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118回国会衆議院1990/06/12

農林水産委員会 第14号

発言数
213
登壇者
15
会派数
5
開催日
1990/06/12

会議録

亀井静香自由民主党

○亀井委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、参議院送付、水産業協同組合法の一部を改正する法律案及び海洋水産資源開発促進法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石破茂君。

石破茂自由民主党

○石破委員 このたび提出されました水産業協同組合法の一部を改正する法律案並びに海洋水産資源開発促進法の一部を改正する法律案、両法律案に対しまして、幾つかの点におきまして政府の見解を承らせていただきたいと存じます。  この二法の改正案を通じまして実現すべきものは何であろうか。一つは、現在弱体化が伝えられております漁業協同組合をいかに健全に発展させるかということ、そしてまた、最近指摘をされております資源の枯渇、資源管理型漁業というものをいかに実現させるか、この二点を実現させるためにこの法案が資するものである、かように考えておる次第であります。しかし、農林水産省と一口に申しますけれども、農業と水産業というものは根本において性質の異なる点があるのじゃなかろうか。例を挙げれば、農家の場合には、一生懸命努力をして生産性向上に寄与したということであれば、山本農林水産大臣から表彰状がもらえるということになるわけであります。ところが、漁家の場合には、一生懸命努力をして生産性向上を実現したということになりますと、これは下手をすれば違反漁業であるということでしかられてしまうわけでありまして、同じような努力をした場合でも、片や大臣からお褒めの言葉をいただき、片やおしかりをいただくという違いが根本においてあるのではなかろうかというふうに思っておる次第であります。また、最近の漁業を取り巻く情勢というのも、オイルショックから始まって二百海里体制への移行でありますとか資源の枯渇状況でありますとか、まことに厳しくなっている。  まず第一点として、水産業協同組合法についてお尋ねをしたい。  最近、漁業協同組合の経営悪化ということが伝えられておる。しかし、漁業協同組合の経営が悪化した、信用事業がうまくいかない、漁協がしっかりやっておらぬではないかというふうに一口に言われるわけでありますが、今まで申し述べたように、それは漁業者の責めに帰すべきものと、そしてまた、そうではない、どうしても漁業者の努力においてはどうにもならなかったというような、この二つの面に分けて考える必要があるのではないかというふうに私は考えておるところでございます。その中にあって、漁業の特性に根差すいろいろな問題がある。政府の果たすべき役割というのは一体どの辺にあるのだろうか、どこまでが漁業者の責め、漁業者の責任において行うべきものであり、どれだけが政府の果たす役割であるかということをきちんとすることが一番大事なことではないかというふうに思っておる次第であります。  まずお伺いいたしますが、第一点として、近年伝えられます漁協の経営状況が悪化している、その原因は何とお考えになるか、なぜこのようになったというふうに行政当局としてはお考えか、その点を承らせていただきたいと存じます。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、今日の漁業協同組合の経営状況、地域によりまして、あるいはまたその協同組合の組合員が展開し ている漁業の種類によって若干差はございますが、総体として見た場合に、単協の総数の中で損失を生じている組合の割合が漁協なんかの場合に非常に高いというふうな状況、あるいは固定化負債がその資本規模に比べますと比較的多額に上っておるというふうな状況で、経営が大変苦しい状況になっておるということは御指摘のとおりでございます。基本的にこの要因として、漁協の経営管理についてのいろいろな問題もあろうかと思いますけれども、根本にはやはり、組合員であるあるいはまた漁協自体が保有をしている漁業権に基づいた漁業を取り巻く状況というのが非常に厳しくなっておるということが根本要因としてあろうかと思います。  この我が国の漁業が大変厳しい状況にあるということを若干敷衍して申し上げますと、一つには、これは比較的規模の大きい漁業になりますが、遠洋なり沖合、公海上のいわゆる国際規制を受けるような漁業が漁場を締め出されるというふうな状況にある、そしてまた比較的我が国の周辺水域、沿岸地域に近い部分におきましても、御承知のとおり長年にわたる漁獲努力の継続の結果、資源状態が底魚類を中心にして非常に劣弱化しておるというふうな問題、それからまた、大変多種多様な食品の競争関係の中で水産物需給にも変化が見られ、その中にあって水産物の価格というものがコストを相償わないような状況にも相なる場合が少なくないというふうな状況が漁業を取り巻く大変厳しい状況として私ども認識をしておりまして、そういった事態がいろいろなメカニズムを通じて漁協経営の困難な状況というものに結びついているのではないかというふうに考えておるところでございます。

石破茂自由民主党

○石破委員 最初に申し上げましたように、オイルショックであるとか輸入の増大であるとか資源の減少、二百海里への移行ということで、行政当局としても今までいろいろな手を打ってきておられるわけですね。いろいろな資金を導入して、それを漁協を直接の窓口として貸し付けてきたわけであります。漁協というのは、行政機関の第一線という言い方は悪いかもしれないけれども、行政の一端を担っておるという面は否定できない。漁協が本来的な役割としてそういうような窓口として資金の御融資に携ってきた。ところが、その結果として欠損金であるとか固定化債権の増大であるとかいうような面を招いた点は否めぬのではないかというふうに思っております。その辺についてはどのようにお考えか。  そしてまた、近年の実際としての漁協の経営状況はどういうような傾向にあるのだろうか、部門別に収益はどういうふうになっておるか、つまり、いろいろな部門があるわけでありますが、農協と漁協というのはその発祥からして根本的に異なるわけでありますけれども、部門別の収益についてどのような傾向が見られるか、お教えをいただきたいと存じます。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お尋ねのまず第一点でございますが、御指摘のとおり、これまでの漁業をめぐる情勢変化の中で、お話にありましたいわゆる石油価格の急上昇というふうな時期がございました。これに対応するために各種の緊急資金を融資した、そのいわば後遺症的なものが今日の固定化債権の増大なり欠損金の累積というふうな事態に結びついていることは事実でございます。ただ、これを私どもとして全く無為に放置したわけではありませんで、状況に応じて経営再建のための資金でありますとか経営安定のための資金というふうなもので資金繰りが円滑にいくような措置を累次進めてきておりまして、事態はそれなりに改善されている一面もひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。基本的にはやはり、これらの状況を改善していくためには、組合員が展開をしております漁業そのものの体質というものを強化をして、固定化負債の流動化に耐えられる体質を組合員が持っていくということが大切であるというふうに考えておるわけであります。  また、第二点目の漁協の経営状況を見ますと、実は信用事業の中で行われております預貯金の規模等は比較的順調に増加をしておるわけでございますが、漁協事業の中で一つの大きな柱になっております販売事業あるいは購買事業という点でなかなか収益性が十分に上がらぬというふうなことが漁協全体としての収益状況を悪くさせる要因になっておると考えております。また、もちろん信用事業の中でも非常にその規模が小さいということもありまして、その資金の運用面になりますが、貸付事業なりそういう仕事が必ずしも十分な、効率的な効果を上げていないというふうな事態がございまして、これらの要因が重なって、全体として漁協経営の困難さというものの要因になっているのではないかというふうに考えておる次第でございます。

石破茂自由民主党

○石破委員 漁協の経営の特性というのはどこにあるかといいますと、これは総合経営にその特性があるというふうに考えているところでございます。ですから、総合経営であるがゆえに信用事業というものの位置づけが販売事業の附属的という言い方が正しいかどうか、これは語弊があるかもしれないけれども、販売事業があってそれの附属部門として信用部門があるんだというような考え方も以前にはあった。あるいは今もあるのかもしれない。しかし、これから先金融の自由化ということ、金利の自由化ということが言われるわけで、信用部門は赤であってもトータルで黒であればそれでいいではないかというような考え方がこれから先も本当に通用していくのだろうか、金融機関としての生き残っていけるようなすべというのを私どもは考えていく必要があるのではないかというふうに思っておりますけれども、まず漁協の信用事業たるものはこれから先いかにあるべきか、どのようにお考えかということについてお尋ねをいたしたいと存じます。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お話ございましたように、漁協の機能というのは、信用事業、購買販売事業、さらにまた営漁指導といったような大変広範かつ総合的な事業であろうかと考えておるわけでございますが、いわばそれの財務的な帰結として信用事業というのは大変重要な役割を果たしている部門であると考えております。結局、購買事業あるいは販売事業の決済の結果というものも、最終的には信用事業の中で処理をする部分も少なくないわけでございまして、そういった意味で信用事業の健全性というものがこれからの漁協経営の安定を図る上で大変重要な課題であるというふうに考えております。  そういった中で、実はこれは漁協に限らない問題でございますけれども、農協も含めたいわゆる系統金融あるいは銀行、信用組合等を通じた全体の金融情勢については、先生からただいまお話ございましたように、いわゆる金融自由化の動きの中で総体としてこれから大変厳しい競争にさらされるというふうな状況下にあるわけでございまして、そういったこれからの状況の中で、漁協の信用事業というものもこれに十分耐えられる条件づくりというものを心がけていかなければいけないというふうに考えております。なかなか一挙に事態を改善できない面もございますけれども、そういった認識のもとで、今回の法律改正におきましても漁協の信用事業の強化という観点での諸般の改正を意図しておる次第でございます。

石破茂自由民主党

○石破委員 金利の自由化というものがいつになるか、これはわからぬ。しかし、そう遠からぬ将来やってくることは間違いないであろうというふうに言われておるわけですね。そうしますと、漁協の信用事業部門に与えられた課題というものは何があるだろうか。一つは、本当に金利の自由化なるものに今回の法改正等を通じて対応できるような体制がつくれるかということですね。それから、漁協というものが金融機関としての標準的な機能を本当に持っているのでしょうかということです。これはまた後からお尋ねをしたいと思いますけれども、実際に漁家自体でも日常の出し入れについて、漁協ではなくて銀行であるとか信用金庫であるとかそういうものを利用する漁家の割合が非常に多いと言われておるわけであって、そうすると、それでも金融機関であるからにはスタン ダードな機能、標準的な機能、いわゆる金融機関としてやっていけるだけの機能を備える、この二つのことが一番大事な課題ではないかというふうに思っているわけであります。  金融の自由化は、これがいつになるかわからないことでありますけれども、お答えしにくいことかもしれませんが、大体いつごろをめどとしてそれに対応できるような諸施策を講じていかれるおつもりか、めどについてお考えがあれば御教示をいただきたいと存じます。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 全体としていわゆる金融、金利の自由化というふうな事態がどんなタイミングで出てくるかということについては、率直に申し上げまして私どもも確たる見通しを申し上げるほどの能力はございません。ただ、先生繰り返しお話しいただいておりますように、ことしの五月に金融制度調査会がそういう金融自由化、金利自由化の時代は遠くないということを示唆して各金融機関の一層の合理化の方向というものを出しておるという事態は、私どもよく承知をしております。  そういう中で、漁業協同組合の信用事業、預金あるいは貸し付け等の業務につきまして組合員自体の利用率が非常に低い、あるいは停滞的であるというふうな実態も私ども認識をしております。漁協の信用事業が提供する各種の金融サービスを末端の需要に応じて本当に提供しなければそういう競争に耐えていけないという状況、そしてまた、そういう競争に耐えて経営収支を償っていくためには、恐らく調達金利は自由な競争の中で当然高くなるわけでありますから、運用面でも相当の工夫をする、あるいはまた内部コストの低減にさらに一層努めていくということが喫緊の課題になっていこうかと思うわけであります。そのために信用事業の事業規模をいかに拡大をしていくか。また末端サービスの充実なり内部コストの低減のために、先生も御専門家でいらっしゃいますので余りやぼなことは申し上げませんが、例えばオンライン化の推進というふうな仕事も当然完成をしていかなければいけないというふうに考えておるわけでございます。  ただ、残念ながら、現在の漁協の信用事業の実態を見ますと、先生から御指摘になりました、近い将来起こるであろういわゆる金利自由化のタイミングに合わせてすべての条件を整えるということについては、私ども目標として最大限の努力をしていきたいと思いますけれども、相当努力をしていかなければそのタイミングに合わせた合理化というものに追いつきかねるという印象を持っております。これは漁協とあわせて系統金融全体の問題でもありますけれども、農協以上にこれからの金融情勢の自由化に対応をするための努力というものは漁協系統により強く求められているという認識のもとに、系統団体ともよく相談をして、行政面で応援できることは最大限応援をすると同時に、系統内部での御努力をお願いをしていく必要があるというふうに考えておるわけでございます。

石破茂自由民主党

○石破委員 金融機関の競争というのは、それは本当に激烈なものになるであろうと思うのですよ。私ごとでございますが、私も以前、某金融機関に勤めておったことがあって外回りを長いことしたことがございました。そのときに上司から、とにかく自分の銀行よりも小さな金融機関のセールスマンの後をついて歩けと言われたわけですね。私は都市銀行におりましたが、地方銀行であるとか信用金庫であるとか、そういうもののセールスマンの後をついて歩きなさい、それが出たところに入っていって、ダンピングレートで安い貸し金をぶつけて預金をもらってこいというふうに教わって、預金を伸ばしてきたということが実はあったわけでございます。そういうこともあるのでしょう。  そうしますと、今まで漁協というものは、僻地と言ってはいかぬけれども、海沿いの小さな集落にあった。そういうところの預金というのは余りねらわれなかったわけですね。しかしこれから先本当に自由化になってくると、いろいろな金利の高い商品が設定される、そしてそれをどうしても売らなければいかぬ、そしてまた、そのいろいろな貸出先も見つけていかねばならぬ。今までどちらかというと手つかずであったような漁村にまでも、金融自由化に伴ういろいろな金融機関の競争の激化というものが予想されるであろう。したがって、かなり早い時点で適切な施策を講じておかないと、漁協の信用部門というのはなかなか経営が難しくなるのではないかというふうに思っておるところでございます。ただ、これは普通の民間の金融機関とは違って協同組合でありますし、それの特性というものもあるのでしょうから、そこはどこか違うような施策になるのでしょうけれども、とにかく基本的には信用部門だけでも黒字が出るような、そういうふうな指導というものをしていく必要があるのではないかなという気がしておるところでございます。  金利が自由化になった場合に大事なことは、安いレートの資金をどれだけ集めるかということと、それをいかに運用するか、非常に基本的なことではありますが、そういうことになるでありましょう。金利が自由化ということになってくるとコストが非常に高くなる。民間金融機関であれば、お貸し出しのレートをそれにスライドして上げていけば何とかコストアップ分というのは償うことができる。しかし、今の漁協において仮に金利が自由化になった場合、そのコストアップ分というのは償うことができるのでしょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 これからいわゆる金利自由化の時代の中で漁協系統の資金調達コストがどのような状況になっていくかということは、なかなか具体的に予見しがたい面があるわけでございますけれども、御指摘のように総じて引き上がる、調達コストが引き上がる方向になるということは御指摘のとおりでございます。  一方において、この状態に対応するため貸付事業そのものの金利につきましても、当然貸し付け競争が激化するわけでありますし、特にこの主たる貸し付け対象というものが漁業という一定の制約を受けた産業分野でございますので、やはりその金利についても制約があるという問題がございます。したがって、私ども運用先等について、今回の改正でもお願いしておるわけでございますけれども、もう少し運用先について、地方公共団体ないしはそれに関連をした第三セクターへの融資等のウエートを少し弾力化するというふうなことでありますとか、他の金融サービスについて新たに漁協の信用事業の一環としてお認めをいただくというふうな問題ということで、信用事業としての収支バランスをとるための努力のよすがを今回の改正の中にも入れておるわけでございます。  また基本的には、先生も御承知のとおり金融機関としての内部の管理コストそのものを引き下げるための努力が当然必要になってくると思います。そのためには、信用事業のユニット自体を広げて管理コストの低減を図るということも大変重要な課題ではなかろうかと考えます。もちろん漁協の合併による規模拡大ということが基本ではございますけれども、特に信用事業についてのいわばスケールメリットを早急に確保していくための手段として、信用事業を切り離しての統合というふうな道をあえて今回の改正の中に織り込んでお願いをしておる次第でございます。

石破茂自由民主党

○石破委員 それでは、もう一つ伺います。  自由金利になった場合に、金利の設定はだれがどのような判断において行うのかということでありますが、金利の設定というのは非常に難しいことでありまして、各市場の金利動向、それから経済状況、政治状況というものを全部判断をして金利を設定しないと非常な損が生ずる場合があるだろう。ところが今の状況でおのおのの漁協を見てみると、とてもではないが金利の設定ができるとは思われない。設定はできるでしょうけれども、周辺の状況、世界全体の状況を見渡して、ではこれくらいの金利だということを言うことは非常に難しいのではないかと思っているわけです。ですから、そういうことも踏まえてやはり合併とか信用部門の統合ということをしていかなければならぬというふうに解釈してよろしいのでしょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 確かに、金利自由化のもとでどのような主体が金利を決めるかということになりますと、恐らくいろいろな競争関係の中で建前としては個々の金融機関が判断をしていくことになると思います。その判断がその金融機関の経営にとって大変大きな要素を占めるわけでございますので、その判断ができるだけ適切なものになるように、必要なスタッフなり情報の収集分析能力というものが金利を決める金融機関に当然必要とされるわけであります。そのためにも、ただいま先生から御指摘のございましたように、合併なり信用事業の統合等を通じて、そういった能力を備えた信用事業の主体たる漁協が数多く出ることを我々は期待をしております。  また、漁協というのは御承知のとおり国のナショナルベースあるいは県段階での連合会というふうな組織になっております。そういった機関の金利設定に当たってのいろいろな情報の提供等々については、系統組織のいわば有利性を生かしたいろいろな指導もあり得ようかと思いますけれども、いずれにしても、末端の漁協の信用事業が十分スケールメリットを持って運営されるような体制づくりというものが基本的に重要であると考えております。

石破茂自由民主党

○石破委員 次に、金融機関としての機能の問題でありますけれども、先ほど来申し上げておりますように、漁家においても漁協の利用率が非常に低いのはなぜであるかということであります。これはやはりスタンダードな機能が欠除しているから利用しないということでありましょうけれども、現状において漁家が金融機関を利用する割合はそれぞれどういう形になっておるか。  そしてまた、これがスタンダードな機能を備えていくためには、やはりオンライン化であるとかそういうものを進めていかなければならない。しかし、去年からオンラインというものが始まったわけでありますけれども、その加入率は非常に低い。しかも、これから先も加入するつもりがあるかと言われても、するつもりは全然ないというのが大体半分近くになっておるというふうに仄聞をしておるところであります。確かに漁協一つ一つで見てみれば、とてもではないがそういうオンラインをするような余力はないであろうと思うのですけれども、そういうようなスタンダードな機能、せめてオンラインくらいを備える、そのために国なり行政機関なりというものが何ができるか、どのようなことを考えておられるのか、そのことについて御教示をいただきたいと存じます。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お話ございましたように、現在の時点で漁協の信用事業に対する組合員漁家の利用状況、貯金で申しますと約五四%弱、それから借り入れでは約五〇%強ということで比較的低位でございますけれども、農協の場合もこれと似たような状況にあることは事実でございます。この要因として、漁協なり農協で提供される金融サービスの内容について、いろいろ組合員の需要に必ずしも十分対応できないという面があろうかと思いますが、その末端の需要に対応していくために、御指摘のとおりオンライン化というふうなことが基礎条件として大変必要になってきていると考えております。  漁協系統では、昨年の五月から一応このオンラインシステムを稼働させておりまして、平成五年までに現状の組合数に対して五割の加入率を目指して体制整備をしたいということで運動を進めておるわけでございますが、これも今回の法律改正の中に織り込んでおります信用事業の統合を本当に効果的に進めていくならば、加入率はこの目標以上に高め得るのではないかと私ども考えております。特にまた、こういったオンライン化の必要性のもとで信用事業の統合を進める際には、やはり私どもとしてこれをてこ入れするために、統合に際して必要になってくるオンライン化に伴う端末機の設置につきまして必要な助成等を行う等々のてこ入れをして信用事業の統合を促進すると同時に、できるだけ早いオンラインシステムの定着を図りたいと考えておるところでございます。

石破茂自由民主党

○石破委員 漁協の合併は何で進まぬかというお話なのですが、合併助成法というものを何度も延長しておる。前回はたしか六十三年に延長したと思っておりますし、私はそのとき質疑に立ったような覚えがあるのですが、そのときに、これによってどういうような効果がありますかと言ったところが、これによってどんどん合併が進むでしょうというお話でありましたけれども、実際問題は全然進んでおらないわけですね。現状においてなぜ進まないのかということであります。  ですから、漁協合併というものはやっていくことは好ましいには違いないのだけれども、漁協というものをよくよく考えてみると、これは相反するところがあるのではないかと思うのです。つまり、漁協の持つ柱というのか、それは二つあるだろう。一つは言うまでもなく漁業権の所有であり、漁業権の管理であるということのはずでありますけれども、もう一つは経済事業であるはずですね。漁業権の所有とか管理とか、そういうものを考えてみると、これは非常に地域が限定をされたものになるはずである。現在の漁業法においては、たしかそういうような考え方をとっておるはずなのです。漁場地元主義という言葉において言われるように、開放主義ではなくて地元主義をとっておる、そういうふうに地先で漁業権の管理をやらせていくということになっておるはずなのです。ところが、経済事業というのはスケールメリットを追い求めていかないとやがては採算がとれない、であるからして統合しよう、こういうことになるわけでありますが、そもそも矛盾する。漁業権の所有、管理、地元主義に根差すところの所有、管理というものと、スケールメリットを追い求めるところの経済事業というものはなかなか一緒にはならないのではないかという気がしているのですけれども、実際において水産庁がなぜ漁協の合併は進まないととらえておられるのか、お教えをいただきたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 漁協の合併助成法につきましては、累次の延長をお許しいただきましてこれまで実施をしてきておりますが、最近の状況を見ますと、この延長された合併助成法を使って合併をされる件数が御指摘のとおり残念ながら非常に少なくなってきていることも事実でございます。  この要因につきましては、ただいま御指摘ございましたように、実は農協などと一番違っておる点は、歴史的な沿革で成立をしておりますまさに地先漁業権のいわば主体として漁業協同組合が位置づけられておりまして、その権利の管理、行使をめぐりまして大変強い地域意識というものがまつわりついておることは事実でございます。何とかこれを克服してまさに漁協が持っております各種の経済事業のスケールメリットの確保を図るための合併ということで、その克服の手段について地域の皆さん方にいろいろな御努力をしていただいておるわけでございますけれども、なかなかそれが進んでいないというのが現実の姿でございます。  我々も引き続き、漁協合併という形で経済事業のスケールメリットを確保し、かつまた地域主義の非常に強い漁業権の管理、行使形態というものを何らかの形で合併後の組合に関係者の納得を得ながら引き継いでいくという仕組みを考えるための努力をしていきたいと思いますけれども、率直に申し上げまして、最近の状況を見ると、そういう意欲を持ちながらも現実の合併を本当に進めていくということは難しいという判断を持っております。特にまた、そういう中にあって、信用事業については、たびたびお話ございますように、その合理化というものは、金融自由化という事態を近い将来に眺めますとその遅滞は許されないという状況がございますので、合併手法を当然本来的な任務として我々としても推進していくつもりでございますけれども、やはりスケールメリットの確立がより一層スピーディーに求められる信用部門については、部門統合という形でスケールメリットの確保を図るべく仕組みをつくり上げたいということで、今回の改正をお願いしておる次第でございます。

石破茂自由民主党

○石破委員 大切なのは、協同組合でありますか ら、組合員が本当に自分たちで支える漁協だという意識を持っていただくような漁協にしていかねばならぬだろう、それが普通の金融機関と違うところであろうと思うのです。一言で言ってしまえば、組合員たちが本当にお金を持っていきたいような漁協にしていかねばならぬだろうということであって、普通の金融機関のように預金どうぞ、どうぞと言って集めることも必要でありますけれども、やはり相互扶助の協同組合であるからには組合員が自分で持っていきたいような漁協にしていく、そのために本法にもいろいろな改正案が盛り込まれておると思うのであります。その点につきまして幾つかまとめてお尋ねをいたします。  今回、漁協の事業がいろいろ拡大をされるわけですね。しかし、拡大されるはいいけれども、今まで魚をとることを専門にやってきた人たちがいろいろな事業に乗り出せるようになるわけですが、それについては適切な指導をしていかないと、かえって経営を危うくすることになりかねないであろうと思っておるわけであります。事業拡大についてその指導、助成のあり方いかんということが一つ。  もう一つは、組合員の資格が今回非常に拡大をされることになるわけでありますが、しかし、そのことによって組合の性格自体が変わってしまうことになりはしないか、そうならないようにどういうようなことを考えておられるかということ。それが二点。  それからもう一つは、近年言われております遊漁船についてでございます。私の選挙区におきましても、遊漁船というものが非常にふえておる、しかし漁業者とのトラブルがあちらこちらで発生をしておるわけであります。今回の法改正においても遊漁船とのかかわり合い方ということが指摘をされておるわけでありますが、特に遊漁船との関係で漁港の整備、管理の方針ですね。その三点まとめてお答えをいただきたい。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいま三点についてのお尋ねがあったわけでございますが、まず最初の漁協の事業拡大の問題でございます。  御指摘のとおり、今回の改正におきまして、漁場利用の高度化でありますとかあるいは漁獲物の販売拡大等のために若干の事業分野を新しく漁協の事業に加えるという措置を織り込んでおるわけでございます。もちろんこれらプラスアルファの事業はまさにプラスアルファのものでありまして、本来の漁協の業務としては、漁業を営む組合員のための経済事業、購買事業、信用事業あるいは営漁指導事業というものが中心的な業務であることは当然であると考えております。ただ、漁協なり水産業をめぐるいろいろな状況の中で、漁協の事業基盤を強化するために新たに取り込むべきものについては、組合員の皆さん方の創意工夫をもとにしてそういった新しい分野への取り組みも可能になることが適当であるという考え方で、プラスアルファ部門として新たな事業をつけ加えておるわけでございまして、いわばこれによって母屋である漁協の本来事業が妙なことにならぬような配慮というものは当然我々としてもしていかなければいけませんし、具体的にプラスアルファの事業をいかなる内容、規模でするかということについてはいろいろな機会を通じて適切な指導をして、御指摘のような事態にならぬような心がけをしていきたいと思っております。  また、二つ目の組合員につきましても、正組合員の資格を若干拡大をしております。それからまた准組合員についても若干拡大をしております。これに伴いまして漁協の性格というものが変わらぬかというふうな御心配ございますけれども、やはり組合の経営基盤強化のためには加入資格者というものが合理的な範囲内で拡大をされ、この方々を加えた形で適切な組合経営が行われていくことが望ましいということで、一定の組合の中での選択によってその拡大の程度というものを決めていくような仕組みを今回導入をしております。組合自体の財務基盤の強化なりあるいは事業量の拡大というふうな面でこの効果を評価しておるわけでございますが、新しく加入資格を得た人たちが組合の運営を乱すというふうなことは決してないことであるというふうに私ども考えておるわけでございます。  それから、遊漁船の漁港利用をめぐりまして地域的に多少混乱が見られる事例というものを私ども承知をしております。これをできるだけうまく調整をしていくために、これは各地方公共団体が漁港管理者になっておるわけでございますが、この管理面で十分その調整をしていくように私ども指導をしております。特にまた、施設面でトラブルが発生しやすい状況を改善をするために、漁港の局部改良事業の中で必要な施設整備をする必要がある場合には、漁港利用調整事業といった形で遊漁船等の係留施設等もあわせて整備する事業を進めておりまして、そういった物的条件の整備をしながら、御指摘のようなトラブルの解消に引き続き努力をしていきたいと考えている次第でございます。

