税制問題等に関する調査特別委員会 第7号
- 発言数
- 252 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/06/18
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律 案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案及び税制再改革基本法案並びに内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 本日は、去る十五日に引き続き、特に、内閣提出の法律案について質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。早川勝君。
○早川委員 おはようございます。 いわゆる政府の見直し案を中心に伺わせていただきますが、六十二年、六十三年以降の時間を含めてですが、今回の税制改正が消費税を軸にして行われておりますけれども、全体の税制改正についてその背景、その理由、そういったものについて、再三答弁されておりますけれども、またお願いしたいと思います。
○橋本国務大臣 委員がよく御承知のように、昭和五十年代の前半から、国民の政治に対する要望の中に、税制改正を求める声が次第に大きくなりました。そして五十年代の後半になりますと、税負担が直接税、とりわけ給与所得に対する課税に偏る一方で、消費に対する課税のウエートがだんだん低下をしていく。サラリーマンを初めとして納税者の重税感、不公平感というものがそうした中で次第に高まってまいりまして、税制に対するさまざまなゆがみ、不公平というものが目立つようになり、後半になりますと、政治に対する要望の中の首位を税制改正に対する要望というものが占める状態になってまいりました。 そうした中におきまして、税制改正に対する論議というものは急速な高まりを見せていったわけでありますけれども、一方では高齢化というものが急速に進展する。これが現実の問題となり、一体従来の税制のままでさらにこのままの状態が続けば、まさにそのサラリーマンを初めとした給与所得者のところ、若い働き手世代というものに非常に大きな税負担がかかってくる、そうした心配の声も出てくるようになりました。そうして、国民の負担というものが働き手世代の稼得する勤労所得に直接の負担としてあらわれてくるということも、やはり改正に至る大きな原因であったと私は思います。こうした中で、税制に対する国民の信頼が失われることにもなりかねない、一日も早い新たな税制への取り組みというものが要望されておったわけであります。 こうした中から、先般の税制改革というものは所得課税の負担を軽減する、消費に対しても広く薄く負担を求める、また資産に対する負担を適正化する、こうしたことをもって国民が公平感を持って納税し得る税体系を構築しよう、こうしたことを目指して行われたものである、私はそう理解をしております。そして、この税制改革が定着することによりまして、我が国の経済社会における活力というものを維持しながら国際化に対応し、二十一世紀に向かって進んでいくことができる、私はそう理解をいたしております。
○早川委員 大臣が言われたことはそのとおりだと思うのですが、売上税、廃案になったわけでありますけれども、あの当時大蔵省がつくりました「二十一世紀に向かって 税制改革のあらまし」というパンフレットがあります。そこでは、今大臣の説明された内容が要領よく実は整理されておりまして、ここには六点書いてあります。一つは産業・就業構造の変化が起きている。そして人口の高齢化が進んできているし、これからもさらに進んでいく。それから国際化の進展。それから税に対して不満、不公平感が高まってきているということだと思います。そしてまた、国民の消費の多様化・サービス化が進んできている。六番目が所得水準の上昇と格差の縮小ということで、それに関連してシャウプ勧告当時と昭和六十年時点での比較等が出ている数字もあるわけですけれども、これは今もってその必要性については変わっているのか変わっていないのか。つまり、売上税と消費税ですとここに二、三年しか時間差はないわけですけれども、この点については、これは主税局長に伺った方がいいのかもしれませんけれども、よろしいですか。
○橋本国務大臣 広く薄く国民に御負担を願う間接税の仕組みを採用するという点では、私は消費税と売上税との間に考え方においての差異はないと思っております。そして、そういう考え方のもとには、従来の個別物品税を中心とした間接税体系というものが先進諸国の中で既に完全に時代おくれの税制になってしまったという視点もあったと私は思います。しかし、結局売上税について非常に大きな御論議が出てまいりました中から、その御批判というものを踏まえて改めて考え直し、消費税を組み立て、そして御審議を願い、今日に至っている、私はそう理解をいたしております。
○早川委員 この六点今指摘したわけですけれども、こういった必要性というのか、社会の変化と言えばいいと思うのですけれども、そういった点で見たときに、所得水準の上昇と格差の縮小ということで、確かにシャウプ勧告当時と比べますと、五・九が二・六とか二・九倍、第一分位と第五分位の差がそれぐらいに縮小した、こうよく言われるわけですが、経済企画庁長官に、最近の国民生活白書だとかあるいは経済白書の分析を通じまして、所得水準の上昇という問題もそうなんですが、この格差の問題についてどういった分析をされて、どういった認識をされているか、御説明をいただきたいと思います。
○相沢国務大臣 いわゆる所得格差がどういうような推移になっているかという御質問の趣旨でございますが、所得格差は、過去の経緯から見てみますと、大体景気がよくなっている時期には縮小をし、景気後退期には拡大をする、こういう循環的な動きが看取されるわけでございます。最近の傾向としては、おおむね横ばいで推移をいたしております。 御承知のように、所得については全体を五分割いたしまして、第一分位から第五分位までの区分をいたして、その間にいろいろと比較をいたしておりますが、この所得の少ない第一分位に対する所得の多いグループである第五分位の間の比率をとってまいりますと、平成元年は二・九倍であります。これを十年前の昭和五十五年に比較をいたしますと、昭和五十五年は二・七倍でありまして、その限りにおきましてはそう大きな変化はないということであります。ちなみに、平成元年の第一分位の可処分所得は二百九十万九千円、それから第五分位が七百六十七万三千円。これは各分位の可処分所得の単純平均でございます。そういうことで、それほど大きく振れはないというふうに見ているのでございます。 なお、所得のいわゆるジニ係数というのがありまして、これは所得の分配の均等度を簡便に測定するための指標で、一とゼロとの間にありまして、ゼロに近ければ近いほど分配が均等である、こういうことを意味する指数でありますが、そのジニ係数を見てみますと、二十年前の昭和四十五年が全世帯で〇・二五三三、それに対しまして平成元年が〇・二七二六ということであります。若干この係数は上がっておりますけれども、それほど大きな動きは認められないということであります。
○早川委員 確かに四十五年とか、この二十年くらいのタームで見るとそういう結果があると思うのですが、経済企画庁の国民生活局が調査し発表しております「国民生活指標」というのがあると思うのですが、それを見てみますと、国民生活と格差ということが分析されております。 そこでは、「国民生活にかかる格差は、総合化指数をみると近年拡大傾向にあるが、格差にも様々な側面があり、これらが一様に拡大傾向にある訳ではない。」こう言っているわけですが、例えば所得の地域間格差を分析されているわけです。こういう指摘がされております。「所得の地域間格差を格差係数でみると、五十五年以降拡大傾向がみられる。また、所得の最も高い県に比べ、」これは六十一年までの数字ですから、最も高い県、これは東京なんですけれども、高い県に比べ最も低い県、これは沖縄は半分程度である。つまり、所得の地域間格差は拡大傾向をずっとたどってきてい るという指摘ですね。それから、高齢化の地域間格差についてもやはり触れられているわけですが、最も高齢者の比率が低い県が埼玉県で、高いのが島根県だ。これは倍以上の開きがある。つまり、高齢化比率ですね。 それから、税負担の公平についても、これは三年おきに国民生活選好度調査が行われていると思うのですが、昭和五十三年から六十二年までの数字が出ております。この税負担の公平が進んでいるか広がっているか、満足しているかしていないかという数字ですね。昭和五十三年が四五・四%が満足していない、不満である。以下、三年ごとにですが、四七・八%、五五・九%、そしてこれは六十二年ですが、五九・五%。つまり、不公平感を持っている人、不満を持っている人が比率がどんどん上がってきているわけですね。 確かに六十三年、税制改正をやって、この五九・五という数字が、例えば生活調査をやった場合六十二年ですからことしになるわけですか、やる年度が。この五九・五というのが下がる、そういった自信、大臣お持ちですか。まずこの税制改正の不満との絡みで。
○橋本国務大臣 今委員がお述べになりました数字は、それぞれにさまざまな読み方、また問題点を含んでおる数字であると思っております。そして順番を逆さにお答えを申し上げて、最後の部分を先にお答えをさせていただくといたしますと、私は必ずしもその自信を持っておりません。 なぜなら、土地というものについて、持っておられる方と持っていない方の間における資産格差、そしてそれに伴う不公平感というものはむしろ増大していると私は思っております。そうしますと、こうした要素が今回の調査の中にどう反映するのか、これを切り離してお考えがいただけるものなのかどうかという点になりますと、これは私は必ずしも国民の意識の中で切り離されてはいないと思うのです。 そうしますと、その税体系、いわば所得税あるいは直接税と間接税の対比の中で、通常の生活感覚から議論をしていただける場合と資産課税の部分に踏み込んだことまでを含めて考えていただく場合と、相当私は差異があると思います。ですから、その点で私は必ずしも、今委員が自信があるかとお問いかけをされるなら、そうした土地というものに絡む部分がある限りにおいて、自信がありますと申し上げる自信はありません。
○早川委員 経済企画庁長官がお見えですから、重ねて、つまり格差の問題で、先ほど所得格差について言われたのですが、もしおわかりでしたら、傾向だけで結構ですので、賃金の企業規模間格差というのは縮小傾向をたどっているのか、拡大傾向をたどっているのかどうか。賃金、給料です。給料の企業規模における格差、拡大傾向にあるのか縮小傾向をたどりつつあるのか。 それからもう一つは、資産格差について今大蔵大臣も触れられましたけれども、とりわけ最近の資産格差というのは広がっていると私は思うのですけれども、この二つの格差の問題について傾向をどう見られているのか、お答えいただきたいと思います。
○相沢国務大臣 賃金の企業規模間の格差について申し上げますと、これは第一次石油危機後若干拡大傾向にございます。企業規模千人以上の平均賃金に対しまして企業規模が百人から九百九十九人まで、つまり千人の次のクラスであります。千人以上に対しまして百人から九百九十九人までの規模の平均賃金、それから十人から九十九人までの平均賃金の割合を見ますと、それが四十八年には九六・七%、あるいは九七・八%でありましたものが、六十二年には両者とも前年より低下して八五・八%あるいは八二・一%というふうに、その間の格差が若干拡大をいたしております。これは主として企業規模の千人以上における賃金の上昇が賃金全体の上昇よりもやや大きかったということが原因になっているわけでございます。ですから、ひところ賃金格差が大分縮まってまいりましたが、石油ショック後そういうことで若干開いている、そういう傾向はございます。
○早川委員 そうしますと、先ほど六点、税制改革の必要性、所得格差……。
○相沢国務大臣 資産格差の問題でございますが、これは先ほど大蔵大臣の答弁にもございましたように、私どもも、やはり地価の急激な上昇に伴うところの土地資産の価格の上昇が、非常に資産格差が大きくなったという実感を強くしているのではないかと思うのであります。 ちなみに、これは家を持っておられる方、持ち家の方の土地資産額を推計をいたしたものがありますが、これは総務庁の家計調査に基づきまして、住宅の敷地の面積に各所在市町村の住宅公示地価、これは国土庁の資料であります、その公示価格を乗じてその持ち家の資産価格を算定をいたしております。無論住居もこれに含めて考えなければならないわけでありますが、それは一応除いてあります。 そして、第一分位の人は余りそういう土地資産を持っておられませんのでこれを外しまして、第二分位と第五分位との間で比較をいたしてみますと、昭和五十五年は第二分位、四分位の中では一番低いところでありますが、それが三十九万円に対しまして第五分位で三千三十八万円、これは相当な開きには無論ございますが、昭和六十年では第二分位が二百七十八万円に対して第五分位が五千五百七万円、約二十倍という開きであります。それが昭和六十二年になりますと、第二分位の百六十六万円に対しまして第五分位が九千八百六十四万円ということで、アバウトでありますけれども、約六十倍の開きにございます。昭和六十三年も、これは第二分位が百五十二万に対して第五分位が九千四百四十一万円、若干ちょっと低くなっておるのは何かの加減かと思いますが、やはり倍率からいいますと六十倍という数字が出ております。 でありますので、地価の高騰がいわゆる資産保有に関するところの格差感を非常に大きくしているということは、これらの数字から見るとうかがい知れるところでございます。
○早川委員 丁寧なお答え、ありがたいのですけれども、時間の関係で傾向だけお答えいただきたかったと思ったのですが、私の方で言います。 賃金格差もよく見ていると拡大傾向に変わってきている。そうすると、シャウプのときと売上税、六十一年、六十二年ぐらいのタームで、長期間で比べると確かに格差は縮まっているけれども、最近は広がりつつあると言われたのですね。事業規模間に賃金の、つまり勤労者が大手に働くのか中小で働くのかによって格差が広がってきている。それで地域間格差も、先ほど言ったように所得について言えば拡大傾向にある。 それから、今長官がお答えになりましたけれども、もっと端的には平成元年度経済白書に次のような指摘がされているわけです。金融資産格差の動向を分析されて、その結論的には「所得分配と比較して資産分配の不平等度のほうが高い」。つまり金融資産を持っているか持っていないかというのは、所得以上に、その差以上に大きいということを言っているわけですね。それから土地等を含めまして、住宅等を含めまして実物資産についてはどうかということなんですが、「五十九年から六十三年にかけての地価上昇により不平等度が高まっていることがわかる。」今ですと、この傾向はもっと高まっているというふうに思います。そうしますと、所得水準の上昇があったけれども格差が縮小した、こういうのがある面で経済的には非常に大きなバックグラウンドだと思うのですけれども、最近、簡単に言えば六十年度ぐらい、この五年間ぐらいだけを見てくるとだんだん広がってこようとしている、そういう傾向をたどるのじゃないかなと不安を持つわけですね。 そうしますと、消費税を入れて所得と消費と資産とのバランスを考えるのだと、こう言われているのですけれども、あの改正の中では、資産のところの改正の中身を見ますと、相続税を減税したり、それから株については総合課税原則だけれども分離課税にするとか、そういった措置をしたことを考えると、そしてその一方で消費税を広くか けていった、逆進性があるかどうかなんてこれは言わずもがなで、それ自体あることははっきりしているわけですから、そういったことを考えますと、最近の生活、所得、資産拡大傾向を考えた場合、あのときの税制改革で何が落ちていたのかといいますと、資産課税のところが落ちていたのじゃないか、あそこをもっときちんとやるべきだったのじゃないか、順序からしてもそうではなかったのかというふうに考えるわけですけれども、この点、大蔵大臣はいかがですか。
○橋本国務大臣 しかし、今の御指摘に対して私一つ挙げたいと思いますのは、今挙げられた数字は税制改革以前のものをベースにした調査結果である。だからその後における変化というものは、実はまだ数字として必ずしも把握をされていないのではなかろうかということが一点であります。そしてそれにもかかわらず、先ほど私は、自信があるかと言われて、自信はないと申し上げました。そしてその資産課税という点については、私は委員の御指摘を必ずしも全面的に否定するものではありません。ただ、委員自身もお認めをいただきましたように、従来原則非課税でありました有価証券取引というものに原則課税というルールを当てはめたこと等、資産課税についてもその適正化の措置はとってきたわけであります。 ただ、問題は土地というところになるわけでありまして、これについては従来からたびたび申し上げてまいりましたように、土地税制というものをどういう視点から運用すべきかというその基本哲学が確立していない時期において、私どもとしては土地税制というものについての対応は非常に困難があったということは御理解がいただけると思うのであります。これは手順を間違えたという御指摘でありますけれども、私どもとして申し上げるなら、必ずしもそうではなく、問題意識は持っておりながら土地税制というものをどちらに一体誘導すべく、例えばよく申し上げるように持っている土地を手放させる方向に向かわせるのか、持っている人たちが持ち続けられるような税制を考えるべきなのかという基本ルールそのものが存在しない中で、対応に非常に問題があったということは申し上げなければならないと思います。そして現在、そうした視点からの努力をしておることも、委員御承知のとおりであります。 ただ、もう一つの問題点は、所得格差が拡大していくのではないかという御指摘でありますが、私は、これには二つのポイントを加えていただかなければならないと思います。 一つは、高齢化の進展に伴う高齢者世帯の増加というものは、統計上は世帯間の所得格差を拡大する方向に働くのではなかろうか、稼得能力の点において。 もう一つは、婦人の地位向上に伴って婦人の就労機会というものが拡大してきた。そして、その中において特に大きく変化したのは妻の就業形態でありまして、かつて妻の就業というものは夫の所得で足りない部分を補完するという視点からの就労が中心であったものが、今ではそうした理由をはるかに超えて、それこそ男女雇用機会均等法等の中において積極的に、ただ単に家計の補助をするという視点とは全く異質に婦人の社会進出というものが行われ、これはやはり世帯間の所得格差というものを拡大する方向に働くのではなかろうか。私は、統計から見てそういう点は考えておいていただかなければならないと思うのであります。そして、むしろこれから先なお妻の就業、しかもそれはノーハンディで、男女雇用機会均等法をベースにしながらみずからの能力によって社会に進出していかれる、当然その所得というものはノーハンディで受けられる、こういうケースは私は当然ふえていくわけだと考えておりますから、世帯間格差というものはそういう点にも着目しないと所得格差が正確なものにはならなくなるのではないか。私は、こういう点も一つの問題点だと思います。
○早川委員 なかなか土地税制については基本的な方向が定め切れなかったからという答弁なんですけれども、やはりそこをきちんとすることが先決であって、消費税を入れることが先決ではなかったんじゃないかな、税制改革の順序としまして、そういうふうに私は今でも思っております。 そこで、いろいろな背景の中で外国でも付加価値税が導入されたわけですけれども、また検討されている国もあるわけですけれども、どういった理由で、ヨーロッパ諸国でいいんですが、現在のようなEC型付加価値税、それぞれの国が共通税制に向かっているわけですけれども、その前段として付加価値税に行く前に、それぞれイギリスだとか西ドイツとかフランス、前段で持っていた税金があると思うのですね。それを整理して付加価値税に移行したということがあると思うのですが、全部とは言いませんが、重立ったところだけで結構ですので、御紹介いただきたいと思います。
○尾崎政府委員 フランスと西ドイツで付加価値税が導入されましたのが、正確に申しますと、現在のような形の付加価値税が導入されましたのが一九六八年のことなのでございますけれども、その前はどのような間接税体系であったかといいますと、御承知のとおり西ドイツはいわゆる取引高税、多段階で累積していくタイプの課税でございました。それから、フランスは既に古いタイプの付加価値税を持っていたわけでございますけれども、それは間接税体系の一部を占めているだけのものでございまして、ほかにサービス供与税とか地方の小売売上税とか、そういうものが併存している状態にございました。それから、イギリスは仕入れ税ということでございまして、これは卸売段階、製造段階で個別に掲名した物品のみを対象として課税を行うという、非常に日本の物品税に近いものでございました。そのような間接税体系の中で、特にフランスそれからドイツ等におきまして、その取引高税の課税の累積の問題、特に経済活動に対して中立性を欠くという問題が論議されまして、そういう論議の中から現在のタイプの付加価値税が生まれてきたわけでございます。 よく、大きな税金ができるのは、戦争の機会でありますとか、あるいは戦後の財政の疲弊状態からやむを得ずというような、そういう話がなされるわけでございます。事実、所得税を初めとしてそういう歴史を持っているわけでございますけれども、この付加価値税につきましては、合理的な税制という議論の中から生まれてきて、全く戦時ということとは関係なしに一九六八年、それに先立つECの設立というようなことを背景としてできてきた、非常にそういう意味で議論を尽くしてつくられた、合理的な、冷静な税であるということが言えるのだろうと思います。 西ドイツ、フランスは一九六八年、EC設立直後にその制度を入れたわけでございますけれども、イギリスの場合にはしばらくおくれまして、イギリスのEC加盟というような時期に合わせまして一九七三年に付加価値税が導入されているわけであります。そのころのイギリスの議論というのを見てみますと、仕入れ税のようなものでは生活水準の上昇につれて奢侈品とそれから生活必需品の区別が困難になる。それから、特定の物品に課税されて他のものに課税されないというアンバランスが問題だ。それから、サービス支出が非常に増大している中で物品にだけ課税するということで、消費に対して中立的でない。ちょうど我が国で行われましたような議論がイギリスで行われまして、そして仕入れ税から付加価値税に変わるということになったわけでございます。ヨーロッパの先例を見ますと、我が国の例に一番近いのはイギリスであろうかと思いますが、西ドイツは取引高税でございますから、課税ベースの広い間接税からより合理的な課税ベースの広い間接税に移った、フランスは古いタイプの付加価値税を既に持っていたというところで、若干情勢の違いがございます。
○早川委員 そういう状況から考えますと、日本の今実施されているこの消費税というのは、いわば一足飛びに入ったような印象を否めないわけなんですけれども、そしてまた、それがために日本型のこの大型間接税の特徴というのは何かといい ますと、単一税率であり、帳簿方式、簡易課税方式、限界控除制度、免税点、こういったとらえ方をしてよろしいですか。
○橋本国務大臣 お挙げになりました視点からは、そのようなことは言えると思います。
○早川委員 単一税率にした理由というのは、どういう理由になるわけですか。
○尾崎政府委員 EC等の議論におきましても、税制の複雑化を防ぐために、基本となる税率のほかに軽減税率、割り増し税率、その二種類を認めましょうというようなことで、従来から限定的にすることが望ましい、できれば単一税率が望ましいというのが考え方の基本でございます。 ただ、申し上げましたように、フランスは現在の付加価値税が始まります前から古いタイプの付加価値税があったということもございまして、やや制度が複雑になっておりますけれども、ドイツ等におきましては軽減税率があるだけでございます。それからイギリスは、そのスタートにおきまして若干他の国と違いがありましたものですから、EC等から批判されておりますゼロ税率を現在でも持っているというような状況でございます。そういう諸国の情勢を、あるいは諸国で行われている議論を考え合わせまして、また我が国の場合、当初導入を試みました売上税におきましても五%という定率の税でいくということでございましたので、売上税の場合その単一税率とそれから非課税を組み合わせることによって税制を組み立てよう、そういう考え方になったわけでございます。
○早川委員 単一税率の方は、制度の簡素化、そういったことのためにと言われたのですが、インボイスを、いわゆる伝票方式でない帳簿方式をとっているわけですね。これとの関係というのはあるわけですか。つまり、単一税率というのはインボイスがなくてもいいんだということなわけですが、帳簿方式だから単一税率でなくちゃいけないんだ、こういう関係ですね、ここをちょっと説明いただきたいのですが。
○尾崎政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、売上税におきましては制度の簡素化、特に外国の事例、EC指令等を考え合わせまして、特に一番大きく影響したのは税率水準であると思いますけれども、単一の税率と非課税の組み合わせということで進んだわけでございますけれども、御承知のように消費税の議論に入りましたときには、売上税の際の議論の反省ということが非常に考え方の一つの基礎になっていると申し上げてもいいような情勢でございました。 そこで、我が国の取引の実情に合わせてインボイスを使わない方式ということになりましたので、インボイスを使わない方式というところから出てきた結論は、単一税率の方がいいのだということは御指摘のとおりでございますけれども、それは売上税のときからそうなっていたわけでございまして、むしろインボイスを使わない帳簿方式だからということで議論の中心になりましたのは、非課税の部分をできるだけなくす、例外をできるだけなくすということであったと思います。非課税をふやす、あるいは複数税率にするということは、事業者にとりまして取引の際の税の取り扱いが複雑になるということでございますから、帳簿方式のもとでは税額票という有効な仕入れ控除の武器を持たないわけでございますので、そこはできるだけ簡単にしようということで、政策的に非課税とするものにつきましては、一番最終の段階でしか出てこないサービスの段階、つまり社会福祉の関係でございますとか、教育の関係でございますとか、医療の関係でございますとか、そういうところにだけ限って非課税を認めまして、事業者間同士の取引に出てくるようなものは全部一律の三%で、例外なしでいきましょうということになったわけでございます。 御指摘のような面もございますけれども、私は、どちらかといいますと、帳簿方式にした結果、議論され取り入れられたのは、むしろ例外をできるだけ少なくするという点であったように思います。
○早川委員 そうすると、今回の見直しの中で例外、先日来、生活必需品云々と議論がありましたけれども、少なくとも広がったわけですね。また、税率も単一税率が望ましいわけだけれども、複数税率になったわけですね。そうすると、先ほどヨーロッパの例を紹介いただいたわけですけれども、基本的には、きちんと帳簿をつけてやっていた歴史の中で現在のような付加価値税に移行していったと思うのです。日本だけは帳簿方式をとった。そして、スタートした。売上税の反省からスタートした。ところが、今回の見直しの中では非課税を広げた、範囲を広げた、税率も複数になってしまった、こうなったわけですけれども、そうすると、そもそも消費税を入れたそのベースが若干、まあ崩れたとは言いませんけれども、揺れてきているんじゃないかなと思うのです。そうしますと、一体見直しの方がいいのか、前の消費税がいいのか、どう判断したらよろしいのですか。
○尾崎政府委員 課税ベースの広い間接税としての消費税についての考え方が揺れてきているのではないかという御指摘でございますけれども、私はそういうことも言えようかと思います。と申しますのは、売上税の場合には非常に幅広く、各方面に配慮をいたしまして、例外といいますか非課税をかなり幅広く認めた制度であったわけでございますけれども、そうすることによってあるものが非課税となり、他のものが非課税とならないという、その境目の議論がたくさん出てまいりまして、それが不公平だという議論になったわけでございます。 消費税の場合には、今度は先ほど申しましたように例外を極力なくしまして課税ベースを広くとりまして、そのかわり売上税の五%の税率から三%の税率にするということをしたわけでございますけれども、今度はそれに対します消費者の皆様、国民の皆様からの御意見は、少し配慮が足りなさ過ぎるんじゃないか。例えばお産のようなもの、あるいは食料品のように日常毎日のように取引するようなもの、そういうものについてまで同じ税率でどうかね、こういう御意見が出てまいったわけでございまして、その消費税のときにとりました思想そのものを国民の御意見が何であろうと貫くというようなお考えもあるのかもしれませんけれども、そこは初めて日本で行うものでございますから、初めての経験に対して国民の皆様がどういう反応を示すのかということは、これは非常に大切なことではないかと思います。よく御主張にございますように国民が納得できるような税制ということになりますと、それは理屈だけではなくて、やはり国民の感情、負担感、そういったものに対する配慮も必要であろうかと思います。 そこで、帳簿方式のもとでどこまでのことができるのかというぎりぎりの議論をいたしました。基本的には、先ほど申しましたように取引に影響を与えるという点からサービスの分野で広げていくということ、お産でありますとか家賃でありますとかそういうことでございますが、三つ例外がございまして、一つは検定済み教科書、それから身体障害者用物品、この二つにつきましては、これは物でございまして取引に出てくるのですが、その取引の範囲が極めて限られている、限定された分野での取引であるので、これは一般的に取引に与える影響は小さいだろうというように考えました。もう一つは食料品でございます。これは非常に幅広く取引に関係してまいりますので、そのまま非課税にするということになりますとその影響は甚大であろうというように考えまして、そこで、いずれにしましても、食料品に関係した事業者の方々には今までよりかお手数を余計にかけることになるわけでございますけれども、しかし事業者間取引は軽減税率にしておいた方が取引の上での影響は少なくて済む。それから、軽減税率にしておいた方が最終段階での税負担の減というのを全部非課税にするよりか把握しやすい。したがって、消費者の利益のためにもいいというようなことで、そこで軽減税率というものが入ってきたわけでございます。それで最終段階につきましては、これはもう消費者が買う段階でございますか ら取引に対する影響も比較的小さいということで、そこは非課税にするという方法をとりました。 国民の皆様のいろいろな御意見を取り入れるに当たり、従来の消費税がスタートしたときの考え方とどの程度そこは折り合いをつけていくのかということでいろいろ考えた結果の見直し案でございますので、我が国の実情を考えました場合には、やはり今の見直し案の方が現行の消費税よりかは国民の生活等に適合するのではないかというように考えている次第でございます。
○早川委員 消費税をつくったときには、売上税と比較して非課税範囲を五十一から非常に、八つぐらいに縮小した。これは不公平だったからより公平にするためにできるだけ非課税の範囲は狭くした方がいいんだ、こういうことで消費税はつくられたんですね。しかし、今回はいろんな国民の声を反映させるためには非課税範囲を広げる。そうすると、売上税の五十一まではいかないとしても、国民の要求というのは、基本的に逆進性の問題がベースにあるわけですけれども、そうしますとこれもかけてほしくないというのが必ずあるわけですね。そうすると、消費税より見直しの方が国民に受け入れられるだろう、こう言われたわけですけれども、税制度として見ると不公平がちょっと広がったな、こういうとらえ方もできるんじゃないかと思います。 それから、消費税の特徴である簡易課税制度というのは、例外的な措置なのか、特別なのか、これがよくわからないのですけれども、きちんと計算してやりなさいというのが、本則というのはあるわけですね。これが原則だと思うのですけれども、その例外が簡易課税制度というふうにとらえていいわけですか。
○尾崎政府委員 小さい事業者の方々の納税手続を簡素化するための例外的な措置というように考えております。したがいまして、原則に従う、それに対して例外でございますから、簡易課税をわざわざ選択するという手続を必要としているわけでございます。
○早川委員 先日来の答弁の中で、一年たってどんな状況か調べてみるんだと、初めて簡易課税をどれぐらい選択されたか。ただ、今回届け出がもうちょっと伸びたようなことになっておるわけですから、また伸びるかもしれませんけれども、そういうことなんですが、ただ売上高五億円以下の事業者の九六%ですか、五%か七%ぐらいまでですね、対象。それから、ある調査したものを見ますと、小売業者の場合、売上高五億円以下のものは、写し違いじゃないかと思うんですけれども、九九・九%ぐらいだったんですね、事業者の数からすると。つまり、ほとんど五億円以下の売り上げの小規模事業者なんだと、小売の場合はですね。そうしますと、その人たちが全部とったとすれば、本則というのは小売業者の場合は〇・〇一%だから、本則で税額計算する人はいないようなものですね。ほとんど一〇〇%の人が、小売業者に関して言えば簡易課税制度を使っているということになっちゃうわけですね。 それから、全事業者についても九七%ぐらいだ。これはまあ免税点制度についても同じことが言えるわけでして、六七%ぐらいですか。つまり全事業者のうち、大体例外というのは、普通に考えますと例外というのは半分に割った五〇%以下の場合が例外じゃないか。一〇%とか二〇%は例外だ。大宗は八〇、九〇あるいは六〇、悪くても六〇から七〇ぐらいは本来の本則でやる。だからそれが原則であって、少ない方が例外なんだ、こういうふうに思うんですけれども、今回の消費税で採用している簡易課税制度というのは、そういった観点から見ると、簡易課税制度の方が本則のような錯覚を持つんですけれども、この点はいかがですか。
