逓信委員会 第8号
- 発言数
- 250 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/05/24
会議録
○上草委員長 これより会議を開きます。 逓信行政に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として日本電信電話株式会社代表取締役草加英資君、日本電信電話株式会社取締役寺西昇君、日本電信電話株式会社高度通信サービス事業本部移動体通信事業本部長田中良一君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上草委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ─────────────
○上草委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金子徳之介君。
○金子(徳)委員 私は、自由民主党所属委員として、さきの大臣の所信表明に基づきまして、質問をいたしたいと存じます。 初めに、郵政事業について伺います。 今さら改めて申し上げるまでもないわけでありますが、我が国の超高齢化社会、高度情報化等の急激な進展に伴う成熟社会の出現、加えて国際化の進展等によりまして、国民の価値観の変化はライフスタイルあるいはニーズの多様化等、社会生活環境が大きく変わりつつある現況であります。大臣は、これら国民の期待にこたえて一層の経営努力を続けたいとの表明がありましたが、今後郵政事業、とりわけ郵便事業はどのように対処されていく考えか、その基本的指針をお示しをいただきたいと存じます。お願いいたします。
○深谷国務大臣 金子委員にお答えをいたします。 御案内のように、郵便事業は労使関係が近年非常に順調にいっておりますし、社会的な背景、特に経済の状況というものも順調でございますので、そのようなものを背景にいたしまして、各種の経営努力を真剣に重ねながら、おかげさまで順調に今日推移していると考えております。そして国民の生活とは全く不可欠の存在でございますので、ますます自覚を持って臨んでいかなければならぬ、こう考えます。 今後、お話しのように、国際化あるいは高度情報化、ライフスタイルの多様化など、社会的な大きな変化があるいは発展が見られる、こう考えるわけでございます。それらは郵便事業に多大な影響を与えることは当然であろうと思いますので、そのような周囲の動きも的確にとらえていかなければならないというふうに思っております。 二十一世紀に向けて、郵便事業の未来を切り開きながら、国民の皆様のニーズにどのようにこたえていくか、国民生活の安定向上のために全力を挙げてお役に立つように努力をいたしてまいりたい、そのように思っております。 郵便事業は、今後次の三つの基本的な方向で事業を展開してまいる方針であります。 第一は、多様化、高度化していくニーズに即応して、多種多様な郵便サービスを提供すること。二つは、郵便ネットワークの情報化、効率化に努めること。三つ目は、郵便ネットワークを活用した地域社会、国際社会への貢献でございます。そのための具体的な各種施策を積極的に実施して、社会のインフラストラクチャーとしての郵便事業を確固たるものにしてまいり、将来にわたり日本と世界の発展に寄与してまいりたいと思っております。 そのような観点に立って、平成二年度予算を御審議していただいておりまして、また平成三年度の予算要求にもそのようなスタンスで取り組んでまいりたい、こう考えております。
○金子(徳)委員 大臣はまた、国民の暮らしに密着した二万四千の郵便局を地域活動の中心となるセンターにしたい、そうした時宜を得た所信を述べておられるわけでありますが、郵便局の今後のあるべき姿は当然地域社会に密着した親しめる広場を兼ね備えたものという観点で進め、とらえていくべきと考えておりますが、いかがでしょうか。
○深谷国務大臣 金子委員御指摘のように、全国に二万四千郵便局がある、このネットワークというのは本当に重要でありかつまた他に例の見られないような拠点になっていくわけでございまして、そのネットワークを中心にいたしまして、情報の発信、受信、それらを綿密に行うとともに、地域コミュニティー活動の拠点として活用していくということが非常に大事でございまして、地域に貢献する郵便局づくり、まさにお説のとおりであると考えております。 具体的に申し上げると、例えば住民票等の請求、交付の郵送サービスによる利便性の向上あるいはふるさと小包の開拓、あるいは全国紹介による地場産業の振興、あるいはコミュニティー活動としては、例えば書道展を開催する、絵画展を行うといったような局舎を有効に使った活用などさまざまあろうと思うのでございます。 また、平成二年度からは、郵便局間を衛星通信で結んで、各地の特産品の紹介であるとか、観光イベントの交換であるとか、場合によっては幾つかの郵便局のホールを使って衛星放送で同時に意見の交換会を開くなど活発な活動ができるのではないかと思いまして、鋭意御期待に沿うような努力をいたしてまいりたいと思っております。
○金子(徳)委員 地域に貢献する郵便局づくりという前向きの姿勢と努力に敬意を表したいと思います。このような役割を担う郵便局は私は生活行政そのものであるというふうに思います。特に、民間活力を入れました特定郵便局、これは全国一万八千局あります。また、委託方式でございます簡易郵便局、これはまた四千五百局となっているわけでありますが、これは約でございます。 ところで、これら特別な機能と役割を有する郵便局、これが、さきの行革審においてすべて民営化を図るべきであるとの意見が出された経緯があるというふうに伺っているわけであります。これは事実かどうか、また、政府の考えといいますか大臣の考えを伺わせていただければ幸いと存じます。なお私は、前にも申し上げましたが、生活行政そのものである末端の郵便局の民営化には断固として反対の政治スタンスをとってございますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
○深谷国務大臣 私は基本的な考え方を申し上げたいと思うのでありますが、郵政事業というのは、先ほど申し上げたように、国民生活とは全く切っても切れない重要なものでございまして、特に郵便、貯金、保険などのサービスを全国至るところで行うということは、日常生活には欠かすことのできない重要なポイントでございます。 しかも、先ほどお話がありましたように、二万四千というネットワークで、これは過疎地であろうと山間地帯であろうと国民の要求にこたえるために公的な機関として常にきちんと配置されている。これは他には例の見られるものではございませんで、そういう意味では、国民の皆さんに公平にさまざまな利便を提供する、こういう公的な重要な使命を有するものでございますから、仮にも民営化などといったような形でこれが崩されるということになりますと、日本の将来並びに国民の生活が一気に不安定になることは必定でございますので、私どもの頭の中には民営などということは全く考えておりませんで、先生の御協力もいただきながら、少なくともそういう声が誤った形で出されることのないように努力していかなければならないと思っております。
○金子(徳)委員 大変力強いお言葉をちょうだいいたしまして安心をいたしました。 最近の地価高騰や人口密度の高い地域に対するサービスの機能強化ということで、簡易郵便局のテナント化等の関連法案が整備されましたことはまことに喜ばしいというふうに考えているわけでありますが、さらに角度を変えまして、住民サービスのために地域密着の局の新設をするような場合に、地方自治体との公共的な建築物の合築の希望があった場合に郵政省はどのように考えておられますか。 また事例として、私は実は村長上がりでございます。小さな二万五千の町長をやっておりましたが、ユーユー体育館ということで移転に伴います局の三階に体育館をつくらせていただきまして、大変好評でございました。このような事例は全国にあったのかどうか。めくら蛇におじずでお願いをしたわけでありますが、また、この問題として、一定の合築のためのガイドラインがないと、ふるさと創生なんかでこういったものがいっぱい出た場合に郵便機能が阻害される危険性なんかも出はしないかと逆に心配しているわけでありますが、ガイドラインを示す必要があるかどうか等についても、これは事務方からお願いをいたしたいと思います。 〔委員長退席、井上(喜)委員長代理着席〕
○小野沢政府委員 お答え申し上げます。 まず、ユーユー体育館という名称をお聞きしまして非常にうれしく思っております。 先生の御趣旨の保原郵便局ですけれども、平成元年四月に保原町の体育館を併設して新築されましたけれども、その際に用地の確保とか地元対策などにつきまして先生から関係方面に強く働きかけをいただいておることを承知しており、改めて感謝の意を表させていただきます。 現在、聞きますと、同体育館は町民の皆様の健康増進の場、憩いの場あるいは交流の場として広く親しまれているというふうに聞き及んで、非常に喜んでおります。このような大勢の人に利用される体育館が新設されたということで、直ちに私どもの郵便局のイメージアップにもつながっておりまして、郵便局の利用も新築前に比べて増加しております。幾つか例を申し上げますと、例えば切手類の販売枚数が新築前に比べて約二〇%増加しております。それから定額・定期貯金の受け払い件数が約三〇%増加しているということで、このようにこの場合の合築は郵政事業としても非常にメリットがある、そういうケースになっているということでございます。 ところで、こうした合築のケースがほかにあるかということでございますが、調べてみましたところ、郵便局と自治体の建築物とを合築した例というのは現在のところこの保原郵便局以外にはございません。そこで、合築の例がない理由を考えてみたのですけれども、集配普通郵便局の場合は、地域の発展に伴って郵便物数の増加が著しい、そういったケースが多い。そこで、郵便サービスを将来とも円滑に提供するためには将来の増改築を想定した局舎構造としておく必要がある、この辺が原因だろうと思います。 ところで、局舎にもいろいろな種別がございますが、そういう意味で、集配普通郵便局の場合には体育館のような自治体の建築物を併設することは困難な場合が多いというように考えるのですが、今回の保原郵便局の場合につきましてはなぜ成功したかと申しますと、やはり先生を初め保原町から各方面にわたり多大な御協力をいただいた結果実現したというふうに考えております。したがって、これが重要なリーディングケースになるのではないかと考えております。 一方、今度は無集配普通郵便局及び特定郵便局についてでございますが、集配普通郵便局のように郵便業務上必ずしも将来の増改築を想定する必要はありませんけれども、合築の可否の判断を行うに当たりましては、自治体建築物の規模や用途、郵政事業と地方自治行政の双方にとってのメリットがあるかどうか、そういったことを総合的に勘案していく必要があろうかと思います。 いずれにしましても、自治体建築物との合築を検討する場合には、業務上の支障の有無を判断した上で、関係地方自治体と十分な意思疎通を図り、自治体建築物の規模、用途等の諸条件を整備する必要があると考えております。今申し上げたことが先ほど先生がおっしゃったガイドラインの策定の基礎になるというふうに考えております。 それから、また一つ大きな問題でございますけれども、郵便局と民間建築物との合築につきましては、国有財産法第十八条の規定によって認められておりませんけれども、郵便局の土地の高度利用を図ることは地域社会の振興に資する有効な手段の一つであるというふうに考えております。そこで、平成二年度の郵便関係予算の重要施策の一つといたしまして、郵便局の土地の高度利用に資する事業への出資を要求し、その結果、平成二年度政府予算案に郵便局の土地の高度利用のあり方等郵便事業運営基盤の整備に関する調査研究費といたしまして一千百万円が初めて計上されました。そこでこれからその調査研究に着手するということでございます。 今後とも地域社会の振興に資する観点から、郵便局と自治体建築物との合築のほかに、民間建築物との合築の実現を図り、郵便局の土地の高度利用を目指していきたいと考えております。 以上であります。
○金子(徳)委員 続いて、郵政三事業のうち、郵便貯金と簡易保険事業について伺いたいと思います。 時間がございませんので質問の要点のみを申し上げたいと存じますけれども、金融の自由化、国際化等、社会経済環境が大きく変化しつつあるわけでありますが、この二つの事業は国営事業としてそれぞれ全国広くあまねく公平にサービスを供与して、国民生活と福祉向上のために一層重要な役割と期待を担っていかなければならないと思っております。この二つの事業のそれぞれの課題と展望、そして今後の対応策を改めてお伺いをいたしたいと存じます。これが第一点であります。 また、特に簡保年金資金につきましては、還元融資を通じて地域の活性化等に大いに寄与をいたしているわけであります。今後も良質な資金として有効な資金運用について、地方還元にさらに力を入れてほしいと思うわけであります。いろいろ大蔵の財政法の関連等もあるかと思いますけれども、郵政省としてよりフリーハンドを持った資金運用等をやってやれないものかどうかを含めて、これらの所見を伺いたいと存じます。
○深谷国務大臣 郵便貯金の長所といいましょうか、特に申し上げたいのは不採算地域を含めて全国くまなく配置されてサービスの提供を行っている。それからもう一つは集まったお金を社会資本整備等のために公的分野で使わさせていただいている。これはいずれも国民の福祉の向上に大きく貢献するものでございます。この基本的な立場というのはこれからどのように経済社会環境が変わりましても不変であろう、そのように考えております。 金融の自由化は預貯金利の上昇やサービスの多様化などいい部分がたくさんございます。しかし一方では、例えば民間金融機関でございますと余り採算性のとれないところは撤退するとか、そういう陰の部分もございますが、私どもといたしましては、いい部分を伸ばしながら陰の部分は確実に押さえ込んでいく、そういう努力をこれからしていくことが非常に大事なことではないだろうかというふうに思っておりまして、一層皆様のニーズに応じて個人金融サービスの充実、事業運営の効率化に努めてまいりたいというふうに思っております。 それから簡易保険と郵便年金事業につきましても同様でございまして、国民の皆様に公平に利益を提供するということ、つまり国民生活、福祉の向上に役立つものでございます。特に高齢化が急速に進んでいる今日の状況を考えますと、自助努力を促進するために一層この役割というものも深くなってくるのではないかと思っております。国営事業として国民の真の要望にマッチした多様な商品、サービスの開発、提供に努めてまいりますとともに、資金の効率的な運用や加入者福祉のサービスの向上にも一層配慮いたしまして、先生の御期待にこたえていきたいと思っております。 〔井上(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
○松野(春)政府委員 資金の地方還元につきまして若干触れさせていただきます。 私どもの簡易保険・郵便年金事業も加入者福祉施設の設置・運営それから資金の運用の二つの面で地域の皆さん方と大変深いかかわりを持っているわけであります。特に御指摘の地方公共団体の融資でございますけれども、本来簡保・年金資金というものが、御案内のように、全国津々浦々の郵便局を通じて広く集められた資金であるということに思いをいたしまして、できる限り地域社会の発展と住民の福祉の増進に役立つように地方還元したいという基本方針のもとに臨んでおります。 平成二年の三月末における貸付現在高ですが、約九兆円が地方公共団体貸し付けでありまして、これに公募地方債等の保有額約三兆七千億円を加えますと、約十二兆七千億円が地方で御活用されておるという数字になってございます。 従来からもこのようにいろいろ配意しているところでありますけれども、今後におきましても、この資金枠につきましては十分配意していくというのが一点でございます。それから、これは関係当局との折衝が必要でございますが、でき得れば第三セクターへの融資の実現等も図りたいということで努力してまいるつもりでございます。
○金子(徳)委員 続いて電気通信行政関係について伺いたいと思いますが、大臣の所信の中で地域の情報化の推進を第一に述べておられるわけであります。この中で、大都市と地方の大きな格差を認められた上で政策の展開を進められようとしておられることは時宜を得たものと存じております。今後の通信・放送産業はどのように育てていこうとされるのか、あるいはその中でテレトピア指定地域の今後のフォローアップがどうなるか、これらについては、時間の関係もございますので追って資料等をちょうだいしたいと存じます。 先に進めさしていただきたいと思いますが、そうした意味で我が国はまさに情報立国でございます。これから国内外に発展、貢献のそれぞれの責任、役割、これは電気通信事業の分野において大きく担っている部分があるのではないかなと思っているわけですが、そのうち特に基幹的な事業者でございますNTTの役割、これは大きいものがあるかと思います。先般NTTのあり方について政府決定が出されました。これを取りまとめられた経緯、背景及びその内容はどのようなものであったかをお答え願いたいと思います。
○森本政府委員 御案内のとおり昭和五十七年に臨調答申というのが出まして、当時の電電公社について合理化を推進する、あるいは独占の弊害の除去をする、あるいは巨大経営体の規模の適正、こうしたいろいろな問題点の観点から、組織再編成を行った上で民営化する、そういう指摘が行われたわけでございますけれども、御案内のとおり、昭和六十年の改革については組織再編成は行わずに当面一社のままで民営化する、こういうことで推移をしてまいったわけでありますが、その際、NTTのあり方に関しましては五年以内に再検討するということで、具体的には御案内の日本電信電話株式会社法附則二条の定めによりましてNTTの成立の日から五年以内、すなわち平成二年、この三月末までに必要な措置を講ずることを政府に対して義務づけられておった、こういう背景がございます。 このために御案内のとおり、電気通信審議会に郵政省といたしましてはこの問題を諮問いたしまして、この三月二日に最終答申をいただいたわけでございますが、この答申は、国民、利用者の利益の最大限の増進、我が国の電気通信全体の均衡ある発展を図る上で、今先生御指摘のとおり基幹的な事業者であるNTTをどうするかということについて、他の事業者との関係にも十分配慮されながら今後の方向を示していただいた、こういうことでございます。 この答申については時間の都合上割愛させていただきますが、この答申を受けまして、政府の部内といたしましては三月三十日に政府措置を決定したわけでございます。この電気通信審議会の答申の精神を生かして、具体的に対応を申し上げますと、一つは、公正競争を促進するためにNTTが長距離事業、地域別事業制を導入、徹底して、その収支状況を開示するよう措置するとともに、移動体通信業務を一両年内を目途にNTTから分離して完全民営化する、また接続の円滑化、内部相互補助の防止、情報流用の防止、ディジタル化の前倒しについても所要の措置を講ずる。 それからNTTにおいては徹底した合理化案を自主的に作成し、これを公にして実行する、また国民、利用者の利益の一層の向上及び電気通信事業の一層の活性化を図るために必要な規制緩和について実施するとともに、NTTが行う株主への利益還元についても配慮する。三つ目といたしましては、これらの措置の結果を踏まえましてNTTのあり方について平成七年度に検討を行い、結論を得る。 大ざっぱな概要は以上のとおりの背景、推移になっております。
○金子(徳)委員 時間がなくなってまいりましたので要点のみ申し上げます。 ただいま説明を受けましたところ、政府決定は公正有効競争の促進、NTTの経営の向上等を通じて電気通信全体のバランスと国民の利益の増進を図る観点から必要な措置が取りまとめられたものということに受けとめたわけであります。この考え方は私は大いに評価いたしたいと思っております。ついては、郵政省としては今後、政府措置の実施を通じてNTTをどのようにしていく考えなのか、またそれを通じてどのようなメリットを国民あるいは社会に及ぼし、与えようとしているのか、お伺いをいたします。
○深谷国務大臣 郵政省といたしましては、ただいま局長からも申し上げましたが、公正有効な競争を促進する、それからNTTの経営向上等を図る観点から、政府の措置を着実に推進をしていただいて、NTTが一層活力に満ちた事業体となってもらう、またそのことが電気通信全体の均衡ある発展を実現させていくわけでありますから、そのように私どもも協力をしてまいりたいと思っております。 そしてそのことによって昭和六十年の電気通信制度改革のねらいが達成されるように料金の低廉化、サービスの高度化、多様化を一層促進して、国民、利用者の利益の増進及び社会経済活動の効率化がもたらされるように大いに期待しているところでございます。
○金子(徳)委員 最後に、これも時間がございませんので、要点のみを要望という形で申し上げたいと思います。 ことしは国際防災十年です。国連決議でこの記念すべき年になったわけでありますが、これを機に防災の充実についてさらに努めるべきと思うが、郵政省の取り組み方を伺っておきたいと思います。また、郵政省としては、NHKなどの放送事業者に対しまして防災面でどのような役割を期待しているのか、伺いたいと思います。また、緊急放送システム、これは災害があった場合には寝ておっても受信できるということで、そういった技術開発が機器について行われているというふうに伺っております。不勉強でこの機器をまだ見たことがないわけでありますが、災害が起こったとき大変役に立つものと思いますので、その普及のためのPRにいま少し努めてはどうか、そのように思う次第でございます。またあわせて、自治体衛星通信機構が最近設立されたと聞いておりますけれども、その具体的な事業内容、今後のスケジュール等についてお尋ねをいたしますが、時間がございませんので、これらについては後ほど資料でお示しをいただきたいと存じます。
○森本政府委員 御指摘の国際防災の十年、いよいよ一九九〇年をこのスタートの年にしようということで、我が国もこの国連決議の線に沿いまして、総理大臣を長としてこの十年の推進本部というのが設けられております。私ども郵政省としましては、やはり電気通信の分野で大いにこうした問題について協力をできるのではないかということで、今真剣に取り組んでおります。 特に今重点を置いて考えておりますのは、日本もある意味で先進国ではございますが、大変自然災害の多い国でございまして、今御指摘のような防災に関するいろいろな通信システムだとか、あるいは予知の技術とかいろいろなことがございますので、こうした面を国際協力に大いに活用してまいりたいと考えております。今当面力を入れておりますのは、途上国の自然災害をあらかじめ早期に警報できるようなシステムとか、あるいは防災の通信システム、こういうものの構築について私ども今一生懸命勉強いたしております。 つまりその国、その国で、例えば、バングラデシュでありますと大変洪水が多いとか、あるいは中南米には地震が多いとか、そうした地域別に――ただ残念なことに全体としてまだ公衆網自体も不十分でございますが、そうした中で最も効率的な防災通信システムの構築はいかにあるべきかということで今一生懸命研究をいたしておりますので、こうしたモデルを構築してこの技術移転を途上国に推進してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○大瀧政府委員 NHKを初めとする放送事業者は、災害発生時には災害放送の実施等必要な措置をとるべきことを、いわゆる私どもの放送法、それから災害対策基本法等において求められておるわけでありまして、関係防災機関の情報に基づきまして、またさらには自身の取材に基づきまして防災情報等を提供しているところでございますが、今後はさらに特定の地域へのよりきめ細かい防災情報の提供というようなことについても私ども研究を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。 それから、最後に緊急警報放送システムに関します御質問がございましたが、詳細はまた資料で提出させていただきますが、現在、毎月一日の午前十一時五十九分から正午までの一分間、NHKの総合テレビとそれからラジオの第一放送、FM放送によりまして、緊急警報信号を試験的に送信をいたしまして、緊急警報の受信機の非常時の動作の確実性を図るために毎月そういうことをやっているわけでございまして、今後ともこれらの普及に関しましては一生懸命やってまいりたいと思っております。
○金子(徳)委員 時間が参りました。これで質問を終わりますが、大臣以下政府委員におかれましては大変御協力を賜りました。ありがとうございました。終わります。
○上草委員長 次に、森英介君。
○森(英)委員 私、自由民主党所属議員として、さきに示されました大臣所信に対しまして一般質問を行わせていただきます。 なお、今回は私にとりまして初めての質問でございます。委員長初め各党委員各位、また大臣初め政府関係各位の皆様方の今後の御指導をよろしくお願い申し上げます。 さて、ただいま金子委員より郵政事業全般にわたっての総括的な御質問がありましたが、私は特に電気通信関係に焦点を絞って質問させていただきたいと思います。 まず、放送関係から始めさせていただきます。 近年、衛星放送の普及が著しく、本年三月末には既に二百三十六万世帯に普及していると聞いております。このように衛星放送は着実に国民に受け入れられ、その重要性はますます高まってくるものと思われます。私は、国民生活に重要な役割を果たす衛星放送の普及発展を積極的に図っていくべきであると考えておりますが、これに関連して幾つかお尋ねいたします。 まず、今申し上げました衛星放送の普及促進について、郵政省としてはどのようにお考えになっているかをお聞かせいただきたいと思います。
○深谷国務大臣 森委員のような若い皆さんが郵政事業に御熱心に取り組んでいただくことに敬意を表します。 衛星放送について申し上げますと、一波で全国がカバーできる、そういう意味では非常に大きな力でございます。NHKの地上テレビジョン放送を視聴することができない地域に対しても、あまねく放送サービスが提供できて難視聴解消にも役立つわけでございまして、これらを目的とした衛星放送の一層の発展が期待されるところでございます。また、高音質、高画質の放送が可能でございまして、次の時代を担うと言われているハイビジョン放送などが可能でございます。いわば放送のニューメディアになるわけでございますから、私どもといたしましては非常に重要視いたしているところでございます。 現在、NHKは二チャンネル放送を行っておりますが、受信世帯もおかげさまで順調に伸びておりまして、平成二年四月現在で二百四十三万世帯が受信をしているところでございます。本年八月に打ち上げる予定のBS3aにおきましては、NHKに加えて民放も参加することになってございまして、来年八月の打ち上げの予定のBS3bにおいては、ハイビジョン専用の放送も可能となっているわけでございます。 このように、衛星放送は新しいメディアとして国民生活にとって重要な役割を果たし得るものと考えておりまして、郵政省といたしましては、関係各機関と十分に連絡をとり御協力もいたしまして、御期待に沿うような答えを出していきたいと考えております。
○森(英)委員 ただいま大臣から大変積極的な御答弁をいただきまして、非常に心強く思った次第でございます。国民生活に重要な役割を果たす衛星放送が先細りにならないように、今後ともひとつ全力で取り組んでいただくように要望いたします。 次に、現在、今大臣からもお話がありましたが、衛星放送を行っているのはNHKだけでございますけれども、NHKとともに民間事業者も加わった多彩な番組の提供を国民が待ち望んでいるというふうに思います。そこで、今後BS3あるいはBS3の後継機ではどこが何チャンネル持つようになるのか、この辺をお尋ねしたいと思います。
○大瀧政府委員 今年及び来年の八月打ち上げ予定のBS3の段階では、NHKの放送については、難視聴解消を目的とした放送、さらには衛星系による放送の普及に資するためその特性を生かして行う総合放送をそれぞれ一チャンネル、さらには民放による放送一チャンネルの合計三チャンネルを予定しているわけでございます。特に民放は、JSBという会社が、新しい形態でありますところの有料放送を中心に行うべく現在着々と準備を進めているところでございます。 BS3の後継機の段階では、我が国に割り当てられておりますところの八チャンネルすべてを利用して本格的な衛星放送時代が実現されることを期待しているわけでございます。BS3後継機の打ち上げ時期といたしましては、BS3の寿命が七年であるということから、平成八年から九年を予定しているわけでございます。このBS3後継機のチャンネルの利用等に関しましては、衛星放送の将来展望に関する研究会が昨年の二月に提言を私どもに出していただきました。今後の衛星放送の動向を見きわめながら、その特性を生かして、国民のニーズに対応したサービスが行われるよう具体的な利用法について検討していく考えでございます。
○森(英)委員 ありがとうございました。 放送衛星に加えまして通信衛星を利用した放送サービスの実現を図るための条件整備が進められていると聞いております。国民の間でも情報に対するニーズが多様化しており、この欲求を満たすサービスの実現は国民にとって大きな関心事であると思います。そこで、通信衛星を利用した放送サービスもできるだけ早く実現することが望ましいという見地から、その実現に向けてのスケジュールをお聞かせいただきたいと思います。
○大瀧政府委員 昨年六月の放送法及び電波法の一部改正によりまして、通信衛星を利用いたしました放送サービスが可能となったのでございます。 音声放送に関しましては、その技術的条件等、電気通信技術審議会から本年一月に答申を受けました。現在、この答申に基づきまして技術基準の省令化など所要の手続を行っているところでございます。本年夏ごろまでには放送普及基本計画において音声放送の導入計画を明らかにいたしまして、今秋には、すなわちことしの秋ごろには申請が可能となるように作業を進めているところでございます。 さらに、テレビジョン放送でございますが、これも電気通信技術審議会で精力的に検討をいただいているところでございます。ことしの秋以降に答申が得られる見込みでございます。その後、音声放送と同様の所要の手続を行ってまいりたい、このように考えているわけでございます。
○森(英)委員 衛星放送による実用化を待たれる放送ニューメディアの中で最も期待されているのは、ハイビジョンであると思います。しかしながら、可能性に富むメディアであるだけに各国ともその開発、実用化にしのぎを削り、国際規格化は非常に難航が予想されるのではないかと思います。現在ハイビジョンの国際規格に関する会議が開催されていると聞いておりますが、その会議において勧告案が審議されているということでございますが、国内でハイビジョンを実用化する上でそこで何か支障は生じないのか、またこうした動向を踏まえて今後の実用化のスケジュールをどう想定しているかを伺います。
○大瀧政府委員 ハイビジョンの番組制作規格に関しましては、現在西ドイツのデュッセルドルフで開催されておりますCCIRの総会において、ちょうど昨日でございます、五月二十三日に勧告が採択されたところでございます。ハイビジョンの勧告に関しましては、これまで日本と欧州の方式が対立をしていたわけでございます。今回の勧告で完全にこの二つの方式が統一されたというわけではないのでございますが、この勧告が採択されたということは、日本と欧州の方式がそれぞれの立場で両立してもいいというような勧告になっているわけでございますので、この勧告に基づきまして我が国の方式を実施することが可能となったわけでございます。 したがいまして、我が国といたしましてはハイビジョンの送信の標準方式など国内の規格の制定を急いでまいりたいと思っております。私といたしましては、来年一月を目標に諸規則の制定をいたしたい、このように考えておるわけでございます。
○森(英)委員 今のお話で、いよいよハイビジョンの実用化に向けて大きく動き出したようで、私としてもまた一国民として大きな期待を持っております。 とはいうものの、ハイビジョンの受信機はまだ一台数千万円もするということで、とても一般家庭では手が届かないというのが現状だと思います。今後、実用放送の早期実現、番組の充実、受信機の低廉化等々、相乗的に進めていかなければ国民の期待にこたえることはできないと考えます。そこで、郵政省としてハイビジョンの普及にどう取り組んでいくおつもりか、この辺をお尋ねしたいと思います。
○深谷国務大臣 ハイビジョンの普及促進につきましては、郵政省としては、例えば各種のデモンストレーションでハイビジョンを映す、現在でございますと大阪の花博で実際にデモンストレーションをやっております。それから、ハイビジョンの定時実験放送の実施、御案内のように、平成元年六月から毎日一時間ハイビジョンの定期放送を行っております。次に、ハイビジョン・シティ構想の推進、御案内のように、現在は二十三の地域を指定いたしましてハイビジョン・シティと名づけてさまざまな御協力をいたしながら、その地域に密着した形でのハイビジョンの普及を図っているところでございます。これら三点を中心は普及に努めてまいりたいと思っております。 特に、ハイビジョン放送の早期実用化のために、先ほどもちょっと触れましたが、放送衛星三号予備機、BS3bでございますが、このトランスポンダーの一本をハイビジョン専用チャンネルとして確保いたしております。また、ただいま御指摘のハイビジョンの受信機が非常に高いという点については全くそのとおりでありますが、主要部分のLSI化も進み、小型化、軽量化が図られつつございまして、メーカー各社が量産できる体制になれば価格もかなり安くなっていくのではないか、普及の状況と相まってそれらを促進していきたいというふうに思っております。 郵政省といたしましては、機器の普及状況、番組ソフトの供給体制等を踏まえながらハイビジョン放送の早期の実用化を図ってまいりたいと思っております。