石破茂自由民主党

○石破委員 それでは、時間が限られておりますので、次の問題に入らせていただきたいと思います。資源開発促進法についてであります。  資源管理型漁業という言葉がございますね。これが定義が何かよくわからぬままにひとり歩きをしておるような気がせぬでもないのであります。つまり、底魚と浮き魚で生態系は全然違うわけでありますけれども、一口に、資源管理型漁業というのは一体どういうものをいうのだろうかということの定義が私にはよくわからぬ。つまり、どこにどのような魚がおるかということがきちんと把握をしておらぬ状態で資源の管理ということを言ってみても、余りこれは意味のない話ではないのかなという気がしておるわけであります。最近、つくり育てる漁業であるとかマリノベーションであるとか、そういうことはよく言われるわけです。しかし、漁業法をよく読んでみると、日本の漁業法というのは意外とよくできておりまして、これでできないものは船に乗り組む船員の質の規制ぐらいであって、あとは網の目であるとか漁期であるとかトン数であるとか、何でもかんでも規制ができるはずなんだけれども、しかし今回こういうような法律が提案をされておるわけで、これは一体どういうことに基づくのであろうかなと素朴な疑問を持つわけであります。  第一に、資源管理型漁業というのはいかなるものをイメージとして描いておられるのか、それを教えていただきたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 御承知のとおり、漁業生産というのは、今日いろいろな技術が発達しておりまして、水産資源の再生産の中にいわば人為的な力が入り込む分野が非常に多くなっておりますけれども、達観して申し上げますと、いわば天然資源として一定のメカニズムに従って再生産される資源であるわけであります。それを捕獲する活動を我々は漁業活動として維持をしてきておるわけでありますけれども、最近国際的にも非常に問題になっておりますが、国内の資源が大変悪化をしておるという問題がございまして、どうも再生産メカニズムで再生産される資源量を超えて漁獲が進んだ結果ではないかというふうな考え方がかなり一般化をしてきております。  さすれば、個々の水産資源についていかなる再生産メカニズムが働いているのかということについて、何せ海の中のことでございますので、いろいろな調査研究をしておりますけれども、まだ解明すべき分野は大変多く残っておりますけれども相当程度進んでいる面もあるわけでございます。長年の間、そういった自然の再生産メカニズムを壊さないようにして魚をとるために、いわば経験とか勘とかによって長い歴史の中で漁法、漁期等々についてのルールがつくられてきておるわけであります。実は、従来伝統的にそういった方法で決められてきた漁業の仕方というものの中で資源状態の悪化という事態が起こっておりますので、いろいろな科学研究を進めながらも、資源悪化の状態に応じた漁業手段の改善といいますか、変化というものを公的な規制で行うことはもちろんでありますけれども、漁業者間の話し合いでいろいろやってきておるという実態もあるわけでご ざいます。一挙に科学的に断定できる資源評価というものをつくるのは大変難しゅうございますので、現実に起こっている資源状況の悪化という事態に対応していろいろな科学技術の進歩によって将来補正をしていくことが必要であろうかと思いますけれども、漁業者間のこれまでの知識なり経験を利用して、現実に起こっている資源状態に対応する漁業手段の改善なり話し合い、そういう仕組みをつくり上げていくことが当面大変重要ではないかということで、今回のこの法律改正の中で、漁業者間における自主的な資源管理制度を制度化してはどうかということで御提案を申し上げておる次第でございます。

石破茂自由民主党

○石破委員 とっぴなことを言うようでありますが、漁業というのは資本主義になじむものなんですかということなんですね。要するに、努力をしてたくさんとるということが企業努力になるわけです。しかし、その資源というのは限られているわけであって、そうすると、それを規制するからにはだれかがそれを補償してあげるということも考え方の一つとしてあるんではないのかなという気がしているわけですね。我が国の漁業規制というもの、資源管理というものがもし仮に今までも行われておったとしても、これは間接規制によってずっと行われてきたもののはずなんです。ですから、漁法ですとかサイズですとか網の目であるとか、そういうことを規制しながら、間接規制ということによって結果として資源保護に寄与をしてきたという面がありはしないか。今までの漁業権なるものが、漁業法なるものが資源管理というものを念頭に置いておったとはどうも考えられない。結果としてそれに寄与しておったのであって、海外では直接規制によっている部分も多分あるのではないか。本当に一番いいやり方をしようと思えば、漁業権であるとか免許であるとか、ああいうものを全部買い上げてしまって、それであと免許料なりそういうものを徴収しながら、もう一度水産資源状況の把握を前提として分け与えていくことが一番正しいのではないかと思うけれども、それは財政上もなかなか難しい。ただ、感じとして行政のやるべき責任というものが多分あると私は思うのです。つまり、魚のことは魚に聞け、水産庁よりは県庁の方がよく知っておるであろう、県庁よりは漁協の方が知っておるであろう、漁協よりは漁師の方が知っておるであろう、確かにそれはそうなんです。しかしながら、全体を管理し、水産資源がどのようになっておるかということを、本当に努力と予算を投入しながら行政当局としてそれを正確に把握をするという方面にこれから先も御尽力をいただきたいと思っておる次第でございます。  冒頭にも申し述べましたけれども、こういうような資源管理協定なるものを結ぶわけですね。それにあっせんなり認定なりということを行うわけでありますけれども、それにいかなる漁法というものを包含すべきかということであります。つまり、まき網なんぞというものと普通の沿岸漁業というものは、回遊性魚とそうでないものを対象にしておるわけで、そういうものを一緒に論ずることの是非、それによって力関係は変わりはしないか。力のあるものが得をするのではないかというような懸念があるやに聞いておりますが、その点についてどのようにお考えでありましょうか。  そしてまた、あっせんでありますとか認定でありますとか、そういうことが本法には予定をされておるわけであります。しかし、これが強制力を伴うものでは決してないわけですね。認定というのは一体どういう意味を持つものなのか、そしてまたそれをあっせんするというのはどういう意味を持つものであるのか。結果としてそれに参加をしないのであれば仕方がないということなのかもしれませんけれども、あっせんはしてみたがその協定には参加をしないということになってしまった場合に、結局は正直者がばかを見るような結果になりはしないかなという懸念もあるわけでございますが、その点について、認定、あっせんの意味を含めて御見解を承りたいと存じます。     〔委員長退席、中川委員長代理着席〕

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 この資源管理協定がいかなる漁業種類を対象にして結ばれるかというのはなかなか一義的には断じがたいわけでございますけれども、海域ないしは対象魚種によって、異なる漁業種類の方が一緒になって約束事をするという場合もあり得ようと考えております。例えば同一水域で同一魚種を対象にしてやや重畳した水域で操業が行われるという場合に、その同一魚種、対象魚種である資源の適正な管理のためにそれぞれの漁業展開の仕方について従来と違った仕組みをとる必要がないかというふうな御議論というのは起こり得ると思います。したがいまして、私どもは、これはそういう場合だけではございませんけれども、そういう場合も含めて多種多様な資源管理協定というものが成立し得ると考えております。  その際に、具体的な資源管理協定が結ばれる際に、ある特定の漁業種類が大変不利な扱いを受ける、あるいはまた正直者がばかを見るという御懸念も今御指摘を受けたわけでございますけれども、この漁業者の自主的な管理協定がうまく成立をしていくためには、率直に申し上げまして、この協定に関係する漁業者自身の意識変革というものが私は根本に必要ではないか。今までどおりのことを今までどおりやっていくということでは事態が改善されないあるいは事態が悪化する、そこを十分認識していただいて、それじゃお互いにどうしていくかということをいろいろ御議論をいただく。その際に、先ほど先生からも御指摘いただきましたように、大変まだ不完全なものではございますけれども、資源評価なりあるいは資源再生産メカニズムがどういう状態になっているかということについて、私どもの研究機関あるいはまた各都道府県の水産試験場等々で蓄積をされております科学的なデータ等を提供して御議論の参考に供し、また必要があれば我々の意見も申し上げるという、多種多様な管理協定締結に向けての努力なりノーハウの積み上げということが必要であろうと考えておるわけでございます。  その過程で、例えば話し合いをスムーズに進めるために、行政庁にはあっせんという手続も入れております。これは事実上の行為として、我々この管理協定締結のために必要な場面にはあっせんという事実行為でひとつ介入をしていこうということを明らかにしておるわけでございます。また、認定ということによりまして、御承知のとおり、この認定を受けたものについて一定要件下で、公的な規制の上でこの管理協定の内容というものを活用していくというふうな効果を私ども織り込んでおるわけでございます。また、具体的に今後この認定を受けた資源管理協定をできるだけ定着をさしていくためにいろいろな助成方策が必要であるという場合には、そのための一つのよすがとしてこの認定制度というものを活用していくことも考えられようかと思います。今のところ、まだそこまで詰まった議論をしておりませんけれども、認定制度というものが円滑に運用されるために、そういった実態面でのサポートの仕方ということも今後検討すべき課題であると考えておるわけでございます。

石破茂自由民主党

○石破委員 今長官がお話しのように、資源管理型漁業というのを本当に実現するためには、二つのことが大事だろうと思うのですよ。一つは、本当に客観的に科学的に水産資源の状況が把握をできる。これはだれがやるかというと、行政がやるしかないわけですね。認定する、あっせんするといっても、おまえら全然知らぬじゃないかということでは困るわけであって、やはりそのことには最大限の努力をつぎ込んでいただきたいということ。そしてまた、MYE点であるとかMSE点であるとかそういうものを飛び越した場合でも、漁が少なくなればなるほど魚価ははね上がるわけですね、当たり前の話なんですが。例えば私の選挙区でとれるマツバガニなんというのは、今や一枚何万円とするようなとんでもない高いものになってしまった。だから、資源は枯渇をしようが何をしようが、とにかく高く売れればいいではないかというような考え方もやはりあろうと思うのです。もちろんそれぞれの漁業者の方の認識という のも大事ですけれども、漁業者の方々も一生懸命生計を立てていらっしゃるわけだから、それを一概にいかぬではないかということもまた無理な話ではないか。したがって、そういうものに対してどのようなてん補をしてあげるかというような財政措置、助成措置、そういうものが両々相まって資源管理型漁業というものが初めてできるのではないかなと思っておる次第でございます。  時間がなくなりましたが、最後に、この二法を通じまして、これからの漁業の発展に対します大臣のお考え、御決意なるものを承れれば幸いであります。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○山本国務大臣 今まで先生と長官の間で大変突っ込んだ質疑応答がされまして、ずっと私、傾聴しておりました。要は、漁業協同組合を強化して、将来の我が国の水産業の発展に資したい、こういうことに尽きるわけでございます。  漁協は、まさに自主的な組織として従来もそれなりの大変な役割、例えば地域における経済的、社会的な地位向上の役割とか、あるいは水産業の生産量の増進の問題とか、あるいは地域ぐるみの発展のために大変な役割を果たしてきたということがございます。ところが、さまざま御指摘がございましたけれども、最近、特に我が国を取り巻く水産業は非常に厳しい状態になりまして、国際漁業の規制の一層の強化とか、あるいは資源状態が悪化したとか、あるいは漁村の活力の低下とか、そういう問題に対応すべくどうしても漁協をさらに強力な組織にしていく必要があるというふうなことを中心に今回の二法を提案させていただいた、こういうことでございます。そこで、内には組合員の協力、また外には国民のニーズに応じた協力、両方必要なんですけれども、今御指摘がございました組織基盤あるいは財務基盤両方を改善強化を図っていく必要があるというふうに考えておりまして、これらをさらに従来の法律と兼ね合わせて水産業の発展振興あるいは漁村の地域の活性化、このために大いに役立ててまいりたいというふうに考えております。ありがとうございました。

石破茂自由民主党

○石破委員 終わります。

中川昭一自由民主党

○中川委員長代理 日野市朗君。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 きょうは二法が提案をされているわけでありますが、私は、まず資源の関係から入ってまいりたいというふうに思います。  漁業資源というものは非常に貴重なものでございまして、今石破委員の方からマツバガニですかな、あれが少なくなっても高く売れればいいというようなものではないだろう、私はこう考えておりまして、資源をふやしていく、そして、それがとれて安定的な価格で売れて、それによって漁業者も消費者も、そしてまたその流通に携わる人たちもきちんとした生活が営める、水産物を消費者に安定的に供給するということでなければならないというふうに思っておるわけです。それで、資源というものは非常に貴重なものだ、そのために今度の法律によって資源をきちんと守り育てるようにしてまいりましょうということであろうと思います。大体この法律の中で取り上げている問題意識は正しい、こういうふうに私は感じております。  しかし、それにしても、資源そのものを大事にするという考え方、これがややもすると密漁というような形で損なわれていくという非常に遺憾な事態が間々見られるわけですね。ここ数日、実は鯨について密漁があったのではないかということが新聞紙上に報ぜられているわけでございますね。鯨については非常に厳しい国際環境下にありまして、特にIWCにおきましては日本は非常に苦しい立場で、水産庁あたりでは非常に奮闘しておられる状況を私たちよく存じております。そういう中で、鯨の密漁というような事態が起きたとすると、これはゆゆしい事態ではないかというふうに私は考えているわけでございますね。資源を何ぼふやそう、ふやそうといっても、こういった形でみんなの努力が無にされてきてしまうというようなことがあっては絶対にならないことだというふうに私は考えております。まず、その点についてはどのようにお考えになっておられましょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいま水産資源の保護の重要性について御指摘があったわけでございます。繰り返すようでございますけれども、私どもも、水産資源というものは、自然の再生産メカニズムによって適正な捕獲行為が行われている範囲内では資源が十分に再生産される資源である、そういう特性を持ったものでありますから、その保護、培養というものを考えた適正な漁獲をしていくということが漁業生産のために必須の要件であるというふうに考えておりまして、先生のお考えに私も全く同感でございます。  残念ながら、そういうメカニズムで再生産される水産物資源は、捕獲されますと一定の経済的価値を持つわけであります。したがいまして、お話ございますように、ルールに反した漁獲行為が間々起こるわけでございます。これは二通りございまして、漁業者自身がそのルールを被る場合と、それから漁業以外の方がいろいろな形で類似行為を行って経済的な利得を得るという二つの場合がございます。そのいずれにしましても、私ども、漁業取り締まり上あるいはまた漁業者の自主的な密漁監視活動というふうな両面から、そういった密漁活動が起こることのないよう指導なり努力、あるいはまた起こった事態に対し一定の措置を講ずる努力をしておるわけでございます。残念ながら、御指摘ございました鯨の問題についてもそういった密漁という疑念が抱かれる事態が現在発生をしております。私ども、事実関係の究明を現在関係する県にお願いをして進めておるところでございます。  特に、この鯨をめぐる問題につきましては、先生からただいまお話ございましたように、この捕鯨問題をめぐる大変厳しい国際世論の中で我が方の主張を実現すべく、ことしの、既にもう事実上小委員会はスタートをしておりまして、それから七月の初めにIWCの総会が予定されておりますけれども、その場面におきましても、御承知のとおり、ことしはかねて懸案になっております商業捕鯨モラトリアムの見直しというふうな大問題を論議する場が予定をされておるわけでございます。実は、この捕鯨問題については、先生も御承知のとおり、単に適正な資源管理論という枠を超えましてやや宗教的信仰にかかわるような論議にさえ発展をしている中で、私どもとしては冷静な資源管理論に基づいた我々の主張をやっていこうという矢先でございます。そういった状況の中で、御指摘のような事態が生じたことはまことに遺憾であると思いますが、事実解明を待ちまして必要な措置なり指導体制の強化を図ってまいる所存でございます。  いずれにしましても、お説のとおり、水産資源というものは大変貴重な資源であり、その保護、培養を図りながら適正な漁業活動を展開をしていくということが何にも増して重要なことであり、密漁防止のためのいろいろな努力というものは、私どもとしても今まで以上に努力していかなければいけない課題であるというふうに考える次第でございます。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 この鯨の問題については、今長官が言われましたように、まことに宗教的なと言っていいのか、感情的なと言っていいのか、とにかく資源問題を超えたところに非常に問題点があるような議論がいろいろ行われていることも、事実そのとおりでありましょう。しかし問題がこのように国際的な問題になっている以上、我々が話を進めていく、そして、IWCにおいてしかれた一応のルールにのっとって我々も鯨というものと向かい合っていく以上は、そのルールは日本の国内においてもきちんと守られているということの担保が絶対必要であろうと私は思うのです。この担保的措置をとるのはやはり水産庁なんです。ですから、鯨について密漁が行われているというような事態があったならば、これは毅然たる態度を示していただかなければならないと私は思うわけです。  現在調査中ということでございますが、毅然たる態度をとる以上はその調査も毅然たるものでな ければならないと私は思っております。これについては私の地元の有力な新聞が非常によく調査や何かをされておられるわけですが、水産庁の調査では現在どのような事実を掌握しておられますか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 御指摘の案件について私どもが今得ている情報は関係する県からの報告に基づくものでございまして、まだ確たる詳細な状況は掌握できておらないのが率直な状況でございます。引き続き関係県において調査をお願いしておりますし、また、状況いかんによりましては私ども自身も状況把握にそれなりの努力をしていく必要があろうかと考えております。  いずれにしましても、事実究明の上で、守るべきルールはしっかり守っていくということが国際的場面で我々の主張を通すための基本条件であることは、御指摘のとおりでございます。決めたルールはしっかり守っていく、その上で冷静な科学的論議を踏まえた論議が、科学的な論議にたえられる我が方の姿勢が形成されるものと考えておりますので、御指摘の点をよく肝に銘じまして事実の究明なりそれに対応した措置を十分検討してまいりたいというふうに考えております。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 ミンククジラの密漁ということで今問題になっているのですが、その密漁の手段として、いわゆる突きん棒漁法が行われたというふうにも新聞紙上に指摘されているわけでございますが、そのような事実の掌握はしておられますか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 関係県からの報告でそのような疑いが持たれているという事実は聞いておりますけれども、その事実の最終的な確認はまだ報告を受けておりません。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 その事実を確認された上はきちんとした措置をなされる、毅然たる措置をとられるということについてはよろしゅうございますね。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 究明された事実に基づいて私どもとして所要の措置をとるのは当然でございます。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 ミンククジラは資源的には確かにふえている。これは調査の上からも科学的なデータとしても出ていることでありますし、経験上もかなり確認されているところのようでございます。我々がこれから国際的に捕鯨の枠を取ろうとすればこのミンククジラというところに一つの焦点が行くのでありますが、そのミンククジラについてこういう密漁が行われたことについては、特に私の選挙区には鮎川があるわけですけれども、ここでは非常に大きな衝撃を受けているわけでございます。細々とした糸にすがるようにして何とか捕鯨を再開する道がないものか、こうやってみんな期待している、泣かんばかりの思いでその糸にすがっている、期待している、これはおわかりいただけると思うのです。そういう人たち、きちんとしたルールに従って生業としてそれを営んでいこうとしておる人たちの期待を裏切ることのないように、毅然たる態度をとり、それからIWCにおいても、こういう遺憾な事態は遺憾な事態としてきちんとその資源の問題や何かで論戦を繰り広げていただいて、こういう人たちの期待にこたえる努力をするということをひとつお約束いただきたい。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 現在伝えられておりますその密漁というものが本当に事実であるとすれば、看過し得ない問題であるというふうに私どもも認識いたしております。また、先生から御指摘ございました鮎川は、御承知のとおり、日本の伝統的な沿岸捕鯨基地の一つでございます。この我が国の沿岸捕鯨につきましては、御承知のとおり商業捕鯨モラトリアムの実施に伴いまして、現在、IWCの対象になっておりますミンククジラを初めとした捕鯨を停止しております。IWCの対象になっていない小型鯨類をまさに細々と捕獲して漁業を行っておるという実態でございます。  この問題について、先生も御承知のとおりでございますが、一般的に商業捕鯨モラトリアムの見直し問題とは別の問題として、いわゆる沿岸捕鯨といった第三カテゴリーというものを認めるべきではないかというような主張を過去二年間において私どもはIWCで主張してまいったわけでございますけれども、今日までまだ実現を見ていない状況でございます。関係者がそういう方向についていろいろ御関心をお持ちであるということを十分承知いたしておりますが、私どもは、それを踏まえて、来月予定されますIWC総会へこの第三カテゴリーの問題についても問題提起をするつもりでございます。その成否については客観的に見てなかなか予断を許さない状況ではございますけれども、これまでの努力を踏まえてさらに一層の努力をしたいと私どもは考えております。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 鯨の問題はその程度にいたします。  もう一つ、最近これもまた問題になっておることでありますが、日本の船が北朝鮮の国旗で、公海上で拿捕されるという、非常に私どものまゆをひそめさせるような行為といいますか漁獲行為が行われたわけなんでありますが、これについては前回の一般質問の際にも何人かの同僚議員から質問がございましたので重複することは避けたいと私は思っておりますけれども、こういう事態が起こるということは、どうも水産庁としても従前から見通しを立てていたのではないか、そして、今までもこういうような形での漁業活動が行われていたのを水産庁としては見逃してきたのではないかというような疑問が去らないわけであります。この点についてはいかがでございますか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 御指摘の案件につきましては、私どもとしてもそのこと自体大変遺憾な事態であると考えております。一つには、既に海上保安庁におきまして国内法令違反、海上運送法違反ということで捜査に着手しておりますし、また、この拿捕された漁船内には相当数の日本人がおるというソ連側からの情報も得ております。その安全確保なりあるいはまた早期帰国へ向けての努力を続行中でございますので、詳しい事実関係についてここで申し上げることはひとつ差し控えさせていただきたいと思いますが、基本的に申し上げまして、このような形での操業が過去に存在したことを水産庁として黙認をしておったとか、あるいは今回のような操業を我々水産庁として容認したというふうな事実は全くございません。このような操業形態については、現在の国内法令に照らして違法なものであるということは常に私どもも申し上げてきたところでございまして、その認識は過去も現在も変わっておらないところでございます。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 今、京谷長官が言われることはそのとおりに伺っておきましょう。私が持っている心証とは大分かけ離れたものがあるということだけ申し上げるにとどめます。今度もこうやって法律の改正の用意もして、資源を保護していきましょう、資源をふやしていきましょうという表向きの御努力というものはこれは高く評価するのです。しかし、一方において密漁の横行というようなことがあれば、こういった表向きの努力をしてもしり抜けになってしまう。まことに私は遺憾だと思っているのです。  しかし、それと同時に私は水産庁に少し厳しいことを申し上げたい。実は、密漁ということは意外と多いのですよ。これは、意外とということではないのですな。密漁というのが余り罪の意識もなく行われているというのが日本の漁業の状況ではないか。中には暴力団が資金稼ぎにアワビの密漁に入るとか、そういうことなんかはいっぱいありますよ。しかしそれ以外にも、残念だけれども密漁の横行というのはかなりあるのではないか。そこいらのモラルをきちんと締め直さないと、表向きの法律を幾ら用意してもしり抜けになってしまう、そういう感想を私は持っています。長官はいかがです。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 御承知のとおり、漁業の活動というのは非常に長い歴史を持っております。