商工委員会 第7号
- 発言数
- 238 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/06/12
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中山成彬君。
○中山(成)委員 商品取引所法の一部を改正する法律案について質問する機会を与えられましたので、御質問させていただきます。 今回の改正は大変広範多岐にわたっております大改正でありますので、持ち時間も限られておりますので、私は日本の商品先物市場の育成、発展を図る見地から質問させていただきたいと思います。 古い歴史を持つ商品先物取引でありますが、経済の発展とともにその役割も変遷してまいりました。端的に言うと、市場経済の自由度が高まるとその役割も高くなってきます。近年、世界各国で商品、金融商品等の先物市場が開設されつつあり、また我が国においても伝統的な商品先物市場のほかに国債や株式指数の先物市場、通貨、金利等の金融商品の先物市場が開設され、大変活況を呈しているわけでございます。 このような内外の動向の中で、通産大臣は我が国の商品市場の現状をどのように見ておられ、また今後についてどのような展望を持っておられるのか、まず最初にお聞きしたいと思います。
○武藤国務大臣 今お話のございましたように、最近、世界経済も、また日本経済も大きく変わってきておりまして、例えば為替が変動制いわゆるフロートに移行したということもあるでしょうし、あるいは経済情勢が大変変化が激しいということもあると思います。そういう面からいって、商品の先物市場において何とかリスクを回避をしたい、経済活動の中ではその辺は大変重要な役割を果たしてきているのが今の商品市場ではないかと思うわけでございまして、ではこれからそれをどうしていくのかということでございますけれども、やはり今お話の中にございました例えば証券関係においても非常に国際化に対応した体制がとられつつあるわけであります。日本の商品先物市場は、どちらかというとそういう点では今の証券の国際的に開放されている体制よりはまだ十分ではないという感じがいたしているわけでありまして、この点はやはり証券と同じようにこういう商品の先物市場も国際的に対応できる体制をつくっていかなければいけないということは当然だろうと思います。 それからいま一つは、国内的に見ますと、だんだん素人の方も含めて委託者が非常にふえてきているわけでありまして、こういう方々の保護というのは従来もこの商品取引所法の改正で、たしか二回改正をいたしましたけれども、その都度そういう委託者の保護ということを非常に重点に置いて改正がなされてきたと思いますが、今なお一層充実をさせていただかなければいけないんじゃないかというふうに思っておるわけでございます。それは今回の法律の改正案の中のやはり重要な項目でもあろう、こういうふうに私は感じております。
○中山(成)委員 我が国の商品市場を国際的にも通用する先物市場として整備したい、そのようなお考えのようであります。今回のオプション取引とかあるいは指数先物、現金決済の導入等先物取引の種類の増加もその趣旨に沿ったものだ、こう思うわけでございます。ただ、我が国の商品市場はいまだ上場商品が諸外国に比べて非常に少ないということが一番問題だと思うわけでございます。 このことにつきまして、今回の法改正でいわゆる試験上場という制度を導入して上場の促進を図ろうということになっているわけですけれども、この制度によって果たして上場が促進されるのかどうか。これまでにおきましても上場商品につきましては政令で指定できるということになっていたわけですが、一部貴金属を除きまして新規商品の上場が実現できませんでした。合板についても商品取引所審議会では上場することが適当であるというふうな結論も出ておりましたけれども、ついに上場は実現できなかったわけでございます。今回の改正によりまして上場が円滑に行われることになるとは思うわけですが、一方ではまた当業者の意向を無視した上場が行われるのではないか、こういう不安の声も聞かれるわけでございます。行政当局といたしましてこの試験上場をどのように運用されるおつもりなのか、お聞きしたいと思います。
○山本(貞)政府委員 お答え申し上げます。 今先生御指摘でございますが、今度の私どもお願いしている改正法案の中におきましていわゆる試験上場制度というものを考えております。従来、上場商品につきまして政令で指定しておるわけでございますが、これにつきまして法律あるいは政令では若干広い形で指定しておきまして商品取引所の方から大臣に申請をしていただく、そういう形を考えておりまして、その際、一定の期限を、例えば三年という期限を区切って試験的に上場してみるという方法が予定をされておるわけでございます。 ただ、その場合、従来政令指定でございますが、完全なコンセンサスというものが必要だったと思いますが、今後とも関係の業界の皆様方あるいは取引所の皆様方の上場に持っていこうという方向づけというものはやはり必要だと思いまして、関係業界の同意、そういうものをもとにして試験上場の方へ入ってきていただく。ただ、それを審査するというか必要性を判断するに当たって三年間なら三年間の猶予期間というか、その間でいろいろそれが上場に適するかどうか等を判断する、そういう意味で従来に比べるとより容易にあるいは弾力的に上場を試験的に行うことができるというふうに考えております。 その際、先生御指摘のような一部の方々からの御心配というような点につきましても十分配慮した上で行いますし、三年間でそのような心配があるあるいは上場の適格性がないということであれば上場をその時点で取りやめるというようなことを弾力的に考えてまいりたいと思っておる次第でございます。
○中山(成)委員 具体的に通産省の所管物資では、ここ数年来アルミニウム地金の上場が検討されていると聞いているわけですけれども、その実現ができるだけ速やかに果たせることを期待するわけでございます。また、同じようにアルミの上場が成功したら次は銅とか鉛とか亜鉛とか先物取引に適した非鉄金属の上場についても検討されることが適当ではないかと思うわけですけれども、具体的な話になりますが、お聞きしたいと思います。
○山本(貞)政府委員 私ども通産省の所管のものについて申し上げますが、一つはアルミの先物市場というのをどうするかという問題がございまして、関係業界で数年前からいろんな懇談会なり研究会を進めておられまして、ごく最近でございますが、基本的にはアルミ上場の方向で検討しようという方向で一応の方向づけがなされたわけでございます。ただ、その具体的な上場の時期、方法等につきましては今後の検討事項でございますし、御案内のように今ロンドンの取引所、LMEがございまして、そのLMEとの関係あるいは今後の取引される量の想定等、あるいは関係の業者の意向の動向等を考えながら今後結論を得ることにいたしたいと思うわけでございます。さらに、実は貴金属の関係ではパラジウムというのがございますが、パラジウムにつきましては現在上場されておりませんで、一部いわゆる私設先物市場と言われているもので取引をされておりまして、若干問題も生じております。そういうものにつきましても、上場適格性というのを今検討中でございますが、今後上場することが適当かどうかという点についても検討してまいりたいと思っております。さらに先生御指摘の銅、鉛、亜鉛といったものにつきましても、関係業界等で今勉強会がなされておりまして、今後の検討課題かと存じます。
○中山(成)委員 農林省の所管物資についてはいかがでしょうか。トウモロコシ等が取り上げられておるようですけれども、トウモロコシその他の農産物、特に今度自主流通米につきまして価格決定の場が設けられることになったのですけれども、この米について大変関心と心配もあるわけですけれども、その辺のところについての農林省としてのお考えをお聞きできればと思うわけでございます。
○鷲野政府委員 お答え申し上げます。 ただいま通産省の方からお答えございましたけれども、私どもも新規上場商品をふやすということは、我が国の商品市場を国際的に通用する市場として育成するという観点からも、また輸入国として、消費国として価格形成の場をみずから持つという意味でも、それからまた関係取引所、関係業界の活性化を図るという意味でも望ましいことであるとは考えております。それで当面、農林水産省関係取引所で上場が研究、検討されております商品はトウモロコシ等でございますし、それからまた諸外国、特に米国の例等に徴しますとコーヒー豆とか畜産物とか、かなり幅広いものも考えられないわけではございません。しかし、具体的な上場の適否の判断に当たりましては、関係業界の意見を十分徴するとともに、上場後十分な取引量が見込まれるか否か、それから上場することがその生産、流通の円滑化を阻害しないか否か等を十分見きわめて判断をする必要があるというように考えてございます。 それで米の問題でございますが、米につきましては、御案内のように我が国の農業生産及び国民生活に占める格別の重要性ということにかんがみまして、現在食管制度のもとで価格、流通等の規制が行われているということもございます。そういったようなことにかんがみまして、現在先物取引の対象とする考えはございません。なお、先般食糧庁におきまして自主流通米に関する価格形成の場の検討が行われたわけでございますが、その報告の中でも先物取引については考えていないということが明記されているわけでございます。
○中山(成)委員 ごく近年におきまして、我が国におきましても金融あるいは証券先物取引が導入されまして、大変な盛況を見せているわけでございます。それに比べますと商品先物取引は、上場商品が少ない、あるいは市場規模も小さいということもございまして、経営基盤が脆弱な商品取引所がたくさん存在しているわけでございまして、合併により取引所の総合化、大型化、それによりまして国際化への対応を図る必要があると思うわけでございます。今回、取引所の合併に関する規定が整備されますけれども、今後どのように合併を進めていくお考えか、お聞きしたいと思います。
○横田政府委員 御指摘のとおり、国際的に見ましても日本の商品取引所の規模、通産省関係を担当いたしておりますけれども、なお小さい面がございます。経営の基盤という面でもいろいろ改善していかなければいかぬところがあるわけでございまして、さはさりながら取引所の自治という中でそういう合併、統合等の自主的な取り組みを進めてまいったわけでございまして、これまで通産省関係では、昭和五十九年でございますけれども、東京にございました三つの取引所を一本化いたしましたり、あるいは大阪の二つの繊維関係の取引所を一つの取引所として統合するということで、総合化、大型化の第一歩が進んでまいってきておるわけでございます。 もとより、取引所の運営等につきまして関係業界のお考えも当然ありますし、地域の特性あるいは歴史的な実情もあるわけでございまして、画一的に国の方からああした方がいい、こうした方がいいとなかなか言いづらい面があるわけでございますけれども、今回の法改正の大きな趣旨の一つでございます国際化への対応等々も考えてみますと、今後とも段階的に御説の方向に沿った合併に進んでいくことが必要だ、その意味で合併に取り組みます際の法制的ないろいろな問題あるいは法制面からの環境整備ということを図る必要があるということで、今回懸案の合併規定の整備を提案させていただいておるわけでございますので、この法の成立を受けまして、関係の取引所でさらに自主的な合併に向けての話し合い、取り組みが進むことを期待いたしております。
○中山(成)委員 いわゆる先物取引新時代といいますか、そういう時代になりまして、国際的規模の商品先物市場の育成のためには市場の流通性の確保ということが大前提だと思うわけでございます。それには内外の多種類の会員、商品取引員の存在とその育成が不可欠であります。外国法人への資格付与等、諸外国と同様に我が国におきましても当業者主義に拘泥しない会員資格の拡大が望ましい、このように思うわけでございますが、今回の改正でその辺どのようになっているか、お聞きしたいと思います。
○山本(貞)政府委員 お答えいたします。 会員あるいは商品取引員の資格についてでございますが、現在の法律でもいわゆる当業者主義というのをとっておりまして、当該商品の生産、流通あるいは取り次ぎ等に関与しているというか、事業を行っている人が会員になるあるいは商品取引員になる、基本的にはそういう仕掛けになっております。 今先生御指摘でございますが、商品取引員に新たに参入していただくということにつきましては従来から幾つか問題が指摘されておりまして、一つは、現在の法律では外国法人、外国人が会員なり商品取引員になるという道がほとんど閉ざされている規定になっております。その点につきまして、国際的な商品市場にならなければいけない、あるいは二十四時間取引体制、取引のグローバル化という点から今その点は強く求められておりまして、外国の関係者、一部の政府関係からも外国の法人、個人の参入を求める要請が私どもの方に参っております。そういうこともございまして、私どもとしては今後内外無差別で考えていきたい。その旨今度の改正案の中でも条文を書かせていただいておるわけでございます。もちろんその際、内外無差別でございますから、経理的基礎を十分持つ、あるいは日本に支店をきちっと持って財産を持っていただく、そういうきちっとした規定なり財務基盤あるいは社会的信用というものを考えた上で認めていくということになろうかと存じます。 さらに、他の業種というか他の方々というか、従来の当業者という非常に狭い限定というのではなくて、いろいろな方々からの参入というのも、当業者主義という原則の中で、私どもとしては、今申し上げました財務的基盤と社会的信用を持ったものであれば積極的に導入、必要に応じて考えていくということを考えてまいりたいと思っておる次第でございます。
○中山(成)委員 商品取引員というのは、商品先物市場と一般大衆の接点において先物取引に関する受託業務を行うものであります。市場の発展のためにはこれら商品取引員の資質の向上が不可欠であることは言うまでもありません。また、今説明がありましたように、これらの取引員は、今後の国際化の中で、国際競争といいますか国際的な取引にも対応できる規模の企業でなければならないと思うわけでございます。したがいまして、そうした有力商品取引員の育成が必要であるということはよくわかるわけでございますが、一方で、その育成を急ぐ余り現在の商品取引員の存在が困難となるようなことになっては困ると思うわけでございます。 具体的には、今回の第一種商品取引員資格における最低資本金及び第二種商品取引員に係る外務員数並びに預かり委託証拠金の分離保管の方法等についてであります。これらについてはそれぞれ段階を設けて、また適当な経過期間を置いて、どの取引員も努力すればそれが達成できるような措置をとることが適当ではないかと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○山本(貞)政府委員 先ほど先生御自身も御指摘いただきましたが、この国際化の時代あるいは信用が重要だという点から有力会員、有力取引員の育成ということは非常に必要だと私どもも考えておる次第でございます。今回お願いしております改正の中でも、取引員の資格につきましても第一種、第二種と二つの区分を設けて許可をするという仕掛けを導入いたしております。 今先生御指摘の点でございますが、私どもとしては、第一種につきましては一定以上の外務員を擁するもので、そういうものについては最低資本金を設定するあるいは株式会社に限定するというようなことを考えておりまして、その他のものは第二種というふうに考えております。 現在の商品取引員の営業形態を見ますと、一つは実際の現物の取引なり生産、流通をやりながら仲介というか取引員をやっておられるという兼業の方、それから、主として一般委託者を相手として取引の委託を受ける方に二分化しておりまして、後者につきましては主として一般の委託者との接点でございますので、その方々については大体が多くの取引員を抱えておるという実態でございますので、私どもとしてはその後者を第一種というふうに考えていこうと思っているわけです。その際、第一種の要件から外れた方々につきましては第二種に回るわけでございますが、営業ができないというわけではございませんで、もちろん普通の営業はできるわけでございますので、その方のその後の営業に大きく差しさわるということはないと思っているわけでございます。かつ、その第一種と第二種の線の引き方につきましても、現在の商品取引員の実態なり、あるいは特に資本金や経営の実態等を十分に見ながら、問題の起こらないようにこれから知恵を絞ってまいりたいと思っておる次第でございます。
○中山(成)委員 最低資本金あるいは外務員数は具体的にはどのような基準を考えておりますか。また、それは現在の状況から見て果たして達成可能かどうか、どれぐらいの時間がかかるか、教えていただきたい。
○山本(貞)政府委員 ちょっと実態を簡単に申し上げたいと存じますが、専業取引員につきましては資本金一億円未満の方の比率が大体二五%弱でございます。今申し上げました数字は一億円未満でございますが、仮に五億円未満といたしますと、九〇%近くの方が五億円未満という状況でございます。どのあたりの資本金で線を引いたらいいのか、私どもとしては今後検討してまいりたいと思います。かつ、その資本金と外務員の数との関係をどう考えていくのかということを今後検討してまいりたいと思います。そういう意味で、最低外務員を五人にするのかあるいは十人にするのかという点、そのあたりのところで今後検討してまいることになると思いますし、資本金につきましても、今申し上げましたような数千万円から数億円というようなところを一つのめどというか検討のめどといたしまして、今後関係者の御意見も伺いながら詰めてまいりたいと思います。現時点では、具体的な線はここで引けるというような確信を持った数字なり方針がまだございませんので、恐縮でございますがお許しいただきたいと思います。
○中山(成)委員 今後関係者の意向も聞きながら、しかし一方ではまた国際化にふさわしい規模の取引員に成長できるような努力目標を置いて、それに至る期間をセットしていただきたい、このように考えるわけでございます。 それから、外務員の信頼性の向上ということについて御質問したいと思うのですが、今後我が国の商品市場が国際的に通用する市場として発展していくためには、市場の規模を拡大させることが必要であります。そのためには国民各層からの広範な取引への参加が必要となるわけでございます。また一方では、国民の資産保有が高まりまして、ポートフォリオの一環としてハイリスクハイリターンである先物取引を必要とするニーズも高まっていると思うわけでございます。現在まだ八万人と言われる委託者でございますが、これを増加させるために商品取引に対する国民の信頼と理解を深めるということが不可欠であると思うわけでございます。今回の改正で、外務員の信頼向上についてどのような措置を講じておられるか、お聞きしたいと思うわけでございます。
○山本(貞)政府委員 まず外務員につきまして、今登録制がございますが、法律上はその更新制をとっておりませんが、今後法律上登録の更新制を導入したいということで今回の法律改正でも御提案申し上げている次第でございます。例えば、二年ごとに更新をしていく、従来は取引所の中で更新をする、そういう仕掛けだったわけですが、法律上の更新制度ということを考えてまいりたいと思っておるわけです。その際、いろいろな従来のその間の実績あるいは資質等を勘案して更新するかどうかを考えていくということ、それから今回御提案申し上げておりますが、商品取引員協会という自主規制団体を法律上位置づけようと考えておりますが、その自主規制団体を中心といたしまして商品取引員の教育とかあるいはその行為規範を申し合わせて、強制力を持って各社に守っていただくというようなことを考えております。 かつ、その商品取引員の実際の勧誘というか受託を受ける際の活動につきましても、従来十分なというかいろいろな措置を講じておるわけでございますが、今後さらにそのあたりにつきまして、勧誘の段階で先物取引の仕組みとか危険性について十分委託者に理解を求めるようにするようにとか、あるいは将来トラブルが起こったときはこういうことができますよというようなことを書面できちっと書いて交付するように義務づける。かつ、それに反した場合には罰則をつけるとか、あるいは委託者保護の話になってまいりますが、委託者財産をきちっと分離保管をさせるとか、あるいはその分離保管した財産がきちっと保全されるような措置を講ずるといったようなこと、それから委託者と取引員あるいは外務員との間で生じたトラブルにつきましてもまず苦情の解決をし、その上で取引所で紛争の処理をするというような仕掛けを今度新たに法律の中で明らかにするといったような措置を講じまして、まず一つは外務員の資質の向上あるいは取引員の経営姿勢の向上、それから委託者の保護を図ることによりまして業界全体に対する信頼性の向上ということを図ることによりまして、今委員御指摘の社会的信用の向上と、それからその結果として委託者の増大ということによりまして商品取引市場の健全な発展を図ってまいりたいと思っておる次第でございます。
○中山(成)委員 やはり一般大衆と接するのは外務員であります。いろいろなトラブル等が新聞等に出ますと、商品取引市場の健全な発展という面から大きなマイナスになるわけでございます。そういう意味では各社とも研修機関を設けたりいろいろ社員の教育については努力をしておるようでございますので、今後とも当局におきましてはそういった方面での指導をよろしくお願いしたいと思うわけでございます。 最初に大臣も言われましたけれども、市場経済が伸展しまして物の価格がマーケットで決められるというようなことは世界的な時代の流れだと思うわけでございます。そういった中で価格決定あるいはリスクヘッジの場を我が国が持つということは、これは当業者にとっても大変重大なことでございます。一方、我が国は世界一の農産物あるいは原材料の輸入国でもございますし、経済力の高まりとともに大変な金融大国に成長してまいったわけでございます。そういった意味で、商品市場を育成することによりまして商品取引の面でも世界をリードすることはできるし、またそういう役割が期待されている、このようにも考えておるわけでございます。今後行政当局の指導よろしきを得まして、商品取引業界が一層発展されることを祈念申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○浦野委員長 竹村幸雄君。
○竹村委員 私は、一九七二年から四年間、すなわち昭和四十七年十二月から五十一年十二月まで、ちょうど解散がなかったわけでありますから、当十八委員会室で商工委員として勉強し、活動させていただく機会をいただきました。今回十四年ぶりに国会に帰ってまいりました。十四年間の時の流れの重さと激しい経済情勢の変化をしみじみと感じるわけであります。私の記憶に間違いなければ、当時一緒に勉強させていただいた先生方で今この商工委員会、この場におられるのは武藤通産大臣ただ一人だというふうに思うわけであります。そして、当時の通産大臣は中曽根康弘先生であり、委員長は今の委員長のお父上の浦野幸男先生でありました。自民党の商工委員会の筆頭理事は田中六肋先生、理事には稻村佐近四郎先生等々がおられました。今問題になっておる大店法も制定をされました。オイルショックが起こって、我が国の経済が大混乱をいたしました。ちり紙がない、セメントがない、鉄筋がない、あるいは建設資材がない、電気工事をするにも電線がない、水道工事には塩ビ管がない、そしてガソリンは三倍に値上がりをして、ガソリンがなくなる、あるいは商店の前から商品がなくなるというふうな大変な時期でございました。当委員会でも連日委員会を開いて、国民生活を守り中小零細企業、小売業者を守るために大変な努力をさせていただきました。武藤通産大臣は、当時自民党商工委員として、また商工部会長といたしまして指導的な役割を果たされたと思うわけであります。 そして今、我が国を取り巻く経済情勢は大きく変化をいたしました。アメリカがくしゃみをしたら日本が肺炎になる、こういうふうに言われた時代から、オイルショックを経て、我が国は今や世界最大の債権国になったわけであります。世界の情勢は、私が申し上げるまでもなく、体制や思想を超えて経済問題が最大の関心事となっております。経済大国になった我が国は、その果たすべき責任が今問われておるのであります。日米構造協議に見られるように、アメリカからは日本の土地政策、流通のあり方、独禁法の強化、米の自由化圧力などさまざまな面から政策の転換が要求されております。 その中で、四十年代とはまた質は異なりますけれども、中小零細企業、小売商業は厳しい対応を迫られているのであります。我が国の経済発展の下積みの努力をしてきた中小零細企業、そして町づくりの中心を形成してきた小売業者の生活と権利は何としても守らなければなりません。しかるに、去る二十四日付大店法に関する通産省通達によりますと、残念ながら問答無用、中小企業切り捨ての印象を感じるのであります。あのような通産省通達を出すならば、同時に中小小売商業振興策が出されなければならないと思いますけれども、通産大臣の決意を伺いたいわけであります。 大店法は、昭和四十八年十月一日に制定されました。この背景とか成り行きとか情勢等については通産大臣よく御存じのことであります。しかしながら、当時規制法でありました百貨店法が廃止をされて、そして調整法である大店法ができたわけであります。中小企業、中小小売商業に与える影響が強いということで、それと対比する格好で昭和四十八年九月二十九日には中小小売商業振興法が制定されたわけでありますけれども、この法律はフランチャイズ振興法のようなものでございまして、むしろ中小小売業者に対してマイナスの役割を果たしかねない法律であります。ただ商店街がアーケードや駐車場をつくる場合には高度化資金が利用できるだけのお粗末なものであります。こんなお粗末なものでは困るわけでありまして、小売業者は大店法が規制を緩和されて事実上廃止されるのではないかという不安を持っておるのであります。 しかし、また、経済問題に精通され、中小企業問題を最も理解されており、また今まで業界の意見をよく聞き、商工行政を進めてこられた武藤通産大臣が、一方的に中小小売業を切り捨てるわけがない、そんなはずはないというふうな祈るような期待を持っておるのもまた事実であります。そうした中小小売業者の期待を裏切らないよう具体的な対策をひとつお示しをいただきたいと思うわけであります。
