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118回国会衆議院1990/04/18

予算委員会公聴会 第2号

発言数
107
登壇者
19
会派数
5
開催日
1990/04/18

会議録

越智伊平自由民主党

○越智委員長 これより会議を開きます。  平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算、平成二年度政府関係機関予算、以上三案について公聴会を開きます。  この際、御出席の公述人各位に一言ごあいさつ申し上げます。  公述人各位におかれましては、御多用中にもかかわりませず御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。平成二年度総予算に対する御意見を拝聴し、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。  なお、御意見を承る順序といたしましては、まず山口公述人、次に吉田公述人、続いて石原公述人の順序で、一人二十分程度ずつ一通り御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  それでは、山口公述人にお願いいたします。

山口昇全国国民健康保険診療施設協議会副会長

○山口公述人 山口でございます。  私、このたびこのような機会を与えていただきましたので、私どもが広島県御調町におきまして行っております在宅ケアの現況並びに保健、医療、福祉の連携システムについて意見を述べさせていただき、あわせて、平成二年度予算のうち、特に「高齢者保健福祉推進十か年戦略」いわゆるゴールドプランを中心に、同予算と私たちの活動とのかかわり等についても私見を述べさせていただきたいと思います。  広島県御調町は、八千六百人の人口でございまして、広島県の東南部に位置する農村地帯でございます。高齢化比率が既に二〇%を突破いたしました。そういう意味では、二十一世紀の姿を先取りしているということも言えようかと思います。  公立みつぎ総合病院は、その中心部にありまして、一般病床二百二十床、十五診療科を有する地域の中核病院としての機能を備えておる病院でございます。診療圏域は広島県東南部の内陸部を受け持っておりまして、圏域人口約七万人、そういう意味では、入院患者のうち御調町内の患者さんはわずか二三%という非常に広い診療圏域を持っている病院でございまして、圏域内の二次及び三次医療を受け持っているのでございます。     〔委員長退席、近藤(鉄)委員長代理着席〕  病院の理念といたしまして、私どもは、保健、医療、福祉までをあわせてやれる機能を持つ、言いかえますと、いわゆる包括医療を実践する、そういうふうな病院の理念を持って今日まで活動してまいりました。包括医療と申しますのは、保健と医療と後療法、さらに福祉までをも含むものと理解をしておりますが、こういうことを実践するために、私どもは昭和五十九年、病院の中へ行政部門である健康管理センターというものを併設いたしました。町役場の厚生課にありました保健を担当する部門、保健婦たちが中心でございますが、それに住民課にありました福祉を担当する部門、さらに社会福祉協議会におりましたホームヘルパーさん、そういうものを病院の中に新設いたしました健康管理センターの中へ持ってまいりまして、保健、医療、福祉までの連携プレーがとれる、そういうふうな機構改革を行ったわけでございます。言いかえてみますと、包括医療体制をこれで整えたと言うことができようかと思います。  現在やっておりますことは、健康づくりを初めといたしまして訪問看護、訪問リハビリ等の在宅ケアに積極的に取り組んでいるわけでございます。  さらに、昭和五十六年、広島県立ふれあいの里というものが御調町にオープンいたしました。これは当時、四施設の複合施設でございましたが、このうちの医療関係部門を県から私どもが運営の委託を受けました。老人リハビリテーションセンター、さらに特別養護老人ホームのお年寄りの健康管理等でございますが、これにあわせて昨年の三月から、御調町老人保健施設みつぎの苑というものがオープンいたしました。これによりまして、私どもの包括医療体制がほぼ完成したということが言えようかと思います。  ちょっと図をお願いいたします。  ただいま申し上げました病院を中心といたしまして、行政部門である健康管理センター、さらに県立ふれあいの里にあります老人保健施設、リハビリセンター、特別養護老人ホーム、さらに精神障害者が地域へ復帰するための中間施設、救護施設というのを持っておりますが、こういうものによりまして、保健、医療、福祉の連携を図っていこう、こういうふうな考えでございます。さらに、今度のゴールドプランに盛られております在宅介護支援センターがもし実現するということになれば、私どもは今度の老健施設へこれを置こうということで、現在準備を進めておるところでございます。  私たちは、昭和五十四年、病院に保健婦を置きまして、在宅ケアを開始いたしました。と申しますのは、例えば脳卒中で病院を訪れます。場合によっては、緊急手術をいたしまして救命をいたします。その後残った後障害に対しましてリハビリを行い、あるところまでいきましたら退院をするという段階になります。つえをついて何とか自力で歩いて帰られたお年寄りが、その後半年あるいは一年、なかなか病院へ来てくださらない、私たち主治医の頭からもそろそろその患者さんの記憶が薄れかけたころ、大きな褥瘡をつくって、そして寝たきりになって病院へ再入院してこられる、こういう例に私たち再三再四遭遇いたしました。  昭和五十年前後の御調町というのは、全国でも寝たきりが非常に多い。当時の全国平均に比べますと非常に多い町村の一つであったと思っておりますが、先ほど言いましたように、お年寄りの高齢化比率が高い。寝たきりが多い。しかも病院を退院後、医療が中断されるために寝たきりになってしまう例、こういうものが相次ぎましたので、私たちは病院内だけの医療、いわゆる患者さんが来てくれるのを待っている待ちの医療から、出ていく医療へ転換をいたしました。そして、本格的に訪問看護、いわゆる継続看護の一環として病院に保健婦を置きまして、この訪問看護を開始したわけでございます。  私どもの訪問看護は、臨床経験を一年以上積んだ非常に臨床看護に強い保健婦が中心になって担当しております。現在、健康管理センターに病院保健婦、町村保健婦合わせて八名おりますが、この八名のスタッフが中心となってやっております。リハビリが必要な場合には、保健婦と理学療法士あるいは作業療法士がコンビを組んで同行訪問いたします。また福祉の助けが要る場合には、保健婦とホームヘルパーがチームを組んで出動する。そういうふうなメニューを幾つかそろえまして、ケース・バイ・ケースで対応をしておるのが私どもの実情でございます。  私たちはこの十年来、寝たきりをなくそうというのを合い言葉に、こういう在宅ケアに取り組んでまいりました。その結果、数年しまして効果が出てまいりました。最初の四、五年はほとんど効果が見られませんでした。しかし、五年前後ぐらいたったころから寝たきりが減り出しました。寝たきりの減少というのは、私たちが当初考えておりました御調町における寝たきりはどうも医学的な根拠での寝たきりでなくて、半年前、一年前まで何とか自力で歩いていたお年寄りが寝たきりになる、これはつくられた寝たきりであろうと私ども考えておりました。まさにそのとおりでありまして、このつくられた寝たきりをつくらないようにする努力が実を結んできたのではなかろうか、かように考えたわけでございます。我が国における寝たきり老人というのもこのつくられた寝たきりがかなりいらっしゃるのではなかろうか、対応が適切であれば寝たきりにならずに済んだのではなかろうか、そういうケースに私たちはたびたび遭遇いたしました。そういうふうなつくられた寝たきり、つくられた失禁をいかに抑え込んでいくかというのが私たちの在宅ケアの一番大きな目的でございました。  そういうことで、私たちのこの訪問看護、訪問リハビリ、言いかえてみますと看護やリハビリの出前とでも言えるかもしれません。病院内だけでの医療を家庭の中まで出前をしていこうじゃないか。従来の診療所の先生方による往診というものが今でも続いております。これは我が国で非常にユニークないいシステムだと私は思っておりますが、ただお医者さんだけでなくて、看護婦さん、保健婦さん、理学療法士、作業療法士等々の専門職者が家庭を訪れて、在宅ケアといいますか、そういう受け皿をつくってあげれば寝たきりは何とか防げるのじゃないか、私どもこの十年来の経験からさように考えておるわけでございます。  もう一つ、お願いします。  この在宅ケアの仕組みでございますが、在宅ケアは三つの分野から成り立っていると私は思っております。一つは日常の家事といいますか、ホームヘルプ活動でございます。もう一つはお年寄りの日常生活動作、ADLというのがそうでございますが、日常生活動作の援助といいますか、介護でございます。もう一つは、褥瘡の処置とかあるいは膀胱洗浄だとか、そういう看護、さらにリハビリという医療の分野でございます。これに携わるのは、医療はもちろん医師を初めとして保健婦、看護婦、理学療法士、作業療法士等の専門識者が当たります。さらに介護に対しては、介護福祉士、ホームヘルパーさんが従来当たってこられた。特に今度できましたこの介護福祉士の活用というのは、在宅ケアの場合に非常に大きな意味を持っているものであろうと私考えておりますが、さらにこのホームヘルプに関しましてはホームヘルパーさんがいろいろやってこられました。今後は、今度の十カ年戦略にも述べてありますとおり、地域の住民の方々がここへ関与してこられる、そういう姿がマンパワーを確保する上でも非常に大切なことではなかろうかと私は思っております。  そして、こういう介護をやられるのはほとんどの場合家族の方でございますので、それに対してデイケアあるいはデイサービス、ショートステイというふうな援助の方法があるわけでございまして、これは現在全国各地でいろいろやっておられます在宅福祉の三本柱の一つでございますが、こういうことが今度の十カ年戦略にも充実強化するということで載っております。こういうことと、私どもがやっておりました訪問看護、訪問リハビリ、それがこの医療であり、介護の分野であったと思うわけでございます。  次を出してください。  この連携システムでございますが、ここには医療施設と書いてありますけれども、医療関係者というふうに読みかえていただきたいと思いますが、医療関係者、福祉関係者と行政、住民が一体となりまして家庭に対して働きかけていく、こういうネットワークをつくることが一つのポイントだろう、私どもが十数年来取り組んでまいりましてそういうことをつくづく痛感しておるわけでございます。こういう在宅ケアも一つの条件で、幾つかの条件が満足されて初めてうまいぐあいに稼働していくんだろうと私は思っております。それはまず介護力の問題でありますし、家庭の介護力が足りなければそれをどうカバーしていくのかという問題がございます。  さらに住宅環境でございます。日本の家屋というのはどうも在宅ケアをやるのには適しておりません。特に都市部のマンション、アパートというようなものは狭くて、車いすさえよく入らないところがたくさん見受けられます。そういう住宅環境をどうしていくのか。今度のゴールドプランでもケアハウスというものが非常に充実強化されるようでございますが、この点は私は今後もっともっと間口を広げていただきたいなと思っておるわけでございます。  さらに、先ほど申し上げました、私たちがやっておりましたようなこういう支援システムでございます。こういう支援システムによって在宅ケアをもっともっと推進していく、こういう受け皿があって初めて私は在宅ケアがスムーズに動くのであろうと思っております。さらにこれに住民組織が加われば、もっとより強固なものになって地域に根づいていくのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。  私たち、こういうふうなことをこの十一年間積極的にやってまいりました。その結果、先ほど申し上げましたように五年前後たちましたころから効果が出てまいりました。あれほど多かった寝たきり老人が減ってまいりました。昭和五十年代の一番ピーク時に比べますと三分の一以下までにダウンいたしました。これはいわゆる寝たきりが改善された例もごく少数でありますけれどもございます。七十五、六歳の女性で寝たきりだったのが何とか縁側まで行けるようになった例もございますが、それはむしろ少のうございまして、私たちの寝たきりが減った一番大きな理由は、寝たきりになるかもしれない、表現方法は悪いのですが、プロ野球に例えますと、二軍の選手を一軍へ上げない、そういうふうな感覚で寝たきりを予防しようじゃないか、寝たきりをなくそうじゃないか、寝たきりをつくらないようにしようじゃないかという運動を展開してきたのが功を奏したのであろう、かように考えておるわけでございます。  さて、この在宅医療は、現在非常にレベルがアップしてまいりまして、在宅酸素療法、在宅腹膜灌流法、在宅中心静脈栄養法などなど、病院内で行われておった医療が今在宅で可能になってまいりました。それは、さっき言いました受け皿があって初めて可能になるわけでございまして、この受け皿をつくるというのが非常に大切なことであろうと思っておるわけでございます。  さて、今度のゴールドプランでございますが、私は内容を見せていただきまして、私どもがこの十数年来御調町でやってまいりました寝たきりをなくそうという発想と全く同じ発想でこのゴールドプランがつくられておる。それは私非常に評価しておるわけでございます。寝たきりになった者に対してどう対応するのか、これももちろん大切なことではございますが、それよりも寝たきりにならないようにしていこうではないか、寝たきり老人ゼロ作戦というのは私たちの寝たきりをなくそうという合い言葉と全く同じであろうと私理解をしておるわけでございます。  そして、それに対するかなり思い切った予算措置をしていただいた、また十カ年という中期的な構想を持っておられる、こういう点は私非常に評価をしておりますし、また私たちがやってまいりまして効果が出るまでに数年かかりました。そういう意味では、このゴールドプランは、タイミングとすれば、今まさに時宜を得たものではなかろうか。もし今これをやりましても、効果が出てくるのには数年、それ以上かかるのではないか。二十一世紀までにこういう体制をつくり上げておきませんと、我が国の高齢化比率が進み、寝たきり老人が進む今の現状にストップをかけることはなかなか難しいのではなかろうか、私、かように思っているわけでございます。  ただ、幾つかの要望したい点もございます。マンパワーの問題にしましても、現状ではなかなか難しい。それは広域圏で考えるべきでありましょうし、また、国の方でも専門識者の養成というものについてはもっと積極的に取り組んでいただきたい。もちろん国の方ではそういう検討に入っていただいておるようでありますし、数年間での試算もなされております。これもひとつ、より前向きに検討していただきたい。中でも私は、先ほど申し上げました介護福祉士の活用、これを特に重点的に今からの在宅ケア、老人の介護の問題ではやっていただきたいと思うわけでございます。しかし、これも今資格ができたばかりでございますので絶対数は非常に少ない。  そこで、一つ要望しておきますが、この受験資格の中に特養なんかの経験年数が入っておりますけれども、新しくできました老人保健施設の経験年数が入っていない。これもひとつぜひ入れていただいて、介護福祉士の試験は厳しく、受験資格は、当然考えられる介護の経験年数も中に入れていただきたい、さように考えておるわけでございます。介護センターも広域圏で考えるべきでありましょうし、それに小さな町村の場合にはサブセンターという形で介護支援センターに結びついたらどうだろうか。  最後に要望したいのは、住宅政策の見直しでございます。先ほど申し上げましたように、在宅ケアを行うのに適していない住宅が非常に多うございます。したがって、公営住宅で、公営でケアつき住宅をつくっていただきたい。今度のケアハウス構想は、まさに私は当を得たものと思うわけでございますが、もっともっとそれを進めまして、車いすが入るように、あるいは警報器がついているような、そういうケアつき住宅を公営でどんどんひとつつくっていただきたい。そのためには建設省と厚生省との連携プレーが必要でありましょうし、強力な推進方をお願いいたしたいと思うわけでございます。  私は、この在宅ケアをやってまいりまして、問題点は人と金、それに行政と住民の理解だと思います。特に自治体の首長さん方の御理解をひとついただきまして、積極的に推進をしていただきたい。私どものようなこういう小さな町でもできましたことを全国に広めていくためには、私は、今度のようなゴールドプランのようなものが絶対必要であろう、かように考えておるわけでございます。  そして、そのやり方につきましては、私は、私どものような農村型、あるいは都市型、場合によっては団地型というようないろいろなやり方があってしかるべきではなかろうか、それを知恵を出すのは市町村が中心になっておやりになっていただきたい、かように思うわけでございます。  時間が少々オーバーいたしましたが、おわび申し上げまして、私の意見を終わらせていただきます。(拍手)

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 どうもありがとうございました。  次に、吉田公述人にお願いいたします。

吉田忠雄明治大学教授

○吉田公述人 四つの柱で公述申し上げたいと思うのであります。第一は消費税、第二は新しい行政改革、第三に国際社会に日本はどう対応するのか、第四は国内の福祉政策であります。  第一の消費税の問題をめぐりまして与野党激しく対立し、なかなか重要な案件の審議さえ滞りがちだと承っております。この際、大岡裁きが必要ではないかということを私は痛感してまいりました。ただ、それにしましてもこの消費税は冷たい消費税であるということを私は感じてまいりました。その一つの例を私の若い友人の体験から申し上げたいと思うのであります。  御承知のとおり、消費税は高齢者対策として出発しました。我が国の高齢化の最も大きな原因は何かと申しますと、高齢者がふえたことではなしに若者が減ったことであります。それがすべてではありませんが、しかし主な理由は、出生率の減退が高齢化を急速に進めていったということは事実であります。そうならば、適切な出生水準というものの維持が必要であります。  さて、その若い私の友人、最近赤ちゃんを産んだのであります。ところが、御承知のとおり、消費税三%を取られました。本人は、まるで罰を受けたかのような印象を受けた、もう二度と赤ちゃんを産まないとは申しませんけれども、三%の消費税で大変ショックを受けているのであります。我が国の高齢化のために考えられた消費税が、逆に高齢化を悪くしているという側面であります。恐らくすべて一律に適用したという悲劇でありまして、冷たい消費税だという国民の感情から昨年の参議院で一票一揆が起こったと思いますし、そして、にもかかわらず、消費税は必要だということで今回の衆議院の結果が出たものと私は考えております。  国民もこの消費税について、温かなものであるならば受け入れる余地を持ち、冷たいものならば拒否したいということが多くの人々の情緒ではないかと私は受けとめております。この際、この消費税について大岡裁きが必要だということは、消費税は横の公平化を進める点で私は一歩前進だと思います。しかし、それに温かな血の通ったものを加えてほしい、いわば見直しであります。この見直し案、廃止案をめぐって激突しているわけでありますが、私は、一たん廃止して後で復活するということはなかなか難しいことだと思います。しかし、そうかといって今のまま続けていくということは冷たい消費税が続くことであり、国民の反感は募っていくだろうと思うのであります。  ここで私は提言申し上げたいことは何かと申しますと、現在の消費税の税制はそのまま進めていきながら、この消費税分約五兆円を高齢者対策に国民の目に見える形で使ってほしいということであります。  具体的には高齢者のためのセンターを設ける、あるいはまた高齢者用のケアつき住宅を設ける。一年間五兆円のものをそのように使いましたならば、国民は自分たちの消費税がこのような形で生きているのだということを実感し、消費税を定着させることにつながると思うのであります。ぜひ血の通ったものに改定していただきたい、そしてそのために英知を集めていただきたいと思うのであります。五兆円の消費税をそのような、消費税として使うのではなしに高齢者対策に使っていただきたい、そして現在の消費税をそのまま推進していただきたいということであります。  第二点は、この約五兆円の歳入の不足をどうカバーするかという問題とかかわりを持ってくるのであります。  私は、まず行政改革を進めていく、その行政改革によって消費税の分をまず生み出すことが国民の要望にこたえることでもあろうと思うのであります。どの部分に最も大きな比重があるのか。その一つとして補助金を約二割削減することができるならば、それで三兆円浮くのであります。あるいはまた、そのほかいろいろな特殊法人の見直し、場合によっては公務員の削減、つまり公務員自身の痛みを感じさせつつこの消費税を定着させる、そのような行政改革を望むものであります。あるいはまたそれ以外のものもあろうかと思います。行政改革を引き続き実施していっていただきたい、新行政改革審議会を設置し、日本の行政改革を進めていっていただきたいと思うのであります。  例えばJRを見ましても、国民の多くは喜んでおります。かつて数兆円の大きな財政負担をしてきた国鉄でありましたが、民営化することによって国民の多くは喜び、JRマンも喜んでいるはずであります。できる限りこのような行政改革を、JRで成功したものを他の分野にも普及徹底させていって、あわせてこの消費税というものを実りあるものにしていっていただきたいということであります。  第三は、今日の日本の社会、国際社会に果たす役割を十分果たしていないのではなかろうか、こう思うものであります。  今の日本、例えば私、昨年のタイムズを読んでおりましたら、日本人を評してクレージー・ショッピング・ピープルというふうな叙述を見まして、本当にびっくりするのであります。そして、そのことは私の目で見る限り事実であります。日本人の海外旅行の姿を見ておりますと、歩くキャッシュではないかと思うくらい現ナマを持ち、そしてショッピングに狂奔しているのであります。富はある、けれども志を持ち得ない、その国づくりの方向を私は政治のあり方で示していただきたいと思うのであります。  国際社会に貢献する日本、具体的に最もよく国際社会に貢献している国の一つは私はスウェーデンであろうと思うのであります。ゴルバチョフ・ソ連大統領でさえもスウェーデンを口にするほどでありますが、我が国では北欧病とか福祉病とかといって批判がないわけではありません。私も過去、北欧諸国を訪ね、あるいは調査研究をし、福祉という点では最もよく進めている国だと感嘆してまいりました。もしもスウェーデンの福祉と日本の活力ある経済とが結びついたならば、あるいは活力ある日本経済にスウェーデンのような福祉を導入することができるならば、国際的によき働きをするのではないかと思うのであります。スウェーデンは、福祉社会をつくると同時に、福祉世界づくりを目指して国際社会に活躍しております。  ところが、日本の場合に、国際社会においていろいろ非難を受けてまいりました、その一例を申し上げたいと思うのであります。  一九八七年、ペルシャ湾で大きな災いが起こりました。タンカーが機雷に触れて沈没する、そして米海軍がペルシャ湾に進んでいったのであります。ヨーロッパ諸国では、この機雷を掃海する協力を進めてきました。西ドイツだけは、ヨーロッパ以外に派遣できないということで地中海方面の警備を重くしたのであります。欧米諸国は協力してペルシャ湾の平和を確保しているそのときに、日本は国内でいろいろ討議をし、最終的には、協力できない、ただしお金の点で協力するということを声明し、そして幾つかのことを発表したはずであります。そのうちの一つが、ペルシャ湾の航行安全灯の設置であります。それから三年たちました。今でも実行しておりません。世界の人々の非難は、日本はペルシャ湾の安全ということに協力しないばかりではなく、経済的にもやるということをやっていないという非難の声を抱きつつあるようであります。国際社会に信頼される日本、こうした点で、私はODAその他を通じてもっともっと持てる富を生かしていっていただきたい、こう思うものであります。  第四点は、国内の福祉社会づくりということであります。  昨年三月一日、私、こちらの予算委員会で公述する機会を与えられました。今回またその延長線上にあって、国内の福祉を充実させていっていただきたい、とりわけ高齢者に対する具体的な福祉の充実を進めていっていただきたいと思うものであります。今の日本の国内の最大の課題は、私は住宅であり、内外の物価差の解消であり、第三に高齢者対策というこの三つが最大の課題だと思います。きょうは特にこの高齢者対策ということを申し上げたいと思うのであります。  高齢者対策、私は大きく分けて二つに分けたらよいと考えております。六十五歳から七十五歳までの前期高齢者、この人々にはできることならば、特に男性でありますけれども仕事、それから男女を問わず年金、医療、そして高齢者用のケアつき住宅、このような温かな政策を進めていっていただきたい。後期高齢者、七十五歳以上の方々は仕事よりもやはり年金、医療、こうしたものに重点が置かれるかと思います。  前期高齢者のためには、例えば定年の延長あるいはまたそのほかいろいろ、働く以外に趣味がないと言われる日本の高齢者、私はそのよさを生かしながら働いていただくような政策を進めてほしいと思うのであります。定年の延長が大きなねらいでもあります。もしも例えば高齢者を雇用した場合には、若干の補助金をその雇い主に出すとかいろいろなことを考えていただきたいのであります。とりわけ後期高齢者あるいは全国民に対して必要なもの、ケアセンターあるいはまたケア設備のある住宅、リハビリ施設、こうしたもの、これは第一の点で申し上げたことでもありますが、今の消費税、約五兆円をこうしたものに使うことができるならば、後世多くの人々に喜ばれる政策に結びついていくと思うのであります。  いま一つ、私は、高齢者対策として望ましいこととして、出生力の回復ということを考えるものであります。  我が国では、既に縮小再生産の過程に入りまして二十五年以上の経過を経ております。間もなく人口は絶対的に減退してまいります。私たち、未来の日本をどのように選択するのか、国民の自由意思によって決定されたもの、それをあえて動かすつもりは毛頭ありませんけれども、しかし、事実を知らせ、そして人々が望むならばそのような政策をかなえていく、この政策は政治の大きな任務でもあろうと思うのであります。  我が国の人口は減退過程に入っております。最近の例を申しますと、大体ワンゼネレーションごとに一五%ないし二〇%近く減退していく過程であります。このことが高齢化を一層促進しているのであります。私は、日本の人口をふやした方がよい、減らした方がよいということを申し上げるつもりはありません。国民が事実を見詰めて選択する、これが一番賢い方法だと思うのであります。にもかかわらず減退過程にある。もし産みたい人がいるならば、せめて静止人口、純再生産率一に近づくような政策があってよいと思うのであります。  他のこのような人口減退過程にある国々を見ますと、例えばフランスは単独賃金手当という制度を設けております。赤ちゃんを産んだ場合には専業母親に対して賃金を支給しております。これも一つの方法であります。このような出生力回復という点で、もしも国民が望むならば適切な政策をとる、そのことは福祉政策の充実に連動していくはずであります。  以上、四つの点で関連して申し上げました。(拍手)

