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118回国会衆議院1990/06/20

公職選挙法改正に関する調査特別委員会定数是正に関する小委員会 第1号

発言数
22
登壇者
7
会派数
5
開催日
1990/06/20

会議録

福島譲二自由民主党

○福島小委員長 これより定数是正に関する小委員会を開催をいたします。  前回、六十三年五月十八日からでございますので、久方ぶりの会でございます。  先般、皆様方の御推挙によりまして、小委員長の重責を担うことになりました。定数是正は議会制民主主義の最も基本となるもので、大変に重要な、しかも一面大変困難な問題でもあろうかと思いますし、御承知のように、折しも政府の選挙制度審議会の答申も出された折からでもございます。小委員会の皆様方は、各党の最もこの関係のベテランの皆様方ばかりでございますので、今後の委員会の運営等について、またよろしく御指導をいただきたいと思います。  それでは、定数是正に関する件について調査を進めます。  本日は、定数是正に関する諸問題につきまして、小委員間において自由に討議を行うことといたしたいと思います。  なお、討議の際は、議事整理のため、小委員長の指名により、着席のままで結構でございます、発言いただきますように、また、お一人一回の発言は、できましたら五分程度でまとめていただくようにお願いをいたしたいと思います。  それでは、御発言のある方から、どうぞ挙手の上お申し出をいただきたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花小委員 山花でございます。  今国会において久しぶりに定数の小委員会が開かれるわけですが、これまでの経過を振り返りますと、六十一年国会決議を経まして、その後、同年の総選挙を経て確定値が発表され、確定値発表後一年半たちました八八年五月十八日に、公職選挙法改正特別委員会に定数是正に関する小委員会が設置されました。そして第一回の小委員会が開かれたのであります。  この委員会におきまして全野党がそろって、国会決議の趣旨に沿って、それぞれ、一、格差の是正、二、二人区・六人区の解消、三、議員総定数の見直し、四、選挙区制の見直し等の具体的な基準について、野党の中では総定数について若干意見の違いが一部ありましたけれども、それを除いてはほぼ一致した原則というものが提示されたのであります。しかしながら、第一回の委員会におきましては、自民党は、鋭意審議を進めているけれども、現段階で我が党としてのまとまった考え方を申し上げることはできないということで終わりました。  第二回目は昨年の十一月十五日、これまた野党の強い求めに応じまして、一年半ぶりに小委員会が開催されましたけれども、このときにも自民党の各委員は、中選挙区制のもとでの定数是正案をまとめることは困難である、こう述べただけに終わったわけであります。要するに、これまでの経過で、野党側が各党一致して一定の基準を示しましたけれども、与党側は鋭意検討中から困難であると次第に後退をいたしまして、今日に至りました。今回が第三回目であります。  となりますと、私どもはまず自民党側にこの際伺わなければならないと思っています。二つの問題です。  まず第一は、前回定数是正に当たりましては、御記憶のとおりの議長裁定から始まった各党の合意、そして定数協での議論を踏まえて、非常に困難な中、定数是正が実現しました。八五年十二月十九日の坂田議長の見解におきましては、四項目ありましたけれども、一つの中心的なテーマとしてありました選挙区制につきましては、「小選挙区制はとらないものとすること。」と議長見解の中に明確に示されました。これを経て百三回の国会決議で定数是正に関する決議がなされ、八六年二月十二日に議長見解についての各党の合意事項、確認事項というものが出されました。与野党国対委員長会談の合意であります。ここでも小選挙区制はとらないという約束がなされております。そして、こうした議長見解と国対、各党の合意を経まして前回の定数是正に至ったわけです。  要するに、経過としては、小選挙区制はとらないということについての各党の合意もあったということであるとするならば、小選挙区制を与党自民党として打ち出すことは、こうした各党の合意を廃棄することになると思います。この点についていかがお考えでしょうか。国会決議の問題については、与野党そろった国会決議についてもう多くを主張しませんけれども、この点につきましても、小選挙区制を打ち出すということになれば、国会決議の履行というものは全く棚上げにすることになる。こうした点について自民党としていかがお考えかということについて伺っておきたいと思います。  第二番目に、この間の自民党側の動きでありますけれども、私たちは、自民党の内部におきましても、定数是正の問題についてある程度の議論が進んだのではなかろうかということについては、新聞報道その他を通じて漏れ伝え聞いているところであります。昨年の二月四日、新聞に報道されましたけれども、自民党で政治改革を行う前提としての定数是正の問題、自民党は六つの案をつくったと伝えられました。定数是正についての六案であります。当時の記録を拝見しておりますと、竹下、安倍、後藤田、砂田、友納、それぞれ総裁以下幹事長、選挙制度の専門家が集まりまして、この機会に友納選挙制度調査会長が定数是正のための六つの案を一たんは出したと伝えられております。その後この点についてどうなったんだろうかということについて伺いたいと思います。  具体的な定数是正案につきましてはきょうも議論に出ましたけれども、福島先生いらっしゃいますけれども、八九年の段階で、昨年の段階におきまして、各県に二人を配分する、残りは人口の比率によるということで四百七十一、一対二ということであります。一連の調整で、境界変更は二十六選挙区である、境界変更を伴わない現行選挙区同士の合併も二十六ある、要するに五十二ヵ所変更することによって、二十六増・六十七減ということで定数四百七十一。具体的な自民党の衆議院の定数是正案も発表されたと聞いておりますけれども、この点について自民党の中におきましてはどのように議論されたのかということについてお伺いしたいと思っています。  その後、もう御承知のとおりの政治改革の議論が進みまして、自民党は政治改革を四本柱で行うことを決定されました。