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118回国会衆議院1990/06/08

商工委員会 第6号

発言数
75
登壇者
8
会派数
4
開催日
1990/06/08

会議録

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 これより会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木久君。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 私は、去る五月二十八日に、我が党の国会調査団の一員として事故の起きました東京電力第二原発の現地調査をやってまいりましたので、三号炉の事故の問題を中心にただしてまいりたいと思っております。  東京電力第二原発三号炉の事故の問題につきましては、私は事故以来この調査を含めて三度ほど、炉の中に入ってみたり現地調査をしてまいりました。今回改めて調査に行きまして、再循環ポンプの破損の状況というのが極めてすごいという実感を受けてまいりましたし、これほど大きな事故であったのかということを改めて身の毛のよだつ思いというぐらいの気持ちで見てまいりました。  軸受けリングの脱落ということ、それから座金あるいは軸受けボルトの脱落、これがあのポンプの猛烈な回転の中で起きている。そして、こんなに厚いステンレスが摩耗して穴があくほどの状況になっておるわけでございます。同時に、このポンプをカバーしているケーシングも傷がついている。もしケーシングにも穴があいてしまったら、冷却水漏れが起きて原子力発電の一番恐ろしい事故が起きかねないという事故であったと思うのであります。  今回の調査を行ってみて、事故の原因分析や安全対策等について改めて幾つかの疑問を抱かざるを得ませんでした。そこで、私どもがどうも知り得ない問題、これらも数多くあるような気がしてなりませんし、改めて原子力行政の基本である自主、民主、公開という原則がどうも守られていないのじゃないだろうかという気もいたしたわけでございまして、いわゆる原子力行政の信頼あるいは電気事業者そのものの信頼をかち取るという意味では、安全対策に万全を期していただきたいという気持ちでいっぱいでございます。さきの参議院の予算委員会におきましても稲村議員から資料要求がございました。委員会も大分紛糾して空転するという事態にもなったようでございますけれども、そういう意味で私は改めて今日時点でもぬぐい得ない疑問や問題点を指摘しながら質問をしたい、こういうふうに思います。  その第一が、どうも無謀としか言いようのない強行運転と言ったらいいのでしょうか、あるいは事故を隠してきたという姿について、再度通産省当局の考え方を含めてただしたいと思うのです。  それは、一月一日に軸受けの異常振動、警報が鳴りました。そして、にもかかわらずポンプをとめないでずっと運転をして、結局のところ一週間強行運転をしたわけでございます。途中にもちろん事業者は運転を継続するかどうかという会議もやっています。そこにはもちろん通産省の皆さん方の監督責任者、そういう方々も現場に立ち会っているはずであります。にもかかわらずどうしてこういう異常な状態を続けて七日まで運転をさせてしまったのか、これが結局重大な事故になってしまった最大の要因ではないだろうか、こういうふうに思うのですね。  まずこの点についてお伺いをしたいし、この事故が、実は一月七日に原子炉をとめて、しかし県 民や我々にプレス発表になったのは二月三日ですよ。ポンプの解体を始めているのが一月二十三日ですから、いかに事故を隠してきたかということについても指摘をせざるを得ない。通産当局は当事者等含めてこれも全部知っているはずです。どうしてこういう事態になってしまったのだろうか。この点についても、私ども福島県民やあそこの地元の人たちの原発行政に対する強い怒りになったことは間違いないのです。不信感になったのです。改めてこの問題についてお尋ねをしたいと思います。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  今回の福島第二の三号機の再循環ポンプの損傷事象につきましては、一月一日に事象が発生し、一月六日に、事象発生しましたことにつきましては我々はプレス発表をしたところでございます。それから再循環ポンプの分解点検を行いまして、中間的な取りまとめの結果を平成元年の二日三日に公表したところでございます。  その間の経緯ということでございますが、一日六日に発生しまして、原子炉の温度が低下するのを待ちましていろいろな冷却装置とか周辺のものを取り外し、損傷可能性のある部分については慎重に点検する必要があるということで、ケーシングの取り外し等を行いまして、破損が確認できましたのが一月二十三日ということでございます。それから分解、除染、点検をし、破損状況の概況がまとめられまして、当方に報告を受けたのが二月一日ということでございます。当方といたしましては、この報告を受けまして、原子力安全委員会にも報告を行い、二月三日にトラブルの概況として報告したわけでございます。  経時的には以上のようでございます。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 監督責任の問題はどうなっているのか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 今回の事象、いろいろ今顧問会の調査特別委員会で検討、解明あるいは健全性の評価ということをやっているわけでございますが、今回の事象が先生今御指摘のように大量の金属粉の流入というような事態になったわけでございます。こういうような事態が発生したということは、やはり再循環ポンプの振動発生時におきます運転マニュアルの規定が適切であったかどうか、それから、異常兆候に対しまして速やかに原因の調査検討がなされなかったことということもありますし、この間運転の継続、ひいてはこれが事象の進展、拡大につながったということでございます。  そういうことで、通産省といたしましては、平成元年の一月五日でございますが、一月一日の振動発生状況について報告を受け、さらに詳細な状況の把握と原因調査をするように東京電力に指示したわけでございます。それで、一月六日でございますが、同日の振動発生状況及び原子炉の停止を決定したという報告を受けたところでございますが、しかし、報告の時期、内容というのは必ずしも十分でなかったわけでございます。そういう意味で、今後、異常事象発生時には迅速かつ詳細に内容を報告するよう、東京電力に本件について厳しく指導したところでございます。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 どう見てもこの七日間の強行運転というのは、これは安全性よりも経済性優先という事業者の姿がありありと見えてならない。原発行政そのものに対する信頼もその点では大きく失ったとこれは言わざるを得ないのですね。東電はまさに苦い薬を飲んだと私は思うのです。しかし、それは東京電力だけじゃなくて、監督官庁である通産省そのものについても極めて問題ありというふうに私は言わざるを得ない、こういうふうに思っているのです。  そこで、その事故調査問題等々、原子力発電技術顧問会の中に調査特別委員会を設けて、七回の現地調査と十四回の会議をやってこられたというお話でございまして、その検討結果がこの青い表紙になってまとめられて、私の手元にもございます。これに基づいて東京電力はその安全対策を行ってきたというふうに思います。そこで、原因となっている問題について幾つか改めてお伺いをしたい、こういうふうに思うのです。  その最大の要因である水中軸受けリングが脱落をした、それが事故の第一原因である。それも、隅肉溶接という溶接の欠陥があったからだ、こういうふうに言われておりますけれども、もう一つの要因になっているこのポンプそのもののいわゆる水中軸受けリングの固有の振動の問題、いわゆる共鳴問題について根本的な解決にいまだかつてなっておりません。結局、溶接は変えたけれども、一体の溶接にしてもいわゆるあのポンプの構造的欠陥である共振現象という問題については全然解決をしておりません。共振現象がやはり今度のこの事故の大きな一つの要因になっていると私は思っておりますので、この問題の――皆さん方は強度があるから大丈夫だ、こういうふうに言っておりますけれども、どうも納得がいきません。それでは、どうしてこの共振現象をある程度克服できるような、例えば水中軸受けリングを一体遠心鋳造型に変えるというふうなことはしなかったのでしょうか。この点を含めてお答えいただきたいと思います。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  ポンプの対策といたしまして、完全溶け込み溶接型あるいは一体遠心鋳造型に水中軸受けリングを取りかえる、取りつけをそういうふうにするという対策をとっているわけでございますが、今先生御指摘がありました件についてでございますが、やはり我々、直接の原因というのは、原子炉再循環ポンプ水中軸受けのリングの溶接部に溶け込み不足がございまして、これでここの部分に応力集中ということが起こり、これが直接の原因と考えておりまして、水中軸受けには上下に変動差圧というのがかかるわけでございます。この差圧というのはさまざまな周波数成分から成り立っておりまして、ポンプの速度によって変化をいたし、かつ、水中軸受け自身もいろいろな固有振動数というのを持っているわけでございます。  そういうようなことを考えますと、共振現象を完全に回避するというのは難しくて、やはり完全溶け込み溶接型あるいは一体遠心鋳造型の水中軸受けにつきまして、我々、実規模の模擬試験を行いまして、これに基づく詳細な応力解析を行って、強度評価というのをやったわけでございます。それで、完全溶け込み溶接型あるいは一体遠心鋳造型いずれのタイプでありましても、この共振現象というのを考慮いたしましても強度が十分余裕があるということを確認いたしまして、今回のこのような対応になっているということでございます。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 それはもう何度もお伺いしているわけですね。ただ、同じ型の東海第二は既に一体遠心鋳造型に変えている。これはアメリカのバイロンジャクソン社でないとこの水中軸受けリングはできない。東電第二のポンプの発注先になっている荏原ですか、ここではまだその技術がないのかどうか知りませんが、できていない。だから、どうもやっていないのじゃないかというふうな気がしてならないのです。東海第二がやれて、東京第二はどうしてやれないのか。固有振動と全く関係のない東京第一などはもう全部一体遠心鋳造型に変えているのですよ。一番問題になっている東京第二だけがどうしてこの状態を続けておるのか、これは私はどうも納得がいかない。改めてお伺いをしたい、こういうふうに思います。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  完全溶け込み溶接型、それから一体遠心鋳造型、この二つのものにつきまして、我々、先ほども申し上げましたが、詳細な強度計算をやっております。それで、完全溶け込み溶接型につきましての応力集中係数というのがあるわけでございますが、これはリングの溶接部、それからリングのっけ根部に対しましても応力集中係数が二ぐらいでございます。それでこの変動ピーク応力というのを計算いたしますと、リングの溶接部で一・五キログラム・パー・平方ミリメートル、それからリングのっけ根部で二・四キログラム・パー・平方ミリメートルということで、疲労限度十二・五キログラム・パー・平方ミリメートルに比べまし て十分小さな数値になっているわけでございます。  それからもう一つ、一体遠心鋳造型につきましても強度計算をやっておりますが、これもリングのつけ根部、これは応力集中係数が二程度でございます。そういうことで、変動ピーク応力といたしましては一・八キログラム・パー・平方ミリメートルということで、やはりこれに対しましても、疲労限度十二・五キログラム・パー・平方ミリメートルということで、十分小さな数値になっているわけでございまして、完全溶け込み溶接型、一体遠心鋳造型、それぞれ強度計算をいたしまして、ほぼ同じような評価結果ということになっております。  以上でございます。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 私は強度計算の問題で言っているのじゃないのですよ。ポンプの構造上で、今のようないわゆる一体遠心に変えれば、この共振現象――ちょうどフル運転に近い状態で共振現象が起きるのですよ、今の状態だと。九三%ないしは九九%のところで起きると言われている。その点を避けるのには一体遠心にすればできることを、どうしてやらないのか、こういうふうに言っているのでして、今の強度のような話を幾ら聞いても私は納得ができません。この問題でやっていれば時間がなくなるので、私は、ほかでやっていることをどうして東京第二原発三号炉ができないのか、このことについてはどうしても納得できませんので、今後の皆さん方の対応を注目しておきたい、こういうふうに思っています。  次に、もう一つ懸念の問題でございますけれども、金属粉ないしは片の回収の問題であります。これは、どれだけ金属片や粉が紛失したかは削られた量によって推定をして、あとは、回収した鉄粉などは六十キロもあるようですけれども、あるいはまたそのほか片も含めてかなり膨大な片と粉が炉の中に入ったり、あるいはポンプの中にというふうな形で流出をしたわけでございますけれども、いまだ完全回収はされておらないというふうに言わざるを得ません。  特に、私はどうしても解明をしてほしいのは、予備調査の段階で金属片が百八十六個回収されているのです。ところが、本調査になったら一かけらも片は回収されていないという、こんなおかしな話はないのです。ここに全然触れていませんね。ところが、本調査の中では一ミリ以上のものが回収した中で二%くらいあった、こういうふうに言われております。回収したのが六十キロ。鉄粉を含めて六十キロ。あるいは皆さん方が今度のステンレス部分というのはそのうちの二十キロくらいだろうあるいは二十五キロくらいだろうとかといろいろ推定をしておりますけれども、それの二%にしても金属片はかなりあったはずであります。これがどういうふうに回収をされたのかということについてお伺いをしたいし、どうも推定の推定を重ねておるだけで、本当に回収をされたのか疑問であります。  なぜ金属片の問題を問題にするかというと、この金属片では実は大事故を起こしている、ないしは起こしかけているという経験が世界にあるわけです。いわゆる炉心の中に金属片が残っていて重大事故になりかけた。コネチカット・ヤンキー原発はそういう燃料棒に傷をつけたというふうなことがありますね。そのほかフィンランドの原発では、金属粉が邪魔をして一番肝心の制御棒の駆動ができなかったということもあるわけです。ですから、どうもその推定の推定を重ねた回収ということでは納得しかねるわけでありまして、本当に金属片はあの炉の中に一つもなくなったのだろうかという疑問は消えないのですけれども、改めてお尋ねをしたいと思います。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  今御指摘の回収状況でございますが、先生おっしゃるとおり洗浄前の予備調査では比較的大きな金属片百八十六個が回収されているわけでございます。それから、洗浄回収作業に入りまして二十七キロから三十一キログラムの金属片等と座金の破片が回収されたわけでございます。