○武藤国務大臣 本当に昔はお親しくさせていただいて、久しぶりにまたお目にかからせていただきまして、私も感慨無量のものがございます。 今お話のございました大店法の改正あるいはそれ以前の今度の運用改善に当たりましても通達をいろいろ出させていただいた中で、どうも中小小売商切り捨てではないかという大変強いおしかりをいただいて恐縮でございますが、私どもは決してそうは考えておりません。やはりいつも申し上げておりますように、その地域の社会において今日まで営々としてその地域の住民の皆さんのために努力をしてこられました小売商の皆様方の大変な御貢献というものは高く評価すべきであると私どもは思いますし、また大型店だけでその地域の流通がすべてできるわけではございませんので、本当にきめ細かい流通というものを考えるならば中小小売商の皆様方の果たしていただかなければならない役割は今後とも大変大きなものがあると私は思っております。 そういう意味において、中小小売商の皆様方が今後ともしっかりと御商売をやっていっていただきたい、こう思っておりますが、ただ時代の波というのもございまして、今もお話がございましたけれども、本当に昭和四十年代、昭和五十年代、昭和六十年代、大変時代は変化をしてきております。特に国際社会の中で日本がどうしても生きていかなければならない、きょう御審議を願いますこの商品取引所法にいたしましても、やはりそういう国際時代に対応できる体制をとっていこうというのが一つの大きなポイントになっておるわけでございます。そういう中にあって、やはり地域の中小小売商の皆様方と大型店との調整を図っていく面において国際的にある程度わかりやすいルールにしていかなければならないということも当然のことであろうと私は思うわけでございます。 そんなようなことを考えてまいりまして、そこへもう一つ加わったのが、特に海部総理は、生産重視から消費者重視という形にこれから政策を転換していかなければならない、日本の経済政策、産業政策をそういう消費者重視の観点からやっていきたいという大変強い考え方を持って、今内閣でそういう政策の一つの方向づけをしていこうとしているわけでございまして、従来以上に消費者のことを考えていかなければならないということを私ども通商政策の中でもやっていかなければならないと考えております。 こんなことを考えてまいりますと、中小小売商の皆様方には多少御不満もあろうかと思いますが、やはりそういう点は御理解をいただきたい。また実際中小小売商の皆様方も、今、後継者の問題であるとかいろいろとお悩みをいただいていることもありますし、あるいは商店街からいけば駐車場の問題とかやはりいろいろお困りをいただいている点もございますので、ひとつこういう一つの新しい政策の方向を打ち出す中で思い切ってそういう中小小売商の皆様方の現実にも対応できるような形のものを政策として打ち出していったらどうか、こう私ども考えておるわけでございます。従来の小売商業振興法は大したことないじゃないかという御指摘もいただいておりますが、今回は私どもそういうことも反省をいたしまして、ひとつ本当に実のある政策をつくっていきたい、そのためにも法律も考えていきたいと思っておりますが、何せ時間的にまだなかなかすぐおいそれとできるわけでもございませんので、今鋭意検討を進めておるところでございます。 例えばその中身はいかんということになりますと、先日もこの委員会でも少しお話をさせていただきましたけれども、いずれにしても今どちらかというと商店街というのは横に長い商店街ではなかったかな、しかし今申し上げましたように、駐車場その他の問題からいけばどうしてもその中に相当のスペースの土地を確保していただかなければならない。そうなりますと、横に長かった商店街を今度は縦に長い商店街にひとつ変えさせていただいたらどうだろうか。そのために国も県も市も協力させていただいて、予算の中で相当の助成をさせていただいて、そういう例えば第三セクターなどをつくって、高い建物をつくって、横に長かった商店街をその高い建物の中で商店街を形成していただく、そしてそこの従来の横に長い商店街にある土地をぜひひとつ提供していただく。そうすると、そのときには例えばその土地の譲渡所得については特別のある一定の期間だけは課税の対象にしない、いわゆる税金は払わなくてもいいというような形にすれば、また、していただきやすいんじゃないだろうか。そういう形にして出てきた土地を活用させていただいて、駐車場なんかを、これも場合によれば第三セクターでつくってもいいんじゃないだろうか。そしてもう一つ言えば、それでもまだ住んでいるところがないんじゃないかというお話があれば、そういうものもひとつ住宅金融公庫等の融資に特別に何か枠を考えさせていただくとかいうような形にいたしまして、安い金利のお金で住宅、大きなマンションでもつくってそこへ入っていただくというようなこともこれまた考えてもいいんじゃないだろうか。 いずれにいたしましても、新しい時代、そういう駐車場の問題とかいろいろとお困りいただいている。あるいは、やはり大型店の方へ行きやすいというのは、消費者の考え方としてはどうもちょっとしゃれたようなところへ行きたいという気持ちもあるのでございましょうから、そういう面でいけば、そういうような形にした方がかえって消費者もまた来ていただけるし、そして、中小小売商もそれで商売がより活性化していくんじゃないだろうか、こんなようなことをぜひやらせていただきたい。そのための予算措置並びにその裏づけとなる新しい法律については、ことしの暮れから召集予定の通常国会の中でぜひともそういうことを考えさせていただき、予算も来年度の予算の中で、そういうものをしっかりと確保していきたい、私どもはこう考えておるわけでございます。
○竹村委員 ただいま通産大臣からお話をいただいたわけでありますけれども、ぜひ次の機会にひとつ掘り下げてまた討論させていただきたいというふうに思います。 そこで、今回の改正案についてでありますけれども、商品の先物市場という制度がリスクヘッジ及び公正な価格形成という機能を持ち、円滑に進むことが必要であることは十分認識をいたしております。また、そのためには一般投資家の投機資金が必要となることについてもよく承知をいたしております。そして、商品先物市場は他の、例えば株式市場や債券市場と違い大変リスキーな市場であり、一般投資家の資金の導入については細心の配慮が必要であることは言うまでもありません。しかし、これまでの商品先物市場の問題というと、一般投資家と専業商品取引員のトラブルに終始しており、社会問題になっていることはよく御存じのとおりであります。しかもトラブルの内容は、過当、不当な勧誘によるものであり、一方的に取引員側の責任に帰すべきものであります。そして、こうしたトラブルが後を絶たないこともまた事実であります。 先物取引というものを考える場合、確かに先物市場というのがなければ経済上の不都合があり、円滑に進まないことも事実であるけれども、取引所の運営が関係当業者の立場から離れるものになったり、大衆の被害が続発するようでは先物市場の存在すら問われることになるのであります。経済上の理由から先物市場の有効性を強調しても、一般投資家の被害を正当化することはできません。先物市場の有効性を認めるならば、むしろ投資家保護が十分に発揮されなければなりません。そうでなければ、先物市場の存在意義が成立しないと考えますけれども、この点についてどうお考えですか、お伺いしたいと思います。
○武藤国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、やはり今日の経済情勢、世界的に大きく変革をいたしてきておりますし、日本もまたその中で例外ではないわけでございます。商品の先物市場というものが今後国際的な経済社会の動きの中で、特に日本のように経済大国になり、また貿易面でも非常に大きな数量を扱っているこの国といたしましては、やはり世界的に通用する商品先物市場をつくっていかなければいけないというのは宿命ではなかろうかと思います。 しかし、今御指摘のように、そういう中にあって、いわゆる委託者というか投資者というか、そういう方々の保護というのは当然のことでございまして、大体従来の法律改正が二回あったのは委託者保護が重点であったと私は思うのでございます。今回も当然その辺は十分考えさせていただいて、先ほど来事務当局から答弁がなされておりますように、例えば、従来は委託者からお預かりしたお金が半分取引所へ行ったけれども半分は自分というか、いわゆる商品取引員のところにあった。これを今回は、そこへ置かないで、銀行のいわゆるその委託者の口座のところへちゃんとお預けをしていくというような形で、お金をお預かりするのがいわゆる担保されているわけでございます。そういう面からいたしましても私は一歩前進だと思います。あるいはまた今の私設市場を今度は閉鎖するということも、先物市場に非常にいろいろの弊害があった、その私設市場がなくなるということも大変結構なことだと思います。あるいは、今お話のございましたように、そういう不当な勧誘、過剰な勧誘を行わないということも今度はきちんとしよう、そして書面でもってきちんとしようじゃないかというようなことも私は一歩前進ではないかと思います。 私は、そういう点ではいろいろと考えておる今度の法律改正ではないかと思っておるわけでございますので、よろしくひとつお願いを申し上げたいと思います。
○竹村委員 政府はこれまでも何回となく、商品取引所法は当業者を主体とした商品の流通経済法であり、これに委託者保護という観点について十分に配慮したものであるとこの商工委員会で説明した経緯があります。今回の改正案についても当業者を主体とした当業者主義という基本ベースは変わっていないと思いますけれども、その点についてお伺いをいたします。 また、今回の改正案は過当投機の抑制及び委託者保護という観点について十分に配慮したものであるかどうか、自信を持って言えるか、お答えをしていただきたいというふうに思います。
○山本(貞)政府委員 お答えいたします。 まず、当業者主義でございます。従来とも当業者主義をとっておりますが、今回の改正案におきましても基本的には当業者主義は維持をしてまいりたい、そういうことで御提案申し上げております。 若干具体的に申し上げますと、まず、第九条にその発起人の規定がございますが、発起人はすべて一般的に言われる当業者でなければならない。外国人を含んでもいいわけですが、当業者でなければいけない。かつ、その過半数は狭い意味での当業者、すなわち当該物品について一年以上取引をしている人でなければいけないというように資格を限定しております。それから、会員の資格につきましても二十三条で従来どおり当業者主義の考えを貫いております。もちろんその際、先ほど申し上げましたが、外国人あるいは外国で取引を行っている人というのは今回新たに導入されておりますが、基本的には当業者という考えは変わっておりません。かつ、商品取引員についても同様のことを規定しておるわけでございます。 それから、委託者保護について従来とも法律の中では各種の規定があったわけでございますが、先ほど大臣からもお話がございましたように、今回、まず私設先物市場の開設の禁止ということ、あるいは委託者資産の分離保管、かつ、その分離保管をした場合の資産の保全の仕方というか、ちゃんと戻ってくるような仕掛けを省令あるいは実効上確保するように予定をしております。かつ書面交付の義務づけあるいは外務員の登録の更新制、それから紛議処理体制の整備、自主規制団体の設立といったような数多くの委託者保護関係の規定を今度盛り込んでおる次第でございまして、この法案を通していただければ、飛躍的というか、相当委託者保護の点が前進というか、改善されるものと確信しておるわけでございます。
○竹村委員 今、当業者が主体であるということは改正案でも変わらないということでありましたけれども、それではお伺いをいたしたいわけであります。 ちょっと最近における生糸価格の推移を見ますと、昨年五月十五日に朝日新聞報道でも「ストップ高すでに五十一日間」という記事が大見出しになっております。この結果、当業者である糸商や機屋が非常に大きな被害をこうむったと報道されておるのであります。法の立法意図と異なり、逆に先物取引という制度があることがマイナスとなっております。この昨年の横浜、神戸生糸取引所の混乱は一体何が原因だったのか、その後どう手当てをされたのか、お伺いをいたします。 また、生糸価格の乱高下に絡んで国と商品取引所が訴えられておるというふうに聞いておりまして、裁判中であると聞いております。その事実があるのかないのか、ひとつお答えをいただきたいというふうに思います。
○鷲野政府委員 お答えを申し上げます。 先生ただいま御質問の昨年の年初から夏にかけての生糸相場の高騰でございますが、これは世界的にシルク需要が高まったという背景がまずございます。それに加えまして、国内における繭の減産が続いている、それから蚕糸砂糖類価格安定事業団の生糸の在庫が減少した、それから中国等の海外主産地の生糸供給力に対する不安が高まった等々、生糸供給の先行き不安感等が要因になって高騰したものであると考えております。 それに対しまして主務省としてとった措置でございますが、まず供給を増大いたす策を幾つか講じました。例えば繭糸価格安定法による安定上位価格及び安定基準価格の大幅引き上げを行いまして生産意欲を高めるようにした。それから国内産繭の増産対策も講じました。それから中国からの生糸輸入の早期履行と追加の要請あるいは一元輸入制度のもとにおける消費者機能の活用、いわゆる瞬間タッチ等々の措置を講じたわけでございます。それと同時に、繭糸市場のように市場規模の小さい取引所におきましてはとりわけ適切な市場管理というものが重要でございますので、厳正な市場管理の措置を実施いたしました。例えば一委託者当たりの限月別建て玉制限の強化とか、委託臨時増し証拠金の増徴とか取引員別の建て玉総量規制とか、値幅制限の強化等々の措置をとったわけでございます。 それから、これに関連しまして裁判が出ているかどうかということでございますが、横浜生糸取引所の行いました市場管理措置の強化並びに国の取引所に対する監督につきまして、横浜生糸取引所において生糸を売買した売り方と買い方の双方から取引所と国に対して損害賠償請求の訴えが出ておりまして、現在東京地裁において審理中でございます。
○竹村委員 当時のマスコミは、市場の混乱は行政の失敗が原因だというふうに指摘をいたしております。 生糸の先物取引について、私は十五年前の商品取引所法の第四次改正、つまり昭和五十年改正での際、特にこの問題を取り上げ、くどいくらいに見解をお伺いした経緯があるわけであります。当時、二瓶説明員も野口政府委員も、一元化輸入をめぐってより望ましい制度に移行することも含めて検討したいと約束され、当時の河本通産大臣も、通産、農林が相談して総合的な角度から検討すると約束されたのであります。十五年間、農水省と通産省はどのような相談をされたのか、どうされていたのか、ひとつお聞かせをいただきたいというふうに思います。十五年前と同じお尋ねをしなければならないこと、まことに残念であります。 もともと生糸は、蚕糸砂糖類価格安定事業団が国内養蚕家の保護を目的として一元輸入をしており、価格指示制度を維持しておるのであります。この結果、上限と下限価格が事実上存在することになり、幅はあっても、農水省が価格に介入して相場が固定化されております。この現実を見ますと、商品の公正な価格の形成を目指し当業者間のリスクヘッジを行う目的である商品先物取引制度とは、整合性がなくむしろ混乱の原因をつくるだけのマイナスにしか働かないのではないかと見えてくるのでありますけれども、どうお考えになりますか。 また、先日いただきましたこの資料のグラフ、横浜の生糸価格の推移の資料によりますと、八八年十二月の安値一万一千二百八十円が昨年六月二十九日には一万九千二百七十円と暴騰し、さらにわずか三カ月半ぐらいで、十月十六日には逆に一万九百三十円に暴落をしておるのであります。そしてまた十二月二十九日には一万七千八百五十円に暴騰しておるのであり、その間インサイダー取引が行われ、膨大な政治資金がつくられたと関係方面でうわさをされ、現実に閣僚経験者である大物自民党の国会議員が四人も訴えられ政治不信を起こしたことは、御承知のとおりであります。目下裁判中のことですので、インサイダー取引があったとかどうかという質問は差し控えますけれども、五十八年五月十八日、当時の山中通産大臣が、生糸一元輸入制度の見直しの検討の方針を明らかにされた。そのことだけで翌日の横浜、神戸の生糸市場は暴落をし、ショック安を起こしたというふうに報道されておるのであります。また、蚕糸事業団が六十二年十月から四十二回にわたって生糸の一般売り出しを実施しておるのであります。これがまた生糸の市場価格に影響を与えるわけであります。さらに、取引所が行うさまざまな規制等々、そこにインサイダー取引が起こる可能性があるわけであります。どのように改善されようとしているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○鷲野政府委員 生糸とその原料たる繭でございますが、これはもう先生御案内のように大変価格変動が激しい商品でございます。それからまた、いわゆる生産流通過程の足が長いということで、この間に、関係農業者、養蚕農協連とかあるいは製糸メーカー、生糸問屋、輸入商社等々が関係しまして価格変動に伴うリスクを回避するとともに公正な価格形成を行う場としての商品取引所は必要であるというように、そういう関係業者も認めておるところでございます。また、我が国は御案内のように伝統的な世界の生糸取引の中心の一つでもあるという意味で、輸入生糸を含めて国際的な価格形成の場としてのこの生糸取引所の役割というのは今後も高いというふうに考えておるわけでございます。確かに繭糸価格安定制度というものがございますけれども、これは上下の安定帯の幅の中に市場メカニズムを生かしながら過度の価格の変動を防止する、そういう制度でございます。 したがって、現実の生糸の取引あるいは繭の取引等におきましてはリスクヘッジの場あるいは公正な価格形成なり先行的な指標価格形成の場としての生糸取引所というものは必要である。ただし先生御指摘のようにこういった市場規模の小さな商品市場であるだけに、仕手筋の介入を防ぐための適切な市場管理は必要でございます。先ほどからもるる申しておりますように、昨年からの相場の変動に際しましてはそういった措置を講じてきておりますけれども、今回法律が改正されました暁には、その改正法も取り入れましてより一層この市場管理の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。 なお、蚕糸・絹業問題等につきましては農蚕園芸局長からお答えを申し上げます。
○松山政府委員 一元輸入の問題を中心にして状況を御報告させていただきたいと思います。 御案内のようにこの制度、外国産生糸の輸入の急増という事態に対応いたしまして秩序ある生糸の輸入の確保を図っていく、こういうことで昭和四十七年に繭糸価格安定法を改正いたしまして制度化されたものでございますが、先生から今御指摘のございましたあの時期のやりとりにつきましては私もよく勉強させていただいたところでございますけれども、あの当時は政令で期間を定めまして暫定的に実施するという建前の制度でございました。四十九年と五十年、単年度ごとにそれぞれ実行されたという経過がございます。二瓶審議官からの御答弁もございましたように、その間通産省ともいろいろ御相談しながらこの問題をどう考えていくかということで大分詳細な検討も行われたようでございます。その中にはいわゆる不足払いの導入ということも含めての検討があったというふうに承知をいたしておるところでございますけれども、御案内のように生糸の場合には生活必需品ということでは必ずしもないといったようなことからその財源をどうするか、例えば課徴金というふうな構想もあったようでございますけれども、国際的な事情を考慮すれば適当ではないといったようなことで、種々検討の結果、昭和五十一年三月に全野党の一致の議員立法で、当分の間ということではございますけれども、一元輸入制度をいわば制度化するということで改めて法律改正が行われた、こういう経過があるわけでございます。 その後の状況の変化を見てみますと、一つには生糸の内需が減少したという事情、それに養蚕地帯におきます高齢化が進行したといったようなことで養蚕の規模自体はかなり縮小いたしておりますけれども、なお農山村、特に中山間地域におきます非常に重要な作物の一つであることは間違いないわけでございます。かつまた、その後生産の合理化にいろいろと努めてはおりますものの、なお国際競争力の点では劣るという現状にございます。かつまた、規模は小さくなりましたけれども、国内の需要者におきましても消費する生糸のうちの三分の二は国産でございますし、品質的に見まして、特に和装需要という点を考えますと、高品質の国産生糸に対する需要は非常に強いと考えております。 片や、今国際貿易の上で大元締め的な供給国になっておりますのが中国でございまして、そういう中国が一元輸出体制をとっているといったようなことをいろいろと彼此勘案いたしますれば、私どもといたしましては、国内の生産の徹底的な合理化を片一方では要請しつつこの制度をいかに関係者の意向を踏まえながらうまく運用していくか、それで蚕糸と絹業の両々共存していく道をどのように具体的に考えていくか、こういうことではなかろうかと考えておるわけでございまして、先ほど食品流通局長からちょっとお話がございました瞬間タッチの導入、実需者売り渡し制度の弾力化といったようなことにも取り組んでおるわけであります。 幸い、ことしに入りまして蚕糸・絹業関係団体より成ります専門家会議の結成も見ました。こういう場での議論をよく聞きながら、特に最近非常に苦しい立場にございます絹業家の方々の意見も踏まえた適切な制度運営ということを心がけてまいりたいと考えておる次第でございます。 なお、インサイダー取引のお話がございましたが、これは非常に慎重に対応を必要とする問題でありまして、私ども厳密な情報管理を事業団に指導しておるところでございまして、そういうふうな事情はなかったと承知しておるところでございます。なお、お話に出ました政治家の方についての訴えはその後取り下げられたと承知いたしておるところでございます。
○竹村委員 今政治家に対する訴えが取り下げられたということで裁判がないということでありますので、その点について裁判中であれば御遠慮を申し上げようと思っておったわけでありますけれども、そういう御返事でありますので、ちょっとその点について質問したいと思います。 裁判がないということで伺いましたけれども、そうしたら訴えられた自民党の四人の国会議員の方々はその訴えて取り下げた人に対して名誉棄損の裁判をされておるのかどうか、伺いたいと思います。
○鷲野政府委員 私、しかとは存じていないのでございますが、そういったような反対の訴えはないのではないかと考えます。
○竹村委員 私もそのような認識を持っておるわけでありますけれども、これは重大な問題であります。インサイダー取引をして莫大な政治資金がそこで調達された。私が聞いております知人の話によりますと、金額でいうなら恐らくリクルートより多いのではないか、生糸取引所において調達されるところの政治資金は金額にして恐らくリクルートより多いというふうな考え方を持っておる人もあるわけであります。こうした乱高下の中で政治資金がつくられた。こういう立場で、自民党の閣僚経験者の大物議員が四人も訴えられて、そしてその後訴えを取り下げたということだけで普通ならばこれは重大な国会議員に対する侮辱であります。また名誉の棄損であります。そうしたことについては当然名誉棄損で訴訟、告訴されるべきだと思うわけでありますけれども、その告訴がなされていないということになれば、私どもは当時うわさされたような莫大な政治資金がこうした——ここにございますけれども、この生糸の乱高下がまさに異常な状態であります。十二月に一万一千二百八十円、この山の高いところが一万九千二百七十円、そして三月もたたぬうちにこれがまた一万円に下がってくる。まさにこの山、この谷、この山、こんなことはかってなかったことであります。これがまた先ほども私が指摘いたしておりましたような状態でありました。この問題について裁判中であるなら、あるいはまた今そうした取り下げがあったという答弁がなければ遠慮しようというふうに私は申し上げておったわけでありますけれども、もう取り下げられて裁判がないということであるならば、そうした意味での質問を申し上げたいと思うわけであります。 それでは、四十二回にわたって蚕糸事業団の生糸の一般売り渡しが行われておりますけれども、この売り渡しの基準はどうした立場で決定をし、どうした人が責任を持って売り渡すのか、お聞かせ願いたいと思います。
○松山政府委員 法の定めるところによりまして、糸価が安定上位価格を上回って推移しておりますときないしはそのおそれがありますときに事業団の決定によって売り渡していく、こういう仕組みになっておるわけでございます。
○竹村委員 量その他はどうして決めるのですか。
○松山政府委員 そのときの市況の状況その他をにらみながら必要な量を売り渡していく、こういうふうなことで事業団が決定するという仕組みに相なっております。
○竹村委員 だれが決めるのですか。
○松山政府委員 事業団が決定する、こういう建前でございます。
○竹村委員 量、時期、そうしたものに対する客観的な定めというのはあるのですか。だれかが主観的に量とかあるいはまた時期とかそうしたものを決めて、決定をする。どうなっておりますか。
○松山政府委員 先ほども申し上げましたように糸価が価格帯の上限を超える、ないしはそのおそれがあるというのが法の定めでございまして、それを幾らになったらどうするというところまで具体的な定めがあるわけではございませんが、そのときどきの需給実勢その他も見ながら具体的に事業団が定めてまいる、こういう仕組みでございます。
○竹村委員 制度的にどうなったらどうなるという、私はそういう定めはないというふうに思います。そうした非常にあいまいな中での一般売り渡しが行われたのではないか。生糸の相場がどんどん上がっていよいよ当限で売り渡しが行われる、この時期については当然品がすれの状態が起こっているわけでありますから、蚕糸事業団のこの生糸の放出そのものが生糸価格、生糸相場に与える影響というのは大変大きなものがあるわけであります。その大きなものを、例えば生糸を二千俵放出する、二千俵売り渡すということと五千俵売り渡すということでは生糸相場に与える影響というのは非常に違うわけであります。そこにインサイダー取引が起こる可能性があるということを私は申し上げておるわけでありまして、そういう事態についてひとつ具体的に、だれがどうした形で何ぼ放出するのかというのはどういう機関にかけて決定されるのかということについて、もう一度お伺いいたしたいと思います。
○松山政府委員 御指摘がございましたように事業団の行います生糸の一般売り渡しは糸価の高騰時に生糸相場を安定させる、こういうことで行われるものでございますから、この売り渡しにかかわる情報が一般にあるいは一部の人に漏れるというようなことがございますとこれは大変なことでございます。したがいまして、この一般売り渡しに関する事務は非常に慎重に進めなければいかぬ話だというふうに私ども考えておりまして、事業団に対しましては厳正な情報管理を行うように指導してきたところでございますし、また事前にそういうものが漏れたということはないというふうに承知いたしておるわけでございます。 具体的な決定は、そのときどきの事情を慎重に見きわめてこれを決定していく、こういうふうに申し上げさせていただきたいと思います。
○竹村委員 今そういう状態の中で、こういう蚕糸事業団の生糸の放出の状態を例えばだれかが知り得た、そのときに売り玉を建てる、こういう立場をとったら莫大な利益が得られるわけであります。ここの山を見ていただいたらわかりますけれども、六月に一万九千二百七十円、ここのところからここまでわずか三カ月でありますが、これが半値になった、まさに九千円近い値下がりになっておるわけでありますから、そうしたことについて一般関係者が、インサイダー取引が行われ莫大な利益を得た政治家がいる、こういうふうに判断をし、当初関係者の間で大きな問題になったわけであります。そういう立場に立って訴訟が起こったというふうに私は認識をいたしておるわけでありますけれども、訴訟が取り下げられたということになりますれば、そうした疑いを持たれた政治家は自分の名誉に係る問題でありますから、こうした問題については当然名誉棄損で処理すべきである、普通の人間ならそうするだろうというふうに私は思うわけであります。そうしたことがなされてないことについて、やはり何かあったのではないかというふうな疑いを多くの人が持つ。それがまた政治不信につながっていくことは否めない事実であろうというふうに思うわけでございまして、今後そうしたことがないように十分配慮して、こうした商品取引所の運営に取り組んでいただきたいというふうに思うわけであります。 そこで、神戸の取引所における一つのトラブルについてお伺いをいたしたいというふうに思います。 私の手元にございます資料によりますと、本年二月十六日に事件が発生をいたしまして、仲買の大倉商事が、従来建て玉制限があったが昨年十一月二十七日に撤廃されていたので、再度取引所に対して制限はありませんねと確認をし、ないとの返事だったので一万二千枚を買った。ところが、その直後取引所から、制限はある、その上限は八千枚という連絡と通達が出された。大倉としては、マイナス四千枚を出せば暴落することは必定であり、取引所に対して抗議を行った。取引所は、二日間取引所を閉鎖して協議し、四千枚の玉を各仲買に割り当て、再開しようとした。再開されたが、当日の取引はゼロであり、また、割り当てを受けなかった仲買もいた。現在訴訟等にはなっていないが、買い側から、根拠のない制限で損害をこうむったということで、損害賠償請求訴訟の起きる可能性がある。こういうふうな資料があるわけでありますけれども、このことについてひとつお答えをいただきたいというふうに思います。
○鷲野政府委員 本年二月の神戸生糸取引所におけるただいまの事件につきましては、私どもも監督上遺憾な事件であるというように考えております。 ただ、これは先生御案内だと思いますけれども、当時神戸生糸取引所における通常の取引枚数というのは一日二千枚か三千枚ぐらいだったのでございます。それに対しましてこの仕手の機関店が一挙に大量の買いを出した、九千枚の買いを出したわけでございます。二月十六日当日の売買枚数、買い玉の一万二千枚中九千枚をこの大倉商事が出したという、大変大量の強引な買いに出たわけでございます。したがいまして、通常はそういうことはないのでございますけれども、神戸と横浜の価格の間に千二百円ばかりの差が出たという、非常に異常な事態を招いたわけでございます。その善後処理のために取引所が協議をいたしまして、それで臨時に証拠金の増額等の措置をとったのでございますが、結局その仕手の機関店が、場勘と申しますが、必要な証拠金等の提出ができなかった、そのために違約処分を受けた、この違約処分の処理のために立ち会いを停止いたしまして強制解け合いを行った、こういうようなことなのでございます。