党内的には選挙制度調査会と政治改革推進委員会、対外的には有職者、いわゆる賢人会議と選挙制度審議会ということになりました。冒頭、この有識者の会議におきましては、どさくさに紛れて答申を出されたと一般に言われました。私もそのとおりだと思っておりますけれども、リクルート隠しとされるのはたまらぬということだったわけです。竹下総理が退陣表明するということから、出席者の委員の皆さんも、官僚がつくった作文にオーケー出すのは残念であると言っておりましたが、とにかくも出され、ここで定数是正案については棚上げということになりました。そうした意味におきましては、そのあたりから次第に定数是正案について、自民党の中には一挙に小選挙区制へと議論が進んだというふうに私たちは考えています。  その後の審議会の議論におきましても、これは竹下元首相が発想して、宇野総理のときに諮問を出して、今回海部総理のときに答申が出たわけでありますけれども、少なくとも宇野総理の時代の議論を拝見しますと、各委員の皆さんから、定数問題については緊急の課題として、将来の中長期的な課題とは別に結論を出すべきであるという議論が、宇野総理のもとにおける選挙制度審議会におきましてはかなり活発になされたという新聞報道がありました。これも海部総理の時代になりましたならば一切なくなってしまって、この定数問題については全く棚上げで今回の答申に至ったということだと思っております。なぜ選挙制度審議会の中で定数問題について全く取り上げられなかったのか、こうした問題について議論されなかったのか、答申にも全く出てきておりませんけれども、この点を自民党はどうお考えかということについてお伺いしておきたいと思います。  時間の配分を考えまして、もう一つだけさらにお伺いしておきたいと思うのです。  中選挙区制の問題については、先ほど議論がありましたとおり、審議会の中でほとんど議論されておりません。もうだれでもが知っておることですけれども、中選挙区の採用は、従来の日本の大選挙区、小選挙区の経過を踏まえまして、その反省の上に大正十四年にでき上がりました。大正デモクラシーの高揚の中で大正十四年にできた。そのとき、大正十四年の第五十回帝国議会におきまして中選挙区提案、国務大臣若槻禮次郎の提案理由説明というものがよく知られております。  選挙区ニ付テハ現行ノ小選挙区制ヲ廃シマシテ、府県ヲ基礎トシテ、之ヲ議員定数三名乃至五名ノ選挙区ニ分割致シマシタコト、即チ所謂中選挙区制ヲ採用致シマシタコトハ、重大ナル改正ノ一点デアリマス、大小選挙区制ニ付テハ、既ニるる議論セラルタルガ如ク、各利弊長短ヲ存シテ居リマス、而シテ既ニ我国ニ於キマシテハ、此両者ヲ実施シタ経験ヲ持ッテ居リマスケレドモ、何レモ適当且ツ十分デアリト謂ヒ難イト存ジマス、ソレ故ニ今回ノ改正ニ於テハ、両者ノ長所ヲ採ッテ其短所ヲ除キ、新ニ中選挙区ノ制ヲ採用セントスルノデアリマス、 こうして、中選挙区制が採用されました。中選挙区制の根拠が国会で提案理由の中で認められて、その後、六十年を超える中選挙区制で現在に至っております。  この点につきましては、最高裁判所の判例が一貫して、定数是正について違憲判決を出す中で、中選挙区制についての考え方というものを明らかにしているというように思います。最高裁の判決の中にもほとんどそういう議論が出ておりますけれども、中選挙区制の長所を認めて次のように言っております。   憲法が法律に委任している衆議院議員の選挙制度につき、公職選挙法がその制定以来いわゆる中選挙区単記投票制を採用しているのは、候補者と地域住民との密接な関係を考慮し、また、原則として選挙人の多数の意見の反映を確保しながら、少数者の意見を代表する議員の選出をも可能ならしめようとする趣旨にでたもの これが最高裁が一貫して違憲判決の中で中選挙区制の長所として認めているところであります。  すなわち、ポイントは二つあると思います。まず、住民との関係。私たちも将来の選挙制度としては、比例代表中心となるべきではないかと考えております。しかし、その場合には、例えば全国比例代表にした場合に地域住民との接点というものがなくなる。憲法上の規定である国民の代表ということから考えれば、地域性というものはなくてもいいのだろうかということも当然考えられますけれども、しかし、従来の議論の経過では、過疎地域に対する配慮等々が常に議論の大きなテーマとなってまいりました。こうしたいわば日本的な選挙の歴史を振り返るならば、過疎・過密の問題、あるいは人口を単純に割るだけではなくて地域性、地域の顔としての議員のあり方、地域との結びつき、こういった問題についても、選挙制度の中にどう取り入れるかというのが大事なテーマの一つであると考えております。  同時に、多数の意見を反映しながら少数者の意見を出す。今日のようにさまざまな考え方が国民の間にある、一党が過半数をとることができない、こういうもとにおきましては、私たちは選挙制度として比例代表が加味されなければならないと思っているわけでありますが、こうして少数意見を代表する、民意反映ということであるとするならば、中選挙区制というものは、大きく分けますと準比例代表と分類される立場もありますけれども、基本的には、少数代表制というのが日本の中選選挙区制の位置づけだろうと思っております。一部学者は準比例代表という言い方をおっしゃいます。それでも私は結構だと思いますけれども、そうした中選挙区制の今日の現状について、一体これを改善することができないのかどうか、こういう議論は当然なされるべきではないかと思いますが、自民党はいかがお考えでしょうか。  もちろん、現在の中選挙区制でよいということを言っておるのではありません。二つの大きなポイントがあります。定数是正の問題、そして何よりも先に今のように金をかけている、こうしたいわば環境整備についての法体系の整備、政治資金規正法の改正、資産公開を含む政治倫理法の制定等々を伴うと思いますけれども、こうした問題点につきましては議論すべきではなかろうかと思っておるところであります。そういった点を踏まえて、私たちは、将来中長期的な問題について議論することは当然あるとしても、国民に対する公約である国会決議の履行というこの定数是正問題については、この委員会でもっと真剣に議論すべきであると考えております。冒頭、久しぶりの意見開陳の機会でありますから、かた苦しい議論の整理となりましたけれども、一応自民党について伺いたい幾つかのポイントを発言させていただきました。  以上でございます。

