税制問題等に関する調査特別委員会 第6号
- 発言数
- 284 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/06/15
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案及び税制再改革基本法案並びに内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 本日は、一昨日に引き続き、特に、内閣提出の法律案について質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田静夫君。
○和田(静)委員 大蔵省の試算によりますと、中小事業者による特例によって理論上四千八百億の消費税の減収が生ずると見られています。免税点を三千万円と設定することで二千七百億、簡易課税制度によって千五百億、限界控除によって六百億、合計四千八百億円。きょうは論議をこの一応の目安を四千八百億円というところに置いて、若干これまでの委員会でなかった側面からの論議をやってみたいと考えています。 これを事業者数で見ますと、免税業者は全事業者の六八%、簡易課税業者は九六%、大半の事業者は特例の適用を受けることになっているわけであります。数から見ますと特例が一般的という制度になっているわけでありまして、これはEC型付加価値税などから見て欠陥が大きいと言わなければならないと私は実は思うのですが、いかがでしょう。
○橋本国務大臣 今委員から御提起がございました問題点、一つは、程度の差こそあれ消費税と類似の各国の税制におきまして免税点あるいは簡易課税のような制度というものはそれなりに存在をいたしております。 今委員はその幅というものに着目して御指摘がございました。ただ、その四千八百億という数字にいたしましても、これはすべての業者がそれぞれに理論的にその適用を受けた場合のいわばリミットの数字であったと私は記憶をいたしております。そして、現実に免税業者の場合に転嫁をしておられない方々の率等々考えてみますと、その数字自体に問題があるように私は思います。 申しわけありませんが、その点につきまして事務方から御説明をさせていただいた上で御論議をお続けいただきたいと思います。
○尾崎政府委員 四千八百億円という数字につきましては、委員よく御承知のとおり課税ベースを計算いたしますときに付加価値の段階で十六兆円外している、その三%が四千八百億円に当たるという意味でございます。 それからもう一つ、簡易課税それから免税点等の適用になる事業者の数が圧倒的に多くて、確かに諸外国にもそういう制度はあるかもしれないけれども、基本的にそこが違うんじゃないかという御質問でございますが、ちょっと私今手元に諸外国の数字を持ち合わせておりませんが、我が国は簡易課税の限度額、免税点ともに非常に高くとっておりますのと、中小企業者の数が非常に多いということで、御指摘のとおり事業者数でいいますと簡易課税適用等の特例対象者の数が九五%ぐらいになりますので、そこは御指摘のとおりと存じます。 ただ、そこを付加価値で考えますと、五億円未満の方の売り上げ、例えば売り上げで申しますと一七%程度でございますので、その取引全体はむしろ売り上げないし付加価値から見た方がよろしいか思います。ただ、事業者につきましては御指摘のとおりでございます。
○和田(静)委員 その事業者数のところに少し視点を置いて後で論議をしたいのですが、まず、国庫に納入されない四千八百億円、これは、大臣、消費税なんでしょうか、それとも消費税ではない別のものなんでしょうか。
○橋本国務大臣 今委員からお述べになりましたことは、従来からもさまざまな御論議のあった点であります。そして、それに対して私どもとしては、理論的に今局長が申しましたような根拠の数字、それは実際に国庫に納入されない税額ではないということをしばしば申し上げてまいりました。と同時に、その免税点に当たるような考え方というものは、程度の差こそあれ各国に存在をいたしております。 となりますと、今度はこの幅がいいか悪いかということになるわけでありましょう。そしてそういう点につきまして、今免税点を論議の対象とされましたが、簡易課税等含めまして税制改革法が本院において御論議をいただきました際、議院修正において、実績を見て将来見直すという規定を国会の意思によって加えられたわけでありまして、政府はこれに対し、平成二年五月、すなわち先月まで納入・申告の実態を全部把握をした上でそれを解析し、将来の方向の検討の素地をつくるということを申し上げてまいっておりまして、今、各税務署からの資料を収集し、分析し、解析する、そのプロセスにあります。恐らく七月いっぱい作業にはかかると事務方からは報告を受けておりますが、その全部の資料が整いました段階において改めて今後の御論議の方向というものに対し、我々なりの資料をお目にかけることになろうかと思います。
○和田(静)委員 もう一度伺いますが、消費税法に基づいて最後の消費者が支払った価格のいわゆる三%の消費税のうち、国庫に納入されない四千八百億、このお金を消費者は消費税と認識しているわけですね。当然国庫に納められる税金であると思っていますから、事業者に預けたつもりでいます。それが預かり金ではなくなったとしますと、いつの時点でそうなったのか、そしてそのお金というのは何という名前のお金になったのか、ここのところをちょっと理論的に明らかにしてもらいたいのです。
○尾崎政府委員 消費税におきまして納税義務者は事業者でございます。したがいまして、あくまで消費税を国庫に納入いたしますのは事業者でございます。ただ、間接税でございますので、その税金分を価格に含めて消費者に転嫁をする、消費者が実質上負担をするということは起きるわけでございます。 ですから、その実質面のお話をいたしますと委員の御指摘のような問題が生ずるわけでございますが、形式論としてそれは税かといいますと、免税事業者の場合には消費税を免除されているわけでございますから、そこの売り上げには形式的には消費税が含まれているという話は、形式論を私は申し上げているわけでございますが、さらに仕入れの話までしていきますと、実質的な負担は別でございますが、形式的には免税業者は消費税を懐に入れるということではございません。なぜなら、消費税の納付を免除されている業者でございますから。
○和田(静)委員 私は、大体おたくがお書きになったものはほとんど目を通させてもらいましたが、この「法人税の取扱いについて」、それから「所得税の取扱いについて」という通達、これによりますと、消費税は免税業者の場合には売り上げ、課税業者で売り上げ五億円以下の場合には預かり金にするか売り上げにするか選択できる、いずれにせよ、事業者の売り上げになった時点で消費税は消費税でなくなるものと考えざるを得ない、そういう通達の趣旨だと思うのです。とすると、消費税としてそのつもりで事業者に価格の三%分預けた最終消費者、国民は、事業者と認識がずれていることになるのではなかろうか、素朴にそう思うのです。これはどういうふうに理解したらよろしいでしょうか。
○尾崎政府委員 恐らく、酒税でございますとかたばこ税でございますとか、従来の間接税でございますと、消費者にとりまして自分が税の実質的負担者であるという認識は薄かったと思うのでございますが、今回の消費税につきましては、一つには国民的な議論になったということもございますのと、それから事業者が転嫁のためにいわゆる外税という方法をとっているということもございまして、消費者にとって自分が税の実質的負担者であるのだという認識が非常にはっきりしてきたというところが一つの特色であろうかというように存じます。しかし、その税の性格といたしましてはあくまで価格の中に税の負担が含められている、その限りにおきましてはほかの税と実は同じ、ほかの税と申しますのは、ほかの消費税と、個別の消費税と同じ性格のものなのでございます。 今御指摘の点、確かにちょっとわかりにくい点なのでございますが、法人税のお話でございまして、法人税のための企業の経理上、消費税相当分というのをどのように経理したらいいかということでございまして、それは一つは、売り上げの中の消費税分も含めた全体の売り上げを売り上げとし、消費税分も含めた全体の仕入れを仕入れとして法人税法上の計算を行ってもよろしいし、それから、いわゆる外税の形で仕入れについての税、売り上げについての税がはっきり全部見える、全部外税で経理をしているというような例を考えてみますと、税金を、売り上げた方につきましてはいわばそれを預かり金勘定のように扱い、仕入れた分につきましては税金分仮払いしてあるのだ、後で仕入れ控除ができるわけですからとりあえず仮払いしてあるのだというような形で処理をして、いわば税抜きのところの処理とは別に税のところを計算していってツートラックスで計算するというやり方にしても結構である。これは法人税の問題でございます。
○和田(静)委員 ある店で百円のものを買って三円の消費税を払うとします。レシートには消費税三円と書かれています。ところが、その店が免税業者であれば、それは先ほど指摘したとおり全事業者の六八%を占めているわけですが、その店の帳簿には消費税とは計上されない状態になっていますね。免税業者だけではなくて簡易課税業者の多くもそうしているようですね。 私は主税に電話したら、いやおれのところじゃない、国税のどこどこだといって三つぐらい電話回された結果、帳簿上の処理がわかったのですが、これはおたくの国税からの答えをもとにして質問をつくってみました。つまり、ほとんど九割方の事業者の帳簿は消費税を消費税として計上しないわけです。売り上げにしてしまう。端的に言えば所得にしてしまう。そういうのが現行の制度なのですよ、実際の処理は。主税局長は帳簿ごらんになったかどうか知りませんが、国税からの説明を受けたらこうなる。そうしますと、消費者は国の法律によって三円をどうも詐取されたことになるのじゃないだろうかという感じがして私は仕方がないのですよ。もちろん事業者が悪いと私は言っているのじゃありませんよ。制度が悪いのじゃないだろうか、大蔵大臣、いかがでしょう。
○尾崎政府委員 免税事業者の場合には、免税でございますから、消費税を納めるということがございませんので、消費税の別経理というのは論理的に言って出てこないわけでございます。税金を納める、例えば簡易課税業者も含めまして税金を納める方の場合には、税込みの経理の仕方、先ほど申しましたように売り上げ、仕入れとも税金を入れて経理をするやり方と、税金分を分けてやるというやり方にその意味が出てくるわけでございまして、そこは各事業が自分の経理に便利なようにお選びくださいということになっていると思います。 詐取されるとこうおっしゃいますけれども、それはあくまで消費者にとりましては税金、消費税分も価格のいわば一部でございまして、支払いの対価の中にいろいろな要素があるわけでございますが、その中には消費税分もございますし、固定資産税分もございましょうし、それから人件費相当分もございましょうし、いろいろの要素があるわけでございます。その中の一つとして、免税業者の場合には仕入れにかかってきている消費税というものがある、それがコストとして価格の中に含まれているという意味でございます。
○和田(静)委員 三千万円の免税業者が三千万円であるかどうかというのは、本人がそう思っているだけで、わからぬわけでしょう。国税が調査にお入りになる、三千百万円ある、あるいは三千万百円あるという業者であるかもわかりませんね。それが初めから三%分というのを売り上げの中に入れてしまっていたならば、一体三千百万円の事業者であった場合に消費税分というのはどうなります。
○尾崎政府委員 免税事業者であるかどうかというのは基準年度、前々年度の売り上げで決めます。したがいまして、前々年度の売り上げが三千百万円でございましたら、それはまさに課税事業者になるということでございます。前々年度の売り上げが三千万に満たない、例えば二千万とか二千五百万であった事業者にとりましては、当該年度三千万円を超えておりましても、これは非課税事業者として計算されることになります。課税事業者につきましては、三千百万円でございましょうとも、それは根っこから全売り上げについて消質税の計算がなされるということになります。もちろん御承知のとおり別途限界控除の問題がございますけれども、計算上はそういうことに相なります。
○和田(静)委員 私はきょう、後でちょっと脱税問題を取り上げますから、脱税が起こらないという保証はありませんね、前年度の三千万円という事業者について。三千万円の枠内におさめるという処理をするという脱税の方式というのは出てくるでしょう。その場合に、三%分のいわゆる消費税分というものが消費税として帳簿上は残っていなくて、売り上げに入ってしまっているなどということが起こり得ますね。これは起こり得ないということにはならないでしょう。
○尾崎政府委員 申しわけございません。ちょっと御質問の意味をはっきり把握できなかったのでございますが、売り上げを抜いて三千万円以下に落とすという意味でございましょうか。その場合には、抜いた分の、もし三%価格に乗っけて売っておられて、しかも三%分を含めたところで幾らかの売り上げを除外してしまったという場合には、その除外分の三%相当の税も一緒に除外されているということになってしまうのだろうと思います。しかし、それはそういう悪いことをするという前提でございますので、それは結果的にはそのように隠れてしまうことになろうかと思います。
○和田(静)委員 余り仮定の論争をしようと思いませんが、例えば所得税法だとかないしは法人税法によって課税される業者はされるとしましても、消費者からすれば、消費税の預かり金と思って払っているわけですね。レシートにもそう書いているんです。そうすると、消費税として払ってもらわないと、いわゆる国庫に納めてもらわないと消費者は納得できないですよ、これは単純な論議かもしれませんがね。消費者のすべての心境はそうだと私は思いますよ。レシートは消費税なのに、つまり預かり金なのに、勝手に業者の側は売り上げ処理になってしまっている、そうなってしまう。そうすると、これは他の場合、普通の世の中の常識からいえば着服という解釈が成り立つでしょう。これは法務大臣、どうです。
○長谷川国務大臣 ちょっと勉強不足で答弁できませんが、十分また検討いたしまして、後刻また連絡いたします。
○尾崎政府委員 委員のおっしゃるお気持ちはよくわかるのでございます。そういう感じも多くの消費者の方がお持ちだと思いますが、この税は、あくまで納税義務者は事業者でございます。したがいまして、ただいま申しましたような意味での着服とかそういうことではございませんで、納税義務者があくまで自分の売り上げ、これは個々の物品ごとに経理するわけではございませんから、全体としての売り上げをもとにし、全体としての仕入れをもとにして計算された消費税額、それが納税されるということでございます。
○和田(静)委員 これは、聡明な主税局長はおわかりになるんでしょうが、一般の国民にとっては、大臣、今私が言っているような感覚ですよ。感覚というのはおかしいけれども、それはもう率直な感じですよ。国が着服を認めているんじゃないか、こういうような制度というのは一体いいのだろうかということは、これは私は当然疑問として起こる。ここのところは残しておいてもいいですがね。実際問題、私はどなたとは言いませんけれども、これを考えるに当たって主税の皆さんや国税の皆さんといろいろ私はやりとりしましたから。それは実際、局長のところの人ではない、この仕事を直接やっている方々はお困りになっていますよ。 私は、仕入れに消費税がかかっているからという理由で、そういう理由で消費税分を免税業者などに売り上げに計上することを認めるというのは筋違いだと思うんです。金額的にも、仕入れ価格の三%と販売価格の三%というのは、これは当然、大臣、差が出るわけですよ。それにもともと、何遍も言いますが、消費者、国民が、消費税には反対だが消費税法で消費税がある限りどういうふうに納得するかというと、納得できる限界というのは、自分が預けたお金がそのまま消費税として国庫に入ることですよ。レシートには消費税と書き、帳簿には売り上げに計上するという、これは私は論理的にはどんなに説明されても一貫性がないと思う。これはやはり国民が消費税を納得しないのは、この側面から考えても私は当然なんだと思うんです。
○橋本国務大臣 私は、最初に申し上げましたように、程度の差こそあれ各国の付加価値税におきまして中小事業者に対する特例の中に免税というものはあるわけであります。そして、その限りにおいて、私は各国と同様の制度ということを申し上げたい、まず第一点であります。 ただし、それには程度の問題があるということは、これは先般来何回も御指摘を受けておることであります。そして、これについては、国会の御意思によって税制改革法の御審議の際、議院修正の形で追加をされました見直しというものを私どもは忠実に実施してまいるということも既に申し上げております。 ただ、その見直しに際しましては、一年間の実施状況、すなわち申告・納付の状況を完全に把握をいたしました上で、そのすべてのものを集計、分析をした上でその方向をお示しを申し上げたいということを繰り返して申し上げてきているわけでありまして、今委員がお述べになりましたような論議を私は全く否定しているわけではありません。ただ同時に、こうした制度が全く認められないのかと言うならば、程度の差こそあれ各国にも同様の制度がございますということを申し上げているわけであります。
○尾崎政府委員 今大臣から御答弁しましたように、これからさらに勉強しなくてはいけない分野の話なのでございますが、大臣の御答弁と、もう一つつけ加えさせていただきますと、委員の御質問のその含意の中には表示の問題があるのではないかというように今伺いました。 免税事業者が、例えば百円の物をほかに税金三円いただきますというような形で物を売っている。ところが、その人が免税事業者だということになると消費者としては割り切れないことになる。しかも、その事業者の帳簿を見ると百三円が売り上げになっている。そこも何か割り切れない。こういうお話のように承ったわけでございますけれども、それは、あくまで物の考え方といたしましては税法上は百三円というのが物の価格でございまして、その中に税金相当分が幾らあるかということを示すか示さないかという表示の問題になってくるわけでございます。昨日も少々議論がございましたが、消費者から見ると、一体自分は幾らのものを買っているのだろうかということがはっきりわかる、わからないの問題に関連してくるわけでございまして、自分は百三円のものを買っているのか百円のもののほかに三円の税金を取られているのか、そこが表示の方法によってはわからないわけでございます。ある人はその百三円、価格の対価でいいけれども、とにかくその中に税金相当分が幾らあるのかはっきり示せということをおっしゃいますし、またある人は、計算が面倒くさいから総額を示せとおっしゃる、そういう問題にも触れてくることでございまして、私ども総額表示方式というようなことを言っておりますし、またヨーロッパが現にそういうやり方をしているわけでございますけれども、表示の方法等をやはりいろいろと議論をしてみなければいけない点であろうかというように伺いました。
○和田(静)委員 私は大臣の言うことを全然否定するつもりはありませんよ。ただ、EC諸国の場合は御存じのとおりでして、こんな三千万円なんという大きな免税点を持っているところはないわけでして、そこに大きな違いがあるわけですから。 本当に単純な質問をしますが、消費者はあるものを買った店が免税業者であるということがわかった場合に、消費税三%分を支払わない、消費税という名のもとに請求をされるその金額をあなたのところはどうせ納めないのだから、要らないのだからと言って、支払わない権利がありましょうか。
○尾崎政府委員 再々申し上げておりますように、消費者に対する価格としてはあくまでその価格の、税相当分というのは価格の一部をなしているわけでございますから、百三円というのが価格なのでございます。ただ、その表示方法がそのようになっておりますがゆえに、この三円分をまけてくれというようなことをあるいは消費者がおっしゃるということもあるかもしれませんけれども、それは権利とかなんとかの問題じゃなくて、商売する方のネゴシエーションの問題であろうというように存じます。
○和田(静)委員 反対の立場からこの問題を考えてみます。そうすると、免税業者は消費税相当額を消費者に請求する権利がある、こういうことですか。
○尾崎政府委員 そこは、権利という問題ではなくて、その事業者の方がどのように物の値段をつけるかということであろうかと思います。物の値段をつける環境が変わったわけでございます。非常にロジカルに申しますと、その変わった分は、仕入れが消費税を背負った分だけ、その分だけを上乗せするというのが一番正確な答えであろうと思います。 ただ、事業者の方、特に小さい事業者の方はなかなかそういう計算が難しい、つまりそういう計算が難しいがゆえに簡易課税とか非課税とかということを設けられているわけでございますから、そういう小さい方々が、例えば今まで隣の店と同じ値段で売っていたものを、隣の大きな店、これは課税事業者でございますが、課税事業者の方が三円上げた、自分もそれに倣って三円上げたというようなことになった場合に、それが極めて不当な値決めであるというようなことまで言えるのかどうかということになりますと、これはしょせん事業者の値決めの問題に帰結していくわけでございますから、そこは諸般の事情を考えて、事業者の方が値段をそうお決めになったということであろうかと思います。人によりましては、これはきちんと計算をして、隣の三円上げた大きな店よりか一円でも安く売ろうとお考えになるかもしれません。そういう意味では、自分の事業拡張のビジネスチャンスが来たというようにお考えになる方もおられるかもしれません。そこはさまざまであろうかと思いますけれども、仮に御近所の店に倣って三%分上げたからといって、それが不当であるとか違法であるとか、そういうところまでは言えないのではないかと考えております。
○和田(静)委員 いや、私は理解できないのですが、じゃこういうふうに言ってみましょうかね。 もし消費者が、自分の物を買ったところの業者は免税業者だということがわかった。どうもやはり三%部分というのは、自分は税の納税義務者じゃないんだから、あの値上げ部分というのは認めるわけにはいかぬ、三%分返してくれ、それは税金分として認識をするから、というようなことは自由だという答弁ですね、今のものは。
○尾崎政府委員 消費者の認識の問題でございますので、それは消費者のお考えになることでございますが、もしそれがそのように認識をして、例えば法的にその分返せというようなことが言えるのかといいますと、それは違うだろうと思います。それは、あくまで全体としての価格というものがあるだけなのです。 それは納税義務者は事業者でございますし、事業者はその新しい条件のもとで新しい値段をつけたということでございますから、その値段で物をお買いになるかお買いにならないかは、これは消費者の自由でございます。もしより安いところがあればそちらへ行って買うという、いわばその消費者選択がそこで働くという問題はあろうかと思いますけれども、何かしかるがゆえに例えば、そういう意味で御質問なさっているのではないと思いますけれども、売った値段のうち三%相当分返せというような権利が発生するかという意味であると、そういうことではないということでございます。
○和田(静)委員 そういうことを言っているのじゃないのですが。 ここに持っていませんが、私たちも買い物するとレシート、はい三%分と取られますよ。それはだれがどう言おうとも消費税分を負担したんだなという、転嫁をされている消費税という名前における税を負担したんだなと国民は思いますよ。そうでしょう。だからその三%分は、今買ったところの業者、これは免税業者なのか、それじゃ今の三%分返してくれ、これは認められるわけじゃないですかな。
○尾崎政府委員 大変鋭い御指摘だと思うのでございますが、それは私は表示の問題だと思います。その表示が適当でないかどうか、そういう表示を許せるか許せないかという問題はあろうかと思います。 しかし、その分返してくれと言えるとか、あるいはその分払わないと、法的な意味で私申し上げているのでございます、ネゴシエーションの話は別にして、法的にそういうことが言えるかといいますと、それは全体としてその物を幾らで売るか、全体のいわば税金も何もかも含んだものがその物の対価でございますから、全体として幾らで売るかという問題でございます。その表示が、対価の表示について不適当ではないかという、恐らくそういう意味であろうかと存じますが、表示については確かに御指摘になられることは私、非常によくわかります。よくわかりますが、新しい制度をやりましたときに、初めての経験でございますから、そのような表示は一切許さないというところまで私ども行政的に申し上げていないということでございます。
○和田(静)委員 この消費税が事業者の売り上げに計上されるということですね。どうしても私はこれは理解できないのですがね。消費者にとっては消費税分三%というものがなければこんなことは起こらない、まず。ところが、その消費税分三%というのは、私はどうも対価のない支払いになるんじゃないかという感じかするものですから、こういう質問をしているのですが、事業者は不当な利得を得ることになるのではないだろうか、なぜ消費税が事業者の売り上げになるのだろうか、そこの理論的な根拠というのは、それを含んだ値段なんだとあなたは片づけられるのですけれども、どうもそうじゃないと思うのですよ。
○尾崎政府委員 物の値段というのは、税込みのところで決まっているということでございます。したがいまして、その売り上げの百三分の三というのが税相当額になるわけでございます。 委員のおっしゃいますのは、課税標準のとり方とも関連してくるのでございますけれども、物の価格が何かという意味でございましたら、それは税金分も含めた百三円というのが売り上げなのでございます。あとは、その際に税相当額、その百三分の三に当たる額をわざわざ消費税として、消費税相当額として示しておられるかどうか、そういう表示の問題なのでございます。
○和田(静)委員 まあ主税局長、一生懸命に御説明されますが、実際問題、店の前に消費税三%分を上乗せさせていただきます、レシートにも税三%と打ってその金額が明示をされる。それは納税義務者でないところの消費者は、それでもなお従順に三%分を税として負担をしたというつもりで払っている。ところが、それが国庫に納まらないということになるわけですね。 私はちょっと言い方を変えてみますと、どうも消費税名義のお金は、事実上政府の中小業者に対するというか免税業者に対する補助金、あるいは消費者が事業者に対して寄附金を払っている、それがレシートにおける三%という税の名前において強制をされている、そういうふうに思われて仕方がないのですよ。私は、国民感情は今私が述べていることだと思うのです。したがって、この消費税というものは国民の中に定着もするはずがないし、賛意を受けるはずもない、こういうふうに思いますよ。 これは主税局長、私は納税事務上の問題として説明してもらいたくないわけですよ。
○尾崎政府委員 国民の感覚、消費者の感覚という意味で確かに委員の御指摘のようにおとりになっておられる方はおられると思います。 ただ、先ほど来大臣から御説明申し上げておりますように、この簡易課税制度にせょ免税点制度にせよ、これはあくまで納税義務者であります事業者の方々の手続という納税上の手続の問題を考えておりまして、事務上の能力が十分でない方々に余り煩瑣なことをお願いするのには限界があるだろう、いわばそこは簡素ということが一つの税制上重要な点でございますけれども、正確さは若干犠牲になるわけでございますが、その手続、納税事務コスト、事務負担、そういうものを極力配慮していこうということでこの制度ができているわけでございます。委員御指摘のような補助金とかそういう意味でできているわけではございませんで、むしろこの制度の考え方は、まさに事務手続の簡素化というような、あるいは納税コストの軽減というようなそういうことから考えられているわけでございます。 これは決してよその国の消費税にそういう例があるというだけのことではございませんで、実は所得税の中にも法人税の中にも便宜のためにこうしているということはあるわけでございまして、そこではやはり事務コスト、簡素さということが考えられているわけでございます。
○和田(静)委員 そういう説明は要らないんだということを質問の中で申し上げたんだけれども、結局やはりそういう説明になるわけですね。私はそこが問題だと思っているのです、実は。 事務負担の軽減のために、今もおっしゃいました、そういうもののために免税点やあるいは特例制度をおつくりになった。これは単に納税事務上のことにすぎないのですよ。免税業者が何といっても全事業者の七割、特例業者まで含めますと九割以上のものが消費者から消費税の名目でお金を受け取っていることは事実なんですね。そういう形でお金を受け取っておいて、実際には預かり金とせずに売り上げに計上するということになっている。これは、端的に言えば、私は、政府が消費税だと言って国民を錯覚をさせて、そして私がさっきちょっと言ったような言葉で言えば、中小事業者に補助金を出している、消費者に寄附をさせているという形になっている。その免税業者が七割なんですよね。つまり、消費税は私は制度としては七割方崩壊をしているんだと思うのです、このことは。消費税はもう七割方崩壊をしているんだ、そういうふうに考えます。大臣、いかがです。
○橋本国務大臣 結局同じ問題を繰り返すようでありますけれども、委員がお述べになっておる問題点を理論的に私どもが問題点だと認識していないわけではないということは最初に申し上げました。と同時に、先ほど局長からも申し上げましたけれども、こうした税になれていない我が国の実情というものをまず念頭に置き、同時に売上税を考えましたとき、国民から受けました御批判というものをあわせて念頭に置きながら消費税が組み立てられたことも、委員が御承知のとおりであります。そして、その中におきまして納税義務者であります中小零細事業者の利便というものに、一方では公平性とのバランスをとりながら簡素という原則とを突き合わせていく中でのぎりぎりの政策判断をしていく中からこうした制度が採用されたということも、賛否は別として、委員もお認めをいただけると思います。 ですから、繰り返して申し上げるようでありますけれども、その範囲の問題は確かに私も否定をいたしておりません。しかし、例えばヨーロッパにおける付加価値税の実態を見ましても、程度の差こそあれ免税業者、免税点というものはあるわけでありまして、そこにもこれは程度の差こそあれまさに同質の問題が存在をするわけであります。要は、この点について国会における御論議の中から受けた議院修正というものを踏まえながら私ども自身もこれをこれから先の問題点として認識しておりますということを先刻来申し上げておるところであります。
○和田(静)委員 局長、いかがです。
○尾崎政府委員 大臣からお答え申し上げたとおりに存じます。
○和田(静)委員 私はかなり執拗に言っているのは、税の専門家である大蔵大臣や主税局長ときょう論議するよりも、本当はお見えになっていない総理とこういう論議をしてみたかった。税を専門的な立場で踏まえる人よりも、そうでない、庶民的な感覚がないと言いませんよ、言いませんけれども、一般国民的な感覚で国民からの人気上々という海部さんが国民の感覚をどういうふうに受け取っているだろうということで論議をしてみたかったのだが、どうも自由民主党の理事会の厚い壁がありまして総理出さないというものだから、仕方なしに橋本さんと今やっているわけです。 別の観点から言いますが、これは局長の著ですが、遍ですが、今まで政府がお述べになったことを一応は聞き入れたということにいたしましても、政府は新しい間接税の創設をしたわけですね、あなたの著によっても。税収のバランスをとることを消費税導入の大きな目的にしたということでありますね。これはきょうまで与野党を問わずたくさんの論議があったところであります。ところが、金額は四千八百億という小さいものではありますが、小さいと言ったら怒られますが、他と比べてみての話ですけれども、七割の事業者ないし九割ぐらいの事業者、特例の事業者で消費税が売り上げに計上される、それに対して所得税ないし法人税がかけられるということになりますと、私は間接税が直接税に転化してしまうことになるのじゃないだろうかという疑問を、どうも主税局長編を読んでも、あるいは国税の皆さんがお書きになった逐条解説を読んでみても、なるほど間接税を直接税に転化させてしまうのかと、これは約二十年近い間参議院の大蔵委員会や予算委員会の場でたくさん論議をさせてもらったことですけれども、私はどうもそこのところがぬぐい切れぬのですよ。そういう意味では、間接税創設理由の敗北とでもいいますか、そういうことをおのずからの行政指導の中でおやりになっているのではないでしょうか。
○尾崎政府委員 間接税を直接税に転嫁させるとおっしゃる意味は、法人税なり所得税なりが減ってしまうという意味でしょうか、ふえてしまうという意味でしょうか。所得税や法人税がその分三%ふえるのではないかという意味でしょうか。――わかりました。免税事業者あるいは簡易課税事業者のうち、付加価値率が二〇%より高いような方々について、いわゆる事業者の手元に残ってしまうものが出た。その場合に、それを全部売り上げとして経理し、その仕入れを控除して所得を計算した場合に、その手元に残った分のうち所得として幾らか残ってくるものがあるはずだ、それに対して法人税がかかるから、その分法人税がふえることになるだろうという意味に理解をさせていただきたいと思います。 それはそういうことになると思います。しかし、それは転嫁させるという意味ではなくて、手元に残ったということは、まさにそれだけの利益になったということでございますから、その利益に対して所得税なり法人税なりがかかるという意味でございます。釈迦に説法で申しわけございませんが、転嫁といいますのはやはり価格に含めるという意味でございますので、例えとして、比喩として言われたのかと思いますが、税の場合にはおっしゃる意味は今のように理解させていただきます。
○和田(静)委員 消費税という間接税で取った分が売り上げ計上をされることによって、今も解釈されましたからあれですが、そこに法人税、所得税課税ということになってくれば、端的に言ってまさにそこの時点で間接税が直接税に変わってしまう、こういう解釈は間違いですか。
○尾崎政府委員 簡易課税業者が三%消費者に転嫁をした、ところが実際には付加価値率が非常に高くて、本来あるべき税額より少ない税額しか払わないという現象が生じた場合に、その方の所得がふえるということになります。それがまさに懐に入れると言われているような現象でございまして、その所得がふえる結果として、それが法人税額等に影響を与えるということはあろうかと思いますけれども、要するに所得がふえるというところまでしか因果関係はないように私には思えます。
○和田(静)委員 少しここのところくどいようですけれども、ほとんどの業者で間接税を売り上げとして計上する、そして直接税の対象としてしまう、これはやはり制度的な欠陥なんじゃないだろうか。どう考えてもそう思わざるを得ない。ここのところは消費税という間接税制度の根本を揺るがすような欠陥じゃないだろうか。その理論的な根拠というのは、先ほど来税の事務的な処理の便法としてのお話はたくさん承りましたが、どうも理論的な、税理論としての御説明は私はないような気がするんですよ。この制度的な欠陥を十分に説明をされる必要があるのではないだろうか。大臣が論点として存在をするものを今後十二分に直していくんですよと言われている答弁について、私はその答弁の限りでは理解をしながら言っているのでありますが、今の尾崎さんの御説明を聞いていても、私は、消費税に大変な不満を持っておる国民の皆さん方は納得されるものではないだろう、やはり理解は示されないだろう、そういうふうに思いますね。
○尾崎政府委員 御承知の上でおっしゃっていることと存じますけれども、確かに九割五分ぐらいの事業者の方々が簡易課税選択ないしは免税点以下ということになるわけでございますが、そのすべての人が例えば簡易課税の適用によって利益を得ているということはないわけでございます。全法人の平均値をとりまして八〇%という仕入れ率をとっているわけでございますから、平均から外れている、付加価値率の高い方々にそういう問題が起きるという意味でございます。 そこのところが税理論としてどうもはっきり説明できていないという御指摘がございましたが、消費税という一つの税体系の中におきまして税の納付手続上の配慮、制度の簡素性ということから例外的に認められている特別の措置の部分でございますから、確かに消費税の理論から離れている部分のことを申し上げているわけでございます。その離れ方がちょっと甚だし過ぎないかということでございましたら、先ほど来大臣から申し上げておりますとおり、この一年間ようやく経まして全納税義務者が一度は納税をしたという時期になったわけでございますから、その間の資料をよく解析いたしまして、検討を加え、より合理的なももが何か考えてまいりたい、そういう段階に今私どもはあるわけでございます。
