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118回国会衆議院1990/08/31

内閣委員会 第13号

発言数
227
登壇者
24
会派数
5
開催日
1990/08/31

会議録

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 これより会議を開きます。  公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。  まず、去る七日の一般職の職員の給与及び週休二日制等についての報告並びに給与の改定についての勧告につきまして、人事院から説明を聴取します。弥富人事院総裁。

弥富啓之助人事院総裁

○弥富説明員 人事院は、去る八月七日、国会と内閣に対しまして、公務員の給与及び週休二日制等に関する報告並びに給与に関する勧告を提出いたしました。本日、その内容について御説明申し上げる機会が与えられましたことを深く御礼を申し上げます。  以下、その概要を御説明申し上げます。  まず初めに、勧告の内容について御説明をいたします。  公務員の給与の改定に当たっては、人事院は、従来かち社会経済情勢の動向を踏まえながら、公務員の給与を民間給与に均衡させることを基本として臨んできております。本年も、公務員給与に関する判断材料を得るため、民間企業の給与を的確に把握することに努め、また、広く各界からの意見聴取を行い、これらを種々の角度から検討をいたしました。  本年の民間給与の調査結果によりますと、好況が続く中で民間企業の給与には相当程度の上昇が認められ、官民の給与の間にはかなりの額の較差が生じていることが判明したほか、同じく一般職の国家公務員である四現業の職員についても、中央労働委員会により民間賃金の動向を重視した仲裁裁定が行われており、これらの諸事情を総合的に勘案した結果、本年も従来どおり職員の給与について所要の改定を行うことが心要であると認め、勧告をいたした次第でございます。  本年も、四月時点における官民の給与を精密に調査し、相互の給与を厳密に比較いたしましたが、その結果、官民の給与の較差は金額で一万七百二十八円、率で三・六七%であることが判明いたしました。  この較差の配分につきましては、俸給に一万六十九円、手当に七十一円、この改善の手当へのはね返り五百八十八円といたしております。  まず、初任給については、既に官民の間に相当の差がある中で、民間企業ではさらに大幅な初任給の上昇が認められるところから、人材確保の必要性等を考慮いたしまして、大幅な俸給月額の改善とともに所要の初任給基準の改正を行うこととしております。  次に、俸給表につきましては、初任給改善との関係や民間企業の配分傾向を考慮して、若年層職員の改善に重点を置きながら、全俸給表にわたって金額の改定を行っております。改善に当たっては、従来から配慮している刑務官、少年院教官、若手研究員等に加えて、大学の教授等及び看護婦の処遇改善に配慮をいたしております。指定職俸給表につきましては、昨年の報告において、従来から参考としてきた民間企業の役員給与との差や公務部内における均衡等から相応の改善を図るよう検討したい旨言及したところでございます。本年は、これらの諸事情を踏まえ、当面、行政職を若干上回る程度の改定を行うこととしておりますが、引き続き民間企業の実態に相応した適切な改善が図られるよう検討を進めたいと思います。  次に、手当につきましては、民間における支給状況等を考慮し、住居手当、医師の初任給調整手当及び期末・勤勉手当について改善を行っております。  具体的に申し上げますと、住居手当については、借家・借間居住者に対する最高支給限度額を二千円引き上げ、二万三千円といたしております。  医師の初任給調整手当につきましては、最高支給限度額を一万円引き上げ、二十六万五千円としております。  期末・勤勉手当については、民間のボーナスの年間支給月数分との均衡を図るため、年間支給割合を〇・二五月分増額することとしておりますが、改善に当たっては、給与制度としての安定性にも配慮しつつ、民間のボーナスの支給割合の変動をより確実に反映させるようにとの昨年の国会附帯決議等をも踏まえ、二捨三入方式による〇・〇五カ月ごとの区切りにより小数点第二位までの支給割合を定めることとしております。また、民間のボーナスの配分傾向を踏まえ、係長級以上の職員の期末・勤勉手当の算定基礎給について、職務段階等を基本とした五%から二〇%までの加算措置を講じることとしております。なお、期末・勤勉手当に関する以上の措置については、特に、各省庁人事当局及び関係職員団体から累次にわたって意見を聴取した上で、その策定に至ったものであることを申し添えておきます。  このほか、通勤による災害を受けた者に対する給与上の取り扱いにつきまして、公務上の災害を受けた場合と同様とすることといたしております。  以上が勧告の概要でございます。  実施時期につきましては、本年四月一日からとしております。なお、通勤災害を受けた者の取り扱いについては、平成三年一月一日からとしております。  次に、報告文の中で申し述べている公務員の週休二日制・休暇等について、御説明を申し上げます。  職員の週休二日制については、国全体の労働時間短縮の計画期間内における完全週休二日制の速やかな実現を目標に、その条件整備に取り組んでいるところでございます。  特に、交代制等職員の週四十時間勤務制の試行は本年四月から逐次実施に移されておりますが、なお、病院等一部の部門においては、試行実施の具体的計画がいまだ策定されていない状況にあります。完全週休二日制実現のためには、これらの部門においても早急に試行を実施することが極めて重要な課題となっていることから、所管省庁を初め関係者全体の努力により、そのための具体的措置が速やかに講じられるよう要請をいたしております。  総実勤務時間短縮の観点から、休暇については、年次休暇の計画的使用の促進にさらに努める一方、民間の普及状況等を考慮し、新たに三日の夏季休暇を設けることとしております。  また、超過勤務の縮減につきましては、特に、職員の健康に重大な影響を及ぼすおそれのある過重な長時間の超過勤務をなくするよう努めることが緊要であるとの認織から、人事院としてもそのための方策について検討を進めることとしております。  また、報告文では、公務運営について、公務能率の増進、行政サービスの向上等の必要性を述べ、あわせて公務員倫理の高揚、一体的・整合的な行政運営の必要性について言及をしております。なお、高齢社会に対応した人事行政諸施策の策定に向けて、広く人事行政全般にわたり総合的な検討を進めていくための調査研究を行っていくことを表明いたしております。  人事院は、本年の勧告に当たっても、公務員の勤務条件について、中央地方を通じ広く各界から意見を聴取しました。表明された意見を見ると、人事院勧告に基づき民間給与に準拠して公務員給与を決定する現行の方式は、客観性、納得性のある妥当な方式であるとの理解を得ていることが認められ、その上で職務の複雑性、困難性に応じたきめ細かな処遇を一層推進する必要があるとする意見や、最近の国家公務員採用試験の応募状況等を勘案して、公務に有為の人材を確保するためには初任給その他の勤務条件の改善に積極的に取り組む必要があるとの意見が示されています。また、公務員の週休二日制については、国全体の労働時間短縮への流れを促進するためにも、国民の理解を得ながら完全週休二日制を早期に実現すべきであるとする意見が多数を占めておりますが、その推進に当たっては、業務の合理化、効率化を進め行政サービスの低下を来さないように配慮すべきであるとの指摘がなされております。  以上、給与及び週休二日制等に関する報告並びに給与に関する勧告の概要を御説明申し上げました。  人事院勧告は、申し上げるまでもなく、労働基本権制約の代償措置として、国家公務員法の定める情勢適応の原則に基づき行うものであります。  人事院といたしましては、職員を適正に処遇することが、その士気を高く保持し、職場の労使関係の安定に寄与するとともに、公務に有為な人材を確保し、ひいては将来にわたる国の行政運営の安定に資するものであると考えます。  内閣委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割及び職員が行政の各分野において真摯に職務に精励している実情に深い御理解を賜り、何とぞこの勧告のとおりに早急に実施していただきますよう衷心よりお願いを申し上げる次第でございます。     ─────────────

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木宗男君。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 きょうの内閣委員会は、当初人勧を議題として審議をするということになっておりましたけれども、御案内のとおり、八月二日にイラクがクウェートに侵攻しまして、今、中東では大変なことになっておりまして、また、我が国にも重大な影響を及ぼしているわけであります。私は、その緊急課題である中東問題につきまして、若干の時間をいただきましたので、質問をさせていただきたいと思います。  まず、八月二日にイラクがクウェートに侵攻を開始したのでありますけれども、現在、邦人の安全性の問題についてどうなっておるか。我々はテレビだとか新聞等でしか知る由がないのでありますけれども、これは外務省等から正確な状況というものを御説明いただきたい、こう思います。

内藤昌平外務大臣官房外務参事官

○内藤説明員 邦人の皆様につきましては、現在二百十三名の方がイラク側によって自由を拘束されております。そのうち婦女子の方についてイラク政府は解放するという方針を表明はいたしましたが、本日ただいま現在ではいまだ解放されておりません。それ以外にも、イラク在住の方々についても出国が認められないという状況にございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 そのような状況にあって、外務省はどのようなアプローチをしているのか、細かく説明をしてほしいと思うのですが。

内藤昌平外務大臣官房外務参事官

○内藤説明員 私どもといたしましては、出国の自由、行動の自由、これは当然認められるべき国際法上の問題でございます。それからさらに、不当に行動の自由を拘束する、これは人道上の問題でもございます。そういうことから、かかる行為に対しましてイラク政府に対し強く抗議をするとともに、その解放方、出国の実現方をかねてから働きかけているところでございます。  それと同時に、この問題は国際問題になっております。我が国だけでございませんで、ほかにも同じ立場に置かれている多くの国がございます。そういうところから、国際機関を通じる働きかけにつきましても、中山外務大臣の方からは国連事務総長に直接アピールを出し、さらには国際赤十字委員会の方にも直接働きかけ、こういった国際的な働きかけにつきましても我が国として鋭意力を尽くしているところでございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 新聞報道を見ますと、いわゆる人質にとって、人を盾にして、とにかくイラクはそういう作戦をとっているわけですね。それに対して外務省はいろいろなアプローチをしていると思いますけれども、現地でイラク政府のだれに会って、だれに強く働きかけているのか、その点を明らかにしてほしいと思うのですが。

内藤昌平外務大臣官房外務参事官

○内藤説明員 イラク政府では外務省が窓口になります。現在行っている行為は外交的保護ということでございます。これは当然相手国政府の協力があって行えるということでございますので、外交的に外務省に申し入れ、外務省を通じ国内の関係当局の善処を要請する、これが国際的なルールでございます。その種の問題の外務省における責任者は領事局長でございます。したがいまして、領事局長に対しては、片倉大使は連日のごとく会って、連日申し入れを行っております。  これまでは、初期の段階では、その結果二百八十二名の邦人の出国を実現することができました。しかし、その後イラク政府の立場が変わりまして、邦人の出国が認められなくなりました。その点については、領事局長としては、これは上層部の指令であるということで、外務省としては日本政府の立場を上に正確に伝えると申しておりますが、上層部の指令ゆえ自分としてはその理由等については説明できないと申しております。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 ちょっとそこにいてください、時間がないですから。  そこで、邦人は、当初一カ所に、ホテルに連れ去られたということだったですね。あるいは人質にされたということなんですが、分けられているとかあるいはいろいろな軍事施設に送られているのじゃないかという情報が錯綜していますけれども、その点の事実はどうなんですか。

内藤昌平外務大臣官房外務参事官

○内藤説明員 その点につきましては、昨日、邦人、そのうちの一部である婦女子の方々と片倉大使の面会が実現いたしました。そこで婦女子の方々から承ったことによりますれば、それぞれいろいろな施設に連れ去られたということでございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 時間がありませんからこの邦人の安全の問題についてはこの程度にしますけれども、とにかく外務省としては、これは何といっても生命の危険を感じるような事態だと私は思いますので、特に、邦人の救出だとか安全には最大の努力を払っていただきたい、このことをいま一度強く要望しておきます。  そこで、イラクだとかクウェートからは昨年実績で日本は一〇・六%のいわゆる原油を輸入しているわけですね。それが今約一割の原油が入らなくなるわけでありますけれども、それに対する補てんはどのようになるのでしょうか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 先生御指摘のとおり、イラク、クウェートより一割強の石油の輸入をいたしておりまして、これを経済制裁の結果、一切とめておる実情でございます。その補てんにつきましては、ほかの輸出余力のある国々からの供給によるということになるわけでございますが、サウジアラビア、ベネズエラ等の増産、そのほかOPECの枠内における協力といったことが国際的に検討されておりまして、そうした中で、我が国としても石油供給に隘路が生じないようにできるだけの努力を行っていくという方向でございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 時間がないですから、内田参事官、そこにいてください。  そうしますと、いわゆるイラク、クウェートからの補てんは今サウジだとかベネズエラに協力をお願いしているということで、そこと契約をしていくということですね。  そこで、とにかくこの油の問題も国民の生活に一番関連する話でありますから、この点も十分先々を考えて進めていただきたい、いま一度強く参事官にお願いをしておきたいと思います。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 先生の御意見を賜りまして、対処いたしたいと存じます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 官房長官もお見えですから官房長官にお尋ねします。  おとついの総理の記者会見の貢献策の発表の中で、総理の口から国連協力法というものも考えなくてはいけないというような話が出たわけでありますけれども、具体的にどのような考えを持っているのか、お知らせをいただきたいと思います。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 おととい、総理が、国連の平和維持活動に協力をするために、例えば、仮称ですけれども、国連平和協力法、国連の平和維持活動に対して我が国は貢献しなければならぬ、協力しなければならぬ、そういったような我が国の法体系も考え直さなければならぬという発言をいたしました。もちろん、そのときには、これは憲法の枠内であるという発言であります。  ただ、そういう大前提、そういう我が国の姿勢というものは明確に示しましたけれども、個々の具体的なことにつきましては、今後、政府部内において検討をするということであります。しかし、何らかの国連に対する貢献はしなければならぬという趣旨で、国内法を必要とあらば改正をしたいという基本方針を明示したものだと思っております。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 官房長官、今後というような表現がありましたけれども、これは可及的速やかにやらなくてはいけないんじゃないでしょうか。さっき質問したように、邦人も危険にさらされている。しかも、イラクの今度やっていることは、あの国連では安全保障理事会でだめだということをきちっと明確に世界に訴えているわけですね。しかも日本は平和外交、その平和外交は国連外交中心でやっているんだということも明確になっているのです。しからば、国連の安全保障理事会で一国の反対もなく、棄権した国は二カ国ありましたけれども、一国の反対もなく可決された、武力を使っていい、そういう決定があるにもかかわらず日本だけが今後なんというゆっくりしたことはできないと思うのです。これは速やかにやらなければいけないと思うのですけれども、そこらのタイムスケジュールはどうなんですか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 我が国の憲法の範囲内、法令の範囲内でできる限りのことは国連に協力を今までもいたしております。ですけれども、法改正ということになりますれば、これはおのずから政府として責任の持てる案もつくらなければいかぬ、国民世論の動向も承らなければならぬ、また、いよいよ案ができまして国会にかかれば国会の御調論も十分拝聴しなければならぬ。いわゆる法改正につきましては、手続があるからこれは今後、こう申し上げたのでありまして、基本的には一生懸命できるものからやっていく、そして法改正、必要とあればこれも考えたい、こういうことです。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 官房長官、これはくどく言って恐縮なんですけれども、手続なり、それは政府が出すわけですから責任を持ったものをつくらなければいけない。ですから今もう既に検討しているわけですね。頭にあるから一国の総理大臣が記者会見で言っているわけなんです。ですから、これはもう既に事務的には進めているわけですね。そこら辺を私は聞きたいのですよ。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 基本姿勢は今申し上げたとおりであります。しかし、事務的に進めるということになりますと、これは今後早急に詰めていきたい、こういうことです。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 今回の貢献策の中にも、例えば民間の飛行機を使うだとか、あるいは外国の輸送船を借り上げて協力するだとかいう話がありますけれども、我々常識的に考えて、危険なところに民間人を送り込む、その政府の姿勢はどうなっているんだというのが国民の声ですよ。やはりそういったところには公務員が行くべきではないかという議論もあるのですね、何で民間人を出すんだと。しかも、一々労働組合にお伺いを立てなければ決定できないなんということ自体がおかしいのではないか。しからば、そういった法整備をしろというのが今の世論ではないかと私は思っているのです。しからば、国連平和協力法なるものに、ちょっと構想にあるというならばすぐ着手をするのが時の責任者の姿勢であると私は思うのです。  かつてあのハイジャック、赤軍派が飛行機をハイジャックしたとき、超法規があったじゃないですか。超法規、国会にかけましたか。かけてないですね。官房長官どうですか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 ハイジャックのときはまさに超緊急措置であったこと、それは御承知のとおりであります。しかし、その問題があったから今直ちに中東策について超法規でやれ、こう言われてもそうもまいらぬ。だから、早急にこちらは今勉強を始めておるけれども、早急に案をつくれというあなたの御趣旨に対してはよく承っておきます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 私は、中東問題で超法規をやれと言っているのではないのです。そういった判断をしたときがあった、それは政府の責任においてやったということなんです。  しからば、今回のこのイラクのクウェート侵攻にしたって、そのときの総理大臣の決断によってどうにでもなるということがあるのですね。特に国民は、危ないところに民間人をやるのは何事だというのは多くの人が考えていますから、そういった意味でも法整備は進めていただきたいと私はお願いしているのです。その法整備の中での国連平和協力法なるものが総理の頭にあったのではないかと私は思っているから、こういう質問をしているのですね。  そこで、今の国連平和協力法ですけれども、今官房長官は進めていきたいという話をしましたけれども、そういった受けとめ方でいいのですね、速やかにということで。その確認だけ、ちょっと官房長官お願いします。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 今までも政府はぎりぎりのところでいろいろの貢献策を詰めてまいりました。しかし、それ以上難しいということになれば、これは今あなたのおっしゃるように、今後早急に案を詰めていかなければなるまいと思っております。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 防衛庁長官もお見えですからお聞きしたいのですけれども、今回の問題の中で、自衛隊の海外派遣の問題なんかもいろいろマスコミに取りざたされておりますけれども、自衛隊の海外派遣についての防衛庁長官の見解をちょっとお聞きしたいと思います。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 今回のこのイラク事件から、自衛隊の派遣という問題につきましては党内においてもまた与野党の中においてもあるいは一般国民の中にもいろいろと議論が出ているわけでありま。今お尋ねの件につきまして、政府全体としては、今回の貢献策の中ではやはり自衛隊を対象とないという結論になったわけでありますが、今後の問題としては、果たして国際的な立場でそういうことがいつまでも認められていくのかどうか、これは十二分に国会の中で議論をすべきだ、かように考えております。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 そこで防衛庁長官、例えば現行法上、今回の中東貢献策の中で自衛隊を派遣することは可能であるかどうか、ちょっとお知らせをいただきたいと思います。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 現行法上の自衛隊を中東に派遣することが可能かどうか、こういうことでございますが、一般論としては、武力行使の目的を持たないで自衛隊の部隊を他国に派遣するいわゆる海外派遣というものは、現行法制上全く行われないわけではない、かように解釈いたします。例えば、南極の観測に対する協力あるいは遠洋練習航海などに既に実施しているわけでございます。しかし、現行の法制上海外派遣がどこまで可能かについては、具体的な事例に即して検討すべきものではなかろうか、かように考えます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 そこで、やはり今回のこの問題で露呈したのは、危機管理についての日本の法整備が極めてお粗末であるということ、なってないということ。ですから、やはり有事法制というものをきちっと考えることが平和を守ったり独立を守っていく私は最高の道でないかと思うのですね。この点についてはどうでしょうか。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 独立国としては当然防衛上から有事立法というものは必要である、かような見解を私は持っております。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 あと、今回アメリカからいろいろなアプローチがあったかと思いますけれども、私は、やはりアメリカの言っている在日米軍の駐留経費の負担の問題が当然またいろいろな形で出てくると思うのであります。この点、防衛庁はどう考えていますか。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 私は、従来から、やはりこの在日米軍駐留経費というものはあくまでも日米安全保障体制のもとにおける安保条約の効果的な運用ということから必要だ、こういうふうに考えているわけでございまして、大きく言えばいわゆる我が国の防衛政策の一環、こういうふうに思っているわけであります。ですから、今回の中東問題との絡みの中で余りこれを解釈すると、我が国の防衛政策いかにあるべきかということについては若干問題が、問題というよりも私は見解としては別に考えた方がよかろう、こんなような感じを、考えを持っているわけでございますので、その点を申し上げたいと思います。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 時間ですからこれでやめますけれども、官房長官、きょうは外務大臣も来ておりませんから特に官房長官にお願いしておきますけれども、邦人の安全対策、ここら辺はとにかく万全を尽くしていただきたいということと、さらに危機管理における日本の法整備というものも速やかにやっていただきたい、私はこのことを強くお願いしまして、質問を終えます。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 続いて、斉藤斗志二君の質問に移ります。斉藤君。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤(斗)委員 きょうは人事院総裁にいらしていただいております。公務員の制度及び給与に関する給与勧告の要旨をお聞きしたわけでありますが、二点ほど最初にお聞きしたいと思います。  改定の内容として初任給の大幅な改善ということを言われている。まあ時代の背景があるわけでございますが、ただI種、II種、III種と、詳しい数字は申し上げませんけれども、それぞれ格差がある。加えて、II種とIII種の間にかなり大幅な逆転現象のような引き上げ幅のあれがございますが、この点について、どのような背景でこのようにお決めになられたか、お伺いしたいと思います。