また今日形成されております漁業秩序、漁業をめぐる各般の秩序というものは、そういう長い歴史の中で沿革的に形成をされてきたものであるというふうに私ども理解をしております。そしてまた、関係する漁業者はお互いに大変強い地域的な連帯のもとで漁業生産を営み、生活をしてきておるわけ でございます。そういったことで、現実の漁業活動の中で漁業者自身において、かつまた、漁業生産活動というのは御承知のとおり漁業種類によっても差はございますけれども、比較的人目につかない海上で展開されるという場合が多いわけでございまして、そういった関係から、既成の秩序から若干外れた行為が見過ごされやすいという特徴を昔から持っておったという事実は私も認識をしております。そういう特徴を持ちながらも、やはり資源のより適正な管理のためにはそういう行為を防止をしていく、あるいはまた、その防止のために事実が明らかになった場合には厳正な措置をとっていくということが必要であろうかと考えておるわけでございます。  そのほかに、水産物の経済的価値の高まりによって、先生からお話ございましたように、漁業の外部から非常に暴力的な手段も使った形で水産資源の捕獲が行われるという事例が地域的に一部ふえておるということも聞いております。率直に申し上げまして、そういった事態に対応して、まず漁業者内部でのそういう活動を防止するためには、やはり漁業協同組合、漁業者団体等を通じた漁業者内部の自主的な統制というものが必要であるということで、私どもも団体等を通じていろいろお願いをしておるわけであります。また、具体的な公的な権力的統制として、水産庁の取り締まり、あるいはまた海上保安庁、警察庁といった関係省庁にも漁業秩序の維持のための御協力をお願いを申し上げ、具体的な事例に応じて各関係組織にもお力をかりて密漁防止に努めておるという実情でございます。御指摘のとおりいろいろ問題もあろうかと思いますが、そういう仕組みの中で我々も今後さらに努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 今長官おっしゃった中に、漁業というのは共同体的な作業が必要だということ、これは私よくわかるのです。そしてそれがある程度、密漁というかルール違反といいますか、そういったものを助長してきたという嫌いがないとは言えないと私は思うのですよ。例えば北洋の漁船が隠しがめを持っていたということがいかにソ連を刺激したか。いかにアメリカを刺激したか。それから後は、オブザーバーを乗せろというようなことになって、なお信用できない、これはもう締め出すしかない、こういう形に進展していったじゃないですか。そういうことが鯨の問題でもまた起きるおそれなしとしないわけであります。そういう、法に違反するということだけではなくて、資源を資源として大事にしていくのは自分たちの責務だという、これは漁業家の、また関係する人たち、これは水産庁も含めてですよ、関係する人たちのきちんとした腹構えがなければいけないと私は思うのです。私の感想を言わせてもらえば、今まで、そういうルール違反をやってもある程度大目に見るという体質が水産庁自体にもなかったわけではないと実は私思っておりますよ。ここでそれについてイエスかノーか聞けば、ノーでございますという答えが来るに決まっていますから私はその点についてあえてきつく感想を求めることもいたしませんけれども、私はそういう感じを持っている。  今度の北朝鮮の旗を掲げての操業という問題だとか、それから密漁の取り締まりについて、私は前から言っていたのです。密漁に用いた船を押収しろ、没収しろというようなことも私は前から強く主張していたのですが、そういう点については水産庁はいろいろ逃げた答弁を今までしてこられた。しかし、これからの問題としてはもう、資源を大切にしていくというそのことをみんなで意識して、密漁などは絶対にしない、資源を大事にしていく、そしてその資源の再生産を図りながら自分たちの生きる場をつくっていく、そういうことが絶対に必要だと思う。そういうモラルについての指導というのがこれから何よりも大切ではなかろうか、私はこう思っております。長官からも御意見を伺いたいが、そこらについては、大臣、これから漁業の生きる道というのはそこに一つの大きなポイントがあるのではなかろうか、私そんなふうに思いますので、大臣からもひとつ御感想を伺っておきたいと思います。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○山本国務大臣 先生の御指摘のとおりでございまして、やはりモラルが非常に重要だ。一方では、今回の事件の問題等とも関連しまして、私は水産庁長官とも随分話をしたのですよ。先ほど黙認云々という話もございましたけれども、それは絶対にない、これははっきり申し上げておきたい。水産庁の名誉のためにも申し上げておきたいと思います。ただ、水産庁は漁民の味方の総本山なわけですね。ですから、海の仲間を守りたいという気持ちだけは絶えずなければならないというふうにも私は思っておりまして、それがこの前、この委員会でしたか、血も涙もあってもいいという私の発言にもなったわけですが、それは法を犯してということを黙認することではないのだ。法は法できちんとしなければいかぬ。しかも、今先生再三御指摘のとおり、これから漁民の方々が本当に未来を目指して生きていくためには資源を大事にしなければ、そしてその資源のサイクルの中で、まさにつくり育てる漁業、近海はそういうことです、それから遠洋の場合にも資源を大事にするというモラルの向上がきちんとなければ、これは海の仲間でも何でもない、こういう話も長官ともしたわけでございますが、私はそういう感想を非常に強く今回の事件も含めて持っております。先ほど来石破先生からもいろいろ御指摘がございましたが、資源保護という問題、漁業者のモラルの問題、そしてまた漁業者の集まりである協同組織を強化していく問題、言うなれば三位一体に考えていかなければいくまいな、こういうふうに考えております。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 そういう資源を大事にするという観点からいいますと、私も大臣が使われた言葉をそのまま使えば、海の仲間、これはお互いに大事にしていくという観点は必要なのであって、そのためにこそ資源を大事にしていくという観点は非常に大事だ。だからルール違反なんかには厳しくやらざるを得ない、やってもらわなくては困る、こう思っておるのですね。  それで、ルール違反というわけではないけれども資源状況を悪化させていくような漁法というのはあるわけですね。効率漁法と言われるもので、例えば底びきであるとかまき網であるとか大目流しであるとかいった効率漁業というものはあります。これは確かに漁業の効率としてはいい漁法になるでしょうけれども、資源の再生産ということになったらどうなっていくんだということをつくづく考えさせられる問題でございますね。例えば底びきをとってみましょう。特に沖底と言われるもの、沖合底びきなんかでは網目の規制ございませんね。そうすると、せっかく卵から育てて放流した稚魚、そういうのまで一網打尽に入ってしまう。こういう事態を改善していくためにどういう手段、方法をとらなくてはいけないかということはみんなでよく考えてみなければいかぬですね。それからまき網なんかもカツオのまき網なんというのを見ますと、大きいのから小さいのからそれこそ一網打尽だ。しかも魚体が傷ついて、市場に上げれば値段は安い、こういうような漁法、こういったものを今のまま野放しにしておいていいのか、そういうことは深刻に私は考えざるを得ないのですがね。こういう効率漁業についてどのようにお考えになります。これこそ、特に底びきなんかの場合は我々もっと考え直す必要がある、こんなふうに思うのですね。特に、県の許可の小型底びきというものについては網目の規制があって、沖合底びきについては網目の規制がない、こういう非常に跛行的なといいますか、アンバランスなといいますか、そういう状況に置かれていること、私は非常に奇異な感を持ちます。特に底びきについていかがでございますか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいま、資源管理問題をめぐりまして底びき網漁業、まき網漁業という特定の漁業種類についてのいろいろなお話があったわけでございます。ほかの漁業種類も含めまして、それぞれ一定の経済合理性なり歴史的な経過を持って成立をしている漁業であります。これは沿岸漁 業で行われている各種の漁業も同じであろうと思います。  その中で、確かにおっしゃるように従来どおりの操業の仕方でやっていくと資源に悪影響を与える場面もある漁業もあるわけでございまして、そういう実態を踏まえて、同一業種間はもちろんでありますけれども、異業種間でもお互いにどういう操業条件の改善の工夫をしていくかという話し合いをしていくということが今回の管理制度のねらいでございます。今先生御指摘のように特定の漁法一般について、常にいかなる方法を講じても資源破壊的であるというふうな認識の仕方は私どもとっておりません。水域の違いあるいは対象魚種の違いあるいはまた操業時期の問題、それからまた網目規制の問題についても、いろいろな相談の仕方があろうかと思います。そういうものを個々の条件に応じてきめの細かい論議をして、これまである漁業がそれぞれに新しい操業方法のもとで資源管理にそれなりに協力をしていくという体制づくりが必要でございまして、一般論としてある特定漁業が全面的に排除されるべきであるというふうには私ども考えておらないところでございます。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 宮城県で、どうも自分の選挙区のことばかり言っておるようで悪いのですが、これはいい例だからお話しするのですが、メロウド紛争というのがありまして、近海の小舟の漁師と沖合底びきとの間で、これは協定を結んでまさに事態は一応は解決を見たのです。しかし、そのとき私も、これはちょっとひどいなと思ったのは、沖合底びきの網目の問題でございました。小型底びきはいわゆるメロウドというものは入らない程度の網で引いているのに、片っ方は網目をさらに小さくして、蚊帳目というのですか、蚊帳ですね、あのくらいの目で引き始める、こういうことになったら、これはちょっといかがなものか。それは、時期的な規制それから海域の規制はありますよ。しかし、どの海域を引くにしても、あの蚊帳目で引いたのじゃ魚どころかプランクトンまで皆引いちゃう。こういうことまでにいくのはやはり放置できないのではないかというふうに私は思うのですよ。特に沖合底びきの網目ですね。これは規制すべきだと私は思う。私の個人的な考え方を言いますと、あの底びきを三年間やめれば、今すぐやめさせろと言っているのじゃないですよ、仮定の話、三年間やめればもうその辺の海はまさに魚の宝庫として復活するのですね。私はそういう感想を持っているので、特に沖合底びきの網目、これは規制すべきだと思うが、いかがなものでしょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 先生御指摘のとおり、宮城県の沖合海域で、メロウド漁をめぐりまして沿岸漁業と沖合底びき船の間で紛争が生じておったわけでございます。まさに宮城県の条件に応じまして関係者間の話し合いが進められまして、本年の漁から関係者間で一定の合意ができまして、それぞれの操業規制をする、いわば暫定的な合意ができたと私ども承知をしております。さらにこれが将来長期にわたってどういう規制をしていくのがいいのかという御議論がありますれば、また当事者間での話し合いを基本にしながら、お互いの納得のいくようなルールづくりが必要になってくるだろう、していくことが必要だと私ども考えております。  実は、この底びき網漁業と沿岸漁業との調整問題というのは、宮城県に限らず北海道でも現在非常な論議がございます。これも関係者間の話し合いをしております。やはり地域の実情に応じて当事者間の話し合いを進めて、双方の合意が得られるような内容で事を決着させていく、かつまた、その内容が資源保護なり資源管理にふさわしい内容になるように、私どもも関係する都道府県と協力をしてしかるべき指導をしていきたいというふうに思うわけでございます。宮城県の決着の状況と北海道の決着の状況はやはり地域の条件が違いますからおのずから違ったものになるだろうと思っておりますけれども、一般論でこの漁法がすべて悪い、それじゃどういうふうな方法をとって操業の仕方を直していくかということについては、地域の状況に応じたきめ細かい論議を踏まえて決めていくべき問題ではなかろうかと考える次第でございますが、いずれにしても宮城県の問題、長期的に決着をした問題でもないと思っております。今後に残された課題もあろうかと思いますが、組合、県当局とも十分連絡をとりながら、より安定的な状態をつくるべく、私どもも側面的に御協力を申し上げていきたいと考えております。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 網目はどうですか、網目。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 当面の宮城県でのメロウドの解決というのは、沖合底びき網漁業の操業水域をかなり大幅に縮小して、網目は従来どおりということになったと承知をしております。先生から御提起されるような問題が今後の問題として論議の対象になり得るのかどうか、これまた関係当事者間で話をしていくべき課題であろうかと思います。今のところ、網目の問題は抜きにしまして、操業水域を大幅に後退をさせるということで暫定合意が成立しておるというふうに認識をしております。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 私が網目の問題を取り上げたのは、資源を守っていこうというのなら、そんな小さい稚魚のようなものまで一網打尽にとり尽くしてしまうというようなことはやめなさい、そのためには網目をもっと大きな網目に制限をすることが必要だという認識、これはもう単に宮城県におけるメロウド紛争だけではなくて、一般論としてトロールの網目というのはもっと大きなものに制限すべきだ、私はこう申し上げているので、そういう方向に努力なさるつもりがあるかどうか、伺います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 宮城県のメロウド漁を行っておった沖合底びき漁業で使っている網目の問題でございますが、まさにメロウドをとるために特に網目の小さいものを使っておったようでございますが、操業水域を後退をさせてメロウドをとらない、もっと大きい魚種をとるということになれば、恐らくそれに見合った網目を使用するものだと考えております。まさにとる魚の種類によってそういうふうな漁法の変化というものは当然起こり得ることでございます。そういった問題も含めまして、いかなる操業方法の改善が必要かということについては、網目の問題も含めて当事者間での議論、話し合いを行い、必要な合意をつくっていくことが必要だと考えております。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 お話を伺っていますと、どうもこのお話だけで時間がなくなっては困るので、別の観点からちょっとお話しします。  今の長官のお話、当事者間での協定のお話が非常に強く前に出ているのですよ。さて、そうすると、この協定というものはかなり疑問だなと私、今思い出してしまっているのです。この協定に全部任せてしまって、肝心のところを水産庁が逃げて歩いたのではしようがないぞと今、私は思い始めているのですよ。そこいらはどうなんでしょうね。協定を重視していくこと、これは非常に大事ですよ。しかし、それについてはきちんとした指導の指針というものがなければいけない。これは一応書いてありますけれどもね。その指導の指針、それも漁業資源を守っていきますよということをきちんと見据えた指針を持っての協定でなければいけないと思うのですね。当事者にばかり任せていたのではこれはちょっとまずいのではないか、こう思い始めていますが、どうですか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 私どもこの管理協定制度の運用に当たりまして、私どもが当たるべき衝を決して避けるつもりはございません。ただ、各水域ごとに異なった漁業種類間のいろいろな対立があることも事実でございます。もちろん科学的なデータ等も踏まえて、そこへできるだけ公平な指導なり事実上の介入をしていく場面もあろうかと思いますので、あらかじめ予見を持ってある特定漁業についてこうあるべきだ、あるいは、あるものについてはこうしなければならないのだということを強制的な形で介入していくことは私どもとしてはできるだけ避ける方がいいのではないか、こう 思っております。  ただ、その際に、御指摘のように一定の指導性を持って事に当たるということ、なかなか難しい課題ではございますけれども、私の申し上げたできるだけ公平な立場で指導に当たるということとそれから一定の指導性を持つということが大変矛盾するような観念ではございますけれども、いわば調停者、あっせん者的な機能が十分確保できるような態度で事に当たっていく必要があると考えておるわけでございます。もちろん指導指針というものを私どもとしても持っていかなければいけないと思いますけれども、地域別に具体的にそれをどう応用するかという問題についてはかなり弾力的でなければならないと私ども理解をしております。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 じゃ、時間がなくなってきましたので、今度は水協法について若干聞いてまいります。  現在の漁協の最大の問題点は、規模が余りにも小さいという点にございますね。これは合併助成のための努力も随分続けてきたのですが、どうもその成果というものはきちんと上がっていないように思うのですね。成果が上がらない理由というのは幾つか考えられるだろうと思いますが、最も根本的なものはどこだとお考えになっていますか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 漁協合併につきましては、これまでも数次にわたる合併助成法の延長を通じて我々も努力してきたつもりでございますが、ごく最近の状況を見ますと、合併促進にも限界が見えてきているのではないかという状況であることを率直に申し上げなければいけないと思います。  合併を阻害する要因としていろいろ御議論があるわけでございますが、組合の幹部の皆さんの方の合併に対する意欲に大変差があるとか、あるいは、これは漁協固有の現象でございますけれども地域的に固定化された漁業権の行使主体であるという要因もいろいろ言われておりますけれども、一つの無視できない要素として漁協間で財務内容にかなり格差があるということも合併を阻害する大きな要因ではなかろうかというふうに認識しております。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 今度は、信用事業については譲渡をしたりいろいろの手法を用いてこれを大型化していく、そして機能的なものにしていくということにされるようでありますが、漁協の合併そして大型化ができない以上、これはもうやむを得ないだろうというふうに私も思っているのです。そのことのために、信用事業の方はそっちはそっちでやるということのために、これからもう漁協の合併のための努力が阻害されてしまうというようなことはないのでしょうか。そして、漁協合併を進めていくとすればどういう手法に基づいて漁協合併をこれから推進していかれるつもりか、そこらのところをちょっと伺っておきましょう。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 これまで進めてきた合併という手法がなかなか難しい状況に当面しておるわけでございまして、スケールメリットの必要性が大変高まっている信用部門について、いわば部門別統合という形での手法を今回の改正でお願いしておるわけでございます。もちろん、この部門別の統合ばかりではなくて、やはり合併という手法が本来的な手段として必要であるという認識は私どもとしても持ち続けていきたいと思っております。そのために、今回の法改正で予定をしております信用事業の規模拡大のためのいわば部門統合という仕事とあわせて、合併という手法にも十分意を用いていくべく系統団体の指導に当たってまいりたいと考えております。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 こういう信用事業は信用事業で切り離されて別個の組合でやるということになりますと、それまでの事業を譲渡する側の組合員が、信用事業を利用することにかなり難しさが出てきやしないかということを私は心配するわけです。しかも、小さい漁協の組合員であっても大きな漁業を営んでいるところというのは、今までもそんなに信用事業では不自由はしなかったというのが実情ではなかったかと思いますね。漁協から借りることもあったろうし、銀行とか信用金庫とかそういった金融機関から金を借りるについても、比較的大きい事業を営んでいるところは借りやすかった。しかし、問題は小さいところですね。やれ娘が学校に入る、息子がどこそこに行く、そういうことでちょっとした金を借りたいというときに困ってくるんじゃないのかという感じがしますね。そういうところの心配はないのかどうか。そして、そういう小さい、譲渡した方の組合の組合員資格は恐らく信用事業を営む組合の准組合員になるんだろうけれども、やっぱり正組合員と准組合員では取り扱いは違いますからね。そこらの取り扱いは大丈夫なのかという点ですね。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 信用事業の統合形態というのはいろいろな形があると思いますが、先生御指摘のように譲り渡しという形で一定の組合に信用部門を譲り渡すという形態で行った場合に、譲り渡しをした組合の組合員の金融サービスに手抜かりはないかという御懸念であろうかと思います。  確かにそのような御懸念あり得る話でありますけれども、我々としては、信用事業を譲り受けた漁協の信用事業の現実の運営に当たりましては、譲り渡しをした組合のいわば窓口を新しく統合された信用事業の窓口として引き続き活用していくとか、あるいはまた、新しく統合された信用事業の業務を譲り渡しを行った組合に一部業務を委託する、末端サービス業務を業務委託をするという形で、譲り渡し組合の組合員に先生御指摘のような御懸念が生じないような運営面での配慮を指導してまいりたいと考えております。また、御指摘のとおり確かに譲り渡し組合員の場合には譲り渡しを受けた組合において准組合員扱いになると思いますけれども、現実面としては、金融業務の面で准組合員が差別待遇を受けることは余りあり得ないというふうに考えておる次第でございます。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 今、信用事業を営んでいる漁協でオンライン化されているのは残念ながら半分以下というふうに私承知しているのですが、そうやって自分の組合以外のところに信用事業が行っちゃったということになってオンライン化されてないと、実務上は、実際は金を借りるのにも預けるのにも大変な支障が出てくる、これが実情じゃないかと思うのですが、そこらのところはどういうふうに支障なくやっていかれるつもりなのか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 漁協の信用事業の金融業務についてオンライン化を進めなければいけないというのは、末端での金融サービス内容の充実なりあるいは内部の管理コストの引き下げのため合理化のためにどうしても必要な課題であると思います。今回の信用事業の部分統合制度の発足に当たりましても、できるだけオンラインシステムへの参加体制を整備する必要があるということで、統合組合におきます端末機の整備について必要な助成をするというふうなことを平成二年度の予算措置で講じておりまして、これらの組み合わせによって統合された信用事業の運営がオンラインシステムにできるだけ即応して実行されるように、系統の努力なり私どもの御協力を申し上げていきたいというふうに考えておるところでございます。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 これは、一口に事業の譲渡と言っても大変なことでございまして、水産庁の方でおつくりになったのでしょうか、「事業譲渡・譲り受けの事務フロー」というものをつくっておられるようであります。私もずっと見せていただきましたが、かなりよくできているなと思ってはいるのですけれども、やっぱりこれを一つ一つきめ細かにきちんとやっていかないと大変な混乱が起こったりなんかしはしないかと思うのです。特に私が心配しますのは、今までの漁協の信用事業というのは少ない人数でやってきましたから、そしてまた貸し付けなんかやるについてもややもすると理事さん方の力関係なんということがいろいろ作用をいたしまして、大分不健全な貸し付けであるとか、場合によっては事務処理上のミスなんかがあるのが随分多いと思うのですよ。そういうことがなければいいと思うのですが、もしこういう信用事業が合併されて、しばらくたってから譲り受けてはみたものの大変な穴があいていたとか、そん なことには絶対にならないようにしてもらわなければいけないのですね。その努力を要請しておきますが、そういうことになった場合その責任はだれが負うんだという問題が出てまいりますね。農協にしても漁協にしてもそうですが、役員の連帯責任というようなことでみんながかぶり合ったりしてきているわけですが、こういう大変動をやられるわけです、今までの信用事業からすっかりさま変わりになるのですから、そういうときの責任はどうなるのかなというふうに私考えますが、その点はどのようにお考えになっていますか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 まさに先生の御専門のところでもあろうかと思いますが、この信用事業の統合というのはまさに営業の部分譲渡に当たるわけでございます。若干の手続を簡便化する規定も織り込んでおりますけれども、実務的に大変な整備業務を伴いますことは御指摘のとおりでございます。  この整備の過程でいろんな問題が表面化し、解決を迫られるという場面もあろうかと思いますが、これは、統合のための事務処理をしないで気がつかないでいるという状態で後で困るよりも、あらかじめ困る事態というのを十分掌握をして処理をする、つらくても処理をするという態度で事に当たっていかざるを得ないだろうというふうに思っております。また人的要素として、こういう複雑ないわば営業譲渡の事務手続を進めるために、系統の関係職員に十分勉強していただくと同時に我々も勉強しなければいかぬところは多々あるわけでございますが、関係の都道府県の職員についても特段の御勉強をいただく必要があると考えております。  また、この統合に伴ういろいろな責任問題、第一義的にはやはり当事者の皆さんが負うべきものでございますが、これが円滑に進み、間違いの起こらぬ状態をつくるために、行政サイドとしても指導上の責任を十分有しているという認識を持って事に対処していきたいというふうに考える次第でございます。

