予算委員会 第7号
- 発言数
- 296 件
- 登壇者
- 44 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1990/04/10
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算、平成二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川崎寛治君。
○川崎(寛)委員 大変今大きな大変化の時代でありまして、ある意味においては百年に一度というふうな大きな変化の時代だと思いますが、それだけに大変大きな日本の役割というものは方向をきちっと見定めなければならない、こう思います。で、新しい秩序をつくるために努力するんだ、こういう決意を総理は述べておられるわけでありますけれども、私はそういう問題について少し詰めてまいりたい、こう思います。 そこで、崩壊をいたしましたベルリンの壁の前に立たれて総理は感慨深いものがあったと思います。二十八年かかったこの壁の崩れ、そういうものを見ながらいろいろと考えられたと思うのでありますが、私はその西ドイツの、これはもう保守も革新も問いません、西ドイツ全体の政策の進め方というものと、日本の場合、大変違いがあると思うのです。これは今非常に大きな転換を求められておるときだと思います。 といいますことは、一九六一年に壁がつくられた。しかし、西ドイツはハルシュタイン原則というのを乗り越えたわけですよ。つまり、非友好的な東ドイツとは一切の関係を待ってはいかぬというのがハルシュタイン原則だったわけですね。ところが、六一年、西ドイツは、経済にしましてもあるいは文化にしましてもあるいは芸術にいたしましても、あらゆる面で東との交流を進めるんです。あるいは、さらには七〇年には、当時ドイツ社民党のブラント首相が、非常な反対があった、つまりドイツ社民党の中からも離党も出たのです、離党も出ましたが、ブラント首相は東方外交を進める。そして、ソビエトとの武力不行使条約、あるいはポーランドとの間のこれを決めたわけです。これはもう当時のコール副首相も猛烈に反対したわけです。そして、今言いましたように、ドイツ社民党の離党者もありながら乗り越えてきた。つまり、ハルシュタイン原則やそういうものの大きな壁の中でなおかつ乗り越えてきた。もしハルシュタイン原則に従って東ドイツとの関係、あるいは東側との関係をやらないできたら今日の壁の崩壊があったかということを考えますと、この西ドイツの諸君がやってきたことあるいはヨーロッパ全体がやはり東側との関係を進めるためには大変な努力をしてきている。外務大臣は突然ヨーロッパでデタントができたようなことを言っておりますが、それはもう大変な間違いですね。その認識は改めて問い直しません。 そういう大きな歴史の背景というものを考えますときに、政経不可分ということで日本側はやってきておるわけです。しかし、東西の壁がなくなる、東西の世界がなくなるという中でなおかつそういう政経不可分ということで果たして外交政策、つまり政、経、経済は今ボーダーレスの時代ですから、そういたしますと、そういう中で日本が政策のフリーハンドを持てるかどうかということを、あなたは崩壊をしたベルリンの壁の前に立ったときにそういうことをどういうふうに考えられたか、そして、世界のそういう情勢の中で日本はどうしなければならないというふうにお考えになったか伺いたいと思います。
○海部内閣総理大臣 今御指摘のベルリンを中心にした東西ドイツの関係につきましては、私どもの予想をはるかに超えるテンポで、また、はるかに超える内容で劇的な変化が進んでおるというまず率直な感慨を持ったわけでございます。同時に私は、与野党の皆さんのともに組織しております日独議員連盟で当時のカルステンス大統領を迎えたときに、カルステンス大統領は長い目盛りとして平和的な統一を、日本の国会のたしか議員食堂だったと思いますが、強調されました。その直後にまた与野党の皆さんとともに私も東ドイツを訪れて、東ドイツでいろいろと議論をしたときに、西ドイツというのは世界の国の一つだという、何かちょっと非常に距離のあるものを感じて皆さんとも議論をしておったことを思い起こします。 そういったこともすべて含めて、今度壁が崩壊をした、そして東西ドイツの統一というのが非常なテンポで進んでおる、このことは、私なりの観点から率直に言わしていただくと、政治の目標である極めて率直な、どのような仕組みで政治をやっていったら人間を豊かで幸せにできるかという競争が、まさにあのベルリンの壁を接点にして東西で二十八年間行われた、その結果、もう壁は要らない、統一して豊かで幸せになっていこうという方向があそこで出たのだというふうに私は見出すわけです。そして、それが中心になってヨーロッパに統合の動きができ、一時は九二年のEC統合というのがヨーロッパをめぐる大きなテーマでありました。それが今や九二年のEC統合とともにドイツの統一と欧州の大同団結という問題が現実の日程に上がってきておるという考え方で受けとめております。 そういうときには、きょうまで日本はややもすれば、いわゆる鉄のカーテンなんというものがあったころには、その向こう側に入っていったり、その向こう側に手を差し伸べたり協力したりということはなかなかできにくい環境条件でございましたし、世界が対立という状況になれば、東側陣営、西側陣営、おのずからその内部で結束をし、そして平和共存するにはどうしたらいいかというところに外交の焦点もあったのでしょうが、その対立の発想を乗り越えて、新しい世界が秩序づくりをするということになりますれば、これは積極的にできる限り国づくり、人づくりにも御協力をすべきであるし、また、自由陣営といいますか、市場経済の価値を守りながらきょうまで歩みを続けてきたアメリカや西欧の諸国とも力を合わせながら、新しい枠組みづくりにできるだけの貢献をしていかなければならない。世界は対立から対話へ、そして競争的な共存の世の中に入っていくのではないか、その中での役割を果たしていきたい、こう私は受けとめておるところであります。
○川崎(寛)委員 この問題は後ほど具体的にそれぞれ伺ってまいりたいと思います。 そこで、大蔵大臣、G7の問題ですが、あなたはG7は初めてですかな。二度目。そうしますと、国際金融情勢も非常に変わったなということを痛切にお感じになったと思うのです。つまり、今も総理が言われましたように、東西ドイツの統一、この統一によります通貨同盟、通貨の問題、さらにはECの通貨同盟、それから大連合、こういう方向で行っておりますね。そうしますと、冷戦時代の東西対立の時代の日米という関係、それから今度はこういう状況の中で、国際金融市場の問題というのはまた非常に複雑になってきている。だから、円安という問題もそういうつまりこの間——きょうは日銀総裁帰っておられるというのを知らなかったものですから、いや、ゆうべ帰ってきておったそうですが、お願いしておけばよかったのですけれども、そういう中で見ますと、なかなか従来のような円ドルというだけでいかない状況になっていますよね。そこで、つまりドルにとってみますと円安、しかし、ドルはマルク高、こういうことで、マルクに対してはドルが弱い、円に対してはドルが強い、こういう状況ですからなかなか協調介入ということにならない。ですから、そういう大きな国際金融市場が従来の、つまり冷戦対立時代の、東西対立時代のそういうものから非常に変わった初めてのG7だったと私は思うんです。その点についてのあなたのお感じを伺いたいと思います。
○橋本国務大臣 必ずしも私は今の委員の御議論を否定しようとは思いませんけれども、昨年の夏に行われましたセブンの席上、既にその議論は出ておったわけであります。既に欧州の情勢の変化は生じ始めておりました。その兆しは見えておったわけであります。ですから、大変恐縮でありますけれども、私は今とっさに、今回のセブンで初めて世界経済の中における為替市場のあり方というものが論議をされたとは考えておりません。 ただ、今委員が述べられましたように、それがいよいよ現実のものとなり、姿を見せ始め、しかも、西独が大変強気でセブンの席上でも見解を述べておられたわけでありますけれども、両独の通貨同盟というものの実現に対し、また、それがEC全体の通貨同盟に対し、さまざまな影響を持つであろうという憶測に対し、その心配を否定する非常に強い姿勢を示された。それは前回の、昨年の夏の時点におきましては、まだそこまで具体的なものではありませんでしたから、それほど強気で説明をするというところまでいっていなかったという意味では事実であります。しかし、そうした懸念というもの、あるいは懸念ではなくて先行きの想定される事態に対しての関心というものは既に昨夏からもう出ておりましたし、論議をされてまいりましたし、そのセブンの席上以外におきましても、さまざまな場面で論議をされ、対応が論じられてきたということは事実であります。 また、これは事実の問題として申し上げておきますけれども、共同介入は現に行われておりまして、その事実は本日のニュース等でも報ぜられておるとおりであり、セブンの共同声明を受けた各国の共同介入行動は現に続いておるということを申し上げておきます。
○川崎(寛)委員 去年の七月のアルシュ・サミットでもミッテラン大統領が提唱しまして、特に東側に対する、既にもう変化していますから、そういう援助の問題は出てきておりますね。それはそのとおりです。しかし、こういう東西ドイツの統一という新しい事態というのは今度出てきたわけですから。これはもうこれ以上やりませんけれども、しかし、そういう非常に大きな変化になったということは言えると思います。ですから、今もドイツが非常に主張しておったということですが、円安の問題についてもどの水準で安定をさせようということになったのか、あるいはドイツ側に言わせれば円安は日本国内の事情だ、こういうことも言っておりますが、きょうはまた円安に動いておりますけれども、そういった点について介入が協調介入ということでいくのか、ただ単に円安はぐあい悪いということにとまるのか、いかがですか。
○橋本国務大臣 セブンの性格上、各国がどういう議論をしたということを御紹介することは適当ではないと存じます。 ただ、ここで申し上げておきたいことは、セブンの共同声明の中にも盛られましたとおり、円の他の通貨に対する下落というもの、それがどういう影響を世界経済に及ぼすかを冷静に御判断をいただきますならば、私はこの問題について、今委員が述べられましたような見解が大勢を占めた場合には非常に大きな問題を生ずるということは申し上げなければなりません。 仮に、もし日本が他国に対する影響を全く無視して自国の通貨防衛に走ったとき、世界経済はどういう状況になるでありましょう。世界的な資金の流れは変わります。また、政策の選択の種類によりましては、せっかく対外収支の不均衡を是正すべく日本が努力をしてまいりました内容というものも変わるでありましょう。その政策の選択のいかんによりましては、産業構造調整に払ってきた我々の努力もあるいは画餅に帰すかもしれません。 しかし、それは日本国内だけではなく、世界の資金の流れに大きく影響を及ぼすとするならば、これはただ単に日本一カ国の問題では決してないのであります。そして、両独統一という状態を想定して仮に議論を展開するといたしましても、今まで自由市場においては考えておらなかった新たな非常に巨大な市場が突然自由主義経済圏の中に誕生をする、これは非常に大きな資金の必要を生むわけでありまして、それが西独一カ国においてカバーできるのか、あるいは西独以外にEC諸国だけの資金でその需要を満たすことができるのかといえば、それは絶対に無理なことは御理解のいただけるところであります。その中には日本の果たすべき役割というのは当然存在をするわけでありまして、それが現実に、本日朝のニュースで聞いておりましても、各国において協調して介入が始まっておる、その事実を裏づけるものだと私は思います。
○川崎(寛)委員 巨大な市場が生まれる、こういうことでございますが、一つは具体的には欧州復興開発銀行、これは協定はまだ先ですが、日本の出資分もEC並み、こういうことで決まったようでございますけれども、ソビエトもこれに六・五%ですか出資、入ってくるわけですね。そうしますと、ソビエトがつまり西側のこういう金融市場に入ってくるという一つの新しい事態が生まれるわけですね。 そうしますと、これからのそういう国際金融の面における大変大きな変化というもの、今言われたとおりですが、日本としてこの欧州復興開発銀行に積極的にコミットしていく、こういうことになりますと、私は、これ自体も大きな議論として進めにゃいかぬと思いますが、具体的に例えばソビエトをそういうものに入れてくる、入れざるを得ない、また向こうも希望している、こういう方向になりますと、例えばガットの問題は早くから希望をしているし、IMFは協定のサインはしているわけですから、ガットへの加盟という問題について、これはマルタ会談でもブッシュ・ゴルバチョフの間でも話し合われているわけですね。そうしますとガットの加盟の問題、今オブザーバーの問題が議論になっておりますし、ECは賛成と、入れようとしているわけです、どんどん積極的に。しかし、アメリカと日本は距離がありますから大変距離を置いているし、この間イワノフ氏が来たときもそういう冷たい対応をしたようでございますけれども、つまりそれが政経不可分というものからきているのかどうか。ガットの加盟の問題ですね。オブザーバーの問題というのは、私はもう当然、アメリカもつまりマルタ会談でそういうふうに方向を出しているのですから、そうしますと、日本としてもこれはソビエトのガットの問題、今当面はオブザーバーということが議論になっておるのでしょうが、その問題をどうしようといたしておりますか。
○中山国務大臣 先生お尋ねのガットの加盟問題に対しまして、現段階でソ連の体制はガットに加入し得る状況にはないと日本政府としては考えております。 なお、オブザーバーにつきましては、先般三月八日に申請が行われ、三月三十日に日本へのそのオブザーバー参加についての了解を求める話し合いが始まっております。
○川崎(寛)委員 いや、始まっているって、だから私は答えを聞いているんですよね。つまり、ECは賛成、アメリカもマルタ会談でよかろう、ガットで勉強したらどうだ、こういう話になっているわけですね。日本はどうですかと、日本の態度が今迫られているんですから。
○林(貞)政府委員 先ほど大臣が申し上げましたとおり、ソ連はオブザーバーの資格でガットの参加申請を行っております。 我が国といたしましては、ペレストロイカの正しい方向性を支持するとの立場に基づきまして、市場メカニズムを前提にするガットの基本的な枠組み及びソ連の経済貿易体制の実態と改革の動きなどを総合的に踏まえ、本問題について現在鋭意検討中でございます。
○川崎(寛)委員 だから、今明らかになりましたように、アメリカも冷たかったんだ。しかし、やはりもう米ソ対決から変えようとしているんですよ、変えようとしている。だから入りなさい、大いに勉強してくれ、こう言っている。ECは賛成だ。つまり共通の家をつくろうとしている、ECは。日本だけが、今検討しています、検討しています、こういうことなんです。だから、私はこれ以上聞きませんけれども、そういうことをいつまでも続けていいんですか、こういうことを言っているわけですから、これはひとつ方針をきちっとして対処してもらいたい。 つまり、米ソという対決がなくなれば、今よく言われておりますように、アメリカの方向というのは日本とドイツ、こういうふうに向かってきているわけですよ。だから、日本とドイツというふうに向かってきた中で、ドイツは、東西のドイツの統一あるいはEC大連合というふうな中で組んでいるわけですね。だから、ブロックに行っちゃいかぬ、ブロックに行っちゃいけませんけれども、日本は、私はもう少しフリーハンドを持った外交政策なり国際経済政策なりをとらなければどんどんおくれますよということを言っているんですから、その点は少し方向づけをきちっとしながら進めてもらいたいということをお願いしたいと思います。外務大臣、何か、どうぞ。
○橋本国務大臣 他の部分について論議をいたすつもりはございませんが、委員の御論議の中に一つ私は加えていただきたい要素がございます。これは純粋に経済的な視点の問題でありまして、ルーブルの兌換性の問題が国際金融を考えます場合に一つ大きな要因として我々が頭に置かなければならないことであり、欧州開銀等につきまして日本が慎重なゆえんにもそうした理由があることは御理解をいただきたいと存じます。
○川崎(寛)委員 あなたの方からそれを言うならば、フランスとソ連が企業連合をやりましたね。これはルーブルに、率直に交換性に行かないから、その前段階をやろうとしているんですよ。あるいはアメリカとソビエトも企業連合に入っているんですよ。百億ドルですよね。コダックやらやっているわけですよ。そういう方向で今変わってきているんだ。では、日本はそういう方向に対してどうしようとしているんですか。
○橋本国務大臣 具体的な民間企業の問題を私は申し上げておるのではございません。国際金融という世界について論議をいたす場合に、私どもとしてはこの視点は財政当局として判断をいたす場合の一つの問題点ということであります。
○川崎(寛)委員 それは——ちょっと待って。 アメリカはその企業連合という問題について不安がないのか、不安がないかという質問に対しては、代表が、名前は忘れました。何か衛星放送やら何やらで何遍かやっておりまして見ましたけれども、その代表が言っておるのは、政治の合意だ、政治的な合意だと。我々はその政治的な合意というのがきちっとあることを期待している、だからやる、こう言っているんですよ。つまり、そこまでブッシュ大統領は踏み込んできているわけです。 だから、あなたはルーブルの交換性を言いましたが、私は今ルーブルの交換性にすぐ行くなんということを言っているわけじゃないんですから。そうしますと、つまりヨーロッパにしてもアメリカにしても、ルーブルの交換性に持っていくような段階をとっておるわけですが、日本はどうするんですか、こう聞いているんです。
○橋本国務大臣 我々は現在の外交政策の中における最善を尽くすつもりであります。
○川崎(寛)委員 外務大臣、何か答えようとしたのですか。
○中山国務大臣 日ソ間において、残念ながら平和条約がございませんが、先生もよく御存じのように、日ソの貿易は六十億ドルに達しているわけでございまして、私どもといたしましては、この平和条約が将来締結されるようなことがあれば、日ソ間の経済交流というものは飛躍的に増大するものだというふうに考えております。
○川崎(寛)委員 それでは、次に進めてまいりますが、きのう外務大臣はモンゴルの問題を取り上げられまして、日本にも来て大変いい関係だ、こういうことです。しかし、モンゴルがこういうふうな民主化を進められたそもそもは何か。言えば、八六年のウラジオストクにおけるゴルバチョフの演説に始まっているわけですね。だから、アジアでは変化がないということを総理も外務大臣も言っておりますが、私はそこには大変大きな認識の違いがあると思う。これは後ほど冷戦構造の問題に触れますけれどもね。 つまり、あなたがきのうここでモンゴルのことを言われたその状況というのは、ゴルバチョフのウラジオストク演説に始まり、それからモンゴルの問題とアフガニスタンの問題とカンボジアの問題、この三つの問題を解決しなければということで中ソがやり合ってきた。それを解決をしていく道がこのウラジオストク演説だったわけですね。そしてその三つが実行された。そのことによってゴルバチョフ、当時の議長ですか、当時は議長ですね、彼が北京へ行ったわけですね。北京に行ったそのことで、つまりモンゴルが民主化をしていくという状況ができたわけなんですから。 そうしますと、中ソの和解という問題は、総理大臣、これはあなたにも後ほどお尋ねしますけれども、この中ソの和解という問題は、つまりアメリカがソビエトと、ソビエトがアメリカと、こう言ってもいいね、ソビエトがアメリカとマルタ会談に持っていくための道筋としましても、中ソの和解がなければできなかったわけですよ。つまり、ソビエトは二正面作戦をやっておったわけですから、これは防衛庁の考え方にもいろいろ出てくる問題になりますが、ソビエトが二正面作戦をやっておったアジアが片づいたわけです、ゴルバチョフの北京訪問で、中ソの和解で。天安門という事件、非常に不幸な事件はあります。しかし、李鵬首相が今度はソビエトに行く、こういうことですから、この関係は進んでいるわけです。 そうしますと、アジアに変化がないということは、大変なアジアの情勢の認識の違い、根本的な間違いだ。つまり、グローバルに世界全体を見たときに大変大きな間違いをしておる。つまりそこの、どこから根本が変わってきたか。突然ヨーロッパでデタントになったんじゃない。外務大臣が突然ヨーロッパでデタントになったなんということを言ったら笑われますよ。
○中山国務大臣 先生のお言葉を返すようでございますが、私は決して突然ヨーロッパにデタントが起こったとは申しておらないつもりでございます。 ヨーロッパは、御案内のように前の戦争で不幸にも東西ブロックに分割された。そういう中でドイツは国土を分割された。しかも、同じ民族が同じ言葉で語り合う、そういうことはできなくなる。こういう状況の中で、先生御指摘のように、ブラントの東方外交とかいろいろなものが積極的に行われて、ヨーロッパの共通の平和の家というヘルシンキ会議が持たれる過程がございましたけれども、現実に私が昨年の九月に国連総会におりましたときに、ゲンシャー西ドイツ外務大臣との会談の予定が実は四十分おくれました。そのときに、私はゲンシャー氏と会ったときに、ゲンシャー氏は私にこう言いました。お待たせしてまことに申しわけなかった。思いもかけないことが起こってきたんだ、今ハンガリーの西ドイツ大使館の中には、雨の中に二千人の東ドイツの人間が立ち尽くしているんだ、それをどうして西ドイツに流すかということについてソ連側やらほかの国々との交渉に追いまくられて、今実はこうしてあなたを四十分も待たせたんだ。このようなことが起こるとはだれも考えていなかった。とにかく十年間かかると言われたドイツの統合が、一年の間にその結末を見るような動きが起こってきたことはだれも認識をしておらなかったことは事実でございまして、この長いヨーロッパの歴史の中でそのような双方の努力が行われたことを率直に認識しながら、突然の変化はだれもが認識しなかったことではなかろうか。私は、昨年の十二月十五日にウィーンで東欧大使会議、日本の大使たちに集まってもらって東ヨーロッパの分析をいたしておりましたけれども、やはりその時点でも、ルーマニアの大統領が十二月二十五日に国軍によって銃殺されるとはだれも予想をしていかなかったわけでありまして、歴史の急転回は万人の思いを超えて起こったものだと考えております。 なお、アジアにおきましても変化は起こりつつあります。先生の御指摘のとおりであります。ただ、ヨーロッパのような劇的な変化はまだ起こりつつございません。日本外交といたしましても、外務省としてはいろいろなところに人を出し、あらゆる情報を集めながら、アジアの一国としてこの地域にいかに平和を構築していくかということについて全面的な努力をしていることだけは御理解をいただきたいと思います。
○川崎(寛)委員 もう一遍モンゴルに返りますが、そうしますとモンゴルは、ゴルバチョフの演説、それからくる変化、そういうものの結果、きのうあなたがここでお述べになられたような変化になったんだということについてはいいですね。
○中山国務大臣 私がモンゴル問題に触れましたその背景には、当然ゴルバチョフの演説以外に基本的にソビエトロシアの外交政策の転換があったという事実を否定するわけにはいかないと思います。ただ、モンゴルにおきましても、東ヨーロッパの動きあるいはソ連の動きを見ながら、自分の国をどのような形でこれから興していくのがいいのか、日本側とは極めて悪い関係に実はあったわけでございますけれども、先般首相が訪問され、先日は議長が訪問されて日本との間の友好関係を深めるとともに、日本からの経済協力をお願いしたいということで、ただいま医療に関する調査団をモンゴルに派遣しているというようなことで、一歩一歩日本政府としては民主化を進める国々に対しての協力を行っている途中でございます。
○川崎(寛)委員 総理にお尋ねをしますが、ヨーロッパは変化した、アジアはまだカンボジアに戦争がある、朝鮮半島には軍事的な対立がある、こういうアジアの情勢を言われましたね。 そこで、この点は大変、きのう公明党の市川書記長のいろいろ追及されました点とあとはかかわってくるのですけれども、カンボジアの問題について私はひとつ具体的にお尋ねしたいのですが、カンボジアでどんな戦闘が今どこで行われているのですか、説明してください。
○谷野政府委員 事実関係の問題でございますから、お許しを得まして私から答弁させていただきます。 仰せのように、和平の動きがある中で大変残念なことでございますけれども、軍事情勢の方は、主としてカンボジアとタイの国境沿いにおきまして、一方におきましてはシアヌークあるいはクメール・ルージュの軍隊、他方におきましてはフン・センの軍隊が一進一退の攻防を続けておるということでございまして、あの中で特に大きな都市といたしましては、先生も御案内のようにバッタンバンという都市がございますけれども、この都市をどちらがとるかとられるかというのが今最大の戦闘に関する限り山場になっておる状況でございます。
○川崎(寛)委員 総理、今カンボジアとタイの国境でゲリラ戦はあるのですよ、ゲリラ戦は。しかし、そういう内戦だなんという戦闘はないのです。 じゃ、あなたはアンコールワットの観光ツアーがあるのを御存じですか。プノンペン、アンコールワットの観光ツアーが日本から行っているのですよ。ここに「ディスカバー・シリーズ」というのがありまして、今度また四月の三十日に行きますけれども、フィリピン、それからホーチミン市に行って、プノンペンに行きまして、プノンペンというのはカンボジアの首都ですね。そしてさらにシェムリープ、アンコールワットのありますシェムリープに行くわけです。「幻の遺跡”アンコールワット””バイヨン寺院”とベトナム十日間」というツアーが行っているのです。 だから、カンボジアに内戦があります、カンボジアに戦闘があります、これは総理は事実を知らないで言っているわけです。なるほど国境沿いにゲリラ戦はありますよ。しかし、ゲリラ戦はありますけれども、そういう観光ツアーが行っている。これは日本だけじゃないのです、たくさんあるのです。いろいろな小さな航空会社も行っております。ですから、そういうカンボジアに戦闘がある、それがアジアの大きな、つまり冷戦が崩れていない、冷戦の形だという証拠としてカンボジアの内戦を言われることは、私は大変不見識だと思うのです。ゲリラ戦はあるのですよ。しかし、それを内戦だとか戦闘だとかという表現であなたにもし外務省が教えているとしたら、あるいは防衛庁が教える、まあ防衛庁は教えないかな、これは外務省かな、外務省が教えているとしたら——谷野局長はこの間ベトナムに行ったし、南東アジア課長はこの間プノンペンに行っているのですね。私はだから、そういう戦闘がある戦闘があると言って、総理大臣が冷戦構造を残すというか維持しようということで戦闘行為を言われることは、日本の総理大臣としては大変不見識だ。こういうプノンペン、アンコールワットのツアーがあるということは、これは安定しているのですよ。つまり、部分的にありますよ、国境沿いのゲリラ戦があることは認める。しかし、タイの陸軍も今度はその基地に対する援助ルートは封鎖しようとしているのです。どうですか。私はこれを突きつけてどうだというつもりはないのです。ただ、こういうことで冷戦構造を維持しようとするのはいけない。 だから私は率直に、つまりあなたはタイのチャチャイ首相ともいろいろお話しになられて、日本が積極的にインドシナ半島とASEANとの経済開発には協力すべきだと。アジア開発銀行は不幸なベトナム戦争の関係で生まれたのですよ。しかし私は、アジア開発銀行への増資を——アジア開発銀行に反対しておりました。しかし、この増資のときは私は賛成の方向に、党内みんな相談をしてまとめたんですよ。インドシナ半島はこれは早く解決しなければいかぬ、メコン川流域を発展させなければいかぬと。そういう中できているのですから、あなたもインドシナ半島とASEANの援助については非常に努力をするという姿勢をお示しでございますけれども、ただ、カンボジアに戦闘があるというその表現だけは私はやめてもらいたい、冷戦構造を維持する材料としては使ってはいけないということを申し上げているのです。
○海部内閣総理大臣 その点は川崎委員とちょっと私は見解を異にいたします。というのは、じゃ、カンボジアの問題でアジアのみならず世界の人々がどうしてここまで気を使うのでしょうか。パリ会議、あれがどうしてあのような苦難の問題を乗り越えようとしながら、なおまとまらないのでしょうか。それは、内戦という事実があって、それが一番不幸なことだからそれに対して何とかしなければならぬという世界の人の願いがそこにあったから、パリ会談なんというものも行われ、さらに引き続いていろいろな努力が続いておるんじゃないでしょうか。そして、四派によるいろいろな姿かたちの内戦状態があることを、私はそう認識をしておるのです。 先生はそうじゃなくて、観光ツアーも行っておるんだからそういったことは違うではないか、こうおっしゃいますけれども、この間参りましたお隣の国のタイのチャチャイ首相も、この内戦状態を何とかするということがまずカンボジア和平を達成するためには第一の大きな目標なんだ、そのためには四派会談の前提として、とりあえずでもフンセン・シアヌーク会談をしなきゃならぬ、日本もそれに対して協力をする、どうだというような呼びかけまであるくらいで、私はそういったことについては、何とかして一日も早く内戦状態がおさまってもらわなきゃならぬというその一点だけに願いを絞って答えておるわけです。冷戦状態を維持していこうとか、東西の冷戦状態をもっと続けていった方がいいなんという気持ちは毛頭持っておりませんから、その点だけはどうぞ。ここではっきりともう一回言わせていただきますが、冷戦状態はそれを乗り越えて、そして大きな、世界が対立から対話へ、協力へ、共存へという方向に向かっておって、それはいいことであると私は言い続けておるわけでございます。
○中山国務大臣 昨年、私、八月の二十四日にパリで開かれましたカンボジア和平会議に出席をいたしまして、約五日間各国の外務大臣とカンボジア和平についていろいろ話し合いをいたしました。しかし、結局その節には、フランスの外務大臣の努力にもかかわらず、話し合いがまとまりませんでした。 その後、オーストラリアのエバンス外務大臣が提唱したカンボジア和平の構想、それからまた、インドネシアのアリ・アラタス外相の提案しているインドネシアにおける四派を含めたカンボジア和平会議、こういうものの経過をずっと見ておりまして、私がどういうふうな話がその結果であったかということを率直に申し上げると、日本は、この四派がお互いに話し合いをして暫定的に選挙管理内閣をつくる、そうして、国連の監視下で民主的な選挙が行われる場合は、日本がそれに資金も人も提供する、選挙終了後、経済の復興のためには日本が経済協力をいたしますということを強く申しておりますけれども、結局、参加の各国の外務大臣の言葉を総合すれば、カンボジア人同士の話し合いがつかない、それは、自分の方がまだ戦争で強いという意識を持ち過ぎている、だから四派の話し合いができないんだ、これがいわゆる周辺関係諸国の外務大臣の総合的な見解でございまして、先生から今、もうカンボジアに内戦はない、内戦があるという考え方を総理が持っていることは、冷戦構造を続けていこうと考えているんじゃないかというおしかりに似たお言葉がございましたけれども、決してそうではございませんで、先日も河野課長を外務省から初めてこのフン・センの政権があるプノンペンに出しまして、プノンペンにおける町の状態、人の考え方、そういうものも十分調査をさせ、先生の御指摘のアンコールワットの周辺まで調査に出しましたが、やはり殷々たる砲声が聞こえておったということを報告を聞いておりまして、まだ内戦は続いている、少なくても乾季の間終わる可能性が少ないのではないか。 こういう中で、一昨々日総理を訪ねられたチャチャイ総理が、何とかこのシアヌークとフン・センの両首脳の会談を日本でやることができないだろうかというお申し入れがあったという経過でございます。
○川崎(寛)委員 四派で激しく争っているという事実は、私は決して否定するわけじゃないのです。それがなかなかカンボジア問題を解決させないという非常に複雑な問題があるし、今度の米ソ外相会談でも、自由な選挙による方法というような問題などにも触れておるわけでして、これが大きな問題であることは十分知っております。 ただしかし、プノンペン、アンコールワットと、そういうツアーが八八年以来ずっと続いておるということは、私は、この戦闘状況というものがそういう真ん中に来た問題ではなくて国境沿いのものだという、本当に限定されたものだということをはっきりしてもらいたい。でないと、戦闘があるからと……。 じゃ、フン・セン氏とシアヌーク氏との会談をあっせんしたらどうだということを今言われた、こういうことですが、日本政府はどうするのですか。
○中山国務大臣 このチャチャイ首相の申し出に対して政府としては、この問題は、どのようなこれからの交渉によってそういうものが持ち得るかということについて、ただいま検討しております。
○川崎(寛)委員 総理にお尋ねしますが、つまり今いろいろ御説明になりましたそのことが、アジアにおけるソ連の脅威となぜつながるのですか、説明してほしいのです。
○中山国務大臣 このことが即ソ連の脅威ということにはつながらないではないかと先生御指摘のようでございますが、御案内のように、ソ連とベトナムとの関係は極めて強い関係にございました。ベトナム戦争以降、アメリカにかわってソ連の影響力、経済協力、援助、こういうものがベトナムに相当量行われたことは現実でございます。そういう中で、ベトナム軍がカンボジアに侵攻しておった。さらに、カンボジアとベトナムの国境にはベトナム人が約百万人入植をいたしております。そしてここで、国連監視のもとでベトナム軍がカンボジアから撤退するという考え方がございましたが、これはベトナムの軍隊は国連監視のもとで引き揚げずに独自で引き揚げたという報道がなされておりますけれども、第三者による確認は行われておらない状態でございまして、ここいらにもやはり四派の間での一つの議論の残っているところでございます。 ベトナムとソ連との関係につきましては、カムラン湾に御案内のようにソ連の基地がございますが、ここから戦闘部隊が一部引き揚げている、しかし、まだ一部は残存しているという状態でございますので、引き続きまだソ連とベトナムとの関係は継続されている。これが果たして脅威かどうかということについては別の問題でございますが、いずれにいたしましても、カンボジア和平を構築していく場合には、ポル・ポトを支援している中国、それから、フン・センを支援するベトナム、ベトナムとソ連の関係、こういう関係、さらに、旧領主であったフランスあるいはアメリカ、タイ、ASEAN諸国、そこにまた日本、こういう各国のそれぞれのたゆまぬ協議の中で、私は、四派の話し合いができる舞台がどのように構築されていくか、そのための、構築するための外交努力は日本はこれからも積極的にやってまいるという考え方でございます。
○川崎(寛)委員 中国とベトナムとの間は非常に和解が進んだわけです。ですから、今度ベトナムの外務次官が北京にも行くわけですし、それから、ソビエトのベトナムに対する援助というのは、このペレストロイカの進んでいる中で急速に減っているわけです。ですからここは、ソビエトが直接ベトナムを応援をしてカンボジアに入ってという構図は変わってきているわけです。それは先ほどのゴルバチョフの一連の経過の中で変わってきているわけですよ。 そうしますと、カンボジアに戦闘があることがアジアにおけるヨーロッパとの違いの非常に大きな一つの不安だ、こういうことは間違いであって、それを潜在的な脅威の根拠にするというのは私は間違いだ。今言われたように、四派の間の、これはいろいろありますよ。そして、国際的な査察を拒否をしたのはどこかということもはっきりしているわけですよ。そうしますと、それをもってその四派のカンボジアにおける問題がソ連側の、つまりベトナムの応援であるんだとかベトナム軍が入っているんだということの一方的な宣伝ではだめなんですから、だから、ここはもっと冷静に見なきゃいけない。 私が言いたいのは、細かな議論をしているのじゃないのですよ。要するに、アジアにおける不安材料の一つにカンボジアを言うから、それはやめなさい。米ソの対決、それから中ソ、あるいはソビエトとアジア全体、アジア・太平洋という問題を考える場合には、このカンボジアの四派の話がつかぬということを潜在的な脅威の根拠にするということはおやめなさい。
○中山国務大臣 委員のお考えはお考えとして拝聴させていただきましたが、カンボジア和平構築のためのASEANの国々の外相たちの考え方、またアメリカ、ソ連、フランス、あるいはオーストラリア、中国、いろいろな国のそれぞれの話し合いの場でこの問題が議論が進みつつあるわけですが、まだなかなか進んでいかない。それは即アジアの大国たち、また太平洋に面する国々の、大国たちの関与もあり、これらの国々の協議というものがどのような形で調っていくのか、私どもは結論としては、カンボジアの四派の合意ができればまさか周辺国がとやかく言うべき問題ではないと思っておりますけれども、この四派の話し合いがつかない、さらに四派にはそれぞれの支援者がいる、こういうところにも一つのアジアの複雑な要素が存在している。こういう背景の中で日本はどのような役割を果たしていくのかということがアジアのこれからの平和に大きな関係がある、こういうことで、結論は大体先生のお考えと同じようなところへ日本政府は行こうとして努力をしているわけでございますから、その点はひとつ御了承願いたいと思います。
○川崎(寛)委員 そこはいいのですよ。そこはいいのだが、カンボジアに戦闘がある、だからアジアに不安がある、アジアにソ連の潜在的脅威があるという、総理大臣が繰り返し繰り返し答弁しておられることは間違いですよ。だから、四派の問題は大変複雑な国際問題ですよ。そして、今言われるように関係国がそれぞれ苦悩している。オーストラリアの提案も知っております。国連による自由な選挙、なかなかいかないということは米ソの外相会談でも触れておるわけです。だから、それはそれでいいのですけれども、ただこのことをアジアにおける戦争不安の原因にすることはやめなさい。これはもう水かけ論になりますからこれ以上やりません、時間を食いますからやりませんけれども、ただ、このことは総理、カンボジアの戦闘がアジアの不安の、そしてソ連の潜在的脅威のと言うことだけはおやめなさい。
○海部内閣総理大臣 ヨーロッパにおける劇的な変化と比べて、アジア・太平洋地域の安定ということを考える場合にはいろいろ不安定な要素があるということを申し上げるときに、カンボジアの内戦状態、現在の状態を一日も早く和平に持っていかなければならぬということは私は繰り返して申し上げましたが、そのときに、これをもって冷戦構造を長引かせようとか、これがソ連の脅威の問題だというようなことは私は一度も申し上げたことはありません。 アジアの安定をきちっとするためにカンボジアの内戦状態をやめさせなければならぬ、そのためにどうしたらいいかという問題については既に申し上げてきました。ですから、タイのチャチャイ首相が私に対しても、四派で合意するのが大前提であるが、その会談の前にシアヌーク・フンセン会談をまずやることが肝心で、それに対して日本も協力する用意はないかというときには、私は、これはお役に立つことがあるなればすべてできるだけ日本は積極的に協力しよう、こう言っておるのですから、外務大臣にもその点を検討してほしいと申したわけでありまして、そちらの方へ向かっての努力こそいたせ、それをそのままに現状凍結して冷戦構造を引っ張って、いわんやそれがソ連の脅威でというようなところまで結びつけて物を言ったこともなければ、そういう考え方は方向がまるっきり違うわけでありますから、どうぞしっかりとこの点は御理解を賜りたいと思います。私の考えでございます。
○川崎(寛)委員 総理がこれまで本会議なり委員会なりで答弁をしたところをきちっとすれば、今のは違うのですよ。違うのですが、これ以上やっても水かけ論になりますからやりません。 そこで、次は朝鮮半島の問題について伺いたいと思いますが、今度の米ソの外相会談でソビエトは、南北朝鮮を紛争地域から外しました、そしてアメリカにも紛争地域から外してほしい、こういうことを言っているわけです。それは、これまでの東ヨーロッパと韓国との関係、あるいは韓国とソビエトが国交正常化をしていこう、まず領事部ができましたね、領事部ができた。それから国交正常化をしていこうという中で考えた場合には、さらにはソビエトが南北朝鮮の橋渡しもやりましょう、両方関係を持っている、こういうことできているわけです。そしてさらにアメリカは、韓国から在韓米軍を三段階に分けて撤退しましょう、こういう方向へきているわけです。 そうしますと、ここでどう対話をつくっていくか、私はやはり非常に南北朝鮮の問題は難しいと思いますよ。難しいと思うけれども、ただ軍事対立があるという点について言えば、つまり確かに南北の両方が対峙しているわけですから東西ドイツとは非常に違う、そういう状況はわかります。そういう状況はわかりますが、つまり朝鮮半島の軍事対立ということをこれまたアジアにおける脅威の大きな原因に、原因というか理由にしているということについてはこれは考え直さなければいかぬ、こう思います。総理、いかがですか。
