予算委員会 第3号
- 発言数
- 159 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/03/22
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 平成元年度一般会計補正予算(第2号)、平成元年度特別会計補正予算(特第2号)、平成元年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤万吉君。
○加藤(万)委員 最初に、当委員会が今日まで約二週間にわたって延会になったわけでありますが、これは委員長御案内のように、当予算委員会は八日の総括が終わりまして九日、順調な日程を我々理事会で協議をいたしまして、そのまま進めば、今日さまざまな補正予算をめぐって国民各層にわたる条件が整ったはずでありますが、今日ここまで延会になりました。その最大の原因は、新ルールを国政の中に求めるという自民党の幹事長の発言以来、この予算委員会は停止の状況であるわけであります。 私は、この際、委員長に特に要望を強く抗議も含めて申し上げたいと思うのですが、極めてこの事態は遺憾と言わなければならないと思うのです。予算委員長は、本予算委員会の運営に対していわば最高の指揮を持つ委員長でありますから、このような自民党幹事長の予算委員会の運営にかかわる率直に言ってしゃしゃり出たような御意見は厳にこれを抑え込んで、本来あるべき理事会の決定に基づいて予算委員会が整々粛々と運営される、かかる事態が予算委員長のとるべき態度ではなかったか、私はかように思うわけであります。 そこで、予算委員長、これからも予算委員会、暫定から本予算まで含めて審議を行うわけでありますが、委員長がこのような事態を招いたことに対する現在の心境なり、あるいは私どもは極めて遺憾な事態だと思うのですが、委員長の見解をまずお求めしておきたい、こう思います。
○越智委員長 お答えをいたします。 御承知のように、毎日理事会を開きましていろいろ協議をいたしましたが、協議相調いませんので開会する運びにならなかった、これが御承知のとおりであります。各党それぞれお考え方もあると思いますから、その点については各党で十分御協議をいただくことがいいと思いますけれども、要は、この委員会を開くまでの協議が理事会で決定を見るに至らなかったというふうに考えております。
○加藤(万)委員 言うまでもありませんが、議会制民主主義というのは、常任委員会がその主たるお互いの意見交換をし、結論を得る場だろうと思うのです。こういうような議会制民主主義の本来的な建前といいましょうか、あるいは形というものが、かかる事態によって崩されてくるということは極めて遺憾な状況と言わなければならないと思うのです。 そこで、これは総理であり総裁の総理にお聞きをいたしますが、今度のこの予算委員会、補正予算関連が延期になったことによりましてさまざまな事態が起きています。例えば公務員の給与の支払いが分割で支払われる、いわば給与支払い責任者としてこのような事態を招いたことは、総理である海部総理の責任であると同時に、私は新しいルールを求めようとした幹事長、いわば総裁としてかかる事態を引き起こしたことに対して、きちっと総裁としての統治能力を発揮されてしかるべき措置を講ずるべきではなかったか、かように思うのですが、総理の御見解をひとつお聞きをしておきたい、こう思います。
○海部内閣総理大臣 国会の運営に関しましては、各党がそれぞれにお話し合いをいただき、その日程をお決めいただくことに従っていくのが私は内閣としてはとるべき姿である、こう考えてまいりましたし、また、いろいろと国会の運営その他について各党のお話し合いをいただいております間は、自由民主党と政府とはいろいろと一体でありますからその交渉を見守らせていただいてきたということでございますが、ただいま具体的の御指摘のように、公務員の皆さんの賃金の問題については大変残念なことであったと考え、政府としてはその間においてできる限りの緊急の対策、努力をしてあのような措置をとらせていただいたわけでございます。
○加藤(万)委員 給与支払いもそうですが、今地方議会が行われておりまして、補正予算に関連する地方議会の採決あるいは議案案件が延会にならざるを得ないという事態まで起きているのですよね。給与の支払いもそうですが、補正に関連して、地方議会もそれぞれ予算を提起をしております。ところが、補正予算が可決ができませんがゆえに地方議会は延会をせざるを得ない、こういう事態まで実は引き起こしているわけですね。 そこで、総理がおっしゃるように、確かに政党政治でありますから政党間の話し合いは十分なされなければならない、これはわかりますよ。しかし、本来国会の運営は常任委員会を中心にして運営をされるという、いわばそこに基本的な議会制民主主義というのが存在するのじゃありませんか。したがって、この国会が開会される前に、できる限り国対政治はやめましょうというお話もお伺いをいたしております。今日の事態を振り返ってみますと、私は必ずしもその理念が貫かれているとは思えません。やはり常任委員会を中心にして決まったことを整々粛々と行いながら、相互の意見の違いはこの場を通して開陳をし合意を求めていく、これが本来あるべき姿じゃないですか。総理はどうも、政党政治でありますから、そこに今度の事態を逃げ込んでは私はいけないと思いますよ。そういう意味では、幹事長が提起をされた新ルールなるものを、この予算委員会の場を中止をして延会をさせて決めていくという手法は決して好ましいものではない、私はこのように考えます。 これ以上議論を私はしませんけれども、これは委員長、これからの委員会の運営もありますから、私どもの意のあるところ、極めて遺憾であるという意を表明し、同時にまた総理には、このような事態が起き得ないようないわば委員会を中心とする議会運営がなされることを期待をいたしまして、これからの国会の運営に当たっていただきたい、かように思います。 そこで、本題に入りますが、大蔵大臣ちょっとお聞きをいたしますが、平成元年度補正ですね、税収が三兆二千百七十億、これはこの委員会でもさまざま議論がありました。当初予算時における過小な歳入の見込み違いであるという大蔵大臣は答弁をされましたですね。ここ数年、このような税収の過小見積もりにより、その後の補正、あるいは政策的、意図的なものを含めた、今度も出ていますが、二十九条の問題を含めて政策的なものが盛り込まれる要素を多分に内包しているわけでありますね。 そこでお聞きをしますが、平成二年度の予算、これはこれから審議をされるところでありますけれども、それの租税及び印紙収入は五十八兆円ですね、五十八兆四十億でありますが、平成二年度の歳入は六十六兆二千三百六十七億ですね。これをこう比較をしますと、平成元年度の補正後に比べて三兆七千億多いのです。ですから、恐らく平成二年度の経済成長その他を見込んで三兆七千億租税及び印紙収入は多くなるだろう、こういう予算で平成二年度の予算編成がなされているわけですね。今この補正の段階でふえました額を加えているこの補正予算の歳入額、税収の歳入額、この時点でも、ある識者は、三兆二千億ではない、あと二兆円ぐらい財源はふえるのではないか、すなわち平成二年度における剰余金が二兆円以上を超えるのではないか、こう言われているわけです。仮に二兆円ぐらいふえるだろうということを見込みますと、平成二年度の予算の中の租税及び印紙収入は再び過小見積もりになるのじゃないですか。私は、この委員会で大臣が、見積もり、見込み違いであったという答弁を、平成二年度の補正段階においても再びそういう答弁がなされないためにも、この積算の基礎について疑問を持つのですが、いかがお考えですか。
○橋本国務大臣 細かい積算の基礎につきまして御説明の必要がありますならば、政府委員から補足をいたさせますけれども、私どもは、現時点において考えられる最善の努力をしてその見積もりを固めたつもりでございます。確かに、ここ数年、歳入の見積もり誤りがいろいろ本院においても御論議の対象となり、結果的に私どもとして遺憾の意を表する事態があったことも事実でありますが、これはある程度不確定なものがあることは委員も御理解をいただけると思いますけれども、私どもとしては、税収を確定する時点におきまして最大限の努力をしてまいったつもりでありまして、平成二年度の補正予算を仮に必要とする時点になりました場合、大蔵省としてその税収見積もりの誤りについて余りおわびをするような事態にならぬよう努力をしてきております。
○加藤(万)委員 現時点でも、平成元年度補正の税収見積もりは二兆円ぐらい少ないんじゃないか、こう世上言われているわけですね。平成元年度の補正後の総予算額と平成二年度の総予算額を比べますと、マイナス七百二十億なんですね。これは、もちろん平成二年度は公債の発行の減がありますから、ですからそれが即パラレルの問題と私は思いませんけれども、しかしどう見ても、平成元年度の補正後の総予算額とそれから平成二年度の当初予算との差がマイナスということは、税の収入の見積もりの見込み違いがここにあらわれているんではないかという予断を持たざるを得ないのです。 いま一度聞きますが、平成二年度の予算、見込み違いについては、言われるところの常識的に見積もりが違った、許容される限度というものはありますよ、許容される限度以上を超えて多くなりますと、今度の補正のように、いわば金をどこに使うべきかという論議まで含めてやはり問題が出てくる、このことがありますがゆえに、くどいようですが、いま一度御見解をお聞きしたい、こう思うのです。
○橋本国務大臣 今、日本経済のファンダメンタルズに大きな変化がなく、基本的に物価も安定し、持続的に内需が拡大をし続けております状況であることは、委員も御承知のとおりであります。ただ、同時に、ここ数年間の経済の中でいわば税収の見積もりをプラスの方に誤らせました原因の中には、委員御承知のようにさまざまな要因がございました。そうした要因の中に変化が生じております状況も御承知のとおりでありまして、いわば私どもとしてその変化をにらみながら最善の努力をいたしておる、そのように申し上げたいと存じます。
○加藤(万)委員 経済企画庁が、平成二年度の経済見通しその他計数を挙げております。物価の上昇、成長率などなどを含めまして、税収が前年度比三兆七千億ですか、これで平成二年度の予算を組むというのは、やはり過年度、元年度ないしは六十三年度の補正段階などの経過を振り返ってみまして、私はどうも税収見積もりに対して誤りが生じてくる。今大臣は、そういう誤りがないような積算をしたつもりだ、こうおっしゃいますが、平成二年度の本予算の段階で論議されるべきことでしょうけれども、再び平成二年度の補正でいわば何兆円という単位の税収見積もりがあった、再び遺憾であるという言葉のないことをこの際私は期待をしておきたいと思うのです。 そこで、厚生保険の特会関係についてお聞きをいたしたいと思います。 今度一兆五千億、本来厚生年金会計に返すべきお金を業務会計勘定に入れまして、それをもって新しい基金制度をつくる。七百五十億、その運用益で新たな特別保健福祉事業を行う、こういうことでありますね。一兆五千億の、もとになるべき金、厚生年金に返すべきお金、これは一兆三千四百八十億、間違いありませんか。
○小粥政府委員 そのとおりでございます。
○加藤(万)委員 今度金利が上がりましたからどのくらいこれで金利がつくかわかりませんが、一応想定される感じとしては、その運用益七百五十億を含めて厚生年金会計には一兆五千億返します、こう言われているわけですね。さて、一兆三千四百八十億の金利七百五十億、これを運用益に回す。七百五十億というと大体一年分、仮にそれを二年分にして千五百億。一兆五千億厚生年金に返すという金は、二年度分の元利を含めた金、こう理解してよろしいでしょうか。もう一遍聞きます。
○小粥政府委員 一兆五千億という金額の根拠についてのお尋ねでございますけれども、これは当然、お尋ねのように、これまでやむを得ず講じてきておりました国庫負担の繰り延べの元本及び将来返済すべき場合それまでの期間に相当する金利相当分、その合計額のいわば概算でございます。この時点におきましては、御案内のように、直ちに返済ということではございませんで、将来における返済の財源を確実なものにしておく、こういう措置でございますから、その点は将来における返済時点までの金利のいわば概算として、この際一兆五千億という金額にまとめたものと御承知おきいただきたいと思います。
○加藤(万)委員 そうしますと、一兆三千億何がしに一兆五千億、その差、これが金利だということですよね。七百五十億、年間の運用益で保健事業を行うということは、仮に七百五十億が金利だと見ますと二年間ということですよね。将来のじゃなくて、これは二年間分でしょう。後どうするのですか。というのは、平成二年度の本予算にこの七百五十億に百五十億を加えて九百億にしているわけですね。将来の特別保健福祉事業に対しては九百億にしているわけですよ。九百億にしていくということは、率直に言って補正でこの事業計画は基金計画をつくる必要がない。仮につくる必要性があった、緊急な政策としてつくる必要があったといたしましても、二年間ですよね。後どうするのですか。この特別保健福祉事業というのは、その後は一般会計でその分を埋めて継続される事業ですか。それとも二年で金利が、これで運用益がおしまいだから、したがってということになるのですか。
○橋本国務大臣 今委員が御指摘になりました厚生保険特別会計での業務勘定から繰り入れ措置を考えました内容を改めて御説明をさせていただきたいと思うのでありますが、平成元年度におきまして、平成二年度以降老人保健の加入者按分率が一〇〇%に移行することに伴いまして、健康保険組合等の被用者保険の負担増が生じることなどから、この負担を緩和し、老人医療の適切かつ安定的な確保を図りますために、今後とも国の財政事情がなお厳しいと見込まれるもとにおきましても、老人保健の基盤の安定化を図るための財源措置というものが緊急かつ必要不可欠な政策課題として生じてまいりました。 一方で、元年度補正予算におきましては、平成二年度におきまして、特例公債依存体質脱却を目前に控えておりますことから、これまで財政再建努力の過程で講じざるを得ませんでした特例的な歳出削減措置の一つであります厚生年金国庫負担繰り延べ措置につきまして、将来返済に充て得る財源というものを厚生保険特別会計の中に確保しておこう、それが財政体質の改善を図る上から、また年金財政に対して国民の信頼の向上に資するためにも必要な施策という判断がございました。 これら二つの政策的な要請の緊要度にかんがみまして、一般会計から厚生保険特別会計に厚生年金国庫負担の繰り延べの返済見合いの財源というものを繰り入れた。そして、これを利用して資金を設けることによりまして、老人保健制度の基盤安定化のための措置に資する財源基盤というものを緊急に確保するという二つの政策要請をここで一元化して行ったわけでございます。ですから、この一兆五千億というものは、毎年その運用益としての今委員の御指摘になりました七百五十億というものに見合うものが生み出されるわけでありまして、二年たってこれが終わるという性格のものではない、そのように理解をいたしております。
○加藤(万)委員 大臣、二十九条を先取りして何も答弁される必要はないので、ただ、先ほど言いましたようにこの会計に入れる金は一兆五千億なのですよ。一兆五千億というのは、金利はその差ですから、一兆三千億との差ですから、約千五百億か六百億なのです。仮に千五百億としますと、七百五十億円ずつ運用益として向こうへ回すのですから二年分ということですよ。それとも、一兆五千億になった段階で、さらに厚生年金勘定に金利を上積みして、いや一兆六千億にしますよ、こう言うなら話はわかるのです。そうじゃなくて、一兆五千億の枠で金利運用益でやると言えば、それは二年間ということじゃないですか。長期的にやるということにはなりませんよ。それが一つです。 いま一つは、今緊急性の問題を大臣はおっしゃいました。確かにないよりもある方がいいことは間違いないのです。いわゆる被用者保険財政が按分率の問題で大変逼迫しているそれぞれの保険団体がありますから、健康保険組合がありますから、ですから、それはないよりある方がいいことは間違いがない。ただ問題は、今この補正予算でそこが必要かどうかという問題は別問題なのです。確かに一カ月に金利は四十億になりますから、その四十億はもったいないからこの補正予算で云々、こう言いますけれども、本来あるべきものは厚生年金勘定に入れるべきですよ、これは六十三年ですか、補正でもやったのですから。そこを原則にしてやるべきだ、私はこう思うのです。 二十九条問題については、これはまた後ほど議論がありますから、ここではそれほど深くは言いませんが、問題は、一兆五千億というお金で運用益を活用して、後ほどこの一兆五千億は元本とそれから金利を含めて厚生年金会計に返しますよ、その金利差は千五百億前後ですよ、千五百億前後だとすれば、それは二年間の保健事業への拠出になるのじゃないですか。したがって、長期的にもしおやりになるとするならば、厚生年金勘定に返すべき金は一兆五千億プラスアルファにならなければいかぬわけですよ、将来。そう思いませんか、どうですか。
○橋本国務大臣 まず第一に申し上げなければなりませんことは、いわば繰り延べ措置として厚生保険特別会計に対していわば国が負うております隠れ借金の部分一兆三千何がし、先ほど委員がお述べになりましたとおりであります。そして、それを一兆五千億といわばまとめておりますのは、今後これが正式に返済される時点における金利をある程度見込んでファンドとしてここに積んだわけであります。 一方、この一兆五千億がファンドとして生み出すいわば利子、これが七百五十億ということでありまして、その七百五十億がすなわち一兆三千何がしと一兆五千との間のすき間を単年度あるいは二年度に割ってそこで満杯になる、そしてファンドそのものが減価するということとはかかわりがない、この点は御理解をいただきたいと思うのであります。