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 どうもありがとうございました。  次に、石原公述人にお願いいたします。

石原舜介明海大学教授

○石原公述人 ただいま御紹介いただきました石原でございます。  私は都市計画が専門でございますので、都市整備並びに土地問題について若干の意見を述べさせていただきます。  平成二年度の予算の基本方針は、特別公債依存体質からの脱却を図りながらも、高齢化社会に対応して社会保障費関係の充実、国際協調型経済構造への積極的な推進を配慮するなど、限られた財源を社会経済情勢の推移に即応して重点的あるいは効率的に配分が行われていることにつきましては賛意を表する次第でございます。  しかし、主な歳出項目を見ますと、社会保障関係費は前年度当初予算に対しまして六・六%の増になっています。また全体予算は三・九%の増となっておりますが、これに対しまして公共事業費関係はわずかに〇・三%の増にとどまっております。  我が国は、御承知のように諸外国の経験したことのない速さで高齢化が進んでおりますので、今後とも社会保障関係費は相当大きく増加していくものと思われます。そのため、国土の整備や豊かな国民生活の実現を図る公共事業関係費はどうしても抑え込まれがちでございます。しかし、今日、経済の成長力のある時期に積極的な投資を行わないと、高齢者率が二十一世紀には西欧諸国水準に近い状態まで上がりますので、今以上にゆとりがなくなると思われますので、もう少し公共事業費関係を重点的に配慮、配分していただければありがたいと思う次第でございます。  公共事業費関係を増額いたしますとインフレにつながるという懸念がございますし、あるいは景気を過剰に刺激するというようなことが言われておりますが、今日の地方での景気の向上は公共投資から始まったと言われておりますように、確かに公共投資は景気の下支え効果がございます。しかし、ほとんど今日まで地方においてもインフレは生じておらずその心配はないと思いますし、今日民間の設備投資が盛んで景気の長期的な持続がなされておりますけれども、本年に入りまして、御承知のように円安、株安によりまして民間の設備投資熱もやや低下してまいっております。景気低下が心配される現在の情勢から考えましても、公共事業費の増額が望まれるわけでございまして、インフレあるいは景気の過熱という心配はないと思いますので、ぜひひとつお願いしたいと思います。  また、地価の高騰等で事業費が用地費や補償費に割かれる度合いが高まってまいりまして、対GNP比率が低下してまいっております。建設省所管の事業に占める用地費、補償費の割合は、八六年度には一九・五%だったものが八七年度には二〇・五%に上昇いたしました。東京都では、普通建設費に含まれる用地取得費の割合は、八八年度には五四・六%と半分以上になっております。そのため八五年度以降はGNP比が六・七%にとどまっておりますし、今日では伸び率が〇・三%であれば対GNP比は低下するということになろうかと思います。地方の活性化や国民生活向上のためには、今こそ公共事業費の充実を図る時期ではないかと考える次第でございます。  第二に、公共事業費の内容に対しての若干の希望を申し上げたいと思います。  第四次全国総合開発計画を受けまして、さきに東京一極集中の是正を図るために多極分散型国土形成促進法が制定されました。東京圏への人口流入は八七年をピークに若干低下しています。八七年は十六万三千人が、八八年には十三万人、八九年には十一万七千人と下がっております。その理由としては、景気の地方への浸透に伴う雇用機会の増加や所得格差の縮小、さらには高地価による東京からの工場等の転出、東京圏に住むことのコスト高等が考えられますが、八九年は新規工場の立地が非常に活発になりまして、年間で約四千件を超えております。これは七三年以来の高水準でございます。工場立地の多い関東通産局管内においてその立地動向を見てみますと、今日では新潟県、長野県等に多く立地しておりまして、新潟県は二百六十一件に対しまして神奈川県はわずかに十七件でございます。このように工場立地も次第に外延化しております。「平成二年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」によりますと、その第六に「国土の均衡ある発展や新たなフロンティアの開拓等により、将来に向けて我が国経済社会の発展基盤の整備を図ること」が必要であると述べられておりますが、以上示したように、地方の振興の機は次第に熟しておりまして、国土の均衡ある発展を図る上からも今が最適な時期だと考えるわけでございますので、地方を重点的に整備をするというふうなことで配分を地方に重くしていただければというふうに考えております。  また、日本経済新聞社が調べた平成二年度に抱える全国四十七都道府県の主要プロジェクトをそれぞれ各県二件ずつリストアップしたものを見ますと、リゾート開発が二十六件、新都市開発が二十一件、交通基盤整備が二十件、ハイテク関係が十一件、文化、教育関係が十件、資源開発が五件というふうになっておりまして、地方では確かにリゾート開発というものに多く期待しておりますけれども、しかし、その基盤となりますのはやはり交通施設でございますので、特に高速道路網の整備が急務かと思います。そこで、この高速道路関係を見ますと、わずかに〇・三%という伸びにとどまっているのは残念でございます。  その際に、本四架橋公団が児島ルートで行いました事業も、完成されたときは大変もてはやされたわけでございますけれども、しかし、料金が非常に高く、なかなか活用されない現状にございます。せっかくこういうような投資をいたしましても、高い料金のために地域開発効果が余り発生しないということになれば、これは大変残念なことでございます。  そこで、一つの提案でございますけれども、全国を三つのゾーンぐらいに分けまして、それぞれゾーン別に単価を決めるような料金体系ができないものかと考えるわけでございます。例えば東京圏や大阪圏のように道路の利用によります効用の高いところでは高い料金を、四国や北海道のように地域内交通では効用がそれほど高まりませんのでこういうところでは低い料金を、そして地方中核都市周辺ではその中間というふうに、その道路の利用による効用を配慮して料金を設定するという形にして、これをプール計算いたしますと、地方の交通量が少ないからということで投資がおくれている高速道路網の整備なども、こういうような体系の中で整備を進めていくことができるのではないかと考えるわけでございます。特に地方の発展のためには、こういう基盤を早くつくるということが中心になろうかと思うわけでございます。  それからもう一つは、地方に中心的な国家プロジェクトを導入していくということが大切かと思うわけでございます。例えば、三重県北部地区に多極分散型国土形成促進法によって振興拠点地域の指定を受けようとされていますが、その中核として、東南アジア地域へ進出している企業のリーダー的人材を現地から招きまして、英語または現地語で研修教育をするセンターを設立して、進出企業の定着を図り技術移転を円滑にするなどのことを行えば、このセンターを利用してさらに中小企業の海外への進出や、その他社員の教育等、非常に地域産業の振興の拠点になり得るというふうに考えますが、こういうようなセンターを国家プロジェクトとして採用することも考えられるわけでございます。  また、最近非常に問題になっております大店法の問題でございますけれども、その一つとして、各地方都市の中心商店街などが、ここのところ後継者難や消費者行動の変化に伴いましてほとんど衰退化しておりまして、さらにそれに追い打ちをかけるような大型店の進出を非常に心配している状態でございますが、こういうところの振興策としましては、駐車場整備が最重要でございまして、現在では振興組合に対します、この駐車場整備に対します低利融資等が行われておりますけれども、しかし、こういうことではなくて、自治体が直接直営的な駐車場を設置するような事業を組み込みまして、そして中心地区の振興を図っていくというのが、地方都市におきましても非常に重要なプロジェクトになるのではないか。こういうように考えますと、幾つもこういうようなプロジェクトがございますので、そういうところに的を絞ってひとつ地域振興をしていただきたいというふうに思うわけでございます。  最後に、土地問題でございますが、土地問題につきましては、余りにも地価の高騰が激しく、勤労者が健全な住宅を適正な価格で入手できないということで、大きな社会問題化しております。  そこで、投機的取引を防止するために、監視区域の強化だとか不動産への融資の総量規制等、応急的措置が着々と行われているわけでございます。しかし、土地に対する抜本的対策としては、昭和六十三年六月に総合土地対策要綱が閣議決定され、その方向が示されております。また、与野党の政策論議が実った初めてのケースといたしまして、土地基本法が昨年の暮れに成立いたしました。それと同時に、今後の土地対策の重点実施方針というのが土地対策閣僚会議で決定されておりますが、これらの方向はすべて適切なものだというふうに思います。  それらの要綱や方針を見ても明らかなように、土地対策には総合的施策ということが必要でございまして、バランスのとれたものでなければなりません。しかし、何が基本かということを考えてみますと、若干意見が分かれるかもしれませんが、私は土地利用計画が基本であると考えております。すなわち「土地対策の基本的認識」にも示されていますように、「土地の所有には利用の責務が伴うこと。」でございます。これには現在都市計画法上の土地利用計画のみでは不十分で、その整備が望まれるわけでございます。  例えば、今日話題になっています農地の宅地並み課税問題でございますが、市街化区域内は十年以内に市街化をするというふうに法律上は定められておりますけれども、しかし、御承知のように二十年たった今日でも、市街化されない農地が東京圏で既に六千五百ヘクタールも存在しているわけでございます。こういう土地利用計画の不備ということはいろいろございますけれども、もちろん税制等による対策もこれに裏打ちする必要がございますし、また、土地利用計画を担保するための公共事業費との関連性ということも挙げられると思います。十年以内に市街化するのであれば、それに見合うプログラムを組まれ、それに合わせて市街化の基盤施設整備が行われなければならないと考えるわけでございます。それによって利用の義務が生じ、利用しないときにはペナルティーを科すということで、低・未利用地に対します課税強化等もこういうことを通じて行い得るわけでございますし、あるいは農地の宅地並み課税も段階的にこういうことで行っていくことが可能かと思うわけでございます。  そういうような点から考えますと、いろいろ総合的な施策というふうなことでございますが、予算的にもこういうことで、さきに公共関連施設を宅地開発にあわせて設けるということで、現在では約四千六百億の予算が計上されておりますけれども、しかしこういうふうな予算の額を見ましても、まだまだ前年と同額でございまして、積極的にこの土地問題に対処し、宅地開発を推進するという姿勢は見えておりません。  また、この関連公共施設自体にいたしましても、主に建設省の枠内でございまして、河川改修とか公園、都市計画街路の整備にとどまっております。しかし、住宅というのはすべての生活をそこでやるわけでございますので、学校も必要ですし、あるいは医療施設も必要です。そういうような総合的な投資が行われるようにしないと、なかなか地方自治体にとりましてはこういうことに協力していく体制ができないのではないかと考えるわけでございます。  これは、さきに設けられました大都市法に基づきまして協議会制度というのがあったわけでございますが、これは一回開かれた程度でほとんどその機能を果たさなかったわけでございます。その理由というのは、地方自治体の財政負担がこれによって多くなるということで毛嫌いされたということもあろうかと思いますが、今後はこういう長期的な宅地供給政策に基づきまして、計画的に宅地供給をしていくということが非常に重要でございますので、これは土地基本法にも示されたとおりでございますので、そういうことでぜひひとつお願いしたい。こういう総合対策が必要かと思います。また、住宅のみに目が奪われまして、その融資枠を拡大したりあるいは戸数を増加するだけではかえって土地の値段を上げてしまうというようなことになろうかと思うわけでございます。  最後に、土地に関します情報の整備でございます。当然、土地政策を行っていく上におきましては、いろいろな情報を十分整備いたしまして、そういうものの中からいろいろな予見をしていくということが必要でございますが、現在、こういう取引だとか地価だとかいうようなことに対しての正確な情報収集が十分だとは言い切れないものがございます。また、国土調査自体にしましても、これは土地の基本的な調査でございまして、土地台帳の整備でございますけれども、今日でもなおこういうことが半数以上の自治体で行われていない。特に市街地を多く抱える都市においてこれがおくれているということを考えますと、我が国では、土地に関します情報収集、これの基本的な条件さえないというふうなことで、これの予算もわずかに八十二億円というような状態でございますので、どうか今後こういうような情報の整備により積極的になっていただくことが都市政策の重要な一つのポイントではないかというふうにも考えるわけでございます。  以上をもちまして、一応終わらせていただきます。(拍手)

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 どうもありがとうございました。     ─────────────

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 これより公述人に対する質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。粟屋敏信君。

粟屋敏信自由民主党

○粟屋委員 公述人の諸先生には、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、大変ありがとうございました。  御質問をいたしますのですが、聞きたいことはたくさんございますけれども、時間が限られておりますので、ずっと質問の方を各先生ごとに申し上げますので、順次お答えをいただければありがたいと思っております。  山口先生から御調の健康管理センターにつきましてお話がございました。高齢化社会の進行、これは避けられない事実でございますし、また、それにいかに対応していくかということがこれからの我が国の内政の最大の課題である、こういうふうに思っております。海部総理も、生き生き生涯、幸せ生涯ということを標榜いたしましてゴールドプランを作成をいたしたわけでございます。ゴールドプランについては御評価をちょうだいをいたしましたが、先生のお話を伺いまして、保健、医療、福祉を一体として包括医療体制をおつくりになる、また、出前とおっしゃいましたけれども、出ていく医療をおやりいただきまして寝たきり老人をなくする努力をなさっておることに対しまして、深く敬意を表するものでございます。私も同県でございますので、一度お邪魔して拝見をさせていただきたいと思っております。  ゴールドプランの中におきましても、第一番には、やはり在宅福祉十カ年事業ということで、ホームヘルパー十万人とかショートステイ、デイサービス等の充実を期しておりまして、二番目に寝たきり老人ゼロ作戦を唱えておるわけでございますけれども、問題は、これらをやっていくため、何と申しましてもマンパワーの確保が必要であると思っております。御調町におかれましては、どういう方策でこのマンパワーの確保にお努めになっているのか。また、ボランティアの参加、これが必要であるというお話がございました。私も同感でございますけれども、ボランティアの参加につきましてどういうような御工夫をなさっておるのか、御協力を得られておるのか、その点につきまして山口先生にお伺いをいたしたいと思っております。  また、吉田先生から、消費税につきまして、温かみのある消費税ならばこれが受け入れられる、こういうお話がございました。そして、老人福祉を中心とした福祉施設を充実をする、それに充てるべきである、こういうお話がございましたし、また、出産の費用に課税をされることについて若者が反感を持った。まさに私はそうだったと思います。今度の政府の見直し案におきましては、人間の尊厳の立場から、出産費用とか葬祭の費用を非課税とする措置をとっておるわけでございますけれども、今後いろいろとまた御意見を承りながら工夫を凝らしていかなければならないと思っております。  それから、スウェーデンにつきまして高い御評価をなさいました。そこで問題は、国民負担率という問題がございまして、これは租税負担と社会保障負担でございます。我が国は今四〇%程度であろうと思いますし、アメリカは、これは自主的な福祉体制をとっておりますので負担率が低くて三六%程度、ヨーロッパ諸国は大体五〇%で、スウェーデンは七〇%を超えている、こういうことでございます。確かに高福祉高負担ということが言われるわけでございますけれども、その国民負担率、先般の行革審では、五〇%以内ということを目標にする、こう申しておりますけれども、その点についての先生のお考えを伺えればと存じます。  石原先生、都市計画の御専門家でございまして、貴重な御意見を拝聴いたしましたが、今やはり何と申しましても一番問題なのは土地問題であろうかと思います。先生は、その基本は土地利用計画をきちんとしてそれに従って土地利用を進めていくことだ、こういう御意見でございました。私ももちろんそれも大切なことであろうと思いますけれども、目下の土地問題を解決するのにやはり税制の果たす機能というのは大きいのではないかと思っております。従来、大蔵省は、土地問題、土地政策に関しては税制は補完的な役割しかない、こういうことをよく言っておられるわけでありますけれども、私は必ずしもそうは思わない。やはり土地対策の基本的な大きな柱である、こういうように考えておるところでございます。今までも、譲渡益、キャピタルゲインに対して重課税を課すことによって投機的な売買を抑制をする、また、取得及び保有に特別の費用を課すことによって投機的売買を抑制する、まあ特別土地保有税はこの機能を果たすものであろうと思うわけでございますが、そういうようないろいろな工夫をしてまいりました。  そこで、今一番論議になっておりますのは、先般当委員会で菅委員も御質問なさいました、今政府税調でも検討をされておるようでございますけれども、保有課税の強化の問題でございます。きょうの報道によりますと、国土庁が調査をいたしまして、法人の含み益というものが、昭和四十五年ですかから比べると十何倍になってきた。四百兆あるという報道があります。また、もう一つは、今度は未利用地の問題でございますけれども、保有をしている土地で利用の予定がないというのが五〇%あるような調査も出てまいっております。こういう保有課税の強化、これから一番大きな課題になると思いますが、私はある意味ではこれはもろ刃の剣であるという感じもいたしております。確かに、そういう含み益を、個人は相続税として取られているのに法人は払っていないではないかという批判がある。それで、それを課税をすれば土地が放出されてくる、未利用地が放出されてくるという意見もありますけれども、よほどこれは仕切りをうまくやりませんと、中小企業の経営が成り立たなくなるとかいろいろな難しい問題もはらんでおるわけでございますが、これはいずれ政府税調で御検討をいただくことでありまして、私は何らかの方向が打ち出されることを希望いたしますけれども、そういうものを含めまして、土地税制について先生のお考えがございますれば承らせていただきたいと思います。  以上、御質問申し上げまして、順次お答えをちょうだいできれば幸いと存じます。

山口昇全国国民健康保険診療施設協議会副会長

○山口公述人 ただいまの粟屋先生の御質問にお答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、今度のゴールドプラン、特に在宅福祉と寝たきり老人ゼロ作戦、これはまさに私どもが十数年来御調町でやってきました内容そのものでございますので、私は非常にこれを評価しております。今からこういうものが全国で一つの方針として打ち出された、私非常に力強くも感じておるわけでございます。  そこで、ただいま御指摘の問題点でございますが、マンパワーの確保をどうするのか。まず御調町で私たちはどうしてきたのかと申しますと、特に有資格者の問題、保健婦、看護婦、理学療法士、作業療法士等の有資格者の問題は、実は病院の職員、病院のマンパワーを活用している、一言で申せばこういうことであろうかと思います。現在保健婦が八千六百人の町に八人おります。八人のうち五人は病院保健婦でございまして、病院が抱えている保健婦である。そういう意味で保健婦の数が全国平均に比べますと非常に多いのですけれども、これは病院のマンパワーを活用しているからだ。理学療法士にしても作業療法士にしてもしかりということが言えようかと思います。なお、介護福祉士、これも実は現在二名、来月から一名増で三名ほど病院で確保しておりますが、こういうマンパワーを活用できるというのが最大の強みであろうと思います。  そうしますと、全国的に、こういうふうな拠点病院があるところはいいのですけれども、拠点病院がない場合に、ではマンパワーをどうするのかという問題がございます。これは、さっき言いましたように、広域圏でお考えいただいて、その圏域内に拠点になるところがあればそのマンパワーを活用すべきであろう、かように思います。  次に、ボランティアの参加についてでございますが、これは、現在御調町には保健福祉推進制度というのをつくっております。人口八十人に一人の割で町長が委嘱をしておりますが、この方々のほかに、全くの民間のボランティアとして老人ボランティアという組織がございます。これは、一人暮らしの老人初め寝たきり等々にできるだけマンツーマンで張りつこうということで、百六十数名今町内にいらっしゃるわけでございますが、この方々の活用、さらに、保健婦、看護婦さんのOBの方、在宅看護職者の会というのがございますが、こういう方々がデイケア、デイサービス等々に出動してくださっておられます。  そのほか、この平成二年度からこういう住民組織の見直しといいますか再構築をやろうということで、こういう既存の組織をひっくるめて、元気なときに寝たきりというか要援護老人の面倒を見て、自分が倒れたら後を頼むという、そういう仕組みをつくりたい。そのためには時間貯蓄制の導入あるいは福祉公社の設置等々もひっくるめて考えてまいりたい、かように思っております。

吉田忠雄明治大学教授

○吉田公述人 御質問につきまして、私もほぼ同じような共感を持ってお聞きしたのであります。敬意を表するものでございます。  そして私の意見、まず第一に、スウェーデンの税負担七〇%はどうかということでありますが、私は率直に言って高過ぎると思います。我が国で五〇%を上限として目標とする、私は日本のこの目標を示したものが最も妥当な水準ではないかと信じております。  スウェーデンでも、例えば選挙のたびごとに与党である社会民主労働党は苦戦しております。前回の選挙スローガンは、効率ある社会福祉を実現するということで、辛うじて、過半数にはいかなかったのですが、過半数に近い線で、もちろん第一党でありました。その最大の理由は、税金が高過ぎるということが第一の理由であったと思います。スウェーデン国民も必ずしも納得しない。しかし、それだけの高い税金を払えば福祉は全部完備している、そのことにその面では満足しております。  私は、世界で一番効率的な社会は日本だと思います。日本の効率とスウェーデンの社会保障とが結婚できるような形で、日本を五〇%以内の租税負担率で、しかも効率ある社会をつくりながら温かな社会保障を実現していっていただきたい、こう思うのであります。  次いで、いま一つ御質問ございました今の消費税でございます。  今回の見直し案を見まして、私は高く敬意を表するものであります。出産あるいは特に葬式のときの免税その他温かな配慮がありますが、なぜそうなら最初からなかったのか悔やまれてなりません。  しかし、今回見直し案で私は一番の問題点は食料に対する中途半端な態度だと思います。一・五%ということであります。私も食料についていろいろ検討してみましたが、これという案は出ないのであります。せいぜい政府関係のものについて免税とする、そのくらいでありまして、食料は本当に複雑多岐にわたっております。これこそ業界を交え、学識経験者を交え、みんなで英知を絞って出してほしい。私は最終的には多くの食料については一律に課する以外に解決はなかろうかと予想しておりますが、まず議論していただきたい。その議論を軌道に乗せるために、大岡裁きの結論を与野党ともに実行してほしいのです。これほど問題が山積しているのに、もうとどまったままのような状況は大変残念だと思います。なるべく速やかに決断を下していただきたい。与野党ともにお願いしたい思いであります。