○中山国務大臣 日本政府として、朝鮮半島の分断による二つの国が対立をしているということは、アジアでやはり不安定要素の大きな一つではないか、このように認識をし、この地域の安定化が進むことを日本政府としては心から期待をいたしております。
○川崎(寛)委員 そうしますと、軍事対立があって非常に冷戦状態だという状況ではないと私は思います。その点いかがですか。
○中山国務大臣 外務大臣といたしましては、絶えず境界線をめぐる南北の対立の現状、あるいはいろいろなルートを通じての情報の収集に当たっておりますけれども、現在のところ南北が急速に和解に向けて動きを起こすという環境にはまだ至っていないと認識をいたしております。
○川崎(寛)委員 米ソは外相会談なり首脳会談なりで紛争地域としていろいろ挙げている。挙げている中で、やはり朝鮮半島というのは非常に重視して今取り組んできているわけですよ。だから、韓国における核兵器の問題その他もある、あるいは北側に対する原発の問題もいろいろある。しかし、お互いがそういうものをどう克服するかということで努力しているわけです。 私は、カンボジアの問題も朝鮮の問題も、残念ながら今のような日本政府の姿勢では、北京や中国との国交あるいはベトナムとの国交、全部おくれました。今度はカンボジア、朝鮮という問題についても、残念ながら非常に深い関係を持ちながらもおくれるのではないか、私はこう思うのです。だから、南北の緊張緩和あるいは朝鮮半島をめぐる状況について日、米、中、ソという関係国で話し合う、どうして解決をしていくかということについて話し合う。話し合ったことがありますか、あるいはそれを話し合うということを進めようとしたことがありますか。
○中山国務大臣 パリにおけるカンボジア和平会議には、ソ連からもアメリカからもそれぞれ代表が来ておられまして、私もお目にかかっております。この問題、この地域で、先生がお尋ねのように、カンボジアと日本との関係がおくれるんじゃないか、私はそういうことはあり得ないと思います。カンボジアの和平が合意ができて、国連監視下の民主的な選挙が行われた後の経済復興については、日本政府は既に全面的な協力を申し出ておりますし、それがまた大きな効果を発揮するものだ、その時点では、日本政府は、カンボジアとの友好協力関係というものがそこで確立されていく、このように認識をいたしております。
○川崎(寛)委員 カンボジアの問題は先ほど来繰り返し御説明になっております。問題は、朝鮮半島ですね。だから、朝鮮半島の問題について、いかに関係を緊張緩和させていくかということについて、米ソは非常に苦労をしているわけです。だから、その米ソの外相会談、次の首脳会談、それも一つの大きなテーマになるんだろう、こう思います。ですから、そのときに、関係の深い中国、日本、それがどうして朝鮮半島に緊張緩和をもたらすかということについて、どういう役割を果たそうとしておられるのですか。
○中山国務大臣 御案内のように、まことに残念なことながら、北朝鮮と日本との間には国交はございません。そういうことから、抑留をされて既に六年経過する二人の漁船員の釈放もままならず、日本政府としては大変苦慮をいたしておりますけれども、あらゆるルートを通じてこの問題の解決に努力をいたしておりますが、今日のところいい結果はまだ知らされておりません。しかし、現在北京に駐在しております日本国の橋本大使も中国政府には絶えず接触の機会を持っておりまして、中国政府とも北朝鮮の問題についていろいろと話をしているという報告を受けております。
○川崎(寛)委員 大変困難な問題があると思いますけれども、日本はこの南北朝鮮の和解のため、あるいは緊張緩和をどう進めていくか、つまりソビエトが紛争地域から外した、アメリカ側に対してもそれを要求してきている、こういう状況ですから、それは一つの非常に大きな変化が出てきている、こう私は思います。だから、それを踏まえて、日本政府としても、今北京で橋本大使が努力している、こういうことでございましたが、それをもっと積極的にあらゆる方法でやるべきだ、こう思います。 そこで一つ、経済関係で、これは民間ですから、あるいは武藤さんの方の話になるのですか、きのう、ウラジオストクで日ソ中韓で初めての経済会議が行われたと思うのです。これは、環日本海、こういうことで、貿易や投資の拡大を図ろうということでございますが、北東アジア、つまり中国の東北部を含めまして、あるいはシベリア開発というものも含めまして、これはソビエトの対外経済関係省が中心的にやっておるようでございますけれども、中国からも在ソ連代表部が出ておるし、それから韓国からは、これはKOTRAというのですか、日本のジェトロに当たるものですね、これが出ておる。そして、日本からはソ連東欧貿易会が出席をするようでございますけれども、私は、これも一つの新しい動きに入ってきたと思うのです。 つまり、日ソ中韓という間で経済会議が持たれるということ、そしてまた、日本海側の日本の各県の代表もそれに参加をするという話でございますが、昔からシベリアとの関係、極東の開発については、日本海側の知事さんたちは大変熱心ですわね。そういうものがようやく一つ具体的な形に進もうとしておる。これに対して日本政府としてどう考え——私は、そこを積極的に進めるべきだ。それから北朝鮮に対する案内もしたそうですが、これはノーアンサー、こういうことでございますが、この点をどう思うか。
○都甲政府委員 先生御指摘の会議につきましては、私どもも関係者から報告は受けております。それで、いろいろな具体的な案件の話し合いはあったけれども、各国のいろいろな要請がちぐはぐなところもあって必ずしもうまくいくという見通しはないけれども、今後進むであろうという報告を受けております。 ただ、私どもは、これは民間の方々の話でございますので、今後の成り行きを注目していきたいと思いますけれども、政府としては、やはり基本的に民間の動きとして見ていけばいいのではないか、そういうふうに考えております。
○川崎(寛)委員 私は、シベリアの開発について考えれば、これはこれからの非常に大きな課題だと思うのです、アジア・太平洋全体もありますが。その場合には、中国、北朝鮮の労働力あるいは日本と韓国の技術や資本、そういうものが結び合うということになるわけですね。さらに、やっぱりこれにはアメリカを入れなければ、アメリカは非常に神経質になるわけです。アメリカの諸君と議論しておりますと、日中が手をつないでアジアで何かをやるというと何かブロックをつくるのではないかといって非常に神経質になるわけです。だから、これにはやっぱりアメリカを入れて、日、米、中、ソ、南北朝鮮というふうなものでシベリアから北東アジア、日本海をめぐる開発、そういうものをこれから進めなければいかぬ、こう思いますが、その点についての通産大臣の見解、通産大臣大分うなずいているから……。
○武藤国務大臣 将来の問題として、今おっしゃっていることは私は方向としてはわかりますけれども、しかし、ソ連との間には依然として北方領土の問題が残っておりまして、私どもとしては、政経不可分の現在の原則をまだ変えるわけにはまいりませんので、これからともシベリア開発については、個別の案件が出てくれば、それはそれなりに慎重に対処していかなければいけないと思っております。原則はまだ政府として変えておりませんので、その点だけは御理解をいただきたいと思います。
○川崎(寛)委員 だから、そこにも政経不可分という原則があるわけですね。だから、私はさっき冒頭に言いました。西ドイツがハルシュタイン原則に従っておったら今日はなかったですよ、東西の壁も崩れませんでしたよということを申し上げているわけです。 だから、そのことは、民間だから、こういうことでございますが、これからのそういう環日本海あるいは環太平洋、さらには北東アジア、シベリアを含めましてそういうものの開発については、もう少し積極的な方向づけをこれは政策として持たなければいけないのではないか。総理の御見解を伺います。
○海部内閣総理大臣 ソ連との関係を真に安定的なものにしていかなければならないということは重々その必要を考えております。ただ、日本の場合は、これはまさに国民的な合意とも言うべき平和条約をまず締結して領土問題を解決してという大きな基本原則がございます。そこだけにとどまっておったのではそこから一歩も出ないのではないかという御議論もよくございましたが、幸い平和条約については作業グループ等の作業も進みつつあります。したがいまして、その原則のもとで拡大均衡をし、できる限りの問題については、日ソ間の真の安定的な友好関係をつくるためにどうしなければならないかということについて、これからも努力を続けていきたいと考えております。
○川崎(寛)委員 中ソの間には、ソ連軍が五十万、中国軍が百万、これが今だんだん緩くなってきているのですね。ところが、アジアの方で撤退が少ない、こういうことでございますけれども、これは失業するのですよ。職業の転換ができぬわけです。ヨーロッパの撤退した武器を全部アジアに持ってくるとか、あるいはこれをつぶすのに金がうんとかかるわけですから移した方がまだ早い。だから、アジアがソ連の兵器のごみためになるというふうなそういう状況もあるわけですから、そのことをもって私はソ連軍が撤退数が少ないということは間違いだ。しかもシベリアというのは、もう少し日本が考えますと、ここにどうして経済を発展させるかということが私はまた軍隊を減らしていくという道でもあると思うのです。 そこで私は、シベリア開発の問題にももっと日本は積極的にやれ。だからそこのところを、政経不可分の原則でこれが解決しなければ——私は北方領土の問題は絶対に解決させなければいけない。領土返還は私たちも強く要求しておるわけです。その点については異論はないわけです。しかし、そのことにこだわっていたら、だから西ドイツが、繰り返すようにハルシュタイン原則にこだわっていたらどうだったか。今日のヨーロッパはないということを私は申し上げたいのですよ。そうしますと、このシベリアの開発等についても日本はもっとやはり大きな展望を持つべきだ。積極的にやるべきだ。それがゴルバチョフのペレストロイカをまた支える道にもなるという今後の日本外交やら日本の国際政治の方向だ、私はこう思うのです。 そこで、PECCの問題について少しお尋ねをしますが、これは亡くなった大平さんが環太平洋という、私は立派だったと思います。大平派の諸君は、大平派というか宮澤派の諸君は誇りを持ってほしいと思うのですが、これは民間ですね。民間ですが、私はPECC、これは細かに説明しておりますともう時間がありませんので結論を急ぎますけれども、ペレストロイカの進行と同時に、ソビエトが八八年の三月にはアジア・太平洋経済協力委員会というのをつくりました。初代の委員長にはプリマコフ世界経済国際関係研究所長がなったわけです。そして、彼は大阪会議には来たわけです。彼が今最高会議の議長になり、さらに今大統領府のメンバーなんです。そういうふうに非常に力を入れてきておる。 そこで、これもメンバーシップの問題が具体的に出ておるわけです。ASEANは別に反対していない。今度シンガポールで五月に国際常任委員会でメンバーシップの問題がこれは具体的にあるわけです。ただ、今アメリカの後押しでチリや南米の方が大分加盟を申し込んできております。私は、これは今ラ米はちょっと待ってもらう、アメリカは推しておりますけれども、これは少し待ってもらうべきだと思うのです。そしてむしろソビエトをまず入れるということで積極的にアジア・太平洋の中に——つまりこれまで安全保障九割、経済一割と言っておったソビエトが、これは私も随分議論してきました。経済協力九割、安全保障一割というふうに変えていくんだ、こういうことでございますから、それは具体的に態度で示さなければいかぬという議論も、つまり軍隊の問題も含めまして議論もいたしてまいっておりますけれども、私は、ASEANが反対していない、こういうことであるならば、このPECCのメンバーにも入れていいんじゃないか、こういうふうに思います。その点について、日本政府の見解を——これは民間ですから大来さん、元外務大臣の方の問題だ、こう言えば言われますが、しかし、これはAPECとも関係があるわけですから、PECCのこれについては、太平洋経済協力会議に私はソビエトを入れてしかるべきじゃないか、こういうふうに思います。いかがですか。
○中山国務大臣 今先生御指摘のように、PECCは、これはあくまでも民間の主宰する団体でございまして、私どもはソ連が今オブザーバーとして参加しておることはよく存じております。その正式メンバーとして入っていく問題につきましては、この理事会なり委員会において議論されて結論が出るものだと考えております。
○川崎(寛)委員 これはよく話し合ってほしいというふうに思います。 それでは、きのう市川さんが質問されました問題についてお尋ねをしたいと思いますが、欧州の変化が直ちにアジア・太平洋地域に及ぶとは考えられない、大綱の見直しや防衛費の削減という考え方は見解を異にする、こういう答弁だった。総理は少し前向きの答弁をしておるわけですが、そこで防衛庁長官、お尋ねをしますが、その防衛計画大綱の国際情勢と今日の大きな変化、どうお考えになりますか。
○石川国務大臣 今、大綱の作成時と現在の国際情勢といいますか国際軍事情勢、こういう角度からの御質問だと思いますが、御承知のとおり大綱は昭和五十一年、すなわち緊張緩和、デタント、こういう時代に作成されたわけでございますが、現在の、先ほど来いろいろと御論議がございましたように、ヨーロッパなどの状況のすさまじいスピード、量、そういうところから見ると、当時もデタントとはいえ、多少現在とは現象面では違っている、こういうふうに思います。ただし、その枠組みといいますか基本的な条件、こういう点を考慮いたしますと、私は二つの点で相似している、こういうふうに思うわけでございまして、それは、一つには米ソの両国間の核相互抑止を含む力の均衡、これが国際社会の平和と安定の条件となっておる。そしてまた、その各国の国際関係安定化の努力が依然として継続されている。これが一点でございまして、さらに二点目としては、我が国周辺においての日米安全保障体制の存在というものが国際関係の安定維持及び我が国に対する本格的侵略の防止に大きな役割を果たしている、こういう前提につきましては私は共通的なことではなかろうかな、こういうふうに認識をしているわけでございます。 こういう前提に立ちまして、憲法の許容する自衛のための最小限度の範囲内においての我が国が平和時に保持すべき防衛力の水準を示している、こういうのが現在の我が国の防衛の基本でございまして、当時の国際情勢と今日との情勢の認識につきましては、さよう認識をしているわけでございます。
○川崎(寛)委員 防衛庁は冷戦構造というものを維持しながら、冷戦構造でなければぐあいが悪い、つまり四十年間冷戦構造でぴしゃっと枠組みができてやってきた。だから防衛政策というのはきちっとできたんだ。だから冷戦構造というものを維持しなければならぬという考え方ですか。
○石川国務大臣 防衛庁として冷戦構造というものを歓迎しているようなちょっと御質問でございましたが、そういう考えは毛頭ございません。
○川崎(寛)委員 それじゃ、具体的にお尋ねをします。 ここに「公研」という雑誌があるんです。これはエネルギー関係の団体で出している割にかたい雑誌ですが、この「公研」に「冷戦構造の変容と日本の防衛」ということで、今の西廣防衛事務次官が講演をして質疑応答しているんです。大変率直にいろいろと言っております。こう言っているんですよ。「冷戦構造というのは従来いろいろと批判があったように、東陣営と西陣営がガップリ四つに組んでいる対立の構造です。ただ忘れてならないのは、この冷戦構造が戦後四十年間、きわめて安定的に機能してきたということです。」こう言って長々と言っているのですが、「たとえ」、いいですか、これからが大事だ。「たとえフィクションであっても冷戦構造を維持していかなければなりません。 つまり、冷戦構造に代わるべき新たな枠組みは当分生まれそうもない、また見つけられない。世界の軍事的な安定のためには、既存の枠組みを利用せざるを得ないというのが現状です。」たとえフィクションであっても冷戦構造を維持しなきゃならぬ、こう言っているのですよ。これは防衛庁の事務次官の考え方ですよ。あなた、今防衛庁長官はそんなことないと言ったけれども、どうですか、これ。
○日吉政府委員 事務次官の発言を御引用になられましたので、事務当局の方から説明をさせていただきたいと思います。 私、ただいまその書物を手元に持っておりませんので必ずしも正確ではないかと思いますが、御紹介いただきましたところは私なりにこのように理解しているわけでございます。 西廣次官が、冷戦構造の維持というものは、戦後、現代の歴史において最も長く大規模な戦争が抑止されてきたわけでございますが、その中で非常に大規模な武力紛争を抑止するのに有効に機能してきた構造であったということを言っているわけでございまして、これは善悪の価値判断の問題を言ったわけではございません。したがいまして、現在ヨーロッパにおきましては軍備管理・軍縮が大きく動いておりますけれども、それも委員御案内のように、米ソを中心といたしましたワルシャワ条約機構とNATO、そういう大きな枠組みの中で相談が進められているわけでございます。ワルシャワ条約機構につきましては、それが内部的に崩壊をしてきているのではないかというような議論もございますけれども、やはり軍備管理という問題は、米ソを中心といたしまして、核を持った力のその抑止力によってお互いにより低いレベルの均衡を達しよう、均衡を模索しようというような形で平和のための努力が続けられてきているわけでございまして、それにかわるような構造というものは、仕組みというものは今のところ見出しがたい、こういうことを申し上げているのではないかと思います。 例えば、もし、米ソ以外にも核を持っている国が現実にあるわけでございますから、米ソを中心としたこういうふうな枠組みが機能しないとすれば、例えば、必ずしも的確じゃないかもしれませんが、核を持ったバルカン政治のような時代が到来するとも限らないのではないだろうか、かような認識で防衛事務次官は発言をしているのではないか、かように考えております。
○川崎(寛)委員 これは、きょうは安全保障会議の事務局長は来ているの。まあ、それは後で聞きますが……。 次には、今の議論をし合っているとまた時間食いますから少し進めますが、なかなか勇気があるんです。「日本は、すぐ近くに肩を並べるような仲間がいないということと、日本が持っている通常兵力と極東のソ連の通常兵力が仮にパリティであっても、あまり慰めになりません。例えば、ウラジオストックと東京とで刺し違いする気は、我々はさらさらないのです。東京が刺し違えるのはモスクワです。それには通常兵力では何の役にも立たないのです。」だから、東京とモスコーを刺し違えるのだ、こういう考え方を持っているのですよ。いやいや待ちたまえ。つまり東京とモスコーと刺し違えるのだ。これは、専守防衛の議論もいろいろありましたけれども、そういうことを前提にして日本の防衛政策が進められてきておるということを、これは一方では冷戦構造がフィクションであっても、まあ、だからフィクションだということを認めているんですね。そういう中で、東京とモスコーと刺し違えるんだ、こういう考え方で防衛事務次官は言っているわけですよ。 これは防衛庁長官どうですか、こういう考え方で防衛庁はこれまでの日本の防衛政策というのを進めてきたのですか。
○日吉政府委員 防衛事務次官の発言は、日本は周辺諸国の脅威に直接対抗するような形で防衛力を整備しているのではない、そういうふうな形で日本が独自に防衛力を整備することは不可能であるということの例に挙げているわけでございます。仮に、もしソ連とパリティを維持しようとしますと、例えばICBM、ICBMが一対一であったといたしましても、そのときには、ソ連は広大な面積を有しているわけでございます。日本は狭小な面積の中に、しかも産業、政治、住民、商業活動、それらの中枢が極めて局限されたところに集まっているわけでございまして、それを純枠に軍事的に言いますと、一対一の装備でのパリティというようなことはあり得ないんだ。そういうようなことから考えましても、周辺諸国の脅威に日本が直接対処するというような防衛力を整備するという考え方は到底とり得ないところである。こういう観点からの例示として述べているのではないかと私は推測いたしております。
○川崎(寛)委員 周辺諸国と対峙するためにではないんだ、こういうわけね。そうすると、要するにアメリカと一緒になって東京とモスコーと刺し違える、こういうことになりますから、これは集団自衛権じゃないですか、明らかにそうじゃないですか。
○日吉政府委員 「防衛計画の大綱」に掲げられております防衛力整備の基準は、限定的・小規模な侵略に対して原則として独力で対処するという、そういう防衛力というものは平時から独立主権国家として持っておくべきではないかということで整備を進めているわけでございます。したがいまして、もしその平時から保有すべき、我が国が保有しております防衛力でもって十分対処し得ないときには、日米安保体制に基づきまして米軍の来援を仰ぐということでございまして、我が国の防衛政策はあくまでも専守防衛に徹したものでございまして、日米、同盟を組みまして相手国に攻撃をしかけるというようなことを考えているものでは毛頭ない点は、委員も御承知のとおりだと思います。
○川崎(寛)委員 御承知しておりません。何で御承知ですか。 モスコーと東京が刺し違える、こう言うのですよ。モスコーと東京と刺し違える、こんなこと言うから、アジアの周辺諸国は、中国にしても南北朝鮮にしてもASEANにしても、日本怖い、こう言うのです、こういう考え方があるから。経済力は大きくなってきた。これから米ソという両超大国は、力を失って両軍事大国になるわけでしょう。米ソは両超大国ではなくなるわけだ。その二つとも両超大国の地位から落ちる。しかし軍事大国ですよ。そして日独が経済大国としてのし上がってきた。そういう構図の中で世界を考えますときに、こういうモスコーと東京と刺し違えるんだ、こういう考え方でおりますから、韓国にしましても中国にしましても、ASEAN各国が日本はどこに行くのかわからぬ、そういう不安を持っているんじゃないですか。 だから私は、こういう考え方、これは言葉にしろ表現にしろ悪いですよ。こんなことは、いいですか、防衛庁長官、いや、総理大臣どうですか。安全保障会議の議長だ、あなたは。——いや、これは事務方の言うことじゃないんだ。これが日本の防衛政策の基本になっているんですから、こう言っているんですから。待ちたまえ。
○越智委員長 事務方に説明をさせて、その後に答えてもらいます。防衛庁日吉防衛局長。
○日吉政府委員 重ねて申し上げますが、日本の防衛力整備の方針は、独立主権国家といたしまして、国際間におきまして平和のための努力が続けられているということを前提にいたしまして、平時から持つべき自衛のための防衛力の範囲内で、なおかつ限定的・小規模侵攻に原則として独力で対処し得るような基盤的なものにとどめることを防衛政策の基本方針にしているわけでございます。 ただいま御引用になられましたのは、そういう私どもの防衛政策の基本政策に対しまして、そうではなくして、周辺諸国に独力で直接対峙し得るような防衛力を持たないと独立主権国家としての体をなさないのではないか、こういうふうな議論があり得ますけれども、そういうことは、現在の核を中心とした国際情勢、さらには日本の地理的条件から考えてそもそも考えられないし、かつ不可能なことであります、その不可能なことの例といたしまして、例えば、モスクワと東京と刺し違えればそれぞれがお互いに同じダメージを受けるかというと、そういうことではないという地理的条件があるんです、その他の条件にして、たとえ等しいとして仮定したとしてもそういう状況にございます、こういう例示として申し上げているのでございまして、日本がモスクワと刺し違えるような戦闘行為を想定しているということでは決してございません。
○川崎(寛)委員 僕は戦闘行為を言っているんじゃないんですよ。考え方の中には、東京と、つまりその前があるんですよ。「ウラジオストックと東京とで刺し違いする気は、我々はさらさらないのです。」ウラジオストクと東京と刺し違えるんじゃないんだ。我々が刺し違えるのは、「東京が刺し違えるのはモスクワです。」と明確なんです。明確なんですよ。あなたが言うような説明じゃないんですよ、これは。
○日吉政府委員 私はただいまその書物をここに持っておりませんので、私なりの解釈として申し上げることになろうかと思いますが、例えば、ソ連の中の極東沿海地方に配備されているソ連の装備にパリティで対処し得るような防衛力を日本が整備して、それがたとえパリティになったとしても、ソ連全体から考えて沿海地方が壊滅的打撃を受けるということと東京が壊滅的打撃を受けるということは、ソ連国家と日本国家に対して意味するところは全く違うのではないか、こういうふうな例示として言っているんではないかと私は考えております。
○川崎(寛)委員 これはしかし例示としても、ウラジオストクと東京と刺し違えるんじゃないんだ。東京が刺し違えるのはモスコーだ。これは仮想敵国ですよ。明らかに仮想敵国ですよ。これは安全保障会議の議長さん、日本の防衛計画大綱はこういうあれで進められてきたんですか。
○日吉政府委員 重ねて申し上げますが、そうではないということの例証といたしまして、次官はそういうふうに言っているんだと思います。日本の防衛力整備方針につきまして疑義を差し挟む向きに対する反証として、そういうふうに次官は述べているのだと私は理解いたしております。
○川崎(寛)委員 ソ連とのパリティのことをはっきり言って、「日本が持っている通常兵力と極東のソ連の通常兵力が仮にパリティであっても、あまり慰めになりません。例えば、ウラジオストックと東京とで刺し違いする気は、我々はさらさらないのです。東京が刺し違えるのはモスクワです。それには通常兵力では何の役にも立たないのです。」というんですから、ここで核の問題が出てくるわけですけれども、しかし明らかに仮想敵国ということでやっているわけです。間違いでしょう、だから取り消しますか、この間違いを。防衛庁長官。あなたはだめだ、次官はあなたの上だから。防衛庁長官——君、もう同じ説明をしたってだめですよ。間違いかどうかということをはっきりしなさい。
○石川国務大臣 私の率直に感じた点を申し上げたいと思いますが、まず第一に、私は不勉強でその雑誌をまだ見ておりません。で、内容については全く私も初めて今聞かしていただいたわけでありまして、したがって、その内容についてコメントをする資格は、私はまだ今ない、このように思うのですけれども、ただ私は、余計なことかもしれませんが、就任いたしましていろいろと次官との接触の中で、次官の思想といいますか考え方ということもそれなりに私は感ずるわけでありますが、私の目から見て西廣次官という者は、非常にどちらかというと、俗に言うハト派といいますか、比較的そういう考え方、思想の方だなというふうに私は日ごろ感じております。そういう方でありますから、なおさら今の内容について、先ほど局長からいろいろとお話をされましたように、私はそれは否定をされていらっしゃる、このように思うわけであります。ただ、一つ例示としてそのような言葉が出ておりますが、最終的にはそれは否定的に私は述べられているというふうに感ずるわけであります。 それと同時にあわせて、先生もう今さら申し上げるまでもないわけでありますが、我が国の防衛というものは、これは平和憲法のもとに大綱に従って今逐次その防衛力の整備が進められているわけでありますから、その大綱というものは、先ほど来私が言いましたように、あくまでも我が国が平時から保有すべき防衛力の水準ということ、そして、我が国周辺の軍事的な脅威に直面、対抗することを目標としたものではなくして、むしろ我が国自身が力の空白となって安定を乱すことがないようにする、こういうことを大きな一つの理念としているわけでありますので、そういう中での逐次の整備が行われている、このようなことが我が国の今日までの防衛政策である、このように私は思っているわけであります。
○川崎(寛)委員 そこで、先ほどの次官の発言は、これは長官、きちっと一遍けじめをつけておいてください。こういうばかなことを言っちゃいかぬですからね。これは例示としてどうだこうだと言っても、これは誤解を、誤解というか、通常兵力がパリティだから、だからどうしてと、こういうアメリカの核の抑止力のもとでという議論として言いたいんだ、こういうことでしょうけれども、しかし、それは誤解というか大変な間違いなんですから、これは明らかにきちっとしておくということを私は防衛庁長官に要求しておきます。 それから次に、防衛計画大綱の「国際情勢」これが絡んでくるんですね、今の問題と。この「国際情勢」は明らかに私は検討し直さなければならない今日の情勢だと思います。 読み上げますと、「米ソ両国を中心とする東西関係においては、各種の対立要因が根強く存在しており、また、各地域においては、情勢の流動的な局面も多く、様々な不安定要因が見られる。」こういうふうに言っておるわけです。つまり、これは東西対立ということを前提にしておるわけですから、この米ソ両国を中心とする東西関係は変わったわけですから、米ソ両国を中心とする東西関係は変わったということについては、あなた、総理、これは安全保障会議にかけなきゃならぬのが国防の方針ですね。ですから、安全保障会議の議長として、この情勢は変わったというふうに私は思いますが、総理はいかがですか、安全保障会議の議長はどうですか。 ちょっと待ってください。これは今事務局——これはイギリスやアメリカだったらこんな議論にならぬわけですよ、イギリスだったら政治家同士がやるわけですから。ですから、やはりこういう大きな、世界が動いている、その中でどう判断するかということが求められている議論でしょう。だから、これはやはり大臣や総理は積極的に出なければいかぬですよ、事務方に任しちゃいかぬですよ。総理どうですか、安全保障会議の議長なんですから。
○依田政府委員 この大綱等の決定は、昔の国防会議でございます現在の安全保障会議でやっておりますので、私から答えさせていただきます。この大綱は、五十一年でございますので、当時のデタントの状況について、その総括部分と国際情勢の部分について先生御指摘のような項目があることはあれです。その大きなところは、やはり東西の冷戦構造というのが非常に機能していて、当面大きな戦争は起こらぬという情勢認識に立っておるわけでございます。 それで私どもは、きのうも総理の方から、いろいろ大綱の今後の取り扱いも含めて今後次期防については検討するというように申し上げたわけでございますが、この大綱は、当面大きな戦争は起こらぬ、したがって我が国としては、平和時に持つべき必要最小限のものを、先ほど申し上げた限定・小規模な侵略に対して原則として独力で対処する、そういう平時の必要最小限のものをやっていけばいいんではないかということで実はやっておるわけでございまして、今日いろいろ大きく国際情勢は変わっておりますが、当面ソ連を初め大きな戦争が起こるということは考えられないという前提は実は同じなわけでございまして、我が国としてやるべき必要最小限の平和時のものを整備するという大綱の基本精神には、それを変更を加えるほどの大きな必要はないのではないかという実は考えもあるわけでございます。 そのようなことで、先生御指摘のような、今の前段にあります東西の冷戦構造を踏まえた、書いた字句の表現の部分を直すのか、大筋において平和時の必要最小限の防衛力を整備するというこの大綱の精神を残すのか、これは非常に重要な問題でございますので、きのうから総理が御答弁いただいていますように、今後この扱いも含め次期防衛力の整備の方針につきましては安全保障会議におきまして十分これから慎重に議論したい、こういうように考えておるわけでございます。
○川崎(寛)委員 総理、きのう市川さんも、昨年の暮れ、安全保障会議で平成三年度の防衛予算の検討の際に、ポスト中期防のその中期計画の検討という話もあったわけでして、その点についての議論もございました。それは蒸し返しませんけれども、しかし、今私がこれは大変大きな問題と思いますことは、米ソ両国を中心とする東西関係においては各種の対立要因が根強く存在しておる、こういう国際情勢の認識というのは変わらなければいかぬのじゃないかということを私はお尋ねしているのであって、その点はいかがですか。
○海部内閣総理大臣 これは昨日も詳しく申し上げましたように、米ソ両国の対立、力による対決というものが、冷戦時代の発想を乗り越えて、特にマルタ会談以降、両方ともに、それぞれ抱えておるその他の政策目標等もあってその様相が変わりつつあるということについては、率直にそのとおりだと私も認めさせていただいております。 ただ、手のひらを返したように全部それでは対決、対立がなくなってしまったのかというと、私はまだ進行形現在の中にある、まだ不安定、そして不透明な部分も残っておる。ですから、ヨーロッパにおいてもいろいろな議論はありましたが、完全に解決したのではなくて、今でも、それではワルシャワとNATOとそれぞれ軍備管理の問題で、十九万五千ずつにするのかあるいはプラス三万が要るのかとか、いろいろな角度の議論が行われておるという状況があることも、大前提として、私は不透明な面の一つだ、手のひらを返したように完全解決というわけにはいかぬのではないかという認識も示させていただきました。 それから、アジアにおいて特にこの周辺の問題を見れば、そのように軍事同盟同士で対立、対決をしておったという構図ではなくて、一国一国それぞれの複雑な理由があった。それを一つ一つほぐしていく、解決していくための努力を今やらなければならぬというのがアジアの実情ではないかということも率直に申し上げました。私は、冷戦構造そのものを残しておこうなんということは少しも考えておりませんし、その発想を乗り越えつつあるという認識は持っておりますし、アジアにもそれは定着しなければならぬということは思っております。 しかし、日本の場合は、申し上げたように、憲法の許す自衛のための必要最小限の範囲内で専守防衛の精神に従って「防衛計画の大綱」というものをつくって、それでみずからの国民の安全を確保する、しかし現在それだけでは不可能なので、抑止力、そしていろいろなことがあって、日米安全保障条約のもとで日本の安全というものを確保し続けてきたわけでありますから、平和は現実に守られてきたことをこれは評価をいたします。 そうして、平和時におけるこれは防衛力の整備でありましたから、平和時においてこれだけのものを持っておることが、国民生活を守る上において必要にして十分な節度ある自衛力であるという考え方できたわけでありますから、私は、この基本的な立場に立ちながら、さらに平成三年度以降の問題につきましても、防衛力整備についてはこの点も十分考慮し、六十三年十二月の安全保障会議における討議を踏まえて、その具体的内容について、大綱の取り扱いを含め国際情勢及び財政経済事情などを勘案しつつ検討を、安全保障会議を中心とする適切な文民統制のもとに検討を加えていく、その際、憲法及び専守防衛等の基本的防衛政策に従っていくことは言うまでもありませんと、こう申し上げたわけでありまして、ただいまもそのとおりの考え方で作業は進めていくべきである、こう考えております。
○川崎(寛)委員 同じことを繰返しておると、時間を食って困るんですよ。 それで、アメリカはちゃんと政策がどんどん変わるわけですよ。これは大統領制だからということにもなるかもわかりません。つまり、きのうも市川さんからも御指摘ございましたが、アメリカのチェイニー国防長官は、米ソ間や北大西洋条約機構とワルシャワ機構との間で大がかりな紛争が起きる可能性は恐らく第二次世界大戦後で最も低くなっている、そして予算を千八百億ドル削る。私はきょうちょっと資料を探しているんですが、原子力潜水艦も建造をやめた、駆逐艦もやめた、具体的に出てきているわけです。ところが、日本が今議論しているのは、あなた方が言うのは平成三年でしょう。平成二年は伸ばしてきた、四兆円超したわけです。だからアジアの国々は、日本はやはり大きくなるんだなといって不安を持っているわけです。 私は、この国際情勢の米ソ対立というそこは、アメリカとソ連がなくなったといって減らしているんですから、なぜ日本が減らさぬか、なぜ日本が一番基本の国際情勢の認識を改めないかということが、私はアジアの国々から問われているゆえんだ、こう思います。 アジアの安全保障の体制が違う、それはそのとおりなんです。つまり、アメリカを軸にした、日米のサンフランシスコ条約と日米安保条約を結びました一九五一年の九月六日でしたか、その前に、フィリピンとアメリカが米比、そしてANZUSというのを結んで、日本から一番被害を受けた、侵略を受けたそこがアメリカと同盟条約を結んだわけです。そして日本のサンフランシスコ条約、こうなった。その後、米韓、米華と、こういうふうにいきます。ですから、明らかにアメリカのアジアの安全保障の体制というのは違うわけです。しかし、違いますけれども、だからといって、じゃそれだけNATOとワルシャワが鋭く対立をしていたような状況とはまた違うわけですから、そういう中で、つまりNATOとワルシャワ体制がなかったから、日本ではそういう緊張緩和の状況ができないんだというのは私は間違いだ、こう思います。 だから、それは日本自体がどうしてこのアジアの中でつまり覇権国家にならないということをしていくか、このことをやりますためには、やはり防衛計画の基本、つまり国際情勢の認識というのをきちっと情勢に合うようにする、軍事費を減らす、そのことが大事だ。それをこの西廣君はまた言っているのです。率直に言っておりますよ。 「日米安保の枠の中に入っていない日本は、よその国から見ると危険でしようがない。」なかなか正直です。「ヨーロッパ諸国から、また中国、東南アジア諸国から見ても、何をしでかすかわからない日本ということになってしまいます。」率直に言っているのですよ。それは日米安保の強化ではないのですよ。そうではなくて、日本自身が——あなたは今憲法を言われたわけでしょう。ですから、憲法を言われたのですから憲法に従って日本が、つまり平和の秩序づくり、緊張緩和の先頭に立つ。日本が新しいアジアと世界の秩序づくりの先頭に立つということを示す道は、防衛費を減らすと具体的に姿勢で示す。だから、正面装備でなくて後方をふやすのだからいいじゃないかということじゃなくて、私は目に見えるものでアジアの諸国に示すべきだ。「アメリカ側がややもすると日米安保体制の価値を低く見がちなだけに、日本は日米安保をより大事にしないと、国際的な活動が制約されるからです。」だから駐留米軍に対する防衛分担をふやしますということは、それは確かにアメリカの要求ですよ。うんと出すんだ、出すんだというのですからふやしてくれということは当然ですけれども、そうじゃなくて、日本が今のこの情勢の中で防衛計画大綱を見直す、軍事費を減らす、そのことが新しい秩序づくりの、つまり冷戦を乗り越えていく日本の姿勢だ、こう思います。いかがですか。