○加藤(万)委員 その乖離のところは、すき間のところはわかりました。しかし、仮に一兆五千億を元本にして金利運用益をするにしても七百五十億、そして本会計で今度は百五十億足して九百億。私は平成二年度以降の本予算会計を拡大をしませんと、平成二年度は百五十億でいいですよ、片っ方七百五十億で、九百億で保健事業をやろうというのですから。しかし、将来的に一兆五千億というのは返さなければいかぬのですから、返した場合には金利は生まれてこないわけですから、運用益は出てこないわけですよ。したがってどうするのですか、こういう問題をお聞きをしているわけです。 さて、これはこれ以上時間的な余裕がありませんから議論しませんが、二年度の本格予算の際にはぜひひとつ頭に入れながら私どもの質疑に答えていただきたい、こう思うのです。 そこで、これは厚生大臣にお聞きをしますが、自治大臣と両方ですが、被用者保険団体が赤字になった、按分率が一〇〇%になったことによって負担が増加された。今大蔵大臣が前段にお話しになりましたように、その負担軽減を図るために七百五十億の運用益で被用者保険団体の赤字の軽減化を図ろう、いわゆる財政負担の軽減化を図ろう、こういうことなんですね。ところが、この一番もとは国保ですよね。国保のいわゆる財政が極めて逼迫である。したがって、昭和六十一年度に、御承知のように五十八年度に健保の改正がありまして、加入者の按分率を取り入れて、これは漸次一〇〇%の段階になってきた、そこで被用者保険団体が赤字になってきたから今度は厚生年金の運用益でカバーをする、七百五十億ですね。一体、按分率を一〇〇%にした、それまでの経過に、国保財政というのは好転したのでしょうかね。 時間がありませんから、私の方で数字を申し上げますが、国保の財政は、昭和五十六年度一般会計、いわゆる各地方団体の一般会計の繰り入れ分は千三百二十一億円です。これを一〇〇にいたします。昭和六十三年度は二千八百十九億円、何と約倍ですね、二一三%拡大をいたしているのです。一方、国保の収入の方を見てみますと、昭和五十六年度は四兆二千三百三十六億円、これを一〇〇にいたしますと、昭和六十三年は五兆六千五百二億円、すなわち一三三%。一般会計からの繰り入れは二倍、二一三%となって、片っ方の方の国保収入は三三%しかないのです。したがって、按分率をどんどんどんどん高めて国保財政はそれで安定しますよ、当時の話はですよ。しかし、依然として地方団体の持ち出し分はどんどんどんどん拡大しているわけです。一方、国保財政に入ってくるお金は三三%しか上がらないのですね。このギャップなんですよね。これが今地方団体の財政負担に物すごく響いていることは御案内のとおり。 さて、この基本的なところ、すなわち国保財政の赤字の、私は大部分とは言いませんけれども、やはり国保にお年寄りの方がたくさん加入している、そして医療費がかさんでいる。この、まあ言葉は少し悪いかもしれませんが、雪がたくさん降って吹きだまりになってしまうような現象と同じような形が国保のこの財政あるいはこの医療費の中にある、そういう基本的なところを解消しませんと、どうにもならないわけですよ。そこでいま一つの問題を提起しておきたいと思うのです。 国保の財政の赤字のいま一つの大きな問題は、例の退職者医療制度ですね。このときには退職者医療制度、四百十万人とれば、国保財政の中では、国保の医療費の中の老人部分はそっちに四百十万移動しますから国保財政は極めて健全化しますよ、こういう当時のお話でした。結果は、御承知のように、この加入者が大変少なくなりまして、地方団体の負担が拡大をして、最後にこれの財政の穴埋めを国が措置をせざるを得なかった。そのお金は、影響額は三千六百十八億ですかね。それに対して国は三千三百四十五億円、この財政的な措置を講じたわけですね。その差が二百七十三億円でした。この二百七十三億円が、地方団体としては、いわゆる全額国がつくった制度なんだから本来補てんすべきではないか、こういう意見があったときにどう言いました。二百七十三億円の赤字はやがて按分率が一〇〇%、まあ当時の状況ですから一〇〇%とは言いませんが、按分率が上がることによって国保財政にそれだけ金が行きます、金が行くからそのお金で埋めてください、こう言ったわけですね。 確かに按分率は上がりましたから、その分だけこの国保財政が負担が軽減されたことは間違いがない。片っ方で、按分率が上がることによって被用者保険が赤字になれば、今度は厚生年金の運用益で埋める。国保財政の赤字がどんどんどんどん拡大すれば、按分率が上がりますから、この按分率から二百七十三億円やるから埋めてバランスをとってください、いわゆる軽減措置を図りました。どうもこっちを顔を立てれば今度はこっちがだめになるわけですね。こっちを顔を立てれば今度はこっちがだめになるんですよ。こんなことを続けていっていいんですか。 私は、今度の保健機構の設定が余りにもその場しのぎじゃないかと思っているんです。確かに、先ほど言いましたように、七百五十億円のお金が来るんですから、被用者保険団体にとってみれば、それはもう、今の自分の健康保険組合が按分率の負担によって赤字がどんどんふえていくのを埋めてもらうのは結構なことだとだれでも言いますよ。ないよりもある方がいいんですから。接分率を高めることによってこっちに赤字が出てきた、これは今度は厚生年金の運用益で埋めましょう。片方の国保の方はお年寄りがどんどんどんどんふえてきた、それは按分率を高めて何とか埋めましょう。退職者医療制度をつくったときも、赤字が出てどうにもならない、埋めました。埋めましたけれども、全額を埋め切れませんから、按分率の高まるのを待って、その財源によって埋めましょう、こうやったんですね。こういう式ですよ。何というのですかね、振り子のような物のとり方をとっているんですね、やり方を。 どうなんですか、これは厚生大臣。もう国保の財政を含め、今度老人保健の新しい制度改革が平成二年度予算には盛られていますが、これで将来的な見通しはできるんですか。
○津島国務大臣 加藤委員の御指摘の点でございますが、委員、老人保健制度、そして国民健康保険制度の現状について極めて適切な認識をお持ちであるということが今の御質問で私もよくわかりました。 それで、御指摘の問題点は現在も存在をしておりまして、私どもとしては老人保健制度の今後の一層の安定が何よりも必要であるというふうに考えております。そのために当面、今回は、今お話がございましたように、七百五十億円の問題とあわせて国民健康保険制度の運営の安定のために平成二年度において諸般の改正をお願いをいたしておりまして、特に低額所得者に対する国庫補助の強化もいたしました。この国庫補助の強化と、それから今お話がございました、加入者按分率一〇〇%という改正によりまして国保の基盤はこれまでよりも強化されるということは、これは論をまたないわけでございますが、しかし基本的な問題は、私どもはやはり残されておると思います。老人医療費が非常にふえておりまして、例えばここ十五年の趨勢を見ますと、医療費全体が五倍にふえておる中で老人医療費が十二倍にもふえるという、こういう基本構造がございますから、制度の安定のためには一層の努力が必要である。今後とも真剣にこの問題に取り組んでまいりたいと思います。
○加藤(万)委員 慎重に、迅速にという言葉はまくら言葉としては結構ですが、自治大臣、どうですか。これだけの老人医療会計、老人医療費が拡大するということと言ってよろしいと思うのですが、結果的にいわゆる保険収入と一般会計からの持ち出しが、片っ方は三三%、片っ方は二〇〇%ですよね、倍以上一般会計からの持ち出しがふえているわけですね。この条件をどうしたら解決できるのでしょうかね。国民皆保険制度は国がつくった制度ですよ。先ほど、新しい老人保健の機構が平成二年度の予算に繰り込まれていると言いますけれども、その額はたしか五百億ですね。総額では全体の国が負担すべき金の約二%にしか相当しないのですよ。こんなことで前向きのことを今やっています、こういう言葉にはならぬでしょう。どうですか。
○奥田国務大臣 地方行政に精通されている委員の御指摘でございますから、私も多言を必要としないと思いますけれども、実態において泣く泣く地方団体は赤字支出に余儀なくされているというのが現状でございます。現在の時点において約二千億程度の国保会計の赤字であることも御指摘のとおりでございます。ただ、国民健康保険は高齢者、低所得者などが大変増加しておる現状から、一般会計からの繰り入れというのが自治体としては余儀なくされておるということでございます。 したがって、国保のあり方、財政運営の観点から見ても決して好ましい状態であるとは言えないわけでございます。平成二年度において、先ほども厚生大臣言いましたように、保険料の軽減に対する国庫補助制度の充実ということで見直しを行うことになっております。したがいまして、今度初めて国と県、市町村がそれぞれ負担をするという形で、平成二年度においてはこの二千億の赤字救済の一環といたしまして約一千億程度のこういった制度見直しを行うということになっておるわけであります。本来自治体が負担すべきものではありません。国と保険者と、個人負担の三割を含めまして、自治体が現実には負担すべき性格のものではありませんので、この点、地方財政の健全化のためにもよく先生の御意見をしんしゃくして、新しい制度創設に頑張りたいと思っております。
○加藤(万)委員 総理、今お聞きのとおりなんですよ。要するに私の言いたいのは、国保財政の赤字を負担軽減をするために按分率を取り入れました。按分率を取り入れましたら、今度は健康保険組合の方が赤字になりました。そこで、厚生年金の運用益を使いました。一方、こっちの方は依然として負担が拡大しています、一般会計から持ち出しが多くなっています、国保の方は。こういう形を幾らこそくな手段でやっていても解決つかないのですよ、これは。 御承知でしょうけれども、今度の中間答申、老人保健法に対する中間答申は、結論が出ていないのですよ。ですから、今厚生大臣や自治大臣がおっしゃいましたように、平成二年度における改正要綱は国保の改正部分ですね。国保の改正部分で、老人保健をどうすべきかという課題には入っていないのです。だから消費税がという話が総理の口から出そうな気がしますけれども。 私は、ここへ来ますと、もう抜本改正をすべきだと思っているのですよ。一体保険料負担をどうするのですか。老人の適正化の医療を供給するために国と地方自治体はどういう責任を負うべきですか。退職者医療制度ができた、結果、三千億も穴があいちゃった。穴があいた分を一般会計で埋めました、交付税で埋めました。しかし、同時にまた、残った部分、二百七十億は按分率が引き上がるからということでこれまたやりました。こんなばんそうこうを張るようなことをやっておって、これからの高齢化社会に向かっての医療費の総財源、なかんずく国保財源の財政のところを埋めることはできないですよ。 私は、この際やはり、国が求めた国民皆保険でありますから、皆保険制度にふさわしい状況を早急につくる必要があると思う。これは保険料の負担もあるでしょう。あるいは各健保組合の一元化という方向もあるでしょう。さまざまなことを考慮して、もはや平成二年度に直ちには難しいでしょうけれども、今中問答申を受けられました、老人医療についての答申を受けて、早急な結論を求められて、少なくとも平成三年度にはこの按分率を埋めた今度の保健機構、基金、制度、あるいは一方で老人保健に対する国保の一定の今度の改正の問題、私はそれが抜本的な見直しの方向につながっていないような気がするのですよ。私は、この際総理に、老人医療費を含め、健保の一元化、保険料の一元化も含めて、今の中間答申を受けて今後一体どうされるのか、決意をお聞きしたい、こう思います。
○海部内閣総理大臣 今御議論がありますように、いろいろな難しい問題を抱えておりますが、結局はおっしゃるように抜本的に、一体負担とそれから水準をどの程度に持っていって国民の皆さんの御納得をいただくかということは極めて重要な問題でございますので、ただいまの御質疑等も私は伺って、各関係省庁とも十分にこの問題については積極的に取り組んでいくという、こういった決意を示しておりますので、その方向に向かって努力を続けさせていきたい、かように考えます。
○加藤(万)委員 問題は時間の問題ですよね。先ほども言いましたように、地方団体の一般会計からの繰入額は年々歳々拡大しているのです。按分率を取り入れようが、退職者医療制度を取り入れようが一向にして減らない。この状況が慢性化しちゃっているのですよね。ですから、私は、不交付団体で財政力が極めて、まあ極めてと言ってはおかしいですが、比較的良好な団体は自主財源でそれは賄うことはできるでしょう、議会のいろいろな反対があったにしても。しかし、交付団体は大変ですからね、交付税をもらっているところは。早急な抜本的な改正に政府みずからが、これは自治省それから厚生省は本気になってひとつ取り組んでいただきたい、こう思います。 次に、消費税と地方財政との関係、これをお聞きをいたしますが、今消費譲与税、各地方団体に配った率はどのくらいですか。これは大蔵省でいいです。第一回譲与額でもいいですよ。
○尾崎政府委員 消費税収の二〇%を消費譲与税として各市町村に配付しております。
○加藤(万)委員 まあ額で言いまして当初予算額の、僕の数字が少し古いので申しわけないのですが、第一回の分で言うと一三%、いわゆる消費譲与税として本来配るべきお金の一三%しか配っていないのですね。これは第一回ですから、第二回配ったと言うならまた後で私は訂正をいたしますけれども。 そうしますと、私はこの議論をしたときに、時の総理大臣、竹下総理に八つ目の懸念という話を実はいたしました。それは消費税を、地方の間接税としてあったものを国に吸い上げた、その吸い上げた結果として、地方は自主運用できる金が少なくなるのじゃないですか、あるいは財政に対する中央の支配権が非常に強くなるのじゃないですか、こういう話をしたのです。時の竹下総理は、それはもう八つ目の懸念で大変なことでした、十分これからの施策の中には生かしてまいります、これが結果として出ているような気がするのです。 例えば電気税、ガス税、それぞれの市町村が取ります。取った収納率と国からおりてくるであろう譲与税の収納率との差がうんと開けば開くほど、財政運用には支障を来すわけですね。これはどなたが考えてもそうですよ。七月期、九月期、十一月期取れる金が、譲与税のため、消費税の納入時期がおくれる、それによって二〇%譲与税を配るわけですから、その分が少なくなる、財政運用上非常に支障を起こす、これはだれしもが考えられることなんです。前段の中央の財政支配権の問題はきょうは抜きにしますが、そういう状態が起き得る。 さてそこで、譲与税についてこういう質問をしますが、どうお考えでしょうか。これは大蔵大臣にお聞きした方がよろしいでしょうか。今度見直しをされますね、消費税。消費税を見直しをするということは分母が少なくなるということなんです。分母掛ける譲与税は二〇%なんですね、自治大臣。電気税、ガス税、木材引取税、料飲税、何でもいいです。地方で本来単独で取っておった税収は、税金は、消費税の見直しとは関係なくふえるわけです。ふえるか、ないしは横ばいでもいいですよ。そこで私は、消費譲与税というのは一体どういう性格のものか、これをいま一遍確認しておきたいと思うのです。消費譲与税とは一体どういう性格で生まれた税ですか、大蔵大臣。
○尾崎政府委員 税収としては国税と同様に徴収をいたしますが、その一定比率を特別会計に直入いたしまして地方の自主財源に充てるという趣旨のものでございます。
○加藤(万)委員 自治省の税務局関係は来てますか。——今の大蔵省の方でも結構なんですが、消費譲与税は、当時、本来現行間接税で地方が得るであろう間接税は一兆九百九十四億円でした、これは消費税を導入するときに。そこでそれに、財源に見合う金を消費譲与税で充てたわけですね。これは間違いないですね。どちらでもいいですが、答弁してください。
○持永政府委員 先般の税制改革におきまして、今お話しのように、地方間接税が縮減されるそれ相当、若干端数は違いますけれども、おおむねそれに見合った額を譲与税として設定しております。
○加藤(万)委員 若干差がある面を交付税で埋めたわけですよね。これはたしか百九億円。そして地方間接税、いわゆる本来地方で単独で徴収できた間接税はそのまま譲与税で渡します。いわば調整的な意味を含めて消費譲与税という性格が生まれたものですね。これは先ほど、消費譲与税というのは消費税の二〇%とするというありきたりのことを——私の聞いているのは、どういう性格で生まれた税ですかという、そういう性格を聞いているのです。 これはいま一遍確認しますが、消費、いわゆる地方の現行間接税に見合ったものとして消費譲与税が入ってきた、そしてその分が少し足りませんでしたから交付税で穴埋めをして、とにかく地方から国に吸い上げましたけれども、それとはバランスはしっかりとっていますよ、こう言ったのでしょう。こういう性格でしょう。いま一遍聞きます、大蔵省。
○持永政府委員 消費譲与税を創設した際の経緯といたしましては、お説のとおりと理解しております。
○加藤(万)委員 これは後で大変関係ありますから、本予算のときに。 大蔵省、今自治省はそう言いましたが、間違いないですか。
○尾崎政府委員 国、地方の税制改正によります影響をいろいろ勘案いたしまして、先ほどの自治省の答弁のように定めたわけでございます。
○加藤(万)委員 大蔵大臣、お聞きのとおりなんですね。いわゆる地方で本来徴収されるべき間接税はそのまま譲与税として国は満額、満額とは言えませんがおおむねトータルの数字で譲与税で差し上げますよ。ところが総理、今度の見直しによりまして、これは私まだ少し勉強が足りないので、もし数字が間違っておったら御訂正願いたいと思うのですが、今度の見直しによって単年度で八百七十五億ぐらい消費譲与税が減になるのですね。それはそうでしょう、分母が減るんですから。分母掛ける二〇%ですから減りますね。先ほど大蔵省も自治省も、財政局長もおっしゃいましたように、これは本来消費、いわゆる地方における間接税の見合いの分として片っ方の譲与税を支出しました。もし分母が違いまして譲与税額が、二〇%掛けた結果、本来地方団体にあるべき財源よりも減額、少なくなったときはどうされますか。