○森(英)委員 ハイビジョンのように脚光を浴びているニューメディアのほかにも、地味ながら国民の多様なニーズにこたえることのできるさまざまなメディアの実用化が進められているということでございます。特に多くの情報をハードコピーの形で伝えることのできるファクシミリ放送の実用化が間もないということでございますけれども、この実用化の時期はいつごろでしょうか。またどのような利用が考えられるのか。さらに、その普及のためにどのような施策を考えておられるか。これらの点についてお伺いしたいと思います。
○大瀧政府委員 私ども、テレビジョンファクシミリ多重放送は技術的にはもう実用化の段階を迎えている、そのように考えております。現在所要の技術基準の策定、制度面の整備を行っているところでございます。おおむね一年後を目指して実用化を行っていけるのではないかというような予想をしているわけでございます。 このファクシミリ多重放送を利用した情報提供サービスの例といたしましてはいろいろなものが考えられます。現段階におきましては、テレビジョン放送のニュース番組の詳細な内容であるとか、あるいは料理番組の材料表、教育番組のテキストやあるいはテレビジョン放送の番組とは独立したニュース、天気予報、市況、金融情報、催し物、旅行案内、そのほかいろいろな学術情報の提供などが想定されております。現在では、電話のネットワークによりますG3方式による普及が進んでいるわけでございますが、技術的にはテレビジョンファクシミリ多重放送もこのG3の技術をベースにしたもので出発をしてまいりたい、このように考えているわけでございます。 このテレビジョンファクシミリ多重放送の普及のための施策につきましては、昨年度郵政省において開催いたしましたファクシミリ多重放送に関する調査研究会の報告の中で、放送事業者の創意工夫が最大限に発揮されるような制度を整備するとともに、普及推進協議会のような実用化に向けた支援体制というものを早期に確立するよう提言をいただいているところでございます。そうした点を含めまして多角的に検討してまいりたいと考えております。
○森(英)委員 ただいまお話しのように、メディアが多様化する中で、例えば衛星放送で何チャンネルもの放送が行われると地上のローカル放送局が今後とも存続していけるのか、あるいはハイビジョンが実用化されたら既存のテレビはどうなるのかといった心配もよく耳にします。郵政省としては、これらの多種多様な放送メディアを今後どのように調和させて発展させていこうとお考えになっているのか、その基本政策をお尋ねいたします。
○深谷国務大臣 近年、放送技術の進歩に伴って、従前の地上放送に加えて、例えば放送衛星、ハイビジョン放送、PCM音声放送、多チャンネルCATVなどさまざまなニューメディアが出現をしていることはお説のとおりでございます。こういう高度情報社会の進展に伴って放送に対する国民のニーズもさまざまに変化し、多様化してくるであろうというふうに思います。 郵政省としましては、技術革新の成果でございますから、これをどうやって国民に公平に還元するかということに全力を挙げて取り組んで、各種放送ニューメディアの導入普及を積極的に進めてまいりますとともに、将来的には、これらの放送ニューメディアを含むさまざまな放送が、それぞれの特性を生かしながら調和ある発展を遂げて、国民生活の向上や活力ある経済社会の構築、文化の向上のために資するようにしていきたいと思います。制度面も含めて、適時適切に対応してまいることも非常に重要であろうと存じまして、しっかり勉強もし、そのときを迎えるまでに一層の準備もしてまいりたいと思っております。
○森(英)委員 次に、通信関係についての質問に移らせていただきます。 まず初めに、このたびのNTTの料金誤請求の案件についてでございますけれども、その事実関係と、どのように対処しているかをお尋ねいたします。
○森本政府委員 料金の誤請求の件、過日新聞報道もされたところでございますが、平成元年度にNTTが誤って料金を請求したという件に関しまして、現在報告を受けているところでは十七万件余、総額十八億円余、こういう報告を受けております。大変多くの利用者に料金について不信感を与えておるわけでありまして、高い公共性を持っているNTTとしては、事業の信頼という点で大変遺憾な事態だと考えているわけでございます。 この原因についても私どもいろいろ今調査をいたしておるところでございますが、この料金請求システムには二つのコンピューターシステムがあるようでございますが、このシステムが動きますにはデータを入れてやらなければならないわけですが、このデータの入力ミスがあった。過誤がありますのは、既に買い取った電話機にかかわらず相変わらず月額百八十円のレンタル料金を請求しておる、こういうことが多いようでございますが、いずれにしてもこれはNTTにとって大変重大な問題でございますので、現在この善後措置、再発防止ということで厳重に指導いたしておるところでございまして、報告では全国的なチェック作業を七月末までに全部完了したい、こう言っておりますが、大臣からもできるだけ急ぐようにという指示が出ているところでございます。 特に今回の誤請求は、いろいろ調べましたところ、六十三年の三月ごろから本社が全国に指示をしているわけでございますが、まだ今こんな状態でございます。なぜこんなに長期間かかったのか、この辺の原因究明は今後の再発防止の上で大変大事だということでいろいろ詳しく調査をいたしておりますが、今回こうしたことを二度と起こさないために、報道があった以外の件での料金誤請求の実態についても現在いろいろ調査をいたしておる、いずれにしても大変遺憾な事態があったと考えているところでございます。
○森(英)委員 私事でございますけれども、私は民間企業のエンジニア出身でございまして、今お話のあったデータ入力のミスを完全に防ぐことの難しさについては十分認識しているつもりでございます。しかし、本件についてはNTTのあり方ともかかわりがあるとの論評もございますし、適切かつ迅速に対処していただき、また今お話にありましたように、再発防止策を講じてNTTに対する国民の信頼の確立になお一層努めていただきますように、私からも重ねて強くお願いしたいと思います。 続きまして、私たちの身の回りを見ますと、最近自動車電話あるいはポケットベルなど電波を利用した機器が目覚ましい勢いで普及しております。しかしながら、この電波は有限希少な国民共有の財産でありまして、来るべき高度情報化社会においては、いかにして電波の効率的利用を図るかが極めて重要な課題であると考えます。 そこでまず、電波利用の現状についてお伺いいたします。
○森本政府委員 御指摘のとおり電波は有限な資源でございますが、ここのところ情報化社会の進展ということで需要が非常にタイトになっております。 特に分野別に見ましても、これまでの固定の通信系から移動通信に対する需要、すなわち電波の需要が今大変伸びておりまして、特に代表的な移動通信の分野でございます自動車電話というのは、この台数が一年間に倍ふえておる、こういう状況にもございますので、私どもとしてはこうした無線需要にどう対応していくか、大変今頭を痛めておるところでございますが、その他の需要のことについても大変な勢いでございまして、無線局というのが現在日本に五百四十万局ございまして、年々一〇%の勢いで伸びてもございますので、私どもとしては当面この新しい周波数資源の開発あるいは既に開発ができ上がっておるシステムではあるが、なお有効利用が図れないか、こうした点も今大いに取り組んでおる、こういう状況にございます。
○森(英)委員 続きまして、多様化し、また急増しつつある電波需要に対する郵政省の今後の取り組みについてお尋ねいたします。
○深谷国務大臣 既に利用しております周波数につきましては、ディジタル化あるいは利用する周波数の量を少なくするナロー化等周波数の有効利用に努めてまいりたいというふうに思っております。その技術の開発のために、その推進のために努力してまいりたいと思います。 また、急増する移動通信分野での電波需要に対応するために、従来は移動通信で利用できなかった周波数帯、それを新たに利用する技術を開発していく、またこれまで技術的に利用できなかった三十ギガヘルッ以上の周波数帯の利用技術の開発を推進していくなどなど、技術開発を一層努力をいたしまして電波の逼迫している過密な大都市を中心に、あるいはそれ以外の地域でも種々の目的に合わせた周波数の利用が可能になるように進めてまいりたいというふうに思っております。 ナロー化、電波の共同利用などによって電波の能率的な利用に資する機器の購入者に対し、税制面でも支援をしていくような体制も図っていきたい、さまざまな角度から皆様のニーズにおこたえしていきたいというふうに思っております。
○森(英)委員 ありがとうございました。 それでは、最後の質問でございます。 さきの大臣所信におきまして、開発途上国の情報通信インフラの整備拡充に積極的に協力していきたいとの方針が示されております。そこで、現在のところODA予算の中で電気通信関係のシェアはどれくらいかについてお伺いしたいと思います。
○中村(泰)政府委員 ODA予算の全体としましては、平成二年度で一般会計約八千二百億円というものが計上されているわけでございますが、このうち郵政省の一般会計におきます電気通信関連のODA予算は約一億六千万でございまして、シェアとしては〇・〇二%といったような状況でございます。 広い意味でのこの平成二年度のODA事業予算の事業規模といたしましては、我が国全体としまして一兆四千五百億円程度予定されているわけでありますけれども、このうち電気通信関連の予算が幾らかということにつきましては、具体的なプロジェクトは被援助国からの要請に基づきまして政府が決定するということになっておりますので、予算の段階では電気通信関連として確定はしておりません。しかし、例えば六十三年の実績で見ますと、これはドルベースの数字しかないわけでございますが、電気通信関係のODAは約七億ドルでございまして、我が国全体の約百二十三億ドルで見ますと、六%程度のシェアとなっております。 情報インフラというものが発展途上国におきましても大変大切なものでありますから、私どもとしましても、今後とも一層この援助に努力してまいりたいと考えております。
○森(英)委員 以上をもちまして、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○上草委員長 次に武部文君。
○武部(文)委員 本日の委員会の開催によって、当委員会に提出されました郵政省所管の法案がようやく審議に入ることになるわけでありますが、このように審議が大変おくれた、そういう状況は私の経験からいっても全く異常と言わなければならぬ、このように思っています。 その最大の理由が郵政大臣のリクルートの問題にあったし、衆参の予算委員会の審議を通じてその対応については承知をしておるわけですが、ここ数日来予算委員会において、我が党の委員から大臣に対して調査報告の要求がされておるようでありまして、大臣も調査を約束されておるようでありますが、一日も早く調査の結果を提出されることが望ましい、私はそのように思いますが、同時に納得のいく報告を期待しておるわけですが、大臣の見解を最初に求めたいと思います。
○深谷国務大臣 武部委員御指摘のように、当委員会が私の問題も含めておくれましたことをまことに申しわけなく思っております。予算委員会で私も一生懸命お答えをしてまいったつもりでございますし、私なりの調査を基準にして御報告申し上げてまいりました。なお調査せよという御指示でございましたので、折々に調査の答えは出しておりますが、一層誠実に調査をいたして、委員御指摘のような対応をしてまいりたいと思っております。
○武部(文)委員 この問題はこれ以上触れません。 そこで、きょうは時間の関係もありまして、私は郵政三事業について基本的な問題をこの大臣の所信表明に基づいてお尋ねをするわけでありますが、それぞれ郵政三事業の関係法案が本委員会に提出されておりまして、これから三事業の関係する法律の審議がありますので、詳細な問題はその席に譲りたいと思うのであります。 その前に最初に、新行革審が先般郵政事業の経営のあり方についての答申をやっておるのであります。この答申の中に出た経営形態のあり方は、第一次の答申に比較をいたしますと若干内容が異なっておりますが、しかし貯金事業を中心にして経営形態にしきりに手を入れようというそういう画策はいささかも消滅しておりませんし、今回の答申はその面も触れておるようでありますが、この第二次行革審の答申に対して大臣はどういう見解を持っておられるか、これをちょっとお伺いしたい。
○深谷国務大臣 新行革審の最終答申については、郵政事業に関しては、一つは経営の合理化、効率化の推進を図るようにということであります。これはむしろ当然のことだろうと考えて、郵政省としてはしっかり取り組んでまいる所存です。 二番目に、将来の事業のあり方について、「国民の利便・福祉の向上及び国民経済の活力ある発展を図る観点から、その経営形態の在り方を始めとして、総合的に検討する。」云々ということが書かれているわけで、今委員御指摘はむしろこの二番目の事柄ではないだろうかというふうに思います。 私は、全国至るところに配置されております郵便局を通じて、すべての国民が公平かつ簡便に利用できる日常生活に欠くことのできないサービスを提供しているのが郵政事業であるというふうに心得ておりまして、そういう事業の性格から申しまして、また国民の利益から考えまして、現在の形態を大きく変えることは適当でない、むしろ変えようとする声に対しては敢然と立ち向かうべきだ、このような考え方を持っております。冒頭申し上げたように、合理化とか効率化は全力を挙げますけれども、現在の形態を変えるということについてはいささかも考えておらないということを申し上げさせていただきたいと思います。
○武部(文)委員 第三次の行革審の人選が進み、今度は二名ふやして九名のようですが、しかし第二次の答申の最後に書かれておるように、第二次の答申を受け継いで第三次の審議会を続けてやってもらいたい、こういう内容になっておるわけでありまして、決して楽観はできないと思うのです。大臣は同僚議員の質問にも答えて、毅然として三事業を守っていく、こういう方針であったようですから、それは大変結構だと思うのです。 確かに二万四千というネットワークは、国鉄の約五千、NTTの三千のネットワークに比べて大変数の多い、しかも内容的に見ては全く比較にならぬほど国民との間のつながりの深いネットワークになっておるわけでございまして、そういう意味からも三事業の一本が崩れれば当然二つのものも崩れていくわけでありまして、三つがあってこそ初めて成り立つ、これは言うまでもないことでございますが、そういう面からいいますと、特に貯金事業に対する課題というものはこれからも相当強まってくるだろう、こう思います。 全国銀行協会の会長がかわったようでありますが、この会長が就任をされて、郵便貯金に対する専門の委員会を設置をして郵政省と競争をし、対抗してやっていくのだという挑戦を明らかにしておることを私ども報道で見ておるわけですが、今申し上げたような状況のもとで、これからも郵政三事業は一体となって経営形態をこのまま存続する、こういう強い方針でぜひ望んでもらいたい。今の大臣の方針をいささかも変えることなく進んでもらいたいということを申し上げておきたいのであります。 次に、先日大臣のお述べになった所信表明に基づいてお尋ねをするわけですが、郵政省の任務というのは郵政省設置法第三条で明確に定められておるわけであります。この郵政省設置法第三条は、明確に事業として、郵便事業、貯金事業、保険事業、こういうものが定められておるわけでございまして、その次に電気通信に関する事務を所管をする、こうなっておるわけであります。私は、今までの逓信委員会でもそうだったし、同僚の議員からも常々所信表明のあり方についていろいろな意見があったことを承知をいたしておりますが、今回も旧態依然とした同じやり方がなされておるなあということを、お聞きをしたときに直感をいたしました。 なるほど今、郵政省が非常に脚光を浴びて、昔は三流だ、四流だ、いろんなことを言われて我々も腹立たしい思いをしたこともありますが、まさに今は脚光を浴びておるわけです。衛星だ、ハイビジョンだ、テレトピアだ、いろんな聞こえのいい言葉がどんどん郵政省の所管事業として出ておる。郵政事業に携わる者とすれば華やかになることは一面うれしいことでございましょうが、しかし少なくとも郵政省設置法第三条の郵政省の任務から見るならば、また現実に一般会計の規模、特別会計の規模あるいは人員、そういうものから見ますと雲泥の差があるわけであります。 しかも現業官庁として、毎日のように第一線で職員は本当にそれこそ懸命に努力を続けておる。そういう中で、どうも郵政省の方針が華やかな面にだけ、いわゆる脚光を浴びている面だけに集中していくように思えてならぬわけです。これは私としては納得できないことだし、それを無視せよというわけではありませんが、三事業がおろそかになってはならぬ、こういう点を重点にこれから質問をしていきたいと思うのです。 かつて、「郵便貯金は崩壊する」という本が出ました。これは行革審の部会長が書いた本でございましたから大変注目をされたのですが、郵便貯金はいささかも、崩壊などというそんなばかげたことは現実にありもしない。むしろ今、貯金事業はいろんな苦境を乗り切って多くの期待を国民から受けておる、私はそう評価をしておるわけであります。 だんだん情勢が変わって「郵便貯金は崩壊する」なんという本はもうまさに崩壊してしまったと思うのですが、「小説郵政省」だとか、「郵政省の逆襲」だとか、「二十一世紀は郵政省の時代」だとか、むしろそういう本が書店に並ぶような状況になっておるようです。しかし今私が申し上げたように、その内容を見ると、ハイビジョンだ、やれテレトピアだ、やれ衛星だ、そういうようなことが中心になって、三事業の面がどうもおろそかになっているように思うわけです。したがって、これから私が申し上げる具体的な数字や事実の中で郵政省はこの本務の郵政三事業をどういう方針で進めていこうとしておられるのか、それを伺いたいのであります。 この所信表明の第一は電気通信行政から始まっておるのであります。そして第二が電気通信市場の活性化、第三が先端技術の研究開発、そうしてようやく後の方になって郵政事業が出てくるのであります。これはまさに本末転倒でありまして、かつて同僚議員はここで、あなた方の大臣がお述べになった所信表明の郵便事業に何字、やれ貯金事業に何字、字数まで述べてやっていたことを覚えておりますけれども、私はそんなことを申し上げようとは思いません。しかし、現実に郵便事業の中に今何が起きておるか、貯金の事業の中に何が起きておるか、その大事な点が欠けておるのじゃないか、こういうように思うのです。 例えば今、郵便事業は、郵便はようやく皆さんの御努力によって年間二百十五億ですか、先日発表された物数の取り扱いは二百十五億通というふうに発表されております。ずっと赤字だった郵便事業がようやく黒字に転じて、ことしもまた来年も黒字が想定される。職員の大変な努力の結果がそういう数字になってあらわれている。先ほどもお話があったようですが、例えばふるさと小包などというものは、地方の自治体と密着をして、ふるさと創生という政府の方針にマッチして、大変な努力の結果千四百八十七万個、これは数字からいったら前年比三二%増ですね。小包にしたって二億九千八百万個、これはもう日通を抜いたのですよ、そういう状況が生まれてきておる。これが全くこの中には書いてない。これはまさに今郵便事業の目玉だと私は思うのですよ。努力の結果がここへきておる、全く触れられておらぬ、これは一体どうしたことだろうか、そう思うのです。 まず第一に、中心である郵便事業が確かに黒字になり、将来展望も大変苦しいけれども、何か明るい展望が出てきたように思うのですが、郵政省としては今後この郵便事業がどういう展望を持って進もうとしておるのか、そして今日起きてきた事態はどのような原因でこういうことになったと理解しておるのか、これをまず郵政省から聞きたい。
○深谷国務大臣 私の所信表明の言葉の中で先に電気通信事業のことから入りましたことはそのとおりでございますが、私は郵便事業と電気通信事業というのはまさに車の両輪だと思っております。全国の二万四千の郵便局のネットワークを通して至るところ国民の日常生活に不可欠なサービスを行っている重大な使命を担っている郵便事業というのは、これからも伝統的かつ極めて重要な任務で省の根幹をなすものだと私は思っております。ただ、電気通信事業も車の両輪のように思っておりますので、どちらを先にしたということについては格別な意図を持って行ったものではないことをどうぞ御理解いただきたいと存じます。 なお、つい最近でございますが、本省の講堂におきまして郵便三事業の目標達成のための決起集会がございまして私も出席をさせていただきましたが、職員のまことに熱意のこもった発言や行動を目の当たりにいたしまして非常に力強く思ったものでございます。一人一人の郵政省に参加している職員の皆さんが、あるいは先生を初めとするさまざまな議員の方々の熱心な応援によって今日明るみが出て、前向きに頑張っていることはまことに目頭が熱くなるような感激であります。この熱意を一層伸ばすために私も微力でありますが全力を尽くしたいと思っております。
○小野沢政府委員 先生の御発言、非常に深く感銘を受けたのですが、お聞きしながら思い起こしたきのうの状況がございます。 昨日、関東郵政局管内で郵便事業関係職員あるいは部外者の表彰式があったのですが、数百人の人とお会いしました。なるべく大勢の人とお会いしたのですが、皆さん方が異口同音におっしゃっていたことは、何年か前に比べて我々は今胸を張って町を歩ける、お客様に接せられるということで、今ようやく本省、郵政局、現場、一体となってやっと何か郵便の将来について展望、確信がつかめたような気がするということで、誇りに満ちた明るい表情に接して、随分変わったなということでうれしく思っております。 それから今大臣にお答えいただきましたけれども、郵政事業と電気通信行政の関係でございますが、今郵政省の幹部の人事、みんなあっちこっち行っておりまして、お互いの大事さをわかっております。例えば昨年、平成二年度の予算編成の大臣折衝項目ですが、初めてですけれども、大臣折衝項目に唯一なったのは、今御答弁申し上げております郵便関係の簡易郵便局法の改正ということで、これも挙省体制でそうなったというふうにお含みいただければありがたいと思います。 ところで今お話しになりました大臣所信表明とふるさと小包の関係ですが、結論を申し上げますと、今先生御指摘のとおり郵便事業回復の目玉商品といいますか孝行息子といいますか起爆剤といいますか、そういう役目をふるさと小包がやってくれていることは間違いないことでございまして、そういう意味を私ども込めたつもりで所信表明の中に「郵便事業では、郵便物数は、二百三億通に上り、おかげさまで財政的にも順調な経営を維持しております。これは、最近の好景気を背景に、全職員一丸となって、積極的な営業活動やサービスの開発に努めた成果と考えております。」ということで表現したつもりですが、今感想を申し上げますと、この「サービスの開発」の前に「ふるさと小包を初めとする」という具体的例示を挙げたらよかったかなという感想を抱いております。 なお今後の展望ということでございますが、今予算案に盛り込んでおります施策を初め、すべて現時点の足元を見据えると同時に、二十一世紀に向けた今までなかなか挑戦できなかったいろいろな課題に取り組んでおるつもりでございまして、その辺のことを本省だけじゃなくて現場の職員にも知ってもらうということで「二十一世紀に向けた郵便事業の展開」というパンフレットをつくって、配ったり等いたしております。
○武部(文)委員 話はよくわかりますが、ずっと今までの経過を知っておる者の一人として、郵便事業に携わっておる人たちがどんなに苦労しておるか、私はこの点もよく承知しておる一人ですから、特にこの機会を通じてお願いをしておかなきゃならぬのですが、今高層建築ができました。一一小包を持って四階なりにまで上がる、留守、下へ置いておいて帰るわけにいきませんからまた持って帰らなきゃならぬ。そうして昔と違って今はバイクに乗っておるようですが、一回の配達量が、規格も大きくなっておるし数も多いということで一回に詰めないのですよ。そういうように大変な苦労をしながらこの実績が上がっておるのです。 ですから、郵政省が職員の努力、苦労、そういうものに対してもっと的確に調査をし、労働が強化されていないか、そういう点についても、今後まだ物数はこの調子ならふえていくと思うのです、これから、それに対応するような計画を先取りしてやっていっていただきたい、このことを特に要望したいと思います。いずれ法案の審議がございますから、その際にもまた申し上げたいと思います。 もう一つ、今度は貯金のことについてですが、ここに貯金のことがありますが、小口MMCの販売、これも確かに目玉商品のようですから大変結構なことだが、今問題は十年前の定額貯金が満期になる、このことです。郵便局の第一線の現場では今そのことが大変重要な課題になって、一生懸命それこそ取り組んでおるのですよ。そのことがまた一つもここへ書いてない。紙面の関係もございましょうから私はそれを一々申し上げませんが、今最大の問題点は貯金事業ではそれなんです。 昭和五十五年、当時消費者物価は八%上昇しておりました。公定歩合はたしか九%になったはずです。そのときの目玉商品として八%の利息、複利でしょう。それで三百万円が六百四十一万円ぐらいになる。これが十年満期を迎えて今大変な状況になった。これと取り組んでおる貯金局、貯金事業、これが今の最大の問題点だと私は思っておるのですよ。新聞、マスコミもそうですが、郵便貯金三十兆円をめぐる争奪戦というタイトルで大大的な報道もされておる。大変努力をして、やれ九割とった、八割になったとか、いやもっと低いじゃないかとか、いろいろなことが報道されておるのですよ。貯金局としては現実にこの歩どまりはどの程度にとどまっていく可能性があるか、四月から始まって十一月までの間に大体どういう状況になるか、それをちょっと聞かしてもらいたい。
○成川政府委員 先生御指摘のように、五十五年に預入された八%の定額貯金が満期を迎えまして、約三十兆円四月から十一月までにかけて満期を迎えるわけでございます。それで一昨年の九月からお知らせ活動を始め、昨年から予約活動ということで、関係職員一丸となって、関係職員といいますか省全体が一丸となって取り組んできたところでございます。 おかげさまで職員の努力それから国民の理解と相まちまして、四月の状況で見ますと約九割の方が継続して御利用いただけるような状況になっております。九割をちょっと切るというような状況でございますが、今後十一月に向けてまだ引き続き満期を迎える金額がたくさんあるわけでございますので、それにつきましては一〇〇%再吸収できるように全力を尽くして努力していかなきゃならぬというふうに思っているところでございます。
○武部(文)委員 これはやはりPRというのが大変必要だと思うのですよ。いわゆる国民の預けられた貯金というものがどういうことに使われ、それがどのように生かされておるかということを、やはり私はふだん郵政省は場所、時間を問わずそういう努力を続けて国民の理解を得ることが必要だと思うのです。 先般、NHKが報道しておりました番組の中に貯金と預金という番組がございまして、私はそれをずっと見ました。ビデオをとって再生して見たのですが、貯金と預金という大変わかりやすい番組で、確かに見た人からいろいろな意見がございました、あれでよくわかったと。やはり郵便貯金というものは非営利だ、営利事業じゃない、そしてその金がいわゆる住宅ローンに使われたり、あるいは上下水道とか公園に使われたりして還元されておる。一方預金というのは、個人や企業に貸し付けをして営利事業だ。そういうやりとりがあって、去年一年間に七十三兆でしたか、大変な額が不動産投資に使われた、土地に投下された、これが今日の土地の高騰を生んだ大きな原因だということがNHKの貯金と預金という番組の中に出てきたのですよ。 片一方では皆さんがお預けになった零細な貯金が回り回って上下水道になったり住宅ローンになって自分たちのところに返ってくる、片一方は地上げや土地転がしの方に使われて今日の土地高騰を生んだ、こういう端的な表現というものが国民によくわかったのですよ。私はたくさんの人から聞いて、なるほどこれはいいことだ、たった二十分ばかりの番組でしたけれども、そういうことを通じて貯金事業というものが国民の側に浸透していくと思うのです。そういう努力を我々は、これからも郵政省は不断に続けていっていただきたい。 少なくとも財投の中にことしだけでも七兆二千億でしょう。これだけの莫大な金を財投の資金として提供する郵政省は大手を振って威張っていいと思うのです。私は、そういう状況が少なくとも大臣の所信表明の中で述べられ、そして第一線で頑張っておる職員に対して大いに激励してもらいたい、苦労してやっているのですから。本当に局長以下血眼になってこの九割というものを達成しておるのですよ。そういう状況がこれから十一月まで続くのですから、ぜひ今言ったような点を考えて御努力をしていただきたい、そのように思います。大臣いかがでしょう。
○深谷国務大臣 武部委員が御指摘の、職員の皆さんが全力を挙げて頑張っている、その状況を踏まえてしっかりその労を慰め激励し、同時にそのことを広く伝えよというお話はまことにごもっともでございまして、所信表明の中にもう少し細かく盛り込んでおけばよかったなとつくづく思っておるところであります。ただ、弁解ではありませんが、総花的な所信表明でなくて、できるだけ簡潔にわかりやすい言葉で今度は書こうではないかと指示したことが結果的には言葉足らずになってしまって、今後多いに反省しなければならないというふうに思っています。 ただいま御指摘のNHKの番組、暮らしの経済セミナーの番組で、四月二十一日に放映されたということで、経済評論家今井さん、関西大学名誉教授の上田さん、この二人の対談が非常に効果的であったということはさまざまな人々から報告を受けておりまして、NHKがこのような番組を組んでいただいたことに対し感謝をしている一人でございます。 郵便貯金は国の行う事業で、あまねく公平にサービスを提供し、財投を通じて国民生活の向上に非常に貢献をしております。このことを存外知られていないという部分もございまして、御指摘のとおりでございますので、これから一層そのPRに励んでまいりたいというふうに思っております。テレビ、新聞などのマスメディアを利用した広告、宣伝はもちろんでありますが、折々あらゆる機会にそれらのPRを私も含めて全職員一丸となってさせていただきたいと思っておりますので、一層の御協力をお願い申し上げます。ありがとうございます。
○武部(文)委員 先ほど私は郵便貯金の中から財投に七兆二千億円の金が回っておるということを申し上げましたが、このNHKの報道の中では、全国の金融機関が不動産投資に回した金は四十三兆円で、これが地上げと土地投機の大きな原因になった、そういう報道をしておったのです。その対比が今大臣が述べられた三十分間ほどの番組でした。私はそういう点を考えたときに、貯金事業というのは確かに困難はあるけれども、こういう事態を一人でも多くの国民に周知することによって、貯金は困難だけれどもやはり展望が開けてくる、そういうふうに思うのであります。 時間の関係で、次に私は、今度は定員のことについてちょっと触れておきたいと思うのですが、一般会計が郵政省で二千六百四十一名、特別会計三事業で三十万五千七百名です。こういうふうに郵政省の定員は現業三十万五千、一般会計二千六百四十一名という比較にならぬほど大きな差があるわけですが、この三十万五千の現業さんの三事業の定員のうちで、郵便関係が十四万一千名ぐらいです。ところが、現実に今どんどんふえていく郵便物、この十年間に郵便物数は三三%ふえておるのですよ。計算してみると三三%。ところが、郵便の定員はたったの一・三%しかふえてない、こういう数字が出てきました。これは否定されることはないと思うのですが、十年間の郵便物の増加数と定員の増加数と比べてみたときにはてんでお話にならぬ。どうしてこういうことになったのか。そして今現実に物がふえていく中で、一体郵便事業はどうして回していくだろうか、こういう点を詳細に検討してみる必要がある。 確かに、要員の問題については困難な面があることは承知しています。いわゆる常勤的非常勤が数千名採用されておる。これも知っています。これとて本定員じゃありませんから、いつ首になるかわからぬ。もちろん退職金もなければ年金もあるわけじゃない。そういう不確実な人たちが職場の中に入っておる。これがいつまで続くかわからぬ。しかも今非常勤賃金というのは、いわゆる臨時の賃金というのは、サービス業がぐんぐん上げておるために全然お話にならぬほどアンバランスなんですよ。来手がないのですよ。来手がない。ましてや外勤に至っては、とてもじゃないが今のような賃金で臨時を求めても不可能だ、こういう状況ですね。これも現場へ行ってごらんになれば一番よくわかるのですが、みんな毎日残業ですよ。残業してならぬと私は言っているんじゃない。全部残業なんですよ。まさに三百六十五日年末始と同じような勤務状況になりつつある。 これはもう定員問題を根本的に考えなければ、確かにふるさと小包だ、いろいろな点で努力してふえていく、物もふえる、結構なことですよ。それに人間がついていかない。これは必ずパンクする。ましてや、今遅配が起き始めた。遅配は郵便事業に対する不信を起こすのですよ。遅配があってはならぬ。翌々日配達までを約束するとか翌日配達を約束するとどんなにPRしたって、現実にこうして遅配が起き始めたらこれは大変な不信を郵便事業、郵政事業が招くことになると私は思う。今ここで定員問題というものは根本的に早く手を打たないと、とんでもないことになる。このことについて郵政省はどうお考えになっておるのか もう時間がありませんが、少なくとも完全週休二日制は政府の方針ですね。もうあと二年後にはやろうと言っているのでしょう。完全週休二日制をやったら郵政省は相当大幅な定員をふやさなければならぬのですよ。そのほかに、郵便物の増加数から見るならさらに大幅な定員増が必要だ。なのに、現実に今政府の行革は一律に五%削減でしょう。現業も非現業も十把一からげで五%ずつ削減でしょう。年に三千人ずつ落としていくんでしょう。こんな状況がこれから続いたら郵政事業崩壊ですよ。ですから、少なくとも九二年から始まる第八次のいわゆる定員調整については現業は除外、現業官庁は少なくとも除外ということを、これは大蔵省あるいは総務庁の厚い壁があるでしょう、なかなか難しい、これは大臣にしっかりと政治的に働いてもらって、少なくとも郵政省という現業官庁がこういう状況になっておるのだから、現業官庁の定員削減は除外、一般会計で一緒にしたり非現業と一緒にしないで、そういう政治的な解決を図っていかなければ、せっかく今国民の皆さんから信頼されどんどん物がふえておる郵政事業というものが、郵便事業というものが崩壊するかもしらぬ、不信を受けて崩壊するかもしらぬ、私はそういう危険を感じておる者の一人です。この問題について、郵政省の見解をとりあえず伺っておきたい。