○海部内閣総理大臣 御議論を聞いておって、私の気持ちも率直に言わせていただきますが、こういう考えは間違いでしょうか。 アメリカとソ連がきょうまでとってまいりました世界政策の中で、例えばアメリカには、ある時点では二カ二分の一正面作戦といって、世界の紛争に対して有事がもしあったならば、二正面ともう二分の一ぐらいは対応できるような軍事力が必要なんだということを国防白書にも書かれたことを私は今思い起こしておりました。ソ連もまた、ヨーロッパに対する作戦と同時に極東に対する配備、その他中東方面、いろいろなところに配備をしなければならない、同じような発想があったと思うのです。これはいずれも有事を想定して、そのときにお互いに陣営の長としての責任を果たさなければならないという考え方から組まれた軍事力ではなかったのではないだろうか、私はそう思うのです。 日本の場合は、そんなことは発想もできませんでしたし、考えることも許されませんし、国自身の政策が専守防衛ですから——ちょっと待ってください、発言中です。専守防衛ですから、日本の国は、自分の国民生活の安全と平和を守るための節度ある、限度のあるものを自衛力として持ち、足らざるときは、自分の国を守るにも足らないときは日米安全保障条約によってこれを補完してもらう、抑止してもらう。よって立つ基盤が全く違っておったということが、これが戦後の歴史的な事実でないでしょうか。そして、そういう世界戦略の中でとってきた米ソの軍事大国としてのその責任感に基づいた行動とあえて申しますけれども、そういったものが過剰兵器としてお互いにたまってきた。先ほどアジアを古い兵器のごみ捨て場にしてはいかぬというような角度の御議論もありましたけれども、私はいろいろなところでそういうことも聞きました。ですから、そういったあり余るものを米ソが軍事管理、軍備管理、そして将来は究極の軍縮を求めて今下げていこうという努力をしておることは、それ自体は私は世界の緊張緩和のために大賛成だと思います。 それからもう一つ、別の角度から視点を当てますと、これは率直に申し上げますが、アメリカにも財政赤字というものがあって、何とか財政赤字を減らさなきゃならぬ。この間の日米構造協議のみならず、先進国首脳会議の場でも、世界の首脳たちはアメリカに、財政赤字、貿易赤字を何とか減らす努力をして国家としての責任を果たしたらどうだという意見が飛び交っていることは委員御承知のとおりでございます。同時にソ連も、ペレストロイカに入ってきた。いろいろありますけれども、国内において経済的な不況が非常に進行しておる、そういったものを助けていかなければならぬ、民族問題を片づけるためにも生活水準を上げていかなければならぬ。ということになれば、お互いに米ソ両国が軍事管理をすることによって、現在抱えておる問題を、国内問題も、お互いに人間を豊かに幸せにしていこうという究極の目標に向かって前進するためにはプラスであるという合意ができて、初めて共同の軍備管理・軍縮という問題は前進していくと思うのです。 我が国の場合は、繰り返しませんけれども、そういう有事を対象としてではなく、平和時に、まことにつつましやかにみずからの国の平和と安全を守るためのもの、それは専守防衛であり、正面装備を見ていただいても、これは全部明らかにされておりますが、相手国に脅威を与えるような攻撃的な、長距離を攻撃できるような航空母艦とかそんなものはないわけですから、これは専守防衛の精神をきちっと述べ、国会の文民統制あるいは国会のこういう御議論等を通じて、絶対に周辺諸国に二度と迷惑を与えないようにしなければならぬということを痛いくらい戦争の反省に立ってお互い考えて、これはきちっと守っておる原則でございますから、日本の安全保障を日本の限度内において考えていくということは、これは政府の責任であって、国民生活を維持するためにはこのような立場で考えさせていただきたい。 ですから、米ソの対立が終わっていくということは非常にいいことです。そして同時に、日本の安全も国民のためにきちっと守っていかなければならぬということ、この政策は矛盾するものではないと私は考えておりますので、お答えをさせていただきました。
○川崎(寛)委員 その意気込みで頑張ってもらいたいと思いますが、そうしますと、そのためにも、先ほど来繰り返しておりますように、この「防衛計画の大綱」の「国際情勢」のところは非常に変わっておる、だからそれは見直しますね、総理。
○海部内閣総理大臣 申し上げましたように、変わっていることも認めますし、変わっていってくれることも認めますし、必要以上に多くのものが地球上に武器として存在することを米ソ両方が話し合ってやめていこうという方向が出てきておることも、これは率直に認めます。 しかし、日本の場合には、きょうまでと同様、専守防衛で国の安全と国民生活を確保するという、この目標に向かって「防衛計画の大綱」に示されたような平和時における責任を守っていきたい、それは節度ある自衛力であるというこの基本線をきちっと守っていくつもりでございます。
○川崎(寛)委員 私はやはり、あなたが考えられないような武力の増強という、世界の、つまり米ソが対立をしてきたそういう中で、日本の問題について触れられました。だから日本は経済も繁栄したと思うのです。しかし今は、防衛費という面で見ますと世界で三番目という大きなものになりました。それだけに、西廣次官自身も自己反省しておるように、日本がどえらいものになるのじゃないかという不安を持っておる。そうなりますと、日本がそういうものにならない、日本がアジアの安全保障、アジアの平和保障、あるいは平和のそういうものの基本はまた経済でもありますけれども、そういうもののために役立つ日本になる、こういうのであれば、アジアの平和保障についてのそういう話し合いをするという、これは土井委員長も本会議で提案をしておるわけでございますが、つまり全欧安保会議というものが、これもやはり東西対立をなくしていく、通常兵力を減らしていったわけですから、そういうあれでいきますと、私は、平和保障、安全保障の会議をアジアで進めていく、そのために日本は勇気を持っていいのじゃないか、こう思いますが、提唱してやる考えはありませんか。
○海部内閣総理大臣 アジアにおけるそのような機構をつくって平和の問題について話し合っていくことは、これは私は結構なことだと思います。同時に、アジアのためにはアジア自身が経済的に力を持って経済的に豊かになっていくということも、アジアの安定と平和のためには極めて大切なことでありまして、日本もこの数年来、対アジアとの関係において、ASEAN地区からの製品輸入というもの、これに随分力を入れてきました。アジアに対する投資もアジアの国のことを考えながらいろいろやって、相互依存関係を深めるように努力もしてきました。今日アジアの経済成長が世界の平均を上回るようになってきたことにも日本は謙虚に貢献をしてきたつもりでございます。また、そういう経済協力のみならず、人間が行って技術移転をしたり、それらの国々の技術やあるいは生活の安定のためにもいろいろ御協力ができる面があったら積極的に協力をするという面で、広い幅で協力もしてまいりました。アジアの平和と安定のためには十分尽くしていきたいと思っております。
○川崎(寛)委員 これを最後に終わります。 先ほど触れましたけれども、つまり米ソの両超大国が軍事大国に落ちてきたわけですね。しかし、やはり大きな軍事力としての支配力を持っておる。日本とドイツがそういう中でこれから経済大国としていくわけですから、大変難しい。日米構造協議の問題も、つまりアメリカはソビエトが相手ではだんだんなくなってきた。だから日本とドイツに向かってきておる。そういう中で長期の問題を考えなければいけないという点については、触れる時間がございませんでしたので改めていたしたいと思いますが、ひとつ大変難しい状況ですが、平和と繁栄のために頑張らねばいかぬ、そして大綱は見直さねばいかぬ、軍事費は減らさねばいかぬということをなお強く要求して、終わります。
○越智委員長 これにて川崎君の質疑は終了いたしました。 次に、戸田菊雄君。
○戸田委員 私は、主として内政問題に絞りまして質問をいたしたいと考えております。 まず第一に、消費税廃止、税制再改革、この問題について質問してまいります。 アメリカのペックマン博士、この方はブルッキングス研究所の著名な財政学者であります。また、ジョンソン大統領のときにそのブレーンとして、ヘラー・ペックマン案、これをおつくりになった人であります。連邦、州そして地方歳入分与に関するプランを作成した方でございますが、現在アメリカの経済学会の会長でもあります。この方が、付加価値税は言うまでもなく逆進的な租税であり、その過度な利用が貧困者に負担を課する理由となっている、そして、付加価値税が広く用いられるのは多くの国々で所得税が惨めな状況にある反映だと思う、大半の国で富裕者は租税を公平な割合で支払っていない、租税はすべての所得に適度な税率で完全に課税されることによってより公平により効率的な課税となる、こういうことを言明されているのですね。 結局、富裕者に有利な各種の控除をやめて包括的所得課税を実施することが重要である、付加価値税の特徴は逆進性にあり、低所得者に重課税となり不公平を招来するものである、こういうことを言っているのだろうと私は思うのです。これに対しての大蔵大臣の見解はいかがでしょうか。 〔委員長退席、近藤(鉄)委員長代理着席〕
○橋本国務大臣 今委員が引用されましたペックマンの「税制改革の理論と現実」の中には、また逆に幾つかの指摘がなされております。例えば、「付加価値税の逆進性は、食料、住居、医療のような生活必需品を非課税にしたり、あるいは低所得世帯に対して所得税の税額控除を認めることによって緩和し得る。」という一節もございます。私は、学説としてそれなりにこれは権威のあるものであろうと存じますけれども、基本的に、幾つかの御引用については、引用されなかった部分との対比において問題があるのではなかろうかという感じが率直にいたします。 所得課税というものが税体系において引き続き基幹的役割を果たすべきものという考え方は、これは当然のことであろうと思います。しかし同時に、いかなる税目もそれぞれの長所を有する反面に何らかの問題点を有している。ですから、税収が特定の税目に依存し過ぎる場合には、その税目の抱えている問題点が増幅をされてしまう、税負担の公平な配分を妨げて国民経済に影響を及ぼしかねないということは繰り返し申し上げてまいりました。したがって、税体系において、所得、資産、消費等に対する課税を適切に組み合わせていくことが何よりも私は必要なことだと思います。 こうした観点から、先般の税制改革におきましては、所得税の大幅な軽減、消費税の導入等によりまして均衡のとれた税体系の構築を図ってまいりました。また、一般に収入や所得が多い層ほど消費支出の所得に対する割合は低いわけでありまして、およそ消費に対する間接税というものが所得に対しましては税負担の割合が逆進的になるという性格は確かに持っております。しかし同時に、所得に対する税負担の割合が累進的か逆進的かという議論は、つまるところは所得分配の問題でありますから、この問題を取り上げますのに一つの税目のみを取り上げて判断するということには問題があろうかと私は思います。消費税や所得税を初めとする税体系全体、さらには社会保障制度など歳出面も含めた財政全体で判断すべきではなかろうか、こうした見解は、本院においてもしばしば申し述べてきたところであります。
○戸田委員 総理の見解はどうでございますか。
○橋本国務大臣 今総理おられませんでしたので、それでは私からもう少し補足をさせていただきます。 ペックマンの提唱する包括的な所得税というものは、種々の所得税における特別措置を廃止してすべての所得に課税をする、課税ベースを拡大していくことによりまして、累進性を弱めることなしに税率の引き下げを行うという学問的な考え方であると私は承知をいたしております。しかし同時に、この中には、いまだ実現をしていないキャピタルゲインに対する課税でありますとか、例えば持ち家の帰属家賃を所得とみなすといった、理論どおりにその所得税制を行うことには現実には極めて困難な問題も含めている見解でありまして、私どもとしてはこの学説をそのままに我が国の税体系の基礎に置く考え方はございません。
○戸田委員 私たちは、導入された消費税、これに対して二つのことから反対をしてきた。その一つは、公約違反である。公約違反については一つずつ摘出をいたしませんが、殊に内容について、欠陥税制だ。それはいみじくも当時税制の論議のさなかに竹下総理自身が七つの懸念がありますということで指摘をされ、提案をされました。 その一つは何かといえば、逆進性の問題である。今、御存じのように消費税は、子供さんのお小遣いであめ玉を買う、それまで税金取るんですからね。担税力がない。これは恒常的に取られていくわけでしょう。今、年金受給者、殊に国民年金、老齢年金、拠出制が二万八千円台ですね。無拠出が二万六千円。こういう方に対しても容赦なく三%の課税を消費部面で取っていく、こういうことである。甚だしきは、あの世に行くときにおひつぎをつくる代金まで、線香料等々まで三%かけているんです。こんなまさに投網的な広い課税ベースを持った消費税は世界探したってないですよ。まさにそういう限りにおいては世紀の大悪税だ。そういう性格は直らぬですよ。 総理自身が見直し云々を言っていますが、それは見直しをやって非課税一・五%、それから非課税品目を設定しました、これを言ったって、実質下がっていますか、物価その他のことから考えて。これはわずかに一・五%くらいというのでしょう、大蔵省の試算で。そういう性格の税金なんですよ。そしてなおかつ、竹下総理も言っていましたけれども、景気浮揚の三本柱、いわゆる消費、設備投資、貿易、これによって景気を浮揚させてきているわけでしょう。その最大の五二%を占める消費が極めてダウンしている。そしてなおかつ、インフレ体制を招来をしている。そうして景気全体をインフレ化させる、こういう性格を持ったものなのですね。なおかつ、税率三%というものは、諸外国の例からいったって、必ず五%、七%、一〇%、既にEC体制では一五%まで来ているじゃないですか。そういう性格の税金なんですね。 だから、そういう面に対して、明確に今までの審議の中で政府から、歯どめ論について、こうやります、ただ当面私の在職中は引き上げはいたしませんよという程度の確認なんですよ。総理が言う見直しをやったって、これは単に中小業者、業界のいわゆる自己記録方式、こういったものの帳簿の整理の複雑を招くだけであって、この消費税全体の性格というものは何ら変わらない。見解はどうですか。これは総理にも。
○橋本国務大臣 総理のお答えの前に、事実関係について幾つか申し上げたいと存じます。 まず私は、公約違反と言われますが、売上税の事態収拾の中における議長裁定から組み上げてまいりました消費税が公約違反であるとは私自身考えておりません。 と同時に、今委員が述べられました中に幾つか私は申し上げたい点がありますのは、例えば食料品について、私どもは今度見直しの中において小売段階の非課税を提案をいたしております。と同時に、生産から流通における特別軽減税率を提案をいたしておるわけであります。しかし、委員いみじくも述べられましたように、例えばEC諸国におきまして、あるいは例示で申し上げて、例えばスウェーデン等の場合に、消費税と同じ性格を持つ税制におきまして食料品の非課税を実施しておるところはございません。食料品も対象であります。例えばイギリスのように違った仕組みをとっておるところがないわけではありませんけれども、おおむねの国は食料品も課税対象として同率の税を課しているわけであります。 また同時に、例えば今御指摘にありませんでしたものを追加して申し上げますならば、確かにこれはすべての方々に御負担をいただく仕組みでありますから、その限りにおいて、年金生活をされる方に対しましても生活保護を受けておられる方々に対しましても同じように税としては課されるものであります。ですからこそ、それを計算に入れて生活補助基準の引き上げも行っておりますし、年金額の引き上げも行われております。 そしてまた、幾つかの点の御指摘がございましたが、売上税のとき、非課税を多くつくりましたことが世間から極めて厳しい御批判を浴びました。ある意味ではあつものに懲りてなますを吹くという古語がございますけれども、そのために消費税を御提案をいたしましたときには必要最小限に非課税の範囲をとどめましたことが、今度は次の御批判を呼んだわけであります。そして、今委員が御指摘になりました幾つかの点、例えば人の命にかかわる部分、出産あるいは火葬料、埋葬料といったものを、今回の政府の提案をいたしております見直しの中には非課税の範囲を拡大し含めておることも既に御承知のとおりでありまして、これについて私どもが御論議をお願いを申し上げているゆえんのところも、今のような御批判にこたえるというものがあることも御理解をいただきたいと思うのであります。
○海部内閣総理大臣 先ほど来二つの点について御指摘がございましたが、私も今度の選挙戦を通じまして国民の皆さんに率直に税のことをお話しする、これは自分の心にもいろいろつらい、お願いすることはつらい話ではあるけれども率直に申し上げると言って、見直しの問題について正直にお話をし、そして所得と資産と消費とバランスのとれた税制改革をぜひ御理解いただきたいとお願いし続けてまいりました。 見直し案の内容その他については大蔵大臣が詳しく申し上げたところでございますので省きますけれども、逆進性とおっしゃいましても、それは懸念の一つにありましたが、間接税というものの持つそのものの性格として一面あるわけでありますから、その税目だけを取り上げてではなくて、財政支出やほかの政策全般を含めて御理解をいただきたい。したがいまして、年金等につきましても、例えば老齢基礎年金を例にとれば、〇・七%の物価上昇率のみならずプラスをして六・二%にし、しかも始まった四月までさかのぼってこれを差し上げて年金生活者の皆さんに対する御不満や批判を解消して、これらの努力によって直接の被害は埋め合わせていくという他の政策努力も行わせていただきますということも考え、訴え続けてまいりましたわけで、全体の中でそのようなことをきちっとしていきたい。偏っておった、不公平であった、高過ぎるのではないかという二、三年前までの御批判をその意味においてもきちっと受けとめながら、世論の指摘を受けとめながら考えておる税制改革であるということでございますから、どうぞお認めをいただきたいというふうにお願いをしたいと思います。
○戸田委員 当時、消費税の導入に当たって、税制改革法案の基本的な考え方と申しますか、それは、一つは、税制改革法案の理念、考え方の中心、こういうものは、産業構造及び就業構造の変化、所得水準の上昇及び標準化、消費の多様化及び消費におけるサービスの比重の増加、経済取引の国際化等々を挙げているのですね。しかし、これにはいささかも財政再建目標というものは載っていません。主として所得水準の上昇及び標準化を出発点にして消費税に持ち込んだ、こういうのが私は実態だと思って理解しているのです。 企画庁にちょっとお伺いしますけれども、国民の所得水準、これは上昇していましょうか。どうでしょう。
○相沢国務大臣 お答えいたします。 国民の所得水準は、一人頭の雇用者所得で見ますと、石油危機以降、五十年代から若干伸びは鈍化いたしておりますけれども、最近の景気上昇に伴いまして、六十三年以降は着実に上昇をいたしております。 分布はよろしゅうございますか。分布は次に……。
○戸田委員 ただ、勤労者を対象にして賃上げ等、これを見ますると、ここ十年間二%ないし三%ですね、私の調査によりますと。大体平均で一%、これが通例です。増税その他がありますから、国民負担率が伸びていますから、埋没して結果的にはマイナス、これが実際でないでしょうか。殊に最近は円安、株安、俗称言われるところのこの安によってどうも景気が低迷、五〇%くらい落ち込むのじゃないかというような見通しも、それぞれ調査所あたりで出ているんですけれどもね。その点はどうですか。
○相沢国務大臣 前年度対比で見てみますと、雇用者所得の一人当たりの伸びにつきましては、今先生お話がございましたが、大体昭和五十七年度以降は三%ないし二%前後。平成元年は、これはまだ実績が出ておりませんけれども、おおむね四・四%。それから平成二年は、経済見通しでは四・九%の伸びということになっておりますので、おっしゃるようにずっと下がっているというような傾向ではないと思います。
○戸田委員 勤労者の課税最低限は幾らでございましょうね。それから株配当等々の課税最低限、ちょっと教えていただきたい。
○尾崎政府委員 夫婦子二人の給与所得者の場合でございますが、所得税の課税最低限は現在三百十九万八千円でございます。それから、配当だけの所得者でございますけれども、夫婦子二人の場合で七百四十二万七千円でございます。
○戸田委員 私は、消費税導入よりも、今の現税制体系、これは極めて不公平体制ですね。資産に余り偏り過ぎている、優遇体制をとられている。それは、シャウプ税制以来設置して今日まで政策的判断と称して租税特別措置をつくって、そして現行の税制体系というものを非常にゆがみのあるものにしてしまったんですね。これは今までの自民党の税制取り扱いの欠陥だろうと私は思うのですね。だから、今我々が税制体系を是正するということが一番大事なんじゃないでしょうか。それで今お伺いしたのですが、この課税最低限、これは汗水垂らして働いている勤労者の皆さんは三百十九万八千円、不労所得と言われる利子配当等々は七百四十二万七千円ですから、倍以上ですよ。これはなぜ同率にできないのですかね、同率に。 それから二兆四千億の大減税をやった、増減税ゼロです、当時。そういうことですが、この税率緩和方式、これは一貫して、当初は十九段階、それが十五段階になって、そして十二段階になって、そして六段階、五段階と現行の体制になった。だから、これだって最高税率は七五%ですからね。それを六〇%に最高税率を持ってきた。無条件で一五%、とにかくこれは大幅減税ですよ、高額所得者。以下四〇、三〇、二〇、一〇ですから、こういうことになって、最低税率一〇・五%というものは、これはちょっと上がったのですよ。 今大蔵省の税制改正の要綱、租税及び印紙収入予算の説明、これは単年度の平成二年度だけで見ましても、どうですか、所得税の源泉所得、これが納税人員が四千百八十二万人ですよ。給与総額百九十二兆三千八十億円、一人当たり四百六十万円。仮にこれを土台にして四十年生涯賃金とすると、四、六、二十四、四、四、十六で一億八千四百万円にしかならぬですよ。そのうち財政見通しでもって言われているように、国民負担率五〇%以内に抑える、こういうことですが、そこまで上がってきたらどういうことになるか。可処分所得は半分にしかならぬですよ、可処分所得。そして、公平化を図ると言いながら、現行税制は全く——これの収入はどこですか。源泉所得で所得税が十六兆四千三十億円ですね。申告税まで含めるとおおむね十八兆円を超す。法人所得の場合も同じくらい、十八兆円。しかし、このうちの八〇%は中小企業の単位の皆さんですよ。十億円以上の資産の皆さんはごくわずか、入っているのが。全然変わっておらない、消費税を導入しても。こういった不公平体制が持続されている。そして、一人当たり昨年は二十六万円、ことしは二十五・五万円。ですから、ほとんど変わりないですね、変わりない。 そういう極めて不公平体制が今存在をしているということですから、これをまず私は、本当に大蔵大臣がおっしゃられますように重税感を、あるいは総理が言われるように国民の重税感というものを払拭するのには、この不公平という税制体系というものを抜本的に改正をしなければいけないだろう。 ほかにいっぱいありますよ。例えば車一台買ったって、前は取得税が取られて、揮発油税が取られて、ガソリン税を払って、地方道路税も払って、重量税払って等々八つの税金ですよ。東京の車の税金研究会というのがあります。奥さん方、来ました。年間このくらいかかりますよ、六十万円かかるというのです。そのほかに、どうですか、生涯通じて四十年勤めてやめた。退職金からこれまた税金が取られる。現職時目いっぱい取られていて、そして今度は年金についても課税対象でしょう。七十九万まで控除、それ以外は課税対象ですから、これも取られる。今の年金、公務員の国家関係ですと大体二百十七万円平均ぐらいでしょう、それはNTTその他によって違いますけれどもね。 そういう不公平が存在したまま、その上に消費税というものを今三%課税をしたのですから、国民はより以上まさに重税感に浸っているというのが今の現状じゃないでしょうか。だから、こういった不公平体制というものを何としても我々は検討し是正をしなければ、国民の信頼は失われっ放しですね。どうでしょう、大蔵大臣。
○橋本国務大臣 非常に多数の数字を挙げられての御論議でありますので、数字の点につきましては政府委員から御説明をさせますが、しかし、今委員がお述べになりました中、例えば公的年金控除額、課税最低限三百一万円を今回三百二十一万八千円にとか、こうしたことがあることも御理解をいただきたいと存じますし、今回の所得税改正自体が不公平だと言われる御論議は、私はいかがかと率直に思います。 と申しますのは、所得税の税率構造が、先般の税制改革におきまして、今まで非常に細かい刻みがあり、例えばちょっと給料が上がった途端にその刻みが一段上がって、結果的には税負担がふえてしまったというような不満が多数あったことを御記憶だと思いますけれども、そうしたことに対することも考え、今まで非常に多かった刻みを五段階に減らしてきたこと、こうしたことによる累進緩和の効果というものは、私は国民に喜んでいただけていることだと思うのであります。 しかし、今委員のお述べになりましたように、むしろかつての細かい刻みを残すことの方が公平だと言われますと、これはちょっと考え方として私どもが考えてまいりましたのと非常に大きく基本的な部分で食い違いがあるわけでありまして、これは私はちょっと何とも申し上げかねる部分があるということは率直に申したいと思うのであります。 なぜこういう所得税の構造の見直しを根本的に行ったかお考えいただきたいのでありますが、従来の税率構造というものが大変強い累進度を有しておりましたために、収入が増加しても手取りが余り増加しない、極端な場合には逆に下がってしまうかもしれない。そして、働き盛りで、収入は比較的多いけれども、教育費でありますとか住宅費等の支出がかさむ中堅所得層に特に負担累増感が強かったということは、これは委員もお認めがいただけると思うのであります。こうしたことに対処し、むしろ勤労意欲や事業意欲を阻害する、租税回避行為を誘発するといった弊害をなくすといった観点から今回の所得税の改正が行われているということはぜひ御理解をいただかなければなりません。そして、今回の税制改正の結果として、給与所得者の約九割の方々は最低税率の一〇%一本の税率が適用されていきますと同時に、給与所得者の大半の方々については、就職してから退職されるまでの間に適用される税率は大体一〇%の一本かあるいは二〇%の二本、中堅所得者層に対する負担累増感については随分私は答えをきちんと出したものと考えております。また、課税最低限度が大幅に引き上げられましたこと、税率の引き下げ等の改正によりまして、所得税や住民税の負担軽減割合というものは低所得者ほど大きくなっているということも事実であります。 こうした点から考えてみますと、今委員が述べられましたようなお考えというものは、私は内容的にちょっと違うのではなかろうか、率直にそういう感じを申し上げたいと思います。 また、高額所得者優遇という視点からの御議論もあったわけでありますが、所得税と住民税を合わせました最高税率の水準の六五%というものは先進諸外国の中にあっても依然として最高のものであるということも御留意をいただきたいと思います。
○尾崎政府委員 ただいまの大蔵大臣の御答弁ですべてお答えしているように存ずるのでございますが、先ほどの配当所得のみある場合の課税最低限と通常の給与所得者の課税最低限の数字でございますが、委員よく御承知のとおり、配当所得につきましては、いわゆる法人の段階で課税されているということから二重課税の調整が各国とも行われておりまして、我が国の場合、その調整をいたしますので課税最低限がああいう形になるわけでございます。
○戸田委員 いろいろな操作はありますけれども、例えば前年度の税収体系を見ますると、源泉所得それから申告含めまして大体十八兆円、法人所得税、これが十八兆円、有価証券取引税が一兆ちょっとでしょう。選択と申告と二通りあることはわかっていますが、しかし、それにしても四百兆円も売り買いが動いておってそして一兆何がしというのは、これは余りにもひどいのじゃないのですかな。キャピタルゲイン課税、これを検討する考えはありませんか。
○尾崎政府委員 有価証券取引税とおっしゃいましたでしょうか。ちょっと今よく……(戸田委員「有価証券取引税」と呼ぶ)お話しのとおり、六十三年度の決算でございますが、所得税が源泉、申告合わせまして十八兆、それから法人税も十八兆四千ぐらいでございます。有価証券取引税は二兆一千でございます。 それで、この有価証券取引税は、所得課税と違いまして、有価証券の取引の場合にかかる流通税でございまして、もしも御指摘の点がいわゆる株のキャピタイゲインでございますとかあるいは土地等の取引の譲渡所得のような趣旨であったといたしますと、それは源泉で処理されますものは源泉所得税の方に、申告で処理されますものは申告所得税の方にそれぞれ入っている、そういう区分でございます。
○戸田委員 私も、今の選択課税ですね、これはやむを得ないかな、こう思うのですけれども、しかし、それは分離課税というのは私はなくすべきだと思うのですね。そういった法人関係についても総合課税にしていく、総合課税。所得と、それから隠れ財産がありますから、資産その他ですね、こういったものはミックスして、そして総合課税でこれからやっていく、こういうことが私は一番合理的じゃないかと思うのですね。だから、そういう点で、幾つかの問題について現行税制を点検をして、そして改廃をして、そして公平、公正化を図る、これが私は大前提でなければいけないと思うのですが、全然消費税導入後もこの所得体系というものは変わっていない。全然変わっていない。その上に三%ですからね。だから、そういう点では、当初約束をしたように、いろいろ理由はありましたけれども、直間比率をもう少し合理的なものにするとか、しかし、それはしょせん出発点、シャウプ税制ずっとやってきて、あの方も二年ぐらい全国駆けめぐって、飲み屋のママさんまで行っていろいろ聞いて、そして今ペックマンさんが言ったように、これを貫いて、そして公平、公正な税体系というものをつくり上げた。だから、そういうものに再改革をさせていかなければいけない、このように考えますけれども、どうでしょう。
○橋本国務大臣 ペックマン氏の論議につきましては、先ほど私なりの感想を申し上げましたが、現行所得税制の基本が総合課税であることはもう委員がよく御承知のとおりでありまして、総合課税の考え方というものは今後ともに維持していくべきものだともちろん私どもも考えております。 ただ、現在租税特別措置において分離課税とされております株式売却益あるいは利子につきまして、所得の捕捉体制が不十分なまま本則の総合課税に戻しました場合には、実質的な不公平がかえって増大してしまうという危険性を持っておることも事実であります。また、実質的な公平ということから考えますと、こうした状況の中で私は分離課税が適当な場合もあるという気が率直にいたします。 仮に、株式売却益や利子に対する課税のあり方について、総合課税への移行問題を含めて平成四年に見直しを行うことになっておるわけでありますが、完璧な総合課税というものを実施いたしますためには、納税者番号制度の導入を初めとする所得の完全な把握体制というものが不可欠なものであることは委員が御承知のとおりであります。しかし、納税者番号制度の導入につきまして、制度の前提となります番号をどうするかなどにつきまして幅広い視点からの検討を行うことが必要でありますと同時に、制度導入に伴いまして国民が受忍していただかなければならなくなることの煩わしさや費用、さらにそのプライバシーの問題などにつきましての国民の理解と合意を得る必要があるわけでありますが、私は、まだそこまでの機運には至っていないのではなかろうかという感じを持っております。いずれにいたしましても、この納税者番号制度の導入というものにつきましては、税制調査会からの答申でも、国民の合意形成の状況を見守りながらさらに検討していくという御指摘をいただいておることでありまして、私はそうした方向でなお国民の合意形成というものについての状況を見定める必要があると考えております。 また、納税者の総合的な経済力に対して適正公平な税負担を求めるということは、単に所得課税だけを見て総合課税の原則をどう実現するかということだけではなくて、税制全体として所得と消費、資産の間でバランスのとれた税体系を構築することが必要であると考えておりますし、消費税を含めました先般の税制改正と申しますものが、基本的にこうした視点に立っておることも御理解をいただきたいと思います。
○戸田委員 時間が余り多くありませんからそろそろ打ち切りたいのでありますが、ただ問題は、税制のみ資産にウエートを置いておるということだけじゃなくて、金利関係でもそうですね。例えば住宅ローン、これは十八年間、仮に家と土地でもって二千万円借りたということになりますと、これは返済額が倍くらいですね。市中銀行、住宅ローンその他おおむね八%ないし一〇%。そうすると倍額を払う。ところが、そのときの金利計算は、銀行が極めてずるいですよ。もう最初の九年間はおおむね利子払いですよ。元金はそのまま据え置きです。ようやく十年目あたりから元金がこう減ってくる。だから、これはもう少し金利計算において均等償還で、元金もそれから利子の方も均等償還、こういうことでやっていかないことには、当時マイホーム、マイホームと大宣伝されて、消費者は王様だとおだてられて飛びついた。しかし、その結果は支払いができなくて、結局売ったとかあるいは夜逃げしたとか、そういうものが出てきているわけですね。それは所得も一面です。さっぱり上がらないから、低いからそういう状況なんですが、だから生涯かかったってこれは家と土地、今持てませんね。そういう状況です。だから、こういった面の金利計算をもう少しやはり合理的にしていく必要があるだろう。 もう一つは、これは昭和四十一年ですが、当時、大先輩の福田総理、大蔵大臣のときですが、初めて、財政憲法と言われた第四条、これは建設公債であろうが、それから特例公債であろうが発行まかりならぬというのが第四条の精神なんですね。それを特別立法でもって、そしてまず建設公債発行に踏み切ったのです。そのとき私は参議院でしたけれども、その反対討論に立って、かつて戦費調達でもって国債を発行した、戦後大インフレに遭って、三千万円ぐらいのお金はもうサツマイモ一俵で消えていくという状況、これは全部御破算になった。そういう非常に塗炭の苦しみがあって、そういう財政法第四条というものはできたわけです。それを今度押し切って特別立法でもって建設公債だけ発行できるということになった。だから、これは必ず、ちょうど麻薬患者が廃人になるまでやめられないのと同じだよと。そういうことで戦前もきたのですから。案の定、大蔵大臣もおっしゃられたように百六十二兆円まで来ちゃったのですね。しかし、特例公債はゼロにしましたからというようなこと、これは私は一応認めていいと思いますが、片や建設公債はそのまま、百六十二兆円もやっている。今後やはり若干なりともふえていく傾向ですね。ことし五兆円でしょう。 だから、そういうことになりますと、今後の財政その他、これをやはり明確に方針としてこの辺で再建方式をまた検討し直していかなくちゃならないのじゃないでしょうか。そうすると、その利子は、どうでしょう大蔵省、十一兆円近くありますけれども、そのうちの八兆円はほとんど日本銀行とか、当時シンジケート団というものは市中銀行に限定したのです、これは歯どめだと言って。だからそこへ大抵行っているはずです。しかし最近は、短、中、長すべてやりましたから、それで窓販と称して一般の国民にまで上げていきましたから、そういう点を含めて大分行っているだろうと思いますが、八兆円ぐらいは機関、法人に行っちゃっているでしょう。あとの三兆円ぐらいですかな、一般の投資家に回されるのは。どうですか。 〔近藤(鉄)委員長代理退席、委員長着席〕
○小粥政府委員 ただいまのお尋ねは、国債の利払い費についてのお尋ねかと存じます。 平成二年度予算の国債費といたしまして計上しておりますのは十四兆二千八百八十六億円でございますが、そのうち償還費あるいは事務取扱費を別にいたしまして、いわゆる利払い費は十一兆六百九十四億円でございます。利払い費の内訳は、国債の利子、これは長期あるいは中期のものが入っております。そのほかに借入金利子及び大蔵省証券割引料から成っております。 ただいまのお尋ねは、この利払い費の内訳として大きく分けまして法人と個人にどのくらいの割合であるかというお話であろうかと思いますが、大変申しわけございません、たまたま手元に国債の保有者別の構成をちょっと用意しておりませんけれども、先生の御指摘のように、例えば十一兆円のうち約三兆円、ですから構成で申しますと三割弱、個人の保有が恐らく私の記憶で二十数%程度かと思いますので、もちろん発行時の利子水準が違っておりますから厳密ではございませんけれども、大ざっぱに法人、個人の別はその程度であろうかと思っております。
○戸田委員 税制において、金融面において非常にそういった不公平体制、殊に公債の利払いは税金ですからね。それをファミリー体質でもって国がやって国の機関に吸い上げてやっているというのが状況でしょう。だから早い話、これはできるだけ財政再建に向けて計画的にここもやはり減らしていく方式というものを考える必要があるだろう、このように考えます。 そこで、時間もありませんから、私は、今後の不公平税制是正に対する基本的な構想というものを提案をいたしまして、政府に御検討願いたいと思います。 一つは、税は国民との合意が大前提であると思います。公平、公正でなければなりません。すなわち、一つは国民主権の原理、一つは国民主権の展開である申告納税権の法理、応能負担の原則、生存権的財産への配慮の原則、地方自治の原理、平和主義の原理等々に基づいて、当面所得税、法人税などの所得課税を応能負担原則に従って抜本的に整備をする。限定財産税(株、土地)の創設。課税最低限の引き上げ。生存権的財産課税への配慮(住宅地、農地、農業用資産、中小企業事業所用敷地、事務所等の非課税または軽課税)等々を通じて租税の形成を図る。これが本当に今後の公平、公正な税制、租税体系というものを形づくる原点ではないか、私はこのように考えます。 あわせて現行税制の資産優遇による偏り過ぎた税制というものを直していく。一つは直接税中心の税体系、それから総合累進課税、最低生活費非課税、不労所得重課・勤労所得軽課、まずこの辺の不公平を是正することは極めて緊急事態ではないだろうか、このように考えます。一応御提案申し上げまして、今後検討していただきたいと思いますが、総理、見解はいかがでしょう。
○橋本国務大臣 今さまざまな角度からの御提案をいただいたわけであり、委員の御指示でありますから検討はさせていただきますけれども、率直に申し上げて私はその御意見に従うことはなかなか難しいと思います。 と申しますのは、言葉で今言われましたことはそれぞれ非常に当然のことのように聞こえることばかりでありますが、線引きが果たして可能なものかどうか。また、資産課税を強化しろと言われつつ、例えばこういうケースについては軽課しろとおっしゃいますけれども、それならば、例えば東京の非常に高い地価、これは別途の対策を必要とすることであることは否定をいたしませんけれども、それと、まだ地価の非常に低い地域の方々のお持ちの資産とどう一体区分をするのかとか、考えてみますと、私は実現性には極めて失礼でありますが乏しいという率直に印象は持ちました。しかし、勉強せよという御指示であれば勉強はいたします。
○戸田委員 総理はどうです。
○海部内閣総理大臣 今いろいろな角度からの御指摘を私も聞いておりました。どのようなことができるのか検討をさせていただくという大蔵大臣の気持ちでありますから、私もそれに従っていろいろ勉強させていただきます。
○戸田委員 農業再生について基本問題についてお伺いをしておきたいと思いますが、農林大臣、現下の農業状況をどう見ていますか。
○山本国務大臣 お答えを申し上げます。 農業施策を考えていく場合に二つの大きな柱があるというふうに私ども心得ております。一つは、中小家畜とかあるいは施設野菜などのようないわゆる施設型部門、それからもう一つは、稲作等に代表される土地利用型部門、二つでございます。 先生御承知のとおり、この施設型部門につきましては経営の拡大が比較的順調に進みつつあるというふうに認識しております。ところが、問題の土地利用型部門、これは経営規模の拡大が停滞をいたしまして、そして生産性の向上がおくれておるというふうに思っております。ですから、我が国の農業の体質を強化していくためには、どうしてもこの土地利用型部門の生産性向上を図っていくことが重要だという認識でございます。 なお、価格政策につきましても、この構造政策を助長し農業の生産性を向上する、こういうことで進めてまいりたいというふうに考えております。 日本農業を考える場合、先生これはもう御承知のとおりなんですけれども、いろいろ前途が厳しいというふうなことが指摘をされておりますけれども、厳しいことは事実でございます。しかし、これはもう逆に、災いを転じて福となすという言葉がございますけれども、いろいろな問題について創意工夫をいたしながら、生産者と手を組んで日本農業というものを将来あるものにしていきたいというふうに考えておるわけでございます。そういう心がけのもとに、各施策を予算等を通じて展開をしてまいりたいというふうに考えております。
○戸田委員 午前中はこれで終わっておきます。
○越智委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩をいたします。 午前十一時五十七分休憩 ────◇───── 午後一時開議
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。戸田菊雄君。
○戸田委員 ちょっと午前中一点だけ失礼をいたしましたものですから、大蔵大臣に。 国税庁職員の問題ですが、我々いろいろと業務量その他調査をいたしました。現下の要員配置、五万数千名ですが、これは適正配置とは言えないのじゃないかと思いますね。確かに平成二年度で六百数名増になっていますけれども、私はあれじゃ足らないと思います。だから検討していただきまして、増の方について御努力を願いたいと思います。