○和田(静)委員 そうなんですね。今の上に立って、例えば政府がお出しになっておる見直し法律案というのはこの機会にやめてしまって、そして総合的にもう一遍論議をし直したもので出し直したらいいではないか。我が党の武藤議員が述べました選択肢のうちの一つにあった。そういうような部分については既に論議があったところですからきょうはあえて突っ込みませんが、私は、この部分で先ほど来の答弁を聞いていてもどうしても納得ができません。九割方の業者が、ということは、つまりほとんどの事業者に対する消費税の預け金は、実は預かり金ではない。預け金というのは国民感覚からいっての話ですよ。それは預かり金ではない。消費税ではない。払った国民の側にとってみれば寄附金になってしまっている。これは私は消費税の創設理由そのものに反するのだと思うんですよ。租税の大原則である公平、公正にも当然反します。もっと突っ込んでみると、租税法定主義を定めた日本国憲法に反する疑いもあるのではないだろうかと私は実は思っているほどであります。 これは法律家の論争に少しは任せておきたいところですが、これらの点というのは主税局長、あなたのどの著の中にもやはりどうも明らかになってない部分なんですよ。ここのところはぜひ明確にしてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○橋本国務大臣 実は私はその主税局長の著書を読んでおりませんので、申しわけありませんがその主税局長の著書について云々する資格はございません。 ただ、今委員の御論議を伺っておりまして、私ちょっと感じておることが一つございます。委員が提起をされている問題には二つ問題点があろうと思います。 一つは、こうした課税ベースの広い付加価値税、消費税というものの中に免税というものがあっていいのかどうかという問題提起が一つあろうと思います。もう一つは、仮にその免税というものが存在をすることを認めたとして、その幅がどうかという問題がもう一つあろうと思います。 そして、先刻来その幅という点については、ですから私ども自身が一年間の実績を見た上で改めて御論議のデータを提供すると申し上げているわけでありますが、仮に、もし免税という制度をこうしたものに認めてはいけないんだということでありますならば、これは徴税コストその他の問題等の中で、我々としてはやはりこうした制度は必要だと思いますということを申し上げたいと思います。同時に、それはまさにフランス、西独、イギリス、韓国、それぞれ今手元にありますものを見ましても、その幅の大小はありますけれども、同様の制度を持っておるわけであります。 委員は、この会計処理、経理処理の点について一つの論点を提供されました。今、私は実は、西欧諸国の場合どういう経理処理がなされているのか、日本と同様にその売り上げに計上するのかしないのか、そうした点も含めて、実は西欧諸国の経理処理の実態を存じませんけれども、やはり私は、免税という制度が、その金額の差、大小はもちろんございます、それは私は認めております。しかし、免税という措置そのものがこうした税制において認められないということでありますならば、私は各国の例を見ても、こうしたものは既にそれぞれの国において定着し実施されている制度であるということを申し上げたいと思います。 経理処理の仕方については、私自身も今伺っておりますうちに、西欧諸国の場合どういう処理をしているのか、むしろちょっと調べてみたいという気持ちを起こしておりまして、私自身もちょっと一度調べてみたいと思います。
○尾崎政府委員 著書じゃございませんで、専門家の皆さんが分担して書きましたものを私がまとめたという、編ということになっているわけでございます。全く法令、通達に基づきましてただ淡淡と説明してありますのと、若干今度の見直しの内容をそれにつけ加えてあるものでございまして、確かに委員の御指摘のような点まで踏み込んで書いてはいないという、そういうものでございます。
○和田(静)委員 ここに、これは別に嫌がらせで言うつもりでも何でもないのですが、大蔵省の監修ないし発行の刊行物があります。その中で「今回、消費税の一層の定着をめざし、国民各層の声に広く耳を傾けて、消費税を見直すこととなりました。」と書かれています。そして政府の見直し法案をいろいろ調子よく、美しく説明した上で、「政府は以上のような消費税の見直しについての法案を国会に提出します。」 事実関係に間違いはありませんが、私たちは見直しではなくて廃止の法律案を出しておって、目下国政の最重要課題として国会で議論をしているわけであります。国会において法案審議をして結論を出すべきである問題なんですね、大臣。ところが、大蔵省の名前でもって、その国会論議の前に、見直すことになりましたということには私はできないはずなんじゃないかと思うのですが、これはどういうことなんでしょう。
○橋本国務大臣 昨年来、消費税について、本院また参議院においてさまざまな御論議がございました。そして、その中において私どもは、政府としての見直しをお約束をしてまいりました。また、私自身国民に呼びかけをし、御意見をちょうだいをいたしました。全国から一万九千通近い、しかも、それぞれ本当に御自分の言葉で消費税についての賛否、また見直してほしい点、おまとめをいただいたお手紙をもちょうだいをいたしました。そして私どもとしては、そうした声すべてを検討の対象とし、その上でこの見直し案を確定したわけであります。 その見直しの方向というものな政府として国民にお知らせをしようとして広報活動をしたわけでありまして、国会の御論議を経なければならない、それは当然のこととして、このように特記もいたしておるわけであります。
○和田(静)委員 この印刷物というのは、私は大蔵省からもらったわけでありますが、どこへどういうような形で配られたものなんですか。
○尾崎政府委員 いろいろの説明会等におきまして、説明の資料として使わせていただきました。それから、御希望の方に差し上げたりしております。
○和田(静)委員 国政の重要な課題として論議をすることがわかっている問題を一方的に、まだ見直しが決まったわけでもないのに、見直すことになったということを前提としながら、政府がその立場を利用しながらこういう印刷物を配るということ、中がすべて正確なら話は別でありますが、見直し案の解説的なものなどというものなら話は別でありますけれども、宣伝的なものに重点を置いたそういうものをお配りになるということ、これはやはり好ましいことではないだろう。これはもう撤回を強く求めたい、私はそういうふうに思います。もう長年の間何回となく、専制的な、政府にのみプラスになるような、国論を二分するような大きな問題についての宣伝というのは慎むべきであるという論議はたくさんあったところでありますから、十分にその辺は踏まえてもらいたいと強く要求をいたします。 そこで、我が党の武藤議員が、海部総理に対しまして幾つかの選択肢ということを述べられた。それに対して総理は、逆の立場にあったならば、武藤さんどれをお選びになりますかなどというような形での答弁があったのを記憶をいたしていますが、私はこの論議をずっと聞いていまして、与党の皆さんは与党の皆さんで、衆議院選挙の結果は消費税の見直し提案を、私は見直しとは思っておりません、若干の手直しぐらいの提案だと思っていますが、それを含んで世論は我が方に味方した、こう述べられている。それから、廃止法案を出している我々は、当然福岡の選挙なども踏まえながら、圧倒的な参議院選挙の勝利も踏まえながら、消費税廃止というものが国民世論であると思っている。 また、衆議院の選挙の結果も、選挙制度の上から来る自由民主党絶対多数という数だけではなくて、得票率で考えてみれば、自由民主党の得票率は四六・二%であり、私たち廃止の側の得票率は四六%であり、反対を含む進民連という院内組織ができていますが、進歩党まで含めば四六・八%が御存じのとおり消費税の廃止という大きな国民的な支持を受けた。したがって、そういう論議をいつまでやっておっても仕方がありませんが、日本において今ない制度の一つとして、私は一つの選択があると思うのであります。 それは、真実、今世論が消費税について廃止であるのかどちらであるのかという結論を出すのには、国民投票を行うということが一つ大きくクローズアップしてもいいのだろう。海部内閣はそれぐらいの考え方でもって、私はこれこそが選択されるべきやり方だろう、こういうふうに考えています。総理と十分御相談の上答弁をお願いをしますという通告を大蔵大臣に申し上げてありますので、海部内閣としての御見解を承りたいと思います。
○橋本国務大臣 今委員がお述べになりました昨年の参議院選におきまして、私は与党の責任者として真正面から消費税の見直しを訴えながら戦い、結果として結党以来の敗北を喫しました。そして、その時点における国民の非常に厳しい御批判というものを我々は消費税だけのものとは受けとめておりませんでした。むしろリクルート事件その他、非常は厳しく自由民主党として反省を迫られておる問題があったことを私は心にとめております。 しかし、野党の皆さんはその後、消費税廃止が国民の意思であった、この点を強調をされました。私どもは必ずしもその見解そのとおりと思うものではありませんけれども、敗北したものとしてその御批判というものは素直に受けとめてきたつもりであります。そして、政権政党として責任を持って見直しをお約束をした以上、その努力を全力を尽くしてなすべきだと考え、私どもとして一番国民の方々の声を直接にちょうだいできる方法として、お手紙をいただきあるいは電話をいただくといったこともいたしながら、私どもなりの見直し作業というものに全力を尽くしてまいりました。 そして、衆議院選において自由民主党はこの見直しという考え方を打ち出し、総理・総裁以下、私どもまさに国民に対してその見直しというものを訴えてまいりました。また、野党の党首の方々も、これによって、この衆議院選によって消費税の決着がつくんだという言い方でこの選挙戦に臨まれたことも事実であります。そして、幸いに私どもは安定多数を与えていただきました。そして、今我々として、御審議をいただくべくこの見直し法案というものを提出し、現に御論議をいただいております。我々としては、この私どもの考え方を本当に御理解をいただき、一日も早い国会における議了というものをお願いを申し上げておるわけでありますが、各党のお立場の中でこの問題が厳しい論議にさらされていることも事実であります。 しかし、今委員がお述べになりました国民投票というお話でありますが、これは間接民主主義を採用している我が国として憲法上設けられておらない仕組みでありまして、私どもは憲法のもとにおいて行政の責任を担う者として、憲法に反する仕組みを云々することはできないと考えております。
○和田(静)委員 まさに国論を二分する非常に大きな重要な課題について直接民主主義的な手法というものがしっかり取り入れられる、そのことを日本国憲法は否定をするものではないものである以上、これは十分考慮に値することであろうというふうに私は考えますがゆえに、強く提起をいたしておきます。 昨年、平成元年十一月二十一日午後三時過ぎに、自由民主党の小沢幹事長は経団連会館七階にある斎藤会長の部屋を訪ねられて、自民党としては今度の選挙俺は何が何でも勝たなくてはならない、そのためには金が必要であります、党が各業界に今回限りで緊急の支援を頼んでいますので大目に見てほしいと依頼をされた。この各業界への特別献金の依頼というのは、当時伝えられるところによれば、自動車業界五十億円、電機業界五十億円、建設業界三十億円、都市銀行十億円、証券、生損保に五億から十億円で、合計百六十億円前後、こう言われました。自動車、電機は消費税導入、物品税廃止で相当潤ったはずである、その恩義からも相当献金していいはずという思いがどうもあったとこれは言われています。 財界首脳は、企業にとって政治献金は汚職、背任のはざまを綱渡りするようなもの、もうけに結びつけば贈賄、そうでなくて出せば背任になる、小沢さんらにはそこをよく考えて、法令の範囲でやってくださいとお願いをしたという話でありました。 したがって、消費税導入、物品税廃止で潤った業界をねらい撃ちして特別献金を要請したやり方というのは、どうもすれすれということになるようでありますが、消費税導入がこういうような一党の党利党略に利用されるというのは、国民にとっては極めて遺憾なことであります。事の真相はどこにあるのか、私たちは十二分にこれは知りたいところです。土井委員長に対する参考人要求が出されたことでもありますが、私は、小沢幹事長と斎藤経団連会長を参考人としてこの委員会に呼んでいただきますように委員長に強く求めます。
○橋本国務大臣 委員長としての御見解を述べられます前に、私から一言この点については申し上げたいと思います。 この場には、答弁の責任を持つ者は政府のみでありまして、今委員がさまざま述べられました諸点について、党としてお答えを申し上げられる立場の人間はおりません。そして、今委員が述べられました問題は、私どもとしては承知しないことでありますけれども、公党の名誉にも関する問題であります。どうぞそうした点をも十分踏まえた上で、理事会における御検討をお願いを申し上げます。
○山崎委員長 参考人要求に関しましては、理事会において協議いたします。
○和田(静)委員 政府の提案されています消費税見直し法案の提案理由では、「高齢化の進展を踏まえ安定的な税体系を確立する」ということになっているわけであります。二つの目的の一つとして、つまり重要な目的としてここのところを掲げていらっしゃるのでありますが、この「高齢化の進展を踏まえ」というのはどういう意味でしょうか。
○橋本国務大臣 「高齢化の進展を踏まえ」と申しますのは、まさにその言葉のとおりでありまして、委員よく御承知のように、我が国は今日超高齢化社会に向かって進んでおる、その事実はよく御承知のとおりであります。そうした状況の中において、たしか本院においても御論議があったと記憶をいたしますけれども、その高齢化というものは、国民の費用負担の増を招くものか、それともそれには余りかかわりのないものか、従属人口を中心にしての御論議もございました。そして、その御論議を提起されました委員からは、超高齢化社会においても従属人口に大きな変化がないというところに着目をされ、高齢化社会における費用負担が必ずしも増大しないのではないかという御見解を示されたと記憶をいたしております。 しかし私どもは、高齢化が進めば進むほど年金の受給者もふえていくわけでありますし、また高齢者の稼得能力はだんだん減少をいたします。また、高年齢になればどうしても有病率等も高くなります。そして長期慢性疾患がふえますと、医療費というものは増大するわけであります。一方、今日までの経験の中で、若年人口の減少は必ずしも教育負担の減少にはつながっておりません。こうした状況を考えれば、高齢化社会における費用負担のあり方というものについて今日既に考えておく必要がある、私はそのような意味でその言葉が使われたと理解をいたしております。
○和田(静)委員 生産年齢人口と高齢人口との比率がしばしば予算委員会等でも説明に使われてきているのを記憶するのでありますが、どうも私は、それは正確な考え方ではないのではないだろうかという感じがするのであります。もし比率を私たちが考えるのならば、総人口と就業人口を比較するのでなかったならばおかしいのではないだろうか。 政府側のこの資料でも、一九八五年で総人口一億二千百五万人で、これを就業者数五千八百万人分で削れば二・〇八、二〇〇〇年も二・〇八、二〇一〇年で二・一〇、つまりほとんど変わらない。この数字は就業者、働いている人口がどれだけの人を支えるかという問題ですが、ほとんど変化がないということになっていますね。高齢化の進展というのは経済的には扶養の問題になりますが、それは今後ほとんど変化ないと予測されている、そういうふうにこれは理解していてよろしいですか。
○橋本国務大臣 今資料を改めて点検をいたしておりますけれども、一九六〇年における生産人口と従属人口の対比は八四・三でありました。そして一九八七年のこの比率は六四・一まで低下をいたしております。しかしこれから二〇〇〇年には六六・四、二〇一〇年には七九・六、二〇二〇年には八六・九ということでありまして、従属人口比率はいわば現在がボトムの状況であり、今後上昇すると思われます。 しかし先ほども申しましたように、歳出面でこれまでの推移を見てまいりますと、高齢者人口の 増加及び施策水準の向上による社会保障関係費の伸びと申しますものは、一九六〇年が一・二%でありましたものに対し一九八九年度は二・八%、はっきりと伸びておるわけであります。これはまさに年金であり、あるいは医療であり、こうした分野における負担というものが当然予測されることであります。しかし同時に、年少人口が減りましても、施策水準の向上などによりまして文教関係費というのは本当に減っておりません。六〇年度が一・二%でありましたものが八九年におきましても一・二%であります。 そして、今委員は就業人口をとらえられたわけでありますけれども、就業者人口というものの総人口比というものは今後もほぼ横ばいで推移するでありましょう。しかし、やはり就業者一人当たりの社会保障費というものは増加するわけでありまして、こうした点は、私どもは高齢化社会というものを考えていく上で当然基礎のデータとして顕に置いております。
○和田(静)委員 行革審がいろいろ動きがあるのでありますが、財団法人国民経済研究協会の調査によると、民営可能な公社公団として日本輸出入銀行など政府系金融機関、それから道路公団、石油公団など、それにJR、たばこ産業など特殊会社、事業団体の三十三機関を挙げていますね。現に民営化した機関はもちろんこの中にあるのですが、今後、新行革審との関係もあると思いますが、民営化を検討すべき機関があるというふうにお考えになっていましょうか。
○塩崎国務大臣 お答え申し上げます。 和田委員御指摘のように、もう既に昭和六十年から日本専売公社を初めといたしまして七機関につきまして民営化したことは御案内のとおりでございます。先般提出されました第二次行革審の最終答申におきましては、この点を取り上げまして、「特殊法人等については、当該法人の事業の性格や同一事業分野における民間事業の展開状況等を踏まえ、民間事業として実施可能なものは、民営化することを原則とする。」という御指摘をいただいているわけでございます。したがって、これはどういうものをどういうふうにするということは全く言っておりませんが、今示されましたような基準で検討していくべきであるということだと思っております。
○和田(静)委員 三十三機関プラス郵貯で三十四機関ですね。これを売却すると、百七十一兆円ないし二百九十四兆円になるという計算をしています。大蔵省、当然目にとめられているわけですが、大蔵省の判断としてこの数字、百七十一兆円ないし二百九十四兆円といえば国債を全部返して借金なし経営ができるのですが、そういうような政府の資産があるというふうに考えていますか。
○藤井(威)政府委員 ただいま総務庁長官の方から御答弁ございましたように、今後どういうような機関について民営化していくかということについての具体的な計画なり案なりが現在あるわけではございません。したがいまして、我々の方でもどういう形での民営化が行われるのか、どんな機関が行われるのか、そういうことについての前提を全く持っておりませんので、今おっしゃいましたような計算を内部的にもやったことはございません。
○和田(静)委員 国民経済研究協会が調査結果としてそういうことを出した段階で大蔵省が無関心であったということはちょっと信じられない御返事ですけれども、また、これは通告もしてあったところですからね。この辺のところは、財政健全化問題との兼ね合いで私は見逃すことができない提言だと実は思っておりますので、つけ加えておきます。 日本の法人は、昨年百八十五万一千六百七十三社、このうちの九十五万七百社、実に五一%が法人税払っていませんね。この数字は、サラリーマンなど所得税を払っている人間から見ますと、まず全員がおかしいと思っているであろう異常な数字だと私は思うのです。本当に毎年毎年赤字だとすれば、日本の企業というのは軒並み経営危機ということになるが、もちろん倒産する企業はごく一部であります。 法人は、サラリーマンにはできない経理操作ができる。そこで借入金をふやしたり、さまざまな事業活動以外の投資をする、また広い意味では、ぜいたくは事業活動を活発にして日本の消費拡大に貢献しているのかもしれないのでありますが、庶民感覚、サラリーマン感覚からして割り切れない場合も非常に多いと思うのです。一体連続して、例えば五年続けて赤字の会社はどれくらいあるんでしょうか。それに対して一定の課税措置を考えるべきではないかと思っているんですが、大臣、いかがでしょう。
○龍宝政府委員 御指摘は、法人の中の赤字申告割合の推移五年間ということでございます。 六十三年が一番新しい数字でございますので、六十三年が御指摘のように五一%でございます。六十二年が五一、それから六十一年が五二、六十年が五五、五十九年が五五、大体こういうパーセントになってございます。 私ども、こういう赤字法人に対して、連年赤字申告が続くということはやはり課税上問題があるのではないかというふうな観点から、赤字法人につきましても的確な調査を行っているところでございます。 実際問題といたしまして、赤字法人の中には、もちろんその業況が悪いということで赤字になる場合もありますし、それから、例えば代表者の個人的な経費を法人に回すというようなことで、これは不正でございますけれども、そこで赤字になっている場合もございます。私どもといたしましては、こういう赤字法人につきましても、税務の執行上的確に調査をして是正を図っていきたいというふうに考えております。
○和田(静)委員 大臣、いかがでしょう。
○橋本国務大臣 過去の議論をチェックしてみますと、赤字法人に対する課税のあり方につきまして次のような意見が述べられております。 一つは、赤字法人課税というものを法人税として考える場合、基本的に所得課税として法人税の枠組みを超えるという問題があるという指摘であります。もう一つは、公共サービスに対する応益負担という観点から、赤字法人に何らかの外形標準による負担を求めてはどうかという考え方でありますが、これは、赤字法人といえども地方税としての住民税均等割や固定資産税を納めている、これとの関連を踏まえて議論すべきである、こういう見解がもう一つあります。 また、これは問題なんですけれども、赤字法人の中には、黒字であるにかかわらず意図的に赤字申告をしているものがある。こういうものに対しては、税務調査の充実、執行面で引き続き努力せよ、これは当然のことでありますけれども、こういう御指摘がありました。 しかし一方、最近における赤字法人の諸般の経費支出の状況を踏まえると、交際費などの任意的な経費支出の損金算入については見直しを行うなど、所得課税の枠内で所要の措置を講ずることを検討してもいいのではないか、そういう御意見もいただいております。 また、六十三年十月十七日、与野党の協議の場におきまして与党側から、この赤字法人課税について、結論的には「赤字法人に適切な社会負担を求める具体的方策については、なお引き続き検討する。」という回答が野党に対して提示をされておりました。 こうした御見解が従来から示されておりまして、政府としては、税制調査会で示されました先ほど来の御意見等を踏まえながら、また、公党の間において行われました税制協議の中で出てまいりました御意見というものを踏まえながら、今後適切に対応してまいりたいと考えております。
○和田(静)委員 私、十項目ばかりの資料要求をしまして、その中でどうしても出せないということでありましたから、この平場でどういうお答えがいただけるのかわからないんですが、法人課税のあり方については、私は総合的にメスを入れる必要があると思っております。当然私たちは消費税廃止の立場でありますから。 そこで、一、二具体例で伺いたいのですが、アラビア石油が創業以来三十年間、日本では、国内では法人税を払っていないと推定されますが、いかがでしょう。あるいは大手商社の三菱商事も同様であろうと推定されますが、いかがでしょう。文芸春秋の記事によりますと、国土計画も大正九年の創立以来法人税を払っていないのではないかと言われているようでありまして、ここのところ、非上場企業ですが、西武グループの中核企業で、グループとして日本で一、二の大不動産会社、これがもし今指摘をされているようなことであるとすれば大変疑義に感ぜざるを得ないのでありますが、これらは通告をいたしておきましたが、いかがでしょうか。
○龍宝政府委員 今先生から個別の企業についての納税状況についてのお尋ねがございましたけれども、私ども個別の法人の納税状況についてお答えすることは、立場上差し控えさしていただきたいと思います。 ただ、一般的に申し上げますと、例えば石油鉱業で考えてまいりますと、海外で石油の採掘をしておりますので、その国で我が国よりも高率の課税が課されていて、そういう関係で外国税額控除が行われるという場合もございます。あるいは商社はつきましても、海外に支店とか子会社を設ける、そういう場合は、海外からの所得が多額な場合にはその所得につきまして海外で法人税が課される、こういう状況がございます。ただ、総合商社のほとんどについては我が国で納税をしているというふうに私ども把握をいたしております。
○和田(静)委員 日本の代表的な大企業が、個人では所得税に当たる税金を、今言われましたけれども、他と比較してみたらわずかには負担をするようにだんだんなってきているんですね、何回か指摘をしてきましたから。ほとんどゼロというところはなくなってきましたけれども、わずかには負担、その比率というのは大変に少ないものでありまして、今時間がなくなってきましたからそれは言いませんが、税制の仕組みとしてはそれらのことが説明できても、国民の常識としてはどうもそれは納得できない、そういう状態に置かれていることは間違いがない。そして、それらの大企業というのは公共財を他よりも多く使っているわけですね。隠然たる政治力もあるらしい。つまり、他の企業より以上に税金を納める社会的責任があると言ってもよいだろうぐらいに私は思っているんですけれども、大企業が法人税をわずかしか負担をしない、売り上げに比較して少額しか払わない。中小企業や個人所得者に納税意欲が減退をしていくのは、消費税を含んで当然のことであるという状態が、法人税制の中に私は見ることができると思うのです。 大蔵から、私、ここのところはいただいた資料で、資本金十億以上の法人で法人税を払っていない法人というのは八百十八社ありましたね、おたくの資料。もしこの法人が他の同規模の企業並みに法人税を払ったとなると、一兆六千五百八十六億円にもなるわけであります。そうすると、私は、大企業の法人税のあり方について検討すれば、消費税は要らなくなる額などというようなものは簡単に出てくるような感じがいたしますが、ここのところは大蔵省は何か見解をお持ちですか。
○尾崎政府委員 赤字法人につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、最近、例えば諸般の経費支出の状況等を考えて、例として交際費と申し上げたかと思いますけれども、損金算入についての見直しなどを行うという考え方もあるということを申し上げました。 それから外国税額控除の関係でございますけれども、御指摘のような御意見を踏まえまして、六十三年十二月の抜本改正の際に、国外所得の割合が著しく高くて九〇%を超えるような法人であったといたしましても、最低全所得の一〇%程度は国内本社の貢献により発生したと見るということといたしまして、全所得について世界各地の所得を全部合わせて黒字である企業でありますと、国内分が非常に少ないものでありましても、最低限その一割については我が国で納税を行うというような制度も設けたところでございます。 ただ、基本的に外国税額控除の問題は、租税条約等の関係もございます。また、国際的な慣習もございます。それから、所得税でございますから、基本的に所得の発生、所得税の枠内で所得が発生していない企業に対する課税というのはなかなか難しい面もあるわけでございますけれども、御指摘のような趣旨を踏まえまして、いろいろな点から検討を加えてまいりたいと存じます。
○和田(静)委員 行革審の最終答申で、財投資金及び民間活力の活用を推進すると書かれているわけであります。これについて、まず大蔵省で財投債といういわば第二の国債の発行を検討を開始したというふうに仄聞をいたしますが、それはそういうことでしょうか。
○橋本国務大臣 我々は財投債というものの検討はいたしておりません。これは将来、公的資金の統合管理、運用による資金調達のみでは財投原資が不十分な場合に、預託義務を前提としながら財投債により追加的、補完的に資金調達を行うという、いわば今後の検討課題としての御指摘だと受けとめておりますけれども、今現在の時点において、そのような手段によって財投原資の調達を行わなければならないような状態にありません。そして、我々は全く現在そういう具体的な検討はいたしておりません。
○和田(静)委員 これは総務長官、簡単に。 そうすると、この文章が出てきました、財投債の発行を検討した。報道によれば、検討もしないのに文章になっているじゃないかというような報道ももちろんありますね。ここのところはさっぱりわからぬところですが、議論が行われた結果これが出てきたんでしょうか。
○塩崎国務大臣 私は古い時代のことをよくわかりませんけれども、今般御質問の様子を伺いましたので調べてみましたが、やはりこれは最初から論議があり、特に小委員会におきまして論議があったわけでございます。しかし、それは先ほど大蔵大臣が言われましたように、国家百年の大計と申しますか、将来の財投資金が不足するような場合に備えてこういったことを考えておこうというような将来的な考え方であったと伺っております。
○和田(静)委員 いずれにしても、この段階で第二の国債、財投債を発行するなどということは認められるものでもないだろうと私は思います。 太陽神戸三井銀行の合併発表前に、旧太陽神戸銀行の役員が自社株ないし三井銀行株を買ったという、これ実は私にも投書がありまして、大蔵省にお聞きしましたら、東京証券取引所で調査をされたが、売買行為があったかどうかということは別問題としても、インサイダー取引という側面からは余り問題はなかったのではないかという御返事をいただきました。 しかし、さきに日新汽船のインサイダー取引でも、東証はその事実なしと結論を出していたが、後日捜査当局が調べて立件をしていますね。したがって、大蔵省というか東証の調査能力が弱いと、ここの部分も誤りを犯すのではないかと思うのですが、警察はこの件に関心をお持ちでしょうか。
○中門政府委員 お尋ねの事案につきまして各種の新聞報道等がなされていることは承知しているところでございますが、一般論として申し上げますならば、株の取引をめぐりましてインサイダー取引等の不公正取引で刑罰法令に触れるものがあるかどうかということにつきましては、平素から関心を払っているところでございます。
○和田(静)委員 さきの太陽神戸三井銀行の合併の影響で、第一勧銀でさえさらに合併を検討すると言っている報道がありましたね。今後都市銀行の合併がなお進む可能性があるようは私は感じます。 一つ具体例で、東京銀行が三月十五日に頭取の交代を発表した。井上さんが相談役になって大蔵省OBの柏木会長が留任をされるという異例人事だ、こういう報道がありました。東銀は南アメリカ諸国などに回収不能の巨額の累積債務を抱えているわけでありますが、これについては大蔵省にも一半の責任があるのではないだろうか、行政指導上の。したがって、今後の人事にも大蔵省はそれなりの考えがあると見られているのでありますが、いかがですか。 きょうはそれ以上に立ち入ろうとは思わないのですが、東銀は都市銀行と合併する以外再建の道はないという見方もあるのでありますが、ここらのところはお答えができるのならばきょうはお答えをしていただきたいし、大蔵省としてどういう支援をされていくつもりなのか。
○土田政府委員 合併についてのお尋ねから始まりました御質問でございますが、これはかねがね申し上げておりますけれども、金融機関の合併につきましては、個々の金融機関が経営判断によって自主的に対処すべき問題でございます。私どもは一般的には、今後の金融自由化の進展、金融の機械化に対応というようなことでいろいろな投資コストなどを勘案いたしますと、合併が経営基盤の強化とか競争力の確保を図るための有効な手段の一つとなることは考えられますので、私どもとしてもそのような適切な合併につきましては、地域における預金者の利便や資金の需給に十分配慮しながら、その円滑な実現に協力してまいる考えではございます。 ただ申し添えますと、これはあくまでも一般論でございまして、現在御質問のような趣旨からの具体的な合併の話について、何ら承知しておるわけではございません。 また次に、対外債務問題、累積債務問題の銀行経営に及ぼす影響というテーマについて御説明を申し上げますと、これにつきましては、カントリーリスクの増大に対応いたしまして銀行経営の健全性を確保するという観点から、銀行の累積債務国向け債権に対する引当金制度としまして、銀行経理上、特定海外債権引当勘定を設けておるところでございます。それで、これにつきましては逐次これまで繰入額を引き上げてきたところでございますが、本年一月には、銀行が自主的に債務問題の対応力を高められるように、操入額の上限をそれまで定めておりましたのを撤廃いたしましたところでございます。 このような措置によりまして、平成元年度決算におきましても、銀行の累積債務国向け債権につきましては適切な対応が図られているものと認識しておりますので、対外債務問題から個別銀行について経営が行き詰まっておるというような状況にあるとは考えておりません。
○和田(静)委員 一昨日、国際航業の元取締役四人が脱税の容疑で逮捕されたといいますね。時間がなくなりましたので、その詳細はもう連日報道されていますから抜くとして、仕手集団光進による株買い占めに対抗して、国際航業側が自社株を防戦買いしたときに、その責任者として株購入の指示を出していた人が、容疑者の一人であった。その防戦買いの責任者が、自分自身も株を売買して多額の利益を上げていたということになると、これは明確にインサイダー取引に当たると思いますが、ここはいかがですか。 二つ目に、この四人の容疑者が当時の所得税法での非課税枠を悪用して数億円もの脱税をしていたということになるのですが、株取引に対する原則課税が導入された現在の税制のもとで、このような悪質な脱税というのは起こり得ないのかどうか、これは消費税導入との関係があるわけであります。また、当時の税制と現在の税制のもとでの四人にかかる税額というのは、これは明示できますか。
○井嶋政府委員 お答えいたします。 国際航業の元関係者による所得税法違反事件につきましては、かねてから国税局の告発を受けまして捜査をしてまいったところでございますが、一昨日捜査に着手したということでございます。詳細は省略いたします。 御質問といたしまして、インサイダー取引の疑いがあるのではないか、こういう御趣旨の御質問でございますが、いずれにいたしましてもこれから捜査を行ってまいる事項でございまして、そういった過程の中で一体どのような犯罪の嫌疑が出てくるか、あるいはそれをどのように処理すべきかということは、もう御承知のとおり検察に判断が任されることでございまして、私どもから申し上げる立場にはないということを御理解いただきたいと思います。 なお、後段の御質問は、大蔵かと思います。
○龍宝政府委員 お答えいたします。 国際航業の元役職員についての所得税法違反、これについて税制が変わった場合に新しい税制と前の税制でどういうふうに脱税額が変わるかというお尋ねでございますけれども、私ども個別にわたる事項でございますので、お答えすることは従来から差し控えさせていただいておりますし、また仮定の計算で税額その他を計算することもできませんので、お尋ねについてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○和田(静)委員 けさの報道によりますと、例えば国際航業は自治体工作に八千万円使った、それから政治家工作にも、政界関係者の接待などにもそれが含まれている。それから小谷氏の借金返済に当たって大手都市銀行が介在をした、また政治家並びにその関係者も介在をした、こういうことになってきているわけでありますが、ここの事実関係というのは今述べられますか。 また、法務大臣、これについて法務大臣としては重大な関心を持って、自治体の問題であろうが都市銀行の問題であろうが政治家であろうが、十分な対応をやっていかれるのだと思うのですが、それはそういうふうに理解してよろしいですか。