福島譲二自由民主党

○福島小委員長 ありがとうございました。今、大変広範な角度からの御意見の御開陳がございました。本来は、自民党を代表してということでございますと、今総務局長であります小里委員がおってお答えをしなければならないところだろうと思いますが、残念ながら何か所用ということで席を外しております。今こういう態勢の中では、私が司会を務めながら、私の知っておる限りにおいてお答えをしなければならないということでございます。  そういう意味で、必ずしも私が党の中における本件の責任的な立場にもおりませんので、あるいは不完全なところがあろうかと思いますけれども、お許しをいただきまして、私の知る限りにおいて今の御質問、御意見に私なりにお答えさせていただきたいと思います。大変浅学非才でございますし、しかも、あらかじめ御予定のない、本来の委員会ですと質問通告があるわけでございますが、いきなりの大問題でございますので、思うようにお答えできないかとは思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。  御承知のように、小選挙区制度の問題については、答申を契機として我が党の中でも今まさにかんかんがくがくの議論でございまして、党内においても、今の中選挙区制度の方がいいという意見もなおかつ有力にございます。そういう段階でもございますし、先ほど、私はよく承知いたしておりませんけれども、小選挙区制度をとらないというのが各党の合意に基づくものであり、それを破棄するものではないかというおしかりがございましたが、今まさにどうすべきかということを党内においても議論いたしております。党内の議論がきっちり集約された段階で、与党と野党の皆様方との間で、この問題についてまた真剣なる議論をしていかなければならないということでありまして、今既に我が党がそのお約束を破棄したということではあり得ない状況だろうと思っております。  なお、今御質問等のありましたことについて間接的にお答えするような形になると思いますが、その後の我が党の経過について大ざっぱにお話をしてみたいと思います。前回の小委員会では、当時の鹿野総務局長が出席して、各党の皆様方からのいろいろな御意見に対して、まさに悪戦苦闘しておった議事録も私はきのうの夜拝見いたしました。その辺も念頭に置きながら、その後の経過についての御報告をまずしておきたいと思います。  昭和六十三年十二月末に政治改革委員会、その後、平成元年六月二十日に政治改革推進本部と名称を変更いたしておりますが、ここで政治改革一般の問題についての党内議論を集約することをいたしまして、平成元年五月二十三日に政治改革大綱として党議決定をいたしております。当時、竹下内閣でございました。その中での選挙制度の部分につきましては、「選挙制度の抜本改革」ということで、衆議院については「総定数をすくなくとも本則の四百七十一までとする」、なお、目標時期を定めて段階的に実施するということを決定をいたしました。  当時、この大綱を決定する際に、私も本部の一員としてその作業に当たっておりましたので多少敷衍いたしますと、まず五百十二を本則の四百七十一まで思い切って減らそう。しかし、それは五百十二から四百七十一の四十一減ということではなくて、実際はふやすべきところはふやさなければなりませんから、大変大きな減と増を伴います。そういうことでなかなか簡単にはいかないだろう。やり方、目標をきちっと決めて、例えばその四百七十一における選挙はもう二十一世紀冒頭の選挙というようなことでも決めて、そして、それまで逐次段階的に軟着陸できるような方向を考えていこうという議論があったと思い起こしております。格差是正につきましては、六十一年の国会決議も尊重しなければならないことは当然でありまして、県間格差を二倍未満とすることを目標とするということを決定いたしまして、選挙区間格差についてはその段階では触れておりません。  それから、選挙制度そのものにつきましては、小選挙区制の導入を基本とした抜本改革を行う、比例代表制を加味するということを基本として政治改革大綱でうたったことでございます。  その後、引き続いて政治改革の推進重点項目というものを議論をいたしながら、平成元年十一月二十九日、海部内閣になっておりますが、政治改革推進重点項目というものを決定いたしております。  そこにおける本件に関連する事項を申し上げますと、現行中選挙区制の抜本改革ということを一面にうたい、議員総定数も前回と同じく四百七十一以下ということをうたっております。同時に、その時点では既に発足をいたしております第八次選挙制度審議会、その審議会の答申を最大限尊重するということを付記をいたしております。  本年に入りましてから、総選挙に向かうわけでありますが、その総選挙の公約といたしまして政治改革を公約し、その段階におきましては、選挙制度審議会でいろいろな問題を御審議いただいておるさなかであるということで、具体的な内容について触れることはその意味で問題があろうという配慮で、定数とか選挙制度については具体的にきちっとした書き方をいたしませず、選挙制度審議会の答申を最大限尊重し、実行するということをその公約でうたったことでございまして、その後、答申がことし四月二十六日に提出をされまして、これを受けて目下精力的に党内の意見を集約しておる最中でございます。そういう意味で、党議決定等の正式の意見ということで申し上げるにはまだ無理がございますが、御質問のありましたいろいろな点に関連して若干申しあげておきたいと思います。  総定数でありますが、総定数については、今申し上げましたように、私ども四百七十以下ということを一応決意した時期がございます。しかし、今から思いますと、その時点におきましては定数問題をどうするかということに非常に重点がいっておりまして、選挙制度が小選挙区あるいは比例代表並立、併用、そういうような大改革になったときに、その関連で定数をどうするかという議論が多少不足しておったというのが率直に言って実態だろうと思います。そういう意味で申し上げますと、今回の選挙制度審議会の答申が五百、五百一ということでありまして、この二つをどうするかということがまた大きな論議の焦点で、これからきちんと決定をしていかなければならない問題であります。  私は、党内においてのいろいろな議論の際には、小選挙区比例代表というものに大きく変更するのであれば、選挙制度審議会が答申をされた五百、それは六、四とすれば三百という小選挙区定数、小選挙区の区割りと言ってもいいわけでありますが、やはり三百程度の小選挙区の定数、区割がなければ、区割りもなかなか難しいのではないかというような御議論のもとで、答申でも三百という数字がうたわれ、そして六割ですから総定数五百ということがうたわれたのだろう。  なおかつ、今までのこの委員会でも御議論がありましたように、日本の国会議員の定数というものは、人口対比だけではいかないわけでありますけれども、世界的に見て、上下院合わせて必ずしも多いという状況でもないし、もともと四百七十一あるいは五百十二の一番の基礎が大正十四年の四百六十六にあったわけでありますが、その時点からすると人口も倍になっておる、しかし、定数はわずかに一割増だという今までの流れからしても、必ずしも多くない。そういうことも含めて、恐らく審議会では五百という定数をお認めをされたのだろうと思います。  