○尾崎政府委員 消費者の立場から見ますと、結局扱っている業者の割合がどうかということよりか、その全体の売上高につきましてどのぐらいのものが簡易課税あるいは非課税の対象になっているのかということではないかなという気がするわけでございます。したがいまして、御指摘のように九割を超える高い率で、業者の数でいきますと五億円未満の業者はそういうことになっているわけでございますが、売り上げベースで考えてみますと、一七、八%、二〇%を切る程度の売り上げがその対象になっているということでございます。間接税の場合、すべて消費者から見ますと価格の問題になるわけでございますが、売り上げという点からいいますとそういうことになっているわけでございます。 それから、現実に簡易課税制度の選択状況というのを見てみますと、課税事業者のうち、課税事業者の届け出というのを提出する必要があるわけですが、その届け出をした方の中で売上高が五億円以下の方の中におきまして、簡易課税制度の選択届け出をした方が八割ぐらいでございます。全事業者を分母にして考えてみますと、七割程度が簡易課税の選択をしているということでございまして、必ずしも九割を超える方がすべて簡易課税というわけでもございません。 それから、小売業の場合にはほとんどじゃないかという御指摘でございましたが、実は簡易課税で問題になっておりますのは、付加価値率が全法人の平均の二〇%からかけ離れている方々がございまして、そこにおかしな問題が生ずるという御指摘をいただいているわけでございますけれども、小売の場合には大体付加価値率が二割でございますので、簡易課税を選択なさっても一番本来の選択に近いところに、本則で計算したのに近いところになる分野のように思います。そういう意味で、簡易課税制度を仮にそれらの方々が選択なさったとしても、そこにおきますひずみといいますかゆがみは比較的小さい分野であるというように存じます。
○早川委員 九〇%じゃないけれども七〇%というふうな答弁をいただきますと、やはりどっちが本則なのか、どっちが例外なのかよくわからない話になってしまうわけですね。 西ドイツの例などを見ると、非常に低いというのは、先日来の議論でありましたし、外国でもいわゆる付加価値税の先進国においては、多分こういった制度でそれを利用している事業者の比率というのは非常に低いのじゃないか、日本は異常に高いのじゃないかと思うのですが、それによってそこにおける不公平というのは、御存じのように国庫に入らない益税化の問題だとかいわれておりますが、そういった不公平が生まれている一つの原因だと思いますし、また、マージン率がいろいろな数字を見ましても五〇%のところもあれば、先ほど言われた小売のところは二〇%近いとか、いろいろ率が違うわけですね。そういった中でこういった制度を設けているということは、そういった事業者間においてもやはり不公平を生み出しているし、これは大きいのじゃないかなと思います。 それから、限界控除制度というのはよくわからない制度なんですけれども、三千万円から六千万円のところに適用されているわけですけれども、これはどういう理由で設けられているのかなと疑問に思うのですけれども、御説明いただきたいと思います。
○尾崎政府委員 この制度、外国にも例を見るものでありますし、実は一般消費税のときにも同じような制度が考えられていたわけでございますけれども、基本的な考え方といたしますと、免税点以下とそれから免税点を超えたところと一挙に負担が変わるというのはどうか、そこになだらかな変化というものをつけたらどうかという、そういう考え方でございます。 妙な感じがすると委員がおっしゃられますのは、何か間接税という考え方からしますとやや異色の制度ということではないかと思いますけれども、それは確かにそういう面はあろうかと思いますが、基本的な考え方といたしましては、いわゆる激変緩和といいますか、なだらかに納税者としての義務を果たしていけるようになるという、そういう考え方でございます。
○早川委員 質問する前に答えられてしまったの ですけれども、実際これ、なだらかにという部分ですね、つまり消費税が間接税ならば事業者は別に負担しないわけですね、納税義務を負っていても。つまり、三千万円以下だから、免税業者だからこれはおくとしましても、三千万円から六千万円として、簡単に言えば案分比例しているような形をとっているわけですから、四千五百万円の人は自分が受け取った消費税の半分だけ納めればいいという、たしかそういう計算になると思うのですけれども、あとの半分はなぜ、これは補助金なのじゃないかなと思うのですね。別になだらかであろうがなかろうが、自分で負担している税金じゃないわけでして、あくまでも間接税なわけですね。 そうすると間接税というのは、ごく簡単に言えば担税者、負担する人とそれを納める人とが違うのだ。そうしますと、この限界控除適用を受けられる事業者は、別に消費税というのは人様が、消費者が負担した税金なんだからそれをちゃんと納めればいいだけの話で、半分よろしいよという話にはならないと思うのですね。つまり、半分でいいよというと、これは企業で直接税みたいになっちゃうのですね。その辺、よくわからないのですけれども、これ、やめるべきだと思うのですね。これは、消費者は不満に思っていると思うのですよ、国庫に入らない四千八百億か五千億近い一つの原因になっているのですけれども。簡易課税だとか免税点はそれなりに理屈は通るのですけれども、この限界控除制というのは本当によくわからないし、納得いかないのです。廃止するのが至当だと思うのですけれども、いかがですか。
○尾崎政府委員 簡易課税、免税点等につきまして、よく業者に対する補助金ではないかというような御意見を承ったりするわけでございますが、私どもそれに対しまして、いや、これはあくまで手続の簡素化を図ったものであるというようにお答え申し上げているわけでございます。 ただ、限界控除制度につきましては、私も簡易課税、免税点、この二つとはやや性格的に違うところがあると思います。間接税の世界で異質なものであるという御指摘でございましたが、その点に関しましてはそうだと思います。ただ、直接税的な物の考え方がそこに反映されているといいますか、一挙にそこで負担が変わってくる。免税事業者であれば何もしなくてもいいのに、そこからたとえ簡易課税であれ、計算をして税務署に申告をしてというようなことになってくるわけでございますから、そこにいろいろな負担もある、また手間暇もかかるというようなことを配慮いたしまして、先ほど申しましたように、一挙にそこの負担が変わらないようにということでこういうことがとられているし、諸外国にも例があるのでございますけれども、間接税としての物の考え方をきちんと貫けということでありますと、そこは異質の配慮であるということは御指摘のとおりであろうと思います。
○早川委員 消費税というのは、簡易課税制度、単一税率、帳簿方式を見たりすると、日本独自で日本型の消費税と言っていいのかもしれませんけれども、付加価値税と言っていいかもしれませんけれども、余り独自な異質なものをたくさん入れてその中に含めるというのはよくないわけでして、それも消費者が納得しない、不満を持っている、サラリーマンと事業者に差があるんじゃないかという、僕は依然としてあると思うのですね、クロヨン議論がありましたけれども。そういったことを、できるだけ異質なものは省くというのが説得力を持つんじゃないかなと思います。 それから、今回の消費税、こう入れたわけですけれども、大臣は冒頭に不公平感があるからと言われたんですけれども、簡単で結構ですが、クロヨン問題との絡みではどのように今回の消費税を考えておられますか。
○橋本国務大臣 結局、この問題の根本は、捕捉率の問題にかかってくる一つのポイントがあろうかと思います。しかし、もう一つの問題として、公平性ということから議論が行われておったわけでありまして、所得が同じ水準でありながら異なった形態の家計に対する税の公平というものが議論の対象であったと思います。 そういうふうな考え方でまいりますと、従来からよくサラリーマンの所得と自営業者の方の所得あるいは農家の方の所得というような視点から公平、不公平が論ぜられたわけでありますけれども、消費税の導入というものは、現在の水平的な不平等というものについて、一つは、一般消費税は支出に比例してすべての家計が同じ負担をされる。もう一つは、帳簿保管義務とか納品書の報告ということにより自営業者の把握が改善することであるという考え方が、経企庁の編集された「OECDの見た日本経済」の中に述べられております。この視点が私は必ずしも全部正しいと言い切れるのかどうか、OECDという立場から見た視点でありますから、必ずしも議論の公平さというようなものに全幅の信頼が置けるのかどうかは、私にもわかりません。しかし、やはり同じ消費に対して同じ負担という視点からは、私は消費税が導入されたことはこうした問題にこたえる一つの方向であったのではなかろうか、そう思います。
○早川委員 今大臣も言われましたけれども、「OECDの見た日本経済」の中に、水平的な問題といわゆる所得捕捉の差、俗に言うクロヨンについての、それの是正のための一つの手段としての消費税というのはあるんだ、こういう指摘がされているわけですが、ある面で僕は当たっているのじゃないかと思うのですけれども、今回はそこがただ非常にぼかされた形で進んできているわけですね。 今回の見直しに関連してなんですけれども、みなし仕入れ率を政令委任にしたわけですが、租税法定主義云々かんぬんの問題はあるわけですけれども、もっと機動的に、弾力的にという答弁をされているわけですけれども、そこのところをもう少し説明いただけたらなと思うのです。つまり、政令に委任してどういった対応をされるのか。今、八〇%と九〇%というのはありますけれども、新聞等を見ますと、いや、もう一つ七〇%を置くんだとか、こういうことも伝えられているわけです。政令委任してもっと弾力的に対応していくんだ、機動的に対応していくんだという意味は、そういった仕入れ率をもっと多様化していくということなのかどうか、伺いたいと思います。
○尾崎政府委員 先ほど来中小事業者に対する特別の配慮の措置につきまして御質問いただいておりまして、いろいろ御答弁申し上げているわけでございますけれども、私どもも、もともと法律、税制改革法の中に、この問題についてはいろいろの事情を勘案しながら見直しを行うと法律上定められていることでございますので、今の制度が絶対のものであるということを前提に御答弁申し上げているわけではないわけでございます。また、閣議決定をいただきまして、この五月の末でみんなの事業者が一回は納税を経験したという段階で、各種の資料を集めまして見直しをしましょうということになっているわけでございますので、そこでの検討を待ちまして今後の方針を決めていくという考え方でございます。 したがいまして、いろいろと問題点を意識しておりますことは、委員とそれから政府側と別段その差があるわけではない。ただ、確たる根拠を持って検討を行いたい、こういうことなのでございますが、そういう考え方に立ちました場合に、もしその資料が出て、検討をして結論が出れば、できるだけ早くそれを実施に移したいという気持ちがございまして、そのためには政令に委任をしておけば、法律のままで、もう一回国会の開かれる機会を待って法案を提出して、その成立を図ってということよりも早く国民の声にこたえることができるのではないかということで検討をいたしました。 その際、例えば簡易課税の五億円でございますとか、免税点の三千万円でございますとか、そういうような部分はやはり租税法定主義からいって到底それを政令委任というのは無理であるということの中で、仕入れの率は再々御答弁申し上げておりますように、旧物品税におきましても一定率というような制度を政令で行っておりましたので、そこは政令委任が何とか可能であるという法制局の御見解でございました。そこで、私どもはそのようなものを当面なし得る措置としてお願いしているわけでございます。 しかしながら、先ほど申しましたように、きちんとした資料を得て、それで税制調査会にお諮りして、きちんとした結論を出していただきたいと考えているわけでございまして、その解決の方向がみなし仕入れ率を多様化するということになるのか、あるいはそうじゃなくてやはり五億円といったところをいじった方がいいということになるのか、あるいは今のままでいいというような結論になるのか、そこのところはまだ私ども予見を持ってどうということは言えないわけでございますけれども、ドイツの例等もございます。ドイツのように詳しいのはかえってどうかという気もいたしますが、多くのまた境目論を生んでしまいますのでどうかと思いますが、しかしとりあえずやれることだけはやっておきたいということで、みなし仕入れ率の政令委任ということを設けた次第でございます。
○早川委員 この見直し案が仮に万分の一の可能性で通ったとした場合、食料品には一・五%をかるけというふうになっているわけです。そうしますと、小売業者は別にして、食料品の製造業者だとか卸売業者、今までですと三%の税率で仕入れにかかっているわけですけれども、これからは一・五%ですね。原材料の、例えばマグロの缶詰でもいいわけですけれども、つまり何でもいいわけですが、一・五%の原材料費でかかってくるものと三%の缶、そういうものが入ってくるわけですね。そうすると、その比率によりまして計算がもちろん複雑になるということもあるわけですけれども、もう煩わしいから今のようなみなし仕入れ率をとった方がいいという、自分が損得をきちっと一応試算してみて、必ずやると思うのですけれども損得を試算してみて、そして自分が原材料一・五%のウエートが何%、仕入れの比率が六〇%なのか五〇%なのか、あるいは三%でかかるものがやっぱり四〇%か五〇%なのかということで計算してみると思うのです。 そういう状況を踏まえてみなし仕入れ率を考えようじゃないかとなると、今八〇%と九〇%だけではいけないんじゃないか。つまり見直しというのは、もう一年たちましたから、今は三%の一本の税率で、これで締め切られて今整理をして、それをもとにして、データをもとにして、政令委任のところで、じゃこの八〇、九〇がいいのか、七五になるのがいいのか、こう見直すということになるわけですね。ところが、この見直し案が通って食料品の一・五という制度が入っていきますと、そこでまた新しいみなし仕入れ率みたいなことを考えなきゃいけないんじゃないかなと思うのです。そうすると、仕入れ率というのは、西ドイツの方とまでいかなくても、やっぱり二つか三つだけじゃ済まないんじゃないかな、そんな感じがするわけですけれども、この点はいかがですか。
○尾崎政府委員 資料が出てきたところでいろいろ検討をしてみませんと何とも申し上げかねるのではございますけれども、そのみなし仕入れ率の見直しというような方向に進みます場合には、今の委員のお話は一つの御提言としてよく検討させていただきたいと存じます。
○早川委員 こういうふうに考えてみますと、今の現行制度、消費税という制度そのものにいろんな欠陥があり、新しい不公平を生み出してきている。そしてまた、見直し案が通ることによってまた複雑さと不公平さが広がっていく。見直し案が通れば国民の間に定着するかどうかといった点を考えますと、そうじゃないと思うのですね。 一昨日の公述人の公述の中に、定着の問題が指摘されておりましたけれども、今行われている税務調査の方について言えば、法人税なり所得税の方はきちんと従来どおりやるけれども、消費税については余りやらないよ、たしかこういうのは約束でやられていると思うのですね。だから不満は余り出てこないとか言われているのですが、そしてまた、こういった簡易課税制度の中でいわば事業者をなだめている部分があると思うのですね。ところが、消費者のところだけは依然として不満が募っているわけですね。この程度の見直しをやっても、私はだめだと思うのですね。 これは仮定の話なんですけれども、食料品は一・五%にしたのですけれども、ゼロ税率にすることの問題点というのはどういうところがありますか。例えばフォローアップの小委員会の報告を見ても、イギリスがあって、イギリスはECの中でも批判されているよという表現があるわけです。それとは別で、余りそういうことばっかり言われますと、ECの標準税率は一四%から二〇%ぐらいに持っていって、軽減税率は一けたのところであって、こういうふうな共通税制があるわけですから、日本もそちらへ向いていくのかなという不安があるわけですね。三%から始まって、税制の国際化が進んで、しかも貿易を含めて経済的な交流が深まっていけば、間接税は同一の方がよろしいとなると、そういう税率がどんどん上がっていくということを危惧するわけです。それとは別に、したがってイギリスがゼロ税率をとっていて、ECの中では少数派であっても、それはそれで私はいいと思うのですが、例えば日本で今一・五をゼロ税率にするということはできるのかできないのか、どういった問題点があるのか指摘していただきたいと思います。
○尾崎政府委員 委員の御質問の中に御指摘がございましたように、ゼロ税率というのはイギリスで例外的に行われている制度でございます。EC等におきましては、非常にそれに対する否定的な意見が圧倒的であるというのも御承知のとおりであろうかと思います。 いろんなことが言われるわけでございますけれども、基本的には、ゼロ税率を設けるということは、完全に課税されない部分と課税される部分に分かれるということでございますから、個別間接税制度が持っている問題点をそのまま持ち込むということが問題であるという、これが基本的な問題であろうと思います。例えばある商店街におきまして、隣の店は消費税を納めるのに、その隣の店は毎回還付を受けるという話になるわけでございますから、そこに生じます不公平感というのは非常に大きなものになるだろうという気がいたします。 それから、現在は、いろいろ御議論はございますけれども、免税点というような制度を設けまして、非常に小さい業者の方々は納税の手続から解放されているわけでございますけれども、そこにゼロ税率によって還付の問題が生じてまいりますと、そういうわけにいかなくなってまいりますので、本当にべったりと税務署に対して各種の資料を提出していただかなくてはいけないということになろうかと思います。それは行政上の事務手続におきましても大変煩瑣なことになりますし、イギリスが付加価値税制度に移行いたしましたときに関税・消費税庁で非常に大きな増員のあったことも有名な話でございますけれども、そういう行政コストの点からも大きな問題があろうと思いますし、また事実、その納税あるいはその税の還付のために小さい業者の方々が相当の手間暇がかかるということもまた見逃せない問題だと思います。 それから、非課税でございますと、確かに自分は課税にならなくても、仕入れにおいて税を負担するわけでございます。したがいまして、低い税率でかなりの税収を上げられるわけでございますが、ゼロ税率ということになりますとどうしてもそこが全部抜けてくるわけでございますから、残った課税の分野におきまして一定の税収を確保しようということになりますと、どうしてもその税率アップの圧力がかかってくるということにもなろうかと思います。 そういう諸般の問題を考えまして、我が国におきましてこの売上税、消費税が検討されましたときにも、やはりEC指令のとおりゼロ税率は避けようということになっております。税制調査会等におきましても同様の答申をいただいております し、やはりどうも制度として、よく制度の欠陥ということが言われますが、言ってみますとゼロ税率というのは一つの、課税ベースの広い間接税としては大きな問題点を含んでいるわけでございますから、そのような制度に変わるということは大変問題が多い。また、事業者の方にとっても非常に大きな問題、感情的な面でも事務的な面でも非常に大きな問題を抱えているということをぜひ御理解をいただきたいと存じます。
○早川委員 昨年の四月に消費税が導入されたわけですが、ある新聞が「一カ月の総括と展望」というシリーズ物をやったときに、時の渡辺美智雄自民党政調会長へのインタビューの記事があります。そこではいろいろ指摘されている中で、免税点の問題、それから限界控除の問題を言われているわけですが、その中に、「複数税率制度の導入についてはどう考えるか。」という問いに対しまして、「そんな考えは全くない。「物品税を拡大しろ」という考えに通じる。」からと、こう言っています。それから昨年の十一月八日ですか、日商会頭は記者会見で、免税点や簡易課税制度を見直しの対象から外すべきだと昨年の十一月に言っているわけですね。仮に免税点や簡易課税制度の見直しに自民党が手をつければ、中小零細企業からのリアクションは大きいだろう。自民党が手をつければ、政府が手をつければと読みかえてもいいと思うのですけれども、こういう発言が行われているわけです。 これは今日の時点で、そういった認識は誤りだ、そういう心配は無用だというふうに考えられて一年たつわけですけれども、簡易課税の五億円の問題だとか免税点の問題だとか、それから限界控除制度の問題だとか、そして今度複数税率の見直し案を出してきているわけですけれども、大ざっぱに言いまして、昨年一年間言われていた議論を、本当に議論そのものを見直して、大胆にそういった反対論に対しても押し切っても見直していくんだ、こういった決意を持っておられるのか、披瀝していただきたいと思います。
○橋本国務大臣 ちょっと渡辺政調会長の御発言というのは私は記憶がないんですけれども、当時の税制調査会長としての西岡さんが述べられましたものは、現に進行し始めてまだそのスタートから間もない時期において、基本的にデータもない中で見直すとか見直さないとかということについては非常に問題を生ずる可能性がある、そうした御指摘であったような記憶がございます。 そして、いずれにいたしましても、私どもは国民に対して見直しをお約束をし、その見直すべき点についてさまざまな角度からの御意見をちょうだいしてまいりました。そしてその中に、消費者としての立場の国民からの声の中、相当大きな部分について、こうした点についての見直しを求められる御意見があったことは事実であります。そして我々は、そうした御意見のすべてを俎上にのせる、検討するということを申し上げてまいりました。 ただし、先ほどからお述べになっておられます簡易課税の問題あるいは免税点の問題等々を含めまして、やはりそれだけのデータがきちんとそろわなければ見直しの土台そのものも整わないわけでありまして、一方では、両院における御論議の中においては、そういうデータはある程度想像の世界でも出せるではないかというような御指摘があったことも事実であります。そして、私どもとしては、この一年間の実績を踏まえて、その結果、分析した結果からどのようなものが出てくるか、どうした点を見直すべきものがあるかあるいはないのか、こうした点についてデータの上できちんとその内容を御提示したい、そう考えております。
○早川委員 先ほどの食料品のゼロ税率の問題もそうなんですけれども、例えば消費者の方はゼロにしてほしい、三%かかっていない前の状況に戻してほしいというのがやはりあると思いますよ。それに対して、還付の問題が解決できなければそれは実際にはできない、技術的には。そして、そのためには非常に事務負担が大変だし、恐らく帳簿方式から仕入れ、インボイスの方まで変わっていかないことにはそういった対策というのはできないのじゃないかと思うのですね。 そういったことを考えてみますと、そしてまた今大臣が答弁された、見直すという方向を言われたわけですけれども、この見直し案というのは消費税の持っている欠陥をなくすのか、あるいは、いやもっと改悪にしている部分があると先ほど来の議論の中で出たわけですけれども、悪くしている。結局は抜本的な見直しにはならないし、抜本的に見直すということはなかなか難しくて、インボイスまで行ってしまうには、今の日本の社会ではとてもじゃないけれども受け入れられないと思うのですね。これはいろいろな小売業の人口一万人当たりの数から見ても、日本は圧倒的に多いわけですね。外国、アメリカだとかイギリス、フランスの数から見ても倍ぐらい違うわけですね。まだまだ、そういう流通過程を見ても、そういった意味で僕は時期尚早だと思いますし、基本的に無理があるんじゃないかということを結論的には述べたいと思います。 それから、本当の最後の最後になるのですけれども、今、日米構造協議で公共投資十カ年で四百兆円とか四百五十兆円の議論がされております。大蔵省は総額明示方式がいい、GNPの単年度で示すのは困る、こう言われております。そしてその理由は、予算編成権の自由裁量権が奪われるとか、弾力的なそれこそ景気調整のための公共投資計画ができない、こういった理由を述べられております。最後に一言で結構なんですが、アメリカの今要求している日米構造協議における公共投資の単年度あるいはGNP比率の明示に対して、大蔵省としてそれこそだめなものはだめと言い続ける自信はありますか。伺いたいと思います。
○橋本国務大臣 そのだめなものはだめというお言葉を借用させていただく私どもの大切な場面だと思っております。GNP対比については、私としてはどうしても了承することはできませんし、同時に、単年度の計画を示せと言われますものは、まさに予算編成権の中にまで介入をされるということでありまして、私はそうした御要望が幾らありましても、これは伺うわけにはまいりません。
○早川委員 ぜひ頑張っていただくと、だめなものはだめだと言うことがいかに正しいかということもよくわかると思うのです。 それで、希望なんですけれども、これは経企庁長官にお答えいただく時間がなくて申しわけなかったのですが、公共投資、今十五本あるわけですね、長期計画。そして最近ですと、産業廃棄物施設もその長期計画に入っているんです。ところが、森林保全というのはいわゆる社会資本の範疇には入らない。多分入らない。今までだと入らないと思うのですけれども、これから入れなければいけないんじゃないか、新しい観点で。せっかく経企庁は生活関連公共投資とその他と分けて何か報告するそうですけれども、新しい公共投資、社会的な共通資本整備という意味で、森林保全の長期計画プロジェクトというものもこれを機会に検討していただきたいと思いますが、要望なんですけれども、一分時間がございますので、御答弁いただきたいと思います。——じゃ、それぞれいただくとありがたいと思うのですが……。
○相沢国務大臣 社会資本の整備というのは、非常に概念として広いわけでありますけれども、今、公共投資の明年以降の十カ年間の計画について、日米構造協議の線に従って検討をいたしておりますが、その公共投資の中に何を含めて考えるかということは、これもあわせて検討中でございます。十五本の五年ないし十年の長期計画を持っておりますところの公共事業は、当然これは入ってまいりますけれども、国民所得計算上のIGに、政府投資に入ってくるものはそのほかにもありますものですから、それを含めて考えなければなりませんし、今御質問ございました森林に関しましては、これは造林のようなものはまさに公共投資的な性格がありますけれども、あるいは撫育に関しましては、維持的なもの、こういうランニ ングコストみたいなものについてまでそういう公共投資のカテゴリーに入れるかどうかという問題については、そのほかにも同じような問題がありますものですから検討させていただきたい、このように思っています。
○橋本国務大臣 むしろ私は、実は公共投資の十カ年計画には入らないと思うのです。というのは、逆に森林の整備というのはもっと生命の長いものでありますから、十年というタームにはめること自体に無理があるのじゃないでしょうか。率直に私はそう思いますし、そういう意味から私は、林政審の今の作業結果を待ちたい、そしてむしろよりスパンの長い考え方を示していただきたい、そう思います。
○早川委員 終わります。
○山崎委員長 これにて早川君の質疑は終了いたしました。 次に、大木正吾君。
○大木委員 現行消費税並びに見直しの内容等につきまして、五日間の議論をやった中で相当に問題点が出てきているわけでありますが、私は少し角度を変えまして、実は消費税が導入されるまでの政治的なといいますか、そういった経過について少し振り返ってみたいと思います。 これは最初の日の加藤筆頭理事の方から話もございましたけれども、大平さんが倒れられました経過等もございますが、結果的にはやはり赤字公債を当初は最大の問題といたしまして、そしてむしろその方に向けての、言えば税調答申というか新税構想というか、そういったものが主として税調の中でもあるいは政府の中でも議論されておった、こういう経過が一つはあるというふうに考えるわけですね。 〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕 この事実について、大臣かわってきておられますので、当時宮澤さん等が大臣をやった経過もありましたし、竹下さんも大蔵大臣をやったこともございます。そういったことがございますが、やはり大平消費税のときの、言えば税調答申とか政府の内部の議論等考えていきますと、結果的にはやはり最大の課題は財政再建、赤字公債を消さなきゃいけない、こういった問題に最大の焦点が税収の対象といたしまして存在した、こう見られているのですけれども、そういう考えでよろしゅうございますか。
○橋本国務大臣 私は、過去にさかのぼって細かい状況をつまびらかにいたしておりませんが、たまたま行財政改革の関係で当時私どもが与えられておりましたことは、いかにして第一次臨調の答申を実現するかという視点から、オイルショック以降において財源対策と冗費節減という視点が非常に強く入ってきたということであります。そして、第一次大平内閣の閣僚として総理の日ごろのお話等々に耳を傾けております間において、やはり赤字公債というものに対して非常に強い責任感を感じておられた、大平総理はそういう気持ちを持っておられたということも、私は大変強く当時感じさせられておりました。 それだけに、私は、当時大平総理が大型間接税というものに対して強くその実現を目指された中には、今委員が述べられたようなお気持ちもあるいはあったかと思います。しかし、決してただ単なる財源対策とかそういう視点ではなく、私は大平総理がしばしば閣議の席等において述べられておられたことを考えてみましても、むしろ将来を洞察するときに、我が国の財政の状況というものを根本から立て直しておかなければならないという極めて強い使命感を持って取り組んでおられた。ちょっと私は、委員がお述べになりましたほどそのときの現象面にとらわれた大平総理の取り組みではなかった、そんな印象を記憶いたしております。
○大木委員 その次に中曽根内閣に入っていくわけでございますけれども、当時の売上税問題で失敗いたしまして、そして国会におきまして中曽根総理は、大幅な間接税はしない、私の顔がうそをつく顔に見えますか、こういう話をされまして、そしてその後にダブル選挙を行いまして三百の議席を獲得をされる。そういった経過の中で、前後の原議長あっせん等も出てくるわけでございますが、どうもやはり、私税調の委員をやったことも少しあるわけですけれども、実は東畑さんの会長時代に振り返って考えていきますと、あの当時税調委員のメンバーの多くの方々は、なかなか政府あるいは自民党税調等は政府税調の答申したものを実行してくれない、こういったことがよく仲間の中に話題になったことは事実なんですね。 こういった経過について一応前置きといたしまして、問題は中曽根時代三百議席、そして竹下さんの時代に入りますと、当時宮澤さんが大蔵大臣でございましたけれども、税調との関係は極めて密接な関係を持ってくるわけですね。そうして、言えばいろいろな理由を角度を変えてつけてまいりますけれども、結果的に言えば、今から十数年前には税調が何遍でも、例えば医師の診療報酬、こういったものについて厳しく直しなさい、こういった答申をされても、余り自民党税調なり政府税調は考えない。しかし、この時代になってきますと、極端な例が六十三年四月中旬の中間答申、わずか二カ月後における六十三年六月の答申、この辺に行きますと、非常にはっきり消費税の導入だけが答申として浮かび上がってくるわけなんですね。ですから、税調の性格、政府税調に対する利用といいますかあるいは活用といいましょうか、私に言わせれば隠れみの的なもの、こういうふうにも指摘をしたいのでございますけれども、明らかにこれは税調の経験者としまして考えたときには、かつての政府税調とここ消費税導入前後の政府税調には大変な因果関係の違いあるいは密接化といいますか、そういった面での違いが出ている、こういうふうに感じるのですが、大臣、どうお考えですか。
○橋本国務大臣 これは、私は少々異論を申し述べたいと思うのであります。 というのは、今事務方から委員が税制調査会の委員をされておられた時期をちょっと聞いてみました。そうしますと、昭和三十八年の中山伊知郎会長の時代から昭和四十七年まで、すなわち日本のまさに高度経済成長真っただ中の時期にちょうど委員は税調の委員をしておられたということになります。その当時、私は、政府の税制調査会と政府あるいは党、国会がどのような関係にあったかを十分に知る位置におったわけではございませんけれども、少なくとも当時、まさに日本の経済は拡大に次ぐ拡大を続けており、むしろ予算編成等を私どもが要求する側におった者として振り返ってみましても、今日のような厳しいシーリングをかけ、そして既存の施策の見直しの中から新しい施策の財源を見出さなければならないというような状態の時期とは全く異なっておりました。私は、当然、税制調査会そのものの御論議にも現在とはおのずから違ったものがあったろうと思います。また、これは政府・与党だけではなく、国会の中における御論議というものにも今とは違った面があったのではなかろうか、率直にそんな感じがいたします。 今日、財政再建という目標を掲げ、ようやく赤字公債から脱却し得た早々の状況のわけでありますが、私は、政府の税制調査会また党の税制調査会というものが、当然その趣旨、性格は異なっておりますけれども、同じ時期に同じ税制の問題について論議をされる場面は昔よりははるかにふえておると思います。そして、その論議の結果というものが同じ結論に到達する度合いも、この財政状況の厳しい中においては当然私は従来よりはふえているだろうと思います。それは、どちらがどちらを隠れみのにするとかいう性格のものでは私は全くない。むしろ、そうした状況を考えてみますと、ゆとりのある当時、ある程度ゆとりのある経済情勢の中で論議のできた時期と、非常に選択肢の狭まってきている厳しい財政事情の中における論議というものにはおのずから変わりがあり、同時期において同じ問題を議論した結果が同じになったからといって、それが隠れみのというような御指摘は、私は少々承服いたしかねます。
