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118回国会衆議院1990/09/13

物価問題等に関する特別委員会 第7号

発言数
143
登壇者
23
会派数
5
開催日
1990/09/13

会議録

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森英介君。

森英介自由民主党

○森(英)委員 自由民主党所属議員の森英介でございます。本特別委員会で質問の機会を与えていただきまして大変光栄に存じます。委員長初め各党の理事並びに委員の皆様に御礼申し上げますとともに、政府側の御答弁いただく皆様方にもくれぐれもよろしくお願い申し上げたいと思います。  さて、昨今の中東情勢に対応して、我が国の貢献策についてはいろいろと議論がなされております。これも大変重要な問題であることは言うまでもありませんが、一方でこの中東情勢が我が国の経済並びに国民生活にどのような影響を及ぼすかということも国民の重大関心事であると思います。そこで、本日はこの点に絞って、政府の認識、見通し、さらには対応策などについてお尋ねしたいと思います。  まず第一に、イラクのクウェート侵攻に伴う原油価格の高騰など、物価をめぐる環境には厳しいものがあると思いますが、現在の物価動向についての政府の基本的認識についてお伺いしたいと思います。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 イラクのクウェート侵入に伴いまして、まずイラクとクウェートと日本との間の輸出入が停止になる。結局、イラク及びクウェートから日本へ輸入されておるところの原油がストップするわけであります。それと同時に原油の価格が非常な高騰を見せまして、一時三十ドルを超すかというような勢いであったわけでありますが、現在のところは二十五、六ドルないし三十ドルの間を往復しているような状態であります。  国民生活あるいは経済に対する影響で一番懸念されますのは、その量的な供給がどうなるか、それから価格がどうなるかということであります。  供給の面では、イラク、クウェートが日本の石油輸入量の中に占めるウエートは約一二%弱でございます。これは、御案内のように、国家、民間合わせまして既に百四十二日分の石油の備蓄がございます。足らない場合にはこれを放出するということで手当てがつくわけであります。総量の一割ちょっとでありますから、百四十日分の備蓄を取り崩していけば相当長期間輸入減をカバーできるという数量になっております。  それから価格の点でありますけれども、価格の点については、これはもう当然直ちに影響がある点であります。と申しますのは、御承知のように、スポット物の価格がほぼ倍に近いような状態になっております。日本の石油輸入においては長期契約の部分が非常に多いわけでありますが、その長期契約についても数量契約でありまして、数量の点では確保されても価格は、細かい点が必要でありましたら政府委員から答弁させますが、要するにスポット価格に連動しております。したがいまして、長期契約の分も当然に価格が上昇をする。この点が経済また国民生活の面で一番問題になる点であります。  ただ、強いて申しますと、第一次のオイルショックそれから第二次のオイルショックのときと比較いたしますと、第一次のオイルショックのときは、そのショックの前の価格に対しまして約四倍の原油の価格の上昇が見られた。第二次のオイルショックの場合には二・四倍でございました。今回は、これを仮に一バレル当たり二十五ドルと見ますと、以前の十八ドル程度の価格に対しますと一・四倍であります。したがいまして、上昇率が低いということ。それからもう一つは、日本は中東の油に総体の原油の約七〇%を依存いたしておりますが、幸いなことに第一次オイルショック以来省エネルギー、特に省石油と申しますか、それの努力を産業界も大いに積み重ねてまいりました結果、エネルギーあるいは石油に対する依存割合というものが非常に低下をしてきているのであり ます。価格の面あるいはその依存率の低下というような点から見ましても、第一次オイルショックあるいは第二次オイルショックの際に比較いたしますと、日本の経済に与える影響は、その第一次、第二次に比較して少ない。  一昨日でありましたか、日銀総裁が、原油の価格が二十五ドルないし三十ドル程度であれば日本の経済に対してそれほど大きな影響を与えることはないだろうという発言をされておりますが、私どもも、以上申しました点から見ますと、少なくとも過去二回における石油ショックのときほどの大きな影響はない。  ただ、心配されますのは物価の点であります。既に消費者物価につきましても全国で七月、対前年度二・三%の上昇になっておりまして、今年度の政府見通しによるところの消費者物価の上昇率一・六%を上回っている状態にございます。したがいまして、この中東におけるイラク、クウェートの紛争が長期化をして、あるいはさらにそれが拡大するようなことになれば、物価に対する影響がさらに懸念をされる次第であります。  そういう点で、私どもは手放しで楽観をするようなことではないと思いますが、少なくとも現状におきましてはそれほど大きな国民経済、生活に対する影響ということはないと思っております。  ただ、放置できない問題でありますから、速やかな紛争の解決を希望すると同時に、原油価格の上昇に伴う石油製品あるいはこれに関連する諸種の物質等々の便乗値上げが絶対にないようにすることが当然に必要なのでありまして、過般の閣議におきましてもこの点につきまして再度私から便乗値上げのないように要請をしていることを申し上げると同時に、また公取とも密接な連携をとりまして、いやしくも便乗値上げの向きがある場合には、あるいはまたそれが特に業界における申し合わせ等によるところの値上げがあるような動きがありましたらば、直ちにこれに対して調査に入る、あるいはいわゆるカルテル一一〇番を活用していただくというようなことで、公取委員長としても十分にこの事態に対処する決意でいるということでございますので、私どももそういう考えのもとにこれからも十分物価の動きに対する監視を怠らないようにし、また対策を早急にとってまいりたいと思います。  申しおくれましたが、企画庁といたしましては四千二百人の物価モニターによるところの調査をこの七、八、九の三日間実施いたしました。その報告がやがて上がってまいりまして、月内にも結果を発表することができると思いますし、また今後二週間間隔でさらに物価モニターによる調査を実行してまいりたいと思います。また、物価ダイヤルの活用、あるいは全国の消費者関係の方々に対する、地方公共団体に対する各種の会合等もこれからも引き続いて実施していくという体制をとっているのであります。よろしくまたお願いを申し上げます。

森英介自由民主党

○森(英)委員 ただいまの長官のお話を要約いたしますと、日本経済に及ぼす中東情勢の影響は一次、二次のオイルショックに比べて比較的軽微であろう、しかしながら放置しておくべきことではないので十分な早目早目の対応策を講じるということになろうかと思いますけれども、便乗値上げ等の監視については十分な御配慮をいただきますように重ねて御要望させていただきます。  続きまして、今度は通産省にお伺いしたいと思いますけれども、せんだって石油製品の価格改定に関連いたしまして指導通達を出されたというふうに伺っております。石油業界に対してどのような指導を行っているかという点についてお尋ねしたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 お答え申し上げます。  今経済企画庁長官からお話がございましたように、非常に原油の価格が国際市場で高騰をしてまいったわけでございまして、こうした状況を背景に日本の石油業界におきましても非常なコストアップということから値上げに向けての動きがいろいろ報道されているわけでございます。私どもといたしましては、この石油製品の価格と申しますのは基本的にはマーケットメカニズム、市場メカニズムを通じて決定されるのが基本であるというふうに考えておりますが、石油製品の価格改定ということになりますと、石油製品が非常に広範に国民生活あるいは国民経済の中で使用されているわけでございまして、したがって大きな影響を有する点を踏まえまして、先生今御指摘のように、私ども九月七日に関係の石油会社あるいは関係の団体に対しまして通達を出したところでございます。  その具体的な内容につきましては四点ございますけれども、まず第一に、石油各社においては石油価格等の上昇に伴うコストアップにつきまして、さらに一層の企業努力によって極力その吸収に努めていただきたいということが第一点でございます。  それから第二点といたしましては、ただいま便乗値上げのお話がございましたけれども、いわゆる石油製品の仕切り価格につきましては、高騰している原油価格あるいは輸入石油製品の価格の変動に伴うコストの増減に対応するものにしていただきたい、いやしくも便乗値上げのそしりを受けるような仕切り改定は慎んでいただきたいということを申し上げているわけであります。これに関連いたしまして、私どもといたしましては、現在の不安定な国際石油情勢が落ちつくまでの当分の間、原油価格と輸入石油製品の価格の変動に伴いますコストの変動について毎月報告をしてもらいたいということを通達の中で申し上げているわけであります。  それから第三点といたしましては、この情勢についての情報等も、なかなか消費者の方々には不足しているわけでございますので、仕切り価格の改定に当たりましては、消費者等の需要家に対しまして、最近の国際石油情勢であるとかあるいはコスト上昇の内容等を十分に説明して理解を得るように努力してもらいたいということが第三点であります。  それから第四点は、これは当然のことでございますが、石油製品の販売に当たりましては、不当な取引制限であるとかあるいは不公正な取引方法等によりまして国民の信頼を損なうといったことのないように、重ねて独占禁止法の遵守について徹底を図るようにということを申し上げたわけであります。  なお、これはいわゆる石油の元売会社に対するものでございますけれども、別途販売業界に対しましても、便乗値上げを慎んでもらいたい点、それから今の独禁法の再徹底について指導をいたしたところでございます。

森英介自由民主党

○森(英)委員 ただいまのお話で、先般の指導通達で原油価格をある程度反映させることを認めるという趣旨だと思いますけれども、こういう情勢のもとで、ある程度の石油価格の上昇というのはやむを得ないにいたしましても、一たん上がってしまったものは、将来仮に原油価格が下落した場合にはそれに伴って引き下げることが必要なんじゃないかと思うわけでございますけれども、そのあたりについて通産省としてどのようにお考えになっているかを伺わせていただきたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 ただいま申し上げましたように、石油会社からは毎月の原油価格あるいは輸入製品価格の変動に伴うコストの変動につきまして報告を受けることといたしております。そういう範囲で、当然今後の不透明な国際石油情勢の中で月ごとに増加することもあれば減少することもあり得るわけでございまして、減少した場合には、石油業界におきましてもそのコストの変動に応じて価格の引き下げという方向での努力をされると思いますが、そういうことが行われない場合には、当然のことながら私どもとしても、そのコストの変動に応じた引き下げについて石油業界を指導してまいりたい、こういうふうに考えております。

森英介自由民主党

○森(英)委員 そういうことでひとつよろしくお願いいたします。  続きまして、原油価格の高騰が我が国の経済成長や国際収支に与える影響について、経済企画庁のお考えを伺わせていただきたいと思います。

末木凰太郎経済企画庁調整局長

○末木説明員 最近の我が国経済の状況でございますが、御承知のように個人消費、設備投資を中心といたしまして腰の強い景気拡大基調を維持しておりまして、景気の拡大期間も既に今月で四十六カ月を数えております。  こうした中で、今回のイラクのクウェート侵攻、そして石油価格の上昇ということが発生したわけでございますが、これが経済成長あるいは国際収支にどういうふうに影響するかというお尋ねでございます。  まず経済成長でございますが、当然のことながら、今後の価格の推移がどうなるか、それによって異なってくるわけでございますけれども、基本的なことを申し上げれば、まず第一に、ただいま長官が御説明申し上げましたように、過去二回の石油危機のときと比べますと今回の価格の上昇の度合いが小さなものにとどまっております。それからまた我が国の経済の石油に対する依存度も、当時に比べまして大きく低下しております。こういったことを考えますと、直接の影響は比較的小さい。他方、設備投資や個人消費は、最初に申し上げましたとおり依然として堅調でございます。これらを総合いたしますと、今の状況で判断いたしますと、原油価格の上昇が経済成長に与える影響というものは、数字でなかなか申し上げにくいのですが、比較的軽微なものだと考えております。  また、国際収支への影響でございますが、これも今後の価格動向がどうなるか、その推移いかんによることは当然でございまして、現在確定的なことを申し上げるのは困難ではありますけれども、従来よりも高い価格が続けば、その分だけ原油等の輸入金額がふえることは当然でございます。もちろん、国際収支全体がどうなるかということを考えます場合には、今回の石油価格の上昇は黒字をふやす要因としても働くと同時に黒字を減らす、減らす要因とふやす要因と両方の作用がある、理屈から考えれば両方あるわけでございまして、それらを総合して判断する必要があるわけでございます。  ちょっと例を申しますと、例えば石油の価格が上昇したことによりまして石油の輸入量が何ほどか抑制されることになれば、その分は、今度は日本の支払いが減る要因にカウントされるわけでございますし、例えば世界的にもし物価が上がれば、そして日本の一般の輸出物価が上がれば、これは日本の受け取りがふえる方向に働くわけでございます。そのほかいろいろなことが考えられますが、こういったことについては、まだ今の段階で整理をすることはデータ的に難しゅうございます。はっきりしておりますことは、直接に石油の代金として支払う分がふえることは当然でございますから、その分だけは支払い増、つまり黒字縮小要因として働いてまいります。全体としてどのくらいになるかということは今後の価格の推移によりますので、トータルは今の段階で判断しにくいのですけれども、いわば原単位的に申しますと、一バレルについて一ドル上昇した場合に、それが一年間続くとして試算をいたしますと、十九億ドル程度の支払い増になろうかと思います。いずれにしましても、全体としては、先ほど一、二の例を申し上げましたようないろいろな要因を総合して判断すべきことかと思います。

森英介自由民主党

○森(英)委員 現状ではいろいろ不確定要因が非常に多いと思いますし、見通しも大変難しいのじゃないかと思いますが、くれぐれもその折々に応じた適切な把握そして判断をしていただくようにお願いしたいと思います。  続きまして、石油製品の需要期を控えておるわけでありますけれども、石油の量的確保に万全を期す必要があると思われますが、その見通し及び対応策についてお伺いしたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 お答え申し上げます。  先ほど経済企画庁長官からお話がございましたように、原油で見ますとイラク、クウェートの直接の減少分というのが大体一二%、我が国の原油輸入の一二%分ぐらいあるわけでございます。それから、クウェートの場合には石油製品の輸出国でもございまして、我が国の場合、石油製品という形でのいわゆる油の輸入というのが約二割を占めておりますけれども、その中に占める割合も、クウェートは約一四%ぐらいを占めているわけでございます。したがって、我が国全体の石油製品の需要という面から見ますと、とりあえず一二%強の直接的な供給減少ということになるわけでございます。  これに対しまして量的な面でどういうふうに対応していくかということでございますけれども、一つは、需要面でできるだけ省エネルギーをお願いするということでございます。それから供給面の方では、一つは、できる限りイラク、クウェート以外からの原油の調達あるいは石油製品の調達をふやす努力をするということでございますし、どうしてもそれが難しい場合には、備蓄を取り崩していくということになろうかと思うわけでございます。  それで、現在のところ、この紛争が勃発しまして以来、まず今の供給面につきましては、石油業界におきましてもできる限り代替ソースを見つけるということで努力をいたしているところでございまして、当面、石油の契約というのは長期契約といっても非常に短いものが多いわけでございますし、また、数量につきましても契約の中でも相当な変動幅がございますので、今数字的に確たることは申し上げられませんけれども、年末ぐらいまでに向けましてかなり量的な対応のめどはつきつつあるというのが現状であります。今後ともこういった方向で一層石油業界の努力を奨励していきたい、こういうふうに考えているところでございます。  それからまた、石油製品につきましては、直接的にはクウェートからの輸出、日本の場合には輸入ということになりますが、これが減少するということになるわけでございますけれども、この今回の事件にかかわりない問題といたしまして、世界的にいわゆる石油の精製能力がかなり逼迫していたというのが実態でございます。したがって、今回の八月以降の原油あるいは石油製品の価格動向を見ておりましても、原油の価格を相当大幅に上回る勢いで石油製品の価格が上昇しているのが国際市場での実態でございます。そういうことから、私どもといたしましても、できるだけ国内での石油製品の生産をふやすようにということで石油業界に要請を行ってきているところでございまして、具体的には、八月の半ばに三百六十万キロリットル程度原油処理量を増大するように既に石油業界には要請しているところでございまして、現在そういった増処理というのが進められているところと承知をしているわけでございます。  私どもといたしましては、今後とも状況の推移を見ながら、そういった原油調達の拡大あるいは製品の増産等につきまして石油業界を指導してまいりたい、こういうふうに思っているところでございます。

森英介自由民主党

○森(英)委員 ちょっと時間がなくなってしまいましたけれども、最後に一つだけお尋ねしたいと思いますが、通産省は当面石油の備蓄を取り崩す必要はないというお考えのようでございますけれども、これは価格安定のために備蓄を取り崩せばいいじゃないかという考えもあると思いますが、この備蓄の取り扱いについての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 備蓄につきましては、第一義は石油の量的な安定供給の確保を目的とするものであると認識いたしております。したがって、備蓄の取り崩しにつきましては、ただいま申し上げましたようにできる限りの新しい代替ソースの開拓、これによってもなお石油の供給が不足する場合にこれを取り崩していく、こういう考え方で臨みたい。と申しますのは、現在の情勢というのは非常に不透明でございまして、先行きがはっきりしておればまた対応の仕方がございますけれども、あくまで私どもとしては備蓄というのは最後の量的な手段、こういうふうに認識しているところでございます。

