予算委員会 第13号
- 発言数
- 350 件
- 登壇者
- 57 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1990/04/21
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算、平成二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤敬治君。
○佐藤(敬治)委員 この前の総括質問の場合に、企業に関連ある税制のことについていろいろ御質問しましたけれども、一時間しか時間がないという制約の中で十分できませんでしたので、二、三詰めてみたいと思います。 あのときも申し上げましたけれども、今の企業、非常に大きな力を持って、余った金を持ってぼんぼん暴れまくって大変批判をこうむっております。戦後、窮乏の時代には、とにかく物をつくれ、物をつくれというので企業を優遇する必要があったかと思いますけれども、今日の企業がもう金余りで国の内外を大いに荒らし回っている、こういうときに、企業を優遇すると思われるような税制に対する批判が非常に強くなってきております。これを速やかに改廃すべきではないか、こういう声が非常に高くなってきております。 それでこの前少し御質問申し上げましたけれども、時間が足りなかったのでお互いにどうも言い合いが、議論が足りなかったと思いますので、二、三これについて御質問申し上げたいと存じます。 まず第一に、膨大な含み資産、GNPにも匹敵するんじゃないかと言われているこの含み資産、この含み資産が過大融資の元凶になって、そして、次から次と金の猛威を振るっている、特に海外へ行っていろんな買い物をする、そのときも申し上げましたけれども、金本位制に似て、余剰含み資産でもって膨大な借金をして、その借金の金を持って海外へ行ってどんどん物を買う、こういうことがどうも大変批判されております。今いろいろ政府の税制改革のあれを見てみますと、これに対する何か施策を講じるようなことも書かれておりますが、大蔵大臣からひとつお考えをお聞きしたい。
○橋本国務大臣 今委員から御指摘がございました含み資産と言われますもの、これは主として土地を指しての御発言であろうと存じます。土地の含み益に対してはさまざまな御議論があることを承知をいたしておりますし、これに対してどうすべきかということは、先般来本院においても何遍か御論議がございました。 ただ、従来から、実は税制調査会の答申では、所得課税として考えました場合には、いまだ実現していないキャピタルゲインに対する課税であるという御論議が一つありました。また、保有課税として考えました場合、現行の固定資産税や特別土地保有税との関係を整理する必要があるという御指摘もありました。また、企業の生産活動に使われております土地への課税というものは、資本集約型の産業を中心として企業活動にかなりの影響を及ぼすといった御論議もございました。また、企業の所有する土地に負担を求めるという視点から見ました場合に、非常に古い時期から持っていた土地、それから新しく最近買い足した土地、扱いが異なることをどう考えるかといった問題も指摘をされていたわけであります。 しかし、いずれにいたしましても、現在土地基本法が制定をされまして土地というものに対する一つの論議の基盤ができた状況の中で、私どもは、こうした問題を含めながら税制調査会において土地税制の総合的な見直しの一環として御検討いただけるものと考えております。
○佐藤(敬治)委員 何といいますか、一つ一つの固定資産税だとかいろいろな資本集約型だとか土地だとかいろいろ言われておりますけれども、今私が御質問したのはいわゆる土地による含み資産、これを一体このままでいいのかというところが問題になっておるわけで、それに対して一体どういうふうに対処するのか。ただ、こういう話もある、こういう話もある、こういう話もある、総合してやりますと言うんじゃ、何の答えにもなっていないような気がしますがね。
○橋本国務大臣 そうではございません。今私が申し上げましたのは、従来はそういう論議がありまして論議が進展をいたしておりませんでした。しかし、土地基本法という共通の基盤ができました今日、こうした論議があることを承知しながらも、土地税制全体の問題の検討の中の一環として税制調査会において御論議をいただいて、その検討結果を我々は待ちたいということであります。
○佐藤(敬治)委員 わかりました。 それでは、一つ一つの問題についてお聞きしたいと思います。この前も一遍質問しましたので、大ざっぱなところはわかっていますが、簡単に答えていただきたいと思います。 まず相続税に関してであります。 個人は相続するたびに相続税がかかる、それから会社は、企業はずっと相続税がかからぬ、それの積み重ねが一つの含み資産にもなっておるわけでありますが、こういう点に関してはいかがでございますか。
○尾崎政府委員 資産課税としての相続税が個人の場合にはございまして、法人の場合にはそれがございません。法人の場合には、法人の清算をいたしましたときにそこで清算に当たっての所得課税はあるのでございますが、相続税のような資産課税はないわけでございます。その点から税負担に相違を生ずるのではないかという指摘が最近、各方面から行われておりまして、こういう指摘もやはりこれからの税制調査会におきます検討の際に、一つの問題点として議論が行われるものと存じます。
○佐藤(敬治)委員 さらに、企業に対するいろいろな有利な税金として考えられているものにやはり損金算入の問題がありまして、固定資産税が経費として損金に算入される、結局、地価が上がって固定資産税が高くなっても、その分法人税が安くなる、総体として何の損もない。ところが、個人の場合はこれがばっちり取られるので、地価が上がって固定資産税が高くなると大変困る、企業は何の痛痒も感じない。こういうようなことは私は大変おかしいと思うのですが、これを一体、改正する考えが今度の税制の改革の中に入っているのかどうか、大蔵大臣と自治大臣からひとつお聞きをいたしたいと思います。
○尾崎政府委員 御指摘のように、法人の場合には、固定資産税がかかりますと、それが、固定資産税相当額が法人税の計算の際に損金に算入されます。これは、固定資産を事業に使用することによりまして事業収入が得られる、したがってその事業収入に固定資産税を費用として負担させるという考え方でございまして、個人の場合でも個人事業であれば同じことになるわけでございます。しかし、一般の家計で考えますと、住宅にかかってまいります固定資産税は生計費の一部であると考えておりまして、したがいまして損金算入の対象になっておりません。 通常の課税所得の計算の際には、むしろこれが一般的な考え方でありますが、御指摘のように、法人税の経費として落とすということは、法人税の実効税率が大体五割でございますから、半分ぐらいは法人税の方で取り戻しが行われるというような関係もございます。一般に収益と費用との関係でいろいろ議論のあるところでございますけれども、そのような点も御指摘を踏まえて今後の議論が進展していくと思います。
○奥田国務大臣 個人の場合と異なりまして、法人には先生御指摘のように、相続税がかからないあるいは固定資産税等が損金算入されるという形があります。そういったことで、先ほど大蔵大臣も述べられましたように、法人所有の土地税制に関しましてはこれらも含めて総合的見直しの中で検討すべき課題であると考えております。
○佐藤(敬治)委員 こういうのは、個人として見ると何か大変不公平を感じるもとになっているのですね。あんなに金持ちな法人が、固定資産税を幾ら取られても結局は何も損しない、個人は真っ向からこれを取られておかしいじゃないかという不公平感の大きなもとになっているのじゃないか、こういうふうに思います。 さらに、もう一つ別のことを今度は聞きますが、同じように損金算入に加算されるものがいろいろありますね。例えば、これも非常に大きな問題になっているのですが、企業が借入金で土地や建物を購入する、その利子と建物の減価償却費がやはり経費として損金に算入される、これなんかも同じような問題ですが、これはどうですか。
○尾崎政府委員 固定資産税の場合にお答えいたしましたように、一般的には借入金の利子のようなものはやはり事業収入に負担されるべき費用と考えるべきものであろうと思います。そのように考えられておりますし、普通の企業会計としてはそういうことになるのだと思います。しかしながら、御承知のとおり、法人が借入金によりまして土地を取得いたしまして、その利子を損金に落とすことによりまして法人の所得を減らすという税負担回避の問題につきまして、昭和六十三年の税制改正の際に、新規に取得した土地に係る借入金の利子について一定期間損金算入を制限するというような措置を講じたりしております。これらの点もあわせまして、土地に関連した税制全般にわたりまして今回の税制調査会土地小委員会におきまして議論をしていただけるものと存じております。
○佐藤(敬治)委員 今、借り入れして買ったものには一定期間税金がかかるようにしているというのは、例のあれですか、土地譲渡にかかわる短期所有のあのことを言っているのですか。赤字法人は後で合算して税金を払わなくてもよくなる、長期になれば、長くなれば。そのことを言っているのですか。
○尾崎政府委員 昭和六十三年十二月三十一日以後に取得した土地につきまして、その土地の取得に係る負債の利子は損金の額に算入しないという措置を講じたわけでございます。これは通常四年間損金算入を認めませんで、四年たちましたところからまた四年にわたりまして分けて損金算入をしていくという措置をとっているわけでございますが、その四年の間に本来の取得の目的に供した場合、例えば、その上に建物が建てられて、工場なら工場として稼働を始めた場合、そこで初めて損金算入を認めるというようなことをしているわけでございます。
○佐藤(敬治)委員 それから、工場跡地のような低利用地、未利用地に課されている特別土地保有税、これも損金算入されております。これは何といいますか、非常に大きな問題になっているのは御承知のとおりでありますけれども、一方で、市街地の農地に対して宅地並み課税を課す。それは、遊んでいるのにうちも建てないで高くなるのを待っている、そういって今宅地並み課税が非常に大きな問題になっているのですね。これは法人でも同じだと思うのですよ。遊ばせておいて、そして地価が高くなるのを待っている。しかも、それを含み資産にして、巨大な借金をして、そうしてあちこちで猛獣のごとく暴れ狂っている。全く獅子よりもっと悪いですね、これは、市街化農地よりも。しかも、面積にしても膨大な面積であります。これをこのままにしておくということはやはり大変大きな問題になると思う。これをこのままにしておいて、片っ方では市街化農地の宅地並み課税をするなんということは全く片手落ちになるわけですね。これはいかが考えますか。
○湯浅政府委員 低・未利用地に対する保有課税を強化すべきであるという意見が現在強く出されているところでございます。こういう観点から、ただいま私どもといたしましても、低・未利用地あるいは遊休地という制度をどのように定めるか、遊休地というものをどういうふうに特定するかということを検討しているところでございまして、そういう遊休地の特定ということがうまくできることであれば、その関係制度や施策の整備とあわせまして、この低・未利用地に対する特別土地保有税の課税の問題につきまして見直しを行いたいということで、現在検討を進めているところでございます。
○佐藤(敬治)委員 遊休地というのはどういうものであるかということを検討するということは時々見るのですね。建設大臣のあたりでも、それから大蔵省の方でも、遊休地とは何ぞやという定義をつけるのに大変苦労をしている。この定義ができないうちはこれに対して手がつけられないような新聞報道が時々出てくるのです。これは何年も前からですよ。何年も前から遊休地をまだ決められないなんという、そんな粗末なお役人、大臣じゃないと思うのですが、わざと決めないで、企業に決めるな決めるなと言われて決めないでいるんじゃないですか、これは。大分前から遊休地とは何ぞやという議論がありますよ。まだこんな話をしているのですね。もうせっぱ詰まってもまだ遊休地とは何ぞやと、おかしいじゃないですか、これは。やる気になれば、たった今でもすぐ決まるんじゃないですか。いかがです、これ。
○綿貫国務大臣 先生御存じかと思いますが、この国会に大都市法あるいは建築基準法、都市計画法の改正案を今度出させていただきました。これによってある程度の区分を明確にしていきたいということでいろいろ、細部については局長から答弁させてもよろしいのですが、まあ、遅まきだと言われればあれですが、今度の大都市法の中身をよく御吟味願いたいと思います。
○佐藤(敬治)委員 やる気らしいから、どうかやってください。 この特別土地保有税というのはどこの所管ですか。自治省ですか、建設省ですか。
○湯浅政府委員 特別土地保有税は昭和四十八年に土地の投機的取引の抑制あるいは土地の有効利用を促進するために設けられた市町村が課税する税でございまして、そういう意味で自治省が所管をいたしております。
○佐藤(敬治)委員 この土地保有税をつくるときは、私も地行の理事でおりましてよく知っているのです。それで聞くのですが、どうもこのごろ新聞を見ますと、自治省から特別土地保有税が出てこないで、建設省のあれでばかり出てきているのですよ。なぜこれは自治省がやらないで建設省がやっているのですか。
○湯浅政府委員 最終的に税制として仕組む場合には自治省がこの制度をつくり、法案として御審議いただくということになるわけでございますが、その制度をつくる過程におきまして、これは先ほど申しましたように、土地問題の政策税制でございますので、土地問題を担当している各省におかれましていろいろとこの税制についての御意見があるのは当然だと思います。 そういうことで、現在各省におきまして、この税制をどういうふうに運用したら有効な土地政策に結びつくかという観点からいろいろ御議論していただいていると思いますし、その点では私どもと御協議をさせていただくことになっております。
○佐藤(敬治)委員 さっきのものがこれかと思ったら、そうじゃなかったのでもう一つ。 短期所有を除いて、赤字法人は土地の譲渡にかかわる税金を納める必要はない。個人の場合、長短を問わず譲渡税は分離課税だ、法人、個人企業の場合は五年以上の譲渡に関しては通常の法人税が課されておる。その結果、不動産所得と他の所得の合算が可能になって税金を納めなくてもいい、こういうことなのですが、これはどうですか。
○尾崎政府委員 赤字法人の課税、これもいろいろと問題になるのでございますけれども、現在短期の土地譲渡につきまして一般の場合二〇%、所有期間二年以下の超短期の場合には三〇%の重課をしているわけでございます。この短期譲渡益に対する追加課税の分につきましては赤字法人に対しましても課税をする、それを支払っていただくという措置を講じているところでございます。
○佐藤(敬治)委員 時間がないので先に進みます。 一番先に申し上げましたとおり、今毎日毎日家計で非常に困っている個人にこういうような有利な税金が何もなくて、金持ちで金が余ってしようがないような法人がこういうような有利な税制をどんどん享受している、ここに非常に不公平感がある。昔みたいに物がなくて何とかして少しでも物が欲しい、物をつくることが、生産第一が最優先した課題であったときは、それで国民は納得しておった。しかし、今のように国民が生活にあえいで、しかも片方の法人が金余りでどうして使ったらいいか困っている、こういうようなときにこういう有利な税制があるということは、国民に対して非常に不公平感を強いているのじゃないか、こういうふうに思われます。私は今話したような、少なくともこういうような損金算入というものを改める必要がある、こう思いますが、いかがですか。政策の問題ですから、これは大臣の方がいいね。
○尾崎政府委員 経理、会計の問題でございますので技術的な面だけ御説明申し上げますと、確かに法人の場合、企業会計の計算をもとにして税制が組み立てられておりますので、おっしゃいますようにいろいろな面で経費として認められる点がございます。しかし、それは個人の場合でも、事業として行っておりますと大体同じようなものが認められているわけでございます。家計につきましては、一般に固定資産税でございますとか借入金の利子でございますとか住宅取得促進税制のような特別に税額控除が認められている例もございますけれども、一般には生計費の中からこれは支払われるということになっておりまして、企業会計とは関係のない世界の話になっているわけでございます。 しかし、その場合いろいろと議論がございまして、最近、平成二年度の税制改正の際に議論になりましたのは、先ほど御指摘の特別土地保有税、これを損金算入にするのはおかしいのではないかという議論がございました。なぜかといいますと、固定資産税などと違いまして、これは遊休地、低・未利用地に対する課税として一種のペナルティー的な要素があるのじゃないか。ペナルティー的な要素を重視すれば損金算入するのはおかしいのではないかというような議論もあった次第でございます。 そのような損金算入の範囲、それからもう一つは、一般に個人の場合に、今度は個人の勤労者等の場合につきましても、他に不動産所得を持つようなことによりまして、そこで支払い利子あるいは減価償却を経費として立てて、それを給与所得と通算するというようないわゆる節税策というのがいろいろございます。こういう他の所得との通算というような問題も含めまして、目下非常に注目されている問題でございますので、これから税制調査会の議論の中で、そのような範囲にまで踏み込んで御討議いただければと考えている次第でございます。
○佐藤(敬治)委員 個人と企業は全然違うのだ、だからこういう有利な税制があるんだというのですが、今企業の金余り、こういうものによって土地が狂乱して、一生働いても住宅も持てない、こういうような状況で非常に関連が強いのですよ。だからそれに関連して、何だおれたちは一生働いて家も一軒持てないのに、企業はあんなにしてどんどん金遣いに困っているじゃないか。非常に大きな関連があると私は思います。ぜひひとつこういう点を考えながら税制の改革を進めていただきたい。 自治大臣にお願いします。この前もちょっと御質問しましたけれども、今市街化農地の宅地並み課税をやっているといいますね、この宅地並み課税をやって一体どのぐらい地価を抑えることができる効果がありますか。時々見ると、一コンマ何ぼぐらい地価が下がるなんという論文が出たりしているのですが、どういうふうに見ているのですか。これをやると地価を完全に抑えたりあれしたりすることができますか。これは前々からの問題で、よく宅地並み課税をやると住宅の問題が一挙に解決するような感じを持っているのです。いまだに持っていると思いますよ、私は。どういうふうに考えているのですか。
○湯浅政府委員 市街化区域農地の宅地並み課税の問題は、二つの観点から考えるべきだと思うわけでございますが、一つは、この市街化区域農地というのは届け出だけで宅地転用ができるという観点から、周辺の宅地との税負担の均衡を図るべきだという考え方からこの宅地並み課税の問題を論ずる問題が一つあると思います。 と同時にもう一つは、長期に営農を継続しようとする者に対しましてどのように脱負担を調整していくかという立場からの御議論があろうかと思います。その場合に、その営農を継続する者とそれから宅地の供給を促進しようとする考え方との間でいろいろと御議論が出てきて、現在の長期営農農地というものが必ずしもうまく機能していないのじゃないかという議論が出ているのではないかと思うわけでございます。 そういう観点で、今御指摘のように、これを全部やったらば地価がどのくらい下がるかというような問題につきまして、私どもは必ずしもそういう点で十分議論はしたことがございませんけれども、固定資産税の税負担の均衡を図るという観点、それから土地政策としてこの問題をどのように考えていくかという二つの考え方から、現在宅地化する農地と保全する農地というものを明確に区分をして、それでこの市街化区域農地の問題につきまして見直しを行おうではないか、こういうことで現在検討を進めているところでございます。
○佐藤(敬治)委員 この間も私ちょっと指摘しましたけれども、東京都の土地の中で、昭和三十年に宅地が二八・九%あった、農地が三六・一一%あったんです。これが三十年たって六十年になりますと、宅地が五四・六%、農地が一三%になっておるんです。物すごく減っているんです、農地が。三分の一になってしまっているんですよ。しかし、これで住宅難が解決されたかというと、何の解決もされない、ますます困難になっているだけなんです。 今の議論を聞いておりますと、結局あれをとにかくつぶしてうちを建てろ、宅地にしろ、住宅供給源にしようという、そういう一方的な方向しかない。だから残しておく。生産緑地にするとか今度はつぶして宅地にするとかどっちにするとかいって、もう何年かかってもわからないような小田原評議を重ねておるんですね。 ところが、これを別の観点から見ますと、例えばこれは政府の出したあれですけれども、この市街化内農地というのはどのくらいあるか。東京都の中には八千四百十七ヘクタールあるんです。これを二十三区で見ますと、区部で見ますとたった千七百四十四ヘクタールしかないんです。東京というのは世界で一番空地の少ないところなんです。せっかくある空地をつぶすという手はないと私は思うのです。非常に貴重な空地だと私は思いますよ。だから、これを農地でもいいし何でもいいから、つぶしてうちを建てるんじゃなくて、永久にこれを空地にして残す方法を考えれば、今みたいなジレンマが全然出てこない。全部残す。うちなんか建てなくてもいい。むしろ今はうちのあるところをつぶして空地にしなければいけないような状態のときに、せっかくある貴重な農地をつぶしてうちを建てるなんというばかな話はないと私は思うのだ。結局これを空地にして残しておいて、農地でも何でもいいんですよ、残しておいて、売るときは必ず例えば東京都なら東京都へ売る。東京都に金がなければ起債を起こして、そしてそれに対して国が利子補給してやるという制度が、あれは特別土地保有税じゃないし、規制区域か何かにあるんですね、そういう制度が。あれをそのまま適用すればそのままいくんですよ、これは。残しておくべきだ、こういうふうに思いますけれども、まず建設大臣いかがですか。
○綿貫国務大臣 先ほどから佐藤先生にいろいろ御指摘を受けておりますが、農地の問題、それから低・未利用地の問題等々を含めまして、昨年の十二月の土地対策閣僚会議におきまして、地価対策につきましては、やはり規制と供給、この二つからいくべきだというような方向づけがなされたと思っております。それを受けまして、このたび、先ほどお話し申し上げましたように、広域的な計画体系の確立、都市計画制度の整備、既成市街地の土地の有効利用の促進等の新たな施策を内容とする法律案を今回出させていただいたわけであります。 それで、市街化区域内の農地については、都市計画において保全するものと宅地化するものとの区分を明確にいたしまして、計画的な宅地化を図ることが基本になっております。このために、宅地化する農地につきましては、土地区画整理事業、地区計画制度等の活用を図るとともに、今般の法律案に中高層集合住宅の建設を促進するための地区計画の創設等を盛り込んでおるところであります。 このような都市計画制度の整備充実とあわせ、宅地供給促進の観点から、関連税制の見直しが必要と考えております。これにつきましては税制調査会で既に御論議をしていただいておりますが、これらの一連の施策によりまして、この宅地供給の問題を通じまして地価の安定に資し、また一般の勤労者向けの住宅の増強についてもつながっていくものだと考えております。
○佐藤(敬治)委員 私が考えているのと全く反対の考えなんですよ。私の言っているのは、宅地供給なんか、そっちばっかり向いているから、少しでも空地をつぶして宅地をつくることばかり考えているからだめだと言うのです。私のは、宅地にしたいところもみんな宅地にさせないで空地にして残しておきなさいというのですよ、私の論議は。あなたの論議は、とにかくすきがあればとらまえて宅地にしようという考えなんだ。すきがあったら空地をつくれ、こういうのが私の論議なんです。これはどういうふうにお考えですか。
○綿貫国務大臣 市街化区域内の農地につきましては、住宅供給を図る上でも、市街化地の環境を保全する上でも、都市計画に残された貴重な空地ということは認識いたしております。 このために、市街化区域内農地については、保全するものと宅地化するものと区分することとし、保全すべき農地については、環境保全機能及び多目的保留地機能に着目して、その計画的な保全を図るよう、生産緑地地区制度の積極的活用を図っていく、こういうことであります。
○佐藤(敬治)委員 わかりました。とにかくこの市街化区域というのは非常に人口の密集した、住宅の密集した地域なんです。だから、密集した地域に住宅を供給するのはあれかもしれませんけれども、密集した地域にそんなものを建てたら人口が集中してもうますます困るじゃないかという、これは不動産業者のそういう考え方もあるのですよ。そのことをよく考えまして、ただ一方的につぶすつぶす、うちを建てればいいというものじゃないので、よくひとつそのことを、建設大臣として都市をどう計画するかということをよく考えて、一方的にただ住宅を建設するということにとらわれないで、ひとつ考えていただきたいということをこの際御注文しておきたいと思います。 さらに、宅地並み課税に関して自治大臣にお伺いします。 宅地並み課税というのは一種の追い出し税ですね。税金を高くして売らなければいけないようにするという追い出し税なんですね、一種の。ところが、その武器に使うのが固定資産税なんですね、固定資産税を普通並みにする。ところが、固定資産税というのは土地政策に対する税金じゃない。そうでないものを追い出し税に使うというところに一つの矛盾があるのです。私は非常に心配しているのは、今日米協議の中でもこういうことがありますね。納税者の税負担を一定に保つために、地方自治体が徴収する固定資産税を増額せよという要求がある、アメリカからも。今たまたま評価がえの時期に来ているわけですね。私は、この追い出し税でない固定資産税を追い出し税に使うために、固定資産税の評価というものを高くするとか税率を高くするとか、何かそういうことを考えているのじゃないかということをちょっと心配しているのですが、いかがですか。
○奥田国務大臣 先生の御指摘のとおりに、固定資産税は毎年継続的に保有することを前提に、しかも評価がえに当たってもなだらかに、そういった形で三年ごとに評価がえをやっておるところでございます。 確かに、東京なんかの場合、大都市もそうですけれども、特別な期待価格とか、今そういった地上げ屋さんらによる不正常な要素で評価されている分が随分多いと思うのです。ですから、そういう点は十分配意させて、特にそういった長い間継続して保有して住居に住んでおられる皆さんに、極端な負担にならないという形の中で指導してまいっているところであります。
○佐藤(敬治)委員 ぜひひとつそれを考えていただきたい。土地が非常に上がっている、それに均衡させてまたやる、そうすると固定資産税そのものが追い出し税になりかねない、このことをよくひとつ御注意して今度の評価に当たっていただきたい、こう思います。 それから、これはもうきのう私の方の川崎委員が十分に論じましたので、私が論じる必要はないと思いますけれども、人口一極集中排除、多極分散というのが非常に大きな命題になっている。今いろいろ言いましたけれども、どんなことをやっても東京にこれ以上どんどんどんどん人口が集まってくれば、住宅は何ぼ供給してもそれ以上に人が、需要が高まればどうにもならない。この一極集中排除が一番大きな根本的な問題だと思います。 この前、首都移転の問題なんかも申し上げましたけれども、きのう私の方の川崎委員から申し上げましたように、今アメリカから迫られて公共投資をGNPの一〇%にしよう、非常に大きな拡大、かなり拡大しようとしておるわけです。これをぜひ、東京にこれ以上人口の集まるような便利な都市にしないで、困っている地方の都市をもっと便利にして、東京の人が地方の方へ移住するようなそういう施策にぜひひとつ使っていただきたいと思いますけれども、これはどなたですか。——農水大臣、結構ですから、どうぞ。
○橋本国務大臣 今委員が御指摘をいただきましたポイントは非常に構造協議の日米の論議の中でも大切なポイントの一つでありまして、アメリカ側のアイデアとして出てまいりましたものは、むしろ都市集中を加速させる可能性のある考え方でありました。我々としてはそういう考え方はとれないということで、御承知のような考え方を取りまとめてアメリカ側に提示をいたしておるところでありまして、今委員が御指摘になりましたような問題意識を持ってこれに当たっております。
○佐藤(敬治)委員 私どもは地方に住んでおりますけれども、地方には高速体系がだんだんできてきました。しかし、今の高速体系というのは、ほとんど東京に来る、東京を向いたやり方なんです。ところが、同じ今度は地方に行きますと、地方の都市間の交通というのが非常に足りないんです。例えば、私は秋田県で自分のことばかりを申し上げて予算委員会でまことに申しわけないんですけれども、私は大館というところの青森県境のあたりにいる。真ん中にある秋田市に行くのに何ぼ急いでも、一番早いのは列車ですね、一本か二本しかない、それで行って一時間四十分かかるんです。車で行くと二時間半、交通ルールをしっかり守っていくと三時間以上かかる。どうにもならぬのです。これは同じ県内ですよ。今そんなところないんです。これは、私は秋田県だけじゃなくてあっちこっちにあると思うのですよ。 それで、高速道路をつくるとき、例えば私の方で日本海縦貫というのをつくろうとしているんです。これを南の方から、東京へ近い方からだんだんつくっていきますと、北の青森の方へ行くまでに十年も十五年もかかるのです。その間黙って我慢していなきゃいかぬ。だから、これを区画を分けまして、例えば今言いました大館と秋田の間、こういう一番不便なところを先に着工して、まずその間を利用さしておいて、それをだんだんつないで東京へ来るようになれば、これは非常に地方の人が助かるので、ひとつ手法としてそういうことを考えていただきたい。同じ路線でも不便なところからかかって先に利用させるような方法、こういう方法はできませんか。
○綿貫国務大臣 四全総の中に多極分散型国家ということがうたってありますが、特に地方重視ということで、その目玉はやはり高規格幹線自動車道であります。今御指摘の、確かに大館から秋田空港まで三時間かかるそうですね。そういうようなこと等々考えますと、確かに飛行場から東京へ来ると一時間半、一時間ぐらいでしょうね。そう考えると、まさに地方のそういうネットワークがおくれておるということは私どもよく存じております。 今、高規格幹線自動車道、一万四千キロでございまして、二十一世紀までに九千キロの開通と言っておりますが、今公共事業拡大等々の問題も出ておりますので、ぜひ前向きに、今おっしゃるような地方の発展のためにこの高規格自動車道がさらに果たす使命が大きいわけでありますから、促進について努力をさせていただきたいと思っております。
○佐藤(敬治)委員 それで、今高速体系からずっと道路の整備体系からできてきているけれども、ぽつんぽつんと残されているところがあるんですね。そういうところ、幾らつくってくれと言ってもなかなかつくれない。それで、我慢に我慢を重ねてどうにもならないので、そこへ地方空港をつくろうとする計画がずっとできてきているのです。これは全国に何カ所かあります これは運輸省ですか。こういう計画はどのぐらいあるんですか。
○丹羽政府委員 一般に地方空港のその問題として取り上げていきますと、ただいま第五次の空港整備五カ年計画というのを進行中でございます。それで、本年度がその最終年度でございますので、来年度から第六次の空港整備五カ年計画を策定いたそうと思いまして、今航空審議会でその内容につきましての御議論をいただいているところでございます。 さらに突っ込んで申し上げますと、もう一つ、一般の地方空港の中でも、滑走路が短いとか簡単な空港で地域航空のための空港というものの考え方がございますが、一般に言われておりますのは例えばコミューター空港、そんなようなことでございますが、これにつきましては、私どもの今の空港整備五カ年計画の中で当然議論していく問題でございますけれども、今現在考えております五カ年計画の中の考え方といたしましては、第五次の五カ年計画でございますが、地方公共団体が設置、管理主体となりまして、当面、空港の空白地域のうちでも既存空港へのアクセスに比較的長時間がかかる、そういう地域を中心にいたしまして、航空輸送に対するニーズだとか需要とかそれから地域開発効果、そういったようなことをいろいろ勘案いたしまして、地方公共団体の支援によりまして、これはエアラインが最終的には飛ぶことになりますので、航空運送事業が維持されるというようないろんな問題を検討いたしまして整備を進めていくということにいたしております。 それで、ちなみに平成二年度の政府の予算原案におきましては、但馬空港、四万十空港、天草空港、それから枕崎空港、この四つの空港の整備のための国費を十六億円計上いたしてございます。
○佐藤(敬治)委員 四つの空港を十六億円、調査費だろうと思いますが、これを計上している、こういうことですか。十六億円というのは調査費ですか。
○丹羽政府委員 事業費でございます。これのコミューター空港につきましての国の助成の考え方は、地方公共団体がやる場合につきましてはその事業費の四〇%につきまして助成していくという考え方を持っておりまして、ただいま申し上げました四空港につきましては、調査費ではなくて事業費でございます。
○佐藤(敬治)委員 何といいますか、こういう但馬それから四万十、天草、秋田、こういうところは本当にもう、今さっきも私言いましたように、ぽつんと取り残された空白地帯なんです。どこの空港に行くにも、我々は秋田空港に行くのに早くて三時間半、四時間かかるんです。それから羽田までたった五十五分ですよ、五十分ですよ。こんなところで生活するなんということは今ごろあるはずがないんですよ。だから、どうかこういうところを、どうせ今度は公共事業も増大するというのですから、ぜひひとつお考えになっていただきたい、こう要望しておきたいと思います。 それからあとは、建設大臣、もうお帰りになって結構です、私の場合は。 消防庁長官、おいでになっておりますか。こっちの方へ座って。そこから出てくると時間が足りなくなるから、前の方へ座っていてくれませんか。 それでは御質問をいたします。 この間は長崎屋の尼崎のスーパーが火事になりました。何年かたつと必ずこういう火災が起きてくるんです。私は、実は地方行政委員会におりまして、火事のたびに質問してかなり蓄積を持っておるのです。それで、このたびの火事でもひとつ御質問したいのです。 いろいろな問題がありますけれども、このいろいろな問題というものは何回も火事のたびに同じことが言われているのですね。私は、一番問題なのはここのところじゃないか、こういうふうに思っておるのです。なぜ火事のたびに同じことが指摘されて、そして同じことを反省して、そして同じことがまた起きるか、ここのところが非常に大きな問題だと私は思っております。言われることはほとんど同じなんですね。 一番大きな問題はスプリンクラーの問題です。これは常に、スプリンクラーがなぜ作動しないか、スプリンクラーがなぜついていないか、この問題が取り上げられているのです。ほとんどスプリンクラーと、もう一つは後で申し上げますけれども煙の問題に集中されているのですね。ここのところがこれから十分考えていかなければいけないところなのです。 まず第一に、このスプリンクラーのついていない百貨店というのは、消防白書によりますとまだ二十二カ所ぐらいあるのですね。九九%ぐらいやっているけれども、まだ一、二%ついていない。それでも見ますと二十何カ所というかなりな数字になっている。こういうところが非常に大きな危険地帯になっている。それからもう一つは、長崎屋の場合に見られるように、ボーダーラインで何もつけなくてもいいところがある。そのつけなくてもいいところが、売り場面積が基準になって、倉庫みたいになった、事務所みたいになっておるところが外されて、そのためにつけなくてもいいなんというところもある。だからこういうところは、例えば長崎屋の火事の中心になった布団の売り場、これが燃えたら今みたいに有毒ガスが出て一気に人間が生きていられないああいう状態になる。そういうところに面積は少なくても重点的にスプリンクラーをつけさせる、画一的に何ぼ面積が足りなければつけなくてもいいじゃなくて、画一的じゃなくて、重点的に機動的にスプリンクラーを設置するということが必要ではないか、こう思います。 それから、これは時間がないのでどんどんしゃべっていきますけれども、さらに、今みたいな膨大な金をかけなくてももう少し安くできる簡易的なスプリンクラーをつくれないだろうか。今だと大変な金がかかるのです。このスプリンクラー設置のときに、消防法改正のときにこれをやろうとしたら小さいところからめちゃくちゃに反対が起きてきて、ちょっと消防法を改正したことがあるのですね。変えたことがあるぐらい膨大な金がかかるので、幾ら融資の制度をつくってやってもなかなかできない。そこでもう少し、あれほど膨大でなくても、簡単につくれるようなスプリンクラーの開発というものができないものかという気がいたします。 その二つについて、いかがですか。