森園幸男人事院給与局長

○森園説明員 今回の初任給の改善率の数字の上での御指摘かと思います。今回勧告をいたします前の状態で申し上げますと、II種試験、これは初任給が行(一)の場合二級一号でございますが、II種試験と民間の大卒の初任給との間の乖離が一番大きかったわけでございまして、東京等調整手当一〇%地域で見ますと、二万円ぐらい開いていたわけでございます。それからIII種試験につきましては、同じ条件で比べますと八千円弱の開きがございました。それからI種試験は、仮に民間の主要企業等と比べますと四千円ぐらいの乖離にとどまっていたわけでございます。そういう事情でございますので、今回改定の中心はII種試験の初任給のところを一番高くしたわけでございまして、アップ率でいきますと若干の違いがございますが、金額的に、新たな初任給の額で申しますと、それぞれ相応の改善になるというふうに考えております。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤(斗)委員 今初任給の話をお伺いしました。採用がなかなか厳しくなってきているという時代背景の中で、いい人材を採用していただけるよう、これからもよろしく御努力をお願いいたしたいと思います。  次に、週休二日制・休暇等に関してでございます。  家庭生活の充実や心身のリフレッシュを図るために、民間の普及状況を考慮し、三日の夏季休暇を新しくつくられたわけでございますが、民間との休暇格差が縮まって非常にいいことだと私も思います。しかし、週休二日制となった背景がございますし、国民生活のサービス面がおろそかになってしまうという心配も国民は一方で持っているわけでございまして、その辺の対応についてお聞きしたい。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城説明員 ただいまお話にありましたように、今回夏季休暇を新設するということを打ち出したわけでございますが、これは、民間においていろいろ夏季における健康増進なりあるいは家庭生活の充実、リフレッシュというような観点からそういう休暇が非常に進んできている、民間企業は普及率でほぼ八〇%に達しているということから、公務においてもこの導入を図ることが必要であると判断いたしたわけでございます。  休暇を初め週休二日制を通じまして勤務時間の短縮が進むということは、御指摘のありましたように、対国民サービスという面で単純にそのサービスが切り下がるということであってはいけないわけでございまして、週休二日制の推進についてはもちろんでございますけれども、こういう休暇の消化、新設に関しましても、やはり公務能率の向上に努めてサービスに遺憾のないようにする、そういう観点は従来からも私ども気にして、特にそういう点を申し上げてきているところでございまして、今後もそういう姿勢で臨んでいきたいと考えております。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤(斗)委員 時間がないので、次に、中東問題に入りたいと思います。  現在、生命の危険に邦人がさらされておるわけでございまして、大変胸の痛む思いがいたしますし、また、ただただ一日も早い紛争解決を望むわけでありますが、私は、これは完全にイラクの侵攻ということで、国際法上も許されない事実だというように思っているわけでございます。その点、政府はもっと強く言うべきではないか、またそのような認識を強く訴えるべきではないかというふうに思っておりますが、その点いかがでございますか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 政府といたしましては、中東紛争勃発以来、事あるごとに我が国の姿勢を明確にしてきております。  イラクのクウェート侵攻は明白なる侵略行為であります。国連も全会一致でこれを認定をしておるというような状況であります。我が国ももちろんこの見解は全く同じであります。一日も早くこの侵略行為を終わらせる、クウェートからの撤退ということは譲るべからざる大前提であります。と同時に、このイラクにある、日本ももちろんでありますが、外国の何の罪もないような市民をいわゆる人質のように扱うなどということは全くもって国際法違反である、人道上も許すべからざることであります。これも全く許すべからざる大前提である。侵略行為に対する否定ということと人質に対してかかる行為に出たということ、国内で人質にしてああいうふうな気の毒なことをしたということは、これはともに許すべからざることである。こういうことは取引の問題ではありません。絶対に我が国としても主張し続け、国際世論とともに戦っていきたい、できるだけのことをしたいと思っております。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤(斗)委員 今人質という言葉に触れられました。イラクの大統領、並びに先日自由民主党でもイラク大使にお越しをいただいてお話をお聞きしたわけですが、その中でも、ゲストという言葉を使っている。大変けしからぬ話だと私は思っておるわけであります。ひとつその点について、ゲストという言葉自体についての政府の見解をお聞きしたい。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 事実上は全く人質であります。無法なことであります。ゲストということは論外のことであります。国際世論がだれも認めることはなかろうと思っております。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤(斗)委員 時間がないので次に行きます。  憲法の前文、それからさらに憲法九条の戦争放棄、そしてさらに憲法九十八条に国際法の遵守という問題がありまして、今大変難しい憲法論議に入ってきていると思います。私は、この憲法の前文というのが総論で、この総論が担保されなければ次なる条項へ進むにしても無理があるというふうに考えておりますが、その点いかがですか。  憲法の前文を読みましょうか、大事なところ。「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、」という項目があるわけであります。国際社会における名誉ある地位ということとこの九条の問題について今政府はどういうふうにお考えか、お伺いしたい。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 憲法の前文を今お読みになられましたけれども、我が国の立場は、我が国の平和と安全を守っていくためにも、このような国連の決議に従う平和維持活動というものは、我が国にとっても非常に大事なことであります。また、世界全体にとってももちろん大切なことであります。完全に国連の決議というものと我が国の方針とはぴったりと一致しておるということであって、国連に協力して努力をすることは当然だと思っております。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤(斗)委員 ただいま国連に協力するというお言葉をいただいたのですが、国連憲章五十一条に個別的、集団的自衛権を認めているわけであります。されど日本の集団的自衛権というのは認めていらっしゃらないというのが従来の基本的スタンスと私どもお伺いしておりますけれども、今の御答弁だと、国連憲章にのっとる国際法の集団的自衛権、これはある、それに沿ってやるのだというふうに理解してよろしゅうございますか。

藤井一夫防衛庁防衛局長

○藤井説明員 集団的自衛権についてのお尋ねでございますけれども、国際法上我が国は集団的自衛権及び個別的自衛権を認められているというのは、これは厳然たる事実でございます。ただ、憲法第九条によって集団的自衛権の行使が認められていないというのが私どもの建前でございまして、今後の中東施策等を考えていく場合も、その基本姿勢に沿って考えていくべきものだと考えております。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤(斗)委員 時間がないので、最後に一つだけお伺いいたします。  総理も触れられましたけれども、国連平和協力法のようなものを積極的に考えたい。鈴木先生の質問にもございました。ぜひ積極的な貢献をお願い申し上げたいと思いますが、最後に、きょうは防衛庁長官お越しでいらっしゃいますので、自衛隊員の派兵と派遣、これは私はかなり明白に区別できるのではないかなというふうに思っておりますが、派兵と派遣、その点についてお伺いしたいと思います。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 法律の専門的な知識を持っておりませんので、正確なものかどうかということにつきましてはいささか私も不安でございますけれども、ただ、憲法第九条からいうと、世界に珍しい一つの平和憲法といいますか、戦争否定の憲法でありまして、そういう中からいうと、武力行使というものはいかなる目的であろうとこれは行使してはいかぬということになっているわけでありますから、そういう中においての派兵、派遣という問題を検討する場合、先ほど鈴木先生にもお答えいたしましたように、これが全く武力の行使を伴わない、例えば観測隊に協力とか、そういったものにつきましてはもう既にやっているわけであります。それ以外のものにつきましてのその武力との関係、極めてすれすれな、難しい関連が出る場合があろうかと思いますが、そういう場合には、これは十二分に国会の中でも議論し、あるいはまた国民の中にもいろいろと議論のされる中でこういう問題が今後きちんとした見解に固まっていくのではなかろうかな、私はそういうふうな見解を持っているわけでございます。

斉藤斗志二自由民主党

○斉藤(斗)委員 終わります。ありがとうございました。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 続いて、田口健二君に移ります。田口健二君。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 私は、まず給与担当大臣であります総務庁長官に対しまして、先ほど人事院総裁の方から今年度人事院勧告についての概要の説明がございましたが、この人事院勧告についてどのような基本的な姿勢を持っておられるのか、とりわけこの人事院勧告の完全実施ということについて長官の御意見をいただきたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○塩崎国務大臣 もう御承知のように、人事院勧告制度は我が国の公務員制度を支える、そしてまた良好な労使関係を維持していく根幹をなすものであると私は考えるものでございます。したがいまして、私どもは、人事院勧告が出されるならば常に完全実施されるよう最大限の努力を払っていくべきものである、こんなふうに考えているところでございます。  去る八月七日、先ほど人事院総裁が申されましたように、私どもは人事院勧告をいただいたわけでございます。早速第一回の給与担当閣僚会議を開きまして、国政の全般の動向をにらみ合わせながらこれが早急な実施について検討を開始しているところでございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 続いて、今日の人事院勧告における最大の課題というのが早期完全実施にあると私は思っています。これも長い間の期間の中で数年前までは人事院勧告の凍結あるいは抑制、こういう場面もあったわけでありますが、完全実施に復帰をしてことしでちょうど五年目を迎えるわけでありまして、このこともほぼ定着してきておるというふうに見ておるわけであります。ただ、早期完全実施については、人事院勧告制度の長い歴史の中で残念ながら今日に至るまでまだ実現をしておらないわけですね。この二十数年間の状況をちょっと調べてみましても、八月に勧告がなされてそれが実際的に法律として成立をしておるのはほとんどが十二月という状況になっておるわけです。  私は、昨年の本委員会の中でもこの問題を取り上げまして、特に早期完全実施の障害になっておるのが、勧告から閣議決定までの間に給与関係閣僚会議が三回ないし四回開かれておる、今日の状況から考えればそんなに数回も閣僚会議を開く必要はないのではないか、もっとこの回数を少なくして早く閣議決定に持っていくべきではないかという点を御質問申し上げました。当時の水野総務庁長官は、ことしは、昨年のことですね、回数を縮めて実施ができるようにしたい、当時の森山官房長官も、最大限の努力をいたします、こう実は約束をされたわけであります。  昨年の結果はどうであったかということを見てみますと、昨年は給与関係閣僚会議は二回開かれているのですね。私どもが主張しましたように、三回、四回開く必要はないのではないか、少なくとも二回程度で閣議決定に持っていくべきだ、こう申し上げたのでありますが、昨年はそういう意味では二回なんです。ところが長官、昨年の給与関係閣僚会議は、第一回目が八月七日、第二回目が十一月二日なんですよ。この間、九十日間近くも引っ張っているわけですね。私はこんな人を食った話はないと思うのですよ。ですから、ただ回数を縮めるだけではなくて、もっと早く閣議決定に持っていくような努力をすべきだと私は思いますね。官房長官は今おりませんから、総務庁長官、その辺どうですか、今年度については。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○塩崎国務大臣 田口委員の御主張は、私も総務庁長官として十分その御趣旨に沿ってやっていくべきであろう、こんなふうに思うものでございます。しかしながら、御案内のように、早期実施を前提とするには各般の客観的な情勢が明白にならなければならない。その中には財政状態が大きな要素としてあると私は思うのでございます。御承知のように、歳入が今年度においてどの程度見込まれる、来年度の収入がどのように見込まれるかということは、私はやはり一つの時期が必要かと思うわけでございます。十一月が絶対だというふうには私は考えませんけれども、やはりそのころにならなければ、なかなか税収の見通し等についての、何と申しますか、客観的な見通しができるかどうか、こんなところが私どもにとって大きな検討課題となるところでございます。御趣旨の点を十分考えていきたい、こんなふうに考えております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 長官、閣議決定に至るまでの給与関係閣僚会議、今長官は財政問題を言われましたけれども、それを言われますと私どもは言い分がいっぱいあるのですよ。年度当初からの予備費の計上の問題だとか、ここ数年間の勧告の状況だとか、いろいろなことを考えれば、財政問題というのは十分に事前に手が打てる問題なんですね。今日の国家財政の状況から考えてみても、私はそれは余り理由にならないと思うのです。もう一つ政府は今まで国民世論とか感情とかいう問題も言ってきました。しかし、それも今日の状況から見るとそう問題にしなくてもいい状況になっておるのではないか、こう思いますから、財政問題とかなんとかという理由ではなくて、先ほど冒頭に長官が言われた人事院勧告制度の持つ意味合い、このことを考えるならば、勧告が出ればぜひ一日も早く閣議決定をして、国会が開かれておるならば早急に法案を提出をする。これは昨年の場合もそうでありますが、きょう閣議決定をしたからあした国会に法案を出すというわけにいかないのですね。事務的な作業がありますから、総務庁の方でもある一定の日数が必要なんだということで、昨年もその関係で非常におくれた問題もあったのですから、ひとつぜひ早急に閣議決定をしていただく、このことを再度強く要請をしておきたいと思います。  中身について二、三お尋ねをしたいと思うのでありますが、今年度の勧告の一つの特徴は初任給が大幅に引き上げられたということ。II種試験で一三・三%、III種試験で一〇%。これによって格付の変更が出てきましたし、在職者調整も行われておるわけですね。私はこのことは大変評価をするわけです。ところが、初任給がかなり引き上げられたことによって配分関係がどうなったかというのを見ていきますと、一級で七・一、二級で七・二、三級で四・二、四級以降は三%台の配分ですね。私は、初任給が引き上げられる、大変結構なことですけれども、そのことによって中堅層あるいは高年齢者層といいますか、そこにしわ寄せが出てくることについてはやはり問題があると思うのです。  そこでこれは人事院の方にもちょっとお尋ねをしたいと思うのですが、初任給を引き上げた場合に全体的に配分が偏らないようにするためには、初任給引き上げの財源を別途に求めるような制度、仕組みにはならないものだろうか、その辺の見解をいただきたいと思います。