○大木委員 これは、当時大臣は大蔵大臣でござ いませんでしたから、別に現大臣に対してどうとか言うわけじゃありませんが、中曽根総理の政治手法といいますか、そういった中には非常にたくさんの審議会というものを利用した過程がございましたですね。そうして、税調のメンバーに暴れ馬をたくさん引き込むとか、そういったものがあったりいたしまして、結果的にはああいったリクルート問題なんかにも関連がなかったわけじゃありませんけれども、そういったことで、私——きのうも例えば六十一年の十月二十八日の「税制の抜本的見直しについての答申」というものが配られていますね。この中の二ページの方に、これは抜粋でしょうけれども、こういう項がございます。四ページと付記がございまして、下から五行目以降でありますけれども、「その場合、財政事情等を考慮しつつ、中期的にみて実効税率が五割を下回ることとなるようにすることが適当であり、一方、引当金、租税特別措置等について実情に即しつつ厳しい見直しを行う必要がある。」こういう言葉がございますね。これは、午後の質問で若干中身に入って伺いたい点もございますが、こういったものと同時に、ここに六十三年六月の、これは竹下さんがもらった答申なんでございますけれども、この中には、もうほとんど趣旨が消費税導入一本に絞ろうというような形の答申になっていますね。 こういうふうに比べていきますと、隠れみのという言葉がよくなければ撤回いたしても結構なんですが、やはり税調答申というものを正しく、例えばさっき私の税調の任期中のこともおっしゃいましたけれども、もし財政豊かであれば診療報酬等もっと大胆に見直しされてよかったんじゃないか、こういった感じもしますし、同時に、租税特別措置についても今回若干直してはいますが、こういったものへの切り込みももっといわばウエートを高めてよかったんじゃないか、こういう感じもいたします。 いずれにいたしましても、そういった経過が、どうも税調のメンバーの経験からいたしまして、橋本大臣がどうのこうのじゃありませんけれども、政府全体としての流れが、最近は税調を、自分たちが国民に消費税をのんでもらう、消費税というものを国会を通したい、もちろん議席でございますからそういった数で通りますけれども、そういったものに対して税調が非常に大きな役割を果たさせられておる。こういった感じをこの経過の中で、別に私ひがんで言うわけじゃありませんけれども、そういった受け取り方をせざるを得ない面があるわけでありまして、もう一遍お答えいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 今たまたま委員御在職当時における社会保険診療報酬に対する租税特別措置を例に引かれながらお話があったわけでありますが、歴史をもとに戻すことはできないわけでありますが、仮に今私どもが持っております知識をその当時に持っておったといたしますならば、恐らくその時代、社会保険診療報酬の租税特別措置よりも先に手がけられなければならなかったことは、疾病構造の変化に対応した診療報酬体系のあり方というものがあったであろうと思います。そうして、それに連動した形で租税特別措置の見直しが行われておったとすれば一番姿としてはよかったのだろう、今になって過去を振り返れば、そういうことも言えないとは私も思いません。 ただ、これは大変、委員にせっかくお述べをいただいた過去の答申を踏まえての御意見でありますけれども、私はやはり昭和五十年代の後半に国民から非常に強く税制改正というものを求められる状況の中で、根本的な税制の見直しというものが論議をされ、そして六十二年、六十三年と所得税あるいは住民税、法人税等減税が進行していき、そして物品税の見直しとその再評価の中から、広く薄く課税ベースを広げた間接税、しかも所得、消費等々に置いたものを検討していくというそのプロセスの中から、それぞれの時期における答申は税制調査会から御提出をいただいたと考えておりまして、それを恣意的にスケジュールを組んだというように御指摘になることについては、私はいささか意見を異にいたします。 その意味では、むしろ減税が先行していった、そしてより長い議論の結果、殊に売上税の反省をも含めた中で消費税というものについての税制調査会の御意見がまとめられてきた、私はそう理解する方が素直なような気がいたします。決して委員が素直じゃないと言っているわけじゃありませんけれども、私はそう思います。
○大木委員 時間が若干中途半端になりますので、これは橋本大蔵大臣と私との若干の感想の違いといいますか、そういった面でとにもかくにも六十三年以降というものは消費税がぐんぐんと、十数年前から気持ちの中にあったでしょうし、いろいろ悩んだことも事実でしょうけれども、露骨にいろいろな文章なり宣伝なり、そういった公的な審議会等において割合に政府に都合のいい形で動いてきておる、こういった感じがいたすものですから伺ってみたわけでございまして、参議院の本会議等あるようでございますから、あと一、二問だけさせていただきます。 土地問題であります。 これは現在税調の関係委員会に審議されておられる、こういうふうにお答えが返ってくるかと存じますが、結果的にこれは、先ほどの早川委員の質疑の中にも出てきた問題でございますけれども、資産の格差の問題とか、そういった意味に非常に関連いたしますが、中身はまた後で御質疑いたしますけれども、土地税調の答申については、いつごろに答申がなされ、そしてそれに対して政府・自民党といたしましてどの程度の検討を加えられるか、めどですね、もし頭の中にございましたら一言お答えいただきたい、こう考えます。
○橋本国務大臣 これは、税制調査会の委員の任期が本年の十一月十日でありますので、当然そこまでに検討の結果をおまとめをいただけると私は考えております。そして、その結果をちょうだいをいたしました上で、これは国土庁の方の土地に対する基本政策の問題とあわせて検討しながら、我々としてできる結論は、予算編成前の次年度の税制改正の骨格を固める時期までにそれなりの結論に到達したい、そのように考えております。
○大木委員 新聞報道ですと、石さんのいろいろな一問一答等出ておりますが、保有税強化という問題に相当焦点が当てられているようでございますが、大体こういったものでよろしゅうございますか。そういった場合に、問題は土地の評価、これが非常に問題であろうと考えておりまして、例えばの話が、公示価格という極めて常識的な、毎年発表されるものもございますが、相続税における路線価の問題とかあるいは固定資産税の評価、これは地方税絡みの問題でございますけれども、評価の問題でございますとか、あるいは県基準地価格とか、ややこしくあちこちに同じ土地に対しましていわば評価の仕方が違うのでありますね。ですから、大臣といたしまして、保有税強化ということを考えた場合に、まずもってこの土地の評価というものを一本化する、こういったことの必要性についてはお考えになりませんか。
○橋本国務大臣 今私どもは、要するに、資産格差の拡大というものに対する国民の不満を一方で踏まえながら、同時に、土地というものの今後のあり方について基本的な考え方としての土地基本法をお出しいただき、その中における公共優先という原則を踏まえ、同時に、どうやれば大都市部においてサラリーマンが家を持てるような土地政策というものをつくっていただけるのか、その中に税はいかなる役割を持つべきかという視点で税制調査会に御論議をお願いを申し上げておるわけでありまして、その内容についてどういう御結論をお出しいただくかを今私の方から想定してお答えを申し上げることは、必ずしも適当ではないと思います。 同時に、今委員が述べられましたその評価につきまして、従来からもさまざまな角度での御論議がございました。しかし、私は、その評価の仕組みを一本にするということについては、今までも必ずしも肯定的なお返事を申し上げておりません。これはそれぞれの仕組みの問題、また運用上 の問題等々があるわけでありまして、要は、それが国民の持たれている常識から著しく乖離しないようにしていくために適正な運用を図るというところに尽きるのではなかろうか、そのように考えております。
○大木委員 午前中の質疑はこれで終わります。
○関谷委員長 代理 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ────◇───── 午後一時開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。大木正吾君。
○大木委員 大臣おりませんけれども、主税局長を中心といたしまして質疑を続けます。 これはことしの五月二十九日に「土地税制見直しの基本課題」、土地税制の小委員長がまとめたものが手元に配付されておりますが、これは主税局長お持ちでございますか。——前文は省略いたしますけれども、「土地問題の所在」というところに「地価高騰による資産格差の拡大」という項がございます。 これについて幾つか手元に資料を見つけてきたのですけれども、例えば法人の所有土地資産額、これは八八年でございますけれども、五百十四兆五千億円、帳簿価額にいたしまして八十兆六千億、含み益四百三十三兆九千億、含み益の伸び率、八六年が三三・三、八七年が四二・一、これにさらに銀行融資等が加わってさらに新しい土地を買い求めていくこともあるでしょうけれども、国土庁呼んでいませんが、一応メモですから読んでおきますが、八九年に、八四年に買い入れた土地未利用調査をしていますが、当初から利用する意思がないと答えた会社、企業が五〇%、八八年、事業用土地に占める未利用地が六・二%、この中の七八%が具体的計画なし。こういった状態について主税局長どうお感じですか。
○尾崎政府委員 税制調査会におきまして国土庁から御説明がございましたときに、ただいま御指摘のような法人の土地利用の状況等につきまして数字を示しての御説明がございました。税制調査会の中で大変関心を引いた問題でございます。その後、マスコミ等でもかなりこの問題が取り上げられておりまして、今後の議論を進めていきます上で、やはり一つの注目されるデータとして今後の議論に影響を与えていくのではないかというように考えている次第でございます。
○大木委員 もう一つ資料を、ちょっとこれは参考までに申し上げますが、市街化区域におきます都市農地の問題でございますけれども、これは固定資産税の面からちょっと入りますが、東京都の二十三区部、一平米百三十万円ですね、これは公示価格です。そして、固定資産税が三万円前後ですね。宅地の税額が二百四十五円、小規模宅地百二十二円五十銭、近接の農地との比較でございますが、一平米四円、公示価格における実効税率、宅地の一・六%に対しまして実効税率が〇・〇〇〇三%、こうなっていますね。こういうこと御存じですか。
○湯浅政府委員 具体的な数値につきましては、今手元に具体的なものがございませんので何とも申し上げられませんが、市街化区域内農地の長期営農継続農地として認定されたものは農地並みの評価で課税をされておりますので、一般の隣の宅地に比べますと相当低い税額であるということは事実だと思います。 この問題につきましては、既に昭和四十六年以降、市街化区域内農地の課税のあり方につきましていろいろと御議論を賜ったわけでございますけれども、昭和五十七年度の税制改正で、十年以上営農を継続することが適当だと認められる農地につきましては、今申しましたような農地並みの課税をするということが現在の制度になっておりますので、そういう制度の中におきましてそのような税負担があるということは間違いがないと思うわけでございます。 この点につきましての取り扱いについては、既に政府部内におきましても今後の取り扱いをどのように見直していくかということについて今鋭意議論をしておりますし、税制調査会におきましても議論をしていただいているところでございます。
○大木委員 結論をどういうふうに見出すかについては、これはまだ作業中でございますから、私も深くは質問できませんが、ちょっと今回の見直しの問題との関係でもって一つ事例を挙げてみたいのですが、見直しの中に、借家に対しては非課税にする、こう書いてありますが、この中身はどういうことですか。内容について、まあ言えば公営の住宅とか民営、民家、全部含むのかどうなのかですね。
○尾崎政府委員 家賃全部でございます。公営に限らず、民間分も含めましてすべての家賃という意味でございます。
○大木委員 細かな問題が大分質問が出ていますが、そのときいなかったから私は伺うのですが、これはよく週刊誌や新聞にも出るのですが、東京におきましてはマンションを借りる場合とローンで買う場合ですね、どっちが得かという比較が出るんですね。そうしますと、借家に対し非課税、三%を免除するということは、一部ローンで、自己資金プラスローンでもってマンションを買った方、こういった方の不満感といいましょうか不公平感が起きる心配はないとお考えですか。
○尾崎政府委員 ちょっとその御質問の意味を的確に把握してないかもしれませんけれども、マンションを買う予定を立てていて、課税のために金額が上がってローンをふやすという意味でございましょうか。
○大木委員 いや、違う。借家には全部消費税を免除するが、現に自分のマンションにしてありまして、その一部がローンになっている場合の問題を全然配慮されなかったのはどういうわけですかということです。
○尾崎政府委員 そこはやはり自分の住宅を買う能力のある方と借家住まいをしている方の違いとしか申し上げようがないわけでございますけれども、なぜ家賃のようなものを今回非課税ということでお願いしているかと申しますと、一つには、今回の見直しに当たりまして逆進性の問題が大変な議論になったわけでございますが、やはり家計消費の内容を見ますと、所得の低い方の方が家賃が消費の中に占める率が高いわけでございまして、このようなものを非課税とすることによりまして消費税の持つ逆進性の緩和が図られる。同じことは、エンゲル係数の関係で、食費につきましても所得の低い方の方が支出が多いものですから、食料品につきまして非課税にすることによって消費税の持つ逆進性の緩和が図られる、そういうような一連の考え方からそのような措置をとったわけでございます。 それを見まして、消費税込みでマンションをお買いになって、そのローンの返済で苦労をしておられる方がどのようにお考えになるかということであろうかと思いますけれども、そこは、最終的にそのようなものを買う力がおありでございますから、その支出に応じて負担をしていただくということで割り切って考えているわけでございます。
○大木委員 余りすっきり落ちない答弁なんですけれども、よく週刊誌等にも出るのですけれども、結局東京都の場合には、もうマンションも買えないという状態も出てきますし、同時に、借りた方が得だという方も出てきますし、どうしても自分のものにしたいという、無理をしてでも買いたいという方もいらっしゃるわけですね。そうしますと、一時期は借りた方が得だという話もありましたし、また最近は、そういったことよりむしろローンしてでも金利が安いころには買った方がいいという話もあったのですが、いずれにしても、これは住宅問題、土地住宅、非常に深刻な格差問題を生んでいるわけでございますから、恐らく今の主税局長のような答弁ではローンを相当抱えている方々の場合には納得しないと思います ね。 ですから、こういったものが非課税の範囲の拡大のたびに起きてくる、他の品目につきましても。そういったことを心配するものですから、ひとつだれも聞かなかったから聞いてみたのですけれども、もう少し明快な区分けはできないのですか。
○尾崎政府委員 消費税におきましては、先ほど申し上げましたようにその逆進性の緩和というような面も考えまして、家賃につきまして非課税措置を講じる、住宅を取得できるような方につきましては消費税の負担をしていただくというように割り切っているわけでございますが、委員御承知のとおり、今度はその所得税の世界で考えますと、住宅取得促進税制というものがございまして、これはローンで家をお買いになった場合、その残高の一%に当たる額を控除してもらえることになっているわけでございます。これは住宅を買えないで家賃で暮らしている方にとっては大変うらやましい制度なのでございますけれども、住宅取得についての配慮の一環といたしましてこのような制度が設けられているわけでございます。 それぞれ税の性格に応じまして、それぞれの立場からの施策が講じられているわけでございまして、消費税の世界におきましては、今回、家賃について非課税とするという措置を講ずることにしているわけでございます。
○大木委員 余り整合性がありませんが、納得できませんが、時間の関係もございますから次に進ませていただきます。 今回の消費税問題見直しの前の問題でございますが、特別措置の是正問題については、どういうことをどの項目についてしたか、少し詳しく説明してください。
○山崎委員長 答弁はどなたですか。湯浅税務局長。
○湯浅政府委員 特別土地保有税は地方税でございますので私から申し上げたいと思いますが、この税制は、昭和四十八年に土地が非常に高騰したときに、土地の投機的取引の抑制を図るためにつくられた税制でございます。この税制が、その後土地の有効利用の促進を図るための税制としても活用しようということで、何回かの改正を見ながら今日まで来ているわけでございます。 ただ、この特別土地保有税は、できたいきさつからまいりまして、昭和四十四年度以降に取得した土地について有効に土地を利用しない場合に課税するという仕組みになっておりますので、それ以前に取得したものについて有効利用してない場合はどうするかとかその他いろいろな問題がございまして、今度の土地税制の総合的な見直しの中で、この遊休地というものをどのように特定していくかという制度をいろいろと関係省庁で検討してもらっておりますが、その遊休地の特定というものをどう制度化するかということとあわせましてこの特別土地保有税の見直しを今回やってまいりたいということで、現在検討を進めているところでございます。
○大木委員 いずれにしても、土地問題、現在進行中という答弁ばかり返ってきますから、課題を変えます。 税制そのものに返りまして、ことしの新しい平成二年における特別措置の是正、その特別措置の是正の項目と、どの程度の金額が減収になるかどうか、そういった問題について主税局長から伺います。
○尾崎政府委員 特別措置全体といたしまして現在百八十項目ぐらいございます。そのうち法人税関係が八十一ということでございます。金額で申しますと、法人税関係の特別措置減収額が五千六百四十億円でございまして、その他のものが一兆五千五百七十億ということになっております。 このような特別措置の整理につきましては、委員御指摘のようにかねがね努力をしてまいっているわけでございますけれども、特に問題になります企業関係の租税特別措置の減収額の法人税収に対する割合を見ますと、五十一年度当時で法人税収に対して五・一%ぐらいの減収割合になっていたわけでございますが、平成二年度はそれが二・九%ということで、特別措置による減収額は次第に低下をいたしているわけでございます。 最近、特別措置の整理のためにいろいろなことが行われているわけでございますけれども、抜本改革との絡みで申し上げますと、御承知のように、社会保険診療報酬につきまして、収入におきまして五千万円を超えるようなケースにつきましては特例措置を認めないというようにいたしましたり、あるいは原則非課税となっておりましたキャピタルゲイン課税につきまして、御承知のとおりの源泉分離及び申告分離の二つの方法によります課税を行うことといたしました。また、いわゆるマル優ということで広く少額貯蓄の保護というようなことで非課税措置を設けられておりましたけれども、いろいろと課税上の問題を生じておりましたので、それも老人等一部の方に限るというような措置を講じました。 特に、企業関係の租税特別措置につきましては、整理を進める傍ら、やはりその時代時代に応じました新しい要求も出てまいりますので、それは厳重にスクラップ・アンド・ビルドという方法によりまして、新しい時代に応じた施策に入れかわっていくような努力をしているところでございます。
○大木委員 重ねて、今のお話にございます中で、受取配当の益金不算入割合の圧縮、こういった問題等も若干是正しているようですが、八〇%を二年間という話がございまして、それから先はどうするおつもりですか。
○尾崎政府委員 受取配当不算入は、租特ではございませんで本法の改正でございますけれども、八〇%しか益金不算入を認めないというように改めました。 これは委員先刻御承知のことと思いますけれども、本来でございますと、企業の形態、子会社という形をとるかあるいは支店のような形をとるかというようなことで取り扱いが、税の影響が違ってくるという問題、あるいは二重課税排除というような問題がございまして、受取配当は益金不算入というのが通常の法人税の考え方になってきているわけでございますけれども、最近の実態を考えてみますと、資本関係から株を持つということではなくて、言ってみますと、余資の運用といったようなことで投資のために株を持つという面もあるわけでございます。 そういうものであればその収入について課税をしてもおかしくないのではないかという考え方から、二〇%という率がどうして二〇%かということになりますと、アメリカの制度なども参考にしたわけでございますけれども、そのような例を見ながら、二〇%程度はそういう投資部分があるというように考えまして、これは益金に算入するということに改めさせていただいたわけでございます。
○大木委員 続けて、配当軽課の段階的廃止でございます。これは法人税減税問題の原資と絡んできますか。
○尾崎政府委員 従来法人の配当につきまして法人税を軽課するという措置をとっていたわけでございますけれども、御承知のとおり、抜本的税制改正によりまして段階的にそれを廃止するということにしておりまして、今年度から始まる事業年度につきましては三七・五%の法人税率ということで、これは留保も配当も同じ率になっているわけでございます。
○大木委員 個人の株主との関係においてはどういう関係になるのですか。
○尾崎政府委員 所得税との調整という意味での御質問でございましたら、配当控除制度は従来のとおりでございます。変わっておりません。
○大木委員 次に、さっきちょっとお答えがありました社会保険の診療報酬課税の特例の見直し問題でございますが、五千万を超えた分については認めない、こういう話がございましたが、むしろ三千万程度とか二千万程度とか、こういったところの方に対してサラリーマン等はやはり物すごい不満を持っているわけなんで、五千万ということ をどういう基準でしたかわかりませんけれども、何か議論の根拠等ございましたらお示しください。
○尾崎政府委員 社会保険診療報酬の控除率でございますが、収入で二千五百万円以下の部分につきまして七二%、それから順に一種の累退率になっておりまして、二千五百万円超から三千万円までは七〇%、三千万円超四千万までは六二%、四千万円超五千万以下の部分が五七%となっておりまして、五千万円超の部分、これは五二%で青天井ということになっていたわけでございます。今度の制度の見直しに当たりまして、この五千万円超という部分は非常に大きな規模で経営をしておられる方と言えるであろうということで、そこで切ったわけでございます。 これは、申し上げるまでもなく収入の話でございまして、お医者様がこのような収入がありまして、そこから看護婦さんに給料を払ったり医薬品を買ったりするわけでございまして、所得と違いますから、二千万円、三千万円ということになりますと、所得に換算した場合にはかなり小さなものになるわけでございます。サラリーマンの給与と直に比較できる数字ではないわけでございます。
○大木委員 尾崎さん、そこに座ってもらったらいいわ。 もう一つついでに、みなし法人についての見直しはどういうふうになりましたか。 〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
○尾崎政府委員 みなし法人の問題につきましてもかねて議論のあるところでございました。これは店と奥との経理をしっかり分けるというようなことから、青色申告等の一連の議論の発展といたしまして、みなし法人課税という形で事業主本人が報酬を受けることができるという制度が認められているわけでございますけれども、サラリーマンの目から見ますと、いろいろ事業のために要した経費を損金として控除することができて、その上に残ったものについて自分が報酬をもらって、しかもサラリーマンと同じようにそこで給与所得控除を受けるということが二重の控除のように見えるわけでございます。 そこで、この問題について見直しを行うべきではないかという議論がございました。相当いろいろの検討が行われたわけでございますけれども、結局のところ、現在行いました見直しと申しますのは、その自分が受け取る報酬、それが過大なものであるか適正なものであるかというところに一つの問題を見出しておりまして、過去の実績によりまして適正報酬の範囲を決める、それを超えるような額を給与として受け取っている場合には、それは過大報酬として所得税のほかに法人税相当の税もかけていくというような考え方をとっているわけでございます。その点が改正点でございます。
○大木委員 大臣が来られましたから、これは大臣にお伺いしたいのですが、サラリーマンを中心とします国民あるいは勤労者の方々は、やはり直しながらもどうも、午前中申し上げました相当厳しい税調からの御指摘もございます中で、制度的なものとかあるいは捕捉率の違いとか、そういった面で、依然として厳しいサラリーマンの生活との関係でやはり税に対する不満が極めて強い。 一般的には今でも八〇%、こういう話が総理府の調査の中にもあるわけでございますけれども、思い切って、新しい消費税という税制の根幹といいましょうか入り口でありますから、これはフランス型になったわけではありませんしヨーロッパ型になったわけではありません、率からいいまして。ヨーロッパの場合には五〇対五〇くらいの状態になっていますから、平均しますと。ですけれども、今度の場合には大体五〇対一〇くらいの比率しかないわけであります。 そういった面で見ていったときに、ただ入り口から見ますと、日本の税体系が相当根幹的にこれは将来変わっていくであろう、こういうふうな感じで受けとめてまいりますと、結果的にはやはりレーガンがやったみたいに、思い切った、これは言えば特別措置、制度的なものもあるいは捕捉率の違い等も含めてもっと思い切ったことをやって、初めて税の不公平感というものが相当除去される、そこに初めて新税が登場する、そういったことはどうしてもやはり国民なりサラリーマンの気持ちの中に残るのですが、努力は認めないわけじゃありませんけれども、もう少し思い切ったことができなかったかどうか、そこら辺、大臣の所感を伺いたいのです。
○橋本国務大臣 私は、委員が思い切ったことをと言われる意味が何を指しておられるのか、今参議院から大急ぎで戻ってまいりまして途中の御議論を聞いておりませんのでわかりません。ただ、仮にレーガン税制のようなものを想定されてということでありますならば、私は必ずしもレーガン税制成功という評価をいたしておりませんので、率直に申し上げてあのような考え方をとるという感じはございません。 また、今ちょうど私が参議院から戻ってまいりましたところで御指摘が続けられておりました、従来からよく不公平という視点から御論議のある各種の租税特別措置、こうしたものについて根本的にこういう制度を考え直せという御指摘でありますならば、ちょうど先刻局長が御答弁を申し上げましたように、その公平というものをきちんと土台に踏まえながら、そのときそのときの政策的な要請によって、公平という視点からの問題は度外視するだけの政策判断の上に立って実施されている租税特別措置というものを、不断の見直しはもちろん必要でありますけれども、果たして機械的に全部を廃止してしまうというような考え方がとれるのだろうか、これは率直に私は疑問を持ちます。殊に、今後におきましても、環境あるいはエネルギー関係等、当然我々は新たな対応を迫られる部分を持っておるわけでありまして、租税特別措置といった考え方を捨ててしまうということが私は思い切った改革ではないと思うのです。 そういう意味では、先刻、午前中に御答弁を申し上げましたように、今後税制調査会の御論議の中から、いずれにしても十一月の初旬には土地というものについての考え方が示されてくるわけでありまして、我々はそうしたものを受け、国土政策、土地政策のあり方等々考え合わせながら、より国民に御理解、御納得のいただける体系を考えようとしておるわけでありまして、地味ではありますけれども、言葉の遊びにならないような努力を積み重ねてまいりたい、その中において私は国民の税に対する信頼というものを増していただけるように努めたい、そのように考えております。
○大木委員 大臣のお答え、そういうお答えが返ってくるだろうと思っておったのですが、ただ心配なことは、これは後で触れたいと思っているわけですが、三%という消費税の税収を見ていきますと、大体今度の特別措置や見直しで一兆前後と言われますし、七千億と言う方もいらっしゃいますし、一兆二、三千億と言う方もいらっしゃいますし、まちまちなんではっきりした数字はつかめませんが、仮に一兆前後と仮定し、そして二兆ぐらいが地方関係の諸税に流れていく、残りが二兆前後。 こういう状態で物を考えた場合に、いわば今度の修正の中のうたい文句というと言い方は悪いのですが、用語として使われております福祉目的税ですね、そういったものについて極めて残高が少ないといいましょうか、あるいは、それをまだ特別会計としたわけではございませんから、それで引き出して全部ということにならないかもしれませんが、そういったことをずっと整合して見ていきますと、税率そのものを、総理は自分の任期中は税率を上げない、こういうふうにおっしゃっておりますが、いずれこれは税率問題の論争が国会でもってされなきゃならぬと思うのですね。そういったときにまたこの不公平問題が残されているという状態、それと並行しまして、いわばそのときもっと大胆な租特の取りやめ等をするのかどうなのかわかりませんけれども、そういったものが整合する形でもって初めていわば不公平感もだんだんとなくなっていくのだろうと思うのですがね。 ですから、現状としての答えはそんなものかもしれませんけれども、私は、レーガン税制の評価については若干違いますが、やはり税金というのは水みたいなものでして、入ってくるのはどっちから入ってくるんだ、出ていくものがはっきり見える、こういったことが素朴に考えて一番いい税制、こう考えておりますものですから、シャウプ税制そのものを何としても延長した中での考え方であってほしい、だんだん不透明感が増すような税制はまずい、こういった感じを持っておりますので申し上げたのですが、その辺の議論は抜きにいたしまして、主税局長に二、三点、続いて伺います。 今度の消費税導入の理由について、これは見直しじゃありません、導入した際の理由の中に、今住宅問題を触れましたけれども、所得の平準化という問題が相当高く、しかも所得全体が上がったという問題もあり、これは若干前にも議論ございましたけれども、土地住宅問題等を総合した中でフローの所得がいわば平準化したあるいは一般的に高くなった、こういったことはうなずける課題なのですが、ウサギ小屋といわれるような状態の中で住み、しかも満員電車、あるいは八十キロ、百キロ圏から通ってくる方々、こういった方々等並べて考えていきますと、いわばフローの所得がだんだん格差が縮小したからといって、実生活の中身が詰まったわけではないと考えているわけですが、そういった面から、導入の根拠の一つにあります所得の平準化問題についてはどういうふうに、今でも確信持ってそういうふうにお考えですか。
○尾崎政府委員 消費税のような税、薄く広く消費そのものに負担を求めていくというタイプの税を我が国に導入するに当たりまして、一つの要因といたしまして、所得の水準が非常に上がってきて、しかも所得格差が少なくなっているということが挙げられていたわけでございます。所得の水準が上がってきたということは、同時にまた消費、その所得を用いての消費の多様化、高度化というようなことにつながっているわけでありまして、そのような中にあって何がぜいたく品であるかというようなことを区分することが非常に難しくなってきている、そういう情勢が背後にあったわけでございます。 ちょうどこの消費税と申しますか、その前に売上税の議論が行われておりましたのは、昭和六十年の九月に中曽根総理の諮問がございました後、六十二年に至るまでの間であったわけでございますけれども、その段階におきまして、非常にただいま申し上げましたようなことがよく当てはまっていたということが言えようかと思います。ちょうどそのころから、軌を一にしまして地価の高騰が問題になってまいりました。それが資産格差の拡大ということになりましたし、また、先ほど御指摘がございましたように、いわゆる一極集中の問題、所得、経済活動の地域格差の拡大の問題等も深刻な問題となってきているわけでございます。 それらは確かに大きな問題でございますし、土地税制等によりまして、税だけでということではない、もっとほかのいろいろの施策もあわせまして解決しなくてはいけない問題ではございますけれども、我が国の所得水準が非常に高くなって、しかも所得格差が少ない状態になっている。それは、確かにシャウプさんの昭和二十五年、二十六年ぐらいから高度成長にかけて物すごい勢いで所得格差が縮まったような、そういう状況にはございません。縮まったところで横ばいになっているという状況には現在ございますけれども、しかしよその国と比べて所得格差の少ない国であり、しかも所得水準が非常に高くて、国際化されて消費が非常に多様化している、そういう状況は変わっていないわけでございまして、したがいまして、その当時の議論は、今日におきましてもやはり消費税の必要性を説明する一つの有力な理由としてその役割を失っているということはないというように考えております。
○大木委員 いろいろ、多様化問題等を含めてのお話があったんだけれども、例えば、これは政府の統計なんかでもそう違いはないはずなんですが、大体消費税なり所得税減税、そういったものを総合しながら計算していきまして、四百万ときっちりは言いませんけれども、四百万以下の階層が受ける実質減税というものはほとんどないし、極端な例が、いわば一人働きと夫婦共稼ぎの場合との差も随分とありますね。そういった面があります。しかもサラリーマンの大体六割が四百万前後までの収入なんですよね。 そういったことを考えていただきますと、生活様式の中に、ハイビジョンとかあるいは衛星放送とかそんなことを島会長は盛んに宣伝しているけれども、人間の生活サイクル考えたって、そんなことなかなか余裕ないですよ、本当言ったら。NHKの方もいないから別に関係ないのだけれども、島会長さんにもこれは申し上げておいてもらいたいのですけれども、なかなか自分自身の二十四時間の生活サイクルを考えたときに、一生懸命土曜日曜も汗流して働いていながらああいうものを一般が見ている時間はない、こういうふうにあえて申し上げたいし、同時に四百万以下の方がそういったものをセットできるはずはないですよね。子供さん方に食べさせ、自分の住宅のことで目いっぱいなんですね。 ですから、そういったことでもって何か所得の平準化とか生活様式の多様化とか、確かに日本は経済成長していますからそうですけれども、中身をもう少しえぐって考えてもらいたいと考えます。 それから、次の問題は国際化問題なんですけれども、ここに通関統計がありまして、結局全体でもって、ちょっと額が多いので読みにくいのだけれども、二千七百三十六億三千六百三十二万四千ドルですね、これは輸出、平成一年度であります。輸入、二千百三十九億五千六百六十七万一千ドル。こういうふうになっていまして、この中の、問題はここなんですね、アメリカとの関係というのを見ていきますと、午前中も少し公共事業問題で話題が出ましたけれども、アメリカに対する輸出がこのうちの大体四割以上を占めておりまして、平成一年度でありますが、九百二十一億一千百八十五万ドル、そして輸入が四百九十三億六千三百二十二万二千ドル。西ヨーロッパが五百七十億九千五百七十九万二千ドル、輸入が三百五十九億五千百七十四万四千ドル。こういう数字が出ているのですよ。 これは結果的には日本とアメリカとの経済関係、このきずなの極めて強いことが依然として残っているのだということをあらわしている数字の一つの例として持ってきたのですけれども、こういった中でもって経済取引関係は圧倒的にシェアがアメリカが大きい。同時に、アメリカはまた日本に逆に注文をつけてきている。そういった中でもって税制の形態が今度EC型、ヨーロッパ型にぐらぐらっと近づいていくということについては、気持ちの問題でもって矛盾を感じることはないですか。
