社会労働委員会 第7号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/05/29
会議録
○畑委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川島實君。
○川島委員 私は、今議題になっております中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に対し、質問をいたします。 政府は、提案理由の中で、中退金共済法は中小企業の労働者の福祉の増進と中小企業の振興に寄与することを目的として昭和三十四年に制定され、その後改正されて、本制度は着実に発展し、中小企業の労働福祉対策の主要な柱の一つとなっている、しかし、大企業に比べ中小企業の退職金は、その普及状況及び内容は必ずしも十分なものとは言いがたいと指摘をし、所要の改善を行うとしております。 具体的な検討事項として、金利の変動に対応し得る退職金制度の構築、掛金月額の範囲の引き上げ等、パートタイム労働者の加入促進、分割払い制度の導入、退職金カーブの改訂、以上五点を挙げており、この検討に際し、中小企業退職金共済審議会から今特別国会への改正法案提出に際して建議が行われております。 その中で、一つには、中小企業と大企業の間には依然として退職金制度の普及及び退職金水準、さらに福祉などさまざまな面で格差が生じていると指摘をされております。二つ目には、中退金共済事業団の行う退職金共済事業の収支は、資産の運用利回りが低水準で推移しているため厳しく、今後の収支は予断を許さないと指摘をされております。この二点の指摘から考えても、今回の改正は労働者にとって福祉の充実がどう行われているのか検討した場合、多くの問題点を指摘せざるを得ないと思います。 そこでお尋ねをいたしますが、今回の中小企業退職金共済制度の改正は働く人々にとって本当にメリットがあるのだろうか、その具体的なメリットについてまずお尋ねをいたしたいと思います。
○岡部政府委員 お尋ねの今回の改正、中心部分は金利変動に対応することができるような制度に改築をするということが一つの柱でございます。それで、付加退職金制度の導入を図ることによりまして金利変動に対応しようというものでございますが、このメリットということになりますと、何しろ相手は金利そのものでございますので確定的に言えるわけはないのでございますが、しかし、仮に現在の金利水準が継続するとした場合には、付加退職金と基本退職金を合算した額は現行制度の給付水準と遜色ないものとなると私ども考えております。
○川島委員 現在の金利と言われるわけでございますけれども、その現在の金利の水準とはどこをとっておみえになっておるのか、そのパーセントをお聞かせをいただきたい。
○岡部政府委員 ただいまの中退金の資産、約一兆六千億余でございますが、まずこの半分の部分が商工債を買っているわけでございます。この商工債の金利が、現在が瞬間風速でございますが七・〇、これは来月からは六・七に下がると言われています。それから、だんだんに適用を拡大してまいりました生保運用でございますが、これは現在七・四七で回っております。しかしながら、これは恐らく七・三九に下がる、大幅な株価下落との関係でそのようなこともささやかれているわけでございます。それから、もう一つの大きな柱である財投でございますが、これは六・七の運用でございます。このような水準でございますと、私どもが目指します六・九の目標は資産運用のめり張りをつけることによりまして達成が可能ではないか、このようにそんたくするわけでございます。
○川島委員 次に、現在の退職金共済制度は、退職金支払いに当たり予定利回りを六・六として設計がなされ、受け取る側からすれば、何カ年掛けていれば、実際働いておれば結局どれだけ受け取ることができるかというのが明確になっておるわけでございます。そしてさらに、モデル退職金制度という表などが提示されておりまして、働く労働者にとってみればある面では非常にわかりやすく示されておるわけでございますけれども、今回の改正の点を見ますると、その表が五・五の一応のラインという形で示されておるわけでございますが、これらの点についてどのように影響があるのかお考えになったことがあるのかどうか、その辺のことについてお伺いをしたいと思います。
○岡部政府委員 今回の改正で基本退職金部分と付加退職金部分の二階建てとなるわけでございます。この付加退職金部分につきましては、事業主が加入される段階でその時点の金利情勢等から将来の支給率を推計することは可能でございます。それをもとにいたしましてモデル退職金額表というものを作成いたしまして、加入労働者及び事業主の利便に供したいというふうに考えております。先生おっしゃいますとおり、この退職金額というのは何年掛ければどうなるかということができるだけ明確になることがこの制度御利用の上で適切でございますので、そのような努力をいたしたいというふうに思っております。加入労働者につきましても、現在でも毎年度、その時点で退職したならば得られるであろう金額を通知いたしまして労働者の便に供しているところでございます。改正後も同様の措置を講じていく予定でございます。
○川島委員 現在の退職金利回りが六・六ということでなされておる。今回の改正による予定運用利回りが五・五、こういうふうに計算がなされておるわけでございますけれども、改正の理由、それから、高齢化時代を迎えてのこれからの大企業との格差を埋めるためにも、五・五というのはあらかじめのラインであって、現在の六・六で試算されておるこれらの目安の表よりも下がることはないという理解をして差し支えない、こう受けとめてよろしゅうございますか。
○岡部政府委員 今回の改正、基本退職金部分が五・五でございます。これに付加退職金を加えまして、さてどこまで行くかということが注目されるところでございますが、先生の御懸念の点につきましては私どもも一番頭の痛いところでございますが、先ほど申し上げましたように、従来の六・六でつくられました表に遜色のないような水準を確保したいということを考えているわけでございます。しかしながら、これにつきましては、何しろ相手が金利そのものでございます。生き物でございまして、そのときそのときの情勢で変わるということでございます。しかし私どもは、この金利という激しく動くものをある一定の年数にわたりましてならしまして、著しい変動が生じないように、そしてできるだけ高い水準を付加退職金を加えて存続したいというふうに考えているところでございます。
○川島委員 三十四年に法施行があって、今日まで三十数年間六・六で設定されて、支給がダウンしたことがあるわけでございますか。今の答弁ですと、六・六より下がるかどうか、五・五で予定がなされて後は、金利変動によって受け取る側の金額が変わるという受けとめ方を私はしたわけでございますけれども、それでよろしゅうございますか。
○岡部政府委員 下がった例はございません。ただいまの御質問の点は、それでは現在六・六で設計されているものよりも下がるのであろうかというお尋ねでございます。この辺は先ほどからるる申し上げておりますように、相手が金利であるということでございまして、一体これが六・五になるものやら六・七になるものやら六・九になるものやら、これははかり知れないものがあるわけでございます。しかしながら、私どもは、先ほど申し上げましたような運用の妙を得ましてできるだけ現行の六・六という水準を落とさないように、遜色のないようにしたいということで精いっぱいの努力をいたす所存でございます。
○川島委員 少なくとも二十一世紀に向かって高齢化時代を迎えいろいろな施策が前向きに進んでおる、大企業の退職金も賃金もすごく上がっておる。こうした現状の中で一定の目的でなされ、中小企業で働く人たちでなされているこの退職金制度が後退するという見方をされる、これは非常に残念なことだと思うわけでございます。端的に言うなら、これは政治の貧困ですよ。コンピューター時代と言われておる中でいろいろなデータが集まるこの時代になぜそうなるのか、非常にわかりにくい面だという指摘をせざるを得ないと思います。 そこでお尋ねをいたしますが、現在中退金制度の適用事業所は全国でどのくらいあるのか、加入対象事業所はどうなっているのだろうかとお聞きいたしたいと思います。毎年厳しい経済状況の中でこれらの事業所がどう変化しておるのか、これらの変化の動向についてもお伺いをしたいと思います。この中で、昨年度末で幾つの事業所が加入し、加入した従業員が何人いるのか、また前年に比べて何%の伸び率を示しているのか、このことについてお伺いをしたいと思います。
○岡部政府委員 まず中退制度の適用事業所数及び加入労働者数について申し上げます。 現在中退加入企業数は約三十六万企業でございまして、労働者は約二百四十四万人でございます。
○黒岩説明員 昨年一年間の中小企業退職金共済制度の加入、脱退状況でございますが、共済契約者の方で見てみますと、昨年一年間に三万三千九百二十六事業所の加入がございました。一方、脱退は一万九千八百六十四ということでございます。それから、被共済者のベースで見てみますと、加入は三十九万一千四百三十六人ということでございまして、脱退は二十六万七千六百二十六人ということでございます。
○川島委員 私の質問の仕方が悪かったのか、全国でこの中退金に当然入ってもいいと思われる事業所の数、そしてその従業員の数をお伺いしたわけでございますけれども、いかがでございますか。
○岡部政府委員 これはこういう前提を置かせていただきたいと存じます。と申しますのは、この中退金制度の対象となり得る労働者は約二千八百万でございます。そのうち千六百万人が自社退職金、それぞれの企業における退職金制度をお持ちでございます。残りの千二百万人でございますが、まずこの中退制度に加入している方々が先ほど申し上げましたように二百四十四万人、それから商工会議所系列などの共済制度に入っている方が約百七十万人でございます。それから、いろいろな会社などが、退職金という名前ではございませんが、退職という事項に対する保険を掛けているのが約百七、八十万いるかというふうなことでございまして、そうなりますと、あと残り六百万余の人が何の退職金もない、こういう人たちがおるわけでございます。 したがいまして、行政ターゲットとしてどのくらいの人たちがまだいるのかということでございますと、まだ六百万の人が何の退職制度もなしにおる、これが私どもの行政ターゲットになるかと存じます。
○川島委員 加入者が三十六万事業所、二百四十四万人、さらに、対象になる未加入といいますか、これらの対象になるのが六百万人、非常に格差があるわけでございまして、今後の加入の普及に対してどのような施策を講じられておるのか、お伺いをしたいと思います。
○松本(邦)政府委員 本制度への加入促進につきましては、特に小規模零細企業あるいはサービス業の加入促進を重点といたしまして、関係行政機関でありますとかそれから事業主の団体あるいは業務を委託しております金融機関等との連携をもとにいたしまして、いろいろな施策を講じております。 例えて申しますと、毎年十月は加入促進強化月間というようなことにいたしておりまして、全国的に加入促進運動を展開いたしておりますし、それから中小企業退職金共済事業団の方では、事業主に対するいろいろな資料提供あるいは相談、説明会、そういったものをやっております。それからラジオ、テレビ、新聞等によります広報あるいは地方自治体の広報紙等を御利用させていただいての広報、そういったものもやっております。それから地方公共団体の中には、この中退金に加入をいたしますとその掛金の一部を負担してやろう、こういう地方自治体等もございまして、そういったところも徐々にふえているというようなことで、これも普及には力があると思います。 それ以外に、地方に相談コーナーでございますとかあるいは相談員、そういったものも配置をいたしまして普及の促進を図っているところでございまして、今後ともこういった面での普及促進活動を強化してまいりたい、かように考えているところでございます。
○川島委員 今回の改正で、付加退職金制度はその時代の金利の情勢によって同一会社で同一条件のもとでの労働者間の差が生ずる、こう指摘をされております。さらにまた、金利情勢だけでなく、事業団の決算によってもその都度配当金の変化があるのではないかという指摘もあります。そしてさらに、最低保障はいかなる場合でも示されている、このことが大切だと言われておるのに、今示されております五・五%の表は、前回の退職金の六・六%から比べると、福祉が後退をするという見方をされております。これらの三点について今回の改正はそうでないのだというお示しをいただきたい。働く仲間にとってはほんの一%でも〇・一%でも、それを高齢化時代、老後の生活の糧のために計画の中に先に入れ込んで生活をしている人たちが多いわけでございますので、これらの危惧に対して的確な御答弁をお願いをいたしたいと思います。
○岡部政府委員 現在の六・六%運用の表を五・五%の退職金水準に、そういうふうな表に改めるのであるということではございませんので、先ほど来申し上げておりますとおりに、基本退職金に加えまして付加退職金合算額が退職金となるわけでございます。したがいまして、一見五・五%に下がったのではないかというふうな、そういう誤解が生じてはなりません。したがいまして、その辺は二階建て構造の退職金制度であるということを国民の皆様方に十分に知っていただくためのPRをしたいと存じているところでございます。 そうしてまた、一番冒頭にお尋ねがございましたように、その付加退職金を加えた全体の退職金水準というものも、これも従来の水準と遜色のないように私ども精いっぱいの、できる限りの努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○川島委員 今答弁をお伺いしておりますと、示されております利回り五・五は運用水準ですね、これは現在の六・六で示されておる退職金の額よりも少なくなることはない、金融変動によって楽しみがあるのだ、こう受けとめてもいいわけでございますね。確認をしておきます。