○橋本国務大臣 確かに、委員が御指摘になりますように、最近の税務行政を取り巻く環境というものが非常に複雑多岐にわたること、業務量の増等から見まして大変定員需要が厳しい状況になっておりますことは、私自身もよく承知をいたしております。 ただ問題は国民の中にはなお簡素にして効率的な政府を求めるという視点から、国家公務員全体に対しての定員の縮減を求める声が非常に強いということでございます。また、今、委員から国税職員について非常に理解のある御質問をいただいたわけでありますが、国税以外にも、大蔵省の立場で申しますならば、関税でありますとかさまざまな分野で、業務量の増と実質の要員配置において非常に厳しい状況が生まれておりますことは、私もよく承知をいたしております。 ただ、査定当局としての立場と要求官庁としての立場の中で、私どもは現場に対して最大限の努力を要請し、また、ある程度厳しい状況を知りながら、その環境の中で努力を続けてきてもらいました。また、職員もよくその声にこたえてくれておると思います。そうした中で、今、委員が御指摘になりましたように、平成二年度におきましても、ぎりぎりの効率化を図りました上でなおかつ必要な要員について増員を図っておるところでありますが、今後ともにこうした部分につきまして国民の御理解を求めるとともに、簡素にして効率的な政府をつくるという目的の中でできる限りの配慮をしてまいりたい、そのように考えております。
○戸田委員 それじゃ農政問題について引き続き質問してまいります。 昭和三十八年に農基法の改正がありました。そのことによって、従前地域格差解消という字句が入っておったのですが、その改正でこれが除去されました。それ以来、農政に対する政府の施策というものは大変な猫の目農政と言われるようにくるくる変わって、そして今日に至っているわけであります。しかし、ともあれ何とか、減反だあるいは米価引き下げだ等々で大分混乱に直面したのでありますが、それでも一つは、零細構造の中で大変農村の皆さんが丹精に努力をいたしまして、そして生産に励んできた。コスト引き下げに目いっぱい努力してきていますね。 もう一つは、政府の価格政策が、その間大分引き下げ、引き下げで瓦解に近い。例えば食管による米や麦、これも下げられた。さらに今後五%程度三年計画見当でもって引き下げていこう、こういう意図ありありなんでありますが、等々の問題、それから畜産価格安定法に基づく畜産の各価格、これも軒並み下げられました、ここ三年ばかり。それから乳価、これも引き下げられる。まさに政府の関与する価格政策というものは、本当に引き下げ一点張りなんですね。それから国境調整、この問題についても関税その他が極めて引き下げられて、調整の役割がなくなっている。殊に牛肉その他の貿易品目、これを十品目自由化したんですね。だから、今まで農家としては農用資材を買い入れて、そして付加価値をつけて加工して、そして貿易でやや潤っておったやつがほとんど崩壊に瀕している、そういう状況であります。そういう中で、殊に米ですね。貿易自由化その他についてとやかく巷間うわさをされておりますが、殊にウルグアイ・ラウンド、いつ開かれるかわかりませんが、大体年内中に開かれることは明らかでしょう。ここでは、アメリカのヒルズ通商代表、これらの方も言っているように、さしあたって十万トンぐらい輸入してはどうかというような状況になっていると思うのですね。ここでさらに米の輸入がやられたら、私は本当に農村はどうにもならない状況だ、このように考えますね。 それで、この間、総理の施政方針演説があったその代表質問で、自民党の加藤政調会長、米の自由化は絶対やるべきじゃないということを質問として総理に言った。総理は、完全自給、これでいきます、こういうお答えのようでありましたが、この完全自給というのはなかなかくせ者だと私は思うのです、総理。だから、本当に加藤政調会長が言うように、米の自由化はやらない、やりません、こういうことを明言して、殊に国会決議にもなっているんですから、国是があるんですから、これは自由化しないということですね。そういう点についてひとつ明確な態度を総理以下各大臣に伺っておきたいと思うのです。米の自由化はやらない、そういう趣意のことをお聞かせ願いたいと思いますが、総理。
○山本国務大臣 これは今先生御指摘のとおり、本会議でも質問で出ましたし、それから委員会でもしばしば御指摘がございまして、総理からも明確にお答えをしている、私からも農林水産行政の責任者としてはっきりここで申し上げてまいったつもりでございます。 繰り返すようでございますけれども、これはもう米が日本国民の主食で、日本の文化、伝統に端を発している、長い長い歴史の中で日本並びに日本人をつくってきたものだ、こういうことなども考え合わせ、また、我が国農業の基幹は米だ、こういうこと等も考えますと、またあるいは、水田稲作というものがただ米をつくるだけじゃなくて、環境保全その他、あるいは地域経済の活性化とか、さまざまな意味合いを持っているということなどから、国会でも両院において御決議を賜っておる。国会決議というのは非常に重いというふうに私ども受けとめております。そこで、国内産で自給をしていくということで今後とも貫いてまいりたい。 また、今先生御指摘のウルグアイ・ラウンド、今少しずつ進行中でございます。ウルグアイ・ラウンドにおきましても、アメリカを初めとして、各国の理解をどんなことがあっても求めて、米は守っていきたいというふうにかたく決意を持っておるものであります。
○戸田委員 農林大臣、完全自給、これはわかりますが、何か完全自給という表現には大分弾力があるような気がしますな。だから、加藤政調会長が言ったように、貿易自由化はやりません、米の自由化はしません、これ、言明できませんか。
○山本国務大臣 これは、先生これも御存じだと思いますけれども、よく米論議の中で、一粒たりとも云々というのがすぐ出るのですね。実際には沖縄の泡盛を初めとしてある程度のものが入っている。加工米ですね。それはもう先生御承知のとおりなんです。そういう事実もある。しかし、これはそういうことであって、ごく本当のわずかな部分。完全ということになれば、その部分はもう既に入っているわけでありますから現在でも完全ではないのですけれども、しかしいずれにいたしましても、私どもは国内産でいく、完全に国内のお米で自給体制をとっていくということをどうしても貫いてまいりたい、こういうふうに考えております。
○戸田委員 総理はどうでございますか。
○海部内閣総理大臣 米の問題につきましては、米問題について我が国における稲作の格別の重要性にかんがみて、国会における決議等の御趣旨を体し、今後とも国内産で自給するとの基本的な方針で対処してまいる考えでございます。
○戸田委員 貿易面ではアメリカと一番接触の多い通産大臣、見解はどうですか。
○武藤国務大臣 今各大臣がおっしゃったとおりでございます。
○戸田委員 それで、これは農水省にちょっとお伺いしますが、米の相場、値段、これが決まるのは世界市場の中でタイ国が根幹ですね。どうですか。
○浜口政府委員 先生御指摘の米の世界市場の問題でございますが、米の世界市場は、特に米について申し上げますと、ほかの農産物に比べましてもいわゆる底が浅いといいますか、全体の世界の総生産量の中で占める貿易量の数字というのはかなり少ないわけでございます。低いわけでございます。その中で、言うなれば大きな輸出のウエートを高めているのは現在タイ等々でございます。
○戸田委員 その米の相場は下がっていますか。
○浜口政府委員 ただいまのお話で、米全体あるいは農産物の需給をどういうふうに見るかということでございますけれども、いろいろ大きく見た場合に、例えば七〇年代の状況あるいは現代の八〇年代の状況ということから考えますれば緩和の方向にございますけれども、あるいは十年単位に見たという場合をとりました場合には、その変動がかなりあるわけでございまして、現在のところ、かつての七〇年代のような厳しい状況ということではございませんけれども、必ずしも緩んでいるという状況ではないというふうに考えております。
○戸田委員 アジア、アラブ、世界的にも、食糧自給率は大変いい状況じゃないんですね。私の調査したところでは価格は決して下がっておりません。そういうときに日本の国内でだけ、米だけこれを下げていくというのはどういうことなんですかね。農用資材は上がっているのですよ。生産コストもそう下がっておらない。そういう状況の中で今後三年間で五%程度引き下げたい、こういうのが農林省の意向じゃないですか。
○浜口政府委員 先生御指摘の米の国内の価格でございますけれども、既にこの資料を御提出しておりますとおり、四十年からのデータがあるわけでございますが、ここのところで申し上げますと、政府の買い入れ価格は、六十二年は五・九五%、六十三年は四・六%という形で下げさせていただいておりますが、元年は一万六千七百四十三円ということで、据え置きの形になっているところでございます。ただいま先生御指摘のような形で、三年間何%というようなことは、米について今のところ考えていないわけでございます。 米の生産費につきましては、これまた先生御案内のとおりでございますが、食管法に基づきまして、米の状況、物価等々の状況を考えまして、俗にいわゆる米の生産費補償方式という形で対応することになりまして、そのときに応じますデータ、生産費というものを十分吟味してその時点で考えていく、対応していく、こういう考えでございます。現在のところ、ことしの米価というものについてまだ私ども、データがそろっていないというような状況もございますし、方針をきちっと決めているわけではございません。
○戸田委員 昨年は現状維持、こういうことで一たん凍結をしたのですが、ことしも、その米価のいわば積算基礎は全部決まっているわけですからね、食管法によって。農用資材、その他土地あるいは物価等々しんしゃくをして、そして再生産に見合うようなそういう米価決定をやりなさい、こういうことでありますから、諸般の状況からいっても、私はことし引き下げるというような状況にはないと思いますね。ですから、せめて現行米価を最低維持をする、こういうことで農林大臣、頑張っていっていただきたいと思うのです。 もう一つは減反の問題ですが、これは農村の皆さんの強い要請がございます。例えばこの減反問題については、「転作への取り組みがますます困難になっている現状から、転作等目標面積は、緊急対策を含めた現行面積以上には拡大しないこと。」こういうことで強い要請があるんですね。これは全国の農民の共通の要請です。ですから、これに基づいて、さしあたって去年はそれはいろいろな諸般の政治状況はあったでしょうけれども、これに対して一応凍結、前途三年間凍結ですね。 三年後は一体どうなるのですか。この予算説明書によりますと、一貫して八十三万ヘクタールを減反方式で進めたいということになっているのですね。三年後はやはりそういう状況なんですか、どうなんですか、大臣。
○松山政府委員 転作等目標面積の扱いでございますが、各地からいろいろな要望がございました。私どもそういう要望も頭に置きながら、同時に、米の需給均衡を図っていくことが重要だ、こういう考え方を基本にいたしまして精査いたしました結果、本年度から始まります三年間の後期対策におきます目標面積は八十三万ヘクタールという現行水準並みのものにすることにさせていただいたわけでございます。 お尋ねの後期対策終了後におきます扱いでございますけれども、これはいろいろな観点から総合判断しなければいかぬ話だろうと思っております。特に、一つは需給ギャップの問題でございまして、恐らくかなりの需給ギャップが存在する現状にはございますけれども、何とか米の消費減退に歯どめをかけたいということで、生産者団体を初めといたします関係者の主体的な消費拡大努力も踏まえながら、政府といたしましても積極的な消費拡大対策の推進にまず努めておるところでございます。 それからもう一つは、この後期対策の間にどれだけしっかりした転作営農がさらに前進するか、この辺のところを見きわめる必要もあるわけでございまして、私ども、この三年間のそういったもろもろの要素を十分見きわめながら日本の水田農業の健全な発展を図っていく、こういう基本的な考え方のもとに後期対策以降の扱いは考えていきたい、このように考えておる次第でございます。
○戸田委員 時間もありませんので一括御質問申し上げますが、一つは食管問題ですね。これも世上いろいろちまたに言われておるのでありますが、現物導入、こういうことになると、市場開放等々で食管廃止、これは行革委員会でも選挙中にいろいろと取りざたされたのですけれども、あの下敷きには農水省の諮問案に書かれたものがあったのですか、ないのですか、そのことが一つ。 それからもう一つは、土地基盤整備、いろいろと農水省からお伺いしました。確かに長期十カ年計画というものがあって、一定の予算をつけて、それでやっております。しかし、進捗率はわずか五〇%で、半分しかいっていない。だから、こういった問題についてこの間大蔵省の主計局総務課長等の予算の説明を受けたときに、一定の今後の公共事業等々の年次計画がありましたから、それを見ますと、港湾とか飛行場とか道路とか等々は全部五カ年計画、何十兆円、こういうことで、投資部門まで含めて社会資本の整備をやっていく、こういうことになっているのですが、農業基盤整備についてはないんですね。そうしたら財投でそれは処置をしております、こう言うのです。それで予算説明書を見たら確かに出ています。 だからそういう点で、私は農業の基盤整備も一定の社会資本投資だと思うんですね。これを個人負担で持っていったのでは、それはなかなか進捗しません、できません。借金ふえちゃって、それで我が県内のある農家などは、もう離農した。借金払えない、持っている田んぼを全部売っちゃって離農した。農家で離農といったら会社の破産と同じですよ。だから、そういったものに対する再建方策でも、手厚い保護政策もなければいけないと思いますね。一般の会社が破産をしたからどうのこうのというときには再建方式というものがあって、そして銀行融資は何、商品債権はどう、労賃の問題はどう、こういって全部再建方式は図っていくのですが、農家の場合はそういうものは全然ない。同時に、基盤整備に、おおむね今まで私の理解だと二〇%ぐらい個人資産という名目で負担をする、これが大変なんですね。だから農家の土地基盤整備と土地改良、こういったものについては国が面倒を見る。 それからもう一つは技術開発、この投資も一般の民間の技術開発、そうしたことについては、税制でもって大分手厚い補助政策をとっている、減税方式をとっている。ところがこれらについては、前はやったのですよ、大体十数億ですね。今度の予算でも二十一億程度あります。ありますが、これでは極めて不十分だと思います。だから、せめて土地基盤整備と技術開発、この費用については国で面倒見てもらう。それでなければ農家は立っていけませんよ。そういう点についてひとつお伺いをしておきます。 それからもう一つは各種奨励金、例えば良質米奨励金、コシヒカリ、ササニシキ、我が宮城県のササニシキは一等銘柄ですからね。お姫様米と言って一番粘着度があり、うまい米です。そういった米に良質米奨励金を持続する、これは丹精して大変苦労しているのですから当然だと思いますが、そういうもの、減反奨励金等々、こういった問題についてはやはり現行の奨励金持続、現行維持、こういうことでいっていただきたいと思いますね。 そうでないと、農水省で家計調査をやっていますけれども、六十二年度の家計調査を見ると、農作物の収入が農家は百万円前後でしょう。あとは全部農外収入ですよ。農家で立っていかない。これは専業農家でもそうですよ。それに米の値段が下げられる、収入の道がないんだ。そういうところから離農が今大分ふえてきている。こういう状況でありまするから、こういうものに対して一定の保護政策をとるのは当然だと思いますね。これはEC、ドイツでもフランスでもアメリカ自身もやっているのですから、そういう事情等を考えて総合的にそういう部面の現行体制をぜひひとつ持続をしていただきたい。等々、三つの問題について、時間がありませんから。
○山本国務大臣 今先生から三点について激励も含めまして御指摘がございましたが、具体的な問題についてはそれぞれからお答えをさせまして、後ほど私から所信を申し上げたいと思っております。
○鶴岡政府委員 お答えいたします。 食管の問題でありますけれども、食管の運営改善につきましては、昨年六月に農政審議会から報告をいただいておるとおりであります。その中でも、食管の基本は堅持しながら流通面その他で市場原理を導入する等々の改善をすべきであるという答申をいただいておるわけでございまして、そういう方向に沿った検討を現在進めておるわけでございます。 それから、二点目の土地基盤につきましては、先生御指摘のように土地の基盤を整備するということで公共的な色彩が強いことはもちろんでございます。しかし他面、私有財産の価値の向上という点がございまして、その辺をそれぞれの事業ごとに見ながら適切な国庫の負担あるいは補助を行っているわけでございます。また、昨今の農業情勢をめぐる事情からしまして、農家の負担がいろいろ論議されたわけでございます。そういう点につきましては、事業の仕組みの見直しでありますとか、あるいは負担の軽減措置等につきまして来年度予算でもお願いしますし、従来からもやってきたわけでございます。そういう方向に沿って農家の経営が成り立つようなことで対応していくというように考えているわけでございます。 また、技術開発等につきましては、私ども、昨今、一般、非公共予算につきましては全体的な厳しいシーリングの中ではございますけれども、政策選択につきましてそれぞれ十分吟味いたしまして、技術開発の重要性にかんがみまして、厳しい予算の中でございますけれども、御案内のとおり予算を伸ばしている部門でございまして、今後ともそういうふうな方向で考えていきたいと思っております。また、一般会計予算以外に生物系特定産業技術研究推進機構ですか、そこに財投資金を出資いたしまして、産官学あわせました技術開発の推進等にも努めているわけでございます。 それから自主流通米奨励金でございますけれども、これは制度の本来の趣旨に沿いまして自主流通米の実態等々を考えながら、毎年度予算で適切に決めていきたいというふうに考えておるわけでございます。 また、水田の転作補助金でございますけれども、これは先ほどもお話がありましたように、三年間八十三万ヘクタールということでやるわけでございますけれども、転作奨励金の水準につきましては三年間固定するということで対応することにいたしております。
○戸田委員 ぜひ検討していただきたいと思うのです。 時間がありませんから、あとは一括要望を申し上げて農業関係を終わりたいと思いますが、自給率向上の問題ですね。時間がありませんからくどくど言いません。社会党では中期プランというものを立てまして、さしあたって十年くらいで現下の穀物の自給率三〇%を六〇%程度に引き上げていこうではないかということでいろいろやっています。これは後で時期を見まして議員立法で提案をしたいと思いますが、そういうことで自給率向上に向けてやはり努力すべきではないかという気がいたします。殊に、今農村は、さっきも言ったように、三本柱が総崩れになりまして、大変な荒廃状況、苦しい状況にあります。ですから、どうしても政府みずからが最重点施策として農業の、殊にこの生命産業の再生というものについて本格的に取り組んでいく必要があるのではないだろうか、こういうように考えまするから、その点も要望しておきたいと思います。
○山本国務大臣 せっかくの先生の御提言でございますが、自給率の向上は、政府といたしましてもどうしても、たとえ一%でも上げたいということで、農林水産省挙げて創意工夫をしておると言っても過言ではない。しかし、私もいろいろ勉強してみましたけれども、一%上げるのでもこれは非常に容易でないのですね。私、社会党さんの骨子を見させていただきました。さまざまな苦心がございますが、大変高いところをにらんでおられるので、実は少し驚いたり、果たしてできるかなというふうにも思ったりしておりますが、それはいずれまた議論をさせていただくことにいたしまして、自給率の向上につきましてはどんなことがあってもこれを進めてまいりたい。 また、先ほど来先生が三つの提案を含めまして、本当に御激励を含めておっしゃっていただいたこと、例えば土地基盤整備事業の推進、そして受益者ではあるけれどもなるべく負担を下げろというふうな趣旨はまことにごもっともでございまして、それなりに元年度も二年度も予算措置を講じておるところでございますけれども、これからも一生懸命やってまいりたい、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○戸田委員 次に、これは総理に。 総理は施政方針演説でも言われておりますし、その後、ここの討論でもいろいろそういうお話をされていますが、高齢者対策、これに対して、国民の生活にもう少しゆとりがあって、これでよかったなと味わえるようなものに質的に向上させていかなければいけない、こういうお話でした。その質的向上をさせるというのは具体的にどういうことでございましょうね。それから、長期戦略、十カ年計画というのをお決めになったようですね。この内容はどういうことですか。
○海部内閣総理大臣 高齢化時代が来ておる、そうして、現にもう満百歳以上の方が三千七十八名もいらっしゃる。人生は八十年時代、むしろ百年時代を目指してどんどん進んでいると言っても言い過ぎでないと私は受けとめております。そういったときに、もちろん所得保障の関係あるいは医療の関係、いろいろやらなければならぬことは当然でありますけれども、それをさらに乗り越えて、じゃお元気なお方が、時間のあるお方が社会参加してやろうとおっしゃるときにはどのような対応をしたらいいのだろうか、あるいは社会参加じゃなくて自分自身の心の豊かさを求めて、もっと見たいこと、もっと知りたいこと、もっとやりたいことがあるとおっしゃるのにはどのようにこたえていったらいいのだろうか。これは生涯学習の立場からなのか、あるいは社会教育の充実の面からか、あるいは芸術、文化の振興ということなのか、あるいは地域づくりの中で手づくりの文化を育てていく、そういったことにどうやって政策を誘導していくか、いろいろなことを重ね合わせて、物やお金だけじゃなくて心や環境も豊かなものを整備していくのがこれからの高齢化社会に対して非常に求められる施策ではないか、私はそのように受けとめさせていただいておるのであります。 当面、生涯できればはつらつで、生涯できれば幸せで健康な余生を送っていただけるというのがこれからの高齢化時代にとっては望ましいことでありますので、当面十カ年計画、ゴールドプランというものを作成いたしまして、それの実現を目指していこうというので、具体的に着手できるものからは予算措置等も講じておるわけでございますが、詳細につきましては担当大臣から詳しく報告をいたさせます。
○津島国務大臣 ただいま総理からお答えになった点、若干補足させていただきますと、高齢化社会への対応につきまして、これまで長寿社会対策大綱それから福祉ビジョン、これを打ち出しまして、そして今回さらにそれを補足する意味で、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」というものでさらに具体化をし、また充実をしたところでございますが、そのねらうところは、総理から申されましたように、生涯生き生き、生涯幸せ、そして我が国社会に生きられる方が一生を通じて人間的な尊厳を保ちながら生きがいを持って送られる社会環境を本格的な高齢化社会の二十一世紀までにつくろうということでございまして、中身につきましては、また御質問がございましたら適宜補足をさせていただきたいと思います。
○戸田委員 時間がありませんので、幾つかの問題について一括質問いたしたいと思います。 これは昭和六十三年七月十一日なんですが、厚生省の発表した簡易生命表によりますと、日本人の平均寿命、女子は八十一・三九歳で世界第一位、男子七十五・六一歳、世界第二位。男性はどうしても先に逝くようですけれどもね。そういう状況の中で我が国の中高年齢者は非常に深刻な状況に置かれているのですね。これは生命保険会社のアンケート調査なんですが、それによりますると、仕事に不安を感じておりますというのが七〇%、それから不安なしというのが二四%、働いている圧倒的多数が仕事に不安を感じている状況。そういう状況の中で、今各会社やなんかでどういう人員操作をやっているかというと、やはり中高年労働者の人減らしに積極的なんです。それから能力主義によって管理による排除ですね、こういうことをやる。それから退職制度の改悪ですね、これがいろいろとやられている。これがボーナスみたいな退職金計算方式等々でやられている。そういう点で非常に不安を感じているわけですよ。殊に、社会保障の点において老人の御意見というのは、一つはやはり健康の問題ですね。もう一つは年金問題、それから医療、それから雇用ですね。そして生きがい、それから老人福祉サービス等々に対して大変な不安を持っている。今ちょうど総務庁で、一九八六年度の国民生活に関する意識調査、こういうものをやっているのですけれども、その内容はどういうのかちょっとお知らせをしてください。それから労働省でも、勤労者の老後生活安定対策研究会というものがあって一定の報告を出しているのですね。その内容もちょっとお知らせしてください。
○若林政府委員 一九八六年に老後生活安定対策研究会の報告が出されておるわけでございますけれども、この研究会の報告におきましては、平均的な高年齢者の夫婦世帯の必要所得が月額二十五万円というふうに示されております。
○井出政府委員 ちょっと取り違えてフォローできませんでしたのですが、家計調査の結果でよろしゅうございますか。 総務庁が行っています家計調査の結果でございますが、家計調査は二人以上の非農林漁家世帯を調べてございまして、毎月約八千世帯について調べておるわけでございます。その平成元年平均の全国の全世帯の結果でございますが、夫が六十五歳以上で夫婦のみの世帯、または夫が六十五歳以上の夫婦と未婚の子供のいる世帯の消費支出、これは一カ月平均二十万九千九百十円となっております。
○戸田委員 等々かかるということなんですね。 ところが、殊に年金、一九八六年で老齢年金受給者は千四百二十万人おります。一番多いのは国民年金、拠出制ですが、六十五歳から受給の者、六十歳から減額年金受給の者、これらの方が大体六百八十四万六千人おります。一カ月受給がわずかに二万八千八百三十円ですよ。無拠出の福祉年金一カ月二万六千六百円、二百二十四万七千人おります。合わせて全体で九百九万人、老齢年金受給者の六四%を占めます。残りの三六%のうち二三%が、端的に言って厚生年金受給者です。二十年以上保険掛金を払い済み、男性が六十歳、女性は五十五歳、月十二万八千百六十円、三百二十六万七千人。国家公務員、地方公務員等の退職者を含めまして公務員の共済年金で一三%、百七十七万人、月平均が十六万二千八百円。以上が日本の老齢年金の実態なんですね。 今言われましたように、労働省の研究会あるいは総務庁の家計調査、これによると、いずれも二十万を超えているんです。これが最低保障されなければならぬ。厚生省は平成七年に三種六共済の年金の一元化、これをやるわけですから、もうあと七年ぐらいしかないですね。ですから、これに対して条件として私は四条件出しておきたいと思う。 財政再計算の場合の積算基礎、これは従前は七五三と言われて、利回りが七、賃金が五、物価が三、こういうことになっていたけれども、この前の再計算方式で六五二ですね。ですから、そのうちの物価の二を、現状はやはり三%いっているんですから、それは確かに保険料の増につながっていくかもしれませんが、その点はやはり一%引き上げるべきだ、これが一つです。 それからもう一つは、厚年の皆さんが言っているように、六十歳定年ですから、そうしますと、五十八でやめた場合は年金受給できないんですね。二年間ブランクになる。生活の糧がないんですよ。だから、こういう者に対して、やめたら即年金受給という連動制をとってもらう。国家公務員等の場合は、定年五十五なら五で今まで来ておったやつがその前にやめたということになれば、若年支払いをやって、定年に到達すればそこで復元措置をやるんですね。それはいいんですけれども、いずれにしても、やめる、年金受給、この連動制を確保していただきたい。 それから従来、これは鳩山威一郎さんが主計局長のときですが、参議院のとき、年金等の問題で物価スライド制についていろいろお話し合いをして、物価スライド制を導入した。五%上がった場合にそれをスライドさせる。そのときも私は考えておったのですが、賃金スライドが一番均衡がとれるのですね。だから賃金スライドで今後やはりいってもらいたい、等々の問題。 それからもう一つは、今言ったように六十五歳以上で二万八千何がし、二万六千何がしというのじゃ生活はとてもできっこないですからね。最低保障年金というものをやはり設定をしていただきたい。フランス等は今現職時の八割保障しているのでしょう。日本の場合は、この間いろいろと聞きましたら、最高いって大体六七%、こう言うのです。それでも今の十三万何がしですからね。十六万何がしですからね。だから、これをやはりぴちっとして国の責任においてやっていただく。 それからもう一つは、一元化について六十一年の改正で基礎年金を導入した。これは五万、五万ですね。これは十万程度にアップすべきだと私は思う。そうして、給付の一元化は図ったけれども、必ず制度間の調整をやって全体の制度的な安定体制をとるために、掛金を同じくする。給付一元、掛金の一元、そして積立金の管理その他。従来のいろいろの縄張り根性はありましょう。厚生省は厚生年金、国民年金、大蔵省は国家公務員、三種六共済ありますけれども、等々の問題について、やはり国民の方を向いて、将来の生活の糧である年金等に対しては明快にそういう点で御努力を願いたい、これが一つであります。 それからもう一つは医療の問題です。御存じのように医療もいろいろ改善策をとってはきておりますよ。しかし、かつて地方自治体等は、東京にしても、仙台もそうですが、四十二年以降老人の医療無料化というものをやったのです。十年ぐらい前に国も取り上げざるを得なくなって、本問題に取り組んで一応実行した。しかし、三年前にこれを改悪しまして、一部有料制を導入したでしょう。四百円と八百円ですか、初診料。そういうことになると、老人ホームその他をつくっても数が少ないんですよ。病院にかかれない人が多く出てきているんですね。だからこういった問題については、社会的に大貢献のあった先輩の皆さんですし、殊に高齢者になればどこか故障が出ますよ。罹病率は医学統計上も多いですね。それと罹病率が多いのは子供さん。腹痛だ、風邪引いた、そのときに金がないからお医者さんに行けないというのじゃ、これほどむごい政治はないじゃないですか。だからやはり一定の治療をやって、健康体でもっと長生きしてください、こういうのが政治だと私は思いますね。ですから、そういう点の医療内容というものをひとつ御検討願いたい。 それからもう一つは、医師の技術認定ですね。点数。今日本の医療というものは御存じのように大体八〇%は開業医でもってやっている。あとは勤務医で病院その他が二〇%、こういうことですね。ですからどうしても開業医が中心になってまいります。そういう状況の中で、非常に経営が——最近お医者さんの破産もあるんですよ。だからそういうことに追い込まないためには、技術料で経営が成り立って、そして生活ができる、こういう方式を根底に置かなければいけないのじゃないだろうか、こう思います。どうしても内科、外科中心で来ていますから、だからそれはそれでいいんですが、見合ったような、やはり眼科であれ歯科であれ、こういったものの技術料というものをもっと点数を引き上げる、改善する、こういうことがあっていいんじゃないかと思いますが、その点も含めてお願いをしたいと思います。
○津島国務大臣 高齢者の方々が持っておられる問題を年金から医療にわたって大変細かく御指摘をいただきました。 そこで、最初に年金でございますけれども、現在の年金水準が生活水準から見て低過ぎるではないかという御指摘でございます。戸田委員よく御存じだと思いますが、現在具体的に年金を受けておられる方は、実はフルペンションになっておらないわけでございまして、今の制度の建前上御指摘のような金額になっておることは事実でございます。 年金の設計の基本におきましては、いよいよ来年から本来の年金設計の受給者が発生をしてまいりますから、そういう意味では私ども徐々に本来の姿に返っていくであろう。現実にことし現在新規裁定を受けておられる男子は、十八万近い平均の金額を受けておられるということも御指摘申し上げたいわけでございます。そういう本来の設計に達しない方につきましても、これまでいわば経過的な年金の給付額については、他とのバランスを失しない範囲内で相当額のかさ上げをしているということで対処していることも、委員御承知のとおりだと思います。 そうはいいましても、これからの設計をしっかりやっていかなければならない。再計算のあり方につきましては、五年後に向けまして、物価、賃金等々を適正に見積もってやっていくということで、今の七五三、六五二という御指摘は一つの参考までに受けとめさせていただきたいと思います。 そこで、若年定年の問題、職種によりましては若く定年を迎えられる方もある。そういう方々に対して配慮しなければならないということは、確かに雇用政策との関係で私どもも真剣に考えなければならない。特に、支給開始年齢の問題が大変議論になりまして、ここは大きな問題点として私ども受けとめておるところでございますので、今既に一定の対応の仕組みはございますけれども、今後とも真剣に検討させていただきたいと思います。 なお、賃金スライドの話でありますけれども、これは今の年金の建前から申しまして採用することは困難だと思いますし、また、現実に我が国の年金水準につきましては、先ほどの戸田委員の御指摘と私は若干認識を異にいたしておりまして、我が国と同じような年金設計を持っておる主要先進国の年金水準に比べまして、私はむしろ日本の水準は高い方にあるというふうに受けとめておりますが、これはまた御議論の材料として申し上げておきたいと思います。 一方、年金の統合の問題でございますが、これは委員御指摘のとおり、平成七年を目途に真剣に検討してまいりたいと思いますが、その際にいろいろと御指摘になりました問題点は十分に検討の中に反映をさせていただかなければならないであろうというふうに思っております。 一方、医療の問題でございますが、老人医療の無料化について、これが前進であるという受けとめ方をされたわけでございますけれども、私どもは、今八百円、四百円という形で自己負担をお願いをしております部分については、これは老人の健康に対する自覚を促し、それから適切な受診をしていただく、そしてまた、幾らかでも世代間の負担の公平を図っていただくという見地から導入をいたしたものでございまして、これが現在の水準で、一般的に申し上げまして高齢者の方のたえられない負担になっているとは考えてございません。現に、低所得者に対しましては軽減措置があるということは委員も御存じのとおりであり、また、その軽減措置の適用を受けておられる方は一%にも達していないという現状も御承知のとおりであろうと思います。 最後に、診療報酬の算定について、技術料を中心に考えるべきではないかという御指摘は全くそのとおりに考えておりまして、従来から技術料を重視する観点に立って改定を行ってきておりますけれども、今後におきましても、中央社会保険医療協議会における議論を踏まえて、技術料を重視する観点に立って合理化を図っていく方針でございます。 残余の問題点につきましては政府委員から答弁させます。
○戸田委員 時間もありませんので、一括二点について御質問します。 一つは、時間短縮の問題です。日本の勤労者の稼働時間、これは一番長いのでは二千九百九十時間というのがあります、トラック業。確かに労働基準法を改正して四十五時間にしました。しかし、世界の趨勢は、例えばフランスあたりは三十九時間ですね。日本が四十八時間、この当時は。いずれにしても、これは今年度中に大体四十二時間体制に、二年間で四十時間、さしあたって。週休二日制、土曜閉庁、まず国家公務員、民間を通じてそれを促進をするようにぜひお願いをしたい、これが一つ。 それからスパイクタイヤ、これは御存じのように、札幌、仙台を中心にして大変な公害状況になっている。ですから、こういう問題について、この前、森環境庁長官のとき、石本環境庁長官のときに確認をしている三点があるのです。その三点は、公害基本法による公害だ、だからそれによって政府が立法措置をとってそして規制するのがベターである、こういうことで、それはそういうことで理解します。 それからもう一つは、いろいろ最近聞きますと、環境庁がスパイク禁止法というものを出す、こういうことでありまするから、そういう点についてぜひ、出すのか出さないのか、この点の態度を明確にしていただきたい。 それから、内容いろいろありますが、時間がありませんから、除外例、これは地域的にいろいろ考えていると言うのだけれども、等々の問題は我々は四年前に一定の立法措置をとって提案をしているわけでありますから、十分ひとつ我々の意見も聞いて善処をしていただきたい、このように考えます。 ただ、一つだけ公安委員会の方、スタッドレス、この安全体制で大丈夫かどうか、その辺はひとつ見解を述べていただきたいと思います。
○越智委員長 塚原労働大臣。時間の関係がございますので、簡明に願います。
○塚原国務大臣 経済運営計画で千八百時間、できるだけ近づけたいというのがありまして、その基本で先生の四十四時間、四十二時間という御指摘は確かに数字は合っているんですが、どうしてもやはり今の現実の問題としては、なかなかそこまでこの二年で持っていくというのは難しい状況があると思います。特に中小企業に対する配慮というものが大切だと思いますが、ただ、御指摘ございましたように、週休二日制をできるだけ完全実施するように指導するとか、あるいは長期休暇をとっていただくようにするとか、あるいはいわゆる法定のお休みいただきたいという日数がありますね、そこをできるだけお休みいただくように指導するとか、そういう努力をいたしてまいりたいと思います。
○越智委員長 北川環境庁長官。簡明に願います。
○北川国務大臣 ただいま委員の御質問のスパイクタイヤ粉じん問題について、去る四月の五日付で中央公害対策審議会より「スパイクタイヤ粉じんの発生防止のための制度の基本的な在り方について」の答申をいただきました。今回この答申によって、スパイクタイヤ粉じんによる健康影響を防止し、生活環境を保全するためには、粉じんの発生を防止しなくちゃいけない、この意味におきましてスパイクタイヤ使用規制等の措置を定めた法制度は必要であると答申を受けました。環境庁といたしましては、答申の内容を踏まえ、スパイクタイヤ粉じん発生の防止に関する法律案の成案を早急に得て、今国会に提出できるよう努力いたしてまいりたいと思います。なお、範囲については極力狭めたい、こういう思いをいたしております。 以上でございます。
○関根政府委員 スパイクタイヤにかわりますスタッドレスタイヤの安全性についてお尋ねでございます。 スタッドレスタイヤは、スパイクタイヤに比べまして、氷上におけるブレーキの性能、制動性能でやや劣る点がございます。しかしながら、通常の積雪等には十分耐え得るものでございまして、凍結道路における安全性につきましては、交通安全教育やら交通安全施設の整備等で対応できるものと考えている次第でございます。
○戸田委員 ありがとうございました。終わります。
○越智委員長 これにて戸田君の質疑は終了いたしました。 次に、新村勝雄君。
○新村委員 総理以下各大臣に順次質問をいたしたいと思います。 最初に、基本的な総理の政治に対する姿勢、そして、今、日本が国際社会の中でどういうふうな役割と、それから国家として、言葉が必ずしも適当であるかどうか、いわゆる国家戦略はどういうものであるかということについてまずお伺いしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 私は、日本の国は政治的には自由、民主主義、経済的には市場経済、自由主義経済の中で明るい豊かな社会を築き上げていかなければならない、これが大きな私の使命だと考えております。そして、日本の国がきょうまで、戦後その国際秩序の中で歩んできた道は、率直に申し上げると、ある意味で非常に幸運であった面もございます。そして正しかったと結果として思っております。それはどういうことかといいますと、日本の国が、みずからの持っておる立場で個々の能力を発揮しながら経済的な繁栄を築き上げてくることができた、これが国民生活を豊かにしてきたということも事実でありますし、同時に、節度ある防衛力によってこの国の平和を確保し続けてくることができたというのも率直にそのとおりでありまして、それは、世界のそういった仕組み、枠組みの中で日本が歩みをともにすることができたと思っておるのです。 最近は世界秩序が大きな移り変わりがあって、イデオロギーの対立からお互いに、競争はあるかもしれないけれども、共存をしながら、自由と民主主義と市場経済の価値というものを大切にしながら、豊かで幸せな暮らしをつくっていこうというところに目標があるとするなれば、私は、そういう世界の新しい枠組みづくりの中に、力でお役に立つことができなかったきょうまでの日本ではありますけれども、きょうまで世界の恩恵を受けながら成長してきたこの日本の姿の中で蓄積した技術力とかあるいは経済力とかそういったものを出すことによって、世界の国づくりあるいは人づくり、新しい秩序づくりにお役に立てることができるとするなれば、それは積極的に参加をしていくべきである、このように考えております。
