税制問題等に関する調査特別委員会 第4号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/06/13
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案及び税制再改革基本法案並びに内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 本日は、特に、内閣提出の法律案について質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村上誠一郎君。
○村上委員 では、自由民主党を代表しまして、消費税、消費税見直し法案、土地税制について質問させていただきます。 私は、税とは苦悩だと思います。一六八八年の清教徒革命、一七八九年のフランス革命、革命も議会制度もすべて税制問題が発端となっております。昨日の論議を聞いていても、何が公平で何が不公平なのか、野党の皆さん方の中でも意見が分かれているわけでございます。ですから、何が何でも説得しようとか、だめなものはだめ、だめっきゃないというのではなく、一つ一つの問題、その課題について、わかりやすい説明とともに、難しい点についてはそれを率直に認めながら論議を進めたいと思います。 私は、今日の日本の社会や政治状況の中で考える場合に、二つの大きな流れがあると思います。まず第一点は、昨日までの経験や経験則が参考にならない時代に入ったということでございます。それは、だれもが経験しなかった問題が毎日起こっており、不連続性の時代に入ったということでございます。それから二番目は、戦後四十年間、産業にしても農業にしても金融にしても、それぞれの分野の皆さん方が頑張ってこられて今日の繁栄があるわけでございますが、残念ながら枠のつくり直しの時期と申しますか、制度を大きくつくり直す時期に来たと思います。例えば、子供のときにつくった服が大人になって合わなかったように、言いかえれば、世界的に通用しない制度とか、また自律的に機能しない制度というのは早晩消滅していくと思うわけでございます。 その一連の流れの中に、私は今回の税制改革があるんじゃないかなと思うわけでございます。特に、シャウプ税制は四十数年前につくられて、それ以来時代の流れの中に即応しなくなった。その中でこの消費税というものが出てきたと思います。税金というのは、我々の社会を守り、維持するために必要な金額をみずからの能力と受益に応じて公平に負担するものでありますが、まず大蔵大臣にお伺いしたいと思います。 平成二年度の国民負担率、すなわち国民所得に占める税負担と社会保障の負担の割合がどのような割合になっているか、お伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 平成二年度の国民負担率、これは四〇・四%になっております。そのうち租税負担率が二八・三%、社会保障負担率は一二・一%であります。
○村上委員 私は、今後一番重要なことは、政治の力によってこの租税負担率並びにこういう負担を五〇%以内に抑える。そうしますと、あと四%以内の成長までに抑えなきゃいけないわけですから、強力な政治力が必要じゃないかなと思うわけでございます。 次は、厚生省にお伺いしたいと思います。 公共サービスのうち、高齢化社会の進展に伴いまして、今後増加すると見込まれているのが社会保障の分野、すなわち医療と年金だと思います。現在における医療と年金の負担、それが二十年後どのようになるか。また、六十五歳以上の人口に占める割合が現在どの程度で、二十年後にはどの程度になるか。また、今六十五歳以上の人口の比率と十五歳以下の人口の比率が、十五歳以下が多いわけでございますが、それが将来いつ逆転するのか、その点について厚生省にお尋ねしたいと思います。
○坂本(龍)政府委員 まず、国民医療費について申し上げます。 平成元年度で約十九兆七千億円、平成二年度で約二十兆九千億円という数字でございますが、二十年後の平成二十二年度におきまして、この医療費の推計といたしましては、いろいろ難しい不確定要因がございますけれども、現時点での医療費の状況をもとにいたしますと、平成二十二年度には約八十八兆円になると見込んでおります。
○水田政府委員 年金の支出についての推移を御説明申し上げます。 厚生省の所管いたしておりますところの厚生年金、国民年金を合わせました支出額でございますが、平成元年度予算ベースで十四・四兆円、平成二年度予算ベースで十五・六兆円、これが二十年後の平成二十二年度になりますと、約七十四兆円になる見込みでございます。
○加藤(栄)政府委員 六十五歳以上人口の比率でございますが、平成二年一一・九%と推計しております。平成二十二年が二〇・〇%でございます。それで、六十五歳以上人口比率と十五歳末満の人口比率が逆転しまして、六十五歳以上人口比率の方が多くなりますのは平成十九年と推計しております。
○村上委員 今お話がございましたように、今一年間に医療費が約二十兆円、それが平成二十二年には八十八兆円、年金が十五兆六千億が平成二十二年には七十四兆円となるわけでございます。そうしますと、今大体三十五兆六千億の医療と年金が平成二十二年、二十年後には百六十二兆円になるわけでございます。そうしますと、今まで私たち年金をもらう人、あなたたち年金を払う人というような仕分けがあったわけでございますが、これからはやはりお互いの世代が支え合うような制度が必要じゃないかなと思うわけでございます。 次に、大蔵大臣にお尋ねします。 昭和六十一年から過去数年間において非常に減税が行われておりますが、各年度の減税額とそのトータル額についてお教えいただけたらと思います。
○橋本国務大臣 今、手元にありますのが所得税及び住民税でありますので、その二つについて申し上げます。 六十二年九月改正分につきましては、減税額一兆五千億円、内容としては税率十五段階を十二段階に、また配偶者特別控除を創設したという内容であります。また、六十三年十二月改正分二兆四千億円、税率十二段階から五段階に、また人的控除の引き上げ、配偶者特別控除の拡充などでありまして、この両年を合わせまして合計三兆九千億円の減税であります。 また、個人住民税の減税額は、昭和六十二年九月改正分で七千億円、昭和六十三年十二月改正分におきまして九千億円、合計一兆六千億円となっております。
○村上委員 それから、もう一つお伺いしたいと思いますのは、直間比率の見直しでございます。消費税が導入される前の直接税と間接税の国税における比率と、消費税が導入されて、まだ確定はしておりませんが、推定で結構でございますが、消費税を導入した後の直接税と間接税の国税における比率についてお尋ねしたいと思います。
○橋本国務大臣 抜本改革前の直間比率、国税でありますが、昭和六十一年度七三・一対二六・九でありました。平成二年度予算におきまして、これを七〇・九対二九・一と見込んでおります。 なお、税制改革がなかったとしたならば、直接税の比率は現在七六%程度、間接税の比率は二四%程度になっていると考えておりまして、それなりの効果を出しておると思っております。
○村上委員 以上の点、年金や医療の将来の展望、また、直間比率の問題等いろいろ考えてまいりますと、消費税の導入というのはいろいろ手順に問題があったかもしれませんが、日本にとって長い目で見たら必然的な選択であったんじゃないかなという考えを私は持っております。それに対しまして大蔵大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 先ほどのお話にもありましたように、改革前の税制と言われるものは、シャウプ勧告によりまして四十年近く前にその基本がつくられておりました。そして、それはまさに今日の経済社会の実態には十分適応できない状態にあったわけであります。そして昭和五十年代の後半になりますと、国民の政治に求める要望の中で、常に税制の改革というものが非常に高いウエートを占め、同時に所得課税を中心とした勤労者層からの非常に強い税のゆがみ、あるいは重みというものに対する不満が募っておりました。一方では、高齢化社会に対応するための、お互いがお互いを支え合う仕組みというものを我々は模索しておったわけであります。 そうした中において、やはりこうした状況を踏まえて考えれば、私どもとしては、今回の一連の税制改革と申しますものは、当然行わなければならなかった一つの大きな仕事であったと考えておりますし、今後、従来の税制のままでありましたならば、先ほど委員が御指摘になりましたような社会保障関係費の非常にふえていく負担というものが、本当に働き手世代のいわゆる勤労所得というものに非常に大きな負担がかかってしまったであろうということは間違いがありません。こうした点から考えましても、私どもは、今回の税制改革というものは、国民の御理解をいただくにふさわしいだけの方向性を持ったもの、そのように信じております。
○村上委員 今からちょうど三十年前が日米安保条約の問題でありました。やはり政治というのが難しいのは、いろいろな問題が起こったときに、その時期においてはなかなか国民の皆さん方にわかりづらい、わかってもらいにくいなと思うわけでございます。吉田茂さん、岸信介さんが、国防にお金をかけるよりも、経済の復興や発展にお金を回した方がいいということで日米安保条約を結ばれたわけでございます。それが十年たち、二十年たち、三十年たって、今日、日本が世界的な経済的繁栄をすることによって実証されたわけでございます。私も、消費税は現時点においてはなかなか御理解されにくい点があると思いますが、十年、二十年、三十年たったら、この制度というものは間違いでなかったと言われると確信しているわけでございます。 次に、いよいよ消費税の見直し法案について質問したいと思います。 今回の消費税の見直しは、大きく三つの柱があると思います。一つは逆進性の緩和及び社会政策的配慮、そのうち非課税範囲の拡大と飲食料品の税負担の軽減、それから二番目の柱は消費税の使い道の明確化、そして三番目は消費者の皆さん方から指摘された制度上の問題点の是正、この三本柱だと思うわけであります。 その中でまず第一点、非課税の拡大であります。私は、付加価値税というのは広く導くというのが原則であって、その原則をある程度縮めたというか、すなわち、課税ベースを小さくしたというのが法律案の一番目の柱でございます。この非課税取引の拡大が逆進性を緩和するに資する効果について、まず大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 消費税という税制が基本的に所得に対する逆進性を持つということは、今までも私どもは否定をいたしておりません。ただ、同時にその場合に、私は委員に御注意願いたいと思いますのは、こうした税制をしいております各国の税率に比して我が国の消費税の税率は非常に低い。この事実自体が、既に他国の同種の税に比べて逆進性という意味からは非常に大きな効果を発揮しているということであります。しかし、確かにそのすべての物品あるいはサービスに対して課税をお願いをするわけでありますから、お年寄りや社会的に弱い立場の方々にも消費税の負担が及ぶという意味では、逆進性というものは否定できません。ですから、そういう点については、私どもはほかの税制、さらには社会保障等と組み合わせて御議論を願いたいということを申し上げてまいりました。 委員から今御指摘がありましたけれども、今回消費税そのものにおきまして、飲食料品の税負担軽減のための特例措置を講じると同時に、住宅の家賃あるいは身体障害者用物品、第二種社会福祉事業、さらに老人に対する在宅サービス等を非課税とするほかに、年金生活の方々に対しましては、既に所得税や住民税において公的年金等控除額の引き上げ等を行いまして、一層の減税を実施をしております。ちなみに、年金受給者の所得税の課税最低限は、六十五歳以上の御夫婦で三百一万八千円でありましたものを三百二十一万八千円に直しております。また、歳出面におきまして高齢者の保健福祉施策というものを飛躍的に拡大していこう、そして将来に対する目標を定めようということで、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を定め、その目標を明らかにし、平成二年度予算から既にその実現に向けて動き始めておるわけでありまして、これは、社会的に弱い立場にある方々に対する施策をきめ細かく実施していこうという政府の考え方であります。 また、今回の見直しによります食料品あるいは住宅家賃など、その対象となります支出品目を実収入と対比して、いわゆる年間収入の五分位階級で見てまいりますと、第一分位では二五・七%、第五分位では一四・九%と低所得者ほど大きくなっております。このため課税対象支出は、見直しによりまして第一分位におきましては従来の六七・五%から四一・八%へ大幅に低下をいたします。一方、第五分位では五〇・九%から三六・〇%へと、より小幅な低下にとどまっております。また、第一分位と第五分位の差を計算してみましても、現行一六・六ポイントございますものが見直しの結果五・八ポイントに縮小するわけでありまして、こうした試算をしてみましても、見直しによりまして逆進性は大きく緩和されている、そう申し上げてよろしいと思います。
○村上委員 次に、その非課税範囲の拡大の中で飲食料品の税負担の軽減の問題でありますが、ささいな問題であるのですが、いろいろ出ているわけでございます。特に、例えばハンバーガーショップに買いに行く。ハンバーガーショップで食べれば課税になって、ハンバーガーショップで持ち帰りで買って帰れば課税にならないのじゃないか、そういうような問題点もあるわけでございますが、その飲食料品に対する特例が制度を複雑にするのではないか、あるいはわかりにくくなるのではないかという御意見、また、私の知り合いの事業者は、食料品の事務取り扱いが大変になる、今のままでいいのではないかという意見もありますが、それに対して大蔵大臣の見解、御説明をお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 今、ハンバーガーという例が出てきたのですけれども、私は、まず一つ申し上げておきたいと思いますのは、同様の区別というものはフランスや西ドイツでも行われておるものでありまして、事業者や消費者の方々がそうしたことから考えてみても御理解がいただけるのではないか、そういう期待を持っております。これは率直に私の気持ちです。 ただ、消費税の見直しに当たりまして、私どもは消費者の方々からさまざまな角度で御意見をちょうだいをいたしました。その中に非常に多かったのは、食料品のように毎日買うものについて特別な配慮をすべきではないか。また、消費税の持つ所得に対する逆進性という視点からも、食料品については特別な配慮をすべきではないか、そういう御指摘は多くあったわけであります。 こうした御指摘にこたえると同時に、消費者の購入価格が引き下げられるように事業者間の円滑な取引を確保しよう。そのために、どうするならその目的にかなうかということから、私どもは今回の考え方、すなわち、流通段階においては特別低税率を設定をする、そして、小売段階においては非課税という手法をとることが一番効果のあるものだというふうに判断をいたしました。 確かに、こうした制度をとりますと、事業者の方々に何らかの事務的な負担をお願いをすることになるという点は御指摘のとおりです。しかし同時に、この特例措置というものが飲食料品の小売販売上の取引に当たるものならすべて非課税、それ以外の取引はすべて特別低税率という仕分けになっているわけでありますから、個々の事業者の方々に対して複雑な制度になっているということではないと思うのです。こうした点をよく御理解をいただければ、先ほど申しましたフランスその他の例を申し上げましても、同じような制度が現実に動いておりますこと等考えあわせて、御理解がいただけるものと私は期待をしております。
○村上委員 二番目の柱は、消費税の使い道の明確化であります。 私は、税制の基本的な問題を考えるときに、まず最初に幾ら税金を徴取するのか。二番目に、だれが取るのか。すなわち、国税か地方税か。そして三番目は、だれから徴取するのか。保有なのか所有なのか消費なのか、また、受益者から取るのか、また能力者、応能で取るのか。そして四番目は、どうやって徴取するのか。簡素でいくのか、公正でいくのか、中立でいくのか。そして五番目の課題は、何のために取るかというのが大きな問題点だと思います。 その中の最後の五番目として、この消費税の使い道の明確化ということで、今回見直し案の中においては、消費税の見直しに伴って、平成二年度以降の消費税収分を優先して国民福祉のための経費に充てるという趣旨規定を設けたわけでございます。 そこで大蔵大臣にお伺いしたいのは、その消費税を福祉に優先して充てることの実として、平成二年度の予算の中でどのような福祉の充実の措置を図られているのかをお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 個別具体的にお答えを申し上げるといたしますと、私どもは、先ほどお答えをいたしました「高齢者保健福祉推進十か年戦略」という、二十一世紀の到来までに我々が高齢化社会に向けて最低限備えておかなければならないそれぞれの分野における目標というものをお示しをいたしました。そして、それに基づきまして、例えばホームヘルパーの増員養成でありますとかあるいは各種老人施設における整備の拡充でありますとか、個別的な政策はそれぞれに進めておるところであります。在宅福祉、施設福祉、両面において飛躍的に事業を伸ばしつつあるということは申し上げて間違いがないでしょう。 また、各種の年金あるいは手当につきまして、その給付額について完全自動物価スライド制というものを実施をいたしました。また、生活保護につきまして、生活保護基準の適切な引き上げを行う、そして、障害を持たれている方々など社会的に弱い立場におられる方々に対して、細かくそれぞれの分野での手当てを行っております。 いずれにいたしましても、これは一つずつお答えし出しますと非常に項目が長くなりますので、概略にお答えをさせていただきます。今後ともこうした努力は我々として続けていかなければならぬ、そのように考えております。
○村上委員 この問題についてはいろいろ議論が分かれるわけでございますが、これから迫り来る高齢化社会において、やはり消費税というものが非常に大きな意味を持ってくるということを明確化する意味においても、この消費税の使途の明確化というのは大事じゃないかなという気がするわけでございます。 それから三番目の柱として、消費者の立場から、皆さんから指摘された制度上の問題点の是正というのがあると思います。特に簡易課税制度、それからまた免税事業者の問題、これが大きな課題だと思います。 よく言われるのは、消費者の皆さん方から消費税を預かって、それが納税されてないんじゃないか、俗に言う猫ばばされているんじゃないかという問題点だと思います。ただ私は、免税事業者に関しましては三千万円以下の売り上げであります。例えば駅前のそば屋さん、ラーメン屋さん等、そういう御商売をなさっている方々は、めんやつゆやだしの仕入れ額にも当然消費税がかかっているわけでございます。そうしますと、丸々上乗せした三%がすべて国庫に納付されていないかといえば、そうじゃないんじゃないかな、いろいろ仕入れにかかったコストを引きますと、大体〇・六%ぐらいが自由に使える範囲の額じゃないかなという気がしているわけでございます。 そういう面で、最初から精緻なというか、正確なシステムを導入するということは、最初からやるのは非常に望ましいことだとは思うのですが、ならし運転的要素としてこの制度が導入されたと思うわけですね。ですから、そういう面で――いや、そうじゃなくて、つまり、その問題についていろいろ意見が分かれるところでございますが、その問題について大蔵大臣の、まず制度を導入した点において、率直な考えについてお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 事業者免税点制度あるいは簡易課税制度、これはまさに中小零細事業者に対しての特例措置でありますけれども、これはそのときどきの社会経済情勢と非常に深くかかわる政策判断の問題として採用されたものと私は理解をいたしております。そして、こうした同種の制度は、例えばフランスあるいは西独あるいは韓国、その幅の問題はありますけれども、それぞれの国で同じようなものを考えて、採用しておられるということも御理解をいただきたいと思います。 しかし、こうした点も、今委員の御指摘のようなお考えからでありましょう。一昨年末の衆議院本会議において、議員修正として、税制改革法第十七条三項に、「納税者の事務負担、消費税の円滑かつ適正な転嫁の実現の状況、」等を踏まえて見直すということが定められました。政府としても、これらの制度のあり方につきましては、消費税の申告・納付が一巡する平成二年五月までは実態把握を行う、そして、これらの制度をどう見直すか十分検討の上、提示をするということを既に閣議決定をいたしております。 現在、各税務署からの資料を収集し、これからそれを集計し、分析をしていくわけであります。全国から集めますのには、恐らく七月末くらいまでかかってしまうでありましょうけれども、この申告・納付の実態を把握したデータに基づいて、公平性、簡素性のバランスをできるだけ踏まえながら、これらの問題に対しても適切に対応していきたい、誠実に対応していきたいと考えています。
○村上委員 今回のその他の制度としては、中間申告や納付回数の増加をして運用益を生まないようにしようということと、また、交際費等の支出について、一定の仕入れ税額控除の制限を設けようというふうにいろいろしているわけでございます。 ただ、今大蔵大臣が言われたわけでございますが、まだまだ七月までにならないと今までの資料が全部収集できないわけでございますが、大まかな考え方と申しますか、大まかな方向で、今後の簡易課税制度、それからまた免税事業者についてどういう方向で検討し、是正していったらいいか、そこら辺について大蔵大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 従来からも、これらの問題点につきましてさまざまな御議論が衆参両院でも行われてまいりました。そして、その中において、特定のグループを任意抽出された結果としての数字等を前提にされながら、その改善方向について御意見をいただいた向きもございます。しかし、やはり政府としてこれらの制度を見直します以上は、幅広く検討していくためにも、その前提となります計数の整理、これは一年間の実際の申告・納付の状況というものの中から現実の数字というものを整理して、それをベースに御論議をいただくのが我々として正しい考え方である、そう思っております。 本当に一巡後二カ月ぐらい計数整理にかかってしまうわけでありますけれども、これらの制度というものは、消費者を中心としてさまざまな御意見がありますと同時に、事業者の方々にも深く関連するものでありますから、その見直しというものは、税制改革法の中に議員修正として加えられましたように、納税者の事務負担あるいは転嫁の状況などの実績をきちんと見定めた上で行うべきものだと思っておりまして、今その計数整理の途中の段階において予見することについては、お許しをいただきたいと思います。
○村上委員 今回の消費税の仕組みの見直しは、何といっても逆進性の緩和をどうするか、それからまた事業者の事務負担の軽減措置に伴う簡易課税制度、免税事業者の制度、それから消費者が負担しているだろうという消費税の一部が国庫に納まらないんじゃないかなという疑問について、今回三つの大きな柱で見直し案ができてきたわけでございます。この見直し案につきましては、現段階においては苦悩しながら、私は最善と思われる案が出た、ここに本日提出されたと思うわけでございますが、この見直し案の成立に向けて総理の御決意をお伺いしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 何回も御議論が繰り返されておりますように、昨年四月から消費税を含む税制改革が行われたということは、所得と資産と消費の間にバランスをよくして、しかも、すべての人に社会共通の費用を負担していただきたいという願いから、所得税減税とか法人税減税の大きな柱も立てたり、原則非課税であった資産課税を原則課税の方向に切りかえる、同時に個別物品税なんかを廃止しながら消費税という三%の税の負担をお願いする、いろいろ総合的に税制改革を行って、いいと思って我々はやったのでありますが、謙虚に耳を傾けますと、国民の皆さんの間にも国会にもいろいろな御指摘や御不満もございました。 私自身も全国の国民対話集会に行っていろいろ意見を承ったり、また税制調査会や与党でも直接消費者団体の代表なども招いてお話を聞いたり、皆さんもそれぞれ選挙区へお帰りになって御議論をいただいた結果を反映していただき、それでは世論の指さされる方向に、この消費税はより一層の定着を図るためには、改めるところは率直に改めたがいいということで見直し案を作成をし、国会へお願いしておるわけであります。 内容につきましては、お手元に十分資料もお持ちと思いますので、一々申し上げることを避けますけれども、各界の皆さんからいただいた御指摘や不満を全部検討の対象にして、ぎりぎりの接点を求めて最善と思う見直し案を御提出しておるわけでありますから、どうかそういう次元に立ってごらんをいただいて、国会における各党間の御議論を通じてこれが成立をし、定着をしていきますことを私は心から期待をし、その実現を強い気持ちでもってお願いをしておるところであります。御理解をいただきたいと思います。
○村上委員 ありがとうございました。 この見直し案については本当にいろいろな意見、考え方あるわけでございますが、先ほども総理がおっしゃられたように、税の体系を壊さずにどうやったらぎりぎりのところで接点を見出すか、本当に苦悩に苦悩を重ねた見直し案じゃないかな、私自身率直に思っております。最初申し上げましたように、課税ベースを狭くするということは、本当の原理原則からいうと逆行するわけでございますが、どうしても国民の皆さん方の逆進性を緩和したいというその一念から、あえて課税ベースを小さくしていったということを御理解いただきたいと思うわけでございます。 次に今非常に緊急の課題として土地問題がクローズアップされております。特に資産課税の問題、またいろいろな有効利用の問題についていろいろ議論が出ておるわけでございます。特に資産格差において、持てる者と持たざる者の差が大きくなりつつある。そしてまた、今の過密な東京都が地震とかそういうものが起こってきたときにどうしたらいいか、そういう問題も起こっておる。 私自身、非常にアバウトな考え方でありますが、土地問題については、例えば西暦二〇〇一年から二〇五〇年までは北海道に首都を置く、また、西暦二〇五一年から二一〇〇年までは九州に首都を置くというように、アメリカにおいてワシントンとニューヨークはそれぞれ経済と政治の中心が別々であるように、そういう遷都の形をするか、または東京湾を全部埋め立てて供給をふやすというような、そういうようなドラスチックなことをやらなければ難しいかなという気がしておるわけでございますが、まず……(発言する者あり)忘れました。四国は西暦二一〇一年から二一五〇年までやってみたいと思います。その前提として、政府として土地問題に対して全体としてどのように取り組んでいるか、国土庁長官にお伺いしたいと思います。
○佐藤国務大臣 村上先生にお答えいたしますが、実は土地問題というのは大変重要な問題で、また非常に難しい問題だと思っております。 先生の御指摘のとおり、実は土地問題の解決には二つの方法があると思います。一つは政治的配慮をどうするかという問題、もう一つは政策的配慮をどうするかという問題。政治的配慮の中には、今先生がおっしゃった首都機能の移転をどうするかという問題で、遷都、分都、展都の考え方があると思っております。また、政策的配慮の中に、実は例えば宅地供給をどうするかという問題、それから税制の問題、また地価高騰をどう抑えるかという問題、あるいは金融総量抑制の問題等があると思います。 そんなようなことでございまして、政府とすれば、昨年暮れに土地基本法が成立いたしました。これは先生御高承のとおり、公共の福祉優先の原則を打ち出したということがございます。この理念に基づきまして土地対策の転換方向を考え、需給両面にわたり一層いろいろな諸施策を推進したい、このようにやっておるわけでございます。この、できた土地基本法に基づきまして昨年暮れに土地対策関係閣僚会議をいたしまして、それで今後実施すべき十項目を決めました。 その幾つかを申し上げますと、先生御存じのとおりでございますが、大都市地域の宅地、住宅の供給をどうするかという問題、実はこれは先生方の御協議によりまして建設省が二法案を出しまして、衆議院通過、今参議院に回っております。それから、あとは税制の総合的見直し。これは一口に言いましたら土地神話をどうして崩すかという問題です。そんなことの中に緊急的な、地価高騰をどうするかとかいろいろございますが、そんなところを踏まえてこれの実施に努力しておりますが、それとともに、ことしの一月に、実は国土庁の地価公示の全国的平均で住宅地が一七%アップしました。大阪などは五七%前後アップしたということで、この緊急対策として、特に総理の指示がございまして、監視区域の総点検を実施しております。 そんなことで、監視区域が後手に回らないように的確な運用と厳正な運用をする努力をしておりますとともに、今度は、特に総理の指示によりまして、後手に回らぬようにということでガイドラインをつくりました。率直に言いますと、地価が一〇%上がればすぐ監視区域に指定する、それから、地価が二〇%上がれば届け出面積を百平米にする。それで実は東京の地価がなぜ横ばいをしておるかという大きな理由の中に、一つはこの監視区域を百平米にしたということが大きな理由になっておるということで、そんなことでするというようなことを決めました。 それとともに、やはりこれは日本銀行も認めておりますが、金融というのがかなり地価高騰の大きな原因になっているということがございまして、特に大蔵大臣や大蔵省にお願いしまして、金融の総量抑制をお願いしておるというのが、今緊急的実施の方向でございます。 それとともに、実は今度土地政策審議会をつくりまして、これは総理の諮問機関でございますけれども、五月二十四日に第一回の会合をしました。総理から、土地基本法を踏まえた土地対策の方向づけをするようにということで、実はこれも土地政策に関するあらゆる部門にわたりまして答申をお願いしたいということで、各界各層の人を集めてお願いしたわけでございます。 この答申を、実はこれは普通の審議会では異例でございますが、十月末にお願いするというようなことでございまして、十月末にお願いし、その答申が出ましたら、その具体的の実施に全力を挙げて取り組みたい、このように考えておるわけでございます。
○村上委員 次に、土地税制小委員会がこの間、資産に対する適正な課税、土地政策の一環としての土地税制ということで、基本的にどのようにやるかという問題を答申したわけでございますが、これをどのように受けとめて土地税制の見直しに取り組んでいくのか、大蔵大臣に見解をお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 税制調査会の小委員会が発足をいたします前、私としては、この審議会で、どうかこういう感じで御審議を願いたいという希望を二つ申し上げました。 一つは、土地について持てる者、持たざる者、その格差が非常に生じてきている、非常に不満も高くなった。そうした視点から、資産格差に対する適正な課税を求める声が強くなっているということはぜひ御認識をいただきたい。 もう一つは、単純素朴な言い方で恐縮ですが、どうやったら大都市で一生懸命に働いているサラリーマンが家を持てるようになるのか、そういう土地政策の中で税がどんな役割を果たせばいいのか、素朴な言い方ですけれども、こういう視点で考えていただきたいということを申し上げてきました。 今回、今委員が御指摘のような小委員会の考え方が示され、引き続き検討されていくわけでありますが、私は、その方向というものは至当なもの、そのように心得ております。
○村上委員 現在のように土地問題が深刻化した大きな原因は三つあるんじゃないかなと思います。 まず第一点は、大都市集中に見られるように、国土利用のアンバランス、すなわち一極集中でございます。それからもう一つは土地神話、必ずもうかるという土地神話。それから三番目は土地投機の横行だと思います。すなわち、土地の保有のコストが低いということが大きな原因じゃないかと思います。 そういう面で、資産としての土地の有利性を減殺して、土地神話をどうしても打破するためには、思い切った土地税制の見直し、なかんずく保有課税において適切な措置を講ずる必要があるというふうに私どもは考えますが、大蔵大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 今、土地問題につきましては、例えば資金力のある企業の土地取得というものが地価高騰を招いているんじゃないか、あるいは今委員が述べられましたような土地の保有に対する税負担が低い、だから土地が有効に利用されないんじゃないか、あるいは企業が最近の地価高騰の中で巨額の含み益というものを抱えているんじゃないのか、いろいろな御意見が出ております。 ただ、企業の保有する土地と具体的に考えてみますと、例えば低利用、未利用地というものの判断をどういう基準でするのかとか、あるいはその含み益課税という考え方をとりました場合に、古くから持っておられる土地というものには確かに相当な負担がかけられる。しかし、土地投機が始まりましてから、まさにもうけを目的にして最近新たに土地保有を始めたところというのは、逆に取得価格が相当高くなっているために課税されないんじゃないか、これは一体どう考えればいいんだ、そんな問題がありまして、なかなか従来論議が進みませんでした。 しかし、先ほど国土庁長官からの御答弁にもありましたように、土地基本法が成立し、公共優先という一つの柱が立ち、そうした視点から税というものをもう一度見直すチャンスが与えられたわけでありまして、私は、先ほど申し上げましたような問題点の指摘は踏まえながら、同時に税負担の公平、そうした点から一層の検討を加えていく必要があると考えております。 いずれにいたしましても、税制調査会としてもそうした視点から御議論をいただけるものと私は信じております。
○村上委員 まあ、最近の土地の所有とか取引が個人から法人に大きくシフトされる傾向が見られるわけでございますが、法人の土地保有税や含み益課税などの意見があるのですが、それについて大蔵大臣はどのように考えていらっしゃるか、ちょっと御意見を伺いたいと思います。
○橋本国務大臣 その含み益という言葉が非常に明確を欠きますので、持っておられる資産の評価とでも言いかえさせていただきたいと思うのですけれども、そういう視点を考えてみますと、先ほど御答弁をいたしましたような古くからの保有、しかし最近の投機対象での土地取得、非常に問題は複雑になります。また、得べかりし利益、まだ実現していないキャピタルゲインへの課税、こうした議論もございました。 ただ、今、土地に対する課税の適正化を求める声というものは、そういった理論を既に超えた状況にございます。そうした視点から、私どもは、最初に申し上げましたような視点で税制調査会が御論議をいただいておりますことに感謝をしつつ、その結論をいただきまして適切な対応をさせていただきたい、そのように考えております。
○村上委員 それから、土地の譲渡課税についてでありますが、土地の供給を促進するために軽減せよという意見が非常にあるわけです。しかしながら、土地の譲渡課税を軽減しますと、土地の資産としてのうまみが非常に確実に増大する、そして、かえって需要を引き起こす危険性があると思うわけでございます。 いずれにしても、土地の譲渡課税については意見が分かれるわけでございますが、土地の譲渡課税の見直しの方向について大蔵大臣の所見を伺いたいと思います。
○橋本国務大臣 従来、私たちが非常に悩んでおりましたのは、例えば東京の都心において平家あるいは二階建てで家を持っておられる、あるいは先祖伝来その土地で商売をしておられる方があります。その方が引き続いてその場所でお商売が続けられるようにしてさしあげる、あるいは住み続けることができるようにしてさしあげるような税制を考えるべきなのか、あるいはその方々が最悪の場合はどこかへ出ていってしまわなければならないような、そして、結果的にそこが再開発のできるような税制を考えるべきなのか、税制を考える上での基本がございませんでした。 今、土地基本法というものが生まれ、公共優先という視点が示された中において、それでもなおかつ、実は土地投資が有利にならないようにさらに課税を強化しろと言う方もおられますし、宅地供給の促進という視点から、むしろ譲渡課税は軽減しろという御意見もあるわけであります。 今さまざまな御意見をいただいて税制調査会の小委員会が御議論をいただいているわけでありますが、恐らくこの中においては、土地譲渡に係る所得課税というものについても、根本的なメスが入れられる、議論がしていただけるもの、そう考えております。