○深谷国務大臣 武部委員の御指摘に私は全く賛成でございます。国家公務員の一律削減という定員管理方式と増員要求枠の設定、いわゆるシーリング方式、これは国全体の方針としては当然の姿であると申し上げることができると思うのでありますが、郵政省もそのまま当てはまるかということに対しては全く私は疑義を感じております。 我が省は独立採算制でございますし、好調な収支状況で仕事量が続々とふえておりますし、国民へのサービスもますます増大し、かつそれを維持していかなければなりません。そういう意味では、一般行政省庁とは異なる事情にあることでございますから、これらの関係を関係省庁にそれこそ積極的に説明をし、状況を理解してもらい、今先生が御指摘のような方向になるように全力を挙げさせていただきたいと思います。
○武部(文)委員 この定員問題というのはなかなか一口には言えない非常に複雑な内容を持っておりますから、これは時間をかけてまたいろいろな要望もしなければなりませんし、現実も述べなければなりませんが、いずれにしても郵便は人が中心なのです。労力がなければこれは動かないのですから、他の事業とはちょっと違うのです。そういう面で、やはり今の現状とこれからの展望の上に立つと、要員問題を解決しなければ郵便事業は大変なことになる。大変努力をされて、成績も上がって、黒字になって、我々も明るい展望を持っておるわけですが、その中にこういう大きな穴がある、これを解決しなければならぬ、特にきょうはそのことを申し上げておきたいのであります。 もう時間が区切りがありますから、一つだけお聞きをしておきたいことがありますが、ゆうべのテレビ、きょうの新聞に例のTBSの問題が報道されました。局長おられませんか。――おられませんね。このTBSの問題は大変重要な問題でございまして、当委員会で民放の視聴率の問題あるいはCMの問題、そういうことを論議する機会をぜひつくってもらいたいと思っているのです。かつて、当委員会には、参考人として女優の高峰秀子さんをここへ呼んだりいろいろなことをして、いわゆる民放のあり方について論議をしたことがございました。視聴率競争のためにああいう事件が起きるというようなこともあったのですが、何か郵政省にTBSの社長だかが来てお断りしたとかなんとかいうような報道が出ているのですが、これは郵政省が呼んでそういうことになったのか、それとも自発的にやってきて弁解をしたのか、これをちょっとお聞きしておこうかなと思ったのですが、局長は御不在のようですからわかればでよろしいです。
○白井政府委員 細かくは承知いたしておりませんが、新聞報道等によりますと、御指摘の報道につきまして、TBSでは内部で処分をしたということがあったようでございまして、それに関連いたしまして、昨日社長が郵政省の方に報告に来られたということでございます。その際、放送行政局の方では、問題になっております特に暴力団とか暴力に関連したようなものについての取材あるいは報道というものについては、よほど慎重にやっていただくということが必要ではないかというような趣旨の御要望をしたということはあるようでございます。
○武部(文)委員 この問題はまた改めて機会を見てやることにして、ちょうど時間になりました。これで終わります。
○上草委員長 次に、田中昭一君。
○田中(昭)委員 去る十七日に行われました郵政大臣の所信表明に関連をいたしまして、私は電気通信行政関係に絞ってお尋ねをいたしたいと思います。 まず第一にお聞きをしたいのは、当面する政治課題がたくさんございますけれども、その中の重要案件の一つであります日米構造協議との関係についてであります。所信表明では、この重要な日米構造協議との関係についてはお触れになっていないようですけれども、新聞報道などによりますと、郵政省は、日米構造協議の最終報告の焦点になっている公共投資十カ年計画において情報通信の基盤整備を織り込む方針を決定した、そして事業の選定と整備計画の策定などについて電気通信審議会に諮問をした、こういう報道がございます。よくわかりませんけれども、今からだと思いますけれども、この点につきまして郵政省としての、内容なり考え方なり規模なり展望など、今日時点でわかっている点についてお聞きをいたしたいと思います。
○深谷国務大臣 田中委員の御質問にありましたように、この件については所信表明には触れておりませんでした。それは現在でもまだ政府部内で具体的な調整が行われている最中でございまして、その内容について申し上げられる段階ではないからでございます。 日米構造問題協議日本側中間報告において、公共投資の十カ年計画は国民生活の質の向上に重点を置いた分野にできるだけ配慮していくというものでございました。情報通信基盤は、電話、放送など国民生活に非常に密接に関連しており、その整備は、中央地方間の情報格差の是正による地域経済社会の活性化、多様な情報通信メディアの普及による国民生活の質の向上などに非常に大きく貢献してまいりますものですから、私たちもこのような観点から、必要な整備費が盛り込まれるようにただいま関係省庁に働きかけているところでございます。 日米構造協議の問題から発した事柄ではございますが、本来郵政省として積極的に取り組むべき問題であろうとも考えますので、この時期に一層努力をいたしたいと思っております。
○田中(昭)委員 それでは、今後この日米構造協議に関連をして逓信委員会の所管に関する問題などについては逐一報告なりができますように御要望を申し上げておきたいと思います。 次に、第二点として私は、NTTの会社法附則第二条に基づいて講ずる措置について、幾つかの点についてお尋ねをしたいと思います。 まずその第一でありますけれども、基本にかかわる問題ですが、三点ほどお聞きをしたいと思います。これは確認の意味でありますから、簡単にお答えをいただきたいと思います。 電気通信審議会から出された中間答申がございます。そして三月二日の答申がございます。これを受けて郵政省の態度、政府の態度、この一連の関連についてであります。まず中間答申と答申の関係についてでありますが、十月二日に郵政大臣から審議会会長にあてた諮問第七十一号文書から見ますと、基本的には、中間答申の「講ずるべき措置、方策等の在り方」を除けば、私は、情勢分析、現状認識などを含めて中間答申がそのまま引き継がれている、こういうふうに理解をするわけで、その認識でいいのかどうなのか、これ一点お聞きをいたします。 それから、答申を受けまして、最終的に附則第二条に基づき講ずる措置として出された政府、郵政省の態度についてであります。この政府、郵政省の態度は中間答申とこれを受けた答申に基づいたものであるというのは当然だと思いますけれども、その認識で問題がないのかどうなのか、これを二つ目にお聞きをしたいと思います。 関連して申し上げたいのは、この中間答申、答申の内容についてであります。私が感じるところでは、まずNTTの分割ありきということをあくまで前提としているのではないか、したがってそのことからこの内容についてかなり多く問題点があるのではないか、こう思うわけであります。また、経営当事者であるNTTとの間においても、郵政省とNTTの間で十分に合意できない面があるのではないか、こういうふうに察するわけであります。 時間の関係もありまして、一つ一つを指摘することは困難でありますが、今から若干指摘をいたしたいと思いますけれども、郵政省として今回のこの電通審の答申内容についてはどういうふうに評価をし、受けとめて態度を決定をされたのか、この三つについて簡単にお聞かせをいただきたいと思います。
○森本政府委員 幾つかお尋ねがございましたが、まず第一の中間答申とこの三月に出ました答申との関係というお尋ねかと思いますが、これは今先生お触れになりましたように、NTT法附則二条に基づくNTTのあり方を検討するという大変重大な問題でございますので、郵政省ではこの電気通信審議会に諮問をいたしました。審議会では二年間にわたって審議をいたしたわけでございますが、昨年十月に中間答申を出され、NTTのあり方に関し、そのとるべき措置としていろいろな改善方策というものを並列的に提示された。そして、このように審議会がなさったのは、この問題は非常に重大でございますので、できるだけ広い範囲で国民的論議を呼び起こしたい、こういう御趣旨だと承っておるわけであります。 そこで、中間答申の後、郵政省といたしましては、これを受けまして、改めてNTT附則二条に基づく政府の措置として講ずべき方策について諮問をお願いした、それが三月の時点で出てきたいわゆる答申でございます。答申では具体的な方策というものを提示をされている、こう理解をいたしております。 そこで、政府といたしましては、この最終の答申を受けましてNTTのあり方を政府部内でいろいろ検討いたしました結果、答申の精神を生かして、公正有効競争の促進、そしてまたNTTの経営の向上、こういう内容を中心とする政府措置を三月三十日に決定したわけでございます。 そこで、これについての考え方ということでございますが、政府といたしましては、この答申自体が国民の利用者の利益の最大限の増進、そして我が国の電気通信の均衡ある発展を図る上で、当の基幹的事業者でありますNTTがどうあるべきか、あるいは他の電気通信事業者がどうあるべきか、あるいはNTTの株主がどうあるべきか、こうした点についてもいろいろ配慮を示されながら最終的な方向をお示しいただいたもの、こう受けとめておるわけでありまして、この答申の精神を受けまして、ただいま申しましたような形で政府措置を三月三十日に決定いたしたのでございます。 私どもとしては、この答申の精神を十分に生かした内容を踏まえましてこの措置を着実に実施をしてまいりたい、そして国民、利用者の利益、電気通信の均衡ある発展を図ってまいることができるよう努力をいたしたい、こういうふうに考えておるということでございます。
○田中(昭)委員 中間答申と答申、そして政府態度との関連については、これは常識的でありますけれども、私が考えていたこととそう変わりはないようでありますから、そのように理解をして質問をいたしたいと思います。それから、政府態度についての答申をどう受けとめるかという問題についても、郵政省がそのような形で受けとめるわけですから、そういう立場についていろいろ質問を申し上げたいと思います。 第二点目の問題ですけれども、少し具体的になりますが、電気通信審議会の構成と運営、それから電気通信審議会と郵政省との関係についてであります。 この問題は、第一としては、今後、NTT会社法附則第二条に基づき講ずる措置を行うに当たって、必要に応じて電気通信審議会に所要の諮問を行っていく、こういうふうになっているわけですね。第二番目としましては、先ほど申し上げましたように、今回出された答申やその前の中間答申の内容についていろいろと問題が多過ぎると私は思っているわけでありまして、この二つの立場からあえて問題を指摘したいわけであります。端的に数点申し上げたいと思います。 まず、電気通信審議会というのはあくまで公平、公正でなければならないと思いますけれども、一つ申し上げたいのは、電通審のメンバーについて問題意識を持たないかどうなのかという問題でございます。電通審の会長はトヨタ自動車の会長であります。立派な方だと思いますけれども、トヨタ自動車は日本高速通信や自動車電話会社への大口出資者でありまして、NTTとは利害が対立する関係にあるわけでありまして、公正、公平でなければならない第三者的諮問機関である電通審取りまとめの役割としては問題があると指摘されても仕方がないのではないか、こう思いますけれども、この点どうお考えか。 また、同じように、NTTのあり方を審議した第三小委員会の責任者、この方も移動無線センター会長であるとお聞きをいたしておりますが、これも自動車電話などでNTTとの間では競争関係にあるわけでありまして、この方は郵政省のOBとお聞きをいたしておりますけれども、これまた問題があると指摘されてもおかしくないのではないか、このように思います。 このように、電通審は本来第三者機関的位置づけにありながら、その責任者がNTTとの競争、利害関係にある、こういう立場からすれば、公平、公正な答申が出されるのかどうなのかということについて疑問を持たれた場合にどういうふうにお答えをするのか、この点についてもお聞きをしたいと思うわけであります。 また、日経ビジネスの八九年十一月六日号の中では、この電通審の問題に関して「委員の中から審議会の進め方に対して不満の声が挙がるという前代未聞の事態がおきている」こういう記事があるわけでありまして、電通審の中間答申が出された直後に、第三小委員会、これはNTTのあり方を論ずる委員会でありますが、この委員の声として、これは記事そのままですけれども、「郵政省は強引なんですよ。理屈も何もあったもんじゃない。分割に慎重な私の意見は、論議の取りまとめの段階で殆ど聞いてもらえなかった。あの答申には私は責任は持てません。」こういう記事があるわけでありますが、こういう声が上がるということについても問題点があるのではないか、こう思うわけであります。 また、五つ目の問題としては、これも御承知おきと思いますけれども、これも日経新聞の平成二年三月十四日号で、一橋大学の先生と大阪大学の先生二人の連名で、この電通審の答申、議論のあり方については問題があるという提起がなされているわけであります。時間がありませんからその中身については申し上げませんけれども、つまり審議委員の中からも審議会の運営のあり方やその内容に極めて問題があるということが指摘をされているわけでありまして、そういう意味では誤った中間答申、それを受けた答申、それに基づいて態度が出されるとするならば、やはりずれが出てくるのではないか。とりわけこの二人の先生方の指摘の中には、国民の皆さんからの意見というものはほとんど取り入れられていない、こういう指摘もあるわけでありまして、この点について今後の電通審のあり方との関係も含めまして、先ほど私が申し上げましたように、極めて問題があるわけでありまして、この点について郵政省のお考えをお聞きをしたいと思います。 同時に、今後具体的な措置をやっていくわけでありまして、この実行に当たって、とりわけ平成七年度の際にいろいろ最終的な結論を出さなければならないわけですから、そういう場合に国民各層の納得と理解がいただけるような、そういうシステム、考え方をきちんと整理すべきではないか、こういうふうに思うわけでありまして、この点について郵政省の御見解をお聞きをしたいと思います。
○深谷国務大臣 基本的なことについてのみ私は申し上げて、細かいことについては森本局長から答弁させたいと思います。 電気通信審議会は、先生御存じのように、国家行政組織法第八条及び郵政省組織令第八十七条を根拠に設置されておりまして、「郵政大臣の諮問に応じ、電気通信に関する事務に関する重要な事項を調査審議し、及びこれに関し必要と認める事項を郵政大臣に建議すること。」となっております。 本審議会は、広く国民の意見が反映されるように、各界各層の学識経験者から成る二十二名の委員で構成され、従来から広い視野に立って合議制によって公正かつ慎重な調査審議を行っていただいております。したがいまして、我が省としましては、その答申を尊重して電気通信行政を推進しているところでございます。 細かい疑義のある事柄については、先ほど申したように局長から答弁させます。
○森本政府委員 ただいま大臣が基本的な審議会のあり方について申し述べたところでございますが、今具体的な委員のメンバーについて御指摘がございましたが、大臣が任命をいたしますのは各界各層から学識経験のある者、電気通信審議会の役割ほふさわしいと認められる方を、大臣が広く各界を代表する方を選んでお願いしているところでございまして、例えば具体的には言論界とかあるいは利用者とか労働界とか行政経験者あるいは外資企業等からも委員に御就任になっておるわけでありまして、こうした任命された委員のうちから会長というのは互選によって選ばれるわけでございます。 豊田会長の話、ただいま出ましたけれども、こうした互選で選ばれて会長が審議会の運営に当たっておられるわけでございます。私どもとしては、審議会が当然のことながら特定の利害に偏ったことがないよう、円滑かつ適切な運営が行われておるものと承知をいたしておるところでございます。
○田中(昭)委員 時間もありませんので、これ以上追及はいたしませんけれども、しかし、国の今後の電気通信行政というものがどうあるべきであるのか、電気通信事業というのはどうあらなければいけないのか、極めて重要な問題でありまして、これを諮問するわけですから、この電気通信審議会のあり方については、先ほどその委員会の中からも疑義が出ておるように、また第三者的にもいろいろ問題指摘があるわけでありますから、こういう強い指摘があったということについてはぜひ受けとめておいていただきたい、こういうふうに思います。 時間がありませんから次に進みますが、第三の問題としては、NTTの分離分割問題についてお尋ねをしたいと思います。 まず分割問題についてでありますが、今回の措置では、答申で言う分割については平成七年度に再検討する、こういうことになっているわけであります。私は、NTTの分割問題がなぜ再燃したのか、実は理解ができないわけでありまして、本問題はもう御承知と思いますけれども、八四年の百一国会でこの分割問題については決着済みであって、その後の推移についても問題はないと考えているわけでありまして、これがなぜ郵政省が分割について諮問をする、そして今回のような結論になったのか、この点についてお尋ねをしたいと思います。 百一回の逓信委員会における議論の中では、当時の奥田郵政大臣は、いわゆる臨調が分割というような形の提言があったことは知っているけれども、しかし分割をするということは通信の根幹、国民生活の影響大という形の中で、現実としてはこれはできないのだということを再三にわたって主張をしているわけであります、郵政省の態度として。また、当時の郵政省の電気通信局長も、ネットワークを正常に運行しさらに経営権も確立し、安定した経営をするということについて、やはりこの際分割ということはとるべきではない、そういう結論に産したということで、いろいろその理由を述べられているわけであります。議事録をお読みになっていただければわかるように、再三にわたって分割は問題がある。そして分割をする際にはこれは独占の弊害が強くなって、しかも不当な形での経営形態という形で競争原理が働かない場合にそういう問題が出てくる、こういうふうに言われているわけであります。 したがって、私は幾つかの点についてお聞きをしたいわけですが、その一つは、今回の答申の内容については、明らかに電電改革三法の国会審議、立法の経緯からしておかしいと思うわけで、この問題については百一国会で決着済みだ、こう思うのですが、いかがでしょうか。 それから、第二は、先ほど申し上げましたけれども、分割問題が再度取り上げられるという条件、すなわち独占の弊害が強くなって不当な形での経営形態、そして競争原理が働かない、こういう状況になったときだと言われているのですけれども、少なくとも五年間で第一種事業が五十二社、第二種事業が七百五十八社が競争に参入をして新しい時代を今日迎えている、こういうふうに私は理解をしておりますし、国民の皆さん、利用者の皆さんが最も関心の強い料金についても数回にわたって料金値下げが実施されるなど、改革の成果が上がっていると思っているわけですけれども、そういう状況になっているというふうに判断をされているのか、この点お聞きをしたいと思います。 それから、三つ目にお聞きをしたいのは、今回の結論について、いわゆる衆議院の予算委員会における橋本大蔵大臣発言では、おおむね平成七年度に再検討を必要とする状況にはならないという見通しを示して、分割問題は半永久的に凍結するというふうに受けとめられる発言になっているわけでありまして、この点について郵政省の態度は、やはり分割ありきで、七年度検討というところにずれがあるような気がいたします。したがって、国会における議論を十分に尊重するという立場でこの点についてもはっきりさせておいた方がいいのではないか、こういう立場から、以上三つについて、分割問題について私はお尋ねをします。 そして、関連をいたしまして分離の問題でありますけれども、今回の措置では、移動体通信業務を一両年内を目途にNTTから分離する、こうなっているわけでありまして、また端末機販売業務についてもさらに分離について検討する、こういう態度が出されているわけであります。しかし、これも明らかに国会決議に違反をするのではないか。御承知のように、百一回国会における附帯決議ではNTTの業務分離についてはNTTの自主性を尊重するものとすると決議で明確になっているわけでありまして、NTTの自主的、能動的な分離はあり得ても、これを押しつけるということにはならないのではないか。さらに八八年十二月の新行革審においても、業務の分離についてはNTTの自主性を尊重する、こうなっているわけでありまして、この点についても国会審議との関係も含めて、また経営に対する一方的な介入という立場でも納得ができない点があるわけでありまして、この点についても御見解を明らかにしていただきたいと思います。以上です。
○森本政府委員 大変多岐にわたる問題提起でございますので、答弁漏れがございましたら改めてまた補足をさせていただきたいと思うのでございますが、まず第一点の分割の問題は決着済みだという御指摘でございます。 これは御案内のとおり、電電公社の組織のあり方については五十七年の臨調答申がございまして、そこでは、NTTのあり方については民営化をする、そして競争原理の導入をする、同時にまた組織の再編成も行うということが指摘をされた、これは先生重々御案内のとおりでございますが、これを受けまして六十年に行いました電気通信改革は、組織の再編成は行わずに、NTT法附則の二条というものを設けまして、NTTのあり方については政府は五年以内にあり方を再検討する、こういう形に、いわば持ち越す形になっておる、こういうふうに思っております。このNTTのあり方の検討は、政府がいわば法律上の義務として受けとめておるわけで、今回、先ほど申し上げたような形で三月に結論を出した、こういうことであることを御理解いただきたいと思うのであります。 なお、電電改革法案の審議の際に、二条のあり方をめぐって将来どう考えるかということは確かにいろいろ御議論があったことは御指摘のとおりでございますが、NTTのいわゆる分割問題についてはいろいろな議論がございますが、例えば当時の局長が出しましたのは、六十年の提出法案では分割を内容としていないということの説明があったりもいたしますし、ただいま申し上げましたように将来にわたってどうなるかという議論についていろいろ御議論もございましたが、例えば、先ほど当時の奥田郵政大臣の答弁なんかの引用もございましたが、これは五十九年五月の衆議院本会議の質疑でございますが、これに対しましても郵政大臣は、「分割問題につきましてもその検討の対象になり得るということも含めまして」云々というようなことを答弁をいたしてございまして、要するに制度改革後の状況の推移をよく見た上で対処する必要があるということを述べたもので、将来にわたって組織の再編成を行わない、そうした趣旨で述べたものではないと私どもは受けとめておるわけでございます。 御指摘の第二点につきまして、現在の改革以降の状況、今御指摘がございましたようにたくさんの事業者が参入している、料金が低廉化している、これは御指摘のとおり大変喜ばしい方向には向かいつつある。そうは言いながら、まだしかし競争全体が完全に熟した状態になっていない。それには、電気通信産業というのはほかの産業分野と違って、NTTが今日まで公社時代に築いてまいりました市内網、加入者のネットワークというのが非常に大きなものになっておって、新しい事業者はその大きな巨大なネットワークに接続してもらって初めてビジネスが成り立つ。いわば競争も相手方におんぶをしながら競争をするという非常に変わった構造になっておる。こうしたこと等等から今回この改善について具体的な措置の定義がこの審議会でもなされ、政府としてもこの問題についての対処を、公正有効競争の実現、そしてまた改革でねらいの一つといたしましたNTTの経営の向上、こうした点をこれから対処して取り組んでまいりたいということになっておるものと理解をいたしておるわけであります。 さて、また三つ目に、橋本大臣の発言のことについての御指摘がございました。私どもも予算委員会にはしばしば出ておりましたので拝聴もいたしておりますが、いろんな局面での御質問がございましたけれども、私どもとしては結論的に申して、大蔵大臣が、NTTの分割を実施するとするならば、実施する上ではNTTやあるいは株主の納得や協力が得られるなど幾つかの前提を満たすことが不可欠だ、こういう御指摘の御発言と受けとめておるところでございます。 いずれにしましても、政府全体としては、先ほどの政府措置というところで、いわゆる分割問題、つまり長距離業務あるいは市内部門の再編成のあり方、こうした問題につきましては大蔵省とも合意をした上で政府措置として決定をいたした、こういうことでございます。その中身については今御指摘ございましたように、これから政府措置として決定した種々の措置の実施状況を踏まえた上で平成七年度において改めて検討を行い、結論を得る、こういうことに相なっておるものと考えておるわけであります。 最後に、大変長くなりますが、御質問がたくさんにわたりましたので失礼でございますが、分離問題に関する自主性の問題の御指摘がございました。 確かに自主性の問題については、当時、さっきの議論で出てまいりました百一国会の附帯決議にもNTTの自主性を尊重するということになっておりました。この附帯決議に沿って考えることは当然のことだと私どもは思っておるわけでございます。ただ、NTTはいわば国民の共有財産として形成されてきた電気通信ネットワークを電電公社から承継をいたしまして、しかも電気通信という非常に公共性の高い事業を営む特殊会社として性格を有するわけでございますから、自主性といってもその範囲は決して無限定というものではない。法律の規定によっておのずからなる内在的な制約があることは当然のことだと考えておるわけでありまして、現に業務を分離いたします際には、例えばNTTの重要な財産の譲渡に当たっては郵政大臣の認可にかかるというふうなことで政府の関与がなされることでございます。また、先ほどから議論になっております附則二条に基づくNTTのあり方を議論するということは法律上の義務にも相なっておるわけでございまして、そうした意味合いがあるということをあわせ御理解いただきたいと考えるところでございます。
○田中(昭)委員 今の御回答については理解ができない点が実はたくさんあります。しかし、きょうは時間がございませんから、したがってきょうは郵政省の見解をお聞きするということでとめておきまして、平成七年度に向けましてこれらの問題についてはまたいろい議論をしていかなければならない時期もあると思いますから、きょうの時点ではこれでとめておきたいと思います。 私どもとしては、独占の弊害が強くなって、しかも不当な形での経営形態という、そして競争原理が働かないという、そういう状況にはない中で分離分割が改めて浮き彫りにされるということについては大変問題がある。これは百一国会の議論の内容について少し見方が違うのではないか、こういう見解が強いという点を述べておきたいと思います。 そこで、もう時間がございませんけれども、今後平成七年に向けていろいろと議論をしていく場合に一番問題になるのは、今も申し上げましたけれども、いわゆる独占の弊害が強くてしかも不当な形での経営形態、競争原理が働かない、こういう点の現状認識それから実態分析、ここのところが極めて大きな問題になるのではないかな、こう思っているわけであります。この点について中間答申の内容を見てみましてもかなり疑義があるわけであります。例えばNTTの経営の実態などについて具体的な項目についての分析が極めて抽象的であったり、数値などについても一つ一つをチェックすると極めて問題点があるわけであります。 一例をとりますと、生産性指標の企業比較の中でトヨタ自動車の一人当たり売上高あるいは労働生産性、有形固定資産回転率などについて出されておるわけでありますが、この点についても日経経営指標とは全く違う、あるいは一人当たりの売上高と従業員数などについても製造業や商社、商店との業種の違いなどが全く考慮されていないなどの問題もあります。また一人当たりの電話加入数などについても極めて問題あり、こう言われていますが、アメリカのAT&TあるいはイギリスのBTに比較しても決しておかしくない、こういう状況になっているわけでありまして、人件費に対する付加価値の割合についてもむしろアメリカ、イギリスより高いという状況にあります。 また、料金問題とか料金値下げの問題についても、中間答申では利用者の負担減という点では十分な状態ではない、こういう指摘がされているわけですけれども、これも御承知ですけれども、消費者物価指数によると、各種公共料金の中で八〇年以降これだけ毎年値下げをしているものはない、こう言ってもおかしくないのじゃないか。また、五年間の主なるものでも概略五千億をはるかに上回る、そういう料金値下げが実施されておる。また、NTTの経営効率の問題についても、有人事業所数についても五年間でかなりの省力化、合理化努力がなされている、人の流動も大変なものでありまして、従業員数についても七九年に三十二万八千七百名、八八年には二十七万六千六百名、そういう意味では経営の効率化の努力などについても極めて優等生ではないか、こう言ってもおかしくないのじゃないかと私は思います。 また、電気通信市場の問題などについても、例えばNCCの問題でも、決算ベースで見ますと、第二電電の場合には当初計画より二年早く八八年度に単年度黒字、累積でも計画より四年早く八九年度で黒字見込み、こうなってますし、日本高速通信の場合も計画より一年早く八九年度決算で黒字転化、累積でも一年早く九二年度には黒字転化などなど、例を挙げますとこの電気通信市場の問題などについても中間答申の指摘とは全く違うのではないか、こういうふうに思うわけであります。そういう意味ではやはり実態認識、現状分析というものをきちんとしなければ、それを前提にして答申なりあるいは政府態度が出されていくということについては問題があると思います。 そういう意味では、平成七年度にこれらの問題についてどういう結論を出すかという場合に、やはり今日まで出された中間答申なり答申の内容について再度明確に整理をしまして、この点について多くの団体なりからいろいろな指摘がされないような努力をすることが極めて必要ではないか、こういうふうに思います。また、いろいろな具体的な実施をするに当たっては電気通信審議会に諮問をするとなっているわけでありますから、先ほど申し上げましたように電気通信審議会における議論あるいは構成メンバーなどについても細心の注意を払うべきではないか、こういうふうに思います。 たくさん言いたいことがございますけれども、時間がきょうは四十分ですから言い足りない点がたくさんございますけれども、私は、やはり今回のこの中間答申そして答申そして政府態度ということについては問題があるのじゃないか、こういう指摘をして終わりたいと思います。
○上草委員長 午後一時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 ────◇───── 午後一時二十一分開議
○上草委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。吉岡賢治君。
