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118回国会衆議院1990/03/27

文教委員会 第5号

発言数
180
登壇者
16
会派数
5
開催日
1990/03/27

会議録

船田元自由民主党

○船田委員長 これより会議を開きます。  この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員になっております。これよりその補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

船田元自由民主党

○船田委員長 御異議なしと認めます。  それでは、木村義雄君を理事に指名いたします。      ────◇─────

船田元自由民主党

○船田委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  文教行政の基本施策に関する事項  学校教育に関する事項  社会教育に関する事項  体育に関する事項  学術研究及び宗教に関する事項  国際文化交流に関する事項 及び  文化財保護に関する事項 以上の各事項につきまして、本会期中、国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

船田元自由民主党

○船田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ────◇─────

船田元自由民主党

○船田委員長 この際、文部大臣及び文部政務次官から発言を求めわれておりますので、順次これを許します。文部大臣保利耕輔君。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 このたび、文部大臣を拝命いたしました保利耕輔でございます。  私は、教育、学術、文化、スポーツの担当大臣として、みずからに課せられた役割と責務を十分認識をいたし、種々の課題の解決のために全力を傾注してまいる決意であります。  委員長並びに各委員の皆様方の御指導、御鞭撻をお願い申し上げ、就任のごあいさつといたします。(拍手)

船田元自由民主党

○船田委員長 次に、文部政務次官北川正恭君。

北川正恭自由民主党文部政務次官

○北川政府委員 このたび、政務次官を拝命いたしました北川正恭でございます。  微力でありますが、大臣を補佐し、全力を尽くして我が国の教育、学術、文化、スポーツの充実発展と課題の解決のために努力してまいる所存であります。  委員長並びに各委員の皆様方の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。  よろしくお願いします。(拍手)      ────◇─────

船田元自由民主党

○船田委員長 内閣提出、国立劇場法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。保利文部大臣。     ─────────────  国立劇場法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 国立劇場法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。  このたび、政府から提出いたしました国立劇場法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  これからの我が国は、経済的な豊かさだけではなく、文化的な豊かさを実感できる心豊かな社会へと転換していくことが肝要であります。このため、すべての国民が芸術文化に親しみ、みずからの手で新しい文化を創造していける環境の醸成とその基盤の強化を図る必要がございます。  今回の改正は、このような観点から、芸術文化振興基金を設け、芸術その他の文化の振興または普及を図るための活動に対し、幅広く援助を行うためのものであり、その内容の概要は、次のとおりであります。  第一に、法律の題名を日本芸術文化振興会法に改めるとともに、特殊法人国立劇場の名称を日本芸術文化振興会に改めることといたしております。  第二に、振興会の目的に、芸術家及び芸術に関する団体が行う芸術の創造または普及を図るための活動その他の文化の振興または普及を図るための活動に対する援助を行うことを追加することといたしております。  第三に、振興会でない者は、日本芸術文化振興会という名称を用いてはならないことといたしております。  第四に、振興会の業務に、(一)芸術家及び芸術に関する団体が行う芸術の創造または普及を図るための公演、展示等の活動、(二)文化施設において行う公演、展示等の活動または文化財を保存し、もしくは活用する活動で地域の文化の振興を目的とするもの、(三)その他、文化に関する団体が行う公演及び展示、文化財である工芸技術の伝承者の養成、文化財の保存のための伝統的な技術または技能の伝承者の養成その他の文化の振興または普及を図るための活動に対し資金の支給その他必要な援助を行うこと等を追加することといたしております。  第五に、振興会は、援助業務に必要な経費の財源をその運用によって得るために芸術文化振興基金を設け、政府からの出資金と政府以外の者からの出損金をもってこれに充てるものといたしております。  第六に、関係法律の改正等、所要の規定の整備を行うことといたしております。  以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。  何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。

船田元自由民主党

○船田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ─────────────

船田元自由民主党

○船田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松田岩夫君。

松田岩夫自由民主党

○松田委員 国立劇場法の一部を改正する法律案につきまして御質問申し上げます。  今や我が国は、まさに芸術文化の振興をこれほど強く求められているときはないと存じます。国民の間にも、近年生活水準も高まってまいりましたし、また自由時間もどんどんふえてまいりまして、心の豊かさを求め、生活の質の向上を願う、そういう声の高まりの中で、文化に対する国民の志向というものはますます高まっております。また、国際社会におきます我が日本の国のいろいろな面での大きな飛躍の中で、特に最近、日本の国に対しまして、経済面のみならず文化の面でも積極的な貢献を要望する、そんな高まりを強く感ずるわけであります。  そうした状況に対応いたしまして、本当に国際社会の中で信頼と尊敬を得るためにも、また世界の文化に貢献しつつ国民一人一人が芸術や文化を享受することができる豊かな社会をつくり上げるためにも、私は、今ほど芸術文化の振興について国が、政府が一丸となって取り組まねばならぬときはないと存じます。  そんな観点から見ますと、しかし、現在我が日本の政府がとっております政策の現状は必ずしも十分ではないどころか、むしろ極めて不足ではなかったか、もっと力を入れるべきではなかったかと存じます。そういったときに当たりまして、こうして芸術文化振興のために基金をつくって、その基金の運用を通じてやっていこう、我々自民党としてもかねてからそうした考えを強く持っておりましたが、今回、民間からの発意により、国と民間との協力で基金を設け、そして国民挙げて、民間も国も芸術文化の振興に当たっていこうという強い御提案があった。それを受けて、こうして国立劇場法を改正してそれに当たろう、私どもとしては、まさに時宜を得た、とてもすばらしい政策の選択であり、一刻も早くその実現に向かって努力すべきだと存じます。  そうした意味で、最初に、この芸術文化振興基金の創設の経緯と、あわせて、今私が申し上げたような基本的な認識について大臣のお考えをお伺いしたいと存じます。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 芸術文化の振興は我が国にとっても大変大事な課題でございます。その中で、ただいまこの基金の創設の経緯についての御質問がございましたので、簡潔に御説明を申し上げたいと思います。  芸術文化の振興のための基金に関しましては、これまで芸術文化支援のための方策のあり方について検討をいただいておったわけでございますが、昭和五十二年に文化行政長期総合計画懇談会の取りまとめ、それから昭和六十一年に民間芸術活動の振興に関する検討会議等において国と民間の資金による援助として提言されてきたところでございます。文化庁としても、これらを受けまして芸術文化の振興のための民間活力の導入方策の一つとして基金構想について調査研究を進めてまいったところでございます。  今回の芸術文化振興基金の創設につきましては、昨年の十二月に民間から文化振興のための基金設立のアピール、提唱とそのための資金拠出の表明が行われたものを受け、政府としても民間のこうした機運が高まってきたこの機会をとらえまして、緊急に対応すべきものとして元年度補正予算の中で処置すべきものとしたわけでございます。また、民間企業の多くにおきましては、平成元年度中に芸術文化振興基金が成立することを前提といたしまして積極的に御検討をいただいてきたところでございまして、ここまで民間の機運が盛り上がったのは初めてのことでございますので、御指摘の時期を逃すことなく対処する必要があったわけでございます。  このようなさまざまな条件が整った今回、芸術文化振興基金の速やかな実現に御理解をいただきたいと思いますし、この受け皿となります国立劇場法の改正についても御審議をいただき、御可決をいただきますようにお願いを申し上げる次第であります。

松田岩夫自由民主党

○松田委員 そうした経緯でこうして提案された。私どもとしては一刻も早い成立を願うわけであります。  さて、こうしてでき上がりますこの芸術文化振興基金によりまして、多くの芸術文化振興のための援助がなされていくわけでありますが、そうした内容について若干御質問申し上げたいと存じます。  芸術文化全般にわたってできるだけ――五百億、お聞きするところによればまさに民間も百億ということで、合計六百億の基金が当面できた。五%前後で運用するとすれば三十億ということになりましょうか。この基金が対応しようとする芸術文化振興といった大きなことからいたしますと、正直、金額は、もちろんまだスタートの段階でありますが、微々たるものの気がいたすわけであります。しかし、その考え方、趣旨がとてもすばらしいので一刻も早い成立を期すと同時に、でき上がりましたらできるだけこの基金がうまく活用していただけるように、できるようにと願うのは当然であります。  そうした意味で、今、日本の国が抱えております一つの大きな問題というのは、かねてからふるさと創生政策を初めといたしまして、日本の国土の一極集中を多極分散型の国土構造にしていこう、私はこれが今日の政治が抱えておる一つの大きな政策課題だと常に主張し、私自身もそう考えてまいったわけであります。そうした観点から見まして、この文化芸術につきましても、多くの芸術団体が中央にありまして、こうした中央の芸術団体に対する援助ももちろんその中核であってほしいと願うわけでありますが、しかし同時に、地方の芸術文化に対する援助といったものにもこれからの日本の国の政治は大きな配慮をしていくべきではないかというふうに信ずる者の一人であります。  申し上げるまでもなく、近年は特に各地でそれぞれの人々がみずから参加しみずからつくる文化活動といったものが実に活発になってきております。そうした民間の創意といったものを一層助長し、文化芸術の面からも多極分散型の国土をつくり上げていく、そうした意味で、こうした活動にもどうぞひとつ力強い援助をしていただきたいと願うと同時に、地域に根差した日本の伝統的な芸術文化、例えば伝統工芸や伝統芸能、もちろん中央のものにも重点を置いていただきたいわけでありますが、これからの日本のバランスのとれた発展と幸せな国民全体の社会というものを考えますと、こういった点にもぜひ力強い御支援をしていただきたい、心からそう願うわけであります。  こうした点についてはどのような考え方で対応されていかれるか、この基金の使い方の一つの問題としてお聞きするわけであります。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 各地の地域文化の振興というのは非常に大事だという意識は私自身も持っております。  ただいま御質問の点でございますが、近年地域の文化施設を拠点としました各種の文化事業が盛んに行われてきております。各地で人々がみずから参加する文化活動が活発になってきておるところでございますが、こうした状況を踏まえまして、文化庁といたしましても国民文化祭の開催でありますとか、あるいはすぐれた舞台芸術の巡回事業あるいは公立文化施設の整備などの補助の施策を今まで行ってきております。今後とも地域文化の一層の振興を図るためにこうした施策の充実に努めてまいりたいと思います。  今度の振興基金におきましては、御指摘のような各地の参加型文化活動並びに伝統工芸技術あるいは伝統芸能など、地域の文化活動についても積極的な助成を行うことと考えておるわけでございます。現段階では、地域のアマチュアでありますとか、あるいは青少年のための文化団体が行う文化活動に対する助成でありますとか、地域の文化施設が行う公演あるいは展示、そういった活動に対する助成を行ってまいりますほか、地域に伝わります伝統的な工芸技術、文化財保存技術の伝承者養成あるいは民俗芸能を中心にした伝統芸能祭などに対する助成を行ってまいりたい、このように考えておるわけでございます。  なお、地域の文化団体に対します助成につきましては、これがその地域におきます文化行政にも密接にかかわる問題でございますので、具体的な援助事業に当たりましては県でありますとか市町村でありますとかの意向も十分尊重をして行ってまいりたい、このように考えております。

松田岩夫自由民主党

○松田委員 ぜひそうした方向でも力強い御支援を賜りたく存じます。  さて、もう一点。この基金の創設を通じて、文化芸術に対しまする国の政策の方向づけがそれなりにできてくるわけであります。しかし、この基金の創設というのは、ある意味で大事な一歩ではありますが、ある意味でほんの一つの一歩でもあろう、こう存じます。本来文化庁そのものの予算あるいは文部省あるいは国全体としての文化芸術に対し茨するこれまでの取り組み方の弱さ、もちろんそれはそれなりに理由があったことでありましょうが、冒頭申し上げましたように、ここまで参りました我が国であります。いよいよこれからは、この基金の創設を一つの柱、一つの節目、一つの契機としていただきまして、ひとつ文化芸術に対する政策を一層大きく飛躍させていただきたいと心から願うわけでありますが、文化芸術に対しまする政策を国としてどうとっていくか、いろいろな考え方があろうかと存じます。  諸外国を見ましても、例えば今度の基金の創設に当たってもいろいろ御勉強なされ、イギリスのジ・アーツ・カウンシルとかアメリカのザ・ナショナル・インダウメント・フォー・ジ・アーツ・こういうものが一つの御参考になっているようでありますが、考えてみますと、それぞれの国がいろいろな努力を積み重ねてそれぞれの国の文化芸術の振興のために頑張っております。  そういった中で、例えばフランスは芸術文化というものに国を挙げて頑張っておる。特に国の直轄機関である文化省、大臣も文化大臣というようなことで国そのものが非常な力を注いでおられるといったやり方もある。そういった例に倣えば、文部省の予算なり文部省そのものの行政の中に、あるいは文化庁そのものの予算の中になぜもっと文化芸術のための予算が盛り込まれないのかということを強く感じます。  例えばアメリカなどを見ますと、国が、連邦政府が直接予算をたくさん使ってということはありませんけれども、今度は逆に、まさに民間の創意と工夫を生かすという意味で民間の企業かこうした文化芸術活動に多額の寄附をする、その寄附がしやすい税制を大幅に確立している。実はアメリカの場合は文化芸術に限りません、スポーツの振興にしろ社会福祉の充実にしろ、あらゆる分野にわたって民間のこうした企業なり個人の寄附に対してとても寛大な税制を確立することによって、それぞれ民間企業なり民間の方々が自分の願うそういったものに大幅に支援をする。ボランティア活動も含め、経済的にはそういう寄附金税制を通じて大きな政策をとって、こうした文化芸術の振興に多大の政策的努力を払っておる、こういう行き方も見える。  イギリスのようにその中間形態といいますか、国もやるが、また、先ほど申したこの基金の参考にもなったと言われるジ・アーツ・カウンシルを設けて、カウンシルを通ずるやり方、同時に国の役所そのものも積極的な政策をとっていく、そんな姿をいろいろ見るわけであります。  そうした意味で最後に一言、いよいよ日本もまさに文化国家への道を今以上力強く邁進し始めたときであります。どうぞこの芸術文化振興基金をベースにした日本芸術文化振興会、この創設を契機に、しかしこれにとどまることなくこの基金の充実も一層図っていただく必要があると思いますが、あわせてどころか、トータルとしての文化芸術への大きな取り組みを新任大臣に心から願いまして話の質問を終わるわけでありますが、大臣、一言決意のほどをお伺いしたく存じます。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 ただいま松田委員から、諸外国の例を引かれての各国の文化行政に対する取り組みについてのお話がございました。私も海外の経験をいたしておりますので、そのことについては強く感じておるところでございます。  今後とも文化庁予算の充実につきましてはさらにいろいろと創意工夫を凝らし、私自身もこの拡充に向けて一層努力を傾注してまいりたいと思います。あわせてまた芸術文化振興基金につきましては、とりあえず一日も速やかな創設をお願いいたしまして、さらに将来の基金の規模についても、創設後の諸般の状況を勘案しながら検討してまいりたいと思っております。