○長谷川国務大臣 お答えを申し上げます。 検察は従来から、いかなる事件であれ、常に厳正公平、不偏不党の立場でその職責を果たしてきており、私どもは信頼しているところであります。 今回、国際航業事件について、現在東京地検において、同社の株式にかかわる脱税事件の解明のため鋭意捜査を行っているところであると承知をいたしております。 私としては、検察のこの捜査を見守っていきたいと考えておりますが、他に刑罰法令に触れるような事実があれば、適切に対処するものと思います。 以上であります。
○和田(静)委員 ウィングの富嶋次郎前社長が国外に逃亡中であると言われていますね。本件に関して彼が果たした役割というのはどういう役割であり、今捜査は国際的な警察機構への協力を含んで、どういう形でもって国外に対する対応をされていますか。
○井嶋政府委員 先ほども申し上げましたけれども、御指摘の御質問はいずれも捜査の具体的事項にかかわることでございます。したがいまして、捜査の密行という原則から、この場で申し上げるわけにはまいりません。
○和田(静)委員 自治体に対するところの、しかもこれは一九八七年前後に地方自治体からの事業受注に関して約八千万に上る工作費を使っていた疑いがある、こうなっているわけでありますが、これは自治省、自治体監査その他の関係でこれらのことが過去において浮かんだ、そういうようなことはございましたか。
○湯浅政府委員 突然の御質問でございますが、その問題につきまして私どもはちょっと承知をいたしておりませんので、御了解いただきたいと思います。
○和田(静)委員 先ほど法務大臣から御答弁いただきましたが、検察当局にもう一度お尋ねをいたしますが、インサイダー問題にしろ、あるいは都市銀行の介在問題にしろ、政治家の介在問題にしろ、あるいは自治体の問題にしろ、捜査の方針をここで示されるということにはなりませんでしょうけれども、これらすべてについて十二分な捜査を続行される、そういう決意でいらっしゃるわけですか。
○井嶋政府委員 現に捜査中の事件でございますために、先ほど来のような御答弁をしておるわけ でございますが、もちろん、今後この事件がどのように進展してまいるかということも含め、私どもとしては予測の限りではないわけでありますが、いろいろな捜査の進展の中で刑事罰則に触れるような事実があった場合に、検察は厳正公平の立場で適切に対処するものであろうというふうに一般論としては考えておるわけであります。
○和田(静)委員 この消費者やらあるいは中小事業者の負担が大きい消費税を導入する一方で、一部の人たちがこういうような形での大型脱税をやる、あるいはインサイダー取引などを行える状況を残しているうちは、これは仮に政府の見直し案が成立するようなことが万が一あっても、それはありませんが、消費税に対する一般の国民の理解は得られないと思うのですね。 残念ながら事件の内容について十二分な説明をしてもらえない状態でありますが、新しい法律ができて、この脱税についての前者後者との対比もできない、そこは無関心であるのか、あるいは発表できないだけなのか大変疑問でありますけれども、そういうような状態では私は困ると思うのであります。こういうような事件が次から次と起こってきているということに対して、私たちは政府に対してやはり深刻な反省を求めながら、今後の善後策について十二分な対応を促したいと考えます。 何か御所見があれば、政府を代表して……。
○橋本国務大臣 この国際航業の事件と申しますものについて政府の責任と言われましても、これは少々答弁に苦慮いたします。 ただ、昨日本院を既に通過し、参議院で証券取引法の御審議をいただきました際に、五%開示ルールの問題でありますとかそのほかの御論議の中においてこの問題に触れられた論議がございました。そして、やはり証券取引市場というものが国民の信頼を得るための今後の証券局としての監視体制、審査体制というものにつきましてもさまざまな御注意をいただいたところであります。 同様の御指摘というものは、今回の現に捜査中の事件とはかかわりなしに、本院における御審議の際にも私どもとして委員からの注意をいただいておるところでありまして、市場が健全に育ってまいるように、行政当局としても努力をいたすつもりであります。
○山崎委員長 これにて和田君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ────◇───── 午後一時九分開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑を続行いたします。日笠勝之君。
○日笠委員 税金、租税、税調、こういうことで議論をされておるわけでございますが、原点に戻りまして、税金の「税」というのは一体どういう意味があるのか、国語学的でございますけれども、大臣いかがですか。
○橋本国務大臣 そういう御質問があるということでしたので、改めて辞書を当たり直してみました。そうしてみますと、例えば岩波書店の広辞苑には、税とは「国費・公費支弁のため、国家・地方公共団体の権力によって、国民から強制的に徴収する金銭など。」といった字義とされております。もっと拾えば幾つか、そのほかの辞書も探しましたけれども、よろしいですか。
○日笠委員 いいです。私が引用しますのは学研の漢字源という辞書でございます。税金の「税」の会意形声、意味でございますが、解字といいます、「解」という字と「字」という字、どういうふうにしてこの「税」という字ができておるのか。これはまず、のぎへんですね、のぎへんに、昔は「八」の字を書いて「兄」という字を書きます。のぎへんは、この辞典を見ますと収穫物である、そして「八」は左に右にはぎ取るという意味だそうでございます。「兄」という字は頭の大きい人、頭のいい人、今の大蔵省の方々のような方でございます。ですから、この字源は、収穫物を左に右に頭の大きい人がはぎ取っていく、これが税金の「税」という字源だそうでございます。 この委員会でも、イギリスの議会ができたのは、この税金の問題からできた。そしてまたフランス革命、アメリカ独立記念日、皆この税金をめぐっての闘いであったということでございます。庶民は税金の問題に命をかけて闘うこともあるわけでございます。 なら、日本ではどうか。日本では、五公五民であればお百姓さんも何とか我慢する。六公四民となればこれはもう食っていけないということで、百姓一揆が多発をするわけでございます。 そこで、実は「城と女」という毎日新聞から出ておる本でございます。江戸時代の俗に言う島原の乱、これは大蔵大臣も幼かりしころ学んだと思いますが、いわゆるキリスト教徒の反乱である、宗教一揆である、こう言われました。しかし、この本を読みますと、実は江戸時代に既に日本にも消費税があったわけです。 どういう消費税かというと、「島原の松倉藩ではたばこの木を植えれば葉の半分、ナス一本にも実何個とこまかく税金がついた。囲炉を作れば囲炉税、棚を作れば棚悦、窓には窓税がかかった。子供が生まれれば頭税、」人頭税のことですね、「死人が出れば穴税」これがいわゆる島原の松倉藩の消費税でございます。ですから、日本にも消費税があって、島原の乱では、結局食えなくなった民百姓が原城に閉じこもって、何と三万数千人の方が虐殺されたわけであります、幕府に対抗したと。ですから、税という問題は本当に大変に大きな国民の合意を得なければならない問題でございます。 そこで、私は、まず税制というものは、公平で公正で簡素で中立と国際性ということが税理念だろう、こう言われております。この税理念から見て消費税は一体どうなんだろうか、このことを検証をしていきたいと思います。 まず、公平という観点からでございますが、自治省の方にお伺いします。現在地方公共団体で上下水道、家賃、こういうものに消費税を転嫁してない団体がいかほどございますか。
○持永政府委員 消費税の転嫁の問題でございますけれども、ことしの四月一日現在でございますが、今お示しになりました上水道等について申し上げますと、例えば都道府県、指定都市の場合、上水道事業につきましては三十七団体中三十一団体転嫁しておりますので、六団体が残っておる。それから市町村について申し上げますと、水道では千七百七十九団体のうちで千五百一団体が転嫁しておりますので、二百七十八団体がまだ転嫁をしてない。こういう状況でございます。同じく市町村の下水道について申し上げますと、八百二十七団体中五百八十団体が実施をしておるということでございまして、二百数十団体がまだ転嫁していない状況にある。こういう状況がございます。
○日笠委員 広島市は上下水道に消費税を転嫁をしておりました。しかし、政令都市で唯一広島市だけが転嫁をしておったということで、これを市議会で非課税にしようということで今度の六月定例議会でそのような方向になるそうでございます。 転嫁をしなければいけない、税制改革法にも、国は転嫁をするようにきちっと指導する、こうなっていますね。自治省としては、この公共団体の中で非常に不公平感がある、課税されている団体もあれば課税されてない団体もある。どのようにお取り組みでございますか、自治大臣。
○奥田国務大臣 今御指摘ございましたように大体八割方、特別会計事業もありますけれども、府県、自治体、政令都市含めて七割という台のところもありますけれども、残念ながら全部やっていないのが実態でございます。しかしながら、国のそういった改正に伴い適切に消費税転嫁を行っていただけるよう指導してまいっておるところでございます。大体現在のところは、一部を除いてそういった方向で協力をいただいております。
○日笠委員 八割ですね、あとの二割は非転嫁ですね。広島市のようにやめちゃおうかというところも出てきておるわけです。これを不公平と言わずに、どうなんでしょうか。同じ水道料金でも、課税しているところもあれば課税していないところもある。大臣、御地元の大票田、倉敷市でございますが転嫁しておりません。そういうことで、この転嫁がされてないということはまことに不公平感を生ずるわけでございます。 極端なお話をしますと、私の岡山市のさくら住座というところがございますが、県営住宅と市営住宅が並んで建っていまして、県営住宅と市営住宅は全く同じ間取り、同じような建て方でございます。しかし、県営住宅は転嫁をして市営住宅は転嫁していない。同じ地域で、目の前にある県営住宅は転嫁し市営住宅は転嫁していない、こういう不公平感があるわけでございます。そういうことをまず御指摘を申し上げておきたいと思うわけでございます。 そして次は、逆進性でございますが、これも当委員会で何回も論議をされております。日本生活協同組合連合会の家計の実態調査がこの消費税について集計がまとまり公表されたところでございます。この家計調査を見まして逆進性がやはりある、このように私は思いますけれども、どうなんでしょうか。
○尾崎政府委員 消費税が所得に対して逆進性を持つということはそれはそのとおりであろうと思います。私ども、所得に対して逆進性を持たないと申し上げたことはございません。ただ、家計簿等から消費税を計算いたしますと、どうしてもその背後に隠れてしまっております旧物品税等の減税、それの影響というのは計算上あらわれてこないということも御留意願いたい点でございます。
○日笠委員 私は、こういう民間団体が逆進性ということで一年間丹念に調査をされた、これは敬意を表するわけですが、実は大蔵省の方も、この消費税が家計に及ぼす影響ということで五分位に分けられたり、百万単位の収入の方々の分類でもって、このように消費税の負担がかかりますと、こういう仮定計算をされましたね。これは検証されたのですか、その実態はどうだったのか。いわゆる仮定計算だけで、予算であれば決算がなければいけませんね。この検証はされたのでしょうか。
○尾崎政府委員 標準的な世帯を用いまして、あるいは家計調査を用いましてモデル計算を行っていたということは御指摘のとおりでございます。 消費税の影響というのは、端的には物価の状況にあらわれるわけでございます。消費税は対価の一部となるわけでございますから、価格に反映されるわけでございますけれども、消費税実施後の消費者物価の上昇の状況等を見ますと、大体私どもが想定しておりました範囲内の影響であったというように考えております。
○日笠委員 そういうアバウトな論議ではなくて、モデル計算、仮定計算を出して、国民に年収これぐらいの方はこれぐらいの負担ですよと、こう公表したわけですね。ならば、予算であれば、決算で実態はこうでしたときちっとやるべきじゃないでしょうか。そういう結果を国民に公表すべきだと私は思いますが、やられる御用意がございますか。
○尾崎政府委員 仮定計算はそのときございました家計消費等の統計を用いてやっているわけでございまして、予算でも何でもないわけでございます。こういうような家計消費の状況であれば影響がこのぐらいになるだろうという計算をしているわけでございますから、予算、決算のような意味での対応性を持った結果というのはつかみかねるわけでございます。つまり同じ家計調査が同じ年に行われるということはあり得ないわけでございまして、後から消費税が入ってくるわけでございますから、決算というような厳密な意味ではあり得ないことでございますけれども、一年を経まして、いろいろ消費税の影響、とりあえず今、簡易課税とか免税点の影響等について全力を注いで資料の収集をしているところでございます。それらの点とあわせましてできる限り実態を把握してまいりたいと考えております。
○日笠委員 私は、消費税の影響はこういうふうになりますよと言ったからには、何らかのデータを、結果としてこうなったでしょうということをやるべきではないかと思います。それは強く指摘をしておきたいと思います。でないと、それがうそだったのか本当だったのか、ごまかされたのか、わからないわけですね。このことは再度御指摘を申し上げます。 続いては、税理念に簡素ということがございます。私が思う簡素というのは、納税事務手続が非常に煩雑になってはいけないので簡素にする、それがいわゆる四点セットと言われるところの簡易課税方式であり、そしてまた限界控除制度であり、免税点であり、帳簿方式だと思うのですね。 ちょっとお伺いしますが、限界控除方式を導入している国は、日本以外にどういう国がございますか。
○尾崎政府委員 限界控除制度はフランスが行っております。
○日笠委員 フランスだけですね。付加価値税の元祖の国であるフランスがこれの導入をフォルフェ制度ということでやっておるわけでございます。しかし、非常に類を見ない、フランスと日本ぐらいでございます。帳簿方式は日本だけでございます。となれば、確かに簡素かもしれませんが、国際性ということから考えれば非常に特典なこの消費税であると言わざるを得ません。 ここの議論でもなっております四千八百億円とやらが国庫に入らないで業者の懐に入る、猫ばば税だとかよく言われております。それは業者が悪いのではなくて、そういう制度をつくった方に問題があるわけでございます。私が聞いた範囲では、いわゆる簡易課税以下の業者が消費税をためてハワイへ行こうというようなことで、実際にハワイに行かれた方もいらっしゃるそうでございます。そして節税ができるという非常にメリットがあるわけでございます。 そこで、政府刊行物センターで売っております財団法人大蔵財務協会発行の「消費税であなたの会社はこう変わる」という本がございます。この大蔵財務協会というのは、裏を見ますと、「当協会は、大蔵省の唯一の総合外郭団体として」と、こうあります。ファイナンスなんかを発行している協会ですね、大蔵財務協会。この大蔵財務協会が去年の三月に発行した本でございます。消費税導入前です。政府刊行物センターで堂々と売っております。その中に、この簡易課税でどれだけ節税ができるか、節税の勧めを書いておるわけでございます。 例えば八ページにポイント三として「四点セットをフルに生かせば節税になる」こう明確に出ております。そしてまた三十ページ、ポイント二「四点セットは節税に役立つ」そしてまた四十ページには「年間課税売上高三、〇〇〇万円以下なら」「免税点制度で中小会社は保護される」。そしてその例文として「”ぽんと二つに割ればとたんに免税業者になり消費税の納付が免除される”ので有利だ、」いわゆる分社、分割を勧めておるわけでございます。そして四十四ページでは「限界控除でさらに有利な消費税」、ポイント二「簡易課税と限界控除の二重適用で大きく節税」こう出ております。 そしてまた、きわめつきは四十八ページ、「外注を増やして人件費を減らす」これが有利だというので、こういうふうに端的な例ということで書いてあります。「会式社は社長と美人秘書一人にしてあとの社員を全員クビを切って課税売上高三、〇〇〇万円の子会社つまり別会社を設立し人材派遣会社を開業し、そのクビを切った全員をもとの会社に派遣すれば、もとの会社の実質的な人件費は全額控除されることになる、」そして具体的に五十ページには「会社を分割して経営の合理化」、ポイント一「分社経営には一〇のメリットがある」、ポイント三「分社経営により簡易課税を適用して節税を図る」、そして五十二ページの「節税のための会社分割のポイント」まで御丁寧に述べておられます。そして六十ページには「預り(未払)消費税で”財テク”自由」とあります。 消費税を導入する前に大蔵省さんの唯一の外郭団体の大蔵財務協会が、こういうふうに会社の分割をすれば節税になります、簡易課税はこれだけ節税になりますということを、こういうテキストをつくって、政府刊行物センターで今でも売られています。つい先日買ってきました。 では、現実に会社分割はどうなっていますか。きょうは法務省さんに来ていただいておりませんけれども、この会社分割、分割といいましょうか設立ですね、有限会社、株式会社の設立登記でございますが、平成元年には株式会社が六万二千六百八十五、有限会社が十万三千八百九十一、合計十六万六千七百十三、対前年度一八%の伸びでございます。ただ、四月だけに限っていえば、前年度四月に対して二五%ぐらいの伸びでございます。 ということは、こういうことで、企業の皆さん、あなた方は中小企業でこういう節税もできますよ、節税したお金でハワイへも行けますよ、分割すればもうかるのですよ、社長と美人秘書だけであと全部人材派遣会社をつくればいいのですよ、こういうことを言って中小零細企業の方々にずっと説得をして、ならば消費税はまあ賛成してもいいかなということで業者の皆さんの反対が少なくなった、このように私は思いますが、大臣、御感想はどうですか。
○橋本国務大臣 とっさに伺っておりまして、仮にその例示のように社長と美人の秘書さんを残し、あとを全部別に設立した人材会社に移籍をし、そこからの派遣を受けるとした場合、双方の合算による税額はいずれが得かわからないなあと率直に今考えておりました。
○日笠委員 主税局長、御感想どうですか。これは大蔵財務協会のテキストですよ。
○尾崎政府委員 申しわけありませんが、その大蔵財務協会の本を私知らなかったのでございますけれども、感想をということでございますが、感想ということでございますと、率直に申しまして、税金について、消費税だけに限らず各種の節税の本が蔓延している状況というのは本当に嘆かわしいことだというように思います。それは私ども税務に携わっている者としては、本当にもう少し税というものを真っ正面から受けとめてもらいたい、税の法規をすべて裏側から読んで、どのようにやれば税金を納めなくて済むかということばかりを考えているような社会というのはどうも情けないことになってきているなというのが私の感想でございます。感想ということであれば、そういうことを申し上げたいと思います。 それから、ちょっと一点だけあれなんですが、先ほど帳簿方式、日本しかないというお話でございました。実はフィンランドが帳簿方式でございます。
○日笠委員 そうすれば、やはりこの簡易課税方式等々のいわゆる四点セットをどうするかということが、これはもう焦眉の急だと思うのですね。 大臣、皆さんの、国民の各界各層の御意見を聞いた一万九千通のはがき、手紙ですか、それからも意見を取り入れて見直し案をつくったとおっしゃいましたね。その中でちょっと忘れておられるのがあるのじゃないでしょうか。免税点の見直し一四・四%というのがございますね。ありますね。こういうものは今回見直し案に入れずに、そして食料品の非課税拡大、これは二〇・四%、非常に多うございますね。そういうことを見れば、当然これは、消費税は私ども反対の立場でございますが、手抜きをしたのじゃないかな、なぜこの四点セットを盛り込まなかったのかな、こう思いますが、いかがでしょうか。それが一つ。 それから、今後どういうふうに見直しをされるのでしょうか、そのアウトライン、方向性だけでもやはり国民の目の前にはっきりさせなければいけないのではないか。わからないわからないで一巡して、消費税の納税が一巡した後それから考えるのじゃなくて、もうここの場でも議論しているわけですから、どういう方向で行くのかという骨格ぐらいは私は大臣としてここで御発表いただける見識をお願い申し上げたいと思います。
○橋本国務大臣 しばしば今までも御答弁を申し上げてまいりましたけれども、私どもお手紙をちょうだいいたしました中に、委員が指摘をされましたように、免税点を初めいわゆる四点セットと言われる部分についての御意見が多数ありましたことを忘れているわけではありません。 ただ同時に、今、先刻委員が特定の家計調査からの例を引かれたわけでありますけれども、私どもはやはり一年間の実績というものを見た上でこれらの点に判断を下す方が至当だと思っております。ですから、これらの点については一巡後検討の上見直すという姿勢を既に明らかに申し上げておるわけでありまして、それはきょう午前中の御論議の際にも、全くそういう制度が不要であると言われる議論と、それから、いや存在をするが、その限界が大き過ぎるという御議論と二つの議論があるという考え方を申し上げました。 私は今、五月末をもって申告・納付の終了いたしました中、七月いっぱいは大体事務的にかかると報告を受けておりますけれども、全税務署からの資料の集まりましたものを分析いたしました結果をもってきちんとお答えをすることがむしろ我々の態度であると思っております。
○日笠委員 これはちょっと消費税とは関係ないといえばないのですけれども、いわゆる消費税を導入した大きな理由はシャウプ勧告以来の抜本税制、こういうことでございます。その前の昭和六十一年の税制の抜本見直しについての税調の答申等がございまして、いわゆるサラリーマンの給与所得控除のあり方ということで実額控除制度を導入したらどうか、こういうことになりまして、六十三年度から給与所得控除のみならず実額控除のいわゆる特定支出控除、こういう制度を設けましたですね。いわゆる通勤費であるとか研修費であるとか資格を取る費用であるとか、もちろん項目が決まっておりますけれども、限定はされておりますけれども。そしてその当時、これを導入したときにはいわゆるクロヨンの、事業者とサラリーマンのこの不公平感を払拭する画期的な前進であると高く評価をされたわけでございます。 ではお聞きいたしますけれども、この導入された昭和六十三年、平成元年、この特定支出控除を適用した確定申告は幾らございましたか。
○岡本政府委員 サラリーマンの方がその特定支出控除を適用しまして確定申告書を出していただきました件数でございますけれども、その中で我々が見てこれは明らかに適用誤りだというもの、例えば給与所得控除と特定支出を両方とも給与収入から引いちゃっている、これはだれが見ても誤りでございますので、こういったのは件数に計上するのはちょっと遠慮させていただきますけれども、そういった明らかな適用誤りを除きますと、昭和六十三年分で十六人、平成元年分で五人でございます。
○日笠委員 これがサラリーマンのクロヨンとの不公平感を一掃し、サラリーマンにも実額控除の確定申告を認める画期的な前進なんでしょうか。平成元年でたった五人でございます。有利だということですが、そうではないのです。もう少し対象の枠を広げてもいいということもあるのですね。その辺の議論は、私はきょうは消費税の詣でございますから、確かに給与所得控除が大き過ぎるからそうなっているんだという説もありましょう。しかし、このうたわれた画期的な前進であるとかクロヨンとの不公平感を払拭するというようなことは、平成元年わずか五名、結論的にはなかったと言わざるを得ませんですね。だから、抜本改正、抜本改正と言うけれども、消費税にも、そういう抜本改正にはいろいろな矛盾があるということをこの例で指摘をしたかったわけでございます。 続いて、自治大臣、お食事もとらずに申しわけございませんけれども、商品切手発行税というのが地方税の中の法定外普通税でございます。これはどういうものかはもちろん自治大臣よく御存じ だと思いますが、この商品切手発行税というのは、一都十七市、東京都二十三区であるとか、また大阪市であるとか名古屋市であるとか、大きい政令都市が多うございますが、一都十七市で商品券、ギフト券、こういうものを買えば四%ないしは二%の、条例によって税率が違いますけれども、商品切手発行税というのがかかるわけです。これは昭和五年にできたそうでございます。昭和五年の当時はちょうど大変不況のころでございまして、財源をそこに見つけ出した、こういうふうに言えるかと思います。 ここに地方財務協会発行の「地方税」という雑誌がございまして、その商品切手発行税についていろいろと解説をされた研究論文がございます。その昭和五年、商品切手発行税を創設した理由、こういうふうに書いています。「大百貨店がその営業振に於いて目醒ましいものがあり、一般人も亦之を利用するを便益とするが為数多の中小企業者が自然壓迫せられるので此等百貨店に特別な重荷」を課する、こういうことでできた制度だそうでございます。 そこで、この商品切手発行税というのは、もちろんデパートの商品券のみならず、お持ちしましたけれども、ビール券、酒券、こういうものにもかかっておるわけでございます。この地方税は、ここで議論もございましたけれども、抜本改正、消費税導入というときには、電気税、ガス税、木材引取税、こういうものを全部吸収をした、いわゆる整合性を持たした、そして法定外普通税の中にもございました林産物移輸出税というのがございました、これもやはり二重課税となるということでやめた団体もございます。しかし、今もってこの商品切手発行税というのは、地方の条例でつくった、アンタッチャブルだ、聖域であるということで、私の聞くところでは税調でも議論をされてないと聞いておりますが、自治省いかがですか。
○湯浅政府委員 商品切手発行税につきましては、ただいま御指摘のような経緯で地方自治体がその課税自主権に基づきまして法定外普通税として設けているものでございまして、そういうこともございまして、国の税制調査会でこの問題について論議をするのはやはり差し控えるべきだろうということも配慮の中にあったのかもしれません。実際どういう経緯かははっきりいたしませんが、税制調査会の中で論議をしたということはなかったわけでございます。
○日笠委員 抜本改正で、地方税の電気ガス税、木材引取税、これは全部議論しました。なぜこれだけがアンタッチャブルで議論されてないのか。条例でつくったのでその自治権、地方の自主財源の権利、こういうものがあるのでしょうけれども、電気ガス税だってそうでございます。 そこで一例を出しますが、普通一都十七市でデパートで例えば商品券を買う、今は商品券といいましても、いろいろギフト券として、デパートでもございますね、ワイシャツ券だとか靴券だとかハンドバッグ券だとかたくさんございます。その中で、ビールの例えば酒券、これはもちろん発行した市町村において、発行額の四%はこれはその市町村へ納税をするわけですが、その納税手続、納税実態はどういうふうになっておりますか。
○湯浅政府委員 課税する地方公共団体が限定されておりますので、その課税される団体につきまして、その地域内で販売されます商品切手につきまして条例で定められた税率に基づいて市の方に納税をしてもらう、こういう形になっているわけでございます。
○日笠委員 私がビール酒造組合に聞きますと、そうじゃないようですね。これは本来ならば課税対象の一都十七市だけで払えばいいんです。しかし、これは一枚につき全部三%の税金を全国から全部取るんです。ですから、自治大臣が東京で買えば四%つくんですけれども、金沢で買ったってこれは三%という、ちょっと税率が低いんですが取られているんです。集めたやつを発行額に応じて東京都は四%、和歌山は二%、こういうふうにやっておると聞いておりますが、間違いございませんか。
○湯浅政府委員 ビール券に例をとりますと、御指摘のとおりビール券は全国一律の価格で販売をいたしておりますから、課税している地域も課税していない地域も同じ価格で販売をしているということにはなろうかと思います。そのうち、課税している地域に販売されたものについてのみ税を納めるという形になるわけでございます。
○日笠委員 そうすると、私が言いましたように、本来は奥田大臣は金沢でビール券を買ったら払わなくてもいいのです、この税金。しかし、みなしで全国皆三%を取るわけですね。橋本大臣の岡山県もないんです。しかしこの納税手続費、人件費等が高いからとにかくみんなから三%もらいましょう、消費税と一緒ですよ。で、納税だけはその団体、一都十七市だけする。ですから、私たち岡山の人間は払う必要のないものまで払っている。コストといえばコストでしょう、人件費だ、事務手続費だと。 ですから、私は、この商品切手発行税はまず公正じゃございませんね。払わなくていい人まで払わされているわけです。そしてまた中立性じゃございませんね。デパートの五百円券はデパートが自腹を切っているそうでございます。千円以上の券から四%なり二%をいただいているそうです。これは企業に対して中立性がございませんね。それから、簡易じゃないから、そうやってもう全国みんなからその三%集めてストックして、納税する団体だけ発行額に合わせて二%、四%と出しておる。これはもう簡素じゃございませんから、そうせざるを得ない。こうなりますと、先ほどから言っております税制の理念である公平、公正、簡素、中立というものにどうも反しているんじゃないか。おまけに昭和五年ですよ。シャウプ税制勧告以来の、その前の税制を今もって残しておる。これは地方の聖域なんだ、それはわかりますけれども、税調で議論すらしていないという。これは私は問題点として指摘をしたいと思うわけでございます。 そして、大蔵省の「プリペイド・カード等に関する研究会報告」平成元年二月十七日、報告されておりますね。それを見ますと、こうありますね。プリペイドカード、特にテレホンカードとかオレンジカードというサービスの券は非課税なんです。商品と引きかえるものの有価証券、商品券が課税で、サービスは非課税なんです。テレホンカード五千円のを買ったって、これは非課税、しかし五千円のデパート商品券を買えば東京では四%。抜本税制のときに大臣どう言われたんですか。物品の課税対象は五〇%、サービスが五〇%、物品だけかけちゃいけない物品税、サービスにも物品にも広く導くと言われて導入したわけでしょう。それが税理念だったわけですね。この商品切手発行税は、サービスのテレホンカードは五千円、非課税、デパートの商品券は五千円、四%と、サービスと商品ときれいに区別をしているわけですね。そしてまた、一都十七市だけでございますから、ボーダーレス国家、国際性と言う、日本の国内はいいんですか。東京で買えば課税、岡山で買えば非課税、こういうことを考えますと、まさに税理念にどうも合わないんじゃないか。昭和五年ですから、とにかく。 戻りますけれども、この大蔵省の「プリペイド・カード等に関する研究会報告」によりますと、今後プリペイドカードがふえるであろうというようなことでこういう結論を出していますね。「印紙税の場合と同様、商品切手発行税の課税自体を早急に廃止すべき方向で議論されるべきである。」失礼しました。これは通産省の方のものでございまして、ちょっと議事録、今大蔵省のを出します。済みません、ちょっとページを間違えました。 大蔵省の「プリペイド・カード等に関する研究会報告」によりますと、「もとより本税については、」商品切手発行税のことです、「地方自治の原則の下、地方公共団体において判断すべき事柄であるが、上記諸事情を勘案すれば、そのあり方につき再検討されることが望ましい。」と大蔵省の研究会では言っておるわけですね。 さあそこで、自治大臣、これどうされますか、この商品切手発行税。もう原稿なしで、私が今言ったことを踏まえて、税理念の問題から含んでお答えをまずいただきたいと思います。
○奥田国務大臣 法定外地方税に関して勉強さしていただきました。確かに一都十七市ですか、十八団体しかやってないということでございます。それも今ここで余り先生の気に入るような答弁になると、これ自治大臣が許可してやらしていることですから……。 しかし、こういった形で、やってない地域、やっている地域、そういった形は、今ほど、どこの論文か知りませんけれども、そういう形で言われておる形は私も納得できます。そういったことで検討に値する問題であろうと思っております。ただ、各自治体のそういった形は尊重しなければなりませんけれども、また、そういった方向で検討してまいりたいと思います。
○日笠委員 大蔵大臣にも実は関係がありまして、自治省、自治大臣がそれを認めた、この商品切手を認めた場合、しかし大蔵大臣はそれについて意見を言うことができるんですね、法律上。今の議論をお聞きになりましてどうでございますか、御感想は。
○橋本国務大臣 実は今委員が提起をされるまで私はそういう問題があることを不覚にも存じませんでした。そして、御指摘をいただきながら、なるほどこれは検討すべき問題点があるな、そのような感じがいたします。
○日笠委員 次に、この消費税を導入する大きな理由としまして、高齢化社会へ対応する安定的財源ということがございましたですね。自治大臣、もう結構でございます。 三月に私は、大臣にこの出生率の問題で非常に憂うべきことではないか、こう質問を申し上げました。そのときに大臣は、厚生政務次官のころから実はこういう意識を持っておったという、非常に先見の明と申しましょうか、私感激したわけでございますけれども、高齢化社会問題は、いちずにこれは子供、出生率の問題でしょう。 そこで、きょう委員長にお願いを申し上げて、私がつくりました資料、皆さんお手元に行っているかと思いますけれども、「出生率改善」というふうにしました。向上とすると、戦前の産めよふやせよ、子は国の宝みたいに思われてはいけませんので。しかし、この出生率がある程度改善しないと、高齢化社会でのいわゆる社会保険料の負担の重荷であるとか労働力の問題であるとか活力ある国であるとか、いろんな問題が出てくるわけですね。私、ここにそういうことで、「出生率改善への環境整備」という課題で、私が考えましたライフステージに合わせて、せめて私が考えるだけでもこれだけのことをしなければ、理想の子供さんを持ちたいという数と実際に予定している子供さんの数とギャップがあります。私は三人なら三人持ちたい、しかし今の住宅事情そして子供の教育にお金がかかる、そういうようないろんな問題で二人しかつくりません。この阻害要因を取り除くというのがまさにこれは政治だと思うのですね。 そこで、このことについて閣議でいろいろ何かあったそうでございまして、大蔵大臣、晩婚化の問題で何かいろいろとあったそうでございますが、できれば釈明をどうぞここで。よろしいですか。
○橋本国務大臣 釈明もくそも、私が全く言わない話を私が言ったとしゃべった人間がいたというだけのことであります。
○日笠委員 大変失礼いたしました。 それでは、この問題についてはどうも厚生省さんがいろいろと取りまとめをやろうかというような新聞報道を見るわけでございます。厚生省さんに私は特にここで御指摘申し上げ、強く御要望申し上げたいと思うのです。これは大蔵省にも当然財源の問題であるわけでございますが、児童手当ですね。もう既に分科会か何かの答申が出ておりまして、今鋭意取りまとめをしておるそうでございますが、せめて西ドイツ並みの第一子から、これは児童手当は相当思い切った拡充をすべきではないか、こう思います。厚生省さん、どうお考えでしょうか。
○古川政府委員 御指摘の児童手当の制度につきましては、現在行財政改革の一環といたしましていわゆる特例措置が実施されているところでございまして、これは来年の五月が期限になっているわけでございます。 今後の児童手当制度のあり方につきましては、委員御指摘のような出生率の低下とかあるいは女性の方の社会進出、そういった児童あるいは家庭を取り巻く環境の変化というようなものを踏まえまして、児童が健やかに生まれ育つための環境づくりを進めていく、こういう対策の一環としてこの特例措置の取り扱いなど制度の見直しを行う、こういうようなことを私ども重要な課題として考えているわけでございます。 現在は、中央児童福祉審議会におきましてその具体的な改正の方向についていろいろな幅広い観点から御審議をいただいている、こういうふうな状況でございまして、私どもその審議の結果を待ちまして、先ほど申し上げたような次の時代の子供が健やかに生まれ育つというような観点から、国民の合意を得ながら今後の制度のあり方を検討していきたい、かように考えているわけでございます。
○日笠委員 大臣、厚生省が新たな拡充をした児童手当のことでいわゆる予算措置を要望された場合は、これはどう対応されますか。