○新村委員 日本の戦前におけるいわゆる国の方針、国家戦略というのはまことに明快であり、鮮明であったわけであります。ところが、戦後の我が国の国の歩みあるいは国家の基本的な方針等については必ずしも明らかでなかった。というよりは、そういう点については、米ソの冷戦構造という中でアメリカと安保条約を結んで、アメリカの傘の下で極めて恵まれた、ほかの難しい国際間の問題にもほとんど影響されずに、温室の中で今日まで育ってきたということが言えると思います。したがって、そういう段階においては、まさに日本の国家戦略、世界政治の中における方針なり戦略なりというものはないに等しかった、あるいは持つこともできなかったという状況であると思います。 しかし、今日あるいは今後はそうはいかない。これはある意味では、温室の中から出て、厳しい国際政治の中で独自の力で、独自の方針で、あるいは独自の知恵で独自の方針を決めてそれに従っていかなければいけないという、いわば一本立ちの厳しい世界の修羅場に出ていかなければいけないという、そういう状況があると思うのですね。 〔委員長退席、佐藤(信)委員長代理着席〕 そういう中で、単に世界各国の善意に依拠していくというだけでは済まない、それからまた、民主主義を守り憲法を守りというだけでも済まない、何といいますか、もっと高次のといいますか、戦争の戦を使っちゃおかしいかとも思いますけれども、国家戦略というものがなければ日本の生きる道は切り開いていくことができないのではないかというふうな感じがするわけです。 それで、総理の演説等を拝見をしますと、確かに現状についての分析なり認識なりについてはお述べになっております。極めて雄弁に語っておられますけれども、それに立って、そういう世界の分析なり認識に立って日本はこうするんだといういま一段高い国家目的なり方針なりがはっきり感じ取れない、こういう傾向なり感じがあるわけでありますけれども、いわゆる国家の最高の方針なり目的なり戦略なりというものをどこに置くのかということについて、もう少しはっきりと国民なり国会なりにお示しをいただくべきではないか。そういう意味では、これは全く価値観の転倒した世界ではありましたけれども、戦前の日本は極めて明快に国家方針を常に国民に示しながら来たという、全く価値観の逆な方針あるいは発想からであったにはしても、それはそれなりに国民を引っ張る力があったと思う。ところが、現在の政府というか内閣には、国民を結集して、結集してといっても民主主義ですから、全体主義の結集とは違いますよ。違いますけれども、日本の将来行くべき道、世界に貢献していくその方向についての方向づけがちょっとあいまいだ。ちょっとあいまいじゃなくてほとんどないのじゃないかという感じがするわけでありますけれども、いかがでしょうか。
○中山国務大臣 総理からお答えするのが当然でございますけれども、私、外交を預かっている立場から、日本の外交に関する基本的な考え方をかねて国連等の総会において申し上げておりますので、その点改めて申し上げさせていただきたいと思います。 それは、日本はまず第一に世界の平和のために貢献をする、平和の環境をつくるために日本は努力をするという国家目標を明確に国際社会にいたしております。御案内のように、例えばナミビアにおける独立のための選挙に協力をするとか、あるいはニカラグアの選挙に協力をするとか、あるいはカンボジアの和平構築のために協力をするとかといったようなことが、具体的にはその事象の一つとして考えられておりますけれども、基本的には日本は平和のために貢献する国家になる。第二は、いわゆる経済協力をする。発展途上国とかいろんな貧しい国の繁栄のために日本は築き上げた富と技術力を使って協力をしていくということが第二でございます。第三は、日本の基本的な国家戦略の一つは、国際的に文化が違う、この異文化の対立の中から紛争が起こってくる可能性がある、こういうことで国際的な文化交流に日本は力を尽くさなければならない。こういうことで人の交流等にもただいま努力をいたしているところでございますが、さらに加えまして、地球規模での例えば環境の問題とかあるいはテロの問題とか麻薬の問題等に対しても、日本は国際社会に貢献をしていかなければならない。さらに、発展途上国、アフリカあるいはラテンアメリカ等の累積債務で苦しんでいる国々には、債務の救済のために日本は協力をする。このようなことを、国際社会に日本政府は明確にその考え方をあらわしているということをここで申し上げておきたいと思います。
○新村委員 今外務大臣がお述べになりましたけれども、それに敷衍してというか、それをさらに包括し、より高次の総理の哲学がおありでしたら伺いたいと思います。
○海部内閣総理大臣 国際社会に貢献するという立場で国際社会に奉仕、貢献していく、協力していく、外務大臣が今いろいろ申し上げました。結局、日本は、国際化時代に今後相互依存関係が非常に強まっていくわけでありますから、日本の国家目的というのはそういったところにある。したがって、日本と協力し、日本がまたそれらの国々に貢献していくということが望まれるような国になりたい、私はこう願っておるわけでありますから、平和に徹して、経済協力をして、文化協力を積極的にやっていく、国際貢献の三本の構想というものは日本の国にとっての世界に対する大きな目標である、私もそれはそのとおりに支持しております。
○新村委員 外務大臣がお述べになったそれに特につけ加えるものはない、大体それを核にして日本の進むべき道は決まっていくということですか。
○海部内閣総理大臣 はい。
○新村委員 次は、何回も既に話が出ましたけれども、国会のねじれ現象ということがよく言われます。この問題については、これはねじれではない、普通の現象であるという意見も出ました。それはそうだと思います。憲法もそれを予定して規定をいたしておりますし、両院が政府の思いどおりということではチェック機能を果たすことができないわけでありますし、議院内閣制というのは衆議院に基礎を持つ政府を持つということでありますから、衆議院に基礎を持つ政府をチェックをする機能を参議院が持つということの方がむしろ正常ではないかという気がするわけであります。 それからまた、野党の方が政治勢力が強いというケースは地方自治体ではしばしばございます。地方自治体では議会が野党多数というのはしばしばあります。ありますけれども、そういうところでもお互いに知恵を出し、住民の幸せを基礎としながら執行部、議会が協力をし、円満にやっていっているのが普通であります。ですから、そういう点からすると、現在の日本の状況は決して特に例外的な現象であるとかあるいはねじれではないと思うのですけれども、ただそこには、やはり両院の勢力を押さえて悠々とやってこられた今までの自民党政府とは違ったスタンスがなければならないだろうと思うわけですね。 例えば、これは自民党の大幹部である宮澤喜一さんが座談会でおっしゃっておりますけれども、これからは少なくとも新しい法律を書く場合には野党にあらかじめその梗概を示して相談をするくらいのことはしなくちゃいけないだろう、宮澤さんはそうおっしゃっているわけですよ。こういう点について総理はどうお考えであるか。 それから、この問題について総理は今までしばしば、あらかじめ両院の勢力が決まっていて参議院が野党多数だからこの法案は通らない、こういう想定をしてかかったのでは困る、そこで知恵を出し合ってもらわなければ困るということをよく言われますけれども、総理の言い方を聞いておりますと、政府としてはこういう方針で行きます、だからこれに対しては議会は議会なりに対応しなさいよ、ボールを投げるからそのボールは国会で適当にこれを処理しなさいというように聞こえるわけです。そうしますと、こういう新しい状況に対して、総理があるいは政府が、そういう新しい状況に対応する姿勢を示さない姿勢というふうに受け取られるわけですよ。政府としてはこういう方針で行きますよ、だから議会はそれに対して適当にやりなさいというふうに聞こえるわけであります。しかし、それではうまくいかないだろう。これは地方自治体なんかの例を見ましても、野党多数の場合には執行部は極めて細心の配慮をして、いわゆる根回しを万全にするのが普通ですよね。ところが、総理にはそういう姿勢がないように思われますけれども、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 いろいろ御指摘をいただきました。私は、三権分立の建前から国会が国権の最高機関であるということを重く見ておりますから、ボールを投げるから適当にやってくれ、そんなことじゃなくて、政府としてはできるだけのことをしてお願いをしますけれども、国会でどうぞ各党各会派の御議論をしていただきたいと思います、こういうことでございます。 ただ、正直に申し上げましてまだ、こういった状況が起こったのはついしばらく前のことでございますから、それでその後も、適当にやれというのじゃなくていろいろ野党の御意見もお願いをして、昨年は、土地基本法も年金法も与野党の協議をいただいて、議会の自主的な御努力を通じて、政府の提出法案は修正になりましたが成立をさせていただいて、国民生活の方におりていく。議会政治の本来の姿というものがそういうところにあるといたしますなれば、余り政府が予断と憶測でもって議会の運営その他についてまで、ああだこうだと言わないのがむしろ建前ではないか、こんな気持ちがありましたので、そのような態度でやってまいりました。 また、事前に十分根回しをして、法案をつくる前に野党の意見を聞くようにしたらどうだという御指摘でございますけれども、これらは全く新しい体制の中で、仕組みの中でやっていかなければならぬという問題でありますので、これは党の方にも相談をしながら、私自身もよくいろいろ研究をさせていただく課題ではなかろうかと思いますが、いずれにしても、立法府は立法府、行政府は行政府でそれぞれの立場もございますけれども、最終的には国権の最高機関が国会でありますから、国会の各党の御議論というものを見守らせていただく、そこにまた成立への期待も持たせていただくということが基本になってくると私は思っております。
○新村委員 いや、これはこうしろ、ああしろということではなくて、例えば宮澤さんがそういうことをおっしゃっているのは、これは現在の状況に対応する政府の態度あるいは政権党の態度としてそれを象徴的に言われたのだと思うのですよ。何も法律を書く場合に必ず相談しなければいけないということではない。ないけれども、少なくとも両院を、支配と言うとおかしいけれども、自民党が両院を支配していた時代とは、これは明らかに違わなければいけないと思うのですね。違わなければうまくいかないし、そういう新しい状況のもとに国民本位の政治を進めることがなかなか難しいということになりますから、そういう意味で言われたのだと思うし、私もそう思います。 ただ、こういう状況のもとにおける国政の運営について、与党も野党も実は余り経験の蓄積がないわけですよ。ないだけに、やはり総理の的確な判断と賢明な指導が望まれる、そういうことではないでしょうか。そこで、この新しい状況のもとにおける総理の賢明な指導力とそれから国政の運営とを期待したいと思います。 そこで、次に世界情勢の認識でありますが、この問題については既にここでもうたくさんの論議がありました。それを繰り返すのは、これは時間の不経済になると思いますけれども、世界の現状、特に東欧、ソ連の変化、ペレストロイカの今後の行方等については世界じゅうが注目をしておるわけでありますが、このゴルバチョフ大統領のペレストロイカの行方についてはどう認識されておりますか。
○海部内閣総理大臣 ペレストロイカの問題に限定してお答えをさせていただきますけれども、ペレストロイカの目指している方向性というものは私も正しいと思いますし、ペレストロイカが定着して成功していかれることを心から期待をいたしております。そしてまた、ソ連が共産党の一党支配の政治というものを改めて、複数政党になる、ゴルバチョフさん自身が大統領になって権力の構造も変わってきた、いろいろ変化が起こっております。私は、そういう対外的な変化の成功とともに、率直に申し上げて、経済改革の面でのおくれとか、あるいは民族問題の最近の一連の動きとか、いろいろ不透明な、不安定な要素も目につくわけでございます。これを大統領の指導力によって定着させ、ペレストロイカが安定的な方向に進んでいくということを、私は心から願っておるわけであります。 そして、日ソの間における懸案を片づけて、具体的に言えば平和条約、領土問題を解決しながら、幅広い拡大均衡の方法で真に安定的な状態が日ソ間に起こっていくように、このことを心から願い、できる限りの努力もしたいと考えておるところでございます。
○新村委員 ヨーロッパ、そしてソビエト、アジアも一部でありますけれども、そこに起こっている変化はほとんど不可逆的、後退することのない不可逆的な前進だと思いますね。そういうことを考えた場合に、これは必然的にアジアの情勢あるいは日米の関係にも影響がないとは言えない。そういう中でいわゆる冷戦の構造、東西の枠組み、これは手のひらを返すように変わるとは思いませんし、その枠組みが直ちに日本に具体的な影響を及ぼすということはないでしょうけれども、世界政治の流れとしてはやはりそういう流れになるのではないか。そういうことになりますと、米ソの対立を枠組みとしてきた世界政治の流れなり力関係というものは必然的に変わっていくだろう、これは一定の時間はかかるにしても。 そういう場合に日本の立場はどうなるのかということですけれども、実際の今までの経過からして、価値判断は別としても、米ソの両陣営の対立という枠組み、そういう構造の中で日本は極めて平和に、ある意味では安穏に経済を発展させてくることができたという意味では、事実の問題としては、この枠組みの中で最大の受益者は日本であったと思いますよ。そういう状況が、これからどのくらいの時間がかかるかわかりませんけれども、一定の時間の後に次第に変化していくということになった場合に、日本の立場は徐々にではあるけれども変化を受けざるを得ない。こういう状況の中で日本はどういう方向をとればいいのかということについて、総理はどうお考えですか。
○海部内閣総理大臣 ソ連あるいは東欧で起こっております一連の自由化、民主化の動きが不可逆的なものであるではないかという先生の御指摘は、私もそうだと思います。現にポーランドでもチェコでも、首脳は、この道は厳しい苦しい道であるけれども決してもとへ戻ることはない、これははっきり言明をしたわけでありますし、またワレサ連帯議長も、この道はもとへは戻らない、前進していく。結局、大きな変化が起こっているということについては、これの後戻りはもうない、それは認識は同じだと私は思っております。 そして、そういう枠組みの中で米ソは対立、対決から共存への道を歩み始めた、これはもうそのとおりだと思います。冷戦時代の発想を乗り越えて新しい秩序が模索されておるわけでありまして、先ほど申し上げたように、まだ不安定なところや不透明なところがありますが、日本の立場に立ってみると、今御指摘のように、東西対決の冷戦時代の枠組みのときには、日米安保のもとで日本は平和と安全を守りながら、自由陣営の一員だと言って自由陣営の中だけで、人に迷惑をなるべくかけないように自分自身こつこつとつじつまを合わせて生きていけばいいという非常に安定的な、経験則に従った生き方が許されたのですけれども、そういう対立、対決がだんだん解けていくときには、日本も今アメリカとともに世界経済の四割近くを占める、責任を持つ国になっておるのでありますから、もう自分のことだけ考えてつじつまを合わせるというのではいけなくなってきたと私も思います。 そういった意味で、積極的に一歩世界の新しい秩序づくりに貢献すると同時に、きのうまで社会主義、統制経済の枠の中で苦しんでいらっしゃった人々にも、国づくりにも積極的に協力をしていく、できることがあったならば世界に貢献していく、そういった日本の積極的な態度、世界の秩序づくりへ参加していくんだというひたむきな姿が、平和のために貢献していく国として日本が世界と相互依存関係を深めながら、日本と仲よくしていくことはいいことだ、私流に言えば、そういった気持ちを世界の人が持ってくれるような国になっていくために必要なことでありますから、従来とは違った意味で積極的に世界に貢献をしていかなければならないようになってきたし、その中で、日米欧の三極関係の中で日本の果たしていかなければならぬ役割は、アジア地域を背景としながら、アジア地域の繁栄やアジア地域の発展に積極的な協力、努力もしながら積み重ねていかなければならない、こういうことになってくると心得ております。
○新村委員 東西の対立が緩和をする、やがて東西の対立がなくなる。なくなりますと東側、西側ということもなくなるわけですよね、やがては。そうすると、西側の一員とはいっても、西側、東側がなくなるという事態の中で日本の立場はどうなるのかということであります。 そういう場合に三極構造、日米欧という三極になるのか。ヨーロッパが一つになる。アメリカが一つになるかもしれない。アメリカとカナダは現在でももう既に一つになる方向にあると言われております。そういった場合に日米欧という考え方が成立するかもしれませんけれども、日本とアジアの関係をどうするのか。アジアの一員としての日本がどういう役割を果たすのかということが、必ずしも今我々国民には明確でないわけです。その点についての展望はどうなりますか。
○海部内閣総理大臣 将来についてはまだ不安定、不透明なことがあると先ほども申し上げましたけれども、例えばヨーロッパにしても、つい昨年までは、九二年のBCの統合ということが一つの具体的な焦点でございましたが、今ドイツの統一というものが問題になってきますと、ヨーロッパの統合、東西の対立がなくなったヨーロッパは一つになるのではないか。あるいはさらにそれを広く考えると、欧州共通の家というあの発想からいくと、一体どこまでが欧州としての中に入ってくるのか、これもまだちょっと不確実な問題を残しておる点としてございますが、私はそういったようなことはぎりぎり詰めた議論はまだいたさないで、アジアと欧州とアメリカ、ですからアメリカも御指摘のようにカナダとアメリカの自由貿易協定がございますからこれは当然なんですけれども、ではアメリカはカナダとか中南米とかそういったところまで含めてのアメリカというものを考えておるかどうかということについても、これからのいろいろな進展もあろうと思います。また、アジアということを考えますと、今も申し上げましたように、私は、アジアの中の一員として、アジアが一極であるなればその極を強くしなきゃならぬので、アジアに対する日本の対処の仕方というものは、きょうまでもそうでしたが、これからもますます比重は増していくと思うのです。 そこで、ちょっと具体的に申し上げますと、今アジアの国々は、NIESのみならずASEANの国々も、経済の面における成長というものは非常に力強いものが出てきて、世界経済の成長率の平均よりもアジア地域の経済成長率の平均の方が上回ってきておるということも事実でございます。同時に、そのために日本が果たしておる役割、例えばアジア地域からの製品輸入も、内需を振興し輸入を拡大してうんと伸ばしてきております。同時にアジア地域に対する投資もいろいろとふやしてきております。こういったことがアジア地域の経済的な繁栄、経済的な基盤をしっかりしていくために役に立つものとするなれば、アジア全体の安定と平和に役立っておると私は信ずるものであります。 同時に、きょうまで二十数年間やってきました、アジア地域にまず第一陣を送り出した日本の青年海外協力隊という制度も、アジアの人づくり、国づくりに対して、技術移転とかその他の問題すべてを汗と生活をともにすることで伝えてきたというこの成果についても、アジアの国々から非常に評価も受ける。同時に教育面の交流でも、拠点大学制度というものをASEANの国々とつくりながらアジアと日本との学問の交流、人物の交流、研究の交流等もいろいろやってきました。そういったことを積み重ねながら、自由陣営の一員であったということと同時に、アジアの一員であるという日本の外交のきょうまでの大きな二つの座標軸の一つでもあったわけでありますから、アジアに対しては、今までの政策をより一層前進させ、より一層高めていかなければならないと考えております。
○新村委員 次の問題に移りますが、総理、海部内閣の使命、海部内閣がいかなる犠牲を払っても何としてもやらなければならない問題は何ですか。
○海部内閣総理大臣 当面のことを申し上げますと、今、日本の現在と将来にとって大きな影響を及ぼしておる日米構造協議の問題が、まさに取り組んでおるさなかでございますので、これは当面の急務としてやらなければなりません。 同時にまた、高い立場に立って考えますと、海部内閣がスタートしましたころ、一連の不祥事件の反省、それに基づいて政治の改革を行いたい、そして国民の皆さんの信頼を確立しなければならないという大きな目標がございます。これは何としてもやらせていただきたいテーマであると心得ております。
○新村委員 総理が今おっしゃった一番、二番は逆じゃないかと思いますよ。まず総理がやらなければならないことは政治改革、そうして日本の政治を再生させるということだと思うのです。 海部内閣が生まれたのは、やはりリクルート事件の中から生まれたと言ってもいいわけですよね。リクルート事件がなければ、大変失礼ですけれども今の時点に海部内閣はなかったと思いますよ。やがてなったかもしれないけれども今の時点にはない。そういうことを考えた場合に、海部内閣の最大の使命は政治改革。そうして、このリクルート事件を日本の政治史の中で、日本の政治が真に近代的な政治になったという、その時代を画する一つの事件にしなければいけないと思うのですよ。そうすれば初めてリクルート事件が転禍為福、禍を転じて福となすということが言えると思うのです。そういった意味で総理の最大唯一の使命は政治改革であると私は思います。国民もそう思っておると思います。 ところが、これが必ずしも順調には進んでいないし、なお一層の奮起を期待するわけでありますけれども、それにはやはり何といってもこのリクルート事件というものを風化させてはならない。常にリクルート事件ということを念頭に置きながら日本の政治を再生させ、政治改革を——政治改革というのは一つの時点で完全に完成するものではないと思います。一定の時間を必要とする。しかし、一定の時間は必要とするけれども、少なくとも海部内閣のときにリクルートを起点として日本の政治が生まれ変わったんだ、そういうことにしなければいけないし、国民はそう思っておると思うのですね。 そこで具体的な問題になりますけれども、三月六日の本会議で私は総理に質問をいたしましたが、そのときに総理は、リクルートから金をもらったのはこういう人たちですよというふうに答弁をしましたね。ところが、残念ながらその後新しい事実が生まれた。生まれたというか、発覚したということですけれども、これは大変残念なことでありますし、海部内閣としてはこれにけじめをつけざるを得ない、けじめをつけなければいけないと思います。 総理は組閣のときに一人一人資格審査をなさったのですか。リクルートに関係があるかないかということを一人一人検討されましたか。
○坂本国務大臣 閣僚に対するリクルート社等からの献金などについては、各閣僚が就任時に調査して私に自主申告してきた内容を取りまとめて、三月六日に総理から公表したものでありますが、この時点では郵政大臣の件は総理も知り得なかったことでございます。しかし、その後郵政大臣から、同社からの献金等が判明した旨の申告がなされましたので、私としても直接同大臣から説明を聞くなどによって、よく確かめて詳細に公表したものでございます。 再度自主申告のあった内容のうち、後援会費、献金、パーティー券の購入等については、自民党のリクルート問題における政治献金等に関する見解に照らして、この前から申し上げているように、問題はなかろうかと考えております。また、リクルート社から社員が派遣されていたと言われている問題についても、私がこの前から申し上げているとおりであります。 ただ、このように再度公表するようなこととなったことについては、郵政大臣の閣僚就任時における調査に徹底を欠いていたことが原因であることは否めません。この点についてはまことに遺憾に思っております。私は、同大臣に厳重に注意もいたしましたし、同大臣も深く反省をしているというところでございます。
○新村委員 そうすると、郵政大臣は官房長官に対して、事実を細大漏らさず申告をし、申告というか報告をすべき立場であった。それをしなかった。結果的にはしなかったということですね。
○坂本国務大臣 閣僚就任時においては、残念ながら申告をしなかった。その後で気がついて、徹底的に調査して申告をし直したということであります。
○新村委員 そうすると、郵政大臣は官房長官に申告をすべきものを申告しなかったということ、この責任をどうするのか。 それからまた、官房長官は調査をして総理にこれを報告する立場にあったわけですね。その官房長官としての責任は、それはないにしても、郵政大臣の責任を官房長官並びに総理はどう判断し、どう処置をするかということは残っておると思いますがね。これについては、既にここで多くの人から指摘をされ、追及をされている問題であります。 そこで、今どうこうということはとにかくとして、この問題についての総理としての一定のけじめをつけるお考えがあるかどうか、それを伺いたい。
○海部内閣総理大臣 リクルートの問題に関しまして、申告時にいろいろと調査の徹底を欠いてこのようなことになっておりますことは大変遺憾なことであり、私はそのことについては厳重に注意もいたしましたし、また、このような結果になりましたことを大変申しわけないことであったとおわびをいたしますとともに、今後調査を十分に徹底をして、もうこういったことが起こらないように細心の注意を払っていかなければなりません。本人も、その点につきましては深く反省をしておるところであると私は聞いております。
○新村委員 この問題については、これで決着がついたというふうには理解できないわけでして、その点については留保したいと思います。 次に、問題は別になりますけれども、政治改革について。 政治改革の大きな問題点は、政治資金をどうするかということが一つ、選挙制度をどうするかという問題が一つあると思います。政治資金については、既に一定の、一定のというか一部の改正は実現をしておるわけでありまして、その部分についてはこれはそれなりの評価はできると思いますけれども、リクルート事件の反省に基づいて日本の政治を再生をさせる、真に日本の政治を近代化をさせるという大きな目的にはまだまだ極めて道遠い、ほど遠い現状だと思います。 そういったことについて、政治改革についての基本的な考え方はどうであるのか。あるいはまた、選挙制度についても、今審議会の答申が近いうちに出るということでありますけれども、選挙制度は各党の意見も違うし、極めて難しい問題だと思います。そういう点で、審議会に諮問をして審議会の答申をもらったその段階で、次のステップはどういう形を総理はおとりになりますか。
○海部内閣総理大臣 今御指摘をいただきましたように、政治資金の問題、選挙制度の問題、これが政治改革の基本をなす大切なものであると私も受けとめまして、そうして選挙制度審議会にそれらのことを包括的に諮問がしてあるわけであります。そこに各界の代表の皆さんがお集まりをいただき、審議も大詰めに来ておるものと報告を受けております。 この答申をいただきましたならば、その答申の趣旨を最大限に尊重をいたしまして、そしてどのように対応をしていくかという案をまとめてみたい。同時に、それは国会に関する問題でありますから、各党各会派にお示しをし、御意見も十分そこで闘わせていただくことになると思います。 いずれにいたしましても、事件の反省に立って、そういったことを繰り返さないと同時に、新しい時代に向けての日本の選挙制度というものを政策中心の論争で行えるような仕組みにするにはどうしたらいいのだろうかとか、あるいは今現実の問題として、必要以上にお金がかかっておるのではないだろうか。私は、いろいろな各党の政治的な資金の届け出の状況等も毎年拝見させていただき、それがいい悪いの問題評価は別にいたしまして、随分たくさんのお金を使わなければ政治活動が日常できないんだなということも痛切に感ずるわけであります。 同時に、国会の御決議にもありました院の定数の問題、一票の格差の問題、いろいろ最高裁まで御議論を呼んだ問題等もございます。自民党といたしましては、あの一連の事件の反省に立って、これは一部の人々がどうとか、関係した人だけのみそぎの問題だとかいう受けとめ方をしないで、党全体として政治改革の推進本部をつくり、政治改革大綱をまとめ、この大綱に従って政治改革を進めようというので、前回の国会に、今委員からも御評価をいただきましたように、公職選挙法の一部改正の法律案というのは与野党の御議論を通じて成立させていただきました。そうしてさらに、答申をいただいたならば、引き続いて政治改革が第二歩、第三歩と進んでいくように努力をしていかなければならないと受けとめております。そうすることが、やはり政治が国民の皆さんの信頼をいただくために必要なやるべき措置である、このように考えております。
○新村委員 政治改革の二つの中心的な課題、政治資金、もう一つは選挙制度、これはだれも認めるところだと思います。 政治資金についても、出の方で若干の規制はありましたけれども、入る方、それから、より基本的にはどうすれば金のかからない選挙ができるか、日常活動ができるかということについては、まだ全く手がついていないわけですね。その点をどうするかということ。 それからもう一つは選挙制度ですけれども、選挙制度、特に定数の是正の問題。 今回の総選挙で自民党は確かに二百八十六名の議席を得られました。それは、議席の占有率では五五%余りの議席の比率でありますけれども、得票率は四六・一%ですから、国民、有権者全体の、九千万有権者の半数は獲得しておられないということであります。これは中選挙区制の問題もありましょうけれども、主として定数是正が行われていない。定数を一対一に限りなく近づけていけばこういう現象はまたかなり違ってきたのではないかと思います。そういった意味で定数の是正は極めて急務であろうと思いますけれども、そのほかにまたいろいろの考え方があるわけであります。完全比例代表にするという考え方もあります。また、完全比例代表プラス小選挙区の併用、西ドイツ方式という方式もあります。そういったことをやはり広く視野に入れながら、国民の、有権者の動向をできるだけ忠実に議席に反映させることができる制度、これがまず至上命令だと思いますね。得票率は半分以下だけれども議席は半数を超える、はるかに超えて安定多数だということは、これは有権者から見れば必ずしも納得のいく形ではありませんから、できる限り有権者全体の総意が議席数にあらわれる、反映される制度でなければいけないと思います。これが一つの基本的な原則でしょう。小選挙区にするのか中選挙区にするのかということも大きな争点でしょうけれども、何といっても有権者の意向を議席数にできるだけ忠実に反映させるということが必要だと思いますけれども、総理はいかがですか。
○海部内閣総理大臣 これは理論的でも何でもなしに、今先生の御質問を聞いておって私が思っていることを率直に申し上げるのですから、そういった点でお聞き取り願いたいと思うのですが、今の制度、仕組みの中で国民の皆さんの厳粛な審判を受ける、その結果の議席というものをお認めいただく、これが大前提に今の制度ではなっております。それには得票率と議席数が正確に比例しておらないのではないか、こういう御指摘のようでございます。 今の中選挙区制のあり方でいきますと、先生、どうでしょう、例えば社会党は野党の中で大変躍進された。けれども、私の記憶に誤りなければ、複数区でお一人お立ちになって最高点をおとりになった方が随分いらっしゃる。お一人で随分たくさん票をおとりになったのですよ。もしそういったときに、お二人立たれる、三人立たれる、社会党の先生だけで票を分け合うという、ちょうど自民党がやっておりますような候補者をたくさん立てての争いになってまいりますと、その得票率と議席数の問題はこんな冷静な立場で議論ができるだろうかというような気が私はちょっといたします。確かにたくさん票はおとりになりましたけれども、それは一議席に多く固まってしまったところが多かったのではないだろうかという、そんな感じでございます。 そして、今の中選挙区制の仕組みでいきますと、じゃ、ふやそうというので複数候補をたくさんお立てになるようになると、きょうまで自由民主党が通ってきた道でございまして、たくさん候補者が出れば、今度は同じ党の候補者同士の争いが出てくる。そういたしますと、一体その票の奪い合いというのはどういうことになるのだろうか、何が点になるのだろうか、政策的な論争が本当にできるのかどうかという心配が私に率直にあるものですから今ここで申し上げさせていただいたわけで、それを私が申し上げますと、いろいろおしかりがあるように、国会の中ではどうしても勝った政党、負けた政党、大きい政党、小さい政党という立場とか視点がありますから、これはだめなのです。 ですから、選挙制度審議会というところへ各界の学者の代表の皆さんやそれぞれの代表の方やマスコミの代表の方なんかもみんな入っていただいて、我々のそういういろいろな視点に立った議論じゃなくて、別の次元の、高い次元の御議論を願っておるのです。ですから、もしそういう御議論があったら、皆さんそういったところへ、こうだああだという意見も、審議会でも聞かせてくださいと申し上げておったのですから、本当は十分闘わしていただいて、そういう御議論を全部踏まえての答申をいただいて、さあいかがでしょうかといって議論をしていただくのが一番好ましいやり方ではなかろうか、私はこう思いますので、今の中選挙区のままでやっていきますと、それは今の制度、仕組みの中では大勢立てて大勢競って議席をたくさんとるということになりますので、それを頭から否定されても、今の唯一の憲法の認める制度、仕組みの中での結果というものは、これは否定できないのではないか。ですから、それがうまくないというならば、この際一回議論をし直さなければならぬではないだろうか、それが政治改革の基本的なベースになる、私はそう思っておりますので、ちょっと理論的じゃないかもしれませんが、最初にお断りしたように率直な私の考えをお答えさせていただいた次第であります。
○新村委員 そうしますと、もう一つ、一点だけ確かめたいのですが、全有権者九千万、九千万といっても棄権がありますから九千万じゃありませんけれども、九千万有権者の意向が、意向というか、これは政党政治ですから政党別になりますが、政党別の支持の割合が議席数に正確に反映されるということは、これは一つの公理じゃないでしょうかね。基本的な要請じゃないかと思いますけれどもね。そんなことはいいんだ、とにかく頭をそろえて、五百十二名をそろえればいいんだということなのか、それとも基本的な要請として、全有権者の政党別の支持の割合に比例をした議席を決めることがいいのか、これが基本的な要請だと思いますよ。できるかどうかは別として、選挙制度のもとでは基本的な要請だと思います。思いますけれども、総理はそれに賛成されませんか。
○海部内閣総理大臣 その点につきましては二つの側面があろうと思いますが、一つの側面は、国会の決議等でも示されましたように、一票の価値、重さというものをどうするか、一対三が一つの幅なのかどうかという御議論もなされたようでありますけれども、そういったものについては一人一人の意思というものがなるべく一つの枠内で評価されるようにという御指摘は、一つの側面として正しいと思います。 それからもう一つは、なるべく有権者の意思が反映するようにしなければならぬというその御指摘もそのとおりだと思います。ですから、選挙制度審議会にお願いをして、どのようなことがいいんだろうか、今の中選挙区でやっておると、それは何か政策論争よりも、やはり同じ党に所属して同じ政策になりますと、その訴えるときとか基準とか、いろいろ別の面に踏み込んでいくおそれなきにしもあらずという御指摘も随分ございましたし、今の、現実に必要以上にお金がかかっておるという面等も改めていくことが政治とお金の関係を改めていくための一つの環境整備になることも、先生、これは事実でございますから、そういったこと等もあわせ考えながら、選挙の投票の仕組みというものも抜本的に考え直してみる必要がある。それは、有権者の意向が反映するということが大切なテーマになってくる、これは否定するものではございません。
○新村委員 全有権者の意向を正確に議席に反映をさせるようにすべきだというこの原則は総理も認められたわけですね。(発言する者あり)それはそうなんですよね。ところが、小選挙区ではそれができないんですよ。それは、小選挙区にするとすれば、まず西ドイツ方式に完全比例代表の枠をつくって、その中にはめていくということでなければできないわけですよ。これについては我が社会党の委員長も検討に値すると言っていますけれども、これは私の考え、個人の考えですけれども——今、審議会のことは言わない方がいいと思います。いいと思いますけれども、仮に小選挙区と比例代表の並立方式ではそれは絶対期待できません。それから小選挙区だけでもそれはもちろん期待できない、死に票がたくさんできますから。それに近づけていく一つの方法としては、現中選挙区の議員一人当たり、定数一人当たりの人口を限りなく一対一に近づけていけばそれはできると思います。でき得るかどうか、それに近づいていきます。近づきます。確実に近づきます。そうしますと、大変失礼ですけれども、今回の総選挙のように、四六・一%で議席を五五%占有するというような結果は中選挙区であってもできないと私は思います、一対一にしていけば。議員一人当たりの有権者の数を一対一に限りなく近づけていけば、今回の総選挙のような現象はまず起こり得ないと思います。自民党さん四六・一%の得票率ですから、四七%ぐらいの議席占有率か四八%ぐらいの議席占有率か、あるいは四五か四四ぐらいの議席占有率になって過半数を割るということになると思いますよ、これは。 これは仮の議論ですからそのぐらいにしておきますけれども、まず最初お伺いした、確認した、全有権者の支持率をできる限り反映をしている議席数、ですから各党別の支持数に比例した議席数が結果として得られるような選挙制度を目指していただきたい、総理としては目指していただきたいと思いますけれども、目指しますか。
○海部内閣総理大臣 いろいろ方法、手段はあろうと思いますので、私は、審議会の答申をいただいて、そういったような方向になるようにはどうしたらいいかという御議論の結果だと思いますから、それを十分見させていただいてから各党各会派の御議論にも供したいと思っております。
○新村委員 それでは、次の問題ですが、財政の問題で若干お伺いしたいと思います。 それは大蔵大臣、今の政府は、いわゆる大きい政府、小さい政府ということが言われますけれども、基本的にはどっちの政府を目標にされますか。
○橋本国務大臣 仮に御質問が例えば行政機構を意味するものでありますならば、私は適量の政府だと思っておりますし、財政は、例えば平成二年度予算の総額をとらえて申しますならば、大きい政府と言えるかもしれません。しかし、利払い費、国債費あるいは地方にお渡しをするお金を除きました一般歳出でいきますならば、適正規模の政府だと思っております。
○新村委員 適正規模の政府を目指すということであれば、これは裏を返せば無定見ということになると思いますよ。
○橋本国務大臣 いや、そういうことでありますならばお答えの仕方を変えさせていただかなければなりませんが、どういう形だとおっしゃいますから、現実の財政状況から適正なものという意味で申し上げたわけであります。 しかし、日本の財政状態そのものは、御承知のようにようやく平成二年度において赤字公債依存体質の脱却というものを実現し、公債依存度を八・四%まで下げることに成功した。しかし同時に、平成二年度末において百六十四兆円の国債残高をなお残す状況であり、この百六十四兆という規模は債務国の債務全額を足したより多少大きい数字でありますから、この累増を防がなければならないという目標は極めて厳しいものであります。そして、なおかついわゆる隠れ借金と言われますこの財政再建のプロセスの中で講じてまいりました各種の繰り延べ措置等、こうしたものをもとに戻していく努力、さらには国鉄清算事業団の累積債務の償還等々を考えてまいりますと、なお我が国としては極めて厳しい財政運営を行っていかなければなりません。そして、少なくとも財政が経済情勢に機敏に対応し得るだけの健全な体質に戻していくためには、なお血の出るような苦労を重ねていくべきものである、そのように考えております。
○新村委員 これは細かい議論の時間はありませんけれども、現在の財政というか予算の性格、ある程度分析をしてみますと、小さい政府的な要素と大きい政府的な要素とが混在をしていると私は思うのですよ。それで、今大臣言われたように、赤字公債から脱却をして日本財政は新しいステージに入ると思います。その場合に、やはり新しいステージに入るその段階において、将来の日本財政をどういう方向に持っていくかということについての再検討をする一つの時期ではないかというふうに考えるわけですけれども。その内容ですよ、内容。そういう発想はお持ちになりませんか。