○橋本国務大臣 我が国の産業構造が変化してまいります過程は、委員よく御承知のとおりでありまして、第二次世界大戦の敗戦の後に、経済復興の中において、資源小国である日本が原材料を輸入し、それを製品化して輸出することによって今日の日本を築いてきたことは御指摘のとおりであります。そして、その中において輸出入ともにアメリカ合衆国というものが極めて大きな比重をとっていた。その中において日本の経済力が次第に上昇してくる中において、いつの間にかアメリカのお家芸であった自動車までが日本の輸出が圧倒的にふえて輸入が非常に少なくなる、こうしたプロセスをとってきたことは御承知のとおりであります。 しかし、そうした中において、前川リポート以来、我が国の産業構造も変化しつつありますし、また、構造協議等々の中におけるさまざまなお互いのアイデアの交換によって相互の理解が進んできておることもまた事実であります。 先般の税制に関して、今委員がお述べになりま したような考え方は、少なくとも私はその御心配はないと思います。私自身がG7に出ましたのは昨年の夏のものが初めてでありますけれども、むしろアメリカを含む他の六カ国から、日本の税制審議というものがこのまま無事におさまるのかという心配の声は聞きましたけれども、消費税の採用について否とする考え方は全くございませんでした。そして、本年既に二回のG7が行われておりますけれども、むしろこの消費税を採用した姿において日本の税制改革というものが安定することを求める声はしばしば耳にいたしておりますが、アメリカを含め、これが問題といった指摘は全く私は遭遇いたしたことがございません。
○大木委員 これはちょっと参考になると思ってけさの朝日新聞、十三版の九ページを持ってきたのです。大変申しわけないですが、特別質疑のあれをしているわけではございませんが、TKCの調べ、いわば会計士さんのグループ調べですね。タクシーが仕入れ率が二〇・八%で、簡易課税百三万円、通常課税四百十一万円。ゴルフ場関係ですと、仕入れ率三三・三%、通常課税が四百七十六万円に対して簡易課税百四十三万円。二十数項目ずっと同じような数字が並んでいるわけですね。同時に、この委員会でも随分たくさん出ましたのは、もうかったから、税金が少し残っているから旅行しようとか、車の買いかえしようとか、そういった話題が随分質問の中に出ました。 最後にこの記事は、「見直しの行方」ということに本題がありまして、こういうふうに出てきますと、きょうの朝日新聞ですがごらんになっていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、逆進性問題は、私たちは素人感で受けとめましても、GNPが伸びて三年間でもって仮に百兆ぐらいふえていくかあるいは五十兆かわかりませんが、三%の率に置きましても、GNPが拡大すればするほどじわじわと逆進性が強くなっていくことは間違いないでしょう。同時に、そのような形でもって、こんなこと言いたくないのですが、もし内閣がかわりますれば、三%ではどうにもならないから五%にしようかという議論も当然出てくるでしょうね。ですから、そういった中で簡易課税制度、免税点等を中心としながら、自分の納めた税金が国庫に納められていくのを中心としまして、そして結果的には、量的な面のGNPがふえていくこともそうだし、同時に、税率を上げればまた逆進性が強まっていくわけですから、大臣、そういう点を直していかれる自信が、実際問題私も心配なのですが、本当にございますか。
○橋本国務大臣 逆進性を消費税の中において直せるかというお尋ねでありますならば、これは本来の税の持つ性格に全く逆さのことでありますから、消費税そのものの中において逆進性を解消せよと仰せられるとすれば、それは無理であります。何回も申し上げておりますように、消費税というものの持つ一つの性格でありますから。他の制度と、しかもそれはその歳入としての他の税制だけではなく、社会保障支出等々との組み合わせの中でこれに対しては対していくということを繰り返し御答弁をしておるわけでありまして、消費税そのものの性格の中において逆進性をなくするということは、これは不可能である、これは申し上げなければなりません。 しかし同時に、今委員が消費税率は上がるだろうということをお述べになりましたが、これは将来の国民が一体どう判断をされるかということでありまして、海部総理以下私どもは、少なくとも我々が責任を持っております限りそういうつもりはないということを申し上げておるわけでありますし、また、国会そのものが最大の、税率引き上げの、これは消費税ばかりではございません、他の税制におきましても最大の歯どめであります。 そうした中において私どもとしては一層の定着を目指しての努力をいたしておるわけでありまして、今委員の述べられましたような視点からの御指摘、消費税固有の性格を消費税の中においてなくせと言われることは、これは御無理だと思います。
○大木委員 技術論として無理かどうかということは別にいたしまして、やはり私は他の政策とのいわば整合性でもって云々する、弱者を救済するとか——それを全くなくしてしまえとは言ってはいないのですが、しかし、本来なら税そのものの中に公平でしかも矛盾のない税制ができ上がるように、何回でも見直しをする、そういったことが筋であろうと思うので、大臣の意見と若干見解は違うわけでありますが、時間の関係もございますから、問題を他に移します。 経済見通し問題について、経企庁長官においでいただいておるわけでございますが、最近の閣議でもって閣議決定されました見通しについては、ほぼこういう見通しでもって間違いがございませんか。
○相沢国務大臣 平成二年度ですね。——経済成長全体といたしましては、平成元年の実質GNPの成長が、当初四%と見たのが実績見込みでは四・六%になっております。平成二年が四%という見込みになっておりまして、この平成二年度の実質経済成長は、無論平成元年の実質経済成長の見込み四・六%を一応基礎に置いておりますけれども、その後における物価の趨勢、雇用情勢、鉱工業の生産指数あるいはまた輸出輸入の状況等々から判断いたしますと、まず実質四%の経済成長は、今日の情勢が続く限り間違いがないのじゃないか。 一時、円安あるいは債券安、株の暴落等というようないわゆるトリプル安の現象がございましたけれども、御承知のように為替も若干戻しておりますし、株価も二万八千円台から三万二千、三万三千円のところまで戻ってまいりましたし、そういうような情勢から見ますと、経済のファンダメンタルズには変わりはない、安定的な成長を続けているということでありますから、まずそう大きくその見込みが崩れるということはないのではないかというふうに考えております。
○大木委員 長官に重ねてお伺いいたしますけれども、世界は激動しておりまして、中国との経済関係はまだ芳しくはありませんが、ソ連を中心とします東ヨーロッパ、ハンガリーなんかは合弁会社もできていますわね。大体あれは前から、表共産主義で中身は西ヨーロッパ型の姿の国ですからね。西ドイツなんかと国境も接していますしね。そういった中ですけれども、今朝のある新聞にも出ていましたが、「パンなき」ということで、結局パンです、食べるものがないという状態があったり、同時にテレビや電話あるいは基礎的な輸送関係その他を含めて、大変にこれからああいった国に対しまして日本は技術援助とかあるいは資本暖助とかそういったことを考えざるを得ないと思うのですがね。 私が伺いたいのは、要するにこういった経済見通し、元年ないしは平成二年ですね、こういったものを日本が今の国際環境の中で落とせるかどうかという問題ですよね。私は主観的に、落とし得ないと思うのですね。もちろんマネーサプライもふえているし、同時に公共料金も最近じわじわ上がってきていますからね。日銀総裁をきょう呼んでいませんけれども、インフレに対して非常に私たち過敏に受けとめなければならぬ問題を国内的に持っていると思うのですね。持っていましても、しかし世界的な大きなマクロの視点から物を考えますと、日本が経済成長を落としまして、そしていわば援助の手を差し伸べないということはなかろう。 そうすると、極めて大ざっぱでございますけれども、野党が自然増収等を当てにして云々と言ったときに、大分大蔵省の方々からおしかりを受けた経過もあるわけでございますけれども、しかし若干の波はありましても三・五から四・五とか、そういった程度の違いが出るかもしれません、しかし平均して四%という程度のものは、いわば国際的な経済の環境等からしまして当然の問題としてこれは続けていかなければならない責任がある。したがって、自然増収は、一部の新聞ですと、元年度ですか、四兆から五兆という話もございますが、そういったこと等考えていきますと、 それがその数字になるかどうかは別にしまして、いわば赤字公債を出した当時のような状態に落ち込むことはまずない、最低限としまして。同時に、四%程度平均値の成長率は数年間というものは続けていかなければならぬだろう、こう考えているわけですが、長官の感想で結構でございますが、伺っておきたいのです。
○相沢国務大臣 最近数年間の経済成長率で見ますと、昭和六十三年がたしか実質で五・三%、平成元年は先ほど申し上げましたように四・六%のこれは実績見込み、そして平成二年が四%という見込みをいたしております。 これからの経済成長をどう見るかについては、もちろん強弱、見方が分かれるところがあるのでありますけれども、かつて数年前に経済企画庁の中におきまして、これは計画局長の私的諮問機関でありますけれども、委員会がありまして、その委員会で二〇〇〇年までの経済見通しについていろいろと検討したことがございます。それは、大体一九九〇年代の経済成長は平均して実質四%というふうに見ております。ただ、このとき、これは三年ほど前にやった見通しでありますが、ありますので、その見通しでは、一九九〇年代の前半の方が経済成長がやや低くて、四%より低くて、後半に高くなるというような想定をいたしております。 この点においてはいろいろと現状において議論があると思いますけれども、先ほど申し上げましたように経済のファンダメンタルズは堅調を示しておりますので、この情勢が続く限り、まず四%程度の経済成長で推移することも不可能ではないのではないかというふうに思っております。無論これからの国際収支の情勢あるいはそれに関連して為替がどうなるか、あるいは労働力需給がどうなるか、当然物価等も関連をしてまいりますし、設備投資の問題も絡んでまいりますので、なかなか簡単な憶測は無理でありますけれども、私どもはそのように今見ております。
○大木委員 いろいろ議論したい点がございますが、時間も迫ってきましたので……。 ちょっと大臣にこういうものを見せるのは失礼かと存じますけれども、最近十五年間の相続税収入の推移というのがございまして、そして昭和五十一年から平成二年に約六・五倍、相続税がいえば増高しておるのですね。土地が相当高くなっているからということが主因でしょうけれども、六十年からですと二倍なんです。これは非常に大きな税源でございまして、六十年が一兆六百十三億ですか、それから二年、本年度予算の場合に二兆四百五十六億円、こういったことを見ていったり、今の経済成長等の話をしていきますと、私思うに、余り相続税問題等を話しますと高齢者の方方に大変申しわけないのでございますけれども、東京、大阪、名古屋等を中心とします大都市の土地、これは個人が持っているのが相当ございます。 そういったもの等を考えた場合に、この相続税の推移というものは、傾向値は、どこかでとまるかもしれませんけれども、ある意味では、現在の六十歳前後から上の方々が若い三十歳前後のころには、土地がまだある程度買い得ました。しかし、その次の年代の方々、現在四十歳以下、三十五歳以下の方々は大都市におきましてはほとんど買い得ない。そういった状態が続きまして、六十歳前後から上の方々、五十五歳から上の方々が人生からリタイアする間は、相続税自身は向こう二十年間ぐらいはなだらかな上昇傾向を続けていくだろう、こういうことは、一応土地の問題を、値下げということが仮に大胆にできるなら別ですよ、高目でもって安定していく状態でしかなければ、このことは変わらぬ、こう見ているのです。 そうしますと、まだまだ材料をたくさん用意したのですが、議論する時間がありません。ありませんが、むしろ本委員会の最大の問題点でございます税制見直し問題のことにつきまして、津島さんにも来てもらっているのですが、ちょっと発言間がないので失礼しますけれども、例えばもう一つの課題と申し上げれば、二〇二〇年には二・三人分の一人と、こういう話もあるわけですね。しかし、私たちが労働省関係の資料を集めて、シミュレーションまでやりませんが、ずっと大ざっぱに見ていきますと、例えばの話、二十歳から六十四歳までは労働力人口、こういうふうにおっしゃる。しかし、就業人口を実際に見ていくと、その一・四、五倍に当たっている。それは十六歳から十九歳の人だって働いている人はいらっしゃるわけですね。同時に、六十歳定年を過ぎましても、七十を超えても働いている方がいらっしゃる、六十五歳から七十歳でもって六割は働いている。 こういった状態等を考えていきますと、例えばもし消費税が相当の税源として年金部分に、あるいは基礎年金部分にですか、いえば組み込まれるということにいたしましても、あるいは保険関係でもいいわけですけれども、とにかく厚生省が型どおり発表しましたものよりは負担が相当に軽くなることは間違いない、こういうふうに私たち、若干の数字を持ちながら勉強しているわけですよ。 ですから、そういったこととの関係を考えた場合に、私は、三年、五年の間は税源等に心配ないとしますれば、さっき申し上げて大分大臣の御機嫌を損じて申しわけなかったのだけれども、消費税問題というものは、むしろ一遍白紙にお返しいただいて、いろいろな角度からもう一遍議論し直していただいた方がいいのじゃないか、こういう感じを持つのです。仮に百歩譲ったといたしましても、そういった状態でパーセンテージは三%は固定しておいていただく、あるいは見直しについて、再々見直しをする中でもって、いえば業者の懐に入るような税金はやめてもらうとか、そういった形でもって、ちょっと言いにくいのですが、消費税の骨組みが消えていくような状態に持ち込むような形の方が望ましくないか、時間的にも税源的にも問題がないのじゃないか、こういったことを感じまして、私は廃止論の立場でございますから、そういったことを主張いたします。 津島厚生大臣には申しわけないのでございますけれども、私の持ち時間が来ましたので、一方的な意見を開陳いたしまして、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○関谷委員長代理 これにて大木君の質疑は終了いたしました。 次に、小谷輝二君。
○小谷委員 私は税の専門家でもございません。素朴な生活者である国民の立場に立って、政治家として質問をさせていただきます。よろしくお願いします。 〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕 消費税に関する意見、本委員会におきまして、既に一週間を経まして、あらゆる角度から貴重な意見がかなり出尽くされたのではないかなという気がいたします。将来の日本のために、国家国民のために、本院においてこのように議論を尽くすことは非常に意義が深いものである、このようにも思っております。 そこで、まず最初に、税制は即政治の顔である、このようにも言われておる重要なものでございます。まず、税は公正であり公平でなければならない、また、国民の理解と協力を得るものでなければならない、これはもう当然なことであり、大原則であると思っております。そこで、税の創設に当たりましてまず大事なことは手順ではなかろうかな、こう思うわけです。さらに内容、そうして公正さはどうなのか、これが最小限度要求をされるものである、このように思うわけでございますが、そこで、今回の消費税の導入に当たりまして、手順に問題はなかったのかどうか、また内容は国民に理解されるものであるのかどうか、また公平、公正という面から見てどうなのか、まず大蔵大臣の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 手順と言われましたので、消費税導入までのプロセスを簡単に申し上げながら、次の御質問に対してのお答えを申し上げたいと思います。 六十二年の十一月十二日、当時の竹下総理大臣から税制調査会に対しまして「所得・法人・資産及び消費課税等についてその望ましい税制のあり方と実現に向けての具体的な方策につき審議を求める」という諮問が行われましたのが消費税の発端であります。これを受け、税制調査会におきまして全般の検討が行われました。 その検討の過程におきましては、六十三年の二月五日、「税制改革の基本課題」を公表されました上、全国で二十カ所、意見発表者百二十一名に上ります地方公聴会を二月から三月にかけて実施され、各界各層の方々から広く税制についての意見、要望をお聞きになり、三月二十五日には「税制改革についての素案」が取りまとめられ、四月の五日から八日にはこの素案についての各界有識者からの意見聴取が行われ、さらに四月十一日から十四日までの間に全国五カ所において再度地方公聴会が行われましたほかに、全国約二百五十名の税制モニターからも意見、要望の提出を受けておられるわけであります。 税制調査会としては、こうした御意見、要望を踏まえられ、さらに検討を進められた結果、六十三年の四月二十八日、税制改革についての中間答申により、望ましい税体系の全体像についてその詳細を示されたわけでありました。政府はこれを受け、政府部内の所要の手続を終え、法律案を国会に六十三年の七月二十九日に提出をされたわけであります。 私は、この経緯を振り返ってみますと、従来の税制改革の場合に比して非常に地方公聴会その他の回数も多く、その時点における政府の考え方としては、随分幅広い角度から多くの国民の声に耳を傾けたと考えておられたと思っております。 しかし、それではその結果がどうであったかといえば、委員がよく御承知のとおりでありまして、消費税というものが我が国にとってほとんどなじみのない税でありましたこと、それから、率直に申しまして政府のPRにも不十分な点がありましたこと、さらに、時期がずれましたために大幅な所得減税というものが必ずしも実感を持って受けとめられなかったことなどから、国民の間に戸惑いや御不満が見られたところも事実であります。しかし、一年余経過いたしまして、この間の状況を見てまいりますと、私はやはり、転嫁の状況とかその後の物価あるいは消費への影響、また申告・納付の状況等を見る限りにおきましては、日一日と国民生活に定着しつつあるということは事実であると思います。 しかし、それなら完全に国民の中にこの消費税についての不満が消えたかと申せば、それはそうではありません。そして、我々に対してなお努力を要請しておられることも事実であります。 また、公平、公正という視点から今御指摘がありました点につきましては、私どもはむしろ、昭和五十年代の後半、勤労者層に非常に偏って負担をお願いをしていた当時の税制に対して国民から非常に強い不満が述べられていたこと、さらに、税体系のゆがみ、不公平といったことから大変強い御不満が出ておりました中で、既に高齢化社会に突入しつつある日本として、将来にわたる税制というものを考え、こうした視点の中から税制改革に取り組んでまいりましたことについては、問題は全くなかったと考えております。そうした視点での問題点はなかったと考えております。 特に、今後を考えてまいります場合に、一年間の実績を踏まえ、その分析、解析を行いました後に、現在懸案となっております簡易課税制度でありますとか事業者免税点制度等が一体どういう検討結果を生ずるのか、これをどう国民に御説明を申し上げ、今後の判断をしていくか、この辺に我々として大きな問題があることも承知をいたしております。こうした諸点をすべて積み上げました上で、改めてまた国民が信頼していただけるであろうそういう方向に向けてまいりたい、そのように考えております。
○小谷委員 手順の問題につきましては、公約違反、強行採決等が行われたという、これは否めない事実があります。また逆進性、これについても今まで論議されたとおり、社会的弱い立場、経済的弱い立場の人たちに対する税の重い負担がかかってくる、内容にはそういう内容が依然として含まれておることもこれも事実。また、公正、公平というような面から見ましても、国民が払った税金が国庫に納まっていない点がある。これは先ほどから論議されたとおりであります。このような観点から、余りにも欠陥が多過ぎるんではないか、こう思うわけですが、いかがですか。
○橋本国務大臣 今委員からいろいろな諸点をお述べになりましたけれども、私ども、本来消費税が持っております性格の中の逆進性ということについては、一度もその性格を否定はいたしておりません。むしろ他の税制と組み合わせることにより、また歳出の面を組み合わせることにより、それを緩和し、消していく努力をすると申し上げてまいっております。また、簡易課税あるいは免税点、こうした点につきましては、政府自身が既に閣議において、改革法の国会における御修正を踏まえて、一年間の実績を踏まえ、分析の結果をお示しすると申し上げておるとおりでありまして、それなりに問題点の私どもなりの認識は持っております。 ただ、例えば免税点でありますとか簡易課税の制度が全く不必要であると委員が言われるのであるとすれば、これは西欧諸国の同種の税においても程度の差こそあれ存在をするものであり、これは公平、公正という観点と簡素という観点、そのぎりぎりの接点の中から導き出される一つの方途であるということも申し上げたいと思うのであります。
○小谷委員 税の持つ性格から、今大臣御答弁のように、否めない、避けて通れない内容のあることはお認めだろうと思います。したがって、この税そのものの性格からいって、根底から考え直す必要があるんではないか、このように思うわけでございます。 まず、この消費税関連法案審議の中で、竹下元総理大臣は六つの懸念、これを表明され、後にまた三つ加えて九つの懸念、こういうことをおっしゃっておられたわけでございまして、これは逆進的税体系、二番目には中堅所得者の税の不公平感、また低所得者層の過重負担、また税率の引き上げが将来行われるのではないだろうかという懸念、また物価の値上げになるんではないか、また消費者が負担した税金が納税されない等々の問題、これは今後の見直しの段階の中で考えていかなきゃならぬ問題である、このように述べられたわけでございますけれども、今日どこまでこれが解消されてきたのか、今回の見直し等においてどの点がどんなに懸念される問題が解消されるのか、御説明いただきたいと思います。
○橋本国務大臣 竹下総理が消費税の実施前に、各種の懸念を六つの懸念といった言葉で表現をし、御論議に供したことは私も記憶をいたしております。 そのうちの、例えば第一に挙げられました逆進性というものについて申し上げますならば、一つの税目のみを取り上げて判断すべきではなく、所得税を含めた税制全体、さらには社会保障制度など歳出面を含めた財政全体で判断する性格のものでありますし、また、消費税の導入に当たりまして、他方で大幅な所得税減税や、真に手を差し伸べなければならない方々に対しましては、臨時給付金等を含めまして、私どもはきちんと対応してまいったところであります。 また、今回の見直し案におきましても、逆進性の緩和といった視点から、飲食料品につきましての特例措置を講じると同時に、住宅家賃あるいは身体障害者用の物品、お年寄りに対する在宅福祉サービスなどを非課税とすることにより、また年金生活の方々に対しましては、既に所得税や住民税において公的年金等の控除額を引き上げて一層の減税という対応によって、また歳出面におきましては、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を策定し、その着実な実施を図ることによって逆進性の緩和に対する努力をお示しをいたしております。 また、税率の引き上げにつきましては、総理御自身が再三にわたり、私の内閣としては税率を引き上げる考えはない旨を申し上げておりますし、物価や転嫁につきましての御懸念には、物価水準への影響が、旧物品税の廃止などに伴う効果も適切に反映した結果、おおむね政府が見込みました範囲内、一回限りのものにとどまっておりますし、他方、転嫁もおおむね円滑かつ適正に行われております。 また、事業者の事務負担の懸念につきましては、その仕組みにおきまして、中小事業者の納税事務負担に配慮してさまざまな措置を講じてまいりました。今後また簡易課税あるいは免税点等についての検討の中で対応していく部分が新たに生ずるかもしれません。 また、その納付した消費税が国庫に入らないのではないかという御懸念につきましては、免税事業者の方々は課税事業者とは異なって現実に転嫁をしておられない事業者が多いという実態、また、今回消費税の一巡がいたしました後、この六月そして七月という二月間をかけましてすべての資料を精査し、分析し、これらの制度をどう見直していくかにつきまして十分検討した上御提示するというお約束を申し上げておることでありまして、それぞれに努力は積み重ねておるところであります。
○小谷委員 大蔵省、ちょっと確認しておきますけれども、サービス業の中で、これは私の近くで美容院を経営している素朴な奥さんが申告に行ったときの話でございます。 最初にお聞きしておきたいのは、従業員五人ぐらいで売上高が年間二千九百万円、消費税として八十七万円、これだけ受け取っておるということで税務署に納税の相談に行ったら、どんな指導をされますか。
○福井政府委員 税の執行に絡む問題でございますので、私からお答えをさせていただきます。 ただいまの設例でございますけれども、仮に、免税事業者が消費税の導入に伴いまして三%の値上げをし、つまり転嫁をしたということが前提になろうかと思いますけれども、ただいまのようなケースでございますと、三%相当分を含めた分につきましては売上金額の方に計上されるということになります。ところがまた、仕入れ等につきましても支払った消費税相当額が含まれるということで、こちらの方が経費の方に計上されるということになります。 ところで、今設例が二千九百万円ということでございますので、この場合には免税事業者ということになりますので、結局、ただいま申しましたような経理をいたすわけでございますけれども、消費税の納税義務がないということになるわけでございます。このような場合には、この差し引き、売り上げと経費の残高でございますけれども、それにつきましては結局当該事業者の課税されるべき所得、課税される所得金額に加算するという計算になるわけでございまして、税務署の方でそういう相談を受ければ、ただいま申しましたように、その残額、差し引きがあります場合に、それは課税されるべき所得として申告するように指導をいたすということになるわけでございます。
○小谷委員 大蔵大臣、これは実は岡山県出身の人で、大蔵大臣に対する非常に信頼と、またそのファンでございまして……(橋本国務大臣「日笠さんの方じゃないのですか」と呼ぶ)いやいや、その美容室には大蔵大臣の写真まで張ってある。 この美容師さんが、御婦人が、お客さんに対して、私の故郷の我々の誇り高い大蔵大臣橋本龍太郎先生が、消費税は、二十一世紀に向かって高齢化社会に対して我々はお年寄りに対する温かい手当てをしなければならぬ、そのために必要な消費税なんです、したがって御協力をいただきたい、このように言うてはる、それで、私のところは消費税は全部いただきますから御協力を願います、こういうことで消費税箱というのをこしらえて、そのたびに積み立ててきた。これは非常に納税義務感の強い、またまじめに生活している一事業者であります。そこで、そこに通っていたお客さん、御婦人方は、当然そうだ、我々でできることならと、法律で決まった税金でもあるということで積み立ててきた。 そして税務署へ申告に、相談に行った。ところが、あなた、これは消費税を払わなくてもよろしい、あなたの所得にしなさい、こういう指導を受けた。本人は非常に戸惑いを感じた。どうしようかな、これは消費税としてお客さんから預かった、納めるところがない、いっそのこと施設に寄附しようかとも相談をした。ところが、従業員と相談した結果、お盆休みにはみんなそろって北海道へ行くことになった、こういうことでありますけれども、ところが、橋本大蔵大臣の今までの説得によって協力をしてきた消費者、すなわちそこでいろいろセットをしてもらった奥さん方がその話を聞いて、おかしいではないか、従業員の北海道旅行のために私は消費税を払った覚えはない。 この素朴な、納税義務感の強い生活者、国民のこの考え方、この疑問に対して納得のいく説明をいただきたい。いかがですか。
○橋本国務大臣 これは大変難しい御質問でありまして、それに納得のいくお答えが私にできるはずがありません。先般来、まさにそういう点が問題として各委員から御指摘をいただいておったことであります。 そして、同時に私は、今の委員のお話を笑いながら聞いておられた方々もおられましたけれども、一緒にお考えをいただきたいことは、こうした仕組みが、むしろ消費税をつくっていく過程において、事業者の方々の不安にこたえるためにつくられてきたということであります。そして、その程度の差こそあれ、同じような制度は他国にも実は存するわけであります。そして、そうした中において、むしろ今私どもは、国民からのさまざまな御指摘に対し、一年間の実態の結果を十分に分析した上で将来の方向というものをお示しをしたい、その上で御検討いただきたいとお願いを申し上げているわけでありまして、今委員からいただきました実例もまた私どもがこれからの問題を考えていく上で大事な一つの御示唆と、そのように受けとめております。
○小谷委員 これはただ単なる一例でございますけれども、国民の中にはそのような非常に根強い不信感が消費税そのものにあることはよく承知していただきたい、こう思うわけであります。 なおかつ、このような消費税というもので徴収されたものが国庫に納まらないのがおおむね四千八百億あると言われておるわけです。また、中には、要するに隠れたもの等々入れれば一兆円を超すのではないかともけさの新聞では書いてあるわけでございます。また、事業者の中にしては、これが七〇%、簡易課税も入れると九〇%近くになる、こういうことになれば、まさにこの税そのものには根底から大きな問題があるのではないかな、こう思わざるを得ないわけであります。 もう一つお尋ねをしておきますけれども、これも実は大阪の心斎橋で洋服の仕立てをやっておる有名店の一軒ではございますけれども、年間の売上高が四億円、消費税がしたがって一千二百万円、仕入れ高が、約三〇%が仕入れであるそうでございます。約二五%が要するに生地代で、あと附属品、ボタンとか糸とかそういうもので約五%、約三〇%が仕入れ高であるそうでございます。したがって、これは一億二千万円。この中で服地が一億円でボタン、糸等が二千万円。仕入れに係る消費税が三百六十万円。 簡易課税を選択して、みなし仕入れ率が八〇%ですから二百四十万円、消費税が一千二百万円、これを受け取っております。納税するのは二百四十万円ですから、九百六十万円が残ってくる。ただし、仕入れ分として支払った消費税が三百六十万円。それで滞留分として六百万円が、消費税という名のもとにお客さんから預かったのが浮いてきた、これはおかしいと思うとこの業者が言っているんだ。これはおかしい。私どもは、こんなので消費税という名のもとに利益を得ようとは初めから何一つ思ってはおりません、利益は利益でちゃんと計算に入れて取っております、いただいて おります、その上に消費税という名のもとに六百万円からの利益を得るなんてとんでもない、この税そのものには問題があります。 これは素朴な意見なんだ。国民の素朴な意見なんだ。これは大臣、どう思いますか、簡易課税。
○橋本国務大臣 実は先ほどの美容院のケースにおきましても、今御指摘になりましたケースにおきましても、問題点としては同じことだと思うんです。言いかえれば、その残額と申しましょうか、委員の先ほどの言葉をそのまま使わせていただくならば、懐に残る金額、これはそれぞれのその事業者の課税されるべき所得金額となるわけでありまして、先ほどの場合におきましてもそういうお答えをする方がより適切だったのかもしれません。ただやはり——そういう意味ではだから不公平がないという言い方は可能なんです。その残額として出てきたものは所得として、きちんと所得金額として課税の対象になるわけでありますから。 しかし私は、やはり消費税という形でお預かりになったものが、消費税として国庫に納入されるのではなく、そのみずからの課税されるべき所得金額として税の対象になるということに割り切れない気持ちをそれぞれの事業者がお持ちになる気持ちはよくわかります。そういった気持ちを含めて先ほどのお答えは申し上げたつもりでありました。
○小谷委員 先ほど、それは所得で申告したらええ、また、安う売ったらええやないか、これはそういうふうに理論的にはなるかもしれません。しかしそれは単なる数字の計算であって、この業者が言う言い分は、消費税という名のもとに取った金、これが問題やないか、こう言っているわけだ。だから、そこに要するに消費税というものの矛盾というものが国民の中に根深くあるということを認識しなきゃならぬ、こう思っておるわけです。これはまあ今後検討課題として十分協議会で協議される問題と思っております。 そこで、消費税を議論するには、まず地方財政計画を無視して論ずるわけにはまいりません。地方財政がどうなっているのかという観点から質問をいたします。 まず基本的には、消費税の導入に伴う地方財政計画によって地方財政の減収超過額というのがちょうど八千八百三十五億円、こうなるわけでございます。これは自治省の説明によるわけでございますが、減税先行の税制改革であったために、減収超過額、これは個人住民税及び法人住民税、事業税、この減税額がほぼこれに相当するものであって、地方行政改革、また自然増収、このような、要するに不確定財源によってこの財政計画が立てられておる。 このことについて自治大臣、まず第一に、この消費税が導入された、それの地方財政計画、要するに導入されたがための八千八百三十五億円を不確定財源で賄うことになった、これについてはどうですか。
○奥田国務大臣 地財計画で十分措置したところでありますけれども、今先生の指摘された消費税導入によって地方の自主財源である住民税減税に関しては、これは国・地方を通じての税制改革に伴う措置でございましたけれども、先生の御指摘のように、いわゆる自主財源八千八百億超というものが減収になったということは紛れもない事実でございます。