○橋本国務大臣 今、日笠委員のまとめられました「出生率改善への環境整備」というこの資料を拝見しておりました。今委員は、その中から児童手当を取り上げて御論議になりました。厚生省の方から、目下検討し続けておるところ、そしてその結論を待ってということでありますから、私自身、その結論が出てまいりましたものを真剣に受けとめたいと思います。 ただ、同時にもう一つ、私の方から一点申し上げたいのは、その以前の問題として母子保健法の問題がございます。そして、この問題につきまして国際児童年以来、子供の以前、言いかえれば妊娠中の母親の健康管理、母体の健康管理というところから随分議論がされながら、必ずしも制度としての前進を見ておりません。もう一段そのあたりから御論議をいただければ幸いだ、率直に私はそう思います。
○日笠委員 それは、大蔵委員会のときもちょっとございましたですね。 もう一つは、やはり私どもがいろいろなヤングミセスの方々に聞いても、どうも分娩費、助産費、現実に病院で払う費用は三十五、六万、しかし健保によりますところの給付は二十万ぐらい、国民健康保険の方は大体平均十三万円ぐらい、低過ぎる、もう少し何とかなりませんかというような声を聞きますが、この分娩費の給付の改善について厚生省はどうお考えですか。
○坂本(龍)政府委員 健康保険あるいは国民健康保険からの分娩費につきまして、現在健康保険では最低保障額が二十万円、それから国民健康保険の場合には、これは市町村が条例で決めるわけでございますけれども、国の場合は十三万円を基準として補助を行っております。 この実勢価格との関係につきましては、私どもも従来から大体国立病院における実勢価格というものを基準にして、それを考えながら決めてまいってきております。これは病院によっては相当な差がございますし、また入院した際のいろいろな部屋の状況でございますとか、その他直接分娩そのものとはまた別の要素によって価格が決まる面もございます。そういう意味で、私どもはできるだけ国立病院の実勢費用というものを考えまして、今後ともその動向を十分見守りながら、この問題につきましては必要に応じて適切に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
○日笠委員 官房長官、お時間が迫っているそうですから、じゃ官房長官にちょっとはしょってお聞きします。 それは、長寿社会対策関係閣僚会議で、これは新聞報道でございますが、出生率の低下対策について厚生大臣が審議会か懇談会で検討することを相談したい、殊に女性の意見が大事だという報道が流されておるわけですね。ですから、この出生率問題はどうも厚生省さんが中心にやっていくようなふうに私どもは新聞情報では感じておるわけですが、お手元の私のメモを見ていただければ、まずこれは住宅の問題からいくわけですね。東京の台東区が新婚家庭さんに最高五万円まで家賃補助をしましょうということで、何か大好評で、申し込みといいましょうか問い合わせが殺到しているそうでございます。いわゆる住宅問題がまずある。これは建設省になりますね。 それから、母子保健法とか社会保険制度の問題、児童手当、これは厚生省さんでしょう。しかし、扶養控除をどうするかこうするかということになれば、これは大蔵省の問題になってきますね。それから、教育に金がかかると言っているのだから、日本育英会のいわゆる無利子奨学金制度を大幅に拡充する、こういうふうなこと。それから、ダブル入学金というのがございますね。高校でも大学でも、まず受かったところへ入学金を出す、そして本命の後で受かったところがあれば前もって出したところの入学金は返ってこない、二重払いということ。これは寄附金控除にならないというふうに所得税法でなっておりますけれども、こういうふうな問題になってきますと、これは大蔵省さんの問題です。就職の問題、それから育児休業法の問題、労働省ですね。いろいろな省庁にこれは広範にまたがるわけでございますので、私は、厚生省さんに取りまとめをお願いするといいましょうか、やろうという御意思はあるようでございますけれども、やはり内閣にこういう問題を検討する場を設けるべきではないか、こういうことできょうは官房長官にお出ましをいただいたわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
○坂本国務大臣 ただいま委員のこの資料を見ても、なるほど非常に広範多岐にわたっております。問題もたくさんあります。子供たちが健やかに生まれてそして育っていく環境を整備するということは、もちろん政府の全体としての大事な仕事であるということは御指摘のとおりであります。しかし、その進め方、調整の仕方、そういうようなものにつきましては厚生省を初めとして各省庁ともよく、相当たくさんの省庁があります。今ここで私がどうすると言うのはちょっと早い。だから、厚生省を初め各省庁の意見もよく聞いて、そしてこの進め方について勉強してみたい、こう思っております。
○日笠委員 官房長官、私お願いを申し上げておきますが、今度輸入に関する促進ということで輸入協議会というのをつくりますね、新聞情報を見ますと。ですから、多方面にわたることは、やはり緊急の場合はそれでいいと思いますが、これは長期的な問題でございますので、非常に大事な問題ですので、ぜひひとつ、厚生省さんに全部お任せをするとなると、縦割り行政でございますからなかなか意見が取りまとめられないわけですね。製造物責任法という法律をつくろうと思っても、これは通産の問題だ、いや経企庁の問題だというようなことで、どうしても縦割り行政でうまくまとまらない、こういうことがございますので、これはもう本当に二十一世紀以降の日本の大きな問題でございます、出生率の問題は。ぜひひとつ、厚生省さんを窓口にして研究、検討会を設けられるのは結構だと思いますが、やはり最終的には内閣にそういうしかるべき研究機関なり調査機関なり設けて、真剣に取り組んでいただくということが大事かと思いますので、これは御要請を申し上げておきます。ちょっと答弁をして、帰ってください。
○坂本国務大臣 ただいま申し上げましたように、厚生省初め各省庁と今後の進め方、段取りについてもよく相談をして、検討して進めたいと思っております。
○日笠委員 では、新消費税法というのでしょうか見直し法というのでしょうか、個別具体的に、あと何分かございますのでお聞きをしたいと思います。 助産費が別表第一の第七号につけ加えられまして非課税、こういうことになるようでございます。実は、先日、サラリーマン川柳コンクール入選作品の中にこういう川柳がございました。「おどろいた子供産んでも消費税」、これは正常分娩の場合は課税をされるという、今現在はこうでございますが、それを今度は非課税にしよう、こういうことだそうでございます。 そこで、例えばお産で個室に入った場合、その個室代は課税ですか非課税ですか。普通の病気をして病院に入って、個室に入った場合のその個室代は、この新消費税でも課税ですか非課税ですか。助産で、出産のために入院した個室代、病気で入院した場合の個室代、これはどうなりますか。
○尾崎政府委員 個室代とおっしゃるのは、通常の場合の差額ベッドのようなものをおっしゃっているのではないかと存じますが、通常の病気の場合ですと、社会保険診療の対象となる部分が非課税となっておりますので、したがいまして、その対象となっていない差額ベッドの分は課税となるわけでございます。それは、ちょうど保険の対象にならない美容整形でありますとかその種のものが課税対象になるのと同じようにお考えいただいたらよろしいと思います。 お産の場合には、お産そのものを今度は非課税とするわけでございますから、そのお産にかかわりますもろもろのサービス、個室に入りました分も含めまして新たに非課税にするという考え方でございます。
○日笠委員 ということは、この辺の病院は一日五万円ぐらいの個室代ですね。病気した、入院した、個室代を払う、これは課税ですね。五万円ぐらいの個室代ですよ。ところが、これが五万円ぐらいの、産婦人科で入院した場合、これは非課税。どうも整合性がないのではないでしょうか。どうですか。
○尾崎政府委員 お産の場合には、もともと病気でないということで、社会保険診療の対象になっていないわけでございます。保険の対象になっていないわけでございます。保険の対象になっているもの、そういう考え方でございますと、先ほど申しましたようにその五万円の部屋というような非常にぜいたくなものは、これは消費税を払っていただきましょうという考え方でございます。しかし、もともと課税対象でございます、病気でないお産というものを、その事柄の性質上、国民感情からいって非課税にした方がいい、こういう考え方でございますから、これは全部含めまして非課税になるということでございまして、お産というもの全体を非課税にするという考え方からきているわけでございます。
○日笠委員 何となく割り切れない。病気で入院したときの、せめてゆっくりしたい、大部屋ではあれだから個室に入りたい、それは社会診療報酬外だから課税です、お産の場合これは非課税ですと。どっちかというと、病気をした場合の、大病した後の個室代ぐらいは非課税の方がいいような気がしますね、これは。整合性がないというふうに私は思います。 食料品に行きたいと思います。 この前、武藤議員へのお答えで、医薬品とアルコールを除く口に入るものは非課税である、こういうふうな議論がございましたけれども、それでいいのですか。
○尾崎政府委員 特別措置の対象となります飲食料品等と申しますのは「人の飲用又は食用に通常供する物」ということでございまして、その中から酒類と医薬品、医薬部外品を除くことになっております。その通常食用または飲用に供されるものの原料または材料として使用されるもの、またその生産の用に供される動物その他の生物、それから食品添加物、そういうものを含むことといたしております。
○日笠委員 ちょっと教えていただきたいのですが、今薬膳という、漢方薬と食料品の材料で中華 料理なんかございますね、薬膳という。これでは、例えばオオコウモリとかタツノオトシゴの乾燥したものとか、それから牛黄といって牛の胆石とか、これは漢方薬でしょう、これは課税ですね。これは食料品に使う場合は、どこの時点で一・五%に、流通の卸まであれは特別低税率ですか、されるのですか。
○尾崎政府委員 食用として売られているものでございましたら、飲食料品でございます。
○日笠委員 だから、漢方薬屋さんが小売の漢方薬屋さんに卸す、これは三%でしょう。そこへ、うちは食料品だから一・五%にしてくれと業者が小売屋へ言ってきた。ところが、きのう聞いたのですが、花のサラダというのがあるのだそうですね。花びらだけを集めたサラダ、これは観賞用の花卉ですね。花卉というのは花と卉と書く。しかし、それを食べるのですね。おいしいのだそうです、高いのだそうですけれども、私は食べておりませんけれども。この花はどこの時点で食料品としてなるのですか。だれがどこでそれをぴしっと決めるのですか。 それからまだございますね。春の七草とか秋の七草とか、これは草です。普通人間が食べるものではございませんが、たまたま食べるときがある、オオバコだとかスズナだとか。それから菊の葉っぱ、これはてんぷらにしますね。菊の花で買えば、これは観賞用ですから三%でしょうけれども、葉っぱを食べるのだと言ったら、これは食料品になりますね、先ほどおっしゃったように。ですから私が言いたいのは、食料品というものは、ああこれは食料品です、花であるけれども食料品ですと、いつどこの時点でだれが、政令でやるのですか、省令でやるのですか、何でこれを決めるのでしょうか。それをお聞きしたいのです、区別を。
○尾崎政府委員 食用品売り場で春の七草などを食用として売っている場合には、それは非課税になるわけでございます。 先ほどの漢方薬のお尋ねも、薬事法ではっきり医薬として法律上決められているものであれば別でございますけれども、そうであれば、通常薬膳あるいはいろいろな意味での健康のために食べられるものでありましても、それはやはり食用として売っている限り食料品となるわけでございます。そのように個々個別に判断をしていくということでございます。
○日笠委員 時間が来ましたので、最後に大臣、サラリーマンコンクールの川柳を一首読み上げて終わりたいと思います。 「見直しも廃止もできぬ古女房」というのがございます。これは消費税のことだと思います。やはり知恵を出してやらなければならないときが来たのかなということを……。「見直しも廃止もできぬ古女房」、これは消費税のことを言っておるわけですね。これはサラリーマンコンクール入選作品でございます。消費税も、見直しも廃止もできぬというデッドロックに乗り上げているということで、知恵を出していくときが来たのではないかなということを申し上げて、終わりたいと思います。
○山崎委員長 日笠勝之君の質疑はこれにて終了いたしました。 次に、筒井信隆君。
○筒井委員 幾つか消費税についてお聞きをしたいと思います。 まず、今の自民党政府がつくってきた現行税制についての評価ですが、非常に自民党は国際化だとかそういうことを強調しておられるのですが、最も国際的な常識に反した、世界の流れに反した税制をつくってきたのが自民党である。現行税制はそうであるというふうに言わざるを得ないだろうと思います。 その第一番目がこの消費税でございまして、世界でも例を見ない堕落型である。これは武藤さんも指摘されましたが、社会党が言っているのではなくて、政府税調の小倉会長でさえ堕落型であると強調されている。あのアメリカが大型間接税を導入するかどうか検討いたしましたが、その検討した対象になっているのは、こんな堕落型ではなくて、EC型付加価値税を検討対象にした。あのEC型付加価値税でさえも、これを導入するのはまずい、こういう結論を出したわけでございまして、まずこの消費税自体が世界の常識に反した堕落型をつくり上げた。 それだけではなくて、今世界的な税制改革の流れというのは、優遇制度、不公平制度、これを徹底的に切り捨てる、そしてそのかわりに課税ベースの広がりに対応して所得税も法人税も税率を引き下げる、こういう方向に行っているわけでございます。しかし、今度の消費税に伴う税制改革の場合には、優遇制度、不公平制度はほとんどそのまま残しておきながら税率だけ切り下げてしまった。この点でもまさに世界の常識、流れに反した改革、税制を築き上げてきたわけでございまして、今この大型間接税、消費税を残すことを前提にするならば、まさにその堕落型であるゆえんを直す、これが見直し法案として出されるべきだと思うのです。 しかし、その堕落型であるゆえんというのは何かといったら、いろいろありますけれども、一つは帳簿方式。この帳簿方式をとっている付加価値税、これは先ほどフィンランドだけだというふうな答えがありましたけれども、EC十二カ国一つもない。まさに先進国一つもない帳簿方式をとっている。この点に関して全く見直されてなくて、一巡してから、これから考えるなんて言っている。社会党、野党に対して、将来の抜本税制の姿が出ていないというふうに非常に非難されておりますけれども、自分のことを考えて言っていただきたい。帳簿方式が世界で例を見ない物すごい悪いものであることは今でもわかっているわけです。一巡するまで待つ必要はない。 それからもう一つ、堕落型であるゆえんというのは、免税点と限界控除と簡易課税、この設定が異常に高い。この点が物すごく大きな問題なわけでございます。この点もまた一巡してから考える、今度の見直し案では全く対象になっていない。 〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕 今私が言っているのは、もちろん通常の神経をお持ちなら誤解されないと思うのですが、消費税を見直せと言っているのじゃなくて、消費税をそれだけ主張するならば、もっと整合性のある税率あるいは税金に見直すべきではないか、これを主張しているわけでございます。 例えば一つの例ですが、簡易課税について、今度政令に委任するとかなんとか言っていますが、西ドイツの簡易課税に近いような制度はどういう形を出しているかというと、年間売上高が七百万円。日本は五億円、西ドイツは七百万円、そしてみなし控除率は五十八業種。簡易課税です。そして簡易課税が七百万です、西ドイツの場合は。そしてみなし控除率は五十八業種も決めている。しかもその五十八種類、日本は二種類だけ決めている。五十八種類というのは、別に利益をなるべく得ないように、実態に合うような形でやっているわけでございまして、だから外国の簡易課税というのは、まさに経理事務の簡便化ということ、このためにやっている。しかし日本の場合は、経理事務の簡便化だけではなくて、業者に利益を与えるという全然違う趣旨がプラスされているわけでございまして、和田さんがきょう午前中に言いましたように、補助金、利益を与える。今自民党は盛んに簡易課税とか限界控除、免税点、これは諸外国にもあると言っておりますけれども、諸外国にあるのは経理事務の簡便化という制度があるだけ、利益を与えるなんて、こんな制度は一つもないわけでございまして、そういう点やはり見直さなければならないわけでございます。 しかも、同時にまた、どうも税の理論を自民党政府はわかっていないんじゃないかと思うようなちぐはぐさが物すごくあるわけでございまして、例えば簡易課税でもって物すごい、世界で例を見ないほど業者を優遇した。その業者を優遇した簡易課税の、じゃ届け出とか何かをどうしているかというと、簡易課税の届け出期間は全課税期間の末日まで、全課税期間の終わるまでの間に出さなければいかぬ。しかし、その簡易課税の割合、卸売割合になるのかあるいはそれ以外の割合になるのか、これは当該課税期間で決める。だから、自分が一体簡易課税になって一〇%にみなされるのか二〇%にみなされるのか、それは後からわかって、そのわかる前に簡易課税を選択するかどうか届け出しなければいかぬ、これはまさに、簡易課税を認めた趣旨からいったら物すごい不親切なわけですね。だから、一方では業者に対して物すごい優遇措置を与えておきながら、一方ではそういうふうなちぐはぐをしている。 そのちぐはぐさ、税の理論が全くわかってないのじゃないかというのはそれだけではないわけでございまして、まず端的に、そもそもの論ですけれども、消費税というのは消費者が負担するものなのか、それとも最終の消費に負担させるものなのか、この点の違いはどうなんですか。もう一回言いますが、そもそもの論理ですが、消費税というのは消費者が負担するものというふうに規定されているのか、それとも最終の消費に課税するものというふうに規定されているのか、どちらか、大蔵省で結構ですが、お答えをいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 大変、一遍に問題を列挙されましたので、私が申し落としましたところは事務方から補足をしてもらおうと思います。 そして、委員が御指摘のとおり、私は税の理論がわからないのかもしれません。しかし同時に、税制の議論がされてきた経緯については、多少過去の経緯を存じておるつもりであります。 そして、昭和五十年代に次第次第に国民の要望が税制改革に対して強まってきたことは、委員もお認めをいただけると思うのであります。それは、所得税を中心とした税体系の中で勤労者の方々に重圧がかかってきたこと、さらに、さまざまな税制上のゆがみといったものが国民の不満を呼び、税制改正に対して昭和五十年代の末には、国民の政治に対する要望の第一位に税制が挙げられるぐらいに変わってまいりました。一方では、高齢化社会というものをにらみながら、抜本的な税制改正の中において、課税ベースの広く薄い大型間接税というものを考える時代が近づいてきたという議論もあったわけであります。 そうした中から、所得税、住民税を中心とした大幅な減税とともに、当時問題がさまざまに生じてきておりました個別物品税というものを廃止し、今まさに委員が述べられましたような問題点についてさんざん議論がありましたけれども、そうした中から売上税というものが論議の対象になりました。そして、その売上税というものが帳簿方式ではなかったことは委員も御承知のとおりであります。また、非課税範囲を大きくとりました。しかし、それに対して非常に国民からの御批判が多かったこと、インボイス方式というものに対しても国民の批判が大変強かったことも御記憶のとおりであります。 そうした中で、その売上税の際に、本院においても参議院においても行われましたさまざまな御論議から、私どもは、非課税範囲をできるだけ必要最小限のものに抑えると同時に、できるだけ低い税率の消費税というものを組み立ててまいりました。その院におけるインボイス方式というものに対する御議論を踏まえて帳簿方式を採用して今日に至っております。 そして、将来にわたってこうしたものがこれから先変化をしていくことはあるかもしれません。しかし、今その論議の過程を全く無視して委員が欠点とあげつらわれるには、私は、過去の経緯を知る者としていささか抵抗がございます。 また、先ほど簡易課税を政令にと言われましたが、簡易課税につきまして、私どもは、あるいは免税点につきましても同様でありますが、国会における議院修正の条項を踏まえて、実施後一年の実績を見て分析した結果、検討するということは既にお約束をし、五月末に申告・納付の終了いたしました段階から、恐らく七月いっぱいかかるでありましょうけれども、全部の資料をチェックした上で将来への方向を考えようとしております。 しかし、みなし仕入れ率について、私どもは確かに政令にゆだねていただきたいと考えております。それは、より実態に近いものにしていこうという私どもの見直しの努力のあらわれでありまして、こうした点も十分御理解をいただきたい、そのように思います。
○尾崎政府委員 主要な点は既に大臣から御答弁がございましたが、委員御指摘の点につきまして若干補足させていただきます。 世界的な潮流として、課税ベースを広くとって、それから税率を低くするということではないのかという御指摘でございましたが、おっしゃるとおりだと思います。しかし、それを消費税、間接税の世界に置きかえていただきたいと存ずるのでございますが、特定のものに高い税率で課税をするというのはいわば古い考え方でありまして、広く課税ベースをとり、薄い税率でいくというのがまさに時代の流れであるかというように存じます。 それから、制度としておかしいとおっしゃられました簡易課税の選択、届け出の問題でございますが、自分が簡易課税を選択するかしないかというのは、要するに便利な方法を選ぶかどうかということでございます。それは得をするとか損をするとかという話ではないわけでございますので、事前に選びまして、そして、例えば簡易課税を選ばなければ仕入れをきちんとつけなくてはいけない、簡易課税を選ぶと仕入れを簡略につけられるということがあるかもしれません。したがいまして、当該事業年度が始まる前にそのどちらを選ぶのか、態度を決定していただく必要があると思います。 卸、小売の区分、これはそれによりまして仕入れ控除の率が変わってまいります。小売というのは正確ではございません、卸以外のもの、製造も含めてでございますけれども、そこによりまして仕入れのみなし率が変わってくるわけでございますけれども、それは簡易課税を選択するというような話と違いまして、自分が卸か小売か、どちらに該当するかという話でございますから、それは当該年度で判断をしないと困るということであろうかと存じます。 それから、最後にお尋ねになりました、消費者が負担をするのか、消費に負担を求めているのかという御質問でございましたが、消費税の制度といたしましては、これはもう委員よく御承知のとおりでございますけれども、これは事業者が納税義務者でございまして、その事業者の課税資産の譲渡、つまり売り上げをもとにいたしまして、それに仕入れ控除を認めるということで税額の計算をする制度でございます。
○筒井委員 きょう、二時間という限定がありまして、消費税についての問題点を指摘して、最後に私自身の考え方、対案についてもお聞きをしようと思っておりますが、時間が非常に少ないわけでございます。 今私がお聞きしたのは、お答えになった最後の点についてだけ質問をしたわけでございまして、その前は私の方の意見として述べただけで、ただ、人気の高い大蔵大臣に対して途中で打ち切るのは申しわけないので黙って最後まで聞いていたのですが、端的にでよろしいですから、これからお答えを。 今の最後の点なんですが、最終の消費に課税するものであるというふうにそもそも消費税を考えれば、企業といえども、法人といえども最終消費として支出するものについては、これはもう税額控除を認めるべきじゃない、これは当たり前になるわけでございまして、ECはほとんどずっとそうやってやってきた。だからECの場合には、乗用車の購入とか交際費の支出とか、それだけではなくて出張の列車料金等に関してまで企業について控除を認めないでやってきたわけです。 それを我が消費税はその点をあいまいにしたというか、消費者が負担するものというふうに自民党政府は考えられたのか、企業の最終消費についても全部仕入れ税額控除を認めてきた。今度それをようやく、そのうちの一部でございますが、この見直し案で乗用車の購入と交際費の支出については仕入れ税額控除を認めないというふうに提案をしてきているわけです。それはもう別に今言うべきことじゃなくて、税の理論がわかっているならそれは最初からやるべきだ、仕入れ税額控除は認めないというのをやるべきだ。それを今になってやってきた。しかも、今になってやってきた理由は、自民党の「消費税の見直しに関する基本方針」を見ますと、さも消費者の立場を考えて政策的にそういう見直しをしたんだみたいな宣伝をしているわけで、これは完全に私は誇大宣伝だというふうに思うのです。そもそも前からやるべきことをやらなくて今度初めてやったのに、これは消費者のためやってやったみたいな、こういう誇大宣伝がおかしいので、先ほどのことをお聞きしたわけでございます。
○尾崎政府委員 今の消費税制度ないし付加価値税制度で、私は、今委員御指摘の点が一番先端的といいますか、問題になるところであろうかと思います。 つまり、法人消費というものをどう考えたらいいのかということでございまして、我が国は御承知のように交際費に課税をするという、いわば法人消費に課税をしているような制度、経費として認めないというのが法人税の特別措置としてあるわけでございますけれども、従来の考え方でございますと、法人の場合には大体そのような支出は全部経費として認められる、まあ重役賞与のようなものは別でございますが、サラリーから、その種いろいろ購入したものは経費として認めるというのが原則でございまして、その原則に従いまして消費税を組み立てたわけでございます。最初から配慮すべきであったという委員の御指摘も、その御指摘はそのとおり承るわけでございますけれども、私どもはそのように組み立てました。 それに対しまして、まさに委員が今おっしゃいましたような疑問が寄せられたわけでございます。それは、例えば一緒にレストランで食事をする、自分は所得税を払った給料からそれを払う、ところが隣のグループは、会社の交際費で来て受取をもらっていってそれを会社に回してしまう。現象としては、そこで同じレストランでテーブルの隣同士で食事をしているということではないか、これが扱いが変わってきてしまうというのは変ではないかというような御意見がございました。 外国の例も二、三耳にしていたわけではございますけれども、それでは外国がどうかということをもう一度調べ直してみました。そうしましたら、まさに御指摘のとおり。ただ、委員はECとおっしゃいましたけれども、それはそうじゃございませんで、ECの国でもやっている国とやっていない国とあるのです。ドイツはやっておりません。ドイツは全部我が国の現行制度と同じように、みんな仕入れ控除を認めている。フランスは交際費のようなものだけじゃなくて、御指摘のように旅費とか福利厚生費のようなものにまで仕入れ控除を認めていないというようなことでございます。 そこで、私どもその点は見直しを行うことにいたしまして、交際費のようなものについては仕入れ控除を認めず、また一定の自動車についても仕入れ控除を否認するというようにさせていただきました。まさに、この種の消費税のような税において扱いをどうするか、一番最先端の法人消費の問題でございまして、御指摘の点は、私どもも今後ともよく検討してまいりたいと存じます。
○筒井委員 さらに一貫性のなさというのは、非課税品目の設定にもあらわれている、こういう点が言えるだろうと思うのです。 場当たり的といいますか、最初の段階では医療、教育、福祉の一部を非課税の中に含めて決定した。ほんの一部だけですが決めたわけです。それに対して、それ自身もまた問題がありましたけれども、いろいろな批判が来ると、選挙向けにといいますか、生まれるのが何で消費だなんて言われると、では出産もプラスしますという形でもって、まさに場当たり的に非課税品目も設定して、一貫性がない、哲学がないということが言えると思うのです。もし非課税品目を設定するならば、最低限生活必需品にかけないというふうなことも例えば一本の柱として立てるとか、そういう形にすればこういうふうなそごはなくなってくるだろうと思うのです。 生活必需品というふうに考えてみた場合に、今生活保護法という法律があるわけですが、そこでは困窮のために最低限度の生活を維持することのできない者に対して、それができるようにいろいろな扶助をするというふうに言っているわけです。その立場から考えてみますと、今度の見直し案で埋葬料と火葬料のみ非課税にしている。埋葬の場合の埋葬料、それから火葬の場合の火葬料、これだけが非課税で、それ以外は葬式に関しても一切課税されるというふうにしかあの見直し案読めないわけでございまして、生活保護法の方で言っている葬祭扶助というのはそれだけではなくて、死体の運搬とか納骨その他葬祭のために必要なもの、こういうものが入っているわけでございまして、今の自民党の見直し案だと、墓地、墓石はもちろん、棺おけとか卒塔婆とか位牌とか、あるいは骨つぼとか、こういうのも全部かかるという形になっているわけですが、そういう理解でよろしいですね。
○尾崎政府委員 さようでございます。
○筒井委員 最低限の生活維持に必要なもの、しかも死んでからさえもかかるという非難を免れるために、本当に単なる免れるためだけに、火葬料だけ、葬祭の際のほんの一部ですよ、それだけ非課税にして何とか国民の非難を免れようとしている。だから、こういう形をぜひやめていただきたいなと思うわけで、それが先ほど言いました出産、助産に関しても一緒ですよ、一貫性がないから、病気の場合には五万円の差額ベッドは課税されるけれども、助産の場合には五万円の差額ベッドでも十万円の差額ベッドでもこれは課税されない。まさに一貫性のないちぐはぐが出てくるわけでございます。 さらに、教育に関しても、今度また少しプラスして提案されております。しかし、生活保護法で規定されている学校給食とか、それから義務教育に伴って必要な通学用品、これらは相変わらず課税になっているわけですよね。これも、だから教育にかかるほんの一部のことについてだけやった。 それから、今度家賃を非課税の対象にしましたけれども、この家賃非課税によって、こういう場合は何か対処されようとしているんでしょうか。賃貸マンションや何か建設した場合に、建設費、仕入れ税額の方がずっと多くなりますから、今までは仕入れ税額控除でもって還付されていたわけです。今度非課税になった場合に、それが今度は還付できなくなる。還付されないと、仕入れにかかってきた消費税分というのは今度家賃の方に値上げとして転嫁せざるを得なくなる。家賃が非課税になったおかげでかえって家賃の方が上がらざるを得ないという状況、危険性が出てくると思うのですが、こういう点に関する対処はどうされていますか。
○尾崎政府委員 家賃が非課税になるわけでございますから、つまり売り上げが非課税になるわけでございます。したがいまして、消費税のシステムのもとでは仕入れ控除ができなくなりますが、売り上げよりか仕入れの方が多いということはございませんから、したがいまして、課税のときよりかは安くなるはずでございます。
○筒井委員 今は質問に答えていないのですけれども。 今までは仕入れ税額控除が多くて還付されていた場合も、今度は還付ができなくなる。還付できない分仕入れにかかった消費税分は、それを回収するためには家賃の方に上乗せせざるを得なくなる。そうすると、家賃がまさに非課税になったおかげで上がるということになる。この危険性について聞いているのです。
○尾崎政府委員 仕入れ控除というのは一括して一度に控除いたしますから、最初の年確かに還付になるわけでございます。しかし、それが今度は還付を受けられないということになりますと、例えば三十年なら三十年、四十年なら四十年というタームで減価償却をしていくわけでございますから、減価償却としてコストに乗ってくるわけでございます。そうしますと、それは先ほど申しましたように、その仕入れ分が売上分より少ないというのが通常でございましょうから、三%かかっていない。今までかかっていたのがかからなくなるわけでございますから、必ず値下がりになるはずでございます。それを先ほどお答えしたつもりでございました。
○筒井委員 この税特の審議が始まってから時々でございますが、非課税品目と課税品目の区分についての論議があるわけでございまして、非課税物品と課税物品とのアンバランスがあるからという口実で物品税を、一つの口実として廃止をしたわけですが、今度の見直し案によって、皮肉なことになおさらまたその非課税品目と課税品目の区分がアンバランスが出たといいますか、かえってわかりにくくなってしまった、こういうふうな結果になっているだろうと思うのですね。 この点について少し、幾つか確認をしておきたいのですが、食料品でも、人の食用に供されない場合があると思うのですよね、例えば飼料用とか。例えばイワシとかトウモロコシ等なんかを飼料用に使う場合、この飼料用に使う場合と人の食用に供する場合とは税率が今度の見直し案によると全く違ってくるわけですが、どういうふうに区別されようとしているんでしょうか。
○尾崎政府委員 要するに、取引時点におきまして食用として販売されているものであれば飲食料品等に該当するわけでございます。例えばイワシを食用として売っていればそれは飲食料品でありますし、飼料として売っていればそれは飲食料品等ではないということでございます。
○筒井委員 それは当たり前な話で、その区別がつかない場合が多いだろうということからお聞きをしているのですが、買う人はそれを飼料用に使うか食料として使うかはわかっていると思うけれども、売る側の方はそんなのを全然、例えば船から買う場合には、それをどちらに使うか、その後の流れはわからないわけですよね。
○尾崎政府委員 売り手がどういうことで売っているかというようにお考えいただいたらと思います。確かにそういう難しいケースというのも出てくるかと思いますけれども、食料品に限り軽減税率を適用しているという例は御承知のように西欧諸国の中に見られるわけでありまして、皆それぞれの場合、いろんな問題を解決しながら円滑に動いているわけでございますから、そのために制度が動かなくなるというようなことはないと存じます。
○筒井委員 私もこういう区分が、まさに接点という表現が、先日ですか出されましたが、その区分が非常に難しい、この難しいのはやむを得ないという点を認めるわけでございまして、これはしかしどの税金をとってみたところで程度問題である。EC型付加価値税でも、ぜいたく品に関して割り増し税率を決めたり、あるいは生活必需品に軽減税率を決めたりしているわけだ。だから、どの税金をとっても、大型間接税を採用してもしなくても、その限界的な問題については非常に面倒なところがある。しかし、そんなことは当たり前であるのに、自民党の皆さんは野党の個別物品税に関して難しいんだということで非難されているから、そこで私の方で聞いているわけでございます。 もう一点だけこの点でお聞きしますが、他の課税品目と一体で販売される場合、売上税のときに特に論議になったコーヒーとコーヒー湯沸かし器のセットが贈答品で売られる場合、その場合は売上税の際と同じような形の処理を考えておられるのか、どういうふうに区別されるのか、その点ちょっとお答えいただきたいと思います。
○尾崎政府委員 例えば課税品と非課税品のセット、あるいは小売段階じゃない場合には三%の税率のものと一・五%の税率のもののセットというようなことが考えられるわけでございますけれども、それはそれぞれの税率で計算をするという考え方でございます。
○筒井委員 そうすると、卸にしても製造段階においても、あるいは小売業者が卸から引き受ける場合においても、コーヒーと湯沸かし器別々に仕入れ税額控除しなきゃいかぬという形になると思うわけですが、極めて難しくなる、こんなのが帳簿方式でもってできるのかという問題が起こってくるわけでございます。 日本の税率は、このおかげで今度は一・五%と三%と六%、自動車の方が六%ですから、三段階の税率がこの見直し案によると決まることになる。帳簿方式ではなくて伝票方式をとっているEC型の場合でさえも、フランスは結構税率が多いようですが、西ドイツとかイギリス、これはせいぜい二段階、先日ここで回答があったデンマーク等は一段階。伝票方式をとっている西ドイツとかイギリスなんかよりもっと税率が多い三段階の税率にして、そして帳簿方式である。こんなのが可能だと思いますか、小売業者等で。