○橋本国務大臣 委員の仰せられますその再検討というものがどういう部分を指しての御指摘かわかりませんけれども、この赤字公債依存体質を脱却いたしますまでの間におきましても、政府としてはそれぞれの制度につきまして絶えず見直しの努力を繰り返し、制度の改変等をも行ってまいりました。こうした努力をこれから先も必要とするという御指摘でありますならば、これはそのとおりであります。また、その赤字公債依存体質脱却後、財政目標として何を我々が掲げるかという御指摘でありますならば、我々としてはまず国債の累増にブレーキをかける、そして後世に残す負担を一日も早く少しでも減額していくための手法を講じる、そのために制度の見直し等を必要とするものは今後も適時適切に行っていく努力をしなければならない、私はそのように考えております。
○新村委員 一口に申し上げて、要するに消費的経費を極力合理化をして投資的経費に集中的に重点傾斜配分をしていくべきではないかと私は思うのですよ。それは、やはり二〇〇〇年、遅くも二〇〇〇年くらいまでの間にどうしても必要なインフラを整備をして、その後の高齢化社会ではそういう部分については余り納税者に負担をかけないような条件にその時点までにしておかないと、そのときになっては、高齢化社会の負担が襲いかかってくる、まだ公債の残高も相当あるだろう、インフラのために投資をすることも必要だということであると、その世代の人たちは大変な困難に直面するわけですから、そういう意味で、やはり二〇〇〇年までに基本的なインフラを整備をしていかなければいけないだろう。そのためには、内需の拡大の柱にもなるし、公共投資を重点的にやっていく、公共投資を重点的にやっていって補助金は徹底的に整理をしていく、その方向に向けて集中していくべきではないか。そういうことがやはり長いスパンの財政政策を考える場合には必要ではないかというような気がするわけですけれども、いかがですか。
○橋本国務大臣 まず今の御指摘の第一点にあります、公共投資をできるだけ二十一世紀までの間に実施をすることによって国内の生活環境の整備を行えという御指摘は、基本的に私どもとしても異論のあるところではございません。そして、先般の日米構造協議におきまして、アメリカ側からのいわばアイデアとしてGNP対比一〇%といった提案がありましたものに対し、これについて我々としては拒否をいたしつつ、一方で公共投資計画というものを十カ年計画として総額を策定しようということを我々自身の考えとして披露いたしましたのもそうした視点に基づくものであります。ただ、これは機械的に単純に伸ばしていくという性格のものでないことは今さら委員に申し上げるまでもないことでありまして、それを毎年の予算の中でどう反映していくかは、その年その年の経済状況、財政状況と見合いで作業をしていくべきものだと思っております。 ただ一方で、補助金というものについて委員がお触れになったわけでありますが、私も補助金整理という基本的な概念について異論を申し述べるつもりはございません。ただ、補助金と言われますものが、例えば社会保障関係費のうちの国民健康保険制度でありますとかあるいは生活保護制度でありますとか、あるいは文教関係費のうちの義務教育制度等、こうした地方と密着し国民生活と密着したものがこの補助金の中の大宗を占めております状況は御承知のとおりでありまして、果たして、言葉として補助金の整理と言うことは非常に簡単なことでありますけれども、こうした極めて国民生活に密着し、また地方自治体を支えていく性格を持つ補助金というものを現実にカットできるものかどうか、縮小できるものかどうか、この点については私は多少委員の御意見と意見を異にいたします。むしろ、現在の極めて都市集中の進んでおります、これ自体、一極集中排除という我々は目標を立ててバランスのとれた国土を回復しなければならないわけでありますけれども、地域的に財政力に格差のあります地方自治体を考えますときに、補助金だからといってこれを頭から縮減するということが私は望ましい手法だとは必ずしも考えておりません。
○新村委員 中央から地方に流れる補助金、負担金、交付金、これはいろいろあることはよく、よくじゃないが大体はわかっております。わかっておりまして、それを一律に切るということではもちろんありませんし、それを切れば地方団体あるいは国民生活に影響がありますから、それはできません。できませんけれども、補助金の中には特殊の分野あるいは個々の国民と比較的関係の深い補助金があるわけですよ。地方団体にやるあるいは福祉政策を進めるための負担金、補助金、そういうものじゃなくて、あるわけなんですが、それは細かいことを今議論している時間はありませんけれども、そういったものでGNP比一%近くぐらいあるのではないか、概算ですけれども、そういうような感じがするわけですが、それは改めてお伺いをいたします。 そこで、短中期的な財政を考える場合に、何といっても経済成長がどのくらいあるのかということが最大のというか、その基本になるわけですね。統計の示すところによれば、昭和全期間の経済成長は平均して四・八、戦後全期間では七・三、安定成長期には四・四という統計が出ております。そこで、今後の成長でありますけれども、これはそんなに長期の展望はできないと思いますが、二〇〇〇年から二〇〇〇年を越えて二〇〇五年、一〇年、その程度の、まあ二〇〇〇年としておきましょう、経済成長を考えた場合にどの程度見込めるかということです。
○相沢国務大臣 二十一世紀までの日本と世界経済の展望につきましては、経済企画庁の総合計画局に設置されておりますところの世界と日本中長期経済研究会というのが昭和六十二年の六月に報告を取りまとめております。この報告によりますと、これは報告は政府の公式的な予測ではありませんが、主要先進国での対外不均衡の是正、持続的成長を目指した政策対応、それから累積債務問題への対応、自由貿易体制の維持・強化、それから発展途上国での生産性の向上などの政策がとられるという前提で、日本経済は今後二十一世紀までおおむね四%程度の成長を続けることが可能であるということになっております。 ただ、この報告の取りまとめられました後において世界経済の構造変化があり、地球環境問題があり、それから我が国の労働需給の引き締まり等の内外経済事情が変化をいたしております。また、人口の高齢化、労働力人口の伸び等の鈍化等の問題が予想以上に日本の国の経済の将来に影響を及ぼす可能性も生じておりますので、今後この点につきましてはなお検討を続けてまいりたい、このように思っております。 さらに、二〇〇〇年以降の経済成長につきましては、現在までのところ、非常に予測しがたい条件が多いために、特に経済企画庁においてそのような見通しを取りまとめたことはございません。
○新村委員 経済成長と人口動態というか、人口の推移は極めて重要な関係があると思いますが、人口推計でいきますと、紀元二〇〇〇年には日本の場合二十五歳から五十五歳の間の人口が、中が引っ込むわけですね。ところがアメリカと比較しますと、アメリカはちょうどその年齢層が日本とは逆の現象を呈するというようなことがあって、そういう人口的な要素からすれば、二〇〇〇年前後からその後はかなり経済成長にマイナスの要因があらわれてくるのではないかというようなことが言われております。 それからもう一つ、貯蓄の問題ですが、貯蓄は現在、日本は世界第三位ぐらいですか、台湾が最高で三七、韓国が三二、日本が三一ぐらいだと思いますけれども、その貯蓄の推移というか貯蓄量からすると、これが七五年あたりからかなり低下の傾向にあるというふうに統計には出ておりまして、九〇年あたりになるとかなり落ちてくる。それが、その傾向が二〇〇〇年まで続くかどうかはこれはわかりませんけれども、経済の観点からしてこの貯蓄率の推移は今後どうなるのか、教えてください。
○冨金原政府委員 政府あるいは経済企画庁として正式な推計ではございません。先ほど大臣がちょっと御説明いたしましたけれども、世界と日本中長期経済研究会報告というものの中で推計をしたものがございます。これで、先ほど先生幾つかの数字をおっしゃいましたけれども、SNAベースで現在一六%程度だったと思っておりますけれども、二〇〇〇年に向かって漸次貯蓄率が下がっていくであろうという推計になっておりまして、ちょっと正確な数字が今見当たりませんけれども、私の記憶では大体一一%程度まで下がっていくのではないかという推計であったと理解をしております。
○新村委員 それから、いろいろの指標によって成長率の趨勢というのは決まると思うんですが、一つの要素にディペンデンシーレシオ、これは要するにほかの年齢層の世話を受けなければやっていかれないという若年者とか老齢者ですね、ゼロ歳から十四歳までが若年、六十五歳以上が老年、その両方を合わせたもの。この数が、もちろんこれは高齢化社会に近づくに従って急速に上向くわけです。そういった点については西ドイツ、アメリカに比較すると日本の方がはるかに急角度でこのディペンデンシーレシオが上向くというのが二〇〇〇年から二〇一〇年の傾向であると言われております。そうしますと、この辺になりますとかなり日本経済の成長にブレーキをかける要素になって出てくるわけでありますが、そういった点からの将来展望はどうなりましょうか。
○冨金原政府委員 後ほど正確な数字はお話ししたいと思いますけれども、先ほど先生がおっしゃいましたように、二〇〇〇年までの推移は大体生産年齢人口、つまり十五歳から六十四歳をとりますかあるいは二十歳から六十四歳をとりますか、いろいろな見方がございますけれども、生産年齢人口の割合は日本とアメリカは余り差がないという形で推移をするわけでございますけれども、二〇〇〇年以降になりますと、高齢化に伴いまして日本の方が生産年齢人口の比率が低下してまいりますので、逆に若年層それから高齢者の比率がふえるという形で、先生のおっしゃいますいわゆるディペンデンスレシオというのは日本の方が高くなるという形の推移であったと理解しております。
○新村委員 そういういろいろな指標からしましても、二〇〇〇年に向かって経済成長率あるいは経済成長力、ともに低下をしていく、潜在成長率も低下をしていくということは争えないことだと思います。そういったことからいたしますと、そういう意味でもやはり今の時点は、赤字公債を脱却したということもありますけれども、別の面で内容的にやはり質的な転換を遂げていくべき時期ではないかというふうに考えるわけであります。そういう観点から、大蔵大臣の一層の資金の有効な使用とそれから二〇〇〇年を展望した公共事業というものの整備というようなことについて御努力をいただきたいわけでありますけれども、総理はどうお考えですか、その点について。
○橋本国務大臣 今委員が数々の数字を挙げられてお述べになりましたような事実、これはすべて統計的にそのとおりのものが出ておるわけであります。 言いかえれば、二〇〇〇年を越えまして我が国の高齢化が非常にピークに近くなる時期において、従属人口の占めるウエートが高まれば高まるほど我々は高齢化社会というものに対する投資に重点を置いていかなければならなくなり、一方では、過去の例を参酌する限りにおいて、若年層の人口の減は若年層に対する投資の減を意味しないということも事実でありますから、社会保障関係諸費を中心として高齢化社会対応の費用負担がふえていくことは間違いがありません。そうした中におきまして、これから西暦二〇〇〇年まで、この十年間において、いわば高齢化社会というものを迎え撃つための準備を我々としては最大限行っていかなければならない。それは「高齢者保健福祉推進十か年戦略」であり、またその時期における生活環境の質的な向上を図るための公共投資の効率的な拡大であり、そしてまた、同時に国債残高をその時代までにできるだけ減らしておかなければならないという一つの命題である、これは御指摘のとおりでありまして、私どもとしてもこうした視点の中でなお厳しい財政運営を強いられることになりますが、国民の御協力をいただきながらこうした目標に向けて努力をしてまいりたい、そのように考えております。
○新村委員 総理も同じお考えですか。大蔵大臣と同じですか。
○海部内閣総理大臣 るる大蔵大臣が御説明したとおりでございます。
○新村委員 そこで次の問題は、今土地問題は、最大の政府の課題であり、政治の課題であり、国民的な課題であると思いますけれども、この問題についてまず指摘をしたいのは、土地の情報が全く貧弱であるということだと思います。 これは前にも私は国土庁にお願いしたのですけれども、東京二十三区の地目別の面積の統計をいただきたいと言ったところが、そういうものはありませんという御返事でありました。東京二十三区の中に宅地が、道路が、水面が、あるいは空地がどのくらいあるかということについて国土庁には正確な統計がないということです。これでは土地問題を考える基礎が極めて薄弱であって、全く遺憾にたえないわけでありますけれども、現状もそうですか。
○佐藤国務大臣 新村先生にお答えいたします。 土地の総合的利用を図るためには、先生がおっしゃったようなことで土地の所有とか地目別とか利用状況が大切でございますが、実は現在、土地情報に関しましては、例えば不動産登記関係の資料とかあるいは固定資産税課税の資料とかあるいは地目の、地価の表示とかあるいはその他いろいろの資料によってやっておりまして、先生おっしゃるように非常に不十分でございます。そんなところでございまして、今私が考えておりますのは、各省庁と連絡をとりまして土地に関する情報の体系をひとつ整備したい、こんなことで今各省庁で進めている現状でございます。
○新村委員 これは不思議なことに、例えばということで東京二十三区を言ったのですけれども、東京二十三区の総面積はわかるわけです。これはわかります。ところが、その中の地目別の面積、これは正確にはわからないとおっしゃいますけれども、ある種の統計を使ってやってみても、その地目別の面積を合計すると総面積とは大変な違いがあるわけですよ。これはほかの地区でも同じです。そういうふうに、土地の情報というか土地の基本的な統計が極めて不十分であって、土地問題を解決をする、土地問題に取り組む場合に大きな基本的な障害になっているわけですよ。 そこでまず必要なのは、土地の実態把握、個人別、法人別に全国の名寄せをつくるべきであるというふうに考えますけれども、それはできるはずですけれども、おやりになるお考えはありますか。
○佐藤国務大臣 お答えいたします。 先ほどちょっと申し上げたとおりでございまして、大変先生御指摘のとおりでございまして、土地の総合的利用と活用を図るためにはどうしてもそういう情報が必要でございます。そんなことでございまして、各省庁間とよく調整しましてその情報体系をつくりたい、このように考えております。
○新村委員 今人工衛星から地上を撮影をして、それでかなり細かいところまで解析できる。人工衛星から撮影した写真で地上の一人一人の人物がわかるくらい解析できると言われております。そういう時代に、航空写真を撮って一定地域の地目を分類をする、解析をする、そんなことはもう朝飯前のはずなんですね、やれば。だからそれをぜひやってもらって、土地政策、これは土地政策の基本ですから、それをぜひお願いしたいと思います。若干の経費はかかるでしょうけれども、それをぜひお願いしたいと思います。これは土地政策の基本になりますからね。 それから土地の問題ですが、今例えば東京圏であと十年間に三百万戸の住宅を供給する必要がある、三百万戸の住宅をつくればまあまあ需要に応ずることができると言われております。そして東京圏に三百万戸分の宅地があるのかどうかということになりますと、これは十分あるんですよね。十分あるんです。十分あるんだけれども、それをどうして宅地化をし、宅地の用地として供出をしてもらい、動員をすることができるかどうかということになりますと、これは政策が物を言うわけです。だから、そこのところですよ、問題は。そのところの方針を政府がもっとはっきりと示して将来展望を国民に示せば、地価のあの法外な高騰なんというものはなくなるし、仮に高騰したにしてもそれは庶民と関係のない部分で高騰するのは構わないのですからね、それは。都心でビル用地が坪何億になろうが、それは特定のところが上がるのは、庶民との関係のないところで上がるのは構わないわけですから。庶民に少なくとも十年間に三百万戸、これは一つの目安ですけれども、三百万戸の住宅用地を提供できるという確たる見通しあるいは計画があれば、これは国民は安心をするわけですし、投機に走ることもないし、国民生活を脅威するような形での地価高騰はなくて済む、こういうことになるはずですよ。そこらについて、建設省あるいは国土庁のお考えはいかがですか。
○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。 先ほどの土地利用の情報でございますが、衛星を使ってというお話でございますが、実は今、地籍調査の進捗は、先生御存じと思いますが、三五%です。これは土地の権利に関することでございまして、実はこの間もある地区で相談を受けたんですが、たった〇・二坪で大げんかになるのです。というのは、坪六百万ですから百二十万になるのです。そんなことがございまして、土地につきましては先生のおっしゃることよくわかりますけれども、やっぱり大変な権利の問題があるものですからなかなか、しかも地籍調査の最後は立ち会いのもとでやるということで、先生の御指図はございますが、できるだけ早くやりたいと思っていますが、そんなことで御理解願いたいと思うわけでございます。 今の宅地につきましては、それは先生、現在国土庁で考えておりますが、これは建設省も一緒でございますが、低・未利用地とかあるいは国公有地の活用あるいは市街化農地の活用等で、現在東京と首都圏で六万五千ヘクタールございます。この土地をどう活用するかということは、現在のところ二万ヘクタールぐらいは何とか出したい。そうしますと、中高層住宅で大体一ヘクタール二百二十戸でございます。それから一戸建て住宅、中高層住宅並存で八十戸、こんなことでございまして、二万ヘクタールあれば要望に達するのではないか。また地価の高騰の問題がございますが、これは先生もう御高承のとおり、昨年通しました土地基本法の問題とかあるいはことし三月二十日施行されました国土利用計画法の一部改正を活用しまして、監視区域を強化する、適正な運用をしながら地価の高騰を抑え地価を安定させる、そういう形の中にいろんな政策的配慮を加えまして、少なくとも住まいを持ちたい人が住まいを持てるような形にしていきたい、こんなことで建設省と一緒になりまして全力を尽くしている状況でございます。
○新村委員 建設省では二〇〇〇年までに約三百万戸、これは東京のおおむね五十キロ圏内にそれだけのものを確保すると言っていますね。その構想について、その概略を伺いたいと思います。
○望月政府委員 先ほど先生お話しのように、四全総、多極分散政策を描いているわけでございますが、それによりましても首都圏でおおむね五百七十万戸ぐらいの住宅が必要である。それに対して、住みかえ等勘案しても新規に三百万戸ぐらいの住宅、あるいはこれに要する新規用地が四万ヘクタールぐらい必要である、こういったことが言われているわけでございまして、建設省といたしましてもこういった方向に沿って具体の施策を考えなければいかぬというふうに詰めている最中でございます。 一つの方向としましては、先ほど国土庁長官もお話ありましたけれども、いわゆる既成市街地の低・未利用地の有効活用、さらにまた市街化区域内農地の住宅地への転換、あるいは市街化調整区域等におきます計画的ニュータウンの開発、これを三位一体として進めていきたいということで、現在施策を詰めている最中でございます。
○新村委員 それで、土地供給の一つの問題点となっているのは大都市圏の農地、未利用地。農地の問題があると思うんです。この農地は、市街化区域内だけではなくて調整区域内の農地も、これはこの際宅地に考えていくべきではないかと思うんですがね。それで、三十キロ圏、五十キロ圏、両方あればいいんですけれども、その圏内に調整区域農地はどのくらいありますか。
○片桐政府委員 ただいまの数字につきましては、突然の質問でございまして、私、手元に持っておらない次第でございます。
○新村委員 三十キロ圏内にも、これは私の推計ですから当てになりませんけれども、五十万戸ないし八十万戸分くらいの調整区域の農地があるはずです。調整区域。これは市街化区域じゃありません。しかもこの地域は、将来、日本農業が合理化し発展をしても生産性を著しく向上させることができないという耕地がこの中には非常に多いわけです。当然これは大都市の近郊ですから、家の間あるいは道路と道路の間というようなことで近代農業には適さない農地。しかも調整区域である、そのために開発はできない、せっかく三十キロ圏内にありながら住宅として活用されていないところが相当あるわけなんです。そういうところをこれから住宅にしていくべきではないかと思うんですね。 ところが、そこには隘路がありまして、農地法あるいは、第一その調整区域ということは、これは都市計画法の指定ですから都市計画法、農地法、これによって大都市の近郊はがんじがらめになっております。ですから、それらの適用を除外をするなり運用なりによって調整区域農地でも宅地化できる道を開くべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○山本国務大臣 お答えいたします。 先生もよく御承知だと思いますけれども、この大都市地域、今三十キロという話が出ましたけれども、大都市地域におきましては、市街化区域、それから今お話の出ました市街化調整区域、二つに線引きがなされておるということでございます。このうち、市街化区域における農地転用、これはしばしば言われておりますけれども、これは農業委員会への届け出でできる。農地法に基づく許可は不要なんですね。そういうことでございます。 それから、大都市地域における市街化区域内の農地、これはここで幾度か答弁をさせていただきましたが、一昨年六月に閣議決定をされました総合土地対策要綱というのがございます。また、その後、閣僚会議でもこれをしっかり進めていこうじゃないか、こういう確認もされておりまして、市街化する農地と保全する農地に区分して、市街化する農地については必要な都市基盤の整備を図りながら宅地化を進めてまいりました。こういうことでございます。 また、先生御指摘の市街化調整区域の問題でございますが、これは農地のスプロール化ですね、虫食いを防止しよう。優良農地の確保を図る観点から農地法の適切な運用を図っていく必要がある、こういうふうに考えを持っておるわけでございます。 しかし、いろいろ御指摘のありましたとおり、農地をめぐる最近の情勢というものはいろいろ大きく変化をしているということ、あるいは農村地域の活性化を図る、こういうふうな観点もございまして、去年、農地転用許可基準というものを大幅に緩和したということもございます。また、農振制度の運用の改善を行いまして、これからはできるだけ弾力的に土地問題に対応するためにやっていこう、適切に対処しよう、こういうことで進めてまいりたい、こう考えております。
○新村委員 次に、同じ土地問題ですけれども、国あるいは地方団体が住宅政策を進める場合あるいは公共事業を進める場合に、第一に問題になるのは土地であります。 そこで、いわゆる公有地、主としてこれは地方団体の所有ということになると思いますが、公有地の拡大をすることが土地問題の、あるいは公共事業の推進のために必要だということで、公有地の拡大の推進に関する法律というのができています。これは数年前にできていますが、この法律の運用が必ずしも立法の精神どおりにいっていないという事実があるわけなんです。一九七二年に制定、施行された公有地の拡大の推進に関する法律は、その第一条で「地域の秩序ある整備と公共の福祉の増進に資する」ということを目的としておりますが、今日に至るまで本法はどの程度その趣旨に沿う効果を上げたとお考えですか。
○綿貫国務大臣 ただいま御指摘の公拡法によりまして、昭和四十七年から六十三年度まで一万七百ヘクタールの用地を買収いたしております。 なお、今御趣旨のように公共事業を行うためにも、また都市整備を行うためにも公有地は必要でございますので、今後とも積極的に進めてまいりたいと考えております。
○新村委員 当局の報告によれば、一九八四年から八八年の五年間で公有地は減少の傾向にあるわけです。本法施行のときに比べて減少の傾向にあるということじゃなくて、逐年その実績は減っておるということなんですね。 それで諸外国の例を見ますと、大都市では、諸外国では非常に広い公有地を持っている。アムステルダムは九五%、西ベルリンは九〇%、ストックホルムは七〇%などなどであります。これは今までの歴史が違うということがありますけれども、格段に広い公有地を持っているために、公共事業あるいは住宅政策を進める場合に極めて進めやすいということが言えるわけなんですね。 政府は公拡法による公有地拡大の目標をどこに置いているのか、目標なき行政運営では法の趣旨を尊重していないということになりますけれども、その辺はどうでしょうか。
○望月政府委員 まず事務的な御報告をさせていただきますが、四十七年に公拡法が施行されまして以来今日まで、先ほど大臣御答弁しましたように、一万ヘクタール余りが要するに買い取りいたされております。その間におきまして、届け出あるいは申し出された件数は十九万三千件という数字があるわけでございますけれども、これに対して買い取りの協議が成立したものは五万五千件。何を申したいかというと、そういった申し出、届け出はあっても、その土地について買い取る公共団体において、長期にわたって利用目的がわからないとか、あるいは価格面で折り合いがつかないというような事情等があるわけでございます。 いずれにしましても、私ども、この公有地の拡大については、先ほど大臣申し上げましたように、公共事業の推進のためにも、あるいは公益施設の整備のためにも非常に重要である、こういう認識に立って推進しているところでございますが、今後ともそういった地方公共団体の実情を見ながら十分な指導、協力してまいりたいと思っております。
○新村委員 私の調べによりますと、法施行時から一九八八年度までの十七年間で、売却の届け出、申し出件数が十九万二千九百十八件に対して、地方公共団体等から買い取り協議の通知が出されたのはわずか三四・六%、六万六千七百五件にすぎないということですね。これを一都三県の首都圏だけで見ますと、届け出、申し出が、これは買ってもらいたいという申し出が一万三千百五十一件に対し、一九%の二千五百二件しかなかったということです。今お話しの数字とは食い違いは若干ありますけれども、傾向としては同じで、買ってもらいたいという人はたくさんいるけれども買ってはもらえない、こういうことなんですね。 そこで、地方公共団体の買い取りが積極的でない理由については、早急に実情を把握して対策を立てないと本法の趣旨が生かされないということになります。そこで、その理由としては、買いたくても高くて買えないという理由が一つ。それから、本法第七条による買い取り価格制限が実勢価格を下回るということで、買いたくても買えない。それからまた、地方自治体に明確な土地利用計画がない場合。この三つあると思うのですが、公拡法というのは目先、目前の必要に駆られて、例えば道路をつくる場合に道路の敷地にかかっている、あるいは学校を建てたい、その予定地の中で売りたいという人が出てくれば、これはすぐ買えるわけですけれども、そうではなくて、目的はないけれども一応買っておこうと、これが実際は公拡法の本来の趣旨ではないかと思うんですよ、そういう手持ちの土地を持っていなければ、地方団体はなかなか自由な施策を展開することができないわけですから。ところが、それをやるには金がないということです。 それからまた、今の補助金の方針によりますと、土地に対しては補助金を出さないということですから、土地に対して補助金を出さないというその理論的な根拠がどこにあるのか、これもお聞きしたいところですけれども、こういうふうに売りたい人はあるけれども、地方団体では買わない、あるいは買えないというのが実態で、公拡法の趣旨が生かされていないということでありますけれども、これについて所管大臣のお考えを伺いたいと思います。
○望月政府委員 公拡法の運用の実態については、先ほども申し上げ、今先生もお話ありましたように、届け出、申し出と比べて実績は確かに低い比率でございます。その理由は、またお話しのとおりだと思っております。 いずれにしましても、公有地の拡大というものは大変いろいろな意味で大事であるわけでございますので、私ども、この公拡法による施策もそうでございますが、そのほかには、建設省関係でいいますと、都市開発資金融通特別会計制度もこれあり、もろもろの施策を備えてやっているわけでございますが、今後とも、先生のおっしゃったこと十分受けとめておる次第でございますので、私ども努力を重ねていきたいと思っております。
○新村委員 そこで、大蔵大臣にお伺いしますけれども、土地に対しては補助金を出さないということの理論的な根拠。それから地方団体が土地を買いたい、土地を持っていなければ公共施設もできないし、公共事業をやることができませんから、土地と関係が全くない公共事業というのはほとんどないですから、まず土地が先だということで土地を買いたいのですけれども、金がないというのが一般的です。そこで、土地に対してはなぜ補助金を出さないのか。 それからまた、土地を買う場合には何か特別の起債、金がそんなにわいてくるわけじゃありませんから、起債をするほかありませんけれども、起債をこれは思い切って許す、許可をするというようなことはできませんか。
○橋本国務大臣 とっさのお尋ねで、私も、なぜ、そう言われてみればと思いますと、よくその理由はわかりません。ただ、今委員はたまたま補助金という言葉を使われましたが、いわば整合性を持って全国的にレベルをそろえていく施策として補助金を活用するケースが大半であることを考えますと、地価のようにおどりのある、地域によって格差のあるものについて補助制度を設けることが適切かどうかという問題点はあるような気持ちが私はいたします。また同時に、土地について地方団体がその取得のための財源として起債等を考えられる、それに対しての裏打ちをと言われました場合に、その土地の使用目的等によりまして必ずしも適さないものもありはしないでしょうか。ちょっと私、今とっさのお尋ねでその理由等について明らかに知識を持っておりませんけれども、とっさの判断としてそのような感じがいたしました。
○新村委員 いや、使用目的がはっきりしないから買えないということじゃなくて、公拡法というのは、そもそも使用目的のない土地をたくさん買っておいて、いざというときに使うためにストックをしておくんだという法の趣旨ではないかと思うのですがね。また、そうでなければ公拡法の本当の意味はないのですよ。そうだと思います。だから、そうするためには国の方で借金を許す。地方団体は借金をしたいのですけれども、国の許可がなければ今できませんから、地方団体だけで借金できませんからね。だから、そういう場合の起債を無制限にとは言いませんけれども、土地が担保ですから無制限にやったって本当はいいのですよ、幾ら買ったって、土地を買うのですから、もう裏づけあるのですから、いいのです。だけれども、それを自治省はほとんど許さないわけですよ。地方自治の問題でもありますからね、これは。許さない。そういう発想の転換をしなければ公有地の拡大はできないと思いますがね。
○奥田国務大臣 今具体的な金額、数字を挙げるわけにはまいりませんけれども、地方団体の公共用地取得については地方債を優先的に許可しております。
○新村委員 違いますよ、それは。それは、道路にするから土地を買います、学校を建てるから土地を買います、そこに対して起債を下さいという場合には、これはある程度許可されます。ところが、そうじゃない、一般的に一般財産として土地を買いたいんだから許可を下さいと言ってもだめなんですよ。全然だめですよ。そこのところをもっと拡大しないと公拡法の意味がなくなるということです。
○奥田国務大臣 見込み買いに関しては認めてないようでございます。
○新村委員 だから、それを認めなければ公拡法の本当の趣旨は生かされないということなんですけれどもね。 次に、これは環境庁にお伺いしますが、アースデーという言葉がありますね。これはいろいろ行事をやるわけです。それは環境浄化のためにやるわけですが、環境行政の基本姿勢についてお伺いをしたい。 それからまた、環境行政は、個々の政策を担当する他省庁、地域の環境を守る地方公共団体、生産流通面からの財界及び労働団体などの積極的な協力を得ない限り、その実効を上げることはできない。そこで、これらの積極的な協力は、究極のところ、一般国民が日常生活の中で環境保全に参加、貢献をすることが基盤となるわけです。環境庁が、廃棄物としても処理しやすく環境を守る上でも効果のある商品にエコマーク、エコロジーマークを張る事業を推進しているのも、国民の日常生活における消費活動を環境保全型に転換しようとする趣旨からである。環境行政にとって一般市民や消費者の態度がどれほど重大な意味を持っているかを考えていただきたいわけです。 そこで、その視点から環境庁が積極的に民間のそういう活動を後援していただきたいということです。環境庁が今まで後援、協賛、賛助などの対象としているのは、国の行政機関、地方公共団体、公益法人、報道機関、その他これに準ずるものに限られているわけですね。そこで、これでは非常に頭がかたいわけなんで、一般の住民の行う環境維持保全運動についても、環境庁として援助、後援をしていただけないかということです。この基準、今申し上げた基準、示された基準に合っていなくても、草の根の小グループが全国的に連携して行動しようとする場合には対象とすべきではないか。有力団体でなくてもすそ野が広ければ支援する姿勢がないと、さきに確認した環境庁長官の政治姿勢が貫徹できないというふうに考えるわけですけれども、長官のお考えをお伺いしたいと思います。
○北川国務大臣 ただいま委員が御質問いただきました点については、大変の御理解を持って本会議でも御質問を受け、御答弁を申し上げましたが、重ねての御質問でございますので、環境庁といたしましては、地球環境保全のためには地球的視野に立って考え、足元から行動するとの理念に立ちまして、国はもとより、地方も国民も企業も挙げて地球環境への負荷を少なくするための行動を着実に進めることが肝要であると思っております。この意味におきまして、六月五日を世界環境の日として世界各国における啓発活動の推進を呼びかけているところでございます。 政府といたしましては、世界環境の日が、これは我が国の提唱に基づきまして定められた経緯にかんがみまして、六月五日は環境週間として、環境保全のため広範な啓発活動を行う。ただし、先生がおっしゃっていただきました草の根の国民のアースデーということについての御関心に対しましては、環境庁も、民間団体等がそれぞれの立場から環境保全に取り組んでいただくことは大変意義のあることである、この意味におきまして、アースデーの行事についても申し出があれば積極的に検討し、適切に対処してまいりたい、このように思っております。 以上でございます。
○新村委員 この問題については、国内では今までほとんどその例がなくて、さっき申し上げたように、公共団体とかあるいは国が関与している団体とかがやる場合しか協力もしなければ協賛もしないということなんですね。必ずしも金を出す、出さないじゃなくて、協賛の文字だけでもいいんですよね、金が出ればもっといいのですけれども。そういう実情でありますから、これからは民間団体であっても、いわゆる草の根団体の主催するものであってもぜひお願いしたい。 この点については、外国で行われている場合には出しているわけですよ。出しているというか協賛をしている例があるそうですね、日本政府が外国では。外国ではやっているけれども国内ではやっていないということなんだそうです。それではまずいわけですから、国内においてもぜひ大臣の御英断でお願いしたいと思います。 以上で終わります。
○佐藤(信)委員長代理 これにて新村君の質疑は終了いたしました。 次に、渡部一郎君。
○渡部(一)委員 私は、まず国連の問題から質問をさせていただきたいと存じます。 国連外交は日本の外交の重要な柱であると同時に、現在におきましては多国間における紛争を処理するためのたった一つの機関でございますし、日本のように平和憲法を主軸として国際関係の安定の中に国威を発揚し、かつ安定した地位を占めていこうという国にとりましては、国連外交の比重が重大なことはもう言葉では言えないぐらいのものでございます。したがいまして、歴代の総理、佐藤総理以来、国連外交におきましては、多年にわたりまして国会の所信表明においていつもこれをお述べになり、日本外交の姿勢というのを明示されたわけでございますが、どういうわけだかは存じませんが、海部総理のあの長い長い演説の中に国連外交の字が一つもない。また、外務大臣のお言葉の中にも重点を置いた気配もない。余りなれてしまうと、ありがたみを感じないみそ汁のようなもので、きっとお落としになったのではなかろうかとは存じますが、少し嫌らしい言い方ではございますが、改めて国連外交に対する政府の基本的方針をお尋ねしなければならないのではないか。そうしないと、海部内閣の政治姿勢そのものが変なゆがんだ形になってしまうのではないかと私は思うわけであります。 昨年は、国連の平和維持活動がノーベル平和賞も受賞され、ナミビアが先日独立をいたしましたし、カンボジア問題におきましても平和的解決についての希望が燃え上がっておりますし、また、これらの地域紛争の解決と並びまして、地球温暖化問題、オゾン層破壊を食いとめるための問題、麻薬問題等、国連が所管している問題は極めて多く、かつ重要であると思うわけであります。このときに当たりまして、私は、経済大国としての日本が国連外交を通じまして本当に貢献していくという一面がなければ、日本は尊敬を集めることができないのではないか、平和安定のためにも頑張っていく必要があるのではないか、こういうふうに思っているわけであります。したがいまして、日本の外交の基礎的なお立場としてどういうふうにお考えであるか、総理及び外務大臣にまず一言ずつきちっと締めていただいて、短く簡潔に、印象的に話していただきたい。
○海部内閣総理大臣 国連加盟以来一貫して国際の平和と安全の維持を初めとする国連の目的及び諸活動を積極的に支持してきております。また、今般の施政演説におきましても、国際協力を通じて世界の平和と繁栄に貢献していくとの方針を表明いたしておりますし、とりわけ平和のための協力及び地球環境、麻薬等の問題に関する地球的視野に立った国際協力の推進においては、国連を通じた協力が極めて重要と認識をいたしており、国連の役割を重視する我が国の外交姿勢を貫き通してまいりたいと考えております。
○中山国務大臣 内閣としての考え方は今総理が申し上げたとおりでございますが、日本といたしましては、国連に対し拠出金は九千万ドルを支出しておりまして、全体の一一・三八%に当たるわけでございます。 また、国連本体の職員は、日本は九十一名、アメリカが三百八十八名、ソ連百六十二名、フランス百十三名、西独百七名、そういう中で日本からの職員は九十一名ということに相なっております。
○渡部(一)委員 変なお答えなので今困っているのでありますが、外務大臣が仰せになりました九十一名という数字は、財政的な国連に対する寄与から見ると非常に少ない、二百名ぐらいあってもいいのに九十一名しかいないのだということを言おうとしてその数字を読み上げられたのだろうと思いますが、それを抜きにしていきなり数字を読み上げられたことは、その後僕がしゃべりやすいように言ってくださったのだろうと好意的に理解して次に話を進めるわけでありますが、この日本の国連職員の九十一名は少な過ぎるのであります。諸外国から見ますと、日本は給与が国内で高く諸外国へ行くと低いという状況がありますものですから、国連職員になられた有能な方々が続々やめてしまう。やめてしまう方に対する補助の手当てのやり方が、この間からうだうだうだうだ議論しておりまして一つも決着がつかない。 そこで大蔵大臣の出番になるわけであります。そうです、もちろん大蔵大臣です。このお金の問題が決着がつかない。どうしてかというと、国連関係の方々に対して外務省の職員としての給与を渡すというやり方でやっているカナダのような例があるわけでありますが、それは攻撃を受けていて国連の中で評判が悪い。ところがアメリカの場合は、国連職員をやめて本国へ引き揚げた瞬間に非常にお金の手当てを後ろから出す仕掛けになっておりまして、これについては非難が集まっていない。また、これに類するいろいろな考え方が、西独方式とかオーストラリア方式とかいろいろな方式があるわけであります。 私どもは、そういう意味で、この問題、実を申しますと私は国連議連の事務局長格を務めておりまして、ここにいらっしゃる御在席の皆様方の主要なメンバーことごとくがそのメンバーでございますから共通した事項として申し上げるわけでございますが、これは決着がついていない。決着がつかないのは何のためか。そのお金の支出を担う部局でいらっしゃいますお方がどうやら好意的な御返事をなさらないというところにあるらしいのであります。したがって、どなたがどうなっているのか存じませんが、大蔵大臣、ぜひとも国連職員の充足についてしかるべき財政手当て、給与の手当てについて考慮する、なるべく速やかに決着をつけていただくというふうにお答えいただけるとありがたい。話が途中飛んでしまうわけですが、ひとつぜひお願いします。