○奥田国務大臣 私、就任早々であったものですから、特に長崎屋のあの火災について特別な対応策を命じたところでございます。それは今先生が言われたとおり、スプリンクラー設置は基準に対してもっと厳重にやるべきである、特に不特定多数のたくさんの毎日出入りされる方、そういう商売、特にスーパーのような商売に対して、今言われたとおり一つの基準面積、ちょうどボーダーラインでつけなくてもいいというような形でマル通マークが上がっておるといったような形からあのような悲惨な事故になったわけですけれども、これは早速検討委員会をつくらせまして、そして法改正も含めて、目下しっかり、委員の方もそういった専門家、学識経験者を入れて取り組んでおるところでございます。特にそういった技術的な開発面もありますから、そういった専門家の方も入れて今検討中でございます。 そして、煙の問題が……(佐藤(敬治)委員「煙は後で聞きます」と呼ぶ)はい、わかりました。
○佐藤(敬治)委員 今、煙が出ましたけれども、火事があるとすぐ煙が発生して、煙でほとんど死んでいるんです。熱で死んでいるんじゃないのですよ。それで、それが物すごい速い時間に瞬間的に起きてくる。一分か二分でもうそうなっているのです、三分間生きておられればこれは遅い方なんです。ですから、初期消火なんて人間が消火器を持って消すなんということは絶対できない。だから頼るものはスプリンクラーしかないんですよ。だからぜひこのスプリンクラーを金がかからないようなものができないか、あるいはまた機動的に重点的にやることができないか。少なくともこれを二つぐらいはやって、初期消防というか消火に威力を発揮するような方法を考えていただかなければ、火事が起きればもうおしまいということになりかねないので、どうかひとつよくその点をお考え願いたい。 それからもう一つお聞きしますけれども、スプリンクラーを設置した場合と設置していない場合では、保険料の割引率がどのぐらい違うのです。
○大津政府委員 大型店舗の火災保険につきましては、損害保険料率算定会が客観的なデータに基づいて算出しました保険料率を損害保険各社が適用しておりますが、この料率の中で一定の条件を満たすスプリンクラー設備を有する場合には、一〇%から三〇%の割引制度が設けられております。
○佐藤(敬治)委員 外国ではどういうふうになっているのですか。例えばアメリカやなんかではどうなっています。
○大津政府委員 諸外国の例につきましてはすべて承知しているわけではございませんが、例えばアメリカの場合では一五%から七〇%、西ドイツの場合では二〇%から六〇%の割引がなされている例もあるというふうに聞いております。
○佐藤(敬治)委員 今度は大臣、大蔵大臣かな、これは。 今のように、日本では一〇%ないし三〇%の割引率なんですね。アメリカへいくと一五%から七〇%、西ドイツへいきますと二〇から六〇、こういうふうになっているのです。かなりな差がありますね。私もなぜ聞いたかというと、これをもっと、アメリカ並みでなくても西ドイツ並みぐらいでもいいから、スプリンクラーをつけたいという誘惑に駆られるようにうんと割引率を高くすべきだ、そしてスプリンクラーをどんどんつけさせるべきだ、こういうふうに考えますが、これはどっちに聞いたらいいのかな。
○大津政府委員 ただいま割引率の数字を御説明申し上げましたが、ただ、その前提となります、例えば基本となります火災保険の料率を比べてみますと、例えば保険金額千円に対しまして日本は一円九銭、アメリカは一円九十八銭、西ドイツは二円三十銭というように料率水準が違っているということもございますし、またスプリンクラー設備の能力等にもいろいろ開きがあるというようなことで、割引率の相違というのが出ているのではないかというふうに思っております。
○佐藤(敬治)委員 能力が足りなかったなら、これだけのハイテクの経済技術大国なんだから、これはアメリカよりももっと立派なものをつくるように開発すればいいのですよ。できないはずはないな、アメリカにできて。 さらにまた、一円九銭、一円九十八銭、二円三十銭で、向こうは高いから少し下げても損しないんだというような話らしいのですが、これは一つの政策としてやるのですからね。全部を下げろと言うんじゃない、例えば危ない不特定多数の人が入るところだけ下げなさいと言うのですから、政策的には十分考える余地がある、こういうふうに思います。これはお役人さんじゃなくて、どうかひとつ……。
○橋本国務大臣 事務方は事務方なりの考え方で御説明を申し上げたわけでありますけれども、私はこれから先、やはり料率を検証していく中で、やはりそれだけスプリンクラー設備に能力の差異があるとするならば、やはりそういう能力ができるだけ向上することにも資するような考え方を持ち、割引幅の拡大の可能性については研究していきたいと思います。
○佐藤(敬治)委員 ぜひひとつお考えになっていただきたい。これはもう火災の対策としては一番大事なことなんです。最重要問題でありますので、ぜひひとつ考えていただきたいと思います。 それから煙の話です。最近の一番大きな問題は、火事の対策として考えなければいけないのは煙。熱で殺される人はほとんどいない、全部煙で死んでいる。今度のものも十五人亡くなっていますけれども、全部です。こういうようなことなので、建物の構造あるいはまた火事に対して煙が発生したらどういうふうにしてこれを退治するか、この方法等が一番大きな問題だと思います。 最近、これも私の町のあれを申し上げてどうもちょっとあれですけれども、いつもそう思って歩いているところにこの長崎屋の火事が起きた。ジャスコという店が私のところに新しくできました。片っ方の方が角屋敷に建っておりますが、片っ方がずっとほとんど窓がないんだ、一面全部べた壁なんだ。これは倉庫じゃないか、町の真ん中にこんな倉庫みたいなのを建てて、町の繁盛のためにも悪いなと思って歩いているのですが、これは火災のためにはもっと危険なんですね。入り口が非常に狭い、中へ行くともうごちゃごちゃたくさん、危険だなと思って見ていたら尼崎の長崎屋の火事が起きたので、私はこれは非常に危険だと思っているのです。最近のあれは、飾り面積を大きくする、物の陳列の面積を大きくする、それから自然光じゃなくて、中でいろいろな、よく見さしたりいろいろなものをするというので、窓がどんどんどんどん少なくなる可能性がある。非常にこれは一つの危険性をはらんでおります。この点について、これから消防の形からも大いにひとつ考えていく必要があるのではないか。これはきょうは、通産大臣もデパートの許可の所管大臣だし、建築は、うっかりして帰しましたけれども、建設大臣の関係なのであれですが、消防の関係からどう思いますか。——住宅局長いる、ああ、ちょうどいい。
○伊藤(茂)政府委員 今回の火事に関しまして、排煙関係のことについての御指摘でございます。私どももいろいろな火事を見てまいりまして、煙の関係は非常に重要な視点だというふうに思っております。 今お話がありましたように、最近の建築物は外側から、外観から見ますと御指摘のような形のものが大分ふえておりますが、私どもその場合には、排煙設備の関係でありますとか、中の内装の問題でありますとか、必ずそれに対応して煙対策が十分いくようにということで基準をきつくしておりますので、問題はないのではないかと思っております。ただ、今回の尼崎の件につきましては、御案内のとおり過去の基準が適用される建物でございまして、排煙関係については設備がなかったというふうに聞いております。
○木村政府委員 煙の問題につきましては、御指摘のとおり今回の火災で非常にはっきりとあらわれましたように、まず煙が極めて速いスピードで上階に上がっていって、避難する間もなく多くの方が悲惨な死を遂げられたということでございます。私どもといたしましては、煙を感知するセンサーは大変発達してきておりますので、これを取りつけた防火戸を持つ避難通路等の設置と、そしてこれを完全に管理していくというようなことが大変必要ではなかろうかと考えております。また無窓の階というのが、フロアができつつあるわけでございますが、できるだけバルコニー等を設けて避難しやすくするというようなこともお願いをし、御承知のように建築物につきましては消防同意というものがございまして、建築物が建つ時点でいろいろ協議がございますので、努力をしてまいりたいと考えております。 それで、特に今回大臣からの指示もございましたので、物品等販売店舗における防災安全対策の検討委員会を設けましたが、この検討委員会には、建築物の規制との関係をさらに深くする意味から、建設省の防災担当の課長さんあるいは建築研究所の専門家の方に入っていただいて、煙の対策等につきましても建築基準と防火対策をあわせ検討するように努力をいたしております。
○佐藤(敬治)委員 今たまたまセンサーなんという話が出ました。センサーなんというものはそんなに金がかかるはずはないと思うんですよ。センサーも何にも働いていないのです、今のものでも。 バルコニーをつくれという話、これも随分前からあるけれども、新しいものでバルコニーをつくった建築なんというのはいまだ全然ないのです。バルコニーで助かった例は何遍もありますけれども、しかし今新しくつくっておるところで、デパートなんかでバルコニーをつけてつくっているところは全然ないですよ、新しいスーパーでも何でも。何にもやっていないのですよ。 私は羅列的に申し上げますけれども、危険な階には強力な排煙設備をつけるべきだと思うんですよ、うんと強力な。全部つけなくても、例えば寝具だとか、ああいうシアンの出てくる、ガスの出てくるようなところには強力な排煙設備をつけるべきだ、こう思います。 それからガスマスクを常備しておく。これは全部につけるのでなくても、だれか店の避難の指導がいても、その人が、リーダーが倒れてしまえば何にもできないのです。今回もそうなんだ。煙に巻かれてしまって避難階段がどこにあるのかも何にもわからぬ、そういう状況が報告されているんです。だれかリーダーが一人でもガスマスクをつけて誘導すればできるかもしれないのですよ。それを消防庁に私が川治かどこかのときのを聞いたら、ガスマスクをつけるとかえって有害だと言って答えた消防庁長官がおりましたけれども、なぜ有害なのかそのわけを尋ねたいと思うけれども、そうして答えた人がいるんです。私はガスマスクをつけて、そうして一人でも二人でもガスマスクをつけた人がいて、目が見えて誘導することが必要ではないか、こういうふうに思います。 それから、ベランダの話は今しましたが、有毒ガスを多量に発生しないような材料を開発することが必要じゃないか。これはなぜ言うかといいますと、デパートだけじゃないのです。普通の住宅の火事でも、布団やああいうのが焼けてシアンが、有毒ガスが出て死んでいる人が非常に多い。普通の住宅でも煙に巻かれて死ぬ人が非常に多い。だから私は、これからの一つのもっと息の長い問題になるけれども、有毒ガスを発生しないような材料の開発というのが必要ではないか。これはまあ自治大臣に話してもどうにもならないことだけれども、こういうことが必要ではないか、こういうふうに思います。いかがですか、これは。
○木村政府委員 ガスマスクのことでございますが、私どもは効果的なガスマスクが開発されればそれを備えることは大変有効なことではないかと考えます。現にそういった簡単なガスマスクについて指導を始めているところもありますので、現在の検討委員会でさらに検討を深めさせていただきたいと思います。 それから、有毒ガスが出ない建築素材あるいは販売物品の素材を開発せよということでありますが、これは大変私どもからすれば難しい問題でありますけれども、それにこしたことはございません。ただ、煙で亡くなる方の圧倒的な多数は有毒ガスが出る前の普通の一酸化炭素だけの煙で亡くなってしまうということの方が多いわけでございます。したがいまして、気長く有毒ガスの対策を待つまでもなく、煙が上がらないようにするという防火設備の設置と管理に努力をいたしてまいりたいと考えております。
○佐藤(敬治)委員 これは、川治の火事のとき近藤消防庁長官がこう言っているのですよ。「マスクがかえって害となって被害を拡大するということにもなりかねません。」と答えてあるのですがね。これは近藤消防庁長官、答弁が議事録にちゃんと載ってあるのです。 最近のデパート、スーパーなんかへ行きますと、売る人、売り子が違うんですね。今はどこのデパートでもパートが非常に多い、パートが。それからアルバイト化している。それから自分の店、固有の店じゃなくてテナント化している。こういうのが非常に多いのです。こういう人がどんどんどんどん交代していきますと、幾ら訓練してもどうにもならないことが出てくる。したがって、こういう問題に対してどう避難誘導訓練をきちんとやっていくか、これが大きな問題になってくるんではないかと思います。 このごろは、時々ぽこっと大きな問題が出てくるけれども、大きな悲惨なものは今度しばらくぶりですが、しかし火事の件数が少なくなったわけじゃないのです。これこそ消防白書によりますと、毎年二百件ぐらいずつ大型店でもって火災が出火しているとここに書いてある。したがって、いつどうなるかわかりません。しかも、その中に入っているのが、しょっちゅう店員自体が、中にいる人自体が不特定多数になってしまっている。こういう問題をどういうふうに訓練を徹底させていくのか、ここの問題はいかが考えますか。
○木村政府委員 御指摘のように、最近の大規模の店舗には、大変パートとかアルバイトの職員が多くなってきております。パートと申しましても、長年にわたってパートとしてその店に勤めている方もおりますし、本当に短期間だけ勤める方もおります。そういった長期にわたっている方々には、やはり安全制度の中に繰り込んで、初期消火でありますとか避難誘導に当たってもらうような訓練を、パートを含め徹底するよう指導してまいりたいと考えております。また、極めて短期間働くアルバイトとかパートの方々は、むしろお客さんと同様に早く逃げていただくことの方が大切だろうと思いますので、そういった避難訓練も徹底させていきたい、こう思います。
○佐藤(敬治)委員 まあそうですな。 それで、その防火責任者の問題ですが、防火責任者というのは大抵店のだれかがなっているんですね、店のだれかがなっている。しかし、その人は防火を専門にしているわけじゃないから、むしろ店の仕事に専念しているものだから、防火というのは要するに看板かけてあるだけで何もやっていないのですよ。だから、いざというときは何の役にも立たない、こういう問題がある。 そこで私は、うんと大きなところだと全部につけるわけにはいかないけれども、各階ごとに、各階でなければ二つの階を一つにするとか、あるいは三つの階でもいいから、専門のやはり何か少なくとも半分以上は防火対策に専念するような人を置いて、そして、その人は半日なら半日、消防署に勤めて消防の訓練を十分やって、給料を半分だけデパートからやる。このごろはやっている、会社から給料をもらって秘書をやっているというようないろいろな話があるけれども、あれをやって、デパートで給料を払って昼間は消防の職員を置いて、そして専門的にやはりこれを指導する人を置いたらどうか。ただ、片手間でやったのじゃ結局置いても何の役にも立たない、形式的なんです。この問題は後でまた触れますけれども、これはいかがですか。
○木村政府委員 御承知のように、防火管理者はある程度そういった防火対策について講習を受けたり、あるいは消防署等で経験を積んだりした人からできるだけ登用するようにというような制度あるいは指導になっているわけでございますが、なかなか半日勤めて半日は消防署というような形態の管理者まで期待することは現時点では困難であろうかと思いますが、ただ、防火管理者というのは、通常はやはり売り上げに専念をしていて、事故が起こるといろいろと責任を問われるということで、大変な仕事であろうと思いますので、経営者の方々にもそういった大変な仕事をお願いしている職員だということを十分徹底していただきまして、その訓練あるいは防火管理の徹底に努めるよう努力をしたいと思います。
○佐藤(敬治)委員 あなた、そう言いますけれども、防火責任者となっておる人は店の重要人物なんですよ。営業の方に頭がいって、防火なんかに頭がいっていないのです。だから結局のところ、火事があれば、火事に頭がいっていないから、金もうけることだけ頭がいっているから何にも役に立たないのです。そういう人を何人置いても何にもならぬのです。だから、十人とか十五人とかたくさん置かなくてもいいから、最低でもいいから消火に責任を持つ人を、そしてその人が毎日消防署から通って、常に消防が頭にあって営業なんか頭にないような人を置かなければいけない。こういう方法はできないか。
○木村政府委員 この席でそういう制度が実現可能性があるかどうかということは確答いたしかねますけれども、検討委員会において大変いい示唆だということで検討さしていただきたいと思います。
○佐藤(敬治)委員 マル適マークのことでお願いいたします。 このマル適マーク、川治プリンスの火事のときに、何か公表するような制度をつくったらどうだと私が言って、そして消防庁から持ってきましてこれはできたのですが、そのときに私が考えておったのは、不適のマークにしろと、ここは危険だぞというマークをつけろと言ったのです。そうしたら、これは営業妨害になって問題があるので、マル適じゃどうですかと、ここは適しているというのでマル適になった。私はマル不適にしろと言ったのですがね。ところが、このマル適が今非常に評判悪い、マル適ができてなぜ火事になるのかと。これはやっぱりここは危険だぞという表示がなければだれもやらないのですよ。大体これはホテルへ行くと、ホテルのフロントの正面のところについてあるのですね、大きなマークが。しかし、だれも目に入らない。目に入らないというよりも、何にも関心持たない。なぜかというと、ホテルというところは大体安全だと思っているのですよ。安全なところに安全ですとくっつけたって、だれも関心持たないのですよ。安全だと思っているところに危険だといったら、わっ、これは大変だということになるんですよね。そうですよね。まさにそのとおり。そこで私は、このマル適マークを幾らつけても何にもならぬ。今度は逆にマル適マークをつけたのに、なぜ火事が出ておれは死んだなんていって冥途から文句をつけられかねない。 それで私ちょっと考えましたけれども、このマル適マークに対して段階をつける、完全にマル適じゃないぞと。例えば三段階ぐらいつけてA適、B適、C適とか、こういうふうなあれをつけたらどうか。そしてこれを見れば、A適なら完全適合だけれどもB適だと少し危険だぞ、考えなければいかぬなというような注意を与えるような意味で、何かそういう差別をつけませんとね、ただもうみんなマル適になっているのです。今これから申し上げますが、なぜそのマル適が何のマル適でもないかという理由を申し上げます。 まず、この問題についてはどうですか。
○木村政府委員 これは、ホテルの五つ星、四つ星の問題とは少し違いまして、最高、中、劣悪とありますれば、やはりホテルとしては最高をつけなければ営業はできないと思いますので、やっぱり現在のマル適マークを徹底して立派なものにし、かつその後の管理を完全にするという努力をさしていただきたいと思います。
○佐藤(敬治)委員 差別をつけると、なぜおれのところに差別をつけたかという問題が出てくる。だからそれを恐れてだめだと言うのです。いや、大体そうですよ。そういう同じことを議論したことがあるのです。みんなそう言っているのです、消防庁が。だからつけられないかもしれないけれども、しかしこれはやり方なんですよ。やり方なんです。 例えばこれから、これは最後だから申し上げますけれども、この間、長崎屋の火事がありました。十八日に火事が起きて、十八日の夕方に社長と常務が記者会見をしているのです。おわびをしました。もうこんなことは絶対起こしませんというおわびをしましたけれども、その後で、私どもには全然落ち度がありませんということを言っているのですね。開き直っている。こう言っているのですね。尼崎店は、去年の四月に消防署の査察を受けて適マークをもらっている。それから、煙・熱感知器、防火扉は設置されていたが、スプリンクラーは消防法に基づいて設置の義務の対象になっておらないから、つけなくてもよろしいから落ち度はない。避難訓練は年一回で、去年十一月十二日に実施しておる。こういうことをみんなやっておるから、全然落ち度はありませんと言って開き直っているのです。 ところが、これは消防の資料ですよ、消防の資料によりますと、「消防用設備等の使用状況」というのが出ておるのです。消火器、出火階の四階には五本の消火器が備えられていたが、従業員が操作に手間取っている間に放射できなかった。全然使わなかった。それから屋内消火栓、煙に追われて全然放水していない。避難器具、三階に金属製避難はしごが設けられていたのと、救助袋が四階と屋上に設けられていたが、いずれも何も使われていない。五階は事務所や金庫のために収容人員が基準に達せず、救助袋の設置が免除されておった。なかったということですね。それから自動火災報知機、これだけは作動しておったけれども、たびたび誤報があったので、また誤報かというので全然これは用をなさなかった。それから連結散水設備、これも全然使っていない。誘導灯、これも全然確認されていない。結局何にも使っていないのです。しかし、全部設備はしてある。そしてマル適は、この設備をしてあるということについてマル適のマークをつけている。しかし、これは命を持っておりませんよ。使うのは人ですから、人が何もやらなければ何の役にも立たない。こういう状態なんです。しかも、それでもなおかつマル適のマークが交付されているのです。 そこで、私は言うのですが、一番問題なのは、これはどこの火事のときも常に問題になっているのは防火管理者の精神、心の状態だ、これがなければ何を設備しても何もならぬということを何遍も同じことをしゃべっている。だから、火事のときに、前の火災の全部の議事録を持ってきて、それに対する質問とそれからそれに対する消防庁の答弁とを合わせれば、場所と日時を変えれば、同じことを質問して同じことを答弁しているのです。そこで言われている最大の問題は、ハードの問題を何ぼ設備してもそれを使ういわばソフトの問題が確立されなければ絶対に火事を防ぐ、災害を防ぐことはできないということ、これがずっと今までの全部の火事の結論です。私が今言おうとしていることの結論です。どんな設備をしようが、それを使うソフトの面がはっきりと責任ができていなければ何もならぬ。火災を防げない、惨事を防げない。特に防火責任者と社長なり専務なり、そういう人たちの精神状態がしっかりしていないと絶対にだめだというのが私の結論です。 これは、今までの議事録、十何回も全部、千日デパート以来の議事録を見てごらんなさい。もう質問していることと答弁していること、同じことを答弁しているのです。名前と場所さえ違えれば全く同じですよ。そして、そこで言われている共通していることが、今スプリンクラーとかなんかいろいろ少しずつ改良されているかもしれませんけれども、改良されないのは人の心だけだ。これが改良されないと何ぼやってもだめなんです。 そこで、私はさっきのお話のとおりに、もう一遍言いますけれども、ハードに対してだけマル適をやってもだめだ。ソフトに対してもマル適を制定しなさい。ソフトに対してもマル適を制定したらどうか。これが完成しない間はマル適じゃない。だから、マル適の表示にハードのマル適とソフトのマル適と両方張っておけ。そして、ハードのマル適は一年でもいいですよ、これは多少期間が長くてもいいです。ソフトのマル適は半年ぐらいで取りかえろ。そして両方やらなければ一方にはやらない。何かこういうふうなことでもして経営者の精神状態を確立していかなければだめだ、私はそう思います。これがないと何ぼやっても悲惨な災害は防げないと私は思っておりますけれども、いかがですか。
○木村政府委員 現在、マル適マークを交付いたします場合の判定基準は二十四項目にわたっておりますが、その中には、ハードウエアとともに防火計画の内容でありますとか、それに基づく訓練の状況でありますとかも入っているわけでございます。 ただ、委員御指摘のように、ハードウエアは完全であるけれども避難訓練、実際に危機に至ったときにそれを活用する訓練ができていなければ何もならないことは確かでございますので、訓練の徹底、そういった点について何らかの検証あるいは表示の方法があれば検討させていただきたいと考えます。
○佐藤(敬治)委員 私は火事で何回も質問しておるのであれですが、はっきり、建物や設備面などのハードの面と、しかしそれと同時に従業員のソフトの面が必要だということを何遍も答えているのですよ、消防庁が。何遍も答えている、ソフトが必要だ、ソフトが必要だと。しかし、次から次と出てくる火事は全部ソフト不足で災害、惨事を起こしているのですよ。だから、ただしゃべるだけじゃだめなんですよ、これは。もうハードだけじゃだめだと、これはもう今までの火事で痛いほど知らされているのです。そして、自分でもソフトをやらなければだめだと消防庁で言っているのです。それでもなおかつソフト不足でこういうような惨事が出てきている。何の反省もない。しゃべるだけじゃだめですよ。また起きたらどうします。あなたは今度はソフトは大丈夫だと言って、また起きたらどうします、ソフトのために惨事が起きたら。しゃべるだけじゃだめなんだよ。
○奥田国務大臣 今度の長崎屋の火事に関しても、すぐスプリンクラーの設置基準の強化を命じた、そしてこれに対する対応策をすぐやった。これはやはり私は本当に、今言った無責任な体制で反省すべき点もあったと思うのです。そういう点は反省の上に立って、私は、今度の十五名のそういった犠牲者においても、抜き打ち検査もきちんとやり、マル適マークが先生のアイデアでできたということも今お聞きしたわけですけれども、そういった形も含めて厳重にやられておれば、この事故はある意味においてもっと小さい規模の中であれだけの大きな犠牲者を生まなくて済んだのじゃなかろうかということで厳重に注意もいたしました。 今、マル適マークの問題についてソフトとハードを、特にソフトの面についてしっかりやれということでございます。私は、マル適マークが先生のアイデアなら、その下に星つけて、もうA級はソフトの面も完全にやっておる、何回の抜き打ち検査でも、防火戸の前に段ボールを置いてあるような、そんな非常識な店舗はもう星一つにするとか、あるいはマル適を取ってしまうとか、そういったいろいろなことも考えて、今先生のアイデアの上にもう一遍知恵して、ソフトとハードと完全な防火体制を持った店であるということを表示できるような何らかの対応をいたします。
○佐藤(敬治)委員 もう一分ありますけれども、これで終わります。
○越智委員長 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。 次に、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 私は、日米構造協議の問題を大店法を中心にしてお尋ねをしたいと思います。 これまでの協議の経過を見ておりますと、アメリカから一方的に要求を押しつけられて、これにどうこたえるかで日本側は右往左往しているという感じであります。これが対等な協議とはだれも思わないのではないでしょうか。私が不思議でならないのは、中間報告に盛られた内容が日米間の収支不均衡を是正するのにほとんど役に立たないような項目が多いということであります。一番驚いたのは、アメリカに対して、借地法、借家法の改正まで約束しておることであります。 まず、法務大臣にお尋ねしたいのですが、本当にこういうことが国際収支の改善に役立つと思うかどうか、お尋ねします。
○長谷川国務大臣 委員にお答えを申し上げます。 現在法制審議会において借地・借家法の見直しの審議をお願いいたしております。見直しは、借地・借家関係の多様化を初めとした今日及び将来の社会経済情勢のもとで、賃貸人と賃借人との間の公平な利害調整がどうあるべきかという観点から行われております。これにより借地・借家関係の円滑化が期待をされておるが、その結果として現実にアメリカとの貿易収支の不均衡是正にどのような影響を与えるかについては、法務大臣としてはいまだ今日のところで予測はできておりません。
○小沢(和)委員 予測ができておらないというお答えのようですが、これは実際には、私はほとんど改善には役に立たないからここで説明しかねるということではないかと思うのです。 続いて、外務大臣にお尋ねをしたいのですが、そういうような項目ばかりずらっと並んでいるというこの中間報告を実行して、本当に不均衡の是正ができるとお思いでしょうか。
○坂本国務大臣 貿易不均衡が著しいというので、特に議会筋などから問題が大きく提起をされまして、それは一つのきっかけに確かになったことであろうと思います。しかし、この不均衡についてはいろいろな面から考えなければならない。しかし、この不均衡を正すプリンシプルは何かということに相なりますと、ブッシュ大統領もそれから海部総理も、これはやはり保護主義がいけないのだ、だから保護主義と闘いたい。ブッシュ大統領はアメリカの中にある保護主義とも闘いたい、だからひとつ海部総理に援助をしてくれ、こういうことでこの構造協議が始まったわけであります。ですから、保護主義と日米両国ともに提携して闘う、それで自分たちの構造の中に障害があれば、これをひとつまず自発的に排除をしていこう、それが貿易のインバランス問題解決にもつながっていくのである、こういう認識であります。だから、ともに保護主義と闘う。 それから、この構造調整のやり方というものは、SIIと言われますように最後のIはイニシアチブでありまして、みずからの発意によってこれを正していく、こういうところが私は一番大事なところではなかろうかと思っております。ですから、構造調整の対外不均衡に与える効果については中長期的観点から判断されねばなりませんので、その効果が出るまでには時間がかかることはアメリカ側もよく承知をしておるところであります。 また、この構造協議につきましては、これは日本だけが押しつけられるというものではありません。日本からもアメリカに対して十分にその問題点を指摘して、お互いの友好のうちにそのアイデアを認め合ったものについて努力をしていく、こういうことでありまして、双務性を持たせてあるわけであります。それぞれの貿易不均衡の改善は、我が国の努力のみならず米国の努力が相まって所期の効果を発揮するということだと私は思っております。
○小沢(和)委員 中長期的に見れば効果が出てくるだろうというお話ですけれども、しかし、アメリカの方は個々の商品あるいは個々の分野での是正ということではもうどうにもならないというので、いわば日本の経済の体質の改善をやれというようなことまで包括的に迫ってこういう交渉になっているのだと思うのです。だから、これで効果が出なかったということになれば、アメリカはもっと厳しい要求を次の段階では突きつけてくるということになる。私は結局この中間報告をやってもそういうことになるのではないかというふうに思いますが、まあきょうは総論はこの程度で、あと具体的には私は大店法の問題を中心にしてお尋ねをしたいと思います。
○越智委員長 法務大臣いいですか。
○小沢(和)委員 結構です。外務大臣も結構です。 まずお尋ねをしたいのは、なぜ大店法が総選挙直後に開かれました第三回の協議になって突如として焦点の問題になったかということです。
○山本(貞)政府委員 アメリカは、昨年の構造協議、九月に始まりましたが、そのころから大店法につきまして、その当時特に運用につきましていろいろな指摘をしておりました。アメリカの発想は、大店法があることによってアメリカの製品の輸入が阻害されているとかあるいは外国の流通企業の参入が阻害されている、そういう考えを持っている。私どもとしては、その点は大店法によってそういうようなことはないという反論をずっとしておったわけです。アメリカは、そうこうしておりますうちに、九月から今年にかけまして大店法についてもいろいろな勉強をしたようでございまして、その過程の中で大店法の存在、大店法の法律自体についても問題があるのではないかというような指摘をしてきまして、具体的には大店法の将来の一定時点における廃止というのは、委員御指摘のとおり第三回のときに表向きでは最初に出てきたのは事実でございます。そういう経緯でございます。
○小沢(和)委員 今のお話はさっぱりわからぬですね。何か九月以後になってアメリカがにわかにこのことを一生懸命勉強したみたいだなどと言うけれども、そんなことはないのじゃないですか。私は端的に言えば、これは世界最大のおもちゃのスーパーであるトイザラスが一月十九日に新潟に出店表明をした、これから問題がこういう形で出てきたのではないのですか、大臣どうですか。
○山本(貞)政府委員 今御指摘のとおり、一月の十九日に具体的に申請というか意図表明がございました。ただ、トイザラスの日本への進出につきましては、昨年の九月、十月から話がございまして、現にアメリカのUSTR代表のヒルズさんが、たしか十月の上旬だったと存じますが、既にトイザラスの問題についても当時から指摘をしております。一月から初めてということではございません。
○小沢(和)委員 新聞の報道いろいろあります。今言われたとおり、確かに十月の上旬にヒルズ通商代表などがそのことを発言をしております。一連の報道から見ると、トイザラスはヒルズ通商代表だけでなく、アメリカの有力者あっちこっちに大店法が日本出店への障害になっているというふうに訴えて回っておるようです。その働きかけの結果として、日米首脳会談でも大店法の廃止が直接持ち出されたのではありませんか。それから、三月中旬に来日をしたモスバーカー・アメリカ商務長官が七項目、対日要求を出している。その中の一つにトイザラスの早期出店ということが挙げられているのではありませんか。こういうような相次ぐアメリカの有力な政治家たちの働きかけでにわかに構造協議の焦点に浮かび上がったというのが真相ではありませんか。 〔委員長退席、佐藤(信)委員長代理着席〕
○山本(貞)政府委員 アメリカはトイザラスの件も頭にあることは事実だと思います。ただ、主としてアメリカ側の主張でございますが、二つ強く大店法について彼らが主張する趣旨は、先ほど申し上げましたように、大店法があるためにアメリカの製品輸入が阻害されているのではないか、それからアメリカの流通資本が参入できにくいのじゃないか。この後者の方はトイザラスももちろん含んだ問題だと存じますが、アメリカとしてはもっと大きな立場から、かつアメリカではやっていない、小売商業者の事業機会の確保あるいは消費者の保護、その調整で法律ができております大店法、そういうような制度、運用はアメリカにはない、そういうこと自体がアメリカ側としては問題があるという主張でございまして、大きな流れでそういうことを言っておりまして、個別の案件としては確かにトイザラスというのも出てきたことは事実でございます。
○小沢(和)委員 この機会にお尋ねしますが、トイザラス以外にアメリカ系の流通資本で日本への出店を計画しているところがありますか、あるとすればどこどこでしょうか。
○山本(貞)政府委員 過去の歴史の中ではいろいろ交渉もあったりしたことがございますが、具体的に大型店というのは今まではございません。ただ、アメリカの一部流通資本の中で、日本の流通資本と提携いたしまして比較的小さな店をつくろう、あるいはサービス関係の自動車の修理業あるいは自動車部品を売ろうというような計画等は現にございまして、そういう進出は最近でもございます。
○小沢(和)委員 そうすると、具体的に今出店表明しているのは結局トイザラスだけということじゃないかと思うのです。そうすると、トイザラスたった一社のために我が国の大店法の運用を変えろ、将来は法律を変えろ、これは余りにも日本をばかにした要求ではないか、なぜ拒否しなかったのかという思いが今のお答えを聞いてさらに強まったわけですが、大臣、どう思いますか。
○武藤国務大臣 私は、この間から御答弁いたしておりますように、何もアメリカから言われてこの大店法の問題をとやかくしようとしているつもりはございません。昨年の六月に、産業構造審議会の流通部会それから中小企業政策審議会の流通小委員会、この合同会議によって「九〇年代流通ビジョン」というのが提言されまして、そこで、これからの新しい時代の消費者の利益をより考えるという観点からいって、大店法の運用についても思い切って緩和をしていこうという方向が打ち出されているわけでございます。 確かにその中には法律改正まではうたわれておりませんけれども、例えば出店調整期間を思い切って短縮しようとか、あるいは営業時間をもう少し延ばそうとか、休日もふやそうとか、いろいろ消費者の立場に立って流通ビジョンというのがもう提言されているわけでございまして、それを実行していこうという立場にありましたときに、たまたまこの大店法の問題がまたアメリカからも指摘された中でございますので、指摘された以上は、その流通ビジョンの提言を踏まえながら、より一層消費者の立場、また一方はそういう国際的に世界に通用するルール、あるいはまた一方においては、しかしながらそれぞれの地域社会でその地域の経済のために一生懸命御貢献をいただいておる中小の小売商の皆さんのことも考えていかなければならない、こういういろいろのことを勘案をしながら、例えば大店法、正直アメリカはこれを廃止をしろというのが最初の要求でございましたけれども、御承知のような形のものにまとめ上げたというのは、そういういろいろの観点から、私ども今の日本としてはこれが一番最善であろうという形でまとめ上げたということでございます。
