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118回国会衆議院1990/06/05

内閣委員会 第8号

発言数
78
登壇者
9
会派数
3
開催日
1990/06/05

会議録

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を求めます。塩崎総務庁長官。     ─────────────  国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○塩崎国務大臣 ただいま議題となりました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  本年三月二十三日、人事院から国家公務員法第二十三条の規定に基づき、国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申し出が行われました。この法律案は、この人事院の意見の申し出を踏まえ、国家公務員災害補償法について所要の改正を行おうとするものであります。  次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、年金たる補償の額の算定の基礎として用いる平均給与額について、年度ごとに四月一日における職員の給与水準の変動に応じて計算する完全自動給与スライド制へ移行することといたしております。  第二に、療養の開始後一年六月を経過した職員の休業補償に係る平均給与額については、その職員の年齢に応じ人事院が定める最低限度額を下回り、または最高限度額を超えるときは、それぞれ当該最低限度額または最高限度額をその職員の平均給与額とすることといたしております。なお、この最低限度額及び最高限度額は、労働者災害補償保険制度において用いられる額を考慮して人事院が定めることといたしております。  以上のほか、この改正案におきましては、関係法律の規定の整備等を行うことといたしております。  なお、以上の改正は、平成二年十月一日から施行することといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ─────────────

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北川昌典君。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 法案に対しての質問を申し上げる前に、一つだけお尋ねしておきたいと思います。  実は、五月の二十九日に、今度の天皇の即位の礼に関して、京都御所から高御座と皇后がお座りになる御帳台、これを自衛隊のヘリコプターを活用して東京の方に輸送した、こういう記事が載っておりますけれども、これに対して幾つかの御質問を申し上げたいと思います。  時間がございませんのでまとめて申し上げますけれども、私の疑問の一つは、こうした高御座の輸送に自衛隊のヘリコプターが使われたことへの疑問であります。  それから二つ目は、この委員会で皇室経済法の審査をいたしたときに、即位の礼までの一定のスケジュールといいますかどんなことが予定されておるのかという質問に対しまして、いまだ検討中であってそのことについてのスケジュールは決まってない、どういうことをするかといったことの計画はまだ決まっていないという答弁でございましたが、まだそうした審議を経てそう期間のかからないうちに、突然即位の礼に使われる高御座を京都御所から輸送する、スケジュールが決まってないと言っておられながら、しかも、日時を経ずして、緊急といいますか急にそういったことが行われた、このことに対する、なぜそういうふうに急がなければならなかったかという疑問が二つ目であります。  三つ目は、新年度予算がまだ成立いたしておりません。そういう中で、暫定予算でやられたのか、それほど緊急性があったのかわかりませんけれども、そういう時期にこういったことが行われたことに対する疑問。さらには、この輸送に当たっての経費はどこに支払われ、どこがそれを納めていくのか、このことについての疑問がございますが、これらについて一括して御答弁をお願いしたいと思います。

多田宏内閣参事官室首席内閣参事官

○多田説明員 やや順序不同でお答え申し上げて恐縮でございますが、最初に、即位の礼の準備に関しての式次第その他、大体どういうふうになっていくのかということについてのスケジュールを示せということをせんだってのこの内閣委員会でもいろいろ御質問をいただきまして、まだ詳細式次第も決まっておりません、秋までにできるだけ詰めてお見せできるようにしたいということを申し上げました。  今回の高御座の輸送に関しましては、これは高御座を使うということにつきましては、先般のこの委員会での御審議のときにも私もたしか御答弁を申し上げたように記憶しておりますし、それから、そもそも一月十九日に大綱というのを閣議口頭了解をいたしておりますが、その中でも、使用された高御座をその後参観していただく機会を設けるということも中にはっきり書いてあるということでございまして、高御座を使用するということに関しては、既に政府の方針は確定をしておることも申し上げてあるとおりでございます。  つきましては、高御座を使用するとなれば、新しくつくるかそれとも今京都にあるそれを修理して使うかということでございまして……(北川(昌)委員「使う、使わないのことは聞いておりません。使うことについては十分承知しております」と呼ぶ)それで、それを修理して使おうということで、東京へ運んできて修理をする、そして使用するという準備作業の一環として日程的にいろいろ検討しました結果、運んで修理に入るということがかなりぎりぎりの時期に来ているというふうに考えられますので、この時期に輸送をさせていただいたということでございます。  そして、輸送するに当たりましては、一部勢力が大変強硬な破壊といいますか妨害活動をするということを公に宣言をしておりまして、これを防ぎながらうまく運んでこなければいけないということが我々の使命でございました。それで、いろいろ検討いたしました結果、万一のことがあれば代替のきかない品でもありますし、それから、途中で交通上の大混乱を起こすようなことになれば一般にも大変な御迷惑をかけるということも考えまして、できるだけそういう期間を短くするということで、空輸という方式をとろうということを考えたわけでございます。  空輸をするに当たって、相当大きなものでございまして、トン数もかかりますし、長さもかなり長いものを運ばなければいけないというようなことで、いろいろ可能な手だてを検討いたしました結果、他に適当なものが見当たらないということで、自衛隊の保有するヘリコプターを利用させてもらってはどうかということで自衛隊の方に打診をいたしましたところ、自衛隊法で、正式の要請があれば輸送に協力することはできなくはないというお答えでございましたので、自衛隊にこの輸送をお願いをしたということでございまして、そもそも積極的に自衛隊が高御座を運ぶことを目的にしてこういう形をとったということでは全くございません。ほかに適当な手段がなかったということによりまして、自衛隊にお願いをせざるを得なかったという趣旨でございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 まだ全部質問に対してのお答えがないのですけれども、いわゆるこの関連の予算の問題、そしてどこに納めるか納めないかということについての答弁がないのですが、まだありますので、後で一括で結構です。  高御座を使うことについては、せんだっての内閣委員会で十分な説明がなされたことは聞いております。ただ、どのようなスケジュールがあるのかという質問に対して、まだ詳細なものはできていないということでありまして、しかもまだ予算が決まっていない段階でこういう輸送がされたということも、我々は大変疑義といいますか、前回の委員会の答弁に対して非常に不満を持つものでございますので、お聞きしたわけであります。さらに、今後もこうした即位の礼に関するいろいろなスケジュールの中での仕事があると思いますけれども、それらの行事に対しても自衛隊に要請をしていかれるおつもりなのか、言うならば、即位の礼に関連して自衛隊を極力参加させるようなお考えを持っておるのか、お尋ねをしたいと思います。

