危険だ、あるいは土に還元をしないこういうものを使い続けることが自然をいかに破壊するかということについては、県民は一つの結論として持っているわけです。しかし、先ほど申し上げましたように、七五%が三〇%に落ち込んでしまっている。一生懸命になって生活改善をやってきたのにという思いがするわけですね。そういう意味で、今啓発のための取り組みを推進するというふうにおっしゃっていただいたのですが、私は先ほどたしか、マスメディアを総動員してでも思い切った措置をとっていただきたいというふうに申し上げたわけです。 時間もなんですから、県民は今、多くの団体で粉石けんの使用推進運動の県民の連絡会議をつくりまして、努力を続けているわけです。先般も二十万人が琵琶湖に集まって、一分間だけですけれども人間の鎖をつくって、琵琶湖を守ろうという運動をしました。そういう運動というのは、決して滋賀県民の飲み水を守ろうというだけではなしに、長官は大阪、とりわけ寝屋川の方で、私と同じ水を飲んでいらっしゃるわけですけれども、近畿千三百万人の水がめを守ろうというのが合い言葉ですが、そういう運動をこの際勇気づけていただきたい。 とりわけ今申し上げるのは、十年目を迎えて七月一日に県民が新たな展望を持つことが大事だというふうに思いますし、そしてそういう機会に、皆さんも十分御案内のように、今地球的な規模で環境を守ろうと言っているそのときに、身近にあるそれぞれの湖沼の環境を守ろうということで国民の皆さん全体が目を向ける、あるいは関心を寄せるということが今大事なときだし、県民から言うと、今一番いい時期だという思いがしてならぬわけです。思い切ってそういう啓発推進運動を進めていただきたいということを重ねてお願いをするわけですが、いかがですか。
○安橋政府委員 石けん洗剤の適正使用ということは、閉鎖性水域あるいは閉鎖性海域の汚濁負荷量に占めます家庭生活系の負荷のシェアの重さから申しましても極めて重要であると考えているわけでございます。そういう意味におきまして、家庭でできること、家庭の主婦一人一人が、環境の汚染の加害者にもなっているということでよく理解していただきまして、適正な石けん洗剤の使用というようなことで運動を起こしていただきまして、きれいな水にして流していただくというふうに、私どもといたしましても市町村を通じまして啓発普及に努めてまいりたい。これはただいま申しました水質汚濁防止法の改正案の中でも、そういう計画を市町村につくっていただく、運動を盛り上げていただくというような仕組みになっておりますので、こういった法律の一日も早い御承認をお願いしたいと考えておるわけでございます。
○山元分科員 次に移らせてもらいますが、かかわるのですが、琵琶湖の水質の保全に思い切った取り組みをしていただきたいということでお尋ねをしたいわけです。御承知だと思いますけれども、昨年琵琶湖のアユが大量にへい死しました。それも、きれいなはずの北湖で発生をいたしました。私どもは、琵琶湖の環境悪化について大変な危機感を持ちました。原因はバクテリアによるものだということになっているわけですけれども、バクテリアが異常に発生するということは環境がそれに適した状態になっている、いわば環境が悪化しているということだと思います。 ところで、国が五十九年に湖沼水質保全特別措置法を制定された。滋賀県においてもその指定湖沼になりまして、滋賀県独自でも保全計画を立てまして努力をしてきたわけです。その間いろいろな面での施策が進められたのですけれども、例えば、ちょうどあすからですけれども、五十二年から毎年発生しております赤潮について漁業の皆さんも含めて監視態勢をあしたからまたとらなければならぬという状況になっているわけです。一方でそういう努力を確かにしてきたけれども、改善効果がしっかりと見えてこない。滋賀県知事も横ばいだと表現していますけれども、改善をされてきたというふうには認められないというふうな、今そういう姿勢をとっているわけですけれども、今年度県で琵琶湖の水質保全制度の抜本的な見直しというのを手がけているわけです。平成三年度からの分になりますけれども、こういう今の状況に対して、特別措置法の精神を基盤にしながらも一体どのように援助をしていただけるのか。申すまでもありませんけれども、これは何回も言わなければならぬと思いますけれども、琵琶湖のような大きな湖沼を守るときには一つの、自治体ではとてもじゃないができることではありませんので、三年度から思い切って抜本的な見直しに着手しようとしているところに対してどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをしたい。
