P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
118回国会衆議院1990/04/18

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

発言数
230
登壇者
16
会派数
5
開催日
1990/04/18

会議録

中山利生自由民主党

○中山委員長 これより会議を開きます。  小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。  衆議院議員の定数是正に関する諸問題の調査のため小委員十三名からなる定数是正に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山利生自由民主党

○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山利生自由民主党

○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  小委員及び小委員長は、追って指名の上、公報をもってお知らせいたします。  また、今会期中における小委員及び小委員長の辞任の許可並びに補欠選任につきましても、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山利生自由民主党

○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  次に、小委員会におきまして参考人の出頭を求める必要が生じました場合には、出頭を求めることとし、その諸手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山利生自由民主党

○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ────◇─────

中山利生自由民主党

○中山委員長 この際、お諮りいたします。  公職選挙法改正に関する件の調査のため、本日、参考人として、選挙制度審議会第一委員会委員長堀江湛君及び第二委員会委員長河野義克君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山利生自由民主党

○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ────◇─────

中山利生自由民主党

○中山委員長 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  去る二月に行われました第三十九回衆議院議員総選挙及び第十五回最高裁判所裁判官国民審査の結果の概要について、政府から説明を求めます。自治大臣奥田敬和君。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 この機会に、第三十九回衆議院議員総選挙及び第十五回最高裁判所裁判官国民審査の結果の概要について御報告申し上げます。  御承知のとおり今回の選挙は、一月二十四日に衆議院が解散されたことによる総選挙でありまして、選挙すべき議員の数は五百十二人でありました。  選挙当日の有権者数は約九千三十二万人で、前回の総選挙に比べ約三百九十万人増加しております。  次に、投票の状況について申し上げます。  二月十八日の投票日は、全国的に晴れまたは曇りの穏やかな天気に恵まれました。  投票率は七三・三%でありまして、衆参同日選挙となりました前回に比べまして一・九%高くなっております。  次に、立候補の状況について申し上げますと、今回の立候補者数は九百五十三人であり、前回の総選挙に比べ百十五人増加し、その競争率は一・八六倍でありました。  次に、当選人の状況について申し上げます。  党派別に申し上げますと、自由民主党は二百七十五人、日本社会党は百三十六人、公明党は四十五人、日本共産党は十六人、民社党は十四人、社会民主連合は四人、進歩党は一人、無所属は二十一人となっております。  なお、自由民主党は無所属から十一人を追加公認いたしましたので、これによりますと自由民主党は二百八十六人、無所属は十人となります。  また、婦人の当選人は十二人で、前回に比べて五人増加いたしました。  次に、全有効投票に対する党派別得票率は、自由民主党四六・一%、追加公認を含めますと四七・二%、日本社会党二四・四%、公明党八・〇%、日本共産党八・〇%、民社党四・八%、社会民主連合〇・九%、進歩党〇・四%、諸派・無所属七・四%、自由民主党への追加公認を除きますと六・三%でありました。  次に、選挙違反の状況について申し上げます。  投票日後三十日の三月二十日現在の今次選挙における検挙件数は三千三百三件、検挙人員は六千九百六十五人となっておりますが、これを前回と比較いたしますと、件数で七百五十五件、一八・六%、人員で二千九百四人、二九・四%の減少となっております。  最後に、最高裁判所裁判官の国民審査の状況について申し上げます。  今回の国民審査は、前回の国民審査以降に任命されました八人の裁判官について行われたものであります。  国民審査の結果は、いずれも罷免を可とする投票が罷免を可としない投票の数より少なく、したがって、審査に付された全裁判官が国民の信任を受けました。  以上をもちまして、今回の衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査の結果の御報告を終わります。

中山利生自由民主党

○中山委員長 次に、第三十九回衆議院議員総選挙違反検挙・警告状況について説明を求めます。警察庁刑事局長中門弘君。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 本年二月十八日に施行されました第三十九回衆議院議員総選挙におきます違反行為の取り締まり状況について御報告申し上げます。  選挙期日後三十日現在で集計いたしました数字は、お手元に資料としてお配りしてございます表に示しましたとおりでございます。  検挙状況は、総数で三千三百三件、六千九百六十五人となっておりまして、前回における同時期の四千五十八件、九千八百六十九人に比べますと、件数で七百五十五件、一八・六%の減少、人員で二千九百四人、二九・四%の減少となっております。  罪種別に申し上げますと、買収二千九百五十件、六千二百八十七人、選挙の自由妨害三十件、二十四人、戸別訪問百六件、二百五十八人、文書違反百七十八件、三百六十九人、その他三十九件、二十七人となっておりまして、買収が検挙事件のうち件数で八九・三%、人員で九〇・三%と最も多くなっております。  また、警告状況を申し上げますと、総数で二万二千四百三十件でございまして、前回の一万五千八百六十九件と比べますと、六千五百六十一件、四一・三%の増加となっております。なお、警告事案のほとんどは文書関係についてのものでありまして、総件数の九四・七%を占めております。  以上、簡単でございますが、概略を御報告申し上げる次第でございます。     ─────────────

中山利生自由民主党

○中山委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松原脩雄君。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 私は、今度初めて当選をいたしました松原脩雄でございます。  私は、今度の選挙におきまして重要な公約の一つが、政治改革を断行することということでございました。投票行動が金の力やあるいは働く人たちの弱みにつけ込んだような企業の力によってなされてはならないこと、それから、国民の代表者となる人には情熱と能力のある人がどんどん出てもらわなければいかぬということ、あるいは政策中心の選挙でなければならぬこと、そして一票の価値が平等であること、そのような政治改革の断行をなすべきであるというふうに主張してまいったわけであります。要するに、美しい政治風土を我々の後に続く者に残すということが、今我々に課せられた非常に重要な義務ではないかというふうに思っております。  まず大臣にお聞きをいたしますが、今後進める政治改革の理念と御決意のほどをお願い申し上げます。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 私も政治生活はもう丸二十年になります。しかし、今先生が御指摘されたように、今日ほど政治倫理の確立と申しますか、金と政治をめぐる世論の厳しい声を肌に感じたときはないように思います。金のかからない政策を中心とした政治、そして選挙制度の実現というのはまさに最大の重要課題であるという認識を持っております。  そういうことで、今日選挙制度審議会に選挙制度及び政治資金制度の抜本改革の御検討をいただいておる段階でございまして、今月中にも答申が得られるということを御期待申し上げておりますけれども、この審議会の答申をいただいた上は、天の声ということで、御趣旨を尊重しながら各党各派の御意見も承り、御協力いただける形の最大の努力をして改革に取り組んでまいりたいと思っております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 先ほど総選挙の違反の検挙状況について御報告をいただきましたが、そのうちの買収事件の内訳につきまして、特に現金買収の実態につきまして、前回と比較しまして検挙の件数、検挙者数、逮捕者数、それから買収資金の総額、件当たりの買収金額、一票当たりの買収値段、これについてお願い申し上げます。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 買収事件には、その形態としまして、大きく分けまして現金買収、それから物品供与、供応接待等があるわけでございますが、このうちお尋ねの現金買収につきましては、今回が買収事件全体が件数で二千九百五十件の検挙のうちで、現金買収の件数は二千四百三十一件というふうになっております。それから人員は、買収事件全体が六千二百八十七人でございますが、そのうち現金買収に係る者が二千八百四十人という数字になっております。逮捕者につきましては、八百十七人買収事件全体で逮捕しておりますが、そのうち現金買収に係る者が六百三十七人という数字になっております。それから、件数等で前回との比較は、件数につきましては、現金買収につきましては前回よりも百六件増、人員は百七人増、逮捕者は八十二人の増ということでございます。  それから、買収総額と申しますか買収基本額でございますが、これは今回の選挙では約一億六千万円程度になっておりまして、前回よりも五千万円程度上回っております。それから、一件当たりの買収額と申しますのは、これは事件が幾つかございまして、今の総額を事件数で割ったようなことではじき出したものでございますが、約五十二万円ということでございまして、前回が約二十六万円でございますので、約二倍となっておるという計算になります。それから一票当たりの投票買収額でございます。これは買収にも運動買収と投票買収とございますが、いわゆる投票買収で買収された人の頭数で投票買収をした金額を割り出して算出したものでございますが、こういう計算をいたしますと今回は八千六十円ということになりまして、前回が七千百六十七円でございますので、八百九十三円高くなっているという状況でございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 そうしますと、前回の同日選挙に比べまして確かに買収の件数等は今回は少なくなっていますが、現金買収に関しては、検挙件数それから買収資金の総額といったものはいずれも多くなっていますね。特に買収資金の総額が一億六千万円、前回よりも約五千万円アップしておるということは、これまでの数字からいいますと、この一億六千万円の数字というのは戦後最高の数字というふうに見てよろしいのでしょうか。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 過去すべての選挙の数字を集計しているわけではございませんので、正確かどうかはわかりませんが、最近のものとしては高額であるというふうに申せると思います。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 そこで、今回摘発された買収事件の特徴についてつかむために、二、三の例を挙げて御報告をしていただきたいのですが、まず一つは、愛知四区の杉浦正健さんの違反事件でありますが、この違反事件の概要をお願いできますか。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 この事件は、候補者の実弟の方が昨年の十二月上旬ごろに、後援会の幹部に選挙運動の資金としまして現金千数百万円を供与し、この後援会の幹部の方がさらに市会議員等二十数名に対しまして、選挙運動の報酬として数十万円の現金を供与したという事案でございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 その杉浦さんの実弟が千二百万円ぐらいのお金を使って逮捕、それから市会議員も逮捕されたのですね。報道によりますと全部で十二名だったと思いますが、岡崎市会議員が十二名逮捕されるというふうな事件でございました。  次に、二つ目の例で、鳥取全県区の平林鴻三候補に関する摘発事件、これの概要はいかがでしょうか。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 お尋ねの事案は、鳥取の市会議員が本年の一月の上旬ごろに、選挙運動の報酬としまして福部という村会議員十名に対しまして現金数万円をそれぞれ供与したという事案でございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 その福部村の事件では、村会議員が福部村には全部で十一人おるわけですが、そのうち十名が逮捕をされるということで、村議会機能がほとんど壊滅状態になったというふうに報道されておりますが、そういう報道のとおりでしょうか。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 この事案では合計十一人逮捕しております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 十一名逮捕ですと、村議会の全部が逮捕されたことになるのでしょうか。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 失礼いたしました。  先ほど申しました鳥取の市会議員を含めまして十一名でございますので、村会議員は十名でございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 それで、今度は三つ目の事例ですが、これもまた愛知二区です。愛知二区の丹羽兵助議員の件につきまして、事件の概要の御報告をお願いします。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 お尋ねの事案は、候補者の妻及び長男の方が昨年の十二月の中旬ごろに、市会議員ら二十数名に対しまして、それぞれ選挙運動の報酬として現金数十万円の供与の申し込みをしたものでございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 その結果、丹羽さんの妻と長男が公選法違反の疑いで逮捕をされたというふうになっておりますが、これはそのとおりでよろしいでしょうか。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 そのとおりでございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 そうしますと、先ほどの現金買収についての御報告と、それから今挙げました三つの事例、これらの特徴をあわせまして、今回の買収事件全体を総括しましたらどのような特徴があったというふうにとらえておられますか。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 今回の違反検挙におきましては、先ほども報告申し上げましたように、買収事件の中でも現金買収事件が目立った。そして、現金買収事件の中でも比較的金額の多い事案が目立ったというふうな理解をしております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 さらに、先ほど挙げた三つの事例を見てみますと、これは全部自民党にかかわる方々ですが、第一番目に、秘書であるとか妻や子供であるという肉親の方の重大事犯が多かったということ、それから二つ目には、いわゆる市議会議員あるいは村議会議員ですか、そういう方々がいわばだんごになって捕まっておるという意味で、一種のぐるみ違反というふうな傾向もあったように思いますが、その点はいかがでしょうか。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 確かに御指摘のように、そういう方が違反で検挙された方の中にございますのは事実でございますが、前回の選挙におきましてもそういう地位にある方の検挙は相当数ございまして、数の上では今回の選挙が特にそういう方が多いという結果にはなっておりません。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 そこで、先ほどの丹羽兵助議員の違反に関しまして、丹羽さんが、今回は閣僚経験者にももち代がたくさん出たので、日ごろお世話になっている皆さんへのおすそ分けのつもりで、靴下セットの中に現金二十万円を入れたのを市会議員二十三人等に配ったというふうな報道も出ておりますが、この辺の事実関係は確認できるでしょうか。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 ただいまのお話は、私どもでは承知いたしておりません。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 これは大臣にお聞きしたいのですが、今までの議論の中で、現金買収の事犯が前回に比べて多かったということ、それから現金買収の総額が一億六千万円、前回よりも五千万円も多かったということ、その他違反者に肉親やあるいは市会議員、村会議員ぐるみというような形で、いわゆるぐるみの形の違反が多かった、こういう事実をまとめて見ておりますと、たしか自民党も今度の選挙では、政治改革をやるのだ、金のかからない選挙をやるのだというふうな決意でもって選挙にお臨みになったと思うのですが、それに反してこのような結果が出てきたことにつきまして、大臣の御感想はいかがでしょうか。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 大変残念なことだと思っております。ただ、委員が御指摘のように、閣僚経験者もち代云々という形はなかったわけですから、私自身がそういうことはないのですから、その点は誤解であります。  ただし、買収事案の中で、今ほど刑事局長の捜査状況の話の内容からいって、現金買収、そういったぐるみ選挙の違反があったという形は大変残念であると同時に、だからこそ政治改革という形で、何としてもきれいな選挙が実現できる方向に努力したいと思っておるわけであります。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 今の御答弁の中で、大臣にもち代が行ったかどうかということは、これはなかったとおっしゃいました。丹羽兵助さんは奥さんと子供さんが逮捕されておるというような重大な事態に立ち至っているわけですが、丹羽兵助さんに対してそういうもち代があったかなかったかということについては、大臣は直接御存じなのでしょうか。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 党として、そういう閣僚経験者にもち代を配ったという事実はないと思います。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 今回の選挙につきましては、選挙の最中から、いわゆる財界から三百億円の献金が自民党になされているというふうなことがずっと報道等をされました。その点について、私も自分の選挙の最中に、今度の選挙では非常に多額の金が自民党によって使われているということを実際肌身で感じてきたわけであります。そして、実際先ほどの報告にもありますように、現金買収の額がいわば最近にはない高い金額に上っておるということも、まさにそのようないわゆる金権選挙と言われたものが行われたというための一つの傍証であるというふうに私は考えるわけですが、この点につきまして、四月十日の毎日新聞に自民党の資金ルート全容解明という形で報道がなされました。  この報道によりますと、三百億円の献金問題というのは実はもう少し少なかった、二百六十一億円であった。そのうち、自動車、電機・電子、金融、建設、この四業界に対して自民党の方から特別献金の申し入れをして、それに対して特別献金が百六十億円約束をされた。そして、そのうち百五十億円については銀行からのつなぎ融資というものを受ける。その百五十億円の金利は、優良企業向け長期貸出金利に一・一二五%上乗せした年六・八七五%。大手都銀九行が昨年の末とことし一月の二回に分けて融資をした。そして、融資された百五十億円については、政治資金規正法上の問題があるので三年間の分割払いとした。こういう約束で百五十億円のつなぎ融資がなされたというふうな報道がなされておるわけであります。  自治省にお聞きをいたしますが、もしこの報道が事実であれば、自民党の政治資金の報告書の中にそのことが借入金の形で記載されて出てくるだろうというふうに思うのですが、この辺はどうなっておりますでしょうか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 政治資金規正法上は、収入項目として、寄附のほか事業収入であるとか借入金であるとか、いろいろなものを挙げております。したがいまして、政党が借り入れを行いました場合には、その収支報告書において借入金として計上されるということになります。ただ、報告は御案内のとおり暦年でとらえまして、翌年の三月までに報告書を提出するということになっております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 そうしますと、暦年ですから昨年度の分ですね。昨年度の分の報告書は、ことしはもう既に提出をされておるのでしょうか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 先ほどは原則的な考え方を申し上げたのですが、ことしはたまたま二月に選挙がございましたものですから、そういう選挙等があった場合には提出時期がずれるということになっておりますから、ことしは四月末が報告期限だということでございます。私自身は具体的にどの党の、あるいはどの政治団体の報告書がいつ現在出ている出ていないというところまでは把握いたしておりませんが、ことしは四月末が報告期限だということになっております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 今の御回答ですが、四月末日までに報告書が出るということであれば、今四月十八日ですから、もう既に自治省の方には提出があるのじゃないでしょうか。それはいかがでしょう、確認できますでしょうか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 政治団体の数は何千とございまして、それがその期限までに提出されるわけであります。事務の担当者はそれぞれ来たものは受け付けて整理をいたしております。この報告書につきましては、従来から受け取った後、全体的に当方でも数字などは見たりいたしまして、全般的に報告書そのものは大体夏ごろに官報でその要旨を公表することになっておりまして、大体夏から秋にかけて官報で公表する、そういう作業をやっております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 そうすると、報告書そのものが提出されているかいないかという点についてはどうなんですか。まだなんですか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 先ほども申し上げましたように、特別関心を持ってどこが出たとか出ないとか、期限もまだ来ていないわけでございますから、そういう意味で私も担当の課の方に聞いたこともございませんものですから、出ているか出ていないかということを今現在私としては承知しておらないということでございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 そうすると、報告書が出た場合、先ほどもおっしゃったように官報で知らせるというのが従来のありようですが、三百億円と言われる特別献金の問題ですね、この問題というのは非常に国民が関心を持っておることであって、そういうことからしますと、そういう報告が出された時点で国会には報告をするとか、そういう措置は考えられませんか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 これは、政治資金規正法で収支報告書についてはその要旨を公表するという規定がございまして、公表した後閲覧に供する、こういう仕組みをとっておりますものですから、やはりまず官報をもって公表するという手続をさせていただきたいと思っております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 ちょっと委員長、関連させてください。  国会が国政調査権に基づいて既に提出された資料を委員会で公表することがどうしてできないのですか。どの条項でできないか答えなさい、正確に。条文がなければ、それはもう国会の国政調査権に基づいて行うのが相当です。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 公表の規定でございますが、これは政治資金……

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 公表じゃないよ。私が言っているのは国政調査権に基づいて国会に報告する話だ。公表じゃない。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 政治資金規正法上は、国政調査権との関係におきまして特別の条文を置いているわけではもちろんございません。  それで、先ほど来私が申し上げましたのは、従来からそういう方法で公表、閲覧ということをさせていただいておりますものですから、そういうやり方でやらせていただきたいという趣旨のことを申し上げたわけでございまして、国政調査権に対してどうこうということを私としては決して申し上げるつもりはございません。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 その取り扱いについては委員長と理事間で、国政調査権というもののはっきりした行使が認められないようなそういういいかげんなことを行政がやるわけにはいきませんから、ひとつ善処方をお願いします。  終わります。