○岡部政府委員 付加退職金を加えたものが、それでは現在の水準より上に来ることがあるのかというお尋ねでございます。そのとおりでございまして、私どももそのようにできるだけ中小企業労働者に喜んでいただけるような制度にしていきたいというふうに考えております。
○川島委員 次に、長時間過密労働が今社会問題化し、人手不足、外国人就労問題等があるので、政府の行う中退金制度はより利用しやすく、すべての働く労働者にとって公平に施策が行き届かなければならないと考えております。安定したわかりやすい給付水準が保障されなければならないと思います。こうした中で、今六・六から五・五に示されておりますように、誤解を生むような施策はとるべきではない。少なくとも現在の六・六が最低保障制度で、さらに、利回りによって、運用によってプラスアルファの分が、働く皆さんにこの改正によって果実が差し上げられますよ、こうお示しするのが当然だと思うわけでございますが、これができなかった理由はどこにあるのでしょうか。
○岡部政府委員 まさしくこの問題、この法案を提出いたします理由というのは、まさしくこの制度の安定、充実を図るというところにあるわけでございます。二階建て構造にすることによりまして、激動する金融情勢というものを乗り切っていこうということでございまして、実は一昨年あるいは昨年の半ばぐらいまでの情勢を振り返ってみますと、非常に低金利時代という時代でございまして、このままではこの制度はどうなるであろうかということは、関係者一同、青ざめていたような状況でございます。したがって、金利変動にたえ得るような強靱な盤石の上に置くという覚悟で、この制度の改正を志したものでございます。したがいまして、このような安定、充実ということにつきましては十分に御納得をいただける内容になっていると思うわけでございます。 ただ、この水準でございまして、この六・六を下回ることはないな、こうお励ましをいただくわけでございますが、これは相手が金利というものでございます。したがいまして、先ほど話に出ましたように、現行のような全国的な金利水準であれば、このような六・六の現行というものを、遜色のない水準を優に確保できると私どもは考えておるわけでございますが、その辺、激変の場合においてどうなるかというところまで保障せよとおっしゃいますと、これはいささかつろうございます。その辺は金利に連動する部分ということで御理解をいただくとともに、その水準のアップにつきましては、おっしゃるような方針で私どもは頑張ってまいりたいと思います。
○川島委員 お話をお伺いすればするほどわかりにくくなってまいりました。 改正理由の説明では、働く勤労者のために、中小企業で働く人たちのために福祉を充実して大企業との格差をなくす、こう指摘がなされておりまして、今回この提案を見ておるわけです。しかし、激変金利のときには五・五すらも問題になるような発言があり、六・六よりも下がる要素がある、こういう受けとめ方をせざるを得ないわけでございますけれども、今の私の受けとめ方が間違っておるのでしょうか、お伺いをいたします。
○岡部政府委員 純粋に可能性だけといいますか、あり得ることだけを論ずれば、六・六の現行水準を下回るようなそういう状態があり得るということは否定し得ないところでございます。それが金利連動型であるゆえんでもございます。しかし、先般から申し上げておりますように、私ども万般の策を講じまして、これを下回ることのないように必死に努力をしてまいりたいという覚悟を持って、ひとつこの点の御理解を賜りたいということを感ずるものでございます。 そしてまた、五・五を割るかどうか。これは実はもし五・五を我が国の金利が割るようなことになりますというと、厚生年金であれ何であれ、我が国のすべての社会保障制度の基盤が揺らぐことを意味するわけでございまして、そのときは大変動の時代でございます。この中退法自体も五年ごとの見直しという規定がございます。そのときには恐らくそういう規定のお世話になるのかなとも思いますけれども、しかし、そのような五・五を割るというふうなことは、今後の我が国のすべての経済社会の運営におきまして想定されていないようなことではなかろうかと思います。したがって、その御懸念は今のところはまずないのではないかと考える次第でございます。
○川島委員 残念ながら、今の答弁を聞いておりますと、現行法の六・六できちっとなされている支給表からいきますと、変動があって、たくさんもらえるときはそのときの退職者は喜びましょう。しかし、そうでないときの格差の人たちにとっては非常にお気の毒になります。これはやはり現代の進歩した社会情勢からいって、そういうときこそ政治が介入をして弱い人たちを救っていく、これが本来の役目だと考えるわけでございますが、そういうおそれがあったときには国の補助金できちっと補てんをして、働く人たちが何ら心配のないようにさせていただきますよ、こういう答弁を実は期待をしておるわけでございますが、非常に残念でございます。 次に、パートタイムの労働者の退職金について考え方をお尋ねをさせていただきます。
○石岡政府委員 パートタイム労働者についての退職金制度の現状をまず見てまいりますと、昭和六十年に行った調査結果によれば、調査産業全体といたしまして、制度を設けている企業は一二%となっております。この一二%という数字は、普及率といたしまして必ずしも高くないと認識いたしております。パートタイム労働者の退職金制度につきましては、通常の場合と同様でございますが、どういうものを採用するかにつきましては、本来労使の自主的な話し合いによって決定されるべきものと考えております。しかしながら、今申しましたような普及状況も勘案いたしまして、労働省といたしましては、パートタイム労働者の退職金制度につきましてはもう少し普及促進を図りたいということで、昨年六月に「パートタイム労働指針」というものを制定いたしましたが、この指針の中におきましては、パートタイム労働者について退職金制度を「労使において、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように」とされておりますので、この啓蒙指導に今後さらに努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。 また、特に申し添えたいと思いますが、今回の中退法の改正におきまして、パートタイム労働者の方がこの制度に従前よりは入りやすい形になる予定でございます。こういう制度がもしできました場合には、この普及促進を図っていくことがパートタイム労働者の退職金の普及促進にも当然のことながら大いに役立つものと考えております。
○川島委員 今御答弁をいただきましたが、パート労働者の適用に対して、現在あります特定業種の退職金共済のように、もっとパートタイムで働く労働者の立場に立ったそういう条件に合わせるべきだと考えるわけでございます。今政府は、入りやすい形に改定をしておる、こうおっしゃっております。しかし、現行の中退金の現状は、加入一年末満の脱退者に対する退職金の不支給。掛けたお金も戻ってこなくなるわけです。加入二年未満に対する脱退者に対しても、掛金の納付額が全額返らずに、掛け損になっている、こういう形になるわけです。さらに、三年半未満の退職金は、掛けたお金は利息もつかずに、ようやく掛金のみが支給されるという現状にあるわけです。これは普通の中小企業で働く従業員と同じところへ、今度は金額だけが安くなってパートタイムの労働者が入りやすい、こうおっしゃっているわけですけれども、入っても中身がこういう状況では、パートタイムで働く者の気持ちが全然あらわれてないと考えるわけですが、これについて御所見をお伺いしたいと思います。
○岡部政府委員 この中退金制度は共済制度でございまして、単なる積立金制度ではないという性格をまず御理解賜りたいと存ずるわけでございます。すなわち、この制度はまず事業主が拠出する掛金とその運用利息をもちまして財源としているわけでございますが、退職金の額は、一定の短期勤続者については掛金の額を下回る、長期勤続者の場合は退職金を手厚くするということでめり張りをつけているわけでございます。これは民間におきましても、勤続年数が長くなれば退職金が有利になるというふうな制度が我が国の一般的な退職金力ーブでございまして、それからまた、退職金制度そのものが歴史的に、企業に長く働いてほしいというふうな願望、要請から発展してきたような制度でもございます。したがいまして、我が国全般の退職金力ーブを参考にいたしまして中退の退職金力ーブも構築するわけでございますが、短期勤続者はやはり掛金の額を下回って支給され、長期勤続者は厚くなる、こういう仕組みをまず御理解賜りたいと思うのでございます。 そこへパートタイムについての加入を促進した場合に、パートというのは年限が短いから掛け捨て、掛け損ばかりじゃないか、こういうお尋ねでごさいます。最近のパートの実態を見ますと、割と勤続年数が延びてきているわけでございます。まず、雇用期間を定めている者、定めていない者を見ますというと、中小零細におきましては七〇%くらいの方が雇用期間の定めなし、つまり一年なら一年とか二カ月更新とかそういうことをせずに、期間の定めのない雇用契約の形態でございます。そして、平均勤続期間が幾らかと申しますと、四・一年でございますが、しかしすぐおやめになる、本当の臨時に働いた人を除きまして、勤続一年以上のパートさんを把握いたしますと、平均勤続期間は五・六年でございます。常用労働者の女子が大体七年台であったと思いますが、これは余り差がないような、パートといっても実は長いんだぞというのが最近のパートさんであろうかと思うのでございます。したがいまして、このようなごく最初の部分が掛け捨て、掛け損部分がございますが、平均勤続の五・六年というふうなことになりますと、お喜びいただけるような内容のものを支給できるのではないかというふうにも考えるわけでございます。 なお、今回パートの幅を広げるというふうな措置を講じたわけでございますが、しかしながら、私どもまだまだ研究が足りない点があるということを認識いたしております。 例えば、パートというのはそもそも退職金制度になじむのか、あるいはまた事業主はパートを入れようとするだろうかというふうな声が審議会でもございました。それからまた、このパートに関する制度運営のあり方はどうだろうか。例えば数カ月程度の短期で退職する者に事務費等の負担をかけて、その数カ月に見合う退職金を支払うというふうなことにするのかどうかといういろんな議論がございました。したがいまして、パートにつきましては、今後さらにこの制度がどのようにあるべきか研究を進めてまいりたいというふうに考えております。
○川島委員 特定業種の退職金の共済、さらにまた今回の中退金の共済、この中間にパート労働者が今回加入をした、その位置づけがなされるべきだと私は思うわけです。そういう点で、今局長がおっしゃったように、施行の段階でもう少しこれらの人たちを救えるようにひとつ御配慮をお願いしておきたいと思います。 次に、掛金の運用と独立した資金管理がなされておると言われておりますけれども、現在の資金の残額、それから、今日加入をしております現行法の加入者が今脱退をしたときに、事業団なり各種の組合がお持ちになっております資金量、このバランスが一体どうなっておるのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○黒岩説明員 現在中退金制度におきまして、退職金として支払うべきものということで積み立てております金額は、平成元年度末で一兆六千三百億でございます。また、この時点で累積の剰余金が約百六十億円というふうになっております。しかしながら、平成二年度におきましては、資産の運用利回りがここ数年低水準で推移しておるというような事情から、累積の剰余金は約五十億程度になるというふうに考えております。それから三年度以降につきましても、これは金利の動向いかんによるわけでございますが、資産の運用利回りが低水準で推移している、資産は五年とか七年とかいった長期の債券で運用している、そういった事情がございますので、厳しい状況になるというふうに考えております。
○川島委員 バランスがどうなっているのか、ちょっとその答弁では私は理解しにくいわけでございまして、責任準備金という形があって、それが現在、やめたときにその人たちに払うものは全部払って、あと残るのが一人当たり幾らなのか、もし不足するんなら不足は一人当たり幾らなのか、お示しをいただきたいとお伺いをさせていただくわけでございます。
○岡部政府委員 先生お尋ねの、仮に今現在の加入者がすべて退職したと仮定した場合に一体幾ら退職金がかかるのか、それと現在の資産総額との関係はどうか、こういうお尋ねかと思います。しかし、私どもそのような試算をしたことはございませんが、むしろこう言いかえたいと思うのでございます。すなわち、今時点で新規加入をストップいたしまして、今後退職していく人たちに全部払い切った時点でどれだけ余るのかというお尋ねであれば、これはより現実的なお尋ねであろうかと思うのでございます。 そのようなことでこの責任準備金が実は積み立てられておりまして、と申しますのは、現在この制度は始まって三十年しかたっておりません。これは四十五年で成熟するという制度でございます。したがいまして、もし、ただいまこの新規流入をストップして、後は出ていく一方、こういう仮定を置きました場合には、今後は比較的高額の退職者がより多くなっていくわけでございますので、現時点において仮に全部やめたと仮定した場合と様相が違う、こういう状況であろうと思います。
○川島委員 この会計は退職金以外の費用は一切支出されていないというお答えをいただいているわけです。それだったら、国の補助金が入り、自分たちが退職金をもらうたびに、中小企業の皆さんが納めたお金、それが運用利益となってきちんと保管がなされておれば、いつやめられてもそれらの人たちにきちっと支払うべきお金があるわけでございます、もし過去において貸付金の焦げつきができたりいろんな形でこの会計が汚染されておれば別でございますけれども。こういう考え方ではだめなんでございますか。