日野市朗日本社会党・護憲共同

○日野委員 終わります。

中川昭一自由民主党

○中川委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四分休憩      ────◇─────     午後一時開議

大原一三自由民主党

○大原委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  委員長の指名により私が委員長の職務を行います。  質疑を続行いたします。鉢呂吉雄君。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 私は一時間にわたりまして、主に二法のうちの水産業協同組合法の問題点につきまして御質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、五月三十一日の大臣のこの法律案の趣旨説明によりますれば、近年における我が国漁村をめぐる難局を打開していくためには、漁業者の協同組織たる水産業協同組合が、その事業活動を通じて漁村地域の活性化等その役割を一層適切に果たしていくことが求められています、このように述べております。漁村地域というものを大変強調されておるのであります。また一方、この水産業協同組合法の第一条、目的でございますけれども、「漁民及び水産加工業者の協同組織の発達を促進し、もってその経済的社会的地位の向上と水産業の生産力の増進」を図るとなっております。この法案自体は、水産業の生産力の増強を図る、また漁民あるいは水産加工業者というようなことで、非常に限定的に役割を法律でうたっておるのであります。専ら組合員の地位向上あるいは水産業の振興を目的としておるこの法案と大臣のされました趣旨説明との整合性といいますか、この法案の目的を逸脱するというようなことではないのかどうか、この辺のことをお聞かせ願いたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 今回の水産業協同組合法の一部改正の大臣からの趣旨説明におきまして、先生からお話ございましたような説明を行ったわけでございます。私ども、この御説明の中で行いました漁村地域の活性化というのは、一つの現象面を申し上げたところでございまして、法律の第一条の目的に書いております「経済的社会的地位の向上と水産業の生産力の増進」ということを通じて意図しております一つの現象として、漁村地域の活性化という御説明を申し上げた次第でございます。  したがいまして、具体的な法律改正の内容として、そういう意図に即しました業務内容の拡充等々の改正を具体的に織り込んでおるわけでございまして、これらの改正事項を含めて第一条の目的に定めております目的が達成され、しかる後、そのことを通じて漁村地域の活性化という現象が達成をされるというふうに理解しておりまして、改めて目的にこのことを書かなくても私どもの意図は十分に達せられる、かつまたそのような考え方が第一条の目的から逸脱をしているというふうには私ども考えないところでございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 今長官から、漁村への漁協の役割というのは、現象面といいますか、間接的なものである、漁民へ果たす役割を通じて漁協が漁村地域の活性化への貢献をするんだという御答弁だというふうに理解をいたします。しかしながら、今日漁村を取り巻く状況——この法案はもう四十年たっておる漁協法でございます。この間、大変漁民が減少しておる。このことについても後で述べますけれども、今言われたような現象面といいますか、間接的に漁協が漁村地域に果たす役割という表現で大臣の説明があったということはそれなりに理解をします。しかし、今日の漁村における漁協の役割というものはもっと積極的であっていいのではないか。あるいはまた、今日この法案が出されておりますけれども、後からまた詳細に御質問させていただきますが、組合員資格でありますとか漁協のなすべき事業の種類等につきましても、多種多様といいますか、緩和をしておる状況もありますので、今日的な意味で、目的というのは法案の一番のかなめでありますから、この改正についてもっと踏み込んで大胆であってもいい、そういう時期が今ではないか、これは私の主張で、これについてはまた順次御質問させていただきますけれども、そういうふうな感じがしております。最初の大まかな御質問ですけれども、再度長官のこれに対する考え方をお聞かせ願いたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 重ねてのお尋ねでございますが、お話ございましたように、いわゆる漁村地域の地域としての活性を維持していく上で、漁民あるいは水産加工業者並びにこれらの者が組織をする水産業協同組合が大変大きな役割を果たしていくべきものであるという認識につきましては、私どもも先生のお話と同様に考えております。しかし、それはあくまで法律の第一条の目的に現行法で書いておりますことを通じていわば実現できる一つのイメージとして、漁村地域の活性化という現象を私どもは頭に描いておるということでございまして、このこと自体を水協法の目的で書くということについては、農協法とのバランス等々もございまするし、また業務内容についても、いわば全面的に地域をカバーする組織として漁協のみがあるわけではございませんので、あえて第一条の目的には今回の改正で触れなかったわけでございます。今後の課題として、私ども御趣旨はよく承っておきたいと思う次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 それでは、少し個別の条文等にかかわりますけれども、それらを御質問させていただく中で今の問題に立ち返る形で、もう少し漁協の役割について視点を変えるといいますか、考え方を変えるという形で議論を深めさせていただきたいと思っております。  今回、水産業協同組合の特に准組合員の資格の拡大という形で改正がされることになってございます。このことは大臣の説明等でも述べておりますけれども、組合員資格が緩和される、このことで組合員が増大をして漁協の事業活動の活性化と基盤の強化に資することができるというようなことでございます。今回の改正で新たに准組合員資格として「その他当該組合の施設を利用すること を相当とする者として政令で定める個人」というふうに言っておるのですけれども、この政令で定める個人の範囲を明確にしていただきたいというふうに思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お話ございましたように、今回の改正で准組合員の資格を拡大することを予定しております。具体的には「政令で定める個人」としておりますが、政令で決めるべきものとして私ども現在予定しておりますのは、漁協または組合員の営む事業に常時従事する個人、典型には漁協の職員という範疇が一つでございます。それからもう一つは、漁協の地区内に住所を有する個人で、水産物の流通の事業等漁協と密接に関連する事業を営み、またはこれに常時従事する個人、水産流通業者、関連業者等を予定しておる、こういうことでございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 今の長官の答弁によりますと、准組合員の政令で定める個人というのは、漁協の職員あるいは地区内で水産加工等の流通あるいは漁協と密接に関連する者という形で、大変限定的にとらえておるというふうに理解をするところでございます。  先ほど言いましたように、大臣も説明の中で組合員の増大を図る、これは信用事業の基盤の充実といいますか、そのことによってもそういうふうにうたっておると思いますけれども、現状の正組合員、准組合員に比べますと、どの程度の拡大といいますか、これはきちっとしたことにはいかないと思いますが、相当数の拡大がこの准組合員の資格緩和で図られるのか、その点をお聞きをいたしたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 今回の組合員資格の改正によってどの程度の組合員規模の拡大が図られるかというのはなかなか推定しがたい面もございます。大変大ざっぱでございますけれども、私どもなりの推計をいたしますと、正組合員の拡大部分も含めまして、潜在的には十四万人程度のいわば組合員基盤の拡大というものが最大限見込めるのではないか、こういう推計をしております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 十四万人ほどということは、現状が四十万人程度でしたか、そういうことから考えればある程度の組合員数の拡大というものは図り得るというふうにも受け取れますけれども、実際には非常に限定的であります。そういう意味では、先ほど言った法の目的の精神からいけば限定的に行われておるのですけれども、もう一つお伺いしたいのですが、この法の第十一条の三項に、これは定款の定めるところにより行うのですけれども、組合員以外の者にその施設を利用させることができる、ただし員外利用の事業分量総額は組合員のそれを超えてはならないということで、員外利用というものを認め、しかもそれが組合員利用と総額が同じでなければならないということでございます。これも大変つかみにくいと思います。しかしながら、これは法に明記をされておりますから、漁協における員外利用の実態といいますか、おおむねどの程度のことになるのか、全国ベースで明らかにしていただきたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お話ございましたとおり、今回の法改正におきまして員外利用について一定の制約がありますけれども、緩和の方向で一連の制度改正を考えておるところでございます。  現状で申し上げますと、主要な事業ごとに員外利用の状況を見ますれば、員外利用率が貯金事業で約二五%、貸付事業で約三%、共済事業のうち火災共済で約二二%が員外利用で占められておりまして、その他の事業についてはほぼ員内利用で占められておる、こういう現況でございます。これが一連の員外利用規制の緩和によってどれだけ伸びるかということについては、私ども現時点ではまだ確たる計数的な見通しを持って積み上げておりません。大変恐縮でございますが、御容赦いただきたいと思います。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 員外利用はあくまでも員外でございますから、准組合員とは性格が異なりますから、准組合員の緩和とは必ずしも連動しない。従来員外利用していた者が准組合員化することによってむしろ組み込まれる場合もあろうと思いますけれども。  話は変わりますけれども、御案内のとおり、農協法ではこの准組合員については「当該農業協同組合の地区内に住所を有する個人で当該組合の施設を利用することを相当とするもの」ということで、農協については農村における地域協同組合としての性格を付与しておると思われます。兄弟の性格を持ちます同じ協同組合の農協と漁協がこのように准組合員については異なるわけでございますけれども、こういう協同組合の員外利用というのは正当な姿でない。農協においても、例えば貸し付け等においても准組合員というふうな限定をつけておりますから、准組合員化というものを漁協でももっと大胆に図って、冒頭言いましたような漁村地域における漁協の役割というものについて法的にももっと道を開いて、そして今激しく動いている信用事業等の情勢に対応していく、またそれが地域における漁協の役割をも果たしていく道になるのではないか、そのように思いますけれども、農協と漁協の准組合員の違い、また、漁協がこういう道をなかなかとれない理由がございましたら御答弁をお願いいたしたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 先生御指摘のとおり、協同組合の組織範囲というものをいわば地域組合化していくという考え方を強く持つということは一つの考え方であろうかと思います。農協についてはそういった意味で准組合員の加入要件というものをかなり緩い形で決めておりますが、漁業協同組合については、今回拡大したとはいうものの、農協に比べると限定的な性格は否めない事実でございます。  このような体制をとらざるを得なかった事情は二つございます。一つは、漁業協同組合が、元来歴史的に見て、漁業者を中心にした職能組合として長いこと発展をしてきた経過がある。それから、御承知のとおり、農協と決定的に違いますのは、漁業法に基づく漁業権の管理主体、行使主体としての性格を持っております。准組合員については、この漁業権行使について特段の発言権があるわけではございませんが、伝統的にこの漁業権の行使をめぐりましていろいろ不安が、その准組合員が非常に拡大をするということについてこの漁業権にかかわる組合員というものが大変抵抗感を持っておる、こういう一面があるわけでございます。  実は、このような状況のもとでどこまで准組合員の加入資格を拡大するかをめぐって、系統の内部でもいろいろ御議論をいただいたわけでございますが、ただいま申し上げた状況のもとで系統組織として当面受け入れられる最大限の限度というものはどの辺であろうかということで系統組織とも議論をしながら、今回の改正を一応実現をすることがまず第一歩であろう、この定着の度合いを見ながら、先生の御指摘の点も踏まえて、将来に向けた課題として私どもいろいろまた系統団体とも相談をしていくべき課題ではなかろうかというふうに考える次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 ただいま長官から御答弁がありましたように、漁協のこれまでの歴史的な経過があるということでございます。また、系統とのいろいろの話し合いの中で現状の形はこれまでというような話もあったというような表現でございます。  先ほども申し上げましたけれども、例えば昨年の五月の十五日に金融制度調査会、これは大蔵省の調査会を設けまして、第一委員会で中間報告を出しております。協同組織いわゆる協同組合の金融機関の組織のあり方ということで中間報告をしておりますけれども、協同組織の原則を損なわない範囲で、金融環境の変化や地域経済の実情に即して弾力的な運営が可能となるように適切な対応を必要とするというようなことを述べてございます。また、後ほどいろいろ御質問しますけれども、現在のこの金融の自由化の流れの中でいわゆる金利が規制を外され、またいろいろの商品が垣根を外されておる中で、ひとり漁協だけが零細性の中で、しかも対象とする消費者といいますか、相手が非常に限定されておるという中で、今の金融自由化の流れに即して経営基盤の安定をしてい くということは非常に難しい面があるのではないだろうかという点で、もっと漁村地域に根差した専門的な金融機関としての役割をむしろ求めていく必要があるのではないかというふうな感じがするわけでございます。  先ほど言いました金融制度調査会中間報告についての水産庁長官の見解ともあわせて、その方向についての見通しといいますか、考え方といいますか、もう一度お伺いをいたしたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいまお話のございました金融制度調査会の金融制度第一委員会の中間報告が、昨年の五月に行われておるわけでございますが、系統金融機関の将来について、この系統金融機関が担っております役割といたしまして、地域経済の実情に即した弾力的運用という方向づけがされているわけであります。  そういう観点からしますと、組合の准組合員資格というものをできるだけ弾力的に運用していくということも一つの方向であるわけでございますが、漁協の准組合員資格については、先ほど申し上げましたように系統組織の持っている現状から見て当面受け入れられる最大限のものを今回の改正でお願いをしたわけでございます。その上に立って、この信用事業の展開をすると同時に、また信用事業自体の効率的な運用のためには、もう一つの手段として員外利用の効果的な運用という一面も残っておるわけでございます。  これらをあわせて当面対応していくつもりでございまして、やや長期的な課題として、先ほど来先生から提起されております准組合員資格のより広範な弾力化というふうな課題は、また系統内部における御論議をいただきながら、将来の課題として私どもも検討をしていきたいと考える次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 当面は員外利用の効果的な利用ということでまた検討をしていくということでございます。  私先ほど言いましたように、こういう協同組合の性格上、員外というのは例外的なものであると思われます。確かに先ほどの例を見ますと、信用事業でさえ二五%の利用、貸し付けにおいては三%。しかし、これらは貯金等、あるいは貸し付けについては当然組合員、正組合員あるいは准組合員というものを対象にして、これは農協の場合も今はそうだと思います、純然たる員外というのはカードローン等についても貸さないということで進んでおるようですから、そういう点で、漁協がこの地域でもっと定着するように当面員外の効果的な利用にまつということはある面ではよろしいと思います。しかし、これはあくまでも例外的であるということで、法の精神にのっとって准組合員の資格の緩和、あるいは場合によっては先ほど言った大前提の法の目的の改正、これらについてきちんと検討を加えながらやっていただきたいものだと思います。  次に、さらに中身に入りますけれども、今回の水協法の改正では信用事業の実施機能の拡充についていろいろの改正をしておるわけでございます。例えば地方公共団体に対する貸し付け等、これらにつきましても金融業務の拡充あるいは員外利用制限からの除外措置というようなことをうたっておるわけです。あるいはまた余裕金の運用範囲の拡大。したがって、この漁協の経営収支の改善を図ろうということだろうと思います。  しかしながら、午前中にもお話がありましたように、一組合当たりの信用事業の担当職員は二・五人というように、非常に職員の数の少ない中でやっておる。これらの法の改正に対応し得る業務能力といいますか、人的にも対応できないようなものではないかということで、これらについてどのように考えておるのか、あるいはまた、今回のこの信用事業実施機能の拡充によって漁協の信用事業の経営改善にどのような効果が生まれるのか、それを水産庁としてはどのように考えておるのかをお聞かせを願いたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 今回の水協法改正におきまして、漁協が担っております信用事業の業務内容の改善として、御指摘ございましたように、地方公共団体貸し付け等の業務あるいは有価証券の受け入れ等の業務等々、あるいはまた住宅金融公庫等の業務代理というふうな能力を付加をしておるわけでございますが、これまでの信用事業に加えて新しい金融サービス業務を含めた全体としての信用事業が円滑に実行されていくためには、ただいまお話ございましたように、零細規模での事業執行体制ではなかなかサービスも行き届かないし、また信用事業自体の効率化という観点からも問題があるということを私どももよく認識をしております。  そういうことで、合理化を大変急がれておる信用事業部門につきましては、本来のスケールメリットを生かした形で事業の効率化が進むように特段の配慮をする必要があるということで、やや異例な仕組みではございますけれども、信用事業の部分統合という仕組みを導入をいたしまして、これを通じて信用事業のスケールメリットの実現を通じた経営の合理化という方向を進めながら、付加された新しい業務の適切な執行にも努力をしていくことが適当であろうというように考えているところでございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 今、信用事業の統合の問題が出ましたので、そちらの方に移らせていただきますけれども、今回の提案理由説明の中に補足説明がございますけれども、この中で、漁協の合併は漁業権の行使をめぐる問題等が障害となって容易に進まない状況にあります。しかしながら、金融自由化が急速に進展する中で、漁協の信用事業については特に規模拡大による体質強化が求められており、事業統合をして信用事業の規模拡大を推進する、このように述べてあります。  午前中にもお話がございました。最初の方で長官が御答弁をされておりましたけれども、漁協についても総合事業ということで、信用事業はもちろん、生活購買あるいは漁業に使う資材の購買、販売あるいは販売までに至る生産指導といいますか、それらを一括して行っております。特に信用事業が大事だということは、もちろん貯金をしていただいて資金を調達する、あるいは貸し付けを行って資金の運用を図るということもございますけれども、午前中に長官がお話をしておりましたように代金決済としての機能、販売でありますとかあるいは購買、この代金決済としての機能が非常に大きいわけですし、あるいはまた漁協の財務状況における資金の調達、運用のあり方としても、資金の関係で大変大事であるというふうに私ども思われます。  そんなことで、今回この信用部門を切り離してしまうことが漁協の経営、運営ということでどのような影響が出てくるのか。私ども非常に大きいものがあろうというふうに思いますけれども、実際に統合された場合の、この切り離された、残された漁協の経営、運営のあり方といいますか、影響度合いというものについての御答弁をお願いいたしたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 御指摘ございましたように、漁業協同組合は、信用事業に限らず、販売、購買等の他の経済事業あるいはまた営漁指導事業といったような、本来大変包括的な総合経営体であると私どもも認識をしております。できることでありますれば、漁協が本来持っておりますそういう全体の事業について、合併という形でスケールメリットを確保していくことが最も望ましいと思うわけでございますけれども、いろいろ御論議いただいておりますように、漁業協同組合の場合には、歴史的に形成をされてきております非常に地縁的な関係を持った漁業権を持っているケースが非常に多うございます。このことが、伝統的に形成された地縁関係を超えて広い合併をする際に大変障害の要因になっておることもこれまた事実でございます。私どもそういう問題を乗り越えてこれまでも合併を図ってきたわけでございますが、現実問題として、数次にわたる合併助成法の延長によりましてそれなりの効果は出ておりますけれども、最近の状況を見ますと、合併という手法ではスケールメリットの実現が停滞をしておるという現実があるわけでございます。  一方におきまして、先生からも御指摘ございますように金融自由化の方向というものは着々と進んできておりまして、少なくとも信用部門についてだけでもこれに対応した体制づくりというものが喫緊の課題になっておるということで、この部分統合という方式を今回法律改正の中に織り込んで御審議を賜っておるわけでございます。仮にこの信用部門の統合を切り離して行った場合に、いわば信用事業を離した後の漁協経営がどうなっていくかということ、先生御指摘のようないろいろな心配もございますけれども、願わくば統合された信用事業の後追いをして、他の部門も追加的に信用事業と同じような広がりのもとに統合をされて、結果的には全体が合併したと同じ状態をつくっていくことがステップの踏み方として一つあり得るのではないか。そしてまた、それが早急に実現不可能であるとしても、残った部門の経済事業あるいは営漁指導事業自体というものに専念をすることによって、信用事業を切り離した後の経営が十分成り立っていくような努力を当然やっていただかなければいかぬし、また切り離した信用事業とのいわば連動関係というものについては、統合後の信用事業の運営面において、残った、つまり信用事業を切り離した後の組合の業務とうまく連携を図れるように、信用事業の業務委託でありますとか、あるいはまた統合後の信用事業のいわばブランチとして残された組合が事実上機能をしていくというふうなことで、残された事業と統合された信用事業のある種の連動性あるいは協力関係というものを十分確保していくように系統自体にも御努力をいただきますし、私どもとしてもそのような指導をしてまいりたいと考えております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 今、統合あるいは信漁連直営というような場合の切り離された単協との関係について、さまざまなケースがあるということで長官はお述べになった。そのとおりいろいろあると思います。ただ問題は、経済的な行為は単協で行っておるわけで、信用部門は統合されたところで行う。これは非常に金の出し入れ、金の貸し付けのかかわることにもなってくるわけで、協同組合の精神は、例えば去年の中間報告でも述べておりますけれども、協同組織金融機関としての特徴というようなことで、貸し付けについても比較的小口であるけれども個別的な金融ニーズで多様であるし、さらには地縁関係あるいは人との関係できめ細かなつながりの中で行われておるということで、その協同組織金融機関は今後も必要であるということを強調しておるのですけれども、そういう点で、統合された金融機関が余りに厳しい形で、ある面では厳しくなければならぬと思いますが、単協の組合員との遊離といいますかそういうことが起きてくる可能性が強い。連携を保つということについては相当きちんとした指導というか、また長官が言われておりますように、この部分統合が総合的な合併につながるようにということもそこに志向しておると思いますけれども、最終的にはそこに行くことが一番いいのではないかというような感じもしますが、これは実際的に行われる場合には相当注意深く、都道府県の組合課あたりが指導をすると思いますけれども、指導の徹底を図る必要があると思います。  それからもう一つは、統合された場合の、特に切り離された単協の欠損金あるいは固定化債権。特に固定化債権、信用部門だけの統合ですから、今までの旧債で固定化されておる債権についてはどのような形になっていくのか、この辺の整理がきちんといくのかどうか。当然これは統合された信用事業部門、信用経営体の方に移行するものであろうと思いますけれども、その点どのように想定をされておるのか、お伺いをいたしたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 信用事業の部門統合を進める際に統合前の組合の持っております欠損金なり固定化債権をどのように処理するかというのは、この統合に当たって大変重要な問題であろうかと思います。まさに当事者間でどういう扱いをするということをお互いに協議して決めていくことになると思いますが、一般的に申しますと、いわば譲り渡し側、信用事業を分離する側から見ますと、欠損金なり固定化債権を移転させないで自分の方で管理をしていくという形態が一般的ではないかと思います。恐らく、統合後の信用事業というものをより効率的、合理的にやっていく上でそういうケースが大変一般的になるのではないかなという感じを持っております。  その場合の欠損金なり固定化債権の処理を信用事業を分離した側の漁協が的確にやっていく必要があるわけでございますが、その資金繰り等をまず的確につけてやらなければいけないということが必要であろうかと思います。そのために、事実上そういう部分について低利資金が供給をされまして、残された事業がより活発化、信用事業以外の他の事業の円滑な遂行に支障の生じないような資金手当てをしていく必要があるだろうと考えておりまして、平成二年度の予算におきましても、信用事業の部門統合に伴うそういう残された欠損金なり固定化債権の適切な管理のための低利融資の仕組みを計上しておるところでございます。具体物な仕組み方は現在細かいルールを検討しておりますけれども、こういった援助措置を活用して残された組合の経営が円滑に維持されていくように、私どももこの方式の活用を十分に考えていきたいと思っております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 固定化債権なり欠損金は旧単協にとどまる場合が多いのではないだろうかというお話です。また、統合された場合にも、そのことについてはことしから行う基盤強化緊急対策事業で低利な貸し付け、二%と私ども聞いていますけれども、十年から十五年の償還のもので対処していくということであろうと思いますが、私の選挙区も大変多くの漁協さんがあります。一町に六つも漁協がある。言ってみれば漁港ごとに漁協が存在する。  先ほど長官がなぜ統合が進まないのだということで三つをおっしゃいました。私もそのとおりだと思います。幹部の意欲に差が見られる、それから漁業権の行使の問題、そして漁協の財務状況の差というようなお話をされたわけですけれども、私もいろいろ回りまして、まだわからない点も多々あるのですが、なかなか進まない。今回合併助成法の第四次の延長が審議されておりますけれども、昭和六十三年から平成元年までで実績が五件しかない。何年まででしたか、この第四次でもっと多くの、旧単協で何百という漁協を統合する、合併するということを計画目標にしておるのですが、これはなかなかさほど簡単にはいかない。これまで三回も行っていたのですけれどもなかなかいかない。従来言われておる漁業権の管理、行使、先ほど言いましたように漁港ごとに漁協があるような、この漁業権の問題があるかのように言われておりますけれども、これが阻害する要因ということであれば、根本的にこの阻害要因に決着をつけるような方策がないのかどうか。  例えば、この漁業権の問題だけ別の組織をつくってこれを残す。そして、先ほど言いました経済的なメリットを追求しなければならない経済事業のものについては漁協を統合するような形で行う。いつまでも漁業権の行使が漁協にあるということでは、この二つを持って合併をしていくということは非常に困難ではないだろうかと思われますけれども、この点についての長官の御見解をお伺いいたしたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 漁協の合併阻害要因の一つといたしまして、いわゆる地縁的関係で形成をされた、いわば漁協有の漁業権の問題があるということは御指摘のとおりでございます。実は私どもも、この伝統的、地縁的な形での漁業権行使という問題を何とか克服して合併という道、そのことによって各種事業のスケールメリットを確保していくという努力をしてきたわけでございますが、率直に申し上げまして、なかなか権利にかかわっている漁民の皆さん方の感情問題も大変こもる問題でございます。理論的に見れば、先生おっしゃるように漁業権管理の別個の組織というものを考えて、他は経済事業として合併なりそういう方法 ができないかとか、あるいはまた新しく合併された漁協の中でその保有する漁業権の行使規則を関係者が納得ずくで受け入れるような仕組みを考えられないか、いろいろな知恵を出して合併の努力をしてきておるわけでございます。この方法でやればいいということを私も一義的に今ここで申し上げられるようなイメージを持っておるわけではございませんけれども、いずれにしてもこの漁業権問題をどう処理するかが漁協の合併問題にとって一つの大きな課題であるという認識は私は持っております。またいろいろ系統内部での御論議をいただきながら、どういう新しい知恵を出していくのか、我々自身も検討し、また系統の中でもいろいろ御勉強をいただきたいものだというふうに考える次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 いろいろな形があると思いますけれども、信用事業だけ切り離しての統合とかあるいは信漁連さん直営、このことは非常に変則的なことですから、長官が先ほど言われましたように、誘い水としてはあってもいいわけですけれども、総合的な事業体としての漁協の統合を本筋として推し進めていくべきだ。これはやむにやまれずこういう形を——どういう機関がそう望んだのかわかりませんけれども、いろいろな全国的なベースの中ではこれを余り強力に指導してもらっても困るということもありますから、その地域の実情等を勘案して行っていただきたいものだなということで、余り信用事業だけの統合というのは本質的なものではないのじゃないかなというふうに私思っております。漁業権の管理あるいは行使の主体をどこに置くかということは行政の段階でもっと詰めて考えていただいて、それが阻害要因であればそれを除くような手だてを早急に考えることがまず一つだろう。  それからもう一つは、従来、再建整備漁協ということで対策を二回ほどやっておるわけですけれども、いずれも先ほど言いましたような欠損金あるいは管理債権に対する見合いの借入金ということで、漁協ごとの欠損金なり固定化債権のことも非常に合併のネックになっておる、阻害要因になっているというふうに私ども思います。運営者とか幹部の意欲にいろいろあるということもありますけれども、午前中にもありましたように、漁協ごとの固定化債権、欠損金等の食い違い、いずれにしても非常に弱い経営基盤なわけですけれども、その中でも違いがあるということが合併を阻害しておるという点もございますので、今回のこの緊急対策がどのぐらいの効果が見込まれるのか、水産庁としての見通しをお聞かせ願いたいというふうに考えます。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 今回の信用事業の統合推進の手段といたしまして、御指摘のように平成二年度から漁協信用事業基盤強化緊急対策という形で諸般の助成を考えておるわけでございます。その中に御指摘のような固定化債権なり欠損金についての流動化方策を織り込んでおるわけでございますが、このことによって信用事業の統合に具体的にどれだけの効果があるかということを実は計数的に御説明できる見通しを現在私ども持っておりません。相当の効果があるものと期待しておりますが、いずれにしましても、法律の成立を見まして、この新しい制度運営と予算上の措置を適切に組み合わせて所期の目的が達成されるように努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 現在、固定化債権を有する漁協が七百九十三漁協。信用事業を行っておる漁協の千九百十六組合のうちの約八百漁協が固定化債権を有して、さらに欠損金のある漁協は四百六十四。これらを合わせて、単純には足せないわけですけれども、九百八十四の漁協が固定化債権があったり欠損金、両方があったりしておる。約半分の漁協がこういう形になっておる。  事務段階に聞きますと、すべてなくすような方向で今行っておるというようなお話も聞きましたけれども、そうであればもっと大胆な措置を講ずることが必要でないか。これは二%、十五年というのは従来と同じような形でありますけれども、先ほど実績を見ましたとおりほとんど効果がないと言ってしまえば怒られますけれども、非常に効果が上がっておらないという観点から、三年か五年するとまたぞろ別の緊急対策を講じなければならないような形になるのではないか。もっと合併が促進されて、今の金融情勢なりに対応し得る基盤の形成というものからいけば、大胆に、例えばこれらの債権、欠損金の棚上げ措置というようなことが考えられないのかどうか。長官の考え方をお伺いいたしたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 これまでも漁協の経営基盤強化のために累次の施策を行ってきたこと、事実でございます。しかしながら、今回は信用事業の部分統合という新しい制度的な手当てを準備し、かつまたそれとリンクした形で信用事業基盤強化緊急対策を準備しておるわけでございます。どうかひとつ、法改正成立後における両制度の適切な運用について、どういう効果が上がっていくのか、我々も努力をいたしますし、また系統団体自身にもいろいろな努力をお願いしなければいけないと思っております。これらの新しい制度あるいは助成の仕組み、これらの組み合わせの仕方あるいはまた具体的な助成の内容について、未来永却にこれを固定化するつもりではございません、実情を見ながら、改良を要する点があればまた系統団体ともよく相談し、また我々自身も検討していきたいと思っておりますが、当面平成二年度につきましては、現在準備されている仕組みの中でできるだけ効果の上がる対策を進めていきたいというふうに考えております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 午前中の日野委員の御質問にもありましたけれども、話は変わりますが、密漁防止の点でございます。特に栽培漁業の場合には漁民の方も資源に対する投資が相当かかっておるということで、最近集団的にも見回りをするようなことで意識の高揚を図っておりまして、養殖の関係のものについてはむしろ漁業者以外の密漁というものに大変困っておるような状況でございます。先ほどのいろいろなレジャーの関係もございまして、手軽にアクアラング等をつけて季節構わず海に入る、あるいは高速艇で逃げ回る、あるいはまた組織的な暴力団的なものが集団的に横行しておるというようなことで、時間が来ましたので簡単に言いますけれども、先ほど言いました遊泳についてのアクアラング等の使用の規制あるいはまた届け出制、それから、監視員体制を自主的に今行っておるのですけれども、監視員に対する法的な位置づけが明確でない、あるいはまた権限の行使についても明確でないというようなことで、非常に身分が不安定だ、また何かの災害があった場合についての補償措置も不明確だというようなことで、漁業者からこの点についての法的な措置を求めておる声が大変強いのですけれども、これらに対する水産庁のお考えを聞かせていただいて、この質問を終わらせていただきたいと思っています。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 これからつくり育てる漁業、かつまた資源管理型漁業の育成を図っていく上で、密漁防止といいますか、漁業活動についてのルール違反を防止していくということは大変重要な課題だと思っております。  先生から今具体的に御提案のございました、こういう密漁に関連をするアクアラング、高速艇といった装備のあつらえについて具体的に届け出制というふうな形で規制をしていくというのは、これが必ずしも常に水産物の採捕行為につながるものでもございませんので、現在の漁業関係の法令でこれを規制するということは大変難しいという感じを私ども持っておるわけでございます。  それから、いわゆる密漁監視員の問題でございます。これは各都道府県でいろいろな形態で、いわば漁業関係団体の自主的なシステムとしてこういう仕組みがいろいろな形でつくられております。私どもも、そういった自主的な活動が漁業取り締まりなりあるいは水産行政と相関連をしながら協力をしていくということが大変大切であるということで、そういった自主的な活動を助長するために、昨年から密漁防止対策推進事業という形 でスタートする際に、そういう行政あるいは取り締まり機関、生産者団体が一体になって連絡会議、連絡システムをつくるための仕組みを現在努力をしておるところでございますし、またそういった生産者団体による自主的な密漁監視体制というものを整備するために、現在行っております沿岸漁業構造改善事業の中で、密漁監視のためのレーダーの設置とかあるいは監視船の設置について必要な助成を行っているところでございます。  ただ、密漁行為というものが中には暴力化するという傾向も見られますので、こういう自主的な密漁監視体制の中でそこまで対応していくのは大変無理があるのではないか、大変危険を伴うものであります。むしろ本来の取り締まり機構であります水産庁、実は私どもこの取り締まり問題については物理的な制圧力を十分に備えておりません。密漁の内容が悪質化、暴力化することに伴いまして、率直に申し上げまして水産庁自体の取り締まり能力にも限度がございます。それに対抗する物理的制圧力を持った警察あるいは海上保安庁のお力をかりていく必要があると考えておりまして、そういう取り締まり機関との連絡体制というものをよくつくって、そちらの力に依存をしていかざるを得ない、そのことが適当ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。  また、生産者団体の自主的ないわゆる密漁監視員の仕組みは、現在のところ各都道府県によって形態が非常にまちまちでございます。これを一義的な形態に統合するということよりも、まずいろいろな形態で存在している自主的な機能をできるだけ大切に育て、ただいま申し上げましたように、それぞれの機能を分担をして、自主的な組織でやるべきところ、それから取り締まり機関、さらにはより物理的な制圧力を持った取り締まり当局というふうなところとの機能分担をして、事実上の体制整備を進めていくことが大切ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 時間が来ましたので、終わります。

大原一三自由民主党

○大原委員長代理 辻一彦君。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 きょうは水産二法について若干質問したいと思います。  具体的な問題に入る前に、初めに大臣から一言伺っておきたいと思いますが、近年、遠洋漁業が非常に制約をされてだんだんと条件が悪くなってくる、それに比べて逆に、沿岸漁業の方は非常に重要性がふえていくというような状況にあります。私はきょうは、沿岸漁業の特に水産資源の資源確保ということを中心に、二法の審議に当たって、一つは、タンカー等による油の事故が漁業関係に与える影響が非常に大きいのでこの問題と、漁家、漁民の長期負債、減船問題、それからもう一つは沿岸漁業の資源確保の三点についてお尋ねしたいと思いますが、その前に所管大臣として、沿岸漁業の今日における重要性についてどういう認識をされておるか、これをまず伺ってから入りたいと思います。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○山本国務大臣 お答えいたします。  二百海里体制が定着をしてまいりまして国際規制が非常に強化をされる中で、我が国周辺水域を漁場とする沿岸漁業というものがますます重要性を増してきた、今先生御指摘になったとおりの認識をしております。そこでこれから先、一つは、つくり育てる漁業を最近しきりに言うわけでございますが、このつくり育てる漁業の推進等を通じて、我が国周辺水域における漁業の振興と活力ある漁村の建設を図ってまいりたい。二つは、この二法に関係ございますが、漁協の経営基盤の強化と水産物の需給の安定などに努めてまいりたい、こういうふうに考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 では、先ほど申し上げた三点について若干具体的に伺いたいと思います。  四月二十六日に災害委員会で、丹後半島から若狭湾に及ぶタンカーの座礁による油被害等について若干論議したことがありますが、なお一つ加えてお尋ねしたいと思います。  私は、若狭湾の出身になりますので、ちょうど二月の上旬から中旬、若狭湾の高浜というところを、選挙期間中だったものですから選挙カーで随分と往復しましたが、そのときに漁民の皆さんが車をとめて、何としてもこの状況を見てくれ、こういう声が随分強かったのです。当時の状況では長くそこにとめているわけにはいかなかったのでありますが、それでも何回か通り、車をとめて見ました。高浜の三松という海岸で延べ三千人を超える漁民や市民の皆さんが砂浜に出て、浜に打ち上げた油あるいは木の枝やいろいろなごみに付着した油、それを手で人海戦術で全部かき集めて、それを何千袋という袋に入れておる、こういう状況を見たわけです。  そしてその後、二月の二十六日に現地を我々社会党としても調査に参りました。そのときの実態を若干申し上げてみたいと思うのですが、岩間でノリが非常に打撃を受けておる。これは海産物、それから海水浴場、入り江の養殖場、港と四点を見ましたが、海水浴場では大量の油が打ち上げたために、今申し上げたように三千人を超える町民、漁民が人手でもって集めてそれを清掃をしている。時は二月ですから海水浴のお客さんがいなかったときでよかったのでありますが、ここは御承知のとおり夏場は西日本最大の海水浴場で、五百万人を超える海水浴のお客さんが来る地帯になっておりますが、その夏にこんな形で油が流れ込んだら一体どうなるのかと非常に肌寒い思いがしたわけであります。この漁民の皆さんは零細で、あの一帯の漁家は漁業専業ではなかなか生活ができない。したがって民宿をやって遊漁をやって、そういう兼業漁家というのが実態としては非常に多いわけでありますから、夏にもしも油が流れ込んだら、この漁民の皆さんが苦労して投資をして漁業と並んで民宿をやったりしている、そういうものも一緒に台なしにするようなことが起こりかねなかったのではないか。ちょうど二月であったので、そういう意味では幸いだったのですが、これはそういう実態である。  もう一つの現場は、有名な高浜の原子力発電所が四つありますが、温排水を逆に使って養殖をやろう、若干温度が高くなりますから、こういうので入り江で随分養殖をやっているわけですね。ここに油が入ったらこれはもう壊滅的打撃を受けるのは当然ですが、ここで、オイルフェンスも二千メーターぐらいのところを緊急手配をしたけれども、なかなかないから、両端に張っているんだが、真ん中は抜けているわけですね。だから、油が来ると入ってしまう。ところが、幸いと言っていいかどうかわかりませんが、なぜその養殖場に入らなかったのか音海という湾を素通りして、隣の海水浴場に大量の油が上がっているのですね。これはなぜかというと、温排水を四つの発電所が大量に流しているために、その流れというものが湾の方に向かっている、その水の圧力で、湾口まで来た油がフェンスの大きな切れ目から幾らでも入る状況を持ちながら素通りをしてほかへ回ったという大変結構なことであったのですが、あの状態を見ると、もしこういう特別の温排水とかなかった場合に油が入ったら養殖が全部いかれてしまう、こういう怖さがあったと思うのです。  それから三つ目には、高浜という漁港を見たのですが、そこでは岸壁に来るまでもう油が手のつけようがない。だから、岸壁に来た油をひしゃくで、手ですくい上げてくんでいるわけですね。だからそういう意味では全くここも人海作戦、これをやるしかないという状況が、幾つかを見てあったわけなんです。こういう油が漂着した現場を見て、私は、漂流する油は海岸に近づく前に処理しなくちゃいけない、海水浴場の砂浜や海岸や岸壁に来るまでほっておいたのではいけないのではないか、そういうことを非常に大事だと思ったのです。  そこで、これは海上保安庁にお尋ねするのですが、こういうような油事故が起こった場合に、油の漂流というものをどこで捕捉して処理すべきであると考えていらっしゃるか、お伺いをいたした