○小沢(和)委員 確かに今大臣が言われるとおり、日本側にも今までそういう動きが、政府も「九〇年代流通ビジョン」というものをつくったし、財界などからもそういうような要求があった、これは事実だと思います。だけれども、今度のアメリカ側から提起をされたのを受けて立つ形で、流通ビジョンでは二年間で出店調整をするということになっておったのを、運用で一年半、そして法律を改めることによって一年というように、むしろ外圧を利用して一挙にここでそういうような大型店の出店調整をいわば大企業ベースでどんどん進められるような道を開こう。だから私はそういう意味では、今度の動きというのは、まさにアメリカ側から確かにきっかけをつくったけれども、日本側もそういうことで渡りに船ということで飛びついた、これは日米合作という感じがしてならないのです。 その点については議論を特にしようとは思いませんが、さっきの質問の続きになりますが、アメリカからそういう要求を突きつけられたのに対する我が方の対処というのが余りにも卑屈ではなかろうか。確かに、廃止に対しては廃止まではさせないという抵抗はしたようですけれども、しかし、私は新潟の事例を挙げたいと思うのですよ。 そのトイザラスが新潟に進出をしようとした。それに対してどう対処したかといったら、新潟では関東通産局が指導して、三月二十六日に、それまで出店を表明していた十一社をすぐ全部事前説明をやらせようということを決めて、そして、何と東京でも新潟のことであるのに記者会見までやって宣伝に努めた。いわば、日米構造協議の会議の直前に、こういうふうにやるからひとつ了解してくれということでこういうようなプレーをやったのじゃないのですか。私は、こういう点を見るというと、余りにも対応が、アメリカにどうやって何とか了解してもらおうかということにきゅうきゅうとしているという感じがしてならないのですが、いかがでしょうか。
○山本(貞)政府委員 トイザラスあるいは新潟の出店計画につきましては、今委員御指摘のように、四月の中旬から個別に事前説明を始めようということで今進んでおることは事実でございます。先ほどもございましたが、トイザラス自体は一月の十九日に表明をしておりまして、そういうことで進んでおります。 ただ、本件、新潟につきましては、御案内かと存じますが、新潟では昭和六十年に商店関係の方々が凍結をというような宣言がございまして、大型店の凍結についてそういう意思表示がございまして、この五年間弱、そういう状況でまいりましたが、昨年ごろから新潟市において、あるいは新潟の関係者におきまして、新潟県の県庁所在地としてより大きな圏域を考えて、大型店の出店、それを中心にいろいろな地域開発なりあるいは新潟市の発展を図ろう、そういうような声も出てまいりまして、大型店も受け入れる動きが出てきたわけです。その流れの中で、先ほどございました十一社が新設ないし増設の、第一種店舗でございますが、要請がございまして、その流れが今ずっと動いておるわけでございます。それが動いてきましたのは、確かに私ども昨年の流通ビジョンから出店調整手続について運用を適正化するというのを表明しておりましたので、そういう流れにひとつ呼応したものということは言えるとは思いますが、先ほど委員御指摘のようにアメリカのトイザラス云々というスケジュールとは私は直接関係がないと存じ上げます。
○小沢(和)委員 いや、事実の経過を見れば、あなたが言われるように確かに去年の秋ごろから出店の凍結を解除して受け入れようかというような話が始まって幾つか出ておったけれども、一月十九日にトイザラスがそれを出し、そして日米構造協議でこれが焦点になり、そうしたら三月の二十六日に至って突如として十一店全部やってしまおう、こういうことになったわけでしょう。アメリカ向けのプレーであることはその流れを見ればはっきりしておるのじゃないでしょうか。 新潟の問題というのは、この大店法の運用を改めるいわば全国的なモデルケースとして注目を浴びてもいると私は思うのです。党としてもすぐ調査団を派遣して調査をしてまいりました。地元の市の商店街連盟とトイザラス対策協議会が一昨日抗議行動を行って、多くの商店主が生まれて初めて団結という鉢巻きを締めて立ち上がったわけであります。 この人たちが一番怒っておったのは何かというと、今回は事前説明をやるということについて一言も連絡も相談もなかった、今までだったら一軒出るあるいは一軒そういう説明をやるということについてももういろいろと相談ずくでやってきたのに、今度はいきなりこういうような、表でごらんになるとわかるとおり四つのブロックに分けて、中には四つの説明会全部に顔出しをしなければならないようなところもあるようなスケジュールを一方的に決めて、それで、これでやるんだ。だから商店街の人たちは、これじゃもうまるで問答無用、これからこういうような調子で押しまくってくるのかということで非常に腹立てているわけですね。こういうふうな問答無用ということで今後の大店法の調整というのは実際上やっていくのでしょうか。大臣、どうでしょう。
○山本(貞)政府委員 大店法の運用は、従来からもそうでございますが、主として出店者と地元の商工業者あるいは地元の市町村、県を中心にいたしまして、もちろん通産局も入りまして四者で御相談をして進めております。 新潟の案件でございますが、先ほど申し上げましたような新潟の地元の動きが変わりつつあるということを受けまして、地元の方で、そもそも全体的には地元主導でございますが、地元の方でそういう動き、これは先ほど申し上げましたように全体の大店法の手続なり運用なりが変更になるということをもちろん頭に置いてのことだと存じますが、地元の方から主導的にそういうふうに動きをしたいということで私ども御相談を受けて、そういう進捗状況が今なされているということでございます。 なお、今御指摘の、一方的に説明をという点でございますが、その点につきましては、従来とも地元中心でございますし、今後とも地元中心でございますが、私どもとしては一定の限られた期間内で十分話し合いをしていただくために、双方十分誠意を持って話し合いをしていただくように、地元の方にも今後ともお話をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○小沢(和)委員 この運用で最長一年半で調整をしてしまう、こういうふうに期限を切って調整をするということになれば、私はもう何よりも見切り発車ということになってしまうことを恐れるわけであります。それがもう端的に、この問答無用で押しまくってきたということに対する皆さんの不安となっているわけです。新潟市程度の規模のところで一挙に十一店もふえる、大型店の売り場面積の比率が四一・四%から五一・七%へと一〇%以上もふえる、これはもともと出店抑制地域となっている新潟の実情から見ても大変なことだと思うのですね。こんなことを押しまくって見切り発車でやるというようなことになったら、もうこれは本当に地元では大問題だと思うのです。これは大臣にずばりもう一遍答えていただきたいのですが、その調整のやり方ですね。
○武藤国務大臣 大変誤解もあるんじゃないかと私は思うのですけれども、従来やっておる出店調整でも、何も二年かかっていないものも結構あるわけでございますね。だから、何か従来が五年も十年もかかっているというのはレアケースでありまして、実際問題二年以内になされているのはたくさんあるわけでございます。それが何か今度こういうことになったら急に長いのが縮まるんじゃないかという誤解が中小小売商の皆さんの中にもあるんじゃないだろうか、それはぜひその誤解を解いていただきたいと思うことが一つですね。 それからもう一つは、あくまで出店調整ですから、大型店が出したいわゆる希望面積ですね、これを何も全部そのまま認めていくわけじゃないので、認めていくんだったら調整じゃないわけでありますから、その辺は商調協その他でこれからいろいろと御議論いただいて、やはり地元の小売商の皆さんとの共存共栄を図っていくという観点から出店調整がなされていく、私はこういうふうに判断をいたしておりますので、何か見切り発車でもう言われたものはどんどん全部認めてしまう、こんなようなことにはならないわけでございますから、その点は誤解のないようにお願い申し上げたいと思うのです。
○小沢(和)委員 そうすると、期間は短くするけれども、十分に地元の業者の言い分も聞き、納得ずくでやっていくようにする、これはもうそういう責任のあるお答えがあったということを確認をしておきたいと思うのです。 この機会ですから、今大臣もちょっと触れられたのですけれども、何か出店調整というのは十年以上もかかるというような話がひとり歩きして、もうとんでもない制度だ、だからやめてしまえみたいな話になっているわけなんですが、実際にどの程度の期間でこの調整が行われているのかという実績もちょっと出しておいていただきたいと思います。
○山本(貞)政府委員 お答えいたします。 たしか平成元年の数字だと思いますが、出店表明から調整終了までの期間ということで見てみますと、全部の平均で三十五カ月程度というのが私どもの持っておる数字でございます。
○小沢(和)委員 平均すればそういうこと、それで実際三年以内に七割は出店できているというのが実績だというふうに昨日事務当局の方から伺いました。私は、三年以内で大部分の出店ができているというのだったら、何も大騒ぎをしなくても今の制度で十分だということを改めて指摘をしておきたいと思うのです。 それで、今の調整制度というのはあくまで出店を認めることがいわば前提になった調整でありますから、何か今までの調整のやり方では店がなかなか出られなかったかのような印象が広く流布されているわけですが、私に言わせればむしろ逆で、ほとんどが出た、そのために大型店はどんどんふえもし、売り上げも伸ばしてきたけれども、そのしわ寄せを食って中小零細業者が惨たんたる状況になっているというのがむしろ今までのこの大店法の運用の実績ではないかと思うのです。 時間もありませんから、私が調べた数字をちょっと言ってみますと、最近十年間、昭和五十四年から六十三年までの数字ですけれども、大型店が約五千七百から七千四百にふえて、売上高も十五兆三千億から二十四兆七千億にふえている。その反面で、家族だけでやっている零細商店は大打撃を受けて、店舗数は百二万から八十七万へと激減をしておるわけです。 私の地元のことを言って恐縮ですが、北九州市の副都心である黒崎の場合はどうかと思ってちょっと調べてみたのですが、ここでは「そごう」の進出と新日鉄八幡の大がかりな人減らしによる人口減とが重なって、「そごう」などの大型店はこの間に売上額を二百九十七億から六百十億へと倍以上に伸ばしているのに、中小店は三百二十七億から三百九十五億へと二一%ふやしているだけなんですね。十年間でこれだけですから、実質的には減っている。転廃業が相次いでいるというのが実態です。政令指定都市の副都心でもこういうような状況なんですね。 大店法という法律は、御承知のとおり正式には、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律という名前でありまして、これは大企業の勝手ほうだいを抑えて中小企業が成り立つようにするという名前の法律だと思うのです。ところが、私今幾つかの数字などを挙げましたけれども、これから見ると、むしろこの法律の趣旨どおりになっていない、中小企業の方がどんどんつぶされていっているというのが実態ではないんでしょうか。もっと本当に中小企業のことを考えたような対策をとる必要があるということじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○武藤国務大臣 法律の目的をよく読んでいただきますと、一番最初に「消費者の利益の保護」と書いてあるわけでございますね。「消費者の利益の保護に配慮しつつ、」と目的に書いてあるわけでございまして、そして今のその最後のところに、中小小売業の事業分野を確保していく、こう書いてあるわけでございます。私どもは、先ほど来申し上げておりますように、中小小売商の皆様方のことも十分考えながら、しかし、今の日本の国民の皆様方の気持ちを考えましても、また国際社会の中で日本が生きていくということを考えましても、やはりある程度世界に共通するルールというのをつくっていかなければいけないと思いますし、消費者の皆さんのことをより考えて政策を進めていかなければならないと思うのです。そういう点から考えれば、どこの地域に住んでおられる消費者の皆さんでもいろいろの品物が選択して見られる、選択して購入意欲を持った人が、こういうものを欲しい、ああいうものを欲しいといったものに対して、やはりそれが買えるようなチャンスを与えていくということも私どもは必要だと思うのです。 それで、何も大型店だけが進出されるのが、それが、それでなきゃできないというわけじゃございませんので、中小小売商の皆様方もそういう意味合いで新しい時代に対応した経営をしていただければ私ども非常に結構かと思うのでございますが、先ほどのいわゆるパパママストアというのでございましょうか、御主人と奥さんだけでやっておられるところはその辺が、御努力をいただきたいと私どもお願いしていてもなかなかこの時代についていけない方もおありだと思いますし、あるいは後継者の問題でなかなか後継者がなくて、せがれの方は、おやじはやっているけれどもおれは嫌だよと言ってよそへ行ってしまわれる方も、もちろん、それには利益率が低いということもあるのかもしれませんけれども、やはりそういうような時代の一つの変化というところで、しかしながら、私どもはできるだけ中小の小売商にも生きていっていただきたいからということで、例えば共同化事業には思い切って融資をいたしましょうとか、あるいは今度も中小商業の活性化基金というものもつくりまして、何とか新しい時代に合った中小小売商の経営をやっていただきたいということもお願いをしておるわけでございます。 そういうことをしても、御努力いただいてもなかなかやっていけない方というのはあって、残念ながら先ほどのようなおやめになる方もあるのだろうと思うのでございますけれども、我々としてはやはり今の時代に合ったいろいろな政策を進めて、それをひとつ大いに御活用いただきたいということをお願いしているわけでございまして、何も中小小売商の皆様方を切り捨てようというような気持ちは毛頭持っておりませんので、その点は誤解のないようにひとつお願いを申し上げたいと思うのです。
○小沢(和)委員 それはあからさまに切り捨てるなんと言ったら大変なことになりますよね。だから、それはいろいろな措置もとられておることは承知していますけれども、実際にこの大店法が実施されてからの実績というのを見れば、大型店はそういうふうにどんどん伸びているけれども、特に零細な業者はそういう惨たんたる状況になっているという現実が出ているわけです。だから私は、この法律の目的は達していないじゃないかということを言っているわけですね。 あなたの方は、その大型店の出店のルールについて世界に共通のものをつくっていかなければいかぬというふうにおっしゃったけれども、世界というのはアメリカだけじゃないんですよ。これはそちらの方からいただいた資料でありますけれども、「諸外国の出店調整制度」というのを見てみますと、フランスは大型の出店については許可制度ですね。イタリアは出店の認可制度、西ドイツなどでは建設の許可制度というようなものを持っている。だから、先進国の中でも大型店については許可や認可を得てやるようにというルールを持っているところだってあるわけですよ。アメリカにも、確かに連邦の法律として直接にそういう商業調整に関する法律はなくても、州として保護するような制度というのはやはりあるわけでしょう。だから、アメリカの連邦の法律にないからということでそれに右へ倣えするのが何か万国共通のルールづくりになるとかならないとかいうような議論、これは私は間違っているのではないかと思うのです。 そのことについては一応それでおくとして、だから端的にお尋ねしたいのは、私はむしろ、この大型店の出店の調整は今のような届け出というよりも許可制度を日本でも、かつて百貨店法は許可制度だったのですから、そういうようなものにまた返らせる必要があるのではないかというのが今までのこの十数年の大店法の歴史から言えるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○武藤国務大臣 私は、先ほど国際的というのは何もアメリカだけを考えておるわけではなくて、確かにおっしゃるとおり、ヨーロッパの国々にも許可制をとっているところがあります。しかし、日本はこれからは国際的に開かれた国になっていかなければならないわけでございますから、そういう意味で国際的にどこの国から見ても、何もそれじゃ、フランスがそういうことをやっているから日本もやれということも必要ないわけでありまして、日本独自の考え方からいって開かれた日本としてはこういうルールが必要だろうということで考えたということを私はちょっとつけ加えさせていただきます。 なお、今の許可制をしたらどうかということは、私の方は今考えておりません。
○小沢(和)委員 だから、今それを考えないならば、少々融資をするとか助成制度を充実するとかいうようなことではこの傾向は食いとめることはできないということを私はこの機会に申し上げておきたいと思うのです。 それから「消費者の利益の保護」ということが確かにこの大店法の中で言われております。私はこれは重要な観点だと思うのです。しかし、よく大型店が非常に消費者のためになるような話があるのですけれども、私は、中小の小売店というのも日本独特の非常に貴重な役割を果たしている。特に、今のように高齢化社会になってくると、高齢者の方が歩いて行けるような距離にある、そして配達などもしてくれる、こういうきめ細かいサービスを受けられるこの中小の小売制度というのは本当に貴重なものではないかと思うのです。 私は、特に大型店の方が安いという話がよく出るし、たしかこの前は政府もそういうような答弁をされたと思うのですけれども、本当に安いのかどうか、政府としてそういう調査をしたことがあるのかということをずばりお尋ねしたいと思います。
○武藤国務大臣 細かい調査の結果は後ほど事務当局から説明をさせますけれども、私からちょっと申し上げさせていただくと、私は中小小売商がどうなってもいいとは全く考えておりませんので、私自身は過去においても中小の小売商の皆さんのために一生懸命努力をしてきたつもりでございます。ただ、今御指摘のように本当に、この間ここでも答弁いたしましたけれども、例えば電気製品なんかスーパーで買った、しかし悪くなった、アフターサービスはどうしてくれるというと、かえってそれは中小の電機屋さんで買ったときの方が親切にしてくれると思うのですね。あるいは今お話にありましたけれども、地域社会の中で、例えば雨が急に降ってきた、そうすると、地方に行くと駅の前の小売屋さん、そこの店へ寄れば、傘を持っていきなさいというような地域の住民との感情が非常にうまくいっている小売屋さんもたくさんあるというのは、私もよく承知をいたしております。しかしそうかといって、時代は時代で、やはり時代から取り残されないようにしていただかなきゃいけないというふうに私どもは今いろいろ政策をやっておるということを私は先ほど来申し上げておるわけでございますので、その点はひとつちょっと私から申し上げ、あと実態調査については、それから価格についてもいろいろありますから、今事務当局から説明させていただきます。
○山本(貞)政府委員 昭和六十二年に総理府で調査されました全国物価統計調査報告というのがございます。この統計に一般小売店それから大型スーパーチェーン、中小スーパーマーケット、百貨店という分類で多くの物品、二百五十銘柄につきまして調査をされております。ただ、これは多くの品目でございますので、総合的に価格がどうかということを比較するためにはそれぞれの品目のウエートをその価格指数に掛けまして作成する必要がございます。その作業自体はこの統計報告にはなされておりませんが、今申し上げました各品目ごとあるいはその店舗形態ごとの物価指数がその統計報告には出ておりますので、それにウエートを掛けまして計算したところによりますと、その結果を申し上げますと、一般小売店を一〇〇といたしますと大型スーパーチェーン店が九五・七、これは総合でございます。中小スーパーマーケットが九二・二、それから百貨店が一一三・七ということでございます。百貨店は相当高級品なり贈答品を扱っているためにこういうことになっていると推定されます。 それから個別に見てまいりますと、食料品につきましてはちょっと事情が違っておりまして、一般小売店を一〇〇といたしますと大型スーパーチェーンが一〇一・八と、むしろ大型店の方が高いということに結果が出ております。中小スーパーマーケットは九七・七ということでございます。百貨店が一一〇・八。それから逆の方を申し上げますと、被服及び履物というところでは、一般小売店を一〇〇といたしまして大型スーパーマーケットが七四・一、中小スーパーも七四・一、そういうふうに品目によりばらつきがございます。概して申し上げることができますのは、食料品、その中で個々に見てまいりますと、特に生鮮食料品につきましては一般小売店の方が安いというのが全般的な傾向かと存じます。
○小沢(和)委員 今最後に認められたとおり、食料品は政府の調査によっても大型スーパーよりも 一般の小売店の方が安いという結果が出ているわけであります。よく私たちが引用するように、東京都の調査によれば、小型店の方が五%以上安い品目は生鮮食料品を中心に十四品目、スーパーが安いのは七品目。一五%以上安いのはスーパーはゼロ、小型店はジャガイモなど四品目。だから、生鮮食料品は小型店の方が安いという傾向は非常にはっきりしているわけであります。そういう点でも、何か大型店の方が安い安いというような一方的な宣伝などはひとつしないようにしていただきたいと思います。 それで、私は先ほどから、この大店法のようなものの運用を改めるとかいうようなことをやってきても、それで実際に対米収支のインバランスというものを是正することには余り役に立たぬということを申し上げてきたわけです。私は以下若干の時間を使って、では本当にそのインバランスをなくすためにはどうしたらいいのかということについて、私の考えも申し上げながら質問をしてみたいと思うのです。 私は、今日本の商品が国際的に見て抜群の競争力を発揮しておるその本当の原因というのは、いろいろあるけれども、一番大きいところは労働者の労働条件が悪い、過労死などということが問題になるような長時間過密労働、そしてことしの春闘も六%足らずで抑えられてしまったというような低賃金という問題があるのではないかと思うのです。この点についてまず端的にひとつ通産大臣と、それから労働大臣にもそういうようなことをお考えになっておられるかどうかという点についてお尋ねします。
○武藤国務大臣 私は、今日本の労働者の皆さんの働いておられる環境が、労働条件がまだ非常に悪いというふうに考えておりません。確かに御指摘のように労働時間については、時間外が多いということもありまして実労働が多いことは私も認めざるを得ないわけでございますけれども、給与体系からいたしましても、いろいろの福祉面からいたしましても、労働条件というのは世界的に見て日本が劣っておるとは私は考えておりません。 それからいま一つ、何か労働条件が悪くてそれで輸出に非常にプラスになっておるというようなことも、ちょっとそれは大変、お考え方はどなたも自由でございますけれども、私は、今の日本の経済の実態を見て世界の人たちが、日本は低賃金で労働条件が悪いところでやっているから日本の商品が売れているのだと考えておられる方は世界にも余りないのじゃないかと思うのでございます。やはり日本の今日までの市場開発、市場開拓、いわゆるマーケティングリサーチ、あるいはまたそれぞれの経営者と労働者の皆さんがしっかりとお話し合いになって、人事管理、品質管理、生産管理、すべてのことを一生懸命御努力なさってきたということと、それから各企業、業界が非常に技術開発ということに力を入れてこられた、いかにしたらよりよいものをより安くつくれるか、こういう形でやってきたこと、あるいはアメリカから指摘をされておりますけれども日本の系列、私はしかし、一面においてはやはり日本の系列というのは非常にいい面を持っているわけでありまして、例えば自動車なんかはGMでも今度は日本のまねしようということで、やはり系列取引は、部品のメーカーとは長期的な契約を結ぼう、あるいはデザイン・インをやろうとか、いろいろのことをまねしているわけでございます。 そういう日本の今日までの経営者、労働者の皆さんが一生懸命御努力なさったがために日本の商品というものが世界的に優秀なものになってきたのであって、労働条件が非常に悪くてそこで出てきたからというのは、どうもいささか、それはもう二十年前か三十年前のことなら別でございますけれども、今現時点では通用しないと私は思うのでございます。 しかし同時に、私ども労働時間の短縮というのは考えていかなければいけませんので、千八百時間というものを目標にして努力をいたしておるということだけは、私どもの役所も懇談会に参加をさせていただきまして努力をいたしておるということだけは申し上げさせていただきます。
○塚原国務大臣 労使関係が大変信頼をされているということが大変にすばらしい製品をつくり出すということにつながっているかもしれません。
○小沢(和)委員 今、日本の労働条件はそんなに悪いことはないというふうに言われたけれども、よく言われるように、特に労働時間というものに一番象徴されるように、諸外国に比べたら年間にしたら四カ月分も五カ月分も長く働かされている。これは自由な時間がそれだけなくなるということですからね、これはもう大変な労働条件の劣悪さのシンボルとして議論をされているわけです。 今、千八百時間という話が出ました。これを平成三年度中でしたか、やろうという目標で今取り組んでいるということになっているわけですけれども、実態はどうなのか。私がいただいておる資料では、所定外の労働時間は全産業の合計でも八七年百七十八時間、八八年百八十九時間、八九年百九十時間と延びていっておるのです。特に対米黒字の最大の稼ぎ頭になっている自動車の場合はどうかというと、すさまじいのですね、延び方が。八七年の二百七十四時間から三百四十三時間、三百七十二時間と、この三年の間でも百時間も残業時間が延びている。だから、総実労働時間も二千百八十時間から二千二百七十四時間に、あなた方が千八百時間にする、すると言っている中で、対米貿易の一番の黒字の稼ぎ頭はこうやってどんどんどんどん残業で追いまくっているわけですよ。こういう状態が国際的にフェアな競争だということで通用するのでしょうかね。
○野崎(和)政府委員 最近の労働時間の状況について御説明申し上げたいと思いますが、昭和六十二年、六十三年までは労働時間の短縮は進んでおりませんでしたけれども、昭和六十三年四月に改正労働基準法が施行になりまして以後、着実に労働時間は短縮しておりまして、平成元年は前年に比しまして二十三時間、短縮率一・一%でございます。これは、さきの高度成長期の末期に労働時間の短縮が一番進んだのでございますが、そのころに次ぐ短縮率でございます。しかしながら、千八百時間を実現するためにはこの短縮率ではまだ不足でございますので、さらにそれを加速する必要がある、そういうふうに考えておるところでございます。 なお、自動車、電機等の輸出産業でございますけれども、確かに総労働時間は全産業平均より長くなっておりますけれども、その原因は、最近の景気の動向によりまして残業時間が非常にふえているということでございます。しかし一方、残業時間というのは景気の動向に非常に左右されるわけでございまして、千八百時間を達成するためには残業時間は大体年間百五十時間程度を目標にしているのでございますけれども、過去一番景気の悪かった昭和五十年には百三十時間にまで減っております。現在は非常にふえておりますけれども、これは景気の動向によるものである、そういうふうに考えております。
○小沢(和)委員 景気の動向によるというようなことで、対米黒字の大部分を稼ぎ出しているようなこの自動車業界がこれだけ労働時間をどんどんどんどん延ばしていっているということについて、当たり前のようなことを言ってもらっては困ると思うのですよ。 私は一つだけ象徴的な事例を申し上げたいのですけれども、時短対策の一環として、政府は特にこの五月のゴールデンウイークはできるだけ長く休みなさいということで、例えば三日と五日の間の四日についてはわざわざ法律でまで休みだというようにしたりしてこの時期うんと休ませようとかかっているわけでしょう。ところが、今私が例に挙げております自動車業界はどうかといったら、今まではメーデー、これは休みだったのですよ。ところが、これは自動車業界全部じゃないようですけれども、トヨタとか日産とか、こういうような大手は今度からメーデーを出勤日にする。そうなったら、あなた方がこのゴールデンウイークはできるだけ休ませようというふうにしているのともう全く逆行するような、つまり労働時間を延長するような措置じゃないですか。せめてこういうようなことぐらい何か指導しませんか。
○塚原国務大臣 休みというのはできるだけ連続でとるように私ども指導しておるわけでありまして、そういう状況の中で、ラインで動いているところが例えば前半出て後半を連続休暇にするとか、そういう方式をとっている企業は数多くあるわけでして、たまたま五月一日を出勤日にしてその後ずっと休むという状況ができているのじゃないかなと思うので、ちょっとお調べいただきたいと思います。(小沢(和)委員「調べるというわけですね」と呼ぶ)いやいや、調べてみていただきたいと思います。
○小沢(和)委員 私に調べると言うのは、ちょっと人をばかにしておるのじゃないか、こっちは質問しておるのですからね。あなたの方が調査をして、私が言ったとおりの事実だったら指導するとか言うのなら話はわかるのですよ。こっちに調べると言うのは、一体どういうことですか。
○塚原国務大臣 ともかく、委員御指摘がありましたように、千八百時間程度に近づけたい、平成四年ということなんですけれどもね。一生懸命頑張りたいと思っていますが、まず週休二日をきちんとやりなさい、それから有給休暇をきちんととってください、それからできるだけ連続休暇もとってくださいというような形の指導をしておるのです。そういうような指導をしておりますので、恐らく私が今言ったとおり、答弁したとおりだと思います。
○小沢(和)委員 私の方の持ち時間がちょっとなくなってきたので、せっかく厚生大臣においでいただいておりますから、最後に、厚生大臣に一問だけさせていただきたいと思います。その前に、自治大臣にはせっかくお越しいただいたのにどうも済みませんでした。 今や国保料が高過ぎて払えないという声がどこに行っても聞かれるわけであります。特に、高齢者人口の多いところや経済的に疲弊しているところほど低所得者でも負担が重くて深刻だというのが実態であります。ところが、国保料値上げが年ごとに行われて、ますます事態は深刻になっておりまして、私の出身である福岡県では、保険料の引き上げは昭和六十三年、九十七市町村の中で五十二市町村、五三%行われている。昨年は三十五市町村、三六%で行われているわけであります。政令指定市であります北九州市では、ことしの四月議会でも保険料の引き上げが行われておりますが、これによると年収三百万円、三人家族で年間保険料が二十四万八千百七十円、政令市の中でも札幌に次いで二番目に高いものになっております。このような結果、滞納者が次々と発生して保険証の未交付というような事態も起こっているわけであります。国保料の値上げを抑えるために今度の国会にそのための改正案が出されているというようなことは承知しておりますけれども、しかし、一世帯当たり年額五千七百円程度では焼け石に水ではないか。どうしてもこの際、現在の国庫負担率三八・五%をもとの四五%に戻すなど、高い保険料を引き下げるための抜本的な措置が必要ではないかということを感ずるわけでありますが、その点、ずばりひとつお答えをいただきたいと思います。
○津島国務大臣 医療費の高騰また増加の傾向、それからまた各地域におきまする経済状況の違い、こういう問題を背景にいたしまして、国保の制度の安定ということは大変大きな課題になってございます。今委員御指摘のような保険料の高さばかりでなく、私どもはまたそのばらつきにもやはり大きな関心を持っておるわけであります。 そういう意味で、どうしても国民健康保険制度を安定化させなければならないということでこれまでも一連の改革をしてきたことは、御承知のとおりでございます。老人医療費の高騰を中心といたしまして、できるだけ国民全体で医療費を支えていくという視点からいろいろな改革が行われてきたわけでありますが、平成二年度におきましては、今国会に御提案をいたしておりますような法律改正を含めまして、まず低所得層の保険負担を国の力で持ってあげるということで国保会計の安定化を図るという、これは今暫定制度として行われているわけでありますから、これを恒常的な制度にする。それからまた、健康保険組合等との関連におきまして、御案内のような加入者の拠出金按分率を一〇 〇%にするということもお願いをした。それからまた、先ほどのばらつきをどうするかということと関連をいたしまして、いわゆる調整交付金の制度を一層強化をする、こういうことをお願いをしておるところでございますので、どうかこの国保制度の平成二年度の改正を中心として真剣な御議論をいただきたい。私どもの提案しております改正を速やかに実現をしていただきたいという考え方でございます。
○小沢(和)委員 終わります。
○佐藤(信)委員長代理 この際、辻第一君から関連質疑の申し出があります。小沢君の持ち時間の範囲内でこれを許します。辻第一君。
○辻(第)委員 私は、ゴルフ場問題について質問をいたします。 今大変なゴルフ場の建設ラッシュ、第三次の建設ラッシュと言われております。三月二十四日の朝日新聞の調査によりますと、既設が千七百六、造成中が三百二十五、計画中が九百八十三。このままでは三、四年いたしますと全国で三千カ所を超えるのではないかと言われております。国土面積の〇・八%、東京都の面積になろうとしているわけでございます。 この背景には、ゴルフブームによる需要の増大や、またゴルフ産業、企業にとっては大変魅力的なものというところがあろうと思います。また、このブームの引き金になったのが四全総やリゾート法ではないのか、このように思います。十八ホールの一つのゴルフ場で平均百ヘクタールの山林、森林を伐採することになります。こういうようなものがラッシュという状況になりますと、それはまさに自然環境、生活環境の破壊であります。地球環境を守ろう、緑を守ろう、このような声とは矛盾をするわけでございます。生態系の破壊、保水能力の低下、水源の枯渇と汚染、災害の危険の増大、農薬の汚染、下流水域の水質の汚染、漁業への影響、ゴルファー、従業員の健康問題など、いろいろの問題が出てまいります。 こうした状況のもとで、全国各地でいろいろの住民運動が広がっております。軽井沢やあるいは京都の大文字山など計画の中止というところもございます。千葉県の新設ゴルフ場の農薬使用禁止という対応など、地方自治体もいろいろとその対応に努力をされ、苦労をされておるということでございます。今政府の緊急な適切な対応が求められていると思います。 そこで、国土庁長官にお尋ねをいたします。このゴルフ場建設ラッシュについてどう考え、どのように対応されるのか、見解をお尋ねいたします。
○佐藤国務大臣 辻委員にお答えいたします。 委員御高承のとおりなんですが、国土の利用について一番大切なことは公共福祉の優先が大切でございますが、それには二つの点に配慮すべきだと思います。一つは、やはり自然条件を確保すること、それからもう一つは、やはり地域の特性に配慮すること、この二つの点に配慮しながら、文化的で健康的な豊かな地域づくりをやりますとともに、均衡ある発展を図るということを総合的かつ計画的にやる必要がある、このように考えているわけでございます。 そんなことでございまして、国土の適正なる利用を図るというような観点から地方公共団体が総合的に判断するようにしていただきたい、こう思っておるわけでございまして、国土庁としても、国土の利用につきまして適切な対処をすべく総合的な判断をするよう、関係省庁と連絡を密にしながら実はこれを見守っておるというのが現状でございます。
○辻(第)委員 やはりこの問題というのは緊急かつ重要な課題だと思いますので、もっともっと積極的に対応していただくことを御要請をし、次に移ります。 次に、ゴルフ場建設に伴う災害の問題であります。災害対策ですね。 これまでもゴルフ場建設に伴う災害問題は、一九六七年神戸市の市ケ原の土石流の大災害がありました。また、一九八六年の柏崎カントリークラブの土砂崩壊などの大災害の例もございます。最近のゴルフ場の立地の傾向は、面積がふえておること、またその土地の改変が増大をする、あるいは高いところに立地をされる、そういうことで災害の潜在的な危険性がふえていると思うのです。 例を申し上げますと、金沢市の夕日寺校下地区に計画されているゴルフ場計画は、金沢駅から車で十五分の市街化調整区域であります。土石流、地すべり、がけ崩れなど自然災害の多発地域だ、こういうふうに言われております。こういうところに計画をされている、いろいろ今反対の運動なんか起こっているようでありますが。また、私の奈良県の三郷町というのは、傾斜しているところに住宅がどんどん建っておるんですね。その上の山のところに建設計画がある。もう災害の危険性が大だということで地域では大きな問題になっているわけです。 そこで、建設大臣にお尋ねをいたしますが、このような急な傾斜地、あるいは土石流、地すべり、山崩れ、こういう危険な地域では開発は認めないという指導を徹底すべきではないのか、私どもはこう考えるのですが、御所見を伺います。
○望月政府委員 ゴルフ場開発と災害に関する一般的な御質問でございますが、実は現在あるゴルフ場のうち千百近くが都市計画区域に存在いたします。そういった観点から、特に都市計画との関係で御答弁を申し上げたいと思います。 御承知のとおり、都市計画法上これは開発許可を要するという開発行為になるわけでございますが、その際に私どもは、安全の確保、言うならば災害の防止、それから自然環境との調和、これは非常に重要事項として着目して法を運用しておる次第でございます。根拠法は御存じのとおり、都市計画法に根拠があるわけでございます。その際に私ども申し上げたいことは、おっしゃるようにいささかも災害があってはならない、地すべり、山崩れ、あるいは溢水、あるいはまた排水の不良などがあってはならないということで、この面での技術的な審査は厳重にやるように指導しておりまして、とりわけ、昨年の七月でございますけれども、さらに各県の審査も総点検いたしまして、防災指導マニュアルをつくって今改めて指導中、こういう状況でございます。今後とも防災面での配慮を十分してまいりたいと思っております。
