社会労働委員会 第12号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/06/15
会議録
○畑委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、老人福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。外口玉子君。
○外口委員 どうぞよろしくお願いいたします。 六月八日の衆議院本会議における代表質問並びに本委員会における日本社会党・護憲共同からの昨日来の質問と、そのお答えを踏まえまして、特にここでは我が国において地域型福祉を実現させていくために不可欠な条件についてお伺いし、私どもが本来目指すべき福祉サービスの仕組みづくりに向けて政府の積極的な見解をお聞かせいただきたいと思います。 まず、本法案により現場において最も混乱が生ずると各方面から心配のされております市町村への権限の移譲に伴う諸問題からお伺いいたします。 言うまでもなく、在宅福祉サービスは施設サービスと異なり、利用する側がそれぞれの状況に応じてさまざまなサービスを組み合わせながら使っていくことが求められます。そのためには身近に相談できる人や場が必要です。したがって、市町村における相談機能をどのように充実させていくのかが重要なかぎであると考えます。これまで既に福祉事務所や保健所において担われてきました相談活動を今回政府はどのように位置づけられるのか、具体的に福祉事務所や保健所でのこれまでの業務との関連において明らかにしていただきたいと思います。
○長尾政府委員 お答えをさせていただきます。 先生御指摘のように、従来私どもの福祉の体制は福祉事務所を中心に行われていた部分が大きかったわけでございまして、その意味では福祉事務所がこういった皆様方のいろいろな相談に応じる窓口的な役割を果たしてきたわけでございますが、この法律の御承認をいただきますれば、市町村が福祉の中心になって、特に在宅の福祉の場合には市町村が施設福祉とあわせて中心になって実施をしていくという体制になるわけでございますので、市町村の相談体制の充実というものが不可欠であるという御指摘はそのとおりと思っております。 福祉に関する相談に応じるということ、業務を円滑にしていくためには、まず町村職員の方に対するそういった御準備ということをお願いしなくてはいけないと思っております。町村職員に対しまして社会福祉主事資格を取得できるような、そういう体制づくりを行いたいと思っておりまして、そういった専門的な知識を備えて相談に応じていただけるという体制をつくっていかなければいけないと思っております。 ただし、住民の方の御相談はある意味で非常に個人的というか、いろいろな段階の御相談があると思うわけでございますので、そういう意味では、こういった市町村のいわば役所が行います相談に加えまして、在宅介護の専門知識を家族の方に、相談に応じてあげるといったような意味で在宅介護支援センターの整備を進めていくことも並行して必要であると思っております。地域におきます相談機能の充実という意味では、身体障害者相談員というような各種の相談員、これは民間の方にお願いをするわけでございますが、シルバー一一〇番の設置等を行っておるわけでございます。これはある意味でそれぞれの地域、大都市と僻地などには状況が全く違う部分もあると思いますので、地域の実情を生かした柔軟な相談体制というものを今後さらに考えていかなければいけないというふうに思っております。
○外口委員 もう少し具体的にお聞きいたしたいと思いますが、いわゆる福祉ワーカー、すなわち福祉五法担当現業員の全国的な配置状況、また、その充足率についてまずお示しいただきたいと思います。
○長尾政府委員 先生の御質問は、福祉事務所における五法ワーカーの充足状況ということと伺っておりますが、昨年の六月一日現在におきまして福祉事務所に配置されております五法担当現業員数は、五十三年に示した配置標準に比して五九・二%の充足率となっております。
○外口委員 五九・二%と充足率が大変低いわけですが、このような実態のままにこれまで改善されてこなかったということは、我が国の行政の福祉軽視につながると受けとめてよろしいでしょう
○長尾政府委員 私どもといたしましては、福祉事務所が住民の方の福祉のさまざまなニードに対応できるような体制をつくっていただきたいということは基本的に思っておるわけでございます。そういう意味では、こういった五法現業職員につきましては、それに相応する対応、財政的な裏づけも国の段階ではいたしておるわけでございまして、私どもといたしましては、この充足ということを基本的には希望してまいったわけでございます。
○外口委員 同じ福祉業務でありながら、生活保護現業員の配置状況と比較して充足率が低いと思われます。充足率を高めていくには全国千百八十二カ所の福祉事務所における配置基準についての法定化を行うべきではないかと思いますが、それについてお伺いいたします。
○長尾政府委員 現在、社会福祉事業法上は、福祉事務所の職員につきまして生活保護世帯を基準にして現業員の配置を決めておるわけでございます。これに加えまして五法担当職員についての基準を決めるべきではないかという御提案かと思いますが、基本的には福祉事務所は地方公共団体の機関でございまして、福祉の充足という基本的な方向は御指摘のとおりでございますが、これを国が具体的に細部まで決めていくということについては、私どもとしては慎重に考えさせていただくべきものと思っております。
○外口委員 そのようなお話を伺いますと、衆議院本会議において代表質問でも触れましたように、どうも国と都道府県が責任を逃れ合ってきたと言わざるを得ませんが、双方ともが積極的にこれから取り組んでいってほしいとお願いして、次に移りたいと思います。 さて、市町村の相談機能については、今も御説明されましたように大変重要な今後の課題だと思いますが、本案の骨子となったと言われる一九八九年三月三十日に公表された「今後の社会福祉のあり方について」、福祉関係三審議会合同企画分科会の意見具申の中においても、「市町村の役割重視」「福祉事務所機能の再編成」として触れております。そこでは「相談援助の実施という各機能を担う総合的な事務所に再編成する。」としています。市町村独自の相談窓口を充実させるために、この福祉五法現業員の定数分の配置が必要であると考えられますが、厚生大臣、どのようにお考えでしょうか。お願いいたします。
○津島国務大臣 今回の改正案によりまして、施設への入所決定事務が町村へ移譲される等、市町村事務が強化をされなければならない、そのための体制整備を従来以上に力を入れて進めてもらいたいという委員の御指摘はそのとおりであろうと思います。そこで今後、人材の確保のために町村職員の研修等も盛んに行いまして、しっかりした体制の整備のために十分力を尽くしてまいりたいと思います。また、そのために必要な財源の確保につきましても、関係省庁とも協議をしながら所要の手当てが講じられるよう努めてまいりたいと思います。
○外口委員 六月八日の代表質問に対する総理の答弁にもありましたように、在宅福祉サービスを中心に福祉サービスを総合的に推進する体制をつくり、質、量とも飛躍的な拡大を図るとされるのなら、今も行われている既存のサービスをまず補強し充実を図ることからスタートしなければならないということをここで強調したいと思います。 地方交付税によって配置標準数が積算されているわけですから、現に第一線で福祉サービスを担っている人たちが、さらに取り組みを強めていけるような人員配置を実現していただきたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○長尾政府委員 福祉事務所がこの新しい体系のもとに変更しました場合に、福祉事務所としてどういうような役割を担っていただけるか、その場合に、その点についての人員配置といいますか対応をどういうふうにしていくかということかと思います。 今回、住民にとって最も身近な市町村がこういった福祉の中心になっていただくという形で体系を変えていくわけでございますが、昨日も御議論がございましたように、町村の事情、非常にさまざまでございますし、すべての社会福祉施設、身体障害者の施設を同一の町村の中に設けるということはなかなかに困難でございます。そういう意味では広域的な調整、指導ということが都道府県のお仕事として非常に大きな部分になってくるかと思います。こういう部分は、現実の問題といたしましては、いわば郡単位で今まで設置されておりました福祉事務所がその役割を担っていただけるものと思います。 それから、市町村がやはり相談等の中で専門的な機能を充実していただくということは課題でありますけれども、従来持っておられた福祉事務所の専門的な機能を、こういった市町村に対します指導と申しますか援助のために活用していただくということも大変重要であると思っておるわけでございます。現在の体系の中で福祉事務所が持っておられたそういう役割を充実していただくということは、御指摘のとおりと思っております。
○外口委員 広域的な調整機能を充実させるというお答えでよろしゅうございましょうか。
○長尾政府委員 そのとおりでございます。
○外口委員 今後の取り組みに期待しまして、次に進ませていただきます。 福祉は人なりと言われております。福祉サービスを提供する人材をどのように確保しようとするのかについてまず伺ってまいりましたが、そのような人材が生かされ、よりきめ細かなサービスを提供できるようなシステムをどのようにつくっていくのかがより重要な課題であると思います。先ほどのお答えの中に在宅介護支援センターが触れられておりました。そのような在宅福祉サービスを提供していくための有効かつ適切な拠点づくりがより住民の身近なところに必要だと思いますが、本案に示された在宅介護支援センターは、在宅サービス促進という観点から見ますと、特養ホームや老健施設、病院に付設されるという点から、どうも当初目指したような性格を持つ拠点とはなり得なくなるのではないかと懸念される点が幾つかございます。すなわち、本来的には地域の中につくり、相談機能をメーンとした場をつくり、できる限り地域に引き戻すような方向に持っていく、そういう役割を担うはずのものが必要だと思いますが、そういう地域型福祉への転換のキーステーションとは、この在宅介護支援センターはならないのではないかと危惧されますが、その点についていかがでしょうか。ぜひ大臣のお答えをいただきたいと思います。
○岡光政府委員 先生御指摘のように、地域に根づいたものにしなければならないということで、実は地域にありますいろいろな社会資源を活用したいと思っております。例示で挙げられました特養であるとか老人保健施設、あるいは病院ももちろんでございますが、デイサービスセンターのようなものも考えたいと思っております。私どもは、この機能としては、在宅介護で御苦労されている家族が気軽に専門的な相談を受けることができるように、それから必要に応じて公的保健福祉サービスについての行政窓口との橋渡し、仲介役を果たしていただきたい、こう思っておりますので、地域に根づかなければならないものだというふうに認識をしております。
○外口委員 もう少し在宅介護支援センターの実施主体、相談機能、対象範囲等について明らかにしておきたいと思いますので、続けて質問させていただきます。 在宅介護支援センターの設置の趣旨を見ますと、身近なところで気軽に専門家に相談できるとともに、市町村の窓口に行かなくとも必要な保健福祉サービスが受けられるように調整するとあります。これを文字どおり受けとめますと、在宅介護支援センターにおける市町村の責任はどのように位置づけられるのでしょうか。公的なサービスとして実施していく、そのように人も配置するということから考えまして、矛盾してしまうのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○岡光政府委員 公的福祉サービスは、市町村がその責任で提供されるわけでございまして、どのようなサービスの需要があり、それにどのように対応するかというのは、市町村みずから決定していただくわけでございます。ただし、身近なところで専門的にいろいろ相談をしたいわけでございますので、その市町村の権限とは全然違いまして、そういう専門的な相談、それから常日ごろ家族といわば人間関係を深くしまして、事前にいろいろな介護に関する情報、そのあり方とか具体的な進め方について相談ができるようにという、いわば公的福祉サービスを必要とする家族に届けるための技術的な相談というふうに受けとめておりますので、その市町村の責任ということとは基本的には違う話であるというふうに認識をしております。むしろ市町村の責任を具体的に執行していくための補助手段というのでしょうか、私、先ほど橋渡しと申し上げましたが、そのような位置づけというふうに考えております。 なお、私ども特養とか病院とか老人保健施設というのを例示に挙げましたのは、この在宅介護支援センターが二十四時間相談体制にあってほしいということを考えたものですから、二十四時間稼働しているという施設をまず念頭に置くべきではないか、そういうふうに考えたものですから、例示として挙げた次第でございます。
○外口委員 第一点の確認をしたいと思いますが、では、基本的には市町村の責任において実施していく、このように受けとめてよろしいのですね。 それからもう一点、サービスを実体化していくところを検討したいと思いますが、今二十四時間体制で稼働しているところというふうにおっしゃいましたが、介護支援センターを二十四時間稼働し、二名の職員でそれが十分に保障されるとお考えなのでしょうか。
○岡光政府委員 確かに夜間体制ということになりますと、この介護支援センターにはおっしゃいますようにソーシャルワーカーであるとか保健婦であるとかあるいは看護婦とか介護福祉士とか、そういう職種の人について配置をすることにしております。 夜間の問題になりますと、やはり既存の、ベースになっておる施設で働いている人たちの応援を求めざるを得ないんじゃないだろうかと思っております。そういう意味で、日ごろからその近辺にいらっしゃる介護を必要とする家族との間の情報交換であるとか、センター側からいいますと、その家族のニーズを、基本的なものについては事前に十分把握をしておるということが前提にならざるを得ないだろうと思っております。そういうふうな密接な関係があって、たまたま生じた緊急的な事態に適切に相談できるような体制をもあわせて機能してもらいたいという趣旨でございます。
○外口委員 今の御答弁で、私も大変危惧している点がますます明らかになってきて、ちょっとがっかりしているわけですが、施設のスタッフの充足もままならない現状がありまして、その上、今回の改正案において施設のスタッフに大きく依存するというような今のお答えについては非常に問題があると思いますけれども、その点について大臣のお考えをいただきたいと思います。
○津島国務大臣 私も、この介護支援センターを最初にイメージしてみますときに、その機能が公的保健福祉サービスについての行政窓口への仲介をするということであるとすれば、やはり市町村が住民のニーズをきちっと酌み上げられるように責任を持って組み立てなければいけないなというふうに考えましたので、今委員がおっしゃっておるように、市町村が直接出張っていってやるのかなと考えておったのです。ところが、幾つか地域を見てまいりまして、すぐに今対応できるのは何か、二十四時間稼働しているのは何か、それからまた福祉の面で日ごろ地域に大いにサービスをしている機関は何かとなりますと、現実に特別養護老人ホームのデイサービス部門であるとか、非常に積極的な役割を果たしているところがたくさんあるというのがわかってまいりまして、こういうものが既にあるとすれば、これは利用するのが当然だなということで、今の政府委員の御答弁のような認識に今なっているわけでございます。 ただ、一つはっきり申し上げますが、最初に委員が御質問になりましたように、市町村がこの仕事に誤りのないように責任を持つのですねという点はそのとおりだと私は思います。そのとおりでなければならないというふうに思います。
○外口委員 私、もう一度そこの点を、危惧している点を強調したいと思いますが、夜間十分なスタッフがいない中で、二十四時間稼働しているところに相談が来ましたら、恐らく地域に引き戻していく方向で支えるというよりは、施設に収容していくという方向を強めていくであろうと思うのです。そういう意味では、在宅介護支援センターという名と異なりまして、収容していく一つの弁、そういう働きをしてしまうのではないかと思うのです。 二十年前に精神衛生法が改正されましたときに、精神病院が雨後のタケノコのように設立されまして、ベッドが急増したときの収容強化をもたらし、それが現在精神病院のマンパワーの貧困と医療内容の質の低下を生じて、非常に国際批判を浴びるに至ったという、この間の悲しい歴史を私は内側で実感させられているものですから、その後追いをするのではないかという懸念を強くしている次第です。その点は、ぜひとも施設収容に傾いていかない、地域の側に引きとどめて支えるという仕組みをどうつくるかということは、市町村の公的責任を明確にするとともに、国がその仕組みづくりにバックアップする姿勢をぜひとも示していただかなければ二の轍を踏むのではないかと心配するところでございます。 それから、大臣が今お答えいただいた中で、そういう懸念はあるが、全国を回ってみるとモデル的に非常に積極的に役割を果たしているところがあるとおっしゃいましたが、私も幾つか知っておりますが、そういうところでは、やはり核となる人あるいはリーダーシップをとっている方が非常に有能である、そういうコーディネーターの役割を果たしている人がいて初めてそこの周辺の社会資源を非常に吸収し活用しているということを実態として見てきているわけなんです。 そこで、お尋ねしたいと思います。そうすると、在宅福祉サービス実現への公的責任を国民の目の前に明らかにするには、地域で核となる人、すなわち、さまざまなサービスをコーディネートする人の存在がどうも不可欠だということになりますが、大臣は、どのような人がコーディネーターの役割を果たす人としてふさわしいとお考えか、また、そういう人をどのように供給しようとするのか、また、そのための計画をお持ちなのかどうかについて積極的な御答弁をお願いしたいと思います。
○長尾政府委員 確かに、先生が今おっしゃいましたように、地域の福祉が大変活発に充実した形で実施をしていただいているところではすばらしい方がおられるというのは、全く御指摘のとおりだと思います。そういう方々は、実はある地域では市町村の職員の方であったり、ある地域では社協の方であったり、ある地域ではそこの地域で指導的な役割を果たしていただいております施設の施設長さんであったり、実は、いろいろな形のものがあると思います。民生委員であられることもあると思います。私どもが持っております、今申し上げましたさまざまな人的な私たちの財産でございますけれども、こういうものを活用していく、こういうタイプの方だけというふうに決めないで、いろいろなタイプの方をその地域の中で生かして、その方々の能力、意欲を生かすような体系づくりをしていくということが非常に重要なのではないかと思っております。 今回の法律の中で、市町村の社会福祉協議会を活発化していただくためのものを一つ考えておりますこと、それから、やはり民間のさまざまな活動を私どもとしても、これはボランティア団体であることもありますが、活発にしていただくことも一つであると思います。それから、もちろん、こういったもの全体といたしまして、市町村が、その地域の中のそういったさまざまな、いわば人的、物的な財産を生かしていくために、法律の上では老人保健福祉計画を策定するということをお願いいたしておりますし、また、実態といたしまして、もっと広く地域の福祉を考えに入れた市町村の計画づくりもお願いしたいものだというふうに考えております。
○外口委員 大臣に、続いて御答弁いただけますでしょうか。
○津島国務大臣 ただいま政府委員から御答弁申し上げましたように、これからきめの細かい在宅福祉サービス、地域における福祉の出前と私は言っておるわけでありますが、そういうものを組み立てていくわけでございまして、それが例えば法律上は居宅生活支援事業、こう言われておるわけですね、これは法律上の定義づけです。この支援事業のためには、国も公共団体も責任を持つ、ここまでは法律上はっきりしているわけです。これを現実に行っていくためには、あらゆる手だてを講じていくべきではないか。それを一から十まで、公務にある方々がやるということであれば、どうしてもこれは不足しますから、やはり民間の社会福祉法人のお力をかりる。そういう民間にある熱心な、そして有能なお力をおかりして、全体として地域で立派なそういうものを仕上げていくということを申し上げておるわけでございまして、その姿がどういうものになるか、私は、地域によって違ってよろしいと思います、そういうことでそれぞれの地域で、県や市町村がそれぞれ話し合って工夫をしていただく、そして国としては、一定の基準以上にみんなが育っていくようにリードをしていくということを考えていきたいと思っております。
○外口委員 先ほどの、全国的にそれぞれの地域の実情に応じてコーディネーターの役割をする方がさまざまな立場にあるというお話を伺いましたが、恐らく、厚生省としてはこれまでそういうものに関しての資料をお持ちだと思うのですが、そういう幾つかモデル的なものとして今現実に、非常に在宅福祉サービスを実施している市町村、そういうような市町村を幾つかの類型に分けられるのではないかというふうに思いますが、それらの今これまでのお持ちの資料の中でどういうような仕組みづくりを先駆的に行っているところがあるのか、あるいはまた、その類型化などに関して、もし情報をお持ちでしたらお話を簡潔にしていただきたいと思います。
○岡光政府委員 全国、全体的に把握をしているわけではありませんので、特色的なところで私が見聞きしておるところをあえて申し上げますと、医療型で、つまり病院が中心になって、かつ、その地元の町と非常にうまくタイアップしてやっているのが、広島の御調町というところの国保の病院が一つございます。 それから、老人保健施設の先駆的なケースに入っていただきましたが、これもやはり病院とか老人保健施設とかがメーンになりまして地元とうまくタイアップしながら、いわば私ども在宅介護支援センターのモデルとして描いたようなケースが北九州の伸寿苑という施設が一つございます。これはいわば施設型と言うのでしょうか、そんなふうなものではないだろうかなと思っております。 それから都内で申し上げますと、三鷹の弘済園、これが三鷹市と非常にタイアップがうまくいっておりまして、かつ、先生先ほどおっしゃいましたように、すばらしいコーディネーターの方がいらっしゃって、これは施設誘導型と言うのでしょうか、三鷹市内に住んでいらっしゃる在宅の老人を抱えておいでの家族の状況、それから御老人の状況を個々のケースをファイル化されまして、そして、どういうニーズが生じるかということをよく検討した上で、個別の家庭から御相談があったらどういうサービスをそれでは三鷹市の方から提供したらいいのかという、まさにコーディネーターとしてすごくうまく機能している、そういうふうなところを若干知っております。
