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118回国会衆議院1990/06/16

税制問題等に関する調査特別委員会公聴会 第1号

発言数
96
登壇者
15
会派数
5
開催日
1990/06/16

会議録

山崎拓自由民主党

○山崎委員長 これより会議を開きます。  伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案及び税制再改革基本法案並びに内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案について公聴会を行います。  この際、御出席の公述人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  公述人各位におかれましては、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。審査中の各案に対する御意見を拝聴し、審査の参考にいたしたいと存じますので、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、御意見は、河野公述人、牛嶋公述人、小早川公述人、中村公述人の順序で、お一人十五分程度お述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  また、公述人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。  それでは、河野公述人からお願いいたします。

河野光雄経済評論家

○河野公述人 十五分間という短い時間なので、焦点を二つに絞ってお話をしたいのです。  最初に申し上げたいのは、私は、主として野党の皆さんが出していらっしゃる廃止法案に反対する立場から意見を述べさせていただくのですが、その一番最初のポイントは、野党の方たちがこの廃止法案を出されるについて考えていらっしゃるところに二つの重大な事実誤認があるということを申し上げたい。二番目は、この国会が終わった後いずれ開かれるであろう税制与野党協議についてあるお願いを申し上げたい。  まず第一に、二つのことと申し上げた一つは、国民の意思なり世論の動向なりということについて、私と野党の皆さん方の判断はおよそ全く違う。二番目に、細かい欠点の問題を別にすれば、大型間接税というものを根っこから否定するということは、今世界大流行の社会民主主義の物の考え方をしてもとても想像もできない、野党の人たちにとっては常識かもしれないけれども、国際舞台では全く非常識な話であるというこの二点についてまず申し上げたいと思うのです。  第一に、よくテレビその他で国会の論議を拝聴していると、国民の御意思に従って、国民の世論動向に従って我々は反対するということをおっしゃる。しかし、それは違うんじゃないでしょうかね。去年の参議院選挙のときの国民の意思とごく最近の、半年後における国民の意思との間に物すごい変化がある。それは、総意といえば、国民の税制に対する理解度が深まって、民主主義的な判断において成熟度が高まったというふうに私は思うのです。  これは代表の方が国会で述べられた提案理由の中にこういう言葉があるのですね。「現行の消費税は、圧倒的多数の国民の反対を受けているのであります。」ということもありますけれども、これは事実誤認も甚だしい。事実は、これはNHKであろうが読売新聞であろうが最近の一連の世論調査によれば、細かいことは別にして七、三の比率で、徹底的にやめてもらいたいという意思は明確にあるのですが、それはせいぜい三割前後の話なんですね。あとは現行消費税容認、これは少ないですけれども。あと大幅見直し。合わせれば、とにかく何か必要なんだろう、しかし手直しする必要があるのではないかというのが国民の圧倒的な声なんですね。ですから、ここで述べられている「圧倒的多数の国民の反対」というのは、政治家の言葉だし、私もジャーナリストですから多少 の誇張はあっても構わないと思いますけれども、事実が違うということは大変なことなんですね。正確に言えば、ここは、国民の圧倒的多数は見直し、存続を求めているということが正しいのですね、細かいことを別にすれば。そこを取り違えると、これから後々税制協議においてそれぞれのお立場で議論をされるのだと思いますけれども、自家撞着に陥ることがあるのではないかと私は思います。  二番目の問題は、これはスウェーデンの話をいきなり申し上げたいのですが、あれは社会民主党が長年にわたって政権をとって今の税制をつくり上げたのです。この提案理由の中に「税制は政治の顔」だと書いてあります。いい言葉だと思います、私もそう思っていますから。だとするならば、高福祉の国、高負担の同スウェーデンの税制のあり方というのは、今、日本でも社会民主主義の方向をねらうのだという議論もあるし、東ヨーロッパでも、一足飛びに日本とかアメリカ的な自由経済ではなくて、途中でスウェーデン的なああいう社会のイメージを持つ国が多いんですよね。そういう注目を浴びている国なんで特に申し上げたいのですが、今あの国で行われている税制の論議、その改正の方向というのは大型間接税、向こうは名前が違いますけれども。税率二四・四六%、食品も全く同じ。いいですか、食品も全く同じなんですよ。その税率は変えないけれども、課税ベースを大幅に拡大することによって大きな増収を図って、それを個人の所得税と法人税の軽減に全面的に振り向けるという大改革が始まっているのですよね。日本の自民党がやったことは、せいぜい三%という全く及び腰の税率を入れて、それで何がしかの法人税と所得税の減税を、行って来いでやった。けたが違うんですよね。これは社会民主主義の国家です。ここでは食品なんかも同率にやることは当たり前だと考えられている。しかも、今度は新聞、放送、電話、鉄道、水道、エネルギー、全部かける。その増収分によって、今ヨーロッパの中でスウェーデン産業の国際的な競争力がどんどん低下している、その根源を直すために法人税減税と所得税減税を実行しつつある。これが事実なんですね。  どうやら国会答弁をたくさん去年から聞いておりますと、大型間接税そのものが間違っている、逆進性のある大衆課税だという議論になっているのですね、細かいことを別にすれば。しかし、間接税に逆進性があることは当たり前なんです、そんなことは。異とするに全く足らない。しかし、間接税だけで国税が全部成り立っているわけではありませんから。それは当たり前のことなんですね。それから、大衆課税だからいけないという話は全く間違っているのですね。国民それぞれの立場において、クラブメンバーと同じようにそれぞれの立場でそれぞれの力に応じて税金を納める、これは当たり前の話ですね。社会党政権になろうがどうなろうが変わらない、そんなことは。とするならば、逆進性のある大衆課税だから反対だという議論は根本的に誤っているのですよね。いろいろニュアンスは違いますけれども、世界四十カ国で全部実行されているのですから。そこのところの事実誤認が物すごく大きい。細かいことは全然別の話です。  今野党の先生方が出していらっしゃる法案で私が一番――ほかにも問題があると思うが、例えば暫定的な期間の間の代替財源について、去年の参議院では出されたけれども、くそみそに批判されたこともあって引っ込められていると私は思う。それから、恒久税制を一年間でやるとおっしゃる。できっこありませんね、こんなことは。例えば、総合課税を実施するためにあらゆる住民の、あらゆる国民の名寄せを行うということが提案されていますけれども、あんなことが一年で合意ができるわけありません、そんなことは。自民党が提出しようと、野党が提出しようと、国民のプライバシーに関する話だったらそれだけでも数年かかります、まじめに議論をやろうと思ったら。だから、一年間でできるなんていう、駆け込み寺をつくってそこですべてのことを任せるなんていうのは、私に言わせれば実態を無視している。まさに、国民の合意とおっしゃるけれども、そんなことができるわけがないのです。しかし、そういうことをおっしゃっている、言葉としては。それはまた問題ですけれども、もうそのことをここで議論する気力もありませんので、もう申し上げるつもりもありません。  三十年前、私は当時若い新聞記者で、安保闘争がこの前で行われていて取材をやっていました。えらい混乱でした。今になってつくづく考えるのは、あのときの岸内閣が、相当の強い反対があったけれどもやった結果、今日日本経済があるんですよね。間違いないんですよ。現在の自民党が、いろいろな反対、いろいろな自分の地盤を崩すようなことをあえてしながら、間接税をあえて導入したということは、それと匹敵するような歴史的な決断をやったと私は思っているのですね。こんなことはいずれ時間がたてばわかる話と私は思うのです。  最後に、今、私たちは、国会でこういう議論が行われているのはこれは妥協するためのプロセスだと思っていますから、儀式だと思っていますから、必要なことだと思っています、それは。だから私もここに来て話を申し上げているのですけれども、しかしそれはプロセスにすぎない。いずれはそれぞれの本音で、秋になるのでしょうけれども、税制改革ということが与野党で真剣に協議されるときが来る。そのときにお願いしたいことが二つあります。  一つは、今の実行されている消費税にはそれぞれ欠点があります。私は、最初スタートするときはあれはせいぜい七十点だと思っていました。そして自民党が出している見直し法案というのは、私に言わせればまだ足らないです、あんなものは。今度の国会で国会論議を聞いていてなるほどなと思ったことの一つは、野党の先生方も質問されていましたけれども、例えば簡易課税方式、あれは、だれが考えたってあんなゆるふんな税制は説明不可能ですよ。簡素な税制という国会答弁が政府側からありますけれども、しかし、答弁している人だってあれは変えなければいかぬと思っているに違いないんですね、私の知っている話では。ということを含めて、そういう将来の大幅なというか相当の欠点を直すという方向で議論が進んで、自民党提出の見直し法案のさらに再見直しが実行されるならば、それは本当に国民にとって、税制の本来のあり方にとって大変歓迎すべきことではないかと思うので、そういう意味で、課税ベースをさらに削減するとかというふうな逃げではなくて、堂々たる税制としての節度がさらに高まるような方向で議論が行われることが一番望ましいのではないか、そのことはまさに相当多数の納税者の声であります。間違いない。  第二に、政府税調その他政府が今の一連の税制改革をやったときに内部及び外部から、特に野党の先生方から言われた、消費税そのもの自体とは別に批判されたことの一番大きなものは、私の考えでは資産課税が足らないという一点だったと思うんですね、本質的なことは。それは所得、消費、資産に対してバランスよくかけるという税制改革の理念から見て明らかにまだ足らなかったことは間違いないんですね、だれが考えても。これは常識ですから。今その点について土地税制問題というのは議論が始まっているわけですね、御承知のように。この点ならばむしろ自民党よりも野党の先生方の方がシャープな問題意識を持っていらっしゃるんだろうと私は思うんですね、本来。本来そうあるべきですよ。国民の現実的な大多数の判断は、いずれこれはどこかで妥協するだろう。  しかしもっと問題なのは、土地の大高騰によって起こったいろいろな意味での社会のひずみ、これに対して真っ向みじんと与野党とも取り組まなかったらば政治の責任はとことん追及される、本当に追及されると思う。その点についてかねて野党の皆さん方の言っていらっしゃる議論と方向性というのは私は基本的に正しいと思うんですね。ですから、今度税制協議で消費税のことをおやり になると聞いておりますけれども、あわせて税体系全体の話にも話を及ぼして、土地税制問題についてもむしろ野党の先生方がイニシアチブをとって具体的な提案をして問題を提起し、国民の世論を喚起し、全体として消費税と資産課税、所得税減税のことも全部含めまして、今よりもより整合性のとれた、バランスのとれた、今の国民の最大の関心事にこたえられるような改正に話を進めていっていただきたい。その声は、政府・自民党が年末土地税制を決めるときに必ず反映せざるを得ないと私は思うのです。  その点について一言だけ。最近、米の問題で公明党が大きな政策をお出しになった。あれは物すごく象徴的で、責任野党としてのあり方をこの一点において大胆に示された極めて勇気のある、国際性のある、将来の野党のあり方はこうあるべきだということの一つの模範をあの政策で示されたと私は思っております。これは、意見は自民党の方と違うかもしれませんけれども、私はそう思っている、どう考えても。そういうことを税制でぜひお願いしたいということを申し上げて、私の意見の開陳を終わります。  ありがとうございました。(拍手)

山崎拓自由民主党

○山崎委員長 ありがとうございました。  次に、牛嶋公述人にお願いいたします。

牛嶋正名古屋市立大学教授

○牛嶋公述人 今紹介にあずかりました牛嶋でございます。初めに、このような意見開陳の機会をいただきましたことを心からお礼申し上げます。  私は最初に、大蔵省主税局でまとめられております「消費税法のすべて」というパンフレットがありますが、その中で消費税の基本的仕組みといたしまして四つの点を挙げておられます。その四つの点と申しますのは、一つは、消費に広く薄く課税という点です。それから第二点は、消費者に転嫁し、税の累積を排除する。そして第三点は、事業者は年二回の申告・納付。そして第四点は、事務負担の軽減措置であります。私は、この四点に簡単に触れながら、消費税の基本的構造をもう一度整理をしてみたいと思います。  まず最初の、消費に広く薄く課税という点でありますが、これは非課税取引をできるだけ制限して課税対象を広げて、そのかわりに税率をできるだけ抑えていくという立場がこのことによって示されております。そして実際に税率は三%と設定され、一応広く薄い課税という目的は実現したというふうに考えることができると思います。また、この項目では、市場における競争性をゆがめる要因をできるだけ取り除いていくという意図も含まれているように思われます。  第二点の、消費者に転嫁し、税の累積を排除するという項目でございますが、これは課税方法を示したものでありまして、四つの基本的な仕組みの中で最も重要な項目であるというふうに私は思っております。と申しますのは、消費税がその課税目的に沿って実施されるか否かはこの課税方法にかかっているわけでありますし、同時に、納税者である消費者から見て、消費税が明確な税であるかどうかということもこの課税方法に依存しているからであります。しかるに、消費税の課税方法を見てまいりますと、売り上げに係る消費税額から仕入れに係る消費税額を控除するという方法をとっておられるわけですが、以前提案されました一般消費税の仕入れ控除方式と基本的に変わるところはございません。言うならば帳簿方式に基づいているわけでございます。したがって、この点に関して申しますと、売上税で考えられておりました伝票方式からかなり後退することになるわけで、税の累積を排除することに対しまして問題が残るわけでございます。  三番目の、事業者は年二回の申告・納付についてでありますが、この申告と納付の決定は消費者にとって最も関心のある事項であります。それは、自分が負担した税がいつ国庫に納付されるのか、またきちっと納付されるのかどうかということを明らかにする項目であるからであります。この点に関して、現行の消費税は、課税期間の終了後二カ月以内に確定申告書を提出し、消費税を納付するものとし、あわせて事業者は課税期間開始の日から六カ月を経過した日から二カ月以内に中間申告・納付を行うとし、原則として年二回の申告・納付となっているわけです。そのため最も長い場合、消費者が負担した税が八カ月も国庫に納入されないで事業者のところにとどまるということが想定されます。  それから、事務負担の軽減措置でありますが、これは小規模事業者の取り扱いに関する問題であるわけです。そして、西ヨーロッパの各国も付加価値税におきましてその取り扱いに苦心している問題の一つであるわけですが、西ヨーロッパの国国が採用しております措置というのは二つのタイプがあるわけでございまして、その一つは、原則としてすべての事業者を納税義務者として、小規模事業者については簡易課税方式を採用するという方法でございます。それからもう一つのタイプは、小規模事業者に対しては免税事業者として取り扱う、その場合免税事業者となる事業規模をできるだけ抑えていくというふうな方法でございます。しかるに、我が国では免税事業者、それから簡易課税制度、限界控除制度といった三つの制度が設けられておるわけでありまして、西ヨーロッパの、先ほど申しました二つのタイプのすべてが適用されているということが言えます。  以上、四つの消費税の基本的仕組みを見てきたわけでありますが、売上税の税構造や課税方法と比較いたしまして、これらの四項目のいずれもが担税者としての消費者の立場からより事業者の立場に立って導出されたものと考えられるのであります。したがって、改めて消費者の立場に立って、今申し上げました四つの基本的仕組みについて私のコメントを加え、その上で今回の消費税の見直し論についての私の考え方を述べさせていただきたいと思います。  まず、消費に広く薄く課税という項目でございますが、課税対象の拡大は税率をそれだけ下げることになるわけです。したがって、広く薄い課税の実現をもたらすものでありますが、一方で、課税対象の中に生活における基本財を含めていくことになりますので、逆進性を強めることは、これは確かでございます。したがって、消費者の立場からは必ずしも広く薄く課税というのは課税の公平を意味するものではないというふうに考えられます。  また、二番目の、消費者に転嫁し、税の累積を排除するという項目ですが、担税者である消費者は、課税という痛みを承知した上で、自分の負担した税額がいかほどであり、かつ自分の負担した税がきちっと国庫に納入されているかどうかを確認したいというふうに考えるわけでございます。そのためには、取引の各段階で課税される消費税がきちっと転嫁されていくことが保障されなければならないわけでありますが、今の消費税の課税方法は、先ほども申しましたように原則的には帳簿方式に基づいているわけで、転嫁のあいまいさがやはりかなり残るわけでございます。その意味から、この項目は消費者の立場から見て最も問題の残る項目であるというふうに考えられます。  三つ目の、事業者は年二回の申告・納付についてでありますが、また、納税者というのは、自分の納めた税ができるだけ早く国庫に納入され、それが政府支出を通して再び自分たちに還元されてくることを求めているわけであります。これに対しまして、年二回の申告・納付というのは、長い場合、先ほど申しましたように、消費者が負担した税が八カ月近く事業者の手元にとどまることになります。しかもその間、事業者がその資金を運用するといたしますと、この仕組みは納税者の立場から極めて不公正な仕組みと見られるのであります。  四番目の事務負担の軽減措置についてでありますが、この軽減措置も納税者の立場から見ますと、自分たちの負担した税がすべて国庫に納入されているのかどうかという疑問を抱かせる項目であります。とりわけ、簡易課税制度はその懸念が大きいわけでありまして、この疑問がもたらすところの最も大きな問題というのは、納税者の税に対する不信の念をもたらし、税モラルの低下を引 き起こすということでございます。  税制改革の前提としての公平、中立、簡素の三原則が納税者の立場に立って設定されたものであるにもかかわらず、これまで見てまいりましたように事業者の立場だけを考慮して消費税の基本的仕組みが形成されてきたとすれば、これまでの税制改革は極めて一方的であり、そして片手落ちであると言わざるを得ないわけであります。  別な見方をいたしますと、三原則は消費税の導入に当たりまして全く考慮されなかったのではないかというふうに考えられますし、あるいは売上税の廃案から消費税の導入までの過程で、何としても消費税の導入を図っていきたいということから、事業者の出してきた要望をすべて取り入れる形で基本的仕組みがつくられたと言わざるを得ないわけであります。  このことから、私は、もう一度納税者、これは消費者でありますが、消費者の立場に立って、言いかえますと、公平、中立、簡素の三原則に基づいて消費税の基本的構造を組み直していくことを提案したいわけでございます。その場合、消費税の廃止も含めて抜本的見直しになると思われますけれども、それこそ税制改革を進める正道ではないかというふうに思います。  こういった立場からいたしますと、今回自民党から出されました消費税の見直し法案は、一応消費者の立場を考慮した見直しとみなされますけれども、見直しの項目、これは非課税範囲の拡大とか飲食料品の税負担軽減、これは先ほど申しました項目の一に関連するものでありますが、また、中間申告、それから納付の回数をふやすというこの見直しは、先ほど申しました項目三に関連するわけですけれども、先ほど申しました項目二については全然検討されていないわけでありまして、それから申しますと、今回の見直し論は極めて部分的であり、また不十分であるというふうに考えられます。そして、先ほどから私が申し上げております公平、中立、簡素の三原則に基づく改革からはほど遠いものであるというふうに思われるわけです。  そこで、最後に、改めて消費税見直し論ではなくて消費税の出直し論を提案いたしまして、私の意見とかえさせていただきます。(拍手)