それで、回収されました金属粉等の粒径の分布でございますが、〇・一ミリ以下が七三%、〇・一ミリから一ミリが二五%、一ミリ以上が二%ということになっているわけでございます。  洗浄後の状況につきましては、金属粉等の分布状況調査を行っておりますが、その結果、燃料集合体に残存していると考えられますものが二キロから二・五キログラムというふうに考えておりまして、それ以外は約百グラムの金属粉等が残存しているのではないかというふうに考えております。それで、洗浄後の分布状況等調査いたしましたところ、金属粉等の粒径分布でございますが、〇・一ミリ以下が九八%、それから〇・一ミリから〇・二ミリが二%というようなことになっておりまして、この洗浄回収状況については報告書に記載しているところでございます。  いずれにいたしましても、現在通産省におきましてこのような残存する金属粉等が今後原子力発電所の運転に問題がないかどうか、プラント全体の健全性評価ということで、顧問会の調査特別委員会の先生方の御意見も踏まえて精力的に検討しているという段階でございます。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 それでは、金属粉あるいは片が完全に回収されたというふうな認識はといいましょうか、確認は何によってなさるのですか。皆さん方は、東電の対策の報告書では、その後、あの炉の中でサンプリングをしました。サンプリングした箇所なんというのは、本当に炉の中のほんのちょっぴりなんですよ。あれだけの炉の中のいろいろな問題をサンプリング調査では全部細かくやり得るはずがない。今のお話は、せいぜいそのサンプリングによる数字でしょう。だから、どういうところで最終的に金属片はなくなったという確認をなさるのか、これだけはお伺いしておきたいと思います。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  通産省といたしましては、東京電力から四月に流出部品とか金属粉等の回収状況の報告が行われたわけでございますが、現地に検査官を派遣しまして、水中テレビカメラによる原子炉容器の中の洗浄後の状況の確認等を行いまして、東京電力からの報告の内容を確認しているわけでございます。  それで、回収状況につきましては、先ほど御報告申し上げたところでございますが、そういうような前提で今健全性の評価というのを慎重にやっているところでございます。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 その健全性の評価については最後にお伺いします。その問題については、私は今のお答えではとても納得できないのです。  それでは、もう一つ別な問題についてお尋ねをしたいのですけれども、きょう、写真を持ってくるのを忘れましたが、ポンプを覆っているケーシングにもかなりの傷ができております。これは現地でケーシングそのものを見て確認をいたしております。もしこのケーシングに穴でもあいたら、先ほど申し上げましたけれども、一番大事な冷却材が喪失をするということになる。ところが、これは安全審査の対象にも今なっていないものなんです。今度、傷がついたこのケーシングをそのままお使いになるということなんだそうでございますけれども、それはそういうふうなことで、東京電力の方ではケーシングをそのままお使いになるということなのかどうかも含めて、傷ついたケーシングを使うということについての通産省の認識についてお伺いをしたいと思います。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  原子炉再循環ポンプのケーシングの修理工事につきましては、電気事業法に基づきます工事計画の届け出というのがなされておりまして、法令に基づきます所要の審査を行ったところでございます。  それで、この工事につきましては、技術基準に適合しないものではないということを確認しておりまして、ケーシングの健全性という点では、点検、検査の結果、強度部材の傷というのは最大の深さでも〇・五ミリ程度であります。ケーシングの強度上の必要な肉厚に比べまして十分浅いわけ でございます。そういうことで、強度に影響はないということを確認しているものでございます。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 私も現場へ行ってケーシングを見ました。なお、写真を見せていただきましたけれども、後で大臣にも本当にその写真を見せたいくらいなんです。安全性という問題を大事に考えたら、どうしてケーシングくらい取りかえないのだろうか、私はこれも不思議でならないのでして、この点も強く指摘をしておきたいと思います。  もう一つ、再循環ポンプが最近ずっと、この原発だけではなくて全体的な原発の中でもいろいろ事故を起こしております。トラブルを起こしております。ところが、この再循環ポンプそのものの定期検査というのは、大体一炉にAとBと二つありますから、こっちを五年やったらこっちは五年後、結局のところ、一つのポンプは十年に一度の定期検査の対象にしかなってございません。これだけ頻繁にトラブルを起こし、構造的欠陥を指摘をされている再循環ポンプ。これは安全委員会の議論なのかもしれません、安全委員会に対する質問なのかもしれませんけれども、定期検査のあり方を含めて、この際、この問題は見直すべきではないか、私はこういうふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  今先生御指摘の再循環ポンプの定期検査のインターバルの問題でございますが、我々は定期検査におきまして、ポンプケーシングにつきまして十年で一〇〇%の供用期間中検査というのをやっておりますし、再循環ポンプの分解点検、これも十年に一回でございますが、再循環ポンプの運転性能、それからインターロック検査というのがありますが、こういう検査につきましては一定期検査ごとにやっているわけでございます。そして、異常のないことを確認してきているところでございます。しかし、今回の事象のように、このような取りかえ等を行いましたものにつきましては、検査間隔等についてやはり慎重な対応が必要というふうに我々考えております。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 今のお答えは、こういうトラブルを起こした再循環ポンプはもっと短い期間で検査をやるというふうに理解してよろしいですか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  次回の定期検査におきましては、やはり分解点検をして、対応がよかったかどうかというのを確認する必要があるというふうに考えております。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 そこで、もう一度初めに戻るような形になりますけれども、一月一日に事故が、警報が鳴った。それでもずっと運転して七日までという話をしました。この運転の問題については先ほど御指摘したとおりなんですけれども、警報が鳴って強行運転した。そうしたら、二日以降はとめるほどの警報じゃないからそのままずっと運転をした、こういうふうに言われております。  ところが、皆さん方の事故の想定は、その一日のときに再循環ポンプの水中軸受けリングが脱落をして、炉の中で、物すごいスピードで回る中に脱落をしたまま一週間いたというのです。こんな分厚いステンレスが脱落をして一週間回っていたのでしょう。出力を多少下げましたけれども、そのまま回り続けたというわけでしょう。これはどうも事故想定そのものもちょっと疑問があるし、回り続けたとすれば間違いなく運転をし続けたのです。それで警報はとめなくてもいいという。いわゆる警報は鳴らないのですから。鳴らなかったというのはむしろ不思議でならない。鳴り続けなければならないのじゃないか。それでなければ、警報の意味をなしますか。あれはとめなければならない信号が出てしかるべきです。運転は、多少出力を下げたから七日間も運転してよかったなどという、そういう代物ではないのじゃないかと思うのですが、その点については全然警報その他マニュアルの問題で、そういうところからの反省、総括はしておりませんね。一週間の間警報は鳴らなかった。どうしてなんだろうか。ポンプの中に脱落しているのですよ。こんな厚いステンレスがのまま回り続けたというのですからそら恐ろしい話なんですよ。このときにどうして振動あるいは温度警報が鳴らなかったのか。どんなふうに分析をされましたか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  今、先生御指摘の問題でございますが、我々も損傷原因の調査という中で本件、大変関心があってチェックをしたわけでございます。  それで、水中軸受けリングの中におきます挙動確認、これを試験でやっております。そうすると、一体脱落後、水中軸受けリングの挙動といたしましては、羽根車の上で傾斜した状態で旋回する現象、それからポンプケーシング内部の上部に張りつく現象というのが確認されておりまして、それらの場合には軸振動が増加しないというようなことも試験で確認したわけでございます。そういうことで、一月一日からそれ以降六日までの振動が下がっている状態等も、こういうような試験の結果からそんなこともあるのではないかというふうに判断しているところでございます。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 だとするとなお怖いのですよ。警報がそういう状態でも鳴らないというのはおかしい。出力を下げて運転すればそれで済むんだということになったら、もっと大事故になりかねない。そこのところはもう一度、今の試験結果からそういうふうなことが得られたとしても、なおかつシビアないわゆるシグナルが出るように再検討すべきじゃないか、こういうふうに申し上げておきたいと思います。  そこで大臣、きのう実は大臣のところへも要望書を持っていかれたと思います。運転再開の問題でかなり心配をしている向きが地元も含めてあるわけでして、この調査委員会でつくった調査報告に基づいて、電力がいろいろ対策をやってまいりました。それでも今申し上げましたような疑問がどうしても残っているということで、きのうそういう申し入れを私どももいたしたわけでございます。もちろん地元の住民や自治体も今もって不安、疑念をぬぐい切っているなどとは到底言い切れないと私は思っております。  そこで、この原因の徹底究明や対策は今の時点でなされて十分だという判断をされるのかどうか。特にこの調査結果の報告の中でも、先ほども答弁がありましたけれども、運転再開のゴーサインというのは燃料集合体や各種機器及びプラント全体の健全性の評価をきちっと行ってからだ、こういうふうにお話がありました。これは通産省、エネ庁が行うのだろうと思うのですけれども、行政がそういうことを言えばそれで安全性の評価は十分だ、これでいいんだ、こういうことで運転再開になるものなのかですね。  原子力発電所の事故という問題に関して言えば、どうもいろいろすっきりしないところだらけなんです。例えば航空機事故であればかなりしっかりした調査委員会を設けられますね。あるいは大きな船がそういう事故が起きたというときにも恐らくそういう問題があるのではないだろうか。原発の事故はどこまで調査委員会みたいなものを設けてやるのか、この基準も極めて不明確ですよ。今度のような事故になったから調査委員会を設けてやる。それでなければ、軽微なものは、いや大丈夫だよということで運転が始まる。こういうやり方でいいのだろうかということを改めて感じるのですけれども、どうでしょうか、調査のあり方、調査委員会の設け方、その組織、あるいはまた運転再開などの判断の基準、こういうものについてしっかりしたものをこの際おつくりになる考えはございませんか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 私はかねがね日本の電力の供給体制を見ておって、約三割近い原子力発電、どうしても将来ともに日本にとって必要だ。しかしながら、そのためにはあくまで安全に運転されるということが前提である。十分管理をし、また機械の故障などが起きないように点検をしてできるだけ早く、場合によれば摩耗する前に機械を、部品なんか取りかえるようにすべきだということを私はかねがね言ってきているわけでありまして、そういう面からいくと、きのうも私は写真を見せていただいたのですが、今度のこの故障、トラブル は大変遺憾だと私は思いますし、また先ほど来言われているように、警報が鳴ったのに一週間も運転を続けてきたというのも私は遺憾だと思います。できれば警報が鳴ったらそのときにやめるのがいいんじゃないかと思います。  そういう点からいっても、これからはより一層運行管理を厳しくさせなければいけないと思いますし、またいろいろこれから調査に当たっても、やはりある程度だれが見てもわかるような、みんな納得するような形の調査結果というものが出されないとみんな心配するわけですから、もしここで非常にその地域の住民が、また事故が起きるのではないかというような心配をすると、これはもう全国に波及するおそれがありますから、そういう面では、こういう事故は起きたときは起きたで、これは起きてしまったのですから、二度とこういう故障が起さないように、トラブルが起きないように、やはりそういうことを努力をしていくというのが、大変今度の委員会の責任でもあるのではないかということで、私としては、本当に運転再開というものに対しては安心した形で行われるように、これは電力会社自身も当然そういう考え方を持つべきだし、指導する行政官庁もそういう形でやっていくというのが当然ではないか。そして、国民がなるほどやはり心配ないんだなあというところで原子力が将来ともに推進していくことができるのであります。  私は、原子力の発電というのは必要だ、こういう考え方を持っておりますが、そのためには、やはり国民が安心しておれるような体制をつくっていくということも非常に大切だ、こう思っておりまして、今後の調査委員会のあり方なども、私は今まで詳しいことを承知していなかったのですけれども、一遍その辺も私自身が十分検討していかなければいけない、こう思っているわけであります。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 今大臣からそういうお話がありましたので、実は、この報告書も調査委員会の報告書になっていないのですよ。資源エネルギー庁の報告になっている。どうしてなのかなとここにも疑問があるのです、正直言うと。これは時間がありませんからやめますけれども。ですから、調査委員会が十四回も会議をやって七回も現地視察して、調査委員会の報告書になっていない、調査委員会というのは一体何だろうかということも疑問があるのです。  ですから、監督官庁だけが物をやればいいのではなくて、この種の問題は、安全対策というのは、だれか見ても、今大臣が言うように、この報告を見てこの対策をすればいいんだというふうな客観的に思われるようなものでない限り、これはやはり住民やあるいはまた事故の後の安全性が確保されたというふうなことについては納得するわけにいかないんじゃないだろうかというふうに思うので、今の大臣の答弁をひとつこれからの原子力の行政に十分反映して、事故調査委員会のあり方等々についても充実するような方向で取り組んでいただきたいということを強く要求をしておきたいと思います。  運転再開の問題についても、もうとにかく地元の住民の納得いくような形でなければ再開はしてほしくないというのが、これはもうここに住んでいる住民の願望に近い、いわゆる切実な願いでありますから、そのことも十分申し上げておきたい、こういうふうに思います。  