○尾崎政府委員 今回の見直しの議論に当たりまして、まさに委員の御指摘のとおりのような論議を行いました。帳簿方式という制約のもとでどこまで複数税率が行えるのであろうかということでございます。ただ、六%の自動車につきましては、これは一時的な制度発足時の例外的な措置として期限を限って行っておりますから、やや別のものと考えていただきたいと存じますが、一・五%という税率を入れるということ、それから非課税をふやすということにつきましては、帳簿方式でたえられるかということが今回最も議論になったところなのでございます。 そこで、まず原則として現在の消費税で政策的な非課税の対象となっておりますサービス、つまり、取引の最終段階にしか出てこないもの、家賃でございますとかお産なんかもそうでございますけれども、その種のものは比較的取引を乱すことがないということで、そこの見直しはかなり幅広く行ったつもりでございますが、物の転々流通するものを非課税の対象とするあるいは複数税率の対象にするということになりますと、委員御指摘のように非常に混乱を生ずる可能性を持っているわけでございます。物といたしましては、非課税というのは実は二つございます。一つは検定済みの教科書でございます。それからもう一つは身体障害者用の物品でございます。しかし、これは確かに物ではございますけれども、非常にその限られたルートを流れているものでございますから、そういう関係の事業者の方々によく御理解いただければそんなに他に与える影響は大きくないのではないかということで、その事柄の性質上非課税ということにお願いをしているわけでございます。 それからもう一つは食料品でございますが、食料品は確かにいろいろな取引の中に入ってくるわけでございますけれども、区分の点でいろいろ難しい点はございますけれども、食料品というのは他国でも行われているものでございますし、ある意味では割合判定しやすいものでございますので、それにつきまして、流通の段階では一・五%、最終の小売の段階で、小売業者を決めまして、そしてそこで売られるものについては非課税ということにさせていただきました。確かに、取引の面では従来よりも複雑になる、取引の複雑さを除こうとすると例外は少なければ少ないほどいいというのは御指摘のとおりでございますが、そのような帳簿方式の制約を考えながらぎりぎりの議論をして現在の見直し案になっているわけでございます。
○筒井委員 ちょっとさらに、今と同じものですが、課税売上割合が九五%以上の場合には、今まではすべて課税売り上げとみなして簡単に仕入れ税額控除が可能になっている。これからもそうですが、簡単になっているわけで、しかし、九五%以下になると、個別対応方式とか比例配分方式とか物すごい面倒な仕入れ税額控除の計算をやらなければいけなくなってくる。しかし、今度は、小売業者はほとんど課税売上割合が変わってまいりますから、物すごい面倒な案分方式を使わざるを得なくなってくる。小売業者というのはさっき言った事情にプラスしてさらにこんな面倒な計算事務ができるのかという問題があるわけでございまして、帳簿方式のままでは今度の見直し案はかえって事務を煩雑化してしまう、こういうふうに思っているわけでございます。その点のお答えはよろしいです。さっさと同じような答えでしょうから。 その次の質問に移りますが、これは大蔵大臣にぜひお聞きしたいのですが、今度の消費税の導入に伴って、消費税の導入の理由として直間比率の是正ということを大分強調されました。高齢化社会に対応できる直間比率あるいは今の直間比率じゃだめなんだという言い方で、以前の直間比率が七三・二対二六・八というようなほぼ七対三のような状況の際に、こんな直間比率じゃだめなんだというふうな理由づけがなされて、それも大きな理由として消費税が導入されたわけですが、じゃ一体何対何の直間比率ならばいいと考えておられるのか、何対何の直間比率を目指しておられるのか、その点をお答えをいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 私は、直間比率の数字自体はそのときの条件によって当然選択される望ましい税の組み合わせから出てくることでありますから、特定の水準を目標として当てはめていくべきものではないと思っております。しかし、我が国のこれまでの税体系の論議の中で、直間比率の問題というのが趨勢として直接税に偏ってきたという点について議論がありましたことは留意すべきポイントだと考えております。 そして、これについて一つの例といいますか、こうした場合にある程度のバッファーを持っていくべきではないかと思いますのは、過去をずっと振り返りましたとき、昭和四十九年という年に直間比率が非常に直接税にウエートがかかっておる年がございます。このころは、御承知のように、狂乱物価の中で非常に給与の引き上げ等も頻繁に行われ、物価に追いつくのに非常に骨の折れた時期でありました。結果的に出てまいりました数字、昭和四十七年まで比率は六七・七対三二・三でありましたものが、四十八年突如として七二・三対二七・七、そして四十九年には七三・九対二六・一と最高の比率を示しております。その後一時期改善されてまいりましたものが、税制改正の直前にはまたこういう数字に近い状況になっていたことは御承知のとおりでありまして、今回の税制改正がもしなかったとすると、七六対二四ぐらいの数字になっていたのではなかったか、私はそんなことを記憶をいたしております。そういう状況の中で、私はやはりある程度のバッファーが必要だなと実感として感じております。
○筒井委員 直接税の比率が高いからといってどうして悪いのでしょうか。私は、直接税が本当に公平なものであれば、九〇%を超えたところで何も問題にならない。例えば現在でもアメリカの国税は九〇%を超えているわけでございまして、九対一の比率になっている。問題は、その九対一でいいのかどうかじゃなくて、直接税が本当に公平なものにできているのかどうか、その問題であるわけでございます。別に直接税の比率が高くなったから、あるいは間接税の比率が低くなったから悪い、こういうことは決して言えないだろうと思います。 実際に今世界の例を見てみますと、間接税の比率が一番高いのは発展途上国。先進国ではないわけでございまして、例えばタイとかスリランカとかパキスタンとかインドとかスーダンとかビルマとか、こういうところが圧倒的に間接税の比率が高いわけです。これは公平な直接税の体系ができないからそういうふうになっている。公平な直接税の体系ができさえすれば、別にアメリカのように九対一になったところで何もそれを是正する必要性はないということが言えるわけでございまして、実際にサラリーマンの重税感というのが直間比率の現在の状況から出てきているのかというと、私は必ずしもそうではない。直間比率がこうだから重税感が出てぎたのじゃなくて、サラリーマンの場合にはおかしな税制が行われている。不公平な税制が行われている。我々がこれだけ払っているのに、あいつらこんなに全然払っていないじゃないか、こういうふうな不平等感が重税感の一番大きな理由になっている。 よく言われますように、乏しきを憂えず等しからざるを憂えるというのですか、こういう点が最大の問題だろう、そういうふうに考えてみますと、直間比率の是正というのは別にそれ自体税制改革の理由にはならないというふうに考えるわけです。ただ、今の大蔵大臣の答弁を見ますと、ほぼそれに近い考えかなという、それ自体を、直間比率の特定の水準を目標にしてやるわけではないという答えだったもので、ほぼ基本的には近いのかなというふうに私の方で勝手に解釈して、次の質問に移らさせていただきます。 この消費税でよく言われているのが、消費者が支払った税金が途中で消えてしまう、大蔵省まで、税務署まで入らない、こういう点でございました。この点に関して、政府税調の実施状況フォローアップ小委員会中間報告ですか、これがこういうふうに言っているのですが、これについてちょっと大蔵大臣の御意見をお聞かせいただきたいと思います。 免税業者等について言っているのですが、「仮に三%の値上げを行った場合でもその利得分は極めて軽微であり、さらにそこに所得課税が行われること、」を留意する必要がある。二つのことを言っているわけでございまして、三%の値上げを行ってもその利得分は極めて軽微だ。その利得に対して税金がかかる。しかし、仮に免税業者等が三%の値上げを行った場合の利得分というのは、大蔵省発表でも五千億円に上るわけでございまして、中間報告も言っているのは、「仮に三%の値上げを行った場合でも」という形で言っているわけでございまして、まさに理論的な問題として言っている。理論的に考えた場合に、全部転嫁した場合にはまさに五千億円が利得分になる。これを軽微というふうに感じられるかどうか、その点について一つと、それから、「所得課税が行われること、」を留意する必要がある。所得課税が行われるから、利益分について、もうけになった部分について課税するんだからいいじゃないかという趣旨が言外にあるわけでございまして、しかし、例えば横領金に対して税金がかかったからといって横領が正当化されるわけじゃ全然ないわけでございまして、税調が言っているこの二点についての大蔵大臣の考えを。
○尾崎政府委員 今の御質問にお答えいたします前に、先ほど委員からアメリカの直間比率のお話がございましたが、確かに連邦だけとりますとおっしゃるような比率になるわけでございますけれども、御承知のように小売売上税がございますから、地方税まで入れて考えますと日本の方が直接税の所得課税の比率が高いわけでございまして、やはり最も所得課税に依存する率が高く、最も消費課税に依存する率が低いというのが我が国の先進国における置かれている地位でございます。それをどう考えるか、これをアンバランスと考えるのかどうかということだと思います。 それから、いい税であれば所得税一つでいいじゃないかとおっしゃることでございますけれども、さようでございまして、単一税論というのは前からございます。一つの税で済ますことができないか。しかし、それは学者の間でもできないと。タックスミックスと言いますけれども、所得とか消費とか資産とか、それぞれに担税力を見出して、そして最も適切な税制をつくり出す、そういうのが現在の主流の考え方であろうかと存じます。 それから、フォローアップ小委員会の中間報告でございますが、これは何を書いているのかといいますと、こう書いてあるわけです。「現在、特に消費者の間で疑問をもたれている事業者免税点制度については、」ということでございまして、これは先ほど約五千億とおっしゃいましたが、あ れは免税点制度だけじゃありませんで、簡易課税も含めての話でございます。これは免税点制度の話でございますが、そこに書いてございますのは、「免税事業者の売上高の総額は全事業者の売上高の総額の約三%に止まること、」それが一つ。「免税事業者は現実には他の事業者に比べれば値上げ率が低く、また、仮に三%の値上げを行った場合でもその利得分は極めて軽微であり、さらにそこに所得課税が行われること、」そこの部分は委員が御引用なさったところでございます。このほかに、「免税事業者の一部を課税事業者に取り込んだ場合には、現在転嫁をしていない免税事業者も三%の値上げを行うとともに、零細な事業者が負担する納税事務コストは転嫁されて物価上昇要因として働く可能性があること、」それから、「免税事業者が納税義務者に加わることになれば国税職員の大幅な増員が必要になること等にも留意する必要がある。」ということでございまして、事業者免税点制度について議論をいたします場合の問題点を拾い上げて、留意点といいますか、それを拾い上げているわけでございます。 何かその一点だけとらえて、フォローアップ小委員会がそこを強調しているというようにおとりいただきますと、やや事実と違うわけでございますので、そういうような問題点を考えながら、今後資料をそろえまして、そして徹底した議論を行って見直しをしていきたいと考えているわけでございます。
○筒井委員 仮に三%の値上げを行ってもその利得分は軽微であると言っているのは、確かに直接的には免税点の制度についてだけ言っている。この免税点の制度だけに限ったところで、大蔵省の発表でも三千億円になるわけです。その利得分は極めて軽微であると言っているところについて私は意見を聞いているのです。こんなものは軽微と言えるのかどうかという点です。その点、もし意見があれば。
○尾崎政府委員 一番大きな売り上げのところで三千万円、それよりかずっと小さい一千万とか数百万という売り上げのところも含めてのお話でございますから、個々の事業者の影響額という点から見れば少ないものだということを言っている。それに、さらに売り上げ全体と比べましても、売り上げ全体の三%にしかならないということを言っているわけでございます。
○筒井委員 私は、まず、この軽微であるという、そういう感覚自体を問題だと思うのです。同時にまた、この金額が軽微であるかどうか、金額がもっと少なければ、じゃ、これでいいのかというと、それもそうは言えない。税金として徴収したものが、支払ったものが途中で消えてしまうなんというのがほんの少ない金額でもあれば、それはもう税に対する信頼感を失うことになる。だから、それを問題にしなければならない。同時にまた、金額が少ない、三千億円ぐらいだったらいいんだという、そういう感覚がやはりこういう欠陥のある税制を築き上げてしまったということだろうと思うのです。 さらに、次の質問に移りますが、こういうふうな消費者が支払った税金が利益に変わってしまう、こういう点が一つあるわけですが、これが税の利益化の一つですが、それだけではないもう一つの形がある。消費者が支払った税金が利益に変わってしまう、これだけではなくて、もう一つの税の利益化の形がある。これについて次にお聞きをしていきたいと思うのです。 まず、これも大蔵省の発表によりますと、消費税の還付額が平成元年十二月末現在で四千百六十四億円。四千百六十四億円という金額が還付されているわけです。この還付の中身というのは何かというと、仕入れ税額の方が売り上げにかかる消費税額よりも多かった場合に還付されるわけです。それは輸出の場合を含めてでございます。輸出の場合には輸出免税ですから、輸出業者の納付税額はゼロ、仕入れ段階の、前段階の業者が支払った消費税が全部そのまま輸出業者に還付される、これが今の還付額の中に入っているわけでございます。輸出業者の前段階の業者が免税業者である場合には一銭も消費税を転嫁しない場合が多いわけでございます、さっきの中間報告の例によりましても。全然消費税を転嫁していない、もちろん納付していない場合でも納付したものとみなして、それと同じように計算してその金額が還付される。つまり、国の方には、全然大蔵省の方に金が入っていないのに、入ったものとみなして、それを輸出業者に還付してやる、こういう結果になるわけですが、その結果、事実自体はお認めになりますね。
○尾崎政府委員 それはそのとおりでございます。 ただ、輸出業者に限りませんで、国内の業者の場合にも、免税事業者から買った場合、その分も含めて仕入れ控除ができることになっております。輸出業者が特別に認められているというわけではございません。
○筒井委員 これも極めておかしな制度。国の方に全然、大蔵省の金庫に一銭も入っていないものを入ったものとみなして業者に還付してやる。私は国家予算の違法な支出であると言えるだろうというふうに思うわけですけれども、これは免税業者の場合だけではなくて、限界控除とか簡易課税で軽減された税金を、原則課税より軽減された税金を払うわけですが、軽減されなかった、全額納付したものとみなしてやはり同じように払うわけでございます。だから、先ほど質問したのは、免税業者についてだけではなくて、限界控除とか簡易課税の場合の軽減された税金についても一緒である。これも事実はよろしいですね。
○尾崎政府委員 簡易課税の適用を受けている人がすべて軽減されているとは限りません。これは全事業者の平均をとりましてやっておりますから、付加価値の高い業種の方は確かにおっしゃるようなことがあろうと思いますけれども、何かすべて軽減されているというように考えますと、簡易課税を選択している方々に申しわけないことであろうかと思います。しかし、おっしゃいますことはそのとおりでございます。全部仕入れ控除の対象になります。
○筒井委員 これが、先ほどちょっとお答えになりましたが、輸出の場合だけに限らない。一般の場合でも、例えば多額の設備投資をした場合に仕入れ税額の方が大きくなる、その場合にやはり還付される。この設備投資、設備を納入した業者が免税業者とかあるいは限界控除あるいは簡易課税でもって丸々三%払ってないときでも、払ったものとみなして、政府に納入されたものとみなして還付してやる。こういう制度をとっていること自体、私はやはり非常に問題であるし、これも税の利益化の一つの形であるというふうに思うわけでございます。大蔵大臣、これについて御意見がありますれば。
○橋本国務大臣 今幾つかの問題点で委員が述べておられたのを拝聴いたしながら、私は、委員なりに一つの論拠を持って論じておられる、ただし、先ほど委員はEC型付加価値税を頭に描きながらの御質問の際に述べてこられましたけれども、そのEC型付加価値税についても、例えば免税制度はある、輸出並びに輸出類似取引についての免税はある、こうした点について、それらの制度を否定されるのかどうか、その部分がよくわからずに御意見を伺っておりました。そして私は、もし否定をされるのだとすれば、これはまた別途の議論を呼ぶものだと思いますし、先ほど来の御質問において、私は、程度の差というものは認めながら、免税制度にいたしましても、その制度そのものが存在をすることは日本だけのことではないということを申し上げてきた次第であります。
○筒井委員 大蔵大臣、先日から程度の差ということを言われているのですが、まさにその程度の差が異常に大き過ぎる。先ほど例示しましたように、西ドイツの簡易課税の場合だったら七百万円、日本だと五億円、ほぼ十倍に近い。その程度の差が大き過ぎる上に、そのみなし控除率が、向こうは五十八業種も決めている。こちらは二種類しか決めていない。その程度の差がもう質の差にまで転化するほどに大きな問題になっているから指摘しているわけでございます。 さらに次に、消費税のさらなる欠陥についてお聞きをいたしますが、これは先ほどちょっと出ましたが、全部従業員を首切って社長と美人にすれば、そして子会社の派遣会社をつくってそこからやれば税金が安くなる。まさにこれは今度の消費税に関してはそう言えるわけでございまして、給料とか人件費については仕入れ税額控除ができない、しかし、外注費とかロボットとか機械費用とかこういうものについては仕入れ税額控除ができるからそういう結果になるわけでございます。しかも、例えば先ほどの例で、大蔵大臣は、派遣会社を別につくった場合に、派遣会社の方で税金を払うわけだから、総体にすればそれはもう税金が変わらないじゃないかみたいな発言もされましたけれども、もし派遣会社の方で五億円以下で簡易課税になったり、あるいは限界控除になったり、さらには、もう徹底的には免税業者になる三千万円以下になれば、まさに税金全体としても安くなるわけでございまして、これもやはり大きな欠陥だろうと思うのですね。 例えば、この金額も大きいわけでございまして、二億円の人件費を今まで使っていた場合にはその仕入れ税額控除はゼロ。二億円を全部機械化した、あるいは派遣会社に頼んだ、そうすると今度は、その二億円について三%が税額控除になりますから、六百万円の違いが出てくるわけです。この二億円というのをもし派遣会社にした場合には、〇・六%簡易課税で税金がかかるわけですが、〇・六%は百二十万ですよね。そうすると総体としても四百八十万違ってくる。本来税制というのは、自由な経済の結果に対して課税するものだ。しかし、この消費税というのは、まさにその経済の形自体を変える危険性がある、こういう点で中立に反する税金だと言わざるを得ないわけです。 さらに、これは先ほど質問が出されましたのでお聞きしませんが、簡易課税に関してはもっとひどい反中立性がある。戦後一時期日本で導入されたのが取引高税でございますが、その取引高税は余りひどい税金なものですぐ一年余りで打ち切られた。取引高税というのは売上高に一%の税率を掛けていた。売上高に一%の税率を掛けていたから、累積型になって流通段階がふえればふえるほど税金が上がってしまった。だからこれはめちゃくちゃな税金であるということで廃止されて、今世界じゅうでももうこの取引高税を使っている国はないわけでございます。 しかし、この簡易課税制度というのは、まさにその取引高税の機能と全く同じ結果になる。売上高に〇・六%を掛ける。日本の取引高税の場合一%でしたが、それが〇・六%に変わっただけ。だから、結局、簡易課税が適用される二つの会社が合併をしてしまうならば、まさに税金は今までよりも物すごく少なくなってしまう。取引高税と同じように、やはり経済に対して介入する結果になるわけでございます。この欠陥は、外国のように、例えば西ドイツみたいに七百万円以下しか簡易課税が適用されないならその害は少ないかもしれません。しかし、日本のように、五億円なんという、もう七割、八割の企業が対象になるような、そういうもので取引高税と同じような税金を採用している。これも消費税の大きな欠陥だと思いますが、その点についてどうですか。
○尾崎政府委員 企業を分割して、労務を提供するような部分とそうでない部分に分けたらどうかということでございますけれども……
○筒井委員 それはいいです、さっきの質問で。
○尾崎政府委員 よろしゅうございますか。
○筒井委員 はい、簡易課税の方だけでいいです。
○尾崎政府委員 じゃ、簡易課税の方を申し上げます。 簡易課税制度は取引高税と同じようなものではないかという御質問でございましたが、簡易課税は御承知のように選択制でございますので、取引高税とそこが一つ違います。 それからもう一つ。例えば〇・六%の取引高税というのを考えていただきたいのでございますが、その場合、課税標準は千六分の千になりますですね。〇・六%の取引高税というのを考えていただきますと、課税標準は千六分の千でございますね。ところが、簡易課税の場合には、簡易課税といっても課税標準は百三分の百なんです。これは、簡易課税は三%という税率が前提となりまして、仕入れを八〇%と見ているという、そういうことのあらわれでございまして、仮にすべての事業者が簡易課税を選択する、一番生産のところから最終の小売まで簡易課税を選択したといたしましても、それは全体の平均としての付加価値率が二〇%であるといたしますれば、取引高税で生ずるような税の累積というのは生じないわけでございます。そこが違うわけでございます。
○筒井委員 そうすると、今私が質問をしました趣旨は、簡易課税が適用される二つの企業、それが合併した場合には納付税額は大幅に少なくなる、そういう事実自体をお認めにならないという趣旨でしょうか。
○尾崎政府委員 簡易課税事業者同士の合併という企業統合の場合に、統合前と比べますと一般にはマージン率が上昇するであろう。そういたしますと、実際のマージン率と簡易課税制度におけるみなしマージン率との格差が拡大して、納税額が統合前よりも減少するメリットが生ずる、そういう意味であるといたしますと、御指摘のとおりであろうかと思います。
○筒井委員 簡単にお認めになると思っていたのですが、なかなかお認めにならないのでちょっと具体的にお聞きしますが、売り上げが例えば一億五千万円で付加価値が五千万円、この部品業者と、売り上げが二億円、付加価値が五千万円の組み立て業者、これが別々に別法人で簡易課税を適用すれば、一方は売り上げ一億五千万ですから九十万円、一方は売り上げが二億円ですから百二十万円、計二百十万円という納付税額になるわけですね。二つの法人が合併して、売り上げが二億円で付加価値は一緒で一億円、五千万、五千万ですから一億円になる。合併すると、今度はこれに二億円で、やはり簡易課税ですから百二十万円ですよ。今まで別の法人同士だと合計して二百十万円の納付税額があったのに、合併すると百二十万円で済むようになる。これがもし付加価値税ならば、どっもだって、合併しようがしまいが付加価値は一緒ですから、納付税額は一緒のはずなのだ。簡易課税のせいでこういうふうな反中立的な経済介入の結果になってしまった。その点どうですか。
○尾崎政府委員 そのような結果となりますことが簡易課税のせいであるということであれば、それはそのとおりだと思います。
○筒井委員 初めから認めていただけば一々細かい数字は挙げないで進もうと思っておりますので……(発言する者あり)これが細かいことというのが自民党のおかしな感覚で、まさに簡易課税が取引高税と同じ機能を果たしているという結果は今言ったところにあるわけでございます。 こういうふうな、今まで幾つか聞いてまいりました消費税が持っている欠陥というのは、消費者が支払った税金が途中で消えてしまう、こういう点だけではなくて、さらに、国に入っていない、納付されていないものを納付したものとみなして業者に還付してやる、こういう税の利益化という欠陥もある。さらには、本来税金というのは経済行為に介入しないという中立性というものを保たなければいかぬのに、簡易課税は取引高税と同じような機能も果たす、いろいろな大きなこれはもう構造的な欠陥であるわけでございまして、この構造的な欠陥を何にも解消しようとしないで、国民に対してあるいは野党に対しても消費税を認めるというふうに言っているから私たちは反対をしているわけでございます。 しかも、こういうふうな税に対する論理整合性がないといいますか、これは別に自民党政府の場合には消費税だけに限らない、ほかの点でもたくさんある。それは全部挙げていったらそれだけでまた時間が過ぎますので、二つぐらいの例にしておきますが、例えばこの消費税と一緒に受取配当益金不算入制度というもの、これについて一部改正されました。受取配当金、個人がもらった場合には分離課税ですが税金がかかる。しかし、企業がもらった場合には一銭も税金がかからない。益金の方に入れない。その口実は、二重課税になるからだというふうな口実。二重課税になるから全部益金に入れなくていいのだ、こういう口実でした。そういう口実であるならば、じゃそれを一貫すればいいのですよ。その方が税の理論として合っている。だけれども、余り国民の批判が強いものですから、やはり選挙向けに二割だけ課税することにした。もし二重課税なら、二割だって二重課税になるわけです。もし二重課税という考えをやめたのならば、二割ではなくて一〇〇%課税すべきだ。これもまさに一貫性のないといいますか、選挙ごとにしか、その場しのぎの自民党の税制だというふうに感ずるのですが、この点に関して、大蔵省、大蔵大臣、意見がありましたら。
○橋本国務大臣 大変失礼でありますけれども、選挙目当てということはお互いに余り言わない方がいいことだと思います。
○尾崎政府委員 受取配当の御質問にお答えいたします前に、委員の御質問で個別の事例について端的にお答えしていきますとその結論のところについて私どもの考えを聞いていただけないものですから、ちょっと申し上げさせていただきたいのでございます。 先ほどの簡易課税業者同士の合併というような話、つまり、事業を運営していきます上で税は一つの重要な要素だと思いますけれども、それだけで現実の合併が行われるといったものでもないと思います。全体をそのような合併が多々行われているような印象を持たれると困りますので、そういう事業の分割、合併などはそう簡単なものではない、ほかの要素がたくさんあるわけでございます。 それから、税金を払っていない免税業者の分まで輸出の際に還付をするではないか、あるいは取引の仕入れ控除を認めるではないか、こういうお話でございますけれども、確かにそこだけとればおかしいということは言えるかと思います。しかし、先ほど大臣がいろいろと過去に議論の歴史があるんだということを申しましたけれども、これも売上税のときに、免税業者は税額票の発行ができないということにしたわけでございますけれども、そういうことをいたしますと、免税事業者から物を買いますと仕入れ控際の対象にならないものですから、一番弱い免税事業者が取引から排除されるという悲鳴がどっと起きたわけでございます。したがいまして、今回の措置に当たりましては、そういう弱い方々が取引から排除されないように、また、現実に取引の手間を考えましても、課税事業者なのか免税事業者なのか逐一確認するということになりますと、これもまた事務的に大変なわけでございますから、そこのところは全部仕入れ控除の対象にしようということにしたわけでございます。そういう考えがあってのことでございます。 それから受取配当の御質問の件でございますけれども、確かに受取配当につきましては、二重課税を排除するという考え方から課税をしないということにしておりました。これをやりませんと、子会社という形で事業を行いますのと支店という形で事業を行いますのと、そこについて何か非常に差が生じてきてしまうというのが旧来の考え方でございます。しかし、今回二〇%は課税対象といたしましたのは、そういう企業経営の形態としての株の保有だけではなくて、最近は、余裕資金で株を買って、いわば一般の投資として運用してそこから利益を上げている分があるではないか、そういう声が非常に高まってきたわけでございます。確かに従来私どもは企業経営の形態として別会社あるいは支店というようなことを考えていたわけでございますけれども、金余りの世の中といいますか、非常に日本が豊かになってくるに従いまして、事業のいろいろ資金の運用の方法も変わってまいりましたから、そういう投資目的、利益を得るために持っている株の分については課税対象にした方がいいのではないかということでこの二〇%という措置を講じたわけでございます。
○筒井委員 二重課税というのは受取配当金全部について言っていたわけでございまして、全部二重課税になるから一〇〇%非課税だ、二重課税という主張を残しておきながら二〇%だけ課税する、二重課税をやめたのならば一〇〇%課税すべきである、この点を指摘しているわけでございます。 それと同じようなものが賞与引当金についても言える。これも売上税国会では廃止を政府提案したわけです、廃止案を。廃止の必要性があると考えたから廃止提案を国会に出したはずだ。だけれども、売上税が廃案と同時にこれも廃案になったら、その後、今度はこの賞与引当金の廃止も全部引っ込めてしまった。これもちょっと一貫性がない税制の一つじゃないでしょうか。これに意見がありましたら。
○尾崎政府委員 賞与引当金の見直しについて法律として国会に提出したということはございませんで、私ども、税制改正の論議の途中におきまして大蔵省がそういう主張をしたことはございます。しかし、それに対しまして、これは企業会計上おかしいという、特に会計の専門家の方々の反対の意見が強うございまして、途中で私どもは制度改正を断念したわけでございます。これは柳沢委員がおっしゃっておられましたように、あの種の引当金のようなものは、要するにどこの年度に経費を帰属させるかという企業の期間的な配分の問題でございまして、そういう点から考えて引当金の制度を残しておいた方がいいという専門家の方々の意見が非常に強くて、私どもは途中で考え方を断念したということでございます。ただ、私ども完全に断念したというわけではございませんで、退職給与引当金等々とあわせまして今後とも実態をよく勉強しながら検討をしてまいりたいとは思っております。
○筒井委員 きのうですか、この特別措置が不公平制度なのかどうかといういろいろ論議もなされましたけれども、別に租税特別措置法に決まっているものだけが不公平税制ではない。それ以外にもたくさん不公平税制がある。この受取配当金の益金不算入とか賞与引当金とかこういうものも不公平制度の中に入るわけでございまして、それを自民党議員の場合にはまさに租税特別措置法の中に決まっているやつだけに限って検討している。その点でもう全然論議の土俵が違う。しかも租税特別措置なんというのは直したところで余り財源が出てこないというふうに主張をしておりますが、今話がありました賞与引当金、この賞与引当金を廃止した場合には、一回限りですが、しかし一兆六千億円という財源が出てくるというのは政府の提案の際にも言われたわけでございまして、先ほどの受取配当金の益金不算入に関してだって、二割課税するだけでもって二百億円の財源が出てくる。一〇〇%で一千億円になるわけです。そういうふうに不公平な税制というのは物すごいたくさんあって、しかもまたそれに対して財源としても十分にある、こういうことがまず言えると思うのです。 今やじで退職給与引当金が大分出ておりますが、この退職給与引当金というのは、別に退職金に対する担保、財源としては全然なっていない。ただ企業の損金として組み入れるためだけのもの。別に従業員のためになっているものではない。だから、私は、この退職給与引当金というのも廃止すべきだし、少なくとも見直すべきだというふうに主張をしているわけでございます。 〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕 それから、その次の質問に移りますが、大蔵省の資料の発表に関してなんですが、消費税の見直しによる減収額、これが八百七十五億円でもって初年度計算されて、地方譲与税とかそれから地方交付税もそれでもって計算されているようでございます。しかし、別な大蔵省の資料だと八百七十億円になっている。五億円の違いを、今も笑いが出ましたけれども、さっきの免税業者が三%やった場合に三千億円、これも軽微なやつだというふうに政府税調のあれに出ていましたけれども、この今の同じ大蔵省の資料で八百七十五億円と八百七十億円、五億円の違いが同じ資料に載っている。五億円なんて大したことないというふうに考えればそうかもしれませんけれども、しかし、国民感情から見れば、こういう違いを同じ資料で出しているというのはやはり問題ではないか。ぜひこういうものは統一した形で出していただきたい、この点についてお願いをしたいので、御意見があれば。
○尾崎政府委員 数字の丸め方の問題から出てきているわけでございまして、減収見込み額につきまして、「税制改正の要綱」の別表におきまして初年度八百七十億円と私ども記載いたしております。それに対しまして、税収予算の説明におきまして、一般会計分七百億円、特別会計分が百七十五億円、合計八百七十五億円というようになっております。混乱を生ずるではないかという御指摘でございまして、まことに申しわけございませんけれども、これは、初年度の減収見込み額八百七十億円に対しまして、一般会計分を計算いたしますときに、今までの倣いといたしまして十億単位で丸めるわけでございます。したがいまして、八百七十億円の五分の四が一般会計にまいりますから、それを掛けますと六百九十六億円となるわけでござしますけれども、それを丸めまして七百億円としたわけでございます。それから特別会計分といたしまして計上いたしますのに、一般会計分の今度は四分の一相当の百七十五億円というのを計上しているわけでございます。そういたしますとこれは八百七十五億円という計算になるわけでございまして、これはいわば丸めの慣例の結果そういうことになっているというものでございます。
○筒井委員 ぜひ統一した形での数字を出していただきたい、この点をお願いをしておきます。 先ほどの税の利益化の点で一つ確認するのを飛ばしてしまいましたが、免税業者とか限界控除とか簡易課税、これはいずれも中小企業に対する特例として出されているわけでございまして、だから、消費者から預かった税金が途中で消えてしまう、しかしその消えてしまう税金相当部分が必ずしも中小企業の懐にとどまっているとは限らない、こういう点を確認しておきたいと思うのです。例えば、中小業者と取引する大企業が、おまえのところはその分納付税額が少ないのだからあるいはないのだから納入額を少しまけろというふうな形でもって強調してまけさせた場合には、その途中で消えてしまう金額は大企業の方に今度落ちつくことになる。だから、途中で消えてしまう税金というのは結局最終的には力関係によって決まってくる、業者間の力関係によって決まってくるということが言えるだろうと思うのですが、その点はどうですか。
○尾崎政府委員 税込みの価格を決めますときは、値決めの問題でございますから御指摘のような力関係の問題になってくる、弱いところにしわ寄せがいくのではないかというのは私ども実は非常に危惧したところでございまして、そのためにいろいろと、カルテルでございますとか、あるいは公取、通産省に御協力をいただきましてもろもろの措置を講じたわけでございます。幸いなことに、事業者間取引におきましてはほとんど全部と言っていいほどいわば外税方式、欧州のインボイスに近い形の書類が取り交わされているという状況でございまして、下請業者その他等に対しまして危惧したようなことがなく、その下請からの転嫁も順調に行われているというのが現状でございます。それが現状でございますが、力関係の問題がないかといえば、それは値決めの際には起こり得る問題でございますので、今後ともそのようなことのないように配慮してまいりたいと思いますけれども、今のところうまいぐあいに制度はそこにワークしているという状況にございます。