○村上委員 それから、最近土地の利用に関連した節税効果をうたい文句としたさまざまな広告が出てくるわけでございますけれども、その土地の利用、行き過ぎた節税策というのは、税制においても適切に対応を図るべきではないかなという気がしておるのですが、その点について大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 不動産を通じた節税策というものにつきましては、昭和六十三年十二月の税制改革の時点におきまして、借入金によってその土地を取得されるといったような形で税負担を回避されるようなことがあります。 こうしたものに対処するため、法人税において、法人の土地取得に係る借入金利子について損金算入を制限する、あるいは相続税におきまして、相続開始前三年以内に取得した不動産の取得価格による課税といった措置を講じてまいりました。しかし、不動産を通じた行き過ぎた節税策というものは、今もさまざま世の中で私どもの耳にも届いてくるようなありさまでありまして、やはり公平確保という観点からも今後も必要な対策を講じていきたい、そのように考えている、そう受けとめていただいて結構であります。 ただ、今私どもとしてそこを断言してしまうわけにはいきません。なぜなら、土地税制全体について我々は税制調査会に御検討を願っておるわけでありまして、こうした御意見があることも承知しながら税制調査会が御論議をいただいておる、そう御理解をいただきたいと思います。
○村上委員 総理に、この今緊急の問題である土地問題について、その意欲を、ひとつ御決意をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○海部内閣総理大臣 土地問題につきましては、与野党の御議論をいただいて土地基本法というものが昨年できました。 あの土地基本法をよく読んでみますと、あそこに示されております理念というのは、村上委員が先ほど御勉強の成果をうんちくを傾けられたときに触れられたように、きょうまでの経験とかきょうまでの参考書というものが通用しないような新しい時代だ。私権を制限してでも土地は使うべきものだという理念もきちっと出ておりますし、また、土地を投機の対象にしてはいけないという大原則もきちっと踏まえられておるわけでありますから、そういった土地基本法の示した大きな理念に従って、それを今度は定着させていかなければならぬわけであります。 私たち政府といたしましては、土地対策関係閣僚会議を開きまして、これは国土庁が中心ではありますけれども、内閣全体が土地問題を最重要課題の一つとして取り組んで、各省挙げていろいろ御協力をしながら土地問題の解決をしていこう、こういう決意で当たっておるところであります。ですから、宅地になるような未利用地とか遊休地というものを提供してもらうとか、また、そこへ行きやすいような税制をきちっと置くとか、今御指摘になったように、土地を持っていれば必ずもうかるんだという神話を砕けということですが、もちろん必要なことであって、それは、現実的には税制においてもそういったようなことがはっきりわかるような改正をしてもらわなきゃならぬというので、今鋭意その作業を税制調査会で行っていただいておるさなかであります。 そういうこととともに、もう一つ別の角度から灯を当ててみますと、東京の一極集中ということが土地の値段を暴騰させた大きな原因である。そこには、国際的な金融市場としての東京に対して新しい事務所需要が起こっておるとか、いろいろな複雑な理由が重なっておりますけれども、私は、その中で首都機能の移転の問題、これは超党派の皆さんがお集まりをいただいて新首都問題の調査懇談会、議論を続けておっていただきますことに注目をしておるわけでありますし、我々自身も政府機関をなるべく東京一極から外へ出すような努力も続けてきておるわけでありますけれども、今後ともこの土地の問題は、あらゆる角度から政策的な努力を積み重ねていくことによって、総合的に土地問題の解決に当たっていかなければならない、強く決意をしておるところでございます。
○村上委員 どうもありがとうございました。 それで、ちょっと最後に、この税制とは若干ずれるのですが、ポスト財政再建の財政運営についてお伺いしたいと思います。 今回の税制改革の目的の一つは、サラリーマンの皆様方の税負担を少しでも軽くしようという意図で始まりました。減税を非常に多くするということは大変よいことであります。しかしながら、イギリスにおいてトラファルガー海戦からビクトリア女王時代まで、そして、アメリカにおいては第一次世界大戦からベトナム戦争の間までがストックの時代でありました。すなわち、道路、下水、公園等の公共財、社会資本等の充実を図ったわけであります。 日本は、今季節に例えれば夏の時代であります。二十一世紀までに残された十年間が、フローからストックへの社会資本の充実の時であると私は考えます。先ほど私が最初に質問申し上げました、六十五歳以上の人口が十五歳以下の人口より多くなるのは平成十九年という話でありましたが、私は、社会資本の充実は、国家や社会が、また国民が活力のあるうちにしておくことが重要じゃないかと思います。減税を過度にやるよりは、その財源でやるべきだという見解もあるわけでございますが、大蔵大臣、今までは赤字縮小だけを財政運営の目標と掲げればいい時代であったわけでございますが、そこら辺について、財政の哲学についてお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 今、委員からポスト財政再建という言葉が提起をされました。しかし、私どもは、財政再建の第一段階が今ようやく終わったところであって、財政再建の道は厳しいままにこれからも続く、そう考えております。 確かに、平成二年度予算で、赤字公債というものに依存する体質から我々は脱却しました。公債依存度も一割を切る八・四%まで下げることができました。しかし同時に、この平成二年度末には百六十四兆という国債の残高を我々は抱えることになります。しかもなおこれから累増が、歯どめがかかりません。ところが、百六十四兆という国債の残高は、今世界じゅうの債務国の債務が一兆三千億ドルぐらいと言われておりますから、換算率によりましては、世界じゅうの債務国の債務を全部積み重ねたよりも巨額の国債残高を抱えることとこれは同じことなんです。 そう考えてみますと、我々は今決して財政再建、ポストというような言葉を使う気にはなりませんし、これから先もなお公債依存度を下げていく、同時に、少しでも早く特例公債を償還することによって国債残高の累増に歯どめをかけたい、真剣にこれから努力をいたさなければなりません。 と同時に、今減税という言葉を使われたわけでありますが、非常に個人消費も堅調であり、景気を税によって誘導しなければならないような情勢に幸いなことに我が国の経済情勢はないと考えております。そして、委員が御指摘になりましたように、我々は今後の十年間において、社会資本整備というものに今まで以上に力を入れていかなければなりませんし、それはまさに国民生活の質の向上というものにつながる視点から、我々が努力すべき目標であります。 日米構造協議におきまして、私どもは公共投資の十カ年計画を我が国としてつくるということを、我々自身の、自分たちに言い聞かせる目標として設定をいたしました。経企庁が作業をしていただいているさなかでありますけれども、こうした努力をこれからも積み重ねてまいりたい、そのように考えております。
○村上委員 ありがとうございます。 大臣は財政当局者として非常に慎重な答弁をなされたわけでございますが、私が質問したかったのは、国家や国民や社会に活力あるうちに、減税ということも重要であるけれども、やはり活力がある、体力が残っているうちにやるという考え方も一方にあるということを国民の皆さん方にわかっていただきたくて質問したわけでございます。 本日は、消費税の見直し法案に関連しまして質問をする機会を与えられまして、本当にありがたく思っております。世界は大きく変化しつつあります。二十世紀後半に組み立てられてきた、そして、だれもが変わり得ないと思っていたシステムが、今各分野で非常に速いスピードで変わりつつあります。今世紀残されたこの十年間、そして来るべき二十一世紀に向けて日本が何をなすべきか、議論を真剣に行わなければならない時期に来ていると思います。税制の議論を深めて、将来に向けての財政基盤を確立するとともに、国民生活のあり方、政治家の政治のあり方への国民の合意を形成した上で、日本の進むべき道について議論を始める時であると思うわけでございます。二十一世紀に活力ある国家、社会をつくるためにどうしたらいいか、また、世界の中で孤立しないで貢献する国家とするにはどうしたらいいか、今後とも野党の皆さん方と真剣に議論を深めていきたいと思うわけでございます。 本日は本当にありがとうございました。委員長、これで質問を終わります。どうもありがとうございました。
○山崎委員長 これにて村上君の質疑は終了いたしました。 次に、村井仁君。
○村井委員 ちょうど半年前になるわけでございますが、昨年の十二月の十三日、私は当時の衆議院の税制問題調査特別委員会、まさにこの委員会と同じ委員会でございますが、その委員として、また、この国会中継がちょうどある時間に、自由民主党を代表して、野党共同の御提案に成る消費税廃止法案などにつきまして御覧間をさせていただく、こういうことになっておりました。私自身、党を代表して野党提案の法案について御質問させていただくというのは大変な光栄なことでございますし、まして当時一回当選の身といたしまして、こんなありがたいことはない、こう思いました。また、国会というのは、本来議員同士が忌憚のない議論を交わすべきそういう場であると私はかたく信じておりますので、そういう意味でも非常に幸いなことであると思っておりました。しかし、残念なことに、法案の提案者でございます野党の諸君自身がこの審議に出てこられないという、我が国憲政史百年のうちに例を見ない事件が起こりまして、私は、結局質問に立つことができなかったわけでございます。 きのう、中野寛成発議者が伊吹文明委員の御質問に答えられたところによりますと、そのとき自民党はドント方式で五時間の時間を主張し、また、審議ストップを示唆した、だから出なかったのだ、こういうことがわかりまして、なるほどそういうことであったのかと胸に落ちたわけでございますが、これはまた随分妙な話でございまして、今やっておるやり方、この時間の配分、これまた自民党はドント方式で五時間ちょうだいしてやっておるわけでございまして、何にも違いはない。審議拒否とおっしゃいますけれども、私は何度か経験がございますけれども、尋ねたことにきちんと答えられない場合には質問ができないということは間々あるわけでございまして、そういう意味で、これじゃ質問を続けられないから、ちゃんと答えろということを言うことがなぜ審議ストップになるのか、私はこれは全く理解できないわけでございます。 いずれにいたしましても、こうして今、野党が共同で消費税廃止法案等を御提案になっておられるわけでございますから、せっかくこの御議論をしっかりとこれからも続けていただきまして、野党、提案者が審議拒否をするというような憲政史上前代未聞の珍事が二度と起きないように、私はこいねがうものでございます。 まずそのことを申し上げまして、税制問題につきまして政府に御質問を申し上げます前に、昨年の四月の税制改革に至りますまでの検討経過につきまして少し振り返ってみたいと存じます。 先般の税制改革、なかんずく消費税につきましては、昨年四月の導入当初、国民に非常な反発があった理由の一つは、この提案が大変唐突に行われた、あるいはこの審議が野党の審議拒否もございまして十分に行われなかった、そのために国民の十分な理解が得にくかった、こういう事情があるように私は存じます。 しかし、よく考えてみますと、フランス人に言わせますと、この付加価値税というのは、メートル法と並んでフランス人が人類になした大貢献、大発明であるそうでございまして、確かに言われてみますと、メートル法と付加価値税というのはどんどん世界じゅうに広がっておる。これは一つの事実でございますが、フランスがこの付加価値税を導入したのは一九六八年、今から二十二年前でございます。私たちもその成り行きを大変関心を持って見ていたわけでございまして、たしか大蔵省あるいは政府税制調査会、いずれもこういった付加価値税につきまして、随分以前から研究をやっておられたのではないかと思うわけでございます。しかし、その間、きのうもお話が出ましたが、一般消費税(仮称)の問題でございますとか、いろいろな事件がございました。そのあたりを含めまして、その研究の経緯を大蔵大臣、ひとつちょっと整理して御説明をいただきたいと存じます。 〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕
○橋本国務大臣 たまたま私は、その第一次大平内閣で一般消費税(仮称)の騒ぎに遭遇をし、また、中曽根第三次内閣におきまして売上税の騒動に直面をいたしました。それぞれ所管を別にする閣僚といいながら、因縁を感じざるを得ません。ただ、これは今委員のお話がございましたので、私は過去のことは余りよく知りませんので、事務方にまとめさせましたメモをそのまま読ませていただきたいと思います。 そこで、税制調査会の答申をもとにして、課税ベースの広い間接税の議論というものは、昭和三十年代の答申におきましては、取引高税のような累積型の間接税も含めて、漠然と一般売上税または売上税という名称での検討が行われていたようでありますが、積極的に評価されるものとはなっていなかったようであります。 しかし、その後も検討は続き、昭和四十六年の長期答申におきまして、税体系論として、所得税と消費税の適当な組み合わせにより、垂直的、水平的公平が確保され、全体として実質的な公平が実現されること、消費税の逆進性については税体系の中で調整が可能であるし、また、社会保障など歳出面の所得再分配機能を含めて調整が可能であるとし、また、「今後消費税ひいては間接税が税体系において適切な地位を維持するよう配慮を加えていくことが必要」、そういう指摘をされると同時に、個別消費税に対置されるものとしての一般消費税の検討が行われたようであります。 その結果、「その導入の可否や具体的な負担の求め方については、所得税や法人税など他の租税との関係を考慮しつつ、広い角度からの検討が必要」とされ、また、「将来、たとえばより豊かな国民生活の実現のために財政需要の大幅な拡大の要請がある場合、あるいは、所得税の画期的減税を必要とする事態が生じた場合に、一般消費税が具体的な課題となることが予想されるのであるが、そうした場合に対処するためにも、綿密、かつ、掘り下げた検討を行なつておくことが必要である。」とされたようであります。 また、五十二年の中期答申におきまして、財政状況等に顧みて、一般的な税負担の増加を求める場合、どのような税目に負担増加を求めることが適当であるかという観点を中心として、既存の税目を総点検するとともに、新税の必要性についても検討が行われ、その一環として考えられる一般消費税の基本的な仕組み等が議論され、その導入は昭和五十三年以降の各年の税制改正において具体的に決定されるべき問題であるとしながら、この一般消費税を初めとする提言について、「国民の十分な理解を求めつつ、できる限り早期に実施に踏み切っていく決意を持つことが必要である」とされたようであります。 その後、この一般消費税(仮称)に関しましては、昭和五十四年度の答申で「一般消費税(仮称)大綱」が示され、五十五年度実施に向けての閣議決定が行われましたが、五十四年十二月の衆参両院における国会決議においては、「国民福祉充実に必要な歳入の安定的確保を図るとともに、財政によるインフレを防止するためには、財政再建は、緊急の課題である。」とした上、「財政再建は、一般消費税(仮称)によらず、まず行政改革による経費の節減、歳出の節減合理化、税負担公平の確保、既存税制の見直し等を抜本的に推進することにより財源の充実を図るべき」とされました。 これを受けまして、その後、臨調行革あるいは歳出の節減合理化等の努力とともに、税制におきましても既存税目の見直しが行われ、間接税においては昭和五十六年度、五十九年度と物品税の課税対象の拡大、税率の引き上げや酒税の税率の引き上げなどの努力が重ねられたと承知をしております。この中におきまして、物品税では五十九年度及び六十年度改正におきましてOA機器への課税が議論となりましたが、物品税の枠内での議論よりは税体系の問題の一環として幅広い観点から検討すべきという御意見等もあり、結局、税体系全体や個別間接税制度そのものについての抜本的な見直しの機運が高まったと聞いております。 こうした経緯を踏まえて今日に至っているということであります。
○村井委員 ただいま大蔵大臣から経緯の御説明がございましたが、要するに十年を超える大変長い期間をかけていろいろな研究をした。そして、例えばOA機器に物品税を適用したいというようなこともあったけれども、うまくいかなかった。それから、大平内閣のときの経験から苦しい行財政改革を本当に一生懸命になってやってきた。そして、どうしてもこのような税制を導入するしかない、こういうことになったのでやったのが去年の税制改革だ、こういうことだと思うのでございます。 そういうふうに考えてまいりますと、私は、野党案の非常に大きな柱が、国民税制改革協議会で御議論になってその結果を実行に移すのだ、こういうことになっておるわけでございますが、それに非常な疑問を感じるわけでございます。何かといいますと、審議期間がたった一年でございます。その間に、今まで十数年かかってようやくまとめた結論と違うものを果たして国民の合意を得て生み出すことができるのだろうか、私は非常に疑問に思う。 昨年、参議院におきまして消費税廃止法案などが議論されました。そのときの速記録を私も大分丁寧に読ませていただいたのでございますが、話が少しでも将来の具体的な税制の姿に及ぶと、野党側の提議者の御答弁は、それは国民税制協議会の御議論に任せます、こういう御答弁である。きのうも、国民税制改革協議会にゆだねます、あるいは国民税制改革協議会の御議論にまちます、こういうような御答弁が重ね重ね出てまいった。私は、国民税制改革協議会が果たして国会にかわるような機能を果たせるのかどうなのか、あるいは国会は協議会が決めたことをそのまま法律にしなければならないのか。要するに、これはしょせん総理の諮問機関にすぎないのでございまして、単なる審議会にすぎない。その委員の任命に当たりまして両院の同意を得るということがありましても、従来のさまざまの審議会と選ぶところがないのではないかと私は思うわけでございます。 この点につきまして、要するにこの種の審議会が仮に人事につきまして国会の同意、両院の同意を得たとしても、その権威等につきまして、あるいはそこで答申されたことにつきまして、通常の審議会とどれほど異なるところがあるのか、塩崎総務庁長官の御見解を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 ただいまの御質問は、私が答えるよりもむしろ内閣法制局長官の御意見が最も適切かと思うわけでございますが、私は政府関係の審議会の統括をしておりますので、その立場からお答え申し上げます。 私は、憲法四十一条、国会は国権の最高機関であるというあの規定から、いかなる審議会といえども国会を拘束することはできないものと考えております。
○村井委員 全く私も同感でございまして、国会はまさに国権の最高機関、とりわけて、税制というものを議論する最高の場所は国会でなければならないと思うのでございます。 ちょっとあれでございますけれども、落語の前座話に「花色木綿」というのがございまして、長屋住まいの、貧乏転げている八っつぁんのところへ空き巣が入りまして、越中ふんどしを持っていっちまう。越中ふんどしだけ盗まれる。これを口実に八っつぁんは、たまった家賃をまけてもらおうというので、大家のところへ駆け込みまして、空き巣に入られた、こう言う。大家から、盗まれた物の届け出をしなければいけないよ、八っつぁん、こう言われまして、そこで何を盗まれたか言ってごらん、こういう話になるわけでございます。趣中ふんどしだけでございますから、八っつぁん詰まるわけでございまして、大家が、仕方がございませんから、どうだ布団でも盗まれたか、こう聞きますと、布団盗まれました、こう答える。柄はと聞かれまして、また当然詰まります。じゃ、表は唐草模様で裏は花色木綿にでもしておくか、こういう話になります。それからは黒羽二重の小袖から、はんてんから、蚊帳から、たんすから、ついには果ては百円札まで全部裏は花色木綿、こういう話になるという落語がございますけれども、私は野党の御答弁をずっと伺っておりまして、国民税制改革協議会、こう言えば何でも片がつく、いみじくも、はしなくもこの落語を思い出したわけでございます。 野党の御提案、御提案者、残念ながらついにそのあらまほしき税の姿のビジョンをお示しになっていない。私はこれは非常に問題だと思うわけです。伊藤茂提議者は、昨日、参議院の審議において細かいことばかり聞かれた、こういう御発言があった。私は、これは大変ゆゆしい問題だ。なぜかと申しますと、税というのは要するに技術論なんですな。どういうふうにやるか、どういうふうに税を納めるか、それを国会の場で国民を代表して私たちが真剣に議論する、それが大切だということを私は申し上げたいわけです。 そういう意味で、私は世界の民主主義の歴史を振り返るときに、国会の最も大切な機能というのは何だ。それは、どのように税金を取るか、あるいは別の国民の立場からいえばどのように取られるか、それを議論する、そしてそれをどのように使うか、これを議論するのが国会の一番大切な機能だと思うのでございます。 イギリスの憲法の源流になっているマグナカルタの第十二条、これは王様が勝手に税金を取り立てるものだから、それをとめるために、議会の承認なしには税金は取られない、これを書いた。それから、アメリカの独立戦争のきっかけになったボストン・ティー・パーティー、これだって代表なきところに課税なしというところから始まるわけであります。 私たち国会議員は、総理、税のあるべき姿についてしっかりしたビジョンを持って、そして議論をしなければ、国民の負託にこたえることができないと思うわけでございます。そういう意味で、国民税制協議会などということではなく、この国会で私たちの政治生命をかけてあるべき税の姿について議論をする、これが一番大切なことだと思うわけでございますが、総理、ぜひ御見解を伺いたいと存じます。
○海部内閣総理大臣 御指摘になりました問題点は、結論の方から先に申し上げますと、国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関であると憲法にも明記されておりますように、最終的な意思決定機関は国会であり、国会を構成される議員の皆さんが、それぞれ真剣なお立場で将来を見通した御議論をいただくということが、特に国民の権利義務に直接の大きな影響を及ぼす税法の議論においては、それは原則的に極めて大切なことだと私は考えております。 そして、今度提案されました野党の案につきましても、国民税制改革協議会のことは出ておりますけれども、それはそれに至る前のいろいろな大前提もあるわけでございますから、私は、そういったことがなるべく必要とならないように見直し法案の御議論、御審議をいただいて、より一層の定着を図らせていただくように努力を続けたい、こう考えておりますので、御議論を賜りたいと思います。
○村井委員 ありがとうございました。 さて次に、税金というものにつきまして私の基本的な考え方を若干申し上げまして、あと漸次大蔵大臣を中心に御見解を承ってまいりたいと思います。 税金というのは、もう言うまでもありませんけれども、社会公共の費用を分担してどう負担していくか、こういう制度でございまして、そういう意味では、社会を構成する人のそれぞれの立場におきましていろいろな意見があるということは、これは避けがたいわけでございまして、どの税金をとりましても一〇〇%公平だというようなことは、これはあり得ない。せいぜい私どものできることは、達成可能なことは、全体としてとらえたときに、できるだけたくさんの人がより公平だと考え、そしてまた社会経済の実情に即したものになるように常に注意を払っていく、こういうことではないかと思うわけでございます。 そういう意味で、これまでの日本の税制、去年の四月以前の日本の税制というものを見ますと、あえて大ざっぱな見方をすれば、よろしゅうございますか、税務署にわかるように稼いだお金には税金がかかるのですけれども、税務署にわからないように稼いだ金には税金がかかりにくい、あるいはかからない。また、稼いだ金でないもの「これには税金がかからない。稼いだ金でないものというとちょっとわかりにくいかもしれませんが、例えば、親が金持ちで巨額の富を残してくれて、これを使って何にもしないで生活をしている限り税金はかからない、こういうことになっていたと言ってもよいのであろうかと思います。 すなわち、所得税を中心にした直接税の世界では、これは非常に大ざっぱに言えば、たくさん稼いだ人はたくさん税金を納めてください、それが公平なのです、こういう理念だけでやっていたわけでございます。しかし、よく考えてみますと、それでも、いいですか、これは主税局長、ちょっとお伺いしたいのですが、例えば毎年毎年三百万円ずつ稼いだ。五年間で千五百万になりますね。それから、ある年千五百万ぽんと稼いだ。翌年から全然四年間収入がない。五年間合わせれば同じですよね。こういう人、これは税金はどうなりますか。私、かなり違うのだろうと思うのですね。現在といいますか、これは去年の四月以前の制度、あるいは所得税に大いに依存していた制度の方と随分違うと思うのです。ちょっと教えてください。
○尾崎政府委員 計算を単純にいたしますために、三百万円という数字は、もういろいろな控除を全部引いてしまって、これから税率を適用する課税の所得であるというように考えてみたいと思いますが、そういたしますと、三百万円の所得に対しまして、現行の税法でございますけれども、所得税が三十万円、住民税が二十七万円、合計五十七万円かかります。したがいまして、五年間で二百八十五万円でございます。千五百万一年で所得を稼いだといたしますと、所得税で四百十万、住民税で百九十七万七千五百円ということになります。合計で六百七万七千五百円でございまして、一度に稼いだ方が二・一倍ほど税金を余計に払っていただくことになります。
○村井委員 今、非常に簡単な例を一例とっていただいて御説明いただいたわけでございますけれども、今の制度でも、このようにお金持ちに高い税金をかけ、そうでない人には低い税金でいきましょう、同じ経済力の人には同じ負担を課すようにしましょうということになっていないわけでございますね。そういう意味で、どっちが金持ちかわからない、どちらも経済力は同じかもしれないというような場合に、きちっと同じ税負担をしていただくような仕組みには必ずしもなっていないというのが、この累進所得税の一つの問題点だと私は思うわけでございます。 そればかりじゃなくて、まだある。トーゴーサンピンとかクロヨンとかいうような不公平がある、こう言われています。今以上に所得を正確に把握するというためには、税務署の職員をもっとふやすとか、あるいは国民にみんな背番号に似たようなものをつけたりして国民の経済活動を監視する、あるいは厳しく税務調査を行う、こういうことが必要になってくる。しかし、これを徹底しましたら、大変世の中が暗くなってしまうおそれがあるわけでございます。つまり、所得を基準にして課税するという税制にはおのずから限界がある、私はそう思うわけでございます。 他方、消費をしたときに負担するのが消費税でございます。昨日も応能負担という議論がございましたけれども、お金を使えるというのは、これまた一つの能力なんですね、なければ使えないわけでございますから。人は生活をする以上、お金を使います。所得なり資産なり経済力がある人とそうでない人とお金の使い方が違ってくるのは、これはもうある意味じゃしようがない、当たり前なんですね。それでもう一つ、税務署にわからないように稼いだお金であっても、親からもらったお金であっても、それを使えばかかるのは、これが消費税なんですね。私は、そういう意味では、ある種の公平がそこでもたらされる道具立てであることは間違いないと思うわけでございます。 そういう意味で、消費税というのは、お金を使う人のその年の所得に応じて税を負担させるということはできない。これは所得税の役割でございますけれども、その人の生活の規模に応じて税を負担していただく、こういうことは可能になるわけでございまして、税金というものは、よく考えてみますと、この税金はいい税金だ、あの税金は悪い税金だ、こういうことがあるわけじゃなくて、この税金にはこういう機能がある、あの税金にはああいう機能があるという、機能が違う税があるだけの話だと思うわけでございまして、それぞれに長所と短所があるわけでございます。 したがいまして、幾つかの税金を組み合わせて、税制全体で公平な姿を実現していくことが大切なのでございまして、私は、そういう意味で、先ほど主税局長が例に挙げられましたような、五年間で同じ所得を得ても税金が倍以上違ってくるというような欠点を補っていくという意味で、消費税の導入というのは、これまでの所得税偏重の税制の欠陥を補う、全体として公平な税制をつくることに資する、こういうふうに思うわけでございますが、大蔵大臣、御見解をちょっとお伺いしたいと存じます。
○橋本国務大臣 今、委員から御指摘がありましたように、負担の公平というものは租税に対する納税者の信頼の基礎であり、全体としての負担の公平というものは、垂直的公平と水平的公平、その二つの公平が適切に組み合わせられたところに生ずるもの、そう私も考えております。 いずれの公平を考える場合でありましても、税負担の能力を何らかの指標で測定することがその前提になるわけでありますけれども、個々人の税負担の能力を示す指標として、所得、消費、資産というものが考えられるわけであります。 しかし、先ほど委員が引かれましたように、例えばその所得のみを指標といたしますと、本当に一生懸命に働いて、生活は簡素にしておられるようなお店屋さんが非常に能力があると出てくる。しかし、その親御さんからの相続財産で、のらくらと言ってはいけませんけれども、のらくらしている人は、能力がないという結果になってしまう。こういう点は確かに我々が問題だと思うことなんです。 また、所得税のみに偏って高い率の負担を求めてまいりますと、所得税の高い国から低い国へ、あるいは個人も企業も移ってしまうというような現象は、他国でも既に生じておりました。そうなればますます所得税の率を高くしなければならないということにもなるわけでありまして、こういうことも我々とすれば考えなければなりません。 いかなる税目も、そういう意味では長所を持つ反面、問題点を持っておるわけでありまして、単一の税目だけで税制に求められる各種の理念というものを十分に満たすことは困難でありますし、特定の税目に依存し過ぎる場合には、その税目の持つ問題点が極度に増幅されてしまう、結果としては税負担の公平な配分を妨げる。これは国民経済に悪影響を及ぼすということにもなりかねません。 したがって、税体系における所得、消費、資産などに対する適切な課税を組み合わせるということは極めて大切なことであります。改正前の税制というものがそういう中において経済社会の著しい変化に対応し切れなくなり、税負担が給与所得を初めとする個人の稼得所得に偏ってしまった。他面、その裏腹、消費課税のウエートが著しく下がってしまった。こうした中で納税者の重税感、また不公平感というものが募っていたことも事実であります。 また、今日、税制調査会に御努力をいただいておるわけでありますが、土地というものの非常な値上がりの中で、土地を持っている方と持っていない方との間における資産格差というものが拡大をしてしまった。こうした視点から資産課税の適正化を求める声が出ておるというのも、まさに今委員が述べられたような、それぞれの税目の持つ特色というものを組み合わせていく必要のあることを如実に示したもの、私もそのように思います。
○村井委員 少し具体的な問題に入らせていただきたいと存じます。 消費税は欠陥税制である、こう主張される野党の諸君の御議論、私はいささか深みに欠けるものがあるのではないかと思っておるわけでございますが、野党の皆さんがおっしゃることで、消費税というのは逆進的な税金だから悪税なんだ、こういう議論、非常によくおやりになります。消費税というのは消費に比例的に負担をかける、そういう税でございますから、人の所得と比較いたしますと、逆進性を持つのはある意味では当たり前なことでございまして、その消費に比例的に負担を求めるそういう税である。消費に応じて金を使ったときに払う、そういう税金であるからこそ、所得税では実現できないそれぞれの人の生活の規模に応じた税を負担するということが実現できるわけでございまして、そこに私は特徴があると思うのでございますが、逆進性というと、もうそのこと自体が物すごく悪いことのように言われてしまう。 酒のさかなに大変よろしいくさやの干物というやつがあります。大変私はこれをうまいと思っているんでございますけれども、これは焼くと臭くて大変でございます。しかし、これは味をよくするために、ムロアジか何かですか、いろいろなものを入れた液に漬けておいて干物にするんだそうですが、あのうまい味というのは、あの臭いにおいのゆえに私は得られるものだろうと思っておるわけでございます。臭くなければ多分あのくさやの味は出ないだろう。好き嫌いは別にしまして、くさやは臭いから悪い食べ物だなんて、こういうことを言う人はまあ余りいないんじゃないか。 それが消費税の所得に対する逆進性の問題を考えますときに、この税はそういう性格を持っているんだということを十分踏まえて、それでもなお評価すべき長所はあるから、消費税を導入したんだということを私どもは忘れてはならないと思うわけでございます。くさやの干物をアパートで焼かれますと、これは臭くてかなわないということで、このごろはデパートに参りますと焼いて瓶詰にしたものを売っておりまして、これは、このごろこういう一つの適応を図っているあれだと思うんでございます。 そこで、総理、大蔵大臣、お二方にお伺いをしたいんでございますが、私は、消費税、消費課税の持つ長所というものはありながらも、しかし、逆進性という問題によって生活が苦しくなるおそれのある方々、つまり、真に手を差し伸べるべき方々が国民の中にいらっしゃる、これは事実だと思うわけでございます。そういう方々には結局、財政全体の中で、とりわけて財政の支出面で何らかの施策を行っていくという形で対応することが必要なんだろうと思うわけでございます。そういう意味で、生活保護を受けている方々であるとか、年金だけで生活されていらっしゃる方々だとか、政府として具体的にどのような対策をとってきているか、これはもうかなり周知されていることではございますけれども、この機会にぜひ改めて国民の皆さんに御説明をいただきたいと思うわけでございます。
○橋本国務大臣 その逆進性というものがたびたび御論議の対象になるわけでありますが、私どもは、その消費税の持つ逆進性というものを一回も否定はいたしておりません。そして、他制度との組み合わせによりながらこれに対して対応すると申し上げてきております。 ちなみに、我が国の消費税の標準税率が三%であることは御承知のとおりでありますが、仮に逆進性と言われますならば、例えばフランスの一八・六%、西独は一四%、イギリスは一五%、韓国は一〇%といった数字を考えますとき、これらの国々がなぜそれが問題にならないのかをお考えをいただかなければなりません。 政府として、昨年の消費税の導入をも踏まえまして、平成元年度におきましては、生活保護に係る生活扶助基準の適切な引き上げとして、標準世帯四・二%のアップを行いました。ちなみに、これは平成元年度の政府経済見通しにおける元年度のCPI上昇見通し二%、そのうちの消費税影響分は一・二%であったわけでありますが、これに対しても大きく上回る改定率となっております。また、高齢者、障害者世帯、母子世帯などに対しまして、公的年金手当の額について実質改善を平成元年四月に繰り上げて行いましたし、お年寄りや障害を持つ方々に対する在宅福祉施策の大幅な拡充を図るなど、真に必要な施策について重点的な配慮を行ってまいりました。 また、六十三年度の補正予算におきまして、老齢福祉年金受給者など真に手を差し伸べなければならない方々に対しまして、消費税が導入された時点におけるいわば激変緩和の措置として、臨時特例の臨時福祉特別給付金を支給させていただいたわけであります。 こうした考え方は、二年度予算におきましても同様、例えばお年寄りに対する、あるいは障害者世帯に対する、母子世帯等に対する公的年金あるいは手当の額等は完全自動物価スライド方式を実施いたしておりますし、生活保護に係る生活扶助基準、今年は国民生活の動向を勘案いたしまして三・一%のアップを行っております。さらに「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の初年度として、在宅福祉、施設福祉等に対して飛躍的な充足を図ってまいっておる。こうしたことをお考えいただくならば、十分にこれらの影響に対応してきている、そう申し上げてよろしいかと思います。