○持永政府委員 消費税の見直しが行われました場合におきましては、いわゆる減収が今お話しのように八百七十億初年度あるわけでございまして、そこでそれに譲与税と交付税と合わせますとおおむね四割でございますから、三百数十億が地方財源の減になる、こういうことでございます。これにつきましては、当然来年度の地方財政計画全体の中で収支が十分償うような形で財源措置をされております。また、明年度以降につきましても同様のことでございまして、毎年度の収支をきちんと合わせまして地方財政の運営に支障がないように対応してまいりたい、このように考えております。
○加藤(万)委員 総理、ここで私は竹下総理にお聞きしたことが出てくるんですよ。来年度は単年度ですからいいですよ。これを平年度に直してみましょうか。平年度に直しますと二千億ぐらいの差が出ますよ、乖離が。これはまだ計算してませんから、もし間違って数字的に誤差があったら御勘弁いただきたいのですが、今単年度で見直しをされて八百七十五億ですか、乖離が起きるんです。平年度に直しますと二千億ぐらいの乖離が起きると私は思うのです。埋め切れますか、全部。今埋めるとこう言いましたよ、平成二年度は。私の言いますのは、本来消費税という、まあ僕は原則的に間接税というのは地方に置くべきだという考え方を持っていますから、消費税に取り込まれたこと自身に対して極めて強い反発を持っています。しかし、仮にそれを千歩譲って、取り込まれたけれども、結果的には結局平年度に直すと二千億前後の、本来地方が収納し地方が自主財源として使うべきお金の減額が起きる。確保してもらえるのでしょうね、これは、将来的にも。
○橋本国務大臣 今委員の御質問を裏返して申し上げるならば、それはそのまま消費税を採用した結果、国民に御負担をいただく税がそれだけ少なくて済んだということでありまして、国民には喜んでいただける結果になるはずであります。同時に、今自治省の方からも御答弁がありましたように、その影響というものは今後における毎年の地方財政計画の中で適切に処理されるべきもの、そのように考えております。
○加藤(万)委員 適切に処理をしていただきたいと思います。 それから、総理、消費税の導入によってかかる事態、いわゆる私が言った第八番目の懸念のある部分ですが、こういう状況まで起きておるということだけはひとつ頭にきちっと入れて、見直し案がいよいよ提起をされて我々の廃止法案と議論、いわば間接税をどちらに置くべきかという議論が展開されるわけでありますから、ぜひかみ合う議論をするために政府側の御用意をいただいておきたい、こう思います。 自治大臣、今地方議会が行われています。予算を今それぞれ議論しています。今まで自治省は、消費税導入時における指導を各地方団体にやっていました。例えば、東京都が水道料金を値上げをせずに、まあまあ内税みたいな形で値段を下げてそれを取り込んだことはけしからぬというような議論も、当時の自治大臣と東京都知事の間にやりとりがあった。どうですか、今でもそういう指導をされているのですか。 例えば、今度の見直し案によりますと、医療費の面でお産にはかかりませんね。あるいは、卑近な例ですが、県営住宅、市営住宅それぞれ家賃に対しては税がかかりませんね。 政治情勢は、一方参議院でこういう状況が起きました。衆議院の選挙でも政治情勢の変化が起きています。消費税に対する国民的な非難、ある意味においては批判、さらには見直しを含めての反省を求める声が起きています。 自治省は、今行われている地方議会や地方の首長に対する指導は依然として前のままですか。
○奥田国務大臣 今どういうぐあいに指導しているかという形については、消費税の本旨、趣旨を徹底理解させると同時に、各地方自治団体において適正に転嫁をするように指導しております。 今御指摘のように、見直しが行われた場合にどうするかという形になれば、見直しの時点において整合性を保つように指導してまいりたいと思っております。 大体各自治体八割、まあ特別会計等々のいろいろな一般会計との差別はありますけれども、当然転嫁をしていただくということで指導して、現在八割強そういう方向で実施いたしております。
○加藤(万)委員 八割強と言われますが、東京都の場合には率直に言って内税に入れ込んで、そして消費税を水道料金で出している、こういう格好ですよね。そういうものも含めてです。 いずれにしても、まだ三割ないしは二割は負担転嫁されていない。転嫁をしてない状況の中に見直し案が出ているのです。困りますね、地方団体は、率直に言って。例えば、県営住宅、市営住宅の家賃に税を入れたものとして予算計上を今しているわけでしょう、地方団体は、まともに自治省の意見を受ければ。ところが、国会の方じゃ見直しをしてそれは取らない、こうなっているわけですよ。私は、自治省、大変指導が難しいと思うのですね。 一般公共事業についても、いわゆる仕入れ額と例の手数料を一般会計における消費税の徴収額とツーペイにしていますね。これは法律上そうなっているわけです。これなんかもいま一遍検討されるべき状況がたくさん出ていますね。確かにその公共事業にかかわる消費税分は交付税でカウントしています。一般的にはそうでしょう。しかし、個別団体にとってみれば、例えばおれのところは公共事業が非常に多い。交付税によってカウントされている額では足りない分は一般会計からやっぱり持ち出ししているんですね。まあ三千三百あるわけですから、個別団体ごとはとても面倒見切れないと言うけれども、その辺まで目配りをする必要が私はあると思うのです。 同時に、今国の見直しが一方にあり、政治情勢も変わってきたという状況を踏まえて、これから私は、自治省が、今議会が現に行われているところもあるわけですから、柔軟な対応をしませんと、その後の消費税導入に対する地方財政との関係でいろいろなきしみが出てきます、ひずみが出てきます。御注意だけ申し上げておきたいと思うのです。 次に、プルトニウムについて御質問申し上げたいと思うのです。 これは海上保安庁に聞いたらいいと思うのですが、今度建造される船、平成元年度では八十二億円の補正、二年度で百十八億七千万、合計で二百一億。この船は、プルトニウムを運びましてフランスに行き、日本へ帰ってくる。一年間に何回ぐらいの航海ができるのでしょうか。
○野尻政府委員 プルトニウム輸送につきましての頻度等につきましては、科学技術庁からは一年ないし二年に一回程度輸送するというように聞いております。
○加藤(万)委員 一年に一回、二年に二回ですか。
○野尻政府委員 おおむね一年に一回というように御理解いただきたいと思います。
○加藤(万)委員 この予算も、何も補正にのせる必要はないじゃないですか。九二年度までにはこの航海に必要な船が必要である、こういう御意見でございました。私は率直に言って、どのようなもので、どういう全体の原子力発電の状況で、九二年度までにこれがどうしても必要かという細かなところまでは承知はしておりません。しかし、それは皆さんの御意見をそのまま受けとめるということにいたしまして、一年に一回航海をする。九二年度に必要ならば、平成二年度の予算でも十分だったのですね。何もここで補正が、先ほど言いましたように政策的な、率直に言えば歳入がたくさんあるからこの際そういうものも含めて八十二億円計上しようというのも、どうもこれは二十九条とは率直に言って関係ないかもしれませんが、緊急度において私は二十九条との関係を否定しないわけにはまいりません。しかし、これは少し論をおきましょう。 そこで、このプルトニウムの輸送には、この船をつくって、九二年、「もんじゅ」型の新しい原子力発電に必要なプルトニウム約一トンと聞いておりますが、このくらいの数量を運ぶのでしょうか。
○緒方政府委員 年間の輸送量は、その時点でのプルトニウムの需給の状況等によって変わり得るものでございますが、当面は年間平均して一トン弱のプルトニウムを運ぶことに考えてございます。 一九九二年から御指摘の「もんじゅ」が臨界に達しますので、その関係の需要が生じてまいりまして、九二年の秋ごろまでに第一回の輸送を始める必要がある、こういう事情でございます。
○加藤(万)委員 私の手元に、原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定というのがございます。この協定によりますと、これはいうところの旧協定、こう言われているわけでありますが、日本における貯蔵量は三百何キロだったですかね、三百何キロと書いてありますね、ちょっと今、条約を探すのはあれですから。これには何か条約で三百何キロと決めた根拠があるのでしょうか。
○太田政府委員 お答え申し上げます。 日米原子力協定上、貯蔵に関しましては両国の合意する施設において貯蔵するということが規定されておりますが、ただいま先生御指摘のような数量の規定というのは、我々が承知している限り、ないというふうに理解しております。
○加藤(万)委員 旧協定によりますと、アメリカから「移転されたプルトニウムの純量は、三百六十五キログラム又は」云々とありまして、「それぞれの法律上及び憲法上の手続に従って合意される量をこえてはならない。」と書いてあるのです。ですから、これには何か根拠があるのですかと私聞いておるのです。 新協定になりまして、「核物質若しくは設備において使用され若しくはその使用を通じて生産されたものは、両当事国政府が合意する施設においてのみ貯蔵される。」こう書いてあるのです。いわゆる無限大ではないわけですね。 ですから私は、これは全く素人考えですが、三百六十五キロというのは、何かやはり当時の協定上の数字的根拠というのはあったと思うのです。そして今後、新しい協定では、核物質の貯蔵については日米双方が合意する量、こうなっているわけですね。それはやはり三百六十五キロというものを一つのスタートにしながら、日本における貯蔵量はおおむねと、こう判断するのが常識的ではないでしょうか。したがって、三百六十五キロは何か、こう聞いておるわけです。 問題は、運輸大臣、今度一隻つくるわけですね。もし三百六十五キロを一つの起点にしながら、日本における貯蔵量が、仮に五百キロ、こうしましょうか。五百キロというと一年間二往復しなければだめなんですよ。ですから私、なぜここが三百六十五キロなんだろうかということにややこだわっているのです。もちろん後でいろいろ説明を聞きますけれども。もし仮にそれがふえて、日本における貯蔵量は、おおむね日米間の合意される量はその貯蔵量として五百キロだとしますと、一九九二年の日本に必要なプルトニウムは約一トンだ、こう言っているわけですから、二往復せざるを得ないのです。二往復するということは、二つ船がなければ、一隻ではとにかく一往復しかできない、こう言っているのですから、二隻つくらざるを得ないのですね。こういう御検討をされたことはあるのでしょうか。
○緒方政府委員 先生御指摘の三百六十五キロ云云という点につきましては、私ども数字を承知しておりませんのでしかとお答え申し上げかねますけれども、プルトニウムの利用につきましては、先ほども申し上げましたように、一回に一トン程度の量を運び、年間一トン弱程度の消費が行われる見通しでございまして、それに必要な量の、これは製造工程上若干の貯蔵はいたすわけでありますけれども、それは適切な核物質防護措置その他を講じまして日本国内において適法に貯蔵されるものと、このように考えてございまして、ある一定の限度を超えて貯蔵しないように運ばなければならないという考え方はとってございません。
○加藤(万)委員 科技庁さん、日米間の日本における貯蔵量について、大体一トン必要だから一トン日本に貯蔵する、そして一トンのプルトニウムを運ぶ船としてこれを建造する、日米間の話し合いがそういう形でついているならば、これは何も議論の余地がないのです。 ただ私は、ややこだわりますが、三百六十五キロという協定があったものですから、もしもアメリカ側でそういうことではないとするならば、これは再びかつての晴新丸ですか、あれが日本から出ましてフランスから持ってくるときにフランスの海軍やアメリカの海軍に大変御協力をいただいたという経過なども承知をしておりますがゆえに、もしも一年間に二回プルトニウムを輸送しなければならない事態が起きたときに、さてどうするのかなという疑問が依然として残る。 さて、時間がありませんからここで総理にお聞きしますが、総理、本会議でプルトニウムの輸送について本来自衛艦を使うべきだ、こういうお話が議事録に残っているのです。これは日本のプルトニウムを送るという意味で言っていらっしゃるのじゃないようですけれども、本来、プルトニウムという核物質でありますから、そういう意味では自衛艦が必要だと考えられますが、我が国においては今検討中ですというのが本会議における答弁なんです。 総理、私も初めて知ったこともあるのですが、艦と船と艇、よくありますね。例えば海上保安庁が使っている船は船、防衛庁が使っている船は艦。公海上の条約でも、艦はおおむね第八条の適用を受ける。船、公用船ですね、公用船と言われている船などは第九条の適用を受ける。私は、少し総理のこの本会議における答弁がその辺では不適切であったというような気がするのですよ。いわゆる艦と船と、それから艇というのはこの場合余り問題になりませんけれども、艦と船とは性格が違うのですね。 このプルトニウムのために建造する段階で、防衛庁がしきりにこの護衛は防衛庁の艦を使ったらどうかという議論になったことはもう新聞でも御案内のとおり。政府としては、いや、そうではない、最終的には海上保安庁に新たな建造をさせて護衛船としてこの補正予算に八十二億円盛り込まれたわけです。 私が何回も申し上げるように、このことが、もし一トンが必要で、その量がアメリカ側との話の中で許容された量でないとするならば、一年間に二往復せざるを得ない。二往復をするとなると、総理が本会議で答弁されているように、艦というものが出てくるわけです。それは、かつて晴新丸が行ったときのように、フランス海軍がフランス領域内、そしてパナマ運河を経て太平洋はアメリカの海軍によって護衛されるという措置もあるかもしれません。しかし、たまたま国内でこの艦建造に伴って防衛庁の方で自衛艦を使ったらどうかという話がしばしば出たものですから、国民の側からいうと、そういう疑惑というものをどこでほぐしてくれるんだろうかな。私たちの立場からいえば、政治家の立場からいえば、仮にプルトニウムの護衛艦にしろ、自衛隊が海外にこういう形で派遣されることについて、海外派兵との問題も含めて大変疑念が起きる。ここを私は大変懸念をするわけです。 そういう意味で、今私はプルトニウムの輸送に関する問題で主として質問をいたしましたが、これは問題を掘り下げればもっとたくさん問題が出てまいりますけれども、時間の関係でこれ以上申し上げませんが、少なくとも、総理がおっしゃるように、このプルトニウムの輸送について防衛庁自衛艦を使うなどということは毛頭考えられないと私は思うのですが、この点だけはひとつ御答弁いただきたいと思うのです。
○海部内閣総理大臣 いろいろ御議論の経過のあったことは私も十分承知いたしておりますが、今この輸送の実施に当たっては、安全の確保に万全を期していかなければならないと考えておりますし、海上における犯罪の予防及び鎮圧は第一義的に海上保安庁の任務でありまして、護衛船として海上保安庁の巡視船を派遣する等、日米原子力協定等に基づく十分な核物質防護対策を講じ、その円滑かつ確実な実施に努めてまいりたいと考えております。 平成元年十二月十九日、プルトニウム海上輸送関係閣僚打合わせ会において行われた申し合わせも、「海上における犯罪の予防及び鎮圧は第一義的に海上保安庁の任務であるので、プルトニウム海上輸送の護衛船として海上保安庁の巡視船を派遣するものであり、このため、平成元年度補正予算において、巡視船の建造に必要な予算措置を講じることを検討する。」こういったことを決定いたしております。
○加藤(万)委員 私の質問はこれで終わります。
○越智委員長 この際、嶋崎譲君から関連質疑の申し出があります。加藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。嶋崎譲君。
○嶋崎委員 今月の九日から国会がとまりまして、きょうようやく再開されたわけでありますが、この間にこの予算委員会、常任委員会中心主義の国会から離れて党レベルで、自民党幹事長提案に基づいて、予算委員会の理事会で審議すべきこと、補正予算のあり方などは本来ここで議論すべき場所だと思います。ところが、補正予算にかかわる内容、補正予算に関連する関連法案、こういうものをここの審議なしに一定の方向を打ち出していく、こういう国会の運営は二度とあってはならぬと私は思います。まず、総理の見解を聞きたいと思います。
○海部内閣総理大臣 政府といたしましては、補正予算をできるだけ早く成立させていただきたいという気持ちで提出をし、御審議のお願いをいたしたわけでありますけれども、国会は御承知のように、各党間においてお話し合いをいただき、その国会の日程は決められていくのが私は議会政治というもののやはり守るべき筋道である、こう判断をいたしまして、その各党の御論議を、お話し合いを注目しておったわけでございますが、今後は先生おっしゃるように、お話し合いが各党間でスムーズに進んで前進していきますことを心から期待させていただきます。
○嶋崎委員 幹事長・書記長会談で、今提出されている補正予算の中身について修正するとか修正しないとか、その結論が既に前提にされた、こんな予算委員会の議論というのは本来あるべき姿ではありません。 そこで、まずお聞きいたします。今度の補正予算で新たに造成される基金は何と何ですか、大蔵大臣。
○小粥政府委員 お答え申し上げます。 平成元年度補正予算において新たに設置する基金として計上しておりますものは、特殊法人等が設置するものといたしまして、芸術文化振興基金、衛星放送受信対策基金、この二つがございます。それから次に、地方公共団体が設置するものといたしまして、地域環境保全基金、それから大谷石採取場跡地安全対策基金、地域産業活性化基金、それに中小商業活性化基金、以上四件でございます。それからさらに、民間公益法人の設置するものといたしまして、農山漁村振興基金及びハ虫類等皮革産業債務保証事業基金がございます。 以上八項目でございます。
○嶋崎委員 今回八項目ですね。昭和五十年から今日まで、それぞれの段階の補正でこういう基金の造成をやったのは、いつ、何カ所ですか。