○岡部政府委員 そういう観点からいたしますというと、仮にもし現在の被共済者が全部退職したと仮定して、それに払ったらどうなるかという、全くの現実にあり得ないことでございますが、そのようなことがもしあったと仮定した場合には、若干の剰余が残ることになろうかと思います。私が先ほど申し上げましたような、仮に今の時点で流入をストップして全部被共済者がいなくなるまで運営し続けていったときに最後どうなるかというのは、これはゼロになるわけでございます。そのように設計をされているわけでございます。ただその点、現在若干の赤字が今年度から出始めております。これは金利の非常に低い運用の時代のツケが回ってきているわけでございますが、これを挽回いたしまして黒に持っていく、本改正はその方策の一つでもあるわけでございます。
○川島委員 過去におけるこの運用例を見ておりますと、毎年ずっと七・四%以上の運用利回りで受け取っているわけですね。そうした中で今までが六・六の支給、そして六・九の大体の収入を見込まなければならないということで、それ以上の収入を上げておる。今回は五・五%で、この見込み額は、当局は一体どのようにお見込みになっておるのか、その運用の利回りについてお伺いをいたしたいと思いますし、運用先の、いろいろ国の方から制約がある問題点について、これらについてどのように審議がなされておるのか、その点についてもお伺いをいたしたいと思います。
○岡部政府委員 御指摘のとおり、退職金の表自体は六・六で構成されておりますが、実際にはいろいろな付加的な制度がつけ加わっておりますので六・九で回さなければ赤字になるという体質でございます。 そこで、どのような運用の考え方かというお尋ねでございますが、法律の規定によりますというと、まず商工債を買うことが私ども求められているわけでございます。それから財投に回さなければならないわけでございまして、大ざっぱに言いまして現在約五割が商工債、約二割が財投に入れなきゃならぬ。そして残りの部分がいろいろな運用、その中の主たるものが生保運用でございますが、そういう構成立てになっているわけでございます。 それぞれの金利は、現時点で申し上げますというと、生保の七・四七を最高といたしまして、商工債の七・〇、それから資金運用部の六・七でございます。しかしこれは、先ほどもちょっと出ましたように、引き下げがそれぞれ予定される部分もあるわけでございますが、私どもの努力といたしましては、できるだけ利率の高い部分を厚くしたいというふうなことで関係各方面に協力を要請をしていることでございます。具体的には、商工債につきましては通産省でございます。それから財投につきましては大蔵省でございます。それぞれの御協力を得まして、最近かなり大幅な、段階的にではございますが運用の改善が図られつつある、その過程でございます。
○川島委員 先ほどの議論の中で、働く人たちにとって痛い思いを与えるような、そういう状態も考えられるわけでございますから、ひとつ当局は、法律で縛られている、金利がほかにももっと高いところで運用ができるのに財投だとか商工債で縛られておる部分、それならば国庫補助でこれらを補てんができるようにひとつ御努力をいただきたいと思います。 次に、事業規模の拡大によってその基準を上回った場合は現在は脱退をしなければならず、積み立てをした退職金は加入者個人個人に給付され、そのため事業主及び加入労働者両方に実は不利益な結果を招いておるわけでございますが、これらの改善策はどう考えておられるのか、お伺いをさせていただきます。
○松本(邦)政府委員 中小企業の退職金共済制度は、中小企業が独力では退職金制度を設けることが困難だということの実情にかんがみまして、いわば相互扶助の精神でこの制度を設けるということにしているわけでございますので、原則的に申し上げれば、事業規模が拡大をして大企業になった場合には、やはり独力で設けていただくという原則をとっているわけでございます。ただ、加入している事業場が中小企業でなくなった場合でも、例えば就業規則の中に退職手当の規定がないとか、あるいは共済契約を解除することが被共済者であります労働者にとって大変不利益であるというような場合につきましては、労働大臣の個別の承認によりまして契約の存続を認めておるということでその保護を図っているところでございます。
○川島委員 退職しないのに、結局規模が変わったからおのおのが退職金を望まないのに受け取らなきゃならぬという、こんな制度はやはり政治の側からきちっと改めるべきだと考えます。少なくとも退職金は退職したときに受け取れるように、そういう制度にひとつ改善を要求したいと思いますが、この点についていかがでございましょうか。
○松本(邦)政府委員 今も申し上げましたように、規模が変わった場合に承認する制度はございますが、その承認ができなかったような場合には、現在では御指摘のように解約金を労働者にお支払いをする、こういうことになっているわけでございますが、その解約金を、例えば他の制度に持っていって通算ができないか、こういう御議論は実は審議会の中でもなかったわけではございません。ただ、現在ではいろいろその仕組みも違っておりますので、直ちに他の制度に持っていくというようなことができないでおりますけれども、この点につきましては、さらに我々としても検討してまいりたい、かように考えております。
○川島委員 次に、建設業退職金共済における掛金の一日分のうち二円が支部の経費に充てられる、付加金となってなされておるというふうに説明を聞いておるわけでございますけれども、先ほどの話からいたしますと、掛けたお金はきちっと別会計で独立した形で積み立てられ、その運用利益もそこへ入れられて、事務費や一切の経費は国の負担金でそれらを見ておる、こういうふうにお伺いしておるわけでございますが、この二円の部分に対する支部の経費等というのは一体どのように受けとめたらいいのか、お答えをいただきたいと思います。
○松本(邦)政府委員 建設業の退職金共済制度につきまして、今御指摘のように、掛金につきましては二円を支部の経費ということで付加金とさせていただいておるわけでございますが、これは当初、建退共支部の運営に必要な経費につきましては大部分を都道府県の建設業協会が負担をされてきたというような経過がございます。その後、制度が普及促進をするにつれまして、支部経費も増加をしてまいりました。そこで、この支部経費をすべて建設業界に負担をしていただくというのは不合理ではないかということで、この支部経費につきましては全共済契約者が公平に負担すべきではないかという観点から、この付加金というものを実施してきたものでございます。 ただ、この支部経費の負担につきましては、業界の方からも軽減を図ってくれという要望も出たこともございますので、資産運用の効率化等によりまして自主財源の充実に努めてまいりたいと思いますし、また、必要な予算の獲得については今後とも努力をしていきたい、かように考えております。
○川島委員 私どもがそのお話を聞いて、ところどころでこういう形で出てくると全体がおかしくなってしまうので、少なくとも原則は原則としてきちっと、たとえ二円といえどもこれらについては国の補助できちっと見る、こういう姿勢をひとつ示していただきたいと思います。 余り時間もございませんので、最後にお尋ねをいたしますけれども、建退共の運営の状況の中で、証紙を売り上げておるわけでございますが、手帳の受け取りの数が少ないとか、いろいろバランスの違いが指摘をされているわけでございます。その辺のバランスが一体どうなっておるのか。さらにこれらの独立した資金の運用について的確な運用がなされておるのか。貸付先の融資が焦げつきになっておる、そういう心配がないのかどうか。事例があったらひとつお答えをいただきたいと思います。
○岡部政府委員 建退共の問題でございます。 昭和六十三年を見ますと、共済手帳の手帳更新枚数は五十万六千三百五十九冊でございます。同じ六十三年度におきます証紙の売上金額は三百二十四億円でございます。一冊には、仮に二百円証紙といたしますと二百五十日分が張れるわけでございます。その間にアンバランスがあるじゃないか。御指摘のとおりでございまして、これが私どもかねがねから問題と感じております。この証紙は売れてはいるんですが、それが必ずしも的確に張られていないということと関係があるのではないかというふうな角度からの問題意識を私どもも持っているわけでございます。したがいまして、この証紙の貼付履行ということにつきましては、私ども最重点課題として、この建退共問題の中心にして今後とも是正を図ってまいりたいというふうに考えております。
○川島委員 大臣に一度もお伺いをしておりませんので、今までの議論を受けとめた中で大臣としてどのように今までの議論をお受けとめになっておるのか、最後にお伺いをして、私の質問を終わります。
○塚原国務大臣 特に冒頭の利率の問題等、委員から大分御心配な点の御指摘がございました。大臣といたしましても、この後の運用につきまして、今御指摘をされました御心配の点ができるだけ起こらないように最大限の努力をして、改正の趣旨が生かされるようにしていきたいと思います。
○川島委員 ありがとうございました。
○畑委員長 渡部行雄君。
○渡部(行)委員 まず最初に大臣にお伺いいたしますが、大臣は、本法案の提案理由の説明の中で、「我が国における退職金制度の現状を見ますと、大企業ではあまねく普及を見ているものの、中小企業においてはその普及状況及び内容はいまだ必ずしも十分なものとは言いがたい実情にあります。」と申されておりまして、つまり、大企業との格差を指摘された上で、経済社会情勢の変化に対応して長期安定した制度として充実を図ることが必要である旨強調されておりますが、今度の改正案のどの部分が長期安定と言えるのでしょうか、お示し願いたいのであります。
○岡部政府委員 私ども、先生お尋ねのように、この制度を長期安定した制度にすべく改正案を提出させていただいたところでございます。この改正の契機となりましたのは、昨年、一昨年の低金利ということでございまして、この中退制度は事業主から納めていただきました掛金とその運用利回りによりまして運用している制度でございます。この中退制度、金利の影響をもろにこうむらざるを得ない仕組みとなっております。 そこで、制度あるいは経営の安定を図りながら、そしてしかも、できるだけ高い退職金を差し上げるようにしようということになりますと、これはいろいろ工夫をしなければならないわけでございます。まず、この安定という観点、制度自体が壊れてはどうしようもございませんので、制度の安定化を図るということからいたしますと、この基礎的な退職金部分、それから実際の運用利回りを勘案いたしまして、変動し得る部分の退職金を合算をいたしまして支給するという制度にすれば安定的な制度たり得るであろうというふうに考えたわけでございます。 ただ、そう申しますと、金利に連動して大いに乱高下して何が安定であるか、こういうおしかりをこうむりそうでございますが、この場合に、基本退職金部分は全体の退職金の約九割程度と私ども想定をいたしておりまして、残る一割程度の部分が金利に連動して変動をするのであるというふうな御理解を賜りたいと思うわけでございます。そしてまた、このプラスアルファ部分、付加退職金部分につきましては、これも乱高下することなくなるべく平準化するようにいたしたいということで、頑張ってまいりたいと考えております。 以上、総合的に御勘案をいただきますれば、この付加退職金制度の導入ということによりまして制度としては非常に盤石の上に立つ、そしてまた、退職金をお受けになる、利用される労働者あるいは事業主の方も安心して御利用をいただけるというふうな制度にいたしたい、このような念願でございます。
○塚原国務大臣 一番基本的にはできるだけ多くの皆様方に御加入をいただいて、いろいろ安心をして中小企業においても働いていただきたいというところにあるわけでございまして、そのためには、何といっても制度がより安定して信頼されるものでなければいけないというようなことを一番念頭に置きまして、今回の改正をさせていただきました。 以上でございます。
○渡部(行)委員 そこで、こういう制度は日本独特の制度だと思うのですが、世界の趨勢から見ると、これが果たして未来永刧に安定したものとして考えられていいでしょうか。
○岡部政府委員 金利の変動に連動して物事を考えていく、水準を決定していくというこの考え方は、例えば私どもの銀行の金利でございますが、これは月々異なるという制度に最近はなってきておるわけでございます。いわゆる金利変動型の預金金利ということになってきているわけでございまして、その意味では非常に激動の時代というものを反映したような制度になってきておるではないか、全体がそのようになってきているのではないかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、この金利に連動するという考え方それ自体いかがかというお尋ねでございますが、私どもは、むしろそれは近代的な考え方の一つではないかというふうに考えているところでございます。
○渡部(行)委員 そこで、本改正案では、固定部分の基本退職金と変動部分の付加退職金が合わさって退職金の額となるわけですが、私は、これが果たして長期安定と言えるだろうか。つまり、金利が常に変動するというものが基本になってそこから考え出されたとすると、これは場合によっては大変変化に富むものだと言っても過言ではなかろうと思うのです。むしろこの際、本当の意味で長期安定策を講じようとするならば、年金制度のように物価スライド制を導入して、将来諸外国のごとく年金に吸収されていくような、そして、やがて年金の一元化に合流させるという戦略を考えた方が長期安定に寄与するのではないか、こんなふうに考えるのですが、ひとつ考え方をお示し願いたいと思うのです。
