社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1990/04/17
会議録
○畑委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件並びに労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、厚生大臣及び労働大臣から、それぞれ所信を表明したいとの申し出がありますので、順次これを許します。津島厚生大臣。
○津島国務大臣 先般厚生大臣を拝命いたしました津島雄二でございます。 第百十八回国会における社会労働委員会の御審議に先立ちまして、就任のごあいさつを申し上げますとともに、所信の一端を申し述べたいと存じます。 私は、昭和五十六年から五十七年にかけて厚生政務次官を、また昭和六十三年から平成元年にかけましては社会労働委員長を務めさせていただきましたが、この間、国民福祉の増進をライフワークとして取り組んできたところでありまして、このたび厚生大臣を拝命し、大変うれしく思うとともに、責任の重さを痛感しております。 さて、今や我が国は人生八十年時代を迎え、世界一の長寿国となっております。長寿は人類の長年の夢であり、人生の最大の喜びの一つでありますが、今後、日本の人口高齢化は諸外国に例を見ない驚くべき速さで進み、二十一世紀初頭には現在の西欧の水準を超え、平成三十三年のピーク時には、四人に一人が老人という超高齢化社会が到来すると予想されています。この本格的な高齢化社会を、国民が生きがいを持ち安心して生涯を過ごせるような明るい活力ある長寿・福祉社会としていくことは、我が国の長い歴史の中でも、また、世界的に見てもまことに大きな挑戦であり、我々の世代に課された大きな責務であるとの認識のもとに、今から周到な準備を積み重ねていかなければならないと思います。 また、我が国は、今や経済的には世界から最も豊かな国の一つと見られるまでになりましたが、生活の質、文化的豊かさの点では、国民のだれもが心から満足と言えるような社会の実現までには、まだ課題が残されております。質の高い医療と安定した医療保険、安心して頼れる年金、老人、障害者等に対するきめ細かな福祉サービス、生涯を通じた健康づくりや安全で快適な住みよい暮らし、子供を健やかに産み育てることのできる環境づくりなど、厚生省の預かる分野の全般にわたって、生活の質を高めていくための一層の努力を重ね、総理の訴える生涯生き生き、生涯幸せと言えるような公正で心豊かな社会に向けて、前進してまいりたいと思います。 以下、平成二年度における主要な施策について申し上げます。 改めて申すまでもなく、現在の我が国の社会経済の最大課題の一つは、活力ある長寿・福祉社会の実現であり、二十一世紀までの残された最後の十年間は、そのための大変重要な期間でございます。厚生省は、昨年十二月にゴールドプラン、すなわち「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を策定し、今世紀中に実現を図るべき十カ年の目標を掲げ、ホームヘルパーなどの在宅福祉対策の緊急整備、寝たきり老人ゼロ作戦の推進、特別養護老人ホーム等の施設の緊急整備など、高齢者の保健福祉の分野におけるサービスの基盤整備を大幅に推進することといたしました。このような規模で長期にわたる施策の目標を具体的に設定することは、保健福祉の分野ではかつてないことであり、政府としては、関係者の方々の御理解と御協力を得ながら、実現に向けて全力を挙げていく決意でございます。 また、この十カ年戦略の推進等のためには、住民に最も身近な市町村で、在宅福祉サービスと施設福祉サービスがきめ細かく一元的に提供される体制づくりを進める必要があります。このため、老人や身体障害者の施設入所決定事務等を市町村に委譲すること、公的在宅福祉サービスについて所要の改正を行うこと、老人保健福祉の計画的な実施を図ること、長寿社会福祉基金を設置することなどを内容とする法律案の提出を予定しておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。 老人保健制度につきましては、今年度から加入者按分率が一〇〇%となることに伴い、当面の措置として、平成元年度補正予算において一兆五千億円の資金を設け、その運用益等を用いて、被用者保険の拠出金負担増の緩和を初めとした老人保健制度の基盤の安定化のための措置等を行うことといたしたところでございます。 また、医療保険につきましては、国民健康保険制度の運営の安定化を図るため、国の助成の強化による保険基盤安定制度の確立及び財政調整機能の強化など所要の措置を講ずることとしております。