次に、大店法の問題についてお尋ねをしたいのですけれども、日米構造問題協議の中間報告によって、国内措置的な意味で、今度の、運用適正化という名目で商務流通審議官通達が出されました。読ませていただきましたし、見させていただきました。  時間がありませんのでそんなに詳しいこの問題でのやりとりはできませんけれども、通達の問題点あるいはこれから次の国会に法改正をしたい、あるいはその後なお二年後に見直しをするというふうな方向を打ち出しておりますので、それらの問題についての考え方といいましょうか、それを尋ねておきたいと思います。  この通達はどう見ても、大店法がつくられた法の目的、あるいはこの法施行以来、ナショナルスーパーの出店と地元の小売業者の激しい対立といったらいいのでしょうかそういう問題や、あるいは町づくりの観点からいって、地元自治体をも巻き込んでの出店規制の問題あるいは抑制の問題、凍結宣言などなどいろいろなことがございましたけれども、そういう歴史的経過を経て今日の商調協等による調整ルールがつくられてきたんだと思うのですけれども、どうも今度の通達はこれを問答無用と一変させてしまったんじゃないだろうか、こういう気がしてならないのです。それが、日米構造協議というものが背景にあるからやむを得ないんだというふうに言ってしまっていいのだろうかというふうに、どうも法律を超えた超法規的な通達になってしまっているという感じが私はいたすのであります。  大店法の「目的」の第一条が、「消費者の利益の保護に配慮しつつ、大規模小売店舗における小売業の事業活動を調整することにより、その周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、」そして小売業の正常な発展を図る、こういうことになっているわけです。この大店法の主要な目的を見る限り、まさに大型店と小規模な小売店の共存共栄の法律であるというふうな認識をするわけであります。  今回の通達を見る限り、出店調整期間は一年半だ、商調協の中では、いろいろな委員の辞任があってもそれは強行していきますよ、出店抑制地域についてもどんどん大型店は申請は受けつけましょう、あるいは地方自治体でいろいろ今までやってきたことについては、条例権は否定しないけれども、実際は、実質的にはそれを無視するような形にならざるを得ないんじゃないでしょうか。  こういうふうに考えてまいりますと、まさに大型店の全面自由化、中小の小売業が共存共栄できるような状況というのにはどうもならない。この通達が施行された以降は大店同士の激しい争いになる、弱肉強食そのままという事態が進んでしまうんじやないだろうか、こんなふうに思うのですね。まず通達があってその後法律改正があるというのは、どうも余りにもこれは国会の論議、そういうものが全然保障されておりませんし、ひいてはそれは国民を無視したものになってしまうんじゃないだろうか、こんなふうに私は思うのですけれども、この通達に関する今申し上げましたような私どもの考え方に対して、通達を出した側の行政官庁としてどういう御認識をお持ちなのか、まずお伺いしたいと思います。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 今お話のありましたように、法律の目的の中には、もちろん中小小売商の事業活動の機会を確保するということも当然でございますが、同時に、消費者の利益を配慮するということもあるわけでありまして、私は率直に言って、いろいろ今までの通達でなされてきたことを読んでみますと、確かに中小小売商の皆さんのためには非常によかったのでございますが、一方、その地域の住民と申しますか、消費者の皆様方の立場から考えると少し行き過ぎの点もあったのではないかという感じは率直にいたします。  もう一つは、昨年の六月に、産構審流通部会、中小企業政策審議会の流通小委員会、この二つの合同部会において、いわゆる一九九〇年代の流通ビジョンという提言をしていただいたわけでございますが、その中にもいろいろとその辺のところが書かれているわけでございまして、新しい時代に対応する流通のあり方としては、やはり思い切って出店調整の手続の期間なども縮めるべきだということで、そのビジョンの中には二年というのがあるわけであります。それらを踏まえて、たまたま日米構造協議というような問題も出てまいりましたので、私どもとしてはその法律をバランスよく考えながら、そしてまた昨年の答申といいますか提言と申しますか、それを踏まえて、法律を改正するといってもなかなか時間が今ございませんので、法律を改正しなくても現行のままでどこまでいけるかというぎりぎりの詰めであのような形の運用改善という形で今回、細かい通達も出し ましたけれども、運用改善ではこの辺が限度であろうということでやったわけであります。しかし、今御指摘のように、それが大型店がどんどんこれから出店をするということでもないと私は思います。あくまで通達には出店調整と書いてあるわけでありますから、調整はいろいろ行われていくわけでありますので、余りにも秩序が乱れるようなことはないと思います。  それからまた、一方、地元の中小小売商の皆様方との共存共栄というのは当然でございまして、今も街づくり会社構想その他、地元の中小小売商も新しい時代に対応して、例えば駐車場の問題であるとか、あるいは後継者の問題からいけばもっと店舗の改装とか、あるいは小売商店街全体の環境をよくするとか、いろいろのこともやっていかなければいけないということを一方においては新しい施策として始めてきておるわけでございまして、それらともうまく調整をしながら、いわゆる新しい時代の新しい商店街をつくっていく、こういう考え方でこの運用改善は考えたわけでございます。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 そうしますと、次の法律改正の段階では――今の大臣の答弁ですと通達でやれるぎりぎりのところまでやったというお話ですね。私どもは、それでももうこの通達は大店法の目的、趣旨を超えていますよというふうに先ほど御指摘申し上げましたけれども、この議論をやっていると、もう今時間があと五分しかないのでやれませんので、次の機会あたりにこれはやらざるを得ないだろうと思うのですけれども、法律を改正するという考えですから、今のお話ですと今の通達をより進めて法律をつくるということになるのだろうと思うのです。それは一体どういう中身を持つのかということですね。そのときに、中小小売業の共存共栄という問題についてどういう位置づけをするおつもりか。  私は、今のままの通達ですと、大臣はそうでないとおっしゃいますけれども、大店同士の激しい争いでもうどうしようもない状態が続くのだろうと思うのですよ。ですから、例えば商店街の形成だって地域によっては長い歴史を持ってきているわけです。私も今の大店法に問題なしなどとは思っていません。ですから、例えば地域の町づくりという観点で何か法律の中に新たに、例えば出店の抑制の問題や町づくりの問題、そういう観点で法律の中に組み込もうという意思があるのかどうか。中小小売業を適正に確保する、守るという立場からですよ。あるいはまた別な形で、今度の通達をお出しになった時点で中小小売商を守る立場のもう一つの制度とかいうものを同時に出すのであれば私はまた理解ができるのだけれども、それはおやりになってないでしょう。そういう問題を含めて、法改正とあるいは新たに別な制度を含めてどんな考えを持っていらっしゃるのか、この際お伺いしておきたい。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 日米構造協議の中間レポートの中にも書いてありますように、来年のいわゆる通常国会においてはこの大店法の改正もぜひお願いしたい、こう思っております。その中身は簡単に言えば、透明性の問題からいえば、今度の通達でもいろいろございますけれども、もう少し法律の中で商調協のあり方あるいは委員の身分などもはっきりさせたい、そしてもっともっとそういうことで責任を持っていただくと同時に、できるだけいわゆる情報公開といいますか、商調協でどういうことが行われるかということをもっとはっきりわかるように、法律でその辺をはっきりさせていきたい。あるいは輸入品売り場、今回は百平米以下ということにいたしておりますが、やはりこれも開かれた日本の市場というものを考えると、少なくとも輸入品売り場についてはもっと広い面積のものを届け出だけでよろしいというような形にしていかなければいけないのではないかとか、大体そんなところかと思います。  それからもう一つ、大店法の改正はそういうことでございますが、今御指摘のように、そういう形で中小小売商の皆さんは非常に心配をされておりますので、これはぜひ別の法律案をつくって御審議を願いたいと思っておるわけでございます。それはどういう形かといえば、一つは大きな構想でございまして、これは建設省あるいは自治省の御協力も得なければなりませんけれども、例えば建設省の中に都市再開発の事業がございます。ああいう事業と新しい町づくりというものをうまくかみ合わせたような形で思い切った、例えば大きな店舗の中に大型店も入れば地元の中小小売商もうまく入れるような、そしてその大きな店舗だけではなくて全体の中で例えば都市公園があったり、あるいは今もありますけれどもアーケードその他をつくるとか、あるいは新しい街路をつくるとか、いわゆる都市再開発で行われるような事業と、大型の建物、店舗をつくってそこへ中小小売商に入っていただくというものをかみ合わせてやっていきたいという一つの構想。  いま一つは、今街づくり会社構想がございますけれども、それを拡大いたしまして、もっと思い切って中小小売商の皆さんが商店街を、いわゆる都市再開発とは違って、その商店街を活性化させるための一つの商店街の改造と申しますか、そんなようなものをひとつ思い切ってやっていただこうじゃないか、そのためにも場合によれば法律が必要じゃないだろうかというようなことで、今建設省と自治省と協議を続けつつあるところでございます。できるだけ早く成案を得て、そして法律案を考えていきたい、こう考えておるわけであります。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 そうすると、次の通常国会に大店法は改正をしたい。今大臣が後段おっしゃった問題はいつごろをめどにしていらっしゃいますか。  それともう一つ、大店法は通常国会で改正案をお出しになる、同時にその二年後にまた見直しをする、そういう方針を立てていらっしゃいますね。それは一体どういうことなのか。法律をつくる前から、二年後にもう一度見直しましょうということでしょうね。それは何を、どういう観点で見直しをするために考えていらっしゃるのか。法律をつくる前からそういうお話ですから、それなりの考え方、ポイントというのはおありになっての話でしょう。その点についてもお伺いしておきたい。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 今お話し申し上げました中小小売商の新しい町づくりといいますか商店街づくりの関係の法律案は、早ければ早いにこしたことはございませんが、やはりどうしても大店法の改正案と同じ通常国会でお願いすることになるのではなかろうかと思います。これはわかりませんけれども、例えば平成二年度の補正予算を組まざるを得ないということがもし起きてまいりまして、その補正予算の中でいけるとなれば、それこそその前に法律案をお願いをしなければならないことになるかもしれません。例えば臨時国会が行われて補正予算案が審議されるというようなときにはあるかもしれませんし、あるいは通常国会で補正予算を審議されるということになれば、同じ通常国会の中でもなるべく早い時期にそういう法律案は御審議を願うということになるのではなかろうかと思っております。  それからいま一つ、来年そういうような法律案を提出させていただいて御審議をお願いしたいと思っておりますが、それからさらに二年先にもう一回という話でございますが、これは構造協議の中間レポートにも書いてありますように、それを踏まえて思い切った見直しをもう一回検討するということになっておりまして、三年先のことは、法律改正を検討するということにはいたしておりますけれども、中身については、一応このような商業地域だけはもう届け出だけでいいようにするということもあり得るかもしれない。その辺の地域の問題については、次の段階の法律案の見直しを検討する中で検討していきたいということにいたしておるわけであります。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 もう時間がありませんので、今のお話ですと、背景にあるものは何かというか、先の法律をつくるよりその先の見直しまで今から想定をしているというのは、一体何を最終到達点 といいましょうか、それは後ろに日米構造協議の問題があって、そういうものがどんどん進められていくというそういう認識、今我々が考えられるのはそういうふうにしか思えないのですけれども、だとすると、余りにも、主体性の問題を含めて問題ありという感じがしてならないのですよ。ですから、これからいずれこの法律を提案される時点で詳しい議論はしていかなければならないだろうと思いますけれども、どうもその先が、物差しといいましょうか、どういう観点があるのかということについてはまだはっきりしていません。構造協議が裏にある、そのことが本当にその要因になっているのかどうか、そのことだけでももう一度お答えをいただきたい。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 予算委員会でもずっと私答弁をいたしてきたのでございますけれども、今までの法律は、先ほど目的をおっしゃったとおりでございます。やはりそれに加えて、これから国際社会の中で日本は生きていかなければならない、いわゆる世界に開かれた日本にならなければいけないということでございまして、やはりこれからは、そういう面からいくと、そのこともひとつ考えていかなければならない。  それから、先ほどもお話のあったように、消費者の保護というのを今まで以上に私どもは政策としてこれから考えていきたい。どちらかというと、生産あるいは流通といった、いわゆる経済界の方にある程度ウエートを置かれていたのが今日までの政策だと思うのですけれども、今後は消費者の方にもっとウエートを置いた政策に転換していきたいというのが今私ども内閣全体の考え方でありまして、そういう考え方と、いま一つ、国際社会の中で開かれた日本として考えていかなければならないことと、そしてまた、しかしながら一方、その地域地域でその地域経済のために、地域社会のために大変御貢献いただいている中小小売商のことも当然考えていかなければならない。この三つのことをいろいろ考え合わせて、しかもタイムスケジュールは、いろいろ考えていくとそういう三段階でいくのが妥当ではないかということで、何も押しつけられてしたわけでは――確かに日米構造協議が一つのきっかけであったということは間違いのない事実でありますが、既に先ほどし上げましたように、一九九〇年代のビジョンというものを昨年つくっていただいているわけでありまして、それらもかみ合わせながらそういう向を考えたということでございます。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)委員 この問題は中小小売業を含めて大きな問題でございますので、いずれ、これから何度となく議論する機会があると思いますので、時間が参りましたのできょうはこれで終わらせていただきたいと思います。  終わります。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 森本晃司君。