○岡部政府委員 中退制度への物価スライド制の導入という問題の御提起でございますが、この制度が公的年金のように強制加入であるというような場合には、物価スライドの原資を後から、後代の新しくまた加入した人に求めるというふうなことができるのでございましょうが、そのような強制加入制度ではございません、任意加入制度でございます。あくまでも掛金とその運用収入によりまして退職金を支給するという任意加入の共済制度でございますために、物価スライド制は収支の均衡が損なわれるおそれが大きいというふうに考えるわけでございます。 しかしながら、現行制度では五年ごとに制度見直しを行うべしという規定がございます。掛金月額の引き上げ等によりまして退職金水準の向上を図ってきておるわけでございますが、今後とも、この五年ごとの制度見直しという制度を有効に活用いたしまして、退職金水準の向上を図っていくということでニーズにこたえてまいりたいというふうに考えるところでございます。
○渡部(行)委員 これはもちろん今のところは任意加入でやっているからこうするのもやむを得ないとは思いますが、私は将来展望について言っているので、世界の諸国がそういう方向に今現実に動いている、あるいは実施しているという中で、日本だけがこういう別な道を歩かなければならないということはなかろうと思うのです。やはり行政サイドで保障されていくというのが一番安心していられるし、また、漏れなくその恩恵に浴することができると思うのですが、そういう点で、これから年金の一元化に向かってどんどん進められていくわけですから、そういう問題と、いわゆる中小企業労働者や企業主のあり方というものを一体どういうふうに関連づけて考えたらいいのか、この点についてはどういうふうに思いますか。
○岡部政府委員 年金それ自体、今後どのようになっていくのかということにかかわる基本的なお尋ねでございます。 年金そのものは、将来、国の公的年金と企業年金と個人の努力によって構築する個人年金、この三つが組み合わさって老後の保障を全うしていくというふうな考え方が多いように思われるわけでございます。その間にありまして、退職金というのはどのように位置づけられるのかということでございます。かなり前から、日本の退職金というのは世界にも余り例がない制度である、退職金というのは早晩企業年金などに吸収されていくであろう、分割されていくであろう、このような議論が二十年くらい前からあったわけでございます。 しかしながら、退職金需要というものはやはりまだ根強うございまして、日本の社会に根差した制度として、年金の一元化が進み、その水準アップが図られていくというふうな時代にございましても、退職金制度というのは日本の制度として残るのではないかというふうに思われるわけでございます。まして年金そのものが公的年金、企業年金、個人年金というふうなバラエティーのもとに進むといたしました場合に、退職金というものもその中にありまして位置づけられていくものであろうというふうに推測するところでございます。
○渡部(行)委員 付加退職金の額が金利の変動に応じて定まるとすれば、公定歩合の動きと運用利回りとの関係は密接不可分であるわけです。 そこで、昭和六十二年二月二十三日に公定歩合が二・五%となって、戦後最低の引き下げが行われたのは御承知のとおりだろうと思います。平成元年五月三十日まで続いたわけですが、このときの運用利回りは、昭和五十六年度が七・四%、同六十年度が七・三%、同六十一年度が七・〇%となって、同六十二年度から六・六%に落ち込むわけでございます。そして同六十三年度が六・八%、平成元年度になって六・一%と大きく落ち込むわけです。そこで考えなければならないのは、昭和六十三年度までは当期純利益は黒字であったわけですが、平成元年度では百十四億九千万円の赤字となったわけでございます。 したがって、このことを考えますと、必ずしも付加退職金制度というものが長期安定策と喜んでばかりはおられないと思います。ただ、その付加退職金は約一割にすぎないということでございますから、若干の変動はそれほどの影響とは考えられないというのが当局の考え方だろうと思います。しかし、今度の退職金制度というのはあくまでも二階建てであって、ほかの年金制度は三階建てでいくわけですが、そういうふうに建前そのものまで違うわけでございます。そうなっていくと、これは他の年金制度と均衡がとれていくでしょうか、その辺についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○松本(邦)政府委員 中小企業退職金共済制度は、現在の制度は先ほどから御説明いたしておりますように金利に連動せざるを得ない仕組みになっているわけでございます。そういうことで、今先生が御指摘になりましたような数字の全体としての利回りの変動を来したわけでございます。昨年の今ごろはそれこそ最低の金利の状態でございまして、御指摘もございましたように、平成元年度はおおよそ百十億強の単年度の赤字が出るというような状況が見込まれたわけでございます。 そこで、我々として、その六・九という全体の運用利回りを確保しなければならないという仕組みそのものがいかがかということで検討いたしまして、長期的に何とか安定させたいということで、基本的な退職金部分は五・五に一応下げる形をとりますが、付加退職金というものを設けて何とかして制度の安定を講じたいということで今回の制度を考えたわけでございます。しかし実際上、労働者に手渡される段階で現行よりも下がらないようにということで、先ほどからも申し上げておりますように、運用面で効率的な運用を確保するという努力をいたしまして、何とか現行給付水準を確保するように努力したいというように考えているわけでございます。 年金とのバランスの問題等につきましては、これはそれぞれまた独自の考え方があると思いますが、この五・五という率自体は、先ほども申し上げましたように共済あるいは国民年金といったものとバランスをとった数字ということで構築をしている、こういうものでございます。
○渡部(行)委員 次に、短時間労働被共済者の資格要件について、「労働大臣の定める時間数未満である者」となっておりますが、ここで言う時間数は何時間なのか。また、分割退職金の額は、「退職金の額に千分の三十二・五に労働大臣の定める率を加えて得た率を乗じて得た額とする。」となっておりますが、この率とはどのくらいの率なのか。これをひとつわかりやすく説明していただきたいのです。
○岡部政府委員 短時間就労者の問題、パートの問題でございます。このパートの加入促進を図りますために、今回法律改正に一つの柱といたしましてパートについての特例を設けたわけでございます。したがって、パートというのはどのぐらいの時間の者を把握するかということが一つの研究課題になったわけでございますが、私ども、昨年の雇用保険法改正のときに御論議いただきましたように、週三十三時間というものを一応念頭に置きたいと思っておるわけでございます。したがいまして、週三十三時間未満の方が、今度新しく法律に規定されますパートタイマーについての特例の対象になるというふうにしたいと思うわけでございます。 三十三時間以上の者であって通常の労働者よりも短いのもパートではないか、こういうお尋ねがすぐに出そうでございますが、これは世間的に、パートと言われておりましょうとも、本法律に言いますところの短時間労働被共済者というものは三十三時間未満の者という考え方で線引きをいたしたい、それを上回る時間数の労働者につきましては、これは一般の常用労働者と全く同じ扱いをしていただきたい、このように扱いを改めたいと思うものでございます。 それから、後段に分割払いの際のお話がございました。分割退職金の場合についての支給額の決定はどうするのかというお尋ねでございます。これは千分の三十二・五に「労働大臣の定める率」を加えて算定をすることになっておりますが、この「労働大臣の定める率」を決めるに当たりましては、この分割期間が十年という長期でありますことから、実際の資産運用利回りと、基礎的な五・五といいますか、これは法文上の千分の三十二・五ということでございますが、その二つの問の差を基準といたしまして、これに十分な安全率を見込みまして、本制度の収支の均衡を損なわないように、影響を生じないように労働大臣がこの数字を定めていく、こういう運用になろうかと思います。
○渡部(行)委員 次に、分割支給制度の見通しについてでありますが、まず、欧米諸国の労働者の労働能力に対する考え方でございますけれども、諸外国の場合、年金支給年齢は大半が六十五歳であるわけです。しかも、これはほとんど定着しておりまして、六十五歳を過ぎるともう労働はすべきではない、結局労働者の労働能力は不能なんだ、こういう考え方がそこに潜んでいると思うわけです。 ところが日本の場合は、六十歳定年制が実施されているわけです。しかも、それがわずか六〇%しか実施されていない。かつ労働意欲は非常に盛んであって、大半がまだまだ働きたいという方が多いそうでございます。それは、住宅ローンの返済その他、子供や孫のためにもっと働いてやらなければならない環境にあるためだ、こういうふうに言われております。退職金の支払いについては、分割払いよりも一時払いの方を日本の場合は志向するのではないかというふうに言われておるわけですが、私もこれはそういう方向で行く傾向が大きいのではないかと思われてなりませんが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○松本(邦)政府委員 確かに現時点では、退職金を一時金として受け取られる方が多いというふうに我々も思っております。ただ、退職金の一時金につきましては、御承知のように勤続年数掛ける四十万円が非課税という扱いになっているわけでございますが、金額が高くなった場合には、それを超えて課税対象になるというようなケースも想定はされるわけでございます。そういった場合にはむしろ分割をする方が税金的にも安上がりだというケースも考えられるわけでございますし、また、一時金として退職金を受けまして、仮にそこで非課税措置が生じたといたしましても、その一時金として受け取った退職金を例えば運用していくということになりますと、今度は運用の利子課税がかかってくるわけでございます。 その点、この退職金の方では、例えば五百万の退職金が生じたとしますと、それをお預かりして、先ほど言いましたように原則五・五で運用してさしあげるということになるわけでございますので、ある意味では確定的に五・五の利回りは確保され、しかも、それは分割支給にいたします、それについては利子がかからない、こういうことになるわけでございますので、場合によっては分割した方が得だというケースが生ずることがございます。したがいまして、我々といたしましては、退職金の具体的なケースにつきまして、個々の労働者と御相談をして、分割支給をした方が得なケースがあればそういうふうにお勧めをするということでございまして、これは強制的な制度ではございませんので、労働者と御相談の上で、分割が得であればそういうような形で対応する、こういうことで対処したいと思っております。
○渡部(行)委員 あと時間がありませんからはしょりますが、一つは、中小企業労働者は現在約三千万人と言われておるわけですが、その中で中退金制度の適用を受けておる労働者はわずか約二百四十三万人と言われているわけです。こういう事実を見れば、これからどんどん加入促進を図ってこの制度の健全化を進めるというならば、この見直しを五年間という期間で切るのは余りにも長過ぎるのではないか、私は、むしろ三年間くらいでこの中間推移の状況を見ていくということが非常に大事ではないかと思うのです。これは何も五年と書かれているから五年を必ず守らなければならないのではなくて、意欲的に取り組めば取り組むほどこの期間は短くてもよいのではないか、こういうふうに思いますが、三年間くらいで見直すお考えはあるかどうか、お聞かせ願いたいのであります。
○岡部政府委員 法律の規定は、少なくても五年ごとにこの制度を再検討せよという規定でございます。したがいまして、何も五年たたなければ検討しないということではございませんで、現に今回このようにお願いをしておりますこの改正案も、実は四年目でございます。したがいまして、緊急の必要性が生じましたときには、何も五年といわず、四年であっても三年であっても御要望に沿いたいというふうに私ども考えております。
○渡部(行)委員 ぜひひとつ、その状況に応じて機動的に対処していただきたいと思います。 それでは最後に、本法律案の内容について、次の諸点について確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず第一点は、基本退職金と付加退職金の合計額が現行給付水準より悪くならないかどうか、この点であります。
○岡部政府委員 この問題につきましては、中小企業退職金共済審議会で種々論議されたところでございます。二月二十七日に出されました審議会の建議におきましても、「付加退職金部分をできる限り拡大して現行の退職金給付水準と比べそん色のないものとなるよう、資産の効率運用を行うよう努力すべきである。」と強く要請されたところでございます。政府といたしましては、審議会その他関係各方面の要請にこたえまして、新制度の給付水準、すなわち基本退職金と付加退職金の合計額というものが現行給付水準と遜色ないものとなるように資産の効率運用に最大限の努力をする所存でございまして、最近の金利動向を考慮すれば、現行水準を確保することは十分可能であると考えております。
○渡部(行)委員 第二番目には、改正法によれば、退職金は基本退職金と付加退職金の合算額とされておりますが、五年、十年、二十年、三十年後の退職金額はどの程度になりますか。現行制度と比較してどうなるかを明らかにしていただきたいと思います。