石原舜介明海大学教授

○石原公述人 御質問のように、土地税制というのは非常に基本的な重要課題でございます。土地問題におきまして、今まで税制というのは補完的あるいは誘導的措置であるというふうに言われておりましたけれども、今回政府税調におきまして小委員会が設けられ、その第一回目の席上で小倉会長が、主役かわき役かというふうなことで、主役的なわき役であるというふうな位置づけをすべきではなかろうかというような意味を含めて提案がございました。私もそのとおりだと思います。  結局、私が土地利用の計画が先行する必要性があると申しましたのは、そういうような税制をうまく誘導できる、あるいはそういうものが本当にいろいろ土地対策へ参加していただける、そういう環境づくりをするためには土地利用計画というものを確保しなければいけない。税制といたしましては、現在、やはり保有税の強化といいますか、保有税を適切に行っていくことが重要であろう。特に、法人の含み益等に関しましていろいろ議論されておりますが、確かにきょうの新聞などで御承知のとおり四百兆というような含み益がここ十年ぐらいで生じたというふうなことでございますが、しかし、これは課税が、余りにも保有の課税が低過ぎるということで、これを適切に行っておればそれほど問題はない。特に今日、特別土地保有税等によりまして、未利用地の課税強化によりまして利用促進を図りたいというふうな場合に、その計画がないところが五〇%もあるというふうなことは、おっしゃるとおり私もあの資料を見まして非常に驚いたわけでございます。  それで、特に遊休地制度というものが、土地取引がある場合には国土法で行えるのですけれども、長年持っている土地につきましてはその対象にならない。それだけに、今回いろいろ土地利用計画がうまくいけば、そういうものをうまく整理して利用促進を図るような措置もできるのじゃないかというふうなことを考えまして、私は、そういう意味からも、保有税を強化することによって、より一層効果のある土地対策が行えるのではないか。そのためには、譲渡は、短期譲渡はいけませんけれども、これは重課すべきだと思いますが、長期の保有譲渡につきましては軽減する措置、こういうものは考えていくべきじゃないかというふうに考えております。

粟屋敏信自由民主党

○粟屋委員 どうもありがとうございました。質問を終わります。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 次に、佐藤敬治君。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 まことに失礼ですが、全然先生方の御意見をお聞きしたこともなければ何もなくて、今ここで聞いただけでありますので、的確な質問もできないと思います。大変失礼だと思いますが、今お聞きした限りでいろいろ御質問したいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  山口さんにお願いしたいのですが、私も昔、ずっと前ですけれども、昭和二十六年あたりから十六年ばかり小さい町の市長をやっておりまして、国民健康保険に非常に関心を持ちまして、大変赤字の中を苦しみ苦しみやってきた経験があります。今お話を私も大変感心して聞いておりました。  国民健康保険というのはいつでも真っ赤っ赤なんですね。財政的に見ると本当に何ともならない。時々黒字だなんという数字が出てきますけれども、一般会計から繰り入れている黒字で、国保財政そのものは全く赤字なわけです。それを何とかできないかというのでいろいろ私もやったことがあるんですが、今お話ありました保健婦さんをうんとふやして予防にうんと力を入れてくれ。そうするとやっぱりぐんと減ってくるんですね。そういう例があちこちに、私は自分のところでもやってみましたし、ほかのところでも随分あるのです。そういう領域から抜け出して、金の問題よりも、在宅ケアで寝たきり老人を減らしていく。三分の一ぐらいに減ったというので、大変感心して聞いておりました。すばらしいことだと思いますし、その御努力に大変敬意を表します。  今ゴールドプランの中に同じような考えが、寝たきり老人ゼロ作戦なんというのが出てきたのです。山口さんがやった五年前ぐらいのときは、国の指導でやったのですか。全然独自でこういうことをやったのですか。あるいはまた、あなたの町でやられたこういうすばらしいことが国の政策に影響してゴールドプランというのが出てきたのですか。どう思います。

山口昇全国国民健康保険診療施設協議会副会長

○山口公述人 お答え申し上げます。  国の指導でやったことは一回もございません。私たちが今のような在宅ケアに取り組もうと思いましたのも、昭和五十年ぐらいからでございますので、もう十五年ぐらい前です。理由は、先ほど申しましたように寝たきりが非常に多かったということからでございますので、これはやむにやまれずやった。高齢化比率がもう二〇%ですから、本当にやむにやまれず、二十一世紀の姿そのもの、真っただ中にあるのが御調町でございますので、そういう意味では考えつくことは皆同じだなと思っております。だから、国の今度のゴールドプランは、私たちは非常にうれしく思っております。同じ考えで国もやっぱり考えてくださっておったのだな、そういうふうな受けとめ方をしております。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 多分あなた方の努力が国の政策に非常に影響してこういうのが出てきたんだ、こう思いまして、心から敬意を表しておきたいと存じます。  今、在宅看護というのが非常に厚生省でも強調しております。しかし、現実の問題として、在宅看護ができるという境遇にある人、してもらえるという境遇にある人は、私は非常に幸せな人だと思いますよ。さっきもお話ありましたけれども。  今こういう現象が起きているんですね。東京がもう老人だとか精薄者だとかそういう人たちを自分の手で介護できない。それで、各地方に、これは調べてみたら全国にわたっておるのですが、どんどん東京で金を出して建物を建てて、経費も皆出して、おれの方の老人やそういう人を地方で養え、金さえ出せばいいだろう、そういう形でもってあちこちへ金を出して施設をつくって、そして人を雇ってやらしているんです。随分あります、あちこちに。私は秋田県ですが、私の県にも四つか五つある。非常に怒っているのですね。ところが、過疎県で人口がどんどん減っていくものだから、そういう人たちでもいいから来てくれれば人口がふえて交付税が少しふえていくという、まことに惨めな状態になっている。おたくの方はどうかわかりませんが、そういう状態が現出されているんです。これがもしどんどんどんどん地方に来ますと、今お話がありましたマンパワーの問題で、自分のところの人も看護しなければいけない、東京から押しつけられたのも看護しなければいけない。もう二重にも三重にもいろんな問題が出てくると思うのですよ。そういうことはお考えになったことはございませんか。おたくに行ってないかもしれませんがね。どう思いますか。

山口昇全国国民健康保険診療施設協議会副会長

○山口公述人 ただいまの問題でございますが、東京を中心といたしましては確かにそういう現象があることも、私伺っております。私どものところを申し上げますと、範囲は小さいんですが、例えば病院、先ほど申しました入院患者にしましても、御調町内は二三%、老人保健施設もほぼ同じぐらいが町内でありまして、あとは全部町外ということになります。そうしますと、周辺の市町村ということになるのですけれども、それは図らずも私どもの病院の診療圏域内ということになっておりますので、東京と地方との関係というような現象は今のところは起こっておりません。  しかし、今度は私の私見でございますが、今先生がおっしゃったような現象がもしあるとすれば、私は、それは都市部に今欠陥があるからであろう、かように考えております。施設にしましても、今度の老健施設、東京二十三区内には残念ながらまだ実現してないのではないかと思っておりますが、そういう施設が都市部、特に大都市には少ないというより余りつくられない。これは、私は、先ほどから他の先生方も御指摘になっておられました土地問題が非常に大きくのしかかっているせいであろうと思っております。したがって、老健施設あるいは今度の在宅介護支援センター、そういうものを都市部につくるためには、土地問題を解決しないとこういう施設というようなものはなかなか実現不可能ではないか。  その土地問題というのは、税制もさることながら、かなりの公有地がございます。学校にしましても、過疎化によりましてドーナツ現象を生じた都心部がございますが、そういうような学校の活用を含めて公有地をどうするのか。それに今度のゴールドプランの施設を幾つかでも当て込んでいただきたい。そのためには、私は、狭い土地を活用するわけですから、老健施設だけをつくるというのではなくて、幾つかの施設が共同利用といいますか、そういうことができるような施設をつくっていただきたい。そうすると、その面積目いっぱいつくるわけでございますので、建設基準、建ぺい率その他ございますが、何とかそこのところを弾力運用していただけば都市部でもそういうことが可能ではないか、かように考えております。  お答えになりましたかどうか。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 いや、大変立派なお考えでございます。  山口さんは、あれですか、施設の方だけ担当して、財政の方はおわかりになりませんか。

山口昇全国国民健康保険診療施設協議会副会長

○山口公述人 少しわかります、院長でございますから。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 それじゃ、ちょっとお伺いしますが、医療費が年々物すごい勢いで膨張していますね。その一番大きな負担を受けるのは国民健康保険。これは所得の少ない人がいてしかも利用度が高い、こういうので非常に医療費が高くなる。したがって保険税がどんどんどんどん上がっていますね。毎年のごとく、ことしは上がっておるかどうかわかりませんが、ほとんど三万円か五万円ぐらいの程度で毎年上がっている。こんなに高く上がる税金というのはないんですね。とても所得も何も追いつかないというぐらい高くなっております。  その保険税の内容を見ますと、都会の方は所得が平均して高いので所得の上限が割合に低いのですよ。平均して高いから総量で間に合えばいいのですからね。ところが、田舎へ行くと、低所得の人が非常に多いので所得の上限満度になっちゃっているのですよ、ほとんど。そうしますと、所得の低いところでどんどんどんどん保険税が高くなっていくので納められない人が出てくる。ところが、それを今度は悪質だと称して保険のあれを交付しない、診療券を。そういうような状況が起きてきているのです。おたくの方はそういう状況はありませんか。

山口昇全国国民健康保険診療施設協議会副会長

○山口公述人 ただいまの御質問、恐らく国保の資格証明書の問題かと理解をいたしましたけれども、私どものところでは、資格証明書を発行した例は、残念ながら今のところございません。ただ、先生御指摘の国保税の問題、保険税の問題は、確かに悩みの種でございまして、過疎地ほど低所得者が多い。したがって、それなりに配慮すべきところ、今の法律ではやはり上限が決めてありますし、それを納付していただかざるを得ない。他の社会保険の家族に比べますと確かに割高になっておるわけでございます。そういう意味では、国保の被保険者の皆さん、保険税の負担が割高になっておるわけでございますが、私どものところでは過去の滞納者がございます、数年間にわたる。この滞納者に対しては、ただ納めなさいと言うだけでなくて、分割方式その他いろんなそこの家庭の経済力に応じた御相談に応じるというように、国保の担当の方で親身になって相談に応じて納めていただく、そういう体制をつくっておるわけでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 もう一つだけお聞きしたいのですが、国保財政、私どもが唱えてきました按分率、あれもどんどんどんどん上がって、今度は間もなく一〇〇%になる、こういうふうになっている。恐らくあれが一〇〇%になってもどうにもならぬと思うのです、焼け石に水だと思うのですよ。これからどういうふうにしたらいいと思いますか。

山口昇全国国民健康保険診療施設協議会副会長

○山口公述人 私、国保の本当のプロではございませんので、医者でございますので、お答えになりますかどうか、そこの点はひとつ御理解いただいてお聞きいただきたいと思います。  国保というのは、非常に大切な地域保険の中核でございまして、これは医療費の給付だけでなくて、やはり住民の健康管理をやるという一つの理念もございます。私どもの病院、これは国保直診でございまして、そういう国保の理念に基づいてつくられた病院でありますから、さっき言いましたように保健施設活動も活発にやっているわけでございます。これは、言いかえますと、国保の被保険者、住民の皆さんへ病院の収益を還元している、こういうことでございます。したがって、国保問題で私どもこういう保健施設活動をやって、私どもの町村も決して医療費が低い方ではございません、高い方ですけれども、ただ、この数年間は伸び率がやや鈍化してきた、これは間違いなく言えることだろうと思います。こういう、医療費にはね返ってきて、しかも私たちがやっております保健施設活動、在宅ケアが、国保の皆さんにも喜んでいただけるような、そのような仕組みをつくっていくことがやはりまず大事ではないか。  国保の医療費問題、財政の問題、どこの市町村も、特に弱い市町村ほど苦労なさっているのはもう先生御指摘のとおりでございまして、ただそれを高い高いと嘆いておるだけでなくて、それを健全財政のもとに置く努力を各市町村やるべきだろう。ただ単に財政が苦しいからどうかしてほしいと言うだけでなくて、そういうふうな努力をすべきだろうと私は思います。  したがって、例の按分率の問題でございますが、これは確かに国保にとっては非常に助かりました。はっきり言いまして、按分率一〇〇%というのは、非常に国保財政にとっては大きな援護射撃になった、これは間違いのないところでございます。しかし、ただ単に、按分率一〇〇%ということは、国民の皆さんに平等に負担していただこう、こういう考えだろうと思うのですけれども、それに甘えることなく国保は自助努力をすべきだろう。その一つが、現在全国的に行われております国保三%運動であろうと思うのですが、あの中の一つの分野である保健施設活動は、私たち直診を中心として、国保財政一緒になって努力をしていくべきではなかろうか、これが按分率一〇〇%になった私たちの務めであろう、かように理解をしております。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 大変すばらしい活動をされておりまして、私も非常に関心がありますが、敬意を表して終わりたいと思います。  石原先生にお聞きしたいと思います。  今政府が、平均年収の五倍で家を持てるように、こういうことを盛んに言っております。しかし、今の東京都の地価からいきますと、私どもは、これはもう五倍のあれはほとんど不可能である。というのは、今の地価を果たして下げることができるかどうか、こういう問題が出てくると思いますが、私は今の東京都の地価というものは、あるいは現状に抑えられるかもしれないけれども、下げるということはほとんど不可能じゃないか、こんな感じがしますが、いかがでございますか。

石原舜介明海大学教授

○石原公述人 確かに勤労者世帯が健全な形で適正な価格でということの一つの基準といたしまして、我が国におきましては、諸外国にないような形で年収の五倍ということでございまして、アメリカあたりですと大体二・五倍から三倍、これは我が国が非常に貯蓄率が高いためにこういうふうな非常に甘い数値を出しているわけでございます。  それから家賃にしましても、大体年収の二五%以内というふうなことで適正価格というふうなことを考えておりますが、今のお話のように、これは昨日国土庁から提示された資料等によりますと、確かに東京の場合、東京都心から二十キロ圏程度では、マンションといいますか、共同住宅にいたしましても、大体八倍から所によって十倍ぐらいというふうなことで、今非常に困難な状態にあることは御承知のとおりでございます。  そういうことがあるだけに、この地価を下げられるかということは生易しい問題ではございませんで、地価そのものはやはりある程度は経済原則的な形が大きく作用いたしますので、ただ下げていくという強行手段をとるということは非常に難しい問題がございます。しかし、全体的に株価の値下がりとかいろいろな現象が現在ややこういうような値下がりの傾向を示し始めているということだけは言えるかと思いますが、それがどのくらいになるかということは、これはちょっと推測できない状態でございます。  そこで、それを満足させるためには一体どうしたらいいかということでございますが、例えば国公有地等の活用という形になりますけれども、特に私どもが強く望んでおりますのは、東京臨海部の埋立地等におきまして、現在ではあそこに国際的な金融センターを含めて十一万人に上る雇用をつくりたいと東京都では考えておりますけれども、そこの居住人口は夜間人口が六万人程度という想定でございますが、できるだけこういうふうな土地をやれば、用地費そのものはそれほど考えなくていいわけでございますので、そこで賃貸住宅を大量に供給することで何とか積極的に対応を図っていくというふうなことを、市場を冷やす一つの効果といいますか、そういうふうなことをあわせて行っていくというふうな考え方を入れていかなければいけないのではないかというふうに思っております。  そういうことで、特に土地利用のあり方というふうなものが、単に都心に近いからここは業務だというふうなことではなくて、特に公有地の場合には、それをできるだけ国民生活の安定のために活用するような方向を明示していただければというふうに考えて、それが若干でも土地の値下がり等に作用していく一つの大きな力にはなるのではないかというふうに思っております。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 今お話がありましたように、単一の政策で土地を抑制することはできないというわけでありまして、例えば税制の問題であるとか都市計画の問題であるとか国土利用の問題であるとか、いろいろな問題があると思いまして、そういうものも総合的にやっていかなければなかなか下がらぬ、こう思いますけれども、今度の土地狂乱というものは、いわば東京の中心の商業地から出てきたものでありまして、それの中心的な主役をなしたのが銀行の融資だというので、いろいろ政府でも考えておるようでありますけれども、さっきちょっとお話が出まして私もお聞きしておこうと思いましたが、政府では、税制というものはいわば、この間も大蔵大臣が答えておりましたが、土地の問題に関して税制の話を聞きますと、いやいろいろなことがあるけれども、税制というものはこれは主役ではない、わき役だ、それで、主役は供給の方だというので、いろいろなことを言っていますけれども、私は、今回のこの問題というものは、土地が高くなった原因を探ってみると、今話しましたような金融の過大融資というのが非常に大きな影響をなしておると思うのです。まず、こういうことは手っ取り早くできることなので早速やるべきじゃないか、こう思っております。  それで、政府が盛んに、きょうの新聞なんかもじゃんじゃん書いておりますが、例の特別土地保有税、あれはこの間私もここで総理に質問しました。総理が一番熱心だと言われておりますが、どうも聞いてもやるようなやらないような、やらないようなやるような、抜かぬが花みたいな話ばかりしているんですね。ああいうものは、抜くと言ったら必ず抜かなきゃだれも信用しない。この前も一遍抜くと言って抜かなかった。今度もまた抜くと言っておいてどうも抜きそうもないというような感じでいきますと、ますます状況が悪くなると思うのです。私は、今の状況というものは、さっきもお話ありましたように、もうちょっとやそっとじゃどうにもならない状態だ。もうとにかく土地保有税というものなり、あるいは規制区域なり、ああいうものを思い切ってやらなきゃだめだと思いますけれども、先生はどう思いますか。

石原舜介明海大学教授

○石原公述人 特別土地保有税に関しましては、これは現在土地取引をした後の形で行われておりまして、長期に保有しているものにつきましては何らかけておりません。その場合でも、アスファルト舗装の駐車場にはかけていないというふうなことで、安易な一つの逃げ道をつくっているというふうなことも考えられます。そういうことで、実際はこういうものをもう少し利用計画を明確に提示させて、そしてそれを実行しない場合にはこれにどんどん課税強化をしていくというような形にせざるを得ないだろうというふうに思います。そこで、先ほど言いました土地利用計画というようなものがその伏線としてぜひ必要であって、じゃ何を根拠に利用計画を強制するかというふうなことが起こってまいりますので、そういうことだと思います。  それで、今お話しの中の伝家の宝刀的なものというのは、規制区域の問題だろうというふうに思います。これは現在の監視区域制度をさらに強化した規制区域、これは私も新聞で仄聞する範囲しかわかりませんけれども、何か総理が規制区域をぜひひとつやってみたいというふうなことで強化を言われていたわけでございますが、これは全部が届け出じゃなくて許可制に、土地取引全部が許可制になるわけでございますので、それだけに取引が鎮静化するというふうなこともあろうかとは思いますけれども、これは大体趣旨が、ある大きなプロジェクトをやろうとする事前にこの規制区域をかけて、そしてそこの土地の値上がりを事前に防止するというのが本質的なねらいとして設けられた法律内容かというふうに思います。ですから、現在上がりつつあるような状態でこれをかけますと、現在のような状況でかけますと、その外側でまた起こる、だんだんだんだんこれを拡張していかなければいけないというような事態になる危険性もございますので、これはなかなか難しい問題があるなというふうに思っております。  しかし、いずれにしましても保有税強化をしていかなければいけないということだけは確かでございますので、今私も政府税調のこういうような土地問題小委員会の委員をさせていただいておりますけれども、そこにおきましての議論でも、やはりそういうふうな趣旨が非常に強く各委員から言われておりますので、多分そういう保有税強化の方向へ向かっていけば、多少ともそういう意味で利用促進が図られれば、今御心配のような点も、若干ではございますけれども改善されるんじゃないか、かように考えております。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 ありがとうございました。  吉田先生にお伺いします。  今、両方合わせて一本みたいにやらなきゃいかぬ、こういうようなことを消費税に関して言っておられました。私は、内容についてはいろいろなことがあると思います。今消費税がこういうふうな問題になっている一番大きな原因というものは、やはり国民の納得しないままに強制的にああいうものをやったということが根本にあると思うのです。だから私は、消費税というものに対して国民の理解を得ようとするならば、まずその状態まで戻って、そこで白紙に返して――税制を改革しなければいけないというのは国民的な合意であると思います。しかし、それがああいう形で消費税に一挙に強制的に持っていかれるということに対する国民の不満というか不安というか、そういうものが根本にあると思うのです。だから、今先生が両方足して二で割ってやったらいいじゃないかと言うけれども、その前にそれが必要じゃないか。白紙に戻してもう一遍国民と一緒に考えるんだ、その結果がどう出てくるかということはわかりませんけれども、そこに返ることが一番大切じゃないかと私は思いますが、いかがですか。

吉田忠雄明治大学教授

○吉田公述人 昨年の三月のこの予算委員会の公述で、私は消費税は早産であるということで、拙速を戒める発言をいたしました。にもかかわらず実行されました。私は反対ではありましたけれども、一たん決まった以上はこれに服するつもりでおります。それが議会制民主主義であろうと思うのであります。しかし、速やかにこれを国民の合意を得る必要がある。ただここで賛成、反対ということだけやったのでは、今の冷たい消費税がそのままいつまでも続行されるのであります。  内容においては原点に返る。そのために私は、与野党ともに譲っていただきたいということで、一たん税制というのは廃止しますとなかなか実行は難しいと思います。そこで、やりながら、その得た約五兆円のお金を高齢者福祉に使ってほしい、この趣旨で発言したわけでございます。ですから、私も心情的には早産であった、この点は依然として変わらないで抱いております。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 終わります。ありがとうございました。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 次に、日笠勝之君。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 公述の先生方には公私ともにお忙しいところを大変に御苦労さまでございます。  早速でございますが、まず山口先生からお伺いをしたいと思います。  先日、我が党の機関紙、公明新聞が取材に参りまして、ありがとうございました。四月十四日付公明新聞、八十万部、一面トップで御調町の老人介護のことを報道させていただいております。大変大きな反響があるわけでございます。  私は、特にここでお伺いしたいことは、先駆的な包括医療作戦といいましょうか、今日までやってこられた、前取りをしてきたわけでございますけれども、財政的な御苦労があったのではないかな、かように思うわけでございますが、その財政的な御苦労をどのようにクリアしていらっしゃったのかということが一つでございます。  それからもう一つは、実はゴールドプラン、非常に評価が高うございます。実はこれも、一九八八年に公明党がいわゆる介護三本柱を前倒しをしてやれということが今日のゴールドプランに結びついておるわけでございますけれども、その中で申し上げたことは、実は三本柱以外に、寝たきり老人の在宅の方々への介護手当ということを申しました。しかし政府はこれはやってくれませんでペンディングになっておるわけでございますが、寝たきり老人の在宅の方々への介護手当というもの、これはいかようにお考えなのか、以上二点、まずお伺いしたいと思います。