森園幸男人事院給与局長

○森園説明員 初任給につきましては、先生御案内のとおり官民ともにいわゆる官民較差の算出から外しておるわけでございます。ところが、初任給の号俸、例えて言いますと行(一)の二級一号というところには新規採用者だけでなくて一級から昇格して在職している人もいるし、三級一号のI種の初任給のところも同じでございます。そういう在職者につきましては官民の調査をいたしましてすべて較差算出の基礎にしているわけでございます。そこで、民間企業で初任給の改善をいたしました場合に、やはり所要の在職者調整をすることがあるわけでございますが、そういう在職者調整を受けた民間の従業員の新たな賃金というのは、私どもは調査の過程で賃金台帳によって把握できるわけでございますから、調査時点で既に清算が行われている分については把握して官民較差の算出の基礎にするわけでございます。したがいまして、そういう較差原資に基づきまして在職者の給与改善をお願いする、こういうことでございますので、既に較差の中に入っているという事情からいたしまして、初任給改善に伴う在職者調整等の所要原資、これを別枠でするのは筋が通らない、このように考えているところでございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 諸手当で一点お尋ねをいたしますが、今回の勧告で住居手当については一定の引き上げがなされているわけですが、通勤手当については触れられていないわけですね。特に今日、都市部を中心にして住宅事情の悪化から遠隔地通勤というのが非常にふえてきていることを考えますと、今日の通勤手当の支給状況というのはもう実情に合わないのじゃないか。恐らく通勤手当についても官民比較でやっておると思うのですが、これは官民比較から外して、実費支給だとか、もう少し実情に合わせた通勤手当というものが支給されないものなのか、その辺の見解はどうでしょうか。

森園幸男人事院給与局長

○森園説明員 通勤手当につきましては、ただいま御指摘がございましたとおり、いろいろな住居事情その他の事情から遠距離通勤者がふえつつあるという事情は御指摘のとおりであろうと思います。そこで、私どもは現在官民比較の中に入れて通勤手当も民間の状況を見ながら改善をいたしておるわけでございますけれども、現在、民間企業で全額支給しているところといいますと大体半数強程度でございまして、まだまだ半数弱の企業におきましては制限支給制をとっておるということでございます。しかしながら、現在の支給水準自体は三万円までは全額支給でございまして、公務員の例で申しますと約九三%、百人中九十三人は全額支給の実態にあるということでございまして、残り七人のうちの六人程度は二分の一加算ということを受けまして自分の持ち出しが五千円未満であるという実情にございます。わずか百人中一人だけがさらに五千円以上の持ち出しになっている、こういう実態にございます。  したがって、こういう遠距離通勤者というのがどのような実態にあるかにつきましては、なお精査をしなければならないというふうに考えておりますが、ただいま御指摘がございましたように、これを較差比較から外して所要の措置を講ずべきだという御意見はかねがねあるわけでございまして、私どもは民間の支給の実態の変化でございますとか、そういうことをなお検討しながらこれの検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 次に、一時金の問題について二、三点お尋ねをいたしたいと思うのです。  今回の一時金勧告の中身は、特に私ども昨年本委員会でも附帯決議をつけまして要望しておりましたいわゆる二けた問題、これが一応解決をされたという点では私どもも一定の評価をしておるわけですが、最大の問題は何といってもいわゆる傾斜配分がこの一時金の中に制度として導入をされたことですね。この問題はやり出せばちょっと時間がありませんから、幾つか絞ってお尋ねをしますが、当面この四ランク、二〇、一五、一〇、五というふうに加算率が決まっておるわけです。この加算率については将来もこのままでいくのか、変更する考え方があるのかどうか、まずこのことをお伺いをしたいと思います。

森園幸男人事院給与局長

○森園説明員 今回、役職段階別の加算措置をお願いをいたしておるわけでございますけれども、これは民間企業の役職段階別の配分の傾向、あるいは公務都内のバランス等を総合的に勘案いたしまして策定をしたものでございます。したがいまして、給与制度の安定性というようなこと、あるいはこれを策定する過程におきましては、各省庁人事当局あるいは関係労働団体等と数十回にわたりまして協議をやったものでございます。したがいまして、条件に大きな変更がない限りは当面これは変更する必要はない、こういうふうに考えております。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 もう一点、いわゆる傾斜配分で、四級職、係長職以上についての加算がこれからでき上がっていくわけですが、職種によっては、生涯、加算の適用にならない職種がやはりあるのですね。労務(乙)というふうな職種を見ていくと、これはもう一生涯このままでいくと加算の対象にはならないのですね。これはやはり非常に不公平だと私は思うのです。一定の条件を満たす、一定の経験年数に到達をした場合には、こういう人たちに対してもこの適用ができるように何らか考えるべきではなかろうかというように思うのですが、その辺のところ、何か見解がございますか。

森園幸男人事院給与局長

○森園説明員 今回の措置はあくまで役職段階別の加算措置ということでございまして、今御指摘の行政職(二)の労務職員(乙)について申しますと、行(二)については四級以上が加算の対象、こういたしておりますので、労務職員(乙)につきましては、現在の職務給与格付上四級以上の可能性のない職種、こういうことになっております。したがいまして、今御指摘のような要望も労働団体等からいろいろございました。そこで私どもは、今回の役付加算措置という制度の趣旨に反しない範囲内で、公務部内のバランスとか人事管理上の必要性ということを考えながら、限定的に何か措置する方向はないものかという方向で検討をしてみたいと思っておるところでございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 今の御答弁があった点については、何か適用ができるように前向きにひとつぜひ検討していただきたいということをお願いしておきます。  次に、週休二日の問題で一点質問をいたします。  私は、ことしの勧告には週休二日の実施年度が恐らく明示されるだろうというふうに期待をしたのでありますが、それがありません。その点は大変不満であります。今まで委員会審議の中で明らかになったように、平成四年度、一九九二年度には週休二日を実施をしたいということが考え方としてはたびたび明らかになっているのですね。もうあと一年半なんですね。これが明示できなかった理由、そして今、週休二日制に向けて土曜閉庁の問題、試行の問題があります。どういう状況になっているのですか。これがうまくいってないということになれば、どこに問題があるのか、今後、人事院としては平成四年度の実施に向けてどういう手だてを考えておるのか、その辺をひとつお答えをいただきたいと思います。

弥富啓之助人事院総裁

○弥富説明員 ただいま先生御質問のとおり、公務におきます週休二日制につきましては、社会一般の情勢適用を基本にいたしまして逐次拡大を図ってきたところでございまして、例えば週四十時間労働制を目標として規定をいたしました労働基準法の改正、これはもう御存じのとおりでございます。それから、経済運営五カ年計画における労働時間短縮目標の設定あるいは金融機関の完全土曜閉店の実施等々、民間における労働時間の短縮や週休二日制の普及の状況を勘案いたしますと、公務においても、これはできるだけ早期に完全週休二日制の実現を図る必要性があると考えておりまして、そのための条件整備に今懸命に取り組んでいるところでございます。  御承知のとおり、その一環として、本年四月から、業務執行体制の大幅な見直しが必要でございます交代制動務の職員につきまして週四十時間制の試行を実施しているところでございまして、現在のところ、一部の部門におきましてはまだ試行実施の具体的な見通しが立っていない状況にあるところもございます。完全週休二日制実現のために、これらの部門においても早急に試行を実施することは極めて重要な問題でございまして、試行を通じてみて問題点の把握と対応策というものの検討をいたさなければなりませんが、必要な条件の整備を行うことによりまして、目標としております国全体の労働時間短縮の計画期間内における完全週休二日制の実現が図られるよう努力をいたしてまいりたいと存じております。  ただいま先生が言われました交代制勤務の試行の状況でございますけれども、ただいまのところ、五省庁、六万二千人ぐらいの交体制の職員が実は試行に入っているところでございまして、まだその全体的な確定した評価というものは時期がちょっと早うございますが、四月から始めたわけでございまして、いろいろな問題点は七月現在で我が方でも調査をいたしておりますけれども、おおむね順調にいっているところというふうに評価をしていいのではないか。しかしながら、御承知のとおり、定員の問題とかでなかなかできない部門がございます。例えば国立の病院、看護婦でございます。これにつきましては、諸官庁初め関係者全体が努力をしていただきまして、それで実情に応じた方法を策定するのがぜひ必要である。今先生言われたように、もう時間も余りございません。これは、国、関係者全体の機関の方の格段の御努力をお願いしていくということございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 余り時間がなくなりましたので、防衛庁長官においでをいただいておりますから、一、二点お尋ねをしたいと思います。  昨晩のテレビ、それから本日の新聞各紙の中で、寺島統幕議長が、今回政府が決定をされた中東に対する貢献策は不十分である、こう言って批判をしたということがかなり大きく取り上げられてきているわけです。中東問題で最近自衛隊の幹部がかなり突出した発言をしておる。長官は非常に慎重な発言をしておられるというふうに我々見ているのですが、しかし今回の発言は、そういう突出した発言とは性質が違うと思います。政府の決定を批判するというのはシビリアンコントロールに挑戦をするようなやり方です。これは許すわけにいかないと思います。長官、どのようにお考えでしょうか。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 昨日の夕方まで北海道におりまして、その事実関係については私も立ち会っておりませんから詳細なことはわかりません。ただ、報告を受けまして、特に議事録といいますか、簡単に書きとめたものを拝見いたしました結果においては、何も差し支えないのじゃないか、意見言っただけである、別に批判したわけでもないし、何にもないと言ってもいいくらいの内容ではないか、私はこういうふうに受けとめました。ただしかし、これが報道となると、短い期間の報道ですから、全体の中の一部分だけをあるいはつなげればある程度のそういったような方向になるのかなというふうに思うのですけれども、それは私の範囲ではございませんから何ともいたしかねますが、私が寺島さんの内容を克明に調べた限りでは、今委員が御指摘のような政府批判には当たらない、このように思っております。  それから、今回のイラク事件から最近のユニホームの方々のそういう発言というのはほとんど私は聞いておりません。そんなに突出したことは言ってないと言ってもいいのじゃないか。ただ、こういう問題はユニホームであれ何であれ大いに議論することは結構だ、議論しなければいけない、与野党ともに議論すべきだ、私はこういう見解でございます。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 長官が問題ないのではなかろうかというふうにお考えであれば、それ以上あえて申し上げることはないと思います。ただ私は、物を言うなと言っているのではないのです。しかし、それぞれの立場、重要な地位にある人がマスコミを通じてぽんぽん国民に対してやることは、やはりこれは問題があると思います。それぞれの部内でいろいろな議論をするとか、これは大いに結構だと思います。長官、ひとつその辺は十分御判断をこれからもしていただきたいと思います。  それから、もう時間がなくなりましたけれども、これまた新聞報道によりますと、政府首脳とか政府筋だということでもって、自衛隊法の改正を次期国会に提案をするとかいうのもちょくちょく出てきておるのです。これは一体現状はどうなんでしょうか。そういうお考えが、あるいはそういう検討が、政府部内でもって行われておるのでしょうか。あるいは、変えるということになれば一体何を変えようとしておるのか。今おわかりであれば、その点だけ教えていただきたいと思います。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 一つ一つにとっては私は熟知しておりませんので、あるいは間違いの点もあろうかと思いますが、結論的に言いますと、繰り返すようでございますけれども、やはり大いに議論すべきだ、そういうことでございます。そのプロセスの中で自衛隊法の改正ということも出たでしょう。いろいろと検討されたと思います。けれども、結論的には、委員も御承知のとおり、今回は自衛隊を外して、そしていわゆる民間のボランティアといいますかそういう方々の力によっての貢献策、こういうことになったわけでありまして、結論はそうでありますから、したがって、目下自衛隊法の改正については考慮しているということではございません。