このための法律改正案を御提案申し上げているところでありますので、何とぞよろしく御審議をお願いいたします。 一方、医療供給体制につきましては、医療をめぐる環境の変化に対応し、二十一世紀に向けて効率的な医療を安定的に供給するため、医療施設を機能に応じて体系化することなどを内容とする医療法の改正案を提出することとしております。 また、これらとあわせて、長い高齢期を支える国民の健康を確保するため、がん、糖尿病、腎不全などの疾病対策を進めるほか、栄養、運動、休養のバランスのとれた健康的な生活習慣の確立を目指し、第二次国民健康づくり対策を進めてまいりたいと思います。 一方、出生率が低下する中で、次代を担う子供たちが心身ともに健やかに生まれ、育つための環境づくりを進めることも、ますます重要になっており、家庭に対する支援や児童の健全育成対策、保育対策、母子保健対策等の施策を積極的に推進することといたしております。 また、障害者福祉につきましても、障害のある方々ができる限り家庭や地域において生活していけるような条件の整備に努めてまいります。 さらに、老後の所得保障の主柱である年金制度につきましては、昨年末に改正法を成立させていただいたところでありますが、この四月から物価スライドとして二・三%の年金額の改善を行うほか、今後とも制度の安定の確保に努めてまいる所存でございます。 次に、生活衛生行政につきましては、輸入食品の安全対策等の食品保健対策、環境衛生関係営業の振興、化学物質の安全対策、廃棄物の減量化・有効利用、水道・廃棄物処理施設の整備の一層の推進等に取り組んでまいります。特に、食鳥肉の安全対策については、食鳥処理の事業について衛生上の見地から必要な規制を行うとともに、食鳥検査の制度を設ける法律案の御審議をお願いすることといたしております。 また、薬務行政につきましても、医薬品の安全性の確保、医薬品等の研究開発の促進とともに、血液製剤の国内自給を目指した血液対策に努めてまいります。特に本年は、向精神薬の乱用及び不正取引の防止を図るとともに、向精神薬に関する条約を実施するため、麻薬取締法等の一部を改正する法律案の御審議をお願いすることとしております。 また、援護施策につきましては、援護年金の引き上げを内容とする法律改正案を提出しておりますほか、中国帰国孤児の定着自立の一層の促進を図るため、自立支援体制の強化に積極的に取り組んでまいります。 そのほか、「世界に貢献する日本」としての立場から、国際保健医療協力の一層の拡充に努めていくつもりでございます。 以上、所信の一端を申し上げましたが、私は、行動する厚生省をモットーに、極力現場の皆様や国民の皆様と対話をしながら厚生行政を進めていきたいと考えており、社会労働委員会の皆様方の御協力を賜りながら、国民のだれもが心から豊かさを実感できる社会の建設に向けて全力を挙げて取り組んでいく決意でございますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
○畑委員長 塚原労働大臣。
○塚原国務大臣 労働大臣を拝命いたしました塚原俊平でございます。 社会労働委員会の御審議に先立ち、就任のごあいさつを申し上げますとともに、今後の労働行政について所信を申し述べ、委員各位を初め、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。 我が国経済社会は、飛躍的な発展を遂げ、国際社会でも大きな地位を占めるに至っておりますが、これは、まさに働く方一人一人の努力のたまものであります。私は、こういった働く方々、そして、その御家族の皆様の幸せの実現こそが労働行政の最大の使命と考えており、このために全力を尽くしてまいる所存であります。 ところで、最近我が国では、国内需要が好調で、好景気が持続しております。一方、中長期的には、高齢化、国際化、技術革新や女性の一層の職場進出など、勤労者生活の基本構造を左右する大きな変化に直面しております。このような変化に適切に対応し、我が国の勤労者が、その経済的地位にふさわしい真の豊かさとゆとりを享受できるような社会を実現するため、次の事項に重点を置きつつ積極的に労働行政の推進をしてまいります。 第一は、本格的な高齢化社会の到来に対応した高年齢者のための対策であります。 我が国の高齢化は、世界に例を見ない速さで進んでおり、二十一世紀に向け活力ある社会を実現していく上で、高齢者の高い働く意欲と、長年培ってきた知識経験が生かされることが、喫緊の重要課題となっております。 このため、六十歳定年を基盤とした六十五歳までの継続雇用の推進、高年齢者の早期再就職の促進、シルバー人材センターの拡充、生涯にわたる職業能力開発などを一層積極的に推進してまいる所存であります。 