森本晃司公明党・国民会議

○森本委員 きょうは私は、先般、六月五日に長期エネルギー需給見通しが発表されましたが、その問題について、エネルギーと環境という点からいろいろ質問をさせていただきたいと思うところであります。  殊に、我が国の経済成長は非常に持続的成長となってまいりました。同時に、私たち国民のライフスタイルが大きく変化してまいりました。また、あのオイルショックのときに、テレビの深夜放送を禁止したりしながら私たちの生活の中に省エネに対する意識が相当あったわけでございますが、昨今そういったこともほとんどその意識がなくなってきた、私は大変なことだなというふうに思っております。若者の間では朝シャンとかいっていろいろと、それは健康的で結構なことではありますけれども、エネルギーを非常に多く使うようになってきた。したがって、我が国のエネルギー、電力需給は今非常に高い伸びを示していると言えるわけです。しかし一方、石油、石炭等の化石燃料の大量消費に伴うCO2の問題、それによる温暖化現象、そして地球環境の問題、こういったことが今国際的な議論を呼んでおりますし、殊に温暖化に対する関心度は我が国の中で非常に高まりつつあります。そういった基本認識を踏まえた上で、地球環境を守る問題とエネルギー、これは大変難しい課題ではございますが、この見通しについてお伺いしたいと思います。  前回は六十二年十月十四日にこの見通しが出されましたが、しかし三年もたたない間に改定を迫られている理由、需要の急増、あるいは環境の問題が起きてきた等々いろいろとありますけれども、一体どういう理由で三年もたたずに改定を迫られることになったのか。それからもう一つは、これはまた後ほどでもお伺いしたいと思いますが、この長期見通しがあっという間にまた改正をしなければならなくなるのではないだろうか、そういった点について、まず三年もたたない間に改正をしなければならなかったのはなぜなのか。