○竹村委員 今答弁にありましたように、神戸の取引所の年間の商い高から見てこの一万二千枚というのは非常に多いというふうに私も考えております。このもらった資料で、平成元年度の取引が三十六万枚ぐらい。これは一万二千枚になりますから、非常に多いし、一枚が五俵ということになれば六万俵であります。六万俵ということになれば三百六十万キログラム。金額にして一万五千円ぐらいの相場でありますから、五百億から六百億円ぐらいの、これは現物としたら取引を、建て玉を受けること自体が間違いではないか。この建て玉を受けたことによって、大倉商事はこういういろいろなトラブルの中で今倒産をしたわけであります。 これは、倒産をした大倉商事に対する委託者は、今大変な迷惑をこうむっておるというふうに思うわけでありますけれども、この委託者の保護について、どのような手だてがされておるかということについてお聞かせをいただきたいと思います。
○鷲野政府委員 先ほど私、遺憾であるということを申し上げたのは、昨年来の繭糸市場の混乱の事態に備えて、実は生糸について建て玉枚数の制限をしていたわけでございますが、たまたまその時点において生糸取引だけが制限を外した。そこであの事件が起こって、急遽建て玉制限を復活したということでございます。 それから委託者の保護につきましては、できるだけ万全を期すべく、ただいま大倉商事の委託者債権額の確定作業中でございますが、作業が確定いたしますと、大倉商事が取引所に預託しております受託業務保証金等々、それから大倉商事が有している資産から委託者への払い渡しを行いますし、それでなお不足が生じた場合には、社団法人商品取引受託債務補償基金協会が大倉商事にかわって弁済をするということで現在作業中でございます。
○竹村委員 委託者の保護について十分配慮をしてやっていただきたいと思います。 生糸の問題の最後の質問でありますけれども、商品取引所法による公正な価格の形成、当業者のリスクヘッジ、また国際化という立場から見て、価格の乱高下で当業者に大変迷惑をかけ、一元輸入で支持制度を取り入れ、また市場価格とは別に年間二万四千俵の生糸を実需者に売り渡したり、あるいは今言いましたようにトラブルが続発し、裁判等によって国際的な信用を失っております。また、生糸の上場は我が国のみという現状にかんがみて、一元輸入を継続し支持価格を維持するならば生糸の上場を廃止すべきであると思いますし、生糸の上場を続けるならば一元輸入制度は廃止すべきであると思うわけでありますけれども、その点についてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
○松山政府委員 先ほど食品流通局長からお答え申し上げましたように、生糸取引所は公正な価格形成の場としてあるいはリスクヘッジの場として重要な機能を果たしておるとまず考えるわけであります。 他方、一元輸入制度の扱いの問題につきましては、先ほども申し上げましたように、国内の安定的な生糸供給基盤の整備を図っていくという点からしても、現段階においてこれをいかにうまく適正に運用していくかということが非常に重要な課題である、このように考えておるわけでございまして、いかに両者をうまく成り立たせていくか。やはり国産生糸の安定的な供給、それに的確な輸入の実施といったようなことを通じつつ、かつ一種の思惑的なものが入らないように、できるだけ当事者間の意思疎通を図るような形でこの制度を運用していきたい、このように考えておる次第でございます。
○竹村委員 そういう返事しか仕方がないと思います。ただ、今、国際価格も大分高騰いたしてまいりましたし、我が国の生糸相場も安定いたしてまいりました。これがちょうど国際相場と我が国の生糸価格がバランスしたところぐらいで一元輸入問題についてもお考えをいただく。業者間では軟着陸と申しておりますけれども、軟着陸がうまくできるように、今すぐ生糸の一元化を撤廃するというのはこれまた市場が混乱するわけでありますから、そうした意味でひとつ十分な指導と、そして委託者保護について配慮していただきますことをお願い申し上げまして、まず生糸の問題については終わりたいと思います。 時間が参っておりまして、和田委員の時間に大分食い込んでおりますので、用意いたしてまいりました質問をまとめて四点ぐらいいたしますので、通産大臣からお答えをいただきたいと思います。 これまで新規商品の上場は政令事項で決定されていましたが、この改正案では取引所の申請に対して主務官庁が認可する形式となっています。このため安易な上場が行われ、そこがまた仕手戦の場となり、相場が実態とかけ離れて乱高下をして、そのあげくに本来の目的である商品の流通の円滑化に支障を来し、実需経済に悪影響をもたらすのではないかという懸念があるのは何も私だけではないと思います。したがって、こうした弊害を除去するため、新規上場に当たっては関係当業者の意見を聞くなど慎重に対処すべきだと思うが、どのように考えておられますか。また先ほど来申し上げておりますように、この仕手戦を排除するような制度的な保障についてはどのようなことを考えておられますか。 続いて、今回の改正目的の大きな柱に国際化がうたわれております。そのため、ブラックマーケットの一掃、第八条の商品市場類似施設の開設の禁止規定の準備等の手当てが行われていますが、まだまだ不十分だと思います。何より、なぜ日本で市場が十六も必要ですか。アメリカでも十二しかない現状を見るときに、類似の地域、商品の統合を進めることが国際化につながるはずではないかと思います。通産、農水省はどんな将来ビジョンを考えておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。 また、取引方法を統一する必要があるのではないかと思います。現在、先進国で採用されている取引方法はザラバ方式であり、我が国も証券市場で採用されておるわけでありますので、こうした取引方法に統一する必要があるのではないかと思います。また、我が国は取引手数料が非常に高いと言われております。この改善の方法を考えておられるかどうか、お伺いをいたします。 また、この改正案で想定している国際化に伴って発生するニーズには、どのような国、どのような商品を仮定されているのか、お伺いをいたします。海外からの一般投機家の注文を取り次ぐ業者は現地法人も認めることになると思いますけれども、この現地法人が行き過ぎた勧誘をしたりした場合、これは我が国の信用問題になるのではないか。この点についてどう考えておられるのか。 まず、国際化の問題等々についての答弁をまとめて通産大臣にお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○武藤国務大臣 いろいろお話がございましたが、まず、国際化に対応するために上場を考えている商品は何かということについては、通産省関係ではアルミニウム、パラジウムなどを考えております。 それから、国際的に通用する取引所ということであればどうも多過ぎるのではないかということもございまして、これは我が国の経済状況、取引所の構成員たる会員の意向及び取引所の所在する地域の事情などを考慮しながら、大型化と国際化への対応の必要性などを踏まえて、取引所の合併を段階的に進めていくのが適当であると考えております。 いわゆる安易な上場が行われて仕手戦の舞台となることが懸念される、新規商品の上場に当たっては関係当事者の意見をよく聞いてやるべきではないかという点でございますが、もう当然でございまして、私どもといたしましては、具体的には当業者を中心とした関係業界の意見をよく聞きながら、商品取引所審議会に諮問する等の手続を経てから的確に対応していきたいと考えております。 それから、国際化を図るのであれば、いわゆるザラバ取引仕法を採用すべきと考えるがどうかということでございますが、ザラバ仕法の導入を含め、取引ルール等の国際化に向けて今後積極的な検討及び対応が図られるよう指導してまいりたいと存じております。 それから、海外の大衆からの注文を現地の業者がこれから取り次ぐ場合に、過度な勧誘が行われると我が国の信用にかかわると考えるがどうかということでございますが、海外における商品取引員が受託活動を行う場合、支店を設置する場合は主務大臣の許可、現地法人をつくる場合は主務大臣への届け出が商品取引所法上必要でございます。海外における受託に際しましては相手国のルールに従うことはもとよりでありますけれども、さらに、勧誘時に際して国内と同様のルールのもとに受託を行うよう指導してまいりまして、厳しい、いわゆるそういう過度な勧誘が行われないように、同じように書面でやるというようなことはきちっとさせますので、そういうことのないようにさせていただきたいと思っております。 いずれにいたしましても、先ほど私も申し上げましたように、今の国際社会における日本の経済力、あるいは日本の貿易が非常に大きくなってきたこと、為替の変動制、あるいは金融、資本の自由化、いろいろな形からいって日本の商品取引所というのが国際的に対応できるものにしていかなければならない、また、国際的に信頼を受け得るものにしていかなければならない、そしてできれば将来、日本の商品市場における先物の価格が世界的に通用するような、世界的な一つの指標になるような価格になれば大変好ましいことではないかと思っておりまして、そんなような形でございます。国際的なこういう情勢の中に対応できるような取引所にぜひしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
○竹村委員 終わります。
○浦野委員長 吉田和子君。
○吉田(和)委員 吉田でございます。 私は五月二十二日に東京工業品取引所の現場を見学させていただきました。いろいろと親切な御説明をしていただきましたが、システムを理解するのに実は大変骨が折れました。わかりにくいというのがまず第一の実感でございました。売りと買いの瞬間のプロの人たちの駆け引きというか、数字のマジックとでもいうような印象がございました。ましてや、一枚、二枚という単位が後で聞くと本当にけた外れに大きくて、全くマネーゲームというか投機にしか受け取れなかったというのが実感でございます。 商品の先物取引の社会的意義というのはどういうものであるかをまず最初に大臣に伺いたいと思います。
○武藤国務大臣 商品の先物取引というのは、いわゆる商品の流通において価格が非常に変動する場合にやはりヘッジをしていきたいということから行われておるのが現在の商品取引である、こう考えております。
○吉田(和)委員 取引所の御説明によりますと、現在の品目をふやしたいというお考えがあるというふうに伺いましたが、そのとおりでございましょうか。また、そのとおりであれば、どういう商品をというふうにお考えでしょうか。お伺いいたします。
○山本(貞)政府委員 取引所だけでこういうものを上場したいというものでもございませんで、関係の当業者、先ほどから話が出てまいりますが、生産、流通等にかかわっておられる当業者の方々の御意見、それから私どもはそれを判断いたしまして、一定以上の取引が行われる見通しがあるか、当該物品についての生産、流通のために必要かつ適切であるかどうか、そういう判断をして上場に持っていくことになると存じます。先ほども話がございましたが、私どもの関係では、今議論されているものはアルミニウムとか貴金属のパラジウムといったものでございます。
○吉田(和)委員 むしろ内外価格差がなくなるというか、価格が安定するというふうなお話もあったのですけれども、実際はそのようになるのでしょうか。
○山本(貞)政府委員 商品取引所で上場した場合の一つの機能として価格形成機能というのも私ども申し上げているわけですが、適正な取引が大数というか数多く行われることによって需給が適正に反映される、かつ、国際的に開かれた市場であればそういうことが想定され得るわけでございます。そういう意味で私どもは適正な価格が形成される場として期待されるということでございます。ただ、実際の商品の設定が若干問題だったり、あるいは市場が小さかった場合等、過去の例では価格安定というよりむしろ安定しなかったという例ももちろんございますが、商品取引所の目的としては適正な価格が形成されるということでございまして、そのように上場の設計なり商品の設定を行っておる次第でございます。
○吉田(和)委員 将来は石油を扱いたいというようなこともちょっと伺ったのですけれども、そのことについてはいかがでしょうか。
○山本(貞)政府委員 海外等でも例がございますが、日本では今非常に長期的な検討課題、言葉はちょっとあれですが、長期的に今後検討していく問題というふうに考えております。
○吉田(和)委員 さて、今回の改正案につきまして、特に私は委託者保護についてお伺いをさせていただきたいと思っております。 今回の改正案は、前回の五十年の改正の際に積み残されました懸案事項について手当てがされていると考えるわけでございます。我が党が長年主張してきました委託者保護の面についても配慮をしてあり、その点については評価することができると考えております。 その委託者保護策の一つでございます委託者債権の完全分離保管は、四十九年の産業構造審議会の答申で指摘をされながら五十年の改正に盛り込まれなかった事項でございます。これは専業取引員の反対が大きかったということなわけでございましょう。今回についても反対の声があったと聞きます。十五年かけてやっと法改正される最大の理由は何なのかをお伺いしたいと思います。
○山本(貞)政府委員 今度、今先生御指摘のように委託者債権の完全分離保管を目指しておるわけでございます。四十九年からの課題でございまして、確かに長い間かかったという御指摘はそのとおりと思いますが、実態を申し上げますと、委託者が商品取引員に預ける場合は、主として株券がかなり多いわけでございます。株券の場合それを処分してしまえば現金として実際そのまま使えるわけですが、それを預かっておるのですが、実際は、取引に伴っていろいろな手数料なり差損なりあるいは取引の証拠金なり必要な資金がございます。そういう資金は商品取引員が立てかえるというようなことにその場合なるわけでございます。そういう実際の取引の中では商品取引員が委託者のために立てかえている。かつ一方で、そういう預かりの株券等がある。そういう中で、株券を処分すると双方得でもないということもございまして、なかなか完全にそれを分割というか、完全分離して保管をさせるということによって流動性がなくなるというような、あるいは商品取引員の経営にも問題が生ずる、そういうような事実上の問題がいろいろございました。ただ、私ども今回法律改正をお願いするに当たりまして、従来の懸案であります完全分離保管をきちっと位置づけるように、もちろん業界の中にもいろいろな御意見がありましたけれども、通産省、農林省協力いたしまして、関係者とも十分話し合い、指導した上でこういう案を提案させていただいている次第でございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○吉田(和)委員 この改正法の完全実施はどのぐらいの期間でできるというふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
○山本(貞)政府委員 ただいま申し上げましたようないろいろな商品取引員の経営上、あるいは預かっている資産の状況等を考えまして、今考えていますのは、四年かけて四分の一ずつ進めたいと考えておりまして、四年後にはきちっとしたものにぜひ持っていきたいというふうに考えております。
○吉田(和)委員 四分の一ずつというそのタイムスケジュールをちょっと聞かせていただけますでしょうか。
○山本(貞)政府委員 経営上、年度で考えた方がわかりやすいと存じますので、私どもとしては、来年というか、この法律をもし成立させていただければ施行がもうちょっと後になると思いますが、その後の新年度ということになりますと、来年の四月一日から一年というのを第一年度と考えまして、それを含めてそれから四年度かけて完全に実現したいと目指しておるわけでございます。
○吉田(和)委員 目標はもっと短くてもよいというふうな思いでございます。 次に、この完全分離保管機能のかわりの役目を果たしてきました商品取引受託債務補償基金協会は、今後どのような新しい役割を果たしていくことになるのかをお伺いいたします。
○山本(貞)政府委員 お答えいたします。 指定弁済機関という位置づけを法律上しておるわけでございますが、今言われました商品取引補償基金協会の機能としては、従来から万一の場合に委託者財産の保全を図るということで、かわりに払うという機能を持っておるわけでございますが、引き続きその機能を果たすということで、今後弁済基金の準備金の積み増しを図りまして、一層その機能の充実を図っていく方針でございます。 かつまた、先ほど申し上げました完全分離保管制度の導入におきまして、銀行等に分離保管されている委託者財産につきまして補償基金協会が常にウオッチしておりまして、その商品取引員の状況がちょっと危ないというような指標があらわれたときに、主務大臣にその旨を通告し、かつ、主務大臣は当該銀行等に措置をお願いして、当該銀行等は商品取引所にその委託者財産を移す、そういうような仕掛けを考えていきたいと思っておりまして、今申し上げました仕掛けは今度の改正案の中で書いております主務省令で定める措置というような規定がございますが、そういうようなところで定めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○吉田(和)委員 次に、今回の法改正で私設先物市場の開設及び取引の禁止、このことについて間違いなく行われるのか、確認のためにお聞かせください。
○山本(貞)政府委員 今回の法改正の非常に大きな一つの柱でございますが、私設先物市場をなくするということでございまして、そのために現在の商品の指定の仕方を、法律上、政令上広く指定いたしまして、その商品について私設先物市場を開設することを禁止する、そこで取引することを禁止する、そういう規定に改めることを考えております。それによりまして私どもとしては、罰則もかかりますし、きちっとした運用ができるというように確信をしておる次第でございます。
○吉田(和)委員 この私設先物市場の開設及び取引の禁止こそが我が党が消費者保護の観点から、また商品取引所法の立法趣旨の観点から、この商工委員会で長年にわたり先輩の委員が指摘をしてきたところでございます。関係の方々はだれでも御存じのことではございますが、昭和二十五年に制定をされた商品取引所法は、私設先物取引市場の開設及び取引を禁止しておりました。これについては、翌二十六年に内閣法制局がその旨を解釈として確認しており、だれもが異論のなかったところでございます。 しかし、五十一年ごろになって金の私設先物取引業者が生まれ、金ブラックマーケット取引と呼ばれる手口で一般消費者の被害が続発をいたしまして、社会問題になりました。五十二年八月に北海道警察が商品取引所法第八条違反で摘発をいたしましたが、同法では不起訴となって、詐欺罪に切りかえなければならなかったということがございました。問題はまずここにあると思います。 そして、五十五年四月、政府がいわゆる八条逆転見解を下し、私設先物市場の開設は原則自由としてしまいました。以後、金ブラックマーケット、プラチナ、銀と移りまして、現在はパラジウムとなっておりまして、その被害は今なお後を絶ちません。悪徳商法被害者対策委員会によると、その手口は詐欺そのものであるというふうに聞いております。老人、主婦をねらって、最近では高利貸しとぐるになって、家や宅地や田畑までが奪い取られてしまうというふうな状況がございます。あの豊田商事も、もともとは金ブラックマーケット業者であったというふうに聞いております。政府が金ブラックマーケット問題に正面から取り組んで、五十二年北海道警察が商品取引所法八条で不起訴にした時点で今回のような対処をとっていれば、また、五十五年の政府がいわゆる八条逆転見解を下したときに今回のような対処をとっていればと、本当に言いたくもなるわけでございます。我が党は五十三年以来、政府にこのことについて何度も迫った事実がございます。一体国会審議を何と考えておられるのかというふうに言いたくもなるのですが、そのことについてはいかがでございましょうか。
○山本(貞)政府委員 私設先物市場につきましての八条の解釈、運用につきましては、今先生御指摘のとおりの経違でございました。ただ、私どもとしてはその間いろいろな努力もいたしまして、例えば昭和五十七年に、金を上場することによって私設マーケットが禁止されるというのが現在の法律の解釈でございますから、それが禁止されることになりました。五十九年にはプラチナも上場いたしました。その後、いろいろな法制的な検討をいたしまして、昨年商品取引所審議会で御審議いただきまして、法制局等とも協議をいたしまして、現在御提案申し上げておるような案をお願いしておるわけでございます。 ただ、その間、営業の自由との関係で法制的には非常に難しい議論もございまして、やはりやみくもにと言ったらおかしいのですが、世の中にあり得るものすべてについて禁止するという仕掛けより、現在私どもが提案申し上げておりますような、そういう私設先物市場として登場しそうなものをあらかじめ法律及び政令で指定しておいて、そのものについては営業の制限を加える、先生御指摘のような、そういう公的な必要性があるわけでございますから営業の制限を加える、そういう体系にしたわけでございます。
○吉田(和)委員 委託者債権の完全分離保管は懸案十五年、十六年、そして八条問題については十年、十一年あるいは十三年のテーマとも言えるわけでございます。このように委託者保護の問題はいつも先送りされまして、産業振興策となると慌てて法文化されるというように、常に業界の意向が優先されるというような姿勢で、現在消費者重視と言われるようなこの状況を迎えております、このような行政対応でいいのかどうか、明確にお答えくださいませ。
○山本(貞)政府委員 ただいま申し上げましたように、憲法上認められた営業の自由との関係あるいは委託者保護という点につきましては、商品取引員と委託者との、先ほど申し上げましたような資産の預けの状況というか、あるいは商品取引員が営業を行っていく際での資金上の手当てとか、そういう実態的なことも総合的に勘案した上で従来制度ができてきたわけでございますが、御指摘のように、私どもといたしましても、消費者保護あるいは委託者保護という点を今回、従来以上に相当強く組み込んで、そっちの配慮を強く今度の改正案の中では入れたつもりでございまして、そういう意味では従来の考えを一歩進めたというふうに御理解いただけたらいいんじゃないかと存ずる次第でございます。
○吉田(和)委員 最近新聞紙上で、アメリカで資産運用とかそれから砂糖などの海外先物取引などを口実に、関東地方を中心とした主婦や老人二千人もの人たちが百二十億円もだまし取られるというか、まだだまされていることにすら気がついていないというふうな報道もございましたが、全く豊田商事まがいの事件が本当にごく最近また起こってきておりますが、その事実経過をお聞かせいただきたいと思います。
○山本(貞)政府委員 御指摘の点は、六月六日、神奈川県警に指摘されたティーピーシーの事件だと存じますが、このティーピーシーという会社は、言い方というかセールストークの仕方としましては、海外商品、特に米国市場の金融商品で資金運用をして、その収益に関係なく利益を還元します、そういう言い方をいたしまして大規模な預かり金をしている、そういう事件でございます。ところが、これまでの警察の調べでは、そのティーピーシーはその預かった金を海外市場で投資運用をしているという事実はないようでございまして、国内の株等に投機しておるようでございます。そういう意味で、たまたま海外市場で運用するというようなことをセールストークとして、その手段というか口実として使ったというようなことでございまして、海外先物取引あるいは国内先物取引といったような商品先物取引市場とは関係のない、あるいはそれを口実にした別の事件、法律的には出資法に違反する行為になるわけでございまして、そういう意味で警察に摘発されたというふうに承知しております。 ただ、こうした問題あるいは商品取引に絡んだ問題として事件が起こるというようなことについては、私どもとしては大変遺憾なことだと思いますので、このような問題が生ずる、あるいは生ずるおそれのあるときには、警察とも十分な連携をとりながら処置をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○吉田(和)委員 このように、これからますます新しいタイプの事件に拡大をしていくというか、被害が本当にいろいろなケースに分かれて多くなってくるのではないかというふうな懸念をしているわけでございます。これから国際化というふうな方向に行きますと、そういうところを本当に心配をしていかなければならないというふうに思っております。 次にいかせていただきます。法律というものは立法趣旨があり、立法の背景がありまして、また、こうした国会審議の議論もございます。これまでも数々の消費者保護のための法律が制定をされてきた経過がありますが、そういう立法趣旨、立法の背景そして国会審議の議論が反映されるのも法の制定後三年ぐらいというふうなのがこれまでの実態でございまして、四年もすると今までの経緯も薄れて、当時の実情を理解している担当者もかわられて、いなくなってしまう。自然と行政の姿勢が後退をして、法律も法文のみの狭義解釈となってしまって、立法当時の趣旨にのっとった活発な運用が忘れられてしまう。このような国会審議の中で行政運営の方向を明らかにしていることについて、それが変更のないように、もし変更するのであればもう一度国会審議をすべきであるというふうに考えるのですけれども、その考え方はございますでしょうか。
○山本(貞)政府委員 私どもも、今度の法律の改正案を提案させていただきました背景、先ほども申し上げましたが、委託者保護、これは委託者のため絶対必要なことでございますし、かつ、商品取引市場を今後とも国際的にあるいは当業者のリスクヘッジのためにも、健全に発展していくためにもぜひ必要なこと、基本的なことだと認識をしておりまして、今後運用に当たりましてもそういう基本的な姿勢でまいりたいと思います。特に国会での従来から、あるいは今日の御審議、御指摘を踏まえまして、私どもとしてもその点は十分心にとめて、かつ文書にもとめてきちっと運用をしてまいりたいと決意をしておるところでございます。
○吉田(和)委員 委託者保護の問題についてさらに伺いたいと思います。 最近の制定されている消費者保護立法の例を見ますと一つの流れがありまして、それはいかに自由主義経済といえども何をやっても構わないということではなくて、一定のルールの範囲内での営業の自由ということであり、このルールが特に消費者保護の傾向にあると思われます。 例えば、六十三年に改正された訪問販売法では不当な勧誘行為についての禁止規定があり、また違反については罰則が担保されております。また、連鎖販売取引いわゆるマルチ商法については重要事項の告知義務を設定をし、これも違反については罰則が担保されております。金融先物取引では最低保証金が六百万円であることから一般投資家が勧誘されることはないのに、同様な規定がついております。現行の商品取引所法であっても不当な勧誘等の禁止規定はあることはあるが、罰則の担保、とりわけ刑事罰の担保がございません。消費者保護の規定を厳しくしたところで、普通に営業している者は何も困ることがないわけでございます。困る業者はトラブルを起こしていわゆる悪徳業者と呼ばれる業者のみでありまして、こうした悪徳業者の排除にも罰則の強化をすることによりまして担保できるのでありまして、ひいては業界の発展につながるのではないかというふうに考えます。 審議会においても、そして悪徳商法被害者対策委員会あるいは日本弁護士連合会の人たちも同様のことを強く望んだと聞いておりますが、どういう問題でどういう理由でこうしたことが今回盛り込まれなかったかをお伺いさせていただきます。
○横田政府委員 今回の法改正におきましても、罰則あるいはルールの強化といったことが盛り込まれておるわけでございます。 まず、罰則全体の量刑等の問題につきまして、罰金、過料等々が最近の立法例等に合わせて引き上げが行われましたが、そのほかに、ただいまお話のありました商品取引員のいろいろな行為に関連いたしまして、例えば委託者から注文を受ける前に、受託契約を締結する前に、必ず一定のことを明確に書いた書面を交付する義務づけ、それと罰則を新設いたしておりますし、また取引が成立いたしました際にこの通知を明確にする、この義務違反に対しましても新たに罰則を科することといたしてございます。 御指摘の中で現行の九十四条でございますか、いわゆる不当な勧誘行為についての罰則、これは行政処分の対象ということで罰則を科すことにはいたしておりません。この点につきましては、金融先物あるいは証券取引法等々の立法例も同じであるわけでございますけれども、こういった営業に関連いたしましたいわゆる刑法上の構成要件あるいは可罰性の問題といったような法制上の問題もございまして、不当な行為であるということで厳しい行政上の処分の対象ということで引き続き取り締まってまいるということでございます。