○外口委員 各地域においてモデル的に推進しているところでは、コーディネーターが存在しているということは今のお話でもわかりますが、地域型の仕組みというものが日本では大変難しいということがありますが、その点について私はひとつ、保健婦並びに訪問看護婦がこうした役割を担うのに適しているのではないかと考えて、その人材の活用の方向あるいは活用に当たっての需給の見通しなどについて少しお聞きしたいと思います。 保健婦は、全国津々浦々に既に網羅されている非常に公的な強力なマンパワーとしてありますが、この人たちを抜きにして恐らく今後あらゆる地域でのコーディネーターとしての人材確保はできないと言ってもよいかもしれませんが、その働き方の特徴において、相談を一般的に受けられるということ、限定しないで赤ちゃんから老人までの家族のさまざまなライフサイクルの中においての相談を常日ごろ受けているということ、あるいは先ほど大臣がおっしゃいましたように、ケアの出前を行っている、要するに呼び寄せるのではなくて出向いてケアを提供する職種であるということ、また、先ほど医療型の仕組みづくりについても触れられましたが、すなわち医療機関などとの接点を非常に持ちやすいという特徴、そういう特徴を持つ点においてコーディネーターとしての可能性が大きいと考えますが、その点についてはいかがでございましょうか。
○岡光政府委員 御指摘のように、コーディネーターとして保健婦さんとかそれから看護婦さんが大いに活躍をしていただいているケースもございまして、これからまた福祉の仕事を進めていく場合には、福祉と医療と保健との連携ということが大変大切なことになってくるわけでございまして、そういう意味では保健婦さんに大いに期待をしております。私ども、この保健と医療と福祉の連携ということで全国で訪問看護等の在宅ケア総合推進モデル事業をやっておりますが、そういったモデル事業の経験からしましても、保健婦さんの果たす機能というものは大変重要であるというふうに認識をしております。
○外口委員 ところが、この三十年間、看護職マンパワーは慢性的な不足に悩んできております。これは、国民全体の長い間の悲願にもかかわらずなかなか供給されていない厳しい現実がございます。政府は、九〇年度予算においてようやくにして看護職員確保緊急五カ年計画を示されましたが、この中には、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を初めとする一連の法案の改正に伴う看護職員の確保についてより抜本的な対応が求められているのではないかと思いますが、昨日の質問へのお答えにおいては、ナースバンク登録看護婦によって充当すると触れられておりましたが、ここで改めて、それが現実に可能であるとお考えになるのかどうか。もしなるならば、その根拠をお示しいただきたいというふうに思います。
○仲村政府委員 地域ぐるみの福祉の強化という観点から、今お答えございましたように、保健婦さん、看護婦さんがその地域でうまく機能していただけるというのは非常に期待される役割の一つの分野だと考えております。そういうことで考えますと、昨年決めました看護職員の需給見通しは、その後出ましたゴールドプランの要素が一部は見込まれておりますけれども、今御議論になっておりますような在宅介護支援センターでの期待される看護職の役割等、正確にはカウントされてない部分があるわけでございますので、このゴールドプランの実現に向けて、今お尋ねのようなマンパワーについての確保というものは十分これから、この戦略の進展状況を見ながら需給見通しに繰り入れていく必要はあると思います。しかしながら、現在も、お話にございましたように、地域ごとに非常に違う活躍、活動形態というのが考えられるわけでございますので、在宅介護支援センターが一万カ所できて、そこに一万人いるというふうにストレートにはならないという意味できのうも実はお答えを申したわけでございまして、ナースバンクに登録されている看護婦さんが六万人おるというのは、その中から全部ここへ調達をするという意味で申し上げたわけではないわけでございまして、相談機能というものをこれから担っていただく看護婦さんについては私どもも十分な研修をしてさしあげるなどして、いろいろとノーハウを蓄積した看護婦さんなり保健婦さんが各地域で活躍していただけるような仕組みも、これから私どもとしては当然のことながら考えていかなければならないということも含めてお答えしたつもりでございます。
○外口委員 残りの時間が少ないので、ちょっと触れまして次に進めたいと思います。 前回の社会労働委員会での私の質問の折に、確保対策については、全国一律にはできないので各県ごとの需給見通しをつくり、それを調整するということでしたが、どうも見通しなどというものではなくして、各年ごとの、各都道府県ごとの計画的な需要供給数を調査し、公表していくということによって看護職員、マンパワー確保の国の責任をぜひとも示すべきだと考えます。これに対し、大臣の積極的な答弁をお願いしたいと思います。
○仲村政府委員 看護職員の需給見通しにつきましては、先生も御承知のように第一次、第二次とやりましたけれども、これは全国一律だったわけでございますし、特に病院関係の職員が中心だったという経緯でございます。 今回は、私どもといたしましても、各地域で看護婦の需給状況というのは非常に差があるということも考えまして、各県からの御報告をちょうだいして、それを全国的に積み上げて、その中で、足りない部分については国の方から担当の県との御相談をするというふうなことでの調整をしながらこの需給見通しをつくったわけでございますが、先ほども御答弁申し上げましたような新しい需要要因と申しますか、そういう要因が出てまいったことにつきまして、私どもとしては、今後そういう要因を見込んだ計画をさらに実態に合わせながら直していくという必要はあるであろうということで、前の先生の御質問にお答えしたつもりでございますが、今後、そういう方向でいろいろの準備をした上で、この需給見通しについてもさらに研究を進めなくてはいけない、実態に即したようなものにしていかなくてはいけないということで考えております。
○津島国務大臣 保健婦、看護婦数の問題、計画的な見通しを立てなければならないという御指摘、そのとおりでございます。そして、今の看護婦の需給見通しができましてから後、十カ年戦略等いろいろな施策の展開が行われている中で、今のとおりでいいですかと言われれば、私はやはり見直す必要があると思います。 ただ、看護婦さんの問題というのは、率直に言いますと非常に難しい段階に来ている。殊に医療の現場におきましても、それから、新しい医療、福祉の展開ということの中で問題が多岐にわたっておりますので、委員の御指摘は十分そのとおりだと認めつつも、今直ちに責任を持って年次計画を出せという御要望にこたえることは難しいと思います。 しかしながら、とにかく政策的に私どもがお約束をしたことはしっかり実施をしていかなければならない、それから、医療の現場においてもしっかりした医療サービスが行われなければならないという見地から、今後必要な看護職員の確保ということに対して誠心誠意取り組んでまいらなければならないと思っております。それで、できることならば、しかるべき時期に、もう少し全体をよく見渡した上で新しい計画数字をお出しできればいいな、そういう気持ちは私は持っておりますけれども、今ここで直ちに見直して議論の材料にしていただけるようにするというのは、率直なところ時期尚早であると申し上げさせていただきます。
○外口委員 今後、この点についてはまたの機会にぜひ検討させていただきたいと思います。 時間も残り少ないので、最後にどうしても、せんだっての衆議院本会議において私が代表質問を述べましたが、その中でお答えいただけなかった点がありますので、最後にそのことについてお伺いをしたいと思います。 老人保健福祉計画の策定の中身についてでございます。社会全体で分け持ち合う福祉の仕組みづくりへの行政努力として、保健福祉計画の策定を全市町村に義務づけたということは厚生省の熱意として評価したいということは、この間の代表質問でも申し上げました。その折、計画の実施、評価、調整の役割をだれがどのように担うのかということについて具体的にお答えいただけなかったので、改めてこの場においてお伺いいたしたいと思います。時間がありませんので、簡潔にお答えいただいて、もう一度私の考えを述べさせていただきたいと思いますので、お願いいたします。
○岡光政府委員 この計画につきましては、第一義的には市町村、それから都道府県が責任を持って策定をして実施をしてもらうというものでございますが、その策定、それから実施に際しましては、地域における要介護老人やその家族の状況等を的確に把握して、これらの人たちがいつでも気軽にサービスの提供が受けられるというふうにすることが必要だというふうに基本的に考えておりまして、そこで作業を進めたいというふうに考えております。 この計画につきましては一定の期間ごとに見直すことを想定をしております。一定の期間ごとに見直すということにつきましては、この福祉サービスの利用者である高齢者とかその家族、さらにはサービスの担い手である福祉関係者を含めまして、広く住民の御意向をも配慮しなければならないというふうに考えております。
○外口委員 今のお答えでも、いわゆる住民参加、また利用者参加ということをお答えいただいたと思いますが、こうした画期的とも言うべき市町村レベルでの計画策定をせっかくおつくりになったのですから、生かされる計画、生きた計画としてほしいと願っています。そのためにはやはり市民が自分自身の計画と思えるように、計画づくりへの参加の仕組みを保障する必要があるのではないかというふうに思います。そのための条件づくりをぜひお願いしたいと思います。この計画づくりへの参加のプロセスによって、恐らく国民が分け持ち合う福祉ということへのコンセンサスを生み出していけるのではないかと考えます。そう期待する立場から、現在既に取り組んでいる市町村の試み、先ほど大臣あるいは関係者の方々からのモデル的な事業についてお話がありましたが、そういう試みについても全国にその試みを情報提供するような、そういう国の責任というものがあるんじゃないかと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。 また、もう一つ、ぜひこれは触れておきたいことなんですが、時間がないので最後に、セルフ・ヘルプ・グループといいますか、当事者たちの自助努力によって現在も既にたくさんの試みが行われております。その試みをバックアップしていくということが公的責任の一つの役割だと思いますが、例えば共同作業所とか共同ホームというのは当事者らの努力によって非常に進められている実践例でありますが、そういう実践例についての情報提供を積極的に国がなさっていただきたいと思います。恐らく本日も傍聴席にはたくさんの当事者あるいはその努力をされている方々が参加してくださっておるのですが、そうした先駆者たちの試みを通して得られた知恵を行政がもっとくみ上げ、そして、それに財源保証をし、そして、それらを全国的に広く伝え合って、新しい仕組みをつくっていくという責任をぜひおとりいただきたいと思います。 また、従来の行政指導を強めるような政省令とか通知とか通達によるというものではなく、市民参加型の仕組みをつくっていくという方向性について大臣の御決意を伺って、私の質問を締めくくらせていただきたいと思います。
○津島国務大臣 新しい福祉への出発に当たりまして、例えば地域でつくられる老人保健福祉計画が市民のニーズに的確にこたえるものでなければならない、そのために計画の策定、推進に当たって住民の意思を反映させなければならない、委員の御指摘、全く同感でございます。これを今後進めていく上におきまして、御指摘の点を十分踏まえながら進めてまいりたいと思います。こうして二十一世紀が真に活力のある長寿・福祉社会になるように、そして多くの方々の努力と相まって、それぞれの地域にでき上がった適切な福祉の姿が、これぞ日本の福祉である、日本型福祉であると言われるようなものにするべく国としても全力を挙げて頑張ってまいります。
○外口委員 どうもありがとうございました。
○畑委員長 池端清一君。
○池端委員 老人福祉法等の一部を改正する法律案について、私は、これまでの同僚議員の質疑を踏まえながら幾つかの点について確認を求めていきたいと存じます。したがって、質問が重複する点がありますけれども、これはお許しをいただきたいと思います。 社会福祉制度につきましては、敗戦直後の昭和二十一年九月の旧生活保護法の制定を嚆矢として、児童福祉法、身体障害者福祉法の制定といういわゆる福祉三法の制定が行われ、昭和二十六年に社会福祉事業の体系を確立した社会福祉事業法が制定されるなど、いわゆる戦後改革の一環としての福祉立法が行われ、現在の福祉制度の骨格が形成されてきたわけでございます。自来、今回のような福祉制度全般にわたっての基本的な見直しを行った例はなかった、このように思うわけでございます。 今回の改正は昭和三十八年に高齢者の福祉の増進を図るために老人福祉法の制定がなされて以来、実に二十七年ぶりの改正でございます。我が国が今後十年の間に現在の西欧並みの本格的な高齢化社会を迎えるということを考えますと、これに対応できる福祉システムの確立がどうしても必要であり、今回の法改正は二十一世紀までの福祉制度の骨格を決めるものでなければならない、このように思うわけであります。 そこで、今回の法改正の基本的な考え方についてまずお伺いをいたします。 社会福祉の向上、充実は、憲法二十五条でも規定されておりますように国の責任であると考えます。今回の福祉八法の改正はこの原則に立ち、それを前進させるものであり、また、高齢化社会対策として十分なものであると言えるのかどうか、その点についてまず政府の見解をお尋ねしたいと思います。
○津島国務大臣 お答えいたします。 例えば現行の老人福祉法でも「国及び地方公共団体は、老人の福祉を増進する責務を有する。」ことを明らかにし、施設の入所等の福祉の措置は地方公共団体により行われることとし、その費用については国及び地方公共団体が負担することとするなど規定されており、福祉各法において福祉に関する公的責任が明記されているところでございます。 今回の改正は、住民が最も身近な市町村でその心身の状況や置かれている環境に応じ、在宅、施設を通じ最も適切な福祉サービスの提供を受けられる体制を整備し、国民がいつでもどこでも安心して暮らせる長寿・福祉社会を築こうとするものであります。国及び地方公共団体が果たすべき役割についてはいささかの後退もなく、むしろ福祉の計画的推進について規定するなど、国及び地方公共団体が積極的に取り組むべきことを一層明確にしているところでございます。特に、高齢化対策としては、今後十年間で推進すべき施策を「高齢者保健福祉推進十か年戦略」として明らかにしてきたところでありますが、今回の法改正はその推進のための体制づくりを図るものであると考えております。
○池端委員 ただいまのお答えで、社会福祉についての公的責任が明確化された、こういうことを踏まえまして、以下、今回の改正についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 最初に、今回の法改正は、都道府県の入所措置権を町村に移譲し、住民に最も身近な市町村において在宅福祉サービスを充実し、在宅福祉、施設福祉を通じた市町村における総合的な福祉サービスの提供を目指しているとしております。このような目標を達成するためには、町村における事務職員を確保することと、市町村が住民に対し必要にして十分な福祉サービスを供給できるようにするために市町村に対し必要な財源措置を国が図っていかなければならない、国が責任を持って手当てをしていかなければならない、このように考えますが、この点についてはいかがでありますか。
○津島国務大臣 お答え申し上げます。 入所措置の事務の移譲に伴い、地方交付税上の措置として必要な人員の増員を盛り込むことといたしております。また、今回の改正に伴い、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を踏まえた在宅福祉サービスの大幅な拡充と老人保健福祉計画の策定を進めることといたしておりますが、当面、特に福祉事務所を設置していない町村についてのこれに必要な人員の配置については、町村全体の事務量の動向との関係をも勘案しつつ地方交付税上必要な措置を講ずることとしたいと考えます。財政措置については、措置費の地方負担分を含め、きめ細かい、住民の福祉ニーズに即した地方交付税上の手当てを行うよう関係省庁とも協議してまいりたいと思います。
○池端委員 政府は、今回の改正の眼目は市町村で福祉サービスを責任を持って提供することである、このように繰り返し述べておるところでありますが、改めて市町村が十分な体制を確保できるように国が責任を持ってバックアップすべきであるということをはっきりと申し上げておきたいと思います。 そこで、措置権移譲に関し、都道府県の福祉事務所の体制についてお伺いをいたします。 措置権移譲後の都道府県の福祉事務所につきましては、改正後の老人福祉法第六条の三の規定にありますように、町村に対する技術的な支援業務、措置事務を初めとする管内福祉行政に対する広域調整業務とともに、老人福祉法で新たに規定をされました都道府県及び市町村における老人保健福祉計画の策定業務などがあり、その業務の重要性はますます高まるものと考えられます。したがって、都道府県の福祉事務所について、これらの業務に必要な体制の確保を図っていくべきである、このように考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
○津島国務大臣 都道府県の福祉事務所につきましては、入所措置等の事務が都道府県から町村へ移譲されることとなりますが、他方、都道府県の事務として、老人、身体障害者を通じ、在宅施設を通じる市町村相互間の連絡調整や市町村に対する情報の提供、技術的支援の事務、広域的見地からの実情の把握、市町村老人保健福祉計画の作成に対する助言、都道府県における区域ごとの計画策定業務等が生じますので、このための体制の確保が必要であると考えております。 この人員配置の問題については、基本的には都道府県の判断に属するものでありますが、福祉事務所の業務に支障を来さないよう関係省庁とも相談しながら円滑な実施に努めてまいりたいと思います。
○池端委員 次に、福祉サービスの専門性に係る事項についてお伺いしたいと思います。 言うまでもなく、福祉サービスは、複雑多岐にわたる住民の福祉ニーズに的確に応ずる必要がございます。そのためには、福祉に係る専門職である社会福祉主事が市町村に配置されることが必要だ、このように考えるわけでございますが、この点について今回の法改正でどのような配慮をなさったのか、その点についてお尋ねをいたします。
○長尾政府委員 老人や身体障害者についての福祉行政は市町村一般が行える事務と位置づけたところでありますが、その行政の水準を維持するためにはケースワーク業務に精通した者を置くことが望ましく、今回の改正において措置権の移譲を受ける町村についても新たに社会福祉事業法上社会福祉主事を置くことができることとしたところでございます。
○池端委員 ただいまのお答えで、法律上市町村に社会福祉主事を設置できることとしたということでございますが、厚生省としては、市町村に具体的に社会福祉主事が確保できるような、そういう必要な施策を講ずべきではないか、このように考えますが、この点についてはいかがでありましょうか。
○長尾政府委員 具体的に社会福祉主事を配置するかは町村の判断でありますけれども、町村における社会福祉主事の確保のために町村職員に対する研修の実施等、町村職員が社会福祉主事の資格を取得できる体制づくりを行うなど、国としても必要な措置を講じていきたいと考えております。
○池端委員 同じく専門的な職種でございます身体障害者福祉司についてお尋ねをいたします。 身体障害者福祉司は、身体障害者の相談に応じ、その生活の実情等を調査し、本人に対し必要な援助の方途を指導する専門職種でありますが、今回の改正でこの身体障害者福祉司はどのような取り扱いをされることになったのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○長尾政府委員 今回の改正によりまして入所措置等の事務が都道府県から町村に移譲されることに伴い、都道府県としては福祉事務所が個別の身体障害者の相談に応じることがなくなりましたので、身体障害者の福祉に関する専門的、技術的指導等を業務とする身体障害者福祉司の都道府県福祉事務所における必置規制を外しております。一方で、更生援護施設の入所措置の調整を行うほか福祉事務所の求めに応じ特に専門的、技術的な援助、助言を行うこととなった身体障害者更生相談所にはこれを担当する専門職が必要となることから、身体障害者福祉司を必置とすることとしたものでございます。
○池端委員 今のお答えにより、身体障害者福祉司については福祉事務所から身体障害者更生相談所に必置場所が変更されることになったわけでございますが、これにより現に身体障害者福祉司として勤務されている職員の方、その人員が削減されることはいささかもない、このように確認したいと思いますが、この点についてはいかがでございますか。
○長尾政府委員 都道府県の身体障害者福祉司は、事務移譲された後の市町村による援護の実施を支援する上で重要な役割を担うものでありますから、必置場所が変更になるとしても、現に身体障害者福祉司として勤務している人員を下回るような配置が行われることにならないよう関係省庁と協議し、円滑な実施に努めてまいりたいと思っております。
○池端委員 次に、今回の福祉八法律の改正の最重点であります在宅福祉サービスについてお伺いをいたします。 言うまでもなく、ノーマライゼーションの理念を具現化するためにも、またお年寄りや障害者が住みなれた自宅で生活を送ることが最も希望するところであるという生活の質を確保するためにも、在宅福祉サービスの推進はこれからの福祉が目指すべき道であると考えます。そのためには、在宅福祉サービスは施設福祉サービスと同様に市町村が必要に応じ措置しなければならないという、いわゆる必須事務とすべきではなかったかと私は考えるものであります。今回の改正案では必須事務化が見送られておるわけでありますが、国としては施設福祉と全く同じ責任で在宅福祉サービスの推進に当たる、こういう趣旨であるということをここで明確に確認をしたいと思うのでありますが、この点についての御見解を承りたいと思います。