山崎拓自由民主党

○山崎委員長 ありがとうございました。  次に、小早川公述人にお願いいたします。

小早川新福岡県久山町長

○小早川公述人 まずもって、衆議院の税制特別対策委員会の先生方には、日ごろ地方自治につきまして御配慮を願っておることを心からお礼を申し上げておきます。  きょう、今から私が申し上げますことは、専門家ではございませんけれども、全国町村会の意思をまとめたものでもございませんし、ただ単に一地方自治体で町長という職を遂行しておる上でいろんな感じたことなりをお話し申し上げたいと考えております。  今度、消費税の見直し法案と社会党など四野党から出されております廃止法案を中心とする税制の改革案につきまして、意見を言えというような形で呼び出されましたが、率直に申しまして、意見を言うにも廃止法案の方は内容がございませんのでいいとも悪いとも言われないわけなんです。ですから、現実に今消費税法というのがございます。それが動いているわけです。それが悪いならば、これを変えるという形で新しい何かはっきりしたものが出てくれば、いいとか悪いとか言いますけれども、それがない。自民党の方の今度出されました修正法案は、みずから出された法律の修正でございますから、謙虚に国民のある一部の意見も聞かれて修正されたという考えもあるかもしれませんけれども、私に言わせますと、必ずしも修正することがいいことばかりじゃないのじゃないかという気もしておるわけです。  ですから、今のところで論評いたしますと、修正法案の方がええ、ええというよりもそれしかないと言わざるを得ない、片一方何もないのですから。ですから、はっきりと言って、いつ具体的になるかならないかわからないような税制を当てにしまして国政が動くということは不適当であろう。  特に私たち地方自治体にとりましては、地方税法の、今度の消費税の四割は地方の財源でございます。交付税の転換財源でございます。ですから、それがどうなるかわからぬという姿は、これは地方にとって、国政よりも地方にとって非常に大きなことでございまして、特に地方自治を預かっておる者としてどうも気に入らない。こういうことを言うと失礼になるかもしれませんけれども、おもしろうないなと思うことは、廃止されましてしばらく空白ができますね。そのときに、それなら四割分に相当する税収を何とかしてやるぞ、一応総額においては何とか確保しよう、金はやるから何とかしよれ、そういうことを言われましても、やはりはっきりしたものにしていただかないと、まあ何かするときには言うてこい、金だけはちゃんとやるからなという言い方では地方自治体はやっていけない。そういう点で私は、地方を軽視されたような、地方のことはそうない、ただそうしようという言葉に余りにも論点を置かれましてやられているのではなかろうかという気がいたしますので、これは今度どういうふうなことに先生方されるか知りませんけれども、とにかくやはり今の消費税が生きておる原点を踏まえた改革案をやっていただきたい、こういうふうに考える次第でございます。  消費税は一年数カ月実施されましたが、私は、定着という言葉が悪ければなれたといいますか、そう問題はないのじゃないかという気がしております。この消費税というのは、まことに失礼な言い方でございますけれども、社会党の委員長でございます土井たか子さんですね、私たち福岡県民にとっては土井たか子さんは消費税のごたるものです、今。なぜかといいますと、土井たか子さんが来られると必ず負けとるのですよ。土井たか子さんが来られると、もう我々はびりびりしよるわけです、また来られてまた負けたというわけで。今度もやられましてね。ですから、消費税なんというのも、消費税と言うただけで何か悪い、困ったという気に国民がなる。それとちっとも変わらぬじゃないかという気がしておるわけです。ですから、感情的な反発、いわゆる面倒くさいとか嫌らしいとか、何ですか、金出すのはだれも好きませんが、そういうことによって起こる反発が非常に強い。実際にやってみましたところが、それほどまでに反発もなくスムーズにいっておる。本当にこの税制が悪い税制ならば、私は国民の大反乱が起きておると思っておるのです。起きるのが当たり前のことなんです、金出すのですから。勝手に取るな、勝手にするなということで国民の大反乱が起きておると思うのです。それが起きないということは、まあ真意においてこれもやむを得ないのじゃないか、税制を改革する、何らかの改革をしなければならないのならばこの改革もいいんじゃなかろうかなという意見が私はあるのじゃなかろうかという気がいたしております。  そうはいいましても、この税制ができましたときに、私は、やはり課税というのは簡素であってわかりやすく公平といいますか、みんなに同じようにかけていく、例外をつくらないというのが原則だろうと考えております。そういう意味から、自民党の方で参議院選挙で負けたらすぐあれをがらっと変えさせちゃった。それをうろたえ回って変えさせなくてもいいんじゃないかと私は思っておったのですよ。やはりいろいろなことがありますけれども、それは何の改革でも問題があるのです。それはじっくり構えて後で改革すればいいんですから、それだけはもう少し見ていただいた方がいいのじゃないか。  例えば今度の見直し法案の中で、こういうことを言えば地方自治体を預かっておる者として不適当かもしれませんけれども、葬祭費、分娩費の非課税ですか、免除がありますね。あれなんかは本当に必要であるかという疑問を持っております。なぜかと申しますと、こういうことをここで言うのはちょっと適当でないかもしれませんけれども、お葬式。お葬式を私は四回やりました、自分自身。このお葬式というのは、言ってみれば人の費 用でお葬式をするのです。あれは自分の金でしたことはない。ですから、これに税金がかかろうとかかるまいと、私はそんなことない。これは私の町の、これは委員長も知っておられますが、古賀葬祭場というところの火葬場の料金の大改正をやりました。そのときに焼却費の三千円を三万円に引き上げたのです。反対があるかというと、反対は全然ありません。それは、その費用は全部皆さんの拠出によるお香典によってやっておるからです。  それから分娩費、これも今の保険制のもとではほとんど、共済組合はほとんど面倒見ておるのでしょう。それから国民健康保険も十三万円見ております。私の町は、そのほかに二万円足しまして十五万円見ておるわけです。実際に払っておるのはどのくらいかといいますと、二十万前後じゃなかろうかという話でございます。ですからこれも、保険法のもとではどうなっておるか知りませんが、大体において現制度で賄っておる。一生のうち一遍か二遍かなんです。産む前に結婚式を挙げておるわけです。結婚式の方は何百方かけてやっておるわけですね。それで子供を一人か二人産むときには税金が高いとかなんとかということは、余りにも意義がないのじゃなかろうかなという気がいたしておるわけです。これは現実に町民の方々とかその人たちを見ておりまして、そんな拒否反応はないのです。ですから、そういう項目は何も税法上から非課税にしないでも、保険法の中の給付を上げるか何かしていけばいいわけなんです。そして税法は簡素にしなければいけない、例外をつくってはいけない、そういうふうな気がいたします。  それから、この税法の一番問題点は、逆進性とかそういうことよりも、私は簡易課税制度、それから免税点ですか、免税の制度、これが問題だ。今いろいろな先生方のお話を聞いておりましても、それから世論のあれを聞きましても、これは納税者の納めた税金を途中でどうかしよらんかというおそれがあるような制度だとおっしゃっております。なるほど一方から見ればそうなんですけれども、私はそうじゃなくして、これはこの前の税制調査会でも申し上げたと思いますが、納税者が納めた金を預かってこちらに納められる中で、小規模の方は免税する、それから簡易にするということについて、あんたたちはおれたちの納めた税金をちょんぐっとるんじゃないか、ごまかしておるんじゃないかという烙印を押させておるわけなんです。これは私はその観点からこの税制は改正してもらわなければ困る。本当にまじめにしている人たちが消費税のことで、おまえたちは常におれたちが納めている金をもうかっているな、ちょんぐっているな、そんなことを言わせて税制は成り立たない、そういうふうな気がいたします。ですから、そういう方々にも納められるなら納めてもらって、そして還付というよりも何かの、例えば記帳の事務とかいろいろなことがあれならば、事業の推進費とか何かの形で別途出して、納めるものを納めるという姿にさせていただかないと、その方々の立場は――田舎ではですよ、東京ではわかりません、三千万なんというはした金かもしれませんけれども、私たちの町では三千万の売り上げというのは大企業なんです。その人たちが、おまえたちはちょんぐっておると言われておるのです。そんなことを言わせて、税法上面倒くさいからとか手続上面倒くさいからということでこれを除外するということはとんでもないことだ。やはり誇りを持って納めてもらうように、あなたたちの税金はこれはするよというようなことにしないと、面倒くさいとかそういうことでこのことを対処することではなかろう、こういうふうに考えております。ですから、今度の再見直しか何か知りませんけれども、これだけはぜひとも制度を改めていただきたいなと考えておる次第でございます。  いずれの制度でも、いずれの事業でも、反対のないことはございません。私は、反対の強いほどその制度は正しいと考えておる。これは、二十数年間町長をさせていただきまして、いろいろなことをやってまいりました。土地の規制をやってまいりました。いろいろなことをやってまいりました。そのとき反対の強いほど、やったところが後で逆におまえのやったことはよかったなと言われておる。それをすぐ言ってくれればいいんですけれども、それがちゃんとそれで、選挙に負けて落とされたり、まあ私は幸いなことに長くさせてもらっているから、その評価が五年から十年してから、ああおまえのやっておったことはよかった、あれはおまえ、自分で知っておらぬこともやると思っていたがそうばかりでもなかったなというような評価も受けておる点もあるのです。  それですから、改革というのはだれかが痛い目に遭わなきゃいけないのです。痛い目に遭うほど本当の改革であろう。これはもう医療行為でもそうです。思い切って手術した方がいいのですから、中途半端にしておったら、あなた、死んでしまうんですから、いや応なしにこれは。ですから、そういう点ではっきりとした態度をとって、自信を持ってやっていただきたい。私は、自民党の方々に本当に自信を持ってやっていただきたい。  ただ、今言いましたような事業者を優遇するような姿をして、その人たちが世評から、皆さんから後指を指されておるような制度だけはつくっちゃならぬ。そのことは必ずしもその人たちの立場を考えているんじゃない。そういうことを考えてやっていただきたいなと考えておる次第でございます。  地方自治体にとりまして、今度の消費税は非常に大事な税収の根源でもございますし、できるだけ早く定着させていただきたい、こういう気がいたします。  それから私は、この税収の額について異議があるのですけれども、本当を言えば、勤労大衆のことを考えたならば、この三%を五%、六%、七%にしましても、二百万から一千万ぐらいの勤労者の所得は、全部ゼロにした方がいい、税金は。思い切った減税をやって、勤労者の心を本当にぱっと開いてやった方がいいんじゃないかという気がいたしております。それはなかなか難しいことかもしれませんけれども、やはり減税の規模にいたしましても、勤労者の方々、実際の大衆の方々の税負担をもう少し引き下げる必要がありゃせぬか。それはこの税収ばかりじゃなくて、別なことでもやれるんじゃなかろうかという気がします。特に、先ほどからもおっしゃっておりました土地税制の問題なんかは、これは思い切ってやはりやるべき時期に来たな、こういうふうな気がいたします。  どうか国会の先生方が、今度のこの問題を通じての協議会もつくられるようでございますが、本当に実のある論議をしていただいて、これから先の日本の進路が確定するような形の税制をつくっていただきたい、こういうふうに考える次第でございます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)

山崎拓自由民主党

○山崎委員長 ありがとうございました。  次に、中村公述人にお願いいたします。

中村紀伊主婦連合会副会長

○中村公述人 中村でございます。  大変高姿勢な公述人の方がお二人お出になりまして、自民党の方はとても喜んでいらして、こちら側半分は大変喜んでいらっしゃる。しかしこれは、選挙のときにこういう公述を外に向かってしていただいたら、随分みんなの受け取り方は違ったんじゃないだろうかと今伺っておりました。何というんでしょうか、女性の受け取り方というのは違うんだなあというふうに今伺っておりました。――いや、建前じゃないのですよ。女の人たちは暮らしを自分たちで抱えていますから、はっきり暮らしの中から消費税を見詰めている。  そしてまた、この消費税というのは議会制民主主義の根幹だと思うのです。それが、きょう私は一番最初に申し上げたいと思っていたのですけれども、何かもう、ねじれ現象だからもうどっちも相打ちになるんだ、だから自民党の方も見直し案を、本気で絶対あれを通そうと思って論議なさっていないし、それから、私は野党の廃止の方の賛 成なんですけれども、野党の方も何かもうまず与野党の協議の場でやるというところへ行ってしまって、肝心の国会審議というものがきちっとされていないんじゃないか。それを申し上げようと思って来たら、果たして何かそういう感じなんですね。  この前私は参議院で、消費税廃止法案のことで公述人に出てまいりました。私たちは参議院の選挙が終わった後で――あのときは野党は廃止と叫び、与党の方は見直しをする、大幅な思い切った見直しをするとおっしゃって選挙を戦われたわけです。ですから、選挙が終わったら両方の法案が出て、そして、この去年の国会できちっとそれをこういう公開の場で議論して、私どもが選んだ議員さんが両方できちっと議論をして、そうしてそれを参考に衆議院の選挙をやるべきだと私どもはずっと主張して、各党にも要望してまいりました。しかし結果はああいうことです。  十二月の一日まで自民党は見直し案をお出しにならなかった。そして大綱という――大綱というのは本当の骨なんですね。それが十二月一日に出て、私が参議院の公述に出ましたときは、まだ大綱が出て五日目でございました。ですからそれは一つの、こういう大綱がこういうふうに出ているけれどもというふうな話しか出なかったわけです。ですから、自民党の見直し案というのが国会でちゃんと取り上げられて審議されるのは、今度の国会が初めてなわけです。(発言する者あり)選挙前に出したのは――ごめんなさい、ここで討論しちゃいけないのですね。選挙前にお出しになったのは選挙用の大綱であって、法案が出てきても宣伝物はそうでなかったんじゃないか。私は、国民は見直し論というものに幻想を持たされたまま選挙をしたというふうに思っております。ですから、今の河野公述人がおっしゃったように、国民は見直し、存続を求めているんだという、ああいう暴論をお吐きになるのは、私は困ると思います。  それは確かに、むしろ今のままの存続がいいという方も結構ふえてきています。それはなぜかというと、先ほどからいろいろな方がおっしゃいましたように、やってみたら意外と手元に消費税分が、国庫へ入れないで残る人が出てきたわけです。大きな声じゃ言えないけれども、中村さん、残るんだよと、一緒に反対運動をしていた仲間からも言われました。けしからぬですよね。だけれどもそうなんですね。だからそういう、先ほどからおっしゃっているような、私どもの納めた税金が途中で消えてしまう。非常に苦しい中から、年金生活や低所得の方たちが苦しい中から、年金だけでは暮らせないから貯金を取り崩したりいろいろな形でしている暮らしの中から払ったものがどこかで消えてしまう、これはやりきれないという声は、もう本当にみんなから出ています。ですけれどもそういう人たちは、大きな声で叫べないから、主婦連の消費税一一〇番、もう去年のあの導入の騒ぎのときでやめたんですけれども、いまだに電話がかかってきます。私たちの声は届かないかもしれないけれどもぜひそれを伝えてほしいと。そういう暮らしの中から、本当に消費税は、困る人たちの、弱い立場の人たちのことを考えて政治はやるべきではないか。  逆進性なんか当たり前だってさっきおっしゃいましたけれども、逆進性、さすがに自民党の方々も選挙のときには、逆進性を考慮して食品の一・五、一・五、ゼロ、最後が非課税という、あれで-体どれぐらい下がるのだろうかという疑問がありますし、むしろ売っているスーパーの方たちまで、これでは下がらない、こんな面倒くさいことはできないと言っていらっしゃいますけれども、しかしそういうふうに逆進性を緩和しようということをおっしゃっていらっしゃる。  私は、政治というものは、そして特に税制というものは、すべての国民が納得して払う、すべての国民が納得しないにしても、大多数の国民が納得できるような説得性のあるもの、そして私どもが選んだ選良が、私どもの代表が国会の場で十分論議して中身を明らかにして、そして我々が見ているところで納得できるような論議があって初めて税制というものを国民は、まあみんながそういうふうに言うならばということだと思うのです。決して主婦たちが税金を納めるのが嫌だと言っているわけじゃないのです。納めるのが嫌じゃなくて、不公平なのは困る、それから決め方が不明朗なのは困る、そして納めた税金がどこへ行ってしまうかわからないのは困る、そういうことを言っているわけです。逆進性も困ります、弱い者いじめの消費税は困るというのもそれです。  そういう意味で、私たちはいろいろなことを国会に要望してまいりましたけれども、今度の国会で果たして、毎日の論議を私どもテレビと新聞で見ておりますけれども、本気で、選挙のときに皆さんが訴えたことが国会の中でぶつけられているのかどうか。私はどうもそうではなくて、もうどちらも、いずれ協議会で何かお決めになるということになっているのじゃないか。私はやはり国民の前ではっきりガラス張りでやってくれなければ国会ではないと思います。それをぜひお願いしたいと思います。私は前に国会で、マル優廃止のことを一生懸命こうやって、こういうところで訴えておりました。ところが、帰ってみると、もう違うところで与野党の話し合いがついて、マル優は廃止になっておりました。そういうようなことではなくて、みんなの見えるところでしていただきたいということを申し上げたいと思います。  さっき、お産の話が出ました。それからお葬式の話が出ました。女としてちょっとこれは黙ってられないのですけれども、お葬式とおっしゃったけれども、自民党の先生方よく御存じだと思います。私よく読んでみたら、お葬式全部じゃないのですね。選挙のときはお葬式と皆さんおっしゃったのです。だから、みんな錯覚を起こしているけれども、火葬料と埋葬料だけなのですね。火葬料というのは、市営もありますからそんなに大したお金じゃない。埋葬料はお寺様に包むお金ですから、これもお金があってないようで、一番困るのはお葬式なのですね。みんなはお葬式が非課税になると思っていたわけですね。今の町長さんもそういうおっしゃり方をなさいました。それから出産も、病院に駆けつけて産まれるときは非課税かもしれない。しかしその前に十カ月病院に通うのは、これも私どもは出産だと思っているのですけれども、それはそうじゃないのですね。  そういうふうに、食料品の非課税につきましても、これは自民党がお出しになった広告を持ってきたのですけれども、「毎日の食料品非課税です。(小売段階)」と書いてありますけれども、みんなはこれをそういうふうに読んでないのですね。ほとんどの方が食料品は非課税だ、逆進性をなくすために非課税になるんだ、そういうふうにやはり、何というのでしょうか、信じているわけですよね。自民党の方もやっとわかってくださったと信じて投票したと思うのです。  そういう意味で私は、そういうことがもっとはっきりされないで、そしてどこかでねじれ現象を正すために裏で話し合いがされるというようなことが、ないと思いますけれども、そういうふうになるのだとしたら、非常に国民の不信はさらに募ると思います。私は、税制は国政の基本であって、それはきらっとここの場で討論して、そしてどういうふうに私どもの選んだ方たちが、選挙で言ったこととそれからこれから国会の場で発言することと、そしてそれがどういうふうになっていくのか、国民の暮らしをこれからの税制、納めることだけじゃなくて使う方も、両方きちっと議会制民主主義にのっとって決めてくださるということを信じたいと思いますし、ぜひそうあってほしいということをお願いしたいと思います。  消費税は定着しているとさっきおっしゃいました。しかし、ついこの間、私どもの仲間が欠陥商品展というのを飯田橋のセントラルプラザというところの下の通路でいたしました。三日間で風船を、通る人や学生さんやお昼御飯を食べに来る人、そこに住んでいる方たちに紙風船をかごに入れてもらいました。そうしましたら、そのままという方が三%、二十三人です。見直しが百六十九人で二三%です。そして廃止が七四%、五百三十 四人の方が緑色の風船を入れてくれました。これは反対運動する消費者団体の人じゃないのです。普通の町の人たちが、つい六月にそういう行動が出ています。この間の福岡の選挙のときもそれが十一万票という、そして西日本新聞の調査を見ても、消費税を一番大事に気にするんだという調査が出ております、その事前に。ですから、決して消費税は定着したのじゃない。声高に反対、反対と言わなければ定着したのだと言われるのだとしたら、またこれからは声高に言ってこなければならないのじゃないか。私は、政治の場で皆様方の選挙の公約をきちっとしていただきたい。さらに大幅な見直しということを自民党の方もおっしゃっていましたし、抜本的な、凍結ということも選挙の公報の中でおっしゃっていました。私はそういう意味で、ぜひ消費税は一度やめて、そして国民の総意で、本当に不公平税制の是正をまず行う、そして逆進性のない、我々の納めた税金がどこかへ消えてしまうような不透明なものでない、そういう税制にしていただきたいと思います。  もう簡易課税とかいろいろな問題については、すべての四人の方が全部おっしゃいました。私はそれが一番問題じゃないかと思いますけれども、それは導入のときの約束からいって、絶対そこはやれないんじゃないでしょうか、どうなんでしょうか。質問してはいけないのであれなんですけれども、一番基本的なところがやれないで、そして小手先の、素人に非常にわかりにくいところで何か見直しがなされているというような自民党の今の見直し案、これには私は、これは当たり前のことに、実際にやってみたら本当にそういうふうにいかないのじゃないかということを危惧して反対でございます。  そして最後に、消費税転嫁カルテル、表示カルテル、これはもう何回もやめる、去年の夏から自民党の方もこれはやめると。私どもは、独禁法を強化改正する国はあっても、独禁法を緩和して転嫁カルテルまでやる国は日本だけしかないということを言い続けてまいりましたけれども、いまだにそれはもうしまったままになっています。黙っていればいずれ二年後にもうなくなるのだからいいじゃないか。しかし、今日本は独禁法の運用が非常に手ぬるいと外国からも指摘されている。そういうときに、ああいうカルテル体質を助長するような消費税転嫁カルテル、表示カルテルがいまだに置かれている。見直し案の中にそれが入ってないということも私は非常に不満でございます。  福祉の目的に使うということが書いてある。しかし実際に福祉の人たちが心配するのは、福祉目的にもし使うとしたら税率アップの理由に使われるのじゃないか、反対だということを福祉の方たちが、これはもういろいろなところで発言していらっしゃいます。今三%だから、まあ大したことないじゃないか。生協の調査でも平均一年間に十万四千幾らだ。そして非常に年金生活の方たちは普通の方たちよりも、給与生活の人よりも一・八%と率が高いんだ、普通は一・五だけれども。そういう消費税の、三%だから黙っているけれども、消費税を残していればこれはいずれ五%になり一〇%になる、海部総理の間は税率アップはないと言われますけれども、この道筋が残っていれば私は税率アップは必ずある、それを前提にしてもう一度国民が考えなきゃいけないんじゃないかというふうに考えております。大変失礼いたしました。(拍手)