○村井委員 要するに、消費税の導入に伴いましてもたらされる物価上昇を超える年金等の引き上げを行うことによりまして、この逆進性という問題にもきちんと対処しているということでございまして、私は、これは非常に重要なポイントだと思うわけでございます。 この逆進性の議論に関連しまして、これまた野党の先生方がよく仰せになられますことに、生活必需品に課税するのはけしからぬ、商品に負担を求めるのは全く否定するものではないけれども、しかし、やるのなら生活必需品には課税しない税金にするべきであって、そのためには個別間接税にするべきである、大体こういう御議論のように私は伺うわけでございます。これは大変耳ざわりのよい御議論でございますけれども、あえて言わせていただけば、まず乱暴でございまして、思慮不足でございまして、現在の国民生活や経済の現状を全く無視した暴論だと私は思うわけでございます。 これで何を取り上げてもいいのですが、仮にこれで靴をちょっと取り上げてみましょう。靴には普通、サラリーマンが通勤に使う革靴、それから子供を含めて使う普通のズックの運動靴、それからジョギングシューズだ何だかんだいろいろありましょう。それから登山用の靴、ゴルフ靴、テニスの靴、そういったスポーツシューズがいろいろある。そのほかに、あるいは御婦人のファッショナブルな靴もあるかもしれません。いろいろございます。 一体、私、よくわからないのは、野党の皆さんはこのうちどれを生活必需品と税法上お決めになるおつもりなんだろうか、こう言うと、またお話は細かい議論で、税制改革協議会で議論していただきますなんという話になりかねないわけでございますが、それは先ほどお断り申し上げたわけでございまして、サラリーマンにとりまして革靴、これは日常使うものでございます。それからスポーツシューズが生活必需品、しかし、スポーツシューズを履いて仕事をしているような人だってあるかもしれない。そうすると、それは生活必需品になり得る。八百屋や魚屋さんにとりまして長靴なんというのはまさに生活必需品だろうと思うわけでございます。山のお好きな大蔵大臣にとりましては、登山靴なんというのは大変重要な生活必需品になるのかもしれません。こういうふうになにしてまいりますと、野党の先生方は、靴はもう全部生活必需品だ、こういうふうにおっしゃるかもしれません。ところが、ちょっとお嬢さん方がおしゃれをなさるときに履く靴の中には、私、これはちょっと調べてきたのですけれども、小さなダイヤモンドよりも高いくらいの値段の靴もあるわけでございます。そうすると多分野党の先生方は、高い靴は課税し、安い靴だけ生活必需品として課税しない、こういうお答えになるかもしれません。 そこで問題は、一体お幾らで線を引くのですかという話になるわけでございまして、そうしますと、五千円だとか一万円だとか三万円だとかいうような話になってくるわけです。世の中のありとあらゆるものに生活必需品か否か、値段の水準、一体どこで線を引くのですか、こういう話になってくるわけでございます。こういう議論というのはまことに不毛でございまして、そういうのをやってきてどうしようもなくなったから、全般的な消費課税というものに踏み切らざるを得なくなったんだということを私たちは認識し直さなければいけないと思うわけでございます。 それから、社会党の先生方の中には、普及率の低い商品だけ、これはぜいたく品だとして課税すればいいじゃないか、こういう御議論をなさる方もいらっしゃいます。しかし――余り御返事しないことにしていますが、安恒先生が御議論になった事実がございます。白黒テレビと言わないまでも、古いタイプの商品が結果的に普及率が低くなって課税されるというような、まことにばかげた話もあり得るわけでございますし、それから、これをやりますためには、世の中のありとあらゆる商品の普及率を調べなければならないということになる。さらに、普及率の低いものに課税するということになりますと、財源としては十分なものにならず、非常に高い税率をそれに払わねばならないということにもなり得る。 そういうように、いずれにしましてもとてつもなく複雑で、およそ不可能に近いことが待ち構えているからこそ、繰り返しますが、個別間接税を間接税の中心に据えてきている主要国というのはほとんど見当たらないということなんだと私は思っているわけでございます。 大蔵大臣にお伺いいたしますけれども、どうでございましょう、野党の言われるような個別間接税を間接税の中心に据えるなんということは、これは可能だとお考えになりますか、ぜひちょっと教えてください。
○橋本国務大臣 私は、政府の提出している見直し案について御説明をし、理解を求める立場でありますし、また、野党の提案をされている内容を熟知しているわけではございません。 ただ、私の立場から申し上げますならば、国際的な観点から、今委員が主張されましたように、主要国におきまして個別間接税を間接税制度の中心に据えております国はございません。経済の国際化進展のもとに、仮に個別間接税を中心に据えたとすれば、これは国際摩擦の原因になることは必定であります。 また、先ほど来委員が御指摘になりましたようなさまざまな問題点がこれにはあろうかと思います。その対象となる物品を一体どなたが選定をされるのか、そして、見直しをされるといいましても、どういう条件のときにそれが対象から外されるのか、あるいは新たに開発された商品がどういう条件のときにその個別間接税の対象となるのか等々、さまざまな問題が想定をされます。さらに、そのサービスというものについて非常に課税が難しくなるのではないでしょうか。 こうしたことを考えてみますと、私は、主要先進国すべてが広く課税ベースを広げた間接税、消費税と同等の考え方を持って対応しておられる理由は、そうした点を踏まえてのことと考えております。 〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕
○村井委員 もう一つそれに関連しまして、きのうの御議論の中で伊藤茂発議者が、大根とダイヤモンドが同じ税率だというような、いわゆる単一税率というのは世界に例がない、こういうことをおっしゃったわけでございますが、これは事実でございましょうか。私は、必ずしもそうではない、単一税率でやっている国があったように思うのですが、ちょっと事実を確認をしたい。
○橋本国務大臣 全部の例を持っておるわけではございませんけれども、例えばお隣の韓国において、未加工の農水産物が非課税となっておりますけれども、加工された食料品等について非課税だとは私は存じておりません。また、西独あるいはフランス等において軽減税率が食料品に対して課せられております。ただし、その軽減税率は食料品につきまして、またそのほかもそうでありますけれども、西独においては七%でありまして、我が国の三%という税率よりはるかに高いものであります。また、フランスは確かに宝石その他値段の張るものを、またたばこ等も含めまして二五%という割り増し税率を適用し、同時に、食料品等につきまして軽減税率を課しておりますが、この軽減税率は五・五%でありまして、現在の我が国の消費税そのものよりもはるかに高い率であります。 例とすれば、軽減税率をとっている国、あるいは割り増し税率をとっている国はございますが、それぞれがECの統合に向けて、EC委員会からこれらの改善方が要請されておることも御承知のとおりであります。
○村井委員 ちょっと今の点、申しわけございません。要するに単一税率は例がない、こういうふうに伊藤茂発議者はおっしゃったものでございますから、その点についてちょっと事実関係を主税局長。
○尾崎政府委員 単一税率をとっている国でございますが、韓国は未加工の食料品の非課税ということはございますが、それ以外は一〇%の単一税率でございます。それからデンマーク、スウェーデン、ノルウェーというような北欧三国、デンマークは二二%、スウェーデンは二三・四六%、ノルウェーは二〇%の単一税率でございます。それから、比較的最近消費税制度を取り入れましたニュージーランド、これは一二・五%の単一税率でございます。
○村井委員 そういうことでございまして、私は、やはりもうちょっと勉強していただかないといけないと思うのでございますね。世界に単一税率の例がないなどと、こうおっしゃったわけでございますけれども、最近この税制を導入している国におきましては、単一税率でやっている国の方がかえって多いという事実を私はこの際強調したかったわけであります。 税制は、いずれにいたしましても、社会生活や経済の現状を無視して、単なるイデオロギーに頼って構築するわけにいかないものでございまして、消費課税というものを全く否定するなら別でございますけれども、野党の諸先生方も税制再改革法案で、所得、消費、資産等の間のバランスのとれた、そうして国民にわかりやすい税制というのを求めておられるということであるならば、私は、個別間接税の手法では大変大きな障害にぶつかるのではないかと考えるわけでございます。社会党の若手のニューウェーブの会の方々が、ついに個別間接税ではなくて、中身は別として、課税ベースの比較的広い間接税の採用というのを御提言になっておられるのも、個別間接税にぬぐい切れない限界があるということを御理解いただいたものと、私は大変御見識のある御見解と評価するわけでございます。 続いて、時間がだんだんなくなりましたので、少し急いで申し上げたいと存じますが、野党は廃止して再検討、こう言うわけでございますが、私は、このまま再検討を続けていく、見直しをしていくということの方がずっと合理的だと思うわけでございます。 議論が非常に混乱していると思うのでございますけれども、廃止論と並びましてよく出てくる言葉で凍結という言葉がございます。この凍結というのは一体どういうことなんだろうか。私は、どうもこれは中身が不明確なものでございますから、何か廃止とは別の、見直しの一環のようなとらえ方があるように思うわけでございますが、大蔵大臣、これは確かにある意味では俗語でございますから非常に難しいと思うのでございますけれども、凍結というのはどういうことを指すとお考えになりますか。
○橋本国務大臣 これは私ども、その凍結という言葉を使ったことがございませんので何とも申し上げようがありません。しかし、もし消費税の執行を停止するという意味で凍結という言葉をお使いであるならば、私は、その効果というものは、法制度の面あるいは国民経済への影響の面から考えます限りにおいて、廃止と全く同等のものになろう、そのように思います。
○村井委員 これは非常に重要な問題でございまして、凍結といっても、現行制度が全く動かなくなる以上、廃止と全く同じだ、経済に与える影響というのは同じだ。要するに、これは一種の税制改正なんですね。要するに、消費税がある世界からない世界に変わる。そのときにいろいろな経過措置を講じなければならない、いろいろな手当てをしなければならない、経済もいろいろな影響を受ける、そういう意味では、結局廃止も凍結も同じことだということなんですね。しかも、凍結とかなんとかした後でまた消費税が戻るということになりますと、あるいは新しい間接税がつくられるということになりますと、本当に税制が数年の間に何度も変わるということで、国民経済に大変大きな影響を与えるおそれがあると思うわけでございます。私は、そういう意味で、こういう廃止とか凍結とかいうような議論を余り軽々に、無責任にやるべきことではないと考えるわけでございます。 最後に、もう一つの消費税の問題点、村上委員もお触れになった問題でございますが、納めたはずの税金が国庫に入らない、それが欠陥だという御議論がよくあるわけでございますが、いわゆる免税点、簡易課税、限界控除等々の問題でございます。これにつきましてちょっとお伺いをしたいのでございます。 消費税というものは欠陥税制だ、廃止すべきだというような御議論をなさる方が、この簡易課税ですとか限界控除とか免税点とかの問題点をよく取り上げて、これがあるから消費税は欠陥税制だ、こういう言い方をなさる。これは、よく考えてみますと、例えば法人税や所得税にもいろいろな例外措置がある。例えば、きのうちょっと話題になりましたが、医師優遇税制なんというのは一つの例でございます。医師優遇税制が問題だから所得税は悪税だ、廃止すべきだ、こういう議論と何か似たような議論をしておられるように思うわけでございます。私は、だから申し上げたいことは、免税点、簡易課税、限界控除というような問題が問題であるということを主張なさる方は、御自分が実は消費税廃止論者じゃなくて、見直し論者なんだということを御認識をいただきたいということでございまして、そういう意味で、しっかりした議論をしていただきたいと思うわけでございます。 それからもう一点、きのう、医師優遇税制につきまして森井忠良提議者が不公平税制の最たるものだ、こういうことをおっしゃったのでございますが、私はあれを伺っておりまして非常に妙なことをおっしゃる、七二%の経費控除が認められるのは、社会保険診療報酬がわずか二千五百万円以下の方々だけなんですね。そこから控除されるのは千八百万円、残る労賃分というのはわずか七百万円、これに税金がかかる。これが私は、本当にお医者様に対して大変な優遇税制なのか、非常に問題なのではないか。さらに言えば、それを救うために補助金を出すというような話になってきましたら、本当に話が混乱するのではないかと思うわけでございます。 さて、この特例措置に関連しまして、消費者の納めた税が国庫に入らない、こういう議論があるわけでございます。これは大変わかりにくい、議論に混乱がある話なんでございますが、大蔵大臣、消費税の納税義務者というのは事業者ですか、消費者ですか。
○橋本国務大臣 消費税の納税義務者は、消費税法第五条におきまして「事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等につき、この法律により、消費税を納める義務がある。」とされておるとおりでありまして、事業者であります。
○村井委員 ですから、消費税の納税義務者というのは、これはあくまで事業者なんですね。したがいまして、事業者は、自分が商売をするときに、売る商品の値段というのは一般的には自由に設定できる。したがって、多くの商品は、売り手がこの値段なら買い手がつくだろう、こう思って値決めをするのでございまして、消費税の導入によりまして別段その値決めの自由というのは奪われていないわけです。 例えば、八百円の商品が消費税導入後に八百二十四円になったといっても、二十四円の税金を消費者が納税義務者として払っているのじゃなくて、消費税で損をしないように事業者が値上げをした値上がり分を消費者が負担している、それだけのことだということなんですね。そうしますと、免税事業者であれば、これは先ほど村上委員も触れられたことでございますけれども、仕入れが値上げされることを踏まえて売り値をどう値決めするか、こういう問題になるわけでございますけれども、仮に仕入れが八割、こうしますと、〇・六%ほど免税事業者の場合はいわゆる懐に入る、こう言われる。国庫に納まらないという話になってくるわけでございます。 私は、ここでぜひ考えなければいけないことは、今の日本の商業者が、商業者だけじゃございませんが、事業者が置かれている環境というのは、大変厳しい競争条件のもとに置かれておる。ちょっともうけようとしますと、必ず競争でそのもうけを吹っ飛ばされるということが多いわけでございまして、そういう意味では、そんなにポケットに入れられるはずがない。私は、そういう意味では、日本は幸いに非常に競争環境が激しいんだということをまず指摘したいわけでございます。事実、消費税還元大バーゲンなんというものがございまして、消費税で懐に入ったと称される金がどんどんと還元されているわけでございます。そういう意味で私は、これは余り問題ない、実は国庫に納められていないとかいう問題ではないということでございます。消費者に返されておるわけでございます。 それから、免税事業者の売り上げというのは、そもそも全事業者の売り上げの本当に数%にすぎないのじゃないか。仮に免税点をなくしますと、本当に零細な事業者まで全部納税をしなければならない。ということになりますと、その納税コストというのは結局は価格にはね返つてこざるを得ないことになりまして、結果的には三%以上の値上げが行われるというようなことにもなり得るということでございます。 だんだん時間も参っておりますので、私が申し上げたいのは、このようにして、要するに国庫に納まらない、こう言われております金が果たして本当にそういうことになっているのかどうなのか。私はそうではなくて、結果的に消費者に競争を通じて還元されるか、あるいは、もしもうけたとしても、それは所得がふえたという形で国庫に納められるということになっているのではないかということを感じるわけでございまして、ただ、いずれにしましても、こういった特例措置につきましてはその水準の見直しをしなければならない、消費者に対します影響というものを考えて対応をしなければならないと思うわけでございますが、大蔵大臣の御見解をお伺いしまして、時間が参りましたので、私の質問を終えさせていただきます。
○橋本国務大臣 政府といたしまして、事業者免税点制度あるいは簡易課税制度など中小零細事業者に対する特例措置というものを、消費税の申告・納付が一巡いたします平成二年五月末まで実態把握を行う、そして、これらの制度をどう見直すか十分検討の上御提示いたしたいということを既に閣議でも決定し、本院でも御答弁を申し上げてまいりました。現在、末端の税務署からの資料を集計、整理をいたしておりますけれども、恐らく七月いっぱいかかるであろうと思います。その上で十分検討の結果を御提示を申し上げたい、そのように考えております。
○村井委員 ありがとうございました。
○山崎委員長 これにて村井君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ────◇───── 午後一時開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。金子一義君。
○金子(一)委員 早速に質問に入らせていただきます。 今般の現行消費税、一体定着しているんだろうかどうだろうかという点でございます。 先般も大蔵委員会にマスコミ各社の論説委員の方に集まっていただきまして、御意見を承りました。押しなべてでございますけれども、今の消費税が相当に定着をしているよ、ある論説委員の方、読売新聞でございますけれども、経済的には完全に定着をしております、定着をしていないのは政治の世界だけですと明快におっしゃられました。もちろん、まだ定着をしてないという論説委員の方もおられました。その方の挙げられました理由は、地方自治体の公共料金が転嫁をされてないじゃないか、これを主な理由とされておられましたけれども、しかしながら、考えてみますと、地方自治体の公共料金の転嫁というのも地方議会の意向、つまり、まさに政治の世界の話であると思われるわけでございます。 もちろん論説だけではなくて、地元の皆様方の意見、私もここ一年、皆様方の意見をよく注意して聞いておるのでございます。ある小売店の方が、近くのスーパーマーケットとの競争で大変苦戦をされておりました。スーパーマーケットで一日ノー消費税デーというのがあるんだそうでございまして、消費税をきょう一日は転嫁しませんよという看板が出ちゃうらしい。そういうことになりますと、おれのところは消費税転嫁できないのかなというようなことで、値引き競争の中で大変苦戦をされている例もあるようでございますけれども、押しなべてみますと、これが導入された当初、こうやってごめんなさいと言って、これが消費税ですと言って頭を下げなきゃいけなかった。頭を下げなければ消費税を払ってくれなかった。最近はもうそういうようなことは全くなくなってきているようでございまして、案外定着をしているのかな。 私がここで定着をしたかどうかという議論を持ち出しましたのも、政治の世界というのはやはり現実の実体経済と遊離してはあり得ない。政治というものがこれから遊離してしまって、そうして政党間での論争に終始してしまう、また、この消費税については大変不幸な経緯があったわけでございますけれども、そうはいいましても手続論に終始してしまっているというようなことになりますと、国民の不信というのがますます増長してくるということになってしまいやしないだろうか。まさに我々はこの現行消費税、これをきちっと解決をして、そうして、早く安定した税体系というものをより定着をさせていかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。 そういう中で、大蔵大臣のところに、ちょっと余談でございますけれども、去年、拝啓大蔵大臣といいまして、大蔵大臣への手紙が随分多かったんだそうですね。去年の夏ごろですと一カ月で一万通弱来ておったようでございますけれども、このファンレターも最近めっきり減っちゃったんじゃないですか。ちょっと寂しい思いをされているんじゃないかと思いますけれども、これも定着のあらわれでございまして、決して大蔵大臣の人気が落ちたわけではないということでございます。 こういう中で、今度この国会で野党からも、大変残念なことでございますけれども、廃止法案が提出をされた状況でございまして、この廃止法案につきまして、まず総理大臣の御所見を伺いたいと思います。
○海部内閣総理大臣 野党の廃止法案についての見解とおっしゃいますが、私は、廃止したくないと思っている方でありますから、見直し法案についての見解とおっしゃればいろいろ申し上げますけれども……。 ただ、大事なことは、この前、野党の廃止法案が参議院で成立しましたときはたしか九本出てきておったのですけれども、今回は四本だけになっておりますので、具体的な細かい内容というものが余りよくまだわかりません。けれども、一言で言いますと、タイトルは廃止法案ですが、廃止した後には、やはり間接税の必要性というのは野党の皆さんも認めていらっしゃるわけで、しかも、資産と所得と消費との課税をしなければならぬということも、あらゆるサービス、流通を対象に課税しなきゃならぬということもちゃんと書いてあるわけでありますから、これは廃止という法案でも、一緒に出てきておるものはその次のステージのことについていろいろ出ておるわけです。 ですから、具体的な中身もどんどん野党もお示しをいただいて、七、三の割で間接税は必要だということは、社会党の政審の首脳も選挙中にもおっしゃっておったことでありますし、個別間接税のことについても、普及率で段階をつけるとか、いろいろなお話もございました。ですから、そういったようなことで、廃止廃止だけじゃなくて、どうしたらより一層定着させていくことのできる間接税になるかという御議論をしていただきたい、私はこう思っておる次第でございます。
○金子(一)委員 今総理の御答弁にも、また御所見にもございましたように、私も、今度の野党が出されました廃止法案の中身については、本当に数多く申し上げたい点がございます。ただ、時間もございますので、二点について御指摘をして、また、これは今度は大蔵大臣の御所見も賜りたいと思っております。 まず、何といいましても、第一点、残念ながら今度の廃止後にどういうような税体系を示してこられるのか。冒頭に申し上げましたように、既に現行の消費税が曲がりなりにも国民経済の中に溶け込み始めて、機能し始めている状況でございます。こういう状況であれば、それを廃止をするというのであれば、今度は消費税抜きの税体系はこうですよという具体的な案を提示されて、そして議論をしていくというのが、やはり責任政党としての姿勢であると思っております。残念ながら昨日以来の議論を伺っておりましても、具体的な話になりますと白紙でございます、もしくは国民税制協議会でもって改めて時間をかけて議論をいたしますということで逃げられてしまう。 どうもそういう中で、議論の中で薄々出てまいります考え方、サービス、流通課税というのがございます。私は地元で、金子さん、サービス、流通課税って何ですかといってよく聞かれるのでございますけれども、非常にわかりにくい。多分、サービス、流通課税と個別物品税というのを組み合わせれば、現行の消費税と消費者にとってみれば大差ない、ほとんど同じものができちゃうんだろうな。もし違っていましたら、私のような素人にでもわかるようにまた説明をいただきたいわけでございますけれども、多分、大型間接税ではないとおっしゃられていますから、サービス、流通の分野、個別物品税の分野というものを限定をされるとか、単段階とか多段階という議論はあるのかもしれません。しかしながら、いずれにしましても、我々今申し上げましたようなわかりやすい議論というものをやはり提示していただいてやっていただく必要があるんじゃないだろうか。 もう一つは、納税環境の整備ですとか、それから、代替財源案として税収の自然増収でいきましょうという、こういったような御議論も昨日もございました。きのうございましたのは、最近の自然増収について宮地提案者から、元年度も税収の実績が政府の補正後の税収見積もりを一兆五千億円程度上回ることはほぼ確実だと、きのう私出席をして聞いておりましたらおっしゃられたのでございますけれども、どうも経済が少しピークアウトしてきて陰りも出てきている、トリプル安という進行もこう出てきている状況の中で考えますと、一兆五千億もの自然増収が本当に出てくるんだろうか。これは後ほど大蔵大臣にもお答えいただきたい点でございますけれども、もしこういう自然増収というものを前提として代替財源案を考えておられるとすると、この自然増収が崩れてしまう。自然増収がここまで出てこないとすると、これ自身が崩れてしまうことになりかねないと思っております。この点についてもあわせてお伺いしたい。 それから第三点でございますけれども、今度の野党の廃止法案によりますと、一たん廃止します、そしてこれを暫定でつないで、さらに今度は恒久的な財源を探しましょう、こういうことになってまいりまして、極めて短期間の間に税体系というものがころころころと三回も変わるということを意図されている、そういう結果になっているわけでございまして、これが本当に国民生活にどういう影響を与えるのか、国民生活、国民経済にどんな混乱が起こってくるのか。何といいましても、もう税体系というのが国民経済の土台であることは言うまでもございません。だけれども、その認識が欠如されておられやしないだろうか。くるくるくるくる変わられます。そして、どうも税の体系の展望が必ずしも明らかでもない。 言うまでもなくこの九〇年代、日米構造協議でもございましたけれども、我々の生活環境を本当にきちっと二十一世紀に向けて整備していく、そのためにもこの十年間で生活環境の充実、そして公共投資の充実というものを図っていこう、そういう安定した財政の運営というものも行ってもらわなければいけない。そういう状況の中で、今御指摘を申し上げました将来の展望が必ずしもないんじゃないか。それからもう一つは、税制の変更が短期間のうちにこうやって変わっていくことへの影響、そして第三点としまして、きのう御答弁のございました税収見積もり、一兆五千億も本当に出てくるんだろうか、この三点につきまして大蔵大臣の御答弁をお願い申し上げます。
○橋本国務大臣 順序を逆にしてお答えをして恐縮でありますが、今、元年度税収、最終の集計をいたしております。それだけに、その一兆五千億といった数字を野党の発議者の中から御答弁になったということでありますが、私どもまだそうした数字の見通しを持っておりません。近く確定をいたすと存じますけれども、必ずしもそういう数字に自信が持てると私は申し上げる状況にないと思います。 また今、この税制改正と申しますものが我が国の経済あるいは財政に与える影響といった点からの御論議をいただいたわけでありますが、私どもは毎年予算編成時に、次年度の税制改正を予定いたします項目につき、それぞれの積み上げ計算を行った上で予算編成を行っておる、これは委員御承知のとおりであります。仮にその柱の一つが、主要な柱の一つが倒れてしまう、そして、それにかわる柱が得られないままに国として長時間耐えられるかと言われますならば、私は到底そういう情勢に耐える自信はございません。 そして、国自身の財政、経済運営というものを考えました場合には、一つの税制、柱としての税制が廃止といった状態になりました場合には、直ちにそれを何で補うべきかということは、同時に答えを必要とすることであります。今御論議がありましたように、そうした点に仮に変化が生じ、なおかつそれにかわる対案が示されないとすれば、長期の運営には到底耐えられません。同時に、それは国民生活においても非常に大きな御不便を国民にかけることになるでありましょう。 それこそ大きな税制の柱が変わりますことによって、それぞれのお店屋さんの店先、企業の経理、それぞれに大きな影響が生じます。そして、消費税導入にかかります経費として、随分それぞれの企業は、コンピューターあるいは会計機等々、ソフトの面に至るまで投資を願いました。仮に廃止といった状態になり、その先行きが明らかではないとなりますと、二重、三重の投資の可能性を企業は考えなければならなくなるわけであり、しかも仕組みが確定しないとなれば、長期の計画もまた立案できないという可能性も生じます。 いずれにいたしましても、我々といたしましてはそうした事態は避けなければならない。そして、今御審議をいただいております見直し法案というものが国民に御理解をいただき、定着することを心から願うわけであります。
○金子(一)委員 先ほど申し上げましたとおり、現行の消費税がかなり定着し始めて、またようやく事業者にとりましてもなれ始めているという面はあろうかと思っております。中には、多少問題があってももう見直しなんかやめて今のままでいいじゃないか、見直しなんかやめてくれと言う方もおられる。そういう意見も少なくないわけでございます。 私自身、現行のこの消費税、例外を極力少なくいたしまして、そして、支出額に応じて薄く広く負担をしていただくというこの税体系、理論的には消費税は極めてすぐれた税であるというふうに思っておりまして、構造的な欠陥ということの御指摘はございますけれども、構造的な欠陥があるから見直さざるを得ないのだという御指摘は必ずしも正しくない。制度そのものの特性を生かして、それをどう運用するかというのがポイントでございまして、この制度そのものに本質的な欠陥はないと思っておりまして、この点につきましては同僚議員からも細かく御説明と、また御質問もあったところでございます。 ただ、そうはいいましても、どんな税でございましても、やはり国民感情に合致しないものは本当の意味でなかなか定着はできない、定着も困難であるというふうに思っておりまして、今度の現行消費税につきましても各方面からさまざまな御批判が出ておることも事実でございまして、私たちは政治としてこれを本当に真剣に受けとめて、この見直しの機会にきちっとこれを実行をして、そして一層の定着を図っていきたいと思っております。 ちょっと余談になるのでございますけれども、個々の中身に入ります前に、教育の問題なんでございますけれども、総理、私の地元で、小中学校で、今度の消費税に絡みまして租税教育というのをやらせてもらったのですね。子供ですから、とんでもない質問も出るのだそうでございます。父兄の方々にお話を伺っておりましたらば、例の子供のお小遣いに税金がかかるのはおかしいじゃないか。これを租税教室で先生が、もしお母さんが君のかわりにおもちゃを買いに行ったとしたらば、そこで税金がかかる、君が自分で行ったら税金がかからない、これ不公平だろうと言ったのだそうですね。そう説明したのだそうです。そうしましたらば、隣にいた子がぱっと手を挙げまして、そうだ、そうじゃないと、あしたから毎日僕がお母さんのかわりにお使いに行かされるよと言ったというのですね。 やはり政治というものが、また税制全体というものが、今度の消費税議論を機会としましてまさにお茶の間に入っていった。政治がお茶の間に入っていく、税がお茶の間に入っていくということは私は大変いいことであると思っておりまして、税に皆さんが関心を持ってくれる。改めてこういう税というものを機会にして、納税者、国民全部が納税義務があるわけでございますから、子供でもあるわけですから、こういう子供たちも含めて納税のモラルというものを認識してもらう。 それからもう一つ、今度の消費税で一番私たちが注目しなければいけませんのは、これがどういうふうに使われるかということを国民の皆様が言うまでもなく極めて注視をされておられる。どういうふうに税が使われてくるのか、ますますこれが大事になってくるわけでございますから、小学校、中学校、それだけじゃなく婦人学級なんというのもあるようでございますから、こういうところでこの機会に租税というものを、教育を制度化していくといったようなことが本当に大事じゃないかと思うのでございます。総理、文教の御専門家としてもあるわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
○海部内閣総理大臣 具体的な例を挙げてのお尋ねでございましたけれども、やはり民主国家においては、すべての国民がいろいろな立場で公共の費用を負担をしながら、みんなが社会に参加をして、社会を支えていく一員なんだという自覚と行動をとってもらうことが何よりも大切なことだと私は思います。 あえてここでしゃちほこばって権利義務だ、憲法論だと言うつもりはありませんけれども、憲法の中にも納税の義務というものはやっぱりきちっと出ておるわけでありますから、私は税の話というのは余り楽しいものでもございませんけれども、また、税をいただくということはある意味では痛みを与えるわけでありますから、しかし、それがなくなってしまったら近代国家も成り立たないわけでありますので、今御指摘があったように、それぞれの児童生徒には発達段階がありますから、小学校ではどのくらいのこと、中学校ではどのくらいのことを身につけて理解をしてもらう、発達段階ごとに大事な問題はあろうと思いますけれども、それぞれにふさわしい内容で、学校教育の中でもそれは取り上げていただきたいと思いますし、また、現に取り上げられておると私は考えております。教科書にも、この間委員会で御議論がありましたが、いろいろな記述が出ております。 そしてまた、この間新聞で読んだ投書でありましたけれども、ある御婦人の方が、毎日毎日消費税を払うようになって腹が立って仕方がない、だから私はつけたことのなかった家計簿というものを簡単に自分で一日に幾ら使って幾ら税金を取られたか、つけてみた。けれども、御主人の所得税も安くなっておるんだということを言われるので、主人の銀行への振り込みの安くなった分も見てみた。たしかあのとき奥様が払われたのが六千円前後じゃなかったでしょうか、一カ月。こそっと調べてみたら減税になっておる方が多かったので、まあ仕方がない、これくらいのことは協力していかなきゃならぬかなと思ったら胸に落ちたという、そういう意味の投書もございました。 私は、こういうお気持ちやお考えが現実に広まっていくことを、皆さんが実物で、自分の体験の中で差し引き計算をしてもらったり、あるいはさらにそれを乗り越えて、税に協力してやることが社会を支える、自分の社会参加の義務なんだということも御理解いただけるようになると、より一層の定着が図られるもの、こう考えるわけであります。 ですから、去年四月から始まりました消費税に関しましても、何とかそれらのことで日々の御協力をいただく皆さんの中から、それでもここだけは見直したらどうか、それでもここだけはこうしたらどうかとおっしゃる、主として新聞の世論調査とか、私も時々全国へ出ていって、国民対話集会というので直接御不満等をお聞きしたり、お答えをしたりしてまいりましたけれども、そういった御説明ややりとりを通じて、御納得と御理解をいただくようにしていくことが一番大切だと思いますので、学校教育や社会教育の面でも、これらのことについては、今金子委員の御指摘のように、我が方としてもできるだけ努力を続けていって、より御理解を願わなきゃならぬものだ、こう私は考えております。
○金子(一)委員 ぜひそれがさらに大きく拡大ができますようにお願いを申し上げたいと思います。 時間がなくなりました。見直し案の中身につきまして、一括いたしまして大蔵大臣に御質問をさせていただきます。 第一点、もう既に同僚議員からも出ました食料品の小売非課税、この点につきまして、消費者の方から、一・五%になったというけれども本当に一・五%以上下がるのかね、野党の方からも、どうもそんなに下がらないのじゃないかという御意見がございましたが、これについてわかりやすく御説明をいただければと思います。 第二点、中小企業者の特例でございます。 三千万以下の免税業者、そうしてその他みなし仕入れの率の問題、これはさっき村井議員からもお話がございましたけれども、やはり納税義務者として中小企業者の方の事務負担が非常に重いということを考えますと、そこのところは国にかわって納税事務をやってもらっているのだということは、私たちも消費者もある程度の理解は必要なんだろう、してやっていいんだろうとは思っております。ただ、消費者の皆さんの方から、この制度があるゆえに、やはり私たちが納めた税金が残念ながら国に入っていないんじゃないかという不満も大きい。私たちはこの消費者の声というものを真剣に受けとめて、そして対応していかなければならない。これについてどうお取り組みになるか。 特に、みなし仕入れ率の点につきましては、今度の御提出された見直し案の中でも政令化しようということにされておるわけでございますけれども、できるところから手を早くつけていくという観点から、大蔵大臣、これはもうなるべく早く実現をして、そして実態に合った仕入れ率に変更をしていくというお気持ちはないかどうか、この点についてお伺いを申し上げます。