多田宏内閣参事官室首席内閣参事官

○多田説明員 大変失礼を申し上げました。まだ本予算が通っていない段階でなぜこういうふうにするのかというお尋ねでございますが、これにつきましては、先ほどちょっと触れましたように、修理のスケジュール的なものを考えまして、それと妨害活動等の状況等も勘案しまして、この時期に運ぶことが最も妥当だというふうに判断をいたしましてこの時期に運ばせていただいたということでございます。  なお、支払い先でございますが、これは御承知のように、京都御所から桂駐屯地まで、それから立川基地から皇居まで、この間は全く自衛隊の関与はございません。そういうことで、その間の経費はそれぞれの担当の業者なり何なりにお払いをするということでございまして、自衛隊が運んだ区間につきましては、人件費等は自衛隊がもう既に措置されておりますので、実費程度のものを自衛隊の方にお払いをするということになるわけでございます。  それから、今後自衛隊をどういうふうに組み込んでいくつもりなのかというお話でございますが、これにつきましては、既に発表しております大綱でも明らかにいたしておりますように、儀じょう、と列、それから奏楽、礼砲、こういったものにつきましては自衛隊の参加を予定しております。したがいまして、パレード関係には自衛隊の参加を予定しているわけでございますが、そのほかには現在のところ特段の参加を予定することはございません。ただ、国賓の輸送等につきましては、これも自衛隊法ではっきり認められておるところでございまして、必要があればそういう手助けをお願いすることはあり得ると思います。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 いろいろありますけれども省略いたしたいと思います。問題は、この前も韓国の盧泰愚大統領が来日いたしましたが、かつての不幸な時代の問題が韓国民の中には非常に根強く残っておるわけです。これは韓国だけでなくて、アジアのすべての国がそういう気持ちだろうと思うのです。今そういう時期であります。同時に、在日アメリカ軍の首脳がこの前、日本の軍事大国化に対して大変警戒心を持った発言もされております。いわゆる瓶のふた論であります。今、世界が、アジアが、日本の一挙手一投足といいますか、そういったものに対して大変な関心を示しておるわけでありますけれども、特に、天皇の即位の礼に関連して自衛隊が動員されるということは、かつて日本の軍隊は天皇の赤子と言われ、天皇のためなら、天皇を大元帥にいただいてという一つの思想があったわけで、アジアの皆さんはそれを十分承知されておるわけですから、そういった過去の姿がまた新たに再現するのではないかという気持ちを持っておると思うのです。そういう面では、今度の即位の礼に対して大変注目しておると思うのです。そういう時期でございますので、自衛隊の大量の動員とか参加は避けるべきだ、このように考えます。世界は今軍縮そして平和へと進んでおるわけでありまして、そういう時期にとりわけ日本が突出したような印象をこの即位の礼の中で与えるべきでないと私は考えるわけであります。その点についてもう一度お考えをお聞かせいただきたいと思います。

多田宏内閣参事官室首席内閣参事官

○多田説明員 先ほどお答え申し上げましたように、自衛隊には先ほど申し上げた四つの行為について参画をしていただく予定にしておりますけれども、そのほかに特段の予定は現在のところございません。アジアの方々のお気持ちというようなものを何か崩すようなことを特段私どもが考えているということは全くございません。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 気持ちは持っていなくても、そういった状態が出てくることを私は大変恐れるわけでありまして、したがって、そういうことのないようにひとつ十分配慮いただくことをお願いしておきたいと思います。  次に、法案に関連してお尋ねいたしますけれども、今回の改正を行った理由についてまずお尋ねいたしたいと思います。

弥富啓之助人事院総裁

○弥富政府委員 お答えを申し上げます。  人事院といたしましては、今回の補償法改正に関して、三月二十三日、国会及び内閣に対して意見の申し出を行ったわけでございますが、これは先ほど長官の提案理由の御説明にもございましたとおり、大別して二点ございます。  まず一点は、共済年金等他の公的年金制度におけるスライド制の実施状況、それから災害補償における給付間の均衡の維持の必要性等にかんがみまして、年金たる補償の額の完全自動給与スライド制への移行、これが第一点でございます。  それから第二点は、長期療養者の休業補償に係ります平均給与額に年齢階層ごとの最低限度額及び最高限度額を設定すること等の措置を講ずる必要があると認めたことによるものでございます。  まず最初の、年金たる補償の額の完全自動給与スライド制への移行、これは年金たる補償につきまして、現行では六%を超える給与水準の変動というスライド要件がございますが、これを廃止しまして、毎年の職員の給与水準の変動に応じて、その都度額の改定を行おうとするものでございます。  それから、第二点目の長期療養者の休業補償に係る平均給与額の年齢階層ごとの最低限度額及び最高限度額の設定と申しますのは、本来、休業補償につきましては、現在、平均給与額に係る最低・最高限度額が導入されておらないわけでございます。このため、療養の開始後一年六カ月を経過した日以後におきましては、限度額が適用されます傷病補償年金の受給者とこれら限度額が適用されていない休業補償の受給者との間に不均衡が生ずることになってきているわけでございます。  このような災害補償における給付間の不均衡を是正するために、療養の開始後一年六カ月を経過した者の休業補償に係る平均給与額に年金と同じ最低・最高限度額を導入しよう、こういうものでございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 今、趣旨については十分御説明があったわけでありますが、これは端的に言いますならば、労働災害保険法の改正に伴って、民間と公務員の均衡を保つために行われる、こういうふうに理解をするわけでありますけれども、特に、この法の二十三条にも、船員保険法とか労働基準法、これに基づいて働いておる人たちと公務員との間で保険給付の実施については均衡を失わないように十分に考慮しなければならない、こううたわれておるわけでございまして、そうなりますと、この改正はそういった均衡が内実ともに保たれるものだ、こういうふうに理解してよろしいのでしょうか。