森英介自由民主党

○森(英)委員 わかりました。  これで質問を終了させていただきます。ありが とうございました。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 次に、竹内猛君。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 中近東の沿岸のイラクがクウェートに侵入した事態からかなり日にちが過ぎておりますが、この問題に関連をして、石油の物価に与える影響等々を中心に質問をいたします。  まず、ブッシュ大統領も海部総理も、消費者の政治をやるんだということを当初から言われておりました。そこで、八月に入ってから、八月の二日にイラクがクウェートに侵入をするという事態が起こった。私は八月の五日に、環境委員会の委員の皆さんと一緒に、ソ連からブルガリア、オランダ、フランス、それからサウジアラビア、バーレーンから香港、中国と歩いて、十八日に帰ってきました。そのときに外務省の方からもあるいは国会の方からも、非常に危険だから日程を変更してはどうかという話もございました。しかし、そういう事態があるからこそ、むしろ現地に行って現地の実情を直接に見聞をして、これを政治の方に反映していく必要があるということで、環境委員会の戸塚委員長でありますけれども、委員長等々と一緒になってサウジアラビアに入っていきました。  そして、石油の関係の、日本でいえば大臣ですね、関係の大臣、そして国防関係の方々といろいろお話をする中でサウジアラビアの状況というものについてもいろいろと理解をすることができましたが、そのときに既にアメリカの方からは、あるいはイギリスもそうですけれども、軍隊が続々と入っております。軍艦も来ておりますし、戦車も入ってくる。こういう状態にあるし、特にアラブというのは気候が非常に砂漠の上に暑い。部屋の中は温度はかなり冷やしてあるけれども、外は暑いわけでありまして、宗教の関係から酒も飲めないというようないろいろな制限があるということで生活がしにくい。恐らく一人が三カ月はもたないであろうというようなことから、アメリカでも予備役を徴兵するというような動きもあるという形で、大変緊張している状態であったわけです。  ところが海部総理大臣は、本来これはアラビア方面を数カ国を回る日程ができていた。そこで関係の大使、領事等々は、この事態にむしろ海部総理がその地域に入っていろいろと日本としてのこの問題に対する率直な見解を表明をしていくのが一番いいのではないかというのが現地の意見でありましたが、残念ながら、私どもが入ったのはちょうど十三、十四、十五でありますが、十三日に日程を変更された。それは閣議で変更をされたと思うのですけれども、いろいろな事情があったと思いますが、経済企画庁長官は、閣僚としてこの日程の変更というものに対してどのような御発言をされて、あの時点を回避をしたということに対してやむを得なかったのか。その後外務大臣が行って大変荷物をしょって帰ってこられたけれども、いまだに具体的な対応策が出ておらない、こういうふうに見ているわけですけれども、これはいかがでしょうか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 海部内閣の閣僚として海部総理の中東訪問を延期したことに対してどう考えるかという御質問と受けとめております。  取りやめたのではなくて延期をしたということでありまして、総理は十月の初旬にはこれを実現したいというお考えのようであります。  延期をした理由は、八月二日のイラクのクウェート侵攻後に諸般の対策を日本としてもとらなければならない。特に具体的な貢献策の策定が急がされておりましたので、その政府の作業全般の陣頭指揮をとる、こういうことが必要だという判断のもとにこの八月十五日の出発予定を延期したというふうに承知をいたしておるのでございます。事実、その後の情勢を見てみましても、特にアメリカあたりから日本の具体的な貢献策がまだまだ不十分ではないかというような批判もあるようでございますし、特に議会筋における日本の貢献策に対するいろいろな批判、また注文もあるようであります。したがいまして、あの当時の状況としては具体的な貢献策を早く策定するということが必要であったことは明らかでございまして、そういう意味におきまして中東訪問を延期したことはやむを得なかった。そういう意味におきまして、妥当な措置であり判断だというふうに考えております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 あれから大体四十日が過ぎておりますけれども、いまだに日本としての具体的な策が確立をしない。そして、いわば国連の方は話し合い、それから経済制裁という形で戦争を回避していこうという努力がされているけれども、どうも日本の政府の姿勢というものは、アメリカのブッシュ大統領との間の関係が余りにも深くて、それに追随をしていくという傾向が強い。例えば十億ドルというお金を出すという。そうしたらまた今度は、それは少ないじゃないか、二十億にしろ、またアメリカでは今度は四十億にしろというようなことを議会で決めて要請をするという形になっていて、常にアメリカの言うとおりに目を向けている。本来であるならば、国連が今機能しているのですから国連の方向でいかなければならない。にもかかわらず一体政府として、また一つは今度は自衛隊を出すとか出さないとか、憲法を改正するとかしないとかという、あるいは平和のための何か法律をつくってやろう、このようなことばかり言っているけれども、具体的に一つも進んでいない。  そういう中で、我々の仲間がそこに人質同様にされておるという、こういう人権がじゅうりんされているような状態というものを無視はできない。これについて、少し手おくれをしているのではないか。なぜあの時点で総理が乗り込んでいって、具体的に見聞をしながら帰ってきて、そのことだけでも努力ができなかっただろうか。私は、日にちをかけたということについては、残念ながらこれは手おくれをしているのじゃないか、こういう感じがいたします。いかがですか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 私が海部総理であれば御質問に対して明快にお答えできるのでありますけれども、そうではございませんし、また、御質問の内容が外務、大蔵その他関係各省庁の大臣の責任の範囲に属することが多いので、それらについての直接の答弁は差し控えさせていただきますが、私が海部内閣の閣僚の一人としての私的な見解をあえて申し述べるといたしますと、日本の国がエネルギー源、特に石油の輸入に対する依存度が極めて高い、ほとんど一〇〇%輸入に依存している、しかも、その石油の七割を中東から仰いでいるという状況のもとにおきまして、つまり、日本が中東の油による利益を最も多く受けている国であるという点からいたしまして、この中東の情勢に対処するための貢献につきましては、必要な措置は当然にとらなければならない。十億ドルというのも、日本の国の財政の状態からいたしますと、私も、ことしの日本の国の財政状況を多少承知いたしておる立場からいえば、決して少ない金額ではないというふうに思っております。  ただ、これで足らないということであれば、さらにそういう点につきましての検討も必要でございましょうし、また、その他の処置についても、よその国から、日本は利益だけを受けてそのパートナーとしての責任を怠けているというようなそしりを免れないということがないように協力をする必要はあるのだろうというふうに私は考えております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 その考え方は結構ですけれども、依然としてそれが行使をされていない、実施をされていない。そういうところへ持ってきて、さらに追加要求が出てきている。  外務省にお伺いしますけれども、十億ドルというものの算定の基礎、根拠、どこへ何のために使うのか、その点について説明をいただきたい。

内田富夫外務省中近東アフリカ局外務参事官

○内田説明員 御説明申し上げます。  中東貢献策、八月二十九日に総理によって発表がございまして、その前半部分の湾岸の平和と安定の回復のための協力ということで十億ドルの予算措置をとるということが発表になっております。これは、先生御指摘のように、湾岸地域におきまする平和と安定の回復のための国際的な努力に対して我が国としても積極的に貢献すべしとい う高い次元での決意から、総枠として十億ドルの協力を決定したものでございます。  この具体的な供与形態につきましては、発表以後、関係各国等も多うございますので、検討を進めているところでございまして、ただいま現在のところは、この供与形態等につきまして具体的に詰めておるということを申し上げることしかできない状況でございます。  それから、使用目的でございますが、これにつきましては、これも詰めておりまするけれども、この平和回復活動に対する協力といたしまして、輸送協力、物資協力、医療協力及び資金協力を考えておるという状況でございます。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 そうこうしておるうちに、今度は、十億ドルが二十億ドルになり四十億ドルというふうにだんだん膨らんでくる。こういうことになってくると、これは国民の税金なんだから、十億ドルというと約一千四百億円になる。  これは長官から聞きたいけれども、このようにどんどん上積みをする、これはどこへ出すのか。つまり、国連に出すのか、それとも、アメリカにそういうことを言われたからそれの援助にしていくのか、どっちなんです。

内田富夫外務省中近東アフリカ局外務参事官

○内田説明員 先生の御発言にちょっと感触の違うことを申し上げましてまことに恐縮なんでございますけれども、この湾岸における平和回復のための国際努力、国連を中心とするものでございますが、そういった努力について日本としてどういうふうに協力できるかということをさんざん検討したあげくの日本なりの、日本としての、独自と言ってもよろしいかと思いますが、そういう立場からの貢献でございますので、どこの国のことを言って、聞いてというような表現は必ずしも当たっていないのじゃないかというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。  それから、追加の問題につきまして先ほど来先生から御指摘があるのでございますけれども、御指摘の米国の反応につきましては、この十億ドルの支援策について、ブッシュ大統領も議会での発言をされておりますし、米国としては評価しておるというふうに私どもは受けとめております。それで、追加云々の話につきましては、これも先生御指摘のとおりでございますけれども、現在、十億ドルをどうするかということをやっておる最中でございますので、それもきちっとできない段階で追加の問題を云々するというのは不適当かと思われるわけでございまして、したがいまして、そういうことは政府としては検討していないという現状でございます。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 私が現地で、サウジアラビアでいろいろ話を聞いたときにもそうですけれども、現地では、イラクがクウェートへ侵略したのは国連憲章にも違反しておるし、湾岸諸国の協定にも違反しておるし、それからアラブのいろいろな話し合いにも違反しておる、これはまさに不当であり不法だということで、それはどうしても排除しなければならない、認められない、こういう立場に立っていて、国連が平和的に処理しようという努力をしておることについてはこれを高く評価しなければならない。  社会党でも、先般来、この問題について検討を加えて、日本の平和憲法の精神、それから非核三原則、武器輸出三原則というような国会の決議等を中心として国連を中心にして平和的に処理する、そのために日本は努力すべきである、こういうようなことを決定し、過般のヘルシンキでの米ソ首脳会議においても一定の方向が出たことに対してはかなり評価しておるというわけです。そういう点で、戦争という事態を避けながらこれを平和的に処理し、一日も早く人質と同じような形で捕らわれておる者については解放させなければならない。  こういう点について、これは社会党の考え方ですけれども、相沢長官、長官はこの問題について個人的に閣僚としてどのように考えられるのか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 私も経済企画庁長官という立場でございますので、今の委員の御質問に対して十分お答えをするような立場と責任はございませんので、私の個人的な見解になると思うのでありますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、中東の油に日本の経済が大きく依存をしている。そして、その油のルートを確保していかなきゃならない、これはいわば至上命題であります。そういう立場からいたしますと、やはり日本はそういう立場に置かれている国としての責務を当然果たしていかなきゃならない。それの一つのあらわれが、先ほど来出ておりました十億ドルという貢献策でございますし、あるいはまた、湾岸諸国に対する経済協力ということになっているわけであります。さらに、海上のルートの確保の問題とか、あるいは多国籍軍に対する協力云々という問題になりますと、これはやはり憲法上の制約もございますし、また、日本の国内におけるこのような点についての今の状態における国民の理解、常識というものも前提にして考えていかなきゃなりませんので、この点は将来のこともございますので本当に慎重に検討しなければならない、このように私は考えております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 これは一部に憲法の改正とか自衛隊法の改正とかいろいろな非常に危険なことを言う者がいる。これは簡単にできないんです。三分の二の議席が必要であるし、国民の半分が賛成しなければできないということがわかっていながらそのようなことを言って、事態の収拾をおくらせていることは甚だ残念ですね。これは閣僚として、今言われたように、平和憲法の精神に沿って国連軍中心の努力を中心として、戦争が起こらないような形で平和的に処理をするようにひとつ努力をしてもらいたいということを私から要請をしたいと思います。  そこで、八年続いたイラン・イラク戦争が一昨年終わったわけですけれども、しかし、そのときに依然として国境には三十万ぐらいの軍隊が残っているし、イラクはソ連から金と武器の援助を受けた。日本もまたイラクに対しては、石油を輸入するということからして相当な援助をしたことは事実だ。確かに、石油の多くの部分をあの辺の中近東から輸入している日本とすれば、大変これは理解のできることですけれども、それだけに、日本がイラクにも貢献をしているんですから、日本として特別にイラクに対して平和的に問題を解決するように、そういう努力というものはできないものか、これはどうなんですか。

内田富夫外務省中近東アフリカ局外務参事官

○内田説明員 この問題と申しますのは、イラクがクウェートに侵攻いたしまして一方的に併合するという、前例のない国際法違反の行為でございます。これに対処いたしまするには、国家の主権、独立、領土保全の尊重及び国際紛争の平和的解決といった国際社会に広く認められた原則による問題の解決を粘り強く追求することが重要であり、それ以外の道は余りないということでございまして、我が国としてもこれに積極参加していくという方針でございます。こうした動きにつきましては、もちろんイラクと日本の関係というものを考えることも重要でございますけれども、日本だけが突出して何らかの動きをするということにつきましては、先ほど申し上げましたような国際社会との連帯という枠内でのみそういうことが行い得るんじゃないか、なかなか難しいことではないかというふうに認識せざるを得ないわけでございます。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 そこでまた相沢長官にお伺いしますが、そういうような経過を経ながら既に四十日を過ぎてきた。事態はいろいろな面でやはり深刻ですね。けれども方向としては、戦争という武力を使わずに話し合いでいこうという空気も強くなっているわけですが、この見通しというものがはっきりしなければ、国内における石油の価格は安定するのかしないのかという問題は決めにくい。これは世界の経済、日本の経済に大きく影響することでありますから、長官としては現時点で一体どういうような見通しをお持ちになっているか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 なかなか御答弁に難しい御質問でありますが、私も諸般の情勢必ずしも十分に承知いたしておりませんが、ただ、軍事的な手段に よる解決をしないということがアメリカ、イギリスその他関係各国の今の基本的な考え方であります。となりますと、ある程度の期間がかかることも覚悟しなければならないのじゃないかという気もいたします。無論できるだけ早く平和裏にこれが解決することを期待もし希望もしているわけでありますけれども、もし仮に長引くようなことになっても、それに対する構えができているようにということが私どもの立場としてとらなければならないところだというふうに私は考えております。  先ほど答弁申し上げましたように、イラク、クウェートからの石油の輸入量は総体の一二%弱でございますから、百四十二日分の備蓄をもってすれば、仮にこれを食いつぶすといたしましてもかなりの期間もちますし、また御案内のように、サウジその他OPECあるいは非OPECの国におきましても増産の動きがございます。そうしますと、日本の国も省資源の努力を積み重ねるとしますれば、少なくとも供給面においては大きな心配をしないで何とかいけるのではないか、またそうしなければならないと思っております。  価格の面につきましても、これは世界的な相場でありますから日本の国だけでどうこうすることはできませんが、その価格上昇に伴う影響を極力抑えていく。幸いにして第一次、第二次オイルショックほどの響きは数字的に見ましてもないという現状でございますから、何とかひとつこれを、全体の価格その他日本の経済に及ぼす影響を少なくするような努力をしつつ、言うなれば耐えて、そして早く平和的な解決が来るように希望もし期待もしていくということではないかというふうに考えております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 相手のあることですから、一方的に判断をすることは非常に困難だと思いますが、物の考え方の基礎に、武力を使わない、弾を撃たない、そして油をなるべく節約をしながら平和的に問題を処理をしていく、こういう考え方を基礎にしていろいろ進められることを私どもは望みたいと思うのです。そうでないと、毒ガスを使ったり、上から空爆をしたりするということは、これはどんなことをしてもしてはならない。悲惨でありますね。  そこで、石油の需給問題について、先ほど長官も触れましたが、さらに私はそれを質問したいと思うのです。  現在の我が国の石油の消費量というのは二億七千六百万キロリットル、エネルギーの中では、六十三年において五七・九%が石油に依存をしている、こういうふうに言われておりますけれども、その中の七割というものがアラブ地方からの輸入であり、言われるように、イラクとクウェートが一二%という形になっている。そこで、この紛争が長引いた場合においてもこの一二%というものを克服していくためには二つの措置しかないだろう。その一つは、輸入ソースを切りかえていくということができているかいないか。私が前行ったころには、サウジアラビアも増産をしようとか、あるいはインドネシアにも依存をしようとかいう話もあったようですけれども、それはどうなっているのか。もう一つは、かつては民間における省エネルギーをやったけれども、それが進められているのかということでありますが、見渡すところ、企業の方はかなり努力をしているようですが、民間にはそういう厳しさがどうも見られない。この問題についてはどういう形になっているのか、その点をあわせてお伺いをしたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 イラク、クウェートからの原油輸入にかわる原油供給の問題でございますけれども、先ほども申し上げましたように、約一二%という原油輸入の穴が当面あくというような形になるわけでございます。今、先生もお話しございましたように、今後の石油の供給の面では、まずもって新しいソース、代替ソースからの輸入というのが問題になるわけでございますし重要であるわけでございますが、先般、八月の末に行われましたOPECの閣僚監視委員会におきまして、御案内のように増産を実行しようというような共同声明が発表されているわけでございますし、現に、サウジアラビア等は増産の方向に向けて動いているように私ども推測しているわけでございます。  こういう中で、先ほども申し上げましたところでございますけれども、我が国の石油業界、精製会社あるいは元売会社等におきましても、鋭意新しい供給ソースの開拓あるいは既存の供給契約、いわゆるDD契約と言っておりますけれども、これの増量といったような方向でいろいろ努力をいたしているところでございまして、もちろん、これから中東情勢がどうなるかということがあるわけでございますけれども、当面、今後の特段の状況の変化がなければ、必要な原油の手当てにつきましてかなりめどがつきつつあるというのが現状でございます。  ただ、先ほど申し上げましたように、OPECの一部の産油国、増産余力のある産油国、この辺がどのくらい増産していくかというのは必ずしも明快でない面もございますし、それから、世界の需要というのが、これからいわゆる冬場に向けての需要期に入っていくわけでございまして、この辺がどういうレベルで推移していくかといったようなことを考えますと、人によっては、世界の需給というのが年末に向けてタイト化していくのではないかというような一部の声もあるわけでございます。  したがいまして、私ども、いずれにいたしましても状況の推移を見ながら、今申し上げましたように石油業界とも密接な連絡をとりつつ、できるだけ原油の安定供給ソースというものをふやしていくように努力をしてまいりたい、こういうふうに思っているところでございます。

