社会労働委員会 第11号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/06/14
会議録
○畑委員長 これより会議を開きます。 この際、請願取り下げの件についてお諮りいたします。 本委員会に付託になっております医療の改善に関する請願第一五四八号につきまして、去る十二日、紹介議員左近正男君から取り下げ願が提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○畑委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ────◇─────
○畑委員長 内閣提出、老人福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮路和明君。
○宮路委員 私は、さきの総選挙で初当選をいたしまして鹿児島から上ってまいったわけでございますが、地元における実情等を踏まえまして若干の質問をさせていただきたいと思います。 私たちは今日、二十一世紀をあと十年後に控えまして激動の時代を迎えておるところでございます。この平成の時代が、名前とは打って変わりまして平らかではなく、激動の時代とされておりますゆえんは、大きく言って二つあると思っております。その一つは、国際化の波が激しく押し寄せてきているということでございます。そしてもう一つは、高齢化の波がこれまた物すごいスピードと勢いで襲ってきているということであると思います。国際化の波も、農林漁業や中小企業など我が国の中でも特に地方に、また農山漁村に甚大な影響を与えているところでございますが、高齢化の波につきましても特に激しく洗われているのも地方であり、また農山漁村であると思っております。 例えば、高齢化率を見てみましても、全国平均一一・二%というのが我が国の現状でございますが、全国一位の島根県が一六・八%、二位の高知県が一五・九%、三位の鹿児島県が一五・四%と、これらの地域では、全国の平均的な姿からしますと十数年も先取りして高齢化が進んでいるところでございます。私の地元では、高齢化率三〇%前後の町村が数多く見られるところでもございます。 また、高齢者世帯に占める老人一人暮らし世帯の割合を見てみましても、全国平均が一三・一%でございますが、これに対し全国一位の鹿児島県が二八・八%、二位の高知県が二〇・七%といったように突出した形となっているところでございます。そして、これらの地域では、こうした高齢化が進む中で寝たきり老人の問題や、ぼけ老人の問題など種々の老人問題に悩んでいるところでございますが、その一方で、これに対応して医療や福祉の充実を図っていくのに必要な財政基盤やマンパワーは非常に乏しく、さらにまた、福祉医療関係の機関や施設整備にいたしましても著しい立ちおくれが見られるなど、深刻な状況でございます。 こうした状況を医療、福祉行政の責任者として厚生大臣はどのように受けとめていらっしゃるか、また、施策の展開をどのように図っていかれる考えであるかをまずお伺いしたいところでございます。
○津島国務大臣 老齢化の波が日本じゅうの地域 社会を覆っておること、委員の御指摘のとおりでございます。我が国は昭和六十年でとってみましても約四割の市町村が既に一五%を超える老年人口比率を示しておりまして、そういう意味では既に西独の一五・二%や英国の一五・三%の水準に達しているところでございます。 特に、過疎化した農村では若者が流出するという、地域全体の活力の衰退という問題、それから高齢者に対する保健、医療、福祉サービス需要の増大という問題など、高齢化の進展に伴う問題がまことに深刻になっておることは十分認識をしておるところでございます。委員の御出身の鹿児島、私の地元であります青森県と同じく、こういう地域的な激しい老齢化の苦しみを経験をしている、私もよく理解をしておるところでございます。 先般策定いたしました高齢者保健福祉推進十カ年計画、いわゆるゴールドプランにつきましては、このような農村等を含めて、すべての地域の国民が健康で生きがいと喜びを持って過ごすことのできる社会を目指すということでございまして、これはぜひ実現しなければならないのでありますが、その場合に大切なことは、それぞれの地域の地方の財源について、関係省の御協力を得て万全を期するということでございましょう。また、特に過疎地帯におきましては過疎高齢者生活福祉センターを四百カ所整備するということを考えておりまして、過疎に伴う特別な問題についても対処してまいりたいと思います。 今後、地域社会における実践を通じて、国民の志向するところを一つ一つ丁寧に積み上げてまいりまして、我が国にふさわしい長寿・福祉社会を築くように努力してまいりたいと思います。
○宮路委員 次にお尋ねいたしたいのは、今回の法改正におきまして高齢者や身体障害者に対する一層の福祉の増進を図るとの観点から、市町村の役割を非常に重視した姿となっておるところでございますが、このことと関連したことでございます。 すなわち、特別養護老人ホームや身障者更生援護施設への入所決定事務を今回都道府県から町村に移譲したり、また、老人福祉法に基づきますところの福祉の措置に関する実施計画を市町村に策定させることとするなど、市町村が福祉行政の前面に出て、その最大の担い手となることが期待されているところでございます。これは、ねらいとしては大変結構な当を得たものであると私は考えるところでございます。しかし、特に地方について見た場合には、市町村は財政的にはもちろんのこと、とりわけ人的体制の面におきましても、今回の法改正で期待されるような機能が発揮できる状況にあるかどうかとなりますと、ほど遠い実情にあるのではないかというふうに思う次第でございます。確かに法の施行まで三年間の猶予期間がとってあるわけでございますけれども、民間委託などいわゆる民間活力の思い切った導入あるいは活用を含めまして、本当に真剣な、そしてまた強力な支援措置、指導措置を国の方で講じていただかないことには、所期の目的は達成されないのじゃないかというふうに思う次第でございますが、この点どのように考えていらっしゃるか、お伺いしたいところでございます。
○長尾政府委員 お答えさせていただきます。 先生からお話がございましたように、今後の福祉行政を進めてまいりますためには、住民にとりまして最も身近な市町村が在宅福祉サービス、施設福祉サービス、こういったさまざまな福祉サービスを一元的に実施をする体制が望ましいという各方面の御意見を受けまして、今回の改正をそういった方向で考えておるわけでございます。しかしながら、各市町村、特に町村のさまざまな状況を考えますと、この点につきましては基盤が弱いのではないかという御指摘がございましたが、私どももその点は十分に留意しつつ、この問題に対処していかなくてはならないというふうに考えておるわけでございます。 今回、平成五年四月一日までの間に若干の準備期間があるわけでございますが、特に人的な面につきましては町村の職員の方の研修の実施ということを考えておりまして、先般御承認をいただきました予算案につきましても、その準備の予算を計上させていただいておるわけでございます。 それから、もう一方の必要な財源の確保の点でございますが、この点につきましては関係省庁とも協議をしながら所要の手当てが講じられるように努めていきたいと考えております。 また、先生がもう一つ御指摘になりました民間のさまざまな能力を活用していくという点につきましては、御指摘のとおりと考えておりまして、私どもさまざまな工夫をさせていただきたいと思っております。
○宮路委員 次にお聞きしたいのは、福祉サービス充実の具体的方策についてでございますが、一つは、私の地元鹿児島では、調査いたしましたところ、現在、特別養護老人ホームが県下全体で七十二カ所設置をされておりまして、約四千七百人の方が収容をされている、入っていらっしゃるという状況でございますが、現時点で県庁の方に特老設置の申請がなされておりますものが既に百件を数えているという状況でございます。このような福祉施設拡充のニーズに今後どのように取り組んでいらっしゃるおつもりか、その御方針をお聞きしたいと思います。それが第一点。 次に、こうした施設サービスの充実とあわせまして、私は、特に我が国では在宅福祉の充実が重要であり、また不可欠であるというふうに思っておるところでございます。それは、我が国では老後の介護を受ける相手として家族を望む傾向が非常に強い、諸外国に比べてそれが非常に顕著であるといった国民感情や、あるいはまた親孝行といいますものを非常にとうとぶという我が国古来の純風美俗がございますし、さらにまた、現在の介護の実態等から見ましてもそういうことが言えるのじゃないだろうかと思うわけでございます。このため厚生省におかれても、これまでのお互いに無理を重ねる家族だけによる介護から在宅サービスを適切に活用する家族介護への転換を図るために、ホームヘルパーの派遣やショートステイあるいはまたデイサービス等の拡充を積極的に図ることとされておられるところでございまして、この点はもちろん重要でございますが、それと同時に、家族あっての在宅福祉でありますから、介護に当たる家族の労苦、それ自体に報いる手だてが必要だというふうに私は考えておるところでございます。この点、税制上の優遇措置の拡充など今後どのように取り組んでいかれる考えか、この点をお尋ねしたいということでございます。 そして、もう一つは、民間福祉サービスの育成についてでございます。 国民の価値観も御承知のように最近大変多様化してまいっておりますし、また、年金制度の充実等も見られるところでございます。そういう中にありまして、公的サービスのみならず民間活力を生かして福祉の充実を図っていくことも、これまた極めて重要な課題だろうと思う次第でございます。私の地元鹿児島は気候が非常に温暖でございますし、自然にも恵まれておりますし、人情も細やかということで、お年寄りの方が住むのに適しているところでございまして、そういう点から、そうした立地条件を生かしてシルバー産業の積極的な誘致や育成を期待する向きも多いわけでございます。厚生省といたしましても、昭和六十三年から有料老人ホームの健全な育成を図るためにいろいろな対策を講じておられると聞いているところでございますけれども、今後これをどういうぐあいにまた積極的に進めていかれるか、その点をお聞きしたいところでございます。
○岡光政府委員 まず第一点の、特別養護老人ホーム等の施設整備についてどう考えるのかという御質問でございますが、先生のお話にもありましたように、在宅での介護や生活が困難な高齢者等に対して必要な施設サービスが適切に提供できるようにということで、特別養護老人ホームを初め老人保健施設であるとか、ケアハウスであるとか、そういう関係の施策をこの十カ年戦略の目標に向けまして今後大幅に拡充をしていきたいというふうに考えております。具体的には、地域における整備の状況であるとか、入所待機者の状況であるとか、あるいは在宅サービスへの取り組み、そういった全体的な状況を十分勘案いたして整備を進めたいと思っております。 それから、鹿児島ということでお話がございましたが、特に過疎地等につきましては私ども配慮が必要だということを考えておりまして、離島であるとか山村であるとか過疎地域につきましては小規模な特別養護老人ホームの設置を認めるとか、あるいは今年度から新たに過疎高齢者生活福祉センターということで総合的な対応ができるような施設も整備したいと考えております。御指摘のように鹿児島県はかなり待機者もいるようでありますし、また、施設整備の御要望も強いようでございますが、全国的に見ますとかなり整備が進んでおるような状況ではございますが、今後ともそういったお話をよくお伺いしながら、地域の実情に応じたきめ細かい配慮をして、施設整備に取り組んでまいりたいと考えております。 第二点目の、在宅で介護を行っておる者の家庭を大いに支援する必要があるではないか、特に税制上の優遇措置の拡充等についてどういうふうに取り組んでいくのかということでございますが、御指摘のように、介護を家族にだけ押しつけるということではいけないわけでございまして、社会全体で支えていくということが必要であるというふうに基本的に考えております。 税制の面につきましては、先生御承知のとおり、寝たきり老人の所得控除につきまして、所得税については、従来八十万円でございましたが元年度から百二十万円、それから住民税につきましては、従来六十二万円でございましたが二年度から九十一万円に大幅に引き上げを図っているところでございます。また、介護を行う際に必要なおむつとか、あるいは介護サービスを受ける場合があるわけでございますが、そういった経費につきましては医療費控除の中でその対象にする、あるいは自分の家で車いすをお使いになるというような場合には、その購入経費もやはり控除の対象にするというふうなことをこれまで講じてまいっております。先生御指摘のように、今後とも家族の介護負担を軽減するという観点から、税制上の面におきましても種々配慮をするということで関係省庁と十分御相談をさせていただきたいと思っております。 それから、第三点の民間活力、民間の育成ということでございますが、おっしゃいますように、公的施策の一層の推進はもちろん必要でございますが、やはり個々のニーズはこれからきめ細かく、より高くなると思いますので、そういったことに対応できるように、質のよい民間育成、シルバーサービスを育成していくということが極めて重要だと考えております。従来から、ガイドラインによりまして行政指導をするとか、社会福祉・医療事業団等によって低利融資をするという道を開いておりますとともに、事業者みずからも、いわゆるシルバーマーク制度をつくるとかいうふうなことで、自主的な取り組みを行っていただいておるわけでございますが、御指摘がありましたように、やはり全国一本の団体がいろいろするというのではその地方の実情に対応できませんので、今後各地域でその実情に応じたシルバーサービスが展開されますように、その地域におけるシルバーサービス事業者の組織化であるとか、そういう組織ができましたときに、それに対する支援とかいうことにつきましては前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
○宮路委員 私は、東京一極集中が進む中で、特に過疎あるいは高齢化に悩んでいる地方における福祉あるいはまた医療の充実をぜひ図っていっていただきたい、そういう観点から今回の質問をさせていただいた次第でございますけれども、大臣や局長さん、また部長さんから力強い御答弁を賜りまして、うれしく思っておる次第でございます。 今回の法改正につきましては、福祉の関係者がこぞってその一日も早い成立を期待しておられるところでございますので、どうか速やかなる審議と法の成立、そしてさらに、その後におきますところの適正、円滑な法の施行を心から御期待いたしまして、質問を終わらせていただく次第でございます。ありがとうございました。
○畑委員長 山口俊一君。
○山口(俊)委員 それでは引き続きまして、老人福祉法等の一部を改正する法律案に関しまして質疑をさせていただきたいと思います。初体験でございますので、大臣初め皆さん方には、わかりやすく、かつ前向きで実りの多い御答弁をまずお願いいたしておきたいというふうに思う次第でございます。 今回の法改正の背景としては、昭和六十一年の長寿社会対策大綱があり、そして昭和六十三年のいわゆる福祉ビジョンがあるというふうなことは御存じのとおりであります。そして昨年末に出されました「高齢者保健福祉推進十か年戦略」というものがあろうかと思うわけでありますけれども、特に、この十カ年ゴールドプランと今回の法改正との関係についてどのようになっておるのかをお伺いいたしたいわけであります。いわばゴールドプランの第一歩を踏み出すための今回の法改正ではないかというふうにも思うわけでありますけれども、まず、その点をお伺いをいたしておいて、質問を続けたいと思っております。
○岡光政府委員 御指摘のように、十カ年戦略は、二十一世紀の高齢社会に向けまして、すべての国民が安心して老後を送ることができるように、在宅福祉、施設福祉等の事業につきまして今後の十年間で従来の目標を大きく上回る水準を確保しようというものでございます。このような保健福祉サービスの大幅な拡充を的確に実現していくためには、住民に最も身近な行政主体であります市町村が在宅福祉サービス、施設福祉サービスの一元的な実施主体として積極的かつ計画的に取り組んでいただく必要があると考えておりますし、また、都道府県は広域的な観点から市町村を支援をしていくことが重要であると考えております。 今回の老人福祉法の改正は、このような方向に沿いまして地域における保健福祉サービスの提供体制の基盤を整備しようというものでございまして、十カ年戦略の推進に大いに資するものであるというふうに考えております。
○山口(俊)委員 よくわかりました。 今回の改正案においては、特別養護老人ホームや身体障害者の施設などの入所措置等に関する事務が従来の県の福祉事務所から町村に移譲をされることになるわけであります。基本的には、老人や障害者の最も身近にあり、その実情もよくわかっておるはずの市町村が、その人にとって施設のサービスがいいのか、あるいは在宅がいいのか等々判断のできる体制をつくるというふうなことは方向としては非常に正しいのではないかというふうに思っております。 ただ、権限を移譲することに伴って、さまざまな地域の格差あるいは人的能力の格差、さらには財政力の格差などによって逆に福祉サービスの水準の市町村の格差をさらに大きくするおそれもあるんじゃないか。結果、サービスの低下を招くようなこともあるのではないか。職員のやる気とか能力というふうなものも大変問題ではないかと思うわけであります。そうした点から、財政上の措置を初め、よりきめ細かな指導とか助力等が必要ではないかと思っておりますけれども、その点についてお伺いをいたします。
○津島国務大臣 委員御指摘のとおり、ゴールドプランによりまして、二十一世紀に向けてこれから貴重な十年間に何をしなければならないか、アウトラインはお示しすることができたわけでありますが、これを実行していく場合に何と申しましても大切なことは、地域社会の実情に応じた、本当にきめの細かい、血の通った福祉を組み立てていくということでなければならないと思います。そのような観点から制度改正をお願いしておるのが今回の法改正でございまして、御指摘のとおりでございます。あくまでも、住民に身近な地域社会、市町村においてどのような福祉サービスをどのように提供したらいいかということを全体のアウトラインの中で考えていただくわけでございますが、具体的には特別養護老人ホーム等、あるいは身体障害者更生援護施設等への入所決定権を町村へ移していただく、そして市町村において計画を立てて、そういう施設サービスと、それから在宅のままで介護を受けられる方との両方のバランスを見ながらサービス提供体制を整えていただくということでございます。 これからの高齢化社会を控えての福祉の組み立ての上にぜひとも必要な法改正でございますから御理解をいただきたいと思うわけでございますが、私ども国として配慮しなければならないのは、今まさに御指摘のような市町村の財政上の不均衡からくる問題に適切に対処するということでございまして、その点は、今回のゴールドプラン自体が私どもばかりでなく大蔵大臣、自治大臣の合意のもとに発表していただいたということでありますから、財政上の措置についても十分の御協力が得られると思います。平成五年の四月一日、今の入所決定権を移譲するという法施行までの間に関係者、省庁とも協議しながら適切に実施に備えてまいりたいと思っております。
○山口(俊)委員 ただいまお話しをいただきましたけれども、特に財政力の弱い、あるいはまた福祉レベルの低い、あるいは職員の意識の低い、そうした各町村については十分御配慮をお願い申し上げたいと思う次第でございます。 実は、私は県会議員をしばらくしておりましたけれども、その当時、ある町の職員が、たしか身体障害者に関する書類提出をさせていただいたところが、半年以上もその職員の机の中にしまわれて日の目を見なかったというふうな極端な例さえあるわけでありますので、何とぞ十分な御配慮をお願い申し上げたいというふうに思う次第であります。そうした意識が低いところあたりは、特に交付税等でもし御配慮をいただいても、果たしてそのような方向にその予算を使ってくれるかどうかということもあるわけであります。よろしくお願いをいたす次第でございます。 さらに、今回の改正は、ゴールドプランの達成のために必要な体制の確保を目的とせられておるというふうなお話でありましたけれども、特にゴールドプランの中ではホームヘルパーについて従来の目標を大幅に上積みをせられ、十万人を確保することとされております。大変注目をされるところでありますけれども、このホームヘルパーを確保するための方策はどうなっておるのか。先般もこの委員会で外口委員さんの方からも御質問がありました。おおむね私も同感でありますけれども、幾ら言っても県とか町村の人材の確保に非常に苦慮しておるというふうな現状もあるわけであります。特に小さな町村に対しどのような方策を講じていかれるのか、その点についてお伺いをいたしておきたいと思います。
○岡光政府委員 ホームヘルパーの十万人目標をどのように達成するかということでございますが、従来から手当額の引き上げであるとかあるいは活動費の引き上げであるとかをやってきておりまして、今後ともそういった処遇改善には努めてまいりたいと考えております。また、ホームヘルパーという仕事の志望者が増大をいたしますように、社会的な評価を高めるとかあるいはイメージアップを図るとか種々のPRをしていかなければならないであろうと考えております。その上で、ホームヘルパーの拡大のためには、従来からの市町村でやっていただいておりますことに加えまして、地域の実情を勘案をした上で社会福祉協議会に委託をするとか、あるいは特別養護老人ホーム等へも委託ができるというふうな道を開きまして、多様な供給体制を確保するということが必要であろうと考えております。 また、ヘルパーの勤務形態につきましても、常勤のほかに非常勤という形態も考えて、例えば家庭の主婦等で介護等について理解とか経験を有する方で積極的に御参加をいただけるというふうな方にどんどん入っていただくというようなチャンスを大いにつくっていきたい、そういう方向を進めたいと考えております。 御指摘の、小規模な町村の場合にどういうことを考えておるのかということでございますが、比較的従来からの地域社会の連帯感というのは残っているわけでございます。そういう意味では地域の実情を把握しやすいという利点を持っているということでございますから、パートヘルパーとして働いていただけるような家庭の主婦等の把握も容易ではないだろうか、こう考えるわけでございます。そういう意味で、地域住民に対するホームヘルプ制度の周知であるとか啓発を大いに推進して、そういう機会に大いに参画をしていただきたい。そういう意味では地域の実情に合ったホームヘルパーの確保を図っていきたいと考えておりまして、私ども、ユニークなモデル的な試みに対しましては、そういうものを進めるという観点からいろいろ個別に応援をさせていただくことも考えたい、そんなふうに考えております。それぞれの地域の実情に応じた取り組みを大いに進めていただいて、必要なマンパワーの確保をお願いしたいと考えております。
○山口(俊)委員 ただいま地域の実情に合ったというふうな御答弁を賜り、非常に意を強くしたところでありますけれども、御承知のとおり、過疎の村等は非常に道路事情も悪く、決して一律にはいかないというふうなこともあろうかと思います。ですから、お話のとおり、パートとかアルバイト等の活用もぜひともお考えいただきたいと思うような次第でございます。 また、ホームヘルパーに代表されるような在宅福祉サービスの大幅な拡充を図っていくためには、今回の改正案で市町村が策定をすることになっております老人保健福祉計画等において、地域の実情に応じてきめ細かなサービスの目標を立てて計画的に整備を進めていくことが必要であろうかと思います。そして、立派な計画をつくるためにはそれなりの財源も必要でありますし、マニュアルにのっとった金太郎あめ的な計画ではおかしいのではないかというふうにも私は思っておるわけであります。そのためには、国としても市町村の面積あるいは人口、サービスの現状、さらには能力等々、そうしたものに応じてきめ細かな計画策定を指導援助していく必要があろうと思うわけであります。 そのような点、国としてはどのようなことをなさっていかれるのかという点と、また、例えば私の地元であります徳島県では既に、いわゆる住民の環境をよくするということすべて福祉であるというような観点から、実は総合福祉計画というのを策定しております。既にある、ある意味で先駆的な取り組みとして行われておる、そうした既存の計画との関係についてどのように指導をされていくのか、御方針をお伺いいたします。
○岡光政府委員 まず、前段の方の計画策定に対しまして国はどのように応援をしていくのかということでございますが、おっしゃいますように、今回の改正で考えておりますのは、住民に最も身近な市町村において対象となるお年寄りの心身の状況等に応じて保健福祉サービスが提供できるようにしよう、それから、寝たきり老人等の人数とか介護の実態等の地域の実情に応じて老人保健福祉計画を策定することによって保健福祉サービスの計画的整備を図ろうということでございます。決して、先生御指摘の画一的なものをねらっているわけではございませんで、地域の実情に応じてということを私ども中心に考えようとしております。国としましても、しかしその辺は何か指導していく指針が要るであろう、こう考えておりまして、地域の自主性を尊重しつつも、市町村計画の策定に役立ちますように計画策定に当たって配慮すべき事項、そういったものを中心にしまして、ガイドラインであるとかマニュアルであるとかそういったものを示して参考にし、また適切な御指導にも当たりたいと考えております。 それから、既存計画との関係ではどうなんだという第二点目のお尋ねでございますが、これにつきましては、私ども必ずしも別途の独立の計画を改めてつくってくださいということを考えているわけではございませんで、既存のそういう計画がありましたら、今回法律で定めております施設の整備量の目標等その必要な事項が盛り込まれておりますれば形は問わない。したがいまして、既存の計画の中で十分対応できるものであればそれでもよろしゅうございますし、それから、足らない部分があればそれに加えてもらうということで、中身で計画性が十分達成できればそれでよろしいではないか、形の上では弾力的に対応していきたいというふうに考えております。
○山口(俊)委員 いろいろと御答弁をいただきました。そのような方向で是が非とも御努力をお願いいたしたいと思う次第でございます。 そのほか、精神薄弱者対策についてもお伺いをいたしたかったわけでございますが、もう時間もありませんので、ただ、申し上げておきたいのは、今回の法改正で通勤寮とかあるいはグループホーム等大変見るべきものがあるというふうに評価をさせていただいております。ただ、精薄者を取り巻く環境というのは依然として大変厳しいものがある、自立なり社会参加を拒むような一つの社会風潮があるというのも事実でありますので、そこら辺の啓発といいますか、そうした点を十分今から留意をなさっていただきまして、所期の目的が達成できますように御努力をお願いをいたしておきたいと思う次第であります。 最後に、大臣にお伺いをいたしたいのですけれども、今回の改正というのは、今後の高齢化社会に備えて、そのために必要な福祉行政の実施体制をつくるものであるというふうなことでありますけれども、確かに大変立派な計画であり法改正であろうと思うわけでありますけれども、絵にかいたもちに終わっては困るわけであります。申し上げましたゴールドプランも、あるいは昨日総務庁の方から資料をいただきました例のフォローアップ報告等々を見ても、確かに読みごたえがあるわけでありますけれども、要は実行であります。そこら辺についての大臣の決意をお伺いをいたしたい。 さらに、高齢化の問題は、今や単に福祉の面のみならず、例えば雇用の問題とか住宅の問題、年金、あるいは町づくり、さらには人口動態、最近問題になっております育児休業の問題にしても、ある意味で高齢化対策と言えないこともないわけであります。いわば社会全体の問題であり、日本の社会構造が今高齢化というふうに大きく変化をしつつある、ある意味で大変な問題であろうと考えておるわけであります。まさに未知との遭遇というふうなことも言えるのではないかと思っております。それだけに全省庁挙げて総合的に取り組んでいく必要がある。今回のゴールドプランの総予算が六兆円というふうなものでは済まないのではないかというふうにも思うわけでありますが、大臣は日ごろ、行動する厚生省を目指すとおっしゃっておられました。我が国の高齢化対策のかなめの大臣として、積極的にリーダーシップを発揮をせられることを御期待をいたしておりますけれども、その御決意のほどをお伺いをいたして、質問を終わりたいと思います。