○小谷委員 消費税導入に対しまして地方自治体の既存の固有自主財源、この一兆九百九十四億円が消費税という国税に移換された、移しかえられたということになるわけでございますけれども、その見返りとして、一般財源といえども依存財源である消費譲与税それから交付税、これで補てんされた、補てんされたけれども足らぬ分が今言うた金額だ、こういうわけでございますけれども、要するに地方自治体の自主財源、それが依存財源に振りかえられた。本来は自主財源を確保することが地方にとってはより必要なことである、ところが依存財源に振りかえられた、こういうことについては自治大臣としてはどうお考えですか。
○奥田国務大臣 これは先生お話しのとおり、電気税とかガス税の地方自主財源が地方譲与税、消費譲与税ですか、それと交付税分で四割、それは補てんされたわけです、その分に関しては。 住民税減税、これは国と地方の大きな税制改革の一環でございましたし、住民税は言ってみれば地方自治体の自前の財源でございますから、そういった形の中で減税を行ったということでございます。
○小谷委員 要するに、地方自治体のみずから徴収のできる自主財源、これが国税に変わって、依存財源ですから要するに国によって配分されていく財源、すなわち消費譲与税また交付税、こういう形で配分されていく、こういうように振りかえられたわけですけれども、本来は、地方自治体におきましては地方自治体みずからが徴収のできる要するに自主財源、これを拡充強化していくことが地方財政の安定である、こういうように我々は認識をしておるわけです。大きく振りかえられてきた、この点について自治大臣の見解を伺っておるわけです。
○奥田国務大臣 建前としては、それは私たちは常に地方財源の強化、地方財源の、いろいろな形での、権限移譲も含めて自治体の自主財政確立という観点で臨んでおることは当然でありますけれども、今度の場合のものは大きく減税が先行した、そういった形で、これは国の一つの、お互いの財政、税制改革という基本点に乗っかっての政策導入でございますから、今後とも自主財源の確保には努めてまいらなきゃいかぬということはお説のとおりでございます。
○湯浅政府委員 今回の税制改革によりまして、御指摘のように電気税、ガス税などが廃止されたり、娯楽施設利用税とか料理飲食等消費税が大幅な見直しによりまして、仰せのように貴重な地方税源が減少することになったわけでございます。 この点につきましては、かねてからこの税制改革におきまして、国税、地方税を通じましていかに公平な税制を確立するかという観点から、所得税、住民税の減税なりあるいは間接税の制度の改正というものを行ってきたわけでございまして、そういう観点から、新しく消費税が導入されることによりまして、地方間接税でございます先ほど申し上げました税につきまして、そのまま存続いたしますと、国民にとりましては二重課税になりましたりあるいは税が累積するというような問題がございまして、これはやはりその二重課税などを防止するために、これを廃止したりあるいは調整をするというようなことで全体の税負担のバランスをとる必要があるということで、これはやむを得ずやったことでございます。 そのかわり、この消費税の税収の約四割というものを地方の財源としていただくということになったわけでございまして、今回の税制改革全体の思想の中で、地方の間接税につきまして以上のような考え方で整理をしたということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○小谷委員 過日の消費税の見直し案また廃止法案等の本会議での提案理由の説明、そのときに自民党を代表して質問がございました。これは自民党代表の質問でございましたので非常に重要な意味を持つ質問であると受けとめております。速記録を見ましたところ、この内容はこういうものでありました。 野党の皆さんにお聞きいたしたいことがございます。それは地方交付税法改正案についてであります。 消費税が含まれているということで当初は反対の姿勢をとっておられましたが、最終的には賛成されました。御承知のとおり、消費税収のうち約一兆二千億円は交付税として地方自治体に配分されていることになっております。すなわち、社会党を含め野党の皆さん方は、消費税には反対するが、消費税の税によって入ってくる税金を使うことは賛成するという、突然の変身であります。 消費税を取るのは反対だが、使うのは賛成だ。ならば、消費税にかわる代替案を出すべき であるが、そこが知恵がないから仕方がない。消費税の使用を認めるということ、全く納得がいきません。この突然の変身について、ぜひ御説明をいただきたい。これについて納得のいく御説明をお願いします。 このような内容の質問でございました。 この質問は、本会議場でもあり、総理初め、大蔵大臣、自治大臣、両大臣も大臣席でお聞きになったことと思いますが、この質問は要を得た適切な質問なのかどうか、まずこれをお聞きしたいわけでございますが、いかがですか、両大臣。
○奥田国務大臣 それは聞いておりました。塩川先生の、自民党を代表する質問であったと思います。確かに、今度の交付税法案には、もちろん財源として消費税分の歳入が含まれておるという事実御指摘であったと思います。 今日、そういったことを別にいたしまして、地方行政委員会、衆参通じまして真摯な御論議を賜りまして、そして、そういった事実指摘も踏まえまして、こういった経緯はあるけれども、いわゆる見直し論議、廃止論議の決着いかんにかかわらず、地方財源を確保しなければならぬという大きな見地の上に立たれて、四党の共同修正がなされた経緯がございます。 そういったことで、私は野党の皆さんがそういう高い見地に立たれて交付税、地方財源の確保に賛成の形に回っていただいたということについては高い評価をいたしております。
○小谷委員 私は、地方交付税法の一部を改正する法律案の取り扱いについて明確にしておきたいと思うわけであります。 私は、地方行政委員会の我が党を代表する理事といたしまして、この内閣提出法案の取り扱いについて、公明党独自の修正案の提出を含めてさまざまな検討を連日行ってまいりました。野党四党で消費税廃止関連四法案を国会に提出しておりまして、その中には交付税から消費税を除くという地方交付税法の一部改正法案を提出をいたしておるところであります。 また、消費税廃止関連法案の審議は当時まだ行われていない状況下でありました。内閣提出の交付税法の一部改正法案には、消費税収のうち交付税分の一兆二千七百六十八億円が含まれており、消費税分を削除した場合、交付税の総額を確保することが必要であること、また当時の状況を踏まえながら、さらに地方交付税法は地方財政の基幹的法律でもあり、平成二年度の地方財政は既にスタートしており、現実に動いている地方財政に支障がないように対応しなければならないこと、政府提出の交付税法改正案は基準財政需要額の単位費用の改定が中心となっており、財源対策債等の繰り上げ償還、地方財政の健全化措置も含まれておる、また、消費税の存廃問題については税制問題調査特別委員会の議論を待たなければならないが、それによって地方財政が影響されてはならない等、十分配慮した上で検討を重ねた結果、御承知のように、消費税が廃止されることがあっても地方交付税の総額が何ら制約や影響を受けないことを法律に加筆修正することを、自社公民四党で協議を重ね、交付税総額の確保を保障するとともに、私たちは消費税廃止の姿勢を明確にして、自社公民四党合意で加筆修正を行ったということであります。 これが地方交付税法の一部改正法案の修正に至る経緯でありますが、我々は全国三千三百余の地方自治体の財政運営に迷惑をかけてはならないという立場で対応したもので、また、これが参議院の本会議で成立したものであります。 消費税法廃止法案を提出している社公民三党が、また野党三党が、見直し案を主張している自民党と、その立場をお互いに理解しながら修正の上可決したことが、悪いことをしたような言い方、おかしいというふうな言い方、これは慎むべきではなかろうか。我々が反対して法案を廃案にした方がよかったのかとも思われるわけでございますが、私は、自民党の閣僚経験者でもあり、非常に常識豊かな大先輩でもありますので、恐らくやこの経緯が十分理解されていなかった、認識されていなかったからこそのこのような発言ではなかったのかな、このようにも思うわけでありますが、衆参のねじれ現象の今日、政党のイデオロギーや主義主張だけではなくして、政治家として、国家国民のために現実対応を求められている今日、自民党のこのような不認識な党を代表しての発言、これは慎むべきである、このように思うわけであります。 したがって、今後いろいろ協議が重ねられていくと思いますが、大蔵大臣として、今後の協議の中で、現在の政治情勢、衆参の議席の問題も含めてどのような考え方で対応すべきなのか、御見解を伺っておきたいと思います。
○橋本国務大臣 委員、これは大変御無理でありまして、我々は政府として見直し案を御提案申し上げ、これをぜひ御審議いただきたいとお願いを申し上げております。仮にと前置きをつけられましても、私ども、院において各党各会派が御相談になる内容について、かくあるべしと申し上げるような立場ではございません。うっかりそんなことを申しましたら、国会に対する政府の越権であるということでおしかりを受けることは必定でありまして、これ以上小言の種はふやしたくないと思います。
○小谷委員 また、本委員会におきましても自民党の先生方からいろいろ質問がございました。特に、特別地方消費税を含む地方税法の一部を改正する法律案に野党は反対したにもかかわらず、その後地方交付税法改正案に賛成したのは首尾一貫しておらない、おかしいではないか。また、特別地方消費税の免税点引き上げを含んでいる地方税法の改正案に対して、野党は減税に反対したというふうな趣旨の発言もございましたけれども、これも私は同様、十分にこの経緯を御存じではなかったのではないかなと思って残念に思っておるところでございます。 いずれにしましても、今後現実対応を迫られていく今日、いろいろな角度からそれぞれの政策等をすり合わせて、そうして国家国民のために合意を見出していかなきゃならぬ、これが政治家の義務である、このような考え方を持っておるものでございます。 そこで、今回の消費税導入にかかわる税制改革によりまして、有価証券の売却益課税、これが大きく改正されたわけでございます。要するに原則非課税が原則課税となった、これは一歩前進したものではないかと思うわけでありますが、しかし、その内容については不公平をさらに大きくした、拡大した、こういう内容を持ったものであると思っております。 それは、御承知のように、昨年の四月までは年間三十回、十二万株以上の大口取引や同一銘柄の十二万株以上の継続取引に対しては総合課税となっていたわけでありますが、これが青天井になった、この枠がなくなった。同時に、サラリーマンやその奥さん方で財テクのために有価証券の取引をやっておられた方に、ここに、ごく少額な取引であっても原則課税となった。今まで線引きのあったこれ以上の何億という取引、これは全く野放しになった。どれほど大きな所得を得ようとも、これは売上額の一%、要するに源泉分離という申告で済んでいく、これは不公平が拡大されたのではないか、こういう意見がありますが、大蔵大臣いかがですか。
○尾崎政府委員 昭和六十三年十二月の税制改革におきまして御指摘のような改正が行われました。その趣旨といたしましては、負担の公平確保という観点から、従来のごく限られたケースのみを課税対象とする原則非課税から、株式等につきましてはすべて課税するという方法に根本的に改められたところでございます。 今御指摘のございましたような源泉分離課税方式のほかに申告分離課税という方法もとることになっておりまして、そういう配慮も別途なされているわけでございますけれども、この源泉分離というような制度をとらずに、仮に総合課税の仕組みの中で問題を取り上げていくということになりますと、御承知のように譲渡益を把握する仕組み が現在十分整備されているわけではございませんので、そこで総合課税ということをやりますと、かえっていろいろ実質的な面で問題があるというように考えているわけでございます。 したがいまして、法律の附則等におきましてもそのあたりは将来の検討課題ということになっているわけでございますので、今後ともさらに検討をしてまいりたいと存じますけれども、とにかく原則非課税の世界から原則課税の世界に移ったということについて御理解を賜りたいと存じます。
○小谷委員 ここに資料がございますが、六十三年度だけでも、要するに有価証券の大口の取引、枠以外の取引、継続取引にかかわる所得の申告漏れというのが、所得金額として六十二年度は四百五十五億、六十三年度は千六百三十四億、これだけ所得金額として申告漏れが摘発されておる。これ以外に、かなり大幅な所得を申告している、総合課税として申告している、これは随分あるはずです。 ところが、これは今までのこのような所得申告は一切必要ではなくなった、今回の税制の改革で。これはおかしいではないか。さらに、総合課税の場合は、それに地方税が必ず付随するわけでございますけれども、これもなくなった、こういうことですが、自治省、どうですか。
○湯浅政府委員 六十三年十二月の税制改正におきまして、これまでの原則非課税から原則課税に基本的には制度が変わったわけでございますけれども、個人住民税につきましては、所得税において源泉分離課税を選択した場合につきましては、これは住民税では課税できないということで、これを除きまして、それ以外のものにつきまして申告分離課税を行うということで、平成二年度の個人住民税からその制度が適用されることになったわけでございます。 どうしてこの源泉分離課税を選択した場合に住民税が課税できないかということでございますが、この点については、この制度改正の際にいろいろと検討したわけでございますが、証券会社などから市町村に対する支払い調書の提出が、事務量が非常に膨大なためにできないという技術的な問題がございまして、所得把握の体制が十分整備されていない現状において課税をするということは、これはやはり不可能だということで、この問題についてはやむを得ず住民税においては課税しないということになったわけでございます。 ただ、この問題については、利子所得に対する課税のあり方とあわせまして、この所得把握の体制が整備される段階で総合課税への移行問題を含めて見直しを行うということで、地方税法におきましても附則に見直し規定を置いておりまして、今後そういう方向で私どもも対処してまいりたいということでございますが、現段階において、やはりやむを得ず課税できないということになっておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○小谷委員 大蔵省へ聞きますけれども、これは申告分離と源泉分離、二つの方法の選択が認められた。果たして利益を得た人、五%以上の利益があった人、これは申告分離をしますかしませんか、どうですか。
○尾崎政府委員 一般的に考えまして、源泉分離を選ぶのではないかと思います。
○小谷委員 源泉分離をやった場合には、これは地方税は一切かからない、申告分離の場合は利益に対して国税が二〇%、地方税が六%、そのうち府県と市町村とで二と四とに分けてある、こういうことですが、利益のない申告分離で課税がされない、課税されないのだけ地方税が含まれておる。これは地方税に入らない、地方税はないのではないか、一般的には。そうとしか考えられないわけですが、この点いかがですか。
○尾崎政府委員 源泉分離を選択するには源泉徴収をする証券業者を通じての取引ということになっておりますので、そういう一般の上場株のようなものを除きましては申告分離が行われるということになろうかと思います。
○小谷委員 時間が来ましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
○山崎委員長 これにて小谷君の質疑は終了いたしました。 次に、渡辺嘉藏君。
○渡辺(嘉)委員 社会党の渡辺嘉藏でございます。 先輩がすばらしい質問をしていらっしゃり、私も傾聴しておりました。しかし私は、やはり消費税は廃止されるべきだ、廃止すべきだ、こういう気持ちはやはり変わらないのであります。そういう観点で質問をさせていただきます。 まず、この消費税は、売上税でもそうですが、前段階税額控除方式のEC型付加価値税を基本にして、日本風に合わせた、アレンジした、そういうものだと思いますが、間違いありませんか。
○橋本国務大臣 例えば、ほかの国々ではほとんど採用しておらない帳簿方式を採用しているとか、例えば免税点の幅が大きいとか、こうした点がさまざま御論議をいただいておりますけれども、そうした点を大きくのみ込めば、私は委員の御指摘の方向と思います。
○渡辺(嘉)委員 中曽根元総理が売上税を導入せんとせられました六十一年の十二月に、私はこの発生の地でありまするフランス、そしてイギリス、西ドイツを回りまして、そして政府、大蔵省あるいはまた現場の税務署あるいはまた政党関係者、そのほかに、特に、徴収する側でなくて徴収される側、経営者団体、中小企業者、消費者団体、労働者団体、そして小売商店の方々を個々に回りまして、その生の声を聞きながら調査をしてまいりました。 その実態の上から質問をいたしたい、こう思っておるわけですが、そのときに感じたことは、これは大型間接税だな、こう感じました。と同時に、一度始めたらこれほど政府、大蔵省、徴収する立場から見ると便利で効率的な、麻薬的と言うと語弊がありますが、こんないい税制はないなということも痛感をいたしたわけであります。この点について、私はやはりこれは大型間接税、あるいはまた大幅といいますか、と理解しておるわけですが、これもよろしゅうございますか。
○橋本国務大臣 大幅、大型、何と対比してとか、へ理屈をこね出せば私いろいろなへ理屈があると思うのです。ただ、そうではなくて、広く薄く幅の広い課税ベースにという視点で、私は委員の御指摘のとおりだと思います。
○渡辺(嘉)委員 消費税に対しまして、今民意はどうなっておるか。理解した、納得した、なれてきた、いろいろあるわけですが、私は先日、五月の十五日から半月かけまして、中小企業者を中心に約五百軒を回りまして、そして先入観を含めずに調査をしてみたわけです。 その結果、約五百の事業所で四百七十の回答を得ました。消費税は施行後一年たっておるが、なれたのでこのままでよろしいかという質問に、このままでよろしいという人が一五・六%ありました。見直しをもっと行ってほしいという人が二八・二%、なれたけれどもやはり廃止、これが五六・一%ありました。 この簡易課税等の三点セットによってメリットがあるわけですが、手数料として当然だという人が九%ありました。それから、この程度はやむを得ないのじゃないかという人が一八・六%、不公平だからやはりやめるべきだというのが七二%あったということです。 それから、高齢化のためにこの引き上げがあった場合に、一〇%ぐらいになるかもしれませんが、そのときにはどう思いますかという質問には、これはやむを得ないという方が六・八%、政府の財政赤字のためこれはやむを得ないという立場で三・三%ありました。高齢化、赤字穴埋めには反対だという人が二六・四%、いかなる理由でも反対が六三・八%。 これは、なれたとかなんとかということをいろいろ言われておりまするが、こういう実態から考えますると、やはり国民の幅広い層の中には、これは反対なんだ、こういう声が強い、このことを私は痛切に感じたのですが、大臣どう思われますか。
○橋本国務大臣 それは、大変恐縮でありますけれども、委員御自身の調査でありますからその委員御自身の調査をされました範囲内なりに、私は正確なものであろうと思います。 しかし、同時に今、例えばNHKが今年の三月に行われた調査を見てみますと、現行のまま残せとおっしゃる方が一一・八、見直し存続と言われる方が五〇・九、そして廃止と言われた方が三四・四という数字がございます。 読売新聞の調査によりますと、やはり同じ三月時点でありますが、現行のままと言われた方は七・五%であります。そして見直し存続の中で、見直し案に沿った見直しと言われた方が一五・六、もっと大幅な見直しと言われた方が四五・七、廃止を求められた方は二八・〇という数字であります。 同じく毎日新聞の御調査でありますと、一番新しいものが四月のものでありますが、現行のままが一〇%、見直し存続の中で、見直し案に沿った見直しが一九%、もっと大幅な見直しと言われたものが三四%、廃止が三一%。 朝日新聞の元年十月が、現行が八%、見直し存続が五四%、廃止を求められたものが三五%ということでありまして、多少のでこぼこはありますけれども、私は見直しをお求めになっている方が国民の中に一番多い、そのように理解をいたしております。
○渡辺(嘉)委員 今の世論調査、それはそれだと思います。ところが、私は見直しの中身を説明したのです。こういう見直しですがよろしいか、こういうことをつけ加えて見直しについて意見を求めたところ、そんな見直しなれば、これはやはり私どもの期待した見直しではない、こういうのが返ってきたのです。だから廃止がふえたのです。 こういうふうに考えますと、今ここで、見直しをする、あるいはまたいろいろすり合わせをするとかいろいろなことが言われておりますが、今日の消費税が、六十三年十一月十日のあの天下周知の乱闘国会の姿をテレビで見た国民は、相変わらずあれを腹の中に持っていらっしゃるんだな。そして、実施されてから一年たっておりまするが、しかしこの中で我々は政治的解決を求めるのでなくて、私はかたくなに言うのではありません、選挙後、それからまた一週間ほど前私のところへ送ってこられた幾多の手紙をここに持ってきたわけですが、すべてが、社会党に期待したのは消費税の廃止なんだ、こういうことをはっきり書いてくるのですね。と同時に、あるお医者さんは、経緯といい見直しといい、中身といい、逆進性といい、消費税を残す理由は全くない、こういうことを強く言うてこられました。 私は、こういうような幾多の声を聞く限りにおいては、自民党の質問の中で、土井委員長がかたくなではないか、だめなものはだめだというのは頑迷ではないかというに近い御質問を聞いておりまして、私ども、そうではないんだ、やはり国民の期待が社会党に寄せられたのは、廃止を断固主張してこの実現に努力してくれるのは社会党なんだという期待を私どもは受けてきたんだ、こういうような意味で、まさか私ども自身が公約違反をしたり、あるいはまた羊頭を掲げて狗肉を売るわけではございません。だから、これは今日の議会制民主主義から見て、あくまで廃止、昭和六十三年十一月十日のあの乱闘国会での強行採決以前の姿にやはり戻すべきではなかろうか、こう思うのですが、この点についての御答弁を賜りたいわけです。 私は時間が非常に少ないものですから、私もできるだけ簡単に質問いたしますが、ひとつ御答弁も、内容は豊富でも、短い時間に簡明にいただければありがたいと思います。
○橋本国務大臣 蒸し返しになりますけれども、先ほど、あるいはそういう御質問がと思いまして、私は、見直し案に沿った見直し、より大幅な見直しと、質問事項のそのままを申し上げました。ですから、これらの調査も政府の見直し案というものを説明された上での国民の意思であります。 また、委員、社会党にその廃止の期待が集まったというお話でありますが、そういう言い方になりますと、私どもには見直し案に沿った自民党への期待が集まった、私はそう思います。
○渡辺(嘉)委員 竹下前総理がこの消費税を導入されるときに六つの懸念を表明されました。その後一つ、転嫁の問題が挿入されて、その後また二つ、地方財政の関係で挿入されて、九つの懸念を表明されたわけです。 そこで、私は時間がありませんので一つ一つ聞いておるわけにいきませんので、まず第一に転嫁について承りたいわけです。 先日、局長さんが、転嫁についてはもううまくいっておる、製造、卸については一〇〇%近く転嫁ができた、その他いろいろ説明いただきましたが、問題は、じゃそれを消費者に転嫁できたかどうかということです。すなわち、小売業者はじゃどれだけこれを転嫁したのであるか。 通産省のこの五月三十一日の調査報告書によりますと、小売業者は七八%、そういう転嫁状況を示し、現在転嫁状況は悪化しつつあるということをこの報告書で述べておられるわけです。 その中でまた、小売業者も五億を超える業者につきましては、昨年十月に九九%の転嫁であったものがことしの一月は九六%に低下した。三千万円以上五億円以下は、昨年十月は八五%であったものがことしの一月は八三%に悪化した。ただし、三千万以下の方は、昨年の四四%に対してことしは五〇%と増加した、こういうのが出ておるわけです。 ここで問題は、いわゆる小売業者の転嫁率が悪いということなんです。そして、大手よりも細かいところ、中小企業、ここに転嫁の不十分さが行われておる、こういうことを考えるわけですが、ここに問題があるんじゃないですか。どうでしょう。
○尾崎政府委員 御指摘になりました数字につきましては、そのようなことになっておりまして、小売業者の規模の小さい方の転嫁の率が低くなっているということは御指摘のとおりでございます。 そこに問題があるのではないかという御指摘でございますが、私ども、免税事業者の転嫁の問題について、いわゆる懐に入れるというような角度からいつも御質問をいただいているわけでございますけれども、現実には免税事業者の方々は、やはり免税事業者という立場もあって半分以下の方しか転嫁をしていないというのが現実の姿でありまして、すべてがすべて懐に入れているわけではないということであろうかと思います。やはり免税ということになりますと、それをどのように考えるかということでございますが、規模が小さくて弱い立場におられて、せっかくの免税という特典を得たからにはそれをむしろサービスに回すといいますか、転嫁しなくてはいけない大手との競争力の問題、消費者に対するサービスの方に振り向ける、そのようにお考えになっている方がおられるということではないかと思います。 なお、規模の小さい方でも製造業、卸売業のように事業者間の取引の中に入っている方々の転嫁率は大変よろしいようでございまして、それは非常に結構なことではないかというように考えております。
○渡辺(嘉)委員 業者間取引は直接消費者には行かないわけですから、だから消費税の本旨には沿っていないわけです。そういうような意味合いで、消費者が本当に転嫁をどう受けておるかという実態から考えてみると、中小企業そのものは小売業において転嫁がうまく行われていない、こういうことだけは明らかだと私は思うのです。私も個々にいろいろな実態を見ておりまするが、こういうような意味合いで転嫁は不十分だった。 じゃ、物価についてはどうか。これも何回もいろいろ御論議がありましたが、私も計算してみますると、全国の消費者物価指数によりますると、六十二年の物価上昇は〇・一%、それから六十三年度は〇・七%、消費税施行後は二・八%に上昇しておるのであります。これは昨年の四月からこ としの三月までを集計したものでございます。これは消費税が実施されてからですよ。 卸売物価は、そういう計算をいたしましたところが、六十二年はマイナス三・八%、六十三年はマイナス一・〇%、消費税実施後は三・四%上昇して、格差は、マイナス一と上昇三・四ですから、格差は四・四%のアップになったのです。 為替レートの問題、原油の価格の問題等いろいろな変動要因もありまするが、しかし、製造業その他卸売業は三%を完全に近く転嫁をしている、しかし、小売は十分転嫁をしておらない。こういうことも個々の要因にあらわれておるのじゃなかろうか。この点について、政府の見積もりは当初一・二%を予想していらっしゃったわけですが、これとは大きく外れているのじゃないか、こう思うのですが、どういうふうにお考えになりますか。
○橋本国務大臣 これは経済企画庁からお答えするのが筋だと思いますけれども、消費税の影響そのものについては政府見通しは大きく外れておらなかったはずであります。そして、一回限の上昇にとどまるという見通しにつきましてもその予測は狂っていなかった、私はそう理解をいたしております。
○渡辺(嘉)委員 これもお言葉を返すのですが、消費性向はどんどん下がったのです。しかし、これに触れておると時間がありませんので申し上げませんけれども。 次に、そういうような意味合いで、しからば不公平は是正されたか、このことに論点を移しますが、私は十分でない、こう思っております。この公平の原則と累進課税という問題について一言触れたいと思うのです。そうでないと、逆進性の意味について、反論がかなり出たからです。 租税に関する学説はいろいろあることはもう御案内のとおりであり、アダム・スミスの四原則その他も出ました。アドルフ・ワーグナーの九原則、これも私は勉強させていただいた中の一つで、その六番目に公平の原則があるわけですが、この公平の原則の中に、「国家目的の中に「文化、福祉目的」を加え、その国家経費を公平に負担することは、各個人の給付能力に比例して課税すべきである。給付能力は所得増加の割合以上に高まるので累進課税をしなければならない。国家の維持発展のため平等な犠牲を払う。この平等とは能力に比例して所得に比例することである。」こう述べておられまするし、この考え方は、アメリカの有名な、あのシカゴ大学の英才と言われたヘンリー・サイモンズ先生も支持をしていらっしゃるし、そして同じくアメリカのハロルド・グローブス教授は、その著書「租税思想史」の中で「実際の政治にかかわる当然の関心事は、高い度合いの表面的な累進に対して、支払っている額は余りにも高過ぎるということが、もっともらしい論議をされるかもしれない。その額は、水平的公平という点から、あるいは門外漢の言葉によって往々にして累進の度合いを徐々に失わしめる抜け穴となる。」と結論を述べていらっしゃる。 こういう学説から考えてみましたときに、今回消費税を財源といたしまして法人税の減税が行われたわけですが、日本の法人税の税率が高いということで、国際競争におくれるということも含めまして、四二%の税率を平成元年は四〇%、平成二年、ことしは三七・五%に低下する、ただし中小企業八百万以下は三〇%、二九%、二八%、こういうふうに軽減をする、こういうことですが、貿易摩擦を起こすほどの日本の法人企業の実力を思いますときに、この理論とは余りにも合点し得ないのではなかろうか。 仮に、これは例です。トヨタ自動車の昨年六月の利益は五千六百九十八億円と、私どもはその指標で拝見をいたしました。といたしますると、二%は百十三億九千万円であります。もし、平成二年もそのように利益が出てきますると、四・五%下がるわけですから、二百五十六億四千万円が毎減税の対象になる。その金は、大根一本買ったら三円、消しゴム買ったら三円、そういうような金でこの減税財源の捻出を税制改革ではされたわけですが、私はこれを見ていて、果たしてこれが社会的に見て公平、公正なのかどうか。こう考えたときに、一つの工場が、工場というより大工場が減税ががばっとできる。しかしその金の出しどころは、寝たきり老人を含めたそういう多くの人の三%で賄われたということは、まさにこの学説から見ても不公平そのものを拡大したのではないか、私はこう考えておるのですが、どうですか。
○橋本国務大臣 税の負担と申しますものは、担税者の負担能力をしんしゃくして割り当てられるべきものでありますけれども、負担能力をはかる基本的な尺度として所得、ほかに消費とか資産というものがその尺度になると考えられていることは御承知のとおりであります。 同時に、いかなる税目もそれぞれの長所を持っておりますと同時に、問題点を何らか伴っております。ですから、特定の税目に税収が依存し過ぎる場合には、その税目の抱える問題点というものが増幅されて税負担の公平な配分というものを妨げる、そして国民生活に悪影響を及ぼしかねないということはお認めがいただけると思うのであります。ですから、税体系の中において所得、消費、資産などに対する課税というものを適切に組み合わせるということが必要なことは、委員御承知のとおりであります。 私は、長々とその視点からの論議を繰り返すつもりもございませんけれども、今、法人税について委員から御指摘がございました。昭和四十年代の半ば以降、所得税減税財源その他の財政需要に充てるために、法人税が逐次税率が引き上げられてきたことは委員も御記憶のとおりであります。しかし、主要先進国におきましては、逆に一九八〇年代に入って、民間経済の活性化、税制の簡素化などを重視する観点から、相次いで課税ベースの拡大を図りながら法人税率の引き下げが図られてまいりました。その結果として、我が国における法人課税の負担水準というものは、国際的に見て相当高いものになっていたことは御承知のとおりであります。 まあ我が国の経済社会の国際化の進展を考えますと、このような税負担水準の国際的な格差というものは企業活動に影響を及ぼす、しかも悪い影響を及ぼす、いわゆる経済の空洞化といった現象を招きがちでありますし、ひいては雇用面での弊害も生ずることも心配をされます。法人課税の負担水準を主要諸外国と比較してかけ離れて高いままにしておくことが適当ではないという考え方から、先般の税制改革において法人税の基本税率を三七・五まで引き下げるということを考えたわけでありまして、私は、委員が、過去における、その四十年代以降所得税減税財源をどこに求めてきたかという歴史を振り返って御判断をいただきたい、そのように思います。
○渡辺(嘉)委員 その点は私も十分わかるのです。しかし、昭和四十五年以来と大臣もおっしゃいましたが、それ以来の日本経済を見ておりますと、それ以来ずっと上昇で来ておるのです。(橋本国務大臣「いや、オイルショックが二回もその間にありました」と呼ぶ)ありましたけれども、それでも、それを乗り越えて、第一次、第二次のオイルショックを乗り越えて、今日経済大国と言われる日本の経済実力をつくり上げてきたのですよ。 しかし、では税率はどうか。実効税率は西ドイツの五二・八七%、日本の四九・九八%、これは実効税率なんですが、この西ドイツと日本、ともに強い経済力を持っておることは、もう既に前の質問でありましたので私は触れるつもりはなかったわけですが、このことをお考えいただきますと、私は、法人を今、減税しなければならぬピンチだというふうには考えていない。じゃ、アメリカ、イギリスその他見てみますると四〇%以下です、実効税率。しかし経済力はどうか。私は云々はいたしませんが、その観点から見ると、私は、消費税をもって——私はトヨタの車に乗っておりますからね、トヨタさんが好き嫌いじゃないのです、いいのですよ。しかし、こういう社会的矛盾がこれでいいだろうかという強い疑問を多くの人 からも受けますし、私自身も持ったので、この点を質問したわけです。 こういうような意味から、もう一つキャピタルゲイン課税を聞きたいのですけれども、キャピタルゲイン課税は、これはリクルートの反省の上からとよく言われて、株に対する原則非課税を原則課税にしたのだ、そして株による利益を五%とみなして二〇%課税で、すなわち売却額の一%課税が行われることになったわけですね、これは御承知のとおり。その結果、先日大蔵省からお示しいただきましたキャピタルゲインによる税収は、幾らかとお聞きいたしましたら、平成元年で七千八百十億円、平成二年も当初予算では七千八百十億円、そのまま横並びで計上いたしました、要するに七千八百十億円の増収だ、こういうことをお聞きをした。 ところが反面、今度は有価証券取引税は一種が〇・一八%を〇・一二%に引き下げた。二種は〇・五五%を〇・三%に引き下げた。半分とは言いませんが、半分近くまで有価証券取引税の方は下がった。それによるプラス・マイナスを見ますると、六十三年は二兆一千億収入がありました有価証券取引税が、今度は平成元年では一兆二千億、約九千億の減収になったのです。トータルいたしますと、何のことはない逆ざやで、むしろキャピタルゲイン課税は有価証券取引税によって抜け穴ができちゃって逆ざやを生じたじゃないか。これは国民が期待したものじゃないと思うのです。この点、どう思われますか。