○筒井委員 次に、地方の自主財源の問題について少しお聞きしますが、地方自治にとって一番望ましいことが財源の点からいって何かといえば、自主財源比率が高まることだろうと思うわけでございます。ところが、消費税導入によって、その以前は自主財源は約六〇%近かったものが五〇%以下に下がってしまった。自主財源が下がっただけではなくて、自主財源の減少部分を消費譲与税とか交付税でもってある程度補てんしたわけですが、それでも足りなくて、差し引き八千八百億円の減収になっている。自主財源が消費税導入によって比率が非常に下がった。そういう点では消費税の導入というのは、今の自主財源の点だけに限れば、地方自治の趣旨にはやはり反した結果になったのではないか、その点、自治大臣どうですか。
○奥田国務大臣 地方間接税で地方の自主財源であった電気ガス税あるいは料飲税等々の減収分があったわけですから、トータルにおいては委員が示された八千八百億という減収になっていることは事実でございます。
○筒井委員 私がお聞きしたいのは、地方自治の趣旨からいえば、自主財源の比率が高まることがまさにその趣旨に合っている。消費税の導入によってそれが下がったわけだから、その点についてだけ限っていえば、まさに消費税の導入は地方自治の趣旨に反した結果になっているんじゃないか、こういう質問でございます。
○奥田国務大臣 自主財源の率がこの導入によって下がったということは事実でありますけれども、地方自治体も、これは国とも、国民のいわゆる重税感を少しでも和らげるために二兆六千億の減税をした、そういった形の地方に対する住民税減税というような措置も行ったわけでございますから、住民に対する福祉という観点と財源減という点においての価値観の形ですから、趣旨に反するとか、そこはそういう考え方をとりません。
○筒井委員 私は極めて論理的に聞いているつもりなんですが。自主財源比率が高まることは地方自治の趣旨にまさに適合する、地方自治の趣旨から考えれば自主財源比率を上げることだ、これはもうだれも言っていることで、当たり前な話。消費税の導入によって自主財源比率が下がったわけだから、まさに地方自治の趣旨からいえば消費税の導入は反した結果になったんじゃないかという当たり前な質問なんですが、もしもう一度できますれば。無理ですか。
○持永政府委員 地方自治の立場から申し上げますと、おっしゃるように自主財源比率が高い方が好ましいことはそのとおりだと思います。 ただ、先般の税制改正におきましては、間接税の縮減分あるいは廃止分については譲与税で補てんをしておりますから、譲与税というのはもう御案内のようにほぼ地方税に近い性格のものでございますから、実質的にはそういった意味では自主財源は間接税分についてはカバーされていると思っております。 それから一方、住民税の減税につきましては、これは大臣からもお答えがありましたけれども、結局全体として国民の租税負担を軽減するという趣旨から減税をしているわけでございますので、確かに結果としてはそれは住民税減税分は自主財源が減ったことになりますけれども、それはやはり減税をするというそちらに重きを置いてそういう措置がとられた、このように理解しております。
○筒井委員 全然答えになっていないのですけれども、これだけで時間をとるわけにはいかないので。 譲与税と交付税、これはいずれも依存財源で自主財源とは全然趣旨が違うわけでございまして、問題は自主財源をいかに高めていくかというところが、今地方自治の趣旨から望まれているわけでございまして、譲与税とか交付税でもって賄ったからいいんだということは絶対に言えない、それを前提にして今質問をしているわけでございます。その意味で、答えになってないというふうに今言っているんです。 さらに、譲与税と交付税が二つとも依存財源ですが、この二つを比較した場合には、譲与税よりも交付税の方が望ましい。譲与税というのはまさにその自治体の財政力とかなんかは関係なくほぼ一律で配分されるわけでございまして、交付税はまさに財政力に応じて配分される。今の日本のように、各地域の格差が、各自治体の格差が激しいところでは、だからなるべく交付税によって格差を是正する方向が求められている。そういう意味で、譲与税より交付税の方が望ましいということが言えるだろうと思うのです。 その場合に、今交付税の比率は消費税の八〇%の二四%、酒税とか所得税とか法人税に対する交付税率よりももっとずっと低いわけでございまして、だから譲与税の比率が消費税の二〇%、もし全体の財源が同じだとしても、消費譲与税の比率を削って交付税の方に回す、こういう方向は考えられないかどうか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○持永政府委員 先般の税制改革におきまして、このいわゆる補てん措置として、交付税と譲与税、二つに分けて措置しているわけでございます。これは、それぞれ措置をした考え方と申しましょうか、経緯と申しましょうかが違いますものですからそういうふうになっているわけでございまして、今お話ございました交付税の方の二四%というのは、国税の所得税なり法人税の減税に伴う交付税の減収分をカバーする、そういう形で二四%という数字が出てきておりますし、一方、消費譲与税は、地方間接税の減収をカバーするという形で二〇%という数字になっているわけでございまして、それぞれその経緯といいましょうか、そういう措置をとった事柄が違うものですからそういうことになっているわけでございます。 なお、交付税の方にシフトしたらどうかという御意見でございますけれども、これは今申し上げましたように、譲与税、交付税をつくったその趣旨が異なるものですから、それを一緒にして、全体の財源は同じなのだから、量的には同じだから移したらいいじゃないかという御意見でございますけれども、それはやはり制度改正のときの趣旨からして、あるいは経緯からして、なかなかそういうことは難しいと思っております。 ただ、もっと財源調整を強化しろという御趣旨からの御発言であるとすれば、それはもっと長期的な観点から考えれば、長期的にはやはりいずれ検討をすることになるといいましょうか、検討に値する問題にはなり得るだろう、このように思っておりますが、今直ちにといいましょうか、当面の問題として考えれば税制改正の経緯からして難しい、こう申し上げさせていただきたいと思います。
○筒井委員 結局、この消費税の導入で、その直後ですが、差し引きでも、依存財源、自主財源プラスしたところで差し引き八千八百億円の減収になった。この減収部分に対して特別財源を手当てしなかったわけでございまして、いろいろな言い方をしておりますが、結局は自然増収によってそれを賄ったという結果になっているわけでございます。 野党が前回の案を出した際に、自然増収ということを一言言ったら物すごい非難、攻撃をしてきたわけでございますが、自民党自身がこの消費税導入に伴う地方税の減収部分については何の財源手当てもしないで自然増収によって賄った。自分でやっておきながら人がやると非難するというそういう行動をやっているわけですが、それについて、自治大臣、何か御意見がありましたら。
○奥田国務大臣 ですけれども、最初にこれは与野党ともに、いわゆる直間比率の見直し、減税という、二兆六千億規模の大減税という形の中で地方も分担したわけでございますから、むしろ国の大きな減税負担分、それによる減収分より地方の方が手厚くそういう形で、二兆六千億のうちの八千八百億ということですから、これは大きな政策断行のためにこういうことになったということです。地方の財源を確かにいわゆる税収の好調によって支えられて、その意味においては地方自治体においてはいわゆる財源の不足ということをそれで免れたわけでございますから、手厚く配賦できたわけでございますが、地方財政の上にとっては、しかしトータル上八千八百億という強調されている数字は事実でございます。
○筒井委員 余りよくわかったわけじゃないのですが、わからないけれども、まあよろしいです。 いずれにしても、この自然増収に関してもそうですし、それから個別間接税、非課税品目と課税品目の区別が難しい、アンバランスが出る、これはいずれも自分たち自身がそうしておきながら、そういう点で苦労しておきながら、あるいはそういう結果を来しておきながら、野党の同じことに対して程度の違いだけでもって物すごい非難、攻撃する、こういうことをまずやめていただきたいなというふうに思うわけでございます。 先ほどから指摘しておりますようなこういう根本的な構造的な欠陥を有している、しかも世界で例を見ない堕落型の消費税、これを廃止しなければならない、廃止して新しい間接税を採用して新しい税制改革を行うべきだというふうに考えるわけです。その場合に、私は、新しい間接税の採用を含めた税制改革の抜本的な柱というのは四本柱だというふうに考えております。 今の世界の流れに合っているように、やはり優遇制度、不公平制度を徹底的に切り捨てる。特に日本の場合には、今、土地、株を初めとした資産所得、これに対する不公平が物すごい問題になっているわけでございまして、そういうものに対する分離課税とか非課税制度とか、こういう優遇措置を徹底的に切り捨てるというのが一本目の柱だろうというふうに考えております。 二本目の柱としては、課税ベースの拡大に対応して所得税も法人税も税率を引き下げる、これが必要だろうと思います。ただし、これは課税ベースの拡大に対応しての話でございまして、自民党のように課税ベースをほとんど拡大しないのに税率を引き下げる、これは完全に間違ったやり方になっているわけでございます。 三本目としては、消費税にかわる新しい間接税の採用でございまして、今の消費税、どこが一体一番国民に非難されているかといえば、まず一つは、ほとんど生活必需品に対しても課税しているじゃないか、この点が大きな非難、批判をされているわけでございまして、やはり新しい間接税は、先ほど私は生活保護法で具体的な例を挙げましたけれども、最低限の生活に必要なものについてはかけない、生活必需品はすべて非課税にする、これが一本目の柱として必要だろうと思います。二本目としては、税の利益化とかいろんな問題が出ておりますけれども、事務が煩雑だとか、これが消費税の欠陥の一つですが、これはやはり多段階課税であるから起こっているわけでございまして、単段階課税にすべきではないか。だから、生活必需品を非課税にして、それ以外のすべてのものに単段階で課税する、こういう間接税を採用すべきである。これはアメリカが採用している小売売上税に近い形のものでございますが、やはりそういう方向を考えるべきである。 もう一つが、先ほど地方の自主財源が比率が下がってしまったということを指摘をいたしました。今、国と地方の関係でいえば、地方の方にできる限り決定権限も財政力も移していく、これが求められているわけでございまして、抜本改革の四本目の柱は地方税の充実、そして税源の地方への移行、こういうことが必要であろうというふうに思うわけです。 その場合に、ここで問題になっているのは、消費税にかわる新しい間接税の採用でございます。これに対して、今、私は、アメリカの小売売上税的なもの、小売段階で生活必需品を除いた物品、サービスに課税をする、こういう税金を考えられないかということを主張いたしました。こういう税金ですれば、生活必需品とか生活必需サービスはすべて非課税にすることができる、先ほど主張しました税の利益化も解消することができる、単段階課税ですから複雑性もなくなる、非常にわかりやすい形になる、こういう点が言えると思うのです。 さらには、今の形でいえば、今の消費税は三千万円以下の業者に対しては非課税にしているわけです。これが多段階であるためにいろんな問題が起こっているのですが、これを小売段階売上税で三千万以下を非課税にすれば、そうすれば別にそういう問題が起こらなくなってくる。しかも、本当に中小零細の小売業者は課税業者から外れることができる。限界控除も、もし必要であれば今の消費税と同じように六千万円以下の業者については限界控除を認めてもいいじゃないか。ただ、簡易課税は要らなくなるわけでございまして、簡易課税はまさに売り上げに〇・六%掛けるから簡単に計算できる、小売売上税であれば売り上げにもともと税率を掛けるわけでございますから簡易課税が要らなくなってくる。 こういう形にすれば今消費税が持っているほとんどの欠陥を解消することができる、しかもサービスに対しても課税することができる、こう思うのですが、大蔵大臣、意見ありましたら。
○橋本国務大臣 今初めて伺っておりまして全体を正確に把握したわけではありませんので、もし間違った部分がありましたらその点はおわびをいたします。その前提において、私はそれなりに一つの形態を持った、ただし、大変恐縮でありますが、委員が所属される政党の御意見とは全く異質の新しい考え方と……(筒井委員「異質じゃない」と呼ぶ)いや、異質ですね。申しわけないが、異質の新しい考え方として今伺っておりました。 ただ、私の立場から伺っております限りにおいて、幾つか問題はあると思います。気がつきました中、思うままに申し上げさせていただきますならば、住民に身近な行政をできるだけ住民に身近なところでという、その視点から今御主張になっておられた方向というものは、新たに提案される、何という名前になるのかわかりませんけれども、その税体系というものは地方税を想定しておられるような感じがいたします。そうなりますと、現在の消費税というものは、御承知のとおり、国分と地方に譲与する分とが含まれているわけでありまして、国税としての体系をとっております。その場合の国と地方の事務配分についてどう委員は考えておられるのか。事務配分、業務の配分に基づいて財源は移行すべきものでありますから、この点の切り分けに一つ疑問がございます。 もう一つの点は、生活必需品という定義を置かれたわけでありますけれども、この定義は、生活保護法の例を引かれましたが、生活保護法の中においても、正確に個別の物品まであるいは個別のサービスまでを規定しておるものでないことは委員が御承知のとおりであります。その場合に、しかも生活保護の中においてすら許容される範囲が変わりつつある、必需品としての認定が変化しつつある状況の中において、果たして生活必需品といったような、言葉として単純でありますけれども、個々人の立場になれば非常に大きな変動のあるものを果たして対象として立て得るのかどうか、これがもう一つの問題でありましょう。 もう一つの問題点は、小売段階というところに着目をされたわけでありますけれども、これは果たして国民感情に合うものかどうかという点もあろうかと思います。 とっさに伺った中で感じることを率直に申し上げるわけでありますが、いずれにしても、私は、新しい考え方を打ち出されているという点については率直に評価をさせていただきます。
○尾崎政府委員 大臣から既に御答弁ございましたが、若干技術的なことで感じた点申し上げますと、アメリカで行われておりますような小売売上税というのは、しばしば誤解がございますのは、委員そういう誤解をなさっておられるという意味ではございませんけれども、しばしば誤解がございますのは、小売業者だけがその課税のシステムの中に入ってくるというように考えられていることでございます。 実は、あれは全事業者が課税のシステムの中に入りまして、そして自分の事業者としての番号をもらうわけでございます。そして、物を買いますときに、自分は事業者でありますと相手方にその番号を示しますと、売る方はその番号をちゃんと記帳いたしまして税抜きで売る。事業者じゃない方、消費者は、その番号をもらえませんから、番号提示ができませんので、税金を乗せた値段で買う、こういうシステムになっておるわけでございます。と申しますのは、製造業者でありましても小売をすることがあるわけです、産地直売というのがございますから。したがいまして、全業者を対象としているということになります。 その中で、委員、たしか免税点三千万円というようにおっしゃったと思いますが、免税事業者をつくりますとどういうことになるかといいますと、その方は番号をもらえないわけです。したがいまして、仕入れの際に税金が乗っている値段で買ってこなくてはいけないということになります。したがいまして、売るときにコストとして税金分をまた乗っけなくちゃいけない。同じ問題が生ずるわけでございます。 したがいまして、アメリカの例など、委員よく御承知のとおりでございますが、極端に言いますと屋台を引いているハンバーグ売りに至るまで全部納税義務者になるという、本当にべったり型の制度でございまして、そういう制度で、しかも納税事務が、卸とかあるいは製造業者は事業者に売りますから、実際上記録さえしておけば納税事務は生じないでみんな税抜きで売れるということになるかもしれませんけれども、小売事業者の方々は納税の事務が全部そこに集まってくるということになるわけでございますから、大臣からお話がございましたように、一部の人にだけ納税義務が固まるということについて国民感情がどうかという問題もあろうかと思います。 技術的に申しますと小売売上税というのはそういう性格のものでございますので、ちょっとその点だけつけ加えさせていただきたいと存じます。
○筒井委員 まず前提として、これは別に野党のあるいは社会党の立場での異質な考え方ではなくて、今野党が出しているのは当面の代替財源案として個別物品税を出しているだけでございまして、今私が私自身の私案として提案しているのは抜本的な改革の一つの中身として出しているもので、抜本的な改革の中身としては正式にまだ社会党の対案が決まっているわけではない。そのたたき台として出しているわけでございますから、異質というわけではございませんので、念のため。 さらに、今の、私自身もこれは地方税として特に都道府県税として考えてみる必要があるのではないかというふうに思いますが、その場合に、事務配分ももちろんそれに比例して移行しなきゃいかぬというふうに思うわけで、事務配分と財源というのはいずれも並行しながら地方の方に移らなければならないというふうに思っております。 それから、生活必需品の話が出されて大分やじもその点で飛んでいるようですが、生活保護法で規定しているのは、最低限度の健康で文化的な生活をできるようにいろんなものを支給するということを言っているわけでございまして、だから、生活保護法で今現在、一級地ですと二百六十何万ですか、支給されているわけですが、これは最低限度の生活に必要な物品とかサービスを受けるに必要な金額として提案されているわけでございまして、だからあくまで生活保護法の建前としては生活必需品と生活必需サービスというのを前提として出しているわけで、やはりこの考え方を基準にして、客観的な基準としてやっていく。もちろん、それでも生活必需品の選択というのは非常に難しいだろうと思うのです。これは先ほど言いましたようにどの税金だって一緒。EC型付加価値税でも一緒だし、今の自民党の見直し案だってその区別というのは難しい。個別間接税だって難しい。どの税金だって非課税品目をどう選ぶかというのは難しい作業だ。だから、その点で、一つの客観的な基準として生活保護行政とか保護法というのを挙げるべきではないか。客観的な一貫した基準がないと、まさに、またしかられるかもしれませんが、選挙向けのいろんなつじつまの合わない結果になってくるわけでございます。 さらに、技術的な問題として、今、全業者が一応対象になってしまう、こういう指摘をされまし た。確かにそうであって、たとえ卸業者でも製造業者でも小売をする場合には対象になるわけですから、その意味で全部を対象にせざるを得ない。この点に関しても、技術的な問題がゼロだとは私も考えていない。しかし、これもやはり、技術的な問題というのはどの税金をとってみたってそうだ。一番その中でもって選ばれるのは、いろんな国民から見て我慢できるような欠陥があるのかないのか、国民から我慢できないような欠陥を解消することができるかどうか、この点が最大の基準になるのだと思うのです。 その意味でいいますと、まさに国民から最も我慢できない問題である生活必需品が課税されている点と、税金が途中で消えてしまう点、これがこういう形にすれば解決されるわけでございまして、この二つについては解決されるのではないか。この点について、御意見ありましたら。
○橋本国務大臣 大変、私はせっかく新しい角度の提案と評価したつもりだったのですが、そういうふうにおっしゃるのでしたら、ひとつ私、逆に委員に例を挙げて、これはお尋ねをしてはいけませんので、問題を提起いたしたいと思います。 人間にとって食生活というのは欠くべからざる要素であり、食料というのは生活必需品であります。しかし、今の委員の御論議の中から、それでは食料品について、一体、生活必需品としての食料とそうでない食料というのは仕分けができるでしょうか。生活保護法の中で考えられる生活必需品というとらえ方の中には、そういうルールはないわけであります。そして、私は、むしろ新しく委員が提起をされたお考えとして、私なりに問題点は感じながらも一つの御見解として評価をしたわけでありますから、せっかく評価をしておりますときに、政府の政策を一々選挙のためだとかおっしゃるのですと、私も同じようなことを委員に申し上げなければならなくなりますので、私はそういうことは枝葉は外して本体で議論をさせていただきたいと、本当にそう思っております。
○筒井委員 税の利益化という点と、生活必需品非課税という点について解決されるのじゃないかという、今の点、生活必需品についての答えとは考えられますが、税の利益化の方についてはどうでしょうか。
○橋本国務大臣 ただ、委員の御議論の中におきましても、簡易課税は否定をされましたけれども、実行上の問題として免税点あるいは限界控除というものはお考えになりました。そうすると、やはり内在する問題点というのは程度の差こそあれ残るのではなかろうか。また逆に、それでは免税点等を全く否定してしまって、これは国民に受け入れられるだろうか。 事実問題として議論をいたしますと、いろいろなケースが考えられると思います。それは、先ほど生活必需品という定義の中で私は食事を例にとりましたけれども、衣類の場合でも同じことでありまして、やはりそうした点において現実に当てはめて運営を考える場合、私は、興味のある御提案と受けとめながらも、実行上相当程度の問題がある、そのように思います。 同時に、地方税として考えられます場合にも、それは一体、委員の考えられる行政権限の移譲等、例えば都道府県を対象とされるのか市町村に移譲されることを前提にされるのかによっても、その新しい税そのものがまた配分の問題を生ずるでありましょう。 そうした点、問題点を私なりに感じながらも、むしろ私は、一つの新しい考え方を提起されたことには敬意を表した次第であります。
○筒井委員 一つ目の、生活必需品の区別ができるのかという話でございました。 今現在でも、特別地方消費税では、飲食、宿泊に関して、飲食に関しては五千円以下は免税、宿泊に関しては一万円以下は免税とか、免税点を設定しているわけでございまして、そういう今の飲食、宿泊に関して五千円とか一万円と、じゃ、何で五千円だ、何で四千円じゃないんだ、何で六千円じゃないんだ、そういうふうな形で言っていけばまさに厳密な計算根拠は出せないわけでございますけれども、しかし、大体五千円ぐらい、大体一万円ぐらいならば、どうしても生活に必要な飲食、宿泊に関しては課税しないで済むだろう、こういうふうな判断、最終的には接点に関してはそこへ行くだろうと思うのです。衣服に関してだって一緒だろうと思うのです。 そういう点で、確かに限界点に関しては区別をつくるのは難しい、ある意味で物すごい理論的な数字上の根拠を説明できない分野があるだろうと思うのです。これはしかし、どの税金に関してだって、先ほどから言っておりますように同じようなそういう問題点が出てくる。ただしかし、そういうふうに難しいからといって、生活必需品を選択するのはやめちゃって、あきらめちゃって、生活必需品にもかける、こうなったら、やはり国民の生活感覚とは外れるし、国民の生活に対しておかしなことになる。少なくとも最低限の生活に必要な部分、最低限の生活に必要な所得には税金をかけないという大原則を絶対最後まで守るべきだというふうに私は思っているわけでございます。だから、所得税とか住民税に関しても課税最低限がほぼ決まっていて、今度地方税の方で課税最低限の方も生活保護法の基準に合わせたわけでございます。所得税、住民税に関しても、最低限の生活に必要なものはかけない、物とかサービスに関しても最低限の生活に必要なものはかけない、これはやはりどんなに難しくてもぜひあきらめないでやっていただきたいし、そうすべきではないかというふうに思うわけでございまして、これがまず第一点目。もう一回その点に関する考えをお聞きしたいのです。 それからもう一点は、税の利益化に関して、簡易課税制度が、これは一段階、単段階課税にすれば要らなくなる。免税点と限界控除というものは残すことも可能になるわけですが、残した場合でも、税の利益化が生じないような形で残すことができる。今なぜ税の利益化が出ているかというと、免税業者も消費者に転嫁をして預かってしまう、それから免税業者も課税業者と同じように仕入れ税額控除をしてしまう、この二つの点から起こってくるわけでございますから、この二つともができないようにすれば、たとえ免税点とか限界控除を残したところで、税が途中で消えてしまうということはなくなるわけでございます。その二点に関してもう一回御意見を。
○橋本国務大臣 お言葉を返して恐縮でありますけれども、今委員御自身が御自身の提案についてのある種の限界を認められました。そして接点部分に問題が残ることはお認めになりました。私どもも、今、消費税というものを国民に御理解をいただき一層の定着を図っていく中で見直しを行い、改善をしたつもりでありますが、その接点部分についていろいろ委員から御意見が出ております。私どもも、自分たちとして最善を尽くし、今御指摘を受けておりますような簡易課税等につきましても、この一年間の実績を踏まえた上で検討していこうという姿勢を示しております。どうぞ、委員の御提案を私が評価しておりますと同じような視点で政府の案についても御検討をいただきたいものだと最後にお願いを申し上げます。
○筒井委員 申しわけないのですが、消費税について先ほどから指摘しているのは、接点部分についてだけではなくて、構造的な欠陥であるというふうに主張しているわけでございまして、税の利益化自体が生じている。これは構造的に生ずる形になっている。そして生活必需品にはもともとかけるという前提になっている。こういう点で構造的な欠陥である。ただ、新しい今の小売段階一段階だけの課税の場合、生活必需品を除いた場合にも、接点部分については確かにこの場合問題点があるけれども、消費税が持っている大きな欠陥については解消されるのではないか、構造的な欠陥はなくなるのではないか、こういう主張でございます。
○橋本国務大臣 基本的に事務配分の改善を全く御提示をいただけないままに地方税として設定をされること自体に私は根本的な問題点があろうと、そういう議論をするなら申し上げたいところ であります。そしてその地方への移譲すべき業務とは一体何なのか、その業務は都道府県段階に移譲すべきものなのか市町村段階に移譲すべきものなのか、それによって財源配分は全く異なってまいります。こうした点について、委員は、変えるべき行政の仕組みの方は御提示にならずに今私に答えを求めておられるわけでありますから、今その点について私どもとしてそれ以上この部分については申し上げようがありません。 また、簡易課税あるいは免税点について、私ども自身が、何回も申し上げておりますように、この国民にとってなじみのない新しい制度を導入するについて、しかも売上税の御論議のありましたときのさまざまな御論議というものを踏まえて、より定着しやすい、なじみやすい仕組みとして考えたものでありますけれども、それに対して国民から御批判が出ておることも事実であります。そして、その声に私どもは率直に耳を傾けてこの一年間の実績をもって見直すということを既に正式に閣議としても決定し、院においても御報告を申し上げております。五月末日をもって申告・納付は終了したわけでありますから、七月末までかかりますけれども、それこそ全部を集計した上で、その中から今後考えるべき方向を見出そうとしているわけでありまして、こうした努力も御評価をいただきたいものだ、私は率直にそう考えております。
○筒井委員 時間がなくなってきたようなので、最後に一点だけ。 今、大蔵大臣、地方税として採用する点に関しての御意見を大分聞いたのですが、じゃ、国税として採用する場合にはほとんど問題点はないというふうにお聞きしてよろしいでしょうか。
○橋本国務大臣 その場合には、国と地方の財源配分という部分については問題は消えるわけでありますし、同時に、国と地方との行政の見直しあるいは委任といったことについては問題はなくなるわけでありますが、定義について私から提起をいたしましたような問題は、委員の御意見は承りましたけれども、私としては、やはり問題は相当深刻に残るのではなかろうか、そのように思います。
○筒井委員 今まで論議をずっと消費税に関してもしてきたわけでございまして、この税特委の審議と並行して協議機関の設置とか何かが今大分新聞報道をにぎわしているわけでございます。しかし、今までの論議を見てみますと、消費税に対する問題点の指摘等があり、そして当面の代替財源案についての論議等があった、しかし消費税にかわる根本的な抜本改革の中身についての論議は今までなかったわけでございまして、だから現時点ではまだ双方が完全な対抗的な立場に立って協議を尽くしたというふうに言える段階ではないだろうと私は思うのです。今の段階で何か見直し案に乗ってほしいみたいなそういう要求もあって、それに乗る動きも一部あるようでございますが、基本的には、今まだそんな段階ではない。やはり今消費税にかわる新しい間接税の対案も出して、抜本的な改革案の中身も出して、それではっきり国民の前でどちらが正しいのか論議した上で、初めて妥協とか譲歩の問題あるいは協議の問題が起こってくるというふうに考えているわけでございまして、それをこれからもぜひ続けていきたいし、また続けていただきたい、このことを発言しまして、私の質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○山崎委員長 これにて筒井君の質疑は終了いたしました。 次に、正森成二君。
○正森委員 私は、日本共産党を代表して、時間の関係もございますので、ほんの一、二の問題に絞って質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、政府の消費税見直し法案、それによって抜本的な見直しとか思い切った見直しとか、いろいろな表現がございましたが、結局、税収減といいますか、あるいは、言葉をかえて言いますと、減税になった分が幾らであるのかというのは、これを評価する人もしない人も大きな関心であります。 そこで、まず最初に事務当局に伺いますが、私が承知しておりますところでは、ことしの五月十四日に参議院で審議が行われました。久保委員が詳細な質問をされておりますが、それに対して尾崎主税局長が、減収額について、「初年度分といたしましては八百七十五億円でございます。これを平年度といたしましては八千五百二十億円と相なります。」こう言っておられます。その後続いて、「一つには減収分といたしまして一兆一千三百五十億円がございまして、それに対しまして、逆に消費税の仕入税額控除の制限などによりまして増収分といたしまして二千八百三十億円があるわけでございます。それを通算いたしますと八千五百二十億円の減収となるわけでございます。」こういうように速記録では出ております。 私は、これから質問が比較的数字の問題になりますので、委員各位に私の質問の説明資料をお配りいたしました。それを見ていただきますと、一番上に載っております「増減収見込み額」というのは、政府提出の予算書についている書類であります。私が今言いましたのは、その上の「消費税の非課税範囲の拡大等」というところでマイナスの一兆一千三百五十億円が立っておりますが、すぐその下に「消費税の仕入税額控除の制限等」というところで二千八百三十億円の増収を挙げております。その差し引きが、結局ここでいう尾崎主税局長が答弁しました「通算いたしますと八千五百二十億円の減収となるわけでございます。」ということになるわけであります。私が説明しましたが、それでよろしいか。
○尾崎政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○正森委員 その次の質問は大臣に聞きますので、おられませんのでちょっと休ませていただきます。――今大臣がちょっと所用で席を外されましたが、その間に私は、五月十四日の参議院での久保委員の質問を引きまして、消費税に基づく減収額が増減いたしまして八千五百二十億円であるという尾崎主税局長の答弁を引きまして、その確認を求めたところでございます。そこまでは尾崎さんも認められましたので、その後大臣に質問させていただきたいと思います。 ところが、橋本大蔵大臣、これからの質問は、大蔵大臣に対する質問というよりは、国務大臣の橋本さん、もっと言えば政治家に対する橋本さんへの質問になるかもしれませんが、ここに朝日新聞の十二月二十四日、つまり見直し案を発表された直後に出された一面全部を使った広告があります。これは「大きく見直し、小さく負担 みんなの消費税」こういう見出しでありますが、そのリードの部分にどう書いてあるかというと、「消費税に対する皆さんの声に、自民党はしっかりと耳を傾けました。生活者の立場で、思い切った見直しを行いました。食料品をはじめとする非課税品目の拡大など、家計の負担の軽減に努めました。総額では一兆二千八百億円の減税になります。」こう書いてあります。 そうすると、これは著しく誇大広告ではないですか。消費税では八千五百二十億円なのに一兆二千八百億円ということになれば、これは四千三百億円、五割もの誇大広告ということになるのじゃないですか。
○橋本国務大臣 私も自民党員でありますけれども、ちょっと今とっさにこの数字を拝見してよくわかりませんでしたので、事務方に確かめてみますと、多少の計算違いがあるようでありますが、要するに減税分だけの数字を列記すれば大体これに近い数字のようであります。 ただ、今度は、御承知のように、今まで先ほど来議論にありましたように、例えば自動車でありますとかその他増収策をとったものがございます。それはここの中にはどうも入っておらないようであります。