○津島国務大臣 大変温かいお励ましをいただいて、ありがたいと思っております。 御質問の最初のところで精神薄弱者対策について一言お触れになりましたので、私の所感の一端を申し述べたいと思いますけれども、やはり近代社会におきましては、障害者の方も高齢者の方もおられるのが自然な社会である、これがノーマライゼーション、つまり完全参加と平等という思想、の基本だと思うのでありますが、そういうことについては、なお国民一般の理解が十分行き届いてない面がございますので、今御指摘のとおり、例えば毎年九月を精神薄弱者愛護月間と定めて各種の団体が活動していただいておりますけれども、そういうものを通じて啓発活動を一生懸命やっていきたいと思います。 高齢化の問題は、今委員が御指摘になりましたように、日本の社会全体の問題でございまして、これに取り組んでいくためには、社会保障ばかりでなくて教育や雇用や住宅など、すべての施策について総合的な対策が講じられなければならないわけでございます。このような観点から、政府は、長寿社会対策大綱を昭和六十一年六月に閣議決定いたしまして、また、これに基づいて閣僚会議も組織をされ、国を挙げて、各省挙げて対策を講じていくという姿勢は明らかになっておるわけでありますが、しかし、これらの施策の推進に当たり厚生省が中心的役割を果たすべきだというのは全く御指摘のとおりでございます。 私は、その後厚生省が福祉ビジョン、そして今度の十カ年戦略、次々と具体的な計画を策定し、踏み込んでまいりましたが、これを推進いたしますと同時に、社会政策総合官庁としての気概を持ちまして行政の先頭に立ち、各省の先頭に立って二十一世紀の活力ある長寿社会をつくっていくために努力をいたしたいと思います。 なお、実務レベルにおいても協力が必要であるということもまた御指摘のとおりでございまして、私の意を体して事務当局におきましても、例えば高齢者のための住宅づくり、シルバーハウジング事業などにおいて建設省とまことに密接な関係を構築していただいておりますが、各般の問題について協力をしつつ進めてまいりたいと思います。お励まし、ありがとうございました。
○山口(俊)委員 どうもありがとうございました。
○畑委員長 川俣健二郎君。
○川俣委員 何十年ぶりかの大改正でございますが、何十年ぶりというのは、それぞれ法案を八つ一まとめで一括出すというのだから戸惑ったのですが、しかも法案の名称も、最初は違っておったね。局長、その辺の、なぜ変えたのかな、老人福祉にウエートを置いた問題なのか、あとの七法案はどうなのか。一括提案の割には、今話が出ておったが、精神障害者福祉、この法律は大臣の意のあるところはわかるにしても、法案に何となく出てないので避けて通ったんじゃないのかな、薄いような感じがするのですが、さらにもう一つ聞きたいのは、これは、社会保障制度審議会、私も審議委員の一人として長年参画しておりますが、建議が出ておりましたね。老人福祉のあり方、こういう建議を出したはずですが、その辺の配慮をどのように考えたか、まず最初に、ひとつ局長から聞いておきたいと思います。
○長尾政府委員 まず最初に、今回の法律全体の、八法案を一括とし、名称等についても変更したのではないかという、全体の法律の改正の仕組みにつきましてお答えをさせていただきます。 今先生から、この法律改正は何十年ぶりの改正ではないかというような御指摘をいただきました。確かに今回の八法案の幾つかは四十年ぶりと言われるような形の、非常に新しい時代に即応した改正ということになっておるかと思います。 それから、制度審議会の建議にもお触れをいただいておりますように、社会福祉をめぐる環境は大変変化をいたしておると思っております。こういうような変化を背景といたしまして、昨年の三月三十日に、中央社会福祉審議会、身体障害者福祉審議会及び中央児童福祉審議会の福祉関係の三審議会で、今後の福祉のあり方について共通の問題、共通の方法は何かということからの御審議をいただいたわけでございます。いわば、老人福祉問題、身体障害者福祉問題、児童福祉問題、この三分野をお互いが関連し合う問題意識の中でどういう方向で新しい時代に対応した福祉の体系をつくっていったらいいかということの御審議をいただいたわけでございます。 この三審議会の御意見の一致が、一つは市町村の役割を重視していくということでございます。二つ目が在宅福祉の充実ということでございまして、これを基本的な考え方といたしまして、社会福祉全般について新たな展開を図るべきであるという御趣旨で御意見をいただいたわけでございます。そういう観点で申し上げますと、今申し上げました三つの主要福祉分野、これに関連いたします八法案を一括改正をするということが、こういった意見具申を受けた福祉の改革ということといたしましては一つの方向であると考えまして、今回八法案を一括法案として御審議をいただくということになったわけでございます。 この福祉の理念を表現をいたします題名でございますが、社会福祉事業法が全体のこういった福祉の共通的な法律でございますので、社会福祉事業法等の一部を改正する法律案ということで文書課長会議等に私どもは提出をいたしたわけでございますが、政府部内で検討を進めております段階で、特に法制部門を担当しております部局から、この部分については、全体の大きなポイントが老人福祉をめぐる改正ということでくくるのが適当であるという御指摘をいただきまして、題名が老人福祉法等の一部を改正する法律案というふうになった次第でございます。 もう一つは、先生の御指摘がございました制度審の建議ということでございますが、これは、昭和六十年の一月二十四日に社会保障制度審議会からいただきました「老人福祉の在り方について」の建議のことかと思います。この建議は、こういった急速に進行しております高齢化社会に直面いたしまして、これからの老人福祉対策の基本理念は自立とノーマライゼーションである、それから、地方分権と住民参加を図ることを前提に要介護老人のための施設整備、痴呆性老人対策の推進、在宅サービスの拡充、住宅対策の推進と環境の整備、さらに公私の役割分担、費用負担などのあり方につきまして、さまざまな観点からの御建議をいただいたものと承知いたしております。 今回の法案の国会提出に際しまして社会保障制度審議会に御諮問を申し上げたわけでございますが、その際、社会保障制度審議会から、基本的方向として今申し上げました建議に沿うものであるという旨の御意見をいただいておると思っておるわけでございます。老人や高齢者の方々、お年寄りや障害者の方々が、住みなれた地域においてそれぞれ最もふさわしい処遇を安心して受けることができるような体制をつくれるというのが今回の趣旨でございまして、そういう観点からは、今先生御質問ございました制度審議会の建議に沿って法案を策定したと申し上げてよろしいかと思うわけでございます。
○川俣委員 普通は一法案に施行日が一つなんですね。したがって、八つも一遍に並べられるものだから、施行日も四段階なんですね。四段階。これではミスも起きるのは無理ないかなと思っておるのですが、大臣が方々へ行って頭を下げたようですが、ここでは下げてくれとは言いませんから。 そういうことがたたって大事な審議がおくれたわけですが、一体この四段階、簡単にどれとどれがいつかということをちょっと言ってみてくれませんか。
○長尾政府委員 お答えをいたします。 御指摘のように、本法案の施行につきましては関係者への周知徹底、それから所要の期間を要するものがございますので、原則といたしましては平成三年一月一日ということを施行として決めたわけでございます。しかしながら、いろいろな意味で地方公共団体の御準備がかかります入所決定事務の問題、これが一番時間がかかるということでございまして、これを平成五年四月一日といたしました。そういう意味では今先生お話のございますように、まず原則が平成三年一月一日、それからすぐに実施をすべきものにつきましては三カ月以内で政令で定める日、それから平成三年四月一日という会計年度に絡みます段階、それから今申し上げました平成五年四月一日の計四段階となっているわけでございます。 このおおむねのものを申し上げます。 まず、一段階、すぐに実施をする、公布の日から起算して三月以内で政令で定める日から施行しているものでございますが、これは社会福祉事業団の改正の関係でございます。これは事業団に基金を設けまして、これを他の経理と区分をいたしまして実施をいたすわけでございますが、こういったものを早急に実施をさせていただきたいということで、これは一番早く施行をさせていただくものでございます。 その次の平成三年四月一日施行分でございますが、これは在宅福祉サービス等にかかわります補助率の明定の規定でございますが、これは会計年度の区分、つまり国及び地方公共団体の会計年度の区分当初から施行するということが適当であるということで、これが平成三年四月一日施行分でございます。もう一つは、共同募金会及び社会福祉協議会関係につきましては、それぞれの事業年度の区切りでやらしていただきたいということで四月一日ということになっております。それからもう一つが有料老人ホーム関係でございますが、これは有料老人ホーム協会の業務執行体制の整備、それから同協会会員への指導等に相当の期間を要するということで、この四月一日の方になっております。 最後の平成五年四月一日施行分といたしましては、特別養護老人ホーム等への入所決定権の町村移譲、老人保健福祉計画の策定等でございまして、これは町村において支障なくこれらの事務が実施できる体制づくり、例えば職員の研修等を私ども考えておりますが、そういうことができるということで三年を要するということで、四段階にさせていただいたわけでございます。 今回の国会提出に当たりまして、今先生御指摘いただきましたような誤りがございましたことを、まことに申しわけなく思っておるわけでございます。
○川俣委員 論争する時間がないので、私の役目は総括的に一通りやって、同僚の皆さん方がそれぞれ個別に論議を深めることになっておりますが、ちょっとその前に、せっかく警察庁の刑事局に来てもらっておりますが、ノーマライゼーション、さっきも話が出ましたが、やはりお互いに家族で寄り添って、老人介護にしても子供にしても、そういうことを、けさ私はおさらいしているときにニュースで入っておったんですが、児童福祉、いわゆる福祉の子ですね、これが東京から横浜にいるお父さんに会いに行った。一人でどうしてというようなのはあれですけれども、それは別として、警察庁に伺いたいのは、勝又由美ちゃんですか、お父さんのうちに近づいた二百メートルぐらいのところのやぶでランドセルが見つかったということだ。大変案じられるようなニュースでしたけれども、その後捜査の行方をちょっと出してくれますか。来ておりますか。
○根本説明員 今お尋ねの件でございますけれども、この勝又由美ちゃん、八日の夜からわからなくなりまして、一緒に住んでおります松本児童園の方から届け出があって、それから母親あるいは父親のところをいろいろ聞いてみたのですけれども、わからないということでいろいろ捜しておりましたけれども、結局ランドセルが見つかったということで大変事件に巻き込まれる可能性もあるんじゃないかということで、長野とそれから特に神奈川で百数十名の体制で今捜しているところでございます。足取りは、この由美ちゃんが新宿駅でおりて駅員さんとお話ししたところまではわかっているのですが、後のところはわからない、こういうことでございます。大きな体制を組んでやっておりますので、いろいろな情報がこれから入って早く解明できるように努めてまいりたいと思います。無事で発見できればと願っております。
○川俣委員 朝早く一斉に、非常に視聴率の高い時刻でございましただけに恐らく皆さんが案じられるニュースで、一日も早く、むしろ一刻も早くと思っておったのであろうと思いますが、御努力願いたいと思います。 それから三本柱の一つ、在宅福祉サービス、これですが、当初の方針は、今、郡事務所、いわゆる地方事務局、福祉事務局にゆだねているわけですが、これを町村におろすという、措置権を移譲するという、こういう法律用語で表現しておるが、しかし、これは最初は義務うたいでなかったかなと思うのですが、いつの間にか努力目標というか努力規定のようなものになったんですけれども、これは何かあったんですか。
○岡光政府委員 措置権の移譲につきましては、県の福祉事務所でやっていただいている仕事を町村に移譲するということで、それは条件を整えようということで対応しようとしておりますが、先生御指摘の在宅福祉サービスについて、市町村におけるその事務の位置づけについてのお尋ねでございますが、法案の作成過程でいろいろ意見が出てまいったのは確かでございますが、いろいろ検討した結果、私どもは、市町村におけるデイサービスセンター等供給体制の確保の状況を含めまして、種々の観点から総合的に検討して対応する必要があるというふうに考えたわけでございまして、法律の規定ぶりとしましては、必要に応じて在宅福祉サービスの措置をとることができるという規定ぶりにすることが適切だと判断をしたわけでございます。ただし、その推進をしなければなりませんので、その推進方策につきましては、この仕事を平成五年から全国の市町村でやっていただくというふうに、先ほど局長が御答弁しましたような施行の関係になっておりますから、したがいまして、平成五年度以降に改めて検討を行う、こういうふうな規定ぶりにしたわけでございます。この在宅福祉サービスの充実は非常に重要でございますので、今回の法律上の規定ぶりとしましては、まず在宅福祉サービスを法律上明確に位置づけをする、それから法律上補助の規定を設ける、それから積極的な実施に努める、こういうふうな規定をおのおの置きまして、そして計画的な実施についての規定を置いて対応しようではないかということで、現段階の体制におきましては一番適切な対応をしたものじゃないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
○川俣委員 わからないわけではないんですが、時期尚早というか、供給体制、受け入れ体制、準備体制というようなこともわからぬではないんですが、附則にはなるほどあなたが言うように書いておりますね。「政府は、老人及び身体障害者に対する居宅における介護等の措置の推進のための方策及びこれに伴う国の費用負担の方式については、平成五年度以降」云々、こう書いてある。それでは、お言葉じりを取り上げるわけではないが、平成五年になったらいいのかな、克服されるのかな、やっぱりだめだったということじゃないだろうな。こういう法案を出す限りは、ある程度手法というか手順というか対応というか、そういったものがあろうかと思うんですよね。そこで、やってみなければわからぬようじゃ何のための法案審議だと思うのです。 私がなぜこういうようにしつこく言うかというと、五年先の見直しでは遅いんだと思うんだよ。こんなに急激に高齢化してくる世の中に五年後に本当の気持ちでかかるというようなことではなくて、むしろ途中で見直しの場合もあり得るということをこの法案を作成している段階で頭に考えておったことなのか、その辺を少し聞かしてもらいたいのです。
○岡光政府委員 全国市町村の体制を整えるということがまず先決であろう、こう考えております。したがいまして、これから三年間かけましてそういう体制の条件整備を行って、そして平成五年度から全国の市町村で在宅福祉サービスを皆さんでそろってやっていただこうではないか、こういう仕組みにしておるわけでございます。その平成五年度以降の在宅福祉サービスの整備状況を見据えまして、そして、その仕事がより推進するようにということで、どういう方策をとったらいいか見直した上で所要の措置を講じていこうではないですかということを考えておるわけでございまして、ここのところは手順を追った対応をぜひともさせていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
○川俣委員 この問題は数字を挙げて後で論議させてもらいたいのですが、その前に、労働省婦人局長にも入ってもらっておりますので、先にちょっと取り上げたいのは、二、三日前に一斉に報道された日本の「平均出産数最低の一・五七人 老人と子供の人口今世紀中に逆転も」、これは八九年の人口動態統計だと申しますがね。そして、これは朝日その他たくさん載っておりますけれども、年金はピンチだ、そうなると当然厚生年金も考え直さなければならぬかなというようにだれしも思うと思う。 そこで、大臣も深刻な問題であるとインタビューに出ておられました。これはまことに深刻な問題だと思います。これはいろんな問題をはらんでいると思うんですよ。これまで国が年金、医療政策などを立てる上で基礎データにしてきた厚生省の人口問題研究所の将来推計人口、八六年ですか、出生率が一・七二を底にして緩やかに回復すると見ておる、こういうふうに考えて今まで施策をしておった。ところがそうではない。これが児童手当のことも考えなければならぬ。それから婦人局長にあえて聞きたいのですが、育児休業法、これ急がなければだめなのではないかな。それから、労働力は当然不足してくる、そうなると、このごろ毎日のように朝のNHKニュースでもやっておりましたが、外国人労働、きょうは法務省の入国管理局長を呼んで、ちょっと深めたいと思ったのですが、時間がなくてやめました。外国人労働問題、これは出てくると思いますよ。それから、かてて加えて、この問題のホームヘルパー、介護人、保健婦、看護婦不足も、これもニュースに別個取り上げられておりました。 そこで、まず最初に大臣に聞きます。長寿社会対策関係閣僚懇談会、何かいろいろとじたばた会議というようなことも見出しで出ておって、あの大臣が何とか言ったとかかんとか言ったとかと書いておったのですけれども、そんなことでは済まされない。これはやはり本当に関係官庁は集まってやらなければならない問題ではないのかな、こういうように私は思うのです。労働力不足が深刻化しておるというのは、本当に深刻な問題に入ると思います。これはやはりきょうから審議しているこの福祉八法に対する問題、みんな若手の働き手の女性、男性問わずそういう人方の手をかりなければならないという問題なんで、それだけに、大臣これからどういうように考えているのか、この辺でひとつ聞いておきたいと思います。 〔委員長退席、持永委員長代理着席〕
○津島国務大臣 最初に申し上げますが、社会党で部会長として福祉問題に指導的な役割を果たしておられる川俣委員に、福祉全般についてこれまでもいろいろと御提言もいただき御協力をいただいていることについて、心から敬意を表したいと思います。 さて、出生率の低下の問題でございますが、今委員御指摘のとおり、これは我が国の高齢化社会の裏腹の問題でございまして、基本的な問題として、浮上してきたという言い方をすると語弊があると思いますが、基本的な問題として出てきておるわけでございます。私から今さら申し上げるまでもなく、いわゆる人口の置きかえ水準、つまり人口が減らずにいくためには二・一という合計特殊出生率を必要とするわけでございますから、今の一・五七という出生率は非常に深刻な問題をはらんでいると思っております。これによりまして、まず、これから生まれてこられる子供さん方の成長にもいろいろな問題が生じます。遊び友達がいない、兄弟がいない、かぎっ子になるというような問題がまずあるわけであります。それから高齢者扶養の負担の増大、労働人口の不足等経済全体について大きな影を落とすことになると思います。そういう認識から、先般も長寿社会問題を検討する閣僚懇談会で、私の方から、これは高齢化の裏腹の問題で非常に大きい問題であるから全省、各省挙げて取り組んでまいりたいと申し上げたわけでありますが、厚生省としては、家庭や子育てに対する支援など、二十一世紀を担う子供たちが心身ともに健やかに生まれ、心豊かな人に育っていくための環境づくりを積極的に進めていくという必要を痛感しておるところでございます。 対策としてどういうものがあるかということを議論する前に、まず、どういう原因が絡んでいるかということをしっかりとみんなで把握し、認識しなければならないと思いますが、私は、まず子供を産んでいただく女性の方々の晩婚化ということ、これはいい悪いは別でございますよ、事実として非常に進んでいるということが第一。それから、結婚された方について社会的な、そして経済的ないろいろな要因、雇用であるとか子育てのためのコストであるとか教育に対する心配であるとかいうことがやはり住宅問題等とも相まちまして、何となく希望している子供さんの数よりも少ない数にとどまってしまうという結果が生まれている。それから無視できないのは、やはり若い御夫婦が将来に向けて必ずしも明るい展望が持てないという雰囲気があるのではないだろうか。こういう全体としての問題に対応していかなければならないわけでありますから、やはり相当大きな総合的な対策を考えていく必要があると思いますが、まずは子供さんを安心して産み育てていただくという環境づくりはいわば一種の社会的な投資である、みんなのためであるという国民的な合意を形成する必要があるであろう、かように思っておるところでございます。 〔持永委員長代理退席、委員長着席〕
○川俣委員 そうなんですよ。それはなぜ少なくなったかなんということを分析したって、きのうのおかしく書かれた新聞みたいになるのですよ。言ったか言わないかわからぬけれども、女が余り高等教育を受けるから子供を産まなくなったとか言ったとか言わないとか、そんな問題じゃない。現実こうなったのだから、今大臣が最後に言った分、早急に関係官庁が集まってやらなければならないと思うので、あえてそれを強く要求しておきます。 それから佐藤局長に、今審議している福祉関係はどうしても女性労働にお世話になるのです。そういうこともあって、いろいろ今子供の教育の問題もありましたが、育児休業法を当局はどう考えているのか、その辺と、それからこういう女性労働が不足するというと、本当にこの間なんか看護婦は不足で、不足だからやめるのです、大変だから、自分に荷物がかかってくるから。そういう悪循環など考えると、これは真剣にやらなければならないと思うので、その辺非常に勉強なさっている局長ですから、一考察をひとつしゃべってみてください。
○佐藤(ギ)政府委員 ただいま先生から大変広い視野から御見識の高い御質問をいただいたわけでございます。私も、先生おっしゃいますとおり、現在出生率が下がっておる、そして今後労働力不足が深刻になるのではないかという予測がされておる中でございまして、こうした中で女性の活力が社会に生かされるということが社会的な要請でもあり、また重大な重要な課題になっていくというふうに認識しておるわけでございますが、労働省といたしましては、女性がその能力や経験を生かしながら職業生活と家庭生活が両立できるようにという女性の立場からの要請も踏まえまして、今御指摘ございました育児休業の普及というのに全力を挙げているところでございますし、これからも精いっぱい努力をしてまいりたいと思います。 また、法制化の問題につきましても、今真剣にこの問題の勉強をいたしておるところでございまして、これからさらに、この制度の確立に向けて努力をしてまいりたいと存じます。
○川俣委員 育児休業は議員立法だからといって政府は冷たく当たらないで、自分たちのものだと思って真剣に文字どおりやってもらいたいと思います。 そこで、その中で大臣からいろいろお話がありましたが、それでは児童手当を一つ取り上げてみましょう。これはくしくも、私が国会に上がってきて当選したばかりのときに最初に本会議質問したのは児童手当なんですよ。ところが、その後事業主その他からだろうと思うが、とうとう臨調で、こんな手当はむだではないかというような言い方をして減らしてみたりいろいろなことをされた児童手当ですが、しかし、こうなればやはりだれしも考え直さなければならないなと思うのです。そこで、厚生省は児童手当の問題を次期国会くらいに額も含めて改正を考えているやに伺っていますが、しゃべれる範囲内でしゃべってみてくれませんか。
○津島国務大臣 児童手当制度は現在平成三年五月までの措置としての特例措置で組み立てられておるわけでございますから、当然その見直しの時期に来ておるわけでございます。そういう中で出生率の低下あるいは女性の社会進出等児童や家庭をめぐる環境変化が大きく脚光を浴びておりますので、現在中央児童福祉審議会において具体的な改正の方向について幅広い観点から御審議をいただいているところでございます。今後、この審議会の結論を得まして、次の通常国会にはできれば法案を提出いたしたいと考えております。
○川俣委員 それ以上聞きません。 それでは少し中身に入って理解を深めたいと思いますが、例の高齢者福祉推進十カ年戦略というか計画というか、ゴールドプランだそうですが、ゴールドプランといったって裏づけがなければゴールドにならないで石になってしまうのです。大蔵省も呼んでいますね。一体この裏づけは大丈夫だろうかなという感じ、それから、この辺でホームヘルパー一つ取り上げましても十カ年で大丈夫かなと思うのは私一人じゃないと思うのです。ホームヘルパー十万人にするのでしょう。現在三万五千九百五人でしょう。十万人にする。ショートステイ五万床にするというのでしょう。今七千六百七十四かな。デイサービスセンターを一万カ所にするというのでしょう。現在千七百八十カ所でしょう。これを一つ取り上げましても、これを十カ年戦略でホームヘルパーは十万、ショートステイは七千を五万、デイサービスは千七百を一万、いいのかな、大丈夫かな、この財政で。一体財政もどう考えているのかな。この手順、方法などをもう少し私らにも、町村がその気になっていると思うから、町村にその気になれという裏づけがなければ我々は胸を張って説明して歩けないんだよ。その辺どうですか。
○斎藤説明員 「高齢者保健福祉推進十か年戦略」につきましては、二十一世紀の明るい長寿・福祉社会の実現に向けて極めて緊急かつ重要な課題であると考えておりまして、したがって、また今回の十カ年戦略におきましても、ホームヘルパー十万人を初め思い切った拡充の目標を掲げたわけでございます。財政当局といたしましても、今後各般の制度、施策の見直し等、財源捻出の努力を軍ねながら、今後毎年度の予算編成過程で最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。この点につきましては、本院におきましても繰り返し大蔵大臣から決意を述べられているところでございます。
○川俣委員 当然、この十カ年計画には大蔵省も参画していると思います。これは聞かなくてもいいと思うのですが。これは予算委員会の総括などでやるべき問題ですが、十カ年計画で六兆円、これは少ないというお話もさっき出ていましたからね。この少ない六兆円が実現しないようではどうにもならないと思います。 そこで、当然ここに、今はこういった問題は交付税。国が二分一、県が二分の一。今度は国が二分の一、県が四分の一、あとの四分の一は町村。その町村は持ち出しかというと、いや、交付税ですという。しかし、交付税だって一般財源の交付税だからね。これは福祉のものですよといっても、ひもがついていないから、ある町村長は福祉にもらった金で橋をつくったり道路をつくったり選挙運動の足しになるものばかりやっているのじゃないのかな、こういうような感じもしないわけではないから、これは少し詰める必要があると思う。きょうは今私の時間はありませんが、これは詰める必要があるよ。そこで、自治省はその辺はしかと心得ていますか。
○香山説明員 地方交付税は御指摘のとおり使途の制限がないというのはそのとおりでございますけれども、地方交付税に対する具体的な算入方法でございますが、技術的な説明になって大変恐縮に存じますけれども、例えば老人ホームの場合は現に入所措置した人員に応じて算入するという方法を我々とらせていただいております。したがって、要するに措置をすればそれに伴う地方交付税が算入されるという仕組みになっておるものでございますので、そのような意味におきまして御懸念のようなことにはならないものと私ども考えております。
○川俣委員 これは御懸念が出てくるのです、例を言う時間はないけれども。 それでさらに疑問を晴らしたいと思うが、移譲してもらっても、町村によって自分の村、町に特養があるところとないところがあるのですね。あるところは、まだ今でも措置権というほどではないが、自分の住民を優先的に特養に入れるにいいのですよ。ないところというのはどっちかといったら人口が少ないのですから、したがって財政も乏しい。そういうのはどうしても広域市町村圏に頼まなければならぬのですよ。そうなると、広域市町村圏というか福祉事務所を通してお願いすることなのかな、措置権は町村長にもらっても特養のホームが我が村にはないので、やはり福祉事務所を通してひとつうちのお年寄りをということになるのかな。それから非常にばらつきのある、きめの細かいと大臣がおっしゃっても、町村によって裕福なところと貧乏なところとばらつきがあるのですよ。 それからもう一つは、事務的にも町村におろすならおろすなりに専門的な、ここに皆さん方も言っておるのですが、かなり精通したスタッフが町村に要るわけですよ。今まではいなかったが、新たに要るわけですよ。そうすると、これは福祉事務所の方から連れてくるのかな、それとも町村で増員するのかな。そうなると自治省、もう一遍、ほかの方の課長になるかな。公務員の定員枠、自治体にはないかもしらぬが、それでもモデル定員というのがある。そういったものとの兼ね合いは大丈夫かな、こういったような感じがするので、それだけに私は一番先に言ったのは、やることができるといううたい方で出発したって、やはり義務規定でないものだから、やることができるということはやらなくてもいいという意味なんです、裏返しをすれば。とてもそんなものには手をかけていられない、人を一人ふやすといったって金がかかる、こういうことになる。その辺を少し、まず当局から説明してくれませんか。
○岡光政府委員 お話の第一点の、特養のある町とない町との間で格差が生じるおそれがあるのではないかという御指摘でございますが、そういう施設の立地の有無によりまして不公平とか格差が生じないように配慮をしていかなければならないと考えております。 一つは、例えばどこへ特別養護老人ホームを整備するのかという適正配置の問題でございますが、これにつきましては都道府県で計画をつくっていただきまして、いわゆる福祉地域というふうな広域的な観点から、その地域に属しております市町村を通じて必要整備量を測定いたしまして、そして適正に配置していくということがまず必要であろうと考えておりまして、都道府県計画においてそのような調整をまずお願いしようと考えております。 それから、それでは具体的に、どの施設をどのように使うのかということでございますが、その点につきましては、市町村相互間の連絡調整とか必要な援助、どこへどういうふうな入所が要るかという入所判定なんかにつきましても都道府県が応援をするというふうなことをいろいろ配しまして、その辺適切な運営ができるように、先生御指摘のような不公平とか格差が生じないように、こういうことを考えて運用したいと考えております。