○小粥政府委員 お答えいたします。 戦後、補正予算におきまして……(嶋崎委員「昭和五十年以降でいいんだ」と呼ぶ)はい。新規に基金を創設したものの調べでございます。昭和五十年度以降、五十二年度に、これは通商産業省所管でございますが、平電炉業構造改善事業債務保証基金、それから五十三年度に、科学技術庁所管で魚価安定特別基金、通商産業省所管、金属鉱業緊急融資基金、運輸省所管、船舶解徹事業促進助成基金、それから六十年度でございますが、農林水産省所管、木材産業生産強化特別基金、通商産業省所管の皮革産業債務保証基金、次いで六十三年度補正でございますが、沖縄開発庁所管、沖縄県産業振興基金、大蔵省所管、しょうちゅう乙類業対策基金、それから通商産業省所管、商店街振興基金、同じく商工会等記帳機械化等オンライン化推進事業基金でございます。 以上、合計十項目でございます。
○嶋崎委員 昭和五十年から今日まである毎年度の補正の中で、今出た五十二年度一件ですね、五十三年度三件ですね、六十年に二件。そして、いずれにしても一度にこんなたくさん基金がどっと出てきた。これは過去の経験にないと思うが、いかがですか、大蔵大臣。
○橋本国務大臣 確かにそういうお尋ねであれば、単年度の補正予算において過去一番多かった年で五案件でありますから、確かに多いということは言えるかもしれません。しかし、同時に、それぞれが緊要度を持つものであったこともまた御審議をいただいておるとおりであります。
○嶋崎委員 しかし、五十二年、五十三年、それから六十年度まではないわけです。それで六十年にあって、そして六十二年にあって、そして六十三年ですね。過去のいわば補正の段階でこういう基金というものを扱った経験から見て、今度の場合にはどう見ても、数が多いだけではなくて、本来基金というものは設置するに当たっては、この基金の運用益でやる歳出、仕事というのは決して会計年度ではなくて、幾つかの年度にまたがっていく政策的性格を持つものであることは御承知のとおりです。そういう意味で今度の補正予算が財政法二十九条に違反するような案件がなかろうか、これが今日までいろいろ議論されてきた過程のようであります、書記長・幹事長会談で新聞で出ているんですから。そして結果としては、報道によりますと、一部修正とか一括審議が分離審議になるとかいう形で事が進められたと報道されております。 そうしますと、今度のいわば補正の中身は、結果として修正ないし分割という——最初は、幹事長の提案は一括審議で一括上げるということを考えていたんですから、それが国会正常化する道だという提案のようでありました。ところが、結果としては分離ということを認め、その分離は国立劇場法の一部改正案と、それから放送・通信衛星機構に関連する法律、これは分離するんよ、そして農山漁村の振興基金については四月一日で施行日を変える、修正議決の方向に持っていくんよと聞き及んでおりますが、そう理解してよろしいですか、総理。
○海部内閣総理大臣 各党のお話し合いがそのように進んでおるということは私どもも報告を聞いておりますし、そのような処理で各党が書記長・幹事長会談ですか、そこでお話し合いをしていただいた、こう受けとめさせていただいております。
○嶋崎委員 その党の、あなたは自民党の総裁ですから、書記長・幹事長会談で申し合わせたということは、与党としては総理の決意であります。その総理の決意は、したがって書記長・幹事長会談で申し合わせたことを前提で海部内閣は補正の審議をお願いするということになりますね。
○海部内閣総理大臣 率直に申し上げますと、前国会ででき得れば補正予算は御審議願いたいというので、内閣としては補正予算を国会に提出をし、御審議を強くお願いしてきたのでありますけれども、国会の運営は政府の思うとおりにはまいりませんので、いろいろ各党のお話し合いによって今日こういうことになったというわけであります。 なお、書記長・幹事長会談の経緯については、私も党の立場でそれは理解をさせていただいておりますし、そのような理解に基づいて交渉が進んでいったものであることもよく承知いたしております。
○嶋崎委員 立法府では多分そういうことに決着がつくだろうということを前提にして、きょう皆大臣出てきたんでしょう。どうですか。
○海部内閣総理大臣 国会のことは国会において、お話し合いによって決めていただくというのが私は議会制民主主義のあるべき姿だと思いますし、私も議運や国対の委員長もやらしていただき、その辺の重要なこと、大切なことは重々承知しておるつもりでございます。
○嶋崎委員 入り口で議論していると、肝心の議論に行きませんからね。 大蔵大臣、では、まあ例を見ないと私は一応ここに強調しておきましょうか、例を見ない新たな基金の造成を補正で提案されたその根拠は、法律的根拠は何ですか。
○橋本国務大臣 その前に一つちょっと。もしかすると私が言い違えておりますかもしれませんので、ひとつ訂正させていただきますが、先ほど新規の基金を単年度で設立いたしました最高の数を私は五と申し上げたそうでありますが、四でありますので、申しわけありません、これは訂正をいたしておきます。 そこで、委員が御指摘になりましたものは、恐らく財政法二十九条というものについて今見解をおただしのものであろうと思います。私どもは、この補正予算につきまして、財政法二十九条に照らして遺漏のなきものを計上をいたし、御審議をお願いをしているという姿勢でありまして、今もその姿勢で御論議をお願いを申し上げておるわけであります。
○嶋崎委員 八日の予算委員会ですね、あのときに公明党の委員からの御質問に対して大蔵大臣は、二十九条の第二項目、中身に関連するならば、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」これに該当する、こう答えられていましたが、今も確認できますね。
○橋本国務大臣 正確な言葉遣いは記憶いたしておりませんけれども、ほぼそのような趣旨で御答弁を申し上げていると思います。
○嶋崎委員 この財政法に言う補正予算規定について、今までの有権解釈は、今の主計局の次長の小村さん、小村さんですね、小村さんが「予算と財政法」これは六十二年版、それから会計検査院事務総長で予算室長をお務めになった大澤さん、この人たちの昭和四十四年段階の理解、最初この法律ができた昭和二十二年段階、それぞれありますが、一貫しているのは、この小村さんのこの逐条審議の解説をちょっと簡潔に説明しますと、こう言っています。 義務的経費以外のものについては、財政法は、「予算の作成後」に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出に限っている。これは、義務的経費以外のものは、予算作成時に政策的判断として必要なものはすべてを予算計上するのが建前であるからである。逆に、予算作成時に計上されないものは、「緊要でない」という判断を下したことになる。したがつて、義務的経費以外で予算作成時に当然予期された経費は、補正計上できないことになる。 こういう、きちっと限定的な解釈をしております。 会計検査院の事務総長をなさって予算室長になられました大澤さんは、もっときちっと言っています。 これを厳格に解しなければ、この制度の乱用となるおそれがある。少なくとも「どうしてもこうしなければならない。」という程度のものでなければならず、「こうした方が適当である。」というようなものであってはならない。 このように補正を組むに当たっての政策的経費というのは、予算というのは一会計年度である、そして議決をしてからやるという原則があり、総予算主義という立場をとっているから、補正というのは憲法の八十三条かな、財政、税の基本を言ったところ、八十三条だ。この財政民主主義という立場に立って、みだりに補正というものを政策経費として広げてはならぬよという限定的な解釈が今日までの考え方であったと私は理解しますが、どうですか。
○橋本国務大臣 これは、むしろ著者本人がおりましたならば、著者本人から解説をさせるべきことかもしれませんが……。 小村主計局次長の「予算と財政法」の中に、今委員が述べられましたような一項目がございます。このうち前段の部分につきましては、補正予算編成の要件であります予算作成後に生じた事由というものについて述べております。同時に、後段の部分は、何をもって特に緊要となった経費というかにつきましては、政府において判断をした上で補正予算を作成し、国会に提出することができるという趣旨であると、私はそのようにこの文章を読んでおります。
○嶋崎委員 したがって、大蔵大臣は、今回補正に出された一連の基金は、そういう理解に基づいて適法であるという判断で出された、そう理解してよろしいですね。
○橋本国務大臣 そのとおりです。
○嶋崎委員 はい。では、聞きましょう。 基金というものは余裕の財源を見て一般会計から除外して、その運用益を特定の支出に充て、例えば今度の芸術振興基金ならば、六百億という基金で大体約三十億の年間運用益というものをやって芸術振興に充てょう。農山漁村でいけば、公庫法を変えて、新しい村おこし運動をやろうとする人たちに新しい基金でもって利子補給をしてそれが可能になるようにしてあげよう、等々ですな。したがって、余裕財源を見た上で一般会計の歳出からこれを除外し、その運用益で特定の支出に充てる、この際には当然民間資金の導入というものを考えて運用されるものだと思います。そういう性質のものだと思います。 これは、東京都ではかなり有効性を持って運用していますが、国の方針としては、やっぱり新しい道の制度だと考えられませんか、大蔵大臣。
○橋本国務大臣 これは、議論としては私は大変興味のある議論を両側から展開のできる性格のものだと思います。ただ同時に、今委員がお述べになりましたような基金制度というものにつきましての特質は、同時にそれを、その基金の運用によって受益する国民の立場からいいますならば、長期的にそれぞれの対応策を講ずることがあらかじめ考え得るという利点を持っておることも一つの事実でありまして、こうした方法が否定されるべきではない、私はそのように考えております。
○嶋崎委員 僕は、例えば今言う一連の基金の中身があかんと言うておるのじゃないのです。国の財政運用の方法として、財政法二十九条にもとる運用の中で扱うのか、きちんとした政策的な大きな課題を新たな課題として提起するならば本予算で扱うべきだという財政運用の筋を言っておるのです。 芸術文化基金をつくって、この世界に貧困な日本の文化政策を、総理が演説ででかいのを言っているようにやることはいいことですよ。村おこし運動に刺激するような基金をつくって補給するということはいいことですよ。難視聴地域に対して、みんなが見ることも聞くこともできるような放送衛星というものを利用することができるように早くそういう設置者が仕事をする、そのために地方と国が金を出し合って、民間の事業者負担が二分の一で、地方が四分の一、国が四分の一出してそういうものを促進しようじゃないか、何も悪いことないですよ。中身は一つも悪くない。 ところが、そういう一連の問題を補正で扱う、特に選挙前にだあっと並べて。参議院選挙で争点になった農業、そうしたら山村が出てくる。消費税で問題になっていたら中小企業活性化、地域の商店の活性化。高齢者対策といって新たな基金が出てくる。在宅ケアの問題なんていうのは来年以降の予算の計画を、そのための準備としてこれもまた補正でばんと組んでいる。そういう一連の財政運用のあり方が問題だと言うておるのです。そういう意味で今度の補正には財政運用上の問題があるということを私たちは主張して、きちっとしたことをやろうじゃないですか、こう言っておるのです。 そこでお聞きしますが、文部大臣、日本の芸術文化というものは国際的に見て物すごくおくれていると思いませんか。
○橋本国務大臣 文部大臣に対する御質問の前に私に対しての御意見を賜りましたので、あえて私の方から申し上げさせていただきたいことがございます。 本予算に譲ればいいことだと委員は簡単にお話しになりましたが、たまたま委員が例示にとられました例えば芸術文化振興基金、先日の本委員会においても御説明を申し上げたところでありますが、昨年の末、民間の各界有志から芸術文化振興のための基金の早期設立の要請と元年度中を目途とする資金拠出の表明が行われた、そこのところはよくお聞きをいただきたいと思うのであります。そして、既に元年度の経理で資金拠出を行うことを予定しておられる企業というものも数多く存在するということから、国としても、民間の機運の盛り上がったこの機会をとらえて緊急にこの設置に踏み切ることとしたわけでありまして、まさに予算作成後に生じた理由に基づき特に緊要となった経費というものに該当すると私どもは思っておりますし、仮に、委員が御指摘のように設立の時期を二年度におくらせるということになりました場合に、元年度に資金拠出を予定しておられる企業はその多くを白紙に戻して再検討しなければならないということも言われております。こうしたことから、国としては、その時期を逸しないようにこの元年度の補正予算にこれを計上させていただいたわけでありまして、そうした事実があることも御理解を願わなければなりません。
○嶋崎委員 それは今から中身に入るのよ。何も聞きもしないことを答えぬでください。 じゃ行きましょう。今大蔵大臣は——芸術振興基金の構想というのは、昨年の夏、音楽議連の小委員会が最終答申を出しました。私も音楽議連の副会長ですから、経過はみんな知っています。そういう意味では、去年の八月に、さあ具体化しようとして文部大臣が補正でやりたいという発言をなさった。ところが、その時期になぜ補正になったかという背景を大蔵大臣知っておるはずだが、一千億が五百になったのです。基金は五百になっているのです。緊急ならば五百じゃだめなんですよ。緊急ならば一千億ぐらいから始めぬとだめですよ。私はそう思う。 そこで、文部大臣にお聞きしますが、この芸術振興基金の構想というのが固まって、まあ今の文部大臣じゃ気の毒だけれども、前の文部大臣その他のいつごろこの構想が固まってきましたか。
○保利国務大臣 その前に嶋崎委員から御質問がございました。日本の文化はほかの国に比べて大変おくれているのではないかというお話がございましたが、私は、日本には日本独自の伝統文化がございますし、先端の文化の部門におきましても決しておくれているものではないということを申し上げたいと思います。 それから、ただいまの御質問でございますが、私が承知をいたしておりますところでは、この芸術文化振興基金につきましては、昨年の暮れになりまして芸術文化振興基金推進委員会のアピールが出たその時点から具体化の運びがなされたと伺っております。
○嶋崎委員 与えられた時間が一時間十分ですから、こんな経過論でがちゃがちゃやっていたんじゃ全く意味ないけれども、芸術振興基金の経緯というのは、私たちが、櫻内さんが会長で、青木さんが事務局長で、私が社会党から出ている副会長として今日までいろいろなことを先輩の後を受けてやってきました。 これは、この経過を見ればおわかりのように、我が国の文化政策の中で、今問題になっている芸術文化の振興というのをちょっと先進諸国と比較してみましょうか。たくさん資料ありますけれども、一番単純なやつでいきましょうね。芸術予算関係を、芸術助成の三国比較、日本とイギリスとアメリカを比較している。なぜかというと、今度の基金は英米型の振興基金のタイプを選択したからです。フランス・イタリア型をとらない、ドイツ型をとらない、英米型の振興基金でいこうという判断で今日具体化されているのです。英米型というのは、民間のお金と国のお金、特にアメリカは民間が非常に重点的です。イギリスは国も責任を持ち、民間もやる。しかしフランスやイタリアのように国が大半責任を持ってやっていくというタイプと違うものを選んだ。そういう意味で比較はイギリスとアメリカとやるのですが、今までの文化庁予算で見ますと、大体文化庁の予算が年間、平成二年で四百億ちょっとでしょう。それに五百億円の基金で、まあ動かすのは三十億だ。しかし今までどのくらいかというと、芸術家の活動費を支えてきたお金は大体七億と見ていいです。七億二千万。平成元年度でいうと七億です。今度は五百億を入れて年間三十億を動かすのですから、これは画期的なことだと思います。しかし、それは三十億円が画期的だという意味じゃないのですよ。今までが少な過ぎたからです。イギリスではどのくらいかといったら、日本の金にすると三百五十八億、アメリカでは民間資金を導入して動かしているのは二百十三億。けたが違うのですよ。 こういう実情の中で、緊急に芸術振興基金というものを発足させようではないかという努力が今日実ってきたことは間違いない。こんなものは補正でちょこちょことやる話じゃのうて、日本の国の文化政策として、これだけ物と金の豊かな日本が、日米、すべての世界の貿易摩擦に対応して心の問題を日本の問題として打ち出すという意味でも、総理は施政演説の中でそういうようなことをおっしゃったでしょう、読み上げませんけれども。あのときは基金のことをおっしゃったですね。だから緊急性というなら、暮れになって、ないしは答申が出たというような——答申というのは私たちがやってきた音議連ですよね。音議連の答申、八月に出しました。最終判断、英米型でいくと。もっと早くから方針を持っていましたよ。大蔵省がうんと言わぬからだめだったのですよ。そしてついに具体化したが、これは我が国の文化政策というものを考えるときに、今までの文化庁予算で動かしてきたあり方と、新たな基金制度を設けて動かしていくという文化政策は、行って帰るほど違うのです。そういう性格のものだと僕は思う。それだけに、出発を急ぐのはいいが、もっときちんとした議論をして、これだけ貿易摩擦問題が起きている我が国で世界に貢献するためには、外国の演奏家や外国のものが来るだけではなくて、日本で進んでいなければ、日本がそういう文化政策を持っていなければ外国には貢献できない。そういう意味からも一つの大きな政策転換だと思う。 だから、二十九条の緊急性とおっしゃるなら、五百億じゃ足らぬのですよ。私は逆だと思う。一千億から始めればいいのですよ。目標はどこに置いていますか、文部大臣。この基金の額の目標は。
○保利国務大臣 芸術文化の振興は非常に重要なことでございますから、多ければ多いほどよろしいというお気持ちはわかりますし、また私どももそういう気持ちを持っておりますけれども、とりあえずはこの補正予算で組ませていただきました五百億円で、政府から出し、さらに民間の出資、百億をめどにして出捐をしていただきますが、その分と合わせて六百億で当初運営を開始し、さらにその後の状況を見て対処してまいりたい、こういう気持ちでおります。