田口健二日本社会党・護憲共同

○田口委員 以上で終わります。ありがとうございました。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 続いて、上原康助君の質問に移ります。上原康助君。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 きょうは、予定では給与勧告についての質疑ということになっておりまして、先ほど人事院総裁から御報告というか、人事院勧告についての説明がありましたように、これも公務員関係者の皆さんの大変関心事でありますから、いろいろ検討しなければいかない問題も多いわけですが、今国民が何といっても注目しているのはイラクのクウェートに対する侵攻、併合問題で、その紛争をどう平和的に解決を図るのか、そのために日本としての果たさなければいかない役割、また、国会としてどうこれに緊急にというか迅速に対応していくのか、そのことが問われていると思いますので、官房長官がちょっとおられないで切り出すのは、始めるのは大変不本意なんですが、きょうは中東問題についてお尋ねをして、時間がありましたら公務員給与のことについても若干触れさせていただきたいと思います。  そこで、冒頭表明しておきたいことは、今回のイラクのクウェートに対する侵略というか侵攻そのものは、国連でも安保理事会等々で取り上げられて、五回にわたる決議もなされている。そのことを私たちも全面的に理解をし支持をする立場にある。したがって、邦人を初め人質を盾にイラクが紛争解決を図ろうとすることに対しても、人道上も国際法上も許される行為でない、こうとらえている立場にあるということ、同時に、日本側としても、日本政府としても、日本国としても、よく政府も言っているとおり、現法制下であるいは憲法の枠内でどういう支援、貢献ができるかということは真剣に考えるべきだ、これは社会党もその都度、中央執行委員会においても、また私たちもそういう主張をしております。  そういう前提でお尋ねをこれからやってみたいわけですが、まず、政府が一昨日「中東における平和回復活動に係る我が国の貢献策について」をお決めになっております。後ほど具体的にお尋ねしますが、相当問題含みであるということ、一口で言うと、やはりアメリカの圧力と顔色をうかがって何とかまとめたということかと思うのですね。それはそれなりに問題点は含みながらも、総理以下関係者が、要員派遣について自衛官を含めない、あるいは医療や輸送などに限る、民間機や船舶の輸送任務も兵員や武器は運ばない。これは中身は問われていると私は思うのですが、いわゆる非軍事的支援を通して貢献をしていくという、基本的というかスタンスを何とか保とうとしたことは一応評価できると思うのですね。中身はいろいろお尋ねします。  そこで、この支援策の全容に入る前に、一体我が国政府は、イラクとクウェートのこの緊迫状況、武力衝突に入るかもしらない、あるいはイラクがクウェートを侵略するかもしらないということは、相当前から緊迫した状況にあり、アメリカも関心を持っている国際的関心事だったわけですね。そのことに日本側はどういう情報収集なり対応をしてきたのか。あるいはイラク、クウェートのそれぞれの日本国大使というのは、八月の二日時点ではどこにおってどういう事態掌握をしようとしておったのか、その辺を簡潔にひとつお示しをいただきたいと思います。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 ただいま先生の御指摘の点は、イラク、クウェート間の問題についてどのようなフォローをしていたかということでございますが、背景といたしまして私どもの認識しておりましたことを簡単に申し上げますと、イラクとクウェートの間には国境問題及び石油の価格問題を中心とする争いがございまして、それらの問題を、イラク、クウェートそのほか友好国等との情報交換を通じまして、従来より密接に、緊密にその情報収集に努めてきたところでございます。  特に、石油価格をめぐるイラクとクウェートの争いが非常に声高になりまして、七月の終わりごろからかなり双方の発言ぶりがトーンが高くなったということにつきまして、私どもも注意を高めていたやさきのことでございました。(上原委員「余り時間がないから要点だけ簡潔に言ってください。大使はどこにおったのですか」と呼ぶ)八月二日の時点におきまして、駐イラクの片倉大使は地域の中で休暇をとっておりまして、その後、アンマン経由でイラクに戻りました。クウェートの黒川大使につきましては、東京において健康管理休暇をとっておった時期でございました。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 この点はこれ以上はきょうの段階ではとかく言いませんが、イラン、クウェートの紛争、武力衝突が起こるかもしらないと国際的関心が引かれている、注目されている中東外交に対する日本政府の甘さというものを、私はこれはあらわにしていると言わざるを得ないのですね。イラクの大使もクウェートの大使も現地にいなかった、首都に。結果論だけ言っても始まりませんけれども、それはいかに重大な問題であるかということだけ指摘をしておきたいと思うのですね。冒頭申し上げましたように、イラクが侵攻したこと、侵略したことに悪くないとは言っていないのですよ。それは悪い。明らかに悪い。しかし、それを事前に防止をし、平和的手段で解決をしていくのが外交であり政治であり、国際的にとるべき日本側の基本的姿勢なんでしょう。それを怠ったことは私たちは絶対見逃すわけにはいかない。この件については、官房長官、どうお考えですか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 我が国の外務省、またその出先の大使等がいろいろと中東情勢について最も最前線で情報を収集しなければならぬということは、あなたのおっしゃるとおりであります。しかし、不幸にしてイラクの侵攻を事前に察知することができなかったということは、それは残念でありますが、それは我が国のみならず世界的な残念事でありましょう。しかし、残念だというよりも、こういう侵攻があったということだけは、これはもう次元の違う問題でありまして、全く許すべからざることであろうということで、なるほど事後になりましたけれども、国連を中心にして今できるだけの平和回復に努めておる、我が国も協力をしておるというところだと思っております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 私がなぜこの点を冒頭取り上げるかといいますと、今、侵攻があった、イラクけしからぬ、そのとおりですね、国際的にも。しかし同時に、なぜこういう結果になったかという背景なりいろいろ事前の——ある日突然ただ侵攻したわけじゃないですよ。それは、いわく因縁があり、長い間の紛争状態があったからでしょう。それを阻止するための努力を国際的にも日本側としてもどうやったかということが問われるべきなんだよ、今後のこともあるので。同時に、アメリカだって事前抑止に米側の重大な判断ミスがあったということも指摘されているじゃありませんか。イラクだってできれば武力衝突あるいは侵攻しないで何とか片づけたいという意向はあったと私は思う。やみくもに何が何でも併合したい、侵攻したいという意図で、単なる好戦的態度だけでこういう結果になったとは思われない節もあるのですよ。そのことを抜きにして、侵攻したからけしからぬから憲法踏み越えても自衛隊でも何でも派遣しようという、こういう進軍ラッパ的なことはよしなさいと言うのですよ。それを指摘しておきたいわけです。  そこで、政府がお決めになったという支援策の全容についてこれからお尋ねしたいわけですが、これをお決めになった法的根拠というか裏づけは一体どういうことによっているのか、その点を説明しておいていただきたいと思います。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 中東における事態に対処するに当たりまして、日本といたしましては、イラクの侵略を認めず平和の回復のための国際的努力に積極的に参画していくという基本姿勢に基づいたものでございまして、具体的には、国際連合の安保理事会で採択されました決議、五本ございますが、これらを基礎としつつ、我が国の中にありましては憲法及び現行法体制の枠内で最大限の貢献策をとるということが今回の貢献策の基礎であると考えております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 ちょっと漠然とするのですが、確かにこの閣議了解文の前段の方でも「累次の国際連合安全保障理事会決議に見られるように、」云々とありますね。そして、一項の「湾岸における平和回復活動に対する協力」の中で「湾岸の平和と安定の回復のため安保理の関連諸決議に従って活動している各国に対し、適切な方法により思い切った協力を行う。」確かに五つの決議はなされている、安保理において。この「決議に従って活動している各国」というのはどこどこですか。

河村武和外務省大臣官房審議官

○河村説明員 お答えいたします。  今先生が言われましたこととの関係で、関係する決議としては安保理決議の六百六十五号がございます。八月二十五日に採択をされました。安全保障理事会常任理事国……(上原委員「それはいい、わかる、各国」と呼ぶ)この決議の三でございますけれども、「全ての国家に対し、」すなわち国連加盟国を含め「全ての国家に対し、本決議の第一項に言及されている国家が必要とするであろう援助を国連憲章に基づき提供することを要請する。」こういう要請が一つございます。それで、この決議の第一項の国家というのは、一でございますが、「クウェイト政府と協力し、同地域に海上部隊を展開している全ての国連加盟国に対し、船舶の貨物と目的地の検査・確認、」云々ということがございます。クウェート政府及び同地域に海上部隊を展開しているすべての国連加盟国というものに対する、それらの「国家が必要とするであろう援助を国連憲章に基づき提供することを要請する。」ということを安保理決議の六六五は言っております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 そうしますと、国連加盟国全体に支援、援助するという意味ですか。具体的に今イラクの侵攻に対して軍事展開をしているところにやろうというわけでしょう、今度の貢献策というのは。対象にしようとする各国はどこどこかということを聞いているのです。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 「安保理の関連諸決議に従って活動している各国」につきまして、特に特定の国を想定しているものではございません。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 おかしいね、それは。  そうしますと、一般的に言われる多国籍軍というのはどういうふうになっているのですか。あなた方が言う多国籍軍への支援というのはどういう対象国ですか。はっきりさせなさい、それは。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 いわゆる多国籍軍と申しますものは、累次の安保理決議を受けまして各国がイラクの侵攻地域からの撤退及びイラク経済制裁措置の実効性の確保のために兵員、艦船等を湾岸地域に展開しているものの総称でございまして、湾岸地域ひいては国際社会全体の平和と安全の維持に積極的に貢献するものであるというふうに認識しております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 それなら、湾岸地域に兵員、艦船等を展開している国はどこどこですか。はっきりさせてください。

内田勝久労働省労働基準局補償課長

○内田(勝)説明員 防衛庁としていろいろな情報から判断いたしまして、現在イラクの周辺に兵力を展開している各国の名前を読み上げさせていただきますけれども、大体こういう国ではなかろうかと考えております。アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ、イタリー、カナダ、ベルギー、オランダ、スペイン、オーストラリア、ソ連、エジプト、シリア、モロッコ。以上のように把握しておりますが、各国とも必ずしも展開を公表しているわけではございませんので、あくまでいろいろな情報からの総合的な判断ということを繰り返させていただきたいと思います。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 そうしますと一つ非常に疑問に思うのは、こういう質問をすると、国名さえも外務省は掌握していないのだ。それは防衛庁でなければいかないのか。今度のこの支援策を決める場合には防衛庁は関与していないわけでしょう。それは後ほどのことでもいいですが、非常に疑問を持つのですね。  それで官房長官、そうしますと今幾つかの国を相当挙げましたね、十カ国ぐらい。ソ連も入っている。この支援策の対象国には当然今挙げた国々は全部入るわけですか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 ただいまの国々に関しまして、検討対象となるものと考えます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 検討対象になる、今国名を挙げたのは。  そこでもう一点、この「輸送協力」のところですが、一項の一ですね、ここの後段に「食糧・水・医薬品等の物資を対象に輸送協力を行う。」この「等」はどういうことを指すのですか。具体的にこれは説明してください。ここに挙げているのは非軍事物資として理解していいと思うのですが、その「等」というところによもや軍事物資というものは含まない、これは確約できますか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 先生の御理解のとおりでございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 その点検はどういうふうにするのですか、確認は。だれがどこでやるのですか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 輸送協力の態様につきましては関係国とこれから具体的な協議に入るわけでございまして、そのような協議を通じるスキームの策定に当たりまして、運ばれる物資がどのようなものであるかについて点検することは確保する考えでございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 今何と言った。点検することは確保するつもり。だからだれがやるのかと聞いているんだ。日本国がやるのですか、どこでやるのですか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 日本側、日本政府が当然いたすべきものと考えます。  場所につきましては、特定するかどうかを含めまして未定でございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 ちょっと疑問点をお尋ねしてからまたもう少し突っ込んでお尋ねします。  二の「物資協力」、物資の協力という項があります。後段の方に「水の確保等」、ここにも「等」がありますね、「等の面で資機材を提供するために必要な措置をとる。」この「必要な措置」という中身はどういう意味ですか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 「必要な措置」の具体的な内容といたしましては、資機材を調達するための資金の供与や関連情報の提供等が考えられるものと存じます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 次、これは官房長官にお答えいただきたいわけですが、三の「医療協力」。「物的・財政的のみならず、人的側面においても積極的貢献を行うとの観点から、各国に対する医療面での協力を行うため、百名を目途に医療団を緊急に派遣し得る体制を速やかに整備することとし、とりあえず先遣隊を早急に派遣する。」この「百名を目途に医療団を緊急に派遣し得る体制を速やかに整備する」、体制を速やかに整備するということは、いろいろな法的整備もあるかもしれませんね、一体これはどういう内容なのか。どういうことを構想してこういうふうに言っているのか。また、その陣容はどうするのか。果たしてそういう紛争地帯に百名規模の医療団というものを早急に派遣できるというような状況にあるのかどうか。体制整備というのはどういう中身なのかということ。それともう一つ、これは全体的に、この支援策の要請はどこからあったのかということも大変疑問なんですが、今医療団を緊急に派遣をしなければいかない事態というものがどの国から具体的に日本側に話し合いがあり、また日本側がどの国とそれを話し合ってこういう決定をなしたのかということ。三点ありますね、体制整備の中身、法的な面も含むのかどうかということ、お答えください。

河村武和外務省大臣官房審議官

○河村説明員 本件医療団につきましては、現在のところ、基本的には医師それから看護士というものによる構成を予定しておりまして、具体的な要員につきましては、民間の方々それから公務員を含めて幅広く国民各層から適当な方を選任したいということで、この選任を現在検討しているということでございます。まさにこういう形で選任というものが行われますれば、医療団というものを派遣し得る体制というものが整備されるということになろうかと考えております。  現在のところ私たちの方では、本件医療団の派遣との関係で、先生が述べられましたような法的な問題というものが生じるということはなかろうと考えております。在外公館長の指揮命令のもとに行動していただこうかというのが現在考えております政府部内での検討状況でございます。  医療団がどういう形で派遣されるべきか、すなわち各国からどういう要請があるかという点につきましては、現在、各国政府の方といろいろと話し合いをしているという状況でございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 そうしますと、何か官房長官遠慮なさっているようだが、ここで言う「医療団を緊急に派遣し得る体制を速やかに整備する」ということは、別に法的な面の不備とかあるいは整備をしなければいかないとか、そういうことを想定したものでないというふうにはっきりおっしゃれるのですか。そうならそう答えてください。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 現の、現憲法はもちろん法制の範囲内において、自主的にあの炎暑の地で、御苦労でありまするけれどもお願いをしてそして行っていただける民間人、あるいはまた公務員の方もありましょう、そういう方をひとついろいろチーム編成をしたりして準備をする、そのような体制ということでありましょう。決して法律改正をしてやるというようなものではありません。     〔委員長退席、林(大)委員長代理着席〕

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 それと、輸送の問題でお尋ねをいたしますが、過般運輸大臣が、日本航空とか全日空あるいは船舶関係業者に対して、貢献策に協力をしてもらいたい。人員を含めて飛行機の提供、船舶提供。これを借り上げる。政府が借り上げて輸送をする。日本側が日本国内の企業から借りるものも一応これではあると思う。同時に、言われているのは、さっき言ったように各国政府が借りて輸送するものに対する援助も含まれているように思われる。それはそういうことなのか。日本国内で用立てるものについてはいろいろ問題があると思う、それは法的にも。紛争地帯に送り出すわけだから、その場合の安全対策あるいは身分。万一相手国から、イラクから攻撃を受けた場合に、これは後方支援、非軍事物資だと言われてみたって……。できればそういう衝突状態にならないで平和解決をするということを私たちは国連事務総長のこれからの活動に非常に期待をいたしておりますが、非常な問題が含まれておると思うのです。この二点については政府はどういうふうにお考えになるのか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 政府のチャーターにより輸送を行う民間航空機、船舶の安全の問題に関しましては、政府といたしましては、本件輸送にかかわる乗組員の安全に一義的に配慮をして、危険空域には立ち入らないなど、ルートの選定等につき関係国とも緊密に連絡をとり合って対応を検討しているところでございまして、安全対策には万全を期する所存でございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 安全対策は万全をとると言っても、そんな言葉で言うほどこれは生易しいことではないと思いますよ。送り込む相手国はどこになるのですか。こういう物資や人員輸送を図る場合に、どこに持っていくの。もっと明確に答えてくださいよ。それが一つ。  もう一つは、例えばパンアメリカンを米国政府が借り上げて物資輸送をする、サウジにしたいという場合、これはどうなるの。日本側がその経費は負担するのですか。この中身からすると負担せざるを得なくなるでしょう