山口昇全国国民健康保険診療施設協議会副会長

○山口公述人 お答えいたします。  その前に、先ほど公明新聞でいろいろPRをしていただきまして、ありがとうございました。  まず、財政的な面でございます。  私は、先ほど公述いたしましたときにも、問題点は人と金であるということを申し上げたかと思います。マンパワーは、先ほど御質問にお答えしましたように、病院のマンパワーをかなり活用している、こういうことで解決をいたしました。  今度財政的な面でございますが、これは私ども自治体病院は公営企業法という法で、その枠の中で経営をするようにというふうになっておるわけでございまして、そこでいろいろな人件費、材料費、経費等を出して、そしてあと減価償却をしてというようなことになっております。その公営企業法にのっとりまして私どもの病院も病院経営をしているわけでございまして、私どもの病院の経営状況を端的に言いますと、この十年間は黒字を続けております。したがいまして、その黒字を住民の皆さんに還元をする、私はそういう考えで保健施設活動、在宅ケアに取り組んでまいりました。黒字を公的病院が出す必要ないというお考えもあろうかと思うのですけれども、やはり健全経営の枠の中でないと住民の皆さんに御迷惑をおかけすることになる。そうしますと、その健全経営の枠の中であれば、住民の皆さんに出た黒字は還元すべきであるというのが第二に私の考えでございますので、そういうことで病院から持ち出しをしておるわけでございます。  それから第二点、ゴールドプランについては、私が先ほど申しましたように非常に評価をしております。私どもの考えと全く同じでございますので、これをもっともっと地域に根づいていただきたいなと思っております。  そこで、介護手当の問題でございますが、確かに在宅で見る方が、今経済的には非常に苦しい、何よりも介護者の苦しみは心身ともに疲れるというのが第一になっておりまして、そういう意味で心も体も疲れるわけですから、ショートステイあるいはデイサービス等を活用する、これはもちろんでございますが、経済的にも苦しいというのは十分わかります。ただ私は、じゃ一律に介護手当を支給するのが是か非かという問題になりますと、慎重にならざるを得ません。それは、本当に介護手当を差し上げたいケース、これは私どももたくさん見ております。そういう場合には本当に差し上げたいなと思います。そういう経済的な援助を行政の力でしてあげられたらなと思うことがございます。しかし、中には必ずしも家族の方が十分介護していらっしゃるとは言いがたいケースもございます。そういうケースの場合に、ただ手当のみを支給するというのはどうだろうかという問題もございます。  ただ、その線引きをどうするのかとなりますと、非常に現実には難しい問題がございますので、先生がおっしゃる意味はよく理解はできますけれども、これを制度化するということについては、やはり今申し上げたような問題点がよく解明されて解決された後でないと安易に踏み切るべきではないのじゃないかな、それに値しないケースもこれまたたくさんあることも事実でございますので、どういうものかな、それより今度のゴールドプランに盛られておりますような在宅ケアを支援する方向で、もっともっとあれを前向きに進めていけばいいのじゃないか。  そのために、私は、市町村がもっと本気になっていただきたい。このリーダーシップをとるのは、私は極端に言いますと市町村長さんであろう、かように考えておりますので、市町村も独自のアイデアを出してひとつやっていただけば、今先生がおっしゃった介護手当にかわる方法、これをひとつ在宅支援の一つとしてやっていただきたいな、かように思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 時間もございませんので、介護手当をちょっと論議したかったのですけれども、次に、吉田先生の方へ質問をお願い申し上げたいと思います。  実は、私も出生率の低下は非常に危惧をしておりまして、先日も大蔵委員会で橋本大蔵大臣、厚生大臣もやられた方でございますので、ちょっと論議をいたしました。ただ、戦前の産めよふやせよのような非常に悪いイメージがある、それを行政がリードしていくのがどうなのかという危惧を持っておられるようでございます。しかし、現実に合計特殊出生率は一・六六ということで、先進国では最低で、まだ減るのではないか。そうなれば先生が御心配のように、高齢化社会がもっともっと早く来るし、若年層の低下と相まって、これはもう本当に憂うべき状態なわけでございます。  そこで実は、理想の子供数、理想的にはこれだけ子供が欲しい、しかし実際に予定している子供はこれだけだ、そのギャップがあります。いわゆる阻害要因というのがあるわけでございますが、実は私、今私案をつくっておりまして、この阻害要因を取り除いたらどうだろうか。その理想的な子供を持つか持たないかはあくまでも国民の選択である。ただ、教育費がかかる、住宅が狭い、こういうことで、理想的な子供数は三人だけれども二人しか産めない、また産まないつもりだ、こういう阻害要因を取り除くのは政治の責任ではないかな、かように考えております。  ですから、例えばライフステージに合わせまして、結婚されたらば公営住宅に優先的に入れますよとか、また家賃控除で家賃が安くなりますよとか、例えばこういうふうな制度をつくるとか、それから先ほどお話が出ましたけれども、分娩費も健康保険組合からは二十万円でございますし、国民健康保険からは全国平均大体十三万円ほどでございます。しかし実際にはもう三十五、六万ぐらいかかっておりますね。分娩費は五年間据え置きになっておりますので、この際三十万か二十五万ぐらいにするとか、また子供さんができた後は育児休業法も制度で、国の法律でやってしまう。そして恐らく共働きとかいうことがあればパート減税ということで、百二十万円ぐらいまではせめて減税にしましょうとか、また保育の面では長時間保育であるとか夜間保育の制度であるとか、そして何といいましても大学へ行くまでの教育費が高いわけでございますから、思い切って希望者には無利子の奨学金制度を大いに取り入れましょう、利子は国が補てんしてあげましょう、そして学校の定員の枠をこの際臨時的にも広げましょうとか、そういうライフステージに合わせて阻害要因を取り除く、こういうことをぜひ私案をつくって考えたいと思いますが、先生の御意見はいかがでしょうか。

吉田忠雄明治大学教授

○吉田公述人 ただいまの御質問と同じ趣旨を私、長年唱えてまいりました。そしてそうした著述も著して世に問うてきたのであります。ですから、御意見を伺いまして、全く同じ意見で、敬意を表するものであります。  そこで、ただ二カ所だけちょっと私の意見と違った点がございます。  一つは奨学金でございます。日本ではちょっと過剰なほど教育にお金を使っておりますが、その融資を学ぶ本人に貸したらどうか。ただいまの御質問は親のような感じでありますけれども、私は、自分で金を借りて自分で返していく、その点が私のこれまでの主張と違っております。  いま一つは、御質問にはなかった点でございますけれども、日本では非常に低い出生水準だということを余り知られていないのであります。知らすPR、そのもとになるものの一つは大学の教育だと思います。大学で人口講座は、アメリカの場合にはほとんどの大学にあります。日本では、私の知る限り国立で二つか三つ、私立で十そこそこであります。これほどひどい教育状態で真実がなかなか知られない。したがって、希望している子供数と実際とは違ってくる。このようなことが生まれ、結果として高齢化が超急速に進んでいる、こう考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 実は一つ私言い忘れたのは、児童手当を、今義務教育までの二人目が二千五百円でございましたか、三人目は五千円でしたね。これはやはり今の経済水準から見てもどうなのかなと。それから、児童手当で、お金で支援するのと環境整備の方の、児童センターをつくるとか児童公園をつくるとか児童館をつくるとか、こういう面で使う、二通りあるわけですね、二階建てといいましょうか。児童手当については先生はどのようにお考えでございましょうか。

吉田忠雄明治大学教授

○吉田公述人 児童手当制定の前後に私も意見を求められて述べる機会がございました。私は賛成であります。けれども、実際に運用してみますと、例えば企業の家族手当と児童手当とが重複してまいりまして、この点何とか一本化して、そしてより高い水準にできないものかと考えてまいりました。したがって、一体児童を社会全体が温かく見るためにはどうしたらいいのか、この議論を徹底させ、国民の意見を聞いた上で一本化することが望ましいと思います。私はどちらかというと児童手当一本化の方が望ましいと考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 じゃ、最後に石原先生にお伺いをしたいと思いますが、土地政策はまた片一方住宅政策でなくてはならないと思います。実は、その住宅政策の中で我々が主張しておりますのが、いわゆる家賃補助制度という、これは先進国ほとんどございます。具体的になれば、家賃控除であるとか家賃手当、低所得者の場合は家賃手当とか、こういうものを実現することによって豊かさが感受できるのではないか、かようにも思いますが、先生はこの家賃補助制度はいかがお考えかお聞きしたいと思います。

石原舜介明海大学教授

○石原公述人 家貸問題につきましては、これは昔から議論がございまして、応能家賃制度、いわゆる家賃補助制度というものの是非ということがいろいろ議論されますが、実は、いわゆる本人に対してこういうような家賃補助をすべきなのか、それとも経営する方へ建設資金援助等によって家賃の引き下げ、こういうことを行うべきなのか、これは大きく分かれるところでございます。  我が国では今までは、どちらかといいますと建設の方の援助という形で、公営住宅にしろあるいは公団住宅にしろあるいは個人の金融公庫の融資にしろ、そういうふうな形で公的資金というものをできるだけ建設の方に傾斜して家賃を引き下げるというような方策をとってまいりました。  この家賃補助政策の応能家賃制度がなぜうまく考えられないかということの一つの大きな理由は、これは我が国の住宅の貧困さも一つあるわけでございますが、適正な規模の住宅に入る、それと希望の場所に入るということになりますと、余りにも家賃が高くなり過ぎまして、そしてなかなか一般の水準的な面、個人で所有している方々が苦労に耐えている通勤問題だとか、こういうことと対比しましたときに、余りにも優遇される危険性がございますので、そういうところがなかなか踏み切れない大きな理由じゃないかというふうに思っております。  方向性としては、確かにそういうことでございますが、現在の段階では、農地のいろいろな活用の仕方としましてそういうような賃貸住宅の建設に対する補助制度をできるだけ強化いたしまして、そして本人に対する家賃補助ではなくて、そういうことで家賃を一応監視できる体制をつくるべきじゃないかというふうに思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 ありがとうございました。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 次に、木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 時間が少ないので山口先生にだけ質問することになろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。  山口先生が大変長い間にわたって保健、医療、福祉、これを結合して寝たきり老人をなくす、そしてその成果を上げているということに対して心から敬意を表するものであります。  寝たきり老人をなくすという課題、そしてまた在宅医療を充実してほしいということは、今我が国国民の願いであろうかと思います。そしてまた、先生が、在宅ケアを充実するには条件が整えられて初めて全うできる、それは介護力であり、住宅環境の整備を指摘されたこともまさにそのとおりであると思うわけであります。しかし私は、問題は、今の自民党政府の全体の医療、福祉政策の中で在宅医療がどのようなものに位置づけられているかということでなかろうかと思うわけであります。  と申しますのは、医療費の総抑制政策からさらに医療供給の削減という方向に今政府の医療政策が進んできているのではないか。在宅医療を充実するというのを名目にして、実際にはその陰で、例えばこの四月一日から実施された診療報酬制度の改定、とりわけ老人病院に対する定額制の導入ということやら、在宅医療の担い手に在宅サービス会社を当てにする、民間、営利の目的にこの医療をやっていくという方向、こういうことが実施されようとしているわけでありまして、こうした方向の中で、今現実には、医療を必要としているお年寄りが在宅医療の充実を看板にして病院から追い出されているということこそ問題ではないかと思うわけであります。  ですから私は、先生が実践されている医療、福祉、保健を結合して寝たきり老人をなくす、在宅医療を充実するという方向は大賛成ですし、先生のような経験が全国に広がっていくことを期待するものであります。特に私は長野県選出でありまして、長野県は全国第五位の高齢化県でありまして、全県的に一五%に近い高齢化県になっているわけでありまして、県民要求にもなっているわけでありますが、先ほどの私が考えている懸念、それを先生はどのようにお考えなのかお聞かせいただきたい。

山口昇全国国民健康保険診療施設協議会副会長

○山口公述人 ただいま先生おっしゃいました中で、私、二つの方向づけといいますか、そういうふうに受けとめました。  一つは、先生御自身も在宅医療を否定なさったわけではないと私は理解をして今お聞きしておりました。在宅医療は、今からの高齢化社会で私は非常に大切なことであろうと思っております。これは特に、私ども田舎に行きますと、畳の上でという希望がやはり今かなりまだございます。核家族化がたとえ進みましても、お年寄り本人にはそういう意思を持った方が非常に多いということ。  それから、先ほど私、公述の中で時間の都合で割愛いたしましたけれども、例えば慢性腎不全の患者さん、これは今人工透析を受けますと一日置きぐらいに病院へ通わなくてはならない。そうしますと、勤めながら通うというのは、これはなかなか大変なことでございます。しかし、腹膜灌流法という方法がもう一つありまして、それの適用になる患者さんの場合には、できるだけ腹膜灌流を行ってあげた方がいい。腹膜灌流法といいますのは、腹膜の自然の力を利用しながら腎臓の働きをカバーさせようという方法でございますが、そういう患者さんの場合には、私どもの場合には月に一回の来院で済んでおります。そして自宅で朝夕管理をなさっていらっしゃる。そして昼間はきちんと会社でお勤めをなさっていらっしゃる。こういう方の場合には、私どもの訪問看護は当然夜間行くということになります。一カ月も病院に来ない、それをほっておくと、これはまたいろいろ問題点も出てまいりますので、時々、あるいはケースによっては数日に一回は訪問をしてチェックをするということが必要になってまいります。そういう場合には、やはりこの在宅ケアそのものがその患者さんの意思といいますか意向に沿うことになりまして、要望をかなえてあげることにもつながっているわけでございます。  そういう幾つかの例を挙げれば限りがございませんが、在宅医療というのは、私はこれだけ高齢化が進めば必要なことであろう。ただ、先ほど申しましたように、その受け皿がないと、これはやはりただ単に病院を退院していいよ、病気が治ったからいいですよというのは、私は病気を治して人を診ない方法だろうと思っていますので、そういうことは私どもの病院では行っておりません。人を診るためには、こういう受け皿をつくってあげることが、病院と行政一緒になってやることが必要であろう、かように考えております。  したがいまして、先生の御質問でございますが、病院からの患者追い出しになるんじゃないか。私は決して追い出しにはならないと思っております。そういうことを家族の方とも御本人とも、また病院関係者、私どもの行政部門である健康管理センターのスタッフ、そういうところで話をして決めてまいりますので、決して患者さんが追い出されたとも思っていらっしゃらないし、逆に在宅で安心して療養ができるというふうに、少なくとも私どもの場合にはそういうふうに受けとめていただいております。  それから、診療報酬の問題でございますが、確かに今度の改定で老人病院の点数がダウンいたしました。それは、私は医療にはキュアとケアがあると思います。キュアというのは、積極的な救命を第一に考える治療でございまして、この場合にはドクターもナースもいろいろな専門職種がたくさん必要とされます。したがって、これは人件費もかかりますし、設備も投資をしなければならないわけでございます。しかし、ケアの場合には、私はこれは介護が主体であると思っておりますので、介護だったら私はむしろ介護のプロの方がおっていただいた方がいいんじゃないか、ドクターを何人もそこにおってもらうよりは介護のプロがおっていただいた方がいい。介護のプロというのは何かといいますと、私は先ほどもちょっと触れましたが、介護福祉士こそ最適であろうかと思います。そういう意味では、介護福祉士を中心とした介護員をマンパワーの中心に据えていただく。そういうことで介護を主体とした病院、それが老人病院であろうと思います。ただ急性の症状、肺炎を起こした、あるいはその他の急性期の症状に対して出来高払いで点数は既に認められております。これは決してマルメでございませんので、それは適正に病院側が御判断になり、それで請求されれば私はいいと思っております。  なお、私の私見でございますが、医療費の抑制という発想から医療そのものの、医療供給体制の抑制につながっているんじゃないかという先生の御指摘、私は現場で総合病院の院長として、また先ほど言いました在宅ケアに取り組んだ責任者として、決してそのようには思っておりません。むだな医療費は節約すべきでありますが、本当に命を助けるための医療費は、私は幾らかけてもいいというふうに考えておりますので、医療そのものを抑制することは、私、医師でございますので、私自身も断固としてそれは闘うつもりでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 最近、私の近くで管、カテーテルですか、これをつけたまま、医療が必要なお年寄りが病院から追い出されて、数日後に死亡するということがありまして、大問題になりました。今度の社会保険診療報酬の改定で、在宅寝たきり患者処置指導管理料とか寝たきり老人処置指導管理料が新たに設けられて、在宅医療、在宅看護重視ということで大宣伝されておるようですが、これは週二回だけなんですね。私の先ほどの指摘は、こういう制度をつくったんだから、医療が現実に必要なお年寄りが残念ながら病院から追い出される名目に使われているんじゃないか、現実にそのような役割を果たしているんじゃないか、今の日本の高齢化医療の分野で。その点を私は指摘せざるを得ない。最近そういう事例がふえてきておる。私の身の回りもふえてきておるということを実感しているわけなんです。その辺を先生どうお考えになるのかを、もう一度お聞かせを願いたい。

山口昇全国国民健康保険診療施設協議会副会長

○山口公述人 お答えいたします。  私どもそういう経験をしておりませんので、これはもう全くの私の客観的な私見というふうにお受けいただきたいと思います。  もし、そういう形で病院を退院をして数日後に死亡となりますと、これはやはりそれを判断したお医者さんのお考えがどうであったかと私もお聞きしたいなと思います。  ただ、管というのがどこに入っていたのか。ただ単に静脈から、中心静脈といいまして心臓のそばまで入れるカテーテルがございますが、これも在宅で今認められておりますし、また実際やっているケースもたくさんございます。その数日後の死亡原因がはっきりしませんので、そのケースについての論評は避けたいと思いますけれども、まだ入院が当然必要なのに病院を退院させるというのは私は医師としてはあってはならないと思いますし、私どもはまたそういうこともしておりませんし、多くのお医者さんがそうじゃないかと私は思っております。  それから、在宅看護指導料、寝たきり老人の処置管理料でございますか、これの新設というのは私は非常に歓迎しております。ただ、週に二回というのは私も以前からいろいろな場で指摘をしておりますけれども、私どもの在宅ケア、必要な場合には毎日参ります。したがって、毎日のケースもありますし、週に二回のケースもありますし、週に一回もあるというわけで、ケースによってその訪問する頻度というのは決められるべきでございますから、週に二回と画一的なのは私もそれは残念に思っております。しかし、平均をとればそういうところかな、これは今後さらに前向きで、国の方にも御検討いただきたい項目だなと私自身も思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私の選挙区の一番南の方は、飯田・下伊那地方というところでありまして、高齢化率が二五%を超えている自治体が非常に多い。その中では、八十代、九十代の寝たきりのお年寄りを六十代の娘さんがたった一人で支えているという現実があるわけであります。  先ほど先生がおっしゃられました在宅ケアを充実する環境条件として、お年寄りを支える力、人的な力と、それに必要な住宅を指摘されましたが、そういう問題が過疎地方では急速に進行しているわけであります。ますます在宅ケアを支える力が弱っていると言わざるを得ないわけであります。そういう状況を放置しておいて、現実には在宅ケア重視を唱えて、そして老人医療費を有料化し、定額化し、そして供給体制を削って病院からお年寄りを追い出すという、そういうてこに使われるということを懸念しているわけでありまして、先生がやられてきた実践は高く私は評価するのですが、それが逆に看板に使われて、現実にはお年寄りの福祉と医療が後退させられるのではないかということを懸念いたしまして、そうならないように私ども日本共産党も頑張るということを述べまして、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 次に、大内啓伍君。

大内啓伍民社党

○大内委員 私は、民社党の大内啓伍でございます。  きょうは、公述の諸先生には大変貴重な時間をお差し繰りをいただきまして御出席を賜り、かつ、それぞれから貴重な御意見を賜りまして、本当に感謝を申し上げます。  まず、明治大学の吉田忠雄教授にお伺いをいたしますが、実は一昨年の十一月の十日に、この当委員会室におきまして消費税が強行採決をされました。このときに、衆議院において審議された日数は三日間でございました。そのほかに、中央、地方の公聴会が一日ずつございまして、この大法案が強行採決されたのでございます。  私どもはやはり税制民主主義といいますか、憲法第三十条によりまして、国民は納税の憲法上の義務を負うわけでございますから、そのような重大な義務を課する税法というものをそのような形で可決すべきではないということで、実は交渉に入ったのであります。私自身が交渉の当事者でございまして、徹夜で十五日の夜から十六日の朝にかけましてやったのでございます。  私が一番最初申し上げましたのは、国民の合意を得ないで、政府・与党の考え方だけでこの問題を押し通す、こういうやり方は適当ではない。もう一つは、この税法の中に多くの欠陥がある。簡単に見ても幾つか指摘することができる。したがって、このまま政府原案で最後まで押し通してはならぬ。そういう意味で一年検討期間を持つべきだということを提案したのでございますが、そのときに与党の代表の方は、いや、これは最善の案であると確信している、交渉の当事者はそうおっしゃっておったわけです。しかし、それから参議院選挙を経て国民の痛烈な批判が出てくるという過程の中で、政府・与党も最善の案であるといった案について思い切った見直し、こういうことを言い出した。そして私どもは次善の策としてあの中に、十七条の中でいつでも見直しができるという見直し条項を実は法改正で成立をさせたのでございました。これは顧みて、もちろん我々にとって最善の策ではないのでございますが、次善の策としてはとるべき措置であったなと思っております。  吉田先生の先ほど来のお話を聞いておりますと、冷たい消費税ではなくて血の通った消費税にしなきゃならぬというお話でございますが、そういう過去の経緯はともかくとして、今政府・与党はそうした反省の上に、昨年の十二月の一日に思い切った見直し案なるものを発表した。私から見ますとあれはちっとも思い切ってないように思うのでございますが、先生はあの自民党の思い切った見直し案、あるいは政府のと言ってもいいかもしれませんが、これは血の通った消費税になり得るというふうにお考えでしょうか。まずお伺いいたします。

吉田忠雄明治大学教授

○吉田公述人 ただいまの御質問、私も全く同じ思いでお聞きしたものであります。  さて、この早産であった消費税、あのとき私自身は、大学人でありますので入学金について大変心配しておりました。といいますのは、授業料は免税だから授業料を上げればいいんじゃないかということでありますが、授業料値上げは大学紛争の最も大きな要因になっておりまして、せめて入学金もと、こう思っておりましたが、最初の案では、現行の案では入学金も課税であります。  そこで今回の見直し案、私は一歩前進だとは思います。けれども、まだまだたくさんあるわけであります。食料についてもまだ議論しなきゃなりませんし、とりわけ中小企業の方々の苦悩を聞いております。消費税は私は公平という点で基本的にはよいけれども、意見を十分聞いて日本型のものを実施してほしい。恐らく日本型のものはやがてEC型に近いと思いますが、そうした点で拙速であった。この見直し案についても直ちに協議し合って、少なくとも一年、場合によっては二年かけて本当に祝福されるようなものにしてほしい。この見直し案では一歩前進ではありますが、決して思い切ったものだとは思いません。