○嶋崎委員 目標を聞いているのですよ。文部大臣、知らぬはずはないわね。将来四千億まで持っていかなきゃいけないのです。国が二千億、民間が二千億、四千億。今すぐじゃないのですよ。これは先までの間に、九〇年代にはそれくらいにしなければだめですよ。そういうところへ将来持っていくということから考えて、それは音議連でいろいろ検討した結果出ている数字なんですから。大半が自民党の議員じゃありませんか。そこで出ている方針が将来そういうところまで持っていこうというのですから、したがって、そういう意味で補正で簡単に扱うべき性質のものではないという意味のことを言っているのです。 さて、この基金をつくる前提は、私はこういう理解だと思っております。 一つは、現代の市場経済のもとで芸術の創造活動というものは直ちに採算に結びつく性質のものではない、これは非常に大事なことですね。だからこれに対する公的支援が不可欠だという意味だと思うのです。これが一つ。それで、芸術文化活動は創造性があると同時に自主性を生命にしておりますから、商業主義や権力からの介入というものがあってはならぬ、これが二つ目の原則。そうして、自立できてそれを支援していくという仕組みとしてこういう基金を動かさなければならぬ問題だと私は思います。この三点は、文部大臣、確認できますな。当然のことでしょう。いかがです
○保利国務大臣 御高見確かに拝聴いたしました。大変御立派な御意見だと存じます。
○嶋崎委員 そうすると、そういう前提に立っていくとすると、今の日本の現状はどうなっているかというと、結論だけ簡単に言いますと、オーケストラでも児童劇団でも演劇でも、結局はきりきり舞いしているから事業資金で賄うしかないわけでしょう。事業資金で賄うということになると入場料を高うせなあかんわな。同時に、芸術家たちが飯食わなければいかぬのですから、それもその中からやるとすれば生活は苦しゅうなる、データは挙げませんけれども。もう児童劇団なんかの平均たるや年間百八十万くらいですよ。それでみんなやっているのですから。小学校の各学校回って大事な心の児童演劇活動というものが民間の手によって行われている。その人たちの生活というものは物すごく劣悪です。ヨーロッパへ行って国家演奏の資格を持って帰ってきても、日本じゃ飯食えないのだから。あっちへ行って稼いできて、日本じゃサービスしているのですよ、みんな。そんな実情をどうするかという根本問題ですから、文化政策をどうするかという大事な課題を内包している問題だということを申し上げたいわけです。だから、二十九条に言う緊急性とおっしゃるなら逆なんで、九〇年代には大きな目標を立てて、そしてこういう我が国の基金制度は先ほど私が申し上げた三点を前提にしてどのように国の文化政策として位置づけていくかというふうにきちんとした議論をすべきだ。それを、一括審議か分離か、一日で上げまいか、そんないいかげんな扱いをしている性質のものじゃないと僕は言いたいのです。しかも、この基金制度は国立劇場の運営の中に今度は一分野として新たにつくられたものでしょう。どうですか。どっちが答えますか、大蔵大臣、文部大臣。
○保利国務大臣 ただいま国会にお願いをいたしております国立劇場の改正法案、これの中でこれを芸術文化振興会に直していただいて、その中に基金を預かる組織をつくるという形に考えております。
○嶋崎委員 さて、今度の国立劇場法の一部改正というこの法律に関連して、今までは特殊法人の国立劇場というもので運用してきた、それに対して新しい基金ができるのですね。その基金は文化庁の予算を最初から超えるような基金から始まるのですから、仮に五百億で始めても。僕は四千億と思っているけれども、そう簡単にいかぬととも知っているよ。だけれども、文化庁の予算は四百数億円なんですから、それを超える基金、動かすのは三十億ですけれども、基金を投入するのですね。しかも、それをやるときに、国立劇場の中に基金の運用の部門ができるわけ。今までの国立劇場、これは名前は変わりますよ。だから、今までの国立劇場運用の関係と基金の運用、なぜ独立した法人ができないんですか。スクラップ・アンド・ビルドでしょう、法人の。各省庁は、一つ法人つくったら一つつぶせ、今までの行革の方針じゃないですか。その方針があるから隠れみので国立劇場の中にこそっと隠れて運用するんじゃないですか。大蔵大臣、そう思いませんか。独立になぜしないんですか。
○橋本国務大臣 組織をつくる、つくらない、あるいは既存の組織の中に新たな業務を追加する、しない、これはまさに組織図の問題として御論議をいただくべきことだと思います。 しかし、今委員御自身が御指摘になっておりますように、その新たな業務が追加されることは隠れて行われているものではありませんで、委員御自身がここで論議に供しておられます。隠れみのといった御批判は当たらない、私はそう思います。
○嶋崎委員 だけど、基金というのは、最初申し上げましたように一般会計から外して民間の金を入れて、これから運用をしていくものですから、総予算主義という枠からはみ出るの、これは。補正で扱うかどうかというのは、こういう制度を今後入れるか入れないかという問題なんです。制度論の問題なんです。だから、国民の側では利益を得ることはある、芸術家たちにとってもプラスである。しかし、国がそれを動かしていくときには、その基金というのはきちんと公の法人組織をつくって将来の発展をすべきなのに、国立劇場の法律をちょっと変えて、そして中で運用をしていくことを始めるということ自身が、隠れみのという表現が悪ければ、公然化がなぜできないのか。こういう問題が幾つかあるような気がする。 NHKの例の難視聴地域問題、これは地方で都道府県並びに政令指定都市で基金の造成をするというんですね。国が四分の一出す、地方が四分の一出す。なぜ地方なんですか。これ、よくわからないけれど、これも郵政省では、そういう新たなものをなかなか国として発足しにくい、法人のスクラップ・アンド・ビルドと関係がないんですかと聞きたいのね。 それから、今度地域活性化資金。一連の基金の中に、本来新たな基金制度というものを設けて、その運用益で一般会計から除外して運用していくという政策経費として動かすというなら、それが我が国の将来の政策経費として重要な位置を占めるものであるとしたら、形としても、スクラップ・アンド・ビルドの中で、これは要る、これは要らぬというふうに選択せなければいけません。各省庁がばらばらに、一つふえたら一つ減らす、みんな平等じゃないんです。国の施策の中で、ある省のこれは要る、ある省のこれは要らぬ、こう言わなきゃいかぬでしょう。そういうことを変えなければいけないんじゃないですか、今日本は。ただ行革の一般論で、各役所が一つ減らしたら一つふやす、そんな平等主義、くそ平等みたいなことでその制度のあり方をごまかしていちゃいかぬのじゃないですか、行革の本来の姿というのは。そういうことと、今度一連打ち出してきている基金制度は無関係ではない、私はそう思う。総理どう思いますか。
○橋本国務大臣 今総理への御質問でありますけれども、私からお答えをさせていただきたいと思いますのは、私どもの立場から今の委員の御論議を拝聴しておりまして、一般論としていわゆるスクラップ・アンド・ビルドの原則に基づいて行政改革を進めていく手法がある程度限界に来ているという御指摘については、私もそのとおりだと思います。そして、全体の中でより緊要度の高いもの、より緊要度の低いもの、そうした視点から政府全体の中で考えていけという御指摘は、私はそのとおりだと思います。 そして同時に、そういう視点で考えてまいりました場合に、既存の組織を活用し、その業務を追加することによって新たな機構の膨脹を防ぐという手法がいかぬと言われるのとは、その御論議は必ずしも私は同一のものではない、そのように理解をいたしております。
○嶋崎委員 それは、今のはそういうふうに答弁すれば、なるほどなとちょっと納得するように見えるけれども、納得はできませんね。僕はしませんよ。そんなことなら、国立劇場の中で何でやるのですか、でかい基金を。別に起こしたらいいじゃないですか。独自になぜ起こさぬのですか。国立劇場の中の一部門、その中で、この芸術文化振興基金をなぜ別に枠の中で扱うように法律改正しているのですか。僕はその理屈はわからぬのです。 しかも、これができたら、その基金の運用は一般会計と別なんですから。そういう議論になりがちだから、二十九条の緊急に当たるかどうかというのは、いろんな意味において相当検討を要すべき代物だ、こんなふうに私は思います。 これはいつまで議論したってしょうがないけれども、書記長・幹事長会談では、本来ならば一括処理で押しまくってきた自民党幹事長の提案に対して、与野党が議論した結果、一括じゃないよ、分離しましょうという政党間の申し合わせをしたことは、その中で、この国立劇場の一部改正と、いま一つ通信衛星に関係する法律は別建てでいきましょうというふうに言ったことは、二十九条違反と言ってはいかぬけれども、二十九条の精神にもとった運用としてあったがゆえに話し合いがついた、そう理解すべきだと思うが、どうですか。これは総理かな。
○橋本国務大臣 総理のお答えの前に、私の立場からお答えをさせていただきたいと思います。 政府はあくまでも財政法二十九条に照らし、遺漏なきを期して補正予算を提出をし、またその関連法案も提出して御審議を願っておるわけであります。その立場は今日ただいまといえども変わりません。そして、それと同時に立法府としての御判断が、与野党の書記長・幹事長会談という中において、法案の取り扱いに一定の方向を示されたという事実、これを私どもはそのとおり受けとめるわけでありますけれども、それが財政法二十九条に照らして、補正予算の内容あるいは提出した関連法案に疑義ありということでは私はない、政府の立場としてはそう考えております。
○嶋崎委員 これから各委員会で審議することですから、法案の審議を縛るわけにいかぬが、どうも幹事長・書記長会談で一定の方向づけが行われていることから推測をすると、これからの審議に際して新たなそういう問題点を含んできそうな気がしてなりません。まあこれはおくとしましょう。 それでは次。それで、この芸術文化振興基金が修正の話が出たときに、国が五百億、民間が百億だが、百億は民間で三月三十一日までに集まらなきゃならぬので、これは修正はできませんと言って、大蔵省と自民党幹事長の裏の話の結果、お断りになったと聞いております。 さて、これは郵政大臣かな、同時に自治大臣にも関係しますな。文部大臣も関係するからね。どこからいくかな。まず文部大臣からいくか。 文部大臣、書記長・幹事長会談の中で与党側からの主張は、これも農山村漁村問題が一部修正になるかならぬか、これは委員会にいかなければわかりませんね。だけれども、どうもそういう決着がつきそうだ、そして同時に、放送衛星に関するものと国立劇場ですね、これを分離するということをめぐって、修正か分離かという議論があったと聞いていますが、その際に自民党幹事長側の主張は、先ほど大蔵大臣が聞きもしないのに答えたのですけれども、三月三十一日までに民間のお金が集まらなければ発足ができないので修正はできぬ、こういう御説明をなさったと聞いておりますが、そう理解してよろしいですね、両方とも。いいですね。
○保利国務大臣 先ほどお答えを申し上げましたとおり、芸術文化振興基金の推進委員会のアピールが昨年の十二月にございました。これは委員も御承知のことだと存じますが、この要請は、この基金をつくることは非常に重要であるので民間も平成元年度をめどにして基金を出すことについてやりたい、こういうお話がスタートにございます。そして、三月三十一日と申しますれば、民間におきましてもこれは多くの企業で決算期を迎えるわけでありますから、資金の拠出等について社内でいろいろな決済等も行われていくことであろうと思います。そして準備をしていただいて、民間の機運がかなり盛り上がってきておるわけであります。そこへ政府の用意いたしました芸術文化振興基金並びにそれに関連する法律について、ぜひ年度内にお願いをしたいということで国会にお願いを申し上げているところでございまして、そういう意味において緊要となる経費というものに相当するものと私どもは考えております。 〔委員長退席、野田(毅)委員長代理着席〕
○嶋崎委員 今、民間のお金はどのぐらい集まる予定ですか。三月三十一日までに百億集まるのですね。
○保利国務大臣 相当な企業から基金の拠出についての意思表示があると伺っております。詳細につきましては、事務当局がおりますので、返事をさせたいと思います。
○遠山政府委員 御質問の件でございますけれども、芸術文化振興基金推進委員会の大変な御熱意によりまして民間の機運が大変高まってまいっております。既に数十社から拠出の意思表示がございますし、目下検討中というところもあるわけでございます。その意味から、大臣からもお話し申し上げましたとおり、同委員会の提言によってできるだけ目標額を今年度内に達したいということで、この予算案及び法案のできるだけ早い成立を期待しているところでございます。 よろしくお願いいたします。
○嶋崎委員 せっかく次長も御発言だから、三月三十一日までに百億集まる、それを超えるかもしれないと言うたらなおいいけれども、集まるという前提だということだけはわかった。集まるかどうか、後で点検してみるよ。僕は集まらぬと思う。 いずれにしても、百億を年内に集めなければならないと言って百億が集まらなかった場合には、今年じゅうにやった緊急性はないということになっちゃうよ。わかりますね。きちっと百億集めて、法律で言う趣旨の——法律では金額示していません。法律では国の出資、民間の出資、というのは、将来大きくせねばいけませんからそういう法律にしてあります。だから将来はふえるということが前提ですから、わかりますが、これの緊急が三月三十一日までだとすれば、まだ日はあるよ。三月三十一日までに百億集まると、大きな企業が努力しているというのだから、今の段階ではそれを信用するしかありませんね。僕は集まらぬのじゃないかと心配しているのですよ。もし集まらないようなことがあると、百億が前提になっているやつは崩れるわけね。八十億でいいとか七十億でいいということになりませんから、来年度直ちに計上しなければなりませんよ。そういう性質のものだが、さて、三月三十一日が会計年度だから、企業が、こういう国の文化的な重要な基金をつくるときに、うちは会計年度は三月三十一日だから、四月にいったら金出せぬのだと、そんなことを政治家や立法府が決めて、それに対して行政にきちんと言うべきことを言う必要はありません。 〔野田(毅)委員長代理退席、委員長着席〕 ほかにも税制度の検討みたいなものをアメリカのように考えなければなりません。今でも控除ありますよ。だけれども、文化政策推進のための企業の文化出資、そういうものについての税制はこれでいいのかというような議論もしなければならぬのじゃないですか。だから、三月三十一日までとあたかもこれが金科玉条のごとく、ここで発足しなければならぬという理由にならないし、三月三十一日までに成立しなければならないという国会答弁をすり抜けょうとするのは、政治家の怠慢だと思う。仮に年を越しても、四月になってからでも、そういう場合には——だって、国の税金やるときには十二月の段階で、発生主義ですから三月の段階で発生したものを実際に納めるときには五月の段階でやるでしょう、法人が。だから、三月三十一日に納められなければ、先へ越したら納められないという、そんな理屈、企業がそういうことをおっしゃったら、むしろ文化政策の意義を説いて努力をお願いするのが筋じゃありませんか、と私は思う。これは議論してもしようがない、三月三十一日に百億集まるというのですから。こういう問題も含んでいる。 そういう意味では文化政策は単に基金をつくるだけの話じゃなくて、文化に対して日本の企業が、もうけることだけじゃなくて文化に投資をする、そういうカルチャーを日本につくらなければいけません。それにもまだ検討課題が残っている。だから、とにかく発足すれば後で議論がたくさん出てくるのじゃという話じゃなくて、やはり緊急性という場合にはもっと多くの諸課題をきちんと議論をする性格を持っていると私は判断します。時間がありませんからこれでやめます。 それで農山村振興基金、これは公庫法の改正をしなければ発動できませんね。したがって、公庫法を改正するこの法律はいつ閣議決定しましたか。
○鶴岡政府委員 三月二日と承知しております。
○嶋崎委員 なぜ一月十九日に閣議決定しなかったのですか。
○山本国務大臣 お答えいたします。 この農林公庫法の改正法案は、これは基金が助成対象とする資金を創設するなど、補正予算案の実効を期する上で非常に大事だということでございます。そこで、一月の段階で早期に国会にぜひお願いをしようということでいろいろな努力を進めたところでございますけれども、法案の内容が先生も御承知のとおり各分野にまたがっておるということでございまして、その調整に手間取りましてさきの国会に提出できなかったという経緯がございます。このたびの今国会の提出に当たりましては、このことを踏まえまして、補正予算案の国会提出と日を置かずに提出をする、こういうことで早期に御審議を願い、一日も早く農山村の活性化のために機能を発揮させていただきたい、こういうふうにお願いをいたします。