山崎拓自由民主党

○山崎委員長 ありがとうございました。  以上で公述人の御意見の開陳は終わりました。     ─────────────

山崎拓自由民主党

○山崎委員長 これより公述人に対する質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関谷勝嗣君。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員 まず最初に、公述人の皆様方にきょうの御出席に対しまして心からお礼を述べさせていただきたいと思います。また、専門の立場から、今後ともこの消費税の問題につきましてそれぞれの立場で御意見も述べていただきたいし、また御支援もいただきたいと思います。  河野公述人が述べていらっしゃいましたように、我が自民党が見直し案、そして野党が廃止法案というものを出しておりまして、もう今日まで四日間ぶっ通しで質疑を行っております。また来週もずっと行うわけでございますが、この問題を取り巻く情勢、ここで私がちょうちょう述べるまでもなく皆様方十分御存じであるわけでございますが、河野公述人がおっしゃられましたように、もうこれをどうするか、ぎりぎりのところまで来ておると思うわけでございまして、小早川さんがおっしゃいましたように、いつまでも不安定な状態に置かれるということがまた困ることだという御意見もございましたが、私は全くそのとおりであろうと思うわけでございます。ですから、そういうような状態、環境にあるというもとでのひとつ御答弁をいただきたいと思うわけでございます。  それから、もう一つだけ私の考えを述べさせていただきたいと思うのでございますが、よく、消費税を行うまでのまだぎりぎりのせっぱ詰まった財政状態ではないじゃないかというようなことを言われる方もいらっしゃいますけれども、それでは、この税制というのは、海部総理がよくおっしゃっていますけれども、だれも喜ぶ話ではない話で、いいか悪いかといえばお金を出さない方がいいに決まっておるわけでございます。それで、今度はもうぎりぎりの状態になって、これをやらなければ大変だと思ったときにはもうそれをやっても遅過ぎる、もう蘇生力のない状態での改革というものになってしまうわけでございますから、もっと、国民に与えるもしも打撃があるとするならば、何十倍の大きなものになってしまう、そのように私は思うわけでございまして、ここでもうはっきりとするときが来ておる、そのように思うわけでございます。  河野さんにまずお尋ねいたしますが、見直し案はまだ足りないというようにおっしゃられましたが、それではあとどのように、例えば非課税範囲の範囲をもっと拡大したいとお考えであるのか、またどのあたりまで拡大をしたいとお考えでしょうか。  それともう一つは、何か土地税制については野党の皆さんにぜひやってほしいというような話がございましたが、我が自由民主党も今鋭意大変な努力をしておるわけでございまして、なぜあちらさんにやれという意味があるのかちょっとはっきりしませんので、ここでそのこともはっきりさせておいていただきたい。我が自民党の一大政策として進めておりますので、その二点のことをまず河野さんにお答えをいただきたいと思います。

河野光雄経済評論家

○河野公述人 簡単にお答えします。  最初の見直しについての私のあれですが、ちょっとさきに言いましたけれども、一番のあれは、今出されている食品についてだとか出産がどうだとか火葬、土葬についてどうだとかということは、僕に言わせればマイナーなことだと思うのですね。税制としてはだれがどう考えたって、本当にまじめに考えている人の本音を聞けば、今小早川さんもおっしゃっていたああいう側面の問題もあるし、納税者の側の問題もあるし、どこから見ても簡易課税制度というのは本格的に見直された方がいい。これは去年、党税調が最後に、前の税調会長が立派な見識を持ってあれについてきちっとしたことを書いてありますよね。あれをチャンスがあったらなるべく早い事態に表に持ち出すということが一番必要なんじゃないかと思うのです。  第二に、土地問題は政府が本腰を入れてやっていらっしゃることは百も二百も承知しております。むしろ、私が野党の皆さんに申し上げたのは、でき上がったものに対して後になってどうこう言うんじゃなくて、参議院の現実を考えてみれば、今から自民党と同じレベルで、むしろそれを引っ張っていくような気迫を持って政策立案能力を示してもらいたいということを申し上げたのであって、自民党が気力を欠いているだとかいうふうには考えていませんよ、そうでない方向で議論 が進んでおることを知ってますから。むしろ野党に、こういう問題ならば、後で文句をつけるのじゃなくて、政策立案過程できっちりした自分のアイデアで明快な線を出してもらいたい。それが世論の形成、政府の最後の決定にいい影響を及ぼすことで一番望ましい、それが民主主義のあり方だ、こう考えております。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員 牛嶋さんにお尋ねをいたしたいわけでございますが、お話を伺っておりますと、納税の回数が年二回であったのを、また私たちの案では三回にしようとか、また帳簿方式にいろいろな問題点があるというふうにおっしゃっていらっしゃったわけでございますが、そういうもろもろの問題を是正すれば、それをすればこの消費税もいいのではないかというふうに私は感じたのでございますが、そのあたりはどんなものでございましょうか。  それと、そういうようなことで、見直し案という言葉ではなくして、出直し案というふうにおっしゃられたわけでございますが、これは非常に似通ったニュアンスではないかと私は理解をいたしたわけでございますが、そのような理解の仕方でいいのでしょうか。  それから、もっと不公平を是正しろ、公平さというものに非常に重きを置かれておるわけでございますが、これは全く当然のことでございまして、なお一層私たちもこの論議の過程においてあらゆる分野での公平さというものを追求はしていくつもりでございますが、特に改めてこういうようなところは是正をしてほしいということがございましたら、この機会にひとつ述べていただきたいと思います。

牛嶋正名古屋市立大学教授

○牛嶋公述人 私、先ほど基本的な仕組みについて四点を挙げました。その中で一番重要な、納税者の立場から見て重要な項目といたしまして、課税方法を取り上げたわけですね。この消費税の課税目的から申しますと、取引の各段階できちっと転嫁されるということが、これは私基本だと思います。先ほども私申しましたように、そこのところがあいまいですと、消費税に対して、納税者の側から見て非常に不明確な税というふうなことになるわけでございます。  なぜ課税方法として帳簿方式になったのかということですが、以前に、大平内閣のときに一般消費税が議論されたとき、あのときは仕入れ控除方式という課税方法が提案されました。それも、そのときもやはり転嫁があいまいであるということで、私は、あの一般消費税が廃案になった最も大きな原因ではなかったか、こういうふうに思っております。  それに対して、売上税は伝票方式なんですね。これは西ヨーロッパの付加価値税のインボイス方式に準ずるわけですから、非常に、転嫁がかなり明確であったと思います。なぜそれがそこだけ後退するのかということですよね。それを考えてみると、結局はやっぱり納税義務者である事業者の賛成を得なければ消費税が導入されなかったということを私としては考えざるを得ないわけで、そのプロセスが問題なんですね。あくまでも、やっぱり税というのは、納税者の立場、この場合ですと消費者の立場に立って議論しなければならない、税の基本的な構造を組み立てていかなければならない、その点について私、先ほどから強調して申し上げたわけでございます。  ですから、もう一度税制改革の本筋に戻って、納税者の立場に立って、そして、税制改革に当たって三つの原則を掲げておられるわけですから、それをしっかり踏まえて、もう一度消費税の税構造を見直すべきではないかというふうなことで申し上げたわけでございます。ですから、もう一度出発点へ戻れというのが私の意見でございます。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員 小早川公述人には時間がございませんので、どう言いましょうか、次の中村さんの方に移りたいと思いますが、小早川さんが、お産とお葬式のお話がございましたが、そのことに関連して中村公述人に質問をいたしたいと思うわけでございますが、その前に、小早川さんが大変思い切った発言をいたしておりましたが、やはりもうすべて私はそのとおりだと思います。現状でそう大したこともない、ぜひ地方の財源としてもこのことを進めてほしいということでございまして、その意見に私も全く同感でありますが、一つだけお気をつけたらいいと思いましたのは、女性のお産云々と言うことはお気をつけた方が、これは男性ではわからない話だろうと思います、大変なことでございましょうから、それを非課税にするということは私は賛成であります。  それで、中村公述人に、お産の場合はその全段階、全段階というとこれは消費税の言葉でございますが、お産の前の方、検査であるとか、その何日前に入院するとか、それ全部非課税でございますから、それは間違いございませんので。そして、ただ、お葬式の場合は、これは非課税になってないということは、これは事実、中村さんのおっしゃることが正しいわけでございまして、といいますのは、逆に言えば当然でございまして、大変なお葬式、何百万、何千万というようなお葬式をして、それを非課税にするということは、これはかえっておかしな話でございますから、これは私はそのことが正しいと思うわけでございます。  それで、中村さんが、私たちは暮らしの中でそういう消費税のことで非常に苦しんでおるというようなお話がございましたけれども、暮らしは、何も女性だけが暮らしておるわけではないわけでございまして、私たち男性も毎日必死の努力をして暮らしておるわけでございますから、私は別に主婦連合会をどうこう言うわけではないのでございますが、本当に男性は女性以上に、本当に暮らしの中で苦しんでおるわけでございます。  しかし、日本の今後のことを考え、高齢化社会のことを考えて、これはぜひやっておかなければならないということで私たちはやっておるわけでございまして、また、出先が決まっておるのにこの論議をどうこうやっておるのが、真剣さがないんじゃないかというようなことをおっしゃられましたが、そんなことはございません。与野党真剣に毎日七時間、八時間にわたって論議をしておるわけでございますから、そういう色眼鏡で見るようなことはやめていただきたい。私たちはそれだけのことはきちっとここで述べておくことができると思うわけでございまして、どうぞひとつ素直な目で私たちの論議を見ていただきたいし、またいろいろ消費税に対しての御意見を述べていただきますようにお願いいたしたいと思うわけでございますが、どうぞ何か御感想がございましたらお述べください。

中村紀伊主婦連合会副会長

○中村公述人 中村でございます。大変いろいろ御教導いただきまして、ありがとうございました。  公述人というのは、質問はしちゃいけないし、いろいろおっしゃられたことを伺って帰らなきゃいけないのかなと今思っておりましたのですけれども、やっぱり男の方は、暮らしをやって頑張っているんだと。しかし男の方は、事業、いわゆる大企業の税制はまけられないとか、特にいろいろなつながりがあるから、要するに、何というのでしょうかね、土地税制とか、今言えばパーティー券の税制とかキャピタルゲインとか、それから企業の含み資産とか法人税の中の優遇とか、いろんな問題は税制調査会でも出るし、今も論議には出ています。しかし、そちらの方は全然、もっとも進まないで、そして消費税というのだけは反対があろうとなかろうと強行採決でなさる。私どもは、その民主主義の手順がおかしいんじゃないか。やはり税制改革というのは総合的にやると、たしか一番最初はそういうお話だったと思うのですけれども、そこのところを申し上げたいと思っております。  そして私は、お産とかあれを申し上げましたけれども、そうではなくて、消費者が言ったことの一部分だけを選挙対策に取り上げて、基本的なところで、納めた税金が消えて国に入らないというようなところは何も取り上げられない、恐らくこれからも取り上げられないのではないかということを危惧しております。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員 終わります。

山崎拓自由民主党

○山崎委員長 次に、鈴木喜久子君。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)委員 鈴木でございます。どうも、四人の公述人の方々、お忙しいところ、ありがとうございました。いろいろな御意見がある、さまざまあるものだということを勉強させていただきました。  私自身、消費税は廃止して、その上で与野党が議論を十分尽くして、そうして税制を考えていきたいというふうに思って、それを今度の選挙戦、総選挙のときにも掲げてずっと戦ってきて、支持をいただいて当選してまいりました。この理由については今までたくさん言われていることでございますから、そのときには、その理由としては、手続面において、非常に議会制民主主義を破壊するような手続で、非民主的なそういう成立過程があった、そして強行採決までされてしまったというようなことと、それからまた内容面での、逆進性その他、免税点の問題でありますとか簡易課税の問題であるとかいろいろな面、それを言って、こういうものは廃止すべきだと今も考えておりますし、そのようにしなければならないことだというふうに思っております。  こういうことで、このままの税制がもし進んでいくとすると、この消費税がもし見直しというような形で、まだ、根っこというか重要な部分は全部残ったままで存続していくということになりますと、消費者である国民の中では著しい不公平感とか不信感、そしてまた政治に対しても非常な不信感というものを持ってしまうのではないか。国民は決してこれまでこの消費税というものを許したり忘れたりしているわけではないし、定着をしているわけでもない。したがって、もう一度、きれいに廃止して、それから議論を始めたらいいじゃないかというふうに思っているわけでございます。  そこで伺いたいのでございますけれども、まず第一に河野公述人に伺います。  国民の意思というものをとらえるときに、世論調査その他の中で、大幅な見直しというようなものに賛成をした人というものを、これは大多数が存続を認めているという中にお入れになって考えているようでございましたけれども、これはいかがなものかというふうに思うわけでございまして、この点ちょっと伺いたいと思うのです。  この大幅な見直しの内容というのは、非常にさまざまございますけれども、例えば帳簿方式を伝票方式に変えるとか、公述人もおっしゃっておりましたような簡易課税制度というものの廃止というものをもし取り入れたとしまして、またはその課税制度の金額を大幅に変えるというようなこと、そういうようなもの、または限界控除や免税点の問題も、こういったもし見直しということがあるとすると、これを見直しという形、根っこの部分が残ったような形で現行の消費税をできるものなのか、この民意が存続を望んでいるという形で言い得るのかどうかという点だけ一点伺いたいと思うのです。  これともう一つが今回の福岡の補選、またこの二月に行われました総選挙においての自民党の方の選挙態度の中の消費税に対する態度、そういうものを含めまして民意がこの総選挙その他にあらわれていると実際言えるのかどうかという点について伺いたいのですが、時間が限られておりますので、申しわけございませんけれども二分程度でよろしくお願い申し上げます。

河野光雄経済評論家

○河野公述人 お答えします。  世論調査の設問は、時系列でずっと同じ設問をやらないと比較ができないのですね。NHKも読売新聞も朝日新聞も毎日新聞もすべて、もっと大幅な見直しという選択と、違って廃止という選択が明確に出ているのですよね。国民は大人ですから、できないことを考えているわけじゃない。基本的なことをわかっているとすれば、廃止にマルをつけた人ともっと大幅な見直しというところにマルをつけた人とは明らかに意見は違う。ただし、今先生がおっしゃったみたいに、もっと大幅な見直しということが今の消費税の上に可能なのかどうかということになってくれば、そこは意見が分かれるかもしれません。しかし、選択肢は明らかに違います、これは。というのが私の答えです。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)委員 福岡補選の方はもう結構でございます。どうもありがとうございました。  次に、牛嶋公述人に伺います。  おっしゃることすべてもっともだと思います。そのとおりだと私も思いましてこれまでやってまいりました。これができれば一番いいことだ、そのとおりだと思って、そしてこの国会でも、委員会でもそのために努力をしてまいりましたのですけれども、しかしながら、この総選挙の結果というものはまた現実にどうしてもあるわけでございます。本当に過半数を自民党に許してしまっている、与野党の逆転がならなかったということはこれは現実の事実でございますし、これもまた選挙された国民の方々の一つの意思のあらわれであるということでは謙虚に受けとめなければならないことでございます。  そうしますと、ここでの当委員会においてもなかなかこういった、先生おっしゃいましたように、私たちも申しましているような意見というのが通っていかないという現実があるわけです。それでも私はこの国会で、この委員会では廃止ということに向けて一生懸命努力して、それを討論していかなければならない、ここでの論議を国民の中でみんなに知っていただかなければならないというふうに思ってここで頑張っているわけでございますけれども、こうした現実的な問題ということになって、最終的にこのままでいきますと、そこで逆進性も不公平税制も複雑性もみんな残っているこのものが残ってしまうかもしれない。この点に私は非常に悩みを持ちつつ、しかし、ここでは頑張って廃止を言って、何とか与党の皆さんの中でも何とか廃止案にいかないかということで頑張って今言っているわけでございますけれども、この点について、現実をどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。難しいと思いますけれども。     〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕

牛嶋正名古屋市立大学教授

○牛嶋公述人 私は税の問題をずっと研究してまいりました。今私は、税というのはどういうものかということをもう一度考え直しているわけですが、先ほどもちょっとお話がありましたように、税というのは、一つは一定の地域社会においてその地域社会を維持していくためにかかる財源をみんなで負担し合う、こういった会費的な要素がかなり強いと思うのですね。そうだとしますと、だれもが負担しなければならないということは感じているわけでありますから、問題はどういうふうにみんなで負担し合うかということですね。恐らくだれもが自分の負担を少なくして受益だけ大きくしたいというふうに考えるのは当然でありますが、したがって、そこで公正なレフェリーが要るわけですね、どういうふうにみんなに配分するのが最も公平かと。私は、その公平なレフェリー、これが税制ではないか、こういうふうに思っております。ですから、今おっしゃいましたように、その税制を組み立てていくに当たりまして、いろいろな政治的な要素の絡みがあってなかなか前進しないんだというふうにおっしゃっておられますけれども、私が今申しました税の本質からいえば、これは納税者の側からいいますと、ぜひそれはどうしてもやっていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)委員 これからもその御意見を体しまして私たち頑張ってまいりますので、よろしく御支援をお願い申し上げます。  次に、小早川公述人に伺いたいと思うのです。  一つは、地方交付税、譲与税の問題につきまして言われたところは、本当にいろいろと御不安の点もなかなか決まらないということではあるということはよくわかります。私どももその点に関してこのようにしたいというふうな案を出すところでございますので、この点を伺うわけではありませんで、もう一つの御議論の中で、国民の中にもうこの消費税が定着しているんじゃないか、余り大したことないんじゃないかというような、大ざ っぱに言いますとそういうような御意見がありましたのですが、国民の中でこの消費税を払っている、払わなければもう暴動が起きているんじゃないかというような、そういう形で、不安で、もし定着していないということであれば、もう国民の中からそういう暴動のようなものが起きるぐらいのことじゃないかというような御意見で、今それがないからもう定着しているんじゃないかとおっしゃったと思うのですが、この点については、私たち日本国民のこの遵法意識というものについてどのようにお考えか伺いたいんです。おとなしく従っている、今法律があるから従っているということと本当に不満だと思っていることとは、これは別のことではないかというふうに思うので、その点を伺いたいと思うのです。  それともう一点。税金は簡素な方がいい、簡素化がいい、これはもちろんもう大前提でございます。その中で今回の見直し案ということの、食品に対する消費者段階では非課税である、その前の段階までは一・五%だ、この点についてはどのようにお考えか、簡単で結構でございますから、一言お願い申し上げます。

小早川新福岡県久山町長

○小早川公述人 定着の問題でございますが、これは先ほど申し上げましたのは私の勘でございまして、一々聞いたわけじゃございませんけれども。町の中だとか村の中を通りまして、みんな、おばさんやらに声をかけまして、どうなと言うたら、まあ面倒くさいといえば面倒くさいばってん、しようなかろうなぐらいの調子で言われますので、大体まあこれはいいんじゃなと考えておる。一々調査したわけじゃございません。しかし、本当言って、今度土井さんがお見えになりまして、あれは消費税で負けたごと新聞やら書きよりますけれども、私はそう思っていないのですよ。あれは土井さんに負けたんです。だから私は土井さんが嫌いなんですよ。あの人が来られたら負けるから嫌いなんだ。消費税は負けたと私は思っておりません。  それから、もう一つ何やったですか。(鈴木(喜)委員「食品の」と呼ぶ)あれは私は、税金は簡素であるということがもう一番いい、そういうことからいうと、あの食品に対する課税をいろいろなことをされておりますが、あんなことより、もう思い切って何もかも一緒にかけた方がよかったんじゃないかという気はしておるんですよ。あのことによって物価が下がるものじゃございませんし、ちょっと面倒くさいようなことになって、イワシ見ても、これはどっちかいなんということはね。ただ、売り場によってあれは決まっておるようでございますが、できたらば、いろいろなことがありましょうとも、例外をつくらない方がいい、できるだけ例外をつくらない方がいい、それは例外は別途の方法で対処した方がいい、こういう気持ちを持っております。  以上でございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)委員 どうもありがとうございました。  最後に、中村公述人に伺いたいと思うのですけれども、私は今度の選挙戦というものを通じまして、女性が政治、とりわけこの消費税ということに関して非常に関心の強さというものを感じてまいりました。そして、その結果がこういった形で委員会というところで消費税について今議論をしているということになっているわけですけれども、先ほど来申し上げました衆議院で与野党逆転ができなかったという現実を踏まえまして、その中でもしこれが、さっき御懸念ありましたようなガラス張りでない政治、どこか頭の上で、私も知らないどこかで何か政治が行われているようなことがありましたらば、そのときには一体主婦の方方、女性の方々というのはどう考えて、どのような行動をとられるというふうにお思いでございましょうか。

中村紀伊主婦連合会副会長

○中村公述人 お答えいたします。  先ほどから女と男は違うというお話もありましたけれども、私は消費税が唯一非常によかったと思われることは、主婦たち、それから女性たち、主婦でない女性もたくさんいますけれども、そういう人たちにとって政治が非常に身近になった。そしてまた、税制ということ、税金ということについて非常に考えるようになった。今は簡易課税とか帳簿方式とかそういうことについてだれでも――だれでもでもないかもしれませんけれども、相当数の、主婦連に電話を下さるような方はみんな知っている。非課税業者がいるということも知っている。それは非常にすばらしいことだと思うのですね。参議院の選挙でたくさんの女性議員が出てきた。さっき土井さんが嫌いだとおっしゃいましたけれども、やはりこれは時代の趨勢で、女たちが、暮らしと政治はつながっているということに目覚めて、そういうふうになってきたのだと思います。  それで、自民党の水野さんがおっしゃったのだと思いますが、一遍箱から出てしまったものを箱の中へ戻すことはできないのだ、私これは名言だと思うのですね。女たちは目覚めてしまったのです。衆議院の選挙でこうだったといろいろおっしゃいますけれども、それは時間が長くなりますから言いませんけれども、それはいろいろ試行錯誤はあるし、あのときは自民党が全力を挙げて焦点ぼかしをして抑え込まれたわけです。それと、衆議院と参議院という問題もあります。しかし、女性が目覚めて、ですから厳しい目で税制を見ているということ、そして、国会がこの税制をどういうふうな形で決めていくかということをやはり厳しい目で見ているのだ。納税者と言いましたけれども、本当のことを言うと、消費税は私たちは納税できないのです。預けたお金が行くか行かないかまでは確かめられない立場にいます。能力者じゃないのですね、納税する。自分が納めるということではないわけです。しかし、厳しい目でそれだけに見ているということをぜひお忘れなく。私は、箱から出てしまった女たちが――これからまだ選挙もございます、地方選挙もありますし、その先にはまだ選挙もあります、だんだんにこれは広がっていくということを申し上げて、回答させていただきます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)委員 どうもありがとうございました。終わります。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理 次に、山田英介君。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 きょう四人の公述人の方にお忙しい中を当委員会に御出席をくださいまして、まことにありがとうございます。  何点か御質問をさせていただきますが、まず主婦連合会則会長の中村さんにお尋ねをしたいのですが、暮らしの現場にあって消費税と接する、そういうお立場から一層忌憚のない生の御意見をお聞かせいただければと存じます。  問題の一つは、この政府提出の見直し法案の中身の一つに、飲食料品小売段階非課税というのがあるわけです。卸、流通の段階ではいわゆる一・五%の軽減税率、実際にこのような措置が講じられた場合に、何か総選挙を通してでも、丸々三%価格が飲食料品について引き下げられるのではないか、こういう期待感というか、そういう受けとめ方が私は多分にあったように思います。ということで、実際にこの一・五%の軽減税率の導入、小売段階非課税、こういう措置がとられた場合に、中村副会長は実際にそれが価格引き下げ効果というものにつながるとお考えですか、あるいはそうではないと考えておられますか。

中村紀伊主婦連合会副会長

○中村公述人 お答えいたします。  先ほどもちょっと申し上げましたけれども、私は、多少はあると経済企画庁も言っていますので、それはあると思います。しかし、ほとんどそれはどこへ消えてしまうかわからないのじゃないか。そして、末端非課税ですから、これは全部内税になってしまうわけです。今私どもは税制に目覚めた。レシートをもらうと三%、もちろん内税のものもたくさんありますから、私どもは税制の計算をするときには内税と外税を両方家計簿の中から計算して出しておりますけれども、しかし、一つのねらいは、内税にしてどれが税金だかわからなくなってしまう。そして、一・五、一・五と申しますけれども、輸送費その他は全部三%でかかってくるわけですから、かかったと言われても 私どもにはそれをどういうふうにも、流通過程での転嫁分をあれすることができないわけですね。そして、今恐れているのは、物価が上昇傾向にあるわけですね、日銀なども言っていますし。そういう意味で、この秋にはいろいろなメーカーが値上げ要求をしていると流通の方が言っていらっしゃいます。その値上げ要求とこういう問題とが重なってきたときに、内税になったら私どもはわからないままにごまかされて、そして便乗値上げを払わされていくのではないかというふうに考えております。そういう意味では、消費者にとってはこのやり方は選挙目当てのごまかしのやり方ではなかったかというふうに私は考えております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 もう一点お伺いしたいのですが、今の飲食料品小売段階非課税という措置、それからいま一つ、先ほど来またお話に出ておりましたが、入学金とか葬祭料とかあるいは非課税分野というものを拡大をしようと見直し案ではなっておるわけでございます。このような措置がとられたときに、いわゆる構造的とか根本的とか、極めて重大な消費税そのものが持つ欠陥というふうに言われているわけでございますが、所得の低い人ほど重い税負担を強いられるというこのいわゆる逆進性というものはどの程度緩和されるとお考えでございましょうか。

中村紀伊主婦連合会副会長

○中村公述人 お答えいたします。  私は、逆進性の緩和というものにはつながらないと思います。非常に、恐らくこれはあのときもうぎりぎりの三十一日までに大幅な思い切った見直しをすると言って、もう自民党の中で大変な議論をなさっていらっしゃるのをテレビで見ましたけれども、私は逆進性の緩和ということからは、余りつながるのはないのではないか。もし食料品を全部するのであれば、ゼロ税率にして全部するべきでなかったか。しかし、そうやってどんどん外していくと、一体公平、公正、簡素というのは、先ほど出ていましたけれども、それとほどうなってくるのだろうかということになって、だんだんに一部分の、すべてに広く薄くというそれがなくなってくるのではないかというふうに思います。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 もう一問、牛嶋公述人にお尋ねをしたいのですが、先ほど先生、御指摘を四点にわたって特になさいましたが、特に力を入れられました、強調されました点の一つが簡易課税制度についてでありました。この簡易課税制度について、今回の見直し案では触れられていない。あえてあるとすれば、それは政令委任事項に移すという点であろうかと思います。  そこで、私は常々この簡易課税制度というのについて、事業者の負担すべき税金をまけてやるという従来のやり方と全く形が変わってきているのではないか、新しい形のまけ方といいますか。といいますのは、企業なりがみずから企業活動の中で生み出したそのものに対して一定の税率、優遇税率を適用するなどしてまけてやる、これが基本的に今までのそういうことであったろうと思うのですが、今回の場合には、消費者が納税する、まあ預かって、それで事業者が納税義務者ということで納税する。ですから、そこには大きな、私どもが払った、あるいは一時預かってもらった形のこの税金が何で国庫に届かないのですかというこのレベル、その角度で非常に消費税というものがあるいは見直し案というものが、極端に言えばその一点においてでも国民の理解あるいは支持というものが全く得られない、そういうポイントだろうと思うわけでございます。それが一点。  いま一つは、簡易課税制度の適用を受けた事業者が、余りにも通常課税制度を適用された場合に比べまして有利過ぎる。これは、六十二年度の売り上げをベースにいたしまして、ある情報処理サービス会社が全国で六万六千企業、五億円以下三千万円以上の企業についてどっちがどのくらい有利になるかという試算をしているのですけれども、それによりますと、甚だしいのは、ある業界では平均事業者の納めるべき税額が四百十一万円と出ているわけですが、これを今度は簡易課税制度の適用を受けますとわずか百三万円で済んでしまう、実に四分の一の納税で済んでしまうという余りにも有利過ぎるというところがやはり国民の理解、納得を得られない大きなポイントだと思うのです。  そこで、もう時間がございませんのでお尋ねでございますが、政府は見直し案によりましてこれを政令委任事項にするというふうにしておりますけれども、仮に法律改正によらぬ閣議決定だけで済む政令委任事項に移したとして、こういう簡易課税制度の持つ特に二つのポイントについて解決されるのか、国民の理解と合意が得られるようなものになり得るのかどうか。私は、これは無理だろうと思うのですが、牛嶋公述人の御意見をお聞かせをいただきたいと思います。

牛嶋正名古屋市立大学教授

○牛嶋公述人 お答えいたします。  先ほど、簡易課税制度というのは小規模事業者に対する納税事務の軽減措置だというふうに私申しました。これについてはやはり各国ともいろいろな工夫をしているわけですが、先ほど申し上げましたように、その一つは、免税業者を設定するということ、それからもう一つは、簡単な納税方式を採用するということでございますね。ところが、日本の簡易課税制度というのは、今おっしゃいましたように納税義務者になるためにいわば補助金を出したような感じを受けるわけです。しかも、その補助金は消費者である担税者が納めた税から補助金が出されている、こういうふうな感じでございますので、非常にこれまでの小規模業者に対する取り扱いと異質なものであるというふうに思っております。ですから、この問題は、その控除するときのパーセントをどういうふうに変えても、やはり問題としては残る点であるというふうに思っております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 ありがとうございました。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理 次に、正森成二君。

正森成二日本共産党

○正森委員 短い時間でございますが、きょうの公述人の中には、民主主義の観点から非常に注目すべき意見が幾つか出ましたので、それについてまず伺わせていただきます。  河野公述人に伺いますが、衆議院選挙の結果に触れられて、言葉どおりではございませんが、自民党が安定多数、勝利したのは国民の民主主義的な判断力が高まったと思うという意味のことを言われまして、世論は今七対三で、廃止にくみする者は三で、七の方は見直しが圧倒的であるというように言われたと思います。  しかし、参議院選挙で野党が勝ちました後、十二月六日に参議院の税制改革の特別委員会に同じように公述人として出席されましたね。その中の公述を見ますと、「何か話を聞いていると、最近は、七月二十三日の参議院選挙の結果、国民の意思は廃止論に決まったんだから、それに盾突くのは民主主義のルールを誤っておるというふうな話で、何やら水戸黄門の葵の御紋みたいな話になっていて、そこですべて判断中止ということを言われる方がかなり多いと思う。それは承服できないんです。」こう言って、「何も争点が消費税だけにあったわけでもなく、日本は国民投票をやったわけでもありませんから。国民投票をやったなら一票でも勝てば、それはそれですべて万事決着ですけれども、スイスと違って日本ではそういうシステムがありませんから。いろんな問題が討議されて、自民党が惨敗して社会党が勝ったということは事実ですけれども、しかしそれがイコール国民の意思が廃止であるからそれに盾突くのは民主主義のルールに反するという議論は全くいただけないと思う。」こう言っておられますね。  そうすると、参議院で野党が勝ったときにはこういう議論だ、今度は衆議院で与党が勝ったときも同じ議論が言えるんじゃないですか。そうしたら、見直しに盾突くのはおかしいなんという議論はないとか、あるいは自民党が勝ったとしてもそれで消費税が支持されたわけじゃない、現に小沢幹事長などは、争点は消費税ではない、体制選択だ、こういって言われたのですからね。だから、参議院の公述人としての御意見と、きょうの御意見との整合性について伺います。

河野光雄経済評論家

○河野公述人 簡単なことなんですね。私が選挙 民の意識が成熟したということを申し上げたのは、去年の四月ごろの新聞、テレビを見てください。どういう報道がこれに行われていたか。特に新聞を見たら、あしたから戦争が起こるような新聞ができていますよ、テレビも。あの中であれだけ扇動されて、それで七月選挙でしょう。それは冷静な判断は僕はできなかったと思いますよ。しかしその後時間がたって、実際にやってみて、欠点もわかったけれども、ああこういうものかというのがわかってきて、それで今度の総選挙を迎えたということだと思うのですね。  さらに、遺言というのがありますね。あれも毎年更改する人がいるでしょう。新しい方が有効なんですよ。やはり新しい時点での国民の意識というものは、流れがはっきりとしているということは投票結果でも世論調査でも、先生もおわかりのようにはっきり変わっている、私はこう思います。

正森成二日本共産党

○正森委員 遺言の例をお出しになりましたが、遺憾ながら私も弁護士でございますから、そういうことはよく知っているんですけれどもね。遺言というのは、同一人間が書いた遺言について、それは新しい期日の方が有効なんですけれどもね。事は、参議院と衆議院という全く独立した院なんですよ。参議院にとっては、次の審判が下るまでは自分たちは、自分が公約したことを、それによって選出された国民の意思というものを尊重する義務があるんですからね。だから、直ちにそれには当たらないというように私は思いますが、公述人でございますから、あなたと失礼な論争をしようとは思っておりません。  次に、小早川公述人について伺います。  あなたもなかなかユニークな御意見で、まず第一に、廃止法案は内容がないので意見を言えないということを冒頭に言われましたね。しかし廃止法案は内容がないんじゃなしに、消費税という野党から見て悪い法律を廃止するという内容が立派にあるんですよ。内容がないと言うなら、あなたの真意を考えるなら、代替財源がないということを内容がないというように表現されていると思うのです。そうだとすれば、昨年の参議院で二カ月にわたって熱心に審議されたときはいかがでしたか。今中村公述人がいみじくも言われたように、自民党の答弁は、全部、いろいろ欠点はありますが、我々は抜本的見直しをいたします、その一点張りで、しからば見直しとは何ぞやということについては、国会で審議されている間は何にも出さなかったんですよ。あなたはそのときにやはり公述人に来ておられますが、そういう点は全く指摘しておられませんね。それは自民党推薦だから無理もないと思いますが、公平、公正の観点から見たらいかがでしょうかね。私はそう思います。  待ってください。もう一つ質問があります。  それからもう一つ、あなたの御意見において黙視することができないのは、反対が多ければ多いほど、反対が強いほどその制度は正しいと思うということを言われましたが、これはどうやらあなたの御持論のようですね。参議院に十二月にあなたは出てきておられますが、そのときにも、単独講和の決定だとか安保改定のことを言われて、「国論といいますか世論といいますか、それが大反対いたしたときは、その反対」つまり大反対の反対ですね、「その反対の方が真実であるんじゃないかという気がしておるんです。」こういうように言うておるんですね。  あなたの信念としてそういうことを言われるのは御自由ですし、過去を顧みてそういうことがあり得るということもわかりますが、一般的にこういうことを言われるというのは、これをフューラー意識というのですね。指導者意識で、それで、おれが正しいと思うから世論が何ぼ反対しよっても後で証明されるんだ、昔ヒトラーという人がそういうことをよく言っていたのですよ。ですから、あなたのこの意見と現代の民主主義とどう合致するのか、その二点を承りたい。     〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕

小早川新福岡県久山町長

○小早川公述人 最初は何でしたかな……。(正森委員「見直し法案を出さないと内容がない、こう言っているのです」と呼ぶ)はい。今、現実に法律がございます。それが施行、実行されておるわけですね。それを変えるというならばすぐ変えられるのですけれども、廃止して、そうして、後はまだそれからいろいろなことを考えて、国民税制協議会か何か知りませんけれども、そこで審議して、そこで審議された法案が出てくるかと思っていましたけれども、法案でございませんね、意見でございます。ですから、それからまたそれを法案にしなきゃいかぬ。これはいつのことやらわからぬわけですね。いまだかつて、協議会でまとまったことが国会で採用されたことは余りないような気が私はするのですよ。ですから、代替的な法案ができるのはいつのことじゃろかと、こういう気もしますから、廃止されたらすぐ別なことをやっていただかぬと、それまで地方自治体あたりは、まあ総額においては十億円ずつやっておくぞということでは、私たちもあてがいぶちの行政はしたくない、はっきりとやっていただきたい、これでしっかりやれと。今、高齢化社会を迎えましていろいろなことを、年寄りのことやら全部これは地方自治体、私たち市町村がやらなければならないと覚悟しております。ですから、しっかりやっていただきたい、はっきりしてやっていただきたいという意味でそういうふうに申し上げたわけでございます。  それから、ヒトラーじゃございませんけれども、私は、過去にさかのぼって歴史を見て判断しよるわけです。今それを、だからおれがやることが正しいと言っておるのじゃございません。過去を振り返ってみて、いろいろな歴史的な事実がございました。そのときの反対それから賛成の議論を見まして、現実にずっと見てみますと、十年、二十年の歳月の後には、全部そのときの大反対の方が正しかったという事実があるということを申し上げておるわけです。もう国論が沸騰したときに押し切ってでもやった、そのことが今日の国家を繁栄させておった事実は紛れもない事実なんです。ですから、そういう歴史的な観点を言っておるわけであって、私がヒトラーになりたいと考えて言っているのじゃございませんので、あしからず。

正森成二日本共産党

○正森委員 私は、たまたま昔ヒトラーという人がそういう意見だったと言うているだけで、あなたがヒトラーだなんて、そんな失礼なことは言っておりませんので、誤解のないようにしていただきたいと思います。  それから私は、一概に当時の国民の多くの意見に逆らったということはすべて間違っているというようなことを言っているわけじゃないのですよ。我々は戦前に侵略戦争反対と叫びましたが、それは当局の意向もあって多くの賛成は得られませんでしたけれども、それは正しかったと証明されておりますし、我々はそう思っております。けれども、そのこと一般論で消費税の問題に押しつけていくということは論理の飛躍があるということを御指摘したかっただけなんです。  それから、中村さんに伺います。  主婦の声を反映されて、あなたのおっしゃったことには私はほとんど全部賛成でございます。特に、国会が審議が始まったばかりなのに何か協議機関というようなことで、そちらの方に行こうとしているのは不信の念を覚えざるを得ないと言われましたが、ごもっともな点でございます。けれども、念のために申しておきますが、あなたがマル優もいつの間にか知らぬ間に導入されてしまったと言われたあの議長あっせんに基づく協議機関には私どもは入っておりませんし、入れてくれなかったと言う方も正しいかもしれませんが、したがって、その責任はないわけで、これからも審議を尽くしますし、万々が一そういう協議会がつくられるときには、オープンな国会の正規の機関で、国会を構成するすべての政党が国民の前でガラス張りに論議されるようなものでなければならないと思っていることを申し上げて、残念ながら、もう小さな党で時間が尽きまして、隣の人が待っていますので、終わらせていただきます。どうも。

山崎拓自由民主党

○山崎委員長 次に、中井洽君。

中井洽民社党

○中井委員 民社党の中井でございます。  公述人の皆さん、御苦労さまでございます。十分間という時間でございますので、簡潔にお尋ねを申し上げます。  最初に、河野さんにお尋ねをいたしますが、河野さんのお考えでは、今回の見直し案、消費税全体から考え、あるいは税体系全体から考えれば食料品の小売段階での非課税、こういったことはやらなくてもいいじゃないか、それの方が税として堂々としたものになっておるじゃないか、このようにお考えですか。

河野光雄経済評論家

○河野公述人 私はそう思います。しかし、ヨーロッパみたいに基本税率が十数%の国であれば、政治論もあって五、六%に食品を変えるということは大いにあり得る話だと思いますけれども、日本は三%ですから、だから本当はああいうことはやらなかった方がよかったと私は思いますけれども、それは政治の話ですから……。

中井洽民社党

○中井委員 牛嶋先生にお尋ねをいたします。  先ほど四つの項目に分けて、税の基本的なところから消費税についてお話がございました。一番に、広く薄く、こういうお話がありました。非課税をふやせばふやすほどこの導くというのがおかしくなってくる、こういうお話がございました。私どももそのとおりだと考えております。そういう観点から、今の政府の見直し案、食料品を最終段階で非課税にする、このことは少しおかしい、廃止であるというお立場はよく承知しておりますが、見直しということに関して食料品の最終段階非課税についてどのようにお考えでしょうか。

牛嶋正名古屋市立大学教授

○牛嶋公述人 そういった食料品に対する税を減税する方法としましては、今回自民党がとりましたように小売段階だけで非課税にする、そうしますと、それまでの段階では課税されていくわけで、しかも、そこに一・五というふうな新しい税率を入れてきたわけですね。これは、一つには逆進性をできるだけ調整するための措置だと思うのですが、ヨーロッパの国々を見ましても、逆進性の調整にはいろいろな方法をとっております。  一つは、フランスとか、西ドイツもそうですけれども、複数税率で、標準税率を設けて、そして軽減、それから割り増し税率というふうに組み合わせてやっておりますが、これは税構造は非常に複雑になっていきます。もう一つの方法は、イギリスなどで税率は一本にしておいて、そのかわりに個別消費税なんかで、奢侈財については、これは従来の物品税ですね、そういうふうなものでカバーしていくという方法をとっていますね。  最初の出足では一番簡素な税体系でいくのだということをおっしゃいながら、今回の措置というのは非常に複雑にするわけですね。税率が二本になるということと、しかも、イギリスがやっているような小売段階でゼロ税率を適用するというふうなことでもない。そういうことで私は、今もおっしゃいましたように、税率がもともと三%ですから、この範囲の中でいろいろな複数税率をつくるのは、税制を複雑にするだけじゃなくて効果として余り期待できないというふうに思っております。

中井洽民社党

○中井委員 小早川さんにお尋ねをいたします。  独自の御信念で、さすが二十数年地方自治体を預かられた、心から敬意を表します。そういう観点から、自民党がうろうろと、信念を持ってやったやつをすぐ変えるとは何事だと、こういうお話をおもしろく拝聴いたしました。  小早川さんのお預かりになっていらっしゃる町におきましては、この消費税が導入されて直ちに公共料金にすべて転嫁をなさったのか、転嫁なさったとしたらどのぐらいの負担増におなりになっておられるのか、こういったところをちょっと地方自治の立場からお聞かせをいただきます。

小早川新福岡県久山町長

○小早川公述人 私の町は小さい町でございますから、転嫁しようにも転嫁すべきものがなかったのですよ。ただ、何ですか、し尿くみ取り料とか、ああいうところへはしませんでした。(中井委員「しなかった」と呼ぶ)はい、しなかった。何といいましても、さっきの簡易課税制度とか免税とかありましょう。ですから、業者の人に言ったのだけれども、それをやると、あんたたちは納めぬとじゃから、納めぬやったらそこでちょんぐったと言われるで、それだからもうこっちもやらぬかわりに値上げもしなさんな、こういう形でやらせていただいたわけでございます。今日ではずっとやるようにしていますけれども、その当時はそういうふうにやりました。それで、上ぐる上げぬですったもんだがありましたけれども、皆さん方がみんなからちょんぐったと言われたら困ろうがと、わしたちもそんなこと言わしたくないし、やっぱり自信持ってやっていただかなければいかぬ、そういうふうな対処の仕方をやったわけでございます。

中井洽民社党

○中井委員 中村公述人にお尋ねをいたします。  お話がございました消費税導入における国会の論議のやり方、決め方、大変おかしい、私はそのとおりだと思います。同時にまた、消費税を導入されてそれで衆議院、参議院選挙が行われて、女性の方がとにかく政策で判断をする、しかも大事な税制ということを考えるようになった、これは大いに評価すべきだ、これらのお考え、私全くそのとおりだ、このように考えております。その結果、まず参議院では野党が圧勝、私ども民社党なんかぼろ負けをいたしたわけでございますが、衆議院でも票数的にはちょうど半々、だけれども議席的には定数是正してありませんし、格差是正ができていませんから自民党さんが圧勝、こういう状況。  私どもはそういう前回の反省に立って、今大変な審議をいたしておる。与野党とも法案を出してこういう形で審議をする、これは本当に国会としては大いなる進歩だと考えております。しかし国会でありますから、どこかで結論を出していかなければならない。この結論は、政党の枠で投票を縛っていますから、衆議院では私どもの廃止法案が否決、参議院では自民党の見直し案が否決される。このことはもうわかっているわけです。国民の皆さんもおわかりであろうかと。したがってその先をどうするか。今の情けない消費税が残っていくということだけは避けたい、こういった形で、できたら与野党でオープンな論議をしながら結論を出していこう、こういう方向を模索しているのも事実でございます。  先ほどから大変それに対して、裏取引あるいは国民の見えないところでやる、御批判がございました。私どもは、それをされるとまた民社党だけ負けるのと違うかと、大変実は情けない思いで聞かしていただいております。私ども国会は国会として、本当に真剣にこれを話し合って少しでもましな形にしていこう、あるいは廃止できなくても廃止に近い形での見直しをしていこう、こういう姿勢をとろうとしておりますが、なかなか御理解いただけないものかどうか、お聞かせをいただきます。

中村紀伊主婦連合会副会長

○中村公述人 お答えいたします。  やはりみんなじっと見ているんですよね。非常に関心が強いんです。普通だったら見ないような消費税の、あしたもNHKであるようですけれども、そういう番組を非常によく見ているのですね。そして、どういう党がどういう動きをなさったかということも主婦たちが非常に見ています。ですから私は、わかりやすい論議をして、そしてガラス張りで、どういうことでどうなって、どういう結果が出たか、そして国会の各党の方々が、国民にとって今の日本の国民生活の中で本当に公平な、そして一番いい方向、それはどういう形であるかということがみんなにわかる形で決めていただかないと、やはりいろいろな批判が出る。私はいろいろな選挙を見ておりまして、非常によくみんなが見ているのだ、世の中変わってきているということ、今までどおりの選挙のやり方では先生方お勝ちになれないのじゃないかということ、時代が変わってきているということをお考えいただかないと、古い体質のやり方ではやりにくくなるのじゃないかということを申し上げたいと思います。

中井洽民社党

○中井委員 ありがとうございました。

山崎拓自由民主党

○山崎委員長 これにて午前の公述人に対する質疑は終了いたしました。  公述人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四分休憩      ────◇─────     午後一時開議

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理  休憩前に引き続き会議を開きます。  委員長所用のため、その指名により私が委員長の職務を行います。  この際、御出席の両公述人に一言ごあいさつを申し上げます。  両公述人におかれましては、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。審査中の各案に対する御意見を拝聴し、審査の参考にいたしたいと存じますので、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、御意見は、まず大島公述人、次に山本公述人の順序でお一人十五分程度お述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  また、公述人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。  それでは、大島公述人からお願いいたします。

大島隆夫税理士

○大島公述人 ただいま御紹介いただきました大島でございます。  私は、消費税は高齢化社会における財政需要を満たすためにどうしても必要な税金である、また公共サービスの便益を享受する国民がそれを賄うための費用の一部を薄く広く負担するということは、これは公平原則から見ましても理に合ったものであると考えます。したがいまして、消費税は所得税、資産税と並ぶ税制の三本柱の一つである、かように考えております。  消費税の欠点として逆進性が指摘されているわけでありますけれども、消費税はその問題点をはるかに超える重要な、積極的な存在意義があると思うのであります。ただ、一口に消費税と申しましてもその仕組みにはいろいろのタイプがあり得るわけでございまして、薄く広く例外なしというのも、これは一つの考え方でございましょうし、そうはいっても食料品などには課税すべきではないんだというのも、これは一つの考え方であろうかと思います。今回の見直し案はそのうちの後者の考え方によっているわけでありますけれども、このどちらをとるかということは結局は国民の意向を酌みながら決定すべき問題でありまして、これは算術の問題ではありませんから、一方が正しければ他方は誤りなんだというような筋合いのものではないわけでございまして、したがいまして、見直し案が出されたからといって現行法が欠陥税制であるというのは当たらない批判ではないかというように思っております。  それでは、見直し案は国民生活に一体どんな影響をもたらすかを見てみますと、第一の影響は物価が低落するということであります。見直し案の眼目は食料品課税の軽減でございますが、課税されている食料品小売商の価格構成要素を、仕入れ価格が七五%、運送費、包装費などの管理費が五%、人件費、マージンが二〇%といたしまして、見直し案による小売価格の値下がり率を試算いたしますと一・七%強ということになります。もちろん、今の価格の構成要素というのは一つのモデルにすぎませんし、また物の値段というのは算術の答えを解くみたいにぴしゃっと決まるわけのものではございません。しかし、自由経済が働きます限りは、大数観察的な傾向としてはこんなところに落ちつくのではなかろうかというように思われます。  この試算に対しては、たった一・七じゃないかとこれを評価しない向きもありますけれども、一・七という数字自体はなるほどいかにも小さいように感じられますが、これは正しくは、消費税によって三%値上がりがあったわけですから、その三に比べて一・七という意味合いでございまして、したがってその割合は六〇%と非常に高い数値であります。これを本体の一〇〇と比較して一・七は小さいじゃないかという議論は、これは当たらない議論であるかと思います。  なお、今のは課税業者を前提としてお話しいたしましたが、免税業者の存在を考慮に入れますと全体としての値下がりは一・七より確かに小さくなります。しかしこれは、免税業者を含めますと消費税による値上がりがそもそも三%には達していなかったんだということの反面でございます。  今回の見直し案は、もちろん食料品だけではございませんので、他に新たに非課税になったもののことも考慮する必要があるわけでございますけれども、これを考慮に入れまして企画庁は値下がり率を〇・四と試算しておりますが、この数字は、消費税創設当初企画庁が試算いたしました値上がり率一・一に対する数字でございます。一・一のうち〇・四が下がるという意味でございます。  見直し案の効果の第二は、消費税の逆進性を緩和するということであります。総理府の家計調査をもとにして推計いたしますと、勤労者標準世帯の場合、全家計支出のうちに見直し案によって新たに非課税となる品目に対する支出の割合は、第五分位、つまり収入の高い方から数えて五分の一の世帯ですけれども、ここでは一四・九%でありまして、収入の低い方の第一分位は二五・七%であります。所得の低い方の階層がずっと高いわけですから、見直しによる負担軽減は低所得者の方が大きいのでありまして、消費税の逆進性はそれだけ緩和されることになるわけであります。  ここでさかのぼって、現在の消費税の逆進性というのは一体どのくらいかということでありますが、今の統計から推計いたしますと、見直し前でも第五分位の負担率は第一分位よりも、つまり所得の高い方の負担率は低い方の負担率よりもせいぜい〇・五%少ない程度でありまして、もともと逆進性といっても極めて軽度のものであったわけであります。見直しによりましてそれがさらに縮小するわけであります。一方、所得税の負担率は第五分位が第一分位よりも、所得の高い方が低い方よりも一〇%高い強い累進性を持っておりますので、あわせ考えると税制全体としての累進性は極めて顕著でございます。税制はそもそも、その長所短所をあわせ持った各種の税目を組み合わせて全体としての合理的体系ができ上がるのでありまして、消費税のささいな逆進性だけを強調するのはやはり片手落ちではないかと考えるのであります。  第三に、見直し案に対しては消費税の仕組みを複雑にしているという批判が見受けられるのでありますけれども、全体の仕組みとしては多少複雑な面がないとは申しませんけれども、消費者はもちろんのこと、個々の事業者にしてみましても、自分の関係する範囲に限ってみますと別に複雑というほどの問題もないはずでありまして、何も国民全体が税法学者になって税法全体の仕組みに精通する必要は少しもないわけでございますから、この複雑だという批判も当たらないのではないかと考えております。  次に、食料品を全段階非課税とすべきじゃないかという批判もあるわけでありますけれども、しかし、全段階非課税といたしますと、業者間取引における転嫁や値決めが難しくなる。中小業者に勢いしわ寄せが来るというようなおそれがありますし、また値下がり効果からいいましても見直し案の方がすぐれていると考えられます。また、詳細は省略いたしますが、全段階非課税といたしますと、レストランなどの料金が現在よりはかえって高くなってしまう。それから、国産食料品が輸入食料品より高くなってしまってバランスを欠くといったような問題点があることもつけ加えておきます。  見直し案に対する批判の大きなものの一つは、 消費者が支払った消費税が必ずしも国庫に届かないという問題が解消していないという点でございます。この点については、税制改革法によって見直し自体は既に法律で決まっております。また、見直し案では簡易課税制度のみなし仕入れ率を政令事項とするなど、既に改正の布石は打たれております。あとはその具体化が早いか遅いかというだけの違いでありますけれども、ただこの点について注意すべきことは、よく国庫に届かない金額が四千八百億だというようなことが言われておりますけれども、これは簡易課税制度による減収額を試算した数字でありまして、それは業者の手元にとどまる部分と、それからそれだけ値上げが抑制されて消費者の利益になっている部分とに分かれているわけであります。したがって、こうした制度を廃止いたしますと、消費税は増収となって国は利益を受けますが、消費者にとっては経済的には決してプラスとは言えないわけであります。また、零細業者の納税コストが増大して、この面から物価が上がるおそれもあります。こうした点を考えますと、簡易課税制度の見直しはやはり慎重を要するのではないかと思います。  いずれにいたしましても、この議論は本質的に消費税の見直し論でございまして、消費税の否定論にはつながらないわけでありまして、こうした問題があるからといって消費税を廃止せよというのは、やはり議論として筋が違うんじゃないかというように考えます。  なお、見直しは慎重を要すると言ったわけですが、卒然たる感じとして申しますと、私は簡易課税制度の方は縮小すべきだと思いますけれども、免税点の方は、行政効率などから考えましてこれを縮小することには余り賛成でないということでございます。  以上のように見直し案にはいろいろの効果もあり、またこれに対する批判は必ずしも当を得たものと思われませんので、私は消費税法改正案に賛成するものであります。したがいまして、またその廃止法案は基本的に反対であるばかりではなく、今回の廃止法案には恒久的税制についての具体的なイメージがないわけでありまして、大きな致命的な欠陥であると考えます。  税制再改革基本法も、多少具体的なことは納税者番号制を検討するということぐらいでありまして、あとは挙げて国民税制改革協議会の調査審議にゆだねているわけであります。時間の関係で省略せざるを得ないのでありますけれども、この協議会にも実はいろいろと問題点があるのではないかというように考えます。協議会によって全国民の国民合意を得るというのは、理念的には結構なことだと思うのですけれども、さてその実行になりますと余りにも問題が多いというように思うのであります。  消費税を導入いたしまして既に一年有余がたつわけでありますが、当初の多少のざわめきもおさまりまして、消費税は次第に国民生活に定着している。初め、インフレあるいは転嫁困難だ、あるいは消費不況が来るぞというようないろいろの警告がなされたわけでございますけれども、これらは全くの杞憂に終わったと考えます。また、当初よく指摘されました年金生活者の生活が圧迫されるという点につきましても、年金のスライドアップとかあるいは年金の五年に一回の見直しであるとか、さらには年金減税などによりまして年金生活者は消費税の負担を上回る給付を受けているわけでございまして、この点につきましても何の問題もないわけでございます。  彼此いろいろ比べまして慎重に検討いたしまして、やはり消費税を廃止すべき理由はどこにもないんだというのが私の結論でございます。  どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理 ありがとうございました。  次に、山本公述人にお願いいたします。