松田岩夫自由民主党

○松田委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

船田元自由民主党

○船田委員長 次に、中西績介君。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 私は、この芸術文化振興基金を設置をいたしまして振興会なるものをつくり、そして国立劇場法改正をいたしましてこのような法律を策定するに当たって内容を検討さしていただきましたけれども、特に問題になる点についてのみ時間の関係から討論をしたいと思っています。  それでまず第一は、特殊法人国立劇場法を日本芸術文化振興会法、これに改めるに当たりまして、一番気になるのは、文部省の傘下にあります特殊法人のあり方、このことが指摘されなくてはならぬのではないかと思っています。  この国立劇場と日本芸術文化振興とをあわせた異質のものが一つの特殊法人となるわけでありますから、この点について、今まで文部省におけるいろいろな特殊法人を統廃合していきましたけれども、統廃合した結果が一つの法人として本当に活動しておるのかどうかということを見てまいりますと、行政改革という視点から考えますと、全くと言っていいぐらいに内容は変わっておらないし、いまだにそのままの状態で放置されていますね。例えば健康会、さらにまた国立競技場あるいは給食会、これは統合されましたけれども、事務所は別、ただ理事長が一名になったというところしかないのではないかというような感じがするわけです。  したがって、異質のものが集まってすることの意味、これは私、大変誤るのじゃないかと思っています。ですから、むしろ今度の場合は、この国立劇場名は残るようでありますけれども、そうであれば、この二つの異質のものを分離、独立をさして、積極的な面からの行政改革なんだということを示していく必要があったのではないかと思うのですけれども、この点、どうでしょう。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 今回お願いしております劇場法改正によりまして新たに基金の仕事を現在の国立劇場の目的及び業務に加えてやるということでございまして、現在の国立劇場を日本芸術文化振興会として、その中に基金を置くということについて、今委員の方からこれは一緒にすべきではないのではないかという御指摘があったわけでございますけれども、この芸術文化振興基金を特殊法人国立劇場に設置することといたしましたのは、文化の振興、それから普及に関する国の行政事務を一体的に遂行する行政機関であります文化庁が所管しております特殊法人の現在の国立劇場は、基金援助業務の大きな部分を占めます伝統芸能あるいは現代舞台芸術、そういった芸術文化の事柄に関しましては、劇場運営を通じて幅広いこれまでの経験と蓄積を持っているわけでございまして、そういう点では基金と目的を同じくする面もあるわけでございます。  特に、国立劇場は昭和四十一年に発足いたしましたけれども、昨年の三月の法律改正によりまして現代舞台芸術ということについての専門的な劇場である第二国立劇場(仮称)を設置する主体ともなりまして、いわば伝統芸能と現代舞台芸術、それらをひっくるめた形で日本の芸術文化のセンターとして位置づけてはどうかという声も高かったわけでございます。この意味で、幅広い役割を果たすべきという声が上がっているわけでございます。したがいまして、何か異質のものを統合するというふうには考えておりませんで、むしろそれらを一体化した形で、日本のこれからの芸術文化を振興するということに際しまして、劇場法を改正し、新たに日本芸術文化振興基金として出発していくというのは大いに意味があると考えている次第でございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 私が異質と申し上げましたのは、国立劇場の管理運営、そして今舞台芸術の問題をと言っておりましたけれども、今度の場合には、民間資金まで含んで芸術文化振興基金の助成ということを中心にしてやるものと、そこにはおのずから無理な組み合わせをしておるのではないかという気が私はするのです。どうも文部省の今までの統廃合の問題を考えてまいりますと、数合わせにしかすぎないようなことを今まで行政としてやってきたという経緯があるのですね。  ですから、そうした点でそれを脱却するという、今、後半に言われた点、その点が本格的にこの理念から明らかになってくれば、また私たちもこの論議に参加をし、そしてそれを確認するということになるかもしれませんけれども、現状の中で急遽こういう格好になって出てきたときに、そうしたところまで、例えば中期あるいは長期にわたる方針なり政策が明らかになってくれば、またそうした点もうなずけるかと思いますけれども、そこまでいっていないですね。ですから、そうした点もやはり明確にしておく必要があるのではないかと考えるから、特にこの点を私は指摘したわけであります。  したがって、そうした問題について、もう少し大臣の方からでも補足する点があればお答えをいただきたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 基本的にはただいま文化庁次長から御説明を申し上げたとおりでありますが、いわゆる芸術文化の振興を図るという意味でのこの芸術文化振興会の中に基金を設ける、そしてその運用のための組織を恐らく設けることになると思いますが、それは文化振興という観点から見ますれば適当な処置であろうか、こう思っておるわけであります。  なお、過去に特殊法人等の統廃合があったという先生の御指摘でございますが、これについてはその当時その当時いろいろないきさつがあってそのような形になったものだと思っております。しかし、そのときそのときに適切な理由があってそのような統合がなされたものと私は理解をいたしております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 この点、まだ納得できませんけれども、そうした問題につきまして、問題提起をしていただく意味で、中長期的なものを含めて早急に出していただくことをお約束いただきたいと私は思います。そうしないと、どうも急にこうした問題が出てきたということもございまして、内容的に煮詰めなしに進めておられるような感じがしますから、ぜひこの点をひとつ要求しておきたいと思います。  次に移ります。  一般会計の予算で補助金といたしましても組むべきだと私は思っておったのですけれども、今まで主張してまいったのですが、今回の場合は振興会の基金の運用益による助成をということを言うわけでありますから、この点、なぜこのような運用益助成をするために基金制度を設けたのか、この点についてお答えいただきたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 今回、一般会計の予算ではなくて基金設置によってなぜやったのかという御質問でございますけれども、芸術その他の文化の振興または普及を図るための活動に対する援助業務の実施に当たりましては、やはりその実施事業自体が継続的あるいは安定的な財源を確保する必要があるわけでございますし、またさまざまな芸術文化団体とか各地域の多彩なニーズ、活動に応じて運用そのものも弾力的あるいは機動的に対応することが必要であるわけでございます。  こういう観点から見ますと、政府の資金からだけではなくて、民間の資金を導入して実施することが必要であるわけでございますが、このことは先ほど大臣からも答弁いたしましたように、既に五十二年の報告あるいは六十一年の報告あるいは議員の方々からの御提案等、さまざまな角度からも、政府及び民間からの両方の資金をもとにして基金のようなものをつくってやるべしというふうな御提案も既にあったわけでございまして、たまたまこれまでの間、それを現実に移すきっかけがなかなかできなかったわけでございますけれども、今回はそのような角度から民間にも協力をしていただくことができるようになって、毎年度継続的、安定的な資金拠出を期待することができるということでございます。  基金方式とした方がより運用そのものが弾力的、機動的になるというふうなことも先ほど申しましたけれども、それらのことを総合的に考えまして、経緯と運用の問題両方から考えても、一般会計でやるというよりは、今回の緊急事由ということに対応して基金による措置をした方がいいのではないかというふうに考えた次第でございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 大体、振興会の基金運用益助成によってやることの意味を申されましたけれども、私はこれを確認する上でさらに基本的な問題をひとつ提起をいたしますので、この点で文部省の方、了解できるかどうかお聞きしたいと思います。  それはまず第一に、市場経済社会のもとで芸術創作活動は直ちに採算と結びつかぬ性質のものであるということを前提にいたしまして、公的支援が不可欠なんだということを先進的な諸国におきましては、認め、これを実施しておる、この点どうなのかということが一つ。  それから二つ目に、芸術文化活動というのは創造性と自主性を生命とするものであるがゆえに、政治権力や商業主義の介入、圧力からの自由を制度的に保障することが文化先進国では重視されなくちゃならぬのじゃないかと思うのですけれども、この点についてどうなのか。  三点日が、公的な支援の強化というのは自立性尊重というこのことなしには私は認められないと思うのです。  自立と支援の原則というものをやはり確立しまして、公的性格を持っておるけれども、専門家などの参画によりまして独立的な機能を備えた芸術の助成機関、こういうものをつくりまして助成を実施していくという、こういうことが大体原則的に、基本的に重要だと思っていますが、今回の基金運用ということになりますと、こういうことは認めた上でやられておるかどうか、この点、もう一度再確認しておきたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 今の御指摘の第一点は、芸術活動というものは基本的に採算がとれないわけで、そういう分野については公的な援助があってしかるべきではないかというお話でございます。  で、もちろんすぐれた芸術の創作といいますのは、芸術家とか芸術団体が自由で創造的な活動によって興すものでございまして、この中には実験的あるいは先駆的な活動もございましょうし、あるいは多額の経費を要するものがございまして、必ずしもみずからの資金でありますとか入場料等の経費で賄うことができない分野もあるわけでございます。  一方、文化の振興という角度から見ますと、いろんな分野のさまざまな芸術文化活動を支援していくという必要があるわけでございますが、必ずしも採算の合わないようなもので、かつ芸術性の高いもの、ないし公的援助を必要とするようなものについてはこれに支援をしていくということは非常に大事なことであろうかと思うわけでございます。  これまで文化庁といたしましても、このような考え方に基づきまして芸術活動の基盤を整備するという角度でいろんな政策をとってまいったわけでございます。このたびの芸術文化振興基金の設立に際しまして、文化庁においては引き続きこれまでの政策を継続するとともに、基金におきましては芸術文化の多彩な展開と普及に資する活動を助成することによりまして、公的な支援を必要とする分野についてはこれを支援していくという姿勢で考えをこの構想としてまとめたところでございます。     〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕  第二の点は、芸術文化関係者の意向を助成金交付等に反映すべきであって、商業的なべースでのことが先行したりあるいは政治的な介入はないようにすべきということでございますけれども、基金の助成事業の運営につきましては、これは芸術文化関係者でありますとかあるいは学識経験者から成る運営委員会、さらにはその下に専門的な委員会等を設けまして、広く芸術関係者の意見も聞きながら審査を行う予定でございまして、そこには公正あるいは公共的な角度からの厳正な審査が行われて、そこに政治的介入ないし商業的な色彩というものが反映されることはないであろうというふうに考えるわけでございます。そのことを期待しているわけでございます。  第三には、芸術文化活動は自立性、創造性を尊重すべきであるけれども、運営の基本はどうかというふうなお尋ねであったかと思いますけれども、先ほど申しましたように、芸術文化の創造はそれぞれの担い手がみずから主体的にあるいはその創意によって自由な立場で進めていくのは当然でございまして、芸術文化振興基金はその支援の仕組みを通じまして、それぞれの芸術家なり芸術団体の申請に応じてそれの審査を行い、適正なものについて支援を行うという角度で事業が展開されるものと考えております。その意味では自立性、創造性というものは十分に尊重されていくべきものと考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 時間があれば今の問題ももう少し踏み込んで聞きたいと思ったんですけれども、何せもう時間がたち過ぎていますからやめにしますけれども、いずれにしましても後でまたそうした問題、細かく出てくるところもございますので、そのときにまたあわせて申し上げたいと思います。  そこで、基金構想の経緯は先ほども答弁あっておりました。ところが、余りにも予算が外国に比較いたしまして小さいということは、もう私がここで申し上げるまでもないと思います。その面の文化庁予算が四百九億で、そのうちの芸術文化が百一億円で文化財保護が三百八億ですから、そうなってまいりますと、他の国々、欧米諸国と比較をいたしますと、とてつもない格差があるわけですね。したがって、こうした点について、これから私は問題になっている部分についてのみ指摘をしていきたいと思っています。  それは、現在はこのように大変な差があるにもかかわらず、今度は基金構想で新たにそれを補強していこうという考え方に立ったようでありますけれども、基金が、国が五百億の資金であり民間一応百億という想定をしておるようでありますけれども、この五百億になぜなったか。  と申しますのは、これまでの論議の過程の中には、小委員会の、あるいは塩川発言などいろいろなものがございまして、諸外国に比肩をするという金額からすると最低百五十億あるいは二百億という金額が想定をされる。そのための基金としては三千億なり四千億ということが今まで取りざたされてきた。ところがこれは五百億。ですから、資金運用からいきますと、運用益からいきますと三十億と、さっきから出ておるような本当に小さな金額になってしまったのでありますけれども、しかもそれが五百億に決まるに当たっても急に決まってまいりました。それは、税の自然増収があった、たまたまそこに金があったというような感覚になってきておるのですけれども、なぜこの五百億という少額のものにしかならなかったのか、この点、お答えください。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 今回の基金の規模につきましては、今回の補正予算で組むということの緊急事由といたしまして、民間からの拠出の意思表明及び政府の対応ということで提唱があったわけでございますけれども、その民間からの資金拠出表明の内容あるいはこれまでの幾つかの御提案あるいは国民の文化に対する関心の高まり等、諸般の情勢を十分に勘案した結果、政府としても五百億を出資するということでございます。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 先生御指摘のような構想あるいは考え方があったということは私もよく承知をいたしております。  昨年の暮れに、芸術文化振興基金推進委員会からの具体的な御提言を受けてこの基金構想が具体的に動き出した段階で、関係方面との調整をいろいろ行いました結果、五百億という形になったわけでございますが、私は、過去のいきさつにかんがみて考えますと、やはり芸術文化の振興というものは非常に重要でありますので、今後ともこの基金の充実については、文化関係あるいは芸術文化振興を担当する大臣といたしまして努力をしてまいりたい、このように思っております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 今お答えがありましたけれども、五百億になったそのことについては、私まだ余り――三千億あるいは四千億というその基礎になるものは、やはり百五十億なり二百億という資金が必要なんだ、芸術に対する援助と申しますか助成というか、こうしたものが必要なんだ、それはなぜ必要なのかということを考えてまいりますと、こうした基金創設の理念というものが、金が今ある、あるいは今まで全くないから少しでもあればそれにと、こういうぐあいに余りにも短絡的に結びついていくような感じがしてならないわけですね。ですから、こうした点は、基金を創設するという先ほどからお答えをいただいた点について、もう少し私たちは確認をしておかないといけないと思います。  このままの状態になってまいりますと、私が今一番恐れているのは、五百億を大蔵省がつけた、しかも皆さんの場合には無理な中でこれを実現した、こういうようなことがずっと重なっていきますと、これでほっとし、片やつけたではないかという強硬な姿勢が出てくるといたしますと、これが全く固定化するという状況が出てくるのではないかということを恐れているわけです。  もし本当に皆さん方に基金創設のそうした強い考え方があるといたしますならば、だめだと言われるかもしれないけれども、九〇年度の予算の中にこれをさらに増額をしていくくらいの姿勢がなぜ出てこなかったのか。例えばこれが二けた台、三けた台ということでなくて一けた台であっても、わずかな金額であっても、これは将来このように伸ばしていくという、そうした姿勢が平成二年度予算の中に出されるべきではなかったかと私は思うのです。これが全くないのです。  そして、この予算のあれを見ますと、予算案主要事項別表というものを文部省からいただいておりますが、この芸術創作活動等の推進の中にこれを取り入れた説明がなされているのです。それから二番目に民間芸術等活動費補助の充実の中にもそれがまた出ています。さらに映画芸術の振興の中にも、そうしたものがこの基金を取り入れたということを含んで出ております。ということになりますと、補正予算でこれがついているわけですから、今度は新たにするときには、ここに書かれておるように少なくともそれを達成するためのものが一つでもいいから、あるいは金額は僅少でもいいわけですから、そうした努力はされるということになっていかないと、これで一決着ついたというような感覚が残っていくのではないか。そのことを私は一番恐れているのですけれども、この点についての考え方はどうなんですか。     〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 先ほど来お答え申し上げておりますように、芸術文化振興のための基金の構想につきましては長年にわたる経緯のある事柄でございまして、これまでのさまざまな御指摘の構想も含めて今回の措置となったわけでございますけれども、基金をつくる、しかも政府と民間が出し合ってつくるという構想自体がなかなか進まなかった中で、民間の方々の御協力といいますか御理解といいますか、文化振興への御熱意によりまして今回のきっかけになったわけでございます。そういうものを契機として今回の基金を実現しようとした背景には、やはり国としては、国と民間によって拠出をして基金を設け、安定的、継続的な財源のもとに弾力的、機動的な運営を行っていく必要があるということを考えているわけでございます。  文化庁自体は、中核的な芸術活動あるいは芸術団体の基盤的な活動に対しまして今後とも援助を続けるわけでございまして、一方、基金の方は、多彩な芸術文化活動の展開に対して援助をしていくという考え方でございます。両輪相まって日本の芸術文化振興に当たっていくわけでございます。その意味で、今回補正予算でまず新たな多彩な展開のための根拠をつくるということで補正予算案を計上して、きのうこれを通過させていただいたわけでございますけれども、一方で、九〇年度予算にどうしてこれを挙げなかったかということでございます。  基金に関連するような予算要求をなぜしなかったかということでございますけれども、一方、新たな機構を基金ということで急遽補正予算で要求し計上いたしまして、他方、文化庁の関係では、文化庁の一般会計予算では文化庁自体の文化政策の展開のための予算要求をいたしております。これも額そのものは四百九億円から四百三十二億円に至る要求でございまして、これまでの近年にない多額の要求をしてまいっているところでございます。いわば両方相まって芸術文化振興について政府として真剣に取り組んでいるということのあらわれでなかろうかというふうに考えている次第でございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 私が言っているのは、両々相まってとかなんとか言う前に、今基金の問題で討議をしているわけですから、その場合にわずか五百億という金額で基金としたということ、ここにやはりあれほど大きく皆さんが打ち上げ、要求をし、動きがあり、そして、海部総理に言わせるなら目玉みたいなことを言って選挙にはやったのですから、それならみみっちい五百億という、わずか三十億の運用しかできないような金額でもってやるのでなくて、当初からこれはもう少しつけるべきだと私は思うのです。  それができないなら、その後、今後は増額ですね。出資金は増額をしていきますよということをやはり明らかにしていく。その手段はどういうような手だてを踏んでいくのか。そうしたときに、やはり予算面にそういうものを生かしていくということがなければだめではないかな、こう私は考えるわけなのですが、これは普通の考え方ではないかと思っているのです。ですから、五百億、直ちにまた今度は三けた台だとかなんとかということは困難であろうから、少なくとも将来に向けてはやるのですよという気概ぐらいは示してもらいたいし、その点、どうなのですか。大臣、そういう気概はあるのですか、ないのですか。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 この基金を創設するまでのいろいろな経緯、また各議連の動きその他についてはよく承知をいたしているところでございます。今、気概というお話がございましたが、先生、先ほど言われましたようにこの五百億でぱちっと終わりになってしまうのではないかという御懸念がおありだったようでございますが、私は、先ほどもお話しを申し上げましたとおり、芸術文化振興を担当する大臣として、今後ともこの基金の充実については努力をしてまいりたいと存じます。  ただ、平成二年度の予算でこれが組み込まれていないではないかというような御指摘もございますが、これはいろいろな事情を勘案をしてみますと、平成二年度の予算にこれを組み込むことは無理であったのかなと思います。しかし、この基金が創立をされまして、五百億は小さいお金と先生言われましたけれども、見ようによっては大変大きなお金でございますので、これのさらなる充実については、私も今後努力をしてまいりますことを申し上げたいと存じます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 それともう一つ、大臣が今言われましたように、これから後の対応としては、これを増額していく。だから、余り途中で腰を折りますと、今度は立ち上がるときになかなかこれは、例えば九〇年度の予算、平成二年度予算でこれはなしにして、もう一年もないで、二年間もこれがいったら、後々これは定着ですね。この金額で定着ということになるのですよ。ですから、このシーリング枠があるとどうしたってそのように追い込まれてしまう。  だから、私が申し上げたいのは、少なくともこうした問題については、対大蔵省との関係になってくるわけですが、我々側が本当にスクラムを組んで全力でもって、文教というところでセクトを強めてでもこれを押し出していく、こういう態勢が非常に大事じゃないかなと考えるわけです。そうしないと、遠慮でもしようものなら一遍に、何年も五百億も出資したじゃないかということで抑え込まれる可能性が出てくるわけですから、ぜひその点を重要視していただきたいと思うのです。  きょうは官房長が来ているから、官房長、今までの文部省の予算の中で、予算を要求するときにシーリング枠の中に絶えず押し込められていく。例えば賃金なんかのような問題が出てくると、はてと困って、どこを削るかということを先に考えるような格好になってしまうわけですね。だから、そうでなしに、僕は今まで大臣に、文部省予算については別枠でそれをどのようにとり得るかがこれからの勝負じゃないかということを絶えず言い続けてきて、そのようにやるということを確認したけれども、その実現はされておりません。ですから、今度のこの問題とあわせてそういう点についてのこれからの、まだ先は長いと言われるかもしらぬけれども、本予算が上がっていないときにそういう論議はなどということでなしに、その決意を一言だけ聞いておきましょう。