山本雅司資源エネルギー庁長官

○山本(雅)政府委員 今回、長期エネルギー需給見通しの改定、それから総合的なエネルギー政策の見直しを総合エネルギー調査会にお願いいたしまして、今御指摘のように六月五日にその答申を受けたわけでございます。  具体的に、それではなぜ三年もたたないうちに改定したかという御質問でございますが、私どもは国内、国外二つの要因を考えております。  一つは、国内におきましてはエネルギー需要が大変急増してきておりまして、八七年、八八年それぞれ五%、五・四%と高い伸びを示しておりまして、八九年も、まだ最終の数字は出ておりませんがかなり高い、五%前後の数字ではないかと推定されております。したがいまして、このエネルギー需要の伸びと経済の伸びとの相関関係が、実は弾性値といたしましてほぼ一のところに推移しているわけでございます。これは、前回予想いたしました、供給面では〇・四、需要面では〇・三という弾性値に比べまして倍以上の伸びを示しているわけでございます。したがいまして、そういう大きな伸びを示している状況から見まして、エネルギーの需給計画につきましてはどちらかといいますと小さく見積もるのは非常に危ない点がございまして、やや余裕がある方が望ましいかという考えがございます。したがいまして、今までのエネルギー需給計画は、基本的には情勢の変化に応じましてやや小さい見通しに変えてきたというのが過去の経緯でございますが、今回初めて上方修正を迫られたという状況でございます。  なお、国際的にはやはり御指摘のような地球環境問題がございますし、さらに石油の需給を中心といたしました将来のエネルギーの需給逼迫化の見通しなども出てまいりました。したがいまして、こういう内外の情勢を踏まえまして、エネルギーにつきましてはやはり長期的な見通しのもとに着実に施策を進める必要があるという観点から、従来の二〇〇〇年から二〇一〇年を目標年次にして改定した次第でございます。

森本晃司公明党・国民会議

○森本委員 従来、長期エネルギー見通しが策定された直後に、ちょうどこの見通しと表裏の関係にあります「石油代替エネルギーの供給目標について」というのがこの六回ぐらいはそのすぐ後に閣議決定されておるわけですけれども、今回はまだ閣議決定されておりません。閣議決定をされるのでしょうか。それで、もし閣議決定をするとしたならばいつごろをめどに考えておられるのか、この点も明らかにしていただきたいのです。  それと同時にもう一つ、巷間私たちが聞くところによりますと、今回非常に閣議決定が難しい。というのは、それはエネ庁と環境庁の間で地球環境問題に対してエネルギー面での対応のあり方に違いが出ているのではないだろうか、また同時に、国際的な観点もあって閣議決定をしようとしないのではないかという話を聞いておるのですが、その点について答弁を願います。

山本雅司資源エネルギー庁長官

○山本(雅)政府委員 御指摘のように、たしか昭和五十五年以降代替エネルギー目標というのを閣議決定してまいりました。ただ、初回につきましては需給見通しをつくっておりましたけれども、閣議決定がややおくれたという事実はございます。今回につきましては、実は私どもといたしましては、今回総合エネルギー調査会の報告を受け取りまして、これをもとに全力を挙げてエネルギー政策をやっていきたいと考えているのは事実で ございます。ただ、形式的な閣議決定につきましては、今御指摘のようなのも一部ございまして、国際的には、今後サミットもございますし、秋には世界気候会議等がございまして、どういう形で地球環境問題を含めて動きがあるか、相当動きが激しいのが現状でございます。それから国内的にも、それへの対応等も含めまして現在関係省庁でも意見交換をしておりますし、もっと高いレベルでの御意見も伺う必要があるかと考えております。  したがいまして、私どもといたしましては、できるだけ早く国際的な動き、国内的な動きを見きわめまして、今回の総合エネルギー調査会の結果を踏まえまして、代替エネルギーの開発目標という観点からの閣議決定をお願いしたいと考えております。具体的な時期につきましては、今申し上げましたような諸般の事情を考慮しながらできるだけ早い時期にお願いしたい、こういうのが現在の状況でございます。

森本晃司公明党・国民会議

○森本委員 代替エネルギーの供給目標というのは非常に大事な問題ですし、特にこれから地球に優しいエネルギーというものを私たちはいろいろと考えていかなければならない、そういった意味での目標決定が大事かと思いますので、国際的な一つの大きな流れはあるものの、その点についてはがっちりと取り組んでいきながら、同時に、環境庁とのこの問題についての内部でのいろいろな調整がうまくいかないという点もあるかもわかりませんが、必ずしも経済優先で進んでいくのではなくして、私たちのかけがえのない地球を守るためのエネルギーをどうするのかということをしりかりと考えていかなければならないと思います。  そこで、今回の見通しの特徴点は一体何と何であったのか。先ほど改定の理由の中でも述べておられるかと思いますが、改めて特徴点についてお尋ねしたい。

山本雅司資源エネルギー庁長官

○山本(雅)政府委員 今回の改定の特徴点はいろいろございますけれども、それを極めて要約いたしまして絞りますれば、今御指摘の点のようなのが浮かんでくるわけでございます。すなわち、一つは、日本の国といたしましては、国内にエネルギー資源が非常に少のうございますから、何としてでも省エネルギーと申しますか、エネルギーの効率的な利用に努めていきたいということで、エネルギー利用の効率化がまず第一の大きな特徴点でございます。  それから、第二の特徴点といたしましては、やはり地球環境に優しいエネルギーということを考えておりまして、そのためにはやはり炭酸ガスを排出しないような新エネルギーを中心にいたしまして、英語ですとノン・フォサイル・フュエルと言うようでございますが、それは日本語に直しますと、非化石燃料についての比率を高めていくというのが第二の特徴点かと考えております。

森本晃司公明党・国民会議

○森本委員 この八月にIPCCの中間報告あるいはそれ以降の環境問題に関する国際会議、先ほどの代替エネルギーの供給目標を今閣議決定できないのはその辺のことがあるのだということではありましょうけれども、そういった環境問題に関する国際会議でCO2の排出量の具体的な抑制、削減目標の設定等々我が国に対して非常に厳しい決定をされるあるいは目標を課せられることが起き得るというふうに考えることもできるわけであります。そういった場合に、今のこの長期エネルギーの見通しは変えていかなければならない、むしろ変えるべきであると私は思いますが、その辺、再改定が速やかに行われるかどうか、明らかにしていただきたいと思います。

山本雅司資源エネルギー庁長官

○山本(雅)政府委員 私どもは、環境問題につきましては、やはり地球環境を守るという観点と経済成長、国民生活の豊かさを国際的にもなお追求すべきだという二つの目標を何とか同時に達成したいということで過去にも努力してまいりましたし、これからも努力をしたいというのが基本的な考え方でございます。  その観点から、現在の長期エネルギー需給見通しといたしましては二つのことを前提にしておりまして、第一は、やはり安定的な経済成長を持続するということで、二〇〇〇年まで四%という経済成長を前提にして、私どもはエネルギー面からそれを可能にする政策をとるというのが第一の前提でございます。  第二の前提は、やはり我が国の基本でございます市場経済原則によりましてエネルギーの需給を満たすということを考えておりまして、言葉をかえますれば、規制的なあるいは強制的な措置をとらないというのを前提にしておるわけでございます。したがいまして、国際的な動きあるいは国内的な大きな政治判断と、いろいろこれから環境問題についてはそれぞれの段階で決定されていくのではないかと考えられますが、私どもといたしましては、エネルギー面から、先ほどの二つの前提を置く限り、現在いただいたこの長期需給見通しが最良のものでぎりぎりのものであるというように考えておるわけでございます。したがいまして、もしその前提条件が変わるようなことになりますれば、当然エネルギー政策につきましても変わった前提条件に基づきまして早急に事態に対応するということが必要になるのではないかというように考えられておりまして、これは答申の中でもその旨は今回は明記されているような事情でございます。

森本晃司公明党・国民会議

○森本委員 次に、経済成長と環境保全の両立の問題について伺いたいわけであります。  去年の秋に、オランダのノルドベイクで開かれた環境担当相会議では、先進国の多くが二〇〇〇年までの早い時期にCO2の排出量を現在の水準に凍結することあるいは安定化することで合意をしております。環境庁はこの線に沿って凍結は可能という試算結果を出して、これはエネルギー効率が高いコジェネレーションの大規模な導入と、思い切って省エネに通した社会改革を進めることによってそのことは実現できると環境庁は言っておるわけでございます。また、そうしようと努めているわけですけれども、通産省、エネ庁の場合には省エネルギーを努力しても経済成長が大きく落ち込むため凍結は無理との見解をまとめられていますね。きょうは時間が余りございませんので環境庁を呼ぶことはできなかったわけですけれど、環境庁はできると言っている、通産省は無理だと言っている。この辺の見解はいかがでしょう。通産省としてどう考えているのか。

山本雅司資源エネルギー庁長官

○山本(雅)政府委員 この点につきましては、今後関係者の間でさらに議論が続くのではないかと考えられますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げました二つの前提をとる限り、我々のいただいた答申がぎりぎりの線であって、これ以上のエネルギーの節約、節約というか抑え込みなりあるいは炭酸ガスの排出の抑制というのは現在のところ大変に難しい、ほとんど不可能に近いと考えております。  具体的にはいわゆる省エネでございますが、全体の経済の伸びに対しましてエネルギー供給の伸びは、先ほども申しましたGNPの弾性値で見ますと、現在一ぐらいで推移しておりますが、大体本来は、これを半分以下の〇・四二まで下げようというのが私どもの需要見通しでございます。そうなりますと、結果的に、現在一九八八年のGNPに対するエネルギー使用の割合が、二〇一〇年には三六%効率化する、三六%エネルギーが少なくて同じGNPを産出するという形になるわけでございます。この数字は、たまたまでございますが、一九七三年から八八年の十五年間にかけまして二回の未曾有の石油ショックと石油高騰を経験した日本が大変な努力の結果省エネルギーを達成いたしまして、世界の先進国の最優等生ということを現在言われておりますが、その数字が実はこの三六%エネルギー使用が効率化したという数字でございます。したがいまして、今後そういう数字を、これだけ省エネし産業構造も変わってきたのに、またここから同じような量のエネルギーの効率化をしようということは大変な国民の努力と関係者の協力が必要でないかと考えておりまして、これ以上省エネをやるということは非常に難しいと考えられております。  それからもう一つ、コジェネにもお話が及びましたけれども、コジェネレーションというのは、御高承のように電気と熱を両方有効に発生して使おうという制度でございますが、私どもといたしましては、現在の水準を二〇〇〇年には約二十二倍、二〇一〇年には七十倍に拡大しようと考えておりまして、二〇一〇年の電力換算でいきますと一千万キロワット相当をコジェネで賄おうと考えているわけでございます。したがいまして、これ以上さらにコジェネをふやすということになりますと、やはり電気と熱の需要のミスマッチの問題、さらにはコジェネをやりますとどうしても石油なり天然ガスなりを現地でたくということになりますから、NOxめ問題など別途環境問題が発生してまいります。したがいまして、これにつきましてもできるだけ合理的な、可能な計画を立てなければいけないということを考えておりまして、関係者の御意見がありますれば、合理的な議論をして、本当にどうすればいいかというのをさらに必要があれば詰めてまいりたい、このように考えております。