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 先生御指摘のような態様につきましては、湾岸における平和回復活動に携わる各国に対する協力の枠内で検討の対象といたしておりますけれども、ただいまのところどのような態様になるかにつきまして、まだ結論を得ておりません。  それから、どこからどこへ運ぶのかという問題につきましても、ただいまのところ明確なお答えを申し上げる段階にございません。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 全くもってこれはますます奇々怪々だね。これは今後の事態の推移と重大な関連がありますから、もう一遍確認というかお尋ねをしておきますが、要するに官房長官、日本国政府が日航なり全日空なり船会社から用立てて物資輸送するものもあるわけですね。そのいわゆる協力するそれぞれの航空会社なり船会社への補償問題とか、身分問題とか、安全性の確保というのをどうするかという問題、これが二つ。  もう一つは、湾岸地域に軍事展開をする参加国の方から、輸送をしたいから日本側に輸送の機材を提供してもらいたい、こういうことも含まれるわけですか。今の答弁ではそれもあり得る、検討対象になる。だから、アメリカは、アマコストさんは、言っているじゃないですか日本側に、きつい注文をしているじゃないですか。アメリカ側が例えばパンアメリカンを借りてアメリカ本国からサウジにいろいろ物資を輸送したい、あるいはイギリスでもいい、フランスでもいい、そういう場合も想定されるのじゃないかということを聞いているのです。それは対象外なのか、それも含まれるのか、特にアメリカの場合に。それをはっきりさせてください。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 ただいまの先生の御質問に対しましては、先ほど申し上げましたとおり、湾岸における平和回復活動に携わる各国に対する協力の対象として今後検討していくことになります。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 恐らく検討していくようになるわけでしょう。四の「資金協力」のところで「湾岸の平和と安定の回復のため、上記一—三の措置に加え、各国が行う航空機・船舶の借り上げ経費等の一部にあてるため、適切な方法により資金協力を行う。」こうなっているのです。だから、私はさっき対象国はどこかということを具体的にお尋ねしたのです、これは全部含まれるなと。ただいま私はアメリカだけ挙げたのですが、そうなると——まずそれからもう一遍はっきりさせてください。ここで言う、四で言う「各国が行う航空機・船舶の借り上げ経費等の一部に」、はっきりしている、あなたが言っている答弁、そのとおりだ。だから、アメリカがアメリカ国内で船舶なり航空機なりいろいろ借りてサウジやどこかに展開していった、輸送した、その経費も日本側が負担するようなことを決定したわけでしょう。そういうふうに理解していいですか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 先生の御指摘のとおりでございます。  ただし、各国がどこの国になるかについて特定に至っていないということと、その態様について現在のところ検討中でございまして、詳細について申し上げる段階に至っていないということを申し上げております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 これはもう大変な協力経費負担ということになります。しかし、冒頭であなたは湾岸に軍事展開している国々はどこかということについては対象には全部なると言った。ソ連もなるんですね、これからすると、あなたの答弁からすると。あなたは対象になると言ったんだから。——それは答えがあればお答えしておいてください。  そうしますと、大変疑問に思われることは、官房長官、どうしてこれは官邸が全然答え切れないのか、僕は不思議なんだね。一体安全保障会議というのは何をしているのか。  そこで、冒頭、非軍事物資に限られる。その範囲なら我々も理解を示し得る範囲だと思う。これは、国際国家として何も手をこまねいているわけにはいかないという面は、国民の一般論としてわかる。だが、アメリカがアメリカ国内でそういう輸送資材を用立てて物資輸送という場合には、これは非軍事物資とは限りませんよ。官房長官、アメリカがやる、各国がやるという場合は、明らかに兵員の派遣であり、武器の派遣であり、軍事物資ですよ。それに資金援助をすることは、皆さんが言う憲法の枠組みとか憲法の範囲というものではない。これは明らかに逸脱する、結果として。同時に、これは集団自衛権行使なんだよ。そこいらをどうお考えですか。この点ははっきりさせてください。だから、その場合に非軍事物資だとどこでそれを確定するの。アメリカからもやるというんだ、各国からできるというんだから、そのために日本側は資金を援助するというわけですからね。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 我が国が資金協力を行い、そのために費用を支出するということにつきましては、その費用の使途にかかわらず実力の行使には当たらないわけでございますから、我が国憲法第九条の解釈上認められておらないところの集団的自衛権の行使には当たらないという考えでございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 それは、あなたがそう解釈しても我々はそう理解できませんよ。アメリカが国内で輸送資材を用立てて物資を運んでいく、それに対して日本側が資金援助をする。その物資の中身は非軍事物であるのか何かわからない。確定のしょうがないでしょう。国内においてだって我々はそれは疑問を持つ。しかし、国内においてはそれはやはり憲法とかいろいろな法律の枠があるから、まだ……。アメリカを含めた第三国がそういうことをした場合にも、後方支援だといって——後方支援だって、戦争には後方支援が最も大事なときだってあるんだよ。前方で弾を撃つだけが能ではないんだよ。後方支援がなければ前方展開できるか。そんないいかげんな答弁では納得しない。これは参事官とか審議官ではなく、やはり大臣が答えなければいけません。国務大臣、どうですか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 物資の輸送についての憲法解釈に関するお話でありますけれども、今専門家、法制局にも答えさせますけれども、資金協力という概念というものはいわゆる集団的自衛権であろう、いわゆる自衛権の本質をなす実力行使の概念とは違う、そういうふうに私どもは考えております。そしてこの輸送ということについても、我が国の憲法上許されるぎりぎりの範囲内において、貢献策すべてそうでありますけれども、これは国連の安保理事会の決定によって加盟国全員に要請をされておる、これはいわゆる平和維持のための我々の協力であります。しかも、それは資金協力であるということでありますから、憲法に違反するというようなことは考えておりません。  なお詳しいことは法制局に聞いてください。

大森政輔内閣法制局第一部長

○大森説明員 憲法九条に規定しております武力の行使の意義いかんということにかかわる問題でございますので、私の方から若干の補足をさせていただきます。  ただいま官房長官からも御答弁がございましたように、憲法九条が禁止している武力の行使といいますのは実力組織による実力の行使にかかる概念であるというふうに理解されているわけでございます。したがいまして、先ほど後方支援一般というような面でのお尋ねであったろうかと思いますが、まず資金の供与というものに限定して考えますと、単に我が国が経費を支出するということはそもそも一般的には武力の行使には当たらないというふうに考えている次第でございます。  次に、物資の供与あるいは物資の輸送についてはどうかということにつきましても、先般閣議了解の上発表されました貢献策が予定しているものは、もちろん憲法九条が禁止している武力の行使ないしはそれと一体となる行為には当たらない、逆に言いますと、そういう憲法の枠内で具体的な細目が決められる予定になっているというふうに私どもは理解している次第でございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 そういった憲法解釈というかあるいは拡大解釈ではどうしても納得しかねますね。これは後ほどの議論として、当然集団自衛権行使になりますよ。しかも、駐日米大使は、日本政府が民間の航空機と船舶を提供し、兵員、軍事物資などを輸送する、実際問題としてこういうことを要請してきておるのでしょう。日本側が借り上げてやるものにさえそういった兵員や輸送というものを考えなさい、やるべきだということになりますと、アメリカが国内で用立てて輸送するというものについては、これは完全に非軍事じゃないですよ。官房長官、全くの軍事物資。それに対して日本は資金援助だけだから集団自衛権の行使に該当しないということは、絶対納得できないですね。いつまでもそういった、どんどんなし崩しにやっていくから、なかなか安全保障問題というか、あるいは防衛問題というものが、共通の土俵というのができにくい。  したがって、政府がおっしゃるように本当に憲法の枠内ということならば、少なくとも第三国が用立てるということに対する資金援助ではなくして、日本側が用立てて日本国内から非軍事物資として紛争地域に、難民の救済であるとか人命尊重の立場でやるということなら、これは国民的合意というものが得られると思うのですが、こういうように全く拡大していくということになりますと、これは冒頭指摘をしましたように、相当努力をした跡はうかがえるけれども、大きな抜け穴というか落とし穴があるような懸念を抱かざるを得ません。その点を強く指摘をしておきたいと思います。  それともう一点は、先ほども同僚委員の方からもありましたが、盛んに、今度のこのイラク侵攻に関連していろいろな法体系整備ということを言われておるわけです。先ほども官房長官、与党委員の御質問に気安くということだったかもしれませんが、早急に法律の整備をしていく、法体制を、こういうお答えでしたね。どういうことを今整備されようとしておるのですか。既に作業を指示していますとさっき官房長官が言っている。具体的にどういう法律を制定しようとするのか、あるいは改正をしようと政府はお考えなのか。  私たちは、今は、こういう国民のいろいろな声もあって、緊急事態ではあるけれどもにわかに憲法を逸脱、大きく踏み出すような法律改正とかそういうことでなくして、国連の平和外交ということに対して、日本がもっと積極的にどうやっていくかということに、より汗を流すべきだという考えなんですね。何か日本が湾岸に行って日の丸を掲げなければ気が済まないような立場では、こういう問題は今後の緊急事態の処理ということについてうまくいかないのじゃないでしょうか。具体的にどういうことをお考えなんですか、さっきの答弁と関連して。     〔林(大)委員長代理退席、委員長着席〕

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 おとといの海部総理の記者会見における発表におきましても、その具体的なまだ細部のことは申し上げておりませんが、国連の平和維持活動に対しては日本は憲法の範囲内でできるだけの協力をしていかなければならない、それは当然のことでありまするが、それに当たって具体的にいろいろと細かいことまで今入っておるというわけではありませんので、勉強をし、準備をしておるという段階でありまして、具体論につきましてはこれからであります。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 では私の方から具体的にお尋ねしますが、例えば国際緊急援助隊派遣法の改正を一時かなり政府は検討しようとした向きがありましたね、そういうことを考えておられないですね。あるいは自衛隊法を改正して、自衛隊派遣、派兵を考えているとかそういうことを意味していないわけですね。国連平和維持協力法ですか、そういうのは具体的に考えていらっしゃるのですか。今法律の名前を三つ挙げましたが、どうもそのあたりは、やるならやるで、いいとは言いませんが、政府が秘密的に検討をして、にわかに国会に出してこれでやるということにはいかないと思いますよ。少なくとも国の安全に関する重要な問題については皆さんはもっと野党の意向も聞くべきですよ、今度のこの決定に当たっても。しかも、十億ドルも簡単に出すんだから。それだけではおさまらないわけでしょう。具体的にどういうことをお考えですか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 具体的なことにつきましては、明確な方針、この具体策を入れるとかあの具体策を入れるとかということは、まだそこまで入ってはおらぬ。先ほど申し上げたとおりでありますが、今委員が例示されたような件、例えば国際緊急援助隊の派遣に関する法律の改正はどうか。これは私どもは改正は考えてはおりません。  それから、自衛隊法の改正でありますけれども、これはもう国民世論の動向とか国会の論議を踏まえて検討をさるべき問題だと思っております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 防衛庁はどうなんですか。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 先ほどの質問にもございましたが、現時点において今回の貢献策の中にはそういったような法の改正までしてやるということはないわけでありますが、では将来に向かってはということになれば、今も官房長官お話しになりましたように、やはりそういう問題はこれから国会の中でも大いに議論をさるべきことでありまして、そういう中で、今後一体日本はさらに貢献できるものがあるかどうか、その法との、憲法との関係においてどういうふうなものができるか、改正なくてできるものかというようなこともいろいろと今後はやはり大いに検討しなければいけないことではないか、かように私は思います。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 ここは重要なことなんで重ねて聞いておきたいわけですが、もちろんそれは未来はだれもわかりません。一寸先はやみだ。しかし、私がお尋ねしているのは、石川長官、今度のイラク紛争に関連づけて、関係づけてというか、防衛庁は、さっきの統幕議長の発言もありますね。それはあなたは何も問題じゃないようなことをおっしゃるけれども、それは政治的に見るとかなり重要問題です、きょうは触れませんけれども。そうさらりと済まされる問題ではない、シビリアンコントロールの面から。  今度のことと関連して、将来と言うけれども、自衛隊法なり防衛庁設置法なり、そういう面の改正を考えておるのかいないのか、はっきりしておいてください。ほかのこともいろいろあるでしょう、それは防衛庁全体のことは。その点ははっきりさせておいてください。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 このペルシャ湾の問題ですから、今後の問題ということでございますけれども、やはりいわゆる自衛隊を出動させるかどうか、派遣するかどうかということは、これは憲法の非常に大きな問題だと私は思うのです。ですから、そういう中で、中には憲法を改正しなくてもできるという意見の方もあります。学者の中にもあります。しかし、そういうことを私どもはこれから十二分に検討して、本当に憲法を改正しなくてできるものかどうか、今私は直ちにはそれはわかりませんけれども、もし改正せずにそういうことができるということであるならば、一つの貢献策として今後はやはり考えていくべきものではなかろうか、私はかように思うわけであります。しかし、その際、憲法は絶体変えないでいくのがいいのか変えていくのかということも、やはりこれも一つの大きな政治の課題ではないか、私はこういうふうに思うのです。  さらに補足説明申し上げますが、本来ならば、今までのように、憲法を堅持して、そしていかなる国際紛争があってもそういうものに巻き込まれないでいくのが一番いいと私は思うのです。しかし、日本の現状、日本がこれだけの経済的な大国、そしてまた国際的な政治の中においてこれだけの発言力を持つ今日の日本になって、果たしてそれがそのままでいけるものかどうか、スイスと同じようにいけるものかどうか、それはやはり大いに全体的な立場で研究し、そしてまた、議論もしなければならない問題であろう、こういうふうに思います。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 防衛庁長官としては非常に問題な御見解だということをしっかりと受けとめておきたいと思いますね。憲法を改正しないで自衛隊派兵、派遣ができるということは暴論ですよ、私は専門ではありませんが。憲法九条の精神、理念あるいは前文、ややもするとそういった紛争を事前に抑止をしていくといった平和的努力、外交をどうしていくかということにしっかり重点を置かずに、相手が攻めてきたからけしからぬということでどんどん自衛隊法も憲法も形骸化させていくということは、我々日本のとるべき指針ではないということをはっきり申し上げて、今の防衛庁長官の御発言は大変遺憾だということを強く申し上げておきたいと思います。  もう時間ですが、あと一点だけ簡単に。  今回のイラク紛争で在日米軍、在沖米軍がどういう展開をしたのか。これについて、特に指摘するまでもなく、沖縄の嘉手納基地あるいは普天間、海兵隊等々、緊急にこの湾岸地域への出動を展開している。まず横須賀の第七艦隊の旗艦ブルーリッジも中東に配備されたということはアメリカ側も認めていますね。日本側にどういう事前のあれがあったのか、日本側はこういう中東湾岸地域まで在日米軍が堂々と使用されているということについてどうお考えなのか、これも今後の議論の課題としてぜひお答えをしておいていただきたいと思います。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 誤解があるといけません。現在、法を改正すべきだという考えを私は持っているわけではございません。将来の問題として、そういうものを現在のままでいけるかどうかということを大いに政治的に議論すべきだ、こういう見解を申し上げたわけです。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦説明員 先生の御質問の在日米軍と中東とのかかわり合いでございますけれども、いろいろ報道があることは私ども承知をしておりまして、例えばインディペンデンスが中東に今派遣されているということも報道等では承知しておりますが、具体的な点では、まさに先生が御指摘のように、米国の第七艦隊に所属します旗艦ブルーリッジが中東に派遣されているということは米軍が発表した事実から私どもも承知しております。ただ、先生御指摘の海兵隊云々を含めまして、具体的にいかなる米軍艦船あるいは在日米軍の部隊が今までに中東に派遣されているか、あるいは今後派遣されるかということにつきましては、これは米軍の運用の問題でございまして、私どもとしては承知する立場にはございません。これは、一般論で申し上げますと、このような米軍の運用上の都合により米軍艦船あるいは部隊を我が国からほかの地域に移動させるということは、安保条約上何ら問題のないところでございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 もう終えますが、あなた、実際展開しているのです。嘉手納の弾薬庫なんて空っぽになっている、みんな運ばれて。そういう実態を地域の住民は知っているんだよ。だから官房長官、日本側が輸送の提供とかそういう場合には、非軍事物資というけれども、もっとエスカレートしていった場合には、そういった軍需品を輸送させられる可能性は大いにありますよ。そのことがあるから、こういった在日米軍の展開の問題についても私たちは絶えず注視を持たなければいかぬということを指摘をして終わります。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 続いて、竹内勝彦君の質問に移ります。竹内君。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 イラク問題に関して質問させていただきます。  まず官房長官、率直にお伺いしておきますが、このたび貢献策として出された、そういう対応から、イラクにおる人質というものに関してはいろいろと敏感にその反応があるわけなんですよ。そういう意味からも、私はもちろん、この国際化の中での日本の貢献、こういうもので重要な問題であるということは十分理解できるわけでございますが、とにかく人質の救出を最優先すべきである、これはもう当然のことでありますが、とにかくその問題の官房長官の御見解をまず最初にお伺いしておきます。

内藤昌平外務大臣官房外務参事官

○内藤説明員 現在イラクで拘束されておられる邦人の方々及び出国を認めてもらえない邦人の方々につきましては、私どもイラク政府に対して、これは国際法上認められるべきである、人道上も拘束は不当であるということを強く申し入れております。また、国際問題として、国連事務総長に対して、特にイラク側に対し働きかけるように中山外務大臣から直接依頼いたしました。さらに、国際赤十字を通じても働きかけを求めております。  このように、あらゆるチャネルを通じて働きかけを行っていく方針でおります。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 今のイラク、クウェートにいるいわゆる在留邦人、正確な数を教えてください。

内藤昌平外務大臣官房外務参事官

○内藤説明員 イラクには、クウェートから移動した邦人の方が二百十三名、さらにイラクに元来在留しておられた方が百六十八名、さらに大使館員が家族を含めて四十五名おります。それに、現在クウェートには三十一名の邦人が残留しておられます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 婦人、子供が出国できるようになった。そういう中で、その具体的な手順はどんなふうになっておりますか。現在までわかっているものを、現時点でのものを教えてください。

内藤昌平外務大臣官房外務参事官

○内藤説明員 イラクの革命評議会声明という形で、婦女子についてはその希望に従って出国ないし残留が自由であるという表明は行われております。しかし、現時点ではまだ拘束が解かれておりません。この手順につきましては、私どもかねてからイラク政府に対し強く申し入れているわけでございますが、いまだ明確な形になっておりません。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 何が問題なんですか。向こうは何を要求しているのですか。その点をもうちょっと明確にしてください。

内藤昌平外務大臣官房外務参事官

○内藤説明員 イラク側としては、出国の手続をとる必要があると申しておりますが、出国の手続について現地では出国ビザという制度がございますが、今まで拘束されていた方々についてこの制度が当てはまるのかどうかについてイラク側は明確な答えを出しておりません。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 先ほども論議がありたわけですが、百人ぐらいの医療チームという中で、防衛医官に関してはどういうふうに考えておりますか。