○長尾政府委員 町村へ措置権を移譲することに伴いまして、町村に福祉のケースワーカーと申しますか、そういう専門職を設置していかなくてはいけないんじゃないかという御指摘でございますが、この点につきましては先生御指摘のとおりと私どもも考えておるわけでございます。 今回の改正におきまして、措置権の移譲を受ける町村につきましても、こういった福祉の仕事をいたします専門家としての公務員の社会福祉主事、社会福祉事業法においてこの措置権の移譲を受ける町村についてもこれを置くことができるという旨の改正をしたわけでございます。それから、こういった社会福祉主事につきまして、実際にも促進されますように、主事資格認定のための通信教育課程の受講対象者を、本年度から町村職員にまで拡大をいたしておるわけでございます。また、措置権の移譲を円滑に実施するため、町村の職員を対象とした研修を本年度から実施をするということを予定いたしております。
○谷本説明員 入所措置権限の移譲に伴います、いわゆる町村の所要人員でございますが、これにつきましては、現時点では具体的な人数を算定するというのは私どもは困難でございますけれども、御指摘のように措置権が移譲されるということでございますので、事務量が当然増加してまいるということでございますので、当然それ相応の人員配置が必要になってまいると私ども認識をいたしておるところでございます。 いずれにいたしましても、具体の人員配置につきましては、厚生省とも十分協議をさせていただきまして、私どもの方で毎年度地方財政計画というのを策定いたしておりますので、その中で所要の職員経費等についても計上させていただきまして、事務の執行に支障が生じないよう配慮してまいりたい、かように考えております。
○川俣委員 これは、長尾局長、自治省もこの計画などにはもちろん参画しておるのでしょうね。
○長尾政府委員 今回の法律改正につきましては、今申し上げましたように、法律改正の中で社会福祉主事の規定を改めておりますが、この件は政府提案でございますので、政府全体として一致した方向ということで提案させていただいているわけでございます。
○川俣委員 それから、建設省も当然審議の輪に入らなきゃならないと思います。それは、やはり住宅ですよね、「在宅」というのは住宅の「宅」ですから、全く住宅なんだ。この場でこういう論議がありましたね。老人医療問題だったかな、この委員会で老人医療費というのは北に行くほど一人頭の経費がかかる、なぜだろう、寒いからだ、寒いから入院、それから退院してもいいと言っても、うちへ帰ったってどうも嫁さんと、それより病院のサロンで、こういうのが非常に多いのではないかというような話も出たが、私も北ですから、そういう感じはする。問題は、蛇口をひねればお湯が出る、こういうのが老人の住宅に向くようです。 そこで、あえて取り上げようとはしたくなかったのですが、自殺の問題でも、老人の自殺は日本が世界一高い。なぜあんなにお金持ちになって自殺が多いのだろうという諸外国のクエスチョンですが、これは老人ホーム一つ取り上げましても、個室の自殺じゃなくて、大部屋の雑居制というか、こういうものから出る。老人ホームの個室制というのは一体何%あるのだろうかな、こういうように思います。答えてください。 それから、同居世帯に非常に多いというのは、一番ケ瀬康子さんという日本女子大の教授で経済学博士の書いた本を私持っておるのですが、これは勧告もしたやに聞いておりますが、やはり家族関係ですね、実の息子に暴力というか、しかし自分のうちの恥ですから警察ざたにはしたくない。それと、これは孫との関係もあるんだね。勉強部屋が欲しいよ、お母さん、こう言うと、いや、もうちょっと待てばあくよ、こういう言葉がね。こういうことを考えると、やはり老人福祉を考える場合に、建設省の住宅、こういったものも何となく聞いてみたいね。まず建設省、来ておりますか。
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。 住宅行政におきましても、高齢化社会への対応ということは非常に重要な課題と考えておるところでございます。先生今御指摘のように、住宅の規模が、自殺そのものにつきましてはいろいろな原因があろうかとは存じますが、住宅をできるだけ広くあるいは質の向上を図っていくということが非常に重要なことだと考えておるところでございます。 現在、第五期五カ年計画の最終年度ということで、一生懸命住宅行政を展開しておるところでございますが、現在一戸当たりの平均の住宅面積は八十九・三平米ということでございまして、ヨーロッパが九十一ないし九十三ぐらいでありますから、大体ヨーロッパの水準に近づいてきつつあるわけでございます。今後も第六期住宅五カ年計画を立てるということで現在住宅宅地審議会の方で御審議をいただいているところでございまして、その中でも高齢化社会への対応ということが非常に大きな課題になろうと考えているところでございます。 現在、住宅行政といたしましては、身体機能の低下あるいは同居あるいは同居しない場合には隣居あるいは近居というようないろいろな住み方の多様化と申しますか、そういうニーズも多様化しておりますので、これに対応できるような公共住宅の供給あるいは入居の際の優遇措置等を講じておるところであります。あるいはできるだけ広い住宅へという観点からまいりますと、住宅金融公庫融資の高齢者を含む世帯の場合には割り増し貸付制度がございます。こういうような制度を活用しているところでございます。そして先ほどちょっとお話がございましたシルバーハウジングプロジェクト等によりまして住宅の供給を推進しているところでございます。
○川俣委員 ぜひ、そのシルバーハウジングを拡大していってください。 それからノーマライゼーション、やはり養護学校を義務化する際に、今まで健常児のお兄さんと障害児の弟が一緒に行って同じ学校の門をくぐって特殊学級に障害児の弟が入って、普通の教室にお兄さんが入る、これでないとだめじゃないかということを私は論議したのですよ、大臣。ところがどうしても障害児は一カ所に集めて、集めるといったって養護学校というのは遠隔地ですから。そこを出なければ義務教育を受けたという終了証をやらないという提案だったんだ。そこまでやらぬでもということでしたが、やはりノーマライゼーションという言葉をどっちも余り知らない時代なものだから。 そこで私は、介護手当というものを考えると、これは諸外国はほとんど出ている、スウェーデンだけじゃない。それから私もスウェーデン、デンマーク、予算の理事の際に行き、見たのですけれども、そういう角度で見てきたのですが、日本国でも自治体で介護手当を三万五千円も出しているところがあります。ここで介護手当を考える時期ではないかなと思うのだが、そういう提案を私がしたら大臣、どうお答えしますか。
○津島国務大臣 介護手当については本委員会におきましても、また予算委員会におきましてもこれまで御議論がございました。私は今までお答えしておりますのは、まず、家庭における在宅介護を充実するということが、求められているわけでございまして、そういう具体的な地域社会のニーズにこたえるというのが我々の当面の課題である。介護手当という方法につきましては、その手当が具体的に介護につながるかどうかとかいろいろな問題がございますので、慎重に検討させていただきたい、こういう御答弁をしてきておるところでございます。
○川俣委員 慎重に検討ですか。慎重に検討して実現するようにひとつ要求しておきたいと思います。 それから、時間がありませんが、そろそろ結論ですが、この問題と直接関係ないわけではないが、来年は世界ろう者会議、四年に一回、オリンピックのようにやってきますね。今度は日本ですね。受け入れ体制とか準備等が果たしてできておるだろうかということが一つと、それからもう一つは、かつて私は予算委員会で、こういう障害児、障害者の問題を取り上げた際に、会議録を点字で出せないか、かなり前、二十年近く前ですが、そうしたら金がかかる、こう言い出したので、それではうちの方でつくろうかと社会党で一回つくったらなかなか経費がかかることは間違いない。したがって、全部出さぬでもいいから、そういったような委員会、ちょうどきょうのような格好の委員会、そういう委員会の会議録ぐらいは出すべきではないだろうかな、いまだに強く思っているのです。きょうはその担当を呼んでおりませんが、ひとつ世界ろう者会議の準備体制と点字会議録、私がこういう提案をしたが、私も話をしますが、厚生省もひとつこれに乗って、厚生省当局もこの問題を取り上げるようにしてくれませんかね。どうでしょうか。
○長尾政府委員 世界ろう者会議の受け入れ体制は整っているかという御質問でございます。 先生、お話がございましたように、今回第十一回の世界ろう者会議が来年の七月五日から七月十一日まで、東京都におきまして開催をされるわけでございますが、この世界ろう者会議が始まりましてから初めていわばアジア地域で開催をされるということでございます。今までは主としてヨーロッパ地域で開催をされておったわけでございます。こういう意味では、聴覚障害者の国際協力の推進、特にアジアの地域におきます国際協力の推進ということに大変に大きな意義を持つものではないかと思っております。今のところ、七十カ国、海外から七百人を含む約二千五百名の参加というふうに伺っておるわけでございます。 こういった大変重要な会議でございますので、もちろんこの準備のためにいろいろな意味で各般の御協力をいただかねばならないものと思っておるわけでございますが、六月の十二日の閣議におきまして、「第十一回世界ろう者会議の日本開催について」という閣議了解をお願いをいたしたわけでございます。これは、今のこの会議に対しまして、関係行政機関が必要な協力を行うものとするという閣議了解でございまして、関係いたしますところ非常に多岐にわたると思うのでございますが、総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、当省、通産、運輸、郵政、労働といった各方面の御後援、御協力がいただけるものと考えております。もちろん私どもも全力を挙げまして立派な開催を実現できますように努力をさせていただきたいと思っております。 もう一つ、先生のお話の国会の御審議の様子を点字によって視力障害者に情報として提供する問題でございます。 先生が、昭和六十年三月八日の衆議院の予算委員会第四分科会でそういった御指摘がありましたことを承知いたしております。そのとき、当時の増岡厚生大臣が申し上げたところでございますが、国会のことでございますので、政府としてそれに意見を申し上げるというのは差し控えさせていただきたいということを申し上げたかと思います。 厚生省としてどうかということでございますが、障害者の方にこういった情報を広く伝えていくということはもちろん大変重要なことと思っております。実は、今般の予算の中で、点字による即時情報ネットワーク事業というものをやらしていただきたいと思っておるわけでございますが、これは、新聞雑誌等の毎日流れます新しい情報を点字で早く提供したいということでございまして、中央の団体に委託をいたしまして、地方の受け手の方に中央の情報センターから新聞雑誌等の情報を入力いたしまして、それを各都道府県の情報センターで受け取り、視力障害者の方が閲覧をできる、希望者には実費をいただきますが、配付ができる、こういう仕組みをとらしていただきたいと思っておりまして、こういうものの中で、今先生御指摘いただきました本日のような国会御審議ということにつきましても報道ができますように、皆さんに御理解がいただけますようなネットワークの上に乗せていくということについては努力をさせていただきたいと思っております。
○川俣委員 ありがとうございました。 最後の一問でお許しいただきたいと思います、時間が来ましたから。 それで、今回論議してみますと、やはりいいことずくめである、これはむしろ遅きに失した問題である。しかし、柱である組織の移譲、計画の策定、在宅福祉の推進、これは全部市町村の体制が整わなければならないね、大臣。これは市町村の体制次第なのです。それに財政的に国が援助するという形でなければならない。したがって、公的福祉サービスの充実を図っていくという基本原則は国の責任にあるんだ、こういうことを据えなければならないと思うが、最後に大臣の決意をお伺いして、質問を終わります。
○津島国務大臣 このたび高齢化社会に対応するための十カ年計画とあわせまして具体的な制度改正をお願いしておりますが、その基本にある精神は、ただいま委員が仰せられたように、国がやはり最終的には高齢化社会に対する対応の責任を持つということで貫かれておるわけでございます。そういうことの中で、市町村には在宅福祉サービスを積極的に、計画的にやっていただく、一方で国は補助等を通じてこれを万全の体制でバックアップするということで進めてまいりたいと思います。 今後、市町村における一定の準備期間を経て、老人福祉計画を実施することを積み重ねてまいりまして、そして、平成五年度以降には在宅福祉サービスの法律上の位置づけをより明らかにいたしたいというふうに意欲を持っておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○川俣委員 ありがとうございました。
○畑委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ────◇───── 午後一時開議
○畑委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。伊東秀子君。
○伊東(秀)委員 日本社会党・護憲共同の伊東秀子でございます。 厚生省にお伺いいたします。今回の法改正案は、在宅福祉サービスと施設福祉サービスをきめ細かく一元的かつ計画的に提供する体制づくりをされたということのようで、入所決定権の町村移譲とともに在宅福祉サービスの位置づけを法律上も明確化したという意味で、大変評価できる部分もあるのではなかろうかと私は考えております。そのような立場から、現在までも自治体の中で行われてきたホームヘルパーの職務の重要性が明確に今回の法改正において再認識されたということだと思うのですが、現在のホームヘルパーの実態についてまず伺います。 平成元年度の予算では、前年度比四千三百人増の三万一千四百五人がホームヘルパーとして充足していなければならないことになっているんですが、この元年度予算が達成できているのかどうか、平成元年度における現在のホームヘルパーの数、これが一番目、二つ目には、現状での地方自治体におけるホームヘルパーの直営と委託の割合について、三番目には自治体が直営の場合、その雇用形態、常勤あるいは非常勤ですけれども、この雇用形態と、その常勤及び非常勤の割合について、さらに非常勤の場合はその任用の根拠規定についてお答えをお願いいたします。
○岡光政府委員 まず、平成元年度のヘルパーの数でございますが、先生御指摘のように、予算上は三万一千四百五人になっておりますが、現段階で何人いるかというのは集計が出ておりません。したがいまして、実績が出ております六十三年度で申し上げますと、予算上の人員が二万七千百五人に対しまして、実績が二万五千八百六十人、予算上の人員に対しまして九五・四%ということになっております。それから、ホームヘルパーの直営と委託の比率でございますが、直営が六、それから委託が四、六対四の割り振りになっております。それから、直営の場合における勤務形態でございますが、これについては常勤、非常勤については私ども正確に把握はできておりませんで、したがいまして、任用の根拠別ということになりますと、私どもとして把握はできておりません。
○伊東(秀)委員 充足率について、平成元年度ですら九五・四%であるということであれば、十カ年で十万人というのはこの人手不足の折、大変絵そらごとのように聞こえるわけですけれども、そういう意味でホームヘルパーの人材の確保ということは、よほど身分保障に力を入れないと困難なことになるのではないだろうかというふうに私は考えます。 そこで、自治省にお伺いいたしますが、先ほどの厚生省のお答えでは、常勤、非常勤についても正確でない、任用の根拠についても正確でないということですが、自治省はかなり強力にこの辺の雇用について指導しているというふうに、私は自分の札幌やあるいは釧路の非常勤嘱託職員の事件等を担当して聞いておりますが、この点について、先ほどの答弁漏れの点について自治省に御回答をお願いいたします。
○谷本説明員 まず、ホームヘルパーの確保につきましては、これはいろいろな対応措置があるわけでございましょうが、所管省庁であります厚生省におきまして今後適切な対応措置が恐らく講じられていくものというふうに私ども考えております。私どもは地方公務員一般につきまして、いろいろ地方公務員法の適用関係につきまして所管をいたしておるわけでございますけれども、先生も御承知のように、この地方公務員の任用というものにつきましては、一つは正式任用職員というのがございますし、正式任用をしないという場合には、いわゆる三条三項三号という特別職の非常勤の嘱託員、非常勤の職員というものもございますし、また十七条に基づきます期限つきの非常勤職員、さらには二十二条の規定による臨時的な任用といった、こういうケースを法律の中では想定をいたしておるわけでございますが、ただ、具体的に地方公共団体におきましてどういう形で任用を行うかということにつきましては、それぞれの地方公共団体でその勤務内容に応じまして、その地方公共団体の責任と判断において行われるべきものであろうというふうに私ども考えておるところでございます。
○伊東(秀)委員 昨日の厚生省のお答えでは、常勤と非常勤が約半々であるというような政府委員の御説明でございました。ということは何らかの把握をしているのではなかろうかというふうに考えられるわけですが、現に札幌市の場合、七十八名のホームヘルパー全員が地方公務員法三条三項三号により非常勤嘱託職員として採用されております。ところが、この地公法の三条三項三号というのは、自治省の方も御存じのとおり、「臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者の職」というふうになっておりまして、特別職となっており、この法上の解釈について行政実例では、特別職とは恒久的な職務または常時勤務することを要しない職であるというふうに解されております。しかし、今回の法改正において明らかにされたように、在宅福祉サービス、ホームヘルプという職務が大変自治体にとっては恒常的であり重大な職務である、福祉の分野における重要性が明確に確認されているわけですが、この札幌市のような、地方公務員法三条三項三号による採用が現に行われている、しかも二十年あるいは十八年勤めていながら一年雇用であり、一年目の人も二十年勤めた人も手当等において全く同等であるという実態があるわけですが、これについてどのようにお考えか、その現状に対する評価というかお考えのほどをお伺いいたします。今後の任用についての展望も含めた上でお願いいたします。
○岡光政府委員 先生が挙げられました札幌市の個別の事例については残念ながら詳細は把握をしておりませんのですが、ホームヘルパーの勤務形態につきましては、定期的ないし臨時的に一定の時間訪問をする、そして居宅における介護のお世話をする、こういうふうな業務の性格を持っているわけでございますので、勤務形態としましては常勤的なものからパート的なものまで多様なものがあってしかるべきではないだろうか、そういう前提に立っているわけでございまして、個々の勤務形態をどのようなものをとっていくかというのは各市町村の実情、判断にゆだねているところでございます。 厚生省としましては、先生御指摘のように、今後ホームヘルプサービスを充実していかなければならないというふうに考えておるわけでございますので、チーム制をとる、つまりコーディネーターであるとか、あるいは保健婦さんであるとか、そういうヘルス側の人を組み合わせましてチームを編成をして、そして適切なサービスが提供できるような体制にする、それから総合的な研修をしてサービスの質を確保していこうではないか、こんなふうなことを考えておりまして、そのような体制をとれば勤務形態がいろいろあったとしてもある一定の質のサービスが確保できるのではないだろうか、こんなふうに考えておるわけでございます。 しからば、非常勤の場合には身分が非常に不安定ではないか、こういう話になるわけでございますが、その点につきましては、その勤務形態に応じたきめ細かな対応をして処遇の改善を図っていく、そういうふうに取り運んでいくのが適切ではないだろうかと考えております。
○伊東(秀)委員 今の御答弁では臨時的あるいは定期的に家事援助等を行ってきているということですが、利用者にとってはこれは臨時的なものではない、安定性と恒常性が最も大事にされるわけです。来たり来なかったり、あるいは無責任な仕事をされたら、介助を要する高齢者あるいは障害者の方にとっては大変困ってしまう。そういう意味では、そういう臨時的という、そちらの位置づけについて今御発言ありましたけれども、今回の厚生大臣の冒頭における、国は一歩も逃げない、最終的な責任を国として負うという四月十九日の御答弁にも反するのではないかというふうに私は考えるわけです。 しかも、チームワークを組んで非常勤でも手当てができるようにきめ細かく行うということですが、具体的に自治体の職員でない、一年で解雇されるような人、身分保障をしながらどのようなチームワークで専門性を確保しようとしているのか。言葉だけでなく具体的なプランをお示し願います。
○岡光政府委員 私が臨時的、一時的と言いましたのは、要するに訪問をする相手方の話ではございませんで、訪問をする、従事をするサイドの動き方でございます。相手方にはそれはもう決められた曜日に一定の時間きちっと訪問をして、あらかじめ決めておりましたサービスが計画どおり提供されるということが先生おっしゃるように必要だろうと思っております。ただし、それを提供するサイドの人の従事の仕方としましては、そういういろいろな組み合わせでもって対応しようとしておりますので、そういうことから理論的に言って臨時的な対応もあるだろうということで、常勤的なものからパート的なものまで多様なものが考えられるということを申し上げたつもりでございます。 それで、チームの問題でございますが、おっしゃいますようになかなかイメージがわかないわけでございますが、これは要するに今回の法律でもちましても、先生よく御存じのとおり、従来の老人福祉法においてはホームヘルパーというのは明確に規定がしてございませんで、それを外部に委託することができるという規定しかなかったわけでございます。しかも、どうも施設福祉サービスの附帯的な事業のような形で位置づけられていた嫌いもあるわけでございまして、それではまずいではないか、在宅福祉サービスをきちっと位置づける、それから、その中で居宅において介護を要するような状態にあるところに行って、その必要な介護を支援するんだという格好でホームヘルプサービスをきちっと位置づけるということを考えているわけでございます。そのときに、ある一定の質のものが、しかも、いろいろな人とチームを組みながら提供されるということでございますので、それは個々のケースによってあるいは個々の市町村のそういう体制によっていろいろなチームの組み方があろうかと思います。 いずれにしましても、私どもの考え方としましては、サービスが継続的に、それから包括的に行われるということを念頭に置いてその体制が組まれるようにということを考えておりますので、まず、そのようなことが大前提でありまして、それを支える勤務形態というのはやはり市町村の実情に応じて多様なものを考えていかざるを得ないじゃないだろうか。その辺の調整が今後の問題になるだろうし、これから市町村といろいろ検討をしながら工夫を重ねていきたい、そんなふうに考えております。
○伊東(秀)委員 ケースに応じて多様に応じるということですが、今週はAさんが来た、来週はBさんが来るというような、そのような一時的、臨時的なものであれば、受ける側、利用者は大変困るのではなかろうか。福祉というのは大変信頼関係と責任が要される。とすれば福祉を担うホームヘルパーはある程度ケースワーカーというかソーシャルワーカー的な要素もあるわけで、継続的にケースに当たるということが必然的に要求される。その場合に一番大事なのは、その人材を確保することであり、その人の、ホームヘルプする担い手の身分をきちんと保障することであると私は考えます。今の御答弁ではまだまだ現在女性、特に主婦労働を大変安上がりに使うという観点で、ホームヘルパーが一年雇用、しかも手当もない、自治体の職員に比べて大変劣悪な労働条件で働かされているわけですけれども、厚生省、自治省の方でその継続のような形で今後もホームヘルパーを使っていく考えであれば、政府のこの政策が大変絵そらごとというか、むなしい、実現性の乏しい単なる消費税に対する批判をかわすだけ、昨年突然出てきたものでなかろうかという国民の不安と危惧感があるわけですが、その辺についてもう少し突っ込んだ、ホームヘルプという職業に対する前向きな、かつ女子労働を今後どんどん活用していく大変重要な職業でもあるという観点から、厚生大臣にお答えをお願いいたします。
○津島国務大臣 伊東委員の御指摘の点は大変重要な問題でございます。冒頭委員御指摘でございましたが、今までホームヘルパーの仕事は日本の法制のどこにも全く存在しなかったわけです。今度のこの法改正で初めて法律上の公の制度としてあらわれてくるわけです。あらわれてくる姿が、先生も法律家ですからよくおわかりのとおり、ホームヘルパーという形では出てきてない、居宅生活支援事業、こういう形で出ているわけです。お年寄りとか障害者の方のお宅におられる生活を支援する事業。その事業に対して国も地方団体も責任を持ちなさい、こういう立て方になっておるわけでございまして、そういう意味では私どもは本当に責任を持ってやらなければならない、かりそめにも委員が言われたような絵そらごとになってはならない、これは覚悟を決めておるわけであります。 そこで、この居宅生活支援事業をどうやったらうまくやれるかというのは次の問題でございまして、その次の問題を考える場合に、一つは質のいい、意欲のある方に来ていただかなければならない、しかも労働力不足の時代に来ていただかなければならないという意味では、やはり待遇等でそれなりの工夫をしなければならないという御指摘であれば、それはまさにそのとおりであろうと思います。それはきちっと対応しなければ大体人に来ていただけないということになりますから、それは十分考えているのでありますが、もう一つの面をお考えいただきたい。それは、この居宅生活支援事業というのは、外国の例、例えばこの事業を非常に積極的にやっております一部の北欧の国の例を見ましても、主婦の方でも意欲のある方はたくさんおられるわけですから、そういう方もどんどん参加していただけるような勤務形態というのはあり得るわけでございます。やはりそれなりに意欲はあるし自分の活用できる時間はひとつこの仕事のためにやろうと言われる方々に出ていただくためには、それは常用であるとか勤務形態であるとか弾力性を持たさなければならないわけでございますから、そういう意味で政府委員から、そういう弾力的な勤務形態を含めてやってまいりたいという御答弁になっているわけであります。しかし基本は、居宅生活支援事業については私どもは約束したとおりきちっとこれから築き上げていくという考え方で進めてまいりたいと思います。
○伊東(秀)委員 今大臣もお答えくださいましたように、現在でもボランティアによる活動というのもなされておりますし、生活協同組合による在宅福祉活動なども行われております。今回国の施策としては民間への業務委託、自治体の直営のみならず業務委託も考えているということですが、その業務委託と自治体の直営との割合等についての見通し、さらに業務委託する委託先にこのような市民参加型のボランティアグループあるいは生協等を考えているのかどうか、その辺についてお答えいただきたいと思います。
○岡光政府委員 直営か委託か、その割合をはっきりさせなければいけないのではないかという御指摘でありますが、繰り返しになりますが、市町村の置かれている状況に応じて適切なサービスが最も機能的に提供されるようにということでございますので、その辺は基本的には市町村において判断をしていただくことではないだろうかと考えております。 それから生協等の活用でございますが、おっしゃいますようにニーズが多様化していくということを考えますと、ボランティアを含めて民間のさまざまな供給主体が創意工夫を生かしていただかなければならないわけでございますので、そういう意味でその活用ということは十分考えなければなりません。そのときには質が確保されるということ、それからあくまでもこれは公的サービスでございますので、公的サービスの実施の一翼を担うという責任を果たせるということが条件ではないだろうかと思っております。そういう質が確保され、公的責任が果たせるという条件が満たされるような委託先には委託をして差し支えないのではないだろうかと考えております。生協については、生協の性格からしますと組合員利用ということが前提になりまして、組合員以外には利用できないというふうな問題があるので、その辺はよく踏まえた上で考えていかなければならないのではないだろうかと考えております。