○安橋政府委員 先生前段でおっしゃいましたように、確かに琵琶湖の水質につきましては、基準の年度になりました六十年度が北湖でCODで二・四、南湖で三・七という状態が、六十三年度で北湖で二・三、南湖で三・九ということで、全体として、やや振れはあるものの、横ばいであるという状況は御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、滋賀県が県民挙げて琵琶湖の水質保全のために全力を尽くしていらっしゃるということでございますので、国といたしましても、指定湖沼でございます琵琶湖の湖沼水質保全計画につきましては内閣総理大臣が同意をしているということで、つくられますのは県でございますが、その遂行につきましては政府も共同責任があるということで、この計画に載っております例えば下水道の整備でございますとかといったもののハード事業につきまして関係の建設省等に予算の重点配分をお願いするというような形で支援を送っているわけでございますし、また、今言及なさいました水質の測定ということに関しましても、平成元年度水質環境基準監視費ということで滋賀県に二百三十万円余りの助成をしておりますし、さらに公害監視等の施設整備に必要な経費ということで、観測機器の整備ということで国から滋賀県の方に千九百万円余りの助成も行ってきているところでございます。今後とも、この水質保全計画に基づきます事業につきましては、国としても関係省庁と連絡を密にしながら最大限の支援をお送りしたいというふうに考えているところでございます。
○山元分科員 今日まで琵琶湖総合開発とも絡んで大変な御支援をいただいていることは感謝を申し上げるわけですけれども、今も申し上げますように、三年度からの第二期の計画についてですけれども、今の状況を克服するために思い切って改善措置を計画しようと思うと財源的に大変つらいわけです。後ほども申し上げますけれども、この特別措置法が、国は助言その他必要な援助を行うように努めるというふうには定められているわけです。けれども、財政援助措置を例えば何分の一とか、そういう形で具体的に援助についての規定がないわけです。そういう今の状況ではいわば今大きな湖を抱えておるものとしては大変心もとないわけでございまして、今もお話がありましたように測定局などを確かに南湖に大きいものをつくっていただくわけですけれども、やはりこの財政的な援助をしっかりと行うということがこの特別措置法に明記されなければならないというふうに私どもは思うのです。そういうことについて、改正といいますか見直すということについてお考えを伺いたいと思います。
○安橋政府委員 湖沼水質保全特別措置法の体系といたしましては、湖沼の水質を改善いたしますためにさまざまな事業が必要になってくる、それらの事業につきまして、まず内閣の共同責任といたしまして、県知事がつくられます湖沼水質保全計画に盛られております各種事業につきましては重点的に優先的に予算を配分する、施設整備にいたしましても、下水道あり、し尿処理施設あり、ごみ処理施設あり、家畜ふん尿処理施設ありということで各省庁にまたがった事業でございますけれども、これらの事業を特に湖沼水質保全計画に基づいて行われます場合には、重点的に各省庁にお願いいたしまして予算を配分していただくという態勢をとっているわけでございます。 現に琵琶湖の関係地区におきましても、これらの事業の全国的な進捗度合いから見まして進んだ進捗度で事業が重点的に配分されているのじゃないかというふうに思っているわけでございますが、今先生が言及なさいました新しい水質保全計画というようなものを今度平成三年度からまたおつくりいただくということで御検討いただいているようでございますが、そういった計画に盛り込まれた事業につきましては従来よりもさらに重点的な配分になりますように関係省庁にも呼びかけまして、私どもとしては最大限努力して琵琶湖の水がよりきれいになるためにやっていきたいというふうに思っているところでございます。