浅井廣志海上保安庁警備救難部海上防災課長

○浅井説明員 お答えをいたします。  先生御指摘のマリタイム・ガーデニア号の事故でございますが、現場模様が非常に悪うございま して、また、事故が発生いたしましたとき天候も大変悪かったということでございます。そういう事情の中で、私ども海上保安庁といたしましては、事故発生後速やかに事故対策本部を設立いたしまして、私どもの勢力及び海上災害防止センター、それから第三港湾建設局、地元の自治体、それから、もちろんでございますが関係の漁協の皆さん方の御協力を得まして油防除に努めたわけでございます。ただ、先ほど申しましたとおり、現場の状況が悪いということと、それから天候模様が悪かったということもございまして、現場から油が一部広範囲に流出いたしまして、先ほど先生が御指摘になりましたように、福井県の沿岸にも油が漂着したというような被害が発生したところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 丹後半島ですから、京都の府下の海岸には随分油が入っているという事実があります。当時は波がかなり荒かったという天候上の事情等もある、これは承知しておりますが、事故で海面に出た油は流れて動くわけですから、やっぱり沖合で早く処理をするということが一番大事じゃないか。第一は油を早く回収するということ、第二は海岸線に近づく前に沖合で処理をする、第三には、いよいよ湾の口や海岸へ近づいてくればオイルフェンスを張って入ってくるのを防ぐ、こういう三つの段階があると思うのですね。  今回の事故を振り返ってみると、油回収船というものが日本海側に常時配置をされていない。海保のお話では、それをすぐ持っていってもあれだけ波が荒いとなかなか効果的に使えなかったということも聞いておりますが、それはそのときのいろいろの事情があるでしょう。しかし、日本海側に油回収船が常時配備されていないという一つの欠陥があるのではないか。今後、日本海側に油回収船を常時配置すべきではないかと思いますが、保安庁、これについてどうお考えか。

浅井廣志海上保安庁警備救難部海上防災課長

○浅井説明員 お答えをいたします。  先生御指摘の問題は、今回の事故にかんがみまして、日本海側における油回収船、それを含めました防除資機材の問題かということでお答えをさせていただきますが、重油等の流出事故が発生いたしました場合には、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律に基づきまして、まず第一義的に船主等の原因者に油防除の義務が課せられておるわけでございます。海上保安庁といたしましては、こういった原因者が必要な措置を講じていない場合、またはこれらの者が講ずる措置のみによっては海洋汚染を防止することが困難な場合に防除措置を行う、こういうことにいたしております。  ただいま申し上げましたような海上保安庁の任務を遂行いたしますために資機材を配備いたしておるわけでございますが、その際の考え方といたしましては、タンカーの航行隻数が多く航行船舶のふくそうする海域、すなわち事故発生の蓋然性が高い、こういう海域に重点を置いて資機材を配備しております。万が一他の海域で事故が発生した場合には、これらの資機材を可及的速やかに現場に輸送いたしまして的確な防除措置を実施する、こういうことにいたしております。  今回の流出事故におきましても、現場の第八管区海上保安本部におきまして、管内及び他管区の油回収艇、オイルフェンス等の必要な資機材を現場に可能な限り速やかに投入いたしまして適切な対応がとられたものと私どもは考えております。  なお今回の事故でございますが、先ほど申しましたとおり荒天下の外洋に面した海域における大規模な事故であったわけでございますので、その結果といたしまして、流出油の防除に長期間を要し、かつ被害も広範囲に及んだということにかんがみまして、海上保安庁におきましては、海上災害防止センター、これは民間の防除を行います中核機関でございますが、このセンターの協力などを得まして、ただいま申し上げましたこういう厳しい条件下におけるより迅速かつ効果的な流出油防除手法などにつきまして検討を進めますとともに、その結果を踏まえまして効果的な資機材の配備のあり方についても検討してまいりたい、このように考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 資材配備は当然大事なことですが、それは若干後にもう少し伺うことにして、回収船を日本海側に配備してくれという声が強くあるのですね。例えば日本海は、福井の臨港にはずっと工業地帯がオイルタンク、貯蔵所を随分持っておるわけです。だから、日本全体から見ればあそこのオイルの貯蔵はそう大きなものではないと思うのですが、かなりタンカーが通うのですね。しかもそのタンカーは、太平洋や瀬戸内は大型タンカー、いい船が行くのですが、日本海の方はどうもおんぼろの船が、しかも償却費が残り二百万というような、コストを下げるために船籍をどこかに置いておるのですが、そういう非常に古い船が来る。こういうことは普通の場合よりも今後事故が起こりやすいということを示しておると私は思うのです。  そこで、きのう近畿ブロック知事会議が大阪市内で開かれて、けさの新聞に既に報道されております。ここで日本海側における今後の油事故等に備えて、これはこう報じております。「新規に油回収船の配備を求めていく。今年一月、京都・経ケ岬沖でリベリア船籍貨物船が座礁し、大量の重油が流出、京都はじめ本県の若狭湾沿岸にも大きな打撃を与えた。日本海側に本格的な油回収船が一隻も配備されておらず、早期回収をめぐる問題がクローズアップされた。」そしてけさの新聞では、近畿ブロック知事会議の決議をもって新たに日本海側における油回収船の配備を盛り込んで、近く知事会としても各関係省庁に要請する、こういうふうに報じられておるのですね。  こういうふうに自治体としても、今後のことを懸念すると、このままではいけないということを今回の体験から痛感している結果であろうと思いますが、こういう知事会議等における要望を踏まえて、保安庁としては将来日本海側にしかるべき油回収船の配備を検討すべきであると思いますが、いかがですか。     〔大原委員長代理退席、委員長着席〕

浅井廣志海上保安庁警備救難部海上防災課長

○浅井説明員 お答えをいたします。  先生おっしゃいました油回収船を含めました防除資機材の配備の基本的な私どもの考え方は、先ほど御答弁申し上げましたとおりでございます。しかしながら、事故はどの海域でいつ起こるかわからないということもあるわけでございますので、現場に適切な資機材をどう動員するかということが問題であるわけでございます。こういうことを考えまして、今回の事故におきましても現場に投入をいたしましたように、油回収装置——油回収船と先生おっしゃっておりますが、船にそういう装置をつけるものもございます。それからふだんは陸置きをしておりまして、陸送で速やかに現場へ運べるという回収船もございます。こういったような可搬式のものを私ども整備をいたしておりまして、こういうことで配備されてない海域で万が一事故が起きた場合には対応するということで基本的に配備の考え方を考えております。  なお、日本海側におきますタンカーの入港隻数でございますが、主要な港に入りましたタンカーの隻数は、私どもの統計によりますと、平成元年におきまして全国主要港湾に約三十一万隻入港いたしておりますが、日本海側の例えば第八管区海上保安本部管内では約二千三百隻ということで、数としては非常に少ないというのが現状になっております。こうした状況にかんがみますと、日本海側の管区の資機材の充実強化につきましては、財政的な面からもある程度限界があるのではないかと考えられるわけでございます。  それから油回収船の問題でございますが、一般に今度の事故のように外洋で事故が起きますと、一つの手段で適切な措置はなかなかとりにくいわけでございます。また現場模様も刻々変化いたします。そういう状況に最も適切な措置を組み合わせて実施をするということで、今回もそのようにいたしたわけでございます。それから、一般的に申し上げますと、今回の事故のように外洋の場合はどうしても波浪が高いといったような状況がございまして、油回収船等によりまして機械的に流 出した油を回収するということはなかなか難しく、かつ効率性が期待できないという事情がございます。したがいまして、そういった場合には油処理剤や吸着材を使って処理をするということになるわけでございます。そういうことでございますので、今回の事故に対応するために仮に油回収船を配備したということですべて問題が解決するということではないわけでございます。  先ほど御答弁いたしましたとおり、私ども、今回の事故の教訓は大変貴重なものであり、今後の油防除についてこの教訓を生かしていく必要があると考えておりまして、そういう中で今後の技術的な検討を踏まえ、必要な資機材の配備について検討してまいりたい、こう考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 資材の問題にもいろいろ触れられたので、もう多くは繰り返しませんが、オイルフェンス、サンドバッグ、それから吸着マット等々、今のお話で、いざというときに間に合うのかどうか。  さっきちょっと御紹介しましたが、我々船に乗ってオイルフェンスを張っているところをずっと見て回ったのですが、両側に張られているのだけれども、真ん中が張られていない。本当はもうちょっとあったら全部つなぎたいのだが、特定のところが押さえるとかいろいろしてなかなか資材が手に入らないのでやれなかった。おさまったのでやれやれだが、実はその当時は漁民も漁協あたりも非常に不安で心配をした。こういうことを船の中で現場を見ながら説明を聞きましたが、今言われた保安庁の資材配備の内容で、今後いざというときに十分対処し得るのかどうか。不十分ならば、国でそういう資材を備蓄をしておいてこれにいつでも対処できる体制をとるべきであると思うのですが、多くは要りませんが、対処できるのかどうか、一言伺いたい。

浅井廣志海上保安庁警備救難部海上防災課長

○浅井説明員 ただいまの御指摘の問題でございますが、先ほど御説明をいたしましたとおり、油防除に関しましては、原因者たる者、それから海上災害防止センター、それから私どもあるいは関係の自治体といういろいろな関係者がこういう災害、事故に対応するわけでございます。そういう中で、ただいま先生がおっしゃいましたような油事故、今回の事故を教訓にいたしまして、必要な資機材配備についても検討を進めてまいりたい、このように考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 原因者がと言うけれども、それは後始末の補償であるとかいうのは原因者が当たるけれども、今船が沈没して油が流れて原因者がどう対応するんだ。そんなことを言ったって間に合わないんで、第一には今言ったように油を回収する、第二は沖合で薬剤等によって処理をする、どうしても入ってくるのはフェンスを張って防ぐという緊急の資材がなければ、そんなものは原因者に後に聞いておったって間に合わぬわけですよ。だから、緊急のときに現在とっている体制で大体対処できるのかどうか。一言、できるのならできると伺いたい。

浅井廣志海上保安庁警備救難部海上防災課長

○浅井説明員 お答えをいたします。  原因者と申しましたのは、先ほど御答弁申し上げましたとおり海上災害防止センターという民間機関がございます。今回の事故におきましても、船主にかわりまして、船主の契約を受けまして、こういう海上災害防止センターというところが実際の油防除に、たしか二日後だったと思いますけれども、その時点、天候が回復し次第油防除に着手したわけでございます。もちろん私どもも必要な船艇を出しまして、両者が一致協力しまして今回の事故に対応したわけでございます。一般的に、こういったような油事故の場合は、このような体制で対応するということにいたしております。そういう意味で、私ども海上保安庁といたしましては、海上保安庁に課せられた使命を遂行する資機材の配備については、現在まで努力してまいっておるところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 私の聞きたいのは、今やっている体制で、この間のようにフェンスを張ろうにもなくてやきもきしなくちゃならないことは、いざというときには起こらないのか。今やっている体制でですね。  保安庁の方は精いっぱいやっておるようでありますが、水産庁としても、これは海上保安庁の仕事だから別だというわけにはいかないので、漁協やいろいろな組合組織がいざという場合の対処の方法等もあろうと思うのですが、これが補完をするというか、一緒にやってもらわなければならぬと思うのですが、水産庁含めて、そういういざという場合の対処は十分今後とれるかどうか、一言お伺いしたい。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 先般の油濁事故につきまして、私ども漁業サイドでも諸般の対応をしたわけでございますが、一たん起こる事故に対応して相当コストの高い資材の保管等々は漁業サイドとしてはなかなか対応しがたいのが実情でございます。海上保安庁あるいは海上災害防止センターというふうな組織とも連絡をとりながら、そちらのお知恵もかりながら、水産サイドで可能な努力はしてまいりたいと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 どうも十分納得しかねる点もありますが、再び起こった場合に先ほど私の申し上げたような心配が起こらないように対処できる体制を、保安庁また水産庁もぜひひとつそれぞれ講じてもらいたいと思います。その問題はこれで終わります。  第二は、例を申して恐縮ですが、私の友人でありますが、青年時代にいろいろ青年運動を一緒にやった友達なんです。越前町という、第四種港としてはこれは百数十億つぎ込んでやっている日本海で有数の漁港になっておりますが、この一部で漁業を長い間やっておったのです。かつての高波災害等々、その前後につくった船の建造費とかいうようなもので、融資を受けたがなかなか返済ができない、こういうことで経営が非常に悪化をした。融資返済が滞ると延滞料という非常に高い利子がついてくる。こういうふうにしてどうしてもその経営がやれないというので、一億五千万ほどの負債を持って倒産したのですね。それで船も土地も家も競売に付して、それで足りぬから、息子さんが学校の先生で、これを一生かかって毎月幾らかずつ払っていく。本人は借家住まいといいますか、そういう形になっているのですね。まじめに漁業を長年親の代からやって、これだけ苦労して、これだけの借財を残して気の毒だなという感じが随分私もするのですね。こういう場合にも、今お話しのように、制度資金を借りる、延滞すれば高い、ある意味じゃ懲罰的な延滞料がついてくる、経営が悪化する。新しい制度ができて例えば二%くらいで肩がわりするような資金ができても、延滞料がついているようなのはこれは不良ケースだということで、新しい制度ができても適用を受けるわけにはいかないということですね。  こういうふうにして今日、畜産農家、それから漁家、漁民ですね、億単位のいわゆる負債を持って倒産一歩前に追い込まれながらおるという状況も決して少なくない、こういうふうに思うのです。漁家の、漁民の長期負債対策を確立しなくてはいかないと思うのですが、この点ひとつ大臣から、この心構えといいますか、基本的な姿勢を伺いたいと思います。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○山本国務大臣 一般論で大変恐縮でございますけれども、漁業経営の維持が困難となった者が抱えております固定化負債を整理し、その経営再建を図るために、これまでその経営悪化の程度に応じまして漁業経営維持安定資金などの緊急融資資金を融通してきておるということでございます。また、今先生例を引いてお話しになりましたけれども、これから先も、漁業経営の状況を十分踏まえながら、漁業者の必要とする資金の円滑な融資にできるだけ努めてまいりたい、こういうふうに思っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 負債問題にはいろいろ論議をしたいこともありますが、きょうは時間の点から深く触れることはできないと思います。ぜひひとつ長期にわたる対策をさらに拡充してほしいと思います。  そこで、こういうような経営が漁業関係で悪化をするという中で、当然今出てくるのは減船問題 になります。例えば中型イカ釣り船の減船問題が現に出ておりますが、残存漁船の共補償、残った者で補償をある程度する、こういう論理はこれは当然の論理であってわかるのでありますが、残存する漁家も船主も負担金を今何とかもう少し軽減してほしい、こういう無理からぬ声もまた強いわけなんですね。残存船は一定の負担をしなければならないということはわかるのですが、公共団体や漁協等がカバーした場合に、最低どこまで軽減される可能性があるのか、ちょっとこのことをひとつ伺いたい。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お話ございましたように、漁業種類によりましては、漁家の問題あるいは資源の問題ということで業界が自主的に減船を行う場合があるわけでございます。これに対応して、本来このような対応というのは業界の自助努力を基本にして行うものでございますが、国のサイドでもそういう仕事を多少御援助申し上げるという形で、昭和五十六年から特定漁業生産構造再編推進事業という形で不要漁船の処理費の助成あるいは共補償に伴う低利融資を選択的に行っておるわけでございます。お話の中型イカ釣り漁業については、最近では昭和五十七年から五十九年の三カ年にわたりまして、不要漁船の処理方式という形で再編対策を進めたことがございます。これにつきましては、不要漁船の処理に必要な費用の九分の四を国が御援助申し上げ、残り九分の五を関係する地方公共団体あるいは漁協、漁連あるいはまた残存漁業者が適宜分担をして負担するということで御対応願っているわけでございます。  残存漁業者の負担問題について先生の御指摘でございますが、今の国九分の四、その他九分の五という仕組みは今までの経過からして早急に変えるわけにはまいりませんけれども、九分の五の負担をいかにするかということについて、関係地方公共団体なり漁協の方と相談をして弾力的な対応が可能ではないかと考えております。  なお、最近中型イカ釣りについて構造再編問題をどうするかという議論があることは私も若干耳にしておりますけれども、具体的に業界の方から再編対策に基づいて減船をするというふうな話はまだ正式には聞いておりませんが、先生御指摘のようにそのような動きがあるとすれば、行く行くまた御相談をしてまいりたいというふうに考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 もう一つ伺いますが、国の方は九分の四、あとは九分の五ですね。その九分の五の内訳は、公共団体であるとかいろいろ団体、それから残存船主ということになると思うのですが、残存船主がゼロということはないわけですけれども、仮に金額が少なくてもそれは問題はないのですが、九分の五というのは全体のことであって、残存船主は最低その中の九分の五のどこまで負担しなくてはならない、そういうことはないのですか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 残存漁業者の負担について特段の制約、制限は私どもとしてはつけておらないつもりでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 減船もなかなか大変な状況ですから、よく面倒を見ていただきたいと思います。  そこで三つ目に、沿岸漁業の資源確保についてひとつ伺いたいと思います。北陸一帯から島根にかけて、富山以西、島根の間はカニの漁業がかなり漁獲のあるところなんですが、カニ資源の問題について若干伺いたいと思うのです。  私たちの青年時代は、よく漁民の家に泊まって、ゆでたてのカニをかごに上げて、これで一升瓶を飲んで転がして話をしたような時代があったのですが、まだ十年ぐらい前でもかなりカニというのは資源があったといいますか豊富だったのですけれども、今は全く貴重品になって、ズワイガニの雄なんかの大きいのは、これは万単位、数万円の値段がついているというように、庶民には縁の遠い存在になりつつあるのですが、要は、資源が枯渇をしてきている。越前ガニとも言いますし、また、山陰の方に行けばマツバガニ、名前はいろいろあると思うのですけれども、カニ資源が非常に減ってきていると思いますが、ちょっともう時間的に言って長い説明は結構でありますから、簡単に言って、カニ漁獲量が低下している原因は端的に言って何か、ちょっとお答えいただきたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ズワイガニの生産状況は御指摘のとおり近年減少をしてきております。大変長い間の日本海、山陰、北陸地方の特産水産物でございますが、大変長期にわたる漁獲活動の結果、資源量が悪化をして今日の生産量の減少を招いている、こういう認識を持っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 そこで、一つはカニをとる期間を短縮する、逆に言うと禁漁期間を延ばすということ、こういうことが行われております。もう一つは、このカニ資源を保護するというか、例えば、北陸の方で幾つかの県がありますが、私のところの福井県でも保護礁の目的を持って魚礁をつくって、そしてカニの移殖放流をやっている、こういうものを県単の事業でやっておりますけれども、かなり成果が上がっているということも聞いておるのですが、こういうような移殖放流の成果ということをどういうように見ておるかお伺いしたい。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ズワイガニの生産が低下している中で何とか資源の再生産を回復できないかというお考えのもとに、五十七年ごろから関係県が、大和堆で試験操業をしたカニを前浜に持ってきて保護魚礁に放流をするという、いわゆる移殖放流が実験的に行われておるわけでございます。今日では福井県と石川県の二県でこの仕事が行われておりますが、実はこのズワイガニの再生産期間というのが少なくとも八年程度かかるということで、福井県が始めたのは五十七年でありますが、その当時移殖したものがちょうどワンサイクルをするという期間しかまだたっておりません。それからまた、事後措置として、大変残念なことでありますけれども移殖先での漁獲活動がある程度また許容をされておるわけであります。したがいまして、移殖されたものが前浜の保護魚礁で完全なサイクルをする前に一部流出して捕獲されるというふうな事態がございまして、現時点でこの移殖放流による資源再生産場における評価というものは、必ずしもまだはっきりした形で掌握がされておらないというのが率直な状況ではなかろうかと思います。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 私、四、五日前に越前海岸をずっと歩いて、カニ漁をやっているイカ釣り等の漁協や漁民の皆さんの声もずっと聞いてみたのですが、この魚礁によるカニの移殖放流というものが、ここ一、二年だんだんかなり成果が上がってきているという見方をしておるのですね。それは、魚礁を設置したところへ近づいていくに従ってカニがとれるというのですね。だから、その魚礁はかなりカニがいるということですから、そこへ近づけばだんだんカニがとれる、そしてその量もやや回復をして上がってきているという点から、かなり成果はあるのじゃないか、ぜひひとつ移殖放流は続けたい、こういう強い声を随分と聞いたのですね。ところが、このごろまたすごいいい機械ができておるのですね。もう目をつぶっておっても目的地へ行くようなものができて、その魚礁のぐるりをきれいに掃除をしてしまうというか、とってしまうのですね。そういうのができると、なかなか資源確保といってもその維持が簡単にいかない。  そこで、こういう声があるのです。単純に魚礁を一つ置いておくと、ぐるりをきれいに掃除をしてみんな持っていかれてしまう、だけれども、魚礁の配置をうまく配置をすると船が中を通っても網を持って引けない、そういうことを考えると、相当な地域にカニや魚群が確保されながら、しかも中へ通っても網は持って引けない、こういうような工夫を凝らすと実際は最も保護の効果が上がるんじゃないか、こう言うのです。こういう魚礁をこれから育成すべきであると思いますが、工夫を凝らすというような点について何か考えがないかどうか、いかがですか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ズワイガニの資源再生産を図る上で、魚礁の設置が一定の効果があるのではない かという認識を私ども持っております。実は、日本海水域ではなかなかまだ技術的に解明する問題が残されておりますけれども、魚礁の形なり配置を含めて、どういうものが効果的であるかということについて昨年から調査に着手をしておりまして、まだ若干の期間はかかるようでございますが、現時点で、細かい点は別として、それなりの効果は確保できる。問題は、これが費用と効果の関係で十分成り立つものかということまでよく見きわめて実用化をする必要があると思います。いずれにしても、現在進めております調査結果を踏まえて、ズワイガニの再生産のための魚礁設置というものの実用化といいますか、現実化というものも検討していくべき課題であると思っております。  それで、この魚礁設置の状況、これはあくまでもズワイガニ資源の再生産に最適な状態で、いかなる魚礁をどう配置していくかということを考えていくことになると思いますが、恐らく一定の密度で魚礁が設置された場合には、その周辺において使われる漁法が一定の制約を受ける。したがってその結果、今までよりは、魚礁のない状態よりはやや制限的な漁法が使用されるという効果も側面的に期待されることは事実であろうかというふうに考えておる次第でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 時間の点もあるので余り詳しくはやれませんが、せっかくつくる魚礁を少し知恵を出して効果的にひとつ考えてもらうように、これは専門の皆さんもいらっしゃるわけですからひとつ検討をしてもらいたいと思います。  石川県や福井県等が今県単でいろいろ努力をしておるのですが、そういうものを私は、富山から伊勢志摩の沖合にずっと広げていくようなことが大事じゃないか。これは各県がそれぞれそういう努力をするということがまず大事でありますが、またそれを拡大していくには国のしかるべき施策が必要であると思います。方向として、こういう方向に水産庁、農林省としては力を入れて拡大していくというような方向を考えていらっしゃるかどうか。考えてもらいたいと思うのですが、そこはいかがでしょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ズワイガニの資源の再生産確保というものは、先生御指摘のとおり山陰、北陸にかけての伝統漁業でございました。私どもも、その再生産メカニズムを解明しつつ、それを助長できるような魚礁の設置ということを現在研究を進めておる段階でございます。実用化できる技術として明確なものが確保できるようになれば、私どもそういった条件づくりの仕事として沿岸漁場整備開発事業という事業を持っておるわけでございます。技術開発の成果を踏まえながら、こういった事業がズワイガニ資源の再生産にも活用できる方途を我々としても検討、研究してまいるつもりでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 ぜひ積極的に取り組んでほしいと思います。  そこで、このカニにしても、移植するにはもとのカニが要るわけですから、今言った大和堆等の将来のそういう資源の状況は、どんなめどを持っていらっしゃるか伺いたい。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 現在福井県、石川県が行っておりますいわゆる移殖放流のいわばもとガニの方は、先生お話しのとおり、大和堆で試験操業という形で捕獲をされておるものでございます。大和堆周辺は基本的には資源保護等の観点で実は捕獲禁止区域になっておりますが、資源の再生産を図るための試験操業という形で県の調査船に限って捕獲を今許しておるわけでございますが、大和堆自体の資源というのも、最近の石川、福井両県の調査船の操業状態を見ますと実は生産量がかなり減ってきております。資源状態がこの捕獲行為によって影響を受けているのか、それとも資源が周辺部に散逸をしているのかということを容易に——まだ必ずしもわからない点がありますけれども、どうも移殖放流のいわばもとガニの給源として大和堆に無原則に依存していくということは、多少問題があるのではないか。もう少し資源状態の掌握あるいは試験操業による影響というものを見きわめて考えていかなければいけない。  したがって、私どもとしては、先ほど来申し上げました魚礁の設置等による再生産メカニズムの構築という場合に、安易に他の地域の資源を移殖放流するということではなくて、地場の資源を何とか定着、増殖をさせるということも十分考えていかなければいけないというふうに考えておるところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 移殖放流を中心にした魚礁といえども、地場にある資源といいますか、カニ等はそこを十分使えるわけですから、よそから持ってくるとは限らないわけなので、そういう意味の魚礁の意味は御承知のとおり十分あると思っております。  そこで、カニの種苗生産の見通しですが、これは私の方にも国立の栽培センターがあって、カニの種苗生産をやっておりますが、なかなか難しさがある。二百五十メーターという深海にすむカニの適温を維持するということはなかなか難しさがある。そういう点で、全国に幾つかのこういう種苗研究センター等があると思うのですが、全般的に見てこれからのカニ種苗生産の可能性、見通し等はどうか。簡単で結構ですが、お伺いしたい。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ズワイガニの種苗生産の技術についてはまだ残された問題が大変多うございますが、実は若狭湾の国営栽培漁業センターの小浜事業所でこの試験を担当してやっております。御承知のとおりこのズワイガニは比較的水深の深い水域に生息しておりまして、長期間人工的に飼育するのがなかなか難しい。それから、これは共食いが非常に激しい生物でございましてこれまた長期間の飼育が難しい。また、親ガニは簡単に入手できても、これが産卵し生き延びるための生理メカニズムというものがまだなかなか掌握できていないということで、この種苗の人工生産を実用化するのにはまだ相当の期間がかかるのではないかという認識でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 いろいろ私も調べてみると、一番問題は、二百五十メーターの深海、深いとも言えないし浅いとも言えないわけですが、水温は大体五度C、だからカニを育てるために一年じゅう五度Cの温度を確保するのが非常に難しいようなんです。特に、気温が高くなるとこの五度Cの海水を確保するのには非常に難しさがある。それが一番のネックのようにも聞いておるのですが、日本海の方に海が一遍にがっと深くなっているところ、ずっとだらだらであれば二百五十メーターのところから水を引くのは大変なんだけれども、こういう湾が急に深くなっている、傾斜が激しいところは探せばあると思うのです。そういうところから五度Cの水を揚げてカニの育苗をやるということは考えられないのかどうか。これはなかなか専門的なことで、私は素人だから余りわからぬのですが、ちょっとそういう感じがするのですけれども、いかがですか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 私も専門的知識は十分でございません。技術者ともよく相談しまして、可能なものについては最大限の努力をしていきたいと思っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 これは専門家に任せてひとつ勉強してもらって。若狭の国立の研究所を見ても、カニは小さいところまでは育っているのですが、それからがなかなか難しいようでありますから、カニ資源はなかなか容易ではない。そうしますと、種苗生産等によってこれからさらに力を入れることが大変大事だと思うので、こういう面に国としてもぜひ力を入れて取り組んでほしいと思います。  大体時間が参ったのですが、ちょっと細かい話になりますけれども、栽培漁業をやる場合に、湾内であるとか入り江があるときには波が静かなので割とやりやすいのです。例えば私の県で言えば、若狭湾等は入り江ですから割とやりやすい。しかし、今度は日本海の波の直接ぶつかるところになると、養殖といいますか栽培漁業というのはなかなか難しさがあります。そういう中で、例えば日本海の沿岸でも波に削られて昔から景観の非常にいいところがありますが、そういうところは 案外浅くなって岩がずっと点々と飛び地になっておるのです。こういうところをつなげば自然の養殖が可能なんですが、この栽培漁業センター等も少し多様な栽培漁業のやり方をこれから考えていってもいいのではないかと思うのですけれども、思いつきみたいな話で恐縮ですが、これらについてもひとつ見解を伺いたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 水産資源を人工的な栽培技術で補強していく必要があることはお説のとおりでございます。具体的な手法としては、魚の種類なり海域によっていろいろな方法があると思います。まだ解明されていない問題も多々ありますが、栽培漁業センターに限らず、非常にグルントの問題については、国の水産研究所、各都道府県の水産試験場、あるいは大学の研究施設といったようなところで基礎的な研究も必要な課題があろうかと思います。それらとの連携を含めて、今後、地域的な条件に合った栽培漁業のあり方という問題に取り組んでいきたいというふうに考える次第でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 大体終わりですが、最後は要望だけして、大臣のこの沿岸漁業、漁業資源、あるいは栽培漁業等に対する気持ちを一言伺って終わりたいと思います。  要望としてでありますが、河川口、海岸にビニールの汚物なんかが随分たまって魚の生息を非常に妨げておる点がある。水産庁はごみ処理ということで助成をしてはいろいろやっておりますが、日本がこれだけ沿岸漁業の重要さを加えたら、海底清掃船というような、とにかく海の沿岸を、底を掃除するような船をつくって、日本じゅうを回して、もう一度沿岸の漁場を清掃して確保する、こういうことも考えてみていいのではないか。  それから、アマエビ等の生息の中で海底耕うん、海岸を底の砂や土を掘り起こして耕うんをしておる、こういうようなことを県単事業等でやっておるのですが、こういうようなこともアマエビの生産等にかなりいい影響を上げておると思いますから、それぞれの石川県にしても富山、福井、あるいは山陰の方にしても、県がやっておる特徴的なかなりいいやり方があると思うので、こういうものをひとつ拾い上げて国の方でも支援して、いいところは広げてもらうということも大いに考えて、これらの事業の継続、推進に努力をいただきたいと思っております。  時間の点からも答えは要りませんので、あと大臣から一言伺って終わります。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○山本国務大臣 けさほど来、先生のカニの質問があるというのでずっと勉強いたしました。また、今の最後の締めくくりのお話ですけれども、資源保護、これはもう一番心していかなければいかぬ。また、それに関連いたしまして先ほど油の話も出ておりましたが、とにかく海岸をきれいにするということも資源保護に直接間接に結びつく。しかし、これはもちろん水産庁も一生懸命努力はいたしますが、今先生がお触れになったような地元の各県、各市町村それぞれにいろいろなやり方があると思いますけれども、それらの御協力も得ながら、また地元地元の方式もございましょうから、総協力の中でせっかく努力をしてまいりたいと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 終わります。