森本晃司公明党・国民会議

○森本委員 今の長官の御答弁の中で、三六%まで改善させるということについては私は非常に評価をしていきたいというふうに思っているわけですけれども、経済の成長と環境の両立は、私は両立し得るというか、むしろ両立させていかなければならない、今後のエネルギー一つを見ても、あるいは経済成長という問題についても、両立させていこうというものがなければならないと思うのです。そのかぎの一つは、今おっしゃいましたように省エネであると同時に、エネルギーの効率利用、これも一生懸命やっていかなければならないし、さらにそのための技術開発を行っていかなければならないことは言うまでもありません。  ただ問題は、二〇一〇年までに三六%改善させるんだというふうにおっしゃいましたけれども、その目標は達成できそうなんですか。その目標達成のために今回は規制的措置を全く導入されていない、自発的な自主的な努力によろうということですが、三六%の評価はするものの、その実現に対して非常に疑問を持っているわけであります。どのような具体策を講じてこの三六%を達成しようとされるのか、お伺いします。

山本雅司資源エネルギー庁長官

○山本(雅)政府委員 御指摘のようにGNPとエネルギー使用との相関関係で、三六%エネルギーの効率的な使用をしようとすることは大変難しいことだと考えております。ただその中で、私どもといたしましては、現在の石油価格が将来ある程度上がっていくという前提で数式ではじいたいわゆる自然体需要というものがございます。これは昨年十一月に出した資料でございますけれども、その場合のGNP弾性値というのが〇・五七にたしかなっているわけでございます。したがいまして、産業構造の変換とか石油価格の問題とか、あるいは省エネについて国民的な運動を省エネ月間とかいろいろお願いしておりますし、さらにはこの前の税制改正などでも、省エネの機器の導入に対するインセンティブとか、現在でも実はあらゆる政策を導入してお願いしているわけでございまして、そういう効果で、一の弾性値が○・五七ぐらいに何とかおりないか、そこからむしろ強制的にといいますか、具体的な政策で落とすので、これはちょっと数字が複雑になりますが、省エネ目標として別途一一・二という数字も出しておるわけでございます。  それは具体的にはいろいろ積み上げをしておりますが、例えば自動車の燃費の改善、今までもやっていただいておりますが、これを自動車単体の燃費の改善とか走行の改善を含めまして、例えば一五%ぐらいを目指して何とか関係者で努力していただきたいということも話をしておりますし、さらに具体的には、冷暖房の効率をよくするために断熱材の使用などをもう少しキャンペーンをしまして強化していただきたいとか、さらには具体的な技術開発を進めまして、発電所の発電効率、これは現在約三八ぐらいの発電効率でございますが、それをコンバインドサイクル発電などを大幅に導入いたしまして、何とか三九とか四〇近くまで持っていけないかとか、それぞれ技術開発それから関係者への協力要請、国民への呼びかけ等々で、今申し上げました項目はそれぞれ石油換算で約一千万キロリットル程度の節約を目指しておりますが、こういうようなことを何とか実現いたしまして、現在の目標値である三六%の改善、供給量といたしましては、二〇一〇年で六億六千六百万キロリットルの原油換算という数字に何とか達成していきたい、このように考えておるわけでございます。

森本晃司公明党・国民会議

○森本委員 これからエネルギーの開発あるいは省エネを一生懸命やっていかなければならないわけですけれども、お伺いしたいのは、今二百ボルト、確かに海外では二百ボルトを使っているところが非常に多いわけですけれども、二百ボルトあるいはオール電化ハウスの宣伝が盛んにされています。これは通産省と電力会社が盛んにやっているというふうに受けとめることもできるわけです、通産省監修の「電力二〇〇ボルト時代」という本も出ておりますし。確かに快適で、そしてゆとりある生活、あるいはライフスタイルが変わって主婦が家の中で家事に労する時間を少なくしようというところから、オール電化ということが考えられるかもわかりませんけれども、我が国は資源小国であり、そしてエネルギー消費大国です。経済大国でありながら、一方また環境問題には極めて消極的だと言われている我が国が、政府と電力会社が一緒になってもっと電気を使いましょうというふうなキャンペーンを張ることはいかがなものなのかというふうに思えてならないのであります。オール電化にすれば電気機器もふえますし、それから電力消費も結果として増大する、また特に電力のピークをさらに押し上げるようになっていくのではないか、そのピークを押し上げるために、また電源開発をしていかなければならないのではないか、こういうことの繰り返しをやっているわけですけれども、今これほどエネルギー問題、環境問題が大きくなりたときに、そういった発想をもう切りかえる必要があるのではないかというふうに思うのです。  それからもう一つ、今ピークという問題について申し上げましたが、年間のある時期に大変な電力ピークがあるわけです。これは国民的行事でございますのでそれは非常に難しい問題かと思いますが、そのピークを迎える時期がちょうど夏の甲子園の八月二十日前後、しかもそれが二時ぐらい、非常に残暑厳しくて二時ぐらいにみんなが冷房のきいた部屋でテレビを見るというこの時期が一番、高校野球のせいだとは言いません、ではなくてこの時期が一番ピークになっている。そこに照準を合わせて電源開発を全部していかなければならない。このピークをもう少し下げる方法があれば、新たな電源開発をしていかなくとも済んでいくのではないだろうかというふうに思いますが、どうですか。それに対する何か具体的な考え方を持っておられるのか、お伺いしたいと思います.

山本雅司資源エネルギー庁長官

○山本(雅)政府委員 今の御指摘の二件は私どもも同感するところが多いわけでございます。  ただ、最初の二百ボルトにつきましては、電力の需要増という観点からではなくて、むしろ消費者の利便という観点からこれを考えていきたいと考えております。その意味合いは、実は全部二百ボルトにするのではなくて、百ボルトも二百ボルトも消費者が両方とも選択して使えるような形にしていく。それから、私どもといたしましては、あくまでもこの点につきましては、技術的には配電のところのロスが少なくなるというようなこともあるようでございますが、そういうことではなくて、中立的にあくまでも消費者の利便、消費者の選択を広げるという観点で見るべきであろうか、このように考えております。  それから、ピークを抑えたらどうかという御指摘でございますが、全くそのとおりでございます。私どもといたしましては、例えば今お話がありました高校野球の問題につきましても内部で検討したことは事実でございます。例えばこれを夜間にできないかとか、そういうことを検討したことも事実でございますが、まだ具体的に実現する ところまではいっておりません。さらには、夏季に一斉休暇をお願いするというようなことも検討をしていかなければならないと考えております。  ただ、具体的に私どもとしてできることは、例えば料金制度の中で、季節の需給調整契約というのをやりますと安くなるとか、あるいは昼間をやめて夜間を中心にすれば夜間電力で安くなるとか、そういう電気料金の中で現在でも制度としていろいろ用意してございますから、そういうのをむしろ夏のピークを迎えるときに積極的に利用していただくというようなことも含めまして、今後需要者の利便を損なわない範囲で積極的に協力をお願いしたい、このように考えております。

森本晃司公明党・国民会議

○森本委員 時間が参りましたので最後に。  これから未利用エネルギーの活用を図っていくには、地方自治体あるいは関係事業に協力を求めていかなければならないと思うのです。こういったところにも積極的に、エネルギーを消費するという形からどう節約していくのかということ、それから地球を守るという意味からも大いに進めていっていただきたいと思います。  もう一つ、今回のエネルギー見通しの中で非常に私はおかしいなと思ったのは、新聞の見出しを見ただけでも、CO2を少なくするためにまるで原子力発電が必要であるかのようなそういった見出しになっているわけですね。これはむしろ、環境問題を逆手にとって原子力発電を進めていこうという考え方ではないかというふうにも受けとめられるような当時の記事でありました。原子力四十基という数字が今出されておりますけれども、今国民の合意を得ていないあるいは世界で原子力発電に対する事故がいっぱい起きているときに、環境問題を逆手にとってそして四十基もふやすのだ、これは恐らく私は今達成できないと思います、四十基という目標を出しても。電力会社の関係者の皆さんでもこれは無理だな、だれが考えて実現不可能なことだ、またそれは実現させてはよらないと思っております。そういった目標を長期エネルギーの中に掲げられたその考え方というのについては、私は納得するわけにはいかないわけであります。  時間がございませんので、この辺の議論についてはまた時期を見ていろいろとさせていただきたいと思います。この長期見通しについてはそういった問題点がある。どうぞ地球を守るために、私たちの生活を守るためにも、今後さらにエネルギー問題については真剣に環境問題とあわせて考えていっていただきたい。大臣、大変恐縮でございます。前回も環境問題とエネルギーということで大臣に御意見をお伺いしたところでございますが、きょうは議論の時間が大変短いところでございますが、エネルギーと環境問題に関する大臣の考え方をお聞かせいただければと思います。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 先ほど来御議論いただいておりますように、やはり地球環境を守っていかなければいけないというのは大変大切なことでございます。しかしながら、いろいろ今環境庁と私どもとの方で、先ほどのお話で意見調整をさせていただいておりますが、経済成長をまた鈍化させていかなければいけないというのもこれまた、これは世界の皆様方のためにプラスにならないわけでございまして、何とかそこを両立させていきたいということで、今度総合エネルギー調査会にお願いしたあのような答申を出していただいたのでございます。  化石燃料を削減し、それによって地球環境を保全するために原子力発電をやろうとしているのではないかという御指摘でございますが、どうしたって数字をある程度合わせていかなければいけないものでございますからそういうことになっているわけでございますが、何も原子力発電を、重点的にそれを推進しようということで考えたわけではないと思います。もっともっと省エネとか、あるいは未利用エネルギーの開発であるとか、あるいは新エネルギーの開発であるとかということにウエートを置いていければその方がもっといいわけでございまして、これは一応今度の中間報告は中間報告として、私どもはせっかくちょうだいをいたしましたのでそれを踏まえてやってまいりますが、考え方としては、より新しいエネルギーの開発あるいは未利用のエネルギーを大いに利用さしていただく、あるいはもっと国民の皆様方あるいは産業界にもお願いをして、より一層省エネに努力をしていただくということが大切であるということは当然だと私は考えております。