さらに、人生八十年時代にふさわしい雇用に関する国の施策の方向などを示す長寿社会雇用ビジョンを策定することとしているとともに、六十歳代前半層を中心に高年齢者の多様な雇用形態による安定した雇用の確保のため、労働大臣による高年齢者等職業安定対策基本方針の策定、事業主の定年退職者の再雇用の努力義務などを内容とする法律案を今国会に提出することとしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。 第二は、労働時間の短縮と勤労者福祉対策であります。 労働時間短縮は、真に豊かでゆとりある勤労者生活を実現するために我が国全体として取り組むべき国民的課題であります。 一昨年四月の改正労働基準法施行以来、労働時間は着実に減少しておりますが、この流れを大切にし、中小企業に対するきめ細かな配慮をしつつ、完全週休二日制の普及促進を基本に、年次有給休暇の完全取得の促進、連続休暇の普及拡大などに全力を傾注してまいります。 また、自由時間の増大に対応し、リフレッシュ休暇の普及促進、勤労者余暇施設の活用の促進を初め、勤労者の余暇・福祉を向上させる総合的な勤労者福祉対策を積極的に推進することとしております。 特に、中小企業退職金共済制度につきましては、経済社会情勢の変化を踏まえ、掛金月額の範囲を引き上げ、パートタイム労働者の加入促進、金利の変動に対応し得る安定的な制度の構築、分割払い制度の導入などの整備を進めることを内容とする法律案を今国会に提出しておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。 第三は、働く女性のための対策であります。 女性が、男性とともに、職業生活と家庭生活との調和を図りつつ、その能力と経験を生かして働けるよう、女性の働きやすい環境づくりを進めることは極めて重要であり、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保対策を進めるほか、育児休業制度についてその確立に向けて一層の普及促進に努めるとともに、女子再雇用制度、介護休業制度の普及促進など女性の就業に関する援助対策を強力に推進することとしております。 また、パートタイム労働者について、その労働条件の改善、雇用の安定を図るための対策を総合的に推進してまいります。 第四は、人材確保に向けた雇用・能力開発対策であります。 昭和四十年代以来の人手不足時代の到来の中で、人手不足を解消するためには、年齢間、地域間、職種間の労働力需給のミスマッチの解消が重要であり、労働力需給調整機能の強化を図るとともに、中小企業を重点とした魅力ある職場づくり、中小企業の人材育成への援助や、技術革新、情報化の進展に対応した人材育成対策などを積極的に推進することとしています。 第五は、勤労者の安全・健康確保対策と労災補償対策であります。 心身ともに安全で健康な勤労者生活は、働く方のみならずその御家族にとっても最も大切なことであり、死亡災害を初めとする労働災害撲滅のための対策、心身両面にわたる総合的な健康保持増進対策を一層強力に推進してまいります。 また、不幸にして労働災害をこうむられた勤労者やその御家族に対しては、労災補償を迅速かつ適切に行い、必要な援護措置を講ずることとしております。 さらに、経済社会の変化等に対応し、また、公平、均衡を図る観点から、年金給付等に係るスライド要件の改善、休業補償への年齢階層別の最低・最高限度額の導入などを内容とする法律案を今国会に提出しておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。 このような労働行政の展開に加え、障害の重度化等困難の度を増している障害者の雇用問題に的確に対応するため、職業リハビリテーションサービスを充実強化するなどの施策を強力に推進することとしているほか、地域雇用対策、職業能力開発対策、外国人労働者対策、国際化の進展に対応した労働行政の展開などの重要課題に的確に対応し、さらに、良好な労使関係の維持発展を図るための環境づくりにも努めてまいります。 以上、所信の一端を申し述べさせていただきましたが、労働行政の展開に当たっては、国民の信頼が不可欠であります。今後とも、私が先頭に立ち、綱紀粛正の一層の徹底を図るとともに、国民の期待にこたえる積極的な労働行政を展開してまいりたいと考えておりますので、委員長初め、委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようよろしくお願いをいたします。(拍手)
○畑委員長 次に、厚生、労働両政務次官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。野呂厚生政務次官。