○尾崎政府委員 六十三年度の税制改正要綱によりまして平年度の減収額を申し上げたいわけでございますけれども、有価証券譲渡益課税の原則課税への移行で六千九百五十億円、ちょっと年度が違いますので委員のおっしゃられた数字と違いますが、六千九百五十億円。それから有価証券取引税の引き下げ等によりまして三千九百七十億円の減収を見ております。これは、内容は有価証券取引税の引き下げで減収四千七百三十億円でございますが、法人税に対するいわば法人の経費として落ちる分がその分減りますので、はね返りがありまして、七百六十億円の増収が法人税にあるということを見込んでそういうようになっているわけでございます。 したがいまして、両者差し引きをしますと全体として二千九百八十億円の増収ということに相なっております。
○渡辺(嘉)委員 これに余りかかわっておると時間がなくなってきますので……。 しかし、今局長おっしゃいましたけれども、私の手元へは、平年度ではこうなりますよ、そして予算にはこういうふうに載せてありますよというのを私のところに持ってこられた。これによりますると、有価証券取引税は六十三年度二兆一千億が、一兆二千億になりますよ、こう持ってこられた。だから私はおかしいじゃないかと言ったのです。これは逆ざやじゃないか、こういうことなんですね。 ですから、それが実際の計数とは、その実施の年度その他の差もありますから食い違いがあるかもしれませんけれども、私は、こういうやり方は本当にキャピタルゲイン課税を国民の期待にこたえてやったのではないのではないか、こういうふうに実感を持っておりますが、しかしこれの改正その他につきましては、既に多くの方から申されましたように、私も原則課税なら当然総合課税であるべきだ、こう考えております。 と同時に、そこで不公平税制でもう一つ聞いておきたいのは、例の簡易課税等含めました三点セットについてはもう既に多くの方が質問されましたが、私もやはりこれには一言申し上げたいのですけれども、これは無作為で抽出されたいろいろな企業の数で八十九社の調査をしたところによりますと、課税売り上げが八十九件で百七億一千八百三十万円でございます。課税仕入れは六十三億三千百三十万円で、その中には免税業者も八件ありましたので、これを除きますと、正当と思われる消費税の納税額は七千百四十八万円になったのです。ところが、実際に納税されました七十三件を見ますと四千七百五十八万円、消費税の雑収入者は四十三人で二千三百八十九万円、還付を受けた方が七人で千八百八十四万円になったのです。 この内訳を見ますと、塩干物仲買業者が、これは平常計算で計算いたしまして、仕入れ率は九三%あったのです。政府は卸売業は九〇%と予想して出されましたが、実際は九三%ありました。それから木箱製造業は六一%、縫製業は二七%、そして一件は三七%、同じ業種でも一〇%の差が出てきたのです。それから旅館業は一〇%と出てきた。だから、この方は二億一千五百万円の売り上げで百二十八万円納税をいたしまして、四百五十万六千円消費税雑収入があったのでございます。先ほどもお話が出ましたけさの朝日新聞によりますと、旅館業は五〇%等といろいろな指数が出ておりますが、同じ業種でも非常に差があるということです。飲食業でも、Aの方は七八%、Bの方は六一%。学習塾につきましても、朝日新聞の調査とはちょっと違いまして、売り上げが二億九千二百万円のこの学習塾は、百七十五万円の納税をいたしまして雑収入は四百六十八万円あったのです。 こういうことを見ますと果たして、これは本当は見直しのことでもう少し質問をするつもりですが、それはまた別な時間といたしまして、今度見直すとおっしゃるのですが、じゃ、これを業種ごとに仕入れ率を決めますよ、こんなことをしたら、何百の業種、同じ業種でも大変な格差がある。こういうことを考えたときに、何百、何千の業種を指定して、それこそ何万というような仕入れ率をつくらなければ追っつかないと思うのですね、実際に合わせようと思えば。そうでないと、これはどこまでいっても私はこういう矛盾があると思うのですが、こういう点についてどうお考えでございますか。
○橋本国務大臣 しばしば先般来から同様な御論議をいただいておりますけれども、私どもが何遍も同じことをまた繰り返し申し上げさせていただいておりますのは、委員の御指摘は、こうしたものをゼロにしろ、言いかえればこの中小事業者に対する特例はみんな廃止しろということになるのでしょうか。 先般も同じような御論議がありまして、私どもそのときに感じたことでありますけれども、私は各国の制度を見ておりまして、同種の各国の付加価値税における中小事業者に対する特例、幅の問題は確かにございます、そして、それを私は否定しておりません。しかし、免税制度にいたしましても、簡易課税制度にいたしましても、あるいは限界控除の制度にいたしましても、それぞれの国で多少やり方の違いはございますけれども、やはり何らかの措置を各国が組んでおります。ですから、私どもは一年間のその実績を把握した上で、それを十分に解析し、今後の検討の材料としたい、また御提示をいたしたいということを申し上げておるわけであります。 同じことを繰り返しますと同時に、今委員が言われますことをぎりぎり詰めていきますならば、こうした措置は全部否定されることになります。しかし、やはり中小零細の事業者に対して何らかのこうしたものが必要だということは各国も認めている。ですから、そこまで御否定になるのかどうかを、これは私が逆に質問してはいけないのでしょうけれども、むしろお考えを聞かせていただきたいなと、今伺いながらちょっと感じておりました。
○渡辺(嘉)委員 私がお答えするというのもおかしいわけですが、私はこの三点セットはない方がいい、これは断言をいたします。と同時に、そういう消費税があってはならないんだ、こういう前提で申し上げておるわけです。私も中小企業をやっておりますので、いろいろ立場も十分わかるわけですが、こういうような意味でボタンのかけ違いは最初にあったのです。だから、いろいろなことを直せば直すほどおかしくなってくる、このことを申し上げたかったわけでございます。 そこで、しからば不公平税制を正す、これは税制改革の最大の前提条件であったわけですが、そ れがためには税を不正に免れようとする行為は許されるべきじゃないと思うのです。 フランスの大蔵省で統括調査官デルギューさんにお会いしましたときに、フランスでは最も人気のあるスポーツは何だと思いますか、こう質問されました。私は一瞬ぽけっとしたのです。そうしたら笑いながら、脱税ですよとおっしゃったのです。二万人の調査官を八百カ所に配置して、そしてやっていらっしゃるのがフランスの大蔵省の統括調査官なんです。年に一人当たりの調査件数は大体四、五件だとおっしゃった。所得、法人税調査と同時に消費税の調査もやっております、こう言っていらっしゃる。これでいきますると年の処理件数は全部で約四、五万件だとおっしゃる。そうすると時効までにやり得るのは大体十五万件ぐらいにしかなりません。あと百四十五、六万件、九〇%の人々は野放しですとおっしゃるのです。四十年に一遍ぐらいでしょう、こういうふうにおっしゃるのです。 その意味から見ますると、私は日本の税務署の担当官は、これはすばらしいと見ているのです。大体年に三十五件から四十件近くやっていらっしゃる、大体十対一ぐらいの格差でやっていらっしゃる。これはすばらしい。そしていろいろな脱税も的確に摘発していらっしゃる。これはすばらしいと私は思う。しかし、この人々の努力もまた大変ですよ、本当に家へ帰っていって仕事をやってくださるぐらいですから、これは大蔵大臣も認めていただかなければならぬと思うのです。 ところが、そういう努力をしていらっしゃるにもかかわらず、地方公共団体及びその出資、監督下にある公社等、公益法人等は原則非課税になっております。そして、不動産販売業を行っても非課税になっておりますが、そうですね。
○福井政府委員 お答え申し上げます。 結論といたしまして、一定の条件下におきまして先生御指摘のとおりでございます。 すなわち、一般論として申し上げますと、法人税法上、財団法人は公益法人等とされておりまして、不動産の売買がある場合には、原則としてこれはもちろん法人税の課税になるわけでございます。 ただし、冒頭申し上げましたように一定の条件ということがございます。それは、ただしその財団法人が、出資金額の二分の一以上を地方公共団体により出資、拠出されている等の場合で、その業務が地方公共団体の管理のもとに運営されているものというような場合には、これは不動産売買業を行っていても法人税は課税されないという取り扱いになっておるところでございます。
○渡辺(嘉)委員 私の地元に穂積町開発公社というのがあって、町の一〇〇%出資でございます。理事長は松野友さんという町長さんでございますが、御主人は元の岐阜県知事であり、国土庁長官であったことは御案内のとおりであります。 かなり以前からこの町及び公社で、町並びに公社に土地を売れば税金はかからないと地権者に働きかけ、安値で土地を購入いたしまして特定の業者の方々にこれを販売していらっしゃる。五十六年から六十二年までの総額は三万四千五百八十六平米で、十二億五千六百万円あったのでありますが、そのうちの九〇%は株式会社ノバ、紀文株式会社、相互運輸株式会社、その他企業、個人に売却をしておられて、公共用地は一〇%に満たなかったのでございます。 昭和六十一年の七月に、岐阜市茜部の鷲見某さんは、そういう町、公社の働きかけで約七百三十五平米の宅地と田を三千四十四万円で売却をされ、坪十五万円の計算で土地を売られたわけですが、税金分として二万五千円を安くさせられて十二万五千円で町に売却された。 六十三年六月初め、税務当局より譲渡税として本税五百五十八万四千二百円、無申告加算税、延滞金等を含めまして六百五十二万四千五百円の納税通知が来たわけです。この土地は、公社は今申し上げた民間に、もう既に事業者に売ってしまった土地でございます。納税通知をもらった本人はびっくりです。町にその不当をなじりましたところ、公社でその税金を支払われました。町公社でこのような税金を支払ったということにつきまして、これは適法であるか、あるいはまた脱税なのか、節税の悪乗りなのか、お聞かせをいただきたいと思います。大臣、どうですか。
○福井政府委員 税金関係のことにつきましてお答えさせていただきますけれども、地方公共団体の方でどういう手続でこれを支払われたのか、その点につきましてはわかりませんけれども、一般的に申し上げまして、何らかの形で地方公共団体から個人に対しまして寄附が行われるということになりますと、これは所得税法上のやはり経済的利益でございますので、これにつきましては、一般論として申し上げまして、いわゆる一時所得として受け取った納税者の側に課税が行われるというような取り扱いになるものであろうというふに承知をいたしておるところでございます。
○渡辺(嘉)委員 私が聞いておるのは、受け取った本人の問題ではなくて、そういうものを公社が払ってもいいのかどうか、それから、節税の悪乗りなのか、脱税を企図したものなのか、これを聞きたかったのです。 と同時に、こういう事実が各地で起きて世論も騒ぎ始めましたので、県も放置できずに、昨年の三月二十四日付で調査結果を穂積町公社に通知されたんです。これによりますると、原文のまま読みますが、約八十人の地権者に二百件、三億二千八百十二万八千九百二十円支払っていることが明らかになり、これは譲渡人への贈与であると思われる。しかるにこれは、本人ではなくて税務署に支払われている。これは他の保有地の代金に上乗せして捻出、支払われている。 この三億二千八百万余円の支出は正しい支出であるのか、また、公社がこのように個人に寄附または贈与したりすることは法的に根拠があることなのか。自治大臣、一遍お聞かせをいただきたいと思います。
○奥田国務大臣 法的な面でまた政府委員から答弁させますけれども、公社公社と言われますけれども、公拡法に関して認められているのがほとんどの府県の公社で、この今の穂積町ですか、ここのものは全く財団法人化している形で、私はこれは虚偽の登記で脱税した行為だと思います。はっきり言って町ぐるみで何かやったような、犯罪と言ったらおかしいですけれども、こういった形で、このような形のことはやはり許せないなと。 それで、この土地公社に関しては非常に厳しい条件がございまして適正に指導しておるのですけれども、こういった民法に基づく公益法人につきましても、知事を通じましてこれから適正な運営をさせるように厳重に指導してまいりたいと思っております。
○渡辺(嘉)委員 では、引き続いてお聞きいたしますが、今のとおりなんです。土地開発公社ならきちっとした締まりがありまするから、まず考えられないのですから、それがために財団法人として民法上の法人にしたのです。そして、そのかわり出資は全部町が一〇〇%出資、そして債務負担行為で十億までは借り入れを認める、これも町が見ておる。 こういうことで、私どもがずっと中身を見ますると、町並びに公社は、そういう意味の公社です、脱税目的と思われる行為、すなわち民民の売買にかかわらず、町が買いました、または寄附受けましたという虚偽の登記を行っておられる事実。二つ目は、未登記で放置しておけば、国税の時効は五年で完成するからその間ほかっておけばいいんだ、それが済んでから販売しましょう。三つ目には、時には町は架空の公共事業買い取り証明書を発行する、そうするとその売った方は税を免れられるわけですね。 そして問題はまだ一つ、地方税法に基づきまして法務局から市町村への物件異動通知書が送付されてきますると、その虚偽の登記をいたしました分だけはこれを抜き取るんです。抜き取りまして残りを国税当局に連絡提携でお示しをしていらっしゃる、だからこういうことがなかなかわからなかったわけですね。 こういうやり方は、脱税を目的とした、所得税法で規制している間接正犯ではなかろうか。国税犯則取締法の正当な申告をさせないための扇動といいますか、あおり、唆しに当たるのではなかろうか、こう思うのですが、この点。 いま一つは、法務省、こういう異動物件の通知書を、この際は市町村のみでなくて国税当局にも直接通知をするという、二通つくればいいのですから、こういうふうにきちっと法整備を行って的確を期されたらどうだろうか、こう思いますが、それぞれ御答弁を賜りたいと思います。
○長谷川国務大臣 委員お尋ねの問題につきましては、現在岐阜地検において警察からの送致事件や告発事件につき鋭意捜査を行っておるところであります。なおその捜査を見守っていきたいと考えておりますが、検察といたしましては、警察と連携しつつ引き続き捜査を行い、法と証拠に照らし適切な処理を行うものと確信をいたしております。 なお、担当局長が来ておりますので、詳細答弁させます。
○清水(湛)政府委員 地方税法三百八十二条の関係についてお尋ねでございましたので、その点についてお答え申し上げます。 現在の地方税法三百八十二条によりますと、表示の登記とか所有権移転の登記がありました際に、登記所は市町村に通知をするということになっております。この通知は、市町村がその事務等をしております土地あるいは建物に対する課税台帳を修正させるということを目的としてされるものでございます。ところが、国税の関係ではそういうような規定は目下のところございません。つまり、固定資産の課税台帳を修正させるというような要素が国税の場合にはないということが一つの理由になっているものと考えられるわけでございます。 しかしながら、課税の適正を図るということは非常に大事でございますので、現在登記所では、税務署から要請がございますと、登記簿の閲覧とかあるいは申請書の閲覧については最大の便宜を図っておる、こういうことでございます。 これをさらに進めて、地方税法三百八十二条と同じような規定を国税についても設けるのが適当かどうかというようなことになりますと、先ほど申し上げましたような課税台帳の修正というような要素がないということに加えまして、登記所も現在非常に繁忙であるということもございますので、非常に困難な問題があろうかと思いますが、大蔵省当局ともよく相談してみたいというように考えております。
○渡辺(嘉)委員 この件は、今局長さんから御答弁いただいた点については、これは便宜を計らっているというだけでなくて、二通つくればいいのですから、やはりきちっと通知する、そういう法整備を検討していただきたい、私はこう思います。 と同時に、今法務大臣からも、これについては今捜査中で厳正に進める、こういう御答弁をいただきましたのでそれで結構でございますが、自治大臣どうですか。こういうこと、よそにはちょっと考えられぬと思うのですけれども、一遍全国的にこういうことを点検する必要があるんじゃなかろうか。あるいはまた大蔵大臣、こういうことについてどういう感想をお持ちになりますか。国税の脱税が明らかに行われたわけですが、御所見を承りたいと思います。
○橋本国務大臣 率直に言いまして、初め委員の御質問に対して、そんなことが本当に起こり得るのかということで添付の資料を繰り返し見ておりました。余りのことにあきれ返りまして、今委員長にも見ていただいております。本当に、大変失礼でありますが、しかも、これだけの規模で年数続いていたこと自体、信じがたい思いであります。
○奥田国務大臣 この穂積町のケースは全く異例中の異例でございまして、こういう町ぐるみで犯罪しようと思ったら、それはもうとてもじゃないけれども、事業体の長がそういった地上げ屋の上前をはつった悪質なもので、こういうことは本当に許せないと思うと同時に、こういった公益法人のあり方に対して、これは厳正に府県知事にも指導を求めてまいるわけですけれども、これは全く異例中の異例です。ほかの自治体がやっているか調べてみろなんて言われましたけれども、それこそ自治体に対する、本当に何というか、名誉というか、そういうようなあれで、そこまでしなくても、そんなことをやっているケースというのは、本当にこれはもう全く聞いてびっくりしておるくらいであります。 今後はこういった形の法人に対しての指導というものを、厳正にやっているつもりですけれども、さらに強化に努めてまいります。
○渡辺(嘉)委員 ことしの三月二十日にこの公社の理事会が開かれたわけです。そこで先ほど申し上げた岐阜県の調査結果による通知がなされて中身の指摘がされたわけですが、それは直されずに、そのままで六十三年度決算として、不当支出のままで理事会に出てきたのです。これはことしの三月二十日なんです、この理事会は。こういうことから考えますと、これはちょっと横着なんじゃなかろうか。直して出すならともかく、直さずにそのままこの三月にまた出してきた。こういうようなことについて、民法七十一条の規定から見てこれはどうか、これはこの際本当に解散させて出直すべきじゃなかろうか、こう思うのですが、この点。 いま一つ、非課税になる特定法人に扱う場合、不動産販売をいたしましてもいいかどうかということで、法人税の取扱通達、一五—一—一三によりますると、「地方公共団体の監督の下に行われ、」先ほど申されたとおり「かつ、予算、決算について地方公共団体の承認を必要とする」と述べておられ、あるいはまた、それのただし書きといたしまして、「当該地方公共団体が当該法人の業務運営を管理していることについては、当該地方公共団体に確認を求めるものとする。」これが国税庁の通達で出ておるわけですが、確認をされてこういう非課税扱いをされておるのかどうか、この点も一緒に二つ答弁をいただきます。
○芦尾政府委員 お答えいたします。 ただいま大臣の方からも御答弁がありましたが、全く私どももこれは異例中の事件のような気がいたします。 それで、私どもといたしましては、直接には知事の指導監督のもとに入っておるわけでございますけれども、今後の公社のあり方につきましては、今事件の全容の究明が行われておるところでもありますが、その業務の適正化でございますとか組織のあり方等につきまして全面的に検討するように、県当局とも連絡を図りたいと思います。特に、今大臣御答弁がありましたが、土地開発公社の制度もあるわけでございますから、そういう制度にも乗りかえることができるのかどうか、そういうことも含めて検討をしていきたいと思います。
○福井政府委員 課税上の問題でございますけれども、冒頭申し上げましたように、このような課税上の取り扱いになりますにつきましては、一定の条件、要件が必要でございまして、したがいまして、一般的に私どもこういったことを取り扱う場合には、税務上のこのような取り扱い要件を満たすかどうか、地方公共団体に確認をするということも含めまして、各種の資料、情報等も総合的に勘案して、法人の業務運営が適切になされているかどうかということを十分に検討をして、厳正に対処するという方針で臨んでおるところでございます。 また、このような観点から、仮にも課税上の問題があるということになりました場合には、これに対しましては厳正に対処する方針で臨んでおるところでございます。
○渡辺(嘉)委員 まだいろいろ質問したいわけですが、時間が参りましたので、そのほかの件につきましては後日の機会がお与えいただけたらそのときにまた行うことといたしまして、最後に一言、この消費税につきましては、現在のまま三% で国民がならされ、あきらめさせられ、泣き寝入りをさせられる、こういうようなことになったのでは、これは政治の本道から好ましい姿ではないと私は思うのです。 こういうような意味合いで、まず昭和六十三年十一月十日、私は何回も言うんですが、その前の状態に、まず一遍白紙に戻すんだ、その上で公正、公平、簡素な、そして、これも何回も言うんですが、逆進性のない、これはもう大衆課税でない新しい税制をつくり直す。 そして、先ほど加藤紘一先生が大平首相の自戒を述べられまして、私は聞いておりまして本当に涙ぐむような気持ちで聞いておりました。特に、天下に公約して選挙に臨んだというこの一節は、私ども政治家にとってはまさに金科玉条の精神だな、立派なものだ。方々からおいさめがあっても、それでもこのアドバルーンを掲げて選挙になった。その選挙の結果は御案内のとおりですが、私は、そういうような意味で、どうかこの大平精神に立ち戻って、もう一度この消費税は出直すべきではなかろうか、こういうように考えるのですが、御所見を承って、終わりたいと思います。
○橋本国務大臣 先ほど逆にお尋ねをして、委員のお考えの基礎はそれなりに私は理解をいたしました。 ただ私は、昨年の自民党が大敗北を喫しました参議院選におきましても、与党の責任者として見直しを主張して選挙戦を戦いました。そして、本年の衆議院選におきましても、自分自身が責任者として確定をさせました見直し案を全国各地において御説明をしながら、自由民主党への支持を訴えてまいりました。その限りにおきまして、私もみずからの信ずるものは国民に語りかけ、その上で今見直し案の御審議をお願いを申し上げておるところでありまして、残念でありますが、委員と考え方を異にいたしております。どうぞ、できるだけ早く通過、成立への御協力を賜りたいと思います。
○渡辺(嘉)委員 終わります。ありがとうございました。
○山崎委員長 これにて渡辺君の質疑は終了いたしました。 次に、東中光雄君。
○東中委員 私は、政党機関紙等への課税問題についてお聞きをしたいのですが、最初に自治大臣にお伺いしたいと思います。 政党等の政治活動と国民の政治参加、政治活動というのは、政党政治と議会制民主主義の根幹をなすものであり、政党、国民の政治活動の自由の保障は、民主政治の発展のために欠くことのできないものだと思います。政党は、国民の政治意思を形成する最も有力な媒体である。政党は、憲法二十一条の結社の自由を高度に保障されておる。ですから、その組織運営、政治活動は、最高裁の判例にもあるのですけれども、高度の自主性と自律性を保障されなければならない。国家権力が政党の組織運営やその政治活動に介入をする、あるいはそれを抑制する、これは憲法二十一条の結社の自由を侵すことになって、政党政治と議会制民主主義の原則に反するものとして許されない、こう思っています。 要するに、政治活動や国民の政治参加に対して、国が抑制するようなことは許されない。大原則だと思うのですが、政党なり政治資金なり選挙制度なりを担当される自治大臣の御所見を承りたいと思います。
○奥田国務大臣 議会制民主政治のもとにおきましては、政党並びに政治団体は重要な役割を果たしております。その活動の自由は最大限尊重さるべきものでありますし、表現の自由、憲法二十一条の規定に照らしても、そのとおりであろうと思います。したがって、委員が言われましたように、国家権力の介入は可能な限り慎まなければならないと考えております。
○東中委員 可能な限りではぐあい悪いのです。何としても権力の介入はやっちゃいけないということだと思うのです。 政党の政治活動といいましても、政党の言論活動というのはとりわけ重要です。言論活動の中でも最も重要なものというのは機関紙活動であります。政党の機関紙活動、それからそれを購読する国民の行為というのは、これは政党の政策、見解を知るための購読でありますから、これは政治参加そのものだということであります、自治省もそういう見解を出していると思うのですが。ですから、そういう機関紙の発行、政治活動、それから国民がそれを購読する、これを、政治参加をするということを抑制するようなことがあってはいけないんだというのが憲法二十一条の建前からいっても大原則だと思うのですが、この点どうでしょう。
○奥田国務大臣 いや、その意味を述べたつもりでございます。そのとおりであろうと思います。
○東中委員 私の言っていることをそのとおりだとおっしゃいましたので、それでお伺いしたいのですが、機関紙の活動で、政党機関紙の発行活動は、政党の政策、見解を国民に広く訴えるためのもので、政党の政治活動、宣伝活動そのものである。 ことしの自民党の「平成二年党運動方針」というのを私読ませてもらいました。これにどう書いてあるかといいますと、これは運動方針の十の(二)のところでありますが、「本年の広報活動の目標は、国民の信頼を回復し、その理解と協力を得て目睫の間に迫った衆議院総選挙に勝ち抜き、党の諸政策を着実に推進することである。このため、」ちょっと中を抜きますが、「党の考えを国民に訴える「広報」活動を一層強化する。特に本年は党機関紙「自由新報」の充実に重点を置く。」そして政党の命ともいうべき機関紙「自由新報」の充実を図るというのですね。だから、機関紙を売るというのはまさに政治行動そのものであるし、選挙活動そのものであるし、そういう政党の命ともいうべきものなんだ。これは、だから単なる新聞の発行事業じゃないのです。政治活動そのものだというふうに言っておるわけであります。 一般の新聞は言論の自由で新聞を発行しますけれども、しかし朝日、毎日、読売にしましても、これは株式会社、営業としての新聞発行事業であります。私は、こういう点で機関紙の発行、政党の政治活動と一般の新聞の発行事業というのは法的な性格が違うんだというふうに思うのですが、大蔵大臣、いかがでございましょう。
○橋本国務大臣 時々我が家の郵便受けにも御党の機関紙が無料配布されておることがありまして、時々楽しく読ませていただいております。——いや、楽しいときもあるんですよ。 ただ、政党も人格のない社団として、経済団体や業界団体のような団体と同様、事業者に該当するものであることはまた事実であります。購読料等の対価を得て新聞、機関紙をお売りになる場合には消費税の課税はなされます。消費税は事業者が対価を得て行う物品、サービスの提供等に課税することになるわけでありまして、対価を得て売る、我が家にお配りになるものは対価を得ておられないのでありますが、あれは押しつけ販売、拡販用だと思いますよ。対面を得てお売りになる新聞一般を課税としておるわけでありまして、これは各種団体の機関紙等を含めて、制度の趣旨を御理解いただきたいと思います。
○東中委員 この間、吉井議員が政党の機関紙活動に課税すべきでないということを言いましたが、それに対して大蔵大臣は、それぞれの一つの営業収入を上げておられる物品、サービス、こうしたものに対して消費税が課せられるんだ、政党の名前によって行われます出版活動等につきましても、当然消費税の対象になる、こういうふうに言われました。 今までと違っておったのは、これはうちで速記で起こしたわけですから、これによりますと、営業収入を上げている商品、物品、サービスにかけるんだ、政党の名前でやってもそれはかかるんだ、こういうふうに言われたのです。これは表現の錯誤だというのだったら話は別ですがね。 そこで、政党の機関紙の発行は、税法上収益事業と見ているのかどうか。収益事業ではないとい うふうに法人税法関係では今まで見てきたと思うのですが、そうじゃございませんか。
○橋本国務大臣 今、吉井委員に対する答弁を引用してということでありましたが、大変たくさんの御質問をいただいておりまして、どなたからどういう御質問があったかを的確には記憶をいたしておりません。 ただ、法人税におきましては、所得課税の考え方に基づいて、人格のない社団等におきましては収益事業から生じた所得に対してのみ課税がなされております。しかし消費税は、消費に負担を求める目的で、事業者が対価を得て行う財貨、サービスの提供に課税する税でありますから、法人税法の収益事業に該当するかどうかは、消費税の課税、非課税とは無関係なものであろうと思います。
○東中委員 政党の機関紙発行事業は、それは公益のためにやっておるのであって、政治活動としてやっておる、政治活動そのものなんだから、だから収益事業ではない。政党の収益事業には課税しないのだということで、あの収益事業の中の出版事業には該当しないということで、法人税の場合は課税しないことになっている。同じ考え方であるべきなんです。政治活動そのものに、機関紙発行そのものに、物を売っているような格好をしているからというて、物を売っているのではないのだ、それは公益のために、公益の目的で政治活動をやっているのだということが税をかけない原因でもあるわけです。そういう点で、今の言われておるのは、形だけをとらえて収益事業というふうにしている。政党は、新聞発行事業をやっているのではないのです。 〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕 もう一回、自治省にちょっと聞きますけれども、政治活動についての原則の問題ですが、「政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財である」、これは政治資金規正法の規定の中にもあります。「いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、」するということを規定しています。自治省も、政党等に対する政治資金の拠出は、国民の立場からすれば国民の政治参加の一つの手段であり、国民の権利でもあると考える、国民がその信念に基づいて浄財を拠出することはむしろ望ましいことであり、本来自由であるべきものである、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することがないようにしなきゃならぬということを言ってきておりますけれども、その点はどうでしょう。
○奥田国務大臣 今の法的な基準に関しては選挙部長から答えさせますけれども、私は委員の御意見を聞いておって、「赤旗」のことを指すと思うのですけれども、まず、はっきり言って、現在のところは各機関紙とも、「社会新報」であれ「自由新報」であれ、消費税は取っておるわけですね。取られているわけですよ。——いやいや、消費税を取っているのですよ。「赤旗」もきちっともらっているわけですね。それで、対価を得て販売されるというものに関しては、これはもう機関紙であろうと何であろうと公平にやっておるわけですから。しかし、政治活動の自由は、私は先ほど申しましたように、最大限尊重しなければいかぬ。 今言われる「赤旗」購読者が、直ちに政治資金規正法に係る寄附行為に当たるかどうかという形についての純粋な御議論であろうと思いますけれども、それに関しては今選挙部長から答弁させます。
○浅野(大)政府委員 最初に、ただいま大臣から申し上げましたことにつきまして、機関紙等の収入の分類でございますけれども、これは政治資金規正法上、事業収入というところに分類することになっております。 それから、政治資金規正法にどういう規定があるかということにつきまして、先ほど御質問がございましたように、これは「国民の浄財である」、それから「政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならない。」そういう精神が書いてございまして、私どももそういう説明をいたしております。
○東中委員 政治資金は、個人の党費または会費、それからいわゆる寄附、寄附は金銭、物品その他の財産上の利益の供与または交付、そして政党の機関紙等の発行による収入、国民の機関紙等の購読料の拠出、これは全部政治資金ですよ。その他、パーティー開催や文化講演会開催などその他の事業による収入、これも政治資金ですよ。 だから、機関紙の購入、そして購読料、これは政治資金なのだ、国民の浄財なのだ、そういう体系になっているのですよ。だから、寄附も普通なら贈与税がかかるのだけれども、そういうものであっても政治資金である場合は相続税法の規定で贈与税はかからないようになっているのですね。法人税の規定では、収益事業でないということにしてかけないようにしているのです。だから、パーティー券あるいは政経文化講演会なんかで、随分、何か一遍に三千万ももらうというようなことだってあるのだということがこの前問題になりましたね、そういうものでも一切、政治活動に使われるものであれば、政治資金パーティーであればそれは税をかけない、全部そうなっているのです。 その拠出は国民の浄財である、国民の政治参加であるということになっているので、その場合に、機関紙誌の場合だけですよ。これは、購入費は政治資金だけれども、政治資金規正法による届け出をしなければいかぬけれども、しかしそれは売買代金でいいのだ、税金はかけるのだ。これは、機関紙誌だけを特別に扱う、そして国民の政治参加、それから政党の機関紙発行活動、そういう政党の最も中心的な政治活動に税をかけることによって、結局は特別に抑圧をしていく、抑制してはならないということをやっている。現実としてそうなるんですよ。だから私は、一般の新聞と違うのですよ、政党機関紙の発行というのは政治活動そのものなのだということを言っているわけです。 大体機関紙というのは、日本共産党の場合で言えば、一九二八年の二月一日に今の「赤旗」、当時は「赤旗」といいましたが、機関紙を発行しました。戦争に反対する、主権在民を主張する、あのときにその機関紙を発行するというのは、これは事業じゃないですよ。命がけの政治活動なんですよね。政策、見解を訴えていく、政治活動の中心ですよ。どれだけ弾圧されようと、場合によっては本当に命がけでやっている活動なんです。それが購読料を得るための、対価を得るための事業なのだ、そういうふうにつかむのは——事業としては成り立たないのですよ、赤字であろうと、政党機関紙というのは政党の活動としてやるんです。 そういうものだから、それを、政党を主体にして、政党を事業者にして課税をするなんというのは、もう体系的には言語道断だと思うのです。そういう点どう思われますか。