○岡部政府委員 改正法における退職金額につきましては、今後の資産運用の平均利回りを仮に六・五の場合と七・〇の場合と考えまして、掛金一千円当たりの額を試算しますと、次に申し上げるとおりでございます。 まず、六・五%の利回りの場合どうであるかというと、五年後に六万九千円、十年後に十七万三千八百円、二十年後に五十万二千九百円、三十年後に百八万七千七百円であります。もし仮に七%の利回りであるとした場合に、同じく毎月の掛金千円当たりの額を試算をいたしますと、五年後に七万百円、十年後に十八万五百円、二十年後に五十三万八千五百円、三十年後に百十八万八千七百円でございます。これに対しまして、現行制度による場合、千円当たりの退職金は五年後に六万九千三百円、十年後に十八万二千九百円、二十年後に五十二万九千円、三十年後に百十三万七千円と試算されるわけでございます。今後の退職金額につきましては、付加退職金が金利変動の影響を受けることになるわけでございますが、現在の金利動向を考慮すれば、資産運用は、平均利回りが六・五ないし七%程度となることは十分に可能であると考えております。 いずれにいたしましても、資産の効率運用によりまして新しい制度の退職金水準が現行水準と遜色のないように最大限の努力をいたしますとともに、改正法の施行に当たりましては、加入者の誤解がないように、十分に新しい制度の御理解をいただくことができるように、PRの仕方についてもいろいろ工夫をしてまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 次に第三番目は、中小企業と大企業間の格差是正という観点から、中小企業労働対策にどう取り組むおつもりか、お聞かせ願いたいと思います。
○岡部政府委員 中小企業と大企業の間には、賃金、労働時間、福祉施設あるいは福祉制度、このような整備状況の面でいろいろな格差がございます。この格差を縮小いたしまして、中小企業労働者がその能力を十分に発揮できて、生きがい、働きがいのある充実した勤労者生活を送ることができるようにということが行政の基本でもあると考えております。 中小企業における人事、労務管理の改善につきましては、従来から人事、労務管理改善事業を行う中小企業集団を育成してまいったわけでございますが、昭和六十一年度からは、これら集団の連合体であります都道府県中小企業労務改善団体連合会への補助事業を実施する等の施策の充実の強化に努めているところでございます。 また、大企業との格差が著しい、中小企業単独では実施しがたい福利厚生部門につきましては、市区町村単位に中小企業の勤労者と事業主が相協力いたしまして、中小企業勤労者福祉サービスセンターを設立することを奨励いたしております。これに対しまして、管理運営費等を助成する制度を昭和六十三年度より実施してきているわけでございますが、これについてはさらに拡大をいたしたいと考えております。 さらに、今年度からは労使、学識経験者から成る中小企業労働福祉推進会議を設置いたしまして、業種、規模等によって多種多様である中小企業の労働問題につきまして、幅広く御検討をいただくことにいたしております。その御議論を踏まえまして、中小企業労働対策の拡充に努めてまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 第四番目には、中小企業退職金共済制度に加入できるのは中小企業基本法で定める中小企業、すなわち労働者数でいえば、製造業三百人以下、卸売業百人以下、小売業またはサービス業五十人以下となっておりますが、これらの規模を若干超える企業でもこの退職金制度に加入したいという声もかなりあるわけでございます。どこで加入に関する線を引くかは難しい問題でありますが、労働省は中退制度の加入に関する規模の要件を見直す考えはあるかどうか。 それからさらにまた、一たん中小企業の要件に該当して中退制度に加入しても、企業規模が拡大し、中小企業の範囲を超えると脱退ということになり、労働者に解約手当金が支払われることになっている。しかし、これではせっかく退職金として積み立てた資金が制度本来の趣旨に沿って使われたとは言えないのではないか。こうした場合、積み立てた原資を別の制度に移行させるなど退職金制度の充実、活用という観点から見直すべきものと思いますが、労働省の御見解を承りたいと思います。
○岡部政府委員 中小企業退職金共済法における中小企業者の定義につきましては、他の中小企業施策との整合性を図る観点から、中小企業基本法の範囲と一致をさせているところでございます。中小企業の定義につきましては、社会経済情勢の変化等を踏まえまして、他の中小企業施策との整合性を図りながら今後検討してまいりたいと存じております。 また、解約手当金を他の制度に通算するようにしてはどうかというお尋ねでございますが、それぞれの制度の仕組みが異なっていることから直ちに通算する仕組みを設けることは困難でございます。しかし今後、通算する場合の問題点等についてさらに検討を続けてまいりたいと思います。
○渡部(行)委員 次に五番ですが、パートタイマーは一般に勤続年数が短く、一年未満掛け捨て、一ないし二年掛け損という現行の退職金制度で通常の労働者と同じように取り扱うことについては種々の問題があるわけです。したがって、制度のあり方の問題は別としまして、現行制度の枠内でパートの加入についていろいろ工夫すべきものと思いますが、この点はいかがでしょうか。 また、パートだけ別体系として掛け捨て、掛け損をなくすことについては単なる積立制度ではないかとの意見があるなど、退職金そのもののあり方にかかわるかなり根本的な問題を含んでおりますが、いずれにせよ、今後のパートの退職金のあり方につきましてはさらに広く研究を行うべきものと思いますが、いかがなものでしょうか。
○岡部政府委員 パートタイム労働者は常用労働者に比べて勤続年数が短いと言われるわけでございますが、実態を見ますと、先ほど来の御議論にございましたように、雇用契約期間の定めがないという方が中企業で五割、零細企業で七割に達するわけでございます。それから、平均的な勤続期間は四・一年ということでございますが、勤続年数が一年以上の者について見ますと五・六年に及んでおるわけでございます。しかも勤続年数が徐々に延びてきている状況にございます。このようなことを踏まえまして、今回現行制度の枠内で加入促進を図るための方策を講ずることとした次第でございます。 また、現行制度の枠内におきましても、中退制度への加入事業所がふえれば企業間通算制度の活用によりまして御指摘の問題点をある程度解決することが可能であると考えられますので、そのような観点からも中退制度への加入促進、企業間通算制度の活用促進に努めてまいりたいと考えておるわけでございます。さらに、企業間通算制度等現行制度の内容について正確にPRを行いまして、事業主、パートタイム労働者に不満が起きないようにしてまいりたいと考えております。 短期雇用パートの退職金制度につきましては、御指摘のように退職金制度になじむかどうかというような退職金制度そのもののあり方にかかわる問題を初めといたしまして、制度運営のあり方、例えば数カ月程度の短期で退職する者に事務費等の負担をかけて、その数カ月に見合う退職金を支払うことが適当かどうかというふうないろいろな問題が検討されるべきものであると考えます。いずれにいたしましても、短期雇用パートを含めましてパートタイム労働者全般の退職金制度のあり方につきまして、制度の実施状況も踏まえて今後さらに研究を進めてまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 次に第六番でございますが、中退法第四十四条によれば、中退金事業団は保健、保養等の施設の設置、運営を行うことができるとされておりますが、現在まで行われていないわけです。公的機関による施設の設置、運営はかなり難しい問題を含んでいるようにも思われますが、これら施設の設置、運営が適切に行われれば加入促進に役立つわけですし、また、中小企業労働者の福祉の増進にもなるわけでございます。これらについて今後検討してみてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○岡部政府委員 御指摘のとおり、一般的に公的機関による施設の設置、運営は難しくなっているところでございます。背景には行革というふうな問題もあるわけでございます。 また、中退法四十四条一項二号に基づく福祉施設の設置、運営でございますが、これはあくまでも資産運用の一方法として行われるものでございまして、事業団の資産の安全かつ効率的な運用を害しない範囲で行わなければならない。つまり、せっかく施設をつくりましても赤字になりましてはこれは効率的な運用を阻害するということになりますので、その辺の見きわめも行わなければなりませんし、実際の福祉施設の設置、運営ということになりますと、いろいろとそれらの難しい問題を克服しなければならないわけでございます。しかしながら、せっかくの御指摘でございますので、そのような問題も含めましてこの施設の設置、運営につきましては十分に検討をしてまいりたいと考えおります。
○渡部(行)委員 最後に、これは大臣に答弁していただきたいと思いますが、今回の改正後の中退金制度の諸問題、例えば付加退職金制度の導入に伴う退職金の水準、パートタイム労働者の退職金、中小企業の範囲等については政府委員から答弁されたところでありますが、今後とも中退金制度を安定かつ充実したものとすべきだと思いますが、最後に大臣の御所見をお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。 〔委員長退席、粟屋委員長代理着席〕
○塚原国務大臣 ただいま先生から御指摘をいただきました諸点につきましては、ただいま政府委員をして答弁をいたさせましたそのとおりでございます。私といたしましては、改正後の新制度が適切に運営をされるようにし、今後とも、中退金制度が中小企業の従業員の福祉の増進に寄与するように努力をいたしてまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 委員長、どうもありがとうございました。
○粟屋委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ────◇───── 午後三時十七分開議
○畑委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。石田祝稔君。
○石田(祝)委員 大臣、大変に御苦労さまでございます。ただいまより私は、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案につきまして、少々質問並びに意見を述べさせていただきたいと思います。 御存じのように中小企業と大企業との格差はまだまだ大きゅうございます。退職金の問題、福利厚生の面、いろいろな面におきまして格差が存在いたしております。その中で、この中小企業退職金共済制度というのは非常に大事な制度である、こういうふうに私は思っておりますので、この観点からいろいろと御質問させていただきたいと思います。 まず、そもそも退職金とは何か、この点について若干御意見をいただきたいと思います。
○塚原国務大臣 退職金の定義ということですか。——私自身のサラリーマンの経験からいいますと、退職するときにもらうお金ということだと思いますが、政府委員の方から答弁いたさせます。
○松本(邦)政府委員 退職金の概念につきましては、従来、功労報償説、つまり企業の労働者の勤続を通した功労に報いるものであって恩恵的なものであるという説、あるいは賃金後払い説、つまり退職金は退職時までの未払い賃金が退職時に一括して支払われるものだという説、あるいは生活保障説といいまして、社会保障制度が十分でない状況のもとで退職金は退職後の生活を保障する手段である、こういう諸説があったわけでございますが、一般的には、これらの性質をあわせ持つ複合的なものではないかというふうに理解されておると考えております。
○石田(祝)委員 そういたしますと、この中小企業退職金共済法は、以上お述べいただいた中のどういう観点でこの制度はおつくりになったわけでしょうか。
○松本(邦)政府委員 中退制度につきましても、実際に掛金を掛ける事業主の気持ちからいたしますと、今申し上げましたように、労働者の功労に報いるために退職金を掛けてあげようというような方もおられると思いますし、それから労働者の生活をとってみれば、これはやはり老後の保障として大変大きな機能を果たしているということでございますので、制度的に見ても、今申し上げたようないろいろな機能、ファンクションを持っているのではないかというふうに考えております。
○石田(祝)委員 いろいろ諸説があって、その中ででき上がっているということでございますけれども、どちらにいたしましても大変重要で、中小企業にお勤めの方にとっては本当に期待をしている部分ではないかと私は思います。 それで、中小企業について、中小企業法に言う概念と共済法で言う概念、これについて全く同一のものかどうか、若干お聞かせいただきたいと思います。
○松本(邦)政府委員 本制度に加入できます企業、事業主の範囲でございますけれども、これは基本的に中小企業基本法と合致をさせておりまして、具体的に申しますと、「常時雇用する従業員の数が三百人以下」、卸売業の場合には百人以下、それから小売業またはサービス業の場合には五十人以下、こういう条件でございます。あるいは資本金の額あるいは出資の総額が一億円以下、卸売業の場合は三千万円以下、小売業またはサービス業では一千万円以下、こういうことになっております。
○石田(祝)委員 従業員の数と資本金の額、これは私いろいろなところから資料をいただきましたけれども、一般業種で「従業員三百人以下及び資本金一億円以下」、こういう資料もございます。また、別の資料では「三百人以下又は一億円以下」。この二つの書き方があるのですけれども、日本語で言えば、「三百人以下及び」というとこれは両方とも必要要件だ、「又は」となればどちらか一方をクリアすればいい。これはどちらが正しいのでしょうか。
○松本(邦)政府委員 これは「又は」の方が正しゅうございます。
○石田(祝)委員 そういたしますと、お答えのとおりどちらかの要件をクリアすればこれは入れる、こういうことでございますね。 加入状況について若干お伺いをしたいと思います。一番最近の状況で、事業主数また被共済者数、加入状況をちょっと教えていただきたいのです。全事業主数に対するパーセント、また、被共済者数のパーセントについてもお願いをしたいと思います。