山本守之税理士

○山本公述人 税理士の山本でございます。  私は、消費税に関しまして一昨年、昨年と全国を回りまして、主として税理士、公認会計士、弁護士そして実務担当者の方々を対象とした講習会の講師として延べ約三万人の人たちと接触をいたしました。きょうは、一納税者として、そして現実に計算機をたたきながら消費税を計算をしなければならない職業会計人の一人として、その立場から意見を述べてみたいと存じます。  まず、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案についての意見であります。この法律案の中心になる部分というのは、何といっても飲食料品の流通過程における特別低税率及び小売段階での非課税ということであろうと思います。  そこで、まず農家の立場で考えてみたいと思うのでありますが、今仮定の数値を与えてみました。例えば農家が、種などいわゆる低税率の適用がされるものが仮に三百円ある、そして農機具など通常税率が適用されるものが九百円あるという場合に、利益と人件費を六百円見込んで売り値を千八百円で売ったと仮定をいたします。仕入れ段階での税は三十一・五円、そして売り上げにかかる消費税は一・五%でございますから二十七円、そうすると、計算上は四・五円の還付ということになるわけでありますが、御承知のように農家の九九%は免税業者であります。この四・五円の還付を受けるために煩雑な事務を覚悟して課税業者になって還付を受けるということはちょっと考えられないと思います。そうなってくると、その部分が国にとどまったまま回転をしていかないという問題が出てきてしまう。逆に言うと、よく事業者が懐に残して国庫に納まらないという話がありました、逆の効果がそこに一つ出てくる可能性がある。  さらに、じゃ小売業者は一体どうなるんだろうか。こういうふうに考えてみました。パネルございますか。パネルを用意してあります、ちょっとごらんいただきたいと思うのでありますが、今、小売業者が仕入れ二千七百円、運賃・包装費など六百円、そうしますと、仕入れの税は五十八・五円でございます。利益、人件費を九百円見込んで四千二百円で売った。従来の形であれば、つまり現行であれば四千二百円に税百二十六円を加えて四千三百二十六円で売ればいいわけでありますが、非課税でありますから、この税を取るわけにはまいりません。そこで従来どおりの利益を確保したければ、本体価格を五十八・五円値上げをしなければならぬということですね。ところが、物を売る段階で製品あるいは商品一個当たりの流通過程にかかわる消費税が幾らあるかということを現実には計算できないだろうと思います。  そうなってくると、いわゆる現在の免税業者と似た形になりますね。仕入れにかかる税は負担する、売り上げに税は取れないということになりますと、あの計算どおり五十八・五円という価格をどうするのか、実際に計算機をたたき商売をしていく人たちと接触している私としては、非常に頭が痛い問題というのが出てくるわけであります。  ここで考えなければならないことは、免税業者も含めて三%の消費税を転嫁するという、いわば一種のカルテルを認めた段階では、仕入れにかかわる税が現実に計算できないということで三%の転嫁を認めるということになったのでありますけれども、同様の形が出てくれば、減税ということが即消費者の支出減にならないということなんですね。つまり、もともと間接税の減というのは消費者の支出減に直接ぴたっとつながらないという側面を持っている。この辺は、私がこの改正案で大変危惧をしているところであります。さらに飲食料品の定義は一体どうするんだ、小売販売場の定義はどうするんだという問題がありますが、現行の消費税の中で卸売業とは何かということで毎日頭を痛めていた私にとっては、さらに大きな宿題を課された感じがするわけでございます。  さらに、その他の非課税の問題が出ておりますが、時間がございませんから一点だけ申し上げてみたいと思いますが、住宅の家賃が非課税ということになります。この住宅の家賃が非課税となることによって、場合によっては新築の家賃は上がるんだろうと私は思っております。当然その新築にかかる税というのは、今一つ例をとってみますと、仮に三千万円で住宅を買った、そうしますと九十万円消費税を負担するわけでございます。こ の住宅を年間百二十万円で貸し付けて、消費税三万六千円を預かった場合に、現行の場合であれば課税業者である限りは仕入れの消費税九十万円と売り上げの消費税三万六千円の差額八十六万四千円は、申告さえすれば還付になるわけであります。ところが今度は家賃が非課税ということになりますから、その分はコストとしてかぶらにゃならぬ。ということになれば、家賃を値上げしなければこれは回収できないということになります。何となく非課税が減税で、特別低税率が一部の減税だという間違った考え方が多少あるようでありますけれども、この税の仕組みの中からいくと、非課税がそのまま物価の減につながる、あるいは家賃の減につながるということにはならないということをぜひとも御理解をいただきたいと思います。  次に、今度は仕入れ税額控除の制限の問題でございます。実は、我が国の消費税を構築をするときに、我が周の消費税というのは事業者の負担ではなくて最終消費者が負担するというように説明をされてまいりました。しかし、EC諸国の付加価値税は必ずしも最終消費者となるのではなくて、最終消費が負担するわけであります。最終消費者が負担するのか最終消費が負担するのかというのは、これはスタンスのとり方としては大きな違いがございます。よく出てまいりますが、例えばサラリーマンが三百五十円のコーヒーを飲んだ、そこには消費税が含まれておりますから三百五十円負担しているわけであります。企業が三百五十円のコーヒー代を支出したという場合には十円、つまり三百五十円の百三分の三は税額控除できるわけでありますから、三百四十円のコーヒー代ということで一物二価が生まれているわけですね。これは今回の見直し案の中で交際費についての控除を認めない、それから乗用車等については二分の一ということでありますが、いわゆる最終消費が負担するというEC諸国の、例えばフランスの立場に立ってみれば、サラリーマンが出張してJRに乗ってもタクシーに乗っても、それは最終消費でありますからこれは税額控除をさせないというのが当然であります。イギリスの場合は、いわゆるカンパニーカーについては例外があるわけでありますけれども、つまり消費税を構築する際に一体だれが負担するのかということがとらえられた上でこの税が構築されていたのかどうか、率直に申し上げてやや疑わしいというふうに私は思っております。  そのような意味で、この消費税の改正案自体かなり問題があるわけでありますが、もう一つ、簡易課税についていわゆる政令委任をしているわけであります。簡易課税がさまざまな不合理を呼んでいることは御承知のとおりでありますけれども、確かに納税者の事務負担を考えながら簡易課税をとっている国は、日本だけではなくて諸外国にもあります。例えばドイツにもあります。しかしドイツは、御承知のように十万ドイツ・マルク、約七百万円の売り上げの人たちに対して適用するごく一部のものであります。それでも連邦統計局の統計に基づいて五十数業種の控除率を振り分けている。そして法律自体に、この簡易課税をやった場合と原則課税をやった場合と負担が不均衡にならないように配慮しなければならぬという規定が置かれているわけであります。ところが我が国の場合は、現行では八〇%と九〇%。したがって、極めて不公平が出るのは当然のことであります。問題は、この見直しの今後の推移でありますけれども、もし七〇%一つぐらい入れて見直すということになって、これがいわゆる公平につながるということであれば、これは私は率直に申し上げて見直しの名に値しないというふうに思っております。もともと簡易で公平な税なんていうのはあり得るはずがないわけでありまして、簡易にすれば不公平になる、それから公平にしたいとすれば複雑になるわけです。どこで割り切りをするかということでありますが、現行の、あるいは今度の見直しも含めて、消費税はやや公平を犠牲にし過ぎた嫌いがあるのかなという感じを私は持っております。  次に、いわゆる定着の問題であります。消費税が定着したと一般的によく言われているわけですが、問題は、定着って何なんだろうかという意味であります。いわゆる苦情が少なくなった、あるいは申告書の提出あるいは納税の水準が高いということが定着だと定義するのであれば定着という言葉に私は何も申し上げることはございません。もともとこの税は、強行採決というメスをもって帝王切開した月足らずの子ということであります。したがって、つまり保育器に入れながら大事に育ててきたわけでありますけれども、執行面では他の税に見られないような親切行政が行われたわけですね。例えば十月二日の簡易課税の届け出というのはおくれても理由を聞きながら受理してくれる。つまり苦情が出ないということについては、執行上極めて弾力的に運営されたことが、出てこなかったものの、少なくなったことの一つだろうということであります。もちろんこれは法令の規定によるということじゃなくて、税法の趣旨を踏まえた上で弾力的に行ったという部分が相当あるわけであります。結局、仮に法令どおりの執行が行われて、そして納税者がどう反応するかということを見るのであれば話は別。それから、定着というのが消費者や納税者の理解と納得を得たという意味で申告がなされ、さらにスムーズな展開がなされているというのであれば定着という言葉を私は受け入れたいと思いますが、現在の定着という水準の中には、言葉の中にはそれを私は見出すことができないわけであります。したがって、定着ということを前提とした見直しというのは極めて危険があるというふうに申し上げておきたいと思います。  以上でございます。(拍手)

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理 ありがとうございました。  以上で公述人の御意見の開陳は終わりました。     ─────────────

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理 これより公述人に対する質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。工藤巌君。

工藤巖自由民主党

○工藤委員 大島先生、山本先生、お二人の公述人には、土曜日の午後にもかかわりませずおいでいただきまして、貴重な御意見をちょうだいいたしました。まことにありがとうございました。まず厚く御礼申し上げます。  さて、お伺いしたいことでありますが、大島先生からいろいろなお話いただきまして、極めて明快な御意見で、共感を覚えながら拝聴しておったわけでありますが、時間の関係で国民税制改革協議会の問題点についてちょっと話しすることが足りないというお話でありました。これは設置一年後をめどに報告をするということになっており、その前提には、納税者番号とか資産課税あるいは個別間接税の整理合理化なども含んだもの、さらにはサービス、流通への適正課税といったようなことも含んでいるわけでありますから、これについて一体一年でできるのだろうかということは大変疑問に思うのでありますが、そのことについて若干の補足をいただきたいと思います。

大島隆夫税理士

○大島公述人 お答え申し上げます。  私が、税制再改革国民協議会でございますかにつきまして疑問を持ちましたのは、これは国民合意のためということ、法文からは外れているようでありますけれども、提案理由の説明で入っているようでございますけれども、この場合に消費税というのは初めから一体選択肢から外して協議をなさるおつもりなのかどうかということがまず基本的に疑問なわけでございまして、もしこれを外すのだといたしますと、何割が賛成しているか、国民の何割が賛成しているかは、これは大変角が立ちますので数字は申し上げませんけれども、相当の者が、国民が賛成であることは事実でございますから、それを初めからオミットしてしまうとこれは大変片手落ちでございます。もしこれを入れるということになりますと、協議の結果やはり消費税がいいのだ、あるいは消費税に類似したEC型の付加価値税がいいのだというような結論に 仮になったといたしますと、これは物品税から消費税それからまた物品税それからまた消費税あるいは付加価値税というように右往左往しなくてはならぬという大きな問題があるわけでございます。私、結論として、その協議会の結論を得た後で消費税を廃止するなら廃止するというのならば一歩譲って意味があろうかと思います。  ちょっと御質問から外れてしまいましたが、それから、一年でできるのかという問題でございます。これも協議の内容でございますが、仮に物品税というようなことになるといたしますと、四党側も今の物品税が公正なものだとはお考えになっていないと思うのですけれども、ではどうやれば、どういうふうにしたら公正な体系ができ上がるのか。昨年の参議院で御提案になりましてから今回の国会まで半年ぐらいあったわけでございますけれども、その間もし現在の物品税に不公平があるとお考えなら、少しでもその改善のための協議をなすったのではないかと思うのですが、結論を得ていないというのは、万人が納得するような物品税体系ということがいかに困難なことであるかということをそのまま立証しているように思います。  それからまた、一年で結論が出たといたしましても、その結論が仮に納税者番号というようなことでございましたら、この納税者番号を実施するまでにまた大変な準備と手間が要るわけでございまして、私二年と申し上げたいのですけれども、国民年金との調整などを考えますと四、五年はかかる可能性も考えておかなければいかぬのではないかと思います。そうしますと、暫定案として言われております物品税とか法人税の四〇%維持とかいうようなことが二年や三年で終わるのかどうか、こういう大問題があることだけ申し上げたかったわけでございます。

工藤巖自由民主党

○工藤委員 今日までこの委員会で消費税の問題についてのいろいろな議論が行われてまいりました。廃止を求めあるいは消費税に反対するという御意見の中でのいろいろな理由は、一つは手続の問題があったようです。一つは免税点とか簡易課税の問題、いわゆる簡素と公平という観点からの御意見があった。それからもう一つは、逆進性という言葉がよく言われているわけです。先生方のお話の中にもこの点がありましたが、私はそこで、今逆進性の問題について問題にしてお聞きしたいと思うのであります。  私は、何で逆進性とこんなに言われるかというと、消費税の導入が国民経済ないし家計に影響を与える。どんな影響を与えるのかというと、物価の押し上げになる、その分だけ物価の押し上げになる。実際には、お話もありましたように物品税を廃止したりその他の関係があって三%は上がってないわけですけれども、若干の上昇にはなる。ただこのことは、今までの日本の経済の動きを見ていますと、毎年毎年物価の上昇があったのです。物価が上昇になるというと、そのこと自体が所得の低い階層にとっては大きな負担になってまいります。相対的に大きな負担になってまいります。これは否定できない。したがって、毎年毎年のインフレというものそのものが大体国民生活にとっては逆進的な影響がある、こう言えるのだろうと思うのです。  ところが、今日までの我が国の戦後の毎年の消費者物価の上昇率をずっと見てまいりますというと、昭和四十年代五%、七%程度の上昇があった。オイルショックのときなどは一五%、二〇%、一〇%、大ざっぱな話でありますがこれがあった。それからそれがだんだん下がってきて、五十六年、七年ごろから大体二%台になり、消費税導入の前三年間は〇%、〇・五%、〇・八%というほとんど横ばいの状況にあったのです。物価を押し上げる消費税を入れるとしたら、こういうような物価の安定したときに入れるべきであって、物価上昇機運があるときにこういうものを導入すべきではない。そういう意味では大変な困難を克服しながら竹下内閣がこの消費税を導入したというのは、まさにこの時期にこの税を入れたということは大変重要な歴史的な意味がある、私はそう評価しているわけでございます。  そしてこういう物価の上昇というのは、今までのインフレの経過を見てもそれを上回る賃金の上昇率、春闘のアップ率、あるいは一般全国の賃金の上昇率を見ても物価上昇を超えております、ずっと超えております。さらに年金もそうであります。あるいは生活保護に対する扶助基準も、それを超えた変わり方をしておるわけです。今度の導入に当たっても、数字は申し上げませんが、それを上回る措置がなされておる。さらに税制の改革の面で低所得水準に対する配慮もなされておる。  こういう状態で導入された消費税に、逆進だ逆進だと言って騒ぐのはどうも少し行き過ぎなのではないだろうか。今までの日本経済がそういう姿の中で発展をしてきたことを考えてみると、やはり入れるべきときに入れた。ヨーロッパにおいてもあの増大していく福祉の需要を賄うために、いわば物価を押し上げてその押し上げた分だけを将来とも税制として国庫に入れる。基本的に見てそういう姿で来たのはなかなかいい考え方をしたものだ。我が国が世界でほとんど先進国の最後にこれを入れて、このような大きな反対が低率税率にもかかわらずあるということはちょっと解せないという感じが率直にしているわけであります。  山本先生のお話がありましたいろいろな問題点も、要するに消費税の関係で物価がその分押し上がる、仕入れが上がるあるいは建築費が上がる、そういう前提でこれに対応していくことによって経済活動の中に吸収をされていくという、こういうふうな考え方が達観してとれないものだろうかどうだろうか。定着状況についてもお話がございましたが、それらにあわせまして御意見等がございましたら、両先生からお話をちょうだいいたしたいと思うわけであります。

大島隆夫税理士

○大島公述人 まことに御指摘のとおり、消費税は物価の安定という千載一遇の機会に導入されまして、日本の経済のために大変幸いなことであったと考えております。  それから逆進性の話、繰り返しになりますが、どうも子供みたいな例で大変恐縮でございますがお許し願いまして、先ほど申し上げました例は、逆進と申しましても、例えば逆進側は一回の表に〇・五点の得点を上げた、ところが累進側はその裏に十点の得点を上げた、その程度ですね、というわけでございまして、その十点のことをほったらかして〇・五点のことばかり大きな声で言うのはやはり事柄の判断が偏っているんじゃないかというような感じが私はいたしております。  定着の話は、国民があきらめて納めているんだというような意味から定着に対する疑問があるわけでございますけれども、およそ税を喜んで納めますという国民ははっきり申しましてまず一人もいないと思います。そういう意味から申しますと、所得税だって法人税だって全部があきらめて納めているわけでございまして、所得税、法人税が定着しているというのならば、やはり消費税も定着の名に値するのではなかろうか、かように考えます。

山本守之税理士

○山本公述人 初めに逆進性のお話でございますが、消費税が逆進性を持っているということは、これはもう否定できないと思うのであります。ただ、ヨーロッパ諸国と比べますと、税率が三%と低いという点で、その意味では二けた台の税率から比べればやはりかなり逆進性は低いと言えると思うのであります。  ただ問題は、個々の問題、個々の国民の生活を見ていく必要があると思うのですね。例えばこの間私が試算しましたのは、サラリーマンがマイホームを五千万円で買うとしますね。土地代が三千万円、そして建物が二千万円、この場合に、固定資産税なり印紙税なり登録免許税なり不動産取得税なり、いろいろなものを負担していきますけれども、全部で約百万円負担します。そのうち五十八万円は消費税です。ということになりますと、現在のような資産格差の中でそれぞれ生活を営んでいる人が、それぞれのときで痛いという感じがあるわけですね。この場合に、所得税を減税しながら逆進性を排除していくというやり方と、それ から一定の支出の段階、歳出の段階で排除するというやり方があると思うのですね。ただ、一連の税制改革の中で行われた所得税の減税というのは、やはりどうしても低所得者層にシフトを置きながら行われた税制改革ではないというところに、この税も含めた逆進性という問題がある。つまり、消費税だけが逆進していると言っているのではなくて、今度の税制改革全体のシフトの中にそれがあるというふうに考えております。

工藤巖自由民主党

○工藤委員 それでは、時間が来たそうですから、ちょっとお聞きしたいことがありましたけれども、まずこれで終わらせておきます。ありがとうございました。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理 次に、渡辺嘉藏君。