今の段階で私どもが言えることは、小選挙区比例代表というような基本的な制度改正をするなら、やはり答申にあります五百というものも念頭に置いて考えていけるのではなかろうか。しかし、党内の一部にもありますような現行中選挙区でつくれということになるのであれば、私ども、今までの党内の議論の経過からいたしまして、四百七十以下にするということをかなり強く意識せざるを得ないのではなかろうかという感じがいたしております。  それから、格差は同時に過疎・過密の問題と当然に関連があるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、党内の今までの議論は、府県間格差は二対一以内におさめるという、結果的にそういうことは十分に可能であろうと今私どもも思っております。しかし、小選挙区にした場合の選挙区まで二対一におさまるかどうかは、実際に区割りをちょっとやってみないと自信がないな。ここのところは区割り基準との関連があるわけでありますが、それこそ人口割を基本として、ようかんでも切るようにすっぱすっぱ切っていけば二対一におさめることが十分に可能でありますが、一面、区割り基準については、前回のこの委員会でも四つの原則がうたわれておりましたし、今回の答申の中でも、やはり四つ程度の基準がたしか整理されておったと思います。  そういう今までの歴史的あるいは地理的とか、今までの政治的な流れとか、そういうものに極めて重点を置く、あるいは行政区を分割しないとか、そういうことをきちっとやっていくと、必ず二対一に結果としておさまるかどうかはまだ自信はない。しかし、原則的に今私が考えておりますのは、二対一とか三対一とかいうのは、むしろ結果としてそういう数字が出てくるということで、大切なことは、一定のルールで、あるいは一定の政策で定数配分の原則というものがきちっと確立される、したがって、いつ、だれがやっても同じ結果になるような一つの原理原則、例えば過疎・過密というようなものを政策的に念頭に置いた一つの何か基準というものをつくることができるのではなかろうか、そういうことを今考えておるところであります。  そういう意味で、今、山花先生も御指摘ございました。今各県二人ということでのお話がありましたが、そのときの私の案は、各県二人とか一人とかいう定数にいたしますと、総定数を五百十二にするのか、四百七十一にするのか、あるいはその基礎である四百六十六にするのか、あるいはまた考え方によっては大幅削減、今の五百十二を一割削減して四百六十という、いろいろなことが考えられるわけでありますが、そのときに一人、二人という実数を前提とするとウエートが随分と違ってくるものですから、総定数の百分の二十あるいは百分の十、そういうものを各県に均等割するというようなことを考えたらどうだろうかという意味で、昨年、私の私案として一部出ましたところは、たしか百分の二十を各県に均等割する。おおむね二人になります。  要するに、四百七十一と四十七府県ですからほぼ同じ結果になるわけですが、そういうことを当時も考えましたし、例えば今も人口割でやるという原則を貫きますと、今度の答申にありますように鹿児島が議員一人頭四十五万四千八百十八、東京が四十万七千九百九というような、これは過疎県からすると格差是正ではなくて、いわば格差改悪であるというような議論が出てまいります。そういう面の調査にも十分に働くという意味で、今私ども党内では、五百という定数を前提とするなら各県に一人ずつ均等に付与して、あとを人口割でやる。  そして、その端数整理も、答申では最大剰余法、前回のこの委員会でもある党から最大剰余法の言葉が出ておりましたが、最大剰余法というような形でなくて、そういう仕組みが今まで全世界のどこかにあるかどうか、私もまだ確認して承知をいたしておりませんが、むしろ前回の質問のときにも申し上げました最大価値法とでもいいますか、基準人口で各県の人口を割っていったときに当然端数が出る。その端数が持つ重み、整数部分にとっての重み、例えば四・三人と出てくれば、○・三を四で割った〇・〇七五というのが重みになるわけです。三十・九人というのは、○・九人を三十で割りますと〇・〇三で、最大剰余法でいきますと○・九が切り上げて一人になります。  今の最大価値法でいきますと、もっと小さい数字でも、その整数部分によってはもっと大きな数字に切り上がりますから、いわば少数県というか過疎県というか、そういう地域に有利に働く仕組みになります。そういうようなものをあわせてまた加味するというようなこともいかがなものでおろうかということを、現在我が党の選挙制度調査会と党政治改革本部との合同会議で延々とやっておるわけでありますが、そういうことも提案をしながら、最終的に党内での議論の集約に当たっていきたい。  そのことは同時に、今までこの小委員会では二対一におさめるといいますか、二対一の中における多少のアローアンスというものが過疎・過密に配慮したということに相当するというニュアンスの御議論がずっとあったように承っております。私が申し上げますのは、格差というのは一つの原理原則、定数割の原理原則をつくってやってきたその結果出てくる話でありますので、今のように二対一以内のある余裕部分が過疎・過密という言い方というのは果たしてどんなものかなということも念頭に置きながら、今申し上げましたようなことを党内で議論の展開をいたしておるところでございます。  そこで、基本的にこの委員会の主テーマでありますところの国会決議との関連という形での意見を申し上げさせていただきたいと思います。  先ほど松原委員から五百十二についての人口割、それに基づくところの今の選挙区がどうなるかということについての分析をいただきました。多分そのとおりだろうと思います。私はその作業もいたしましたが、先ほど申し上げましたような経過からして、定数を中選挙区でやるなら、我が党としては四百七十一と言わざるを得ないという前提に立って、一応四百七十一における人口割を別途作業をいたしてみました。その結果は、方向としては先ほど松原委員がお話しになったような方向に近いものが当然出てまいりました。  まず定数について、県にその定数を分割をしていく——よろしゅうございますか。少し長過ぎましたか。それじゃ、あと五分で終わらせますので、お許しいただきたいと思います。今まで我が党の案が出されていなかったという意味でのおしかりもあったものですから、そういう意味で、我が党としての考えの基本となるべき部分を御披露するということで、ひとつお許しいただきたいと思います。  まず県定数人口割。先ほど申し上げたような一つの基準でやっていくということの前提は、今の県別定数に逆転県が十五もある。これは直していかなければならない、そういう意識がございます。同時に、そうやって配分されたところの各県別の定数、これを人口割で配分をしていくという作業をいたしますと、今の五百十二から四百七十一の四十一減というものは大変大きな変化を来しまして、三十一選挙区で五十二増、七十二選挙区で九十三減となります。その結果、現行選挙区におろしてまいりますと、一人区が三、二人区が三十三、六人区が八、七人区が九、九人区が一となります。二人区が大変たくさんできることに御留意いただきたいと思います。  その結果、先ほどお話がありましたような意味で、今までのような考え方でこれを分区なり合区をしてまいりますと、大変な結果が出てまいります。