國分正明文部省大臣官房長

○國分政府委員 先生ただいまお話しのように、ここ数年来いわゆる財政再建ということで当初予算についてはシーリングで実際問題として縛られてきたという経緯があるわけでございます。歴代大臣が、何とか文教については別枠、シーリングの外に持っていけないかということでそれぞれのお立場で御努力いただきましたけれども、なかなか例外というものが認められないという形で今日に来ているわけでございます。  今後の問題でございますが、今後我が国の財政事情がどういうふうに展開していくか、私ども十分わきまえておりませんけれども、また、したがってそれに伴いますシーリングがどうなるのかというものもこれからの問題かと思いますが、芸術文化につきましては、先ほど大臣が決意を申されましたことを踏まえまして事務方としても努力してまいりたい、かように考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 ですから、これから後の問題は、ぜひ大臣も別枠ということを志向して、その達成のために、全部がとれなければどこかの項目だけでも一つでもそういうものを達成して、一つずつ打ち抜いていく、やはりこういう姿勢が欲しいのですよ。しかし、今までそれがなかなか実現できておりません。だからこの点、いよいよこれから本格的にシーリング問題が論議されるわけですから、そういうときに向けて、どうするかという基本的な態度というものをやはり持っておかないとそれを突破することは困難じゃないか。  そうしないと、人件費が七六も七七ものパーセントになるということになりますと、事業費などはもうほんのちょっと。そうすると、どうしても抑え込まなくちゃならぬという格好になるわけです。しかも、人件費だけはベアをやるわけですから。そうなってまいりますと、一%上がれば三百億を超える金額が必要だというようなこともございますし、これから、公立学校の施設設備費は五千億を超えたものが半分以下になってきていますから、それに充てた部分をこれからはどんどん増額しなければならぬ時期に来ていますから、いよいよこれから文部省予算は厳しくなってくると私は思っています。  ですから、そうした点で、私は、ぜひこの五百億という問題をもう一度そうした視点からとらえ返していただいて、別枠なら別枠ということに向けてどうするのかとかいうことも含めて御検討いただきたいと思います。よろしいでしょうか。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 シーリソグの問題は国家財政上の非常に広範な、大きな問題でございまして、私どももある意味では大変心を悩ませておるわけでございます。また文教政策の中でも、今中西委員御指摘のとおり、いろいろな問題を含んでおります。  そういった中でどれを別枠扱いにするかといった取捨選択は非常に難しいであろうと思います。そういったものを十分検討させていただいて、しかしながら、やはり日本の芸術文化を振興することは非常に大事なんだという観点は忘れることなく、この問題について十分に検討してまいりたい、このように思います。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 それでは、五百億にプラスをする民間の資金百億、これは現状どうなっていますか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 民間からこの芸術文化振興基金を推進するという角度で、昨年末、十二月十八日、推進委員会の方から、百億円を目途として元年度中に拠出をするということで意見の表明がありました。  その後どうかというお話でございますけれども、今推進委員会の方で大変熱心にやっていただいているわけでございまして、私ども、既に数十社からかなりの確度をもってこれへの拠出が約束されていると聞いております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 金額は。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 金額につきましては、この法律が上がって基金の受け皿ができ、そこへ振り込んでいただくという結果を見ないとわからないわけでございますが、元年度内のことは、今回のいろいろな経緯もございまして、企業の方の事務方もなかなか難しい面もあるようでございますけれども、私どもはかなりの額を期待しているところでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 そうすると、今の答弁をお聞きしておりますと、推進委員会の方の御努力がどのようになされておるか私わかりませんけれども、どうも百億は困難みたいな感じがしてなりません。  政治資金についてはどんどん出させるけれども、本当に大事にしなければならない文化芸術、こうした諸問題を、本来なら社会に貢献する企業ということにならなければ、もうけ過ぎて隠し金に困っているぐらいの企業はたくさんあるわけですから、だから、それぐらいの金は当然なんだというぐらいにかかっていかないと、遠慮しながらではだめだろうと私は思うのです。これは政治資金をもらうわけではありませんから、心臓強く当たらなければいかぬと思うのです。  そうしないと、日本の企業は今までそうした経験が少ないということもあって、私が最初に申し上げた、例えば商業あるいはビジネス、そういうものに介入させるための大きいイベントだとか、外国から技術あるいはすべてが高い芸術家を招請してやっていくとかいうことはやるけれども、こういう本当に基礎的なものを育てていくということに対する認識が、ないと言ったら怒られますけれども、非常に欠けておるのではないか、こう考えます。  その点は、いや、遠山女史は女性としては男まさりじゃないかと言われるぐらいに督促できるぐらいの叱咤激励を皆さんにしていただくぐらいにならぬと、この百億は達成できぬのじゃないかと私は思うのだけれども、この点、どうですか。いや、もう集まります、こうお考えですか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 委員御指摘ではございますけれども、民間企業の方も最近では雰囲気が変わってきている面がございます。例えば、文化庁で特別推進事業という事業を新たに六十三年度から始めておりますが、これは文化庁の経費に民間の寄附をプラスいたしまして、日本の代表的な大きな舞台芸術を外国へ送るというふうな仕事もしているわけでございますけれども、そのようなものへの協力も最近では大変やりやすくなってまいっております。さらには、企業の方の助成財団も既に幾つかでき上がっておりまして、これも文化庁と連携をとりながら日本の文化振興ということで大変なお力添えをいただいておるところでございます。そのような背景があって、今回推進委員会が御提唱されましたものは、やはり民間としても単に経済というものを重視するだけではなくて、文化についても企業の社会的な責任を果たしていこうということがバックにあって御提唱いただいたものだと考えております。  額はどうだというお話でございますけれども、この法律ができ上がり、受け皿ができ、そして運営が始まりました段階では恐らくこの目途という額は、元年度内は無理かもしれませんけれども、達成できるのではないかというふうに考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 ぜひその点については、この五百億そのものも当初の目標からいたしますと額は大変小さいし、しかも、大きくでなしに小さく見積もった百億も何とかして達成するという。まず一番最初が大事ですから、この点だけはひとつ落ちのないように粘り強くやっていただきたいと思います。  そこで、振興基金の組織と運営についてお聞かせをいただきたいと思います。  先ほども松田委員の方からも出ておりましたように、アメリカあるいはイギリスなどにおける財団方式あるいは協議会方式、いろいろありますけれども、こういう中でやられておる基金の組織と運営等につきましては、小委員会の皆さんが御努力いただいて調査なりいろいろしていただいた中での資料等読ませていただきますと、日本の文化行政の中にいまだかつてないこういう中身をある程度取り入れていこうという意欲があるようでありますから、ぜひこのことを達成していただきたいと私は思うわけであります。それは、組織の原理といたしまして専門性あるいは公開性ということが非常に大事じゃないかな、こう考えます。一口で言いますならば、組織と運営で望まれる望ましい事項というのが幾つかございますので、この点でどうだろうかということをお聞きしたいと思っています。  一つは、何といいましても助成申請を公募の形でとれないものか、そしてこのことを国民の皆さんに理解をしていただくように徹底を図っていただきたいということ。  そして二つ目に、申請から助成決定に至る過程の情報公開、こういうものがどれだけできるのか。  さらに三点目に、先ほど言っておりました援助政策を決める組織そのもの、会長あり理事長あって五名の理事、監事二人、評議員二十名というのは、これは変わらないだろうとは思うのですけれども、果たしてそれでいいのかどうか。そして同時に、この運営委員会あるいは助成対象を決める審査委員会、こういうものを分科別に設置をいたしまして、それぞれの専門家あるいは芸術関係者の皆さんの代表によってこういうものが決定されていくのかどうか。  それから四点目が、諸外国を見ますと、こうした委員等の任期は理事長が六年だとかあるいは五年だとか四年だとか、こういうふうにちゃんと任期を限定をしておるし、氏名の公表まで行っておる、そういう状況があるわけですから、そういうことはどうなるのか。さらに、芸術文化振興会の役員になられる方あるいはそこの職員の重要な位置におられる方などに広い分野から芸術家だとかあるいは芸術の助成に対する見識をお持ちの方だとかあるいは専門家を加えるとか、こういうことが考えられておるかどうか。というのは、この資料を見ますと、例えばアメリカの場合でありますならば、この点については相当多くの皆さんから構成される審議会だとか、こういうものを全部つけておるわけでありますから、こうした点について、私はぜひお考えいただければと思っております。  それで、アメリカの方を見ますと、例えば金額が二百十一億三千三百九十八万、八八年度の予算でありますけれども、そうなりますと、この中につけておる人員等からいたしましても、百二十四の審議委員会があり、千十一名の専門家によって構成されておる。そしてそれぞれの職員、中心になるような人たちの中には経験者を登用しておるということが明らかになっておりますし、イギリスにおきましてもそれと同様なことが行われておるということを言われておりますから、やはりいい部分については、これから私たちが基金ということを選択をした以上、それに該当する部分で十分な御検討をしていただくということが今一番肝要ではないか、こう思っていますが、この点についてどうでしょう。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 幾つかの点についての御質問であったかと思います。  まず第一は、助成金の配分について公募をしてはどうかというお話でございますけれども、この芸術文化振興基金にかかわる援助業務を円滑……

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 ちょっと違うのです。  助成申請を公募するということであって、この点全部を一つずつ今お答えいただくともう時間いっぱいになりますから、大体そういう内容を含んでの委員会、運営委員会なりあるいは審議会なり、こういうものの御決定はいただけないのか、こういう点でお答えいただければと思います。簡単で結構です。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 はい、わかりました。  そういたしますと、主として審査の組織についてのことであろうかと存じますけれども、今回、基金の運用に当たりまして、劇場を改組して日本芸術文化振興基金としてその中に基金部を置くわけでございますけれども、審査機構は、やはり諸外国の例にも見られますように運営委員会なりあるいはその下の専門委員会なりというふうなものをつくりまして、広く芸術文化関係者の意見も聞きながら審査に当たっていくというふうに考えております。  任期でありますとかその方法につきましても、できるだけ今回の基金の趣旨に沿うべく公正かつ柔軟な運用ができるように組織あるいは委員の選定等についても検討してまいりたいというふうに考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 特に今までの文部省の民間芸術等振興費補助などにつきましては、今まであるものについては、例えば芸術創作活動促進事業だとかあるいは青少年芸術普及事業だとか、こう挙げていきますと、事業、事業、事業になっていますね。それに限定されてきていますでしょう。ですから、今回の場合、今言われるように柔軟でしかも内容的にはそのようにすそ野を広げた体制の中で審査するとか、いろいろな専門分野の方が入って十分な、落ちのないようにしていくとか、こういうようにしていかれるということであって、事業だけでなしに、今言う運営面における充実、そういうものが言われておるようでありますけれども、この点はよろしいですか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 御質問の趣旨をちょっと取り違えていたら御指摘いただきたいと存じますけれども、助成の対象として芸術団体等の運営についてもということでございましょうか。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 私が言っておるのは、運営組織が、今までだったら固定化された部分を対象にしていきますので、事業ということに向けてやっておりましたから今までのもので可能であったといたしましても、今度はそれを柔軟に、広く、しかもここに書いてありますように芸術家個人、団体というように広げてありますから、そうなってまいりますと、今度の審査の形態というのは、そういう方向に向けてそれに対応できる柔軟さというものをちゃんとお持ちですか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 それは、先ほど申しましたように運営の大綱あるいは配分の方針のようなものは基本的なことでございますので、運営委員会のようなもので決めて、また要綱を明らかにして、これを関係者に広報しながら進めていくと思いますし、その下の組織といたしましての専門委員会のようなものは、それぞれの事業の多様な展開が可能になりますように組織自体もあるいはそこに参加していただく専門家の選定につきましても柔軟な対応が必要であろうかと考えます。  ただ、組織自体が余りにも膨大な形になりませんように、簡素な中で柔軟に対応できるようなものが考えられていくのではないかと思います。ただ、これ自体は、基金ができ上がりまして振興会自体がその組織のあり方についてもみずから決定していくものではございますが、私どもとしては現段階ではそのように考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 そうすると、専門家の皆さんとかいろいろなそういう方々を登用して審議会なら審議会を幾つもジャンルに沿ってつくり出していくというようなことはしないということですか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 基本的なことを定める運営委員会のようなものは一つであろうかと思いますけれども、その下には各分野に応じたいろいろな専門委員会を設けていくということになろうかと思います。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 では、できるだけそうした声が、しかも皆さんに公開できるような内容でもってやるように、今度は新しい発想でぜひこれはつくり出していただきたいと思います。そうしないと、従来からあった分捕り合いだとかなんとかいう格好になってまいりますと、もうこれを設けた趣旨そのものがだめになってしまう可能性だってあるわけですから、ぜひそうした点で大胆に、しかも新しく、皆さんに信頼されるような条件をつくり出していただきたいと思います。この点、ぜひ約束をしてほしいと思っております。  それから、助成の対象でありますけれども、団体と個人、それから団体ということになりますと資格要件だとかなんとかいろいろなことが出てくるわけでありますけれども、こういう点についてはどうなんでしょうか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 助成の対象といたしましては、芸術家は個人でありましても申請者となるかということでございますけれども、比較的規模の大きな活動を対象の中心といたしますので、原則として、芸術家個人ではなくて芸術家の団体が申請者となることを予定しているわけでございます。しかしながら、芸術家の団体を通じまして芸術家個人の公演等に基金の助成金が使われることは十分にあり得ると考えております。  また、芸術団体の申請資格といたしまして、諸外国によりましては、公益法人でなくてはならないとかいろいろな制約があることも聞いておりますけれども、今回の基金の助成資格につきましては、本法案の成立後、振興会において関係者の意見も踏まえながら詳細を検討していただく予定ではございますけれども、相当の活動実績を有し、あるいは一定数の実演家を有することなどの芸術団体としての実体を備えたものであれば、これは対象になるのではないかと考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 ですから、この問題はよほど皆さんの御納得をいただけるような論議をしていかないとまたいろいろ問題を醸し出してくるのではないかと思うのです。  ですから、やはり何といっても今度の場合には三十億なら三十億という限定された予算の中でこうしたことを始めるわけでありますから、将来的な展望、中期的なあるいは長期的な理念というものが皆さんに理解をされて、そしてかくあるべきだという方向がわかれば、今度は初年度としてはこの程度であります、こういうぐあいにできるのですけれども、そこいらがまだまだ不十分さがあるために、では今度はどうなるだろうかということでもってみんなが構えてしまうとまた混乱するのじゃないかということを私は一番危惧をいたしているのです。  ですから、そうならないように、ぜひこの点についてはできるだけ皆さんに納得いただける条件というものを作成していただきまして、そうしたもののコンセンサスをちゃんと得てやるということが私は物すごく大事ではないか、こう思っております。ですから、今お答えいただいた点だけでは私はまだ不足の面があると思いますから、この点は再度御検討いただいて、この助成の対象等については慎重にやっていただきたいと思っています。  ただ、三十億と限定された中でありますから、初年度はどうするのかというところあたりを明確にしていただくなら、また納得する条件も出てくると思います。そうでないと、じゃ地方はどうなるんだというようなことで拡大されていきますと、これは大変な額を必要とするし、今の条件の中ではこの程度ならこの程度ということを明確にしていかぬといかぬと思いますから、先ほど申し上げた中長期的な理念というものを出して、方針というものを出していただいて、その中における初年度はこういうものだということに近いものを、非常に短期間であるけれども、ぜひ御検討いただきたいと思います。  それともう一つは、さっきちょっと出かかったのですけれども、事業の助成と、今度は運営の面における助成をこれからどうしていくかということが非常に大きな問題になってくると私は思うのです。今までは事業助成を中心にしてやってきたのですけれども、これからの助成というのはそうした個人も含めてあるわけでありますから、この問題は初めて取り組むことにならざるを得ないわけですから、十分な御論議をしていただきたいと思うわけであります。  そうなってまいりますと、この際には特に助成をするに当たっての重点をある程度明らかにしておく必要があるだろう。特に、運営助成ということになってまいりますと、職業的に自立できるようにするためにはじゃどうするのかとか、あるいは芸術鑑賞機会を増大するためにはどうすべきだとか、いろいろなものがたくさんあるわけです。  特に私が申し上げたいと思いますのは、規模は大小あるといたしましても、物を舞台でやるとすれば、そこには今度は脚本あり舞台装置ありあるいはけいこあり、そういういろいろなものが総合的なものになってくるわけでありますから、そういうものが積み重ねられていく過程の中における芸術家の、あるいは演劇家の皆さんの生活というもの――ヨーロッパの場合を見てみますと、最低賃金を保障しておらないところには助成金を出さないというようなところだってあるわけですよ。それくらいに、その間における生活、すべてのものが安定できる体制をつくり上げている。  そうすると経常費的なものになってくるわけですから、よく例に挙げるのは、例えば私学の場合にはあるじゃないか、こういうような状況等がありますから、こうした点でどのようなことを基礎に置いて発想していくかということがこれから大きな課題になってくるだろう、こう思うわけであります。こうした点についてどのようにお考えになっておられるか、一端だけでもいいからお述べいただきたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 今回の援助の中身、事業内容の大枠につきましては法文上も明確でございまして、第十九条の中に書いてございます。それは、芸術家、芸術団体の行う公演等の活動であり、あるいは文化施設を中心とするいろいろな町づくり等の地域の活動であり、あるいは後継者養成でありというふうに書いてあるわけでございます。  重点を何にするかということでございますけれども、今の段階で明確に言うのはなかなか困難な点もございますけれども、やはり最も要求されているのは現代舞台芸術のさまざまな活動などが代表例であろうかと思うわけでございます。しかし、それ以外にも基金の援助を要請されるいろいろな分野があろうかと思います。  それらをトータルに見た上で、どのように対応していくかということは、基金で新たにできます運営委員会等において十分に御検討をされ、また文化庁におきましても文化政策推進会議等でも御検討いただいて、そういう意見も反映しながら広くいろいろな方々の御意見を十分反映して、効果的な運用ができるように努力をしてまいりたいと思うわけでございますけれども、芸術団体にとりまして、その運営の経済的な問題は私どももよく承知をしているわけでございますけれども、やはり芸術創作活動にかかわる経費の財源の確保というのは原則的にはそれぞれの団体の自主的な活動にゆだねられているところでありまして、今回の援助の対象はやはり事業を中心としながら活動そのものに援助をしていく、それによって芸術家なり芸術団体が潤い、よい創作活動なり普及活動ができる、そういう形に循環をしていくようなものが本当の姿ではなかろうかと思うわけでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 だから一口で言うなら、皆さんが職業的に自立できる、プロはプロとして活動できるこの底をどう支えるかということになってくるんじゃないかと私は思うのですね。ですから、その条件には、またいろいろな広い分野があろうと思いますから、そのことについては私は触れませんけれども、こうした点をやはり重要視するということが今までなかったわけでありますから、ぜひ重要視していってほしいと思っています。  それともう一つは、例えば舞台芸術なりを考えてみた場合に、今は物すごくビデオだとかいろいろなものが発達をいたしまして、こういう舞台というもの、あるいはこれは高いところであろうと大道であろうと何であろうと、こうした芸術というものがやはりこれから本当に重要視されていかなくちゃならぬと思うのですね。そうしないと、これが大変な危機状況に陥るのではないかという、こうした点が私たち危惧されるわけですね。この点をひとつお考えいただきたい。  それともう一つは、何といっても一番の問題は、そうした鑑賞眼と申しますか、鑑賞する機会を与えることによってそうした質を高めていく、芸術家なりなんなりの質を高めると同時に、今度我々の側の、一般の側の質をどう高めていくかということがまた大変重要ではないか。ということになってまいりますと、小学校なりあるいは小さなころからの子供たちに本当にそういう鑑賞する機会を与えるということの意味もまた大事ですから、こうした点等について十分お考えいただきたいと思います。  これは申すまでもありませんけれども、地方自治体におけるハードの部分は大体でき上がってきましたから、これが地方自治体あるいは地方におけるそういうソフトの部分をどのように我々が重要視していくのか。そのときの政府の援助かあるいは地方自治体の援助か、そのあり方等についてもこれから十分検討していかなくちゃならぬのじゃないか、こういうように考えるわけであります。  したがって、この点はもう答弁要りませんから、ぜひこうした点を取り入れて十分な検討が行われるようにしていただければと思っています。よろしいでしょうか、その点で。  いよいよ時間がなくなってまいりましたので、そこで最後になりますけれども、先ほどから申しておりましたような問題は、基本金の継続的、飛躍的な増額をどうしていくかという点、この点をひとつ十分お考えいただきたいということですね。  それからもう一つは、先ほどからちょっと申し上げておりましたけれども、国立劇場との関係あたりについてももう少し我々が納得できるような――私は独立あるいは分離することの方が明快だろうと思うし、そのことの方が補助金あるいは助成政策と、このような劇場あるいはそこでの古典などの保存という意味、そこら辺を私はもう少し明確にしていただきたいと思っておりますけれども、この点についても時間があれば十分御検討いただければと思っています。  それから基金の自立性の問題が一つ私はあろうと思います。この点はいろんなところから足を引っ張られたりあるいは運営について介入されたりということでなくて、やはり自由と自立、このことが基本にあって私は芸術あるいは文化、この創造だって可能だと思いますから、ぜひこの点の御検討を強く要望しておきたいと思っています。この点について何か大臣の決意なりあれば後でお聞かせいただきたいと思います。  その前にもう一つだけ。例の第二国立劇場の問題でございますけれども、昨年の国立劇場法改正審議の際にこの委員会におきましては附帯決議をしておりまして、その後の経過等について報告をということになっておりますが、その機会が一つここにもあるわけですから、この点がどのようになっていったのか、この点、ひとつお答えいただきたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 第二国立劇場(仮称)につきましての昨年の法律改正後の進捗状況について御報告申し上げたいと思います。  昨年三月、国立劇場法を改正していただきまして、第二国立劇場(仮称)の設置主体が特殊法人国立劇場に定まったことを受けまして、昨年の十一月には国立劇場にこの二国の準備室を発足させまして文化庁、国立劇場が一体となって平成五年度の開場を目途として今諸準備を進めているところでございます。  そして、第二国立劇場の用地につきましては平成元年度補正予算で措置されまして、平成元年度中に特殊法人国立劇場、これは今度改組されますと振興会になりますけれども、国立劇場に対して現物出資することとして取り進めているところでございますし、また二国の建物建設につきましては、周辺街区と一体となって都市計画法による特定街区制度を導入しまして、二国にふさわしい環境整備を行うことといたしております。この特定街区の手続の進捗状況を踏まえながら、これを活用してできるだけ早く本体工事に着手したいと考えております。  さらに、管理運営の問題に関しましては、二国の管理運営検討会議というのがございますけれども、そういうところで芸術家あるいは芸術関係団体の関係者の意見を聴取したところでございまして、それらを踏まえながら現在外部の団体、例えば財団法人を設立する等によりその法人に委託する方向で検討しているところでございます。  そのような形で現在進んでおりますので、御報告を申し上げます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 したがって、二国問題も先ほどの予算との関連が出てくるわけでありますけれども、単年度――単年度というか短い年度の間に五百億という大変な財政力を必要とする内容でありますから、この分につきましても先ほどから申し上げるように別枠なりなんなりのそういうようなものの発想がある程度とれないとこれはもう文化庁の予算食っちまう、三分の一くらい食っちまうというような状況だって出てくるわけですから、ここら辺についてもよほどの配慮をしていかないと文部省予算にとっては大変なことになるわけですから、ぜひこの点、配慮していただきたい。その点を先ほどの自立という問題とあわせて、大臣、特にお答えあれば答弁をお願いしたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 基金の充実の件につきましては、先ほどから私からも繰り返し御答弁を申し上げているところでございます。現在の財政状況その他、シーリング、いろいろな問題を勘案しつつ、やはり芸術文化の振興は大切であるという観点に立って今後努力を続けてまいりたい、このように考えております。  基金の自立性の問題でございますが、芸術文化の創造は、それぞれの担い手がみずからの主体性と創意により自由な立場で進めていくべきことであることは先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、芸術文化振興基金におきましても、芸術文化団体等が主体的に企画された事業について、その申請に基づきまして公正な判断を行って資金面の援助を行っていこうとするものでございます。  この基本姿勢の上に立ちまして、基金の事業運営については、芸術家はもとよりでございますけれども各方面の意見を十分反映させる必要があると私も考えておるわけでございます。芸術文化関係者あるいは民間人あるいは学識経験者等から成る組織を設けて、円滑かつ適正な運営をして、そして審議を願うことにいたしております。そのつもりでおるわけでございます。  なお、先生からちょっと御指摘のありました、民間の基金拠出が百億という予定で進められておったわけでありますが、御承知のように、受け皿の方が、この法案ができませんとまだできないというような状況でございます。一日も早くこの法案が通り、そして受け皿ができますことを民間も期待をいたしておるところでございますが、諸般の事情から法案の成立等が大変おくれたことにより、民間団体の方でも若干の戸惑いがある、あるいは手続上、決算期も迫っておりますので、いろいろな問題があって民間の方にも多少戸惑いがあったことは事実でございますが、受け皿ができます以上は、来年度、再来年度かけてでもこれを拠出願うように私どもの方からも努力を重ねたいと思っております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 終わります。