○辻(第)委員 それから森林の伐採、これは保水能力が物すごく低下するわけですね。いろいろ調整池などをやっておられるようでありますが、やはり治水の問題で大変な問題であろう、この点は指摘だけをして、次に移りたいと思います。 農薬の汚染の問題でございますが、ゴルフ場一カ所で、平均一年に三トン余りの農薬を使用されると聞いております。農薬の危険性、毒性でありますとかあるいは発がん性の問題、いろいろと指摘をされているわけでありますが、これは省略をするわけですが、私どもは、一昨年の八月に寺前巖議員が質問主意書で、今日のゴルフ場の建設ラッシュの問題、その問題点、殊に農薬汚染の問題や災害防止の問題などで尋ねました。その中で農薬使用状況の全国的な実態調査を求めたわけでありますが、政府は、必要に応じて関係都道府県と連絡をとってその実態把握に努力してまいりたいと答弁がありました。 そこで、農水省にお尋ねをいたしますが、ゴルフ場の農薬使用状況の全国的な実態をどのように把握をされているのか。登録外のものの使用はどうなのか、使用目的外に使われた状況はどうなのか、そういうこともお答えをいただきたいと思います。 農水省は通達を出されたり緊急対策事業の新設などされているようでありますが、立入検査を含めて農薬の取り締まりの強化をしていただきたい、総量規制や毒物、劇物指定のあるものの使用禁止など規制を強化すべきではないのか。さらに農薬使用の安全基準をつくっていただきたい、このように要求をしたいと思うのですが、農水省の御答弁をいただきたいと思います。
○松山政府委員 農薬の使用に当たりまして人畜なり環境に悪影響を及ぼさないようにする、これは基本的に重要なことでございまして、登録されました農薬を適正に使用していただくということで指導の徹底を図っておるというのは、この委員会でも何度かお答えしたところでございます。 そういうことを考えるにつきましても、委員御指摘ございましたように、やはり使用の実態を的確に把握した上で適切な指導を行うことが基本的に重要でございまして、そういう意味では、六十三年の八月に指導の強化を図る通達を出して以降、都道府県におかれましていろいろと使用実態も調べながら指導の強化に努めておるところでございます。 その使用実態の結果につきましては、各都道府県において適宜公表すべきものはしておるというふうに承知をしておるわけでございますけれども、私ども報告を受けておりますところを簡単に御紹介申し上げておきますと、使用時期につきましては、やはり春から秋にかけてが多いわけでございますけれども、使用回数等につきましては、やはりゴルフ場によりあるいは地域によってかなり違いがございます。また、同じゴルフ場の中でも場所によって相当の違いがあるわけであります。特に、やはりグリーンを中心にした使用が殺虫剤なり殺菌剤に多い。除草剤はやはり春、秋二回ぐらい、ラフなりフェアウエーなりで使われておるというのが多いようであります。 無登録農薬なり使用目的外の農薬の使用がないのかというお話がございました。 六十三年の通達の前の六十二年ごろに各県が調べた事例では、多少そういうのが散見される実態にあったわけでございますが、平成元年に入りましてからの私どもの報告では、かなりそういう形の使用は減ってきておりまして、ごく一部でございますが、無登録のものを使っておるとか目的外の使用をしておるといったような事例も散見されておりますので、そういうものについては直ちに是正指導をし、改善が図られておるというふうに承知をいたしております。引き続き適正使用の線に沿っての指導に努めていきたいと思っております。 なお、立入検査等のお話もございましたが、御案内のように農薬取締法に基づきまして、環境庁なり農林省なりあるいは都道府県の職員が立入検査等をし得るという根拠が既にございまして、現にそういうことを活用しながら、平成元年におきましても千七百カ所にわたる立入検査等の実績も既に上がっておりますので、引き続きただいま申し上げましたような基本的考え方のもとに指導の徹底を図っていきたい、このように考えておる次第でございます。
○辻(第)委員 農薬使用の安全基準をぜひつくっていただきたいし、そのような対応を十分やっていただきたい。重ねて要望をいたします。 次に、農薬による河川や大気などの汚染が大きな社会問題になっております。最近のゴルフ場建設は山間部、河川の上流部に多く、そのために農薬による河川の汚染、水道の水源の汚染が大きな問題になっております。 例えば私どもの奈良県ですが、この地図は大体奈良市、天理市、それからその東の山間部ですね、都祁村、山添村など、ここは京都府、こっちは三重県というような、そういうところでありますが、この赤い、これがゴルフ場であります。あるいは建設予定地があるわけです。これは大体二十キロ四方ぐらいのところであります。そこのところに、これが布目ダムというところの流域になるのですが、そこに大体五つほどあるわけです。これで大体七十五平方キロだったというふうに思うのですが、そういうことですね、もうこういうふうに狭いところに無数にある。 この隣の山添村というのは六十七平方キロのところに六カ所、今三カ所ですが、造成中が一カ 所、あと二カ所計画中、全部できますと一〇%ということですね、面積の。ここのところの山添村は浜田耕作さんという、農薬汚染の問題などゴルフ場問題を最近、一番最初に問題にされた方がおられるところであります。この山添村は、もちろん平均すれば三百メートルか四百メートルの山間部でございますので、皆簡易水道なんですね。その上に皆ゴルフ場ができる、こうなりますと、飲料水に直接かかわってくるということで大変心配な問題であります。また、先ほど申しました布目ダムというのも来年の末に完成をされるようでありますが、これは奈良市の水の大体四七・数%ですね、半分ぐらい賄うことになるのです。奈良市は今三十五万ぐらいだと思うのですが、その半分を賄うところに、わずか七十五平方キロのところに五カ所ほどゴルフ場があるということであります。こういうことで、農薬汚染の不安というのは深刻なものがあると思うのですね。千葉県でもゴルフ場の農薬使用禁止の方針を表明されて、さっきも言いましたけれども、そういうことがあるわけであります。 そこで、厚生省にまずお尋ねをするのですが、水道法によりますと、水質基準の中で農薬にかかわるものはEPNだけであります。もっと広げるべきではないのか、十分なそういう水質基準をつくるべきではないのかということが一点。 それから環境庁にお尋ねをいたします。 同じように水質汚濁防止法、この中に、水質基準の中で農薬にかかわるものはEPNだけというふうに私どもは認識をしているわけでございます。これも対象を広げてやっていただくべきではないか、このようにお尋ねをいたします。 それから、環境庁は、ゴルフ場全体としてこの水質汚濁防止法の対象事業所にすべきではないのか。今ゴルフ場の中の厨房や入浴施設、それは対象施設になっておるようでありますが、ゴルフ場全体として水質汚濁防止法の対象事業所にすべきではないかということ。さらに、きょうの日経新聞に「環境庁は国立公園内へのゴルフ場新設規制の強化を検討中」、このように報道されているのですが、いかがですか。この点お尋ねいたします。
○津島国務大臣 私からは水道に関連する点をまずお答えをさせていただきますが、ゴルフ場を初めとして、水道水の安全を確保するということは私ども重大な関心を持っているわけでありますが、生活環境審議会水道部会水質専門委員会におきまして、ゴルフ場で使用される主要な農薬について、水道水としての水質目標値をまず作成しなければなりませんので、その作成のための検討をお願いしておりまして、この検討結果を踏まえて適切に対処してまいりたいと思います。
○安橋政府委員 ゴルフ場でございますけれども、私ども水質汚濁防止法上の特定施設と申しますのは、工場、事業場などの特別の施設ということに着目して運用してまいっておりますので、ゴルフ場全体を直ちに特定施設にできるかどうかということにつきましては、さらに慎重な検討が必要だと思っているわけでございます。 環境庁といたしましては、したがいまして、ゴルフ場の農薬問題につきましては、都道府県がゴルフ場などを指導する目安と申しますか、これ以上のレベルでございますと問題があるよというような目安を早急につくりまして、これに基づきまして指導を強めてまいりたい。 それから、従来からゴルフ場から出ます排水につきまして、都道府県を通じて調査を進めておりますけれども、この調査体制をさらに充実してまいりたいというようなことで対応したい、このように考えているところでございます。 それからもう一点、国立公園内の問題でございますが、突然のお尋ねでございますが、環境庁としては検討しているということで御了解いただきたいと思います。
○辻(第)委員 ぜひ農薬の規制対策を強めていただきたい。水道法、水質汚濁防止法を補強をしていただきたい、重ねて要望をいたします。 それで、厚生大臣にお尋ねをいたします。 時間がなくなりましたので、端的にお尋ねをいたしますが、水源を保護していただく、安全で良質な飲料水、水道を確保していただくというのは厚生大臣の大事な大事なお仕事だと思うわけでございます。それが、先ほど申しましたように、水源地域にどんどんゴルフ場ができてまいる、こういうこと、水源保護対策上ゆゆしき問題だと思うわけでございます。そこで、このような水源地のゴルフ場の立地、建設については、規制を含めて十分適切な対応をしていただきたいと思うのですが、厚生大臣の御所見を伺います。
○津島国務大臣 先ほど御答弁も申し上げましたが、厚生省としては、水道水の安全性の確保は非常に重要な問題だと考えておりますので、今後ともゴルフ場からの排水による農薬汚染のようなことのないように重大な関心を持ってやってまいりたいと思います。
○辻(第)委員 どうも私のお尋ねした点と幾らかなんだと思うのですが、こういう水源のところにこんなにどんどんゴルフ場が建設をされるということは、どう考えてみても大問題だと思いますので、ぜひ今後積極的な御対応をいただきたい。重ねてお願いをいたします。 次に、労働省にお尋ねをいたします。 全労連の一般労組がゴルフ場の労働者の農薬被害の調査をされました。四月十九日に、労働大臣や農水大臣に農薬の規制を初め要請をされたようであります。 その調査の中で、キャディーきんの二人に一人が散布した農薬の霧を浴びたということでありますし、農薬に触れたときの症状、いろいろあるのですが、目のかゆみ、充血が二七%、のどの痛みが二一%、頭痛が一三%、いろいろございます。その後で顔や手がかぶれた、こういうこともございます。大変なことだなと私も大変心配をしているわけでありますが、労働省として、ゴルフ場の労働者の農薬の被害をどのように把握をされているのか。農薬に対する注意事項や健康を守る対策を十分に講じていただきたい、このように思うのですが、御見解を伺います。
○塚原国務大臣 ゴルフ場というのは、ボールがぶつかったり、クラブがぶつかったり、ひっくり返ったり、非常に危険の多いところなのです。それで、二月に「ゴルフ場の事業における労働災害防止のためのガイドライン」というのを私どもつくりまして、労働基準局並びに監督署を通じて業界団体等に対してその周知徹底に努めているのです。今の御質問の農薬について、実は短くわかりやすく七項目ありますので、ちょっと周知徹底をしなくちゃいけないものなので、申しわけないのですけれども、さっと読みますから。 まず第一は、「農薬散布作業に際して、農薬散布作業責任者を明確にすること。」第二は、「散布に際しては、呼吸用保護具、保護眼鏡、保護手袋等を着用すること。」三番は、「散布時には、出来るだけ風上に位置すること。」四番は、「散布作業は、コース使用時間外(早朝、休場日等)とすること。」五番は、「気象条件によっては、散布作業を中止すること。」六番は、「農薬の種類によっては散布後一定時間「立入り禁止」の掲示を行うこと。」七番が、「散布作業後は、作業衣の取替え、洗身、うがいを必ず行うこと。」というようなことをガイドラインで申しております。
○辻(第)委員 ぜひ労働者またゴルファーの健康を守るという立場で、ゴルファーの健康を守るのはおたくの範囲ではないかもわかりませんけれども、労働者の健康を守る、こういうことで十分な御対応をいただきたい。お願いをいたします。 最後に、通産大臣にお尋ねをいたします。 先ほど来いろいろと申し上げましたように、ゴルフ場はいろいろな問題、重要な問題を内蔵いたしております。関係省庁連絡会議というのを開いていただいているということであります。局長レベルでの会議だというふうにも聞いておるわけでございます。しかし、事の性質上、いろいろな問題、非常に重要でございます。しかも、緊急な課題でもあろうと思うわけでございます。そういうことで、さらにレベルを上げていただくなど、実効のある対策をやっていただきたい、このように願うわけであります。その点についての御所見を伺って、質問を終わりたいと思います。
○武藤国務大臣 いわゆるサービス産業の一つであるということで、ゴルフ産業の所管をさせていただいているわけでございますが、今それぞれ大臣あるいは事務当局から御答弁がありましたように、大変多岐にわたっておりますので、私どもとして、一応座長格にならせていただいて、局長レベルで今事務協議を始めておるわけでございます。十分局長それぞれ御熱心にやっていただいておりますから、効果は上がるものと期待をいたしておりますので、いましばらく時間をいただきたいと思います。
○辻(第)委員 終わります。どうもありがとうございました。
○佐藤(信)委員長代理 これにて、小沢君、辻君の質疑は終了いたしました。 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 正午休憩 ────◇───── 午後一時開議
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。武藤山治君。
○武藤(山)委員 四月三日の質問のときに、時間がなくなってしまったものですから、外国人労働者問題を三分間ばかり外務大臣にお尋ねをして、聞きっ放しできょうに引き継いだわけでございます。 郵政大臣は、あと三十分ぐらいかかりますから休んでいて結構です。郵政問題は後にします。 そこで、まず官房長官、今外務大臣代理であると同時に、外国人労働者問題閣僚懇談会の座長をしていますね。そんな関係で、総責任者なわけでございます、この問題の。そういう角度からひとつお話を聞いておこう、こういうわけでございますが、政治家として、いろいろ選挙区や地域で外国人労働問題について何か耳にしたことございますか。
○坂本国務大臣 私の選挙区は能登半島でございまして、都会地におけるほど、それほどやかましいお話は聞いておりませんけれども、日本もこれほど国際化された社会ですから、やはりこれは問題だなというような意見は時々聞くこともございますが、その程度です。 〔委員長退席、原田(昇)委員長代理着席〕
○武藤(山)委員 私の方は東京に近い関係か、外人労働者が非常にふえておりまして、栃木県だけで、商工会議所の調べでは約一万二千人。それで、小さな市で真岡市という市がございます。参議院の岩崎純三さんの地元ですね。人口五万ぐらいでしょうか、そんなにまだないね。その町で、二年間で七倍の外国人労働者、六百九十四人いるのですよ、そういう小さい町で。これは二、三日前の新聞報道。だから、宇都宮とか足利、栃木になると大変な労働者の数で、夜はグリーン電話の公衆電話に待っているのですね、十人ぐらいで。国へ電話をするために電話がほとんど外人労働者に夜は占拠されているぐらいおるのですよ。ですから、これは大変な問題なんですね、真岡市だけで六百九十四というのですから。特に去年一年間にだあっとふえているのですね。それから、最近の特徴は、ブラジル移民の二世、三世、三世が多いですね。これが大量に、日本語少しできますから、みんなおじいさん、おばあさん、親から教わってきているものですから、ブラジルの方々が来て働いている数が非常に多いですね。後で国別には法務省、外務省、いろいろ聞いていきますが、いずれにしても、こういう状況だということをまず認識をしてもらいたいわけです。 それから、四月二十日の朝日新聞の社説で、やはり朝日新聞は全国いろいろ調べたようでありますが、「外国人労働者に連帯の輪を」という見出しで、社説で朝日は取り上げています。この二十日の社説、官房長官、読んだ記憶ありますか。
○坂本国務大臣 どうもまだそれは拝見しておりません。
○武藤(山)委員 日本商工会議所で決議したり、各地方の県の商工会議所が外国人労働者をもっと受け入れてほしいという決議をしておるのですが、栃木県もしておるのですが、そういう決議、聞いたり見たりしたことありますか。
○坂本国務大臣 いや、まだ寡聞にして承っておりません。
○武藤(山)委員 官房長官がその程度の情勢把握、認識では、閣僚懇談会の座長をしてもらっていても先へ進まない理由がよくわかってきました。去年の十二月ですか、閣僚懇談会ができたのは。ですから、その十二月から今日まで、何を、どんな角度で検討したかも聞きたいわけで、今状況証拠を官房長官がどのくらい持っているのかと思って、それで今尋ねてみたわけであります。これからその問題について少しく——中小企業の皆さんが特に要望しておるのですね。中山外務大臣は大阪出身なものですから、大阪の商工会議所などもこれは大変な関心の高い大きな問題になっている、こういうことで外務大臣も熱心にいろいろお話をあちこちでしているのですよ。ですから、そういう期待に政府はこたえられるかどうかがきょうの質問の趣旨なのでございます。 そこで、法務省、今外国人がどのように日本に入ってきているか、大臣の口からちょっと発表してみてください。
○長谷川国務大臣 今委員の御質問でございますが、詳細なことはまた後で係からお話し申し上げますが、御案内のとおり、技術労務者はうんと広げまして、ほとんど、無制限とは申し上げませんが、ややそれに近い形で入れております。ただ、今先生の御指摘の単純労働者は、これは何といいますか、風俗、習慣、宗教、みんな違いまして、若干いろいろございますので、今のところ制限はいたしておりますが、私のところは新潟で、燕、三条、洋食器をどんどんつくっておりますね。三条の商工会議所も長岡も新潟も、何とかできないのかと言ってきてくれておりますが、そう簡単にいきませんよということで今なっているわけでありますが、これも将来の、将来というか、問題として何らかの形でいろいろ検討を加えなければならないことだろうというふうな感触は持っております。 なお、国別の詳細なデータにつきましては、ただいま担当からお話し申し上げます。
○股野政府委員 ただいま大臣から、全体的な受け入れの法務省のとっている考え方というものを御説明申し上げたわけでございます。 数値的に申しますと、まず日本にいる外国人の数という観点で御説明申し上げますと、一番最新の時点で統計をとっておりますのは平成元年の六月三十日現在でございますが、外国人登録の記録によりますと、この時点で約九十七万人の外国人が日本にいるということになっております。別途、今度は入国者という観点でとらえますと、これは昨年、つまり平成元年中において日本に入国をした外国人の総数というものは約二百九十八万人でございまして、そのうち、新規に入国をした人は約二百四十五万人、こういう数になっております。
○武藤(山)委員 大臣、いずれにしても一年間で約三百万人日本に入ってくる。この問題一つを取り上げても、いろんな今法務省、外務省の人手不足の問題がまたこれで出てくるのですね。もう入国審査がなかなかスムーズにいかない。四カ月、五カ月、問い合わせするとかかったりしておって、大変な作業だなということをこの数字から、私もいろいろお願いをすると大変親切にはやってくれるのですが、もう処理し切れない、大変時間がかかっているのはここらの問題にあるのでしょうね。しかし、きょうはその問題を質問する時間じゃありません。 問題は、今おっしゃった九十七万人が日本に住んでいる、単なる出入りだけの旅行者ではない。これが一体統計上出してこれるのかどうか。出していただけるなら、この九十七万人の内訳、何で日本に残っているか、例えば牧師さんでいるとか外交官でいるとか商社活動とか引いていくと、残りが労働に従事しているのか、それとも、日本の今の法律では一般労働者は認めないという原則ですから、本来働いていないわけなんですよ。だから、そこらがどうも実態と国の規則との間の乖離が非常に大きいのですね。ですから法務省、もしわかれば九十七万人の居住者の内訳をちょっと明らかにしてみてください。
○股野政府委員 ただいま申し上げました統計につきましては、これは最新の数字でございますので、その内訳をまだ十分分類、整理するには至っておりません。 そこで、ちょっとその前の時点になるのですが、昭和六十三年末における外国人登録による在留外国人の数、これは約九十四万一千人という数になっております。その約九十四万一千人の中で、在日韓国人の方などのように日本に永住の許可を持っておられる方、この永住者がそのうち約六十四万八千、こういう数になっております。そこで、あと若干細かくなりますが、その中で、日本で就労のできる形で日本に在留している方といたしまして、例えば興行活動という活動の形態がございます。これは一般にエンターテイナーと称しているグループでございますが、これが同じ今の統計の九十四万一千人の中で約一万四千人という数でございます。それからこのほかに、日本で就職してそして働いている人たち、これもいろいろな形がございますが、入管法上の在留資格の中でいわゆる特定在留資格というものを持って就職している人の数というものが約七千六百人でございます。そのほか語学の先生等の形で滞在しておる者が約七千二百という数、こういう数になっております。特に、最初に申し上げました永住の方々については、これはもちろん就労には何の制約もない方々になっております。
○武藤(山)委員 永住じゃなくて、結局短期観光ビザ、これが、元年度の入国した数が二百二十一万九千人おるわけですね。この中の人たちが働くわけですね。そういうのは全然法務省も外務省も把握はしていない、できない、全くわからない、こういう状態ですか。それとも、四—一—一六という特定の在留資格者、これが意外と多いのですね、二十七万四千人おりますね。この中に入っておるのでしょうか、バングラデシュとかネパールとか。下の方で働く、筋肉労働をやっている労働者の数がバングラデシュが一番多いのですよ。バングラデシュからどのくらい元年には日本に来ていて、これずっといられる人はいないのじゃないかと思うのですが、バングラデシュの場合は永住しておられるのですか、それとも三カ月ビザ以上の長いビザをもらえるのですか、そこはどうなっていますか。
○股野政府委員 まず最初に、先生の御指摘になりました短期の日本への訪問者が非常に多いということは事実でございまして、我々この人たちについて入国の段階で適正な審査を行うことに努めておりますが、残念ながら最近の傾向として、この人たちの中で、短期の在留資格を持っているにもかかわらず与えられた在留期限を超えて不法に残留する、そして不法に就労するという人たちがふえていることは事実でございます。我々これは統計上一つの推測を行っておるわけでございますが、こういう短期の在留資格を持って日本に入国して、そして不法残留となって不法に就労している人たちの数というのは、最近の時点においておよそ十万人ぐらいはおるという推計をいたしておるところでございます。 それから、バングラデシュについての御質問がございました。 確かに先生の御指摘のように、最近バングラデシュからの入国も、特に昭和六十三年までの段階においては急にふえておったということがございます。ただ、これもバングラデシュと日本の間に査証免除取り決めというものがあったことが一つ影響をしていると考えられますが、昨年の一月の段階でこのバングラデシュとの間の査証免除取り決めの一時停止措置を両国の間でとったために、そういう形での入国というものについては今後かなりの変化が見込まれると思っております。そして、バングラデシュの方たちについて日本に来られる方については、今の短期の方たちのほかには、何らかの日本における在留資格というものを持つわけでございますが、永住という形での日本への入国ということは現在バングラデシュとの間ではございませんので、そういう点でやはり短期の訪問者が問題であるという点は我々も十分意識しているところでございます。
○武藤(山)委員 それからブラジルも、最近の傾向、去年一挙にふえておるようですが、ブラジルから日本に今来ている入国者の数はどのくらいおって、その人たちはある程度、一年か一年半いられるのか、全部観光ビザで三カ月で確実に帰されているのか、その辺はどういう仕組みになっているのですか。
○股野政府委員 委員御指摘のとおり、最近ブラジルからの入国者は数の上で確かにふえております。昨平成元年一年をとりますと、ブラジルから新規に入国をした数は約二万七千八百という数になっております。この方たちのうち、先生御指摘のとおり短期の滞在目的で入国される方の割合が高くて、その約二万七千八百のうち約二万二千五百という数の方たちは短期の目的で入ってこられたわけでございます。 ただ、このブラジルの方たちの中に、実はまだ我々の方で正確な統計を把握しておりませんが、非常に多くのブラジルの方は日系のブラジル人の方々でございます。したがって、二世、三世という、日本に親戚縁者の方たちも多い、まさに日本との血縁のおありの方たちが多数おられますので、この方たちにつきましては、短期の目的で日本にお入りになりました後、在留資格を変更いたしまして、日本で法務大臣が特に在留を認める特定在留資格というものに振りかえることを希望される方が多数に及んでおりまして、その場合には、この方たちについては、在留は短期ではなくてその活動目的に応じた期間、最長は三年でございますが、そういう期間を与え、その中では就労活動についても、ただいま申し上げました日本との特別な関係ということにかんがみまして、制約を特段設けていないという扱いをさせていただいております。
○武藤(山)委員 官房長官、今話を聞いていておわかりいただいたと思うのですが、ブラジルは特に日本の二世、三世、親族が日本にもおる、そういう関係で特別に法務省が就労してもよろしい、労働に服してよろしい、そういう仕組みになっているようですね。それで三年間は、延長、延長しながら最長三年までは日本で働ける。非常にまじめに働いて皆小銭をためて帰るわけですよ。そうすると、ブラジルは日本との血のつながりということでそういう扱いになっていて、ほかはだめ。やはり国際化されていますと、これもおかしなことに見られるわけですね、東南アジアの国々、アジアの国々の人たちから見ると。そういう家族主義的な日本の取り扱いというものに対してやはり非難が出てきますね。そういうような問題を頭に置きながら、この問題をどう処理したらいいかがきょうの命題なんですよ。そこまではわかりますね。 そこで、そういう外国人が日本にかなり来ておって、今の十万という数は私は少な過ぎると思うのですよ。実際に観光ビザで来て働いている数、そんなにわずかではない。「その他」という中に十五万一千四百五十六人おるのですが、私たちには「その他」の分類もわからないわけですね。四—一—一から始まって四—一—一六までの分類があるのですが、これを見ると、外交、公用あるいは商用、留学、研修、教授、学術文化、興行、宗教、報道、こういうような項目がずっとあるのですが、熟練労働者の受け入れというものはわずか千九百八十三人なんですよ。だから、町工場で働いているのは、あれは熟練労働者でないことは大体この数字から見ても想像にかたくないのですよ。全国で千九百人ぐらいしか、正規な手続で熟練労働者として日本が法的に受け入れている数はごくごくわずかなんですね、千九百人なんですよ。ところが町に行くと、夕方になるとちょっ と皮膚の色の違う人がいっぱいいるわけですから、とても働いていてはいけない人が働いておるという姿が夜になるとまことによくわかるのですね。 そこで、十万人というのもちょっとこれは当てずっぽうの法務省の数字だろうと思うのですね。十万人ぐらいという表現ですから、正確のところはわからないというのが本当なんですね。そういうことから市町村ではいろんな問題がまた起こってきているわけですね。今の真岡市の例で言っても、真岡市は市民課の職員を派遣して、小さい町ですから、二百三十ある事業所を全部市民課の係が歩いて外人といろいろ接触をしている。それで、町のパンフレットを配ってごみの出し方を教えたり、予防接種もしてくださいよということを教えたり、もし市の手数料とか税金を納めるような場合はその方法の手ほどきを教えたり、それから病気になったときの健康保険に加入する、こういう手続で一応入っておいてくださいよ、そういうようなことを市の商工課と市民課で一生懸命やっているのですよ。だから全国の地方自治団体でも、そういう外人労働者問題を扱う担当からいろいろ問題が出ているのではないかと私は思うのですね。 そこで、きょうは自治大臣に土曜日でもちょっと聞きたいね、こう言ったのはそういう意味なんです。各地方自治団体に登録してある外国人登録者数、これはどのくらいおって、その中でその町で雇用されている者はどのくらいおるのかは自治省として把握しているのかどうか、これが一つ。 それから、いろいろ市町村においてトラブルも起こっているようでありますが、末端行政の機関として、こういう外人労働者がアパートへ住んだり企業の社宅でないところへ住んだりした場合のトラブル、そういうようなもの、それは一体どんな状況になっているのか。それから、外人がたくさん住みついているようなところでは、特別地方交付税かなんかでその市町村に面倒を見るのか見ないのか。そういうような問題をきょうは奥田自治大臣にわかっていたらひとつ発表してもらおう。こんなことで足どめして大変恐縮です。ただ、早稲田大学の同級生で一緒に机を並べた仲間なものですから、一回ぐらいは相対の記録をつくっておこうかなと思ったものだから、奥田大臣には恐縮ですが、ちょっと答弁をしてみてください。
○奥田国務大臣 今、外国人居留者を含めてそういった単純労働者の数をどれだけ把握しているかという形は政府委員から説明させますけれども、確かに外国人労働者が、言葉の問題もあるでしょうし風俗習慣の問題があって、今言った入国管理局長の話、非常に大変な数が入っておるのじゃないかということは私も肌で感じます。 例を挙げてのお話でございましたけれども、市町村、自治体もこれによって端的に言って大変迷惑をこうむっていることも事実です。トラブルも生じております。公安委員長の立場からいうと、犯罪も非常に多い。ここ数年の間に極端に言って三倍以上くらい外国人労働者による犯罪件数が多い。窃盗がほとんどでございますけれども、しかしいずれにしても治安上もほってはおけない。 これに対しては早く政府でルールを決めていただいて、先生方の御提言に基づいて、今政府も四省庁間の検討会議で検討をやっておるわけですが、早くルールづくりをしてもらわないと、今先生の言われたように、地方団体が交付税で措置しようと思っても、登録された外国人居留者に対しては交付税算定の基準できちんとやっておりますけれども、今のように不法に入ってきている人たちに対してのお金の面倒の見ようがない。しかも、自治体は嫌々ながら大変な出費を行政サービスの面において強いられておる。治安上も含めて、私は、この問題は早急に対応をしなければならない重要な社会問題にも通ずる問題であるという認識でおります。
○森(繁)政府委員 外国人登録者の数につきましては、外国人登録法に基づきまして地方公共団体でしかるべく把握をいたしております。ただ、一般の外国人労働者の数につきましては、先ほど委員お示しのような真岡市のような例もあると思いますけれども、一般的に申し上げますと、地方団体ではなかなかそこまで手が回りかねるということでございまして、その数を把握する段階には至ってございません。至っておりません。把握いたしておりません。
○武藤(山)委員 市民税も納めていないし、市は把握をしていない。そうなったら、ますます犯罪なんか犯したときには困ってしまうね、捕まらないし。これはやはりきちっと何らかの形で地方自治体も、外国人がどこに何人住んでいるか、そういうようなことは末端自治体としてきちっとこれから調査をして把握をしておくべきではないか、こう私は思いますが、それは大臣いかがですか。
○奥田国務大臣 今四省庁間で検討してこういった形のルールづくりを急いでおるところでございますので、私もそのメンバーの一員でございますから、それらを言葉だけじゃなくて早急にルール化をいたしまして、市町村、自治体にもその数字の把握に努めてまいるように努力させてみたいと思っております。
○武藤(山)委員 警察庁、大体統計で持っているのでしょうが、外国人による犯罪検挙状況、これは去年かおととしあたりのならわかるのでしょうが、その中の犯罪の種類及び国別で上位五カ国ぐらいの発表をして差し支えないものは発表してみてくれませんか。
○加美山政府委員 お答えいたします。 平成元年中の来日外国人による刑法犯の検挙状況でございますが、検挙件数が三千五百七十二件、検挙人員が二千九百八十九人でございます。これを五年前の昭和五十九年の数値と比べますと、件数では約一・五倍、人員では約二・三倍と増加する傾向にございます。 また、平成元年の罪種別の検挙人員を見ますと、先ほど大臣からもお話ございましたが、窃盗犯が最も多く全体の約六割を占め、次いで暴行等の粗暴犯、詐欺等の知能犯の順となっております。 国別に見ますと、中国の方が一番多いという状況になっております。続いて韓国、朝鮮の方、それからアメリカ、フィリピン、パキスタンというような順序でございます。 以上でございます。
○武藤(山)委員 この犯罪の件数は、在日外国人の数から比較してこの程度は、日本人でもこの程度の数からいくとこのくらいの検挙件数になるのか、内国人との比較をした場合にこれは意外に多いという率なんでしょうか。
○加美山政府委員 お答えいたします。 先ほど申しました統計の外国人の数の母数がちょっとはっきりいたしませんので、日本人との比較がちょっとできかねます。
○武藤(山)委員 次に労働大臣。 今中小企業の皆さんが人手不足で外国人労働者を欲しい欲しい、こう言っているわけですね。特に、商工会議所などもそういうことで決議をしていると思うのですね。労働省としては、労働問題を扱う所管大臣としてそういう希望に対してはどう思いますか、受け入れるべきでないと思うのか、受け入れるべきだと思うか。受け入れるべきだとしたら、日本の労働需給関係からこの程度までの人数ならば受け入れが望ましいと考えるのか、これが一つ。 それから第二は、現在の外国労働者が企業で賃金とか労働時間とか、いろいろな問題でどんなトラブルなり要求なりが企業として起こっていることを労働省は把握しているかしていないか、しているとすればその実態はどうか、この二つの点を労働大臣答えてみてください。
○塚原国務大臣 官房長官に御質問いただいた中で、どれぐらい外国人労働者問題とつながりがあるのか認識ということでございます。 私は日立市なものでございますから、もろに——特に中小企業の経営者で大きな後援会を組織していただいておりますので、労働大臣になってからはちょっと地元へ余り帰れないので余りお 話ししていないのですが、以前はともかく外国人労働者を雇わしてくれという大変強い陳情を連日のように受けておりました。ただ、そのときに私どもお話ししたことは、これはこういう例を出したらいいのか悪いのかわかりませんが、戦時中の徴用みたいな形というのが日立市はやはりあったものでございますから、そういう状況になると困るというのがあると思うんだと言ったら、社長さん連中は、何だと、おれたちをばかにしているのか、そんなことありっこないだろう、きっちり給料だって払うんだ、こういう話をされます。ただ、その後に必ずつくのが、でもちょっと安くていいんだろうというような感じだものですから、やはりそこに何か一つの解決するのが難しい問題があるのかななんというような気がいたしました。 その後労働大臣になりまして、御指摘の日本商工会議所の方の一つの研究結果というようなものもちょうだいいたしまして勉強させていただいたのですが、現地できっちりと教育をして、しっかりした受け入れ態勢のもとに、こういう形で単純労働者についても雇ったらどうだという大変しっかりした御提言だったのですが、地元の社長さん連中に話題として出しますと、いやそれならちょっとというような感じになりまして、ですから、やはり一つの大きな問題点というのがそういう中でわかったような気がいたしました。現実の問題といたしましては、これは労働者をどう受け入れるかは国家の基本に関する問題でございますので、よっぽど慎重に考えなければいけませんので、先生にちょっと御期待いただけるような答弁をここでする自信が今のところはございません。 それから、ただいま御質問ございました、まずトラブルのケース、これは基準局の方でしっかり調べております。で、今お答えいたしますが、それからもう一つ、どれぐらいの人数なら受け入れ可能かという、実はこの前総括のときにも通告いただきまして、特に武藤先生、本当に私もう御指導いただいて尊敬しておりますものですから、何としてもしっかりした人数を出すようにということで役所の方と打ち合わせをしたのですが、その時点でも、やはり今、日本自体の中に非常にアンバランスなものが、高齢者の問題とか地域の問題とか女性が幅広く進出をしているとか、そういうような問題があったり、あるいは先行きの景気動向の問題とか、あるいはどこまで省力化できるかとか、そういうようなことで非常に難しいということだったのですが、もう一度また、期間があったのでさらにまた検討したのですが、それにつきましてもかなり、これもちょっとはっきりした数字は出せないと思うのですが、これも一応政府委員の方から今できるだけ短くお答えさせますので、お聞きいただきたいと思います。