弥富啓之助人事院総裁

○弥富政府委員 大体、一般的にそのように考えております。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 確かに、条文とかその中の思想というものはほとんど同じでございます。給付についてもそう大きく開きはないというふうに思いますけれども、ただ、民間と公務員の違いの中で一点言えることは、補償に当たって、法定外給付というものが取り入れられておるということでございます。このことについては、九十三回国会あるいは百二回国会におきましても、この内閣委員会で、「民間企業における業務上の災害等に対する法定外給付の実情にかんがみ、公務員の場合においても適切な措置を講ずること。」こういう附帯決議がなされているわけでございますけれども、これについて、民間と公務員との均衡というものについてはどうお考えになっておりますか、お伺いいたします。

弥富啓之助人事院総裁

○弥富政府委員 ただいま先生の仰せられましたとおり、国公災制度は、補償法上、労災制度、労災補償との均衡を図るということとされておりまして、労災保険制度の改正に対応する制度の改正を行ってきているところでございますが、今仰せられましたとおりに、民間企業においては労災制度上の給付とは別に、先生おっしゃいましたいわゆる法定外給付、これを支給しているわけでございます。これに対応するため、いろいろ今までも附帯決議等いただきまして、国においてはこの法定外給付に見合うものといたしまして、今制度上としては、職員が一つは公務災害または通勤災害により死亡した場合に遺族の区分に応じて支給される遺族特別援護金、二番目には公務災害により後遺障害を残した場合における障害等級に応じて支給される障害特別援護金がございまして、これらの援護金は、民間企業の法定外給付の実情を考慮して定めているところでございます。  なお、民間の実情等も勘案しまして、法定外給付の実態を考慮し、今後とも民間の推移等を見守りつつその改善に努めてまいる所存でございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 ちょっとお伺いしますけれども、民間の法定外給付の実施状況はどうなっているのか。それと、その分と公務員を比較した場合、今おっしゃられたような給付の内容はどうなっているか、ちょっと比較を教えていただきたいと思います。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 民間の法定外給付と国公災関係の援護金との比較のお話でございます。民間企業における法定外給付の状況は私ども毎年のように調べてきておりますが、六十三年十月時点での調査結果によりますと、業務災害で死亡したときの給付の平均額が約八百十万円、それから業務災害に伴う後遺障害の場合の給付額が約六百三十万円、そういうデータが出ております。これに対しまして、国公災関連の特別援護金では、公務災害の死亡の場合に四百七十万円、それから後遺障害の場合は、級別に分けておりますが、一級の場合四百九十万円、三級の場合四百七十万円、そういう額になっております。  額をそのまま比較しますと若干違いがあるわけでございますが、問題は、民間企業におけるこの給付状況に企業によって非常に差があるわけでございます。非常に高額の給付をされている企業と、それから全くこういう法定外給付を行っていない企業があるわけでございまして、その平均的なところを見きわめるのがなかなか難しいという問題がございますが、先ほど総裁から答弁がありましたように、これらの状況を見ながら私どもとしては引き続き改善に努めていこうという姿勢で臨んでいるわけでございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 今御答弁がありましたように、民間の場合と公務員の場合にはかなり差があることがはっきりしておるわけでございます。おっしゃったように、確かに民間は数が多うございまして、零細もありましょうし、大企業もございましょうし、そういう中での格差はあるにいたしましても、平均的にはこういう金額でございますから、できるだけ公務員もこれに近づくような改善というものが図られてしかるべきだ、このように考えるわけでございます。特に、六十一年の十月の内閣委員会で我が党の理事であります田口委員の質問に対しましても、今後必要な改善に努力をしてまいりたい、こういう御答弁がされているわけでございまして、そうした答弁だけでなくて、やはりこの改善を目指して努力をしていただきたいと思うわけでございますけれども、そこらあたり、次の改正時期までにはこれが改善される、そういう努力をされるのかどうか、お尋ねいたしたいと思います。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 改善には従来から努めてきているつもりでございまして、最近時点で申しますと、六十二年の五月に公務の死亡の場合の遺族特別援護金について四百万円、これは五十八年の一月の三百万円から四百万円に引き上げた、さらに平成元年五月にはその四百万円を四百七十万円に引き上げるという改善を行ったわけでございまして、今後ともそういう改善を引き続き行っていくように努めたいと考えております。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 次に、やはり改善の問題でありますけれども、補償算定の基礎となっております平均給与額の出し方、これについてひとつお伺い したいと思います。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 基本的には、補償の算定の基礎になります平均給与額を被災前三カ月間の給与をもとにして算定するという形をとっております。これは労災保険制度における給付基礎日額の算定の仕方にも見合うものでございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 その平均給与額に大きく影響するわけでありますけれども、その本人が被災前の三カ月間の給与の総額、この中に期末・勤勉手当が入ってない。先ほど御答弁がありましたように、民間と公務員との差もそういったところから出てくるのではないか、このように考えます。とりわけ民間では一時金も平均給与額の中に入れておるところもある、こういうふうに聞いておりますけれども、この期末・勤勉手当が給与総額の中に入らない理由についてお尋ねしたいと思います。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 平均給与額の算定を被災前三カ月の給与に基づいて行うというのは、その被災時点における平均的な生活水準といいますか、給与ですからむしろ稼得能力の表現と言った方がいいのかもしれませんけれども、そういうものをベースにして必要な補償の額を算定しようという考え方でございます。その間の給与の額をその期間の総日数で割るという計算からいたしますと、いわゆる生活日当たりの給与と申しますか、そういうものをベースにして補償を考えているというのがこの制度の中身でございます。  今、民間企業で一時金も入れているというお話もございました。企業独自でそういう計算方法をとっているところがあるのかもしれませんけれども、災害補償の制度としては、先ほど申し上げましたように労災保険も私どもも基本的には同じ考え方をとっているという理解をしております。その場合に期末・勤勉手当などの一時金を入れるべきではないかという御指摘でございますけれども、これはやはり基本的にはその時点における平均的、通常の形での生活に見合う給与のベースというものを基礎にするという考え方で従来入れてないということでございます。期末・勤勉手当、民間でいえばいわゆるボーナスでございますけれども、その支給時期の問題等もございまして、三カ月間という算定基礎をとる限り、それが計算する時点において入ったり入らなかったりするということはやはり平均的な補償の基礎としては適当ではないだろう、そういう意味で、国公災におきましても期末・勤勉手当を基礎にするというようなことをしていないわけでございます。補償としてはそういうことでよろしいのではないかと考えます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 通常的な生活水準というおっしゃり方のようでしたけれども、やはり期末・勤勉手当というのは残る金じゃないのですね。年間を通じて生活をしていくが、そこに赤字が出る。今の段階では、それを補てんするものとして期末・勤勉手当というのがあるのですね。したがって、その分を入れなくても生活の補償はできるということは、私はちょっといただけないと思います。  同時に、たまたま被災したのが一月だった、そうしますと十二月分は入って、それ以外の人は入らないということの差別ができてくるというふうに私は受け取ったわけでありますけれども、そういう期間での処理の仕方ではなくて、被災して三カ月以前の給与は給与として算定をして、今平均年間五・一カ月でございますから、その分を引き直してその中に組み入れていけば問題はないのではないか、私はそう思うのです。それに対しての見解を伺いたいと思います。     〔委員長退席、林(大)委員長代理着席〕