亀井静香自由民主党

○亀井委員長 藤原房雄君。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております水産二法について御質問申し上げたいと思います。  きょう午前中から同僚委員からも各般にわたります議論がございました。漁業を取り巻く情勢がいかに厳しい環境の中にあるかということや、さらに国内的な、日本の二百海里内というものをいかに重要視しなければならないかということ、これは五十二年から世界的、国際的に二百海里時代を迎えまして、今日までの経緯の中でそれなりの取り組みをしてきたとはいいながら、漁業という性質柄、そう急激に方向転換できるわけでもございませんし、そのときそのときの諸問題につきまして取り組んで今日まで来たということでありますが、きょうは、この山積いたします諸問題につきまして、何点かについて御質問申し上げたいと思うわけであります。さらにまた、漁業とは別なことではございますが、金融の自由化という波の中で、それに対応する漁協のあり方、信用事業のあり方も緊急に対応しなければならない問題として、このこともまた大きな課題だろうと思うのであります。こういう各般にわたります問題があるわけでございますが、本日は、この法案を中心といたします課題につきまして、何点かについて御質疑をしたいと思うわけであります。  法案に先立ちまして、マスコミをにぎわしておりました北朝鮮に用船された日本漁船のソ連水域での操業問題に関連しましてお聞きしておきたいと思うのであります。  北朝鮮に用船された際、また日本の漁船員がサケ・マスを採捕したと言われておりますが、こういう問題については法律上いろいろな疑義があるということで、現在海上保安庁を初めとしまして捜査中でございますので、これらの問題につきましては、しっかりまた法に照らして今後の厳重な対応があるのだろうと思います。これはそういうことに譲るといたしまして、これからの農林水産省や私どもが考えなければならないことは、なぜこういうことが起きたのかということについてひとつ考えてみたいと思うのであります。  この問題につきましては、サケ・マス漁業は一九九二年、ソ連の漁獲割り当て量がなくなるというふうに言われておるわけでございますが、何としてもそんなことは避けるようにということで、関係者から強い要望がありますけれども、非常に厳しい状況の中にあることは私どもも認識をいたしております。また、底魚等についても毎年の日ソ漁業交渉の枠がだんだん狭められておるというのが現状でございます。さらに、日本の二百海里内では外国漁船の不法な操業等によりまして資源が危機的な状況にある、海外の漁場もだんだん狭められておるということや、さらにまた、国内的な二百海里内の操業につきましても資源が非常に危機的状況の中にあるという中で今回このような事件が起きたわけであります。北海道周辺の漁業者にいろいろお話を聞きますと、操業する漁場がなくて困り切っておるというのが現状と言わなければならないと思うのであります。  そういうことからかんがみますと、今日まで、五十二年以来いろいろな取り組みがなされてまいりましたが、減船救済金を交付するということを柱といたしまして、主要な問題としまして、今日まで減船に次ぐ減船ということが続けられてまいりました。今後北洋漁業をどうするのかということを考えますと、北洋の漁業というものを再編整備するという真剣な考え方がなければならぬのじゃないか、そしてまた、その計画というものを早急に実施するという取り組みがなければならないと思います。漁業者は経営また生活を、生計を立てるという場がなければならないわけでありますから、一時的なことでは結局同じようなことを繰り返すおそれがあると言わなければならないと思うのであります。またぞろ同じようなことが繰り返されるようなことがあってはならない。  そういうことの上からいきまして、事件に対する厳重な対応はもちろんといたしまして、水産庁の中にも北洋漁業再編対策室というぐらいの、北洋対策に対しまして各部局ごとにいろいろな対策はやっておるのかもしれませんけれども、ここへ参りますと、組織的な上からいいましても本当に真剣な取り組みが必要ではないか。そういう中で、北洋漁業のあり方とか再編対策とか、集中的にこれを検討する部門をつくって取り組みませんと、同じ轍を踏むようなことがあってはならないと思うのであります。これは、私は北海道だから北海道のことを言っておるのですけれども、しかし東北の方々にとりましても、日本の漁業の半分にかかわる非常に大きなウエートを持つ課題でもございますから、水産庁が本当に責任を持ってお取り組みをいただかねばならない、このように思うわけであります。このたびの事件は、こういうことがあったということじゃなくて、ぜひこれを 教訓としまして、具体的な行動としてきちっと根本の課題に対する回答といいますか、今後の北洋漁業を中心とします問題に対する対策というものをお立ていただかなければならない、このように強く感ずる次第でありますけれども、大臣いかがでしょう。お伺いしておきます。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○山本国務大臣 ただいま先生御指摘のとおり、我が国の北洋漁業が大変厳しい状況にあるということは強く認識をしておりまして、昨年の十二月に国際漁業再編対策、こういうことで閣議了解がされました。この閣議了解に基づきまして、北洋サケ・マス漁業、本年の日ソサケ・マス協議の経緯も踏まえまして、これに関する漁業者救済措置の骨格を去る四月の末に決定をいたしまして公表をしたところでございます。これから先、北洋漁業を取り巻く状況の変化に対応しまして、外務省を初め関係省庁とも十分に連絡をとりながら、この閣議了解の線に基づきまして、あらゆる措置を検討しながら、適切機敏に対応してまいりたい、こういうふうに考えております。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいま先生からお話のございました北洋漁業の再編問題についての基本的な考え方、大臣から御答弁申し上げたわけでございますが、その他の問題について若干補足をさせていただきたいと思います。  その第一点は、北朝鮮船のいわゆる操業問題でございます。たびたび繰り返しておりますが、事実関係について現在海上保安庁が捜査を開始している状況でございます。私どもも事実関係の解明については可能な協力をしていく態勢でございます。要因分析等につきましては、この事実解明を待って行うべきことというふうに私ども考えておるところでございます。  また、北洋対策に関連をして、漁業者対策のみに限らず、広くいろいろな問題に対処するために、水産庁が何か特別の室をつくるべきじゃないかというお話でございましたが、御承知のとおり、大臣から御答弁申し上げました昨年十二月に閣議了解をされました国際漁業再編対策の内容は、単に漁業者の減船対策ということだけではなくて、その転業対策でありますとか、あるいは漁業従事者の再就職対策というふうな、水産庁の所管事項を越えたことも閣議レベルで了解をされておるわけでございます。もちろん私ども窓口役としての任務は当然果たしていくつもりでありますけれども、水産庁に限定しないより広範な関係各省庁の御協力を得て事を進めていく必要があると考えておりまして、特段私の方で現在室をつくるというふうな構想は持っておりません。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 形だけつくってそれでいいということじゃ決してないのですが、打ち続く今日までの減船、また、こういう状況の中にありまして、去年の十二月に閣議で決めたことは知っておりますけれども、より実効性のあるものといたしませんと、同じ轍を踏まないように、こうしたからじゃなくて、ぜひひとついろいろな部局を越えて総合的な諸対策を進めていただきたい。これは五十二年からずっと来ているわけですから、そのしわ寄せとか、これは一時的なことでは決してございませんので、恒久対策というさらにまたもっと実効性のある、経営とか生計とかこういうことにかかわる問題でもございますので、同じようなことの起きないような根本的な対策をひとつしっかり取り組んでいただきたい、こういうことを申し上げているわけであります。  二百海里時代に入りまして、外圧によりまして日本の沿岸漁業が再編成を迫られているところでありますけれども、最近ではその影響が日本の沿岸にも迫ってきたというふうに考えられるわけであります。時代は変わって国内漁業の再編成の時代が来た、こんな感じすらするわけであります。それは、一つは沖合底びき漁業と沿岸漁業の問題。外国の水域で漁場がなくなりつつある沖合漁業は日本の周辺での操業を強めるしかない、また、漁具やエンジンもよくなったというわけで、漁業白書にもあるように底魚を中心とした資源が枯渇し、時には底びき禁止ラインを越えて操業しているということも聞いておりますが、沿岸の漁船漁業も同様でありまして、資源状態はこれまた悪いわけであります。  こういうことの中で、北海道で昭和六十三年三月に、「沿岸漁船漁業と沖合底びき網漁業の操業体制に関する指針(素案)」をつくりまして、船型の小型化とか底びき禁止ラインの見直しなど、操業形態を見直すこととしたのでありますが、なかなか沖底側との調整が進んでいない。話し合いはしておるのですけれどもなかなか困難をきわめておる。水産庁は、道の指針は資源管理型漁業に向けた姿勢である、こういうふうに評価をしながらも、沿岸とか沖底が限られた資源の中で双方が十分話し合って理解できる形で操業し、資源の再生産、利害調整が図られるよう実施すべきであるということで、水産庁としてもサポートしたいという考え方を示しているわけですけれども、沖合底びき網漁業は大臣みずから許可している漁業でもありますので、そのような客観的な立場ではなくて、もう一歩当事者として積極的なこの問題に対する取り組みというのが必要ではないかというふうに思うわけであります。北海道におきましても、話し合いの場をつくり、そして何度か繰り返されてき、道もこういう指針をつくり、テーブルに着き、そして回を重ねておるわけでありますけれども、なかなか難しいことであることは我々にもわかるわけでありますが、こういうことにつきまして、水産庁としてももう一歩積極的な取り組みが欲しいなという感じがするわけであります。  そういうことからいいまして、このたびの海洋水産資源開発促進法が改正されることによりまして、このような問題が行政の取り組みとして変わってくるのかどうか。今までこういう法的な裏づけがなかったから、あるところまで行ってもなかなか進まなかったのかもしれませんけれども、今後はこの法律をもとにして一歩でも二歩でもこの話し合いが進むような形になるのか、そこらあたりのことについてお伺いをしておきたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいまお話ございましたように、北海道においては、かねてから沿岸漁業と沖合漁業の協調問題というのは大変大きな課題になっておったわけでございます。道庁が大変大きな指導性を発揮いたしまして、五月の十五日にこの指針をつくって関係漁業団体に通知をしたのでございまして、私ども、北海道周辺漁場における資源の保護なり合理的利用を図る上で大変意義深いものという評価を持っております。これをさらに具体化していく上で、関係する漁業についての許可権なり指導の任にある、道庁はもちろんでありますけれども、水産庁としてもお互いに連携をとりながら関係漁業者に対する指導をしてまいりたいと考えております。  また、このような試みが、現在御審議をいただいておりますいわゆる関係漁業者による自主的な資源管理協定制度の中にうまく生かされていくということを、私どもひそかに期待をしておるわけでございます。事実上の話し合いで従来進められておりました資源管理をめぐるいろいろな相談事というものを法定された制度に乗っけて、行政庁としても必要な指導をしていくという体制のもとで、今回北海道が進めておりますような協調体制指針というようなものがうまく生かされていくという道をまた私どもとしても努力をしていきたいというふうに考えております。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 毎年これは漁業組合長会におきます一つの大きな課題としまして、この解決のために関係者の方々は御努力をしていただいておるわけであります。水産庁もまた、それに対して大変に関心を持ち今日まで来たこともよく存じておりますが、これはモデルといいますか非常に大きな大事なことだろうと思いますので、ぜひひとつ十分にまた指導性を発揮していただきたいものだと思います。  沿岸と沖合の問題につきましては、沿岸も我慢するから沖底も小型化しろとか漁場を縮小しろとかいっても、漁業者は生活の場でありますから、なかなかこれは簡単にそうですかと理解するというわけにはいかないだろうと思います。ましてや 数の力で資源管理協定を結んで排除しよう、こんなことをしたのでは漁業紛争が起きるだけでございまして、資源量に合わせた操業形態をつくるためには、どうしてもある程度の補償とか経営の保障といったことが伴ってくるのではないか。漁業法や水産資源保護法では、漁業調整は資源量に合わせて漁船を削減し、これに対しては国が補償する道があるというように読み取れるわけでありますけれども、財政上の問題がありましてこれが空文化しておる。政府はこれらの条項を使う気はないかどうか。  ここでどうこう言ってもしようがないのですけれども、何らかの財源を見つけて——幾ら新しい法律が出たといいましても、本当の意味での資源管理型漁業を達成するためには、その裏づけになるものも伴っていなければならぬのじゃないか、このように思うわけであります。漁業者も何らかの形で拠出をする、国や道県も予算措置によって応分の財源を負担する、こういうことで日本の漁業を新しい時代に即した形に再構築するということも考えなければならないのじゃないか。そうでなければ、今のまま参りますと、漁業はずるずる衰退してしまう、歯どめのないことになってしまうのじゃないか、こんな危惧を持つのですが、お考えをお聞きしたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お話ございますように、資源管理協定の実施ということは、当然これに参加する漁業の従来の各種の操業の仕方に変化が起こるわけでございます。その変化によって、一時的に漁業者にとって漁獲量の減少といったような形で経済的な負担がかかるということは事実でございますが、一方におきまして、若干のタイムラグはあると思いますけれども、魚体が大きくなるとか、あるいは漁獲量が資源の回復によってさらに増加するというふうな、いわば相当のメリットも期待をされるわけであります。この辺の経済的なある種のギャップというものを、資源管理協定を円滑に進めていく上で埋める何らかの手段が必要ではないかという御議論、私どもそのような認識を持っております。しかし基本的には、その辺の利害得失の調整というものは資源管理協定に参加する漁業者自身の自主的な負担によってやるべきであると考えておりますけれども、行政サイドでお手伝いできる一つの手段として、実は昭和六十三年から、資源保護措置を内容としたある種の資源管理をする場合に、一時的な漁業収入の減少がある場合には低利資金を融資していくという仕組みを確立しております。御承認いただいて新しい制度が発足いたしますれば、平成二年度におきましてもこの仕組みを継続実施することにしておりますので、新しい制度とこの助成制度の組み合わせを通じて実効性が上がるように運用してまいりたいと考える次第でございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 今長官がおっしゃったのは、水産庁予算の中に昨年は十億の漁業構造再編資源回復緊急対策事業が計上されておりますけれども、事業内容が、沖底漁業から沿岸の刺し網漁業まで一体となって減船を行う場合に、これに伴う損失補償とか共補償、こういうものに助成しようということですが、昨年は漁業者の意向がまとまらなかったためにこれが実施されませんでしたけれども、ことしは何とか実施できるようなことになるのかどうか。昨年の予算措置でありながら漁業者の合意ができなかった、そういうことで、なぜこれの合意がなかなかできなかったのかということ。それから、地域によって事情がいろいろ異なると思うのでありますが、それらのこと等についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。今回この法律ができることによりまして、こういう事業がしやすくなるのかどうか。せっかくこういうことを設けましても、実際に実効性が上がっていなかった。今度の法律ができますと、それが一歩でも二歩でも推進しやすいような形になるのか。今までできなかった理由と、この法律ができることによって今後どのように変わるのかという、その辺のことをちょっとお聞きしたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 先ほど私御答弁申し上げました低利融資制度は、平成二年の予算に織り込んでおるところに従って申し上げますと、資源管理沿岸漁業経営改善資金というものでございまして、融資枠が三十億円予定をされておるものでございます。また、先生が御指摘になりました、恐らく漁業生産構造再編推進資金ではなかろうかと思いますけれども、これもまた場合によっては活用可能であろうというふうに考えております。いずれにしましても、新しい制度の発足に当たり、これが円滑に実行されて新しい制度が定着をしていく際に、ただいま申し上げましたような融資制度なり助成制度をうまく活用していくということが大変制度定着のてこ入れになると考えておるわけでございます。その状況を見ながら、将来に向けての努力もまた私どもとして検討をしてまいりたいというふうに考える次第でございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 こういう事業が進められておるわけでありますが、これは今までの延長線上というのじゃなくて、先ほどから申し上げておりますように、一つの大きな改革というか、日本沿岸を中心としまして他国の公海、また今までとっておりました北洋を初めとしますこれらのことによりまして、日本の二百海里というものが非常に大きく注視される、そしてまたそこの再編成をしなければならないというような大きなウエートの中での改革といいますか、今回これらのことに対して手をつけるということでありますから、相当真剣な対策、いろいろな検討をしなければならぬ、こういうことで各種の事業が取り組まれておるのだと思います。ぜひひとつ積極的なお取り組みをいただきたい、こう思うわけであります。  資源管理協定制度についてですが、現在自主的に協定が結ばれているのは、資料によりますと千三百三十九の漁業管理組織がある。これは、話し合いのつくところについては例えばそういうことで進んでおるということだと思いますが、問題は、残っておるところ、難しいところをどう進めるかということが大事なことだろうと思うのであります。今回の法律では、自主的に結ばれた協定を行政が認定するということになっているわけですが、必要な協定が結ばれるようにするためには都道府県とか国はどんな役割を果たすのか、そこのところを私どもは考えざるを得ないのです。それは自主的にやっていただくのだという先ほど来のいろいろなお話がございますけれども、そういう環境づくりとか、結びやすいような話し合いの場に着く、そういうことですとある程度それは進むのだろうと思いますけれども、結ぶまでの間、行政としてはどういう役割を果たすのか、こんなことを考えざるを得ないのですが、どうなんでしょう。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 先生御指摘のとおり、今回の改正で予定をしております自主的な資源管理制度が円滑に動いていくためには、やはり関係する漁業者がみずからの利害関係を越えて違った利害を持った人々同士で話し合いをしていく、それで互譲の精神で合意をつくり上げて資源管理なり漁業の長期的な安定に努力をしていく、こういう活動になると思います。長い間の今までの漁業調整の歴史から見ますと、なかなか大変な仕事であろうかと思います。御指摘ございますように、比較的限られた漁業圏の中でいわば同質的なものでの話し合いというのは、漁業白書でも御報告しておりますように、今日既に多数成立をしておるわけであります。より広範な地域あるいはまた異なった性質を持った漁業種類間での資源管理のあり方という難しい問題にも入っていくべき課題であると思いますが、その際に、国あるいは都道府県等を通じた行政側の努力なり指導性の発揮というものが当然必要になってくると思います。  私も、それによってどれだけ事が進められるかということについて明確な見通しを申し上げるほど自信はないわけでございますけれども、科学データの集積がそれなりにあるわけでございます。それらの資料提供なり、あるいは必要な助言等々も織りまぜながら所要の努力をしてまいりたいと考えております。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 次は、協定を結ぶ際のことですけれ ども、関係の漁業者が自由に関係海域と対象魚種を決めて、その海域と魚種についての資源管理協定を結ぶだろうと思うのでありますが、そのときに、漁業者の数とか漁獲量を基準にしますと、少数の漁業者が意図的に漁場から排除されるおそれが出てくる。現在漁業団体の方とか乗組員の方々の話の中にもそういうことがうかがわれるわけでありますけれども、そのような協定はこの法律による認定の対象にすべきではない、このように思うのでありますが、こういう問題につきましてはどのように担保していくか、この考え方をお聞きしておきたいと思うのであります。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 資源管理協定に参加する漁業種類が異業種になった場合に、確かにそれぞれの漁業種類に従事する人たちの数が違う、あるいはまたいろいろな力関係の違いというものがあることは事実でございます。そういう中で私ども、先ほど申し上げましたように、一定の認識に基づいていわばお互いに譲り合い理解し合うという態度が、この制度を円滑に動かすための大変重要な要素であると考えておるわけでございます。したがって、非常に不当に差別をされておるという状態では、事実上この協定制度に基づく合意というものは成立しがたいのではないかということでございまして、またそれが実際問題として、ある種の力関係でいわば泣き寝入りするような状態で押しつけられるというふうなことは、私どもとしても絶対に避けなければいけない、やはり関係する漁業者が納得ずくで物事を決め、それに従って操業をやっていく、こういう秩序をつくっていくことを基本として考えなければならないと考えるわけでございます。それを具体的にいかにして担保するかということはなかなか制度的に明確にするわけにいきませんけれども、私ども、少なくとも行政庁の認定を受けるものについては、そういうことがないということを十分に確認をして認定というものを行っていきたいというふうに考えておりまするし、先ほども申し上げましたように、話し合いの過程で必要に応じて行政サイドもいろいろ助言指導という形で話し合いに入ることもあり得るわけでございますから、その辺の実態認識上そういう不当な差別というものが出ないような目配りというものは、我々自身も当然やっていきたいと考えております。     〔委員長退席、大原委員長代理着席〕

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 先ほど来くどいほど申し上げているわけでありますが、漁業者はやはり生活の場であり、また経営の大事な場であるわけでありますから、とった魚によって生計が維持されるかどうかということが非常に大事なことになるわけであります。この協定によりましていろいろなことを考えなければならぬと思いますが、それとともにもう一つは、お互いにとった魚によって生計が維持されるような流通とか漁業全体の総合的な経営安定の措置が、これらのことに伴っていなければならないのではないか。協定によってすべてがというふうにお思いではないと思いますけれども、私どもあちこち参りますと、現地の価格、また消費地を回りますと異常な高さであったり安かったり、価格形成というものの複雑さというものがよく当委員会でも議論されるわけでありますが、やはりこういう流通等総合的な漁業経営といいますか、こういう諸問題についても勘案しなければならないということで、ぜひ流通ということについても、非常に複雑な今日までの長い伝統の中で培われたもので一朝一夕に変えられるとは思いませんけれども、魚価安定、自分でとって自分で値段をつけられない仕組みになっているわけでありますから、そこらのことについても十分にひとつ勘案していただきたいと思うのですが、いかがでしょう。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お説のとおり、漁業経営の安定のためには、適切な資源管理を行うということもさることながら、とれた水産物が十分コストを償うような価格で売られ、かつまたそういう価格を支払って食べていただく消費者がちゃんといるという条件が必要なわけでございます。そういった意味から、水産物市場をめぐる競争条件にはいろいろと難しい問題もございますけれども、消費者ニーズの変化に対応して適切にこれを販売するための努力、またこれをサポートするために流通施設の整備なりあるいは加工体制の整備といったような点で、漁協あるいは水産加工業者の皆さんのお力もいただかなければいけませんし、また我々としても必要な御援助をして、全体として、生産された水産物が適正な流通経路を経てコストを回収できるような価格で販売できるような需給関係、そういうものを維持していけるような体制づくりに努めていくことが肝要であるというふうに考える次第でございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 時間もございませんので漁協法のことに触れたいと思いますが、漁協が漁村でそれなりの役割を果たしていくためには漁協の経営の強化ということが重要であることは論をまたないことだと思います。農協の組織に比べまして非常に零細であり、その経営も欠損金とか固定負債とかを抱えて非常に苦しい状況の中にある。こういう中で金融の自由化を迎えましてそれに対応するということであります。また、漁協というのは漁業権を抱えておりまして、経済団体といえども効率性だけを求めるわけにいかない、そういう仕組みの中にある。こういうことで、今日までも何度か、漁業協同組合整備促進法、こういうもとでいろいろ進めてきたときもございますが、漁協という性質柄、農協なんかのような強化策というのはなかなかそう急激に実効性が上がるというわけにはいかない状況の中にあると思うのであります。そういうことからしますと、一義的には漁業者の生活の安定ということ、また漁業の振興ということがその基盤として何といっても大事なことだろうと思いますし、周辺問題についても今回の法律にはいろいろと触れておりますけれども、計画的にこれからの漁業の強化策を講じなければならぬのじゃないかというように思うわけでございますが、自由化も目の前に来ておる中でこれを進めるということでありますから非常に大変なことだと思うのであります。今日まで漁業協同組合整備促進法を制定しまして、整備基金を設けて、利息の減免とか、合併奨励金を交付するとか、法人税の特例を設けるとか、いろいろなことで進めた時代も、三十五年ころですかあったわけでありますが、さらに何か強化策というものを設けませんと、ここに来てからということになると非常に厳しい環境の中にあるとは思いますけれども、現状の中で改革しようとしてもなかなか難しい問題ではないかと思うのです。  今回の改正等によりましてどのくらいの漁協がこれらの時代の波に乗れるのか、非常に危惧するところなんですが、この辺のことについてはどうお考えでしょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 漁協経営を取り巻く情勢というものが大変厳しい状況にあることは御指摘のとおりでございます。なかんずく信用事業をめぐる金融情勢は大変目まぐるしく、今後自由化に向けた動きを早めていくわけでございます。そういった中で信用事業を中心としました漁協の経営基盤というものをいかに確立をしていくかということが急務であると考えるわけでございます。そういった観点から今回の法律改正におきまして、組合員資格の拡大、あるいは業務内容の拡充、あるいはまた員外利用の弾力化というふうなことに加えて、信用事業の部分統合といった形でのいわば漁協経営のスケールメリット確保のための仕組みというものを特にお願いをいたしておるわけでございます。  これらの努力によりまして、これからさらに自由化の加速度を高めていく金融情勢にどれだけ対応していけるかということを、なかなか数量的に私将来の見通しを申し上げるわけにはまいりませんけれども、いずれにしても農協と並んで第一次産業の大きな系統組織であるわけであります。まだまだ農協に追いつくには間がありますけれども、いわばそういった農協系統とも連携をしながら、漁協系統の信用事業あるいはその他全般的な経営基盤の整備に向けて、新たな時代に対応した体制づくりにさらに一層努力をしてまいりたいと いうふうに考えておる次第でございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 同じ漁協といっても規模とか漁村の環境、こういうことでなかなか一律的にいかないのが実態であろうと思います。例えば離島等におきます漁協などで信用事業がなくなるなんということになりますと、漁村の漁民の方々もすぐ困ってしまうようなことになるのだろうと思います。また、信用事業ではありませんけれども、純粋な漁業地帯と、北海道のように季節のよいときだけ、ある時期漁業が成り立つ季節、そういうときに遊漁者が一緒に入ってくる、こういう漁業の場合など、農村と違って非常に多種多様、規模とか地域性とか季節によりまして遊漁者との関係とかいろいろな問題がございます。そういう季節のいいときには遊漁者が入ってくるということが起きる。  そういうこと等がございまして、現場に参りますといろいろな場面があって、非常に難しいのだなと私は思うのでありますけれども、組合員の資格についてやはり同じことが言えるのだろうと思います。今度の改正の実施に当たりまして、地域の実情を無視して画一的に行わないようにしてもらいたい。これは各地を回りましたときに、漁協というのは農協なんかと違って画一的にすると非常にいろいろな問題が起きる、現状等については十分に勘案して指導する必要があるのではないか、こんなことを私どもも痛感をいたしておるわけであります。まだ非常に弱い漁協、そしてまた地域のそういう状況等を十分に踏まえた指導性を十分に発揮をして進めていただきたい。そうでなければならぬのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいま、今回の改正で予定をしております漁協の組合員資格の緩和措置というものが余り画一的に押しつけられないで運用されるようにというお話でございます。  この問題に限らず、新しい業務の拡大の問題につきましても、現在の漁協の組合員の皆さんが、自分の置かれている地域条件あるいは規模等々の条件を勘案をして、組合員を今回の改正で拡大された部分どういうふうにすれば一番いいか、あるいは拡大された業務範囲をどこまで取り込んでいけばいいかということを自主的に御判断をいただいて、個々の組合ごとに定款で具体的に決めていくということを私ども予定をしております。もちろん、最終的には先ほど来申し上げておりますように、新しい情勢下で漁業協同組合が協同組合として一定の役割を果たしていけるような経営基盤をつくり上げていくという究極の目標がありますが、それが可能な範囲で弾力的な制度の運営というものを自主性に基づいて行っていくことは、私どもとしても当然のことであろうと考えております。条件に応じて、弾力的、自主的な運用が行われるよう、十分指導面でも注意してまいりたいと考えております。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 この資格問題につきましては、定款で定めるとかいろいろなことになっておりますが、これは地域性とか規模とかいろいろな状況の中にありまして画一的にはいかない。そういうこと等十分に念頭に置きましての指導性をみんな発揮して、また継続的にいろいろな問題について御討議いただく、こういうことで慎重に進めていただきたいということであります。  次に、漁協の組合員の資格の問題ですけれども、今回の改正で、一つは准組合員の資格を拡大して、また法人の正組合員の資格を拡大するということになっておるわけでありますが、漁業情勢の変化とか金融情勢の変化とか、大きくこういう変化している今日の中にありまして、現在の漁業に従事する期間が九十日から百二十日の間で定款で定める日数としている漁協の正組合員の資格についても、漁業情勢の変化などに即応して、そのままでよいのかどうか、改めて検討してみる必要があるのではないか。漁協の果たすべき役割はこういうことと非常に大きなかかわり合いがあるわけでありますが、本当に漁業というものを重視する、純化論といいますかそういう形、北海道なんかどちらかというとそういう方向ですけれども、さらにまた大いに拡大をしていこうという、こういう相反する意見があるわけでございます。意見が分かれているといいますか、南北に状況が非常に違う。そういう中にありましてこれらの問題を定めていくということでありますから、これらのことについても十分に御検討いただかなければならぬことだろうと思うのですが、いかがでしょう。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 漁協の正組合員資格者の最も基本的な要件としております漁業従事者の定義として、漁業従事日数が九十日から百二十日までの間で定款で定める者という要件について、今回の改正は現行制度をそのまま維持しております。この問題をめぐってもいろいろな議論があることは私ども承知しております。これは三十七年の改正において今日の状態が決められたわけでございますが、実は今回の法律改正に当たっても、この要件の決め方について本当に妥当であるかどうかについて、私ども内部でも議論いたしましたし、また系統内部でもいろいろ討議を賜ったわけでございます。率直に申し上げまして、現在の仕組みを積極的に変更する理由は特に見当たらないということで、いわばこれに触れないという対応を今日したわけでございます。  長期的に見ますと、漁業実態の変化なり、あるいはまたこれから起こってくるであろう漁業を取り巻く諸情勢の変化というものの上に立って、この問題についても将来の課題として見直しを検討していく課題があることは承知をしておりますけれども、今日時点では積極的にこれを変える理由が特になかったということでこのまま維持をしておりますが、将来的な課題としてひとつ検討をさせていただきたいと思う次第でございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 次に、水産加工業協同組合についてお伺いするわけでありますが、法人の正組合員資格を従業員百人以下から従業員三百人以下、資本金一億円以下、このように改めようということでありますが、このために加工組合に独禁法の排除規定が働くことになりました。そこで気になるのが、法人を組合から脱退させることができることとしている、実質的に小規模の法人でないと認めるときの基準でありますけれども、この基準はさらに具体的にどのようなときにあるのか、公正取引委員会の御説明をいただきたいと思うのであります。  さらに、水産庁には、水産加工業の規模は極めて零細であるものが多いわけでありますけれども、零細である原因はどこにあるのか、また、経営基盤を強化するには今後どういう施策が大事なのか、その間のことについて、今日まで法の改正とかいろいろなことがなされてまいりましたけれども、あわせてお聞きをしておきたいと思います。