○野崎(和)政府委員 外国人労働者、特に不法就労者につきましては、まず労働災害に被災される方が増加しておりまして、私どもで把握しておりますのは、昭和六十二年度四十件、六十三年度七十一件でございます。 第二に、これは合法的な就労者も含めてでございますが、言葉の障害あるいは日本の労働慣行にふなれだということで、賃金の支払いとかあるいは解雇に際してのトラブルがかなり発生しております。その件数は正確には把握しておりませんが、関東、中部、近畿の主要都道府県でこの半年間に百件を超える件数の相談等が出されております。
○武藤(山)委員 各大臣、今の説明のように、かなり労働災害も起こっており、トラブルも百件もとにかく出てきておる。こういう状況ですから、かなりの人数がいることだけはもう間違いない。 そこで、締めくくりに法務大臣と官房長官に聞きたいのですが、今のような脱法行為で居住をし、働いているという状態をこのままずっと続けることがいいか、ここで根本的な、抜本的な対策をひとつ法律にしてきちっとする方がいいか、その辺の見解は両大臣はどう踏まえているのですか、法務大臣から。
○長谷川国務大臣 今先生のお話でございますが、水面下で入ってくる、これはやはり規則違反でありますから、できるだけ避けなければなりません。 それともう一つは、今いろいろ各大臣からもお話ございましたが、本当に人手が足りないで倒産しているのですよ。だから、でき得べくんば質のいい労働者を、質のいい国と言うとちょっと言葉がいいか悪いかわかりませんが、そういう者を期限も例えば二年とかあるいは三年とか限って、そういうことで正規のルートで入れることができればそれにこしたことはない。まあやみでもってどんどん入っているということは、いずれにしろ好ましいことではございません。
○武藤(山)委員 自治大臣、今まで外国人労働者問題を、仮に二十万人とか三十万人とかという枠を決めて国が審査をして入国をさせろ、そしてビザも二年か三年、そのくらいの滞在期間を認めて必ずその期間が来たら全部本国へ一たんは返す、帰ってもらう、そういうきちっとした、健康保険もあるし労災保険もあるし、いろいろな国内法を整備しなきゃいかぬ問題がありますが、いずれにしても、外国人を入れるということに一番抵抗している官庁はどこだといろいろ私なりに聞いてみると、どうも警察庁のようなんですね。治安当局。要するに取り締まりが大変だ、外人が来て犯罪を犯したら困る、そこが一番のネックのように聞いているのですが、国家公安委員長として、単なる自治大臣じゃない、今度は国家公安委員長として、今四閣僚で、官房長官が座長でせっかくの機関をつくったわけですが、そういう中で今の治安という面からこれを阻止するというようなことはとらない、そういうことを約束できますか。
○奥田国務大臣 これは、治安を預かる立場としては、国民の治安を守っていくという観点から、不法に入国して不法に働いておるという形については、これは許すわけにはまいりません。 ですけれども、現状においてはむしろ、これらをブローカー的に安い労働力という形でいろいろな名義で受け入れるブローカーの摘発に今力を注いでいるわけです。なぜか。こういう不法労働者、引き揚げるのは簡単ですけれども、入管がパンクしてしまうのですよ。事務的にも収容する場所もないのですよ。ですから、不法就労している人間を今の治安責任者として摘発することは別にそんな困難なことではありませんけれども、はっきりしたルールをつくってもらって、そしてやはり日本も外国から見れば宝の島ですから、特に先生が御指摘されたようなバングラデシュ、パキスタン、決してこれは国を差別するわけじゃありませんけれども、まあ言ってみればいかなる不法な手段を通じても日本で働きたい、そしてお金を正規労働によって得たいという、それはもう大変な気持ちなんですから、それらを何とか正規のルール、二国間ルールの中で、あるいは向こうで技術研修の施設あたりを援助あたりでつくって、そして少しでも、今もう建設労務者の職人あたりを含めて大変な人手不足であるという実態も踏まえて、そういう形で早急に結論を得たいということでございます。 治安責任者としては、残念ながら現在のところ治安重点の立場で、そういった観点で取り締まってまいります。
○武藤(山)委員 現状の取り締まりはいいんですよ。私が聞いているのは、抜本的な対案をつくるときの四者会議ですか、官房長官が座長でやる会議、その中でどこにネックがあるかということを一番私も心配している。 そこで官房長官、十二月にあなたが座長と決められていて、何回会議を開いたのですか。
○坂本国務大臣 十二月に一回開いただけだと聞いております。
○武藤(山)委員 結局、あなたは能登半島出身で関係ないから関心ないというようなことに受け取られますね、これは。やはり内閣の連帯責任であり、一国のとにかく国務大臣なんですから、これはやはり決められたらきちっとやらぬといかぬと思うのですよ。海部総理も外国人労働者問題について大変関心を持っておるのですね。ですから、官房長官が率先リードしてこの閣僚懇談会を早急に開いて、国内法では何と何と何をどう直したらいいのか、また入国して働きたいという国との国家間の協定はどういう協定を結んだらいいのか、これをひとつ早急に座長としてまとめてください、次の臨時国会で私質問しますから。アメリカじゃないけれども結果主義で追及しますから、きちっと対応をしていただきたいということを希望しますが、最後に御意見いかがですか。
○坂本国務大臣 十二月の閣僚懇談会でもいろいろな意見が出されまして、そして今事務当局で法制の問題その他一生懸命研究をして詰めておるということであります。しかし今おっしゃったような事情がございますので、適当な、なるべく早い機会に閣僚懇も開いて、今までの問題点の整理をしたのがどこまで前進をしておるのか、今御指摘のようなたくさんの問題がありますので、今後それをどう消化していくか、一遍前向きに、なるべく早いうちに閣僚懇を開催をいたしたいと思っております。
○武藤(山)委員 外国人労働者問題は終わりましたから、労働大臣、自治大臣、法務大臣は結構です、私の質問には。官房長官もよろしいですね。 次に、NTTの問題と郵政省の姿勢、さらに大蔵大臣、大蔵大臣は大株主ですからね、NTTの最大の株主ですから、これは大蔵省は最大にかかわり合いは深い。こういうことで——自治大臣、もし時間が許されるなら、ちょっといいですか。 奥田大臣は、この前郵政大臣のときにちょうど民営の法律ができたわけでありますが、そのときの奥田大臣の答弁は非常に歯切れがよくて、分割なんか絶対やるべきでない、将来もやるべきでない、そういうことを各所で野党議員の質問に答えているのですよ。今後においても、独占の弊害が強くなって、しかも不当な形の経営形態で競争原理が働かないといったことがない限り、分割をしない方向で進めていきたい。ぴしっとしてるんですね。だから、何か目に余る弊害が出たらやむを得ぬが、それまでは分割なんて考えておらぬ、そういうことを安井さんの質問にもほかの野党議員の質問にも実に明快に答えています。すなわち、法律の見直し規定は、電電のデータ部門が公正競争を欠くことがないか、あるべき姿として分離がいいか悪いかという検討材料を含めての見直し規定であり、分割という形は考えていない。非常に明快なんですね。しかし、内部の合理化の分離は、ある程度はもうこれは予想している答弁なんですよ。こういう答弁が五年間たつと手のひらを返すように変わっていいものかどうかということなんですね。もう一つは、通信網の分割は全く考えておらず、将来方向も今日の一元体制が望ましいという気持ちである、こう明快に答えているんですよ。 ところが、最近の郵政省は、初めに分割ありきという発想で審議会の答申などを引き出そうとしているこの態度が余りにも違うものだから、きょうは自治大臣、今ちょっとお帰りになる前に、一番先に、最初は大蔵大臣に聞く予定だったのがあなたからになっちゃって恐縮ですが、ちょっと見解を聞かせてください。
○奥田国務大臣 私も郵政大臣のときに電電の民営化という大変な問題に当面いたしました。そして、当時の全電通の組合がいわゆる民営化反対という一つの基本路線を構えておりましたけれども、あるべき新しい電気通信の時代という形をよく認識、理解をしていただきまして、まあ条件つき賛成という形に組合の方も理解を示していただきまして、何とか民営化にこぎつけた経緯がございます。 したがって、私の基本姿勢から申しまして、当時あの電電がNTTに変わり、まあはっきり言ってスーパー企業と申しますか、民営化の企業でも一、二を争う大きな企業になるわけです。他方、当時の状態からいえば、民営化によって新しい第二、第三、第四の電電が誕生して、多彩な競争によって、競争原理の中で料金が安くなり多彩なサービスを国民に提供していただけるということを期待しての民営化でございますから、いつまでもガリバーであって、ガリバーであることはいいんですけれども、競争原理が働かないようないわゆる電気通信分野の開放であっては困りますから、その限りにおいて、競争原理が働かない、そして独占の弊がもうどうにもならないという事態でない限りは、現在のところ第二、第三、第四電電も非常に懸命なサービスの競争の中で企業努力をしておりますし、そしてまた、当時のデータ通信の方も、データの方も分離もしてスリム化を図っておりますし、また今度は移動通信の方も分離するという方向で努力しているわけですから、経営のスリム化をやって、独占、寡占、いわゆる料金を据え置いて値下げもしない、横着をこくような状態になった場合には、これは常に見直し規定は残しておくべきであろう。しかし、この間の、答申とは違うけれども、党の方で平成七年までこの問題点は見送って検討先送りということになりましたから、私はその結果はそれでよかったんじゃなかろうかと思っております。 したがって、今の、また現の郵政大臣に迷惑をかけるといけませんから、私は電気通信の一元体制は必要である、これは私自身の、当時の大臣からも今日までも変わらない形であります。しかし、独占の弊害、競争原理が働かないような寡占状態になり、しかも営業係数においても、国民の期待に何か横着な点があれば、これは常にそういった形で国民の目の光る、国民の企業でございますから、そういった点においては、多くの株主、百六十万近いあの株主のためにも、常にそういった謙虚な姿勢で企業努力をして、万全の体制をしいて期待にこたえてほしいという気持ちでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○武藤(山)委員 ありがとうございました。自民党内にもそういう見識を持った、通信主権のあり方というものを高度な立場に立って判断をする人がたくさんいらっしゃることを私は承知をいたしておるのであります。 そういう見地から、この間のNTT見直しに関する自民党の見解、三月三十日、これは大変評価していい、こう私は読み取ったわけであります。恐らく橋本大臣や多くの自民党のこれにかかわる人たちの英知を結集してこの五点が集約されたんだろう。したがって、答申の、初めに分割ありきという発想が薄められた。こういうことでは株主の皆さんも一応はひょっと安心をしたんだろうと思いますが、この自民党見解に対して、大株主である橋本大蔵大臣はどんな御感想をお持ちですか。
○橋本国務大臣 今奥田自治大臣から、民営時の担当閣僚としての所見を述べられました。それを伺いながら、私は逆に党の責任者として裏方を務めたことを思い起こしております。 そして、奥田さんの述べられたことに私なりに多少補足をさせていただくならば、当時、分割案は相当真剣に検討されたことは事実であります。しかし、それがなかなかうまくワークしなかった。同時に、分割のメリット、デメリットを計算したとき、必ずしもメリットの方が多くなるという計算は立たなかった。そして、そうした中において、新電電初め後発の電気通信業に参入した方々の業の成長ぶりというものを見る意思もあり、発足時においては、見直し規定を存置しながらなお電電公社がそのままNTTに移行するという経緯をたどった、そう私は理解をいたしております。 ただ、そこで問題なのは、その当時におきましても、実は政令段階、省令段階におきましては、郵政省と陰の関係あるいはその他の省庁との関係は必ずしも好ましい状況ばかりではなかったことを委員も御承知のとおりであります。そうした中において、分割論がささやかれるようになりましてから、市場においてNTTの株式は下落に下落を続けてまいりました。今日もなお依然として、一時期の最低価格よりは上がりましたものの、残念ながら完全に市場の中で評価を回復するには至っておりません。 そうした状況を考えますと、私は今回の措置というものは、NTTの収支状況の明確化、経営の合理化、さらに株主に対する還元、規制の緩和、こうした今後講ずる措置を明らかにすると同時に、いわゆる分割問題について、当面分割は行わない、これらの措置の実施状況を踏まえた上で、先ほど奥田大臣が述べられましたような特殊な問題を生じて必要と認められる場合には、平成七年度において検討を行い結論を得るということになっておるわけでありますから、大蔵省としてかねて申し上げてまいりました、NTT自身や株主の方々の納得と協力が得られなければ分割は実施し得ないという主張に従った、沿った決定であると考えております。党の方におかれても、そうした認識を持って対応していただいたものと考えておりまして、これが市況に幾らかでも効果を生じてくれることを、正直、心の中では願っております。
○武藤(山)委員 大蔵大臣はあの当時自民党の電気通信対策の会長であったし、行革関係の会長でもあって、当事者で担当したわけですからよくおわかりだと思いますが、いずれにしても、最初売り出したのは百十九万円、それが最高上がったのは三百十八万まで上がったわけですね、NTTの株。そして、このままいくと五百万までぐらいは将来、十年持っていると五百万になるぞ、そういう合い言葉でみんな株の抽せんを申し込んだ。ところが百十九万を割ってしまった。きのうの時点で百九万ですかね。でも百六万から上がってきたわけですから、じわりじわりと回復に向かっていることは確かであります。 これは郵政大臣、株主が訴訟を起こした。こんなに株が暴落しているのは株主軽視だ、政府が指導してやったNTTの株がこんなばかげた落ち込みをしたということは国に対する不信感を募らせた、こういうことで裁判を提起した人がおりますね。この人たちはやがて一万人にこれを組織化してこれから大いにやる、こんなに大きく株式新聞に訴訟の状況が報道されているのですね。私は、株というのは上がったり下がったりして損するときもあればもうかるときもあるのだから、せんのないことだと思いますよ。思うけれども、国の威信、国の信用、そういう国民の感情を、非常に私はこの出来事は不信感を買ったなと。これはどうしたら解決するかが問題なんで、過去へ戻って死んだ子の年を数えても仕方がないので、これからどうしたらいいかということを本気で真剣に考えなければいけない出来事が出てきたな、こう思うのですが、郵政大臣としてはこの訴訟問題について今どんな感じを持っているのですか。
○深谷国務大臣 先生御指摘の株の問題でございますが、最近の株価の低落は、基本的には市場全体の下げの中での動きと理解しておりますが、NTT再編成問題の取り扱いをめぐって、そういうことが影響を与えた一因ではないかと言われていることは私も承知をいたしております。 しかし、株価については、やはり金利の問題とかあるいは為替、株式の需給関係などさまざまな要因があって決まるものでありますから、そのことに対して私が格別なコメントを加えるということはいかがなものかというふうに思っております。ただ、NTTの株が国から売却されたものでありますから、それによって大きな損をした人たちが怒りを持って訴訟をするというような気持ちもわからないわけではありませんが、そこまで私たちが関与して云々するということはいかがなものか、そんなふうに思っております。
○武藤(山)委員 関与をしろとかそういうのじゃなくて、私が言いたいのは、昨年の暮れ中間答申が出たときに、三塚政調会長が分割賛成だ、それを新聞記者にばあんと発表したわけですね、しかも政調会長、三役が。そうしたら翌日一回に五万円がくっと下がったのですね。これはやはり分割ということをいかに敏感に株主は受けとめるかなんですよ。それで今度の答申も分割ありきということが三月二日に発表されて以降、だあっと低迷をして、株は連日下げ続けるわけですよ。三十日の自民党案が明らかになってからやや落ちつきを取り戻すようになってきたわけですよ。 ですから、一国の大臣やあるいは政党の三役とも言われる大物政治家がそういうことを軽々にばあんと出すから、なおさら拍車をかけた。今回の株の下落の傾向以前なんですよ。去年の中間答申が出て直後、その三塚君がばあんと出したのが一挙にばっと。あのとき下がっただけの評価損を計算すると、持ち株だけで何兆円かになるぐらいの金額なんですよ。 だから私はそういうことで、分割すれば株の値打ちが下がり、またそれが、遠距離と市内と二つ会社にしたときの株を端数で計算して渡してやるなんてことを言ったって、株の値段がどうなってしまうか全く先行き見通しが立たない。こういう不安を解消しない限り僕は完全回復はあり得ないという持論なんですよ。だからその方法をやはり実現していくためにはもう分割はしない、そういうはっきりした答えを株主や国民に認識させていかなければだめだ。今の政府と自民党の合意も、最後の別紙に、「問5の趣旨は?分割は?」というクエスチョンで、「いわゆる分割問題については「当面分割は、行わないこととし、1〜4の実施状況を踏まえた上で必要と認められる場合には平成七年度において検討を行い、結論を得る」」こうなっておるものですから、この「当面」という言葉がかなりひっかかっている。やはりこれは平成七年にまた分割論が出てくるのだろう、それじゃとてもじゃないが今のNTTの株が欲しいなんという気分にはならない、こういうことになっていくと思うのです。 ですから、当面は分割を行わないではなくて、もう分割はやらない、そのくらいのことで、後は世界の激変とかいろいろ情勢が起こったときにはそのときに考えればいいのであって、やはり最後まであの答申というのは分割したい、分割したいということが腹の中にあるものですから、自民党の方でもちょっと顔を立ててこの「当面」という言葉を入れてまとめたのだろうとは思うのですよ。これは苦心の作であることもよくわかるのですけれども、しかし国民から見ると、やはりこれはまたやがてやる気だな、こういう感じを持たせるのですが、どうでしょうか。 そのころ総理大臣になっているのは多分橋本龍太郎さんがなっているのかもわからない、五年先は。したがって、こういう問題について私は、政治家として橋本さんと郵政大臣にも、今の私の言った株価の低迷の大きな原因の一つに国民は分割という問題が頭から離れない、この問題をどうほぐしたらいいだろうか、このほぐす手だてが問題なんだ、こういうことを今私は言っているわけなんですが、そこらの郵政大臣の心境はどうですか。
○深谷国務大臣 武藤委員は本当によく御存じの方でありますから、私から、新米の者から申し上げるまでもないのですが、今回のNTTのあり方の検討及び講ずるべき措置の決定というのは、日本電信電話株式会社法附則第二条に基づいて、私どもはいわば郵政省の当然の政府に課せられた義務として出したわけでございまして、冒頭ございましたように分割分割と騒いだわけではなかったわけでございます。私どもとしては、その義務の履行として行ったということをまずぜひ御理解をいただきたいというふうに思っておるわけであります。 それで、私たちは今回の措置によって審議会の答申の精神を生かして、公正、有効な競争が促進される、そしてNTTの経営の向上等が着実に図られていく等々といったようなものを期待しているわけでございます。今後の状況を踏まえながら、五年後にさらに検討を加えていくという趣旨でこれからも慎重に見詰めてまいりたいというふうに思っております。 なお、申すまでもありませんが、先ほどの自治大臣のお話しなさった議論は、基調としては私は同じような考え方ではございます。ただ、公正な競争がどれだけできるか、独占体制がどのような形になっているか、これは今後の推移を見詰めていくという点では必要なことではないだろうかと理解しております。
○橋本国務大臣 私は、少なくともこの三月三十日に政府の措置として決定をいたしました内容、 すなわち、NTT社の収支状況の明確化、経営の合理化、さらに株主に対する利益還元をどういう形で行われるのか、また規制緩和といった諸措置の実施状況というものをまず見せていただきたいと考えております。そして、少なくとも、これらの諸措置が完全に国民の、あるいは株主の理解を得られるところまで物事が進みました場合に、今度は分割が必要かどうかと言われれば、必ずしも必要な状態ではなかろう、率直に私はそういう感じがいたします。 そして、この中でやはり非常に大事なことは、NTT自身の努力による、主への還元の措置、同時に郵政当局にとっては、電気通信産業というものに対する規制緩和というものをどう実行せられるかということでありまして、私は、少なくともこの考え方というものの中では、ただ単に分割の結論を先送りにしたというふうにはとらえておりません。五年間の諸措置の実施状況というものを踏まえる点に力点が置かれていると理解をいたしておりまして、こうした中でそれぞれの措置が明確化されるに従い、国民の理解、さらには株主の方々の理解を得ることができ、市況の回復という事態につながってくることを願っている次第であります。
○武藤(山)委員 今の大蔵大臣の答弁だと、分割ありきということでなくて国民はほっとしますね。だから、この項目が一つ一つNTTの自主性において実行される、そのときには分割はない、こう思っていい、こういう受けとめ方ですね、私は。この郵政省の示した郵政省の見解があるわけですよ。附則第二条に基づき講ずる措置として、郵政省として指示を、かなりの項目にわたって注文をつけているわけですよ。この注文をつけたことに私はいささか不満なんですけれどもね。これは役所のやはり介入だ。株式会社なんだから、NTTは。株主の意見に従って株式会社というのは経営するので、余り郵政省があれもしろ、これもしろと細かに指示してがんじがらめにNTTを指導するんだと言わんばかりの発想は、民営企業の精神に反する。しかし、何か平成七年まで先送りをするということがあるものだから、こういうものを踏み絵にきちっとやらせるんだ、こういう旧官僚的発想がふんぷんとこれは残っている代物ですけれどもね。 なぜ国民がそういう心配をするかというと、答申が出たときにはどの新聞も、答申の最終骨子という形で報道しているんですよ。その中の一に、「長距離通信業務を市内通信部門から完全分離した上で完全民営化する。実施時期のめどは長距離通信網のデジタル化が完成する平成七年度」、こういう報道をされているわけですよ、答申が出たときに。そうすると、また郵政省の、平成七年度に検討するということは、これを土台にしてやるんだろう、その答申の方を。国民は当然そう思うのですよ。たまたま同じ年次の平成七年度になっているから、ディジタル化はそれまでにやれということでどんどん進めて、これができ上がる、そうしたらまた分割かと。これにつながるものだから、私は、今回の自民党との協定の中で、平成七年度と書かれている点を大変重く見ているわけなんです。だけれども、今の大臣の発言だと、これだけの注文をつけた問題が五年間でどのように処理されるかの状況を見て、これがきちっとNTTとして処理されていれば分割なんかはしなくてもいいんだ、こういう大臣の今の御意見、これなら私も、国民はそれならわかると。 しかし、初めから分割ありきでやられたら、もう株なんか絶対これは低迷から抜け出ない。また、大蔵省が持っておる株を放出するなんということも、なかなか今の安さじゃもうできない。前に売った人がみんな文句を言ってくる、前のより安く今度は放出すれば。そういうような問題がいろいろ絡んでいるということを、郵政大臣新米だから言うわけじゃないんだけれども、少し耳にたこがはるほど言っておかぬといかぬな、こう私は思って、きょうは少し意見を聞いてもらおうと思ったのですよ。 大臣、この間ちょこっと時間のないところ、NTT株が回復する方法の一つとして減資をしたらどうだと。今、これから放出をする予定になっている二百四十万株を放出しないで資本金の減資にこれをしてしまう。そうすると、原価で一千二百億ぐらいの損ですね。しかし株価でいくと、二百四十万株というとかなりの金額、大蔵省はあり得べき収入がなくなるわけですから、それは大変な金額になると思いますが、全体を本当に考えて、何か株主に安心をさせ、同時に、NTTの株が回復できる方法といったら、私は、この減資しかもうないなあ、こんな感じがしてなりません。 しつこいようで、これは二度こういうことを大蔵大臣に言うのですが、大蔵大臣はこの間勉強してみたいと。しかし、まだ勉強する期間がないのですよね。予算委員会がずっと続いていて、大蔵大臣これを指揮して、勉強する間はないのですが、しつこいようですが、この提案の案についてはどうでしょうかね。まずいなと思う点はどういう点。まあやろうと思えばできるしいい結果を生む、だれも損をしない、そういうことになるのですが、これは証券局長、専門家に聞いた方がいいでしょうか。そんなことはできないと言うか、いや、それはやろうと思えばできる、そのときには株の動向にどういう影響が出そうだとか、私の一試案なんですが、証券局長、答えてみますか。
○橋本国務大臣 証券が来ておりませんが、理財でよろしいですか。
○武藤(山)委員 理財局長でもいいな。
○大須政府委員 お答え申し上げます。 前回大臣がお答え申し上げたことにほぼ尽きておることでございます。 御承知のとおり、売却可能なNTT株式は、法律の規定により、国債の償還財源とする、こういうことになっておりまして、今国債整理基金特別会計に帰属させているところでございます。その国債整理基金に帰属させておるという趣旨に照らしまして、今御提案がございましたような、政府が売却が今後可能な株式についてのみ減資をするというそういう取り扱いはなかなか問題ではないかというふうに考えておりますし、財政法九条の規定でございますけれども、国の財産は、法律に基づく場合を除くほか、適正な対価なくしてこれを譲渡してはならない、こういうことがございますものですから、この規定にも抵触するという問題が出てまいります。 これが法形式論でございますけれども、別途実質論でございますけれども、確かに、政府保有の株式について無償減資をいたしますと、株主の不満というのは解消される可能性がございます。そういう点は理解できますけれども、一方、この株式は国民共通の負債である国債償還に充てる、こういうことで決まっておる財源でございますから、この国民全体のために使うべきものを特定の民間株主の利益のために用いる、こういうことはやはり実質的に見て問題が大きいのではないか、こういうふうに考えているところでございます。以上が実質論でございます。 以上の二つの点から申しまして、御提案として貴重なものと考えておりますけれども、現在のところ非常に問題があると考えておるわけでございます。
○武藤(山)委員 なるほど、私もこれからまた理財局長とよく勉強してみます。 郵政大臣、この間、日経新聞の編集委員が報道しているおもしろい記事があるのですが、郵政省はNTTとは同根だと、もとは。そして、NTTはどんどん民営にして、さらに分割までしろとかもっと競争を激化させろ、こう言っておるのだから、郵便と保険も分割・民営にした方がいいのじゃないか。それができないうちは人のことを言えないじゃないか。こういうような意味のことを書いているのですよ。 それで、財界では、日経連の鈴木会長は「郵政事業を役所がやる必要はもうないのじゃないか。郵便は宅配便などでもできるだろう」。それから、旭リサーチの専務は、郵政の方は税金を払わないんだ、配当を払う必要がないんだね、有利だね。全国銀行協会連合会など十一団体でつくった小冊子「郵便貯金に関する私どもの考え方」という中で、官業の特典を八八年度の計算でやると約三千五百億円得をしている、こういうことが言われておって、NTTを分割だ、分割だと言う大臣なら、郵便も年金、保険もみんな分割するんだろうな、それをやれたら本物の政策官庁だというようなことが書いてあるんだ。 こういう意見も財界にかなりあるんです。そういうものについてはどう思う。財界の論理で私は今盛んに何度もやられているから言うんだけれども、どう思う。
○深谷国務大臣 武藤委員に申し上げますが、分割をやれ、分割をやれと私どもは騒いでいるつもりはもちろん毛頭ございません。ただ、公平なあるいは公正、有効な競争が促進されて、NTTの経営が向上して、国民に十分なサービスが行き届くようにするにはどうしたらいいかという観点で、答申を受けて諸施策を講じたわけでございます。ですから、分割せよ、分割せよと旗を振っているわけではないことはどうぞ御理解をいただきたいというふうに思います。 郵政省の事業、郵政事業は、極めて人の力に依存する、そういう依存度が高い伝統的な事業でございます。技術的にも、これから飛躍的な変化あるいは革新というのは見込めないという部分もございます。しかも、電気通信事業は、急速かつ多彩な技術革新が行われておりますから、こういう多種多様な新しいサービス形態を求められている分野ということを考えますと、やはり形としては別の判断で対応していかなければならないというふうに私どもは思っております。一緒の形で論ぜられるような立場ではないように思っているわけであります。 特に郵政事業の場合には、予算、定員、給与、その他さまざまな事柄について統制を受けて、それは国営事業としてやっているわけでございますし、おかげさまで、特に近年郵政事業は極めて順調に進んでいる状態でございますので、今郵政事業分割云々と言われるようなそういう背景はないのではないかというふうに思考しております。
○武藤(山)委員 私は郵政事業対策委員長なんですよ、党の。だから、郵便問題も保険問題も、今まで私なりに郵政省と大蔵省の間へ挟まっていろいろやったつもりでいるのですよ。しかし、今回のまだこだわる答申の中身、これは一回中身だけで大臣と二、三時間やってみたいぐらい、不当な資料をいっぱい使っているのですよ、この審議会の議論の中で。生産性の問題も売り上げの比較の問題も、全く電気通信事業との比較じゃないんですよ。自動車会社だの製鉄工場と生産性の比較をしたり、売上高から見てこうだとか、全くでたらめきわまりないんですよ。だから私、腹が立っているのだけれども、きょうはそういう審議会の中身の議論をすると二、三時間、時間がかかるものですから、しないわけなんであります。 いずれにしても、公正、公平に競争条件が整備されてやっているのですよ。もし適正競争が行われていないとなれば、公取が文句を言うはずですよ。独占の弊害を監督するのは公正取引委員会なんだから。郵政省が、独占の弊害だなんだということを言う必要はないんですよ。もう自主性に任せておけばいいのですよ、NTTの自主性に。株式会社なんだから。それを郵政省の見解をわざわざNTTの巨大、独占の弊害と書いてあるから、そうなると財界から見たら郵便だって保険だってみんなそれをやられるのですよ。これは財界の論理なんですよ。新保守主義の哲学の基本原理なんですよ。そこのところが問題なんだ。時間がないから私は論争しないのですけれども、そこらをしかとひとつ腹に据えてもらいたいのです。どうですか。 では、郵便の方の、この四月十四日から十一月までの間、ちょうど一九八〇年、金利が一番高かった八%のときの定額貯金が満期になりますね。この満期になる金のうち、この四月までで元利合計で十八兆円ぐらいが恐らく期限到来ですね。三十兆あったのですが、下げちゃった人がおるから十八兆ぐらいがまだ預金として残って、十四日から払い戻しをしているわけでしょうが、これは郵便局にとどまる率は何%ぐらい貯金として残るかね。それとも他の証券とか銀行へ行ってしまう。歩どまりどのくらいになりそうかね。大体今月いっぱいが一番多いのですが。
○成川政府委員 先生お話しございましたように、集中満期を約三十兆円余りが四月から十一月にかけて迎えるわけでございます。集中満期定額貯金の再吸収いかんが事業経営に及ぼす影響あるいは財政投融資に及ぼす影響を考えますとき、これに全力を尽くして再吸収に努めなければいかぬというふうに思っているところでございます。幸いにいたしまして、四月二日から金利の引き上げがございました。それから、四月からMMCの最低預入金額が百万円に引き下げられました。好条件も整いまして全力を尽くしてやっている結果、大量の流出は迎えずに済むのではないかというふうに思っております。現時点におきまして継続的に預入していただける、継続的に御利用いただける金額でいきますと、現時点においては九割程度が継続的に預入していただけている状況でございます。 いずれにいたしましても、一〇〇%完全吸収に向けて私ども努力していかなければいかぬと思っているわけですが、現状としては残念ながら一割程度が流出しているということを言わざるを得ない状況にございますが、今後ともこの面につきまして全力を尽くして再吸収の確保に努めていきたいというふうに思っているところでございます。
○武藤(山)委員 もう時間がありません。これは二つだけ。 郵政大臣、衛星を打ち上げる郵政省の予定を国産でやらないでアメリカの民間会社から共同事業でやろう、これは摩擦回避のための急遽変更と受けとめていいのか、これが一つ。 それから、きょうの新聞に第一種電気通信事業二社が申請、瀬戸内マリネット、釧路テレコム、この二つの申請は二つともスムーズに認可がおりるというか競争を大いに奨励する上で許可をするのか。この二つだけ。それで終わり。
○森本政府委員 前段の御指摘についてちょっと聞き漏らしたのでございますけれども、第二の御質問の瀬戸内マリネットあるいは釧路のCRP、これは申請が出されておりますので、できるだけ早い機会にこの審査をいたしまして発足にこぎつけたく努力をこれからいたそうという状況にございます。
○武藤(山)委員 もう一つは、郵政省は、政府開発援助資金を利用して独自に衛星を打ち上げる計画だった、それを、米国企業と共同で事業を進める検討を始めたと新聞にちゃんと書いてあるのです。日本の衛星政策練り直しの第一号となる可能性が高い。これは貿易摩擦を解消するためにこういう転換をしたのかという質問なんです。
○深谷国務大臣 大変恐縮でございますが、今の件については事実確認いたしておりません。その報道に関して、まだ確認とれておりません。
○武藤(山)委員 終わります。
○原田(昇)委員長代理 これにて武藤君の質疑は終了いたしました。 次に、冬柴鐵三君。
○冬柴委員 公明党の冬柴鐵三でございます。 きょう質問通告をした以外に、けさの朝刊各紙で一面トップのような扱いで、中国民航機のハイジャッカー張振海に対して、昨日三時に東京高等裁判所が、逃亡犯罪人引渡法十条一項三号の決定、すなわち引き渡すことができる場合に当たる、このような旨の決定をしたということを報じております。きょうの新聞のことでありますので質問通告できなかったのですが、法務大臣に二、三お尋ねをいたしたい、このように思います。 逃亡犯罪人引渡法という法律がありますが、このような決定がなされますと、東京高検の検事長から意見をつけて法務大臣に、このような決定がありましたという報告を速やかにすることになっておりますけれども、法務大臣はそれをもうお受けになったかどうか、その点についてまずお尋ねをしたいと思います。 〔原田(昇)委員長代理退席、近藤(鉄)委員長代理着席〕
○根來政府委員 お説のように報告を受けることになっておりまして、現実に報告もあり、大臣にその旨報告いたしております。
○冬柴委員 その報告には検事長の意見がつけられることになっていると思うのですが、どのような意見がつけられたのか、お知らせ願いたいと思います。
○根來政府委員 内部文書でございますので、どういう意見がついてあるかということを申し上げるわけにはまいりませんけれども、先ほどお話しのように、本件は逃亡犯罪人を引き渡すことができる場合に該当するという主文でございますので、それから意見は当然お察しいただけるものと考えております。
○冬柴委員 この通知を受けますと、十日以内に法務大臣は、引き渡し状というものを発付しない限り、張振海さんを釈放しなければならないということになると思います。そこで、東京高裁の引き渡すことができる場合に当たるという判断がありましても、法務大臣としては引き渡すことが相当であると認めるかどうかという判断を重ねてされることになると思います。 そこで、法務大臣は既に引き渡し状を発付されたのかどうか、その点についてお尋ねします。
○長谷川国務大臣 お答え申し上げます。 まだ発付いたしておりません。慎重に今いろいろ検討いたしておりまして、法務省内の意見もいろいろ入れまして検討いたしている最中であります。
○冬柴委員 私は、法務大臣が判断される場合にぜひ考慮していただきたい点といたしまして、人権の問題というのがございます。 当然のことでありますけれども、この事件の際に、張振海氏の方は、もし中国へ引き渡されてしまうと反革命目的の航空機乗っ取り罪ということで処断を受けるおそれがあって、そうなればもう死刑に処せられる可能性が非常に高いという主張をしているというふうに私は伝え聞いているわけでありますけれども、死刑になる可能性の強い人を送り返すということは、私どもにとっては非常に残酷な話であり耐えられないわけであります。 そこで検察の方は、東京高検の方は東京高裁で、それに対して、中国の方としてはハイジャック罪、何か懲役十年以下らしいのですけれども、それで処断し、それ以外の罪では処断しないという確約をしているんだという趣旨の陳述をしているやに、これも又聞きでありますけれども私は聞いております。そうしますと、この確約というのは非常に大切なものに思われるわけでありますけれども、ちょうど国会のことでありますし国民も注視の中でありますから、日本国家が死刑に処せられるおそれの非常に高い人を送り返したということでは私は耐えられないと思うのです。しかし、そうではないんだという確約がどのような形式で、どういうふうに我々が信用できる方法で得ていられるのかどうか、これは法務大臣が引き渡すことを相当であると認めるかどうか判断する場合の非常に大きなウエートを持つ事実だと思うわけであります。その点について御答弁をいただきたいと思います。