松山孝基資源エネルギー庁長官官房省エネルギー石油代替エネルギー対策課省エネルギー対策室長

○松山説明員 省エネルギーにつきましては、私ども、国民の皆様に今後不要な懸念を生じさせることのないよう十分配慮しながら一層の徹底を図ってまいりたいと思っております。  それで、八月の十三日に省エネルギー・省資源対策推進会議というのが開催されまして、「今後の省エネルギー対策について」ということで具体的な措置についての決定をなされておりまして、この中で、先生御指摘の家庭、事務所それから官公庁、主として官公庁についての省エネ措置をやるということで決定をいたしまして、今のところこの決定につきましての周知徹底を図っておるところでございまして、今後一層の皆様の御理解と御協力を得て推進してまいりたいと思っております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 省エネルギーについては、環境庁は二十八度まではどうしろこうしろというような指導をしているようですが、一般の市民の中にはそういう省エネの空気というのは余り見当たらないわけですね。そういう点で、これから冬に向かっていく中で新たな問題が起こってきそうですから、この点はよほど今の輸入ソースの問題も含めてあわせて考えていかなければ、もし百四十二日分の備蓄を取り崩すようなことになると、それはやはり精神的に与える影響は非常に大きいと思う。そういうことのないように、備蓄は備蓄として確保しながら同時にそういう措置をとっていくことを要望したいと思います。  それから、価格に関連をして御質問しますが、会計原則によって三年間というものは勝手にあれこれできないということもあるわけですが、既に一バレルが十五ドル、それから円ドル関係は百四十二円という形で計算をしたものが、今円ドル関係は円の方が高くなっていますが、石油は二十五ドルから二十六ドルになっている。日銀の総裁は三十ドルまでいっても大丈夫だ、こういうふうに言っているけれども、こういうことになれば当然物価に影響をしてくるわけですから、このいわゆる日本の物価あるいは国際的なものに与える影響というものは一体どういうことになるのか、基本的に円ドル関係と石油の原価との計算の中でその変化が起こってきている、これはどうなりますか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 石油の価格が、スポット物が急激な上昇を見せまして、それが国内の石油製品の 価格に転嫁される、このことが物価面から一番問題であることは私が申し上げるまでもないわけであります。長期契約に係る分も当然にスポット価格に連動して上がる、こういうことになっておりますので、要するにスポット物が上昇する度合いに応じて日本の国に入ってくる原油の価格が上昇をする。しかも石油各社の経理が、これは段階的でございましたけれども数年前から後入れ先出し法に切りかえられている、そういうことでありますので、百四十二日の備蓄、これは国家備蓄を含んでおりますが、その備蓄というものと関係なしに、高い油が入ってきた分だけ石油各社が石油製品を販売するときにこれに転嫁される、こういう仕掛けになっているのですね。  私の方も、この点につきましては、後入れ先出し方法を総平均法と申しますか、在庫を含めた平均価格に会計法上の処理を切りかえられぬかということで検討をしてもらいました。この点は、実は国税の問題でもございますので、国税庁等にも検討をしてもらいましたが、制度きりぎりの議論をすれば全く不可能ではない。無論、在庫評価法を事業会計年度途中において変更するということは望ましくはないが、制度上ぎりぎりの議論をすれば全く不可能ということではない、こういう回答を得たわけでありますけれども、しかし、本来こういう石油の価格というのは、建前としては企業の自主的な判断にゆだねられる問題でもありますし、また、石油各社の中で外資系の三社がその切りかえに応じないという可能性もございますし、また経営上、資金上の問題もありますし、また、先進各国におきましては既に国内製品価格は上昇をいたしております。そういうような状況のもとにおきまして、やはり消費節減の努力を意図的に回避をしようというような批判を浴びるというおそれもございますし、いろんな点からいたしまして、やはりここで無理に在庫評価の方法を変更するということは妥当ではないのではないかという結論に関係省庁として到達をしたのであります。そういうことで、原油価格の上昇が直ちにと申しますか、石油製品の価格にやがて反映をするわけでありますが、私どもといたしましては、便乗値上げにならないように、石油各社におけるコスト節減の努力というものにも限度があると思いますけれども、できるだけ便乗値上げにならないようにということを強く要請をいたしております。閣議でも再度このことを私からも発言しております。  それからもう一つ大事なことは、とかく値上げするときだけは早くて、値下げするというときにはなかなかいろんなことを言ってすぐ行われないというような批判もございます。あるいは当たっている点もあるのではないかと思いますが、そういうことがないように、原油の価格が下がった場合にはやはり直ちにこれに対応して石油製品の価格も下げるようにということを、私からも強く閣議で発言をいたしておりますし、総理からもこのことを重ねて要請をする発言もされているのでありまして、そういう点はこれからも十分に私どもも大きな関心を持って努力をしていきたいというふうに考えています。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 時間も迫っておりますから、私はあと三点について質問をしますが、第一は、石油というものの原価を決めるのは一体どういうところでだれが決めるのかということが一つありますね。消費者というのは、原価はどうなって決まるのかということをまず第一に知りたい。  第二点は、便乗値上げということは一体本来何を便乗値上げというのか、便乗値上げというものの定義を知りたい。  それから三つ目は、これは答弁はちょっとしていただかなくても結構ですが、電力料金というものは、先ほども長官が言ったように非常に油を使うわけですけれども、値が下がったときにも余り市民にサービスをしないけれども、上がったときには直ちにこれを上げるという、電力料金というものもけしからぬと思っているのですね。それはけしからぬということを申し上げて、前の二点だけお答えをいただきたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 第一点の石油製品の原価でございますが、これは当然プライスメカニズムの中でということでございますが、石油会社が原料である原油あるいは輸入石油製品という形で購入する場合もございますが、原油あるいは輸入石油製品を購入し、かつまたこれを精製という過程を経て実際の製品になっていくわけでございまして、したがって、それに必要な諸コストは石油会社でのかかった経費から判断されるものと承知いたしております。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 何をもって便乗値上げとするかという御質問でありますが、なかなか定義の難しい点もあります。  ただ問題は、今は原油価格の上昇に伴う便乗値上げをしないようにということがその考え方の趣旨でございますから、原油が例えば一バレル当たり十ドル上がった場合に、通常の計算によれば、仮にガソリン一リッター当たり十円上がるというような計算が出るとしますね。ですから、そういうようなめどというものは私はつくと思うのです。ですからそれ以上に上がれば、それは人件費が上がったとか物流コストがかさんだとか、いろいろなことがその価格には関連してまいりますけれども、そういうような点を当然考えなければなりませんけれども、それ以上に上がれば、やはりそれは便乗値上げのおそれがあるということでもって我々も調査をする、あるいはそれがまた申し合わせによって行われているようなおそれがあれば、当然に公取にも監視してもらう、このように考えています。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 字引によると、便乗というのは、他人の便を利用して相乗りをすること、これが一つ。それから転じて、機会を得て、そしてうまいことをする。これが便乗値上げという、これは字引の定義でございますから。今まで便乗値上げがしばしばありましたね。  そこで、時間もありませんが、通達を出されましたね。九月の七日に出したわけですけれども、あれやこれや閣議で議論があって、やや二日、三日おくれたようですが、この間に既に各地のスタンドでは、元売から油が来なくて、買いに行った者に対して品がないと言ってお断りをしているところがある。全国に五万八千のスタンドがありますけれども、その中で、特に群馬県であるとか、長野県であるとか、それから東北、北海道の方は、これから寒くなるから暖房用の油を契約しようとして生協が契約に行ってもなかなかこれがうまくいかない。  このように既に末端では、通達の趣旨とやや違った傾向の現象があらわれている。九月の七日以降の大きな新聞の社会欄には必ず、便乗値上げあるいは石油の云々という形でかなり厳しい状況があります。こうなってくると、先ほど経済企画庁長官が言われたように、四千二百名のモニターによって、監視員によっていろいろやるというけれども、それだけではなかなか進まない。それでやはり、第一次のときに石油業界というのは、既に独禁法に触れる談合をして大分しかられた。悪い業界なんだな、この石油業界というのはよろしくない。前科者なんだ、これは。そういう前科者であるだけにこれは厳しくしなくてはいけない。  私はやはりここで、本当ならばこの石油便乗値上げに対する決議をしてもらいたいのだが、なかなか難しい。まだ難しいから、委員長、石油業界、スタンド、それから消費者、それぞれの現地調査をして、そして本当に国会が、この事態に相乗りをしないように、便乗をしないように、通達は出したけれども、それが末端に浸透しないうちに値が上がってしまってそして大騒ぎにならないようにするために万全の処置をとってもらいたい、こう思いますが、その点についてそれぞれの立場の方から御答弁をいただきたいと思うのです。

岡本巖資源エネルギー庁石油部流通課長

○岡本説明員 お答え申し上げます。  第一の通達、七日に発出いたしましたが、その前後における末端の価格の動きでございますが、私ども、八月の二十七日から外郭団体、石油情報センターというところで、従前月一度の調査をやっておりましたものを一週間に一度に調査頻度を高めてやってまいりましたが、これまでの調査で見ます限り、全国五百余のサンプルについてやっ ているわけですが、ほとんど動きがないという形でこれまで推移しております。ちなみに諸外国ではもう一月以上前から、十円あるいはそれ以上もの幅で末端の価格が上がっているというような状況と比較しました場合に、あながちこれまでの動きというのはおっしゃるような便乗値上げ云々ということには当たらないのではないだろうかというふうに考えております。  第二に、先生御指摘の売り惜しみ云々の件でございます。私どもも新聞の記事その他は毎日注意をしてフォローいたしておりますが、八月のイラクの事件が起きましてから、やはり先々についての不安というようなこともあったりしまして、特に大口の需要家の方々とか大手のディーラーの方々とか、タンクを持っていてどんと多目にあらかじめ買いだめておくような能力をお持ちの方々を中心にして相当買い注文が殺到いたしました。元売会社の方の出荷量が急増したという時期がございました。石油会社はどこもそうでございますが、月々の出荷の計画を立てて、それに見合って生産なり輸入なりというものをやってきておりますが、一部の方々から大変大きな注文が出てきた場合に、それにすべて応ずるという形をやっていたのでは、先々零細な特約店なりあるいはそういうタンクその他をお持ちでない零細な消費者の方々に対する製品の供給に支障を来すというようなことも考えられますものですから、前年のそれぞれの特約店なり販売店に対する出荷の実績というのをにらみながら、実需としてこれだけお出しすれば間に合うというものを見当をつけながら生産なり出荷をやっているという状況があるやに聞いております。  そういう中で、例えば昨年、石油の場合には特定の系列の元売会社から仕入れるという形をおやりのお店が多うございますが、そういう実績がふらふらしていたり少ないというような方々を中心に、若干末端ではお困りの方々のお声はよく聞きます。そういうケースにつきましては、私ども石油部にお申し出いただければ、実需に向かっては一切御迷惑をかけないように、特に消費者の方々に御迷惑をかけることのないように個別に元売会社なり特約店なりを指導いたしまして、実需に向けてちゃんと製品が出回るように私どもとして指導いたしているところでございます。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 物の価格が上がるということがほぼ確実なことになりますと、当然買う方は早く買っていこう、売る方はひとつ抑えて値が上がるまで待とうということになるのは、これはある意味ではやむを得ない点もあると思うのですが、ただ今の話を聞いていますと、いかにも需要者の方だけが問題があるような答弁に聞こえまして、私はそれはちょっと適当じゃないような気がするのです。売り惜しみということも実はあるんじゃないかという気がしますが、いずれにいたしましても、その点につきましては四千二百の物価モニターから、価格だけじゃありません、そういうような状態についても報告が上がってまいります。それをよく見まして、またそういう事実があるならば、その関係の方面に対して、無論通産省にもお願いして、今後のこともありますからよく注意もし、また指導もしてもらうように努めたいと思います。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 委員長に対する御提言につきましては、後刻理事会で相談をいたします。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)委員 時間が来たけれども、委員長に対しては、臨時国会がなかなか開かれないような状況のもとでは、この問題は重要だから、やはり理事会に諮って、また次にも適当なときに委員会を開く、そしてその間に現地に調査に行くという二つのことを提案をして、私の質問を終わります。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 理事会にお諮りをいたして対応いたします。  それでは次に、小川信君。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)委員 それでは、具体的なことについて幾つかお伺いをしたいと思います。  原油価格の値上がりというのが、八月二日のイラクのクウェート侵攻以来、現実の問題として起こってきておりますし、また多くの国民は、原油価格の大幅な値上がりによって今後自分たちが使う具体的な油の値段がどうなるだろう、そういうことについて非常に心配をすると同時に、いつごろどのぐらいの値段になるのだろうかというようなことを思っておることは、これは御存じのように事実だろうと思います。  言うなれば、国民の生活に重大な影響を及ぼす原油価格の値上がりによる石油製品の値上がり、これについて通産大臣は九月三日、コスト上昇分の値上がりは仕方がないという、容認をする御発言をされると同時に、七日に対応策について御意見、考え方を出されたわけでございますけれども、コスト上昇分が全面的に末端価格に転嫁されるということはない、こういうふうに思います。それぞれの元売企業の企業努力によってコスト上昇を吸収する、また流通段階での吸収がある、言うなれば三方一両損のような形で末端実需者に負担をしてほしいという形で出されると思いますけれども、既に巷間では今週か来週には値上げが発表されるのではないかというようなことが言われておりますけれども、元売各社の油種別の値上げ幅なり、そして値上げの時期というのはいつなのか。例えば私鉄運賃の値上げなら、何月何日からこれだけ値上げをしますということを発表します。その前に定期券を買いましょうかとか、その前に旅行しましょうかというようなことがあるわけでございますけれども、そういうふうなものとは性格が違うかもわからぬけれども、突如として各社一斉に同一料金で値上げがされるということはあり得ないというふうには思いますが、今の問題について通産省が把握されております現状について御発表いただければ、こういうように思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 石油製品の価格引き上げについての動きについての御質問でございますが、先ほど来申し上げておりますように、八月二日以降非常に原油価格あるいはこれに伴いまして輸入石油製品の価格というのが大幅に上昇しているわけでございます。  そういうことから、先ほど御説明申し上げましたように、私どもとしては基本的にこの石油製品の価格というのは、今先生も私鉄運賃等とは違う、いわゆる認可料金、政府が規制している料金とは違うわけでございまして、基本的には市場で決められる価格でございます。  ただ、先ほども申し上げましたように、国民生活あるいは国民経済に対する影響も大きいことから便乗値上げは慎んでもらいたい、そのために輸入原油価格あるいは輸入石油製品の価格が現実に石油会社のコストとしてどれぐらい上昇幅をもたらしているのかというチェックは私どもとしてやっていきたい、こういうことを通達いたしたわけでございます。  そういう中で、具体的にこの石油各社がどういうふうな油種につき、またどういう値上げをするか、あるいはいつするかということにつきましては、石油企業の自主的な決定にゆだねられるべき問題と考えておりまして、現在、私どもも具体的な時期とか幅とか、あるいは油種ごとの値段等については掌握いたしておりません。     〔委員長退席、竹内(猛)委員長代理着席〕

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)委員 ただいま御答弁がございましたけれども、巷間では連休明けには値上がりがあるのではないかというようなことが言われております。そうしますと、一週間もない時点でございますし、石油各社が通産省に何ら連絡もせずに、それから値上げの内容のチェックも受けずに独自の判断である日突然値上げをされるということはないというふうに思いますし、それからある日突然消費者が店頭に行ったら値が上がったというようなこともあるということはないだろう。また各社が、いろいろ経営内容の違う、それから後入れ先出し法であれば荷を受けたときの違いもあるでしょうが、そういうふうな違いがなしにある日突然同一の金額で値上げが同一油種にされるということは理論上あり得ないはず。もしそれがあるとすれば協調値上げといいますか便乗値上げ、そうい うふうなことがあり得るのではなかろうかというふうに思っております。この辺については通産省、厳重に元売各社の引き上げについてはチェックをしていただきたいということを強く求めておきたいと思います。  それから、経済企画庁、先ほど長官は極力引き上げを抑えるよう努める、努力するということを再三にわたってお話がございました。今まで物価の主管官庁としていろいろ御努力をされておられることと思いますし、閣議で通産大臣と企画庁長官が相当議論されたというのも新聞等で見ておるわけでございますけれども、この便乗値上げの防止等もございますが、極力抑えていくという具体的な方策、何かお持ちであれば示していただければ、こういうふうに思います。

田中努経済企画庁物価局長

○田中(努)説明員 既に大臣からも答弁の中で再三触れられた部分もございますけれども、経済企画庁といたしましては去る八月の十四日に十項目から成ります石油関連製品の便乗値上げ防止等のための当面の対応策というものを決定をいたしまして、石油関連製品の価格の推移につきまして調査・監視体制をしく、またさらにその後その体制を強化するというようなことを決めまして、現在逐次実施に移しているところでございます。  その具体的な中身といたしましては、物価モニターによります灯油、LPG、ガソリン、この実際のガソリンスタンド等におきます販売価格の調査、これを去る七日、八日、九日の三日間において実施をいたしまして、ただいまその報告を徴集中でございますけれども、これに加えまして、その後当分の間、二週間おきにこの調査を繰り返しまして、価格の動向につきまして追跡をしてまいりたいというふうな措置も決めているところでございます。  また、そういった調査に加えまして、この十の対策の中には、物価モニターの研修懇談会というふうな場を通じまして、石油価格の動向あるいはそれの物価に対する影響等につきまして、現在わかる限りでの正確な情報を御提供する、そういうふうな試みも盛り込んでいるところでございまして、この点につきましては現在そういった研修懇談会を逐次実施をしているところでございます。  それから、物価安定政策会議の政策部会を八月の二十八日に急遽開催をいたしまして、そこで加工食品の値段の問題とそれから石油製品の価格の問題を取り上げまして、いろいろ委員の方々から御議論をいただきまして、隅谷政策部会長の談話を発表していただきまして、その中でいわゆる便乗値上げにつきまして警告を発していただいたというふうなこともしたわけでございます。  また、九月四日の閣議、それから九月七日の閣議におきましては、経済企画庁長官から便乗値上げについての所管関係各省庁の厳重な監視についてお願いをする、あるいは独禁法の厳正な運用につきまして関係機関にお願いをするというふうな発言も行っていただいておりまして、経済企画庁だけでやれることは限られておりますけれども、その範囲におきましてできる限りの努力をしているつもりでございますし、関係の省庁にもお願いをしているところでございます。     〔竹内(猛)委員長代理退席、委員長着席〕

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)委員 今いろいろと具体的な対策についてお話がございましたが、何せ石油は、元売は非常に寡占的な体制にあるということと、それからガソリン、灯油、LPG等々、末端販売はいわゆる業者団体といいましょうか石商等々の非常に強い統制力というか規制力というか、そういうふうな力の強いところでございますので、十分な指導を経済企画庁として対応していただくように強く要望しておきたいというふうに思っております。  次に、原油の上昇によって石油製品が上がってくる、これは現実コストが、輸入価格は上がるということである程度は容認せざるを得ないと思いますけれども、この石油製品の値上がりによっての国内価格、いろいろなものがございますが、それの価格変化率で高いものというのはどういうふうなものがあるのか、わかれば教えていただければというふうに思います。

田中努経済企画庁物価局長

○田中(努)説明員 現在、石油製品はまだ今のところはイラクの侵攻によって上がっているというふうな状態には至っておらないわけでございまして、ガソリン、灯油、プロパンガス、こういった直接的な影響を受ける物資につきまして、八月の東京の消費者物価指数の動きを見ましても、まだほぼ横ばいの状態、前年と対比をいたしましてもガソリンの場合は八月で〇・二%の増加、こういうふうなことになっているわけでございますけれども、こうした原油価格の影響がガソリン、灯油、プロパンガス等に直接及ぶというふうな影響のルート以外に、それらが回り回りまして、いろいろ生産要素としてそれが使われる産業において値上がりをもたらす、あるいは最近では原油という形ではなくて石油製品という形で入ってくる分がかなりふえておりまして、それらの産業のコストに悪影響を及ぼしてくる、あるいは消費者の個人消費に直接影響を及ぼすさまざまなルートがあるわけでございますが、こうした動きが広がってまいりますと、例えばナフサを原料として生産活動を行っている合成繊維でございますとか、あるいは化学品の製造業でございますとか、こういったところにかなり大きな影響が及んでくるのではないか、それで回り回って消費者物価の上昇につながってくる、こういうふうに考えられるのではないかと思います。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 若干補足いたしますと、石油製品は当然値上がりいたしますが、それとの関連で、繊維等の石油関連の製品の値上がりを今物価局長申しましたが、そのほかにも例えば鉄鋼、それから電力とかガスとか、そういうところも当然値上がりが続くと大きな影響があるわけであります。現に、第一次のオイルショックのときには電力料金の値上げというのが特に大きな問題になりましたことを思い起こすのでありますが、この電力やガス等が上がりますと、あるいは鉄鋼もそうでありますけれども、これまた各方面の価格に影響を及ぼすおそれがあると思います。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)委員 今お話がございましたようですけれども、いわゆる化学肥料とか合成樹脂とかいうようなもの、これは電力よりも変化率が非常に高いようなものだというふうに思っております。  ここで、具体的なことでございますけれども、石油製品の中で農林漁業部門に大きな影響を及ぼすものが重油でございます。農業のシェアの中では、A重油では全体の七・八%が農業にウエートがかかっておりますし、漁業関係は一五%というふうに、いわゆる農業、漁業で二三%、A重油の使用量の二三%というのが農業、漁業だというような状況でございます。  漁業は、これは燃油という漁船の油でございますけれども、農業関係では加温用の、温度を上げるための燃料にA重油が多く使われておるわけでございますが、私が聞くところによりますと、A重油の供給は大丈夫だろうかという声を関係する農家から聞くわけでございます。例えばハウスミカン、今盛んに進められておりますが、これは来年の四月からのオレンジの自由化に備えて高品質のハウスミカンをということで、全国的にも増反の傾向にございます。来年、平均で約五%、多いところで二〇%ぐらい増反がされるのじゃなかろうかということですけれども、こういうふうになってきますと、対前年、去年はこれだけだったからことしもこれでいいかというと必ずしもそうでないだろうと思いますし、特に去年は非常に暖冬だった。去年が暖冬だからことしの冬も暖かいということは必ずしも言えないということですし、また転作等々で、いわゆる積寒地域においても温度を加えたハウスの果菜類の生産が相当盛んに行われておる。こういうふうなことを考えてみますと、この農業用のA重油の確保、対前年でことしはこれだけということではなくて、平年気温を前提にして供給計画というのを考えなければならないというふうに思っております。  そういうような面から、営農用のA重油というものは不足するのではないかという農家の心配がございますが、この辺について、これは農水省に なるかと思いますけれども、政府の供給計画、通産省になるか、その辺はわかりませんが、供給計画の中では万全が期せられているのかどうか、その辺を確認させていただきたいと思います。