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 ただいまの御指摘に対するお答えとして、すべて御指摘の点が解決されるかどうかはわかりませんけれども、やはり生活の面で期末・勤勉手当がかなりの影響を持っていることは事実でございます。そういう点はもちろん現行の制度でも考えてきておりまして、いわゆる福祉施設の中で特別給付金なるものを設けております。補償に見合う形で二〇%の上乗せをするという形の特別給付金が支給されております。この点では、今お話のような期末・勤勉手当に見合う分、そっくりそのまま見合うかどうか問題でございますけれども、考え方としてはそういう配慮をすることによってカバーしようとしているところでございます。     〔林(大)委員長代理退席、委員長着席〕

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 物の考え方ですけれども、いわゆる補償を受ける人たちは、健康なときにもらっている給料といいますか、賃金を受けるのではないわけなんですね。六〇%とかそういう形になるわけでありますから、かなり生活に影響が出てくることは事実なんです。したがって、この法律がある以上は、できるだけそれを保護する有利な方向で制度を整備していく、改善していくことが必要ではないか、私はこのように思うわけなんです。  今おっしゃった福祉施設に対する援護とかの部分と期末・勤勉手当を算入した場合の差というものはどのぐらいになるのでしょうか。これはちょっと違いますけれども、民間の給付金との格差に追いつくような金額になっているのでしょうかね。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 この特別給付金の制度は、国家公務員の災害補償の制度として実施していることは今申し上げたとおりでございますが、労災補償の方でも同様の内容のものを実施しているわけでございます。したがって、この制度の運用に関する限り、民間と国公災との間での違いはないというふうにお考えいただいていいかと思います。それ以外に民間でどういう配慮がなされているかということに関しましては、先ほど法定外給付のお話がありましたとおりでございまして、非常に手厚い配慮をしている企業ももちろんあるわけでございますが、平均的なところでは——私どももそういう努力はしている、こういうことでございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 いずれにしましても、先ほどから給付内容についてはできるだけ改善をするという前向きの姿勢を示していただいておりますが、この期末・勤勉手当の繰り入れにつきましても、昭和四十五年の法改正の時点で、やはり内閣委員会におきまして、平均給与額の算定について期末・勤勉手当の算入を検討するようにという附帯決議がなされたように記録されております。そういった面からも、後ろ向きでなくてぜひ前向きでこの点については御検討いただくことをお願い申し上げておきたいと思います。  それから、今回出されております最低限度額、最高限度額についてでありますけれども、今までこの最高限度額以上の給付を受けておった人がいると思うのです。その人は大体どのくらいの人数になるのでしょうか。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 平成元年四月現在におきまして、休業補償受給者のうち療養期間が一年六カ月を超える者が千八百七十七名でございますが、この時点において仮に平成元年度の最高限度額を適用するとした場合における最高限度額に該当するという方の数は八名でございます。影響としては比較的少ないと考えております。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 少ないから、多いからと申し上げるわけではございませんけれども、やはりこの限度額を設定することによって今までの既得権が侵されるという面もあるわけでございまして、そういう面では、八名ということでございますから、何か経過措置とかといったもので、限度額の設定によって今まで給付を受けておるものより下がる人については何らかの措置を講じるべきではないかと思うのですが、そういう考え方はございませんか。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 今お話のありました点に関するいわば救済措置といたしまして、この法律施行前に療養を開始していた者につきましては法施行日に療養を開始したものとして扱う、したがいまして、実際に最高限度額が適用されるのは平成四年四月以降ということになりまして、急激な変化はこれで避けることができるというふうに考えております。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 最低限度額でありますけれども、計算方法は五歳ごとに区切ってございますね。五歳ごとでは、最低限度額で給付をされるのが五年間続くわけでしょう、そうなりますと、大変なんですよ。その中で物価スライドやいろいろなスライドはあるにしても、この金額が五年も続くということは精神的にも大変苦痛になるのじゃないか、生活的にも大変苦しい状況に追い込まれていくのじゃないかなと私は思うのです。最低補償額の五歳という年限を三年とか二年とかに短縮をして、そして五十五歳以降については五年という形の救済措置というものがとられるべきではないかと思うのですけれども、そこあたりはどうお考えになっておりますか。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 限度額の年齢区分についてのお話だと思いますが、これは五年間続けるという考え方であるよりは、その五歳の年齢、そこにおける平均的な水準を考慮するという形で限度額を設定するということでございます。それは、もとになります労働省の方のデータがそういう形で年齢区分を設定して算定されるということからくるものでございまして、五年間その額が据え置かれるということの影響はそれほど大きくないのではないか。各歳ごとに給与水準が年々変動するということの算定が果たしてできるのかどうか、統計的に平均的な水準をはじくという技術的な問題にもかかわることでございまして、おっしゃるようなことで特段の不都合というのはないのではないだろうかというふうに考えます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 仮に二十歳で災害に遭った、二十歳ですから最低限度額の適用者になった、そうした場合に、給付が翌年、いろいろなスライドとかは別にして、基本的な給与としては上がっていくわけですか。五年間はやはり年齢の構成の中で動いていかないのじゃないですか、そのあたりはどうなんですか。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 おっしゃるように、動かないわけでございます。