中山利生自由民主党

○中山委員長 ただいまの問題は理事会で取り計らうことにいたします。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 そこで、ちょっと政治資金規正法上の問題点をお伺いしたいと思うのです。  百五十億円のつなぎ融資があった、それを三年間かけて分割して支払いをする、そういう約束のもとで行われたという報道になっているのですね。政治資金規正法上は、大企業の場合には一年間の献金額は一億円と定められておりますので、その関係からいわば三年間の分割になったと思うのですけれども、これは政治資金規正法の二十二条にある一年間の枠を一億円としなさい、こういう法の規制からしますと、実際上は要するに脱法じゃないのか。三年間かけたならば五十億円ずつ行くものが、この選挙を前にして百五十億円どんと出てくる。それを政治資金規正法上クリアするために三年間の分割にしました、これは政治資金規正法上の脱法の問題があるのじゃないでしょうか。その点いかがですか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 政治資金規正法上、「寄附」とは何かということについて定義を置いております。政治資金規正法上は金銭、物品その他いろいろなことが書いてありまして、債務の履行に属するものではないということも書いてありますが、要はそれは「供与又は交付」であるというふうに書いてあるわけで、そういう意味では約束というのは政治資金規正法上「寄附」には入らないわけでございますので、約束すること自体、政治資金規正法に触れるとか触れないとかということは私は起こってこないだろうと思います。  一方、御案内のように、公職選挙法の方は、これは「寄附」の定義で「供与又は交付の約束」というようなことが書いてある。そういうふうに法律が公職選挙法と政治資金規正法では書き方が違うわけでございまして、政治資金規正法上はあくまでも「供与又は交付」が寄附なんだ、こういうふうにとらえておるわけでございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 その供与の概念の中に、実際銀行団から百五十億円のお金が現実には行っておるというふうになっているわけですから、供与の面から見たらまさにお金が出ているのではないか、こういうふうにとらえることができますね。その観点からどうでしょうか、今の御答弁ではちょっとずれると思いますが。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 私としては具体の事実につきまして、融資ということで、それから他方どこかから寄附をもらうということとの絡みがあるのかないのか、どういう絡みなのか、全くわからないわけでございます。ですから、そういう結びつきにおいて申し上げることはできないのでございますが、お金を借りること自体は、これまた先ほどもちょっと申し上げましたけれども、政治資金規正法上も当然予想されておるところでございまして、過去においていろいろ、必ずしもこれはすべてというわけではございませんが、例えば選挙の年なんかは借り入れが行われている政党もたくさんあるようでございます。もちろんどういう目的かまでは私どもわかりませんけれども。ですからその辺のところは、絡みの問題になりますと私としても事実を承知しておりませんものですから、お答えはできかねるわけでございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 ここに報道されましたのが事実だとすれば、政治資金規正法上のいわゆる脱法行為として該当するのではないかという点について、自治省としましても、いわゆる買収事犯の小さいのではなくて、こういうでっかいやつもひとつあなたの方で、これは捜査の端緒だと思って一回今後検討をしていただきたい、そう思うのですが、いかがでしょうか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 もともと私どもの立場は、政治資金規正法上の収支報告をお受けいたしましたら、それをそのとおり国民の前にお示しするというのが仕事でございまして、内容に立ち至って、いわば実質調査のようなことをやるということは予定されておりませんし、そういう権限もありません。また、余り政党その他の政治活動に行政権力が入っていくということは、もともと適当でないという考え方がそこにはあるのだろうと思います。  それと法律の解釈の問題といたしましては、先ほど申し上げましたとおりでございまして、政治資金規正法上は「供与又は交付」ということでとらえておるわけでございまして、約束すること自体は、政治資金規正法上、特別それについて規定しているわけではございませんということで御理解いただきたいと思います。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 今の質問は警察庁の方で、私申し上げましたように、政治資金規正法上の脱法の疑いがあるのではないか、一つの捜査の端緒がこういう形で出てきたのではないか。したがって、警察庁としてもその観点からこれを検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 お尋ねの件につきましては、私どもとして事実関係を承知しておりませんので、答弁をお許しいただきたいと思いますけれども、一般論として申し上げますと、刑罰法令に触れるような疑いがございますれば、それに対して措置をするのは当然のことというふうに考えております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 最後に大臣にお聞きをしたいのですが、このように非常に国民が興味を持っております三百億円の献金問題、こういったものがこうやって具体的に報道されてきたということを踏まえますと、先ほどの件も含めて、いわゆる札ビラ選挙のようなものが行われた。その行われた根元のところに自民党のこのような大きな財界からの金を集めてきた、こういう行動があったわけですが、この点につきまして自治大臣の感想ないしお考えをお聞きしたいと思います。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 率直に言って、今度の総選挙の客観的な背景があったと思うのです。これは参議院選挙の自民党にとっての大きな敗北、そして、あのリクルート事件をめぐっての国民世論の中での政治倫理を求める高まり等々から、政党として従来の資金集めの中でパーティー等の自粛、国民の金と政治に関しての厳しい目があったということは先ほど申し述べたとおりであります。そういう客観情勢の中で今度の総選挙が行われました。各政党それぞれ全力投球で当たった。特に自民党においても、こういった情勢の中で厳しい選挙戦であったということは言えます。  ですけれども、金と今度の総選挙にかかわる問題でいろいろ報道がなされたということは承知しておりますけれども、御指摘のような巨額のお金が財界から集められたという形の報道については、事実は違うんじゃないかという自民党幹部の発言も聞いておりますし、私としては、今委員が御指摘のような具体的な形で行われたという事実は全く承知していないわけであります。そして、それぞれの形で全力で戦ったわけでありますけれども、私は今政府側の立場で、特定の政党の具体的な活動がいいか悪いかをめぐって評価をするという形は避けたいと思っております。いずれにしてもこういった報道の内容、この事実に対しては、私の意見は差し控えたいと思っております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 終わります。

中山利生自由民主党

○中山委員長 仙谷由人君。

仙谷由人日本社会党・護憲共同

○仙谷委員 続きまして、日本社会党の仙谷由人でございます。  私も今度の選挙で徳島から当選をさせていただいたわけでございますが、弁護士を十九年間やっておりました。松原委員と同じでございます。せんだっての参議院選挙までは、選挙違反のおそれがある人の相談を受けたり、たまたま逮捕された人の弁護をしたり、そういう立場にあったわけでございます。  多少そういう点の経験も踏まえてお伺いするわけですが、そしてまた候補者としての、いろいろなうわさ、風聞等を踏まえて質問をさせていただくわけですが、今回の選挙で今松原委員が言いました三百億円、あるいは各選挙区における、とりわけ保守候補の選挙資金として、まあ後援会活動も含めておるんでしょうけれども、徳島あたりですと三億円ないと選挙にならない、五億円ないとなかなか届かない。隣の県ですと、何か十七億円使った、それで当選してきた、こういうことがうわさをされておるわけでございますが、それにしましては買収事犯の摘発が非常に少ない。率直な感想でございます。あるいはマスコミの方がいらっしゃいますけれども、マスコミの方が選挙の取材を通して肌で感じた事柄とこの買収事犯の少なさ、いわば私は氷山の一角がたまたま買収事犯となって出てきているんだろうと思いますけれども、大臣、二十年間選挙をされて、今の摘発件数、人員、額、実際に行われておることと比べてこれは氷山の一角だと思われますか、どうですか。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 先生は徳島の選挙区で戦われたわけですけれども、それは選挙区それぞれの選挙区情勢にもよるでしょうし、強いて言えば、私は石川県一区ですけれども、各候補者とも、おたくの党からの立候補者の先生も含めて、きれいな選挙をやっていると思いますよ。それはポスターでも、公示前には事前運動のたぐいのビラ一枚張ってないという珍しい選挙区であると言われておりますけれども、しかし、私の選挙区が珍しいと言われるくらい、逆に言ったらほかのところはそういった御指摘の面があるのかもしれません。しかし、それ以上の形については意見を差し控えたいと思います。

仙谷由人日本社会党・護憲共同

○仙谷委員 私、今の質疑を聞いておりまして、この選挙の問題で、そしてまた選挙が国民に対して与えておる問題、政治不信の問題で一番大きい問題は何か。金の問題だと思うのですね。第二番目は、建前と実態の乖離といいますか、公職選挙法の規定と実際に行われておる選挙活動、ここのところが国民からいえば、うそといいますか虚偽といいますか偽善といいますか、そういうことが今の選挙の実態として多かれ少なかれあるんじゃなかろうかと思うのですよ。  今、石川何区か、自治大臣の選挙区は非常にきれいとおっしゃいました。私も弁護士でございますので、地元へ帰りますと、保守系の候補者が今まだ調べられておる。その方々は私のところへ相談に来られます。相談を受けておるのですけれども、その中で取り調べの警察官が、仙谷陣営のようなきれいな選挙をしなきゃだめだよ、こう言ったというのですね。私、警察に褒めていただいて、うれしいのやら悲しいのやらわかりませんけれども、それでも私は率直に申し上げますけれども、私の陣営でも形式的な公職選挙法違反、今おっしゃったポスターあるいは演説の問題、戸別訪問あるいは飲食物の提供、こういう問題では公職選挙法に違反している事実があったということを認めざるを得ないと思うのですね。というよりも、そうしなければ選挙にならないということだろうと思うのです。  自治大臣の選挙ではあれでございますか、飲食物は一切提供していないのでございましょうか。それともやはり選挙事務所に食堂がつくられておって、昼飯あるいは晩飯、これを食べた方が運動に出かけられる、こういうシステムになっておるのでしょうか。いかがですか。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 食堂は設けてあります。私も選挙戦中四日間くらいは自分の選挙区へ帰りますから、帰って、やはり飯を食う形のところには食堂が設けられております。

仙谷由人日本社会党・護憲共同

○仙谷委員 食堂の問題はこのくらいにして、次の問題にいたします。  率直にお伺いしたいわけですが、新聞報道等で奥田陣営は非常に動きが活発であると例えば書かれますね。あるいはローラー作戦を展開しておる、支持率が急上昇してきたというふうなことが堂々と報道される。大臣、こういう報道を見ますと、奥田陣営は、あるいは仙谷陣営は選挙の運動として何をやっておるというふうにイメージなさいますか。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 いや、支持母体がそれだけ積極的に動いていただいていることを大変うれしく思います。

仙谷由人日本社会党・護憲共同

○仙谷委員 動くのはいいけれども、どういう動き方を、動いてどこへ行くのかということですね。公園へ行って弁当食べるだけじゃないと思うのです。やはりこれは、私どもが戸別に支持を訴えかける運動員が走っておるということを率直に認めざるを得ないと思うのです。たまたま町で会った人だけに奥田敬和をよろしくと言って済むようなのが選挙ではないということは、みんな暗黙の前提にしているわけですね。  ところが、法規制を見ますと戸別訪問は一切禁止されておる。そうでしょう。それから先ほどの食堂の話も、これは自治大臣も率直にお認めいただいたので、私とともに選挙違反をされておることをお認めいただきたいと思うのですけれども、飲食物の提供というのはお茶とお菓子以外は禁止されておるのですね。運動員については、特に労務者については何か十五人分ですか、食事を提供していいということになっていますけれども、そのほかについては、食事をしてもらって運動に出てもらうというのはどうも禁止されておるようなのですよ。こういうインチキは、選挙がインチキなのか法律がインチキなのか、どっちかですよ。こういうことが行われている。ここにも私は、どうも政治家のやっていることは表と裏が違うという国民の不信を生んでおる原因があるのじゃないかと思うのです。  その最たるものが、どうもきれいな選挙、きれいな選挙と言っているけれども裏ではお金を渡しておるのではないか。とりわけ、さっき運動買収ということが出てまいりましたけれども、一票一票買わなくても、後援会の幹部に動いてもらうためにまとまった金を渡すというふうなことが行われておるのじゃないか、そういう常識が蔓延しているわけですね。その点についての御認識と、どうやればこの庶民の、市民の常識をひっくり返すことができるのか、御見解を賜りたいと思うのです。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 それは先生のように弁護士活動を通じた中で、現在のいわゆる法規制と実態というのが多少のずれがあるのじゃないかという御指摘でございますけれども、先ほど申し上げましたように、個人名を挙げての御指摘ですから、私の選挙事務所にも食堂がある。しかし、食堂はあるけれども、多数の人が出入りしているのにやたらめたらと飯を食わしている、そういうわけではありません。選挙運動に従事しておる、事務所に従事している人間のあれですから、厳密に言えばそれは適法だと思っております。  良識の範囲を出るか出ないかの問題で、先生のように条文を説かれると、一日十五人とか、延べてそれに掛ける選挙日数で何人以上やっておるじゃないか、違法じゃないかと言うけれども、しかし、運動実態と世間の良識、実績の中でやっているわけですから、それは違反だと言われればそういうこともあるかもしれませんけれども、あくまでも法の趣旨を逸脱しない範囲内でやっている形ということで、私たちは別に良心的に、そういったことは良識の範囲内でやっていただいておるということで認識しております。

仙谷由人日本社会党・護憲共同

○仙谷委員 私が言いたいのは、私も違反をしているという前提で質問しているわけですから。  自治大臣もおっしゃっておりますけれども、百三十九条を見ますと今自治大臣がおっしゃったようなこと、じゃ選挙部長どうですか、これは百三十九条違反になりますか、なりませんか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 公職選挙法では、弁当を提供できる場合、その数の限度について規定を置いております。私どもとしては、その規定に従ってやっていただきたいということを申し上げる以外は申し上げようがないわけでございます。

仙谷由人日本社会党・護憲共同

○仙谷委員 私が申し上げたいのは、結局、戸別訪問なんかは公然の秘密として選挙活動として我我はやっておる。こういう実態を認める。議事録を見ましても、戸別訪問を禁止しているのは日本だけだということですから、もう戸別訪問禁止規定なんかやめようじゃないかということを言いたいわけですよ。  それから飲食の提供にしましても、今自治大臣がおっしゃった常識の範囲内を法律でも認める、そういうことがまさに必要なんじゃないかということを申し上げたいわけです。自治大臣がおっしゃったように、何とかレストランなんというのをつくって、バスで呼び込んできて票集めをする、そういう非常識なのは例外ですよ。だけれども、運動に出てくれる方が飯を食って出る、それすらが違反になっているこの現状ですね。つまり、常識の範囲内で実態をみんなが守るように法定化する、そうして守らない人については刑罰あるいは資格の問題等々でペナルティーを科す、そういうけじめをつけていかないと、いつまでたっても本当はこうだけれども法律はこうだなんというのが通用する。ここが選挙と政治にまつわる庶民から見てでたらめといいますか、不信を買う一番の原因じゃないかと思うのですね。そういうことを申し上げて、時間がございませんので次に移ります。  先ほど松原委員の質問に対するお答えの中で、妻、弟、子供、後援会幹部、市会議員、県会議員、秘書、こういう人たちが愛知等々で選挙違反をしているというのが出ておりました。本日の新聞を見ますと、選挙制度審議会の答申で、五年間立候補禁止を一方ではするというようなのが出ております。公職選挙法二百五十一条の二の当選無効の規定は、一つは各号で当選無効になる。つまり、自分の妻とか近親者とか総括主宰者とかいうものが選挙買収事犯を起こした場合には当選無効になるという規定があるわけでございますけれども、何か今の警察庁の御見解では、愛知のケースなんかは二百五十一条の二に該当しない、検察官が当選無効訴訟を提起する場合に当たらないという御見解をお持ちだというふうに聞いておりますが、そうなんでしょうか。

中門弘警察庁刑事局長

○中門政府委員 ただいまお尋ねの件は、公職選挙法二百五十一条の二の第一項第四号で、いわゆる連座の対象者として「公職の候補者の父母、配偶者、子又は兄弟姉妹」云々という規定がございますが、この部分についてと思うわけでございます。  公職選挙法におきましては、公職の候補者というのと公職の候補者となろうとする者というのを使い分けをしております。したがいまして、ここに言う「公職の候補者」というのには、当然公職の候補者になろうとする者は含まれていないものというふうに承知をしておるわけでございます。

仙谷由人日本社会党・護憲共同

○仙谷委員 そこで、時間がございませんので自治大臣にお伺いするわけですが、選挙の腐敗防止という観点からは、私が申し上げた二百五十一条の二の四号、つまり肉親ですね。選挙違反をした者の肉親の範囲ということに四号はなっておりますけれども、そのほかにイギリスの腐敗防止法のような代理人といいますか、あそこは代理人というような規定のようでございますけれども、後援会の幹部あるいは選挙運動を担っている市会議員、県会議員というような地方議員あるいは秘書、こういう者を連座制の規定に含める、相当広く含める、それがまず一点ですね。  そしてもう一つは、今おっしゃった公職の候補者といっても、昨年十二月の買収行為をつかまえて選挙運動とみなしているわけですから、要するに選挙運動規定、選挙運動の概念として、最高裁判所の判例にありますように、候補になることが予測される者についての選挙運動として、あるいは実質的な選挙運動として、買収事犯を起こした場合には候補者、候補者となろうとする者について当選無効になる、あるいは立候補禁止の規定がかぶってくる、そういうふうな腐敗防止の法体系をおつくりになるおつもりは、自治大臣どうですか、おありになりませんでしょうか。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 今の選挙制度審議会の答申を近くいただくわけでありますけれども、その委員会審議の過程の中で報道されている内容から見ますと、公示後の連座制適用と公示前の行為に対する連座制の適用という形の拡大が検討されておるやに聞いております。  それで、地方議員まで含む云々のお話でございますけれども、この範囲拡大の中には立候補制限を科するというようなことも聞いておりますし、あるいは親族以外の秘書までその適用範囲を拡大するというふうにも聞いておるわけであります。いずれにしてもこれは大変重要な問題点でございますし、今後とも各党との論議を踏まえて検討してまいる課題であろうと存じております。