○野呂政府委員 厚生政務次官の野呂昭彦でございます。 ただいま大臣から申し上げましたように、厚生行政は多くの課題を抱えておりますが、私は、先生方の御協力をいただいて大臣を補佐し、人生八十年時代の長寿社会にふさわしい揺るぎない社会保障制度の確立を図ってまいる所存でありますので、何とぞよろしく御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○畑委員長 加藤労働政務次官。
○加藤(卓)政府委員 このたび労働政務次官を拝命いたしました加藤卓二でございます。 高齢化や女性の職場進出、国際化、技術革新など大きな構造変化が進行しつつある中で、働く方々の雇用の安定を図り、真に豊かでゆとりある勤労者生活を実現する目的を持つ労働行政は、ますますその重要性を増すとともに的確かつ迅速な対応が求められております。私は、塚原労働大臣とともに全力を尽くして職責を全うする所存であります。 委員長初め委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げて、ごあいさつといたします。(拍手)
○畑委員長 次に、平成二年度厚生省及び労働省関係両予算の概要について、順次説明を聴取いたします。山口厚生大臣官房会計課長。
○山口(剛)政府委員 お手元の資料によりまして平成二年度の厚生省予算の概要を御説明させていただきます。 まず、厚生省所管一般会計予算の規模でございますが、総額十一兆五千六百五十二億円、対前年度七千二百八十億円、六・七%の増となっております。以下にその主な内容を主要事項として十項目に整理してございますので、これに従いまして御説明をさせていただきます。 まず第一の柱は、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の展開でございまして、計画初年度の必要経費を計上しております。 その第一は、在宅福祉サービスの大幅な拡充ということで、ごらんいただきますようにホームヘルパー、ショートステイ、デイサービス、いわゆる在宅三本柱の拡充を図りますほか、②にございますように新規施策として在宅介護支援センターを創設をいたしまして、より身近なところで相談やサービスの窓口を整備をすることにいたしております。また、十カ年計画には直接掲げてございませんが、日常生活用具給付事業の改善、都道府県高齢者総合相談センター、いわゆるシルバー一一〇番の充実等を図ることといたしております。 一枚めくっていただきまして、第二に、特別養護老人ホーム等の老人福祉施設につきましても計画的に整備を図ることにいたしております。 また第三に、「ねたきり老人ゼロ作戦」の展開でございまして、老人の寝たきり状態を極力防止をするという観点に立ちまして、地域における機能訓練、脳卒中情報システムの整備あるいは健康教育等の充実を図りますとともに、④にございますように寝たきり予防に向けた啓発活動を強力に推進することといたしまして、所要経費を計上いたしております。 また第四に、明るく活力のある長寿社会を目指して高齢者の生きがいと健康づくりの推進を図ることにいたしております。 さらに、長寿科学の総合的な研究の推進、また長寿社会を支える人と家庭づくりということで、例えば看護職員確保緊急五カ年計画を実施するなど、マンパワー対策の充実を図ることといたしております。 三ページに参りまして、第二の大きな柱は、障害者等へのきめ細かな施策の展開でございます。 まず、身体障害者の地域社会における自立と社会参加の促進という観点に立ちまして、障害者社会参加促進事業を大幅に拡充いたしますとともに、③にございますように授産事業の充実を図ることといたしております。また、在宅の障害者の対策の推進につきましても必要な経費を計上いたしております。 第三の柱は、次代を担う児童が健やかに生まれ、育つための環境づくりということで、高齢者対策と並行いたしまして児童対策を強力に推進することといたしております。 まず、社会環境の変化に対応した保育対策の推進ということで、女性の就労形態の多様化等に対応をするため一時的な保育事業というものを創設いたしますほか、子供の遊び場づくり等の児童の健全育成対策、さらには、(3)にございますように母子保健対策の充実につきましても必要経費を計上いたしております。 四ページに参りまして、第四が医療保険制度でございますが、まず、国民健康保険制度の改正でございます。 保険基盤安定制度の確立、国庫助成の充実、財政調整機能の強化等を図ることといたしておりまして、法案を提出をいたしております。また、(5)にございますように、老人保健制度につきましては、元年度補正予算で創設をしていただきました資金の果実によりまして、同制度の基盤の安定化を図るための事業等を実施することといたしております。 