五年間動かないわけでございますが、それではこの限度額の設定を、二十歳から、二十歳は幾ら、二十一歳は幾ら、二十二歳は幾らというふうに定めるのかどうか、つまり、そういう形で適切な金額が算定できるのかどうか、統計的にそういうものがうまくできるかどうかという問題があるわけでございまして、そのときに平均的な数字をはじくとすれば、二十歳から二十五歳までのその五歳の間の平均的なレベルを設定して、その間その金額を適用するというのがやり方としては一番適切なのではないだろうか、そういう考え方でできているというふうに理解しております。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 だから、この五年間というのは長過ぎる、したがって、年齢層別の計算を三歳ぐらいに区切ってやっていけば、この固定された金額が三年来たらまた上がっていくということで、低所得者層は特に大変ですから、この救済措置はそういう形でできないのかとお尋ねしておるわけです。ただ技術的に、五年間のあれでなければなかなかそれぞれの賃金のあれが出てこないということではいけない。三年ではできないのかどうか、三年ぐらいに区切ることはできないのかと聞いているのです。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 大変恐縮ですが、仮説的な例でお話を申し上げさせていただきたいと思いますが、例えば、二十歳なら二十歳時点で限度額として三千五百円という額が出てくる、二十五歳のときに四千円という額が出てくる、そのときに、今の先生のお話では、そういうふうになるならばその限度額を三千五百円から一歳刻みに三千六百円、三千七百円、三千八百円というふうに上げていけというお話のように伺えますけれども、そのときに、ここでの限度額の設定の仕方は、その三千五百円から四千円の間のところで線を引きまして、それを五年間適用するということになるわけでございますから、今のような考え方でいきますと、二十歳の三千五百円のところが三千七百五十円が既に最初から適用になっている、今度は二十五歳になるとすれば、そのときに今度は四千円というところではなくて、そこまでが三千七百五十円という額でいく、したがってその間は平均された額になるという意味で特段の影響はないのではないかというふうに申し上げているわけでございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 お話を聞いておりますと、数字的にはそうなんですね。しかし、もともとの金額が低いわけでありますから、それでいいとか悪いとかということでなくて、一年ごとと私は申しておりませんけれども、最低基準の刻み方の五歳を三歳くらいにするとか、こういったことでできるだけ若年層、しかも給付が低いわけですから、それを三年くらいの中で上げていくという救済措置はとれないものかどうかということをお聞きしておるわけで、そういう検討もできないことなのでしょうか。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 説明が不十分であるかと思いますが、特段のそういう有利、不利はない、ということと理解しておりますので、そういう改正を考えるということは念頭にございません。ただ、最低限度額についても必要な改善をしていくということは当然なことでございまして、それは労災の制度とあわせて私どももこの制度を運用してまいりますので、労災の方の御検討にあわせて私どもも検討してまいりたいというふうに考えます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 この点については私もまだ十分具体的にわかりませんからすり合わせができないと思いますので、また後日に譲りたいと思います。  次に、通勤災害についてお尋ねしたいと思います。  国家公務員災害補償統計によりますと、過去十年間に通勤災害が減少している、一方では内臓ですか、肝炎等がふえておる、こういう説明がなされておりますけれども、通勤災害の制度が四十八年から取り入れられたわけですね。それからの通勤炎害の傾向といいますか、推移はどういうふうになっておるのですか、減少しておるということですか。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 通勤災害の件数でございますが、最近数年間を見てまいりますと、六十年度が千六百四十九件でありましたのに対しまして昭和六十三年度は千四百二十八件ということで、この間は減少してきております。それ以前においては増加を見たときもあるようでございますが、最近としてはやはり減少しているという状況にあるというふうに考えております。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 通勤災害等についてはできるだけ減少することが望ましいわけでございまして、そういった対策がとられてきてこうなったのか、自然的にこういうふうになったのか、そこらあたりはわかりませんが、通勤災害というのはできるだけ防ぐような努力をしていかなければならないと思います。  そこで、通勤災害の範囲でございますが、これは四十八年に取り入れられてから、拡大されたのでございましょうか、どうなっておるのでございましょう。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 通勤災害保護制度につきましては、ただいまお話しのように四十八年に制度が創設されたわけでございますが、その後、通勤の範囲についてはいろいろ検討を行ってきておりまして、昭和六十一年には通勤の定義に関する規定の整備について意見の申し出を行いまして、通勤災害保護制度の保護の対象とする範囲を拡大したところでございます。今後とも、通勤の実態及び労災保険法における取り扱い等を考慮しながら適切な対処を進めてまいりたいと考えております。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 できるだけこういった範囲を広げていくということが必要ではないかと思うのです。今までも、通勤の道路から途中で買い物に寄ることはその範囲の中に入っておりますけれども、その買い物に行く店屋までの、中に入らなければならない区間が落ち込んでおるわけなんですね。買い物に行くためにそこを通らなければいけないわけでありまして、そこらあたりが除外されている、こういったおかしな決め方はないと思うので、そこらあたりも今後十分御配慮といいますか御検討をいただきたいと思います。  次に、過労死の問題についてお尋ねいたします。  まず、労働省が昭和六十二年に、労災認定基準の中で、それまで発病直前または当日の業務であったものを、そのときに発病一週間以内に特に過重な業務に就労した場合も労災認定をする、こういうふうに改善されたのです。確かに過労死の救済の道を開くものということで歓迎されたと思いますけれども、この直後に、言われておりますマニュアルなるものを出されております。死ぬ直前の一週間に続けて平常時の二倍以上、または前日にほぼ三倍以上の働きをしたときに初めて過労死として認めるのだというように受け取られるマニュアルというものが出されております。これは、一方では救済の道を開いたかのごとく見えて、一方ではこれを閉ざすような、規制するようなマニュアルではないか、このように考えますが、この点について労働省のお考えをお聞きしたいと思います。