田中正躬資源エネルギー庁石油部精製課長

○田中(正)説明員 先生御指摘のとおり、A重油は農業それから漁業の分野において非常に多く使われておりまして、全体の二三%の消費量というのは御指摘のとおりでございます。このA重油の確保につきましては、供給計画というものをつくりまして、上期と下期に分けてそれにマッチするような格好で石油製品というのは供給することになっておるわけでございます。これは農林漁業用だけじゃなくて、産業用でありますとか一般に使われるA重油、そういったものすべて多くのファクターを考慮して供給計画というのはできておりまして、御指摘の昨年は暖冬だったということもございますけれども、これはそういう特殊な時期を考慮するだけじゃなくて、長いトレンドを見ながらどれだけの供給量が必要かということを考えて供給計画をつくっているということでございます。  今現在A重油は、在庫を見てみますと八月の終わりで二百三十万キロ強、これは現在我々石油精製会社から話を聞いてつかんだ数字でございますけれども、この八月末の二百三十万キロリッターという数字は例年に比べて二十八万キロ程度多い数字になっておりまして、そういう意味で、当面農林漁業用を含めてA重油全体の供給ということに関しては問題はないと我々考えております。  ただ、今後冬場に向けて石油製品の本格的な需要期に向かうということでございまして、できるだけ石油製品の積み増しをしておくということが非常に大事でございまして、八月十六日に、我々通産省の方から各石油精製会社に、三百六十万キロの石油の増処理をして石油製品の確保でできるだけ持っておくという要請をしておりまして、冬場に備える対策をやってきたところでございます。  いずれにいたしましても、今後、本格的な需要期に向けてA重油を初め石油製品の安定供給に全力を挙げたいと思っております。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)委員 ひとつ量の確保については、これは約九〇%、全農等も参加しておるようでございますので御一緒になって確保をよろしく、全力を挙げていただきたいと思います。  A重油の供給価格でございますけれども、一応今言われておるところを見ますと、現在の値上がりの状況から見ると一キロリットル当たり一万円、一リットルにして十円、ガソリンと同じぐらいの値上げがされるのではないかというようなことが言われております。これは農業用の立場からいえば非常にコストがハイコストというふうになってくるわけでございますが、これについても先ほどございましたガソリン、灯油、LPG等と同じように、それぞれの元売各社の企業努力によってコストを極力吸収し値上げ幅を最小限に抑えるよう通産省の御努力を強く求めてまいりたいと思いますと同時に、農水省は営農用の重油の需要量というものをもっともっと早く把握していただいて、今から必要量の完全確保ということについて御尽力をいただくと同時に、第一次石油ショックのときに一つの大きな確認が石油需給適正化法のところで行われていることは御存じかと思いますが、食糧の安定確保のために農業分野については石油の優先配分を行うんだということがされておるわけでございます。このことについて、これは長官からになるかと思いますが、通産省かわかりませんが、この第一次石油ショックのときにおける石油需給適正化法のときに確認された考え方を再確認をしていただきたいということをひとつ求めたいと思うわけでございます。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 まず、後段でお話がございました量の確保の問題でございますけれども、先ほど来御説明申し上げておりますように、私ども、もちろんどの分野に限らず量の安定というのは一番重要なことだと思っておりまして、物不足が生じないようにというのはあらゆる分野で重要なことだと思っております。したがいまして、現在のところまだそういう石油需給適正化法を適用するような段階には全然至っておりませんけれども、私どもといたしましてはとにかく物不足を生じないようにということで、先ほど来御説明申し上げましたように石油業界とも連絡をとりながら新しい原油のソースの確保というところに全力を挙げているつもりでございまして、そういう方向で今後とも精いっぱい努力をいたしたいと考えているところでございます。  また、値段の問題につきましては先ほど御説明申し上げたとおりでございまして、コスト変動の範囲内で石油各社において決められる問題と承知いたしております。ただ、基本的な姿勢といたしまして、先生おっしゃいましたように、私ども先ほどの御説明いたしました通達の中で、企業努力で極力それを吸収すること、そして便乗値上げがないようにすること、これは石油業界に強く申し上げている点でございまして、したがって、そういう方向で対応がなされることを期待しているところでございます。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)委員 石油需給適正化法の、第一次石油ショックのときの食糧確保のための優先配分についてお尋ね申し上げましたが、御返事がございませんでしたが、この点については再度御確認をいただきたいと思います。  次に、余り時間もございませんので、第二次製品の問題について考え方を聞きたいと思いますが、ナフサの価格は既にこの中東紛争以前から大幅に上がっておる傾向がございますし、現在も相当価格が上がっておりますが、これが二次製品の価格に今後大きく影響してくるだろう。特に農業用のビニールフィルムとかポリエチレンフィルム等々は先ほどの物価変化率の高いものでございますけれども、こういうふうなものに影響してくることが今後必至だろう、こういうふうに思っております。こういうふうなのは、大メーカーもございますし中小のメーカーもあるということで、非常にメーカーの差がありますけれども、価格の上昇を極力抑える、便乗値上げを防止するために、農業用のこういうふうな被覆資材に対する農水省の具体的な対策を示していただきたいということでございます。この辺をひとつ端的に、時間もございませんので、お願いを申し上げたいと思います。

高梨文孝農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○高梨説明員 御指摘の農業用ビニールあるいはポリエチレンフィルム、そういうようなものにつきましての御指摘でございますけれども、こういうものにつきましては、近年の動向を見ますと、低下ないしは安定的に価格がきたわけでございまして、例えば具体的に申し上げますれば、六十年に比べればそれぞれ現在、平成元年度の水準で言えば、九五%それから九二%、さらに本年の四月―七月のところを見ますと、さらにそれより〇・二、〇・八%低下している、こういう状況にあるわけでございます。  それで、そういうわけでございますけれども、このビニールあるいはポリエチレンを含めました農業用資材につきましては、農業団体とメーカーの間でもってある年度を限って価格交渉で決められておる、こういうことでございます。ビニールフィルムにつきましては、平成二年の四月から三年の三月までの価格が決められておる。それから、ポリエチレンにつきましては、平成二年の六月から三年の五月までが決められておるということでございまして、この価格が当面、現在の価格として推移するわけでございますので、この変更は当面ないということに思っておるわけでございます。  ただ、先ほど来ございましたように、いろいろ石油製品のコストアップというのはこういう生産資材のコストアップ要因となるというようなことでございますので、私ども、農業団体あるいは生産メーカーと情報の交換を密にいたしまして、的確な価格形成による安定的な供給が図られるように努め指導していきたい、こういうふうに思っている次第でございます。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)委員 今の問題については、来年の需要期の価格の問題になってくるわけでございます ので、どうぞひとつよろしく具体的な対策を講じていただくようお願いを申し上げたいと思います。  要は、農産物価格というのは、コストの上昇がそのまま転嫁できないという典型的な商品であるだけに、石油製品とか二次製品の値上がりというのが直接農業の経営に大きく影響する。それはひいては食糧としての農産物の安定的な供給を不可能にする。そしてまた、農業の経営の継続を困難にならしめるというようなことであるわけでございますし、国民の食生活の安定のためにも、また農業経営の安定のためにも、政府の総合的な御努力をいただきたいということと同時に、先ほど申し上げた第一次石油ショックのときに確認されました、食糧生産に対しては優先的に配分するということについて、再度この問題についてこの際も明らかにしていただきたいというふうに思って質問を終わります。  以上でございます。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 次に、小森龍邦君。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森委員 まず、今回のイラクのクウェート侵攻に基づきまして石油事情が非常に混乱をし、我が国の物価に大きな影響をもたらすのではないか、こういう危惧を持っておりますので、その辺のところからお尋ねをしてみたいと思います。  石油の、つまり原油の一バレル当たり単価が一ドル上昇を仮にいたしたとしまして、あれこれ研究者、学者などが言っておるところを読んだりあるいは聞かせたりしていただいて、例えばこの間、週刊ポストに出ておりましたけれども、一ドルのアップで日石のグループ、日本石油のグループはコスト高四百億円、東京ガスは年間四十億のコスト増になるというようなことが分析をされておりました。この際お尋ねをしてみたいと思いますが、会社名を一々言うということはとても無理でありますけれども、どのような業種が一番敏感にこの原油単価の上昇によって大きい影響を受けるか、この辺をお答えいただきたいと思います。

末木凰太郎経済企画庁調整局長

○末木説明員 ただいま先生も一、二の例をお挙げになりましたが、俗な言い方でございますけれども、石油を原料あるいは燃料としてたくさん使うところ、石油依存度の高い産業、企業が第一義的にそれだけ大きな影響を受けることは当然でございます。しかし、経済は生き物でございますから、そういう数字だけではなくて、それ以外のいろいろもろもろの要素ももちろん入ってくるかと思います。  そこで、現実のケースといたしまして、原油価格の変動によりまして、これまで過去の経験に照らしてどういうところが大きな影響を、つまりダメージを受けたかということを見てみますと、第二次石油危機のときでございますが、五十四年から五十五年にかけての推移でございます。このときの状況を振り返ってみますと、やはりいわゆるエネルギー多消費型と言われます鉄鋼、金属、化学、紙・パルプ等の、それから石油精製は当然でございます、総じて言えば素材型の製造業が大きな影響を受けて、その生産も停滞し、その多くが翌年マイナス成長を遂げたという経過がございます。これに対しましていわゆる加工型と呼ばれる機械、広い意味の機械産業でございます、これは押しなべて影響軽微といいますか、もちろん影響がなかったわけではございませんけれども、決してマイナスに落ち込むということはなく、比較的軽微な影響だったというのが前回の例でございまして、産業別にかなりの差があったわけでございます。  さて、今回はどうなるかということでございますけれども、先ほど来いろいろ御議論ございましたように、まだ先の見通しは大変不透明でございます。しかし、現状で判断いたしますと、今日までのところは原油価格の上昇の度合いも過去に比べまして比較的小そうございますし、それからそれぞれの産業、これは産業ごとに同一ではございませんけれども、石油の消費原単位はいずれも過去の石油危機のときに比べて大幅に低下してきております。さらにまた現在、この中東の事件が発生しました時点におきまして、概して産業全般の業況が旺盛な内需を背景として好調に推移している、そういう時期に当たりましたものでございますから、今回の原油価格上昇による産業への影響は、過去に比較すれば軽微にとどまる条件があると思われます。  産業界のいろいろな情報を集めてみましても、当面のところ影響はそう大きくはないというふうに見ているところが比較的多いようでございます。もちろん素材型産業の中には、このような高価格が今後さらに長期に続くという場合については心配であるという懸念を持っておるところもあることも事実でございます。したがいまして、まだ一月ちょっとの経過でございますけれども、今後各産業別の動向というのを十分注視してまいりたいと思っております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森委員 今回のこの問題の影響というものが余り大したことにならないだろうというような意味の答弁は、既にきょうのこの特別委員会の各質問なさった議員先生方に対する答弁として、私、じっと聞かせてもらっておりました。  しかしながら、一体政府はどの程度で原油の価格がとどまると思っているのか、このことと深く関係をすると思います。現状でとどまれば何とか乗り越えられる、あるいは現状をやや上回る程度ならば何とか乗り越えられるというのは、大きなしっかりした体質を持っている企業はそういうことだと思いますけれども、これがどんどん上がっていく、今日の状況が長引くということになりますとそうはいかないと思うのでありますが、政府とすれば、国際情勢の変化との関係において、どの程度でおさまるとやや安心感を持って見通しを立てておられるか、この辺をお尋ねしたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 石油、原油価格の先行き見通しについての御質問でございますが、率直に申し上げましてなかなかお答えするのが難しい質問でございます。  御案内のように、この八月二日以降、原油価格は大幅に上昇してきているわけでございますし、また、その後のこの一カ月余りの状況を見ましても、かなり乱高下をしているのが実情でございます。要は、恐らく需給関係と同時に、中東をめぐります政治的、軍事的緊張の持続を背景といたしまして、いろいろな要因で市況が動いている。先ほども申し上げましたように、かつては原油の価格というのは産油国が決めるというような形態をとっていたわけでございますけれども、八八年以降は特に市況連動という形で動いているわけでございます。そういうことから、そういったかなりの心理的あるいは投機的要因も含まれておりますので、なかなか具体的な価格がどういうふうになるかというのを申し上げるのは困難な問題でございます。  したがいまして、私どもといたしまして先ほど来申し上げておりますことは、現在の状況であればという前提つきで、できるだけの量的な安定確保に努力していくということでございまして、原油価格の動向につきましては、国際市場での動向を注視しながらいかざるを得ない、こういうふうに考えております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森委員 そうなりますと、やはり先ほど来いろいろと説明をなさっておることについては、厳格な意味の条件、つまり、現状においてはさほど大きい影響はない、こういうことに再確認してもらわないと、何だか国会で物価対策特別委員会を開いたが、さほど大きな問題ではないというようなことだけがマスコミ等を通じまして国民の耳に入りますと、例えば省エネ一つをとりましても、これは全国民が協力をしなければならないことなのでありますから、ひとつ少し緊張感のあるところで答弁をしていただきたい、こう思います。  そこで、少し角度を変えますが、ある程度原油価格が上がりましても、それを物価の上昇に向かう方向にならないように、いろいろ実際に物を生産する場合のそれぞれの過程において、それを吸収するというような努力をしなければならぬわけでございますが、先ほどのお話を聞いておりまして、鉄とか金属とか化学、紙・パルプ、石油精製事業などが、つまり素材型が随分影響が大きく て、そして加工型はさほどでない、これはごく常識的に考えてそういうことが言えるわけであります。  しかし、その加工型ということの中に私が提起をいたしたいのは、我が国産業の仕組みというものが、この前もいつか相沢長官に私の方から見解を申し上げておきましたが、日米の構造協議の中でも何が問題になるかといったら、日本のこの生産過程というものが、大きな企業がありまして、それがいろいろ枝を張って第一次、第二次、第三次協力会社、これは下請、孫請、ひ孫請と言っておりますけれども、実はそれに転嫁をされますね。だから、できたところの製品、特に国際競争場裏においてはなるほど余り前と変わらないような状況だけれども、実際は下に下にしわ寄せをされるというところに今日の中小企業の持っている非常に難しい問題があるわけです。  そういったことに対して、万一大変な混乱が生まれてきたときに、それは国際情勢の変化あるいは日本政府のイラクに対する政策いかんによってはそういうふうになると私どもは心配しておるのでありますが、そういう加工型、要するに協力工場と言われておる下請の関係というようなものにどういう影響を与えるかということについて、今日政策的にどういう配慮をなさろうとしておるか、この点をお尋ねしたいと思います。

高橋はるみ中小企業庁長官官房調査課長

○高橋説明員 お答えをいたします。  現在のところ、イラク・クウェートの紛争によります影響につきましては、中小企業に対しましても必ずしも著しい影響が生じているとは私ども中小企業庁としても承知していないところでございます。しかしながら、紛争が長期化いたしまして、イラク、クウェートからの石油輸入の停止であるとか両国への輸出禁止等の措置、こういったものが長期化いたしますと、中小企業を初めといたしまして、我が国経済に大きな影響が生ずる懸念があるというふうにも考えておるところでございます。中小企業庁といたしましては、影響を受ける中小企業者が出てくる場合に迅速に対応するために、輸出禁止措置の決定にあわせまして、中小企業者に対する金融の円滑化措置を講じたところでございます。  また、先生御指摘の下請につきましては、下請取引の適正化について、下請代金支払遅延等防止法に基づきまして、私ども中小企業庁が公正取引委員会と協力いたしまして所要の指導を行っているところでございます。今後とも原油価格の急騰が生じた場合には、それに伴って下請企業に対して親企業からしわ寄せが生じないように、同法の一層の厳正な運用に努めてまいる等、親企業の監視、指導に私どもも努力してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森委員 例えば金融に対する政策とかあるいは支払いを円滑にやれというような指導とか、それも当然のことなんですけれども、私は一番問題にするのは、今のことを軽視しているということではない、非常に大事なことなんですけれども、もう一つつけ加えなければならぬことは、単価を切り下げてくるんです。大企業が中小零細企業に単価を切り下げてくるということが一番しんどい問題だと私は思うのです。  以前、ドルが二百六十円ぐらいしておるときと、それがだんだんドルが安くなって百六十円とか百五十円とかになったときに、例えば自動車産業に例をとってみまして、二百六十円で輸出代金を決済してもらっておったときと百五十円で決済してもらったときと、親会社の収益は余り変わらない。むしろうまく上手にやって、利益が余計上がっておるというような事実があるわけであります。  どうやったのですかと私聞いたのです。そうしたら、それは協力してもろうたのです。だれに協力してもろうたのかい、アメリカに協力してもろうたのかいと言ったら、いや、そうじゃなくて、やはり協力会社に協力してもろうたんだ。ということは単価の切り下げなんですね。そういうことになると、下請企業といいましても、ある程度の基盤を持っておるところは、一時期苦しい時期を何とか乗り越えるということになりますけれども、本当に零細な旋盤一つ、ボール盤一つで親子兄弟でやるようなところは非常に苦しいことになりますから、そういう点についてはいかがでしょうか。