○橋本国務大臣 二つの大きなポイントについての御指摘でありますが、今、飲食料品の非課税という問題について、なぜこうした仕組みをとったかという御指摘でありました。 これは、私どもは本当にたくさんの国民からのお手紙をいただく中に、食料品を買うについて非課税を求められる大変強い声がありましたこと、同時に、事業をされる方々のお仕事の容易さ、さまざまの要素を考えた中から、一番これがふさわしい、実際の効果がある、そう考えて選んだわけであります。 例えば、よく御論議があります中に、全部非課税にすればいいじゃないかというお話があります。ところが、食料品のように大変転々と動いていく商品、これをもし完全に非課税にしてしまおうとしますと、まず第一に仕入れ額控除、税額控除ができなくなります。そして、その非課税とされた物品の価格には控除できない税分というものが残ってしまいます。しかしへそれは商品の種類や製造方法、流通経路などが違いますから、当然税額もまちまちになります。そうなりますと、製造あるいは卸などの事業者は、その商品に適正な転嫁ができるだろうかという不安を生じてしまうことになりますし、逆に消費者からすれば、本当に適正な値下げというものが行われたかどうかを監視することが大変難しくなるわけです。 また同時に、全段階を非課税にした場合にもう一つ考えなければならないことは、仕入れに税負担を含んでいない輸入品の方が国産品より有利になってしまう。これは例えば食料品の加工などをしていらっしゃる業者さんからすれば競争条件が乱れてしまう、これは本当に関係者としてはお困りだろうと思うのです。そして、そういう意味では、今度は逆に例えばレストランなどのサービスには課税が行われるわけですけれども、提供される食料品、仕入れの段階でかかってくるものは非課税である以上、税負担の転嫁ができませんね。仕入れ額控除はできません。仕入れ控除ができません。そうすると、レストランなんかにしてみれば、そのコストアップをどこにはねるか、結局課税されている場合よりもむしろ値上がりの可能性が出てきます。 そういうことを考えてみますと、小売段階は非課税としながら、流通過程に一・五%という特別低税率を残したことによって、ずっと動いていく過程の税というものは確実な転嫁ができるわけですし、消費者の方々からすれば、少なくとも小売の段階の消費税はなくなるわけですから、一・五%確実に値下がりするということが期待できる状況になるわけであります。細かくもっといろいろなことを申し上げればいいのかもしれませんけれども、簡単に申し上げていくと、私どもはそうした問題点を考えた上で最善の方法を選んだつもりでした。 またもう一つ、今御指摘のありましたみなし仕入率、私どもは簡易課税あるいは免税点等、今消費者から御指摘を受けておりますものについて、五月いっぱいまで、申告・納付の続いておりましたその間は実施状況を見守ってまいりました。そして、それをこれから七月末ぐらいまでの間に全部整理、集計し、その中から将来に対する考え方をきちんと出していこうと思っております。しかし、このみなし仕入れ率につきましては、私どもは政令にこの法律案でゆだねていただきたいというお願いを申し上げたわけでありまして、国会で御審議をいただき、この法律を通過、成立させていただくことによって、このみなし仕入れというものについての国民のいろいろな声というものをできるだけ早く実際の仕事の上に生かしていきたい、そう願っております。
○金子(一)委員 時間が参りましたので、以上で質問を終了させていただきます。
○山崎委員長 これにて金子君の質疑は終了いたしました。 次に、鳩山由紀夫君。
○鳩山(由)委員 質問をさせていただく時間を与えていただいてありがとうございます。 まず最初に総理にお伺いしたいのですが、今般の二月の総選挙におきまして土井委員長が、この消費税の戦いというものは、私どもが消費税の存廃をかけた国民投票だ、そうたびたび訴えて戦ってこられた。国民投票とおっしゃいました。その国民投票の結果といたしまして、社会党も躍進いたしましたが、自民党も安定多数をとらせていただくことができました。国民はそう審判を下したと思うのですが、総理はどのようにお考えになっておられるでしょうか。
○海部内閣総理大臣 今度の衆議院選挙直前に党首討論会もございましたし、あるいはその後において、いろいろ消費税のことをめぐって選挙中議論がございました。私も党の総裁として、税の問題は決して楽しい話ではありませんけれども、ぜひお願いしなきゃならぬものですから、御理解くださいと言って、そして昨年の四月から始めた税制に対して、国民の皆さんの声も聞きながら率直に、こういったところは見直していきますから御理解をいただきたいと定着を訴えました。 御指摘のように、今度の選挙は消費税の存廃をめぐって国民投票の意味を持つものである、こういう御指摘もございました。私は、選挙の結果は謙虚に受けとめさせていただくとともに、国民の皆さんの総意というものは、自由民主党の見直し案に対してもこれだけの御理解をいただけたのだと心強く受けとめさせていただきまして、その見直し案の実現に向けて精いっぱいの努力を続けていかなければならない、こういうかたい決意でございます。
○鳩山(由)委員 わかりました。よろしくお願いいたします。 消費税の議論というものはとかく感情論になりがちでございまして、いろいろと声高な議論がなされておりますと、その中には真理を隠ぺいしてしまう可能性が十分にございます。ぜひきょうあるいはきのうの御議論のように、冷静な消費税の論議をさせていただきたいと思っております。 きのうのいろいろな議論を通じても、私どもはもちろんでありますが、民社党の方々もいろいろと苦悩の中で新しい道を模索しておられるように伺っておりまして、大変に評価をさせていただきたいと思っております。ぜひ冷静な議論で真理を見出してまいりたい、そんなふうに思っております。 そこで、一つの真理といたしまして、海部総理、海部内閣の支持率が、つい十日ほど前の調査・でございますが、世論調査では六三%という、この世論調査始まって以来の高い内閣支持率ということになったわけでございますが、謙虚な海部総理といたしまして、どのようにこの人気の原因があるとお考えですか。
○海部内閣総理大臣 一言で申し上げますと、率直に国民の皆さんが御支持をくださるということは大変ありがたいことだと謙虚に受けとめさせていただいておりますが、しかし、あの世論調査の中に、なおいろいろな意味で内閣あるいは党に対して、土地政策とかあるいは税制の問題とか、いろいろな御指摘もあることを十分心に受けとめまして、さらに頑張ってまいりたい、こう思っております。
○鳩山(由)委員 大変な謙虚なお言葉、ありがとうございます。 私は、海部総理初め閣僚の皆様方の現時点での大変な御努力、評価させていただきたいと思っておりますが、一つには、海部総理みずから、また大蔵大臣のみずからの若さ、将来に対する期待というものも大変にあるのではないか。政治の流れが今こそ変わり得るのではないか、そのために海部内閣を皆さんで国民的に支えていこうじゃないか、そんな声が大変に強いように私には感じられたわけであります。 ただ、実はきょう新聞を拝見させていただくと、十一日の夜に自民党と社会党の首脳の方が料理屋でお集まりになって、そこで野党案に対しては衆議院で廃案にしてしまおう、否決しよう、見直し案に対しては参議院で審議未了にしようじゃないかということで合意を見たというお話を伺っております。それこそ首脳の方々のいろいろな御意見というのは大変に貴重なものだと私も思っておりますが、その合意の後で開かれるこの税特の委員会というものに対して若干、国会あるいは委員会の形骸化というものを私は心配をしておる一人でもございます。ある意味で、今回衆参のねじれ現象が起きておる中で野党が廃止法案を出された。この廃止法案というのが、野党が本音と建前を使い分けるある意味で最後の遺物になるかもしれないな、そんな思いを感じておりますが、国会改革に対して総理の御熱意をぜひお聞かせいただきたい。
○海部内閣総理大臣 国会が今日のように衆議院と参議院と議席数の差があるということだけで、もうすべて結果が見透かされてしまうような論の立て方は、私は賛成しない立て方でありまして、現にこのような状況になった後の国会でも、例えば去年、土地基本法とかあるいは年金法であるとか、国民生活に極めて重要な問題について与野党で御議論いただき、衆参両院で通過、成立したという事実もあったわけで、それは両議院の御努力に私は率直に敬意を表しておるものでありますし、そういうものがまた議会だ、こう考えます。 ですから我々政府も、去年の四月からスタートしました消費税についても、いいと思ってやったのですが、減税もあれだけした、資産と所得と消費のバランスをとった、いいと思って、褒めてもらえる、喜んでいただけると思って始めた制度も、国民の皆さんからいろいろな御指摘を受ける、国会でいろいろ各党から御指摘も受ける。それじゃ謙虚に見直してさらに一層の定着をするにはどうしたらいいかということで、見直し案というものをつくって提出をしておるわけであります。 やはり民主主義というのは、どうでしょう、一〇〇%主義というものは理想ではあっても、一〇〇%満足し切るということがなかなか難しいならば、今の八〇%を八一%、八二%と徐々に高めながら、いいところへ結論を持っていくためにはどうしたらいいかというお互いの努力が論争になり、議論になっていくものであると私は信じておりますので、何か結果と結論が出てしまったとどうぞお考えにならずに、政府といたしましては、現行の消費税法の中で国民の皆さんから出てきた不満や注文や世論調査の方向をしっかり見定めて、少しでもそれに近づいていくように見直し案をお出ししておるわけでありますから、これを御議論をいただいて、そして一歩前進ならばまずこれに乗ってやろうというお気持ちをでき得ればすべての党派の皆さん方にお認めをいただきたい、こう思っております。 野党の方からも廃止案が出ておりますが、廃止だけじゃなくて、この前お出しいただいたように財源法や、じゃ、かわる中身はこれなんだということもお出しいただいて、さあどちらにするのか、どっちがいいのかというような議論をどんどんかみ合わせていただくことが問題が一歩、二歩前進していくきっかけになるものだ、こう私は思っておりますので、そういう国会のあり方というものを心から願っておるところであります。
○鳩山(由)委員 今の総理の御意見を伺いまして大変にありがたく思っておりますし、その方向でぜひ消費税の論議が、今の総理のおっしゃった方向へ向けての先駆けになってまいりますように、心から期待をする次第でもございます。 さて、先ほど金子委員からもお話がありました、実はそもそも税とは何なのかという問題そして、税に対する教育というものがまだまだ日本の社会の中で不十分ではないかというようなことをちょっと申し上げたいと思っております。 実は私のところについ先日、アメリカで働いておられるある日本の女性が来られまして、その方が申されるには、私はアメリカで働いているのだけれども、最初働いていたときにそれこそ給料が少なかったので、おまえは税金を払う必要がない、免税だと言われた。そのとき彼女は悔しいと思った。アメリカで教育を受けられた方でありますから、本心悔しいと思った、恥ずかしいと思った。そして精いっぱい働いて次に給料をもらったときに、一年、二年たった後だと存じますが、税金を払えというお話になった。そしてやっと私もアメリカの人間になったのだなという喜び、うれしさを感じた、そんなお話を承りました。だれしも税金を払うのを喜びと感じる人は余り多くないと思いますが、アメリカの教育の中では、あるいはそういうふうになさっておるのかもしれない。 振り返って日本の教育になりますと、これは私の息子の話になって恐縮でありますが、現在中学二年の息子が三年前、小学五年のころに、これはクラスの中ではないと思いますけれども、課外で論争が起きたようでありまして、その論争は、一体税金というのは取られるものなのか納めるものか、そんな議論を幼い五年生たちが、それこそその当時は売上税の問題で大変にやかましくなっておった時期でもありまして、私どもの息子たちが議論をしていたようであります。どうも多勢に無勢で、うちの息子は税は納めるものだと言ったらしいのですが、ほとんどと申しますよりもほかのすべての方が、いや税というのは取られるものだから取られたくないな、そんな話をされたようでございます。多勢に無勢だから、どちらに軍配が上がるかは別といたしまして、日本のそれこそ初等中等教育の中でどのぐらい税というもの、税金を納める心というものを教えていただいているのか、これは教師の問題にも若干なるのかもしれませんが、不安を禁じ得ないところでございます。 ちょっとアメリカの中学におきます教科書を、一部だけでございますが、当然英語で書いてあるのを日本語で読ましていただくわけでありますが、読ましていただきたいと思います。 税金は家族に多くのサービスを提供する。 税金を支払うのが好きな人は多くない。しかし我々が時々忘れることは、我々自身が実際には政府により実施されているサービスの消費者であり、そのため、税金による資金を充てているということである。我々がそれらのサービスっを享受するのであれば、我々はその費用を分担しなくてはならない。事実、それらのサービスがまず第一に対象としているのは家計なのである。 続いて、 我々の税金によって、他の方法ではまったく人手できないような無数のサービスを購入しているのである。例えば、州のすべての道路やハイウエイは沿線に住む家族が建設し、維持しなくてはならないとしよう。そのような場合、農夫が町へ行くための道路が欲しければ、彼はその道路建設のための費用を支払わなければならないことになるであろう。どんなハイウエイができると諸君は考えるだろうか。 このような話があった後、 これらのサービスは、すべて家族生活に役立っている。こうしたサービスは、個人及び家族により直接あるいは間接に彼らの要求なり目的を満たすものとして利用される資源の一つである。このように家計が税金として納める資金は、サービスの形で家計に還元されるのである。しかし、我々が政府に要求するサービスの数が多くなれば、我々個人および家族の税金の支払額も大きくなるであろう。家計として我々は政府サービスの主要な消費者であるが、我々の受取るものすべてをまかなっているのは我々自身のお金であることを記憶にとどめておくのが良いであろう。 このような中学の教科書の記述があるわけであります。日本の中学の教科書は、あるいは高校の教科書もそうでありますが、義務あるいは権利に関して触れてはございますが、どうも文章自身がかた過ぎまして、子供たちに十分理解し得ないような書き方になっているところもあるのではないかと思いまして、総理、できればみずからの御経験を生かされまして、租税教育というものに対して、特に初等中等教育における租税教育のあり方について御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 御指摘のように、税は取られるものはなくて納めるもの、あるいは自分も一人として出すもの。要するに、民主主義は主権者は国民でありますから、主権者たる国民みんなで、社会共通の費用をみんなで負担しているのだ、そういう立場に立った考え方で理解を進めていただかなければならぬと思います。 今お示しになったのはアメリカの中学校の教科書の記述だということでありますが、日本の中学校の記述にもちゃんとこう日本語で同じようなことがずっと出ておるわけでありますし、また小学校、中学校、高等学校と発達段階に応じてそれらのことを具体的に教えるように、同時にそういった納税の義務を身につけてもらって、社会の一員として社会を支えるという義務も果たしていただくように、そして参加をするという意識を一人一人が持っていただくように、そういったことを教育の中で示していくことは極めて大切なことだと考えておりますので、今後一層心して、現場にもお願いもしながら、我々はこの問題が前進していくように注意をしていきたいと思っております。
○鳩山(由)委員 まことにおっしゃるとおりだと私も存じます。税金の問題のみならず、私たち一人一人というものは当然のことながら神ではないわけでありまして、したがって全能ではありません。私たちは社会の中で一人では生きることができない。神の力と申しますか、皆さんの力によって生かされている存在であるのだ。その意味で、感謝の気持ちというものを常に持たせていただかなければならないだろう。社会に対する、あるいは国家に対する感謝の気持ちというものが十分に育っていくことになれば、税金の問題もさほど大きな論争を巻き起こすことにはならないのではないか、このように思いますので、宗教心と言ったらよろしいのかどうかわかりませんが、そのような気持ちを国民一人一人、子供たちだけではありません、大人の中にも持たせていただけるような、国民全般に対する教育をぜひお願いしたいと思います。 さて、時間があっという間に過ぎ去ってしまっておりまして、私はあと二つの消費税の議論をさせていただきたい。 その二つは、野党の皆さんが特に欠陥があると指摘をされておる二つのことでございまして、もう既に同僚議員がしばしば申されている一つは逆進性の問題、もう一つは免税点あるいは簡易課税制度等々、国庫に支払っていただいたものが完全に納まらない、納めていただけない状態というのはおかしいのではないか、それが大きな二つの欠陥である、野党の皆さんはそう申されておられるわけでありますが、その二つのことに対して私なりの見解を申し上げて、決して逆進性というものを大きく感じる必要はないということも主張させていただきたいと思いますし、ある方が申された猫ばばでは決してないんだぞ、そういうことも主張させていただきたいと思っております。 私が申し上げたいのは、所得に関して逆進性があるのは消費税としては当然やむを得ないことでありまして、所得の中で論ずるならば、すべての税金をまとめて論じなければ意味がない話でございます。その中では、所得税と消費税はある意味ではけたが一つ違うほどの話でございまして、片一方所得税の方は、一〇%から二〇%程度所得の中でお支払いいただいているのが平均である。一方の消費税は、それこそ一%からせいぜい二%程度のお話でございます。その中でトータルで論じていった場合に、果たして本当にこの逆進性が大きな問題であるのか、私はそうではないというふうに結論づけてまいりたい。むしろ所得全体の中で消費税を論ずるのは間違いであって、消費支出の中において、その中でさえも消費税というものは仕組みの中で逆進性があるのかないのか、その辺の議論をさせていただきたいと思いますが、大蔵大臣、消費税に関しまして、逆進性の問題に対してお触れいただければと思います。
○橋本国務大臣 何回かその問題についてのお答えを申し上げてまいりましたが、多少角度を変えてお答えを申し上げてみたいと思います。 確かに税負担というものは負担能力に応じたものであるべきですけれども、その負担能力というものをはかる尺度として、所得だけでなく消費なども重要な尺度でありましょう。そして消費税というものは、尺度としてその消費というものに対して基本的に比例的な税負担を求める、そうした制度だと理解することができるわけであります。 そうした観点に立ちますと、今委員が述べられましたように、所得に対する逆進性からのみの議論というものには問題があるという御指摘も、私はそのとおり素直に受けとめたいと思います。仮に現行消費税を、課税対象支出の消費支出全体に占める割合というものを年間収入五分位階級で見てみますと、各分位とも約九割、大体比例的になっております。そして、見直し後の数字をとってみますと、食料品あるいは住宅家賃など見直しの対象となる支出の、まあ消費支出比ですから低所得の方々の方が大きいわけでありまして、見直し後の課税対象支出をとってみますと、第一分位五六・六%、第五分位は六二%、むしろ低所得層の方の方が小さくなっておりまして、見直しの効果も十分にあらわれている。こうした見方もできようかと思います。
○鳩山(由)委員 今大蔵大臣が述べられたその資料に基づきまして、私も実は消費支出の中においてさえも消費税の、基本的には三%、しかし、いろいろな意味で非課税品目ございますので、所得層によって若干の相違がある、そのことを論じてみたいと思っております。 大蔵大臣、一つグラフをつくってまいったのです。これは五分位に分けたものを連続にさせていただいたわけでありますが、三%の消費税、しかし、実質にはいろいろな意味で、先ほど申しました非課税がございますので、現行の消費税でありますと大体二・六九から二・六三あたり、これはほぼ平行だと見てよろしいのですが、しかし、若干所得層が多い方、消費支出の多い方に比率は少なくなっております。やや下がり傾向にあります。これを下がり傾向にあると見て、逆進性だととらえることも許されるかもしれません。しかし、見直しをされた後の、それこそ大幅な食料品等々の非課税、見直しがございますので、その見直し後の話になりますと、これは全く逆転をしておりまして、所得層、所得が多い方々の方がはるかに実質の消費税率が高くなっている。一・八六程度でございまして、一番経済的に厳しい方は一・六七程度というふうに、実質の消費税率が見直されてまいります。このグラフでやはり見直しの効果が私にも相当あるというふうに感じておりますが、このグラフをごらんになっていかがお感じでしょうか。
○橋本国務大臣 非常に適切なグラフであると、率直にそう思います。
○鳩山(由)委員 その意味におきまして、消費税の逆進性の議論をするならば、これは所得全体に関しての話ではなくて、消費支出に占める中で実質の消費税率がどうなっているか、そんな議論をさせていただくべきであり、そうであるならば消費税は逆進的であるという結論づけはできない、むしろ累進構造に見直し案はなっている、そういうふうに私は思っております。 残り時間が少なくなってまいりましたので、後は免税点の話をさせていただきたいと思いますが、町を歩いておりましても、私どもの選挙区においても特に零細の事業者の方々、おじいちゃん、おばあちゃんがお一人でやっておられるような方々、そんな方々の御苦労も感じています。しかし、その方々に対して、おまえたちに対して我々消費者が払ってやっているその消費税が国庫に納められていないじゃないか、これはけしからぬという議論を大分私も地元で聞きました。しかし私は、だからといってこれは決して猫ばばという話は当たらない、そう思っております。 その理由づけをちょっと簡単にさせていただきたいと思いますが、消費税が導入される前、すなわち昨年の三月ごろまでの話にさせていただきます。我々は物を買うときに三%上乗せをしない生の値段で買い物をいたします。消費税というものをそこで考えるときに、ある意味では消費税を納める人間が消費者であってもいいわけでありまして、現実は消費者は納税者にはなっておりませんが、私の一つの考えといたしましては、消費者が納税者であってもいい。 その極端な例を考えさせていただくとどのようなことがあり得るかと申しますと、消費者がいろいろと買い物をする、あるいはサービスを受ける。そのサービスを受けるたびにレシートをいただいておく。それはすべて三%入っていない金額が表示されている。それをすべてためておきまして、何カ月後に何百かあるいは何千のサービス、あるいは買い物に対するレシートをそれぞれが計算をして、そこに三%を掛けて、その三%を納税をするということだって可能性としてはあり得る。しかし、それを行うには余りにも事業負担が、すなわち非常に仕事をするのが面倒くさくなる。到底消費者みずからがやれる仕事ではないだろう。 そういうことで今、フランスで生まれた付加価値税の発想のもとで、付加価値を生むところの事業者の方に納税を代行していただいている。代行をしていただくならば、ある程度の事務コストというものがかかる。その事務コストに対して、特に零細の方々に対しては、私たちが簡易課税制度とかあるいは免税点制度を設けることによって、事務コストの負担を軽減してやるのもある意味で当然ではないか、そのように私は思いまして、そのことに関しまして、そのような議論づけに対しまして大蔵大臣、御見解があればお話しいただければと思います。
○橋本国務大臣 私は、委員がお述べになろうとしているお気持ちが理解できないわけではありません。しかし、免税点にいたしましても簡易課税制度にしても、こうしたものは事業者の実際の経理処理とか納税事務に当たって物理的な負担を少しでも軽減しようという措置でありまして、そこから利益をもたらすことを目的としているものではございません。 そういう意味からいきますと、委員が述べられましたように、これらの特例措置は、零細事業者が代行している納税事務のコストの一部を補てんしているのだというとらえ方が正確だとは私は申し上げにくいと思います。ただ、いずれにしても、こうした制度がより消費者の方々から見ても的確に運営されているという御評価をいただきますためには、申告・納税の一巡いたしました後、各税務署からの数字を全部集計し、整理し、その上で今後についての方針を決めよう、そのように考えております。
○鳩山(由)委員 ありがとうございました。時間が参りましたので、終わります。
○山崎委員長 これにて鳩山君の質疑は終了いたしました。 次に、武藤山治君。
○武藤(山)委員 海部総理、最近海部総理の人気は大変上々のようでありまして、新聞報道によると六三%をちょっと超えるようでありますが、なぜ海部内閣の人気が高いのか、本人自身どう感じていらっしゃるのか。また、消費税を大幅に見直す、すなわち、廃止に近いところまであるいは見直すのかもしらぬという期待もこの世論調査の中にあるのじゃないかななどとも思うのでありますが、率直にひとつ総理の御所見を承りたいと思います。
○海部内閣総理大臣 世論調査のことにつきましては、私はありがたいことだと率直に受けとめさせていただきますし、それは後半でお示しになった、限りなく廃止に近いところまで大幅に見直すのではないかというようなことは、新聞報道に関する限りも載っておらぬように思いますし、私は選挙中を通じても、思い切って見直しをするということは申し上げてきました。 いいと思ってやった税制改革でしたけれども、その中でどうしても国民の皆さんのいま一歩の御理解と納得をいただくためには、見直しをした方がいいという判断で見直し案を出しておりますので、これはぜひ成立させていただきたい、こういう強い願いを持っておるわけでございます。内閣の閣僚皆が力を合わせて、こういった内閣の重要法案、内政、外交にわたるいろいろな諸問題に真剣に取り組んでおる姿を国民の皆さんが評価をしていただけたものと謙虚に受けとめさせていただいております。
○武藤(山)委員 消費税廃止の法律案が去年十二月、参議院では通過をしましたね。しかし、衆議院に送付をされた結果、参議院の提案者は答弁しようと思って待機していたのでありますが、理事会がまとまらずについに審議未了、廃案、こういう結末になったわけであります。 なぜ野党が廃止法案をこぞって提案をしてきたか、その原因はどこにあるのか、かたくななほどかたいのはなぜか、そこのところをちょっと振り返ってみたいのであります。 それは一九八六年七月のダブル選挙、中曽根内閣のときですね、このときに中曽根さんは、大型間接税は導入しません、私の顔がうそを言う顔ですか、しかもそのときにまた、マル優制度は残します、そういうことも当時の選挙の約束に掲げたのであります。ところがその結果、三百四議席を獲得すると、その年の十二月には売上税法案を国会に出してまいりました。選挙の公約と全く違うことを多数を頼みにやろうと試みたわけですね。しかし、これは一九八七年の四月に野党の総抵抗に遭って、衆議院は牛歩戦術で徹夜の国会に相なり、ついに売上税法案は日の目を見なかったわけですね。そういう経過が一つあります。 ところが、総選挙をやらないその翌年、一九八八年六月に竹下内閣が消費税法案を提案するに至りました。当時の大蔵大臣は宮澤さんですから、橋本大蔵大臣じゃない時代ですね。前任者の時代であります。この六月に提案をして十二月に強行採決、そしてその翌年の四月、去年の四月には消費税を実施する。 こういう経過を振り返ってみると、随分無理があるんじゃないかな。野党が怒っているのは、民主主義の手続をきちっと経て、十分ディスカッションして、そして国民がなるほどと理解をした上で消費税の導入をすべきなのに、こういう拙速なやり方に対する怒りが消費税法廃止、こういう野党の態度になったと思うのでありますが、それについて総理はどう思いますか。
○海部内閣総理大臣 お述べになりました経緯については、私はそのような経緯がずっとあったと、これは率直に認めなければならぬと思います。ただ、そのような経緯がありましたがために、売上税というものは国会の審議のさなかに廃案になったと思います。そのとき廃案になって、現在の税制のままへ戻せばいいんだという御判断をとらなかった議長が、さらに与野党で協議をしなさい、直間比率の是正等を含めて新しい税の協議を始めるという議長あっせんがあって、これを当時の与野党で認めて与野党間の協議も始まり、また政府も、新たに直間比率の是正等という議長あっせんの趣旨も踏まえて、努力を始めたものだと思います。 そうして、一昨年ごろまでの世論調査、私の記憶に誤りなければ、どの世論調査も税に関する限りトップと二番目を占めたのは、一つは不公平であるということと、一つは高過ぎるというテーマではなかったでしょうか。そして、その不公平であるという方には、当時クロヨンとかトーゴーサンとかいろいろ書かれましたように、税の捕捉の仕方における不公正もありましたでしょう。また、与野党の努力によっていろいろ不公平税制の御議論をされたこともございました。また、個人の所得税も法人税も、他国と比べると高過ぎるという批判が世論調査でも随分あったものと私は覚えております。 そういった意味で、何か個人所得税と法人税に大きく税負担の偏りのあるような状況のままでこのままほっておきますと、二〇一〇年の高齢化時代には所得税の負担率は間違いなく二倍になるという指摘も出されて、こういったものを所得と資産と消費とバランスのとれる税制の仕組みに変えていこうというので、新しく税制改革をお願いしたのが今回の税制改革でございました。 それで、民主的な手続を踏んでやれということでございます。けれども、今回の衆議院の総選挙のときには、私はそういったことを踏まえて、税制改正の中身や政府も反省しています問題を踏まえて、国民の世論に耳を傾けて、こういった点は見直しますよ、見直し案のことも率直に、街頭演説でも党の演説会でも党首討論会でも申し上げまして、この問題点を争点として、逃げないで訴えてお願いをし続けてきたつもりでございます。ですから、その意味で、現在行われております消費税を国民の皆さんの世論の指さされる方向へ一歩でも二歩でも前進させていくことがより定着につながると私は信じておりますので、そのような姿勢でこれからも臨んでいきたい、こう思っております。
○武藤(山)委員 今質問しているのは、そこまでまだいっていないのですね。その歴史、前段階の歴史が今始まったところなんですね。現実の今の問題は、後でだんだん時系列に従って質問を続けてまいります。 当時その議長裁定が出て、野党は税制協議をやろうということになった。そのときに野党の政審会長や協議員に入っている方々は、消費税をやる前になすべきことがたくさんあるじゃないか、そういう指摘をしているのですね。不公平税制の是正、ここに文書がありますが、そのときの協議会に出した中には、土地税制をきちっとやろうじゃないか、土地税制改革をやろう。政治家の資金集めパーティーについての課税問題もひとつ検討しよう。利子税制についても見直そう。みなし法人課税についても検討の要がある。企業税制も今の租税特別措置法、たくさん持っておるような不公平な優遇措置というものはこの際徹底的見直しをしよう。国際課税制度もきちっとやって、タックスヘーブンをなくそう。宗教法人などの課税のあり方についてももっと徹底的な改革をやれ。あるいは赤字法人の問題についても、社長がベンツに乗って歩いていながら法人税はゼロだというような企業がある。そういう赤字決算についても、余りにも数が多過ぎるんじゃないか、これもひとつ見直そうじゃないか。また、個別物品税の問題についても、奢侈品の限界なり生活必需品に課税されているものもあるだろうから見直しをせよ、そういうことを四党が、当時議長裁定が出た後共同提案をして、いろいろ自民党と話し合おうということで、文書でそれぞれ交わして、いろいろ苦労したのであります。 しかし、そういう不公平税制の是正という、何よりも優先して最初にやらなければいかぬことをほとんど手をつけないで、そして消費税初めにありきで強行採決をやっちゃった。ここに野党諸君が腹を立て、なかなか総理の気持ちを察するに至らない、そういう基礎があるということをどうお考えですか、どうお感じですか。
○橋本国務大臣 今、かつて行われました与野党協議における検討対象項目としてのそれぞれについて、委員から御指摘がございました。その時点におきまして、十項目挙げられました中の個別物品税制の改革、これが十番でありますけれども、以外の諸項目については、当時与党から引き続き検討というお返事を申し上げたと記憶をいたしております。そして、その後におきまして、原則非課税とされておりました有価証券譲渡益課税というものが原則課税に変わりましたこと、あるいは社会保険診療報酬について引き続き改善措置が講ぜられたこと、こうした点について前進が見られたと私は考えております。 また土地税制、この中で御指摘があったわけでありますけれども、これはまさに昨年国会において、土地基本法といういわば税制のもととして、いかなる視点から土地問題に取り組むかという物差しを与えていただいたということで、現在税制調査会が検討を続けているという状況にあるわけであります。
○武藤(山)委員 総理も御案内のように、日本の所得税、かつては十六段階、十二段階、現在は最高税率五〇%で五段階、確かに大減税をやったのですよ。フラット化したのですよ。ですから、そういう高額所得者の税率を最高五〇%まで低くしたのですから、当然総合課税化を図って、垂直公平というものをきちっと実現をしなければいかぬのですね。総合課税化をきちっとやらなければいかぬのですよ。 ところが、政府のとった態度は、利子配当も二〇%でしょう。五〇%所得税を納めるべき高額所得者が利子や配当は二〇%でよろしい。ところが、零細なマル優貯金しか持っていない低所得者やサラリーマンは、全部分離課税二〇%にされた結果、所得税率一〇%の人まで利子は二〇%取られるのでしょう。まさに低所得者、弱い人に対して倍の税率になっちゃっている、預金利子はマル優廃止のために。ですから、これを総合課税にすれば、税率一〇%の所得層は今の利子税の半分で済むのですよ、税率一〇%ですから。さらに、今は標準世帯でも課税最低限三百何万に上がりましたから、利子税の年間五万や十万の利子収入は課税されない、総合課税すれば。 ところが、五〇%以上の税率の高額所得者は二割で済むというのは、半分以上に税率安くなっちゃうのですよ。これは不公平じゃありませんか、総理。不公平だと思いませんか、こういう分離制度。税の専門家でない文部大臣経験者の総理に聞くのは酷かもしらぬけれども、これは常識ですよ、常識。垂直公平論の常識なんですよ。この分離課税制度によって税をまけてやる制度というのは正しいと思いますか。
○橋本国務大臣 私も専門家とはとても申せませんけれども、私からお答えを申し上げたいと思います。 委員はよく御承知のとおり、現行所得税制におきましても基本は総合課税であります。そして、その総合課税という考え方は、これから先も私は維持していくべきものだと思います。しかし同時に、現在租税特別措置によって分離課税とされている株式売却益あるいは利子について、その所得の捕捉体制が不十分なままに本則の総合課税に戻りました場合には、むしろ実質的な不公平が増大するのではないかということが従来から論議をされてまいりました。そして、そういう意味では、実質的な公平を図るという視点からいえば、むしろ私は分離課税の方が適切な場合もあると思います。 しかし、これらに対する課税のあり方につきましては、総合課税への移行問題も含めて平成四年度に見直しを行うとなっておりますが、これも委員がよく御承知のとおり、完璧な総合課税を実施しようといたしますと、納税者番号制度の導入を初めとして所得の完全な把握体制の整備が必要になります。そして、納税者番号制度というものにつきまして従来からよく申されておりましたのは、制度の前提となる番号をどうするかなど幅広い視点からの検討が必要なことと同時に、プライバシー問題、また制度導入に伴つて国民が受忍していただかなければならない煩わしさや費用などについて、国民の御理解と合意を得る必要があるわけであります。 これは委員もよく御記憶だと思うのでありますけれども、ちょうど昭和四十三年の閣議におきまして、政府における電子計利用の今後の方策というものが決定をされ、これを受けた形で、四十四年の行政改革の計画の中に、行政機関の電子計算機利用に当たってデータコードの統一化、標準化というものが議論をされました。しかし、このとき大変議論を呼びましたのは、まさにいわば国民に番号を付するということが国民のプライバシーの流出につながるのではないか、あるいは別途非常に国民生活に圧迫を与えるのではないか。当時マスコミからも大変な御論議がありましたし、国会においても御論議があり、結局政府が四十八年に、まだ国民のコンセンサスが得られそうにないということで、これを撤回した経緯がございます。私は、納税者番号というものは当然検討していかなければならない課題であると心得ておりますけれども、委員と同様、当時この論議にかかわりました者の一人として、こうした問題についての国民のお気持ちというものは十分考える必要があろうかと思います。
○武藤(山)委員 大蔵大臣、反論して恐縮ですけれども、納税者番号というのは、一回マル優制度をきちっと名寄せをして、コンピューターにきちっと入れて厳格に管理をしようということで法律が通ったのですよ。共産党を除く各派の賛成で大蔵委員会で決まったのです。で、いよいよ実施をするという段階になったら、いよいよ実行する段階になったら、自民党はがらっと、法律をつくった竹下大蔵大臣が、また竹下大蔵大臣の手で廃止しちゃったんですよ。筋もへったくれもないですよ、これは。乱暴な話ですよ。だから、コンピューターで名寄せがきちっとできるようにすることは、今の科学技術、コンピューター技術じゃもう容易にできるのですよ。アメリカもやっているのですよ、イギリスもやっているのですよ、ちゃんと利子配当を総合課税。何で日本ができないのですか、この文化国家日本が、科学国家日本が。 しかも大蔵省は、あのときにちゃんとコンピューターの入れ場所の建物までつくって、管理がすぐできるように全部準備したのですよ。それをとうとう、どういう力関係か圧力か知らぬが、途中で、今度は実行の段階になってぱちっと法律を廃止しちゃった。まあ政治というのは法をつくる力であり、法を被る力というからやむを得ないけれども、多数決で何でもやれるということになればこういうことが行われちゃうのですね。 私は今ここの質問台に立ってしみじみ感じているのは、池田勇人先生です。私は、池田さんが総理大臣になったときに国会に出てきて、本会議で総理に質問をした。そのときに、総合課税を厳守するかどうかという質問でした。池田先生は、私が総理大臣である限り総合課税をなし崩しにすることは絶対にしない、これは死守します、そう答えているのですよ。財政をきちっと紊乱しないように守っていこう、垂直公平をきちっと確立をしようという池田財政のすばらしさだったのですよ。佐藤内閣になって田中さんが大蔵大臣になったら、それぞれの圧力やいろいろな利害にとうとう屈服をして、分離課税制度に入っちゃったのですよ。これは政治家として反省してもらわぬといかぬね。 そういう意味で、やはり総合課税化というのは喫緊の問題なんだ、緊急の問題なんだ。これをきちっとやらない限り、片方では五〇%の税金を取られる人が二〇%で放置されていて、子供のお菓子や葬式の棺おけまで消費税がかかるなんという税金を強行採決すれば、怒るのは当たり前じゃないですか。私は、そういう意味で、まず何よりも何よりも最優先する課題は総合課税化の道を早く歩むこと、これが第一です。 法人税の問題については、法人税率四二%、国際的に見て高過ぎるというので三七・五に引き下げたのでしょう。三七・五、法人税はかなり安くしましたよ。そうなりますと、法人の優遇措置というものは一回全部ここでやめるべきなんですよ。これは総合課税論と呼応する論理なんですよ。一回特別措置は全部やめる。レーガンはやったんですね。立派ですよ。レーガンはフラット化をし、そしてまた税を安くするかわりに特典は全部外しますよ、それが政治なんですよ、公平というものなんですよ。 租税特別措置、私の調査ではつい最近まで百八十五項目あった。現在何項目あるかね、主税局長。租税特別措置による項目は何項目ありますか。