○橋本国務大臣 今、ちょっと本当に桂馬の横っ飛びみたいな格好で私のところにボールが来まして、とっさにお返事に迷う部分があります。ただ、今委員の述べられました中で私は一つ具体例で多少感じることがございますが、政府から国連の各機関に人材を派遣をいたします場合に、国連の各機関からこういう人材をといって我が国から派遣をしようとする職員、日本国内のそれぞれの省庁におけるポストと受け入れる国連機関におけるポストとの間に差異がある場合がございます。私自身の記憶でも、かつて環境庁の関係の職員を名指しで国際機関から求められたことがありましたけれども、その与えようとするポストについては非常に問題のあるポストでありました。そして、その場合に非常に議論を呼んだことがございます。今せっかくの委員の御指摘でありますから、それぞれの関係者どういう考え方を持っているか、一度聞いてみようと思います。
○渡部(一)委員 では、その件について十分御検討をよろしくお願いしたいと存じます。 次に、今度は国連に関する問題で、ことしの大テーマである環境の問題についてお尋ねしたいと思うわけであります。 この環境外交について、昨年度甚だ不本意なうわさを日本環境外交は受けたわけであります。それは、フロンガスの交渉において、炭酸ガス及び炭酸ガス類似の地球の温暖化現象に関係のあると思われるものの排出基準を整えるための国際会議におきまして、日本とアメリカは終始一貫いろいろな形でこれを妨害したというふうに思われているわけであります。それは大気中の炭酸ガスあるいはメタンガス等の増加と地球温暖化の関係とかあるいは海面上昇の関係は、科学的に考えれば考えるほどまだ立証されてない分野も多くあるわけでありまして、日本側の議論というものが精密をきわめたことは評価すべきでありまして、必ずしも日本側が悪かったというわけにはいかないのであります。また、一人当たりの炭酸ガスの排出量というものがフランスと並びまして先進国中では最も少ないという事情もあるわけでありますから、日本は環境を破壊したのではなく、むしろ守った側の一国として胸を張る部分もある、そういう理屈も成り得るわけであります。 ところが、この環境会議、特に炭酸ガスの方でございますが、この規制に終始一貫反対したアメリカと、それからこれを国内の政治の事情があって強力にともかく半減というような形で国際的な見せかけを大きく表示しようとしたオランダとの板挟みになった。そして日本はアメリカと組んで調停案をつくろうとした。ところが、イギリスは日本と同じような立場であったのですが、途中からオランダ側に味方をして、世界の環境を保護しないのは日本が悪いというふうにキャンペーンを切りかえた。もっとひどかったのは、折衷案で決着がついたにもかかわらず、最後の記者会見の際に、大臣初め一行が先に引き揚げてしまった。そこでどういう会見が行われたかというと、アメリカまで一緒になりまして、環境破壊のテロリストであるとか、あるいはエコビラン、経済の悪魔。ビランは悪魔というフランス語なんだそうでございますが、経済だけ夢中になっている怪獣とでもいうべきような意味なのでございましょう、こういうのが新聞紙上を躍ったわけであります。 そして、その結論としてどういうふうになったかというと、日本というのは物を輸出しているだけじゃない、環境問題についてもめちゃくちゃじゃないかというように切り込まれた。もっともこれには伏線があるわけでございまして、アルシュ・サミットも失敗した。アルシュ・サミットのときには先進諸国が全部環境問題でかかってきまして、アルシュ・サミットの決議文を見ますと、その三分の二が環境問題なのに、日本側は環境大臣を連れていき損なった。それはいろいろ御事情もあったのでしょう。だけど環境庁の職員を課長をようやく一人連れていったというようなことにまでなってしまった。もちろん有能な外務省、通産省等の職員もおられるから、一人連れていこうが二人連れていこうが、ゼロだろうと、そう大した差はないし、電報も打てばいいし、ファックスもあるからいいとは言えるけれども、このアルシュ・サミットの取り組みのときに環境を的確にしゃべるのがいなかったという事情は事情なんですね。見損なった、アルシュ・サミットの正体を見破れなかった。 そこでどうなったかというと、日本側は環境問題でもうめちゃくちゃな日本というふうな、こちらから見ると甚だ不本意な評定がある。私は野党として少し厳格に見れば、これは政府の環境問題に対する多年の力の入れなかった決着がここへ出てきてしまったなという感じがしてならない。そしてまた対応が余り鮮明でない、うまくないという感じがするわけであります。 そこで、ここからどう質問をしていいかよくわからないのですけれども、こういうことを二度とないようにしていただきたい、あっさり言うと。困るよ、こんなことは、本当に。冗談じゃないのだ。 そこへもってきて、今度、四月十七日だと思われますが、ブッシュ大統領が十八カ国を集めて環境問題で協議するとおっしゃっておられるようであります。この問題のときにこの炭酸ガス問題についてアメリカ側は大々的に発言をして、そして悪名を着たアメリカ外交を一挙に転換して、炭酸ガスを規制しようと力強くホワイトハウスで叫ぶ可能性があるというのが私の段階にまで聞こえてきておる。それで、それに対して日本政府はどうされるのか。また炭酸ガスの問題は帰ってから役人と相談してとか課長と係長に相談してなどというばかなことを言ったら最後、もう今度は助からない。だから貿易摩擦の問題ともくっつけられてしまう。ここのところをひとつ考えていただきたいのでありますが、適切な御答弁をどなたからかいただきたい。
○北川国務大臣 渡部委員の非常に環境に関しての御理解と、また温かい鞭撻をちょうだいしてありがとうございます。 四月十七、十八日はブッシュ・アメリカ大統領の招集によりまして、十八カ国が参加いたしまして世界の環境問題について討議することになっております。また、勉強することになっておると今聞かしてもらっております。そういう意味におきまして環境庁長官としては、これに国会の許しがあれば、許しを得て出席させていただきたい、このような思いを持っておりますし、今御指摘のように、日本はこれから日本の技術、経済、そういうすべてを傾けまして世界の地球環境、特にCO2の問題は、業界もまた国民も国も挙げてこれに取り組まなくちゃならぬと考えております。前向きでこの会議に出席いたしたいと思っております。 なお、先ほどのアルシュ・サミットまたオランダの会議につきましては、みずから出席しておりませんので環境庁の局長に答弁させたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○安原政府委員 アルシュ・サミット、ノールドベイク会議等につきまして言及がございましたので、真相につきまして付言させていただきたいと存じます。 御案内のとおり昨年の十一月、オランダで大気汚染と気候変動に関する閣僚会議がございまして、これには前の志賀長官が代表で出席されたわけでございます。この会議におきましては、先生も御指摘のとおり二酸化炭素の抑制目標につきまして参加国の意見が大きく分かれたわけでございますが、我が国は宣言を一本にまとめるということが大変重要であるという認識に立ちまして、そのための努力をし、イニシアチブを発揮し、最善を尽くしたところでございます。その結果、ノールドベイク宣言が全会一致で採択されたところでございます。その内容は、先進工業国が二酸化炭素等の排出をできるだけ早期に安定化することについて合意する。その水準につきましては、せっかく今並行してIPCC、政府間パネルで検討がされておりますので、そこでの検討を要請するということになったわけでございます。 そこで我が国としましては、この国際的な検討に今積極的に参加して協力をし、その検討を進めておるところでございます。この検討を待ちまして、本年の秋には第二回の世界気候会議が予定されておりまして、その後温暖化防止のための枠組み条約の交渉に入るということになっておるところでございます。国内的にも重要施策と位置づけまして、今懸命の努力をしているところでございます。御理解賜りたいと思います。
○渡部(一)委員 そこで環境問題に対してのアプローチで大事なことは、政府の基本的姿勢であります。その政府の基本的姿勢、環境問題、しかも日本の環境だけじゃない、世界の環境の問題について日本はこうしたいんだという表明が必要であります。それが海部外交の大きなクローズアップに私はなると思うわけでありますから、提案を三つさせていただきたいと思うのであります。 その一つは、この地球環境問題について、今国連では国連環境計画、UNEPというのがございまして頑張っているわけでありますが、このUNEPについても議論がたくさん出ておりまして、UNEPというのはただ国連の補助機関だから、重要な主たるメーンの機関に、例えば安全保障理事会とか社会経済理事会のように、少し格を上げようではないか、主要六機関の一つにしようではないかという提案があるわけであります。国としてこれを述べたところはまだないわけでございますから、国連の主要機関として地球環境保全理事会、私が勝手に言っておるわけでございますが、それをつくりまして、地球環境に関する調査研究、影響予測等の科学データの蓄積、並びに環境保全と開発に関する各国間の調整、監視、勧告等を行う新機関を提言されてはいかがかと一つは思います。 第二の問題は、環境問題を討論されて閉口された職員の方はたくさんいらっしゃるわけでありますが、データが違い過ぎるのです。言ってみれば、自分の国の中で炭酸ガスの濃度をはかる方法のない国すらある。そこと環境問題で議論したってもうむだなわけであります。したがって、議論の前に教えなければならない。そこで、地球環境保全大学のようなものをつくる必要がある。そうすると、それはまず大学として気取る前に、地球環境問題に関する機構をつくる必要がある。教育機構みたいのを各地各地につくっていく必要がある。各国につくる必要がある。もちろんODAの予算を使って結構なわけでありますから、地球環境保全機構をつくり上げていく必要がある。そして、それらをつくっている頂点のところに地球環境大学みたいなものをつくっていく必要があるのではないか。我が国の蓄積した環境技術、通商産業技術というものは、また、科学技術というものは、また、建設、農林水産技術というものは有効な力を発揮し得る。我が国の持っているその技術は、この際全面的に開放して、バックアップして、世界に貢献するのに非常にいいテーマになるのではないか。金額からいえばはるかにこれはいいテーマになるのではないかというのが第二であります。 第三番目の発案は、これは国際的なところで言うテーマではございませんけれども、実は環境庁の持っている予算のうち、人件費とかその他原子力の分を除きますと、環境擁護の予算が二十一億四千五百万円しかないのだそうであります。私もちょっと先日の同僚の御質問を伺っておりまして伺い直してみましたところが、これでも六%ふえたのだそうでございまして、画期的なんだそうでございますが、何か悲しい、物悲しい感じがするわけであります。二十一億というのはどこかの町の予算の、町村段階の予算と匹敵するような金額である。これは計画自体のレベルとちょっと違い過ぎるのではないかなという感じがするわけであります。ここを何とかしていただけないか。これは私一人の意見ではございません。国民の中に多くあるこうした問題に対する皆様の御意見も入っておりますし、同僚議員の意見も入っておりますし、自民党から野党の端までの多くの議論の中で言われてきたことをまとめて申し上げたわけでございますので、しかるべき御答弁をいただけると日本外交の一つのいい一歩前進になるのではないかと思うわけでございまして、ぜひ御答弁をいただきたいと存じます。 〔佐藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕
○海部内閣総理大臣 地球環境問題の重要性につきましては、私は委員と同じように非常に大切なものであると考えております。そういった大前提で申し上げますけれども、国連を通じた国際協力を積極的に行っていくことも極めて重要な問題でございます。 ただいま具体的にアイデアの御指摘がございました。我が国としては地球環境問題解決のための中心的国際機関となっておるUNEPの重要性にかんがみまして、従来より拠出などの積極的な支援を行っておりますが、今後とも国連を通じた地球環境問題への取り組みについて、このUNEPを大切にしていかなければならぬというのは全く同じ考えでございます。 また、地球環境保全にかかわる人材の育成や調査研究については、我が国もその重要性を認識し、従来より二国間、多国間協力を推進しているところでございますけれども、今後とも一層これらが充実していきますように先生の今御指摘のアイデア等も念頭に置きながら対応していかなければならぬ、こう考えます。 それから、三つ目の問題につきましては、確かに環境庁の予算の中の数字といって二十一億の御指摘がございますが、我が国はODAの中で三年間に三千億円地球環境に拠出をしていきますという約束をアルシュ・サミットのときにもお約束をしたのを今後も実行してまいりますし、その後いろいろなことにおいて努力をしていきたいと考えます。
○渡部(一)委員 ただいまの総理の御答弁でございますが、地球環境保全理事会と申し上げましたのは、UNEPの機構が国連の中では小さい、言ってみれば、率直に言うと力のないグループでございますので、それをレベルアップする機構をと、日本外交として提言していただきたいと私はお願いしたわけです。この点もぜひ御考慮いただきたいと重ねてお願いしますが、いかがでございますか。
○中山国務大臣 委員の御指摘のUNEPを格上げをして地球環境保全機構的な新機関を創設せよ、そのために日本外交としては努力せよという御趣旨は大変貴重な御意見だと思いまして、外交の一つの柱として日本は環境保全に努力しておりますから、国連の場においてそのような機構ができるために努力をしてまいるようにしたいと思います。
○渡部(一)委員 通告はしてございませんが、塩崎総務長官にお尋ねしたいと存じます。 長官、これは日経新聞の四月八日に、ポスト行革審で環境庁を拡充することを考えたい、生活環境省にしたいと画期的なことをお話しになった御様子でございますが、これは新聞記事には出ておりますが、こういう席上でお述べになっておられませんので、これはスクープなのやら何やらよくわかりませんし、正しいかどうかもわかりませんし、まことに時宜にかなう御発言だとは存じますが、その御真意をこの際お述べいただきたいと存じます。
○塩崎国務大臣 昨今、総理もたびたび言われますように、行政のあり方が消費者あるいは生活者重視の考え方が出ていることは御案内のとおりでございます。こんなようなことで新聞が想像をして書いたのがこの記事ではないか。私どものところでもそんな会議もしたこともありませんし、決定もしたことはございません。また、ポスト行革審の答申にもまだそんなふうな表現も見られません。新しいまた今後の私どもの課題の中に、行政のあり方あるいは行政機構はどうあるべきか、こんな中で考えるべき問題ではないか、こんなふうに思っております。
○渡部(一)委員 これだけ話が出ているのですから、まるっきりうそではなくて、目下検討中なんでございましょう。それで言いにくかったのでそうおっしゃったのでしょう。総理と大蔵大臣が首を横にして振っておられたから、きっとあなたはこれはまずいと思われて慎重な御発言をなさったのでしょう。これは私の想像です。ですから、この中身はいいお話ですから頑張ってやってください、びっくりしないで。いい話を仕事をしなければ、大臣としてもちませんぞ。 その次は、国連の麻薬の問題について伺いたい。 一九八五年のボン・サミット以来麻薬問題が大きくクローズアップされ、一九八七年の国際麻薬会議を経まして、アルシュ・サミット及び本年二月中旬にはついに国連麻薬特別総会が開かれたわけでございまして、麻薬問題は日本国民の中の認識とはちょっと差がございまして、人類挙げての最大の課題になったと私は思っておるわけであります。 もし、日米構造協議で、本当のことを言わしていただくならば、経済構造協議でなくて、言うんだとすれば、私はアメリカに対して最大の助言と協力をすべきものの一つは麻薬問題ではないかと思います。アメリカ国民の先日の某社の世論調査によれば、三五%が麻薬を使用したことがあり、七二%は使用者を知っていると述べたという恐るべきデータが出ておりまして、僕はむしろこれは、親愛なるアメリカとあえて言うわけでございますが、親愛なるアメリカは崩壊状態にある。これはもうとんでもない問題だと私は思うわけであります。ですから、この問題についてどれほど苦労されているかわからぬアメリカを見ましても、世界最大の強国がこれなんですから、ほかの国々においても麻薬問題は重大な問題である、それに我が国も対応していかなければいかぬと存じます。 ところが、我が国におきましては、この国会に向精神薬条約を提出されるお気持ちと承っておりまして、これは十三年前に署名された条約でございますが、大変ありがたいことだと存じております。さらに、一九八八年のいわゆる麻薬新条約についても批准を目指した作業中であると承っております。 ところが、日本はこういう、ILO条約の協議のときにも行われたことでございますが、この向精神薬条約は、聞くところによると九十四カ国が承認してから出されるという奇怪きわまることになっているのだそうであります。何でこういういいものを、そして日本の態度というものが世界的にこれは問われている真っ最中ですね、こういうものを十三年も引き延ばさなければならなかったのか。私は過去における失敗は余り問いたくはないのではございますが、これはちょっと長過ぎる。これはよろしくない。こういう判断が役所の中に漂っているというのはよくない。どうも余り感心した雰囲気ではない。ですから、将来への戒めのために、これはこの場でざんげの言葉を聞かしていただきたいと思う。そうでなきゃこれは問題ですよ、本当に。さっきから法務省なのか厚生省なのかあるいはほかのところから圧力がかかったのか、さんざん嫌らしく事前に伺いました。どうやら大体見当はつきましたけれども、この場所でどなたかが代表してお答えになることを望みます。
○長谷川国務大臣 今先生から適切な御意見を承りまして、お答えをいたします。 麻薬新条約は一昨年十二月に採択をされたところで、同条約の批准のため、国内法整備の上で刑事法についても検討を要する事項が少なくないことから、相応の準備期間が必要だと考えております。しかしながら国際的麻薬乱用防止の観点から、同条約の意義は大きいものと考えておりますので、法務省といたしましては、関係各省庁と連携を密にしながら、所要の準備作業のため全面的に協力を申し上げたいというふうに考えております。 以上であります。
○渡部(一)委員 もう一方お答えになるところがありますから……。
○津島国務大臣 渡部委員にお答え申し上げます。 向精神薬条約の批准がおくれているという御指摘、もっともでございますが、私どもの立場から申しますと、乱用問題が一番あります覚せい剤については、我が国では覚せい剤取締法がございまして厳しく取り締まってきたという意味で、当面の要請にこたえられていたということもございますし、それから有害性がもう少し低い睡眠薬等についても薬事法で所要の規制をやっていたという事情がございます。 しかしながら、睡眠薬等の向精神薬は、近年国内での使用がふえてきておる状況でございますから、委員御指摘のとおり、乱用の未然防止と国際協力の観点に立って、麻薬取締法等の一部改正法案を今国会に提出させていただきたい。また、これとあわせて向精神薬条約の批准についても、国会に提出をいたすという方向で努力をしております。
○渡部(一)委員 国際協力の観点からと今言った言葉じりをつかまえていけないけれども、その言葉遣いは余り適切でないです、こういう問題については。日本は国際的な地球の上にある一国なんだし、地球全部が麻薬で困っているときは一緒にそろってやろうという気持ちを持たなければいけない。国際協力で、自分は澄ましていて協力するんだじゃなくて、地球の一角を占める国として協調するんだという精神が将来にびりりと伝わらなければいけない。そうしなければ、大臣御就任から大変立派におなりになったんだそうですが、今までの長い間その法案がそこらで寝ていたというのはよろしくない、本当に。それは我が国の行政だけうまくやっておけば世界はどうなってもいいという感覚がほの見えている。それではどうしても遅くなってくる。それで、皆さん一生懸命やってはおられたんだろうけれども、私は余り感心したことじゃないと思いまして、わざわざがみがみ申し上げまして恐縮でございますが、今後はしっかり頑張っていただきたいと存じます。御答弁は要りません。 それから次に、国連に関係いたしまして児童の権利条約について申し上げたいと存じます。 児童の権利条約は昨年十一月二十日国連で採択されておりますが、児童権利条約の背景に一九五九年国連で採択された児童の権利宣言がございました。以来三十年たちまして、宣言の趣旨にもかかわらず今世界で多くの子供が飢え、貧困、虐待の犠牲になっております。この児童の権利条約はこうした土台を背景といたしまして、児童の権利宣言の精神を引き継ぎ、内容をさらに発展させたものと承知いたしております。特に、国連におけるユニセフの活動は児童の権利のために大変な御活躍を示され、また、お世辞を言うつもりではございませんが、大蔵大臣は親子二代にわたってそれをもう強烈に推進された方と承っております。 こういう問題については、したがって、児童に対しては虐待が日本は余りないとかあるいは貧乏が余りないなんという、すぐそういうことを言いかかる癖が我々の方にはございますから、特別にこの問題については、批准する見通しについて、また、これをどういうふうに処理しているかという点につきまして、御答弁をいただきたいと存じます。 この問題に対する考え方は大蔵大臣にお答えをいただき、批准の見通しにつきましては外務大臣のお考えを伺いたいと存じます。
○橋本国務大臣 大変お褒めにあずかりまして、ありがとうございます。今私の母親は病床にありますが、今の委員のお言葉を聞けば本当に幸せだろうと思います。ありがとうございました。
○中山国務大臣 委員御指摘のこの児童の権利に関する条約は、大変意義のあるものだというふうに積極的に評価をいたしておりまして、これの採択に参加をした経過がございます。この条約の締結に向けて全力を挙げてやってまいりたい、このように考えております。
○渡部(一)委員 総理にお願いいたしますが、ことしニューヨークで子供サミットというのがマルルーニーさんたちの提案で行われるそうでございまして、ブッシュさんも出席を約束され、ゴルバチョフさんもどうやら出席したいと述べたようでございます。日本からぜひとも総理の御出席を求めておる希望が非常に多く出ているわけでございますが、総理としてぜひとも御出席をいただいたらいかがかと私は思っておりますが、いかがでございましょうか。
○海部内閣総理大臣 過日ユニセフの事務総長がおいでになって、いろいろそういったお話も承りました。本件サミットは有意義と考えておりますので、国会の日程など諸般の状況を勘案いたしまして、出席の可能性を検討してまいりたいと思っております。
○渡部(一)委員 それでは、そこまでで国連の関係の御質問を終わらしていただきまして、今度は日米構造協議の方にちょっと移らせていただきたいと思っておるわけでございます。 日米構造協議につきましては、大変な御苦労を御担当の方がおやりになられて、論議が続いているところでございますが、さらに、日本のためにも両国関係のためにも適切な御処理をお願いしたいと思っているわけでございます。 しかしながら、今、私がこの日米構造協議の背景としてひどく気を痛めておりますのは、当委員会でも既に論議が出ております土地の問題、土地価格の安定の問題についてであります。これは、土地問題につきまして当委員会でもしばしばお話が出ておりますし、日米構造協議でも当初は大変大きなテーマになっていたそうではございますけれども、伺うところによりますと、日本の土地問題の複雑性にかんがみ、先方は要望事項を少し落とされた様子でもございますから、余計に日本独自の、日本政府の課題といたしまして、この問題に対する処理が的確でなければならぬと私は思っておるわけであります。 恐らく構造協議のどのテーマをとりましても、土地価格の問題と関連しないテーマはないと言っても過言ではない。大店法などはまさにその一つであって、たとえ幾ら大店法を廃止したとしても、土地価格が暴騰中の地域に大店が出店できるわけはない、小店すらできない、そういう特殊事情が我が方にはあるわけであります。あらゆる論理、あらゆる法律が無効になるようなこの土地問題に対する仕組み、行政指導、法律、慣行、利益団体の圧力等が渦巻いているわけであります。したがって、当委員会におきましても山ほど論議が行われましたけれども、結論としては、土地がめちゃくちゃに上がっちゃったとか、銀座の土地が一坪一億五千万だとか、この一つのことをとってみても、土地価格に対する対策はここ何十年か失敗した、結局、言葉はむだになった、法律は効き目を発揮していなかったということになると存じます。 したがって日本の今の最大の課題、これは日米構造協議でなくて、もう明らかに土地問題であります。これに全エネルギーをたたき込みませんと、二十一世紀を迎えての日本はがたがたになってしまうのではなかろうかと私は思うわけでありまして、深刻な思いを持っているのは、私は御同席の皆様と同じであります。また、政府側の皆様とも憂慮は同じであります。 したがって、この問題に対して、通常の論議はまあ一口で言うともう繰り返され過ぎた。弁明も繰り返され過ぎた。そして対案も山ほど聞いた。だけれども土地は上がる、だけれども庶民には来ないという状況が存在しているわけであります。これをどうするか、これに対するお答えを全日本国民は求めていると存じます。 私はこの問題についてたくさんの答弁は要りません。私はメモをたくさん書いて持ってきましたけれども、調べれば調べるほどわかったことが一つあります。全部むだな議論だったなということを私は痛切に感じているものですから申し上げるわけであります。どうされるおつもりか、国民に答えていただきたい。どういう切り口でこの問題にぶつかっていこうとされるのか。基本的な方針、基本的な方向で結構であります。総理以下主要閣僚にお尋ねできればありがたいと存じます。
○佐藤国務大臣 渡部先生にお答えします。 もう先生の御指摘のとおりでございまして、非常に厳しい、難しい問題でございます。日米構造協議につきましては、私たちは我が国自身の問題としてアメリカ側と十分話し合いをして、ある程度理解を得たわけでございますが、このたびの中間報告に示されておりますようなことでございます。アメリカ側は大都市地域におきまする宅地あるいは住宅の供給に関心を持った、そんなことを中間報告に取り込んだわけでございまして、これは御存じのようなことですが、昨年十二月二十一日に土地対策関係閣僚会議がやられましたが、そのときの重点事項と同じというようなことでございまして、このたびは政府一体になって当たっておるということでございます。 また、昨年の土地基本法の制定を踏まえまして、実は監視区域の適正な利用ということでございまして、強力にやっております。この間も実は愛知県、名古屋市を呼びまして厳しく言いましたし、またこの二十三日には大阪を呼びまして、各地区を呼びまして、適正な地価の安定に努力したい。 そんなことでございますが、一番大きな問題、今までは財政、金融あるいは宅地供給等問題がございまして、特にこのたびは大蔵大臣の御指示によりまして金融の総量規制もやりましたし、また、一番基本は何といっても宅地供給でございます。需要を上回る供給がされれば宅地は下がるわけでございます。そのことにつきましても、実は、国公有地の利用とか、低・未利用地の活用あるいは市街化農地の活用等を含めまして最善の努力をする決意でおります。このたびは、今までと違いますのは、総理の指示に基づきまして、政府一体となりまして何とかやりたい、こんな決意でおりまして、何分にも御理解と御協力をお願いする次第でございます。ありがとうございます。よろしくお願いします。
○橋本国務大臣 私の立場から二点申し述べます。 一点は、今国土庁長官からも触れられました土地関連融資につきまして、既に金融機関に対し総貸出額の伸び以下にこれを抑え込めということで今指導をいたしておりまして、この徹底を図っていく努力をすることが一点であります。 もう一点は、構造協議の中におきまして、土地税制について「総合的な見直しを行うこととし、今春税制調査会に小委員会を設け検討を開始し、九〇年度中に成案を得て所要の法律案の提出を図る。」という文言を挿入をいたしております。この税制調査会における小委員会の御検討について、その視点というものは二つあると考えております。一点は、まさに国民の資産格差というものの拡大の中で適正な課税を求める声にいかにしてこたえるか、もう一点は、委員自身が述べられましたように、まじめに働いている国民がどうやったら大都市部において自分の家が持てるか、その視点から土地政策の中で税はいかにあるべきか、この二点を私としては検討の視点に据えていただきたいとお願いをしているところであります。
○山本国務大臣 お答えをいたします。 農地の関係でございますが、先ほど新村先生にもお答えをしたところでございますけれども、これは先生が余り持って回って話すな、こういうことでございますから率直に申し上げますが、先ほど申し上げたとおりでございまして、市街化区域の農地転用というのは届け出でできるということでございます。 それから調整区域、これが問題だということなんで、これからこれは非常に問題になってくると思いますが、現在調整区域につきましてはできるだけ弾力的な運用ができるように考え、かつ実行していこう、こう考えておりますけれども、この間も土地関係の閣僚会議で、総理から国土庁長官を初めとして我々に対して、内閣の一番大事な問題の一つだ、総協力でこれをやり上げようじゃないかというふうな強い決意の表明もございまして、これは各省庁連絡の上で進めてまいりたいというふうに考えております。過去のことも勉強しながらやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○海部内閣総理大臣 担当大臣がそれぞれ申し上げたように、土地の問題に対する取り組みをきめ細かくやっておりますが、私は、昨年国会で御制定願った土地基本法の示す理念に従いまして、土地は投機の対象にしない、利用すべきものであるなどなどの理念を掲げるとともに、今行われておりますいろいろな政策の中で後手に回っておるものがあるのではないかとか、不十分で徹底が十分ではないではないか、いろいろな世の御批判等も踏まえ、先日の土地対策関係閣僚会議でも、思い切って土地問題に各省で取り組んでいくように強く要請もし、また、そのように今後とも前進をしていきたいと考えております。
○渡部(一)委員 まとめておっしゃっていただきましたので大変ありがたいと存じますが、私はこの際、自分で提案しないで恐縮でありますが、国民の目から見て総理にみんなが聞きたいことはたった一つだと思います。 一言で言うと、土地の値は上がりますか、下がりますか、抑えられますかと国民は聞いているのです。それに対して、長い長い演説が行われて、全部失敗してきたのです。今度はどうですかと国民は聞いていると存じます。今度こそは下げますか、今度こそは上がらないようにしますか。何かの言葉が欲しい、そこについて。そうでなかったら国民生活はもう——今学校を出る大学生たちが、これからうちを買うのか買わないかもうわからない。こんな変な日本の国じゃしようがないから外国に行こうなんと言っている青年すらいる。だからその基本が、筋ができないと、国のあれもできないけれども、家庭の基本計画もできないんですね。古い言葉で恒産なければ恒心なしという言葉がありますが、財産に対して確定したきちんとした基本財産の部分がない。むしろ、僕はこれは計画だと思います。見通しだと思います。それがなければ恒心、安定した精神状態というのは生まれない。古い中国の人はうまく言ったもんだと私は思います。 そこで総理に申し上げるのですが、総理、これにどうお答えになりますか。土地はこれで日本政府の方針を信用して上がらないと見ていいのか悪いのか、それを国民に答えていただきたい。その答えがきょうのこの問題に対する質疑の最後の答えです。
○佐藤国務大臣 総理の前に、私が担当大臣でございましてお答えしたいと思います。 今先生の御指摘のとおりで、これは一番大きな問題でございますが、今やっておりますことは基本的に、ことしの地価公示で全国で一七%アップしまして、大阪では五七%アップしているということでございまして、全国平均大変な地価が値上がりしたわけですが、現在この急激な値上がりをとめるということで地価の安定を第一に努力しております。その後は地価を下げることですが、現段階におきましては地価の安定に全力を挙げていきたい。 それからもう一つは、日本人は土地神話がございまして、土地を持っておけば必ずよくなる。それからまた一つは、日本全国各地いろいろなプロジェクトがございますが、それに対する期待もあるということでございます。そんなことでございまして、土地神話をどうしてなくすか、このことを含めて地価の安定に努力している、このように御理解願いたいと思うわけでございます。
○海部内閣総理大臣 理想を言えば土地は今異常な高騰をしておるわけでありますから、政府としては、先ほど来いろいろ担当大臣が答えておりますように、供給を促進することや一極集中を排除することによって何とかしていきたい。少なくともこれ以上値上がりをしないようにするために、監視区域を効果的に、思い切って後手にならないようにしてほしいと言っておりますが、政府、おまえ何ができるか、総理の決意でやれるかと言われても、これは国民の皆さんの御理解と御協力がなければなかなか難しい問題でございます。逆に言うと、私はこの問題について、国民の皆さんの願いがそこにあるというならば、どうぞ皆さんにも御理解を願って、いろいろな御指導もしておるわけでありますから、全国民的に挙げて御協力をいただきたいと思います。 政府は先頭に立って、まずこれ以上上がらないようにできる限りの努力をいたします。そして究極の目標を目指して、できるだけ供給を出したりしながら何とか下がるようなことを理想的な目標として置いて努力をしてまいりますので、どうか御理解と多くの立場の国民の皆さんの御協力をお願いしたいと思います。
○渡部(一)委員 土地の問題が解決しないのを生臭く言えば、日本国内にある猛烈なおのおののグループの利権、それに伴うところの圧力だと私は思います。総理が政治だけで、政府だけでできない、国民の協力もとおっしゃったのは、それを言おうとされたのだろうと思います。私は、国民へこれとこれを協力してくれと言うことも行政の範疇に入るとも存じます。したがって、総理は、みずからの雄弁をもって国民にこれとこれだけはやってくれなきゃできないということも一緒におっしゃるべきだし、それが国民の中に浸透して初めて行政の基礎ができるのではないかと私は思うわけでございまして、あえて失礼を省みず先ほどからがあがあがあがあ申し上げたわけであります。ひとつ頑張っていただきますように。 私は今のお話を聞く限りは、理想的に、理想としているという前提つきでおっしゃったので、まだ上がるとも下がるともどうなっていくかとも何とも自信のないお答えだったなと存じます。だけれども、本委員会でも次の委員会でも恐らく国民の願いを代表された委員たちが次々と提言なり御質問なりされることでございましょう。それをひとつお答えいただきたいと存じます。私への答弁でなくて結構ですから、お答えいただきたいと思う。 この手ならうまくいくと言ってもらいたい。韓国でも勇敢なる大統領がやった、台湾でもやったのがいた、中国大陸でもいた、何で日本はいないのか、そんなことを言われている日本の政府なんていうのは、私はみっともないと思う。じゃ、おまえが総理になったらやれるのかと言われたら、私はそれこそ命がけでやろうとするだろうと思いますが、難問だろうとは思います。これは大問題だけれども、それは閣僚としてその場所に座っておる者の責任ではないでしょうか。ひとつ頑張っていただきますようにお願いしたいと存じます。 次に移りまして、またまた難問なんですが、もう楽な問題は一つもございませんが、日中関係について伺いたいと存じます。 天安門事件以来と明快に申し上げた方がいいと思いますが、日中問題はこじれておりまして、何とも日本政府の方針も日中関係について停止状態にあるように見えるわけであります。経済関係の問題では、この間の世銀の融資を考慮されつつアルシュ・サミットにおける決議文に基づいておやりになっているのは承知をいたしております。そして、そのとおりだと言っているわけではございませんけれども、日本の立場としてそこを一つのスタンダードにしておるのもよくわかるわけでありますが、この日中関係、どういうふうにやっていこうとしておられるのか。一つは経済関係、一つは外交問題としてどういうふうにしようとされているのか。今の状態でいくと、第三次借款がストップしているというだけでなくて、人間的な交流も文化交流もみんなとまってしまった。そして、何だか手を組むんだか組まないんだかもわからない、忠告するのかしないのかもわからないという状況に突っ込んじゃったように見えるわけであります。このところをまず大蔵大臣、外務大臣に聞かせていただきたいと存じます。
○中山国務大臣 委員も御指摘のように、この隣国中国との関係は、天安門事件発生までは非常な進み方をしておったと思います。しかし、残念ながら天安門事件が発生をし、さらにこのアルシュ・サミットでの各国首脳との話し合いの結果、この中国に対して、改革・開放路線を進めてもらいたい、西側諸国との話し合いももっと進めてもらいたいという要望を続けてまいっております。 そういう中で、さきに西欧を訪問された海部総理は、この中国に対する日本の考え方を、会われた各国の首脳に主張をされてこられました。すなわち、世界の平和のためには中国を孤立さすべきではないというのが日本の意見であるということを各国の首脳にお話をされたことを、私は同席をして伺っておりましたけれども、今日も同じ考え方で日本政府はおります。 先般、一月に鄒家華国務委員訪日の機会に両国間の意見の一致を見ましたとおり、現在、九〇年度の新規案件に関する予備的準備行為として事前調査等を進めております。先般、経済協力局長を北京に派遣をいたしておることも御存じのとおりであります。 いずれにいたしましても、我が国としては、今後日中双方の努力によって日中関係改善のプロセスに弾みがつき、今後の第三次円借款を含む新規案件と供与を行うための環境が整ってくることを期待をいたしております。 なお、近く外務次官級の協議を行うために外務省の小和田外務審議官を北京に派遣をし、忌憚のない意見を交換をさせてくるための準備をただいま進めておるところでございます。
○橋本国務大臣 今、総理の東欧訪問の際の各国首脳に対する日本政府の見解、また、外務大臣からお話がありましたものと基本線は何ら私も変わるものではございません。ただ、私自身が考えておりますことをきのう藤田委員にお答えを申し上げましたけれども、私は、第三次円借款の中で、例えば民生安定に資するものであり、しかも、日本が抜け駆けの貿易をしようというような疑いを避けるために、アンタイドな案件であるならばそろそろ動かしていいではないかという気持ちを持っておりますし、また、折あるごとにそうした見解を外国の私どもを訪れられる方々にあるいはお目にかかる際に申し上げてまいりました。これは、世銀の融資につきましても、いわば人道上の見地からのものについては既に動いておるわけでありまして、同様の趣旨の延長線上のものと私は理解をしており、総理、外務大臣の示された方針にたがうものではないと思っております。
○渡部(一)委員 総理、この日中関係というものは、我が国にとって、一時的にはいろいろなことがあるかもしれませんけれども、長期的視野で見れば日中関係の安定、維持、発展というのは大変大きなテーマになると存じておるわけでございます。総理の基本的な姿勢をお示しいただきたいと存じております。 僕は、この問題について米国政府のやり方はちょっと納得できないところがあります。例えば去年の十二月十九日、通信衛星については対中輸出を解禁してしまったり、アメリカの輸銀の対中関係企業への融資は再開してしまったり、かなりさっさとおやりになっておられる。そして、ほかの国に対してはだめとおっしゃるところがある。どうも少しその辺は納得しがたい。私はこれで思いますことは、おのおのの政府のとり得べき立場というのがあるのではないか、東洋的な道義の国として、日本は人権問題について一定の良識を持つと同時に、それと同時に長期的な日中関係の安定に対してもなすべきところがあっていいのではなかろうか、工夫があっていいのではないかというような感じがするものですから、もう一回お尋ねするわけであります。