○伊東(秀)委員 ヘルパーの予算措置についてですが、平成二年度の予算を見ますと、介護中心が二百四十三万五千九百四十五円、家事援助中心が百六十二万三千九百六十三円となっております。現実のホームヘルプの仕事は介護、家事援助が非常に混合しているということ、さらに札幌市の例をとりますと高齢者よりも身体障害の方々の利用者が多い。そうなると家事援助、介護というのはすべて密接に絡まっているという状況のようですけれども、この区別をどのようにして行うのか。さらに手当においてかなり額が開いているわけですが、この点をどういう形でヘルパーを区別するのか、その点についてお伺いいたします。
○岡光政府委員 手当額が介護型と家事援助型とで違っておるわけでございますが、それはヘルパーさんをそれぞれ介護型、家事援助型というふうに決めるのではなくて、ヘルパーさんは両方の仕事をしているわけでございますから、実際行った業務内容に応じて対応するということを考えておるわけで、この手当の区分けと業務とがぴたっと一致しているわけじゃございません。ヘルパーさんは老人に対応する場合もありますし、それから身体障害者に対応する場合もあるわけでございまして、要するに両方に対応するということを前提に、しかも家事型と介護型と両方を一人の方がこなすということを前提に考えておりますので、手当の積算の話と実際にそれが支払われる場合とは必ずしも一致しないというふうに私どもは理解をしております。
○伊東(秀)委員 次に大蔵省にお伺いいたします。 これは昭和六十二年の統計ですけれども、女子の全年齢平均の賃金が月額十七万六千五百円、年収でいいますと二百十一万八千円、六十二年の統計ですから現在ではさらにもっと上がっているかと思うのですが、これに引き比べてもこのホームヘルパーの手当というのは、特に家事援助中心を見ましても百六十二万円余りというふうに大変安い。福祉における人材の確保こそ、そして、その身分をきちんと保障することこそ福祉の質の維持と確保、向上につながると言われているわけですけれども、これでは余りに安過ぎると私は考えるわけですが、今後単年度ずつ予算を組んでいくということで、この辺についての大蔵省の御意見をお伺いいたします。
○斎藤説明員 今回の「高齢者保健福祉推進十か年戦略」では、従来いわゆる福祉ビジョンにおいて示されておりました目標数を倍増するというように大幅な増員を予定しているわけでございますけれども、この「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の前の平成元年度のときに在宅三本柱、ホームヘルパー、ショートステイ、デイサービスについての緊急三カ年整備計画というのを平成元年度予算で打ち立てております。今回の「高齢者保健福祉推進十か年戦略」はいわばこの在宅三本柱の緊急整備計画を拡充したというふうに考えることができますけれども、そこで、平成元年度におきまして在宅三本柱の緊急整備計画を検討いたしましたときに、ホームヘルパーにつきましては、いかにして優秀なホームヘルパーの人材を確保していくかということが極めて重要だと考えられましたので、元年度の予算におきましては、ホームヘルパーに対する国庫補助率をそれまでの三分の一から二分の一に引き上げるという措置を講じますとともに、ホームヘルパーの手当の額について、介護中心型の手当について大幅に引き上げる。それから、引き続きまして平成二年度におきましては活動費の引き上げを行っている。それからさらに、社会福祉・医療事業団への追加出資による運用益によりましてホームヘルパーの養成研修事業を実施するというような措置を講じているところでございます。 ホームヘルパーを初め十カ年戦略の推進は極めて重要な課題でございますので、今後とも地方における実施状況、財政事情などを踏まえながら、今後毎年度の予算編成の過程でできる限りの努力を払ってまいりたいと考えております。
○伊東(秀)委員 次に、介護福祉士とホームヘルパーとの関連についてお伺いいたします。 数年前に介護福祉士という制度ができて、その資格及び業務についての法律ができているわけですが、このホームヘルパーと介護福祉士の連携についてはどのようにお考えなのか。介護福祉士も介護等の業務に三年以上従事した者等であって、介護福祉士試験に合格した者、または介護等に係る一定の技能検定試験に合格した者が登録を受けることにより資格を取得できる者とするということになっておりますけれども、この辺をどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○岡光政府委員 先生おっしゃいますように、一定の介護業務に三年以上従事した者等で介護福祉士試験に合格した者は介護福祉士になれるわけでございますので、この一定の介護業務の範囲の中にホームヘルパーも含まれております。したがいまして、経験を生かして介護福祉士となる道がホームヘルパーさんにも開かれておるというふうに考えております。 それでは、ホームヘルプサービスのあり方につきまして、すべてのホームヘルパーさんを介護福祉士にするかという問題でございますが、これはそこまでの必要性はないのではないだろうか。先ほども申し上げましたように、チームで対応するということになりますと、コーディネーターや保健婦さんや看護婦さんという看護職との組み合わせが出てくるわけでございますので、一定の研修を受ければホームヘルパーの仕事ができるのではないだろうか、また、その程度の研修でこのチームに参画をしてもらう方が体制としては充実をしていくのではないだろうか、こういうふうに考えておりまして、すべてのヘルパーさんに介護福祉士になってもらう必要はないのではないだろうか、そういうふうに考えております。
○伊東(秀)委員 今の点は大変重要ではなかろうかと思います。現在自治体で働いているホームヘルパーの方々、圧倒的に中高年の主婦の人が多いわけですけれども、劣悪な労働条件の中でも大変奉仕的に働いてきた。そういう職場に資格試験を持ち込んで、職場を分断するようなことのないように十分御注意いただきたいということ、さらに、これまで私の調べたところでは、非常勤は圧倒的に地公法の三条三項三号で雇われており、いつ首を切られるかの不安と低賃金、休暇がとれない等の労働条件の悪さに我慢してきている、このようなことを何とかなくしてもらいたい。この二つの点を要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。 次は、医療サービスの質の向上の問題についてでございます。 今回このような抜本的な、在宅福祉サービスの位置づけ、高齢者に対する福祉の位置づけが重視されてきているわけですが、医療の分野におきましても、昭和六十二年度の統計では、全医療人口の二二・三%が七十歳以上の高齢者、老人であるというような統計が厚生省の発表で出ております。高齢化社会を迎えるに当たって、このような傾向はますます強まるであろう、とすれば、医療とは何かということを今後問い直すような必要があるのではないか。これまでの大変専門分化された臓器中心の医療体系、病気を見て病人を見ない、人間がどこかに置き忘れられたような、診断をつけることに重点が置かれているような医療の体制ではなくて、患者の置かれている生活環境とか生活歴とか、そういった社会的背景への考察のできる医者というものが、老人がふえていく高齢化社会を迎えるに当たってますますそういうような医療が重視されなければならないというふうに私は考えるわけでございます。 そういった観点に立って、厚生大臣としては、今後医療の基本方針、こういったものをどのようにお考えなのか、現在で十分対応できるとお考えなのか、お答えをお願いいたします。
○津島国務大臣 これからの医療のあり方についての委員の御指摘、私は大変同感しながら承らせていただきました。また、最近医療の専門的な立場にある方々、医師会の方々もそうでありますけれども、今御指摘のような、人間全体を見た医療を心掛けなければならない。それから、そういう意味ではプライマリーケアを重視する必要がある、こういう考え方が非常に強く出てきておりまして、私も歓迎すべき傾向だなと思っておるわけでございます。 そういう観点から申しますと、政府委員から補足答弁をさせますけれども、医療の組み立て方についてもいろいろな工夫が要るであろう。例えば、病院の人間の構成それから病院における高齢者に対する、成人病で悩んでおられる方々に対する医療サービスのあり方につきましても、もちろん治療するための医療サービス、医療行為も必要でありますけれども、しかし、相当長い期間かかる、その間の日常の介護にもう少し重点を置かなければならない、それをまた診療報酬で評価をしてさしあげなければならないというようなこと。それから、医療そのものにつきましても、よく指摘されているのでありますが、点滴は幾らやってもやった方がいいというような空気がもしあるとすれば、それは逆に、人間が本来の機能で消化器から食事を通して栄養をとるという機能をかえって衰えさせる。点滴を受けている間は、ただただ床の上に横になってしまう。そういう医療のあり方についても非常な反省が出てきておるわけでございます。 こういうことをしかと受けとめた対応をしていかなければならないと思っておりますが、もし、委員の御要望でございましたら、さらに詳細に政府委員から答弁をさせたいと思います。
○伊東(秀)委員 お願いいたします。
○仲村政府委員 補足をさせていただきたいわけでございますが、大きな方針は今大臣がお答えになったとおりでございまして、私ども、先ほどからも出ておりますが、患者さんのクォリティー・オブ・ライフでございますとか、そういう面からの新たな医療の仕組みと申しますか、提供の方法というものを考えなくてはいけないのではないか。その中で、在宅の問題でございますとか、今お尋ねのございましたホームヘルパーを含めました、いろいろの在宅サービスを含めた新しい医療提供の展開ということが必要になるのだろうと思います。 私ども、老人医療の立場から、実はガイドラインをつくるということで検討会を設けて、つい先ごろ御報告をいただいたわけでございますが、この検討会を設けた趣旨も、今先生がお尋ねの趣旨の一部を兼ねておるわけでございまして、老人医療について従前の医療と違った形で老人医療をもう一遍見直してみる必要があるのではないか。それは、医療関係者は当然のことでございますが、それに関係する行政当局その他の関係者あるいは国民、家族、高齢者みずからも、それぞれの立場で、みずからの老人の医療あるいは健康を考え直すという時期に来ておるということから、いろいろ御検討いただいて御報告をちょうだいいたしたわけでございます。 確かに、例えば老人の正常値を一つとりましても、若い人と非常に違うということでございますとか、病気の症状の出方が非常に違うとか、人間関係等に基づきます精神、心理的な反応が一般の方たちと非常に違うとか、いろいろな特性があるわけでございますので、そういう特性をよく見きわめた上で、老人医療に携わる方たちは、特に全人的に患者さんに対応するということを含めて、社会の中の存在のお一人として考えて医療に対応してほしいという気持ちから、このガイドライン、報告書がまとめられておるわけでございまして、今後私どもも、このような方向でなお引き続きいろいろの関係者にその内容を広めてまいりたいと考えておるところでございます。
○伊東(秀)委員 今の御答弁にありましたような方向で医療というものを考えていくということであれば、まず、医学教育のあり方そのものにもかかわってくることではなかろうかと思います。つまり、非常に細分化された技術に重点の置かれ過ぎた現在の医学教育に対する再見直し、さらには医師国家試験の見直し、こういったことにもつながってくるのではなかろうかと思うのですが、文部省、厚生省、両方の方にお答えをお願いいたします。
○小林説明員 お答えをいたします。 確かに昨今、医学、医療というのはどんどん高度化をしてまいります。高度化をするということは、また一面細分化をするということも意味しておるわけでございます。 医学教育を今見ておりますと、学部段階ではほとんどの授業科目が必修となっておりますのでかなり幅の広い教育を受けることができる。ところが、伝統的に、今ちょうど厚生省さんからも強い御要望があるわけでございますが、卒後の段階での研修というのはややもするとストレート方式に傾いていた。そうなると、学部の段階までは非常に広く、一面浅い面もあるわけでございますが勉強をしておった。ところが、医師国家試験を受けて合格をして卒後研修になると途端に極めて狭い範囲の専門家を目指すという形になっておる。これはやはり先生御指摘のような観点からも問題ではないかということで、私どもも協力をいたしまして、現在の大学における卒後臨床研修のあり方というものを、まあ現在たくさんある診療科を全部経験をしてほしいというのはどだい無理でございますが、必要な限りにおいて幅広く経験をさせる、こういうことが非常に大事であろう。私どもはそれをセミローテートと称しておりますけれども、そういったことを強く働きかけておる段階でございます。 それからもう一つ、医学部の極めて初期の段階で、将来医師になる方たちの人間性を養うという面から見ますと、医進課程あるいは一般教育というものは大変大事になってまいります。もちろんその前に入学試験をどうするかということなどもあるわけでございますけれども、いずれにしても、医学部に受け入れた医学生の方たちに将来人間性豊かな医者になってほしい、そういった観点からの工夫もこれからやっていかなければならないというふうに考えております。 幸い、文部省の大学審議会の方でただいまカリキュラムを個々の大学がかなり自由に選択できるように工夫をしておる、検討しておる最中でございます。そうした結論を待ちまして、今後、先生御指摘のような点も含めて医学教育の充実というものに努めてまいりたいと思っております。
○仲村政府委員 文部省のアンダーグラジュエートの教育についても私どもも非常に関心を持っているわけでございまして、日常から連絡を密にとりまして、今文部省からお答えになったようなことで私どもなりにいろいろ働きかけをするということもやっております。 それから、私にお尋ねの部分でございますが、医師の国家試験の問題でございます。これは従前から、本来的に医の倫理というのは当然医師に要求されるものでございますが、それを何らかの形で国家試験にも反映させたらどうだというふうな御意見がございまして、六十三年六月に医師の国家試験の出題基準というものを変えまして六十四年から実施したわけでございますけれども、医学医療総論というふうな部分を設けまして、その中で医の倫理でございますとか医師と患者及び家族との関係の問題でございますとか、インフォームド・コンセントを含めました説明あるいは告知の問題、さらには地域医療という観点からの老人医療あるいは在宅医療のケアを含めましたあり方についても出題ができるというふうな形にだんだん変えていくように現在進行中でございます。 そういう形で、医学生につきましても、大学でそういう形の教育をしていただいた結果を私ども国家試験のサイドからもチェックできる仕組みもこれからもっと導入していくべきではないかという考えで進めておるところでございます。 それから、卒後臨床研修の問題につきましても、御指摘のように全人的に患者さんを扱うということは今後ますます必要になってくるわけでございますので、卒後臨床研修の目標というのを平成元年六月に策定をしていただきましたけれども、その中でもいろいろ人間関係の問題、心理的、社会的側面の問題あるいは包括的な医療提供のやり方等につきましても、そういう到達目標をつくってやっていただいているということでございます。 それからさらに、お医者さん、プロフェッションとしては常に新しい知識、技術を身につけていただくということは必要でございますので、日本医師会等でも十分力を入れていただいておりますけれども、生涯教育というものをさらに進めて、患者さんの新しいニーズに対応する医療がプライマリーレベルでも提供できるような形にしていくというのが非常に重要なことだと考えております。
○伊東(秀)委員 ぜひ、病気を見て人間を見ないという医術にならないように、本当に全人的な医療が行われるような抜本的な改善を希望いたしまして、次の質問に移ります。 次は、シルバー産業についてでございます。今回の老人福祉法の改正で、有料老人ホームがこれまで事後届け出制であったものが事前届け出制になったという法改正でございますけれども、私は現在、これではまだなまぬるいのではなかろうか、有料老人ホームの実態を考えたときに、どうしても事前の許可制が必要じゃないかという立場から御質問いたします。 今一兆円産業と言われるシルバービジネスですが、新規参入者には不動産業者も加わるなどの空前の活況を呈しております。厚生省にきのう伺ったところでは、届け出数だけで有料老人ホームは百四十一施設である。罰則もないためにそのまま届け出られてない施設もあるというのですから、もっとかなりの数の施設があるであろう。しかも、このような有料老人ホームの場合、将来受けるサービスの対価を利用者が入居一時金というような形で先に交付する、建物も施設もまだ何にもないところに一時金を払ってホームの入居の権利を得るというようなことになっており、統計では一人入居の場合の一時金が平均千八百万円、二人入居の場合は二千四百万円という高額なものである。高齢老人の場合、生涯の蓄えを持ってホームに入っていくというような状況があるわけです。ところが、契約の段階ではこのような高価な対価に対するサービス内容が不明確である。しかも、早期に死亡した場合とか、中途で解約したい場合とかあるいはホームが経営不安定に陥った場合の一時金の返還についての確保の措置が全くいいかげんである。担保制度あるいは保険制度が義務づけられていないとか、さらにはダイレクトメールとか新聞とか雑誌によって利用者を現在募っているわけですけれども、この情報内容の正確性をチェックする公的な機関がない。だから、表示されたサービスの内容と実際が違った場合にトラブルが起きた場合、結局裁判せざるを得なくなるような状況になるじゃないか、非常に利用者が泣き寝入りせざるを得なくなる。 さらに、札幌弁護士会の調べでは、利用料、管理費の値上げによるトラブルも発生しているというようなことが報告されております。さらに、設置者が経営上の都合からかわった場合に、利用者の権利は債権であるために新しい設置者に対して、それまでの利用権について、サービスの内容、なかなか対抗できないという、利用者にとって非常に不都合な問題点がいろいろ挙げられております。 こういったことを考えるときに、シルバー産業としての有料老人ホームも一種の高齢化社会に向けての老後の不安につけ込んだ悪徳商法になっていく可能性もなきにしもあらずである。豊田商事のような事件を二度と起こさせないためにも、きちんとした行政の許可制にすべきではないかというふうに私は考えております。 西ドイツの法律によると、利用者の給付の払い戻しの実行確保を義務づけるとか、悪いホームは経営を差しとめるとか許可を取り消すとか、いろいろな法律が定められているわけですけれども、今後こういった方向について厚生省としてはどういうふうにお考えなのか。最後にお尋ねいたします。
○岡光政府委員 御指摘のように、有料老人ホームを利用するお年寄りが食いものにされるようでは困ります。したがいまして、今回の法律政正でお願いをしておりますのは、少なくとも事前の届け出をして内容をチェックをしていこう、今お話しのように、途中で経営がおかしくなったり、ほかの人に譲渡したりというようなことがあった場合にも、そこのところはきちっとしていかなければなりませんので、そういう経営が将来とも担保されるのかというようなことも踏まえまして十分内容をチェックする、そして、そういう建物を建てる前にそこのチェックをして対応しようじゃないかということにしておりますのと、それから、その内容をチェックしてどうしてもおかしいということであれば改善命令を出す、しかも、これは罰則つきの改善命令でございますので、これまでの法制と比べますとかなり内容的には厳しくなっていくんじゃないか、こう考えております。私ども、民間活力の活用ということと、それから入居者をいかに保護するかということと、その辺の兼ね合いではないだろうかと考えておりまして、現段階では、ただいまお願いをしております法規制程度でお願いをできないだろうかなと思っております。 なお、入居一時金の保証の問題とか、それから、入居をする場合の契約内容の事前のチェックであるとか、そういったものを含めての情報を事前によく広報をするということ、これにつきましては、今回の法律改正で全国有料老人ホーム協会を指定法人として位置づけをお願いしまして、その有料老人ホーム協会において一時金の再保証のための再保険制度に加入をするとか、あるいは、契約についてはこういうことをちゃんと契約内容として盛り込みなさい、しかも、お年寄りがこういった施設を活用されるときには、この点とこの点とこの点は必ず確認をして、問題のないということを承知した上で契約をするようにしてくださいというふうな細かい指導なり、それから、入居後の問題につきましても、いろいろな苦情処理にその団体が当たるというふうなことを考えたいと思っておりますし、それから、情報につきましても確実な内容が提供されるように、今度は指定法人になりますので、その辺は公の指導、管理ということが相当加えられることができますので、私どもは、そんなことを通じながら、先生がおっしゃるようなお年寄りがひどい目に遭わないようなことにしていこうというふうに考えておるわけでございまして、民活と入居者保護との兼ね合いの問題の中で、私どもは相当厳しい線を今回お願いをしておるつもりでございます。
○伊東(秀)委員 おっしゃることは大変一歩前進であるかと思うのですけれども、入居してしまった利用者は高齢者の方で、大変心身ともに弱い立場にあるわけですから、その辺のトラブルに関して、行政機関がかなり強力に入っていくとか、民活の方向も大切にしたいのはわかるのですけれども、高齢者という非常に社会的弱者であるということをお考えいただいて、さまざまな、一時金の確保の措置、さらにはトラブルに対する行政の介入、そういったことをきちんと今後やっていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○畑委員長 川島實君。
○川島委員 私は、今提案されております老人福祉法の政府の提案説明の中に、午前中からの質問、答弁内容を聞いておりましても非常に理解がしにくいといいますか、提案の中身につきましては、非常に当面の最大の課題である、それでさらに国民の生活水準の全般的な向上、きめ細かな福祉の行政の展開、そして高齢者や身体障害者等の福祉の一層の増進を図る、在宅福祉サービスと施設福祉サービスとを地域の実情に応じて一元的かつ計画的に実施する、こう言って提案をされているわけでありますけれども、午前中の審議を聞いておりましてもなかなか私どもには理解ができない。 なぜできないかと申しますと、二十一世紀に本格的な高齢化社会を迎える、当然やらなきゃならない施策と、お示しをいただいておりますゴールド十カ年戦略等がこれらを補てんして、今よりもどのぐらい、私たち高齢化時代を迎えてそれに突っ込んでいく人たちにより豊かなそういう社会が、生活が与えられるか、このことが一向につかむことができないわけでございまして、従来やっていることに対して、人口の伸びがあり、当然それに対して措置をしなければならぬことを示されているのではなかろうかという疑問も生まれてくるわけでございまして、こういう観点から具体的に、一人一人の国民が地域の中でどのような、十カ年の間に今よりもサービスがよくなって、お年寄りになってよかったなという、こういう実感を受けとめることができるかという観点から、ひとつ御答弁をお願いをしていきたいと考えておるわけでございます。 政府のお示しをいただいております推計によりますと、六十五歳以上の老年人口の比率は現在一二%、約千四百万人、二〇〇〇年の時点で一六・三%、二千百三十四万人と推計されております。さらに六十万人の人が入院、寝たきり、二〇〇〇年には百万人の寝たきり老人が増加すると推計されております。通院による治療を受けている人も、現在が七百万人と言われ、二〇〇〇年には千二百万人と一部では言われております。さらに、痴呆性老人についても二〇〇〇年には百十万人と政府は推計されておりますが、現在の時点で手直しがあるのかないのか、このことについてお伺いをいたしておきます。 さらに、今回政府が鳴り物入りでお示しをいただいております高齢者福祉十カ年戦略と言われるゴールドプランにおける西暦二〇〇〇年の時点における国の負担、これらは推計によると三十兆円とされておりますが、私は、これでは不足をするのではないかと思われるわけでございますけれども、その点についてまずお伺いをしたいと思います。
○岡光政府委員 前段の、寝たきり老人、痴呆性老人の将来推計を見直す考えはないかという御質問でございますが、現在行っております将来推計は昭和六十年の出現率等をもとに推計したものでございますが、現在のところその出現率等が大きく変化をしたというデータは私ども持っておりません。それからまた、寝たきり老人ゼロ作戦のような施策によりまして、寝たきり老人がどのくらい減少していくかということにつきまして、施策の効果を見守っていく必要があろうかと思っておりますので、そういうことを考えますと、現時点でこうした推計を見直すことは考えておらないところでございます。
○加藤(栄)政府委員 御質問の後半にございましたゴールドプランに関しまして、二〇〇〇年における国庫負担の額でございます。 ゴールドプランにつきましては、事業の目標値を掲げて、いわゆる戦略としてその達成を図るものでございまして、厚生省におきましてごく粗い推計で、ゴールドプラン全体を実施いたしますのに六兆円強というふうに今推計しておりますが、二〇〇〇年時点におきますものはなかなか困難でございます。 また、今おっしゃいました三十兆円という数字でございますが、社会保障の給付と負担について「二十一世紀初頭における高齢化状況等及び社会保障の給付と負担の展望」というものを六十三年の三月に推計をいたしておりまして、これは現行の制度、施策が変わらないとすれば、将来一定の前提条件を置きましてどのくらいの負担になるかということを推計したものでございまして、それによりますと、西暦二〇〇〇年時で国庫負担は、社会保障の国庫負担でございますけれども、二十五兆ないし三十兆円程度ということになっております。
○川島委員 次に、国と自治体、それぞれの役割と責任についてお伺いをしていきたいと思います。 西暦二〇〇〇年における社会福祉及び社会保障の公的負担の全体に占める割合は、今お話があったような形でお示しをいただいたわけでございますけれども、本当に国民一人一人が明るい展望を抱くことができるかどうかということになりますと非常に具体性が欠けてくるわけでございまして、そこで、二〇〇〇年におけるこうした国や自治体の負担、さらに企業の社会保障費の負担はどのように変化をし、勤労者の皆さんの負担は現在よりも軽減されるのか、それとも重くなるのか、この辺のことについてお伺いをしたいと思います。
○加藤(栄)政府委員 ただいま申し上げました「社会保障の給付と負担の展望」、これはあくまでも申し上げましたような前提を置いての試算でございまして、国民所得に対する伸び率等を推計しておるわけでございます。国民所得に対する伸び率でございますが、割合で見ますと、西暦二〇〇〇年、平成十二年度におきまして社会保障負担は、推計の基準でございます昭和六十三年度におきまして国民所得対比一一・一%でございました、それに対しまして平成十二年度におきまして一四%ないし一四・五%程度ということになるわけでございます。 いずれにいたしましても、高齢化社会が進展いたします場合には給付の対象者もふえてまいります。ある程度の負担は、社会保障の保険料でありますとかあるいは租税の負担ということである程度の伸びは避けられないというふうに見込まれますけれども、ただし国民の活力を維持していくということから、経済の発展、社会の活力を損なわない程度にとどめることができますように各面で努力していかなければならないということでございまして、また、そういうふうに努力してまいりたいと存じます。
○川島委員 今の答弁でおわかりいただけますように、負担の率についてもはっきりしないわけですね。ゴールド十カ年計画と非常に鳴り物入りで私どもも非常に期待をし、朝の自民党の質問者の先生も、本当にいいプランだ、こう言われているわけですけれども、中身を聞いてまいりますと一向に私どもの胸に響いてこないわけでございます。 厚生省は一九八八年の三月十日の衆議院の予算委員会へ提出をいたしました「社会保障の給付と負担の展望」の中で、西暦二〇〇〇年の時点で社会保障給付費の対国民所得比率を二一・五%から二三%程度と初めて金額で推計をいたしておるわけでございます。費用は百五兆円から百二十兆円、こういうふうにはっきり出しておるわけでございます。 この推計のAの推計では、年金が七十兆、医療費が五十兆、合計百二十兆、Bの推計では年金が六十兆、医療費が四十五兆、合計で百五兆円となっております。しかし、そのほかの負担については、Aの推計で社会保障負担、保険料等の負担が七十五兆円、国の国庫負担が三十兆円ということで、合計百五兆円になっておりますし、Bの推計では社会保障負担が六十五兆、国庫負担が二十五兆、合計九十兆だと言っております。いずれも、Aの推計、Bの推計、おのおの十五兆円ずつ誤差があるわけでございますが、この誤差はどういうふうに理解をしていいのか、お尋ねをしたいと思います。若干の解説によれば、不足分は年金積立金の利子の収入とか地方負担等で埋める、こう解説がなされているわけでございますが、その辺のところをひとつわかりやすく御答弁をいただきたいと思います。