大内啓伍民社党

○大内委員 実は、本委員会における予算委員会の総括質問の問答の過程におきましても、橋本大蔵大臣は、今の思い切った見直し案は最善のものである、こうおっしゃっているわけです。もちろんそれは提案者としての姿勢としてそういう発言は当然なことだと思うのでございますが、問題は、実はそれでは今先生が指摘したような話し合いによる合意というものは成立いたしません。そうしますと、先生としては、今政府・与党が出している思い切った見直し案について、やはり野党の要求をできるだけ取り入れて、国民の合意を形成するような再見直しを行うべきである、こういう御意見でしょうか。

吉田忠雄明治大学教授

○吉田公述人 全くおっしゃるとおりでございます。ただその場合に、私は野党の側でも問題が多いと思います。というのは、反対、反対ではこの冷たい消費税が続行されるわけであります。いわば機能的には全く同じ機能を果たしている。その点で、国民のためにも合意を得るような方法で速やかに踏み出してほしい。ですから、まず政府・自民党の側で何らかの形で思い切った見直しをやってほしい、この案をもう一度出してほしい、聞く耳を持ってほしいということでございます。

大内啓伍民社党

○大内委員 先ほどの先生の議論の中で、消費税についてはできるだけこれからの高齢化社会というものを展望しながら社会保障、社会福祉といったような点に重点を置いて使っていくべきだと。先生は人口問題の日本における権威、専門家でございますので、そういたしますと、この税については先生は目的税にすべきだというお考えなんでしょうか。

吉田忠雄明治大学教授

○吉田公述人 現在の日本の福祉という点で、私は、いろいろな各省庁にわたって用いられておりますので、これだけを目的税にすることは問題が多いと思います。全体の中で福祉を推進していってほしい。その意味で、私は目的税にすることには必ずしも賛成ではございません。ただ、今回の経過措置としまして、例えば一年間もしもこの五兆円を目的を明確化して、高齢者福祉に使うと言い、そして五兆円を例えば全国いろいろなところで、二百カ所くらい高齢者のためのセンターを設けるならば、国民はどんなにこの過渡的な消費税でも祝福されることか、こう思いまして、私は大胆な案を提示したわけでございます。

大内啓伍民社党

○大内委員 その裏腹の問題として、先生は行革というものを改めてやり直せと。これは私どもも大賛成です。特に先生の場合は国鉄の民営化といったような問題についても大変お骨折りをいただいたと承っておりますが、先生のそのメモの中でも幾らか行革の項目が出ておりますが、この五兆円の行革という問題、これはなかなか言うべくして難しいような感じもいたしますが、本当にどこにメスを入れてこの行革に新たに取り組んでいくべきだと先生は主張されているのでしょうか。

吉田忠雄明治大学教授

○吉田公述人 行政改革の基本も軽々とここで発言することは大変難しいのであります。ただ私は、問題のあるものと考えております第一は補助金であります。これが利害でつながっていろいろなうわさをもたらす原因になっている。これらの点で、生かすべきものは生かし、整理できるものは整理する。めどは私は二割くらいと考えております。さらにまた特殊法人についても見直す。生かしていくものと整理してよいものとがあります。この二つが主なものでありまして、あとは官公庁の再編とかいろいろ考えております。しかし、まず第一、第二のものではないか、こう思う次第でございます。

大内啓伍民社党

○大内委員 そうした高齢化社会を展望されて、先生は福祉社会づくりという問題をきょうもお述べになりましたのですが、その中でやはり一番重要な柱は年金だと思います。  年金について、今働いている方が将来に対して安心感を持つということは非常に大切ですが、その年金についても、実は今の財政でやっていけるかというと、なかなかこれはやっていけないわけです。先般来、したがって現在の六十歳を六十五歳に引き上げようという提案がなされましたけれども、これは私どもの反対によりまして一応ペンディングになり、現状がとりあえずは守られる。この年金問題というのは、やはり雇用問題と表裏一体の問題でございまして、定年は六十歳で据え置いて年金は六十五歳という、そのギャップの問題をこれからどう埋めるかという問題が非常に重要になってきております。  そういう意味で、これからの六十歳定年という問題と雇用問題を絡めまして、それから年金の問題と絡んで、先生の御見解を承りたいと思います。

吉田忠雄明治大学教授

○吉田公述人 幸いなことに、高齢化が進む中で、日本では労働力不足の現象が見られているのであります。しかも、日本の高齢者は働くことが好きで、働くと健康で、休むと病気になりがち、まあ大変不幸な宿命のようには思いますが、もしそうならば、しばらくの間日本のために働いていただきたいということで、私は定年の延長ということに取り組んでいただきたい。定年の延長がない限り、年金を六十五歳にすることには反対であります。  ですから、定年を六十五歳、やがてさらに健康な方々には七十歳、さらに場合によっては、前期高齢者に働ける職種で働ける間は働いていただく。その間、もし年金を受け取らなければ将来増額されるような方法を採用してほしいと思うのであります。我が国でもその考え方が徐々に出つつありますが、まだスウェーデンのように全面的に定着しておりません。こうした雇用と年金とを結びつけて、活力ある、効率ある福祉政策を実施してほしい、これが願いでございます。

大内啓伍民社党

○大内委員 大変ありがとうございました。  もう時間が一分ぐらいしかなくて、本当は石原先生にもお伺いをしたいと思っておったのですが、やはり大都市における住宅問題の解決というのは、もはや持ち家政策だけでは全く無理だ。今の八倍、九倍のこの持ち家政策を、欧米のように四倍ないしその前後に変えていくというのはそう並み大抵のことではない。したがって、かつての戦前の持ち家と賃貸住宅のように、やはりこれから大都市においては、相当国や自治体というものが、あるいは大きな企業といったようなものが、自分たちの土地を提供しながら、賃貸住宅をバラエティーある所得階層別に考えていくという、大量供給政策がショック療法としても必要だと私は思うのでございますが、大きな問題を質問して恐縮でございますが、お教えいただければありがたいと思っております。

石原舜介明海大学教授

○石原公述人 おっしゃるように、大都市においては、これから主体はやはり賃貸住宅の供給を中心に行わなければいけないと思います。  その場合に、既存ストックの管理を十分にしていただきたい。高額所得者が一部その公営住宅にそのまま入居したり等、この管理を十分することにおいてより効率的な運営を図っていただく。それとあわせまして、おっしゃるように、農家あるいは公的公有地等にできるだけ賃貸住宅が建設しやすいような融資制度、こういうものを確立していくことが大切ではないかというふうに思っております。

大内啓伍民社党

○大内委員 ありがとうございました。  どうも先生方、ありがとうございました。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 これにて公述人に対する質疑は終了いたしました。  公述人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十五分休憩      ────◇─────     午後一時三十分開議

越智伊平自由民主党

○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、御出席の公述人各位に一言ごあいさつ申し上げます。  公述人各位におかれましては、御多用中にもかかわりませず御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。平成二年度総予算に対する御意見を拝聴し、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうか忌憚のない御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。  なお、御意見を承る順序といたしましては、まず和田公述人、次に本間公述人、続いて伊藤公述人の順序で、一人二十分程度ずつ一通り御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  それでは、和田公述人にお願いいたします。

和田八束立教大学教授

○和田公述人 和田でございます。  私は、平成二年度予算案につきまして、まず最初に、その予算の性格づけといいますか評価といいますか、これにつきましてお話をいたしまして、次に今後の財政的課題ということで申し上げて、最後に消費税について私の意見を申し上げたい、こういうふうに思っております。  まず第一点の平成二年度予算の全体的な評価でございますけれども、この年度におきまして十五年ぶりに特例債脱却ということが達成されまして、いわば長年の懸案でありました財政再建の第一歩といいますか、これを達成することができたということは評価すべきところであろうというふうに考えているわけであります。  これは御承知のように大平内閣以来の各歴代内閣の悲願ともいうべきものでありまして、これをめぐりまして行政改革でありますとかあるいは大型間接税構想でありますとか、いろいろ財政をめぐる議論が論議されたところでありますが、そのような内在的な努力といいますか、行政改革なり税制改革なりでございますね、内在的な努力ということが実ったと言うにはいささかその評価の上では欠けるところがございまして、むしろ最近における大幅な税収増加という幸運に支えられてその課題が達成できたというふうに言うことができるわけであります。そして、その大幅な税収の増加も、いわゆる資産インフレとでもいいますか、土地の高騰でありますとかあるいは株式の高騰でありますとか、そういった一般に資産インフレと言われているような現象がその基底にあったということでありまして、税収の増加は財政的にプラスになるわけでありますけれども、その現象そのものはいろいろと社会的にひずみをもたらしたものであるということも申すまでもないところであります。  したがいまして、財政再建の議論の中で交わされましたいろいろな課題というものがほとんど積み残しになっているということも事実でありまして、これらが次の課題になってくるのではなかろうかというふうに考えるわけであります。と同時に、日本をめぐる国際的な諸条件というものも非常に変わってまいりまして、予算あるいは財政をめぐる諸条件もいわゆるグローバル化といいますかこういうような性格を強めてきておりまして、なかなか我が国の内部的な事情だけで決定できないという部分も出てまいりまして、これらにつきましても新しいスタンスで臨むべき問題が出てきているというふうに考えるわけであります。  そこで次に、今後の具体的な財政課題ということに入るわけでありますけれども、今申し上げましたような点からいいまして、私どもはこの平成二年度予算というものをただ平成二年度の問題というふうにとらえるのではなくて、むしろやはり九〇年代財政とでもいいますか、九〇年代財政の初年度といいますか、そのスタートラインというふうに位置づけることができるわけでありまして、ひとつそういうような観点でいろいろとお考えいただければよろしいのではないかというふうに思っているわけであります。     〔委員長退席、原田(昇)委員長代理着席〕  そういう点から、九〇年代を展望した二十世紀中あるいは二十一世紀までも影響のあるような具体的な財政課題というのは何だろうかということを四点ぐらいにわたって申し上げたいと思うのですが、第一点は、やはり予算原則といいますか、こういうものを明確にしてひとつ今後の進路をつくるべきではないかということであります。これは当然のことのようでございますけれども、最近の予算、財政事情というものを見ておりますと、一般に十九世紀から二十世紀というのですか、いわゆる近代財政が確立、発展してくる過程で言われておりました予算原則というものが、必ずしも最近の我が国の予算の中において十分に生かされているとは思えない点があるわけであります。  一つは、財政再建の課題の中で続けられましたいわゆるシーリングといいますか、予算の概算要求における手続的な問題でありますけれども、このシーリングの過程でいわゆるゼロシーリング、さらにはマイナスシーリングというように厳しいガイドラインが設けられていたわけでありますけれども、それによって予算の内部におけるいろいろな弾力的な支出なりあるいは予算の改廃といいますか、そうしたものがかなり停滞をしているのではないかという感がいたします。最近二年次ぐらいを見てみますと、当初予算の規模というのはむしろシーリングの規模を上回るという部分も出てまいりまして、その分だけ財政的には緩和してきたということでありますので、この際、従来のシーリング方式というものについては見直す必要があるのではないかということであります。  それ以上に問題になりますのは補正予算の問題でありまして、平成元年度におきましても当初予算の一割近いという大幅な補正予算が組まれたわけでありますけれども、このような大幅な補正予算というものは予算全体の原則、例えばよく言われることでありますけれども、単年度主義でありますとかあるいは予算の総括主義といいますか、予算はすべての支出収入を掲げなければならないという、こういう幾つかの予算原則からいいますと、できるだけ当初予算で十分な審議が行われて、その計画によって一年間の歳入歳出が賄われるということが原則でありまして、補正はやむを得ないといいましても、余り大幅な補正というのはそうした予算原則に照らしてどうかということであります。  そのような補正が大幅になってくるというのは、いわゆる自然増収の影響もあるわけでありますけれども、その自然増収に影響を与えている問題として、国税収納期間の問題というのも注目されなければならないわけでありまして、昭和五十三年以降、国税収納期間といたしまして五月までの期間の国税が当年度の税収入になる、こういうふうな仕組みになっておりまして、これは以前に比べまして一カ月の収納期間の延長ということが行われまして、税収減というものを反映した緊急的な措置であったと思われるのですけれども、これが今日まで続いておりまして、税収見積もりというものがかなり難しいという、こういう事情も出ております。このような点につきましても今後検討を要することではなかろうか。あるいは平成二年度予算あるいは平成元年度の補正予算におきましても、いわゆる各種の基金あるいは資金とでもいいますか、こうしたものの設定が考えられておるようでありますけれども、これらも予算原則に照らしますと慎重に扱われるべきものではないか。こうしたいわば予算原則に立った長期的な予算のあり方といいますか、こうしたものがこの際考えられるべきではないかということが第一点であります。  第二はいわゆる国民負担の問題でありまして、国民負担率は平成二年度で四〇%を超える見通しというのが政府側からも発表されておりますけれども、他方、新行革審等におきましては、二十一世紀になりましても五〇%程度あるいはそれ以下に抑えるというふうなガイドラインが以前から示されております。しかし、このようなガイドラインが果たして実現性があるかどうかということは、今日の時点で四〇%を超えているということでありますので、かなり不安な材料もあるわけであります。  そうした全体の国民負担率ということとともに、租税構造というものもそれに影響を与えまして、殊に以前見られましたようなサラリーマンの税負担というふうな問題も出てまいりますし、それから社会保障費負担というもののあり方といいますか、こうしたものも議論になるわけでありますし、さらに物価上昇等に応じた直接税負担の調整といいますか、こうした仕組みも考えられなければならないという点で、今後国民負担の増大ということを大きく考えた場合に、いかなる税構造、いかなる負担のガイドラインを設定していくのかということにつきまして十分に明らかにしていただきたいということであります。  三番目には国債の問題でありまして、国債につきましてはさきにも申し上げましたところで、特例公債の新規発行については一応脱却をする、それから公債依存度につきましても一けた台に低下するという結果になっているわけでありますけれども、今後につきましては、公債依存度をどうするのか、どこに抑えるのか、そしてまた、特例債を含めた国債償還というものをどのように進めるのかということがやはり大きな問題点だろうと思われるわけであります。  特例債につきましては、当初は現金償還であったわけでありますけれども、その後建設債と同じように、六十年を一つの期間とした償還方式といいますか、こうしたものが採用されますとか、あるいは今年度は復活をしたわけでありますけれども、定率繰り入れが建設債について停止されていたとか、いろいろ後遺症がございまして、それらをどう処理するのかということでございます。  と同時に、建設債でありますけれども、今後公共事業投資の必要性のもとで建設債を抑える、抑制していくということが果たして財政的にどのように考えられるべきか。ただ抑制するということだけで、これが財政の課題といいますか、こうしたものが実現できるのかどうかということにつきましてはいささか疑問の生ずるところがございまして、建設債の発行量といいますか依存度といいますか、こうしたものが課題になり得ると思います。  その次に、最後ですが、支出面の問題といたしましては、高齢化社会を目前にいたしまして、負担と支出とのあり方ということがマクロ的に重要になってまいります。それから社会資本の立ちおくれ、それから国際化時代の要請というふうなものがあると思いますが、これらにつきましては、時間の関係で、この場では省略させていただきます。  最後に、消費税につきまして一言申し上げたいわけでありますけれども、私は、結論的に言いまして、廃止して出直しをすべきである、こういう立場から申し上げるわけであります。  消費税につきましての世論といいますのは、総選挙等でも一つの答えが出ているというふうに判断されますし、あるいは各種の世論調査などでも出ているわけであります。最近出ましたので私が目につきましたのは、毎日新聞社が行いました世論調査などがあるわけでありますけれども、これらを見ますと、廃止というのと、それから政府案における見直しというのと、それからさらにもっと見直しをすべきであるという、再見直しとでもいいますか、それらがそれぞれ三分の一ぐらいずつで、意見としては拮抗しているということでございますが、同時に政府案による見直しは三分の一程度しかないということでもありまして、世論といたしましては、廃止といい、それから再見直しといい、いずれにいたしましても現行の消費税ではなくて、税制全体を含めて見直して、より新しい間接税なり税体系をつくるべきである、こういうふうな意見ではなかろうかというふうに私は判断しているわけであります。  消費税につきましてはなお不信感というのが残っておりまして、その不信感といいますのは、やはり手続的といいますか、その導入期における問題というのが一つありますし、それから消費者が消費税として支払った分が果たして国税として収入になるのかどうかという、そうした問題がもう一つありますし、それからその消費税が何に使われるのかという使途の問題ですね。見直し案におきましては福祉優先というようなことが明記されるようでありますけれども、もう少し具体的に使途というものを明らかにされたい、こういうふうなことでありまして、なお不信感があり、目標がなお十分に明らかになっていない。それから、理念といいますか、そうした面も不足しているということでありまして、消費税もスタートしてからもう一年を経たわけでありますので、この際もう一度新規に、税制改革を含めまして、よりよい間接税制という立場で議論されてもいいのではないか。このままずるずると一部手直しで実施されるということは、将来の十年、二十年後も続く税制のあり方としてはやはり不信を残していくことになるのではないか、こういうふうに考えるわけであります。  それで、税体系そのものも、昨年あるいは一昨年議論された時期から見ましても、資産課税あるいは土地税制というふうな問題がかなりクローズアップされてきておりますし、所得、資産、消費というふうな税のバランスというふうな点から考えましても、ここでいま一度公平な税制のあり方ということで議論をしてもいいのではないかということであります。そういう点で、廃止、出直しという方向をひとつ主張したい、こういうことでございます。  それで、間接税といたしましては、従来も税制調査会などで議論が行われましたように、多段階課税、単段階課税、それから複数税率、それから単税率、いろいろなタイプがありまして、どれが一番望ましいのか、どれが日本の税制にとって適しているのか、どれが消費者なり納税者にとってふさわしいのかということがありまして、そうした議論が必ずしも十分に行われた上で消費税という選択があったわけではないわけであります。必ずしも現行の消費税ではない間接税のタイプというものを選択するという考え方というものも十分にあるわけでありまして、例えば物品・サービス税というふうな構想も私などは望ましい方向の一つであろうというふうに考えておりますし、その他所得税、法人税の課税ベースの適正化というふうなことも含めて新しい税制というものをこの際検討するということを希望したいところであります。  時間が参りましたので、以上、はしょったところもありますけれども、意見を申し上げた次第であります。どうもありがとうございました。(拍手)

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員長代理 どうもありがとうございました。  次に、本間公述人にお願いいたします。