○吉田(和)委員 今回の法改正では刑罰の規定が不備というふうに考えております。そして、クーリングオフも盛り込まれておりません。消費者保護が本当に満足にできるのか、とても心配なわけでございます。 再三繰り返しますが、先物取引の国際化が図られる中で新しいタイプの被害が拡大されるということが予想される中で、これまでの経過のようにとにかく時間がずるずるかかり過ぎる、機敏な対応ができないでは済まされないと思いますが、二、三年後に見直すお気持ちはありますかどうか、聞かせていただきたいと思います。
○山本(貞)政府委員 今回私どもとしては、委託者保護の関係の措置は考えられる限りのことを十分尽くしたつもりでございます。ただ、それで法律を通していただきました暁には、それに従いまして運用いたしまして、かつ商品取引の実態を踏まえまして、あるいは被害の状況を十分踏まえた上で、現時点では私ども考えられないのですが、さらに将来そういう必要性があれば商品取引所審議会にも御意見を伺って、関係の方々からも御指摘をいただきながらさらにそういう検討を進めていくことになると存じ上げます。
○吉田(和)委員 再三になりますが、消費者重視ということでさらに法律の改正が必要とされるような事態になったときに、また十年以上も待つというようなことがないかということを最後にお伺いをさせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○山本(貞)政府委員 ただいま申し上げましたように、そういう実態あるいは必要性が生じました場合には、関係審議会、関係方面の御意見を伺って速やかに対応をするように努力をいたしたいと思います。
○吉田(和)委員 質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○浦野委員長 午後一時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ────◇───── 午後一時十分開議
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。和田貞夫君。
○和田(貞)委員 今回の商品取引所法の一部を改正する法律案の中で、特にその目的が委託者保護の充実を図るということになっておるわけでございますので、その一番メーンというのは九十四条の二「受託契約の締結前の書面の交付」ということでございますが、これは非常に、今回の改正に当たって一歩踏み込んだ通産省、農水省の姿勢であるということで、私は評価できると思うわけです。しかし、問題は書面の内容が省令で定めるということになっておるわけでございますので、一体どのような書面の内容にしようと考えておられるのか、ひとつこの機会にお聞かせ願いたいと思います。
○山本(貞)政府委員 お答え申し上げます。 九十四条の二というのを今度新設させていただきまして、罰則を同時に設けるということを考えておりますが、その書面に記載すべき事項として、法律で主務省令で定めるというふうにしております。 この書面には、やはり、先物取引には危険が伴う旨を記載するというようなこと、あるいは非常に見にくいような形ではまずいので一定の大きさの文字できちっと書く、あるいは内容もわかりやすいようにするということ、あるいは取引所または自主規制団体等を通じていろいろな申し出というか、紛議が将来起こったときに申し出ることができるとか、そういうような旨のことをるる書かせるという予定をしております。
○和田(貞)委員 特に今お述べになられたように、危険性が伴うということ、あるいは字の大きさに配慮するというようなこと、あるいはわかりやすい文章にするということ、これは非常に当を得た内容であろうと思うわけです。しかし、その危険性があるということを極めて具体に、やはり知識に乏しい一般の国民の皆さんが口車に乗って、そしてその内容を知っておったら、あるいは聞いておったらむしろ取引に参加しなかったというような内容のものにしてもらいたいなという気がするわけでございます。訪問販売法という法律の中でも重要事項の告知義務というのがあるわけでございますから、これと同じような効果をもたらすような内容にしてもらいたい、こういうように思うわけでございますが、どうですか。
○山本(貞)政府委員 私ども、まだ法律の条文を今御提案させていただいた段階でございまして、頭の整理がきちっとしたところまでできておりませんが、今先生御指摘の点、そのような趣旨が十分生かされるというか実現するように努力をし、勉強をしてまいりたいと考えております。
○和田(貞)委員 一つつけ加えて申し上げますが、一目瞭然に大事なところは赤字で書くとかあるいは赤枠で記してあげるとか、そういう親切な内容をひとつぜひとも考えてやってもらいたいということをお願いしておきたいと思います。 その次にお伺い申し上げたいのは、トラブルは、確かに外務員と委託者との間に言ったとか言わぬとか、そういう不当な勧誘がなされて、それがトラブルになるということが非常に多いわけでございますが、それ以上に、取引が行われた後のトラブル、これがあるわけです。俗に言うところの転がしという手法も、委託者が知らない間にどんどん繰り返して手数料稼ぎをするというような悪徳な行為、あるいは委託者の方がもう損はしてもいいからこの辺で打ち切ってくれ、こういうふうに取引の打ち切りを言ってもそれに耳を傾けないで仕切りを拒否するというようなやり方、あるいは委託者が知らない間に無断で売買するというようなやり方、このような取引開始後の不法な手口をどのようにして抑えていこうとしておられるのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○横田政府委員 御説明申し上げます。 今お話のございましたようないわゆる手数料稼ぎとか無断売買等々の苦情がいろいろ寄せられておりまして、本取引関係での大きな問題と考えておるわけでございますけれども、元来これらの行為は不当行為ということで法律でもとより禁止されておるわけでございますし、取引所の定款あるいは受託契約準則等のルールでもより具体的な形で規制が図られておるわけでございます。今回の改正に際しまして外務員の監督の強化あるいは取引員に対するもろもろの規制の強化も図ってまいるわけでございますので、改めまして取引所を通じあるいは主務省みずからの監督指導を強化して対応いたしてまいりたいと思っておりますが、やはり御指摘のように契約後の問題という点が一つあろうかと思います。 契約前の段階は、先ほどもお答えいたしましたように、いろいろな書面交付もいたしましてわかりやすい形で委託者の了解を得た上でやっていくわけでありますが、万が一こういうクレームが出た場合に、それを迅速に的確に処理するという体制も大変重要かと存ずるわけでございまして、今回、取引所の自主的な苦情処理体制、これも法的によりきちっとしたものとするということでいたしておりますし、さらにはやはり商品取引業界全体の信用にかかわる問題でもありますので、そういう悪徳な業者あるいは不心得な外務員等々が商品取引業界の自主的な健全なルール確立の中で排除されていくような仕組みも当然必要だと思っております。今回の法案の中にございます自主規制団体、商品取引員協会、この中の大変重要な役割ということで、そういう自助努力というものも具体的に指導してまいりたいと思っておる次第でございます。
○和田(貞)委員 ひとつ的確に指導監督を行ってもらって、申し上げましたような悪徳な業者が排除できるようにひとつぜひとも委託者の保護のために努力してもらいたい、このように思います。 この種の取引所の運営を円滑にするために、いわゆる大衆の投機資金の導入ということが望ましいということでございますが、この大衆というのは、いわゆる悪徳業者がねらい撃ちにするような、法律的に知識の乏しいそういう人たちを指しておるんではなくて、いわば内容を、先物取引というものを、商品取引というものを十分に熟知した質の高い投機家の参入ということであろうと思うわけでありますが、間違いございませんか。
○山本(貞)政府委員 商品取引市場を健全に発展させていくために、当業者を中心にそのほかにさらに一般委託者の参加というのは健全な形だと国際的にも言われておりますし、日本の商品取引市場でも同様と存じます。今、先生御指摘の点、その一般参加者というか一般委託者でございますが、御指摘のような非常に資力のない方あるいは知識のない方を勧誘するということではトラブルが起こりますし、市場の健全な発展にもマイナスになりますので、そのあたりは私ども、従来でもそうですが、全国商品取引員協会連合会の自主ルールがございまして、受託業務に関する協定を定めて、それに基づいて各社でそういう規則をつくって、例えば未成年者とか、先ほど先生御指摘のあったような人たちを参入させないような自主規制ルールをつくっております。ただ従来、場合により問題が起こったこともございますので、今後その自主規制団体をさらに法制的にも位置づけまして、主務大臣の監督をさらに強めて、特に新規参入者について問題の、あるいは資金、知識、経験のない方を入れないというか参加させないような方向で運用させるということを考えておる次第でございます。
○和田(貞)委員 ややもいたしますと、年金生活者だとかあるいは退職したもとサラリーマンが退職金をため込んでおるということでねらわれたり、あるいは生活保護家庭をねらい撃ちされたり、あるいは役所関係でも公金をいらっておるようなそういうポストにある人たちをねらい撃ちされたり、あるいは家庭の主婦がだまされたりする、そういうことが非常に多いわけですね。今おっしゃいましたように、当然のことながら監督、指導をやられ、そして取引員協会なり取引所が自主規制をして、そのような無知な大衆を勧誘したらいかぬというように決めておりましても、外務員が、いや、そうだけれども、特にその取引をしたいんだという希望があったのでというような逃げ口上で被害を受ける場合があるわけです。いわばこのような逃げ道がまかり通らないようにするためにどのような対応策を考えておられるのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○山本(貞)政府委員 ただいま申し上げましたが、自主規制団体、従来自主的にやっておるわけですが、それを法律上位置づけて、その中でいろんな規則を定める、そのそれぞれについて通産大臣、農林大臣の指導監督を行っていくということによりまして、従来の運用をさらに法律に基づいたきちっとしたものにしてまいりたいと思っておる次第でございます。 今先生御指摘の、私は生活保護世帯だけれどもどうしてもやりたいんだというような方もおられるとは思いますが、規則ではそういうような方は入れないようにということにしております。従来の運用をさらにそこは厳しくやっていくことにしたいと存じております。
○和田(貞)委員 悪質な業者ほどそういう対象者をねらい撃ちにするわけですから、せっかくこのように法律を改正して委託者を保護しようとするのですから、金輪際そのような悪徳業者によってねらい撃ちをされないように指導官庁としてひとつ厳格に指導監督をしてもらいたいということをつけ加えておきたいと思います。 次にお尋ね申し上げたいのは、知識があるないにかかわらず今日まで初心者の取引について三カ月間という期限の間は建て玉を二十枚に制限するという、そういう取引所や業界団体の規制があったわけですが、この機会にこのような規制は今後も持続、継続さしていくべきであると思いますが、ひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○横田政府委員 御指摘のとおり、現在いわゆる初心者に対しましての当初三月間の建て玉につきまして二十枚以内に自主的に制限しようというルールがございまして、これは全国商品取引員協会連合会、この自主的なルールということでございまして、各商品取引員は、それぞれ社内規則の中で、例えば受託業務管理規則といったようなものを設けておりますが、その中で先ほど来お話のありました生活保護世帯とか公金を扱っている人たちとの接触は慎重にというようなことも書いてあるわけでございますけれども、今の御指摘の建て玉の点も原則二十枚ということでこの関係業界、統一的な運用がなされております。今後は全国商品取引員協会連合会という団体が引き続きあるわけでございますけれども、法律による自主規制ルールを設けて運用していく団体というものもできてまいりますので、その中の重要な項目、ルールの一つとして引き継がれていきますよう検討、指導を行ってまいりたいと思っております。
○和田(貞)委員 ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、紛議の調停機関のあり方についてでございますが、本来この紛議調停機関というのは第三者機関が好ましいというように私は思うわけです。できるならば第三者機関になるようにこの法律の改正に当たってさらに踏み込んでほしいと思っておるわけなんです。しかし、今回の改正案で、五十四条の三で公益法人商品取引員協会を設立させて、そしてその商品取引員協会に五十四条の六で苦情の解決を図らせようとしておることや、あるいは取引所自体にも九十七条の十七で紛争の処理に当たらせようとしておるわけでございますので、この運営のやり方によっては第三者機関的なそういう運営も可能であろうと思います。 そこで、申し上げました、一つは商品取引員協会が行う苦情の解決、それから取引所における紛争の処理、一体どちらに重点を置こうとしておるのか、ひとつお答え願いたいと思います。
○山本(貞)政府委員 今先生御指摘のとおりの仕掛けに今度したいということで御提案申し上げておるわけでございます。 まず、第一段階といたしまして、紛争の状態になる前に苦情というか、それがあると思うのですが、その苦情の解決につきましては第一義的には最初の商品取引員協会、その中でそういう苦情の処理、解決に当たる。ただ、これは今先生も御指摘ありましたように、法律上位置づけたものではございますが取引員の協会でございます。そこでは第三者的な調停とかそういう形じゃなくて苦情を伺って苦情を処理していくという機能だけというか、その第一処理段階を受け持つ、そういうふうに考えております。実際にそれがさらにどうしても紛争になる、紛議になるということになりますと、これは商品取引員協会ではやはり第三者的という色彩が薄うございますので、それは第二段階の取引所で行う。取引所で紛争処理規程を定めてそれを主務大臣の認可に係らしめて、かつ、その紛争処理規程におきまして拘束力を持たせる、しかも中身もどういうことということもきちっと定めていただく、そういうことを考えておりまして、この法律に基づいて設立された商品取引所、第三者機関と私どもは考えますが、そこで処理をしていただくということが一番重要なことと考えております。 第一段階を経由しないで商品取引所に来て紛議処理をするということももちろん可能でございまして、私どもとしては紛争処理は商品取引所の紛争処理規程できちっと行っていただくということを考えておる次第でございます。
○和田(貞)委員 委託者がだまされた、やられたという不満を持ったり、あるいは被害を受けたという意識を持つ限りでは、被害を受けた側から言うならば取引員の団体は信頼性が乏しいと思うわけですね。したがいまして、取引所内に設けられる調停機関がメーンとして紛議の解決に当たる、そういうようにするのが妥当だと思うのですが、どうですか。
○山本(貞)政府委員 先ほど私申し上げましたが、商品取引員協会では苦情の処理だけを行い、基本的には紛争の処理は商品取引所で行うというふうに申し上げまして、先生の御指摘もあるいは同様の趣旨かと存じ上げます。
○和田(貞)委員 そこで、商品取引所内に設けられる紛調機関ですが、要はその委員の構成だと思うのです。現在、取引所内の紛議調停委員会というのがございますけれども、これは取引員で占めて第三者の委員というのは極めて少ないわけです。委託者の保護という立場に立つならば、新たに設けられる紛調機関の委員は、商品取引員を除外し、構成員の半数以上はこれらの商品取引について極めて詳しい消費者の代表であるとか弁護士であるとかいうような第三者の委員が占める、こういうようにすべきだと思いますが、どうですか。
○山本(貞)政府委員 商品取引所が定める紛争処理規程の中身で今考えております案では、全く偶然かとは存じますが、第三者が半数以上でなければならないということ、今のモデル案では私どもそういうふうに考えておりまして、そういうことで運用というか指示、指導してまいりたいと存じております。
○和田(貞)委員 そういうようにひとつ御努力いただきたいと思います。 次に、許可制の問題でございますが、商品取引員は昭和四十六年から許可制になっておるのです。そして、四年に一度更新時期が来て許可の更新がなされることを繰り返しておるわけでございますが、今日までその更新において許可が取り消しされたという業者の数は何件ありましたか。
○山本(貞)政府委員 従来、更新をすべてしてきております。
○和田(貞)委員 ということは、更新によって一社も不許可になっておらぬということだと思うのです。しかし、トラブルが非常にあっても四年に一回の更新時に許可を取り消すことが一社もなかったということ、これは取引員を公認するというか通産省、農水省が認めておる限りにおいては非常に遠慮しておる向きがあるのじゃないか、そういう声もちまたではあるわけです。そんなことではせっかくの許可制が、悪を退治するというようなことがない限り許可制というのは無意味じゃないですか。
○山本(貞)政府委員 私ども主務省といたしましては、四十一条で商品取引員を許可する際に、厳格に要件を満たしたものを認めるという運用をしておるつもりでございますし、かつ常時指導監督しておりまして、国内の公設市場で、もちろん全く問題がないと断言申し上げることはできませんけれども、現在の商品取引員はかなりきちっとした仕事をしていただいておると思っておるわけでございます。 さらに、午前中も申し上げましたが、今後第一種、第二種という基準を設けまして、さらに経理的基礎なりその他の行為なりにきちっと規制なり指導をしていくことを考えておりますし、今御指摘の四年たったら更新する際の基準といたしましても、法律で書いております基準、さらにそれに基づく内規というかその具体的な基準をつくりまして、その基準に合致しているかどうかという点について、消費者保護あるいは商品取引業のさらなる発展という点から、今後は一層厳格に審査してまいりたいと存じております。
○和田(貞)委員 これはあなたの方でまとめられた委託者紛議件数でございますが、例えば昭和六十一年度を見てみますと、通産省関係で三件、農水省関係で五十一件、計五十四件。六十二年度で、通産省関係十一件、農水省関係で三十七件、計四十八件。これが五十九年度、六十年度がそれぞれ九十六件、八十四件でございますから、委託者の紛議件数というのは非常に減ってきておる、こういうようにこの数字では感じられるわけでございます。しかし、委託者の被害あるいはもめごと、紛議というものは、あなたの方で把握しておるだけではなくて、例えば経済企画庁の所管の国民生活センターあるいは各都道府県や都市に設けられておる消費者センター、あるいは民間団体でございますが長年この種の悪徳商法についていろいろ相談をし取り組んでおられる悪徳商法被害者対策委員会あるいは弁護士会とかいうところに持ち込まれておる数字を挙げれば、問題なく年間五十四件だとか四十八件だということにはならないわけなのです。 消費者のトラブルの実態として、国内商品の先物取引を今申し上げました国民生活センターで挙げております数字で見てみますと、それだけでも六十一年度で百五十九件、六十二年度で九十三件、こういう数字が出ているわけです。この現状は、今申し上げましたように全国各地の消費者センターは約三百以上あるわけですから、これらに苦情を持ち込まれた数字を見てみましたらこれをはるかに上回るわけでございますね。 そういうようなことからして、悪くなくてもこの四年に一回の許可を必ず取り消せということを言っているわけではない。これだけたくさん出ているわけですから、一件もないということがむしろおかしいくらいであるわけです。したがいまして、このような数字を十分頭に置きながら、従来の審査基準だけじゃなくて、いわゆる許可更新の審査基準としてあなたの方で用意されておる財務の内容あるいはその営業姿勢、特にその中での省令の遵守の状況に問題があったかなかったかということ、営業姿勢が社会的に信用を保持するのに十分であったかどうかということをもとにしながら厳格に許可更新をされること自体がまじめな商品取引員が社会的に信頼を回復することにもなりますし、また委託者を保護することになる。せっかくの法改正でございましたから、今申し上げましたようなあなた方がつかんでいる数字だけではなくて、全国的にいろいろと苦情が出ておる、そういう資料ももとにして、この機会にそのような審査基準というものにぜひとも取り組んでほしいと思うわけですが、お答え願いたいと思います。
○山本(貞)政府委員 商品取引所に寄せられた苦情件数はここのところずっと減ってきております。ただ、国民生活センターあるいは都道府県の消費者生活センター等に寄せられた苦情の内容というのも確かに御指摘のような数に上っておるように伺っております。私どもとしてもそのような関係の諸機関に寄せられた苦情あるいは紛争というものを十分に参考にして今後施策を運用してまいりたいと存じますし、かつ許可を審査する際の、許可、不許可をする際の基準を従来も私どもとしてはある程度のものを持っておりますが、さらに専門的な勉強をして、関係方面の御意見も伺って、よりきちっとした審査基準を定めて運用をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○和田(貞)委員 許可の更新の審査基準もさることながら、今回の法改正はもちろん委託者の保護そして商品取引所を国際化に向けて恥ずかしくないような商品取引所にしていこうという、その整備も含まれておるわけです。であるならば、この際思い切ってできの悪い取引員を遠慮会釈なく断ち切ってしまう、そのための許可の更新の基準というのではなくて、どういうものは不許可にする、許可しないという不許可基準というものをこの機会につくってはどうかと思うのですが、お考え方を聞かしてもらいたいと思います。
○山本(貞)政府委員 許可基準も審査基準も裏返せば同じだと思います。ただ、物の考え方において違いがあるかと存じますが、私どもとしては、法律に基づく要件を満たしているかどうかという審査基準をつくって、それに基づいて、それに合致しないものは許可しないという形で運用をしてまいりたいと思うわけでございます。そういう意味ではその基準は裏からはある意味では不許可基準になると考えております。ただ、過去の運用では先ほど申し上げましたように不許可にした事例がございませんので、その点についての、不許可基準でつくった方がわかりやすいじゃないかという御指摘もある意味では理屈が通っているような気もいたしますが、私どもとしては審査基準で不許可になるものは不許可にしていく、今後そういう厳正な運用に努力をするということで御理解を賜りたいと思う次第でございます。
○和田(貞)委員 まじめな取引員自体のことも考えて、ひとつぜひとも厳格に臨んでもらいたいということをさらにつけ加えておきたいと思います。 次に、先ほども若干述べておられましたが、この商品取引員協会、これは新たにつくることがこの改正に設けられているわけですが、自主規制団体ともなるわけでございますので、委託者保護のためにいろいろな面にわたって自主規制の内容がつくられると思いますが、これはむしろ今まで以上に前向きになるという自主規制でなくてはならないのですが、ややもいたしますと、やはり商売が大事でございますからできるならばという手抜きをした、後退をするような自主規制になってはならない、こういうように思いますので、その自主規制の策定に当たって監督官庁として厳しい指導監督をひとつやってもらいたい、このように思いますが、どうですか。
○横田政府委員 今回の改正法案で、御指摘のとおりの商品取引員協会につきまして条文の数でも改正後五十四条の三から五十四条の八まで六カ条にわたりましてその役割あるいは業務のあるべき中身、特に委託者との関係での苦情の解決のあり方、主務大臣への協力あるいは主務大臣自身の立入検査等々の規定が置かれておるわけでございまして、まさにこの取引員協会、商品取引関係業界が国内はもとより国際的にも社会的信用もあり本当に経済の発展に貢献していくという団体に成長していく過程で大変大きな役割を私ども期待いたしておるわけでございます。 その意味で、御指摘のように、むしろ仲間内の何かギルド的なものになってしまうということではこれは本末転倒でありまして、その組織、運営等の面でもできるだけ社会にも開かれて、運営の面でも第三者の意見も十分反映できる、あるいは自主規制のためのルールをつくるそういう管理委員会の運営においてもそういう精神が発揮できるようにしたいと思っておりますし、少なくとも当面の間はそういったルールにつきましては通産、農林両主務大臣がその自主規制ルールの中身につきまして認可等の方法で十分チェックして監督していくという考え方でございます。他の証券等々にも立派な自主規制団体が育って、業界あるいは国民生活との関係でも大変重要な役割を果たしている。そういった団体に、まさに厳しい自己管理の中で発展していくように指導してまいりたいと思っております。
○和田(貞)委員 ひとつよろしくお願いしたいと思います。 この機会に、海外先物取引についてひとつ質問したいと思うのであります。 昭和五十七年に海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律、俗に海先法でございますが、これが制定されて以来、捜査当局は非常に悪質な業者の摘発に努力されまして、一時期には百数十社と言われておった海先業者が今日では四十社程度に減少したと聞いておるわけでございます。しかし、そのことによって被害がなくなったかというと決してそうではなくて、むしろ警察の目を逃れてますます悪どいやり方、巧妙な手口、それによって被害がまだ後を絶っておらないわけでございます。 この法律が制定されるに当たって、議事録を見てみますと、当時の商務室長あるいは担当審議官が国会の答弁やその後の法の施行に当たりまして、この法律というのは禁止法ではない、あくまでも行為規制法であるけれども、実質的には悪質な取引を禁止する、いわば実質的な禁止法だ、こういうことも言っておられますし、また一般大衆を、法に無知な人々を勧誘するような海外先物取引業者というのは一〇〇%悪であるんだ、こういうように言っておられたわけであります。そういう考え方というものは今日も通産省としてあるいは農水省としておありなのかどうか、あるいはこの機会に今日的にこの取り締まり状況あるいは摘発状況等がありましたら、警察の方からひとつ御報告いただきたい、このように思います。
○山本(貞)政府委員 まず私どもの方から、今御質問の点について御説明申し上げたいと思います。 昭和五十七年に法律が制定されまして、海先の関係の被害は五十九年度をピークに年々減少しておるというふうに承知しております。ただ、その手口が非常に巧妙になっているとかあるいは海先を利用した詐欺事件というようなものがやはり発生しておるのは事実でございまして、それにつきましては、私ども、捜査当局とも連携を図りながら、海先法の運用を一層強化するということ、それによりまして悪質な海外商品取引業者の撲滅に鋭意努めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○鷲野政府委員 海先法の運用についての農水省関係の措置についてお答え申し上げます。 農林水産省といたしましても、通産省とよく連絡をとりまして、従来から海先法の運用等によりまして一般委託者の被害発生の防止を図ってきております。具体的には、海外商品取引業者に対する立入検査、報告聴取等とかあるいは農林水産省の本省並びに地方農政局における苦情相談の受け付けあるいはポスター等々を通じた一般委託者への啓発活動、さらには各県の消費生活センターの相談員を対象とした海外先物業務に関する教育等々に努めてきているところでございますが、今後ともさらにPR活動の一層の強化あるいは立入検査、報告聴取等の実施、また海先の商品市場の政令指定をやっておりますが、この政令指定対象の拡大等々に努力をしてまいりたいと考えております。
○篠原説明員 海外先物事案の取り締まり状況について御説明いたしたいと思います。 過去、私ども六十二年、六十三年におきまして集中的な取り締まりを行っておりまして、昭和六十二年におきましては海外先物事案につきまして九事件、検挙人員六十名を検挙いたしております。また、昭和六十三年には十四事件、検挙人員百八名の検挙を見ております。昨年平成元年におきましては四事件、二十六名ということで減少しておりますけれども、先生先ほど御指摘のとおり、一時期百数十社ございました私どもの方で把握しておりました海外先物業者につきましては現在ほぼ半減の状態ということで、それなりの成果は上がっているのではないかなと考えております。ただ、最近の業者の傾向といたしまして、一時期、古い時期は海外市場へ取り次がないのみ行為というものが結構多かったわけでございますけれども、現在におきましては一応形式的に海外市場へ両建てで取り次ぐ、そして顧客管理を長期にわたってやりながら顧客をつぶしていく、そういった手口のために、非常に手口の巧妙化によって一事件を捜査する当たりの手間が非常にかかっておるという状況でございます。しかし、私どもの方におきまして、警察庁といたしまして、海外先物事案につきましては消費者被害の悪質なものであるということで引き続き重点課題ということで取り締まりを進めておるということで、本年に至りましては現在既に四事件の検挙を見ておるという状況でございます。