○加藤(栄)政府委員 今先生おっしゃいました六十三年三月の「給付と負担の展望」でございますが、先生おっしゃいましたような数値になってございます。これは、保険料を主体といたします社会保障負担それから国庫負担、それと給付費との差額と申しますのは、地方におきます公共団体の負担、それから年金積立金の運用益というものが主でございます。この集計の性格上そういうことになるわけでございます。
○川島委員 十五兆円の差についてはちょっと答弁をいただいてないわけですけれども、それはどうなっているわけですか。
○加藤(栄)政府委員 御説明が多少足りなかったのではないかと思いますが、十五兆円の差がすなわち地方公共団体が持ちます給付の負担分でございますね、地方公共団体負担分、それから年金積立金の利子といいますか、それになるわけでございます。
○川島委員 今お話を聞いていますと、積立金の額の利息は住民の負担にならぬわけでございますからそれは結構ですが、その額が一体利息のやつは幾らになって、地方の財政の負担というのは一体どのくらいになるのか、この割合を明らかにしていただきたいと思います。
○加藤(栄)政府委員 これは、この推計をいたしました際に、そういう積み上げ計算ということではございませんので、その具体的な金額は出しておりません。ただ、実績といたしまして、昭和六十三年度の社会保障に係る給付費の地方負担というもの、これは実額がございまして、対国民所得比にいたしますと〇・八%ということになるわけでございます。
○川島委員 この提案の推計が発表されたときも、動き出した社会保障ビジョンということで大きくPRされておるわけでございまして、現在十五兆円の額が年金積立金の利息、地方の財政の負担、こういうふうに言われるわけですが、一体住民の負担は増加するのかどうかもこれでははっきり判明ができない、非常に残念なことでございます。 次に、政府は一時、年金の支給開始年齢を将来できる限り早い時期から段階的に六十五歳にするということを目標にいたしましたが、これは福祉の後退でありまして、今回のこのゴールドプラン、このことの実施によってこれはもう取りやめた、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○水田政府委員 支給開始年齢の取り扱いにつきましては、さきの国会の修正の趣旨に沿いまして、次期再計算期において厚生年金の財政の見通しあるいは高齢者雇用の状況等総合的に勘案しつつ、国民のコンセンサスを得ながら対処をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○川島委員 わかりませんね。福祉を充実をして、これからの明るい高齢化時代の展望を開くとおっしゃっているわけですから、ここではっきりこういうことはやりません、お年寄りを痛めることはしませんとはっきり言っても私は差し支えないんじゃなかろうかと思うわけでございますが、残念でございます。 次に、厚生省は、一九八二年度以来の財政再建のための緊急措置と称する厚生年金特別会計への国庫負担繰り延べ措置による利子込みで累積二兆四千億の返還要求、そのうちの一部が返還されたと聞いておりますが、現在この金額についてはどのようになっておるのか、お伺いをしたいと思います。さらに、このときに国庫補助のカットが生活保護だとか福祉関係補助金等、金額にして約五千五百億円に上ると言われておりましたが、これらのカット分は現在どのように回復をしておるのか、この点についてお伺いをいたします。
○土井政府委員 昭和五十七年度から平成元年度までの八年間におきまして、厚生年金の国庫負担の繰り延べ特例措置というものが講じられておりますが、お話にありましたとおり、昭和六十三年度補正予算におきまして、五十七年度から六十年度までの四年間分につきまして元利合計一兆三千六百二十五億円というものを返還をしていただいております。また、残りの六十一年度から平成元年度分でございますけれども、予算ベースで一兆三千四百八十億円の繰り延べが行われておりますが、これにつきましてはいまだ厚生年金の厚生保険特会の年金勘定に返還されていないという状況でございまして、私ども、今後財政当局と速やかな返済の完了に向けて協議をしてまいりたいというふうに考えております。
○加藤(栄)政府委員 補助率につきましては、六十三年度まで暫定措置が講じられてまいりまして、平成元年度からは国、地方の機能分担、費用負担等のあり方を勘案しながら、ほかの分野の補助率とあわせまして一体的、総合的に検討を行った上で一定の割合、生活保護等については四分の三、措置費等については二分の一というふうに恒久化を図ることとしたわけでございまして、それが六十三年のままである場合と比較いたしますと、関係の経費を合計いたしますと九百三十億円ほどの復活になるわけでございます。
○川島委員 大臣にお伺いしたいと思いますけれども、福祉の予算が切り詰められて非常に苦しい立場にあって、さらに一兆三千億の隠し金といいますか、もちろん返してくれるわけでございますけれども、それらの利息分がどうなるかもわかりません。さらに、今補助金がカットされて約五千五百億、そのうちの九百三十億円しか復元がされていない。これでは福祉が前へ進んだというのは、私はちょっと理解ができないわけでございますが、何か御所信がございましたらお伺いしたいと思います。
○津島国務大臣 福祉をめぐる国民負担について御関心をいただいた点、大変ありがたいと思っております。これからの福祉政策を進めていく場合に、同時に国民にどれだけの負担をお願いするかということを私どもは避けて通れないわけでございます。それであるがゆえに我々は苦労するわけでございますし、先般の審議会の答申でも、高齢化のピークにおきましても一部の外国に見られるように半分以上国民負担として取られるような日本の社会にしてはならないよ、こういう御指示をいただいておる。そして、大方の国民はそれに賛意を表しておられると私は思うのであります。もし日本の社会が活力を失いますと、福祉自体が維特できなくなる。そういう意味でこれからの国民負担のあり方について委員御関心をいただいているのは本当にありがたいことだと思うのでありますが、まず具体的な話からお答えをいたします。 先ほどから御指摘の、隠れ借金になって、国庫に貸しておってまだ返っていない部分が一兆三千億何がしある、この問題でございますけれども、これは私は予算委員会でも何度もお答えをいたしておりますけれども、これははっきりと財政当局との間では貸し借り勘定はできておりますから、ですから財政上の余力があるときにきちっと耳をそろえて返していただく、これは委員会を通じて私の答弁ではっきり国民にもお約束をしておるところでございますから、何もその点は御心配をいただく必要はないと思っております。 そこで問題は、所得保障である年金、それから国民の健康を守るための医療保険のコストが一体どうなるかということでありますが、これは例えば今の四十兆に及ぶ社会保障給付費の大宗をなしておるわけでありますが、これをどういうふうに構築するかが最大の問題でございます。それで、年金についていろいろ御指摘がございましたけれども、老齢化がだんだん進んでいく、四人に一人が老齢人口になる中で、これからの働く方々に今まで以上の負担をおかけするわけにはいかない。しかし同時に、今政府が示しております厚生年金や国民年金の水準を生活の中に組み込んで、絶対にそれを保障していただけるだろうなという国民の声にこたえる必要もある。そういう中で出てきたのは、これはどうしても六十歳から六十五歳の間の方で雇用機会を拡大をし、働ける方には働いていただいた上でこの支給開始年齢を見直していただくということが、今の二つの要請、つまり掛金や負担が過大にならずに、そして今の給付水準を守るという一つの方法でございますよということを昨年御提案申し上げ、いろいろ御審議をいただいたわけでありますけれども、六十歳から六十五歳までの雇用については十分な対応ができていないから五年後の再計算のときにもう一遍議論してみよう、こういうことになっておるわけであります。 それから、もう一つ大きな負担をふやす要因でございます医療費の問題でございますけれども、これはもう私から申し上げるまでもなく、老齢比率が上がっていきますと、これは当然医療費がふえる。高齢者の方の場合には一般の方よりも五倍の医療費がかかっているのが実態でございます。これを政府が持てとおっしゃいますが、政府が持つ分もこれは税金で持つわけでありますから、結局国民全体がどれだけの医療費をみんなで分かち合うかというその問題に帰着をするわけでございます。そういうことを総体として判断をしていただくために六十三年にお示ししたのが将来見通しでございまして、この見通しでも老齢化のピークのときには四七%、四四から四七ぐらいの負担になるかもしれない、こういうことが示されているわけでございます。 そこで、私の方からの委員へのお願いでありますけれども、こういう将来推計というものを見ていただくときに、数字がそうであるからそうなってしまうという見方をしていただくことは適当でございませんので、例えば今の年金の問題についてどうするかによって将来の負担が大きく変わるわけでございますし、それから、国民医療の将来についてどういう医療保険を組み立てるかということもまた負担に響いてくるわけでありますから、私どもはこれから年金問題、医療問題それぞれについて国民の皆様方に御議論いただいて、これだけの給付をいただくのならばここまでの負担は受け入れてもいいというコンセンサスをいただいていく必要があると思うのであります。ですから、この数字そのものの中から、負担が直ちにどうなるか、給付が直ちにどうなるかという結論に結びつけていただきますと、福祉に対する私どもの真剣な取り組みがむなしいものになってしまうのではないだろうか。むしろこういう数字を頭に置いた上で、今我々が当面をしております年金とか医療保険とか、一つ一つの問題についてできるだけ国民の御要望に沿ったようなシステムを構築していく、それが厚生省が今真剣に努力をしているところでございますし、また、どうか委員皆様方においてもそういう観点から一つ一つの問題について具体的な御意見を聞かせていただきたい、それが私の立場でございます。
○川島委員 全体で、将来的に高齢化時代を迎えて国民の負担率が上がるということも理解ができます、御努力をいただいていることも理解ができます。ただ、全体の負担率は、さきの審議会でも諸外国と比べて日本は五〇%以下に抑えるべきというような提言も出ております。それで、今現在これからお年寄りになろうという人たちが、さきの現在住んでいる皆さんよりも年金が下がったり、医療費の負担率が上がったり、当然今の人口であると入れる施設が増になって入れなかったりというのは、これは全部福祉の後退なのですね。これらを通常進めて、今の維持をしていくのにどれだけの費用がかかって、財政的に負担率が五〇%で抑えられておればこれをこういうふうに改革をしなければなりませんよ、今の費用をかけないでするために在宅福祉を奨励するとかというふうに理解ができるような提案の仕方ではなくて、理想像はこれでいきます、現実はこれだけの差があります、私たちはこういうふうにやっていきたいと思うけれども、皆さんで審議してほしい、こういうふうにわかりやすく出していただかなければ、ゴールドプランのこの生き生きとした言葉を、本当に私どもがぱっと聞いてもなるほどと思うような言葉でございますけれども、中身が一向に理解ができないというのが私の感じなのです。 十六年間県議会の中でいろいろな老人福祉関係の施設という施設は全部見学をさせていただいて、中の人たちの話も聞いてまいっております。新しく始めようとする入浴サービスで地域の車を回して、自動車でお年寄りの皆さんを施設へ連れていって、週に一回なり二回やるという、そういう現実も見てきております。しかし、このゴールドプランの中身は、それらを上回ってもっともっとよくなるのだという実感がわいてこないわけでございまして、その辺から実は私どもは期待をして、その中身の実現に皆さんに質問をしておるわけでございますから、そういう観点でひとつ希望を挫折させないような御答弁をいただきたいと思うわけでございます。 そこで今回の改正によって、措置権の移譲する対象となるそういう福祉の施設が、年度がちょっとさかのぼって非常に残念でございますけれども、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、身体障害者更生施設、授産施設、療護施設の五施設だといっているわけでございますけれども、市町村の受け入れ体制がなかなか難しいという答弁がございました。財政的に一体これらについて今後どうするのか。市町村のうち、現在五つの施設がある市町村、全然ない市町村もあるわけでございますから、これらの分布状況についてまずお伺いをしておきたいと思います。
○津島国務大臣 政府委員からお答えをいたします前に、先ほどの問題についてもう一度私から、大変恐縮でございますが、申させていただきます。 委員から、具体的に将来明るい展望を示せるような説明をしてほしいとおっしゃったわけでありますが、そこで、この今度のゴールドプランにもございますが、その前に私ども発表いたしました福祉ビジョン、六十三年の福祉ビジョンにもございますが、簡単に申し上げますと、年金については現在の給付水準とそれから掛金の水準を守っていく、この年金を、今の年金を国民に対して大事に大事に守っていってさしあげる、これが第一。それから、医療保険の面については国民皆保険という、これも先進国の中で日本が誇るべき財産でございますから、これも大事に大事に守っていって、被用者保険と地域保険であります国民健康保険と、この二本立てをしっかりと維持をしていく。 この二つが幸いなことに所得と健康の保障という意味では我が国でしっかりとでき上がっておりますから、そこで残された問題というのは、高齢化に対する在宅やあるいは施設にお入りになりたい方にどうやってサービスをしてさしあげるかという問題だ、この問題について具体的なイメージ、具体的な計画を発表いたしましたのが今度のゴールドプランである。そして、それがこれまで努力を積み重ねられて維持されてまいりました所得保障と健康に対する保障と、この三つがうまく組み合わされて二十一世紀の日本の活力ある長寿社会があるのではないだろうか。それが我々が今お訴えをしておるところでございまして、そのこと自体を実現することはやはりかなりの困難を伴います、多くの課題を乗り越えていかなければならないわけでありますが、ひとつそういう観点から御理解をいただきたいと思います。
○長尾政府委員 身体障害者更生施設、身体障害者療護施設、身体障害者授産施設、特別養護老人ホーム、それから養護老人ホームの町村部における設置状況ということでお答えをさせていただきます。 まず、平成元年六月一日の状況でございますが、身体障害者の更生施設でございますが、その設置されておるところが町村であるというのは百三十八カ所中三十カ所でございますので、二二%でございます。それから身体障害者の療護施設でございますが、これは百九十九カ所中八十三カ所で四二%でございます。それから身体障害者授産施設は三百四カ所中七十カ所で二三%でございます。次に老人関係の施設でございますが、これはちょっと記録が古うございまして恐縮でございますが、昭和六十三年五月一日現在の数字でございますが、特別養護老人ホームは千九百六十三カ所中八百二十九カ所で四二%、養護老人ホームは九百四十五カ所中三百六十五カ所で三九%となっております。
○川島委員 今お示しをいただいたように、町村における施設数がまだ非常に不足をしておるわけでございますね、一カ所もないというところがあるわけでございますから。それらについて、今後老人福祉の計画の策定をするについて、午前中のお話ですと、国や都道府県も技術的な支援をするためにいろいろな要請もする、こうおっしゃっているわけでございます。この十カ年の間に、目標は非常に低く抑えられているわけでございますけれども、これはどういう根拠で目標を立てられたのか、一〇〇%にならないというふうに理解をしておるわけですけれども、その辺はいかがでございましょうか。
○岡光政府委員 平成十二年に寝たきり老人がどの程度になるかということを前提に考えまして、その寝たきり老人数が約百万人程度になるであろう。この人々をどのようなところで処遇するかということを考えまして、在宅で三十三万から三十七万人程度、それから施設の関係につきましては、特別養護老人ホームで二十四万人、老人保健施設で二十八万人程度、そのほかの十万人余りにつきましては長期入院患者ということで病院に入っていただく、こんな大体のイメージを描きまして十カ年戦略を築いているわけでございます。
○川島委員 この在宅福祉サービスを行う主体を社会福祉法人化して推進をする、それから市町村においては社会福祉協議会を強化して在宅福祉サービス等の実施団体として位置づけておるわけでございます。じゃ、具体的に、人口五万人ぐらいの市で現在よりもどれほど人材的に財政的に手厚い施策ができるか、五万人の市ですとほとんどあるわけでございますが、どう受けとめていいのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○長尾政府委員 在宅福祉サービスの提供主体について、今回の法律改正の中でどういうような考え方をしておるかということをまず御説明させていただきたいと思います。 今回、社会福祉事業法上、この在宅福祉サービスを社会福祉事業ということで第二種社会福祉事業としての位置づけをいたしております。このことから、在宅福祉サービスを行う社会福祉法人というものが設立できるということになるわけでございます。もちろん、既に特別養護老人ホーム等の設置、経営をしておられるのは社会福祉法人でございますので、その社会福祉法人もこの在宅サービスをしていただけることになるかと思います。 社会福祉協議会でございますが、市町村の社会福祉協議会については、この社会福祉法人化の方針をとりまして推進に努めておるわけでございます。現在、市町村の社会福祉協議会については八六%が社会福祉法人化されております。社会福祉法人化された場合には、その社会福祉協議会に福祉活動専門員の配置を進めておりまして、これについては国庫補助を行っておるところでございます。 こういう意味で、市町村の社会福祉協議会の活性化という従来の方針を全体といたしましてさらに進めていくために、今回の法律改正の中で市町村の社会福祉協議会がこういった社会福祉の事業に積極的に取り組む旨の規定を入れさせていただいておるわけでございますが、こういう方向で活性化は図られるのではないかというふうに考えておるわけでございます。先生の御質問の、在宅福祉サービスの提供主体がさまざまな形で各町村に準備できる体制は整っていくというふうに考えておりますが、これからそれを現実のものとしていくためには、私どもとしては、市町村に対する計画等そういった計画的な体制づくりということの指導を次の課題としてやらせていただきたいと思っております。
○川島委員 次に、建設省の方も来ていただいておりますので、時間もございませんので一問だけお伺いをしておきたいと思います。 建設省は、既に福祉住宅等いろいろの施策を講じておるわけでございますが、このたびのゴールドプラン十カ年計画の中で、厚生省と打ち合わせをしてこの十カ年の間に新たに住宅の政策部門でどのようにこのゴールドプランが生かされておるのか、そして予算面、さらに今よりどう変わった形の施策が行われているのか、お伺いをいたしたいと思います。ちなみに、私も建築の方の大学を出て建築の方の自負をいたしておりますので、そういう専門家的な観点からもあわせてお伺いをしておきたいと思います。
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。 住宅政策にとりまして高齢化社会の進展への対応というのは大変重要だということは重ね重ね申し上げているところでございます。今後とも福祉政策との連携を図りながら高齢者の特性あるいはそのニーズに対応した住宅の整備を進めていきたいというように考えております。 御案内のように、現在身体機能の低下や親族との同居等に配慮した規模あるいは設備を有する公共住宅の供給を行ったり、あるいはその募集の際、入居面における優遇措置を講じているところでございます。さらに公庫融資の割り増し融資あるいはシルバーハウジング・プロジェクト等の施策を推進しているところでございます。平成二年度予算におきまして新たに、高齢化社会に対応して高齢者の利用にも配慮した公団、公社住宅、シニア住宅供給推進事業という名前でございますが、今年度初めて新たにつくらせていただいたところでございます。それから公庫融資につきましても、高齢者向けの住宅改良工事に対する割り増し貸付制度が新たに設けられましたほか、その他の割り増し貸付額の増額等が講じられているところでございます。 今後ともこういう高齢化社会への対応について毎年毎年努力を重ねていきたいと思っておりますが、現在、平成三年度から行われます第六期の住宅建設五カ年計画を立てようということで、住宅宅地審議会で御審議を願っているところでございまして、その中で高齢化社会への対応というのは住宅行政の中で大きい位置づけをすべきであるという御議論がなされていると承知しているところでございます。
○川島委員 わかりませんね。シニア住宅供給だとか割り増し貸付額、これが二つふえたんですね。あと五カ年計画で高齢化に向けて十分取り入れるというのですけれども、これでは中身がさっぱりわからないんですよ。金額も明らかにされない。現在がこうなっておって、高齢化時代へ向けてこれだけ人口がふえている。これで普通の当たり前にふえても増加するわけです。増加しなければ後退するわけですから。それを増進するためにどうやるのかということを聞いているわけですよ。どれだけこのゴールドプランで建設省としては上積みがなされているかと聞いているわけですが、ちょっとも答弁が返ってこない。これでは厚生省だけがひとり一生懸命ゴールドプランだとおっしゃっても、ほかの省庁がちょっとも協力してくれないという受けとめ方をされても仕方がないわけでございますけれども、これに対して御答弁をいただきたいと思います。
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。 高齢化社会の対応ということで、今回のゴールドプランにつきましても私どもの行政と密接に関係のあるものと私ども考えているところでございまして、住宅行政の中では十カ年計画とかそういうようなものはないわけでございます。そこで、 先ほど申し上げましたのは、そういう密接な関連がございますし、今後ともそういう高齢化社会の対応という観点からまいりますと、福祉行政との連携というのはますます高まっていくものだと考えているわけでございます。今後とも私ども協力できるものにつきましては最大限の協力をさせていただこうと思っております。
○川島委員 通告をしてある残された数、まだ一時間半ぐらいの分を持っているわけでございますけれども、私の時間もあとありませんので、最後に、今のゴールド十カ年計画、これをやらなければ今の福祉の後退がされるけれども、これをやることによっていささかでも福祉の充実を図ることができる、そのために努力をしておるのだ、最低、ミニマムの動きで進んでおるという理解を今したわけでございますけれども、大臣、これが間違っておれば補足をしていただきたいと思います。
○津島国務大臣 委員から大変御熱心な御質問がございまして、私も全力を挙げて御説明に努めたわけでありますが、全体として今おっしゃったように受けとめていただければ幸いと思います。私としては、二十一世紀まで残す貴重な十年間にこれだけのことができれば、一応国民の皆様方にまずまず安心していただけるようなものをつくらなければならない、目標をもっと高いところへ置きたいという気持ちはもちろん重々ございますけれども、少なくともこれだけはやらなければならないということで取り組まさせていただきますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
○川島委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○畑委員長 石田祝稔君。
○石田(祝)委員 老人福祉法等の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。 まず、大臣にお伺いしたいと思いますけれども、高齢化社会とはどういう社会をいうのか、また高齢化社会で何が大きな問題なのか、これについて端的にお答えをいただきたいと思います。
○津島国務大臣 高齢化社会は、具体的に言えば、我が国が平均寿命八十年という長寿国になった結果、二十一世紀には国民の四人に一人が六十五歳以上の高齢者になるということでございますが、その社会をどうイメージするかということについて、これは我々の努力の裏腹で考えられる将来の姿ではないであろうか。一方では暗いイメージを持つ方もございますけれども、私どもは、努力をして国民が健康で生きがいと喜びを持って過ごすことのできる活力のある長寿・福祉社会をつくりたいということで努力をしてまいりたいと思います。そのためには、一方では社会保障負担がふえてまいりますから、その負担を国民の理解の範囲内にとどめ、負担と給付が国民に理解をされるようなバランスのとれたものにしなければならないというふうに考えておるところでございます。
○石田(祝)委員 私の聞き方がちょっと悪かったかもしれませんけれども、今回この老人福祉法等の一部を改正する法律案ということで、また、この「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、こういう形で、これからの二十一世紀、高齢化社会というものが、ある意味では高齢化の名のもとにやはり高齢者の方のみに目が向き過ぎているのではないか、私はこういうふうな感じがするわけでございます。実はどういう方の著作を読みましても、この高齢化社会の最大の問題点、問題というのはおかしいかもしれませんけれども、二つありまして、やはりこれは、お年寄りが長寿になってふえるということ、もう一つは子供の数が少なくなるということ、この二つがやはり、セットと言うとおかしいですけれども、問題なわけですね。そういう意味で私はきょう子供の問題、児童の問題について若干お伺いをしてみたいと思います。 まず、六月十日付の各紙を見ますと、九日付の厚生省の発表として一九八九年の女性一人当たりの平均出産数、これは合計特殊出生率というそうでございますけれども、一人の女性が生涯に平均して何人のお子さんをお産みになるか、この数が一・五七、こういうふうな数字が発表されたわけでございます。午前でも大臣もおっしゃっておりましたけれども、人口が維持できるためにはこの数値が二・一ではなくてはならない、こういうふうなお話もございました。私も若干諸外国を調べてみますと、一九八七年の数値といたしまして、イギリスが一・八一、西ドイツが一・三八、スウェーデンが一・八四、アメリカが一・八七、フランスが一・八二、西ドイツも若干日本より低うございますけれども、近年数値が上がってきております。日本は一・五七ということで、一九六六年のひのえうまの一・五八を下回って、一八九九年に統計をとり始めて最低の数値になった、こういうふうなことが出ておったわけでございますけれども、端的に申しまして、この原因は何だとお考えになりますか。
○加藤(栄)政府委員 いろいろと原因につきまして御論議がございます。合計特殊出生率の低下の原因として主に考えられますのは、出産適齢期、二十歳から三十四歳が主力でございますけれども、この年齢に入る女子人口が次第に減少してまいりました。一時、戦後のベビーブームの女子の方がこの二十ないし三十四歳の年齢層を通過していかれ、その後減少している。それから、第二が女性の結婚年齢の上昇、いわゆる晩婚化でございます。これは国際的に見ましても高いわけでございまして、六十三年度でございますと、女性の平均で初婚年齢が二十五・八歳になっております。さらに、養育費等の負担でありますとか育児にかかる肉体的、精神的な負担感というものを強く今の方々が、若い方々が感じられる、あるいは住宅事情というものを障害と感じる度合いが強い、こういうような心理的な要因でございますか、あるいは物理的な要因、そういうさまざまなものが考えられるところでございます。
○石田(祝)委員 原因は大体それぐらいだ、このようにお受けとめになっていると思います。国は、年金とか医療政策、こういうものの基礎データにしてきました厚生省の人口問題研究所、その将来推計人口というものを一九八六年に示しまして、そのとき合計特殊出生率が同年の一・七二を底にして緩やかに回復する、このようにたしか予想を出しておったと思いますけれども、実はその後もずっと下がり続けているわけでございます。経年変化で見ますと、八四年が一・八一、八五年が一・七六、八六年が一・七二、八七年が一・六九、八八年が一・六六、八九年が一・五七と、特に八九年になって落ち込み方がさらに激しくなっているわけでございます。予想というものですから外れる場合ももちろんあると思いますけれども、この将来推計人口というのはあらゆる基礎データになっている大変大事な数値だと思います。これだけ大きく、一・七二で底なんだ、ここから伸びると言ったのがなぜ下がり続けているのか。理由は先ほど私もお聞きしましたけれども、予想がこれほどまで外れたというのはどういう理由なのか。また、これから一九九〇年、九一年、将来の推計に関して回復すると思うのか、それともこのまま徐々に下がっていってしまうのか。この二点についてお願いしたいと思います。