○津島国務大臣 お答えいたします。 今回の改正法案におきましては、在宅福祉サービスを施設福祉と並ぶサービスとして法定し、社会福祉事業に追加する等、法律上その位置づけを明確にするとともに、市町村が施設福祉と在宅福祉を総合的に実施するとともに、特に在宅福祉について積極的な実施の努力義務を定める一方で、国の責任を明確にするため国庫補助の根拠を補助率とともに法律上定めるという改正を行うこととしております。実質的に在宅福祉サービスの推進を施設福祉サービスと同様に図るという条件が整備されるものと考えているところでございます。
○池端委員 ただいまの答弁によりまして、在宅福祉サービスについては施設福祉サービスと同様の努力を払ってその推進を図る、こういう見解が示されたわけでございます。政府は、この在宅福祉の推進を図るため適正な事業費の確保を図るとともに、地方交付税においてもきめ細かい住民の福祉ニーズに即した措置を講ずべきであることを重ねて強く申し上げておきたいと思います。また、市町村における在宅福祉の供給体制の確保の状況を踏まえて、この法律が本格的に施行される平成五年度以降できるだけ早い時期に在宅福祉サービスについても施設福祉サービスと同様に必須事務として位置づけられるべきであるということも、この際強く申し上げておきたいと思います。 さらに、在宅福祉サービスであると施設福祉サービスであるとを問わず、これらの福祉サービスは、さまざまなハンディキャップを持ったために援助を必要とされる高齢者や障害者の皆さんにとって、その自立を促進し社会への参加を確保していく上で必要不可欠なものでございます。これらのサービスが、公的責任に基づいて住民の立場に立ち、住民のニーズに的確にこたえられるものとして提供できる体制を全国津々浦々につくっていくことが政府の責任である、厚生省の責任であることをここに明らかにしておきたいと思うのであります。 次に、在宅福祉施策の成否は、今までも何回も議論をされてまいりましたが、何よりも優良なマンパワーの確保にかかっていると思うわけでございます。特に、市町村ではヘルパーの確保に困難を来しておるというのが現状でございますが、その原因についてどのように認識をされているのか。また、処遇の改善を含めたヘルパー確保策等マンパワー対策を確立すべきだと思いますが、この点についてはいかがでありますか。 六月八日の某日刊紙に、「福祉を敬遠する専門学校生徒」という見出しの記事が載っておりました。特別養護老人ホームに実習に来る生徒のうち、卒業後福祉分野へ進むと答える人は十二、三人中のわずか二、三人にすぎない、あとは一般企業への就職希望者、このように若者たちを福祉から敬遠させているものは単に好景気と人手不足だけなのかとこの記事は問いかけておりました。このような現実に即してお答えをいただきたいと思います。
○岡光政府委員 在宅福祉サービスにつきましては、本格的に取り組み始めたところでございます。需要の把握から供給体制の整備までさまざまな課題があるわけでございますが、特にホームヘルパーは、現在の雇用情勢のもとでその確保が難しいということのほかに、同居の多い日本の家族構造の中で、家庭に入り込み虚弱や寝たきりの高齢者の介護をするものでございますので、市町村としても必要な家庭の把握が不十分だったり、あるいは家庭の側も積極的に利用しようとする意識もまだまだ低く、またホームヘルパーの介護の技術や保健医療との連携体制も十分とは言えないわけでございます。それから、派遣時間など高齢者のニーズに対応した柔軟な派遣の実態になっていないなどの課題があるわげでございまして、今回の法改正によりまして市町村で計画が策定され、在宅福祉サービスが法定化されることによりまして、市町村の取り組みやすい体制が整備されるものと考えております。 マンパワーの確保につきましては、これまでも処遇の改善、活動費の引き上げ等を図ってきたところでございますが、引き続きその改善に全力を挙げるとともに、社会的評価の向上とか福祉業務のPR等を積極的に行うなど総合的な対策を講じ、マンパワーの確保を図ってまいりたいと考えております。
○池端委員 次に、老人保健福祉計画の策定についてお尋ねをいたします。 今回の改正により、老人福祉法に第三章の二が追加をされ、全市町村及び全都道府県の区域ごとに老人保健福祉計画が策定されることとされておるわけであります。しかしながら、言うまでもなく、それぞれの地域の現状は人口、高齢化率、面積、住民意識、産業構造、生活習慣等まさに千差万別でございます。今回の改正により計画の策定が義務づけられたわけでございますけれども、国が全国一律に上から計画を押しつけるのではなくて、いわゆる一村一品のような地域の特性を生かして、そして地域の自主性を尊重し、かつ、計画の策定に当たっては積極的に住民の参加を求めるような老人保健福祉計画を策定すべきであると考えておりますが、この点についての御見解を承りたいと思います。
○岡光政府委員 老人保健福祉計画の策定に当たりましては、厚生大臣が市町村が目標を定めるに当たって参酌すべき標準を定めるなど計画策定に必要なガイドラインとかマニュアルを示すことにしておりますが、計画が地域の実情に即した適切なものとなるよう十分配慮してまいりたいと考えております。また、計画策定に当たりましては、地域住民の意見を反映させることは地域ニーズを把握する観点から基本的な事項であると考えておりまして、ガイドラインの中で計画の策定に当たり配慮すべき事項として位置づけてまいりたいと考えております。
○池端委員 次に、在宅介護支援センターと市町村が住民に対して負っている責任の関係で若干疑問がございますので、お尋ねをいたしたいと思います。 在宅介護支援センターの設置がうたわれておるわけでありますが、福祉サービスにおける市町村が果たすべき公的責任、すなわち在宅介護支援センターの相談指導機能を含め、いやしくも市町村が果たすべきお年寄りの相談及び指導に当たるという役割を弱めるものではないということの確認を求めたいと思いますが、この点についてはいかがでありましょうか。 また、在宅の相談及び指導機能を向上させるために社会福祉主事を中心とする専門職の積極的配置が緊急の課題と考えますが、その方策についても明らかにしていただきたいと思うのであります。
○岡光政府委員 在宅介護支援センターは、在宅介護で御苦労されている家族が在宅介護に関し専門的知識及び技術に関して相談あるいは指導を受けるため設置をすることとされているものでございます。在宅福祉サービスの申請に対する調査決定等の機能を有するものではございません。このことによりまして、市町村は在宅福祉及び施設福祉の総合的な福祉の措置を住民に責任を持って適用する任務を有しているわけで、そのため必要な老人福祉に関する相談に応じ、必要な調査及び指導を行う業務を行うこととされておりまして、その公的責任は在宅介護支援センターの設置により影響を受けるものではないと考えております。 また、こうした業務を推進するために、社会福祉主事の資格を有する者その他業務に精通した者の設置促進につきましては格段の努力を払ってまいりたいと考えております。
○池端委員 次に、社会福祉事業法の改正についてお伺いをいたします。 市町村社会福祉協議会等は新たに同法の第七十四条第四項において、「社会福祉を目的とする事業を企画し、及び実施するよう努めなければならない。」このように規定をされております。私は、社会福祉協議会の果たしてきた役割また今後果たすべき役割は極めて重い、このように考えるわけでございまして、そのことをいささかも否定するものではありませんが、このような業務拡大により、本来市町村が責任を持って行う福祉サービスの提供を初めとした公的責任がいささかも減退することはない、このように確信をするものでありますが、この点についても明らかにしていただきたいと思うのであります。
○長尾政府委員 お答えをいたします。 市町村レベルの社会福祉協議会につきましては、民間の自主的な福祉活動の推進の中核として地域住民に密着した地域福祉活動を行うことが期待されておりますが、現在の規定ぶりは必ずしもその活動実態等に即しておりません。このため本年一月、中央社会福祉審議会から、市町村社会福祉協議会については、住民の参加する地域福祉活動を実施し、これらの活動を振興、助成すべきものと位置づけるべきであるとの御意見をいただいたところでございまして、これを受け、今回の社会福祉事業法の規定を改正することといたしたものでございます。 福祉サービスの充実に当たっては、従来から国民の基礎的ニーズについては国や地方公共団体が責任を持って対応することを基本としており、今回の改正に際しても、この基本的な考え方に沿って行政の提供する基礎的なサービスがひとしく行き渡ることを第一としているところでございます。さらに、これに加えて、多様な福祉ニーズにこたえ、福祉全体の厚みを増すことを目的として民間の福祉サービスを伸ばしていくことも、住民福祉の向上につながるものであります。したがって、このような民間の福祉活動の中心の一つとして市町村社協の活性化を図ろうとするものでありまして、本来地方公共団体が果たすべき公的責任を肩がわりさせるものではなく、その後退となるものとは考えておりません。
○池端委員 次に、障害者対策についてお伺いをいたします。 昭和五十六年の国際障害者年を契機にいたしまして、障害のある人もない人もともに地域や家庭で暮らしていける社会をつくるというノーマライゼーションの理念が普及をしてきておるわけであります。政府は、このような見地から精神薄弱者の自立へ向けての対策を積極的に進めるべきだと思うわけでありますが、この点についての御見解を承りたいと思います。 あわせて、障害者団体の皆さん方から、この障害者という表記について、この際改めるべきではないかという御意見が寄せられておるわけでありまして、私も同感でございます。障害者の害という言葉、この漢字ですね。表記の仕方を改めてほしいという要望が強く出ておりますけれども、これらについての御見解もあわせてお伺いをしたいと思います。
○津島国務大臣 委員御指摘のとおり、精神薄弱者福祉等につきましても、障害者が家庭や地域で通常の生活を送ることができる社会づくりというノーマライゼーションの理念に沿って社会復帰対策を推進しなければならないと考えております。このため、地域で通うことができる通所の更生施設や授産施設、さらには地域社会で自立していけるよう精神薄弱者通勤寮や精神薄弱者福祉ホームなどの福祉施設の重点的な整備を進めるとともに、グループホームや地域療育拠点施設事業などのサービスの充実を図り、精神薄弱者の地域社会における自立促進を図ってまいりたいと思います。 なお、委員から御指摘の言葉の問題でございますが、精神薄弱者というあらわし方が適切かどうか、また障害者というあらわし方も適切かどうか、いろいろ御議論のあるところでございますので、研究をしてみたいと思います。
○池端委員 時間がありませんので、次に進めてまいります。 近年注目されておりますシルバーサービスに関連して、お伺いをいたします。 シルバーサービスについては、高齢者の福祉を第一義として公私の役割分野を明確にしつつ、公的施策との連携のもとに良質のサービスが提供され、いやしくも営利主義が高齢者の福祉を阻害することのないよう、民間事業者を適切に指導監督することを原則とすべきであると思うわけであります。このような観点から、今回の法改正において、有料老人ホームの規制についても適正かつ厳正な運用を行うべきだと思いますが、どのようにお考えでありますか、明らかにしていただきたいと思います。
○岡光政府委員 二十一世紀の本格的な高齢社会の到来に向けて高齢者のニーズの多様化に対応するためには、公的サービスの一層の推進と、あわせて質のよいシルバーサービスを健全に育成していくことが重要であると考えております。両者の関係につきましては、基礎的なサービスは公的な責任において提供していくこととしておりまして、シルバーサービスは高齢者の選択による多様なニーズに対応すべきものと位置づけております。こうした基本的な考え方に基づきまして、従来より各種のシルバーサービスの健全育成を図るため、ガイドラインに基づく行政指導、社団法人シルバーサービス振興会によるシルバーマーク制度の導入、社会福祉・医療事業団による低利融資等の施策を講じてきているところでございます。 今回の改正により、有料老人ホームにつきましては、入居者の保護の徹底等を図る観点から、事前届け出制に改める等の所要の監督規定の整備を行ったところでございますが、その運用に当たりましては、改正の趣旨を踏まえ、消費者たる老人のついの住みどころ、ついの住みかとしての安心を確保できるよう、適正かつ厳正な運用に努めてまいりたいと考えております。 〔委員長退席、自見委員長代理着席〕
○池端委員 以上、今回の福祉関係八法律の改正について主要な点について政府の見解を伺ってまいりました。福祉サービスは、地域においてその実情と住民のニーズに即して提供をされる必要があり、また、福祉の供給体制の整備がなければその目的は達成されないわけでございます。その意味で、国民が安心して暮らせる福祉社会をつくるために今回の法改正はまさにスタートであり、そのゴールを目指すためには、国と地方公共団体、地域住民が一丸となって取り組むことが要請をされているところでございます。特にこの法案自体、これまでの質疑で明らかになりましたように、多くの課題や問題点を含んでいることも事実でございます。そこで、改正法の適切な施行と十分な福祉施策の確立に取り組む津島厚生大臣の決意を最後にお伺いいたして、私の質問を終わりたいと思います。
○津島国務大臣 今回の法改正は、来るべき二十一世紀の超高齢社会の到来を目前に控えまして、これを活力ある長寿・福祉社会として迎えるための礎となるものとして提案をさせていただいたものでございます。この改正によりまして、住民に最も身近な市町村において福祉サービスを一元的かつ計画的に提供できる体制が整うことになり、必ずや地域住民の福祉の向上に資するものと確信をしております。この改正を真に実りあるものとするためには私も全力を挙げて取り組んでまいる所存でございますが、国民の御理解と御協力を得て、二十一世紀までに真に我が国社会にふさわしい福祉が構築されることを期待してやまないものでございます。
○池端委員 終わります。
○自見委員長代理 貝沼次郎君。
○貝沼委員 時間が二十五分しかありませんので、簡潔にお尋ねをしたいと思います。 この質問をするということをいろいろな方面でお話をいたしましたら、現場の看護婦さんからこういうことが参りました。介護をしておる人も高齢化しておるということをよくわきまえていただきたい。この看護婦さんのところで、御主人の介護をしていた六十四歳の奥さんの方が過労で先に亡くなった、こういう介護される方も介護する方も高齢化しておるということですね。ですから、在宅という言葉自体僕はちょっと、在宅というけれども、そのお宅にだれがおるのかな、本人しかいないのじゃないかなという感じがするところが大分あるわけですが、これはきょうはいたしません。 それからこの方の意見として、ショートステイは在宅介護の上で、肉体的、精神的緊張をほぐす上で大変有効である。したがって、その期間を延ばしていただきたいということがございました。それからさらに言うならば、ナイトケアあるいはナイトホスピタルという考え方もさらに取り入れていただきたいということがございました。 私たちは、この在宅介護対策ということが非常に重大であるということで、政府に対しても前々からこの確立を要求してまいりました。そうして昭和六十三年、第百十三国会で、この在宅福祉三本柱を平成元年度から三カ年緊急整備計画としてやるように主張し実現をしたわけでございます。そのうちホームヘルパーについては、政府が当初十二年かける予定の計画を九年短縮させ、三年間で五万人にするという画期的なこともございました。それから同時に、在宅介護を支援する在宅介護振興基金もできたわけであります。そしてさらに昨年春、在宅福祉三本柱の三カ年計画の次の計画を政府に要求した結果、平成二年度予算で二十一世紀までのいわゆる「高齢者保健福祉推進十か年戦略」が登場してきたわけでございまして、今回の法案を私ども眺めまして、そういう面では大変進んでおると評価しておるわけでございます。 そういうふうに評価する部分は多いのでありますが、しかし、よくこれを考えてみますと、この数字を挙げることは簡単ですが、果たしてこのとおりいくのかなということが心配でございます。それで、例えば西暦二〇〇〇年のときに要介護者というのはどれくらいに計算されているのでしょうか。ここではホームヘルパー十万人、そういうふうな数字が出ておりますけれども、この十万人に対して要介護の方というのは、概略で結構ですけれども、大体どれぐらいの人数なのか。それに対して十万人というのはどれだけの数字なのかということを示していただきたいと思います。 〔自見委員長代理退席、委員長着席〕
○岡光政府委員 要介護ということを考えますと、寝たきり老人のほかに、いわゆる痴呆性の老人であるとかひとり暮らし老人で介護を要する人ということが考えられるわけでございますが、そうした方々をざっと推計いたしますと、平成十二年で約四百万人というふうになるのではないかと推計をしております。
○貝沼委員 そうすると、四百万人に対して十万人ですから、これはもう大変ですね。それ全部確保できてもまだまだ間に合わない、こういうことだと思います。したがって、十年間かかって十万人なんというのんきなことを言っていたのではいけませんので、これは早く前倒しをして進めてどんどんやっていかないと、計画はできたけれども、全部後手後手の計画であったということでは意味をなさないわけでありますから、この点ひとつ積極的に前倒しの方を進めていただきたい、こういうふうに私は主張したいわけでございますが、大臣いかがでございますか。
○津島国務大臣 委員御指摘のとおり、高齢化が進んでまいります中で、我々に対するきめ細かい福祉の需要はまことに大きいものがあると思います。そういう需要にできるだけおこたえをするという必要があるわけでございますが、また、努力をいたしたいと思いますが、今回のこの法改正はこれから十年間で行うべき二十一世紀へ向けての体制整備をするという意味でございますので、どうかそういう意味で評価をしていただきたいと思います。
○貝沼委員 評価はしておるのです。これは高く評価しております。しかしさらに、十年間まででやればいいんだというのではなくて、もっと早くこれを達成できるように努力もするんだというようなことは答弁できませんか。
○津島国務大臣 私の気持ちの中にはそれはございますが、とりあえずは、厚生省といたしまして責任を持って対応できるものとして、十カ年計画でお示ししたところをまず間違いなしに実行するということで御理解をいただきたいと思います。
○貝沼委員 その次の問題は、この法律案の性格の問題でございます。バックグラウンドだけちょっと初めにやります。 要するにこの法律は、自治体に枠をはめるためのものなのか、それとも自治体の主体性を尊重して支援するためのものなのか。これは、国は助言指導し、福祉推進計画の達成に必要な措置を講ずる、この対策を、これに対して速やかに市町村にその内容をというふうにありますが、要するに、一見いろいろなことが書いてありますけれども、この法律は市町村の主体性を尊重し、それを支援するためのものなのか、それとも、市町村のやることに対していろいろ枠をはめようとすることなのか、そこのところを明確にしておいていただきたいと思います。
○津島国務大臣 まさに、地方団体あるいは地域社会で創意工夫をして組み立てていただく福祉の仕事を支援をし、育てていくというための制度改正でございます。
○貝沼委員 そうすると、助言という中には枠をはめるという意味はない、こういうことですね。
○津島国務大臣 いいものであれば、我々のお示ししているものを超えてやっていただいても結構でございます。
○貝沼委員 それから、これは厚生省に限らず、最近の行政の言葉の中に片仮名が多過ぎるという批判がございます。片仮名が多過ぎる。実際これは英語なのか和製英語なのか、何かよくわからないのが大分ありますね。大臣は英語もフランス語も堪能でございますからすべておわかりでしょうけれども、このノーマライゼーションというのは一体何なのですかね。ノーマライゼーション理念、わかったようでわかりませんが、大臣ひとつ御説明をいただぎたい。
○津島国務大臣 委員御承知のとおり、ノーマライゼーションという言葉の意味は、障害者の方も高齢者の方もおられる社会が自然の社会である、そういう気持ちの中から平等と完全参加というものが生まれてくる、そういう社会にしなければならないという意味であろうと思います。 実は、私は外国語をよく知っているだけに、片仮名には非常に抵抗がございます。片仮名で書いた言葉は絶対に外国語にはなり得ない。そういう意味で、前々任の小泉厚生大臣も、この方も英語にかなり堪能な方でございますが、委員と同じ御指摘をされまして、厚生省の事務当局にこれから気をつけるようにとおっしゃっていたわけでありますけれども、よく御趣旨を踏まえて仕事をしてまいりたいと思います。
○貝沼委員 ノーマライゼーションの理念、社会的に眺めるとそうだと思いますが、個人個人で見た場合のノーマライゼーションというのはどういうことなんでしょうね。ただ、私たち政治家という場合もある、あるいは官吏の場合もある、あるいは当事者のいろいろな身障者の方もいらっしゃる、おのおのが見た場合にノーマライゼーションというのはどういうふうに理解したらよろしいのでしょうか。
○津島国務大臣 私の理解しておるところでは、ハンディキャップのある方がおられるのが自然な社会であると同時に、すべての人間が何がしかのハンディキャップを持っているんだ、だから同じ気持ちである、困ったときにはお互いに支え合うというのは我々の人間としての基本的な姿でなければならない、そういうふうに受けとめております。思いやりの精神というものに通ずるのではないだろうかというふうに思っております。
○貝沼委員 これは時間がかかりますから余りやりませんけれども、要するにハンディキャップを持っておる人も人間であり、健常者も人間であり、すべて同じ人間である、そういう人が混然一体としておるのが社会であるということだと私は思うのですね、一つの側面としては。 そうすると、先ほどもちょっと話が出ておりましたが、例えば精神薄弱者という言葉は、そういう精神からいくと、これは理念だというのですから、国民一人一人がそういうことを考えながらいかなければならぬということですから。したがって、精神薄弱者という言葉は随分と抵抗がありますね。薄弱というのは一体どういうことですか。