○和田(貞)委員 海先の取り締まりについて非常に警察当局は並み並みならぬ努力をされておる。私は、警察当局がより動けるような体制づくりというのが必要じゃないかと思うのです。この海先法の第五条に基づく違反者をまず捜査に入る、捜索に入る、そして詐欺としての立件をして強制捜査に入るというように、警察当局としてもこの手法を確立されて今日まで努力をされてきたということを私は敬意を表したいと思うのであります。 そこで、例えば規制対象市場、品目の拡大というのは省令改正で可能でございますし、重要事項の告知義務、海先法の九条の内容を充実するについても政令改正で可能でございますし、また海先法十条に基づくところの不当な行為の禁止、この内容の充実、拡充についても省令によって対応が可能であります。この際、消費者保護のために、あるいはそのことを通じて警察当局が動きやすいようにするために政省令の改正を急いでいくということを提起したいわけでございますが、お考え方をひとつ示してもらいたいと思います。
○山本(貞)政府委員 お答えいたします。 海先法の関係政省令でございますが、取り締まるための環境を整備するという意味で対象商品あるいは対象市場を政令で指定する、問題が起こるところを弾力的に政令指定をしてまいるというのが一つ。それからもう一つは特に、幾つかあるとは思いますが、今先生も御指摘ございました法律九条の告知義務あるいは不実告知につきましてその範囲を拡大する、そのために政令改正をするというようなことも今検討しておりまして、御指摘の方向で今後準備を進めてまいりたいと思っております。
○和田(貞)委員 ひとつよろしく努力してもらいたいと思います。 今度の改正で商品取引所が海外からの注文玉を受けられるようにするということ、そうなってまいりますと、今度はそのバランス上、日本の方も海外の市場で取引に参加してほしいというふうに言ってくる可能性もこれありでございます。そうなってまいりますと、政府の一部に、専業取引員の中から優良取引員を選んで、その取引員に限って海外先物取引の取り次ぎを認めようかというようなことが議論されておる、あるいはこの考え方を持っておられるというようにも聞くわけでございますが、その場合にこの海先法の適用除外でというようなことになりましたら私は大変なことだと思うのであります。断じて適用除外などを考えるべきでないと思うわけでございますが、この際、明らかにしてもらいたいと思います。
○山本(貞)政府委員 今先生御指摘でございますが、今国内の商品取引業者、先ほどから出ております公設商品取引所の商品取引員でございますが、この商品取引員について従来海先業務を法律上はできないということはないのですが自粛をさせてきたわけでございます。これはいわゆるブラック業者、海先ブラックと言われている人たちとの混同を避ける、それによって国内商品取引業界の健全化を図るという趣旨からやってきたわけでございます。ただ、これは法律上の規制じゃございませんので、もし国内の優良取引業者が海外先物をつなぐというようなそういう支店設置をしていたり、あるいは海外からもそういう要請がございますので、商品取引所審議会でも、それはアプリオリに認めないというわけにもいかないし、かえって優良な取引業者がつなぐということによっていわば悪貨を駆逐できる、そういう発想からもきちっとした規制のもとにやればより健全な海先法の運用に持っていけるという御意見でございました。そういう意味で私どもとしては今後その点につきまして、悪質な海先業者を締め出すというか、その活動を抑制するという意味からもそういう方向があるかと存じますが、その場合には、海外先物取引法は行為規制法でございますので、その行為規制法は当然のこととして、その規制を受けて海先法のもとにやる、あるいは海先法に違反するようなことがあれば捜査当局にお願いしてきちっとした措置をとっていただくということで考えてまいりたいと思っております。
○和田(貞)委員 一部の許可をされておる取引員の方から事情を聞きましたところ、取引員側には海先の取り次ぎをやろう、やりたい、そういう意向はございません、こういうように言っておりますので、念のためにこの際ひとつ言っておきたいと思うのであります。そして今御答弁になりましたように、改正法の適用除外ということは毛頭考えることなく、ひとつ被害者保護のために特に努力してもらいたい、このように思います。 警察庁の方から先ほど御報告をお聞きしたわけでございます。警察の方が海外先物取引業者やあるいは私設の先物取引業者の摘発をかなり積極的にやっていただいておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、今なお悪徳の業者がはびこっておるわけでございますから、ぜひともひとつこれからも捜査当局として委託者の保護のために、消費者を守るという立場に立って積極的な活躍をお願いしたいと思うのであります。今回の改正で九十四条の二が新たに設けられたわけでございますので、違反行為には刑事罰が付与されることになったわけでございますから、ぜひともひとつ今まで以上に警察当局として毅然とした対応をこの機会にお願いしたいと思いますが、警察の方から対応についての所見をお聞かせ願いたいと思います。
○篠原説明員 先物取引事案全般につきましては、苦情の数は一時期よりは減少いたしておりますけれども、依然として私どもの方に寄せられた苦情は多いという状態でございますし、また、一件当たりの被害額も大きいという状態でございます。したがいまして、先物取引事案につきまして今後とも警察におきまして取り締まりの重点対象ということについては変わりございません。また、今回の法改正案等におきまして、かねて捜査に難しい点がございました私設先物業者における措置が可能になる、あるいはまた、商品取引員自体につきましても苦情の数というのはございますので、先生御指摘のとおり、委託者保護のために積極的な取り締まりというものを考えていきたいというふうに考えております。
○和田(貞)委員 ひとつ警察当局にぜひとも頑張ってほしいと思います。 ずっと御答弁をお聞きいたしますと、今回のこの法改正に当たって、委託者の被害をできるだけ防止するために委託者を保護する立場に立った御答弁が述べられましたことを私は評価したいと思うのであります。しかし、それでもなお外務員と委託者との間におけるトラブルというのが、一対一で会うわけですから言ったとか言わなかったとかというようなことが繰り返されて、どうも泣き寝入りするというようなことにもなるわけでございますが、今度の改正で先ほど申し上げましたように九十四条の二を新たに設けられたこと、これは政府の姿勢に大きく期待したいと思います。しかし、悪質な手口で必要以上に委託者をだますような勧誘がこれからもなお出てくるというようなことも予期されるわけでございまして、そのような場合には厳罰に処すという態度を貫いてほしい、こういうように思っておるところでございます。 ところが、この百五十二条で確かに罰則規定が設けられたわけでございますが、例えば金融先物取引法の九十四条を見てみますと、「金融先物取引等の受託等のため、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をした者」は三年以下の懲役というようにうたわれておるわけですね。「受託等のため、」これが、本法の改正案には取引ということに対する偽計あるいは暴力、脅迫ということがうたわれておりますが、この受託ということが、金融先物取引と比べれば少し後退した内容になっておるのじゃないか、なぜそのことを遠慮したのかと思うわけです。この事案にひとつ大臣の方からお答え願いたいと思います。
○武藤国務大臣 金融先物取引においてはいわゆる刑事罰が科せられておるのに、今回の場合には、許可取り消しというような行政罰は考えておりますけれども、それ以上のことを考えていないのは後退ではないかという御指摘でございまして、これは、私も直接法制局と法律を細かく詰めたわけではございませんけれども、多分その議論の中では、こういう行政処分においても十分効果が発揮できるのではないかという善意な考え方でなされたものと私は考えておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても先生の御指摘の点は、金融先物取引と比べてややもすれば後退をしているのではないかという御指摘を受けるような点は、余り感心したことではございませんので、この辺は貴重な御意見として私も十分しんしゃくをさせていただかなければいけない、こう考えておるわけでございます。
○和田(貞)委員 大臣、行政罰じゃなくて刑事罰で罰則規定が百五十二条にできているのです。要は取引についてだけなんですね。ところが金融先物取引法では受託も含んでいるわけです。なぜその受託ということを積極的に、せっかくの改正であるのにもかかわらず入れられなかったかと質問しているわけなんです。
○武藤国務大臣 私の申し上げたのは受託の方のことでございまして、取引については今回刑事罰が加えられておりますので、今私が申し上げたのは、取引だけではなくて金融先物取引にある受託についてもそういう刑事罰をきちんとすべきではないかという先生の御意見については十分参考としてしんしゃくしなければいけない、こう申し上げたつもりでございます。
○和田(貞)委員 わかりました。 この受託についても、せっかくですから国際化に向けた行儀の悪い取引所取引員でないようにしようという、あわせて委託者の保護ということですから、まじめな取引をやっておられる取引員にとっては、現に受託まで入れても何ら差し支えない、支障がないわけでございますから、ひとつ与野党話し合いをして、この機会にその部分の修正をさせてほしいという気持ちがございますので、その点御理解をいただきたいと思うわけでございます。 時間が来つつあるわけでございますので、せっかくこの法の改正に当たって、私は評価すべきことは先ほどのようにさせていただいているわけでございますから、ぜひとも委託者に今後被害が起こらないように、この議論をしておるときには、皆さん方今日の担当の方々が続いている限りは何ですが、これがまた人事異動で担当者がかわってしまうとまたもとのもくあみになりかねないというのがどうも過去の実績のように思うわけでございますが、せっかくきょうは議論をして決意のほどを述べていただいたわけでございますから、委託者保護のためにぜひとも最善の努力をしてもらいたいと思いますが、最後に大臣の方からもう一度所見を述べていただきたいと思います。
○武藤国務大臣 先ほどの点は、与野党でそういうお話がなされておるということは私も漏れ承っておりますので、合意がなされれば、立法府でおやりになることでございますから私ども行政府としてはそれに従うのは当然だと思います。 それから、今の最後の決意の問題でございますけれども、私どももこれで三回目の委託者保護の改正でございまして、どうも我々はみんな善意で、我々行政当局だけではなく立法に当たるそれぞれ議員の皆様方も善意でもって今日まで来たと思うのでございます。ただ、残念ながら業者の中にそういう不心得な者がございまして、一つ法律改正をするとまたそのもう少し先を見てやるというような追いかけっこみたいなことが行われているのじゃないかということで大変残念に思っております。本当にみんながまじめにやってくれればこのようなことは法律でやらなくても本当はいいはずなのでございますけれども、こういう思い切った委託者保護の規制をしなければいけないということは、一面からいえば残念なことだと私は思うのでございます。 いずれにいたしましても、今度のこの改正案を成立させていただいた暁には、思い切って行政指導を強化いたしまして、本当に委託者の皆さんが安心してその取引員に任せられるような、またいろいろな情報においても正しい的確な情報が取引員からなされ、そしてその情報に基づいて、十分理解した上で委託者が自分の気持ちでこの委託ができるようにしていくということを私は考えていかなければならないし、そのような行政指導をしていかなければならない、こう考えておるわけでございます。
○和田(貞)委員 終わります。
○浦野委員長 続いて、森本晃司君。
○森本委員 今回の商品取引所法の一部改正につきまして、いろいろと質問をしたいわけでございます。 我が国の商品先物市場は、規模においてもあるいは上場商品数においても諸外国より非常に貧弱でございまして、リスクヘッジの機能が不十分であるということが言えます。また規模が非常に小さいがゆえに私設の商品先物取引が横行したり、あるいは委託者無視の仕手戦や、さらにまた詐欺まがいの悪徳商法があるわけでございます。 商品取引といえば何となく私たちなじみにくいものでございます。イメージとして上がってくるのは、どうしてもいろいろなトラブルが起きたこと、あるいはまた商品取引という名をもって詐欺行為が行われて、それが新聞に報道される、どちらかというとイメージ的に何か暗いようなイメージを今日まで与えているわけでありまして、国民の皆さんの信頼感がよく失われることがあるわけです。こういったままで果たして、国際的な立場で、これから我が国の商品市場がこのまま続けられていいものであるのかどうかという点を考えなければならない。 今回は四十年ぶりの抜本的な改正であると思いますし、関係者の皆さんが何としても魅力ある取引所、それから悪徳な連中を排除しなければならない、こういう思いで今回の改正に取り組んでいただいたと思いますが、何といっても委託者保護が中心でなければならないと思います。今回の法改正のねらい、そして商品取引所をどのように規制から育成していこうとしておられるのか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
○武藤国務大臣 正直、今お話のございますように、商品取引は証券取引と比べましても、国際的に比較をいたしますとどうも残念ながら商品取引の方は規模も大変小さいわけでございます。日本の証券市場の取引はもう大変大きなものになってまいりまして、いわゆる日経ダウというようなものが常に国際的にもいろいろ流れておるわけでございます。 そういう面からいきますと、これだけ日本の経済が大きくなってまいりまして、また一方為替がいわゆる変動相場に移行いたしましたり、あるいは日本の貿易取引はどんどん大きくなってきておるわけでございますので、そういう面においては、商品を実際に扱わなければならない業者といたしましては、やはり将来の先物をとにかく見てヘッジをしていかなければいけないということを考えなければならないこともより一層高まってきていると思います。また一方、今お話のございましたように、委託者保護という観点からいけば、二回の法律改正をしたにもかかわらず、まだまだいろいろのトラブルが起きておるということを考えますと、やはりもう少し思い切って突っ込んだ、今御指摘のように本当に抜本的と言えるような思い切った委託者保護のものを考えなければいけないんじゃないか。 こんなようなことが今回の法律改正のポイントでございまして、委託者保護といえば、例えば今いろいろと御議論をいただいております書面を交付するとかいうようなことも新しいことでございますし、また、お預かりした証拠金を今までは取引所に半分預け、あとは取引員のところにございましたものを、これをもう銀行のきちんとした口座を委託者の名前でつくって、半分はそこにお預けをしていくという形できちんと保護させていただくというようなことなども大変いいことではないかと私は思いますし、また国際的な立場からいけば、国際的に共通するようないわゆるオプション取引などについても今回は設置をするというようなことを考えておりますことも、これも国際的に一つの共通した市場に持っていこうということでございますし、いろいろとそんなようなことも考えて、国際的にも通用するような商品市場にし、そして一層委託者の保護を考えていく、こういうような観点で法律改正もお願いをいたしているわけでございます。
○森本委員 けさほどからもいろいろと議論をされておりますし、今大臣の方からも、委託者保護という問題について今回は大いに踏み込んでやっていきたいという話でございましたが、今度この先物取引が拡大されるにつれて、また拡大に熱心な余りに委託者保護がおろそかにされないかということについてはこれからも十分検討し、また先ほど来の質問の中にありましたけれども、この制度の充実を図っていかなければならないと思うものであります。 そこでお尋ねしたいのですが、それは、この先物取引、商品取引へ一般の人々が参加していくということは果たしてどんな意義があるのかなという点であります。商品取引所の機能というのはリスクヘッジ及び公正な価格形成にあると理解しておりますが、そういった意味では、相場というのはある程度覚悟の上でプロの業界の皆さん方がいろいろとそれに参加し、その思惑で相場を利用されていくということは、これはそれなりのものがあるかと思うのですが、しかし実際は一般参加者、全く無知な人々にも勧誘がされていく。そして参加を前提にして、そこにいろいろトラブルが起きてくるということが考えられるわけであります。 私の家へも時々電話がかかってまいりまして、商品取引、先物取引いたしませんか、もうかりますよという話の電話が、私も聞いたことがありますし、私の女房もそういったことの電話を何回か受けたようでございます。それは、聞きますと、私が議員をやっているので恐らく金があるのではないかという形で我が家に電話がかかってきたのではなくて、全くそういうことも知らないで、何らかの名簿を利用して我が家に電話がかかってきたものと考えられるわけであります。金が余っているからといってかけてきたのではないことはもうはっきり言えるわけですけれども、そういった点から考えたら、一般大衆の皆さん方がこの取引に参加する意義があるのかどうか、その必要性があるのかどうか、もう一度その辺から考えなければならないのですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○山本(貞)政府委員 お答え申し上げます。 商品市場が、特に我が国の商品市場が国際的に通用する市場として機能していく、すなわちリスクヘッジ機能と公正な価格形成機能でございますが、この二つを適正にかつ円滑に果たしていくということが一番商品取引市場の育成にとって重要なことでございます。そのためには、実は市場の規模が相当大きくなければならないということが言えまして、すなわち市場が小さい場合には特定の投機筋に非常に攪乱されるという問題もございます。 それから、意図的な投機でなくても大規模なというか、大量の買いなり売りが入ったときに攪乱する、そういう問題もございます。かつ当業者だけでの取引の場合は、相場観が非常に偏るということもございます。そういう意味で国際的な市場、どこでもそうでございますが、そういう当業者が入り、なおかつ一般のそういう委託者も入っていただく、そういうことによって全体として大数というか、多くの取引が行われて健全なリスクヘッジ機能、それから公正な価格形成機能が果たされるというのが商品取引市場の特性でございます。ただ、その際、先ほど先生も御指摘ございましたように知識、経験、資金を有しない人が入ってくるという点は御本人のためにもそれから商品取引市場の育成、発展という点からも問題がございます。その点については、先ほども申し上げましたが、厳しく今後とも自主規制あるいはその指導をしてまいりたいと思っておるわけでございます。 一方、資金を持っておられる、特に最近豊かな日本を背景といたしまして、企業、個人に相当な資産があるというのが現状でございまして、御承知のように金融資産なり株の資産あるいは土地なり、いろいろなところへあるいは海外、運用をされております。そういう運用する側からいっても、例えば株が暴落するときには株じゃなくてその他の商品に投資する、それが金融商品であったりあるいは商品先物であったり、そういうことで一つの資金運用の先として広い市場というか、幾種類もの市場が必要だという意味で資金を運用する側からも一つの要請があるわけでございまして、そういう意味で私先ほど申し上げましたように商品市場の側からあるいは資金を運用する側から両方ございます。ただ、基本的には運用される方、一般委託者が入っていただくときの保護の問題あるいは参入の問題というのは一番重要な問題だと認識しておりまして、そのあたりについては今後ともきちんとした運用をしてまいりたいと思っております。
○森本委員 最近は、委託者をめぐる紛争件数は減少しているというふうに聞いておるわけでございますけれども、取引所に調停を申し出た件数というのはほんの氷山の一角ではないかと思うのです。通産省、農水省、それぞれにいろいろな相談窓口があるようでございますし、同時に、国民生活センターあるいは都道府県等々にそういったトラブルや相談事あるいは苦情の申し出等々が寄せられているのではないかと思いますが、最近の相談件数の状況あるいは苦情の内容等々について御報告いただきます。
○横田政府委員 それでは私の方から、通産省所管の取引所に紛議調停の申し出があったものの件数、それから紛議発生の原因の最近の状況について御説明申し上げますが、通産省所管の取引所への紛議調停の件数は、五十九年度に十二件でございましたが、その後はほぼ一けたレベルで推移いたしておりまして、平成元年度九件ということでございます。もとより、このほかに取引所に行きます段階で苦情処理が解決したものあるいは県、国の生活センター等々で相談があったものもあると思いますけれども、取引所法上の統計という意味では今のものでございます。 なお、過去十年間の紛議発生原因でございます。これは実は農水関係の紛議案件も含めた分析でございますけれども、一番大きいものが過当勧誘に原因があったと見られるものが四三%程度でございます。それから無断売買、仕切り回避、これは二一とか七とかいうパーセンテージでございまして、当初の勧誘段階の問題、それからお客様が委託された後の問題、それぞれ大きな項目は今のようなものとなってございます。
○鷲野政府委員 農林水産省所管の取引所に紛議調停の申し出があった件数で申し上げますと、平成元年度で二十八件でございます。五年前、五十九年度が八十四件でございまして、これで比較しますと約三分の一に減少をいたしております。 それから紛議の内容につきましては、この二十八件中、過当勧誘が十三件、無断売買が七件、いずれにしても不適切な営業姿勢に由来するものが多いということでございます。
○山岡説明員 お答え申し上げます。 国民生活センターそれから全国の消費生活センターに寄せられました商品の先物取引に関する相談件数を申し上げますと、これは海外先物取引を含めた数字ですけれども、六十二年度で四千二百九十件、六十三年度二千四百六十件、元年度千八百八十件となっております。 また、相談内容としましては、契約なり解約に関する相談、それから必ずもうかると強引な勧誘をされたといった勧誘方法に関する相談などが寄せられております。
○森本委員 今それぞれからその状況について御報告いただきまして、五十九年度当時から、あるいは今平成元年度のデータを出していただきましたが、それと比べてみますと確かに減るには減っているということが言えます。しかし、いまだその紛議が絶えていないわけでございまして、今度この法改正によっていろいろな商品の拡大が大きくなりますとまた起きかねないという点については我々は十分注意していかなければならないのではないか。また、今の回答の中で、通産の方からもそのいろいろな紛議事項の四三%がやはり不当な勧誘によるものだ、あるいは農水の方からの御回答もほとんど同様のことではないかと思います。 問題はこの不当な勧誘でございます。先ほども申し上げましたように、我が家のような知識の全くないものに突然電話がさも親しげにかかってくるというところからそういった勧誘が始まるわけでございます。委託者の方も一獲千金の夢を見るということ、これはよろしくないわけでございまして、その点についても十分に注意しなければならないわけでございますが、幸い我が家には金がないからそういった話には一切乗らないわけでございますが、少々でもあって何かうまい話がないかなと考えている人のところにそういったものが持ち込まれると、まさに人の弱みにつけ込んで人間のもろさにつけ込んだ商いということになってしまうのではないか。この商品取引を国際的に通用するものとして育成していく上において一番注意しなければならないことは——そんなことがあってしまうと一切のものが、まじめな取引に際してもそういう状況になっていく。まずこの不当な勧誘を何としても防止しなければならないわけでございます。現行法では、一部罰則つきのものもありますが、不当な勧誘については罰則がないことから、その防止策に実効性が担保されないのではないかというふうに言われております。この不当な勧誘に対する罰則についてどのように考えておられるか、お尋ねしたいと思います。
○横田政府委員 不当な勧誘行為は禁止行為であるにかかわらず罰則がないという点についての御質問でございますけれども、この点は刑事上のいろいろな法文上の要請、構成要件の明確性の問題等々を含めまして議論があったところでございまして、証券あるいは金融先物等でも行政的な処分の対象ということにとどまっておるわけでございます。ただ、その中で、特に問題のある行為、例えば勧誘の際の書面の交付等の問題につきましては、今回特に独立させまして、罰則の伴いました禁止規定という格好で整備させていただいておるわけであります。
○森本委員 きょう最後に各党一致で罰則に対する修正案を出すところでございますが、その点についても、罰則がないということになってくるとどうしても——罰則をつけたからといってまたその次の抜け道を考える、悪い人の考え方はいつまでも尽きないものではありますけれども、そういった風説あるいは偽計を用いてやる分については、今後とも厳しい罰則で臨んでいかなければならないと思っているところでございます。 そこで、文書交付義務でございますが、今回の改正によって営業所の内外を問わないで委託者に書面交付の義務づけというのは前進として評価できますが、その書面の内容はどういったものか、工業品取引所の方へお邪魔させていただきまして見せていただいたパンフレットの中にも、恐らくそれであろうと思われるものが一部印刷されておりましたけれども、書面交付の内容は、一般の参加者をも必要だという先ほどの話でしたから、それだけに一般の人にも非常にわかりやすくしなければならない。それから、これは必ずしももうかるものではありませんよ、時にはあなたは損をいたしますよというふうな問題も書いていかなければならないと思うのです。 私もこの商品取引、全く無知なものですから、最近ちょっと大ざっぱに伺いますと、例えば金が千八百五十円のものが一千グラムですか何ぼか、ちょっとその辺もすぐに忘れてしまいましたけれども、とにかく十一万円で金が買えるんだというふうなお話も伺ったわけでございます。ああ、そうか、それじゃ十一万円出せばその金の売買の権利を自分が持つことができて、そして上がるまでずっと待っておって、そのときが来たら売ればいいんだなと思っておりましたら、そうじゃなしにその後に追徴金か証拠金のようなものか何かをどんどん積み重ねていかなければならない。十一万円出して、自分の売りたいときにただ売るんだということだけではなしに、その金の変動によって幾らかお金を出していかなければならない。次から次へと場合によっては出していかなければならないというようなことを後で聞きまして、やはりおれにはできないなと思った次第でございますが、最初の説明を聞く限りそんな感じは受けないわけです。十一万円出せば、何となく金が手に入るような気持ちになってしまう。そういったことが今度の文書、内容のところにどのように説明されていくのか、あるいはそれは十分になっているものか。 それから同時に、現行法では、九十一条の二の三では内容の説明が義務づけられております。今回の改正で九十四条の二では書面の交付義務がありますが、説明のことは触れられていないわけでございまして、これは場合によっては、書面の義務づけだけで説明がなかったらなおさらわからなくなって、後退するのではないだろうかというふうにも思われるわけでございます。この文書交付義務について、その内容は十分なものかという点についてお尋ねをしたいと思います。