恐らく合併による全県一区が八県、十六選挙区になります。その他の単純合併が十六選挙区、それから二人区解消のために隣の地域から地域と定数を割愛してもらうというのが八選挙区、それから二人区と六人区以上を合併して分割するというのが八選挙区、六人区解消のため地域と定数の割譲を受けなければならないというのが二つあります。それから大変複雑な合併、分割を要するのが六選挙区あります。単純な分割で済むのが十三、それから定員増のみで済む選挙区が十三、定員減のみで済む選挙区が三十一、何ら無傷のものが十七というような状況になってまいりまして、国会決議をいたしましたときの六人区が一つ、二人区が四つというその姿からいたしますと、先ほど五百十二について松原委員から御指摘がありましたような方向で、大変な荒療治をしていかなければならないという結果になってまいります。  そういうことを念頭に置いた上で、この問題を改めて議論をしていかなければならないのではないかというのが、今の我が党のいろいろな議論の中の最大公約数というと少し言い過ぎかもしれませんが、皆様方に御報告を申し上げることでございますし、また、いろいろなことを申し上げましたが、山花委員に対する御質問のお答えにさせていただきたいと思います。  大変長くなって恐縮でございました。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 今、自民党さんのお考えをるる承ったわけでございますが、前回この小委員会を開いた際に、私もこの点を一番危惧しておったわけであります。現在、選挙制度の改革については審議会でも議論をされ、答申も出ておりますし、中長期的にわたって、私どもも、現行制度よりさらによくなるような制度であるならば、検討していかなければならないという考え方で、明日審議会にも出席し、意見も述べさせていただく、このようになっているわけであります。  しかし、この小委員会ができた本来の目的というのは、前回の小委員会開催の際も、当時片岡先生でしたか、片岡さんにも小委員会の運営について私なりに御意見を申し上げ、小委員長さんもそのとおりこの小委員会を運営していく、こういうことになったわけでございます。  そのことはどういうことかといいますと、この小委員会ができたというのは、国会における決議、現行中選区三から五において抜本改正を行うという国会決議を受けて、それではどのように定数の是正をやったらよいかということでこの委員会が出発したわけであります。  したがいまして、この委員会において選挙制度の改正問題を議論したら、いつまでも話は進みません。したがって、小委員会は国会決議を受けたところの定数是正をいかに進めるか、この一本に限定して小委員会の運営をすべきではないか、このように申し上げ、小委員長さんからも確認をいただき、定数是正に限定して話を進めましょう、こういうことを前回の小委員会で確認をしたわけでございます。したがいまして、ここで選挙制度の改正問題をやってまいりますと、これは延々結論が出ないというのは、もう既に今までの経緯を見ても御承知いただけるのではなかろうかと思います。  現在、選挙制度審議会から答申されたところの小選挙区比例代表並立案というものは、言ってみれば政党の将来の消長にかかわりますし、さらには我が国の政治形態にまで及ぼそうというような重大な問題が含まれております。しかも、現行中選挙区制から見れば、小選挙区制の導入ということは、革命的改革になるのではないかと言われるほど大改革であります。したがって、これがそう簡単に各党が合意できるというものでもありませんし、また、時間をかけて国民の皆さんと討議しながら進めていかなければならない重大問題である。  しかし、一方においては、現行選挙区制というものは既に格差が三・一八倍、恐らく国勢調査になれば三・二倍を超すのではないか。昭和三十九年、戦後第一回の改革が三・二一倍で改革したわけでありますから、当然現行制度においても改正しなければならない。しかも、最高裁判所からは、三倍以上についてはもう判決が出されている。最高裁は必ずしも三倍でよろしいと言っているわけではありませんけれども、五十一年の改正に対し、まあまあという判決を出した。それ以来、三倍ならよかろうという言い方がされておりますけれども、定数是正の基本において、三倍というのは少なくとも抜本改正という以上はとるべき道ではない。  このように、裁判所の方から現行制度についてかつては違憲判決まで出た状態にありまして、今選挙制度審議会で言われている制度がいつまとまるやらわからぬ。しかし、一方では違憲と言われるような、既にことしの選挙でも訴訟が三十件も起きている。この定数是正をこのまま放置して制度の改正を議論してみても、いつまとまるやらわからぬこの制度についてこの小委員会として議論すべきではない。前回この委員会で方針を決定したとおり、現行選挙においていかに定数是正をすべきか、この一本に絞って各党間の調整に入るべきではないか。  先ほど自民党の案というものもお話がございましたが、それも試案というところではなかろうかと思います。各党がある程度責任を持って、このように定数の是正をやったらよいのではないかという案をこの小委員会に提示していく、これが今一番この小委員会に望まれている問題ではなかろうかと私どもは考えるわけでございます。その点におきまして、前回の小委員会で、野党の方は一部意見が異なるところはあるにしても、大枠において一致しているということから、自民党さんの案を国会の方に出していただきたい、その上で与野党調整を図ったらどうでしょうか、こういう話があったわけでございます。  したがいまして、もう時間もございませんので、中身をるる申し上げることもできませんけれども、少なくとも現行制度においていかに定数是正を図るべきか、これ一点だけ大臣にお伺いいたしたいと思うのですが、大臣、よろしゅうございますか。  一点だけお伺いしたいことがありますけれども、海部内閣は選挙制度を改正するまで解散はありませんか。もし制度改正をやらないとすれば、現在でも三・一八倍、国勢調査が行われれば恐らく三・二倍を超す。この制度で解散をやるということは、違憲を承知の上で解散をやるというような無謀な結果にならざるを得ない。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○奥田国務大臣 急な御質問で恐れ入りますけれども、海部内閣に限らず、違憲性を抱えたまま解散するという形は、なかなか決断しにくいのじゃないでしょうか。ただ、海部内閣は政治改革、政治改革の中には当然こういった違憲性を指摘されている定数問題を含めての形を、天の使命というか、命運をかけてという形で臨まれておられるわけですから、そういった形を担いたままの解散ということはあり得ないと私は思います。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 わかりました。  では、結論を申し上げますけれども、そうなりますと、現行制度を改正しておかない限り、選挙制度の改正なくして解散はできない、こういう結果になるのではないかと思います。そういう意味からも、私は制度の問題は制度問題として、この定数是正に各党一致してここで具体案を出しながら、さらに一歩前進したところの議論に入るべきではないか、このように御意見だけを申し上げておきたいと思います。