○津島国務大臣 この言葉がどこから来たか聞いてみましたら、実は外国語を片仮名にしたところから来たようでございます。英語でフィーブルマインデッドネスということになっておるのですけれども、英語におきましてもおかしいじゃないかという議論が出てきておるようでございまして、例えば発達障害というような意味の英語を使うように向こうでは慫慂されておるということも聞いております。 そこで、今のような御指摘、理解できるところがございますので、この用語につきましては幅広く関係者の意見を聞きながら研究してみたいと思います。
○貝沼委員 ですから、みんながはっきりしなければならないようなノーマライゼーション理念、こういうのは何かわけのわからない言葉で書いてある。そうして精神薄弱者、言葉自体を見ても余りにも露骨に、何となく薄弱という感じの言葉、それは漢字で書いてある。これはむしろ逆じゃないかと思うのですね。その辺も考えて、お互いに人権を持った人間でありますから、ノーマライゼーションの理念のもとに、ひとつ御検討をいただきたい。 それからもう一つ、この「平成三年度精神薄弱児・者関係予算 重点要望事項」というのが出ておりまして、これは政府の方にも出されておるはずでございます。その中で「通勤寮の充実」の問題がございます。それから、「心身障害児地域療育対策の充実」として二つ出ておるわけでございます。それから「グループホームの拡充」が出されておるわけでございます。現在は大体わかっておりますが、これを平成三年度予算において充実拡充をするようにお願いしたいというのが私の主張でありますけれども、どういう姿勢で当たろうとしておるのか、その点について答弁をいただぎたいと思います。
○古川政府委員 お答えいたします。 先生の御指摘されました幾つかの在宅福祉を進展させるような施策でございますが、例えば心身障害児者地域療育拠点施設事業を拡充する考えはないかということについてでございますが、これにつきましては、在宅の心身障害児者の方々が地域にある施設を積極的に利用できるよう、施設に在宅福祉を専門に行う職員、コーディネーターでございますが、この方を配置いたしまして、緊急保護の促進あるいは在宅療育の指導等総合的なサービスを行い調整していく、こういうものでございまして、本年度の新規事業ということで二十カ所を拠点施設として指定しておるわけでございます。これは在宅障害児者にとってこれまで必ずしも利用しやすいものではなかった施設を利用しやすくする、在宅福祉を推進するということで極めて重要な施策であると私ども受けとめておりまして、今後その充実に努めてまいる所存でございます。 また、御指摘の中で心身障害児通園施設機能充実モデル事業、これを今後どのように充実させていくのかということでございますが、これにつきましても本年度からの新規事業として三カ所の通園施設においてモデル的に実施しているものでございますが、御指摘のように、この事業は障害の多様な状況に対応した早期療育を行う観点から、また、心身障害児の早期療育による障害の軽減を図る観点からも大変重要な施策であると私ども受けとめておりまして、今後その充実に努めてまいりたい、こう考えております。 さらに、精神薄弱者のグループホーム、これは精神薄弱者地域生活援助事業というふうに言っておるわけでございますけれども、一般の住宅地の中のアパートとかマンション等におきまして共同生活を営む数人の方々に対しまして、食事の提供とか金銭の管理、健康管理等の援助を行うものでございまして、これは平成元年度百カ所を設け、さらに二年度において二百カ所を計上し確保したわけでございますが、これは大変評判のいい事業でございまして、私どもはさらに充実を図ってまいりたい、かように考えているわけでございます。
○貝沼委員 さらに充実を図ってまいりたいというのは大変結構だと思いますが、特に、例えばグループホームの拡充につきましても平成三年には二百カ所のところを三百カ所くらいにしてもらいたいという要望がございます。それから心身障害児者地域療育拠点施設事業、これは先ほどお話がありましたように二十カ所のところをさらに十カ所くらいふやしてもらいたいと言っております。それから心身障害児通園施設機能充実モデル事業、これは三年度においては十カ所くらい増設してもらいたい。そして通勤寮「地域生活援助センター事業(仮称)」と書いてありますが、この新設、これをぜひお願いしたい、こういうふうに要望が出ておるわけでありますが、大体これくらいの方向で頑張るということなんでしょうか。
○古川政府委員 先生の方から数字が幾つか示されたわけでございますが、今概算要求の検討をしている、こういう段階でございますので、私ども数字として申し上げるわけにはまいりませんが、それぞれのニーズというものが相当ございますので、それに対応して充実を図ってまいりたい、こう考えておるわけでございます。 また、最後におっしゃいました、地域で生活している精神薄弱者のために地域生活援助センターというようなものができないか、新たにそういうものを考えられないかというようなことでございます。これについては、一人で生活している精神薄弱者の方々に対しまして、そういう方々が就労している、軽い方々だと思うのでございますけれども、そういう方々に対して対人関係や金銭管理等の必要な生活援助を行うような新しい仕組みをつくったらどうか、こういうようなことだと私ども理解するわけでございます。 精神薄弱者の方々は、何らかの形で日常生活を営む上での援助をすることによって自立の促進を図っていくということは極めて大切であろう、こう考えておるわけでございまして、御指摘の事業につきましては、大変御示唆に富むものであるというふうに考えておりますが、通勤寮とかあるいはグループホームとか、既存の事業との整合性あるいは必要性の度合い等を勘案して検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○貝沼委員 それでは時間が余りありませんので、例えばデイサービスセンターとか、これらを考える場合には、どうも基本的には中学校区ごと一カ所とかいうような考えがあるようにこの週刊社会保障には書いてありますね。そうだろうと思います。そうなってまいりますと、昔、子供が多い時代に使った場所を今お年寄りが多くなって使う、こういうことになってまいりますね。そうすると、主に学校になると思いますが、学校といろいろな保健施設とかいろいろな建物、あるいはそういう施設が複合的につくられなければならないというような問題がたくさん出てきておると思います。 しかし、その計画は地方自治体が立てるわけでありますが、この複合施設をつくる場合には、日本の行政は縦割りでありますので、その補助を出す場合に大変苦労しておるわけですね。入り口が二つとか、げた箱が二つとか、トイレがどうとか、そういうことで私も決算委員会で一度この複合施設のあり方について議論したことがございますけれども、大蔵省あたりは、きのうあたりいろいろずっと詰めてみますと、最終的にはその土地を持っておる人と、それからそれに今度は何かをつくろうとする、例えば厚生省であれば厚生省の姿勢というものが基本的に問題になるのであって、それがきちっとしておれば解決はするのではないかというような考え方でございました。したがって、これからそういう複合施設等がつくられていく場合、厚生大臣が乗り出してきちっとそれは責任を持ってさせますということがないと、地方自治体の計画は立てにくいという状況になってまいりますので、ここで確信ある御答弁をお願いしたいと思います。
○津島国務大臣 私が福祉の現場をいろいろ見て回りまして、都会で最大の問題は、やはり土地の高騰と土地不足であるということが当然のことながらわかってまいりました。そういう中で福祉施設をつくっていくためには、今委員の御指摘のとおり貴重な公共用地を複合的に使わせていただく以外にないと確信をしております。そういう動きが非常に盛んになってきたと見られることは大変うれしいと思っておりますが、まだ不十分でございます。 そこで、私も土地問題の閣僚会議でもこの点について特に触れて各閣僚の御協力をお願いしたわけでございますが、これからも福祉のためにほかのお役所も御協力をいただけるように全力を挙げて努力をしてまいりたいと思います。委員におかれましても、これまでいろいろな面で大変お力添えをいただいておりますけれども、今のような声を大いに起こしていただいて、御支援を賜りますようにお願い申し上げます。
○貝沼委員 終わります。
○畑委員長 児玉健次君。
○児玉委員 ごく短い時間で四つ端的に伺いたいので、ずばりお答えいただきたいと思います。 人材確保のための待遇の問題です。 全国福祉保育労組の調査によれば、昨年の春闘の結果ですが、民間の福祉施設で働く労働者は全産業の労働者に比べて短大卒以上の女子で約三万円、大卒男子で約五万の給与格差がある。そこで、九〇年度予算に組み込まれている措置費内非常勤人件費単価、一時間当たりですが、保母さんで時間給六百四十四円、そして調理員で五百六円ということになっております。ここのところの改善が急務ではないかと思いますが、いかがです
○長尾政府委員 措置費の人件費でございますが、これは原則といたしまして国家公務員の給与等に準じて定めておるところでございまして、そのベースアップ状況を見まして、今お話しの非常勤の単価につきましても改善を図ってきておるものでございます。
○児玉委員 その点の努力を求めます。 次に、在宅介護を受ける方々の問題ですが、一九八二年に厚生省は家庭奉仕員派遣事業運営要綱を改定されました。対象を拡大されて、同時に有料制を導入した。 日本生命済生会が「地域福祉研究」というのを出しています。そのナンバー十六、一九八八年、倉敷でホームヘルパーをなさっている河田千春さんという方が「ホームヘルプ制度の有料化をめぐって」という非常に興味深い文章をお書きになっています。それを拝見しますと、倉敷市では一九八三年の七月に有料化実施に際して在宅介護の申請を一たん白紙に戻して新たな申請を募った。それまで申請は二百三十二ケースだったそうですが、有料化再申請で百九十六ケースに減少した。在宅介護を最も必要とする老人の分野で三十一ケース減、これは二八%です。重症心身障害児で十一ケース減、これは三一%減です。新規の申し入れはわずか三ケースであった。以後、倉敷市では百八十ないし百九十ケースで今日まで推移している。それで、河田さんはこうおっしゃるのです。有料制度になって、介護を求めているのだけれども、お金を出してまでという人たちを説得できない。それから、原則週二回、一回二時間、これではこれまでヘルパーと介護者との間にあった「一見無目的な雑談」、河田さんはこうおっしゃるのですね、「一見無目的な雑談の中から本人自身も気付いていないニーズを意識化させる技術、顕在化したニーズを実現するための方途」これらが一回二時間ではとても及びがつかなくなった。そして河田さんは、とりわけ重症心身障害児世帯についていえば、これまで所得の枠を超えた派遣が行われていたが、それを再現すべきではないか、どうしても必要だという場合は所得に関係なく無料で在宅介護を送るこの制度を復活させてほしい、こう言われているのですが、この声にこたえる必要がありはしないか。いかがですか。
○岡光政府委員 御指摘のように昭和五十七年から範囲を拡大したわけでございます。これは従来所得税非課税世帯のみを対象にしていたわけでございますが、居宅で介護を必要とする世帯というのはすべての世帯ではないかということで、所得税課税世帯についても拡大をしたわけでございます。その際に、所得税課税世帯については負担能力に応じて費用負担制度を導入したわけでございまして、この費用負担導入後も所得税非課税の世帯は従来どおり無料で利用できるということについては変わりがないわけでございます。 それから、私どもが把握をしております実績の数字で申し上げますと、例えば家庭奉仕員を派遣しました総世帯数は昭和五十七年で八万七千六百件余りでございますが、これは五十八年は八万九千八百件余りと、これは逐年増加しておりまして、減少しているというようなことはございません。それから、一回当たりの時間につきましても、二時間というケースもあるかもしれませんが、これはそれぞれの市町村でまちまちでございまして、三時間のところもありますれば四時間というところもあるわけでございまして、これは一応原則としてセットしておりますが、それぞれの相手方の必要性に応じて適宜長くするというふうなことも考えられて弾力的に対応しているはずでございます。
○児玉委員 その点はこの後また議論することにしまして、次に、自治体の超過負担の問題です。 札幌市の九〇年度予算を例にとりましたら、家庭奉仕事業、総事業費は一億七千百二十八万九千円、国の補助は五千八百十七万円、三四%です。デイサービス、総事業費が一億五千九百三十二万、国の補助は六千六百五十四万、四二%。ショートステイの場合、総事業費千二百五十三万、国の補助五百六十一万、四五%。ここのところが地方自治体の財政を圧迫させ、放置すれば福祉の地方格差を生み出すことになるのではないか、この点の改善が急務だと思いますが、いかがですか。
○岡光政府委員 いわゆる在宅三本柱の事業につきましては、その円滑な実施のために必要な補助をするということで補助単価を設定をしているわけでございます。その補助単価の改善につきましては従来から改善に努めてきているところでございます。 ホームヘルプサービスの補助単価につきまして考えてみますと、今後ホームヘルプサービスの提供をどういう格好で行うのかということが実は問題になるわけでございます。私どもは市町村における実情をよく踏んまえまして、その実情に対応した多様な勤務形態でホームヘルパーの確保を図っていくということが必要ではないかと考えておりますが、多様な勤務形態を前提にした場合の補助の対応ぶりとしましては、やはり現在のような手当ての形態をとっていくということであるべきではないだろうか、こう考えております。そういう意味では私ども、それぞれ手当て額につきましてその必要な改善措置を講じてきておりますし、これからも講じたいと思っております。 また、ショートステイやデイサービスにつきましても、これまで補助単価の引き上げに努めてまいりましたけれども、特にデイサービスにつきましては、利用者の心身の状況に応じまして三種類に区分をいたしました。特に重介護型につきましては、従来の運営費を大幅に上げまして五割増しというふうな単価設定もしたわけでございまして、そういった運営実態、その状況をよく踏んまえながら、その形態に対応した改善を今後とも図ってまいりたいと思います。
○児玉委員 では、最後の御質問ですが、今回新たに提起された視聴覚障害者情報提供施設、障害を持つ方々の強い期待を集めております。 先日、札幌市の障害者団体の方から私はこの施設を札幌で設置するということについての強い要望を受けました。これらの要望、地方自治体や関係団体の要望、それに厚生省は積極的に対応すべきだと思いますが、今後の予算作業でどのように具体化されるのか、伺いたいと思います。
○長尾政府委員 今回の法律改正で音声情報を取得することが困難な聴覚障害者のための字幕とか手話等が入ったビデオテープ等を貸し出すライブラリー事業、それから手話通訳サービス、コミュニケーション機器を提供する施設などを視聴覚障害者情報提供施設として法律上に位置づけたわけでございます。 この施設につきましては、今先生お話しのように、こういったものを今後つくっていきたいという御要望があるというのは大変ありがたいお話だと思っておりますが、具体的には今後、もう少しこの内容の充実を考えるということにつきまして検討させていただきたいと思っております。
○児玉委員 終わります。
○畑委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 ─────────────
○畑委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 老人福祉法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○畑委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○畑委員長 この際、本案に対し、持永和見君外五名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合の六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。永井孝信君。
○永井委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 老人福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。 一 市町村における実施体制を確保するため、地方交付税等による十分な措置を講ずること。 二 老人等がねたきりになるのを防ぐとともに、在宅及び施設における適切なサービスを確保するため、介護、看護及びリハビリテーション関係従事者の処遇の改善等マンパワーの確保につき万全の策を講ずること。 三 老人保健福祉計画の策定に当たっては、保健福祉サービスの利用者の意見が反映されるよう配慮すること。 四 重度痴呆の老人に対する施設対策、痴呆性疾患に係る研究の推進等の介護する家族の負担軽減対策の充実を早急に図ること。 五 在宅福祉サービスと保健、医療、住宅、教育等に関する施策との連携をとり、老人等が、できるかぎり地域において、自立した生活を営むことができるよう努めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○畑委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 持永和見君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○畑委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。津島厚生大臣。
○津島国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力をいたす所存でございます。 ─────────────
○畑委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○畑委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ────◇─────
○畑委員長 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 優生保護法の一部を改正する法律案の起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から簡単に御説明申し上げます。 本案は、都道府県知事の指定を受けて受胎調節の実地指導を行う者が受胎調節のために必要な医薬品を販売することができる期間を、平成七年七月三十一日まで時限措置として、五年間延長しようとするものであります。 あわせて近年の出生率の低下等児童を取り巻く環境が大きく変化している状況を踏まえ、二十一世紀を担う児童が健やかに生まれ、育つための環境づくりの対策を積極的に推進していく必要があるものと考えております。 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。 ───────────── 優生保護法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○畑委員長 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております草案を優生保護法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○畑委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○畑委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十一分休憩 ────◇───── 午後一時九分開議
○畑委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂井隆憲君。
○坂井(隆)委員 食鳥検査法について質問いたしたいと思います。 まず、食鳥検査法、今回私も非常に高く評価しているわけでありますけれども、この検査の導入に当たって獣医師が非常に重要になってくると思いますが、一体獣医師の確保は大丈夫だろうかという心配があるわけであります。したがって、我が国の場合に獣医師は今一体何名くらいいるのだろうかという基礎的なことについて教えていただきたい。そしてまた、毎年何名ほどの者が新規に獣医師になっているのか、その点についてもお聞かせ願いたいと思います。それからさらに、今まで獣医師といえば牛とか豚とか馬とかそういうものを主な職務の対象としていたと思いますが、今回、食鳥検査制度の導入に当たりまして、例えば大学で、獣医学部などでも教育システムに再検討を加えたり、あるいは獣医師の資格を取った者に対して再教育したりする必要があるのではないか、そういうふうに思うわけであります。その点について御答弁いただければと思います。
○石井説明員 お答えいたします。 我が国の獣医師につきましては、獣医師法に基づきまして二年に一回農林水産大臣に主たる業務を報告することになっております。この届け出によります状況を見てみますと、昭和六十三年末現在におきます我が国の獣医師の届け出数は約二万七千名となっております。この内訳を見てみますと、地方公共団体で公衆衛生関係に従事する者は約四千八百名、農林畜産関係に従事する者は約三千七百名、牛馬、豚、鶏等の産業動物の一般診療に従事する者は約五千八百名となっております。また新規に獣医師免許を取得する者は年間約千名前後でございます。 それから、獣医師の卒業後の教育についてでございますが、獣医学も日進月歩しております。したがいまして、新しい技術、知識を習得させるということは我々も重要であると考えております。したがいまして、農林水産省といたしましては、都道府県の家畜保健所の職員に対して国の研究機関において毎年定期的に各家畜ごとに技術講習会を実施しているところであります。また家畜保健所におきましても、管内の民間獣医師を対象に適時講習会を行っているところであります。さらに日本獣医師会におきましては、技術研修会や学会等を開催し、最近の知識、技術の普及が行われているところでありまして、今後ともこれらの研修会等の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○草原説明員 大学における獣医学部の教育についてお答えいたします。 獣医学の教育に対しては、近年の畜産の発展あるいは公衆衛生の向上等によりまして、新しい社会的な要請が寄せられているということは御指摘のとおりでございます。文部省としてはこれにこたえるために、昭和五十八年に学校教育法の一部を改正いたしまして、大学における獣医学部の修業年限を昭和五十九年度の入学者からそれまでの四年間を六年間に延長することといたしました。さらに、これに伴いまして大学院の博士課程についても、この学部における六年一貫教育の最初の卒業生が出てまいりました本年度から従来の三年間の修業年限を四年間に延長いたしまして、教育内容の充実を図っているところでございます。獣医学の教育は大動物から小動物まで幅広く対象にいたしておりますし、また、その教育内容についても獣医学の基礎から臨床及び応用に至るまで幅広い分野にわたっております。文部省としては、これらの近年の新しい社会的な要請にこたえる獣医学教育をこれからも推進していくために、なお一層努力を続けてまいりたいと思っております。