船田元自由民主党

○船田委員長 次に、沢藤礼次郎君。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 最初の質問でございます。  大臣、御就任おめでとうございます。農林水産委員会でも御一緒しましたが、日本の政治課題にとって非常に重要な農業と、そしてまた教育文化と、二つの分野にわたって活躍なさることを御期待申し上げております。と同時に、農業の抱えている問題と教育の場における体づくり、健康づくりの問題とは密接な関係がありますので、学校給食の問題等を通じて、いつか機会を改めて大臣の御所見を篤と承りたいと思っておりますので、予告編として申し上げておきたいと思います。  芸術文化の振興を目指して、このたび六百億の基金を創設いたしまして、その果実で芸術文化の多彩な展開と普及を行う、あるいは文化による町づくりを推進する。この法の目指している目標あるいは趣旨については賛意を表するにやぶさかではございません。  ただ私は、法案の内容の審議を行う前提といたしまして、文化というものに対する価値観を確立する必要があるんじゃないか。何か一部には文化というのは特殊化をする見方がないわけではございません。文化人という言葉があったり、詩をつくるより田をつくれというふうな言葉があったりしまして、文化というのを特殊化しようとする傾向がなきにしもあらずであります。しかし、考えてみれば文化は人の生活そのものであります。主に精神的な分野ということになるでしょうけれども、制度も文化であり、伝統も文化であり、習俗も文化であるということになれば、もちろん政治も文化であります。  そういった意味で、文化というものは非常に重要なものである、そして私たちの政治に大きくかかわっているんだ、そしてまた世界に向ける顔としても文化政策がどのように展開されているかということがその国の大きな特徴としてアピールできる重要な側面だということをまず確認をいたしたいと思いますし、同時に日本における文化の現在の特徴と申しますか、あるいは欠点と申しますか、やはり文化においても中央集権が進んでいるんじゃないかと思われる点がございます。そういった点をお互いに明らかにしながら、その背景なり基盤を共通認識の上に成り立たせながら、文化の推進について論じてまいりたいと思っております。  大臣、冒頭申し上げましたことと今申し上げましたことについて御所見があれば一言お聞かせを願いたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 文化の概念規定というのは非常に広範でありますし、また先生御指摘のようにさまざまな形をとって文化というものがこの地球上に見られるわけでございますので、一概に「文化」という二つの漢字でつくられた概念を規定することは私は非常に難しいことであろうと思っております。  その文化を検討してまいります場合に、いろいろな分野に分けまして、そしていろいろ検討していくというのがやり方であろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても人間は文化的な生活を営まなければなりませんし、また我々が長い間かかって築き上げてきたこの地球上の文化というものを今後も残していかなければならないのではないか、このように思っておるわけであります。とりわけ先生も農業関係には大変御尽力をいただき、また農林水産委員会等で長い間御一緒させていただきました。そうした農業も一つの文化であるという観点でのいろいろな御議論もあったことを承知いたしております。  そういった形で、いろいろと展開をされておりますこの文化を大切なものとして、我々人類の持つ財産として今後も守り続けていく姿勢をやはり政治は持つべきであろう、私はこのように考えております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 もう一つお尋ねして、次の質問に移らしていただきます。  今お話がありましたように文化の価値観、もう一つは、さっき私が触れましたが、日本におけるいろいろな面での中央集権という実態があります。財政、行政、産業あるいは交通、芸術文化等々一極集中的な要素があるというふうに指摘せざるを得ないように私は思うのですが、この点について大臣のお考えはいかがでしょうか。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 先生御指摘の点については私は必ずしも否定するものではございません。また、地球上の長い歴史、文化の中でも、そのような形で力のあるところによって支えられてきた文化というものはあるように思います。しかし、文化というものは人間の生活に密着したものであるということを考えますならば、その地方その地方に育っている人間の生活形態から来る特有の文化といったものも文化の一つの重要な要素として大切にしていかなければならないんじゃないかということも考えております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 私どもいろいろな分野における政策展開をする場合に大きなフレームとして存在するのが全総であります。全総、新全総、三全総、四全総と打ち出されてきております総合開発計画というのは国全体という立場から重要なフレームでありますし、同時に、地方におります立場からすれば、全総がどのように発展され、またそれが実際に肉づけされているかということは大きな問題になるわけであります。  そこで国土庁にお伺いしたいのですが、四次にわたる全総の役割、与える影響というのは極めて大きいということは今申し上げたとおりでありますが、特に地方の時代をうたった三全総、それを受けての四全総、これは私ども地方に住む者にとっては非常に大きな希望であり期待でもございました。地方の時代が来る、定住圏構想。しかし、これが四全総になりますとややトーンダウンしまして、一極集中を排除するんだ、多極分散するんだというふうにニュアンスが変わってきた。こういうことについて、総体的な三全総、四全総の達成状況、進行状況というのをどうとらえておられるか。その中における教育、文化についての進行状況、達成状況というものをどうとらえておられるか、これをまず総体的にお聞きしたいと思います。

岩崎忠夫国土庁地方振興局総務課長

○岩崎説明員 お答えいたします。  五十二年に策定されました三全総におきましては、地方を振興して、過密過疎問題に対処しながら、全国土の利用の均衡を図りつつ、人間居住の総合的環境の形成を図る、そういう定住構想を進めることにいたしたわけであります。  そこで、三全総策定後の状況を見ますと、人口の地方定住が進展いたしまして、また地域におきます居住環境も向上するなど三全総の定住構想は着実に進展をしてきているというように考えておるわけであります。しかしながら、昭和五十年代後半に至りまして、国際化でありますとか情報化でありますとかサービス経済化でありますとか、こういうようないろいろな事象が進展してまいりまして、東京圏への諸機能の一極集中や人口の再集中という事態が生じてきたわけでありますし、また過疎地域では若者の流出を初め人口減少が引き続いているというような状況もあります。また、道県単位で見ますと、幾つかの県で人口減少が増加しているというような、新たに対応すべき課題がいろいろと出てきたわけであります。  四全総におきましては、このような状況の変化も踏まえまして、定住構想の理念をさらに発展させる必要があるということで、定住と交流による地域の活性化をいろいろと進めようということでいたしているわけであります。私どもは、今後とも主体的な地域づくりの推進などを図る必要があると考えておりますし、多極分散型国土の形成、地方の振興ということにさらに一層意を用いてまいりたい、努めてまいりたいと思っております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 今お話ありましたように、一時は、例えば地方における人口が押しなべてある程度上昇した。ところが、五十年代後半から減少に転じた道県もございます。そういった意味で、陰りを生じてきているのではないかというのが私どもの見方なわけです。  一番単純な数字から見ますと、定住構想の直後の昭和五十五年の人口と最も新しい昭和六十三年の数字を見ますと、昭和五十五年を一〇〇としますと、全国でもって一〇五ですか、一〇〇が一〇五になっている。そういった中で、一〇〇を割っているところが青森とか岩手とか長崎とか、そういうところが出てきているわけですね。これは明らかに過疎化の進行でございます。一方では埼玉、千葉のように一〇〇に対して一一四、一一三というふうな大変な増加を見ているところもある。つまり、過疎過密の現象はむしろ最近になって加速したんじゃないかという見方、これについての御感想をお聞きしたい。  と同時に、三全総で学術、文化あるいは芸術について打ち出している部分があるわけで、これを大切にしたいなと思って見守ってまいったわけであります。例えば「定住構想を実現するためには、地域の特性を生かして地方文化の振興を図りつつ、全国いずれの地域においても、すぐれた文化を享受することができるような」云々という表現があります。これはまさしく定住構想の精神に沿った、私どもの歓迎する方向だと思うのです。特に、地方における文化施設の整備、文化の伝承、創作活動の奨励、文化の交流及び鑑賞の機会の増加、こういった点も強く打ち出してきております。また、一方では高等教育機関あるいは学術研究機関、教育研究機関の地方分散ということも打ち出しているわけであります。  こういったことを含めまして、先ほどの人口動態についての御感想とあわせて、今申し上げました文化、学術、芸術の面における当初の打ち出した目標あるいはイメージしたもの、現況はどうなっているかということを率直にお聞かせ願えませんか。

小坂裕男国土庁計画・調整局計画官

○小坂説明員 御説明申し上げます。  まず人口でございますが、先生今御指摘いただきましたように、一極集中や人口の再集中あるいは過疎地域での引き続く人口の減少、道県単位での人口の減少の増加などの対応すべき問題が生じていることも事実でございますが、国土全体について見まして東京圏対地方ということで見ますと、東京圏につきましても多少集中の鈍化の傾向というのが見られておると思います。そのため、私どもといたしましては、多極分散型国土ということで四全総の推進をいたしてございます。  それから文化、学術施設でございますが、御指摘いただきましたように第三次全国総合開発計画、これは五十二年に策定されておりますが、この中では高度の教育、文化施設の地域的な適正配置を図ることによりまして各地域の文化的水準あるいは広い社会的な意味の水準を引き上げ、地方での定住の基盤を形成するということをうたっております。これにつきましては、定住につきまして一定の進展があったもの、こういうふうに思っております。  さらにこれを発展させまして、六十二年に策定されました第四次全国総合開発計画でございますが、これにつきましては多極分散型国土を推進するという中で、文化性に富んだ質の高い地域環境の整備を図ること、これを計画の基本的課題といたしてございます。教育につきましては、高等教育機関の適正配置、それから文化、学術面につきましては、地方都市の活性化を十分に図るためにその施設の整備を図る、こういうことをねらっております。こういった点を踏まえまして、六十二年以降計画の推進に努めているところでございます。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 私は、あえて全総の進行状況にけちをつけるとか危機感をあおり立てるという意味で申し上げているわけではありません。ただ、東京の霞が関でお感じになる実感と実際に農山村で生活している者としての実感との間にはかなり距離があるなという感じを私はどうしてもぬぐい切れません。  例えば人口の移動を見ましても、過疎化のスピードが落ちたとかあるいはやや人口増が見られるとかという同じ県なら県、都道府県の内部を見ましても、市町村単位の動向を見ますと今度は県内なら県内における一極集中なり多極集中が起きているわけです。すごく過疎化が進んでいる山村、町村もあれば、人口が爆発的に二割、三割ふえている地域もあるというふうにして、同じ地域内の過疎過密化が進行しておるという特徴を見逃すわけにいかないと思うのです。そうしますと、全体的な日本列島の中の過疎過密の過疎の地帯の中のさらに地域内の過疎地帯というのは、本当に悲惨と申しますか、人間の数が小なくなっていく、高齢化が進む、福祉に対する需要がふえる、したがって市町村財政は圧迫されるという悪循環がある。これをトータルにとらえていただかないと日本の政治の方向は誤まると私は思うのです。  それぞれ役所には役所としてのセクションがあるということは存じています。しかし、それは内閣という一つの中で、果たしてこの三全総なり四全総がどう進行しているんだ、教育、文化はどうなんだ、農山村の活性化はどうなんだということを大臣もひとつ内閣の中で、政府の中で横断的に話し合っていただきたい。これは各省庁にお聞きしますと、やはりそれなりの数字というのはあるのですよ、こういうふうに前進した面があります、こういうふうにやっていますと。しかし、その受け皿である地方に行ってトータルとしてとらえた場合には、とてもじゃないがそういう実態じゃない、そういう実態もあるわけですから、ぜひそういうニュアンスでお聞き取り願いたいわけです。  これは若干きつい文章なんですが、ある業界雑誌の中で、ある通信社の論説委員の文章なのですが、「過去、第一次から第三次までを含めて、全総は、ある意味では、地方圏の悲願をこめた”地方分散論”の歴史だったということができる。しかし、現実には、全総は地方圏にとっていずれも常に絵にかいたモチに終わってきた。東京集中は続き、地方の雇用問題が深刻化するなど、全総は鳴り物入りの割にはいつも無力ぶりをさらけ出してきた。全総の歴史は無力の歴史でもある。」と、随分厳しいことを言っているのですが、こういう論が目につくのです。  今、文化芸術のテーマを話し合っているわけですから、そちらの方に主題を戻しますけれども、学術、芸術、文化、そこにはまだ中央集権的な状況、あるいは東京一極集中、あるいは三大都市圏対地方という図式が厳然として存在しているという認識をきちんと持たないと、今後の政策展開については取りこぼしがあると思います。つらいことかもしれませんけれども、そこはきちんと確認する必要がある。私はそのことを特に訴えておきたいと思います。  この問題で次に移るわけで、最後に一つお聞きしたいのは、高等教育機関の全国配置の問題があります。  教育機会の指数を見ますと、他の住居環境であるとかいろいろな指数、例えば所得水準とか就業機会あるいは住生活の機会とかいう数字に比べますと、教育の機会というもの、特に高等教育機関に入学している率、十八歳人口で高等教育機関に入学している人数を割る、つまり高等教育に関する教育機会の指数を見ますと、他の分野よりも三大都市圏と他の地方圏との間に際立って格差があるのです。  私の記憶では、青森、岩手の地域は大学等の高等教育機関に対する入学率は二〇%そこそこだと思うのですが、東京は五〇%ぐらいいっているでしょう。これが高等学校であれば九十数%とほとんど全国ならされてきました。そういった意味では大変すばらしい文教政策としての前進はあったと思うのだけれども、事その上の段階となりますと、青森、岩手と東京の進学率が二・何倍も違うという状況が残されているのです。この点についての総括、反省を、国土庁でもよろしいですし、文部省でも結構ですが、お聞かせ願いたいと思います。