○嶋崎委員 一月十九日に、選挙前にチャラになったこの補正ですね、この補正を閣議決定した一月十九日の閣議決定には五本の法律を閣議決定しているのですよ。農山漁村の振興基金に関連する基金は、利子補給のための基金ですよ。しかし、これは運用益じゃなくて、なし崩しだから、基本的な基金とはちょっと性格が違うが、しかしこれは長年にわたって動かすものですから、やはり基金だ。これをやるのに基金をつくる方は法律事項でない、ところが、この基金を動かすのは公庫法を改正してからでないと動かない。だとすれば、補正の予算を提出したときに、なぜ一月十九日の段階でその法案を閣議で決めていないか。いろいろな事情で決めていない、慌てて後で決めた、選挙が終わってから決めた、こう言っているね。そこに問題がある。本来、補正を出したときに、新しい基金の制度をつくる、これも。それはもちろん法律事項ではなかった。しかし、この基金の運用は公庫法の改正で、国が農林漁業公庫に百六十億、農協が大体百六十億、国民金融公庫が二十億等々で金をつくって、新たな事業を行わせた村おこしに対して利子補給するという制度ですね。だったら、こんな新しい制度を発足するのになぜ法律と一緒に閣議決定しなかったのですか。そのことは、ほかの法律の閣議決定したものと違う扱いをしたのは、おくれたというだけじゃ理由にならぬ。僕はそう思う。新しい制度発足に当たってやはり準備不足である。何でそんな準備不足になったのですか。選挙前で慌てたのじゃないですかと言いたいところだけれども、それは暴論になるからやめておきましょう。だけれども、一月十九日に閣議決定しないで、選挙が終わってきて、そして公庫法改正の法律をまた閣議決定、慌てて一つだけ追っかけて出してきた。この手続はどうですか、総理大臣。 補正で新たな基金の制度、新たなものを出してきた。これは確かに今の減反がありますよ、米価問題がありますよ。農村は確かに今新たな困難な課題に直面している。したがって、柴山村の村をつくっていくためには村おこし運動は必要なわけ。そのために、まあこれだけやったからといって刺激に僕はならぬと思う。もっと森林育成のための努力などもやらにゃいかぬし、やらにゃいかぬことはいっぱいあるけれども、当面村おこしのために援助していくという制度として発足する。悪いことじゃないね、これも。だけれども、法律は後にしておいて、それで片っ方は法律事項じゃないから基金だけ先につくっておく、こういう扱いをした補正の中身であるということが問題なんです。だから、一部修正あり得ると言っているのでしょう、四月一日。そこは典型的に示されているのです。やはりこの補正予算の性格の中に財政運用上瑕疵があると言わざるを得ない。これが一つ。 もう一つ聞きますよ。郵政大臣、今度の難視聴、見たり聞いたりするのにNHKの放送衛星使ってやるような民間の仕事、これに対して国が四分の一、地方が四分の一、民間の事業者負担が二分の一、そしてその事業をやる、こういう制度で都道府県並びに政令都市に基金を造成する、こういうことになりましたね。これは自治大臣と両方ですけれどもね。地方の基金の造成は国が法律で決めなければ造成できないんじゃないですか。悪いけれども、自治大臣、地方で新たな基金の制度で今度難視聴地域の基金をつくるわけね。これは国の法律が動き出すと動き出すことになる、ドッキングすることになっておるが、地方でも当初議会ではそういう基金の造成はなかっただろうと僕は思う。国で補正でこういうものが出てきたときに地方でその造成という施策が動き出した、こう理解していいと思うが、どうですか。
○持永政府委員 地方公共団体で基金を設値する場合におきましては、地方自治法の規定によりまして地方議会で決めますところの条例でもって基金を設置するわけでございますから、地方団体が設置する基金については法律上の根拠は必要ないということでございます。
○嶋崎委員 それは、国の補正でこの法律が出てきたのと見合って造成の方針が出たのか、先にずっと造成の方針があって、国がその後を追っかけてやったのですか、どっちですか。同時決着でしょう。
○持永政府委員 環境庁の環境保全基金が地方団体が設置する基金になるわけでございますけれども、これについては、国の補正予算でそういう問題が取り上げられましたことから地方団体においてもそういう対応をしていこう、こういうことになったと理解しております。
○嶋崎委員 それでいいんだ回答は。そういう性質になっているんですね。だから、国が四月一日から発足するといっても、来年度発足しても直ちに支障を来す性質のものではないと私は思う。そういう意味で、もし今度の補正の中の基金というものが、二十九条の適法性という観点からすると財政運用上問題がありそうだという重要な法案の一つであるとすれば、本来ならば国と地方が一緒に、発足すると同時に国が造成して地方が出てきて基金ができて、そして動き出すのですから、四月一日になってもそんな緊急性というのは、二週間おくれたからどうもならぬという性質のものではないと僕は思う。したがって、これも必要とあれば四月一日施行に変えることもできる性質の内容の法案であると私は思っています。かくかくのこと、もう時間ないですから結論を言いますと、今次補正の中にある新しい基金の造成は、財政運用上、過去の経験から照らしてみても、今次新しい制度を発足するという観点から見ても、補正の運用として行われることでいいのかどうかの疑義 が残るという性格であったということを申し上げたかったのです。 ちょっとここで、余り時間ありませんから一つ。暫定予算はいつ出すのですか。暫定予算はいつ提出するのですか。
○小粥政府委員 事務的な準備の問題もございますから、まず私からお答え申し上げますが、予算委員会の御審議の状況を勘案いたしまして、私ども事実上暫定予算の事務的な準備をさせていただいておることは事実でございますけれども、準備ができ次第、内閣の意思決定を待ちましてしかるべき時期に提出をさせていただきたいと思っております。
○嶋崎委員 いつ出すのと聞いているのです。大体めどはいつなのと聞いている。
○橋本国務大臣 今主計局長から事前に御説明を申させましたのは、現実の準備の状況とあわせて御判断をいただきたいからでありまして、今後の国会の御審議の状況を見ながら内閣全体で判断をし、その時期をまた確定をさせていただきたいと思っております。私どもとしては、やはり何といいましてもまずこの元年度補正予算の通過成立というものを見届け、平成二年度予算案の審議に国会としていつから取りかかっていただけるか、その辺をも眺めた上でということでありまして、現に本院で御審議中の状態、いつ暫定予算をと申し上げるのは、本日の時点においてははばからせていただきたい、そのように思います。
○嶋崎委員 年度終わっちゃうのですよ。それから、今度は五十日ですよ。新聞に言われているのは十兆円ですよ。大変なことですよ。そういうものを年度越えるような話で議論されてはいかぬのよ、本来ならば、筋としては。だけれども、選挙も遅かった、途中で何か十日間も国会が働かなかった、こんなことがあっているからおくれるのはわかるが、きちんとした良識のある時期に出すということにすべきだと思う。 余り時間ありませんから、最後に聞きます。 以上のような、二十九条を前提にした今年度補正のあり方について、長い間国会が二週間もとまって、きょうやっと動き出した。こんな経過から見て、今後の補正予算に当たっては今度問題になったようなことが今後とも起きないように総理としては責任を持って対処する、これについての決意のほどを聞きたい。
○海部内閣総理大臣 いろいろ御議論を承りました。今後、財政法の二十九条は尊重してまいります。
○嶋崎委員 もう一つだけ、時間一分だけ聞いておこうかね。大蔵大臣、昨年度の補正も減税含めると総額は約七兆ぐらい、自然増収その他を含めてあった。減税、おととしは一兆七千、去年は減税二兆ですから、それを入れて七兆ぐらいあったわけです。 さて、去年ないしおととしのを見ると、補正の際の金の使い方は、減税もある、それから同時に、国債のいわば減額もある、一般財源化もある等々、幾つかのタイプであった。今度の補正は去年にはなかった建設国債でやっておる、すべての基金を。一定のものはみんな建設国債。これも去年に比べると新しいが、今後、このような自然増収や前の年からの剰余金が出たりして補正というものを組む際には、その金の使い道はどうあるべきかということについて一定の考え方を持っておく必要が僕はあるのではないかと思う。幾つかありますよ。かつては戻し減税もやった。減税もある。同時に、一般財源化もあれば基金の返済もある。そういう幾つかあるが、今度のように新しい、いわば基金の制度みたいなものに飛びつく前に、そういう金の使い方について国民に向かってちゃんとした方針を持たなきゃいかぬと思う。選挙目当てだからやったのか知りませんが、そういう意味で、自然増収その他について今後どのような判断で臨むべきかなどについて、今補正のいわば慎重な審議を二十九条によってと総理がおっしゃるなら、大蔵大臣、今後の判断についてあなたの決意をお聞きして、質問を終わります。
○橋本国務大臣 財政法二十九条に照らして万遺漏なきを期すということは当然のことでありまして、今総理からお述べになりましたとおりであります。 ただ、今委員が御指摘になりましたように、補正予算を考えます場合には、そのときそのときの経済情勢と全体のバランスを見ながらの判断になるわけでありまして、我々としては適時適切な対応をしてまいるということを今申し上げておきたいと思います。
○越智委員長 これにて加藤君、嶋崎君の質疑は終了いたしました。 次に、宮地正介君。
○宮地委員 きょう、日銀の総裁を参考人にお招きしておりますので、最初に、日銀の総裁にお伺いしてまいりたいと思います。 去る二十日に第四次公定歩合の引き上げを一%行いました。しかし、この円安・ドル高の傾向は一向に歯どめができておりません。けさ方、午前の東京外為市場で円か急落いたしまして、昭和六十二年一月以来の百五十五円台となっております。 日銀は、午前九時二十分過ぎから約二億ドルから三億ドルのドル売り介入を実施した、こういうふうに今円が急落をした状況にあるわけでございますが、この公定歩合の一%第四次引き上げ、このねらいと円安・ドル高に対する効果が余り発揮されてない、円安に対する反発がどうも出てこない、この辺を総裁としてどう見ておられるのかお伺いしたいと思います。
○三重野参考人 お答え申し上げます。 一昨日の公定歩合一%の引き上げのねらいと申しますのを最初に申し上げますが、この措置によりまして現在の情勢のもとで物価に対する予防措置を万全ならしめる、それと同時に、それが市場の安定に資する、これを通じましていわゆる内需中心の現在続いております成長をできるだけ長くしたい、こういうことが公定歩合の引き上げの趣旨でございます。 それで、先生今御指摘のように、それから昨日は休日でございまして、きょう円は引き続き下がり、株は急落を見ているわけでございますが、私どものこういう措置は短期間にあらわれるものではなくて、実際に経済実体面にあらわれ、それがまた市場の安定に資するためにはもう少し時間がかかるというふうに見ております。きょうの円の急落というものはやはり投機的な色彩が非常に強い、したがいまして、これに対しては従来同様、各国と協調のもとに強力な介入により対処する。株の急落も、これは円の急落を嫌気して売られているものでございますが、現在の日本の情勢というのは、先生御案内のとおり、先進国の中では最もバランスのとれた発展を続けており、企業収益もまだまだ好調でございます。したがいまして、現在、円安に嫌気して株が急落したことも、私どもはそういった情勢から見てこれは行き過ぎだというふうに見ておりますが、いずれにしろ、今後とも注意深く見守ってまいりたい、こういうふうに思います。
○宮地委員 今総裁は、投機的な色彩が非常に強い、こういうような見方をされておりますが、やはり日本のジャパンマネーが、アメリカを中心に投資が非常に急激にここ数年の間に伸びておりますね。こういうような一つの動きというものが円安・ドル高、こういうものにやはり結びついているのではないか、この辺に対してどういう分析をされておるのか。 それからもう一点は、高金利時代に突入してきたわけですね。そうしますと、やはり今後、中小企業の設備投資あるいは住宅ローンなどに影響いたしまして、非常に景気が冷えてくるのじゃないか、こういう心配があるのですが、この点についてはどういうようにごらんになっておるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○三重野参考人 最初の点でございますが、委員御指摘のとおり、確かに対外投資というのは非常にふえておりますが、しかしまだ、やや減ってきたとは申しながら日本の経常収支は五百億ドル以上の大きな黒字でございます。したがいまして、結局はこの経済のファンダメンタルズが悪くなれば別でございますけれども、先ほど申し上げましたように、非常に物価の安定のもとにバランスのとれた発展をしておりますので、そういうファンダメンタルズに変更はないという考え方をとっております。 二番目の点でございますが、確かに去年三回公定歩合を上げまして、さらにその追加的な措置をとったものでございますから、そういう今後の影響については十分見ていかなければならないとは思っておりますが、現在の景気は技術革新をもとにした設備投資、それが非常に強い、あわせて消費需要も強いわけでございまして、景気の腰は、当面はまだまだ腰が強いという判断をしておりますので、今回の措置が直ちに大きなインパクトを与えるというふうには見ておりません。 しかしながら、やはり年初来、昨年上げた影響、企業金融の面ではやや変化が出てきておりますので、これから先、中小企業を含めましてそういった面にどういう影響が出てくるか、じっくりと気長に、気長といいますかじっくりと時間をかけて見ていき、その必要があればそのときはそのときでまた考えるというふうに考えております。
○宮地委員 今総裁は、経済のファンダメンタルズが非常にしっかりしておる、だからまだ腰が強い、こういう見方をしておりますが、経済界の中にはやはり円安あるいは金利高、原油高、こういうトリプルデメリットが出てまいりまして、今後の日本経済に大変悪影響になるのではないか、こういう非常に厳しい見方をしている方も多いわけですね。 それから、きょうの円の急落、百五十五円台、これは大変な事態だと思うのですね。このまま推移していくと、百六十円台もそう遠くないのではないかな、こういう心配もやはりあるわけですが、この円安・ドル高の傾向を、今後どういうふうに推移していくのか、この辺どういうふうに見ておられるのか、この二点、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○三重野参考人 委員御指摘のいわゆるトリプル安というのは、その前は全部メリットの方でございましたから、そういう意味では、景気に対しては悪い方に影響するということは事実でございます。ただ、先ほども最初に申しましたように、物価についての予防的措置を万全ならしめる、これによって何と申しますか、物価が安定する基盤を強固にしているわけでございますから、物価が今の調子で安定が続けばまだまだ今の景気は長く続くんじゃないかと、一部経済界の御指摘にもかかわらず私はそういうふうに思っております。 それから、円レートの先行きについて中央銀行の幹部がいろいろ見通しを述べることは、やはりマーケットに不測の影響を与えますので差し控えなければなりませんが、一般論として申し上げるならば、これもたびたび同じことを繰り返して申しわけございませんが、日本の経済が先進国の中では最も物価が安定し、バランスのとれた発展をしている限り、これがどんどん円安に行くような要素はない、こういうふうに考えております。
○宮地委員 政府としてこの点について、特にきょうのこうした円の急落、公定歩合の第四次引き上げ早々に、期待していた歯どめができずに進行しているこの事態を大蔵大臣、どういうふうに見ておりますか。
○橋本国務大臣 今、日銀総裁が日銀当局としての御判断を述べられましたが、基本的に私どもとその内容に変化があるわけではございません。ただ、このところ私どもとして非常に気になっておりますのは、証券市場と為替といわば常に相互もたれ合いのような形で、どちらかが崩れると片方を引っ張ってしまうという状況がなかなか歯どめがかからない状況でございます。このちょうど三月期決算期末直前の状況の中で、今いわばどこでどちら側に底を与えて持ちこたえができるか、非常に苦慮しながら事態を注視しておるという状況であります。
○宮地委員 日銀総裁、お忙しいでしょうから、これで退席どうぞ。ありがとうございました。 そこで、総理に私、基本的な政治姿勢としてお伺いしたいと思います。 昨年の七月の参議院選挙、そして今回の衆議院総選挙ですね、自民党は消費税につきまして見直し存続、我々野党は廃止と、いわゆる消費税に対してのこの二つの大きな国政レベルの選挙は、大変なやはり争点の重要な一つであった、こう思うのですね。この認識においては総理も恐らく変わらないと思います。 ところが残念ながら、海部内閣の組閣された二十一名の閣僚、この閣僚の皆さんの選挙公報を私お一人お一人調査させていただきました。参議院議員の閣僚三名、衆議院議員の閣僚十八名。そうしましたら驚いたことに、海部内閣の二十一名の閣僚の中に何と八名の閣僚が、この選挙公報、まさに国民に対していわゆる候補者として選挙公約をするわけですね。自分の政見を国民に明確にするわけですね。残念ながら、消費税の存廃問題について消費税のショの字も選挙公報の中で触れてないのですね。この閣僚が八名いるのですね。税制改革の税制という、税という言葉を使っていらっしゃっている方も消費税を使わないで、三名おります。全く消費税のショの字も使わない、税制改革の税の字も使わない、そして国民に選挙公報で選挙公約されておる。果たして消費税についての、存続なのか廃止なのか見直しなのか、全く政治家としてのそうした国民に対する対応をしてない、そういう閣僚が八名も事実おるのです。衆議院の閣僚が六名、参議院の閣僚が二名。これは私は重大な問題だと思うのですね。 この点についてまず私は、その代表として内閣総理大臣の一番の参謀格である、番頭格、官房長官、あなたもそのお一人ですね。どういう判断で選挙公約に全く消費税のショの字も税制改革の税の宇も出されなかったのか、まずその辺についての見識をお伺いしたいと思います。
○坂本国務大臣 私の選挙公報に消費税の問題が出ていなかったということは、これ事実であります。今となれば私のこれは監督不行き届きといいましょうか、至らぬ点であったと、こういうふうにまことに残念に思っておりますが、実情は、私が政見放送、この政見放送の原稿をみずからつくりまして、そしてその中で消費税関係、これを最重点に取り上げてありまして、時間的にもそれから文章の長さからいいましても一番多く取り上げてありました。しかし私が、この私の政見放送を基礎にして、そして選挙公報をつくってくれと選挙の責任者にお願いをしておったわけでありまして、ところが政見放送でも消費税にウエートを層き過ぎるとか、それから選挙前の演説でも消費税問題についてウエートを置き過ぎるとか、そういうような判断を選挙事務長が加えたようでありまして、そして公報が出てから後に私がそれを聞きまして、ああそれは私の政見放送の原稿どおりやってもらった方がよかったと言いましたけれども、時既に遅しということになりました。 そういう意味では私の至らぬところでありましたが、私の気持ちといたしましては、政見放送や演説会等十分に消費税を最重点的に取り上げたということは間違いがございませんので、私の気持ちとしては決して逃げ隠れをしたものではないと思っております。しかし結果として、公報にも入れておけばよかったと大変その点は遺憾に思っております。