仙谷由人日本社会党・護憲共同

○仙谷委員 まだ反対尋問の癖が抜けませんので、何か厳しい口調になったかもわかりませんけれども、きれいな選挙、きれいな政治を実現するための情熱のほとばしりということで、ひとつお許しをいただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山委員長 伏木和雄君。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 今回の総選挙におきましても、ただいま議論がございましたように相変わらず買収事件が起きておりますし、現金買収については、件数においても金額においても六十一年のダブル選挙よりもふえているという状況にございます。リクルート事件以来、政治改革ということから政治不信の一掃という問題があれほど大きく議論されてまいりました。にもかかわらず、このような事件が相次いでいるわけでございます。  先ほど大臣御答弁の中で、石川県はきれいな選挙をやっているというお話でございますが、石川県として見ますと、中部六県の中では一番検挙件数も多いし事件数も多い。全国で見ますとベストテンの中に入っているという状況でございます。石川県全体を見ればそういう状況にございます。これほど政治改革が論じられ、にもかかわらずこうした事件が相次いでいるということについて、相変わらず大臣は選挙制度が悪いんだ、これさえ直れば、選挙制度さえ改めればこうした事件はなくなる、こういうお考えをいまだに持っていらっしゃるかどうか、まず基本的な問題からお伺いをいたしたいと思います。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 これはやはり制度の問題もあるでしょう。けれども、これは基本的には本人なり本人を推す陣営のモラルの問題であろうと思っております。  それで、今ほど委員から石川県の違反件数を述べられましたけれども、石川県の一区と二区がございます。二区においては確かに新聞報道でも相当な嫌な事案があったと思っておりますけれども、石川県の一区は一件もなかったと思っております。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 私お伺いしたのは、相変わらず制度を改めればこういう件数はなくなるというお考えかどうかを伺っているわけでございます。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 選挙も一種の戦争でございますから、やっておられる個々のケースによって違うと思いますし、制度改革だけでなくなるということは論じられないと思います。形容が悪いからちょっと失礼いたしましたけれども、なかなかこれは制度改革だけの面でなくなるということはないだろうと思っております。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 私もそう考えている一人でございます。選挙が熾烈になればなるほど、いかなる制度であれ、倫理が曲げられるという可能性は秘めているわけでございます。それだけに、今日制度さえ改正すれば選挙がよくなる、あるいは政治に金がかからなくなるという考え方、これを一方づけるということは誤りではなかろうか、このように思う次第でございます。  選挙制度につきましては後ほど時間があればお伺いするといたしまして、一点だけ。  今回の選挙でも、開票が三県において翌日開票ということになりました。投票の結果、開票は当日ないしは翌日という規定になっておりますが、全国の中でもう既に東京、神奈川、埼玉の三県しか翌日開票はなくなっております。聞くところによりますと、神奈川県におきましては近い将来即日開票、このような考え方を言われているようでありますけれども、自治省として、もうここまで来たら、これだけ電算機が発達し、情報化時代と言われてスピード化が要求されている時代でございます、国政選挙におきましてもあるいは地方選挙におきましても、これをすべて即日開票ということにならないものでしょうか。ということは、おくれている県がありますと、参議院の比例区などになりますとやはり全国に影響を与えているわけでございますから、何とか即日開票ということに指導する御意思はあるかどうか、お伺いしたいと思います。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 いろいろな原因があるのだと思いますけれども、これはまた選挙部長から説明させることにして、私は今委員御指摘のような方向で指導してまいりたい。即日開票、全国そういう方向で努力したいと思っております。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 簡単に説明申し上げます。  現在即日開票ができてないところが三都県でございます。前回に比べますと七つは減ったということでございます。主たる事情は、やはり一開票所当たりの有権者数が多いというような調査も結構ある、あるいは遠距離通勤の職員が多いというふうな事情を言っておるようでございますが、ただいまの大臣の御答弁に即しまして十分指導してまいりたいと思います。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 次に、今回も選挙終了後、また定数問題をめぐって訴訟が起きております。現在までに今回の選挙でどのくらいの訴訟が出ているでしょうか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 今回の衆議院総選挙に関しまして提起されましたいわゆる定数訴訟、三十件提起されているという報告を受けております。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 大臣は、今回選挙が行われたら、また訴訟が起きるということは予測されておりましたか。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 予想しておりました。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 その予測される制度の改革に力が入らない、この点が私ども理解できないのです。例えば、政府が選挙制度審議会を開いたわけでありますけれども、その選挙制度審議会においては、この定数問題は全く議論しないということをお決めになったそうでございます。大臣みずからが選挙が行われればまた定数問題で訴訟が起きるという予測を持ちながら、しかも国会においては各党が一致して速やかに定数の抜本改正——選挙制度じゃございませんよ、現行選挙区制におけるところの抜本改正を速やかにやろう、このような決議をしておったわけでございますが、その選挙制度審議会を開くに当たって、政府としてこうした背景をどれほど強く審議会の方に説明し、あるいは要望をしたのか、この点を伺いたいと思います。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 衆議院定数是正問題は、もう各党の国会決議においても行われているところでございます。速やかに解決するということで大変な政治重要課題でございますけれども、これは事柄の性格上、国会マターの最重要課題として各党間で御論議をいただき、結論を得ていただくことは大変重要なことだと認識しております。しかし、選挙制度審議会においても、定数配分のあり方については重要な課題として論議していただくということでお願いをして、今回の答申の中にも、この定数配分のあり方については御答申がいただけるものだと思っております。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 現行定数におけるところの定数配分についてでしょうか。それが出てくるわけですか、審議会から。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 ちょっと事務的なことですから……。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 事実経過でございますので、補足させていただきます。  審議会に対する諮問は極めて包括的な諮問になっております。選挙制度及び政治資金制度の抜本的な改革の具体策ということでございます。  それから、審議会の議論の過程で、総会での自由な討議の中で、現行選挙区制のもとにおける定数是正の話も当然議題となりました。緊急的に提言をしたらどうかというような意見もあったわけでございますが、午後また参考人がいらっしゃいまして、そこでお話もあるかと思いますのではしょりますが、結論的には、選挙制度全体の考え方、その中の定数のあり方を考える中で基本論としてひとつ議論していったらいいじゃないか、こういうことになっておるわけでございます。  それからなお、現在委員長報告まで出された段階でございますが、その中では、選挙区制そのものの改革ということを言っております関係上、その選挙区制改革の中にあって一体定数配分はどうあらねばならないか、例えば選挙区間の格差は二対一未満を原則とするとか、都道府県には人口比例でやるとか、そういうようなことが委員長報告でうたわれておるということでございます。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 私が申し上げているのは、先ほどから言っておりますように、選挙をやればまた訴訟問題が起きる、こういうことを予測し、しかも国会においては各党一致の決議がある。こうした背景を審議会に対して政府として真剣に訴えられたか、説明をされたか、その点を伺っているわけです。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 事実経過でございますので。  私ども自治省事務当局といたしましても、選挙制度審議会の総会におきまして、これまでの定数是正の経緯等につきましてもかなり詳しく御説明も申し上げました。それで、住民基本台帳人口ではもう既に三倍を超えているではないか、あるいは有権者では既に三倍を超えているではないかというような御議論もたくさん出ておりました。ただ、この問題は、抜本改正の問題と憲法違反の問題と一応仕分けをさせていただきたいと思いますが、主としてそこで委員の皆様方が関心がありましたのは、要するに憲法違反になるかならないかというような面であったように思います。  そういう点から考えますと、一体定数是正をどう考えるかということでございますが、これまでもずっと国勢調査人口を使ってやってきているわけでございまして、たまたま直近の国勢調査人口は昭和六十年の国勢調査人口である。それでは一応二・九九と三倍におさまっているというような状況もございましたものですから、委員の皆さん方も、一度基本的な問題として議論したらどうだろうかというようなことで今日に至ったというのが経過でございます。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 この問題は、時間がございませんからまた次の機会にやるといたしまして、審議会の方から、先月いっぱいに何とか審議会の方に政党代表においで願えないか、このような要望がございました。そのときは、既にもう現行中選挙区制度については審議会において議論をしないという決定もなされておりました。しかも、小選挙区比例代表の方向で行くという方向性も出されておりました。私どもは、そうした既に方向を決定づけた上で政党の議論を聞いても参考にする余地はないだろうということから、出席はいたしませんでした。  もう一つの理由といたしまして、従来、第七次選挙制度審議会までは政党から特別委員が出ておりました。これは審議会設置法に基づきまして出ておったわけでありますが、今回第八次の審議会に至りましては、国会議員はこれから除くという政府で方針を出し、その上で人選がなされたようでございます。当初から国会議員を出席させる必要なしと決めておいて、審議会の議論がある程度進んで煮詰まりかかったところで出てこい、これは一体どういうことなのか、事務当局としてどんなつもりでこんな操作をやっているのか、私どもは全く理解に苦しんだわけでございます。何でこんなような結果になったのか、なぜ国会議員を審議会のメンバーに入れなかったのか、お伺いをしたいと思います。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 選挙制度審議会を再発足させるかどうかということは、私の記憶では一昨年から昨年の初めにかけていろいろ話が出たと思いますが、その過程で、過去の審議会が答申がなかなかまとまらなかったというようなこともあるいは踏まえての御意見だったのかもしれませんが、今度審議会をやるときは第三者機関という性格に徹底して、民間の学識経験者だけでやったらどうかというような御意見が非常に強かったように思います。そういうような全体的な空気を踏まえまして、国会議員である特別委員を任命しないで、純然たる民間の方だけでやってみたらどうかということで出発したということが経緯だと思います。  それから、なぜ政党にということでございますが、審議会としては、事柄の性格上これは極めて密接な関係にある、まさに政党そのものについてどうあらねばならないか、あるいはどういう機能を果たされるべきかということを含めていろいろ議論をするわけでございますから、あるいは国会議員の選挙制度そのものを議論するわけでございますから、各政党の方にいろいろと御意見を伺わせていただくことがいいのではないかという判断をして出席方お願いをしたというようなことでございます。  もともとの経緯はそういうことであったということでございます。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 どうも聞いていてわからないのですが、まとめるためには国会議員を外した方がいい、だけれども中身は政党に関することだから意見を聞きましょうと。何か意図があったからこのようなことをされたのではないかと我々は感じているわけでございます。  それも一応おくといたしまして、先ほども大臣が言われましたように、定数是正について各党間でお話を願いたい。この選挙制度に関する問題になると、政治資金も含めまして我々から意見を申し上げても、政府は一貫して各政党間で御協議いただきたい、政党間で調整していただきたい、終始こういう答弁で来たわけでございます。今度の審議会につきましては答申が出たらどうされるのでしょうか。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 答申が得られれば、最大限尊重した形で成案を政府としては急ぐことになろうかと思いますけれども、各党の御論議というものに十分耳を傾けてまいること、御協力を願わなければいかぬことも当然でございます。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 政党間で議論してから政府が出すのですか、政府が先に出すのですか。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 答申を得てすぐ成案というわけにはまいらないと思います。答申が出て、それを尊重しながら御意見を承っていくということになろうと思います。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 私、なぜこういうことを申し上げるかといいますと、選挙制度というのは民主主義にとって最大の重要な課題でございます。それを各党間において協議をするということは、私は当然のことであろうかと思います。本来、国権の最高機関として、国会の方向こそ最も重要視しなければならない問題であろうかと思います。  したがいまして、審議会の設置法におきましても、審議会に対して国会議員を出すというのは、選挙制度について特別委員を出せるようになっております。選挙の区割りあるいはその選挙区の中の定数問題、これを定めるときは国会議員は特別委員から除く、これが審議会の設置法の精神じゃないでしょうか。最も重要な選挙制度をつくる——定数配分じゃありませんよ、先ほど言われた区割りの問題ではありません。議員個人が直接関係する区割りの問題は、第三者機関でやっても当然であろうかと私は思いますけれども、国の政治の方向を決定づけるような選挙制度を国会議員抜きにやる、あるいは政党を排除してやるということはとんでもない考え違いではなかろうか、私どもはこのように認識いたしております。  審議会設置法で国会議員の参加についてどのような規定がございますか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 審議会の設置法では、委員の定数を決めまして、そのほかに「特別委員を置くことができる。」という規定を置いております。特別委員は国会議員それから学識経験者の中から任命する、こういう立て方になっております。  先ほどちょっと舌足らずであったかもしれませんが、審議会を発足させようという機運が出てまいりました一昨年から昨年にかけまして、何もこれは政府の方針というだけではなくて、当時の全体の雰囲気として、今度は民間の学識経験者だけでやったらどうかというのが支配的であったのではないだろうかというふうに私どもは受け取っておったということでございます。政府が特にそう考えたということではないと私は思っております。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 全体的な雰囲気ぐらいで簡単に片づけられては困るのです、こんな重大な問題が単なる雰囲気程度で。  審議会設置法で特別委員、国会議員は参画してはならないという規定はどこのところにあるのですか。選挙区の区割り、定数だけじゃありませんか。選挙制度については国会議員が参画してもいいようになっているじゃありませんか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 御指摘の点につきましては、特に国会議員を審議から除くとされておりますのは、具体の選挙区割りの部分でございます。そのほかは特別委員として任命申し上げるか申し上げないかというそこの判断にかからしめておる、条文ではそういうふうになっておると思います。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員 時間ですから。今回の審議会発足のときからボタンのかけ違いがあるのじゃなかろうか、私はこのように思っておる次第でございます。  以上です。

中山利生自由民主党

○中山委員長 東中光雄君。

東中光雄日本共産党

○東中委員 自治大臣にお伺いしたいのですが、第三十九回衆議院総選挙、この今度の選挙は多額の金のかかる選挙であったのでしょうか、あるいは整々とやられた金のかからない、そして政党中心の選挙であったのでしょうか。この間行われた選挙をどういうふうに見ていらっしゃるのでしょうか。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 金のかかった選挙であったかどうかという形については、やはり個々の選挙区情勢にもよることですから一概に言えないと思いますけれども、かからなかった選挙であるとも言えないでしょうし、報道されるところを見る限りにおいては、買収事犯にも結果としてあらわれておるように、金のかかった選挙であったとも言えるのじゃないかと思います。  もちろん政策を中心にした選挙戦であったと思いますけれども、やはり個々の選挙区によっては同士打ちと申しますか、個人間の争いになったケースもあって、必ずしも政策本位の選挙戦であったとは言い切れないのではなかろうかと思います。

東中光雄日本共産党

○東中委員 自民党の政治改革大綱では「中選挙区制下においては、政党本位でなく個人中心の選挙となりがちである。」そしてそういうことは「日常政治活動や選挙運動の重点を政策以外におく傾向に拍車をかけ、」これは政策中心ではなくなるというのです。「利益誘導の政治や、後援会組織の維持と膨大な有権者への手当のため、多額の金がかかる選挙を生む原因となった。」こう言っているのですね。これはまさに中選挙区制。この間は中選挙区制だったわけです。そして、やられた選挙は制度として多額の金がかかる選挙であり、個人中心の選挙になりがちだ、政策を中心にしない選挙になりがちだ、こう言われているのですが、この間実施された三十九回総選挙というのは、やはりその部類に入っておるというふうにお考えになるのでしょうか。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 一般論としてお聞き願いたいのですけれども、特に一政党一選挙区で一人の候補者という場合には、全く政党本位、政策本位の戦いでやれると思うのです。ですけれども、自民党の場合に特に言われるのは、どうしても一選挙区複数候補で戦わなければならぬという条件があります。そういう形の中では、どうしても政党本位、政策本位という線だけではなくて、個人間というか、個人組織が政党組織以外にもダブりますし、いろいろな形で支出の増大というか、お金がかかるという傾向は免れないのじゃなかろうか。したがって、中選挙区制度の中でのいわゆる一つの政党からの複数立候補という形の事態である限り、やはりその傾向は免れないのじゃなかろうかと思うわけです。

東中光雄日本共産党

○東中委員 そうすると、複数立候補している選挙区における自民党の都合だということに結局なるように思うのですけれども、大阪の場合で言いますと、自民党の候補者は各選挙区とも一人ずつだったのですね、追加公認されたのは二つありますけれども。大体いつも五人区から三人区の間で一人立候補されているという状態です。しかし、個人後援会組織という自民党式のやり方というのは、複数でなくてもやられておることはもう間違いないわけですね。だから、一人一区の選挙であれば、自民党も政策中心になって後援会なんか要らない、金のかからない選挙ということにも必ずしもならないわけですし、それから奄美独立区のように一人一区で、しかも自民党の公認と自民党系の候補者の争いで、報道されておる範囲においては非常な金権、組織戦とかやられておる。こういうことでもありますので、中選挙区制であるから多額の金がかかる選挙になるというふうに言われるのは、どうも自民党の御都合で言われておるようにしか私はとれないのです。それは押し問答してもしようがありませんけれども。  今度の選挙で、先ほどの話に出ておりましたが、小沢幹事長が三百億円の資金を財界に要請された。実際は二百四十億円だったそうですが、しかし、極めて具体的な話がいろいろ出ておりますね。経団連は三百億はとても出せない、政治資金規正法の制限からいってもということを言ったかどうかは知りませんが、とにかく三百億はとても出せないというふうな話で、経団連も後で追認した格好になっておりますが、直接、自動車、電機・電子、建設、それから銀行の四業界にそれぞれ特別献金を要請されている。しかし、すぐ金が要るわけじゃないので、つなぎ融資を第一勧銀を主銀行として都銀九銀行から百五十億、年末と一月に分けて受けた。そういう資金で結局二百四十億円を集めて使われたようだというふうに、報道から見て私たちはそういう判断をしておるわけですけれども、こういう多額の金のかかる選挙、選挙を目前にしてこういう金を幹事長を中心に集められた。  これがどういうふうに使われるのか、それは知りません。しかし、法定選挙費用の計算でいけば、全国百三十選挙区のそれぞれの法定選挙費用を全部足すと二十億五千六百六十九万四千八百円だそうです。それで一選挙区に自民党は二人あるいは三人、五人も立てるところがありますから、三百三十人余り公認したとしても、この法定費用を三百三十人分出せば五十億そこそこですね。そういうことになるのですが、幹事長が先頭に立って二百数十億集めて選挙資金にする。どう考えてもこれは選挙制度の問題じゃなくて、そういう方針で金権選挙がやられておるというところに問題があるように私たち思うわけですが、自治大臣の御感想でも承りたいと思います。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 政党の政治活動にお金がかかるという事実は否定できないと思います。そして、今回の選挙戦においても相当のお金がかかったということも事実でありますし、確かに報道では、相当な資金供与を経済界に頼んだという報道も聞いております。しかし、その内容については、また別に党の幹部からはそれを否定する報道もございましたし、これらの事実内容に関しては私は全く知らないということでございます。