内田勝久労働省労働基準局補償課長

○内田説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のマニュアルは一部の報道で言われておりますものを指すものと思われますけれども、そのマニュアルは、新認定基準をつくった当時、これを説明するために考えられるいろいろなケースを図にしたものでございまして、この図のどれに当たれば業務上でありどれに当たれば業務上ではないというようなものではございません。いわゆるマニュアルというようなものでは決してないわけでございます。  いずれにいたしましても、業務上であるかどうかの判断につきましては、労働時間も一つの判断の要素ではございますけれども、労働時間の長さのみならず、業務内容とかあるいは作業環境等いろいろな角度から調査をいたしまして、総合的に判断をしているところでございます。一部、マニュアルによって認定が狭められたというような報道がされておりますけれども、私どもとしては非常に残念に思っております。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 これは国家公務員の場合はどのような取り扱いがされているのでしょうか。今まで過労死として申請が出されて認定された件数とかはございますでしょうか。この前、昨年十月でございましたか、福岡の入管事務所で、密入国がございまして大変多忙なときであったわけですけれども、二人立て続けに亡くなった。これらは過労死として認定されたのか。国家公務員の取り扱いはどうなっておるのか。こういったマニュアルを出されているのかどうか。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 いわゆる過労死というふうに言われております脳・心臓疾患による死亡、これについて公務上と認定した件数は、昭和六十三年度中で見てみますと七件ございました。それから、具体的な事例としてお話がございました昨年の入国管理局関係の事案につきましては、二件とも公務上の災害として認定されております。  それから、公務災害におけるいわゆる認定基準と申しますか、これについてのお話でございますけれども、人事院におきましては昭和六十二年十月に認定指針を出しておりまして、これについて専門家の協力を得ていろいろ見直しを行いました。その中で、考え方といたしましては、発症前一週間における職務上の過重負荷という観点を中心にしながら、それ以前の過重な職務による精神的、肉体的な過重負荷が公務遂行上存在したと医学的に認められる場合には公務上の災害として扱うという考え方で指針を出してきておりまして、これに関連いたしまして、いろいろな認定の事例等を参考にして検討していただくということで各実施機関に必要な指示をいたしているところでございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 過労死について労働災害の方も公務員の災害補償についてもそれぞれマニュアルが出される。ところがそれぞれの監督署によってマニュアルの判断が違ってくる場合もあると思うのです。やはりこれは公務員だから、あるいは労災適用者だから、こういう形で問題が処理されてはならない問題だと思うのです。このことは、やはり今の世相でございますから、国が統一をして、そういう過労死の人がふえていく、ふえてはいけないのですけれどもふえていく場合には、救済措置としての一定の基本指針といいますか、こういったものをつくって、できるだけ救済の道を開いていくような措置をとるべきではないかと思うのですけれども、そこらあたりお聞かせいただきたいと思います。

大城二郎人事院事務総局職員局長

○大城政府委員 いわゆる過労死を未然に防止する対策が急がれることは御指摘のとおりでございまして、私ども懸命の努力をしてきております。今お話の中にございましたそれぞれ個々の案件について取り扱いがばらばらになるという心配はないのかということにつきましては、私どもは、先ほど申し上げました指針によりまして各実施機関で認定をしていただくわけでございますが、その際、各省庁において判断困難な事案につきましては人事院に協議をしていただくというやり方をしておりまして、そういう意味では統一がとれているというふうに考えております。また、協議のありました事案については、それぞれ専門官が検討いたしまして、また、専門医の意見も徴して判断をするというやり方をしておりますので、認定の仕方がばらばらになるという心配はないのではないかと考えております。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 認定の仕方といいますか、かなり問題になっておりますが、マニュアルが出た、これを受けて、それを定規にしていくわけでございますから、それぞれ人によっては定規の見間違いも出てくるわけで、そうした場合に、この監督署では認定された、この監督署では認定されない、そういう状況が出てこないとも限らないわけです。その証拠には、申請が却下された、認定されなかった、その人たちは裁判を起こした、そのことによってそういった却下の取り消しという判断も出ている。いわゆる国の判断と裁判所の判断が相反することが今かなり出てきているわけですね。そういった面で、人事院とか労働省とかいうことではなくて、国全体が一つの指針をつくってこれに対応していくべきだということを申し上げておきたいと思います。同時に、こういった事故が起こらないように、過労死が起こらないように、時間短縮、週休二日制、こうした労働過重にならないような政策といいますか、指導というものもしていかなければならない。言うならば、過労死の予防、そして健康管理、豊かな生活、ゆとりのある生活ができるような環境づくりというものがされていかなければこの過労死の問題はなかなか解決しないだろう、こう思っておりますので、そこらあたりひとつ積極的な取り組みをお願い申し上げておきたいと思います。  いろいろあるのですけれども、欲張りまして十分な論議ができませんが、最後に人事院総裁にお尋ねをしておきたいと思います。  今次、ことしの春闘も、好景気、人手不足という状況の中ではちょっと物たらない五・九%、一万三千円から一万五千円という決定になっております。これを受けて人事院では御苦労いただくわけですが、今までの進捗状況と今後のスケジュールについてお尋ねしたいと思います。  もう時間がございませんので、あわせてもう一つお尋ねいたします。昔は衣食住、こういうことでございましたが、今は教育とか文化、いろいろ多様化したものが生計費の中には入ってくるわけでありまして、そういった面も十分考慮して調査に当たられるお考えはないか、お尋ね申し上げておきたいと思います。