本間長世東京女子大学教授

○本間公述人 私は、皆様が予算の審議を進められるに当たりまして、今日の世界における日本ということにつきまして、日米関係に焦点を置きながら時間の範囲で私の考えるところを申し述べまして、いささかでも御参考になることがあれば幸いでございます。  今日の世界の情勢は、これはある意味では非常に複雑であり、ある意味ではまた要約しやすい情勢であるかもしれない。と申しますのは、一方においてはいわゆる冷戦、第二次大戦後続いてきました米ソ二超大国の核兵力の対立ということを基礎にしましたいわゆる冷戦の終わりの始まりということがソ連の最高指導者によっても言われ、アメリカの人々もそうした考えを持つに至ってきている。確かにこれまでの冷戦下における古い悪夢といいますか、ナイトメアというのは終わりに近づいているかもしれない。すなわち米ソの間で核戦争が起こるというような、絶対あってはならない、人類の滅亡を意味するようなことが起こった場合というその悪夢が常に人類の上にのしかかっていた、それについては今日その脅威が大きく減じたということが言える。しかしそれは、必ずしもそれによって今日の世界が一挙にして平和を保障する世界になったということにならないことは申すまでもないわけでありまして、新しい可能性がさまざまな形で生まれつつありまして、それを一つ一つ追いかけるだけでも各国の政府ないし指導者はそれぞれ選択肢の多い問題に直面しているということであり、それはまた同時に新しい悪夢をも生み出してきているということを言わざるを得ないと思います。  例えば、今日私たちが見ている状況でありますが、ソ連の中でナショナリズムの動きが急速に強まっておりまして、これも、ソ連の中における民族の問題というのは一種類のものでは恐らくないであろうと考えられますが、最も先鋭な形であらわれておりますリトアニアの独立という主張をめぐる問題が、再びきょう現在米国とソ連の間にある種の緊張をもたらしかねないという状況が起こっている。このようなことが今後もさまざまな形で起こるという可能性を否定することができない。すなわち、今日はある意味での転換期、移行期に差しかかっているという認識は我々持つわけでありますが、それだけにその移行期、転換期がどの方向に向かっていくのであるかという問題と、当然のことながら移行期、転換期こそ非常に不安定な状況でありまして、その不安定から何が生まれるか。地域的戦争の危険というようなものは、冷戦の最盛期といいますか、冷戦が最も厳しい状況であったときよりも減じたとは必ずしも言えない、あるいは見方によっては増したということが言えるかもしれない。  しかし、何らかの形において世界の国々が新しい国際秩序を模索しているという状況であって、日本はその中において日本としての責任を果たしていくという道を探っていかなければならないのであろうと思います。それは言葉をかえて言えば、冷戦的思考といいますか冷戦期の物の考え方からの脱却ということが必要とされていると同時に、それはまた新しい世界情勢の複雑さを、そしてさまざまな矛盾に満ちた状況をその具体性においてとらえて、柔軟な、しかし確固とした対応をしていくということの模索であるというふうに言えるのではないかと思います。  大体人間というのは、急激な変化というものは実は苦手である、できれば今日があすにそのまま続くということの方が楽であるというようなサイコロジーといいますか心理を一面において持っているわけでありますし、急激な変化に対応するということが政治にとっては非常に難しいことであるということになろうと思いますが、しかしその上で、日本の課題として来るべき何らかの新しい国際秩序の形成に貢献すること、そしてそれは同時に日本への諸外国の信頼性を高めていくこと、これは言いかえになりますけれども、日本が国際社会で孤立するようなことにならないように気を配ることという問題があるのではないかと思います。  その点で重要なのが日米関係、特に最近のアメリカ人の日本に対する考え方、感じ方、意識の問題といいますか感情の問題であり、それからアメリカ人自身がアメリカをどういうふうに世界の中で位置づけているかということであろうと思います。  御承知のように、今日アメリカの中でも日本その他外国でも言われていることは、かつてのアメリカのリーダーシップというものはどうなったのか。これはアメリカの力の相対的低下とともに下がってきているのではないかという議論があり、いや、アメリカは依然として今後の世界においても指導的立場をとらなければならないという議論もあり、それからヨーロッパの情勢が変化していく中で、大きな流れとしてヨーロッパの大きな統合があるのではないかという見方に立った場合には、その中にアメリカは入るのであるのかそれともその中に入らないのか、これは非常に長期的な問題でありますが、そういう問題があり、その前に、ドイツの再統合と一般に言われている問題が余りにもペースが速く進んでいるという感じがヨーロッパの中でもアメリカにおいても抱かれていることが引き起こす問題あるいは摩擦ということがあり、等々でありまして、さらに軍事力とそれから経済力というものをてんびんにかけまして、そして軍事力が世界の中で果たす役割というものよりは経済力が果たす役割の方が相対的に強まってきているという認識がアメリカの中で強くなればなるほど、ソ連の脅威の相対的減少、それに対してヨーロッパ、日本の財政力あるいは経済力というものの台頭ということで、日本を競争者として位置づけるという立場が強まるであろう。したがって、アメリカの考え方、態度、それから感情というものに気を配る必要が非常に重要になってきていると思います。  アメリカの今日の政治において、国内政策に関しては行政府とそれから議会、あるいは共和党と民主党というものの中で大きな対立がない。ないということがある意味で問題であるかもしれないわけでありますが、それはレーガン政権以来、アメリカの行政府が増税を考えないで国内政策を行うという態度を変えていないということによるものであります。御承知のように、アメリカの財政赤字の解消の一つの大きな策は、例えばガソリン税を導入するというようなことによる財政の歳入増でありますが、これについて政府もそれから反対党であります民主党もこれを提唱しないという状況がある。  しかし、外交におきましては、大きく言いましてブッシュ大統領の個人外交的な側面がこれまでのところ目立っており、また対日政策に関しましては、御承知のように議会、行政府の間でかなり深刻な対立が見られるということであります。日本の経済的な脅威感、日本はアメリカにとって経済脅威であるという脅威感の増大、それに並行しまして日本異質論が台頭しているということ、さらに知日派と言われる人を含めまして、日米の相互依存の深まりがアメリカの自主独立性を傷つけるとか損なうとかいうような考え方がごく最近になって強まってきているということが心配であります。  日本異質論から出る二つの政策態度として、一つは、日米構造協議のように、内政干渉とも言えるような、お互いにお互いの制度について注文をつけ合うというような関係というものが生まれてきている、あるいは政策が進められつつある。他方では、日本は日本の好きなようにやらせておけばよろしい、そのかわりアメリカは管理貿易的なことで日本に対応しようという、そういう問題が出ている。この点ではアメリカの良識に訴えて、アメリカの日本に対する感情的な議論が鎮静するということに努力しなくてはならないであろうというふうに思います。幸い日米構造協議の中間報告によって、現在日米の政府間においては協調の回復という姿勢が見られ、スーパー三〇一条の適用による指定ということが必ずしも行われないであろうかというような情勢が今日現在でありますが、この点については十分に配慮をする必要があろうと思います。  そして、ソ連、東欧の急激な変化でありますが、これは一九八九年の初頭において、当事者を含めだれも予想しなかったようなこれまた急速なテンポでの展開がありました。しかし、ゴルバチョフ大統領のペレストロイカ政策は、言葉は非常に多く費やされておりますが、本来の目的でありますはずのソ連の経済改革というのは今日に至るまで成功していない、成功する展望というものも実は余りないと言わざるを得ないのではないかと思います。したがって、現在のソ連においては依然として情勢は流動的であって、ゴルバチョフ大統領がいわゆる民主化を行って、しかし逆説的に権力はゴルバチョフ大統領に集中しつつあるという状況があり、そして経済改革が達成できないという絶望感がさらに深まるということになりますと、ゴルバチョフ大統領が目指すような、レーニン、スターリン以来の体制を変革するという、そういう転換が失敗する可能性があり、それは極端な場合には混乱状況、さらに極端に考えれば内戦というようなことにまで可能性が発展するおそれがあるという見方が出ているわけでありますし、その前に再び国民に対する言論その他の封殺、弾圧というようなことも可能性としてないではない。  ヨーロッパとアジアを見ますときに、ゴルバチョフ大統領個人に対する期待が現在極めて大きいわけでありますが、しかし、大きく動いておりますのはヨーロッパでありまして、ヨーロッパはNATO、ワルシャワ条約機構という二つの条約機構がある。それに対してアジアにはそのような形はありませんで、二国間の取り決めに基づくさまざまな協調、協力関係があるというようなこともありますし、非常に重要な軍事力の問題につきましても、陸上兵力を比べ合うというような問題とは性質の違う問題がアジア・太平洋地域にはあるわけであります。その他、核戦力の問題につきましても、ヨーロッパにおいては地域核の問題を解決しなければならない。アジア・太平洋においては米ソ二国の核戦力による影響というものが決定的である。それからヨーロッパにおいては、ヨーロッパとしての一体感というものが歴史的な伝統に基づいてあるわけでありますが、アジア・太平洋の多様性というものは必ずしもそういうものではないわけであります。さらに、東欧が目指しているような議会制民主主義政治というようなものは、必ずしもアジア・太平洋において今日までそうした体制でない国々が目指しているというふうに言うことができない。これは中国の例をとりましても、その政治改革の限界というものを昨年以来見ているわけであります。  そうした状況を見ますと、私は、日本の安全保障につきましては、アメリカとの現在の安全保障面における良好なパートナーシップというものを維持し強化するということが、日本の安全にとっても日米関係にとっても、また東アジア、さらにはアジア・太平洋地域の安定にとっても最も望ましいということであり、そして現在の日米関係がパートナーシップと同時に競争者という性格を非常に強めているという複雑な関係を持っているということにかんがみまして、安全保障の問題とそれから経済摩擦に関する我々の懸案解決の態度というものは切り離しておくことが、それぞれの問題にとって最も望ましいというふうに考えております。  ソ連との関係につきましては、現在においては、我々の政府として、国民の意思の反映としての政府の政策が、北方領土四島一括返還ということで一貫している。現在は、それを外交政策として進めていくことによってソ連の対応を待つという段階であろうと思います。外交のさまざまな細かい交渉については、政府にいろいろお考えがあり、国民からもさまざまな希望が述べられるべきであると思いますが、基本姿勢というものをここで崩すということは外交にとってマイナスであると思います。  なお、日ソの間で何らかの信頼醸成措置というようなものが考えられるかという問題についても、これは将来の問題としては当然日本が検討すべき段階になることをむしろ希望するものでありますが、しかし、御承知のように、信頼醸成措置がヨーロッパの中で生まれてきたということから単純には適用しにくいものであり、また通常戦力を削減していくと逆に軍事的には不安定な状態を生むというようなことも考え合わせ、そしてヨーロッパでのいわゆる会議外交の伝統というようなものが必ずしもアジアにないというようなことも考え合わせるべきではないかと思います。  時間になりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員長代理 どうもありがとうございました。  次に、伊藤公述人にお願いいたします。

伊藤国男全国商工団体連合会副会長

○伊藤公述人 全国商工団体連合会副会長の伊藤国男でございます。  九〇年度予算案につきまして、中小業者の立場から公述させていただきます。  まず第一に、中小企業対策費についてであります。  中小企業対策費は、予算全体に占める割合がわずか〇・二九%、千九百四十三億円で、まさにスズメの涙ほどのものと言っていいくらいであります。八二年から七年連続のマイナスで、九〇年度はプラスに転じたと政府ははやし立てているようでありますが、昨年より一億円ふえただけ、八二年の二千四百二十四億円にも遠く及ばないどころか、毎年予算規模が大きくなる中で予算全体に占める割合はついに〇・三%を切る状態になっています。これでは中小企業が社会的に果たしている大きな役割に相応しない、ふさわしくないばかりか、つり合いのとれた日本経済の発展を図っていく上でも大きな問題があるのではないでしょうか。  中小業者の実情を少し述べさせていただきますが、御承知のように八六年事業所統計によりますと、中小企業は全事業所数の九九%、全従業者数の八一%を占めていますが、そのうち小規模企業、工業二十人未満、商業・サービス業五人未満でありますが、事業所数で七八%、五百六万、従業者数で三一%、千五百三十三万人になります。特に一人から二人規模の家族でやっているようなところが、事業所数で四百四十三万、従業者数で九百五十万人という多数に上るのであります。これらの小零細な業者が日本の経済の底辺を支え、地域で住民生活の便宜を図るなどの社会的な役割を果たしているのであります。中小業者は、日本の社会になくてはならない存在であり、社会的に果たしている役割は大変大きいものがあります。  ところが、中小業者の日常の営業と生活の状況は、大変困難が増大しています。このことは中小企業庁の調査でも明らかになっています。例えば中小企業庁の八五年の調査で見ますと、全国に一万六千ある商店街の八八・九%が、停滞及び衰退していると回答しております。そして、約半数に上るお店が、兼業やよそに勤めに出たり他の家族の収入に頼るなど、副収入がなければやっていけないという状態に追い込まれています。こういう状況は中小小売業ばかりではなく、下請や地場産業などでも広がっています。私たち中小業者は、必死で営業活動に取り組み、生活を切り詰め、生きていくために努力をしています。それにもかかわらず努力が少しも報われないのは、大企業本位で中小業者を顧みない政治のためだと感じないわけにまいらないわけであります。  中小業者の営業に関しては、実にさまざまな問題が山積しています。中小業者が長年苦労して地域住民の生活を支え、町をつくってきたところへ大型店がいきなり進出して市場を横取りし、町も破壊しています。下請中小業者が合理化や技術開発を進めてやっと営業が成り立つようになってきたら、親会社が単価切り下げを押しつけてきて下請の努力の成果を奪っているのであります。自動車など大企業製品の集中豪雨的な輸出の見返りに中小企業製品が輸入され、産地や地場産業が圧迫を受けています。大企業が生産拠点を海外に移し、製品を逆輸入して、国内の中小業者に深刻な影響を及ぼしています。これらを緊急に解決するのは政治の役割だと思います。  中小業者の社会保障に関する問題も深刻であります。具体的な調査事例を示しますと、私たちの東京の団体であります東京商工団体連合会が最近行った実態調査によりますと、中小業者は一日平均十二時間もの長時間労働を行っていますが、従業員がいる場合でも事業主はだれよりも一番早く仕事場に出て作業の準備などをいたします。帰りもまず従業員が帰り、その次に妻が帰り、最後に事業主が後片づけをして帰るという状態であります。労働者以上に労働しているというのが実態であります。納期を迫られれば事業主が徹夜をしてでもやらなきゃならない。このようなもとで労災事故も多発せざるを得ないわけであります。ところがこのような場合に、事業主だからというだけで、従業員の勤務していない夜間に起こった事故は労災として認められないのであります。また、事故のためたとえ一カ月間仕事ができなくても、事業主は電話ででも仕事ができると、通院日以外は補償の対象にしません。一カ月間の休業補償がされないというのが実態であります。  健康破壊も深刻な状況になっております。四十代の働き盛りの過労死もふえています。営業収入が減るもとで国保料をちょっとでも滞納すると、保険証が取り上げられ、医者にもかかれません。そのために手おくれになって命を落とした人は少なくありません。何十年も頑張ってきて、年をとって働けなくなっていざ年金というときに、月に二万七千円の年金でどうやって生活できるでありましょう。これらの解決も今緊急に政治に求められております。  また、税制や金融制度でありますが、中小業者は最も過酷な状態に置かれています。従業員も大勢いて法人企業として成り立っているようなところでは、コンピューターや機械設備に対して特別償却が認められますが、夫婦で朝から晩まで汗水流して働き白色申告しているようなところでは、特別償却も認められないばかりか、家族専従者の給与も制度として完全に認められず、事業主控除の低さとも相まって生活費に食い込む過酷な重税になっており、最も不公平な税制になっています。金融制度でも、無担保、無保証人の制度がありながら、女性の事業主であるというだけで保証人を要求されるわけであります。長期で金利の低い金融は、小零細な個人ではとても借りられない制度になっています。  このような中小業者の実情にもかかわらず、九〇年度予算案では、中小業者の状態を少しでも改善する内容はありません。九〇年度中小企業対策の内容は、自助努力、事業転換が基本的な柱に据えられています。小零細業者向けに小規模企業対策というのがありますが、これは商工会議所、商工会の補助金が主なものでありまして、一般中小業者のだれでもが直接に利用できるものとは言えません。  したがって、私たちは、九〇年度予算案に当たって、中小企業対策費を大幅にふやすとともに、その内容も振興対策を重点にし、一般中小業者のだれでもが公平に利用できる施策を大幅につくり、施策の窓口も自治体に置くなどの改善を図るように求めるものであります。  第二に、消費税についてでありますが、私たち中小業者はことしの春、所得税と消費税のダブルの申告と納税を初めて行ったのであります。この経験で、消費税の重圧と矛盾を改めて強く感じ、怒りを一層大きくしているのであります。  中小業者は、原則課税の課税業者であれ、簡易課税の課税業者であれ、免税業者であれ、消費税の転嫁が大変困難であり、仕入れ、経費の値上がり、消費税負担によって経営を圧迫されています。とりわけ小零細業者は、お客さんの値引き要求や大型店との競争で値上げはできず、仕入れ、経費の値上がり分を収益を削って吸収せざるを得ない状況であります。中小業者は、収益を削り、生活者の立場で一般の消費者と同じように消費税を負担し、二重に圧迫されているのであります。  消費税は、逆進性、生活費課税など、全く不公平な天下の悪税であります。しかも、公約違反の、民主主義を踏みにじった、許されないやり方で強行されたものであります。消費税は即時廃止するしかないのです。これが国民の大きな世論です。自民党は見直しなどと言っていますが、まじめに国民の声を聞くなら、直ちに廃止すべきです。  九〇年度予算案は、この消費税を組み込んでいます。中小企業対策費を見ても、消費税を定着させるための円滑化対策費などが組み込まれています。消費税を予算化することはまさに公約違反であり、すぐさま消費税は外すべきであります。消費税は、軍事費、ODAと大企業、大金持ちの減税財源です。国民生活を犠牲にし、アメリカの戦略に加担する軍事費とODAの突出を国民は絶対に許すわけにはいきません。消費税を廃止し、軍事費やODAを削り、大企業、大金持ち優遇税制を改め、国民本位の予算に転換するように国民は強く求めているのであります。  最後に第三、大型店の規制緩和、大店法廃止の動きについてであります。  政府は、既に日米構造協議の過程で、大型店の規制緩和と大店法廃止の方向を出しています。大型店は、緩和あるいは廃止の方向を見越して、一斉に出店の届け出を出しており、八九年度の届け出は、ことし三月末で八百件にも達しています。中小小売業者、商店街などにとっては、まさに死活問題であります。中小小売業団体を初め中小業者団体などの怒りが今全国に広がっているのであります。  大型店の規制緩和、大店法廃止の方向は、今でさえ大変な中小小売業者を一層の危機に陥れ、まさにつぶしてしまうものです。既に中小小売業者は近年減少傾向を示していますが、大型店の規制緩和、大店法廃止で決定的な打撃を受けることは必至であります。これだけ多くの人々の就業、雇用の場を奪い、何の補償もなく、政府はどうしようというのでしょうか。死ねというのでしょうか。大企業の海外進出と逆輸入の増大で衰退し廃業に追い込まれていった地場産業と同じ運命をたどらせようというのでしょうか。中小小売業団体などの大きな怒りと反対運動が起こるのは当然です。  大型店の横暴な進出は、地域経済や町の機能も破壊します。大型店の価格が安くないことは、各種の調査で明らかになっております。消費者のためにもなりません。アメリカの大手おもちゃ業のトイザラスの進出が予定され、おもちゃ業界に大きな波紋を投げていますが、日本の伝統的なおもちゃや国民の遊びにさえも大きな影響が出ることは明らかであります。  自治体の条例、要綱による独自規制に対しても、国は法違反の疑いがあるなどと圧力をかけていますが、地方自治権の侵害にもなります。中小小売業は極めて地域経済とのかかわりが深いのでありますが、地域の状況や住民生活、地方的な営業に関して最もよくつかんでいるのは地方自治体であります。地方自治の内容でもあります。私たちは、大店法を都道府県知事の許可制にするように求めてきました。今こそこのことを真剣に考え、地域経済の振興と日本のつり合いのとれた産業の発展を長期に展望して、具体化を図ることが緊急に必要になっています。そして、九〇年度予算と施策に当たっては、大店法の都道府県知事の許可制への改正強化を行うための調査費等を盛り込むとともに、中小小売業者、商店街の振興対策、地域経済の振興策などを組み入れることが必要であります。  日米構造協議に当たっては、日本国民を犠牲にし、日本を危険な方向に導くものなので、日本の主権を発揮してこの協議をやめることが必要であります。  以上、九〇年度予算案につきまして、中小業者の立場から公述をいたしました。国会の審議に当たって真剣に受けとめられ、審議に生かされますことを心から願って、公述を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)     〔原田(昇)委員長代理退席、近藤(鉄)委員長代理着席〕

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 どうもありがとうございました。     ─────────────

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 これより公述人に対する質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中山成彬君。

中山成彬自由民主党

○中山(成)委員 本日は、公述人の皆さん方には大変お忙しい中を御出席いただき、大変貴重な御意見を聞かしていただきまして、心から感謝申し上げる次第でございます。  ただ、その中に、最後に公述されました伊藤公述人でございますけれども、聞いておりますと、事実と違うことも含めまして余りにもひどいのじゃないかというふうな発言が多々あったと思うわけでございます。その中の、例えば個人事業主は保険証を取り上げられて病院にも通えなくて病気も治せない、こういうふうな御発言がございましたけれども、しかし保険証がなくても病院にはかかれるわけでございまして、だから病気が治せないというのはこれは事実に反するのではないかと思うわけでございまして、その辺のところはもう少しきちっとした意見陳述をしていただきたかったと、このように考えておるところでございます。  さて、質問の機会を与えられましたので、大変短い時間でございますが、自分の意見を交えながら御質問させていただきたいと思うわけでございます。  私は、今の日本というのは、日本の歴史の中で日本民族のエネルギーといいますか、一番高揚した時期ではないかと、このように考えているわけでございます。ただ、人間が年をとっていくのと同じように日本の国も年をとっていくわけでございまして、いわゆる高齢化社会と言われている現象でございますが、しかし、この高齢化社会というのも、考えてみれば出生率をもっと高めていけば避けられるわけでございまして、そういう意味で、昨今男女間のミスマッチといいますか、なかなか結婚できない人がふえているし、また結婚しない人がふえているし、結婚しても子供をなかなかつくらないというふうな現象があるのは私は大変嘆かわしいことだと思うわけでございまして、何とか出生率を高めていくという施策を今後とる必要があるのではないか、このように考えているわけですけれども、きょうは時間がありませんので別な機会に譲りまして、高齢化社会というのがいずれにしろやってくるわけでございます。そういった高齢化社会に対して準備をする期間、まさにそれが一九九〇年のこの十年間ではないか、こう思うわけでございまして、二つに分けられると思うのです。  一つは目に見えない形の準備と、もう一つは目に見える形の準備。その見えない形の準備というのが、これが税制改革であったと思いますし、また、目に見える形の準備というのが、私はいわゆる社会資本の整備ではないか、このように考えるわけでございますが、その税制改革でこのたび消費税が導入されました。  新しい税金の導入というのは、これは大変なことだと最近つくづく思いますのは、イギリスで人頭税、いわゆるポールタックスが導入されまして、何か装甲車まで出動したり、あるいは税務署の職員にボディーガードがついているというふうな、そういう新聞報道もあるぐらいでございまして、日本でも消費税の導入についていろいろ混乱もあり、納税者の皆さん方に御迷惑をかけたということは、これは事実だろうと思うわけでございます。  しかし、やはり税金というのは必要でございまして、税金というのは三つの公平を考えなければいかぬと思うわけでございますが、一つは、いわゆる水平的公平といいますか、同じ所得であれば同じような税負担をする。もう一つは、垂直的な公平といいますか、やはりその中にありましても、所得の高い方は担税力がそれだけあるわけですから、たくさん税金を払ってもらう。三つ目は、世代間の公平といいますか、我々の後進、子や孫たちに余り負担をかけちゃいけない。私はここが一番問題だと思うわけでございまして、そういう意味で、今の日本が百六十四兆円という借金を背負っているということは、まさに我々が今自分たちのいわゆる飲み食いのツケを我々の子や孫たちにつけ回しているというのが現実でございます。  ですから、ここを何とかしなければいかぬわけでございまして、そういう意味で、私は、今和田公述人が言われました、消費税を一たん廃止して、そしてもう一回見直すべきだ、それは確かに一つの考え方かもしれませんが、しかし、そういうことをしますと、いわゆる実体経済といいますか、先ほど話がありました……(発言する者あり)ちょっと黙って聞きなさい。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 御静粛に願います。

中山成彬自由民主党

○中山(成)委員 伊藤公述人が言われましたけれども、やはり中小商業者の方々を含めて、大変な困難に陥るんじゃないかと思うんですね。そういうふうな実体経済を知らないといいますか、あるいは顧みない、そういう野党の諸君の、いわゆる一たん廃止してもう一回見直すというのは、これはいかがなものか。やはり実施しながら、それを見ながら弾力的に見直していくというのが、一番私は現実的でスムーズにいくのではないかと思うわけでございますが、和田公述人に御意見をお聞かせいただきたいと思うわけでございます。

和田八束立教大学教授

○和田公述人 御質問いただいたわけでありますけれども、私は、公述のところでも申し上げましたように、廃止、出直しといいますか、こういうことでありまして、必ずしもこの消費税導入以前の旧税制全体がベストである、それを支持するということではないわけでありまして、ここ何年か、我が国においてはいろいろな場で税制改革ということが議論になってまいりまして、税制改革の必要性ということはやはり国民全体の一つの共通の立場だと思うのですね。  しかし、どういうふうな税制にするのか、どういうふうに改革するのかというところが、やはりさまざまな議論もあるところでありまして、新しい税制の方向を探り、それをつくり出していくということになりますと、予知せざるといいますか、未経験のところでありますから、必ずしもこれは万全を期するということはできないわけでありますし、また、税制というのは一〇〇%これでよろしい、あるいは一〇〇%の人が満足できるというものでもないわけでありまして、やはりそこのところはいろいろ議論を闘わせた上で、一定の手続に従って決定するということも必要であります。  そういう流れの中で考えたいということでありますが、しかし消費税につきましては、例えばEC型付加価値税といいますか、こういう世界の各国で多く採用されております付加価値税という見本といいますか手本があるわけでありますけれども、こういうものと照らしましても、例えば帳簿方式という独特の方式をとっているとかあるいは簡易課税制度という形が採用されているとか、こういう、付加価値税と比べましても非常に不完全といいますか、むしろ大型消費税としては非常に欠陥のあるところでありまして、これは専門家の間でも、例えば堕落型の大型間接税であるというふうなことが当初から言われていたわけであります。  今回、政府案での見直しということになりますと、これはいろいろお考えのところであったでしょうけれども、これはまだ、十月実施というのが原案でありますけれども、これを実施しますとどうなるのかということも我々もなかなか予想できないところでありまして、現行の消費税タイプでこのように二段階税率でありますとか、あるいは免税業者を拡大する、つまり食料品小売業者全体を非課税業者にするとか、こういう一部手直し、あるいはその他福祉、教育関係につきましても非課税枠を拡大するということになりますと、現在の消費税タイプでありますと欠点といいますかそういうものがかえって広がるのではないか、こういう危惧があるわけであります。  そういうこともあわせまして、間接税のタイプというのは幾つもあるわけでありまして、それらを一つずつ検討いたしまして、そうして我が国における所得税、法人税という基幹税との関連といいますか、間接税は、現在もそうでありますけれども一種の補完税でありますので、そういう補完的な性格というのは一体何か、それから日本における間接税の一つの歴史というものがございまして、旧物品税は昭和になってからでありますけれども、近代税制としては明治以降あるわけであります。そういう歴史なり納税者心理あるいは消費者心理というふうなものもあるわけでありまして、こういうものが消費税の議論の中では、いろいろと世論調査などにもあらわれているような問題点が出てきたということでありますので、長期の税制といいますのはやはり十年、二十年、三十年ということでありますから、ここ一、二年で余り拙速をするのではなくて、もう一度一年なりそんなに長い時間じゃなくて議論をいたしまして、そうして税制の再改革といいますか、間接税だけではなくて、土地税制も含めた整備というものをしたらいかがであろうかということであります。そういう意味で、今必ずしも経済状態というのが我が国は基本的にそんなに混乱しているというわけではありませんし、国民生活の上でもなお安定しているという実態でありますので、そういう点で一時的に税制の実施をストップして議論をしていく、そうして、その間の予算というものは現在の税収入の枠で実施するというふうなことが仮に行われましても、これで大幅に混乱をするということはないのではなかろうかというふうに私は思います。  ちょっと長くなって済みませんけれども、そういうことでございます。