東中光雄日本共産党

○東中委員 私たちは、政策宣伝のための宣伝費用というのは要ることはよくわかりますけれども、こういう金の使い方というのはどうもわけがわからぬわけです。  これはある全国紙の記事ですけれども、こういうのが書いてありますね。「小沢幹事長は選挙中、一度も地元に帰らなかった。主なき選挙を担ったのは、土建業界中心の後援会。百三十支部、三万六千人と、細分化された強力な組織。一日平均四百人をマイクロバスで後援会事務所の"小沢食堂"にピストン送迎し、支部ごとの票読みを重ねた。」これは四百人ずつ、しかもそれをピストンでやったというのですからね。「田中角栄元首相が築き上げた「越山会」そっくりの集票システム。結果は圧勝のトップ当選だった。」これが出ているのですけれども、与党の幹事長の名前を入れてこういうことが報道されているのですね。これが金権選挙、金のかかる選挙になるのじゃないか。  現に自民党の大綱で、先ほども読みましたが、「利益誘導の政治や、後援会組織の維持と膨大な有権者への手当のため、多額の金がかかる選挙を生む」と、その原因は中選挙区だとこう書いてあるけれども、中選挙区だということをのけて言えば、こういうことをやっているのだな、やはりそういうやり方を改めなければいかぬのであって、そういうものについてははっきりと公選法の厳格な適用によって、逸脱したものはやめなければいけない、私はそう思うのです。それを選挙制度に持っていってしまうというのはよくないように思うのですが、いかがでございましょう。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 もちろんきれいな選挙という形実現のためには、選挙制度だけが原因、結果であるということは、私はないと思います。  しかし、これは小沢幹事長の名誉に関することですから、その報道の是非は別といたしまして一言お話ししなければいかぬのは、選挙区へは一度も帰れなかったことは事実でございます。私のことを例に引けば、私は選挙区に四日間帰りました。それで、小沢幹事長のところへも事実私は応援に行きました。そして何十カ所かかわりに回ってあげたことも事実です。しかし、そんな何々食堂と言われるような形で、私自身が行っても何とこれはサービスの悪い事務所だろう、飯も食わせないで走り回らされてけしからぬやつだと思ったぐらいに、そんな食堂供応で票を稼いだとかというような形の事実は全くなかったということだけは、はっきりここで申し上げます。

東中光雄日本共産党

○東中委員 時間ですから、終わります。

中山利生自由民主党

○中山委員長 川端達夫君。

川端達夫民社党

○川端委員 大臣、どうも御苦労さまです。時間が非常に限られておりますので、今回の選挙を含めて考えさせられる、あるいは我々も考えなければいけない具体的な問題についてお伺いをしたいと思います。  今回の選挙、いつもそうなんですけれども、だんだん情報化時代と言われる中で、マスコミの報道のあり方というものが非常に大きな問題になった選挙ではないかというふうに思っております。一つは、選挙期間中に各政党、今回与野党逆転なるかというふうな争点もありましたし、それから国民の関心が非常に高かったということで、全体的な選挙情報というものが非常に頻繁に流されました。  ある新聞に、選挙が終わってからのいろいろな世論調査の中で、選挙の報道に対して投票で影響を受けたかどうかという調査が出ていたのでありますけれども、そのときに、大ざっぱに言いますと、投票行動には影響を受けなかったという人が八一%だという。受けた人が一九%、約二割いるという部分で、それを大きい数字と見るか小さい数字と見るかはいろいろな見方があると思うのですが、私は随分大きな数字だなというふうに思っております。  そして、公示前に大体投票する人を決めている人が全体的に四一・五%、公示から一週間前くらいまでに三〇%、投票日一週間前で約二割の人が投票を決めているのですが、「投票日前に、新聞やテレビなどが政党や候補者の選挙情勢を報道しましたが、あなたは、投票する候補者や政党を決めるとき、これらの情勢報道を参考にしましたか。」というときには、「弱そうだと報道された候補者・政党に決めた」三・三、「強そうだと報道された候補者・政党に決めた」三・四、「それまで考えていた候補者・政党に投票する気持ちを一層強めた」二六・九、「とくに参考にしなかった」五八・七というふうなことが出ております。  そういう意味で、やはり選挙の結果というのでは、投票者の一%ぐらいの得票率の差で当落は当然ながら左右されているわけですから、これは非常に影響を与えていると言わざるを得ないのですが、この部分に関して、予想記事のあり方というものに対して大臣の御所見をお伺いしたい。私は、行き過ぎた部分というか、客観的な判断基準を有権者に与えることは大事だと思うのですが、何々が一歩抜き出たとか言われて落選した人がいっぱいいるわけですし、そういうことはマスコミのあり方としては非常に考えなければいけないのではないかというふうに思いますが、その御所見を伺いたいと思います。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 委員の考え方というか、今現在のマスコミの選挙予想に関するあり方については、私もかねて委員と全く同じ考え方であります。  それは確かに選挙民の興味をそそる、そして関心がその結果高まってくるという面もあると同時に、その具体的ないろいろなデータを集められたものが予想だと思いますけれども、それによって本当に影響を受けられたという形は、やはり随分あるのじゃないかと思います。選挙の公正を保つ上においても、かねてマスコミ、新聞、テレビのそういった形については自律的に節度を持って報道していただきたいということは、これは政府として申し上げることではありませんけれども、倫理綱領も当然あるわけですし、我々としては常に求めているところでございます。人気投票のような横着な形はちゃんと法で規制されておるわけですけれども、それに近い形のいわゆる選挙当落に関する予想報道に関しては、できるだけ選挙の公正を害しないという見地からも慎んでほしい、特に慎重であってほしいという気持ちでございます。

川端達夫民社党

○川端委員 気持ちは非常に私も同感なんです。これは報道の自由というもののあり方との兼ね合いという部分もありますけれども、そういう影響を与えないような何らかの具体的な方法がとれないかというのは、選挙部長、今の現行法での状況というものに対してはどうなんでしょうか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 先ほど大臣がちょっと触れられましたけれども、人気投票的なもの、これはもう公職選挙法ではっきり禁止しておるわけでございます。そういうはっきりしたタイプのものを除きますと、あとは報道の自由をどう考えるかという非常に大きな問題になるわけでございまして、公職選挙法は、一般的な形で表現の自由を乱用するようなことをしちゃいかぬという規定は置いておりますけれども、やはり法律で規定する場合にも、その辺のところが限界というとおかしいのでございますけれども、いわばそこまでかなという感じもするわけでございます。先ほど来の委員の御指摘のようなことは私どもも時々耳にするわけでございますが、事務的に考えて、いい解決案もなかなかみつからないというのが率直な状況でございます。

川端達夫民社党

○川端委員 同時に、そういういろいろな調査をされた部分をもとにして、いわゆる開票速報ということでいろいろ話題にもなりました。誤報が随分多発をしたということもありました。そういう部分で、やはり選挙というものの公正さを確保するということについては、マスコミの皆さんとか報道機関は当然ながら責任をお持ちだと思いますので、何らかの形で、報道の自由との兼ね合いという非常に難しい問題を含んでいるわけですけれども、それこそ学識経験者も含めて議論をしていただきたい。これはお願いでありますけれども、そういうことをぜひとも御検討くださるようにお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか、大臣。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 ただいまの御指摘は、いわゆる当落予想というよりはむしろ開票速報の段階で、だれが——両方でございますか。後者の場合、当落の決定の報道の場合は、まさに報道機関プロパーの問題になると思うのでございます。前者につきましては、そもそも制度的に何か考えられるかどうかということでございますが、そのための機関を設けるということも適当かどうか判断しなければいけないと思います。選挙制度審議会あたりでいろいろと選挙制度の問題について一般的に議論をする場合に、こういうような御意見もありましたという形で御紹介するようなことはできるとは思います。

川端達夫民社党

○川端委員 次に、最近国際化社会というか、いわゆるボーダーレスといいますか、日本の方も海外で活躍をされる数がどんどんふえてきました。昭和五十七年で海外在留邦人の長期滞在が約二十二万、永住者が二十五万であったのが、六十三年では長期滞在が三十万と五割増し、永住者は二十五万ということですから、永住者の方はほとんど関係ないですが、いわゆる長期滞在者というのがどんどんふえている。いわゆる長期滞在者という方は本拠は日本でありますから、そういう方に対する選挙権の問題というのが長年懸案になってまいりました。  五十九年ですか、一度法案を提案をされました。在外選挙制度法案ということで、公職選挙法の一部を改正するということでいろいろな工夫を、非常に難しい問題も技術的な問題としてあると思いますが、そういうことで御努力をされたのです。百一国会提出、百五国会解散でそれっきりということになっているのですが、これに対しては現在どのようにお考えになっておられるのか。当時二十万前後であったものが三十万人というふうにどんどんふえている状況の中では、こういう法律の必要性というのはその当時よりもさらにふえていると思うのですが、そのことに対して再検討されるおつもりがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 ただいまの御質問の中で御指摘もありましたように、昭和五十九年でございましたか、当委員会に私ども政府提案の法案を付託していただいたという経過もあったわけでございますが、やはりいろいろな問題もそこにはあるということでございます。結局、国会の解散に伴い廃案になったという経過がございます。  その後、今日までの状況変化といたしまして、確かにおっしゃいますように外国に滞在される方が多くなったという意味で、そういう面からこういうような法律の必要性が増したということは、おっしゃるとおりではないかと私どもも認識いたします。他方で、当時いろいろ難しい問題があるというふうに指摘された事項につきまして、なかなか私どもとしても具体的にこうやったら大丈夫だというところまで確信が持てない状況にあるということでございます。これは関係省庁、特に外務省等でございますが、そういうところとももちろん折に触れ意見の交換をし、どうしたらそういうことが乗り越えられるかというようなことも話はしておりますが、なかなか確信を持った仕組みができないまま、今日まで提案をできずにおるということでございます。今後ともさらに検討は続けていきたいと考えております。

川端達夫民社党

○川端委員 大臣、判じ物みたいな質問ですけれども、列国議会同盟百八カ国の中で、日本、韓国、リヒテンシュタイン、ナウル、スイス、タイ、チュニジア、トルコという八カ国間だけで共通するものは何かということなんです。列国議会同盟の中で、今申し上げた八カ国が二十歳の選挙権、それ以外は全部十八歳であるという国際的な状況にあるわけです。十八歳選挙権というのが国際的な中ではほとんどである、むしろ例外的に二十歳であるという状況に対して、いろいろな議論があるわけですけれども、十八歳選挙権というものに関してはどのようにお考えでしょう。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○奥田国務大臣 今、委員からの御指摘で認識したところなんですけれども、二十歳選挙権というのはそんなに少ないのだという御指摘でございます。  確かに日本の場合は成人年齢が二十歳ということで、これに横並びで二十歳選挙権ということになっているのだろうと思いますが、青年の政治意識も高まっておりますし、早くやれという御意見も理解できぬわけではありませんけれども、これをもし十八歳にしたら、刑事訴訟法とかいろいろな形のものも全部関連してくるのじゃないかと思うのです。何かやはり二十歳ぐらいが適当じゃないだろうかと思うのです。

川端達夫民社党

○川端委員 時間が来ましたのであれですが、憲法十五条で成年による普通選挙権というふうに保障されておるのですけれども、成人式とかというのは別にしまして、法的には成年というのは何にも書いてないのですね。民法上「満二十年ヲ以テ成年トス」、こういう部分で整合性があるということなんですが、二十歳という部分では理屈はないと思うのです。やはり十八歳という部分で、世界的にも、成人年齢と今言われましたけれども、むしろそういう責任を持つことの方が大事であるということでの選挙権、政治に参加するという部分、今いろいろないわゆる若い人の問題という部分で責任ある行動というものが問われているのではないか。だから、何となくということではなくて、ひとつ前向きに御検討いただきたいというふうにお願い申し上げて、終わります。ありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十一分休憩      ————◇—————     午後一時一分開議

中山利生自由民主党

○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  本日は、選挙制度審議会第一委員会及び第二委員会の審議概要につきまして、堀江第一委員長及び河野第二委員長に参考人としてお越しいただき、御意見を承ることとなっております。  この際、堀江参考人、河野参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ、当委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。選挙制度審議会の答申も近づいているようですが、当委員会での審議に資するため、審議会での議論を踏まえ、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事の順序は、初めに堀江、河野両参考人におのおの十五分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員から質疑を行います。御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず堀江参考人にお願いいたします。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 堀江でございます。  それでは最初に、私どもの委員会でこれまで審議いたしてまいりました内容につきまして、概括的に御報告申し上げたいと思います。  本日、公職選挙法改正に関する調査特別委員会に出席いたしまして、第一委員会の審議内容について御説明申し上げる機会を与えられましたことにつきまして、厚くお礼を申し上げる次第であります。  昨年六月二十八日、私どもは選挙制度審議会の委員に任命され、内閣総理大臣から「選挙制度及び政治資金制度の根本的改革のための方策を具体的に示されたい。」との諮問を受けたのでありますが、まことに重要な問題の審議を仰せつかり、私といたしましては、全力を挙げてこの問題に取り組んでいるところであります。  それでは、第一委員会におけるこれまでの審議の結果について、その概要を御説明申し上げます。  第一委員会の審議事項は、選挙区制等選挙制度の基本的なあり方等であります。  これまで、委員会を十六回、合同委員会を一回開催いたしまして審議を重ね、去る四月十日の選挙制度審議会総会において、その審議の経過及び結果について報告したところであります。  選挙区制等選挙制度の基本的なあり方についてでございますが、私ども第一委員会の具体的な審議項目につきましては、委員の自由な意見交換を踏まえ、総会において、第一に衆議院議員の選挙区制のあり方、第二に衆議院議員の総定数及び定数配分のあり方、第三に参議院議員の選挙制度のあり方、その他とされました。  委員会におきましては、まず自由な討議から始めましたところ、各委員からは、現行中選挙区制についてこもごも意見が出されました。すなわち、日本型の非常にうまい知恵であるとの見方があるとの発言もありましたが、政策本位の選挙とならず、個人本位で金がかかる選挙となる、あるいは派閥選挙になるとの意見、政権交代が起こりにくいため、政治に緊張感が欠け政治腐敗の原因となっているとの意見などが多く出され、その弊害を指摘する意見が大勢を占めました。  このため、本委員会としては、中選挙区制にかわる新しい選挙制度について検討を進めることといたしました。  衆議院議員の選挙制度の基本的なあり方についての論議におきましては、一、政策本位、政党本位の選挙が行われることが重要であるとの意見、二、政治に緊張感をもたらす政権交代の可能性が重要であるとの意見、三、議院内閣制のもとにおいてどの政党が内閣を組織するかについては、選挙の結果によって国民が直接端的に示すことが必要であるとの意見、四、多様な民意が国政に適正に反映されることが必要であるとの意見などが述べられました。  これらの意見を踏まえ、望ましい選挙制度のあり方としては、一、小選挙区制、二、比例代表制、三、小選挙区制と比例代表制とを組み合わせる方式の三つのタイプについて論議いたしました。  まず、小選挙区制については、国民意思が明確な形で示される、政権交代が起こりやすいなどの意見が述べられましたが、いわゆる死票が多く、少数意見が国政に反映されにくい、そういった意見もございました。  比例代表制については、多様な民意を国政に適正に反映する仕組みであるとの意見、政策本位、政党本位の選挙を実現するにふさわしい仕組みであるとの意見があり、具体的な方式として、都道府県単位の比例代表制をとるべきなどの提案もありました。  これに対し、比例代表制のもとでは政権が不安定になるとの懸念が示され、また、比例代表制は、有権者にとって候補者が見えない選挙となるといった意見もございました。  小選挙区制と比例代表制については、それぞれ以上のような論議がありましたが、委員の意見の大勢は、小選挙区制と比例代表制とを組み合わせる方式でありましたので、この組み合わせの方式についての検討を進めることといたしました。  小選挙区制と比例代表制との組み合わせの方式としては、いわゆる並立制と併用制が論議されました。  併用制につきましては、比例代表の効果がより多くもたらされる併用制が望ましいとの意見などがあり、他方、併用制は基本的には比例代表制であり、比例代表制と同様の問題があるとの意見、並立制に比べ仕組みが複雑であり、日本人の心情に合致するかどうか疑問であるとの意見、いわゆる超過議席が生じることが避けがたいといった意見などもございました。  並立制につきましては、異質なものを無原則に組み合わせたものであるとの意見もありましたが、得票率のわずかな変化で議席数が大きく変わるという小選挙区制の特性を比例代表制によって緩和しようとするものであるとの意見、民意を敏感に反映し、政権交代による緊張をもたらす小選挙区制を基本として、少数勢力も議席を確保し得る比例代表制を組み合わせる並立制が適当であるとの意見など、並立制を支持する意見が多く述べられました。  こうした論議の結果、本委員会としては並立制が適当であると認めたわけであります。  小選挙区分と比例代表分の比率については、五対五とすべきであるという有力な意見もありましたが、多数は六対四が適当であるとの意見でありました。  次に、衆議院議員の総定数及び定数配分のあり方についてでありますが、総会での自由討議の段階から、衆議院議員の定数是正の問題をめぐりいろいろな議論がございました。  この問題については、平成元年三月末の住民基本台帳人口によりますと、議員一人当たり人口の選挙区間の格差が一対三を超える選挙区も生じておりますので、何らかの緊急提言をすることが必要ではないかとの議論がなされました。  しかしながら、衆議院議員の定数是正は従来から国勢調査人口により行われているところであり、現に確定している国勢調査人口による格差はその範囲内でもありますので、審議会としては、定数配分のあり方についての根本的な論議の中で議論することになったのであります。  衆議院議員の総定数についての論議といたしましては、公職選挙法の本則の定数四百七十一人を基本に定数削減を考えるべきであるとの意見と、必ずしもこれにこだわる必要はないとの意見とがありましたが、これまでの定数増の大部分が暫定的な定数是正に伴ってもたらされたものであること、行財政改革の状況を考慮する必要があることなどにより、総定数を削減すべきであるとの意見が大勢を占めました。この結果、総定数は、五百人程度とすべきであるとされました。  次に、都道府県への定数の割り振り及び小選挙区の区割りに関しては、一、都道府県への定数の割り振りは人口比例により行うものとすること、二、小選挙区の区割りに当たっては、できるだけ人口の均衡を図るものし、各選挙区間の人口の格差は二対一未満とすることを基本原則とすること、この二点が確認されました。  また、小選挙区の区割りの具体的な基準は、一、各選挙区の人口の均衡を図るものとする、二、市区町村の区域は、分割しないことを原則とする、三、郡の区域は、できるだけ分割しないものとする、四、選挙区は、できるだけ飛び地にしないものとする、五、地勢、交通、歴史的沿革などの自然的、社会的条件を総合的に考慮するものとするといったこととされました。  なお、選挙区間の人口の不均衡是正については、その原案を作成するための権威ある第三者機関を設けることとし、十年ごとに見直しを行うこととされました。  次に、比例代表選挙の選挙区については、全国を十一に分けたブロックとすることとされました。  比例代表選挙の候補者名簿については、候補者に順位を付した名簿を作成することとされました。また、小選挙区選挙の候補者を同時に比例代表選挙の候補者とすることができることとされ、二名以上の候補者について同一の順位を付することができることとされました。  次に、投票の方式については、二票制とすることとされました。  さらに、衆議院議員の選挙制度の改革に関連してとるべき方策としては、選挙運動のあり方についての意見のほか、選挙区制の改革の趣旨が十分生かされ、選挙が政党ないし政党所属候補者中心に行われるよう、その方策についてもさらに検討すべきであるとの発言がありました。  最後に、参議院議員の選挙制度について申し上げます。  参議院議員の選挙制度のあり方については概括的な論議を行いました。その中で現行の比例代表制を見直すべきであるとの意見、衆議院のみならず参議院についても総定数を削減すべきではないかとの意見などが述べられました。  これまで本委員会としては衆議院議員の選挙制度を中心に検討してまいりましたが、参議院議員の選挙制度についても今後早急に検討を行うこととされました。  第一委員会における審議結果の概要は以上申し上げたとおりでございまして、ただいまは四月十日の総会において設置されました起草委員会におきまして、答申案の取りまとめ作業を進めておるところでございます。  以上で説明を終わらせていただきたいと存じます。ありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山委員長 次に、河野参考人にお願いいたします。