○松本(邦)政府委員 一般の退職金共済の加入状況は、平成二年三月末現在で、共済契約者数で約三十六万、被共済者数で二百四十三万ということになっております。
○石田(祝)委員 お答えが抜けているようでございますが、加入対象の中に占める割合、パーセントを一緒にお答えいただけますか。
○松本(邦)政府委員 事業所統計調査に基づいて幾つかの前提を置いて想定をいたしますと、加入企業では、対象になります事業場のうち約一三%程度が加入しておるのではないかというふうに思っております。
○石田(祝)委員 被共済者数は午前中で聞きましたので、パーセントは結構です。そういたしますと、一三%ということですからまだまだこれから大いに伸びていく可能性があると思いますけれども、具体的にこの普及推進について今日までやってこられたこと、また、これから考えていらっしゃること、最も効果的だと思われること、ひとつお述べいただきたいと思います。
○松本(邦)政府委員 中小企業に対する加入促進につきましてはいろいろな広報活動をやっておりまして、テレビ、ラジオ、マスメディア等を通じて行っておりますし、それから地方公共団体の機関紙等の宣伝等も使わせていただいております。それから事業主団体のいろいろな会合の場合に、そういったものを通じて宣伝をするというようなこともいたしておりますし、地方自治体では、退職金共済制度に加入した場合には自治体独自として補助をつける、こういうような制度をとっていただいておるところもございまして、そういったもろもろの手段を駆使しながら我々としては普及促進をやっておるところでございます。
○石田(祝)委員 普及促進、いろいろとやられておることはよくわかりましたけれども、やはりあらゆるものに関して目標というものが必要だろうと私は思うのです。これは一三%ということで、非常に低い水準にとどまっております。加入者数が多くなればなるほど安定をするわけですけれども、これは当面、二〇〇〇年を目指してくらいのところでも結構ですけれども、大体この十カ年くらいでどこのあたりまで持っていこうとされておるのか、その目標についてお聞かせいただきたいと思います。
○松本(邦)政府委員 我々としてはその目標率のようなものを実は設定してはおりませんが、いろいろな諸制度、例えば自社の退職金制度を既にお持ちになっておるとか、退職年金制度をお持ちになっておるとか、あるいは商工会議所等でやっております退職金共済制度というのがございましてそれに加入しておられるところとか、そういったいろいろなもののどれにも入っておられない事業所というのはおよそ六百万くらいあると見ておりまして、我々のターゲットはその六百万ということであろうかというふうに思っておりまして、できるだけ早くそういった六百万の方々が退職金制度を受けられるような形に持っていきたい、かように考えております。
○石田(祝)委員 これはぜひとも明確な目標を立ててやった方がいいと私は思います。やはりあらゆることは目標、ターゲットを明確にしないとどうしてもぼけてまいりますので、この共済制度を充実させるためにはやはり目標を持ってやっていただきたい、このように思います。 続きまして、パートの問題についてお伺いをしたいと思います。 今回短時間労働者に対して二千円、三千円の掛金月額の特例を設ける、こういうことが改正点の一つの大きな柱になっておりますけれども、これはやはり短時間労働者の加入率が低いということで二千円、三千円の部分を設けられたと思います。この点について、そういう理解でいいのかどうか。
○岡部政府委員 今回の法改正におきまして、パートタイム労働者の加入を容易にしようということが制度改正の一つの大きな柱でございます。現在の中退金加入者二百四十四万のうち、パートと言われる人は約二万人程度しか入っていないというふうに推計をされるところでございまして、パートと言われる方々の加入を促進するというのが現在の社会のニーズに沿ったゆえんであろうかと思っております。
○石田(祝)委員 ともかくパートの方々がもうちょっと入ってもらいたい、こういうことでつくられたと思います。 ある調査では、企業規模が十人から九十九人のところで、平均勤続年数、男子が三年、女子が四年、こういうデータがございます。また、その人たちで一年以内に退職する人、男子が四四・八%、女子が二五・五%、そして一年から二年で退職する人が男子二七・三%、女子二七・九%。すなわち、今の制度の中で掛け捨て、掛け損、こういう部分の人が男女それぞれ七二%、五三%いるわけなんですね。そして五人から二百九十九人の企業、このパートの人は一年以内に五九%が退職する、こういうふうなデータもある。現行の中退金のこのシステムで一年以内に七二%の人がやめてしまう。また、五人から二百九十九人のところではおよそ六〇%、六割の人がやめてしまう、その場合は全部掛け捨てになるわけです。こういう現行のシステムの中でパートの加入が促進されるかどうか、この点について、必ず促進に向かえるという御確信がおありかどうか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○岡部政府委員 パートタイマーの方々の平均勤続年数は四・一年と統計に出ております。しかしながら、そのうち一年末満でおやめになる方というのはお説のように多いわけでございますが、一年末満の方を除きますとこの数字は五・六年ということになるわけでございます。一年以上働くパートの方々の平均勤続年数が五・六年ということでございまして、私どもがこの制度拡大によりましてターゲットといたしますのは、やはりそのような比較的長期間勤続されるパートの方々、こういった方々に加入していただければという気持ちで法案を作成したわけでございます。
○石田(祝)委員 現実に一年以内で退職されている方が大変多いということ、これはやはりこれからお考えの中に入れていただいて、現行のままが最善ではない、改善するところがあれば改善をしていく、こういう観点でひとつやっていただきたいと思います。 それからこれは私の考えですけれども、パートの人たちが一年以内でやめるということ、これは契約の問題もあろうかと思いますけれども、それとともに非課税限度額の問題もあるんじゃないか、このように思うわけなんですね。例えば十一月の終わりになってきて、あとちょっと働いたら御主人の扶養の限度額をオーバーしてしまう、そのときにやめるようになるんじゃないか。こういう方もたくさんいらっしゃると私は思うのですね。そういう場合、例えば一カ月間仕事を休んで、だけれども事業主がお金を掛けてくれる。給料は払わないけれども二千円なら二千円、三千円なら三千円掛ける、そうしたらまた翌年一月から働く、こういう形でいけば続くことになると思うのですけれども、こういう形で現実にやっていっても構わないのかどうか、と言ったらおかしいですけれども、こういう形も可能でしょうか。
○松本(邦)政府委員 そういった雇用形態をとられるパートの方に果たして退職金制度がそもそもなじむかどうかというような問題もあると思いますし、現在の時点ではそういった場合には退職金制度の対象にならないというふうに考えております。
○石田(祝)委員 ということは、例えばそこで一回休業というんでしょうか、休職という形をとることもできないということなんですね。そうしますと、やはりこれは一年末満でやめざるを得ない、そういうふうな問題が残るわけですから、これはぜひとも検討課題に加えていただきたい、このように思います。 それからパートの問題で、地方自治体とか大企業、中堅企業など、今回のこの中退金の対象外のパート労働者について、退職金の問題というのはどういうふうにお考えになっておられるのか。特に婦人局長もおいでになっておりますので、パートの方は女性も多いと思いますので、女性の立場からお答えをいただければありがたいと思います。
○石岡政府委員 パートタイム労働者についてどのような退職金制度を採用するかは、通常の労働者の場合と同様に、本来労使の自主的な話し合いにより決定されるべきものであると考えております。労働省といたしましては、パートタイム労働者の退職金制度については、昨年策定しました「パートタイム労働指針」に基づきまして、労使において、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるよう啓発指導を行っているところでございますが、今後とも、大企業に対しましてもその趣旨の徹底に努めましてその普及促進を図りたいと思います。 なお、地方公共団体に勤務するパートタイム労働者についてお尋ねがございました。必ずしも実態を細かく掌握していないわけでございますが、このような労働者の方々は非常勤職員でありまして、勤務時間も短い方が多いのではないかと思います。そうだとすれば退職金制度を設けることが困難な事情もあるのではないかと思っておりますが、所管の自治省ともよくこの問題については相談してみたいと思っております。
○石田(祝)委員 婦人局長もせっかく来ていただいておりますので、ひとつお答えをお願いしたいと思うのです。感想でも結構です。
○佐藤(ギ)政府委員 ただいま石岡審議官の方から考え方を御説明申し上げまして、その点につきましては私どもも同様でございます。 私どもは民間の企業における雇用条件等につきまして第一義的に取り扱っておる省庁でございますけれども、パートタイマーあるいはそれと同じような形で地方公共団体等で働いている方々の雇用条件の改善という観点からは深い関心を持っておるわけでございまして、先ほど審議官が申し上げましたように、こういう点につきましては自治省とも相談をしてまいりたいと考えております。
○石田(祝)委員 どうもありがとうございました。ともかく関心を持たれているということなので、ぜひとも持ち続けて、お願いをしたいと思います。 続きまして、金利の変動に対応する退職金制度の問題ですけれども、今回、退職金の算定方法と申しましょうか、今までの全額固定という形でお約束をしていた部分を基本退職金と付加退職金、こういうふうにお分けになったわけです。午前中いろいろとお伺いをしておりましたら、現在の率より下がることはまずないように努力をしたい、こういうお答えであったろうかと思います。実際的にこれから経済の見通しを長い期間にわたってされることは大変難しかろうと思います。この退職金制度もたしか四十五年という設定で設計をされている、こういうことを聞いておりますけれども、この退職金の算定方法をお変えになった理由をいま一度お聞かせいただきたいと思います。
○岡部政府委員 この中退制度は、御存じのとおり掛金に運用収入を加えまして退職金として支給するというのが骨格でございます。この資産の運用につきましては金利の変動の影響を受けざるを得ない仕組みに宿命的になっているわけでございます。近年のような金利の変動が非常に著しい社会経済情勢になってまいりますと、固定的な退職金制度では、この制度自体の存立にかかわるような赤字が出たりするような不測の事態が生ずることを身をもって一昨年来実感をしたわけでございます。 したがいまして、このような実際の金利変動に弾力的に対応するためには、退職金を基本部分と金利変動部分に分けまして、実際に現実の経済の実勢に合った運用ができるように、それをもちましてこの制度を盤石の基盤の上に据えたい、こういうことがこの退職金の算定方法を変えた理由でございます。
○石田(祝)委員 基盤の盤石化、安定化という観点でやられた、こういうことなので、安定化を図りつつ、また、現行のそういう水準を落とさないようにぜひともお願いをしたいと思います。 ここでちょっと具体的なことでお伺いをしたいのですが、法案が成立をいたしましたら来年の四月一日に施行ということになっております。その場合、例えば来年の五月一日に、ある人が間を置かずにAという会社からBという会社に移った、両方とも中退金に加入していたとする。その場合継続になると思いますけれども、継続するときに前の会社と後の会社、前の会社は、それ以上長く勤めておりましたら、また中退金に加入しておりましたら、今の六・六%ですか、それで行くと思いますけれども、間を置かずに移った場合は、新しい会社の分はこれはどういう形になるのでしょうか。
○松本(邦)政府委員 新制度が発足後でございますと、新しい会社の場合には新しい掛金で掛け始めることになりますので、全体としての通算はできますが、新しく掛けた分については新しい方式で算定する、かようになります。
○石田(祝)委員 ありがとうございました。それでは、あと補助制度について若干お聞かせをいただきたいと思います。 最近の新聞にも障害者の雇用について載っておりました。雇用率がなかなか達成をしないということでるる書かれておりましたけれども、私もいろいろ調べてみました。大企業ほど法定雇用率の達成が低い、逆に中小企業は一生懸命雇用に頑張っていらっしゃる。私はそのときにこういうふうな数字を見まして、中小企業に対して援助はしているはずですけれども、それとともに障害者について掛金の補助を現在やっていらっしゃるのかどうか、これについてちょっとお願いしたいと思います。
○松本(邦)政府委員 中退法の方では障害者に対する補助というような形はやっておりませんで、掛金はすべて事業主が労働者にかわって掛けるわけでございますので、事業主に対する補助というのはございますが、障害者に対する補助という形ではやっておりません。
○石田(祝)委員 それはちょっと聞き方が悪かったかもしれませんけれども、障害者を雇用した場合に、事業主に対して、例えば今掛金でどのぐらいまで補助を出していますか。
○松本(邦)政府委員 掛金の補助は労働者が障害者であるかどうかという区別はいたしておりませんで、一律に、当初契約をした段階でございますが、二年間について掛金の三分の一の補助、こういう形で補助をしているわけでございます。