坂元弘直文部省高等教育局長

○坂元政府委員 確かに先生御指摘のとおりに、高等教育機関への進学率の状況は都道府県によってかなり差がございます。全国平均で申し上げますと、平成元年度で三六・三%でございますが、最高の東京都で四六%、最低は、先生の県のお隣の県でございますが、青森の二一・八%でありまして、最高と最低との格差は、単純に倍率で割ってみますと二・一倍となっております。  ちなみに、三全総がスタートいたしました昭和五十年度の数字は、東京が六〇%ぐらいでございましたので、この差が約三倍ぐらいございました。そういう意味では、その差は若干縮まっておると言えるのではないか。前回、昭和六十二年だったと思いますが、先生が本委員会でこの数字について御質問になったときにやはり東京と青森が最高と最低で、そのときの格差が二・四倍でございました。平成元年度は二・一倍ということで、そういう意味では着実に差は縮まってきつつありますけれども、それにしても二倍というのはかなり大きいと私どもも思っております。  都道府県によってこういう差が生ずるというのは、高等教育機関の配置の問題もあると思いますが、同時に県全体の住民、県民の進学意欲と申しますか、かなりの人が行くので自分のところの子供も高等教育機関に進ませたいというような、そういう県民の意識の差、あるいは高等教育を卒業した者の需要が地域でどの程度あるかというような産業構造の差などによりましていろいろな要因があるので、一概には直ちにこれを縮めるというわけにはいかないと思いますが、私どもは基本的には進学率の差を縮める、あるいは高等教育機関の一極集中あるいは多極集中を排除するという方向で大学設置等の認可等に当たってきているところでございます。今後ともそういう方向で努力を続けてまいりたいと考えております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 高等教育機関の問題については質問は以上にとどめるわけですが、今お答えになりましたように、確かに進学意欲あるいは教育に対する意欲の問題もあると思います。ただ、決定的なのは経済的な輪切りですよ。東京に進学する場合の経費と東京の人が東京で進学する場合の経費と比較しての数字はおありのはずです。こういった経済格差というものが非常に大きな障壁になっているという指摘をしておかなければならない。そのことをつけ加えておきます。  次は、文化政策について、これは大臣にお願いしたいのですが、三全総についてはさっき申し上げました。四全総の中でも、やはり地域における固有の文化をはぐくむという方向性とか文化施設の問題、文化活動の問題、芸術文化団体の育成というふうに、非常に重要な内容として盛られております。これは国の政策として打ち出されたわけですから、一文部省、一文化庁だけの問題ではございません。そういった意味で、三全総、四全総を十分盾にとられて芸術文化あるいは教育の充実のための施策を打ち立てる、あるいは予算の確保に努める、こういうことで頑張っていただきたいと思うのですが、その点を一言お聞きして次の質問に移らせていただきたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 芸術文化の振興は国の政策としても大変大事でございますし、また、先生御指摘の四全総の中に盛られておりますそうした問題の振興という観点からも、これを振興していかなければならないと思います。私も、芸術文化を振興する、そういった担当大臣として頑張ってまいる決意を申し述べたいと存じます。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 文化というものについて少し共通認識を深めたいのですが、文化活動はすぐれて精神的な活動の分野が多いと思うのです。機械文明も広い意味では文化だとさっき申し上げましたが、それは、いわゆる人間としての活動、精神的な活動、芸術文化的な活動を支えるいろいろな施設なり交通機関なりというのがあるわけでありますけれども、いずれにしても文化を支える重要な要素というものは一体何だろうかという御所見を、これはどちらでも結構です。文化庁でしょうか、お聞かせ願いたいと思うのです。  例えばということで申し上げるのですが、私は人的なエネルギー、人間としてのエネルギーの集積というのが文化を支える一つの要素になっていると思うのです。過疎地帯の、仲間もろくにいない農山村の青年は文化的な意欲を失っています。逆に、ある山村で非常にすぐれた指導者のもとに演劇活動をやっているという例が岩手にもあるのですけれども、そういったところの青年はある意見発表の場で、これがあるからおれはこの村にいるんだということを言っている。やはり文化の活動を支える大きな要素としては人間あるいは人的エネルギーの集積がかなり大きなファクターだろうと思います。  二つ目は、参加と創造だろうと思うのです。テレビというのは極めて最近の文化を象徴するメディアなわけで、さて、勤めから帰ってビールを飲みながらごろり横になってプロ野球見るのが文化かなというふうなことになりますといろいろな判断の違いも出てくると思うのだけれども、やはり文化あるいは芸術ということになれば、それは参加、創造ということになるのだろう。これが二つ目の私の考え方です。  三つ目は、風土に根差した地域性というものが必要ではないか。自然、風土、歴史、伝統、そういったものに支えられて文化ははぐくまれるという視点。  以上、人的エネルギーの集積と交流、参加と創造、地域性というふうに申し上げたのですが、これについて御所見を賜りたい。  そして、今申し上げた幾つかの要素を踏まえて、中央と地方にこだわるようでございますが、きょうは徹底的にこだわらせていただきます。中央と地方との間に文化を支える要素、基盤、その格差というものをお感じになるかどうか、そのことを。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 文化を支えるいろいろな要素について先生御指摘になられました。基本的に私も同意見でございます。特に、人的なエネルギーの集積というふうにお話しになりましたが、やはり人間が人間社会でつくり上げてきたものが文化であろうかと思いますから、そういう意味で人的なもののかかわりというものが非常に大きいのではないか、このように思っております。  さらに、参加と創造、特に文化におきましては創造、あるいはもう一つの局面にとっては維持ということもあろうかと思いますが、そういったことは大変重要だと思います。  さらに、先生御指摘の地域性という問題、これは非常に重要な問題だと思いますが、時代の変遷とともにこの地域性という概念が少しずつ変わってきたように思います。そして、近年におきましては、交通体系の発達と申しますか、日本の国土が狭くなったなと思われるような、新幹線の出現でありますとか、あるいは高速道路の出現によりまして、その地域の持った特有な文化がどうしても薄れがちになってくるということもありましょう。さらに、中央から非常に大きな文化の波が押し寄せてくるという格好でその地域の大変大切な文化がややもすると消滅していくということがありがちだと思います。  そういった中で、その地域で、その自然環境でつくり上げてきた固有の文化というものは、やはり私自身大事にしていかなければならないだろうという気持ちを強く持っております。私も地方から選出されてまいりました代議士でございますので、先生のそうした気持ちというものはよくわかるわけでございまして、私自身地域のローカルの文化、非常に特色のある日本的な情緒豊かな文化というものをきちんと維持していく、あるいは発展させていくということについては強い関心を持っておりますことを申し上げさせていただきます。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 ありがとうございました。  例えば、昔は年男、若い者の肩に担がれたみこしが、今トラックの背中に載ぜられて憮然として部落を回るという風景がございます。遠野物語の遠野をちょっと入ったところには、昔すごく栄えた駒形神社、馬の産地でございますが、これは見る影もございません。ふるさとというものがふるさと創生事業というときにだけ使われているみたいな感じがある。これは、いずれふるさと論はまた別の機会に譲るにしましても、今大臣がおっしゃったことを文化芸術あるいは教育政策の中に大事な要素として今後とも胸に刻んでおいていただきたいということをお願いしておきます。  次に、芸術文化振興基金制度についてこ、三お聞きします。中西先生の質問とダブる点があろうかと思いますが、御容赦願いたいと思います。  今度の基金制度の本当のねらいは何だろうかということをお聞きしたいわけですが、一つの心配として、基金制度ができたのだからということを口実に、芸術文化に関する政策なり本予算を中心とする財政の方の後退、締めつけというものがあるのではないかと心配をするわけであります。また、この程度のと申しますか、この規模の基金でやれ一安心という空気があったのでは、これまた困るという気持ちもございます。そのことについて、いや、そうじゃないのだという決意を込めて今の点についての御所見を賜りたいと思います。  と同時に、基金の運用についての機構、あるいはさっき出ましたが、援助対象をどう選定するかという場合の選定の仕方、あるいは委員を任命するなり人の問題になると思うのだけれども、その委員の中にそれぞれの団体の代表的な人を入れるというのは今までのやり方としてあるわけですが、思い切って地方の第一線で汗みどろになって頑張っている文化の担い手の代表も入れるとか、そういった生き生きとした仕組み、運用を期待したいのですが、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。  また、助成事業の中には、いただいた資料の(一)と(二)、つまり、すぐれた芸術文化云々というところと、文化による町づくり云々というのがあるわけですが、これに対する重点の置き方というのがもしあればお聞きしたいのです。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 芸術文化振興基金につきましては、かなり長い間これをつくりたいという願望が民間にもございました。昨年の暮れになりましてこれが具体的な形でアピールということになり、その機をとらえて補正予算で措置をさせていただいてこの芸術文化振興基金というものをつくろうとしておるわけでございます。この充実方につきましては、先ほど中西委員からの御指摘もありまして、私も繰り返し御答弁申し上げておるところでございますが、五百億にとどまってこれでおしまいということにならないように、二年度の予算での措置というのもまた難しいかと思いますけれども、今後これを充実させていく決意でおりますことを申し上げさせていただきます。  それから、芸術文化振興基金の運用あるいは助成事業のやり方等については、事務当局から御答弁をいたさせます。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 基金の運用の仕組みでございますけれども、先ほど来の御質問にもお答えしておりますように、新しく基金を設けまして、その配分につきましては芸術文化関係者等の幅広い御意見も承りながら運営してまいりたい。そのために事務機構のほかに審査機関を設ける予定でございます。その中には、基本を定めて運用の方向を明らかにしていく運営委員会のほかに、専門的な各分野にわたる審査委員会を設けることになろうかと思いますが、地方の話も、地域についての文化振興も今回の基金の大きなねらいの一つでございます。  したがいまして、地域の文化の振興のあり方についても、学識経験のある識見の高い方の参加も得ることになろうかと存じます。そのようにして、基金の事業の内容の中でも大きな柱の一つとして地域文化振興に当たりたいと思いますし、審査機構の運用に当たってもそのようなことを十分配慮してまいりたいと考えております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 助成、援助の対象になるいろいろな分野の活動があるわけですが、その中から、私は、幼児、それから低学年の児童を対象とする情操教育の問題について取り上げてみたいと思います。  よく言われることですが、人間としてのいろいろ重要な精神的な成長の土壌ができる時期というのは、年が若ければ若いほどいい。そうですね。私も高校の教師をした経験があるのですけれども、あのくらいの年になってから話をして、おまえ、つまらない本を読まないでいい本を読めとか、いい音楽を聞いたらどうだと言っても、時既に遅しなんです。いい音楽って何だ、いい本って何だというふうな調子で、こちらが電波を送ってもそれを受信するチャンネルを持ってないケースが多いのです。やはりチャンネル形成の重要な時期というのは幼児期であり、また小学校の時期が非常に重要な時期ではないだろうかと思うのです。  よく三つ子の魂云々という言葉もありますけれども、やはり演劇、芸能関係、芸術関係の方のお話を聞けば、それは真実だということをよくおっしゃいます。そういった意味で、今申し上げた幼児、具体的に言えば幼稚園なり保育園、それから小学校における低学年、中学年の情操教育というものが非常に重要だと思うのですが、この位置づけ、その発展の対応ということについてお考えをお示しいただきたいと思います。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 今先生が御指摘になりましたように、子供たちの感性を養うというのは、幼児期からの教育といいますか学習が大事であろうと思います。それから小学校の低学年、中学年、高学年を通じまして、小学校段階でもかなり重要な要素でございます。  新しい幼稚園の教育要領を先般定めたわけでございますが、これは従来からもやっておりますけれども、今回の新しい幼稚園の教育要領におきましては、特にこの感性と表現に関する領域といたしまして「表現」というのを設けておりますが、この領域におきまして、「豊かな感性を育て、感じたことや考えたことを表現する意欲」とか「創造性を豊かにする」とかということで、いろいろなものの美しさに対する感性を養う、ないしは「生活の中で美しいものや心を動かす出来事に触れ、イメージを豊かにする。」それから「自分のイメージを動きや言葉などで表現し、演じて遊ぶ楽しさを味わう。」というようなことで、幼稚園段階からこうしたことの指導に力を尽くしているわけでございます。  また、小学校におきましては、図画工作ないしは音楽、さらには特別活動の中で、各種のいろいろ美しいものやすぐれたものに触れさせることによりまして豊かな情操を養うということで、その教育並びに学習の充実を図っているところでございます。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 その具体的な展開について、私の体験なり感想を交えて質問したいのですが、さっき私は創造と参加ということを申し上げました。子供たちが演劇に触れる、人形劇とか児童劇に触れる、そういったときに、私もこの質問に立つために二、三カ所、学校なり保育園を回って歩いている児童劇団と行動をともにしてまいりました。そこで子供たちの反応と劇団の人たちの交流の様子というものをつぶさに体験をしてきました。そうしますと、一つの大きな特徴は、保育園なら保育園、人数はそう多くありません。大きな劇場で幾つかの学校を集めて、年間行事の一つだよ、中央からこういう有名な劇団が来ましたよ、鑑賞しました、はい、ことしの年間行事は一つ消化しましたというふうなものとは全く違う、そこにははっきり参加、あるいは共同作業という状況が生まれてきています。  これは、こういう言葉があるかどうか私はわかりませんが、ステージの芸術、ステージを眺める芸術と、同じフロアで参加する演劇、芸術、ステージとフロアの違いがあるのじゃないかという気がする。これはもちろんそれぞれの特徴があり、それぞれの役割はあるわけですけれども、幼児期、先ほど申し上げた幼稚園、保育園あるいは小学校の低学年という場合には、ステージの芸術鑑賞というよりは――それも必要ですよ、それは否定しません、むしろやはりフロアを同じにしてやるような、移動してやっている劇団ですね、あれとの触れ合いというのがすごく貴重だなという感じを持ったのです。  もちろんその中身も精選は必要だと思います。脚本なりスタッフなりに支えられたいい作品であることはもちろん前提でありますけれども、そういった少人数で同じフロアで参加する、鑑賞するということを私はもっともっと小学校教育あるいは幼稚園、保育園の保育の中に取り入れていいのじゃないかと思うのですが、その点についてお考えをお聞きしたいと思います。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 今先生御指摘になりましたように、学校におきましては演劇鑑賞というようなことを学校行事の中で学芸的行事として行っているわけでございますが、そのやり方につきましてはもちろんこれは学校が判断することでございまして、学校がその地域や学校の実態ないしは子供たちの実態に応じまして、また子供たちの発達段階に応じまして、できるだけすぐれた演劇ないしは音楽、そういうものに直接触れさせることを通して豊かな情操を養っていくわけでございます。したがいまして、そのときに、先生の御指摘のように、同一のフロアで子供たちが参加することによって劇的な感動と申しますかそういうものが高まっていくということは当然あろうかと思います。したがいまして、そういうことも考慮しまして学校でいろいろ工夫をしているところであろうと思います。  ただ、学校において演劇鑑賞を行います場合には、私どもとしては、中央とか地方とかということを問わないで、子供たちの発達に即したすぐれた演劇に直接触れるということが大事だ、そういう観点に立って学校が選択していただきたいというふうに考えているところでございます。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 そういった活動をしている劇団の方の幾つかの御意見をお聞きしますと、まず一つの壁にぶつかるのは、保育園なり学校の先生方なり、学校側の情操教育に対する対応の姿勢が、学校によって、園によってかなり違うというのですね。しかも、経費の面だって無視できないわけですけれども、要保護家庭の子供たち、準要保護家庭の子供たちは観覧料というのを負担できない、しない。それを学校なり自治体なりは補てんもしないということから、そういう家庭の多い地域に巡回するときには、どうしても劇団の側からすれば経費が大変苦しいんだそうです。そういう実態も聞かされました。  それから、PRに行って、ひとつ一年に一度どうですかというと、あれ、あなたの劇団は東京の劇団じゃないんですか、東京じゃなければもう劇団じゃないみたいな考え方をしている方もいないわけじゃない。この辺の価値観というものを、先生方を批判するつもりはさらさらありませんけれども、芸術なり文化なりあるいは地域文化というものに対する考え方というものをやはり教師集団の方でも話し合う必要があるんじゃないかという気がするのです。  このことについては、行政がああしろ、こうしろということは申し上げません。ただ、やはり先ほど来申し上げておりますように、情操教育の必要性ということと、それからいわゆる触れ合い、参加の機会を多く確保した方がいいという点について、文部省としての認識を新しくしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  さて、時間もあと十分ちょっとということですが、次は、このような地方の町村あるいは山村の小学校なり保育園なりを回って歩いている児童劇団があるわけです。もちろん文化庁の方でもおわかりだろうと思いますが、日本児童青少年演劇劇団協議会、児演協というのがありまして、かなり精選された団体が登録されている。今八十二か八十一団体でしょうか、その中には劇団四季もあれば前進座も含まれているわけですけれども、そういう中で、名簿を拝見して気がついた特徴は、圧倒的に東京が多いということです。東京圏、首都圏ということにすれば、八〇%は東京圏なんです。  そして、東北、北海道というのは、この団体に属している劇団はたった三つしかない。そのうちの二つは北海道、札幌ですよ。たった一つ東北にある。私の町の北上市という町の劇団きたかぜというのですがね。この名簿を見てすごく寂しく思いました。圧倒的に東京が多い。三大都市圏を除いたらもうあとはりょうりょうたるものです。これは文化の機会の不足ということもあるだろう、あるいは文化を要求する、いわゆる受ける側の問題もあるかもしれない。しかし、これは何かしら考えさせられる問題だと思うのですが、どうでしょうか、この数字をお聞きになっての所感をどなたかお願いできませんか。     〔委員長退席、麻生委員長代理着席〕

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 日本児童青少年演劇劇団協議会、児演協、これに加盟している児童劇団、御指摘のように八十一劇団、そのうち東京以外に所在するものは二十八劇団でございます。確かに地域で活躍の本拠を持つ劇団は多くないわけでございます。  感想と言われましても困るわけでございますけれども、児童演劇ですね、この分野は各地域と密着して活動するというふうな要素も非常に大事であろうかと思いますが、その意味では各地域でのこういう劇団等の活動が活発になるということは望まれるというふうに思います。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 感想はなかなか困るとおっしゃいました。例えば、地方の立場からとったら寂しいだろうなとか、結局それは文化なり芸術に接触する機会が圧倒的に少ないということを意味するんだなとか、そういう感想をお漏らしいただければ大変うれしかったわけでございます。  これはきょうの一番最後の締めくくりにとっておきますけれども、これの問題もありますが、芸能浴という言葉があるんだそうですね。芸能を浴びる。森林浴とか芸能浴。子供たちに対してその芸能浴の機会を与える。これは東京であろうと岩手の山村であろうと、その必要性には変わりないわけです。その機会をできるだけ確保するという方向に芸術文化の政策というものを常に意識していただきたい。これは過疎地帯、農山村からの切なる叫びでございます。  若干ムード的なことを申し上げましたが、秋田のある山村の中学生の書いた詩、今は詳しく覚えていないのですけれども、吹雪よ東京に降れ、降れという表現はどうかわかりませんが、吹雪よ東京に降れ、何でこんなところにうちのばっちゃんの腰をかがめさせたり、おれの手にあかぎれを生じさせたりして威張っているんだ、東京の金持ちの屋根にだけ降れ、国会議事堂を埋めてしまえ。これは父親を東京にとられた子供の叫びだと思うのです。  そして、そこには東京とは違ったいろいろな接触する機会がない、また文化の担い手の若者も少ない、そういう状況が現実にあるということを私は繰り返してやはり国政の場で訴えていきたいと思う。それを少しでもならして、一挙に東京並みとか、一挙に三大都市圏並みとはいかないだろうけれども、少しでもならしていくというその努力、方向性、これを文部省、文化庁に私はぜひお願いをしたいと思うのです。どなたでもいいです。どうぞ一回、二回、山間僻地を回っている児童劇団と一日、二日行動をともにしてみてください。そこから何か得るはずです。そのことをお願いして次の質問に入りたいと思います。  この劇団の経営とか運営について余り詳しく立ち入りたくありません。ただ、驚くべき数字は、劇団の年間の予算を見たら六百万、七百万、人件費を含めてですよ。そういう劇団もあるわけですよ、登録されている劇団の中にも。これは、児演協に登録されるというのはそう簡単じゃないですからね。幾つかの同じ人たちのテストというんでしょうか、鑑賞にたえて推薦を受けて初めて登録される児演協の団体ですから、これはそうそんな、その辺のあれとは違うんだ。そういったところでさえも年間の予算が六百、七百万。専従の人は一カ月の給料が一万、二万という時代もあった。一年間の公演回数が数百回。旅館に泊まったのはたった四日。あとは全部移動のバスで泊まったというそういう体験も積んでいるわけです。そういう中で、やはり子供たちと一緒にいわゆるフロア、床の触れ合いというものを大事にしながら回っている、そういう劇団があるということをこれは大事にしていただきたいと思うのです。  これはもう何かくどいようでございますからこの辺でやめますけれども、その経営の実態とか運営の実態というものを、いつか、児演協を通してで結構でございますから、確認しておいていただきたいと思うのです。今後の課題としてです。  あと時間、五分ほどでございますから。市民劇場、町民劇場というのがあります。これは例えば北上市、私どもの市ではもうスタッフからキャストから、それから道具づくりから、それから駐車場案内から全部市民が参加してやる。三百名、四百名が参加してそれをつくり上げる。これが今岩手では湯田町、胆沢町あるいは花巻市、あるいは遠野市、北上市というふうなところで花を開きつつある。この市民劇場、町民劇場、村民劇場の実態というものをもしおわかりでしたらお聞かせ願いたいと思います。それに対する支援はどうなのかということもお聞きしたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 市民劇場等の動向についてでございますけれども、全国で約百十の団体が存在すると聞いております。一団体当たり五百人ないし五千人の加入者がありまして、鑑賞の機会としては月一回ないし三カ月に一回というふうに非常に多様な活動の形態のようでございます。こういう市民劇場等が地域レベルにおきます芸術鑑賞の機会をふやすということに大変尽力をしておられるということは私どももよく承知しているところでございます。  これの援助ということについての意見をということであろうかと思いますけれども、今回の法案によります芸術文化振興基金のねらいとするところは、主として芸術家、芸術団体が行う公演等の活動に対して援助を行うということを目的といたしております。もちろん地域文化振興ということも大きな柱になってございます。ただ、その芸術鑑賞団体を助成対象にするということにつきましては、このところは当面念頭に置いていないところでございまして、むしろ国民がいろんな芸術団体の活動そのものを享受し得るそういうことを援助していくという形になろうかと思いますので、むしろ事業活動中心に援助をしていく方向になろうかと思います。地域に密着した市民劇場の援助のことにつきましては、地方公共団体等とも連絡をとりながら、また検討課題ではあろうかと考えております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 市民劇場の話が出たわけですが、今申し上げましたとおり、その市町村の住民がすべての役割を分担しながらやっている。食事づくりをやっている人もあれば、さっき申し上げた寒い夜、駐車場案内係で懐中電灯を振っている人もある。数百人がそれに参加している。また見に来る人ももちろん知っている人あるいは地元の人というふうなことで、文字どおり一緒につくる、一緒に見る、一緒に感動するという共同作業が芽生えておりますので、これをぜひ今後も大事に見守っていただきたいということを要望申し上げておきたいと思います。  最後になりますが、冒頭からずっと私は地方ということを念頭に置きながら、地域文化ということを念頭に置きながら発言させていただいてまいりました。本当の気持ちは、今度の基金がどのように活用されるかということにももちろん関心というか非常に大きな問題意識は持っております。ただ、中央段階におけるあるいはすぐれた芸術団体の育成ということにも当然援助は必要だろうと思うし、もう一方では、私が申し上げた日本じゅうの子供たちあるいは住民の地域の文化芸術というものに対する機会を多くするという非常に重要な部分もある。ということを考えますと、どう考えても今度の基金制度のこの額ではもう果たし切れない、日暮れて道遠しという感じをどうしてもいたします。  これは一つのステップとして大蔵省に負けないで文化庁予算、文部省予算増額に全力を振るっていただきたい。毎年予算案が発表されてまず目につくのは教育文化予算は伸び率何%だろうか。ここ数年間落胆のし続けでございます。他のある項目は、毎年のびのびと伸びております。これに引きかえ、文化予算、教育予算というのは、実質減額であります。これで文化国家ということが世界に通るだろうか。  文化国家という言葉はたしか、私の記憶が間違いなければ、軍事国家との対比でドイツで生まれた言葉だというふうに聞いているのですけれども、平和国家、文化国家を標榜する日本の教育文化の予算がこのような状態では、大変寂しいと思います。この基金制度を一つのステップとしながら、しかしこれをさらに何倍にもふやしていくということと同時に、本予算、政策予算として堂々と要求し、堂々と獲得をする、これをぜひ海部内閣に要請したいし、文部大臣にもぜひお願いいたしたいと思います。その御決意を一言お願いします。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 本日は、先生から地方文化の振興等を中心にしていろいろと御所見を伺いました。文化の振興は、国にとって大変大事な事業でございます。そのような意味で、先生のお話の趣旨が貫けるように今後も努力を重ねてまいりたいと思います。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 最後に、私の感想を込めた要望を申し上げます。御答弁は要りません。  東北地方というのは一体何だろうかということを考えるのです。よく白河以北一山百文という言葉がありましたね。今出稼ぎの数字を見ますと、全国十ブロックあるうちで東北で占めている出稼ぎの数のパーセンテージは八一%なんです。なぜ東北だけがこうなんだろう。出稼ぎの実態も御存じだろうと思います。十一月から五月まで出稼ぎする人と通年出稼ぎの人、たくさんの人が大都市圏に連れていかれました。そのかわり返ってきたのがごみ戦争、ごみであります。  なぜ東北ってこうなんだろうという思いがします。その思いが教育文化行政にまで及ばないように頑張っていただきたい、そのことを要請して終わります。     〔麻生委員長代理退席、委員長着席〕