知久多喜真公正取引委員会経済部団体課長

○知久説明員 お答えいたします。  前段の分でございますけれども、先生御指摘のように、今回の改正案の九十五条の三に、組合員たる法人でその常時使用する従業員の数が百人を超えるものが実質的に小規模事業者でないと認めるときには、その法人を組合から脱退させることができるとしてございます。これは御指摘のように、今回組合員資格を、今まで水産加工業協同組合について、百人以下の法人であったが、その加入できる者を三百人以下、あるいは資本金が一億円以下のものというふうに引き上げたわけでございますけれども、これに伴うものでございます。つまり、今までより大き目の法人が組合に加入できることになったわけですけれども、こうした法人事業者で構成される協同組合は、組合法の七条に基づいて独禁法の適用除外となっているわけであります。今回の組合員資格の拡大に伴いまして、形式的に三百人以下であるとか加入資格を満たしておりましても実は相当な力を持って実質的に小規模でないものが加入した場合、独禁法を適用除外する趣旨を損なわないようにしなければならない。つまり、独禁法適用除外になっております趣旨というのは、中小企業の相互扶助を行うためその組合につきましては独禁法を適用除外するということでございますので、そういう趣旨を損 なわないようにする必要からこのような規定を設けさせていただきたいというものであります。こうした脱退をさせることができるといった規定は、中小企業等協同組合法、こちらは製造業者等を中心とした組合を対象としておりますけれども、中小企業等協同組合法については制定当時から設けられておるものでございます。  それから、脱退させる手続ないしその判断でございますけれども、御質問の件でございますが、脱退させる手続は、案の九十五条の二にもございますが、審決によって脱退させることができるということになっております。この判断に当たりましては、実質的にどうかというのを一般的、具体的に基準を設定して行うわけではありません。審決の際に、個々の事案ごとに各業種の特殊事情とかあるいはその組合内における当該組合員の地位とかいったことを勘案して、総合的に判断していく必要があろうかと考えております。  なお、これまでに中小企業等協同組合法に基づいて脱退を命じた事例が、ある業界につきまして昭和五十年にございます。この場合、十三の会社に対しまして脱退をするようにということになったわけですけれども、この際の審決、その判断に当たりましては、この場合はいずれもある業界で大企業のダミー会社が事業協同組合に加入していたということでございましたけれども、判断に当たりましては、大企業である親会社との関係、庶務関係とか役員関係でありますとか融資関係といったもの、それから二つ目には、脱退をするようにとその対象となった組合員の事業規模、資本金とか総資産、生産能力、設備とかいったことでございます。それから三つ目には、当該地域におけるその会社の販売シェア、それから四つ目には製品の特性、これはある業界で特殊な場合でございましたけれども、製品の特性、それから当該地域における組合の地位、こういったことを考慮して総合的に勘案して審決を出しております。  以上でございます。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 御指摘ございましたように、水産加工業は漁業に密着をした関連産業として発展をしてきた経過もございまして、比較的零細企業が多うございます。そういうこともございまして、水産加工業協同組合による協同組合組織への組織化を進めてまいっておるわけでございますが、最近、御承知のとおり、水産加工業をめぐりましても他の食品との競争条件が大変激化をしてきております。新製品の開発なり新しい販売形態の開発といった面でさらに一層協同の実を上げて、零細な経営規模のいわば補正をしていくという観点で、今回また若干組合員資格の拡大等を通じて協同組合機能の強化を図っておるところでございます。いずれにしましても、水産加工業も漁業を支える大きな車でございます。この水産加工業の安定発展のために、今回の改正がそれなりの機能を発揮していけるように私どもとしてもその運用の適正化を図っていきたいと考えております。     〔大原委員長代理退席、委員長着席〕

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 最後になりますが、冒頭に申し上げましたように、画期的といいますか大きな転換期に差しかかっているということで、法律の改正はもちろんのこと、日本国の二百海里水域というものを非常に大事にする、そういう施策を積極的に取り組んでいかなければならぬ。それとともに、地球環境問題が叫ばれておるわけでございますが、沿岸漁業のあり方とか漁業系廃棄物とか漁具とか、それからFRPの廃船問題とか、よく取り上げられておりますけれども、こういうようなもの等につきましても漁業関係者として無関心でいるわけはないだろうと思いますが、積極的なお取り組みもいただきたいと思いますし、日本海では今、貧栄養化といいますか、何かは大量にとれるものがあるはずですけれども、最近はどの魚種も非常に縮小している貧栄養化現象、こんなことが言われておるわけであります。海洋水産資源開発センターが、今度は他国の公海とか何かというより日本の近海に力を注ぐような形になるのだろうと思います。ぜひ日本海沿岸の資源の調査、それらの実態に即した増養殖の体制とか、それから地球環境に大きな影響を及ぼします海藻類等の繁茂というものが地球の酸素供給に大きな影響があると言われておりますが、そういうようなこと等もあわせまして、日本海沿岸、二百海里、こういうものを総合的な改善のために御努力をいただきたい。そのことのためには、現在漁業法を初めとしますいろいろな法律があるわけでありますが、この法律がこの新しい時代に即応した形で、このままでいいのかどうか、こんなこと等も考えておるわけでございます。  どうかひとつ大臣、非常に大事なときでございますので、沿岸漁業の振興のための施策を強力にお進めいただきたい。決意のほどをお伺いして、終わりたいと思います。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○山本国務大臣 御指摘のとおり、せっかく努力をしてやってまいりたい、こう思っております。

亀井静香自由民主党

○亀井委員長 藤田スミ君。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 私は、まず最初に、北朝鮮籍の漁船の拿捕事件についてお伺いをいたします。  事実関係についてはもう既に何度も取り上げられておりますので省きますが、この事件は、一見合法的なやり方であるかのような印象を与えながら、実際事件として見ると、国際的、国内的な違法性というものが非常に多岐にわたって大きいということであります。海上運送法の違反、これはもう言われていることです。また、漁業法に基づく指定漁業の許可、省令百二条の四の違反であります。さらに国際的には、北朝鮮はソ連との漁業協定でサケ・マスは許可されていません。捜査中ということではありましょうが、主にはこの三つの違法性ではないですか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 今回の事件をめぐりまして先生の御見解を拝聴いたしました。  まず国際法上の問題については、現在ソ連と北朝鮮との間で論議されておる問題でございます。私どもとしては、これを注意深く見守ってまいりたいと考えております。  それから国内法の問題としては、御指摘のとおり海上保安庁が海上運送法違反の容疑で捜査を開始していると承知をしております。この捜査の過程でさらにどのような問題意識を持つか、私どもなりの意見は持っておりますけれども、捜査にお任せをしている状況でございますので、具体的な言及は避けさせていただきたいと思います。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 私は、漁業法に基づく指定漁業の許可、このことについて疑いがあるかどうかということを聞いているのですが、その点はどうなのですか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 事実関係の解明がまだその途中でございます。当然そういう問題も視野に入れた事実解明が進んでいくだろうと予測をしております。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 大体こういう問題に政治家が手をかしていたというようなことはもってのほかだと思いますけれども、政府の対応も大変問題であります。結果としてこういう違法状態が生まれているだけではなく、いわばこういうことをする計画書が一年も前から政府に公然と出されていたわけであります。  私は今手元に資料を持っておりますけれども、八九年九月三日の北朝鮮側と照宝漁業との契約書には、ソ連海域を操業海域とする、こういうふうにあるわけです。全くこの契約書どおりに事が運んでいるところが問題なのですね。ここが一番問題だと思います。ここには、船の貸与、船名の変更、違法事項を堂々と書かれているわけです。それから、契約書に基づく合意書ではサケ・マスをとることを明記しています。そして、今回の共同漁労の原型にされている北朝鮮側と日本の貿易会社の取り決めにもサケ・マス関係を扱うことになっている、こういうことですね。さらに、八九年五月と九月には、照宝漁業はわざわざ外国の水域に入るときは水産庁の了解をとるという確約書まで出しているわけです。水産庁、この事実関係は否定できませんね。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 本件については、たびたび申し上げておりますが、海上保安庁が現在捜査を進め ている途上でございます。したがいまして詳しい事実関係については御容赦をいただきたいわけでございますが、ただいま御指摘のあった問題について私の方から若干御説明をさせていただきたいと思います。  私どもこの問題について情報を得ましたのは、北海道庁が所管をして行っております漁船登録の業務に関連してでございます。北海道庁が行う漁船登録事務の処理の過程で御指摘のような契約書を含む関係書類が提供されまして、このことを前提にした漁船登録というものが可能かどうかという問い合わせが道庁を通じてあったわけであります。私どもは、このような契約書を前提——まあ契約書自体はまさに私的契約でございまして、私どもとして直接これに介入をする権限は持っておりません。ただ、ここに盛り込まれている事柄を実行していくためには国内法令上大変問題があるということは道庁にも申し上げましたし、また、漁船登録の申請を行ってきた者に対しても明確に申し渡してあります。ほぼ実行不可能であろうということを申し上げたつもりでございます。  そのことを前提にして、漁船登録事務につきましては、その登録対象にかかわる漁船はあくまでも合法的に国内漁業にのみ使うということを先方が言い立てまして、これを確認するために、道知事あてにそういう意図であるということを確認するために道庁が確認書を提出させて漁船登録の受理を行ったという経過でございまして、その後、私どもその確約書の写しを報告として受け取っておる、こういう事実関係でございまして、これらの事務処理過程の中で今回指摘されておるような操業形態を水産庁なり道庁、つまり水産行政サイドが黙認をしたとか容認をしたという事実は一切ないことをお断りしておきたいと思います。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 黙認したとか容認したとかということは一切ない。しかし、国が問題があると言ったことに対して、契約も計画も撤回されるどころか、着々と準備され実行されていた。ここに一つの皆さん方の問題があると思うのです。  そこで、もう一つ水産庁に聞きたいのですが、五月の連休前後に水産庁が事情聴取をしたというのは、これは事実でしょうか。  それから海上保安庁、一九八七年九月三十日に釜石の海上保安部が、第三竜昇丸の船長尾山一男という人物を密輸の現行犯で逮捕し、サケ・マス百トンを押収しています。この尾山一男という人物は、今回拿捕されました第二十六幸起丸の船長であります。こういういわばいわくつきの実績のある人物が絡んでいたということについては、事実をつかんでいらっしゃるでしょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 私ども、事情聴取という形での関係者との接触はしておりません。むしろ注意喚起なり指導ということでございますが、この問題、いろいろな経緯があるにしましても、このような形で事が進んでおるということは、実は途中で私ども十分承知し得なかったわけであります。関係する船なり人間がほぼ特定できたのは連休明けでございます。それ以降につきましては、むしろこれをやめるような指導に全力を尽くしたわけでございますが、部分的にしかそれはできなかったわけでございます。それから、船なり人がほぼ特定できる以前の状況におきましては、関係する漁業団体を通じて、このような行動があるとの情報があるがそのような話には乗らないように関係漁業者を指導してほしいということを、関係団体にお願いをして活動しておったという状況でございます。

野崎敦夫海上保安庁警備救難部参事官

○野崎説明員 お答えいたします。  海上保安庁におきましては、今回の事件につきまして、北朝鮮の国旗を掲げました漁船十二隻がソ連側に拿捕されたという情報を入手した後になりまして、これらの船が四月中に順次釧路港を出た日本漁船であろうという疑いを持つに至りまして、そうだとすると海上運送法の許可を得ていないというようなことの容疑が出ましたものですから捜査に着手したということでございまして、事前に本件は防止するというようなことはできなかったと思っております。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 そうすると、尾山一男という人が密輸に関係をし、そして現行犯で逮捕されていたということについて、海上保安庁は十分御承知なかったのですね。

野崎敦夫海上保安庁警備救難部参事官

○野崎説明員 そのとおりでございます。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 こんなことはちょっと注意して調べたら、新聞見ているだけでもすぐわかりますよ。私は、そういうところが随分怠慢じゃないかというふうに思わざるを得ないわけです。いわばいわくつきみたいなものでしょう。なのに皆さんは、注意を喚起したんだとか指導したんだとか、こういうことでずっと事を進められるわけです。そして結局、水産庁も注意喚起をし指導したにもかかわらず、後から出港している船もあるじゃありませんか。結局、きっぱりと取り締まらなかったということは余りにもはっきりしているのじゃないでしょうか。しかも、現場の海域には厳しい規制のもとで高い入漁料を出して操業している正式の船団もいたようであります。とても割り切れない話だというふうに思うのです。いずれにせよ、問題の背景には、やはりサケ・マスの漁獲割り当てがとれないという政府間交渉の実態から、いわばあの手この手の怪しげな計画に毅然として水産庁が事前に対応できなかった、対処できなかったということがあるのじゃないでしょうか。  そこで、もう一つお伺いしたいわけですが、今回の事件で、日本は外交交渉では譲っておきながらこそくなことをやっているという世界に対する印象をこれでまた一つ与えたと思うのです。その、譲っておきながらの問題ですが、例えば、一九九二年の沖取りの全面禁止について、この前、北海道の代表が全国大会の後ソ連大使館に要請に行かれたのです。そうしたら、この代表団に会われたニコラエフ参事官は、沖取り禁止は日本政府が了解している、こういうふうに答弁をされたそうであります。政府間レベルで合意をしている、文章にどう書いたらよいか、うまく解決できるように検討している、こういうふうに言ったそうです。こういうことは事実ですか。この点をお答えください。  私は、沖取りの全面禁止を撤回させるために毅然と交渉すべきだと考えています。アメリカ、ソ連の言いなりの遠洋漁業からの撤退という姿勢を改め、合弁事業などでも漁業者がやっていけるように援助する、そういう政府の真剣な対応なしに漁業者への適切な指導監督というものはできはしないというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ソ連側の御指摘の人物がいかなる根拠でそのようなことを言ったのか全くわかりませんが、日本政府とソ連政府の間でそのような話があった事実は全くございません。  また、今回のいわゆる北朝鮮漁船をめぐる問題が国際的な信頼問題にもかかわる問題であるという認識は私どもも持っております。ただ、正規のサケ・マス漁業をめぐる問題と今回のような案件というのは全く別問題でありまして、我々としては、事実究明の上、国内法による適切な対処をしていくべき問題と思っております。  さて、この正規の一九九二年沖取り停止のソ連側の意向の問題でございますが、一九九〇年のサケ・マス協議におきましても先方に再考を求めたわけでありますが、先方の意向も大変強固でございまして、棚上げした形で九二年の漁獲条件を決めたという経過がございます。客観的に見て大変厳しい状況下でありますけれども、今後残された期間内で私どもも十分努力はしていきたいと思いますけれども、やはり相手のあることでありますので、状況に応じて必要な対応も私どもとして考えていくのは当然ではなかろうかというふうに考えておるところでございます。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 話をちょっともとに戻しますが、海上保安庁、その尾山一男という人物が、今回幸起丸の船長としてこの事件にかかわっていて、密輸の現行犯で逮捕されているという過去の実績等の問題、そういうことも含めて今後捜査される、そういうふうに聞いていいですか。

野崎敦夫海上保安庁警備救難部参事官

○野崎説明員 お答えいたします。  私どもの本件の捜査は、現在、海上運送法違反ということで進めておるわけでございます。その観点から、今後とも、関係者から事情聴取を始めまして、所要の捜査を行って事件の解明に当たっていくこととしております。捜査中でございますので、具体的なことは答弁を差し控えさせていただきたいと思っております。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 もとへ話を戻しますが、我が国の漁業を守る上では、我が国の二百海里問題でも政府の責任は重大だと思うのです。韓国の漁船の違法操業で一九七八年から昨年までの違反事件は、水産庁の資料を見ますと、わかっているだけで二万一千百六十五件に及んでいます。また、海上保安庁の資料によりますと、領海内違法操業は、七七年から昨年までで三百四十件、漁業専管水域内違法操業は千四百七十四件に及んでいます。今回法案が出されております資源管理という点で見ますと実にゆゆしき資源破壊、こういうことになっているわけです。だから、国が資源管理を言うなら、まず我が国二百海里の線引きを行い、資源をちゃんと守ってくれ、これが漁民の声だ、当然のことだと思いますが、この点についていかがですか。簡単で結構ですよ。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 韓国漁船による日本近海での操業をめぐっていろいろ問題があること、御指摘のとおりでございます。また、そういう実情を踏まえ二百海里体制を先方に主張すべきであるという議論があることも承知をしておりますが、御承知のとおり、現在の日韓の間の漁業については双方が決めた漁業協定が現存をしております。その中で、韓国も二百海里を日本に主張しない、我が国も先方に主張しないという相互主義の関係でこの協定ができておるわけでございます。当然、二百海里を我が方がしくということになれば、この漁業協定そのものの改定が必要でございます。相手の同意を取りつけていくのは大変な仕事でございます。またこれに伴って逆に、韓国周辺で展開をしております我が国漁船の操業も相当量に上ります、これのいわば撤収問題も起こってくるという問題がございまして、これらの問題を短期間のうちに実現することは極めて困難と考えておりまして、私どもとしては、当面、現在の漁業協定の枠組みのもとで適正な操業状況を確保していくための努力をしていくことが適当であろうというふうに考えております。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 そういうことで、ああそうか、よくわかりましたというふうにみんなが言うでしょうか。全漁連も、一部に異論もあるが早期に全部引け、二百海里の線を引いてほしい、それが我々の立場だというふうに言っているわけです。また、お互いに権利を認め合うという場合でも、主権をはっきりさせて堂々と協定をすることこそ原則であり、今さらそんなこと言うまでもないと思いますが、本当に資源管理を言うなら、今こそもっとはっきりとした態度をとるべきだというふうに私は主張しておきたいと思います。  そこで、法案の中身の問題に入っていくわけですが、私は、この水産二法が国会へ提出されるということで、特に資源管理ですぐれた取り組みをしている例を見てみたい、こういうふうに思いまして、実は大分県の姫島村と横浜市の漁協で柴支所というところを調査してまいりました。両地域とも資源管理に関しては、水産庁からいただいた資料「沿岸域漁業管理モデル事例調査報告書」というものの中でも取り上げられております。  姫島村というところは、いわゆる漁業季節制度を明治のころから採用しているのです。島は漁業で生きていくしかない、資源は有限なり、資源を孫子の代まで守らなくてはいけない、この精神に本当に徹していました。だから魚礁、放流などの投資もしておりますし、生態系の調査ももちろんしておられるわけです。一番の眼目は、どこでどの時期どういう漁をするかということをきちんと決めて、決してとり過ぎないということを守って、そのことで漁獲も確保され、生活も成り立ち、後継者も立派に育つ、こういうようなことになっているわけです。横浜の柴支所では、埋め立ての進む東京湾の中にあって、シャコを中心に生産を上げておりまして、その出荷高は東京市場の三割を占めるということであります。過去の乱獲や価格の低迷の経験から、二勤一休方式、二日働いて一日休む、そういう方式による資源管理をしているのです。ここでも三十代の若い人が中心的な役割を担っていまして、漁業研究にもたくさんの若者が参加し、したがって漁獲をしておりましても、とれた魚を仕分けるよりも、まず小さな海に返してやるべき稚魚を先に手当てをして海へ放してやる、そういうことで、漁協の幹部の方はまことに驚いた変化だということを話していらっしゃいました。特殊な条件はあると思うのです。沿岸漁業というのは今非常に大変な状況になっているということは私はよく知っていますから、この二カ所は本当に特殊だなと思います。しかし私は、正直大変感動いたしました。  大臣、私はこの姫島や柴の皆さんとお会いしたときに、あの人たちの心は何か、こう思ったときに思わずケニアのことわざを思い出したのです。ケニアのことわざにこんな言葉があります。地球を大切にしなさい、それはあなた方が親から授かったものではありません、それはあなた方が子供たちから預かっているものなのです。大臣、わかっていただけますか。私は、今回この海洋水産資源開発促進法を提案された以上、このケニアのことわざにあるような気持ち、そういうものを行政こそ本当に今心として持っていかなければならない、それぐらいの決意をお持ちですか。大臣どうぞ。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○山本国務大臣 今先生御指摘の二カ所の例ですね、私、寡聞にして今初めてお聞きをいたしましたけれども、それは先生のお話を聞いただけでも感激をいたします。まさに資源は有限です。そういうところから私自身も政治の道にあるいは行政の道にいそしもう、こういうように考えておりますし、この法律もそういう意味を込めて改正をお願いしておる、こういうことでございます。今ケニアのことわざが出ましたけれども、まさにそうでございまして、この間、私はある方と対談をいたしましたときに、我々は生かされておるんだ、食べ物によって生かされておるんだ、食べ物は神様がお与えくださったものだ、こういう趣旨の対談をしたのでございますが、そういう気持ちで今後ともやってまいりたい、こう考えております。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 その大臣の御決意を聞かせていただいた上で、いかに沿岸漁業にさまざまな困難があるかという立場で質問をしたいと思うのです。  この二つの漁場で共通しているのは、柴の方は漁場を埋め立てないという努力、それから漁場を汚染させないという努力。姫島村ではマツクイムシの防除も一切薬剤散布はやらない、徹底した伐倒駆除だけでやる。薬剤散布をやるとどうしても海を汚すことになるから、そういう点では徹底をしていたんですが、その島の向こう側に国東半島がございます。その国東半島では、山を削ってゴルフ場の開発の真っ最中です。既に大雨が降りますと泥が海に流れ込んできて汚されているわけです。もちろんこのゴルフ場が完成すれば、例の農薬汚染でストレートに海に流れ込んでくる、こういう点では大変心配されています。一つのゴルフ場で年平均二トンも農薬を使うと言われているのです。そして最後はそれはみんな海に流れ出ます。まして海際のゴルフ場ということになれば、もうそれはストレートなものです。だから今全国的に問題になっています。宮城県の漁連では、仙台湾をこれ以上汚すなとゴルフ場の建設反対を決めています。九日に茨城、千葉の漁民が利根川を汚すゴルフ場は反対だと水上デモを行っています。  私は、水産庁としても海岸ぶちなどで漁場を汚すおそれのあるゴルフ場建設に対して厳しい規制を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ゴルフ場における農薬利用の問題に関連をして、漁業への影響を憂虜した動きが関係漁業団体から行われておることを私自身も聞いております。ただ、この問題は地域地域の状況に応じて判断すべき事柄でもあり、また農薬使用 なり水質保全という観点で対処すべきものでございますので、私どもとしてもそれらの権限を有する省庁なり地方公共団体の適切な対応が行われるよう協力をしてまいりたいと考えております。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 地域地域の判断で、基本的にはそれぞれの自治体や県がこれを決めていくということになっている。アセスメントなんかは、知事が自分で質問を出して自分で丸をつけるようなアセスメントになっているということもよく知っていますが、指定海域というのは水産庁が決められるわけでしょう。私が今ここに持っているのは、房総沖、相模湾海域なんです。たったこれだけの海岸べりにゴルフ場の計画がたくさんあるのです。私が指定海域に隣接するところのゴルフ場だけに丸をつけてみましたら、十二カ所ありますね。すごいのですよ。そういう実態を水産庁がつかんでいらっしゃるのかどうか。今リゾートだということで全国の大事な漁場がこういうふうにゴルフ場の開発で非常に危険にさらされているという実態をつかんでいらっしゃいますか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 私どもは、水産業展開の場となる海洋の水質が良好な状態で保全されることが必要であると基本的に認識をしております。ただ、産業活動あるいは生活様式の変化との調整も必要なことは事実でございます。必要な条件を確保するために可能な調整をするための調査をしていかなければいけないと思います。一般的には、この指定水域全体の水質について私ども必ずしも完全に状況は把握をしておりませんが、全体にわたって支障が生じておるという情報も特段得ておらないところでございます。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 大体そんなことを言っていたら取り返しのつかないことになるのです。これからいよいよ乱暴にゴルフ場づくりがずっと広がろうとしているときなのです。水産庁がそんな姿勢では、先ほど大臣がおっしゃったような育てる漁業だ、資源は子供から預かっているものなんだという立場に立てないじゃありませんか。海が汚されて農薬の汚染が問題になってから水産庁が立ち上がったのでは遅過ぎるから私はそのことを言うのです。魚の汚染という問題は消費者は非常に敏感ですよ。かつてビキニの海でマグロの汚染があった。あの後はマグロと聞いただけでみんな魚屋さんの前から逃げ出したぐらい、そういうことに非常に敏感なのです。だから、汚れてから言ったのじゃ問題にならない。今から倍増されようとするゴルフ場計画、しかも海際に広がろうとしているものに水産庁としての本当に真剣な姿勢が要るのじゃないか。私はそのことを申し上げているのです。大臣、いかがですか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 私ども、農薬の残留問題等については同じ省の中に担当部局を持っておるわけでございます。その製造なり使用について適正な取り締まり、監督が行われておると考えておるわけでございまして、漁業の水産条件の一環としてのいわば海水の汚濁について危機的な状況が出ておるという認識は基本的に現在持っておらないところでございます。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 話が全然かみ合いませんから時間がなくなっていくばかりで、本当に残念ですよ。さっきから言っているでしょう。汚れて問題になってからでは遅過ぎるから、それが海に対してどういう影響が出てくるかということで、水産庁としてはつくっているときに取り組むぐらいの姿勢がなければ、まるで漫画じゃありませんか。資源開発だ、こう言って、片方では育てる漁業だと大変耳ざわりのいいことを言いながら片方では野放しにしているというのは、とても無責任だということを重ねて申し上げておきたいと思います。  調査の中で、漁業調整のなかなか難しい県、それが大分県だというふうに聞きました。けさほど来も、それは大分県だけではなしにほかのところでもたくさんあるということを聞かされたわけです。そこで私は大変うまいことを言われたなと思ったのですが、姫島の関係者の皆さんは、放流事業にも国道をつくってほしいというふうに言われた。道路にも国道があり県道がありそして市町村道がある、国はそれぞれに援助をしている。この栽培放流でも、国の規模で放流し、そして国の規模で生産を上げていくという立場で、国としての取り組みをこういう言葉で言われたわけであります。国は、栽培漁業協会で放流しておりますが、これはあくまでも技術開発ということで、とりあえず生産とは関係のない状態にあるわけです。  あわせて、資源管理の前提は、まず資源の科学的把握だというふうに考えます。水産庁は二百海里水域内の漁業資源調査をやっておりますが、これまたまだまだ不十分で、多分に推定を重ねる状態だと聞いておりますし、その予算は、二百海里で騒がれた一九七八年には三億二千五百万円余り組んでおりましたが、現在では二億六千八百万円程度、だんだん減らされているわけです。だからこの予算ももっとふやしていかなければなりません。そして、資源管理に取り組み、漁民が結果として生産減になってしまったときにはこれをバックアップする予算措置があってこそ頑張れると思うのです。それは現在やっているような融資ということではなしに、EC諸国でもやっているような真剣な取り組みが求められていると考えるわけであります。時間がありませんから、どうぞ極力簡単にお答えください。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 放流事業、栽培漁業についての費用負担の考え方でございますが、先生のお話にもございましたように基礎的な技術開発は国がその負担で行う、応用的な技術開発なり種苗の量産は都道府県が行う。この種苗の放流なりそれの回収は、経済効果を考えながら、受益の程度に応じて関係漁業者に御負担をいただくというのが基本的な考え方でございます。  それから、二百海里資源の資源調査につきまして今具体的な金額にお触れになりましたが、二百海里資源管理の問題についてもっと広いいろいろな調査をしております。もう少し大きな金額になろうかと思います。いずれにしても資源管理体制の整備を図る上で国あるいは都道府県、大学等々の研究機関を通じた資源調査というものが大変大事だ、基本的だということは私ども全く同感でございます。財政事情の許す範囲内ではございますが、私ども今後引き続き努力をしてまいりたいと思っております。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 私はここに「GYOKYO'90」というパンフレットを持っております。これは第三回全国漁協の運動方針の解説パンフなのですが、ここにこんな絵が載っています。漁協がありまして、片方は乱獲防止あるいは資源管理だ、こういうことで漁民はいろいろ規制を加えられていくわけです。しかし片方では、もう輸入魚がどんどん入ってきてどうにもならない。だから、本当に乱獲防止あるいは資源管理、そういうようなことできっちりやっていくのだったら、国内でそういう秩序ある生産という立場で取り組んでいるときに、こっち側で輸入がどんどんどんどん入ってきて魚価が低迷するというような状態をなくしてほしい、こういうことを訴えるイラストであります。とてもよくできているなと思って見ているのですが、私は水産物の輸入規制はきちんと取り組むべきだと思いますが、この点はいかがですか。  最後に、時間がなくなりましたので、マイボートの対策、マイボートに対しての何らかの規制という問題と、FRP漁船の廃船の問題、これはいよいよ深刻になってくると思います。いろいろ検討されている中で、資源の再利用、油に戻す方法ですが、これをぜひとも追求するべきであると私は思いますし、そのためにも大手の製造メーカーに応分の負担をしてもらうことを含めて検討することや、漁民へは財政上、税制上負担軽減策をとるべきだと考えておりますが、この三点。そして最後に大臣から、輸入魚の規制の問題について一言お願いいたします。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 まず輸入の問題でございますが、現在輸入されている水産物は、御承知のとおり高級魚、中級魚が大部分でございまして、国内の生産で対応できないものが大部分を占めておるわけでございます。国内で一部魚種の価格の低 迷、需給の不安定が起こっておりますが、この状況というのは、輸入の圧力というよりも国内におきますいわば供給過剰というものが基本的な要因になっておるというふうに考えております。いずれにしましても、川上から川下を通じた関係者が共通の認識を持って需給、価格の安定にそれぞれ努力をしていくということは大変重要なことでありますし、私どもとしても、そのような認識の共通化をめぐった努力をしていきたいと思っております。  それから第二番目のマイボートの問題でございますが、地域によってトラブルが起こっている事例、私どもも承知をしております。私どもとしては、海区漁業調整委員会の指示によって一定の規制をするとか、あるいはまた漁場利用協定の締結といったような形でマイボートによる魚介類の採捕者と漁業者の間で漁場利用のルール化を図るというふうな努力等をしてきておりますが、今後さらにそれらの努力を継続し、漁場利用に関する秩序というものをぜひ確立をしていきたいと考えております。  それからFRP漁船の廃船処理問題でございますが、これから廃棄するものが大分ふえてくることは事実でございます。この処理技術、できるだけ安上がりの処理技術について、私どもも関係者相集って技術開発を進めておるところでございます。具体的には、これまでの調査経過を踏まえて本年末ぐらいには最終的な処理マニュアルというものを一時的につくって実行していきたいというふうに思っておりますが、内容的には御承知のとおり、御指摘ありましたように再利用の問題、それからまた魚礁として活用をしていくというふうなことどもを織り込んだ処理マニュアルになろうかと思っております。また、この将来の処理をめぐってメーカー等のそれなりの協力を得るというふうな問題についても、今後の課題として取り組んでまいりたいと考えております。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 時間が来ましたが、でも大臣に。今水産庁の方から輸入魚もそんなに競合性がないみたいなことをおっしゃいましたが、神戸に調査に行った山陰の漁協の婦人部が、食品倉庫の中で生きたカニとウニがもごもごしているのを見て、これでは私たち商売やっていけないはずだわ、漁獲量が減ったら値が高くなっていたけれども、これがあるから漁獲量が減っても値はよくならない、だから暮らしはいじめられるはずだわと悲痛な声を上げたのを知っているのです。だから私は、大臣に一言そのことを最後にお伺いして終わります。済みませんが、一言だけ。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○山本国務大臣 先生の御意見、それから現状を見ましたお気持ち、よく承りました。