森本晃司公明党・国民会議

○森本委員 ありがとうございました。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 次に、小沢和秋君。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 きょうは、先日出されました大店法の運用についての通達を中心にお尋ねをしたいと思います。  政府は、先日の当委員会の一般質問で、同僚議員から大型店の今後の出店見通しを尋ねられて、これまで年に二、三%ずつふえてきたという数字を挙げ、「大幅な違いは当分の間はちょっとないのかなという想定をしております。」と答えております。しかし、この見通しは余りに実際とかけ離れているのではないかということをまずお尋ねしたいと思うのです。  というのは、今調整中のものが今回の通達で今後一年半以内にすべて調整を終わるというふうに考えますと、今までの分がどっと一度に出店するだけでも大変な数になるのではないでしょうか。今調整中のものはどれくらいありますか。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 お答えいたします。  三条届け出以前の事前説明段階にあるものが、私どもの現在持っておる数字では、正確ではございませんが、大体千弱、それから三条届け出以後のものが五百程度というふうに考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 そちらの方からいただいた資料では、一年間に大型店、第一種で出店をしておりますのは、実績で見ましても六十二年百五十店、六十三年百三十店、元年が百二十九ですか、という状況のようですね。だから今のは、第二種を含めた数字ではありますけれども、それでもせいぜい三、四百というところです。  そうすると、今言われたものが今後一年ぐらいの間にすべて手続を終わって出られるようになるということになったら、あなたがこの前答弁されたような、これまでの二、三%というふえ方をしてきたのが、ちょっと余計とかいうような状況じゃない、これは非常に大変なことになってくるんじゃないでしょうか。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 従来、年によって違いますが、大体三、四%、二、三%という伸びでございまして、現在の調整中の案件は先ほど申し上げましたとおりでございますが、その調整中の案件は、確かに五月三十日の通達によりまして、それから手続をスタートすると一年半以内にという目標で調整手続を終えるつもりでおります。  ただ、これは御案内と思いますが、それぞれ事前説明、事前商調協、正式商調協、大臣または知事の勧告、命令という手続を経まして決まっていくわけでございまして、その過程では相当大幅な面積の縮減あるいは出店時期の延期等の調整が、従来もございましたが、今後ともそういう調整が行われるものと考えておりますし、かつ、今大型店側が出店の手続をやっておられるものにつきましても、従来の手続は一年半ということじゃなくて相当長期間を要する、そういう前提で出店の手続を進めておりますので、現実問題としては、それを例えば一年半以内に仮に出店が認められたとしても、当事者としても、従業員の手当てとか資金計画とか、あるいは売上高の想定とか利益率というようなものを勘案されて、出店を延ばすとかあるいは見合わせるというようなケースもかなり出てくると想定しておりまして、この前、確かに二、三%、数%の伸びは現時点では余り変わりませんと申し上げたと記憶しておりますが、そのときの新たな届け出状況を頭に置いて申し上げたのですが、今の仕掛かり品というか、調整中案件を今後処理していく過程では確かに、私今の時点で正確に予想申し上げられませんが、大きな、物すごい出店ラッシュになるというようなことにはならないんではないかという趣旨で申し上げた次第でございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 今、いろいろ調整中のものがそ っくり出てくるようなことにはならないという事情を述べられた。私も全部が一挙に出てくるとまでは言いませんけれども、しかし、いろいろそういうことを考えても、今まで待ちに待ったものがこういうふうに短期間で処理できるということになったので、勢い込んでやろうという衝動に駆られてくることは間違いないと思うのですよ。  それから、今あなたが、新たな届け出の状況はそうまで顕著に伸びておらないというふうに言われました。私はここに四月十日付の日経流通新聞を持ってきておりますけれども、これを読みますと、日経流通新聞が「出店計画緊急アンケート調査」というのを実施しておるのですが、ここで言われていることは、店の数は確かにそんなに伸びないかもしれないけれども、一店当たりの投資額が物すごくふえて、大体どの店も倍くらいの規模の巨大な店になっていく、そういう意味で投資ラッシュが起こっているということが述べられているんです。だから、実質的にはこれは件数だけ見ておってはいけないような、中小業者に非常に深刻な打撃を与えるのではありませんか。  そこで大臣にお尋ねしたいと思うのですが、今私が申し上げたように、当初は二、三%ずつの伸びでしょう、大したことありませんというふうに言われたけれども、この通達が発せられたのを契機にして出店ラッシュが起こってくるであろうというような状況を考えたら、私は、こういう通達は、そのそもそもの前提の見通しが狂ってきたわけですから、ここで再検討するなり、あるいは潔く撤回すべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 私どもは、この大型店の出店問題というのは大店法に基づいて調整が行われているわけでございまして、今回このような通達あるいはその他のものを出しましていわゆる改善、こう私どもは言っているわけでございますが、その考え方は、先ほども申し上げましたけれども、一つは法律の目的でございます消費者保護、消費者のことを考えるということと、いま一つは、それぞれの地域社会あるいは地域経済に大変な御貢献をいただいておる中小小売商の皆様方が、法律の中にあるように事業の機会の確保ができるようにということと、いま一つは、今、世界の中の日本とか国際的に貢献しなければならない日本とか国際的に開かれた日本とか、いろいろ表現がなされておりますけれども、今、世界における日本の置かれている立場を考えますと、国際性を持っていかなければならないということも考え合わせましてこのような改善の方向を打ち出したわけでございます。  それによって出店ラッシュになるかどうかというのは、私も確かに大変心配はいたしておりますけれども、いわゆる大型店の皆さんが自分の経営のことを考えられ、そして中小小売商の皆さんとの共存共栄を考えていただけるならば、実際にそこへ店舗を進出することが本当にその地域の住民の皆様方のためになるのだ、まだまだ大型店が少なくて、中小の小売商の皆さん方のところだけではなかなかより多くの商品の選択をその地域の消費者の方にしていただけないから、もっとより多くの商品を地域の皆さんに選択していただけるように中小小売商の分を補完していくというような考え方でやっていただけるならば、私は結構かと思いますが、ちょうどいいからひとつこの機会に何でもいいからどんどん進出していこうというような大型店の経営者の考え方というのは間違っておるというふうに思っておるわけでございまして、なるべくそういうことでないようなことを私は望んでおるわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 大臣がそういうようなラッシュが起こらぬことを望んでおられるということですけれども、しかし現実にそういうことが起こりつつあるということです。ですから私は、新しい通達に沿って行政が進んでいくならば、これは間違いなく地域の中小業者に非常に深刻な打撃を与えるだろうということをもう一度申し上げておきたいと思います。  そこで、時間もありませんので、今回の通達の運用についてお尋ねしたいと思います。  私は前回の一般質問で、調整の期間を一年半というふうに決めて何が何でもその期間内に調整を終わるということになれば、見切り発車で出店を押しつけることになるということを繰り返して申しましたけれども、通達を見て改めて危惧の念を抱かざるを得ないわけであります。  まず、出店表明後に行われる事前説明でありますが、これは原則四カ月、最大六カ月の間に済まさなければなりません。さっきも申しましたとおり、これまではこの時期に実質的な当事者間の話し合いが行われてきたのですが、これを頭から否定して、出店計画の内容を明確にしさえすればよいというふうに強調し、「広報手段による出店計画の掲載をもって説明終了確認の日とする。」ということにしております。これでは、最悪の場合、新聞に計画のお知らせの広告でも出せばそれで用が足りることになってしまうのではないでしょうか。地域の中小業者にこの段階から誠意を持って了解を受けるための話し合いを全くせずに、次の段階に進むということになりはしませんか。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 出店者側が出店表明をする時期がまずスタートでございますが、出店表明をどういう時点でとらえるかというのが一つの問題でございます。私どもとしては、出店者側が通産局あるいは市町村なりに届け出をされる場合に、具体的な計画書あるいは店舗の概要まで含めたものを添えられてきちっとした説明をしていただく時点をもって出店表明と考えております。かつ、それから事前説明の手続が始まるわけでございますが、それについても、どこでそれがきちっと終わるかという点についても、通産局、都道府県、市町村、それから商工会議所または商工会、私ども四者協と言っておりますが、そこで認定というか、きらっとなされているかどうかという認定をした上で、例えば六カ月以内に終わっていれば次に進める。確かに、きちっとした説明をした上で、六カ月中に、何というのですか、出店者側がサボってというか説明していない場合にはきちっとした説明を要求するというようなことを間に置きまして、事前説明は六カ月でクリアしていただくというふうにはしております。  その後の事前商調協の段階あるいは勧告、命令の段階では、公的な判断が入りまして調整を行っておるということでございますので、先ほどちょっと、見切り発車的あるいは出店者側が出したものはそのまま通るというようなことは、私どもは、従来もそうですが、今後ともそこはきちっとした運用なり調整をしていくつもりでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 新潟で御存じのとおり十一店出店表明が行われて、五月中にその事前説明が行われたわけです。確かに説明は一わたり終わった、だから次の段階に行くんだということが近く確認されようとしているというふうに伺っているのですが、今までのやり方からすればこの段階から地元の業者の人たちといろいろと了解を受けるための話し合いが実質的に始まるわけですが、もうとにかく説明をすれば用は足りるんだ、こういうことになると、そういうような話し合いというのは新潟などの例を見ても全く始まってもおらないわけですね。  だから、この段階では形式的に説明をした、はいそれで済み。そうするとその次は事前商調協、これも八カ月間たてばもうそれでおしまい。通達を見ますと、その事前商調協については、業者を代表して商調協に入るべき委員が妨害するために委員を受けないとか辞任したり欠席したりというような戦術をとるだろうということをまるで予期しているかのように、そういう場合でも残りの委員だけで審議して結論を出せ、そんなことを事細かに指示しているわけですね。これでは、どうやって話し合いの舞台をつくるかということではなくて、まるでその地域の業者を敵視して、とにかく形だけ審査をやって押し切れとあなた方はハッパをかけているようにしか読めないのですけれども、その次の段階も含めて、どうですか。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 主として事前商調協の段階 で話し合いなり調整が行われることになるかと存じますが、その段階で関係者が出店側の希望を調整するあるいは削減する、延ばすというようなことを協議していただく、そういうことでございます。その場に仮に一部の委員が欠席されましても進めるということでございますが、もちろん商調協規則、これは省令でございますが、商調協規則では過半数の出席がなければ議事も開けない、これはもちろん変わりません。ただ、過半数が出席された範囲内において一部の人が出席しないというようなことがあって、それがいつまでも続いたら手続が進みませんので、その場合には省令の規則の原則を満たした上で手続を進めていく、かつ、欠席の方にその旨連絡というか、事後的にもきちっと連絡をするというようなことを定めておるわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 次の正式商調協ですけれども、これは原則として二カ月、全体の手続が一年半におさまる範囲で若干の延長は認められているわけであります。しかし、商調協の運営については、令も申しました事前商調協と同じ枠がはめられております。これまで地域の中小業者たちが正式商調協に入る前に当事者間で事実上話をつけたいという姿勢だったのは、この種の協議会が自分たちの言い分を余り聞いてくれない単なる形式だと思っていたからではないかと思うのですが、これまで全国の商調協で、出店する店舗の面積を大幅に削ったりあるいは事実上出店をすべきでないというような結論を出したりしたケースが実績として見てどれくらいありましょうか。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 五百平米を超す最低限という意味で五百一平方メートルという最も厳しい結審をしたケース、この十年間でございますが、とらえましたら二十六件ございます。この場合は、部分は出店者側が出店を見合わせるということになったように統計は出ております。  それから、六十年度から元年度までの五年間に店審で結審された案件が三十八件ございますが、その中で、届け出店舗面積を半分以下に削ったというケースが十四件ございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 ここで大臣にお尋ねしたいのですけれども、今回のこの通達の考え方はこういう協議会とか正式の場で調整をしていくことを中心にしてやっていくというようなことのようですけれども、しかし同時に、当事者同士でも、一年半というふうにあなた方が決めておられるが、その期間の間にもいろいろな形で話し合って意思疎通を図っていくということは当然やらなければいけないことじゃないかと私は思うのです。ところが、この通達全体を見て、そういうような当事者間で誠意を持って話し合いをしていくようにという指導をするということは文面としてはどこにも出てこないのですね。この辺どうお考えでしょうか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 先ほど来いろいろと答弁がありましたように、従来もいろいろと出店調整をやってまいりまして、例えば大店審でも最終的に相当大幅なカットをしたとかいう話も今答弁いたしておるわけでございますし、また、先ほど来従来の実績の話は出てなかったかもしれませんが、従来でも相当短い期間で出店調整がなされているケースも非常に多いわけでございまして、何も今度の通達は全く新しく期間を物すごく短くしたというのではなくて、従来でも平均が大体三年間ぐらい、そして、一年ないし一年半で調整が終わっているというケースも結構あるという実績はあるわけでございますので、この点もひとつぜひ御理解をいただきたいということをまずお願いをいたしておきます。  それから今のお話で、私は、できるだけ透明性を確保した方がいいという考え方、これは流通ビジョンの中にもございますので、そういう意味で今回はいわゆる正式の機関の中でなるべく話し合っていただくのがいいんじゃないかということでございますけれども、何も、それじゃ当事者間で全く話し合ってはいけません、そこへ出てくるだけであとおまえさんたちは全然話してはいけないよということではないと思いますので、その辺は常識的に話し合って理解が深まれば結構なことではないかと思っております。ただ問題は、一般のそこの地域住民から見て非常にわかりにくいということは問題ではないか、その辺の透明性をできるだけ確保するといる意味合いで今度の通達が、そういう意味合いがあって通達の中にそういう文章があるというふうに御理解いただければ大変ありがたいと思います。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 今当事者間の話し合いを否定しているわけではないというふうにおっしゃったと思いますけれども、現に新潟などでは全くそういうような動きもないようですね。だから私はその点を危惧して申しておるわけであります。  それから、同じ新潟ですけれども、商調協を主催する立場の新潟商工会議所の大久保会頭は記者会見で、一年半で十一案件全部を処理するのは大変難しいというふうに発言しておられる。この一年半ということに非常に機械的に今度はこだわるような運営になっている。だから私は見切り発車ということを前から申してきたのですけれども、実際にやっていく中で、この一年半というのについて早くも、今焦点になっている新潟では、難しいというような声も上がっているのですが、これについてはもう全く一切弾力性なしということで今後も運営をしていくわけでしょうか。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 新潟市の案件につきましては、第一種大型店が今新設、増設含めまして十一案件、全体として十一万平方メートルの面積増という届け出になっております。そういう意味で、従来ずっとストップしていたという経緯もございまして、普通のケースよりは相当大きな出店計画が出されているということは事実だと思います。かつ、従来の商工会議所なりあるいは私ども通産局も含めた手続あるいは体制の中では相当努力していかなければいけないということも事実だと思います。私どもとしては、新潟の案件についてはいろいろな努力を地元にも通産局にもお願いしまして、人員の応援をするなりして、最大限一年半を目標に努力をしていただきたいと思っております。その目標が、一年半というか事前商調協の期間が来ましたら、あとは先ほど申し上げましたように大店審、地方大店審の意見を伺って、勧告、命令という、あるいは正式商調協という手続で行っていくということでございまして、出店者側が、先ほど先生ございましたが、十分話し合いに応じないとか説明しないというようなときには、そういう調整される地元の方々の心証なり判断に相当な影響があると思います。そういう意味で、出店者側も誠心誠意対応せざるを得ない、そういうスキームが今の事前説明なり事前商調協あるいはその後の大店審という仕掛けだと思っておるわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 それからもう一つ私が、一年半という期間と同時に、この前の質問で重視して伺ったのが出店抑制地域の問題であります。これについても、その制度の枠組みは残すという答弁があったのですが、確かに今回の通知でもその名前は残っているようですけれども、「他の地域と同様に届出はすべて受理し、事前説明に要する期間を含め-年半以内に出店調整処理手続を終了する。」というふうに書いてあります。そうすると、このとおりでいけば、名前は残っても実質的にはこれは廃止で、だから新聞で廃止というような見出しをつけたものもありますけれども、私は当然そういうふうに受け取られるのではないかと思うのです。そうすると、この前も会議録の中でもあなたの方ははっきり言われているのですけれども、昨年の流通ビジョン、この昨年の答申の線で考えていきたいということを答弁の中で明言しているのですよ。いろいろ言いませんけれども、昨年の答申の線といったら、今までのいわゆる自粛を指導するということがちゃんと書いてあるでしょう。そうしたら、私に対するこの答弁と全く違う通達が出てきたということじゃありませんか。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 今委員御指摘の、たしか四月の私の答弁でございますが、昨年の流通ビジョンでも、その制度の枠組みは残す、ただその運用は改める、そういう答申をいただいておりまし て、私どもも今回そういう線で考える、そういうふうに申し上げました。そういう意味で、私ども、特定市町村という俗称で考えておりますが、その特定市町村とその他の地域というのを分けて手続を変える、そういう基本的枠組みは残すというふうに今後とも考えておりまして、御案内かと思いますが、特定市町村については出店者に対して地元の御意見を伝える。かつ、伝えてその後届け出がなされて事前商調協なりの手続に入るわけですが、その後現場では、というかその地元では、場合によっては厳しい調整なり御意見が出てくる、そういうことは推定していただく。そういう趣旨で、私どもとしては従来の特定市町村とその他と分ける運用については、基本的枠組みを残す。ただ、その運用自体は、届け出自体は受けないというのは、これは法律上非常に問題があるということに、極端な運用をすればそういうおそれもありますので、その仕掛けだけ、手続の内容というか、手続を変える、そういうことでございますので、基本的な枠組みなり基本的な線は残すというふうに考えておる次第でございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 それは私は納得できませんよ。「昨年の答申の線で考えていきたい」ということをはっきり言っているのですよ。そうしたら、「昨年の答申の線」というのはただ意見を通知するというようなことじゃありませんよね。今、私ここに昨年のビジョンを持ってきておるけれども、この中にははっきり出店を自粛するように指導するというそのことが書いてあるのですよ。だれが考えたって、昨年の答申の線で考えたいと言ったらこの枠組みを維持すると思うじゃないですか。だから、こういうことを言っておいてこういう通達を出した責任をどうするのですか。