○橋本国務大臣 事務的なお答えを申し上げます前に、私の方から補足するというのもおかしいですが、お答えを申し上げたいと思います。 ただ、委員もお認めいただけると思うのでありますが、完全な総合課税というものを考えてまいります場合に、やはり納税者番号といったような制度というものが必要であることはお認めをいただけると思います。と同時に、まさに私が大蔵大臣になりまして間もないころでありましたけれども、各党の政調、政審会長の方々とテレビで対談を、討論をいたしましたとき、その場で調査をして、納税者番号制度に国民がどのような反応を示されるか、数字で示されたときがございました。非常に多くの方々が納税者番号というものに対して否定的な見解をお示しになりました。これは事実として数字がそのとき示したものであります。 そうなりますと、やはり国民の御理解をいただき、合意形成の状況を見守りながら、これから先検討していく課題として納税者番号制度というものは位置するものである、私はそう思います。そして、そういう努力の上で将来をどうするということについては、また私はおのずから御論議はあろうと思いますけれども、原則が総合課税であるということとこの点については、ぜひ私から言わせていただきたいと思います。 あと法人税につきまして、具体的な粗特の数は主税局長から答弁をさせます。
○尾崎政府委員 企業関係の租税特別措置でございますが、平成二年度現在で八十二でございます。
○武藤(山)委員 個人を入れると全部で、租税特別措置の総項目で。
○尾崎政府委員 ちょっと法人税とお伺いしたものですから……。
○武藤(山)委員 いずれにいたしましても、法人税でもまだ随分、八十幾つ、個人所得などを入れますと、廃止を五つしてもふやすのを十したり、廃止後の年に十二ふえたり、だから恐らく百八十五は減っていないのだろうと思うのです。項目としては大体同じぐらいあるのですよ。やはり所得税の大減税をやり、法人税の大減税をやったのですから、こういう特典的なものは一回全部取っ払う、そういうことで垂直公平というものをきちっとやらないと、一方、消費税の細かいものにも全部三%税金をかけるのですから、国民感情というものを配慮しなければいけない。 先ほども与党の方々の質問の中に、租税というのは昔の年貢ですね。年貢が上がるのに拍手を送って賛成した住民は五千年の歴史を見てもない。中国の三国志を見ても、中国の革命の原因はほとんど年貢ですよ。近代国家のイギリスの名誉革命も、フランスにおける多くの革命の根源はみんな不公平な租税だ。アメリカの独立戦争もそうだ。税金ですよ。ですから、そう安易に数の力で決めさえすれば法律ができるという発想に立ってはいけない、税の場合は。 先ほど総理は、社会保障の法律もどういう法律も野党が賛成をしてくれたじゃないか、通過したじゃないかと。野党は今内閣の出した八十本から九十本の法律のうち、大部分は賛成で衆議院を上げているんですよ。国を治めるために、国家国民のためにと思って協力しているんですよ。そうでしょう。消費税だけはかたくなに、頑として反対をしている理由は、先ほど私が申し上げたような本当の国民の理解、意見、納得、そういうものの手だてをしなかったのです。 外国の、EC付加価値税の導入、そういうものを見ても、かなりの年数をかけてみんな議論しているのですよ。アメリカのレーガン大統領は、消費税を導入しようと思って七千ページに及ぶ報告書をつくって、結論は、国民の世論が赴くところでないというので実行をやめたのでしょう。それが民主政治なんです。それが民主政治なんだ。だから私は、そういう意味で、野党が提案した廃止法案の気持ちというものは、十分総理大臣は認識をしなければならないと思うのであります。 さてそこで、時間に限りがありますから次へどんどん進めますが、なぜ大幅見直しをするのですか。消費税の大幅見直しをする根拠、理由、それをちょっと聞かせてください。
○山崎委員長 橋本大蔵大臣。
○武藤(山)委員 これは総理、総理。総理答えているんだから、参議院で。参議院の議事録を今ここへ持ってきて、総理が答えているんだから。
○橋本国務大臣 わかりました。それでは早稲田対早稲田でお願いいたします。
○海部内閣総理大臣 最初にそれでは私からお答えいたしますが、先ほども申し上げましたように、昨年四月に行いました税制改革というものは、消費税を創設することだけではなくて、所得と資産と消費とにバランスのとれた体系を考えるとか、あるいは所得税、法人税を減税をしていくとか、いろいろな税制改革の一環として行いました。したがいまして、いいことである、御理解をいただけるものと信じて行ったものでありましたけれども、結果として、いろいろ国民の皆さんや国会内において野党の皆さんから御意見や、あるいは世論調査等もいろいろな御指摘を受けました。 私は、いいと思ってやったことであっても、国民の世論の指さす方向と違うことがあるとするなれば、一歩前進、二歩前進で、どこでどうすり寄っていくことができるのかというぎりぎりの接点を求めて、国民対話集会で御意見を直接聞いたりあるいは税制調査会で御意見を聞いたり、いろいろいたしてまいりました。そうして、そのときに世論調査で各界の皆さんが指摘された問題を全部検討の対象として、そして、我々がそれを改めるべきと思ったものは思い切って取り入れて見直し案を提案させていただいた次第でございます。 以上です。
○武藤(山)委員 それは消費税に欠陥があると思ったから、欠陥を補正しようというのが見直しですか。
○海部内閣総理大臣 ちょっと先生と視点が違いますので、私はいいと思ってやったことで、四月からいいと思ってやってきたんですが、それについていろいろな御意見がありましたから、民主政治は世論を尊重しなければなりませんし、私どもも謙虚にいろいろな御意見を聞きながら、今申し上げたように、御意見を全部聞いて、そしてぎりぎりの接点を求めて見直し案を作成をした、こういうことでありまして、あの消費税の制度そのものが欠陥だということには私は思っておりません。 あの制度そのものはOECD諸外国でも既に行われておるものでありまして、先進工業国の税制の中に定着をしておるものである、私はこう理解をさせていただいております。
○武藤(山)委員 総理は参議院で、久保亘さん、本岡さん、欠陥があるんじゃないかと随分追及されたけれども、最後まで欠陥は認めていないんですよね。 では、何で見直しをするのか。そうすると総理の意見は、国民感情という言葉と世論という言葉、この二つなんですね。そうすると、その国民感情は、結局納めた税金が全部国庫に入っていない、これはいかぬな、不当だな、片手落ちだな、不公平だなという国民の感情、それから、子供の百円のお菓子や出産費用までみんな取るのは、こんなのは随分酷だな、苛斂誅求だな、そういう国民の世論。それより根本に、参議院選挙が終わった直後当時の世論というのは、廃止の方が圧倒的に多かったんじゃないですか。もし世論を尊重するとしたら、いつの時点の世論を尊重すべきだったのかという問題が出ますね、あの当時。今の時点の世論調査は見直しの方が多いのですよ、現時点は。 それを政府は、定着しつつある、定着しつつあると、こう言う理由に挙げているんでしょうけれども、しかし、あの当時を振り返ってみると、参議院選挙直後あたりの状況から十二月ごろまでの状況は、廃止の世論の方が圧倒的に多かったと私は思うのですよ、廃止の方が。本当の世論調査をしたら。二万人調査か一万人、アンケートでもとってやったら、それはもう廃止が圧倒的に強かったですね。そういう手続はとらないで、新聞報道によって見直し、見直しという方向づけをしたのでしょうけれども。 そこで、廃止をするとどういう不都合と、廃止をした――今廃止と言った場合に、野党が言っているのは十月一日から廃止と言う。しかし、もう時間がどんどんずれてきちゃうから、物理的に手続的に徴税的に十月一日にできると私は思いませんけれども、廃止という場合の言葉、いつから廃止するのか、話し合いが成立する期間を残しておいて廃止するのか、意味はいろいろあると思うのですね、言葉じゃ廃止とこう言っても。 そういうことをいろいろ考えてみると、総理として廃止という言葉に何としても乗れない。乗れない理由はいろいろあるんだろうと思うのですよ。後でだんだん質問していきたいのですが、とりあえずは、今欠陥があったから手直しするんだというのが我々野党の見方なんですよ。欠陥があるから手直しするんだ。正しいものだったら直すことないじゃないか。正しいでどんどん突っ走ったらいいんじゃないか。やはり直すというからには欠陥があるんですよね。もし欠陥という言葉が嫌なら、不備な点があるんですよね。どうなんですか。
○海部内閣総理大臣 これは、言葉の解釈論をするつもりは僕は毛頭ありませんけれども、消費税という制度は、ずっと諸外国の税も、先輩もよくお調べになっておると思うけれども、既に定着して行われておる税の制度であって、この消費税のあり方自体を欠陥だとは私はどうしても思えません。そして、四月から始まったあの税制においても、消費税を新たにつくることに賛成か反対かという聞き方だけをすれば、それは反対という世論が多かったことも一時期にあったことは率直に認めます。それから、税は高いがいいか安いがいいかと言ったら、安いがいいに決まっておるわけです。 けれども、これは私が選挙のときに率直に皆様にもお願いしたように、税の話は楽しい話じゃありませんけれども、みんなで社会共通の費用を負担して、支えていこうという仕組みの中の問題であります、だから、自民党が昨年の四月からやろうというので政府がお願いをした消費税というものは、税の制度としては世界に通用しておる、世界で行われておる消費税でありますけれども、しかし、国民世論を冷静に聞いてみると、いろいろな立場の御不安や御不満もある。 私は、対話集会に行って直接御意見を聞いたり、スーパーマーケットへ買い物に行っておいでになっている主婦の御意見も聞いたんですが、そのときに、今いみじくも武藤委員おっしゃったように、人間性の尊厳に触れる出産や最期の場面に消費税をかけるのはいかがなものかと思うという厳しい声も聞きましたし、家賃に消費税をかけるのも、こういった住宅事情厳しいときにどうなんだという、これこそまさに国民感情が指さした世論の方向であったと思いますし、また、各新聞の世論調査を見ておりましても、せめて食料品ぐらいはなるべくかけないようにするのが政治というものではないかという世論調査の結果等もあって、いろいろぎりぎり歩み寄った結果、小売段階では非課税、途中の段階は半分ということで、ぎりぎりの接点を求めて見直し案をつくったのは、これは欠陥があるから反省しましたというよりも、より一層定着をさせていただきたいと思って、ぎりぎりの反省に立っての努力をしておるんだ、世論の指さす方向に従いたいと思っておるんだというこの真意をどうぞお酌み取りをいただきたいと思います。
○武藤(山)委員 尾崎主税局長、私、今ここへ立って、尾崎さんといろいろ話し合ったことを実行できなかったのを大変残念に思っているんですよ。尾崎さんがまだ審議官で、主税局長を助けて消費税の原案の原案をつくるためにいろいろ飛び歩いて苦労していたころでございますが、私の部屋へ来ていろいろ話し合ったときに、尾崎さん、増税というのは、新たな税制をつくるということは、国民喜ぶ人はいないんだ、したがって、世論の示す方向というものをきちっとまず把握して、それを与野党の協議の材料にして取っかからないと、容易にこれはできるものじゃないよ、一万人のアンケート調査をすべきだ、こういう進言を尾崎さんにしたことがあるのであります。 その世論調査、日本の専門家や各層の人たち一万人抽出すれば、かなりの正しい集約ができるのじゃないか、私はこう思ったものですから、大蔵省、少々お金かかってもそれから出発すべきだ、そういう提言をしたことを今思い出すのであります。尾崎さんも、お金かかりますね、案はいいのですけれどもなかなか大変ですね、そう言って、かなり前向きに彼は考えて、結果がどうなったかという報告にその後参りまして、武藤さん、実は一万人は無理だけれども、千人抽出調査をした結果半々で、まあ消費税やっても大丈夫のような、大蔵省としては世論調査を一応やった、そんな話を彼がしたことあるのですよ。 もしあのときに一万人調査をきちっとやって、それで与野党のそれぞれ皆さんと相談をして、こういう点で、こういうことで消費税はどうしてもやらなければならないが、少し検討してくれ、そういうようなことがなぜもっと寛大に取り扱いができなかったのかなあと残念でたまらぬのであります、手続の問題として。 自治大臣、もうあなたに質問する時間がなくなりそうですから、結構です。他の用件、忙しいでしょう。申しわけない。申しわけないけれども、これは時間の配分があと一時間ちょっとしかありませんから、地方税までいけそうもありませんので。 尾崎さん、あの当時をちょっと振り返ってみて、消費税がこんな大ごとな、大騒ぎになるという予想をしていたのかどうか知りませんが、感懐はどうですか。
○尾崎政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします前に租特全体の数でございますが、百八十程度でございます。 今のお話を伺いながら、私も、ちょうど売上税が廃案になりまして、消費税の、当時まだ消費税という名前は決まっておりませんでしたが、新しい税についていろいろ議論が行われている時期でございました。委員のお部屋にお邪魔していろいろ御教示をいただいたわけでございますが、その中の一つに、ただいまお話しの一万人調査、世論をよく聞いてみたらどうだというサゼスチョンがございました。大変ありがたいサゼスチョンだと思って、承って帰ったことがございます。 ところが、ちょうど同じころに、年金の改正に当たりましてかつて有識者調査というものをやったことがある、同じようなことを税についてもやってみたらどうかという、これまた大変ありがたいサゼスチョンが別にございました。その当時、新しい税というものがどういうものになるのか全く模索の状況でございましたし、税制調査会も検討を始めた当初の段階でございましたので、有識者について御意見を伺ってみたらどうであろうかというように、その内部の検討でなっていったわけでございます。 結果といたしまして、千人の方を選びまして、各方面から、有識者の人々からアンケートをちょうだいいたしまして、その結果につきまして武藤委員のもとにお訪ねして御報告申し上げたこともよく覚えております。その調査は税制改革に関する有識者調査ということで、六十三年の三月二十日に発表をいたしております。総理府、内閣の方にお願いをいたしまして、その調査をしていただいたわけでございます。そういうことで、一万人のアンケート調査という形にはなりませんでした。いわゆる世論調査というようなものにはならなかったわけでございますが、私どもも有識者の方々の御意見を伺うということで、その後の議論の端緒を探るという努力をいたしたわけでございます。あのときの温かいサゼスチョンは私も今もよく覚えております。
○武藤(山)委員 先ほど大蔵大臣は、逆進性の問題について五分位のことをちょっと答弁していましたね。その問題についてちょっとお尋ねをいたしますが、間接税、消費税というのは、どうしたってそれは逆進性にならざるを得ませんよね、所得に応じて税を負担するのじゃないのですから。所得の大きい人ほど負担割合は少ない、所得の低い人ほど負担割合は重くなる、これを逆進性というのですから、これはもう所得の高い人は低い負担率ですから、この逆進性というのは、これはもう税の基本理論からいっても否定できない。問題は、その逆進性がどの程度縮まるか、あるいは軽微に済むかの程度の問題になるんですね。今回、政府の見直しでどの程度その逆進性が緩和されるのかという問題。 また、最初に答えてもらうのは、逆進性を緩和するために今回行った諸施策、これを列挙してもらって、その結果五分位の人たちが金額にして幾らぐらいずつまず軽減されるのか、その軽減率が妥当なものなのか、水準としてまだ少な過ぎるのか、もう少し逆進性を緩和しなければいけない数字なのか、その辺をちょっと説明してみてください。 〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
○橋本国務大臣 数字につきましては、むしろ主税局長の方から正確に答えてもらおうと思います。 ただ、今委員から御指摘がありましたように、私どもは逆進性を持つという性格、消費税の性格を否定をいたしたことは一度もありません。ただ同時に、これは委員にも御理解をよくいただいておるところでありますけれども、我が国の消費税率が三%であるのに比べて、諸外国の付加価値税率というものはおおむね一〇%を超えているということ、そして中低所得者にもお願いしている間接税負担の重さという意味では、明らかに差異があるということはお認めがいただけると思います。 そして、そういう中において、今回見直しを行いました結果として、先ほども触れました家計調査、勤労者標準世帯五分位階級で見ますと、第一分位で二五・七、第五分位で一四・九と、確かに低所得者層ほど大きくなっているということであります。ですから、課税対象支出は、見直しによりまして、第一分位におきましては六七・五%から四一・八%に大幅に低下をする一方で、第五分位になりますと、五〇・九%から三六%へ明らかにその低下の幅は縮まっております。また、第一分位と第五分位の差を見たとしても、現行の一六・六ポイントから見直しの結果五・八ポイントに縮小しているわけでありまして、これは、確実にその差は縮小しているということが申し上げられると思います。 こうした試算をしてみますと、見直しにより逆進性は大きく緩和されているということは数字の上でも明らかでありますが、金額という点でありますと数字を持っておりませんので、事務方から答弁をさせていただきます。
○尾崎政府委員 ただいまの大臣の御答弁でポイントはすべて尽きているわけでございますけれども、私ども見直しの効果を計算いたしますときに、家計調査の第一分位、第五分位につきまして、それぞれどういう支出が課税の対象に現在なっているのか、今度の見直しでどういう支出が課税対象から外れるかというような点を別個に計算してみたわけでございます。その結果がただいま大臣から御答弁ございましたように、第一分位という一番所得の低い層では二五・七%、これは収入に対しまして二五・七%に相当する消費が今度見直しによりまして課税対象から外れる。それに対しまして、一番所得の高い層である第五分位につきましては、収入に対しまして一四・九%に当たる額の消費が外れるということでございまして、それによりましていわゆる収入に対する逆進性が緩和されるという結果になっているわけでございます。 御承知のように、例のエンゲル係数ということがございまして、食料品に対する支出は所得の低い方の方が高い、それから消費の内容を見てまいりますと、家賃のようなものもやはり所得の低い方々の方が消費中に占める比率が高いわけでございまして、そのようなものを選んで非課税にいたしましたりあるいは軽減措置を講じておりますので、このような効果を生じているわけでございます。
○武藤(山)委員 大蔵省は実額を計算してないと言うから、ちょっと私の計算を申し上げてみますと、これは衆議院の大蔵調査室が今大蔵大臣が答弁したと同じ資料を我々議員にも配っているわけですが、これにも実額は出ていないのです。そこでこのパーセント割合に三%を掛けて計算を出してみますと、第一分位で年収三百四十三万円の家庭、この家庭で二万六千四百四十六円負担が一応軽くなる計算になる。第二分位の四百三十四万円の年収のところで二万九千四百二十五円、第三分位、五百二十三万円収入のところで三万二百八十二円、第四分位が六百二十六万円年収のところ、これで三万二千三百一円、第五分位が八百三十七万円収入のところで三万七千四百十四円一応負担が軽くなる計算になるわけであります。しかし、こうなるかどうかは実際はまた非課税にした小売物価が税金分安くならなければこうはなりませんけれどもね。確実に三%の税金分は小売価格に転嫁してないという前提の計算になりますけれどもね。一番人数の多い三百四十三万、四百三十四万あたりのところ、比較的低所得のところ、一年で二万六千四百四十六円ですから、月二千円ですね。軽減が月二千円程度。この程度のものが大幅な逆進性緩和ということに言えるのかどうか、この程度のことが。そこなんですよ。緩和になったことは確かなんです。先ほどのパーセンテージで、第一分位は二五・七%課税対象金額が落ちるという計算、そういうのは僕はいいと思うんですが、この程度の課税対象割合で逆進性はもう心配しなくもいいというほどの緩和率なのか、この辺が議論のところなんですね。これではまだ逆進性緩和には事足りない、そう私は思うのでありますが、どうでしょうか。これ、総理大臣、大蔵大臣。大蔵大臣ですか、答弁は。
○橋本国務大臣 これは数字の見方、率直に申し上げて見方のことでありますから、これで足れりとするのかしないのかというのには御議論があろうかと思います。ただ、委員がよくもう既に御承知のことでありますけれども、税制、特定の税目を挙げて論議をいたしますと、それぞれの税には特色、いいところもありますが、問題もあります。そしてそれが組み合わせられ、しかも社会保障等と組み合わせられて国民生活に届けられる段階において国民がどう受けとめていただけるかということが私は結論のポイントであろうと思います。我々としては今日最善を尽くした見直しの内容を国民にお示しをしているわけでありまして、これが実際の成果として国民の手に届けられることを強く期待する次第であります。
○武藤(山)委員 それから、今回の見直し案の中で家賃を非課税にする、この場合主税局、この家賃はすべての家賃なのか、一定の限度があるのか、幾ら以上の家賃なのか、制限はあるんですか。
○尾崎政府委員 家賃の内容であるいは金額で差を設けていることはございません。
○武藤(山)委員 今度のこの改正の中で家賃のことをちょっと聞いたら、公営住宅で三LDKですか、十万円を超えるものということを言われたんですが、これはそうすると説明、間違ってたのかなあ。野村第二課長は来ているかな。来ているな。僕の聞き違えかな。
○尾崎政府委員 一時使用のものを除きましてはすべての家賃が入りまして、その十万円というような金額による区分というのはございません。
○武藤(山)委員 それから飲食料品、これは口に入るものは全部免税と、チョコレートからおせんべいから子供の駄菓子、全部とにかくお口の中に入るものは全部免税と、こう理解していいんですね。飲む物も、まあお酒は別ですけれども、子供のドリンクやなんか、それからチョコレートからキャラメルからおせんべいから、すべて口に入るものは免税と見ていいんですね。
○尾崎政府委員 口に入るものという意味では薬品は含みません。飲食料品でございます。
○武藤(山)委員 薬品以外の食べ物。主税局長も意外とひょうきんなんだなあ。薬品はもう除いておるのはわかっておるよ、それは。いずれにしても食べ物は全部。テレビを見ている国民にわかってもらった方がいいから、ただ主食だけなんじゃないかとかいろんなあれが飛んでるもんですから、食べ物、お口に入る食べ物と飲み物、薬は除くと、こういうことですね。 そこで、きのうの自民党の諸君の野党に対する質問の中で、いろいろこう野党は指弾を受け、批判を受けた点もあるんですが、社会党は一体間接税について全然否定して反対、消費税というものは全然認めない、そういう感覚で追及してたんですよ。そんなことないんですよ。だって今度の消費税導入によって、既存の間接税、消費税で、廃止して消費税に切りかわったものは、主税局長、金額にして幾らありますか。今まで消費税、間接税、そういう形で取ってましたね。例えば砂糖消費税もこれは消費税という言葉を使ってたね。いろいろ、料理飲食等消費税、それ以外に間接税というものがたくさんあったのを、全部それを廃止して消費税に持ってきましたね。その持ってきた当時の、消費税に移行したときの収入総額というのは、この廃止した金額はどのくらいになりますか。
○尾崎政府委員 国税におきまして廃止それから減税によりまして二兆三千三百、それから地方税におきまして一兆九百九十四億円の減税になっておりまして、国税、地方税合わせまして三兆四千二百九十四億円でございます。 それから、おわびを申し上げます。薬のほかに実は酒税の対象になっております酒も外れておりました。失礼いたしました。
○武藤(山)委員 今主税局長の答弁のように、既存の間接税、消費税、それだけで三兆四千億円いただいていたのですね、おととしも。だから、社会党はそういう制度そのものを否定しているのでないということを自民党の諸君にちゃんと知ってもらいたいのです。今まではこういうものについて全部議論し、賛成してやってきたわけですから。だから、消費と名のつく税金は皆野党反対なのだというようなそんな認識では困るのだ。そのために今この数字を、三兆四千億円というものが従来間接税で取っていたのです。それを今度はやめて、消費税という名前に全部看板が変わったのです。だから絶対額は仮に六兆円ということになれば三兆五千億円が新たにサービスや流通や今まで落ちていたものに対する課税からの収入だ、大ざっぱに言えば。だから、新たな消費税としてふえる分というのは三兆五千億円ぐらいだなというのがこの表でわかるわけです。――いやいや最初の話をしておるのだ、これは去年の四月のときの段階の話を今しておるわけですよ、ことしのではないのです。 そういうことであったということを考えると、またここで一つ議論ができるのは、何で今までの制度をもう世界の趨勢に合わないからとかなんとかといってみんなこれ廃止してしまって、ごそっとまとめて六兆五千億円取ろうというようなことの発想になったのか。そうしないで、今まで欠落していたものを三兆円なら三兆円の税収が確保できるような方法の税目だって考えられたのですね、苦心すれば。それを一網打尽に段階的に網羅的に投網をかけるようにばんとやってしまったというところにも、かなり粗っぽいやり方だなという議論が出てきたわけなのです。そのために私は今この数字を出したのであります。 次に、今度の消費税の中の問題の一つは、構造的問題でありますけれども、免税点の三千万の問題や限界控除の問題、簡易課税制度五億円以下の売り上げの店のみなし仕入れの問題、こういう問題は、税を負担する消費者の立場になると余りにも事業者を優遇し過ぎ、配慮し過ぎるのではないかとやはり税を納める立場の消費者は思いますね。ですから、やはり納税は国民の義務だということが憲法に書いてあるのだから、やはり事業者は納税者になった場合にはそういう痛みを当然社会国家のために、よし進んでやってやろうという納税者になるのが私は当然好ましい態度だと思うのです。余りこれをあの手この手で特例を設けて考慮し過ぎることによる消費者からの反発というものが大変大きい。これを欠陥だと消費者は言うわけですね。総理大臣は欠陥と言わないけれども、これは制度的欠陥なのですよ。だけれども、まあ総理と大蔵大臣は欠陥というのはなかなか言わぬものだから、欠陥論争はやりませんけれども。 そこで、諸外国の例をちょっと見ますと、フランスの場合の免税点は千三百五十フラン、すなわち日本円にして去年の初めごろの円の相場でいくと三万二千四百円、免税点が三万二千四百円。ちょっとこれが、変動があってもこれは五万円以下だな、それが免税点です、フランス。ドイツの場合は、年間売上高が前暦年において二万マルク、百六十万円、日本円にして。今ちょっと上がって、まあ幾ら高くなっても百六十五万円ぐらいかな現在でも。かつ、当暦年において、今度は当暦年、前暦年じゃなくて、十万マルク以下と見込まれる者は免税、八百万円、当年の収入、新たにだから消費税を納める新事業者でしょうね。イギリスの場合は、年間売上高が二万一千三百ポンド、日本円にして約五百十一万円以下の者は免税。日本の三千万はこれと比較して限度が多過ぎると思うか適当と思うか、総理。
○橋本国務大臣 多少ずつ実は委員の述べられた数字と私の手元が違うのですが、恐らく年次が違うのだろうと思います。 ただ私は、先ほどどなたかに対する答弁でも、程度の差こそあれということを申し上げつつ、この免税点制度あるいは簡易課税制度というものは他国の制度にもあるということを申し上げました。そうしてこれに対して、なぜこうしたものを採用したかといいますならば、これはまさに中小事業者、零細の事業者に対する特例措置でありますが、この種の税というものになじみの薄い日本の現状というものを考え、公平性と簡素性という二つの要請の中のぎりぎりの判断としてこういう措置がとられたと私は承知をしております。 しかし同時に、今消費者を中心としてこれらについてさまざまな御意見が寄せられていることも事実であります。そうして、こうした制度というものがそのときどきの社会経済情勢と深くかかわりのある政策判断の問題でありますし、一昨年末の衆議院の本会議で議員修正によって追加をされました税制改革法十七条三項、すなわち納税者の事務負担、消費税の円滑かつ適正な転嫁の実現状況などを踏まえ見直すことが定められている。これにのっとりまして閣議としても既に申告納付の一巡する平成二年五月までその状況の把握に努める、そしてその後、この制度をどう見直すか、十分検討の上お示しをするということを方針として決めておるわけでありまして、現在集計を急いでいるところでございます。
○武藤(山)委員 もう大蔵大臣からそういう答弁があると思ったからそういう質問をしていないのです、私。世界の数字を、それはもう全部新聞に出ているから大丈夫です。 それからこの特例の方も、すなわち限界控除などの特例の方も諸外国に例はあります。ありますけれども金額がやはり皆低いですね。フランスの場合は年間売上額が一定額の物品販売とホテルですね、宿泊施設業、これは五十万フラン、千二百万円。その他は十五万フラン、三百六十万円が限界になっています。それからドイツの一例を見ても、年間売上高が十万マルク、八百万円以下の納税者は標準率課税を選択できる。それから年間売上高が二十五万マルク以下の納税者は現金主義による課税を選択できる。年間売上高が前暦年において二万マルク、百六十万円、かつ当暦年において六万マルク、四百八十万円以下の納税者は納税額の一部還付を受けることが認められているというような特例がある。イギリスにおいてもちょっぴりある。 ですから、特例制度があるということは共通の点として私は否定はいたしません。ただ、六千万円という金額がいかにも、こういうものと比較をしてみたときに――三千万は違う、あれは免税だ。これは免税じゃなくて特例の方、六千万以下の者だ。まあ金子さんは大蔵大臣のせがれだから税は詳しいと思うけれども。そういう点は私たちは消費者の立場から見るとやはりそう簡単に納得いかぬ、賛成できない、こういうことになるんじゃないかな。いずれにしても、そういう消費税の構造問題が一つやはり大きな問題である。 大蔵省は好意的なのかあるいは私の質問を前にしてか、けさの新聞でしたかね、日経でしたかね、大蔵省は「「払った消費税が国庫に入らない」と消費者から批判の出ている簡易課税制度や免税点など事業者に対する特例措置の見直しを始める考えだ。」見直しのポイントは「簡易課税制度のみなし仕入れ率を企業収益の実態に合わせ、サービス業を対象に七〇%の仕入れ率を追加する」だから七、八、九ということで追加するということがまず議論されているのかな。それから「簡易課税の適用対象事業者の基準を厳しくする」「免税点(現在三千万円)を引き下げる」などが見直しのポイントの有力な点だ、こういう報道がもうけさ出ていますね。 そこで大蔵大臣、七月にはわかるわけですね、大体消費税の一年間後のあれが。そうすると、急げば今回の見直し案と、簡易とこの見直し、新たな実態調査した結果の見直しとあわせて法案を出し直した方がいいのじゃないですか、ここまで来たら。それはもう来年四月からまた見直しをもう一回やるということならば、あわせてやった方がいいんじゃないでしょうかね。そんな気もしますが、どうですか。
○橋本国務大臣 私どもは、見直し法案を通過させていただけるのであれば、いかなる御協力でもいたしたい心境であります。 ただ、今委員七月と言われましたけれども、七月末までこの数字の解析にはかかると思います。そして、殊に簡易課税あるいは免税点の問題につきましては税調のフォローアップ小委員会に御報告をする、そして御審議をいただくといった手順を考えますと、実質的には私はやはりなお多少の時間をちょうだいすることになろうかと思います。
○武藤(山)委員 今自民党から声援をいただいたけれども、私、消費税の今の政府案に賛成しておるわけじゃないですよ、党の方針を私はきちっと守らなければならぬのですからね。それは、そういうことを私たちがやれという要求をしているわけじゃない。ただ、せっかく今見直し案を議論をさせているわけだから、すぐ近くにもう答えの出る見直し案がまた出るなら、そんな二重のことをやらずに一本にまとめた方が合理的でいいのではないかという私見を述べているのですね。そういうことも一つ問題がある、こう申し上げておきたいと思うのであります。 いずれにしても構造問題はかなり突っ込んで、これは納税者の立場を考慮しなければならぬ問題である、こういうことを申し上げておきたいのでありますが、いかがですか、大蔵大臣。
○橋本国務大臣 ですから、私たちは改革法の精神にのっとって検討した結果を御提示するということを既に閣議として決めているわけであります。この解析の結果どういう数字が出てまいるのか、私自身も注目しながら解析作業を見守っておるところであります。
○武藤(山)委員 次に問題点は、一律課税に問題がありますね。三%一律というのがやはり消費者から見て、従来物品税というのがあって、五百万円のミンクのコート、五千万円のダイヤモンド、そういう高い物には高い税金がかかっていたわけですね、奢侈品というものについては。それが今度全部三%、一億円のダイヤモンドの指輪も一千万円のネックレスもみんな三%、これはどうも消費者にはすとんと胸に落ちないですね。ですから、奢侈品については割り増し税率というものを外国は考えていますね。それから、生活必需品には軽減税率をかけていますね、あるいはゼロ税率という制度を設けていますね。日本の制度の欠陥の一つはこの一律税率制度、これは一律課税問題は大変な不評であり、不満である、こういうのが消費者の意見であろうと思います。 今ちなみに外国の例をちょっと見てみますと、ゼロ税率を採用しているイギリスで、ゼロ税率は国内旅客輸送、食料品、水道、新聞、雑誌、書籍、電力、燃料、医療品、これはイギリスはゼロ税率ですね。フランスの場合は軽減税率で、雑誌、書籍、国内旅客輸送、肥料、食料品、水道、新聞、これをフランスは軽減税率にしていますね。割り増し税率は、フランスは、宝石、カメラ、ラジオ、ステレオ、毛皮、乗用車、こういうものをフランスは割り増し税率にしている。これはかなり国民感情を配慮しての処置じゃなかろうかなと私は推察をいたしております。 海部総理は、欠陥はないが国民感情、世論で見直しをすると言うのですから、国民感情に、今私が申し上げているような構造問題、あるいは一律課税問題、これはみんな国民の不満なんですよ。そういう点から見ても、私は今の制度はどうもよろしくないな、こう思うのですよ。見直せと言うと怒られるかな。そういうことについて、大蔵大臣、どう考えますか。
○橋本国務大臣 今委員から幾つかの国を例に挙げて軽減税率あるいはゼロ税率、また割り増し税率についてお話がございました。私は今の委員の御指摘そのものを否定するつもりはありません。ただ同時に、私は改めてここで申し上げたいのは、例えばゼロ税率を採用しておりますイギリスの標準税率は幾らかといえば一五%であります。フランスの特例を言われましたが、これはフランスは標準税率そのものが一八・六%でありますし、雑誌、書籍、国内旅客輸送あるいは肥料、食料品、水といったものに対する軽減税率そのものが五・五%でありまして、我が国の三%よりはるかに高い水準なのであります。西独の場合も同じように一四%の標準税率に対し軽減税率は七%でありまして、それぞれが我が国の水準よりも高いということをまず申し上げなければなりません。 しかも、今そういう特殊な例示を挙げられましたようなものに対し、またフランスは確かに割り増し税率を二五%という高いものを取っておるわけでありますけれども、ヨーロッパの統一に向けての行動の中で、EC委員会等から例えば英国のゼロ税率等に対しても非常に厳しい注文が行っておる、むしろ単一税率に向かう方向にあるということは委員がよく御承知のとおりであります。