中山成彬自由民主党

○中山(成)委員 廃止してもう一回見直すと言われますが、先ほどの消費税、私が役所に入りましたのは昭和四十一年ですけれども、そのころヨーロッパにおきまして、バリュー・アディッド・タックス、付加価値税が導入されまして、早速勉強させられたわけでございまして、あれからもう二十何年たちますし、また大蔵省が勉強を始めてからもう十何年たつわけでございます。内部で十分検討した上で、そしてまた、日本の国情に合った形で、先ほど墜落したと言われましたけれども、インボイス方式を帳簿方式に直した、日本の国情に合わせてつくられたと私は思うわけでございまして、そこのところは見解の相違があるかもしれませんけれども、私は、ぜひぜひ見直しながらやっていくという方向でひとつ野党の皆さん方も協力していただきたい、このように考えるわけでございます。  余り時間がありませんので、もう一つ、せっかく本間先生に来ていただきました。先ほど、大変造詣に富んだ国際情勢あるいは日米関係についてのお話がございましたけれども、確かに冷戦構造が変わりまして、これからは日本も柔軟かつ確固たる外交姿勢というものが非常に大事になってくるのじゃないか、まさにおっしゃるとおりだ、このように思うわけでございます。  そういった中で、アメリカはアメリカの国民の感情、日本は日本の国民の感情を十分に配慮しながらやっていかないと、いたずらに反日感情あるいは反米感情をそそってしまうのじゃないか、こう思うわけでございますが、今回の日米構造協議の過程の中で、日本のマスコミは朝から晩まで日米構造協議一色だったわけでございますけれども、アメリカの方では大した取り上げ方じゃない。どうもその辺に情報量の一方的な流れがあるような気がするわけでございますけれども、今後の日米関係を考える上で、そういったマスコミといいますか、日本の情報をもっとアメリカの方に流すといったことについて本間先生の御見解をお聞きしたいと思うわけでございます。

本間長世東京女子大学教授

○本間公述人 御承知のように日米構造協議につきましては、アメリカではトレードアグリーメント、貿易に関する取り決めというふうな扱いで報道されているようでございますが、既に、この協議自身についての報道のされ方にある種の食い違いがあるということがあり、今御指摘のような重点の置かれ方というものに食い違いがあるということは、恐らく事実として認めざるを得ないと思います。私は、その根本にある問題として、やはり日本もさまざまな意味で国際化をしていかなければならないし、現にしつつある。アメリカもまた国際化していかなければならない。その辺のところが実は国民感情として日本においてもまだなじまない部分があり、アメリカにおいてもまたしかりではないかと思うわけであります。  もう一言つけ加えて申しますと、つまりアメリカは二十世紀以来世界の舞台にあらわれまして、そして十九世紀の間におけるモンロー・ドクトリンというようなことで象徴されるような新大陸の中だけの発展ということを中心にしてきた存在であったものが、第二次大戦後は世界に対して影響力を振るう、つまり世界をいわば国際化するということで、国連の機構あるいはNATOの機構、その他さまざまな条約機構並びに二国間協定を通じまして、二国間の条約を通じての国際的影響力を振るってきたという事実があった。それに対して近年のアメリカは、みずからが国内において国際化されつつあるという経験をしているということでありまして、国際化する主体というものから国際化される客体というものにもなったという変化があるわけであります。  これは、日本のように敗戦後アメリカの占領、占領に伴う改革というものを経験した国にとりましては、まず国際化される日本があり、そしてその後において国際的に発展する日本があり、そして国際的に貢献する日本というものがあるべきだということを感じてきているわけでありますが、しかし、その中においても国内にさまざまな摩擦がないわけではない。それから、まことに残念なことでありますが、さまざまなコスト、犠牲というものが生まれざるを得ないということで、政府それから議員の諸先生が御苦労をされているわけでありますが、アメリカにおいてもまたしかりでありまして、その国際化される、だれによって国際化されるのかということが、直接には日本であるという意識がありまして、これが反日感情というものになって出てくるということではないかと思います。  したがって、今日の対日課題の一つとして御指摘もありましたが、日本をあるいは日本の考え方というものをさらによく理解してもらうこと、それから草の根レベルあるいは州レベルにおいて進んでおりますような日米の相互依存が、アメリカが日本によって自主独立性を損なわれつつあるというようなそういう感情を刺激するようにならないような努力というものをさまざまな形で行っていくべきであって、そのためには文化交流の新しい発想、新しい努力というものが必要であろうと考えております。

中山成彬自由民主党

○中山(成)委員 どうも貴重な意見をありがとうございました。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 次に、戸田菊雄君。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 御三人の先生方には多忙なところおいでをいただいてありがとうございました。また、貴重な御意見をお伺いいたしまして感謝しております。  まず最初に、和田先生に三点についてお伺いをしたいと思うのであります。  その第一点は、財政運営全般についてでありますが、特例公債発行からの脱却という財政再建の目標が予定どおり達成されることになりました。歳出を抑制し、租税収入を中心とした歳入をふやせば数字のつじつまが合うことは当たり前でありまするが、財政再建を建前とした行革路線が本格化して以来、教育、農業、中小企業、公共事業といった国民生活関連の予算が抑制され、防衛費が優遇されるという予算の二極分化が進んでおります。また最近三年は、当初見積もりを大幅に上回る税収を背景に大型の政治的補正予算が組まれております。九年ぶりの伸びとなった二年度本予算も、前年度の補正後予算と比較すれば規模は縮小しております。財政運営は見かけほどよろしい状況ではないのではないでしょうか。この見解が一つであります。  第二は、国民負担率の上昇と社会保障であります。今年度の当初見通しでは、既に国民負担率は四〇%を超えております。財政審議会の報告などでは、これまでどおり臨時行政調査会、臨時行政改革推進審議会、これの提言に沿って五〇%よりはかなり低位にとどめる、これを目標にしておりまするが、しかし、この目標を遂行できる具体策は提示されておりません。高福祉高負担は多数の国民に受け入れられない、大きな政府は経済の活力を減退させるといった理由づけがされているが、社会保障制度が十分でないことや税制の不公平さが高負担への反発を強める一番の要因ではないかと思います。また、国民負担率を四〇%台にとどめれば経済の活性化が図られる保証は何もないと思います。今後重要なのは、経済の競争力よりも国民生活の質的向上、これではないかと思いますが、国民負担率が低いことにこしたことはありませんが、国民負担率を前提とした財政運営には納得がまいりません。これに対する見解をお伺いしたいと思うのであります。  第三点、生活基盤整備のための公共事業でありまするが、米国からの指摘をまつまでもなく、我が国の生活基盤がおくれていることは言をまちません。GNP比一〇%にせよなどと米国が要求するのはおかしいと思いますが、下水道、都市公園、公営住宅など生活基盤整備を進める要件が年々強まっております。建設国債を増発しなくても、抜本的な地価対策を行ったりさまざまに工夫をすれば計画的に事業を進めることはできると思いますが、これに対する御見解を伺いたいと思います。

和田八束立教大学教授

○和田公述人 大変難しい問題を御指摘になりまして、私も直ちに自分の判断というものでお答えができるかどうかわからないわけでありますけれども、従来、財政再建、行政改革というもとで予算が抑制されてきたことは御指摘のとおりだと思います。さきにも私が申し上げましたように、最近ここ二年ぐらいのところでかなり大幅な税の増収ですね、自然増収と言うのもちょっと概念的にいろいろ問題がありますが、増収というものに支えられて、財政状況というのはかなり一時期に比べますと緩和してきた。どういう水準が財政的に余裕があるのかというのはなかなか難しいところでありますけれども、私は一見余裕が出てきたというふうに、特に平成二年度では見ているわけであります。しかし、余裕は出てきたのですけれども、具体的にどのような内容を実施するのかという将来に向かっての方向づけというのが非常に不十分でありまして、ともすれば放漫といいますか、やや水膨れ的な感じがどうもいたしますので、その辺にむしろ今年度、平成二年度予算としては十分に注意いたしまして、むだな支出を省いて、そして新しい財政基盤をつくるということが何よりも大事ではないかというところであります。  その次の国民負担率という問題でありますけれども、これも非常に難しいのでありまして、御承知のように財政制度審議会が中期的財政運営のあり方という報告をお出しになりまして、私もその中身というのは見たわけでありますけれども、そこでは国民負担率の上昇は極力これを抑制することが必要であるというふうに言っておりますが、国民負担率というふうに一言で言いましても、これは租税負担とそれから社会保障費負担という二つに分かれまして、諸外国と比べましても、各国においてその比率というものは必ずしも同じではないわけであります。つまり、租税負担率を高くして社会保障まで賄う、そういうケースもありますし、また社会保障費負担というものを主として高齢化社会への対応というところにしているところもあるわけでありますが、いずれにいたしましても現在の国民負担といいますのは、直接社会保障費負担で行われている部分につきましては、現在ないしは将来に向けての移転的支出といいますか、国民に対する還元ということになるわけでありますし、また一般の歳出面におきましても、社会保障費あるいは公共事業費その他経済関係費等の多くはいわゆる公共財として国民に還元される部分もあるわけでありますので、租税負担がすべて民間から公共への移転となって民間経済を圧迫するというふうには一概には言えないわけでありまして、そこのところはかなりいろいろな面から検討していかなければならない。特に将来高齢化社会のもとでの高負担時代というものは、今のような負担とそれから国民サイドにおける受益というものとを総合的に判断していくということが必要だろうと思うのですが、まだその十分な手法といいますか、見方あるいはどういうレベルでどういうふうな再配分が行われればいいのかというようなことについて明確なものが出されていないというところに一つ問題点があるのではなかろうかと思います。  それから、三番目の社会資本の点でありますけれども、アメリカからは一〇%というふうな要求が出ているということでありますが、これは一〇%といいましても何かということで、国民経済計算ベースにおける政府資本投資というサイドで言われているのか、あるいは国、地方公共団体等が行う一般公共事業で言われているのか、そこもちょっとわからないところもあるのですけれども、いずれにいたしましても、我が国における社会資本投資というのはここしばらく停滞していたというふうに見ざるを得ないわけであります。  したがいまして、都市などを見ましても、住宅それから道路その他の社会資本を見ましてもやはり非常に立ちおくれている。我々の国民生活がそういう社会資本の面で、個人生活の面では自動車を持っているとかその他豊かになっている部分がありますけれども、社会資本の点では以前から言われたことですけれどもやはり相当立ちおくれていることは事実でありまして、ここのところがやはり政府に対する一つの大きな期待になっているということは間違いのないところであります。  同時に、社会資本というのは更新されなければならないわけでありまして、古くなってくるわけですね。以前は六十年周期とかいうことで、社会資本の耐用年数は六十年ぐらいだということで割にのんびり構えていたのですが、どうも最近の実態は六十年もないわけでありまして、二十年、三十年ならいいところでありますので、やはりかなり短期的に更新していかなければならない。公共住宅などを見てもそうでありますね。それをやろうとすると、一番ネックになるのは土地問題ということでありまして、やはり土地が、東京都などにおきましては道路費の九割までが用地費である、これは異常なことでありまして、しかも、それでも十年、二十年たっても道路計画が進まないというふうなこういう実態を見ますと、かなり悲観的にならざるを得ないわけであります。  それと財源の問題でありますけれども、財源につきましても、そういう大幅な社会資本整備を税金だけでやっていていいのかどうか。この財政審の報告を見ますと、「国民負担率の上昇を極力抑制するためには、国債費の比率を低下させる」ということが必要であるということを前提にして、世代間の負担の公平の観点から社会資本整備の財源として公債を充てるということに対しても消極的な見方でありますけれども、私はむしろ、世代間の負担の公平の観点ということからいえば公債発行、建設国債の発行というものを積極的に評価していいのではないか。この辺のところは従来の社会党の考え方とはいささか違う結論になるところもあるわけでありますけれども、この辺はやはり国債発行時代を長らく経てきた今日、再検討してもよろしいのではないかというふうに思いまして、むしろやはり国民の社会資本整備優先という立場からの財政のあり方を検討していただければよろしいのではないかというふうに考えるわけであります。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 これは和田先生と本間先生にお願いをしたいのでありますが、日本の防衛費と国際情勢についてですけれども、米ソのブッシュ大統領とゴルバチョフ書記長の会談、INF交渉等々によって中距離弾道弾まで、アメリカの場合はパーシングII、それからソビエトの場合SS20等々まで削減しようという話まで合意に達した。それからさらに延長しまして、マルタ会談で、船上会談ですね、このときは戦術核兵器を含む、一般兵器も含む、それから陸上部隊等々も一応削減はしていきましょう、大きく冷戦終結宣言をやって、そしてデタント方式に大きく歩み出した、これは言えると思うのですね。もう一つは、政治形態の中で、例えばソビエトのペレストロイカ、これによって従前の共産党一党支配というもの、これが複数政党に変わる、そして西ドイツあるいは東独、それから各般の東欧各国もそれに見習って、いわば民意と自由、そういうものを中心にしまして大きく今変わりつつあるわけですね。ですから、欧州の皆さんは今、一つはニューディケード、一つはニューワールド、一つはニューチャレンジ、それがために新しい世界をつくろうということで今立ち上がっているのだろうと思いますよ。  その姿勢、方向は、私はやはり社会党が今まで主張してきた民意、自由、そういうものを土台にした、あるいは人権、平和、そういうものに立って、そして議会制民主主義と申しますか、そういうものに大きく今動いているのじゃないだろうか。だから決して、言われるようにアジア関係、日本の特定の人が言っておるように、またソビエトもそういう一つの危険性というものに私はもう後戻りするようなことはないのじゃないだろうかというように考えます。  そういう状況の上において非常に日本の防衛費というものは、今年度の予算一つを見ましても、大体今までGNP一%の範囲でやってきた、しかしGNPが年々ふえていっているわけですから、防衛費がふえていることはもう当然なんです。もう世界第二位までいっちゃった。こういうのが今の実情ですが、そしてなおかつ、今年度あたりもそういう世界状況の中において前年比六・一%増ですよ。GNPはここずっと、六十三年から平成元年、二年までいっても五・二%くらいずっとふえているのですね。そういう状況ですから非常にパイが大きくなる。それに一%枠を被って、そしてさらに軍拡態勢をとろうというのが日本の今の政府の姿勢ではないだろうか。だから、社会党はかつて選挙中でありましたけれども、現行のパーセンテージで防衛費というものを凍結しなさい、こういうことを要請したのですが、やはり日本も世界の趨勢を踏まえて今後の防衛費その他に対する検討を加える必要があるのじゃないだろうか、これが一つであります。  それから、今仙台で国連軍縮仙台会議というものを十六日から十九日までやっています。世界的に非常に有名な、著名の学者とか、それからアメリカは国務次官補が、あるいはソビエトも外務次官がというようなことで、四十数名の世界的なべテランの著名な皆さんが来て今やっているわけです。私も地元ですから一応顔出しはしたのでありますけれども、しかし、この中でこういうことを言っているのですね。これが私は非常に大事なことだと思うのです。目的は、科学技術の趨勢と国際平和、安全保障への影響、これをテーマにして検討されるわけでありますが、今日の急激な科学技術の進展のもとで量的な軍備の削減は事実上兵器の質的な改善と近代化によって置きかえるのではないかという深刻な懸念を持っている、だから、そういう科学的な技術開発その他の問題を今後どういうところに利用していくか。我々は平和利用、こういうことを言ってきているわけですが、そういうことが非常に懸念をされて、そして皆さんが心配をされて今、国連軍縮会議をやっている。これは決して仙台で初めてやったわけじゃないです、世界各国でやってきているわけでありますからね。そういう会議の意義というものは、私は非常にとうといものである。こういったもので検討されている内容についてどういう御見解をお持ちでしょうか。お聞かせを願いたいと思います。

和田八束立教大学教授

○和田公述人 世界情勢と平和というふうな問題につきましては本間先生にお話をいただくということにいたしまして、私は最初の部分での防衛関係費の凍結ということについてちょっと申し上げたいと思うのですが、今お話しの社会党の防衛関係費凍結、三年間八九年度水準で凍結するというふうな政策が出されたということで、私もこれは新聞その他で拝見をいたしまして大変結構なことではないかということで賛成の気持ちを持っているわけであります。同時に、その凍結した部分のどの部分になるのかわかりませんけれども、その増加分というのですか、具体的にはちょっとわかりませんけれども、凍結して余裕のできた分につきましては世界平和のために支出をする、これもどういうふうに、具体的に何か形をお考えなのかもちょっとわからなかったのですが、支出をするというふうな部分がありまして、これはもっと賛成をしたいという気持ちであります。  やはり世界平和それから現在の世界状況からいいますと、我が国の防衛関係費というのは抑制、凍結されなければならないというふうに私も思うわけでありますけれども、ただ抑制してそれでその予算をどこか別のところに使ってしまうというだけでは、やはり国際的に認められないのじゃないかと思うのですね。したがって、その部分については日本人が使うのではなくて、世界の人のために使う、世界平和に使うということによって初めて国際的にアピールするということでありますので、その点がつけ加えられたということは非常に大きな意味合いがあるのではないかというふうに思います。  それと同時に、現在の予算といいますか、我が国の財政というのも、いわゆる近代財政というのは国民、国家の枠組みで形成されて、そして国家主権というものが財政を決定する上では最も基本になるものでありますが、これは今日でもそのとおりなんでありますけれども、かなりいろいろな面におきまして国際的な関連といいますか、国際的な動向なり意見というものがいろいろな形で反映したり影響したりしてきまして、一国だけの判断で予算なり財政が決められるというふうな時代ではないわけでありまして、特に南北問題とかあるいは現在東西問題は揺れ動いていますけれども、西ヨーロッパあるいはアメリカと我が国との関係を考えましても、何かナショナルなレベルのことだけを主張しているという時代ではないのではないか、こういうことを考えておりますので、ちょっと申し述べました。

本間長世東京女子大学教授

○本間公述人 ただいまの戸田先生の御指摘並びに御質問は、非常に重要な点をついておられると思います。そして、いわゆる冷戦というものについて、ソ連の指導者もアメリカの指導者も、これは終わらせるのである、終わりの始まりが来ているという認識を持っているということは先ほど私も申し上げました。問題は、その後において何が起こるかということについて不確定な要素が依然として非常に多いということがあるわけであります。  アメリカのジョージ・ケナン、学者であって、レッテルを張りますと現在はハト派の論客として知られている外交問題についての権威でありますが、ゴルバチョフ大統領のことをソ連が生んだ奇跡であると言っている。つまり、ソ連の体制からどうしてああいうような人が出てきたのか、ケナンのような人でも理解できないという意味でそう言われたのだろうと思います。ということは、逆にゴルバチョフ大統領の政治力並びに政治力の基盤というものがどれだけ確かであるかによって、ただいまおっしゃいましたような冷戦後の新しい方向というものが直線的に進んでいくかいかないかという心配というものが変わってくるわけであります。仮にこのような東西の緊張緩和といいますか米ソ間の新しいデタントがそのまま進行するとして、その上でさらにさまざまなシナリオがあり得る。     〔近藤(鉄)委員長代理退席、佐藤(信)委員長代理着席〕  例えば、ニクソン元アメリカ大統領は、アメリカと中国が手を結んで日本を抑えるという構想を描き、そのことを語ったと言われております。さらには、これはアメリカの一評論家でありますけれども、一九八五年以来日本のマネーパワーというものが世界にとっての脅威であるからアメリカとソ連が手を組んで日本を抑えなければいけないというような論説を発表したりしております。つまり、さまざまなシナリオというものをさまざまな人々が描いているということが一方においてある。  それからもう一つは、これも戸田先生がおっしゃられた中に含まれるわけでありますけれども、自由を求め民主主義を求め人権を求めるというそういう潮流がほうはいとして起こってきており、日本としてもそうした点について我々自身が反省し、さらに諸国に寄与できるようでなくてはならないということになるわけでありますが、その場合に、これまたソ連の状況を考えてみましたときに、日本でもベストセラーになりましたポール・ケネディの「大国の興亡」という書物がありまして、あれは御存じのように、軍備拡張に余りにお金を使い過ぎて経済力に見合った範囲でなかったことによって大国の力が相対的に低下していくという、そういう説を述べたものでありまして、これに当たるのはむしろソ連であったということが言われている。あの本が出たときには必ずしもそうは言われませんでした。  日本の場合について考えてみますと、私は、おっしゃるようにさまざまな人々が政府の中、民間を通じまして、諸国において今後の安全保障の問題というものを議論しておられて、それはいずれアメリカの政府さらに日本の政府においても反映されなければならないものである。そして、私が戸田先生のお考えに同意いたしますことは、科学技術の発展というものが、かつては軍事科学技術の発展が民間に応用されるという場合が非常に多かった。今日、科学技術の民間における開発が軍事的な目的に利用されるという可能性が出てきている。そうしますと、日本のように、先端科学技術を含めまして、今日世界の中で最も科学技術の開発に力を入れて成果を上げているという国が、そのこと自体によってほかの国にとって一種の脅威とみなされるということを十分注意して我々が振る舞っていかなければならないと思います。  しかし、それだけの前提を置いた上で、安全保障に関する問題について絞って私の考えを申し上げますと、簡単に申し上げますが、日本の安全保障は言うまでもなく日米安保条約に基づく体制でございまして、先ほど申し上げましたように、アメリカとのパートナーシップで行っている。この両方の組み合わせの総体としての防衛力というものを考えていくわけでありまして、将来におきましての防衛力の量、質というものの変更について、日本とアメリカとの協議の結果、新しい発想が生まれてくるという可能性はあるし、あってほしいと思いますが、現在においては日本の安全保障力というもの、これは日本が戦後どこの国に対しても日本の軍事力が脅威になってはならない、しかし同時に、日本がアジアにおける地域の安全保障体制における安定勢力として、アメリカとのパートナーシップにおいてその役割を果たしていくべきであるという方向で今日まで進んできたという経過にかんがみまして、アメリカと日本との間で防衛に関する摩擦が激化するという事態が起こることはアジアの安定化ということにとって非常にマイナスである、それはアジア諸国から見た場合にマイナスであるというふうに考えております。現在、恐らくアジア諸国が思っていることは、日本とアメリカの組み合わせにおける安全保障力というものの適正規模ということであって、それは今日において、私は現在までの方向、今日、日本政府がアメリカ政府と協議して行っている方向というものが、日本においても日米関係においてもアジア・太平洋地域の安全保障体制というものについても適正であろうというふうに考えております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 時間もなくなりましたものですから、消費税と税制問題で両先生に端的にお伺いいたしますが、一つは、これは仙台の商工団体で世論調査をやったのですが、その世論調査によりますと、やはり消費税が導入をされて一つの混乱を生じた、また今生じています、それから不透明、不公平、不公正だ、それから便乗値上げが多発していますよ、それから事業者、この転嫁不足といいますか、そういうことがあります、払った税金はどこへ行くかわからぬ、それから物価、暮らし、景気にどう響くか、これは若干値上がりしていますよ、それから高齢者社会のためのこれが税制か、そうはなっていない、それからクロヨン、そういったものを主張しておるのは、これは解消されたのですかというようなことで、疑問点が十何項目出ているのですね。私はこれは実態だと思うのですね。  ですから、例えば一つの例ですけれども、三%一律の税率ですよ。これは租税法定主義ですから、法律でもって税金を決める、これでないと取れないはずだ。それが、例えばJRの関係ですが、切符自動販売機ですから百八十円は税金かけない。トータルでもって三%とればいいというのですから、四捨五入すれば片一方は五%ないしは七%もある。こういうことで非常にふぞろい、いわば一物多価ですね、そういう状況になっている。幾つもあります。実態、実例はいっぱいありますが、そういう点についてやはり私は、この際、和田先生がおっしゃられたように、廃止して見直しをして、時間をかけて十分国民の大合意を得られるような、そういうことでいくのが今後の税制、国民信頼、そういう点からいって一番いいのではないかと思いますが、ノーかイエスでいいですから、和田先生と本間先生と御三人どうぞ。