河村武和外務省大臣官房審議官

○河村説明員 防衛庁の医官等を派遣するのかどうかということについてでございますけれども、政府としてはこの点について考えておりません。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 それは何が問題であるから考えていないのか。もちろん私は現憲法遵守、こういう立場からこれは当然のことであろうと思いますが、その現憲法の上から防衛医官というものは念頭にない、こういうことでございますか。確認しておきます。

河村武和外務省大臣官房審議官

○河村説明員 法律的な点につきましては私たちの方からお答えするのが適当でないと思いますが、政策として、先ほど申しましたとおり医官等を派遣するということは考えていないということでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 法制局長官にお伺いしておきたいのですが、この点は、現憲法から考えて防衛医官はこの医療チームの中に入れるべきではない、こういうように法律上解釈するものなのか、あるいはもっとほかのものがあるのか、その点を御答弁いただきたいと思います。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤説明員 今回のケースにつきまして申し上げる前に、いわゆる海外派兵、海外派遣という問題につきまして御説明申し上げますが、いわゆる海外派兵、これは従来からこの衆議院の内閣委員会を初め種々の席で申し上げているところでございまして、いわゆる海外派兵というのは、一般的に申し上げれば武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空、ここに派遣することである、かように説明されていると存じます。このようないわゆる海外派兵につきましては、一般に自衛のための必要最小限度を超えるもの、こういうことで憲法上許されないと考えております。  一方、武力の行使の目的を持たないで部隊を他国へ派遣する、これを海外派遣などと呼んでおりますけれども、これは憲法上は許されないわけではないというふうに従来お答え申し上げているところでございます。  ただ、法律上、例えば自衛隊法上、自衛隊の任務、権限としてかようなことは規定されておりませんので、その部隊を他国へ、今のような武力の行使の目的を持たないでいわゆる部隊を他国へ派遣する、こういうことにつきましては法律上できない、かように考えているところでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 そこで法制局長官にお伺いしておきますが、今回の政府の貢献策、これは多国籍軍への支援があるわけでございますが、そういう中で今回輸送、物資、医療資金、この四つの分野でいわゆる多国籍軍への協力、これを十億ドルと決定したわけでございますが、こういうことはもう既に今までからも論議があったとおり後方支援というものに当たるというように判断されるわけでございます。そうなってくると、この支援そのものと憲法第九条で禁止されておる集団的自衛権の関係、それの整合性、そういったものをどう考えておりますか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤説明員 ただいまお尋ねの件につきまして、いわゆる今回の平和回復活動に係る貢献策、こういうことの中で、まず第一の財政的支援の問題でございます。財政的支援につきましては、一方で集団的自衛権といったようなこととの関連が問題になるわけでございますが、集団的自衛権を含めまして、およそ自衛権というものは国家の実力行使、これに係る概念と考えております。我が国が単に費用を支出するということはそういう実力の行使には当たらない。その意味で、我が国の憲法九条の解釈上、従来認められないと言ってきております集団的自衛権の行使には当たらない、かように考えております。また、従来そのようなことを、例えば五十六年五月の質問主意書におきまして、あるいはその少し前の衆議院内閣委員会におきます答弁、かようなところで申し上げてきているところでございます。整合性がないということではないと存じます。  また、医療チーム等の問題につきましても、その細目については現在検討中と聞いておりますが、今回の貢献策の中のその枠組みであれば、医療チームの派遣等は実力の行使あるいはそれと一体をなすような行為には当たらないということで、我が国の憲法上認められない集団的自衛権、こういうものの行使には当たらない、かように考えております。また従来、この点につきましても参議院の予算委員会等におきまして、私の前々任、もう一代前でございましょうか、法制局長官としてお答え申し上げているところと整合性はとれているもの、かように考えております。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 そこで、官房長官にお伺いしておきますが、法改正あるいは新たな法律という、仮称でございますが、国連平和協力法といった考えがあるやに伺っております。先ほど具体的なことは官房長官も避けておりましたが、特にこの防衛医官に関して、今後もしもこういう医療チームの派遣などを考える場合に、こういう防衛医官というものを今後加えていくといった考え方がその法改正の中には念頭にあるのかどうか、具体論でございますが、お答えください。

河村武和外務省大臣官房審議官

○河村説明員 先ほどから官房長官の方から答弁いたしておりますとおり、総理も、憲法の枠組みのもとで現行法令の見直し、新法の制定につき検討する必要があるということを二十九日に申されたわけでございますけれども、その精神の中でどのような法的な手当てが必要であるということにつきましては、事務的に政府内部で検討を開始したという段階でございまして、まだ具体的な内容についてお答えできる段階にはないということでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 先ほどから私はそんなことを答弁を求めていませんよ、官房長官。官房長官はすぐほかに答弁させるようにしていますが、官房長官の現時点での念頭の中に——具体論を今私は言っているのですから、人命にかかわる重要なことを今論議しているのですから、もうちょっと責任を持って答弁してください。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 この席でも前の御質問の方にもお答えをしましたように、国連の平和維持回復のために協力をする、そういう大きな精神で私どもは今後いろいろと考えていかなければならないということは申し上げたとおりであります。ただし、そのときには憲法の枠組みのもとで考え得る、それ以外の具体的なことは政府としてはまだ具体的に作業を進めておる段階ではない。  しかし、この問題は、国民世論の中からどんな御意見がどんどんと出てくるかもしれません。その国民世論をよく考えるということは政府としても当然のことであり、さらに与野党を通じてあるいはいよいよ国会の中において議論が行われてまいりますれば、その議論にも耳を傾けてやっていきたい、こういうふうに思っておりまして、今あなたが言われたようなことが国民世論の中からほうはいとして起こってくる、そして国会の中でもいろいろとそういう意見が出てくるというようなことになりますれば、政府としてもこれに耳を傾けて、これを慎重に吟味いたしまして、検討すべきかどうかしっかり考えていかなければならぬ、こう思っています。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 支援総額は十億ドル、昨日こう決めたわけでございますが、この積算根拠、支出項目、また米国分は幾らでございますか、あわせて御答弁ください。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 湾岸地域における平和と安定の回復のための国際的努力に対しまして我が国として積極的に貢献していく必要があるということから十億ドルの協力を決定したものでございますが、この具体的供与形態、国別の割り当て、積み上げ等につきましては、現在国内及び関係国と協議している段階でございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 私は関係国全部と言っていません。米国分はどれぐらいのことを念頭に置いたのか、それを答弁してください。そんなもの何もないで十億ドルと決まるわけがないじゃないですか。いいかげんな答弁しないでくださいよ。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 対米国分も含めまして各国に対する割り当ては幾らぐらいになるかということを含めましてただいま検討段階でございますので、現在のところ申し上げる状況にないわけでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 では、なぜ十億ドルと決まったのですか。そんなばかなことないじゃないですか。ちょっと答弁してください。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 どういうふうに積み上げて、どこの国にどれだけやってという計算の上でこの十億ドルという結論を出したのだろう、その中身を言えというようなお話でありますけれども、これはそういう各国に対してどれだけずつ応援しなければならぬとか、湾岸諸国にどうだとか、いろいろ考えて積み上げたというようなものではなしに、基本的には我が国としては、国連の平和回復、維持、これには憲法の許す範囲内ででき得る限りの貢献をいたしたい、そのいわゆる観点から、そうはいっても我が国の財政状況その他国民感情、すべて考えねばなりませんけれども、そういう次元に立って我が国としてできる限りの協力ということは何であるか、そういう観点から、まずできるだけと言えば国民も理解していただけるんじゃないかというのならば、できるだけという緊急性とそれから我が国の熱意というもので十億ドルというふうに出したものでありまして、例えば国内で普通の予算編成するときに、積み上げてそして査定してそして決めていく、時間もかけて決めていくというような性格のものではございません。我が国の熱意、それをあらわしたものである。我が国の分に応じた憲法の枠内でできる限りという考えでこの金額を出したというふうに御理解を願いたいと思っております。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 官房長官、そうするとこれはかなり流動的なもので、今後第二段、第三段、そういうようなものが考えられる、こう見ていいのでしょうか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 ぎりぎりのところ考えた金額であります。今その金額を表明した直後に、いやまた後足すつもりはあるかとお聞きになられても、それは今十億ドル出したのですけれどもすぐその後にまた考えますなどというようなことは、これはぎりぎりでありますから、十億ドルということで私ども協力していきたい。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 そこで、医療や輸送とはいっても戦場の周辺に近づけば、これは軍事活動に巻き込まれやすいわけですね。万一日本人要員が攻撃を受けた場合、どうやって身を守るのですか。

河村武和外務省大臣官房審議官

○河村説明員 私、とりあえず医療協力に限ってお答えさせていただきたいと存じますけれども、当然のことながら、行っていただくということになる場合の医療チームの安全というものには万全を期するというのが第一点、すなわち基本的な考え方でございます。この基本的な考え方に従ってどういうところで働いていただくかということをこれから考えていくということでございますので、先生の申されました危惧の点についても十分配慮していくということになろうかと思います。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 では、時間ですので終わります。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 続いて、玉城栄一君の質問に入ります。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 人事院勧告、ちょっとその前に一つ看過し得ない重要な問題が先ほどの質疑の中にありましたので、官房長官にお伺いをいたしたいのですが、先ほど石川防衛庁長官、自衛隊の海外派遣の問題で自衛隊法の改正、そして現在の憲法改正まで今後の問題として重要な政治的な課題となるというようなお話がありました。この憲法改正という問題は、最近自民党内部で非常に声高に叫ばれ始めているようなんです。  それで、これまでこの問題についてお伺いしますと、歴代の総理は、私の内閣では憲法改正をする考えはありませんというような答弁が返ってくる。この間の海部総理の記者会見のときに、記者団の憲法改正についてどう考えるかという質問に対して答弁がなかった。それで、これは重要な問題でありますので、きちんと確認しておきたいのですが、官房長官、海部内閣はこの憲法改正についてどのように考えられるのか、お伺いいたします。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 私は総理の会見に同席をしておりましたが、総理は、国連の平和維持、回復のために協力をするといったような法律というものが必要だと思うという発言をされました。そのときに、憲法の枠内においてと、憲法改正しないという趣旨で、その中で新しい法律を考えたらどうかというふうに表明をされました。私もそう思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 海部内閣は憲法は改正をしない。これはまた三分の二以上のなにが必要でありますので……。じゃ、それはそのとおりしっかりお願いをいたします。  次は人事院総裁にお伺いをしたいのでありますけれども、完全週休二日制の問題なんですね。ゆとりある社会の実現や経済社会の国際化などに対応するため、労働時間の短縮は今や最も重要な国民的課題の一つとなっており、民間企業を含め国全体の時短推進のテンポを加速するためにも、公務における完全週休二日制の早急な実現が各方面から期待されている。公務における完全週休二日制を早期に実施すべきだと思いますけれども、総裁の御意見をお伺いしたいと思います。

弥富啓之助人事院総裁

○弥富説明員 お答えを申し上げます。  先生ただいま言われましたとおりに、完全週休二日制の問題、これは公務に限りませんで、完全週休二日制の問題あるいは時間短縮の問題は、大げさに申し上げますと国民的な課題となっていると言う人もございます。完全週休二日制への社会全体の機運を高めるのに資するために、各方面からは公務の先導的役割を期待するという意見のあることも、これは我々としても承知をいたしております。  公務における完全週休二日制につきましては、社会一般の情勢適応、それを基本に、国民生活への影響や国民の皆様の理解等をも配慮しながら、国全体の労働時間短縮の計画期間内でございます平成四年度までの速やかな実現を目標に条件整備に取り組んでいるところでございます。  人事院といたしましては、引き続き民間における週休二日制あるいは時短の進捗状況や土曜閉庁の定着状況なども十分に見きわめるとともに、週四十時間勤務制の試行をただいまやっておりますが、その実施状況をも踏まえながら計画期間内における完全週休二日制を速やかに実現するように全力を尽くしてまいりたいと存じております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 官房長官、沖縄県の六月二十三日、慰霊の日ということで、御存じのとおりであります。これは従来、休日ということで、県民挙げてこの慰霊の日はその意義をかみしめながらその趣旨に沿ったことがなされておったわけですが、六十三年の暮れに自治省が、地方自治法の一部改正によって、これこれこれしか休日はできないということから、六月二十三日の慰霊の日の休日は相ならぬということになりまして、これは大変だということで、六月二十三日に海部総理が沖縄に行かれまして沖縄全戦没者追悼式に出席をされて、その後の記者会見で、慰霊の日の持つ特別な意義は認識している、今後は県の意見も十分聞きながら検討していきたい、こういうことで休日存続について前向きの記者会見もしておられるのです。その後、奥田自治大臣もまた先月ですか沖縄県に行かれまして、わざわざ記者会見をして、これは来るべき九月、九月とおっしゃっているのですが、臨時国会で法改正をする措置をとるために検討したいというようなことを発言しているわけです。それで、六月二十三日は県民の要望どおり慰霊の日は休日となる。これは県職員ですね、自治法の改正で、そのように受けとめているわけです。しかし、これは国会での作業が、ちゃんと制度化しなくてはいかぬわけですから、残っているわけです。  総理もそういう考え方を示され、奥田自治大臣もまた現地でそういうことを発言されているわけですが、これは具体的に国会で制定する作業が残っているわけですから、自治大臣は来るべき臨時国会ということをおっしゃっておりますので、官房長官としてはどのように考えていらっしゃるのかお伺いいたします。     〔委員長退席、鈴木(宗)委員長代理着席〕

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 沖縄の慰霊の日については、総理も自治大臣も私も特別な意義があると深く認識をいたしております。それから、自治大臣も申し上げておるとおり、法改正等を含めて前向きに検討するということであります。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 法改正を含めて前向きに検討するということを官房長官おっしゃいましたけれども、その法改正というのは具体的に次の国会でなされるわけですね。そういうことですね、そうおっしゃっていますから。法改正となりますと、いわゆる自治法を改正されるのですか。そうしますと内閣として改正の案を国会に出さぬといけませんね。そういうお考えでいらっしゃるわけですね。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 今突然聞かれましたから、時期だとかどういう内容の文言だとか手続とか、内容の詳しいことは私は今存じませんけれども、しかし総理も沖縄へ行って言われたあの気持ちがありますし、さらに自治大臣が国会で答弁をしておられまするし、私といたしましても、法改正をやって実現のできるように準備をしていきたいという気持ちは自治大臣と変わりはありません。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 自治大臣と考えは同じである、法改正ということですから、自治省はどういう準備をしていらっしゃるのかお伺いいたします。

石橋孝雄自治省行政局公務員部公務員課能率安全推進室長

○石橋説明員 自治大臣の発言それから沖縄県からの御要望もございます。そういうものを踏まえまして、どういう形で、どういう手順でいくということにつきましても含めましてただいま検討をしているところでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 どういう形にするかということなんですね。だから、次の国会で法改正は必要である。法改正するには、官房長官、今地方自治法の一部改正は国会で継続審議中なんですね。だから、これは次の国会でこの法案の審議が地方行政委員会でなされるわけですが、その際に、今言う六月二十三日については、沖縄県の慰霊の日については休日とするということを内閣の方で国会に提案されるのか、それとも委員会で各党合意の上にそういう自治法改正を盛り込むのか、織り込むのか。あるいは、例えば四条の二、六十三年暮れに地方自治法の改正が行われて、これこれこれだけしか休日はできませんよと決められて以降六月二十三日は休日ができなくなったわけですから、それを生かすために地方自治体が条例で定める休日も含まれるというふうにするのか。だから、改正してその趣旨を生かすという方法ですね、どういうふうにしてそれを制度化といいますか法改正といいますか、それをしていくのか、それをちょっと御説明お願いします。

石橋孝雄自治省行政局公務員部公務員課能率安全推進室長

○石橋説明員 ただいま先生の方からいろいろ御指摘がございましたが、今御指摘をいただいたいろいろな点を含めまして、先ほど申しましたように検討をしておる最中でございます。ひとつ御理解をいただきたいと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 大いに検討していただきたいのです。  では、官房長官、これは沖縄県の県の職員の休日なんですが、自治大臣が行かれたときには要望がありまして、市町村の職員についても県の職員同様に六月二十三日は休日にしてもらいたい、そのとおりだということを自治大臣はおっしゃっているのですよ。長官、どうでしょうか。