○武藤(山)委員 そういう答弁書をだれが書くのですか。大体、EC付加価値税と日本の今日の間接税を同列に議論すること自体がナンセンスなんです。税の体系が違うのだ。日本はアメリカ型の、所得中心の、直税中心のそういう税の体制でずっと来たのですよ、シャウプ勧告以来。間接税はどっちかというと補完的な税としてやったのだ。ヨーロッパは違うのだ、ヨーロッパは。もともと間接税中心で来たのですよ。これが基本から論争する場合は違うということ。 第二は、フランスやヨーロッパの企業の数と日本の法人の数とは比較にならない。日本は企業社会なんですよ。みんな法人なんですよ、個人から。したがって、法人税のウエートというものはヨーロッパと比較して比較にならない。その例は、もしそういう議論を大蔵大臣が吹っかけるなら、私は言いたくなかったのですけれども今のようなことを言われたら、私の言っていることが、ヨーロッパと比較して三%なんだからいいじゃないかということを追認したことになる。例えば法人税をごらんなさいよ。フランスの法人税は、「主要税構成の国際比較」というもので見てみますと五・二ですよ、五・二。西ドイツは五%。日本は二二・九%占めているんですよ、法人税が。ということは、日本の社会は非常に活性化していて、法人がたくさんあって、法人の利益も非常にいい、みんな稼いで非常な高額な所得を上げておる。だから税収も多いんです。ヨーロッパと比較にならぬのだ、これは。だから私は、直間比率なんて議論は全くナンセンスで意味がないと思うのですよ。本当の議論は、所得税、法人税、間接税という三つに日本の場合はバランスをとって考える社会なんですよ。社会構造が違うんですよ。だから、中小企業が二百万軒近くもある日本の社会とヨーロッパのEC型付加価値税の税率が高いこととの比較をすること自体がナンセンス、こう私は思うのです、税の出発の体系が違うんですから。 だからそういう意味で、今の大蔵大臣の答弁の内容については、反論をする気持ちでやったのでしょうけれども、私はそれはいただけない。私は、やはり法人税、消費税、所得税とそういう比較でいかなければいけない。というのは、ヨーロッパの税率はここに全部書いてあるのですから。フランスはEC型付加価値税は一八・六、西ドイツは一四、イギリスは一五、日本は三。確かにそれはECと比較したら非常に少ないのですよ、低いのですよ。そのことを私は言っているのじゃない。それは比較する場合には、日本の社会構造と今までの税の体系が、直接税中心のシャウプ勧告に基づく日本の税制体系で長いことずっとやってきたんだ、このことを無視して批判をされては本意じゃないね。
○橋本国務大臣 大変失礼でありますが、私は、武藤さんを批判しようなどと思ったわけではありません。ただ、単一税率というものを否定される御論議の中で、武藤委員が例えばヨーロッパでこういうふうな例があるということを例示をされましたので、私は数字を申し上げたわけであります。もしその数字を挙げたことがいかぬと言われるならおわびをいたしますけれども、私は、何も委員に論争を吹っかけておるものではありません。
○武藤(山)委員 いずれにしても消費税は年々とにかくふえていくのですね。これは税率をいじらなくても年々ふえてまいりますね、収入は。今ちょっと初年度と二年度を見ますと、初年度の事業者の国内付加価値額が二百四十九兆円、それが今度の二年度の方は二百七十二兆円。純輸出は前年と同じとなっていますね、十二兆円。純投資が二十六兆円が三十四兆円黒。そういう形で課税対象額が初年度は百九十八兆円、二年度は二百十三兆円、約一〇%ぐらいふえるのでしょうかね。主税局長、課税対象額が一〇%ぐらいずつふえていくということは、これからの税収というものの推移は、ごく近年三年間ぐらいをとるとどういう推移になりそうですか。
○尾崎政府委員 平成元年度が初年度でございまして、平成二年度と平成元年度の間には初年度の平年度化ということでちょっとぎくしゃくがございます、税収ということになりますと。しかし、今委員御指摘の課税対象額という点からいいますと、大体国民所得計算によります消費の伸び率に比例して伸びていくような税になるだろうというように思います。 委員よく御承知のとおり、今までの旧間接税体系におきましては、税収の中で間接税の伸び率というのは非常に低うございまして、だんだんだんだん間接税のウエートが下がっていったわけでございますけれども、新しい税体系のもとにおきましては、消費税を中心とする間接税収というのは大体消費の伸び率にバランスしていくという点で、これは御指摘のように日本の場合には非常に法人税の率が高いものでございますから、景気の影響を受けやすいという意味で財政構造にちょっと不安定性があるわけでございますけれども、消費というのは非常に安定しておりますから、財政体質の安定化という点でも貢献していくものというように考えております。 消費の伸び率がどのくらいになるか、私何とも申し上げかねるのでございますが、経済企画庁の方でどのようにごらんになっておりますか、ちょっと私の方からは申し上げかねます。
○武藤(山)委員 私の大ざっぱな計算では大体一〇%課税対象がふえていくな、この今の初年度と二年度を見ると。消費の伸びというのは大体七%ぐらいですか、企画庁の過去の数字を見ると。だけれども、今のこの課税対象額が初年度と今度のを比較すると一〇%ばかり伸びておるものだから、消費というのはかなりそういう面でふえていくのかな、そういう感じを受けたから。年々一○%ずつふえるとかなりの増収になっていきますからね。五、六千億、多いときは七千億ぐらいの自然増収みたいにふえていくことに相なると思うのであります。それらの点については、まだきちっと計算ができない、こういうわけですね。 それから次に、新聞によると、政府税制調査会の小倉会長が消費税の帳簿方式は堕落した消費税である、こう言ったのですね。だから、今の帳簿方式というのはどうも小倉さんに言わせると、堕落した税制というのはどういう意味を含めているのかわかりませんが、やはり本来あるべき姿でないということを言っているんだと思うのですね。この辺については大蔵大臣はどういう認識ですか。 〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
○橋本国務大臣 確かにヨーロッパ等を考えてみましても、大体の国々がインボイス方式を採用している、広く薄い間接税の場合にはそれが主体であるということは、私も承知をいたしております。ただ同時に、売上税の廃案という事態の中、その反省の中から消費税が組み立てられてきた経緯は委員よく御承知のとおりであります。いわゆる帳簿方式か伝票方式か、結局は多段階の間接税におきまして、仕入れ税額控除の基礎となります仕入れ税額の把握を何によって行うかということに尽きるわけでありますが、私どもといたしましては、消費税の創設に際し、事業者の事務負担、また売上税において税額表示方式をとりましたことに対する御批判などを踏まえて、また非課税取引の範囲が非常に限定的でありましたことも考慮して、帳簿方式を採用したわけであります。 小倉会長の御意見は御意見とさせていただきまして、今回の見直しに当たりましても、消費税に係る実際の事務処理におきまして帳簿方式が事業者の負担軽減に寄与している、また、帳簿方式のもとにおいて税務執行上特段問題が生じていないということから、帳簿方式につきましては特段の措置を講じてまいりませんでした。また、税制調査会のフォローアップ小委員会の中間報告におきまして、帳簿方式については「今後の消費税の定着とともに将来は税額別記の書類による方法にしていくことが望ましいが、売上税への批判にもあったように、この問題は、企業の売上げ・仕入れに係る伝票処理の実態や在庫管理等の経営管理の実態等、我が国の企業取引の実状に深く関連する問題であり、事業者の納税事務負担の程度等をも十分踏まえつつ慎重に判断する必要がある。」と指摘をされている状況でありまして、私どもとしては現時点において特段の見直し措置を講じておらないということであります。
○武藤(山)委員 現時点では見直しするあれはないと言うのですが、小倉さんも「将来は」と言っていますね。将来というのはいつのことか、三年か五年後か知らぬが。というのは、この一律三%という一律課税税率を、二のものもあり一・五のものもあり、いや、将来は一のものもつくるというようなことになり、あるいは五のもの、高額のもの、いわゆる奢侈品、そういうようなものをつくるという場合に、刻みが細かくなると帳簿方式では無理だ、やはり伝票方式で、インボイスつきできちっとやらぬとそれはだめだと、こういう点が一つある。しかし私は、それよりも、やはりインボイスをきちっとつけていくということはどういうメリットかというと、租税正義が実現できる、すなわち脱税がなくなる、脱税が捕捉される。だから、脱税ができなくなるという仕組みをきちっとすることはやはり国民の要請だと思うのですね。そういう意味からも、やはりこの帳簿方式から伝票方式へということが正論なんだろうな、この点では小倉会長の意見を私は一応支持する見解なんであります。 ですから、将来はそういうことも検討しなければならないなというニュアンスなのか、いや、もう日本は独自の案でこの一律三%で崩さずにだっと行くんだということになるのか。将来の話で、橋本さんはそのときは大蔵大臣じゃないかもしれないが、いろいろ省内で議論しているそういう状況の中から、どんな将来展望というものを持っていらっしゃるのですか。
○橋本国務大臣 これはまさに今委員が御指摘のとおり、私はいつ海部総理に首になるかわからぬわけでありますから、その先のことまで云々するわけにはまいりませんけれども、今回、この食料品の小売段階非課税というものが帳簿方式のままうまく機能するかどうかという議論等に関連して、今御指摘のような議論を私どももしたことは事実であります。しかし、今回において、少なくとも実務上特段の問題が生じないということで現行方式を維持したということでありまして、将来、今委員がお述べになりましたように、例えば軽減税率を課すものが他に波及をする、あるいはその他の改正が加えられる段階になりまして、それが帳簿方式によって実行できるものなのかどうかといった時点になりましたら、私は今御指摘のような視点からの議論も当然行われるであろう、そう思います。
○武藤(山)委員 今回の改正で福祉目的趣旨規定がございますが、国の使い分をどういう福祉の使い方をするのですか。これは法律条項でこう使えとか何もないのですが、ただこれは精神規定、趣旨規定で精神的なものですが、一応区分け、色分け、配分のときの配慮というのはどういうことになるのですか。
○橋本国務大臣 消費税が高齢化社会に備えるために導入されたということを踏まえまして、今回消費税の見直しにおきまして福祉関係の方々の御意見も私自身も伺わせていただきましたが、そうしたことを念頭に置きながら、平成二年度以降消費税の収入のうちの国分につきまして、「毎年度、社会福祉、社会保障その他の国民福祉のための経費に優先して充てるものとする。」という趣旨規定を定めることにいたしました。これは消費税の使途に対する国の姿勢というものを明確化するという意味を持つものであると私は考えております。そして、委員の御指摘は、ではということになりますが、社会福祉あるいは社会保障などの国民福祉のための経費にこれは優先的に充当していきたい、そう考えておるわけであります。
○武藤(山)委員 その言葉じりをどうもつかまえるようで恐縮なんですが、消費税は本当に高齢化社会のために創設したのですか。所得税、法人税、相続税を大減税した穴埋めとして便法的にやったんじゃないのでしょうか。本当に高齢化社会に向かってこの制度でどういうことがきちっと、これ十何兆円も、あるいは両方合わせると年金、保険だけでも二十兆以上もお金がかかる中に、これをつくれば高齢化社会は心配ないんだという誤解を国民に与えると大変なことになるのですが、本当の本音の話はどうなんですか。消費税は高齢化社会に対応するためにつくったのですか。だとなると、何ぽでもこれは税率を上げていかなければ追いつかないよという議論にまたなってくるのですよ。この不安はどうするかというまた問題が出てくるのですね。 ですから私は、所得税減税、法人税減税、相続税減税をやって穴があいた、この穴を埋めるためには、一番簡易で便利で取りやすい、投網をばっとかける税制の方が便利だ、こういうことでやったことだと思うのですよ、本心は。だけれども、それじゃどうもこれ、これから定着、国民の合意を得るのにまずいな、にしきの御旗がないとまずいなというので福祉目的に使うという趣旨規定が出てきたんだと思うのですね。どうなんですか、本当に高齢化社会に対応するためにこの消費税の収入でどういう対応ができるのか、ちょっと示してみてください。
○橋本国務大臣 むしろこれは私よりも本来厚生大臣がお答えになる方が適切かもしれませんが、便宜私から申し上げさせていただきますならば、大きく社会保障と申します言葉で定義づけられる中には医療保障、所得保障、そして公的福祉サービスというものがあろうかと思います。そして、その公的福祉サービスと言われる中には衛生面等も当然加えられていくでありましょう。その場合に、所得保障あるいは医療保障の分野におきましては、健康の自己責任といったもの、また負担と給付の公平化といった視点から、基本においてはやはり保険料による組み立てというのが中心であり、国の負担というものはその底支えをなす形というものが今後とも存続していくであろうと私は思います。現に年金における国庫負担導入の実態等はその方向を示しておると考えております。 しかし、一方、先ほど主税局長と委員とのやりとりの中にありましたように、まさに我が国の税収体系というものが法人税によって中心を占められているために不安定な要因を持っている、その中において消費税という税の持つ性格は安定的なもの、そうしたやりとりがございました。そして、まさに我々が安定的に今後の福祉の中で必要とする財源、そして今後の十年間、特に我々が「高齢者保健福祉推進十か年戦略」等によって目標を明示し整備に取り組もうとしておるのがまさに公的福祉サービスの分野であります。これらの分野につきましても、その目標が高い、低いという御論議があることも承知をいたしておりますが、国としては少なくともこれだけの目標を設定し、取り組むという姿勢を示し、今日既にその計画のスタートを切っておるわけであります。消費税収というものはこうした分野に優先的に充てられていくべき性格を持つ税収とし、その安定的な性格を生かして今後のまさに国民の福祉向上の上に働いてくれるもの、そのように私は信じております。
○武藤(山)委員 この間の新聞、朝日新聞ですね。「これが「抜本見直し」なのか」という題で社説に出ていたのでありますが、私が今申し上げたようなことは大体出ているのですね。本気で今こう議論をした数々の項目別の問題点、五月の締め切りできちっと数字が出たら、それを分析してより根本的な改革をさらにまだやる、こういう決意は、総理大臣、変わらないのですか。今回の見直し案は、もう新聞の報道を見ても、恐らく参議院を通過しないだろう。よほどのことがここ一週間か十日の間に起こらないと参議院でこれは廃案だ、否決だ。そうなると、この見直し案が実行されないわけですから、そうなったときには今大蔵大臣が言っている数々の検討項目を、急いで急いで検討結果を出して、同時に一本の見直し案としてまとめる、こういう方向に進むと受けとめていいのでしょうか、総理大臣。どうでしょうか。
○海部内閣総理大臣 御議論を聞いておりまして、私、一点よく理解しにくいところがあるのですけれども、私どもの今出しております見直し案については、結果のことは神ならぬ身でありますから知る由もありませんが、これをぜひ実現したいと思って今一生懸命お願いしていることと、同時に、今御指摘の法案修正のときに中に入っておりました中小企業の事業者に関する問題の見直し案、それは一巡した段階できちっと見直しをしなければならぬということを大蔵大臣も再三答えております。 ですから、不幸にしてそのときまでに結果が出ておらぬとしても、この見直し案に示された見直しですから、税が一巡したときにはきちっと見直しをしていかなければならない、こういうことでありまして、一本にか二本にかということはちょっとここではわからないことでありますので、仮定を置いて物を言うことは差し控えるべきで、御理解をいただくように残された期間全力を尽くして努力を続けたいと思います。
○武藤(山)委員 総理、本当に、まじめに今そういう見通しなんですか。参議院はまだ通るという可能性もある、期待をしている、それは単なる願望と期待でなくて、参議院は情勢が変化して見直し案が可決される、そういう見通しを持てるのですか。
○海部内閣総理大臣 現行の税制が去年の四月からずっと続いておって、国民の皆さんのいろいろな御希望を聞いて、そしてその指さす方向にできる限り歩み寄った見直し案というものが出してあるわけで、そして現行制度が残るよりも見直し案が通った方が、私は先ほどから何回も申し上げますように、一歩前進、世論の指さす方向へ二歩接近ということになるわけでして、不満でしょうけれども、一〇〇%それでいいとはおっしゃれないでしょうけれども、しかし、今より少しでもよくなるではないか、ベストではないけれどもベターの方に向かって努力をしておるではないかということを何とかお認めをいただいて、何とかならないかなという極めて強い願望を持っておりますので、本気で私はこれはお願いをし続けていくのが政府の立場ではないだろうか、こう思っております。
○武藤(山)委員 そうすると総理、総理のその願望、期待を実現する方法、手だて、何があるでしょうか。党首会談を呼びかけて、総理が各党の党首に、本当に真心込めて誠心誠意総理の望まんとすることを訴えて、何とか打開の道が開けるという期待はありますか。開いたところでだめだからもうやらない、成り行き任せじゃこれは通らぬですよ。どうですか、それ。
○海部内閣総理大臣 衆議院の選挙後に党首会談を行いました。そのときにも気持ちは率直に申し上げましたけれども、今まさにここで御議論願っておりますこの場所が、衆議院においてはこの税制改革に関する一番権威のあるそして唯一の議論の場だ、こう心得ておりますので、各党を代表して御出席の委員の皆さん方の御意見や、また各党がお出しになっておる廃止法案に対する自民党の質問もいろいろそれぞれの党の立場で厳しく御議論を願っておるわけでありますから、私は、ここの場の、きょうのこのやりとりなんかを通じて少しでも御理解の度が深まっていくことが大切で、深まったけれども党首会談をやればよろしいということになれば、私は喜んで党首会談をお願いして、そこで誠心誠意またお話をしてみよう、こう思います。
○武藤(山)委員 今の新聞、テレビ、マスコミの状況を見て、政府がとるべき道はどんな方法があるかな、選択肢は幾つあるかなと考えたことありますか。私は、一つは野党の言い分を聞いて、いつからということは別としても廃止をいたします、これが一つあるね、野党が廃止法案を出しているんだから。二つ目は、臨時国会で、納税結果を踏まえた新しい見直し、大幅見直しを含めて政府は対処するから、税制協議の機関をつくって野党、与党でひとつ新しい見地から協議してくれ、これが一つですね。それから、今の見直し案をさらに徹底して、廃止じゃないが廃止により近い方向でどうだろう、この案でどうだろうかという中身を示して話し合ってみる。 三つぐらいしか私は選択肢がないような気がするんだけれども、総理大臣としてはどれを選ぶかと言われると、いや私は、もう最善のものを出したんだから、これを通してもらうことが一番ベターです、それ以外ありませんじゃ、もう棒をのんだような姿勢になってしまうのですね。ここのところで何かちょっと仕掛けをしたらあなたの期待のような方向に行くのか。それともこれは、野党案も廃案、見直し案も廃案、そして今の三%の現状がそのままずっと行く。大蔵省は痛くもかゆくもないよね、税収はそのまま入るんだから。これは極度に高い政治問題なんですね。ですから、これはもう総理大臣が決断する以外にこの選択肢のどれを選ぶかということはだれもできない仕事なんですね。最高の地位にある、日本を総理するあなたしかこれの選択はできないんだね。それが大政治家の孤独のところなんですね、総理の。さて、どれを選びましょうか、総理の見解を聞きたい。
○海部内閣総理大臣 じゅんじゅんと言われますと、私もつい引き込まれる方でありますけれども、そうばかりもまいりません。選択肢としていろいろお示しいただきました。もし仮に――これはしかし野党の皆さんの考え方とか行動というものが日々の新聞やテレビの報道にはあらわれておるんじゃないでしょうか。何かもとがあるから報道があるわけでありますから、野党の皆さんがそういう選択をされるのかどうか。その点について私は、廃止とおっしゃる野党の皆さんの廃止法案だけを通して廃止してしまうということになれば、一体税制全体が逆戻りすることになるのか、あるいはまた、そこであく財源不足、簡単に言うと穴埋めの方法というのは、具体的にこの前お示しになった個別間接税のあれに戻っていくのでしょうか。ということになると、どうしてもそこで意見が違うわけでありますから、そういう方法をとりたくないと思っておりますから、廃止ということについてはまず選択肢からどうしても消さざるを得ません。 そして、今行われておる去年の四月から始まった消費税についても、これも何回も言うようで申しわけありませんが、私たちはいいと思って、それは減税もあわせて行った。所得と資産と消費との間にバランスのある税も考えた。いいと思ってやったのですが、いろいろな国民の皆さんの世論や各党の皆さんの御意見等も踏まえて見直し案を一生懸命に用意して、政府としてはぎりぎりの最善と思う案をお出ししておるわけであります。それは全然だめで、廃止しかどうしてもだめだ、こう言われますと、これはどこまで行っても平行線であって、今武藤委員が御心配していただいたような状況にもなるわけですので、そこで私は先ほど申し上げたように、それは一歩前進、ベストよりもベターということにはならないでしょうか、きょうは私、質問者ではありませんからいけませんが、立場が逆だったらそう言って武藤委員にお聞きしたいのですよ。 今のまま残るがいいか、思い切ってやった見直し案を一歩でも半歩でも、不十分だという評価はいただきますけれども、少なくとも今よりは少しは前進したという評価はいただけないんでしょうかということで誠心誠意お願いをしたい。そこまで来たならば、もうちょっとこれをしたらどうだという前向きの御意見が出されれば、私は、それは自由民主党にどうぞ率直にお話し合いをしてください、議会政治というものはそういうもので、行政府はできる限りの見直し案を出しておるのです、こう言えると思うのですよ。与野党のお話し合いの結果については、これは何度も言うように国の最高の唯一の立法機関でありますから、その適正な御結論は尊重しなければならぬということは、これはきちっと私は心得ておるつもりでございます。
○武藤(山)委員 消費税の問題は、野党は廃止、政府は見直しで、幾らこれは論戦をしても平行線で、残念ながら足して二で割って答えを出すことはできない、これは数学でも答えが出せない大変な事態で、そういうことでありますから、これは高度の政治判断で党の三役が決定をする以外にないと思うのでありますが、このまま行くといずれにしても最悪の三%がそのまま行っちゃって、喜ぶのは大蔵省の税収増だけで、これは一体どういうことになっちゃうのかなということで心配は心配ですね。 もう一点、今土地課税の問題、資産課税の問題で、建設省は建設省、国土庁は国土庁、大蔵省は大蔵省でそれぞれいろいろ議論をいたしている最中のようであります。特別土地保有税の拡大と強化あるいは宅地並み課税の都市化の問題、農地相続税免税制度の改廃をめぐる問題、譲渡益課税の強化の問題、新型土地保有税の問題あるいは土地保有税という名称の問題、土地に絡む税制を本気で考えようという空気になってきたことは間違いありません。 そこで、大蔵大臣と総理大臣にお尋ねしたいのは、もう時間が五分しかありませんから個別に質問できません、大ざっぱな質問でありますが、住宅地をもっとふやしたいあるいは公共用地をもっと取得したいという場合の税法は、今の税金を重課したんじゃ私は土地は出てこないと思うのですよ。土地を吐き出してもらうような税制というのはやはり時限立法にして、五年先になったらこういう高い税金になりますよ、五年以前に吐き出し、あるいは公共団体に売ったり、住宅地やあるいは住宅公団に売った場合には税金はこのようになります、五年後からはこう高くなります、そういう税制でない限りなかなか土地を売り出そうという気持ちにならないのじゃないかと私は思うのですね。いろいろ保有税、税金ぶっかけたり、遊休地に高い税金をかけるのは、格差の解消、公平の実現という意味ではそれは重課は意味があるでしょう。しかし、土地を吐き出させて用地をふやそうという発想というのは、税制でもし考える場合は、先に設定してその期間に吐き出せば税が安く済む、五年後は高くなるぞ、そういう税制の方が効果があるような気が私はするのです。やる、やらないより物の考え方なんですよ。大蔵大臣の考え方はいかがですか、まず、土地を吐かせる方の問題から先に。
○橋本国務大臣 私は、正直を申しまして、国公有地の拡大という視点よりも、現在の土地政策の中における望ましい税のあり方、そういう視点でこの問題を考えてまいりました。しかし、今の委員の御提起は、逆に懲罰的重課を課せという意見が対極にある御意見でありますけれども、私は一つの御見識だと思います。そうして、本院における論議というものは、政府の税制調査会の小委員会にも反映することでありますから、私は、一つの参考として恐らく税調の方々は関心を持たれるのではなかろうか、率直にそういう印象を持ちました。
○武藤(山)委員 最後に、あと三分でありますが、テレビの放映を見ておりますと、この間国土庁が土地保有税、私の言う土地増価税あるいは土地再評価税に似たような、資産に対して簿価と現実価格が余りにも乖離した、したがって法人に対する、五億か六億以上の価額を持っているものですね、個人の土地は含まれません、大体五億から六億、それ以上の土地を持っているそういう企業の含み益に対して課税すべきだ、これは国土庁案なんですね。その金は全部住宅建設や下水道やそういう生活関連の投資に使えるような税金、目的税にしていったらどうかという、私もそれは一案だなと思うのであります。 今ちょっと例を申しますと、土地の含み益がいかに膨大なものであるかの一、二例ですが、これは東洋経済に出た数字ですが、ある企業では簿価が二億円、それが現実価格三千三百二十六億円。いわゆる旧軍隊の飛行場や何かを払い下げて、それで工場にしてある、現在も簿価のまま、二億円の土地が三千三百二十六億円。それから、もう一つの企業は、四億円の簿価が五千六百九十一億円。 こういう状況にあるということを考えると、やはりこの相続税のかからない法人、特に大法人のこういう土地の評価については、方法はいろいろあると思うのですよ、自発的に自由に簿価を直していかせる、期間を決めてやらせるとか、税金を取るのが目的でなくて、税金はごくごくわずかだが、こういう不公平をなくして資産内容というものをきちっと現実に合うようにさせるとか、あるいは一%ぐらいの税金をその再評価額にぶっかけるとか、中身のことはきょうは議論しませんが、こういう乖離がある、簿価と現実価格の乖離があるということについて一言所感を聞いて、ちょうど四時でありますから質問を終わります。
○橋本国務大臣 率直に申しまして、今御指摘になりましたような見解、視点というものは、私どももこのごろしばしば耳にいたします。 ただ、問題は、そうした土地を今後どう活用していくのかということから考えなければならない点が余りにも大きいということでありまして、私どもは今後さまざまな角度から検討してまいりますけれども、その土地が全部住宅、住宅、住宅という――いや、一部にある発想は、我々としては、一極集中排除という視点からなかなか同意のできない部分もございます。
○武藤(山)委員 どうもありがとうございました。
○山崎委員長 これにて武藤君の質疑は終了いたしました。 次に、渡部一郎君。
○渡部(一)委員 私は、今の武藤先生の質疑と少し重複するところが多いものですから、一部はしょって申し上げたいと存じます。 まず、税それ自体につきまして、今回、消費税を創設され、またその見直し案を提示されている政府の御苦労を見ておりますと、先ほど、税とは苦しみであるというような哲学的なお話もございましたし、苦心惨たんしておられる御様子がありありと出てくるわけでございますが、税の定義から言うのもきざなのではございますけれども、国税庁長官を既になさいました泉さんという方がそれをまとめて、租税は、国家、公共団体が財政権により、一般経費を支弁する目的で直接的な対価なしに強制的に一般国民から徴収するものである、こういう定義を下されたのを拝見いたしまして、まあよくまとめたものだと私は思っておるわけであります。 この消費税に当たりまして、一体税の本質をどういうふうに考えておられるか、まず、その基礎的なところを大蔵大臣に承りたいと存じます。
○橋本国務大臣 大変お答えのしづらい難しいお話をいただきましたが、公平、中立、簡素という原則が税における原則として常に述べられるところであります。税が強制的負担であるということは否定できませんが、近代国家における税というものが国民を代表する議会の意思によって定められるという中において、当然この公平、中立、簡素という原則は大切なものでありましょう。 その場合、先般の税制改革というものも、租税は国民が社会共通の費用を広く公平に分かち合っていただくという基本認識のもとに、国民が公平感を持って納税をしていただけるような税体系の構築を目指して行われた、そう私は考えております。
○渡部(一)委員 公平、中立、簡素ということはよくもおっしゃったと思うわけでございますが、私の方が拝見しておりますと、これは何かひどい不美人に厚化粧をしたような感じでございまして、この見直し案は公平でもなければ中立でもなければ簡素でもない、言ってみれば、複雑怪奇、一方的、不公平というのがふさわしいと思うのであります。それはおいおいと議論さしていただきますけれども、少なくともこの見直し案をするに当たりまして、私は、手続と内容と二つの議論に分けなければならないと思う。それは、税を新設する場合にあるいは税の改正を行う場合に、手続と内容というこの二つをよく心がけて行わないと、後に甚だ大きな問題が起こるのではないか。 この手続上のエラーを私はまず指摘いたしますと、党員と国民の反対するような大型間接税は絶対いたしませんと中曽根総理は以前に申されたことがございました。そのうそから始まってしまった。これはもう手続上の大きなエラーでございますね。それは私は余りよくないことではなかったかと思うわけであります。これを反省しておられるのかどうなのか、その辺からまず伺いたい。
○橋本国務大臣 私ども、今委員が御指摘になりましたような中から、売上税の廃案という事態に議長見解というものが示され、その議長見解に基づいて今日の消費税というものを組み立ててまいりました。そうした過程におきまして、委員が御指摘になりました中には我々としてそのとおり受けとめなければならない点があることは承知をいたしております。
○渡部(一)委員 さすがの御答弁だと思って敬意を表しますが、総理にもう一つ伺うのですが、総理も怪しいことをなさったわけでございます。 ここで消費税法案の可決のときに、総理はそこのところへお座りになりまして、強行採決をみずから手を振って指揮をなさいましたね。その印象が私は強烈なため、あれを思い出すたびに不愉快な不愉快な、裏切られた感じがして仕方がないのであります。しかも総理は、この前の参議院選挙の前に、消費税にはいろいろあるものですから、国民の世論に同調されて大幅な見直しと言われました。これがまたそっくりなんですね、中曽根さんの言いようと。大幅な見直しというこの印象の中で物事を進めるというのは、そういう調子で国民に対して大幅な見直しをするぞと言わぬばかりの印象を与えてから物事を進めるというのは私はいかがなものか。この現在の見直し案を私は拝見しておりますと、大幅でも何でもなくて極めて小幅なものだと思うのです。その大幅な見直しという自由民主党が与えてきたこれまでの印象、それに対して今回の見直し案はどの程度のものだと理解しておられるか、それを御自分の口から私は承りたい、総理。
○海部内閣総理大臣 前半のことにつきましては、私が当時委員会の筆頭理事もしておりました関係で、騒然たる中で採決をしなければならなかったということを大変遺憾に思っておりますし、同時にまた、あのとき、手を振ってとおっしゃいましたが、手は決して振りませんでしたが、皆さんが騒然となさったけれども、民主主義のルールで、あれは随分長い間委員会で御議論願ったわけであります。ですから、あるところでは決をとらなきゃならぬというので、委員長の指示を受けて私が議事を取り締まらしていただいた、そのことについては私は率直にこの前からおわびもしたところでございますが、騒然たる中でやったことについて極めて遺憾だと思っております。ただ、その後の本会議のときは、野党の、特に渡部委員の党にも御支持をいただき、修正案を出していただき、本会議のときには強行じゃなく粛々と採決をさせていただくことができたことも、非常に感謝になっておる思い出の一つでございます。 また、その後の選挙のときに大幅な見直しを約束したとおっしゃいましたが、私はいいと思ってやっておりますから、いいと思ってやっておってもいろいろな面で国民世論に従わなきゃならないので、これは思い切って見直しをいたしますと言いました。それは、私自身が自民党の総裁選挙に立候補したときの公約にも、それから最初の記者会見のときの公約にも、私の最初の国会での所信表明演説のときも、思い切って見直しをいたしますということをお約束をしてきたわけでした。幅のことでいろいろ言ったつもりはありません。いいと思ったことでありますが、国民の指さす方向に従って思い切って見直しをいたします、こう言ってまいってきたわけでございます。御理解ください。
○渡部(一)委員 大変言いにくい言い方に対して御丁寧なお話しようで、礼儀正しさには深く感謝しているのでございますが、中身に対しては甚だうなずけないところが私は大変多くあるわけではございます。 先日、社会党の久保亘議員が、間接税は大衆課税であり、大衆収奪であるとの、教科書を引いて議論をされておられました。私は、戦費調達に使われたという間接税の歴史的な経過を考えますと、こういう言い回しが各所にあることは仕方がないと思います。しかしながら、第二次大戦後所得税の累進構造によります所得の配分というものが進んでまいりまして、社会保険や社会保障の前進も進んでまいりまして、税に対して支出の面で補完するというような考え方がますます増してくる時代でございますので、必ずしも税負担の公平というものは単独にこれを評価するということは言いがたい状況になってきたことも事実だと思います。ですから、私は、これですぐさま単独に完全に消費税においてこの公平を求めていくというような短兵急な言い方はしなくてもいいのではないかと思っております。その点では私は政府のお立場に理解をしている一人であります。しかも、ヨーロッパにおきましては社民政権や社会党政権が主としてこの大型間接税をあるいは付加価値税を推進してこられて、それが定着しているという歴史的経過についてもある程度は承知をいたしている一人であります。 ですが、この相互補完をすべきものと考えられている支出の面、特に福祉の面について私は甚だ不満があるわけであります。それはどうしてかと申しますと、現在、政府がこの見直しの中で国税に関しては福祉にあてがうぞと一方でおっしゃいました。そしてそれは書かれておりますし、それと同時に、福祉に対して大変先ほどからたくさんいろいろするかのごとく御説明をされました。特に、大蔵大臣は厚生省の領域につきましては見識のある方ですから手にとるように御存じの御様子で、非常に巧みに御説明を続けられておられまして、大臣までわざわざお呼びになったようでございますから、これからしっかり答弁していただきますけれども……。 例えば、政府の言う高齢者保健福祉十カ年戦略などというものは戦略などという名に値しないほど幼稚なものであり、金額的にもわずかなものである。今後福祉計画を本格的に進めるとすれば、大量な金額が要るのは当たり前である。その大きな負担というものをどこまで計算しておるのかが全くわからない。例えば、ホームヘルパーやデイサービスやデイケアの人々の数などを麗々しく書いてあるけれども、そんなことでこれからの福祉介護政策が完成するとは思われない。また、国民負担率をどこまで持っていくかについても十分な討議をしていかなければならないのにそれもない。要するに、支出の方でどれぐらいの福祉をカバーするかが何にもなくて、この消費税の話、見直しの話がぽっと出てくる。そして、消費税のところには麗々しく福祉に充てるぞ、福祉目的税ではないけれども福祉に充てるぞと書いてある。 そうすると、どういうふうにこれを読み取ればいいかというと、一番好意的に見れば、恐らく今後この消費税においてそういうお年寄りもふえることだから全部幸せにできるのだな、こういうふうに単純に理解することが一つはできるわけですね。しかし、それは金額的にめちゃくちゃな金額の差ですね。少なくとも五兆、六兆のレベルの消費税において、しかも減税にほとんど使ってしまって、そして福祉の方の財源とはほとんどなり得ないような金額であって、そしてこれから毎年毎年急上昇するであろう福祉の金額に対応できるわけがない。特に、福祉の金額は今年は十一兆でしょう。その十一兆に対して五兆とか六兆なんという金額は少な過ぎるわけですね。福祉目的税なら完全に足らぬと言えるけれども、福祉に充てるとだけしか書いてないのだから足らぬとは言えませんけれども、福祉が上昇するときに他に手がないのだとすれば、どうしても私どもにとっては、消費税のパーセンテージをさわって将来一五%レベルまで引き上げるのは当たり前だとしか見えない。ところが、そのパーセンテージはさわらないと時々御説明になる。 一体政府の福祉政策はこれから将来を見通してないのか。もうそろそろ政権交代があるので考えなくていいのだとお考えになっているのなら別だけれども、まさかそんないいかげんな数字を引いておられるはずもない。そうすると、一体ここは何を意味しているかが全く不明である。福祉日本をつくるのかつくらないのか、福祉日本をつくらないなら消費税でこれで三%でも数字が合うかもしれないけれども、これは福祉の方をちゃんとやるのでというのだったら、財政的な大赤字が出るのはもう目に見えている。その大きな数字が欠落している。もうどんどん言ってしまいますけれども、答えを待っているとややこしいので。国民負担率の方から見れば、もう数字も何もあったものではない。単なる予想屋の範囲の数字しか書いてない。これは現代の日本政府がやるような数字とは思われないですね。計画がない。国民に不安を与えるだけ。私は、その意味で甚だ心もとないのですね。 ついでにもう一つ、厚生大臣も来ておられるから言わせていただきますが、厚生大臣は医療の関係者としてそちらの方面も通達された上、精密な議論をなさるので著名な方とは承っておりますけれども、この間スウェーデンのことをばかに評価しておられた。スウェーデンの福祉はバラ色のものだ、確かにバラ色のモデルだという調子でお話しになっていた。しかし、町の中にはスウェーデンの例はたそがれの反面教師というあだ名があるそうで、財政赤字の見本だとか、国民負担率が一九八七年で実に七七%、日本は同年度において三八・四%、こういう数字さえ挙がっている中で、国民負担率を考えないでスウェーデンがいいなどと単純に言うわけにはいかないでしょう。 私が見ているのは、だから財政という面で税金だけ、入る方だけ考えるのではだめなんであって、入る方も出る方も、国民の負担も国民の受益も一緒くたにして考え直して提出しなかったら論議することができないじゃありませんか。高いのかもわからない、安いのかもわからない、取り過ぎなのかもわからない、取らなき過ぎなのかもわからない。わからないのです。したがって、全く私は、今回の質問に当たって唖然としたことは、単なるお金の勘定だけをしていて、帳じりだけ合わせればいいというようなやり方で、こういうのは見直しの名前にも当たらないのではないか、もっと基本計画を明示すべきではないか。先日の施政方針演説を拝見したときも、そういうある程度の問題意識を持って拝見してみたけれども、それらしいものはないし、私どもは、抽象的な美辞麗句の背景に明快な数字による国民の方向、福祉日本の方向というものを明示していただきたい。それを明示する者が次の十年の日本の政治をリードする者になるのではなかろうかと思うわけです。しかるべき御答弁をしかるべき方からどうぞ。