○加藤(栄)政府委員 人口問題研究所の将来推計でございますが、今先生がおっしゃいましたとおりの乖離が出ているわけでございます。一番乖離が出ました原因というのは、子供を産む主体でございます女子の晩婚化の進展、これが、その六十一年の推計のときに、六十一年以降は晩婚化がとどまりましてそろそろ出生率が緩やかに回復するという見通しを立てたわけでございます。これは相当多数の若い御夫婦の方々の出生力調査とかいうものも独自にいたしまして推定したわけでございますけれども、しかしながら、その後晩婚化の進展がとどまらずに、そのまま出生率の減少に向かっている、片や推計の方は回復に向かう、こういうふうに推定しておりますので乖離が出てきているわけでございます。 将来推計でございますが、国勢調査が五年ごとにございますが、そのデータに基づきまして五年ごとに将来推計を行っております。一九九〇年が国勢調査の年、ことしでございます。ことしのデータに基づきまして、また将来推計を改めていたすというふうに今予定しておるところでございます。その結果どういうふうにいたしますか、その他付随いたします調査等も今準備をしておるということでございます。 ただ、今の前提でいきますと、晩婚化はいずれはとどまるであろう。と申しますのは、従来の調査でございますと、若い方々の結婚の意欲、いつかは結婚するという結婚意欲というものは衰えていない、ただ、結婚する年齢が上昇している、こういうことでございますので、いずれかは晩婚化がとどまる時期が参り、その後出生率が回復してくるのではないか、今の推計ではそういう結論が言えると思いますが、ことしの国勢調査の結果等に基づいてさらに検討いたしたいと考えております。
○石田(祝)委員 ことしの国勢調査の結果を見て改めて考える、こういう御見解だったと思いますけれども、この六年を見ますと明確に下がり続けている、ベクトルは下向きになっているわけですね。その意味でやはりこれは普通に考えればゆゆしき事態である、こういう観点に立って大至急対策を講ずるべきであると私は思います。これは九〇年の国勢調査を踏まえてとかそういうことではなくて、ひとつ現実の政策的な対応としては早くやっていただきたい、このように思うわけであります。 それから、これだけ予想が外れたことに対して、もちろんその予想というものを基礎にしていろいろ政策等も考えておられたと思いますけれども、これだけ外れたことによる、これからの医療政策についてのいろいろな影響というものに関してはどういうふうにお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
○加藤(栄)政府委員 出生率の動向につきましては、今申し上げましたように、本年行われる国勢調査の結果も見まして、この出生率減少の傾向がこの後も続くのかどうか、あるいは回復するのかというあたりをいましばらく見きわめる、今後の推移を、どういうふうになるのかということを慎重に推計してまいることが必要であると思っております。ただし、一般的に申し上げまして仮に出生率の低下がこのまま続くと、いつまでも続くということはないわけでありますけれども、これは児童自身の成長にとってさまざまな問題を生ずるおそれがあるということもございますし、高齢者の扶養の負担の増大など今後我が国の社会経済全般にわたって大きな影響を与えるわけでございまして、非常に長期的な傾向値を見ていくわけでございますので、ここ数年来の傾向だけで数十年後のことを判断するということは、今はよほど慎重に考えていかなければならないとは思っております。 いずれにいたしましても、この現在の出生率の低下については重大な関心を払っていく必要があると考えております。
○石田(祝)委員 この問題はこれぐらいにしたいと思いますけれども、最後にちょっと申し述べておきたいのですが、一九八六年から一つの予想が外れて、来年直すとしても五年の間数値が外れたままで来ている、それをもとにして政策がなされているということ、まずこれが第一点です。それから、イタリアの例、先ほど申しませんでしたけれども、イタリアは一・二八ですね。イタリアまで下がらないという保証もないわけですから、そこのところよくお考えになってやっていただきたいと思います。 私は、次世代、特にこれからの二十一世紀を担う児童、子供のためには特に早急に対策を講ずべきであると先ほどからも申しております。高齢化社会に対する取り組みというものは、高齢者、老人対策だけでは不十分である、児童の健全育成のための対策というものも同様に重要でありますので、これらの二つの対策というのはいわば車の両輪のようなものです。そういう意味で、この両輪が正しく回ってこそ社会が真っすぐ進んでいく、私はこのように思うわけでございます。 先ほどから出生率低下の原因として女性の晩婚化とかいろいろなことを申されておりましたけれども、私はそうじゃないと思います。社会に生み育てやすい環境が整っていなかった、ここが最大の原因であった、このように考えるべきであります。一方的に女性に負担がかかる現今の社会体制を改める施策がまず第一に考えられるべきであると私は思います。 施策の主なる候補として、児童手当の第一子からの支給等の制度の充実、夜間保育の拡大、育児休業制度の定着などが挙げられると私は思います。こうした施策はどれも、男女共同参加の社会を目指す公明党が、女性の人権尊重、女性の地位向上、女性の働く権利の確立などの観点に立って以前から主張してきたことであります。これまである意味で言えば政府は、児童手当を縮小または切り捨てようとしたり、育児休業制度の普及促進のための育児休業法の立法化に消極的な姿勢に終始してきたわけであります。しかし、この出生率の低下という冷厳なる事実に遭遇して初めて真剣に考えようとしている、私はこのように思われてなりません。 私は本日、この児童手当制度について、次世代を担う児童の健全育成に資するためという観点から、これから若干お尋ねをさせていただきたいと思います。 この児童手当の制度というのは、大臣も、また関係省庁の方もよく御存じのとおり、我が党が一貫して主張し続けて、その結果といたしまして昭和四十七年一月より実施されておるわけでございます。そして、幾たびか改正、改定等を経て今日まできておりまして、現在、義務教育就学前の児童の第二子目から、第二子二千五百円、第三子以降五千円、こういう形で支給をされておるわけでございます。経済的な側面からも児童の健全育成に資する制度である、私はこのように思うわけでございます。 ある調査によりますところ、御自分が出産をしようとしている子供さんの数と、御自分が理想としている子供さんの数に乖離がある、その主な理由として、経済的な理由というものがおよそ六七・三%あった、こういうふうに私は調査で見たことがございます。その意味におきまして、この児童手当制度の維持、さらに制度の内容の充実拡大が必要である、私はこのように思うわけでございます。 ここでお聞きをしたいと思いますけれども、この制度は今後とも児童手当制度として堅持すべきである、私はこのように強く主張したいと思いますけれども、決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
○津島国務大臣 委員御指摘の児童手当でございますが、現在の制度は平成三年五月までの措置として特例措置が実施されておるわけでございます。そういう意味で、今後の児童手当制度のあり方については検討しなければならない段階に参っております。 今御議論になっております出生率の低下、女性の社会進出等、児童や家庭を取り巻く環境変化を踏まえつつ、児童が健やかに生まれ育つための環境づくりを進める一環として、現在の特例措置をどう取り扱うかを含めて制度の見直しを行う必要があると思っております。現在、中央児童福祉審議会において、具体的な改正の方向について幅広い観点から審議を進めておりますので、その検討結果を待ちまして、二十一世紀の社会を担う児童が健やかに育つための環境づくりを進めるための制度改正を検討してまいりたいと思っております。
○石田(祝)委員 制度改正、また制度の見直しということでございますので、制度はそのまま残る、こういうふうに私は理解をさせていただきたいと思います。 先ほど大臣が、次期通常国会に法案を提出します、このようにおっしゃいましたけれども、それでよろしゅうございますか。
○津島国務大臣 そのように受けとめていただいて結構です。
○石田(祝)委員 それでは、内容についてもう固まっておりますでしょうか。
○古川政府委員 児童手当制度につきましては、大臣がお答え申し上げましたように、現在検討中でございます。 具体的には、中央児童福祉審議会というところがございまして、そこの中に児童手当部会というのがございまして、そこで幅広い観点から検討を進めている、こういう段階でございます。したがいまして、まだ具体的な中身をどうこうするというようなことが固まっているという状況ではございません。幅広い観点から検討を進めている、こういう状況でございます。
○石田(祝)委員 これから検討するということですので、私は若干意見を申させていただきますけれども、ぜひとも参考にしていただいて、内容の拡充に努めていただきたいと思います。 まず、この制度は我が国だけではないということはよく皆様御存じであると思います。そこで、私はちょっと各国の状況を調べてみますと、こういうふうになっております。西ドイツ、児童手当は支給対象児童は第一子から、そして支給期間は十六歳未満、特例として学生は二十七歳まで支給をする、そして支給月額は一子から五十マルク、百三十マルクと、ずっとこうなっております。この全額、国庫負担でございます。スウェーデンの例で申しますと、これも支給対象児童は第一子から、支給期間は十六歳未満、学生は二十歳まで奨学手当という形で出すことができる。スウェーデンの場合は、全額国庫負担で、所得制限はない。イギリスは、支給対象児童は第一子から、そして、支給期間も十六歳未満、所得制限なし、全額国庫負担、こういうふうになっております。そして、日本の場合を見ますと、支給対象児童は第二子から、そして支給期間は義務教育の就学前までとなっております。金額は先ほど申しましたけれども、二子が二千五百円、三子以降は五千円。各国の場合、ちょっと為替のレートの問題もございますので、金額をそのまま比べることはなかなか難しいと思います。西ドイツの例で見ますと、対製造業の平均賃金比といたしまして、第一子が一・六四%、第二子が四・二六%となっております。私ども日本の場合はどうかなと思って見ますと、製造業の平均賃金に比較をしますと、第二子が〇・七八%になります、三子以降で一・五七%。だから、西ドイツと比べましても、最初にもらうお子さんは約半分以下、二番目からもらう方が約三分の一、こういうふうな形になっておるわけでございます。これからいろいろと検討をしていただくということでありますけれども、こういう形で、支給内容も支給期間もやはり諸外国と比べて大きく劣っている。この点は、私は大いに認識をしていただきたいと思うわけであります。 その意味で、私は、国庫の負担状況も見ますと、昭和五十五年度の七百四十七億円から六十三年度が三百三十四億円と約半分以下にもなっております。そういう意味で、支給対象を第一子からとにかく支給をする、二子からとか言わないで、初めて生まれたお子さんから支給をして、さらに支給期間も諸外国並みに拡充すべきである、このように思いますけれども、この点についていかがでしょうか。
○古川政府委員 諸外国の児童手当制度につきましては、ただいま委員御指摘のとおり、かなり手厚い内容となっていることは事実でございます。これについては、児童の養育というものに対する意識といいましょうか、考え方、国民性の違いとか税制とか企業の家族手当というふうなものがあるとかないとかといういろいろな要因がございますので、直ちに児童手当制度だけを取り上げまして比較するということはどうかなというふうに思うわけでございます。 御承知のように、西欧諸国におきましては低出生率、非常に出生が少なかったというようなことから、数十年にわたりまして児童手当制度だけでなくて、家族とか家庭というものをトータルとしてとらえましたいわゆるファミリー政策といいましょうか、家族政策というものがとられてきているわけでございまして、働く女性を含めた、いわゆる児童を養育する家庭に対する各種の経済的な支援というようなもの、あるいはサービスの実施というようなことが総合的に家族政策というようなことでとられてきているというようなことも事実でありまして、私ども、こういった点を参考にしながら検討していかなければいかぬ。幅広い観点から、手当制度だけではなくて、いろいろな、いわゆる次代を担う児童を健やかに生まれ育つ環境づくりという観点から取り上げていきたい、かように考えております。 ただ、ここで一点、また、むしろ委員にお願いを申し上げたいのは、大臣が午前中に国民合意の形成というようなことをお話がございましたが、私どもは、先生がおっしゃったように、高齢化社会それから児童の社会、これは車の両輪である。私ども、高齢化社会に対する高齢化対策を深めていくと同時に、次の世代を担う児童に対する、あるいは児童の基盤である家庭に対する社会的な投資といいましょうか、支援というものを行っていくべきであるという、その均衡の議論が一点と、それから、いま一つは、西欧諸国における家族政策の基本的な考え方の一つには、いわゆる子供さんのいる家庭と子供さんのいない家庭あるいは独身家庭との均衡という議論があるわけでございます。 ただ、この問題は非常に注意しなければいかぬのでありまして、結婚をしたいけれども相手がいないとか、なかなか結婚ができないという人あるいは子供を持ちたいけれどもどうしても持てないという人、そういうふうな個々人の感情の議論になりますから、これは慎重に考えなければいかぬ問題ではございますが、そういったことを抜きにいたしまして、いわゆる社会経済的な見地で考えますと、子供さんを持って子育てに非常に苦労されているとか、もちろん子育ては喜びでもあります。また一面いろいろな負担も伴う。そうでない、子供さんがいない家庭あるいは独身の家庭、そういった負担の均衡といいますか、受益均衡の問題、こういった点も考慮しなければいかぬ。このためには、大臣が申されましたように国民合意の形成というものがどうしても必要である、そういうふうな次の世代を担う子供、あるいはその子供の基盤である家庭に対する社会的な投資を大いにやろうじゃないか、こういう国民合意の形成というものがどうしても必要である、私はそういうふうに思いますので、委員にはこの点につきましても格段の御支援を賜りたい、かように思う次第でございます。
○石田(祝)委員 先ほどから社会的投資、社会的投資とこういうふうにおっしゃっておりますけれども、じゃ、その社会的投資とは何でしょうか。
○古川政府委員 お答えいたします。 いろいろな形で投資といいますか社会的な支援というものがあろうと思うのでございますが、今問題になっております児童手当という、つまりそういう家庭に対する経済的な支援とか、あるいは育児の不安とか、そういったものに対する例えば相談体制の議論とか、あるいは就労と子育ての両立ということから保育所があるわけでございますけれども、先生もちょっと御指摘ありましたような夜間保育、つまり今の保育所の時間帯ではなかなか間に合わないというような問題。これについては私どもも延長保育、夜間保育、乳児保育、こういった特別保育対策。また平成二年度からは一時緊急対策ということで、保護者が病気になった場合一時的に子供さんをお預かりする保育の制度を出発させるとか、あるいは例えば郷里の主人の両親がぐあいが悪くなって看病に行かなければいかぬ、そういうふうな場合にもお預かりするとか、いろいろな形での保育サービスの議論とか、あるいは先ほど来議論がありますが、育児休業の議論、雇用環境の議論なり住宅の議論。先生が調査されました資料の中にもあろうかと思うのでございますが、例えばもう一人子供が欲しいんだけれども家が狭くてためらわせるというような問題。ひとり児童手当のみならず、子供さんを持ちたいという意欲を支えるような施策というものがもろもろあろうかと思います。 そういった問題について国民的な合意を形成して、そういったものに大いに投資しようじゃないかということが必要じゃないかと思うし、私は意識の問題だけではなくて、大臣が繰り返し申されますように、厚生省としては行政としてそういう面に特段の力を入れてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○石田(祝)委員 いろいろとお話をお伺いしまして、最初に申しましたように児童手当もその中の一つである。育児休業制度もそうだし夜間保育の充実もそうだ。けれども、例えば私が申し上げましたこの三つ、それぞれを充実させていく以外にトータルとして充実することはできません。この児童手当の制度を一つ取り上げていった、そうしたら、ほかとのバランスも大事なんだ、こういう議論ももちろんそうでありましょうけれども、それぞれの制度を充実させていく以外に全体的なボトムアップはできない、これは強く主張しておきたいと私は思います。 それから、支給月額も昭和五十年度の五千円からある意味では上がっておりません。十五年間そのままになっておりますので、金額もぜひとも大幅に増額をしていただきたい、このこともあわせて申し述べたいと思います。 そして、この問題の最後になりますけれども、高齢者対策として「高齢者保健福祉推進十か年戦略」が策定されたわけでございますけれども、私は、仮称児童健全育成十カ年計画、こういうものをつくったらどうか。ゴールドプランは先に名前を使われてしまいましたし、シルバープランというと妙にお年寄りみたいな感じもしますので、さらにすばらしい計画ということでプラチナプランというのはどうか、こういうふうに私は思うわけなんですけれども、大臣、これはいかがでしょうか、ゴールドの上を行くんだ。
○津島国務大臣 お気持ちにおいて全く同感でございます。 先般、長寿社会の問題を議論する閣僚懇談会がございまして、私から特に二点申し上げたわけであります。「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を着実に実現したいということと、それから出生率が低下をしておる、しかも委員御指摘のとおり、その傾向が続いておる、非常に憂慮すべきものがあるという点を申し上げて、高齢社会の問題と子供さんの問題はまさに裏腹であるという認識を私も持っております。閣僚の中から、子供さんの問題はできるだけ早く総合的な対策を講ずべきであるという意見が出され、私もそれを重く受けとめてまいったわけでございます。そして、厚生省の領域の行政でこれに対処するだけでは不十分でございまして、住宅問題一つとりましてもそうでございますし、雇用環境の整備もそうでございますから、行政全体として、いや国民運動として対策を講じていけという御趣旨はそのとおり受けとめさせていただきたいと思います。 言葉は別といたしまして、ゴールドプランの中にこの問題がしっかり入っているんだというような気持ちで取り組んでまいることをお誓いしたいと思います。
○石田(祝)委員 続きまして、老齢福祉年金のことについて若干お伺いをしたいと思います。 この年金は支給対象者として、明治四十四年四月一日以前の出生者でその者が七十歳に達したときから支給されるが、昭和三十六年四月一日現在で五十歳を超えている方は年金に加入できなかった、いわばその時点で年金の加入権を奪われておったと言うとおかしいかもしれませんけれども、年金の加入権がなかった人たちの年金でございます。ある意味では年金に加入をしたくてもできなかった、門を閉ざされておった、こういう方々にこの老齢福祉年金を支給されております。そういう意味で、一番若い方で七十九歳。 このお年寄りたちは年金が支給されるのを楽しみにしております。自分の好きなことに使ったり、また御自分のお孫さん、ひ孫さんにも若干の小遣いなりを上げたり、こういうふうな楽しみもあるわけでございます。しかしながら、ある日あるとき突然この福祉年金が支給されなくなる。御自分ではわけがわからない。そしてよくよく調べたら、御自分が扶養されている子供さんの収入が限度をオーバーしておった。そしてある日突然来なくなってしまった、こういうふうな状況が考えられるわけでございます。 そこで若干お聞きをしたいと思いますけれども、六十三年、平成元年、平成二年の予算上の金額と受給者数をちょっと教えていただきたいと思います。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 六十三年度の老齢福祉年金の予算額は四千七百十一億円、平成元年度予算では四千三百三十五億円でございます。
○石田(祝)委員 平成二年の数字も。
○水田政府委員 平成二年度、予算計上いたしておりますのは三千四百二十一億円でございます。 なお、受給者数でございますが、六十三年度の場合は百三十七万九千人、平成元年度が百二十六万一千人、平成二年度が百三万八千人でございます。
○石田(祝)委員 平成二年度の予算額の数字がちょっと私の持っているのと違いますけれども、三千四百三十五億円ではないですか。これはちょっと調べていただくとしまして、一番最近の数字で扶養義務者の所得オーバーによって全額支給停止になっている人の数をちょっと教えていただきたいと思います。
○水田政府委員 一番直近、平成二年度予算上見込んでおります数字は六万五千人でございます。
○石田(祝)委員 そういたしますと、予算額におきまして、ちょっと今もらえないものですから私の方の数字で、書いてきたもので申し上げますと、六十三年から平成二年度で約千二百七十六億円予算額が減っております。受給者数にしまして、六十三年から平成二年で三十四万一千人、これらの方は、多分、残念ながらお亡くなりになった方ではないか、このように思うわけであります。先ほど六万五千人、所得オーバーでその方がもらえてないんだ、こういうお話でした。そういたしますと、これらの方々の扶養義務者の所得制限を撤廃したら、私は撤廃してもらいたいと思って今これから質問するのですけれども、幾ら予算が増額いたしますか。
○水田政府委員 平成二年度の予算上のベースで申し上げますと、二百二十七億円と推定をいたしております。
○石田(祝)委員 先ほど申しました数字、六十三年から平成二年度で約千三百億円近いお金が予算上減額をされている。そして扶養義務者等の所得制限の限度額、これを撤廃したら幾ら予算がふえるか。お答えが二百二十七億円ということでございました。私はこれらの方々というのは、ある意味では申しわけない言い方ですけれども、これからだんだんお亡くなりになっていかれるわけですね。そういう意味で、二年間で千三百億円近いお金が減額される、そういう状況の中ですので、何とかこの扶養義務者の所得制限、これを私は撤廃をしていただきたい。 例えば御本人がたくさんお金を稼いでいるとか、ほかに年金をもらっているとかそういうことであれば、私はそれはもういたし方ないと思いますけれども、三十六年の時点で年金に入りたくても入れなかった、そして、なおかつ御自分の収入ではない、扶養義務者の所得制限のオーバーによってある日突然もらえなかったり、こういうことではちょっとかわいそうじゃないか、そういう人たちにお金を上げるために何千億円もかかるとかそういうことではないわけですし、今毎年毎年、平均したら十何万の人が少なくなって予算措置としても二年間で千三百億、こういう状況ですので、何とかこの扶養義務者の所得制限の撤廃、これをしていただきたいと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
○水田政府委員 御案内のとおり、老齢福祉年金はその財源はすべて国庫によって賄われているわけでございます。こういうことから、受給者の扶養義務者が相応の収入のある場合、これは平成二年度ベースで申し上げますと八百七十六万円、これは六人家族の場合でございますが、それを超え た場合に支給停止をするということで、一般的な勤労者の平均的な収入の二倍近い水準でございますので、そういう扶養義務者がある場合には御遠慮いただくこともやむを得ないのではないかと考えておるわけでございます。 確かに先生御指摘のとおり、老齢福祉年金だけを見れば国庫補助額は減っているわけでございますが、拠出制年金の国庫補助はふえてまいっております。全体としては年々増加し、さらに、それは今後強まっていく傾向にあるわけでございますので、これだけを切り離して云々することは非常に厳しい事情にあるということを御理解願いたいと思います。 特に、公的年金全体が今大きな曲がり角に来ているということは、さっきの先生の御指摘のとおり、世代間扶養の肝心の支え手である若い人が今後減っていくという問題、さらには、公的年金を一元化しないともう既にやっていけないような共済組合も幾つもできている、こういう事情を総合的に見ますと、先生の御指摘されていることについては、心情的にはわかるのですが、やはり公的年金全体の中で、しかも、今後国庫補助金全体が急激にふえてまいるという状況の中では、相応の収入のある方には我慢をしていただくという今の仕組みを直ちに見直すことはなかなか難しい状況にあるということについて、ひとつ御理解をお願い申し上げたいと思います。
○石田(祝)委員 今局長が、収入限度が六人家族で八百七十六万円、こういうお話をされました。これはいつから八百七十六万円ですか。
○水田政府委員 昭和五十年度からでございます。
○石田(祝)委員 そういたしますと、十五年間この限度額は変わっておらぬ、こういうことになりますね。その間、名目賃金がどれだけ上がっているかを私、ちょっと調べてみました。昭和五十年度を一〇〇としましたら、六十三年度で一九一・〇四。消費者物価指数では同じく五十年度を一〇〇としたら一六〇・一九、こういうふうになっております。この十五年間もそのままになっておったのは、故意にそうされたのか、それともだれも質問する方がいなかったからそうなっておったのか。五十年の時点で八百七十六万という金額、この金額に合理性があったと私は思うのです。合理性があったがゆえに八百七十六万という設定をされた。その時点の合理性が確かにあった。そうしたら、十五年間で名目賃金ももう一・九倍になっている、消費者物価も一・六倍になっている。そうすると、現時点での合理的な水準というのは、少なくともそこぐらいまでバーを上げるということがこれは合理的じゃないだろうか。それとも、今の時点でいいということになりましたら、過去の五十年の時点はどういう数字で八百七十六万というのを出したのか。だから、政策の合理性、一貫性というか、そういうものを考えた場合に、これは当然、先ほど私は所得制限を撤廃しろと申しましたけれども、局長はそれはできない、こういうお答えでしたけれども、この収入制限一つ見ましても、やはり同じく政策の合理性を貫こうとされるならば、少なくとも一・五倍程度その収入制限のバーを上げるべきではないか、このように私は思いますけれども、この点について。
○水田政府委員 現在、八百七十六万円というのは、先ほど申し上げましたように勤労者の六人家族の平均的な収入の倍近い、かなりゆとりのある線で、まだ今日もそのハードルというものがあるわけですが、このハードルについて、せめて現在もらっている人がもらえなくなるようなことがないような物価なり賃金に伴うところの見直し、その他の検討ができないかどうか、こういう御指摘であろうかと受けとめるわけでございます。これらの問題につきましては、年金以外に福祉関係の諸手当も同じ基準を使っておりますので、これらとの関連を考えながら検討をさせていただきたいと思います。
○石田(祝)委員 この問題は、ぜひとも政策の合理性というものを一貫をさせていただきたい、こういう観点で前向きに検討をお願いしたいと思います。 続きまして、障害者の小規模作業所の問題についてお伺いをしたいと思います。 私は、障害児を持つ親の方からこういう話を聞いたという声を又聞きですけれどもお聞きをいたしました。四つの苦しみがある、こういうふうにおっしゃっておったそうであります。一つは生まれたとき、それから学校に入学をするとき、そして卒業して働くとき、四番目が親が亡くなるとき、この四つの苦しみが障害児を持つ親にはあるんだ、こういうふうなことをある人から私は聞かされました。 実は、私自身もかつて東京都の職員として勤務をいたしておりました。そのときに、都立の養護学校に六年ほど勤務をしておりました。そういう子供さん、いわゆる肢体不自由と言われている方、また精神薄弱と言われている子供さんを六年間毎日見ておりました。六年間勤めておりましたので、卒業式にも六回出していただきました。そのときに、やはり普通であればよく頑張って卒業した、そういうふうに子供も親も喜ぶところでありますけれども、実は卒業した翌日から行くところがない。明確に勤務先が決まっている人は本当に数が少ない。平均して約三〇%ぐらいしか決まっておりません。そういう意味で、本当に卒業式がうれしいのか、本当にこれからどうしょうかと不安なのか、そういうまじったような感じの親御さん、子供さんを私はずっと見てまいりました。やはり障害を持っていらっしゃる方の問題というのは、卒業した後、そのときに、ある意味でいえば本人たちも本当に生きがいを持って、また自分なりに社会に参加をしているんだ、社会に役立っているんだ、こういうふうな意識を持って一生生活をしていただくのが一番正しい形ではないか、私はそのように思うわけであります。 おかげさまで、この障害者に対する雇用というものも法的な面で整備をされまして、以前は身体障害者雇用促進法という形でありましたけれども、今はその身体がとれまして、障害者雇用促進法、こういうことになりました。体の不自由な方も精神薄弱、知恵おくれの方も、ともに法の救済の網に入ったわけでございます。しかしながら、この企業の法定雇用率、これについて若干守られていないんじゃないかとか、いろいろなことを最近の新聞でも私は見ました。きょう労働省に来ていただいておりますので、現在の障害者の法定雇用率と実雇用率について、海外の主な国の法定雇用率等も含めまして若干現状を教えていただきたいと思います。