山本貞一通商産業省大臣官房商務流通審議官

○山本(貞)政府委員 ただいま申し上げましたが、届け出制という法律の体系になっておりまして、適正な届け出要件を備えた届け出をなされたときに最終的に受けないということは法律上できないことだと考えております。  私ども従来も行っていた措置は、出店自粛指導という形でやっておりましたが、結果的にはそれについては、もちろん法律的には向こうがぜひとおっしゃったら受けるわけでございますが、そこの指導の仕方につきまして、自粛を事前に言うというより関係者の御意見を伝えて出店者側で御判断いただくということと、それからそういう特定市町村については今後の、地元で調整されるわけですから、地元での事前商調協あるいは大店審、地方大店審での御意見の想定を出店者側にしてもらうことによって、私どもとしては従来の基本的枠組みを守る、そういう考えでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私はそういう答弁では到底納得できませんよ。やはりあなた方の態度が変わってきたというふうにしか私には理解できませんね。だから、前回私に答弁をしたときには、通産省もこういう方向でそのまま行こうと思っていたけれども、しかし、その後アメリカの意向などもいろいろ考えてみたら、このままではちょっとまずいというので変えたというのが本当のところではないのですか。しかし、時間が来たということですから、この点については、私は絶対に納得できないということはもう一度申し上げておきたいと思います。  それで、私は最後に大臣にお尋ねしたいと思うのは、前回の私の質問のときにも、大臣は、あくまで出店調整は調整なんだから、大型店が出した希望を一方的に受け入れるということでは調整ではないのだということを言われました。ですから、希望面積を削ったりあるいは事実上出店はやめさせるとかいうような、今後のいろいろな調整は責任を持ってやっていただくということをひとつここで明言をお願いしたい。  それから、最後にもう一つ、質問通告をせっかくしてありましたので。私の地元の石炭の問題なんですけれども、海部首相がこの前、私の地元にお見えになったときに石炭六法を延長したいということを言われたというので、地元で大きなニュースになっております。そういう姿勢なら大変結構だと私は思うのですが、その点についてもここでひとつ政府としての公式の確認をいただければありがたいと思います。  以上です。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○武藤国務大臣 大店法の法律がある以上は、これはあくまで出店を調整するということになっておりますから、私は今後も出店の調整は当然やってまいる、そういう指導をしてまいるということでございます。直接やるのではございませんが、商調協その他であくまで出店調整はしていただくということでございます。  それから、石炭六法の問題でございますけれども、これは私も新聞で読んだだけで、何も政府でまだ方針を決めたわけでもございません。海部総理としては、将来の石炭産業のことを考えて、とにかく十分な配慮をしていかなければいけないということを言ったのではないか、私は直接聞いてもおりませんので。新聞も、新聞によっては、どうも今のお話のように何か延長をもう了承したような発言があったような新聞もありますけれども、一方においては、そういう発言ではないように書いてある新聞もございますから、正直、私は二つの記事を見たらそこは違っております。しかし、いずれにいたしましても、将来の日本の石炭産業のことは私ども真剣に考えておるわけでございまして、法律が切れる前には当然審議会の御議論をいただいて、その御議論によって私ども考えていきたい、石炭産業の将来のことは私どもも今後とも真剣に考えておるということだけは申し上げさせていただきます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 終わります。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 次回は、来る十二日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十七分散会

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