高橋はるみ中小企業庁長官官房調査課長

○高橋説明員 お答えいたします。  先ほど申しましたとおり、下請につきましては、下請代金支払遅延等防止法に基づいて日々行政の立場から指導しておるところでございますので、さらに一層厳正な指導を今後とも気をつけてまいりたいというふうに考える次第でございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森委員 単価問題のことを私は言っているので、法律的に単価を下げてはいかぬということもなかなか難しいと思いますけれども、もう少し踏み込んだ、大企業に対する節度ある、今日の苦境をひとつお互いに分担しようじゃないかというぐらいの指導をしていただいて、中小企業に大きな被害がないように、ここらが被害を受けたら、これは倒産して自殺するかということになるわけですから。今のところせっかく倒産の件数は少ないという状況が続いておるのですが、ある学者の言うところを聞いてみますと、これは下手すると、このままいきよると、今はよいけれども、倒産件数は三倍、四倍になるのではないか、石油の事情によったらそうなるのではないかと言っておる学者もおりますので、ぜひその辺については努力をしていただきたい、かように思います。  そこで、そのこととさらに関係をするわけでありますが、御承知のとおり、この零細な企業というのは、同和対策審議会答申の中に書いてありますように、徳川封建幕府以来歴史的、社会的な事由で差別を受けておる者がやっと立ち上がって、零細企業にしがみついて、努力をして、骨身を削って何とかやっておるのでありますが、俗に言われる中小企業の中のもう一つ底辺を支える零細企業のところに被差別部落の企業者が多いわけですね。そこらに対してどんな考え方を持っておられるか、あるいは実情についてもどういうふうな考え方を持っておられるかということをお尋ねしてみたいと思います。

小川洋中小企業庁計画部振興課長

○小川説明員 今委員御指摘にありましたが、同和地区の産業は、同和対策審議会答申にもありますように、非常に我が国の産業経済の底辺を形成していると指摘されているところでございます。我々承知しております。実際にも小規模、零細で、なかなか御苦労が多い産業群でございます。そのため、私どもといたしましては、これまでも経営改善、技術開発、そういったものを通じまして、これらの企業の近代化、合理化ないしは大企業との格差是正に努めてまいってきたところでございます。  先ほど高橋課長から申し上げましたように、今後イラク・クウェート紛争の事態の推移いかんによりましては、同和地区の産業は、今申し上げましたように小規模、零細という実態にもございますので、影響が出てくることも考えられるわけでございます。したがいまして、今後とも事態の推移とこれらの零細企業者の事業活動に対します影響を注視いたしまして、必要に応じまして適時適切な対応を考えていきたいと思っております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森委員 気持ちの上ではまことに親切な答弁をいただきました。しかし、気持ちだけでも大事にしなければいかぬと私は思いますので、ぜひその方向をひとつ深めていただきたいと思います。  ただ問題は、この同和問題に対する主管省庁、総務庁とかあるいは人権問題でいうと法務省でありますけれども、まことに最近冷淡であります。私は、政府、各省庁を一わたり私なりに見させてもらったところ、事業省庁は比較的熱心であります。しかし、それを総括するところの省庁がへ理屈をつけて文句を言っておる。恐らくこれは総務庁に答弁をさせたら、今あなたが答弁をされたこととは大分、五割引きぐらいの答弁をするだろうと思うのです。そういう意味で、各省庁横の関係というものもありますから、ぜひそういうことにも力を入れなければならぬというようなことをそれ ぞれの立場において、政府の横の関係を注意を喚起していただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。  ほかにいろいろお尋ねしたいことがあるのですけれども、一例をちょっと申し上げますと、例えば非常に零細な企業でとりあえず何とかできるというのは、建設業でいうとユンボとかブルドーザーとかをリースで借りて、それを動かして日当に少し毛が生えたぐらいのものをもらう、こういうような形になるわけでありますが、その際、例えばユンボとかブルドーザーということになりますと、この原油価格の値上がりが非常に大きくこたえる。例えば下請の下請の下請ぐらいで請け負う場合には、どれを幾ら動かすとか、あるいはトラックで土をどういうふうに動かすかというときには一生懸命汗を流したけれども、石油原価が上がったから取るところがなかったというようなことになりますと、リース料も払えない、手形も負えないということになるわけでありますから、そういう苦境に立っておるということを、これからどんなことになるか、悪い状況になったらもう大変な状況になりますので、お願いを申し上げておきたいと思います。  さてそこで、非常に心配なことなんですけれども、今のところそんなにびっくりするほど一バレル当たりの単価は上がってないけれども、下手をすると一バレルが四十ドル、五十ドルになるのではないかという懸念を持つ者がいます。それは文字の上でそういうことを私が言うだけでなくて、最近いろいろなことを話しておる、こういうことを専門に研究しておる人の心配事として言われておることにそういうことがある。  それは、四十ドル、五十ドルになるというのはどういう状況でなるのか。それはアメリカがドーンと撃ったときです。アメリカが撃っただけでそうなるかといったら、石油の油田が破壊されるときなんであります。クウェートとか今のイラクの油田がやられるということになると、当然イラクもサウジの油田を壊すでしょう。そうなったときには大変なことになりますので、日本のように資源の少ない国は、世界の平和ということが基礎になければ成り立たない国である、こういうことをひとつよく考えていただきまして、閣僚の一員である相沢長官にお尋ねをしたいのであります。  日本の憲法の精神というものは、御承知のように憲法の前文の一番最初に、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」となっております。私はこの間なったばかりですけれども、国会議員なんです。今のこの内外情勢の変化に対して海部総理がやっておることについて、正当に選挙された国会における代表者を通じて日本政府は行動すると言うが、知らないことがいっぱいあるのですね。したがって、こういう重大な外交関係にあるときには、もっと政府は国会にいろいろなことを相談されなければならぬのじゃないかと思いますが、閣僚の一員として、長官、いかがでしょうか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 閣僚の一人としての答弁をさせていただきますが、おっしゃることはまことにごもっともだと私も思います。  今回のような中東の紛争によりますところの日本の国の経済のみならず社会、政治等に与える影響に関しましても、中東の情勢がどのようになるのだろうか。また、特に油をめぐるその量、価格あるいはその量や価格の変動が日本の国の経済に及ぼす影響等々についての認識が不十分だというようなところから、またいろいろな経済的のみならず社会的な政治的な問題も発生する、こういうことが当然に考えられるわけでございますから、やはり国会も、きょうの委員会もその一つだと思いますけれども、こういうような機会をできるだけ持ちまして、国民の皆様方の代表である議員の方々のいろいろ持っておられますところの問題点、御意見というものを承ると同時に、政府側の一員としての、あるいは一部局になりますけれども、その考え方なり意見なりあるいは情勢の認識なりということにつきまして、御理解を賜る機会をできるだけ持つことが必要なんじゃないかというふうに私は考えております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森委員 憲法の精神に基づいて、最高の国の機関である国会というものとよく意思を疎通しながら、政府は重要な政策を決定していただかなければならないと思います。  私がわからないことは、先ほど来もお話あったようでありますが、十億ドルの援助というか負担をすると言っておるのが、今度は二十億ドルくらいになりそうだというのを新聞で見るし、きのうのテレビを見るとアメリカは、八十億ドルくらい出してもらって、日本が西ドイツと半分ずつ持ってくれればいいというようなことを言ったりしておるようでありまして、ずるずるそんなことになっておるのです。正当に分担しなければならないものならば、もちろん分担しなければなりません。しかし、そういう分担に関する意思決定を政府は正式にどの辺までやっておるのかわからないのですね。やったやらやっとらぬやらわからぬような状況で、この間も私は、名前はよう確認しなかったのですけれども、大蔵省へ電話して、そういう金をどこから出すのかねと言ったら、いやまだ決まっておるわけじゃありませんからというようなことで、どうなっておるやらわからぬのですね。  それで、結局私が聞きたいのは、極めて原則的なことでありますけれども、国の場合も地方自治体の場合も、国の財政というものについては議会の了承を得なければならない。つまり、国会で議決したものによってやらなければならない。ただ、今のところ政府が辛うじて弁解ができるのは、仮に十億ドル出すにいたしましても年々の予備費がある。予備費が何か三千億余りあるらしいですけれども、そのうち一千四百億円出すんだから、差し引き計算は合うというような単純な一種の子供だましみたいな、国際情勢に重要な影響を持つ問題でありますから、そういうことではいかぬのじゃないかと思うのです。したがって、電話でお尋ねしたときにはどうも私納得いきませんでしたので、そこらの状況は財政を握っておられる大蔵省あたりはどういうふうに考えておられるか、お尋ねしたいと思います。

田谷廣明大蔵省主計局主計官

○田谷説明員 お尋ねございました中東貢献策につきましては、先般の閣議了解という形でお諮りしたところでございまして、そのうちのいわゆる多国籍軍に対します協力につきましては、物資協力、資金協力、それから医療協力、輸送協力という形で四本柱がございますが、これらを合わせまして十億ドルということで、現在その具体化に努めておるところでございます。  お尋ねの予備費を使うのかという点でございますが、この点を含めて現在検討をいたしておるという状況でございます。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 若干補足をして申し上げますと、これは元主計局長としての知識と経験をもってお答えいたしますが、十億ドルというものを具体的に金として支出する場合には、当然に予備費の使用なりあるいは補正予算なりというもので措置されるわけであります。予備費三千五百億の中から支出をするということになれば、当然これは予備費支出として閣議決定をして使うことになりますし、また補正のチャンスがあれば、予備費支出にかえて補正で歳出として追加計上するという措置をとることもあろうかと思っております。  いずれにいたしましても、予備費の支出をすれば、その予備費支出につきまして決算において国会の御審議を仰ぐわけでございますし、補正で歳出追加することになれば、当然補正予算の一部として国会の御審議を仰ぐということになるわけであります。十億ドルというおよその枠を決定いたしておりますけれども、それが直ちに国の財政支出になるということではなくて、具体的な援助項目の決定を待ってそのような措置をとられるというふうに御理解を賜りたいと思います。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森委員 元主計局長の答弁を聞いて大分すっきりしました。要するに、何だかなし崩しで、差し引き計算したらできるというような感じに受け取られておりましたので。  しかしながら、経企庁長官のもとの経験を生か しての答弁の中でもなお多少の曇りがあるのは、既成事実ができた後国会にのませる、これでは私はだめだと思いますね。だから、おおむね十億ドルくらいは要るだろうということになったら、速やかに国会に相談をされて、国際的に期待感を持たした後国会で議論して、もし万一うまくいかなかった場合にどうするかということがありますから、国際信義の問題もありますから、その辺のところをひとつよく考えて、手順に民主的な狂いのないようにしていただくということが私は大事だと思いますので、つけ加えさせていただきたいと思います。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 予備費に関しましては、当初の予算において予期しがたい経費の支出を必要とした場合に、それを使うということについての国会のお許しを得ているものでありますから、これは勝手に使うというわけではないと思うのであります。それから補正で計上する分については、予算として当然国会の御審議を受けるわけでありますから、そのいずれの方法をとるにいたしましても、使っちゃってから国会でそのことを報告するという趣旨のものではないというふうに思っております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森委員 そこが問題なのでありまして、なるほど計算詰めはそうですね。引き算したら金があるのだから、使ってもいいわけですね。しかし、これは国策上、例えば戦後四十数年間の今日の憲法体制で、国会の勢力を見ても相当数異論のある問題なのであります。そのことを単純にそういうふうな考え方をしてもらったら困る。だから「正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」するということと「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」、この憲法精神をよく考えていただきまして、まあこの短い時間で決着がつくとは思いませんから、ひとつぜひ長官、信頼しておきますから、何らかの形でうまいぐあいにいくようにお願いしたいと思います。  最後に、いろいろ聞きたいことがあるのですけれども、飛ばさなければしようがないと思いますが、一つだけ法制局の方にお尋ねします。  日本は、文理解釈として交戦権を否定していますよ。交戦権否定の原理は、自分らが戦わないというだけじゃなくて、戦わない方がよいですよという意味だと私は思いますね。そういう際に、新聞を見ると多国籍軍に十億ドルを出すとか、いや二十億にふやさなければならぬとかということになりますと、これは文理解釈として、交戦権の否定ということに抵触すると私は思います。それから、仮に戦わないにしても、どういうことになるかわからぬというような場合は、「武力による威嚇又は武力の行使」、憲法に言う「陸海空軍その他の戦力」という「その他の戦力」は、いつ何どきでも戦いに転ずる力のことを「その他の戦力と言っておるのでありますから、この際法制局の見解を聞いておきたいと思います。

大森政輔内閣法制局第一部長

○大森説明員 お尋ねの九条との関係でございますが、御指摘のとおり、九条一項は武力の行使、武力の威嚇あるいは戦争を放棄し、二項で戦力を保持せず、交戦権はこれを認めない、こういうことになっているわけでございます。  そこで、今回の資金協力との関係でございますが、ただいま憲法が禁止し、保持しない、認めないということにしておりますそれぞれの概念、これはいずれも実力組織による実力の行使に係る概念でございます。したがいまして、今お尋ねの単に資金を支出するということは、これはだれが見てもそういう実力組織による実力の行使とは関係のない概念でございまして、資金協力に関しましては憲法九条に何ら抵触するものではないというのが私どもの考え方でございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森委員 やめます。それはぐるっと回ってまた軍備になるのですけれども、これでやめます。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 次に、日笠勝之君。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 海部内閣のキャッチフレーズは、先ほどもございましたけれども企業優先から消費者、生活者優先ということでございますので、これから何点かお尋ねいたしますけれども、あくまでも国民経済を守る、国民の生活安定という立場、すなわち生活者、消費者の立場からの明快な、また簡潔な御答弁をまずお願い申し上げておきたいと思います。  まず最初にお尋ねしたいことは、イラクのクウェート侵攻によりまして大体一二%前後の原油の供給が途絶える、こういうことになるわけでございますが、先ほどからの御答弁をお聞きいたしますと、しかし、輸入ソースを拡大したり、国民の皆様にもある程度の省エネルギーということで協力も願う、何とか今のまま推移をすれば、長期化をしたり、またイラクのサウジ侵攻ということがない限りは何とかいけるのじゃないかという御答弁と私は聞いておりました。  そこで、いろいろなお話の中で、実はいろいろな方から聞くのは、原油は確かに供給が減っても国家備蓄があるではないか、この国家備蓄を放出したらどうか、せっかく国民の血税でもって備蓄をしておる、これを放出をする。恐らく安い原油であろう。この九月中旬にガソリン一リットル十円ぐらい上がるという報道がもう既に先行しておりますけれども、ならばそんなに上げなくても、国家備蓄がなくなるまでは何とか今までどおりの安いガソリンであり灯油ではないのだろうか、こういう素朴な疑問があるわけです。  そこでお聞きをしたいのは、この国家備蓄放出のシナリオといいましょうか、どういう事態に立ち至ったならばこれを放出をする、ないしはどういう手続をもってどういう方法でやるのか。また、先ほど言った素朴な、なぜ国家備蓄を放出するということを政府は言わないのか、こういうようなものをもろもろ込めまして御答弁をお願いしたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 備蓄の意味でございますけれども、今先生からは国家備蓄について御質問があったわけでございます。国家備蓄を含めまして備蓄というものの考え方でございますが、民間備蓄につきましては、石油備蓄法という法律によりまして、石油の供給の不足に対処するということが目的にもうたわれているわけでございます。国家備蓄についても、私ども供給の不足が長期間にわたった場合のいわば最後の手段であるというふうな役割を担うべきものというふうに考えております。  緊急事態が発生いたしました場合の備蓄の取り崩しの問題につきましては、実は通産大臣の諮問機関でございます石油審議会におきまして昭和六十三年に考え方が示されているところでございまして、基本的に私どももこの石油審議会の報告に沿いまして備蓄の運営をしていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。  その考え方といたしましては、やはり国家備蓄あるいは民間備蓄の特性がそれぞれございます。民間備蓄は、非常に機動的に出せるとかいろいろ特性があるわけでございまして、それに即応いたしまして私どもといたしましては、こういった供給不足の事態が生じた場合には、まず基本的には民間備蓄で対応していく、そして、なかなか民間備蓄で対応できない場合には、国家備蓄が先ほど申し上げましたように最後の手段ということで取り崩されていく、こういうことを基本的な考え方として念頭に置いているわけでございます。  ただ、備蓄の活用に関しましては、国際的な協調の場での活用の必要性というものも出てくることも予想されるわけでございます。御案内のように、我が国も国際エネルギー機関、IEAに加盟しているわけでございますが、そこでは緊急事態における融通のスキームというようなものも合意されているわけでございます。したがいまして、そういった国際的な協調の面から、また別途国家備蓄等の活用の必要性が出てくるかもしれませんけれども、基本的には、今申し上げましたように、まず民間備蓄の取り崩しを行い、それで対応できない場合には国家備蓄がいわば最後の手段として出てくる、しかもそれは供給不足、量の不足に対応するものである、こういうふうに考えているところでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 国家備蓄に手をつけるとなれば、いわゆる最後のとりでが崩れたということで、まさ にそこに買いだめとか売り惜しみが発生する、こういうことがわかるわけですね。ですから、もう少し国民にわかるように、なぜ今回国家備蓄に手をつけないのかというようなことまで含めたPRがちょっと不足をしているのではないかな。あれだけ消費税のときに政府広報でじゃんじゃんお金を使って広報、広告活動をしたわけですから、この際通産省さんもちょっと予算をいただいて、また後ほどほかのことも言いますけれども、少しPRをした方がいいのではないか、このように思うわけですね。  そのPR不足ということでもう一つございますのは、石油会社、先ほどおっしゃいましたように機動的に民間備蓄が取り崩しをしていけることはいけるわけですけれども、そうなってくると、四十五日分のいわゆる安い備蓄があるではないか、これがなくなった後値上げをするというならまだわかる、ならば、十月の中旬ぐらいまでもう少し値上げを延ばすべきではないか、こういうこれまた素朴な疑問があるのです。この点についてはどうですか。値上げをもう少しおくらせられるのではないかということです。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 ただいまの私の答弁の中で民間備蓄も含めて若干申し上げましたのは、そういう趣旨を含めて申し上げたわけでございますけれども、先ほど来の御質問の中で申し上げておりますように、原油の供給の不足に対処する供給面での方策といたしましては、やはりまず代替ソースからの輸入、調達というものに努力することが第一であるというふうに考えております。  それがどうしても可能でない場合、あるいは原油の他のソースからの調達と申しましても、非常に国際的に批判を招くような高値買いといったようなことにわたらない、そういうことが重要でございまして、したがって、高値買いでなければ調達できないような場合も含めまして、どうしてもこの供給不足に対応する他のソースからの調達が可能でない場合に初めて備蓄に手をつけていく。したがって、そういうことになりますと、実際に調達をする原油というのは現在の価格での調達でございますので、そういう面で、それを新しい今売る製品の価格に転嫁していきませんと資金調達にも事欠いていく、こういうことから値上げの方向に向けての動きが出ているものと承知しているわけでございます。  今、先生から備蓄の意味、役割、あるいは現在そういった供給不足に対応いたしまして国際的に原油の価格が上がっているけれども、そこで原油の調達をしなければならない意味、そういうものにつきましてPRが不足しているというお話でございました。この点につきましては、私どもも今後今の先生の御指摘も踏まえまして努力してまいりたいと思いますし、また、先ほどちょっと指導通達ということがあったわけでございますが、その中で石油会社に対しましても、そういったバックグラウンドについてのPRに努力してもらうようにということで指導をいたしているところでございます。両々相まって、ぜひ今後ともPRは一層努力していきたいというふうに思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 その指導通達でございますけれども、これは裏を返せば値上げ容認のお墨つきとも、このように言われておるわけでございます。そのことをちょっとお聞きをいたしますが、この指導通達は通産省設置法の何条のどの項目によってそういう指導通達を出し、恐らく一種の公的な拘束をするわけでございましょう、通産省が出した指導通達でございますから。どういう法的根拠、権限によるのですか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 今回の元売会社等への指導につきましては、いわゆる行政指導として実施いたしておるものでございます。  ただいま通産省設置法のどこかという御質問でございますが、こういう指導を出すという通達ではなく、通産省の任務、権限ないしは所掌事務を定めている規定が根拠になるものと考えておりまして、具体的には通産省設置法の三条の二号あるいは四条の八十四号が根拠になるものと考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そうすると、先ほども御質問がございましたけれども、いわゆる今回の紛争といいましょうか、これが解決をし、原油が下がったという場合には、反対に値下げ指導通達というのはやるのですか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 通達の中におきまして、石油会社の原油価格あるいは輸入する石油製品の価格の変動に伴いますコストの増減につきましては、毎月私どもに報告をいただくように指導をいたしたところでございます。したがいまして、このコストの変動が今先生おっしゃいましたようなマイナスの方向に行く、減少するというような場合には、当然石油会社において第一義的にその動向に応じた価格改定が行われることを期待いたしておりますけれども、それが行われない場合には私どもとしても適切に指導をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 その変動コストは、これは通産省さんがお聞きになって、自分の省内でずっと保っておくだけですか、それとも国民に公表する。公表するのはどういうふうな形で公表するか、その辺のことは御検討なされているのでしょうか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 これは先ほど指導通達の中身で申し上げましたように、便乗値上げというものが行われないようにという意味での指導を行ったわけでございます。何が便乗かというのは先ほど御議論がございましたけれども、少なくとも原油価格あるいは輸入石油製品の価格の変動に伴うコストの増減がどのぐらいのものであるかということを私どもとしても承知しておりませんと、便乗であるかどうかのまず第一義の判断も難しいわけでございます。したがいまして、基本的には、私どもが各社の値上げの状況が便乗値上げであるかないかの判断の基準として使わさせていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 だから、それは何らかの形で国民に公表するのですか、それとも皆さんが知っておればいいことですか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 個々の企業のコストの変動を発表するというのは、個別企業の企業機密でございますので、公表することはできないと思っております。また、今回行政指導でコストの変動の報告を求めておりますのも、あくまで石油企業の協力を前提といたしているわけでございまして、個々の企業のコストの変動を公表するということは、またこういった企業の協力も得られなくなってしまうおそれもございますので、それはできないと思っております。ただ、そういった企業機密にわたらない範囲で何らかの公表の方法があるかどうかについては、十分検討してみたいと考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 通産省さんの方でデータをとって、そしてそれは便乗じゃないからよかろうということであれば、まさに密室で価格が決まるということになるわけですね。個々の企業は、もちろん価格は自由でありましょうから、どの会社が幾らに価格変動でなったので幾らの値上げはいいとか悪いとか、これは確かにおっしゃるとおりでございましょう、そこまでの公表は。しかし、全体としてこれは何らかの形で国民の前に公表すべきであるということは、私の方から要請をしておきたいと思います。  それから、便乗値上げのお話も今出ましたけれども、既にこの際、原油の値上げ分と人件費と流通諸経費も合わせて、これらの値上げをしようという動きが一部あるやに聞いております。もしこの人件費プラス諸経費も合わせて値上げをするという元売等々の会社があった場合は、それは通産省の方としてみれば便乗値上げである、このようにお考えでございましょうか。