船田元自由民主党

○船田委員長 次に、鍛治清君。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 最初に、大臣にお尋ねをいたします。  大臣は文化行政に携わるのは代議士になられて初めてだというふうに伺っておりますが、代議士になられる前はフランスに五年間おられたということで、文化の薫り高き大臣だ、こういうふうに思っております。きょうは、最初の答弁ということで多少緊張なさっていらっしゃるようですが、ひとつにこにこしながら文化の薫り高く御答弁をお願いいたしたい、こういうふうに思っております。  最初に、大臣にお尋ねをしたいのですが、大臣がフランスにいらっしゃった経験から、いろいろとフランスの芸術文化、それから文化行政等についても直接的、間接的にお感じになり、お触れになることがあったのではないか、こういうふうに思います。そのときのフランスの体験と照らし合わせて、我が国の文化行政というもの、また芸術文化のあり方というもの、一体どういうふうにお感じになっていらっしゃるか、そしてまた、そういう経験の上からこういう芸術文化の問題に対して今後どのように取り組んでいきたいというふうな思いをしていらっしゃるのか、最初にお尋ねをいたしたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 先生からお励ましのお言葉をちょうだいいたしまして、大変恐縮に存じます。ありがとうございます。  先生御指摘のように、私は昭和四十九年から昭和五十四年までフランスに住みまして仕事をしてまいりました。仕事の内容が文化と言えるのでございましょうか、工業関係の仕事でございましたので、またそちらの方の仕事も大変忙しゅうございましたからフランスの文化に直接接する機会がそう多くはございませんでしたけれども、何と申しましてもあのフランスの中にどっぷりつかって生活してまいりましたので、影響はかなり受けております。  そういう中で感じましたのは、やはりフランスという国が文化に対しては大変力を入れておるということについては私も実感として感じてまいったところでございますし、同時にまた、国民全体が文化というものに対しての認識を持っている、あるいは芸術というものに対しての特別な気持ちを持っている。これはイタリーでもそうでございますけれども、国民全体が文化というものに対して大変関心が深いんだなということをつくづく感じてまいりました。と同時に、私が思いましたのは、フランスに紹介をされました日本の古来の文化というものが相当根強くフランス人の中に残っておる。そして、文化という点では、質としては違うのかもしれませんけれども、日本の文化がフランスの中に紹介をされ、それが高く評価をされておるということについても、私はこの目で見てきたような気がいたします。  そういういろいろな経験を持っておるわけでございますが、先生御指摘のように文化行政に携わるのは私は初めてでございます。しかし、日本を本当にすばらしい文化の薫り高い国家に仕上げていかなければならない、そういうふうにつくり上げていかなければならないというのは現代の政治家に課せられた任務であると考えておりますので、今後とも文化関係の予算の獲得等については、いろいろ財政状況厳しい中でもありますし、また国家財政が御承知のような状態の中でもありますけれども、努力を重ねてまいりたいというふうに思っております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 これは事務局の方で結構でございますが、先ほど来の各委員の議論の中にも出てまいりましたけれども、先進主要諸国の文化関係予算に比べて日本は予算の面でも格段に見劣りがする、またいろいろな点でもおくれをとっておるというふうな御議論もございました。  そこで、具体的に事務局の方から、主要先進諸国の文化関係予算と我が国の文化関係予算との比較、これは年度が合ったところで比較の数字が出るのかどうかわかりませんが、なければ大体のめどがわかるような数字、さらにはその主要関係諸国の国の予算に対する文化関係予算の割合は大体どの程度になっているのか、さらに我が国の一般会計予算に対する文化庁の予算の比率、これは昭和五十年、それから昭和六十年、平成二年では大体どういうふうな割合になっておるのか、これをひとつお聞かせいただきたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 各国におきますいわゆる文化関係予算といいますものは、それぞれの国の文化行政の組織でありますとか制度、それから芸術文化に対する支援の歴史等に基づいてそのあり方を異にしておりますので、比較そのものはなかなか難しいわけでございます。特に、中央と地方の分担の仕組みが連邦制かどうかによって違っていたり、そういうことも配慮した上でお聞き取りいただきたいと思いますけれども、我が国の文化庁予算が平成元年度予算におきましては四百九億円であるのに対しまして、イギリスは、これは似たような年度だったと思いますけれども、九百八十五億円、フランスは千九百四十一億円、イタリアは千八百八十億円、連邦制をとっているアメリカと西ドイツは、それぞれ三百三十五億円と二百七十五億円となっているわけでございます。  我が国の一般会計予算に対する文化庁の予算の比率は、平成二年度の場合〇・〇七%でございまして、過去、昭和五十年度に〇・一%、昭和六十年度には〇・〇七%というふうな数値になってございますけれども、我が国の文化に対する関心の高まりに比しては我が国の文化予算については今後なお充実に努めなければならないと考えております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 そこで、これは大臣もこの数字等については既にもうお聞き及びだし、勉強もなさって御理解をいただいておるところだと思いますが、こういう数字を具体的に聞いた上で、さらに大臣の御決意のほどもお聞きいたしたいと思うわけでございますが、余りにも少な過ぎる。大臣いらっしゃったフランスに比べても、今たしか千九百億ぐらいというようなお話がございました。大方五倍近く、四倍半ぐらいの予算でもって積極的にやっておるということでございまして、我が国が経済関係だけで世界各国とのつながりが強い中で、やはり今芸術文化の面というのは非常に考えなければならぬということが実は言われておるわけです。  これは昭和六十三年の六月に文化庁から出されましたいわゆる文化白書と言われるものだと思いますが、この中の「芸術振興の方向」というところの項にはこういうふうに書かれてあります。   芸術活動がいかに展開され、享受され、支えられているかは、その国の心の深さと豊かさを端的に表す指標でもある。   経済大国と目されるに至った我が国が、国民生活の精神的充実を図る上で、また、国際社会の一員として他国の友好と信頼を得て人類文化に貢献する上で、芸術の振興は重要な課題となっている。   明治以降、伝統的な芸術を維持発展させつつも、圧倒的な欧米文化の影響の下で、西洋の芸術の導入と吸収に没頭してきた観がある我が国芸術界も、先人の努力により、多くの分野で国際的に評価される水準に達しつつある。   我が国は、今や、人類共通の貴重な芸術の成果を国際的水準において十分に自らのものとしていくとともに、伝統の基盤の上に立って創造的活動を展開し、国民の心に深く根ざしつつ国際的にも評価される優れた芸術を自ら生み出して行くことが強く期待される段階にあると思われる。   そのためには、何よりも、我が国の優れた芸術家が、先進諸国と同等の条件で、才能を充分に伸ばし、かつ、発揮するとともに、国民がその成果を享受できるように、先進諸国に劣らぬ諸条件の整備拡充を目指していかなければならない。 こういうふうにあります。  今の次長の御答弁にもはっきりわかりますように、まず大切な、財政的な予算規模からもう数段の違いがある。そしてさらには、「先進諸国に劣らぬ諸条件の整備拡充を目指していかなければならない。」こう書かれてあるのは、そういういろいろな諸設備も含めてこれはもう格段に見劣りがしておるということにもなると思います。そういう意味で、これはこの文化関係予算というものの増額というものは私は強力に図っていかなければならない、こういうふうに思います。  この点について、再度具体的な大臣の御決意と、さらにはこれも議論の中で先ほどから行われておりましたけれども、今回の基金の問題でございますけれども、民間百億を加えて政府の支出と合わせて六百億、こういう基金から出発をするわけですけれども、当初にはこれが政府が一千億、それから民間は二千億、合わせて三千億で出発しようというふうな計画であったというようなことが新聞報道等見ますと書かれてあるわけですけれども、それがこういうふうに少なくなってきた。  この理由は、先ほどからの御答弁もありましたから重ねてはお伺いいたしませんけれども、これに対してしっかり取り組んでいくというお話はございましたけれども、具体的に例えば平成二年度の時点での予算編成の折にはこの補正予算も通っておるわけではございませんでしたから、基金というものが国会で認められたということにならないので、恐らくは予算に組みにくかったものかというふうに私は思いますが、これはこの法律がもう通りまして実際に実施になったという暁には、私は平成三年度からは年にひとつ五百億ずつぐらいは毎年この基金に上積みをして、そしてやはりこれも中西委員も議論の中で言われておりましたけれども、実際には百何十億、百五、六十億という使える金があった方が大いに日本の芸術文化の向上には役立つ。まず当面の目安はそのぐらいは必要だ、そのためには基金が三千億ぐらい要る、こういうことになるようでありますけれども、それを目指して平成三年度から五百億ずつぐらいは積み立てをして三千億を目指す、こういう決意で私はぜひ取り組んでいただきたい。  大臣も、これはでき上がるまで大臣でおられるわけではないかもしれませんけれども、次の予算のときには関係を恐らく持たれるであろうと思いますし、ここはひとつ大臣の腹の据え方と腕の見せどころである、ひとつそういう意味でせっかく基金が発足するときの大臣になられたわけですから、平成三年度には五百億はぜひする、こういう決意で取り組んでいただきたい、こう思うのでございますが、いかがでございましょう。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 芸術文化の振興は非常に大事な要素であるということは、私も先ほどから申し上げましたとおりそういう深い認識を持っております。  先生から御激励をいただいておるわけでございますが、同時にまた、政治は現実であるということもよく承知をいたしておりまして、現実の財政の姿がどういうものであるか、また、文教行政の中におきましてもいろいろと各般の施策を講じていかなければならない、そういういろいろないわば枠はめのある中で仕事をしていかなければならないということでありますから、気持ちとしては私は強くそういう気持ちを持ちながらも、実際には現実的にかつ着実にこうした文化の振興を図っていかなければならないのではないかな、こういうふうに思っておる次第でございます。しかし、気持ちとしてはこれを大いに充実させていきたいという気持ちを強く持っておりますことを申し上げます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 余り弱腰ではいかぬと思うのです。これぐらい与野党一緒になって大臣にやってくれやってくれ、文化庁も頑張れというような、先ほどから各委員質問の中で、お聞きしておりまして、そういう声が私は圧倒的であったと思うのです。  そういうことを背景にして、これはそういう今おっしゃったようないろいろな関係があるということを承知の上で申し上げているわけであって、そういう関係があるからこそこういうものを、むしろ今の日本は世界の中の日本として、また日本の国自体の中でもこういう芸術文化の振興ということは必要なんだ。だからほかの予算は多少抑えてでも、不必要な分を抑えてでも五百億円ぐらいはまず確保するのだ、絶対積み上げていくのだ、こういう決意でやっていただかぬと、最初からできない理由ばかり並べてもらったのではこれは一つも前進がないではないか、私はこういうふうに思います。  再度ひとつ大臣の力強いお答えをいただきたい。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 鍛治委員の御激励、ありがたく承りました。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 どうもこれは余り力強い答弁ではございませんで極めて残念でございますが、もう重ねては申し上げませんけれども、本当にこれは取り組んでいただきたいのです。  やはり日本が今文化関係予算がこういうことであるということは、私は世界各国と比して、恥という言い方がいいのかどうかわかりませんが、非常にこれは情けない姿であると思います。本当に世界の信頼を得るためにも、経済的関係だけではなくて、文化芸術方面で大いに文化行政を充実することから、これはまたその信頼というものがさらに深まり、いろいろうまく機能していくのではないか、こういうふうにも思いますので、大臣がひとつかたくかたく決意をなさって、議事録に活字で残る御答弁ですから、これは言いづらいところもあったのかもわかりませんが、御決意は強い決意があるというふうに受け取らせていただいて、今後予算に対しての取り組みをひとつやっていただきたいと御要望を申し上げまして、次に進ませていただきます。  この基金を運用して、そしてこれを、いろいろ議論の中でも出ておりましたが、運用の利益は三十億ぐらい見込んで、まずそこからスタートするということでございます。この基金を公平に運用することによって、いろいろ芸術文化の各方面、運動していらっしゃる方々を含めて、いろいろなメリットとして具体的に何かあらわれてくるものがあると思うのですが、例えば入場料の問題だとか、こういった具体的にあらわれてくるもの、これはどういう形で考えていらっしゃるのか。メリットの面で具体的に皆さん方の方で検討なさっていらっしゃるものがありましたら、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 この基金の設置によりましてどのようなメリットがあるだろうかということについて述べさせていただきますけれども、やはり基金という一定の金額を元手にいたしまして毎年運用益が出るわけでございますので、やはりこれは非常に安定的、継続的な援助ができるというメリットを持っているわけでございますし、さらに、これの運用によりましてさまざまな芸術文化団体でありますとか地域の多彩な芸術文化活動のニーズに応じまして弾力的、機動的に対応できるというメリットもあろうかと思います。  さらに、こういう芸術文化活動に対する民間からの寄附金も受け入れやすい、それらを付加することによってさらに活発に援助をしていくことができる、こういう基金を中心として援助の仕組みをつくることによって、これまで文化庁だけではできなかった芸術文化の支援というものが幅広くかつ多彩に展開されるものと考えております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 具体的なことはこれからいろいろ取り組んでいく中で、また補助申請等がもし集まってくればその中で御検討になるのでしょうからわかりにくいのかもわかりませんが、特にまた見る方の立場からいえば、入場料金等いろいろな芸術文化諸団体が行うものは高いというような話もありますし、そういうものも低料金でなるべく家族で楽しめるというような形のものもぜひひとつ進めていっていただきたい、こういうふうに思います。  そこで、これも先ほどから各委員の議論の中で話がございましたけれども、やはり芸術文化の活動については法的な援助というようなことが先ほどからも議論をされておりました。やはりこれはひとつ根本的に、この基金が発足することを一つの大きな出発点としながら文化の振興について基本的な法律というものをつくるという方向に進むべきではないのかというふうに私は実は思うわけです。  文化に関する政策についての基本法を制定することによって――これは私よりも皆さん方の方が詳しいわけですけれども、これまでは文化行政の基盤となる法律というものは文化財保護法とか著作権法だとか国立劇場法だとか、今申し上げましたそういったものがあるわけですけれども、やはり大方の大切な部分というものは、これは予算措置でやっているものが多いのじゃないかというような気がするわけですね。こういうものを含めて、文化行政というものがどうも日本の国ではそういう面から見て確立しておるとははっきり言いがたいのではないか、こういう気がするわけですね。したがって、スポーツの面ではスポーツ振興法というのもあるわけでございますが、こういう芸術文化関係を含めて文化行政を大きくまとめる形での基本法というものを考えていい時期に来ているのではないか、むしろ制定すべきではないか、こういうふうなことを思うわけでございますが、これについてひとつ御意見をお聞かせ願いたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 文化政策の分野につきましては、先生御指摘のように、現在文化財保護法でありますとか著作権法など特定の所管事項についての法律は制定されているわけでございます。それで、文化政策の全般を通ずる基本的な法律をつくってはどうかというお話でございます。  日本の文化政策をどう進めていくかということについて広範な論議とそのあり方についての検討というものが課題になっていることは確かでございます。ただ、芸術文化の分野といいますものは、申すまでもなく各分野にわたって国民の自由な創意に基づいてさまざまな形で行われるということが前提になっているわけでございます。そのような中で当面私どもの努力すべきことは、いろいろな方策を駆使しながら、工夫を重ねながら振風策を実現していくということが大切であろうかと思うわけでございまして、文化政策に関する基本法を制定するということにつきましては慎重な検討を要するものと考えております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 慎重な検討というのは、やるつもりなのか、それとも慎重に慎重にでいつまでもやらないのかというのはよくわかりませんが、それに取り組んで本当に実現に向けて、早いか遠いかはわかりませんけれども、とにかく取り組んでいくという、実現も何とかしたい、こういうような意思を持って取り組みたい、こういうふうに受け取ってよろしいのですか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 文化政策のあり方につきましての方向性ということには、現在私どもでも、長官の私的な諮問機関ではございますけれども、文化政策推進会議というものがございまして、これは広範な見地からの文化政策のあり方について御議論をいただいております。そういういろいろな場も通じまして、どういう形で文化振興をやっていくかということについては今後検討してまいりたいと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 たびたび繰り返すようですが、これだけ与野党一致して応援している内容のものはめったにないわけでありまして、ひとつ力強く前向きにやるという方向でやっていただきたいと思います。何か答弁をお聞きしておると、やれやれと言うのをまあまあまあと言って何かとめておるような感じもせぬこともないのでありますが、そういうことのないようにひとつ取り組みをぜひやっていただきたい、こういうように思います。  次に進ませていただきまして、これは新聞報道やその他いろいろなもので、今回の基金をつくるということ、また芸術文化の問題で盛り上がりというものもできる中で報道がございましたものをずっと読んでおりまして、私はなるほどと思うようなことがございました。この点について、質問通告にはしてなかったと思いますが、ちょっと御質問申し上げ、お答えをいただきたいと思っております。  ある社説の中にこういうふうにございました。「芸術行政はとかく保守的すぎること。文化勲章でも美術や古典芸能の世界からは毎年のように選ばれるが、映画や新劇からはほとんど出ていない。政治や社会を批判的に描くことが多い」からであろうかというようなことを書いてあるわけですね。それから「基金の運営に当たっても、同じ不安がある。古典芸能、クラシック音楽、オペラ、美術、オーソドックスな新劇」など安全第一に偏る基金の運営になるおそれはないのか。それから、若い者を排除するという形ができてはいかぬだろう。「映画、放送、ビデオ、その他の国際的に通用する新分野にも力を入れて」この基金の運用益を活用すべきであると思うというようなことの内容が社説に出ておりました。  私も、これを読みましてなるほどなと思うところがございますが、この点についてどのようにお考えであるのか。旧来の古い形を破ってこの機会にひとつ新しい形でこの基金の運用もしていただきたい、こういうふうに思うわけでございますが、いかがでございましょうか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 今回の基金の設置によりまして、これまで文化庁ではできなかったような多彩な芸術文化活動の展開を期待したいということは再三御説明をしてまいったわけでございますけれども、では例えばどうかという話でございます。  今回の基金の援助対象の大きな柱といたしましては「芸術家及び芸術に関する団体が行う芸術の創造又は普及を図るための公演、展示等の活動」、これは法文に書いてあるわけでございます。これたけではなかなかわかりにくいわけでございますが、私どもが現在想定いたしておりますのはオーケストラとかオペラ、バレエとか、先生の分類によりますと保守的ということではございますけれども、こういう基本的な現代舞台芸術のもの、あるいは文楽等の伝統芸能の公開、こういうものはもちろんやりますけれども、多彩たるゆえんのものは、このほかにさらに映画の製作に対する助成でありますとか、あるいは美術、デザイン等に対する助成、さらには、これまではどちらかといいますと評価の定まったものにしか目がいかなかったわけでございますけれども、やはりこれからはいろいろな分野のクロスオーバーな活動でありますとか、あるいはハイテク活用の新たな表現手段によります芸術活動など、いわば先駆的、実験的な取り組みに対しても今回の助成の対象になっていくものかと考えております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 そこで今度は、法律改正されるわけでございますが、改正される点の各項目について多少この際を利用してはっきりと内容を具体的に確認をしておきたいということで逐次お尋ねをいたしたいと思います。  まず第一条で、目的の中に新しい項目が入れられているわけですけれども、この中に「日本芸術文化振興会は、芸術家及び芸術に関する団体が行う芸術の創造又は普及を図るための活動」、その次に「その他の文化の振興又は普及を図るための活動に対する援助を行い、あわせて、」ということで前の条文とつながっているわけですが、この「その他の文化の振興又は普及を図るための活動」ということにつきましては具体的にどういうようなことを想定されているのか、お聞きをいたしたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 今御指摘の条文の中身につきましては、これは援助業務の具体的な内容となりますので、補正予算、それから本予算の成立を受けて日本芸術文化振興会の事業計画でありますとか認可予算において確定する予定ではございますけれども、例えばどんなものかということですので挙げさせていただきますと、例えば地域の文化施設における公演、展覧会事業に対する助成でありますとか、あるいは宿場町、門前町等の町並みとか集落、遺跡等の整備活用に関する援助でこれまで国でできなかったようなものでありますとか、あるいは地域のアマチュア、青少年、婦人等の文化団体の行うオーケストラ、合唱、演劇等に対する助成など幅広いものを考えているところでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 先に進みますと、第十七条に評議員会の規定がございますが、これが振興会ということに名前も変わるわけですけれども、この評議員会の運営につきまして、まず「評議員会は、二十人以内の評議員で組織する。」ということで国立劇場法の中に規定がされておるわけです。今回はそこの評議員会のところの改正というものはないわけですから、この振興会が発足いたし、基金運用の場合には評議員会というのはやはり二十名でやるのだろうと思いますけれども、そういういろいろな業務が多くなるわけですが、この二十名のままで実際運営するということは大丈夫なのかどうか、十分なのかどうか、これをちょっとお尋ねいたしたい。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 評議員会は二十名以内の評議員で組織されるわけでございます。これは現在の国立劇場の場合の評議員会からふえてないわけでございますけれども、現在でもこの特殊法人の業務運営について評議員からは高い見地からの意見を聞くということになってございまして、従来から国立劇場におきましては伝統芸能の関係者に限らず幅広く学識経験者の中から任命をいたしております。その意味では、特に定数の増を行わなかったわけでございますけれども、この評議員の選任に当たりまして留意することによって十分その機能を発揮していただけるものと考えております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 この法律が通りますと新しい業務を加えていろいろ執行することになるわけですけれども、そういう場合に、今答弁の中にありましたように国立劇場に対する評議員ですから、文化芸術には造詣の深い方が評議員になっていらっしゃるとは思いますが、いろいろ新しい分野も入ってくるわけですから、評議員の方が現在のままの方で継続をして大丈夫なのかどうなのか。  十八条には「評議員は、振側会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、文部大臣が任命する。」ということになっております。私は資料をいただきませんでしたのでどういう方がなっているかちょっとわかりませんが、これは発足する機会にそういうところも一遍見直す必要もあるのじゃないかなという気もするのですが、その点は大丈夫なのですか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 現在、二十名の定員のうち十六名の方が就任していらりしゃいます。その中には大学教授、これもいろいろな分野にわたっておりますが、伝統芸能の世界、あるいは作家等の活動もしていらっしゃるような大学教授でありますとか、あるいは演劇の評論家、あるいは県の文化ホールの館長でありますとか演劇協会の会長でありますとか、多彩な分野の方が既に入っておられます。なお定員の余りもあるわけでございますので、さらに適切な方の選任が行われて、この評議員会の機能は今度基金の業務が付加されるに伴っても特段の支障がないように運営されるものと考えます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 では次に進みまして、第十九条のところでございますが、一項の第一号に「次に掲げる活動に対し資金の支給その他必要な援助を行うこと。」というふうにあるわけですけれども、これは具体的にはどういうことを考えていらっしゃるのか、これも具体的にちょっとお尋ねをしたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 この意味でございますけれども、芸術家とか芸術団体や文化団体、地方公共団体等文化の振興または普及を図るための活動を行う者に対して、その活動を行う上で必要な各種の情報でありますとか、あるいは専門的、技術的な助言を行ってその活動がより活発になるようにお助けをする仕事でありますとか、あるいはいろいろな芸術家が各地にいるわけでございますけれども、そういう者のあっせんを行うなど、いわば資金の支給以外のいろいろなサービス活動を行うというのがこのねらいでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 では、同じく第十九条第一項の第一のロのところでお尋ねをいたします。  ロの項には「文化施設において行う公演、展示等の活動又は文化財を保存し、若しくは活用する活動で地域の文化の振興を目的とするもの」というふうにあるわけですが、この「地域の文化の振興を目的とするもの」について、具体的にどういうふうなことを想定されておられるのか、これもお尋ねをしておきたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 近年地域の文化活動は大変盛んになってまいっておりまして、各地域からその文化的な活動についての援助の要請もしきりとあるわけでございます。そのような実態を踏まえまして、さらには美術館でありますとか博物館等の文化施設が非常に整備されている、そんな中で、今回のこの条項によります援助の対象といたしましては、具体的には例えば地域の文化施設における公演でありますとか展覧会の事業に対する助成、さらには先ほども申しましたような町並みにかかわる保存のための、保存と申しますか整備活用に関する援助でありますとかあるいは地域に根差した文化活動でありますところの農村歌舞伎でありますとか民謡、民舞等の伝統芸能祭、さらには年中行事等、いわば地域に密着して特色のあるいろいろな活動についても対象といたしております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 同じ十九条のハの項には、「イ及びロに掲げるもののほか、文化に関する団体が」云云、こういうふうにあります。「文化に関する団体」、これも具体的にはどういう団体をお考えになっておられるのか、これについてもお尋ねをしておきたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 「文化に関する団体」という表現では、芸術団体を初めといたしまして、文化の振興または普及にかかわるさまざまな団体を指す、そういう定義になっておるわけでございますけれども、今回ここで、十九条の第一号ハで対象といたしておりますものは、同号のイ及びロで対象となる団体以外の団体ということでございますので、具体的には例えば地域のアマチュアでありますとか青少年、婦人等で組織されたオーケストラでありますとか合唱団、演劇あるいは伝統工芸、文化財の保存技術の団体等がこれに当たるわけでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 先ほど各地域における町づくりについても、文化を核とした町づくりについても援助を行うということでございましたが、地域の文化財を活用した特色ある町づくりというものの現状を全国的に見たときに、どういうところにどういう形のものがあるのか、具体的にあればひとつ教えていただきたい。  と同時に、この基金の運用について、こういうことについてはどういう形で援助をしていくのか、これもちょっとお尋ねをいたしておきたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 具体的にと言われるといささかちょっと例の挙げ方に戸惑うわけでございますので、このねらいを御説明いたしますと、例えば宿場町、門前町等の町並みとか集落などの伝統的建造物群の整備等によりましてその保存を図る、そういうことで地域おこしを図ろうとする取り組みがあるわけでございますが、こういうものも対象になります。さらには、先ほど申しましたようないろいろな、地域に根差した民族芸能の活動とか年中行事もこれの対象になりましょうし、さらには国指定あるいは選定以外の文化財を整備または活用する事業で特色ある町づくりに特に資するようなものがあれば、そういうものも対象になるということでございます。  具体例については、ちょっと今持ち合わせておりませんので、省略させていただきます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 この法が施行されるようになりますと、新たな国立劇場法にプラスして、先ほどからもお話ありましたように、いろいろな業務が追加になります。これによって基金の運用等の問題が特に加わってくるわけですが、これに伴う振興会の組織とか定員、こういったものは具体的にどういう形で考えていらっしゃるのか、お尋ねをいたしたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 芸術文化振興基金にかかわる業務を担当いたします事務組織といたしましては、日本芸術文化振興会に新たに基金部を設けまして、平成二年度、発足の年でございますが、この年度には基金部の部長を筆頭といたしまして九名を配置する予定でございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 さらに、これも各委員からいろいろと御議論になっておりましたが、総体的に、大枠から見てどういう組織になるのかというのがどうもはっきりいたしませんでしたが、芸術活動等に対する基金からの資金援助をするに当たって、交付の決定、それから交付先の選定等を行う組織、スタッフ、これはこういうふうな形でやるのだという具体的なものをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。個々にはいろいろ議論が先ほどからあったように思いますが、全体像がわかりにくいので、これについてお尋ねをしたいと思います。  さらに、資金援助をするに当たってどの程度補助をするという考え方であるのか、こういったこともわかればお聞かせをいただきたいと思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 援助に際しましての審査の組織は、先ほどの事務組織とは別につくるわけでございますが、具体的なものは基金ができましてから振興会の内部において検討の上、適切なものを設置していくことになろうかと思います。  ただ、現在の劇場の関連の組織とは別途基金部に置くものといたしまして、基金の運用のあり方ないし配分枠の決め方等基本的なことを検討していただく運営委員会のようなものがまずあろうかと思いますが、その下に幾つかの分野に分かれた専門委員会、あるいは置き方によってはそれをカバーするところの部会が置かれるかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、援助の内容に応じて弾力的に組織が考えられていくものと考えております。そういうことでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 それは補助をおろす、まず審査して決定をするという場合も、実際は全国から上がってこなければいけませんよね。これは恐らくいろいろな基準を決めながらどういう形でそういうものを広く知らしめて、そして実際に今度は全国から上がってくる場合に、いきなり直接そこの過営委員会の専門部のところに申請してくださいよというわけにもいかぬのじゃないかなという気がする。そうしますと、やはり膨大なものになる可能性がありましょうから、各地方で地方自治体等の、私どもが考えますに教育委員会とか何とかの窓口を利用して、そこらあたりに集約をし、県単位にするのかどうするかわかりませんが、そこからさらに吸い上げてくるというようなことも考えなければいけないのじゃないかなという気がするわけですね。むしろ私は、そちらの方の形はどういう形でやるようになるのか、お尋ねをしたいわけです。  集約したものをそこの専門各部に分けて、そこでまた選定もし、最後には運営委員会で決定をするということになろうかと思いますし、その運営委員の人選についてのやりとりは、先ほどから各委員いろいろなさっておられましたし、私も同じ考えでございますから、それはそれでいいと思うのですが、今私が申し上げたような形のものは実際的にはどういう形になっていくのか、これはちょっと考え方があればぜひお聞きをしておきたい、こういうふうに思います。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 先生がおっしゃいましたようなイメージの審査組織は、特に地域の文化振興にかかわる分野を援助する場合にはそういう審査のやり方、地方公共団体等と連携をとりながら申請をしていただいたり、あるいはその中で優先順位をつけていただいたりという方向が一つ考えられると思います。  ただ、芸術団体の中には中央といいますか、全国的な活動をしておられるところもございまして、そういうのが一々地方公共団体を経由してという形がいいかどうかについては疑問もございますし、ですから、その申請の主体でありますとか、さらにはこれまでの団体の実績でありますとか、援助対象の事業によりましてその仕組みは違うわけでございますけれども、ただ、その審査機構そのものは、内部に置かれますのは先ほど来申し上げましたような形になろうかと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 そうすると、アマチュアの関係も地方でやっているのも吸い上げるというようなお話でございましたから、どうも先ほどから聞いていてまだまだちょっとわかりにくい感じも、頭の中で私もはっきりしないのだけれども、何か中央の方でやって、見ていてこれはいいというようなものが集まってくる、要するに何か特定ではないのかもわからぬけれども、相当まとまってやっているものだけが来るような感触にも受け取れるので、私どもはやはりこれは、そういう地域地域でそういう小さなアマチュアのものも含めて相当膨大なものが上がってくる中で決定をしていくというふうなのが相当の部分を占めてもらいたいし、あっていいのではないか。  基金が多くなればなるほどそれはまたそういった方面に広げていくという考え方もあるのかもわかりませんけれども、そこらあたり特に私どもはぜひやっていただきたいという分野でございますけれども、そこらあたりも含めて地域で選定をして上げてくる、こういう意味でおっしゃっているのでしょうかね。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 御説明の順序がちょっとあれでございましたけれども、やはり援助事業を開始するに当たりましては、運営委員会等にも諮りまして、援助のための要綱といいますか、申請のための要綱のようなものを明らかにいたしまして、これを広報いたします。それに乗っかって合致するようないろいろな団体でありますとか、地方公共団体を経山する地域の事業でありますとか、そういったものが上がってきて、そういうものをそれぞれの審査組織にかけて選定していく、そのようなことが考えられると思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 時間が参りましたので、最後にまた大臣にお答えいただきたい。  御決意のほどをお聞かせいただきたいと思いますが、いろいろ私も御質問を申し上げました。そういう中で、やはり文化庁予算というものは、ひとつ今後も強力に獲得に向けて、上乗せに向けて取り組んでいただきたい。さらには、この基金についても、最初に申し上げましたように、力強く積み上げるという方向で、ひとつ大臣、押して押して押しまくっていただきたい。  さらには、伴って基本法ですね、こういった私、提言を申し上げましたものも、過去にもいろいろな議員の先生方からもそういう意向も出ておったというようないきさつも私も伺っておりますけれども、ひとつそういうものも踏まえながら、これは全国会議員の皆さんがそういう形で望みを恐らくされておるのだろうと思いますけれども、本当の意味での文化国家建設のためにもそういう基本法というものをぜひ制定していただきたい、私はこう思います。  こういう点についてぜひ大臣にもう一つ強力にお取り組みを願いたいし、前進をさせていただきたい、こういうふうに思うわけでございますが、最後にもう一度大臣の御決意をお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 文化の振興につきましては、与党、野党問わず先生方から大変御熱意を持って御支援を賜っていることをよく承知をいたしております。そうした御支援を背景といたしまして、私も、また文部省といたしましても今後文化予算の拡充に努めてまいりたい、このように思っております。  なお、文化基本法と申しますものの制定につきましては、せっかくの先生からの御提言でございます。よく検討してまいりたいと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 では質問を終わります。ありがとうございました。