石橋孝雄自治省行政局公務員部公務員課能率安全推進室長

○石橋説明員 市町村は地方自治体の中でまた別の団体でございますので、現在、市町村の方は、沖縄県におきましては県と歩調を合わせまして慰霊の日の休日をやっておりますので、県の方ができるという形になりますと、市町村それぞれまた個別に対応するということになろうかと思われます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 いや、それはそうですが、考え方としてどうするかということですよ。だからこれは自治省でしょうね。

石橋孝雄自治省行政局公務員部公務員課能率安全推進室長

○石橋説明員 県がそういうことで条例をつくるということであれば、市町村もそれに準じてやるかどうかは恐らくそれぞれの市町村が判断することでございますので、全部がやるというあれはありませんけれども、いずれにしてもそういう状況になるのではないかなということは言えると思うのです。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 それも官房長官、県市町村は六月二十三日慰霊の日は休日。今度は県民、これはオール県民もこの慰霊の日はやはり休日として、二十数万の霊を慰める、恒久平和、いろいろな地上戦が行われたその意義をかみしめるべきであるという要望が非常に強いですね。県民の休日にすべきである、これはどうなのでしょうか、長官。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 官房長官は自治大臣と細部にまでまだ相談も交わしてはおりませんが、あなたの気持ちはよく自治大臣にお伝えをしておきます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 これは沖縄県が独自に地方自治体として条例で定めた場合に、これは自治省になるのでしょうか、定めた場合に自治省はオーケーになるわけですね。オーケーというか、当然自治体が独自で決めたのだから、それは何とも言いようがないでしょうね。どうですか、自治省。

石橋孝雄自治省行政局公務員部公務員課能率安全推進室長

○石橋説明員 自治法が改正をされまして、そういうローカルホリデーについて定めてもということであれば、今先生御指摘のような形で条例ができれば特に問題はないのですが、現在では、先ほどからも議論がありますように、限定的に規定がされておりますので、それは非常に困る条例ということになるわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 限定的に、地方自治法の四条の二で改正してしまったものですから、だから皆さんどういう表現で、六月二十三日、慰霊の日は休日とするという文言を、表現を入れるのかどうか、その辺がまだはっきりしないのです。  それで、広島市の原爆の日、八月六日もやはり同じような形でやるべきである、また自治省もそういう考え方であるというようなことも承っておりますけれども、長官、いかがでしょうか。

石橋孝雄自治省行政局公務員部公務員課能率安全推進室長

○石橋説明員 広島市からも同じような要望が出てきておりますので、同じように考えていかなければいけないというふうに思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 しつこいようですが、私これはぜひちゃんと詰めておきたいのです。長官さっきもおっしゃいましたけれども、いわゆる次の国会においてこの問題はきちっとされるように私は承っております。そして、ちゃんと自治省は次の臨時国会にそういう手続をするわけですね、自治大臣はそうおっしゃっていますので、それだけ確認しておきます。

石橋孝雄自治省行政局公務員部公務員課能率安全推進室長

○石橋説明員 先ほど先生のお話がありましたように、いろいろな改正の手順がございます。それも含めまして、いずれにしても次の国会でどうやるかということでございますので、その辺を今検討しているところでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 それではこの問題は検討で、これ以上出てこないと思いますので……。  先ほどの人事院勧告で、今回夏季休暇を三日間新設するということになっております。三日間夏休みを公務員の方々にお上げするわけで、これは初めてですけれども、この理由をちょっと御説明いただきたいのです。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城説明員 人事院の調査によりますと、民間企業における平成元年の夏季休暇の普及率が八一・六%となっております。盆等の諸行事や夏季の休養等のための休暇が社会一般の慣行として定着してきているということがうかがえるわけでございます。公務におきましてもこのような民間の状況を考慮するとともに、夏季における家庭生活の充実と心身のリフレッシュを図るという観点から、夏季休暇を導入することといたしたものでございます。  夏季休暇の内容につきましては、盆等の諸行事及び夏季における健康増進、休養等に利用するための特別休暇とすることを考えておりまして、付与日数については民間における夏季休暇の付与日数、官民における年間の年次休暇日数等を総合勘案して三日とすることといたしております。  以上でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 終わります。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員長代理 次に、三浦久君。

三浦久日本共産党

○三浦委員 まず官房長官にお尋ねをいたします。  中東問題についてお尋ねをいたしますが、御承知のとおり中東情勢は極めて緊迫した状況にあり、まさに一触即発の状態であります。イラクのクウェート侵略は国際法を真っ向からじゅうりんした極めて野蛮な行動であります。日本人を含む外国人を人質にとり、その上毒ガスの使用まで口にするなど、その無法ぶりはまことに目に余るものがあるというふうに私は思います。  このような事態は一刻も早く解決をして国際平和を回復しなければならないことは言うまでもありませんし、日本もそのために積極的な貢献をしなければならないのは当然なことであります。しかし、注意しなければならないことは、この事態を利用して自衛隊の海外派遣の動きが出ているということであります。  例えば八月二十七日、小沢幹事長は、現行法でも自衛隊の海外派兵はできる、こういうように発言をしたと報道されています。また同日、金丸元副総理は、中東の事態の打開策に関連いたしまして、護憲、護憲と言っている間に対応ができなくなるなどと述べて、憲法改正をも考慮に入れた検討を提唱したりしています。また、きょうの石川防衛庁長官の御答弁を聞いておりましても明らかなように、政府・自民党の中で自衛隊の海外派兵を正当化する議論が急浮上しているというのが今の状態ではないかと思います。私は、このような憲法の平和的な原則というものをじゅうりんする対応というものは絶対に許してはならないというふうに思っておりますけれども、長官の御意見をお伺いいたしたいと思います。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 今度、国連に協力をするために中東貢献策をつくりましたが、その作成に当たりましても、まず第一に憲法の枠内において考える、それから我が国の今までの法令の範囲内において考えるという枠組みはしっかり守っておると私は信じております。今あなたがおっしゃったような御心配はない。ただ、世論の中からいろいろな意見が出てくることは、これはまた当然のことでありますし、政治家としても、その人の責任において発言をされるということもこれまた自由かもしれません。しかし、政府としては、憲法の範囲を逸脱するものではないということははっきり申し上げておきます。

三浦久日本共産党

○三浦委員 この事態を解決をするために日本は一体何をなすべきか、私は、これを憲法の平和原則に立って冷静に考えることが今求められていると思っております。  日本国憲法第九条は、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」というふうにはっきり規定されております。政府は一昨日、中東問題に対する対応策を発表いたしたわけでありますが、この対策はこの憲法の平和原則に照らして、私は重大な問題点を含んでいると思っております。  例えば、「湾岸における平和回復活動に対する協力」という項目がありますけれども、その内容の四点すべてが集団的自衛権の行使に当たる疑いが極めて濃厚だということであります。例えば航空機、船舶をチャーターして提供する問題にしても、武器等は運搬しない、こういうふうに言っておりますけれども、しかし、戦地で作戦に参加している部隊に食糧とか水とかそういうものを輸送するということ、いわゆる補給するということですね、これは、まさに軍事物資の輸送、補給にほかならないと私は思うわけであります。  きょうの法制局長官の答弁を聞いておりましても、実力組織による実力行使以外の方法で同盟国の戦闘行動を支援するということは集団的自衛力の行使に当たらないんだ、こういう御答弁がございました。しかし、政府は、かつてどういう答弁をしていたか。政府は国会で、「米軍と一体をなすような行動をして補給業務をすることは、これは憲法上違法ではないかと思います。」はっきり答弁をされているのであります。そしてそれは自衛隊だけではなくて、政府主導で行われる民間による補給の場合も同じことだとも答弁をしています。これは、具体的に申し上げますと林法制局長官の答弁であります。最初の答弁が昭和三十四年三月十九日、参議院の予算委員会ですね。それで、民間人の場合でも政府主導でやればやはり同じことなんだということは、昭和三十六年二月二十四日のこれも予算委員会の議事録であります。ですから、はっきり、米軍と一体をなすそういう補給業務をやることは憲法に違反するんだ、いわゆる実力行使じゃなくても米軍の実力行使と一体をなすような補給業務というものをやる、それは自衛隊がやろうとまた民間がやろうと憲法違反なんですよということを二度にわたって言われているわけですよ。  こういう政府の見解から見たら、私が今述べたチャーター機を米軍に提供して、米軍またはその他の多国籍軍隊、恐らく多国籍軍隊の中心はこれは言うまでもなくアメリカでありますから、その米軍に提供する、こういう行動は、やはり集団的自衛権の行使に該当するのではないかというふうに私は思わざるを得ないのですが、長官はどういうふうにお考えでございましょうか。

大森政輔内閣法制局第一部長

○大森説明員 ただいま委員御指摘の答弁がかつて元法制局長官、林元長官からなされていることは御指摘のとおりでございます。それを正確に申し上げますと、「極東の平和と安全のために出動する米軍と一体をなすような行動をして補給業務をすることは、これは憲法上違法ではないかと思います。」という言葉で述べられているわけでございます。  ところで、今回内閣において発表されました貢献策というものは、私どもの理解によりますと、このような米軍と一体となるような行動ではないということに尽きようかと思う次第でございます。  なお、若干一般的な補足をさせていただきますと、補給業務一般というものにつきまして、そもそも武力の行使に当たらないというものでは必ずしもございませんが、今回の貢献策というものは、武力の行使ないしはそれと一体をなすような行動には当たらないという判断であるということでございます。

三浦久日本共産党

○三浦委員 官房長官、このチャーターされた飛行機とか船舶、これは一体だれの指揮下に入るのですか。今、米軍と一体となっているかどうかがキーポイントだと言われましたね。そうすると、このチャーター機とかチャーター船舶というのはだれの指揮下に入るのですか。どうですか。いやいや、長官どうなんですか、これは長官が発表されたことですから。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 この輸送協力につきましては、日本政府が民間航空機、民間船舶をチャーターするわけでございますから、日本政府の管理に入るものでございます。

三浦久日本共産党

○三浦委員 そんなことあり得ないでしょう、あなた。日本が戦争しておるわけじゃないのですよ。そうでしょう。そうすると、軍需物資をいつ、どこから、どこに、どのくらい、何を運ぶかというようなことを日本政府が決めるのですか。そんなことは決めることできないでしょう、あなた。そんなことは軍事的な常識じゃありませんか。それでは、運んだ先がサウジアラビアだった。サウジのどこにおろすのか、今度は着いてからどういうふうに運ぶのかとか、そういう問題について一々日本政府が関与することができますか。戦争が始まっておる真っ最中ですよ。そんなこと一々協議してやって、いや、それは危険な地域だから行きませんとか、そんなことが許されるような現状にないということはもう常識じゃありませんか、あなた。結局アメリカの指揮のもとに行われるというのはこれはもう当然過ぎるほど当然なことなんです。その点はお認めになりませんか。どうですか。それとも日本政府が指揮して動かすのですか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 この貢献策の一の「湾岸における平和回復活動に対する協力」のうち、一番の「輸送協力」について先ほど御説明申し上げ、これは日本の政府が借り上げるものであるということを申し上げたわけでございます。先生の御発言は、その点ではなく、「資金協力」で「各国が行う航空機・船舶の借り上げ経費等の一部にあてるため、適切な方法により資金協力を行う。」という点に言及されておるのかと思われますけれども……(三浦委員「いやいや、そんなことないよ。一の一の「輸送協力」について私は言っておるのですよ。「資金協力」なんか全然私は言っていませんよ」と呼ぶ)

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員長代理 三浦委員に言いますが、許可を待ってから発言してください。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 もし一の「輸送協力」についての御発言であるということで間違いございませんでしたら、先刻御説明申し上げたように、日本政府が民間航空機・船舶を借り上げるわけでございますから、日本政府の管理下に入るということでございます。     〔鈴木(宗)委員長代理退席、委員長着席〕

三浦久日本共産党

○三浦委員 ですから、そんなものは答弁になっていない。いつ、どこから、何をどのくらい運ぶかというようなことをどうやって日本政府が指揮できるのですか。結局は運搬手段である飛行機とか船舶というものをアメリカに自由にお使いくださいといって提供するということじゃありませんか。それ以外の何物でもないでしょう。  現にアメリカでは、既にサウジへの兵力投入のためにアメリカ国内の民間機が動員されていますよ。民間予備飛行隊の制度によってそれが行われているわけです。この制度下では四十八時間以内に五百機近くが利用できるようになっているそうです。そして、このチャーターされた民間機はすべてアメリカ空軍輸送航空軍団、MACと言われていますね、このMACの統制下に置かれているのです。日本のチャーター機もこのMACの指揮下に事実上組み込まれるということは常識じゃありませんか、あなた。  そして、東京新聞の八月二十八日の夕刊には「防衛庁筋は「米側要請はCRAFを念頭に置いたもの。」これは私が今言いました民間予備飛行隊制度のことです。「日本のチャーター機も同様の扱いになるのは確実」という。もし要請に応じれば兵員、武器の輸送任務をいや応なく担うことになる。」こういうふうに報道されておりますよ。まさに近代戦で最も重視されている兵たん線、これをつくる、確保するためにこういう要請が来て、あなたたちはこれに応じているということなんですね。まさにアメリカ軍と一体となって補給に当たるというのが実態ではありませんか。どうですか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 輸送協力の態様、詳細については検討中ということでございますけれども、その根幹の問題といたしまして、そうした民間のチャーターが日本政府以外の管理下に入ることはないということでございます。  それから、報道云々につきましては、私どもちょっと心当たりがございませんので、恐縮でございますが、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。

三浦久日本共産党

○三浦委員 そうすると、官房長官、この輸送協力というのは、例えばさっき安全の確保の問題に関連して、いや、そこは危険だから行きませんというような相談をするとかというような答弁がありましたけれども、そういうことはできるのですか。さあ弾薬運んでくれと言われて、弾薬は運びませんと断りますか、いや、ここは危険地域だから行きませんといって断るのですか、そういうように日本が全くイニシアチブを握ってこの輸送協力を行うということなんですか。どうなんですか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 先生御指摘のとおりでございます。

三浦久日本共産党

○三浦委員 それは先ほどから私が言っているように全く事実に反しますよ。そんな協力ならアメリカは断るでしょう。こういうチャーター機が危険な地域へ飛んでいく、これはイラクから見たらいわゆる敵対国の飛行機になるわけですから、撃墜される、そういう危険性も極めて高いわけですよ。そういう憲法の平和的な原則を侵してこんな危険な協力を行うというよりも、私は日本としてもっともっと国連に協力をする、平和回復のために協力する、そういう方法があると思うんですよ。  例えば、今経済制裁が行われていますね。しかし、ヨルダンからどんどん食糧がイラクに流れていっていますでしょう。ヨルダンというのは日本が大量の資金援助、いわゆるODAをやっているところじゃないですか。そうしたら、日本はそういう外交的な力があるんだから、ヨルダンならヨルダンに行って、やはり国連の決議に従って厳格に経済制裁措置に協力をしろ、そのことがこの事態の早期解決につながるんだ。そういう外交的な努力というものを中心にして非軍事的な協力、これを前面に出して解決のために全力を挙げていかなければならない、私はそういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。

内田富夫外務省大臣官房外務参事官

○内田(富)説明員 外務大臣の方から発言しておりますように、この外交的努力それから国連の諸決議の遵守というものが当然の前提になるわけでございますけれども、そうした国際的な努力に積極的に参加するということが日本の国際的な責務であるということで、二十九日に発表になりました貢献策というものを実施していきたいというのが政府としての考え方でございます。  このヨルダン等におきます外交活動でございますが、先日大臣がヨルダンの外務大臣及び国王に面会いたしましたときも、この安保理決議の遵守につきましてヨルダン側に強く働きかけており、ヨルダン側からも、その遵守の問題については全くヨルダンとしても遵守するんだという答えを引き出しております。ただ問題は、そのヨルダン経済の脆弱性ということにかんがみて日本としていろいろ考えてほしいということがございましたので、そうした外交的な活動も踏まえまして、今度の貢献策の二番といたしましてヨルダンに対する支援ということを入れておるような経緯がございます。