○野寺説明員 障害者の雇用率でございますが、日本の場合、一般の民間企業は一・六%でございます。これに対しまして、平成元年の六月一日現在の実績、いわゆる実雇用率は一・三二%でございます。その中身は、大体におきまして大企業の方が雇用率が低いというのが現状でございます。 なお、諸外国の状況でございますが、私ども把握している範囲で申し上げますと、西ドイツにおきましては重度障害者法という法律がございまして、これによりまして、従業員が十六人以上の公的機関及び民間企業につきましてはその六%以上の重度障害者を雇用することが義務とされております。その達成状況でございますが、一九八七年の数字でございますが、そのとき現在で五・〇%という数字が上がっております。なお、イギリスにつきましても、同じく障害者雇用法に基づきまして、二十人以上の従業員を雇用する事業主につきまして従業員の三%以上の障害者を雇用する義務があるというふうにされておりますけれども、イギリスにつきましては最近の達成状況については残念ながら十分把握しておりません。
○石田(祝)委員 この点は、せっかく法律をつくってやっていただいているわけですので、法定雇用率をぜひとも達成するように努力をしていただきたいと思います。 養護学校の高等部の卒業生、この人たちが年間約七千五百人程度いらっしゃる。そして、就職される方が二千三百人、約三〇%と言われております。その他の方々は在宅とか授産所、そして授産所にも入れなかった方が手をつなぐ親の会等で小規模作業所に入って自分たちで一生懸命毎日通ってやっているわけでございます。この小規模作業所について、現在幾つぐらいあるのか、そして、この法的位置づけはどうなっているのか、これらについて、済みませんがお願いします。
○長尾政府委員 今先生御質問の小規模作業所でございますが、これは現在、私ども社会局と児童家庭局と保健医療局、三局それぞれに実施をいたしておりまして、法律上の根拠はございません。いわば予算上の助成事業をやっておるということでございます。 現在の対象数を申し上げます。社会局で実施をいたしております在宅重度障害者通所援護事業、いわば体の御不自由な方のための小規模作業所でございますが、平成二年度で三百一カ所でございます。児童家庭局の精神薄弱者通所援護事業が三百五カ所、保健医療局の精神障害者のためのものが百八十八カ所でございます。
○石田(祝)委員 ちょっと私の質問が悪かったのか、小規模作業所、補助対象としてではなくて、現在現実に幾つあるとつかんでおられるのか。それと、補助対象になっているところが約八百カ所ぐらいあるということですけれども、一カ所当たり大体幾ら補助をされておるのか、これをお願いします。
○長尾政府委員 先生の御質問を取り違えまして申しわけございませんでした。 一般に親御さん等が障害を持つお子さんのために自発的にこういう作業所をつくっておられるというケースが多いわけでございまして、その対象の定義がそういう意味では大変難しいものでございますから、私どもでその実態を把握することは困難であると思っております。親の会であります全日本精神薄弱者育成会等がお調べになりましたものでこのくらいの数とおっしゃっておられますものは、全体といたしまして大体千八百ちょっと、二千弱という数であると伺っております。 予算上の対象の状況でございますが、一カ所当たりの金額が八十万円という形になっております。
○石田(祝)委員 私は、この金額は少ないと思います。 それから、先ほど局長が自発的につくられた、こういうふうにおっしゃいましたけれども、これは自発的につくらざるを得なかった、こういうふうに言った方が正確だと私は思います。要するに受け皿がないのです。それで、手をつなぐ親の会という形を親たちがつくって、自分たちでお金を出し合って、そして一日休んだり、いろいろな形で自分たちが参加をして、子供たちと一緒にそういうところで作業をしている、これが現状です。そういう意味だとしますと、やはりこれは受け皿がないのだということをまず大前提として認識をしていただかなければならない。 ここで小規模作業所に対する助成として、平成二年度でおよそ八百カ所となっております。聞くところによりますと、これはずっと八十万円もらえるのじゃない。何年間かもらったら打ち切られて今度は別の補助対象の小規模作業所にお金が移っていく、こういうふうにも私は聞いております。そして、この小規模作業所は正確な数もわからないし、また法的位置づけもない、そして補助金額も八十万円だ。この「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の中にも障害者というのは入っております。もう一度これは法的位置づけ並びに財政的にちゃんと位置づけをするような政策をやってもらいたい、私はこういうふうに思うのですけれども、この法的位置づけ並びに財政的位置づけについてもうちょっと何とかならないか、こういうように思いますけれども、この点について。
○長尾政府委員 先生の御指摘は、私どもとしても大変ごもっともだと思っておるわけでございます。障害者の方が御自分の住宅のそばで働く場所をよりよくつくっていくということは私どもの課題だと思っております。それで、重い障害をお持ちの方のためのいわば福祉就労といいますか、そういう仕事が今後地域の中での福祉の内容を厚くしていく、こういうような時代の要請の中で、私どもの仕事の非常に大きな部分を占めていかなければならないという御指摘はそのとおりと考えておるわけでございます。 問題は、その場合、私どもとしてどういうような手法といいますか、どういう方法でこの問題に対処していったらいいかということでございますが、御承知のように、身体障害者福祉法の中では、障害者の方のいろいろな対策がある一定のレベルで確保されるようにということで、例えば施設の基準にいたしましても職員の配置といったことにつきましても、一定の基準を設けまして、その基準を守っていただいて福祉を守るという考え方をとっております。そういう意味では、いわゆる法定施設を柔軟に対応いたしまして、こういった地域の福祉を厚くしていくという方向が実は基本になくてはならないのではないかという気持ちがいたします。 そういう観点で、実は、授産施設につきましては、私どもが今やっております方法は、一つは一施設当たりの人数を少なくできる工夫がないだろうかということでございまして、いわば分譲方式という形で、親元の施設があって、それの一部を分譲するという形で小規模の作業の現場をつくっていく、こういうことを考えたことが一つでございます。 それから、障害者といいましても、知恵おくれの方と体の御不自由な方と両方おられるわけでございますから、その両方の方が利用できるような形を考えていくということも一つの方向ではないかという気がいたしておりまして、その両方をやっておるわけでございまして、実は、先生おっしゃるように、小規模作業所自体をもっと、この八十万円は非常に少ないじゃないかという御指摘、これは私どもとしても大変耳の痛いお話でございますが、できる限りそういった対応の中で、小規模作業所が担っております役割を吸収していくといいますか、その中に入っていただけるような、そういう工夫ができないものかという気持ちでおります。
○石田(祝)委員 時間になりましたので、最後に要望をお話をさせていただきたいと思います。 平成二年度の認められた事業で、授産所の分譲、ブランチという制度があるというふうに私は聞いております。これはいろいろまた一年間かけてやっていただくことになるのじゃないかと思いますけれども、現行の小規模作業所の自主性が損なわれないような形で、いい方向でやっていただけるようにお願いをしたいと思います。 それから、予定をしておりました質問ができない分がございました。 以上、時間になりましたので終わらせていただきます。ありがとうございました。
○畑委員長 児玉健次君。
○児玉委員 これまで家族の負担、犠性にゆだねられてきた在宅福祉をこの法改正によって法的に位置づける、または老人、身体障害者の福祉施設への措置権を身近な町村に移す。当然のことだと私たちは考えております。しかし、臨時行政調査会の行政改革以来、福祉の分野における公的責任のあり方が厳しく問われている。一方、シルバー産業の形成による福祉サービスの商品化、市場化という状況において、この法改正に関連して明らかにされなければならない問題が幾つもある、このように思います。 さらに、基本的な姿勢として、在宅介護の強化が病院からの老人や長期療養者の締め出しの社会的な受け皿になる。そのためということであれば、これは論外だと私は考えております。あくまで、数多くの国民が今切実に願っている在宅福祉の充実を誠実に追求していく、そのことが求められていると思います。そういった立場から私は、まず第一に、この分野で貴重な貢献をなさっている皆さん方が安心して働いていただけるような、そして人材の確保、それと国の財政負担を明確にしていく。きょうは、その二点を中心にしてお尋ねをしたい、こう思います。 この分野で貢献なさる方々にとって仕事に対するやりがいの問題、積極的にこの分野の活動に参加していく。そのためには、一つは仕事に臨むに当たっての体制の確立の問題、それと身分、待遇の保障前進の問題、これがあるだろうと思うのです。先日もこの委員会で議論がありましたし、きょうも先ほど若干の議論がありました。私は、家庭における介護、特に身体の介護をとりあえず例に挙げたいのです。 身体の介護、厚生省が最近、社会局長の通達として出された平成元年五月二十九日の通知ですね。身体の介護に関すること、食事の介護、排せつの介護などなど、こういったものに参加していく場合に何人かの専門家のチームワークがどうしても必要だろうと思う。この点は、先日の委員会でも厚生省は、保健婦、OT、PT、そのほかの職種を含め、チーム方式を私ども目指しております、こう答えていらっしゃる。ここの中身を、十カ年戦略、ストラテジーと言う以上、文字どおり戦略的に立ち入って明らかにしていく必要があるだろう、こう思うのです。 今度の質問に参加するに当たっていろいろお聞きしたのですが、関西の幾つかの進んだ市では、社協その他を中心にして一人一人の介護を申請されている御家庭の状況を調べて、例えば入浴サービスをどうするかという場合に関係者が何人か集まって検討委員会をやっている。その検討委員会でこうするのが一番いいんだろうというので、複数でその仕事をなさっている。この体制が今非常に求められている。それがしっかりしていけば、この前、津島大臣も言われたけれども、介護の仕事に対する社会的軽視の問題、家事の延長という見方があるからそれが出てくるので、そこを断ち切ることもできるだろう。こういう点で厚生省から、この在宅介護におけるチームワークの方式についてさらに具体的にお答えいただきたい。以上。まず第一。
○岡光政府委員 ホームヘルパーの方がその任務を円滑に果たしていくためには、老人とかその家族の生活上の諸問題についての相談、それからどのように調整をしていくかという調整の問題、あるいは関連分野であります保健医療に関する相談への対応とか保健医療関係者への結合、つなぎをするというふうなことが実は不可欠なわけでございます。ところが、この点については今までどうもヘルパーさん個人に押しつけられている。ところが、ヘルパーさん、お一人ではそこのところが全然対応できない。したがって、そういった広い諸問題に対応する、それから関連分野の保健医療分野とのつなぎを考えるといったときにはどうしてもケースワーカーであるとか保健婦さんであるとか、そういういろいろなタイプの職種の方がチームを組んでもらって対応する必要があるであろう。それと同時に、ヘルパーさんが研修をするとか、あるいは業務をする場合にもローテーションを組まなければなりませんが、そのローテーションを組む場合にも適切な管理が要るわけでございますので、そういった体制を組み上げる必要があるわけでございます。そのようなことが実現できるようにということでチーム方式というのを考えたいというのが私どもの考えでございます。
○児玉委員 さまざまなケース、態様があり得ますが、それぞれについてやはり一般のチームワークによる取り組みの定式化のようなものが必要ではないか。厚生省がお出しになっている昭和六十三年九月十六日の「民間事業者による在宅介護サービス及び在宅入浴サービスのガイドラインについて」、民間に公的責任を移していくということに私は賛成しません。なるべく公的な責任を明らかにしていくということが必要ですが、しかし皆さんが出されたこのガイドライン、私は非常に興味深く拝見したんだけれども、この中で明確に、ここで言う「ガイドラインは、最低限満たすべき基準にとどまらず、」云々、少なくともこれは十全に満たしてほしいという言い方をされて、「在宅介護サービスガイドライン」では「ア 保健婦又は看護婦」「イ ソーシャルワーカー」「ウ ヘルパー」、一定の定式化がここでされていますね。入浴介護に当たっては「一回につき、入浴介護に直接従事する職員を三名以上配置」する。「少なくとも一名は、看護婦資格を有するものであること。」こういった点について、公共団体が進めていく介護でさらに明確にしていく必要があるんだろう、いかがでしょうか。
○岡光政府委員 御指摘のありました民間でやる場合の在宅介護サービスにつきましてガイドラインを示しておりまして、先生御紹介なさいましたような職員を配置すると同時に、サービス実施の指揮監督をする管理責任者を置きなさい、それで保健婦さんであるとか看護婦さんであるとかソーシャルワーカーとかヘルパーさんを置きなさいというふうなことを決めておりますが、私どもは民間でサービスがなされる場合に、公が責任を持ってやる場合と同レベルの質が必要であるという考え方から、相当厳しい目にガイドラインを決めているつもりでございます。これはそういう意味で民間がやる場合でございますので、それと同じように公的のものも考えるということは、私どもそこのところは少し違うんじゃないだろうか。やはり市町村の実情を考えるということを頭の一方に置きまして、他方ではやはり公的サービスでございますので、市町村が責任を持って実施をするわけでございますから、その公的な責任が果たせるということで私どもは信頼を置きたいというふうに考えておるわけでございます。
○児玉委員 先日のこの法案をめぐっての本会議の質疑で津島大臣の御答弁の中で私が非常に興味を持ったのは、公的な機関が民間に何らかのサービスを委託する場合には公的な機関が行うと同等の内容で委託をする、それが原則だという趣旨のことを大臣はおっしゃった。だから、私は今の民間におけるガイドラインを出したのですよ。岡光部長、もう一回僕は言うけれども、あなたがおっしゃったように、民間だから厳しく、自治体がやる場合は自治体の自主性に任せて幾らか緩やかにというのがもしあなたの真意だとすれば、これは事態をあべこべにしていくことにならないだろうか。むしろ民間に対して、自治体が公的に行う介護の少なくともアンダーリミットというか、そこを示すというのがこのガイドラインだと思うのですが、いかがですか。
○岡光政府委員 仮に民間業者に市町村が業務を委託をする場合には、このガイドラインを満たしておるということを前提にしたいと思っております。公がみずからやる場合にこれを下回るようなことを考えておるわけではございませんで、それ以上のことを考えなければなりませんが、心は、申し上げましたように、民間の場合にはやはり一定のレベルというものをきちっと言わなきゃいけないという意味からそう言っているわけでございまして、それと比較をして公的がみずからやる場合に少しサボってもいいということを言っているつもりではございません。
○児玉委員 当然のことです。 そこで次に、そういうふうにチームワークで物事を進めていくと従事者の身分の問題がやはり問題になります。この点でいろいろ厚生省にお尋ねしたけれども、十分な状況をおつかみになっていない、率直に私は申します。 一九八四年に老人福祉開発センターが行った「家庭奉仕員派遣事業実態調査」、全国三千二百五十五の市町村から千六百三十の市町村をランダムに抽出して九百六十四の有効回答を引き出されている。一定の信頼度のある調査だと思います。その第I調査で、家庭介護に参加されているいわゆる家庭奉仕員、自治体の正規の職員だという方が一六・八%、社協の正規の職員だという方が一八・〇%、合わせて約三五%、三人に一人強がしっかりした身分でお仕事をなさっている。これは少なくとも最低のところだと思います。集団的に仕事をしていく場合のかなめになり安定した核になる。この後、在宅介護を進めようとしていく場合に、この分野の仕事に従事される方々の身分を、一つは自治体に置いて、一つは社協その他の福祉団体で正規の職員に位置づけて明確に前進さしていく、それが必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
○岡光政府委員 その形態につきましては私どもさまざまな形態があっていいんではないだろうかと思っております。つまり常勤のようなものとか非常勤のようなものとか、それから委託をするものとか、私どもは、地域の実情、市町村の置かれている状況を考えて、市町村の判断で最も的確にサービスが提供されるということで、その体制をとっていただくということで対応していただくというのがいいんじゃないだろうかと考えております。
○児玉委員 この点は引き続いてあすさらに議論をしたいと思います。やはり厚生省の一定の政策的なイニシアチブというのが必要だろうと思う。適当な形態でいいというようなことでは事柄は進みません。 先ほどチームワークの問題でもちょっと議論がありましたが、十カ年戦略全体で看護婦の増員はどうなっていくのか、もっと正確に言えば看護婦、保健婦の増員はどうなっていくのか。ショートステイの問題もあるし、デイサービスの問題もあるし、そして在宅介護支援センターなどなどの問題がある。完成年度に向けて新たに看護婦さん、保健婦さんが大略何人くらい必要になるのか、そのことについてお答えください。
○岡光政府委員 十カ年戦略を達成するための必要な看護職員数を正確に推計するのは困難でございますが、ざっと現在の体制を前提に、かつ十カ年戦略で特別養護老人ホーム二十四万床、それから老人保健施設二十八万床を整備したい、あるいは在宅介護支援センターを一万カ所整備をしたいというふうに考えておりますので、それに伴う必要な看護職員数をおおよそはじいております。それで申し上げますと、特別養護老人ホーム二十四万床整備に伴いまして約二千五百人、それから老人保健施設数を二十八万床整備することに伴って約二万人、それから在宅介護支援センターを一万カ所整備することに伴いまして約一万人、大体こんな計算をしております。
○児玉委員 そのほかにショートステイのベッド数が四千二百七十四から五万になります。デイサービスは千八十カ所が一万カ所になります。先ほどの集団的なホームヘルプをやっていく場合に、看護婦、保健婦というのが重要な役割を果たす、この点も疑いありません。そうなってくると、これらの部分は現在の五カ年計画でつくられている看護婦の需給計画に含まれていないはずなんで、十カ年戦略を総合的に進めていくためにも、看護婦の需給計画を速やかに新たに策定する必要があるのだろうと思うのですが、いかがでしょう。
○仲村政府委員 御指摘のように、看護職員の需給見通しにつきましては、六十三年の数字をもとにいたしまして平成六年までの計画ということは、もう先生も重々御承知のことだろうと思います。その後にこのゴールドプランということも出てまいりましたので、私どもとしては、今御指摘のような看護職員の働く場所の変化あるいは働く形態の変化、そういう形で単なる数字の問題だけでなくて、質的にもこれから変容していくような内容のものを含んでおるというふうに理解しておるわけでございます。 したがって、看護婦の需給見通しとは別途、このゴールドプランに対応するような、必要な職員の需給というのも考えなくちゃいけないということで準備をしておりますが、ゴールドプランの進捗状況とも兼ね合わせる等もございますし、さらには、パートタイマーの活用ということをさせるためにナースバンクを活用するということも当然考えなくちゃいけないことでございますが、その際にはそこに六万人という登録者がございますので、その方たちをどういうふうに活用するかも含めて、それが需給に影響するという部分もございますので、そういういろいろの要素を見きわめながらゴールドプランの達成に向かっても努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。当然のことながら、最終年次も違いますものですから、今直ちに数字的にということは申し上げられない部分もございますけれども、このプランにのっとるべく、私どもとしても大いに準備をしてまいりたいと考えております。
○児玉委員 市町村の財政負担の問題に入りたいと思うのです。奥田自治大臣は、この計画に関連して大きな国の施策という観点から地方には財政的な迷惑をかけないことが基本である、こう先日答えていらっしゃいます。いろいろ法案を見ておりますと、介護等の措置に要する費用は、国はその二分の一以内を補助することができるものとする、こういう表現になっております。この表現について、福祉関係者の中からどうも不安が強い。二分の一が値切られるんじゃないだろうか、補助することができるものとする、じゃ、補助しないこともあるのか、この辺いかがでしょうか。
○岡光政府委員 従来、いわゆる在宅福祉サービス三本柱に対する国庫補助につきましては、あくまでも予算補助という形だったわけでございます。今回の改正法案では、在宅福祉サービスを積極的に進めるという意味で、この在宅三本柱につきましての費用負担について国庫補助規定を設けようではないか、いわゆる法律的な意味での法律補助にしようということにしたわけでございまして、そういう意味では私ども、予算補助というあいまいなものから法律補助という確実なものにより進んだというふうに考えているわけでございます。その場合の条文の書き方でございますが、普通の場合にそういう法律補助の規定としましては、例えば補助割合、この場合は二分の一でございますが、二分の一以内を補助することができるという文言を使うのが慣例でございますので、そういう使い方をしておりますが、決して以内とかできるという言葉で今までよりも減少する、レベルが下がるというふうなことであってはならないわけでございますし、こういう文言を書いたからといって、そういうことは決してないということを申し上げたいと思います。
○児玉委員 この際、措置費についてなんですが、これも議論がありましたが、かつて十分の八負担であったものを特別の単年度の措置として十分の七にされて、その後十分の五の負担が三回繰り返されて十分の五で固定化される、こういう経過がありました。国の財政責任を明らかにする、市町村に負担をかけない、そういった趣旨からすれば、措置費十分の八負担に戻すことが求められていると思うのですが、いかがでしょうか。
○長尾政府委員 社会福祉施設の措置費でございますが、これは昭和六十年十二月の補助金問題検討会報告におきまして、措置事務の団体事務化と施設の最低基準の簡素合理化というこの二本のことを行うということによりまして、地方公共団体の自主性に基づいた行政に改めるということに合わせまして二分の一にすることが適当であるとされたわけでございます。その後、平成元年度の予算編成に際しまして、改めて関係省庁間によって国と地方の機能分担、費用負担のあり方、財政状況等を勘案しながら、他の補助金とあわせ一体的、総合的に検討を行いました結果、二分の一で恒久化するということに決定されたわけでございまして、これを十分の八に戻すことは困難であると考えております。
○児玉委員 じゃ、明日引き続いて超過負担の問題、今のことと関連して御質問したいと思います。 終わります。
○畑委員長 柳田稔君。
○柳田委員 先ほど来、朝からずっと質問の中にあるわけですけれども、先日公表されました人口動態、合計特殊出生率、この件を最初質問させていただきたいというふうに思います。 ひのえうまの年である昭和四十一年の一・五八を下回り、戦後最低の一・五七となった、非常にゆゆしき事態だというふうに私も思っております。こういう状況にあって、今後急速に高齢化が進み、二十一世紀初頭の二〇二〇年には六十五歳以上の人口比率が二三・六%と、先進国の中では最も高齢化の進んだ国になるというふうに予想されております。が、しかし、この高齢化社会というのは、先ほどもございましたように、高齢者が多い社会というだけではなくて、子供、若者が少ない社会ということでもあるというふうに思うわけです。 したがって、先ほど申しました出生率が回復しないと、もう既にここ数年予想を下回っているわけですけれども、こういう状況が続きますと高齢化社会は予想よりも早くやってくるのではないか、高齢化のインパクトは今考えている以上に強いものになってくるのではないかというふうな気がするわけなんです。そういうふうな観点に立って、この出生率の低下が今後我が国の高齢化社会にどのような影響を与えるとお考えになるのか、大臣の認識を教えていただきたいと思います。
○津島国務大臣 二十一世紀の我が国の社会を決める要因としては、一方に高齢化がございますし、また同時に、次の世代がどのくらいの数になるかという出生率の動向がございます。そのような意味で、出生率が減少の一途をたどっているということは、我々にとって極めて憂慮すべき事態であると思っております。先般も長寿社会問題についての閣僚懇談会が開かれましたが、ここで私として、高齢社会に備えるために十カ年戦略を着実に進めていく一方で、出生率の低下の問題についてもやはり真剣に考え、対策を講じていかなければならないという発言をいたしまして、同僚の閣僚から、事態は遷延させてはならない、速やかに対策を講ずべきであるという御意見が表明されたわけであります。 出生率の低下がどういう影響を与えるかということは、もう私から申し上げるまでもなく、これから生まれてくる子供さんの育ち方にも影響を与える。それからまた、社会全体として高齢者扶養の負担の増大という問題を招く、社会全体が活力を失うということになるし、また、労働力の不足を招くということで極めて深刻なものがあり得るわけでありますから、私どもも、おくれないようにこの問題を注視し、対策を講ずべきものは講じていきたいと考えておるところでございます。
○柳田委員 この合計特殊出生率なんですけれども、厚生省の人口問題研究所の将来人口推計によると、低位推計でも合計特殊出生率は、昭和六十三年一・七五、平成元年一・七六と回復すると予想している。でも、実際は一・六六、一・五七と大幅にダウンし、昨年は〇・一九ということであります。これは今回初めて起こった問題ではなくて、もう既に昭和六十三年度のときからこの兆候があらわれてきたということになるわけであります。今大臣はゆゆしき事態だとおっしゃいましたが、そうおっしゃるならば、厚生省の皆さんはこの予想よりも下がった段階から危惧を抱いていたのではないかなというふうに思うわけなんです。 先日の大臣の所信に対する私の質問の中で大臣が述べていらっしゃいます。もういろいろなところから御意見を伺う段階ではない、大臣を先頭としてみんながやらなければならないという段階まで来ているというふうにおっしゃっております。私もそうだろうと思います。御見識の高い、先見性のある大臣でありますので、もう既にいろいろな手を考えていらっしゃるのではないかなと思うわけなのです。先ほどの言葉は多分謙遜だろう。この問題を解決するためにはどんなことをしなければならないかというのは先ほどの答弁でもう十分わかりました。それを具体的に、どこの省庁にはこういう問題について検討してくれ、厚生省についてはこういうことをもう検討しているというふうに私は期待をしておったわけなんです。ゆゆしき事態だ、これから大いに検討を加えて対策を講じていかなければならないというのではなくて、もう既に検討を始めていると思うのですけれども、もし始めているものがありましたならば、お聞かせを願いたいと思います。
○古川政府委員 出生率の問題については私どももかねてからそういう憂慮をしており、各般の施策をとっているわけでございます。 具体的に申し上げますと、例えば、先ほどちょっとお答えを申し上げましたような児童手当制度の見直し、これは行革の関連で来年五月に特例給付の支給が終わるというような要素もございます。今の出生率の問題あるいは女性の社会進出等、児童、家庭を取り巻く環境をも十分に念頭に置いた対応をしなければいかぬということで審議会で検討していることでございます。 それからまた、前のように三世代にわたって、おじいさん、おばあさんがいらっしゃるわけではない。核家族化が非常に進んでおるわけでございますから、子育てについてのいわば伝承といったものが非常に不足をしていて子育てに不安がある。そういうことに対するいわゆる相談体制の問題。あるいは遊び場の整備の問題、これも子供さんが健やかに育っていくために大変重要な要素でございますが、都市化の進展によって遊び場が非常に失われてきている。こういったことから、児童遊園とかいうことだけでなしに子供の町づくり、遊び場づくりということでのいろいろな予算上の対応もやっておるわけでございます。 それから、乳児保育あるいは延長保育、先ほどもちょっとお答え申し上げましたけれども、夜間保育というような、従来の対応では十分対応し切れない、新しい保育需要に対応し切れない、そういうものについての充実ということも考えております。それから、乳児保育の問題は母子保健の議論でございます。今乳児死亡率は世界に冠たるものがございますけれども、妊産婦等の死亡についてはまだ問題がございますので、周産期医療の問題、そういった母子保健の問題についてはライフステージに応じた母子保健対策というようなことを講じておるわけでございます。 ただ、先ほど大臣も申されましたように、これはひとり厚生省だけで議論するというわけにはいかない問題でございまして、私どもは既に昨年から文部省、労働省、建設省の住宅局というところとも幅広い検討の場を設けておりまして、検討を進めているという状況でございます。 具体的な成果は、今もう現実にそういった対応をやっておりますし、また、児童手当制度の見直し等々の中から、さらに私どもこういったものの充実を図っていきたい、かように考えておるわけでございます。