○根來政府委員 御心配の点も、またそういうことも巷間伝えられておりますので、少し詳しくなりますが、時間をいただいて御説明いたしたいと思います。 この裁判所の決定の中で裁判官が、裁判所が申していることでございますが、平成二年一月十九、二十日の両日にこの件に関して中国政府の代表団が日本に参りました。その際に日本側と協議したわけでございますが、中国側が本人の引き渡しを求めるのは、航空機のハイジャックという重大犯罪について中国の司法手続に従って適正な刑罰を科するためである。その際の適用法令はヘーグ条約第一条(a)、刑法第七十九条、第百七条であり、したがってこれに対する刑罰は懲役三年以上十年以下の有期懲役刑の範囲内である、本人が反革命の目的を持っていたとは認められないから無期懲役を含む同国刑法第百条は適用されず、また、重大な結果をもたらしたものでないから死刑を含む第百十条も適用されず、したがって死刑適用の余地はなく、本件ハイジャック行為をそれ以外の規定で処罰することも、またこのハイジャック以外の犯罪の捜査を新たに行って刑罰を科することもない。この点は、ここに明確に保証すると明確に表明しているわけでございます。 さらに、法廷でそういう話が張振海の方からありましたものですから、重ねて中国側から口上書をちょうだいして、あるいはこの点は外務省からお答えいただくのが相当かもわかりませんが、便宜お答えをいたしますと、中国側は本件を政治目的によるものと理解せず、また本人が引き渡しされる前に犯したハイジャック罪以外の罪についてその刑事責任を追及しないことを公式に表明してきておる。こういうことで、いろいろ言われているように、中国へ渡しますと死刑になるとかそういうことは全くの杞憂であるというふうに考えております。
○冬柴委員 これは今、口上書と言われましたけれども、正式な外交文書、その権限のある官署のつくられたものかどうか、その点だけもう一回お伺いしておきたいと思います。 それと重ねて、もうここで余り時間とれません。この決定に対して、逃亡犯罪人引渡法では抗告を許す規定はありませんけれども、憲法違反等の理由で特別抗告がなされた場合、どのように対処されるのか。あるいは、そのような場合には刑訴四百二十四条一項ただし書きで執行停止ということもあり得るかもわかりません。どうされるのか。その点も、もう手続法のことですから重ねてお伺いしたいと思います。
○根來政府委員 御承知のように、口上書は外交文書として正式に受領したものでございまして、これを裁判所に提出したものでございます。 それから、特別抗告の点でございますが、これは既に特別抗告をしているということは私どもも承知しております。ただ、逃亡犯罪人引渡法では特別抗告をする根拠はないわけでございます。これは抗告人の方からいいますと、刑事訴訟法を準用してそういう抗告をしたという文書が見えるわけでございますが、そういうことで執行停止という効力はないものと私どもは考えております。
○冬柴委員 本件のことはその程度にしたいと思います。 防衛庁長官の所見を伺いたいわけでありますが、総理は施政方針演説におきまして「文民統制の確保」ということに言及をされました。私は、これは非常に大切な視点であると認識をいたしております。 自衛隊は、自衛隊法等の定めを逸脱して行動することは絶対に許されないのでありますし、万一法の定めに不備不足があるというふうな点があれば、法改正の手続をとり、そして国会で十分論議を経て、法に基づく授権を得て行動すべきであると思います。もちろん、国会における論議が文民統制の大きな部分を占めるからであります。非常に抽象的一般論でありますけれども、この点についての長官の所見を伺いたいと思います。
○石川国務大臣 ただいまの先生の御意見には全く私も同感でございます。 せっかくのお尋ねでございますから所見を申し述べさせていただきたいと思いますが、申し上げるまでもなく、政治の軍に対する優先というものは、これは民主主義国家においての私は原則である、このように認識をするものでございます。 現在の我が国の現行制度におきましては、国防組織でございますこの自衛隊というものは、文民である内閣総理大臣、防衛庁長官のもとに十分に管理されている、さらに法律、予算等については国会の民主的コントロールのもとに置かれているわけでございます。また、国防に関する重要事項等につきましても、安全保障会議の議を経ることとされておりまして、まさにシビリアンコントロールの原則は貫かれている、かように認識をしておるわけでございます。 なお、自衛隊が国権の最高機関たる国会での審議を経て定められた法律等の範囲内で行動すべきであるということは当然である、かように考えております。
○冬柴委員 そこで、この文民統制に関連し、非常に重要な問題であります具体的な案件についてお伺いしたいと思います。 一九八八年、今から二年前の六月十七日から七週間にわたりまして、日米加豪、この四カ国が参加をして中部太平洋を中心に行われたリムパック88、これで海上自衛隊の補給艦「とわだ」が、米国の西海岸のサンジエゴにおける米海軍給油施設から米国所有に係る油の給油を受け、これを太平洋中部海域で実戦的な訓練環境下にある米国艦艇に対し、この「とわだ」が給油を実施した、こういう事実があったと承知しているのですが、この事実を御確認をいただきたい、このように思います。
○米山政府委員 先生お尋ねの海上自衛隊の補給艦「とわだ」から米艦艇に対する給油の問題でございますが、前回リムパック88、これに初めて補給艦「とわだ」が参加をいたしました。その戦術技量の向上を図るという観点、また実戦的な訓練環境下における訓練がなかなかできない、日本近海ではできないということで、このリムパックの場でそうした訓練をしようということで、日米両国艦艇に対しまして、洋上給油訓練という形で、訓練として油の給油をいたしたわけでございます。
○冬柴委員 細かいことで恐縮ですが、この油を給油したことについての対価ですね、幾らか日本政府は米国から受け取られたのですか。その点もお答えいただきたい。
○植松政府委員 お答えいたします。 本件給油につきましては、米国の油を寄託を受けまして、それを訓練場におきまして米艦艇に返還という形で実施しておりますので、そういう意味で対価の受け払いは、その限りにおいては出ておりません。
○冬柴委員 事実関係はわかりました。 さて、ことしも今リムパック90ということが行われておりまして、四月下旬から中部太平洋において行われるということで、海上自衛隊は艦艇十隻、航空機八機、自衛官二千三百人を派遣したということを承知しているのですが、それに間違いがないか。そして、その中に今回も補給艦「とわだ」がやはり参加しているかどうか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○米山政府委員 リムパック90、今回のリムパックに対する参加規模につきましては、先生今御指摘のとおりでございます。また、補給艦「とわだ」も参加をいたしております。
○冬柴委員 先ほどの答弁では、リムパック88におきましての米国海軍艦艇に対する洋上給油ということは、何か最初から予定されていたやにうかがえる答弁があったのですが、実際は現場の艦長の判断でなされたというようにも聞いているのですが、その点はいかがであったのでしょうか。
○米山政府委員 前回の給油訓練につきましてのいきさつでございますが、初めてこの補給艦を参加をさせまして、複合脅威のもとで長期にわたり艦艇部隊が広範な行動を行うという実戦的な訓練環境におきまして訓練を実施するものである以上、具体的な機会があれば洋上給油に関する演練をあわせて行うということは何ら差し支えないだろうという認識は私どもも持っておりました。そのような一般的な判断を踏まえまして、派遣部隊が米側と現地においてリムパック訓練内容について細部の調整をした結果、給油訓練を行うという決定をいたしたわけでございます。
○冬柴委員 では重ねて伺いますが、今日現在もその認識ですね、そういうものはやってもいいのだという認識はあるのですか。その点についてお伺いしたいと思います。
○米山政府委員 私どもはそのように考えております。
○冬柴委員 では今回のリムパック90において、このような、リムパック88で行われたような米国艦艇に対する給油訓練を行うことを、まず予定しているのかどうか、それから、予定していないとしても、現場で日米の責任者が打ち合わせをしてやろうじゃないかと言えばやる可能性があるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○米山政府委員 今回のリムパックにつきましては、洋上給油訓練を実施する計画はございません。
○冬柴委員 何でやらないのですか。
○米山政府委員 米艦艇とのやりくりその他必要性の問題から、今回はその必要がないというふうに判断しております。
○冬柴委員 それでは防衛庁に、このような、かかる外国艦艇へ日本の自衛艦が給油できるとされる理論的な根拠、そのようなものをお示しいただきたいと思います。
○米山政府委員 補給艦の洋上給油訓練の根拠でございますが、これは防衛庁設置法第六条十二号の「所掌事務の遂行に必要な教育訓練を行うこと。」という規定に基づいて、有事における自衛隊の任務遂行のため必要な教育訓練として実施をしたものでございます。
○冬柴委員 それでは法制局長官にお尋ねをしたいと思います。 自衛隊の艦船、これはもちろん国費で建造するわけでありますから国有財産であると思います。国有財産には、行政財産、いろいろありますけれども、この艦艇は行政財産、そしてそのうち公用財産と分類されると思います。国有財産法によれば、防衛庁長官がこれを管理する。管理ということは、維持、保存、運用というものの責任、責めを負うわけでありますが、そしてまた、大蔵大臣が総括される、こういうふうな定めになっておると思います。私の説明がそれでいいのかどうか、その点だけ答弁いただきたいと思います。
○工藤政府委員 お答えいたします。 今委員お尋ねの自衛隊の艦船でございますが、国有財産法の二条一項二号に言います船舶に当たりますし、また、国有財産法の三条二項一号にございます公用財産、こういうものに当たります。国有財産法上の行政財産のうちの公用財産であるということは御指摘のとおりでございます。 また、国有財産法の五条におきましては、「各省各庁の長は、その所管に属する行政財産を管理しなければならない。」かように規定しておりまして、ここで言います「各省各庁の長」と申しますのは、その前の四条二項で実は定義してございまして、「衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、各省大臣、最高裁判所長官及び会計検査院長」、これを「各省各庁の長」といっております。そういうことから自衛隊の艦船を管理するのは総理府の長としての内閣総理大臣である、もちろんそれは委任の関係は後で出てくると思います。なお、それを総括するのは大蔵大臣であるということでございます。
○冬柴委員 そうすると、財政法九条で「国の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて、最も効率的に、これを運用しなければならない。」このような定めがかぶってくると思うのですが、その点も誤りはないですね。
○工藤政府委員 財政法の九条二項におきましてただいま委員御指摘のような規定がございまして、「国の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて、最も効率的に、これを運用しなければならない。」こういうことでございます。
○冬柴委員 防衛庁にお尋ねいたしますけれども、自衛隊法附則十二項というのがあります。「我国に駐留するアメリカ合衆国の軍隊が自衛隊と隣接して所在する場合において他から入手するみちがないと認められるときは、自衛隊の任務遂行に支障が生じない限度において、これに対し、自衛隊のために設けられた施設による給水その他総理府令で定める役務を適正な対価で提供することができる。」こういう定めがあると思います。ここの「総理府令で定める役務」とはどういうものなのか、その定めを御指摘いただきたいと思い ます。
○村田政府委員 お答えいたします。 自衛隊法施行規則第九十八条には「法附則第十二項に規定する総理府令で定める役務は、汚水処理、変電所の運営、給気、給電及び液体燃料の保管とする。」というふうに定められております。
○冬柴委員 一番最後に言われた「液体燃料の保管」というところに私は興味を持つわけでありますけれども、補給艦「とわだ」がサンジエゴ港でアメリカの油を預かった。この行為は「液体燃料の保管」、これに当たるのではないかと私は思うわけであります。そう考えてきますと、このような役務の提供は、ここに言う、自衛隊法に定めるような特別な定めがない限りできないと考えるのが私は一般的な考え方だ、このように思うわけでありますけれども、先ほど読み上げました自衛隊法附則十二項というのは非常に限定的です。日本の自衛隊の基地がある。そしてその隣にアメリカ合衆国の米軍基地がある。この場合に米軍基地で使うガソリンとかオイルとかそういう液体燃料の保管をする場所というものがない。その場合に隣にある自衛隊の地下タンクとかそういうところでアメリカの油を保管をしてあげる。そういう役務を提供してもいいんだという、そういうことが限定的に書かれているわけですね、私は限定的だと思うのですけれども。そういうふうに考えますと、サンジエゴ港で預かってそれを太平洋の洋上で返したんだから文句ないだろうということは私はちょっと乱暴な議論だと思うのですけれども、法制局長官、これはどうでしょう。
○工藤政府委員 ちょっと恐縮ですが一般論として申し上げますと、防衛庁設置法の六条十二号、先ほど防衛庁の方からもお答えございましたけれども、「所掌事務の遂行に必要な教育訓練を行うこと。」こういうことが規定してございます。「防衛庁の権限」ということでございます。自衛隊の艦船を所掌事務に必要な教育訓練を行うことという、その用に供する場合には、行政財産を本来の目的の用に供しているものでございますから、特に明文の規定は必要ないものと考えております。 なお、ただいま先生御指摘の自衛隊法附則十二項、これは自衛隊が本来の所掌事務以外の行為である役務提供、これをすることができる旨をこの十二項で定めているもの、かように考えております。
○冬柴委員 そうすると、訓練の目的に合しているからという目的的な解釈を示されたわけでありますが、それは一つの考え方だと思うのですが、では、自衛隊法百条はどういう規定を置いていますか。これは法制局長官。
○工藤政府委員 自衛隊法の百条におきましては、これは「土木工事等の受託」という規定でございまして、「長官は、自衛隊の訓練の目的に適合する場合には、国、地方公共団体その他政令で定めるものの土木工事、通信工事その他政令で定める事業の施行の委託を受け、及びこれを実施することができる。」なお、二項がございまして、「前項の事業の受託に関し必要な事項は、政令で定める。」かようになっております。
○冬柴委員 先ほど目的的解釈を示されまして、教育訓練の目的に適合して艦艇を使うんだから、いわゆる自衛艦「とわだ」の船腹によその、外国の油を入れる、こういうことは教育訓練目的だから特に定めがなくてもできるという、そういう解釈を示されたと思うのですが、それであれば、自衛隊法百条は、教育訓練の目的に適合する土木工事を請け負ってもいいというような特別規定を置く必要はないのであって、なぜこういう規定が置かれるのか。むしろ、こういう百条があるということは、特に限定したそういう授権がなければそういうことをしちゃいかぬという反対解釈になると私は考えるのですが、その点いかがですか。
○工藤政府委員 ただいま条文をお読みしたとおり、百条におきましては「自衛隊の訓練の目的に適合する場合には、」これこれができる、かように書いてございます。そのように自衛隊が、いわばこの百条は教育訓練を行うことそれ自身の根拠ではございませんで、本来の教育訓練とは言えないけれども、「自衛隊の訓練の目的に適合する場合には、」なおこのようなこともできる、かような関係に立っているものと考えております。
○冬柴委員 なかなか納得はいけないと思いますけれども、じゃ百条の四、これはどうなんですか。南極観測、これはどうでしょう。
○工藤政府委員 百条の四は、「南極地域観測に対する協力」の規定でございまして、「自衛隊は、長官の命を受け、国が行なう南極地域における科学的調査について、政令で定める輸送その他の協力を行なう。」こういうふうに書いてございますが、これも同様に、いわゆる教育訓練等の範囲そのものではございませんで、こういう規定を置きまして特に協力関係を書いているというふうに理解しております。
○冬柴委員 それでは、教育訓練そのもの、いわゆる極地の訓練ですね、南極。そういうようなことをもし、まあ南極はちょっと問題ですけれども、北極でもいいですけれども、そういうところで訓練するという場合は、もうこの条文がなくても何でもできる、こういうことになりますか。
○工藤政府委員 この教育訓練の関係につきましては、かつて元法制局長官などがお答えしているところでございますけれども、防衛庁設置法の六条十二号で言いますところの「所掌事務の遂行に必要な」、こういうことは、法律の解釈としてはその必要であるということが合理的に説明されなければならないし、またはそれをもって足りるんだ、かようにお答えしているところでございます。その必要性の範囲内にあるのかあるいは必要性の範囲を超えているのか、こういうところについては、具体的なその今御指摘のようなケースそれぞれにつきまして、そういう参加するなり、それを行動するなり、そういう目的なり内容に従って判断されるべきもの、かように考えます。
○冬柴委員 もうしつこいですからやめますけれども、百条の五には「国賓等の輸送」というのがありまして、「自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、航空機による国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者の輸送を行うことができる。」こういう輸送という言葉がここにも出てきました。 私は、やはり自衛隊が自分の僚艦に給油するということは、もうまさに教育訓練あるいは国有財産の用法として当然でありますけれども、外国艦船に給油する、こういうことを教育訓練だからということで、それはいいんだ、船腹を外国の油で満たしてもいいんだ、国有財産の用法としてそれもいいんだ、それから、その満たした油をサンジエゴ港から中部太平洋のいわゆる戦闘訓練しているところまで輸送するのも教育訓練でそれも結構、これは僕は非常に範囲が広くなり過ぎると思いますね。 例えば弾薬を預かった、兵員を預かった、それを所定の場所でおろす、引き渡す。武器弾薬、需品、そういうようなたぐい、兵員、こういうものを預かって、渡したらいいんですか。私は、これは教育訓練という言葉をそこまで拡大解釈することは非常に許されない。もしそういうことであれば、私ども、自衛隊法を一カ条改正するにも大変なかんかんがくがくの議論をやはりやってやっているわけでありまして、そういうことをせずに、これは教育訓練の目的でありますということで通るのであれば、これは僕は歯どめがかからない、こういうふうにも思うわけでありますけれども、まず、公用財産である「とわだ」の船腹を外国の油に利用させた、外国の油を満たすことによって外国に利用さした、無償で利用さした。無償だと言いましたね、対価は取ってない。それから、それをサンジエゴ港から中部太平洋まで輸送した、これも無償ですね。こういう役務の提供を無償でしてもいいという、こういう根拠がどこか国有財産法あるいは財政法でありますか。
○工藤政府委員 先ほどもお答えしたところでございますけれども、単に教育訓練と称すればいい、こういうことでは決してございませんので、所掌事務の遂行に必要な範囲、その合理的な説明がつくもの、その範囲内にとどまるもの、それを超えるもの、ここは峻別されなければならないと思っております。したがって、ただいたずらに広がる、こういうふうなことではないと思います。また、ただいまのその範囲内であれば、それはいわゆる各省各庁が設置法に基づく所掌事務の範囲内において行う事務の中で行い得るケースに当たれば、それは当然行い得るもの、かように思っております。
○冬柴委員 それじゃ、無償で役務を提供した、船腹を利用させた、あるいは国有財産である「とわだ」の船腹を利用させた。それからもう一つ、無償で一定の場所まで運んだ。この点はどうでしょうか。
○植松政府委員 お答えを申し上げます。 先生の、まあ観点の差かなという感じもいたしますけれども、本件、「とわだ」が一昨年実施いたしました給油訓練はまさに給油訓練でございまして、給油訓練のためにどこから油を調達しどういう形でそれを処理するかということでございまして、専らその目的は自衛隊の補給艦の給油訓練でございます。給油訓練をいたします場合に、その際は、米国の海軍施設から油の給油を受けまして、そしてそれを米艦艇に訓練場において給油をいたしたわけでございますが、そのいわば反射的な効果として米国の油の給油を受けてそれで実施した関係から、その部分だけ見ますと、法律的に申しますと民法の寄託に相当する。そういう観点から見ますと、寄託というのは物品を預かるという意味で、またそれを一定の善管注意義務で保管しまた返還するという観点から見ますと、そこに役務があるというふうにも別の観点から言えば言えるのかもしれませんけれども、本件は専ら海上自衛隊の給油訓練を実施するためにそういう米国から給油を受けて実施したということでございまして、これはあくまでも反射的な効果としてそうなっておるということを御理解いただきたいと思います。
○冬柴委員 ここでいう給油訓練というのは日本の自衛隊同士がやることを決めているのであって、日本とアメリカと一緒になってやるのもここにいう訓練に当たるんですか。あるいは、日本と韓国、日本とカナダ、日本と豪州、やれるんですか、どうですか。
○米山政府委員 リムパックと申しますのは、これまでも申し上げておりますように、戦術技量の向上を図るための訓練でございます。我が国は、アメリカとの連携という形で、このリムパックの場で日米共同訓練という形で、アメリカとの連携を図って訓練を実施いたしているわけでございます。そういう一環として、この米軍への給油訓練、米艦艇への給油訓練というものが行われたというふうに御理解をいただきたいと思います。
○冬柴委員 法制局長官にお尋ねしますけれども、財政法九条、先ほど二項をお読みいただきましたけれども、一項に、国の財産は対価なくして譲渡しもしくは貸し付けてはならない趣旨の定めがありますね。この役務提供の場合も当然そうだと思うのですね。対価なくしてもいいんですか。
○工藤政府委員 九条の一項は、「国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。」かような規定だと思いますが、ここで言っております「国の財産」、今の先生の御質問の趣旨がちょっとはっきりしないのでございますが、いわゆる国有財産につきましては、こういう規定が当然働いてくるものと思っております。
○冬柴委員 じゃ違反になるんじゃないですか、ただで使ったというのは。ただで使わした、ただで運んだ。これは国有財産である艦船の用法を先ほど冒頭お示ししましたけれども、財政法九条に、「国の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、」、これは防衛庁長官がやられるわけですけれども、「その所有の目的に応じて、最も効率的に、これを運用しなければならない。」これは、日本の自衛艦としていつでも日本の艦船に給油ができるような良好な状態で保っておかなければいかぬわけでありまして、外国の油を船腹に入れておったのでは、今回も「とわだ」を含め十隻の自衛艦が参加しているわけでありますけれども、その余の艦船の用に供せられないではありませんか。 私は、このように合衆国の油を日本国が預かる、これは先走って答弁されましたけれども、民法上見ればこれは寄託契約でありまして、同種、同等、同量のものを一定の時期に返還するという債務を日本国が一方的に負担する契約であると思います。そして、もし「とわだ」が船火事あるいは沈没、そういうことになったらどうなりますか。この場合には、返還にかえる損害賠償、てん補賠償というものを日本国はアメリカ合衆国に負担しなければいけない、こういうことになるわけであると思います。 そのような観点から見ますと、これは会計法二十九条によって、防衛庁長官がその契約締結の事務を管理しなければならない、こういう定めがあると思うのですけれども、長官はそんな手続をとられたのかどうか。その前に、そういう手続を、会計法二十九条に定める契約締結の手続をとらなければいけないと思われるかどうか、その点を法制局長官からお伺いしたいと思います。
○工藤政府委員 ただいま御指摘のアメリカ合衆国所有の油を預かる、こういうことでございますが、教育訓練を行うために必要な行為として締結された寄託契約であるという委員の御指摘はそのとおりだろうと思います。したがいまして、この契約につきましては、会計法の二十九条におきまして各省各庁の長は当然管理することになると思いますが、この場合の各省各庁の長は第一義的には総理府の長たる内閣総理大臣、こういうことであろうと思います。
○冬柴委員 授権されて防衛庁長官、とられたのですか、そういう手続とりましたか。
○植松政府委員 先ほど法制局長官からも御説明ございましたけれども、実際に、会計法二十九条で各省各庁の長が契約に関する事務を管理することになっておりますが、同二十九条の二によりまして、各省各庁の長はそれぞれ政令の定めるところによりまして契約に関する事務を委任することができるようになっております。したがいまして、予算決算及び会計令六十八条に基づきまして、内閣総理大臣からそれぞれ契約につきまして防衛庁についてはまた細かい取扱細則に従ってそれぞれのことが決められておりますが、簡単に申しますと、内閣及び総理府所管契約事務取扱細則によりまして、防衛庁には「別に定める者」ということでまた委任がなされております。 具体的に本件について申しますと、海上自衛隊の契約規則の第三条というのがございまして、契約の事務につきましては、資金前渡官吏または分任資金前渡官吏の設置されている艦艇部隊にありましては資金前渡官吏または分任資金前渡官吏の指定官職にある者が当該部隊に係る契約事務を行うことが委任をなされております。 本件「とわだ」について申しますと、この委任によりまして補給長が分任資金前渡官吏に指定されておりまして、契約事務につきましても補給長が米側と行うようになっております。また、そういう形で行っております。
○冬柴委員 そういうものがあれば、契約書があればこの委員会に提出されるようにお取り計らいを願いたいと思います。
○植松政府委員 契約書につきましては、従来から防衛関係いろいろと装備品の調達等を実施しておりますけれども、契約内容につきましては相手方の関係もございまして、その契約書自身を提出するということは差し控えをさせていただいております。 しかし、本件について具体的に中身を申しますと、今回の契約につきましては、リムパックにおきます米艦艇に対する給油を含む洋上給油訓練を行うために米国の油の寄託を受けたものでございまして、その寄託をされた油の米国への返還は米国艦艇への洋上給油訓練時に履行される、こういった内容の取り決めをして実施をいたしたものでございます。
○冬柴委員 それじゃ、自衛隊にはガソリン等を無償で給油してもいい規定が一カ条だけあると思います。防衛庁の方から、よく御存じだと思うのでそれを述べてください。
○植松政府委員 御指摘の条項につきましては、自衛隊法の第百十六条の二でございまして、読み上げさしていただきますが、「内閣総理大臣又はその委任を受けた者は、自衛隊の航空機以外の航空機が自衛隊の飛行場に着陸した場合において他から入手するみちがないと認めるときは、次の飛行に必要な限度において、かつ、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、総理府令で定めるところにより、これに対し液体燃料その他総理府令で定める需品を無償で貸し付けることができる。」という規定でございます。
○冬柴委員 無償で貸し付けることができるのはこれ以外に規定がありますか。この「とわだ」はガソリンこそ預かり物だと言うけれども、無償で船腹を使っているのですよ、この補給艦のタンクを。国有財産を無償で使わしてもいいという原則はありません。こういう特別規定がない限りは無償で使わしてはいけないというのが財政法上の大原則であります。 この場合、先ほど読み上げられた百十六条の二というのは、いわばガス欠によって自衛隊の飛行場に不時着をした飛行機があるときには、これは米国の飛行機も含むわけですけれども、その場合は次の飛行場に行くに足るガソリンとか水とかあるいは需品を無償で提供してもよろしいという授権規定がここにあるわけでありますけれども、こういう規定があるということは、裏返せば、こういう規定がないときにただで役務を提供したりそういうことはできないというふうに我々は、法律家であれば反対解釈をするわけでありまして、いずれにいたしましても、この「とわだ」がアメリカの油を預かって洋上でそれをアメリカ艦艇に給油をするということは、根拠に欠けると私は考えております。 したがいまして、今内閣官房長官お越しいただきましたけれども、私は、文民統制という観点からこのような扱いというのは違法だと思いますけれども、もし違法でない、争いがあるとしても、著しく妥当性を欠いた取り扱いだと私は思います。堂々と法の改正手続をとって、この国会で十分議論をして、そして給油できる範囲とかそういうものを、それを無償にするのかどうか、こういうことも十分論議を尽くしてやるべきじゃないか。先ほども言いましたけれども、訓練だから預かった物を預かった人にどこで返してもいいのだという理屈を推し進めていきますと恐ろしいことになるのじゃないか。油だけに限らない、兵員、武器、弾薬、需品、幾らでも広がるのじゃないですか。訓練海域が広がったら世界じゅうどこでも返せる。こういうことになれば、私は、非常に恐ろしいことになるし、憲法の許すところではないというふうに思うわけであります。ぜひ文民統制とこのような手法についての格調の高い御所見を伺いたい、このように思います。官房長官、よろしく。
○植松政府委員 まず事実関係につきましてもう一回ちょっと御説明させていただきたいと存ずるのでございますが、先ほど申し上げましたように、本件は米国に対して役務を提供することを目的にして寄託ということを受けたわけではございませんで、日本の海上自衛隊が訓練をする中で給油訓練を実施する。給油訓練をする場合に、リムパック共同訓練で実施し、その場所柄から考えまして、むしろ米国の油の給油施設から給油を受けて実施した方が効率的であるということでサンジエゴの給油施設から給油を受けまして、そして米艦艇を含む、日本の艦艇もございますが、これに給油訓練を実施したわけでございます。 米艦艇に給油した部分につきましては法律的にどういう契約形態になるかということを法律論的に申し上げれば、無償で寄託を受けてそれを返還したということでございます。あくまでも自衛隊の教育訓練のためであることを御理解いただきたいと思います。
○冬柴委員 そこまで言うのであれば、この問題についてはいろいろな変遷をたどりました。一番最初、防衛庁は、海上給油は米国の方からそのようにしてほしいという申し出があっても一切我が方の法律上それはできないということでずっとお断りになってきた。そうじゃないですか。 それが五十八年二月、本予算委員会で民社党の塚本三郎委員から、このような場合給油できる立法措置をとってはどうかという提言があって、それを受けて防衛庁は法改正手続をとらずに、五十八年の十二月二十六日に事務次官通達を出していられるじゃないですか。このときは要件を限っていられます。「日米共同訓練に参加する米艦艇から洋上給油の要請を受けた場合で、米艦艇が油を他から入手するみちがない時に、(1)給油を行なわなければ訓練の円滑実施が困難、(2)自衛隊の事務に支障がない範囲、(3)訓練の円滑な実施に資する限度内、という要件のもとに油の貸付を実施して差し支えない。」このような事務次官通達を出したわけであります。ところが、この貸し付けは財政法九条一項、私が先ほど読み上げた原則があるために適正な対価をもらわなければならないということになりまして、そして貸し付け後一定期間内に同種の油に二%の対価というものを添えて返還をさせるという方法をとることになって、これが五十九年二月から六十三年七月まで八回そのような方法で行われたじゃないですか。これが第二期。 第三期が今の、まあうちの油を渡したら対価をもらわなければいけないしというようなことから、アメリカの油を預かってアメリカに返すのだったらいいだろう、こういう私から言えばむちゃくちゃな、これが第三期です。 これは第二期のこの事務次官通達でも、ある新聞はこういうことを言っていますよ。「必要に迫られると法令全集をひっくり返し、なんとかツジツマ合わせの根拠を見つけ出す官僚の手並みは相変わらず”お見事“というほかないが、こうしたこうやく張り手法では根本的解決は望めない」のではないか。こういう、私は痛烈かつ適切な批判だと思いますよ。私は、こういうふうに広がっていくということは非常に問題が多いし、文民統制の観点から、こういう論議が国会の場に上がってこずに、そういう法令全集をひっくり返したところの理屈で行われるということは健全なものではないというふうに思っているわけでございます。大臣から、この今までの一連の議論を通じた所見をいただきたいと思います。
○石川国務大臣 先ほど来、先生と法制局長官あるいは政府委員との非常に法律論といいますか、大変専門的な分野の難しい質疑応答も拝聴しておりまして、いろいろなことを勉強させられたわけでありますが、ただ、私の立場から申し上げますと、やはりいろいろと御指摘がございました例の給油は、あくまでも日米共同訓練の一環として実施したものである、こういう私は認識でございまして、したがいまして先ほど言った防衛庁設置法六条でございますか、そういう法律上の問題があるとは考えられない、こういう私には感じがするわけでございます。 そもそも自衛隊が我が国防の任務を有効に遂行するためには、申し上げるまでもなく、部隊として高い練度を要することは重要な問題でございます。このために自衛隊は、共同訓練を初め平素から教育訓練を活動の中心として、より精強な部隊の育成のために努力をしているわけでございます。したがいまして、いずれにせよ、自衛隊の教育訓練に当たっては関連法規にのっとって実施している、このように考えて、御理解もいただきたいし、シビリアンコントロールが行われている、私はこのように認識をするものでございます。
○冬柴委員 私は納得がいきません。シビリアンコントロールというのは、こういう場で十分議論して納得し、国民も、それは最後多数決になるかどうかは別として、十分問題点をこういうところで煮詰めて、その上でどうするかという問題だと思うわけでありますけれども、それを全部抜きにしまして、今のように、最初はこういう共同訓練の場でも給油は日本の艦船から米艦にはできない んだ、長い間そういう解釈で続けられてきたのが、事務次官通達でやわらかくなって、そして今度は全くそういうものを抜きにした扱いをやった。私は、直ちにこれに対して、これは違法ではないかということを委員会で取り上げたわけですが、今回はどういうことか知らぬけれども、これを実施しない、先ほど答えられたわけでありますけれども、それが法的根拠が十分でないから今回はやめにしたんだとおっしゃるのであれば私は前進だと思うのですけれども、今後はもしそういう必要があるのなら、十分国会で論議をした上でなければ絶対にこういうことは許さるべきではない、私はそのようなことをはっきり申し上げておきたいと思います。 次に、全く違う問題に移らしていただきます。それは法律扶助の問題でございます。残りの時間は、法律扶助の問題をさせていただきたいと思います。 私は、機会あるごとにこの予算委員会または法務委員会において法律扶助の問題を取り上げて、政府に対し、その充実と、進んで基本法制定の必要を訴えてきたところであります。その理由は、申すまでもなく、今日のように、法による支配の意識が国民の間に浸透いたしまして、国民の権利意識が高まっている時代において、権利を侵害され、被害を受けた国民がその回復を裁判所に求めたい、あるいはゆえなく訴えられた国民が正当な権利を十分に主張して応訴し、その訴えの排斥を求めていきたい、このように願うのは当然のことだと思います。 しかし、我が国の民事訴訟法は、各審級におきまして弁護士強制という制度をとっておりませんので、素人である本人が訴えを提起したり、また各審級において応訴できるという、そのような仕組みにはなっております。しかしながら、例えば医療過誤に基づく損害賠償を求める医事訴訟あるいは隣接地との境界点や境界線の位置の確定を求める境界確定の訴えは言うに及ばず、金銭支払いを求める訴訟においてすら、利息制限法上の抗弁が伴う訴訟等を遂行し、応訴していくということは、法律専門家である弁護士が代理して行う場合でありましても、その主張や立証は大変困難が伴うものでございます。いわんや、このような訴訟に入るのに先立ちまして、仮差し押さえ、仮処分等の保全手続を必要とする場合は、事実上本人がこれを行うことは困難、もしくはもう不能であると言っても過言ではない実情があると思います。このような実情を知る者といたしまして、私は、資力に欠けるがゆえに弁護士に依頼することができずに、侵害された権利についても守ることができずに泣き寝入りになっている国民がいるはずだ、このように考えるときに、じっとしていられない強い焦燥感に襲われるわけでございます。 この法律扶助という制度は、弁護士費用あるいは訴訟費用を支弁する資力に欠ける人に、国がその費用を立てかえてあげるという制度、あるいは法律相談に無料で応じてあげる、そういう制度でございますけれども、これは憲法の三十二条に、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」という基本的人権に由来する制度だと思うわけであります。言いかえれば、国家は国民に対し、その充実に努める憲法上の責務を負っている、このように思うわけでありますけれども、長谷川法務大臣の御所見を伺いたいと思います。