○坂井(隆)委員 獣医師の現状についてはよくわかりましたけれども、我が国のこれからの食鳥肉の生産量あるいは今後の需要動向を考えた場合には、現在の獣医師自身も不足しているんじゃないか、あるいは地域的にいろいろな獣医師の数のアンバランスもあると思いますが、不足してくるところがあるんじゃないか、そういう点についてもお教えいただければと思います。 さらに、食鳥検査を今度導入するに当たりまして、獣医師の現状はわかりましたけれども、一体、一人の獣医師当たりに検査というものは大体何羽くらいできるのか、そういう点についてもお教えいただければと思います。
○目黒政府委員 食鳥の疾病検査に要します食鳥検査員というのがございますが、この食鳥処理衛生管理者を活用いたしまして、あるいはまた指定検査機関制度を導入する等の措置を講じてまいりまして、必要な検査員の確保は可能と私どもは考えているのでございます。また、食鳥検査法の円滑な施行を図るという観点から、今後私どもは都道府県とも十分協議をしながらその確保に努力してまいりたい、このように考えている次第でございます。 また、この食鳥肉の検査におきまして、獣医師一人当たり何羽の検査ができるのかという点でございますが、食鳥の検査の方法は、各処理ラインごとに配置されております食鳥処理衛生管理者を活用いたしまして異常の有無を確認いたしまして、異常のある食鳥屠体につきまして、食鳥検査員が疾病の診断を行うということになっているのでございます。したがいまして、基本的には一食鳥処理施設に最低一名の食鳥検査員を配置すれば足りると考えておるのでございます。仮に当該施設で一処理ラインのスピードが一分間に七十羽処理するといたしまして、一日五時間稼働するといたしますれば、一ラインにつき一日当たり二万一千羽の食鳥の検査が実施できるということでございます。
○坂井(隆)委員 アメリカでは法律で全羽の検査を義務づけていると聞いております。その場合に、連邦農務省が検査作業を行ってその費用を負担していたということですから、連邦政府の財政赤字の中で非常に経費の節減に苦慮したと聞いておりますが、我が国の場合には、食鳥処理場に食鳥の検査員を派遣して、その監視のもとに食鳥処理衛生管理者を置いて疾病の検査をする、あるいはまた指定検査機関に検査委任ができるようにするということですから、アメリカのような国の財政負担に大きな影響を与えるということはないと思いますけれども、それを考えました場合には、やはり食鳥検査員、獣医師とか食鳥処理衛生管理者などの講習会、研修会、そういうものの経費とかについては政府としても当然予算措置をしたり何らかの政策的な手当てが必要ではないかと思います。この点についてはぜひ大臣からも御回答いただければと思います。
○津島国務大臣 食鳥検査を適正に実施していくためには、教育訓練、研修等が必要でございます。この教育訓練及び研修会に要する費用につきましては、この食鳥検査法の円滑な施行を図る観点から必要な予算を計上しておるところでございますが、今後とも本制度の定着に必要な措置については予算面でも着実に努力を払ってまいる所存でございます。
○坂井(隆)委員 次に、食鳥の解体に関してですけれども、食鳥の場合には解体して生肉、ささみ、それから骨つき肉等を採取する場合には今二つの方法が行われていると聞いております。一つが放血、脱羽、中抜き、洗鳥、冷却後に解体する中抜き解体方式というものと、放血、脱羽、洗鳥、冷却後内臓が入ったまま屠体から生肉、ささみ、骨つき肉等をはぎ取っていく屠体解体方式であるというふうに伺っておりますが、現在の処理場は大体七〇から八〇%が屠体解体方式をとっていると聞いております。今回の法案では、内臓検査に合格した後でなければ屠体解体はできないということになっておりますから、我が国の大部分の処理場は中抜き解体方式に設備を改造しなければいけないということになるかと思います。その場合には民間の企業にも膨大な資金を必要とするのではないか、そういうおそれがあるものですから、ぜひ補助金とかあるいは融資の面などで政策的な措置が必要ではないかと思うわけであります。この点についてもぜひ大臣の所見を伺いたいと思います。
○津島国務大臣 食鳥肉の安全性確保を目的とした今回の法律制定でございますが、その結果として食鳥処理施設の改善が必要になると思われます。その場合に、可能な限り処理業者に経済的な負担とならないような配慮は当然必要であろうと思います。御指摘の政策措置につきましては、食鳥検査法の円滑な実施を図る観点からも、現在の補助、融資制度の活用を含め、関係各省庁とも十分協議しつつ対処してまいりたいと思います。 なお、必要とあれば政府委員からさらに詳細を答弁させます。
○目黒政府委員 具体的なことでございますが、現在、畜産振興事業団等の農林水産省関係の団体におきまして、食鳥処理業者に対する補助制度を設けているのでございます。また、食鳥処理業に対します融資といたしましては、中小企業金融公庫、国民金融公庫等の制度がございます。さらに、貸し付け条件の優遇措置につきまして関係省庁にその検討方を要請してまいりたい、このように考えているところでございます。
○坂井(隆)委員 次に、昨年のブロイラーの出荷で見ますと、鹿児島県で一億三千九百六十万羽、次いで宮崎県の一億一千六百九十七万羽、合わせて全体の三四%余りに達しているわけでありまして、私の地元、佐賀県でいえば千八百八十八万羽ということです。県によってはもっと少ないところがありまして、広島県などでは五百三十四万羽と聞いております。そうしますと、各県で検査手数料も異なってくることが十分考えられることになります。出荷数が少ないところは手数料だけでは検査機関の運営ができないのじゃないかというおそれがありますし、また、各県で手数料が異なってくれば競争力などで格差ができる、そういう意味で種々問題が起こると考えられますが、この点についてはどのように対処されるつもりでありますか、お聞かせいただきたいと思います。
○目黒政府委員 御指摘の検査手数料の額でございますが、これにつきましては実費を勘案をいたしまして、政令で上限をまず規定いたしまして、その範囲内で各都道府県知事あるいは保健所を設置しております市長が実際の額を定めるということにいたしておるのでございます。したがいまして、私ども、御指摘のような問題は生じないと考えているのでございます。また、政令で定める額につきましては、実費を調査する必要がございまして、現時点では正確な金額を示すことはちょっと私どもできないのでございますが、おおむね一羽当たり数円の範囲内にとどまるものと思われますので、都道府県でそれほど大きく異なることはないのではないかと考えているのでございます。
○坂井(隆)委員 昭和六十二年に食鳥検査制度検討委員会というものが設けられておりまして、その報告書も今回読ましていただきました。その報告書によりますと、抗菌性物質等が残留している食鳥肉を排除できる食鳥処理施設における検査、これについては強化する必要があるとうたっているわけでありまして、今回の食鳥検査法を見ますと、食品衛生法で抗菌性物質の残留を禁止しているということから、抗菌性物質の問題については検査制度の枠外としているわけでありまして、これは私の地元の人たちの話を聞いても、実質的に検査制度の骨抜きになっているのではないかという批判があるわけであります。せっかくこのような答申もあった、今回食鳥検査制度をつくるということから考えてみれば、非常に私としても残念でたまらないということですけれども、この点について御意見を聞かしていただきたいと思います。
○目黒政府委員 残留抗菌性物質の検査の件でございます。食鳥肉に残留いたします抗菌性物質等の残留物質対策につきましては、牛や豚と同じように、現行の食品衛生法によりまして対応をいたしているのでございます。したがいまして、今回の法案には盛り込まなかったものでございます。しかしながら、昭和六十二年の食鳥検査制度の検討委員会報告書で抗菌性物質等の残留物質対策の重要性ということについて指摘をいただいているのでございます。食鳥肉の衛生確保の観点からその必要性は私ども十分認識しておりまして、今後農林水産省とも連携を密にいたしまして、牛、豚等を含めましてより実効性のある対策について検討、実施してまいりたい、このように考えているところでございます。
○坂井(隆)委員 次に、今回の検査制度を見てみますと、ちょうど三十万羽以下の小規模の食鳥処理業者に関しては食鳥検査を要しないということになっております。この点についても、先ほど申し上げました食鳥検査制度検討委員会の報告書をよく読んでみますと、食鳥肉として流通するものに衛生上の差が生ずることになる、したがって、そのような例外を設けるのは適当でないという趣旨の報告書になっているわけであります。この点についても、今回どうしてこのような小規模の業者に関して例外規定を設けたのか、お教えいただきたいと思います。
○目黒政府委員 食鳥制度の検討委員会の報告書におきましては、御指摘のような記述があるのでございます。しかしながら、また他面小規模な食鳥処理施設につきましては、検査の方法やあるいは施設設備の基準等につきまして十分配慮し検査制度が円滑に施行されるようにすることとしているのでございます。これらの報告書の指摘も踏まえまして、検査制度のあり方を検討いたしました結果、小規模の食鳥処理業者に対しましては、都道府県知事に対します報告あるいは都道府県の検査員によります巡回指導等、食鳥肉の安全と衛生の確保措置を前提といたしておりまして、食鳥処理衛生管理者に異常のものの確認を行わせるというようにいたしておるのでございます。これらの措置によりまして、小規模の食鳥処理施設におきましても衛生上特段の問題は生じないと考えているのでございます。
○坂井(隆)委員 いろいろと御質問いたしましたけれども、ちょうど我が国ではグルメブームの中で食生活の多様化、健康志向ということでブロイラー等の食鳥肉の消費量が年々増大しております。私も今回、食鳥肉検査制度の導入に当たって地元の食鳥業者あるいは経済連あるいは獣医師の人たちからいろいろな御意見を聞きましたけれども、この制度の導入自体については非常に高く評価されているところであります。日本食鳥協会調査というものを見ますと、例えば鶏肉について言えば、安くて低カロリーで健康によいというイメージが高くて、今後とも鶏の消費量が増大していくと思われるわけであります。また、諸外国では食鳥肉の検査制度があるにもかかわらず、我が国には検査制度がなかったということですから、私も非常に高く評価しているものですから、先ほども私の質問の中で申し上げましたように、獣医師の確保あるいは研修会や講習会の予算あるいは設備改造の融資だとか補助金制度、こういう点について十分配慮されることを心から希望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 本当にどうもありがとうございました。
○畑委員長 沖田正人君。
○沖田委員 食鳥検査法が提案をされたことについては敬意を表したいと思いますけれども、しかし、なぜ一体今日まで放置されていたのだろうか、こういう疑問がまず第一に出てきたわけであります。 いろいろ論議をお伺いしておりますから、深くは追及をすることを避けたいと思いますけれども、しかし、ブラジルで一九五二年、直近ではタイで一九八一年、ハンガリーで一九八二年にそれぞれ制定されていることは御案内のとおりであります。近年需要が急速に拡大をされたと言われますけれども、なぜ一体おくれたのだろうかという疑問をどうぞひとつ解明をしていただきたい、このように思います。
○目黒政府委員 我が国におきましては、食鳥の大量の生産が行われるようになりましたのは昭和四十年以降でございます。それ以前は農家の庭先での小規模な飼育が中心であったために、食鳥検査制度の必要性が総体的に乏しかったというのでございます。 その後、この食鳥の生体処理の量が百万トンに達しました昭和五十三年度には食鳥処理加工指導要綱を定めまして、食鳥処理業者に対しまして、疾病罹患食鳥肉を排除するための、一羽一羽全羽の自主検査をするように指導をいたしました。また同時に、都道府県の食品衛生監視員を対象に毎年講習会を開催するなどいたしまして、疾病罹患の鳥の排除に努めてきたのでございます。 しかしながら、食鳥処理場が大規模化いたしまして、処理量が当時の二倍に達しますとともに、その流通が非常に広域化いたしました今日、その指導要綱の実効が上がっていないのが現状でございます。したがって、このために、食鳥検査制度の検討委員会の報告に基づきまして、食鳥検査制度を法制化する必要があると考えまして本法案を提出した次第でございます。
○沖田委員 では伺いたいと思いますが、検査制度が余り必要がないと思われていたようでありますけれども、それでは一体食中毒などの集団発生等が出ていなかったのだろうか。カンピロバクター食中毒などにおける被害というものが幾つか大型に出ていると思うのですが、どうぞひとつ、その点について過去三年間にわたる先例等についてお話をいただきたいし、発生しているにもかかわらずつくらなかったということについて、もう一度ひとつ明らかにしていただきたい、こう思います。
○目黒政府委員 過去三年間の食中毒菌によります食中毒件数、これは、総数が昭和六十二年で八百四十件、それから昭和六十三年が七百二十四件、平成元年九百二十七件、このうち明らかに食鳥肉を原因といたしますものは、昭和六十二年に十八件、昭和六十三年に十二件、平成元年十件となっているのでございます。 また、具体的な食中毒例のうち食鳥肉に起因する主なものにつきましては、六十二年の十月に群馬県の中学校の給食の事件、あるいは六十三年五月の神奈川県でのバーベキュー用の鳥肉によりますもの、あるいは六十三年の七月に山口県の小学校の給食で出ましたものによるもの等があるのでございます。 これらの食中毒の件数並びに先ほど御説明申し上げました急速な量の伸び、それから指導要綱等を流してなかなか実効が上がらない、私ども当然この中毒を予防しなければいけないという観点から努力をしてきたわけでございますけれども、いろいろな手だてを尽くしてやはり法制化ということで、委員会の報告書に基づきまして法制定に踏み切ったわけでございます。
○沖田委員 私のこの提出願った資料に基づきましても、昭和五十七年六月にも宮崎県の千九十六名のカンピロバクター食中毒も記載されている、こう思うわけでありますけれども、ともあれ、こうなった以上はできるだけきちっとした法律の実施体制というものをつくっていただきたいと思うわけであります。 そこで、食鳥検査員などが具体的にセットされていくわけでありますけれども、現在、牛とか豚とかそういうものの屠畜検査制度が果たして十分だろうか、つまり現在でも不足しているのじゃないだろうか、このように心配をしなければなりません。したがって、全国的な、都道府県別に見てその体制というものは一体どうなっているのだろうか。このことをひとつ御説明をいただきたいと思います。
○目黒政府委員 屠畜場におきます検査員の状況でございますが、屠畜場の数が平成元年末で、一般屠畜場が三百八十、簡易屠畜場が二十九、計四百九施設がございます。この屠畜検査員の発令数でございますが、平成元年末で二千二百七十八名、うち専任九百四十三名、兼務が千三百三十五名ということでございまして、この千三百三十五名は主として屠畜検査に従事している兼務者六百八名が含まれているのでございます。また、都道府県のうち全く専任を置いていない県が十県ある、こういったような状況でございます。
○沖田委員 そういう状況の中で、本法案によって検査の対象となる施設数と、用意をしなければならない検査員及び職員の数というものは一体何人ぐらい必要と考えておられるのか、このことを伺いたいと思います。
○目黒政府委員 平成二年三月に厚生省が行いました調査によりますれば、鶏、アヒル、七面鳥の処理を行っております施設数は全国で三千五百三十八カ所ございます。このうち年間処理羽数が三十万羽を超えておりますものが三百二施設、それから三十万羽以下のものが三千二百三十六施設ございます。また、公的検査の対象となっております施設は年間処理羽数三十万羽を超えるものを予定しておりまして、全国で先ほどの三百二施設でございまして、各施設一名の検査員が必要であると考えております。平成四年四月に約三百名程度の獣医師が必要となる、このように考えているのでございます。
○沖田委員 屠畜の検査員の配置も必ずしも十分ではない現状だと思いますけれども、本法案の成立によって検査員の確保というものは一体十分だろうか、また、十分に検査が行えるかどうか、その心配がありますので、所見を伺いたいと思います。
○目黒政府委員 本法におきますこの食鳥の疾病検査でございますが、食鳥衛生管理者の活用等によりまして必要な検査員、獣医師の数は約三百名、各都道府県市平均三・八名程度でございます。また、都道府県市によりましては、必要な獣医師の確保が困難な場合も考えられますから、指定検査機関制度を導入いたしておるのでございます。 このようなこと等の措置を講じておりまして、必要な検査員の確保は可能と考えておるのでございますが、今後とも十分な検査が行えるよう努力をしてまいりたい、このように思っている次第でございます。
○沖田委員 遅まきながら消費者にとりましても歓迎をいたしたい法律だと思いますけれども、厚生省としても各県といたしましても、制度の充実に向かって格段の取り組みをお願いをしなければなりませんが、同時にまた、制度の充実をお願いするにいたしましても、余りにも短期間の間に施設の整備なり要員の確保なりというものが迫られるわけでありますから、体制が充実される間、過重労働にならぬように適切な御指導をお願いいたしたいと思いますが、この点についてお伺いしておきたいと思います。
○目黒政府委員 先ほど来お答え申し上げております状況でございますが、御指摘の点も踏まえまして、私どもそのようなことがないように十分配慮してまいりたい、このように思っておる次第でございます。
○沖田委員 食鳥解体の方法でございますが、丸屠体の外はぎ方法と機械による中抜き解体法とがあると伺っておりますけれども、食中毒を引き起こすカンピロバクターやサルモネラ菌などの食鳥肉に対する汚染の発生率はどちらが高いと考えられますか。
○目黒政府委員 食鳥肉の解体方法、御指摘のように専門店におきます丸屠体の外はぎと、それから大量販売店における機械による中抜き解体とがあるのでございますが、腸内細菌でございますカンピロバクター等の食中毒細菌によります食鳥肉の汚染を防止いたしますためには、処理方法の違いというよりも、どのようにして衛生的に処理しているかということの方が有効でございまして、どちらの処理方法が汚染率が高いかということは一概には判断できないと考えているのでございます。
○沖田委員 いろいろ中毒の発生というものが、報告されているだけでも幾つかあるわけでありますけれども、報告されていない実態も相当多数あるだろうと思います。したがって、この法律が施行されましてから食中毒の件数がほとんど皆無に限りなく近づきますように、施設の改善や、さらには技術の改善などについて具体的に指導を強化していただきたいと思いますが、もう一度ひとつこの点についての所見を伺いたいと思います。
○目黒政府委員 この食中毒細菌の汚染を防止するためには、最も効果的な方法といたしまして、衛生的な施設設備で衛生的な取り扱いを行うということでございます。このために、本法案では食鳥処理場の構造または設備について基準を定めております。また、食鳥処理場の管理及び食鳥肉等の衛生的な取り扱い等につきまして、衛生管理基準を定めておるのでございます。また、このほか、食鳥処理場ごとに衛生的な管理をさせるために、食鳥処理衛生管理者を置かせることといたしておるのでございます。これらの措置によりまして、食中毒細菌の汚染防止に努めてまいりたい、このように思っているのでございます。
○沖田委員 全国三十六の主要な養鶏道府県で組織いたしております養鶏安定対策推進全国協議会で、幾つかの要望なり献策をされているように仄聞をいたします。先ほども触れられましたけれども、いわゆる生産コストが検査手数料の設定によって上がることのないように、さらにはまた、食鳥検査制度に対応する施設や器具の設備が必要になってまいりますから、処理業者、とりわけ中小零細の業者と言われる方々の負担というものを避けてもらいたいとか、そういうことをいろいろ要望されていると思います。 同時にまた、検査手数料をできるだけ低く設定をしてもらいたいという要望が出ているように思いますが、どのように考えておられるか、また対応してこられたか、お伺いいたしたいと思います。