○山元分科員 ありがたいのですけれども、重ねてですが、滋賀県のような小規模県が、今年度の予算でも四千三百億円、そのうち三百億円以上、およそ八%使っている。これをさらに進めていこうと思うと、よほどの思い切った御支援ということを、しつこいですけれども重ねてお願いをしておきたいというふうに思います。 ところで、その援助のあり方について少しお尋ねをしたいわけですけれども、特別措置法では「自然環境の保護に努めなければならない。」というふうに基本的にうたっているわけです。しかし琵琶湖のように、今人間生活と非常に密着をして、琵琶湖の周りぐるっと人間が住んでいるわけです。そして、十八年余り、二十年に及んで琵琶湖総合開発をやってきて、既に相当人工的な手が加えられているわけです。ですから保護というよりも、自然状況を回復するための事業というものはそういう発想がないといけないと思うのですね。ですから、この法に定められてあるような目的、保護に努めなければならないということが基本だけではなしに、自然を回復するための事業に取り組まなければならないという義務化と、そして財政援助の保障といいますか、そういう観点に改めなければならないのではないかというふうに思うのですが、その点についての見解をお聞かせいただきたいと思います。
○安橋政府委員 事業の実施方式といたしましては、いろいろな事業がございますので、かつ各省にまたがった事業でもございますので、計画を内閣で承認する、同意をするという過程を通じまして政府全体が計画の実効性を担保するという現在の方式が適当なのではないかというふうに考えているわけでございます。また、単に水質保全だけではなくて環境保全というようなところまで視野を広げて法律を抜本見直ししてはどうかというような御指摘でございますけれども、琵琶湖の周辺地区の土地利用というようなことまでも含めました全体的な体制ということになりますと、種々の法律制度とも関係いたしますので、私どもといたしましては、そういったことにつきましては各省庁と連絡をとりつつ既存の制度の活用ということで対処していくのがいいのではないかというふうに考えているところでございます。
○山元分科員 結論的には既存のものを活用というふうにおっしゃっているわけですけれども、御理解をいただきたい。これは申し上げておきたいと思うのです。 例えば、今の横ばいとさえも言えないような状況で悪化しているという認識を持たなければならないわけですが、そういう琵琶湖を救うのには、下水道の整備だとか雑排水の規制だとか、言うならば工学的な面からの規制というのですか保護だけではなしに、生態学的な観点からの例えばヨシの再生だとか、あるいは琵琶湖に注ぐ川すべてがこのごろコンクリート化しているわけですが、そういう状況の中でどのように生態系を守って琵琶湖の自浄能力を高めるかということが大事なわけです。そういう意味で、自然状況を回復する努力が開発と並行的に行われなければならぬ状況に今なっているということを御理解いただいて、ただいまおっしゃったように既存のものの活用ということでの努力ではなしに、見直しについての検討もぜひお願いをしたいというふうに申し上げておきたいと思います。 もう一つ、その援助のあり方についてですけれども、水質保全というふうになっているわけですが、この特別措置法が当初つくられるときに環境保全という発想があったわけです。ところがいつの間にか水質保全というふうに、いわば狭められたわけです。今大事なのは、今も申し上げもしましたように、実際に水だけではなしに琵琶湖の周りの生態系そのものを見て環境を直していかなければならぬ、そういうことを広く持たないと水は守れない。琵琶湖だけで水を守るのではなしに、川でもあるいは沼でも守っていかないと、結局一般的に言えば入ってきてしまってからでは守れない。そういう意味でいいますと、周辺の環境保全といいますか、そういうふうに視野を広げて法律を組みかえていかないと最終的には守り切れないという思いがしてならないわけです。そういう観点で見直しを行っていただきたいと思うのですけれども、それについて。
○安橋政府委員 現在の法律にも、二十五条でございますけれども、湖辺の自然環境の保護ということで「緑地の保全その他湖辺の自然環境の保護に努めなければならない。」というような規定もあるわけでございます。先生おっしゃいますように、琵琶湖の水の水質だけを守るための直接的な施策だけでは琵琶湖はきれいにならない、もうそのとおりだと思います。現実に琵琶湖に係る湖沼水質保全計画ということでつくっていただいております計画の中にも自然環境の保護というような項目を挙げていただきまして、水質以外のところについても配慮し、自然環境の保護に努めるというようなこともうたっていただいているわけでございます。さらに広い土地の開発規制というような問題になりますと、各種の法律にそれぞれ規定されているところでございますので、こういった規制を県段階あるいは国段階で組み合わせてうまく活用していただくということで目的は達成されるのではないか。かえって一つの法律にまとめようといたしますといろいろ協議規定などがふえまして手続が非常に厄介になるというような面も現実にはございますので、そういうふうな形で対応させていただくのが適切ではないかなというふうに現段階で考えているところでございます。