東中光雄日本共産党

○東中小委員 この小委員会は定数是正に関する小委員会、八八年五月十八日に初めて設置されて、第一回が審議された。そして、今、小委員長のお話では久しぶりで今度開かれた、こういうことであります。  それで五月十八日の前の公選特で、四月十五日に当時の梶山自治大臣の答弁で、「衆議院の定数是正、これはまさに焦眉の急、一番重要な課題でもございます。そして、衆議院の本会議の決議、六十一年五月二十一日に決議をされたその中身に忠実でありたい、これがまず第一の原則であろうかと思います。」という答弁があります。だから、国会決議の中身に忠実で、焦眉の急でやるんだということで小委員会をつくられました。  国会決議の中身は何かといえば、明白であります。「違憲とされた現行規定を早急に改正するための暫定措置でありこれじゃだめなので、「六十年国勢調査の確定人口の公表をまつて、速やかにその抜本改正の検討を行うものとする。」というのですから、定数是正の抜本改正であって、制度の抜本改正でないことは明白なんです。しかも「抜本改正に際しては、二人区・六人区の解消」ということが入っていますから、中身に忠実であれば、これは三人区ないし五人区のいわゆる中選挙区制にするということが明白に出てくるわけであります。その中身は、そのほかに「並びに議員総定数及び選挙区画の見直しを行い、」あと過疎・過密地域の実情に配慮するということが書かれています。最後の部分については私たちは強いこだわった意見を持っております。  しかし、いずれにしましても定数是正は、中選挙区制のままでどうするかということを国会決議をし、自民党も同意したわけでしょう。そして、その直後の八六年十月十七日の公選特でも、葉梨自治大臣の答弁では、衆議院の議員の定数配分規定の抜本改正の内容をどのようにすべきか、これは選挙制度の基本にかかわる問題、中選挙区制であっても、定数是正することさえ、それでさえ選挙制度の基本にかかわる問題でございますので、各党間で十分協議してほしい。「定数是正を第三者機関にゆだねることとする場合におきましては、前提といたしまして定数是正の基本原則や選挙区の区画の基本原則などが確定されていなければ、現実問題として非常に困難なものになると考えられる」、この手続も含めて、国会でやらなければ、選挙制度審議会なんかに諮ってもできないんだという立場、これは政府自民党のとってきた立場じゃなかったですか。  ところが実際は、自民党は八八年の五月十八日に開かれました当委員会で、当時の鹿野道彦小委員が、現段階で我が党といたしましてのまとまった考え方を申し上げることはできないところでございますが、今後鋭意精力的に審議を進めてまいりたい。それ以後何かといったら、先ほど言われたように、全く違う。これは八八年の五月ですから、八八年の七月からリクルート問題が出てきて政治改革の問題になるわけですが、そこで出てくるのは何かといったら、自民党の選挙制度改革ですよ。それはもう定数是正ではなくて選挙制度、しかも国会で論議しないで。定数是正さえ国会で決めなければ、原則を決めなければやれないんだと言っておって、そして、根本的な選挙制度の中選挙区制そのものを廃止してしまうようなことを自民党だけで勝手に決めて、大綱を発表して、選挙制度審議会に諮問をする。これは今までの路線からいえば全くとんでもないことをやっている。  そして、今度は同じ定数是正の小委員会の論議のときに大綱の話が出されたのでは、全然違うじゃないですか。これはもうすりかえだというふうに言わざるを得ない。選挙制度審議会は、野党は定数是正、定数是正と言うけれども、国会は何もやらぬじゃないか、こういうことを平気で公言していますね。国会は何もやらないんじゃなくて、自民党が国会の定数是正の審議を一切さぼって、ほかのところへ話を持っていっておる、小委員会をなかなか開かない、こういう事態になっているんじゃないかと思います。  今、小委員長の立場よりも自民党の立場でお話がありましたけれども、これは小委員会の設置の目的、経緯からいっても甚だすりかえであって、定数是正を進める立場には立っておられないということを私は強く感じました。これは改めてもらいたい。中選挙区制、六人区・二人区をなくして定数是正をやるということで自民党案を出すべきである。鋭意検討してまいりますというのが一昨年の五月十八日の自民党の代表の意見でありますから、ぜひそのことを強く望みたいと思います。  以上です。

川端達夫民社党

○川端小委員 我が党も、伏木委員が今お述べになったと大体同じような感じで申し上げてまいりました。  現行の中選挙区制度においてもいろいろな問題があることは事実である。しかし、違憲状態の一票の格差を是正するということが喫緊の課題であるという中で、国会決議においてもそういう決議を全党一致でしているということで、選挙制度を理想的な形に改革をしていくには、やはり民主主義の中では手順というものを踏んでいくべきである。したがって、第一段階としては、現行中選挙区における国会決議にもあるような一票の格差を是正する中での抜本是正を行う、そういう中で、将来のあるべきものの議論をしていくべきであるという主張をかねがね行ってまいりましたし、それなりの提言もしてまいりました。まさにそれにあわせて、国会の責任として当小委員会が設置をされているという認識をしておりますが、その部分は今こもごも各委員からもお述べになったのと大体共通をしております。  そういう中で、自民党さん及び選挙制度審議会は、抜本是正をするという部分を、中選挙区にこだわらずに、御破算で願いましてはで小選挙区にした方がいいんだというふうな御議論もされている。我々非常におかしいと思っているんです。拡大解釈をすれば、抜本是正をするという部分の一つの方法だということも、無理やりしたら理解できないこともないかなということでありますが、各党間の意見がそういうふうになっている、自民党さん御破算で願いましては、我々は現行制度の中でという部分で分かれている現状、そして当委員会の設立された目的ということでいえば、やはり現行の中選挙区における抜本是正というものを、国会の責任として、この場で議論をしていくというのが筋ではないかというふうに思います。  選挙制度、いろいろな新聞に載っていますけれども、たまたま見ておりましたら、前回まで当委員会の委員でありました森清先生が、これはことしの五月ですか、朝日新聞の「論壇」でお述べになっておりまして、終わりの方で  「並立制をとれば、野党は完全に連合するか合併しないと、現議席が半減以下になろう。参院の与野党逆転を考えれば、この案が成立することはあり得まい。制度として異常で、実現性もないような案を、あえて答申しようとしている審議会の見識を疑う。 こういうふうにおっしゃっていますけれども、こういう指摘を見ましても、現実に抜本的に中選挙区御破算で願いましてはという部分がこれだけ異論がある中では、これはできないということもある部分では事実ではないか。そういう部分では、原点である当小委員会の使命である定数是正を、各党具体的に考え方を持ち寄って議論をすべきではないかというふうに思います。そういう意味で、ここの議論としていろいろ考えたけれども、それはもう小選挙区がいいんだというか、現行ではとてもじゃないが直せないという結論を初めから自民党さんでお出しになって、だからそういう議論はしないとおっしゃるのはいかがなものかな。先ほど小委員長お述べになりました五十二増・九十三減ということをおっしゃいます。それはそれとして、そういうことであるという部分を具体的にここへ公式にお出しいただいて、そういう部分に関して、それでもやろうとしたらこんなことしかできないということでもう結構でございます。お出しをいただく中ですり合わせをしていくという、まずこの小委員会の本来の目的というものを御確認いただきたい、このように思っております。     〔小委員長退席、井出小委員長代理着席〕  海部総理も昨年の九月には、ちょっと記事を読んでみますと、商工会議所の総会であいさつして、  「「一票の重みの格差を是正していけ」という声もいただいているので、誠実にひとつひとつ結果を示すことが出来るようにしていきたい」と述べ、緊急的に衆院定数の格差是正に取り組む考えを重ねて示した。  これに関連し、首相は官邸で記者団の質問に答え、「選挙制度審で委員から、違憲状態をこのままにしていいのかと強い意見が出たので、このままではいけないと思い、見直しを自民党や渡部自治相にお願いした」と説明、緊急是正は行わず総定数削減と併せた抜本改革の中で不均衡の是正を図るという自民党の方針を改め、あくまで緊急是正を検討していく考えを示した。記者団が「党の方針にもかかわらず緊急措置を検討したいということか」と念押ししたのに対し、首相は「そうだ」と答えた。 この見出しとしては「緊急是正の検討、首相強調」、これは九月二十一日なんですが、二十六日になると「緊急是正、首相が断念」、これは早くも五日間でやめたとおっしゃっているわけです。     〔井出小委員長代理退席、小委員長着席〕  ここでは理由としては、自治相が国勢調査を前に定数是正案をまとめるのは難しいとおっしゃった。国勢調査はことしでありますけれども、そういうことでもうやめたんだということでありますが、意欲としては、次の選挙までに緊急是正は難しいけれども、定数不均衡の緊急是正を図る考えはさらに検討を続けてほしいということで、「国会の場で各党協議を通じ是正を図っていく考えを示した。」ということで、この時点ではやはりそういうふうに段階を踏んでやっていこうという姿勢をお持ちだったと思いますし、選挙制度審議会でもそういう御議論であったのではないかなと思うのですが、最近のあれを見ますと、もうすべて答申を最大限に尊重してやっていくというふうに変わっておられるということで、これは非常に遺憾であると思います。  そういう意味で、おのおの共通するかもしれませんが、この小委員会で先ほど東中先生がおっしゃいましたように、審議会でも、そういうことは国会でやればいいんだ、国会が何もしないから選挙制度審議会が抜本的なことを考えるので、定数是正とかいう問題に関しては国会の場でやったらいかがですか、我々諮問はそういうことを受けてないからやりません、こういうふうにおっしゃいます。そういう意味でも、我々が手順を踏んできちっとやるべきだというふうに思っています。  以上です。