○橋本国務大臣 御意見は拝聴いたしました。しかし、現在においても、例えば政治団体が収益事業を行えば法人税は課税されるのであります。消費税におきまして、売上税の際の議論などを踏まえ、原則として、例外なく消費に薄く広く公平に負担を求めるということにいたしましたため、国、地方公共団体、公益法人、人格なき社団なども原則課税としたものでありまして、制度の趣旨を御理解をいただきたいと思うのであります。
○東中委員 政党でも宗教法人でも、収益事業をやれば税金をかけられる、それはそのとおりなんです。私たちはそれに異論を言うておるわけではないです。 政党の機関紙の発行というのは収益事業じゃないんだ、政治活動そのものの中心的な問題なんだ。収益事業でないというふうに法人税では認めているじゃないですか、有権的に。出版等の事業のように見えるけれども、しかしこの場合は入らないんだという有権解釈でしょう。大蔵省はそういう態度をとっているのです。 それで、公共団体であろうと国であろうと、全部こういうものを販売するということになったら かかるんだというふうに言うてますわね。だから政党にもかかるんだ、こうおっしゃるんですけれども、それは、公共団体あるいは国の場合は特別会計の部分は確かにかかりますわね。それは地下鉄にしろ水道にしろ、ほかの企業がやっても成り立つ、そういういわば収益事業なんです、公共団体としてやっているけれども。 しかし、一般公共団体の場合は、あの特例で、結局一般地方自治体の一般会計の部分については、両方なかったことにして、消費税を、仕入れで入れた分とそれから出る場合の分とを同額のものとみなして課税しないという規定をわざわざつくりましたね。だから消費税関係の帳簿なんかつくる必要がなくなるわけです。そういうふうにちゃんと免除しているのですよ。 政党の場合だって、政党の仕事というのは本来政治活動そのものなんですから、そのうちの機関紙発行部門だけをどうして収益事業と同じように見て、新聞社の新聞発行と同じように見てやるのか、ここが私は一番問題だと思うのです。これは、そういう形で機関紙発行、政治活動に対する弾圧です。 だから私は最初に聞きました。新聞社の新聞発行とそして政党の機関紙の発行、これは収益事業という性格から見てまるっきり違うんだということは、政党の命であるということをわざわざ自民党もこの本に書いてある、方針として中に。そういう性質のものですから、私は、ただ対価的な関係があるというだけでは課税することはできないのじゃないか、条理上許されないというふうに思うのですが、どうでしょう。
○橋本国務大臣 大変恐縮でありますが、「赤旗」だけ消費税をちょうだいしているわけではありません。「自由新報」からも消費税はちょうだいするのでありまして、弾圧というようなお言葉は私は不適当だと思います。 事務的には事務方から答弁をさせます。
○尾崎政府委員 先ほど大臣から御答弁申し上げました点に尽きているわけでございますが、若干法文の解釈の問題にわたりますので、私からもう一度御説明をさせていただきます。 消費税は、事業者が対価を得て行う物品、サービスの提供等に課税することとしているわけでございます。事業とは何かといいますと、継続して、反復して、しかも独立して行われる行為というように考えておりまして、そこには、委員御指摘のような収益性とかあるいは営業性とか、そういうことが求められていないわけでございます。したがいまして、国や地方公共団体まで課税の対象になるということになっているわけでございます。そこは明らかに法人税の考え方と違うわけでございまして、法人税の考え方と消費税の考え方はまた別であるということも、大臣が申し上げたとおりでございます。 なお、法人税につきまして、出版業は収益事業として課税対象となっておりますが、そこから、御指摘のように若干のものが外れております。しかし、それも政治活動とかなんとかということで外れているわけではございませんで、もっと幅広く外れているものの中に含まれている、こういう趣旨でございます。
○東中委員 全く事業というのは継続反復するものである、それはいわば国語的な解釈です。 それから、収益事業はかけないという点ではないのだということでありますけれども、しかし、国、地方公共団体の場合は特別の会計に従ってやるんだということになっていますね。一般会計部門については、これは結果的においては、課税売り上げに係る税額と課税仕入れ等に係る税額その他の控除税額が同額であるとみなしている。だから、同額じゃないけれども法律で同額であるとみなして、そして結局納付税額は発生しない、こういう構造をとっているじゃありませんか。特別会計といったら、事業はさっきも言ったように特別の事業になっていますよ、それぞれが。 ところが、政党の機関紙の発行の場合は、自民党自身が言うているように、政党の命であると。政党機関紙発行事業をやっているんじゃないのです。新聞発行事業をやっているんじゃないんです。政治活動として政策、見解の宣伝をやっているのでしょう。それは政党が議会制民主主義を支える政党政治の重要な媒体として、これは完全な自由が保障されるんだということは、先ほど自治大臣が言うたとおりですよ。国民の政治参加ですよ、機関紙を購読することは。国民の政治参加、機関紙は対価関係なんかないのです。機関紙では、先ほど言いましたように一九二八年当時の「赤旗」の場合であったら、対価なんて関係は本来持っていません。現在でも、赤字であろうが何であろうが、政治に必要があれば出すということ。自民党の方針だって、そうなっているでしょう。選挙に勝利するためにということで、政治方針として出ているじゃないですか。 だから、そういう点でいいますと、形式的な対価関係ということをつかまえないで、本来はこれは政治活動の自由、それから政治参加の権利、それに課税をすることは許されない。何も「赤旗」にだけかけると言っていると言って私は文句を言うているんじゃないのです。国民参加の権利、民主主義の基本に税金をかけるというようなことはしてはいかぬ、政党の活動に入ったらいかぬということを言っているのですから、はっきりとその点を伺いたい。
○橋本国務大臣 我が党の方針も貴党の御方針も、政治活動の自由、政党の主張の自由というものについてだれも指が触れられない、その限りにおいては同等の考え方を持っております。ですから、「赤旗」にどういう記事が出ておりましても、それが検閲の対象になることもなければ、我々とすれば随分むちゃをおっしゃると思うような御主張でも正々堂々と印刷をし、編集をし、公開しておられる。それに対して何ら干渉はいたしておりません。政党の持つ自由というものは、まさにみずから信ずることを主張する自由でありましょう。それと消費税とはまた別のものだと私は思います。
○東中委員 私の言うているのは、こういう課税対象にしますと結局帳簿作成義務が出てくるわけでしょう。政党の収支の帳簿作成義務を負わせることになる、この体系は。そしたら今度は、税務調査をする権利が出てくる。そしたら質問検査権が発動されるわけでしょう。政党の、自民党を含めてですよ。自民党の機関紙部門だけじゃないです、自民党全体のですよ。それが全部税務当局の徴税権力による調査の対象になる。これを介入というのですよ、制度的に。そういうことはやるべきじゃない。それが政党に対する干渉の体制であり、それが民主主義に対する課税体制なんだ、だからこういうことはやめるべきだ、このことを強く主張しているわけであります。
○橋本国務大臣 だれであれ、払うべき税金はきちんと払う責任があります。政党であっても、その責任は同じであります。そして、その経理があいまいであった場合、あるいは虚偽と思われるような場合に、税務当局が税務当局としての責任を果たそうとするのは当然のことでありましょう。要は、きちんと税を納めていただければそのような問題は生じないということであります。 なお、事務方から補足をさせます。
○東中委員 結局、それは大蔵大臣、私は脱税するとかなんとかということを言っているんじゃないのです。政治活動というのは、出版活動というのは、政党の機関紙発行というのは、それは新聞社のものじゃなくて政治活動そのものだから、それはどこまでがあなた方の言う事業になるのか、政党活動そのものが事業だということになってしまうじゃないですかということを言っているのです。一般行政機関では、中身は調べようがないものだから、だから帳簿作成義務を勝手にみなすなんというようなことを言うて課税対象から外している。これはあくまでもそういう体制が、民主主義なり政党なりに対する徴税に名をかりた国家権力の介入、国民の政治参加、民主主義に対する抑制という制度になるんだということを申し上げておきたいと思います。 時間がありませんので、私は終わります。
○橋本国務大臣 私の後に事務当局からの補足をお許しをいただきたいと思います。 今、機関紙から出版まで広げて委員がお述べになりましたので、私、申し上げたいことをもう一遍申し上げます。 例えば御党の著作であったと思いますが、「徹底解明消費税 竹下増税のカラクリ」、一冊八百五十円という本がございました。あったはずであります。しかし、その当時、同じような出版物は民間の著者の手によってもさまざまなものがございました。政党の主張だからということで御党のものを仮に非課税である、政党の主張だということで非課税にするとなれば、これは民間で同じような考え方をお持ちの方、反対の考え方をお持ちの方、消費税について本を著された方々の間に不公平を生じます。それはやはり私としてはおかしなことだと思いますし、機関紙に限らず一般で、書店で販売をされている政治的な主張を織り込んだ本あるいは出版物という政治団体の出版物はすべて非課税ということになれば、一般の書籍との間に著しい不均衡を生ずることになります。むしろ消費税というものの性格の中をお考えをいただきましたときに、今委員が述べられましたような国家権力の政党への介入といったような御指摘は、私は余りいただけないなと、率直にそう思います。 事務当局から補足をいたさせます。
○尾崎政府委員 消費税の課税関係について若干、誤解があってはいけないと思いますので、補足をさせていただきます。 一般会計の場合も、これは課税でございます。課税でございますが、一般会計を通常の事業のような計算をいたしますと、これは大量の還付が生ずることになります。税収として上がってまいりましても、それは一般会計に入るわけでございます。したがいまして、そこは簡素化のために仕入れ控除のやり方に特例を設けまして、仕入れ控除について仕入れと売り上げを同額というようにみなしまして、そこで納付関係が発生しないようにしているだけのことでございまして、課税であることは同じであります。 なお、政党についての課税の問題でございますが、御承知のように所得税の源泉徴収義務がございますので、課税関係と全く無縁というわけではございません。
○東中委員 今の、共産党の出版物と言われましたが、日本共産党がその本を出版したのかどうか、私ちょっと今定かではありません。 それから、政府が消費税について、大蔵省も含めていろいろな出版をしましたね。広報をやりました。それに対抗して政党がそれに対する対応をするというのは、政治活動として当然のことじゃないかというふうに思っています。
○橋本国務大臣 困りました。私は、政党が御主張になることを何も否定しているのじゃないんです。定価をつけて販売をされている、その事実について消費税がかかるということは、政党以外の方々が御自分の主張を出版されました場合と、特別扱いは著しく均衡を失することになるのではないでしょうかと申し上げたのです。
○東中委員 それは違うと言っているんですよ。政党で発行をしたからといって、今の本は村上君の名前の本じゃなかったかと思うんですけれども、だから、その点は定かじゃないということを言っているんだから、定かでないことを余り言わぬで、私の言うのは、とにかく政府はどんどんそういう宣伝を、無料か有料か知りませんが、いろいろな本を出しましたね、広報と称して。それに対して政党はそれに対応する政治活動をやるのは、これも当然のことだ。だから、それを出版事業だとして消費税をかけてくるということが問題なんだということを私は言っているんだ。そこのところを一緒にせんといてください。 私は、終わります。
○関谷委員長代理 次に、正森成二君。
○正森委員 私は、十五日の金曜日に資産課税について若干質問をさせていただきました。その前に、自民党の総選挙前の消費税の減税額の広告はいささか誇大広告ではないかということを申しました。一兆二千八百億円ということで、大蔵大臣は、私の質問の終わる直前に、メモをごらんになりましてその計数関係をお述べになりました。それは私も帰って当時の新聞を調べてみました。そうすると、当時の新聞に、消費税の非課税範囲の拡大及び特別低税率の設定で一兆一千四百億、公的年金等控除額の引き上げで五百億、特定事務用機器の即時償却等で九百億、計一兆二千八百億円と、こう新聞に出ております。それを言われたと思います。 私は、きょうは別の問題を質問したいと思うので、大臣にこれ以上論争をしようと思いませんから御答弁は不要ですが、一言だけ申し上げておきますと、この消費税の非課税範囲の拡大及び特別低税率の設定の一兆一千四百億円というのは、これは増税分が含まれていないのですね、二千八百億円。これはよく御承知のとおりだと思います。それから、公的年金等控除の引き上げというのは、消費税に伴って財政でこれをカバーするというもので、消費税そのものではないんです。それからまた特定事務用機器の即時償却の九百億円に至っては、即時償却で最初導入する初年度だけのことなんですね。 ところが、自民党の言われているのは平年度ベースということになっているのです。もし平年度ベースを言うなら、大蔵省の資料でも平年度ベースというのは、減税が三千七百八十億円で、税収増が逆に二千九百十億もふえるということで、仮に即時償却等々入れましても、私が計算したら千数百億円しかないのですね。だから、大きいものは初年度であれ平年度であれ持ってきて、引く方は全然引かないというような計算のもとになされているのではないかということで、私は非常に不公正な誇大宣伝であったというように思いますが、それは大臣が最後に言われたのに一言申し上げただけで、あえてここで御答弁をいただこうとは思いません。 次の問題に移らせていただきたいと思います。もしおっしゃりたければおっしゃってもいいですよ。私の言うのは恐らく事務当局も反論ができないことなんです。初年度とそんな平年度と一緒にしたりしてね。 事務当局に伺います。私は、金曜日の質問で資産課税について、株式の問題についても伺いましたが、時間の関係で結論だけを申し上げたのですね。ですから、もう少し事実に基づいて私の主張に一定の合理性があるということを申し上げたいと思います。 まず第一に、私は、企業のエクイティーファイナンスが非常に活発化しているということを申しましたが、幸いここに予算委員会に大蔵省から資料として提出されたものがあるのですね。それを見ますと、国内で事業債、転換社債、新株引受権付社債及び株式の時価発行等、それに基づいて調達した金額が昭和五十九年から平成元年まで六年間記載されております。一方、同時にこれらについて海外で、ユーロダラーといいますか、資金調達した金額も書かれております。同僚委員に知っていただくために五十九年から平成元年の累計は幾らになるのか、転換社債については返済された分がありますから若干数字が違うと思いますが、それらについて、細かい五けた目、六けた目なんか要りませんから、大まかにお答えください。
○角谷政府委員 総合証券が調査した結果でございますけれども、まず、本邦企業の国内の資本市場からの資金調達について、今御指摘の昭和五十九年から平成元年までの六年間の合計額で申しますと、事業債は五兆百四十五億円でございます。転換社債は二十四兆六千百八十五億円、新株引受権付社債は五千五百七十億円、株式は十四兆六百六十五億円、全体を合わせまして四十四兆二千五百六十五億円。それから、同様の数字を海外からの資金調達で申しますと、これはドルベースで申し上げたいと思いますが、事業債は四百億七千六百万ドル、転換社債は三百九十一億六千万ドル、新株引受権付社債は千三百四十三億五千六百万ドル、預託証券・株式は十五億八千九百万ドル、合 計いたしまして二千百五十一億八千百万ドルでございます。円に換算いたしますと、海外関係は約三十兆九千億円程度となろうかと思います。
○正森委員 ちょっと多過ぎませんか。円に換算してどのぐらいになりますか。百三十兆もありますか。
○角谷政府委員 約三十兆でございます。
○正森委員 ああ、そうですか。私どもの資料と円に換算した数字が少し違いますけれども、政府が言うのですから、その数字でお話ししたいと思います。 つまり大臣、国内で調達したものが約四十四兆と言われましたね。海外が相当大きな数字で、円にすると百三十兆というように言われました。(角谷政府委員「約三十兆でございます」と呼ぶ)ああ、約三十兆、それなら結構です。私、約を百と聞いたから、えらい違うなあと。約ですね。それなら合っています、私どもの数字と。約三十兆ということになるわけです。私の耳の聞き方が悪かったのですが。 そこで、調達の金利がどのぐらいついているか、お調べでしょうか。時間の関係で私の方から申しますと、この間読み上げました日銀の調査月報でも、コストの安い資金を入手している、こう言われましたが、どのぐらいコストが安いかということを私は大蔵省にも照会してもらって、四大証券会社の一つに、どれぐらいコストがかかっているかというのを調べてもらいました。そうすると、非常に好意的に一週間ほど前に返事が参りました。それを見ますと、例えば時価発行はどれぐらいかというと、大体当初費用が発行額に対して三・七九%ぐらいの金利でいいんですね。案外当初費用が大きいと思いましたら、登録免許税というのが発行価格に対して〇・七%、それから引受手数料というのが案外大きくて、一株当たり五十三円三十五銭で、これが例えば千七百五十万株を千七百二十一円で発行した、匿名ですがある会社の例をとりますと、引受手数料だけで九億六千百六十万ぐらいかかっているというようなことで、三・七九%が当初費用としてかかっております。ところが、例えば新株引き受けの場合には期中に、つまりずっと配当しなければなりませんね。その配当がどれぐらいについているかといいますと、同じようにその証券会社に調べてもらったら、去年の十月からことしの三月までの六カ月間、総計で百七十四社が株式の時価発行をしているんですが、額面額と公募価格とがどれぐらい開きがあるか、証券局、知っていますか。 〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
○角谷政府委員 平成元年十月から平成二年の三月に行われた時価発行を例にとりまして見ますと、額面に対して時価発行額は大体四十五倍ということになっております。
○正森委員 大蔵大臣、お聞きになりましたか。物すごいもので、正確に言うと四四八九%、約四十五倍になっております。そうするとどういうことになるかと言えば、株式の配当というのは時価発行した金額に対して一割とか、そういう配当じゃないんですね。一株に対して一割とか一割五分とかいうことになるわけですから、一株に対する配当は非常に少ないのですね。東証の上場企業では、株価に対する配当利回りで一%を超えているということはないんですね。はるかに低いわけです。ですから、株式の時価発行の場合には当初費用は三%ほどかかっているけれども、それから未来永劫物すごく安い配当だけをやれば、それで資金を運用することができるということになっているんです。 そこで、証券局長に伺いたいのですが、こんなに高い時価発行ができるというのは、一体どういうわけですか。
○角谷政府委員 時価発行につきましては、原則としてその当該企業の株価の時価から大体三・五%程度割り引いた価格で時価発行することになっておりますので、そういう意味では時価が額面に対して相当高くなっているということの裏腹の関係にあるかと思います。
○正森委員 今のは現象面のお答えですね。結局、時価から三・五%引いたぐらいの額で発行する。 それでは、なぜ時価がそういうぐあいに高いのかということが本当の答えでなければならないのですね。時価がなぜそんなに高いのかと言えば、それはいろいろ理由はありますが、ずばりと言えば、これは資産価額が額面に比べて非常に高くなっている。もっとずばりと言えば、企業が株を時価で売買したそのキャピタルゲインを税を払わずに企業の中に取り込んで、それを無税で運用できることに新株発行というのは事実上なっているというのが経済学的な事実なんですね。だから、私が十六日の質問のときに非常に簡単にそう言ったわけです。 それと同じことは、このごろはやりの国内公募新株引受権付社債発行費用見積もりというのもとってもらいました。これは発行額が三百億円で利率は三%、四年返済で発行価格は一〇〇%ですが、この当初費用と期中費用、利息を払わなければなりませんからね。それを発行手取り金を分母として割りました発行者コストですね、それは三・八七%なんです。今プライムレートは幾らですか。長期で答えてください。
○角谷政府委員 銀行局からお答えする話なので、ちょっと記憶でございますけれども七・九%、最近下がって七・六になっているかと思います。
○正森委員 そのとおりで、プライムレートは長期が七・九で、短期が七・一二五ですね。ですから、プライムレートですから、最も信用の高い会社が銀行から借りるとしても七・九ぐらい払わなければいけない。それを新株発行の場合だったら、当初費用は三・幾らかかるけれども、それ以後は株価の四十五倍もキャピタルゲインを入手して、一株分についてだけ配当すればいいのですから、証券業協会が一応の自主ルールをつくっていますけれども、それは微々たるものですから、そういうぐあいに安く使える。 そうしたら、社債の場合には三・八七といえばプライムレートの約半分ですね、それで運用できる。あるいはCBと言われる転換社債はどうかといえば、転換社債の場合は利率が五%ですが、それでも五・五四ぐらいですね、期中全部を平均しますと。二%以上低い。ユーロドルの場合にはどうなるかといいますと、これはドルでずっと計算してもらったのですけれども、一応利率が五・二五で高くて、そして発行費用が要りますから六・〇六ということになっているのです。ところが、これは為替予約で、この間証券取引法で先物取引というのがありましたが、四年間の社債だとしますと、四年先の先物を買うのです。そうすると、現在百五十円ぐらいでも四年先は百二十円ぐらいだということで、現にその売買が成立しているのですね。それで、この証券会社が一体幾ら返したらいいのかというと、借りたときは百五十円で借りまして、返すときは百二十何円で返すから、実際のところ金利は四・一七%ぐらいで済むのです。 結局、企業はこういうものを、この間私が言いましたように、自分自身の土地の含み益だとか、あるいはこの間証券局長に答弁していただきましたが、日本の企業の配当性向というのは二八・三%しかないのですね。これはこの間の証券取引法のときに答弁していただきましたから、あえて繰り返しません。そういうぐあいに配当は余りしないでため込んで、自分自身は時価発行で事実上キャピタルゲインを手に入れて、それを税金がかからないで運用する、それを財テクに使う、設備投資に使う、あるいは土地の購入に使う、こういうことになっているのですね。いかにコストの低い額を手に入れているかというのは、この間のときは時間がございませんでしたので事実は具体的に言いませんでしたが、今四大証券の一つに協力してもらって、発行コストがどのぐらいになるかということを調べたので申し上げたいと思うのです。 そうしますと、私はあのときに土地、株式の評価益に課税すべきではないかと言いましたが、もう少し正確に言いますと、土地の場合と違って株 の場合には、評価益に課税するか、あるいはこういう時価発行が全く課税されないで、発行会社がキャピタルゲインを入手しているのに何ら税金がかからないで、それをそのまま運用して利益をつくり出しているという場合に、その時価発行額で超える分について、当たり前プライムレートでも七・九%かかるものを事実上ただで使っているわけですから、株主に対して配当しあるいは国家が一定の課税をするというのは、もし所得と消費と資産の均衡のとれた公正な課税という政府の主張が本当なら、当然のことなんですね。そのことを私は大蔵大臣に申し上げたいと思うのです。 今、我々は、消費税の廃止法案と見直し法案を審議しておりますが、もし本当に国民に信頼されるようにしようと思えば、そういうのにきちんと納得できる程度の税率、私は決して高い税率とは言いません。その場合には〇・五とかぜいぜい一%とか、そういうものであろうと思いますが、それだけでも相当な額になります。そのことを私は申し上げまして、答弁をいただきたいと思います。主税局長、私の言うていることに理論的に、一定の前提を置けば誤りはないと思いますが、どうですか。租税政策は別ですよ。
○尾崎政府委員 資金調達の現状についてお聞かせいただいたわけでございますけれども、その課税をするかどうかという話になりますと、これはやはり法人税の世界でいいますと、法人の稼得した所得に対して課税する、そういう税でございますから、御指摘の差益に当たるものは株主が拠出した資本そのものでございますので、これは課税の対象にするというのは難しいような気がいたします。
○正森委員 今言いましたのは、大蔵省主税局の伝統的な考えなんですけれども、資本への課税といえば、主税局長、あなたは職掌柄当然知っているでしょうけれども、戦前には資本課税はあったんですよ。 私が言うているのは、資本課税だから課税しろ、こう言っているんじゃないのです。株主がきちんと一株につき百円なら百円、額面どおり出したものに課税するなんて、そんなことを言うているんじゃないのです。日本では戦前そういうのもあったんですよ。しかし、今それを言うているんじゃないのです。時価発行をして、額面を超えて、普通の株主だったら当然課税されるようなものを、発行会社が、株主にではなしに自分自身がキャピタルゲインを獲得しているじゃないか。それに対して株主には配当もしていないじゃないか。そんなことを、会社が利益をひとり占めにしているというような状況に対して、いわばあなた方は課税の繰り延べだと言うでしょうけれども、課税の繰り延べなら、その間無税で使うことに対して、利息相当分の一定の割合を国家がいただくというのは至極当然のことじゃないですか。 あなた方は、今東中議員が言いましたが、政党機関紙だって、事業者が対価を得て行う消費、サービスの販売には課税するんだから課税は当然だと言う。だから子供のおもちゃだっておしめだって食料品だって全部取る。これは別に利益に対して課税されているんじゃないんですよ。所得税は一遍課税されて、その残った可処分所得で買ったって、あなた方は財政上の必要から課税しているじゃないですか。そうしたら、事実上実現されたキャピタルゲインに対して、それが資本だからといって課税しないなんというのは、それじゃ資本主義万々歳。資本主義万々歳じゃなしに株式会社の経営者万々歳であって、株主自身も決していいとは思っておりませんよ。だから、そういう保守的な考えは改める必要があるということを指摘しておきたいと思います。 もう一つだけ言いますと、あなた方、有価証券取引税を例えば〇・五五から〇・三〇に下げたでしょう。それによってどのくらい減収になりましたか。私が資料を見ましたら、初めの全体の計画のときに、あなた方は見込み数字を言っておりますけれども、その見込み数字では三千九百七十億円だったでしょう。ところが、実際に減税してみると、昭和六十三年は二兆一千二百二十九億実績があったものが、翌年は一兆二千三百四十億円で、ほぼ九千億円も減税になっているんじゃないんですか。これは、あなた方が大蔵委員会に出した資料で出ているんですよ。そしてそれは、法人企業の場合には全部法人企業に利益として入るんです。しかし、法人の場合は法人税で取っているからいいじゃないかと言うかもしれないけれども、その法人税がまた四二%から三七・五%に下がったじゃないですか。だから、有価証券取引税でたんまり減税してもらって、見返りが多少は増税になるどころか、また法人税で減税になっているんです。 こんな不公平なことがありますか。だから、公述人がこの間おいでになって、消費税だけでなしに全体としての税制改革が逆進性を持っております、こう言うて公述人が指摘をしているんですよ。だから、そういう点を改めないで、消費税で何が何でも取り抜くぞというようなそんな姿勢じゃ、とても国民の支持を得られませんよ。時間ですね。もし何かおっしゃりたければ承るとして、私の質問はこれで終わります。
○尾崎政府委員 数字の問題でございますので念のために申し上げますが、先般の税制改正のときに有価証券取引税の改正をいたしました。その際の減収額は四千七百三十億円でございまして、それに御指摘の法人税のはね返り分がございますので、差し引きいたしますと、委員がお挙げになりました三千九百七十億円ということになります。 もう一つの御指摘は、元年度の税収と六十三年度の税収とを見ると、その減税見込み額と大分違うじゃないかということでございますが、これは現実の税収の世界でございまして、御承知のように取引の額が大分違っております。それがあらわれているわけでございます。
○山崎委員長 これにて東中君及び正森君の質疑は終了いたしました。 次に、柳田稔君。
○柳田委員 こういう場で質問をするのは二度目なんですけれども、非常に緊張しております。国会議員になりましてまだ期間もないわけですから、いろいろと詳しいことは質問できないわけですけれども、素朴な質問と、またはもう一回確認をするようなことを質問することになるかと思うのですが、丁寧にお答え願えればというふうに思います。 今回の消費税ですけれども、民社党は、消費税のような新設する税制、消費税という名前といいますか仕組みについては、いろいろな面で問題があったので反対をしてまいりましたが、最初の段階からでもやはり間接税論議といいますか、直間比率の見直しは必要だという主張をしてまいりました。 ただ、この中で一番大きな問題として挙げてまいりましたのは、この税制改革をするというときに、高齢化社会が来る、だから必要な税制だという御説明もありました。この高齢化社会、福祉ビジョンということになるわけですが、これを一回示してほしいとお願いをいたしましてお示しをいただきました。その内容については、余り我々はこれでいいという気持ちはなかったわけですけれども、もっと突っ込んだものがほしかったという気持ちがあったわけです。さらには、こういうふうに高齢化社会が来ると税金が大変になる、だから新しい税体系を考えてほしいとおっしゃるわけですが、その際に、やはり行政改革と申しますか、政府はもうここまで一生懸命頑張った、もうこれ以上できない、よってこれだけ財源が必要だからこういう税制をやらせてくれ。ですから高齢化に対する福祉ビジョン、そしてここまで政府は血がにじむような努力をして行政改革をやってきた。この二つ、さらにはもう一つ不公平税制、この辺を三点セットと申しますか、説明をしていただければ、国民の中でも、本当に税制改革が要るんだな、しなくちゃいけないんだなという気持ちになったような気がするわけなんです。 ところが、今回の消費税導入につきましては、残念なことに拙速といいますか、強行導入と言うと大臣にそうじゃないと怒られるかもしれません が、我が国民の一人として見ておりまして、余りにも拙速に導入し過ぎたのではないかなという気がするわけなんです。 そういうことからちょっと質問をさせていただきたいのですけれども、この消費税、日本という国、我が国は自由かつ民主主義の国家である、そういう観点から、今回の消費税導入は審議をした、少ない、長い、十分だということは抜きにして審議をして、両院を可決して通った法律案だから、まあ民主的だったといえばそれまでだというふうに思うのですが、ただ、国民の立場からいいますと何か理解ができない、これが本当に民主的な方法なんだろうかという気がしたわけなんですが、この点について大臣はどのようにお考えか、教えていただきたいと思います。
○橋本国務大臣 私も大蔵大臣になりましてから、その消費税導入に当たります経緯というものを改めて振り返ってみました。そうして、その上で感じましたことは、従来の税制改革の中で、私は、消費税につきましては、政府は随分国民の御意見を聞く努力をしてきていたんだな、しかしその事実が余り本当に世の中に知られていなかったな、率直にそういう感じを持ちました。 細かい経緯は私は省かせていただきますけれども、六十三年の二月から三月にかけて地方の公聴会を全国で二十カ所行っている。意見発表者は百二十一名ということでありますし、その後に、また四月に入りましてあと五カ所の公聴会を行い、税制モニター二百五十人からも御意見、要望というものを寄せていただいている。そういう意味では、私は、従来のさまざまな場面に比して、政府は政府なりにその当時国民の声をできるだけ取り入れようという努力はしてきた、そういう感じがいたします。 ただ、そこで問題だったのは、これは私自身が大蔵大臣になりまして当時を振り返って感じたことでありますけれども、消費税の以前に、御承知のように売上税の論議がございました。そして、売上税の論議の中で、例えばインボイス方式に対しての非常に強い反発がある、あるいは非課税範囲を大きくとったことについて非常に強い反発がある、こうしたことに対する反省が裏目に出てしまって、その間の国民の意識の変化というものに気づいていなかった。仮にその当時において改めて何らかの問いかけをしていれば、例えば生命にかかわる部分について国民がどんな感じをお持ちであるか、それは売上税のときの非課税の論議とはおのずから別なものが恐らく出たでありましょう。こうした点についての気配りが足りなかったな、これは私自身がそういう感じを今持っております。 そして、もう一つの問題は、今日、こうして衆参両院において昨年以来税制について御論議をいただいているほどに、双方がじっくりと、政府も院も腰を据えて税の議論をさせていただいていたなら、またおのずから違った変化があったであろうと私は思います。審議の経過を、時間その他を調べてみますと、相当な時間審議をして時間をかけておりますにかかわらず、その深さというものが全く世間には伝わらなかった。そして、混乱の中の採決ということは本当に残念なことでありまして、今振り返ってみますと、幾つかの問題点がその途中には存在をした、それ自体は私は否定のできないことだと思います。