船田元自由民主党

○船田委員長 次に、山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 先ほどフランスの話が出ましたが、大臣とは農林水産問題でいろいろおつき合いしていただいておりますけれども、きょうはまた別の部門で質問をいたします。  日本の文化行政の貧弱性というものは、これはけさから問題になっておりますように、どの党も一致して指摘をしておるところです。それで、ちょっとフランスの場合も出たと思いますけれども、予算が格段の違いがあるのですね。一つは、文化予算が国の一般会計に占める割合を見てみますと、フランスの場合は〇・七九%だと思っておりますが、短絡的の比較はできないと思いますけれども、我が国の場合は、今度これから審議をする九〇年度予算を見ましても、たしか〇・〇六%になると思いますが、大体そんなふうな感じでしょうか、次長にちょっと確かめておきたいのです。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 比率は御指摘のとおりであります。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 これは、本年度が〇・〇六八%ですから、さらにそれよりも低い状態ですね。総額はふえておりますが、ことしよりもまた下がっておる、こういう状態になるわけでございまして、ちょうど今から十年前、一九七九年が〇・一%でございましたから、これが今〇・〇六%台まで落ち込んでいるわけです。諸外国の場合を考えてみますと、フランスは、今申しましたように〇・七九%、西ドイツが〇・一四%、それからスウェーデンが〇・五一%、こういうふうな比較をしましても非常に低い水準にあるということは、これは間違いないと思います。  同時にいわゆる文化芸術活動が庶民のものとして定着しているかどうかという点についても、例えばフランスの場合は演劇などの入場料収入は一〇%で済むわけです。公的補助は九〇%も出ているわけです。ところが、我が国の場合は八〇%が入場料収入に頼らなければなりません。したがって、いい演劇をやろうとすれば、結局入場料を引き上げないとならぬという、こういう状態に置かれているわけです。  そういう点から考えますと、文化に対する基本的な態度が違うのではないかという点、そういう意味で今度この芸術文化振興基金が設立をされたことによりまして、それが文化予算を減らすという口実になりやしないかという感じがするわけですが、もちろんそういうことは絶対あってはならぬと思いますけれども、この点について文部大臣としてどういうお考えを持っておりますか。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 芸術文化振興基金ができ上がりまして、それによって文化予算が減らされるというようなことのないように私も一生懸命頑張りたいと思います。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 芸術関係者または関係団体は、これまで国の予算の大体一%を文化芸術にという要求を掲げて今日まで運動してきているように思います。それからまた、昨年国立劇場法を審議しましたときの当委員会の、参議院を含めまして附帯決議が出ておりますが、その中身は申し上げるまでもなく、「我が国の経済力と文化予算との現状にかんがみ、長期的・総合的観点に基づいて、文化予算の大幅拡充に努めること。」というのが全会一致した附帯決議です。  そうしますと、この点について、かなり先ほどからも要請がありますように、文部大臣とされまして文化芸術の拡充に対してはまた一段と腹を決めて対処しなければならぬ、そういうふうに思いますが、この点は、お聞きになった方もおいでになりますけれども、いま一度大臣の決意を伺っておきたいのです。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 先生御指摘のとおり、文化関係の予算については充実すべきものと考えますので、一生懸命に努力をしてこの充実に向かって努力を重ねたい、このように考えております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 この間、いわゆる行政改革によりまして民間芸術活動補助、これを見てみますと、八年間随分変化しておりまして、例えば随分減っているのですね。八年間連続して減っておりまして、しかも四割以上も減っております。来年度の予算を見てみましても二千五百万の減額でございまして、とうとう七億を割ってしまう、こういう結果になるわけです。  その一方では、今度基金ができるわけですけれども、基金の設立ということはあるのですが、民間芸術活動補助が削減されていくという傾向、これは本当に困るわけでして、そういう意味では、これは次長に伺いたいのですが、今後この基金の設立によって減額の口実には絶対しない、この点を明らかにして、しかも今後とも増額に対しては努力をするという文化庁の姿勢もまた示していただきたいと思いますが、この点、いかがですか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 先生御指摘の補助金は民間芸術等振興費補助金かと存じますけれども、これは我が国の芸術の水準向上のために民間芸術団体、関係団体に対しまして補助するものといたしまして昭和三十四年度から実施しているものでございます。昨今の国の厳しい財政状況の中で補助金が一律に削減されるという対象になりまして、確かに減はいたしておりますけれども、その中でいろいろ工夫をいたしまして、その額の減をなるべく大きくしないような形で努力をしてまいっているところでございます。  それで、そのためにこの補助金そのものの減は若干ございますけれども、最近では民間芸術団体の活動を支援するための方策といたしまして、昭和六十一年度からは日米舞台芸術交流事業、六十二年度からは優秀舞台芸術公演奨励事業を逐次実施してまいっておりまして、さらに昭和六十三年度からは大規模な芸術活動等で芸術振興上有意義な活動に対しまして民間企業等の協力も得ながら助成する芸術活動特別推進事業を実施してまいっておりまして、全体といたしましては、これらを加えますと民間芸術活動振興のための予算の拡充を図っているところでございます。  それで、今回の基金ということでございまして、今回のものは幅広く多彩な芸術活動への援助ということを目的としているわけでございますけれども、基金をつくったからといって、文化庁予算についてはこれはなるべく削減にならないように今回の予算要求でも私どもとしては努力をしてまいったところでございまして、今後ともそのようなことについては十分配慮をしてまいりたいと思います。  それで、これは文化庁の行っております文化政策と基金の行いますところの援助の中身につきまして明確な区分もございます。両々相まって日本の文化振興に当たりたいと考えておりますので、この点についても努力を続けてまいりたいと思います。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 この基金の問題について随分大きな期待も寄せられたわけですね。音楽議連の芸術振興基金に関する小委員会、これは御承知のように規模はかなり違っておりまして、総額四千億円、政府出資二千億円、地方公共団体と民間で二千億円の出資というふうな案も出ておったわけですね。それから、昨年の十二月に海部総理大臣がこの問題を出しましたときは、政府出資一千億、こういう数字が出まして、私も文化団体に呼ばれましてこれに対する期待も随分聞かされたことがあるのです。ところが、実態は今お話しのように六百億円と三十億円の運用益ということが使われるわけですね。それを見ましても、随分縮小したものだと思いますが、この理由はもう時間がないからお伺いしません。  ただ、この法律の問題点はどこにあるかといいますと、基金の運営の機構が全く不明であるということです。それから、同時に配分の機構、これも明らかになっておりません。したがって、配分基準あるいは配分をする審議機関というものがどういう状態になるのか、この点はこの委員会に法案を出す場合には当然明らかにすべきであったと思いますが、この点はどうでしょうか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 芸術文化振興基金にかかわります援助業務を円滑かつ適切に行いますために、この法律が成立いたしましたら、日本芸術文化振興会におきまして援助の実施に当たって助成金の交付に関する要綱等を制定いたしまして、これを広く広報し、これに従って申請を受け付けて審査し、助成金を交付することを予定しているところでございます。そして、審査体制につきましては、先ほど来るる御説明いたしてまいりましたように、広く芸術文化関係者の意見も取り入れながら適正な角度から審査をし、配分をしていくということでございます。  法文上に審査組織の内容でありますとかあるいはその補助の要綱にかかわるようなものについてあらわれないのは、こういう基金のようなものあるいは特殊法人のような性格から、法律上の性格としてやむを得ないところでございまして、幾つかの基金のこれまでの行き方におきましても、基金成立後その審査のあり方なり具体的な補助の対象なりは決めてまいるわけでございますが、るる説明してまいりましたように、私どももある程度予定をしてプランを立て御説明もしてまいっているところでございます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 先ほどアメリカのNEA、米国芸術財団でございますが、その場合の審査委員会が百二十四、各部門別にその専門家が審査に当たり、その数は千十一名に上っておるという数字も出ました。年間申請件数は一万八千件、一昨年の場合でも四千六百五十九件助成しておりますね。イギリスの芸術協議会の場合も大体三百三十九の審査委員会に合計五百五十四人の専門家が参加しておるというような数字が出ております。  それで、この審査機関でございますけれども、芸術文化振興基金研究プロジェクトが本年の一月に文化庁長官にあてて要望書を出しておりますが、それによりますと、「①基金の運用益による助成が新時代の芸術・文化の創造的発展に結びつくよう、芸術文化関係者の意見を充分反映できる基金の組織づくりと運営を要望します。②とくに助成対象の審査にあたって、欧米の例にならい独立機能を持つ専門家による審査委員会の設置を要望します。」と述べておりますが、こういうことはかなり慎重に検討されておると思いますけれども、これらの要望はお受け取りになる予定ですか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 委員御指摘のプロジェクトチームからは確かに「芸術文化関係者の意見を充分反映できる基金の組織づくりと運」「とくに助成対象の審査にあたって、欧米の例にならい」云々という御指摘につきましては私どもも拝見しております。  基金の事業運営につきましては、芸術家はもとより各方面の御意見を十分反映させる必要があると考えておりまして、るる御説明してまいりましたように、芸術文化関係者でありますとか民間人、学識経験者等から成る組織を設けまして、公正、適切な観点から御審査をいただく予定でございます。  英国の例、米国の例、御指摘ございました。これらは既に発足してから長年経過をいたしております。今回の基金はこれから発足するところでございますけれども、それぞれの各国で経験されてこられました審査組織も参考にしながら、そのあり方については十分検討し実現してまいりたいと思います。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 これらの基金の運用に当たりましては、特にヨーロッパの場合におきましても自立と支援の原則というのがあるわけでございますが、この点もお考えになっておると思います。  それから、時間がありませんのでまとめて二点ばかりお聞きしますけれども、出資企業へのリップサービス、これは文化庁が企業向けに出した資料の中に、出資企業に対しては多くのメリットがありますよ、また特別基金名をポスター、プログラムに入れるなどということも出ておったと聞いているわけでございますが、そういうことはあるのかないのか。  それからもう一つは、今国際的な芸術フェスティバル等が予定されておるということもうわさとして聞くわけでございますけれども、こういうものに基金が多く運用されますと、何しろ三十億という限られた予算でございますから、他の部分に非常に支障が出てくるわけですが、それに対してはどういうお考えを持っておるか。  この二点、これを伺いたいのです。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 今回の基金、補正予算で実現することになりました契機としても民間の寄附がきっかけになっているのは委員御承知のとおりでございます。日本の場合にはアメリカのように民間企業からの寄附という大きな潮流というのはまだ起きてまいっておりません。次第にそういう流れになってまいっておりますけれども、民間からの御寄附を得て基金を実現し、今後ともそういう形で民間と政府と両方相まって芸術文化振興に当たるというこの行き方というものはこれまでも再三御提言もあったわけでございます。  そのように考えますと、芸術文化振興基金の寄附について企業が協力をしやすい形で円滑に実現するためにいろいろな工夫はあり得るわけでございます。しかし、そのようなことは決してリップサービスというふうなたぐいのことではございませんで、特定の企業に特典を与えるということではございませんで、むしろ民間企業の御協力を促すということでいろいろな工夫をするという形態の趣旨であろうかと考えております。  また、国際的フェスティバルの話題も出ております。当然ながら、今回の基金につきましては多彩な芸術活動を援助していくというねらいがございますので、国際フェスティバル等も対象となることは確かでございますけれども、これは当面いろいろな申請の中身を十分勘案したりいたしましし、重点の置き方についてはよく運営委員会等で御検討いただいて適切な実施について配慮していくものと考えております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 最後に大臣に一言。  日本音楽家ユニオンからも理事の構成あるいは評議員の構成等についても要請書が出ておりますが、問題はこの基金が設立された場合に、この基金が真に芸術家、文化人の要求にこたえるのかどうかということが問題になってくると思います。  そういう意味で、ぜひとも芸術家、関係団体の広い意見が反映をされるものにしてもらいたい、これはみんなの要求だと思いますが、このことはぜひとも大臣においても覚悟していただきたいと思いますが、これについて最後に大臣の御見解を伺いまして、私の質問を終わります。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 基金の運用、その果実の運用につきましては、民間人の考え方も尊重しながらこれを運用していくというふうに私ども考えております。