○正森委員 今御説明がありましたけれども、しかし、それは十分な説明どころか人を納得させないですね。これは、一兆一千三百五十億で消費税の仕入税額控除の制限等二千八百三十億となって いますでしょう。しかし、この二千八百三十億のうち、自動車等は、私が事前に説明を受けましたら千六百億円ぐらいで、それも消費税に関係することです。千二百億円ぐらいは、大蔵省の説明によりますと、免税業者の分はもともと入っておらないので、それで初めのこの一兆一千三百五十億の方には免税業者かないものとみなして減税になる分を全部挙げた。それに対して、この下の二千八百三十億のうち約千二百億円部分は、免税業者を考慮すると、もともと引くべきではなかったものを引いておったので、ここで増を立てたという説明になっているのですね。 それで、自民党のこの広告を見ますと、初め新聞では、何かここに出ております公的年金等の控除の引き上げなんかを入れるとこうなるというような説明をされていたのですけれども、委員各位ごらんになっていただいたらわかるように、それはたった三百四十億しかないのですわ。ですから、どこから計算しても一兆二千八百億円なんという数字は出てこないのです。 いいですか、大臣。これが結婚式のあいさつなら私も見過ごしますよ。結婚式は、花嫁、花婿は大抵秀才と才媛になるんですよ。私もあいさつに行って秀才と才媛と言ったこともありますし、十人並みの花嫁さんだったら、こんなきれいな花嫁さんもらわれてさぞかしお幸せでしょうというようなあいさつは、それは政治家だからしますよ。そのことによって被害を受ける人はだれもいないんですよ。だって、本人同士が気に入って結婚するんだし、花嫁と花婿の家族は喜ぶし、それはそういうことだったら私も笑って、いや結構ですなと言いますけれども、これは与野党が対決して、まさに廃止でいくのか、それとも思い切った見直しでいくのかという争う直前の切り結ぶ最中です。そんなときに、一兆二千八百億円なんて実際を四千三百億円も上回るものを、四千三百億円いうたら一つの項目の税金で物すごい大きな額ですよ、そんなものをここで誇大広告にするなんというのはもってのほかじゃないですか。 私はこれが出たときにすぐおかしいと思って大蔵省に電話したら、大蔵省はやはり用心がいいですね、私どもの関知しない数字でございますと、自民党が計算なさったものと思いますと、ちゃんと、主税局長、頭がいいですよ、逃げを張っているんですよね。それで、この審議が始まったら八千五百二十億という数字を出してきて、そして自分のところは責任は負わない、自民党の責任だ。自民党、責任をとるといったって、もう安定多数二百八十幾つもとってからですから、とりようがないのですよ。そういうことはやってはいけないことですね。それで、そういうことをやれば、大蔵省はすぐ国民のためにも、これは我々が誇大広告だと思うということを言わなきゃいかぬです。 ところが、あなた方は逆にいろんなPR資料を出して一生懸命見直しを宣伝したじゃないですか。それは本当に許されないことだというように私は思いますね。何か言いたそうだけれども、これからが本番だから、後で何ぼも言う時間あるから。 ところが、これはまあ自民党の政党としてのミスと言えばミス、あるいは故意が入っているかもしれませんけれども、国民が非常に迷惑を受けたわけですが、これから私が聞くことは、大蔵省のこの数字自体にも非常に問題がある。私がこれから言いますことは謙虚に、謙虚にといいますかお互いに虚心に聞いていただきたいんですが、自分の主張が全部正しいというわけじゃないんです。しかし、私の前提、考えをとればこうなりますよ、それは大蔵省と大分違いますよということを申し上げているわけなんで、理解をしていただきたいと思いますので、お聞きいただきたいと思います。細かい数字が出ますので、申しわけございませんが、資料を出しておりますのでそれをごらんいただきながら聞いていただけば、それでございます、おわかりいただける点があると思います。 主税局長に伺いますが、私がこの質問をする場合に、大蔵省の主張を知らないで一方的に主張すると議論がかみ合いませんので、主税局総務課の税収の見込みを担当する専門家を私の部屋に来ていたださまして、相当長時間にわたってこの根拠を伺いました。 五月十四日の久保議員の質問では説明されておりますけれども、それは、こうなってこうなって足して引いたらこうなるというだけで、その数字を出してきた根拠までは聞いておられないんですね。そこで、私が聞きましたら、こう言うておられるんですね。 大蔵省当局の説明では、国民経済計算、平成二年度の民間最終消費支出の見込み二百三十五・七兆を根拠に、その二五%を食料品と見て、その支出を約五十八・九兆円とし、その一・五%が軽減税率で減収になるとすると、約九千億円になる。小売段階では今まで課税業者であったものが非課税になるので、この九千億円にはプラスアルファが見込めるはずだ、それを見込むと、約一兆円になるということを言うておられるのですね。そこから、免税業者が今までも、これまでもあったわけですから、その分を減として一千億引くと約九千億円になる、こういう説明なんですね。 それで、それを皆様方にお配りした説明資料の「2、食料品に係る減収額について」というのを見ますと、これは民間最終消費支出が二百十一・八兆円、これは多分、経企庁長官も来ておられますが、国民経済計算から実績として出てくる数値であります。それを、経済見通しですね、それで延ばしまして、平成元年は二百二十八・八兆、そして本年は二百三十五・七兆円という数字が出てきますので、この数字を使われたと思うわけであります。ところが、実際には、消費税を考える場合には、民間最終消費支出で考えてはいけないので、家計に対して売られる食料品から考えなければいけないのです。 そこで、計算の中には、資料を見てみますと、「国内家計最終消費支出」というところがあります。その実績を見ますと、二百六・六兆で、民間最終消費支出に比べますと九七・五%ですから、これを右へ同じように延ばしていきますと、一九九〇年度、平成二年度は二百二十九・八兆円になるわけですね。これは単純計算です。 非常に大きいのは「家計に占める食料品支出の割合」で、大蔵省は二五%に見ているのですね。ところが、我々がいろいろ調べてみましたところでは、二〇%というのが妥当な数字だと思います。それはなぜかといいますと、総務庁がいろいろ調べまして、勤労者や一般世帯の家計消費支出というのを調べているのですが、それを見ますと、大体勤労者世帯の場合には一九・二%ぐらい、一%か二%ですね、それから一般世帯の場合で二〇%ということになっております。そこで、二〇%という数字をとりますと、これはそこに私が書きましたように、大蔵省の言う五十八・九兆円じゃなしに四十六兆円になるわけであります。で、下に「伸びはゼロであり実際は四十兆円以下」と書いてありますが、これは国民経済計算の数字を見ましても、産業連関表を見ましても、食料品の生産はずっと横ばいあるいは低下の年もあるんですね。ですから、家計消費が伸びておるといっても、食料品支出が伸びておるとは限らないわけであります。 以下、順次説明していきますが、ここまで切りまして、大蔵省の見解を伺いたいと思うわけであります。
○尾崎政府委員 大変詳細に御勉強でいらっしゃいまして、私もいろいろ思い出しているわけでございますけれども、二百三十五・七兆円に二五%を掛けるというやり方は、大蔵省で積み上げ計算でやっておりますものをマクロチェックをしている、そのマクロチェックの方のやり方なんでございますが、これで御議論いただいて大体よろしいかと思います。私ども、二五%という数字をとっております。先生の御計算ではもっと低いのではないかということでございますけれども、例のCPIを計算いたしますときの対象品目、そこに万分比で全体のウエートがついているわけでございますけれども、この対象となります食料品の比率を出してみますと、大体二五%になるわけでございます。 それが一つでございます。 それから、委員が家計調査で御計算をなさいましたら一般世帯で大体二〇%だというようにおっしゃられたのでございますが、私ども家計調査からもチェックをしてみたわけでございますが、六十三年の家計調査年報の全世帯というのを使っているわけでございますけれども、食料が九十六万七千円でございますけれども、そのうち酒と外食を除く七十五万六千円、それに水道料というのを足さなくちゃいけませんので、その水道料を足しますと七十八万五千円、これが分子になるわけでございます。消費支出が三百四十九万三千円でございまして、ただ、そのうち税の対象になりません贈答金のような、結婚のお祝いでございますとか慶弔金のようなものがございますので、そういうものを除きますと三百十三万七千円ということになります。これが課税対象となります全体の消費支出でございますけれども、その消費支出で先ほどの食料品の七十八万五千円を割りますと二五%ということになるわけでございます。したがいまして、CPIの万分比それから家計調査の双方から二五%という数字をとらせていただきました。 それから、家計の消費だけという御指摘がございましたけれども、補助金などで運営されております病院のような非営利団体、それも最終的な消費の負担者ということになりますので、そういう分を加えて考える必要があろうかと存じます。私どもはそのようなことで計算いたしております。
○正森委員 今いろいろと言われましたが、非営利団体最終消費支出というのは、私は手元に持ってきておりますけれども、家計最終消費支出に比べると一%に満たないのですよ。非常に小さいのです。ですから、それを入れる入れないにしましても、皆さん方の数字は必ずしも正確でない。 それから、私がここに持ってきておりますのは、これは総務庁の家計調査であります。この総務庁の家計調査、ここに細かい数字が全部出ておりますが、それをとってみますと、今、主税局長は、百万単位ですね、年で言われたと思いますが、これは月に直して書いてありますが、それで見ますと、消費支出が勤労者世帯は三十万七千二百四円に対して食料関係が七万四千八百二十七円、そこから酒の三千七百九円と外食の一万二千四百八十五円を引きますと五万八千六百三十三円になり、消費支出に占める割合は一九・一%であります。全世帯を見ますと二十九万一千百二十二円で、食費は七万四千百七十三円、それに酒類の三千六百八十二円、これは三%課税されます。それから外食の一万一千六百八十七円、これも三%課税されます。残りは五万八千八百四円で、これが二〇・二%であります。 だから、私どもは二〇%というのかほぼ正しい。もちろんどっちが絶対に正しいということはありません。私どもは、大蔵省がそういうことを言っておられるということを考慮いたしまして、他の官庁がどういうことを言うておられるかということをチェックしてみました。私がきょう議論しておりますのは、自分が絶対正しいということで議論しているんじゃないのですよ。こういう考えがあって、それも一定の考慮に値すると言っているのです。 ここに持ってまいりましたのは農業基本法第六条の規定に基づく農業の動向に関する年次報告で、これは国会に提出することを義務づけられております。ですから、作成者は農水省でも何でもないのですね、政府が提出したという格好になっております。それを見ますと、いろいろ詳しく書いてあっておもしろいのですが、ここでも外食費の伸びが大きいということを書いてありまして、あえて資料にはいたしませんでしたが、大臣、こういう数字が書いてあるのです。これを見ますと、色で書いてありますが、これは、外食はずっと伸びているのですね、これが元年ですからね。それから、消費支出全体も伸びているのです。ところが、これを除いた食料全体はほとんど横ばいなんですね。これはわかりますね、グラフですから。
○橋本国務大臣 それくらい僕でもわかります。
○正森委員 それから、穀類・生鮮食料品なんかは逆にマイナスの時期もあるのですね。だから、全体が伸びてもそれは外食が伸びているということで、食料全体はこうして横ばいだというのが……
○橋本国務大臣 いや、しかし、調理食品も伸びているよ。その方がはるかに大きい。
○正森委員 いや、だけど、調理食品も入れて食料全体になるのです。
○橋本国務大臣 そう。だけど、外食だけが伸びているわけじゃなくて、もっと大きいのが調理食品。もう都合のいいところだけ出すんだから。
○正森委員 だけど、その調理食品も、家計に向かう部分と、それから外食だとかその他の項目に向かうところがあるのですよ。そして結果としては、ここは皆さんにお見せしませんでしたが、後でお回ししますが、外食のところはずっと伸びているのです。ところが食料全体はほとんど横ばいで、穀類だとか生鮮食料品は逆に低下しているのですね。これが国会に提出されている資料なんです。 そして、それだけではありません。グラフで言っているだけでなしに数字で言っているんですわ。そこの部分を読みますと、こう言っているのです。「また、家計費に占める飲食費の割合は一貫して減少しており、一九八六年には二二%と、」数字が出ているのですね。「アメリカ、イギリスに比べて高いものの、他の西欧諸国とは同程度の水準になっている(図II―3)。」こうなっているのです。そしてその図II―3にはこういう数字がついているのです。この数字の注のところには、これは、「資料 OECD”ナショナルアカウンツ”」「飲食費にはアルコール飲料、たばこを含み、外食を含まない。」こうなっているのです。外食を含まないから大蔵省の言う二五が二二になっているのです。ところが、外国に対する資料ですから、国内では含まれないアルコールだとかたばこが入っているのです。国内ではたばこは絶対に入れない。たばこは食料じゃないから。ところが、これは、アルコール飲料とたばこを含み外食を含まないという、国内の統計とは違うやり方をとっているのです。そこでもやっぱり外食は引いてあるのです。それが二二でしょう。そこからアルコール飲料とたばこを除かなきゃならない。だから、二二より低くなるといることは、OECDが勝手にこんなものをつくるわけがないんで、政府の恐らく国民経済計算か産業連関表に基づく報告に基づいてつくっているのに違いがないのです。ですから、私は、二二%よりもはるかに低い、私の主張の二〇%前後であるという主張は、国際的にも認められた数字であるというように思うのですね。そうしますと、私が言っている前提の大蔵省の二五%という数字は高過ぎるという説は、一定の合理性がある。いいですか、私は自分の説を、一定の合理性がある、こう言うているのですよ。 そこで、次に行きますが、その次に②の段階に進みます。五十八・九兆円に大蔵省Aは一・五を掛けて八千八百三十五億円、私は四十六兆だが、それは、この資料を見ましても下降線をたどり、国民経済計算でも低くなっているから、本来外食だとかそっちの方に回るそういう資料を除くと四十兆円だと思っておりますが、それは譲歩して四十から四十六というように幅を持たせたいと思います。 ちなみに、外食などにはどういうものがあるかといいますと、外食産業だけでなしに、旅館もございますし、そのほかいろんなところがあるわけですね。そういう点を申し上げておきます。 その次に、②のところはそれでよろしいが、③へ行っていただきますと、大蔵省は、小売段階は今まで課税のものが非課税になるんだから、それでプラスアルファがついて約一千億と見込むと九千八百七十億円ぐらいになるという主張であります。ところが、それは必ずしもそうならないので す。 下のところの数字を見てください。小売段階で仮に今まで百円で売っていたとします。そのうち付加価値が二〇、小売段階の付加価値は大体平均が一六ないし一七ですから、二〇という数字は大きく誤っておりません。原材料が仮に六〇で物財費が二〇とします。物財費というのは、原材料の六〇が仮に一・五に下がっても、電気だとかガスだとかの光熱費だとかあるいは国内の店舗装飾に要する費用とか広告費とか、これは全部三%かかるのですね。これが仮は二〇だとしますと、原材料の六〇に三を掛ければ一・八、物財費二〇に三を掛ければ〇・六で、これがもとの数字ですが、新しい税制ではどうなるかといえば、付加価値は確かにゼロになります。しかし、原材料が一・五かかるから〇・九、物財購入は三%のまま残るから〇・六、これを足せば一・五にたって、これは一・五で変わらないのですね。もし物財費が三〇というようなところがあるとすれば、一・五よりも上がるのですね。だから、それらを考えますと、小売段階非課税によってプラスアルファがついて九千八百七十億円に千億円上がるというのは、必ずしもこのとおりにはならないのです。 で、続いて申しますと、この九千八百七十億円、約一兆円から中小業者に対する特例を引きまして、大体、これ説明に来た人は一千億円よりちょっと少ないというようなことを言いましたが、私は一千億円とこうしておいたのですが、そうすると減収額合計が八千八百七十億円になる。ここまではよろしいか。
○尾崎政府委員 あくまで推計の問題でございますから、委員御指摘のように、私どもの方も絶対と言えるかどうかわからない話でございますが、決して意図的に何かやっているということではないということを御説明申し上げておるわけでございますけれども、先ほどの家計調査の御説明、私、委員の御計算方法を伺っておりましたときに、分子の方に水道料を足しておられますか、月別におっしゃいましたですね。食料から酒、外食を引いてそれに水道料を足さないといけないわけです。水道料が別にございますので。そこがちょっと違うのじゃないかな。それから、分母の方で消費支出をそのままおとりのようでございますが、慶弔金のようなものは外さなくては計算上いけないのではないか、恐らくそこが違うのだろうと思います。それが二〇と二五の違いではないかと思います。そういう数字のとり方の問題ではないかと思います。 その先の話でございますけれども、この②のところは単なる掛け算でございます。 それから、小売非課税についての考え方でございますが、付加価値二〇、私どももそのとおりに考えております。それから、原材料六〇、物財購入二〇というように御計算でいらっしゃいますが、私ども、通産省のやっております商業実態基本調査というのがございますけれども、それをもとにいたしまして計算してみますと、食料品の小売の場合、これが原材料七五、物財購入五という比率になるのじゃないかと思います。私どもはそのように計算しております。小売の食料品の、最終段階の小売でございますから、もうほとんど何もかも、包装やなんかもしたようなものを買っているわけでございますから、本当に電気代や何か限られたものが物財購入になるだけでございまして、七五対五ぐらいだと思います。そうしますと、全く単純に計算いたしますと、原材料のところの新価格で一・五とおっしゃっておられますところが一・一二五、物財購入が〇・一五となりまして、一・二七五ぐらいになるのじゃないかなというのが私どもの推計でございます。
○正森委員 御主張がございましたので、私どもも計算をもう一度してみますけれども、我々は我我の主張で一応質問をしております。 最後のところに行きますが、最後に中小業者の特例ですね、これで約一千億円減収になって九千億円弱に減るという最後の部分に行きます。 この最後の部分の中小業者の免税分はもともと免税だったのだから、これはカウントしなきゃならないということはお認めになると思います。その場合に、中小業者の免税分を非常は低く見積もり過ぎているのじゃないですか。これだと一〇%に足るかどうかでしょう、全体を通じて。ところが、ここに私は昭和六十一年、二年ですか、消費税をお出しになったときの政府が御提出になりました「業種別・売上階級別の売上高」、六十一年ベースですから多少現在と違いますが、傾向は出ていると思います。 それを見ますと、小売業では全体が百四十七兆二千億円に対して三千万円未満が十七兆で、一一・四%です。これだけでも超えているのですね。それに対して、三千万円以上六千万円未満、今ちょうど限界控除と簡易課税が適用されているところが十三兆あります。これを、限界控除というのは、御承知のように三千万と六千万がちょうど半分ぐらいになるようにするわけですから、その上に非課税が加わりますが、少しまけて半分だけ免税の効果があらわれるとすると、六兆五千億円分になります。それから、六千万円以上五億円未満というのが四十二兆一千億円あります。これを全部足すと、累積で四九%になるのですよ。六千万円から五億円未満は簡易課税ですから、余り大きな影響があらわれない。仮にこれを五分の一と見ると、これは八兆四千億円、全部足すと三十一兆九千億円で、約二二%になります。だから、一〇%というのは勘定に合わないのです。 しかも、これは小売業全部ですけれども、食料品というのはパパママストアが大きい。つまり、売上高が低いところが非常に率が高いのです、これが全部入っていますからね。その上に、政府は農林水産業をこの場合にカウントしていないのです。途中には農林水産業の生産段階が入るわけですから、その生産段階のものがどれだけ売っているかというと、生産段階の農業の段階では個人が圧倒的に多いのですね、御承知のように。法人なんというのは少ししかないのです。ところが個人の統計はないのです、私調べてみましたけれども。法人の分だけがある。法人というのは比較的規模が大きいのです。その法人はついての統計を見ますと、三千万未満が六千億。全体が五兆九千億です。三千万から六千万が三千億、六千万から五億円未満が一兆五千億ということで、累積にしますとこれで二五%になりますね。前と同じように、三千万から六千万については二分の一と見、五億円未満の六千万円以上の分についてはこれを五分の一と見ると、大体二〇%余りがやはり免税の対象になる。 そして、個人業種はどうかといいますと、産業連関表によると、昭和六十年度、ざっと十三兆円なんです。十三兆円から五兆九千億引くと、約七兆円残るでしょう。その残りは全部個人なんです。個人の場合に一億円、二億円ということはあり得ないのです。我々はこれを少なく見ても九〇%ぐらいは免税業者だろうと思うのですね。そうすると、これで六兆円出てくるでしょう。だから、どこから見たってそんなもの一〇%しか免税の効果があらわれない。つまり、減収分は残るなんという議論は出てこないのです。 だから、私は皆さん方のお手元に資料をお配りしましたが、その最後の部分を見てください。政府はこれを一〇%ぐらいと見ているが、私は本当は二五パーぐらい言うてもいいと思いますけれども、しかし、卸があるでしょう。私ども産業連関表で計算しましたが、この場合、卸は免税一人もなしと、こう見て計算しているのです。そういうようにしなければなりませんから、全部を通すと約二〇%と見ると、減税額は千二百から千三百八十億円ぐらいになる。そうしますと、減収額は全体として、右を見ていただくと四千八百から五千五百億ぐらい、私は誤差を見てこういうぐあいに言うているのです。そうすると、私のこの計算でも大体、自民党は政党だから仕方がないのかもしらぬけれども、四千三百億円、五割も誇大広告をする。ところが、大蔵省はどうかといえば、一見公正みたいな計算をしているように見えながら、私の計算が正しいとすると、約四千億円近く過大に見ているのではないか。そうすると、このもとの価格から見ると七割から八割も過大に見ているということになるのです。誇大広告を二遍やられたのじゃたまったものじゃないですよ。大抵の男は美男子になっちゃうのですよ。だから、そういうことはマクロ的に見ても不公正ではないかということを私は問題点として指摘したいと思うのです。 私の時間に限りがありますから。恐らくいろいろ言われると思いますよ。反論したければどうぞしてください。しかし、私どもも産業連関表なんかも見てチェックしましたからね。産業連関表からいったらもっと減収額が少なくなるのですけれども、きょうはあなた方の計算を前提としてそれでやったのですよ。我々の産業連関表からやった数字は今出してないのです。本当はそこからいくべきなんですけれども、きょうは尾崎さん以下と論戦しなきゃならないから、あえてあなた方の土俵の上に乗ってそれで論戦しているのです。私らが産業連関表で数字を出したことは御存じでしょう、私の部屋に来られましたから。そこにおられますね、後ろに。だから、持ち時間が二時間あればそれをやってもいいのです。しかし、それをやらないで、大蔵省の前提に乗って、その前提に乗ってもこれだけの疑問があるではないかということを一日間で、朝来ていただいたのはきのうでしたからね、それで計算して申し上げているわけです。ですから、不備はあると思いますよ、それは。我々も誤りの多い人間ですから。水道料とかいろいろ言われましたから、それは改めてチェックいたしますけれども、もともと我々は産業連関表というそれを本来使わなきゃいけないのですね。特に減収になるような場合には、産業連関表を使わなければ取り戻し効果なんか絶対にわからないのですから。そういうことをやっていないということが問題があるのですけれども、それは言わないで、大蔵省の計算の順序に従ってもこれだけの矛盾があるのではないかということを指摘したわけであります。時間がございませんので、もっと議論したいと思いますが、次の問題に移らせていただきます。後で何かおっしゃいますか。どうぞおっしゃってください。 どうも、国土庁長官、お待たせいたしました。 国土庁長官に伺います。ことしの四月十七日に、国土庁は政府税調に土地関係の説明資料を提出されました。それを見ますと、「土地資産額の推移」というものがございますね。時間が大分たってしまいましたので、失礼でございますが、私がここにも資料を持ってきていますので、数字を申しますので、もし間違っていなければそうだとおっしゃってください。 「土地資産額の推移」を見ますと、土地価格は、昭和四十五年百六十三兆円、ところが昭和六十三年には千八百四十二兆円、対GNP比でいいますと、四十五年は二・二倍でしたが、六十三年には約五倍になっているはずであります。間違いございませんか。
○藤原(良)政府委員 おっしゃったとおりでございます。
○正森委員 それでは、次に伺いますが、この中でも法人所有土地に係る帳簿価額と土地資産額の乖離が非常に著しい。昭和四十五年と六十三年について、幾らになりますか。私から申しましょうか。昭和四十五年は帳簿価額が七・六兆円で、土地資産額は四十二・五兆円、昭和六十三年は帳簿価額が八十・六兆円で、資産額は五百十四・五兆円、したがって、含み益は昭和四十五年は三十四・九兆円ですが、六十三年には四百三十三・九兆円、十二倍以上になっているはずであります。 それを御確認いただくと同時に、この資産額というのは一応時価ということになっておりますが、全国の土地を時価で言うわけにもいきませんので、公示価格を一応時価とみなしてこれは経企庁の国民経済計算の数字をおとりになったと承知しておりますが、それでよろしいか。
○藤原(良)政府委員 数字は今お示しいただいたとおりであります。 それで、これは経済企画庁の国民経済計算における民有地のうち、法人企業の年末の土地資産額、これは恐らく地価公示をベースにしておられると思いますが、この年末の土地資産額から法人企業統計における金融保険業を除く法人の年度末の土地勘定残高、いわゆる帳簿価額を差し引いた額であります。差し引く方には金融保険業の資産額が入っておりませんので、含み資産額はやや多目に出ておるという点に御留意いただきたいと思います。
○正森委員 同じくここに資料がございますが、法人が保有する未利用地について、昭和五十三年調査では、その理由が「当初から利用する意思なし」は九%でしたが、六十三年には五〇%にも達していると言われますが、事実ですか。また、法人の所有する事業用土地のうち具体的な利用計画のないものが七八%というように国土庁の報告でなっておりますが、それも事実ですか。
○藤原(良)政府委員 その点につきましてもお示しのとおりでございまして、事業用土地の未利用の割合は、六十三年六・二でございまして、そのうち「具体的計画なし」が七八%ということでございます。販売用土地に占める未着手土地の割合が六十三年四五・八%でございまして、当面「具体的計画なし」が五七・五ということであります。五十九年収得土地で平成元年所有しておるもののうち、「当初から利用する意思なし」が五〇%で、五十年、五十三年に比べますと九%から五〇%というぐあいに、大変ふえております。
○正森委員 その上に、法人の土地買い主に占める割合が非常に増加しているんですね。それから短期転売が非常に増加しているんです。これも国土庁が税調に提出した資料ですけれども、例えば東京都を見ますと、五十七年ぐらいは買い主に占める法人の割合は二五・八ぐらいだった。それが、土地が非常に騰貴しました六十一年、六十二年を見ますと、三九・一、四五・七というように増大しております。それから短期売買ですね。短期売買というのは前年度の分をその年と翌年中に売ったという数字だそうでありますが、これは、東京を例にして、東京の十一区あるいはそれ以外と武蔵野市、三鷹市というように分けてありますが、それを見ますと、法人の転売率というのは非常に高くて、十一区では三一・七%、それ以外では二一・二%というように群を抜いているんですね。その事実はそのとおりですか。
○藤原(良)政府委員 そのとおりでございまして、地価上昇過程ではやはり法人の取引が非常にふえるようでございます。
○正森委員 大蔵大臣、失礼しました。今までが前提で、これからが大蔵省等に対する質問です。最後に国土庁長官に対策についてお伺いをしたいと思います。 それで、なぜこういうように法人が短期間に売買を繰り返し、法人の保有土地がふえ、利用計画もないのに買うかというように言えば、これは多くの識者が言われているんですけれども、法人には相続税がない。個人なら二十年、三十年に資産再評価されるようなものですけれども、それがない。それから、個人の場合は固定資産税は自分の金で払わなければなりませんが、それが損金扱いだ。土地購入借入金の利息も最近までは全額損金算入できた。ついこの間手直しがありましたが、それもよくよく見ると損金算入の繰り延べにすぎないんですね。そういうように、この点については多くの研究もございますから申し上げてもいいんですが、時間の関係で申し上げません。 こういうように、税法上非常に優遇されておる。だから節税対策にもなるということで法人の保有地がふえる。そうしますと、地価高騰に着目をして銀行その他が融資をする。その融資を受けてまた売買をする。これがまた地価高騰につながるということになっているわけで、その経緯は、ここに日銀の報告がございますが、その中でも認めているわけであります。 そこで、また、企業の保有する株式の含み益も非常に大きなものがあります。これは日経新聞の「日経テレコン・総合版」による「上場会社持株分析」というのがございます。サービスをしているのですが、それが千六十五社だけ調べても、含み益が六十五兆円で、時価は簿価の三・九倍だというのが去年の数字です。また、本年五月を見ますと、トヨタ一社で二兆五千億円の含み益であります。法人全体では二年前で三百三十一兆円という計算もあります。これは朝日新聞の「ウイークエンド経済」編集部であります。ところが、財界は企業の資産の含み益課税に反対で、例えば日経連の会長は、「未実現利益である含み益一般を対象とする課税強化は不適切である」というように五月三十一日に記者会見で述べております。 そこで、企業の保有土地の含み益というのは未実現利益ですか、だからいかなる意味でも課税の対象にならないとお思いですか。
○橋本国務大臣 今の点にお答えをいたします前に、先ほど党の広告についてお尋ねのありました点、党側に確かめてみました。そこで、党の計算といたしましては、消費税の見直しで一兆一千四百億円、公的年金控除の引き上げで五百億円、レジあるいはソフトウェア等々で九百億円、計一兆二千八百億円という試算だったということであります。これは事実関係として御報告を申し上げておきます。 また、今委員から、含み益という点について、一つは株というものを提起されながら、土地についてのポイントで御質問をいただきました。 土地税制につきまして今さまざまな論議がなされておることを私どもも承知をいたしておりますし、従来の議論でありますならば、今委員が述べられましたように、日経連の会長が述べられたような見解というものが主流をなしていたと思います。しかし、今日、土地税制というものが、資産格差の拡大という視点から、従来のそうした論議を超えて適正を求める声が出ておることは御承知のとおりでありまして、そうしたことを受けて政府としては税制調査会の土地の小委員会に今作業をいただいておるという事実関係をそのまま御報告をいたします。
○正森委員 ここに新聞を持ってまいりましたが、「企業所有地への含み益課税 蔵相、導入に意欲」というような、五月二十四日付で読売新聞の報道もあります。写真入りです。ですからそういうお考えもお持ちかなというように思いながら質問しておりますが、土地の含み益というのは、主税局長、今さっき答弁に出てきませんでしたが、決して未実現の利益、未実現じゃないのですね。 例えば、ここにこの日銀の九〇年四月号の「調査月報」を持ってまいりましたが、そこでもこういうように言っております。これは金融機関について述べたところで、 地価の上昇は、金融機関保有の不動産に係る含み益の増加ももたらすとともに、不動産含み益の大きい一般企業の株式に係る含み益の増加ももたらした。こうした直接・間接の不動産含み益の増加は、それ自体実質的な自己資本の増大を意味するものであるが、さらに後述する一般企業の場合と同様、エクイティ・ファイナンスの順便化というルートを通じて自己資本の増加に寄与する方向に作用した。このような直接・間接の自己資本の増加は、内外におけるわが国金融機関の行動の積極化の主因ではないが、その一因を形成したと考えられる。 こういうように言った上で、さらに、一般企業の点についても、 資本の面では、金融機関と同様に、保有する土地の時価と簿価の差という形で含み益が増加している。ちなみに、経済企画庁の推計によると、六十三年末の土地の含み資産は、三百四十二兆円(簿価の三・一倍)と巨額に上っている。このような含み資産の増加は近年における株価上昇の一因ともなっている。ちなみに、多額の含み資産を保有している企業の株価は地価上昇の過程で平均的な株価よりも高い上昇率を示している。このような株価上昇を反映してエクイティ・ファイナンスのコストが低下する下、企業は内外の資本市場で多額のエクイティ・ファイナンスを行った。 ということで、数字も出ております。 つまり、これはどういうことかというと、土地の含み資産等々がふえますと、あるいはそれだけではありません、日本の企業の配当性向というのは約三〇%で世界でも非常に低いわけですが、含み資産がふえればそれを反映して株価が上がるのは当たり前であります。その高い株価あるいは含み資産を背景にして、社債を出すときにはランクづけが非常によくなって低い金利で出すことができる。あるいは株式の時価発行をするということで、例えば額面五百円であってもそれが二千円、三千円で、リクルートもそうでしたが、そういうように時価発行ができます。そういうことになれば、非常に安い金利で多額の資金を入手することができるわけですね。それを運用して設備投資を行い、あるいは土地を買って、上がればそれを売る、さらにそれを転売するという格好になって、利益実現に現に参加しているじゃないですか。土地そのものを売っていないから利益実現にはなっていないなどと言うことは絶対にできないことであります。ところが、日経連の会長等はそういうことを言ってその課税に反対する。 そういうことになれば、これは形を変えた会社のみずからによるキャピタルゲインの獲得なんですね。自分で土地を買って、その資産含み益が上がる。株主に配当せずに留保しておく。資産がふえるから株価が上がるのは当たり前なんです。それで時価発行をして、配当は額面に対しますからちょっとしかしない。そして事実上税金を納めない。キャピタルゲインに税金を納めないでそれをただで運用するわけですからもうかるのは当たり前であります。だから、利益は実現しているじゃないですか。実現しているのに税金を払っていないじゃないですか。それに対してメスを入れないで、既にもう一生懸命働いて所得税を払い、申告・納付し、あるいは低所得の人は税金も払えないぐらいで生活保護をもらい、そういうところには食料品を買おうと何を買おうと税金をかける、ところがこういうところには税金をかけない、そういう税制というのは正さなきゃいけないのじゃないですか。 最後に言いますが、例えば資本金十億円以上の大企業の含み益は、朝日新聞の「ウイークエンド経済」編集部が二年前に発表した数字では、土地で四百三十二兆円、株式で二百二十八兆円、計六百六十兆円です。資産再評価して法人税と同じだけかければえらいことだから、そういうことはしないで、年に一%ずつ、それをただで使っているのだから、銀行に借りたって七%や八%利息を払わなければいけないのだから、一%だけ国に税金を納めるということにしたって六兆六千億円出てくるのです。これは消費税の全額に匹敵するじゃないですか。もしあなたたちが所得、消費、資産のバランスのとれた課税だとか公平ということを考えるなら、こういうことにこそ課税をして、消費税などは廃止するのが当たり前だというように思いますが、いかがですか。時間が来たようです。
○橋本国務大臣 私は、途中まで非常に共感を覚える部分もありながら聞いておりましたが、最後の部分で全く見解を異にいたします。 そして、私どもは、土地税制というものを考えます場合に、従来からしばしばお願いを申し上げてまいりましたように、ある一面からだけの議論をさせないでいただきたい、土地に対する基本政策の上に立って土地税制というものを考えさせていただきたいということを申し上げてまいりました。今、土地基本法という形で基本理念が私どもに与えられ、それに立脚して御検討をいただいております。そして、一つは、まさに経済社会の均衡ある発展、また税制への信頼感の確保という視点から、課税の公平という視点を持って土地という資産に対して適正な負担を求める、そういう視点からの課税をどうするか、もう一つは、土地政策の中において土地税制がいかに機能すべきか、この二つの視点で私どもは検討いたしておるところであります。 最後の部分で共感を全部台なしにしちゃったことだけはちょっと残念でありますが。
○正森委員 国土庁長官に、たしか国土庁は資産再評価等もお考えになっておるということで、他の省庁と違うようですが、時間が参りましたが、一言だけお伺いいたしまして、質問を終わります。
○佐藤国務大臣 お答えします。 大蔵大臣が答えたわけでございますが、企業の含み益が多大なものとなっておることは先生の御指摘のとおりでございまして、これは、土地対策や社会的公平の観点からこの含み益に対して課税すべきとの議論があることは承知しております。 また、しかし一方では、課税すると三つの問題点がございます。その一つは、税体系の基本的問題にかかわること、その次には、含み益に対する課税がなされた後にその土地が売却された場合、譲渡益課税との関係をどう調整するかという問題、それからもう一つは、他の資産に対する課税との均衡上どうするかという、この三つの問題点がありますので、慎重に検討すべきだと考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、土地基本法の制定を受け、政府税制調査会におきまして、土地の取得、保有、譲渡等の各段階における適切な課税のあり方についてその積極的見直しが行われることを期待しておるわけでございます。
○正森委員 どうもありがとうございました。
○山崎委員長 これにて正森君の質疑は終了いたしました。 次に、和田一仁君。