渡辺嘉藏日本社会党・護憲共同

○渡辺(嘉)委員 社会党の渡辺嘉藏です。  両先生、本当に御苦労さまでございます。御高見を拝聴いたしまして、二、三疑問に思った点をまず大島先生から承りたいと思います。  まず第一に、見直しで食料費が一・七%下がった、こういうふうにおっしゃいました。私が調べましたら、食料費は消費税が施行になってから四・一%上がったのですよ。いいですか、これはもうきちっとした統計ですから、どこからつつかれてもいいようにつくりました。そうすると、前々年から、消費税施行以前からある程度の物価上昇もありますから、この分が一・二%あったのです。差し引きして二・九%上がったということです、いいですか、食料費について。これが今度一・七%下がってもまだ上がるということなんです、先生の御説によっては。そういうような意味で、私は、今度は食料費の見直しがあったからこれでめでたしめでたしとはならないということがまず第一点。  それと関連して、見直しによって全体としての物価が〇・四%下がると経企庁は言っていらっしゃった。この論争はまた別にいたしますけれども、富士総研が計算いたしますと、見直しによると〇・二%なんですね。だからそこにかなりの乖離があることも事実なんです。こんなものは計算の仕方で、土台の置き方で何とでもなりますので、また非常に危険だと思いますので、私は、富士総研の〇・二%程度しか下がらぬ、そう見ております。そういうような意味で、物価のことについて余り大きな影響はなかったからいいんじゃないか、こういうことはないというように私は思っております。  そして二つ目は、簡易課税の不公正を生んだみなし仕入れ率を今度政令に移管する、こういうことでございますからこれでいいんじゃないか、こういうことですが、これは山本先生にも後から一緒に、今のうちに聞いておきますが、私は、いろいろと今まで法律に決めていたことを政令に移していく、規則に移していく、通達に移していく、こういう大蔵省の今までのやり方は好ましくないと思っています。先生方も税理士をやっていらっしゃって専門的な立場で、一つの法文に幾つも幾つも通達がついてきて通達行政で税務行政が進められておる実態からごらんになって、私は、これは一番大事なことですからこの政令移管にしていくということは断じていけない、かように考えておりますが、本職の立場で御意見を承りたい。  それから簡易課税は、これによって四千八百億と大蔵省は計算しておるけれども、全部が全部その分を有効に四千八百億懐に入ったのではないよ、値下げした分もある、取らなかった分もあるんだから四千八百億はない、こうおっしゃっていますが、私はむしろ逆だと思うんですね。  私もある業者にずっと当たらせて、そして私自身が八十八人の、これは納税者です。これをずっと調べましたら、八十八人のうちで四十二人が消費税を雑収入として入れておるのです。金額もかなり大きいのですね。ちょっとした旅館業者で四百万円だとか、いろいろあるのです。中身を見れば見るほどびっくりする。これは特にTKCの関係でコンピューターで本則計算をされましたから、ぴしゃっと出てしまったのです。恐ろしいくらいなんです。こういうようなことから見まして、税理士という公的な職業人の立場で簡易課税はこれで結構なんだということは、消費者の納めたこれほどたくさんの消費税が特定の業者、企業の懐に入っていていいものだろうか。これは税理士という立場の正義感から見てそれでもいいとおっしゃるか。先生のところでもこういうものがあると思うのです。私も全部やってみたのですが、中身を調べてびっくりしたのです。これは本則課税をきちっとコンピューターに打ち込んでおりませんと出てこないのです。頭から簡易課税をぽんと〇・六でやってしまうと出てこない数字なんです。これはこれをやったから出てきたのです。出てきてびっくりしたのです。  それから四つ目は、高齢化社会のために消費税は必要なんだ、ある程度は定着しておる、こういうようなお話もありましたが、先日大蔵委員会で、各新聞社の論説委員の方々もおいでになった参考人の意見聴取というのがありましたですね。あのときに朝日新聞の高橋論説委員が、社会福祉の目的ならやむを得ぬのだ、こういう御意見を述べていらっしゃった。私はちょっと意外だったけれども、じゃ先生聞きますが、社会福祉の目的のために今の三%でよろしいか、いいはずはないと思うから、先生の今までのノーハウに基づいた判断でどのくらいのパーセントでなければ社会福祉その他に回せないか、どうお考えですかと言うたら、あの先生は一〇%以下ではだめだとおっしゃった。一〇%、それから軽減税率は五%だと明言されたのです。私もそのくらいは必要だと思う。そうすると、十七、八兆円になりますからね。だからそういうようなことから見て、先生方や一般の方々は、三%だからいい、こういう前提がかなりあると思うのですが、私は有権者の方々にもいろいろ言うのです。定着結構、懐に入る結構、いろいろおっしゃるけれども、三%で判断してはいけませんよ。これは税制改革で収支合わせれば二兆六千億円の赤字なのですから。ですから、そういうような意味で平生は五%なのだ、社会福祉に使おうと思えば一〇%要るということを明言されておる先生もあるのだから、そういうような観点から物を判断しなければいけない、こういうふうに申し上げると、みんなびっくりするのですね。  そこで先生に承りたいのですが、今の三%で海部総理が上げないと言うから上がらぬと思っていらっしゃるとは思っていない。こんなものは上がるに決まっておるのです。上げるために入れたのですから。先生は、そうすれば将来どの程度になると予想されますか。これは近い将来出てきますから。そして、その場合それでもいいと思われますか。そのときにはざわめきは起きないと思われますか。  最後に、先ほど転嫁もその他は十分なされておるし、いろいろおっしゃったのですが、転嫁については製造業、卸売業は九九・二、三%から九九・八%ぐらい転嫁しておる、製造業と卸売業。いいですか、五億以上は九六%転嫁しています。ところが販売業、小売業はそれができていない、これが実情なのです。そうすると、その分だけ物価は上がってきておる。製造物価で上がってきておる。いいですか、製造段階、卸段階でその分だけは上がってきておることは間違いない。こういうような意味から見て、強い企業のところは転嫁をしてきておるけれども、小売段階で消費者に移すときに転嫁が不十分な面はある、私はこういう事実をいろいろ調べたわけですが、先生はどう思われますか。  いま一つ山本先生にちょっと承りたいのですけれども、方々で直間比率、直間比率ということをよく言われるのですけれども、その直間比率ということに私はいつも疑問を感じておるのです。間接的に入るのは何か、間接税というものは何か、この定義は、いろいろ調べておりますが、今までの大蔵省の言うていらっしゃる転嫁ができないものが直接、転嫁のできるものが間接だ、私はこういうお考えも一部で聞きました。あるいはまた、その他いろいろなところで聞いておるのですが、案外明らかでない。では、その転嫁のできないと思われておる固定資産税はこれは何か。居住用の 場合は転嫁しませんけれども、地主、家主さんは転嫁しますから。これは当たり前だ。さっき話を聞いておって僕はぴんと思ったのです。そうすると、これはどこに入れるのだ。だから、僕は直間比率というこの分け方はナンセンスだといつも思っています。私も実務もやったし、いろいろな政治の立場でもこれは意味がない。むしろ所得、消費、そして資産、これにどうかけたか、これが一番大事なんだ。だから、直間比率なんというものは、無意味なものに踊らされた埋諭は意味がない、私はこう思っておるのですが、先生はどう思っていらっしゃるか。  それから事務負担の問題ですが、これはちょっと恐縮ですが、もう一つ聞いておきます。山本先生、ここに、十人の税理士の方々が私に書類をくれたのです。どうですと言うていろいろ聞いた。その中に、事務負担がふえてかなわぬ、まして今度の見直しで、食料品がどうだとかそれの比率がどうだとか、雑貨はかかるとか、この問題は大変だ。それから非課税がふえればふえるほど大変なのだがということを言うていらっしゃるので、この点も事務負担はどうかということをお聞きいたします。  以上です。

大島隆夫税理士

○大島公述人 私に対する御質問は初めの五点かと思います。  第一点でございますが、どうも私の物の言い方が少し舌足らずであったかもしれませんが、私は、物価が消費税課税前よりも下がるということは一つも申し上げておりませんので、まあ値上がりが私は三%という前提でお話ししておりますけれども、三が一・七下がって一〇一・三になる、そんな算術どおりにはいかないということをお断りしながらも、大数観察としてはそういうことだということを申し上げたわけでございます。  それから第二番目に、みなし税率の政令化の問題でございますが、私は、なるべく政令に依存しないで法律ですべてをきちんとやるという方がいいのだということは、これはもう一般論としては少しも異議はございません。ただ問題は、具体的にやはりそうはいうものの政令によってタイムリーに物を是正していくというような必要があることも否定できないわけでございまして、問題はやはりそのつり合いの問題であろうかと思うわけでございまして、今回の政令化はやむを得ないのではなかろうかというように考えます。  それから三番目は、四千八百億の問題でございますが、これも私は何も全部が値下げに回っているということを申し上げるつもりもございませんで、両方分かれているということでございます。先生の先ほどのお調べになりましたところでも、必ずしも全部の業者が懐に入れてはいないというふうに伺ったわけでございます。  それから四番目の、高齢化に備えて一〇%でいいのかどうか、将来の税率ほどうなるかという問題でございます。これは非常に重要な問題でございますが、私は、将来高齢化に向かいましてだんだんと財政需要がふえてまいりましたら、それをどうやって賄うのかという問題はどうしても起こってこざるを得ないと思います。その場合にどうするかと申しますと、まず行政の効率化で極力予算をカットしていくということは一つでございましょうが、それにもおのずから限度がございます。そうすると、残された方法としては、直接税を増税するのか、福祉をカットするのかあるいは消費税を増税するのか、こういう非常に苦しい選択を何年か先には国民がやらなければいけない、こういう事態になろうかと思います。そのときにどの道を選ぶかというのはそのときの国民の選択の問題でございまして、私が今ここでそれを幾らと言うのはちょっと不適当ではなかろうかというように考えます。  それから最後は、転嫁の問題でございます。これもいろいろの統計が出ておりまして、おっしゃるとおり見方によりましていろいろ違います。私はやはり通産省の統計が一番信頼がおけるのじゃないかと思いますけれども、通産の統計によりますと、例えば弱者と言われております下請企業、これはほとんど転嫁に成功しております。やや問題がありますのは、サービス業の下の方にやや問題があろうかと思いますけれども、これは三千万未満の業者で仕入れ値段の値上がりを価格に上乗せが不十分であるというような意味かと思うわけでありますが、これはかえって免税によるプラスを業者が必ずしもポケットに入れていないということの証拠にもなり得るのじゃなかろうか、統計の見方にはいろいろありますということを申し上げておきたいと思います。

山本守之税理士

○山本公述人 私に対する御質問、四点あったかと思うのでございますが、第一点目のいわゆる政令委任事項の問題でございます。租税法律主義の立場から見れば、政令に委任しないで法律にすべて書くことが一番いいことは申すまでもないわけであります。もし政令に委任するという形であっても、例えば西ドイツの税法のように、法律にいわゆる簡便率と本則を使った場合の税負担が不公平にならないよう配慮するという歯どめを少なくともつけておかなければいけないというふうに考えております。  二番目のいわゆる益税と称するものでございますけれども、これがいいのかどうか、職業人としてはどうなんだと。実は、私のところも益税があるのであります。多少それで不当利得を得ているような気持ちがいたします。仕事をしてもうかったのなら別に後ろめたいことはありませんけれども、そういう形で利益が出たということについては、自由職業人の良心としてやはり余り気持ちがいいものじゃない。したがって、やはりその点については明らかに発言し、善くものは書くという態度でおります。  次に直間比率の問題でございますが、一般的には直接税というのは、法律上の納税義務者が最終的に税を負担する者となることを立法者が予定している税を直接税といいますね。そして間接税については、法律上の納税義務者は税を財貨あるいはサービスの価格に乗せて転嫁をいたしまして、サービスの最終の購入者が担税者となることを法律が予定しているもの、これが間接税だ、こう言うのですが、この区分で直間比率を考えられたんじゃたまったものじゃないと思います。ということは、経済取引というのはそんな単純なものではありません。例えば一つの品物をつくるときに、典型的な直接税と言われる法人税の負担をそのコストに反映させて、いわゆるフルコスト原理に基づいて製品価格を決定するということになれば、実は法人税は消費者が負担しているんじゃないかということにもなりかねないという、いわゆる昔から言われている法人税の転嫁の問題に常に絡んでくる問題がございます。したがって、直接税なりあるいは間接税が経済取引にどういう影響を与えるのかという考え方をすべきであって、現行の先ほど私が申し上げた意味の直間比率というのは、私は言葉が過ぎるかもしれませんがナンセンスだと思います。つまり、どういう税が消費あるいは所得、資産の中で公平なのかということを、税制を構築し、構築した税制の結果を直間比率として分析するのは、これは一つの手法だろうとも思いますけれども、まず直間比率是正ありきということから議論を出発いたしますと、必ずしも公平な税制を構築することはできないというふうに考えております。  それから事務負担の問題でございますけれども、御承知のように大変な事務負担がございますが、私は今一番頭を痛めておりますのは食料品非課税になった場合です。一番事務負担があるのは課税売上割合が九五%未満のいわゆる仕入れ税額控除を案分しなければならぬという計算が非常に大変なのです。ところが、これは今保険、証券それから金融というそういう業種がほとんど九五%未満ということであります。比較的こういう業種は事務能力があるわけであります。ところが、今度は食料品の小売業者が課税売上割合九五%未満ということで、仕入れ税額をそれぞれ個別対応方式とか一括比例配分方式で案分するようになれば気が遠くなるくらいの事務負担があるというふうに申し上げておきます。  以上です。

渡辺嘉藏日本社会党・護憲共同

○渡辺(嘉)委員 時間が超過しましたが、一分だけ。  最後に、そういうふうに三%が一〇%になるという消費税をこの高齢化社会その他のいろいろな需要供給の関係で判断することは、今のこの状態で私どもがやるのでなくて、やはりこれは国民投票にかけて――先生が判断する、私が判断する、それぞれ無理なんです。それぞれ意見がある。この際、国民投票でそういうことを判断して、そのときの負担にたえようじゃないか、こういうような私ども構想を持っておるのですが、先生はどうです。――両方です、両方。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理 時間が来ておりますので、それでは大島公述人にお願いしまして終わります。

大島隆夫税理士

○大島公述人 税制とか財政というのは非常に難しいものでございまして、これは国民投票で決めるというには適さないものではないかというように私は考えております。したがいまして、国民投票によって、選挙によって決まりました国会におきまして有識者の方々が徹底的に論議されてお決めになるべき筋合いのものではなかろうかと思います。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理 次に、山田英介君。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 お二方の公述人の皆様には、お忙しい中、当委員会に御出席くださいましてありがとうございます。許された時間の中で何点かお伺いをしたいと思います。  最初に大島公述人にお伺いをしたいのでございますが、およそこの新しい税制というものは、租税原則である公平、簡素、中立、これらを踏まえてやったとしてもなおなかなか受け入れられない、そういうことだろうと思います。ですから、したがいまして導入のプロセスの妥当性だとか、あるいは税負担の痛みをできるだけ均等化するとか、あるいは簡素とちょっとダブる感じもいたしますけれども、例えば今回は消費税につきましては帳簿方式を採用しているわけでございますけれども、したがっていわば明確性の原則とかそういうものが大事になるのだろうと私は理解をするわけでございます。  先ほど公述人がお話をなされました中で、消費税の持つ、ささいなとおっしゃられましたけれども、逆進性だけを取り上げてよくないというふうに指摘するのはいかがなものか、全体の税の組み合わせの中で議論すべきではないかとおっしゃいましたが、ささいな逆進性ということにちょっと私はひっかかるわけでございますが、実は逆進性を持つ税制といいますか税目というのはこの大型間接税あるいは個別の物品税以外にはないわけでしょう。しかも、個別の物品税につきましては選択の余地があるということから考えて、私はそう簡単に、だからこの消費税を廃止する必要は全くないのだということにはなかなか納得できない点があるわけでございます。具体的には、お述べになりました物価は、小売段階飲食料品非課税措置をとることによって、先生の御計算でいきますと一・七%強値下がる、それは三%に対していえば六〇%という大きな部分になるのだ、こういうことでございますが、しかしもともとこの大型間接税が導入されていなければこういうことにはなっていないわけでございます。  それから逆進性の緩和というところで、第一分位の所得層の方々の負担がかなり軽減をされているではありませんか、こういう御指摘でございますが、まさに逆進性の緩和というよりか私どもが問題にしているのは逆進性を持つ税制度そのものを導入してよかったのかどうかという点に議論があるわけでございまして、したがって、全く廃止する必要性はないというふうに言い切られるのもいかがなものか、かように率直に私は感じた次第でございます。  そこで公述人にお伺いしたいのですが、そういうお立場をとられる中で、このいわゆる消費税を導入してきた、導入されたプロセス、例えばそれは選挙公約違反と言われるようなところから始まってくる、国会決議違反あるいは政府統一見解を踏み外して導入をした、あるいは何回かにわたる強行採決が繰り返されたここのところを、今廃止するか見直しするかというここのところをきちっと今議論しているさなかなわけでございますから、ぜひその点の御見解を、せっかくの機会ですから、導入のプロセスについてどういうふうに先生は評価をされているのかという点をひとつお聞かせをいただきたい。

大島隆夫税理士

○大島公述人 一つは、繰り返しになって恐縮でございますけれども、私は消費税は逆進性という問題点があることは否定しておりません。しかしながら、その受益に応じて、社会から受ける利益に応じてみんなが税を分かち合うということに積極的な意義を認めておるわけでございまして、プラス・マイナスを勘案いたしましてやはり消費税は必要な税制であるというように考えているということでございます。したがいまして、逆進性をはるかに上回る積極的な意義があるのだということを申し上げた次第でございます。  それからプロセスの問題でございますが、私ども政治的なことに余り発言するのは気が進まないわけでございますけれども、公約違反であったかどうか、これはいろいろ議論があったかと思いますけれども、やはり去る二月の総選挙でその点は治癒されたと考えるのが至当ではなかろうか。その点につきましては、いや、自民党の代議士は消費税隠しで当選したのだというような反論がいろいろあるようでございますけれども、これは個々には何かそういうことがなかったとは言い切れないかもしれませんけれども、自民党が消費税の推進であり、社会党、公明党、民社党が反対であるということは、あれだけの大騒ぎの後で全国民で知らなかった者はないと思うのです。そういう状態のもとでああいう選挙結果になったということは、これはやはり民意の反映と考えてもよろしいのではなかろうか。どうも出過ぎた答弁かと思いますが、お許し願いたいと思います。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 山本公述人にお伺いをしたいと思います。  一つは、結局今回の自民党の見直し案について、三百万円を超える確定税額を持つ事業者につきましては、現行一回の中間申告・納付回数、現行一回でありますが、これを三回にする、こういう柱の一つがございます。  そこで、極めて単純な御質問で恐縮でございますけれども、これは、やはり一般的に国民が見ていて、最終的に消費者が負担した消費税額が事業者のもとに一時とどまり、それが仮に一回であろうと三回であろうと、その運用をすることが許されている、できるようになっている。これは三回にしても五回にしても、原理的にはここのところの国民の不満とか、あるいは不信というようなものはなかなか解消することはできないんじゃないか、こういう気がするわけでございます。そこについての山本先生の御見解をお示しいただきたい。  時間がありませんのでもう一つ重ねてお伺いいたしますが、見直しの柱の一つにまた、いわゆる消費者との取引段階においては総額表示方式をとるよう事業者を指導することとする、こういう項目がございます。実は飲食料品については小売段階非課税でございますから、この総額表示方式というものを採用することは不可能なわけでございます。また、別の観点からすれば、買い物で決済するときにレジにおいてレシートを見れば税額は幾ら負担しているかと数字では出てくるのですけれども、実際には本体価格幾らです、消費税額が幾らでこれだけ下さい、こうなるところを、総額表示にすれば込み込みで幾らいただきますで済んでしまう。それはあえて言えば、一瞬消費税を負担しているという痛みを忘れさせる効果を持つものであるということは言えると思うのです。これが一つ。  それから、もう一つは飲食料品、非課税商品と他の商品、これを通常は一緒にバスケットで購入するわけでございますから、そうすると非常に事業者側としてはレジでの混乱もこれあり、余りのこの決済段階での複雑性から、この際扱い商品は全部内税にしようじゃないかという、こういう動 機づけあるいはその誘導効果というものも否定できない。これはまさに税負担の痛みを和らげる、あるいはなくしてしまうというところにつながるわけでございまして、確かに課税する方、徴税する側からすればそれは非常にやりやすい仕組みかと思いますけれども、しかし、納税、徴税というのはあくまで払う側の、納税者の協力があってこれは円滑にまた十二分に進められる、運用されるわけでございますから、私はそういう取る側の、徴収する側の論理だけが優先するような、こういう消費税あるいは消費税の見直しというのはいかがなものか。やはり納税者の側に立った税制度の仕組みというものを、午前中の公述人の方のお話もありましたけれども、見直しではなくて出直しということでなさるべきではないのかという意見を私は持つものでございます。山本先生の御所見をお伺いをさしていただければと思います。