岡本巖資源エネルギー庁石油部流通課長

○岡本説明員 先ほど部長からもお答え申し上げました通達に基づきますコスト変動の報告を私どもでヒアリングを既に始めておりますが、その中におきましては今おっしゃいましたような人件費、ことしの春闘でのアップというのもあったかと思いますが、そういった人件費のアップというのは企業努力の中で飲み込んでいただくというこ とで、当分の間はコスト変動の報告の際にはそれを入れない。仮に入れていたとしても私どもはその分は算入をしないというようなことで、諸経費についても、元売各社には極力その節減に努めるようにお願いを申し上げているところでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 それから、二月に一リットル当たり八円ぐらい上げたかった。しかし、実際は五円ぐらいしか上げられなかったいわゆる取り残し分ですね。ですから、イラクがクウェートに侵攻して原油が上がった分、プラス二月に上げるべきもので取り残した分を両方合計して上げようという動きもあるやに聞いておりますが、これもまた便乗値上げということに相なるのでしょうか。

岡本巖資源エネルギー庁石油部流通課長

○岡本説明員 お答え申し上げます。  私どもは通達に基づきまして、コストの変動、ここでの原油価格あるいは輸入石油製品の価格の上昇に伴うコストの変動というのをお聞きをして、それを確認するという作業をやっております。その対比をする時点というのは、元売各社は、私どもが確認を終えましたコスト変動の範囲内で一応最小限の価格の改定というのを行うことになろうかと思いますが、その場合、発射台になる、ベースになるものというのは、天下に公表されている現行の仕切り価格というものを前提に考えるべきだと考えております。そういう目から見ました場合に、現行の仕切り価格というのは本年二月に改定されたものが最新のもので、その後ずっと仕切り価格というものは維持されたまま今日に至っております。  したがいまして、私どもは二月の仕切り価格の算定の際に前提とされた諸元、原油価格とかその時点での製品輸入の価格でありますとかあるいは製品輸入の各社ごとの比率でありますとか、そういったものを諸元にしまして、それとの対比において、ここで申しますと八月積みの原油価格、これはもう確定をいたしてきておりますが、あるいは八月中に船積みをした製品輸入の価格が幾ら上がったかということで、二月仕切りの前提諸元との対比においてコストの変動幅を確認する、そういう作業をします。したがって、仕切り対仕切り、その前提諸元の比較、そういう形でここでのコスト変動の確認作業というのはやっていきたいと考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 私も何軒かのガソリンスタンドにいろいろと聞いてみました。発射台が二月とおっしゃいましたね。ところが、もう既に九月一日に二月の分、取り残した分、上げられなかった分を三円上げているわけです。そうすると、九月一日にもう既に三円上げちゃって、またこの業界は、先ほどの御答弁はどの会社がいつ上げるか全然御存じないとおっしゃっていましたが、十七日に十円上げるという通達がもう来ているんだそうですね。ということは、九月になって二回上げちゃって、合計十三円も上がる。先ほどの九月一日の三円分は二月の取り残し分を先に上げちゃった、こういう業界というかスタンドが既にあるわけですが、これは便乗と言うのですか。これは指導されるのですか。

岡本巖資源エネルギー庁石油部流通課長

○岡本説明員 お答え申し上げます。  石油業界の場合に、元売会社と特約店との間で卸価格が決められるわけですが、その際に、先ほど申しました仕切り価格という建て値、これを元売会社は二月に改定して打ち出しているわけでございますが、この建て値で元売会社が一たん代金の請求をして、特約店から入金が行われます。その後、かなりの元売会社の場合において一種の値引きについての交渉が行われまして、事後調整と業界の中では言われておりますが、元売にしろ特約店にしろ、それぞれのコストの状況あるいは収支の状況を必ずしも明確にしないという点で不合理な取引慣行ということで、私どもかねてその是正を申し上げてきておりますが、現状そういう事後調整というのがございます。したがって、建て値から実際に値引きが行われた後の仕切り価格がどうなるかということにつきましては、そのときどきの元売会社、特約店それぞれの収支の状況なりコストの状況なり、そういうものをにらみながらの交渉の中で決まっているという実態がございます。  今お尋ねの二月の仕切り価格、いわゆる建て値を十分に取れてなかった云々という点についてでございますが、事後調整というものが不合理な取引慣行という指摘もございまして、四月からどこの元売会社もこの事後調整の縮減に向けて努力を進めてきておりますが、そういうこととの関係というのも一つ考えてみる必要もあろうかと思います。他方で、今おっしゃいましたように便乗にわたるようなものがあるとすれば、それは厳に戒めなければならないと存じますので、私どもまだ個別のケースを子細に承知しているわけではございませんが、これから勉強したいと思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 これから勉強されるのは結構ですが、もう何か来週には上げようかというところもあるようでございますので、問題は、その報告を受けてよく精査をしていただいて、先ほどから申し上げました消費者の側に立つ政治というのが海部内閣のキャッチフレーズでございますから、どうかこの際便乗値上げがないように、また不当な値上げがないように、厳にこれは慎んでいただくようにお願いをしておきたいと思うのです。  そこで、閣議でも話題になりました後入れ先出し法、きのうもNHKテレビで解説をやっておりましたけれども、これも非常にわかりにくい。これもPR不足じゃないかと思うのですね。この辺の後入れ先出し法をもっともっと国民に知っていただくことも大きな広報活動だと思うのですが、石油部長、これはどうなんですか。この後入れ先出し法について、どのような形で国民にPRをして御理解を深めていこう、こういう何かお考えはあるのでしょうか。

岡本巖資源エネルギー庁石油部流通課長

○岡本説明員 先生の今の御指摘の最後の部分の国民の方々に対してどうやって理解をしていただくかという点については、まず一義的には、これは元売各社が自分の棚卸資産の評価方法として採用している話でございますので、私ども指導通達でも指摘を申し上げておりますが、各社においてその辺も含めて消費者あるいは特約店の方々に十分ご理解をいただくように、それから、いろいろな角度からの疑問があろうかと思いますので、それに対してわかりやすく丁寧に説明するようにということを指導しているところでございます。  その上で政府としてどうするかということでございますが、私どもの外郭団体で石油情報センターというのがございまして、ここで例えば灯油懇談会でありますとか軽油懇談会でありますとか、油種別のユーザーなり消費者の方々との情報交換の場を設けたりもしております。それに加えまして、各地の消費者の方々あるいは県なり市の消費者行政の担当の方々、こういう方々を対象にしまして、セミナーとかシンポジウムとか講演会のたぐいを御希望のあります六十カ所で年内に開く計画を進めておりますが、そういう場を通じまして消費者の方々に直接に、あるいは消費者からのお問い合わせに応ずる県、市の職員の方々にも、今の石油の事情とか価格の動向とか、今先生御指摘の例えば後入れ先出し法というようなことについても、わかりやすく御説明を申し上げていくことにいたしたいと考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 すべての石油業界の会社がいわゆるこの後入れ先出し法をやっているわけじゃないのですね。総平均法でやっている会社もあるわけです。そうすると、先ほど言葉は悪かったのでしょうけれども、通産省は値上げ容認のお墨つきを与えたということで、総平均法を取り入れておる会社もこの際同じように横並びで、後入れ先出し法を取り入れている会社と同じように値上げをやろう、こういうふうなことはひとつよく精査をして、コストをよく見て、もし同じような横並びの十円前後ということであれば、これは厳しく指導していく、こういうことになるのでしょうか。それとも業界全体でこの際十円上げなければいかぬということで、それを認めるのでしょうか。どうなんでしょうか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 コストの変動はあくまで各企業ごとに私どもヒアリングをいたしておるわけでござ いまして、今の先生のお尋ねの在庫の評価方法が同じ場合にも、当然、油の種類あるいは輸入製品のウエートがどれくらいあるかといったようなことも違いがございますので、コストの変動幅というのも恐らく企業によって違ってくるのではなかろうか、こういうふうに推測をいたしております。したがいまして、在庫の評価方法が違う場合には、それによっての変動というものも当然あり得るというふうに考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そうすると、大体同じような規模の会社が一律十円前後ということはあり得ないということですね。そうなってくると、カルテルじゃないですけれども、何か話し合いでもしているのじゃないかと。在庫の評価の方法が違うのに同じような十円前後に張りついちゃったということであれば、これは問題があるととれるわけですね。ですから、その辺もよく精査した上で通産省とすれば当然指導していく、こうとらえればいいわけですね。結果論の話ですからなってみなければわかりませんが、もしなった場合という仮定の話なんです。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 ただいま申し上げましたように、コストの変動幅につきましては、油種別、タンカー別にエビデンスを持ってチェックをいたしております。その結果がどうなるかというのはまだちょっと出てきておりませんけれども、ぴたり一致するものではないということは当然のことと思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 ここに来てLPGがまた相当上がるのではないかとも言われております。そしてまたもう一面では、プロパンガスがこれも相当上がるのではないかと、実際冬場の需要期を迎えて主婦の方々は心配をしておるわけですね。  「石油製品消費者物価指数の推移」というものをいただきまして、これを見ますと、昭和六十年を一〇〇とした場合、指数ですから一〇〇とした場合、ガソリンは五年後の平成元年には八四になっているわけですね。下がっているわけです。プロパンガスの方はといいますと一〇〇が八九。灯油は一〇〇が五二というふうに半分ぐらいになっています。プロパンガスというのはほとんど下がらない。  そこへ持ってきて、毎日新聞の九月七日の投書欄にこういう投書が出ておりました。これは埼玉県の五十三歳の主婦の方の投書です。短いからちょっと読んでみましょう。   郵便箱に「プロパンガス値上げ」の通知が入っており、びっくりしました。   都市ガスなどは、まだまだ値上げされていないのに、プロパンはいつも先手、先手と値上げされるのです。私たち使用者は泣かされます。都市ガスを望んでいるのに引いてくれず、やむを得ずプロパンを使っているのです。   夏はそれほど使用しませんが、冬は使用量が多く、今回の値上がりで思いやられます。通知には「八月一日以降の検針分」からとなっています。こんな勝手なやり方が許されるのですか。八月はまだ原油は値上がりしていないはずです。政府や官庁に、プロパンガス業者への厳しい監督、指導を願ってやみません。いつも泣かされるのは弱い庶民なのです。 短い投書でございますが、こういうことがあるのでしょうか。まだ八月一日といいますとクウェート侵攻になっていない。しかし、そこから先の検針分も値上げをする、こういう通知が入っておるわけです。先ほど申し上げましたプロパンガスは、これは物価指数を見ましてもほとんど値下がりをしてない。ガソリン、灯油は相当値下がりをしておるのにプロパンガスは値下がりをしていない、こういうふうなこともあるわけでございますが、こういうことに対してどのように対処されようとしておるのか、お聞きしたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 プロパンガスの値段でございますが、このイラクのクウェート侵攻以降、産ガス国はLPGの大幅値上げを行ってきているわけでございます。  もともとプロパンガスのもとのLPGの価格の問題でございますけれども、昨年の十一月以降、最大のLPGの輸出国でありますサウジアラビアが従来の価格決定方式を変えまして、原油の価格に連動するような価格フォーミュラをとってきたわけでございます。その結果、昭和六十三年の十月から一年間、平成元年の十月まではずっとトン当たり九十ドルというのがFOB価格、プロパンの場合そうでございまして、それが十一月以降、このサウジアラビアの代表的原油の油種でございますアラビアン・ライトの価格に連動する方式をとったものですから、平成元年の十一月以降かなりのテンポでLPGの値段が急騰したわけでございます。そういう事情がございまして、今回のイラクのクウェート侵攻以降は、このLPGの我が国の輸入元売会社というのは、いまだこれに対応する国内出荷価格、先ほどの石油で申しますと仕切り価格に該当するような卸売価格を改定してないわけでございますが、そういった背景もあるわけでございます。  したがいまして、今御指摘の新聞の投書にございますような値上げにつきましては、昨年の秋以降本年にかけましてのLPGの今申し上げました輸入価格というのが上昇したことが、タイムラグを持って末端価格にあらわれてきたということも考えられるわけでございますし、また、LPGの場合にはいろいろな保安装置等も費用が上がっているわけでございますし、流通コストの上昇というような面もあるかもしれません。したがって、ちょっと今その新聞投書だけで即断はできないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、私どももこのLPG価格の動向については、この事件の発生後価格の調査も二週間に一回行うというように、調査、監視を強化しているところでございますし、そういうものも踏まえまして、便乗値上げの防止につきましては石油製品と同様ぜひ全力を挙げてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 ぜひこの主婦の投書のように便乗値上げのないように、国民生活を守る立場で、これまた要請を申し上げておきたいと思います。  さて、既に北海道の方では、一部もう灯油が二〇%ぐらい上がったというふうなニュースも流れておりますし、きょうの読売新聞を見ますと、各県も灯油が昨年に比べて相当値上がりをしておる。ここへもってきてまた九月中旬ぐらいに、灯油も一リットル十円ぐらいじゃないかと言われておりますが、値上がりをするのではないか、こういうことで、これが長期化をしていきますと、一番困るのは寒冷地、特に東北とか北海道、北陸のいわゆる寒冷地にお住まいの年金生活者とか生活保護世帯、また福祉施設、こういうことに相なろうかと思います。  そこで、きょう厚生省さんに来ていただいておりますけれども、かつての第一次、第二次のオイルショックのときにはどのような対策をとられたのか、これが第一点。それから今後、仮定の問題で予測するのは難しいわけですが、灯油がこういう状態で上がる、またさらに上がる、そして長期化をしていく、こうなった場合はどのような対応を考えられるのか。  私、ちょっと調べてみますと、平成元年の家計調査年報によりますと、北海道では、これは一世帯当たり平均でございますから、もちろん世帯の大きいところ、少ないところ、年収の多い人、少ない人、いろいろありますから、これはあくまで平均でございますが、一年間で灯油を四万三千七百三十五円買っているそうでございます。これが二割上がれば八千円、二五%ぐらい上がれば一万円、こういうことになるわけですね。それだけ持ち出しがふえる。年金生活者、生活保護家庭等々非常に厳しいわけでございましょう。そういう意味も込めまして、もし今後長期化をし、灯油が暴騰とは言いませんが、相当高値になっていくという場合はどういうふうなことが考えられるのか、また対処されようとしておるのか、以上二点をお聞きしたいと思います。