○目黒政府委員 検査手数料の件でございますが、先ほど申し上げましたような実費を勘案いたしまして上限を定め、それから、その範囲内で決めていくということをいたしておるのでございます。 また、この一羽当たり数円の範囲にとどまるといったようなこともございますので、この政令に定める額につきまして実費を調査する必要もございます。先ほど申し上げたとおりでございます。また、一羽のブロイラーが小売段階で幾らで販売されるかという計算が難しいのでございますが、おおよそ一羽当たり千円から千百円ぐらいと考えられておりますことから、消費者価格に与える影響は小さいのではなかろうかと思っているのでございます。それが検査手数料に関する点でございます。 また、この小規模の食鳥処理業者に対します指導、助成等についてでございます。この法案によりまして、小規模の食鳥処理業者には構造設備基準等に基づきます整備、あるいは衛生的な取り扱いや食鳥処理衛生管理者の設置が義務づけられております。また、都道府県知事が異常の有無の確認の結果報告を受け、あるいはまた食鳥検査員によります立入検査とか技術的助言等の行政措置を行うことにいたしておるのでございますが、こういうことによりまして衛生の確保をいたしますと同時に、この際この小規模の処理業者について経済的に過重な負担を強いることがないように、設備構造基準等について十分配慮することといたしておるのでございます。 構造設備等の改善を行う必要が生じます場合には、食鳥検査法の円滑な実施を図る観点から、食鳥処理業者に対します助成、融資等について関係省庁とも十分協議をしつつ対処してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○沖田委員 業者に対する指導や助成を十分にお願いいたしたいと思います。 残留抗菌性物質の問題について私もお伺いいたしたいと思うわけでありますけれども、食鳥検査制度検討委員会の中間報告で数々の指摘があったわけであります。食品衛生法第七条に規定された食品は、抗生物質を含有してはならないとされております。また、食肉食鳥卵及び魚介類は、抗生物質の化学的合成品たる抗菌性物質を含有してはならない、そのように法律は規定をされているわけでありますけれども、実際は含有している実例というものがいろいろ報告をされているわけであります。この食鳥検査法案の中に残留抗菌性物質の項目というものをなぜ入れておられないのか、もう一度きちっとお伺いいたしたいと思います。
○目黒政府委員 食鳥肉に残留をいたします抗菌性物質等の残留物質対策につきましては、牛や豚と同様、現行の食品衛生法によりまして対応いたしておるのでございます。このため、今回の法案には盛り込まなかったものでございます。しかしながら、検討委員会報告書の中で抗菌性物質等の残留物質対策の重要性について指摘をいたしておりますように、食鳥肉の衛生確保という観点からこの必要性は十分認識いたしておりまして、今後農林水産省とも連携を密にいたしまして、牛、豚等含めてより実効性のある対策について検討を実施してまいりたい、このように考えておるのでございます。
○沖田委員 どうも答弁が少し弱いように聞こえてなりません。せっかくこの点については、ひとつ努力を進めていただきたいと思います。 問題は、なぜ一体残留抗菌性物質が検出をされるのか。農業六法におけるところの飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律、いわゆるえさ法の中で禁止されているわけでありますけれども、飼料添加物、抗菌性物質、成長促進剤などの扱いについて一体どのように考えておられるのか。これは禁止しているんだ、こう言われるけれども、実態はやはり幾つか事例があるわけでありますから、所見を伺いたいと思います。同時にまた、このような抗菌性物質、飼料添加物、成長促進剤、こういうものが人体に与える影響というものについては、厚生省は一体どのようにお考えなのか、お伺いいたしたいと思います。
○川上説明員 飼料行政におきます飼料添加物の取り扱いでございますけれども、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づきまして、農業資材審議会におきます審議の結果、その安全性等が十分に確認されたもののみを飼料添加物に指定するとともに、既に指定いたしました添加物につきましても最新の科学的知見に基づきまして見直しを行っているところでございます。特に抗菌性の飼料添加物の指定に当たりましては、その畜産物への残留可能性につきまして慎重に審議し、指定する場合におきましても食品衛生法上の規制が充足されるよう飼料中の含有量等の規格を設定するとともに、肥飼料検査所によります飼料工場への立入検査を通じて当該規格の徹底を図っているところでございます。また、抗菌性飼料添加物を含みます飼料につきましては、食用に供する目的で屠殺する前七日以降は使用が禁止されておりまして、都道府県を通じ、農家等に対しその遵守を指導しているところでございます。
○沖田委員 時間がありませんから少し省きますけれども、ともあれ、食鳥肉の需要が急速に増大をしておりますが、過去三年間の輸入量についてお尋ねをいたしたいと思いますが、主要な輸出国は第一、第二、第三、ボリュームでひとつ説明をしていただきたいと思いますが、同時にまた、残留抗菌性物質を含んだ輸入食鳥肉を廃棄した事例がどの程度あるのか、このことをあわせてお伺いいたしたい。
○中須説明員 前段の輸入数量につきましてお答え申し上げます。 六十二、六十三、元年度と三カ年にわたりまして総量で申し上げますと、鶏肉の輸入量は六十二年度が二十万七千トン、六十三年度が二十六万三千トン、元年度が二十八万六千トンということになってございます。主要な国別に申し上げますと、六十二年度は第一位がタイでございまして八万五千トン、第二位が米国で八万三千トン、第三位がブラジルで二万三千トン、さらに六十三年度は第一位がアメリカでございまして十一万九千トン、第二位がタイで七万九千トン、第三位がブラジルで三万四千トン、さらに元年度は第一位がアメリカで十万六千トン、第二位がタイで九万五千トン、第三位がブラジルで四万四千トン、こういうようなことになっております。大体この上位三カ国で輸入量の約八割を占める、このような形になっております。
○目黒政府委員 後段の廃棄された件数等でございますが、六十二年から平成元年までの三年間に四万三千件の輸入がございましたが、このうち一万五千件、約十七方トンについて検査を実施いたしまして二十八件、約五百三十トンの違反を発見いたしました。二十八件中、抗菌性物質の残留が認められたものは二件、約八十トンでございました。残留が認められましたものは、先ほど申しましたように積み戻し、廃棄等の措置をいたしますとともに、相手国に対しまして残留原因の究明、それからその原因を排除する対策の実施を要請してまいったところでございます。
○沖田委員 残留農薬については一体どうでしょう。同じようにひとつ答えていただきたいと思います。日本では農薬は禁止されているけれども、諸外国ではポストハーベストなど、オーケーになっているところもあるわけでありますが、こういうことについても、一体残留農薬、この点についてどう考えておられるか、伺いたいと思います。
○目黒政府委員 六十二年から平成元年までの三年間に輸入時に発見されました食鳥肉の違反件数、残留農薬に関してでございますが、重量は二十八件五百三十トンでございますが、このうち農薬の暫定的基準値を超えたものは二十三件でございます。約四百四十トンでございます。検出されました農薬はDDT、ディルドリン、ヘプタクロルでございまして、これらは御指摘のとおり、現在我が国では農薬として製造、使用は禁止されているものでございます。残留が認められましたものにつきましては、積み戻しあるいは廃棄等の措置をとっておるのでございます。
○沖田委員 えさの問題は大変に恐ろしいわけであろうと思いますが、一つ関連をしてお伺いいたしますが、最近イギリスで発生いたしました狂牛病、人体にも影響があるのじゃないかと心配をされておりますが、一体日本にはこのイギリスから食用牛、肉牛として、または乳牛として、種牛等としてどの程度輸入をされておられるのか、お伺いをいたしたいと思いますが、この点、まずお願いをいたしたいと思います。 そして、スクレピーという病気になった羊の肉を牛に食べさせて、食べた牛が狂牛病になった、こう言われているようでありますけれども、本当にこんなことがあってはならないわけでありますけれども、このことについてどうお考えになっておられるか、お伺いをいたしたいと思います。同時にまた、この狂牛病というものは猫にも感染をする、こういうように聞いておりますが、所見を伺いたいと思います。
○石井説明員 お答えいたします。 英国は、悪性伝染病である口蹄疫の関係で、牛、羊の偶蹄類の動物の肉、臓器につきましては我が国には輸入を禁止されております。したがいまして、一切入るような仕組みにはなっておりません。 それから、生きた家畜につきましては輸入は可能でありますが、英国政府の方に過去五年以上本病のない農場由来である旨を証明したもののみを輸入することとしておりますが、近年、輸入の実績はございません。 綿羊につきましては、最近三年間で約三十頭の輸入がありますが、これは過去五年以上スクレピーの発生のない農場由来である旨の証明をつけて輸入をしたものでございます。 それから猫の件でございますが、そのような状況があるという報告は聞いておりますが、それが確定的なものであるかどうかというところにはまだ至っていないというような状況を私どもの方はつかんでおります。 以上でございます。
○沖田委員 三角貿易等でいわゆる食肉等の輸入の中でこういう心配はないだろうか、そういうことを想像したくないわけでありますけれども、この点についてどう考えておられるか。 それから、百十三国会で我が党の小川国彦議員から質問をされました、いわゆる新聞報道された病死牛肉の販売等についての問題が出ておりましたが、これについても結果的にはあいまいな形になっているんじゃなかろうかというふうに思いますと、今の狂牛病などの発生については非常に関心を持たざるを得ないわけでありますから、厚生省、農水省のチェックなどにおけるせっかくの努力をお願いいたしたいと思います。 それから、関連をしてもう一つお伺いをしたいのであります。最近マーケットには加工食品が多量、多数、多種にわたって販売をされているわけでありますけれども、中でもカット野菜、カットフルーツなど、多くの商品が販売されているわけであります。ところが、この商品などに対しましては検査に関する基準がないようでありますから、大腸菌が多数検出をされたり、さらには殺菌剤が多量に使われて、漂白剤などを含めまして、言うなればいろいろな問題点があると聞き及んでいるわけであります。この点について、食品衛生上の見地からどのように厚生省はお考えになっておられるか、見解を伺いたいと思います。
○目黒政府委員 切断をいたしまして容器に入れて販売する野菜、いわゆるカット野菜の衛生確保でございますが、厚生省といたしましてもその実態の把握等に努めておりますほか、都道府県においても監視指導を行っているところでございます。また、カット野菜の衛生水準の向上のためには、関係営業者の自主的な衛生管理意識の向上を図ることが重要であると考えております。そのために、関係業界によります自主基準の作成を指導いたしておりまして、現在その自主基準に基づいて衛生確保が行われているところでございます。 この自主基準の概要は、食中毒細菌あるいは細菌数の基準設定というのがございます。それから、同じく細菌数で大腸菌などの検査を実施する、あるいは殺菌剤使用の場合に残留のないように注意をする、あるいは保存の温度、五度Cを設定いたしておるのでございます。また、原料野菜の洗浄を励行するといったような自主基準に基づいて衛生確保が行われているのでございます。私ども厚生省といたしましては、その状況も見ながら、今後ともカット野菜の衛生水準の一層の向上に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○沖田委員 国内においても残留抗菌性物質が含まれている事例がいろいろ報告をされておりますし、国外からの輸入品につきましても報告されたような実例があるわけであります。抗菌性物質並びに残留農薬も発見されているわけであります。可能性の問題としては、人体、人命に非常に有害じゃないか、こういうふうに心配されることは当然でありますし、アメリカでは発がん性物質のゆえをもって使用を禁止している実例もあるわけでありますから、国民に対して安全な食品を提供する責任のある立場として、当然厚生省は十分に食品衛生安全管理の充実を図っていただかなければならぬと思います。 この食鳥検査法案に関連をいたしまして、食の問題について厚生大臣の決意をお伺いいたしたい。同時にまた、食鳥法の制度の充実、そして食品衛生法の充実強化などにつきましてもお考えをお伺いいたしたいと思います。
○津島国務大臣 ただいまの御議論を聞いておりましても、食品流通が大変多岐にわたり、また国際間の取引も多くなる、新しい農薬等が出てくる、こういう中で、国民の健康を守るという立場から食品の安全確保は極めて重要かつ困難な仕事になってきたと認識をいたしております。従来より食品衛生法に基づき規格、基準の設定、食品衛生監視員による監視指導、そしてまた輸入食品監視体制の充実等に努めてまいりましたが、ただいまの御議論を踏まえて、さらに一層努力をしてまいりたいと思います。また、今般食鳥検査制度の円滑な実施のための法制定をお願いをしておりますが、法制定をお認めいただきました際には、さらに一層心を引き締めて、食品の安全性の一層の確保に努めてまいりたいと思います。
○沖田委員 ありがとうございました。終わります。 〔委員長退席、自見委員長代理着席〕
○自見委員長代理 川島實君。
○川島委員 政府は、今回の食鳥法の規制に当たり、国民の食生活の多様化や健康志向の高まりなどに伴い食鳥肉の消費量が大幅に増加、また一方食鳥の疾病罹患率も高くなり、こうした食鳥肉に起因する食中毒や疾病の発生を防止するために検査制度の創設を行うとしております。今回の法規制は、国民にとってようやく国が動いてくれた、待ちに待った食生活における検査体制だと思うわけでございます。そこで、この法律が国民の期待に十分こたえておるかどうか、この中身について以下お尋ねをしたいと思います。 政府は、この法律創設に当たり、各界の皆さん方から食鳥肉の衛生問題の問題点など現状を挙げて取り組む姿がこの参考資料にも載っておりますので、この点は高く評価をいたしますけれども、まだわかりにくい点がございますので、その点について質問をしていきたいと思います。 最初に、この検査体制が実施された場合の問題点といたしまして、現在の多くのこういう施設が現状のままの形態で継続をして使うことができるのかどうか。検査ラインを設けなければならないという問題点もあろうかと思いますけれども、これらについてどのような対応がなされようとしておるのか、そしてまた、三十万以下の三千二百三十六カ所についてはどのように行っていくつもりか、この点についてお伺いをしたいと思います。 さらに、食鳥肉の流通形態と流通量について先ほどから議論になっておるわけでございますけれども、屠体と解体との分類面でひとつお答えをいただきたいと思うわけでございます。 そして、今回のこの法律の参考資料の中に、設備基準が非常にきちっと書かれておるわけでございますが、これらの基準にすべての施設が法の施行までに間に合うのかどうか、この辺のことについてもまずお伺いをしていきたいと思います。
○目黒政府委員 この法施行に伴います、食鳥処理場の処理形態が現行のまま継続する施設はどの程度あるのかといったような状況等の御質問でございます。 先ほどちょっと触れましたように、食鳥処理の方法といたしましては、大きく分けまして、食鳥屠体の内臓を摘出後に解体するいわゆる中抜き法というものと、食鳥屠体の肉、皮等を外して最後に内臓を摘出するいわゆる外はぎ法とがございます。このうち本法によりまして処理形態を変更しなければならない処理場は、外はぎ法を採用しているもののうち、個体の同一性を維持しないで内臓摘出時に同一食鳥の肉、皮等の判別ができないような流れ作業で処理を行っている比較的規模の大きい施設でございます。 五十九年の調査におきましては、千八百二十五施設のうち五百二十四施設がこれに該当をいたしておるのでございます。現時点におきましては正確な数字は不明でございますが、おおむねこれらの施設以外のものは現行の処理形態で処理できるものと考えているのでございます。 また、食鳥の流通形態でございます。食鳥肉の流通形態については、ブロイラー等の大規模処理を例にとってみますと、その多くは食鳥の生産地の食鳥処理場で処理されます。その後、当該処理場で胸肉、もも肉等に解体し、部分肉として小売店等で販売される場合がございます。もう一つは、解体されないで食鳥屠体、または中抜き屠体のまま小売店等に販売された後にその小売店で解体される場合、この二つがございます。流通量につきましては、農林水産省のブロイラーについての統計によりますれば、昭和六十三年に部分肉で八十九万二千トン、食鳥屠体及び中抜き屠体では二十二万九千トンとなっているのでございます。 また、御指摘の点でございますが、間に合うかどうか、十分配慮しているかどうかという点につきましては、十分な経過措置等を置いてまいりますので、この法施行に間に合う、このように考えているのでございます。
○川島委員 次に、食鳥肉の衛生上の問題についてお伺いをしたいと思います。 先ほどの質問の中で、最近のタイやブラジルからの輸入の問題については議論がなされておるところでございますが、特に有機塩素系の農薬でありますディルドリンやへプタクロルの検出がなされておると言われておるわけでございますが、これらの件についてお伺いをしたいわけでございます。 それから、国内におけるブロイラーの中から抗菌性物質であるクロピドール、ナイカルバジンやラサロシドが検出されておる、こういうことも言われておるわけでございますが、今回の食鳥肉の安全性に対して、この法律でどのような対策がなされるのか、お伺いをしたいと思います。
○目黒政府委員 残留農薬の点でございますが、この点につきましては、先ほど来お答え申し上げておりますように、我が国で禁止されておりますDDT、ディルドリン、ヘプタクロル等、これは御指摘のとおり、私どもは厳重に取り締まって食品の中に残留することを予防するように規制を行っているところでございます。それから相手国、輸入の場合には相手国に対しましても当然、残留原因を究明するとかあるいは原因を排除するといったような措置を講じておるのでございます。 御参考までに量を申し上げますと、三年間に違反しました二十八件のうち農薬の暫定基準値を超えたものが二十三件、約四百四十トンあったのでございます。
○川島委員 主要国の食鳥の検査制度の概要がこの参考資料にあるわけでございます。ただ、一つ、チリの問題については全然載ってないわけでございまして、チリとの取引は実際はあるのでしょうか、ないのでしょうか。ほかの文献では大分出ているわけでございまして、ここにちょっと載ってないものですから、参考にお伺いしたいと思います。
○目黒政府委員 チリからの輸入はあるようでございますが、相手国の検査証明書等をつけて、それを入れているという現状であると聞いているのでございます。
○川島委員 次に、農林水産省が家畜衛生サーベイ事業として昭和四十七年から十四年間全国の食鳥処理場延べ七千二百五十六カ所においてブロイラーの検査を行われております。この調査による異常鶏の摘発及び病原体はどのような現状であったのか、これらの問題が今回の法規制についてどう生かされておるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○石井説明員 家畜衛生サーベイ事業につきましては、ただいまお話のありましたように、昭和四十七年から六十年にかけて実施したところでございます。その結果によりますと、食鳥処理場における異常鶏の発生率につきましては、マイコプラズマ病、コクシジウムあるいはまた代謝障害等、年平均八%程度の異常鶏の摘発が見られております。この結果を踏まえまして、各県の家畜保健衛生所が中心となりまして、民間の獣医師の協力を得ながら各養鶏場の巡回指導等を実施し、その防除に現在努めておるところでございます。 なお、今般の厚生省における食鳥検査制度の検討に当たっては、本事業の成績を参考資料として提出しているところでございますので、法規制に活用されているものと考えております。
○目黒政府委員 疾病罹患鳥の排除対策等でございますが、特にサルモネラ症等の人畜共通伝染病を初めといたしまして、疾病にかかりました食鳥、食鳥屠体、中抜き屠体及び食鳥肉等、これらのものを食品として流通させないということが人の健康を確保する上で重要なことでございます。したがいまして、本法案におきましても、生体時のあるいは脱羽後、羽を取った後ですね、及び内臓摘出の段階での食鳥検査または食鳥処理衛生管理者による異常の確認、これを義務づけておりまして、疾病罹患鳥の排除に努めることといたしておるのでございます。
○川島委員 農林水産省関係で、食中毒の細菌汚染について生産者の国内の養鶏場における検査体制は今回の法律でどのような対策がなされておるのか、それから、先ほどから議論になっております養鶏飼料の品質管理についてどのように考えておられるのか、さらに、ブロイラーの健康管理、異常鶏の排除はどのような形で万全を期しておるのか、どう指導してきたのか、お伺いをしたいと思います。
○石井説明員 食中毒の原因となります細菌は、自然界に常在している菌がほとんどであると思われます。これらの細菌防止につきましては、まず外部から細菌の侵入を防止することと、鶏群を衛生的に管理することがまず基本であると我々は考えております。このために、各都道府県の家畜保健所が中心となりまして民間獣医師の協力を得ながら、まず正常な種鶏群を導入するということ、それからまた、正常な飼料を使用するということ、消毒等による環境改善を図るというようなことを巡回指導しているところでございます。特に、卵を介して伝播するタイプのサルモネラ症につきましては、種鶏の正常化が重要であるというふうに考えておりまして、本年度原種鶏を対象として検査を行いまして、その結果に基づく指導を行う事業を計画しているところでございます。今後とも養鶏場の衛生指導の徹底を期しまして、正常な畜産物の生産に努めてまいりたい、こんなふうに考えております。
○川上説明員 飼料の品質管理の問題についてでございますが、サルモネラ菌やカンピロバクターなどの食中毒細菌につきましては一般に熱に弱いので、飼料原料として使用される獣畜の骨や臓器等には肉、骨粉等として加工される段階で高熱に処理されるために、これらの細菌につきましては死滅するものと考えております。このため、肉、骨粉等の保管、管理を徹底すれば汚染源との関係は絶たれるために、飼料工場等関係業者に対し、保管施設の衛生管理あるいは細菌を媒介するネズミ、昆虫等の駆除を指導することによりまして飼料の汚染防止を図っているところでございます。今後とも肥飼料検査所によります飼料工場等関係業者に対する指導を強化することによりまして、飼料の品質管理の徹底を図ってまいりたいと考えております。
○川島委員 食中毒の問題については、国民の約半数近い人たちがこの問題に興味を持って対策を要望しているデータが厚生省の調べでも出ておるわけでございます。それで、過去における食中毒関係のデータもここに載せられておるわけでございますけれども、こういう中学生だとか小学生の数多くの人たちが食鳥における食中毒で被害になっている。これらが本当に今回の法律規制でとまることができる、こういう自信があるのかないのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