弥富啓之助人事院総裁

○弥富政府委員 お答えを申し上げます。  ただいまの最初のお答えでございますが、新聞報道等によりまして本年の民間企業における春闘賃金改定の状況を見てみますと、率それから額ともにおおむね昨年を上回る結果となっているようでございます。これはそれなりに人事院としても受けとめております。  それから、これらの調査とただいま人事院の行っております職種別民間給与実態調査、これでは調査対象が必ずしも同一ではございませんので、今の段階で調査結果の予測を軽々に申し上げることはちょっとできかねるわけでございますが、人事院といたしましては、現在行っている職種別の民間給与実態調査に基づきまして、民間給与の動向を的確に把握をした上、適切に対処をいたしたいと存じております。  なお、本年の職種別民間給与実態調査は、今月の十六日をもって終了する予定でございまして、その後直ちに集計、分析等に取りかかりまして、官民の給与を精密に比較をいたしました上で、勧告制度の趣旨、各界の意見等も踏まえながら、勧告を取り巻く諸情勢を総合的に勘案をいたしまして、適切に対処してまいりたいと存じます。  また給与以外の、衣食住だけでなく教育、文化等も加味して決定しなければならないのではないかというようなお話でございました。給与以外の給与条件の改善ということに関しましては、先生御承知のとおり、国公法によりまして社会一般の情勢に適用するよう随時変更する建前でございまして、今後ますます重要になるという認識を強く持ってはおります。  このような観点から、職種別民間給与実態調査とは別に、週休二日制あるいは休暇などの勤務条件につきましても毎年民間調査を実施しておりまして、実態を把握いたしますとともに、その改善に努めるという姿勢で取り組んでまいっております。そのほか、いわゆる福利厚生施設等についても、職員の福祉という観点から関心を持って民間の動向の把握に努めているところでございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)委員 全国の公務員が人事院総裁以下の皆さん方の結論を大きな関心を持って見詰めておるわけでありますから、精いっぱい頑張っていただきますことをお願い申し上げておきたいと思います。  なお、総務庁長官、せっかくおいでいただきまして、御質問するあれがなくて恐縮でございました。  どうもありがとうございました。終わります。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 続いて、三浦久君。

三浦久日本共産党

○三浦委員 総務庁長官にまずお尋ねをいたしたいと思います。  政府・自民党は、国家公務員の三月分給与と期末手当を、補正予算が成立しないことを理由に、支給日に全額一括支給という給与法の精神を踏みにじって、分割支給を行いました。公務員労働者からは、前代未聞の出来事だと、政府とさらにそうした道に手をかした人事院に激しい怒りが上がっているのは御承知のとおりであります。  この直接の原因は、自民党が選挙後の新しい枠組みづくりと称して、補正予算とその関連法案の一括処理を野党に強要し、既に決められていた予算委員会の補正予算審議日程を一方的に踏みにじって、審議拒否をしたことにあることは周知のところであります。こうした分割支給を招いたことについて、総理を初め官房長官、大蔵大臣、さらに総務庁長官もそれぞれ遺憾であったということを表明されておられます。そして、今後こうした事態が生じないよう極力努力するとも言われております。総務庁長官、今後こうした事態が生じないように極力努力するという内容は、具体的にはどういうことをお考えになっていらっしゃるのか、このことをお尋ねいたしたいのであります。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○塩崎国務大臣 既に参議院の内閣委員会におきましても私は申し上げましたが、確かに三月分の給与の分割支給については大変遺憾であったと思うのでございます。私どもは、このような事態が生じないようにこれから努力するということを申し上げているところでございますが、その具体的方法はいかんというお話がございました。  いろいろの御提案ももう既に委員の方々からたくさんなされてきましたが、まず第一に、給与費を当初予算に計上したらどうかという御意見もございます。さらにまた、補正予算を早目に提案して早目に御審議を願って成立を願うということも重要なことだという御提案もいただいているところでございますが、いずれにしてもこのような具体的な方法について私どもはこれから検討してまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。  給与費の改定が確かに有力な方法であると言われましても、御承知のようにこれまでの経験では、たった一回だけ補正予算を組まなくて済んだ、給与費の枠内で行われたベースアップであったことを考えますと、やはりどう考えてみましても、補正予算を早目に提案をさせていただき、そしてまたこれを御審議願うということが最もオーソドックスで、平凡のようでございますが適当な方法ではないかと考えております。  もちろん、給与費の改定もまた財政事情その他の関連で考えなければならないことがあり得るというふうには十分考えているところでございます。

三浦久日本共産党

○三浦委員 今総務庁長官のお話を伺っておりますと、補正予算で給与改善費を組みたいという御趣旨に承ったわけでございますけれども、しかし、人事院勧告というのは毎年出ているのですね。それは、法律では五%以下の格差の場合には勧告を出さなくてもいいということになっているけれども、しかし、実際には出ているわけです。そうすれば、もう当初からこれは予定されるものなんです。ですから、給与改善費を当初予算に組むというのが私は一番オーソドックスなやり方であって、補正予算でやりますというのはちょっと後退した議論ではないかと思うのです。  現実に政府が今までやってきたことを見ましても、一九六九年度から一九七八年度までは五%当初予算に給与改善費を組んでおります。そしてその後、七九年度が二・五%組んでいますね。そして八〇年度が二%であります。八一年度から八五年度までが一%になりまして、そして八六年度からはこれがゼロというふうになったわけであります。政府が当初五%組んでおったように、いわゆる当初予算に給与改善費を計上していれば、今回の事態を招くようなことはなかったわけであります。ですから、政府が本当に今回の事態を真摯に反省して、二度と再びこういうようなことを招来しないようにするという決意がおありになるのであれば、もう概算要求が近いわけですから、私は、総務庁長官が、給与担当大臣といたしまして大蔵大臣その他関係大臣と協議して、来年度の当初予算に給与改善費を計上すべきだ、そのために努力をすべきだと思いますが、いかがでございますか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○塩崎国務大臣 給与の支払いを円滑にいたしますことは私の当然の義務で、努力をすべきことも考えなければならないことはもう当然のことでございます。しかし、今御指摘がございましたが、給与改善費を当初予算に計上いたしましても、私の資料では二回しかその額の内にとどまっていないことを考えますと、やはりオーソドックスな方法は補正予算であろうかと思うわけでございます。しかし、給与費の計上も、今申されましたように、これは確かに給与の支払いを保証する一つの大きな方向でございます。これもあわせてひとつ検討をさせていただきたいと思います。