○柳田委員 いろいろな手だてをやっていらっしゃる、それはいろいろな機会に教えていただいております。ただ、その下がるカーブがとまらない。とすると、根本的にまだ足りない部分があるのではないか。 と申しますのは、私も一歳と三歳の子供を持っておりまして親御同士が話をするわけです。初めての子を産んで二人目の子を産むときに親御さんはいろいろなことを考えるわけですね。例えば、先ほど出ましたように、うちが狭いということもあります。さらには教育の問題もあるわけですね。子供を学校に行かせるためには、本当に教育に金がかかる。一説では、四年間大学にやるのに一千万を超える金がかかるというふうに言われておるのです。そういうことが母親同士、父親同士で話になりまして、これじゃ二人産んで三人産んだらうちの家計はどうなるだろう、私たちの老後はどうなるんだろうかというふうな不安もあって、結婚して子供を一人産んでも次に産むときに二の足を踏むという状況もあるわけなのです。先ほど来御説明を賜りました。本当にその辺もやっていただきたいわけです。 さらには、もっと御検討をしていただくような要素もあるのではないかと思いますので、その点については私も皆さんと一緒に知恵を出していければというふうに感じております。もしよろしければ、今こういうことを考えておるし、いろいろな検討をしておるのでどうかというようなことでもあれば、私も議論に参加したいと思いますので、もし、その辺の資料でもあれば、後ででもいいですから教えていただければと思います。 この問題も朝からやっておりますのでこれぐらいにしたいと思います。 次に、老人福祉法の改正で、特別養護老人ホーム等への入所事務を町村に移譲するということがございます。この点について質問させていただきたいわけです。 施設福祉と在宅福祉を総合的に市町村で実施することとし、市町村中心の福祉行政の体制づくりを進めていくこととしている。これは本当にいいことなんで、大いに進めていただきたいと思うわ けです。ところが先ほどの質問にもありましたが、町村——市は大きいので、そういうことはないかと思いますが、町村の場合、それも特に過疎地や小規模町村というところでは人員並びに財政力の面で行財政基盤の弱い町村がある。これは先ほど来からも出ましたので触れません。このような町村に対して地方交付税を処置するということだけではちょっと足りないのではないかな。と申しますのは、ある町村ではこういう施設があるけれども隣の町村にはない、全然ないところもあるというふうなこともさっきあったわけです。そういう観点からいたしまして、施設の共同利用等、これをより広域的に、ですから一つの町とか一つの村で限るのではなくてより広域的な対応を検討していったらどうかなと私思っているのですが、御見解をお願いします。
○長尾政府委員 お答えをさせていただきます。 今先生からは施設の共同利用ということを例としておっしゃいました。確かに町村の中には過疎などの事情で行財政基盤の弱い町村があるというのは御指摘のとおりだと思っております。したがいまして、私どももそういった点の配慮を十分していかなくてはいけないということ、そのとおりだと思っております。したがいまして、市町村で適切な福祉サービスが提供できるよう市町村間の連絡調整、これを都道府県が支援をしていくということが大変重要ではないかと思っております。それから、事務処理の円滑化、効率化を進めるということのための事務の簡素化、合理化ということも必要だと思っております。それから、市町村が老人の保健福祉計画の策定に役立つようなガイドラインを策定することなどにつきましても技術的な援助を県に期待いたしておるわけでございます。 今のポイントの、施設の広域的な利用という点でございますが、現在、町村が一部事務組合をつくりまして特別養護老人ホームを設置している例も現実にはございます。今後こういった施設を共同で設置をする、また、既に設置をしておりますものにつきましての共同的な利用というものを確かに考えていかなくてはいけないわけでございますから、都道府県の適切な指導ということによりまして、そういった共同利用の方策というものを具体的に進めていくということに留意をしてまいりたいと思っております。
○柳田委員 よろしくお願いしたいと思います。 次に、在宅福祉についてお伺いしたいと思うわけです。 厚生省は今回の改正法案で、在宅福祉の積極的推進のための体制づくりを進めると言っていらっしゃいます。現実に高齢者の在宅介護を担っているのは女性だというふうに私も自覚しているわけであります。これについて、昭和六十二年の総務庁の老人対策室が調査いたしました老後の生活と介護に関する調査、この結果を見てみますと、寝たきりになったときに男性の場合は七一・六%が妻に介護してもらいたいというふうに考えている。女性の場合はどうかといいますと、夫にお願いをしたいのは一七・九%というふうに非常に少ない。そして嫁が三一・五%、娘が一六・三%、こういうふうになっているわけです。これは、いずれの場合も家族、身内の女性による介護への期待が非常に大きいというふうな裏づけになるかと思うのですけれども、こういう意味からいたしましても在宅福祉の推進、大いにお願いをしたいと思うわけですが、また今後とも本当に充実していただきたいと思うのです。 そこで、ちょっと質問させていただきたいのですけれども、先ほど来から人数をふやしていただけるというふうな話がございました。私は、質の面もちょっとお願いしたいと思うわけなんですけれども、本当にこの在宅介護を進めていくということになれば、数の問題と質の問題が要る。そして、ホームヘルパーの方をいかに利用しやすいか、これはお願いする立場ですけれども、利用しやすいかということもポイントになってくるかと思うのですが、そういうことがある。 ところが、実際今現実を見ておりますと、このヘルパーさんの利用については、また先ほどの調査なんですが、家政婦さん、ホームヘルパーさん、施設などに頼むという方は男性の場合は七・八%、女性が二〇%。ですから、これはそういうふうなものに余り頼らないでできるだけ家族で、身内でやっていきたいという願望のあらわれだというふうにも思うのですが、もっと違った見方をいたしますと、なぜ頼まないのだろうか。例えばホームヘルパーさんを十万人にふやします。でもこの数字からいきますと余り利用されないな、それじゃもう宝の持ちぐされじゃないか、そういう気がするわけなんです。なぜ利用しないのだろうか、いろいろと考えてみますと、ホームヘルパーさんというと二通り考えられるのではないかな。家事の手伝いをする人、もう一つは医療の専門知識を持った介護ができる人。家事をしていただく方がうちに入っていらっしゃると、これは嫁しゅうとめの関係にもなるかもしれませんが、うちの中を見られるとか非常に煩わしいとかいうふうなことで敬遠をされる理由になっているのではないかな。逆に医療の専門的知識を持っている介護ができる方、これは家族ができないのでできるだけお願いをしたいというふうな姿勢にあるのではないかなという気がするわけなんです。 その辺も含めまして、この在宅福祉サービスの効果を十分なものにしていくためには、ヘルパーの研修等サービスの質的向上を図る、さらには保健医療サービスとの連携の強化、本人ができなければ保健医療サービスとの連携も必要ではないか。そして、さらに言いますと、役場、町村までおりてきて非常に便利にはなったのだけれども、まだまだそこまで行くにはちょっとという場合もあるかもしれませんので、さらに今以上に利用手続の簡略化も進めていけば今回の十万人体制は非常に結構なことで、進めていただきたいのですが、宝の持ちぐされにならないように、こういう点も考慮していただければと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○岡光政府委員 先生御紹介をいただきましたように、どうもかなり女性に支えられておるということでございますが、今回の法律で考えておりますのも、こういった主婦を初めとする家族の負担を軽減をしたいということを念頭に置いているわけでございます。法律上の定義でも老人居宅生活支援事業ということで、いわゆる在宅三本柱を位置づけまして、居宅においての生活を支援するんだということを考えているわけでございます。 いわゆるホームヘルプサービスにつきましては、その者の居宅において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜を供与するということで、居宅における生活の支援、介護サービスを提供して、それで支援をしていこうということを明確に打ち出しているつもりでございまして、こういうことで家族を含めて介護の支援体制をきちっと確立をしたい、家族の負担軽減を図っていきたいということを法律上も規定したつもりでございます。 先生おっしゃいますように、ところが現実はその利用する意識の面で、それが余り利用する意識がないではないかという御指摘でございますが、お話がありましたように、介護という技術的なことで一定の技術を示す、そして信頼感を得るということによって、これがどんどん利用されるように結びついていくのじゃないだろうか、私はそう思っております。 それからまた、利用者の手続の簡素化を図れということでございますが、私どもは市町村と利用者との間の仲介役で、在宅介護支援センターを設置したいと思っておりまして、そこで場合によっては今おっしゃいましたような手続関係も代行をするというふうなことも考えて、よりアクセスをよろしくしたい、こんなふうに考えております。 そのほか、ヘルパーさんのいわゆる研修でございますが、その質的向上が必要でございますので、特に介護技術を上げるという意味で研修を図って、介護福祉制度も活用したりあるいはチームでもって対応して、その辺を、安心してヘルパーさんも仕事ができるような体制へ持っていきたい、 こんなふうに考えております。
○柳田委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。先ほどから大分強い口調で申し上げまして申しわけございません。気持ちは、ぜひともやっていただきたいし、さらに充実をしていただきたいという気持ちでもあります。その方向性について私も精いっぱい協力をしたいというふうに思っているわけです。 最後に、建設省の方に質問したいというように思います。 先ほどの方と質問がダブるかというふうに思うのですけれども、この十カ年戦略、在宅福祉を進めるためには、その前提条件として住宅の確保というのが不可欠でございます。高齢者に配慮した公共住宅建設など、高齢化に対応した住宅政策をどのように進めていくのか、先ほど御答弁があったのですが、もう少しわかるように説明をしていただきたいと思います。
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。 高齢者が福祉とか保健医療サービス等を受けながら、可能な限り住みなれた地域あるいは家庭で生活ができるようにするということは非常に大事なことだと考えておるわけでございまして、福祉政策との連携を図りながら、高齢者の特性やニーズに配慮した住宅の整備を進めていくということを現在展開しているわけでございます。 具体的には、福祉政策と連携した生活支援サービスを備えた高齢者世帯向けの公共住宅の供給でありますとか、あるいは公庫融資、公団住宅の供給等が行われているわけであります。例えば、公団の場合ですと、できるだけ大きい住宅の方が望ましいわけです。現在、全体の分譲住宅供給のうちの大体九割前後はそういう三LDK以上のものを供給している、あるいは老人世帯向けといいますか、同居の場合には割り増し貸し付けという制度がございますが、こういうものにつきましても大体全体の四分の一から五分の一ぐらいがこの割り増し貸し付けを受けておられるというようなことで、こういう高齢化社会への対応ということでいろいろ政策を展開しているつもりでございます。 平成二年度におきましても、住宅・都市整備公団において、先ほどシニア住宅供給推進事業ということで御答弁申し上げましたが、要するに高齢者が住める、住みやすい住宅を供給しようということで、新しい制度で今年度一千戸を予算化していただいているわけであります。それから、住宅金融公庫融資につきましても、高齢者向けの住宅改良工事に対する割り増し貸付制度というのが今年度初めてできましたので、今までお住まいの方が、そういう高齢者向けの住宅に改良していくという場合の割り増し融資制度が新たにでき上がったわけでございます。今後とも積極的に展開してまいりたいと考えております。
○柳田委員 今、日本の人口の一割近い人が東京に住んでおります。関東まで広げますと大分の人が住んでいるわけですが、地方の方は大分高齢化が進んでおりまして、これから大都市部で高齢化が大きな問題になってくるのではないかと思うのです。そうした場合に、特に東京を挙げますと、地価の高さ、いろいろな問題が出てくるわけです。そういう状況下になっても、やはりこの福祉というのは重点的に進めていただけるというふうに思っておってよろしいのでしょうか。これはここ何年かというのではなくて、多分十年後、二十年後になってくるかと思うのですが、そういうふうに期待をしておってよろしいでしょうか。
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。 高齢化社会というのがもうみんなが経験しなければいけない、六十五歳以上の方が四分の一になるという時代がもう二十年、三十年先に来る、そういうときにどういう住宅であるべきか、あるいはその住宅の周りの環境はどうあるべきかということは、私ども住宅行政にとってみまして非常に重要な課題であります。住宅宅地審議会で平成三年度から第六期の住宅建設五カ年計画を立てようとして現在御審議いただいているわけでありますけれども、その中でこの高齢化社会への対応ということが非常に重要な課題になるという御議論がされていると認識しております。
○柳田委員 五年先ではなくて、十年先、二十年先も見据えてビジョンをつくっていただきたいというふうに思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○畑委員長 岡崎宏美君。
○岡崎(宏)委員 まず大臣にお尋ねをいたします。 大変唐突なんですけれども、一般に老人病院と言われている民間の病院で、寝たきりではなくて、寝かせきりと言われている、そういう状態があるということを御存じでしょうか。そして、それはどういう状態で、なぜそんな状態が起こっているとお思いになっているのか、お尋ねしたいと思います。
○津島国務大臣 非常によく知っております。そして大きな問題であると思っております。 病院に入ったままで、機能をだんだんと失って寝たきりになってしまう方々、原因はいろいろあると思いますけれども、やはり病院における医療と介護のあり方に改善を加えるべき点があるんではないであろうか。それは、先ほども申し上げましたけれども、少しでもお年寄りを元気づけて起こしてさしあげて、そして食事から栄養をとっていただく、点滴のやり過ぎはできるだけ避ける、こういう医療サービスの面における改善が必要であると思います。それから同時に、社会的な入院というのがあります。これは世論調査でもはっきりしておりますが、お年寄りの方あるいは自分が老後になってどういう生活をしたいかと聞けば、やはり過半数の方は自宅にいたい、こうおっしゃっておるのですけれども、不幸にして自宅へ戻れないということは、いろいろな事情があってうちへ帰れない、引き取るところがない、こういう問題があると思います。そういう医療の現場、介護の現実という問題と社会的側面、両方からこの問題は取り組んでいかなければならないというふうに思っています。
○岡崎(宏)委員 よく御存じだということなんですが、でも私も、自分と同じような年代の友達がそろそろ親が高齢になっておりますので随分同じ悩みを持っておりますけれども、老人病院と言われるところの中で起きていることは、単純に寝たままにしている、点滴の打ち過ぎだということよりも、もっと悪質なところではベッドにくくりつけて寝かせている、あるいは少し痴呆がかかってきますと大きな声を出したり、あるいはちょっとベッドからおりていくということもあれば薬で寝かせてしまうということもある。自分の親をよかれと思って、ほんの少しの間だけと思って入院させたら、手にあざができて、本当に寿命が短くなったというふうなことが起きている。 私、今度居宅の介護ということでそこの福祉の部分を進めようということは、利用する側が、今ある施設も、そして、ではこれから自宅で、あるいは地域の人も含めて自分の今生活している範囲で過ごしていこうということも、これはそこで生きようとする側がどういう方法を選んでも安心して暮らしていけるということが前提でなければならないと思うのです。そして、そのときにどうしても行政がそこに深くかかわってほしいと思うのは、民間で進めていくときに、非常に良心的にいく部分もあるけれども、下手をするとやはり効率とか経営が優先をされていく、どうしても丁寧に処置をすればするほど赤字を生むとかいう構造もあれば、切り捨てられていくという部分が民間の中に頼っている限りはぬぐえない部分があるのじゃないか。だから、これからいろいろな今の計画を進めていくときに、在宅にもっと力を入れようということも当然ですし、そのときにどうしても忘れてほしくないのは、行政も、今現実にある施設あるいは抱えている老人のホームだとかいろいろな障害者の施設の方もそうですが、現存している施設の部分の方もさらに改善をしていくということを忘れてほしくないということをあえて最初に申し上げたいと思います。 余り時間がありませんので、ここはもうそういうお願いをしてということにしたいと思いますが、それぞれの家庭、地域でお年寄りの方がそこを基盤にしてやっていこうとするときに、先ほどから住宅の問題も出ておりましたけれども、今いろいろな家族の人たちが介護をしております。例えばその中で、これは施設もそうですが、介護をする側も、お年寄りを抱えるとかいうことになってきますと、小さい子供ではありませんから大変重たい、腰痛を引き起こしてくるような人もいる。では、それを助ける例えば日常用具というものはどうなっているだろうか、あるいは寝たきりにしないで外へ出したい、車いすなんかはどうなっているだろうかということも、細かく言うと出てくると思うのです。実際そういう道具というのは、なかなか自分のところで手に入れようとすると高い。 神戸市で無料で貸し出しをする小さな単位があるのですけれども、無料で置いていると本当に利用度が高いのです。どんどん、借りたい、じゃ次の人にということで、回転がされていく。いろいろな身につける補助用具もそうですし、介護をする人たちがやりやすいような日常に必要な道具もそうですし、それらのお年寄りの場合も障害を持っている方も外に行きやすい、動きやすいあるいは介助をしやすい、そういう道具と言えばいいのでしょうか、そういうものは今どんなふうに開発をされていて、そして工夫がされているかということですね。そして、どれほどみんなが使いやすいように、負担が少ないようにそれが提供されているか、今後どういうふうにされていくかということをお尋ねしたいと思います。
○長尾政府委員 体の御不自由な方、それからお年寄りについて今の御質問でございますが、補装具、いわば義手、義足というものと、それから日常生活の上でいろいろ御不自由な場合の日常生活用具、このいずれも公的な対応をいたしておるわけでございます。今のお話は、こういったものを利用する費用について無料でという御指摘かと思いますけれども、私どもの現在の制度の仕組みの上では、一応一定のレベルを区切りまして、ある程度の費用負担はお願いをするという考え方でやっております。もちろん、こういった方々につきましては所得の低い方が多いと思われるわけでございまして、そういった方々につきましては、無料またはほとんど御負担のない程度に費用の公的な補助ということはいたしておるわけでございます。 こういったものをもっと開発していくべきではないかということはそのとおりと思っておりまして、この開発につきましては、私どもが持っております国立リハビリテーションセンターがございます。それからまた、テクノエイド協会というようなものに機器の開発をやらせていただいておるわけでございます。今回の改正案の中で、社会福祉・医療事業団に長寿社会福祉基金を設置することをお願いいたしておりますが、この中でも、福祉機器の開発、それから機器の普及ということをやりたいというふうに考えております。
○岡崎(宏)委員 本当に、いろいろな人たちが外へ出ていこうというときの入り口の問題だと思いますから、ぜひ積極的にやっていただきたいと思います。 では、次の質問をしたいと思います。 実は、精神薄弱者の方の問題ですが、今私が住んでおるのは神戸市なのです。通所の更生施設をふやしたいという問題がありまして、神戸市は今実際に二つほど計画も持っております。一つはできて、あと二つあるのですね。ところが、それが最近になって、通所の更生施設という方向は国としてはどうも考えていないようで、予算がつくかどうかもわからなくなってしまったから難しいというふうな言い方をちょっとしてきた部分があって、きのうちょっとお尋ねはしたのですけれども、それは希望を持ってできればつくりたいというのがあるわけですから、これから市長が主体的にやりたいという部分もいろいろ出てくると思いますから、この通所の更生施設について、予算をつける、つけないというか、今の時点ではどうかあれですが、そういう方向があるのかどうかということをちょっとお尋ねしたいと思います。
○古川政府委員 在宅福祉を進めていく上でも通所施設の整備というのは大変大切なものだと私どもは考えておるわけでございます。精神薄弱者のための通所施設、つまり精神薄弱者通所更生施設と授産施設があるわけでございますが、この整備の状況を申し上げますと、最近の五年間、これは昭和五十九年度から平成元年度まででございますが、この五年間におきましても、全国でございますけれども、施設数が二百七十六カ所から四百八十八カ所というふうに、約八割増ということで整備をしております。定員にいたしまして九千四百八十一人から一万七千八百十六人というふうに約九割の増を図ってきておるというような状況で、重点的に私ども整備をしてきております。さらに、平成二年度からは緊急の五カ年計画で、精神薄弱者が施設を円滑に利用できるように、入所施設、通所施設ともに、従来からの整備費に加えまして、いわゆる上乗せということでさらに計画的に整備の促進を図ろう、こういうふうなことで私ども進めてまいっております。 一般的、全国的な状況を申し上げたわけでございますが、そういうような状況でございます。
○岡崎(宏)委員 わかりました。これはまた具体的にはいろいろな相談をさせていただきたいと思います。 先ほどからも共同作業所の問題とか小規模作業所の問題だとか、実際、社会の中でみんな同じように社会の一員としてやっていこうとするときに、求めるものがあるのだけれども、それを受け入れるものは少ないということが問題になっております。親の会の皆さんの中でも随分御苦労もあって、例えばつくろうとしてもなかなか、その作業所をつくるには費用がかかる、例えば一戸当たり百万くらい負担してくれないかというふうな話だって出てくるのだ。ところがそれは、とてもじゃないけれども大きな額で困る、そういう悩みも実際にはいっぱい抱えている部分があるわけですね。一方で、企業が障害者の方あるいは精神障害者の方ももっと受け入れるというのは私たち思うわけですが、午前中でしたかお昼からでしたか、実際の実雇用率が一・三%だったというふうにたしか答弁があったと思うのですが、けれども、その数字の中には精神薄弱者の方というのは率としては数えられない部分になっているのじゃないでしょうか。実際に、特に精神薄弱者の方をなかなか企業が雇用しようとしないというのは大変な問題だと思うのです。ぜひ企業の方に、しかも大企業の方に、お金で済ませるのじゃなくて、もっと積極的に雇用をするようにということを厚生省もあるいは労働省も本当に手を組んで進めていただきたいと思うのですが、具体的にどういうふうに進めようとされているか、あればお聞かせいただきたいと思います。
○古川政府委員 精神薄弱者の方々の就労対策というものについてのお尋ねかと思うのでございます。これは労働省にもかかわる話でございますが、便宜私の方から申し上げますと、この就労の促進というのは、社会経済活動に対しまして、こういった方々が参加していただくという観点から大変重要であると私ども認識をしているわけでございます。 労働省さんでございますけれども、適切な能力開発あるいは精神薄弱者に適しました職域並びに就労機会の拡大というようなことを図るということが大変必要であるという観点から、労働省におきまして大変御努力を願っているというところが一つございます。それから私ども厚生省といたしましては、作業指導等の指導訓練の場といたしまして精神薄弱者援護施設の整備に努めますとともに、地域で暮らしながら働けるための通勤寮、それから福祉ホーム、グループホーム等の拡充に努めておるわけでございます。また福祉工場についても四カ所でございますか整備をいたしている、こういう状況でございまして、今後とも精神薄弱者の就労のための条件整備を進めてまいりたい。 特に今回の老人福祉法等の改正におきましては、この福祉ホームとか通勤寮あるいはグループホームというものを、従来は予算でやっておりましたものを法定化をする、こういったものに法律上の地位を与えるということで、これが社会福祉法人が事業としてやれるとかいろいろな面で非常に伸びていくのではないか、福祉ホームとか通勤寮あるいはグループホームというようなものの整備が促進されることによって、こういった方々がより働きやすい機会が得られるのじゃないか、また、クリーニングとか印刷とかいろいろなそういった雇用の面も我々は開発促進にいろいろと努めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○野寺説明員 雇用の面につきまして少し補足させていただきます。 雇用率の問題でございますが、これは法改正をいたしまして、精神薄弱者も雇われている場合には雇用率にカウントするということになっております。 なお、精神薄弱者のための特に雇用を促進するための措置でございますけれども、労働省といたしましては、特に手厚い援助を必要とする重度の精神薄弱者の方につきまして、作業遂行上必要な援助、指導等を行います指導員を配置する事業主に対する助成を新たに設けまして、この制度の周知を図りまして、他の助成金も活用しながら精神薄弱者の方の雇用を促進してまいりたいと思っております。
○岡崎(宏)委員 ぜひ実際に進めていっていただきたいと思います。もう時間ですから終わりたいと思いますが、現場でこういう福祉の行政に携わっている人の声、それから実際問題を抱えていらっしゃる方の声を聞く行政であってほしいと思いますので、幹部の皆さん、お忙しいとは思いますが、ぜひ現場の方に出かけていくとか、そういう動く行政にしていただきたいと思いますし、その中で苦労していらっしゃる方の待遇もぜひ改善をするということは急務だと思います。そのことで魅力のある仕事として広がっていくことと思いますので、最後にそれをお願いをしまして、終わりたいと思います。
○津島国務大臣 長い間福祉の現場で活躍された岡崎委員の御質問でございますから、大変具体的な御指摘が幾つかございました。私、ほんの二つ、三つ気がついたところだけを申し上げさせていただきます。 第一に、病院の現場についての話の最後のところで、非常にお年寄りがひどい待遇を受けているケースもあるとおっしゃった、そういうことはあってはならないということでありますけれども、私の両親はどちらも大変高齢でございまして、父親が九十四歳でございますけれども、私も一人前に高齢者の問題を抱えております。そういう中で、片っ方の母が公的病院に入りまして大変よい介護を受けましたが、もう片方の母、家内の方の母は民間病院に入って、私がびっくりするくらいいい待遇を、しかもコストを安くやっていただきました。ですから、委員がおっしゃいましたように、民間がおやりになると悪くなるというのは、ひとつ先入観を持たずに、今おっしゃったように、福祉の現場、医療の現場をできれば私どもと一緒に見ていただきたいと思います。 きょう、いろいろお話がございました在宅介護のために介護チームをつくって工夫してやるというようなことでも、先般、私が東京の近くのある民間の老人保健施設に参りましたら、大変熱心にすばらしいチームをつくって、これで地域の皆様方に介護の仕方、あり方を覚えてもらうためにやりたい、将来在宅支援センターに自分たちがなりたい、これを民間の施設でやっておりますから、そういう芽は大いに育てていかなければならないと私は信じておるところでございます。 それからもう一つ、今度の私どもの仕事、法律上、居宅生活支援事業ということで初めて法制化された仕事でございますから、これは国が責任を持って、担い手が公的な機関であれ民間であれ、一定の水準を確保してやっていかなければならない。そういう中で、またその仕事の担い手につきましては、ホームヘルパー等、十分に質のいい方々に集まってもらえるように配慮していかなければならないという御指摘は重く受けとめておるところでございます。
○畑委員長 次回は、明十五日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十九分散会