福島譲二自由民主党

○福島小委員長 ありがとうございました。  この小委員会は、まさに国会決議に基づくところの格差是正等を中心として議論すべきであるという御指摘は、もうそのとおりだと思います。したがって、小選挙区制度にすべきか中選挙区制度にすべきか、その基本的な議論をこの小委員会でやるのはまさに不当だという御指摘も、そのとおりだと私も思っております。  ただ、先般来の流れというのは、我が党として選挙制度審議会の答申、その基本的な精神は最大限尊重するということをうたっておる状況であることは、これはもう私どもとして否定できないところでございますし、その段階において中選挙区制度のもとにおける格差是正、この議論は全然無意味であるとは私も思っておりません。まず総定数をどうするかとか、県別定数をどうするかとかいうことまでは、中選挙区であろうと小選挙区であろうと、少なくとも選挙区の基本には、県別の定数というものが一応の基準的な数値としてあり得るわけです。  今回の答申は三百についての定数しか示しておりませんけれども、五百なら五百についての県別の定数というものは、定数として決めるか決めないかは別として、一応やはり念頭に置くべき数字としての作業をするべき事柄であろうと思いますから、総定数の問題と県別の配分の問題とは、選挙制度をどうするかにかかわらず、共通の問題として私は議論ができる話だと思っております。そういう意味でも、この小委員会の意味は十分にあると思います。  それから先を果たしてどうするかということは、今我が党として小選挙区比例代表を基本とする答申を最大限尊重するという段階におきまして、その作業を進めるということはまたいかがなものかな。ですから、選挙区別に定数を分解していく作業ということは、とりあえずのところ凍結というか休戦というか、そういう形でおとどめいただかないと、私どもの立場としても、この小委員会で中選挙区のそこまでの議論をさらに詰めていくということは非常に困難な問題があるのではないかな。やるとすれば、総定数、県別定数の配分までは具体的な展開も可能かと思うのですが、私の意見として申し上げておきます。

東中光雄日本共産党

○東中小委員 これは、国会決議で中選挙区制を守るということになっておるわけでしょう、二と六を削るということは。三人ないし五人の制度で定数をどう是正するかという課題で出発している問題を、自民党の方で違う方針が出てきたから、そういう決定になったから、国会決議の方を進めるのは停止するということになったら、自民党は国会決議より優先してしまっている。私どもはそれは自民党独裁だと言っているんですけれども、そういう筋道になります。やはり事柄の性質は各党で話し合ってやるべきものだ、自民党政府は何遍もそういう答弁をしてきたわけです。そして、自民党だけで一方的に決めたということで、その線でなければ進めない、こう言われたら、国会の上に自民党を置いていることになると私は思います。それは態度を改めていただかないと、国会軽視も甚だしいというふうに思います。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 作業として、県別の定数の再配分をやるということはよろしいんですか。当然我々は中選挙区制を前提に議論に入っていく。ここで今県別も非常にアンバランスになっているということで、我々の考えからいくと、県に対して再配分し、そして県内の現行選挙区を増減をして分区、合区をやるという考え方です。ですから、前提としては、一遍県別の再配分というのは作業の上ではどうしてもやらなきゃならないことだと思うのです。ですから、この小委員会として、まず県別にどう再配分できるかというようなことの議論に入ることはよろしいんですか。

福島譲二自由民主党

○福島小委員長 私見でございますが、私は、今申し上げたように、中選挙区であろうと小選挙区であろうと、共通する問題としてそこまではやらなきゃならないし、やり得る話ではないかなと思っております。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 ただ、審議会の案で六、四の形で並立制ということになりますと、県別の配分というのはできないんじゃないですか。  総定数を四百七十一と想定していらっしゃると思うのですけれども、審議会の案でいきますと選挙区は三百になりますね。三百でもって県別の配分をやるということになると、この小委員会の趣旨とは全く変わったものになってしまいます。この小委員会はあくまでも中選挙区制を前提としてつくられた小委員会、ここで県別の再配分を各党で話を詰めるということはよろしいわけですか、まず第一段階。