○吉岡委員 深谷郵政大臣の所信表明に関連して質問をさせていただきます。 大臣は電気通信行政関係について、一つには地域の情報化の推進、また二つには電気通信市場の活性化について述べておられます。二十一世紀へ向けて情報化社会が日を追って成熟するときでもあり、当を得たものと理解をさせていただいております。しかし、NTTのあり方の見直し問題につきましては、日本電信電話株式会社法附則第二条の規定により電気通信審議会の中間答申及び三月二日の最終答申を尊重する立場で、三月三十日、政府として講ずる措置の決定を行ったとして、今後この措置の着実な推進を図ることが重要と考えると見解を示されておりました。それはNTTのあり方を分離分割し、規制を強化することを含んだ内容の電気通信審議会答申の精神を生かし、平成七年に検討し結論を出すことを意味しますから、大変重要な表明と思わずにはいられないわけであります。 私は、情報通信産業のあり方はあまねく公平なサービスの提供や、低廉で良質なサービスの実現が国民、利用者にとって最大の関心事であると思います。NTTが市場競争下にあって企業の社会的責任を発揮するリーディングカンパニーとしての責任を果たすべきだ、このように考えているところであります。その立場で電気通信審議会の中間答申及び最終答申の内容について重大な関心を持ち、検討させていただきました。多くの問題点と現状分析に誤りのあることを指摘せざるを得ないのであります。 そこで、電通審中間答申及び最終答申について、以下質問をさせていただきますので、簡潔に真摯な答弁をお願いをするものでございます。 まずその一つは、NTTの経営の問題についてということで中間答申に述べられていることの指摘であります。一つは分析内容の不適正についてお伺いをしたいのですが、電通審答申は「一人当り売上高は他企業に比べて低く、NTTの売上高が国内企業の中でトヨタ自動車(株)に次ぐものであること等からすると、NTTの従業員数が相対的に多いことが示唆されている」というように述べているところであります。製造業の場合は原材料すなわち外部購入費が必要であり、売上高は高くなるのは当然であります。業種の違いを横に置いて単純に売上高比較をし、従業員の多い少ないを論ずるのはナンセンスというふうに思うわけでございますけれども、まずこのことについての見解をお尋ねしたいと思います。
○森本政府委員 お尋ねは、十月に出ました中間答申におけるNTTの生産性の問題についてかと存じますが、結局この論議をいたしました背景は御案内のとおり、民営化した趣旨が十分に生かされているか、つまりはNTTの経営の効率化いかんが国民に非常に大事な電話料金の高いか安いかに直結するわけでございますので、この審議会でもNTTの経営の効率化の達成度合い、これをひとつぜひチェックをしたい、そうした視点で御指摘の一人当たり売上高というものを参考指標の一つとして取り上げたものと理解をいたしておるわけでありまして、それで御指摘のように、生産性を単純に国内の他企業と比較することについてはもちろん業種業態によっていろいろさまざまな特性がございますから、この点は中間答申でも単純な比較を行うことには限界がある、この点は十分留意する必要がある旨の指摘を行っておるところでございます。 このような留意をした上でこのデータを一つの参考指標と見ました場合に、NTTの生産性は年年向上傾向にあるものの、他のいろいろの企業と比べても一人当たり売上高は低いということで具体的にいろいろな業種と比較をいたしておりますが、全業種平均あるいは同じ通信業のKDDが三千二百五十万円だとかあるいは電鉄等がネットワーク型装置産業だというようなことでこれが三千万円だとか、いろいろな比較をしていることは先生御指摘のとおりでございますが、そうした点を考えてみても、売上高自体はNTTは全国で一、二を争う企業である、そうした点から総合的に勘案しますと、従業員の数が相対的に多いということが示唆されると見てよいのではないかというのが審議会の委員の共通した認識だというふうに理解をいたしておるところでございます。
○吉岡委員 今の答弁でいきますと、理屈からいうとこういうことが成り立つと思います。例えば三井物産の一九八七年一人当たりの売上高は十五億八千百三十八万円であります。それに対して従業員は八千九百三十六人。ちなみにトヨタを例にとってみますと、三井物産と比較しますと、人員は三千九百八十七人でよろしい。NTTでは三千三百八十五人でよろしい、こういうような比較になるわけであります。今おっしゃってましたように単純比較ではおかしいという付言がついているというふうに言いながら、余りにも当を得ない比較ではないか、このことについてお聞きしているわけであります。
○森本政府委員 一人当たりの生産性あるいは売上高、いろいろな各般の指標を実はこの点で取り上げられていることは先生よく御承知のとおりでございまして、一人当たりの売上高を単純に他企業と比べても意味がない、しかし何らかの形で効率的な経営が進んでいるかどうかについては大変重大な関心を持って、いろいろ御苦労があって検討が行われたと承知をいたしておるわけであります。 ここに中間答申で挙がっておりますのは、NTTとさっき申し上げました同じ通信事業者としてのKDDはどうか、あるいは通信と類似のネットワーク型装置産業として東京急行電鉄と東京電力、あるいはその他の装置産業から新日鉄とトヨタ自動車、情報通信関連産業から日本電気、こうしたことを選択した上で具体的な推移をいろいろ見てみたということでございますので、単に一人当たりの売上高のほかに労働生産性について、あるいはその他粗付加価値率あるいは有形固定資産回転率、労働装備率、さまざまな指標を検討されたというふうは理解をいたしておるところでございます。
○吉岡委員 さまざまな指標を使われたのは当然でございましょう。これを正確に使われているかどうか、このことは大変大きい意味を持つという立場で私は質問をさせていただいております。 生産性についてお尋ねをしてみたいと思います。 答申では、生産性は年々向上しているものの必ずしも高いとは言えない、その背景として従業員の数が多いことが示唆される、このように記述されています。いわゆるNTTの一人当たり労働生産性は千四百八十六万円で、全業種では千二百五十二万円、トヨタは千三百三十七万円、これはNTTより低いということになります。それでなぜNTTの労働生産性が高いとは言えず、従業員が多いという結論を出しておられるのか、その点についても見解をお聞きしたいと思います。
○森本政府委員 先ほども触れましたが、生産性の問題についても他企業と単純に比較するわけにはいかない、それには限界があるぞということが断られているのは私ども重々承知をいたしておるところでございまして、この労働生産性についても同じでございます。労働生産性はこの中間答申では粗付加価値額を従業員数で割った数値となっておるわけでありまして、御指摘のとおり確かにNTTは全業種の平均よりは少し高い水準に位しているかなということだと思っております。 そこで、その粗付加価値額というのは何かということでございますけれども、これは人件費、それから租税公課、それから減価償却実施額、それから営業利益、こうしたものの総和だ。したがって、それを従業員数で割るわけでございますので、当該企業の人件費あるいは減価償却費あるいはまた営業利益が大きい場合には当然のことながら高い数値になってしまう、そういう性格のものだと考えておるわけでございます。 そこで、中間答申ではこの労働生産性をさらに詳細に分解いたしまして、粗付加価値率、売上高で粗付加価値額はどのくらい対比になるか、あるいは有形固定資産回転率ということで有形固定資産と売上高との対比を見る、あるいは従業員数と有形固定資産との対比を見る、労働装備率等についても分解して検討が行われておるわけでありまして、その結果、同じ設備産業として固定資産の非常に大きい東京電力に比べまして特にこの労働装備率が大変低い、著しく低いということで、そうした点で先ほどの結論の、従業員が相対的に多いことが示唆されているものと考えられるのではないかという認識に相なったものと考えております。
○吉岡委員 答弁者の方に少し正確に答えるように言っていただきたいと思います。いろいろなことを言っておられますけれども、的確に私の問いに答えていらっしゃらないのですよ。今後気をつけていただくように委員長の方からひとつお願いをいたします。 続けて質問をさせていただきます。 今生産性の問題についてお聞きをしております。電気通信事業では一人当たり電話加入数で生産性を比較する、こういう手法があります。一九八七年でNTTは一人当たり百五十台、AT&TプラスBOCでは百三十台、BTでは百十台、こうなりますと、NTTの生産性はアメリカやイギリスよりも高いということになるがどうでしょうか。このことが一つ。 もう一つは、人件費に対する付加価値の割合についてであります。企業が支払った総人件費で粗付加価値を割ったものを人件費当たり労働生産性ということができると思います。国内企業と比較をいたしますと、NTTは二・二三、KDDは二・四〇、トヨタは二・六、あるいは東急は二・一、日立は一・六、こういうふうに言えると思います。その点についても遜色はない、このように思っているところでございますが、郵政省の認識を問いたいと思います。
○森本政府委員 大変数字にわたる話でございますので、答弁が長くなるのはひとつ御理解賜りたいところだと思うのでありますが、ただいま御指摘の一人当たりの電話加入台数の比較、これは確かに審議会でも多角的な見地から検討したいということで国際比較についての議論も行われたわけでありますが、その議論の中で、従業員一人当たりの電話加入数の国際比較につきましては、一人当たりの電話加入数というその数値だけで企業の生産性をあらわす指標として使えるかどうかということについて疑問が提起された、あるいはまた仮に比較するにいたしましても、人口密度がどうだろうかあるいは国土の広さがどうかあるいは料金体系の問題がどうなっているかということで、国情の違いというものがさまざまございまして単純に比較はできないのではないか、こうした留意点から、結果といたしまして国際比較について結論を導き出すのにはこれは妥当ではないということで、答申には最終的には記述しなかったという経緯があると承知いたしております。 それからまた、もう一つお述べになりましたのは、従業員数に対する付加価値の割合ということで、労働生産性を見る場合は、私どもの限られた知識ではございますけれども、中間答申で出ておりますように、粗付加価値額を従業員数で割った数値を一般的に生産性として使う。今の御指摘では、粗付加価値額を総人件費で割った数字だと理解いたしますが、これは余り一般的には使われていないと承知いたしております。ただ、逆に人件費を粗付加価値額で割ってしまう、こういう数値もあろうかと思うのでございますが、いずれにしても、そうした視点で中間答申にはこの数値は使わなかったということでございます。 ただ、御指摘のこの数値、粗付加価値額を総人件費で割るという点については、やはりいっときの話じゃなくて、ある時点のトレンドを見るという必要があるだろうと思います。そういう意味で、御指摘ございまして私どもちょっと計算いたしてみたわけでございますが、NTTの計数というのは年々低下傾向にある。この点をどういうふうに理解するか、あるいはこの粗付加価値額は、さっきも申し上げましたように人件費とか減価償却費とか営業利益が大きければ数値が大きくなってまいりますので、そういう意味では労働生産性が大きくなるという性格のもので、そういう意味で粗付加価値額と関連した労働生産性を他企業と比較するには、中間答申で行っておりますようにいろいろな要素の分析が相当必要ではないかというようなことも考えられるところだと理解をいたします。
○吉岡委員 再度申し上げておきますけれども、一昨日ちゃんとコピーして渡してありますから、いろいろな説明はいいのです。口頭でもいいですから、認識をきちんと答えていただきたいとこっちは思うのです。 引き続いて申し上げてみたいと思います。 経営の効率化についてお尋ねします。 電通審は、経営効率の達成、それによる利用者への負担軽減という点では十分な状態にあるとは言えない、こういう指摘をしています。NTTは民営化初年度一九八五年から一九九〇年に向けて有人事業所数を集約、整理統合することを決めて現在進行中であります。ちなみに、その数字を申し上げてみますと、有人事業所数が一九八五年では、交換機保守局千三百局が一九九〇年では三百五十局、局外設備保守局千百局から五百五十局へ、伝送設備保守局四百五十局から三百四十局へ、電報局百九十局から四十局へ、そしてオペレーター局五百局から三百十局へ、このように現場の皆さん方を含めて大変な状況を背景にしながらも努力しているというのが現状であろうか、このように思います。そういう意味で、そういう努力にもかかわらず経営効率化が不十分だとした見解についてお尋ねしておきたいと思います。
○森本政府委員 改めて申すまでもないわけでございますが、NTTの民営化の趣旨というのは、当時の公社形態の持っているいろいろの難点を解消しまして、NTTが活力を持った事業体として十分効率的な経営が行われる事業体となるということだと私ども理解をいたしております。しかも、この効率的な経営ということは即国民、利用者の負担の軽減というところにつながる大変重要な課題だということで、先ほど来委員の御指摘の経営の効率化の進捗のぐあいについて、指標についていろいろな御議論があるわけでありますが、この組織問題も大変この間にいろいろな面で進捗を見たということは御指摘のとおりだと思います。 さらに、しかし、今申しましたように、この点は国民の負担とのかかわりが出てまいりますので、さらに一層努力をお願いをいたしたい、しなければならぬ課題だと思っておりますが、この二月には総務庁がNTTの行政監察もいたしまして、今御指摘の組織の再編成の問題についてもさらに数々の、例えば地域事業本部の支社を廃止して支店、営業所への権限移譲だとかあるいは高度通信事業サービスの支店の廃止等あるいは中核的支店の配置の見直しによる統廃合とか、まだいろいろなことの具体的な指摘もあるわけでございます。今後ともさらにNTTに対する効率化ということを郵政省といたしても期待をし、指導もしてまいりたいと考えておるところでございます。
○吉岡委員 次に、労働装備率と従業員数についてお聞きをいたします。 中間答申では「有形固定資産の額が非常に大きいにもかかわらず、同様な東京電力に比べ、労働装備率は著しく低く、従業員数が相対的に多いことが示唆される」このように述べております。NTTは装置産業であると同時に、高度に組織化された労働集約型産業である。単純に東京電力との比較はできません。一般的に電機産業などは労働集約型の特性を持ち、電力は装置産業の代表格であります。 電気通信事業というのはその中間に位置する産業であり、労働装備率の高低によって従業員数を云々することはいささか的を得ていないのではないか、こう思います。とりわけ、災害等が起こったときに対応する要員についても必要だ、こういうように考えますときに、今申し上げた視点からいいますと、この記述についても問題がある、このように思うところでございますが、いかがでございましょう。
○森本政府委員 御指摘のように、電気通信事業というのはいざというときには国民生活全体に大変重大な影響を及ぼすものでございますから、絶えず良好な形でネットワークを維持していく責務を当然のことながら負うわけでありますが、それについてできるだけ企業としてその効率性を求めるという視点で中間答申での議論があったわけでございます。 ただいま東京電力との比較の問題という点についての御指摘でございますが、これは何も東京電力だけではございませんで、先ほど触れましたように、単純には比較ができないが、いろいろな形態の事業者とまず比較をしてみるということも一つの手法ではないかという視点で、粗付加価値率が同様に高い企業としてKDD、東京急行電鉄、東京電力、あるいは有形固定資産回転率が同様に低い企業ということで東京電力とか東京急行電鉄、それから有形固定資産額が大変に大きいという意味で東京電力というような形でいずれも東京電力が顔を出しておるわけでありますが、この労働装備率というのは、御案内のとおりでございますが、従業員数で有形固定資産を割った数字でございますが、そうした意味で同様な有形固定資産額を有する東京電力との比較というものをやってみましたら、東京電力は八兆二千億余ある、NTTは九兆五千億あるというようなことで、結論としてこういうような御指摘になっておりますが、再々答申にも触れてございますように、「他企業との単純な比較を行うことの限界については、十分留意する必要がある。」ということが指摘をされておることは我々もよく承知をしておるつもりでございます。
○吉岡委員 今指摘しましたことにつきましても考えていただきたいと思うのですよ。労働装備率の一番高いと言われる電力と比較するなら労働集約型の企業ともきっちり比較をし、そういう中で一体どうかということをやってこそ公正な判断ができる資料となるはずであります。そういう立場からいいますと、たった一行の文章があるからといってそれですべてが済むということではないと思うのです。今申し上げましたように、単純な比較ということにとどまっていることについて限界を感じざるを得ないというように思っています。ぜひその点について再度御回答いただきたいと思います。
○森本政府委員 中間答申についてのお尋ねでございますが、中間答申そのことが単純な数値では比較ができないと断った上で、しかし現実にこの生産性自体が国民の電話料金という形に大変重要な関連をいたす、そういう視点からいろいろの比較を行った、そういうことであろうと私どもは理解をいたしておるところでございます。
○吉岡委員 記述には問題がありますがと一言言ってくれればそれでいいんですよ、何遍も同じことを言わないでも。 続けて言います。要員削減についてお尋ねします。 民営化以降の要員削減について、「退職者数から新規採用者数を除いた自然減の数と同じ」であり、「自然減以上の要員削減の余地はないのか」このように中間答申は述べております。この言葉をそのまま受けとめてみますと、生首を切れ、こういうことになります。 NTTの場合、年々事業量が拡大をし、しかも業績は順調に推移しています。それは大臣所信表明の中にも述べておられるとおりであります。企業業績が悪化し、回復のめどが立たない場合でも首切りはしないよう最大限の努力をすべきであるのにどうしてこういう表現がなされているのか、非常に疑問を持つところでございます。まずその点についてお聞かせいただきたいと思います。
○森本政府委員 従業員の生産性の論議のほかにトータルとしての従業員数というのも大変この審議会の関心事項でございまして、そうした面で中間答申が具体的に触れておりますところによりますれば、「NTTは、保守業務・電報受付の集約化、電子番号案内方式の導入等によって、民営化以降昭和六十三年度末までに、営業以外の部門において約七万三千人の要員を削減」した、このうち約半数の三万六千人は営業部門へ振りかえられた、こういうことが一つ。 それからもう一点、六十三年七月のデータ事業本部の分離に伴い転籍をした人が六千六百四十四人おられる、それから、NTT本体に身分を残したまま関連会社、子会社に出向される在籍出向の方が三千五百十六人おられる、こういうことを考慮しますと、本来的な意味合いでの要員削減数というのは約二万七千人になる。これはこの間にNTTの退職者総数が四万三千五百人だ、そして新規採用が、この間行われましたのが一万六千六百人だということで、この差し引きの数字、つまりは自然減の数と同じになるのではないか、こういう指摘があったわけでありまして、これで果たして臨調答申が期待し、電電改革の趣旨が全うされた削減内容となっているのかどうか、あるいはこれ以上の削減の余地は現実にないものかどうかについて検討が行われました。 その結果、この答申では要員削減の方法としては、NTTに長期的な視点でこの要員削減計画というものを立てる、あるいはそれによるコスト削減効果を含む長期合理化計画というものを作成し、公開するということを求めておるわけでありましたが、今回の過程では、当のNTTからも五万人の削減計画が出る、あるいは必要な措置においてもこの点に関し、徹底した合理化案をNTTにおいて自主的に作成して、これを公にして実行するということも指摘をされておるわけであります。
○吉岡委員 委員長、ちょっとはっきりしてほしいのですね。今、森本通信局長がお答えになったのは、中間答申の内容の説明をされているにすぎないのですよ。私はその上で今申し上げたように、自然減以上の要員削減の余地はないかということに対して、自然減以上ということになると首切り以外にないじゃないですか。そういう点についてお聞きしているのです。今お答えになったのは中間答申の中にきっちり書いてあることじゃないですか。その中で、自然減以上に人を減らすということをお求めになっているのです。それは生首を切ることかと単純に聞いているのです。そうでないならそうでないでいいのです。
○森本政府委員 退職者の数から新規採用の数を引いた数と、NTTの行った要員削減数とが一致するという指摘から今のようなことになっておるわけでありまして、先ほども申し述べましたような形でさらに積極的な効率化、合理化の余地はないものかということについての御指摘があるわけでありまして、具体的にはそうした面で関連会社等によるさまざまな、現にさっき申しましたような分離といいますか、子会社への出向というものも現実に存在しているわけでありますので、いずれにいたしましても、さまざまな要員合理化計画というものの努力を期待するというのが審議会の答申であり、それを受けた政府の考え方でもある。つまりは、ゆえんは、このことが電話料金なり国民生活に直接はね返るコストの問題である、こういう視点からだと理解をいたしておるところでございます。
○吉岡委員 同じ回答になっておりますから、視点を変えてお聞きします。 この件について、労働省の見解をお聞きします。
○伊藤説明員 お答え申し上げます。 経営の改善の問題に関連いたしまして要員のあり方等が問題となります場合、私どもといたしましては、それぞれの経営事情等を勘案しつつも、従業員の雇用の安定に十二分の配慮が行われていく、これが望ましいことはもちろんでございます。したがいまして、そういった経営事情その他の事情を十分熟知しておられる労使関係の当事者が十二分に話し合って、雇用の安定に向けての努力が払われていく、そういったことを期待しているところでございます。
○吉岡委員 郵政大臣にお聞きします。 今の労働省の回答ということで、その見解を郵政省の見解とさせていただいていいのかどうか、お聞きします。
○深谷国務大臣 今まで森本局長が細かい部分について申し上げてまいりましたが、要は、NTTが民営化したのは一体なぜなんだろうか。NTTが活力ある効率的な経営を行える事業体になることでございました。したがいまして、臨調の答申におきましても、民営化後のNTTが徹底的に合理化された経営体になることを求めるという意味ではないかと私は理解しているのであります。そして、そのことによって国民の利用者に利益を還元していくという趣旨でございまして、その趣旨は間違いではない、こう思うわけであります。 今後の人員の削減につきましては、社長みずからが今後五年間で五万人の人員削減を行って二十三万人にすると明らかにしています。郵政省としましては、今後国民的な理解が得られるような要員削減努力を期待しているということでございます。
○吉岡委員 次に、シェアについてお聞きしておきたいと思います。 新規参入状況というのは八九年九月一日で第一種で五十社、特別第二種で二十七社、一般第二種で七百四十三社となっております。中継系NCC、地域系あるいはポケットベル、自動車電話と、多数の企業が電気通信市場へ参入しています。それで、新規事業者のシェアについてお尋ねをしたいと思います。 まず一つは、NTTとNCCのシェアについてどのように分け合えば適切であるのか、この点についていろいろな判断があると思いますが、郵政省の判断があればお聞きをしておきたいと思います。 さらに私は申し上げてみたいと思いますけれども、NCCの経営状況を見れば競争が進展しているのかどうか、このことは明確であろう、このように思います。中継系NCCの一九八八年度の決算を見てみますと、第二電電で四百六億円の売り上げ、それが一九八九年には九百八十九億円、こういうところまで倍増しておるわけであります。日本テレコムにおきましても二百六十九億から七百七十億円。日本高速通信におきましても百三十二億から二百四十億見込み。こういうことで第二電電では一九八九年の経常利益が百七十五億、これはつい最近確定をしております。 そういう状況まで伸びてきている現状を見ますときに、まさに順調な競争状況が今起こっている、このように見るべきかと思うのですが、その点について簡単に見解をお聞きしておきたいと思います。
○森本政府委員 お尋ねの新規事業者が参入をいたしまして、この市場に入ってまいって具体的な営業成績を上げ、そして全体の電気通信産業にそれぞれ地歩を占めつつあるということは御指摘のとおりだろうと思います。しかし、この答申等に見られる指摘は、結局のところ、伸びたとはいえトータルで、電話で二・七%、専用線部分で五・五%だというような指摘もございまして、これに対する判断いかんという御質問かと思うのでありますが、このシェア自体については改革のねらいであります競争状態がどういうレベルにあるのか、競争のメカニズムが十分機能しているのかどうか、そういう判断をする参考指標だとしてとらえているものだと理解するわけでありますが、いずれにしましても御指摘は、こういう状況をどう判断して最終的にどのくらいが適当なのかというふうに承りました次第でありますが、私どもとしては、あるべきシェアといいますか、こうなったらこういうように判断するという具体的な数値をあらかじめ確定的に申し上げるのは非常に困難かと思っております。 ただ、現状が今御指摘になったような形でのシェアをどう判断するかという点では、やはり中間答申の指摘のように一応前進はしたもののこれで十分だというふうには判断できないという指摘は妥当なものかと考えておるところでございます。
○吉岡委員 時間がございませんから、シェアについて一つだけ御指摘を申し上げておきたいと思います。 NCCとNTTのシェアのあり方について、電話では二・七、あるいは専用線では五・五、こういうように報じられておりますけれども、それはNTT市内、市外を含めた全体の収入に対する割合が出ているのであります。問題は、シェアといいますと、競争が現に行われている地域、このことを中心に例えば東名阪なら東名阪の市外電話に限定をしてどうだ、こういうことになってきますと大きな違いが出てまいります。例えば、電話では七・二%、専用線では一六・七、無線呼び出しでは一三・二、ポケットベルでは二八・一というような数字が出るに至っているわけで順調に競争が進んでいる、シェアもNCCは漸次拡大をしているというように見るべきだというように思っているところでございます。その点について回答を求めたいと思いますが、時間がございませんからその点、それからあと最後に郵政大臣にお聞きをしたいと思います。 私は、電通審答申の内容について矛盾を感ずるとともに、現状分析に大きな欠陥のあることを数点指摘をしてまいりました。ほかにも、組織の巨大性に対する分析や料金あるいは新サービスの許認可のあり方、さらに分離問題、そしてNTT株価の問題、こういうことも指摘したいところでございますが、私はここで言いたいのは、このように不十分な資料や分析のもとで電通審答申をうのみにされてNTTのあり方についてその精神を生かし、講ずる措置を推進されるとすれば、日本の将来に禍根を残すことになる、このように思うわけであります。国民、利益者が求めるあまねく公平なサービスの提供、そして低廉で良質なサービスの実現、このことにほど遠いことになろうかと思います。 昨日の産経新聞でOECDは電気通信の競争を求め、規制緩和を求めているというふうに思います。この点にもかんがみて、全国にネットワークを持つNTTのあり方について通信の主権と情報通信の社会的責任を果たすリーディングカンパニーとしての存在というものを再考いただくようにお願いをしたいと思うのです。その点についての大臣の所見をお聞かせいただきたいと思います。
○森本政府委員 確かにこのシェアの問題について具体的に長距離事業者の参入している長距離部門だけ、あるいは新規事業者が参入している地域だけに着目して、いわば取り出しをして比較するというのも一つの方法ではないかという点は考え方として確かにあると思うのでございます。ただ現実は、NTTは市内の電話それから長距離の電話一本で経営いたしておりますので、この中から長距離市場の部分だけ取り出すということをもしやりますれば、この長距離電話をやった際の加入者へのアクセスに利用する市内部門の収入をどういうふうに扱うか、こういう問題が一つ存在します。 あるいはNTTは全国的な電話サービスを提供しているわけでございますから、全国サービスのエリアから新規事業者が参入している部分だけを取り出す、特定の地域だけを取り出して比較するという点につきましてはこの比較方法はまだ確立もしていないということで、確かに今御指摘が、具体的な数字もありましたが、どうもこれはサンプル的な調査だと私ども承知をいたしておりまして、そうした意味合いではNTT自身も客観的な計数は提出というか算出し得てないというふうに理解をいたしておるわけであります。 しかし、新規事業者はいずれにしましても逐次全国展開もいたしておりますので、答申が指摘しますような全国収入額比較ということもこれは決して意味のないことでもないだろう。また同時に、今回NTTの長距離部門についての収入を取り出すことも政府措置に関連しました長距離通信事業部の収支公開という問題にも通じることになるかという点で今後明確になってまいることかと考えておるところでございます。
○深谷国務大臣 吉岡委員のさまざまな御発言を伺いながら、検討しなければならないものもあるなというふうに考えて、非常に参考にさせていただきました。 ただ、私どもといたしましては、電気通信事業というものが日本の将来にとって非常に重要なものでありますから、しかも電電公社の時代から皆さんの合意を得て民営化したわけでありますから、その趣旨にのっとって一体この先どうしたらいいかということについては、審議会に諮問をかけて二年間にわたって議論していただいたものであります。個々について御意見があることはただいま委員の指摘したとおりかもしれませんが、私は全体的に見てNTTの今後のありようについては重要適切な示唆を与えているものと理解をいたしております。 私たちはこの答申を土台にいたしまして、さらに国民の皆さんや議会の先生方の御意見も十分にわきまえながら、今後の五年間に向けて適切な対応がとられるように努力をしてまいりたい、そんなふうに思っております。
○吉岡委員 終わります。
○上草委員長 次に、草野威君。
○草野委員 私は、郵政大臣の所信表明に関連いたしまして何点かお尋ねをしたいと思います。 きょうの昼のニュースを見ておりましたら、横浜市におきまして固定資産税が誤って徴収をされていた、こういうニュースが報道されておりました。これは他人の土地の分の税金がかかってきているということでございまして、中にはもう二十八年間も徴収をされていた、しかも誤って徴収された人たちはそのうちの半分はもう既に時効になってしまって返還してもらえない、非常に困った事件が報道されておりました。 実はこのNTTにおきましても、最近電話料金の誤請求、誤って請求したという事件が起きておりまして、これも発端は横浜市で始まったようでございます。現在まで十八億円以上、件数にして十七万件が発見されているようでございますけれども、このことにつきまして大臣はどのような御感想を持っていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思うわけでございます。 この件につきまして、私も非常にこれは大事なことだと思いまして、先日の山口社長の会見につきましていろいろと新聞も取り上げておりますけれども、各紙の論調はこんなことを書いてあるのです。 まず朝日新聞は「NTTはまだお役所風だ」こうやって決めつけております。それから読売新聞は「電話料金取り過ぎに猛省を」「今回の事件ではっきり露呈したのは、NTTの組織的な欠陥とともに、肝心かなめの利用者を軽視する体質である。」そんなことが書いてあります。それから毎日新聞の社説では「緊張感を欠くNTTの体質」ということで、「独占にあぐらをかいて緊張感に欠けるところから、こうした事故が発生するのではないか。」また産経新聞「電話料金取り過ぎの真の原因」は何かということで「超マンモス企業、NTTの管理運営体制に本質的な欠陥がひそんで」いるのではないか。また日経新聞によりますと「NTTは情報開示進めよ」こういうことで「NTTの情報の開示が、組織の巨大性によって円滑に進まないようなら、まずNTT自身の意識革新、体質改善が急務である。」非常に厳しい論調で各紙が社説として取り上げているわけでございます。こういう点につきまして大臣ほどのように思われていらっしゃいますか。
○深谷国務大臣 草野委員の御指摘のように、このよう確過大な請求を行ってマスコミに報ぜられる結果になったことについては、NTT自身の信頼にかかわる極めて重要な問題と存じまして、まことに遺憾に思っております。問題のミスは、加入者のデータをコンピューター化する際に誤ったデータを投入したということで発生したということでございます。 私どもといたしましては、この善後策についてお客様に十分な御理解とおわびを行いながらきちんと措置を行うこと、再発防止については全力を挙げて体制を整えることといったようなことについて厳重に指導をしたところでございます。各新聞、マスコミが指摘しておりますさまざまのことは、そのままNTTが一つの反省の材料にすべきことではないかと理解しております。