○柳田委員 国会の中の論議、いろんな面でほかの法案に比べると大変な時間を費やした、そういう御答弁でしたけれども、一国民でマスコミだけを通じて見ておりますと、消費税の中身といいますか、さらにはどういう論議をされてきて、これが本当にベストとは言わないまでもベターだということが実感として私たちは余りわからなかった。それはやはりもっと時間をかけて、そして政府も、さらにはいろんな機関を通じてもっとPRをして、納得がいくまで議論をすればよかったんではないかなという気が私はしているわけなんです。 次に移らさせていただきますけれども、次の問いは、ちょっと視点が変わるかもしれませんが、今この税制改革という重要法案を議論しているわけですけれども、今後これに値をするというぐらいの重要法案が出てきた場合に国会運営をどうされるのだろうかということで質問さしていただきたいというふうに思います。 もう何度も何度も言われておりますように、衆参ねじれ現象、衆議院で通っても参議院ではだめ、こういう状態が今続いているわけです。政府の皆さんももう長い間かかって一生懸命努力されて、国民のためにこれがいいだろうという法案を国会に出されるわけなんですが、その中身にもよりますけれども、日の目を見ない法案がたくさん今後出てくるだろう。私個人の考えになるかもしれませんが、中身に余り固執し過ぎるとそういう事態も出てくるかもしれませんけれども、若干の余裕があれば前に進むような気が私自身するわけなんです。 今、この税制改革ということで消費税の廃止、そして見直し法案を審議しているわけですが、これも私に言わせれば不毛の対立じゃないかという気がしてなりません。先ほども申しましたように、今後このような重要法案が出てきた場合、もうこれは対立だ、また不毛の対立をしなくちゃならないなというふうな場合に、政府としてどのように対応していかれるのか、お尋ねしたいと思います。
○橋本国務大臣 これは院の中における御論議の話でありますから、政府としてあれこれ申し上げることではないと思います。 ただ、私自身も政府の一員でありますと同時に院の一員でありますから、その中から多少直接かかわりがないお答えの仕方をさせていただきますと、私は社会労働委員会に長くおりました。そして、昭和四十年代の半ばまで社会労働委員会というのはまさに対決に次ぐ対決のような委員会でありました。国会史上に残るような大乱闘事件も何回か起きました。そして、私どもが委員会の責任を持つようになりましてから、各党御相談をし、むしろお互いの中で議論をしてみて、これは与党とすればやはり財政を抱えておりますから、一定の限界はございます。理想論の言えない面はあります。しかし、随分お互いの話し合いの中で、政府の提出する法律案を我々は共同で手直しをしてまいりました。また逆に、政府と私自身がぶつかって、議員立法を各党に呼びかけ、各党の協力を得て政府の好まない法律をつくったこともございます。 ですから、私は、それぞれの問題について、最初から余り絶対対絶対のぶつかり合いというのは本来好きではありません。しかし、財政あるいは外交あるいは教育といった問題は、それぞれがやはりそれぞれの政党のよって立つ基盤から議論をいたすものだけに、社会労働委員会の案件等のようにお互いの間に立場を捨てて話し合い、共通の努力をするというのがなかなか難しい案件なのかな。しかし、やはりぶつかり合うということよりも、できるだけ共通点を引き出す努力をしていくべきではないのかな、そんな気持ちを持っております。
○柳田委員 私も今社会労働委員会に所属いたしておりまして、大臣御存じだったのかと思いながら聞いておりましたのですが、社会労働委員会も今国会、いろんな難しい法案もありましたが、順調に推移いたしまして、これも多分大臣が努力された結果かなというふうな気はしておるわけです。 これは事前通告とちょっと離れますけれども、国会運営、私は議員になって間もないのですけれども、今の国会というのは果たして議論をしているのだろうか。もっと突っ込んで言いますと、国対で国会が動いているんじゃないかなという気がしてならないわけなんです。それなりにおまえが勉強してないからわからないんだろうということになるかもしれませんけれども、何か国会というのがやみに包まれたと言ったらちょっと大げさ過ぎますが、ちょっとかすみの向こうで動いているような気がしてならないわけです。その辺も、政府がやるべきことではないかもしれませんが、で きるだけ新米議員さんにもわかるように進めていただければいいかなという気がしております。これはちょっとわきにそれましたのですけれども、ちょっとそういう気がしましたので、先輩議員の大臣に努力をひとつお願いしたいというふうに思っております。 次に、またちょっと観点を変えて質問させていただきたいと思うのですが、この質問の結論を言いますと、この消費税論議、先ほども申しましたように、対立のための対立の論議だ、不毛の論議をされているのではないかなという気がするわけなんです。税制問題というのは、実際に本当に大事な問題なので、審議をしなければならないと思うのですが、その際にもっと考えてほしいことがあるということで質問させていただきたいと思います。 今、新聞、マスコミ紙上、いろいろとにぎやかになっておりますけれども、経済の国際化、さらには激動する国際情勢、そしてウルグアイ・ラウンド、日米構造協議、数え上げると切りがないぐらい本当に重大な問題がたくさん出ているわけなんです。今国会の特徴を見てみますと、やはり消費税に大分ウエートを置いたのではないかな。これほど世界が激動するときに、消費税というか、税制を軽んじて言っているわけではないのですけれども、ここまでむだな時間と言うと言い過ぎかもしれませんが費やして、世界で冠たる日本と言われている我が国が、こういう状況で本当に世界の信頼を得られるだろうか。国民も、マスコミやいろんな面で今の世界の動きがわかっております。税制のこの論議のことも知っております。本当に国民は、この税制論議が実り多いものだ、そして、これをすれば日本は世界の冠たる国の一員として国民も認めるというふうに思っているか、私はちょっと疑問に思うわけなんです。 この税制問題、いつ出口になるか、今は多分申し上げられないと思うのですけれども、この税制問題は、私たち国民にとっても非常に重要な問題です。もっと本当に審議をして、論議をして考えていかなければならないわけですが、先ほども申しましたように、どっちもどっも、ともに廃止になるのか廃案になるのか、否決か廃案になるのかわかりませんけれども、その後、その次の段階でこの税制について本当に真摯に建設的に議論をしていかなければならない状況に至ったと思うのですけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○橋本国務大臣 私は、ちょうど昨年、海部内閣の発足に際して大蔵大臣を拝命し、まさに行政改革とか社会労働委員会、運輸委員会を中心にした以外の分野、ほとんど知識がないままにこの職につきました。そして、一番気になりましたのは、一体、この六十二年から六十三年にかけて、消費税までを含めた日本の税制改革というものについて、国際的にはどのような評価を受けているんだろうということでありました。 ところが、最初の海外出張がワシントンで行われましたG7、そしてIMFの暫定委員会、世銀の総会という場面でありましたが、各国からの評価は非常に積極的な評価が続いたわけであります。そしてむしろ、ようやくおまえのところもまともな税制になったな、いろんな議論はあるようだけれどもきちんとやり遂げろよ、我々の国との間で個別物品税でもめた歴史がこれでなくなるな、これはまさに国際的な声でありました。むしろ、その当時カナダが同じような税制を考えておりましただけに、カナダの蔵相は、今度はおれの番なんだけれども、おれのところでも随分厄介な議論になりそうだ、そんな話をしておられたことを感じております。私は、やはり税制というのは、国民生活にいわば一番身近に接する部分の行政でありますから、十分な論議をいただくということは当然なことであろうと存じます。 ただ、委員の御指摘にあえて乗らせていただくとすれば、私ども折に触れて、今国会におきましても、海外における国際会議、あるいは緊急に相手国閣僚と連絡をとりたい場合、国会日程との関係でその出張をどうするかという選択にはしばしば心を悩ませました。私の場合には、たまたま相手の方々もポジション柄、なかなか土曜日、日曜日というときしか時間のとれない方々でありますから、むしろ週末を利してパリへ日帰りをする、あるいはロサンゼルスへ一泊で飛んで帰る、こんなことでどうやら職は果たしてまいりましたけれども、五月のG7はついに私は出席を断念いたしました。恐らく他の閣僚においても同様のことが非常に多くあっただろうと思います。 これから先、ますます国際社会の中でそうした場面がふえてまいりますときに、日本の閣僚が出席しないままに大きな問題が論議をされることのマイナスというものと国会審議というものをバランスにとった場合に、どういう判断を下したらいいのか、これは院におかれても一度御判断をいただきたい問題、そのような感じを持っております。
○柳田委員 そこで、唐突もない御質問になるかもしれませんが、消費税という名前なんですけれども、もういろいろと聞きまして余り好感を持っていないのです、中身自体というか消費税という名前で。一回、どうでしょうか、白紙に戻して、消費税という例があるというのは忘れません、一回白紙に戻して、本当に税制というのを考えるということには相なりませんでしょうか。
○橋本国務大臣 名前だけを白紙に戻す、そして瞬間タッチで別な名前ということであれば、これは財政に混乱を来すわけでもありませんし、また事業者の方々の事務にも影響はそれほど大きくないかと思われますけれども、仮に制度そのものを白紙に戻すということでありましたならば、私は、これは非常に問題があると思います。と申しますのは、その後の姿が明らかではないわけでありますから、事業者は値決めそのものから非常に苦労されるでありましょう。さらに、消費税導入に際して相当巨額な投資をされ、コンピューターのソフトの開発でありますとか会計システムの開発でありますとか、投資をされてまいりましたものが一回完全にむだになってしまうわけでありますから、しかもその後の姿が全く見えない状態で白紙にされる、私は、これは非常に大きな社会の混乱を招くものと思います。 野党四党から御提案になられている廃止法につきましても、私どもが一番の疑念として心に残りますものはこの点でありまして、その後の姿が明瞭なものでない。しかも、恒久的なものではなくて時間を限って考えるのだと言われますと、二度三度という混乱を生ずるというのは、私はやはり国民生活の上にとるべき方法ではないと思います。
○柳田委員 質問が悪かったようでございますが、この与野党協議をする際に、その根本となる税制について白紙から議論をされたらどうでしょうか、現行の消費税はこのままどっちにしても残るのですから、協議というのを白紙から構築していったらいかがでしょうかという質問だったのですが。お願いします。
○橋本国務大臣 これは、私は、院の中でどういう判断をされ、どういう仕組みをつくられて与野党協議の場になるのか存じませんけれども、それは本当に掘り下げた御論議をいただくことに当然なるでありましょうし、政府としてそれに異論を申し上げることは不必要なことだ、そう思います。
○柳田委員 あと消費税について具体的に少し聞こうと思ったのですが、時間も経過しましたので、長寿社会対策大綱という方向に移らさせていただきたいと思います。 先ほども申しましたように、税制改革論議をする際には福祉ビジョンを策定してからということを我が党は主張したわけなんです。それに政府はおこたえいただきまして大綱をお出しになったわけですけれども、この問題については先日のこの委員会でも我が党の伊藤議員が質問をされまして、それに関連して私も何点か質問さしていただきたいと思います。 六月の十二日に政府は、長寿社会対策大綱の第三回フォローアップというのを、これをお出しに なりました。これは三回目ですから、これまでの分とこの三回目はどんな点が変わったのか、具体的に教えていただきたいと思います。
○杉浦(力)政府委員 お答え申し上げます。 先生御存じのように、まず長寿社会対策大綱というのが六十一年六月につくられました。この中身は、高齢化社会が二十一世紀に到来するということで、これに対応するための施策をどうするかという指針を決めたものでございます。この指針だけではなくて、その指針に従いまして今後各施策を進めていくわけでありますが、その施策を十分うまく推進していくかどうかという点をフォローアップするというのが今までやってまいりましたフォローアップでございます。三回目のフォローアップは、特に今までと変わりまして、というよりは特に今までと違ったところと申し上げますと、具体的には、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」とか、あるいは六十五歳までの雇用の問題を考えるための高齢者雇用対策を推進する問題とか、あるいは生涯学習を推進するための推進機関、こういったものを整備しようという点が新しく出されたものでございます。
○柳田委員 今御説明があったわけですが、この長寿社会対策の第三回フォローアップについて、この中にも今おっしゃったことが書いてありまして「二十一世紀までの最後の十年間である一九九〇年代を迎え、残された多くの課題を解決するための諸施策の今後の実施の方向についてもできるだけ具体的な内容となるよう意を注いだ。」そういうふうに書いてございます。それに関する新聞報道なんですけれども、これについて長寿社会白書というふうな報道をされているわけなんです。ここまで具体的に踏み込んだと先ほども答弁があったわけですが、白書というとちょっと違うような気がするのですが、この新聞報道について、総務庁長官、どのような御感想をお持ちか、お願いします。
○塩崎国務大臣 私は白書という言葉の厳密な、法律的な意味はよくわかりません。わかりませんが、私どもの見るところ、長寿社会のフォローアップということは、各省庁の広範な分野にわたる長寿社会の対策の着実かつ総合的な推進を図るための閣僚会議が実施するものであります。経済社会の実態や政府施策の現状について国民に周知をさせることを主眼とする、これが白書の厳密な用語でございますが、白書とはその性格が異なったものでありまして、まさしく私は、フォローアップだ、既に決まりました六十三年の対策大綱に基づくところのフォローアップをしたものだ、白書とは性格が異なる、こんなふうに考えるのですけれども、厳密な意味で白書という法律用語も私もよくわかりませんし、まだ研究しなければならぬかもしれません。
○柳田委員 やはり白書というよりは、実際にこれをやろうというのですから、やはり白書じゃないような気が私もするわけなんです。 ちょっとこの中身について質問さしていただきたいのですけれども、先ほど申しましたように十カ年戦略であり、高年齢者の雇用という点については社労委員会の中でも審議をしましたので、中身については評価はできるなという気がしておるのです。そのほかの課題がありますね、それ以外にもこの中に書いてありますけれども。それを読んでおりますと、どちらかというと抽象的じゃないかなという気がするのです。本当にこれが、ああ、こうなって具体的にこうというイメージがちょっと私にわかないわけなんです。で、もう少し具体的に、私みたいな余り経験のない人間でもわかるように具体的にやれないものかなというふうな感想を持っているのですが、長官はそれについてはどのような御感じをお持ちでしょうか。
○杉浦(力)政府委員 大臣へのお話でございますが、これをまとめました担当者といたしましてお答え申し上げたいと思っております。 フォローアップにつきましては、先ほど大臣からも答弁申し上げましたのですが、各施策の実施の状況をちゃんとフォローしていくということでございます。したがって、本来ならば、今までやりました事業、こういった点をきちんと整理をしておるわけであります。しかし、私どものこのフォローアップでは、さらにそのほかに将来に向けての考え方、こういったものも載せてございます。しかし、先生御存じのように、今から先の話、社会情勢、どう変わるか、あるいは国民の状況、どう変わるか、はっきりわからないところがございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、十カ年戦略のような具体的な目標を定めてお示ししているものもございますが、すべてがこういうような格好でお示しできるということは難しゅうございますので、その点よろしくお願いしたいと思っております。 ただ、フォローアップは今後も続けさしていただきまして、その都度可能なものからはきちんと整理していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○柳田委員 できるだけ早くお願いしたいと思うわけですが、その中で一つだけ質問をさしてください。 高齢者といいますと、住む家を持っていらっしゃる方はそこで住まれるかもしれませんが、ここまで世の中複雑になってまいりますと、ひとりで住んでいる人もいるわけです。介護も要するわけです。そうしますと、やはり十カ年戦略でもありましたように、いろいろな施策をしていかなければならないわけですが、そういう場合を考えたときに、やはり住む住宅とか、さらには憩いの場所とかつくっていかなければならない。今現状、地方の方についてはもう既に高齢化が始まっておりますので、いろいろなことを考えておるわけですけれども、特に都会を見ますと、もう土地もべらぼうに上がって、つくれるような状況にもないような気もするわけなんですが、特に住宅という点について建設省さんのお考えをお伺いしたいと思うのです。この住むということは、これから抽象的じゃなくてもうそろそろ具体的に入っていかなければ安心した生活が送れないのではないかなというふうに私思うのですけれども、具体的に住宅整備というものを設定できないものかどうなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○福本政府委員 お答えいたします。 建設省といたしましては、高齢化社会に向けて、高齢者が一般の人と変わらず、安全で快適な生活を営めるような住宅の確保や町づくりを進めることが重要な問題だと考えておるわけでございます。そういうことから、住宅対策あるいは土地対策などの中で高齢者に配慮した政策をいろいろと講じてきておるところでございます。 具体的に申し上げますと、公営住宅や公団住宅といった公的住宅での設計上の配慮とか優先入居の実施、あるいは道路整備に際しての歩道の段差の切り下げ、あるいは高齢者の利用に配慮した公園の整備といったようなことなどをいろいろとやっておるわけでございます。また、住宅の建設五カ年計画というのをやっておるわけでございますが、その目標といたしまして、世帯数に応じていろいろ誘導水準というようなことで目標とする水準を決めておるわけでございますが、そういった、世帯員といたしましても一般の世帯とは別個に、高齢者を含む世帯につきましても少し高目の居住水準という目標を定めまして、そういうものの実現に努めておるところでございます。 私どもといたしましても、今申し上げましたような施策をいろいろとその地域に応じて工夫しながら、積極的に推進いたしたいと考えておるところでございます。
○柳田委員 高齢者用の住宅なんですが、ちょっと突っ込ましていただきたいと思うのですが、いつまでにどれだけおつくりになるのか、教えていただきたいと思います。
○福本政府委員 高齢者向けの住宅をどれだけつくるというような目標は実は定めておりませんで、私どもといたしまして今申し上げましたようなことをいろいろと組み合わせをしながら、個別の、地域の状況に応じて、そういった要望に応じてやっていくという格好でやっておるわけでございます。 また、そのほか、申し上げませんでしたが、住宅金融公庫などの貸し付けにつきましても、老人同居の場合には割り増し貸し付けというようなことでございまして、この場合には利用者も全体の二〇%ぐらいそういうのがあるわけでございます。あるいはまた、高齢者のそういった住宅もかなりニーズに応じてやるということでやっておるわけでございまして、そうした全体の中で個別の具体的な要望に応じながらやっていくというようなことでやっておるところでございます。
○柳田委員 このフォローアップの中にも出ております「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、ゴールドプランの分については、十カ年のトータルとして財源はこうこうですということは書いてあるわけなんです。それ以外にもいろいろなことをやろうというふうに書いてあるわけなんですが、残念なことに、このゴールドプラン以外は財源の措置といいますか見通しといいますか、余りというか全く触れられてない。そうしますと、方向性は先ほどちょっと聞きましてわかるのですけれども、では具体的にどうするんだ、特にそういうときには財源がということになるわけですけれども、このゴールドプラン以外の施策についての財源の措置について、具体的にというと難しいかもしれませんが、明らかにしていただきたいという気がするわけなんですが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
○橋本国務大臣 今ちょうど公共投資の十カ年計画の作業を経済企画庁において急いでいただいております。そしてその中において、まず第一にお答えを申し上げておきたいことは、今後の公共投資十カ年の総額を私どもは明示をいたします。そして住宅を含めました十五本の長期計画があるわけでありますが、平成二年度において終期を迎えるものについては三年度以降の五カ年計画を急いでつくる、それからまだその後に続いておりますものは、その計画の切れた時点で残る年数の計画を当然明示をしていくことになるでありましょう。これは今、日米構造協議に関連をし対米折衝の最中でありまして、私どもも企画庁の作業の詳細を存じておりません。 そのほかに、その中には都道府県を含めた地方の単独事業が入り、また第三セクター等々のものがどういうふうに組み込まれるのか、まだ未知数であります。ですから、例えば住宅等につきましては、これを踏まえて、今後のそれぞれの年度の予算編成の時点で、やはりそのときそのときの経済環境、財政状態を見ながら予算を計上してまいるということ以上に申し上げることはできないと思います。 ただ、もう一つここでお考えをいただかなければなりませんことは、まさに先刻来委員が指摘をされております長寿社会というものを考えます場合に、我々として今後の方向の見定めのつかない部分がございます。それは何かと言えば、我が国の非常に大きな特色の一つは、世代間同居志向が強いということであります。今随分、ひところから見ればその数字は下がってまいりました。しかし、なお欧米諸国に比して世代間同居に対する志向が強いという特色は基本的には変わっておりません。となりますと、これから先例えば住宅を考えます場合に、やはり世代間同居を前提にした住宅整備を行うのか、あるいは高齢者の御夫妻あるいは高齢単身者の世帯、これをどう考えていき、その住宅の目標の中に設定をしていくのか、これは現時点では数字がはじきようがないわけであります。先ほど委員が住宅整備の目標についてお尋ねがあり、建設省からそういう意味での数字はつくっていないという答弁がありましたが、事実そういう将来に向けての我が国の社会の姿というものが我々として想像し切れていない、ここに大きな問題が一つあるということは御理解をいただきたいと思うのであります。 と同様に、中で、例えばいわゆるゴールドプラン、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の部分については、数字を明示し、目標を設定し、それに対する経費も計上しておりますが、同じような視点から、実は所得保障、医療保障についても数字を確定し、制度の将来のあり方まで踏み込んでその中には記載はいたしておりません。少なくとも、従来から国会等の御論議の中で将来図を明示しろと言われたような形でのものにはなっておらないわけであります。これは、社会保障をこれから充実していかなければならないことは間違いないわけでありますが、その場合に、一体家族形態がどう変わるかによってその社会保障という一つのパイの中の所得保障に充当すべき分野がどの程度なのか、医療保障に充当すべき分野がどうなのか、公共福祉サービスに投入すべき分野がどうなのか、この辺が確定しないからであります。 少なくとも、しかし私どもは、昭和四十年代の前半まで施設整備をすることに社会福祉関係の重点を置いてまいりました。施設に入所できるようにしてさしあげることがいいことなんだという気持ちが、これは我々皆あったのです。しかし、実は結果としてその政策はうまくいきませんでした。そして、やはり家族とできるだけ一緒に過ごせる状態をつくってさしあげることの方が、これはお年寄りもそうですし、体の不自由な方、いろいろな意味でのハンディを持っている方々にとって幸せなのだということを、我々は高い授業料を払って経験しました。そうなりますと、まさに、例えばそれが奥さん方やお嫁さんやお嬢さんの負担に全部かかってしまったら、それは家庭は参ってしまいますから、在宅福祉というものに重点を置いて我々は整備目標を定めなければならない状態になりました。むしろ在宅福祉というものは、その意味では施設中心主義よりは非常にコストは高くつきます、社会的コストは。マンパワーも、量的な確保、質的な確保に非常に大きな責任を行政は負うことになります。 そういうことを考えた上で、今我々として一番力を入れなければならない部分、どう社会が変わるにせよ、在宅福祉の必要性は廃れることはない、こうした視点から重点的に「高齢者保健福祉推進十か年戦略」というものを定めて、それに向けて政府自身が努力をしていこうとしている、それが今回の特色だと御理解をいただければ非常に幸いです。
○柳田委員 本当にそうだと思うのです。消費税を考えるときに、導入を図ろうとしたときに、高齢化社会が来る、非常に大変な時代が来るから税制改革をさせてくれというふうにおっしゃったわけなのです。そうしたときに、高齢化社会、うん、わかる、実感でわかる、でも、どれほどお金が要るんだろうか、そういう論議になったときには、今の状態ではこれからどう変化していくかわからないから、トータル的にはつかめない。でも、税金を出す立場になれば、国がやっている内容についてはいろいろと理解をされても、こういう世界が来るから大変なお金が要る、だからこういう税制を許してくれというのは、ちょっと話が合わないような気がするわけなんです。 というのは、こういう高齢化社会があっても、どれぐらいのものなのか、どこまでつくるのか。例えばヨーロッパスタイルまでするんだ、何でもかんでも国が面倒を見るんだということにするのか、それとも自助努力も入れて皆さんも努力してください、政府としても努力します、そういうことになってきて、では福祉というのはこうあるべきだから、こう政府としてはしますからどうでしょうかというのが、僕は国民を納得させる一つの理由になるんではないかなという気がするわけなんです。 また、少し突っ込まさせていただきたいんですが、そういう観点から立ちまして税制論議もしなければならないし、そしてそれも含めたわけです。国民の負担もどれぐらいしてほしいということにもなるかと思うのです。高齢化社会に対するビジョンということになれば、税金もそうです、税制もそう、そしていろいろな保障制度の負担もそうですね。そしてそれをあわせてこういうことをやりますと言わなければ、僕はこの税制論議の最初の理由にはちょっと説得力が弱いような気がするんですけれども、いかがでしょうか。
○橋本国務大臣 私は、基本的に今の委員の視点 に対して異論を申し述べるつもりはありません。なぜなら、政府自身が将来を考え、例えば年金制度において、将来六十五歳まで平成二十二年ぐらいには支給開始年齢を引き上げさせていただきたいという方向を明示した時期があるわけであります。明示しようとした時期と言いかえましょう。しかし、結局それは早過ぎるという声の前につぶされました。政府は何回か同様の形で、例えば所得保障の将来の図式、そうしたものを示そうとしてきたわけであります。しかし、なかなかそれを受け入れて聞いていただくという雰囲気になりませんでした。 ですから、今確かに十一兆六千億ぐらいの一般会計を社会保障関係費に投入いたしておると思います。一方、消費税の税収は、国分として御承知のとおりでありまして、消費税収のみで全部が賄えるわけではありません。しかし、その年金制度の基礎部分について、三分の一の国庫負担を導入すると同時に、まさにお預かりをした消費税というものを中心にし、我々は公共福祉サービスの面で少なくとも目標を示すことをお許しいただいている部分については、全力を挙げてこれらに取り組んでいこうという姿勢を示しているわけでありまして、政府は何回か、今委員がまさに御指摘になったように、将来の我が国の人口動態から目標として考えていかなければならないものを提示する努力を一生懸命続けてきた。そういうものまで議論しようということに社会の空気がなかなか認めていただけない。関係者はその中で苦労しつつ仕事をしているということを、私は基本的な認識として委員の御指摘が正しいと思いますだけに、この場で御理解をいただきたいと思うのであります。
○柳田委員 ちょっと具体的なことを一件お願いをしたいと思うのですけれども、よくノーマライゼーションという言葉が最近使われておりまして、同感だ、これはしてほしいなという気がするわけなんです。もう一つは、行政改革。この行政改革にもこのノーマライゼーションを入れていただければな、入れないといけないんじゃないかなというふうに思っているわけなんです。 そこで、目の不自由な方々、視覚障害者の人たちのことでありますけれども、司法試験とか一部の地方自治体の採用試験には点字試験が行われているというふうに聞いております。そして、昭和五十五年の第九十一回通常国会の中で総理大臣初め人事院総裁が、このことについては前向きに検討します。十年前のことなんですけれども、もうそろそろこの辺は実施していってもよろしいんじゃないかな。そうした場合に、財政的なこともあるかもしれませんが、試験をするとなると、その分点字のことも、まあそういう方向性といいますか、これは行政改革を中心として行おうとしておる総務庁の長官と、さらには地方自治体を束ねております自治大臣の方にお聞きしたいと思うのですが、よろしくお願いします。
○塩崎国務大臣 柳田委員にまず最初にお断りしなければならない点が一つございますが、私から長寿社会対策大綱を六十三年と申しましたが、六十一年でございます。六十三年は福祉ビジョンの方でございましたので、これをまず訂正させていただきたいと思います。 ただいま国家公務員の管理をいたしております総務庁長官として、公務員試験に点字試験を採用できないかというお話でございます。現在は確かに実施されておりませんし、かつて人事院総裁が答えられたということも存じておりますが、先般も私ども、この点につきまして人事院が今検討を進めている、この検討状況をひとつ見守っていきたい、こんなふうにお答えしておるところでございます。
○奥田国務大臣 視覚障害者の地方公務員採用は、現状でも選考採用によって結構実績を上げております。 それで、一般競争試験に点字方式を導入したらどうだ。その団体もあります。具体的な団体名については政府委員からまた説明させますけれども、既に一千名以上の視覚障害者が地方公務員として採用されておるという実績等も踏まえまして、今後これらの皆さんの職域拡大にできるだけ努めていこうという方針でやっております。
○柳田委員 国家公務員試験、そして地方公務員試験、ノーマライゼーションもはやり言葉といいますか、もう皆さん認識できていると思うのです。検討しておりますのでその状況を見守りますという答弁は、それで結構だと思うのですが、いつごろできるでしょうか。もうしてほしいという気持ちがあるのですが、十年前も検討をしますでしたので、もう少し具体的に御答弁をいただきたいと思うのですが。
○勝又政府委員 ただいまの件につきましては、人事院から御答弁すべきことでございますが、せっかくのお尋ねでございますので、承知している限りの点で申し上げますと、人事院としては、平成三年度、早い時期に実現に向けて努力したいという見解だというふうに承知しております。
○柳田委員 平成三年ということ、来年非常に早い時期に御決意をしていただけると思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。 時間ももうほとんどなくなったんですけれども、抽象論になるかもしれません、お答え願いたいと思うのですが、税金というと、僕らサラリーマンにとってはすぐ思い浮かぶのは所得税。まあ私、自分の家を持っていませんので固定資産税を払ったことないのですけれども、すぐ所得税ということに頭が結びつくわけです、地方税も含めてですけれども。消費税というのが今回入ってきた。資産に対する課税もあるというふうに聞いておるわけなんですけれども、今この三つ、これは多分税体系では三つ大きな柱だと思うのですが、これは今バランスがとれているのかどうなのか、お尋ねしたいと思います。
○橋本国務大臣 本来なら胸を張ってとれておりますと申し上げたいところでありますが、御承知のように地価の非常な上昇の中で、土地を持っておられる方と持っておられない方の間には非常に大きな資産格差が生じております。そして、この資産格差に対して資産課税の適正化を求める声が非常に強いことも事実でありまして、今税制調査会に御検討願っております事実に徴しましても、私は委員に対して完全にバランスがとれておりますと申し上げる勇気はありません。
○柳田委員 この論議が終わったら与野党協議機関ということになるわけですけれども、そうなるかどうかわからないわけですが、そういう際に、この所得、消費、資産のバランス、税体系、ここまで議論が進むのだろうかという気がするわけですけれども、政府としてはこの辺はどういうふうに考えておりますでしょうか、もう消費税だけ、間接税だけだということになるのか、それとも全般にわたるのかどうなのか。
○橋本国務大臣 院において今後どのような形で税制についての御論議をいただけるのか、私ども何とも申し上げようがありません。しかし、政府の立場としては、この税制調査会の任期がたしか本年の十一月の十日ぐらいまでだったと思います。税制調査会は、当然土地について作業をお願いをしていることについてのお答えはいただけるでありましょうし、それを踏まえて、私どもはすぐそれを実際のものにしていくための努力をしてまいりたい、そのように考えております。
○柳田委員 資産の課税、非常に難しい問題だというふうに思うわけです。税金だけで地価が下がるとも思えませんし、いろいろなことを複合的にやっていって初めていい結果が出るのじゃないかなと思いますので、ぜひとも推進をしていただきたいというふうに思うわけです。 もう時間がありませんので、最後に、お答え願えるかどうかは大臣の御判断なんですが、今から二十年後、二〇一〇年、もう高齢化社会というとピークに差しかかっているころなんですけれども、どんな税制がそのころ施行されているか、またはどういう税制が一番いいというふうにお思いか教えていだたければと思うのですが、いかがでしょうか。
○橋本国務大臣 私はそろそろ年金対象年齢でありますし、そのころの現役はまさに委員でありますから、どうぞそのころ我々が苦労しないような税制をよろしくお願いいたします。
○山崎委員長 これにて柳田君の質疑は終了いたしました。 次回は、明十九日火曜日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時五分散会