○横田政府委員 御説明申し上げます。 取引員が契約に先立ちまして書面を交付しなければならないということでございますが、その書面の中で記載すべき項目等々は主務省令で明らかにしていくことになっておりますが、内容といたしましては、具体的には、商品先物取引の仕組みから始まりまして、その具体的な取引の仕法から、委託証拠金等々を含めて総合的な記載内容にいたしたいと思っております。 商品取引の仕組みなり性格という面では一枚というのはどういうことであるか、今御質問の中でありましたようなこともわかるように、あるいは、そもそも先物取引というものの説明もわかりやすく記載していなければならないと思っております。特に、今後指数先物取引とかあるいはオプション取引といったようなものが実施されてまいりますとさらに複雑な要素も入ってまいりますので、この辺は丁寧でわかりやすい記載、しかも、午前中もございましたけれども、字の大きさでございますとか紙の大きさ、こういった点も一般の方々の立場に立ってわかりやすいものということにしてみたいと思っております。 さらに、先物取引の危険性の問題がございます。危険であるということを明確に開示する、それはそういう性格のものだということをはっきりしておくということでございますとか、証拠金の種類につきましても、当初の証拠金から追い証拠金といった種類、あるいはそれの金額、徴収の時期はいつであるか、あるいは証拠金だけではなく実は手数料も当然要るわけでありまして、手数料の料率、いつ払えばいいか、さらには、問題があったときの問い合わせ先等々も含めまして明確な書面ということで主務省令で定め、徹底を図ってまいりたいと思っております。 それから、ただ書面を交付すればいいというわけではもちろんなくて、少なくとも、初めての方々などにつきましては十分な説明をあわせてするように指導してまいるのは当然と考えております。
○森本委員 書面だけではなしに、本当にこれは外務員の皆さんへの取引員からの教育の面でございますが、書面を交付した上でさらに十分なる説明をしていく、そして一般の人に参加してもらうという形をとっていかないと、結局は、そのときにごまかしたような形が商品取引のレベルを下げていってしまうのではないかと思われます。その説明についても、それぞれ関係の省庁から十分に説明するように同時に指導も賜りたいと思うところであります。 次に、受託財産の分離保管の内容でございますが、現行法においても部分的には同様の措置が実質的に義務づけられていますが、今回の分離保管は現行の制度とどういった点が異なってくるのか、どういった点が前進したのか、また、委託者の優先弁済が具体的にどのように確保されることになるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。単に分離保管しただけでは、商品取引員に万一の事態が発生した場合に十分な優先弁済とならないおそれがあります。取引員に万一の事態が起きた場合には優先弁済金がどうなるのか、こういった点について御答弁願いたいと思います。
○山本(貞)政府委員 現在とどう違うのかという御質問でございますが、現在は受託業務保証金、二分の一は取引所へいきます。それから取引証拠金、現在は売買証拠金と言っておりますが、新しい体系では取引証拠金と申しますが、これも商品取引所に預託されることになります。ただ、それ以外の今申し上げました残りの二分の一とか、それから超過預託分とか、そういうようなものについては、現在では分離保管という形じゃなくて区分経理しなさいよというような規定というか、あれにはなっておりますが、きちっと別に財産を分離してやるという形には今なっておりません。 今お願いしております法律改正案で考えておりますのは、そのあたりを、今申し上げました残りの分を完全に分離保管する、形としては銀行等に委託者勘定の口座を設けてその口座に入れておくということ、その際、ただ何か事故が起こった場合に、その財産については他の債権者に対して対抗できない、あるいはいつのまにかその本人が商品取引か何かするというようなこともないように、そこは銀行等との間できちっとした契約をつくることを考えておりまして、その具体的な中身は主務省令で今後定めることを考えております。例えばその商品取引員の財産状況が悪くなるということは、取引所での取引の状況でわかりますので、その場合には商品取引債務補償基金の方から主務大臣に通知をしていただいて、さらに銀行等に通知をして、その財産については事前に銀行等から取引所へ預託をするという仕掛けを考えております。それによりまして委託者への弁済を確保するということを今のところ考えておる次第でございます。
○森本委員 分離保管で優先弁済をとれるように、さらに十分に考えていっていただきたい。 と同時に、今度は逆にこの強化というのは、中小取引員にとって過度の負担を強いられることになるのではないか。しかし、これは分離保管はきちんと実施していかないと、委託者を保護することにはならない。その中小取引員に過度の負担を強いることになるについて経過措置等々についてはどのように考えていらっしゃいますか。
○山本(貞)政府委員 まず、先ほどの分離保管するときの計算の基準として純債権額を考えておりますので、預かっている分に対して、委託者がむしろ商品取引員に負う債務がございます。例えば値洗い等起こった場合の預託とか支払い、あるいは委託者の手数料等がございますが、そういうようなものにつきましては差っ引いて、純債権額について計算をするということを一つ考えます。 それから経過措置でございますが、資金的に大変豊かでない中小商品取引員につきまして特に配慮する必要があると思いますが、全般的に私どもとしては四年間の経過措置で、来年度を初年度といたしまして四回に分けて四分の一ずつ実現していきまして、四年間で完全分離保管という形にもっていきたいと考えておる次第でございます。
○森本委員 そうして委託者の財産を分離していく、それで委託者を守っていくという点と、それからもう一つは、同じ先物取引の場合でも金融先物取引の場合には非常に紛議が少ないというのは、それは証券会社などが預かり資産最低額二千万円等々、そういった自主規制を設けておられる。したがって、生活資産の被害が少ないということで紛議が非常に少ないようでございます。そういったことは私もちらりと通産省や農水省の方でそれぞれお考えいただいているようなことも伺ったわけでございますが、また先ほどの話に戻りますが、十一万円だとやってみようかという気になる、その後に追い金が来るということで、これは大変だなということになりますが、最初からあなたの預かり資産が五百万円なら五百万円要りますよと言われると、勝手に家庭の主婦の人が主人に相談せずにやることもやはり少なくなるのではないだろうかというふうに思うのですが、そういった点について考えておられるかどうか。また余り金額が低いと意味がないものでございますが、通産、農水、それぞれちょっと御答弁をお願いしたいのですが。
○山本(貞)政府委員 最低証拠金の設定というお話でございますが、今御指摘のように金融先物ではたしか六百万円というふうに設定されておると存じますが、金融先物の場合は主として使われる方が銀行等というような非常に資産のたくさんある方ということで考えておると思うのですが、商品先物市場で考えます場合に、本来の証拠金というのはございます。その本来の証拠金との関係をどう考えるかとか、あるいは今後オプション取引を導入いたしたいと考えておりますが、そのオプション取引の買いの場合は証拠金の必要がないわけでございますが、そういう取引との関係も考えなければいけませんし、そういう意味で今私どもも関係の、特に農林省とも今御相談をしておりまして、今後その最低証拠金制度を導入するかどうか、あるいはどれくらいの金額が適当かどうかというような研究は今後進めてまいりたいと思っております。
○鷲野政府委員 農林水産省の考え方もただいま山本審議官からお答えした通産省の考えているところと同様でございます。法律事項にはございません、受託契約準則事項だと考えておりますので、今後検討をさせていただきたいと存じます。
○森本委員 自主規制という立場から十分に御検討をお願いしたいと思います。 次に、私設市場の禁止ですが、今回禁止範囲を拡大して従来言われておりましたブラックマーケット、そこに被害をもたらしてきた部分がなくなってくるということは、このことについては大変評価できることであると思います。しかし、他面から見ますと、先物取引に類似する取引をするための施設の開設を禁止している結果、類似取引の解釈いかんによっては罰則適用の範囲が変わることになってしまいます。そういった意味で罰則の範囲が不明確になるという問題を生じかねない。類似の判断基準について提案者としては具体的にどのようなことを考えておられるのか、制度の趣旨について通産省から御答弁を願いたいと思います。
○山本(貞)政府委員 改正法の八条の私設の禁止の対象となるものにつきましてでございますが、改正法第二条第六項で定義をしております先物取引と同内容の取引のものでありますが、公設の取引所で定める基準及び方法に従ってない取引のすべてを含むと考えております。すなわち、現行の狭義の先物取引に加えまして、今回導入を考えております現金決済取引、指数先物取引及びこれらの取引に係るオプション取引等でございます。今申し上げましたものが定義される先物取引でございます。このようなものを私設でつくることについて禁止するということになると思います。 それから、私設禁止の目的からまず申し上げますと、私設先物市場で不当な価格が形成されることによりまして物品の生産、流通に及ぼす悪影響が生じないようにするということが一つ。それから、もっと大きな第一の目的ですが、一般大衆が取引に参加することによってこうむるであろう不当な損害の防止ということでございます。したがって、このような弊害が生じないようなそういう私設先物施設というものがあるとすれば、そのようなものは憲法で認められた営業の自由あるいは私的経済活動の自由という観点から、過剰規制は行うのは適当ではございませんので、改正法八条の禁止の適用除外になると考えております。具体的には改正法百四十五条の三でそのようなものを規定する予定でございます。 趣旨を一言で申し上げますと、一般大衆を勧誘しないことをその要件に政令で定めて、そういう仲間取引が行われるような私設先物施設というものは禁止の対象外、その他は法律二条六項で定義される先物取引はすべて禁止にする、そういう趣旨でございます。
○森本委員 次に、商品取引員の一種、二種の区分及びその許可基準でございますが、この区分基準と基準資本金によって取引員は非常に厳しい制限が加えられることになるわけです。特に、第二種取引員については非常に厳しい状況になるのではないだろうか、そういったことが一部業界紙にも書かれたことがございますが、そのことは別にいたしまして、いずれにしてもこの厳しい制限によって、委託者保護というのを大前提とするがゆえに、今度は逆に弱者、小さな業界が再編成されていくという方向になるのではないかということが考えられるわけでございます。殊にこれは農水省の場合に非常に多いわけでございますが、一種、二種という状況に分けることによってある程度業界再編成ということを考えておられるのかどうか、その点について。
○須田説明員 お答えいたします。 一口に商品取引員と申しましても、大別して二つのタイプがあろうかと思います。専業化し、外務員を使って主として一般の委託者から受託を受けるタイプの方、これはいわゆる専業取引員ということでございますが、それと商品の生産、流通等の当業業務といいますか、その延長としまして受託を受けるタイプといいますか、そういうことでいわゆる現物兼業取引員ということでございますが、おおむね二つのタイプがあろうかと思います。 その場合に、先般の商品取引所審議会でもいろいろ議論があったわけでございますが、いわゆる専業取引員につきましては、企業経営の近代化あるいは会社財産の帰属の明確化等を図るためといったような趣旨で委託者保護の一層の充実を図る。商品取引員の社会的信用の向上を図るという見地から商品取引員の許可を二つに分けまして、相当数以上の外務員を使う専業取引員につきましては、一層の経営基盤の充実を図るために一定の最低資本金を有する株式会社でなければならないといった要件を課すこととしたのでございます。したがいまして、今回の措置は相当数以上の外務員を使う専業取引員というものにつきましてはそれなりに社会的に責任の大きさということもあろうかと思います。その経営基盤の充実と財務状況の健全性の確保ということにより一層努めなくちゃならぬ、そういうことだろうと思いますので、そういうことを意図したものに持っていく。 さらに、先生も御指摘の小規模事業者の問題でございますが、これについてはそれぞれの置かれた状況の中におきまして合併の促進なりあるいは業界再編を意図するというようなことで、それなりの置かれた状況の中で将来の商品取引の方向を考えていかなくちゃならぬということだろうと思います。このことは、それらの小規模事業者にとりましてはそれなりに苦しい面もあろうかと思いますけれども、やはりこれは商品取引全体の大きな発展方向ということを考えますれば、委託者保護といったような本日も御議論あった点なども踏まえて乗り越えていかなくちゃならぬ、そういう側面があろうかと思います。
○森本委員 次に、先物取引市場の育成の関係でお伺いしたいんですが、上場商品等の拡大であり、新規上場商品と新種取引の具体化の見通しを伺いたい。特に、本改正によって新しいものが実際上場されることになるのかどうか。巷間いろいろうわさされておりまして、あるいはまた新聞紙上でこういったものが新規上場されるであろうということで新聞記事等々もにぎわしておるわけでございますが、例えばアルミニウム、石油、そういったものの話があるようでございますが、農産物を含めてそれぞれ通産、農水、新規上場商品の予想、見通しを述べていただきたいと思います。
○山本(貞)政府委員 まず今度の改正案では、オプションあるいは指数先物取引というようなものも改正案の中にお願いをしておりまして、例えば金取引市場でのオプションというようなのが今案として検討されておるように聞いております。 それから、新しい商品を上場商品として今後考えるかどうかということにつきましては、今先生御指摘ございましたが、アルミにつきましてこの数年関係者で研究会なり懇談会をやっておりまして、その報告書もまとめられておりまして、アルミにつきましては、時期は将来の問題としてさらに条件整備を待つわけですが、基本的には上場の方向で考えるということで結論が出ております。それからパラジウムについても、今私設で取引されたりしておるわけでございますが、公設市場で取り上げるというようなことも今検討中というふうに聞いております。その他、銅、鉛、亜鉛等の非鉄金属あるいは石油といったようなものについても、各それぞれの業界、関係者の中で勉強というか、ちょっと長期的な検討課題だと思いますが、勉強を進めておられるところでございます。 〔委員長退席、甘利委員長代理着席〕
○鷲野政府委員 現在、農林水産省関係取引所で上場が研究、検討されている商品にはトウモロコシ等がございます。トウモロコシについて申しますと、御案内のように我が国は世界最大のトウモロコシの輸入国でございまして、トウモロコシを我が国で先物取引の対象とする潜在的なニーズは存在するものというように考えております。現在、東京穀物商品取引所を中心に関係者が参加しまして研究を行っているという段階でございます。 また、その他の商品につきましては、諸外国の例、特に米国の例等に徴しますと、コーヒー豆とか畜産物とか、かなり幅広く考えられないわけでもございませんけれども、いずれにしても具体的な上場の適否の判断に当たりましては、関係業界の意見等を十分徴して判断をしていかなければいけないというように考えております。
○森本委員 新たな上場商品が今予想されているわけでございまして、これからおいおい検討されていくことかと思いますが、今回の法改正の中でも指数先物、さらにオプションというものが今度導入されていくわけでございます。これは一般委託者というのは必ずしもなじみのある取引ではなくて、安易な導入はかえってトラブルを誘発するのではないかと思われるわけです。指数先物についても、証券業界では既に指数先物はあるわけでございますが、ちょっと商品先物の方で聞きますと、私も説明を伺ったのですが、指数先物は余りぴんとこないのです。何と何とをくくってしまうのかということも、これも非常にわかりにくい問題です。それだけに一般参加者が加わってくるにはトラブルのもとになるのではないか。どのような手順を考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○山本(貞)政府委員 全く御指摘のとおりだと思います。私どもも特に指数先物取引の商品設定をどういうふうに考えるかという点、国際的な事例等も参考にいたしまして各業界というか、商品取引所あるいは携わっておられる方々が案をつくられ、私どももそれを十分審査をして適当なものにしてまいりたいと思っております。かつ、なじみがないという点から問題が起こる可能性もあるわけでございますので、その点は先ほど来御説明しております仕組みなり危険性を開示するという規定を十分使って、かつ、新種の取引でございますので、いわばそろりそろりとやっていただくように、そういう指導をしてまいりたいと思っております。
○森本委員 次に、商品取引所の合併の問題についてお尋ねしたいのですが、非常に小規模な商品市場や商品取引所については、今後十分な意見を聞きながら合併を図る必要があるのではないかなと思われます。例えば、具体的な名前を挙げて恐縮なんですが、繭等々についても商いが小さくて、そして各所にある。それはそれなりの地域性の問題があって、今日までのその歴史と伝統を築いてきたわけではありますけれども、今後やはりこれからの発展ということを考えた場合に整理や合併をしていく必要があるのではないかと考えられますが、その対処の方法について、特にこれは農水の方が非常に多いようでございます、農水省の御意見を伺いたいと思います。
○鷲野政府委員 先生御指摘のように、ただいま我が国の商品取引所は十六ございますけれども、四つが通産関係、十二が農林水産省関係ということでございまして、当省所管の取引所が数が多いということでございます。これにつきましては、農産物とか繭糸等は御案内のように産地との地域的な結びつきとか集散市場的な立地とかいろいろな特殊性がございます。また、歴史的な経緯等もございまして今日に至っているわけでございますが、ただいまのような交通及び通信の発達した状況においてこれだけの数の取引所が必要であるかどうかということは、確かに私どももちょっと疑問に思っておるわけでございます。 今回の法律改正に当たりまして商品取引所審議会で御審議を願ったわけでございますが、その答申の中でも「交通・通信手段の発達等の状況を踏まえ、」云々で「商品取引所の合併を促進することが適当である」ということに御指摘をいただいているわけでございます。今回の改正法案の中におきましても、商品取引所の合併に関する規定を整備しているというところでございます。そういうことで、私ども改正法施行の暁には、この合併規定を活用する等によって合併を推進していく必要があると考えておりますが、何と申しますか結婚話と同じでありまして、私どもあっせん、仲介の労はとれるのでございますけれども、実際に合併するか否かというのはやはり関係取引所の合意等があるわけでございますし、またその基礎には地元経済界の意向でございますとか職員の処遇でございますとか関係取引所の会員の意向とか等々がございます。そういったものも踏まえまして、私どもできるだけ合併の機運を醸成しながら指導を続けてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○森本委員 次に、商品取引員の兼業業務のあり方という点についてお尋ねしたいと思います。 現在でも海外先物取引の受託業務を行うことができることになっておりますが、今日までのところ実際行っている人はほとんどその例はないようであります。しかし、改正後外国法人等が取引所の会員、商品取引員となって海外からのヘッジの要求にこたえるとともに、我が国の商品取引員の海外進出なども十分考えられることになります。こうした経過の中で、海外市場への投資の受託業務を営むようになるものと思われるわけですけれども、商品取引員であっても海外先物取引業務を行う場合には当然のことながら海外先物取引法の適用を受け、適正な業務遂行をしなければならないと思うわけであります。 商品取引員の今後の兼業業務については、監督を強化する改正になっておりますが、この点はむしろ規制緩和の方向もあり得るとも思われるわけですが、この点についての考え方はいかがでしょう。
○山本(貞)政府委員 兼業業務のことでございますが、現在でも法律四十七条の二で届け出義務を課しておりまして、かつその届け出を受けまして通産大臣が必要な場合には勧告等を行うことができるようになっております。今回改正をお願いしております主眼は、先ほど先生も御指摘いただきましたように、国内の取引業者であっても一部海外支店を持っているとかあるいは海外先物をつなぎたいという意欲のある、いわば優良取引員、そういう方がもし希望があるとすれば今後それを全面的に禁止ということは営業の自由という点からも問題がある。ただ、その場合やはり本来の国内取引業務に悪影響が生じないように、経理状況の悪化を及ぼさないようにそこはきちっとしていただかなければいけない。そういう趣旨で四十七条の二に三項を追加いたしまして、その場合には主務省令で定めるところによりまして必要な事項を記載した届け出書を主務大臣に提出しなければならない、かつその場合適当でないと認める場合には五十条の二によりまして勧告をすることができる、かつ問題があるときは五十条によりまして改善命令を出すことができる、それに従わない場合には行政処分あるいは罰則がかかるという体系になっておるわけでございます。そういう意味で、今度の改正では海外先物も取り次ぐときの基盤強化というか悪影響を及ぼさないようにきちっと監視をしていくという趣旨で改正をお願いしておるわけです。同時に、当然のことでございますが、行為規制法であります海先法の規制の適用は当然従来どおり受けるということでございます。 一方、一般的に兼業業務を緩めるかどうかということにつきましては、従来でも届け出というような緩い形での規制をやっておりまして、これを今後どんどんいろいろなことをやっていただいて経理がごちゃごちゃになるというところも問題でございますので、私どもとしては今後ともその他の兼業については従来の考え、運用で続けてまいりたいと思っております。
○森本委員 最後になりますが、商品取引員協会を設立して、その業務の中心に紛争の処理を図るということを主眼に置いていますが、こういった自主的な努力は当然払われるべきものでありまして、業界の真剣な取り組みを期待したいわけであります。この重要な責務を担うことになる商品取引員協会の構成と活動は当然のことながら委託者からも信頼されるものでなければならないと思いますが、この点についてどのように考え、どう指導していかれるのか、御説明を賜ります。
○横田政府委員 御指摘のとおり、今回の法改正で設立が図られることになると思います商品取引員協会につきましては、委託者保護を中心といたしまして、商品取引員業界が現在直面しており、また解決していくべき主要な課題、委託者保護もあります、さらに国際的な展開に向けてのいろいろな勉強もあると思いますし、あるいは新たな上場商品についてのいろいろな研究というのもあると思いますし、関係の当業者等との連携をとっていくという問題もあろうと思いますけれども、まずは何よりも委託者保護についての自主規制的な意味での事業活動についてのルール設定という点から積極的な活動展開が図られるよう指導してまいりたいと思っております。そのためにも、この協会の組織、運営の面におきましても同業者だけでなくて広く関係の学識者等の指導助言も得られるような体制にいたしまして、また協会の具体的なルール設定等々につきましても農水省ともども主務省といたしまして認可等で責任を持って指導できる体制で進めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○森本委員 いろいろと質疑をさせていただきました。四十年ぶりの改正で、しかもこれからさらに立場の高い取引所にもしていかなければなりませんし、同時にまた取引員並びに外務員の地位向上にも努めていかなければならない。これはひとえに両省の、所管する通産省、農水省の姿勢にあると思いますし、それと同時にそういった業界の人たちが自分たちの地位向上のためにふまじめな業者を自分たちの手で追い出していくのだというくらいの意気込みがあってしかるべきであり、そのことによって委託者が保護されていくと思われます。今回の法改正によってさらに委託者保護ということに重点を置いて通産省も農水省も取り組んでいっていただきたいし、合併すべきところは合併して地位向上を図っていただきたいと思います。 通産大臣、いろいろと最初にも御意見を承りましたが、委託者保護、それから業界の育成という問題についてもう一度最後に大臣のお考えをお聞きいたしまして終わりたいと思います。
○武藤国務大臣 御指摘のとおりでございまして、商品の先物取引が必要になってきた今日、一番大切なことはまず何といっても委託者の皆さんが安心して委託できるということでございますし、そのためには委託者自身もいろいろと知識を持っていただかなければならないと思いますが、何といっても取引員あるいは外務員の皆さんが自分の仕事に誇りを持っていただいて、そして少なくとも世間からいろいろと指摘を受けるような行為だけは絶対にしない、こういうことを正直、自主的にやっていただきたいと私は思うわけでございます。そして、健全な商品取引市場が今後とも発展をし、しかも国際社会の中で日本の商品市場は大変すばらしいものになった、国際的にも対応するものになったと言われるようにしなければならないと思います。そういう面においては私どもの行政面における責任も大変大きいと思いますので、今度の改正が本当に実のあるものになりますように十分指導してまいりたいと思っております。
○森本委員 ありがとうございました。
○甘利委員長代理 次に、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 まず、この法案のねらいについてお尋ねしたいと思うのですが、先ほどから国際的に通用する商品取引の制度をつくるということが言われております。そしてオプション取引など新しい先物取引の種類を導入し、取引する商品の種類もふやしていこうとしておりますが、こういうことをすれば、結局大企業あるいは大商社などに新たな魅力のある投資先といいますか、もうけになる場所をつくり出していくということになっていくのではないでしょうか。
○山本(貞)政府委員 大企業あるいは大資本ももちろん使えるわけだと思いますが、私ども今回考えております改正、あるいは新しい新種商品を改正で考えておりますのは、国際的に取引の種類が非常に今多様化しておりまして、まずこの二十四時間体制あるいはグローバル取引体制という時代からいって、国際的にはどうしてもヨーロッパあるいはアメリカ大陸と比較して類似のというか同様の市場を育成する必要があるということを考えまして、新種の取引の導入を考えておるわけでございます。 その際、先ほど来申し上げておりますが、新たな、もちろんそれは当業者を中心でございますが、さらに一般委託者が参入いただく際には資金、知識、経験を有する方々に入っていただく、健全な資金運用をやっていただくということを中心に考えてまいりたい。大企業だからといってそれはもうかるわけでもないと思いますが、大企業が入った場合に損する場合もあれば得する場合も、一般の投機的に考えられる場合には損得両方あると思いますし、私どもとしては大企業のためにどうというような発想は全くございません。
○小沢(和)委員 ここ数年、我が国の金融・証券市場も急激に巨大化してまいりました。一九八五年に国債の先物取引を開始して以来、八七年に株式先物、八八年に株価指数先物、八九年に金融先物、オプション取引を次々に導入し、そのたびに取引規模は急激に拡大してきたわけであります。既に一九八九年の株式取引高は三百三十三兆円、株価指数先物取引額は三百四十兆円、国債の先物取引額は千八百九十七兆円に達しております。これに対し商品取引は、金などの上場で伸びたものの、八九年度で三十八兆円にとどまっている。ですから、今回の法改正によってこの商品市場を本格的に拡大していこうということではないのでしょうか。そして、取引所税を一挙に十分の一に減税するなどしてその面からも環境を整えていく。だから、結局、こういう全体の流れの中で見ればいよいよ大商社などの進出の条件を整備してきているということになるのではないかと思いますが、重ねてお尋ねをします。
○山本(貞)政府委員 午前中から申し上げておりますが、商品先物市場の意義でございますが、まず関係される業界の方々、当業者のリスクヘッジの必要性がますます高まっておるということ、それから同時に適正な価格指標を提供するということの二つの機能があると思います。その機能を健全に果たしていくために、かつ国際的になっておる取引の現状にかんがみますと、取引の内容あるいは種類、仕法、すべて国際的なものにしていく必要がある。そういう点から、私どもとしては先ほど来申し上げておりますような新しい種類の取引も導入をしようということでございまして、それによって当業者の参加、それから一般の委託者の参加ももちろん期待されるわけでございますが、その場合には適正な一般委託者の参入を期待する、かつそのための措置も十分講じて進めていくということを考えておる次第でございます。