加納正弘厚生省社会局庶務課長

○加納説明員 ただいまのお尋ねでございますが、第一次のオイルショックの際におきましては、当時狂乱物価と言われたほど消費者物価が大幅に 上昇いたしました。その結果、生活保護世帯などの生活を著しく圧迫したということで、臨時異例の措置ではございましたが、特別一時金の支給ということをやったことがございます。それから、第二次オイルショックの際には、特別な措置は講じておりません。  それから、現在の状況でございますけれども、第一次オイルショック当時と異なりまして、消費者物価を初めとして経済指標は比較的安定しておるということもございまして、当時のような措置を講ずるということは考えておりません。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 第一次のときには特別一時金を出されたようですね。第二次のときには、基準を改定しておりましたから、そこまでいかなかったということです。私が申し上げているのは、今回灯油が上がるということはもうほぼ必至でございますし、長期化するという前提条件がありますけれども、こういうふうな私が言ったような条件が重なりますれば、特に寒冷地の生活保護世帯、また年金生活者、福祉施設等々にはぜひひとつ温かい配慮をしていくべきではないかということを強く強く御要請申し上げておきたいと思うわけでございます。  続きまして、今後の対策等につきまして、残された時間、何点かお伺いをしたいと思います。  長官、私かつて長官に、予算委員会だったでしょうか、質問をさせていただきました。すなわち、政府の物価に関するいろいろな審議会等々があるわけですね。作動しておるものもあれば作動してないものもございますが、例えば物価安定政策会議、これは先ほど申し上げました。ちょっと動いているようでございますが、消費者保護会議というのがございますし、物価対策閣僚会議であるとか物価問題に関する関係閣僚会議であるとか経済対策閣僚会議、また国民生活審議会、国民生活安定審議会、また物価担当官会議とかいろいろございます。  お聞きすると、それぞれの審議会とかいろいろな会議は、経済に対する影響もまだ小さい、そんなに騒ぐことはない、騒げば騒ぐほど経済は心理学で、国民の方が、あれ、政府が動き出したので、これは危ないのじゃないかということで売り惜しみとか買いだめに走る、こういうことで動いてないということも言えるのかもしれませんけれども、しかし、備えあれば憂いなしというのは当たり前のことでございます。長官、いろいろな会議があって、大体どの会議にもオブザーバーなりメンバーとして入っておられると思いますが、備えあれば憂いなしということで、いろいろある審議会なり会議をそろそろ動かして、抑止力ということもありますので、どういうことにも対処できるように作動させていくべきではないか、かように思いますが、長官の御見解はいかがでございましよう。

田中努経済企画庁物価局長

○田中(努)説明員 物価安定政策会議についてまず申し上げますと、内閣総理大臣を中心に、関係各大臣が一体となりまして物価安定政策を立案、実施するために広く意見を聞くという目的で設置をされております。現在この物価安定政策会議には政策部会というのが設置されておりまして、必要に応じまして意見を公表するなど活動を行っているところであります。七月十七日に総会を開催いたしましたが、その後、八月二十八日に政策部会を開催いたしまして、部会長の談話を発表したところでございます。そのほかに特別部会がございまして、これは重要な公共料金等の審議を行うということで、四月二十三日に開催をいたしているところでございます。  それから、国民生活安定審議会でございますけれども、これは国民生活安定緊急措置法の規定に基づきまして設けられているものでございますけれども、これまで必要に応じて開催されてきておりまして、このところ毎年一回程度の開催ということで、六月十二日に総会を開催いたしております。  さらに、物価担当官会議でございますけれども、これは経済企画庁の次官が長になりまして、各省の審議官クラスの方に担当官になっていただいているものでございますけれども、これも重要な物価対策の決定の際等、機動的に開催されておりまして、本年に入りまして既に五回開催をいたしているわけでございます。  そういうことで、物価に関しますいろいろな組織も日ごろから活動しておりまして、したがいまして、何か重要な問題が持ち上がったときには、すぐに対応できるような体制を整えておるつもりでおります。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 物価に関する各種の委員会等の開催につきましては、ただいま物価局長から答弁を申し上げたとおりでありますが、そのほか物価安定政策会議の各部会として、例えば政策部会は八月二十八日に、最近の物価情勢あるいは最近の石油情勢ということについての審議もいたしております。  問題は、そういうような審議会あるいは部会を開くということも大事でございますけれども、そういう機会を通じて、当面石油なら石油に対する問題点を国民の各位が認識をしていただく、そしてまたその問題に関しまして世間の注目を集め、またそれに対する政府の対策に対して御理解をいただくということがそういう会議を開くことの一つの意義だと思います。  そういうこととあわせて、過日閣議で石油問題に関しまして、私の方から、こういうような石油情勢であるので、特に便乗値上げということが行われないように、そしてまた仮に原油価格の上昇に伴いまして石油製品の値上げが行われた場合にも、極力企業努力によってその値上げ幅を少なくするように、また仮に原油の価格が下がった場合には、直ちに石油製品の価格を引き下げるようにということを強く要請したわけであります。  審議会等の運用と同時に、行政面におきましても、物価安定のために、特に当面は石油価格の上昇に伴う物価の上昇を極力抑えるような努力をこれからも重ねてまいりたい、このように考えています。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 通産省には、物価一一〇番というような形の直接消費者から苦情とか不満を今回の石油高騰ということについてお聞きするような常設のものがございませんね。経済企画庁には物価ダイヤルというのがございますが、どうでしょう通産省さん、この際石油の、物を担当する省庁といたしまして、物価一一〇番というか物価一〇〇番でもよろしいが、消費者から便乗値上げのおそれがあるとか、こういうふうに売り惜しみがあるとかいうのを直接聞く常設の電話を引きまして、担当者をつけて、どんどんここに情報を下さいというふうな方向はできないものでしょうか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 そういった問い合わせあるいは苦情、相談という点につきましては、実は私どもこの八月六日直後から、私どもの石油部の流通課と各通産局におきまして対応するように職員を内部で指導しておるところでございますが、なお一層そういったPRにつきましては、先生の御指摘も踏まえまして今後検討してまいりたいと思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 時間が来たのですが、せっかく公正取引委員会の方からも来ていただいておりますので、最後に、公正取引委員会といたしましては、この原油高騰の中で、不公正な、また不当な取引、売り惜しみであるとか、また便乗値上げとかこういうことがないように、特に行儀の悪い業界と言われておりますし、先ほどの委員の方のお言葉をかりますと過去前科のある業界とも言われておりますので、そういう面では厳しく対処していくんだという決意をお述べいただいて、終わりたいと思います。よろしくお願いします。

矢部丈太郎公正取引委員会官房審議官

○矢部説明員 公正取引委員会といたしましては、原油価格の上昇を背景とした最近の石油製品価格の動きについて、関心を持ってその推移を見守っております。今後とも価格カルテルや御指摘の売り惜しみ等、独占禁止法違反行為が行われないよう十分監視に努めてまいりますとともに、具体的な端緒の際には機動的に対応いたしまして、違反事実が認められたときは厳正に対処していく考えでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 終わります。ありがとうございました。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 次に、菅野悦子君。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 イラクの武力によるクウェートヘの侵略は、どんな理由をもってしても正当化できるものではありません。外国人を人質にとるなど、これももってのほかの話でありまして、日本政府としても、平和的、人道的分野において、国連の一員としての役割を積極的に果たすようにまず要望をしておきたいと思います。  生活関連の問題ですけれども、中東諸国に原油の七〇%を依存する我が国にとっては、国民生活との関連でも重要な影響を持つというふうに思うわけです。  そこで、政府の対応についてお伺いしたいと思いますけれども、一九七三年の第一次石油ショックのとき備蓄量が六十七日分だったのに対して、今度の場合は二倍を超える百四十二日分が確保されている、あるいは省エネ化も大幅に進んでいるということもありますし、それからメジャーへの依存度も極めて低くなっている、また、イラク、クウェート、この二つの国への輸入依存度も一二%程度ということで、代替輸入も当面確保されているというふうに聞いております。ということになりますと、当面の需給については大して不安はないのだということで今までの説明を受けとめておりますけれども、この点について間違いないかどうか、簡単にまずお答えを願いたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 先ほど来の御質問にお答え申し上げておりますように、この紛争直後、一二%の原油輸入が減少するわけでございますから、これをいわば穴埋めするために、石油業界におきましては代替ソースからの輸入の増量調達ということで最大限の努力を行っているところでございまして、先ほども申し上げたところでございますけれども、現時点の見込みで、かつ当面状況に大きな変化がなければという前提ではございますが、当面は必要な原油の調達につきかなりのめどがついてきているというのが実情でございます。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 ということなんですけれども、この間やりとりの中にもるるありましたように、当面の問題ですが、後入れ先出し法との関連もあるかと思いますが、指導通達では値上げやむなしというふうに言って容認したということが言われているわけです。  業界は値上げの理由として、原油輸入価格がクウェート侵攻前後、七、八月にかけて一バレル当たり十ドル上昇したということを挙げているわけなんです。ところが、石油元売については二月に値上げ済みなんですね。ですから、それが現在の価格体系になっているわけなんですけれども、それを基準に考えれば、現在の市況は十ドルではなくて五ないし六ドルの上昇にすぎないわけです。それなのに、ことし最も安かった七月の相場と比べて、原油上昇幅を大きく見せかけているということがあるのではないかと思うのです。価格の安いときの備蓄が国内にたくさんあるのに、円高差益の還元もこの間十分にやられていないのに、まして安いときには下がらなかったのになぜ値上げをするのか、これは率直な国民の疑問だと思うわけです。  石油業界といえば、今もずっと話がありましたけれども、再三のやみカルテルなどで公正取引委員会の立入検査というふうな前科といいますか、行儀の悪い、問題の多いところという指摘もあります。そういう点で懸念される便乗値上げなどをやめさせるために、また、国民の納得というか理解を得るために、石油元売会社の石油精製コスト、こういう製造原価を国民の前に明らかにさせる、原価を公開するということが必要だと思うのですけれども、どうなんでしょうか。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 石油会社に原価を公表せよということでございますけれども、先ほどもお答えしたところでございますが、石油製品の場合には、いわゆる政府の規制料金ということではなく、市場でのプライスメカニズムを通じて決定される価格であるというふうに私ども考えております。ただ、先ほども申し上げましたように、国民生活とかあるいは国民経済に相当影響の大きい商品であるということから、私どもも便乗値上げはまずい、それは慎んでもらいたいということで指導をいたしているわけでございます。したがいまして、原価の問題であるとかあるいは企業経営の問題につきましては、証券取引法であるとかいったような一般の法制の中でできる限りのことはなされているというふうに理解をいたしております。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 といいますのは、今のこういうふうな値上げが国民生活にどういう影響をもたらしてきているかということで、事態は余り楽観できる状況にはないのではないかというふうに思うから、そういうふうな提起もしているわけなんですけれども、既に北海道や東北などでは灯油やガソリンなどの値上がりが顕在化していますね。  この間、新聞報道を見ましても、例えば灯油の問題、これは十月から値上げが当然予想されている。今もう既に上がっているわけなんですけれども、そういうことを考えると、一缶十八リットルなんですが、配送料込みで千円前後の価格、こういう値上がりが予想されるというんですね。これは昨年秋と比較してみますと二百円、二〇%以上の大幅値上げになる、大変なことだというふうな声が率直に出ているわけなんです。また一方で、元売の出荷規制がもう始まっている、ガソリンとか灯油など、制限販売とか販売を拒否する小売店も出ているというふうな報道も見られます。  ちょっとひどいなと思いましたのは、安売りを阻止するために元売の太陽石油が暴力ざたを起こした、傷害事件を引き起こしたというふうな報道もあるわけなんですけれども、今までの説明にありましたように、十分な供給能力がありながらなぜこういう事態が起きるのか、また、こういう北海道とか東北の事態をどう認識なさっていらっしゃるかということをお伺いしたいと思います。

岡本巖資源エネルギー庁石油部流通課長

○岡本説明員 今先生御指摘の中の太陽石油の件につきましては、私が事情を聴取しましたが、詳しいところは今警察の調査が進んでおりますので、太陽石油からの報告によりますと、ここでの値上げ云々ということではありませんで、従前からありました太陽石油所有のスタンドの転貸に関するトラブルに起因しての問題ということで報告を受けております。新聞にもそういう角度から報道されているところはたくさんあろうかと思いますが、そういう側面もあるということをつけ加えさせていただきたいと思います。  それで、先生御指摘の売り惜しみとかという点でございますが、私どもこういう時期だけに、実需に向けて必要な供給を行うということが元売会社なり販売店において行われないということがあれば、大変御迷惑をおかけすることでございますので、重々そういうことのないように元売会社に対しては適切に指導しているところでございます。  他方で、先行き値上がりというような見方でありますとか、先行きの量の確保が十分できるんだろうかというふうな不安も一部にはあったりするかと思われますが、需要家の方々あるいは中にはディーラーの方々で、今のうちにできるだけたくさん買いだめておこうという動きをされる向きも結構あるように伺っております。ただ、これをされますと先々、灯油なんかの場合は特にそうでございますが、今は在庫を積み上げておかなければならぬ時期でございます。例年十月から十一月にかけて在庫のピークになって、それを取り崩しながら冬場の需要期に対して供給をしていくというパターンを繰り返しております。  そういう側面がございますのと、今ここで買いだめ的な仮需に対してまで供給をするということになりました場合に、海外で原油以上に暴騰している灯油を初めとする製品をスポット価格で大量のものを手当てしてこざるを得ないということになってきて、ひいては需要家、消費者の方々にもその負担が回っていくというような側面もありますから、そういう面から、需給は問題ございませんので、実需に向けては間違いなく供給をしていく体制がとれておりますので、元売会社を一方においてその点で厳しく指導するとともに、私どもとしましてはディーラーや需要家の方々にも、買いだめに走らないようにということを必要に応じて お願い申し上げているところでございます。その上で実需があるにもかかわらず供給がついてこないというようなトラブルがございましたら、先ほど部長も申し上げましたが、私どもの課でその種の苦情なり一切お受けしておりまして、個別に対応してまいりたい、現にそれをやっているところでございます。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 今お答えいただいたような姿勢で、もっと指導を強めていただかなければならぬのじゃないかというふうな現状認識は私どもしているわけです。私も何カ所かの皆さん方に直接お電話などで実態を聞かせていただいたのです。とりわけ灯油というのは、全国の情勢を先取りするのはまず寒くなる北海道だというふうに思うのですけれども、今週に入って日に日にというふうに言っていいと思いますけれども、物不足が急速に強まっているという状況がありまして、いろいろ調査した状況では、事態は相当深刻だなということを率直に言わざるを得ないわけです。  最近、北海道でも値上げを一斉に各社が言い出しております。それも二月に上げ損なった値戻し値上げ、これをやるんだということで、リットル四十三円ということを言っているらしいのです。これが事実なら、中東情勢の原油の値上がりというのはまた別の話になるから、えらいこっちゃなというふうに思うわけなんですけれども、そういういうことで各社がずっと値上げを言い出した。ですから、今もちょっとありましたけれども、消費者としては季節柄もあり、この動きの中ではやはり買い行動が強まらざるを得ないという状況にあると思うのです。  ところが、いざ小売店に行ってみると油がない、売ってくれないというふうな状況がありまして、事実、中間の卸とか元売が出さない状況にあるということが指摘されております。そういう中で、もう既に四十三円どころか、道東の方ではきょうあたりは四十五円、業界からの圧力でこの値段で動いているということが言われています。  この点では石油情報センターの調査、この数字を私も見せていただきましたけれども、九月の十日の店頭価格が七百八十六円、リットル四十三・七円ということになっておりますから、こういうふうなぐっと急速な値上がりというのは、この資料でも裏づけられているなというふうに思うわけです。もしこれが四十五円になりますと八百十円ですね。八月二十七日が七百四十八円ですから、二週間程度で既に六十二円灯油が上がっているというのが現実の問題なんですね。  何でないんだということでるる聞いてみました。そうしたら、今もちょっとおっしゃっておりました買いだめに対する規制だというふうなことなのかもわかりませんが、昨年実績の八、九割しか元売から卸さないという状況があるようなんです。  ただ、ちょっと昨年実績というのを実際聞いてみて驚きました。これは道東の釧路の方の小売の方から聞いた話なんですが、昨年は二月、七月に灯油が値上げされたのですね。ですから、今後のことを考えて七月にぐっとみんなが買いだめしたということで、七月にいわゆる仮需要、これが相当ふえたらしいのです。家庭のタンクがここで満タンになったというふうな状況らしいのですが、そういう状況の中で一万二千世帯を扱うようなこの小売の方でさえ、八月に実際買いに来た方は百五十件しかなかった。九月は三百二十三件だったというのです。最高の月では八千八百件も買いに来るようなこの小売店でさえ、九月には三百二十三件しか買いがなかった。その八掛けないし九掛けしかおりてこないという状況なんですね。ですから、これはもう大変な状況なんですよ。全く売ろうにももう油がない、入ってこないという状況、これが現実問題として出てきているわけなんです。  それで、きょう聞いたところによりますと、もう道東では、根室とか釧路などあちらの方ですけれども、非常事態に入っているところもあるというのです。非常事態とは一体何だとお聞きしますと、病人のいる家とか全くもう灯油がゼロですというふうな家については、優先的に三十リットルということをめどに売るようにしているという状況なんですね。これがこの一両日の状況なんですよ。  ですから、こういうような具体的な経過を聞いてみますと、これは本当に大変な事態になってきているなというふうに思いまして、早急に指導を強めていただかなければあかん。そして、こういう事態というのは値上げを見通してこういう動きが出ているわけなんですから、便乗値上げとか売り惜しみ、こういう懸念、これを指摘せざるを得ないのではないかというふうに思うわけです。  そこで、こういう事態を踏まえてぜひ長官にお尋ねをしたいというふうに思うのですが、こういう物価の急激な上昇とかあるいは買い占め、売り惜しみ、これは起こったときだけでなくて、おそれのあるときというときに適用するということで緊急措置法がありますね。これに基づいて調査物資の指定とか必要な調査、これを行うべきではないかというふうに思うわけです。第一次オイルショックのときには、この点で政府の対応が非常におくれた。そのことが狂乱物価に拍車をかけたということで、当時この当物価問題特別委員会とか七十二回国会の予算委員会でも、対応のまずさが論議されております。この教訓をどう受けとめておられるのかということ。この法律では、長官が総理の権限を補佐できるということになっておりまして、そういう点では本当に大きな権限も持っていらっしゃるし、責任も大きいというふうに思うわけなんですけれども、長官のお考えをぜひお聞きしたいと思います。