○宮地委員 官房長官、自分の総選挙のときの選挙公報に何か監督不行き届きだなんて責任逃れしているような、その姿勢に私は問題があると思うのですよ。消費税に対してはそんな感覚で、官房長官、ましてや総理大臣の番頭役がそんな政治姿勢でおっては私は問題だと思うのですね。これはまさに国民を愚弄するもの以外の何物でもない。 もう一人、重要閣僚、外務大臣、あなたもそうですね。これはどういうことなんですか。
○中山国務大臣 私は自由民主党の公認候補でございまして、自由民主党は消費税の見直しということを党で決定しております。私が公認候補である以上、自由民主党の政策を守っていくという立場にございます。
○宮地委員 なぜ選挙公報にあなたは消費税のショの字も税制改革の税の字も入れなかったのですか、その真意ほどこにあるのですか、こうお伺いしたのです。
○中山国務大臣 委員も御存じのとおり、選挙公報に掲載する政策につきましては、候補者独自の判断で書くことを認められておると存じております。
○宮地委員 きょうは限られた時間ですから、私は総理の認識を確認しておきたいと思うのです。 全く選挙公報というものは、国民に対する選挙のときの候補者としての非常に大事な私は公約だと思うのですね。ましてや、そのときの最大の政治課題であるこの消費税の存続なのか見直しなのか廃止なのかという、そうした国民の選択が迫られている重要なときに、海部内閣の中の重要閣僚、私が調べたところによりますと、外務大臣の中山さん、文部大臣の保利さん、通産大臣の武藤さん、建設大臣の綿貫さん、坂本官房長官、北川環境庁長官、こういう方々は衆議院でこの間総選挙をやったときに何にも触れてないのですよ。消質税のショの字も税制改革の税の字もですよ。それについて私は、そういう認識で組閣をされた、厳密に言うなら、これはある意味じゃ選挙民に対して消費税隠しじゃないか。そしてこうした閣僚の中、二十一名の中三八%ですよ、そういう方々が全く選挙公報に触れておらない。 私は、海部内閣の消費税に対するこの認識、非常にこれは国民の立場から見て疑わざるを得ない。組閣のときに総理はどういうチェックをされたのか。また厳密に言えばこれはやはり政治家としてもまことに節操がない、またこれはもうある意味では海部内閣の消費税についての認識は閣内不統一ではないのか、私はこういう気持ちもするわけですね。 こういうばらばらな認識の中で海部内閣が、消費税について発足しておって、それで今度は閣議で見直し案の決定をした、国民の皆さんよろしくお願いいたします、こういう一つの順序立てを見たときに、どうも海部内閣の消費税に対する認識は本当に国民に対してどういう認識をしているのか、まさに閣内不統一じゃないのか、余りにも政治家としても閣僚としても節操がなさ過ぎるのじゃないか、私はこういう気持ちを持っておりますが、総理はどういうふうにこれを判断されます
○武藤国務大臣 私の場合は全然消費税というのは出てないようなお話でございますが、私の公約には消費税見直しと書いてありますので、ひとつもう一回私の公約だけはちょっと見ていただきたいと思うのです。
○保利国務大臣 私の選挙公報には、九〇年代の超高齢化社会に備える政策ということで消費税を、まあ税という字を使っておりませんので大変恐縮でございますが、そういうふうに申し上げております。 もう一方の、公約な表現としてのテレビでの政見放送におきましては、私は消費税が必要であるということを強調をいたしております。 さらに、新聞社のアンケート等によりまして、消費税をどう考えるかというアンケートが非常に多うございましたけれども、そこの中でもはっきりと消費税は必要であるということを申し上げておりますので、お答えさせていただきます。
○中山国務大臣 先ほどお尋ねいただきましたが、公的ないわゆる公報には掲載をいたしておりませんでしたけれども、御承知のように新聞等の消費税に対する質疑については、私は次のように述べております。「経済活動の国際化が進む中で総合的に判断して、所得税の軽減、物品税の廃止を進めながら薄く広く課税する消費税が必要と考えます。」このように書いております。
○宮地委員 今、武藤通産大臣のこれは確かに一行確認いたしました。これは大変失礼いたしました。 しかし、今申し上げたように、他の大臣については私はこのように全部持っておりまして、たまたま通産大臣のは字が非常に小さく下の方に書かれておりまして、これは非常に見づらかったということで、現実的にそうした海部内閣の三〇%を超える閣僚が、少なくとも総選挙を通じて公報に全く消費税、税制改革について触れてない。政見放送ではやったとか言っておりますけれども、こうしたきちっとした文章に残る、こうした国民の公職選挙法に決められたこの公報に全く載せられておらない、ここに私は非常に問題があると思うのです。 総理、全然御発言がないですが、どうですか、この点。
○海部内閣総理大臣 消費税の問題につきましては、前回の参議院選挙のとき、今回の衆議院選挙のとき、いろいろな報道を通じて自由民主党の立場というものは国民の皆さんがよく御理解をいただいておると私は受けとめておりましたし、また私自身、党の総裁として党首討論会に参りましたときも、自由民主党の立場で、消費税についてはこれは見直しをして定着をさせていきたいから御理解と御協力をお願いすると申し上げましたし、また、今具体的に御指摘のありました候補者のところも総裁遊説で参りまして、本人がおります前で、税の話は楽しい話ではありませんけれどもぜひ聞いてください、わかってくださいと言って消費税の必要性、その見直しの問題点等について、私は率直に訴え続けて選挙戦は戦ってきたつもりでございます。 また、各種報道も、自由民主党が見直しをした、そしてそれに対して私は、野党の廃止案は廃止じゃなくて、また新しいのが出てくるのではないかということまで例示を挙げながら、どうか見比べてください、国会の御論議を見てくださいということを必ず街頭演説でもテレビの政見放送のときでも言い続けたつもりでおりますから、公認候補は皆自民党の公認候補ですからそれに反するような行動はとらないし、いわんや海部内閣が消費税について閣内不統一なんということは全くございませんので、どうぞ御理解いただきたいと思います。
○北川国務大臣 時間がもったいないから御遠慮しようと思いましたが、そのように御指摘なさったために申し上げておきたいと思います。 というのは、公報は限られた字句でございまして、私は政見放送のNHK、民放においてはっきりとこの点、一兆二千八百億の数字まで出して見直しの必要を有権者に訴えたことを御披露いたしておきます。 以上です。
○宮地委員 それはNHKの政見放送あるいは街頭演説等々ではおっしゃったかもしれません。しかし、少なくともやはり選挙公報という、公職選挙法の第百六十七条できちっと定められたこの選挙公報に全く触れていないというその政治家としての姿勢、ここを私は申し上げているわけで、そうした方々が海部内閣の三八%も、三〇%を超える閣僚の中にいらっしゃる、ここに全く反省もなく、そうした言いわけだけで国民に通用するのか。これから議論をするのであれば、当然海部内閣の一人一人の閣僚がそうしたことについて一々言いわけをしているというようなことはみっともない、私はこの点については大いに反省をしていただきたい、こう思うのです。 そこで、時間もございません。総理もいろいろな角度からおっしゃっておりますが、とにもかくにも今回の組閣に当たって、リクルートの問題にしてもそうです。リを外すと言いながら、いろいろリクルートの疑惑の閣僚がどんどんできてきておる。消費税についても、国民の皆さんに見直しで第三者協議機関などをつくってお願いしたい、こう言っている反面、閣僚の中にはこうした選挙公報にも一字も触れてない閣僚がたくさんいらっしゃる。私はそうした基本的な政治家としての姿勢、また閣僚としての基本的な認識が非常にずれているんじゃないか、これが私は、永田町の論理と国民から言われても仕方ないと思うのです。ただこの国会の場で言いわけをして、何とか答弁を逃れればいい、自分の立場をただ表明すればいい、こういうものではないと思うのですね。 基本的には、やはりそこの政治姿勢というものをしっかり踏まえて、今後の政治改革、消費税の問題について総理は取り組んでもらいたい、私はこう思うのですよ。総理の今の発言は言いわけじゃないですか。基本的な姿勢はしっかり踏まえてくださいよ。
○海部内閣総理大臣 決して言いわけじゃありませんし、私は、消費税を見直し、それを定着させることが必要だということで、法案も提出をし、御議論もお願いして、そうしていただきたいとこう願っておるのでありますから、どうぞよろしくお願いします。
○宮地委員 まあこの議論はまた次の機会に譲るといたしまして、時間もございませんので、特にこの補正予算の問題の中で、いろいろ議論をされましたが、自然増収の対応について、六十二年度の場合は自然増収が約七兆一千億、減税分を引いても五兆六千億、六十三年度でも七兆六千億、減税分を引いて五兆七千億、元年度補正、途中でございますが、三兆二千億自然増収が出た。これは、言いかえれば、税が当初見積もったよりもそれだけ多く大蔵省に入ってきた。それは、まさに国民の側から見れば税の取られ過ぎ、大蔵省からいえば税の取り過ぎ、こういう状況でございますから、私は、本来まず第一義的には、この自然増収というものは、これはやはり国民に税をお返しをする、こういうことで、特に所得税減税、こういうものの財源に充てる、こういう配慮がなされるべきではなかったのか。 ところが、今回、先ほど来お話しのように、財政法二十九条を形骸化するような新規政策予算というものが非常に盛り込まれてきておる。その点について大蔵大臣は、この自然増収三兆二千億の中から、公明党が例えば主張しておりますような戻し税方式によりまして、所得税減税約一兆四千億、こういうものをやはり考えるべきではないか、こういうような主張に対しては、この補正予算を組むに当たりまして全くこの減税財源というものは頭になかったのかどうか、この点についてひとつお伺いをしたい、こう思っております。 時間がなくて大変恐縮ですが、もう一点だけ、これは通告しておりますので。 一つは家賃控除制度ですね。これも非常に、最近の首都圏における土地の高騰、住宅の高騰、そういう中で、特に中堅サラリーマンの家賃の非常な高騰というものが家計を圧迫しているわけですね。そういう中で、昨年、平成二年度の予算要求の中で、建設省や労働省もこの家賃控除制度創設ということを大蔵省等に要求したが、政府あるいは自民党内でまとまらずカットされた、こういう経緯があるようでございますが、既に政府部内でも、この家賃控除制度については非常に熱心に協議を進めてきた経緯もあるわけですね。この点については今後、私は、大蔵省の言う税理論上からこの家賃控除制度を安易に創設することはなかなか難しい、生計費等、必要経費等、これは所得税法の中で含んでおる、こういう理論についてもわからないわけではないのですが、私は、現在の緊急的な社会的な状況から見れば、この家賃控除制度の創設というものは十分に検討する余地があるのではないか、こう思っているわけですが、この二点についてお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○橋本国務大臣 非常に大きな問題を続けて御提起をいただいたわけでありますが、税収の見積もり誤りそのものにつきましては、本委員会におきましても何回か私は実は遺憾の意を表する立場になりました。今後におきまして、万全を期すべく一層の努力をしていかなければなりません。 ただ、今委員が御指摘になりましたように、自然増収というものがあったから、それを例えば戻し税によってあるいは所得税減税にという御意見につきまして、私どもは先般の税制改革におきまして、所得税、住民税を合わせまして総額三兆三千億円、六十二年九月改正まで合わせますと五兆五千億円に上る大規模な所得減税を実施してまいったところでありまして、この減税効果が平成元年から本格化していることを考慮してみました場合に、さらなる所得減税という考え方には今回は立たなかったわけであります。 しかし、もう一点委員が御提起になりました家賃控除の問題につきましては、委員が御指摘のように、政府部内においてもそうした見解が各省、中にありましたことも、これは私は否定をいたしません。 そうして、改めてまたその基本的な考え方を長長と申し述べるつもりもございませんけれども、私どもとして非常に問題だと思いますのは、家賃控除という考え方で対応いたしました場合には、高額所得者あるいはより高級な住宅を借り家としてお住まいの方には、これは非常に効果的に働く可能性はあるわけでありますけれども、逆に、非課税の方々に対してはこの恩典は当たらないという問題を生じます。これは果たしてこうした制度を考える場合に、今委員が御指摘になりました、私は、殊に東京を中心といたしました大都市圏における地価の高騰、またその影響を受けての家賃の上昇というものを決して否定をするつもりはございません。しかし、そうなりますと、これは逆に、地方住民のコストで大都市圏の納税者に恩典をもたらすという施策につながる可能性、さらには、より一層大都市圏への人口集中というものを助長する危険性はないだろうか、こういう懸念が一つは脳裏を去らないわけであります。 こうしたことをいろいろ考えてまいります中で、私どもは、消費税における家賃非課税という考え方を採用してきたわけでありまして、従来から委員初め公明党から御提起になっておられました問題意識をも踏まえながら、消費税における家賃非課税という措置に踏み切った、そうした側面があることはどうぞ御理解をいただきたい、そのように考えております。
○宮地委員 では終わります。
○越智委員長 これにて宮地君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして三案に対する質疑は終了いたしました。 ─────────────
○越智委員長 これより討論に入ります。 三案を一括して討論に付します。 討論の通告がありますので、順次これを許します。宮下創平君。
○宮下委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二案に対し、賛成の討論を行うものであります。 まず、賛成の第一は、当初予算編成後において特に緊要となった事項について適切な措置が講じられておることであります。 すなわち、災害復旧等対策費、人事院勧告を完全実施するための公務員の給与改善費、厚生年金等の年金例の引き上げを繰り上げ実施するための経費のほか、深刻な人手不足に悩む中小企業の省力化を支援するとともに、中小流通業の構造改善を援助するための中小企業対策費、在宅福祉の充実、特別養護老人ホームの拡充等高齢者の保健福祉を推進するための社会福祉・医療事業団に対する追加出資等々、関係者が早急に実施することを強く望んでいる緊要な諸措置であり、政府においても十分な精査検討の上に立って計上したものであります。したがいまして、そのいずれもが、補正予算の要件を定めた財政法第二十九条の規定に何ら抵触するものでないのみならず、まことに時宜を得た措置として高く評価するものであります。 賛成の第二は、特例公債の減額、特例的歳出削減措置の処理が図られ、財政の体質改善、財政の対応力の回復に向け、財政改革が着実に前進を見ていることであります。 すなわち、本補正予算において、特例公債を六千五百億円減額することといたしており、また、本補正予算と同時に提出しております平成二年度予算案では特例公債の新規発行は行わないこととしており、特例公債依存体質からの脱却という財 政改革の第一目標の達成は確実なものとなっております。さらに、本補正予算において、厚生保険特別会計への繰り入れ、住宅金融公庫に対する交付金等の交付、地下高速鉄道建設費の補助等々、総額二兆七千七百四十億円に上る特例的歳出削減措置の処理が図られており、いわゆる隠れ公債の解消に向けて前進が図られております。今後急速に進展する人口の高齢化や国際社会において我が国の果たすべき役割がますます増大する中で、今後の社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していくためには、財政の対応力を一日も早く回復することが必要であり、これらの措置は極めて妥当なものであり、国民の財政に対する信頼確保にも資するものとして、高く評価するものであります。 賛成の第三は、歳入について追加額が的確に計上されていることであります。 本補正予算における税の自然増収について、これは当初見積もり違いに起因するものであるとの批判があり、また、一部には当初見積もりにおいて意図的、恣意的に低く見積もったためであるとの論をなすものもあります。財政当局が精度ある見積もりに向けて日々研さんを重ねていることは御案内のとおりでありますが、三兆円を超える自然増収が見込まれていることは事実であり、その限りにおいては当初見積もり違いであることは否定し得ないところであります。 しかしながら、ここ両三年における大幅な自然増収の発生は株高、土地高、円高、原油安、金利安といういわゆる三高二安等に起因したものであり、このことは最近の租税弾性値の異常な高さを見れば一目瞭然であります。財政当局においては、かつて税収見積もり違いにより歳入欠陥を来し、大きな問題を惹起したことの反省に立ち、歳入欠陥を来さないよう税収をかたく見積もることはありましょうが、意図的、恣意的に低く見積もるなどとは全く論外であります。 以上、本補正予算三案に賛成する理由を申し述べましたが、本補正予算の審議が遅延し、関係者各位とりわけ国家公務員に多大の御迷惑をおかげいたしましたことはまことに遺憾であります。私は、かかる事態が再び発生することがないためにも、この際、各党が共通の問題意識のもとに予算及び予算関連法案の審議方法について真摯に取り組まれ、与野党の立場を超え、積極的な話し合いにより、一日も早くルールを確立されんことを強く要望いたしまして、賛成討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、松浦利尚君。