船田元自由民主党

○船田委員長 次に、米沢隆君。

米沢隆民社党

○米沢委員 今回の法案は、長年の関係者の皆さんの懸案の事項の解決という趣旨からして、大変時宜を得たものだと思っております。ただ問題は、こういう基金の規模が果たしてこれでいいのか、これからどういう方針で基金を生み、積み立てられる用意があるのかという問題と、基金が果たして公正に運営されていくのか、二点がちょっと問題だと思っております。  今回は政府が五百億基金を積み立てて民間が百億、トータル三十億ぐらいの金ができるであろう。ぜいたくを言えば限りはありませんが、幅広い文化芸術の振興という意味で、わずか三十億ぐらいで一体どういうことができるであろうか。ないよりもいいだろう。しかし、皆さんが期待されるようなものに本当につながっていくかという意味では、私は、六百億ぐらいの基金では決して万全の――文化振興対策に資するという意味では余りにも少な過ぎるのではないかという気がしてなりません。そういう意味で、今後どういう形でこの基金をまた新たにプラスして造成していくのか、どれぐらいの目標を念頭に置いておられるのか、そのあたりを大臣にしっかりと答えていただきたい。  同時に、この基金の支援措置、援助措置等については、運営委員会やあるいは審査会等で審査されて決定されると聞いておりますが、果たして公正、公平という観点から本当にうまくそのあたりが担保されていると言えるのかどうか。ユネスコではありませんが、出したところが文句が出るようなものであってはならないと思いますし、下手をすると中央集権的な運営になる可能性だって十分にあるわけでございまして、そのあたりをどういうふうに担保されようとしておるのか、基金ができたばっかりに逆に混乱が起こるなんてことがあってはならないという意味から、このあたりもどのような方針で取り組もうとされておるのか、この二点についてまず最初に御見解を伺っておきたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 まず、基金は政府五百億、さらに民間百億をめどとした六百億をめどとしたものでスタートをさせていただくわけでありますが、先ほどから御答弁をさせていただいておりますけれども、これで終わりということであってはならない。芸術文化の振興は非常に重要な問題であると思っておりますので、これは基金として多ければ多いほどその目的を達し得るというふうに考えますけれども、現実の問題としてはまず五百億の政府資金と百億の民間資金でスタートをいたしまして、その状況等を見ながらこれの拡充に努めてまいりたい、このように思っております。  目標は幾らかという御質問でございますが、これは大変難しい御質問でございまして、今の段階で目標が幾らかと申し上げることはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、私はこの充実については今後とも継続的に国会並びに皆様方のお力をいただきながら頑張ってまいりたい、こう思っております。  さらに、運用についてはいかがかということでございますが、中央集権的にならないように配慮せよというお話でございます。当然のことと存じますが、こういった問題については十分に注意を払いながら、かつ民間団体の民間の皆様方あるいは芸術家の皆様方の御意見が反映するような形での配分、運営というものに心がけていきたいと思います。  細部については文化庁次長から御答弁申し上げます。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 援助の際の具体の審査体制につきましては、先ほど来御説明をしてまいっておりますけれども、芸術文化関係者など専門家等から成る審査機関を設けて、ここで御議論をいただき、多分野の関係者の意見が十分反映できるようにしたいと考えているところでございます。これは、各国のいろいろな基金、先ほど来出ておりましたようなところでもそのような形態をとっております。  ただ、どのような形が完全であるのかということにつきましては、基金発足後いろいろ考えたり試行錯誤しながらいく面もあろうかと思いますけれども、十分に関係者の意見が反映されて最も適正な形で、かつ望ましい援助の形態が保たれるように努力をしてまいりたいと思います。

米沢隆民社党

○米沢委員 助成した後本当に有効に使われたかどうか、チェックシステムはできておるのですか。

遠山敦子文化庁次長

○遠山政府委員 お尋ねのチェックシステムの意味が若干受け取りにくい面がございます。芸術文化活動というのは自由な発想による芸術家たちあるいは芸術家団体の活動でございまして、チェックという言葉がなじむのかどうかということも疑問でございます。  ただ、これらは、その芸術活動に触れる人たちが当然に評価をし、それについての価値判断をする面もあるわけでございます。これは、先般の国際会議でも各国の代表者からの意見もございましたけれども、芸術文化の支援に当たっての方向としまして、厳密に評価をしたりというふうなことがなじむのかどうかということについての疑問も出ているわけでございます。しかしながら、一方で効率的な運用なり公正な運用ということも必要であるわけでございます。そのようなことのあり方につきましても、いわば基金が特殊法人という非常に柔軟な組織体制に置かれることでございますので、十分検討しながら改善を重ねていくものであろうかと考えております。

米沢隆民社党

○米沢委員 私が言うチェックシステムというのは、やった後、芸術や文化の振興に果たして是か非か、そういう評価をするような話ではなくて、もらったけれども何も役に立っていないような使い方をされたというようなことであっては、今後やはり問題が起こってくるのではないかという意味でチェックシステムという言葉を使った、こういうふうに御理解いただきたいと思います。  それから、芸術文化振興基金とはちょっと話はかわりますが、例のスポーツ振興基金、これは一体どうなっておるのかということをちょっと開きたいと思うのでございます。  このスポーツ振興基金についても、これは長年の関係者の懸案の問題でございまして、一日も早くつくってくれというのが本当に切実な声だと聞いております。先般三月十三日の日本経済新聞の「スポートピァ」という欄に、日本アマチュアレスリング協会副理事長の福田さん、この方はJOCの選手強化本部の委員も兼ねておられると聞いておりますが、この方が寄稿されて、今回補正予算で計上されている芸術文化振興基金とは、もともとスポーツも含まれて芸術とスポーツ基金構想だったのではないか、こういう疑問を呈されております。  にもかかわらず、芸術だけが先行して、なぜスポーツは置き去りにされるのかというような御不満もその趣旨の中に入っておるように読んだのでございますが、これは最初は一体どういう状況から始まったのですか。

前畑安宏文部省体育局長

○前畑政府委員 スポーツ振興基金につきましては、国際競技力向上を初めとするスポーツ振興の施策の拡充を図るために官民協力によるそういった基金を設置することが必要であるということについて、六十三年の総理のところに設けられておりましたスポーツの振興に関する懇談会の提言の中にそういう御指摘をいただいたところでございます。  その提言を受けまして、平成元年度の予算に調査費を計上し、現在鋭意調査を行っておるところでありますが、引き続き御審議いただきます平成二年度の予算案にも所要の調査費を計上いたしております。鋭意調査研究を進め、その実現に努力をいたしたいと考えております。  御指摘ございました日本経済新聞の福田さんの記事でございますが、福田さんがどういうことでこんなことをおっしゃっておるのか私どもには理解できないところでありますが、できるだけ福田さんの方とも接触をして相互に意思の疎通を図り、お互いにスポーツ振興に携わる者でございますので、誤解を解きたいと考えております。

米沢隆民社党

○米沢委員 このスポーツ振興基金については、今御答弁がありましたように、中曽根元総理の提唱でスポーツ振興に関する懇談会が発足をして、六十三年三月に「スポーツ振興を図るためのスポーツ振興基金を計画的、かつ、速やかに充実する必要がある。」こういう報告書が出されておることも承知をいたしております。  そしてまた、この記者会見の席上で座長でありました斎藤経団連会長が、一千億程度の基金を設けたらいいというような話まであったと新聞報道は伝えております。また、昨年の七月、例によって参議院選挙対策用であったのかもしれませんが、当時の塩川官房長官は記者会見で、これは産経新聞ですが、「芸術・文化三千億円、スポーツ一千億円 新たな振興基金設置」、政府・自民党がそういう方針を持っておることを塩川官房長官が明らかにした。東京新聞も同じように「文化、スポーツ振興へ基金 創設を政府検討 自治体などと出資」、財源についても六十三年度の自然増収から、金があるから剰余金から出すのだというところまでおっしゃっていますね。それから、読売新聞も同じように「伝統文化保存・スポーツ振興四千億円の基金構想」、四千億ですから三千億プラス一千億の話だと思いますが、「塩川官房長官が表明」、こうあります。  こういうような新聞記事を読む限り、結局芸術とともにスポーツの方も一緒につくるんだというふうにとられて仕方がないと思うのですね。それを、福田さんがどう誤解されたかというそんな話ではなくて、関係者各位は芸術文化とともにスポーツも同時に補正予算に計上されるのではないか、こう思っていらっしゃったのは事実だと思いますね。しかしながら、芸術文化だけが先行して、なぜスポーツが置き去りになったのか、なぜそういう優先順位がついたのか、そこをただしたいというのがこの投稿者のお気持ちだと思うのです。どうですか。

前畑安宏文部省体育局長

○前畑政府委員 いろいろと御議論のあるところでありますが、補正予算計上ということになりますと、御案内のとおり補正予算計上の必要性ということがあるわけでございます。先般の予算委員会の御議論の中でもお話が出ておりましたが「芸術文化振興基金につきましては、御案内のとおり民間からそういった基金の設置という提言がなされ、そして民間においてそのための資金拠出の呼びかけがなされ、そして政府に対しても相当額の負担の要請がなされた、そういうふうな客観的情勢を踏まえて補正予算に計上されたと承知をいたしております。  これは、私どもの努力の足りないところもございますが、残念ながらスポーツについては必ずしもそこまで具体の客観的な事態がなかったということも、ただいま先生御指摘のなぜそういう優先順位がついたかということの一つの要因ではなかろうかと思っております。決して文部省が芸術文化とスポーツを並べてスポーツの方が政策的な価値が劣るというような判断をしたものではないと私どもは承知をしております。

米沢隆民社党

○米沢委員 元年度に引き続きまして二年度も調査研究費として六百八十七万円ですか計上されておりますが、結論から言いまして、このスポーツ振興基金の財源調達方法だとか事業内容だとか、もっと関係先と協議を進めていただいて早く結論をつけてもらいたい、こう思っておるのですね。しかし、二年度の調査研究費が約六百何ぼありますから二年度じゅうに決めればいいという話だと思いますが、一体いつごろ結論を出されるおつもりなのか、そのあたりをはっきりしてもらいたいと思うのでございます。  特にことしの二月に、文部省が体協だとかJOCとの会合で、スポーツ振興基金について基金の事業内容や使途などの検討を依頼して、JOC側もその趣旨に沿って加盟四十三競技団体にアンケートを実施して三十七団体が回答した、こういう報道があります。その質問内容は、もう御案内のとおりスポーツ活動奨励金の支給について、スポーツ功労給付金の支給について、各種国際競技会の運営費の助成等について等々があるのでございますが、こういう点について諸外国は一体どういうものを持っておるのか、日本の場合と比べて、一体どういうことが日本については問題なのか、どういう認識をされておるかというのがまず文部省の見解として聞きたいところでございます。  できれば、昨年一年間いろいろな議論をされて方向性は大体わかっておるはずでございますから、大体のスポーツ振興基金の構想みたいなものをここらである程度こういう考え方でいこうと思っておるというぐらいは言われても何もおかしくないのではないか、こう思っておるのですが、いかがでしょうか。

前畑安宏文部省体育局長

○前畑政府委員 今先生御指摘になりました功労金とかあるいは報賞金とかいうものにつきましては、いろいろな情報によりますと、諸外国はそれぞれ幾つかの国でかなりなものを出しておるということが伝えられておることは承知をいたしております。例えば新聞報道によりますと、韓国あるいはソ連、東ドイツ、中国等々相当な額を出しておるということがございます。しかしながら国際陸運の規則によりますと、競技会において金銭的な利益を得た者は競技会への出席の資格を失うというような規定もございます。  そういう点で、日本において私どもが今競技団体等とも協議しながら基金を創設した場合にどういうふうなことに重点的に投じるかということを検討しておる中でも、報賞金、功労金といったようなものについては議論が非常に分かれております。例えば最近のスポーツ選手の若年化といいますか、特に女子の体操であるとか水泳であるとかということになりますと小学生というようなこともございます。そういうものにどういうふうにお金を渡すのか、あるいはお金を渡すことが選手をスポイルしないか、あるいは国際陸連の規則ではどうなのかというようないろいろな議論もあるわけでございまして、御指摘のとおりできるだけ早い機会に基金を創設した場合にどういうふうな使途に充てるか、それによって資金の適正な規模というものも定まるわけでございますので、十分関係方面とも協議をいたしたいと考えております。

米沢隆民社党

○米沢委員 結論はいつ出すのかな。

前畑安宏文部省体育局長

○前畑政府委員 平成二年度の予算案が成立をいたしますれば、平成二年度に調査研究を鋭意進めてまいりたいと考えております。

米沢隆民社党

○米沢委員 結論はだから今年じゅうに決まるのですね。

前畑安宏文部省体育局長

○前畑政府委員 関係者との協議の問題でございますので、十分鋭意努力をしてできるだけ早い機会に結論を得るように努力をしてまいりたいと思っております。

米沢隆民社党

○米沢委員 大臣、こういうことでございますから、スポーツ振興基金、理屈を言えばいろいろあると思いますが、できることから早くやるという意味で今この芸術文化の基金もできるところからやり始めたのでございますから、そういう観点からスポーツ振興基金についても早急に結論を出されて、スポーツ振興に全力を挙げていただくように要請いたしまして、質問を終わります。

船田元自由民主党

○船田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     ─────────────

船田元自由民主党

○船田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出、国立劇場法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

船田元自由民主党

○船田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ─────────────

船田元自由民主党

○船田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、松田岩夫君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の五党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。中西績介君。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 私は、提案者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案について御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     国立劇場法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、芸術・文化振興の重要性にかんがみ、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一 芸術文化振興基金による援助資金については、あまりに広範かつ零細な配分をすることによって、援助の趣旨が損なわれることのないように配慮すること。  二 芸術文化振興基金に関する援助方針と援助対象の選定が、公正かつ公平に行われるように、その検討には広範な芸術家・実演家の参加を図ること。  三 我が国の経済力と文化予算の現状にかんがみ、長期的、総合的、国際的観点に立って、今後とも、文化予算の大幅な増額に努め、併せて芸術文化振興基金の拡充に努めること。  四 日本芸術文化振興会が、国立劇場の運営と芸術文化振興基金の運営を兼ねることにより、国立劇場及び第二国立劇場(仮称)の果たすべき役割が軽視されることのないよう、十分な配慮をすること。 以上でございます。  その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。  何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。

船田元自由民主党

○船田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

船田元自由民主党

○船田委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、本附帯決議に対し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。保利文部大臣。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○保利国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。     ─────────────

船田元自由民主党

○船田委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

船田元自由民主党

○船田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕     ─────────────

船田元自由民主党

○船田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時二十九分散会

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