○石田(祝)委員 今特に区別をしないでやっていらっしゃる、こういうお答えでございましたけれども、私は先ほど申しましたように、たしか今民間が、大企業の法定雇用率が一・六%だと思います、それをクリアしない約一・三%ぐらいで長い間とどまっていると思うのです。それに対して中小企業、業種にもよりますけれども、一・九ぐらいまで上がっているところもございます。また、諸外国の例を見ましても、西ドイツで五%とか、いろいろな形で障害者を積極的に受け入れてやっていこう、こういうふうな形も見られていると私は思うのです。 その中で特に中小企業が積極的に採用しておりますし、その意味で、そういう障害者に対して本給の補助はございますけれども、それとともに中退金に加入している企業に対して、障害者の退職金の掛金の分をできたら全額国庫補助という形で私はやってもらいたいと思うのです。少なくとも今以上に、今は障害者という形で特にやっていないということでございますけれども、今より一歩踏み込んで障害者の方たちに対する補助を出すお考えがあるかどうか、これをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○岡部政府委員 突然の御提案でございまして、私どもひとつこの点勉強させていただきたいと思います。
○石田(祝)委員 今回の法案からちょっと外れるかもしれませんけれども、私は自分の経験からいいましても、そういうところには何らかの形で手厚い補助というものを考えていただきたい。今検討させていただくということでございますので、私は、この点に関してぜひとも前向きに検討をお願いしたいと思います。 それから、加入促進でちょっと聞き漏らしたところがありますのでお聞かせをいただきたいのです。現在は、中退金に入っている方がやめて別の事業所に行かれた場合、通算ということではなくて、たしかさかのぼることができる。ある一定期間を置いて勤められた場合、何かさかのぼって、例えば十年なら十年、ある一定の掛金を払うかどうか知りませんけれども、そういう制度はあるというふうに聞いておりますけれども、それはございますか。
○松本(邦)政府委員 一人の労働者が二つの企業にまたがって雇用された場合には、もとより両方の事業主が中退金に入っている場合でございますが、通算制度というのがございます。ただ、新しく入った事業場で退職金に入る場合に、過去の事業場において勤務した期間を見るというような制度はございませんで、当該事業場が新しく退職金に入りましたときに既にその労働者が過去何年間か勤めておったという場合には、過去勤務通算と申しまして、その過去の勤務を計算をして掛金を払い込む、こういう制度はございます。その場合に、あくまで自分のところで働いた過去の勤務期間でございまして、よその企業で働いた勤務期間までを通算する、こういうことはやっておりません。
○石田(祝)委員 そういう制度は今ないというお答えでしたけれども、そうしたら、こういう形というのも考えられないでしょうか。
○松本(邦)政府委員 これは退職金の性格とも絡むわけでございますけれども、先ほどの功労報償的な考えをとりますと、自分のところで働いた過去の勤務に対する功労報償というのはあり得ると思いますが、よその企業で働いた分までの功労報償を当該事業主が出そうということには恐らくならないのではないかという感じもいたしますし、賃金後払い説をとりましても同じようなことではないかと思いますので、それはちょっと制度としてはとりにくいのではないかと考えております。
○石田(祝)委員 いろいろとお聞かせをいただきましたけれども、ともかくこの中退金、私も非常に重要な制度だと思いますので、検討をお願いしたことも含めまして、ぜひともひとつ前向きにやっていただきたいと思います。 早いですけれども、終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○畑委員長 児玉健次君。
○児玉委員 炭鉱の合理化政策が進んだときに、山の下請労働者がほとんど手当を受けずにほうり出されてしまう、そこを何とかしようと思っていろいろ運動が起きました。その際、さまざまな経過はありましたが、労働省や通産省の皆さんの努力もあって、退職金の補助制度ができました。その制度の下敷きは今議論になっている中小企業退職金共済制度だった、こう思うのです。この制度の持っている重要さというのは、私からあれこれ言う必要もないぐらいのものだと思います。中小企業労働者の幸せを擁護していく、そういう意味からどうしてもこの制度はますます充実させなければならない、こう思っています。 さて、時間もありませんから端的に伺いたいのですが、毎月一万円の掛金、三十年加入した場合、現行制度で退職金は幾らになるか、そしてこの改正案における、いうところの基本部分は幾らになるか、まずそれをお答えいただきたいと思います。
○松本(邦)政府委員 現行制度で掛金一万円を掛けました場合、退職金の金額は十年間で百八十五万三千三百九十円……(児玉委員「三十年」と呼ぶ)失礼いたしました。三十年ですと一千百五十二万一千六百円になります。それから、改正後の掛金一万円の場合でございますが、基本退職金だけの額で申し上げますと九百七万八千円になります。ただし、改正後はこれに付加退職金の額が加わりますので、その付加退職金の率によるわけでございますけれども、現行の金利動向を考慮いたしますれば現行水準と遜色のないものになるであろうというふうに考えております。
○児玉委員 退職金は労働者の生涯、とりわけ老後の生活設計の支えになる部分ですから、変動的な要素はできるだけ排除しなきゃならぬ。さしあたって、この制度に加入している中小業者のところで働く労働者が確実に見込めるのは基本部分ですね。今お尋ねした一万円、三十年の加入、それで比較しますと二百四十四万三千六百円の減。率にすれば二一・二%の減です。これは幾らもらえるか。山元の労働者が北炭夕張などで退職金が分割になったりいろいろ変動的であったことがありまして、そのことについては労働省は大変御苦労もあったし御指導もいただきました。今度は分割ではないけれども、基本と付加部分に分けていく。これは退職金の制度としては重大な後退ではないか、魅力が乏しくなって加入者が減少するのではないか、このように危惧するのです。非常に基本的な問題ですから、労働省のあれこれの説明は抜きにして、加入者が減少することがあるかないかという点についてお考えをお聞きしたいと思います。
○岡部政府委員 もし仮に五・五%利回りの基本退職金部分だけでいたしますとこれは現行の制度より見劣りするでありましょうが、しかし、現在の金利動向を勘案いたしますに、大体六・五%ないし七%の利回りを確保し得るのではないかと私ども考えているところでございまして、そういたしますと、六・五%ですと若干現行を下回るぐらいの水準かもしれませんが、七%になりますと現行の退職金水準よりも若干高いところに位置するわけでございまして、私ども頑張っていい結果を得るように努力してまいりたいというふうに考えております。
○児玉委員 この後の事実がそのあたりを冷厳に示していくだろう。退職金制度に変動的な要素があるのはまずい、これは強く私は強調しておきます。 一九八六年四月八日、前回の改正の際にこの委員会で附帯決議を採択しました。その三項目目に、「中小企業退職金共済制度の運営に当たっては、関係労使の意見を十分反映しうるよう一層の配慮を行うこと。」、関係労使の意見をどのように反映したのか。そして、引き続いて附帯決議は「特に受益者である労働者の意向が反映できるよう所要の措置を検討すること。」とあります。どのような措置を検討なさったのか、これも端的にお答えください。
○岡部政府委員 中退制度の運用に当たりましては、中退審議会の審議で非常に密度の高い御議論をちょうだいいたしまして、反映をいたしておるところでございます。それからまた、常日ごろの運営状況につきましては、参与の制度を活用いたしまして、この参与には労働側も入っていただいております。参与の御意見をいただきながら運営に努めておる、このようなことでございます。
○児玉委員 それが果たして日本の労働者と労働組合全体を代表できるのかどうか、これは大いに議論が残ります。 それで、私の質問の中の「関係労使の意見を十分反映しうるよう一層の配慮を行うこと。」、その点については今お答えいただいてないと思うのですが、どうですか。
○松本(邦)政府委員 関係労使というのをどういうふうにとらえるかということでございますけれども、我々は、審議会の中に労働側代表もお入りいただいておりますので、そういった方々が労働組合等を通じて労働側の御意向を十分吸い上げていただいていると思っておりますし、もう一つ申し上げますと、参与の方にも労働側に入っていただいておりますので、そういう形で吸い上げるということでいいのではないかというふうに考えております。
○児玉委員 労働省にこの言葉の意味を説明するのは大変恐縮なんですが、皆さん方は普通、関係労使と言うときはそのようには使わないんじゃないですか。
○松本(邦)政府委員 中小企業に係る組合の代表、直接代表する方というような形で入っておられるかどうかでございますが、審議会の代表を選定いたします場合には、そのときどきの組合と御相談をして、それに合った適格な代表を選んでいただいておるというふうに我々は考えております。
○児玉委員 普通、関係労使と言うときは、この中小企業退職金共済制度があります、そこに使用者もいるし労働者もおります。その意見を聞いているかどうか。どうですか。
○松本(邦)政府委員 中小企業退職金共済制度を運用していただいております中小企業退職金共済事業団、ここにも組合ございますが、ここの御意見は聞いております。
○児玉委員 聞き方が不十分だからこういうものになるんじゃないかと私は思っていますが、この点の皆さんの努力は今後にわたって強めていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○松本(邦)政府委員 この制度を円滑に運用するためには中退金事業団の組合といいますか、職員の方々の御協力を得なければならないのはもとよりでございますので、十分我々もやりますし、事業団当局もやるという形で進めたいと思っております。
○児玉委員 さて、前回の改正で予定運用利率を六・二五%から六・九%に引き上げました。当時の公定歩合は四・五%。労働省の見通しが甘かったのではないか、率直に言って私はそのことを指摘せざるを得ません。重要な役割を果たすこの制度に対してそれにふさわしい国庫補助を強化すべきではないか。もちろん、給付費の補助、掛金助成、そういったものがありますし、事務の助成もありますが、これも私はずばり申したいのですが、資金の運用利回りはまだ六%台を維持しているわけで、今後金利上昇傾向にあることを考えると、このような形で判断を下すのは早過ぎるのではないか。午前中の討議で岡部局長は、一昨年、昨年の金利の低下に際して顔青ざめる思いでこの制度の存続を考えたという趣旨のことをおっしゃいましたが、お気持ちはよくわかります。国の補助としてこの退職金共済制度の収支について一定の責任を担うような形での補助が考えられる、そこが基本ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○岡部政府委員 この制度に対する国の助成のあり方につきましてはいろいろ紆余曲折があったことは御承知のとおりでございます。給付費補助というあり方から掛金補助への移り変わりと申しますか、考え方の重点の移り変わり、そしてまた事務費補助については、一部といいますか大部分につきまして国の補助を行うという現在の形が固まりましたのがつい最近でございます。六十一年改正のときであったと思うわけでございます。 国が財政再建途上ということでございまして、一般会計からするところの助成ということは、マイナスシーリングが引き続く中におきまして、まことに厳しいものがございます。そこで、特別会計財源を使いまして掛金助成という制度に踏み切ったわけでございまして、これも含めまして、特別会計、一般会計ともども平成二年度予算におきましても増額の実現を見つつあるという段階でございます。私ども、国の助成の強化ということにつきましては引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
○児玉委員 時間でもありますから、以下のことは大臣にお尋ねをしたいのですが、今、岡部局長からお話しのとおり、国の助成措置について一定の努力がなされている、そのことは私も承知をしております。それが非常に重要な役割を果たしているということも私は評価するにやぶさかでありませんが、結局、基本部分と付加部分というふうに分けなければいけないのはなぜかというと、先ほどもお話しのとおり、金利の変動に対する危惧があるからです。そこに対して国が一定の担保を行う、その措置を行えば、さほどの金額でなくて、こういうふうなこそくなやり方をしなくて済むのじゃないか、その点の検討をしていただきたいというのが一点です。 二つ目は、重要な制度ですから、この制度に加入を呼びかける努力を強化しなければいけない。特に地方都市で窓口が欲しいという声があります。調べてみますと、ブロックの中でまだないのが北陸、四国、北海道などです。そういったところに、現在幾つかの地域に存在している窓口、相談センターを新設するなど、皆さんのこの面の努力を強化すべきではないか。以上、二点について大臣のお考えを伺います。
○塚原国務大臣 ともかくできるだけ多くの方に加入していただくというのは本当に大切なポイントだと思います。そういったことで、今御指摘ありました中で、何か北海道は準備が進んでいるということでございますので、窓口につきましては、さらに私どももできるだけ大勢の皆様方により便利な形で御加入いただけるように努力をいたしてまいりたいと考えております。 金利の面、付加部分でございますが、あくまでも金利の変動、この制度をより確立をするためにということで二階建て方式ということになっているわけでございますが、私どもの精いっぱいできる範囲の努力をいたしまして、間違っても現在より水準が落ちるというようなことで大きな御不安をかけることがないように、最悪でも現在程度が確保できるように努力をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○児玉委員 終わります。
○畑委員長 柳田稔君。