○和田(一)委員 長時間大変御苦労さまでございます。きょういよいよ最後の質問者、私になりました。今までも本法案に対して熱心な討議が進められまして、いろいろな問題は論議されておるわけですけれども、私としてまたもう一回お聞きするようなこともございますけれども、よろしくお願いしたいと思います。 初めに、私は、ことしは一九九〇年代の幕あげの年でもございますし、この年は、いよいよこれから希望に満ちた二十一世紀に向かっての大変大事な、新世紀へ向かっての助走の十年間だ、こんなふうに考えております。そういう中で、我が国のこれからの道というのは、一層の国際化とか高齢化社会を迎えるとかあるいは情報化に加えて、経済も大きく変わってまいっております。経済のサービス化、非常に急テンポに進んでおります。これらの変化にどう対応するかがこれから非常に急を要する大きな政治課題だ、こういう認識を持っております。そういうアプローチ、助走の中でこれから考えなければいけないのは、今までの慣例であるとかしきたりであるとかいうことだけにとらわれた思考から離れて、やはりもっと大きな、グローバルな視点から大胆な発想も必要ではないか、こんなふうに考えております。 私どもも、今国際的に見て我が国の経済力というものは大変な力を持ってまいりました。もう世界経済をアメリカとともに担うような大きな経済力を持っております。けれども一方、国民の生活そのものを見るときには、まだまだ先進諸国に比べて格差があるという実態が映ってくるわけでございまして、国が持っている全体としての経済力と国民一人一人の生活の質のギャップ、こういうものの格差を何とかつづめて、小さくして、より豊かでゆとりのあるそういう生活をつくっていきたい、これが今大きな政治課題だ、こう考えておるわけです。その実感が伴えるような国づくりを生活先進国づくりと私どもは呼んでおりますけれども、それを目指してこれから、いろいろな提言をしてまいりました、特に当面土地とか住宅問題とかあるいはいろいろなものの内外価格差、こういうものの是正をやらなければそういった生活先進国づくりは実現しない、こう考えておるわけでございます。また一方、働く者のゆとりということからいっても、労働時間の短縮、こういうことも真剣に取り組むべき問題だ、こう考えております。 一方、人口は非常に急速に高齢化社会を迎えようとしておりますし、そういう中で、これから年をとる我々にとっても老後の保障ということは非常に大事なことでありますし、同時に、振り返ってみてああよかったなと言える人生をそれぞれが持つべきだ、こう思うわけでございます。いろいろなそういう問題、高齢化社会の中で問題になってくるような医療の保障であるとかあるいは老人の在宅介護の問題等、これから本当に大変な、いろいろな制度の見直し等を含めて、私どもは福祉の分野でも何とか民間の活力ももっと生かしていかなければいけない、そういうための新しい政策が必要だとも考えておるわけでございます。 そういう国民生活の向上に当たって、公正な税制の確立ということがこれまた非常に急がれなければいけない、こういうことから、私たちは税制改革についてもそういう立場でいろいろ提言をし、政策も示してまいりました。また、特に今日のこの地価高騰なんかによって資産格差の拡大が二極分化の方向でだんだん開いてきている。私どもは、何とか国民が上下の格差のない社会が望ましい、こう思って国民所得の平準化というようなことを考えてきたのですが、せっかくそれが国民意識の中に定着してきて、実態もそれに伴ってだんだん国民は中流階層の意識を持つというところまで来ていたのですけれども、最近の土地の問題等を見ますと、土地を持てる者と持たない者との資産の格差は急速に上下に開いてくる、二極分化の方向が極めて激しくなってきている、こういうこともあるわけでございまして、そういうものはもう持たない者にとってはどうにもならない憤りみたいなものになって、今社会の中にそういう不平というか、不公平感というものも増大しているわけでございまして、そういう意味を含めて、資産格差の是正等がどのようにできるかを税制度の中からもきちっと対応していかなければいけない、こんなふうに思っております。 そこで、今提案されておりますこの法案についても、そういう観点から幾つかの点でお聞きをしていきたい、こう思っております。 初めに、もういろいろな問題が出尽くしているようでございますけれども、今度の消費税の課税業者の、これは非常にたくさんな業者がありますけれども、その七〇%が選択している簡易課税制度、これのみなし仕入れ率についてお尋ねをしたいと思います。 政府の出されましたこの見直し法案の中で、簡易課税制度のみなし仕入れ率、これを今度政令事項にするということが盛り込まれているわけでございますけれども、これが果たしていいのかどうか。私は、租税というものの租税法定主義ということを考えますと、これはやはりいきなり政令事項に任せるということの是非についてぜひひとつお聞きしておきたいと思うわけです。 御案内のように、日本の国民は大変遵法精神の高い国民性でございまして、法律で決められれば、これは憲法で定めるように、納税は義務として、今のような消費税についても、決まったのならばということで毎日消費税を払っているわけでございます。法律で決まっておりますね。 しかし、今度は、簡易課税制度というのがある中で、課税業者の七〇%が選んでいる、大変適用されている部分の多い簡易課税制度の中でのいわゆる仕入れ率というものを、法律ではなくて政令にゆだねるということはいかがなものかなという感じがするわけでございます。これはこのまま法律事項として必要ならば法改正をその都度するということの方がよりベターではないかと思うのですけれども、その点がどうなのか。これを政令にゆだねてしまったときには、その歯どめみたいなものがなくなる心配を私どもは考えるのですが、いかがなものか。まず、この点からお尋ねをしたいと思います。
○橋本国務大臣 今回、このみなし仕入れ率につきまして、委員が御指摘のように、私どもは政令にゆだねていただくことをお願いをいたしております。なぜそういうことを私どもが申し出たかと申しますならば、消費者の方々を中心としてこの制度につきましてもさまざまな御論議があるところでありまして、国民の声を踏まえてやはり取引の実態に即した速やかな対応が可能になるように という視点から政令にお願いをしようとしているものであります。 委員が今、租税法定主義の立場から論議を展開されました。しかし、一般的には、法律である事項を政令などで定めることを委任する旨の規定を設けることは、国会が唯一の立法機関である旨を定めました憲法四十一条の趣旨を損なわない範囲で可能であると解されておりまして、一般的、白紙的な委任というものは許されませんけれども、一定の事項について具体的、個別的に政令などに委任することは許されていると解されている、これは委員御承知のとおりであります。 税法につきましても、憲法八十四条において租税法律主義の原則が定められておりますが、この場合におきましても、技術的、専門的な事項など一定の事項につきましては、法律の根拠に基づいて個別的、具体的に政令に委任することは可能であるとされているわけであります。 今回の改正は、先ほど申し上げましたような国民の声というものを背景にしながら、いわゆる中小事業者の事務負担に配慮した諸措置に対し、さまざまな御指摘を踏まえた上で、簡易課税制度のみなし仕入れ率について取引の実態に即した速やかな対応が可能になるように政令に委任しようというものでございまして、私どもといたしまして、この仕入れ率の定め方につきまして、「当該事業の種類ごとに当該事業における課税資産の譲渡等に係る消費税額のうちに課税仕入れ等の税額の通常占める割合を勘案して政令で定める」としているわけでありまして、その趣旨を具体的にお示しをした上で政令に委任をしようとしているところでありますから、私は租税法定主義というものに反する行為であるということにはならないと考えております。むしろ国民の声を率直に受けて速やかな対応が可能になるように、私どもとしてはそう願いを込めているところでありまして、御理解をいただきたいのであります。
○和田(一)委員 それはわからないこともないのですけれども、それならば、初めに制定するときにもそういうことは当然考慮されてよかったのではないかと思うのですね。しかし、あえてきちっと法律で定めたというところに私は意味があったと思うのであえてお尋ねしているわけなんで、それを特に今回からは政令にゆだねるということは、やはり時宜に応じてとか、実態を踏まえてとか、迅速に対応できるという意味では、それは手軽にいくことは間違いありません。手軽にいくことは間違いありませんけれども、少なくもこれだけの人がこの制度を使っている、その仕入れ率が変わるということになると、影響するところは非常に大きいと思うのでお尋ねをしているわけで、いやそれは法律事項で、法律改正でもいいというならば、私はその方がいいと思うのですね。ただ、法律にしてしまうと、なかなか衆参両院うまくいってない事態の中ではそう簡単にはいかないという配慮があれば別でございますけれども、そんなことはないと思うので、ぜひこれは、その点もう少し御説明いただければありがたいと思います。
○橋本国務大臣 これはあるいは事務方から説明をさせました方が的確な御説明ができるかとも思いますけれども、この五月末で法律施行後ちょうど一年経過をいたし、申告・納付の実態把握が可能な状態になりました今日、やはり国民の声というものを考えますとき、弾力的に行動のできる、そしてまた迅速に対応の可能な政令という仕組みで対応する方がより実態にふさわしいのでないかという考え方を私は持っております。 これは私は、議論は両方とも成立する議論であろうと思います。しかし、委員に率直に私申し上げさせていただきたいのは、本院の御論議におきましても、こうした特例措置につきまして非常に厳しい御指摘が相次いでおります。より以上に、国民の中にもこうした点について関心をお持ちの方々が多いわけであります。そして、七月末までの間、時間がかかりますけれども、申告・納付一巡後の状況の中ですべてをチェックし、解析し、その中から導き出されてまいりますでありましょう一定のルールというものは、やはりできるだけ迅速に対応することを必要とするのではないでしょうか。委員が御指摘のように、この制度によって受益しておられる立場の方々に不安を生ずるという点につきましては、私どもはそうした不安を招かないで済むような実際の広報、御相談というようなことできっちり対応していくということで努めてまいるべきことである、そのように思います。
○和田(一)委員 導入して一年余を経まして実態が把握できてきたのでという前提でお話がございましたけれども、でありますと、消費税そのものを導入したときもやはり、一年ぐらい先になったらこういうことに変えていこうというお考えが初めからあったのかなというふうにも思われますが、その辺は私にはちょっとそうではないような気がいたします。 これだけやっているわけにまいりませんので先に参りますが、最近の我が国の経済というものは、内需主導の経済で非常に拡大傾向を続けております。これが順調なというか好調な税収につながっているわけでございますけれども、ここ二、三年の政府の税収見込み、見積もりが出るわけですが、それと比べまして自然増収というのが見込みより大変大きい、こういう結果になっております。自然増収のうちの株であるとか土地の値上がりであるとか、公定歩合の引き上げの一般金利高によるとか、そういうような利子所得の増加がその要因の主たるものかもしれませんけれども、当初見積もりに比べて実際の税収がどうだったかを見ますと、大蔵省の最初の見積もりよりは、六十二年度で約五兆六千億、六十三年度は五兆七千億、また昨年の平成元年も約五兆円の増収が、もうこれは間違いないだろうと思われております。これだけ各年度ごとの税収の伸びというのが当初予算より違うと、何か意図的に少な目に見積もっているのかなという感じすらするわけでございますけれども、五十九年から六十三年の五年間で平均して九・五%という数字で、これはやはりちょっと高いと思うのですね。こういった状況を見ながらも財政の現状が厳しいという認識に立っておられるかどうか、まずこの辺からお聞きしたいと思います。
○橋本国務大臣 過去数年税収の見積もりが非常に大きな誤りを生じたということにつきましては、本院におきましてもしばしば御注意を受け、その都度におわびを申し上げてまいりました。その年その年、集め得る資料の最善のものを駆使して推計をしたつもりでありましたけれども、結果的に大きな狂いを生じましたことは、そのとおり御指摘を甘受する以外にないわけであります。そしてまた、その原因というものが、委員が述べられましたように、土地でありますとか株でありますとか、こうしたものの価格上昇、さらには円高、いわゆる三高二安と言われます原因もありまして好調に推移してきた、そうした点に大きな原因があったことも事実であります。 しかし、同時に、これを我が国の財政という立場から考えます場合には、この平成二年度末におきましても、ようやく我々は赤字公債依存体質から脱却したといいながら、百六十四兆の国債残高を抱えるわけであります。そして、その趨勢はここしばらくはとどまりません。そして、ようやく私どもは公債依存度を八・四%まで下げてまいりましたけれども、なおこれから厳しい財政運営を強いられることは必定であります。この百六十四兆という数字が累積債務国の債務すべてとほぼ匹敵する金額と考えてみれば、これは大変なことでありまして、この国債残高の累増に伴う国債費の重圧というのはなおしばらく続くわけでありますし、また、財政支出の繰り延べとか国鉄清算事業団の長期債務といったいわゆる隠れた赤字と言われるものも、まだ処理を待っておるわけでございます。 そうした中において、高齢化社会に対応し、国際的な責任を果たし、しかも二度と特例公債に依存しないで済むような財政体質をつくろうとすることは、極めて厳しい道を我々自身が歩まなけれ ばならないということでありまして、私どもとしては今後ともに気を引き締めて財政運営に当たっていかなければならない、そのように考えております。
○和田(一)委員 依然として財政は非常に厳しい、気を引き締めてかかりたい、こういうお話でございましたけれども、さて、消費税の見直しの法案を今やっているわけでございますけれども、政府の提出している案では、さっきも質問で出ておりましたけれども、今度のこの見直しの法案でいきますと、まず非課税範囲の拡大による減収が千四百八十億円、それから飲食料品の小売段階非課税及び特別低税率の創設による減税分が、これは平年度ですが九千八百七十億円、合わせて一兆一千三百五十億円、それのほかに消費税の仕入れ税額控除の制限等の改正によって入ってくる分、今度はふえる分が二千八百三十億円、この差の八千五百二十億円が減税分だというふうにさっきも確認をされました。 それでは、厳しい財政事情の中でこれの財源というものが示されておりませんけれども、これは結局自然増収を見込んでのお話なのかどうか。この辺を、先ほど、自然増収についてはいろいろの見込み違いもあってその都度訂正をしおわびをしている、こういうお話でございましたけれども、この八千五百二十億円の財源について何のお示しもないというのは、これはどういうふうにお考えかをお聞きしたいのです。
○橋本国務大臣 政府は、これまで、毎年度の予算編成過程におきまして、歳入面については、予算編成の一環としてそのときまでの課税実績、また政府経済見通しの諸指標等を基礎として、個別税目ごとの積み上げにより税収の見積もりを行ってまいりました。その時点におきまして次年度の改正内容が固まっておれば、当然それを織り込んで積み上げております。また、歳出につきましては、経費の徹底した節減合理化に取り組むなど、そのときどきの経済情勢、財政事情などを踏まえて、歳入歳出を一体として展望しながら予算編成を行っているわけであります。 平成二年度の予算におきましても、歳入面において、消費税の見直しによります減税というものを含んだ税制改正による減収というものを織り込みまして、これまでの課税実績などを基礎として税収の見積もりを行い、歳出面におきましても、特例公債依存体質脱却という目標と同時に、公債依存度の引き下げを図るためにさらに徹底した歳出の節減合理化を行ってきたところであります。 今申し上げましたように、それぞれの年度におきまして税収見積もりというものは個別の税目ごとに積み上げていくわけでありまして、平成二年度の場合には、今回の消費税の見直しを含めてその計算を行い、減税分を含む税制改革による減収というものを織り込んで計算をしているということであります。
○和田(一)委員 それでは直間比率の問題でございますけれども、政府や自民党はこの消費税導入の際にも、税制改革全体についてやはり直間比率ということを是正する、そういうお話が非常に行き渡っておりました。この直間比率というものが変わったか。それではどんなふうに変わってきたかということなんですけれども、六十三年度の直間比率は、私の手元の資料では七三・二対二六・八、消費税導入後は、平成元年度は補正後で七三・五対二六・五、二年度は当初で七〇・九対二九・一、こういう数字が私の手元にあります。これでは余り変わっていないと私は思うのですね。七〇%台の直接税というのは、これは全然変わってないわけでありまして、直間比率是正という割には変わってないな、こう今見ておるわけです。先ほども申し上げましたが、景気がよく税収が予想以上に多いということになりますと、これはやはり七〇という直接税の収入は、まだウエートとしては大きくなる傾向はあってもなかなかこれは減るというものではない。 そういう中にいながら、なお直間比率の見直しとおっしゃるのは、これから間接税であるものをもっと大きくしていこう、こういうお考えなのか。一体どの辺が直間比率として適当な比率とお考えになっているのか、その辺を含めてお尋ねしたいと思います。
○橋本国務大臣 私は、直間比率の数字自体、それはそのときどきの条件のもとで選択される税の好ましい組み合わせから出てくること、結果として出てくることであり、特定の水準を目標としてどうこうということではないと思います。 ただ、そうしたことを申し上げました上で、今委員は数字を挙げられましたけれども、仮に税制改革がなかったとして一体現在の直間比率がどうなっているか、それを考えていただきますと、仮に改革なかりせばということで国税で考えてまいりますと、恐らく平成二年度ベース七六%程度、直接税のウエートは高まっていると思います。間接税二四%程度でありましょう。それが今回の平成二年度の予算におきまして消費税の見直しを含めまして七〇・九対二九・一というところまで変わってきておるわけでありまして、変わっていないとおっしゃるのは少し違うのではないだろうかと私は思います。なお、税制改革が完全に平年度化いたしました場合でこれが大体七〇%程度、三〇%程度でありますから、七割合だということをもって変わらないと言われれば、それは余り大きな変わりではないということになるのかもしれません。しかし、税制改革なかりせばという数字を頭に描いていただきましたときに、はっきりとここに変化は生じております。
○和田(一)委員 もう一つお尋ねしたわけなんですが、七対三がいいのか六対四がいいのかというのは数量的に初めから決めるものではないというお話ですが、平年度ベースに直して七対三になっているのはやはり比率としては変わっている、こういう御認識のようですが、もっと変えようとされているかですね。そうであれば、さっき言ったような意味で、直接税として、経済の拡大やら税収の増大やら含めますと、直接税の比率は上がっても間接税の分はなかなか上がらない。それをもし間接税として、消費税の先ほど言った政令部分などをいじってくることによって急速に上がるという懸念もあるわけですが、これをもうこの程度、七対三くらいの格好でよろしいと考えているかどうかを含めてお尋ねします。
○橋本国務大臣 まず第一点、消費税の税率を変更するつもりはこの内閣としてないということは、総理もたびたび申し上げてまいりました。みなし仕入れ率を政令に移管した結果においてどういうものが出てくることになるのか、今私自身にはちょっとわかりませんけれども、もし委員がお許しいただけるなら、事務当局からの見通しをお答えさせたいと思います。
○尾崎政府委員 みなし仕入れ率を政令に移すということによりまして、確かに法律にかけられている法律事項と比べますと政令の方が事柄として容易に変えることができるという点におきまして御不安もあろうかと存じますけれども、今回の措置は、この簡易課税の問題につきまして、何か見直し、早急に是正を図る必要があるのではないかという声を背後に受けまして、しかも新しい制度を実施したばかり、導入当初でございますから、他方におきまして一年間ぐらいの実績は見たい、その両方の要請の中で、どうすればできるだけ早く対処できるかということで考えたわけでございます。 御承知のとおり、このほか問題になっておりますことといたしまして、簡易課税の五億円というところ、それから免税点の三千万円というようなところが同じく問題になっているわけでございますけれども、この種のものになりますと、御指摘の租税法定主義の問題がございまして、これは政令委任がなかなか難しいわけでございます。なぜみなし仕入れの方は政令委任ができるかといいますと、実は物品税の時代にも同様のものがございまして、一定率ということを言っておりますが、小売価格から蔵出し価格を推計する率でございますけれども、それを政令でやっていたというようなこともございまして、ここまでは租税法定主義のもとで政令委任ができるという判断でございまして、法制局とも御相談してそこは政令にさせていただいたわけでございます。 ただ、事柄が事柄でございますので、この一年間の資料を十分に分析いたしまして、税制調査会にもかけまして慎重に検討いたしたいと思います。結果として、例えば五億円の方を見直すということになるのか、それともみなし仕入れ率を非常に多くするということになるのか、どういうことになるのかまだデータが出ておりませんのでわかりませんけれども、その結果を見まして十分に御議論をいただいて、国民の不安を招かないように制度を見直してまいりたいと考えております。
○和田(一)委員 最近物価が上がっていると私は思うのです。自民党や政府は、消費税導入によって物価やそれからまた消費税の転嫁の問題についても当初うまくいくかどうか非常に懸念が多かったのですけれども、それが最近になって、うまくいっている、問題がないというようなお考えのようですけれども、総理府が五月に発表した「物価問題に関する世論調査」では、元年十一月の生活費は去年の同じ時期に比べてふえたと感じた人が六三・七%。六十三年の調査のときには五二・八%だったのが、やはり大きく上回っております。この調査から見ても、消費税導入によって国民は生活に圧迫感を感じ始めている、こういう気がいたします。元年の消費者物価上昇率は、政府は当初二・〇%、その中で消費税分としては一・一%というふうに分析をしておりましたけれども、二・七%になって、これがさらに実績としては二・九%ということになってまいりました。当初の予定より〇・九%上昇ということ、これは相当圧迫感があっても当然だと思うのです。ですから、五二・八%だった前年度の数字よりも、六三・七%の人が物価上昇を感じている、こういう数字になって出たと思うのですが、この二・九上昇した分のうちどれくらいが消費税によるものか、経企庁等は分析していると思うのですが、大蔵大臣はお聞きでしょうか。
○相沢国務大臣 消費税の導入に伴う物価に対する影響でございますが、これは試算をするのに前提がありまして、消費税の税額分がまず価格に完全に転嫁される、そしてまた租税負担以外の要因による価格の変化を考慮しない、それから消費税の導入に伴い廃止または税率が調整されることになりました物品税による影響を勘案いたしまして、その導入の初年度では、消費者物価に対する影響は一・二%というふうに見込んでおりました。自動車に対する消費税の税率が平成四年度に六%から三%に軽減されるというような影響を見込みまして、平成四年度における消費税に対する影響が、今委員が御指摘のような一・一%ということになっております。
○和田(一)委員 とにかく、庶民としてはこのことによってやはり生活は圧迫を受けている、こういう感じでございます。 そこで、一番基本的な政府の税制改革法についてお尋ねしたいと思うのですが、消費税導入のときに決まりましたこの政府の税制改革法について、これはどういう思想でどんなものでありますかをお知らせいただきたいし、お聞きしたいです。
○尾崎政府委員 税制改革はかなり広い部分にわたりまして、しかもシャウプ以来と言われるように非常に大きな改正でございました。そこで、その税制改革の趣旨、基本理念、方針、それを明らかにいたしまして、それと同時に、例えば所得税ではどのような、それから間接税の分野ではどのような税制改正が行われるのか、地方税まで含めましてその全体像を簡潔に示して、そして国民の理解を深めたいということでございます。そういう意図を持ちまして税制改革法というものを制定いたしました。 この前回の税制改革が整合性を持って包括的かつ一体的に行われるということが国民に理解していただけるということもございますし、また、その税制改革の経済社会に及ぼす影響も考えまして、国などの配慮すべき事項についても定めている、そういう法律でございます。
○和田(一)委員 今御説明ございましたのですが、第二条で、「所得の水準の上昇及び平準化、」こう書いてございますね。それを反映して、適切な平準化をベースにして、平準化を反映して、「変化してきた現在の経済社会との間に不整合を生じている事態に対処して、」「国民の租税に対する不公平感を払しよくするとともに、」こう書いてあるのですね。所得の水準の上昇及び平準化を反映して国民の租税に対する不公平感を払拭する。平準化という言葉がここで使われて、それを反映して国民の不公平感を払拭する、こう言うんですけれども、この平準化という認識がよくわからないのですね。これは一体、平準化と判断するに至った具体的な数的なものがあれば教えていただきたいです。
○尾崎政府委員 当時私ども平準化の指標として見ましたのは、家計調査の収入五分位階級でございまして、その一番所得の低い第一分位の収入に対しまして一番所得の高い第五分位の収入がどうなっているかということで議論をいたしておりました。シャウプ税制導入直後の昭和二十六年にはその比率が五・八倍でございましたが、昭和六十三年で申しますと二・九倍というようなことで、その比率が長期的に縮小している。つまり、一番所得の少ない五分の一の方と一番所得の多い五分の一の方との格差がそれだけ縮小してきているわけでございまして、そのようなことで平準化ということを議論いたしておりました。 御承知のように、日本は非常に高度成長で所得がふえてきて、世界の一人当たりGNPでもトップクラスでございますけれども、その所得格差が少ないということは、それは世界的にも認められておりまして、ジニ係数によるような分類もございますが、私どもはそのような数字で議論をいたしておりました。
○和田(一)委員 これができたのは六十三年なんですね。私、冒頭申し上げましたけれども、今国民は、土地を持つ者待たない者、金を持つ者持たない者、二極分化が非常に激しく進んでおりますね。私は平準化ではないという認識を持っているのです。これは逆に格差が開きつつある。そういう中で、平準化ということを前提にしてこういうものを導入して不公平感をなくすと言いますが、これは逆に弱者負担になっていくのが消費税ではないか、こういう感じがいたします。 所得、消費、資産等に対する課税も、これは適切に組み合わせるということのようでございますけれども、この適切に組み合わせるということもよくわかりません。一体、所得に対して三分の一ずつなのか、所得、消費、資産に対して三分の一ずつなのかというような数量的なもので、どれが適切というふうに言うのかもよくわかりません。数字とは全く関係がなくて、何か一つの結果としてそういうものを定性的に見るのか、これもお尋ねしたいことでございますけれども、その中にさらにもう一つこういうことがございます。 第五条ですか、福祉の充実に配慮していきたいということとあわせまして、「今次の税制改革に際し、行政及び財政の改革の一層の推進に努めなければならない。」こういう項目がございます。六十三年までの行革と実施後の行政改革というのがどれぐらい変わったか。一層の推進が義務づけられているこの基本法ですね。こういうふうにうたい込んでおりますけれども、一体その改革法の中での義務づけられた行革の推進というものについて、実効が上がったとお考えになっているかどうか、これをまずお聞きしたいと思います。
○塩崎国務大臣 和田委員御指摘のように、税制改革法第五条に今御指摘のような推進規定がございます。私どもは、消費税導入後も、例えば昭和六十三年の十二月に規制緩和推進要綱をつくりまして規制緩和を一層推進してまいりました。そしてまた、平成元年の十二月には国と地方の関係等に関する改革推進要綱をつくりまして、国と地方とを通ずる権限の分配等によって行政改革の推進を努めてきているところでございます。 なお、去る四月十八日の第二次答申で、私ども依然としてこれから、最終答申でございますが、 行政組織、現業、特殊法人等の改革をすることによって国民負担の増大抑制措置をとっていこう、こういうふうに第二次の行革審の最終答申でいただいておるところでございます。 そしてきょう、衆議院の本会議で成立させていただきました第三次行革審で、さらに新しい気持ちで、手綱を緩めることなく行政改革を進めていきたい、こんなふうに考えているところでございます。
○和田(一)委員 私は、行政改革というものは、これは絶えず見直しをし推進しないと行政というものは肥大化していく。これは長官も、この今度の第三次行革審の審議の中でもパーキンソンの法則をおっしゃっておりました。税金のむだ遣いをなくして少しでも国民の税への負担を軽減していくためにも、やはり行革というものは思い切ってやっていかなければいけないと思います。まだまだ、そういう意味では、この間の法案の過程で総理も、道半ばであるとこう言っておられました。私もそのとおりだと思います。これからがむしろ正念場だと思うのです。 そういう意味から、もう少し行革について、税制度の運営も含めて、とにかくむだな税金は国民としてもう支払わない、支払ったものがいかに有効適切に使われて、それが行政サービスあるいは社会資本という格好で還元されているか、これは非常に大事なことでございまして、そういう意味では今の日本の税金の使い方というのは、予算のときには非常に熱心に論議が行われますけれども、使ってしまった決算については余り国民も関心がないということも私はよくないと思うのですが、そういう意味からいっても、もっともっと税金に対してシビアな国民の最近の感覚というものを尊重していただいて行革は進めていただきたいと思うのですね。 それに関連いたしまして一つだけお尋ねしたいことがございます。 この間出ました最終答申の中で、財政投融資の財源が少なくなったときにはいわゆる財投債を検討することも必要であるような答申がございました。私も、財投の事業計画そのものが大きくなる、小さくなるということ、これは政策判断でございますが、そうなったときになおそういう事業をやるという場合に、原資がなくなればこれは何か考えなければいけないと思うのですが、その最終答申を踏まえてすぐ大蔵省が財投債の検討を始めたという報道がございました。これはそのとおりかどうか。それから、もしそうであるならば、どういう規模、範囲でそれを将来に向かって考えようとしているのかをお聞きしたいと思います。
○橋本国務大臣 結論から申しますと、私どもは財投債の発行を具体的に検討いたしておりません。確かにこの答申にもございますように、将来、公的資金の統合管理・運用によりまして資金調達が行われている現状から、それだけでは原資が不十分な場合に、預託義務を前提としながら財投債により追加的、補完的に資金調達を行うという御提言は、今後の検討課題ではあると思います。しかし、現時点におきましてそういう手段をとりまして財投原資の調達を行わなければならないような状態にはありませんので、私どもとして具体的に検討しておりません。
○和田(一)委員 じゃ、将来にわたっても、そういう事態は当分は来ないだろうということかと思いますけれども、やらない、こういうことのようでございます。 これはもう一回、行政改革の問題ですけれども、きょうでしたか、本会議で参議院に送られました新しい行革審の設置法ですが、私はその審議の中でも念を押しましたけれども、この新しい委員会が答申をされるに際して、ぜひ私は、その人選も含めてやっていただきたいのですけれども、これが答申に際して、政治的な配慮が入ってしまったり、それからまた縦割り行政の強い要請があって必要なものが省かれたり、あるいは逆に、こういう答申があるといいということで入ってきたり、そういうことがないような形でいかないと、これはさっき行革反対だという声もありましたけれども、全く意味のないことになりかねません。そういう意味では、私は、新しい第三次行革審を設置するということについて、もう一回大臣のその点に対する御決意も伺っておきたいと思います。
○塩崎国務大臣 ただいま和田委員御指摘のような御質問をたびたびいただいて、私どもは、今度の第三次行革審には、ぜひとも縦割り行政の弊害をなくするような、本当に大所高所の大きな行政改革の方向を打ち出していただきたい。そしてまた、単に技術的な行政改革に終始することなくして、本当に行政改革で国民の負担が大きく減っていくような行政改革を打ち出していく。そのためには、政治的な観点でゆがめられたと、こんなことがないことを第三次行革審にはぜひとも御期待を申し上げたい、そして私どももそのために一生懸命御協力をしていきたい、こんなふうに考えております。
○和田(一)委員 この委員会で私は何で行革のことをこんなに言うか。結局、これは税金とつながっております。国民が負担していくものを効率よく活用していくということ、さっき申し上げたように、払ったものによって受けるサービスとか社会資本であるとか、そういうものにきちっとやること、そのためにはむだを極力避ける、これがまず前提でなければいけない。仏つくって魂入れずで答申そのものが腑抜けになってしまう、また出てきた答申を、余り政治的なリーダーシップを発揮しないでただつくっただけで終わってしまうというのでは、これは本当に意味がないと思いますので、これだけのことを申し上げたわけでございます。 時間がなくなってまいりました。最後に、さっきから土地の問題も出ておりますけれども、今いろいろな問題の基本に土地の問題が必ず入ってまいります。今国民の二極分化の大きな原因にも、やはり土地の問題、土地を持つ者と持たざる者との格差が広がっているということもあります。その現状を何とかしたいという思いはあるのですけれども、これがなかなか難しい。保有税の強化等の方向でいろいろな改革案というものが言われておりますけれども、私は、今経済的にゆとりが出てきたその金繰りの中で、お金を持っている人が土地にお金を投資する、土地を持てば絶対損をしないという今のあり方からもっと目を別の方へ向けていく、そういうことが非常に大事ではないか、こんな感じがするのです。 ギリシャ神話にミダス・タッチというのがありますね。とにかく何でも触れる物全部黄金にしてくれ、黄金に変えてくれと神様にお願いしたミダス王が、その願いがかなえられて、さわる物みんな黄金になるのはうれしいけれども、さあ飯食おうと思ったらそれも黄金になったというので、大変な、勘弁してくれという話がありますけれども、今世界じゅうというか、特に日本の中で、金と物に集中してしまって、その金も、何でも金が金を生むような方向にというだけでは私はいけない。税制の上からももうそういう方向を変えていく時期ではないか。例えば、お金がいっぱいある人が、これをそのまま子供に譲る場合には税制でこうなる、ならば、私は生涯の自分の努力のモニュメントとして福祉事業をやりたい、新しいそういうものを起こしたい、あるいは私学に、自分が出た学校に寄附したい、いろいろな思いがあっても、今の税制では、そういう方向に金使うよりはやはり土地でも買っておいて、その方が金を持って遺産相続するよりは得であるというようなことだけではいけない、こう思うわけなので、こういう時代に対して、やはり新しいそういう発想ができるような税制の指導というか、大蔵大臣としてそういうことに対しての新しい発想、私は二十一世紀に向かって離陸する助走の時代だと、こう申し上げた、既存の考えを打破しながら新しい時代を構築していく今そういう時期だと冒頭申し上げましたけれども、今のこの金中心の世相をどのようにお考えになり、またこれを変えていったらいいか、その点についての大臣のお考えを伺って、終わりたいと思います。
○橋本国務大臣 非常に難しい御質問でありますけれども、すべてが金、金という時代が楽しいものでないということは、私ども皆同じだろうと思います。そして、そういう風潮の中で、その原因をどこに求めるか、お人によっていろいろなお考えがありましょう。そして、その中において政治家としての果たすべき役割もありましょうし、また行政として果たすべき役割というものもおのずから別途存在すると思います。財政当局という立場の中で今委員の提起されましたような心構えというものを施策にどう映していけばいいのか、私もまた考えさせていただきたいと思います。
○山崎委員長 これにて和田一仁君の質疑は終了いたしました。 次回は、明十六日土曜日午前十時から公聴会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時十二分散会