○目黒政府委員 食鳥肉のサルモネラあるいはカンピロバクターの中毒によります食中毒、これを防ぎますためには、まず食鳥検査段階におきます対策が最も効果的であろうと考えているのでございます。 食鳥処理場における対策としましては、本法案において厚生省令で定めております基準に従いまして食鳥処理場を衛生的に管理し、食鳥や食鳥屠体を衛生的に取り扱うというところで防げると考えているのでございます。具体的に申しますと、この厚生省令で定めております基準は、例えば脱羽時、羽を取ったときにおきましては脱羽前の湯漬け工程において食鳥に付着しております汚染物をできる限り除去する、あるいは使用する温水も十分水を取りかえる、換水しながら行うということ、あるいは内臓を摘出するときに腸内の内容物が漏出いたしまして食鳥屠体や内臓が汚染されることのないような内臓摘出方法によること、あるいは冷却時においては十分換水しながら冷却すること等によりまして、サルモネラあるいはカンピロバクター等による食鳥肉等の汚染の防止を図ることにいたしているのでございます。このような観点から、私ども十分に食中毒を防いでいけると考えており、今後ともその方向で努力してまいりたいと思っているのでございます。
○川島委員 次に、抗菌性物質の残留についてはさきに質問がありましたので省いていきたいと思いますが、食鳥肉の微生物の汚染についてお尋ねいたしたいと思います。 一般に鶏肉は食肉類の中でも一番腐敗が早いと言われております。その原因は、鶏肉を汚している数多くの細菌、すなわち微生物の汚染が関与していると言われておるわけでございますけれども、これに対する対策はどのように考えておられますか。
○目黒政府委員 やはり基本的にはサルモネラあるいはカンピロバクターといったような汚染源がふん便等によって汚染をする経路というものが一番防がなければいけない、また非常に起こりやすいものでございまして、先ほど申し上げました、これから定めようとしております厚生省の基準等によりまして、この面についても十分予防してまいりたいと思っている次第でございます。
○川島委員 次に、認定小規模の食鳥処理業者に係る検査の特例を行うについて確認規程とはいかなるものか、お伺いしたいと思います。その中でどのようにして安全を確かめていくのか。
○目黒政府委員 自主的にどのような形で、方法でこの確認をするかといったようなことを定めているものでございます。具体的にはこの大きな一つの屠体を処理いたしてまいります過程において、それぞれ異常を、色とか形態等々から異常の確認をする方法をある程度定めておりまして、それに従って確認をしていく、このような作業になるわけでございます。このような自主的な作業の中で食品の検査員の方から、獣医師さんが巡回指導するといったようなところで、小規模の方々は自主的な検査の中で十分その指導を受け、あるいは場合によっては立入検査があるといったようなことを含めまして、十分この監督を受けながら安全を確保してまいる、このような仕組みになっているのでございます。
○川島委員 次に、指定検査機関を今回この法律でつくる形になっているわけですけれども、非常に権限が強いのですね。それも民間へも委託をする形がとれる形になっておりまして、それの検査員の判断次第では罰則に全部つながっているわけでございますけれども、その構成メンバー、それから業務の内容、事業計画、収支予算というものはきちっと策定をして認可を受けなければならぬ形になっているわけでございますけれども、それはどのような具体的な形をお考えになっているのか。一部ではこういう機関は厚生省の天下り先になるのじゃないかと陰口を言われている人たちもおるわけでございますが、そういうものはないと私も信じておりますけれども、その辺のことについても含めて御答弁をいただきたいと思います。
○目黒政府委員 民間の機関に委託をするわけでございますが、当然最終的な判断と申しましょうか、それはこの指定機関から報告を受け、いろいろなことをやりました知事が行うことになろうかと思いまして、恣意的に一検査員が行うといったようなシステムではございません。 それからもう一つは、この具体的な先生の御指摘の点についてはこれから定めてまいりたいと思っているところでございます。 それから最後の、天下り云々という点でございますが、このようなことは私どもないと考えております。
○川島委員 今回の新制度によって従来の食品衛生法と大分ダブっている部分がたくさんあるわけでございますけれども、今回の監視体制と比べると、私どもが見ますと公的な部分が非常に少なくなったという判断をするわけなんですけれども、間違っておりましたら間違っておる点、それから安全性が従来の食品衛生法よりもどのようにすぐれてきておるのか、その辺のところもわかりやすい形で御指摘をいただきたいと思います。
○目黒政府委員 新制度が食品衛生法に基づく場合と比較して安全性の点等々で問題がないのかというような御質問でございますが、本法案は現行の食品衛生法に基づく食鳥処理に関する規制と比較をしてみますと、一定の資格を有する食鳥処理衛生管理者を設置する義務があるということ、それから衛生管理基準を設定しているということ、それから食鳥検査等の義務づけを行っているということ、食鳥検査等が終了しない食鳥肉等を施設から持ち出すことは禁止しているといったようなこと等の規定を整備いたしておりますとともに、食鳥処理の衛生管理者、それから指定検査機関等の民間活力等も十分活用いたしまして安全確保を図っているのでございまして、より食鳥肉の安全確保が図れるものと考えておるのでございます。 具体的に比較をいたしてみますと、許可制度というふうな点から見てみますと、食品衛生法では営業の許可がございますが有期でございます。食鳥検査法では業の許可ということでございます。それから構造設備基準につきましては、食品衛生法、食鳥検査法、両方ともあるわけでございます。衛生的取り扱いの基準は、食品衛生法では指導要領に基づく行政指導でございますが、今回の食鳥検査法では厚生省令で義務づけをいたしておるのでございます。また、管理者につきましては、食品衛生法ではございませんが、今回の法律では食鳥処理衛生管理者の設置義務を課しているということでございます。また、検査の義務では、食品衛生法では指導要領に基づく行政指導でございますが、食鳥検査法では検査義務があるのでございます。また、検査していない食鳥肉の持ち出しの点については、禁止事項が食品衛生法ではございませんが、食鳥検査法ではある。このような点から申しまして、本法の制定によりまして、より安全が確保される、私どもこのように考えているのでございます。
○川島委員 次に、食鳥検査員の仕事と権限の関係でございますけれども、今回の制度によりますと、民間の法人に委託する指定検査機関、それから保健所等市長が設置をする機関、これで、特に検査員を大きなところについては派遣して、常駐でずっと検査員が中にいる部分もあるわけですね。それから、小さなところは巡回をして見て回るという形で獣医師が行っていくわけでございますけれども、おのおのの組織について、これらの具体的な一カ月の仕事の内容、どのような形で行っていくのか、ひとつわかりやすくお示しをいただきたいと思います。
○目黒政府委員 食鳥検査員の職務でございますが、具体的な業務といたしまして、まず食鳥検査を行うということがございます。それから、食鳥検査の結果、営業者に対して屠殺、解体の禁止等の措置を講じるといったようなことがございます。また、この法律の施行に必要な限度において食鳥処理業者から必要な報告を求めますとともに、食鳥処理場等に立入検査し、食鳥肉等を収去することができるといったような業務でございます。 これらの食鳥検査員の業務量についてでございますが、食鳥処理場におきます食鳥検査に要する時間によりまして異なるものが多いのでございますが、一概にこれをこうというのは難しいのでございますが、我が国における大規模な食鳥処理場における食鳥処理、これは大体午前中に屠殺から内臓摘出まで終わるのでございます。それから、午後に部分肉に解体するのが一般的であるということでございます。この場合を例といたしまして都道府県、市の食鳥検査員が検査を実施すると仮定いたしますと、毎週月曜日から土曜日まで午前中食鳥検査を行いまして、月曜から金曜までの午後につきましては食鳥検査業務以外の業務を行うことになる、このように考えておるのでございます。
○川島委員 次に、先ほども質問がなされておるわけでございますが、この検査員が現在、牛や豚等についても十分に配置がなされていない。専任が不足している県が十三県あると言われているわけでありまして、今回の法律によって必要な食鳥の衛生管理者は約三百名、県に直せば一県当たり四名程度であるわけでございますけれども、専任の検査員として獣医師の確保は十分できるという答弁をいただいております。 そこで、この管理者の中で、この法の細部で要請を受けて学習をして管理者として資格を得ることができる検査員の資格のところでございますけれども、「講習会の課程を修了した者」というこの講習会の単位数はこの明細で四十単位、こうなっているわけでございますが、その内容や単位の時間数等が明らかでないので、その辺のところについてお示しをいただきたいと思うわけでございます。また、小規模の人たちで恐らくたくさん受ける人が出てくるだろうと思いますけれども、これらの人たちにどういうふうな形でその学習をさせていくのか。その辺もあわせてひとつお聞かせをいただきたいと思います。 〔自見委員長代理退席、委員長着席〕
○目黒政府委員 御指摘のとおり、この食鳥検査員の獣医師の下に食鳥処理衛生管理者というものを置いているわけでございますが、この資格を取るために一定の講習をやるということでございます。 この考え方でございますが、具体的なことにつきましては、私どもこれから定めていきたいと思っているのでございますが、食鳥処理衛生管理者には、獣医師それから大学の畜産学修了者等のほかに、小規模の食鳥処理業者に配慮をいたしまして、一定の実務経験を有する者で厚生大臣の指定した講習会を受講した者もなれる、このようにしてあるわけでございます。 この講習会の内容でございますが、食鳥肉の安全を確保するという観点から、食鳥処理場や食鳥処理の衛生管理、あるいは食鳥の異常の確認ということを行ってまいります上で、最小限の必要な事項について講習をしていきたい、このように思っているのでございます。 講習方法等につきましては、中小業者の経営を圧迫することのないように、関係業界とも十分相談の上実施してまいりたい、このように思っておるのでございます。
○川島委員 今御答弁をいただいた件は全部ここに書かれておりまして、わかっております。ここの中に、区分や何かで全部時間数まで指摘をして四十単位となっている。単位数も、大学並みに一時間で一単位という形をとっているところもありますし、二時間で一単位とっているところもあります。だから、私が聞いているのは、そういう四十単位の中身、一体どれが必修でどれだけ取っているのかというのがわからないので、それをお聞かせをいただいておるわけでございます。さらに、小規模の人たちがこれらを受講をしてきちっと取ることができるような、そういう講習会の開催というのがなされるのかどうかということを聞きたいわけでございますが、まだ決まってないわけでございますか。
○目黒政府委員 御指摘の細かな点につきましては、まだ現在決まっておらないのでございます。今先生がおっしゃいましたことは、この専門家によります報告の中に出ているものでございまして、公衆衛生概論とか家禽の解剖・生理学、家禽の疾病学、食鳥肉の衛生学、食鳥検査法令、関連法令といったようなことで一応の報告がなされておるわけでございますが、これらをそのまま即受け入れるということではなくて、これらを参考にしながら今後検討していきたい、このように思っております。 また、先ほど申し上げましたように、関係業界と十分相談の上、御指摘の点等も踏まえてやってまいりたい、このように考えているところでございます。
○川島委員 ちょっとかみ合わないのですけれども、このお示しいただいております法律参考資料の五十一ページから五十二ページにきちっと各論で、明細が全部載って、時間も載って、ちゃんとしておるわけですよ、明らかになっています。その辺は、おわかりいただけなければ結構でございます。 いずれにしましても、今回の法規制は国民のためになるという理解はできるわけです。ところが、大きいところはこれで総括的にいろいろな施設を改善してやれるわけですけれども、問題の三千幾らかの数の小規模の人たちがこれから逃れる。しかし、そこが一番大切なところでございまして、その小規模の皆さんに安全な、講習なりいろいろな講座を開いて、この法の趣旨を生かして国民の期待にこたえてもらうというのが一番大事なところでございます。私ども、専門的ないろいろ細かいところを踏み込んでまいりましても時間がかかり過ぎて、一つ一つ細かい点があろうかと思います。私もこういうブロイラー生産の工場、建物もつくっておりまして、どういうラインで流れていくかという現場もたくさん見ておりますし、汚水の処理もきちっとやらなければいかぬ、これからの環境問題についてもいろいろ議論が出てくるところでございますけれども、法制定でまだこれからだという点もございまして、その辺の突っ込んだ議論もまだなされないわけでございます。いずれにいたしましても、今回第一歩でございますが、将来的には、小規模を除くということでなくて、全部一括でやれる体制に今後進んでもらいたいと要望したいわけでございます。 最後に大臣の、この法律制定についての今日までの議論の中でお気づきの点、御所見がございましたらひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○津島国務大臣 新しい食鳥検査法の制定をお認めいただきたいというわけでございますが、この法律に基づいて検査をし国民の健康を守らなければならない、その一方で検査を担当していただく方々、また、一般の生産者の方々にもよく趣旨を理解し協力していただかなければならない、また、これまで営々として営業を続けてこられた方々も引き続いて営業をしていただく方が望ましい、こういういろいろな要請の中にあるわけでございますが、要は、法の目的に沿ってしっかりした検査体制を仕上げる、そのために食鳥検査員の確保等十分な検査体制を確立し、厳正な食鳥検査を行うとともに、実態に即応した配慮を払っていくということであろうと思います。 委員は名古屋の、この産業活動の最も盛んなところの御出身でございますから、それなりにいろいろな御指摘もあるのであろうと思いますが、またこれからも御意見をお聞かせいただきまして、消費者に安全で衛生的な食鳥肉の供給を図ってまいりますために、私どもも努力をいたしますが、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。
○川島委員 どうもありがとうございました。終わります。
○畑委員長 貝沼次郎君。
○貝沼委員 先ほどからいろいろなお話が出ておりますが、やはりなぜ今急にこの食鳥検査制度が必要になったのか、その緊急性並びに必要性、これについて答弁を願いたいと思います。
○目黒政府委員 この法案の提出の背景でございますが、我が国の食鳥肉の生産量が近年大幅に増加をいたしまして、世界有数の生産国となっておるのでございますが、公的な検査制度がなく、国際的に見て立ちおくれているということがございます。それから二番目に、食鳥肉の消費量が大幅に増加する一方で、食鳥の疾病罹患率も高く、カンピロバクター食中毒等の食鳥肉等に起因いたします食中毒も発生しているのでございます。このようなことから、疾病罹患食鳥肉の排除、食中毒細菌汚染防止等、その安全性を確保するのが急務となっているということがございます。また、近年食鳥肉の輸入が増加をしておりまして、これらの食鳥肉の安全性を確保するために国内における検査制度を創設いたしまして、輸入食鳥肉への衛生証明書の添付を義務づけることが必要であるということ等が背景としてございます。 このような状況を踏まえまして、昭和六十年から食鳥検査制度検討委員会を設けておりまして、諸外国で既に行われております食鳥の公的検査の我が国におけるあり方等について検討を進めました結果、早速に検査制度を導入して食鳥肉の安全と衛生を確保すべきとの報告を六十二年に受けたのでございます。これに基づきましてこの法案を提出することとなった次第でございます。
○貝沼委員 ブロイラーの大量生産ということが一つ言われていますね。それからさらに消費量がふえてきた。これは当然、消費がふえるから大量生産になったのでしょう。そしてまた、食鳥の疾病罹患率、食中毒、こういうものがあるといった今の答弁でございますが、食中毒だけを見ますと、食中毒の数字から見ると、では今まで食中毒がなかったのかというと随分前から起こっているわけですね。カンピロバクターだけでなく食中毒というのはいろいろあるわけですから、あったにもかかわらずなぜ今までなかったのかということですね。食中毒は何もカンピロバクターばかりじゃない、にもかかわらず今まで法律がなかった。今カンピロバクターの数字を見ると、ちゃんと年度が五十何年という数字が出てきますから、それは理屈になるのでしょうけれども、食中毒の数字を見るともっと前からたくさん出ておるわけですね。そうすると、なぜここでカンピロバクターだけを出さなければならないのか。私は本音はそうじゃなしに、やはり理屈としてこれを言った方がいいというので並べているのでしょうけれども、本当はほかのところに原因があったのではないかという気がしますね。もっと早くからやってもよかったのではないかと思いますが、今までできなかった理由はどこにあるのですか。
○目黒政府委員 先ほどお答え申し上げたのでございますが、一つはやはり急激にブロイラー等ふえてまいりまして、いわゆる大量生産型になってきたということでございます。この大量生産型の食鳥肉の処理の流れの中でカンピロバクター等が一番大きなものを占めておるということで、大量の処理が行われるようになったということが一つございます。それからもう一つは、私どもこれらに対しまして指導要綱で、指導によってこれの食中毒をなくす等のことをしてまいろうということで行ってきたわけでございますけれども、やはりなかなかこの指導によっては徹底することができなかったという現実があるのでございます。また、そのような現実を踏まえて専門家からの報告をいただきまして、そして踏み切った、このようなところでございまして、私どもが踏み切った一番大きな理由は、大量に処理をする形のものが出てきたというところにあるのでございます。 このほかに先ほど申し上げましたような諸外国との問題等々もございますけれども、やはりどうも大量に出てきたということが、いわゆるかしわ屋さんと言われるような非常に小規模で処理していたものとの違いというところにあるのじゃなかろうか、このように考えておる次第でございます。
○貝沼委員 その点は理解しております。また、この法律ができることは私は歓迎をしております。決して批判しているわけではございません。ただ、欲を言うならもっと早くてもよかったではないか、しかもわざわざカンピロバクターということを出してくる以上は、世界的にこのカンピロバクター食中毒というものがあるいはふえつつあるというような状況でもバックにあるんですかということが心配になっておるわけでありますが、この辺はいかがなのでしょうか。
○目黒政府委員 カンピロバクターにつきましては、五十年代の後半から知られるようになってきているのでございまして、そういうようなことも今回の一つの御指摘の点に対する理由になろうかな、このように思っております。
○貝沼委員 それから、輸入が増加しておる、それで諸外国に比べて安全性確保対策がおくれておった、こういうことですが、それは法律がなかったのですからそう言わざるを得ません。話によりますと、鶏肉の胸肉、これは日本では安いけれどもアメリカでは大変高い、値打ちがある。それから、もも肉は日本では高いけれどもアメリカでは安い。そうすると商売を考えますと、もも肉の方はアメリカから入ってくる、胸肉は日本から出ていくというので、これは輸入輸出両方実は国境を越えるわけでございます。そういうときに、アメリカの方には既に法律があり、日本には法律がないということになるとやはりぐあいが悪いということなのでしょうけれども、そういったことも理由になっているわけですか。
○目黒政府委員 御指摘のことにつきましても、副次的には理由の一つになっているのでございます。
○貝沼委員 それでは初めに食中毒の方をちょっとお伺いしたいと思います。 先般、千葉の方で処理をしておる工場の方に視察に行ってまいりました。なかなか大変だと思います。そこで、例えば入ってくる生きた鶏一羽幾らですかと聞いたら、四百円と言っておりました。肉になったのが出ていくのは幾らですか。四百円と言っていましたね。四百円で入ったのが四百円で出ていくのならどうやって商売できるのかな、こう思って聞いておりましたが、言わんとすることは、果たして四百円かどうかはそれはわからないのですけれども、要するにそれだけをやっておったのでは商売に合う話ではないのです。ほかのことと一緒にやらないとこれは合う話ではありませんということをどうも言わんとしたようでございます。 であるならば、この処理、検査の法律によって、こういう検査をやってこういうふうに流してというふうなことをやりますけれども、これだけの設備をしてそれだけでは採算が合わないとなると、ほかのことと一緒にやる業者、そうするとこれはかなり大きな業者、こういうふうになってくると思います。したがって、小規模業者に対してはこういうふうな措置というのがわざわざ出てきたと思いますが、そういうことを考えると、やはりこの措置というものは大きな業者を育てる方向への立法化と見られても仕方がない面があるかな、あるいは行政はある程度大きなものを育てようという発想からそういう法律が出てきたのかというふうに思われるわけでありますが、この点はいかがなんですか。
○目黒政府委員 私ども、特に大きい業者を育てるとか育てないとかという観点ではございませんで、先ほどお話を申し上げましたように、かしわ屋さんのような非常に中小の形のものでやってこられた方々、それから大規模に、大量に処理するような方々、両方あるわけでございます。特に、大量処理という形態をとる処理場について、やはり今までのやり方と違って安全を確保する必要があるということで、私どもそういう安全性を確保するという観点からこの法律を設けるということにいたしているのでございます。決して大企業の方を育てるといったような観点ではないのでございます。