○山元分科員 時間を気にして余り具体的なことが申し上げられなかったのですけれども、今おっしゃいますように、いろいろな規制の組み合わせによってというふうにおっしゃいます。私はやはりそれを一つ一つ大事にする観点で申し上げてきたわけです。自然状況の回復の視点で、そしてそれの財政援助を保障していく、あるいは周辺の環境保全に目を向けて、それにも法的にきちっと保障していくというような抜本的な基盤の見直しというものを求めているわけです。御理解をいただいて今後も検討していただきたいということだけを申し上げておきたいと思います。 最後に長官に一言だけお伺いして、見解もお聞かせいただきたいわけですが、今世界が地球規模で環境問題に取り組まなければ人類の将来は大変だ、人類の将来はないとまで言われている、そういう状況になっているわけです。私は琵琶湖の問題に集中して地域エゴのようなことを申し上げてきたつもりはないわけです。琵琶湖の問題に見られますように、やはりフロンの問題だとか熱帯雨林の問題だとか温暖化の問題等を地球的規模で考えなければならぬけれども、足元の湖なり沼なりというものについてきっちりと考えられるような力がなければこれはどうにもならないだろうという思いで申し上げてきたわけです。地球は悠久だと言われます。長官もそうですけれども私もそうです、人間としての寿命は短いわけです。けれども、今いる場でその責任をしっかりと未来に対して持たなきゃならぬという立場ですると、思い切って財政的な措置だとか、思い切ってやはり法的な制度を見直すという立場が必要なんだというふうに思います。ですから、一つのものとして申し上げました湖沼水質保全特別措置法の抜本的な見直しを初めとして、今後とも御努力をいただきたいということを申し上げて、最後に長官のそのことについての御見解を承りたい。
○北川国務大臣 山元委員の非常に琵琶湖を思い、そして環境を思われる御質問を受けまして、私どもまた琵琶湖の水を飲んでおる一人でございます。そんな思いをしながら、滋賀県の琵琶湖がきれいであってほしいというのはもう念願であり、子供の時分におやじに連れていかれたときと格段の差で悪くなっておる、こういうことを思いますと、委員が土の還元力ということをおっしゃいまして、そして琵琶湖に注いでいる小さな川が全部護岸がコンクリートされておる、アシを植えなきゃだめだよ、これは私は、琵琶湖の大きな還元力を持った美しさを取り戻すためには御指摘のとおりだなと思いながら、時の流れといいますか、発展というものがそれを許してくれない、こういうことを思いながら、局長がいろいろと御答弁申し上げましたように、新しい角度から琵琶湖を守るということも大変大事だなと思っております。 また、御指摘のように、この間十七、十八日とホワイトハウス会議において地球を守るところの会議もいたしてまいりました。それよりもまた身近な問題ということで、琵琶湖総合開発の中で滋賀県が非常に発展してまいりました。湖西線もできまして、そういう中で人もふえてまいりました。ですから、そういう思いの中で私はやはり新たなる水をどうするかという科学的な考え方も持ってこなくちゃいけない、そのためには滋賀県当局とも、また関係各省庁とも大いに話し合いながら琵琶湖対策を進めていかなければいけない、そして今の水質の保全ということについては、昔つくったからそれでいいんだということではなくて、また新たなものに対処するところの前向きが必要じゃないか、こんな思いがいたしております。ありがとうございました。
○山元分科員 ありがとうございました。終わります。
○自見主査代理 これにて山元勉君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして総理府所管中環境庁についての質疑は終了いたしました。 次回は、明二十七日午前九時より開会し、農林水産省所管について審査することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後九時三十六分散会