○海部内閣総理大臣 中国の問題は、中国を孤立させてはいけない、そして日中両国の関係というのはアジアにとっても世界にとっても大切な関係になるという委員の御指摘は、私も全く同感でおります。そして、西側の首脳ともいろいろ話をいたしましたときに、私は、中国が改革・開放路線を捨てないで、アジアで孤立させないで、民主化の動きを定着するように日本としてはいろいろ考えていきたい、また、中国自身にも、国際社会、特に西側との間の関係改善のためにも何かシグナルを出して努力をしてほしい、双方の努力によっていい環境をつくっていくべきだということを盛んに言ってまいりました。ただいまのところ、外務大臣が申し上げましたように、人物の接触もありますし、私もこの間鄒家華国務委員とはお目にかかりました。また、調査的、準備的段階の人物の接触は引き続いて行っておりますけれども、基礎的な人道主義に基づく案件についてアンタイドでどのようなことができるのか、どうしたらいいのか、双方の努力によっていい環境づくりを今鋭意模索中であるというところでございます。
○渡部(一)委員 それでは日中を終わりまして、実は日米の物価価格差の問題につきまして少し詳しくやりたかったのですが、時間がなくなりましたので、きょうはそれは割愛させていただきたいと存じます。 ただ、一つだけ申し上げますが、日米の物価の値段を調べていただいたデータ、私どもが自分たちで調べたデータ、全部並べてみて痛感いたしましたことは、両方の国の製品についてはまあ大体同じようなところがございますが、どうして生鮮食料品に関してはこんなに違うのかというのが率直な印象であります。野菜とか魚とか肉とか穀物とかいうものになりますと、ひどいものでは三倍も四倍もする。そして、これは毎日口に入るものですから、家庭の御婦人から見れば甚だおもしろくない状況というのが生まれておる。政府の御施策の結論としてそうなっているのはわかりますけれども、不愉快であるということはもう浸透してきているわけであります。私の町では、アメリカに生鮮食料品を買いに行こうというパック旅行をつくろうなどというお話をされているグループさえあるわけでございますが、恐らく持って帰ってくる途中で税関で阻止されたりなさることだろうと私は冷や冷やしているわけであります。こういう話が出てくるぐらい庶民の、家庭婦人の、それこそ毎日お買い物をなさる方を一番怒らせている部分がこの価格問題で、放置されている、適切な対応が出ていないなという感じがするわけであります。これをお答えいただくといいのですが、またお答えが物すごく長くなるだろうと思いますが、私は一つ提案をしてお答えをいただきたい。 それは、消費者問題担当大臣というのがいないなというのを感ずるわけであります。消費者問題を担当する部局は各省庁にある。また、閣僚の懇談会もある。だけれども、中心がどなただかよくわからない。生産と流通の方は一生懸命やっておられるが、担当大臣が明確でないなということを感ずるわけであります。これは私の方から指名するのは甚だ恐縮でございますが、経企庁長官が消費者問題担当大臣になられるのか、通産大臣がそうなられるのか、あるいは皆さんが指でいろいろとサインをしておられますから既にお話し合いもいろいろあることでございましょうが、どなたかを担当にして命がけで消費者問題はこうだという方がなければうまくいかないのは、今の行政の中で当たり前の理屈だろうと存じます。この問題についてひとつお答えいただきたいと存じます。
○相沢国務大臣 別に物価問題担当大臣という辞令をいただいておりませんが、企画庁の所掌事務といたしまして、企画庁設置法の第四条の十一号に「物価に関する基本的な政策の企画立案に関すること。」それから第十二号に「物価に関する基本的な政策に関する関係行政機関の重要な政策及び計画の総合調整に関すること。」ということが書いてございます。もちろん消費者物価の問題は関係する各省が非常に多いわけでありまして、また、その施策といたしましても各省庁の行政にわたることでありますので、どこかの省庁がこれを専ら担当するというわけにはまいりませんが、企画庁といたしまして、今申し上げましたような設置法上の職務がございますので、これからもひとつ積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○渡部(一)委員 物価問題の調整とおっしゃると、総理、これは調整するだけで、物価を上げていいんだか下げていいんだかよくわからない。私が今言ったのは、消費者の立場に立って物価を扱う担当大臣をお決めいただけないかと申し上げているわけであります。それは経企庁長官だと思っておられるのかどうか、そう命令されておられるのかどうか、そこをはっきりお答えいただきたいと存じます。
○海部内閣総理大臣 経済企画庁長官が物価に関して所管をしてもらう、それはそうだと私は理解しております。消費者です、消費者行政。物価局もございますし……。法律の根拠もありますから、法制局長官から法律的なことは申し上げさせます。
○工藤政府委員 ただいま総理並びに経済企画庁長官からお答えございましたが、経済企画庁の設置法ももとよりでございますが、例えば消費者保護基本法におきましても、消費者保護会議、これは総理府に置かれますが、その主宰は、会長は内閣総理大臣でございますが、「会議の庶務は、経済企画庁において処理する。」こういう規定もございます。
○渡部(一)委員 それでは次に、私は沖縄の米軍基地の問題について触れたいと存じます。 沖縄の米軍基地につきましては、日本国内において一番大きな比率で米軍基地があるわけでございまして、ここの地域におけるところの返還への要望は極めて強いものがあります。既に昭和四十八年以来、三度にわたる日米安保協議委員会の席上、返還が約束されておられるわけでございますが、その返還が約束されているもののうち、四六・五%しか返還されておらず、半分以上は未返還であります。 しかも、この問題につきまして、公明党の石田委員長が沖縄におきまして米軍基地を訪問したところ、先方は、今まで代替基地、かわりのものを用意するのでなかったら返還はちょっとしにくいんだという立場を覆しまして、一部は代替基地がなくとも返還するということで作業を実は始めております、日本の国会における議員の御活躍はとみに存じ上げておるが、日本側におかれても、アメリカ側におかれても、そういう沖縄における基地を安定的に推移するためには返還がスムーズにいくことが望ましいと我々ですら思っているのであって、御論議をきわめていただきたいというような趣旨の表明があったわけであります。 そこで私どもは、見ておりましたところ、ここのところ米軍関係及びアメリカ政府の関係から非常にたくさんの米軍基地削減に関するペーパーが報道されており、あるいは発表されているのを見てきたわけでございます。中でも、アメリカの駐在大使、アマコスト大使は、在沖縄海兵隊の撤退は否定はいたしましたけれども、整理統合に積極的な姿勢を示され、これについては三年以内の部隊再編を示された後、個人的な意見として、「春の終わりか夏の初めごろには合意に達するだろう」と述べられたところであります。 また、砂田重民沖縄開発庁長官におかれましては、現地の会見のペーパーなので、新聞紙上を通しての言葉なので、明快ではございませんけれども、「日米合同委員会の上部機関の協議会で返還場所や返還日程の合意を得ている。個別に返還場所や条件などについての計画もできている」、さらに「返還が実現しても跡利用計画について余程準備しておかないと、現実的な返還にならない場合がある。これまでにもそういう例は経験している。県は市町村や地主との意見をまとめ、跡利用の計画を固めてほしい」と勧告されたということであります。 これは所管大臣が、交渉は外務大臣が所管でありますから、恐らく外務大臣のお話を聞かれましてこういうお話になったのだろうと推測するわけでございます。多少の表明の言葉じりをつかまえてとやかく言うつもりはございません。これはちょっと言葉としては不正確でありますから、それをとやかく言うつもりは全くありません。しかし、この返還に対する期待が沖縄県全体で盛り上がっているという事情から、それなんだけれども、様子をよく伺ってみると、それほどとんとん拍子に春の終わり、夏の初めなどというふうに、桜が咲いたり、梅が咲いたりするような調子でいくというわけでもなさそうだというのも私は感じるわけであります。したがって、今どこまでこうなっておられるのか。 こういう言葉で動かされてくると、跡利用計画、跡地利用計画などについて既に地上げ屋が走り回っておりまして、この地域が実は政治家の某先生のお言葉によってもう返還されることになっておる、返還される以上はその土地を一緒になって合弁事業で何とかホテルを建てようとか、何とかビーチをつくろうとかそういう話が地元で走り始めておって、よくない雰囲気がもう漂っておるわけですね。決してこういうのはよろしくない。 私は、したがって、外務省の交渉されている方がぴしゃっとお話しなさっていないのが一つは問題だと思うし、何もかもしゃべるというのは一定の限界があるにしても、返還ができ得るところについては、合意がまとまったところについては中間報告の形でも明示される必要があるのではないか、こんな感じがしているわけであります。この問題に対しての政府側の御答弁を求めたいと存じます。
○松浦政府委員 最初に、米国側との折衝をしております外務省からお答えしたいと思います。 先生から今詳しく御披露がございましたけれども、沖縄で米軍施設、区域の整理統合に関しまして大変な期待が高まって、いろいろ要望が出ていることは、私どもも重々承知しております。それから、最近に至りまして、今先生が引用されましたアマコスト大使等の会見が大きく沖縄で報道されておることも承知しております。 現在、先生が今まさに御指摘されましたように、外務省が中心になりまして米国側と鋭意折衝しているところでございまして、日米の合同委員会という場がございまして、これは不肖私が日本側の代表でございますが、その場で鋭意検討しておりまして、先生御指摘のように、この日米安全保障協議委員会で、大分さかのぼりますけれども、六十三件合意をしていながらもまだ四六%しか返還されていない。件数で申し上げますと、実は四十五件返還を見ておりまして、残りが十八件でございますけれども、面積で見ますと、先生御指摘のように四五・七%、約四六%しか返ってきておりませんで、残りが五四%ございます。 それに加えまして、沖縄県知事から要望が出ております具体的な要望が七件ございますので、この二十五件を対象にいたしまして今鋭意検討しておりまして、先生が御指摘されましたように、いろいろ折衝は難航しておりまして、残念ながら現時点でも具体的な見通しをちょっと申し上げかねますけれども、私としては、でき得る限り早く米国側と合意に達しまして具体的な成果を出したい。そして、先生御指摘のように沖縄でいろいろな報道がございますので、できるだけ一定の成果なりとも公表をすることを考えてまいりたい、こういうふうに思っております。
○砂田国務大臣 渡部委員にお答えを申し上げます。 沖縄開発庁長官の見解をこの機会に申し上げておきたいと思います。 沖縄の米軍施設、区域は今なお沖縄県土全体で一一%、本島だけに限って申し上げれば二〇%を占めております。基地密度が大変高く、依然として地域開発や県民の日常生活上でもさまざまな影響を与えておりますのが現実の姿でございます。 米軍施設、区域の整理縮小については私の直接の所管ではございませんが、私の直接の所管でございます、総理が決定をされました沖縄県の第二次振興開発計画、第九年度に入っているわけでありますけれども、この中には明文化されている事項がございます。土地利用上大きな制約となっている米軍施設、区域をできるだけ早期に整理縮小し、産業の振興、生活環境の整備に資するよう跡地の有効利用を図るための施策を推進するということが二次振計で明文化されているわけでございます。これからの沖縄の振興開発を進める上で解決を要する基本的な課題の一つと認識をいたしております。 先ほど渡部委員が御指摘になりました沖縄におきます私の発言は、四十八年から五十一年にかけての第十四回、十五回、十六回の日米安全保障協議委員会におきまして、米軍施設、区域の整理統合計画として合意を見ているわけでございます。第十五回の委員会で、日米両国は日米合同委員会における必要な作業を含め、この整理統合計画の迅速なる実施を図るとの意向を表明をいたしております。これを受けての私の発言でございました。 私は沖縄県を指導する立場にはございませんけれども、渡部委員も御指摘になりましたような好ましくない状態を耳にするものでございますから、指導ではございませんが、どういう言葉を使えばいいのか、アドバイスとでも申しますか、市町村がやはり中心になって県の指導を受けながら跡地利用の計画を進めておかれる必要がある。そのことが、今渡部委員も御指摘になりましたような、好ましくない状態を回避できるゆえんではないか。このこともつけ加えて沖縄での私の発言となったわけでございます。
○渡部(一)委員 先ほど北米局長が、中間的にも御報告をしつつやっていくとおっしゃったことは画期的なことだと存じます。局長の御答弁でございますので、重ねてで恐縮でございますが、外務大臣、そういう御方針で近々返還のこの辺というのは大臣の方から御発表になる、こういうふうに理解してよろしいわけでございますね。
○中山国務大臣 今先生から御確認のお話がございましたが、北米局長が御答弁申し上げましたとおり、鋭意適当な時期に中間報告をさせていただきたいと考えております。
○渡部(一)委員 なるべく早くやっていただくようにお願いいたします。少なくとももう春の終わり、夏の初めという言葉が一つ出ているわけですから、それより後ろへ下がったりいたしますと相当の大騒動が起こると思われますので、お含みをいただきたいと存じます。大臣はうなずいておられますから、それでいいということにいたしましょう。 では次に、ゴルフ場の農薬汚染問題についてお尋ねをしたいと存じます。 実はゴルフ場が、政府の方からちょうだいしたペーパーでございますが、平成元年二月一日現在で、既設のゴルフ場が一千六百四十カ所、造成中が二百九十八カ所、そして計画中が四百十一カ所あるのだそうでございまして、まことに日本列島挙げてゴルフ列島と言う批評家があるほど多くなってきたわけでございます。これは少しオーバーぎみではなかろうか。日本じゅうゴルフ場にしちゃうみたいな感じになってまいりまして、余り感心しないという批評は既に多くあるわけでございますが、きょうはその中でも、ゴルフ場におきまして農薬が使われているわけでございますが、農薬を使うために地元住民との間に大きな紛争が発生をいたしているわけであります。これはただごとではないわけでございまして、私もひどく憂えている一人でございます。 まず、ゴルフ場に農薬をまくのが適正かどうかという話になるわけでございますが、農林省はゴルフ場に農薬をどれだけまくのが適正かなどということを言えるはずがない。ゴルフ場は農林省の管轄でないからであります。ただ、農薬を使うとすれば農業基準に照らすと大体こんなことだよという話をされておられるだけだろうと私は思うわけであります。つまり農林省は、ちょっとその辺がいつもあいまいなのでありますが、農林省が農薬として使う基準を持ってきてゴルフ場に当てはめることが正しかろうという推測で仕事をしておられるということはわかるが、ゴルフ場というのは農場ではございませんので、特殊条件がたくさんあるわけであります。その特殊条件はこれからいろいろ申し上げますけれども、ゴルフ場に対して農薬を適正使用という言葉で言っておられる御様子でございますのでその言葉を使って申すわけでございますが、ゴルフ場に対する農薬使用をどういうふうに適正に使うように考えておられるのか、まず農水省の方から承ります。
○松山政府委員 農薬を使用いたします場合、人畜なり周辺環境に対します安全ということを確保していくことが基本的に重要である、このように認識をいたしておるわけでございます。 そこで、先生御案内のように、農薬につきましては、農薬取締法に基づきまして、毒性でございますとか残留性等の試験データをもとに環境庁の長官がお定めいただきました基準に照らしまして、私どもの方で厳正に検査し、適正な使用方法を定めて、登録したものでなければ販売できない、使ってはいかぬという、そういう形をとっておるわけでございますので、一般にそういった登録された農薬を適正に使用していただく、これが私どもの基本的な考え方でございます。 それではどういうふうなことをやってきているのかということになるわけでございますが、これまでも都道府県等とも連携してやってまいりました指導を、特に一昨年の八月でございますが、通達を発しまして、今申しましたような登録農薬の使用なり使用方法の遵守といったような安全使用に関します指導を強化するようにという通達を出したところでございます。これを踏まえまして、各都道府県におきまして指導要綱なり指導指針の作成が既にかなり進められる等、研修会の開催なども行われるといったような取り組みもございます。 そういう実態を踏まえながら、平成二年度からの私どもの対策といたしましては、今御審議をいただいております予算におきまして新しい予算をお願いしておるわけでございます。それは、各地域のゴルフ場によりまして地形その他も違いますし、病害虫の発生の状況も違ってまいりますので、そういった各地域の実態を踏まえたゴルフ場等におきます安全防除指針をそれぞれ策定する、あるいは周辺環境に影響を与えないような農薬の適正使用の徹底を図っていく、こういう観点からの緊急対策事業を実は予定しておるわけでございまして、こういうものを有効に活用しながら農薬の適正使用の推進に努めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○渡部(一)委員 ゴルフ場における農薬使用に起因すると疑われているようなケース、どういうものがあってどういうふうに対処されたか、承りたいと存じます。
○松山政府委員 ゴルフ場におきます農薬使用に伴います危被害を都道府県から報告を受けておるわけでございますが、去年の十一月、北海道の広島町というところのゴルフ場で雪腐れ病防除のために散布いたしました薬剤が、当日大雨が降りまして、それがそのまま流出いたしまして、下流にございました養魚池に流入して、ヤマメなどの養殖魚の大量へい死を招いたという事故が生じたわけでございます。北海道庁におきましては、直ちに担当官を派遣いたしまして、養魚池の水質調査等の原因調査を行う、同時に農薬使用に関します立入検査も実施いたしました。それで、事情を調べますと、降雨時に薬剤散布を行っておるといったようなそのやり方に大変適切を欠くところがあったようでございまして、そういう意味では、道庁といたしましては、当該ゴルフ場の事業者に対して厳重に注意いたしますとともに、再発防止のための指導の徹底を図っておる、こういう報告を受けておるところでございます。 私ども、こういう事態を踏まえまして、去年の十二月に、こういった例が出たからしっかりやるようにという、いわば危被害の防止の徹底につきましての私どもの関係の通達を新たに発出したところでございます。
○渡部(一)委員 ゴルフ場でいかなる農薬が使用されているのか、その種類とか数量とかを公表するように誘導、指導されるべきではないかと存じますが、いかがでしょうか。
○松山政府委員 ゴルフ場におきます農薬の使用状態につきましては、ただいま私の方からお答え申し上げましたようなことで、適正指導の一環といたしまして、各都道府県において当然指導しながら実情を聞く、こういうふうな形の実態把握に努めておるところでございます。都道府県では、そういった結果を各地域の実情に応じまして公表をしておるというふうに理解をいたしております。 私ども、やはり今後ともゴルフ場におきます適正使用という観点からは、できるだけきちっとした実態の把握を行いながらそういう指導を行っていく必要があるというふうに考えておるわけでございますけれども、今の実態調査結果の公表を含めて各都道府県で具体的にどのような形でやっていくのがいいのかというのは、やはり各都道府県の御判断ということにはなろうかと思いますけれども、得られた情報はやはりできるだけ明らかにしていくといったことが望ましいのは当然でございますので、そういう考え方で都道府県の指導に当たっていきたい、このように考えております。
○渡部(一)委員 これは、農林水産省が各都道府県にその使った農薬を公表させるとおっしゃいましたが、画期的なことだと思うのです。これはすごい。僕はこれは大いに評価します。 それと同時に、都道府県の指導にゆだねてとおっしゃいましたが、それで私はちょっと注文があるのです。というのは、この農薬について当委員会で前にも議論をさせていただいたことがあるのですが、農薬は何を使っておられるのか。これは農林水産省からちょうだいしたペーパーなんですが、もうお答えを待っているとスピードがのろいので私が読み上げます。ゴルフ場において主な使用農薬はどういうものがあるのですかと聞きました。主な方から挙げてもらいました。 殺虫剤については、MEP乳剤、ダイアジノン乳剤、ダイアジノン粒剤、DEP乳剤、イソフェンホス粒剤、イソキサチオン乳剤、酒石酸モランテル液剤、これが多く使われております。 殺菌剤については、キャプタン水和剤、TPN水和剤、イソプロチオラン・フルトラニル水和剤、チウラム水和剤、トルクロホスメチル水和剤、有機銅水和剤、イプロジオン水和剤、チウラム・TPN水和剤。もうちょっとで終わりますから待ってください。 それから除草剤については、アシュラム液剤、べスロジン乳剤、CAT水和剤、ペンディメタリン水和剤、プロピザミド水和剤、シデュロン水和剤、SAP乳剤、MCPP液剤、ベスロジン水和剤、これは多く使われているものであります。 ところが、これが実は毒性があるのです。有名な、すさまじいのがありまして、このゴルフ場における農薬の毒性というのは、急性毒性、魚毒性、魚の毒ですね、それから特殊毒性の三つで評価されるわけでありますが、この特殊毒性というのはどういうものがあるかといいますと、発がん性、催奇形性、変異原性であります。発がん性というのはがんができる。催奇形性というのは、動物の体に入りますと奇形児が発生するのをいうわけであります。変異原性というのは、体の中の遣伝子なんかに影響を与えておかしくしてしまうというのがあるわけであります。ところが、この特殊毒性については、ゴルフ場側が余りうまく対応できていない。知らないわけですね、簡単に言いますと。それだけじゃなくて、農民も、これについては余りよく知らないが、あれは余りよくないぞというので使わないようにようやくなってきたという程度なのであります。つまり、農薬の中には大変危険なものがある。そういう農薬という基準に照らして使えば安全だとおっしゃいますけれども、数量その他を厳格に管理する以外にはまずいのではないかというものがあります。 例えば、ただいまお話しいたしました殺菌剤の中で、キャプタン水和剤と今申し上げましたが、このキャプタンとか、またダコニールとかいうものにつきましては、発がん性がございまして、魚毒性では一番強いものが入っているわけであります。したがって上でまいて養魚場に入って魚が全部死んだというのは、これはもう当たり前の話なのでございます。 また、CAT、シマジンというのがございますけれども、これは有名な発がん物質でございまして、発がん性がございまして、適切ではない。 また、オキサジアゾンという除草剤がございますが、これも発がん性がある。 また、ダイアジノン、これはちょっと園芸をやっておられる方はよく御存じでございますが、殺虫剤で使われるのでございますけれども、これは急性毒性が極めて強うございまして、有機燐系の農薬でございますが、脊椎変形を誘発する能力があるわけであります。ですから、毛虫なんかにやりますと背骨が折れてしまうという特性がございます。これをまきますと、虫やその他に効くことは確かなんですけれども、人間にも効くというおそれが十分にある。 WHOなどにおきましては、これらのものは毒性が極めて強いものですから、残留がゼロあるいは使用がゼロという規制を持っておりまして、日本の農薬基準はこの点についてはちょっと甘過ぎるのではないかと言われているわけであります。つまり、発がん性、変異原性、催奇形性などという特殊毒性につきましては、アメリカ側の考え方は安全濃度ゼロといっておるわけでございまして、要するに使うなと言っているわけであります。 ところが、今申し上げました千七百のゴルフ場のうち約二百五十ばかりが、ゴルフ場の下のところに取水口、つまり貯水池とかあるいは飲料水の水をとる穴を持っておるわけであります。したがって、この農薬が流れ込んでしまうことを意味するわけであります。そうすると、これは下流地域あるいは下の方にいる農民とゴルフ場との間の関係で、ちょっとこれはまずいよと言っているのでは済まなくなるわけですね。そんなところへどうして取水口を設けるのだと一方では言いたいでしょうが、一方から言えば、取水口の上にゴルフ場をつくるとは何事だという話にならざるを得ぬわけであります。それが人体に対してどういう影響性があるかとなりますと、これがまた面倒くさい話になるわけでございまして、濃度が比較的薄い量の毒性というものに関しては多年にわたるところの動物試験を必要とするのであって、国際的にもこうといって安心のできるような評価基準はないわけであります。 したがって、このゴルフ場における使用農薬の中で、私は余りうれしくないものも幾つか拝見したわけでありますが、特にあるペーパーによりますと、2・4Dを使っているという報告があるわけであります。2・4Dというのは、ベトナム戦争中にアメリカ軍が使用をいたしまして、奇形児誕生の原因になったという、あれのときに使ったものは二つございまして、そのうちの一つが2・4Dであります。この2・4Dというのはダイオキシンというのを発生するわけでございまして、このダイオキシンというのは、催奇形性、発がん性があるのはもう御承知のとおりであります。べトちゃん、ドクちゃんを昔、日本でお招きして治療行為に当たられた皆様方とされましては十分御承知のとおりであります。こんなものまで、2・4Dまで使ってばらまいておるというゴルフ場がある。それを規制しないでほうっておくということになると、これはいかがなものか。これはまさに都道府県段階などに任せておけるアイテムではないのではないかなと私は思うわけであります。 そこで、これはまことにきょうは爆弾的に申し上げて恐縮でありますが、農林水産省は、農薬として使うことには基準を持ち合わせておりますが、それが取水口の上でまかれたことに対して基準を持っているはずがないと私は言いたい。また、有機燐系のものは、ばらまきましてしばらくすると空中へ舞い上がる癖がございます。有機燐系のものは、顔や目に当たりますと、目玉や鼻やなんかに非常に悪い影響を与えるというのは御承知のとおりでありまして、有機燐系のものをもしゴルフ場で大量にばらまいたところがあったとすれば、それが舞い上がったためにキャディーたちの目あるいは神経あるいは脊髄等に対して疾患が出ることが予想されるわけであります。私は予想という言葉を使って申し上げておりまして、断定的に言っているのではございません。ただ、キャディーたちの報告の中にはそういうものが多い。また時々、晴れた日にプレーをされた方が目が痛いということは同僚の方々からも承っているところでございますね。 そうすると、こういう問題についてはちょうど行政の谷間にある。ゴルフ場をつくる許可権が農林省にあるわけではない。農薬について農林省は、農薬として使うならという基準を持っておるだけである。厚生省は被害が出た病人に対して責任を持っておる。文部省はゴルフ場をつくることについて、いいよ、ゴルフはすばらしいというあれは持っておる。そして、こういうことを全部まとめてだれがやるというところがちょっとない。ちょっとまずいんじゃないかと思うのですね。ですから私は、申しわけないんですけれども、これはどこの省庁にお願いしたらいいんだかわかりませんけれども、早速対策をお立てになって、ちょっとゴルフ場の建設も待っていただいて、少し数が多くなり過ぎましたから、地方自治体でもコントロールはされておられますけれども、数もちょっと規制する、農薬の使い方もちょっと待てと言わなければいけない。本当のことを言ったら、疑わしきは使用せずというのが厚生省の管轄される食品添加物などに対しての考え方でありますから、これは一応とめる、ちょっとやめると言う、そうしておいて研究し直すというぐらいの大胆なところが要るのではないか。まだ今春先でございますから、こうした農薬を非常にたくさん使わなければなりませんし、こういうところをひとつお答えをというか決断を聞かせていただけるとありがたいと存じます。
○山本国務大臣 先生、農薬の方を先に申し上げます。 正直申し上げますと、けさいろいろ勉強いたしました。それで、農薬使用について御質問がある、こういうことでございましたので、農薬をずっと調べようと思いましたら、役人の方から御注意がありまして、それはもう先生の方が御専門なので余り余分なことはしない方がいい、こういうことでございまして、なるほど今お聞きをしましたらまさにそのとおりだ。ただこれは私ども、ゴルフ場は確かに農薬は決められた農薬を適正に使用させるということで今までやってまいりましたけれども、事故がやはり出てまいりまして、北海道の事件などもあったということでございますから、その点につきましては、また都道府県にもさらに念押しをいたします。 それから予算も、今御審議いただいている予算が平成二年度予算、かなりの額をそれに充当できるというふうにも思っておりますので、指導を強めてまいりたい。農薬のことは勉強いたします。 以上でございます。
○津島国務大臣 渡部委員御指摘の、農薬の人体に対する影響という意味では、厚生省としても重大な関心を持っておるわけでございますが、特に水道水としての水質に関する影響ということでは、現在、生活環境審議会水道部会水質専門委員会でゴルフ場で使用される主要な農薬について水質の目標値を作成するための検討をお願いしておるわけでありますが、この検討結果を踏まえて適切に対処しなければならないと思っております。 なお、その他、今委員が御指摘のいろいろな問題があることは承知しておりますので、農薬の取り締まり、水質汚濁防止法を所管する農林水産省、環境庁と密接な連携をとりながら対処してまいりたいと思います。
○武藤国務大臣 いわゆるゴルフの事業をサービス事業という観点から、その点を私の方で所管をさせていただいておりますので、今先生から御指摘のことは大変人体にも影響を及ぼすことでございますから、これは真剣に各省の御協力をいただいて、何らかの形でひとついい方向を見出したい、こう考えております。
○渡部(一)委員 僕もしつこいんだけれども、もう一つ言っておきますよ。 このゴルフ場について環境庁が発言しておるのがあるのです、昔。昨年の通常国会において、地下水汚染を防止する目的で水濁法改正法案というのが成立しております。そのときに環境庁は、地下水の回路メカニズムの解明を急ぐ必要があると述べられたんです。ということは、地下水のところに上から農薬やなんか下がってきますと、一遍そこの地下水から農薬が出るようになると、後、幾ら雨が降ろうと何しようと回路が全部農薬汚染になってしまう、それで飲めなくなるという状況がもう発見されておるわけであります。したがって、その水濁法改正法案のときに、環境庁は代表して、これは非常に問題だ、だから水源になるようなところではこうしたことはよほど考えなきゃいかぬという意図をもう既に表明されておるわけですね。だから、山の上のゴルフ場というのは、もう原則的に、こういうルールからいうと危ないわけだ。この点ひとつ環境庁としては、その辺よくもう既に御存じのわけだから、各省庁にもおっしゃっていただいて、これはまずいよと早く言わなきゃいけないのではないか。私は、これは責任官庁としておやりになることがあるのではないかと思いますね。いかがでございますか。
○北川国務大臣 渡部委員、農薬によるところのゴルフ場汚染によりまして非常に大きな公害をもたらしておることについて、環境庁といたしまして、御指摘のように汚染土につき、また、土の中に浸透いたしましてこれが大きな原因になっておることも御承知のとおりであり、御理解をしていただいてありがたく思っておるのですが、私、環境庁長官として日は浅うございますが、これの及ぼす悪影響ということを考えますときに、積極的にこれに取り組んでいかなくちゃいけないと思います。 また、今土の中にしみ込んだところの農薬はもう何ぼでもそこは通っていくんだというところの御指摘を受けましたが、これはもっともだろうと思うのでございまして、土があるいは水が、その復元力、還元力を侵されてしまったならば、それは初め一のものが次に二のものを出せばもうそのままダイレクトに二で侵していくのじゃないか、こういう思いをいたしますので、環境庁といたしましては、各関係諸庁と緊密な連絡をとって、特にこの問題についての関係ある諸庁の理解を得ながら前向きの姿勢でこれに取り組んでいきたい、このことをお答え申し上げます。 以上でございます。
○渡部(一)委員 ゴルフ場の数の規模が適正であるかどうかとか、ゴルフ場一つつくるたびに大変な利権が生じておるとか、その許認可権をめぐって醜い争いがあるとか、政治献金まがいの変なゴルフ場建設に伴う会員権の売買があるとか、ゴルフ場問題についてはいろいろあります。それはおのずから担当局でお調べいただければわかることだと存じますから、きょうはそっちの話は割愛さしていただきますが、問題がないわけではない。だから、ゴルフ場をつくればいいのではなくて、節度のあるつくり方が初めから必要だった。そして、それに対して農薬というのはまさにその中でも一番扱いにくい問題がひょっと、油断しているうちにどっと広がってしまって国民全体に不安を与えた。私は、これは初めから考え方は出直す必要があるなと、政治は厳粛な立場に立たなきゃいけないんじゃないかと思う一人でございまして、政府の善処をぜひともお願いしたいと存じます。 それでは最後に、放送大学の問題についてお願いをしたいと存じております。 放送大学は、御承知のように昭和五十六年六月十一日に放送大学学園法が公布、施行されまして、七月一日に放送大学学園が設立され、五十八年の四月に放送大学が設置され、平成元年の四月の二十七日に第一回卒業式が行われたとこのペーパーに記されておりますが、放送大学に入られた方、勉強された方、あるいは勉強を時々した方、あるいはちょっと見て喜んでいた方を含めますと、もう生涯教育という点では大変大きな影響が日本じゅうに及んだと私は伺っております。 また、公式的には述べられておりませんけれども、放送大学の授業を聞いて、関東圏におきましては低レベルの大学の授業は静かに消えていったといううわさまでございますから、大学の先生にすらいい影響を与えられたんだろうと存じます。 また、放送大学を聞くことによって、勉強をできないと叫んでいたたくさんの青年が放送大学の勉強を聞くことによって非常に元気を出して仕事にも充実して立ち上がるようになったというよい結果の話も伺っておりますし、生涯教育の重さ、そして放送大学の持つ重さというものを私どもは肯定的に、かつ、うれしく感じている一人でございます。 生涯学習の基盤整備の必要性につきまして、中央教育審議会の答申の一月三十日の分を拝見いたしますと、既に「放送大学は現在、その対象地域が関東地域に限られているが、広く社会に開かれた大学としてその全国化への期待が高まっている。」と記されております。私も全くその方向に賛成でございまして、なるべく早く放送大学を全国エリアに広げていただくようぜひお願いをしたい、こう思っているわけでございます。 この全国エリアに広げるためには、現在FMを中心にして、最初FMを中心にしておやりになっており、地上のアンテナを通してテレビ電波でおやりになっていたといういきさつがあるわけでございますけれども、今や衛星放送の時代でございますし、放送衛星を打ち上げれば日本列島はすっぽりかぶすこともできるというお話も仄聞したわけでございまして、ぜひとも放送大学を一刻も早く全国に広げていただくようにお願いをしたいと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○保利国務大臣 先生御指摘のとおり、生涯学習ということが今大きなテーマになっていることは御指摘のとおりでございます。放送大学によります学習機会の拡充ということは非常に大事なことだと思いますし、また、生涯学習体制を進めていきます上にも非常に大きな意味を持っていると思います。 御指摘のとおり、この拡充については私どもも一生懸命努力をしなければならないと思いますが、若干問題点もございますので、それを申し上げておきます。 それは、放送網をどうやって整備をするかという技術的な問題でございます。今御指摘の放送衛星を使うということも一つの手でございますし、このことについては十分技術的な検討を加えていかなければならないと思っております。 同時にまた、放送でいろいろな授業が行われるわけでございます。私の文部省の部屋にもこの受信ができる装置がございますが、見てみますと大変いいプログラムを流しておるわけでございます。しかしながら、やはり面接授業というのが放送大学の一つの条件になっておりますし、さらに単位認定の試験をしなければならない。それを行うための学習センター、現在六カ所ほどでやっておりますが、これを全国的に拡充をしていかなければならないという問題も抱えております。 放送衛星を使う問題、そういった地上設備の問題等々ございますが、生涯学習を充実させていくという観点から前向きに取り組んでいかなければならない、このように考えております。
○深谷国務大臣 文部省と郵政省共管でございますので、私からも御報告申し上げます。 今渡部委員の御指摘のように、現在はUHFとFMとCAテレビでやっておるものでありますから、どうしても地域が関東地区に限られてしまっております。これを全国に展開させるためには、お説のように放送衛星を使うことが最適である、このように思っております。 ただ、その実現までの間には幾つかのハードルを越えなければなりません。技術的な問題については文部省の担当で文部大臣が申されましたけれども、私どもの方といたしましては、今放送衛星BS3まではチャンネルの枠はもう決まっておりまして、その次の後継機になるわけでございます。そうなりますと平成八、九年ごろといったような感じになりますので、それをめどにいたしまして鋭意検討していく必要があるのではないか、そんなふうに思っています。
○渡部(一)委員 現在放送大学の専用電波未受信エリア、対象エリア以外ではビデオ学習センターがつくられておられるそうでございまして、現在広島にそれがあるのだそうですが、もう大変な好評だそうで、ビデオで写したその授業の内容を映す、そこへみんながやってきて受講するというような変則型のやつをやっているのですが、大変な希望である。各地域でこういうものの要望が高いということであります。このビデオ学習センターを全国の主要都市を中心としてつくっていく。やがてはその施設を学習センターに変えていくというやり方をするならば、施設もむだにはなりませんし、大変いいのではないかと言われているわけでございまして、ぜひ御配慮をいただきたいなと思っております。 また、有線テレビ放送網、CATVが諏訪及び甲府においては既に放送が行われているそうでございまして、放送大学側から無料の提供を受けまして放送が行われておる。これも甲府、諏訪においては非常に聴取率の高いいい番組になっているそうでございますから、これも広げていっていただけないか。 また、放送対象エリア内におきましては、現在学習センターは東京二、神奈川、千葉、群馬、埼玉各一の六カ所がつくられているそうでございますが、この学習センターを既存の文化・教育機関との併設を主体としてさらに増設していく必要があるのではないか。これにつきましては、もう何回も町では言われていることでございますからよく御存じとは存じますが、ひとつよろしく御配慮をいただきたいと存じております。 また、衛星放送につきましては、ただいま郵政大臣がBS4において平成八、九年ごろの実行化に向けて研究をしているというふうに前進の方向を表示されましたが、ぜひともこれを完成するようにぜひお願いをしたいと私も思っておるところでございまして、よろしくお願いしたいと存じます。 ただいま申し上げた四項目につきまして、御担当大臣というよりも文教行政に多年の御貢献をされた総理から御返事をいただけるとありがたいと存じますが、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 放送大学の問題につきましては、いつでもだれでもどこでも学ぶことのできる高等教育ということで、非常にスタートのとき以来政策努力を続けてきたテーマでございます。今、担当がいろいろ答えましたように、それが広く全国に当初の願いとして立てました趣旨が実現してまいりますように、私も全力を挙げて協力をしていきたいと考えております。
○渡部(一)委員 では、以上で終わります。どうもありがとうございました。
○越智委員長 これにて渡部君の質疑は終了いたしました。 次回は、明十一日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十八分散会