三浦久日本共産党

○三浦委員 私は、人勧が出されることはもう当然わかっているわけですから、当初予算に給与改善費を組むことを強く要求して、次の質問に移りたいと思いますが、国家公務員災害補償法の法案についてであります。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 質問時間が終了しておりますので、十分御注意ください。

三浦久日本共産党

○三浦委員 はい。一問だけ。  この法案で問題なのは、長期療養者の休業補償を算出する平均給与額に最高限度額を設けて、それ以上の平均給与額のものは限度額で頭打ちにして休業補償額を抑えようとしていることであります。これは国家公務員災害補償法第十二条で規定されている「国は、休業補償として、その勤務することができない期間につき、平均給与額の百分の六十に相当する金額を支給する。」という条文に反して、実質的に休業補償が平均給与の百分の六十を割る人々が出るということであります。  休業補償額算出の基礎となる平均給付額というのは、公務災害に遭ったその直近の三カ月の給与を平均して出します。この平均給与額が今回の改正で新たに設ける年齢階層ごとの平均給与の最高限度額を超えた場合には、その人の平均給与額は最高限度額となってしまいます。したがって、こうした人々の休業補償額は実際の平均給与の百分の六十以下となります。これは明らかに現行法からの後退であります。今回の改正による最高限度額の設定によって、実際の平均給与の百分の六十以下の、休業補償を割る人々が現状並びに将来も出るということは否定できない事実ではないでしょうか。御答弁をお願いいたしたいと思います。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 弥富人事院総裁。簡潔にお願いいたします。

弥富啓之助人事院総裁

○弥富政府委員 お答えいたします。  先ほど来申し上げておりますように、休業補償については現在平均給与額に係る最低・最高限度額が導入されてございません。このため、療養の開始後一年六カ月を経過した日以後におきましては、限度額が適用されている傷病補償年金の受給者とアンバランスが生じてまいりました。このような災害補償における給付額の不均衡を是正するために、療養の開始以後一年六カ月を経過した者の休業補償に係る平均給与額に年金と同じく最低・最高限度額を導入しようとするものでありまして、これは公平を図る見地から設けられたものであり、また、今回既に衆議院を通過しております労災補償制度における同様の改正との均衡を図るために行おうとするものでありまして、国公災において別段の取り扱いを行う理由はないものであるということを申し添えておきたいと存じます。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ─────────────

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 この際、本案に対し、三浦久君から修正案が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。三浦久君。     ─────────────  国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────

三浦久日本共産党

○三浦委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題になっております国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対する修正の提案理由とその内容の概要を御説明申し上げます。  政府は本案の改正理由を、労災保険法の改正に準じて行うと述べています。労災保険法は、労働基準法研究会の中間報告に基づいて、労災認定患者の休業補償の一年半打ち切り、労災保険年金と厚生年金の併給廃止など、労働保険制度の根幹を骨抜きにする抜本改悪が意図されています。これまで国家公務員災害補償法の改正が労災法に準じて行われてきた経過を見るなら、こうした状況を重視せざるを得ません。  次に、修正案の内容について御説明いたします。  修正案は、政府提出の一部改正案で導入しようとしている休業補償の最高限度額を削除するものです。  その理由は次のとおりです。国家公務員災害補償法第十二条では「国は、休業補償として、その勤務することができない期間につき、平均給与額の百分の六十に相当する金額を支給する。」と規定しています。しかし最高限度額を設けると、この百分の六十の休業補償が空洞化させられ、それ以下の受給者が出る可能性があるからです。それは現在の受給者で、本案が実施された場合、一部の受給者は百分の六十以下に切り下げられるという政府の試算によっても裏づけられます。しかも、職員の大幅な定員削減による労働強化、増加する公務災害の発生状況などを考慮するなら将来こうした人々がふえる可能性がますます強くあります。  国家公務員災害補償法の目的は、その第一条で明確のように「被災職員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」ものであります。休業補償の減額はこの目的にも反するものであります。  以上が修正案の概要と提案理由です。委員各位の御賛同を心からお願いいたしまして、趣旨説明を終わります。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 これにて修正案についての趣旨の説明は終わりました。     ─────────────

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、先ほどの理事会の協議により、討論は御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。  これより採決に入ります。  まず、三浦久君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 起立少数。よって、三浦久君提出の修正案は否決されました。  次に、原案について採決いたします。  国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ─────────────

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、植竹繁雄君外四名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。植竹繁雄君。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の各派共同提案に係る附帯決議案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一 災害の予防及び職業病の発生防止のために、なお一層努力するとともに、公務災害の審査及び認定については、現在懸案中のものを含め、その作業を促進して早期処理に努めること。  一 社会全体の高齢化の進展にかんがみ、重度障害者等に対する介護に係る補償のあり方を含め、被災職員の介護施策について、積極的に検討すること。  一 職務に起因する脳・心疾患による突然死を予防する観点から、職員の健康管理に一層留意するとともに、脳・心疾患に係る突然死の公務上外の認定については、医学的知見の動向を踏まえ、適切な運用に努めること。  本案の趣旨につきましては、当委員会における質疑を通じて明らかになっていることと存じますので、説明は省略させていただきます。  よろしく御賛成くださいますようお願い申し上げます。

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、総務庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。塩崎総務庁長官。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○塩崎国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を踏まえ、人事院とともに検討いたしてまいりたいと存じます。     ─────────────

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕     ─────────────

岸田文武自由民主党

○岸田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時三十一分散会

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