○小沢(和)委員 現に商品取引員になっている各企業には三井物産、三菱商事、日商岩井などの大手商社、さらに富士、大和などの都市銀行が資本参加あるいは業務提携などの形で直接参入をしてきておるわけであります。ですから、私は先ほどからいよいよこういうようなところが本格的にこの商品先物取引に入ってこようとしているのではないかということについて質問をしているわけであります。 このことについてはこれ以上議論しようとは思いませんが、次にお尋ねしたいと思いますのは、今まででも現物の売り渡し比率というのは農水省関係で〇・三%、通産省関係で〇・五%と極端に低かったわけでありますけれども、それでも建前の上では現物との関係を持っておったわけです。ところが、今回の新しい種類の取引方法というのはいよいよそういう商品先物市場と現物との関係を断ち切って、いわばマネーゲーム化といいますか、投機化を一層進めることになるのではないでしょうか。私は、なぜ価格先物取引あるいは指数先物取引、オプション取引などを導入する必要があるのかということについて理解ができないわけでありますが、その点御説明願いたい。
○山本(貞)政府委員 新種のものにつきまして、先ほど来申し上げておりますように国際的に非常に広く行われておる、日本の市場も国際化する必要がある、あるいは日本がそういう市場の育成を通じて国際的に貢献していく必要があるという趣旨から私ども考えておるわけでございます。 例えばオプション取引について申し上げますと、オプション取引の場合はいわば権利の売買でございますが、買う権利というオプションを買った場合、将来値段が随分下がった場合にはその買う権利を放棄することが認められます。そういう意味で、一定のプレミアムを払ってそのオプションを買っておけば、そのプレミアムを放棄することによってそれ以上の損失は回避することができる。そういう意味で、ある意味では多額の資金を持ってない方あるいは十分な情報と自信のない方が取り組みやすい仕掛けになるわけでございます。そういう意味で、ある意味では健全というか損失が限定されるという意味で、新しい取引の内容として今後意味のあるものではないかと思うわけでございます。 それから価格先物取引につきましては、将来、最終的には現金で決済するというような形のものが認められれば、実際倉庫に物がないということによって大変なトラブルになり市場価格が暴騰するということが避けられるわけでございますし、いろいろな意味で、今国際的に使われている新しい方法というか商品につきましては、私どもとしてはそれを適正に使うことによって国際化をすると同時に、日本の商品市場も健全に拡大していくという一つの方法だと存ずる次第でございます。
○小沢(和)委員 今一つの例として、オプション取引については一定以上の損失がなしに安心して権利を行使できるようになるから、むしろ当業者も今までに比べると安心していろいろ買ったりすることができるというお話がありましたけれども、これは別の角度から言うならば、そういうような危険をそう心配せずに、例えば機関投資家などの大量の買いを入れることもできるようになるということでもあるわけではないのですか。そっちの方はあなた言われませんけれども、そういうことにもなっていくわけでしょう。
○山本(貞)政府委員 御指摘のとおりでございますが、そういう意味で商品市場に参入していただく資金というか方々がふえるということは事実だと思います。ただ、危険が少ない、かつ見通しが一〇〇%確かでなくてもできるという意味で参入しやすくなるということは、今御指摘のようにそういう投入資金がふえていく。それによって、先ほど来申し上げておりますが、多くの取引がされることによって、かつその見通しがいろいろな意味でばらつきがある、そういうことで大量の取引によって適正な価格が形成されていくし、かつリスクヘッジの場として機能していくと考えておる次第でございます。
○小沢(和)委員 先ほど山本さんは商品の価格変動リスクの増大に伴うリスクをヘッジする必要性が高まっていると言われたと思うのです。今までも既にそういう投機化がだんだん進んできて、商品の価格変動リスクが非常に大きくなってきている傾向がある。だからそういう発言をされたのだと思うのです。ここでさらに今申し上げたような大資本、いわゆる機関投資家などが大きく参入してくることになれば、そういうリスクはさらに増大をするのではないですか。そうすると、公正な価格の形成とリスクヘッジを願っているのは当業者の立場だと言われたけれども、そういう当業者たちが非常に不安定な立場に置かれることになりはしませんか。
○山本(貞)政府委員 リスクヘッジ機能が非常に必要になっておると申し上げましたのは、国際商品相場が非常に国際的に揺れているあるいは為替が変わることによって変わるということから、あるいは自由な取引が行われている、あるいは物によっては、農産物等であれば生産が急激に落ちる場合もある、そういうようないろいろな事情から相当な変動がございますし、かつそれを大量に使うという事業の場合は、それに伴って本来の事業をやっておられる当業者が大変な、例えば六カ月後に製品ができるとすれば、その六カ月の間に価格変動があれば相当大きなリスクがある、それをヘッジする必要が高まっておるということを一般的に申し上げたつもりでございました。そういう中で今後健全な市場を育成するために、当業者だけじゃなくて一般の委託者あるいは企業も含めた資金が投入されることによって適正な価格と適正なリスクヘッジ機能が果たされる、そういうふうに申し上げた次第でございます。
○小沢(和)委員 ここで、今の問題について大臣に見解をお尋ねしたいと思います。 先ほどから、例えば生糸などについても大変な価格の乱高下があって、そのために織物業者などは非常に苦労したというお話もあったと思いますけれども、今回の法改正というのは、今まで曲がりなりにも維持してきた実需を目的にしたこの商品先物取引を、いよいよ形の上でも実需と断ち切って、投機、マネーゲームに変えていくということになっていくのではないでしょうか。そうすれば、大企業や大商社などは確かに大きな投資の先をつくり出して大きなもうけをそこから上げることもできるでしょうけれども、本当に現物を必要としている人々にとってはその価格の乱高下で苦しめられる、こういうようなことはないか、この点を私はさっきから一番懸念して問題にしているわけですが、いかがでしょうか。
○武藤国務大臣 私は必ずしもそうは思いません。そこへ投入される資金が大きくなることは、私は、結果的に投機がまたしにくいという点もあるのではなかろうか。結局スケールが小さいと、どうしたって乱高下しやすい、ある程度の資金でその市場を相当占有化できるというか、そういうような形になってくれば乱高下ができますけれども、結果的に、こういう形でどんどん規模が大きくなり、あるいは国際的にも通用するような市場になってくれば、そこに投入される資金が大きくなってくれば、一部の人たちによってそういう投機的な思惑で乱高下させるというようなことはかえって難しくなるのではないかというふうに私は判断しております。
○小沢(和)委員 市場が大きくなって資金のスケールが大きくなれば、むしろ投機をしにくくなるというようなお説のようですけれども、そうすれば、例えば東京の証券取引所、これは世界でも一番大きな取引所じゃないかと思いますが、ではここでそういう投機は影を潜めてきているかといえば、私はそんなことないと思うのですよ。今でも仕手筋などがどういうふうに暗躍したというのがしょっちゅう問題になるわけですね。私は、今まで比較的地味な市場で、そういうような者が目をつけなかったこの商品先物取引市場がいよいよ脚光を浴びて、そういうような資金がここで暴れ回って、結局、一番商品を必要としている業者の人たちが泣かされることはないかということをもう一度懸念として申し上げておきたいと思います。 次の問題に移りたいと思うのですが、一般委託者の被害の防止の問題についてお尋ねしたいと思うのです。 今まで私、申し上げたような考え方でありますから、被害の防止のためにいろいろと法律の改正もするというふうに言われているのですが、どうも全体としては、火事がどんどん大きくなるのはそのままにしておいて被害だけ防ごうという発想のような気がしてしょうがないのですね、全体を見て。そういう立場からお尋ねをしたいと思うのですけれども、今一般委託者の分というのは出来高全体の中でどれくらいの比率を占めているか。今回のような法改正をすれば、この比率がどう変わっていくかという見通しについてちょっと御説明ください。
○横田政府委員 取引のうち一般委託者の注文によりますものが、商品によって違いますが、おおむね六ないし七割程度というデータがございます。今後の見通しについての御質問でございますけれども、一概にどうこうという見通しは持っておりません。
○須田説明員 農林水産省所管の取引につきましても全く同様でございまして、出来高のうちの一般委託者の比率、委託玉の比率でございますが、おおむね六〇%から七〇%といったところでございます。先の見通しについては、ちょっと現時点ではなかなか見きわめがたいということでございます。
○小沢(和)委員 私の推測では、これからもっともっと市場を大きくしていこうということになれば、一般の委託者の参加を積極的に求めていかなければ市場が大きくなっていかないわけですから、そういう意味ではこの比率は高まっていく傾向になるのではないかと私は思います。これまでも、商品先物取引は証券取引などに比べると危険が大きいというのが常識だったと思います。わずかな証拠金で大きな取引ができたので、ちょっと値上がりすれば元手が二倍、三倍にもなる。逆にちょっと値下がりすれば追加の証拠金を取られ、それも全額損をするというようなことにもなる。だから、市場の投機性が増大してくればますますそういう危険は増大してくるのではないかと思います。ごく普通の人が先物取引に手を出して大変な被害をこうむることのないように措置する必要が一層大きくなると思うのですが、先物取引による被害の実態、ここ数年でどう変化してきたかもこの機会に御説明ください。
○横田政府委員 通産省関係で取引所の紛議調停に係りまして届け出がありました件数は、平成元年度九件でございます。その前の状況に比べますと減少傾向ということでございます。
○須田説明員 農水省所管の取引所に係ります紛議の件数でございますが、平成元年度で二十八件ということでございまして、五年前が八十四件ということでございますので、約三分の一という実態になっております。
○小沢(和)委員 今お示しいただいた数というのは、これはあくまで商品取引所に持ち込まれてきた紛議件数だろうと思うのです。だから、実態から見ると非常に少ない形でこれが出ているのではないでしょうか。 私は、日本弁護士連合会消費者問題対策委員会が全国の弁護士たちにここ二年間の先物取引被害のアンケートを行った、その集計の結果というのをいただいております。これを見ますというと、公設で二百五十一件、海外で二百十四件、私設で二十四件という数字が出ております。ついでながら、私の地元の福岡が全国で一番多いというのには私もびっくりしたわけであります。だから、公設だからということで安心していたら、公設の被害が一番数字としても大きいという結果になっておる。金額の面で見ても、一件当たりでいいますと、公設が二千四十六万円、私設千八十三万、海外が六百五十万ということですから、被害の件数も金額も公設が一番大きいわけですね。被害は一時に比べて減っているというふうに先ほどおっしゃいましたけれども、この日弁連のアンケートの結果などを見ても、これはもう大体おさまってきたなどといって安心できるような状況ではないのではないでしょうか。
○山本(貞)政府委員 先ほど数字を申し上げましたが、確かにまだ紛争なり問題があることは事実でございます。そのうちの一部が商品取引所に来て、その他県なり国民生活センターに寄せられたもの、あるいは日弁連等に寄せられたものといろいろなものがあることは私どもも承知しております。そういう意味で、ただ趨勢としては問題は減っておるというのが全般的に私どもとしては言えるのではないかと思っておるわけでございます。 ただ、それで安心しておるわけではございませんで、そういう意味で今回法律改正をお願いして委託者保護のためにきちっとした手続なり罰則なり仕掛けなりを用意するようにお願いをしておるわけでございますし、行政の方としても警察等とも協力しながら、より一層そのあたりの努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○小沢(和)委員 私は、新聞などの知識でこういう被害者というのは主婦や老人が多いのかと思っておったのですね。そうしたら、確かに私設や海外の被害者にはそういうような人たちが多いのですけれども、公設では男の、それも四十代、五十代というような会社員、自営業者などが圧倒的であります。今回の法改正で、先ほども申しましたように一般委託者の参入をむしろ積極的に期待をするというような姿勢であるとすれば、これを機会にまた新たな被害が一層ふえるというようなことになりはしないか。どういう対策を講ずるのか、お尋ねをします。
○山本(貞)政府委員 委託者の保護のための措置としては、先ほど来話が出ておりますが、まず公設以外で私設市場の禁止をするというのが一つ、それから公設市場におきましても、やはり十分御説明をしあるいは十分理解した上で参入していただくということ、それから預けた資産が問題が起こったときにもきちっと返ってくるというようなこと、それから紛争が生じたときにきちっと対応というか問題が処理されること、そういう必要性があると思うわけでございます。そのために私設先物市場の関係では、第二条、第八条の関係の改正をお願いしておりますし、それからまず勧誘の段階におきましては、書面交付なりあるいは契約ができてから書面を通知するなり、それに伴う罰則も用意するというようなこと、それから委託者資産の分離保管をきちっと行うということ、それからさらに自主規制として、業界というか取引業の方々の商品取引員協会をつくって規制をしていただくあるいは苦情を解決していただく、さらに商品取引所に紛争処理規程を設けて、拘束力のあるものを主務大臣の監督のもとにきちっとやっていただいて、第三者機関で処理をしていただく、そういうようなことを今度の法律の改正の中でお願いをしておる次第でございます。
○小沢(和)委員 私、いろいろ調べてみますと、一般委託者の被害というのは、一部ではありましょうけれども、必ず悪質な外務員の勧誘に乗せられて金を出すところから始まっているわけです。つい最近も、「ゴム先物取引で被害」ということで新聞に載っておりますけれども、これを読んでみると、「「いま、自動車税が下がって車の売れ行きが良くなっており、タイヤに使うゴムの取引はもうかる」などと勧誘され、」というところからやはり始まっているわけですね。 ですから、こういううまい話にひっかからないようにということで、外務員が勧誘するときにはお客さんに対して書面などを交付しなければならないようにするんだ、今までもしている、それを今度は営業所の中でやるときにも交付するようにするんだ、こういうようなお話であります。私、どんな書面を交付するんだろうかと思ってきのうちょっといただいてみたのです。その中には「危険開示告知書」ということで、「商品の先物取引の危険性について」という表題で、「多額の利益となることもありますが、逆に多額の損失となる危険性がありますので、今回新たに先物取引を開始されるに当たっては、あなたの資金の余力その他を十分に配慮されるよう希望します。」こういうような文言がその中に書いてあります。 こういうのを冷静に読んでくれれば私は考え直すきっかけも出てくるとは思うのですけれども、言葉巧みに誘われたら、大体こういうようなものを読みもしないで頭から信じ込んで契約をしてしまう、実はこれが問題じゃないのでしょうか。だから、こういうような程度のことではなかなか被害は根絶できないんじゃないだろうかと私は思うのですが、どうでしょう。
○山本(貞)政府委員 現在の法律の規定でも、九十四条で不当な勧誘等を禁止するというのがございまして、一号から四号までの規定がございます。そういう勧誘をした場合には、通産大臣あるいは農林大臣の行政処分として、まず商品取引員の許可を取り消すあるいは六カ月以内の期間を定めて営業停止処分にする、そういう措置が百二十三条等で認められておるわけでございます。かつ、その営業停止処分に反して営業をした場合には法律上の罰則、刑罰がかかるという仕掛けになっておるわけでございます。 そういう意味で、私どもとしては、この法律の運用あるいは行政処分をきちっと運用していくことによりまして、そのようなトラブルがないように今後とも努力してまいりたいと思います。同時に、先ほどからございましたように書面交付あるいは取引が成立した場合の通知といったようなこともやり、あるいはその後のトラブルの処理というような仕掛けもお願いしておる次第でございます。
○小沢(和)委員 私は、その程度のことでは非常に不十分じゃないかと思うのです。 それで、けさの朝日新聞の「論壇」というところに、日弁連消費者問題対策委員会副委員長の津谷裕貴さんという方の投稿がたまたま載っております。「先物取引の被害防げぬ改正案」という表題で、実際に被害者たちがどんな目に遭っているかということで、 業者から絶対にもうかるなどと、強引でしつこい勧誘を受け、無断で取引されるなど、法令の諸規定に違反した違法、不当な取引をさせられる。取引をやめたいといってもやめさせてもらえない。住宅や教育、老後の資金などのトラの子をつぎこまされ、揚げ句の果ては借金までさせられ、夜逃げ、自殺、さらには横領や背任などの犯罪にまで追い込まれている。 こういうふうに被害の状況を述べた上で、今回の法改正は 消費者保護の観点から言えば、とても満足できるものではない。その代表的なものは、いわゆるクーリングオフ(無条件解約あるいは熟慮期間と呼ばれる)が盛り込まれず、禁止行為と、それを担保する刑罰規定が不備なことなどである。 こういうふうに述べている。クーリングオフは海外先物法や訪問販売法など、私の記憶でも七つか八つぐらいの法律には既にこの規定があると思うのですね。今回のこの法改正に当たって、このクーリングオフ程度のことはぜひ盛り込むべきだったのではないかということを私も考えておるのですが、この点、いかがでしょうか。
○山本(貞)政府委員 お答えいたします。 先ほど来申し上げておりますが、商品取引員が委託者と契約を結ぶに当たりまして、外務員が間に立つというかいろいろ手続をするわけですが、その際、先ほど来ございますような明確な書面を委託者に交付する。それを十分考えた上でやっていただく、熟慮の上にやっていただくように、かつ、知識、経験等を有しない弱者というかそういう方々を誘うことについての自主規制もやっておりますし、今後その自主規制をより主務大臣が関与した形で指導をしていくことを考えておりまして、事前の準備というか事前の警告なり心づもりを十分した上でこの商品取引に入っていただくということでございます。 そういう意味で、今申し上げました、それにかつ反した場合には罰則も用意する、あるいは不当な勧誘をした場合には行政処分を経由いたしますが、最終的には罰則もあるという仕掛けを考えておりまして、私どもとしてはそれで十分委託者保護が図られると思っておるわけでございます。 クーリングオフ制度につきましては訪問販売法等でございますが、やはり国内の商品取引の性格からいいまして、日々その対象となる商品、上場商品の価格が変わるわけでございますが、一度、じゃこれでというふうな話をして、二日、三日、四日、一週間たったら値段が上がったから、じゃ買うのやめた、そういうことは結果的にクーリングオフと同じようにできるようになる、そこをどうやって区別するかという問題もございますし、国際的には、一般の国内商品先物取引でクーリングオフを導入している国は、私の存じている限りないと思います。そういう意味で国内商品取引市場にはなじまないのではないか。そのための対応措置は、先ほど申し上げましたように、私どもとしては十分準備をしておるということを申し上げたいと思います。
○小沢(和)委員 先ほどからいろいろ議論をしているような、一般委託者への被害を食いとめるためにはいろいろなことを、あなた方も考えていると言い、私ももっと考えるという議論をする、そういうような議論をあえてしてまで一般委託者の人たちをこの危険な市場に参加させなければならないのかどうかという根本的な疑問を私は持たざるを得ないわけです。 それで、政府の方としては、一般委託者ということでどういうような人の参加を期待しているのかというと、この政府の資料によっても、商品先物について、知識、経験及び資金などを有する各界からの広範な参加を期待しているというふうになっているのですね。一般の委託者で、知識、経験及び資金、この三拍子がそろっている人というのはどういう人なのだろうか、一体どういう人を想定してそういう人たちをたくさん参加させたいというふうに考えているわけでしょうか。
○山本(貞)政府委員 まさに、資金、経験を有する者、そういう方々が参入いただくのが一番健全だということでございまして、先ほど来話が出てまいりましたが、例えば母子家庭あるいは生活保護世帯あるいは禁治産者あるいは年金の生活に依存しておられる方、いろいろな方があると思いますが、そのような方はできるだけ商品取引市場には参入していただかないように従来からも運用しておりますし、今後は、より主務大臣が関与した形でそのあたりを実現していきたいと思っておるわけです。 範囲はどういう人を適格というか考えているかというような御質問と存じますが、私どもとしては、それは企業ももちろんあると思いますし、一般のサラリーマンももちろん含まれるでしょうし、医師なり弁護士なりそういう自由業の方も含めて、広く資金と経験を持っておられる方であれば、ぜひ御参加をいただければ健全な市場の育成につながると考えておる次第でございます。
○小沢(和)委員 私も、生活の苦しい人などが対象でないということは当然だろうと思うし、大体、外務員の人たちなども誘うようなときにお金を持たないような人のところには行かないと思うのですよ。先ほど申し上げたように、公設市場の被害者というのも会社員とか自営業者、公務員などが中心なのですね。だけれども、その人たちは、社会的には大体常識をお持ちの、社会でちゃんと一人前ということで通用しているような人たちだと私は思うのですよ。その人たちが外務員の人たちから、今はもうこういう時代ですよ、これをやれば必ずもうかりますよなんて言葉巧みに持ちかけられると被害者が続出をするわけでしょう。だから、そういうような人たちもやはり一般の委託者ということでどんどんこういう市場に入った方がいいなどとは言えないのじゃないかと私は思うのですね。 だから、そういうような立場から私たち共産党は、前々からこの商品先物市場についてはいわゆる当業者主義を貫いていくべきだということを言ってきたわけですが、このことは何も私たちだけの突拍子もない主張ではなくて、昭和五十年六月十七日、本商工委員会自体が、「当業者主義の原則を確立するため、一般大衆の参加の限度について検討すること。」という附帯決議を当時ちゃんと行っているのですよ。私はここに書かれているような「一般大衆の参加の限度について検討する」ということが、この附帯決議がなされて十数年たってこの法案が出てきているわけですけれども、その観点というのは幾らひっくり返しても感じられないのですが、こういう観点で検討したのでしょうか。
○山本(貞)政府委員 五十年当時の今御指摘の附帯決議でございますが、当時のことを私、ちょっとつまびらかではございませんが、国会議事録等を拝見いたしますと、たしか一部やはり被害が生じて、なけなしのというか、一般の方々の預金がなくなるというような、そういうような方々が入ってくるということは望ましくない、そういう趣旨でどうも御議論があったように私も拝見しておりまして、私どもとしては先ほど来申し上げておりますように、そういう一般の委託者の被害、被害というかあるいは無理やり、あるいはだまされたりして参入してそういう被害をこうむるということについては極力なくする、かつ厳罰で対処するという方向で考えていくわけでございますが、これも先ほど来申し上げておりますように、国際的な商品市場を日本でも育成していくということが当業者にとっても、あるいは日本経済全体にとっても、あるいは国際的な貢献という意味からも必要でありまして、これは国際的なそういう商品取引関係の方々からも要請があるわけでございますが、私どもとしてはそういう方向で物を考える。そのときには健全な一般の委託者、企業も含めた資金と経験を有するそういう資金が投入されるということは、私どもとしては今後、当業者主義を中心に持ちながら必要なことではないかと考えておる次第でございます。
○小沢(和)委員 大臣に今の点、重ねてお尋ねしたいと思うのです。 今申しましたとおり、この商工委員会で十五年前に商品取引所法の一部を改正したときに、「当業者主義の原則を確立するため、一般大衆の参加の限度について検討すること。」という附帯決議を行っているんですよ。私はこういう観点というのは今回のこの改正の中では全く感じられないのですけれども、大臣はどうお考えか。それから、先ほど来問題になっておりますこの一般委託者の被害を防止するために、大臣としても積極的に取り組むお考えをぜひこの機会に聞かせていただきたいと思います。
○武藤国務大臣 やはり昭和五十一年当時と今とは日本の置かれている国際的社会における立場も違ってきていると思いますし、日本経済そのものが相当当時よりも大きくなってきているわけでありまして、当業者だけでこういう商品取引所が維持されていくというのも一つの私は考え方だと思います。いわゆるヘッジの機能だけを考えればそれは一つの考え方だと思うのでございますけれども、先ほど来いろいろ申し上げておりますように、証券市場と比べて非常に小さい商品市場、やはり世界的に見てこれだけ日本が経済が大きくなってまいりますと、その商品市場も国際的な社会の中で対応していけるような商品市場にしていきたいというのが一つの今度の考え方でございまして、そういう面では私は多少昭和五十一年当時とは違ってきているという認識を持っております。 それからいま一つ、しかしながら同時に、一般のいわゆる委託者がこのごろはその当時と比べてもたくさんふえてきているわけでございまして、この一般の委託者というのは善意で皆さんおやりになるわけですから、その善意でおやりになる方々が、中には先ほど来お話のあるようにまだまだ紛争案件が残っているといういわゆる好ましくない取引員もいらっしゃると私は思うのでございますね、そういう余り感心しない取引員の過度のいわゆる勧誘によって被害を受けられるというようなことはまことに残念なことに思いますけれども、いずれにしても、そういうようなことをこれからはできるだけ防ぐという形で、今いろいろ審議官からお話を申し上げております例えば書面交付の問題とかその他は、そういうことを防ぐという意味で私どもは考えておるわけでございます。
○小沢(和)委員 ぼつぼつ時間も来つつあるようですから、最後に海外先物取引の規制の問題で一言お尋ねをしたいと思います。 警察庁が発表した平成元年度の生活経済事犯の検挙状況によりますと、いわゆる海外先物事件の被害者は約五千三百人、金額は百六十八億円で、悪質商法事犯の中でも断然トップという状況にあります。ところが、今回の法改正に先立つ商品取引所審議会の答申は、海外先物取引の受託業務に関する規制のあり方については、引き続き検討するとして規制を見送っております。今の被害状況から見れば海外先物取引規制法の抜本改正こそ急務だったのではないか、なぜ見送ったのか。日弁連は、海外先物取引規制法の廃止を要求しておりますし、我が党は既に四年前に、当業者主義の確立、市場商品の指定制の廃止、業界規制の強化等の抜本改正を要求いたしました。これは大臣にお尋ねをしたいと思いますけれども、先ほど来のお話では政省令などで規制を強化するというようなことは言われておりますけれども、私はこの程度では全く不十分、どうしてもこの機会に抜本改正に取り組む必要があるのではないかというように考えますが、その点、見解をお尋ねして終わりたいと思います。
○甘利委員長代理 山本商務流通審議官。時間ですので、簡略にお願いします。
○山本(貞)政府委員 海先法のことにつきましては、二月五日にいただきました商品取引所審議会の答申でも、今後の検討課題としていろんな観点から検討していくべきであるという答申をいただいております。私どももその線に沿って今後海先の被害の状況等を見ながら検討を進めてまいりたいと思っております。
○小沢(和)委員 終わります。
○甘利委員長代理 次に、川端達夫君。