河野義克選挙制度審議会第二委員会委員長

○河野参考人 選挙制度審議会の第二委員会の委員長をいたしております河野でございます。  本日、公職選挙法改正に関する調査特別委員会において、選挙制度審議会第二委員会の審議経過及び結果について御説明申し上げる機会をおつくりいただきましたことにつきまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。  第二委員会は、昨年九月十八日に設置されて以来、十二回の委員会、一回の合同委員会を開催し、政治資金制度のあり方、政治活動に対する公的助成、政党法、選挙の腐敗行為に対する制裁の強化を中心に審議を重ね、先般四月十日の総会において、その審議の経過及び結果について報告したところであります。  以下、その報告内容につきまして御説明申し上げたいと存じます。  第一、政治資金制度のあり方。  まず、政治資金制度の改革の考え方についてであります。  今日、政治にかけられる金が余りにも巨額になったこともあって、政治と金の関係をめぐり国民の不信が高まってきているのではないかというのが委員会の大方の意見でありました。もとより、政治に対する信頼の基盤は政治倫理にありますが、政治資金のありようは選挙制度と密接な関連を有しておりますので、選挙制度の改革が行われようとしているこの機会に、これと歩調を合わせて、政治資金制度の改革を行うことが適当であるとされました。  政治資金の調達。  政治資金の調達のうち、団体が行う寄附についてであります。  各委員から述べられた主な意見を紹介しますと、企業等の団体が行う寄附を制限する理由はないとの意見、団体の政治活動には献金によるものと直接活動があるにもかかわらず、献金のみを制限することは不公平であるとの意見、現状において政治資金の多くを企業等の団体に依存しており、直ちに団体献金を禁止することは我が国の社会実態から見て困難であるとの意見がある一方、政治資金の提供が政治に不当な影響を及ぼしてはならないので、制限が必要ではないかとの意見、団体献金は政党に対するものに限り、個人に対するものを禁止すべきであるとの意見などが出されました。  団体献金の取り扱いは、選挙制度や他の政治資金の調達手段とも関連しております。政策本位の選挙を志向した選挙制度の改革により政党中心に選挙が行われるようになり、かつ、政党に対する公的助成が導入されれば、個人が政治資金を直接調達する必要性は減少すると考えられます。したがって、選挙制度の改革及び公的助成制度の導入と相まって、団体献金は、政党に対するものに限ることが適当であるとされました。ただし、選挙制度改革後の経過的な期間は、政党以外のものに対する団体献金の取り扱いについて弾力的な対応が必要であるとされました。  なお、将来の姿としては、政党の近代化、政党への公的助成により政党の基盤が整備されるとともに、国民が政党を中心に政治参加する体制が確立し、政党の政治資金も個人の拠出により支えられることが望ましいとされました。  政治資金の調達主体。  政治資金の調達主体に関しましては、政治資金の調達を政党中心のものとするため、寄附枠について政党枠を設定し、政治家個人と一般の政治団体は同一枠とすることとされました。  政治資金パーティーの規制。  政治資金パーティーについては、政治団体による開催、パーティー券の購入限度の設定等の措置により、節度ある開催が図られるようにすることが適当であるとされました。  政治資金の公開及び規制の実効性の確保。  次に、政治資金の公開及び規制の実効性の確保についてであります。  政治家が複数の政治団体を設立し、寄附を分散することによって寄附の公開や個別制限を免れるという問題があるので、これを防止するため政治団体の数を制限すべきであるとの意見が多数述べられました。  このため、まず、政治家に係る政治資金の全体を明らかにするため、政治家の関係政治団体を公表するとともに、関係政治団体の収支を集計して報告することとされました。  また、寄附を分散することを避けるため、政治家のために政治団体に対してする寄附は、その指定する二以内の資金調達団体に対して行うものとし、この実効性の確保と政治資金の透明性を確保するために、資金調達団体以外の政治団体に対してする寄附については、年間一万円超のものを公開することとされました。  さらに、政治家がその政治資金を取り扱う指定団体から受けた寄附も収支報告の対象とするとともに、指定団体の数は一に限ることとされました。  罰則の強化。  政治資金規正法違反に係る罰則の強化としましては、政治資金規正法違反をした役職者のほか、企業、団体等も処罰すること、寄附の制限に違反した寄附の受領者に対し没収または追徴を科すること、政治資金規正法違反者に対し公民権を停止することとされました。  その他。  政治資金による株取引等の禁止及び政治団体の資産公開を行うこととされました。  第二、政治活動に対する公的助成、政党法。  政治活動に対する公的助成についてはさまざまな意見が述べられましたが、結論的には、公費負担の必要性は次のような点から認められるものとされました。  すなわち、政治活動は、国家意思の形成に資するもので、公的性格を有する。政治活動の公正と政党間の機会均等を図り、政治活動に必要な財政基盤を強化することが必要である。政治資金の調達をめぐる国民の不信を生じさせないようにする上で、真に必要な資金を公の手によって提供する必要がある。  しかしながら、公費負担の必要性があるとしても、国民の納得できる環境整備が必要であります。政治家個人が中心となって選挙や政治活動が行われる現状では困難と考えられましたが、選挙制度の改革、政治資金の支出抑制、公開の強化、腐敗行為の防止措置の強化などにより、公費負担の導入を図る上での環境が整備されることにより、国民の理解が得られると考えられるので、政党への公的助成を行うことが適当であるとされました。  公的助成、政党法。  政治活動に対する公的助成の内容は、国会議員の議員活動に対する公費負担の措置状況、選挙公営のあり方との関連も踏まえ検討することが必要であるとされました。  また、政党への公的助成を行う場合は、法律で国民の前に明確にすることが必要であるとされましたが、公的助成の対象となる政党の要件、公的助成の総額、配分基準などについては、引き続き検討することとされました。  第三、選挙の腐敗行為に対する制裁の強化。  選挙の腐敗行為に対する制裁の強化についてであります。  選挙制度の改革とあわせ、選挙の腐敗行為を防止するための厳正な措置が必要であります。このためには、行為者のみならず、候補者に対する制裁、連座制の強化が必要であるとされました。  まず、連座制の対象となる者の範囲については、末端の運動員にまで広げるべきであるとの意見もありましたが、候補者に責任を負わせるにも限界があるとの意見もあり、結論的には、候補者となろうとする者の親族、候補者及び候補者となろうとする者の秘書を連座制の対象とすることが適当であるとされました。  次に、連座が適用される候補者に対する措置の内容については、その強化を図るべきであるとの意見が多くありましたので、連座による当選無効に加えて、連座の裁判が確定した後は当該公職に係る同一の選挙について一定年数立候補制限を科することとされました。  この場合、真に候補者に対して制裁を及ぼすべきでないと認められる場合は、免責することとされました。  また、例えば裁判所の中に選挙犯罪を専門に担当する部門を設置することなど、連座裁判の促進のための改善措置を講じるべきとの意見がありました。  制裁強化のための新たな措置。  制裁強化のための新たな措置としましては、公職選挙法に違反した者のうち特定の者について、刑事罰は科さず、公民権の停止等資格剥奪を行うことが適当であるとの意見、連座による当選無効等の処分を刑事裁判とは別に迅速に処理すべきであるとの意見などがあり、この問題については、司法制度のあり方との関係もあり、引き続き検討することとされました。  最後に結びを申し上げます。  第二委員会の審議結果の概要は、以上申し上げたとおりでございます。  委員各位におかれましては、選挙及び政治資金の問題について御熱心な審議をいただいていることに対しまして、深く敬意を表しますとともに、今後とも御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、説明を終わらせていただきます。     ─────────────

中山利生自由民主党

○中山委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福島譲二君。

福島譲二自由民主党

○福島委員 まず最初に、両委員長初め審議会の皆様方がこの難しい、困難な問題に対しまして大変精力的に御審議をいただきましたこと、そしてまた、きょう大変御多忙な中、時間を割いて御出席をいただきましたことにつきまして、御礼を申し上げたいと思います。  時間がございませんので早速でありますが、私の感想を込めて若干の質疑を申し上げたいと存じます。主として時間の関係で堀江第一委員長の方に時間が割かれるかと思いますが、よろしくお願い申し上げます。  最初に総定数に関連してでございますが、今御説明いただきましたように、審議会では約五百程度という最終的なお考えのようでございます。私ども自民党は、一昨年以来精力的に政治改革に取り組むということで、政治改革推進本部等においてこの問題についても鋭意協議をいたしてまいりました。御承知のように、四百七十一という本則に掲げる定数を目標とするということを既に政治改革大綱でもうたい、また、党としての選挙公約にも掲げたところでございます。この間の経緯につきましては紆余曲折がございました。  今の日本の国会議員の定数というのは、各国と比較いたしました人口対比で、単に人口対比で言うことが妥当かどうか、いろいろ問題もあろうと思いますが、アメリカを除いた先進諸国の中では最も少ない水準にある。あえてこれを減らす必要はないのではないか。あるいは今の中選挙区制度になりました基本が大正十四年、戦後も昭和二十二年、四百六十六という定数をとりました。むしろそういう意味では、四百七十一よりも四百六十六の方があるいは正しいのかもしれませんが、大正十四年と申しますと、今から考えますと人口は約半分であります。人口が倍になったにかかわらず今の五百十二、それは四百六十六に比べますと約一割そこそこでございますから、決してふえていないではないか。また、行革等で地方議会が人員を減少している中で国会はどうだというような主張もございますが、地方議会におきましても、定数を減らしておりますのは人口がどんどんと減っておる過疎地域でありまして、実際に具体的に見てまいりますと、大都会あるいは都会部を擁する府県というものは非常に定数をふやしてきております。  そういうことを考えながら、しかし、そういう中であえて四百七十一という思い切った削減を党としては考えたわけでございますが、その辺を十分に御承知の上でこの約五百ということをお決めになったということを推察いたしますと、恐らく審議会の皆様方の中には、私が前段に申し上げたようなことを配慮しながら、国会定数を積極的に減らせという御意見の方がむしろ少なかったのではないかなというように推察をいたすものでございます。その辺についての感覚を率直にひとつ承りたいと存じます。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 ただいま福島先生御指摘のとおり、四百七十一名を基本とすべきであるという強い意見ももちろんございましたが、しかし、必ずしもこれにこだわる必要もないのではないかという意見もございまして、意見の集約の過程において、これまでの定数増が大部分暫定的な定数是正に伴ってもたらされたものであるといったようなことや、日本の行財政改革の状況等を考慮しながら総定数は削減すべきであるという見地から、最終的に五百人程度が適当ではないか、こういう結論に達したわけでございます。

福島譲二自由民主党

○福島委員 今のお話のようなことかと思うのです。実は私どもが四百七十一というものを議論した経過で、前段に申し上げたように、そう減らす必要はあるいはないのかもしれない。しかし、あえてこれを減らすというときに私ども念頭にございましたのは、やはり後にまた皆様方も御議論いただきました政党に対する助成とか、あるいは政党の議員の政治活動に対する助成とか政党法とか、こういうものを念頭に置いたときに、しかも一般国家財政がゼロシーリングという中で、極めて厳しい財政運営の中で、政党法というようなものによって政党に対する助成とか議員活動に対する助成というものが非常に突出するようなことは、これは国会として許されないだろう。やはりその辺の原資は、場合によっては定数を切ってでも、血のにじむような改革のもとにその原資を生み出さなければならない。そこが最終的に思い切った削減の四百七十一ということを打ち出した背景だったと私は思うのですが、そういうことはお考えにならないでいいという御判断でございましょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 その点についてももちろん審議会でいろいろと議論がございました。そして、御指摘の点はまことにごもっともでございますが、反面、国民の平等な選挙権を保つという上で一票の格差をできるだけ開かないようにしよう、こういった見地から考えると、あるいは余り定数を削減してしまうと選挙区の区割り等いろいろ難しい問題も生ずるのではないか。あるいは、日本の議会政治がよりよく機能し運営されるためには、行財政の現状を考えれば現状より総定数を削減すべきではあるが、しかし、この程度の人数であれば国民の理解を得られるのではないか等々の意見等もございまして、ただいまのような結論に達したわけでございます。

福島譲二自由民主党

○福島委員 この点については、私どもといたしましても今後どうすべきかは大問題だと思っております。率直に申し上げて、野党の皆さん方も、国会議員定数はそう減らす必要ないとお考えの党が多いと思いますし、党内でもやはり大変な問題であって、せっかく審議会が五百程度でいい、余り減らさないでもいいというお気持ちなんだから、そこのところは四百七十一なんという議論を進めることについては大変難しくなるのではないかな。しかし、これは今後の問題として、党内におきましても、また与野党の間でも十分に協議をしていかなければならぬ問題だと思っております。  今それに関連して、一票の重みというか一票の格差のお話がございました。そういう意味で、今度はこの総定数の配分の問題に触れてみたいと思います。  一対二とか一対三とかいうことが今まで最高裁の判決等で一つの格差是正の基準としてうたわれてまいりました。新聞等でも、委員会の御審議の中で、一票の格差は限りなく一対一に近づけることを考えるべきだというお考えが背景にあったと。そして現実問題として、選挙区間格差は二対一程度というふうに今も御報告がございました。  私は、一つは、今のように一対二とか一対三とか言われておりますけれども、じゃ一体理想は何だ、あるべき姿は何だということについては余り議論がございません。何となく一対一だ、それが理想だというのが普通の常識的な受け取り方だと思います、こういう議論を聞きまして。しかし現実には、一対一ということは、完全に人口比例で割ってもあり得ない話でございます。  現に今回皆様方がおつくりいただきました各県に対する三百人の人口配分を見ましても、最大格差は一・八を超えております。恐らくどんなにしても、府県間格差というのは一・五程度は、人間に端数がつけられませんので必ず出てくる話だと思います。それをさらに選挙区間において一対二でおさめるということは、根っこに一・五がありますから、さらに選挙区間格差で平均上下二割のアローアンスを認めるとしても、それはすぐ二・二五ぐらいまでに拡大してしまうわけですね。ですから私は、今の格差論の中で、人口対比で考えておることについての一つの問題点を感ずるわけでございます。同時に、物理的に選挙区間格差を二以内におさめるということは、まず絶対に不可能だと私は思っております。  同時に、それじゃどうするかというときに、これはもう全く観念的な議論ではありますが、人口のほかにあるいは面積というものも念頭に置くべきだ。御承知かどうかあれですが、今日本の中選挙区制度における面積で最大の選挙区と最小の選挙区の開きというのは、想像を絶する開きでございます。一番小さいのが東京八区、三人区です。北海道五区が一番大きくて五人区。その差は何と千六百七十八倍でございます。このような極端な差がある。しかも今、過疎・過密ということで一極集中に対してのいろいろな議論がございます。そういう中で人口対比で議員定数を配分するということは、私は過疎地域を抱える議員、またその国民からは一体いかなることであろうかという議論も誘発をしてくるだろうと思います。また、これも全く常識的な議論ではございますが、投票率の非常に高い地域、一般的には田舎は高いわけでありますが、都会はもうその半分にも満たないような投票率のところがございます。そういうことも念頭に置いたときに、単に人口で定数を配分するということについてはいろいろ抵抗感がございます。  そういうことはもう十分に御承知の上で、あえて二対一という結論をお出しになったわけでございますが、つい先般の国会決議の中でも、過疎・過密とかあるいは地域の実情に配慮した定数の配分をするということをうたっておるところでございます。そういう意味で、一票の格差を限りなく一対一に近づけるという基本的な考え方、あるいはそれが現実に物理的にできるかどうかということについて、私は大変疑問に思っております。  そこで、私はこの格差を考えるときには、府県間においてまずできるだけ格差を縮めるという努力をする。しかし、先ほど申し上げたように人間に端数がつけられませんので、やはりそれでも府県間で二対一程度におさめるというのが限度ではないかな。そういたしますと、中選挙区でも小選挙区でもいいわけですが、その後の県内の定数配分というのは、一対二とかそういう議論にかかわらず、西独等でも一つの例がございますが、平均値についての上下何%かのアローアンスというか偏差値というか、そういう角度で考えていただくということが現実的な方法ではないかなということを感じております。  今申し上げましたことは、何よりも参議院に格差の問題、今の一対二とか一対三という議論を導入いたしますと、これは収拾がつきません。もちろん御承知のように、参議院は半数改選ですから偶数にしなければならない。人口比で〇・七人にしかならないところでも二人に切り上げていかなければならないということですから、今のように人口比でずっと積み上げてまいりますと、二に満たないところを全部二にするために、小さいところで大分はみ出してしまいます。にもかかわらず人口比を貫いていくとすると、百五十二人の定数では絶対に不足いたします。恐らく十人くらい定数を増加しなければなりません。私は格差というのは、そういう意味で選挙制度等に起因して当然に生まれる部分というのがあるわけですから、そういうものを考えずに一対二でなければならぬ、一対三でなければならぬという議論というのは、ではしからば参議院の場合にどう考えられているのか、そこのところについてお考えを承りたいと思います。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 ただいま福島先生御指摘の件でございますが、もちろん委員会の中では過密・過疎というような問題とか、あるいは御指摘にございましたような投票率の問題、これに対して十分配慮せよという非常に強い御意見がございました。しかし一方では、本来選挙権というものは格差なしが大原則である、こういう意見もございました。そして、実際問題といたしまして、都道府県など行政上の区域をまたがって選挙区を設定するというようなことは事実上できない、こういう制約もございますので、人口の格差を二対一未満とするということを基本原則としよう、こういうことで意見がまとまったわけであります。  もちろん、都道府県の人口の均衡には最大限の配慮をいたしたいと思いますが、その結果、選挙区間の人口格差も、都道府県間の人口格差を縮小するということによってかなり小さくできるのではないかと考えております。しかし、現実に区割りをする段階におきまして、例外が絶対生じないということを言い切ることはできないのではないか、こういうふうに思っております。いずれにいたしましても、委員会としては、選挙区間の人口の均衡を図ることが極めて重要である、こういった認識に立って、都道府県への割り振りも人口比例にすることといたしたわけであります。  なお、御指摘のように、この人口比例で三百の定数を各都道府県に配分いたしますと、格差が一・八程度になるかと思います。ただ私どもは、鳥取県といったような県、これも人口六十万という、三百の定数というと一選挙区平均は四十万になりますので、非常にかけ離れた県があるということで、鳥取県に対しては例外中の例外ということで、二議席を割り振ることがいいのではないかという議論等が今進んでおりますが、そうなりました場合には都道府県間の格差はさらに縮小いたしまして、恐らく一・四前後になるのではないかと思います。  それから、参議院の問題でございますが、衆議院議員については特に人口の均衡が重要であって、都道府県の定数の割り振りはあくまで人口比例で行いたい、こういうふうに議論がまとまったわけでありますが、参議院議員の定数配分につきましては、これも御指摘のとおり半数改選という要請もございますし、参議院議員の選挙制度のあり方をどう考えるかということと深くかかわってまいります。したがって、これにつきましては今後早急に審議会として検討を進めたい、かように考えております。