○長谷川国務大臣 お答えをいたします。 法律扶助制度につきまして、特に先生からいろいろ今お話しのように委員会その他で御尽力をいただいておりまして、この席をおかりいたしまして心から敬意を表する次第であります。 法律扶助制度は、貧困者に対し訴訟援助をすることにより、国民の裁判を受ける権利を実質的に保障するための重要な制度であるので、法律扶助協会に対する補助金等についてはその充実に努めてきたところであります。
○冬柴委員 大蔵大臣がここにいらっしゃいますので、この法律扶助というのを、非常に法務省、それから近年、平成元年、平成二年には大蔵大臣も御努力をいただきまして、それぞれ一千五百万ずつ補助金を上乗せをしていただいている。それで、今回も一千五百万の上乗せの要求が予算案にのっているということを感謝もし、高く評価しているわけですけれども、ただ、先進国、諸外国と比較をいたしますと、我が国には残念ながら法律扶助に関する基本法がないわけなんです。ないのですけれども、例えばイギリス、アメリカ、西ドイツ、フランス、オーストラリア、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ニュージーランド、挙げ出したら切りがないのですけれども、先進国はもとより中進国あるいは発展途上国の中にも、この法律扶助というものについての基本法をもうほとんど持っていると断言してもいいほど持っているわけです。 そして、国庫の支出額につきまして見てみますと、イギリス、これは一九八三年から八四年のことでございます。ちょっと古い資料でありますけれども、イギリスでは、邦貨に直しまして、この一年間に一千六十億円。というのは、ちょうどサッチャーさんが、日本で昭和五十九年ですけれども、三億ポンドというものを法律扶助に拠出をいたしまして、三億ポンドというのは、当時三百三十三円八十銭だったと思います。一千億円以上のお金を拠出をされまして、法律扶助の充実をしていられるわけであります。したがいまして、それを含めて国庫支出額一千六十億円を出しました。アメリカは同じ一年間に六百二十五億円を出しております。西ドイツは二百五十億円、オーストラリアは二百四十七億円、オランダは百九十億円、スウェーデン五十億円、ノルウェー二十九億円、フィンランド二十五億円、ニュージーランド三億円、そして我が国は七千二百万円でございました。したがいまして、国民一人当たりのこの法律扶助に対する歳出額は、イギリスではこの一年間に二千二十円になるに対し、我が国は六十九銭になります。天文学的な比較になってしまいます。 私は、それでもこういう事実も訴えて、法律扶助というものの基本法を制定してほしい。それで、これは大蔵大臣も非常に国民からのいろいろな、もろもろの相談が地元の事務所あるいは国会事務所にあると思いますけれども、その中に非常に多くの部分が法律相談的な意味が多いと思うのですね。こういうものを日本の国家がきちっとした体制で応じてあげる、国民の需要に応ずるということは非常に大切なことだと思うわけであります。 現在は、日本全国を財団法人法律扶助協会という、日本弁護士連合会が全額出資して設立した扶助協会というのがこういう事務をやっております。訴訟費用の立てかえ、それから法律相談、それから難民の問題、中国残留孤児の国籍取得の問題、あるいは少年犯罪の家庭裁判所における付添人の選任、そしてその費用の立てかえ、こういう大変公共的な事務をやっているわけであります。ところが、ここに対する国家の助成というものが、今私が比較をいたしましたように、外国と大変懸隔があります。いろいろな事情があり、また法制度の違いがあることは認められますけれども、こういうものをぜひ充実していきたいというふうに思って私は何回もお願いをしたわけです。しかし、先ほど申しましたように、平成二年度一般会計予算において法律扶助協会に対する補助金が一千五百万円増額されたということは非常にありがたいことでありますけれども、そういう実情にありますので、今後この問題については非常に前向きに取り組んでほしいと思うわけでありますが、まず法務大臣に今後の取り組みについてのお気持ちをお聞かせいただきたい、こういうふうに思うわけです。
○長谷川国務大臣 今先生お話しの法律扶助制度の重要性にかんがみまして、法律扶助協会に対する補助金については、その増額に努めてきたところであります。今後とも法律扶助制度の安定、充実に努力する所存であります。 ただ、今先生のお話を承りまして、まさにこんなに違っておりますので、短い期間に追いつくということは、これはなかなかできっこないと思いますよ。ただ、心がけとしては、先生のおっしゃることを腹におさめて、御期待に沿うように頑張るつもりであります。
○冬柴委員 大蔵大臣、私、質問通告していないのですが、感想で結構ですけれども、ぜひこれについてお聞かせください。
○橋本国務大臣 地味ながら非常に大事な問題を取り上げていただいたという感じがいたします。同時に私は、今法律扶助の御論議を聞きながら、我が国の司法制度の中でもう一つ考えなければならないことがあるな、そんな感じで拝聴をいたしておりました。それは訴訟救助でありまして、同じような意味合いを持ちながら、やはり必ずしも十分に充足されているとは言えない。限りのある財政の中でありますから、それぞれの所管省としての優先順位はありましょうけれども、今後私も気をつけたいな、そんな感じを持ちながら拝聴いたしました。
○冬柴委員 非常に前向きの御答弁をいただいて感謝をいたしますが、ちょっと細かい問題になりますけれども、補助金だけを今後上げていただきましても、法律扶助が十分に行われないという事情がありますので、これをちょっと述べてみたいと思います。 補助金を増額することによって法律扶助は望ましいあるべき姿として定着することができるのかということを考えてみますと、必ずしもそうではないという実態がございます。この法律扶助を行うためには、単に貧困者のために貸し付けるお金さえあればできるというものではございません。すなわち、この事件は勝訴の見込みがあるのかどうかという判断、そして、その人は訴訟費用を支弁することができない無資力者であるのかどうかという、そのような判断、審査が伴うわけでありますが、これは法律扶助審査ということで多くの弁護士の手によって行われているわけでございます。それから、そのためには全国都道府県に事務局も要るわけでございます。そして、具体的に法律扶助を決定した事件が決まりますと、弁護士を選任をして、依頼をして、そしてその弁護士から毎回どのような進行かということの報告を受けて、法律扶助の目的に沿った処理がされているかどうか監督をしつつ、事件が所期の目的を達せられるように誘導していかなければならないという事務があるわけでございます。 そして、その事件はほとんどが勝訴あるいは満足的結果を得ているわけですけれども、そのときに貸し付けたお金は国のお金ですから、これを返してもらわなければならないわけですけれども、この回収事務が実際は大変に困難をきわめているわけであります。それは、こういうお金を借りた人というのは資力に乏しい人でありまして、その訴訟が終わってから転居を転々とされる、あるいは借りた人が亡くなった場合には、相続が開始して、相続人を探索しなければならないというようなこともあります。また、一件当たりの貸付金はそう大きな金額ではないのですけれども、これを月々何千円ずつの支払いにしてほしいという割賦償還もあるわけでありまして、長期にわたって回収すると費用も大変かかるわけでございます。 それで、国から出していただくこの補助金は、使途がはっきり定められておりまして、これは貧困者に対する貸付金以外は使ってはなりません、いわゆる事務費、運営費、審査費用、そういうものには使ってはなりませんということになっておりますから、こちらのストックとしての、大蔵省から毎年出していただく助成金がストックとしては理論上たまっていくわけですけれども、フローの運営費は法律扶助協会が自前で調達しなきゃならないという事実関係があります。 じゃ、その割合はどうかといいますと、大体五分五分なんです。貸付金に対して運営費がそれと同額ぐらい今まで要っています。もうちょっとたくさん、五〇%を超えて運営費、一般事務費がかかる場合があります。そういたしますと、これをどこから調達しているかといいますと、日本弁護士連合会からの寄附金、あるいは各単位弁護士会からの寄附金、あるいは法律扶助を担当した弁護士がいただいた報酬の中からの一定割合の寄附金、あるいは弁護士が紹介した篤志家からの寄附金、あるいは罪を犯した人が、特に覚せい剤事犯なんかでは贖罪寄附ということをやります。どこへ持っていってお金返していいかわかりませんので、これを一定の機関に寄附をして、裁判所には自分は改悛の意思がありますということで示すわけですが、そういうお金を毎年毎年数億円調達をして、ようやくこの法律扶助というものが運営されているという実態があるわけでございます。 したがいまして、まさに今も一万数千人の弁護士ですけれども、その弁護士が三十数年間地をはい石にかじりついてでもここまでやってきたという実態があるわけでありますから、これがこれ以上、今毎年毎年数億円ずつのそういうものを調達してきて運営しているわけですが、これを十億とか二十億に伸ばすということはもうとても不能だと私は思うわけでございます。 そういうところから、私は、これを解決するためには、ここに一つの法律扶助基金のような、国の出資を仰ぎまして、一つの財政的基盤をきちっとして、そしてその果実で運営費を支弁することができないかどうか、こういうようなことを私考えまして、昭和六十二年に法律扶助基金法という私案を私ちょっと発表しましたところ、今日までたくさんの弁護士あるいは団体からいろいろな貴重な意見を寄せていただいているわけでございますけれども、こういう方法を、限られた財源ということを大蔵大臣言われましたけれども、約二百億ぐらいの基金を設立をしていただくことができるならば、その果実が五%でも十億近くあるわけですから、これによって運営は心配なく行うことができるのではないか、そのような夢のようなことを私考えまして発表いたしました。 こういう点につきまして、今大蔵大臣にはもうあえて求めませんけれども、法務大臣、いかがでしょうか。そういう助成という方法にかえて法律扶助基金というものを設立していただくということでどうでしょうか。
○篠田政府委員 法律扶助制度の現況につきましては、今冬柴委員から詳しく御説明がありましたとおりでございまして、諸外国と比べましても、かなり金額が低いということはおっしゃるとおりだと思います。 ただ、いろいろ法律制度というのは、社会制度全体の中の一環としてございまして、それぞれの国情の違いというのもいろいろございますし、それからまた財政事情ということもあるわけですから、そういった点、いろんな点を含めまして、今後とも抜本的なあり方としては、法務省としても検討してまいりたいと思っております。現在のところは、さしあたって日本弁護士連合会、それから法律扶助協会と当局におきまして研究会を重ねているところでございます。 それから、当面の問題といたしましては、一応現行制度を維持しながら事業費の充実を図るということに努力してまいりたい、そのように思っております。
○冬柴委員 そこまでお答えいただければ、扶助資金についての助成を今後どうしていかれるつもりなのか、近い将来の見通しでいいんですけれども、恒久的なそのような基金をつくるとか、財団でもいいわけですけれども、そういうものを、まあイギリスもそういう扶助基金があるようですけれども、そういう基金をつくって、そしてこういうものに万遺漏なきを期すという、そういうようなことをするには相当な時間が要ると思うのですけれども、それまでの考えをもう一度示していただきたいわけであります。
○篠田政府委員 先ほどお答えいたしましたように、抜本的なあり方ということになりますと、まだ相当時間がかかるわけでございまして、当面としては、法律扶助協会に対する扶助費について現在の予算補助の方式を充実させていきたい、そういうふうに考えております。
○冬柴委員 私は、この問題を考えるに当たって、非常に大きな問題があると思うのです。 例えば、法律扶助協会に運営費を国から出してくださいと言うのは憲法上問題があると思います。それは法律扶助協会は財団法人ですから、私的な民法上の公益法人でありますから、人事権とかあるいは金銭の管理というものを国が直接見る、監督するということができない仕組みになっています。したがいまして、私がここへ運営費を国から出してやってくれと言うのは、私自身はそういう観点から申し上げることはできないわけであります。しかし、そこで運営費が過分に要っているという、もう調達も限度に来ているという事実もありますので、私はそこに、扶助協会と国との間に、国が人事権もそして金銭も十分監督できる基金というものをつくることにより、この問題はクリアできるのではないか、このようにも感ずるわけでございます。そういうことであるからこそ、諸外国の立法例を見ても、そういうことを考えてやっているのかなというふうにも思うわけでございます。今まで日本でこの扶助制度というのがおくれたというのは、国情その他あったと思うのですけれども、ただ、弁護士会が一生懸命やってきたということのために、国民の生の声が国にがんがん行かなかった、そういう面もあったのではないかと思うわけでございます。 したがいまして、今後も私継続してこの問題は取り上げて、国にぜひ前進を求めていきたいというふうに思っているわけですけれども、最後に、大蔵大臣の何かこれに対する、先ほどもいただきましたけれども、言葉をちょうだいできればと思います。
○橋本国務大臣 私は、先刻も申し上げましたが、非常に地味ながらいい問題を掘り下げていただいていると思います。 ただ、率直に申しまして、私はファンドをつくることがいいのかどうかという点につきましては自信がございません。しかし、人権擁護局長の先ほど御答弁の中で、現在検討が進められておるということでありますから、その結論が出ましたものに対しては、財政当局としても真剣に勉強させていただくということはお約束をいたしたいと思います。
○冬柴委員 最後に、総理のかわりに官房長官をぜひ来てほしいと私申しましたので、その件についてあれば一言だけ。 〔近藤(鉄)委員長代理退席、宮下委員長代理着席〕
○坂本国務大臣 どうも私も寡聞にしてこの法律扶助のことは余り存じませんで、いい勉強になりました。 今、二百億の基金とおっしゃいましたけれども、なかなかそれは難しいこともありましょうけれども、しかし、人権の擁護という立場から御熱心にお話をされたわけでありまして、法務省、まあ裏打ちは大蔵省でございますけれども、法務省を中心にして、やはりこの一層の充実については私は具体的に検討、努力されるものと思っております。
○冬柴委員 どうもありがとうございました。
○宮下委員長代理 これにて冬柴君の質疑は終了いたしました。 次に、嶋崎譲君。
○嶋崎委員 先般竹下元総理が韓国を訪れまして、盧泰愚大統領との会談が行われ、近いうちに盧泰愚大統領をお迎えするに当たって、懸案の九一年問題、第三世問題をいよいよ取り上げなければならぬ重大な局面を迎えております。同時に、我が党といたしましても、朝鮮民主主義人民共和国のピョンヤンに富士山丸の方々が刑に服しております。毎日毎日牢の中にいる生活、牢の中ではありません、いろいろな労働をやっておりますけれども、刑に服していることに間違いはありません。何としてもこの人たちの釈放ということで今日まで努力をいたしてまいりました。 こういう問題を考えるにつけ、我が党としても、田邊副委員長が改めて五、六月をめどに朝鮮民主主義人民共和国を訪れようという計画をいたしております。それと連動して、自民党の方もぜひその後に続いてこの問題解決のためにいよいよ橋渡しをしなければならない時期を迎えてまいりました。それだけに、朝鮮半島をめぐる情勢はにわかに変化しつつ、新たな問題をはらみながら変化しつつありますが、同時に、韓国とソ連との話し合いの中で、ソ連が中に入って南北の会談のあっせんをやろうという動きが国際的に始まっております。 こういう朝鮮半島をめぐる新たな変化しつつある情勢の中にあって、長い間戦争中に強制労働者として我が国に運び込まれた朝鮮の方々が、在日韓国の問題、在日朝鮮の問題として、こういう動きの中で今後我が国はどのように在日韓国・朝鮮人の人権問題に対して対処していかなければならぬのか、こういう情勢を迎えているように私は判断をいたします。 最初にお聞きしますが、官房長官、総理はいらっしゃいませんからお聞きしますが、我が党の村山理事が昨年の三月三十日だったかな、この予算委員会におきまして竹下総理に、朝鮮半島全体に関連し、特に朝鮮民主主義人民共和国との日朝交流の問題に関連して総理の決意が述べられました。もう改めて時間そんなにありませんから読み上げませんが、重大な提案が竹下元総理によって行われました。それを今日の海部内閣は、我が党の土井たか子委員長の質問に答えまして、竹下元総理の日朝関係についての決意を海部内閣も継承するということを本会議で答弁をいただいております。それだけに、竹下内閣総理大臣が予算委員会で述べられたこの決意のほどを朝鮮民主主義人民共和国側は非常に高く評価し、今後の日本の対応を見守っているというのが、私が昨年暮れに党の団長として参りましたときにも向こうの側の見守っている重要な視点でございました。 それだけに、まず最初に官房長官にお伺いしますが、現海部内閣は竹下内閣の当時の日朝関係正常化に向けての努力の決意を同じように継承するというお立場だと思いますが、確認をさしていただきたいと思います。
○坂本国務大臣 竹下内閣、竹下総理の言われました日朝間の友好を進めていくというその方針は、海部内閣においても同様であります。
○嶋崎委員 その竹下総理の予算委員会における決意で非常に重大なのは、まず第一に、朝鮮半島をめぐる情勢の中で、「同地域のすべての人々に対し、」南北ですね、南北を含めて、「同地域のすべての人々に対し、」「過去の関係についての深い反省と遺憾の意を表明したい、このように思います。」と、まず遺憾の意を南北の朝鮮人民の方々に表明するということを公式に政府として発表されたわけであります。そして、その上に立って、「新たな決意を持って対朝鮮半島外交を進めていきたいと考えておるところでありまして、朝鮮民主主義人民共和国との間においても、朝鮮半島をめぐる新たな情勢に配慮しつつ、さきに述べました認識に立脚して関係改善を進めていきたい、」ですから積極的な意思です、積極的に「改善を進めていきたい、このように希望しておるところでございます。」問題は相手の出方にかかる。こういういわば二つの重要な内容、南北朝鮮、朝鮮半島全人民に対して過去のいろいろな関係について深い反省と遺憾の意を表するということと、その認識の上に立って朝鮮民主主義人民共和国との国交正常化のために、改善に努力したいという決意を述べられたというこの点を御確認できますね。
○坂本国務大臣 それはあなたの今おっしゃったとおりです。
○嶋崎委員 さて、そういう前提でいよいよ九一年問題を迎えるわけであります。 いわゆる九一年問題、いわゆる在日韓国・朝鮮人三世問題、いわゆる九一年問題とは政府はどのように理解していますか。
○谷野政府委員 私の方からお答えさせていただきます。 九一年問題と申しますのは、すなわち在日韓国人三世の方々に対していかなる法的な地位なり待遇を与えるかという問題でございまして、若干の経緯的なことを御説明しますと、先生も御存じのとおりでございますけれども、六五年の日韓の法的地位協定というのがございますけれども、その協定におきまして、協定上に言いますいわゆる在日韓国人の三世以下の子孫の例えば居住等の問題につきましては、同協定が発効して二十五年経過する九一年の一月十六日まで日韓間で協議を行うということを定めたわけでございます。そして、その協定に基づきまして、八八年十二月以来両国の政府間でいわゆるこの在日韓国人の三世以下の子孫のただいま申し上げました法的の地位あるいは待遇の問題について鋭意今検討、協議を行っておるところでございまして、これを総称いたしまして、九一年がいわゆる最終の年でございますので、巷間九一年問題あるいは三世問題と言われておるわけでございます。
○嶋崎委員 今お述べになったのは、一九六五年の日韓条約とそれに伴って出ました在日韓国人の法的地位協定、これによって、それから五年以内に永住権を申請した手続をとられた方々の、いわゆる韓国籍を持った方々の三世問題、それが九一年問題、こういうふうに理解してよろしいですか。
○谷野政府委員 お答え申し上げます。 そのとおりでございますが、これも先生御案内だと思いますけれども、いわゆる三世という方々は条約上の定義においての三世でございまして、現在は法務省のお調べによりますと、たしか昨年の末までいわば三人、四人の方が赤ちゃんの形でやっとこの世に出現したということでございまして、この方々の法的な地位なり待遇をこれからどのように定めていくかということでございます。
○嶋崎委員 そのときには、つまり一九六五年の日韓条約とそれに伴う在日韓国人の法的地位協定に伴って国籍を取得された方々、その三世問題は、今言った九一年問題の重要な問題でございます。ところが、日本政府として考えなきゃならぬことは、竹下総理が朝鮮半島のすべての人民に対して過去の遺憾な関係を表明された、そして朝鮮民主主義人民共和国との国交の正常化に向けて努力をしたい、こう言っているわけでありますから、韓国籍を持った、これを協定によって永住権を得たという意味で協定永住権、こう称していると思いますが、この協定永住権者についての三世問題もあります。しかし一方で、その後改めて永住権をお持ちになった時期があるのではございませんか。
○股野政府委員 ただいま委員御指摘のとおり、一九六五年の日韓法的地位協定に基づきまして、在日韓国人の方々に対する永住の許可という制度がとられたわけでございますが、同じく在日韓国人の方々と同様に終戦前から引き続き我が国に在留しておられる朝鮮半島あるいは台湾の出身者の方々につきまして、昭和五十六年の出入国管理令の改正によりまして特例永住を許可するという制度をとっております。また、同じくこの時期に、別途簡易永住と言って、永住許可の取得について条件を緩和した制度についても運用を図っておりますので、その意味では在日韓国人以外の方々についても、ただいまのような特例永住ないし簡易永住という制度が適用されております。
○嶋崎委員 今台湾とおっしゃいましたが、朝鮮民主主義人民共和国の国籍を主張している人については、今言ったように台湾と同じかは別として、一九七九年六月二十一日に国連人権規約A、B両条約を我が国が批准した。その国連人権規約の批准に基づいて出入国管理及び難民認定法の改正を行った。その改正は、韓国箱を持っている人については特別な法律をつくりましたけれども、この難民認定法の附則を改正をいたしまして、改めて特例永住権というものを、五年間、申請して認めるという手続をおとりになったのではありませんか。
○股野政府委員 ただいまの特例永住許可につきましては、昭和五十六年改正で行われた点は先生の御指摘のとおりでございます。 ただ、この五十六年の改正につきましては、ただいま先生が人権規約の締結と直接の関連で御指摘になりましたのですが、私どもといたしましては、それは一つの、確かにこの特例永住許可に先立ってそういうことがあったことは念頭に置いておりますが、全体の歴史的な流れから見て朝鮮半島出身の方々についてかような措置をとったという経過がございまして、その際にまた、これもただいま委員御指摘のとおり、特例永住許可につきましては入管法上の附則でその特例永住許可というための措置をとった経緯がございます。
○嶋崎委員 それは、法務省は法務省の勝手な論理なのであって、法務省がこの特別法を改正したのは八一年です。その二年前に、七九年の六月二十一日に国連人権規約A、B規約というものを我が国は批准したんです。そして、七九年の九月二十一日に発効したんです。それに基づく国内法手続が必要なわけです。それまでは、戦前から長い間永住していた我が国の在日朝鮮人の中で、韓国籍を持つ以外の人についてはその意味の永住権というものは保障されていなかった。したがって、国連人権規約というものを批准したときに、この規約はお隣の韓国は批准しておりません、朝鮮民主主義人民共和国は批准しています、我が国も批准しています。この批准に基づいて二年後にこの法律が動いたということは無関係だということには私はならぬと思います。聞いてみたって関係ありませんとおっしゃるからこれ以上聞きません。しかし、そんなはずはないと思います。 そこで、この八一年の法改正によって特例永住権と称せられる申請が八二年一月から八六年の十二月まで五年間の期限で行われ、そこで申請されている人たちについては特例永住権が保障され、その一世、二世は、韓国に箱ある方々は協定のいわば永住権、そして朝鮮民主主義人民共和国籍を持つ人については特例の永住権、この二つのいわば永住権が現実は存在している、こういうふうに日本における在日朝鮮人の姿というものをまずとらえてかかることが必要なのではないかと思いますが、いかがですか。
○股野政府委員 協定の永住者とそれから特例の永住者と二つの制度があることは先生御指摘のとおりでございます。
○嶋崎委員 そこで、特例永住権の三世はどういう法的地位にありますか。
○股野政府委員 先生の御指摘の意味は、特例永住を受けた人の子供のさらに子供がどうなっているか、こういう御指摘だろうと思いますが、現行法上はこれについては簡易永住の道が開かれているということでございますが、このいわゆる第三世代という意味は、先ほどアジア局長からも答弁ありましたように、日韓協定上の第三世代とは我々は区別をして考えております。
○嶋崎委員 聞いてみてわからないでしょう。簡易というのは何ですか、簡単に。これはどういうことかというと、一般永住範疇に属する一つの永住権。簡易、簡単な永住権というのは、普通の、一般の、外国から旅行したりなんかして永住しますね、そういう永住の、一般永住の範疇に属するものとして簡易永住という、法的地位をそういうふうに言っているかどうかは別として、そういう位置づけになっている。そうですね。
○股野政府委員 委員御指摘のとおりでございまして、説明を省略いたしまして失礼いたしました。
○嶋崎委員 そうしますと、我が国にいる在日朝鮮人は、北の籍を持っている人と南の籍を持っている人は法的地位に区別はあるが、永住権を取得しているという意味では共通であります。したがって、三世問題とは、日韓条約に伴う韓国籍を持った人たちの少数の第三世代問題だけではなくて、特例永住権を持った第三世問題もまた我が国としては、日韓だけの話じゃない、我が国としてはどのように平等に扱うかどうか、これが九一年問題の重要な一つの側面であると思いますが、いかがですか。
○股野政府委員 ただいま永住許可の問題について御質問でございますので、その永住許可の点について申し上げますと、まず、現在日韓の間で協議を行っております問題は、これは日韓協定上に基づく協議でございますので、協定永住者の第三世代の問題になります。 その問題を取り上げますときに、法務当局としては、同様の歴史的経緯を有する方々がおられるということを念頭に置いて検討を進めております。
○嶋崎委員 その検討でいいと思う。 今までのいわば協定永住権の申請をした人と、それから特例の永住権申請で永住権を取得した人とは、人権上の相違や差別はございませんか。
○股野政府委員 ただいまの委員の御質問が人権上の差別あるいは区別ということでございましたれば、この点は私どもはさような立場ではございませんで、これは法のもとで規定されたことに基づき処遇をいたしております。 ただ、協定に基づく協定永住者は協定に基づく扱いを受け、そうでない特例永住者、すなわち一搬入管法上の扱いを受ける人たちについて、その両者の間に取り扱いの違いがあることは事実でございますが、しかし、これは人権上の問題としてはとらえておりません。
○嶋崎委員 しかし、国連人権規約A規約二十七条その他を調べてみますと、それに我が国の憲法も照らし合わせて議論をしてみると、時間がありませんからそんな法理論を展開しませんが、一つだけお聞きします。 協定永住権の取得者は、出入国管理特別法の適用を受けていて、懲役七年以上の刑を受ければ強制退去の対象となる、こうなっておりますね。それに対して、出入国管理及び難民認定法二十四条の対象となるいわゆる特例永住権者の場合には、一年以上の刑を受ければ退去強制ということになっておりませんか。
○股野政府委員 ただいまの委員御指摘の違いは法制度上の違いでございまして、法制度上は退去強制事由として委員御指摘のような違いはございます。 ただ、この違いにつきまして、実際に今度は取り扱いを行う場合には、退去強制手続の運用という問題がございます。その際には、当局といたしまして、同様の歴史的経緯あるいは同様の定住性ということにかんがみて、不合理な区別がないように配慮をいたしております。
○嶋崎委員 今の答弁は、当面は日朝の間に国交がありませんから、長い歴史的な乖離の中で、残念ながら朝鮮半島の二つの国家のうち一つを我が国は認めているのですから、在日朝鮮人としての歴史は同じだけれども、そういう形の上での差異があるかのように見えるが、今のように運用によってそういう問題に対して対処していきたいと考えていらっしゃるということを確認できれば、大変よろしいと思います。 さてそこで、今、日韓協議の中でこの九一年問題の日本側の対応と韓国側の対応との間になかなか詰めが難しいということで、事務レベルの話が先送りされたと新聞に報道されておりますが、いかがですか。
○谷野政府委員 お答え申し上げます。 ただいまこの問題につきまして日本の政府部内で懸命の意見の、考え方の調整を行っている段階でございまして、それを了しまして先方との再度の協議に臨んだ方がより生産的であろうと思われましたので、予定されておりました第四回目の非公式会議を暫時延期することにいたしました。
○嶋崎委員 韓国側の対応はもう多くの新聞に出ておりますが、九項目の要求がありまして、指紋押捺の廃止、強制退去からの適用除外、日本公務員への採用、参政権の付与などの項目が要望としてあると伝えられておりますが、そのとおりですか。
○谷野政府委員 お答え申し上げます。 ただいまお話のありました点も含めまして、韓国政府からいわゆる九項目の改善についての要求事項がなされております。これは一つ一つ御説明する時間はございませんけれども、項目だけを申し上げますと、永住権の付与、退去強制にかかわる問題が第二点、再入国許可制度にかかわる問題、そして外国人登録にかかわる指紋押捺等の問題、公務員への採用の問題、民間企業への就職の問題、そして韓国語学級等の民族教育にかかわる問題、そして最後に地方自治体レベルの、ただいま仰せの選挙権あるいは被選挙権の問題でございまして、以上数えましていわゆる九項目と私どもは申しております。
○嶋崎委員 今外交交渉で事が進んでいる最中ですから、それに対して日本側の対応を言えなんという、そういう非常識なことは申し上げません。今後この協議を進めるに当たって、指紋押捺の廃止というような問題をもし我が国で検討することになれば、いわばさっき言った特例の永住権者についても、戦前からの同じ経験と同じ条件の中で永住権を持っているのでありますから、第三世代問題と同時に一つの重要な問題として位置づけていただくことも念頭に置いてこの交渉問題を考えていただきたい、これは私の要望で、これ以上申しません。 また同時に、我が国の政府のかつての朝鮮政策を見てまいりますと、長い間日本におられた、永住されている方ですから、もう日本人と同じだ、したがって日本に帰化して日本人として生活すればいい、そういうつまり一種の同化政策的な考え方が貫かれているように私は思います。ところが、それがいい悪いを私は言っているのではありません。しかし、片や朝鮮民主主義人民共和国の在外公民としての権利やその主張をしている在日の方がおられるということを含めて今後我が国は対応していかなければならぬというのが与えられた客観的な事実であります。その意味で、朝鮮民主主義人民共和国籍を持つ特例永住権者、その第三世の今後のあり方についても、韓国箱を持つ三世問題の九一年問題と同様に今後の課題として、大きな政治問題として位置づけて、政府としてはきちんと対応していくべきだと私は考えております。 総理はきょうはいらっしゃいませんから、官房長官、最初に竹下総理の朝鮮半島におけるすべての人民に対する遺憾の意と今後の日朝国交正常化へのこの決意を前提にするならば、私が今申し上げた観点を日本政府は失ってはならぬと思いますが、いかがですか。
○坂本国務大臣 竹下政権時代の今おっしゃったような諸原則は、海部内閣もこれを踏襲していくと先ほども申したわけであります。その原則に従えば、今の北と南というようなことにつきましても、この間に実質上の差はないと今政府委員も答弁をしておるわけでありまして、その延長上に行くことがこれは当然のことだろうと思っております。
○宮下委員長代理 嶋崎君にちょっと申し上げます。谷野アジア局長の答弁を求めます。谷野アジア局長。
○谷野政府委員 補足的に御説明させていただきたいと思います。 ただいま日本政府が韓国政府と行っておりますのは、いわゆる先生からお話のあります三世問題ということでございます。これは、日本と韓国の法的地位協定に基づきまして韓国政府と協議を行っておるわけでございますから、したがいまして、その対象は在日韓国人の三世及びその子孫ということに一応なっておるわけでございます。他方、いわゆる先生の御指摘のありました在日朝鮮人の子孫の方々を含めまして、いかなる外国人にいかなる地位あるいは待遇を付与していくかというより幅の広い問題につきましては、今後いわゆる三世問題の進展を踏まえながら検討をしていくことになろうというふうに考えております。 それから、あえて補足させていただきますれば、入管局長からるる申し上げましたように、在日朝鮮人の方々につきましては日韓法的地位協定のような特別な協定はございません。しかしながら、御説明がありましたように、実際上同協定の対象である在日韓国人と基本的には同様の待遇を享受し得るようにいろいろ配慮してきておるというのが実態でございます。
○嶋崎委員 さて、その前提でこれから個別に入ります。 厚生省、厚生大臣、今の協定永住権者、仮にそう言っておきます、もう一つ特例永住権、こうい う永住権者たちに対して国民健康保険の適用で国籍条項を省いたのはいつですか。
○津島国務大臣 一九八一年の難民条約への加入に伴う国民年金法等の改正から昭和六十一年四月の関係法令の改正までの数次の改正によりまして、御質問の国民健康保険の適用につきましては、国籍要件を撤廃し、我が国に居住するすべての外国人に対して適用拡大を行っております。したがって、現在では日韓法的地位協定による永住許可を受けた者であるか否かによって国民健康保険の適用上の差異はございません。
○嶋崎委員 厚生省は、特定永住権の申請が行われ、その締め切りが終わって、八六年にこれがなりますから、その時期とこの国民健康保険の加入について国籍条項を取っ払ったということとは一致しているという意味で、私は一つの前進であったと思います。 ただ、これを少し過去にさかのぼってみますとどうなっているかというと、日韓条約を結んだときの法的地位協定の国籍条項と国民健康保険とは不可分でございました。したがって、特定永住権者がこれを得るようになったのは六十一年からであって、それまでは日韓条約に伴う韓国箱を持った人たちだけに適用されていたという経過があったことをこの際確認しておきたいと思います。そのとおりですね。
○坂本(龍)政府委員 法律上の規定から申しますと、昭和六十一年、一九八六年の改正以前に若干の法令上の規定の差異はございました。これは国民健康保険で原則日本国民というものに対して適用いたしますけれども、その他厚生省令で一定の者を除いておるという仕組みがございまして、その中に「日本の国籍を有しない者」というのがございましたが、このただし書きで、当時の「日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う出入国管理特別法第一条の許可を受けている者」というのは除かれておりますので、結果的に当然適用という姿でございました。しかし、現実には各市町村の条例によって外国人に国民健康保険を適用することができましたので、実際問題といたしましてはこれらの方以外の方々にも国民健康保険が適用されていたという状態があったと申し上げることができると思います。
○嶋崎委員 そうなんだ。なし崩し的にと言うと表現は悪いけれども、国籍条項も一つの要件だが、市町村の条例というものによってこの健康保険の適用を受けられるということになっていたから、それ以前に次第に入っていった。今日、厚生省の資料ですと、今年の四月一日現在で韓国、朝鮮の被保険者数三十七万、そして日韓協定による永住許可を受けた者はそのうちの十七万でありますから、その他二十万ですから、在日朝鮮人大体七十万、六十九万と見ますと、ほぼ皆保険的な性格を持ち始めることになったという意味で、厚生省の昭和六十一年四月のこの国籍条項の撤廃は新しい段階を画した、こう私は見ております。 厚生省はそこまで進んでおりましたので、さあどうぞ、厚生大臣お帰りください。 そこで今度は、日本にある朝鮮人の学校と、それから日本の外にある、外国の日本人学校、これと比較してみたいと思います。外務省、外務大臣いないですか、だれか来ているのですね。じゃ、お聞きしますよ。 日本人学校が世界の各国にあります。日本人学校が世界の各国にあるが、その日本人学校の中でそれぞれの国の現行法制上、相手の国の法制上、教育法制上の位置づけが明確になっている学校は幾つ、それから現地の法制上の位置づけが明確でない日本人学校は幾つありますか。