○橋本国務大臣 しかるべきではなくてしかられるべきかもしれませんけれども、私は今委員が述べられましたお気持ちを理解しないとは言いません。しかし私は、随分見方としての違いがあるような感じがいたします。 そして同時に、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」がこうした形で高齢化社会に対応するベーシックな数字というものを拾い上げ、その目標を明示したということは、その数字が多いか少ないかとかそれで足りるか足りないかという御議論はありましょうけれども、こうした数字の提起自体が否定されるべきものだとは私は考えておりません。 そしてまた、その福祉目的税化をするのでなければそこら辺が明確ではないと言われる、この趣旨規定につきましても、私は本院でも何回か御答弁をした記憶がございますけれども、消費税というものを見直す過程において福祉目的税という議論が確かにございました。しかし、肝心の福祉の関係者の方々の中に、目的税化されることによってその税収の中に福祉の費用が抑え込まれてしまうのではないかという不安感、逆に歯どめなく膨らむのではないかという一般の不安感、双方があったことも事実であります。そういう中から、我々は趣旨を明らかにしつつ、固定した目的税という考え方は採用いたしませんでした。 さらに、その費用が足りる足りないという御議論になり、確かに平成二年度の予算におきまして十一兆を超える社会保障関係費を我々は予算として御審議をいただいたわけでありますけれども、これと消費税を直に結びつけて御論議をいただいたわけでありますが、これも私どもとしては委員と考え方を多少異にいたします。 社会保障関係費として大きく分けられます中には、よく御承知のとおりに、所得保障と医療保障と、そして公的福祉サービスという分野がありましょう。そして、その所得保障あるいは医療保障の世界においては、例えば健康の自己責任、さらには負担と給付の公平といった視点から、保険料を中心として運営されていくという考え方がございます。そして、基礎年金の中に三分の一の国庫負担が入っておるという状況も御承知のとおりであります。言いかえれば、消費税としてカバーをしていかなければならないのは、まさに生活衛生等を含めた公共福祉サービスの分野でありまして、こうした分野について私は目標を示し、そして消費税収の国分を優先してこうした分野に充当していくという考え方をとりますことが、どうも委員と意見を異にするのは本当に残念であります。
○渡部(一)委員 私は今の御答弁を聞けば聞くほど思うのですけれども、国民の不安を理解しておられないのではないかなと思うのですね。国民は何を今心配しているのか。これから十年間あるいは二十年間、将来の日本で生きるに当たって、本当に自分のうちに対する、自分の家庭に対する、あるいは一族に対する福祉が十分かどうかと心配しているのです。それに対して答えがない。今、基礎的な数字を挙げたというので十カ年戦略を高く評価されましたが、僕はあの数字を否定しているわけではない、基礎的な数字として。だけれども、見通しがない。そして、ますますお金が高くかかってくることだけはもうわかっておる。しかし、それについては政府はしゃべらない。そういうつまらない心配はせぬでよい。任せておけ、橋本に任せておけばすべて世の中はいいのだと言わんばかりに黙っておられる。 そこでどういうことが起こるかというと、この消費税の見直し案のところできっと何か細工をなさるのに違いないという確信が、ヨーロッパの税制をあんなに高く評価されている大蔵大臣だから、きっと同じようにパーセンテージを引き上げるなという不安感になって出てくるのは当たり前のことですね。だから私は、そういう問題についてもっと公開してお話しになることが妥当なのではないかなと。租税というのは、先ほども由しましたように、政府が一方的に価なしに取り立てるものであります。価なしに取り立てられる国民の方から言うならば、手続の初めがしくじった上に、将来取りそうだぞという予感のある税体系に対して不安感を持つのは当たり前の話であって、私は、どんなに議会政治の上でこれは数で押し切って採決したとしても、国民の不安は消えない。鋭い警戒心を持ち続けて消費税という三つの字を見ることでしょう。 ですから私は、国民の信頼を取り戻さなければいけない。取り戻すためには、手続上のエラーに対して謝るだけではなくて、この中身について疑われているポイントを話さなければならないと申し上げているわけであります。だから私は、今ここで国民負担率を何%にしろとか、今すぐ返事を求めるなんという単純なものでないことぐらいは私も理解しています。それから、福祉計画全般でどれぐらいの金額がかかるか、それについて今すぐ言えというふうな単純な問題でないことも理解していますから、その辺は十分組み立てた上で御説明をいただかなければならぬと私は思っているわけなんです。それはお願いなんです。 そこで、私はこの見直し案というものがどうも欠陥が多過ぎるなと、今度は中身に入れば入るほどまた思わざるを得ないのであります。というのは、消費税につきまして、政府のお話によりますと、先ほどからの御質疑の中で、第一分位から第五分位まで挙げて、生活が見直し案の方が楽になるぞというお話を示してくださいました。ところが、実際の体感的な、体で感じた消費税の調査というものはそんなものではないことを示しております。 例えば、私の手に持っておりますのは、「あしたの神戸をつくる会」の婦人たちが約一年間にわたって消費税支出で一体幾ら使ったかを家計簿で徹底的に調べてはじき出してくれたものです。この方々の消費税に対する区分が正確かどうかという点については私は保証するわけにはまいりませんけれども、百世帯の調査の中で回収率が七三%、よほど丁寧につけられたと見えまして、そのデータの中を拝見いたしますと、数字がいろいろ挙がっているのですが、かいつまんで申しますと、平成元年の四月一日から平成二年の三月三十一日までの一年間でどれぐらいの消費税の支出があったかというと、十一万九千四百六十七円なのであります。これはひどく多い金額であります。 中を拝見してみますと、出産にかかるもの、正月用品、大型家具、子供の入学金、それから塾の物すごい費用、こうしたものが特に大きく、突然時々大きく膨らんでいることを示しています。 私は、これらの数字を拝見しておりましてもう一つ思いますことは、月額にして大体九千九百五十六円であり、この方々の中で特に悲惨なのは、七十歳以上の世帯になるとこの消費税支出の分が急に減りまして、月に二千円レベルまで下がってくるのです。つまり、生活保護世帯あるいは保険年金世帯ということをこれは示しているわけであります。こういう状況から見ますと、先ほどの金額ではさっぱり減らないではないのかなと思うわけであります。 これはサンケイ新聞でございますが、静岡大学の安藤先生の御研究によりますと、見直し案で負担減は月に千百円となっておりまして、この千百円の負担減では、とてもではないけれども、そう大した差にはなりません。ただし、この方の調査によりますと、年収六百万円で家計に対する消費税の負担が年間五万六千五十七円に対しまして四万二千六百六十六円になるという調査でありますから、先ほどの数字とはちょっと違っております。 ところが、今度は実額の金額の方でまいりましょう。厚生年金の方を先ほどとっていただきました。そうしましたら、厚生年金のモデル年金のケースの場合は、夫婦年金で昭和六十三年度十八万五千百二十五円が、元年度十九万五千四百九十二円、平成二年度には十九万九千九百八十三円でございまして、前年から比べて四千四百九十一円のプラスであります。また、国民年金の方は、二十三年年金、夫婦の場合に、六十三年度九万七千七百三十四円が十万千四百十六円、平成二年度には十万三千七百五十円であります。この程度でございますと、この二十三年年金の場合は、前年度に比べてプラスが二千三百三十四円であります。 先ほどのこのデータで見るまでもない、これは大き目に出ておりますが、一月で大体九千円を超える出費があることをこれは示しております。それに対してこの国民年金、厚生年金の受給者が二千円あるいは四千円程度しか支給が増加していないということはどういうことかと申しますと、それ自体がマイナスになることを示しております。生活がマイナスになってしまう。 私は、その意味で、大阪大学の中谷厳教授がおっしゃっておりますように、数十年ぶりという財政改革をやったのだから、財政改革が二、三年おくれるのを覚悟しても、年金生活者、生活保護家庭、課税最低限に達しない人々に手当てをすべきだった、この方はそう述べておりますけれども、私は少なくともそういう配慮がなかったところに大きな不安が家庭の弱い層のところを直撃しているということが言えるのではないか。見直しの中で一番すべきなのは、そういう弱い家庭に対する見直しがもっともっと行われてよかったのではないかと思いますが、これはお答えやすいでしょう。いかが思われますか。
○橋本国務大臣 これは、年金その他につきましては厚生大臣お見えですから、私は厚生大臣からお答えをいただきたいと思いますが、今御指摘になりました神戸の調査というもの、公明新聞によりまして私も数字等を拝見をいたしました。そして、私は、この数字そのものはそれなりに正確な家計簿から選び出された数字であろうと思います。 ただ、同時に、その場合に、今回消費税の導入と一体的に行われました物品税等個別間接税の改廃の結果の減というものは、一体この家計簿調査の中でどう把握をされているんだろう、私はそういう数字の上での疑問を持ちました。 また、同時に、所得税及び住民税の減税分がその家計簿の上にどう評価をされているのかも、私としては、数字のことでありますから、知りたいなと率直に思ったところであります。
○津島国務大臣 渡部委員はすべて御理解の上で御質問いただいていると思いますが、要するにある税制の改正等年次的な物価に対して影響を与える要因が庶民にどういう影響を与えたかということを判断する材料は、やはり消費者物価でございます。それで、年金とかでどういうことをしたかという点は、私から事細かに申し上げる必要もないと思います。渡部委員御承知のとおり、例えば先ほどの厚生年金にしても国民年金にいたしましても、自動物価スライド二・三%をいたしておりますし、また生活扶助基準につきましては、消費水準の変化を考慮いたしまして、三・一%本年は手直しをしておりますし、昨年は四・二%の上昇をしておるわけであります。そのほか、六十三年度の補正予算で臨時福祉給付金等をお支払いするということで、トータルとしては、税制改正による影響は一つ一つ私どもは手当てをしてきた。この辺の事情は渡部委員は十分御理解の上述べておられるんだと思うわけでございます。 今後ともそういうきめの細かい対策を講じてまいりたいと思っております。
○渡部(一)委員 生活保護者の方でいきますと、標準三人世帯で、三十三歳の男と二十九歳の女性で四歳の子供のケースの場合、平成元年度で十三万六千四百四十四円、平成二年度で十四万六百七十四円、プラスされたところは三・一%、今仰せになりましたように四千二百三十円です。四千二百三十円というのは少な過ぎますよ、簡単に言ったら。これは物価という言葉の数字を扱う場合に気をつけなければならないのです。私も数字を扱ってきて生活をしておった時期がありますので思うのですが、生活の実際の金額、実質というものと合わせなければならない。四千二百円という、こういうプラス程度では物価の上昇の波に洗われてしまう。先ほどの消費税による上昇に洗われてしまって、半分も回復されていない。うんと買い物する場合だったらもっともっと低いものになってしまう。少なくとも九千円なのか、月々五千円なのか、議論としては違いますけれども、五千円だとしてもすごい低さになってしまう。ここのところを痛みを持って手当てをするようにしていただくことがいいのではないかなと私はあえて申し上げるわけであります、もう少し上げておけばよかったと今ごろ思っておられるでしょうけれども。 その次に私は、この消費税で次に奇妙だなと思いますのは、もう時間が余りございませんので、これもうんと固めて申し上げたいと存じます。 消費税の附則の三条の一項、工事の請負に関する免税措置と免除措置というのがあるのだそうでございますが、これは中央大学の富岡先生が指摘されているので私も気がついたのでございますが、大手の建設会社が六十三年十二月の二十九日以前に契約した事項につきましては、平成元年四月一日以後に完成した工事として納入されても消費税の課税対象にならない、それによって数千億円の消費税の免除措置が行われているという指摘でございました。この言い方では少しわかりませんので、実際的に聞いてみましたところ、何点かを発見いたしました。例えば私の見たところでは、一つは沖縄であります。契約は五年先まで行われておりまして、事実、契約がされているわけでございますから、これに基づいて免除措置が行われると当人たちは期待しているわけであります。 そうすると、一方では消費税の三%が執行されているのに、この大建設業者とそれを発注した人との間の契約は、この三%免除が何年も何年も続いていく形になっていくわけであります。こういうのは明らかに、日本じゅうの方々が消費税というものを課せられているときに、金額的にも巨額な金額でありますし、とてもうなずけない金額なのではないかなと思わざるを得ないのであります。これは脱税でも何でもない、消費税の法文の中に書かれているものであるから、これはもうどうしようもないわけですね。ただ、それが金額的に巨大なものだから目立っている。そして今、特に大手土建業界は三年や五年の発注残額を抱えているのは常識ですし、この消費税が執行される直前直後にこの免除措置がつくことがわかって一斉に注文をとったことも事実だし、その結果として巨額なこういう免除を受けているということは、一般的な生活感覚からいっていかがなものかなと思わざるを得ないのであります。 先ほど、免税点や簡易課税の問題につきまして同僚議員からもお話が何回も繰り返しございまして、まだ正確な数字がわからぬそうではございますけれども、四千八百億円という以前に政府がお述べになられた数字を援用して申しますならば、四千八百億円の課税の代金が政府に到着しない。そしてそれは、要するに事務経費その他で御迷惑をかけているからというので、そういう方々のところにそのお金が入ってしまう。国庫に納付されない。これなども異様な現象だと言わざるを得ないのであります。中小企業者や零細業者に対して補助あるいは交付金を与えるというような仕事は別の形ですべきであって、税金を取りなさい、納めなくていいよなどというやり方でやるべきではない。それはもうだれが見ても明らかなことなのに、こうしたことが何にも今回の見直しの中に出てこない。私は、これもまた異常現象の一つだと思うのであります。 また、先ほどからインボイス方式につきまして何回も何回もお話がございました。そのインボイス方式につきましても、税額票を世界じゅうでつくっているときに帳簿方式で日本側は頑張っていくというのは、かなりの冒険だと私は思わざるを得ません。といいますのは、税制あるいは財政の国際化という現象は、今や世界のとうとうたる流れでありますから、初めはよくても、特殊な税制、特殊な財政の組み方をしているということは、国際的に見ていかがなものかという状況になってくる。しかも、日本の企業が国際化し多極化し多国籍化している状況の中では、こうした状況の中で日本の税制だけは別ですといったって、別ですが通るかどうか、これは明らかな問題点ではなかろうかと思います。こうした点につきましても十分御配慮をいただかなければならない。 私は、時間がもういっぱいでございますのでこれで失礼いたしますけれども、見直し案をどう考えてもこれはいい税制だなと言うわけにいかない状況にある、これはもう引っ込め直してもう一回やり直していただけないかなと思う状況にあることを申し上げ、政府のこの問題に対する御高配をお願いしなければならぬと存じます。よろしくお願いいたします。
○橋本国務大臣 今委員から御指摘がありました消費税法附則三条一項、経過措置につきましてま――よろしいのですか。
○渡部(一)委員 今間違えていたんだ。いや、もう十分あるんだ。
○橋本国務大臣 いや、しゃべっていいんですか。
○渡部(一)委員 もう十分あるんだそうだ。
○橋本国務大臣 安心しました。 三条一項の経過措置につきましては、委員が御指摘のとおりであります。そして、事実問題として確かにそうした現象が一部あったという報告を私も受けました。ただ、これは建設業というものの持つ特性として、請負をいたしまして、そして契約をした時点から納入、引き渡しまでの間に相当な時間がかかる、そして請負契約というものの性格上、対価の額の改定が難しいということからこの規定が設けられたということでありまして、確かに委員が御指摘のように、これによって建設企業が相当長期にわたる、委員が言われるほど長いかどうか私わかりませんけれども、工事の手持ちを持ったという事実は否定のしようがありません。ただ、それは特定の事業者あるいは一定の事業者に対して優遇措置を設けるといったようなものでないことは御理解がいただけると思いますし、こうした経過措置が必要な理由というのも御理解がいただけると思うのであります。 また、先ほどインボイス方式と帳簿方式についての御議論がありましたが、私、先ほど他の委員にもお答えを申しましたけれども、売上税をインボイス方式で我々は提案をいたしました。そして、国民からこれに対して非常な御批判を受けました。その反省の上に立って消費税において帳簿方式を採用したわけでありますが、現実にこれで問題が生じておらないということから、この点についての見直しは我々は今回行っておらないわけでございます。 同時に、免税点制度あるいは簡易課税につきまして、申告・納付の終了いたしました五月以降、五月の末でこれは終わったわけでありまして、現在七月末を目途にこれを集計し整理、分析した上で、今後の検討の方向というものを御提示しようとして私どもは今努力をいたしておるところでありまして、こうした点については今後また御検討いただく場があろうかと思っております。
○渡部(一)委員 今質疑時間終了のあれをちょうだいしたのでやめかかりましたら、もう少々ございますので申し上げますが、次に税務署の人員について申し上げておきたいと思います。 なぜかと申しますと、国税当局の所有している税務署員が五万一千人だそうでございまして、それに対して地方に置かれている税務署の職員が八万おられるのだそうでございますが、この消費税の問題を扱う場合には非常に大量の職員が要ることは諸外国の例を見て明らかであります。したがって、ヨーロッパの場合には十万、二十万の職員をふやしたところもあるのだそうでございますが、我が国におきましては、この消費税の問題につきましては依然としてほとんど人数を変えないで強行しようとされている。したがって、現場におきましては消費税で適切な課税はできない。職員はもうふらふらの状況である。取られる方からいったらうれしいかというとそうでもない。つい税務当局の仕事というものが粗っぽくなっていく、その結果として極めて不公平な仕事ぶりになるか、手抜きの仕事になるか、あるいは一部だけ課税して一部を許すような妙な結果になるか、あるいは巨悪を逃がすようなことになるか、その結果ははかり知れない悪い影響が出てきつつあるわけであります。 税務職員をふやさない政府の姿を見ますと、私はこの消費税というものを廃案にされるおつもりが腹の中ではあるのではないかと思わざるを得ません。こうした問題につきましてはこの問題と絡めて言うことは余り適切ではございませんけれども、過重労働を課して公平にやれというようなやり方をすればするほど民主政治の基礎が覆ってしまう。税法上の不公平を今論じようとしておりますけれども、税務執行の不公平はもっと恐ろしいことになる可能性がある。そこをどうお考えなのか、途中ですが、ひとつお話を承りたい。
○橋本国務大臣 確かに、イギリスで付加価値税が導入をされましたとき、その初年度に税務職員が約六千名増員されたということであります。しかし、フランスでは付加価値税が導入されました初年度千三百名の職員が増員をされたということであります。我が国におきましては、確かに税務職員ばかりではなく、総定員法の枠の中で国家公務員は極めて厳しい業務環境の中、苦労してくれておりますが、消費税ということに限りまして申し上げますならば、平成元年度七百名、二年度五百名、計千二百名の増員をさせていただいております。 しかし、もっと現場の状況に対して目を向けるという御指摘については、私はそのお言葉を大切にし、効率的な事務運営というものに配慮するよう今後とも努力をしてまいりたいと考えておりますが、私は、今委員が例示として述べられましたように、その職員の労働環境が消費税の円滑な執行のできないような状況になっているという御指摘については、少なくとも国税職員の今日努力をしております、努力をしてくれております状況からしてそのようなことはない、彼らは全力を尽くして公平な業務執行に当たってくれていると信じております。
○渡部(一)委員 では最後に伺うのでありますが、この見直し法案の提出の仕方を見ておりますと、私はどう考えても異様な感じがするわけであります。それは、この法案は衆議院では通過しても参議院においては通過しないだろうと言われているわけであります。その予想は、私はそう大差なく行われるものだと存じます。通常の国会でございますならば、それがわかった瞬間から与野党の意見のすり合わせというのが当然行われてしかるべきものだと思います。しかし、その与野党の意見のすり合わせが行われないまま激突するという形になれば、両法案とも廃案になってしまうということによって、もとの原案がそのまま復活してしまう。原案が復活するということは、野党側の委員にとっても好ましくはありませんけれども、見直し案を提出された政府及び与党にとってもなおかつ同じように好ましくない状況ではないのだろうかと私は思うわけであります。そうすると、私は、この法案の審議中にただ言いっ放しで法案がつぶれればいいという態度をお示しになるのであれば、もとの案がそのまま残ってしまって税収だけを確保すればいいという、そういう嫌な気分を持ってここに提出されたのではないかなとさえ疑わざるを得ないのであります。 総理、まことに恐縮でございますが、こういう状況を打開するためにどういう御決意を持っておられるか、最後に伺いまして、私の質問といたします。
○海部内閣総理大臣 端的にお答えいたしますけれども、私どもも今行われておる消費税そのものについて、国民の皆さんや各党からいろいろな御指摘や御不満を受けて見直し案というものを国会に提出して、そして世論の方向にこれは一歩でも二歩でも近づくものである、こう信じて、一日も早い成立をお願いして議論を重ねておるところでございます。ただ、野党の皆様方の方も廃止法案をお出しになっておりますけれども、私は予断でもって、こうなるとまだ断言はできませんが、しかしそのようなことにもし仮になったとしたならば、今委員御指摘のようにこれは両方にとって好ましい姿ではないと思います。ですから、私たちは、高い次元にお立ちいただいて、政治は現実の選択という面もやはりあるわけでありますから、現状よりも世論の方向に向けて一歩でも二歩でも前進していく見直しを努力をしてお願いしておるという気持ちもお察しをいただきまして、高い次元の御決意を賜りたいものだと私からも心からお願いをさせていただきます。
○渡部(一)委員 ありがとうございました。
○山崎委員長 これにて渡部一郎君の質疑は終了いたしました。 次に、吉井英勝君。
○吉井(英)委員 私、質問に先立ちまして、午後の他党の方の御質疑の中に少し誤解を招くような御発言もありましたので明らかにしておきたいと思いますが、グリーンカード制度の導入に関連して、日本共産党の名前も挙げていただいておりました。我が党は、既に御存じのように、うんと高額の所得者の方の所得の捕捉という点ではしり抜けであるというそういう問題を持っておりますし、それからプライバシーの保護という観点からしたときに、納税者番号制度というのはこれは賛成できないということ、また問題になっているものについては、証券会社等のこれは名寄せによって実現できるものだということで、あのときにちゃんと我が党はこれは反対という立場を明らかにいたしておりますので、この点は誤解がないようにしておきたいと思うのです。 それで、消費税が強行導入されて一年がたちました。まず、この消費税については、最初減税を同時に先行させるんだというお話がありました。しかし、例えばせんだっても発表されました中央大学の富岡教授の試算によりましても、月収五十万円を超える方でようやく消費税と減税とこれで減税年間一万円ということになっております。つまり、サラリーマンの圧倒的多数がこの三%の消費税分だけ増税ということになっているわけです。まさに国民にとっては毎日毎日が納税日ということになっております。 また、物価については一・一%しか上がらないんだというお話もありました。しかし、これは現実には三・五%、これは過去四年間の物価上昇率に匹敵するというものであります。そして、昨年十一月に発表された総理府の世論調査の中でも、これは便乗値上げなどで消費税以上に物価が上がっているんだと痛感するという方が六一・六%、そういうふうに数字は示されております。 そして、高齢化社会のための消費税ということを言われましたが、これも、実は六十五歳以上の老人の自殺というのは消費税が導入された昨年は六千三百五十八人と、これは一九七八年以来統計分析を始めたわけでありますが、これは過去最悪、最高の数字ですね。自殺者の総数は三年連続して減っているわけですが、六十五歳以上の方だけはふえているわけですね。私は、導入以来の一年間のこうした老人の自殺などに見られるようなこの実態を海部総理はどのようにお考えになっていらっしゃるか、まずここのところから伺いたいと思います。
○海部内閣総理大臣 消費税は、導入以来いろいろな御意見があり、また世論で指摘されましたように、ここはこう改革した方がいいというような御要望の多いことも私はよく承知をいたしております。したがいまして、決まったものだから何でもいいというかたくなな、頑迷な態度をとらないで、世論の指さす方向を十分見きわめて、私自身も対話集会で直接声を聞きながら、また税制調査会にも消費者代表の方を招いて意見を聞いたりして、いろいろな面で反省しながら見直し案というものの作業をできるだけ、それは消費税を定着させていただくことを念願しながらつくって国会にお出しをしてお願いしておるわけでございます。 それから、後段でお触れになりました六十五歳以上の方の自殺の数というものも、またその一々の原因を調査して把握しておりませんし、それと直接の関係がどのようにあるかということについても、これはちょっとお答えができない問題でございます。いろいろな理由が複雑に絡み合っておったのではないか、心痛む思いで聞いておりました。
○吉井(英)委員 お年寄りの自殺などに見られるように、いろいろな事象はあります。しかし、本当にこれはこの消費税が国民の暮らしを直撃しているんだという、そういう中で、高齢化社会のためどころか実はふえているという痛ましい数字の重みというものをぜひかみしめていただきたいというふうに思うわけです。 私、実はこの暮らしの問題だけじゃなくて、国会図書館の方でちょっと調べてみたのですが、国会図書館で購入する図書費に対しても昨年一年間で三千三十万円消費税がかかっているんです。一万円の図書で計算すれば三千冊購入できるわけですね。まさに文化、芸術から教育にまで課税するという、とんでもない悪税だというふうに思うわけです。 特に問題なのは、政治改革が今言われているときに、政党の政治活動である機関紙誌にも課税するという問題です。これは、憲法の大原則というのは国民主権でありますし、国民の政治参加こそ民主主義の基礎です。この立場に立って政党が国民に働きかけ、国民が政治活動に参加するということ、これが重要な問題です。政党の最も重要な政治活動の一つは、言うまでもなく言論、出版活動であり、機関紙活動です。政党のこれらの活動は国民の政治参加の重要な手段でありますし、こうした国民の政治参加にまで課税するということは、これは政党政治、議会制民主主義の前進に逆行するものです。金のかからない政治を口にしながら一方では政治活動に課税するという、とんでもない話だと思うのですよ。民主主義の政治から見てこうした矛盾というのは非常に大きな問題だと思うのですが、民主主義という観点から海部総理のお考えを伺っておきたいと思います。
○橋本国務大臣 私どもは、今はしなくも委員が述べられましたように、それぞれの一つの営業収入を上げておられる物品、サービス、こうしたものに対して消費税が課せられると承知いたしております。政党の名前によって行われます出版活動等につきましても、当然それは消費税の対象となると私は心得ております。
○吉井(英)委員 これは民主主義に対する課税という大事な問題です。このように、暮らしから、そして文化、芸術から教育から、民主主義にまで課税しているというところに消費税の非常に大きな問題があり、廃止するしかないということを申し上げておきたいと思います。 続いて私は、この面については別な面からも質問をしたいと思うのです。 八八年一月、竹下首相は日米首脳会談に際してのアメリカのナショナル・プレス・クラブにおいて、ちょうど消費税を国会へ提出する前になりますね、八八年一月十四日ですか、ここでの演説の中で当時こういうふうに言っておられます。当時の竹下総理ですね。「国際社会に貢献する日本にふさわしい、しかも、我が国の社会変化に対応しうる安定的な財源を確保するための抜本的税制改革に着手しました。」これはアメリカで演説されたわけであります。そして、六月の閣議決定で消費税として提出してこられて、それで年末、土壇場、十二月の二十三、二十四のあの参議院本会議での二十五時間の牛歩の後、私もあの牛歩に参加いたしましたが、その後結局強行され、通ったわけであります。その国会通過の翌日、十二月二十五日付の日本経済新聞はワシントンからこういうことを伝えております。マルフォード財務次官補らの見方や財務省内の税の分析専門家の話、それから共和党系のエコノミストの話として、この消費税導入で「「財政基盤がしっかりしたことで日本の途上国援助、防衛費拡大など対外的貢献の長期的、安定的拡大を望める」との期待感もあるようだ。消費税導入により、日本は長期的にみて一層「頼りがいのある国」になる。今後、消費税率引き上げの論議が米側から浮上することも考えられる。」私は、この一月の竹下演説に始まって、そして年末、消費税が強行された後、「米政府は歓迎」ということを日経は書いておりますが、その発言などを見ておりまして、やはり非常にこの問題は日本の国民にとっても見過ごすことのできない問題だと思うのです。 そこで、外務省にちょっと伺っておきたいと思うのです。 昨年十一月にアメリカの上下両院を通過して大統領が署名して発効した米国防歳出権限法、英文とその翻訳文とを持ってまいりました。まず、翻訳が間違っておってはいけませんので、翻訳部分についてちょっと確認をしておきたいと思うのですが、全部やっておりますとうんと長くなりますので、まず(b)のところですね。この翻訳で(b)議会の意向。(1)みずからの安全保障のために増大した責任を日本は引き受けること。(2)在日米軍の給与と手当以外の経費を含め、日本防衛にかかる米軍の直接経費を負担すること。(3)経済的地位にふさわしい共同防衛上の貢献を担う。その(A)、一九九二年までにODA及び防衛費を合計した支出の対GNP比がNATO諸国の平均値になるようこれら経費を増大する。(F)完全に装備された長距離早期警戒機、追加イージス兵器システム、空中給油機、弾薬及び予備部品を含む既成の軍事装備を米国から購入すること。この部分に関しては翻訳はこれでよろしいか、まずこれを確認しておきたいと思います。
○松浦政府委員 先生が今読み上げられました昨年十一月に成立しておりますアメリカの国防予算授権法の九百十三条の一部はおおむねそのとおりだと思いますが、強いて申し上げますと、先生が今(F)のところで言われました「完全に装備された」というのは、英語では「オフザシェルフ・ミリタリー・エクイプメント」と書いてございますが、むしろ単に完成品ということがより適切かと思いますが、全体を申し上げれば先生が読み上げられたとおりだと思います。
○吉井(英)委員 これは参議院でも我が党の立木議員の質問に答えて、ちょうど松浦局長ですね、局長の答弁によりますと、NATO諸国のODAと軍事費の合計のGNP比は三・八%、これはアメリカを除いてですね。日本は一・三%だから、今後三年間に軍事費とODA予算を三倍弱にふやすという勘定になる、こういうお話もありました。 それで、総理、これはアメリカがただ単に法律で決めただけじゃなくて、この議会の意向を受けてアメリカ政府も実際に我が国に対して要求してきているということで、せんだって、六月六日の朝日新聞によりますと、アレン・ホームズ防衛分担担当大使が五月末に来日した際に、在日米軍の駐留経費の円建て分全額を負担するように正式な要請があったとされているわけでありますが、これは正式な要請はあったのでしょうか。
○松浦政府委員 先生の御質問にお答えします前に、最初に先生が引用されました九百十三条でございますが、大統領の署名を得て成立しておりますが、大統領は同時に留保もしておりまして、その留保の対象になっておりますのがまさにこの九百十三条等で、大統領の外交政策の実施に関する憲法上の権限を侵すおそれがあるということを言っております。現に、先生が今御指摘になりましたホームズ大使が来日いたしまして、外務事務当局等と話し合いをいたしましたけれども、その過程におきまして、この九百十三条は一切引用しておりません。これは念のために申し上げたいと思います。 それから、具体的に円建て経費すべてに関して要求してきたかどうかという点でございますけれども、そういう具体的な要求はございませんで、一般論といたしまして、まさにこのアメリカの国防予算授権法をめぐる議論、その成立に至る過程などで、アメリカの議会で日本に対しますバードンシェアリングの要求が強まっておりますので、そういう点については披露がございましたが、具体的な要請はございませんでした。
○吉井(英)委員 法律等の関係は別として、要するにこういう要請があったということで新聞で報道されているわけであります。答弁はわかっているのです。新聞ではそう報道されているということを私は申し上げましたので。 それで、六月三日の日本経済新聞の方では、今度は日米構造協議の最終報告に関連してアメリカ側が、日本の公共投資について五年間で二百兆円、十年間で五百兆円という総額目標を設けることを要求しているということ、また六月九日の日経では、アメリカ側は二十五項目の要求を文書でしておるということでありますが、その十二項目というのは新規要求となっておりますが、これもこういう要求が出ているのかどうか、これを伺っておきたいと思うのです。新聞ではこう出ているという話を私は言っているんですからね。
○林(貞)政府委員 御指摘の構造協議に関する最終報告でございますが、現在、最終報告作成ということで日米間で種々検討を重ねておるところでございます。最終報告に向けての作業は、基本的には中間報告に盛り込まれた事項の具体化ということが中心になるものと考えておりまして、そういう方針でやっております。 御指摘の十二項目――十項目でございましたか、十項目、二十五項目というお話でございますが、この最終報告をつくる過程においていろいろその意見交換を行っているのは事実でございますが、そういう要求が具体的に来たということではございません。