福島譲二自由民主党

○福島委員 深く入りますと時間がありませんが、一点だけ。  今のように鳥取を二議席にいたしましても府県間格差は一・四八、約一・五でございます。それに加えて各県内の選挙区の状態というのは、選挙区割りというのは頭数でぴしっと割るわけにはまいりませんから、平均値の上下二割やそこらは簡単に出ます。二割出ますと、今の府県間の平均一・五というのは全体として二・二五になりますから、選挙区間格差を二でおさめるという結論は物理的に不可能だと私は思っております。  同時に、今度は少しまた観点を変えますが、三百、二百というブロック制を導入されました。この二百というのは、一応新聞等ではブロックでの数字しか出ておりませんが、あえてこれを三百、二百を分解した同じ方式で計算をしてみました。その二百のブロックの数字を全部府県間に乗っけてみました。そういたしますと、今の五百の案というのは、現状の府県別定数に比べまして八県でゼロです。異動がありません。三十県でマイナス五十七であります。九県でプラス四十五です。五百十二が五百に減るという一見わずか十二の減のようでございますが、分解をいたしますと五十七減の四十五増。先般の定数改正で、八増・七減でも大変な騒ぎを引き起こしました。これが五十七減・四十五増というような姿になってまいりますと、私はハチの巣をつついたような騒ぎになるだろうと思います。  仮に審議会の案のような形にいたしましても、何か一つ激変緩和の必要性があるのではないか。あるいは、私は前にも一つの私案を提出をいたしましたが、府県間に割るときにあらかじめ人口比で完全に割るということではなくて、各県に一人ずつとか二人ずつとか、あるいは全体の定数がどうなるかわかりませんが、百分の十とか百分の二十とか、そういう比例部分を均等割にして、あとは人口比にする。したがって、格差というのはその結果として出てくるわけであります。各県に何人振るかということは政策課題でありますから、あとは人口比で割ってさえあれば、結果としての格差が幾つになろうと憲法違反というような議論にはならないのではないか、そういう方式というのもまた考えられるのではないかと思っております。今の参議院も、そういう意味では二人の基礎的な付与をしたという感じとも言えないことはないわけです。同じようなことが考えられないかどうか、その辺についてのお考えを聞かせてください。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 ただいま福島先生の御指摘のような意見は、この審議会においてもいろいろございました。これはかなり強い御意見として存在いたしました。委員会の大勢といたしましては、国の内外の情勢その他いろいろな状況を考慮した上で、委員会としては選挙区間の人口の均衡を図ることが極めて重要である、こういう認識に立ち、かつ、都道府県への割り振りも人口比例によることとするということにいたしたわけであります。

福島譲二自由民主党

○福島委員 時間がございませんので、さらに詰めていきたいのですが、次に移らせていただきます。  小選挙区そして比例代表並立制という形をおとりになりました。私も小選挙区がいいか中選挙区がいいか、これは果てしない議論だと思います。しかし、中選挙区と小選挙区の対比におきまして、先ほど幾つか利害得失を挙げられました。挙げられました中には、どうもそうかなと思うところもございます。個人本位で金がかからないと言われますが、本当なのかな、特に比例代表ブロックができたときにそういうことが言えるのかな。あるいは派閥選挙が少なくなる。確かに中選挙区は派閥選挙の基盤ではありますけれども、小選挙区になっても派閥はやはりなくならないのだろうと私は思っております。  それから、政権交代が起こりにくく政治腐敗の原因になるという御指摘がございました。政権交代が起こりやすくする改革をすると言われますと、私どもはちょっと抵抗感がございます。しかもそこが政治腐敗のことにつながると言われますと、またさらに抵抗感がございます。ですから、そういう説明のされ方は非常に私どもにとっては食いつきにくいところがございます。政権交代が起こりやすい。しかし、後ほど社会党さんからも御質問があると思うのですけれども、今社会党さんの方は、私どもが聞く限りは、むしろ小選挙区には非常に抵抗感があろう。本当に政権交代の意欲があり、能力があるならば、私は小選挙区に乗ってこられてもいいのじゃないかと思うのですけれども、その辺についても十分な意思疎通もまだできておりません。その辺はもう本当に議論は尽きないと思います。少し私はその辺も議論したいと思いますが、時間がありませんので、一番のポイントについて伺っておきたいと思うのです。  今回二百人のブロック制をつくられました。私はここは大変大きな問題だと思っております。というのは、一つは、今までの選挙制度、ブロック別にいきますと、全国、ブロック、それから県、中選挙区、小選挙区とあるわけですが、参議院は全国区と県単位の選挙をいたしております。今度の案というのは、その中間であるブロックと今の中選挙区よりもっと小さい小選挙区という組み合わせをつくられました。そこに一つ私は守備分野としての混乱があるのではないかと思います。  それでもう一つは、このブロックの性格ですが、最初のうちは今現に現職がおります。例えば熊本県の場合、私は熊本ですが、定数十が今度の案では半減をいたします。ブロックを入れますと八になります。五つの選挙区、比例代表に三人を供出いたします。そして現職自民党代議士は今七人おります。ですから、五つの選挙区にはめて、あと二人は比例代表の方に組み込まなければならない。そういう意味で、最初の間は現物がおりますから、人間がおりますから、やはり人間と地域にひものついたようなブロックの名簿作成になると思うのです。しかし私は、このブロックの制度は必ず将来そういうふうな地域の代表とかいうことから切り離されて、今の参議院の比例代表制度のような形において、あるいは職域代表とか職能代表とか、そういうような形に切りかわらざるを得ないのではないかと思っております。  同時に、衆議院と参議院の差というのは、いろいろな制度的な差がありますが、衆議院の方はいつ解散があるかわからない。あるいは参議院に比べるとより地域に密着した形において国民の皆様方の、有権者の皆様方の意見をくみ上げるという制度になっている。そこに衆議院の活力というものが生まれてきておったわけですが、その衆議院の活力の源泉である地域密着性というものが、五百人のうちの二百人というものが大きなブロックに転換をすることによって、その活力を欠いてしまうのではないか。この辺が大変大きな問題ではないか。  同時に、この辺の議論というものが、先ほど御説明にありましたように、参議院の改正は基本的には後に譲られてしまっておる。一応軽く触れられておるだけである。本来選挙制度というものは、衆議院と参議院という両院制をとっておるのであれば、その両院がどういう機能を持つか、どういう特色を持つか、また持たせるべきか、その辺をきちっと議論をした上で、その機能をより有効に発揮するための選挙制度はどうあるべきかという議論になるべきだと私は思っております。  ちょっと逆説的に言いますと、今度衆議院が先にされましたが、もし参議院が先に議論されたときには、今のブロック制というのは、参議院改革の一つの方向として、今の全国区比例代表をブロック別の比例代表に切りかえるということは十分な案としてあり得た、今までもあったと私は思っております。その参議院の方の話を後にしてしまって議論されましたから、そこのところの特徴とかあるべき姿というものの議論がなくて、今の比例代表ブロック制というものになったのではないかと思っております。  その辺、今回の小選挙区比例代表ブロック制というのは、特にブロック制という意味におきまして、これは衆議院の質的な変化を来していると言わざるを得ないのではないか。政府がお願いをいたしましたのは、今の両院の選挙制度のあり方についての御諮問をお願いいたしました。ところが、その根っこである衆議院の本質的な機能、目的、あり方、そこの変質を来すような選挙制度の改革というのは、私はちょっと厳しい言葉で申し上げますと、諮問の範囲を超えてしまった御議論が展開をされてしまったのではないかというように思うのですが、その辺についてのお考えを聞かせていただきたいと思うのです。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 もとより我が国の国会は二院制をとっておりますので、当然衆議院の選挙制度を議論する場合には、参議院の選挙制度につきましても考察を及ぼすということは必要でございます。私ども審議会におきましては、参議院議員の選挙区制度につきまして概括的な論議を行った上で、その制度を頭に置きつつ、衆議院議員の選挙制度のあり方について審議を進めてきたわけでございますが、今回の答申が作成されました後に、早急に今後引き続き参議院の選挙制度について検討をするつもりでおります。  なお、ブロックにつきましては、比例選挙の選挙区にブロックを採用する。これは一つには、都道府県単位とした場合には比例代表制の趣旨が生かされないという面が出てまいる。一方、全国一区とした場合には余りにも選挙区が膨大になって、かつ名簿に登載される候補者の数も非常にふえるということで、これも余り現実的ではない。そして最近におきましては、都道府県を超えたブロックの広域的な結びつきが行政上あるいは経済活動上、社会生活上見られるという点に着目して、ブロック制を採用したわけでございます。

福島譲二自由民主党

○福島委員 時間が参りましたのでこれでとどめさせていただきますが、残念ながら今の御答弁というのは、選挙制度の技術論についての回答として生み出されたものでございます。しかしそこは、最初に申し上げましたように、まさに衆議院の本質的な部分についての性格の変更をもたらしておると私は思います。とにかく話が逆転をしてしまった。技術論によって衆議院の制度の基本的なあり方の変更を余儀なくされるような御答申というものにつきましては、これは大変大きな問題を抱えておるということを最後にもう一遍申し上げさせていただきます。  そして、私は本来政治資金の方が専門でございますが、政治資金の分野に及ばずに、第二委員長においでいただきながらお伺いできなかったことをおわび申し上げて、終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山委員長 佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)委員 両委員長には大変お忙しいところ御出席をいただきまして、ありがとうございます。社会党の持ち時間の間、私は主に第一委員会の委員長に、山花委員が第二委員会の委員長にということで、一応仕分けをして御質問をさせていただきたいと思うわけでございます。  せっかくお越しをいただいたのに、冒頭から大変失礼なことになるかとも思うのでありますが、私も選挙法をかなり長いこと当委員会におりましてやっておるわけでございますけれども、どうも今度の審議会のあり方というのは、初めに結論が出ていたような感じがしてならないわけであります。それは、これからおいおい堀江教授という立場におきましても少しお伺いをさせていただきたいと思うわけでございますが、たまたま私が思っていたことを御同僚の立教大学の教授の高畠通敏先生が書いていらっしゃるのです。   リクルート事件に端を発した政治改革が二つの委員会委員長報告で一応の決着をみたわけだが、本当の意味で改革として結実したかについては疑問だ。   例えば、中選挙区制の弊害を改めるのはいいが、小選挙区制と比例代表制を六対四で並立させるという結論は、審議会が出発する前から自民党幹部らが発表していたものだ。 これは昨年五月の自民党の政治改革大綱の中に、比例代表を加味した小選挙区制の導入という書き方で、並立か併用かということは書いてありませんが、私たちの観念としては、委員長も御承知のように、西ドイツ方式というのは、あの併用案というのは原則的には比例代表であるというふうに思っておりますので、この意味では、大体自民党さんのこれまでの議論を聞いておりますと、ここでいわゆる並立案というのが昨年五月の政治改革大綱に出てきている。これが既に審議会発足の前にあったのではないかと私たちは思うのであります。  それで、高畠先生の話を続けますと、その後、当然、与党有利で、野党は絶対反対する。現在の国会情勢からみると、この案は十年は日の目を見ない可能性が大きい。どうしてこんなに急いだのか。結局、与党が審議会の“お墨付き”を欲しがり、審議会は政治的に利用されたということになる。 ということで、これは高畠教授の名誉のために言っておけば、談という言葉になっていますので、このとおり言われたのかどうかは若干ニュアンスに違いがあるかもしれません。ただ、二倍以内のことと、それから第三者機関にその是正をするなり選挙区割を任せるというようなことについては、大変高い評価をしていらっしゃるのであります。  いずれにしろ、実は審議会の方の特別委員にも当初、これは自治省の方だと思いますけれども、特別委員に政党代表はしないということから、皆さん方の方からぜひ我々の案を、考え方を審議会の方で述べていただきたいということにつきましても、どうも全体的に、今冒頭申し上げましたように、既に初めに政治改革大綱ありき、かつリクルート事件、あるいはさかのぼればロッキード事件等の金にまつわる話というのを、全部制度論に逃げている全体の流れがあるんじゃないだろうかということを私たちこういうものを扱う者としては大変ひしひしと感じているわけでございます。  そういう意味で、冒頭お伺いしたいのは、先ほど委員長からも、今の中選挙区というのが政策本位になっていないとか、あるいは個人本位ではないから金がかかるとか、あるいは派閥選挙になる、政権交代がしにくいというようなお話があったのでありますが、裏返して言えば、では他の制度にすれば金がかからないのですか、あるいは本当に政策本位になるのですか、政権交代がやりやすくなるのですかということには必ずしも直結してこないのではないか。中選挙区制から制度を変えれば政党本位になり、あるいは政策本位になり、金がかからないというセオリーだけを少し宣伝し過ぎたのではないだろうか。これは審議会が宣伝したという意味ではなくて、全体的にそういう流れだけで国民の皆さん方にも判断を求めているのじゃないだろうかという気がしてならないわけでございます。  それについて二点、私申し上げたいのであります。  一つは、よく言われておりますように、これは河野委員長にもお伺いしたいのでありますけれども、奄美大島の一名区の例ですね。今度当選者がかわったわけでありますけれども、勝った方の徳田さんの陣営でも、この一名区というのはとにかくたまらぬと。前の保岡さんとも、委員会が一緒だったこともあっていろいろな話を個人的にもしているわけでございますけれども、とにかく一名区というのは、新聞の書き方では悲劇の選挙区であるということで大変な労力と金がかかる。篠原一成蹊大学教授に言わせれば「利益誘導型の日本の政治風土のもとでは、奄美のような一人区ではいったん権力を握るとあらゆる地域や組織が固定化されてしまう可能性が強い」ということで、一名区、小選挙区制を導入すれば金がかからなくなるというのは、私は神話ではないかと思うのです。制度を変えれば金がかからなくなるようになるというこの前提がある限り、話の論理というのは初めからすれ違っちゃうのではないだろうかというふうに思えてならないわけでありまして、その辺をどういうふうに考えていらっしゃるかが一つであります。  これはひとつ政治資金を扱われた河野委員長にもお伺いしたいと思うのであります。河野委員長のもとでまとめられたあの政治資金の範囲で、一体、一名区で金と金で戦う選挙にならないという保証があるのだろうかということについてお伺いをしたい。  もう一つは、制度をいじくっただけではどうにもならぬじゃないかと私がつくづく思ったのは、例の参議院の全国区を比例代表に変えました。これは私も当委員会で随分いろいろな議論の中でやった方であるわけであります。昭和五十年の改正でやったわけでありますけれども、確かに対国民に対してそういった意味での——当時三億とか五億とか言われているのですね。銭酷区と言われたようなことは比例代表である限りは確かに見えなくなったわけでありますが、今度は自民党さんの方は党内の順番を決めるのに大変なお金がかかるということで、何か自民党さん、昨年の参議院選挙のときには五百七十八万人の党員、党友というのを集められて、党員が四千円、党友が一万円ですか、とにかく党本部に百二十億、地域職場支部に百六十億、合計二百八十億のお金が党員と党友を集めるのにかかったということでありまして、全国区がなくなったと思ったら、今度は党内の順位を決めるのに、党内闘争にお金がかかってくる。だんだん物事が陰湿化していく、中に中に、内に内に入っていってしまうということになるわけで、つまり、制度を変えたら金がかからなくなるというこのこと自体、私は神話ではないかというふうに思っているわけであります。  今度小選挙区比例代表という、中選挙区では大変マイナスが多いので変えようという前提として、今の選挙制度が大変金がかかる、あるいは後からちょっとお伺いしますが、政権交代等の問題等々で必ずしもいい制度ではないというふうに考えられた結果が、本答申のような小選挙区比例代表ということになっているのだと思うのですけれども、私たち現場におる者からいいますと、その認識は現状とはかなり違うのではないかというふうに思うのでございますが、御意見いかがでございましょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 ただいま佐藤先生から御指摘の問題でございますけれども、私ども決して最初から小選挙区比例代表並立案ということで審議したわけでは全くございませんで、委員会といたしましては全く白紙の状態で議論を始めました。各委員からこもごも御意見が出され、どうも中選挙区制制については弊害が多過ぎるのではないかということで、委員会のほとんどの委員の皆様方がこれにかわるべき新しい制度を考えようではないか、これが、審議の過程で出てきた委員会の最初の一つの結論でございました。それに基づいて、あり得べき新しい制度について種々検討を重ねたということでございます。  小選挙区制になれば金がかからぬのかという御指摘でございますが、中選挙区制のもとでは、これも御指摘にございましたように、一党から複数の立候補者が立つということになりますとどうしても個人本位の選挙となり、かつまたその結果、いろいろと御指摘にあったような、時には利益誘導といったようなおそれもなしとしないという面もございますし、選挙に金がかかるという面が多多出てき、派閥政治もしくはそういったいろいろな問題点が生じてくるということで、何とかそれを避けたい、改革いたしたいということで、小選挙区制を比例代表制と組み合わせたい、こういう結論に達したわけでありますが、もちろんこれも御指摘のとおり、制度を変えたからといって直ちに金がかからなくなるというものではございません。同じ選挙のやり方をすればお金がかからなくなると申して差し支えないかと思いますが、選挙のやり方いかんでは、当然お金はどのようにもかけようと思えばかけられる、こういうことになるわけであります。  そこで、私どもの委員会といたしましては、政治資金のあり方と申しますか、政治資金の調達とそれから政治資金の使い方という両面にわたって選挙制度と同時に審議を重ね、車の両輪として、両方相まって金のかからぬ選挙を実現いたしたい、こういう趣旨でこの結論を出したわけでございます。