三浦久日本共産党

○三浦委員 だから甘いんですよ、まだ甘い。  それで、ちょっと自衛隊の海外派兵について官房長官にお尋ねします。  政府は一貫して、武力行使を目的としない自衛隊の海外派遣は憲法上許されないことではない、しかし、法的根拠がないからできない。きょうも法制局長官がおっしゃっておりましたですね。これは政府の統一見解になっております。さらに、その上に他国への派遣については将来の具体的構想は持っていない、こういうように明言もしておられます。ところが、一昨日、海部総理は記者会見で記者の質問に答えまして、自衛隊法の改正はしないとは明言をいたしませんでした。そればかりか、今後憲法の枠内で何が行えるかという点について検討したい、こういうように述べました。そうすると、憲法の枠の中で何が行えるか検討したいというその検討項目の中には自衛隊法の改正という問題が含まれているのでしょうか。どうでしょうか。

河村武和外務省大臣官房審議官

○河村説明員 先ほど従来からの御答弁にも御説明いたしましたとおり、総理が申されました趣旨といいますのは、憲法の枠組みのもとで現行法令の見直し、新法の制定につき検討するということを申されました。そういう意味におきまして、憲法の枠組みのもとでのいろいろな見直し、新法の制定というのはすべて検討の対象には入っているということでございますが、具体的な内容について現在のところお答えできる段階にないということも先ほどから申し上げたとおりでございます。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 三浦久君。時間が参りましたので、簡潔にお願いします。

三浦久日本共産党

○三浦委員 それじゃ、人事院勧告の問題について御質問いたします。  今回の人勧で一番大きな問題になっているのは、一時金のいわゆる傾斜配分問題でありますす。この問題はいろいろありますけれども、時間がないので絞って質問をいたしますが、その一つは、公務員の一時金支給では既に高級官僚には傾斜配分がされており、今回の傾斜配分は一層の高級官僚優遇の措置になっているということであります。つまり、現状は特別調整額、いわゆる管理職手当ですが、この手当を受ける管理職は本俸の二〇%から二五%が加算されて支給されているのですね。したがって、現在は公務員の一時金は年間五・一カ月でございますけれども、例えば本省課長クラスの十級十一号俸の管理職は一般の職員の月数に換算すると六・〇八カ月分となり、一般の職員よりも一カ月も多くもらっているということになります。さらに今回の傾斜配分の支給率を加えると、最高の管理職の人で四五%、その内訳は二五%の管理職手当と一時金の傾斜配分率二〇%、これを合わせて四五%の加算となるわけであります。今度の勧告で一時金の支給月数は年間五・三五カ月となりますが、先ほどの本省課長クラスですと、実質的には七・三八カ月となります。年間で二カ月も一般の職員より多くもらうということになるわけであります。本俸での管理職手当……

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 三浦委員、約束の時間が参っておりますので、結論を急いでください。

三浦久日本共産党

○三浦委員 もうあと一、二分ですから。  本俸の管理職手当さらに傾斜配分という二重、三重の評価を加えるというのが一時金の傾斜配分方式であります。つまり、一般職員には薄く、高級官僚には厚い、上厚下薄のそういう高級官僚優遇の一時金の支給になっているというふうに私ども考えているのですが、その点について人事院総裁はどういうふうにお考えでしょうか。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 森園給与局長。時間が参っておりますので、簡潔に答えてください。

森園幸男人事院給与局長

○森園説明員 既に本省課長等につきましては、今御指摘のとおり二五%の基礎額の加算があるわけでございますが、これは民間企業がボーナスの基礎としまして役職手当を含めているという事情に基づくものでございまして、今回勧告申し上げました加算措置は、役職手当等を含むすべての所定内給与に対するボーナスの支給月数において役職によって相当開きがあるということを背景としているわけでございまして、特に矛盾しているわけでもございませんし、また、支給対象も、御承知のとおり四級以上の職員、四級、五級、六級、七級、俗に言う職員団体加盟層のところが八割もいるわけでございまして、決して上級管理職だけを優遇するという趣旨のものではございません。

三浦久日本共産党

○三浦委員 終わります。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 続いて、神田厚君。

神田厚民社党

○神田委員 ペルシャ湾問題、中東問題につきまして、イラクの大変な蛮行といいますか、邦人が人質として確保されている、大変憂慮すべき状態でございますが、我が党といたしまして、八月二十九日にイラク問題について考え方をまとめました。これは、政府の中東貢献策とある部分でダブっている部分もありますが、新しい提案にもなりますので、ちょっとその点を御説明いたしたいと思っております。  「イラク侵攻問題について」、「基本的態度」としまして、一は、「イラクによるクウェートの侵攻と併合は国際法上、全くの違法・不当の行為であり断じて容認できない。われわれはあくまで原状回復を要求して行く。」二といたしまして、「米ソのデタントのもとで国連がはじめて平和維持活動の成果を上げうるか否かが問われている。わが国としてはこの国連による共同行動を成功させなければならない。」三として、「「平和を金で買う」といった姿勢は国際国家としてとってはならない。わが国としても金を出すだけでなく、汗を流さなければならない。したがって、憲法の枠をふまえつつ、国連中心主義を推進するため努力をしなければならない。」四として、「わが国の対応は三段階で考えるべきである。第一は、現行法の枠内でできることをまず実行すること。第二は、国際緊急援助隊派遣法の改正等の新規立法で、医療活動、運輸、通信等の面で要員派遣を行うこと。要員派遣に当っては、医療、運輸、通信で十分な機能を有する自衛隊の非戦闘部隊を含めること。第三は、停戦監視団など武力行使を伴わない国連の平和維持活動への自衛隊の派遣について、新規立法を検討すること。」こういうふうな考え方をまとめておりまして、具体的な問題といたしましてはそれぞれまた四項目ほどまとめております。  そこで、このイラクの問題というのは、日本にとりまして極めて重要な問題になっている。もしもイラクのクウェート併合、さらにサウジに侵攻ということになった場合には、一体日本の経済はどうなるのか。これはまことに深刻な問題であります。したがって、これらの問題を含めまして今後いろいろな意味で対応してもらいたいわけでありますけれども、まず官房長官にお聞きをいたしますが、我が党といたしましては早くからこの国会の閉会中審査等々を求めてまいりました。しかし、やはりここまで問題が起こってまいりますと、例えば安全保障の問題でありますならば安全保障特別委員会の開催も必要になってくるというようなことで、早期に臨時国会を召集すべきである、こういうふうな考え方に立っておりますが、いかがでございますか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 今おっしゃられたような御趣旨で早期に臨時国会を開けというお気持ちに対しては、非常に同感の点も多うございます。しかし、臨時国会を開くという場合には、やはり主体は国会でございますから、この問題の緊急性にかんがみ、各党間でひとつよく御相談をしていただきまして、所期の目的が達成されるようにどうぞひとつ御協力をお願いいたします。

神田厚民社党

○神田委員 法律を用意しなければ国会が開けないという考え方が出されておりますが、私は、この中東問題というのは、現時点ではそういう法的な改正の問題も我々としましてはいろいろ提案もしますけれども、むしろ情勢の問題、それから日本の国家の意思として国会が意思をきちんと表明するということも大事でありますから、決議の問題とかいろいろありますので、そういう意味でやはり臨時国会は早い時期に開いていかなければならない、こういうふうに思っています。  そこで、少し具体的な問題に触れますけれども、アマコスト駐日米大使は、日本に対し、我々はとにかく中東に日の丸を立ててほしいんだ、船でも飛行機でも人でもいい、お金だけというのはだめだ、こういうふうに述べておりますが、今回の政府の対策では自衛官は一切排除されている。果たしてこれでいいと思っておられますか。防衛庁長官にお尋ねをいたします。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 今回のこのイラク事件で我が国がなし得るものは何かということで、憲法とかあるいはその他のいろいろな法令の上から何ができるかということで政府当局としても非常に苦慮されまして、可能な限りのものということで今回発表されたような内容ができたわけでありまして、その中に自衛官が入ってないということでございますけれども、現在の法体系の中ではぎりぎりのところの一つの答えであるし、これに対しては私自身、どんな答えが出てもこれはパーフェクトはないわけでありますが、そういう前提から見て、極めて努力をして汗を流した結果である、このように思っているわけでございます。  なるほど、世論の中には、日本は経済大国になって金だけしか出せないのか、金ですべてオールマイティーなのかという意見が非常にあるということも事実であろうと思います。しかし、私どももできるだけ金だけではない、汗を流しということは当然でありますけれども、やはり現法律を前提としてこれまた考えなければならない、そういうことで今回の答えが出された、こういうふうに私は受けとめているわけであります。

神田厚民社党

○神田委員 十分な答えになっておりません。政府が中東への貢献策を決めました。その内容は、非軍事、平和という名目にこだわる余り、民間人を、民間の船、飛行機を利用し、中東へ派遣するという内容になっております。  官房長官にお尋ねしますが、国民の生命と安全を守るために自衛隊というものがあるわけであります。戦争に巻き込まれる紛争地域に民間人を派遣をし、民間人の生命を危険にさらすということになりかねない状態でございますが、これで果たしていいのかどうか、お答えをいただきたい。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 ただいま委員のおっしゃられたような御意見、同じようないろいろな御意見は私もよく承っております。例えば、お医者さんを、民間人も、一般公務員もありますけれども、民間人まで入ってあの炎暑の地で国連の平和維持活動だというて協力をしようというのに、自衛隊の医官が行けないのは片手落ちではないか、余りにも不自然ではないか、自衛隊のお医者さんこそああいうところで一番役に立つのではないだろうかというような御意見も多々寄せられております。  しかし、政府といたしましては現行憲法の枠内で、そして法令の範囲内で御協力をでき得る限りひとつやりたい。そういうところで、日本は他国に自衛隊は出せませんけれども、それを十分カバーできるだけの多方面での援助をしていった方が今の国民世論に対してはベターではないかなという判断のもとに貢献策をつくったわけでありまして、今あなたのおっしゃったような議論が国民世論の中からほうはいとして起こってくる、国会の内外でもそういう御意見がどんどん出てくるということになりますれば、政府としても十分耳を傾けて今後の対策に万全を期していきたい、そういうことであります。

神田厚民社党

○神田委員 意見が起こってきたらば耳を傾けるというよりも、私はここのところは、この問題は日本がこれから国際国家として、しかもサミットの主要国としての役割を果たせるかどうかというそのこと、ほかの国々が評価をするかどうかという大変重要な問題だと思うのです。ですから、この時期に私は、いろいろな問題はありますけれども、政府自身がやはり堂々と国会を開いてそして論議を呼び込むようなそういう努力が必要だというふうに思っております。  これはボタンのかけ違いみたいな形になってしまいますけれども、大変問題が多い問題になっておりますね。先ほどの答弁を聞いておりますと、安全を十二分に確保してそれで各国と協調してやっていく、戦争のところに要員派遣として出かけていくのに、もちろん安全は必要でありますけれども、それでは十二分な貢献策にはならない。その辺のところは、やはり後から貢献策として第二次、第三次というふうに考えているというふうなことも聞いておりますけれども、その辺はどういうふうになっておりますか、官房長官。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 今、貢献策の基本につきましては発表をいたしたとおりであります。しかしながら、まだいろいろ具体的な面で肉づけの足りない点もありますので、今後鋭意この肉づけを詰めていって、そして国際的な期待にこたえられるようにぎりぎりの努力を積み重ねていきたいと思っております。

神田厚民社党

○神田委員 やはり米軍でも、イギリス軍でも、いわゆる多国籍軍が猛暑の中で頑張っているというときに、日本が一緒になってそれらの人たちを支えるという本当の精神が理解されなければ、今度の貢献策もアメリカ議会などではかなり、今のところは非常にありがたいという話をしていますけれども、アメリカはそれの十倍以上の金を出してやっているわけでありますし、いろいろとまた問題が出てくるというように思っております。ですから、私はそういう意味では、先ほど我が党が述べました三段階の方式というものも一つの参考になるでありましょうし、ぜひともそういう形で、今からでも遅くないわけでありますから、この貢献策について人的派遣などの問題、要員派遣などの問題についてはさらに善処を要望したい、こういうふうに考えております。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 政府の基本姿勢は既に申し上げたとおりでありますが、具体的な貢献策につきましては多岐にわたっておりますが、我が国のできる範囲内でひとつ全力を尽くしてぎりぎりのところまで国連の平和維持に協力をしていきたいという決心で努力をいたしたいと思っております。

神田厚民社党

○神田委員 自衛隊法の改正がない限り非戦闘部隊でも一切自衛隊は外へ出せない、こういうふうな考え方に立っているのかどうか、その点ひとつはっきりとお聞かせをいただきたいのであります。  それから、外務省職員に一時身分を変更しても出すべきではないか、こういう議論もございますが、その辺のところについてはどういうふうにお考えでございますか。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○石川国務大臣 自衛隊法を改正せずに自衛隊を派遣することが可能かどうか、こういう点につきましては、先ほどの質問の中にもございましたので申し上げましたが、現在でも、いわゆる観測隊への協力とかそういう非軍事的な面での派遣というものは実施をしているわけでありますから、現憲法の中において、要するに自衛隊の派遣すべてが禁止されているというふうには私は思っておりません。しかし、今、委員もいろいろと御質問の中にもございましたように、対象がいわゆるペルシャ湾のこのイラクの紛争に伴う内容でございますので、したがって、そういう中において果たして自衛隊が今までのような考え方で可能かどうかということにつきましては、私はケースによっては非常に難しい問題もあろうかと思うわけでありますが、これは私は専門家でありませんので、法的なことにつきましてはその筋によく検討をしていただかなければわからない、こういうふうに思います。  そういうことでございまして、いずれにしましても、ただこういう問題につきましては、これからの国会の中で大いにひとつ議論をしていただきたい、またそういうふうに議論を重ねる中におきまして、国民のいろいろと御理解も得るでありましょうし、そういう中においてのこれからの検討課題として大いに進展をしていくことが非常に望ましいことではなかろうかな、私はかように思うわけであります。

神田厚民社党

○神田委員 先ほども申しましたが、ペルシャ湾を通る六割が日本の船だ。現在もペルシャ湾に二十二隻のそういう油送の船があるというふうなことを言われております。したがって、そこを米国などの多国籍軍が血を流して守ろうというそういう姿勢の時期でありますから、やはり日本政府としての決断を求めて、平和憲法を守るということについては、我が党としましても日本国憲法を守っていくという枠内で考えていることでもございますから、ひとつ政府においても知恵を絞って、そして政治がこういうときでなければ決断ができない、物を待っていてもだめだというそういうふうなことでひとつよろしく対応をお願いしたいと思っております。  それから、ちょっと時間がありませんが、人勧で一項目お尋ねをしたいと思います。  中高年層の引き上げ率についてでありますが、今回の勧告についてはおおむね妥当なものと評価しますけれども、初任給の大幅アップによる若年層への重点配分によって、生計費等の出費のかさむ中高年層の引き上げ率が平均以下の三・二%にとどまっております。公務への人材確保という観点から、若年層への重点配分はやらなければならなかった措置であると思いますが、今後給与面で中高年層へどのように配意をしていくつもりなのか、お伺いをしたいと思います。

森園幸男人事院給与局長

○森園説明員 俸給表の改定に当たりましては、民間企業の配分傾向とかあるいは公務都内のいろいろなバランスを考慮しながら行うこととしておりますが、本年の場合には、今日の労働事情の逼迫等の事情もございまして、民間企業におきましては若年層にかなり重点的な配分をいたしておりますし、また、初任給に相当高い配慮をしている、こういう事情にございます。  公務員の初任給につきましては、御案内のように、去年の勧告後におきましても民間の初任給と相当の開きがございましたので、公務にも優秀な人材を確保するという観点からいたしまして、相当大幅な改善の必要がありました。その結果、中高年層につきましては御指摘のとおり、相対的にやや下回る改善しかできないということに相なりましたが、期末・勤勉手当の加算措置というのが四級以上の職員に適用されるわけでございますけれども、大体その適用が始まる年齢層といいますのが三十歳後半程度からでございまして、したがいまして、その層については相応の改善がトータルではなされるということでございますし、また、三十歳前半層ぐらいまでの期末・勤勉手当の加算措置の適用を受けない職員層につきましては、特に俸給表の配分の上で平均の三・九%以上の改善をするように心がけておるところでございます。  なお、中高年層を含めます全職員がそれぞれの職務と責任にふさわしい処遇を確保されるということは、極めて肝要なことでございますので、今後ともそこら辺については十分考慮しながら詰めてまいりたい、こういうふうに考えております。

神田厚民社党

○神田委員 終わります。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後二時一分散会

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