○草野委員 NTTにお伺いをしたいと思いますが、きょうは参考人としておいでをいただいておりまして大変御苦労さまでございます。 今お尋ねした問題、誤請求の問題についてNTTの方からその経緯につきまして簡潔にお話しをいただきたいと思います。
○草加参考人 お答えいたします。 まず最初に、今回の電話料金の誤請求につきましては、正確な料金の請求を行うことがサービスの基本でございますが、今回のような事態が発生いたしましてお客様に大変御迷惑をおかげしましたことにつきまして深くおわび申し上げたいと思います。 また、今先生が御指摘のように、新聞の社説等でいろいろと体質、扱いその他御指摘がございますが、私どもといたしましては、まことに身にしみる御批判でございまして、これを謙虚に受けとめてこれに対する対策を立てていきたい、このように思っているところでございます。 そこで、ただいま先生から今回の誤請求の問題につきましての原因その他の簡潔な説明ということでございましたが、今回の誤請求につきましては、実は昭和六十年に民営化いたしました際に電話料金の仕組みを大幅に変えたわけでございます。今までお客様が設置できなかった電話機をお客様の設置できるようなシステムにいたしまして、今までいただいておりました基本料金を三つに分けまして、いわゆる回線使用料と配線使用料、それから機器使用料、この三本に分けたわけでございまして、この作業を当時の五千万の加入者に一斉に行ったわけでございます。その際に、短時日でございましたために、これは言いわけにはなりませんが、実際にお買い取りいただいた方の料金も今までどおりのレンタル料金で誤請求を差し上げたというようなこともございまして、これに気づかないまま経過いたしました。もちろん、内部の監査によりましてこれを発見したわけでございますが、その原因その他を詳細に分析いたしまして、そしてお取り過ぎていたものにつきまして利子をおつけいたしましてお返しいたしましたというのが今回の経緯でございます。 横浜でまずこの問題につきまして金額が判明したわけでございますが、この問題、いずれにいたしましても全国でございますので全国的な手当てを行っております。全国的な件数、金額につきまして約七割方対処が終わっておりますが、残りの三割につきましても鋭意進めておりまして、近日中にすべて解決していきたい、このように考えておるところでございまして、大変御迷惑をおかげしましたことを深くおわび申し上げます。
○草野委員 今御説明をちょうだいしたわけでございますが、NTTの本社としてはこういうミスについて、いつこの報告を受けられて、そしてどのような指示を各支社に出されたのか、そこら辺の対応はどうなっているのか、伺いたいと思うのです。
○寺西参考人 お答え申し上げます。 今私どもの草加からお話ししたように、六十年の四月からこの電話機の売り切りという制度が入りまして、それから料金システムとお客様の台帳であります、顧客システムと我々申しておりますけれども、これの不整合という問題が発生いたしたわけでございますが、実はこの売り切りと同時に、顧客システムというコンピューターシステムを入れまして、これが六十年の三月から六十三年の三月までかかっております。 〔委員長退席、大野(功)委員長代理着席〕 その間、六十二年度に私どもの考査室で、実際に導入した局を数局サンプリングいたしまして調査いたしましたところ、この両方のシステムの間のファイルにお客様のデータが間違っているというふうなことが発見されました。それから全国的に調査をしなくてはならないということでやってまいったわけでございますが、何せコンピューター化したためにファイルを突合するためのソフトウェアを開発しなくてはならないというふうなことになりまして、これが現実にでき上がりましたのが六十三年の秋でございます。 その間、全社的に早くこれをしなくてはならないということで何回か打ち合わせ等は持っておりますが、実際にその突合作業を始めたところ非常に手間暇がかかるというようなことになりまして、当初平成元年度中にはすべて終わろうというふうなことで始めたわけでございますが、結果としまして今日までまだずるずると長引いてしまったことに関して本当に申しわけないと思っておる次第でございます。
○草野委員 事実関係を伺っているわけでございますけれども、今のお話にございましたように、NTTは六十二年の九月に本社の考査室でそういうことを指摘されて翌年の九月に突合を開始した、それから社内でいろいろと打ち合わせをやったけれどもなかなか難しい問題があって進まない、こういうお話ですね。 我々が伺っておるところによりますと、平成元年に本社から全支社に対して突合の促進を指示しておる、同じく元年の九月に促進を再度指示しておる、それから平成二年の一月に突合促進を命じている、こういうふうにして本社としてはそれなりの指示をしているようでございますけれども、どうなんですか、これはなぜ支社の方から上がってこないのですか。四月の十八日にこの問題が新聞で報道されました。もし新聞によって報道されなかったらこういうことはもういつの間にか何となくうやむやになって水面下で終わってしまうのじゃないのかな、こんなような感じを持っておるわけですね。そんなことがあったら大変なんですけれども、本社が指示した、何回も指示している。支社の方からはそれに対して本社の方に対して報告がさっぱりなかったようです。これは一体どういうわけなんですか。 それから、郵政省に対していつこの問題について報告をされたのか。この辺のところをひとつ御報告をいただきたいと思います。
○寺西参考人 お答え申し上げます。 これにつきましては本当に私ども申しわけないと思っているわけでございますが、実はこの電話機器の売り切りの始まる以前の電電公社時代にも、こういうふうな加入者ファイルといいますか、加入者原簿と料金原簿の突合というのは常に年に一回ないし二回はやっておりまして、それ以外にお客様との間で、こういうダイヤル通話料のようにある電話局全員のお客様に一斉に誤差が出るというふうなものではなくて、お客様対応で何かミスがあるというふうなものにつきましては、それぞれの電話局単位で処理をしてやってきておりました。 そういうふうなこともありまして、今回私どもは、従前のそういうふうなものとは今思うと全然対応が違ってしかるべきだったと思うわけでございますが、六十年四月には先ほど言ったようなコンピューター化の問題であるとか、あるいは制度の改正の問題であるとか、そういった問題がありまして、結果としてかなり大量にこういうものが出たということを今認識しますと、その時点で従前と同じではなくてこれについては特別にきちんとフォローをして報告をきちんととるべきであったと思っておるわけでございます。その当時としましては、とにかく平成元年度中に処置をしてしまおうということが先に立ったために、結果として報告というふうなことまで思いが至らなかったというのが実態でございます。もちろん、全部完了した暁には全体の数字を把握するというつもりはございましたけれども、結果としてそれが、先ほど申し上げましたように平成元年度を越えて延びてしまったということでございます。 それから二番目の郵政省への御報告でございますが、これは先日の報道発表がありまして、それから急遽平成元年度に払ったものにつきまして全国で取りまとめをしまして、それでその翌日に、ちょっと私はっきり記憶がございませんが、その直後に郵政省に御報告申し上げたというのが実態でございます。
○草野委員 今お話ありますように、こういうミスについては各営業所といいますか電話局ごとに対応をしていた。しかし、本社の方からそういう特別の指示をしたにもかかわらず、支社の方から報告をとってない。とってないのかしなかったのかわかりませんけれども、そういうような現在のNTTの会社の体質に一つ問題があろうと私は思うのですね。これはひとつぜひ改めていただきたいと思います。 それから、やはり郵政省にも報告してなかった。事件が表面化してから郵政省の方に慌てて報告をした。これは非常にまずいと思います。したがって、どうかこの問題についての調査を一日も早く完了していただいて、その結果をまた公表していただきたい。お願い申し上げたいと思います。 次に移ります。 大臣にお尋ねをしたいと思いますが、所信の中でもNTTのあり方の見直しという問題について触れていらっしゃるわけでございます。端的に申しますと、電通春の答申、また政府の政府方針等が発表になっておりますけれども、この中で分離というか分割問題について、分割は必要だけれども五年後に先送りをするのか、また、分割は白紙撤回をして五年後に改めて一から検討をし直すのか、こういうような問題がいろいろと今出ております。 先月の予算委員会におきまして、橋本大蔵大臣はこの分割問題につきまして、平成七年度になってという前提で、分割が必要かどうかといえば必ずしもそうではなかろう、このように語って分割そのものには非常に消極的な姿勢を示された。深谷大臣は公正で有効な競争を促進したい、五年後に分割問題をさらに考えていきたい、こういうような御答弁であったそうでございまして、これを見る限りでは大蔵大臣と郵政大臣の見解の違いというものを感じるわけでございます。この電通審の答申では長距離通信部門は五年後に分割と正式に答申しているわけですね。これがなぜ答申を変更されるのか、その理由も含めてお答えをいただきたいと思います。
○森本政府委員 今回の政府措置が出ましたのは、NTT法の附則二条で会社発足の日から五年以内に会社のあり方について見直す、こういう規定を受けてのものであることは先生重々御案内のとおりでございまして、電通審の答申が、中間答申においてはまずいろいろな改革の方策を並列的に並べて、そして国民的論議を呼んだ上でこの問題について結論を出したいということで、三月に最終答申が出たということでございます。 この答申が一番重点にいたしておりますのは、改革のねらいであった公正競争を促進する点でどういう方策が最も適当か、それからもう一つ、NTTの経営の効率化を進める上でどういう問題が最適であるか、こういう判断で最終的に答申で数数の具体的な方策の提示があったわけでございまして、政府といたしましては、この答申を受けまして慎重に政府部内で検討いたしました結果、この答申の精神に沿って、当面有効競争の促進あるいはNTTの経営向上についてさまざまな措置を講ずる、そしていわゆる分割問題については平成七年度に改めて結論を出す、こういうことに相なった次第でございます。 この間、大蔵大臣もいろいろお話がございましたけれども、私どもといたしましては、大蔵大臣の発言の趣旨は、分割をもし実施するとすればNTTあるいは株主の納得と協力が必要だという趣旨を述べられたものだと考えておるわけであります。政府措置自体は大蔵省とも合意の上で確定をしたものだと考えておるところでございます。ちょっと大臣の前に、ひとまず御答弁をさせていただきました。
○深谷国務大臣 草野委員の御質問にお答え申し上げますが、私は大前提に分離や分割を置いているわけでは全くございません。そこは誤解なきようにお願いしたいのです。終始そこには気を使いながら発言したつもりでございました。 問題は、公正有効競争の促進がきちんと行われるのか、国民の皆様に利益を還元するという本来のあり方が堅持できるのか、そういうような問題をこれから五年の間にきちんと見詰めていこう、国民の皆さんからも御意見を承りながら、そしてもしそういうことがかなわないことであるとするならば、どのような対応をすべきかということを今後煮詰めていく必要があるのではないか、そういう理解をいたしております。
○草野委員 大臣が今おっしゃったように、今最も大事なことはどういうことか。これはやはりNTT自身の利用者に対するサービスの向上、また料金の低廉化という問題、また他の事業者との公正な競争状態、こういうことですね。しかし現在実際にいろいろ聞こえてくるのは、株主保護対策が不十分だ、これは大蔵省ですね。それからNTTは、もう答申については、あの当時でございますけれども、選択の余地なし、頭から反対だ、そういう感じですね。郵政省は郵政省で分割推進、これは今でも腹の中では一生懸命ですね。こういう対立状態がいまだに続いている。こういうことは非常に問題といいますか、心配をしております。確かに分離だとか分割が現在凍結状態になっておることは事実でございますけれども、やはりNTTを今後どうしていくか、どうすることが国民にとっていいのか、このあり方についてはこれからも凍結ではなくて論議はどんどんと進めていかなければならない、このように思うわけでございます。 そんなことで、この際でございますので、きょうはNTTの方からもこの答申等につきましてどのように受けとめていらっしゃいますか、簡単にひとつお話しをいただきたいと思います。
○草加参考人 お答え申し上げます。 今回の電通審の答申並びにそれを受けました政府方針が出されたわけで、私どもといたしましては、政府方針は公正で有効な競争の促進、徹底した合理化、サービスの向上ということをNTTに期待している、またはオーダーをしている、このように理解しているところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、今申し上げましたような公正で有効な競争の促進とか徹底した合理化、サービスの向上というものに真剣に今まで以上に取り組みまして、国民の皆様方からこれが十分に行われているという評価を得ることが私どもの使命だというふうに感じているところでございます。 したがいまして、今回、分割問題に関しましては五年先に必要があれば検討を行い結論を得るという理解をいたしておるわけでございますので、私どもといたしましては、本来分割ということはISDNの構築を進めていく中で実質上ネットワークの分割を伴うものでございまして、国民、利用者、株主、皆さんにとって非常に影響を及ぼすということから、選択されるべきではないという主張を一貫して言ってきたわけでございますが、そういう意味も含めまして、先ほど申し上げました三つの大きな目標をこの五年間、国民の皆様から評価されるようは実施していきたい、このように考えているところでございます。
○草野委員 「「日本電信電話株式会社法附則第二条に基づき講ずる措置」に対するNTTの考え方」というデータをちょうだいしております。この中身につきまして二、三簡単にお尋ねをさしていただきたいと思います。 まず、「個別事項」でございますけれども、この「個別事項」の中の一番初めの①の「事業部制の徹底等」こういうところがございます。この事業部制の問題でございますが、「長距離通信事業部、地域別事業部制の導入・徹底と収支状況の開示については、できるものから順次実施する。」こういうふうになっているわけでございますが、この長距離通信事業部というものは県間通信、それから地域別事業部制というのは県内通信、もしこういう考えでございましたら電通審の答申の市外と市内、こういう分け方と全く同じではないかと思いますが、そのとおりでよろしいかどうか。 それからもう一つは、事業部制の実施、収支状況の開示でございますが、実施時期はいつからを予定されていらっしゃいますか。
○草加参考人 お答えいたします。 ただいま先生お話しの長距離通信事業部、地域別事業部制の導入・徹底と収支状況の開示という課題が私どもに課せられておりまして、私どもといたしましてはこれを真摯に取り組んでいくつもりでございます。 そこで、具体的な御質問でございますが、長距離通信事業部と地域別事業部の区分でございますが、現在やっております事業部制は県間通信ではございませんで、いわゆる私どもの単位料金区域間の通信を長距離それから単位料金区域内を市内としているわけでございまして、その内容は違うわけでございます。これらにつきまして県間通信にするのがいいのかまたはその他やり方があるのかということを含めまして現在社内で徹底的な討論、研究を行っているところでございます。 いずれにいたしましても、長距離通信事業部それから地域別事業部というものは一体どうしたら一番合理的であり、しかも国民の皆様に納得いただけるものかという結論を郵政省とも十分に御相談しながら出し、さらにその収支の分計を世間の納得のいく形で整理いたしましてこれを公表するという措置をとるつもりでございます。 先生御指摘のいつからかということでございますが、現在作業を進めている最中でございますので、いついつということを今ちょっと申し上げるわけにいきませんが、できるだけ早い機会にこれらの結論を出したいというところでございます。
○草野委員 まだいつかわからないということでございますけれども、これはもう少し急いでいただきたいと思うのです。時間がありませんので郵政省にお尋ねしませんけれども、この事業部制のあり方につきましても、ぜひ郵政省と十分に協議の上決定をいただきたい、このように思うわけでございます。 それから、「ディジタル化の前倒し」十一番でございますけれども、この問題について簡単にお尋ねをしたいと思います。 まず第一点は、ディジタル化の問題でございますが、米国に比べて非常におくれていると言われておりますけれども、この原因はどういうところほあるのでしょうか。それから、前倒しという意味でございますけれども、一九九九年ということになっているようでございますが、この九九年よりさらに前倒し、このようにとってよろしいわけでしょうか。
○草加参考人 お答えいたします。 ディジタル化の促進でございますが、世界的に見まして、ディジタル化が一番進んでおりますのはフランスでございまして、フランスは交換機の発達が前段階でおくれておりましたために、一気にディジタル交換機というものを採用しましたために相当高いディジタル化率を持っております。その他の先進国といたしまして、アメリカ、イギリス、ドイツはいずれも順を追って交換機を開発してまいりましたために、現在ディジタル化も私どもよりも若干進んだりまたはおくれたりでございまして、それほど顕著な差はございません。しかし、私どもといたしましては、ディジタル化がお客様のサービスそれから公正競争、これらに非常に大切なことであるという認識に立ちまして、できるだけ早くディジタル化率を上げて、一〇〇%にしたいという考えを持っております。 そこで、平成元年の九月まで、従来はそれぞれ市内、市外、ISDNその他いろいろなディジタル化率の指標がございますが、二〇〇〇年を超えて予定しておりましたものを平成元年九月に、一九九五年とか一九九九年とかいろいろな指標がございますが、ディジタル化率を前倒しする計画を発表いたしたわけでございます。さらに、先生今御指摘のように、それではさらにこれをどうするのかという御指摘もございましたが、業績が上がり、実行上財務状況がこれに伴ってきた場合にはこの中身をできるだけ促進をするということにいたしたいと思っておりますが、この目標自体をどうするかにつきましては、まだ私どもとしては結論を得るに至ってないというところでございます。
○草野委員 今二、三伺ったわけでございますけれども、いわゆる政府方針というものが出ておりますが、これを受けてのNTTの考え方を今伺っているわけでございますが、何となくちょっとニュアンスが違うのですね。例えば今のディジタルの問題のところを見ますと、今のお話でございますと、九九年以前に前倒しになるのかどうかということについて、財務状況を勘案しながらその促進に努力をしたい、こういうことですね。この政府方針といいますか、こっちの方から見ますと、これについては「「中長期デジタル化計画」の前倒し実施を促すこととし、そのための必要な措置を講ずる。」いわゆる九九年よりの前倒しをかなり強く言っているのですね。これに比べると、何となくほんわかしてくるのですね。何かそういうような感じがしてならないのです、ニュアンスの問題と思いますけれども。一番初めの事業部制のところも「できるものから順次実施する。」これは当たり前のことかもしれませんけれども、これも表現の違いだと思いますが、これもこちらの表現ですと、「事業部制を導入・徹底し、これらの収支状況を開示するよう措置する。」非常に強いのですね。何となくちょっと違うような感じがしますけれども、そんなことはございませんか。 それから、ついでだから伺っておきますが、十三番目の「単位料金区域(MA)の設定の在り方」のところでございますが、これについても「料金体系全体の在り方と併せて検討する。」このようになっているわけでございます。これについても政府の方の出している資料は、利用者の利便を踏まえて単位料金区域の設定のあり方について検討する、こっちの方がかなり具体的なんですね。どうなんでしょうか、このMAの問題でございますけれども、隣接区域、現在電話料金二十円になっているわけでございますが、このMAの設定のあり方を検討することによって、現在二十円のところを十円に値下げをする、そういうことの検討は現在されていらっしゃいますかどうか。また、もしそういうことを実現する場合には、その減収額というものは大体どのくらいになるのでしょうか。
○草加参考人 お答えいたします。 まず、長距離通信事業部それから地域事業部の問題について、先生御指摘の、歯切れが悪いというお話でございますが、これは私ども、ここに、政府方針に書いてある趣旨のとおりに具体的な内容について検討してできるだけ早くそれを公表し、実施するということでございまして、私どもといたしましては、この趣旨は完全に実施するというふうに申し上げているつもりでございます。 それから、ディジタル化の問題でございますが、先ほどちょっと御説明いたしましたように、平成元年九月に、それまでの計画をかなり前倒しした中期五カ年計画、中長期ディジタル化計画をつくったわけでございますので、単年度ごとに財務的な余裕ができればそれを繰り上げながら実施していくつもりでございますが、ただ、全体の計画を繰り上げるかどうかについては、これは財務上のシュミレーションを相当行っていかないと自信がないわけでございますので、これについては現在検討中ということで御容赦いただきたいというふうに考えております。 それから、MAの問題でございます。これは御指摘のとおり、MAを抜本的に見直すということにつきましては、私どもも前々からそのことを十分に検討を繰り返しておるところでございます。もちろんMAを現在よりも広げる、または隣接MAを現在のMAの料金と同じようにする、または県内を単一のMAにする、いろいろな案がございます。今先生御質問の、隣接MAを三分十円という形にした場合には、これは当然のことながら減収が約一千億程度生ずるわけでございます。それからもう一つ、逆にこれをやった場合の問題は、同じ十円でかけられる、加入数によって現在五段階の基本料をいただいているわけでございますが、これがアンバランスになりますために基本料金の調整を行わなければいけない。これを現在の基本料に当てはめますと値上げをせざるを得ないということになりますので、これは社会的に御理解をいただくことはなかなか難しいのではないか。 このような問題もございまして、すぐに採用することはできないわけでございますが、いずれにいたしましても、MAというものができ上がりましてからもう相当な期間がたっておりますので、今回の長距離通信事業部、地域通信事業部というものの区分けも含めまして、MAのあり方、そして料金体系のあり方というものをこの際抜本的に見直さなければならないということについては強い決心をしておるところでございまして、いずれにいたしましても、これらにつきましては早急に検討を進めて、郵政省の十分な御了解を得ながら進めていきたい、このように考えているところでございます。
○草野委員 NTTの決算状況でございますけれども、平成元年度の決算も決定しておると思いますが、非常に好調である、このようなことも我々も聞いて、耳に入りているわけでございますけれども、昨年と比べて経常利益ほどのくらいふえておりますか。
○草加参考人 お答えいたします。 平成元年度の決算は、いわゆる景気の好調に支えられまして好調に推移してまいりました。昨年の中間決算の際には、平成元年度の見通しといたしまして四千三百億円の経常利益が出るという推定をいたしました。その後六カ月が推移いたしまして決算がまとまりつつあるわけでございますが、この四千三百億円を非常に好調に達成しているということでございまして、実は明日、五月二十五日に取締役会を開きまして、郵政大臣への認可申請を行ってから報道発表するという段取りになっておりますので、きょうここで具体的に金額を申し上げることについては御容赦いただきたい、このように思う次第でございます。
○草野委員 史上最高とまでいかなくとも恐らくそれに近いような数字が出ているんじゃないかな、このように我々も考えているわけでございますが、いずれにしても、そういうふうに非常に好調な決算を続けているわけでございます。そういう中で多くの国民が望んでいることは、やはり電話料金は高い、これを下げてもらえぬか、こういう声が非常に強いわけですね。実際にNTTの市内料金は欧米先進国と比べて決して安いとは言えないと思います。また、今MAの問題が出ましたけれども、電話を利用している人たちの約九〇%は市内料金また近距離料金、これをぜひとも値下げしてもらいたい、こういうような要望が非常に強いわけでございまして、ぜひとも本年度は電話料金の、特に市内、近距離について大幅な値下げに踏み切っていただきたい、このようにお願いをしたいと思います。 そこで、次の問題に入らしていただきたいと思いますが、テレホンカードの問題でございます。テレホンカード、現在までどのくらいの枚数、どのくらいの販売額か、この点を初めにお伺いしたいと思うのです。テレホンカードは非常に急激に伸びているようでございますが、このテレホンカードによって電話料金等の支払いもできるようになったということを聞いております。しかし、その際一枚ごとに五十円の手数料を取るんだとか、新しいカードはいいけれども使用中のカードは使えないだとか、そんなような大変みみっちい話もあるようでございますので、こういうところの問題についてはぜひとも再考していただきたい、このように思います。初めにカードの枚数それから販売額等についてお尋ねをしたいと思います。
○寺西参考人 お答え申し上げます。 テレホンカードは昭和五十七年から販売したわけでございますが、年々増加してまいりまして、平成元年度の売り上げが約千八百億円、枚数で約三億枚でございます。それで、今までの累計で申し上げますと、五十七年度から元年度までで六千三百二億円、それから枚数で約十億枚というような数字でございます。ただ、平成三年度ぐらいから次第に増加率は緩やかになってきておりまして、平成二年度は、私ども今のところ約六%ぐらいの伸びかなというふうなつもりでおります。 それから、一方、カードでかけられる公衆電話がまだ少ないではないかというふうなお話がございまして、これも鋭意増設をしておりますところでございますが、平成元年度末で六四%の公衆電話がカードが使える、これを平成二年度では八〇%にいたしまして、四年度末には一〇〇%の公衆電話からカードが御使用できるようにというふうな計画でいるところでございます。
○草野委員 昭和五十七年度以来、枚数にして十億枚、金額にして約六千億平成元年度まで発売をされている、こういうお話でございますが、これは、カードの売り上げた金額は、毎年そっくりその年の売り上げに入るのでしょうか。また、もし違えばどのようなことをされるのでしょうか。
○寺西参考人 お答え申し上げます。 これは、売り上げた額が即その年に通話料として入ってくるということにはなりませんで、平均的には、中四年ぐらいたったら大体その全部を使い切っていただけるというふうなことから、六十年度、民営化されて私どもの会計原則が変わって以来、税務当局のいろいろな御指導を得て、年々比率は違うわけでございますが、平成元年度で申し上げますと、売り上げの約六八%を当年度の収益に計上いたしまして、残り三八%は売掛金というふうな計上をいたしまして、中四年たって足かけ五年後に収益に計上する、こういうふうな仕組みになっているところでございます。
○草野委員 民営化後、昭和六十年度以降、このカードの毎年の売上金額、概算でも結構ですから売上金額、そして毎年のいわゆるカードの使用された金額といいますか収益ですね、これはおわかりになりますか。
○寺西参考人 現実にどれだけ御使用になったかということにつきましては、ちょっと私、今手元にございませんので正確な数字は申し上げられませんが、先ほど私が申し上げました会計的な売り上げだけの処理で申し上げますと、昭和六十年度が六七%を売り掛けた、六十一年度は六八%、六十二年度が五八%、六十三年度が五〇%で、先ほど申しました平成元年度が三八%売り掛けたということでございまして、これが全部使われたかどうかということになりますと、ちょっと私ども、その正確な数字は把握していないところでございます。
○草野委員 郵政省、今おわかりですか。
○森本政府委員 私どもも、ただいまのに関する数字は持ち合わせてないところでございます。
○草野委員 私の手元の資料によりますと、昭和六十年度は売り上げが四百億円、収益が百三十億円、収益というのは使用したものですね、百三十億円、使用しないものが二百七十億円、こういうことになります。同じく六十一年度は、売り上げが九百四十億円で、使用したものが三百億円、使用されなかったものが六百四十億円。昭和六十二年度は、売り上げが千三百九十億円、使用されたものが五百九十億円、されなかったものが八百億円。昭和六十三年度は、売り上げが千六百十億円、使用された額が八百二十億円、使用されないものが七百九十億円、こんなふうになるのじゃないかと思います。平成元年につきましては、先ほどお話があったとおりでございます。 これを見ますと、説明もありましたけれども、毎年二百七十億円とか六百四十億円とか八百億円とか七百九十億円とか非常に巨額な額が、カードが実際に使用されないまま国民のだれかの懐へ入っているか引き出しへ入っているかして使用されていない、こういう状況ですね。先ほどの説明によりますと、四年たってから売り上げに計上するということでございまして、例えば昭和六十年度の二百七十億円使われなかったものについては平成元年度の収益の中に入ってくる、こういうような仕組みのようでございます。しかし、考えてみますと、カードの売れ行きが非常に好調で、しかもこれだけの金額のものが実際に使われないでいるわけでございます。このNTTのカードの場合はプリペイド方式のカードでございまして、先にお金を受け取るわけでございまして、商品とかサービスを渡すのはその後になるわけでございます。したがって、毎年これだけの巨額の金額が、商品、サービスを利用者に渡さないで、その金額がNTTの収益になってしまう、一種の退蔵益というような感じの性質ではないかと思うわけでございます。 そういうところから考えてみますと、この金額については、変な言葉ですけれども一種の不労所得、こんなふうにも言えるのじゃないかなという気がしてならないわけでございますが、いずれにしても、毎年これだけの数百億という金額が現実に今まであるわけでございますけれども、こういうものについての利益の処分の仕方については何らか工夫が別にあってもいいのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、NTTはいかがでしょうか。
○寺西参考人 お答え申し上げます。 その前にちょっと私、訂正申し上げさせていただきたいと思います。先ほど売掛金と申しましたが、これは、正確には前受け金の誤りでございまして、いずれにいたしましても四年間に回収している、こういう性格のものでございます。 ただいま御指摘の件でございますが、私どもといたしましては、前受け金相当額というものにつきましては他の収益と同様に事業運営の財源の一部といたしまして有効に活用をしているところでございまして、そういう意味では、設備の高度化とかお客様の料金に還元をしているというふうなつもりでいるところでございます。 先生が今御指摘になりました数字がそのまま即退蔵かどうかというところにつきまして正確に今把握をしていないところでありまして、私どもとしてはすべて使っていただきたい、そのために公衆電話をふやすとかそういうふうなことを鋭意やりまして、便利にテレホンカードを使っていただくというふうなPRも実はしているところでありまして、何分そういう点を御理解いただきたいと申し上げたいと思います。