第五に、年金・手当の改善でございますが、さきの国会で年金法を改正をしていただきまして、年金額の完全自動物価スライド制が導入されましたので、それに従いまして、平成二年の四月から一一・三%の引き上げを図ることといたしております。また、年金の積立金の自主運用枠につきましても、枠を拡大をいたします。五ページに参りまして、(4)でございますが、昭和五十七年度以来行ってまいりました厚生年金の国庫負担の繰り延べ措置につきましては、平成二年度は行わずに本来の姿に戻すことといたしております。また、各種手当につきましても年金同様に物価スライドを行うことといたしております。生活保護につきましては、生活扶助基準を標準三人世帯で三・一%の引き上げを図ることといたしております。 第六の柱は、地域における保健医療の推進と健康づくり、疾病対策でございます。 まず、新しい保健所を中心にした地域保健医療の推進ということで、新保健所構想のもとに、地域保健医療計画の作成あるいは保健医療情報システムの整備等、所要の経費を計上いたしております。健康づくり対策といたしましては、均衡のとれた食生活の普及、また、健康のための運動普及事業の充実という観点から所要の対策を講ずることといたしております。疾病対策といたしましては、(3)にございますように、十年ぶりに循環器疾患基礎調査を実施いたしますほか、深刻化しておりますリューマチの調査研究に本格的に取り組むことといたしております。 六ページに参りまして、第七の柱が、安全な食生活と清潔な町づくりということで、まず、国際化等に対応した食品の安全確保対策でございます。輸入食品の監視体制の充実強化を図りますほか、食鳥肉の安全確保対策を推進をすることといたしております。また、清潔な住みよい町づくりという観点から、合併処理浄化槽の普及、水道の未普及地域解消事業の推進等に重点を置きまして、対策の推進を図ることといたしております。 第八が、有効で安全な医薬品等の確保ということでございまして、医薬品等の安全対策といたしましては、在宅老人の医薬品使用安全対策をモデル事業で実施をいたしますほか、医薬分業の推進あるいは血液対策、麻薬・覚せい剤対策の推進のために所要の経費を計上いたしております。 第九に、国際協力の推進でございますが、国際医療協力研修センターの整備あるいは国際協力のための人材養成確保、WHO活動の積極的支援等、医療協力を中心にいたしまして、厚生行政として国際協力の一翼を担うために必要な経費を計上いたしております。 そのほか、環境衛生営業対策、原爆被爆者対策、中国残留孤児対策、援護対策等の推進を図ることといたしております。 以上が、平成二年度の予算の主な柱でございますが、以下に各対策別にその概要を整理してございます。また、各特別会計及び公庫、事業団の予算等につきましても資料を添付してございますが、説明は省略をさせていただきます。 以上、簡単でございますが、厚生省関係予算案の概要説明とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○畑委員長 廣見労働大臣官房会計課長。
○廣見政府委員 お手元の資料に従いまして、労働省関係の平成二年度予算案の概要につきまして御説明申し上げます。 初めに一ページ目でございますが、予算規模について御説明いたします。 労働省所管の一般会計は、四千八百六十九億円で対前年度比〇・二%の減となっております。労働保険特別会計につきましては、労災勘定にあっては二兆二千百三十三億円で前年度比七・九%の増となっております。また、雇用勘定におきましては二兆四千三百二十億円で対前年度比三%の増となっております。次に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計の石炭勘定につきましては、炭鉱離職者の援護対策等に必要な経費として二百四億円を計上しておりまして、対前年度比七・九%の減となっております。 これを主要事項別に見てみますと、二ページにございますとおり、大きく分けて十四本の柱から成っております。 以下、その主要な内容につきまして、新規事項を中心に御説明申し上げます。 まず三ページをお願いいたします。大きな柱の第一として、六十歳代前半層の雇用確保を重点とした高齢者対策がございます。 本格的な高齢化社会の到来を迎え、特に六十五歳までの継続雇用を中心とした高年齢者の雇用就業の場を確保することが極めて重要な政策課題となっております。このため、高年齢者の継続雇用を促進するための地域環境の整備を行うことを内容とする高年齢者地域雇用開発事業を創設するとともに、継続雇用制度導入奨励金制度の創設等の高年齢者雇用関係助成措置の充実を図ることといたしております。また、高年齢者の再就職の促進のための高年齢者キャリアセンターの拡充や、四ページに参りまして、シルバー人材センターの大幅拡充、高年齢者職業能力開発援助事業の創設等を推進することといたしております。 