○松浦(利)委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となっております平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二案に対し、反対の討論を行うものであります。 本補正予算は、歳入面において税収の増加分を計上するほか、昭和六十三年度剰余金等を計上する一方で、歳出面においては、災害復旧等事業費、給与改善費等の経費のほか、政策的な経費が数多く盛り込まれるなど、極めて特色のある大型予算となっており、それだけに問題の多い政治的な補正予算であると言わざるを得ないのであります。 以下、本補正予算に反対する理由を申し述べます。 まず第一は、租税収入の過小見積もりと自然増収の発生についてであります。 政府は、ここ数年大型補正予算を連続して編成しておりますが、いずれもその財源を大幅な税収見積もりの誤差から発生した、多額の自然増収で賄っているのであります。 八七年度は五兆六千億円強、八八年度は五兆七千億円強の自然増収であり、本補正予算においては、三兆二千百七十億円の自然増収による増額補正が行われております。 政府は、この自然増収に対して、株価や地価の高騰による一時的な増収と説明しておりますが、三年以上も継続している株価や地価の高騰を一時的なものとして片づけてしまうことはいかがでありましょうか。自然増収の要因を一時的なものと強弁して、税収見積もりの是正を怠ってきたことを考え合わせれば、意図的な過小見積もりと言わざるを得ず、財政再建を建前にして国民生活関連の歳出を切り詰める一方、消費税の導入を正当化するために税収見積もりを恣意的に抑えてきたと言われても仕方のない実態であります。 ちなみに、本年度の決算時には、最終的には、五兆円から六兆円の自然増収規模になるとの見方もあり、まさに、昨年四月に導入された消費税の平年度収入見込み額五兆九千億円に匹敵する額となるのであります。 さらに、本補正後の平成元年度予算の規模は、六十六兆三千百十九億円となり、本補正予算と同時に提出された平成二年度予算は、その規模が六十六兆二千三百六十八億円であり、本補正後予算に対し、マイナスの予算となるのであります。これは政府が発表した五・二%の経済成長を全く無視した予算と言わざるを得ず、当初予算において、意図的に租税収入の見積もりが低く抑えられているのではないかと勘ぐられてもやむを得ないものであり、ゆがんだ財政運営を象徴する事態であると言わざるを得ません。 反対の第二は、本補正予算が、極めて不透明で安易な大型補正予算となっていることであります。 近年の大型補正予算では、災害復旧や国家公務員の給与改善費等緊急を要するものに限ることなく、政策経費の範囲に入るもの、あるいは当初予算編成時において予想されたものまで補正予算に盛り込む手法が定着し、緊要性の判定があいまい、 恣意的なものになっており、本補正予算もその例外ではありません。 本補正予算の規模は、五兆九千億円弱と四年続いて五兆円を超え、しかも、その内容においては、プルトニウム輸送用大型船舶建造費のような当初予算において本格的に論議を行うべき政策的な経費が計上されております。 財政法においては、補正予算は、あくまでも単一予算主義に対する例外をなすものであり、義務費の不足と予算作成後に特に緊要となった経費の支出に限って、補正予算を提出できるものとしており、補正予算の編成については厳格に制約されているのであります。 さきの国会において、我が党はこの点を厳しく指摘したものであり、結果的には、解散によってではありますが、平成元年度補正予算第一号が廃案になったのは御承知のとおりであります。 しかしながら、本補正予算が、何らの修正も行われず、廃案となった第一号補正と同一内容のまま国会に提出されたことは極めて遺憾なことであります。当初予算をゼロないしマイナスシーリングで抑制し、補正予算でばらまきを実施するという予算編成の手法は、財政規律をゆがめ、また、国の財政事情を国民にわかりにくくさせ、財政民主主義の観点からも不適切であると言わざるを得ません。 また、本補正予算においては、芸術文化振興基金を初めとして多くの基金の創設が盛り込まれているのでありますが、基金の創設については、十分な論議が必要であり、当初予算において慎重に審議すべきで、緊要性が求められる補正予算には本来なじまないものであります。また、運用益で事業を進める基金方式の多用は、国会の予算審議権を損なうものであり、大いに問題ありと言わざるを得ません。 いずれにいたしましても、毎年度、税収の過小見積もりを続けながら、我が国を取り巻く政治経済情勢がますます緊迫の度合いを深めていく現状において、ただ財政再建を強調する余り、その矛盾を補正予算で繕うという政府の安易な態度に対して猛省を促し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、日笠勝之君。
○日笠委員 私は、公明党・国民会議を代表して、平成元年度補正予算案につきまして反対討論を行うものであります。 今回の補正予算案は、巨額な税の自然増収を利用して政府・自民党がさきの衆議院総選挙のために大盤振る舞いを約束したものであります。今回の補正予算案が政治的にゆがめられ、将来に大きな禍根を残す内容となっていることは、まことに遺憾と言わざるを得ないのであります。 以下、反対の主な理由を申し述べます。 まず第一に、今回の補正予算案は、補正予算のあり方を規定した財政法第二十九条の趣旨を大きく逸脱したものであります。 すなわち、今回の補正予算案には、これまでに例を見ないほどさまざまな新規施策が盛り込まれております。新規施策の典型である新しい基金の中には、かねてから我々が主張してきたものが一部含まれていることは事実であります。しかし、今回緊急にこれらを創設しなければならない必要性があるのかどうか、極めて疑問に思わざるを得ないのであります。 財政法第二十九条は、補正予算における予算の追加を許可する場合として、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」と「債務の負担」に限定しております。この条文は、財源があるからといってみだりに補正予算を組み、財政が放漫となることのないよう規定したものであります。本来、補正予算は、公務員給与改善費、年金給付改善費、災害復旧事業費等に限定すべきであります。今回のやり方は財政法第二十九条を形骸化させるものと言わざるを得ません。 第二に、財政の基本となる税収見積もりについてであります。 ここ数年間、毎年度巨額な年度内の自然増収が発生しております。特に昭和六十二年度は五兆六千億円、六十三年度は五兆七千億円もの自然増収が発生しているのであります。今回の補正予算案は、一九年度の年度中の自然増収を三兆二千億円と見込んでおりますが、最近の経済の状況やこれまでの政府の誤った税収見積もりの実態から見ても、さらにこれ以上の自然増収が見込まれると思われます。 税収の正確な見積もりは予算編成の最重要事であります。当初予算において税収を正確に見積もることによって、初めて適正な歳出予算の編成が可能となるのであり、税収を過小見積もりすることによって、結果的に福祉関連予算などの当然増経費も削減の対象となってきたのであります。さらに、ここ数年の税収の過小見積もりは、消費税導入の必要性を強調するために意図的に行われたものと言わざるを得ないものであり、政府の責任は極めて重大であります。 第三に、今回の補正予算案は、消費税の定着をねらった予算であるということであります。 消費税は、さきの衆議院総選挙での最大の争点でありました。総選挙では、我々は消費税の廃止を主張いたしました。自民党は存続を前提に見直しを公約したのであります。確かに自民党は、議席の上では過半数以上を占めたものの、消費税に対しては、もちろん自民党の見直し案に対しても多くの批判票があったことも事実であります。今回の補正予算案は、消費税の存続を大前提として編成されたものであります。のみならず、総選挙を意識して消費税の構造的欠陥の一部を糊塗するための歳出が計上されているのであります。 私は、改めて消費税を廃止し、抜本的な税制再改革を行うよう主張するものであります。 以上、反対の主な理由を申し上げ、平成元年度補正予算案に対する私の討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、三浦久君。
○三浦委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の補正予算に対して反対討論を行います。 討論に先立って、補正予算審議を大幅におくらせた政府・自民党の責任を厳しく追及するものであります。審議停滞の原因は、専ら自民党が補正予算と関連法案の一括処理を突如要求して、与野党で一致した審議日程をボイコットしたことによるものであります。しかも、本音と建前の使い分けは許されないなどと不当な言いがかりをつけ、野党に自民党政治の全体に賛成を迫るものであり、かかる翼賛政治の強要は断じて許されるものではありません。政府・自民党に強く反省を求めるものであります。 さて、我が党は、本年度当初予算を消費税、軍拡ごり押し、暮らし破壊の三悪予算であると厳しく批判し、軍事費を大幅に削減し、福祉、教育予算を充実させるよう要求してきましたが、政府提出の補正予算は、これに逆行し国民の願いを踏みにじるものとなっています。 本来、補正予算は、財政法二十九条により、義務的経費の追加か、本予算作成後に生じた事由に基づき緊急となった経費の支出に限り追加の編成がなされることとなっています。ところが、この補正予算は五兆九千億円の過去最大の超大型補正予算となっており、その内容も、国民の要求を反映したものも含んでいるとはいえ、財政法の趣旨に反する政策的経費がメジロ押しです。戦前、追加予算等の悪用によって軍事費を膨張させた苦い経験に対する反省から、今日の補正予算に対する財政法の規定が設けられたのでありますが、たび重なる大型補正予算の提案は、財政法の精神に反するものであり、これを認めることはできません。 この超大型補正予算を支えるのが三兆円を優に超える大幅な税収増でありますが、当初予算段階における税収の過小見積もりには意図的なものが考えられるのであります。政府は大型間接税を導入するために、ここ数年税収が厳しく高齢化社会に備えることができないなどと宣伝し、税収の過小見積もりの当初予算を編成し、大型補正予算編成を繰り返してまいりました。本年度予算編成では、特に総選挙を前にして、消費税を廃止するならかわりの財源を示せと強要し、消費税廃止の世論の分断を図ってきたのであります。全く許しがたいと言わなければなりません。 補正予算の内容に則して問題点を指摘するならば、第一に、国民世論と公約を踏みにじって強行した消費税の存続を前提としていることであります。自民党は衆議院選挙で多数を得たということから、消費税が信任されたかのごとく言っていますが、とんでもないことであります。NHKの世論調査でも国民の圧倒的多数は消費税を認めていないのであります。六兆円規模の補正予算が組めること自体、消費税廃止により混乱が生ずるという自民党の言い分は、みずから覆されたのであります。 次に、軍事費を大幅に削減し、国民生活の向上を図ることが国民の切実な願いであるにもかかわらず、これを実施していないばかりか、逆に軍事費を増大させている点であります。しかもその一方で、当然大幅に増額すべき生活保護費をまたもや六百億円以上も削るなど、福祉破壊を強行しているのであります。日本の軍事予算は世界第三位であり、これこそが最大のむだ遣いであります。我が国政府自身が賛成してきた軍事費削減の国連決議に照らしても、軍事費の大幅削減は、政府の当然の責務であります。 第三に、義務的経費について、国家公務員の給与改善費を計上していますが、人事院勧告による給与の改善は当然予測されるもので、本来当初予算に当然計上されるべきものです。 政策的経費については、本来当初予算に計上して、十分な国会審議を経るべき性格のものであります。 厚生年金の国庫負担繰り延べの累積分の返済や旧国鉄の長期債務にかかわる利子軽減のための補給金支給など、いわゆる隠れ借金の返済は当然の措置です。しかし、厚生年金への返済では、直接的な返済を行わずに、返済金で厚生保険特別会計の中に資金をつくり、その運用で得た果実を補助金に回す形をとっており、この面でも予算の不透明性を増すこととなっています。 以上の理由により、補正予算に反対をいたします。 日本共産党は、軍縮、軍事同盟解体、核兵器廃絶を緊急課題として追求するとともに、消費税廃止、企業献金の禁止、国民生活優先の政治実現のために全力を挙げて奮闘する決意を表明して、反対討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、大内啓伍君。
○大内委員 私は、民社党を代表し、ただいま提案されました平成元年度補正予算三案に対して反対の討論を行います。 討論に先立ち、私は、今回、補正予算をめぐって予算委員会の理事会で一たん決定された各党間の合意が、委員会外からの言動によって突然ほごにされ、当予算委員会の審議が著しく停滞を見たことは、委員会の自主的運営を基本とする議会制民主主義に大きな汚点を残したものとして極めて遺憾であり、かつ、国民の政治不信を一層助長させる結果となったものと言わざるを得ません。このような悪例は二度と繰り返してはなりません。 我々は、いわゆるねじれ国会が政治の停滞をもたらし、それが経済の停滞、国民生活の停滞へと連動することを深く憂慮してまいりましたが、今回そのような結果になったことはまことに遺憾であります。政府・与党を初め、野党各党も、党利党略優先ではなく、国家と国民の利益を第一とする責任ある行動をとることが今日ほど強く求められているときはないと強調しておきたいと存じます。 さて、補正予算三案に反対する第一の理由は、本案が補正予算案としての枠組みを踏み越える内容となっている点であります。 財政法第二十九条は、国の義務に属する経費の不足を補うこと、予算作成後の緊急となった経費の支出等必要な予算を追加することなど、特別な場合に限って内閣は補正予算を作成できると定めております。にもかかわらず、本案は約五兆九千億円もの史上最高の規模となり、その内容も財政法上無原則と指摘されるような歳出のばらまきが行われております。芸術文化振興、農山漁村振興、中小企業対策などは、我が党としてもこれまで強く求めてきた項目ではありますが、しかし、これらは本来当初予算に盛り込むべきものだと考えます。 反対の第二の理由は、約三兆二千億円もの税の自然増収を歳入に充てている点であります。 近年、意図的とも思われる税収の過小見積もりが厳しく批判されてまいりました。当初予算に比較して、昭和六十二年度は約五兆六千億円、六十三年度は約五兆七千億円もの税の自然増収がありました。にもかかわらず、財政当局は、過去の過ちを反省せず、相も変わらず安易な税収見積もりを続け、それを基礎として補正予算が編成されていることは軽々しく容認さるべきことではありません。 反対の第三の理由は、行財政改革が極めて不十分であるという点であります。 政府・自民党は、国民の合意がないまま、多くの欠陥を持った消費税を強行導入いたしましたが、政府みずからがぎりぎりの努力をせずに国民に大きな増税を求めることは、政治の姿勢として厳に戒められなければなりません。私どもの党は、さきに行財政改革基本法を策定し、ポスト行革審の設置や行革白書の公表などを提唱し、行革を不断にかつ強力に推進することを強く求めております。政府も、税金や社会保険料など国民にツケ回しすることばかりを先行させず、抜本的行政改革を断行すべきだと考えます。また、本案には、隠れ借金の一部返済など財政再建施策が盛り込まれてはいますが、赤字国債脱却以後の新たな財政再建の目標が明確に定められていないことは極めて遺憾であります。 この際、百六十四兆円にも及ぶ公債の累積残高の縮小を初め、特殊法人の民営化とその株式の売却などを含む根本的な、抜本的な財政再建計画を早急に策定し、その実現に向け全力を尽くすべきことをここに改めて提案し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、楢崎弥之助君。
○楢崎委員 私は、進歩民主連合を代表して、反対討論を行いたいと思います。 反対理由は、ただいま社会党、公明党、民社党の述べられました反対理由におおむね考え方を一にしておりますので、これを省略をさせていただきます。 なお、本補正予算の審議中、すなわち三月八日の私の質疑の中で、郵政大臣に対し、郵政大臣とリクルート社との関係についてただしましたところ、大臣は事実に反するあいまいな答弁に終始されました。残念ながらあのときは再質問の時間がございませんでしたが、私は、本問題は大臣の政治的道義的責任に発展する可能性があることを憂慮しますので、願わくは、前例もあることですし、みずから潔く進退を決せられるよう期待をいたしまして、反対討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○越智委員長 これより採決に入ります。 平成元年度一般会計補正予算(第2号)、平成元年度特別会計補正予算(特第2号)、平成元年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○越智委員長 起立多数。よって、三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) お諮りいたします。 ただいま議決いたしました三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ─────────────
○越智委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十六分散会