藤田スミ日本共産党

○藤田(ス)委員 どうも済みませんでした。終わります。

亀井静香自由民主党

○亀井委員長 小平忠正君。

小平忠正民社党

○小平委員 本日の最後の質問となりました。短い時間でありますが、私からも数点にわたり質問いたします。  その前に、まず最初に大臣に基本的なことでお伺いしたいと存じますが、今各党の質問者の方からも既に質問があったと思いますが、先般北洋公海においてサケ・マス漁をしていたいわゆる北朝鮮船籍の日本船舶十二隻ですか、拿捕された、そういう事件が勃発しました。今ただでさえもいわゆる日本の漁業環境は厳しいの一語であります。こういう中で、これ以上日本の漁業の信用、いわゆる国際間における信用を失墜させたならば何をか言わんやで、これは大変なことになると思います。そんな意味で一日も早いこの解決のために、もちろん外交努力は密にされて、そしていわゆるその関係者に対しても罰するものは罰するという姿勢でいっていただかないと、これはまさしく正直者が損をする、こういうことになると思いますので、私はそのことは特にお願いをしておきたいと思います。  また、このような事件が起こるということは、裏返して言いますと、漁場が狭まっているということですね。すなわち各国の二百海里、そういう制限水域のこともそうですし、また公海上においても、各種の魚類の捕獲制限から禁止へと、関係各国がそういう方向に主張をしてきております。そういうような中で、日本漁業の活動範囲がだんだんと狭くなってきている。北洋サケ・マス漁業もそうだと思います。ソ連は、再来年ですか、九二年には全面禁止ということを一方的に主張してきております。また日本の近海においても、昭和五十二年ですか、日本は一応二百海里水域というものを設定しましたけれども、しかし、日本海側の東経百三十五度以西ですか、についてはそれがなっていない。かつまた、制限水域内でも中国や韓国の漁船についてはそれが適用外である。こんなことで、漁民は大変迷惑をしている。こういう中で、我が国の海里法を全面適用に持っていく、この早期実現ということが肝要ではないかと思います。  また、あわせて今大きく問題となっておりますのは、特に北海道等でよく見られることでありますけれども、いわゆる密漁の問題であります。これは法の目をくぐって違法に漁をする、この行為が後を絶たないという、本当に善良なる漁民が大変な迷惑を受けている。この点からも私は、いわゆる密漁防止のための監視体制を強化するため、法的に裏づけられた監視員制度を創設して、そして監視員の身分保障をすることが特に大事だ、このように思います。  以上申し述べましたこの数点を含めまして大臣に、我が国が今直面しております漁業の基本的な問題についての御所見の一端をお伺いしたいと存じます。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○山本国務大臣 私の方からは例の拿捕事件の問題等につきましてまず申し上げまして、数点にわたってお尋ねの件につきましては、具体的に水産庁長官から御答弁を申し上げたい、こういうふうに考えております。  拿捕事件でございますが、先般来当委員会でも申し上げておりました。また本日の委員会でも長官からいろいろ申し上げました。現在、海上保安庁の方で捜査を続行中ということでございますから、保安庁の方と十分連絡をとりながら事態の解明に全力を挙げたい、こういうふうに考えております。それから、これも先般来ここでも申し上げましたけれども、本件に関して今一番何が大事かということでございますが、日本人の漁船員が今ナホトカの方におりますが、この方々が一刻も早く元気で釈放されるように、外務省を通じて再三再四にわたってお願いを続けておるということでございます。元気でしかも早く帰れるようにこれから先も努力を続けてまいりたい、その上でまたいろいろな問題につきましては対処をさせていただきたい、こう考えております。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お尋ねのございましたその他の問題について私からお答えを申し上げたいと思います。  まず第一点の、ソ連側が主張しております一九九二年のサケ・マス沖取り停止の問題でございます。先ほども若干触れましたが、一九九〇年のサケ・マス漁業交渉ではこの問題を私どもとしては棚上げをしておるつもりでございますが、先方は大変強硬な態度を依然としてとっております。現在国際的にも容認されておりますいわゆる母川国主義、あるいはまたソ連の国内の食糧需給事情を盾にとりまして大変強い主張をしておりまして、現時点では私ども確たる見通しを得られないというのが率直な状況でございます。このため、昨年閣議了解をされました国際漁業再編対策に基づきまして、四月末に北洋サケ・マス漁業に関する救済措置の骨格を決定、公表したところであります。以上のような経過を踏まえて今後所要の対外折衝なり、あるいはまた国内対策の円滑な実施に努力をしてまいりたいと考えております。  それから次に、韓国との間における漁業水域設定の問題でございます。御承知のとおり、韓国との間では漁業協定を結びまして現在の枠組みを維持しておるわけでございますが、それにもかかわらず我が国の近海でいろいろ操業上のトラブルを起こしておることは事実でございます。さればといって、この協定が現存をしておるという状況下 で直ちに新しいアクションを起こすことは大変難しいわけでございますが、適正操業を確保しながら今後何が可能であるかということについて、我々自身検討し、先方とのすり合わせが可能な道を探索していく必要がある。ただ、それには一定の時間がかからざるを得ないということもひとつ御理解をいただきたいと思います。  それから、密漁問題についても御言及があったわけでございますが、現在私どもも密漁防止対策について、漁業者団体それからまた取り締まり機関である海上保安庁、警察庁とも連携をとった体制整備を図りつつあるわけでございます。一部生産者団体の中に、生産者団体が自主的に行っております密漁監視員制度について、法制化ないしはいろいろな助成策というふうなお話を聞いておりますが、やはり生産者団体が行う密漁監視というのはおのずから限度がありまして、犯罪捜査なりあるいは暴力的、組織的に行う密漁行為に対してはやはりプロに任せるべきではないか、むしろその間の連絡体制を事実上つくっていくということが大事ではないかと考えております。かつまた、各都道府県ごとに密漁監視員の体制も大変いろいろな形態をとっております。直ちに法制化というには時期尚早ではないかというふうに考えておる次第でございます。

小平忠正民社党

○小平委員 大臣、何も知らずに北洋まで連れていかれた漁船員の人たちは本当に気の毒だと思います。しかし、裏にあるものを解明して、こういうことが二度と起きないように徹底的な解明作業というものをやっていただきたいと思います。  またあわせて、漁民というのは農業と同じように大変後継者難といいますか、このまま放置しておいたならば日本の水産業は将来どうなるか、こんなことを心配しても過言でないぐらい大変なる状況に置かれております。そういう中でいわゆる明るい漁村というか、よく明るい農村を目指すと言いますけれども、やはりそういう環境づくり密漁の問題もそうですけれども、そういうことに基本的な問題として取り組んでいかれることを切にお願いする次第でございます。  次に、今回の水産二法についてのことで数点にわたって質問させていただきます。  まず、海洋水産資源開発促進法の一部を改正する法律案についてのことで政府の見解をお尋ねいたします。  改正の柱の一つは、資源管理協定制度の創設でありまして、最近の漁業情勢の変化に対応して、漁業者が行う自主的な資源管理型漁業をさらに促進しようというもので、この改正の意図は私も十二分に理解いたしております。  そこで、漁業白書にも書いてあることなんですが、現在でも千三百三十九ですかの自主的な漁業管理組織があります。そしてこれらの組織は、漁獲枠を決めているものとか資源の増殖を目指すものとか、その目的や対象漁業者の範囲などはいろいろありますけれども、漁業者みずからが自主的に決めた一定の約束事があって、漁業者がこれを守っているのが実態だと言えると思います。漁業者同士がお互いに話し合って自分たちの漁場をどのように利用するのか、資源をどのように守っていくのか、またその上に立っていかにして関係漁業者の経営安定を目指していくのか。それには、若干の不満がありましても、関係漁業者が納得の上で漁場を利用していくということが本来の姿である、私はこう思います。  そういう中で、今回の改正案は、農水省としては法律によってこれを促進するということは、すなわち漁業者が自主的に行う世界に行政が協定の設定という形で関与していくことであります。なぜそのような必要があるのか、漁業者だけに任せておけないのか、そういう指摘も現にあります。我々民社党の立場としては、行政の許認可事項はできるだけ少なくする、そういう立場に立っております。いわゆる行政簡素化の主張を続けておりますけれども、そういう立場からこの点も、今申し上げたことも含めて、資源管理制度を創設する積極的理由がどこにあるのか、お伺いしたいと存じます。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 資源管理組織については、お話ございましたように、ことしの漁業白書でも明らかにしておるとおり、約千三百を超える自主的な組織が既に現存をしております。ただこの内容を見ますと、大部分が単一の漁協の中で、いそ根資源とか比較的定着性の高い底魚類を対象としたものでございまして、やはり我が国の水産物資源全体から見ると極めて限定されたものでございます。我が国周辺漁場における資源状態を考えますと、より広い範囲でこのような仕組みをベースにした、あくまで自主的な資源管理のための関係漁業者間の合意形成というものを図っていく必要があるであろう、こう考えております。決して私ども行政が関与するといいますか権力的にこの協定制度に介入をしていくという意図を持っているものではございません。問題提起等々を通じまして関係漁業者に意識の変革を期待をし、その上に立ってお互いに漁業者が漁業者という同じ立場で話し合いをして、よりよい資源管理のためのルールづくりに合意をしてほしい、そのために我々が必要な資料の提供なり、あるいはまた考え方の示唆等々を必要があれば与えてその合意形成のお手伝いをする、こういう考え方でこの制度を考えておるところでございまして、一定の指導性を行政サイドが持つことは当然でございますけれども、やはりこの制度の根幹をなすものは漁業者自身の自主的な判断であるということを、ぜひひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。

小平忠正民社党

○小平委員 今回の法改正の大きな柱が資源管理制度かと思いますので、この点についてもう少し質問いたしますが、今度は効果の問題であります。  この制度は、自主的な協定を認定して、そして参加のあっせんをして、協定に関係漁業者の三分の二以上が参加していれば行政に対して漁業法等に基づく採捕制限等の措置を求め、さらに必要があると認めるときはもう一度勘案して漁業法等の措置をする、そういうことであると思うのですが、この一連の流れを見てみますと、協定はこれまでと同じ自主的なものであって、また行政サイドの措置も漁業者の意向を踏まえながらこれまでも行ってきたことであるわけです。従来と何ら変わってない、そのように思われるわけであります。この制度を設けたことで、役所や漁業者の資源管理のやり方がどのように変わっていくのか、また政府は、周辺漁場の利用のあり方、特に漁具とかあるいは漁法が変わることも期待しているのか、これらの点について、その効果といいますか、お伺いをしたいと存じます。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 今回御審議をお願いしている新しい資源管理協定制度によりまして、漁業者の自主的な合意によって新しい管理システムが成立をすれば、従来の漁業生産のやり方に何らかの変化を生ずることは当然であろうと考えております。やはり従来のやり方では資源管理が十分できない、あるいはまたお互いに摩擦を生ずる、だからそこの調整をするためにどうするか、そういう相談をしてよりよい妥協の道というものを考えていくというのがこの資源管理協定であろうと考えておるわけでございます。したがいまして私ども、今までどおり事が済むのであればあえてこのような制度を必要としないわけでございます。さればといって、今までどおりでは長期的な漁業の安定ということはなかなか図れなくなってくる。したがって、そこへ権力的にいろいろコントロールをしていくという道もないわけではありませんけれども、やはり漁業者自身がそういう状況変化に対する認識を深めていただいて、その上でどうするかということを自分たちの問題として仲間同士で御相談をいただきたい、必要な助言なり資料の提供等々について私どもの蓄積についてはできるだけ提供し、お手伝いを申し上げたい、こういう姿勢で臨んでおるわけでございます。

小平忠正民社党

○小平委員 当制度を導入したことによって、各県はこれから協定の締結を指導していくことになると思います。その結果、共同漁業権の範囲内とか特定の漁業しかも特定の資源を対象とする、かなり限られた範囲での協定締結は促進されるかも しれませんが、しかし、広範囲の漁業を含めた協定、特に漁業権漁業と知事許可漁業、さらには大臣許可漁業との協定はこれまでと同じだと思います。私は、この制度が創設されたからといってそれほど目立って促進されるわけではないと思いますが、逆に、この制度の導入をしたことによって、これまで営々として築き上げられてきました漁業秩序を混乱させる原因になるのじゃないか、また、今後特定の人の数の力で一部の関係漁業者が排他的に締め出されるのではないか、そんな心配があるわけです。具体的に言うと、沿岸漁業者の場合は、漁業者の数が多いわけですね。また、団体も当然多い。ところが、少数者である沖合底びき網漁業とかまき網漁業とかが数の力で排他的に関係漁場から締め出されるおそれがある、そんな心配も私も聞かされております。大臣、そういう事態は絶対に生じない、また、万一そういうことがある場合は行政が責任を持って回避するように指導する、このようなお言葉はいただけるのでしょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 今回の資源管理協定、いろいろな形態があると思います。一番網羅的な状態を考えますと、相当広範囲の海域のいわば漁業種類の違ったものが対象とする魚種について、今お話がありましたように、大臣許可漁業、知事許可漁業、それから沿岸の漁業権漁業、これらが共通のターゲットにしているような魚種の資源管理のために、それぞれに公的に認められている権利内容なりそれぞれの許可内容について、自主的ないわば上乗せ規制をお互いにしていこうというふうな話し合いが成立する可能性というものを我々は実は期待をしておるわけでございます。なかなか簡単ではないと思います。人数の関係でいろいろな利害対立があるのは事実であります。人数の違いもあって、いろいろな力関係が働くことも確かでありますけれども、できるだけ共通の土俵に上って、共通の目標を達成するために話し合いをしていくということのため、そしてまた、できるだけ公正な結論が導かれるように我々も当然指導をしていくつもりでありますし、仮にそのような差別的な合意が強制をされるというふうな事態は、この制度では余りあり得ないのではないかと考えております。むしろ、合意そのものが成立しないということになれば協定そのものが成立しないわけでありますので、そういうふうなことで、やはり漁業者自身のいろいろな立場を越えた話し合いの場、あるいはまた相互理解ということを基本にした制度として運用してまいりたいと考えております。

小平忠正民社党

○小平委員 いずれにしても、こういう新しい制度の設定によってそういう新たな問題が生じないように、ひとつその点を留意されてやっていただきたいと思います。  もう少し突っ込んでお聞きしたいのですけれども、時間の関係もありますので、次に、海洋水産資源開発センター、このことについてお伺いいたします。  二百海里時代、そういう時代が到来しましたが、冒頭に申し上げましたように、新しく開発する漁場がもうなくなってきている。そこで、日本が設定している二百海里水域、そういう中の資源を有効にそして合理的に利用するために調査の重点を移そうということは当然時代の流れであって、この海洋センターの持っている使命、力を入れてやっていただきたいと思います。ところで、そのセンターの損益状況を見ますと、昭和五十七年度にですか二十億円余の積立金があったものが、六十三年にはその半分である十億円を切っている。一連の補助金カットがあったこともその原因の一つであると思いますが、センターは、漁業が企業化できるのかどうか、採算がとれるかどうかを調査するのが本来の使命であると思います。センター自身がみずからの経営面に余り気をとられていると、センターの存在意義、それから使命というものがなくなってきてしまうのではないかと思います。企業化調査が成功することは全体的に見て漁業の安定化につながることでありますので、国庫助成の確保については十分に配慮していただきたいと思います。  また、受託事業については、各国からの依頼、それから国内における政府を初めいろいろな依頼、そういうものがございますが、日本は世界第一の漁業国としての立場で世界に貢献をして、日本の信頼にもつながる、そういうことにこの海洋センターの使命は大なるものがありますので、積極的に取り組んでいただきたいと思っております。そんな意味で今の問題点についてのお答えをいただきたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 海洋水産資源開発センターの業務についていろいろお話があったわけでございます。今回の法律改正の中にも、この開発センターを取り巻く情勢の変化というものを踏まえて、調査の重点を日本の周辺水域の方へ多少傾斜をさせるというふうな改正を行っておりますが、このセンターの事業全体は、やはり企業化、いろいろな漁船漁業に関する新しい技術の企業化、実用化のためのいわば最終実験機関として機能を果たしているわけでございますが、それだけにリスクも負っておるわけでございます。それに対応をいたしまして一定の国庫助成を行っておりますし、若干の内部積み立てを行って、リスクの補てんに充てるべく対応しておるわけでございます。今後のこのセンターの機能に必要な財源の確保については私どももできるだけ努力をしてまいりたいと思いますし、またただいまお話ございましたように、かなり高度の調査能力を持っておりますので、各機関からの受託調査についても応じ得る能力があります。受託事業の拡充を通じて業務量の確保を図っていきたいというふうに考えております。

小平忠正民社党

○小平委員 それでは次に、水産業協同組合法の一部改正についてのことでお伺いいたします。  この改正における基本的な問題は、漁協が漁村の中でどのような役割を果たすか、行政としてこれをどうとらえるかということであると思います。改正によって漁協がいろいろな事業ができるようにする、また組合員資格を拡大する、それを求めていることも事実であります。それはそれなりに理解はできるわけですが、同じ漁協といっても地域や規模によっていろいろ違いがあると思います。私も、日本全国、すべてのいわゆる漁業の実情の違いを承知しているわけではありませんけれども、私が承知している中でもいろいろな違いがあります。そういう中で、実際に定款を変更して、例えばその組合が遊漁船業をするとか、あるいは遊漁者を組合員にするとか、これは今回の一つの大きな改正であると思います。こういう組合の実態や漁業の実情を十分に見て、本来の漁業活動に支障がないようにしてもらいたい。例えば北海道の場合を言いますと、これは逆に慎重論が強いとも聞いております。漁業の純化といいますか漁場の純化というか、賛否いろいろあるわけですけれども、そんな意味で、本来のいわゆる漁業者の活動に支障がないように指導していただきたいと思うのですが、これについてのお考えをお聞きいたします。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 御指摘ございますように、漁協を取り巻く、あるいは水産業を取り巻くいろいろな条件変化に対応して、漁協の新しい事業分野として遊漁船業でありますとか、あるいはある程度の水産物販売施設の拡充というふうな試みをいろいろ今回の改正に織り込んでおるわけでございますが、この事業の選択については、地域の事情に応じて当然自主的に各漁協の組合員が適正に判断をしていく。画一的に事業内容を決めるというつもりはございません。また、本来の任務というものも御指摘のとおり持っておるわけでございまして、その本来任務と一緒になって漁業経営の改善に役立っていく、財務基盤の強化に役立っていく、あるいはまた組合員等々に対するサービス提供のいわば質の向上につながっていくという範囲で選択されていくべきものと考えておりまして、指導面におきまして、御指摘の点を踏まえて、間違いのないような事業の拡大が行われていくようによく指導をしてまいりたいと思っております。

小平忠正民社党

○小平委員 それでは最後に、信用事業について のことで質問いたします。  漁業の信用事業が極めて零細であることは既に御承知のとおりでありますが、一方では今もう既に金融の自由化ということでこのことが急激に進んでおり、地方にもこのことが拡散をいたしております。このために今回改正することになったのでしょうけれども、漁協系統が幾ら頑張っても都市銀行との競争にはなかなか勝てるものではないというのが実情であると思います。そうかといって、漁村には漁村の立場があり、また、そのいわゆる歴史やそれからいろいろなものがあって、漁協の信用事業というのは私はやはり不可欠であると思います。そのために、そこで生き残るには専門性とかあるいは特殊性を十分に生かしていくしかない。そういう意味で、金融自由化のもとで競争しても勝負にならない、しかし今申し上げたように地域や漁業にとってどうしても必要である、そういうことであるならば、国がそれなりの援助をして、そして、漁協信用事業の今後の健全なあり方とそれから漁業振興のための国の役割、そういうものについて、最後に基本的な姿勢というものをお伺いして質問を終わります。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 漁協の信用事業の重要性につきましては、御指摘のとおり私どもも認識をしております。今後、金融自由化の進展の中で大変厳しい競争条件にさらされるわけでございますが、やはり基本は、そういう情勢に対応しながら自助努力によってこれに耐え、生き抜いていく体制をつくっていただくということであろうかと思います。  そういう観点から、それに着手するための一つの制度的な手段として、今回の改正でも信用事業の部分統合によるスケールメリットの確保、また、これと裏腹の関係で、体質強化を図るための統合に伴う固定的な債権とか欠損金の流動化のための低利融資、さらにはまたオンラインシステムの早期確立に向けての端末機の整備に対する助成等々を考えておるわけでございます。この漁協系統事業として行われる信用事業に常時政府が援助をするというわけにもまいりませんが、そういう節目節目でやるべきお手伝いというものは私どもとしても最大限御協力し、系統組織としての自主的な御努力を今後さらに期待をしていきたいというふうに思っておる次第でございます。

小平忠正民社党

○小平委員 終わります。

亀井静香自由民主党

○亀井委員長 次回は、明十三日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十二分散会

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