○貝沼委員 私は、ちょっと語感がおかしかったかもしれませんが、何も大企業優先とかそんなことを言っているのではないのです。これだけの安全性確保のためには、やはり将来ある程度規模がないとそれはつかみ切れませんということを示しておるのかなということを言っておるわけでありまして、それは答弁は要りません、あなたの答弁で大体わかりますから。 それから、食中毒の話ですけれども、肉にしまして、鶏肉は魚の肉と似たところがあるそうでございまして、やはり朝の新鮮なときが勝負。ほかの牛とか馬とかというのはある程度熟してからというので、すぐというわけにはいきませんね。その辺の差があるそうです。そうすると、朝が勝負、あるいはその肉をばら肉ならばら肉にして、刺身というのもあるでしょうけれども、生のままの肉を早く勝負しないといけないということだそうでございます。ところが、その時間が延びると結局バクテリアが繁殖し、そして食中毒のもとになるということで、その時間が問題なので、つくっているところがどんなにきれいであっても、ゼロなら問題ないでしょうけれども、その後どれだけの時間を置くか、どれだけの温度のところにどれだけ置くかということが問題のようでございます。食中毒というのは大体どういったことが原因になって起こるのか、その辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○目黒政府委員 一般的に食中毒につきましては、細菌によって汚染されるということの原因が一つございます。もう一つは温度、その細菌が急速にふえてくるといったような観点から温度の問題があるのでございます。 このような食中毒を予防する観点と申しますのは、やはり一番原因となりますのは調理をする過程あるいは処理をする過程、いろいろな過程でその取り扱い方が衛生的であるか否かという点にかかってくるわけでございます。したがいまして、こういう点につきましてはいろいろな季節的な問題、あるいは今申し上げました衛生的な取り扱い、これは業者から家庭の主婦まで、いろいろな形があろうかと思いますが、それぞれ注意をするといったような取り扱い、ここに大きな原因があると私どもは考えておるのでございます。また、大体それが定説となって各種の予防策を講じているのが現状でございます。
○貝沼委員 食中毒といいますと、今の時期、これからが非常に多いのですね。あるいは、ヨーロッパの方ではRのつく月はカキがおいしいというふうなことを言っているそうですが、やはり季節的に差があるということですね。では一体、そういうようなノーハウがあるのはあるのでいいのですけれども、一般の方々の公衆衛生的なレベルの問題があるわけでありますから、厚生省としてはどういうふうにそういう知識の普及徹底をされておるのか、この点をお伺いしたいと思います。
○目黒政府委員 食中毒の防止のための対策でございますが、厚生省といたしましては、都道府県等を通じまして、まず食品関係業者に対して立入検査あるいは食品等の収去試験などの監視とか指導を行っているのでございます。また、消費者に対しましては夏季の食品衛生週間の中での広報活動、あるいは保健所におきます衛生講習会等を通しまして食中毒予防のための知識普及に努めているのでございます。今後とも営業者それから消費者双方に対します食品衛生思想の普及啓発等に努めてまいりたい、このように思っているところでございます。 御参考までに、この食品衛生週間等につきましては、食品衛生週間実施要領というのを平成二年度に出しておりまして、いろいろな形で実施するように各都道府県に流して指導しているところでございます。
○貝沼委員 厚生省としては食品衛生週間にそういうことをやる。これはいつですか。
○目黒政府委員 平成二年八月六日から十二日の一週間ということにいたしておるのでございます。
○貝沼委員 問題は、例えば生ものを冷蔵庫に入れて、そして摂氏五度以下、先ほどの答弁で五度というのがありましたが、五度以下で保っておれば、これはバクテリアの繁殖は少ないということなんだそうですね。そうすると、そのままじっとしておればいいのですが、各家庭においてはそう冷蔵庫のふたが閉まっておることばかりではございません。例えば子供さんがおればしょっちゅうあけたり、いろいろなことがありまして、その規格どおりの温度になっておらないわけですね。そうすると、考えられない事件が起こってくるということがあるわけでございますので、やはり学童においてもそういう食中毒に対する教育、食中毒にならないための教育、公衆衛生的な教育、こういったものが必要だと私は考えるわけでありますが、文部省の方はそういうことは何かお考えです
○石川説明員 お答えいたします。 小中学校におきましては、食中毒の問題につきましては、教科でいえば体育あるいは保健体育といった教科あるいは特別活動の中の保健指導、給食指導あるいは学級指導、こういったような分野でこの問題を取り扱っております。 より具体的に申し上げますと、小学校においては体育の保健領域の中の「病気の予防」というところになるかと思います。また、中学校では保健体育の保健分野「疾病の予防」といったような項目で取り上げております。若干具体的な問題になりますと、これは指導要領上でございますので、各教科書等になりますが、一つの例になろうかと思いますけれども、ある教科書では、教科書の中に「けがや中毒はどうして起こるのか」、このような章を設けまして、中毒のメカニズムでありますとか、一般的な意味での予防の問題とかについての指導をしているという現状でございます。
○貝沼委員 先ほど厚生省は食品衛生週間というのを利用してやっておるということでございますが、文部省はその週間のときには何かされるのですか。
○石川説明員 お答えいたします。 御承知のように、八月は学校は休みでございますし、あるいは食中毒に関係があると言うと語弊がありますが、実施しております学校給食もしたがってやっていない、こういう時期でございますので、別途行っていることになるわけでございますが、具体的な給食関連の問題につきましては、かねてから、昭和六十年度から厚生省との密接な連携のもとに、七月を学校給食における食中毒防止強化月間ということで通知等を出し、衛生管理の徹底等を期しておるところでございます。 また、学校におきましては、学校の保健指導、給食指導を通じて、これまた先ほどあった親御さんたちへのフィードバックという問題もあるわけでございますが、給食指導などにおきましては、こうなければならないということではございませんが、大方の学校におきましては、食中毒予防の給食指導といったような分野につきましては大体六月の月間目標として扱う。若干具体的な例になりますと、例えば給食広報といったようなもので、お母さん方にも手渡すようなものを給食指導のときにつくるわけでございますが、そういう中で、お母さん、冷蔵庫を過信しないで、といったようなテーマのものを取り扱うというようなことをこの期間に行うことによって努めているところであります。
○貝沼委員 時間がありませんからできませんが、要するに、冷蔵庫の温度の問題が一つ、それから冷蔵庫に突っ込む手が汚れているか汚れてないか。汚れた手でやっていたら相当冷えておってもいけませんので、やはり子供だけでなく、一般家庭における公衆衛生のレベルアップ、こういうことは非常に大事だと私は思います。ぜひそういうことに心がけていただきたいと思います。 それから、先ほど輸入の話がありましたので、ちょっとこの法案の資料に入ってお伺いいたしますが、後ろの方に食品衛生法で変わる部分の表がございます。その食品衛生法第五条で一項、二項とありますが、これは簡単にどういうことを言っておりますか。
○目黒政府委員 食品衛生法の五条第一項でございますが、これは国内産のへい死した獣畜の肉等については、当該吏員が、人の健康を損なうおそれがなく飲食に適すると認めたものについては食用に供することを認めている、こういうことでございます。そういう趣旨のことでございます。(貝沼委員「二項の方は」と呼ぶ)失礼しました。それから、輸入食肉につきましては、五条二項でへい死食肉の輸入を認めていないのでございます。
○貝沼委員 僕は別に文句を言うわけではありませんけれども、要するに、第五条というのは、一つは、こういう病気の肉は店に出してはいけません、しかしながら、雷が落ちたとか首をどこかへ突っ込んだとかでへい死した分、この前へい獣というあれで、このへい死まで直すのかと思ったら、これは直さないのだそうですけれども、とにかくへい死したものの肉、これは当該職員、検査員ですね、当該職員がよろしい、こう判断した場合は出してよろしい、こうなっているわけでしょう。それで二項の方は、今度は輸入の分ですね。外国の検査です。輸入の分につきましては、へい死した場合、要するに、外国でへい死したようなものの肉については認めない。国内においては、当該職員がよろしいと言ったら認める。ただ、外国のものは、外国政府の証明書がついておるにもかかわらず、それは認めない。こういうことは、ちょっとおかしいのじゃないかと私は思っている。これは、下手にやると輸入バリアじゃないかと言われる可能性があります。大体一項目に「へい死した」云々ということは必要ないのであって、これは当該職員が認めたものはよろしい、それだけでいいわけであって、何も「へい死した」というのをここへ持ってくる必要ないと私は思うのです。これは、ちょっとおかしいですよ。
○目黒政府委員 先ほど申し上げました五条一項のただし書きの規定では、食品衛生法施行規則第二条第三項で「当該吏員が人の健康を害う虞がなく飲食に適すると認める場合は、健康な獣畜が不慮の災害により即死したときとする。」と規定されているのでございますが、当該規定に該当する事例というのは極めて例外的なものでございまして、輸出国におきましても、そのようなものが輸出に供されるということはないということで、実質上の内外差別は生じない、このように考えているのでございます。
○貝沼委員 いや、私が言っているのは、輸出すると言っているのじゃないのです。国内での市場の話なんです。日本の国内でへい死した分は、その肉を当該職員がこれは病気じゃないから心配ありません、こう判断したら、売りに出してよろしいです。ところが、二項では、外国から輸入する分については、へい死した分で病気でないにしてもそれは認めない、こういうことになっておるから、これはつまらない条項じゃありませんか。第一項のところで、「へい死した」云々というところは本当は必要ないのであって、これは当該職員が健康を損なうおそれがない、こう認めた場合はよろしい、こうなっておればいいのであって、そして二項の方は、そこの国の政府の証明書がついてくるわけでありますから、そこの証明書を信用してただ輸入するならすればいいのではありませんか。なぜ、国内はへい死は認めるけれども、国外においては認めないという、わざわざつまらないことをお決めになるのですか。しかし、これは時間がなくなりましたから、今後の問題としてひとつ検討していただきたい、それだけをお願いして終わりたいと思いますが、答弁をお願いします。大臣からいただきましょうか。
○津島国務大臣 ただいまの食品衛生法第五条一項、二項の問題ですが、私は、法律として非常にできの悪い法律だと思います。ただし、現在こういう形になっておりますから、行政機関としてこれについてはとやかく申しませんが、検討しなければならない不均衡な問題があるというふうに考えます。 なお、きょうは食品衛生の観点からいろいろな御指摘をいただきました。私どもは、今回の法律案をお認めいただきました際には、食鳥検査制度が実効あるものとなりまして、国民の健康を守るという目的を達することができるように全力を挙げて努力をしてまいりますことを、この機会に申し上げたいと思います。
○貝沼委員 終わります。
○畑委員長 児玉健次君。
○児玉委員 先ほどからの質疑の中で、検査料が一羽数円、その数円がどの辺の数円かというのは、関係者は非常に強い関心を持っております。先ほどの厚生省のお答えで、ブロイラーが千円から千百円の値だから影響が少ないというふうなお話もありましたが、そこのところについてやはり危惧があります。食鳥検査員の人件費を基本的には検査料で賄う。小規模処理場が多い場合には検査料を高く設定せざるを得なくなる場合が出てくるのじゃないか。そういった場合に対する方策をどのように立てていらっしゃるか、まず伺います。
○目黒政府委員 先ほどお答え申しておりますように、この検査手数料の額については上限を規定いたしまして、その範囲内で各都道府県の知事、保健所設置の市の市長が実際の額を決めるわけでございますが、その決めるに当たりましては、御指摘のような、多いところ、少ないところがあるのでございますが、それぞれの都道府県あるいは市の状況によりまして、各市長さん方が判断をされるであろう、私どもはそのように思っております。しかしながら、その差は、先ほど来申し上げておりますように大きなものにはならないと考えている次第でございます。 なお、この点につきましては、今後調査をするというようなことも私どもは考えておりまして、そのような段階で考えていきたい、このように思っておるところでございます。
○児玉委員 この点は、実際に法が実施された後、厚生省として厳格に追跡してほしいということを申し上げておきましょう。 次に、小規模処理場の施設改善のための融資制度の問題です。 長期であり、低利であることが望ましい。先ほど、厚生省は、関係省庁と協議をしていくというふうにお答えになりました。この融資制度について、厚生省はどんな案を考えているか。それから、関係省庁と協議をしていくときの成算はどうか。いかがでしょうか。
○目黒政府委員 この認定小規模処理施設に対する融資措置でございますが、この基本的なものになります食鳥処理施設の構造、設備の基準につきましては、現行の食品衛生法の基準をベースといたしまして、処理規模に配慮した基準の設定ということで行うという基本的な問題がございます。また、食鳥肉の安全性を確保するということも大前提でございます。このようなことから、小規模の食鳥処理業者にとって可能な限り経済的に過重な負担とならないようにしてまいるというふうに考えておるのでございます。これも先ほど来お答え申し上げたとおりでございます。 小規模の処理業者に対する融資でございますが、食鳥検査法の円滑な実施を図るという観点から、今の時点で関係省庁と成算があるとかないとかということではなく、当然私どもの一つの考えを出したいということで、関係省庁とも十分協議してまいりたいということでございます。 また、具体的にどのようなということでございますが、現在小規模な処理業者に対する融資といたしましては、中小企業金融公庫とかあるいは国民金融公庫等の制度があるわけでございます。さらに貸し付け条件の優遇措置等について各省庁が、それぞれの所管庁がいろいろ決めておるわけでございまして、それぞれの関係省庁にその検討方を要請してまいりたい、このように思っているところでございます。
○児玉委員 私が聞いているのは、今あなたがおっしゃった国民金融公庫だとかそういったものがあるというのは我々よく承知をしておるので、厚生省が関係省庁と協議をする以上、厚生省として何らかの案がなければ協議が進まないでしょう。どんな案を持っているのかと聞いているのです。
○目黒政府委員 貸し付け条件の優遇措置の具体的な案でございますが、私どもまだ検討段階でございまして、この辺につきましては今後の課題にさせていただきたい、このように思っておるところでございます。いずれにいたしましても、相手方の関係省庁があることでございますので、私ども関係省庁と十分に協議してまいりたいということでございます。
○児玉委員 どうも言っていることがつながってないようですがね。現在において既に幾つかの制度がある。その制度より有利でないと意味がないのですよ。どうなんですか。
○津島国務大臣 委員の御心配の点につきましては、今後私としても関係大臣と積極的に話をいたしまして、必要な助成措置の拡充をいたしたいと思います。
○児玉委員 次に、食鳥肉は他の食肉に比較してサルモネラによる汚染率が高いようです。これも議論がありました。私のいる北海道では一昨年の七月に、錦糸卵により一万四百七十六名の食中毒、学校給食を中心にして起きております。最大規模の食中毒だと言われました。その原因は錦糸卵と鶏肉が一緒の器具で調理され、鶏肉からサルモネラ菌が検出されており、器具の共用による相互汚染などではないか。時期も夏ではあった。それらが原因だと言われております。 全国食品衛生監視員研修会の食鳥肉販売施設における食中毒細菌の汚染調査については厚生省はもちろん御存じですが、そこでも明らかなように、鶏肉からかなりの食中毒細菌が検出されております。サルモネラ、カンピロバクター、こういった食中毒の発生に対して、この法によってどのようにその取り組みが前進するでしょうか。
○目黒政府委員 御指摘の北海道における大規模な食中毒事件がございました。私どもは、今回の法案では食鳥処理施設におきまして設備、構造の基準を定めております。また同時に、サルモネラ等の食中毒細菌によります食鳥肉の汚染をできる限り防止するということで幾つかの項目が考えられるわけでございます。 第一番目は、やはり施設の衛生管理の問題、二番目が処理加工設備の衛生管理、それから給水及び不可食部分等の処理、それから食鳥肉の取り扱いといったようなところを骨子とします衛生管理基準を設けているのでございます。営業者に対してその遵守に努めるように指導するということにいたしております。 また、鶏肉や卵等によります食中毒予防のために今後とも関係営業施設に対する監視の強化、消費者に対する注意の呼びかけ等、その発生防止に努めてまいりたい、このように思っているところでございます。
○児玉委員 最後に伺いますが、イギリスを初め世界的に鶏肉や卵のサルモネラ汚染が問題になっています。日本でも年間百万羽が外国から入ってきますが、その中でイギリス、アメリカ、オランダなどからの輸入が問題だと考えます。農水省の問題だとは思いますが、この法案に責任を負う厚生省として、外国産原種の鶏の輸入の問題についてどのように対応されるのか、最後に伺います。
○目黒政府委員 御質問の向きは、農水省の方が主たるものであろうと私ども思っておりますが、食鳥肉という形でございますと、私ども、輸出をいたしております相手国の証明書を取る等万全を期してまいりたい、このように思っております。
○児玉委員 終わります。
○畑委員長 柳田稔君。
○柳田委員 質問したいことはほとんど出てしまいまして、最後になりますので、この鶏肉に関する食肉の法案は非常に評価をしたいというふうに思います。輸入の件、先ほども話が出まして、ちょっとお聞かせ願いたいと思ったのですが、そういうことでありますので、水際でとめていただくように努力をしていただきたいというふうに思います。 さらには、梅雨にもなりましたので、これからが食中毒のシーズンということになりますので、その辺の方にも目を配っていただきまして、発生しないように努力をしていただきたいというふうに思います。 何かございましたら、よろしくお願いします。
○津島国務大臣 このたび食鳥検査の制度を確立するための法律の御審議をいただいたわけでありますが、これをめぐりまして、国民の健康を守るという立場からたくさんの御質問、それから御提案をちょうだいをいたしました。食鳥検査の制度を初めとして、食品衛生の目的を達するためにいろいろとこれからも目を配ってまいりたいと思いますが、そういう中でやはり国民的な理解が必要ではなかろうか。 そういう意味でいろいろ考えてみますと、輸入食品の問題についてもいろいろと御指摘がございましたが、私は、最近の海外渡航が多いということについても、この際何かの機会に国民に訴えなければいけないなということを感じております。ちょうど連休のときでございましたか、ごった返す成田の飛行場を見ておりますと、本当にたくさんの国民の皆さん方が海外で貴重な時間を過ごしに行かれる。しかし、そこに、皆さん方お元気でお帰りください、健康に気をつけてくださいというサインが実は何にもなかったものですから、私はちょうど検疫の方に、来年から、お元気でお帰りくださいという運動をやったらどうだという提案をしたところでございます。今外国で不幸にして腸チフスあるいはコレラにかかっておいでになる方がたくさんおりますので、こういう点もちょうどきょうのこの機会に、今の御質問に答えて私の気持ちをお伝えしたらいいと今感じたところでございます。 いずれにいたしましても、食生活が多様化する、国民生活が非常に多様化してくる中で、今回の食鳥検査を初めとして、国民の健康を守るために厚生省としても一生懸命やってまいりたいと思います。
○柳田委員 どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。終わります。
○畑委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 ─────────────
○畑委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○畑委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○畑委員長 この際、本案に対し、持永和見君外五名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合の六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。貝沼次郎君。
○貝沼委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項につき、適切な措置を講ずるよう努めるべきである。 一 都道府県及び保健所を設置する市における食鳥検査員の充足、食鳥処理衛生管理者の業務に対する監督の徹底、指定検査機関の充実等に努めること。 二 中小規模の食鳥処理業者の経済的な負担が過大とならないよう、融資その他の面で十分配慮すること。 三 食品衛生監視員、検査機器の整備等により、検疫所における輸入食品の監視体制の充実に努めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○畑委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 持永和見君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○畑委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。津島厚生大臣。
○津島国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。 ─────────────
○畑委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○畑委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ─────────────
○畑委員長 次回は、来る二十一日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十八分散会