和田八束立教大学教授

○和田公述人 私も、先ほども申し上げましたところで御意見に全く賛成でございます。ひとつ国会といたしましても、これから大いに議論をしていただきたいというふうに思います。

本間長世東京女子大学教授

○本間公述人 消費税の問題につきましては、私、用意がございませんので、ちょっとお答えを控えさせていただきます。

伊藤国男全国商工団体連合会副会長

○伊藤公述人 先ほども申し上げましたように、廃止という方向でぜひとも討論を深めていただきたいというふうに思います。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 ありがとうございました。

佐藤信二自由民主党

○佐藤(信)委員長代理 次に、冬柴鐵三君。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 公述人各位におかれましては、大変お忙しいところをお越しいただき、また、貴重な意見をお聞かせいただきまして、厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。  私は、公明党の冬柴鐵三でございますけれども、与えられた時間がわずか十五分でありますので、お一人の先生方に一問ぐらいずつしかお伺いすることができないと思いますが、御協力をよろしくお願いいたします。  最初に、和田八束先生にお伺いいたしますが、先生も述べられましたとおり、近年当初予算の一割前後にも達する大きな規模の補正予算が組まれるということが慣例化していると言っても過言でないように思われるわけです。過日の補正予算審議でも、私も、当初の税収見積もりを過小に抑えているのではないかという疑いすら抱かざるを得ない。そういう結果、予算審議の意義を減殺してしまっている。そして、実際には余裕があるにかかわらず、低く抑えるために支出を抑制をして、そして魅力に乏しいような予算書ができ上がってしまっている。しかしながら、途中で非常に大きな補正予算が組まれて、その中で政策的経費が大幅に計上されてしまっている。これはいわば国会審議というよりも、政府による予算審議が強行されるような結果になる。というのは、補正予算の審議というのも一日ぐらいしかやられていないわけですね、七兆円にも達する予算の支出の審議がですね。  これでは非常に問題が多いと私は思っておりますし、また和田先生もそのような御指摘をなされましたけれども、このようなことがなぜ近年行われるようになっているのか、そういうことはもっと学問的に整理すればどういうふうな問題点があるのか、もちろん憲法上もありますし、財政法上の規定にも違反すると思うわけですけれども、具体的にどういうところに最も大きな問題があるのか、御指摘をいただきたいと思います。

和田八束立教大学教授

○和田公述人 補正予算のことでございますけれども、御指摘のように、当初予算の一割近いといいますか、大型補正予算になっているということは非常に問題があるというふうに財政学の立場からも言わざるを得ないわけであります。  予算の議論というのは、大体当初ベースでいろいろな問題が、予算の中身でありますとか、伸び率でありますとか、経済に対する影響でありますとかいうことが議論をされまして、本年の当初予算も対前年比九・七%であるとか、一般歳出でいえば三・八%であるとか、それで、それが景気中立的であるとか、景気刺激的であるとか、いろいろ新聞などでも議論が行われるわけでありますけれども、そういう経済と財政との議論というのはほとんど意味をなさないわけでありまして、例えば補正後比でありますと、ことしの平成二年度の当初予算はマイナスになっている。しかもこの支出の中身を見ますと、これは地方財政にも関連いたしますし、公共事業の規模とか社会保障のウエートとか、すべて当初予算とは別物になってまいりますので、あらゆる財政をめぐる議論というのが意味がなくなってくるというふうに言わざるを得ないわけでございます。  先ほどもちょっと私、公述のところで申し上げましたように、予算というものは長らくの間、会計年度の独立の原則でありますとか、あるいは事前議決とか、あるいは総計予算主義とか、いろいろ言われてきて、これによって結局立法府が行政府の予算統制を行うというところに予算というものの意味があるわけでありまして、そういう予算原則が意味がなくなるわけでありまして、例えば、補正予算などの規模から考えますと、十二カ月予算というよりもむしろ十五カ月予算、そういうふうなことになってきますと、単年度主義というものにも外れてまいりますし、その他総計予算といいまして、予算はあらかじめ全部決めておかなければならないというふうな原則にも外れてくる。これはわずかなものであればいたし方ないと思いますけれども、余りにも大きい。なぜかといいますと、お話しのように、当初見積もりが低過ぎるということがあるのですけれども、これはなぜかということになるわけですが、当初見積もりが低過ぎるということは、財政当局からいたしますと、お金がたくさん余っている、予算は十分に賄い切れるんだというふうに言ってしまうと予算編成になりませんので、従来からもなるべく、予算は厳しい、財源がないというのを当初の段階では強調するという向きがありますので、非常に慎重路線といいますか、そういうものが一つあると思いますね。これはプラス・マイナス両方ありまして、余り慎重さを欠くというのもどうかと思いますけれども、余り慎重過ぎるというのもよくないと思うのです。  しかし、それだけではないので、次には、最近の大幅な税収増はやはり資産インフレといいますか従来の経済予測、つまりフローの面での予測では外れるところが多くなっていたということですね。この影響というものが今後も続くかどうかというのは、見通しとしてはちょっと、必ずしも明確にできないところでありますが、昭和六十二、三年ごろのような資産インフレ的なものはやや鎮静したんじゃないかと思われます。  それから第三番目には、先ほども言いましたように、国税収納期間の問題ですね。これで五月までの国税収入を勘定に入れますと一年半、場合によってはそれ以上の将来を予測しなければならないわけでありまして、通常、経済予測というのは一年を、来年の三月を見越すというのでもなかなか大変なわけなんですが、予算編成期というのは暮れの十一月か十二月ごろでありまして、そのときからいいますと翌々年の三月期法人決算、そして五月分の収納というものを予測するということは非常に技術的にも難しいということでありまして、この辺、何か財政的に幾分余力ができた時期をチャンスにして、以前のように三月期とか、発生主義というものをとってもせいぜい四月までですね、というのに修正した方がよろしいのではないか。この点については財政制度審議会でも議論がなされたようですけれども、具体的な結論が出ておりませんので、一つの解決されるべき点じゃないかと思います。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 それでは、本間先生にお伺いします。  先生のアメリカ研究学術誌をちょっと拝読させていただきまして、「アメリカ研究の課題と展望」という先生の講演などを読ませていただきましたが、その中で、アメリカの日本研究は充実しているけれども、日本のアメリカ研究は不十分だ、こういう御指摘がされていたように思います。  実は私、先月、三月十八日から数日アメリカへ参りまして、多くの方々とお会いをいたしましてお話をさせていただいたんですが、そのときにしばしば出てきたのがリビジョニスト、修正主義者と言われる一団の方々のことが話題に上りまして、そういう方々ともお会いできたわけですけれども、日本ではこういう人をどういうふうに呼んでいるかなと思いますと、ジャパンバッシャー、日本たたきですか、こういうふうに十把一からげにしているように思うわけですね。ところが、その人たちと会ってよく話をしてみますと、実際は日本というものにたたかれているのは米国の方なんだという被害者感情といいますか、そんな立場に立って、拡大主義的行動が目立つ日本というものに我々は生き延びるためにアメリカはどうあるべきかということの提言をしているんだ、こういうような話し方で、随分認識に差があるなという感じを受けたわけです。  そして、これは今回のSIIトークのような協議を通じまして、日米双方の国民に大きなフラストレーションを醸成する原因にもなっている。また、進めば対日感情あるいは対米感情が悪化してしまう原因にもなっている。ずっとせんじ詰めると、SIIでも、アメリカから日本に対する二百数十項目の指摘というのは実にきめが細かくて、中には独禁法に関する最高裁判例の少数意見まで引用して、そして日本の構造というものにメスを入れているということの反面、日本からアメリカにそれほど細かい指摘ができたのだろうかという点について、若干一つの感情を私持つわけですけれども、アメリカ研究の専門家であられる先生から見られまして、今後日本はもっともっとアメリカを知るべきではないか、そのためにどういうことが必要なのか、その点についてお伺いしたいと思います。     〔佐藤(信)委員長代理退席、近藤(鉄)委員長代理着席〕

本間長世東京女子大学教授

○本間公述人 大変重要な御指摘並びに御質問ですが、恐らく時間がないと思いますので、大変乱暴にお答えするほかないので、あらかじめおわび申し上げます。  リビジョニストというレッテル張りは、ビジネスウイークという雑誌が行ったもので、リビジョニストと呼ばれている人でリビジョニストと呼ばれていることを喜んでいる人は恐らく一人もないであろうと思いますし、その中には自分たちは決して日本たたきをしているのではないというふうに言っている方もあります。日米構造協議に関しましても、いわゆるリビジョニストの中で少なくとも二人、チャルマーズ・ジョンソン教授とクライド・プレストウィッチ氏は、日米構造協議の意義を認めておりません。御承知だろうと思いますけれども、認めていないということであります。  先ほど申しましたような意味合いにおきまして、日本は異質であるという点についてそれを非常に強調するというのが、私はリビジョニストと呼ばれている人あるいはジャパンバッシャーと呼ばれている人の大きな特質であると思いますが、これについては、私は、アメリカは元来その長所であるはずの相対主義というものを認め合う、お互いにお互いの歴史的伝統を異にする国であるということを認め合うことと、その上に立って、しかし全人類が向かっているはずの自由、民主主義、そして豊かさを分かち合うという共通の価値観というものを日本も持ち、アメリカも持ち、そしてほかのまだそれが達成されていない国々がそれを切望しているということにおいての共通感、連帯感を深めるために文化交流をもっとしっかりやるべきであろうと思います。  日本からのアメリカへの注文が少ない点につきましては、私は、日本がアメリカに対してむしろ節度を持ってこの程度にしておく、アメリカの方が少し細か過ぎるのではないかという気持ちがあったのではないかと思います。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 伊藤先生、時間が物すごく、もう一分しか残されておりませんので、先生のを拝聴いたしまして、本来私は政治というものは大衆の幸せに奉仕する、その点に本質があるのだと思います。その意味におきまして、先生が挙げられましたように、事業所数において実に九九%、そして全従業員数に比較しましてこのような中小企業に従事する従業者が八一%ということになりますと、これは日本のマジョリティー、最大多数の人々だと思います。そういう方々が消費税は廃止すべきだという、そのような主張をしていられるということは非常に重いと思うのですね。きょうも、学術的な意味から和田八束先生も消費税は一度廃止して出直すべきだというお話も伺いましたので、今後そのような方向で公明党も頑張ってまいることを申し上げて、もう時間がないものですからお許しをいただきたいと思うのですが、一言だけよろしくお願いします。

伊藤国男全国商工団体連合会副会長

○伊藤公述人 おっしゃるとおりに、ぜひ廃止に向かって揺るがぬ立場を堅持していただきたいというふうに思います。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 終わります。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 次に、三浦久君。

三浦久日本共産党

○三浦委員 公述人の皆さんは本当に御苦労さまでございます。私、日本共産党の三浦久でございます。  まず最初に、伊藤公述人にお尋ねをさせていただきたいと思います。  私は、伊藤さんの公述を非常に感銘深くお聞きいたしたわけでありますけれども、先ほど自民党の中山委員から、国民健康保険証を取り上げられても医者にかかれるじゃないか、伊藤公述人は事実と違ったことを言っていると、質問じゃなくて一方的な意見の陳述がありましたね。この問題についてどういうふうにお考えでございましょうか。

伊藤国男全国商工団体連合会副会長

○伊藤公述人 先ほどお話があって驚いたわけでありますが、保険証がなくても医者にかかれるというお話でありまして、そうありたい、またそうあるべきであると私も思いますが、残念ながら保険証がありませんと医者にはかかれないということであります。そういう意味で、しかしおっしゃった意味はよくわかりませんが、つまり私が申し上げたのは、保険の料金を払わないと保険証の交付がいただけない。本来おっしゃるように、保険の料金を払っているかどうかにかかわりなく保険証というのは渡されるべきものだということは、これはそのとおりだと私も考えますし、また政府の立場でも恐らくそうおっしゃるのではないか。しかし、実際の現場では、実は滞りますと保険証が渡らないのであります。つまりお金を払ったら渡してやる、こういう行政が実はまかり通っておる。そういうところから、私どもの仲間が実際に健康を害して医者に行って、そのときに保険証がないが、保険証がないがとうわ言のように言って、やっと連れ込まれたときにはもう既に息が絶えておったというふうな事態が、これは私どもの仲間から発生しているということを念頭に置いて、私は先ほど申し上げたような発言をしたわけであります。

三浦久日本共産党

○三浦委員 お金がたくさんあれば、中山さんみたいにお金がたくさんあればそれはかかれるでしょうね。しかし、お金がなければ、保険証がないとやはり全額負担になりますから、なかなかお医者さんにかかれないというのは常識だと思うのですけれどもね。  それで、中小企業の方々が消費税の導入で実際にどのような被害を受けておられるのか、具体的な例などがありましたら、もう少し具体的に詳細にお話をしていただきたいと思います。

伊藤国男全国商工団体連合会副会長

○伊藤公述人 昨年の四月消費税が実施をされまして、それ以降、言うならば今までの戦後の税制の基本は自主申告制度でありまして、納税者が行う申告によって納税の義務が発生し、また果たされるという関係にありますが、ところが、消費税というものが実施されてくるということになりますと、これは言うならば所得の自主的な計算に基づいてどうこうという問題から離れて、お預かりした公金をどうするかという問題になるわけであります。これに対する調査がまた今までのようないわゆる任意の調査というふうなことではなくて、言うならタックスポリスとでもいいますか、いわゆる警察権を背景にする調査ということにならざるを得ない性格を持つのだと思います。したがって、そういう点でいきますと、税務行政それ自身の姿勢そのものなんですね、いわゆる任意の自発的な申告ということではなくて、言うならば強権的な調査ということがどうしてもそこに絡まってくる。また、その問題と絡めて所得税の調査の方にはね返ってくるという関係がありまして、まことに大変なのであります。  そういう点で、理屈はともかくとして、それによってどういうふうなことが実際に起こっておるかというふうな点について一、二、最近私どもの機関紙に載せられた消費税が実施されて以来の実情がどうかという点をちょっと御紹介して、御参考に供していただきたいというふうに思うのであります。  例えばここに、東京葛飾の森谷富八さんの場合であります。これは三月十九日付の全国商工新聞に収載された事実であります。これによりますと、この方は東京葛飾で自動車の販売修理業をやっておられる方でありますが、ちょっと読みますと、  昨年一年間の月別の売上、仕入、消費税で転嫁できたもの、できなかったものをはじき出してみました。   新車販売と修理の部品代にかかる消費税はお客に負担してもらい、中古車販売と修理代には転嫁せずサービスしてきました。   その他、車の登録などの手数料、三万円を超える振込みの印紙代にかかる消費税などはもらっていません。また、部品代の消費税は負担してもらうといっても、そのために生じる端数は集金の際にはおまけすることがほとんど。   「これでうちの消費税を計算をしてみると、八万五千円くらい持ち出しになっている。さらに生活費での消費税支出があるから大きいよ。三%でこれだから、消費税の税率が上がったら大変」と森谷さん。   こうした計算結果を民商の班会でみんなに見てもらい、森谷さんは「所得税の計算のときは税額がどれくらいになるか、みんなかなり神経使うだろう。消費税もどうなっているかしっかりみないと、知らぬ間に損をさせられることになるよ」と話しています。 そういう状態が一つあります。  そのほか、これは家具製造をやっておられる細谷節子さん、五十九歳の場合でありますが、   関係ないとは思わなかったけど、さほど響かないと思っていたのでびっくりしました。   まず、仕入れがすごくコスト高になりましたね。経費で、昨年より四十七万円アップ。消費税は材料費が十五万七千八百十三円、消耗工具が六千六百円、そのほかの分を含めると十八万円にものぼりました。   といって転嫁したくても、そうすれば本体価格を値切られるんですから負担ばかり増えてきました。いまはどうにか生活を切り詰めて商売を回していますが、とっても不安です。  消費税が定着して西欧並みの税率一五%にでもなれば、経費分だけで九十万円、月七万五千円ともなってその上、所得税、住民税の負担では、とても営業どころではありません。 御承知のように、これは外国の税率は一〇%超というのが普通でありまして、これは山中さん、自民党の前税調会長さんは大体よその国は一〇%以上ということを既におっしゃっておるわけでありまして、そういう点からいっても大変だ。  それからもう一つ申し上げますと、   去年、税務調査にあって本当に不安でした。それなのに、免税業者でも本当に三千万円以下かどうかを理由に調査の対象にするなんてとんでもない。去年と比べ売上げはヨコバイなのに経費は軒並み上がっています。全然転嫁できませんから、もし、さかのぼって払えといわれたら自分で負担しなければなりません。   それに、わが家は五人家族(夫婦、二十五歳、二十三歳、中三の三人の子ども)で、家計簿をみても食費だけで月十三万円と、消費税で月一万円以上もかかっています。とても生活していけませんよ。 こういう実態が伝えられておるのであります。ひとつ参考に……。

三浦久日本共産党

○三浦委員 もう一問だけ伊藤公述人にお尋ねをいたしますが、現在所得税の事後調査が始まっていると思います。中小業者に対する税務署の事後調査の特徴、特に消費税導入以後におけるその特徴点についてお尋ねしたいと思います。

伊藤国男全国商工団体連合会副会長

○伊藤公述人 お答えします。  これは同じく商工新聞の四月十六日付の一面の記事から申し上げてみたいというふうに思うのであります。これは神奈川県相模原民商の会員でありまして、内藤さんという方の話であります。これは税務署の最近の消費税実施以降の税務調査の現状を一つ象徴的に示しているのではないかと思うので、御紹介してみたいと思うのです。  これはもう税務署が最初から本当にまじめに調査をする気はなかったんではないかというふうに、納税者を何と思っているんだと言いたいと怒っているのは、青色申告を取り消された上、三年分で八十四万円の更正をされた民商津久井支部長の内藤康昌さん、四十四歳、建築業の方であります。   九月、十一月の調査に内藤さんは支部の仲間に立会ってもらいました。   税務署は理由も明らかにせず、立会いを理由に帰ってしまったので、二十人の仲間はそのまま車に分乗して税務署へ抗議にいきました。 その状況があって、   内藤さんは青色申告。十二月には二回、資料を提示しました。二回目のときは署員は一時間も遅れてきたうえ、ろくに資料も見ないで帰ろうとしたので、こちらは仕事を休んで応じているのだからと引き止め、二時から六時まで帳簿や資料を見せました。署員は単に時間かせぎに見ているだけのような態度でした。   税務署は一月に再び資料を見たいといってきたので、もう二回見たのにいつまでかかるのかをただすと、税務署は「何時間かかるかわからない」「青色を取り消すこともある」などと返事。内藤さんは「資料を提示しているのに青色取り消しとはどういうことか」と抗議。立会った仲間も「税務署は身勝手すぎる。納税者の話を聞く気がまるでない」とびっくり。   簿記講座に通ったこともある内藤さんは、自分の記帳や資料整理に自信を持っています。資料を見た署員も不備があるとはいえませんでした。   税務署は三月十四日に青色取り消しと更正をしてきました。青色取り消しの理由は〝短時間しか帳簿を提示しなかったから〟というもので、内藤さんは「デタラメすぎる」とカンカン。 に怒っているというのが今の現状なんであります。

三浦久日本共産党

○三浦委員 本間先生にお尋ねいたしたいと思います。  先生は大変アメリカの実情に詳しいようにお見受けいたしましたが、昨年の十一月にアメリカで国防予算授権法というものが成立をしたことは御案内のとおりだと思いますが、その中に、日本はもっと軍備を増強せよとか在日米軍の駐留経費を増額せよ、そしてアメリカ大統領は日本との交渉の結果を議会に報告しろ、こういうことになっているわけです。アメリカの法律で日本に軍備の増強等を強要するということを先生はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。また、こういうアメリカの言い分は、おれは軍備は減らすけれども日本だけはふやせという、大変身勝手な、虫のいい言い分じゃないかと私は思うんですが、この点についても先生はどういうふうにお考えでございましょうか。

本間長世東京女子大学教授

○本間公述人 ただいまの御意見並びに御質問につきまして、私は非常に一般的なレベルにおける話としまして、先ほどもちょっと日米構造協議のときに申し上げましたが、従来、我々が内政干渉と思うようなことを平気で言うというのはいかがなものかという問題が確かに存在すると思います。  同時に、今日の新しい時代というのは相互依存を深める世界であるということになってまいりまして、日本の経済活動も非常に多くの国にまたがっている。それは日本の経済の利益のため、そしてその土地の人々の利益のためということになっており、成功している場合もあるし問題をはらむ場合もあるわけでありますが、ただいまのようなことにつきましては、これはアメリカの議会がアメリカの大統領に対して要求をしているということでありまして、そして、アメリカの大統領、すなわちアメリカの政府を代表する存在が日本に対してアメリカの要望を伝えてくるということになる、そういう仕組みであろうと思います。それに対して日本側で、日本の利益とそれから日米関係とアジア・太平洋地域の安定ということ、並びにそれがもたらす他のさまざまな地球的な規模での問題への日米協力の可能性、そうした総合的な判断に立って今のような問題について日本の側で自主的に考えるというその自由は確保されているべきだと思います。

三浦久日本共産党

○三浦委員 終わります。どうもありがとうございました。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤(鉄)委員長代理 これにて公述人に対する質疑は終了いたしました。  公述人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  以上をもちまして公聴会は終了いたしました。  次回は、明十九日午前九時三十分より委員会を開会し、一般質疑に入ります。  本日は、これにて散会いたします。     午後三時四十八分散会

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