○川端委員 どうも御苦労さんです。よろしくお願いいたします。 商品取引所法の一部を改正する法律案に関連いたしまして幾つかの点お伺いをしたいと思います。 この法改正の前提として商品取引所審議会がことしの二月五日に答申をされているわけですが、一般的なイメージとして商品取引、特に先物取引という部門に関してはまだまだ一般的な国民の中の認識というか、そういうものは非常に低い部分であるというふうに思っております。そういう中で、答申の中でも「我が国の商品市場は、総じて上場商品が少なく市場規模が小さいこと、会員・商品取引員も国内の者に限られ、その規模もあまり大きくないこと等世界的にみていまだローカル市場にとどまっている状況にあり、リスクヘッジ等の場として必ずしも十分に機能しているとは言えない。」こういうのが実態であるということだと思います。 そういう中で国際的な日本の役割、商品市場における機能を国際化していこうというその御趣旨はそれなりに理解をするわけでありますけれども、いわゆるそういうこれからあるべき姿という総論の部分と現実というのには実態として相当にギャップがある。同時に一般的なイメージとしても、最近でありますと株取引といいますとかなり大衆化した認識がある。しかし商品取引という言葉を一般の人に投げかけますと、およそ縁がないな、無縁であると言う方あるいはよくわからない、もう少し言いますと、何か怖いものである、危ないというふうな、ややマイナスイメージの方が強いのではないか。新聞を見ましても、トラブルがあったとか損をしたとかだまされたとか、そういう記事の方がむしろ商品取引という部門では登場してくるというのが実態であると思います。そういう意味で、本法の改正の趣旨である国際化を図っていくんだという中で、今いろいろ議論がありましたけれども、いわゆる大衆化という、言葉として適当かどうかわかりませんが、そういうふうにしていくという部分ではいわゆる商品取引というものに対する信頼を高めていく、今のある部分でダーティーなイメージというものを払拭していくという部分がないと相当難しいのではないかなというふうに思っております。 そういう意味で、この法案の構成自体がいわゆる三本柱というんですか、国際的に通用する市場とするための基盤整備と商品取引所の機能、組織の強化と委託者保護の充実という、一応構成は三つになっているのですけれども、法律の前段を読ましていただきますと、そういう国際的な役割が高まってきたという状況にかんがみて、委託者保護の充実を図りつつ所要の措置を講ずるということで、委託者保護という言葉がやや弱いのではないかなというイメージをどうしても受けます。そういう意味で、この機能的な部分、組織的な部分を国際水準にしていくというときには、同時に委託者保護に関しても国際水準で遜色のないという機能を持っていなければいけない、そういうふうに思うのですが、この委託者保護という観点で国際的に比較をした場合に、今回改正をされようとしている部分に関してはどのような水準にあると御認識をされているのでしょうか、まずお伺いをしたいと思います。
○山本(貞)政府委員 大変難しい御質問でございますが、今度法律の第一条の「目的」から変えまして、その中に委託者保護というのを強くうたう、それから先ほど来御説明申し上げておりますように私設先物市場を禁止する、あるいは契約に当たっての書面交付を義務づける、罰則もつける、あるいは分離保管を四年間で完全に達成するというような点、あるいは紛争処理規程を商品取引所につくることを義務づけるというようなかなり思い切った措置を私どもとしては提案させていただいたつもりでございます。 国際的に見ましても、私どもの知る限り、ごく一部ではもちろん出入りはございますが、相当進んだというか、委託者保護という観点からは進んだものというふうに私ども理解しておりまして、特に委託者資産の分離保管につきましては、アメリカ等でもたしか行われておりますが、四年後に完全に達成できれば、やはり国際的に冠たるというか、非常に立派な仕掛けになるのではないかと考えておる次第でございます。
○川端委員 私もこの法案をきっかけにいろいろ勉強したのですが、実際の商品取引というものがどうにも私の世界からなかなか想像しにくい部分で、議論していくときに難しいなというふうに思うのですけれども、その中で日弁連の皆さんがかなり熱心に研究を加えられて意見書というのをお出しになっておられます。実際にそういういわゆる委託者の保護という立場で実務に携わってきた方々がかなり熱心に御議論されて意見書をお出しになっているわけですが、このことに関しては、答申が出た後にお出しになっておられますので当然御承知だというふうに思いますが、随分詳細に何点かにわたって提言をされておられます。そのことと今回の法改正という部分のかかわりというのですか、御意見との一致点それから違いというふうなことに関して簡単にお触れをいただきたいと思います。
○山本(貞)政府委員 今回の改正法案の作成に当たりまして、まず商品取引所審議会の御審議をいただいたわけでございますが、その審議の過程で日弁連からもヒアリングというか御意見を伺いまして、それを参酌させていただいて審議会の答申ができたわけでございます。 日弁連からは、一つは私設先物市場の禁止、それから二つには委託証拠金の分離保管、三つには委託者被害防止のために勧誘に際しての書面交付義務、四つには紛議解決制度確立、その他幾つかございますが、中心は今申し上げました四点でございまして、そのあたりは先ほど来申し上げておりますように、ほぼ私どもの改正法案の中に盛り込んだ次第でございます。 また、海先の法律を廃止せよという御意見につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますが、今海先法を廃止すれば野放しになりますが、それを例えば業法かなんかでこの人はいいよという許可を与えてやるということになるかと存じます。その場合は、今きちっとお墨つき、お墨つきというのは言葉は悪いですが、許可を与えて営業をやっていただくに足る海先業者というのはどの程度あるか、そのあたりの審査なり実情の把握も一〇〇%まだ自信がございませんし、そういう意味で海先法は、そういう御意見はございましたが、先ほど申し上げましたようなことで審議会でさらに検討していく必要があるというようなことにした次第でございます。 〔甘利委員長代理退席、委員長着席〕
○川端委員 その中で、いわゆる第八条問題というのがいろいろ議論があります。 確認させていただきたいのですが、五十五年の法制局の見解で私設市場の開設禁止が商品に限定をされるという解釈があって、その部分から逆行したのではないかという御議論が随分あって、実態はそうだったと思うのですが、その部分については今回の法改正によって完全にクリアされたという理解でよろしいのかということが一つ。それと、それに付随して八条に関していわゆる百四十五条の三で適用除外というのが書いてありますけれども、この部分に関しては具体的にどういうことを想定されているのかという二点について、解釈を含めて確認をさせていただきたいというふうに思います。
○山本(貞)政府委員 私設先物市場の禁止でございますが、従来八条に同様の種類の規定があるわけでございます。一言で申し上げますと、上場商品について私設のものをやってはいけない、憲法で認められた営業の自由との関連から政府の見解として、そういう趣旨で昭和五十五年以来上場商品以外のものについては禁止はされていないという解釈、運用をしてきたわけでございますが、先ほど来ございましたように私設先物市場における被害の続出という実態を踏まえまして、先ほど申し上げましたように私どもとしてはそれをぜひ禁止すべく商品あるいは商品指数に係るそういう類似の市場はつくってはいけないというふうに第八条を直しまして、第二条の「定義」で商品というのは法律で書いているものあるいは「先物取引に類似する取引の対象とされる蓋然性が高いものとして政令で定める物品」、そういうものを商品と位置づけまして、あるいはそれに係る商品または商品指数、そういうものを私設で行うものは禁止される、そういう体系になったわけでございまして、その意味でまず問題になり得るものはすべて私設市場は禁止されるということを確保されると思うわけでございます。 百四十五条の三でございますが、その中で、先ほど申し上げました営業の自由との関係から申し上げましても、いわば当業者間というかその仲間取引的なもの、要するに外部の一般委託者が入ってこない、そういう仲間同士での仲間市場的な市場は百四十五条の三で除外する、これは構わない、そういう趣旨でございます。
○川端委員 次に、答申の中でいろいろな項目が指摘をされているわけですが、その中の一つに、「上場されている商品について、経済的意義が薄れている場合にあっても上場の廃止が的確になされにくいという指摘がなされている。」というのが今の課題として分析されているわけです。この点に関しては今回の法改正でどのような対応がされているのかということが一つ。経済的意義が薄れていても相変わらずずっと上場が続いている、なかなか臨機応変にいかないという部分に関しての問題点の答申の指摘に対してどういう対応をされたかということ。 それから、「その他」の項目ということで答申の中で「審議の過程において、価格安定制度又は輸入制限措置のある商品、生産流通構造が変革過程にある商品等についての上場適格性、政府の施策と商品取引所制度との関係、商品取引所行政と物資行政との関連等につき議論がなされた。」今後ともこれらの問題については云々というふうに表現をされて、これからの課題みたいな形で提起をされているわけです。これはいつも言われることであると思うのですが、その二点に関しての今回の改正との関係、それからこれからの課題としてはどのように考えておられるかということについてお伺いをしたいと思います。
○山本(貞)政府委員 今度の改正案で上場商品というのを、従来は法律の規定によりまして政令で定めたものについて公設市場の上場商品になる、そういう体系でございましたが、今回は、先ほども申し上げましたが、商品を若干広い指定をいたしまして、その商品につきまして上場の申請というか上場したいというのを、商品取引所の方あるいは関係者からそういう商品取引所をつくりたいというような申請があったら、通産大臣及び農林大臣がそれぞれ主務大臣としてそれを許可していく、そういう体系にしたわけでございます。 そういう意味で、まず上場について、政令という形じゃなくてより弾力的にできる場合、それから上場をやめる場合、上場適格性というのを法律で規定しておりますが、その上場適格性を失っているものについて商品取引所が定款変更という形で認可をしていただく、主務大臣が適格性を失っていると判断した場合には、監督上の処分あるいは行政指導によりそういう申請をしていただくということになろうかと存じ上げます。 それから、第二点の政策の対象になっている物品についての御指摘でございますが、商品取引所審議会で従来から問題になっている点についてもいろいろな検討がなされましたけれども、今後さらにそれを今後の課題として詰めていくようにということでございまして、その点につきましても今申し上げました上場の適格性あるいは上場をやめる必要というか適格性を失ったという点については、先ほど申し上げましたような手続で上場をやめていく、そういうようなことになろうかと思います。
○川端委員 後段で御質問した部分で具体的にお伺いしたいのですが、いわゆる生糸ですね。この部分に関していわゆる一元化輸入、それから価格安定制度という政策がされているわけです。こういう問題は、先ほど言いましたように答申の中でもそういうものと商品市場のあり方という部分に関していろいろ議論がされたけれども、従来からされていることでこれからも考えなければいけないということで書いてあるわけです。この問題に対しては、こういう商品取引所を所管される省として、この一元化輸入、価格安定制度を持つ生糸に関して、商品取引のあり方という部分に関してどのような御認識をお持ちなのかということをお伺いしたいと思います。
○鷲野政府委員 お答えを申し上げます。 確かに、この商品取引所審議会の答申には「価格安定制度又は輸入制限措置のある商品、生産流通構造が変革過程にある商品等についての上場適格性」等についての論議がなされたということで御指摘はいただいているわけでございます。 それで、一般論で申し上げますと、大体主要な農産物につきましては何らかの意味での価格安定制度なり輸入制限措置が関係しているのでございまして、これはただいま上場商品になっております繭糸もそうでございますし、それから砂糖についてもそうでございます。 それで、ただいま御質問の生糸について申し上げますと、御案内のように生糸及びその原料である繭は価格変動が大変激しい商品でございます。一方、その生産流通過程が足が長いと申しますか、これに関係する業者が非常に多い。養蚕を営んでおります農協とか製糸メーカーあるいは生糸問屋とか輸入商社等がこの生産流通過程にいずれもかかわってくるわけでございますが、そういった関係業者は、価格変動に伴うリスクを回避するとともに公正な価格形成を行う場としての商品取引所をやはり必要としているのでございます。 繭糸につきましては、御案内のように繭糸価格安定制度というものがございまして、一定の上下限価格の間に市場メカニズムを働かせながら過度の変動を防止するような措置がとられております。また一元輸入措置というものもとられておりますけれども、ただそういう制度のもとにおきましても、ただいま申しましたように関係業者から、公正な価格形成の場ないしはリスクヘッジの場としての繭糸の商品市場の存在というものを求める意見が強いということでございます。 私どもは、この繭糸につきましては、市場規模が余り大きくないという実情も踏まえまして、できるだけ公正な価格形成と取引が行われますようにこれまでもいろいろ市場管理措置等に意を用いてきておりますけれども、今回改正法案が成立しましたならば、この改正法のもとでより適切な市場管理等が行われるように努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○川端委員 仕組みとしてはそうおっしゃることになっていると思うのです。ところが実態としまして、特に昨年生糸の価格が随分変動をした。一昨年の十二月にキログラムが一万一千二百八十円、四月に一万五千八百八十円という非常な高騰をしたわけです。しかも生糸の現物価格が昨年の初めで一万二千円台、それが急騰し始めて、横浜、神戸の取引所の価格高騰を抑えるために二月二十三日に一日のいわゆる値幅制限を三百円から百円、さらに三月六日には三十円に縮めて市場管理を強めてきた、後でいろいろ訴訟まで起こった問題でありますけれども。そういう中でも全くその部分が効果を発揮せずに、五月一日からはまた百円に戻したけれども実際五月決済物は二月二十七日から五月十二日まで五十一日間の連続ストップ高。最高一万五千八百八十円までいったわけです。現地に行きまして機屋さんなんかにいろいろ伺ったところでは、そういう部分では需給バランスでいえばどんどん値段が上がっているのだけれども、市場管理をされた部分で値段を抑えている、現物は全くない、実勢の価格は二万円を超えたというふうな部分で推移したという実態があるわけです。 しかも、新聞報道もされましたけれども、四月二十四日、横浜、神戸の両取引所は、四月決済物の最終売買日に現物の受け渡しがなかった。横浜は一九五四年二月以来三十五年ぶり、神戸は五八年十月以来三十年ぶりに要するに現物がないというふうな市場になってしまった。このような大混乱を起こしたわけです。一方で市場安定価格というのですか安定価格を設定をしているわけですけれども、その部分の実態とは全く違うところで相場が動いているというふうな状況が起こったわけです。この部分でいいますと、果たして市場がヘッジ機能を有しているのかといえば、現実には全く有していない。そして、経済的な機能を果たすという部分よりむしろ逆に働いているということが起こったのではないか。 そういう意味で、この事態というのは商品取引のあり方なのか、あるいは一元化輸入、そして価格安定制度が問題なのか、どちらを機能させるべきなのかという問題を提起していると思います。そういう意味で、いわゆる農産物として管理をしていくという部分で一元化輸入あるいは価格安定制度をするという部分の性格、それから商品の流通というもの、経済的な機能、ヘッジ機能を優先するという商品取引所の機能という部分は相入れない要素を根本的に持っているのではないかと思うのですけれども、この点に関しては農水省として昨年の価格の乱高下の実態、それの業界に与えた影響を含めてどのような認識をお持ちなのかお聞かせをいただきたい。
○鷲野政府委員 ただいまの問題は、午前中竹村委員の御質問もございましてお答えしたところでございますが、昨年の年初から夏にかけまして生糸相場が大変高騰し、また乱高下を起こしたという事態でございます。これは世界的にシルクの需要が増大したということが背景になっておりますが、国内における繭の減産が続いた、さらには蚕糸砂糖類価格安定事業団の在庫が減少した、それからまた中国等の海外主産地の生糸供給力に対する不安が高まった等々生糸供給の先行き不安感等が要因でございます。 それで、このような状況に対処いたしまして、農林水産省といたしましては、まず供給増大策をとることにいたしまして、繭糸価格安定法に基づく上下限価格を大幅に引き上げて増産意欲を刺激すると同時に、国内産繭の増産対策を講ずる、また中国からの生糸輸入の早期履行と追加の要請を行う、あるいは一元輸入制度のもとにおける商社機能の活用を図る、こういった措置をとったわけでございます。それからまた、売買取引の公正等を期するために、横浜と神戸の両取引所に対しまして厳正な市場管理を行うよう指示をいたしまして、それを受けて取引所におきましては一委託者当たりの限月別建て玉制限の強化等々かなり厳しい市場管理措置を講じたわけでございます。こういった措置によりまして昨年七月から生糸相場が下落をしまして、十月以降は大体行政価格帯の中で推移した、こういう次第でございます。 それから、なお繭糸価格安定制度ないしは一元輸入制度と生糸及び乾繭の商品取引所の関係につきましては種々御議論があるわけでございますが、ただ現実に、例えば生糸の現物取引につきましては横浜、神戸の問屋協会が毎日定めておりますけれども、その価格というのは両取引所の当限価格の平均値でございます。それからまた、生産者である養蚕農協連は製糸との問で生糸価格から逆算した繭価で価格協定を行っておりますけれども、その場合の繭価というのは繭の出回り期を中心としまして前後三週間の生糸取引所の平均値がとられているわけでございます。そういうことで、生糸取引所もしなかりせばとすればそういった関係の業者、これはたくさんございますけれども、これは大変困ったことになるということで、そういう点からいいましてもこの生糸取引所の必要性はあるということで、先ほどから繰り返しでございますけれども、私どもこの生糸取引所につきましてはできるだけ厳正な市場管理措置を講じまして、今後とも価格の乱高下等の事態を招かないように努めてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
○川端委員 昨年の異常な状態に農水省が大変な御努力をいただいたことは十分理解をしておりますし評価をしているのですが、私が申し上げたのは、商品取引というものがいわゆる国際的な部分で、この法の政正の趣旨にも言っておられますけれども、国際的な中で価格形成の役割を日本も果たしていくべきだということでいろいろ整備していこうという部分に対して、いわゆる一元化輸入あるいは価格安定法なんかで管理をしていくという部分と流れ的にどう合わせていくのかなという部分が非常に難しい。本当に自由商品という部分で、国際的な経済の中の枠組みというもので価格形成をしていくという機能とずれたところに位置をしている。現実にこれを使う産業といたしましては、例えば絹織物あるいはその後の染めとか着物という部分の業界は完全に産業、いわゆる工業であります。機織りをするという部分で工業であります。その原料が、いわゆる農産物という部分の保護をし管理をしていくという部分を原料にするという部分で結果的には非常に不安定な状況に置かれてしまう。それが価格安定というふうな部分できっちりと管理をされているという部分の割り切りでもなければ、一方で商品取引という部分で何か一種の投機の部分にもかかわってしまうという部分で御苦労の部分というかその接点に立ってしまうという、こういうことが起こると非常に大変な目に遭うのも現実なんですね。 そういう部分で、これからの本当のそういう部分に関しての、いわゆる通産省、農水省の接点にあるような業界という部分に関してはどういうふうな施策を講じていくのがいいのか。おのおのが商品取引というもので接点を持っているわけですから、そういう部分に関してはぜひとも、審議会でもいろいろ今までも議論があったしこれからも考えなければいけないというふうな提起で、その他に挙げるのではなくて大胆な検討をお加えをいただきたい、これは要望しておきたいと思います。 実質的に昨年のような状況がしょっちゅう起こっては困るわけですが、そういう部分だけをとらえてみれば、まさに経済的な機能も何も果たしていない。先ほどお伺いしまして、上場をやめたらどうだというのが、いろいろな基準を設けて法的に見るという御答弁でございましたし、法律はそうなっています。そういう部分では十五条の一項の適用から見たら、これはとてもじゃないがやっても意味がない。五十何日間もとまっているような市場が果たして役に立っているのかといえば私は立っていないと思うのです。そういう意味で、理屈としての仕組みを考えるとどうしても価格形成は、現に一日の建て値の平均値でとっているとかいうことは事実だと思いますが、それが結果的にその産業に対する活力を与えていることになるのか阻害していることになっているのかということも含めて、本当に日本の伝統的な絹産業がこういうことの中では壊滅してしまうのではないか。まさに産業としてはつぶれ、文化、芸術としてだけ残るというふうな状況になっては大変なことになるということも含めてお願いをしておきたいと思います。これは長年の課題でありますし、特にこういう商品取引というのは、今回法律として対象になった部分で言う機会を得たわけですけれども、その部分に関して、産業という立場で通産大臣なんかどういう御認識なのか。その接点という部分で、いわゆる統制する商品であると同時に自由経済の取引所という部分とを兼ね持っているということで御苦労されていると思うのですが、何か御所見がありましたらお伺いしたいと思うのです。
○武藤国務大臣 大変難しい御質問でございまして、私は大臣になる前はいろいろな見解を持って発表しておったのでございますけれども、ここで私が生糸一元化問題並びに生糸の上場商品というもので今までのようなことをなかなか言えない立場になりましたので大変つらいわけでございますが、正直確かに、今御指摘のようにある程度矛盾したところがあるのじゃないかな、一元化を続けていくならばこういうものをヘッジで、いわゆるリスクを何とか避けるためのヘッジ、商品としていくということには多少問題があるのじゃないかな、その辺は確かに私はそんな考え方を持っております。
○川端委員 この法律、商品取引所の部分に関してはまさに農水、通産、両方に関係をするわけですから、そういう部分でいろいろな機会を通じての御議論をぜひともにお願いをしたいと思っております。 そこで、時間がほとんどなくなってしまいましたので確認のために、関連をするかと思うのですが、この改正法で取引所の合併についての規定をいろいろ整備をされました。そういう整備をされる中で具体的な事例として横浜、神戸あるいは前橋、豊橋の生糸、繭の取引所に関してそういう再編等々の構想がおありかどうか確認をしておきたいと思います。
○鷲野政府委員 繭糸の取引所が四つに分かれているという状況につきましては、これは産地との関係とか集散市場との関係とか歴史的な経過等々もあって今日に至っておるわけでございますが、私どもも率直に考えまして、これだけ通信なり交通の手段が発達した状況において四つの繭糸関係の取引所が必要かどうかということについてはかなり疑問を感じておりまして、かねてから関係取引所に対しまして合併をしてはどうかということを言っているわけでございます。ただ、この合併の話というのは先ほどもちょっと申し上げましたけれども、結婚話と同じでございまして、あっせん、仲介はできるのでございますが、本人の意思が合致しませんと、行政庁がやれと言ってもこれはなかなかできないことでございます。幸い、今回の改正法案によりますれば合併規定が整備されることになりますので、そういうものの活用等を図りまして、今後とも合併の促進に向けて私どもも努力をしてまいりたい、かように考えております。
○川端委員 終わります。ありがとうございました。
○浦野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ─────────────
○浦野委員長 この際、本案に対し、奥田幹生君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合五派共同提案による修正案が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。奥田幹生君。 ───────────── 商品取引所法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○奥田(幹)委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、提案者を代表して、私からその趣旨を御説明いたします。修正案はお手元に配布されているとおりであります。 修正案の内容は、商品市場における取引の受託のため、風説を流布し、偽計を用い、または暴行もしくは脅迫をした者を刑罰の対象とすることであり、その趣旨は、商品市場における先物取引の拡充等に対応し、一般委託者保護のなお一層の徹底を図ろうとするものであります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○浦野委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 ─────────────
○浦野委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 商品取引所法の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、奥田幹生君外四名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浦野委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浦野委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ────◇─────
○浦野委員長 次に、内閣提出、不正競争防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。武藤通商産業大臣。 ───────────── 不正競争防止法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○武藤国務大臣 不正競争防止法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 近年、技術革新の著しい進展、経済社会の情報化等を反映して、経済活動において技術上または営業上のノーハウ等の営業秘密の重要性が増大しており、これを不正な競争行為から保護する必要性が高まっております。また、営業秘密の保護のあり方については、本年末が交渉期限であるガット・ウルグアイ・ラウンドにおいて交渉項目として取り上げられるなど、国際的な制度の調和を図ることが求められております。 このような状況のもとで、昨年十月から産業構造審議会において学界、法曹界、産業界、労働界等各界の有識者による慎重な審議が重ねられ、本年三月に「財産的情報に関する不正競争行為についての救済措置のあり方について」の建議が提出されました。 本法律案は、この建議を踏まえ、営業秘密についてその効果的な保護を図るためのものであります。具体的には、秘密として管理されている事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって公然と知られていないものを営業秘密といたします。この営業秘密を窃取、詐欺等の不正な手段により取得、使用、開示する行為、不正な利益を図る目的または保有者に損害を加える目的で営業秘密を使用、開示する行為等の不正な競争行為に対して、営業秘密の保有者が差止めを請求すること等を認めるものであります。 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○浦野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、明十三日水曜日午前九時四十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時九分散会