福島譲二自由民主党

○福島小委員長 私の意見でございますが、三百について答申は県別定数をはっきり書いてあります。それで、一応総定数は五百としてあります。ですから、私が先ほど申し上げましたのは、小選挙区なら五百という定数が生きてくるだろうという意味で申し上げたのです。  しかし、もう一つ、いかなる総定数であろうと、県別の配分のルール、プリンシプルあるいは政策というものは、五百であろうと四百七十一であろうと、私は共通するものとして生み出し得るのではないかなと思っております。原理原則をどうするかということを御相談するということは、実際に五百になるのか四百七十一になるかということは棚上げにしておいてでも、議論できるのではないかと私は思っております。そして、中選挙区のままでいくのかあるいは小選挙区の方に転換していくのか、そのことはこれからの問題でありますけれども、そこまでの議論というのは、いずれに転んだ場合にでも役に立ち得る議論ではなかろうか。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木小委員 これは配分案をつくるということじゃなくて、また原理原則の議論に戻ってしまうということですね。

福島譲二自由民主党

○福島小委員長 いや、原理原則というのは、その配分についての具体的な原理原則という意味ですから。その方式が固まれば、だれがやっても計算すれば出てくるという意味での原理原則ですから。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 自民党さんの方は、今選挙制度審議会で答申を出した部分、三百一と二百というそちらの方の定数配分の問題と、国会決議を経て当小委員会ができている経過におきます中選挙区制の中の定数是正の問題との絡ませを、福島小委員長でなくて福島議員は盛んに絡ませようとしておる。確かに物の考え方は、共通する部分はわずかにあります。議員定数配分という面ではわずかにあるけれども、一名だけの選挙区をつくることと三名区、四名区、五名区とある中選挙区制でつくる定数配分とでは、似ているものもあるけれども、かなりの部分は全然違う。  やはりここで論じなければいかぬのは、各位からお話があったように中選挙区制における定数配分の問題、しかもこれは、抜本是正と言っている限り、かつてやったような増減主義ではないのであろうと私は個人的に思っているのです。なぜなら、増減主義というのは、本来ならその県におきます人口というのは多いにもかかわらず、議員の配分が少ないという矛盾を新たな部分で生み出しますので、その意味で、抜本是正という限り、昭和二十一年にやった全国配分をもう一度考え直すのが筋ではないか、これは私は個人的に思っているわけです。  増減主義をとるのか、もう一回全国再配分をするのかについても、まだそこまで十分この小委員会で議論をしたことがないわけで、福島先生も大変な御研究家でいらっしゃるから、確かに配分という意味においては共通する部分もあるけれども、複数区の配分と定数一名だけの配分とではおのずとやり方が違ってくるし、私は大前提として、この定数是正の小委員会というのは、あくまで中選挙区制を維持する中での定数配分だと思っているわけです。ですから、福島先生の言われるように、盛んに一選挙区一名というやり方の上に引っ張っていこうとしますと、話がますますややこしくなっていくわけであります。  今盛んに各位との議論がありますけれども、やるべきは中選挙区制の中で、しかも定数配分の場合には、もう一度再配分を全体でするのかあるいは増減主義で甚だしいところをとっていくのか、そういう議論から本来入らなければいかぬのでありまして、そこにまた制度論が絡んでくるから話が極めてややこしくなってきて、くるくるくるくる議論が回っていることになるんじゃないだろうか。  私は、今までの貴重な意見をまとめていけば、一つ、中選挙区制の中でどういう定数再配分をするか、それは四百七十一以下にするのか五百以下にするのか五百十二以下にするのか、いろいろ議論があると思いますし、私たちはかねて日本の国会議員の数がそんなに世界的に多いとは思っていませんから、五百十一でいいのではないかと私はここで述べたこともあるわけでありますけれども、それはそれとして、またその部分で議論をすればいいことでありますから、いずれにしろその枠の中での議論ということにけたしませんと、これは全然前提が違うと思うのです。

福島譲二自由民主党

○福島小委員長 ありがとうございました。  つまり、一人にするか複数にするかというところは選挙区別の配分のところですから、県までの段階というのは共通ではないかという意味で、別にそこまでの作業は、小選挙区にするか中選挙区にするかということはそれから先の話であって、県の数字までは私は共通する問題としてできるのではないか。  同時に、今お話がありましたが、増減方式というのは、四十七県のうちで十五も逆転県が出ておる現状では非常に困難なので、やはり一定の基準で、全体を一番スタートに戻ったような形で再修正というか再配分するというか、それはやらざるを得ないのじゃないかと思っております。何も一人区の方へしゃにむに持っていこうとする意図があるわけでは全くないわけですから、御了解いただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)小委員 福島先生からそういうようなお話があれば、やはりそれには増減方式をとるか全国再配分方式をとるかということについても議論を詰めて、私は全国再配分方式を個人的にはとるべきだと思っていますけれども、そのことの選択をした後、さらにするならば県別にどうするかという議論にいけば、少なくとも半歩前進であることは間違いないだろうと思うのです。ただ、私たちはそれに入ることを望みますが、自民党さんがそれでやる気があるというのだったら、私はぜひそういう道で突き進んでいくのが本小委員会に課せられた責任の第一歩ではないかと思いますね。

福島譲二自由民主党

○福島小委員長 ありがとうございました。  私も、逆転県が十五もある、逆転選挙区が六十三もあるという現状というのは、これはもうゆるがせにできない話だと思います。そういう意味で、これからもこの小委員会が鋭意皆様方のお知恵をかりながら、少しでもその是正の方向にお役に立っていくことを心から期待をいたしたいと思いますし、前回まで自民党からそう具体的な案が全くに近いほど出されていなかったという意味で、皆様方にも大変御迷惑をおかけいたしておったわけでありますが、小選挙区の話は別としても、中選挙区における定数是正としても、さっき私が少し時間をかけて申し上げましたような、大変な荒療治が必要だということの御議論なども、また認識していただくことも大変有意義なことだろうと思いますし、また機会を見てこの小委員会を開催させていただいて、さらに煮詰めていきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

東中光雄日本共産党

○東中小委員 中選挙区の定数是正が実現できるように努力していただきたいと思います。

福島譲二自由民主党

○福島小委員長 それでは、時間が参りましたので、討議はきょうはこの程度にとどめることとして、本日は、これにて散会をしたいと思います。     午後零時十八分散会

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