岡本巖資源エネルギー庁石油部流通課長

○岡本説明員 今先生御指摘の灯油の出荷が大変窮屈になっているという点でございますが、私ども先ほども申し上げましたように、灯油の供給を品不足にさすようなことがあっては万々一ならぬということで、元売各社に対しては厳しくその点は指導いたしております。  つい最近も元売から話を聞きましたが、ほとんどの元売会社が去年の実績に対して、私どもが毎年年初に石油供給計画というのを定めておりますが、そこで見込んでおります需要の伸び率というのを掛けて、その分を各支店を通じて系列の特約店に出荷している。これはすべての会社がそういう対応をいたしております。したがいまして、日本全体で見ました場合に、ことしの石油供給計画の灯油の需要というのは、去年の暖冬ではありませんで、例年並みの寒さを前提にして需要の予測をして、そこで伸び率を押さえているわけですが、去年の実績に対してその伸び率を乗じたものをもって各社ここで出荷をしているわけでございます。したがって、マクロで見ました場合には、おっしゃいましたようなことにはなりません。  消費者の方々に必要以上に不安をお与えするのは、こういう時期適当ではないと存じますので、私ども、例えば北海道について申しますと、八月二十四日に灯油懇談会を開催しまして、通産局とそれから本省からも担当の補佐を派遣して、消費者の方々に対して、需給については心配ございません、原油はこういう状況になっております、製品の生産の方はこういう状況になっております、どうぞ御安心くださいということを申し上げてきておるわけでございます。そのかたがた元売会社に対しては、先ほどのように実需に見合った出荷をやってくれということを指導いたしております。  その上で、なおかつ今先生御指摘のような個々のケースにおいて玉不足というような事態があるやに承知しておりますので、それについてはいたずらに御迷惑あるいは不安をかき立てるようなことに至らないように、私どもそういうお話を承りましたら、直ちに元売会社なり関係の特約店に対して、実需に向けてはちゃんとした出荷をしてくださいという指導を個別にやっているところでございます。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 今通産省から答弁があったことが実情だと思いますが、ただ値段が上がるということがおよそわかっている状態ですと、先ほどもちょっとそういう答弁を申し上げましたが、買う 方はできるだけ早く買っておこうや、それから売る方はちょっと待てよ、もう少ししたら上がるから、今のままの価格で出したら一日何億も損するから抑えようや、こういうことになりかねないとは思うのです。ですから、全体として大丈夫だよという今の答弁でありますから、そこはそうだと思いますが、ただ具体的なケースとしてもしおっしゃるようなことがあれば、これはやはり国民生活の面でほっておくわけにいかない点だと思いますから、早速そういう点につきましてはまた実情も調査して、関係の省庁とも連絡をとって、お困りにならないような対策を考えていきたい、このように考えています。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 八月の末にそういうふうな会議を持ったということでございますが、この値上げがいろいろ言われ出しているのは九月に入ってからということで、近々の動きが相当大きいということをぜひ御認識いただきたいということと、それから、昨年実績ということでその中身を私がるる説明したわけなんですが、七月に相当仮需要が伸びていて、昨年実績ということでは、九月というのは非常に買い控えた月だったのだということがあるわけです。ですから、その辺なども全道的な状況のようですから、ぜひ事実を踏まえていただいて、対応をよろしくお願いしたいというふうに思うわけです。  それから、その点では九月八日の日経新聞の報道によりますと、「流通業者が値上がりを見込んで在庫を積み増している」あるいは灯油などは一キロリットル「四万五千円でも買いたいという向きもあり、上昇ピッチは異常」だ、こういうふうに日商岩井とか三菱商事が言っているわけですね。ですから、こういうふうな点で、せめて北海道とか東北などに対して踏み込んだ実態調査をぜひやっていただきたいというふうに思うわけです。手を打つのは早い方がいい。そして、やはり政府の無策が過去のようなああいうふうな混乱に陥れるということになったら絶対困るわけですから、そのことをぜひお願いしておきたいと思います。  それからまた、石油関連で電気・ガス代だと公共料金への影響値上げがもしあるとすれば国民生活は大変な混乱になりますから、こういうことが絶対ないように御注意願いたいというふうに思いますので、最後に決意をお伺いしたいと思います。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢国務大臣 電力各社におきまして、エネルギー源として石油の占めるウエートはそれぞれ違います。原子力発電のウエートの非常に高いところもありますし、石炭を使っている割合の大きい会社もございますし、その辺は各社実態が異なると思います。しかし、原油の価格あるいは重油の価格等が相当上がりますと、電力料金に絶対に響かないということはなかなか無理だと思うのです。ただ、各社の経理状況もございますし、また今の収益状況がどうかということもありますし、原油が上がったらすぐ電力料金を改定するということではないと思います。また、これからどの程度こういう状態が続くかということにもよりますが、これは公共料金でありますし、企画庁も直接関与している問題でありますから、それこそ便乗値上げというようなことにならないように、その点は私どももよく注意してまいりたい、このように考えています。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 時間が参りまして、外務省の方に医療団の派遣の問題でお聞きしたかったのですけれども、次の機会に回させていただきます。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 次に、菅原喜重郎君。

菅原喜重郎民社党

○菅原委員 イラクによるクウェート武力侵攻は、国連の無条件撤退決議にもかかわらず膠着状態にあるわけですが、今回の中東紛争をめぐる日本政府の対応については、我が国内はもとより、国際的にも厳しい目で見られています。民社党としても、政府に対して積極貢献策を強く申し入れているところであります。したがいまして、私といたしましても、質問に入ります前に、現時点における日本政府としての中東問題への貢献策としてどのような重点施策を決定しているのか、また今後行おうとしているのか、お伺いいたします。  このことは、平和憲法に縛られている我が国にとって、武力による国際問題の解決には徹底して反対していかなければならないし、また、今回のように武力行使が起こされた場合、その当事国に対して、武力による国際紛争解決は結果的に損なんだという結末をつけることも政策としてとっていかなければならないと思いますので、この点も念頭に置いてお答えいただきたいと思います。

内田富夫外務省中近東アフリカ局外務参事官

○内田説明員 政府といたしましては、今回のイラクのクウェート侵攻及び併合を絶対に容認することはできないという立場に立ちまして、国際社会の努力に積極参加するという基本的なスタンスでございますが、具体的には、この湾岸地域の平和と安定に資するために、我が国の国際社会における地位に相ふさわしい貢献となりますように、最大限の努力を行いたいという考えでございます。  それで、八月二十九日にその骨子を総理から発表されたわけでございますけれども、少なくとも私ども承知いたしております限り、国際的には米国、欧州諸国、中東諸国を含む多くの国々より、むしろ高い評価を得ているものと受けとめている次第でございます。例えばブッシュ米国大統領でございますが、翌八月三十日の記者会見におきまして、海部総理が多大な貢献をしているということを言及されております。  今後の方策でございますけれども、現在この貢献策をさらに肉づけいたしまして、目に見える形での充実したものといたすべく鋭意作業中の段階でございまして、特に金額等発表になっておりませんこのIIの――貢献策は大きくIとIIに分かれておるわけでございますけれども、IIの各国に対する援助等につきまして作業を急いでいる状況でございます。

菅原喜重郎民社党

○菅原委員 また、このような紛争解決には、正面からの解決と裏面での解決へのいろいろな工作があるわけでございますので、こういう点につきましても政府として抜かりのないように対応していってもらいたい、こう思うわけでございます。  次に、我が国が消費している石油の大部分を依存する中東、ペルシャ沿岸の危機をどう乗り切るかは、政府あるいは石油元売会社だけの問題ではなく、国民全体の課題であり、原油価格の上昇は、製品価格のみでなく、卸売物価や消費者物価にもはね返るものであります。そのことは、既に我が国は二次にわたるオイルショックの経験から、買いだめや売り惜しみに走らないという安心感はありましたが、現実は、殊に東北、北海道においてこの不安現象が起き始めています。何といっても石油製品の値上げに当たっては、国民が理解しやすい説明が必要だと思いますし、いやしくも売り惜しみ、便乗値上げなど許してはならないと思うわけであります。  私はこの件について、過般民社党が行った当局とのヒアリングにおいて、今回の中東紛争で石油の供給、絶対量そのものにはいささかも不安のないPRを行うべきことと、避けられない値上げそのものについての経済影響について、予測シミュレーションも早速検討、PRすべきだと発言していました。政府はどのような対策を講じ、また講じようとするのか、はっきり伺っておきたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 まず今先生御指摘の量的な問題につきましては、かねて私ども、石油業界によります原油調達努力によりまして、かなりの部分量的には、当面現在の状況が続く限りは大丈夫であろうということをいろいろな場で申し上げているところでございます。本日のこの委員会におきましても、そういうことを申し上げさせていただいているわけでございまして、もちろん今後の状況の推移というのはなかなか不透明な面がございますので、そういった状況の推移の変化いかんによってはという面もございますけれども、私ども量的な安定をまず第一義に全力を挙げて努力していきたいと思っておりますし、また、そういったPRも今後とも努力をいたしてまいりたいと思います。  それから価格の面につきましては、先ほど来議 論がございますように、原油価格の国際市場での価格が非常に上がっているわけでございます。また、輸入石油製品の価格も大変上がっているわけでございまして、私どもこれが我が国の国内市場での石油製品の価格に基本的にはプライスメカニズムを通じて反映されていくだろうと思っております。しかしながら、先ほど来繰り返し申し上げておりますように、石油製品というのは一次エネルギーの五七、八%という大きなウエートを占めるものでございまして、国民生活あるいは国民経済にとって相当な影響のある商品でございますので、できるだけコストアップは石油会社においても吸収する努力をしてもらいたいし、また、便乗値上げについては厳に慎むようにということで指導をいたしているところでございます。こうした方針のもとに私ども今後とも努力をしていきたいと思っております。

菅原喜重郎民社党

○菅原委員 この紛争が起きたとき、すぐに一般国民は石油絶対量そのものが不足するという不安、しかし、これは中東、イラク地区での紛争が起きても大丈夫、その他の産油国等の供給で当初から絶対供給量の確保は見通しできていたわけでございます。そうなりますと、結局値上げの問題の経済的影響力、こういう点についてどうも政府のシミュレーション、またそういう検討、PRの下手なことが目立っておりますので、ひとつこういう点も今後十分に気をつけて、政策対応、国民への宣伝をやっていっていただきたい、こう思います。  次に、国民の印象として、今回のこの中東情勢に起因する石油製品の値上げについて、政府内部として見解がまとまっていなかったという不信を国民が持っているところであります。  その一つは、在庫評価法であります。現在は後入れ先出し法をとっているわけでありますが、九月四日の記者会見での武藤通産大臣の発言では、後入れ先出し法から安い民間備蓄も取り崩して活用する総平均方式の採用も検討するとしながら、七日の閣議では四項目を盾に石油製品値上げを了承し、その際、後入れ先出し法は適切で、政府が会計方針の変更を強いてまで石油製品価格に介入するのは適切でないと山本通産大臣臨時代理が発言しております。一体どちらが消費者にとって適切な処置なのかについて、これはきちっと説明願っておかなければ政治不信が解消されないわけでございます。また、このような不一致は、すぐ功利追求の商人、業者をつけ上がらせて、売り惜しみ、不当値上げに走らせるものであります。  その二つは、なぜ消費者大衆のための価格抑制にせっかく血税をもってためている石油備蓄が活用できないかという単純な質問に、政府はもっと積極的に答えていかなければならないと思います。石油備蓄は買い占め、売り惜しみを防ぐための適切な処置であり、量的確保のためだといっても一般国民が納得できないわけでございますので、こういうことへの説明もよくPRすべきだ、こう思っております。こういう件についてひとつお答えをいただきたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田説明員 最後に先生がおっしゃいましたPRにつきましては、私どもも一層努力をしてまいりたいと考えております。  それで、第一点の在庫の評価方法の問題でございますけれども、在庫評価方法につきましては、その変更の可能性がないかどうかについて私どもも通産大臣から検討の指示を受けていたわけでございますけれども、いろいろ検討いたしましたところなかなか難しい、やるべきでないというような結論に達したわけでございます。  その理由でございますけれども、在庫評価方法を初めといたします企業会計の原則というのは、各企業による恣意的な利益操作を排除する等の見地から、一たん選択した方法を継続するいわゆる継続性の原則というのを強く求められているわけでございます。我が国の石油会社の場合、アメリカの、外資系の日本での石油会社の場合には、後入れ先出し法というのを第一次オイルショックの直後から適用いたしておりましたけれども、そのほかの石油会社につきまして、つまり大部分の石油会社でございますが、昭和六十一年当時の原油の価格がむしろ下降局面で、原油価格の下降、低下を製品価格に早く反映していかなければいかぬという要請も踏まえまして、逐次各企業の実態に応じまして、昭和六十二年以降平成元年度までの三年間にかなりの企業が後入れ先出し法に変更したものでございます。  したがいまして、今申し上げましたような企業会計の継続性、それから、まさにどういうような在庫評価の方法をとるかというのは企業の経営そのものの問題でございまして、まさに企業の経営の自主性という観点にも配慮する必要があるわけでございます。そういう観点から、その変更を強いるということになりますと、これは適切ではないのではなかろうかというふうな国内的な結論になるわけでございます。  他方、それと同時に、この点につきましては国際的な配慮というのも必要かと存じます。欧米の主要国では、石油会社の大きな会社というのは皆、後入れ先出し法のもとで、既に石油製品価格がこのクウェートへのイラク侵攻後上昇してきておりまして、これによってまた逆に石油消費の節減が進みつつあることは、国際的なエネルギー機関でありますIEAの場においても認められているところでございます。こうした中で、我が国政府だけが企業会計の継続性の原則であるとかあるいは企業の経営の自主性というものを無視して、企業会計の方法を変更させてまで石油製品価格を抑えるという場合には、諸外国からも我が国の石油消費節減に向けての姿勢を問われかねない面もあるわけでございます。  以上、いろいろな観点を考えまして、私どもとしては、後入れ先出し法の変更の指導というのは行うことは適切でないという結論に達したわけでございます。  第二の備蓄の問題でございますけれども、備蓄はやはり量的な最後の手段であるというふうに考えております。量的な安定供給を確保するためのものというふうに考えているところでございます。先ほども申し上げたわけでございますけれども、この情勢の先行きがはっきりしておればいろいろな対応はあり得るわけでございますけれども、御案内のようにこの中東情勢、極めて流動的でございます。国際石油情勢の先行きは非常に予見しがたいわけでございますので、当面の需要に対応していくためには、できるだけやはり備蓄は最後の手段として温存しておいて、新しい代替ソースからの石油の調達に努力する、あるいは需要面で省エネルギーを行うといったような形でまず対応する、それによってどうしてもできない場合に備蓄に手をつけていくというのが、現在の情勢のもとでは適切なやり方ではないかというふうに思うわけでございます。   こういうことで、基本的にやはり備蓄は温存しながら、備蓄の取り崩しを行わないで石油の安定供給を続けていくということになりますと、石油会社としては国内に製品として出荷されるものに見合う原油の、あるいは製品の調達を海外から新たに行う必要があるわけでございます。当然それに見合った原油あるいは石油製品というのは、現在の国際市況水準での、国際的な価格での原油あるいは石油製品という形で調達する必要があるわけでございます。したがって、その調達コストを埋め合わせていく上で、やはり国内石油製品価格の変更をお願いしていかざるを得ないのではないか、それがまた安定供給につながることになるのではないか、こういうふうに考えられるわけでございます。  いずれにいたしまして、こういったことのPRにつきましては、冒頭申し上げましたように、今後とも努力してまいりたいと考えております。

菅原喜重郎民社党

○菅原委員 いずれにしても、中東紛争はこういうエネルギー危機を招いております。しかし、日本の国はやはり豊かでありまして、量的な不安に対しては、これはもう国民は一応一つの納得をしているわけでございますが、それにしましても悪徳業者への対応については断固たる態度で臨むという政府の姿勢と、それから、こういう危機でご ざいますから、国民に対するところのいわゆるエネルギー節約も大いにPRしていただきたいことを要望して、次の質問に移ります。  中東情勢が緊迫化し、原油高が日本経済に与える影響についての予測が金融機関や系列研究機関から発表されております。それを見ますと、いずれの予測も九〇年度経済に与える影響はわずかだとし、実質四%成長の達成が可能だと見ているようでありますが、政府の見通しはどうなのか。日本経済への原油高の影響が本格化するのは九一年度からだと予測されますが、この点について、実質経済成長率、消費者物価指数、卸売物価指数等について政府の見解をお伺いさせていただきます。

末木凰太郎経済企画庁調整局長

○末木説明員 御指摘のように、量的には確保されているということでございますが、原油価格の上昇が経済のいろいろな面に影響を及ぼしてくるということは当然考えられるところでございます。  ただいま先生が物価及び経済成長というふうに集約されておっしゃいました。残り時間も少ないようですから簡潔に申し上げますが、原油の価格の上昇は、それにかかわる企業にとりましてはコストの上昇になって経営に響いてまいりますし、あるいは消費者、家計にとりましては、物価の上昇は実質収入の減少、実質所得の減少ということで影響してきます。  そういったいろいろなプロセスを経てこれが経済成長に対する影響を及ぼすという、理論的にはそういう道筋になるわけでございますけれども、今回の上昇の幅は、第一次危機のときが四倍程度に上がり、第二次石油危機のときが二・五倍程度に上がったのに比較いたしますと、今日のところでは一・五倍程度にとどまっておりますし、それからまた、企業あるいは日本経済全体と言ってもよろしゅうございますけれども、石油に対する依存度が相当下がってきております。  そういうことから、全般といたしまして、ただいま申し上げた道筋に沿って経済成長に影響があるというのは、理論的にはそのとおりでございますが、実態的には比較的それは軽微なものにとどまる。しかも、それが浸透していくためには相当時間もかかります。そういう意味で、今年度の経済見通しについて、大きな格別の影響が出るというふうには考えておりません。  また、物価につきましては、物価局長おりますので、物価局長から。

田中努経済企画庁物価局長

○田中(努)説明員 最近の消費者物価の動向を見ますと、前年比で、八月の中旬の東京の速報値で申しますと約三%ほど上昇しているわけでございます。ただ、全国の数字で申しますと、まだ七月しかわかっておりませんけれども、七月の全国の数字では二・三%の上昇ということになっておるわけでございまして、今までのところこれまでの安定基調は崩れていない、こういうふうに考えられるわけでございますけれども、最近の中東情勢を踏まえてその影響を考えますと、仮に二十五ドル程度の原油の価格水準が一年間ずっと続いたというふうに考えますと、消費者物価に対しましては〇・五%程度の影響が及んでくるということでございますから、これは大変警戒を要する状況であるというふうに考えているわけでございます。  しかしながら、何分にもまだ年度が途中でございますし、それから円レートの動向、それから原油価格の動向、これも今まだ激動している最中でございます。先行き不安定な要素が多々ある、不確定な要素が多々あるということでございますので、今直ちに、政府が当初見通しで決めております一・六%、あるいは消費税見直しの影響を除去しまして一・八%というふうな数字につきまして、改定をするというふうなことは考えておらない状況でございます。  来年度の物価の見通しにつきましても、経済全体の見通しにつきましてまだ作業に着手しておりませんので、今後物価の動向につきまして注意深く見守る中で次第に検討に入っていく、こういう段階でございます。

菅原喜重郎民社党

○菅原委員 時間がなくなりましたので、長官からも所信を伺いたいと思っておりましたが、いずれにいたしましても、石油製品の値上げは国民生活にとって極めて重大な影響を与えるわけであります。政府の適切な指導、監視が必要であり、殊に企業中心から消費者重視へと移行しつつある方針をさらに堅持して、国民生活を擁護するよう政府に強く要望しておきます。  さらに、中東紛争に関する諸問題解決のため、早期に臨時国会を開催することについても強く要望し、質問を終わります。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 以上で質疑は終了いたしました。      ────◇─────

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 この際、お諮りいたします。  先般、本委員会は、物価問題等に関する実情調査のため、広島、島根、鳥取の各県に委員を派遣いたしました。  派遣委員からの報告書は、本日の会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────     〔報告書は本号末尾に掲載〕     ─────────────

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後五時十一分散会

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