○草野委員 御理解してくれと言ったって、これはちょっと簡単に御理解できないのですね。プリペイドカードの性質から考えても一割から二割、こういうものが退蔵されるということはNTT以外の業種では考えられると思うのですね。我々も初めは二割ぐらいかなと思ったのです。実際に今数字を伺うと、ともかく半分以上のカードが退蔵されておる。お金は全部先に入ってきちゃっている、NTTは丸もうけです。さっき売掛金だとか前受け金だとかいう言葉を使ったけれども、回収という言葉も使われました。回収なんかする必要は何もないわけですよ。ほっておけば金は全部先に入っちゃっているのですから、これから何を回収するのですか。回収などする必要は何もないですよ。黙っていたってこれだけは四年たてば売り上げに計上して正式に今度使えるわけでしょう。だから、こういうものについては何かもっと別な有効な活用の仕方があるのではないかなと思って今お尋ねしたのですけれども、NTTとしては考えておられないということで、非常に残念でならないところであります。 大臣に伺います。 このテレホンカードの毎年の売り上げ、今お聞きになったとおりでございまして、四年目にNTTとしては利益に計上されるわけですね。その収益額が、今も申し上げましたように、平成二年度で六百四十億円、平成三年度で八百億円、平成四年度で七百九十億円という巨額なものになるようでございまして、これは言ってみれば退蔵益というような感じがしてならないわけでございます。これにつきまして、利用者への還元の方策、また使途について何かいい方法があるのではないか、このように思うのですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○深谷国務大臣 御指摘のように、NTTはテレホンカードについては、売上額と使用額の差額を一たん前受け金として経理して、四年目に収益に計上することとして、平成元年度以降は毎年一定額を収益に計上されているようでございます。これは一般論として、未使用のテレホンカードでも使われるかもしれないという前提に立っておるものでありますから、将来の利用の可能性ということで、会計上は四年という期限を決めているのであろう。そして、ひとまずそういう収益の計上の仕方で、結果的には四年ごとに入ってまいりますので、そういう意味では退蔵益と一概に言えるのかなといったような多少の疑問は残っています。 ただ、私どもに言わせれば、先生御指摘のように、こういうような収益を含め、つまり営業上生じた、特にこの場合には大変労なくして入ってくるような感じもしないではありませんから、こういうような場合には広く利用者に還元されるということが一番大事なことであります。どうやって還元するかということについて今御質問ございまして、いい知恵は浮かんでまいりませんけれども、少なくともNTTはこういうようなただいまの御指摘のように何となく、不当とは言えませんけれども、お金が入ってくるというような形で誤解を招かないように、きちっと還元策を具体的に示していくということも大事なことではないかと存じまして、私たちも知恵を絞りますけれども、むしろNTT自身がただいまの草野委員の御指摘を受けて十分検討されるべきではないだろうかというふうに思っております。 なお、参考のために、私ども例えばビール券とか、あるいはデパートの商品券などをちょっと二、三調べてみたのでありますが、こういう形でいつ使われるかわからないので、四年くらい先に収益に入れるというような形になっているところもあるようでございます。要は、利用者の方々がどういう形にせよ出したお金というものがきちんと利用者に還元されていく、そして低廉化とか、より一層利用者のニーズにこたえていくということに全力を尽くすというNTTの形が、体制が必要でございまして、そういう点、あわせてNTTにも注文をつけますし、私どもも考えていかなければならないと受けとめております。
○草野委員 大臣、かつてNHKが内幸町の土地を売却したことがございます。あれはたしか三百六十億ぐらいの利益が出たということなんですけれども、そのうちの百二十億を放送文化基金、このように決めまして現在まで至っておりますね。そんなことからちょっと思い出したわけでございますけれども、大臣もおっしゃっておりましたように、退蔵益とまでは言い切れなくても、何らかの形で国民に還元することも考えてみたいというようなお話でございますけれども、ともかく金額が膨大なんですね。昭和六十三年度で約二千五百億円、平成元年度を入れると三千億円を突破しますね。すごい巨大な金額です。この巨額なお金ですけれども、このうちの一部を割いて何らかの基金として、そして国民、また電話の利用者に対して還元をする、こういうファイナンス、基金制度というものを何か研究してみたらどうかなと思うのですね。 いずれにしても、電話をかける目的で買ったカードです。それが使われないままに、少なくとも現在までは半数以上のお金がともかく使わないで残っておる、これが現実ですね。そういうような方法、これは大臣にもぜひひとつ考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○深谷国務大臣 適切な御意見とは思いますけれども、NTTは一応民営化された企業団体でございますから、むしろNTTが今の御意見を踏まえてしっかり考えていくことが非常に大事ではないだろうかと思います。しかし、そうはいいましても、かかわり合いのある郵政省でございますから、大いに勉強させていただきたいと思います。
○草野委員 以上で終わります。
○大野(功)委員長代理 次に、伊藤忠治君。
○伊藤(忠)委員 今も同僚議員の方からNTTの誤請求の問題について発言がございましたが、結果を見まして、大変規模も大きく、金額も非常に大きいわけでして、このような事態が起こったことは、NTTがこれから事業を営んでいくに当たって、利用者の皆さんに大変な信用問題を引き起こしたことは事実でございます。早速私も現地の方に入りまして、どのような事情のもとに今回の問題が起きたのかということについて、私なりに把握をさせていただいたところでございますが、いずれにしても起こった結果については、早急に信用を回復するために、言葉は適切じゃございませんが、オーバーですが、全社を挙げて再びこのような事態が起こらないように、ひとつ万全の措置を講じていただきたい、このように思うわけでございます。 データが料金と営業の関係で、プログラムでいえば統一されたシステムが当初形成されていなかったということから問題が起こっているわけでございますが、今回の事件に対して、再びそういうことを起こさないためにこのような決意でやっていくんだという会社側としての姿勢を表明をいただきたい、こう思います。
○草加参考人 お答えいたします。 ただいま先生の御指摘のように重要な、重大な信用問題だという御指摘でございます。まことにそのとおりでございまして、深く反省しているところでございます。 そこで、先生御指摘の問題につきまして、まず最初に行わなければならないことは、このような誤請求が行われました結果を至急全部洗いまして、お客様におわびとともに御返還申し上げるということが第一でございます。 それから第二は、先生御指摘の今後の問題でございますが、二つございまして、一つは、まず緊急に現在のシステムの中で突合できるシステムを早急につくりまして、このような事故が起こらないような進め方、対応策を早急につくって指示をする、実際にそれを実行するということだと思いまして、これを今鋭意進めておりまして、来月できるだけ早い時点までにこれを指示をし、実行したいというのが緊急の措置でございます。 それからもう一つは、このようなことが起こらないようなデータファイルを統一することによって自然に、突合しないでも全く同じデータでお客様に御請求申し上げて、誤った請求がないようにする完璧なシステムをつくるということが一番でございますので、現在これに適合するシステムを全国的につくりつつございますが、全国に普及するまでには数年かかりますので、とりあえず先ほど申し上げました緊急の措置をとる、そして万全の措置をとる、このような段取りで今後このような問題が起こらないようにさせていただきたい、このように思っております。 以上でございます。
○伊藤(忠)委員 ただいま方針も説明されたわけでございますが、万全の措置を、問題の再発のないようにお願いを申し上げたいと思います。 ただ、職場へ行ってみますと、これは民営化されて五年たつのですが、もう忙しくて、ノー残業デーというのがありますよね、これは主に官公庁でも組合の方がそういうふうに決めて運動的にはやっておりますね。そういうのを決めましても、なかなか所定の時間に帰れないというような大変なノルマでございます。要員を削減しなければいかぬ、合理化を進めなければいかぬ、一方では利益を上げなければいかぬ、事業部制の導入は要請をされてくる。大変なことですね。やらなければいかぬことがいっぱいありまして、やってくれる人がだんだん減っていく、さらに領域はふやさなければいかぬ、サービスは拡大をしなければいかぬ、そういう厳しい状況に置かれていることは事実でございます。 私も、制度改革の際からこの委員会へ籍を置かせていただいているわけですが、あのときにも、法律案として出たわけじゃございませんが、あの法案を固める段階では、民営化するにしても本当に期待をするような民間会社としての体制をつくり上げるためには十年はかかるだろうという議論がございました。しかし、そんなに長い時間がかかったのでは、中曽根行革路線の意に沿うことにはならぬ。じゃ、七年がいいのか五年がいいのか。早い方がいい。政府はとにかく一瀉千里にできるところから行革をやろうということで、結果的には見直し規定に象徴されるような五年という期限で見直しをしてはどうかというようなところに落ちついた、私はそういうことを記憶しております。 しかし、実際出発をしてみますと、もともと官公庁の一員だったわけですから、大きな組織でもってどう民間にふさわしい経営体制、体質改善を含めてこれをソフトランディングさせていくかということで、関係者の並み並みならぬ努力があったわけですけれども、大変矛盾が集中してきている、私はそのうちの一つではなかろうかという気がしてならぬわけでございます。大体中央官庁というのは組織が大きいわけでして、郵政省の場合には、多少電気通信局は政策官庁でしてあとは三つの現業を抱えてみえるわけですが、郵政省トータルで言ったら相当大きいわけですね。 これが、つまり現業は民営化というふうにもしなったら、簡単にそう会社のような格好に名実ともに衣がえができるかといったら、これは相当難しいわけですね。だから、受けて立つ会社になった方もそうだし、指導されるというかそういう立場に立たれる郵政省としてもそうなんですが、そこのところを本当にこれから一つ一つの物事を解決するに当たっても、そういう信頼関係というのですか、そういうものが据わらないとなかなかこれからうまく物事が転がっていかないのじゃなかろうか、こう思えてしょうがないのでございます。 さて委員長にお願いでございますが、きょうは一般質問でございます。私も五年間逓信委員会に籍を置いておりますが、一般質問を一日かけてやるチャンスというのは大体一国会一回ぐらいでございます。果たしてそういうことで、今同僚議員の草野先生が問題提起をされましたが、ああいう具体的な問題についてどうあるべきか、利用者のサービスの向上、料金を低廉にやっていくというためにはどうあるべきかというようなことについて、国会は国会での意見が言うならば国民の声を代弁する場として存在すると私は思いますし、またそういうことが言うならば関係の行政なりあるいは業界の皆さんにも反映していくということは重要だろうと思うのです。 ところが、大体この委員会なんというのは、法案が出てきまして法案を中心に議論することばかりなんであります。大体郵政管轄の事業の関係で言えば、NTTはそうですし、NHKもそうですし、KDDもそうですね。それから放送の関係では民放含めてあるじゃないですか。それぞれの業界では仕事をやられておって、例えば私たちはこのように郵政省なり逓信委員会に国会でも物が言いたいということはあると思うのです。日ごろのいろいろな事業運営を通じてあると思うのです。郵政省は郵政省でそれはもう業界との間にはダイレクトに話ができるというパイプはあるのですが、私たちはそういう問題をとらえて国民の皆さんに、こういうことがあるんですよ、これはこのようにやっていったらどうですかというような場というのがなかなかつくられないのですね。これでは本当に国会の委員会の任務をどこまで果たしているのかなということについて日ごろから非常に疑問視をしておりまして、理事の時代に委員長さんにもその点は随分とお願いをしてきたところでございまして、やはりそういうふうな言うならば委員会運営についてもぜひとも今後ひとつ御配慮をいただきたいし、積極的にそういう場をつくっていただくように対応いただきたいものだ、かように考えているわけでございます。 それで、実はこの審議会の答申の問題にもかかわっていくわけでございますが、郵政省が審議会にNTTのあり方について諮問をなさいました。審議会が中間答申から最終答申ということに二段構えで見解を出されたわけでございます。それを受けまして郵政省としては三月の三十日に「附則第二条に基づき講ずる措置」ですか、これを出されたわけですが、その間全然国会の意見を聞いていただいてないのです。これは疑問でしようがないのです。国会というのはそういうふうなNTTのあり方について意見を言う場が全然ないというのは一体どういうことなのか、このことが私は基本的な疑問でございます。 したがって、大臣にお尋ねしたいのですが、いや審議会というのは大臣の諮問機関でございまして、審議会は国民各層を代表する有識者で構成されているから、その皆さんに意見を聞いているので国会の意見を聞かなくてもこれはいいんだというふうな、今日まで最終答申なり「講ずる措置」、郵政省としては最終的な方針、態度を附則二条にかかわってお決めになったその過程ではただの一度もこういう場がなかったというのは、私が今申し上げたような判断でそうなったのかどうか、この点をひとつ大臣にお伺いしたいと思います。
○深谷国務大臣 伊藤委員の御質問に対してお答え申し上げます。 まず最初に申し上げたいことは、審議会というのは郵政大臣の諮問機関でございまして、各界各層から適切な人材をお集めして議論していただいておりますから、その御意見は尊重しますが、そこで御意見を聞いたから国会の先生方に御相談したり議論したりしないのだ、そういうふうには全く考えておりません。 NTTのあり方の問題については、そもそも国会でいろいろ審議をしていただきまして、そして成立させていただいた日本電信電話株式会社法という法律、その附則第二条の規定で政府としてNTTのあり方を見直すことが義務づけられていた、私どもはそう理解しているのであります。その義務づけられました規定に基づきまして必要な処置を行うということで諮問をいたしたわけでございます。そして、その審議会で二年間にわたりまして幅広い角度から総合的な調査審議が行われまして、その基本的な視点に立ちまして答申を受けて政府として検討いたし、調整を行った結果、三月三十日に答申の精神を生かすとの内容でNTT法附則第二条の規定に基づく政府措置を決定したわけでございます。繰り返し申し上げますが、国会で審議をしていただいて決めていただいた手順に従いまして、その時期が参りましたので、審議会にかけて答申をいただき、政府の考え方というのを発表した、そういう経緯でございます。
○伊藤(忠)委員 それはそのとおりなのですね。ですから、その講ずべき措置としてこれからこのようにやっていきたいという結論をお出しになったわけですね。附則二条が根拠なわけですね。附則二条をつくったのは国会なのですね。立法府なのですね。ですから、このように講ずべき措置を考えているがどうでございましょうかということは国会にお諮りになった方が、法案をどうのこうの、形を言っているのではなくて、国会の意見も聞いた上で講ずべき措置を最終的に固められた方がいいのではないか、そこはどうですか。
○深谷国務大臣 国会の先生方の御意見を伺うということは、もう民主政治では原則でございます。しかし、国会で審議を尽くされてただいまのような附則二条というものをこしらえて、その命令といいましょうか、義務に従いまして審議会にかけて答申をいただいて、私たちはお役目を果たす意味でそれに基づいて政府の方針を発表させていただいたわけでございます。 これから五年後をめどにいたしまして、NTTの期待されている姿がどうなっていくであろうかをひとつ大いに見詰めていきたいし、先生方の御意見も含めて、関係者の意見も含めてあるいは国民の意見も踏まえて、これから大いに検討していこうということになっているわけでございます。そういう意味では今日のこの場所も貴重な御意見を交換していただく場でございまして、ここで出された先生方の御意見は当然重要な物の考え方の基準の一つにもなっていくのではないか、そう理解しております。
○伊藤(忠)委員 大臣も国会議員ですから、そういう意味では同じ立場でこの審議に携わる場面が過去にもありまして、これからもあると思うのです。ですから、伴う措置を決められるまでに、言うならば国会の意見もどうだという一定の場を設けて聞かれた方がこれはよかったのじゃないですか。それはもう委員会マターでありまして、委員長さんが委員会の理事会で扱われて決める問題であって、大臣としては行政府の郵政省の長でございますから、おれのところは執行する立場なのだからいささかそれは違う、法案というものでここで審議をする必要が伴う場合にはそういうことは当然立法府としてはやられるけれども、今回は法改正という問題を伴っていないのでその必要はないとお考えなのか。 そうではなくて、法改正が伴おうと伴わないとにかかわらず、今回はそういう附則二条という問題の区切りをつける節目でございますから、非常に大きな問題でございますから、あろうとなかろうと、ひとつ国会でも意見を聞こうじゃないか、こういうふうなお考えにはならなかったのかどうか。結論がついてから、これは一般質問でやっているのだから大いに意見を出してください、そこでしんしゃくしていきましょうと言っても、それはちょっとタイムラグがあるのじゃないですか。タイミングとしてはよくない。この点についてどうお考えでございますか。
○深谷国務大臣 今先生御指摘の意味は、私も国会議員の一人としてよくわかります。ただ、今までの旧来の方法といいましょうか慣例では、法案が出されて審議をしていただくということが通例でございました。今回の場合、私どもから格別一般質疑を行ってくださいと委員長にお願いしなかったことは確かでございますが、そこいらはまた賢明な委員長や理事や委員会の皆様の御判断なさるところではなかったろうかなと私も思います。しかし、先生の御趣旨はよく理解できるところでございますので、きちんと承って今後の参考にさせていただきたいと思います。
○伊藤(忠)委員 時間の関係がございますので、今後のこういう問題のときにぜひとも対応していただきたいという一つの考え方として申し上げるのですが、地方議会は全員協議会というのがございますね。正規に条例改正だとかそういうものの審議をやらないようなあるいはなじまないような問題とか、そういうときにはそういう場面でなるべく全体の意見を聞いて行政の執行に生かしていく、そういう場面がたしかあると思いますが、国会にはないのですね。ですから、逓信委員会というのはそれこそ二十一世紀に向けて本当にフレッシュな課題を扱い、審議をしていく場面でございますので、余り旧弊にこだわる必要はないので、そういう場の形のいかんを問わずみんなの意見を交換し合える、聞いていくというような場をぜひとも今後理事会でもってもひとつ検討いただきたい、このように思うのですが、大臣あるいは委員長、ひとつ御両人の見解をお聞きしたいと思います。
○大野(功)委員長代理 伊藤忠治君御指摘の点につきましては、理事会で協議させていただきたいと思います。
○深谷国務大臣 私も区会議員、都会議員を経験してまいりまして、そういう全員協議会あるいは各党協議会などが割とざっくばらんに開かれているということを経験したこともございます。 ただ、くどいようでございますが、今回の場合には、立法府でお決めいただいたことを行政府で義務づけられたものでありますから、それについて行政府がおこたえした、そういう形をとったわけでございます。委員会は委員会として独自の御判断もございましょうから、委員会の御判断に応じて私たちも協力することにやぶさかではございません。貴重な意見でございますので、意を体して承っておきたいと思います。
○伊藤(忠)委員 ぜひともひとつ積極的な姿勢でもってお願いを申し上げたいと思います。 これと関連をいたしますが、さて、その附則第二条でございます。これは平成二年三月三十一日をもって効力を失うわけですから、法改正を行うべきだと私は思っているわけですが、その点については、法改正の手続がとられておりませんが、これはどのようになっていくのでございましょうか。
○森本政府委員 附則のお尋ねはいわば法律的な性格ということかというふうに受けとめるわけでございますが、まあNTTのあり方自体について、こういう経過でできました特殊な民間会社でございますから、政府が必要な場合にいろいろNTTのあり方について検討は一般的には行えるものだと思いますが、今回特にこのNTT法の附則で、先ほど先生から御指摘のありましたように、特に五年以内に政府の義務として期間を区切って検討しろ、必要な措置を講じろ、こういうふうにこの規定はなっている、こういう理解をいたすわけでございます。 したがいまして、この五年以内に何らかの措置を政府としてはいたさなければならないということで過般のことをやったわけでございますが、この五年の期限が過ぎた場合という御指摘だとすれば、この規定自体は、言えば御指摘のとおり、時間は過ぎたわけですから、法律的な扱いについては、例えばこの法律を改正してこの附則を廃止しろ、用が済んだんだからもう要らない、改正をしろ、こういう御指摘だと思うのでありますが、このためだけの、こうした経過規定については、一般的には行われないものだと私どもは受けとめておるところでございます。
○伊藤(忠)委員 そうするとこの条文というのは死文化したということですか、どういうことですか。これはこのまま残っていくのですよね。法律に明文化されているわけですから、その条項は消えずに残っているわけですね。しかし、平成二年三月三十一日でその条文は用済みになったわけです。しかし、法律としてはその条項は残っているわけですね。そうすると死文化したということですか。その辺をはっきりしてもらわないとこれはちょっとおかしいでしょう。それを僕は聞いているのです。はっきりしてもらえればいいのです。
○森本政府委員 私ども、行政の執行に携わる者でありますので、法律自体の有権的解釈というのはまたそれなりの専門家がおるものだと思いますが、ただ、私ども今申し上げましたことは、実はこの手の期限が来てどうなるかという点は、御案内のとおり、国会で御承認いただきます法律にはこの種の規定は山ほどございます。全体としてはその期限が切れればそういうことであったというその形がそのまま残るわけで、私ども身近な電気通信事業法も三年以内に見直せという規定がございまして、これも三年経過いたしましたが、そのまま附則として残っているということば事実でございます。
○伊藤(忠)委員 結局それは用済み。だから、そこにあるだけの話で、これはあってもなくても一緒、用済みなんですね。そういうことでいいですね。何かこう、すとんと落ちるように言ってくださいよ。
○白井政府委員 法例関係を所掌している立場でちょっと申し上げます。 平たい言い方をさせていただきますと、先ほど来問題になっております附則二条で政府としてとるべき措置が義務づけられていたわけでございますけれども、そのとるべき措置ということでは、これも先ほど来お話に出ております附則二条に基づいて政府としてとるべき措置というのが決められたわけでございます。したがって、言ってみれば附則二条の中身は今問題になっております政府としてとるべき措置という形で引き続いて残っているというふうに考えて差し支えないのではないかと思います。
○伊藤(忠)委員 話を変えますが、講ずる措置が明らかにされたわけです。それは当然のことながら、今日までの国会審議の経緯や附帯決議などと相反するものであってはならぬ、私はそう思うのです、当たり前の話なんですが。だから当然そういうものを尊重する立場で今後郵政省は対処をされる、このように考えておりますが、それでよろしゅうございますか。
○森本政府委員 国会の附帯決議について、その趣旨に沿って行政を執行することは御指摘のとおりだと思っております。 なお、今回の政府措置につきましても、電気通信審議会の答申の精神を生かし、かつまた同時に過去の国会審議や附帯決議の趣旨にも沿って取りまとめたつもりだということもあわせ申し上げるところでございます。
○伊藤(忠)委員 だから、念を押して聞くのは失礼かもわかりませんが、言うなれば、講ずる措置をお決めになったその中身というのは、今日までの国会審議の経緯や附帯決議を踏まえてそういうものを決めましたし、これは矛盾するものでありませんし、これからもそのことを踏まえて行政としては対応する、こういうことなんですか。
○森本政府委員 そのように理解をいたします。
○伊藤(忠)委員 次に、規制緩和についてお尋ねをいたします。 規制緩和の目的というのは、私こう考えているわけです。まず第一は、公正競争条件を確立するために許される最小限度の範囲内で行政指導は行われるということがある、これが一つ。二つ目は、利用者へのよりよいサービス、料金でいえば低廉な料金を提供していくということになるのではないか、このように思っているわけです。ということになれば、当然規制措置というのは最小限度にとどまるべきである、そういうものだと理解しているわけですが、どうですか。時間の関係がございますのでなるべく簡単に答弁いただきたいと思うのです。
○深谷国務大臣 先般三月三十日に決定された政府措置でもうたっておりますとおり「国民、利用者の利益の一層の向上及び電気通信事業の一層の活性化を図るために必要な規制緩和を実施する。」という趣旨でございまして、それではこれから一体どのような規制緩和が必要であるかということについて、その内容について大方の意見も聞きながら検討してまいらなければならないことだと思っております。
○伊藤(忠)委員 一点具体的な質問をさせていただきますが、ある区間の長距離料金を例にとりますと、NCC三社とNTTの料金が異なるわけです。NCC三社間に多少料金の差はございますが、これはグループにくくれると思います。NTTの料金はNCCの料金より高いわけですが、今後もこのような規制措置を続けるおつもりですか、どうですか。
○森本政府委員 料金のあり方の具体的な問題だと思うのでありますが、結局こういう規制は、大臣申しましたように基本的には最小限のものであるべし、これは御指摘のとおりだと我々も思うわけであります。ただ、こうした公益事業だとかあるいは公共的性格の強い事業に関しては、かつては法定制だという形で国会の代表が関与されておったわけでありますが、経営形態の変更によりまして、今日のような形の政府の関与というものはあるわけでありますけれども、この趣旨はあくまでも消費者、国民の利益をどう守っていくか、そういう観点で必要最小限の範囲で今日の規制があると考えておるわけであります。 具体的な料金の問題について、そうした視点で今お尋ねでございますが、私どもとしましては、こうした料金の規制で国民のためにできるだけ低廉な料金をという趣旨でこの現在の規定について運用を図ってまいっているつもりでございまして、具体的な特定の区間について、事業者について何か誘導的な政策を持ってやっているという御指摘については、ちょっと今の御趣旨では私どもそのようにはなっていないと考えておるので、申し上げる次第でございます。
○伊藤(忠)委員 誘導的というのは一言も言ってないので、私は事実を言っているわけでして、現実、料金がそのようになっているものですからそのような形を今後もお続けになるのですか、どうですかということを聞いておるわけです。
○森本政府委員 私ども当事者でございますので、例えば具体的な料金として申しますと、東京―大阪間はNCCは今二百四十円でございます。NTTは今二百八十円に相なっております。この辺について今、事業者によって何かこう扱いを異にしているのか、こういう御指摘だと受けとめたのですが……(伊藤(忠)委員「料金に差があるが、そのまま今後もそういうふうにいくのですか」と呼ぶ)これは私どもといたしますれば、料金は安ければ安いにこしたことはないわけでありまして、ただし同時に、その事業が、何と申しますか、それだけを出してなおかつ安定的に将来にもわたって継続的なサービスを提供するという視点もまたこれ大事なところでございます。そうした両方の観点に立って、できるだけ低廉な料金を提供してもらおう、こういうつもりで行政の執行に当たっているつもりでございます。
○伊藤(忠)委員 今はたまたま長距離部門では四社なんですね。これは市場は自由化なものですから、新たなNCCが――NCCとは言いません、コモンキャリアが四社以外に参入するということは当然想定できますし、そういう仕組みに市場開放されているわけですね。四社以外にNCCが市場に参入したら料金は三つのランクを形成することになるのですか。
○森本政府委員 これはどうも私、前提を申し上げるのを失念したようでございますが、あくまでも料金は、事業者がこうこうしたい、しかしこの料金が国民、利用者の利益全体のために適正かどうかという形で認可に係らしめている、そういう意味ではあくまでも料金がまずは事業者の発意によるものだ、こういう構造になっていることを申し上げるのが最初であったかと考えております。
○伊藤(忠)委員 いずれにしてもちょっと苦しい答弁だと思いますね。事業者の発意によって料金が申請をされて、認可料金のことを言っているわけですが、そうするとNTTとNCCが、利用者の立場に立てば料金に差があるというのはそれなりの理由がなければいけないけれども、つまりそういうふうな関係で今の料金は決まってないと思うのですよね。現実に利用者の立場に立てば、NTTの料金はNCCの料金よりも高いというのはこれは事実なんですね。それを下げてほしいという利用者の非常に強い意見があるけれども、現実にはそれは実ってないわけですね。 それで四社の体制なんですが、これが新たなNCCが市場に入ってきたら、これまで郵政省が認可に当たられた態度でいくならば、四社以外の後発のNCCの料金はさらにそれよりも安く設定をしないことには、つまり料金のあり方以上に、市場に参入した事業者が育っていくように、あるいは経営そのものが、言うならば適正な経営として育っていくようにというふうな配慮がどうしても働きますから、料金というのは三つのグループに分けないと成り立たないと思うのですね。やはりそうなると思うのですよ。しかし、それは郵政省の考え方でございまして、利用者の立場に立ったらこれは非常に納得できない問題なんですね。これはそうだと思いますよ。 そこのところがガラス張りで、なぜそうなっているのかということもあわせてきちっと、これからはそれこそ情報公開もあわせてやっていただかないことには、利用者としては、NTT、もうかっているのになぜ料金下げないのだというととにしかならぬと思うのですよ。これでは話にならぬので、やはりそこは利用者に納得させ得るような、言うならば指導をそれこそ郵政省としてもおとりいただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。 次の問題ですが、これも具体的にお伺いをいたします。 答申の中でこういう指摘がございます。県間通信の問題です。答申では、NTTを分離する場合の区分として県間通信は市外会社にする、こういう考え方が出されております。ところが、NCCとして市内部門に参入しておりますTTネットやCTCやOMP等はこれは県間通信をやっていると思うのですね。同一会社でやっていると思うのです。これは郵政省も認めていると思うのですね。この矛盾は一体どのようにこれから解決されるのでしょうか。
○森本政府委員 今の御質問に答えます前に、先ほどちょっと先生と御議論申し上げていてどうも誤解があるのかなということを感じましたので、一言申し上げさせていただきたいのでありますが、今回のNTTの料金が、全体としていつもこの水準が高いところへ設定しているのかという、こういう御疑問かと思ったのですが、それは、私ども決して事実ではない。今回具体的に三月十九日からNTTの遠距離料金が三百三十円から二百八十円に下がりましたが、この経過では、NTTの当初の計画では三百円にしたい、こういう話であったわけであります。私どもとしては、全体の状況からして、競争の状態からしてもっと下げられるのじゃないか、いろいろ検討をしていただいた結果現在の二百八十円に相なった、こういう経過があるということをさっきの質問に関連して申し上げさせていただくわけであります。 そこで、県間通信の問題でございますけれども、先ほどから諸先生方からも質問がございますわけですが、我が国の電気通信事業というのは非常に変わった形になっておる。つまり新事業者、NCCがサービスを提供するためには、ほとんどのケースの場合、競争相手であるNTTの市内網に一方的に依存せざるを得ない、そういう構造になってございまして、そのNTTは、市内網と同時に、これは独占でございますが、独占部分を有すると同時に競争分野である長距離事業も一体的に経営している、こういうことでございまして、そういう意味では我が国の電気通信市場というのはNTTとNCCが競争上構造条件が同一でない、こういう特異なものから、現実にIDの問題、それからPOIの問題、内部相互補助の問題とか情報の流用の問題とか、さまざまな公正競争上の問題が出ているわけであります。 実は、今御指摘の県間通信の問題でございますが、こういう特異な市場構造を改善するためにはNTTの長距離業務の分離をこの答申は指摘をしたわけであります。その際に、将来のネットワークの構造のあり方からして長距離通信というのはおおむね県間通信とすることが基本的に妥当ではないか、こういう内容に相なっておるわけでありまして、したがって、この答申で言っております長距離通信というのは、NTTのネットワークを独占的部分と競争的部分とに分ける際の概念でございまして、今御指摘のTTネットを初めとする地域系の業者の業務について整理をしたものではないと考えておるわけであります。 地域系のNCCは御指摘のとおりブロックごとにやっておりますが、業務の形態は、ブロック内で完結する場合あるいは長距離系のNCCとの相互接続を行う場合に限られておるわけでありまして、さっき申し上げました新しい長距離系のNCCが競争相手であるNTTの市内ネットワークに依存している消造とは大きく違っておるわけでありまして、そうした意味合いで、地域の事業者のと扱う問題につきましては、長距離事業者とは当然違う、ブロックの通信を基本に置いて、そして、地域の、そのブロック内の通信ニーズに対応する活動をする、そういう事業体だと位置づけることが適切だ、また、今後ともそういうような形で発展を期待するものだ、こういうふうに考えておるところでございます。