五ページをお願いいたします。第二の柱は、「ゆとり創造社会」の実現に向けた労働時間の短縮と余暇・福祉対策でございます。 労働時間の短縮は国民的課題であり、まず、平成三年度を目途とした週四十四時間労働制への円滑な移行に向けての特定業種労働時間短縮促進事業の創設等の援助の推進、連続休暇取得促進要綱の策定とその普及による連続休暇の取得促進、労働時間短縮についての国民的コンセンサスの形成を図るための事業の実施等を進めるとともに、六ページに参りまして、勤労者の余暇や福祉を向上させるため、リフレッシュ休暇制度の普及促進を図る等の対策を推進することといたしております。 次に、七ページの労働者の安全・健康確保対策と労災補償対策でございます。 産業活動の活発化等に伴い死亡災害の増加が深刻な問題となっていることから、その発生が特に集中しております中小零細企業に対する安全衛生教育の実施や、大企業等で安全衛生活動を担当した豊富な経験を持つ定年退職者を活用した中小企業の安全衛生活動を推進するとともに、特に最近問題が指摘されています作業関連疾患等の予防、治療等の総合的な調査研究を始めることといたしております。八ページに参りまして、労災保険制度につきましては、スライド制の改善など所要の改正を行うことといたしまして、改正法案を本国会に提出したところでございます。 次に、九ページの女子の職場進出に対応した女子労働対策でございます。 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保対策を推進するとともに、育児や介護のための休業制度の普及促進等、女子労働者の就業に関する援助対策を推進することといたしております。また、十ページでございますが、最近著しく増加しておりますパートタイム労働者の円滑な需給の調整と雇用の安定を図る等の総合的パートタイム労働対策を推進することといたしております。 次に、十一ページに参りまして、地域雇用対策でございます。 地域の雇用構造の改善とその活性化を図るため、地域雇用開発プラン策定援助事業を実施するとともに、過疎地域等におきまして、当該プランづくりから事業の具体的実施までの総合的な援助を内容といたします過疎地域等雇用開発プロジェクトを実施することといたしております。 次に、十二ページをお願いいたします。人材確保に向けた雇用・能力開発対策でございます。 昭和四十年代以来の人手不足時代におきまして、人材の確保を図っていくため労働力需給調整機能の強化や、中小企業等人材確保援助事業を拡充実施するとともに、十三ページの中小企業人材育成プロジェクトを創設するなどの対策を推進することといたしております。 十四ページに参りまして、職業能力開発対策でございます。 高齢化に伴います職業生涯の長期化に対応いたしました職業能力開発を推進するとともに、技術革新、情報化の進展等に対応するため、職業訓練短期大学校におきます関連テクニシャンの育成あるいはソフトウエア人材養成の本格実施を図ることといたしております。 次に、十七ページに移らせていただきます。中小企業労働対策でございます。 中小企業と大企業との間には雇用、労働条件等さまざまな面で格差が生じております。このため、中小企業の労働格差是正の計画的推進を図るとともに、経済社会情勢の変化に対応いたしました安定的な中小企業退職金制度の構築、同制度へのパートタイム労働者の加入促進等の整備を図ることといたしております。 次に、十八ページに参りまして、国際化の進展に対応いたします労働行政の展開でございます。 我が国の国際的地位の向上に伴い、労働分野におきましてもその地位にふさわしい国際協力が求められていますことから、国際機関等を通じた技術協力や開発途上国の人材育成のための外国人技能研修生の受け入れ事業の推進を図るとともに、今後におきます外国人研修生受け入れのあり方に関する検討を行うことといたしております。 最後に、二十ページをお願いいたします。障害者等特別の配慮を必要とする人々に対します職業生活援助等対策でございます。 障害者対策につきましては、雇用率制度等に基づく雇用促進、職業リハビリテーション体制の強化を図るとともに、重度障害者対策といたしまして、民間企業と連携した職域開発援助事業を実施することといたしております。 以上、簡単でございますが、労働省関係予算の概要の説明とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○畑委員長 以上で、両大臣の所信表明並びに両省の平成二年度予算の概要についての説明は終わりました。 次回は、来る十九日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時四十四分散会