山本守之税理士

○山本公述人 お答え申し上げたいと思います。  まず、総額表示方式でございますけれども、これと税痛の問題でございます。  例えば、百円ライターを私がキヨスクで買いますと、百円出せばそれでいいわけですね。ホテルで買いますと、百円払って帰ろうとすると、お客さんと呼びとめられます、三円不足していますよということで。そのときに私が三円の税痛を感じるわけですね。面倒だというところもありますけれども、一円玉の。キヨスクで買う場合に、例えば百円だから負担してないという感じがするかもしれません。しかし、そこで売るトータルの価格の中にそれが溶け込まれていれば、実は百円であっても負担しているのかもしれないわけですね。この表示の仕方というのは、御承知のとおりヨーロッパ諸国では、事業者間取引ではいわゆる外税と言われるもの、それから、対消費者に対しては内税になっている場合が多いわけでございます。つまり、価格の表示に関して行政とかあるいは法律が規制をすべき問題ではなくて、ちょっと私の考え方と先生と違うかもしれませんが、規制をすべき問題ではなくて、自然な取引にゆだねるべきである。しかし、どちらかというと、その価格に対して消費税の当初の段階ではややアプローチがあった、それが今おっしゃるような意味を生んでいるんだろうと思うのですね。  それからもう一つは、運用益の問題が出てまいりました。これは、年間一千億、仕入れ税額八百億の企業の場合に、平均運用金額が年二回申告・納付といたしまして、六億円掛ける十二分の六割る二ということで一億五千万円、これを七%で運用しますと、運用益は税引きで千五十万円になる、こういう試算ができるわけでございます。もちろん、納付回数はふえればそれにこしたことはないわけでありますが、事務負担とのバランスを考えなければならぬという問題が多分出てくると思うのですね。ヨーロッパの税では原則的には毎月納付ということになるのですが、果たして我が国の場合毎月納付というのがなじむのかどうか。その辺の問題は、やはり討議しなければならぬ問題として残されるのではないか、こんなふうに思っております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 ありがとうございました。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理 次に、吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 日本共産党の吉井英勝でございます。  きょうは、お二人の公述人の皆さんには本当に御苦労さまでございます。持ち時間が限られておりますので、場合によっては、ひょっとして大島公述人の方には残念ながら御質問できないままに終わるかもしれませんが、そのときはひとつ御容赦いただきたいと思います。  山本公述人の方に、先ほど来のお話も伺っておりましてさらに二、三お伺いしたいと思うのですが、主権在民、国民主権という立場に立って考えた場合のそもそもの税のあるべき姿と申しますか、こういう点についてのお考えを聞かせていただければと思います。

山本守之税理士

○山本公述人 大変難しい御質問でございますけれども、税のあるべき姿といいますか、税の根拠論ということだろうと思うのですね。  これはもう、昔から税の根拠論に関しましては、例えば租税利益説とか交換説とか義務説とかいう形が財政学の中で議論がされてきたことは事実であろうと思います。税のあるべき姿といいますと、一つは、どういう経済情勢の中で、あるいはどういう国民生活の中でだれに負担を求めるかという、税を徴収する側の論理が一つあると思います。それから、国民生活の中で、税を払った残りでどれだけの生活ができるかという、生活をする者の立場から見る税というのがあると思うのですね。したがって、この二つの考え方をぶつけ合いながら税というのが出てこなければいけないと思うのですね。したがって、税というのはもともと長所と短所を持っているわけです。所得税というのは、御承知のように非常にすぐれた税でありますが、痛税感は当然伴うわけであります。間接税というのは痛税感が比較的少ないんだけれども、逆進性があるということですね。ですから、幾つかの税を組み合わせて複税制度というのがつくられていることは御承知のとおりであります。  ただ問題は、今の税を徴収する側、あるいは税を払う側、この論理がきちっと討議をされた上で、納得をされた上で税制というのが構築されていかなければいけない。こうすれば取れるという形からすれば、税のあるべき姿が異なったものになってくるんじゃないか。ともすれば、そういうことはないと思うのですけれども、もしも、いわゆる陳情というものを中心としながら税制の改正や税制というものが構築されていくとすれば、国民の全体の意見を反映していないとすればこれは不幸だ、こんなふうに考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 今非常に基本的なお考えをまず伺ったわけでありますが、それは今もおっしゃいましたように、税を納める側の立場に立って見たときに、やはり所得税、直接税というのはすぐれた税というお話もありましたが、これまでの原則的な考え方というのは、支払う側が幾ら自分が税を負担するのか非常によくわかるということと、納めた税が何にどう使われるかということについてよく見えて、またそのことに対する決定権を持つといいますか、これは二百年前のフランス革命の人権宣言の中でも入れられている原理でありますが、そういう立場というのはずっと生きてきた原則の大事な部分だと思うのですね。この点で、直接税を中心にしてとか、人権宣言なんかの応能負担の原則というのは累進課税ということでありますし、生活費非課税の問題とか申告納税とか、そういう今日の原則というものが生まれていると思うわけであります。  ですからそういう点で、これまでの直接税あるいは間接税にいたしましても生活費非課税というのは、十分、不十分の問題はもちろんあるわけですけれども、給与所得控除であるとか基礎控除であるとか、あるいは間接税にしても電気ガス税などで免税点を設けて一定の低所得の人については生活費非課税というその考えが生かされるようにということがあったと思うわけですが、消費税などの大型間接税になってきますと、これはもちろん課税ベースが非常に広いわけでありますし、すべてを課税ベースにするか、あるいは若干の食料品などを非課税というのを取り入れたにしても、基本的に生活費すべてに課税ベースを広げていく、こういうことになりますと、私はここに根本的に税についての考え方が、これまでとは考え方の変更が生まれているのは一つの大事な点じゃないかと思うのですが、この点についての山本公述人のお考えを伺っておきたいと思います。

山本守之税理士

○山本公述人 お答え申し上げます。  いわゆる税制改革の中で、広く薄く税を負担する体系ということが言われました。これは我が国の経済社会を二つの側面から認識しているわけでありますが、一つは所得が高くなった、所得水準が高まった、そして平準化した、そして社会保障水準が諸外国に比べて劣らないものになっているというように税制調査会の答申では書かれております。つまり、所得が上がり、所得が平準化し、そして社会保障水準も諸外国に劣らない水準になっているとすれば、税に所得の再分配効果あるい は限界効用の逓減を求める効用というのは一般的に薄らいできているのだろう、こういうスタンスで税制改革が行われたことは事実であります。  私は、今のお話を聞いて申し上げたいことは、所得水準が上がったということと生活水準が上がったということは違うのですね。つまり、所得の名目水準は上がったとしても、サラリーマンが一生働いてもマイホームを持てないという資産格差がある中で、所得水準が上がり平準化した、社会保障水準も上がった、さあ所得の再分配効果を税制に求めることは相対的に薄まったというふうに考えていいのかどうか。それが御質問になったいわゆる生活費まで含めてというこの議論のもとになってくるところだろうと思うのですね。  ですから、税制改革の理念自体が果たしてよかったのかどうか。つまり、税制改革はいろいろな議論が出てきました。初めは財政赤字解消論だったわけです。二番目にゆがみ、ひずみ是正論だったわけです。そして財政赤字解消論、直間比率是正論、そして現在はよく高齢化社会対応論というように、それぞれ税制改革の見詰め合いが出てきました。ですから、例えば法人税の税率を下げるという場合も、経済の空洞化という形で説明がされました。しかし、法人というのは税率だけで拠点を動かすということではありませんで、労働生産性であるとか為替水準とか金利水準とか、さまざまなものから考えていくわけですね。どうも一連の税制改革の中の議論が極めて短絡な形でなされてきた、それが今御指摘のような結果を生んだのじゃないかなというふうに私は考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私も、税制改革の議論がそのときそのときに随分今おっしゃったように論点が変わってまいりまして、こちらも論点を整理しながらそれを取り上げていくのに、目まぐるしく変わるものですから、極端に言いますと忙しかったという感じもするのですが、一つ大事な点では、生活費非課税あるいは応能負担という長い間築かれてきたそういう原則的なものが、生活費も課税するんだというふうに、この点で非常に大きな変更が生まれているということがあると思うのです。この生活費非課税との矛盾を何とかクリアしようという感じで食料品非課税というのが今度出てきておりますが、一層この見直し案というのは税の負担というものが見えにくくなってきているわけですね。矛盾が矛盾を新たに生み出してきているというふうに見受けられるということを一つ私ここで挙げておきたいと思うのです。  時間が参りましたので最後に一点だけ、少し話が飛んでしまうのですが、消費税の仕組みを残しておくと、結局これは税率引き上げによって新たな財源を生み出す打ち出の小づちになってしまう。これはヨーロッパなどの経験を見てもそうだと思うのです。この点は税理士さんとして世界各地のこともよく御研究もなさっていらっしゃると思うのですが、最後にこの点についての山本公述人のお考えを伺って終わりにしたいと思います。

山本守之税理士

○山本公述人 税率の問題についてお話が出てまいりました。  諸外国の例を見ますと、確かに税率が引き上げられるという方向に出てくることは間違いないわけでありますが、その際によく所得税の減税とセットで出てくるというようなことがございます。要するにこの税にどういう役割を担ってもらうのか、このあたりで考え方は違うと思うのです。私は、税率は絶対に上げません、そして福祉財源にしますということをそのまま信じてはおりません。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 終わります。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理 次に、中井洽君。

中井洽民社党

○中井委員 お二人の公述人の先生方、御苦労さまでございます。民社党の中井でございます。時間がありませんので、簡単にお尋ねをいたします。  先ほど公明党さんから大島先生に導入の仕方についてお尋ねがございましたので、これを除きまして、消費税が導入されましたときのことを考えたら、導入の仕方だけじゃなしに非常に実施されるまでの時間が短かった。同時に、先ほど山本先生から何万人という人に実は説明したんだというぐらい、税理士や御担当の方々は非常な国民の勉強の中で説明をされた。しかし、私どももいろいろと説明をいたしましたけれども、結局一つ一つの事例は税務署へ行かなければなかなかわからない。税務署へ行けばこんな分厚いマニュアルを持っていて、片っ端からそれは違う、それはだめだという形でやられる。そういう新税、これだけの大きな税を導入したときにあれだけ短い期間でやってよかったのか。先生は先ほど、私どもの案に対して、そんな短時間に新しい税制なんてできないよと言われたけれども、この消費税導入のやり方というのは余りに乱暴じゃなかったか。こんなことを中心にお考えをお尋ねいたします。

大島隆夫税理士

○大島公述人 思い出してみますと、消費税が導入されましたのが六十三年の十二月の下旬でございまして、実施が四月の一日ということで、これは実は私も非常に心配いたしました、間に合うだろうかと思って。ところが、結果的に見ますと、案ずるよりは産むがやすかったというのが実感でございます。この三カ月ほどの間、私も何回も講演をいたしまして説明会に出席したわけでございますけれども、もう一日一日どんどんと理解度が進んでいったということを肌をもって感じたようなわけでございまして、一般的に考えますと確かに短いということございますけれども、事実として結果的に見ますと、そうではなかったということが言えるのではなかろうかというように思います。

中井洽民社党

○中井委員 私は、そういう意味で日本人というのは本当に頭のいい民族だな、このことを思わざるを得ないのであります。そして、きちっと新しい税をお払いをいただき処理をしていただいておる。しかし、そういう状況でありながら物すごく怒っておる。定着定着と言われるけれども、払いながら怒りを感じておられる、これが一番私どもは消費税を廃止してしまえというところに共感を覚えるところでございます。  先ほど大島先生、年金給付者について心配されたけれども、手当てしたから大丈夫だ、こう言われました。私の父親は今八十三歳、母親七十三歳、二百数十万の年金をいただいて生活をいたしております。朝から晩まで消費税は絶対嫌、こう言うております。計算いたしまして一年半に及ぶ家計簿を見せてもらいましたけれども、やはり消費税分については大変な持ち出しになる。問題なしと簡単に言われるけれども、この人たちの税の痛みというのは大変なものがあると私は思いますが、先生いかがお考えですか。

大島隆夫税理士

○大島公述人 年金生活者につきまして申し上げますと、平成元年には前年の物価のアップに応じまして〇・七%のスライドアップが行われております。それから、平成元年がちょうど五年に一度の年金の再計算の年に当たっておりまして、これはたまたま当たったのだと思いますけれども、ここで、年金の種類によって違いますけれども、三%から六%ぐらいの年金のアップが行われております。さらに、平成二年にはそういったアップ後の年金に対しまして、さらに二・三%のアップが行われているということでございまして、消費税の値上がりを仮に全部が三%上がったといたしましても、それをはるかに上回るものがあるということでございます。

中井洽民社党

○中井委員 もう一つ大島先生にお尋ねいたします。  複雑ではない方がいいんだ、消費税は複雑だと言われておったけれども、そう複雑じゃない、その人に関して考えれば簡単だというような公述がございました。消費者にとってみたら三%払えばいいわけでありますから、また同時に、事業者にとってみたら自分がどの分野に入るかということだけ考えれば簡単だ、こういうお話であったと思いますが、税全体を消費税問題で国民が考えるようになった、そうしてどういうふうに使われるんだ、どういうふうに取られるんだろう、どういうふうに転嫁していくんだろうということ全体を国民が考えるようになった、私はこのことは大変す ばらしいことだと思うのです。考えれば考えるほど複雑だ、そういう観点からの複雑ということがある、このことについてどうお考えか。  同時に、食料品を今回最終段階で非課税にする、そして途中で一・五%という税制改革をする。先生は、これは非常に結構なことだと言われたけれども、この改革は非常な複雑化になっていくのじゃないか、こういうことでいかがお考えですか。

大島隆夫税理士

○大島公述人 今廃止されました物品税でございますが、物品税には、価格、そのうちに含まれる税額を表示しろという規定がちゃんとあったわけでございます。ところが、何十年にわたりましてこれが実行されたことはまずほとんどございません。それでいて、それを不思議に思ったり、それがけしからぬという声もまた上がったことは一回もございません。それが消費税になりますと急に、税金が見えないとかなんとかいうことで大騒ぎになるというのが私はどうも理解できないわけでございまして、現在、タクシーの運賃であるとかあるいは鉄道運賃、これは全部内税になっておりますけれども、切符を買うときに、これは消費税は幾らですか、それがわからぬのはけしからぬと言っている国民は、恐らくはまず一人もいないと思います。私は、そういうのが世の中の現実であろう、こういうことを前提にいたしましてただいまの制度を肯定するものでございます。

中井洽民社党

○中井委員 山本さんにお尋ねをいたします。  先ほど食料品についていろいろと有意義なお話をお聞かせをいただきました。先生の御経験からして、あの見直し案が通ったとして、食料品、実際にどういう形が出てくるのだろう。御商売の方でもかぶってしまう人が多いのだろうか。それとも価格をちょっと上げて消費税を取らないという形でやっていくのか。どういう形で御商売の方が動かれるか、予測をお聞かせをいただきたい。  もう一つは、実は私は酒屋の一族だと前に申し上げたのですが、年に四回払うわけですね。そうすると、税務署の人が来るたびに帳簿を見られるのですね。赤字だったら、酒屋なんかは赤字担保というのをとられるわけです。地方の小さな酒屋ですから、八月、九月なんて酒は売れないのですね。この間、社長は月給なしにしたりとかそんなことで黒字にして担保をとられるのを防いでいく。今のところまだ消費税一年ですから、税務署の人が回ってきて御商売の方に、預かっている消費税の行方をちょっと見せてくれとか、そういうことはなさらない。しかし、これは消費税が進んでいけば、私は税務署の人というのはそういうことができるのじゃないか。そして、帳簿をしょっちゅう点検して、預かっている金が行方不明になっていないか、赤字だったら、おかしいじゃないか、こういう形が出てくる可能性というのは十分ある、前々から心配いたしております。実際上そういう形からお考えをお聞かせをいただければありがたいと思います。

山本守之税理士

○山本公述人 まず、食料品の問題でございますが、食料品の小売業者が取らないということにするのか、あるいはかぶるのかということでございますが、これは先ほど申し上げましたように、食料品の小売業者は税を取るわけにはいかないわけですね。したがって、仕入れにかかったコストを本体価格を上げながら回収しませんと従来どおりの利益が出ない。問題は、その場合の価格の上げ方が、いわゆる仕入れにかかった税相当額を上げるか、それともその計算ができないからということで多く上げるか、あるいは少なく上げるか、この辺でかなりアンバラが出てくるのだろうというふうに思います。ただ、一言言えることは、非課税という形になりますと、課税売上割合九五%未満で事務処理は大変になりますということだけは見えていると思います。  それから、先ほどの帳簿の調査の問題でございますが、実は現在納税者とそれから消費税というのは、赤ん坊で言うとまだ保育器の中に入っているわけであります。したがって、今のところはそうきついという感じも、つらいという感じも余り出てこないのであります。さあ保育器がいつとられるか、その段階になってどうなってくるのだろうか、こんな危惧もしております。

中井洽民社党

○中井委員 終わります。ありがとうございました。

関谷勝嗣自由民主党

○関谷委員長代理 これにて公述人に対する質疑は終了いたしました。  両公述人におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。  以上をもちまして公聴会は終了いたしました。  次回は、明後十八日月曜日午前十時委員会、正午理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時三十八分散会

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