河野義克選挙制度審議会第二委員会委員長

○河野参考人 今いろいろお話がございましたように、小選挙区にすれば必ず金はかからないで済むということについては、実際がどうであるか、つぶさに検討を要するものがあるという意見は私どもの間でも多く出されました。  それから、例示されました奄美群島の選挙の実情についても検討をいたしました。それで、奄美群島のようなことが小選挙区にした場合に普遍的に全国に起こるものであるか、全体としては中選挙区下の選挙においてたまたま一つの小選挙区があった場合に、特殊な事情が作用してああいう事態が醸されているのか、そこらは大分見方によって違ってまいると思います。私どもは、全国を通じて小選挙区制度というものが行われる場合に、党の公認とかいろいろな過程、それからその他の政治資金の収支のいろいろな規制が重なってくる、また、選挙運動あるいは政治活動についての連座規定の強化というもろもろの要素が加わってくる場合において、奄美群島の事態が全国的に拡散するというふうには考えておらなかったのであります。  特に、中選挙区のもとにおいて複数の候補者を立てた場合に、個人本位の選挙になり、その間個人間でぬきんでようとすることから、いろいろな無理な金の支出があることの部分については、一人の候補者のみが同じ政党から出るという小選挙区のもとにおいては、大分事情は違ってくる。だから、小選挙区になれば即、金はかからないという断定をする勇気はございませんけれども、傾向的に見れば、小選挙区にすればほかのもろもろの政治改革と相伴って、個人で金をかけなければならない必要量というものは相当減少する傾向を示すであろう、そういう期待はいたしておるものでございます。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)委員 その辺が我々と認識がちょっと違うのでございまして、今御両氏の前提としては、三百例えば小選挙区があるとすれば、立候補者は原則として恐らく三百人というふうに頭の中で考えられているのだと思うのです。しかし、現実には恐らく、これはどうなるかわかりません。自民党さんも統制力が働いて、絶対出さないのかどうかわかりませんけれども、やはり自民党の公認がなくても、一名区のところに出るというのもあるでしょう。我が党でも今度の選挙でありまして、当選した人もいるくらいでございます。ですから、また自民党さんの中でも、今度は公認争いをするのにどうやって一名を決めてくるか。各国とも党内の秘密投票でやっている制度のところもあるし、いろいろなやり方でこの一名を選んでくるのもあると思います。  そういった意味では、今度は河野委員長、面積が狭くなればなるほど、ある意味では政党本位と言うけれども、実際には個人と個人とのつながりをますます密にしていくということになる。あるいは党内だけの話ではございません。他党が、当然のことながら落ちた方は毎日毎日そこで動いているわけで、それがどういう運動をするか、これはいろいろなやり方があろうかと思います。いずれにしろ、面積が狭くなり、小選挙区になれば金がかからないというのは、我々現場におる者からいいますと、いやいやむしろますます人間関係を密にしてそういったことをしていくのじゃないか。しかもそれは、今までは個人が後援会という形でいろいろやっていましたけれども、今度は党という衣を着て、党という名称でいろいろなそういった行動をしていくのじゃないだろうかということも当然考えられるわけです。  私、先ほど全国区を比例代表に変えたとき、その後のいろいろな変化について申し上げたわけでございますけれども、そういったことから考えますと、まず前提として、小選挙区というものが本当に政策本位になるだろうか。ある意味では理想的にはそうかと私たちは思うのでありますけれども、我々の場合でも今度は三十一選挙区で複数を立てまして、いやまだまだ立て方が足りなかった、これだから政権交代がいかないのだという御心配をいただいていますが、これはちょっと後で触れさせていただきます。今度複数を立てたところでも、我々の場合には、では複数立てたからお金がそんなにかかるだろうか。人間の集団ですから個人的批判、非難がないとは申しません。けれども、中選挙区即悪で、それなら小選挙区になればそれがすべてパラダイスのようにきれいな選挙になるというような幻想を国民の皆さんに、審議会だけじゃないですよ、いろいろな意味で出すことは、私はもう少し静かに考えてみなければいかぬのじゃないだろうかというふうに思うのでございますが、いかがでございますか。

河野義克選挙制度審議会第二委員会委員長

○河野参考人 おっしゃることはよく了解できます。  それで一つは、小選挙区制度になった場合の各政党の対応、端的に申すれば公認の仕方等が随分関係してくると思います。公認の仕方で民主主義の原則に最も忠実にやっているのはアメリカだと思います。アメリカの予備選挙という、共和党なら共和党、民主党なら民主党の中で実際に選挙にかけて決めるその過程においては、若干程度個人が金を用意しなければならぬという面があるようでございます。  それに対してイギリスの場合には、保守党なり労働党なりあるいはその他の政党なり、地方支部の幹部等が公認の衝に当たって必要であるならば面接をするとか、テストをするとかというようなことをして公認の人を選ぶ。そして、一たび決まれば党が全面的に選挙戦の采配を振るって、個人の候補者が金の面で苦労するということは余りないように思います。それとイギリスの場合に、御承知のような一八八三年のあの峻厳な腐敗防止法以下の法制が整備しておって、選挙に金がかかるということは余りないと思います。  それで、日本において具体的にどういうふうにやるか。中央本部が絶大な力を持って公認を決めるか、地方の支部がそれぞれいろいろな関係で公認を決めるか、そういうことはなかなか予測できませんけれども、相なるべくんばイギリスのような諸制度の改革に踏み切りつつ、公認の段階から、いわんや選挙戦のただ中では個人が余り金の心配をしないで済むようにしたいものだ、そういう願望なり期待が相当あって今度の答申というような方向に行っているということを御理解いただきたいと思うのであります。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)委員 私の言いたいのは、今河野委員長言われましたように、私どもの方も腐敗防止法に準じたものを日本もつくらなければいかぬじゃないかということで、今いろいろ法作業に入っているわけでありまして、その前提なくしていかなる制度を持っていっても、金をかけようと思ったら幾らでもかかるわけで、清浄なる政治あるいは選挙ということにならないと思うのです。  ですから私たちは、後は山花委員の方からお伺いいたしますけれども、今河野委員長言われましたように、まず政治腐敗防止法的なそういう政治土壌をとにかくつくらぬことには、これはどちらが卵かどちらが鶏かではなくて、そういう金に左右されない——一定の政治活動には一定の金がかかることは私も否定をするものではありませんけれども、しかし、それが買収なり供応なり、あるいは物と物との関係で有権者と結びつくような、利権に結びつくような政治風土というのはなくしていかない限り、そのことをまず前提にしないと、いかなる制度も生きてこないんじゃないかということをまず前提として申し上げたいと思うのであります。  二番目に大きな質問は、堀江委員会の方で小選挙区比例代表制をとられた、つまり並立案をとられたということなのであります。  慶応大学教授に私が講釈するまでもありませんけれども、これは大政党が圧倒的に有利ですね。小選挙区の方では絶対に支持率の高いところが議席をほとんど独占をしてくる。それから比例代表の方だって、支持率が高い方が相対的に大きな議席を得ることは当然当たり前。つまり、小選挙区と比例代表と両面において二重の恩恵が大政党の場合にはあるということにつながるわけでありまして、私は、ある有力なる新聞の社説がこの二つの制度の組み合わせについて、その利点を生かし欠点を克服しようというような表現を使ったので、あえて何新聞か申し上げませんけれども、これは大変な間違いじゃないか。ある人が、これは木に竹を接ぐような結合ではないかと。こういう制度がうまく生きる政治状況というのは、我が党のことを言ってなんでございますけれども、要するに、二つの政党がかなり支持率が拮抗しているときには非常に生きてくると思うのであります。  ただ、恥ずかしながら我が社会党は、確かに昨年七月の参議院選挙のときには、地域によっては自民党さんの支持率を超えたところがございますが、大体パターンからいったら四十対二十五とか、そのくらいに現状では考えていていいのじゃないかと思います。支持率にこういう乖離があるときに、この小選挙区比例代表というのは大政党にとりましては大変なメリットがある制度になるわけでありまして、これはまさに堀江先生が第一委員会の委員長になられる前に「エコノミスト」で大阪の例と東北六県の例の御計算をいただいて、小選挙区では全部自民党が独占だ。ただしそれは六十一年のダブル選挙のときの票でございますし、その後社会党の支持率も上がっておりますから、少しは違うかと思いますが、ただ、やはり現状支持率に多くの差があるという中においてこの制度を導入した場合には、圧倒的に小選挙区においては、言うまでもなく自民党さんがほとんどというか、完全にと言っていいか、とっていく。死票が大変ふえる。  かつ、比例代表の部分でも大変有利なことになっていくわけでありまして、後から恐らく政権交代のお話があろうかと思いますけれども、この制度は大政党にとりましては二重の恩恵があるわけで、政権交代よりもむしろ政権の固定化につながっていく制度ではないかというふうに私は思うのでありますが、あえてこの制度をとられました理由につきまして改めてお伺いしたいのであります。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 ただいま佐藤先生から御指摘がございましたが、私ども小選挙区制と比例代表制を組み合わせた並立案を採用したというのは、異なる原理の制度をただ機械的に結びつけたというわけでは決してございません。  御存じのとおり我が国は議院内閣制をとっておりますので、総選挙に課せられた一つの役割は、国民が国民自身の判断によって次の政権を担う政党を決めるという役割と、それから国民のさまざまな意見をできるだけ少数勢力に対しても国会に代表を送り得る権利を制度的に保障するという二つの働きが課せられておると考えております。小選挙区制という制度は、民意のわずかな変動が議席の大きな差となってあらわれてまいりますので、そういう意味では、民意が次の政権党を、どの政党に政権を担当させるかという民意を表明するのに適当な制度ではないかと考えたわけであります。  なお、これにつきましても、これもまた御存じのとおりのことでございますが、昨年の参議院選挙の例を見ますれば、全国で一県一人区の選挙区が二十六ございます。これは事実上小選挙区でございますが、このうち二十三議席が野党その他によって獲得されたという例もございますし、その中には連合といったような、それまで政治勢力としての既成の組織を持たなかった団体も十議席を獲得するといったような事例もございますので、この小選挙区制が従来第一党であった政党に特に有利な制度であるとは必ずしも私ども考えなかったわけであります。  また、比例代表制は元来、多様な民意と申しますか、さまざまな少数勢力に対しても代表を送り得るチャンスを保障しようとするものでございまして、そういう点で比例代表制、つまり、小選挙区部分において次の政権を担う政党を民意が定め、そして、比例部分において多様なさまざまな国民の意見を代表する候補者が議席を獲得し得ることを保障しよう、こういうふうに考えたわけでございます。  なお、これも御存じのことでございますが、西ドイツ等におきましては比例代表制にいわゆる阻止条項等の制約を加えておりますが、私どもはそういう見地から、比例代表部分についてはその種の制限は一切付さないというふうにいたしたわけであります。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)委員 確かに四十七都道府県のうち二十六の一名区がある参議院の選挙制度、ここで今、堀江委員長言われましたように、結果において昨年は二十三野党の方が勝ったということでありまして、二名区、三名区、四名区とありますけれども、そこでもかなり我々もとることができた。確かにその前提として、消費税の強行導入の問題なり、リクルートなり、農業問題もあったでしょう。こういった政治状況が、特別なことが重なったからだと思うのです。確かにロッキード事件等があったときにも、一派閥の問題に問題が矮小化されてしまって、自民党でも他派の人は関係ないのですよという形になってしまって、政党対政党の争いになっていないのじゃないか、ということの言われ方があったことも事実であります。しかし、昨年の参議院のようないわば公約違反をしたような前提をもってしても、これは制度論としていかがなものかと思うのであります。  それともう一つ、確かに多様な民意を酌み取るという意味においては、比例代表というのはある意味では完璧な制度でありますが、ただ、それが五百のうち二百とか、今度はまたブロックで輪切りにするとかいうことになって、升が小さくなればなるほどこの比例代表制というものの持っている持ち味というのは、論理的にも制度的にも本当の意味での真価というのは発揮されなくなるわけです。そういう意味で、たまたま昨年の参議院選挙はああいう結果でございましたけれども、基本的に大政党の方が小選挙区においても圧倒的に有利、そして比例代表についても、升が小さくなればなるほど小政党は不利、大政党がやはりその力に応じてとっていくという制度で、これは二つとも、小選挙区部分においても比例代表部分においても大政党に圧倒的に有利な制度ではないかということでして、当然のことながら私は賛成できないわけであります。  あわせまして、今、堀江委員長言われましたように政権交代の問題でありますけれども、中選挙区の方でも御承知のように六名区、二名区、一名区というのがありますが、ちょっとその話は別にして、五名区が約四十、四名区が四十、三名区が四十、こういう中で、確かに今度我々社、公、民、連で出せました候補者が二百七十くらいだったわけであります。ただ、自民党さんが過去過半数を割ったときの数字を見てみますと、もちろん自民党さんが割ったときには、共産党さんの議席も当然野党の中に入っているわけであります。  そういった面から見ますと、我々も政権を担える党へということでえらく頑張っているわけでありますので、その意味では、例えば三名区で自民二、社会一という数字が四十、ここでマイナス四十、四名区で自民二、野党二ということで二、二、それから五名区で三つとっていけば、これでとんとんということになるわけですね。だから、五名区で四つのところを幾つかつくっていければ自民党さんは過半数をとれないという格好になるわけで、中選挙区だから政権交代が制度的に難しいということにはならないのじゃないだろうか。例えば、じゃ昨年、あの支持率のときに衆議院選挙をやったらどうなるだろうかということにも当然なるわけであります。  そういった意味では、今現状は大きく言えば五大政党というのでありましょうか、そういう政治状況があるときに、中小と言っては失礼でありますけれども、その政党が非常に存立しにくいような制度をここに入れるということは、これは基本的に間違っているのじゃないだろうか。何か人為的にそれを二大政党論と言うのは、今度の選挙の結果だけを見て誘導していくような政治のあり方というのは基本的に間違っているし、民主主義の破壊につながっていくのじゃないだろうかというふうに私は思うわけであります。中選挙区だから政権交代があり得ないというのは我が党にもかなりの責任がある、私自身こう思っているわけでありまして、その意味で、制度論にこれをすりかえるというのも説得力は必ずしもないのではないかというふうに思いますが、いかがでございましょう。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 もちろん御指摘のように、中選挙区制のもとにおいても政権交代は起こり得るわけでございまして、過去にその例がなかったわけではございませんが、しかし、小選挙区制の方が政権交代がより起こりやすいということも、これは否定できない事実だろうかと考えます。  そんなことでよろしいのでございましょうか。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)委員 御承知のように、言うまでもありませんけれども、アメリカ、イギリスそれからカナダ、ここは小選挙区をとっている。フランスも小選挙区ですね。あの場合には二票制をとっているということで特殊ですが、まあ小選挙区でありますね。それから、その他のところの西ドイツ、イタリア、ベルギー、スウェーデン、スイス、オーストリア、オランダ、デンマーク、ノルウェー、フィンランドは比例代表制で、選び方についてはオープンなシステムをいろいろ使っておりますが、いずれにしろそういったやり方をしている。  今、堀江委員長のお話を聞いていますと、今審議会の結論になっております小選挙区比例代表というのをとっている国は全くないわけですね。堀江委員長が言われますようにそんなにすばらしい制度だったら、他の先進国でどこかやっていてもおかしくない。強いて言えば日本の参議院だけですね、これに準ずるものは。これは堀江委員長、政治学者としても、先進国の中では政権交代もあり、なおかつ委員長言われましたように腐敗防止法その他金との関連、いろいろなことがありますから、一律にすべてを比べられないけれども、そんなにいい、すばらしい制度だったら、ヨーロッパの先進国でどこかやっていてもよさそうだと思うのですが、全くないというのは、これはどういうふうに見ていらっしゃるのでしょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 実は先ほど御指摘のありました小選挙区制、これもアメリカやイギリス型の小選挙区制のほかに、フランス型の二回投票制あるいは候補者に順位を付するというやり方をいたしますオーストラリア型の小選挙区制については、委員会で非常に多くの議論が行われました。  ただ、この二つの方式というのは、制度としてフランスのような二回投票制をいたしますと、第一回目の投票で過半数を得た候補者がいませんと、一週間後に、もう一度一定の得票数以上を得た者同士で決選投票をやるという制度でございますので、これはどうも制度的に二、三位連合を奨励するという結果になって、好ましくないのではないか。オーストラリア方式は、そういった政党間の提携を投票によって有権者が決めるという点ではよろしいのでありますが、しかし、どうも実際にそれを配分する配分の方式等を見ますと、やや問題が多過ぎる。かつ、御存じのとおり、最近行われたオーストラリアの選挙では、投票日から最終結果の議席が確定するまで非常に日数がかかる等々のこともございまして、委員会では、小選挙区制はオーストラリア型あるいはフランス型は好ましくないのではないかという結論に達したわけであります。  そして、比例代表制をヨーロッパの各国が多くとっておるではないかという御指摘でございますが、これは全くそのとおりであります。これも釈迦に説法でございますが、選挙制度は、その国の人口規模とか文化あるいは国民の構成等も深くかかわっております。複数の言語を持ち、あるいは非常に宗教の力が強く、かつそれが複数に分かれ、場合によっては人種等も異なり、かつ国民の社会の構成において階級の色が非常に強いといったような国々等においては、それにふさわしい選挙制度を考えるということになりますし、またある特定の国では、比例代表制をとっておるがゆえに、結果的には、政権交代があっても第三党が常に与党であるといったような問題等も生ずることもあります。  そこで、それぞれの国の実情あるいは政党の勢力配置等を勘案して望ましい制度を考えるべきではないかということで、そういった各国の制度等を比較検討の上、委員会といたしましては、大勢として、小選挙区制を基本とし、これに比例代表制を加味するのが日本の人口規模あるいは政党の勢力関係等を考慮に入れても最も望ましいのではないか、こういう結論に達したわけであります。

佐藤観樹日本社会党・護憲共同

○佐藤(観)委員 今度の選挙でも、自民党さんは今二百八十六議席で会派を組んでいらっしゃるわけですけれども、国民的な得票率からいくと四六・二、議席の占有率からいうと五三・七ということで、どうも最近自民党さんは、過半数に達しない得票率を何とか政権に結びつけるように結びつけるようにという感じがしてならないのでありまして、まだまだいろいろな議論をこれからしていかなければならぬと思いますが、時間が来ましたので、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