○久米政府委員 お答えいたします。 在外におきます日本人学校の法的位置づけにつきましては、所在国によりまして法制度が若干異なっておりますので一概に申し上げるのはちょっと難しい面がございますけれども、所在国の法令に基づく学校または教育施設として認められているもの、あるいは大使館の附属施設とされているもの、それから現地の文化団体等の活動の一環として運営されているものというような種々の形態がございます。そのうち、今御質問のありました所在国の法令に基づく学校は何校あるかという点でございますけれども、最近の調査では、所在国の法令に基づく学校というものは八十四校中の四十三校ございます。
○嶋崎委員 外務省は、昭和五十九年にきちんとした分類で調査したデータがあります。文部省ないでしょう、僕がいつか質問したときなかった。いいよ、後にしよう。 外務省が分類するときにちゃんと現地法制上位置づけが明確な学校として、そのうちの第一の分類は、当該国私立学校と同一の法令条項により認可されている学校、このグループが一つ。これにはその州から経常費助成を受けております。そして同時にまた、校舎や用地の賃貸借についての特権が保障されております。同時に、奨学制、奨学金などについても適用されているところがあります。これが一番いい、日本で言うと私立学校並みに扱われている教育法制上の日本人学校です。これが現在は四十三、五十九年の調査のときには三十三校でしたから大分ふえました。私は別の調査をもう一遍外務省につくってくれと言ったら、つくって、出ました。そのときにもう一つ、今度は当該国在国外国人のための教育施設として特別の法律条項により認可されている学校、これがその中の別のまた分類になっています。そして、上記の一、二とは異なった法令条項により許可されている学校、いわゆる各種学校です。こういう三つのタイプに分けて、そしてその各種学校を除きますと三十三校、各種学校を入れますと当時は三十五校だったのですが、今度のこの四十三校というのは各種学校は含んでいませんね。どうですか。
○久米政府委員 ただいま申し上げました四十三校というのは、相手国の、所在国の何らかの形で法律、法令に基づいている学校の数でございまして、これは法律、法令に基づいているものはすべて含んでおります。
○嶋崎委員 わかった。今御承知のとおりです。 在日朝鮮人の学校はどうなっていますか。このように日本の外国にある学校は日本の教育制度をそのまま持ってきて、日本語で、日本語の教師で、日本の六・三制教育に基づいて外国で教育をやる、日本民族の教育をやっているわけです。それに相手国の教育法制上、私立学校として助成し、補助しています。我が国における在日朝鮮人の学校、これは第三世問題です。第三世がこれから占めていく、二十一世紀に向けて問題になるところのこの三世の人たちの中に、先ほど言いました朝鮮民主主義人民共和国の籍を持っていて、そして在日公民としての学校制度の中で勉強したいという生徒がいる。これはもう相当あちこちあります。昔はたくさんあったけれども、文部省の方針で全部つぶされました。そして、新たにできてまいりました。今全国にあります。それは今度はどうかというと、日本人学校のときには日本の教育制度を——相手の教育制度じゃないのです、相手国じゃなくて、日本の教育制度を持ち込んで日本の教育をやって、日本人としての民族的な自覚と日本人としての市民としての教育を受けている。日本にいる在日朝鮮人の学校の場合には、今度はどうしたかというと、朝鮮民主主義人民共和国の教育制度は持ち込まない。日本の教育制度と日本のカリキュラムや教科書を使いながら、ここで朝鮮人学校というものが最近は非常に大きな影響力を持ち、大きな業績を上げつつある。 臨教審答申で何と言っていましたか。国際化時代とは、日本が世界に向けて開かれると同時に、日本の国内が国際化されなければならぬ、これが臨教審の教育方針の、教育関係の重要な結論であります。そう見ますと、在日朝鮮人のこの朝鮮人学校の位置づけについて、文部省は昭和四十年の次官通達、随分古い話だ。もう先ほど言ったように人権規約が批准された、その後には協定永住権者、特例永住権者ができた。そして、すべての人について健康保険は平等、さっきは聞きませんでしたが、厚生省で聞いておりますと、生活保護も母子家庭も日本と同じように適用しています、厚生省は。文部省の方針は、昭和四十年の一片の次官通達以来今日の情勢に対して変化ないと思うが、今の文部大臣に責任ないですけれども、歴代の文部大臣そうだったのですが、そろそろ検討する必要がおありと思いませんか。
○横瀬政府委員 私からお答え申し上げます。 御指摘の昭和四十年の事務次官通達でございますけれども、これは朝鮮人学校について各種学校として認可すべきでないというふうになっております。しかし、この通達は、その通達自身の末尾のところにございますように、当時朝鮮人学校を含めて外国人学校について新しい制度を検討して外国人学校の統一的取り扱いを図るということを予定していた状況の中で出されたものでございまして、そういう予定をいわば前提として出されたものでございます。しかし、その後昭和四十三年に国会に外国人学校法案が提出されましたけれども成立いたしませんで、そういったこともございまして、各都道府県におきましては朝鮮人学校を各種学校として認可を次第に行っておりまして、現在はほとんどすべての朝鮮人学校が各種学校として認可されております。したがいまして、現在、その事務次官通達についてその後内容を変更するということは特に行われておりませんけれども、文部省としてはその各種学校として認可されているという認識の上に立っているところでございます。 そういうような現実がありますことを踏まえますと、またかつ、新たな状況が特に生じているという状況には私は承知しておりませんので、現在この問題について新たな措置を講ずるということは考えておりません。
○嶋崎委員 そうすると、昨日の文部大臣の公明党の委員の質問に答えたことと矛盾しちゃうのです、今から言うことは。この文書は、やはりこれを各種学校として認めたのは文部省じゃないのですよ、都道府県なんだから。都道府県が認めているんで、文部省は依然として認めないという方針は変わっていないのだから、だからこの通達は生きているのだよ。もうそろそろ変えなければだめだけれども、まあそれはいいわ、時間がなくなるから。 そこで、ではお聞きしますよ。在日朝鮮人学校の高等学校、高等教育と言うのかな、あそこでは。高等学校と言っておきましょう。ここを卒業した人の大学受験資格は、現状日本ではどうなっていますか。
○坂元政府委員 お答えいたします。 先生も既に十分御承知のとおりでございまして、現在の大学入学資格というのは、学校教育法の規定によりまして、原則高等学校を卒業した者もしくは文部大臣がこれと同等以上の学力があるということで認めた者というふうになっております。そして、さらに文部大臣の定めといたしまして、学校教育法施行規則の中で種々定められておるわけでございます。ちょっと長くなって恐縮でございますが、その中に、一番最後のセービングクローズですが、「その他大学において、相当の年令に達し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者」という規定が、もう先生御承知のとおりあるわけでございます。 この規定を置いた趣旨というのは、戦後の新しい学制にしたときに旧制度のいろいろな中学校等、中等学校を卒業した人などをもしか救済できないと困るというようなことで制度の救済、セービングクローズとしてこの規定を設けてきたわけでございます。したがって、私ども文部省といたしましては、この規定を安易に運用するということは学校教育体系の根幹に触れる問題であるということで、慎重に対応すべきであるという姿勢で今日まで来ているわけでございます。そして、したがって国立大学につきましてはそういう文部省の考え方に沿いまして、朝鮮人学校卒業生に対しては入学資格を認めておりません。 ただ一方、現実問題として、私どもでそういう指導はいたしておりますけれども、そういうセービングクローズが学校教育法施行規則にあるものでございますので、公立大学あるいは私立大学の中には、このセービングクローズを使用いたしまして入学を認めているところがございます。
○嶋崎委員 では、結論だけ言いましょう。 日本の私立大学と公立大学は、朝鮮人学校の高等学校を卒業したら受験資格を認めている。国立だけが認められていないんです。既に東大から京都大学から、国立大学に続々入っていく実力を持っている生徒がおります。国立を受ける方が金が安く済むから、彼らは高等学校に入るときに、朝鮮人学校と同時に、資格取らなきゃ受験資格はありませんから、日本の高校の定時制か何かに並行して入るわけです。そして両方やってこっちの日本の資格を取って東大を受けるんです、京都大学を受けるんです。 そういう国立大学を除いて、例えば公立の奈良医科大学のような場合を初め、キリスト教大学系で言うならば明治学院大学、津田塾大学、立教大学、国際基督教大学、関西学院大学、同志社大学、民間の私立大学は皆認めているのです。早稲田大学も慶応大学もですよ。それにもいろんな条件はありますよ。きょうは細かな議論、文教委員会でいずれまたもう一遍改めてやるけれども、いずれにしても公立と私立が認めて、学校教育法一条に言う学校に相当するものと認定をして受験資格を認めているのに、なぜ国立大学はいまだに一歩も動き出そうとしないか、この点は検討すべき課題だと思いますが、文部大臣、いかがですか。
○保利国務大臣 昨年の十一月でございましたか、委員が文教委員会でいろいろ御質問、お述べになられた議事録を大変注意深く拝見をさせていただきました。いろいろな問題について御指摘をいただいておるわけでございますけれども、この問題につきましては我が国の学校教育の体系の根幹にかかわる事柄でございますし、また同時に国際化への対応という観点も含めていかなければなりませんので、将来にわたって慎重に考えるべき問題だなというふうに考えております。
○嶋崎委員 それは朝鮮人学校だけじゃないのですよ。アメリカの日本の学校、そういうものの中にも第一条に該当しない各種学校がいっぱいあるの。それも含めて早く、もうこれだけ日本人学校が外国で保護されているんですから、日本人学校が外国で保護されているのに、日本にあるアメリカンスクールを初めとする各種学校や、それから日本の、長い間やってきて今や伝統を持ったこういう学校の高等学校卒業生に大学受験の資格は国立だけはだめだという話をいつまでもやっているということは、これは国際化じゃありません。検討すべき課題だということ、これが一つ。 そこでもう一つ、スポーツはどうなっていますか。きのう文部大臣は、国体には今後前向きに検討すると言われましたが、いつから実行されますか。
○前畑政府委員 御指摘の外国人の国体参加の問題につきましては、国体が我が国の国民のための体育大会ということで、日本体育協会の主催で始まった経緯もありまして、現在までは基本的には外国人の参加というものを認めておりません。しかしながら、ただいま先生の御指摘もございました。また、昨日も御質問をちょうだいしておりますが、具体の課題もございますので、できるだけ早い機会にこの問題についての結論を出してほしいと、日本体育協会に頼んでおります。 しかしながら、国体の趣旨からいたしまして、一般的に外国人の参加を認めるということになりますれば、関連をして検討すべき多くの課題もありますので、当面は、例えば既に中学校、高等学校に在学している外国人には参加資格を認めておりますので、大学について検討する余地はなかろうか、こういうことで今日本体育協会では検討を行っているというふうに承知をいたしております。
○嶋崎委員 体育協会の会長、青木さん、お忙しいところお見えになっておりますね。 青木さん、金沢大学の漕艇部から昨年の十二月十一日に体育協会会長あてに「国体出場資格における国籍条項について」という要望書が、金沢大学漕艇部の顧問の先生と主将の橋本君から提出されておりますが、返事が来ていないと言っていますが、御存じですか。
○青木参考人 お答えいたします。 昨年末に、金沢大学の漕艇部の外国籍選手の国体参加問題について、日本漕艇協会と協議を重ねてきたところでございますが、外国籍の高校生については御承知のとおり三十六回の大会から、また中学生につきましては第四十三回の京都国体から参加を認めている現状に照らしまして、現在、大学に在学いたしております外国人についても参加を認める方向で、国体委員会に検討方を諮問しているところでございます。
○嶋崎委員 もうちょっと急がないといかぬのですよ。というのは、金沢大学医学部のこの学生は、一人乗りボートのシングルスカルではトップです。今度国体に出ても優勝するであろうという予測が立っている大変なスポーツマンであります。高等学校までよくなったというので、いやよかった、今度はおれ国体に行けるわいというので、国体に行けることを目標にして猛烈な訓練、この訓練日程を本人からいただきましたが、おととしからそれに向けて猛烈な運動の——立派なお医者さんになる人ですよ。その人が努力をしてきて体育協会に出してお願いをしているのに、まだ返事が来ない。四月いっぱいから、もうぎりぎりになってきているわけ。まだ間に合うのです。 そこで、今の前向きの御検討は、これは高校生がよくて大学生がだめだという理由は余り成り立たぬような、まあ一般社会に広げるかどうかというとまた一つ問題が起きますが、その意味で当面、朴青年の、金沢大学医学部の彼のスポーツ参加、国体への参加について前向きで検討するとすれば、先で検討すると言っておったらもう一年おくれで先になって、もう本人だめになっちゃうのです。そういう意味で非常に急ぐ結論をお願いを申し上げたいが、大臣並びに体育協会相互に話し合って、急遽対処できるように御努力を賜りたいと思います。
○保利国務大臣 一般論として、外国人を国体に参加させるということは大変難しい問題があります。しかし、関連して検討する課題も多いわけでございますけれども、この九月、十月の秋の国体に間に合わせるようにというような結論を出していくことはとても困難なことなんではありますが、先生からこういう御指摘をちょうだいをいたしております。青木会長もおいでになっていらっしゃいますので、この問題についてできるだけ適切な結論が得られるように検討をお願いをしてまいりたい、こう思います。
○嶋崎委員 どうも。そのことでそういう対応を、体協会長とともに対応していただきたい。これも三世問題です。在日韓国・朝鮮人三世問題ですから、どうぞ。
○青木参考人 福岡の夏季国体の各都道府県の予選会の日程も大変近づいてまいりまして、例えば石川県のボート競技会は七月の十五日に内定をいたしておるそうでございまして、それぞれの競技会が、予選会が内定をしつつあるところでございますので、先生の御趣旨を体しまして早急に結論が出ますように、国体委員会に対しまして諮問をしてまいりたい、かように考えております。
○嶋崎委員 どうもありがとうございました。
○宮下委員長代理 青木参考人、お帰りになって結構です。
○嶋崎委員 今度は運輸大臣。 今日、在日朝鮮人の生徒たち、朝鮮人学校の生徒たち、もちろん朝鮮人というのは北だけじゃありませんよ、韓国籍を持っている人も朝鮮人学校へ行っておりますから。この人たちには、今までは国鉄ですから、国の方針に従ってパスの割引はありませんでした。もう今やJRになりまして、民間並みに私鉄と競争している、こういう状況ですから、民鉄並みに、民鉄は既にこの人たちに学割を実施しています。国鉄だけが、もうJRなのですけれども、昔の国鉄の規則をちょこちょこちょこちょこややこしゅう直してまだ全然対応になっておりません。普通の場合ですと、大学生が一〇〇としますと、一割引きが高校、三割引きが中学、小学校は五割ないし六割引き、こういう定期券が発行されているのが今のしゃばの、世の中の常識になろうとしているのに、残念ながらJRはいまだに適用がありません。この問題について、学校教育法第一条でない各種学校だからだめだというのが理屈だということも知っております。しかし、大学入試の資格問題なども含めて新たな段階に来ている。厚生省は既に、国籍関係なしに、生活保護から母子家庭から国民健康保険から皆一律に扱うという我が国の基本が既に動き出しているのですから、JRのパスについてどうしたらいいか、御意見を賜りたいと思います。
○大野国務大臣 御指摘の通学定期運賃の割引、民鉄とJRと相違のあることはよく承知いたしております。しかしながら、今先生御自分でお調べになってお話しいただいたように、学校法人と各種学校との差、それをごちゃごちゃ言っておるというお話でございましたが、これは今すぐということよりも、例えば運賃改定の時期とかそういうタイミングもあるかと思いますので、その点を考慮しながら検討させていただきたい、こう思っております。
○嶋崎委員 文部省は、朝鮮人学校を各種学校、つまり第一条じゃなくて八十四条の都道府県認可学校として各種学校と位置づけている。だから受験資格もありませんしそういういろいろなことが出てくるのだが、国鉄の場合に、日本の各種学校にもこれは広がるかもしれぬというのが、今まで拒否してきた、そのできないという理由だったのです。ところが、日本人で各種学校へ行っているのはみんな二十過ぎなのですよ。高校を卒業した人が各種学校や専門学校へ行っているのであって、その人たちの各種学校と同じように、小中高校の生徒を各種学校だからパス出せないという理屈はもはや通用しない。文部省は何と言うかは別として、運輸省は、私鉄がやっているように民鉄であるJRについては同じように適用する。なぜかというと、朝鮮人学校の場合は、分校がたくさんあったのを昔、例の四十年の文部省の次官通達で学校が閉鎖したのです。だから、今通うのは物すごく遠いのです。一一時間半か三時間ぐらいかかっているところがあるのです。そういうことなども含めて、大変不便をかけ、しかも高い。生活がそう楽じゃありませんから、子供たちの運賃というのは、乗りかえ乗りかえで行きますと相当高い旅費を払って学校に行くという現状でありますから、それを考慮して、今のような前向きでこの問題も検討していただきたいということを申し上げ、前向きの返答をいただいたものと確認をいたしてよろしいですね。
○大野国務大臣 結構でございます。
○嶋崎委員 ちょっとテーマは変わります。 先般、総括のときに森林・林業の質問をいたしましたが、この間林業白書が出ましたね。この林業白書を見てみると、私が先般質問したときに幾つか指摘したものが今度の林業白書に抜けているのです。 第一、保安林の指定が八百十七万ヘクタールであって、そして造林、保育などが行われないために疎林化して、そして保安林の面積の一一%に当たる八十九万ヘクタールに達するものが疎林化しているということを六十一年の白書などで指摘をしてきた。これは今度は抜けている。 また同時に、同じく、昭和五十三年、五十四年度の調査で山地災害危険箇所と言われる箇所が十三万一千カ所と言われておりました。これが六十年から六十一年の調査をやってみましたら十七万六千にふえているのです。つまり日本の山地災害の危険箇所が拡大しているというデータが既に白書で報告されておりました。今度はこの記述が消えました。 また同時に、間伐問題についても、森林資源が五年間で一五%増加したとあるけれども、問題は間伐が不十分だという先般言いました百四十万ヘクタール、直ちにやらなければならぬのが百四十万ヘクタールあって年間予算がわずかに十四万ヘクタール。そういう実情の中で間伐に対する国の予算はスズメの涙というか、そういう状態になっている。こういう状態の記述がまたこれで落ちてしまった。 その他二、三まだありますが、こういう私どもが森林を頭に置いたときにかなり重視してきた白書が、国民に事実を知らせてともに解決しようやというふうに言ってきた白書の姿勢に少し変化があるのではないかというふうに案じますが、なぜかということと、ないとすれば過去の事実も今日の事実として確認して対処すべきだというこの二つについて御意見を伺いたい。
○甕政府委員 お答え申し上げます。 林業白書でございますけれども、これまで、その年の林業における諸問題の中で特に訴えたいテーマを重点に記述をしてきておるわけでございます。平成元年度におきましては、木材需要が増大する中で国産材が伸び悩んでおる、また熱帯林を初めとしまして国際的に森林問題の重要性が再認識されておる状況にある、そういう中で今充実しつつある我が国の森林資源の有効活用と森林整備の重要性に重点を置きまして記述をしているところでございます。 御指摘の事項につきまして、森林の荒廃等に関します数字を挙げていないのでその問題がなくなったのか、こういうことでございますけれども、それはそういうふうには考えておりません。森林の諸機能を確保する上での森林整備が重要であるということにつきましては、今回の白書におきましても認識を異にするものではございませんで、その点については随所に触れて記述をしておるつもりでございます。 なお、ちなみに六十一年度版の白書につきましては、現在の我が国の林業の厳しさを訴えるという趣旨で、「試練に立つ日本林業とその活力回復に向けて」ということが特集テーマでございまして、ちょうど新しい制度を仕組みますとか新しい五カ年計画をつくりますとかいう際、何年かに一回行います調査で把握をしておりました具体的な数字を示して記述をいたしたということでございます。 その後、今の点についての新しい数字はないわけでございますけれども、森林整備の実態からいたしますと年々改善はされておる。しかしながら、基本的に森林の整備を必要とする状況は変わっていないのではないかというのが私どもの認識でございまして、今後とも森林の管理の適正化あるいは森林の整備につきましては力を入れてまいりたいと考えておるところでございます。
○嶋崎委員 ちょっと意地が悪いんだけれども、六十一年度白書と比較したのは、六十二年に改善計画が始まるのよ。これはそのときの前の年の白書です。時期が合っているわけです。今度は、先ほども議論したように、来年度というのはえらい時期に来るんだから、ことしの白書はやはり、六十一年のときに六十二年度の新たな動きに対して保育その他の必要性を言いながら調査したものを載せたように、今回もお載せになっておく方が政治的な意味があるのではないかなというのが私の推測でございまして、長官おっしゃるように、今度のものは世界の森林や造林の問題等々に新しい課題を提起しているという意味ですぐれていることも私は承知しておりますから、そういう政治的な意味を含めて、やはり継承すべき造林の必要性、それから保安の必要性などについて依然として記述は最低残しておかれた方がよかったのではないか。これは私の危惧であります。いずれにいたしましても、事実は事実として確認されましたから、それで結構でございます。 さて、時間もありませんが、環境庁長官、IPCCでえらい御苦労さんでございました。あのワシントン会議に通産省と環境庁がそれぞれの御立場でお臨みになっている。時間がありませんから問題だけ先に出しておきますと、いわば地球温暖化に対応していく際の、その温暖化の考え方についてどう対応するかということに関連して、環境庁の判断は、CO2対策と経済成長との間には矛盾がない、こういう御判断で会議に臨まれている、私が皆さんからいただいた資料で見るとそうなります。ところでもう一つ、今度は通産省がお出しになったものを見ると、そう簡単じゃないですよと。経済成長とCO2対策というのはそう簡単じゃない。特にIPCCは、最初はトロントや去年以来の宣言で言っている二〇%削減よりも物すごい数字を言い始めましたね、八〇%、こんなのできっこないと僕は思うが、いずれにしても、CO2問題対策というのは今や国際的な条約を取り決めてでも対応しなければいかぬということになったことは事実だ。 その際に、つまり省エネ対策をやることと経済成長について通産の判断と環境庁の判断とでは今のところ少し違うような気がする。先で僕は目標は同じだと思う。国の目標は変わらぬが、当面プロセスとして違いやせぬかなという意味で、ここに、通産の方は大臣勘弁してくれと言われたので、これはすぐ回答するものではありませんから、質問を政府委員にしておきましたからどなたか来ていると思いますが、環境庁、通産省、それぞれIPCCに臨む際に、特に通産の方は問題提起をなさったと聞いていますが、それだけに環境庁、通産省、それぞれの立場で今現在の御判断を聞かせてください。
○宮下委員長代理 嶋崎君に申し上げますが、農林大臣はよろしいですか。
○嶋崎委員 農林大臣はまだ最後までおってよ。最後に森林やりますから。
○宮下委員長代理 環境庁安原企画調整局長。
○嶋崎委員 環境庁長官、それから通産省。
○宮下委員長代理 いや、委員長は安原企画調整局長を指名いたしましたが、大臣先にやられますか。——それでは、環境庁長官。
○北川国務大臣 嶋崎委員の、ホワイトハウスにおける会議においての環境庁と通産省との食い違いがあったのではないかという御質問でございます。これは食い違いは決してございませんでした。ただ、通産省は通産省といたしましてCO2対策に対してのデータを持ってまいりました。環境庁といたしましては、CO2を初め地球温暖化にまたいろいろの問題が出てまいりまして、特にこれは率直に言いまして、アメリカが環境と経済と両立して環境をよくしていきたい、これは慌てふためいたという言葉は当てはまりませんが、一日も早くやらなければいかない、これを行動に移さなければいかないということで招集をされた問題でありまして、世界の科学者そして経済、環境、政治家それぞれ十八カ国が寄りまして、いろいろと自由な立場において討議をし、そしてCO2対策については通産省がいろいろのデータの中に立ちまして、五十年、百年を向こうにしての計画を発表いたしました次第でありまして、環境庁としましてはこの点を認識しながら、日本が特にあの経済の混乱を来した石油パニックとかいろいろな中で四%の経済成長をしながら環境に対しては手を打ってきた、その科学的な技術という面も公表いたしまして、アメリカ、欧州、ECともにそれぞれの意見の対立はありましたが、日本としては昨年の国際機関における諸問題を踏まえまして両方をうまく中和した、こういう考えを持っておりまして、十一月にまたこの会議もいたしたい、六月にもいたしたい、そういう状況でございます。 以上です。
○安原政府委員 環境庁長官の答弁を補足させていただきたいと存じます。 先生お尋ねの環境政策と経済成長との関係でございますが、この点につきましては北川長官がホワイトハウス会議で共同議長を務められました中で、その点について明確に日本側の考え方を発言されておるわけでございます。 それを申し上げますと、第一点は、今も長官が発言されたとおりでございますが、我が国においてはかって厳しい公害を経験しましたが、官民を挙げまして努力をしました結果、大気汚染対策等の公害対策が非常に進んだ、しかもその間において経済成長およそ年率四%を持続したということを説明いたしました。それから、特に今の経験も踏まえまして今後の問題といたしまして、地球環境保全に向けての対応に当たりましても、第一点は、早急に国民の支持を背景にいたしまして省エネルギー・省資源の方策をとりまして、地球環境に対する負荷の少ない社会経済活動の実現を目指していく、そのための各般の施策を着実に進めていくということが第一点でございます。そして第二点に、計画的に地球環境保全に資するような技術革新の進展を図る。こういう主として二つの方策によりまして、今後地球温暖化の問題に対応していくに当たりましても、経済成長を損なうことなく政策の推進をしていくことが可能であるということを長官の方から明確に申し上げたところでございます。そういうことでございまして、政府部内で意見の異なるところはないものと考えております。
○嶋崎委員 僕はそうだと思っているのです。ただ、環境庁のCO2対策の公式に基づいて持続的可能な開発と環境とはどうかという計算の図式がありますよね。その環境庁の図式でいくと、日本の場合には一方で省エネをやりながらやってきた、そういう経験に基づいてやりますから、経済成長と環境問題は両立できるという判断が出たんだと思います。通産の方も御承知のように、我が国はオイルショック以降大変な省エネをやってまいりましたから、よその国と違った対応をしてきたところに我が国の経済成長の新しいタイプがあったと思います。 ただ、通産省が報告されているデータにケース1、ケース2がありまして、二〇〇五年現状レベルで現在の状態を安定させていったときに世界の成長率はどうなるか。ケース1は二〇〇五年現状レベルで安定化ケース、それからケース2は二〇〇五年現状レベルで二〇%削減という二つのケース。つまり、現状のままでいく、年間五十九億トンのままずっと二〇〇〇年までいったとき、世界の経済成長はどんなふうな絵がかけるかなというのと、二〇%省エネをやったときに経済成長はどうなるかというデータをお出しになって、そして自然体のケースですと、世界は九〇年まで平均十年で三・三%成長したが、自然体ケースでいくと二・九%だ、省エネになると一・六%だ、一一〇%削減だと世界経済の見通しは一・三%ぐらいになりはせぬかなというデータを通産でおつくりになっている。 だから、このことは何も意見が違うということを強調するために言っているのではなくて、環境庁の見る見方と通産が見る見方の経済成長との関連において、通産はみずから省エネをやって経済成長をしつつ、同時に世界環境を見た場合の世界の経済成長をどう見るかという算定の根拠ですから、そこが少しニュアンスの違いを与えたのではないかと、こう私は理解しております。したがいまして、今後環境庁並びに通産がそれぞれIPCCその他の会合に行く際には、政府都内での意思統一をして、日本が同じような対応で一つの目標に向かっていくということが鮮明になることが必要だと思うのです。 そこで一つ提案です。先般の私の質問に際しまして国連大学の一つのデータを出しました。これは、つまり年間五十九億トンCO2が蓄積していくという方向の中で、世界の森林、特に熱帯雨林を中心とした南方系の雨林が四分の一枯渇していく分がそれをいわばふやしている、五十九億トンの中に四分の一を占めているというのが、これもこれからはもっといろんな科学者の意見を聞いてやってみないと、それが四分の一なのかどうかという科学的根拠は必ずしもあるかどうか、これは問題が残ると思います。ところが、まあ仮に国連大学の科学者たちが言っているように四分の一とすると、一年間に大体一千一百万ヘクタールの森林が枯れていっているわけですが、年間二酸化炭素の蓄積五十九億トンの四分の一を占めているんだとすると、毎年枯れていく部分ないしは枯渇していく部分に対して世界が造林計画を立てて、そしてこの四分の一部分を原状に回復することが必要です。そうすれば、三十年—五十年の状態で維持しつつ、一方で省エネをやりながら向かっていくという、この両面が要るわけです。省エネと森林対策という両面が要るというのが、国連大学の科学者たちが今日提起している問題であります。 これはどんな意味を持っているかというと、樹木というのは御承知のように三十年—五十年なんです。だから切っちゃ荒れたところに新たにうまく植えればいいのですよ。これも暑いところとか砂漠とか、いろんなところで木の植え方も林野庁も随分研究しているようですが、いずれにしても、単純化して言うならば、三十年—五十年かかるのが森林の成長の年輪ですから、その間世界が四分の一の負担でやって、世界で一千一百万ヘクタールずつ消えていくものについてどのように世界的な人工造林の対応をしていくかということは、エネルギー対策としては四十年のタイムラグを持つということになる。その間に新たな技術革新が出てくるでしょう。クリーンエネルギーも出てくるかもしれない、世界の知恵は。だから、今すぐ省エネをやろうとしますと今の経済成長問題も起きてくるだけに、一方で二〇%ぐらいの最低目標で世界はCO2に対する省エネ対策をやりつつ、他方で自然の循環で問題になる人工造林について、世界的な課題でこのいわば破壊を防いでいくということが、CO2対策や温暖化の重要なチェックになるという意味ですね。 そして、その間、四、五十年間隔があるわけですから、今よりも悪くならない状態を維持しつつ、その間に新しいエネルギー開発や技術革新が行われれば、人類がこの地球温暖化に対して将来一定の希望が持てる。その意味で、この年間一千一百万ヘクタールずつの森林の崩壊というのは、まさに世界の温暖化問題に対する基本的な重要な課題になる。その意味で、我が国の政府は、世界に貢献する日本としてこういう問題にIPCCやあらゆる環境の会議に出かけていって、森林の意義と省エネの意義という二つの課題で、技術革新に対応していくための三、四十年の間隔を持ちつつ温暖化対策をやるべしということを提案していくべきだというふうに私は判断しているわけであります。 そんな意味でそれに回答が一つと、そしてあと大蔵大臣、残念ながら官房長官、外務大臣きょうおりませんから、ことしの林野庁の、国の森林の予算でODAというのは五億なんです、林野庁だけ見ますと。その林野庁の五億で世界の森林についての対応をすることになっております。ところが、造林じゃありません。まだ研究段階です。だから、研究段階だということはなかなか難しいということも意味しますが、やはり世界に貢献する日本としてそういう、つまりODA予算の造林という問題に関する世界的な視野に立った観点、そして同時に国際的な対応を我が国が世界に先駆けてイニシアチブをとっていくという意味での姿勢が今問われているのではないかと思う。 その意味で、前段は環境庁長官の方から、私の提案はもう世界の提案だと僕は思っているけれども、我が国の政府としても国民としてもそれを受けていくにはどうするか、同時に、今の二番目の課題は大蔵大臣、それぞれ御答弁いただきたいと思います。
○北川国務大臣 ただいま嶋崎委員の御指摘のとおり、森林の重要性は最も環境問題に大事なことであろうということは、ホワイトハウス会議におきましてもインドネシアを初めとする国々からこの点の意見も出されました。四分の一減っていくということは重要な問題でございますし、環境庁といたしましては、御指摘のFAO、国連食糧農業機関、また熱帯林行動計画、またITTO、UNEP等々の国際機関の中で、ただいま御指摘の世界に貢献する日本ということを踏まえ、特に環境問題については、私は率直に申しまして国は異なれども地球は一つ、皆協力してやらなければいかぬじゃないかということを申した一人でございまして、これについては大蔵省の御理解を得て、また補助金その他植林、これを指導し、日本の技術もまたこの中に生かしていきたい、このような思いでございます。
○橋本国務大臣 今事務方に確かめてみますと、確かに農水省予算の中にというか林野庁予算の中に林業関係のODAは五億円の計上ということでありますが、相当部分が森林造成等のための技術協力あるいは無償資金協力等の二国間援助について外務省予算の方に一括計上されております。ですから、この五億円だけが熱帯林関係に対する我が国のODAではありません。そして、委員の御指摘のように、緑の資源保護という視点から熱帯雨林を中心としたODAの拡充というものは非常に大切なものであるということは、私もそのとおりだと思います。 ただ問題は、私自身が山登り屋でありますから、インドからネパールにかけての山岳地帯をよく旅行する一人でありますけれども、最大の問題は実は貧困だということであります。そして、その貧困と闘うことをまず行わなければ、残念ながら幾ら造林をしようとしてもそれは実らない、こうした問題から我々は取り組んでいかなければならないのではなかろうか、そう考えております。
○嶋崎委員 おっしゃるとおりです。並行しなきゃいけないのです。遅いのです。南北問題はこれもまた大変な問題。例えば農業について、焼き畑農業をどうするか、薪炭をどうするか等々といった大変な問題をたくさん抱えているのですから、南北問題なんです。ところが、その南北問題を言うから、しかしと言って前段のやつを否定されると私の提案は生きないのであって、むしろ国際化された日本は両面をどうするかということを一緒に考えるべきだというふうに私は思っています。 それで、最後に一問。
○宮下委員長代理 時間が参りましたから、簡潔にお願いします。
○嶋崎委員 十五日に、総理府が「森林と生活に関する世論調査」を発表しました。これは本来官房長官なんでしょうけれども、農林大臣、これをごらんになればおわかりのように、結論だけを申し上げますと、森林の公共的機能を受けとめてその積極的な施策というものを推進せよという世論が圧倒的な世論であります。それだけに、今後我が国の森林を考える場合にも、国民のこのような世論を受けて対応していただくことについての決意をお聞きして、質問を終わります。
○山本国務大臣 お答えいたします。 この間の調査結果を私も子細に見ました。森林に親しみを感じる人が九割もある、それから治山治水、そういうものに対して森林が非常に有効だと考えている人が六八%もあるというふうなデータを見まして、これは林野庁の役目は非常に重い、こういうふうに思った次第でございます。もちろん、公益性の問題もございます。また、先生のおっしゃるとおり、将来にかけて日本の森や林を守っていくためには経済性の問題も無視できないわけでございまして、その両面を考えつつ、国民の世論をしっかり受けとめながら森林行政に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○嶋崎委員 ありがとうございました。終わります。
○宮下委員長代理 これにて嶋崎君の質疑は終了いたしました。 次回は、来る二十三日午前九時より委員会を開会し、外交・防衛及び日米構造問題協議等について集中審議を行います。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十三分散会