○柳田委員 現在非常にいい景気の中で世の中推移しているわけでございますが、一番の問題点の一つとして、人手不足というのが今表に出ております。特にその中でも、中小企業が人手不足で悩んでいるというふうに聞いているわけです。我が国の経済の構造を見てみますと、事業所の中で九九%が中小企業、労働者でいきますと八一%が中小企業、こういうふうな非常に重要な位置を占めている中小企業が今人手難であえいでいる。この人手難というのはすぐ解決しないで、多分まだまだ続くだろう。これから中小企業の振興も考えますと、人手不足も解消していかなければならないわけですけれども、この辺について労働省としてはどのように取り組むのか、教えていただきたいと思います。
○岡部政府委員 中小企業対策、非常に重要なポイントであると私ども認識をいたしております。中小企業の人手不足問題と申しますのも、やはり中小企業そのものに魅力が乏しい、あるいは中小企業の生産性が低い等々の構造的な課題であろうかとも思うわけでございます。私ども調べましても、賃金、労働時間あるいは福祉、各般にわたりまして、大企業労働者と中小企業労働者の間にはさまざまな格差があるわけでございます。しかし私ども、中小企業労働者が十分に働きがいのある充実した生活を送っていただきたいということで努力をいたしたいと考えているわけでございまして、労働省にも昨年来中小企業労働対策室を新設いたしたところでございます。 労働省におきましては、従来から中小企業における人事、労務管理改善ということで、中小企業の集団を育ててまいったわけでございますが、昭和六十一年度からは集団の全国的な連合体でございます都道府県中小企業労務改善団体連合会への補助事業を実施いたしておるところでございます。また、中小企業単独では実施しがたい福利厚生の諸問題につきまして、市区町村単位に、市区町村の発意によりまして、中小企業の勤労者と事業主が相協力して、中小企業勤労者福祉サービスセンターの設立を昭和六十三年から図っております。これは着々と増加をしておるところでございます。これについても管理運営費の助成を行っておるところでございます。それから今年度からは、予算成立後、労使、学識経験者から成る中小企業労働福祉推進会議を設置いたしまして、多種多様にわたります中小企業の労働問題につきまして幅広く御議論をいただくということで成案を得たいと考えております。
○柳田委員 労働時間、大企業は所定内は短くなっている、残業がふえているという話なんです。特に中小企業の場合は、この所定内が余り短くならない。先日もお伺いしたのですが、所定内労働時間を千八百時間以下にするというのも至難なわざだろう。しかし、これはやらなくちゃいけない。その辺、特に中小企業の所定内労働時間を減らす問題について、何かお考えがあるのだったら教えていただきたいと思います。
○石岡政府委員 労働時間の短縮は、これから労働省が取り組まなければならない非常に重要な問題でございますけれども、その場合一番問題なのは、御指摘のとおり中小企業におきましていろいろな困難がございますので、どのようにして労働時間を短縮するかでございます。労働省といたしましては、今までも中小企業の方々に対しましては、全基運という団体がございますが、そういう団体等を通じましてアドバイザーを派遣するような事業をやりまして、労働時間の短縮が団体ごとにうまく進むように指導援助しているところでございます。また、昨年度からは企業系列を使いまして、親企業の方から下請中小企業に対しまして労働時間の短縮がうまくいくように、親企業、中小企業あわせての労働時間改善の指導ということもやっているわけでございます。 そのようにいたしまして中小企業の労働時間の短縮にいろいろ指導援助を加えてきているところでございますが、来年度からは基準法の施行令を改正いたしまして、所定内労働時間を四十四時間にすることを一応目途に、これからいろいろ実態調査をやるところでございます。中小企業の実態等もよく見まして、法令による所定内労働時間の短縮も実施をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○柳田委員 今回中退金制度が安定をして、これからも安心して退職金がもらえるだろう、プラス、労働時間も短縮していただければなという気持ちがありましたので質問させていただいたわけですけれども、今回のこの改正、先ほど申しましたように非常に評価をしているわけなんです。この改正の内容をいろいろなところにお知らせしないといけないわけですが、どういうふうに周知、広報されていくのだろうか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○松本(邦)政府委員 今回の改正は従来にない大幅な改正内容を持っておりますので、説明会の開催でありますとか、その他の周知、広報に十分時間をかけて行いたいということでございまして、従来以上に施行までの準備期間も長くとっていただいておりますので、十分時間をかけて実施をしたいと思っております。特に、従来から毎年十月を加入促進月間という形で強化をいたしておりまして、いろいろな広報宣伝をやっておりますので、そういったものも利用しながら一層の促進が図られるように努力してまいりたいと考えております。
○柳田委員 今おっしゃいましたように強化月間というのは非常にいいことなんですが、末端におりますと余りぴんとこない。例えば職安があります、労働基準局、これが特に一番末端とおつき合いをする機関ではないかと思うのですが、この辺も鋭意努力をされまして、できるだけPRに努めていただきたいし、またさらには、先ほど来から加入が大分低いという話もありまして、基準監督署の人が来られても、時たまはあるわけですけれども、行くたびにこれを口酸っぱく言うと少しは加入がふえるんではないかなという気がするわけであります。今後この辺もやっていただければと思うわけですけれども、さらに強化をして、一月だけではなくて一年じゅう通してこの二つのところは努力する方向にはいけないものか、お聞かせ願いたいと思うのです。
○岡部政府委員 労働省の末端機関、第一線機関を総動員してやれという非常に貴重な御示唆でございます。そのように私どもも努力をいたしたいと存じます。
○柳田委員 よろしくお願いしたいと思います。 最後に、解除の問題をちょっとお聞かせ願いたいのですけれども、人数がふえたりした場合に解除される。そうした場合に、もらえる人、もらえない人とかいうふうに不公平が出ますので、この辺はどういうふうにしていくのか、お聞かせ願いたいと思います。
○岡部政府委員 この問題は中小企業のための制度でございますので、中小企業がたまたま大きくなりまして大企業になってしまったというふうな場合に、この契約が原則として解除をされるわけでございます。これにつきまして、それではもったいないじゃないか、あるいはまたかわいそうじゃないかという御議論かと思いますが、私ども、そのような中小企業の枠外にはみ出たような企業におかれましてはぜひ自社退職金制度を構築されまして、十分な福祉を進めていただきたいと考えるわけでございます。 ただ、この共済契約を解除することにつきまして著しく被共済者の不利益になると認められる場合、あるいはまた、その当該企業に就業規則に基づく退職手当に関する定めがまだないという場合につきましては、あらかじめ労働大臣の承認を得ることによりまして契約が存続するという救済手続も実は設けられてございますので、そのようなことも御活用になりながら、しかし、真の目指すところはやはり自社退職金制度を完備していただくというところに置いて指導に努めてまいりたいと思います。
○柳田委員 いい制度なんで、ますます安定をさしていただきまして、働く者が安心して一生を過ごせるようにしていただきたいと思います。 質問、以上で終わります。
○畑委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 ─────────────
○畑委員長 日本共産党から討論の申し出がありますが、理事会の協議により、御遠慮願うことにいたしましたので、そのように御了承願い、直ちに採決に入ります。 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○畑委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○畑委員長 この際、本案に対し、持永和見君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。永井孝信君。
○永井委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、中小企業労働者と大企業労働者との間の労働条件、労働福祉等の面での格差を縮小する必要があることにかんがみ、中小企業労働者の労働条件、労働福祉等を改善・充実するための施策を総合的に推進するとともに、中小企業退職金共済法の改正施行に当たっては、退職金制度が高齢化社会において労働者の老後保障の機能をもつものとして今後一層重要な役割を果たすことに十分留意しつつ、次の諸点について適切な措置を講ずるよう努力すべきである。 一 中小企業退職金共済制度の適用拡大を図るため、地方公共団体への協力要請、相談体制の整備等加入促進対策を積極的に推進すること。 二 増大するパートタイマー等の労働条件及び生活実態を踏まえ、これらの労働者の中小企業退職金共済制度への加入促進対策を積極的に推進するとともに、制度の改善に関する研究を進めること。 三 中小企業退職金共済制度の安定・充実のため、資産運用については、その安全の確保に留意しつつ、効率化を図ること。 四 特定業種退職金共済制度についても加入促進策を強化するとともに、引き続き共済手帳の交付及び共済証紙の貼付の履行確保に必要な措置を講ずること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○畑委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 持永和見君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○畑委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塚原労働大臣。
○塚原国務大臣 ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。 ─────────────
○畑委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○畑委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ────◇─────
○畑委員長 この際、内閣提出、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。塚原労働大臣。 ───────────── 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○塚原国務大臣 ただいま議題となりました高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 現在、我が国は本格的な高齢化社会の到来を迎えつつあり、今後、労働力人口も急速に高齢化が進展し、二十一世紀初頭には労働力人口の四人に一人は五十五歳以上の高年齢者が占めるものと見込まれております。 他方、高年齢者の雇用失業情勢は、全般的な雇用失業情勢の好転の中にあっても依然として厳しい状況にあり、今後の労働力人口の高齢化の進展等に伴い、ますます深刻化することが懸念されております。 このような状況の中で、我が国の経済社会を豊かで活力ある社会とするためには、高年齢者の技能と経験の活用が不可欠となっており、その意欲と能力に応じた雇用機会の確保を図ることが極めて重要な国民的課題となっております。 このため、政府としては、従来から六十歳定年の定着を基盤とした六十五歳程度までの継続雇用の推進を労働行政の最重要課題として取り組んできたところでありますが、今後は、六十五歳までの安定した雇用の確保を図る施策を一層積極的に推進していくことが求められているところであります。 この問題につきましては、昨年十月以来の雇用審議会における検討の結果、本年三月に同審議会から答申をいただき、法的整備の方向が示されたところであります。 政府といたしましては、この答申に沿って、六十五歳までの安定した雇用を確保する対策を推進するための法律案を作成し、中央職業安定審議会にお諮りした上、ここに提出した次第であります。 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。 第一に、労働大臣が高年齢者等職業安定対策基本方針を策定し、六十五歳までの高年齢者の雇用機会の増大の目標や事業主が行うべき条件整備のための指針等を定めることとしております。 第二に、六十歳以上六十五歳未満の定年到達者が定年後も同一の事業主に雇用されることを希望するときは、当該事業主は、諸条件の整備等を行ってもなおその者の能力に応じた雇用機会を確保することが著しく困難である場合を除き、その者が六十五歳に達するまでの間、雇用するように努めなければならないものとすることとしております。 第三に、公共職業安定所長は、定年到達者の安定した雇用の確保を図るため必要と認めるときは、事業主に対し、諸条件の整備等の実施に関して必要な勧告をすることができることとしております。 なお、この法律は、本年十月一日から施行することといたしております。 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○畑委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る三十一日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十二分散会