○伊藤(忠)委員 どうもすれ違ってまして、時間ばかりたつものですから残念ですけれども、私が聞いているのは、電力系の市内会社がありますが、三つからふえまして五つ、六つと広がっていっているのですか。これはサービスエリアがブロックエリアになっているわけですが、しかし県を越えて通信をしていることは事実なんですよね。だから、県間通信が市外通信だというふうにNTTの区割りを決めるということになりますと、これとの矛盾が出てきますよということを私は言っているわけです。 ですから、これは今は市内会社としてお認めになっているわけでしょう。長距離通信会社としてTTネットやOMPを認めているわけじゃないのでしょう。これは将来横につながっていったら全国ネットを張ることになるのでしょう。そうしたら、それは何会社というのですか。そういう矛盾が出てくるのです。そこのところを整合性のあるようにきちっと言ってもらわないと、何かこちらはこういうふうに言った、こちらはこういうふうに言ったというのじゃ、郵政省がむしろこれからお困りになるでしょう。そこまで言う必要はありませんが、私はそういうふうに思うものですから問題提起をしているわけでございまして、明らかにこれは矛盾でございます。 その点はきちっと整理をされないと、つまり市外会社も市内会社も電気通信事業法に基づいて第一種の会社だから市外も市内もないんだ、そういうことは区別する必要はないんだという考え方に立っておれば解決できるのですが、ただ、区割りとしてそのように言われますと、そうするとNTTには市内会社はこの範囲、市外会社はこの範囲、それから新たに参入されました電力系のTTネットやCTCは、ではどのようにそれを言うのか。まあとにかくやっているからこれは第一種電気通信事業者であるというふうに呼ぶしかないと思うので、答弁は結構です。そういうふうに必ず矛盾が存在していますので、私は指摘をさせていただいたわけでございます。 時間の関係がございますので、いずれにしましても、この料金認可のあり方について、これは規制緩和の問題でもございますが、講ずる措置の3の(4)「規制の在り方」の中で規制緩和の実施を挙げられているわけでございます。今まで局長から答弁もいただいておりますが、今後ひとつ能動的は対応いただきたいと思いますが、このことについての御答弁をお願いいたします。
○森本政府委員 先ほどもこの規制の意味合いといいますか、とりわけ料金の認可についての考え方を申し上げたわけでございますが、事業の特性だとかあるいは事業自体の持っている特別な性格にかんがみて、国民、利用者の利益の保護向上を図るために設けられたものだ、こういうふうに理解をいたしております。 この料金認可自体が、六十年改革以降安易な値上げを抑制して、バランスのとれた値下げというものを促進する機能を有効に果たしてきたのではないかと考えておるわけでありますが、今後ともこの料金の規制のあり方については、常に国民、利用者の利益を一層前進するためにどういう形であればいいか、この辺はただいま大臣からも申し上げましたが、政府措置にも書いてございますので、そうした視点に立って考えてまいりたい、こう思っておるところでございます。
○伊藤(忠)委員 その場合、こういうふうに私は考えているわけですが、高度サービスや競争的な料金というのは、これはいうならば非認可の範囲に入りますよね。できるならそれでやっていくというのがこれは一番だと思いますし、なるべくその範囲を広げていくということだと思います。それから、独占的な料金についてはやはり認可ということになった方が利用者の立場に立っても説得性があるのじゃなかろうか。大別をすれば、考え方としてはそのように位置づけることが妥当であろう、こう思っているわけです。ですから、そういう考え方に立って、今後料金、サービスについての、いうならば認可の規制緩和について積極的に対応をお願いしたいと思うのです。 時間があれば具体的にやりたかったのですが、五年たっていますけれども、非認可の範囲が何ぼふえたかというと一つだけですよね。これで規制緩和とは言えないと思うのですよ。事実が証明するわけですから抽象論議をしておっても意味がないんです。ですから、そういうことは時間の関係で省略をいたしますが、そういう経過も踏まえられて、規制緩和については、講ずる措置の中でも一項目設けて方針として提起をされているわけですから、能動的に今後ひとつ対処をお願いしたい。御答弁をお願いいたします。
○森本政府委員 認可の基本的な考え方は、今申しましたとおり、必要最小限の範囲で国民の利益の増進ということでありますが、現実の問題として、圧倒的な市場支配力を持っている事業体という現状では、料金の適正確保というのは特に強く要請されるなと思う次第でございますが、なお御指摘のとおり、料金の中で利用者の範囲が限定されているもの等についてはもう既に一定の基準を設けて認可不要の扱いをいたしておるところでございます。 ただ、傾向としては、これまで非認可の料金が必ずしも順調に下がってないという事態もございます。例えば、キャッチホンは非認可でございますが、料金設定以来二十年して初めてだ、転送電話も八年後に初めて実現した、こんなこともございますが、ただ、おっしゃるとおり、できるだけ非認可の範囲については各般の事情を判断しながらやりたいということで、現在一件という御指摘がございましたが、NTT、KDDの事業体については既に幾つかの料金を非認可にする旨の通知は行っておるところでございまして、いずれ近いうちに約款改正がございますが、その際に具体的な形で外にオープンになるという段取りに相なろうかと思っておるところでございます。
○伊藤(忠)委員 最後に、エクイティーファイナンスについて、これは講ずる措置の3の(3)「株主への利益還元」というのが一項目設けられているわけですね。株主に利益を還元するというのはどういう方法があるんだろうか。私は株について素人でございますので、常識的に考えまして、一つは配当をふやすことかな、二つはエクイティーファイナンスかな、三つは、今株主が大変大きな関心を寄せております株価の回復かな、こんなふうに私は考えるわけでございます。 そこで、郵政省に、政府株保有規制の廃止とエクイティーファイナンスに道を開くべきであると私は思うわけですが、この点についてどうお考えでございましょうか。
○森本政府委員 お尋ねのエクイティーファイナンスの問題でございますが、これは、現在の仕組みは、もしNTTが実施したいということでございますれば、法律第四条に基づきまして、大蔵大臣との協議によって郵政大臣の認可を受けることになっておる。現在でも制度的には可能だということは御案内のとおりでございまして、だから、具体的な要望が当事者からまず出る、そうすれば現行の法令の中で対応できるということだと思っております。 ただ、御指摘の、政府保有株がどういう状態でこの問題にかかわるかということだと思うのでありますが、御案内のとおり、まだ政府株は、三分の二近いものは政府が持っておりまして、したがいましてそういう意味では、全体の三分の一になるまではNTT法上エクイティーファイナンスをやるからといって特に問題が生じることはないというふうに考えておりますし、また外資規制につきましても、立場上はNTTとKDDはこの問題については同様のステータスになっております。そのKDDは既に二回エクイティーファイナンスを実施いたしておりまして、そういう意味ではこうした問題が具体的な障害にはなってない。 ただ、申し上げられるのは、NTTの場合はほかの企業と違いまして、額面が五万円でございます。そうしますと、エクイティーファイナンスを実施すれば、やり方にもよるのでございましょうけれども、大抵の場合、端株を生じるという問題が生じまして、その場合の端株の扱いというのが、現在の株式市場の流通性の中でどう扱うかという問題がございますので、これは一つは商法の問題があるなということで、私どももこの問題に関しては、法務当局に商法改正について、こうした五万円株の扱いについてお願いを現にしてきておるところでございます。エクイティーファイナンスに関する私どもの考え方はひとまず以上のとおりでございます。
○伊藤(忠)委員 この問題について、郵政省が積極的な態度に立っていられる、考え方に立っていられるということについてはよくわかりました。 問題は、大蔵省が壁を張っていたら、これまた政府の中での不統一になるわけですから、なかなか日の目を見ないと思うのです。大蔵省はどう言っておるのですか。
○森本政府委員 時々新聞紙上で、NTTがやりたいという話が報じられますので、私どもも当事者に確認をするのでございますけれども、NTTから何ら具体的なそういうプランというものはないと承知をいたしておりますので、まだ大蔵省とも話をする機会には相なってないという事態でございます。
○伊藤(忠)委員 最後になりますが、審議会の中にフォローアップ委員会、こういう名前では呼ばないと思うのですが、そういう役目を郵政省が要請をされているやに聞いているわけでございますが、議論が最初の議論に戻ってしまうのですけれども、これは省の権限でやるのだと言われれば、行政の責任ということで片がつくのかもしれませんけれども、実際にこの問題を正しく解決しながら前に進めていくという点でいきますと、講ずべき措置を行政が責任を持って出されまして、それについていいか悪いかまた諮問するようなフォローアップ委員会を置かれるというのは、どうも郵政省当局としては主体性がなさ過ぎるのじゃないのか。審議会なんというのはそんな役割まで果たして負うべきなのかどうかというのは、私は非常に疑問を感じるわけでございます。 それで、講ずる措置をどのように所期の目的に従ってやっていくかということは、挙げて当該の事業者との合意形成であり、協力態勢が双方になければできないことでございまして、見方によってはまた監視をするような立場になりはしないのかということは余りいい方法じゃない、私はこう思っております。 〔大野(功)委員長代理退席、委員長着席〕 それで、民営化の趣旨というのは、できるだけ一人前の民間の会社に名実ともにいろいろな権限、権能、条件づくりというのをやっていこうということで滑り出したわけでありますから、つまり、こういうものがあろうとなかろうと一方では会計検査院があり、一方では総務庁の行政監察があり、もちろん監督官庁としては郵政省がおみえになり、料金や市場の問題については、公正競争条件を含めまして公取委という役割があると思うのですね。置けばいいというものじゃないと思うのです。そこはやはり監督官庁の郵政省と当該の事業者との間の、言うならば打てば響くようなそういう信頼関係、協力態勢というのが基本にあって物事はスムーズに進んでいくのじゃなかろうか、私はこのように思うわけでございまして、民営化の趣旨というのはあくまでも規制緩和、規制の問題について言えば原則自由で例外規制、でなければ市場原理は働かないわけであります。 そういうようなことを考えますと、このフォローアップ委員会というのが新たにつくられて、そこでまた議論がされて、何かこれが行政監察に似たようなそういうばねに作用していくということになりますと、決してこれはいい方向に問題の解決が図られていかないというふうに私は思うわけでございます。一方で、立法府の国会の方はそのことについて意見を述べる場が全然ないということになりますと、行政の執行といいますか事業体の正しい発展というのは一体だれが議論をし、だれが公正な立場で、特に利用者の声を反映した中でやられていくのかということについて大きな問題を抱かざるを得ませんので、この点について一点答弁をいただきたいと思います。 二点目に私が申し上げたいのは、今日、世界の政治情勢が象徴しておりますとおり、地球は非常に狭くなってまいりまして激変状態のさなかにあるわけで、ヨーロッパなんかはそれぞれの国がそれぞれの国の電気通信事業を一国の範囲に限るのじゃなくて、いかにグローバルネットを構想しながらこれから世界の情報社会に貢献をするかというような立場での議論なり動向というのが顕著でございます。そういう中にあって、日本がせっかく国民共有の財産としてあります一元的なネットワークを首も切り、手も切り、足も切りとばらばらにしていくというようなことは、全く逆行するのじゃなかろうか。 だから我が国の電気通信事業はどうあるべきか、ネットワークというのはどうあるべきかということを考えるときに、世界のそういう流れに沿ってあるいは先取りするような格好で私たちは確立をしていきませんと、結果、国家、国民の大きな損失を招くのじゃなかろうか、このように思っております。審議会というのはむしろそういう大乗的な見地に立って答申をするべきであって、何か重箱の隅っこをほじくったようなことをやっていくということでは、問題は決して解決をしないわけでございまして、そういうふうな点でもひとつ所管庁の郵政省がそういう基本的な態度を確立して、今後、電気通信行政に当たっていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 以上二点について答弁をいただきたいと思います。
○森本政府委員 三月三十日の政府措置につきまして、これは非常に重要な問題でございますから郵政大臣から山口社長に対しまして、政府措置としてはこういうふうに進めたい、こういうことを社長に申し上げましたところ、社長も誠心誠意積極的に事に当たりたい、こういうお話でございまして、ただいまの問題についてまず当事者の積極的な取り組みが大事だということは現にそうした形で進行しているのかなと思っておるわけであります。また同時に、郵政省とNTTの当事者同士といいますか、その関係においてはできるだけ密接な意見交換というものも大変大事だと思うのであります。 ただ、今回の電気通信審議会におきましての政府措置について報告をいたした次第でありますが、特に委員会の方の議論の結果、政府措置の実施というのは極めて重要な問題だ、審議会としても専門の部会を設けて政府措置のフォローアップをしていくことが必要であるという提案がございまして、最終的に特別の部会の設置が決定された、こういうことでございます。 今後、そうした意味合いでは必要があれば諮問を行う、あるいは報告を行うという形でこの審議会がかかわってまいるかと思うのでありますが、今、委員御指摘のようなまた別の第三者機関みたいな形が関与するというよりは、私どもは行政の客観性、公平性を確保する上で今回の電気通信審議会の答申も、やはりこうした重大な問題は十分、国民各層の意見を代表する審議会として大臣の諮問機関でございますので、そういう形で御意見を伺ってやってまいった経緯もございますし、そうした意味合いで行政が独善に陥らないような形で審議会に正しいフォローをしていただくということは大変大事なことかと思っておるところでございます。
○深谷国務大臣 NTTは我が国の基幹的な電気通信事業者であり、今後二十一世紀の高度情報社会の形成に向けて電気通信の重要性が増していく中で果たすべき役割も一層大きくなってまいるであろうと思います。NTTが、国民、利用者の利益の最大限の増進のために公正有効競争を促進し、経営の向上等を図りつつ、今後ともその役割を果たしていただくように期待をいたしております。 昭和六十年の電気通信制度改革の趣旨は、従来の独占を廃して複数の新規参入を認め、競争促進による利益を料金の低廉化の形で国民、利用者に還元しようとするものでございます。現在、既に複数事業者はいわゆるマルチキャリアの時代に入って、複数のネットワークが相互に円滑に接続されながら多様なサービスの実現が図られるというような時代を構築しております。先生御指摘のように、例えばネットワークのディジタル化、ISDN化、インテリジェントビル化が進展する中で、グローバルな観点も踏まえながら円滑な相互接続の実現に向けて適切な行政を私ども推進してまいりたい、そう思っております。
○伊藤(忠)委員 最後に一言。電通局長がおっしゃいましたフォローアップ委員会でございますが、行政が偏向に陥らないように、公正な立場に立って、国民の代表者の意見ということでお聞きをしながらやっていく、それだったら、その目的が達成できますように、ぜひともフォローアップ委員会のメンバーの選定についても、だれが見ても、まあこれだったら公正だな、そういう人事だなというような配慮をいただきたいと思いますし、そういうのが不可能だということになるんだったら、さまざま今後議論を呼ぶということでも、これは決してよいことではございませんので、フォローアップ委員会というのは置かない方がいいのではないかということを私の見解としてはっきり申し上げさせていただきまして、時間が参りましたので終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○上草委員長 次に、菅野悦子君。
○菅野委員 私は、大きな問題になっております深谷郵政大臣のリクルートに関する疑惑についてお聞きしたいと思います。 先日、所信表明の中で、自主申告のおくれにより多大な御迷惑云々という弁明がございました。しかし、この間の質問とか疑問というのは解決していないと思いますし、事は申告のおくれだけではないというふうに思うわけです。 石塚秘書の問題についてですけれども、あなたは三月二十七日の本委員会での私の質問に対しまして、ボランティアで事務所に来ていたというふうに答弁なさいました。具体的にいつからあなたの事務所に出入りするようになったのか、どの程度の時間どのような仕事をなさっていたのかということについて御説明をいただきたいと思います。
○深谷国務大臣 私は、このたびの所信表明、ごあいさつの中で、最後に、御迷惑をおかけしたことをおわびしたのでございます。弁明ではなくて、御迷惑をおかけしたことについておわびを申し上げたつもりでございます。 石塚君の問題について御質問がございましたが、その前に申し上げたいのは、まあ、党によっては違うかもしれませんが、私ども自由民主党の、例えば私の場合、常時十五、六人のメンバーがいろいろ手伝ってくれています。そのうちの公的な秘書というのは二人しかおらないことは御存じのとおり、あとは、給料払っている者もいれば払っていない人もいれば、さらに自分が政治家になりたいために参加している人もいれば、いろいろでございます。特に、選挙などになりますと、青年部がみんな秘書の肩書持って飛び回って頑張ってくれるものでありますから、そういう意味では、一体厳密にどの人を秘書と言うのかという問題はあるとは思います。 石塚君の場合には、旧来から政治家を志していまして、私のところに勉強をするために通ってこられて、そしてそのうちに後援会づくりなどに参加し、手伝ってくれて、その世話役になったりしてずっと勤めていたというか協力していてくれていたわけでございます。 彼は、もともと一番最初に私どものところに出入りしてきたというのは五十三年ごろだと、これは後に聞いてわかったことでございますが、自来いろんな形で来ております。後援会づくりほ専ら協力してくれていたわけであります。その五十三年ぐらいのときはどうしていたのかと彼に聞きましたら、そのころは東栄機工株式会社の社員であった、これは、名前を挙げるのは適切かどうかわかりませんけれども、その後にまた違う会社に勤務したりいたしまして、そのうち自分で駐車場を持ったりクリーニング業をやったりしながら、後にリクルートの嘱託社員になるといったような経緯で、いろいろな形で、つかず離れず協力をしてくれていたわけであります。それを私どもはこの間はボランティアという表現をいたしたわけでございますが、厳密にボランティアと言っていいのかどうかちょっと定かではございませんが、そういう経緯でございました。
○菅野委員 私どもは、たくさんいらっしゃる秘書の中の石塚さんのことについてお尋ねしているわけなんですが、大臣もおっしゃったように、私どもの調査でも、石塚秘書は昭和五十三年ぐらいから本格的に深谷さんの事務所に出入りなさっていた。五十五年から台東区の事務所担当になったのではないか。そして台東区の責任者であった金田さんという方が六十二年に区議会の議員に当選されましたその後を受けて深谷事務所の台東区の責任者になったということではないかと思いますけれども、どうですか。
○深谷国務大臣 実はこの間の予算委員会で今の御指摘の金田君の名前が出たのでびっくりいたしました。このたびのこの問題には何のかかわりもない現職の区会議員でございます。彼も長年にわたりまして政治家志望で、彼は製図など技術的なもので食べていた人ですが、後に病院のケースワカーのような形になったりして、自分で働いて私のところへ通って、やがて、ただいまお話がありましたように、多分六十二年でしょうか、前回の区会議員の選挙に立候補して区会議員になっていったわけでございます。彼も大勢集まってくれた私どもの仲間、同志の一人でございまして、そういう意味では石塚君と似たような立場であると言えるかもしれませんが、彼が台東区の責任者であって、その後石塚君が責任者になった、そういうものはございません。
○菅野委員 石塚さんが台東区であなたの秘書としてずっと活動していたということは実は広く知られていることだと思うのですね。私どもも党に議員がおりますけれども、地元の会合でよく一緒になっているということがありますし、私ども、この間あなたの後援者という方からの話も聞かせていただきました。その人が言うには、あの石塚さんがリクルート社に勤めていたなんて考えられぬ、そんなばかなことはないですよというような話を語っているということなんですね。 ですから、ここでお尋ねしたいのですけれども、石塚さんが昭和五十五年、五十六年、こういう時期からあなたの秘書として活動してきたことはないということを断言できるのか、言い切れるのかどうか、ここをちょっとお尋ねします。
○深谷国務大臣 先ほども申し上げたように、秘書という肩書を折々に使って選挙活動や後援会づくりをしてくれている方は、青年部も含めてたくさんいるのでございます。ですから、恐らく後援会の世話役でいろいろやっていれば、受けとめる側は秘書だと思ってもおかしくはないだろうと私も思うのです。今あなたのおっしゃった、私の後援者がリクルートの社員であったなどと聞いてびっくりした。どこのどなたがおっしゃったかわかりませんが、それはその人がそう感じたことで、別に私は否定もいたしませんが、少なくとも私が申し上げてきたことが事実でございますから、そういう意味では彼は有力な私の同志である。後援会の世話役でもございました。今は紛れもない公設の秘書になっておることも事実でございます。そういう今日までの経過でございます。
○菅野委員 ということは、石塚さんが五十五年、五十六年当時秘書であったというふうに大臣は言っているというふうに思っていいんですか。私はたくさんいらっしゃる秘書のことじゃなくて、石塚さんを限定して、石塚さんを中心にお話を進めていただきたいと思うのですが、その問いにもう一遍お答え願います。
○深谷国務大臣 私は、石塚君は厳密な意味で給料を払っている秘書でないということを再三申し上げているのでございまして、先ほどもそう申したつもりなんですが、逆に聞こえたんでしょうか。私は、そうではないということを申し続けているわけです。
○菅野委員 ところが、この石塚さんですけれども、リクルートの社員になる前にも、それからリクルートの社員だったと言われるあなたの御説明の時期にも、あなたの秘書であったという記録が文書であるわけですね。これは、一つは衆議院の自由民主党秘書会名簿、この五十五年度版、それから六十二年度版、ここに石塚猛という名前があなたの秘書として記載されている、掲載されているということ、これ明らかになりましたね、予算委員会で。まだあるんです、石塚さんがあなたの秘書であったという記録。記録ですよ。これはこれだけじゃないのです。私は新しい資料を持っているのですが、大臣、御承知おきでしょうか、政科研秘書会名簿。御存じですか。
○深谷国務大臣 知っています。それはこの間も話が出ております。初めてのことじゃないですよ。
○菅野委員 じゃ、お渡ししなくても御承知ですね。 ここなんですけれども、この政科研秘書会名簿、これですが、政策科学研究所というのは、深谷さんが所属していらっしゃる派閥の、現在は渡辺派、当時は中曽根派なんですが、この派閥の秘書会名簿なんですね。この五十六年、そして六十二年にも、議員名深谷隆司さんという欄のところに石塚猛という名前が明記されています。御承知おきですね。――で、そこなんですけれども、さっきも台東区の責任者云々という話がありましたが、実は秘書ではなくてリクルートの社員だったんだ、リクルートから給与をもらっていたという昭和六十二年、この秘書会名簿は昭和六十二年十一月現在ということになっておりますけれども、ここのところに、台東区の地元事務所の秘書欄に石塚猛というのがあるんですね。 私もさっきちょっと言いましたが、この昭和六十二年というのは、ちょうど区議題のあったときなんです。ですから、私どもが、この金田さんが区議に当選した年に、その同じ十一月の名簿の地元事務所の秘書欄に石塚さんの名前があるということですので、この点はもう、この年、地元の事務所の責任者になっていたという私たちの調査とも非常に一致するわけなんですね。これでも、あなたがおっしゃっている、秘書でなかった、そういう事実はないんだと否定できるのか。悪いですけれども、ちょっと納得いくように説明していただけませんか。
○深谷国務大臣 予算委員会でも申し上げたんですけれども、自民党の秘書会の名簿にしましても、中曽根派の名簿にいたしましても、別に厳格な資格規定があるわけではないんであります。便宜上、いろんな連絡に出かけていく、さまざまな資料をとりにいく、そういうときに一番出入りしやすい人の名前を書いていくのであります。厳密な秘書というのは、議員手帳ないしはそれらに載っている二名でございます。あとは個人的な、私設で給料を払っている秘書もいれば、手伝ってくれている方もいれば、青年部の諸君もいれば、いろんな形があっておかしくないわけでございまして、その名簿があることが秘書である証明書であるというふうな受けとめ方は、私はいささかどうかなと思います。 まして、六十二年の事務所の名簿云々とおっしゃいましたが、金田君が立候補することと石塚君がその後につくなどということは全く私きょう初めてあなたの想像力のたくましさで知ったようなもので、全くかかわりのないことでございます。そのことを明確に申し上げます。
○菅野委員 ちょっと納得できる説明ではないのですね。といいますのは、政科研秘書会規約というのがちゃんとあるのですけれども、ここには、「本会は政科研所属・衆議院議員秘書及び前元議員秘書を以って構成する。」ということを明記してあります。しかも、この規約には慶弔規程まであるのですね。結婚、退職、死亡について一万円支払うということになっております。 おっしゃるように秘書でない者、その人たちをこの名簿に載せて、しかもこういうふうな規程のあるこういうものに載せる必要があるんですかね。載せるはずがないと思うのです。ところが、名簿には石塚さんの名前が載っている。これは当時からあなたの秘書であったということを証明するもの以外の何物でもないと思うのですね。だれが考えても単なる一企業の、ボランティアということもおっしゃっておられましたけれども、そんな人間に何でこんな便宜を与える必要があるのか。そんな必要全くないと思いませんか。これはどう御説明いただけますか。
○深谷国務大臣 彼に便宜を図るために彼の名前を挙げているのではありません。私が政治活動をするために便宜を図ることの上で一番出入りをしたり連絡したり話が通じやすい、つまり政治について、政治家志望ですから物事が判断できるような者たちを名前を挙げたりもいたしました。ですから自由民主党の名簿も、あるときは五、六人しか名前を挙げないときもあれば、十何人挙げたとさもございます。ましてや政科研というのは私たち同志が集まってつくった私たちの団体でございますから、そんな会社組織や何かと違いまして厳密な規定でやかましくやっているものではありません。ほかの政科研に参加している議員の先生方でも同じようなケースは幾らでも例がございます。したがって、それをもって秘書の証明であると申されても、それは先生のお考えかもしれませんが、見解の相違としか言いようがございません。
○菅野委員 今まで御説明がありました、自民党本部とか国会の出入りのためにその秘書会の名簿に載せたということなんですけれども、じゃ、その名簿をもって私秘書ですねんということになるのですか。やはり何か帯用証とかほかに秘書の証明というものがあるんじゃないですか。そういう点で考えても、結果的に秘書という、この状況の中で名簿に載ったということじゃないんですか。名簿に載ったら慶弔規程の対象にもなるわけですからね。
○深谷国務大臣 自民党の秘書名簿に載りましても、政科研の秘書名簿に載りましても、秘書を証明する、何というんですか、記章とか手帳とか、そういうものは別に発行しておりません。私の知る限りでは発行してないと思います。
○菅野委員 それほど秘書でないとおっしゃるんですけれども、石塚さんが秘書であったと思われる、そういうふうなものは具体的なこういう形でもうたくさん出ているわけですね。ですから、どうしても秘書でないと否定するなら、その証明をする責任があると思うのです。 じゃ、本当に石塚さんはリクルート社の社員として五十七年一月から六十三年七月まで勤務していたと、これは六年半という長い期間ですからね。そうしたらその勤務をしていたという、その証明をする方法、これは幾らでもあると思うのですね。これはどうなのか。秘書でない秘書でないということで繰り返すだけでなくて、じゃひとつリクルート社の社員であったという証拠を出していただけませんか。そこのところを御説明お願いします。
○深谷国務大臣 石塚君がリクルート社の嘱託社員であったということは、それはリクルート社の名簿にも載っていると思います。それから給与が彼の銀行に振り込まれていたことも確かでございますから。ただ、そういうものを持ってこいと言われましても、それは会社と彼の関係でございまして、プライバシーにかかわることで、私がそういうものを持ってきて証明しなきゃならぬというのはいかがかと思います。
○菅野委員 あなたは参議院の予算委員会で、石塚さんはリクルート社で総務部所属、渉外関係の仕事をしていたというふうに答弁をしております。これはリクルート社に確かめたんですか。なぜわかったのか、お伺いします。
○深谷国務大臣 リクルート社に確かめておりません。本人に、どういうのかというと、それこそ別に証明するために問いただしたわけでもないんです。彼に聞いた話でございます。
○菅野委員 確かに今のあなたの身近にいらしている秘書さんですから、聞けばほとんどのことは一番よくおわかりいただける、わかるはずです。 そこで、お尋ねいたしますけれども、リクルート社でこういうふうな形に仕事をしていたという御答弁なんですけれども、勤務場所はどこだったのか、銀座の本社だったのか。御承知のとおり、リクルート社には社屋があちこちたくさんございますので、その点ではどこにお勤めになっていたのか、そしてそこでどんな仕事を具体的になさっておられたかということ、それから勤務時間はどうなっていたか、それからリクルートの正規の社員だったのかどうか、そういうことについてぜひお伺いします。
○深谷国務大臣 嘱託社員であったと聞いておるわけです。それからどういう仕事の内容であったかとか、どういう勤務ぶりであったか、私が彼から聞いて報告しなきゃならぬ立場ではないと思います。
○菅野委員 この点が非常に今問題になっているわけですから、私は簡単に聞けることであれば聞いていただいて、ここがはっきりすればそうですかと納得できるわけですから、ぜひ聞いていただきたいというふうに思うのです。 では、逆に聞きますけれども、この六年半あなたの事務所にはどの程度出勤しておられたか、これは身近にいらっしゃったと思いますから、おわかりなんじゃありませんか。
○深谷国務大臣 何時に来て何時に帰るという立場ではありません。後援会づくりのために必要があればいろんなところへ飛んでいってくれたりした、選挙になったらみんなと同じようにこれはかなり時間を費やして協力もしてくれておりました。
○菅野委員 この点ですけれども、あなたは先日の私の質問に対して、かなり優秀な人だったものですから、秘書に引っこ抜くような形になったというふうにおっしゃっておられますので、ですからお聞きしたかったのですけれども、毎日の勤務状況はどうだったのか、ほぼ毎日いらっしゃっていたような勤務スタイルだったのかどうか、そこをちょっと引き続きお聞きしたいのです。
○深谷国務大臣 ただいま申し上げたように、朝何時に出勤して何時に帰るという勤務状態ではございません。勤務というものではないのであります。 そして、何回も申し上げますように、彼は政治に非常に深い関心を持ってそれなりの勉強もなさったろうと思うし、それから自分でもこういうことがなければ来年あたりは考えていて、私どももそうしたいと思っていたのです。まことに気の毒なことをしてしまったとは思っています。しかし、政治家として、政治家というか政治に対して非常に関心を持ち、能力を持っていますから、今は晴れて私の公設の秘書になってもらっているわけでございます。
○菅野委員 そこで、私はあわせてちょっと、あなたが有能な人物を引き抜いたわけですから、そこのところでぜひお聞きしたいのですけれども、相手は今まで政治献金とかパーティー券を購入してもらっていたようなあなたに非常に協力的な企業ですね、しかもずっと後援会の会員としてそういうおつき合いをしていたわけですから、そういう中で非常に有能な人物を引っこ抜いた、これは常識的にはその時点で、例えば上司などにあいさつに行くぐらいは当然だと思うのですね。そういう点で、少なくともそのときの彼の勤務場所とか社内の地位というのは承知してないというのはおかしいと思うのですよ。さっきの質問と関連しますけれども、そこをひとつお願いします。