○吉井(英)委員 これは、具体的に来ているのかどうかというのは今後さらに明らかになってくると思うのですが、今権限法がつくられ、それに関連してODA、軍事費などの増額をせざるを得ないようなそういう要求というのがいろいろ出てきているわけでありますし、それから公共投資だけでも、これは構造協議に関連して、先ほど出ておりましたような五年間で二百兆円とか十年間で五百兆円、こういう数字が次々と伝えられてくるわけでありますが、これらを合わせると年間六十数兆円ぐらいになってくるわけですね。 この要求の背景には、消費税の税率というのは一%上げれば二兆円の財源が生まれてくるという、ここにやはり問題があると思うのですよ。まさにこの消費税というのは財源を新たに生み出していく打ち出の小づちだ、これが消費税の特徴だと思うのです。それがあるからこそ、ちょうど日経が八八年十二月二十五日にアメリカ政府は歓迎という中で紹介したように、今次々とこういう問題が出てきているんじゃないでしょうか。私はそういう点を指摘しておきまして、今度は見直し案そのものについて伺っていきたいと思います。 まず大蔵省のことですから大蔵大臣よく御存じのように、これは一月十日の日本経済新聞に広告を出されたものですね。こちらは、一月十日に読売新聞。要するに内容は一緒なんですね。「家庭の視点で見直します。」「毎日小売店で買う食料品が、非課税となります。」こういうことですね。それから、昨年十二月三十日、これは政府広報の方でもムーミンの楽しい絵がかいてありまして、「ぼくらが買いに行く食料品は、非課税になるんだね」こういうふうに書いてあるわけです。それから、自民党さんの出されたビラも読ませていただきました。「家計簿に、はっきりと出る見直しです。」これは海部総裁の方が自民党としてお出しになったのでありますが、「毎日の食料品非課税です。」これも載っているわけです。これと同様のことは十二月二十日の産経や二十四日の朝日新聞など一面全面広告で出していらっしゃいますね。私、これも篤と見せていただきました。 この内容を見てまず私伺いたいのですが、見直し案では小売段階で、小売の方がお客さんからは三%はいただかないという意味の非課税ですね。そして生産から小売業者までの業者間取引については、これは一・五%の軽減税率にするというわけです。それから生産者の方、例えば農業をなさっていらっしゃる方でございますと、種子はゼロになったとしても、非課税としても、肥料である、農器具である、みんなこれ三%はまずかかっているわけですね。そうすると、まず生産段階で三%がオンされており、流通段階では一・五%の軽減税率がオンされておって、価格の中にはやはり消費税は入るのじゃないでしょうか。大蔵大臣、いかがですか。
○尾崎政府委員 御指摘のとおり流通段階は一・五%の軽減税率になるわけでございますけれども、最終消費者への影響ということを考えますときに、一番最終段階の小売業者が卸売業者から一・五%の税込みで仕入れをするというところだけをお考えいただいたらいいわけでございます。その前の段階はそれぞれ全部清算が済んでくるわけですから、卸売業者が小売業者に売る、そこで従来の三%は一・五%になりますということでございます。そこで、小売業者の食料品の仕入れは一・五%になる。小売業者も、例えば電気を使うとかそういうようなことで三%の仕入れ部分がございます。しかし小売業者の場合、大部分がまさに食料品の仕入れでございますから、そこが一・五%になるというわけでございます。しかも小売業者の大体二割ぐらい付加価値がございますが、そこは小売は非課税でございますから税金がかからなくなります。したがいまして、従来三%でありました食料品の仕入れ部分が一・五になる、プラス小売業者の付加価値の部分が非課税になるという点で値下がりが生ずるというわけでございます。その前の段階はお考えいただかなくてよろしいわけでございます。
○吉井(英)委員 食料品非課税と書きますと、国民の皆さんというのは、これは小売商店で売る商品価格の中に消費税は入っていないとみんな理解するわけですよ。今の主税局長のお話というのは、要するに三%じゃなくてもうちょっと下がりますという議論ですね。私、幾らに下がるかの議論を今やっているのじゃないのです。そのお話は昨日来もいろいろございました。そうじゃなくて、要するに小売の業者の方がお客さんにお売りするときの価格の中に一体それまでの段階の消費税というのは入っているのか入っていないのか、この全く単純なことをお聞きしているのです。大蔵大臣、どうですか。
○尾崎政府委員 小売業者は非課税でございますから、そういう意味では消費税がかかっていないわけでございます。ただし、仕入れのコストとして消費税相当分が入っていることは御指摘のとおりでございます。
○吉井(英)委員 ですからコストに入っている、要するに商品価格には入っているということでしょう。そのことを伺っているのです。すぱっと言っていただきたいのです。
○尾崎政府委員 おっしゃるとおりに仕入れの商品価格、その中に消費税相当分が入っているということでございますが、それは……
○吉井(英)委員 それで結構です。私もいろいろそれはわかった上で聞いているのだから。 要するに、ムーミンが楽しい絵で言っていますね、「ぼくらが買いに行く食料品は、非課税になるんだね」と。その買う食料品の中には消費税が入っているんですよ。そのことについて、私はやはり国民の皆さんに誤解を与えるようなことを書くというのはよくないと思うのです。自民党の総裁として、総理の方は「家計簿に、はっきりと出る見直しです。」と言っておられるのですね。これはあれでしょう、主婦の方が食料品買ってきて今度家計簿につけるときに、幾らの消費税を書いたらいいかわからないんじゃないですか。今までですと外税か、内税になっている場合は百三分の三でいったのですね。ところが今度は小売価格の中に入っている消費税は幾らなのか、全くこれはわからないのです。ですからこれは家計簿につけようがないのです。「家計簿に、はっきりと出る」どころか全く見えなくなる見直しじゃありませんか。 先日、六月九日にこういうのが出ましたね。白夜ツアーということで、公正取引委員会は、「沈まない太陽を訪ねる」こういうパンフレットなどで白夜ツアーを募集した旅行業者六社に対して、これは誤解を与える表現があったとして、不当景品類及び不当表示防止法に基づいて排除命令を出しているのです。 大蔵大臣、旅行業者の広告というのは誤解を与えてはならぬということで公取は排除命令を出す。大蔵省の広告の方は「毎日小売店で買う食料品が、非課税となります。」これは全く国民の皆さんに、価格に消費税が入っているのに非課税だ、非課税だというふうに言うというのは、ちょうど不当表示防止法に基づいていわば排除命令を出されても仕方がないような内容じゃないか。大蔵省は構わないんだが旅行業者はけしからぬ、これは話が合わないと思うのですが、どうですか。
○橋本国務大臣 毎日小売店でお買いをいただく部分に消費税がかかりませんということ、それは私は決してうそだとは思っておりません、小売段階非課税ということでありますから。
○吉井(英)委員 これは価格の中に要するにどこまでも消費税は入っているわけですから、小売で買っても消費税が非課税になるわけじゃなくて入っているのですよ。 私はこの点では、毎日新聞に載りました一月十五日付の埼玉の三十四歳の主婦の方の投書を御紹介しておきたいと思うのです。この広告のことなんです。 よくよく見ると「政府は消費税の見直し等についての法案を国会に提出します」とあります。なあんだ、大きな広告ではあるが、何も今と変わることはないらしい。政府や自民党は昨年夏の参院選以来、見直す、見直すと言ってはいるが、見直し案提出の遅れを見ても、どれほど本気なのか疑わしい。 おそらく、この広告は二月の総選挙に向けて、自民党が有利になるように、という広告であるようだ。このような広告に大蔵省が国税を使ってもいいのでしょうか。消費税は早く廃止すべきです。 私は、これは国民の皆さんの健全な批判の声だ。そのことを指摘して、それで、私は、結局この消費税というのは、この仕組みを残しておく限りこれは必ず将来税率アップを招いてしまう。それは先ほどのアメリカの財務省の意向を見ても権限法の問題を見ても、そしてこうした問題というのは、国民の皆さんが、消費税の仕組みが残る限りいろいろな要求がどんどん出てくる、財政負担を伴う要求がどんどん出てくる、結局それは消費税の税率を引き上げるほかないのじゃないかということで、一番心配をしておられるところであります。 そこで私がお伺いしておきたいのは、海部総理は消費税の税率を将来引き上げないと約束できるのかどうかですね。これ海部内閣は今引き上げしないとおっしゃっても任期は来年までですね。それで自民党の任期は長くて――それで、そういう将来の税率引き上げはないとはっきり約束できるのかどうか、その点を私は明らかにしていただきたいと思うのです。
○海部内閣総理大臣 海部内閣は税率値上げを考えておりません。
○吉井(英)委員 しかし、将来は上がるでしょう。
○山崎委員長 これにて吉井君の質疑は終了いたしました。 次に、伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 政府の見直し案の問題点なり欠陥について、既に多くの委員から指摘もされております。私自身も一昨日の衆議院の本会議で、この見直し案の問題点それぞれについて、幾つかを総理にも大蔵大臣にも質問をいたしました。 本日は、原点からこの税の問題についてもう一度考えてみたい、このように思っております。 私たちは、消費税の論議のときに、常にその手順が必要だということを申し上げてまいりました。それはまずは、第一は、この高齢化社会が進む中で国がどれだけの福祉水準を保障しようとするのか、その福祉ビジョンを明らかにせよ、そしてまた第二には、税のむだ遣いを徹底的に排除するために行政改革のビジョンを示せ、そして同時に、不公平税制の是正をすること、こういうふうに言ってまいりました。そして、こうした手順を本当にちゃんとやってこの消費税の論議をしてくれば、あるいはこの手順を十分に踏んでやってくれば、国民の合意というのはもっと、ある意味では違った形で得られたのかもしれないと私は思うのですね。今日、そうでなかったからこそ国民の反発を招いた、そして政府自身も見直し案を出さざるを得なくなった、こういうふうに思うわけであります。 そういう意味で、最初申し上げたように、私はきょうこの手順に沿って、まず福祉の問題、そしてまたもう一つは行政改革の問題についてお尋ねをしたい、このように思っております。 私はこう思っているのですね。税制はあくまで手段、その目的が本当に明確になっていて、国民が十分に理解をされるならば、それはまた別な形になっているでしょう。だから、そういう意味で、まずは福祉の問題についてお伺いをいたします。 民社党が、この問題のときに政府に求めて、そして政府は昭和六十三年三月のときに「二十一世紀初頭における高齢化状況等及び社会保障の給付と負担の展望」というのを出しました。そしてまた、同年十月には「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え方と目標について」という、いわゆるビジョンというのを出しました。今伺いますけれども、あの内容で国民が十分に理解をしたというふうに考えられますか。
○津島国務大臣 伊藤委員の御指摘の福祉をめぐる論議を振り返ってみますと、まさに今御指摘のとおり、昭和六十一年六月に政府として二十一世紀初頭の高齢化社会に備え、人生八十年時代にふさわしい経済社会を構築するということで「長寿社会対策大綱」を閣議決定いたしましたが、さらに御党におきまして、税の論議とも絡みもう少し具体的な方向を示せという御要求がございまして、六十三年十月にいわゆる福祉ビジョンを国会に提出をいたしまして、基本的な考え方それから年金、医療、福祉等について具体的に目標をお示しいたしたわけであります。そのとおりでございます。 なお、今のゴールドプランというものは、これの次の段階というふうに考えております。
○伊藤(英)委員 私が質問をしたのは、あの展望なりビジョンなるものが本当に国民の納得を得られたのだろうか、理解を得られたのだろうかということを質問したわけであります。そして、今の大臣のお答えは、直接には答えてはいられなかったと思うのですが、だからこそ、今言われた次の十カ年戦略というのを出された。要するに、具体性がなかったから、もっと具体性を持たなきゃならぬという意味でこのゴールドプランを出されたと思うのです。そうですね。――うなずいていらっしゃいますから、そういうことでありましょう。 しかし、これはみずからも認めていらっしゃいますけれども、私は、これは多分自民党が選挙対策のためにつくられたのだろうという気さえします。それは、それほど選挙のためにも、あるいは有権者にも理解してもらえないのではないだろうか、具体性がないからそれより具体的にしなきゃならぬ、こう思ってこの十カ年戦略をつくられた、こういうふうに思うのですね。あの福祉ビジョンと十カ年戦略との関係はどういうことでありますか。
○津島国務大臣 委員が御指摘のとおり、この福祉ビジョンをめぐりましていろいろの御論議が国会でございまして、特に六十三年十一月には公明党の方からも繰り上げ実施を強く主張されるという状況がございました。そこで、これまでの論議を踏まえまして「高齢者保健福祉推進十か年戦略」として在宅福祉、施設福祉、生きがい対策等々、十年間に実現を図るべき具体的な目標を掲げたというのがこれまでの経緯でございます。
○伊藤(英)委員 では伺いますけれども、この案で西暦二〇〇〇年には寝たきり老人は百万人、そして痴呆性老人百十万人と見込まれておりますよね。この十カ年戦略が完全に達成されたとしたときに、この人たちはすべて安心をして介護を受けられるというふうに考えられますか。そのときに、個人の負担というのはどういう位置づけで考えられますか。
○津島国務大臣 十カ年戦略は、次の世紀の本格的な長寿社会に向けて在宅と施設と両方のバランスのとれた福祉サービスの整備をするという見地でつくられておりますので、これを具体的に今イメージしてみますと、在宅の寝たきり老人の世帯については週四回ホームヘルパーが訪問してさしあげられる、それから同時に週二回いわゆるデイサービスを受けられる、それから二カ月に一回はショートステイに行っていただけるということで、全体として常時の介護は受けていただけるということでございまして、さらに在宅での介護が困難な方に対しては、特別養護老人ホーム二十四万ベッド、それから老人保健施設二十八万ベッドを確保するということで、両方相まって一応御要望にこたえられるであろうというふうに考えておるところであります。
○伊藤(英)委員 個人の負担はどうなるのですか。
○津島国務大臣 そこで個人の負担でございますけれども、基本的な分野につきましては国が負担をする。しかし、例えば一例を挙げますと、飲食費等の実費として具体的に一定の限度までは利用者が負担をする。その辺のところは委員からも、もう少し具体的にPRをしろというお話がございますけれども、社会的公平の観点から利用者にその負担能力や受益に応じて適切な御負担をいただくことは必要であるが、どの部分を御負担していただくかということは、今後はっきりと決めて啓蒙活動をしなければならないだろうというふうに思っております。 具体的な内容については、非常に細こうございますから省かせていただきます。
○伊藤(英)委員 この問題については、私は別の機会に具体的にまたお伺いをしたいと思いますけれども、実はこの十カ年戦略も、中身はいわゆる福祉サービスの部分でありますよね。そして、この消費税が、本当に高齢化社会に対応するために、そしてその福祉費用のためにということで言われております。そういたしますと、これは私は本会議でも申し上げたのですが、大蔵大臣には大蔵委員会でも申し上げました。私は、福祉国家というのは、あくまでその根幹は何といっても所得保障にある。さっき大蔵大臣が、所得保障あるいは医療保障あるいは福祉サービスということを言われました。何といってもまずの根幹は所得保障だと私は思いますね。その所得保障の最も基本的な部分は、いわゆる基礎年金だと私は思うのです。 そういうふうに考えたときに、この基礎年金が、みんなだれもが年をとる、そのときに、本当に長寿社会を喜べるというふうに思ったときに、この最低限の保障のこの基礎年金については、私はここに税をもっと充当すべきだ。私は、本来はその部分は税でやっていい。特に、日本の人口構成がどんどん変化をしていく。つい最近も、赤ちゃんの生まれる出生率が低下をしているという記事が報道もされておりました。そうしたときには、ますますこれは、いわゆる積立方式じゃなくて、基本的な物の考え方として、そうじゃなくて、税でやるというのが私は最も妥当な考え方だと思うのですよ。その上に、今回この消費税がこの高齢化社会のためにというならば、なおさらそういう部分のやり方をすれば、だから現在の基礎年金で国庫負担が三分の一になっています。私はこれは本来、さっき申し上げたように、全額国庫負担でやればいい。けれども、そこまでいかなくても、まずはステップとしては二分の一まで持っていくとかいうようなことをすればどんなにかこの税の意味がわかりやすくなる、こういうふうに思うのですよ。いかがですか。
○橋本国務大臣 これは先日来委員と毎回意見が食い違ってしまって申しわけないと思いますけれども、私はやはり、先ほども御答弁を申し上げましたように、公共福祉サービスの部分にこそ消費税は対応していく役割を持っていると思っております。と申しますのは、社会保険、社会保障の分野において常に言われることは、負担と給付のバランスということであります。そうなりますと、やはり私は、医療保障の分野におきましても所得保障の分野におきましても、個人の責任が明確な保険料というものを中心に制度が組み立ててあることが、その責任を明らかにするという意味において非常に問題をはっきりさせると思います。 ただ、それだけで私はいいと決して申し上げるわけではありません。ですから、基礎年金に対して今三分の一の国庫負担を導入しているわけでありますが、私はむしろ、今日の時点において基礎年金の部分に対してなお手厚く国庫負担を引き上げるよりは、むしろ二十一世紀の前半の高齢化社会というものをにらんだときに、公共福祉サービスの分野にこそエネルギーを注いでおくべきであり、保険のシステムはやはり保険メリットの生きる仕組みとして用意をしていくことの方がより望ましい姿だと考えております。この点は、残念ながら何回か委員と論議をいたしましたけれどもかみ合わないところでありますが、いずれにしても、国民の福祉水準を引き上げていく、そのために努力をしていくという点において目的の変わるものではありません。
○伊藤(英)委員 今のお話は、私は、やはりそうではなかろう、これは日本の福祉国家なるものをどういう形の水準にするのだろうか、そしてその財源をどうするのだろうか、それは税なのか保険なのか、それを、国民は何を本当は選択をするのだろうかという問題だと思うのですね。そういう意味で、また改めて議論をすることがある、こう思いますし、厚生大臣にもぜひ本当はお伺いしたいと思うのですね。厚生省として日本の福祉社会というものを考えたときに、どういうふうに持っていきたいと思うのだろうかということだと思うのですね。きょうはちょっと時間が余りありませんので、改めてまた伺いますが、ぜひこれはよろしくお願いを申し上げたいと思います。この消費税の問題を考えるときに、特にこの福祉の問題というのは最も重要な問題だと私は思うのですね。そういう意味でぜひよろしくお願いをいたします。 次に、先ほど申し上げた二つ目のテーマの行革の問題であります。これはまず総務長官に極めて簡単に伺いますが、臨時行政調査会が昭和五十六年に発足いたしました。それから今日まで行政経費の削減効果というのはどのくらいあったというふうに考えられますか。簡単に答えてくださればいいです。
○塩崎国務大臣 私どもがいつも行財政改革の効果について申し上げておりますが、確かに三公社の民営化、行政機構の再編成あるいは国家公務員の定員の縮減、それから公的年金制度を初めとする各般の制度改革、さらにまた特例公債依存体質からの脱却、このような効果を生んでいることはもう御案内のとおりでございます。 しかし、これをだれしもが納得するような計算で幾らだということを計算することは非常に難しい。もちろん私は竹下総理がこの効果について発表されたことを聞いておりますが、これは一つの約束に立ったいろいろの考え方ができる計算方式だと私は思います。そんなような計算の方式はできると思うのですけれども、何よりもやはり赤字公債、特例公債依存体質から脱却したということで想像できるほどの大きな行政経費の節約の効果を生んだものと私は思っております。
○伊藤(英)委員 私が最初に申し上げたように、この消費税の、あるいは新しい消費税を議論するときに、手順として福祉の問題あるいは行革の問題を云々と、こういうふうに言ったのは、そのためにどれだけ、新しい税を設定しなくてもいいのかどうか、そういうことを考えるために行革云々と申し上げました。ならば、この行政経費がどのくらい、行革、行革とこういうふうにやってきてその効果があったのだろうかということは、私はつかんでいいと思うのですよ。 例えば補助金の整理合理化、こう言ったりいたします。これも一方で整理合理化される。しかし、もう一方でまた新しいものができたりします。数字を見てみますと、昭和五十九年から六十二年、この間は確かに補助金というものは減っております。ところが、この最近の三年間はまたどんどんふえております。これはいろいろな説明もされるかもしれませんが、現実にふえている。行革は最近たがが緩んできているのじゃないかというふうに思ったりいたします。そしてまた、例えば補助金の整理合理化といって、ある一部をこの間調べてみました。例えば環境庁の公害監視調査等補助金、これを六十年に二つを一つにメニュー化いたしました。じゃ、これを見てみますと、その担当課は五つありました。今も全然変わっておりません。昨日も私は聞いてみました。人数も変わってないそうであります。同じように農水省の農業生産体質強化対策事業費補助金、これも六十二年に五つを一つにメニュー化したと言われました。同じように担当課も以前のままということだそうであります。要するに形だけやっても実態が変わってない。ならばこれは全然意味がないですよね。だからこそ余計に私は行革は本当に道半ばだ、こういうふうに言われたと思うのですね。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 そこで、総理にお伺いしますけれども、この本当に行革道半ばというのは、一昨日の衆議院本会議でも総理はこの行革に関する決意を言ってくださいました。私は今、日本の行政のあり方が問われているんだろう、こう思うのですね。例えば補助金云々という話もあるでしょう。例えば今最大の日本の課題の一つは土地問題、本日も何人かが土地問題について触れられました。地価が本当に高騰している。大都市のサラリーマンを初めとして国民は大変な思いですよね、今。まさに政治は何をしているんだろう、政治は何をやっているかという怒りですよ。 じゃそういうふうに考えたときに、この土地問題についていろいろな側面がある。供給面をどうするか、あるいは投機をどうするんだろうか、いろいろな側面があります。 例えばこの中の一つ、日本は非常に縦割り行政と言われたりいたします。あるいは行政がセクショナリズムと言われたりいたします。その中でこういうふうに言うのです。今米の過剰生産、これをなくすために、抑えるために減反政策をやっています。この減反政策をやって、今三割減反政策して総面積、減反する部分、している面積は八十三万ヘクタールだそうであります。日本の住宅地は全国合計して九十五万ヘクタールと考えれば、いかに膨大な面積の部分が減反という形で一応余剰農地というふうになっていると私は思うのですね。私はこれをすべてとは申しません。けれども、日本の国土というふうに考えれば、日本は狭い狭いと思っているけれども、実はそうでもないかもしれない。利用の仕方はいろいろなやり方がある。そういう意味で、例えばこの余剰農地のこれを、あるいはその一部を計画的に宅地に転換をするんだというようなことを考えるべきじゃないんだろうか。日本の中央官庁もあるいは地方の機関もそういうことを考えられるようにしなければ、官僚組織は硬直化しているというふうに思わなければならぬと思うのですね。総理、いかがですか。
○佐藤国務大臣 伊藤先生にお答えいたします。 先生御指摘のとおり、都市、農村を通じまして国土をいかに有効に利用していくかは国土行政上大きな問題であると考えております。特に大都市地域の市街化区域内農地については、その計画的な宅地化を図ることが土地政策における重要課題の一つであると認識しており、保全すべき農地と宅地化すべき農地の区分を都市計画上明確にした上で、宅地化すべき農地については住宅地への適正な土地利用、転換を順次図ることが必要であると考えております。 このため、実は昨年暮れに土地対策関係閣僚会議を開きまして、「今後の土地対策の重点実施方針」に基づき関係制度の整備充実及びこれとあわせた税制の見直しに向けて関係省庁とともに取り組んでまいりたいと考えております。
○伊藤(英)委員 国土庁長官は土地問題の担当大臣でいらっしゃいます。日本の国土全体をいかに効率的に調整できるんだろうか、うまく計画的に使えるんだろうかという意味で、今言われたようなことで本当にちゃんとうまくいくと思われますか。日本の住宅地は十分に、私のさっきのトータルの数字からいえば、これは私は何とでもまだいろいろな方法があるだろうと思うのですよ。投機とか云々というのは別にして、供給サイドから考えればうまくいくと思われますか。
○佐藤国務大臣 お答えします。 土地問題につきましては、先生も御高承のとおりでございまして、実は基本的にきょうもちょっと申し上げましたけれども、政治的配慮と政策的配慮が必要だと思っています。 政治的配慮は基本的にはまた首都の機能移転をどうするかという問題、これをどう考えるかという問題、それから政策的配慮の中には宅地供給をどうするかという問題、それから税制の問題、監視、取引規制の強化の問題あるいは金融の総量規制の問題、たくさんございます。 今度は、非常に先生も御高承のとおりでございます、昨年暮れに土地基本法ができました。こんなことをもちまして基本的に土地政策の理念、公共福祉優先の原則を打ち立てたところでございます。それとともに、今まで先生御指摘の点がいろいろあったものですから、これは海部内閣の最重要課題としまして、土地対策関係会議で今後の果たすべき重点事項を十項目決めました。そんなことでございまして、これに全力を挙げて取り組む、そんなことで国民の期待にこたえたい、このように考えておるわけでございます。
○伊藤(英)委員 海部内閣の最大の課題として取り組むというお話であります。 この間、首都機能云々とか、首都云々は別にしても政府機関の移転という話をされましたね、やられました。あのときに、国土の均衡ある発展を目指してということでやります、東京一極集中をなくして、少しでも解消して分散させようという意味で政府機関の移転ということを計画されました。あのときに決まったのが七十九機関、自衛隊十一部隊であります。私はあのときに当初期待したのは、地方移転等がされるであろうということを本当に期待いたしましたよ。いろいろな要因はあるかもしれない。しかし、あの七十九機関、十一部隊の中で首都圏以外に行ったのはわずか四機関、ほとんどは結局は首都圏です。いろいろなことはあるかもしれません。でもそういうことですよね。 例えば、この間もこういうのがありました。大深度地下利用云々という話です。私は当時建設委員会におりました。実際に地下利用をしようというので現地とかいろいろなところを見にも行ったりいたしました。大深度地下利用。あのときに、運輸省、国土庁、建設省、厚生省、郵政省、農水省等々それぞれがこの地下利用のためにいろいろな計画をされました。結局はそれぞれの役所がいわば縄張り争いなのかもしれませんが、調整がつかないということで今日に至っていると思います。私はこういう問題はいろいろあると思うのですね。 この間もこの場で総理にも日米構造協議問題でお尋ねをしたりいたしました。あのときにも言いました。今日本が問われているのは、まさに日本における政策決定のメカニズム、政策決定の仕方の問題、役所のあり方かもしれないということですよね。 そういう意味で総理にお伺いしますけれども、今行革云々といって、ちょうどきょうも、きょうでしょうかきのうでしょうか内閣委員会でポスト新行革審の問題についてやられた、こう思いますが、これから新たな目で行革の問題をやろうとしているわけですけれども、今申し上げたような視点から、これから官僚機構あるいは官僚組織の硬直化をなくして本当に総合企画調整機能が働くようにするという視点で、この行革の問題をどのように考え、取り組まれるか、総理にお伺いします。
○海部内閣総理大臣 行政改革の問題につきましては、御指摘のようにいろいろ、例えば三公社の民営化とか年金、医療保険制度の改革とか財政再建の第一段階の達成とか行政組織の再編整理合理化、公務員数の縮減などいろいろ努力はしてまいりましたが、私はまだ道半ばであって、これからさらに積極的に推し進めていかなければならないとも考えておりますし、また、行革審の最終答申をいただいて、引き続き新たな気持ちで行政改革は続けていかなければならないということでございます。 その際に、お触れになりましたようにいろいろ各省ごとの問題、縦割り行政の問題についても御指摘があったり、中央と地方のいろいろな権限移譲とか規制緩和の問題についてもいろいろ問題点があって、我々はそれを意識として持っておることも事実でございます。 そういったことで、もうちょっと柔軟な発想で包括的にプロジェクトみたいなことで取り組めないかとかいろいろな問題点を指摘されていることはよく心得ておりますので、今度国会でお認めいただければ、さらに第三次の行革審についてはそれらのことに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○伊藤(英)委員 時間が参りましたので、終わります。
○山崎委員長 これにて伊藤英成君の質疑は終了いたしました。 次に、楢崎弥之助君。
○楢崎委員 私は冒頭、ちょっと橋本大蔵大臣に注意を喚起したいのですが、午前中の村井さんの質問のときに、去年消費税を導入する、それに伴っていろいろ手当てをしておるという答弁の中で、生活扶助基準を四・二%上げたとおっしゃいましたよね。これは全国民が見ているのですよ。全部が四・二%じゃないのでしょう。あれは地域が一級地、二級地、三級地があって、それぞれ二段階あって、三級地の二というのは二・一%なんですよね。そこまで親切に言ってもらわぬと、国民の皆さんは全部四・二%上がった、こういう誤解をしますから、その辺はまあ答弁のときに正確に言っていただきたい、それを注文しておきます。 それから、金子委員でございましたか、何か消費税が定着している定着している。定着しているかどうかは別として、そのことと国民の皆さんが消費税賛成か反対かということは関係ないですよ。いいですか。もうどうせ国民の皆さんは、言ったって自民党政府は言うこと聞かぬのだ、もうあきらめて黙っているというような状態かもしれない。それが今度の福岡の参議院補欠選挙にあらわれている。私も十八日間のうち十五日間回った。それは消費税に対する大きな――後で問題にしてください。幾らでも問題にされて結構です。 それで、私は質問に入りますけれども、たった十分ですから、消費税の一部改正、つまり見直し案の二条の一項の十三号、いわゆる飲食料品の部分についてお伺いします。 実物を持ってきた方が早かったのですけれども、自民党の理事からだめと言われた。かつて予算委員会では物価審議のときに洗剤なんかここへ持ってわかりやすくやったものですよ。いつの間にそういうことになったか知りませんが、まあいいです。 それで、百円の缶入りのコカコーラがあります。あれは食品部分はコカコーラの中身だけですね。あれは消費税取るとき一本一本計算するのでしょう。それであの食品部分は、あれは原価三円と聞いています。缶は原価二十円と聞いています。そうすると二十三円。百円との差額は、それはいろいろあるでしょう。流通費、経費、宣伝費等々で百円になる。そこで問題は、この見直しでいきますと、三円という原価のコカコーラ部分に一・五%かかるのですかね。全体の百円に一・五%になるのですかね。私も相当年ですけれども、円以下の銭の単位はもう忘れましたよ、一円以下の硬貨がないから。三円の一・五%というのは幾らになるかとすぐ答え出ますか。子供なんか出ませんよ。だからこれは、このコカコーラの場合はどういう税金の取り方をされるのか。一・五%になったら、一本について大体幾ら取られるのですか。それをまずお伺いしたい。 それから、五月九日の日に大蔵大臣に、生意気にも宿題というような形で申し上げておきましたが、実は私は十五、六年前に質問をした。もう一遍正確に言います。リポビタンDとオロナミンCの問題を取り上げたんです。それはどうしてか。そのときは消費税がなかった。私は物品税と関連をして質問したんですがね。それで、リポビタンD、大正製薬、オロナミンC、そのときは大塚薬品、今は大塚化学、どっちも薬品会社ですよ。どっちも大の字がついた会社です。片一方のりポビタンDは医薬品、オロナミンCは食品。 ところが、中身を見てごらんなさい。持ってくればよかったのです。裏を見たら書いてありますよ。どうしてリポビタンDが薬品になったかというと、肉体疲労時の栄養補給、疲労回復の、薬品じゃないですよ。何ですか、これは。疲労時の栄養補給、そういうあいまいなことで医薬品になっている。それだったら何ぼでも薬品になりますよ、後で言いますけれどもね。そして、どうしてそういうふうになったか。片一方は成分と書いてある。ところが、同じところを挙げてみましょうか。ニコチン酸アミド、ビタミンB6、ビタミンB2、タウリン。タウリンというのはアミノ酸と同じですよ。栄養補給になる部分というのはこのくらいでしょう。どっちも同じなんですよ。それで何で違うか、私は、実はこういう質問をしたんです。そして、しかもあれはよくないと思う、注意された方がいいと思う。リボビタンDの方は何と書いてあるかというと、丁寧にも、しばらく服用しても症状の改善が見られない場合は、医師または薬剤師に相談してください。リポビタンDを一本飲んで、しかも一本しか飲んじゃいかぬと書いてある。何でですか。それで症状が出ない、そんなものを期待して飲む人は一人もおりませんよ。冗談じゃないというのだ。 ところが、それだけじゃない。これから先、厚生省はこう言うのですよ。使用目的によってそれは違うのです。ウナギをおいしいと思うて食べられるときのウナギは食品です。疲労回復のために夏ばてして土用ウナギ食べるときのウナギ、つまり栄養補給です、そのウナギは医薬品だ、そういう答弁をした。そのときはこの消費税がなかったからよかったようなものの、これはどうなんですか、このウナギは。一人二役という言葉は聞いたことがあるが、一匹二役という言葉は聞いたことがない。どっちになるのですか、これは。それを質問します。
○山本国務大臣 ウナギは後でございます。 缶入りの方を先にいたします。 今回の見直しに伴い飲食料品につきましては、生産から卸売に至るまでの税率が三%から一・五%に軽減されました。小売段階は非課税となるので、缶入り飲料につきましても一般的にはこれらを加えた分が値下がりになる、こういうふうに思っております。
○楢崎委員 今の点だけについて言いますと、消費者は関係ないのですよ。あれは内税になっているのでしょう、百円というのは。だから、どういう計算をするのだと聞いておるのですよ。外税ならば三%の百三円になるけれども、あれは内税だからどうなっておるのですか。その計算方法を聞いているのです。
○尾崎政府委員 御質問の趣旨は、例えば缶が二十円というようにおっしゃったと思いますが、コカコーラならコカコーラのメーカーの場合を考えてみますと、缶を二十円で仕入れます。それには三%の税が乗ります。それからその中身の方の、どのような構成になっているのか私存じませんけれども、それは飲食料品でございますから一・五%ということになります。したがいまして、原価の中では三%のものと一・五%のものがまざっているわけでございますけれども、缶に詰めてコカコーラとしてそれを今度小売に卸す、あるいは卸売業者に売るというような段階では、それは食料品として全体として一・五%で課税されることになります。したがいまして、メーカーは、その売り上げの一・五%分から自分の仕入れについて、あるものは三%分、あるものは一・五%分仕入れ控除をして、そして税金を納めるということになるわけでございます。
○楢崎委員 言っておきますけれども、それは違いますよ。実際は違うのです。
○北郷政府委員 ドリンク剤についてのお話でございますが、食品も栄養面で非常に関係があることは当然のことでございますが、いわば清涼飲料水とそれから今お話の出ました大正製薬のリポピタンD、こういったものは食品と医薬品とのいわば接点のようなものでございまして、取り扱い上、非常に規制の仕方が違うという点で明確に区別をいたしております。例えば効能、効果の標傍は、医薬品についてはできるけれども清涼飲料水はできない。あるいは表示につきましても、医薬品として承認を得ているものにつきましては医薬品という表示をきちんとさせる。あるいは販売する場所につきましても、医薬品につきましては薬局でしか販売できない。こんなような取り扱いをいたしまして明確に区別をいたしておるところであります。
○山崎委員長 これにて楢崎君の質疑は終了いたしました。 次回は、明十四日木曜日午前十時委員会、午後零時二十分理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時一分散会