○深谷国務大臣 引っこ抜いたなんて私は一回も言っていないのですね。(菅野委員「議事録にありますよ」と呼ぶ)いえいえ、引っこ抜いたなんて私は金輪際言っておりません。議事録見せてください。 私が申し上げましたのは、これは後になってからの話でございますが、自主申告をするということでさまざまな話をしたときに、あらゆるスタッフから記録も集め報告も聞いたときに、あのころ、六十三年の夏のころというのはリクルート事件がああいう大きな状態になってきた。その前までは別に問題でない、むしろニューメディアその他で非常に期待されていた会社であったわけでございますが、そういうような状態になったので、秘書の者たちがあらゆるかかわり合いを一応切ろうということになって、石塚君についてもそれで御縁が終わるという形であったようです。しかし、大変有能な人ですから、本人も希望があってそのままやがて私どもの公設の秘書になっていくという段取りでございますから、別に会社へ行って頼んで引っこ抜かしてもらいたいといったようなかかわりではないのでございます。
○菅野委員 その議事録を見せてくれということですからあれですけれども、三月二十七日の逓信委員会、当委員会の議事録にあります。「一般の秘書のように勤めるということでなしに手伝ってくれたという関係がずっと続いてきた、かなり優秀な人だったものですから、一定の時期で秘書に逆に引っこ抜くような格好になった」というふうにあなたがおっしゃっておられますので、その点ははっきりしておいてください。
○深谷国務大臣 もしそういう言葉遣いをしたとしたならば、謹んでただいまの私の発言をおわびすると同時に、そちらの方を訂正させていただきたい。申しわけありません。
○菅野委員 あなたは、三月二十六日の参院予算委員会では、嘱託社員が一名派遣されていたという答弁をしているのですね、彼に関して。それで、三月二十七日の私の質問に対しても、嘱託職員と本社との雇用関係というのは私ども関知しない、きょうもちょっと同じようなことをおっしゃっていますけれども。というふうに、石塚さんについて嘱託職員という表現を使っていらっしゃるんですが、ボランティアという表現も一方では使っていらっしゃる。実はこれは矛盾しているんですね。ボランティアというのは、休日とか勤務時間の後に自分の意思で活動するというふうなことだろうと思うのですね、常識的には。 ところがあなたは嘱託職員が一名派遣されていたというふうに言っていたわけです。これはリクルート社が派遣したということになるのじゃないか。また、嘱託職員というのは普通のリクルート社員、正社員とは区別された表現でありますね。それを派遣ということではリクルート社からの事実上の献金になるので、ボランティアというふうな言い方をして嘱託職員という表現をやめるというふうなこととか、あるいは総務部の渉外関係などと、そういうことで、あたかも石塚秘書が正社員であったかのような表現に変えたりと、大分御苦労なさっているのではないかというふうにも思うのですけれども、この辺はきちんと説明していただきたいのです。
○深谷国務大臣 石塚君の件を、報告のときに、秘書やスタッフから聞いて入れようかどうか、本当に迷ったのであります。だけれども、私が自主申告がおくれて非常に迷惑もかけたものでありますから、そういう手伝ってくれている中に嘱託職員が一人おりましたということをつけ加えたわけでございます。そういう意味でございます。途中から正規の社員、これは私、今議事録ないので申しわけないのですが、正規の社員というふうな言い方は恐らくしてないと思いますし、なぜかといえばそう思ったことがありませんから。
○菅野委員 ちょっと今の御説明ではわかりにくいのですけれども、総務部の渉外関係というふうな具体的な彼の部署を表現するというふうなこともあったわけですから、あなたが今正規の社員を考えてなかったという御説明はちょっと私には納得できないのです。 それで、実は我が党もこのリクルート社への調査をいたしました。本社に保存されている人事記録、ここには石塚猛の役職は非常勤役員、こうなっているのです。これは重大な事実ではありませんか。これは大変なことなんですね。あなたの答弁の嘱託職員が一名リクルート社から派遣されていたという、この表現とこれは非常にぴったり一致するのです。これが実態ではないのですか。この事実をちょっと説明してください。
○深谷国務大臣 どういう資料をもとにされておっしゃっておるかわかりませんが、私はその事実はわかりません。そういう役員、何でしょうか、今、何役員というんでしょうか。(菅野委員「非常勤役員」と呼ぶ)ああ、それは全く存じません。
○菅野委員 おわかりにならなければ、これだけ問題になっているわけですから、リクルート社に聞いていただければ、これははっきりわかると思います。彼がどういうあれになっているのかというのをぜひ調査をしていただきたい。まだ調査していない、わからないというのはちょっと困ります。調査してください。 それで、リクルート裁判における検察の冒頭陳述でいろいろ言われておりますが、とりわけ藤波元官房長官の秘書の問題は、この秘書の給料をリクルート社が負担していたという経過がこの裁判の中で明らかになっておりますが、その陳述の中でこう述べています。江副は、「藤波に対し、秘書一人分の給料くらいはリクルートで持たせていただきたい旨申し出て、昭和五十八年一月から、三重県伊勢市に在住する藤波の秘書横山哲也をリクルートの従業員扱いにして、毎月約十七万円を送金し、さらに、昭和六十一年五月からは、同人をリクルートの関連会社である株式会社大西企画の取締役扱いにして、毎月約二十万円を送金」というふうなものが一方で事実としてあるわけです。 ですから、非常勤役員の問題であるとかリクルートから嘱託社員が一名派遣されてきたという問題であるとか、非常に符合する、石塚秘書の場合もこれと同じではないのかなというふうに思えてくるのです。この点について、そうでないというならぜひ納得できる説明をお願いしたいのです。
○深谷国務大臣 藤波先生の秘書の問題と私どもの問題とは別だと思っております。
○菅野委員 これは本当にちょっと大臣のあれでは納得できないのです。この間るる問題になっておりますし、予算委員会その他でいろいろなやりとりがやられているわけですから、その質問の趣旨は、こういうふうなリクルートの一連の疑惑に関連して出てきている疑惑なのです。ですから、これとは関係ないから知らぬというふうなことでは大臣の答弁としてはちょっと困るのじゃないですか。そういう点では、もうちょっと納得できる責任ある御答弁をいただきたいのです。
○深谷国務大臣 先生にお言葉を返してまことに悪いのでございますが、少なくとも私はいわゆるリクルート疑惑の対象者ではないつもりでいます。私はリクルートに何か頼まれて政治的に動いたりしたことは一切ございません。そして、その見返りで何かをもらった、してもらったということでもないのであります。私は、このたびの海部内閣のときの自主申告がおくれて、そのことの責任というか、それによって起こったさまざまな御迷惑に対してまことに申しわけないとは思っておりますが、いわゆるリクルート疑惑の対象者であるとは全く思っておりませんので、どうぞ誤解なきようにお願いいたします。
○菅野委員 大臣の答弁は絶対納得できませんし、むしろ疑惑は深まるばかりです。ですから、国会と国民に納得のいく説明、責任ある対応をぜひしていただきたいということを申し述べまして、時間が参りましたので終わります。
○上草委員長 次に、中井洽君。
○中井委員 最初に大臣に、今御議論のあったリクルート問題でお答えをちょうだいいたします。 過日開かれました委員会で、私は大臣にお考えをちょうだいをいたしました。海部内閣の内部の倫理規定だ、私どもはそう考えてこの問題を見詰めておる、その中で御答弁をいただきました。大臣からは、届け出が遅かったというようなお答えをちょうだいしたように記憶をいたしております。私ども党としては、そういう御答弁でどうかなとは思いましたけれども、逓信委員会で私がお答えを聞いたということで、予算委員会等では一切お尋ねをしないで今日まで参りました。過般の、おくれておりました大臣所信表明の中で、最後に、いろいろと御迷惑をおかけしてというお断りがあった、このように聞かせていただいておりますので、また、今の答弁もございましたので、重ねてもう一度だけお気持ちをお尋ねいたします。 今回のこういう問題で、過般もお尋ねしたわけでありますが、問題は、リクルート事件はNTTと密接に関係があったわけでありまして、その監督官庁としての郵政大臣にたまたま御就任されて、そしてこの問題がいつまでもごたごたと続いてこられた、この間、NTTの職員の人あるいは郵政省自体、いろいろな思いがあったと私は思うのです。そういったことに大臣として迷惑をかけたということ、あるいはまた、それゆえに逆に余計今までの歴代郵政大臣よりか、NTT問題あるいは郵政業務全体に取り組むという意欲を見せていただかなければ深谷さんは男じゃない、私はこういう思いもちょっと持っているわけであります。そういった意味で、私どもの党は、この私の質疑でもう一切そういうことについては質疑をしないことになろうかと思います。お答えをちょうだいをいたします。
○深谷国務大臣 中井委員のただいまのお言葉には、胸が熱くなるような思いがいたします。 私は、ただいま申し上げたとおり、リクルートの疑惑にかかわる立場では全くありません。そして、かつてリクルートがいわゆる優秀な企業として存在をしていた時代に、後にきちんと調べましてあのようなおつき合いがあったわけでございます。そのおつき合いについて海部内閣で本来ならば発表するときに間に合わせておらなければいけなかったのでありますが、私どもの認識の違いや調査の不徹底その他でおくれてしまいまして、事の発端はそこからでございました。いわばボタンのかけ違いといったようなことで、この数カ月、私は議会でもマスコミも含めて糾弾をされ続けてまいりまして、私なりに非常に反省をしながら、また心を痛めながら過ごしてまいったつもりでおります。私にできることは誠実にお答えすることであろうと思いまして、きょうまで誠実に答えてきたつもりです。しかし、聞くお立場の方と答える立場ではどうしても違うものでありますから、一生懸命答えても、あるいはそうではないというおしかりを受け続けているのが今日の現状でござい袋す。ある程度申しわけないとは思いながら、やむを得ないことかな、こう思っております。 今私にできることは、このような御迷惑をおかけしたことに対して、今NTTの話もありましたが、国民の皆さんはもちろんでありますけれども、郵政省の諸君にも御苦労をかけてしまった、私はその点胸が痛みます。しかし、今私にできることは何かといえば、与えられた職責を全うすることだ。私は、全身全霊を挙げて郵政行政のために私のできる限りの努力をさせていただきたいと日々一生懸命努めているつもりでございます。その決意が実るように頑張りますので、どうぞ御指導いただきたいと思います。ありがとうございます。
○中井委員 次に移ります。 質問でお願いしていなかったのですが、ここ数日、御承知のTBSが暴力団の放映をした際、いろいろと問題が起こりまして、この暴力団が取り調べを受け、テープが押収をされる、これに対してTBSの方が準抗告をする、また社員の処罰をするという事件がございました。郵政省は、当然監督官庁としてTBSの方から報告を聴取していると思うのですが、どのような報告を受け取り、またこれに対してどのように対応されようとされておられるのか、お考えを承ります。
○大瀧政府委員 この「ギミア・ぶれいく」という番組の問題は大変社会的にも問題視されておりまして、私どもも、現在警察における捜査が行われているわけでございますので、それらの推移を見守っているわけでございますが、昨日、TBSの田中社長が、社内で番組の責任者の処分を五月二十二日、一昨日でございますけれども、行ったということを含めまして本件についての事情の説明、御報告に来られたわけであります。これは時間の関係もございまして非常に短時間でございましたので、概略の御説明でございました。新聞等でいろいろと報道されている内容とほとんど同じでございます。 その際に、当方からも必要な注意を申し上げたところでございます。具体的には、暴力団や暴力を題材にした場合の取り扱いや制作を委託した放送番組のいわゆるチェック体制、こういうものには留意をすべきであるということ、さらには、今後放送の公共性と社会的な影響力をいま一度深く認識して放送番組の質の向上、放送番組に対する信頼の向上に努めていただきたいということを申し上げたところでございます。
○中井委員 私自身もまたこの事件、テレビも見ておりませんし、十分調べたり考えがあって申し上げているわけでないので、あるいは御無礼な点もあろうかと思いますけれども、私ども政治家が放送やマスコミの中身についていろいろと注文をつけるというのは慎むべきである、このように考えます。しかし、マスコミの影響力、特に近年テレビの国民に与える影響力というのは膨大なものがございます。そして、このテレビでは、大変な競争の中で視聴率を上げる、このためにはおもしろいもの、刺激的なもの、こういったことを追い求めるという傾向にあるやに憂慮をいたしております。 朝なんかテレビを見ますと、どのチャンネルに回しても実は同じ中身の芸能ニュース、まあきのう、きょうあたりは藤山寛美さんが死んだことばかり。藤山寛美さんは僕は好きですから、とやかく言うわけではありません。しかし、芸能人が離婚した、結婚した、自殺したというようなことを含めて、刺激的といいますか興味本位、こういうことばかりでテレビ番組が往々にして占められている印象を強く受けるわけであります。 何年か前に私どもの党の同僚議員が、テレビの番組の中身あるいは番組予告の題が余りにもエロ・グロ・ナンセンス、こういうのが多いじゃないかということを申し上げて、ちょうどエネルギー危機の時期と相まって自粛というものがあった、このようなことを記憶をいたしております。放送あるいはメディア、こういった人たちが番組をどういうふうに倫理づけて、常にチェックをしながらおやりをいただくか、自分たちの自主規制の中でおやりをいただくかということは、一番難しいことだと思うのです。 今回のこういう事件を含めて、放送会社の内部の倫理あるいはチェック機構、こういったものについて郵政省はどのようにこれから御指導なさるおつもりか、お聞かせをいただきます。
○深谷国務大臣 このたびのTBSの件については、局長が答弁したような対応を郵政省としてはさせていただきました。一番難しいのが介入するということでございまして、これは厳に慎まなければならないものでありますから、そういう意味では非常に気を使いながら物を申してくれたというふうに私は思っております。放送事業者には放送番組編集の自由が、当然でありますが保障されております。逆に言えば、そういう自由が与えられている放送事業者でございますから、社会的な影響であるとかさまざまな問題をみずから規制をしていくということが非常に大事なことではないかと思っております。公共性と社会的影響力をそれぞれの事業者がじっくりと認識して、その上に立って信頼の向上に努めていくことが肝要ではないだろうかと考えております。
○中井委員 それではNTTさんにお尋ねをいたします。 それぞれ議論の出てまいりました過般の料金取り過ぎあるいは料金を取り足りない問題であります。どういう経過でこの料金の過不足がわかったのか、あるいは今どれぐらいのところまでチェックをしたのか、そして同時に今後こういう問題が起こらないような体制づくりをどうお考えになっているか、これらの点でお答えをいただきます。
○寺西参考人 お答え申し上げます。 今回の電話料金にかかわります誤請求につきましては、本当に私どもお客様に多大な御迷惑をおかけしたということで深く反省しているところでございます。この席をかりまして深くおわび申し上げたいと思います。 ただいま御質問のございました、なぜこういうことが発生したかということでございますが、御案内のように、六十年四月に私ども民営化したわけでございますが、このときに制度が変わりまして、従来電電公社時代、電話機というのは全部レンタル制度でございましたが、これが売り切り制度に移行したということで、売り切りとレンタルの混在になりまして、電話機の使用料と回線の使用料と宅内の配線の使用料、この三つの区分になりました。 一方、ちょうど同じ時期に、お客様のデータベース化を図ろうということでコンピューターシステムを導入いたしました。料金関係につきましては前から計算機を使ってやっていたわけでございますが、これも私ども非常に反省しているわけでございますが、この二つのシステムがそれぞれ独立なシステムでありまして、例えば商品コード等が統一されたコードで使われていなかったというふうな不一致がございました。そのために加入者データベースが変更になったものを料金のデータベースの方に移し変えるという作業がございますが、この過程で、本来ならば売り切りでもってお客様の財産になったものにもかかわらず、相変わらずレンタルのままで投入してしまったというものが大半でございまして、これが今回の原因ということになろうかと思います。 それで、実はそれ以前も加入者原簿というものと料金のファイルというものは定期的に突合していつもチェックしていたわけでございますが、たまたまコンピューター化の時期とちょうど重なってしまいまして、その間二年半ぐらいちょっとブランクが出てしまって、六十二年度ぐらいに内部の監査でどうも二つのファイルのミスマッチがあるということに気がつきまして、それから全国的にチェックが始まったわけでございますが、何せ手作業でやるものですから非常に大変だということで、突合ロファイルをソフトでつくろうということで、これができ上がったのが六十三年四月で、実際にこれをやり始めたのは九月ごろでございました。それから平成元年度中ぐらいに全部やってしまおうということで我々やったわけでございますが、出てきたものを一々チェックしてお客様と応対すると非常に時間がかかってしまいまして、平成元年度中にできずに今年度に入り込んでしまった、こういうふうな過程でこの間のような報道発表になったという事態でございます。 それで、この間の発表ではまだ七割ぐらいということでございましたけれども、現時点ではかなり進んでおりまして、当初は七月いっぱいぐらいはかかるのじゃないかという見通しでございましたが、これを何とか一カ月ぐらい繰り上げまして、六月いっぱいぐらいまでには未処理のお客様に対してきちんとした精算をして御返却をする、これをやりたいと思っているわけでございます。 それから、今後二度とこういうことを繰り返さないということで既に緊急にいろいろな手を打ってございますが、まずチェック体制をきちんとするということで、二重投入とか、あるいはデータファイルを必ずもう一回チェックするということ、それから内部のいろいろな、お客様の受け付けをしたり、工事に行ったり、料金を取ったり、いろいろな部門がございますが、この部門間で必ず後工程にチェックをひっかけていくというふうな仕組みを今早急にやっております。さらに言えば、将来は今のシステムをさらにバージョンアップいたしまして、すべてをワンデータベースでできるようなことをやろうということで、今、社を挙げてこれに取り組んでいるという実態でございます。
○中井委員 誠心誠意お取り組みいただけるものと考えておりますけれども、一つお願いがございまして、実は私どもも利用者の一人として、時々自分のところへ参りました請求書を、多いなとか少ないとか思うわけです。私ら貧乏人ですから、自分で直接聞くわけです。聞いたら、絶対間違いありませんと言うのです、窓口の人があるいは電話の方が。それで調べないのです。 僕はNTTがいかに機械を信用しようといえども、やはりお客さんが、この料金について間違いがあるのではないかとか多いのではないかと疑問を出した場合に、煩雑煩多であっても、窓口でやはり当然チェックをする、そういう姿勢が必要であろう。今回のこの料金のやつは違う形での間違いであったかもしれませんけれども、どうもNTTさん全体に、料金体制というものを、請求といったものに間違いはないんだ、お客さんが言うてくるのはお客さんの間違いが多いんだ、こういう思いでの受け答えがずっと続いてきた、こんなことを実感をいたしております。 たまたま、そういうことだけで対応して、ほかはそうでなければ結構でありますが、その点についてそれぞれの局でもっと一つ一つチェックをする、そういう体制は現在とられているのか、あるいはまたこれからもきちっとおとりいただけるのか、その点についてお答えをいただきます。
○寺西参考人 お答え申し上げます。 ただいま私どもにとって非常に耳の痛い御指摘をいただいたわけでございますが、実はかつて電電公社時代に、今先生御指摘の、特にダイヤル通話料でございますが、これにつきまして、コンピューター過信ではないかというふうな御批判をかなり受けました。実際にコンピューターが正しくとも、そこへ人手で投入するときに間違えるということもあるわけでございまして、これは今御指摘になったような受け答えは一切してはだめだという指導を私どもはしているわけでございます。 現在は、料金の明細システムが入っているエリアでございますと、そこでお客様がぜひ確認してほしいということでありますと、即座にそこで見られるようになっております。それから、そういうところがないところにつきましても、御疑問があれば、例えば十日間くらいははかってみるとか、いろいろなことをやらせるように指導をしております。 まだ、御指摘のように、一部本当に隅々までそういったところが行き渡っていないという点の今御指摘をいただいたわけでございますので、これからさらに一層、きょうの御意見を全国に周知いたしまして、二度とそういうふうなことがないように指導してまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いします。
○中井委員 NTTさんにもう一つお尋ねをいたします。 大臣の所信の中にも、携帯電話あるいは自動車電話、移動電話というのですか、それらのさらに技術の向上、小型化、こういったことが出ております。携帯電話の小型化というのは現在どういう状況にあって、どれくらいの形で進んでおるのか、この状況についてお知らせをいただきたい。 それからもう一つ。細かいことでまことに恐縮なのですが、数年前から私、自動車電話を使っておるのです。この自動車電話をかけて、話し終わって、もう一つかけようと思って切ると、必ずツーツーツーと話し中になる。もう一度あれは必ずクローズにしてオープンにしないとツーという通話可能な状況にならない。あれは何か技術的に問題があるのか。大変恐縮ですがお教えをいただきたいと思います。
○田中参考人 ただいまの先生の、まず一点目の携帯電話の関係でございますが、この携帯電話につきましては、NTTでは現在のものは、大きさとしまして約四百cc、重さとしまして約六百グラムというものでございます。この携帯電話機の小型化、軽量化につきましては、お客様の御要望の最重要課題というふうに認識しておりまして、できるだけ早く提供できるように、私ども全力を挙げて現在研究開発をしてございます。 小型化、軽量化の見通しにつきましては、研究段階ということもございまして、現在のところ明確に御説明できる段階でございませんが、少なくとも現状の半分以下ということで、できるだけ御要望に沿いたいということで考えてございます。また、具体的なことにつきましては、できるだけ早い機会に発表させていただけるようにしたいと思っております。 それから第二点目の先生の御質問の、一度通話をして切った後、次に通話をするとブーブーと鳴る。これは御案内のように自動車電話は電波を利用しているということでいろいろな信号のやりとりをしてございます。これは、自動車電話と電話局につくられております無線設備の間でいろいろ信号のやりとりがございます。これは、通話が終わりましてもちょっとそれをやっておりまして、もし先生の御質問が、通話が終わった、すぐ次の電話ということでありますと、その信号のやりとりが完全に終わるまでに三秒程度はかかるようになってございます。したがいまして、すぐに次の電話をするということになりますとブーブーということになりますので、この辺はぜひ御理解をいただきたいと思っております。
○中井委員 もう一つついでに、まことに恐縮なんですが、私ども自動車電話でしゃべっていますと、無線でかなり傍受ができるという話を聞いております。過日も私、友人から、中井君、余り自動車電話で昼飯の注文なんかせぬとけと言われたから、なんやと言うたら、無線で聞いておったら、おまえの声で昼飯の注文が入ったなんということを言われてびっくりいたしました。この問題はどういうふうにお考えになり、またどういうふうに対応されようとされておるのかお聞かせいただきたいと思います。
○田中参考人 この盗聴の問題は自動車電話サービス開始して以来ずっと問題になっております。これは電波でございまして、確かに盗聴ということはございます。 私どもといたしましては、いろいろな現在の方式におきましても、例えば中井先生のお話をずっと聞くというようなことは多分非常にしにくいと思っておりますが、ただシステムとしてはそれは確かに可能でございます。それを防ぐために秘話サービスというものをやっております。これは特殊なソフトウエアでございますが、そういう秘話サービスというものによってできるだけ防ごうということでやってございます。
○中井委員 お金が要るのでしょう。
○田中参考人 はい。
○中井委員 時間がございませんので、もう一つだけNTTさんにお尋ねをいたします。 私も長いこと逓信委員会で御厄介をかけてまいりましたが、何といいましても一番印象深いのはNTTの民営化の法案でありました。賛成をいたしました。今日、大変な御努力をいただいて、NTTさんも、それから競争会社も出てきて通信情報産業というのは大変活気が出てきたこと、本当に成功でよかったという思いをいたしております。過般から五年たって見直しという形でいろいろな御議論がございます。その結果、さらにNTTさんが内部で経営の効率化あるいは生産性の向上といったことを目指され、こういう審議会の答申等が出たように聞かせていただいております。これからNTTの生産性の向上、経営の効率化がどういう方向でどういったことを重点に行われるか、簡単にお聞かせいただきたいと思います。 同時に、この民営化に伴って、ちょいちょいちまたでNTTをおやめになった方のお話を聞きます。民営化になって仕事が大変きつい。これは当たり前のことでありますが、それと同時に、民営になったなったという空気、そして突如リクルート事件のようなものが起こりますと、NTTは準公務員だ、こういうことを言われる。このことが大変つらい。こういう率直な話や意見も聞くことがございます。そういったことについてまだ公共事業をやる民間会社としての意識が十分しみ通っていないのかなという感じを持ちながら聞かせていただいております。その点について深く言うつもりはありませんけれども、御感想等ありましたらお聞かせをいただきます。
○草加参考人 お答えいたします。 今回、NTT法附則第二条の見直しによりまして政府方針が出されました。私どもといたしましては、この問題につきましては、公正で有効な競争の促進、徹底した合理化、サービスの向上、このようなことが国民の皆さんからNTTに強く期待されているということを認識いたしまして、猶予いただきました五年間でこれらを徹底的に進めなくてはいけない、またこれを進めないということは、逆に言えばNTTは国民の皆様から不信を突きつけられたことではないかという認識に立っております。したがいまして、これらにつきましては、政府方針の中に述べられておりますたくさんの条項を一つ一つ吟味しながら、一つ一つ誠実に実行に移すということを現在鋭意検討しているところでございます。 それから、先生のおっしゃいます民間になってからの意識の問題でございます。確かに電電公社に長く勤めていた者がある日民間会社になったということで、それぞれ個人差はございますが、実際にお客様のサービスに本当に邁進するという進み方が必ずしも十分でない。今回の料金の問題にもあらわれますように、やはりいろいろな経過として欠陥は出ておりますが、少なくとも意識としては一歩一歩進んでいるのではないか。たまたま先生御指摘のリクルート事件等もございましたために、また実際に携わっている支店の社員たちはそれなりにいろいろ苦しい思いもいたしましたが、そういうことを乗り越えて意識は一歩一歩進んでいるのではないか。今回このようないろいろな御指摘を本当に社長から支店の一社員に至るまで十分に体して、今後NTTの改革をこの五年間で期待どおりのところに持っていきたい、このように考えて進めさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○中井委員 時間がなくなりつつありますので、郵政省に一点だけお尋ねをいたします。 日本とアメリカでいろいろな協議がなされておりますけれども、銀行の金利の自由化ということが大きな話題となってまいりました。過日から大蔵省の銀行局長と交渉をして、新聞で見ますと、何かアメリカにもいろいろな意見がある、もっと早く金融機関の金利の自由化をという声もある、このように伝えられているところであります。大口の預金等についてはもう既に自由化がかなり進んでおりますが、金利の自由化ということになりますと、郵便貯金あるいは郵便貯金の存在そのものに大変な影響が出てくると考えております。既に大蔵省と郵政当局とで折衝も始まっているのであろうかと思いますけれども、この自由化問題に対して郵政省としてはどういうスタンスで対応をなさろうとするのか、そしてやがて来るであろう金利自由化に向かって郵便貯金というものをどう存続させていこうとお考えになっておるのか、これらの点でお答えをいただいて質問を終わります。
○深谷国務大臣 郵政省といたしましては、今後とも小口預金者の利益を守り社会的な公平を確保するために、金融の国際化に対応する観点から完全金利自由化をできるだけ早急に実施したい、そういうスタンスで臨んでまいりたいと思いまして、関係機関と協議しつつ鋭意対処しておるところであります。 同時に、郵便貯金につきましては、何といいましても国民の皆様の一番身近なところで関係を持たせていただいている、例えば利益関係を抜きにして過疎地でも山間の地区でもその地区の皆さん方の預金をお預かりし、また活用もしていただける、そういう体制でございますし、そのお集めした預金についても、またさまざまな角度から国家、社会のためにも使わせていただいておるものでありますから、これはきちんと堅持しながらより多くの方々に一層愛される存在になるように努力したいと思っております。
○中井委員 中小金融機関を含めて大変難しい問題をはらんでおります。また、郵便貯金というのは世界一の大預金量を誇る金融機関でもございます。この自由化という避けて通れない問題で、十分間違いなき対応をいただきますよう熱望をいたしまして、質問を終わります。 ────◇─────
○上草委員長 特定通信・放送開発事業実施円滑化法案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。深谷郵政大臣。 ───────────── 特定通信・放送開発事業実施円滑化法案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○深谷国務大臣 特定通信・放送開発事業実施円滑化法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 近年における社会経済の情報化の進展に伴い、産業経済活動及び国民生活の各般の分野において高度かつ多様な情報の流通に対する要請が高まりております。また、社会経済の情報化に即応した地方の発展を図るために、地方における電気通信の高度化を促進することが喫緊の課題となっております。 このような課題にこたえるためには、地域の健全な発展等に配慮しつつ、技術革新の成果をいかして、高度かつ多様な情報需要に対応した情報流通手段の開発・普及を促進することが必要であり、このため、今般、本法律案を提案いたした次第であります。 次にこの法律案の概要を御説明申し上げます。 第一に、電気通信業、放送業等の属する事業分野における通信・放送新規事業、地域通信・放送開発事業及び通信・放送共同開発事業を特定通信・放送開発事業として定義いたしております。 第二に、郵政大臣は、全国及び地域における電気通信による情報の円滑な流通の促進、特定通信・放送開発事業の内容及び実施方法等に関して実施指針を定めることといたしております。 第三に、通信・放送新規事業または通信・放送共同開発事業を実施しようとする者は、その実施計画が適当である旨の郵政大臣の認定を受けることができることといたしております。 第四に、通信・放送衛星機構の業務として、郵政大臣の認定を受けた実施計画に係る資金を調達するために発行する社債及び当該資金の借り入れについての債務保証、通信・放送新規事業の実施に必要な資金の出資、地域通信・放送開発事業の実施に必要な資金の貸し付けについての利子補給金の支給、通信・放送事業分野に関する情報の提供等の業務を追加することといたしております。第五に、郵政大臣の認定を受けた特定通信・放送開発事業の実施のために発行する新株引受権付社債については、商法に定められている限度を超えて募集することができることといたしております。 その他所要の規定の整備を図ることといたしております。 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○上草委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る三十日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十分散会