中山利生自由民主党

○中山委員長 山花貞夫君。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 両参考人にはどうも御苦労さまでございます。  第一委員会、第二委員会の委員長報告の要旨については、詳しく拝見させていただいたつもりでございます。きょうは両参考人からお話を伺いました。  まず、基本的な疑問としてお二人に伺いたいと思うのですが、今回の委員長報告を通じて拝見したところでは、なぜ国民が今政治に求めるところにこたえようとされないのかということについてです。国民の政治不信解消を目指す政治改革を考えるならば、それは自民党のための政治改革ではなく、基本的視点は、国民の立場で今緊急に何を求めているかということにこたえる、そこが大事なのではないでしょうか。  ということで考えてみれば、国民が今政治に求めているのは、長年懸案であった定数是正の問題、選挙権平等を確保しようということであり、そしてリクルート事件にあれだけ汚染された政治の浄化を図ることにある。このことにこたえることがまず初めにありきでなければならないと思っています。第一委員会においては定数是正を棚上げしました。第二委員会におきましても、当面のそうした国民の課題については、まずこたえるところが一行もないと言ってよろしいと思います。なぜだったのですか。御両人にそのことについて冒頭伺いたいと思います。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 まず、私ども委員会として審議を進めるに当たりましての基本的な前提は、国民の政治不信を解消するような政治改革をいかにして進めたらよろしいかというのが基本的な議論の前提でございました。  そして、それでは現行中選挙区制のもとにおける定数是正の問題についてなぜこの審議会は議論をしなかったのか、こういう御指摘でございますけれども、私どもこの中選挙区制の是正につきましては、既に国会の決議もあることでございますし、国会の場で寄り寄り各党御協議の上で、いずれ早い機会に結論が出ることであろうと期待しておるわけであります。そして私どもは、総理から受けました選挙制度の抜本的な改正について審議せよという諮問に基づきまして、当面の問題ではなく抜本的な改正について御論議をいたしてまいった、こういうことでございます。  また、一票の格差につきましては、委員会としては極めて重視をいたしまして、選挙区制の改正に当たって、各選挙区間の人口格差を二対一未満にするというのをすべての他の原則に先立つ最優先原則として掲げておるというところでございまして、この一票の格差の問題については、私どもも最も強い関心を持つところでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 関連して第一委員長に続けてお伺いしたいと思います。  実は、これまでの総会の議事録あるいは委員会の議事録はありませんでしたけれども、いろいろな資料とか委員長報告があっても、定数是正に関する部分というのは全くありませんでした。きょうの御発言の中で、初めの段階で定数是正についても議論があった、住民基本台帳によって一対三を超えているという事態の中で、やはり手をつけるべきであるという意見もあったのだけれども、基本は国勢調査である、全体の制度の中でこの問題について解決しようということについて、きょうの御発言で初めて紹介されたわけでありまして、公式の報告には一行もない。一体なぜきょう口頭でお話しされたかということについても、私は疑問を覚えます。  もし定数是正の問題で国民の関心にこたえようとする、そうした姿勢がおありになるとするならば、この問題についてどうだという所見とか議論については、やはり委員長報告で発表したり、あるいは答申の中に盛り込むべきではなかろうかと私は思うわけですが、その点は議論になるかもしれません。  今お話がありました一対二の中におさめるという問題につきましては、これはなかなか難しいのじゃないでしょうか。実は、鳥取を一から二にいたしますと、鳥取の人口というのは六十一万六千二十四人でありますから、半分で三十万八千十二人という基数ということになってまいります。これで五百一とした場合、その限りでは、お話がありましたとおり鹿児島との差が一・四八ということになるはずでありまして、その間、都道府県についてはその割り振りになったではないかということになると思うのですが、その先がなかなか難しいのではないか。  簡単に数字を見ただけで、じゃ一体三十万を基点といたしますと人口の多い市についてはどうするのか、こういう疑問が出てまいります。堺市人口八十一万八千二百七十一人、世田谷は八十一万一千三百四十人、千葉が七十八万八千九百三十人、大田が六十六万二千八百十四人、足立区が六十二万二千六百四十人、鳥取の三十万から比べれば堺の八十一万、世田谷区の八十一万、はるかに多い選挙区で、こういうところは二つに分けることになるのでしょうか。それともこれまた例外、例外ということが続いて、選挙区を二つに分けることになるのでしょうか。その辺についてはどういう議論がおありでしょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 ただいまの人口格差の問題でございますが、これは御指摘のとおり、現実に選挙区割りをするということになりますと、選挙区間格差を一対二の範囲におさめるということは大変難しい問題が種々出てまいります。しかし、私どもといたしましては、各選挙区の人口の均衡を図るということを大前提にいたして作業をすることが必要かと考えております。  そして、市区町村の区域は分割しないことを原則とすると考えておりますが、ただいま御指摘になりましたように、世田谷区とか堺市とか千葉市といったような人口を擁する行政単位になりますと、例えば千葉市なり堺市を一つの選挙区とするということにいたしますと、これはとても一対二の範囲にはおさまらない。したがって、かような場合はこの市を分割するということもやむを得ないと考えております。そういった形で、市町村を分割しないことを原則としながらも、そういった人口の特に大きな市、区等については、その区域を分割することも含めて、適切な選挙区割りを行うことを通じ人口の均衡を図る、こういうふうに考えておるわけであります。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今私ははるかに二倍、三倍に近づくような例について挙げたわけですけれども、そうではないまた微妙なところもあるのじゃなかろうかと思っています。例えば練馬区が人口五十八万七千八百八十七人、岡山市五十七万二千四百七十九人、熊本市五十五万五千七百十九人、杉並区五十三万九千八百四十二人、こういうところは二人区にすることもできない、分割することもできない。したがって、そのうち一部をほかの市町村と合区させる、くっつけるということによりまして一つの市がばらばらになる、こういう問題も出てくるケースでございます。まだ勉強不足ですから、今挙げた例しか気がついていないわけでありますけれども、そうなってまいりますと、都道府県への定数の割り振りは人口比例により行うものとし、各選挙区間の人口の格差を二対一未満とすることを原則とする、こういうことは字面はこう出てきますけれども、実際はとてもとても難しいのではないかというふうに思うのです。区画の問題についてまである程度落としてみるとか、整理は終わったのでしょうか。それはこれからということですか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 詳細な検討はまだ時間を要するかと思いますが、一つの論議の目安としては幾つかの例を検討してあります。  ただいま御指摘のような岡山市とか熊本市等は大変難しい問題でありまして、したがって、この議論の中で、この原則を貫くために二人区をつくらざるを得ないのか、仮にそうだとすれば全国で数個の二人区が予想されますが、しかし、それは二人区を認めるのか、あるいは一人区という原則を貫くためにそれをいろいろ分割するのかというようなことは、審議会あるいは起草の段階で今種種審議を続けておるところであります。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 第一委員会、第二委員会ともに議論を先送りにする部分がたくさんあると思います。しかも、大事なテーマについて残っているのじゃないかと思います。  今度の二十六日の答申というものは中間報告になるのかな、それとも最終報告になるのかなと考えておったわけですが、きょうお話を伺いますと、参議院の制度などについてはこれから議論を進めるという御説明でしたから、審議会としては任期の間にさらに何回か答申という形でお出しになるのじゃなかろうか、こう実は伺っておったのですが、そう理解してよろしいのでしょうかということと、その場合には、今お触れになりました区割りの問題についてある程度、二人区を幾つぐらいつくらなければいかぬとか、この市町村についてはかなり割っていかなければいかぬということについて、数その他についての目安も選挙制度審議会の中で議論されるのか、そういう問題についても答申のような形になるのかということについて伺いたいと思います。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 今まだ審議会において、今月末に予定されておる答申を起草しておる段階でございますが、これを第一次答申とか中間の答申とするのか、あるいはそういう名称をつけるかどうか等は、まだ起草委員会で審議の段階にございます。しかし、先ほど申し上げたような参議院の問題等等を考えますと、四月の答申にすべてを盛り込むことは不可能ではないかということでは、その後にさらに任期中審議が続き、かつ、重ねて答申が行われることになるのではないかなという個人的な委員としての考えを持っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今の定数、区割りの問題について、二人区を幾つぐらいつくるか、一つの市町村を切るケースがどのくらい出るかということについては、委員会でおやりになる予定でしょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 二人区の問題につきましても今議論が進んでおりまして、二人区は原則としてつくらぬがよかろうという御意見が多いような印象を持っておりますが、これはまだ論議が進んでおるところであります。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 二人区をつくらなければ、かなり一つの市を分断していかなければならないという問題があり、二人区をつくれば、各都道府県に対する配分のバランスが狂ってくるということになりまして、これは右旋回左旋回いずれにしても難しいのではなかろうかと思うわけですが、この点については委員会としてもやはり検討をすべきではなかろうかということについてお願いをしておきたいと思います。  第二委員会の委員長に伺いたいと思うのですが、要するに、きょう御説明いただいたことも含めまして、委員長報告にある政治資金絡みの政党法、それから連座の問題等ありましたけれども、全部これは第一委員会前提ということになっていますね。第一委員会における小選挙区比例代表という選挙制度についての抜本改革が行われた場合の提案ですね。確認しておきたいと思います。

河野義克選挙制度審議会第二委員会委員長

○河野参考人 ただいまのお尋ねでございますが、第一委員会、第二委員会と分かれて審議をいたしました結果、第一委員会、第二委員会それぞれが総会に対して報告をしたところでございますが、答申といたしましては、選挙制度審議会の一本の答申として出されるわけでございます。  それで、私どもがおゆだねをいただいた政治資金の問題とか、連座制の問題とか、政党に対する公費の助成の問題とかいろいろな問題は、全般的な選挙制度改革の中で、その全体と整合性を保って決定せられるべきものであるという認識を持っておりますので、第一委員会の審議を念頭に置きながら我々は常に作業をしておりまして、そういった選挙改革と相伴って、関連を持って、整合性を持った一体性のものとして進めてきた、こう申し上げるべきだと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今のお話でもうかがえるわけですが、全体を拝見しますと、まず冒頭に第二委員会の任務といいますか位置づけについてかなり詳しく書かれておりまして、まず選挙制度についての根本的な改革が行われているこの機会にということになり、第二番目に政治資金のありようは選挙制度と密接な関連を有するからということになり、第三番目に政治資金制度の改革は選挙制度の改革が行われる機会にとなっておりまして、全部いわば一言で言うならば中長期的課題ということで、小選挙区比例代表選挙の制度ができた場合にこうなんですよ、こういう仕組みで、今御説明のことでありますけれども、しかし、こういう仕組みででき上がっているということ、こう理解してよろしいでしょうか。

河野義克選挙制度審議会第二委員会委員長

○河野参考人 いろいろ御指摘のありました政治資金の問題あるいは選挙腐敗を根絶という方向に持っていく問題、すべてにわたって理念的にはいろいろ独自に考えられるべきものがあるかとも思いますが、我々の認識としては、現行の中選挙区制度のもとにおいて選挙が腐敗し、現状に至っておることを注視いたしますと、やはり選挙を浄化し、金のかからない選挙を実現するためには、政治改革、選挙区制度の改革ということと相伴わなければ現実の問題としては非常に困難である、そういう認識を持ちまして、たまたま選挙制度の改革も根本的に行おうという機運にもなってまいりましたので、それと相伴って推進するのがしかるべき態度だと考えたからこういうことになったわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 困難だからということで中長期の課題とすべきではなく、まず当面できることから政治の浄化を図るべきである、私たちはこう主張してきたわけでありまして、これが先生方の立場と違うのかなということを伺っておって感じました。  第一委員会があって、そこでの制度論が確定したら第二委員会があるということではなく、第一委員会の議論というのは選挙の制度全体にかかわるテーマですから、ある程度時間がかかるかもしれない。しかし、先に政治浄化のための施策については御提言いただくということが必要なのではなかろうか。まず金のかからない選挙制度のために、できることをやるというところから始めるべきではないかというのが我々の主張でございます。そうした立場で伺わせていただきました。ただ、第二委員会で、私、二つ大きな問題があると思うのです。  一つは、企業献金についての原則を従来から大転換されたというところだと思っています。従来は企業献金については禁止の方向ということだったはずです。今度は拝見してみますと、容認の方向ということに読み取れました。今日企業献金に対する国民の世論、批判が高まっている中で、なぜそうした原則の大転換をされたのでしょうか、この点について伺いたいと思うわけです。  第一次の選挙制度審議会の答申におきましては、「会社、労働組合その他の団体が選挙又は政治活動に関し寄附をすることは禁止すべきものである。」ということで、そのような議論を重ねているところであります。第二次審、三十八年十月十五日の答申は、「選挙資金および政治資金についての寄附は、個人に限る。会社、労働組合その他の団体からの寄附は禁止するという第一次審議会の答申を再確認するものとする。」こうなっております。そして、四十二年四月七日の第五次の答申につきましては、文章、文脈はいろいろ読み方がありますけれども、基本的には企業献金廃止、しかし、すぐというわけにはいかないからこういう手だてをする、こういう流れがあります。従来は、選挙制度審議会の答申というものは一次から七次まで、というよりは五次までだったかもしれませんけれども、一貫して企業献金は廃止の方向、個人の献金中心にする、こういう流れであったことにつきましてはだれでも知っているところであります。  加えて、大変問題となった、道標になった政治資金規正法の五十年法改正のときの附則第八条におきまして、「この法律の施行後五年を経過した場合においては、新法の施行状況を勘案し、政治資金の個人による拠出を一層強化するための方途及び会社、労働組合その他の団体が拠出する政治資金のあり方について、更に検討を加えるものとする。」というのが法律の附則として残っています。これまでの全部の流れをひっくり返したというのが今度の第一委員会の答申だと思います。  確かに、中にありますとおり、個人に対してではなく、政党に対してお金を出すのだから間違いないだろう、こういう前提はあるようですけれども、以前にいろいろなところを通じて献金枠の拡大という自民党の意向というものが伝えられておって、私たちは心配しておったわけでありますけれども、この大原則を選挙制度審議会がひっくり返したということは、一番大きなテーマだと思っております。なぜ企業献金については容認の方向に変わったのか、この理由について伺いたいと思います。

河野義克選挙制度審議会第二委員会委員長

○河野参考人 ごもっともな御質問であると思います。  前数回の選挙制度審議会で、御指摘のような趣旨の答申がなされたことは事実でございます。第八回の選挙制度審議会におきましては、独自の討議を進めてまいりました結果、今回のような結論に近づいておるわけでございます。  それでは、従来と変えて企業献金、団体献金といったものを禁止しないのはどういうわけであるかというお尋ねでございますが、委員の中で自由にこれを討議いたしました。討議いたしました際に、企業あるいは団体の献金を全面的に禁止するということはいわれのないことで、その理由はないという見解が相当示されました。それから、その他現在の社会風土、政治風土のもとにおいて全面的に企業献金を禁止することは、実態に合わない点があるという主張がされました。一方では、企業献金その他団体献金が莫大な量に上って、不当な影響を政治の上に及ぼしているのではないか、そうであるならばそのことははっきりと抑制をするようにしなければいけないというような議論もございました。  それで、そういう議論をいろいろ討議をいたしました結果、選挙制度全般が政策本位、政党本位の選挙を実現していくという主張と相呼応して、政治資金の問題についても献金は団体に限ることがしかるべきである、こういう見解に到達したわけであります。  ただ、将来の展望を述べますならば、こういった政治体制が確立をして、国民が政治の重要性をよく認識して、個人的献金というもので大幅に政党の必要とする資金が賄える、あるいは国庫が政党その他に対して公費で負担するという状態が相当程度に達するというような状態が現出するならば、個人の献金によって政党運営が賄い得る状態も生ずるだろうし、それが望ましい、そういうこともつけておるわけであります。  以上、お答え申し上げます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 納得できません。しかし、時間の関係がありますから、もう一つ大事な問題について伺っておきたいと思います。  第二委員会における問題点、目玉は今の企業献金の問題と政党法の問題だと実は私は予測をしておりました。政党法の問題につきましては、委員長の報告を拝見いたしましても、初めといいますか冒頭の部分では、政党法について審議を重ねてきた、こうなっておりまして、きょうのお話でもそうなっておったわけでありますけれども、見出しとしては政党法ということがありますが、本文では何も触れておられない、一言で言ってそうだと思います。結局具体的な問題については、まだ議論が詰まっていないということで先送りになりまして、実は詳しい問題については、法律という言葉が使われておりますけれども、詰まっておらぬということなものですから、これはいよいよ起草の段階になったらどうするのかなという感じで見ておりました。  十二日に起草委員会が始まったという新聞の報道がありまして、第二委員長報告の中の政党法については具体的な内容の記述がないので、答申では削除するなどを決定した、これが十二日午後平河町で開かれました二回目の起草委員会での方向として伝えられました。なるほど、そうなったのかと思ったのですけれども、果たしてこうなるかどうかということについて私はまた疑問に思っております。こうした報道が新聞になされまして、政党法問題についてはなお議論が詰まらないので、答申では削除すると起草委員会で一たんは決まったのだけれども、翌日、小沢幹事長を初めとして自民党首脳は、とにかく小選挙区比例代表と政党法をセットにお考えですから、こっちがなかったら目玉は欠けるということだと思います。  政党法がどうしても必要だということについて、言葉は適切かどうか、直接圧力をかけるということはもちろんされないと思いますけれども、新聞報道などを通じて、政党法については書け書けということをいろいろな機会に発言されております。新聞にも随分出ました。そうなってくると、先ほど第一委員長がそんな圧力なんか感じない、白紙の状態でやりました、こう議論について御紹介いただいたのですが、今度の政党法について、もし初めの新聞報道どおり起草委員会の結論として削除することになった、書かれていなければなるほどと思うのですけれども、もし書かれておると、やはり小沢幹事長初め自民党の、外部からの圧力によって起草の中身が変わったのかというようにどうも私どもとしては受けとめざるを得ないわけですが、現在の作業の進捗状態の中でこの問題についてはどうなっているのでしょうか。

河野義克選挙制度審議会第二委員会委員長

○河野参考人 選挙制度審議会の審議におきましては、特定の問題に限らず、全般について審議会自体が自主性を持って独自に審議をしてきたものでございまして、今の御発言にありますように、政党とか内閣とかその他の要請、圧力その他によって審議を未済するということはございませんので、はっきり申し上げておきます。  それで、この政党法の問題は当初から論ぜられておった問題で、今の段階においては、政党に対する公費の助成その他の問題を取り上げるべき状態に既に来ているということは、多くの人が一致しているところであろうと私は見ております。ただし、また政党に対して公的助成をするならば、国民の理解、納得を得るためにも法律の形でこれを明らかにして、その趣旨等も述べなければならないと存じます。  その場合に、政党に対して単に国庫が一定の助成をする、金を支弁し得る根拠法みたいなものを規定すればそれで足りるとする考え方もございますし、それから、政党の公的性格の重要性とかいろいろな問題を勘案し、また国庫が助成するならばそれの監査とかいろいろな問題もあろうから、相当具体的に政党に関する法律をつくらなければならないだろう、単なる助成法では済まないのではないかという考え方もございました。そしてその間に、一般に政党法というものの言葉が先にひとり歩きしまして、政党法というものをつくると国家権力が政党の運営に介入していくというようなことになりはせぬかと懸念する人もあるわけで、我々といたしましては、いやしくも政党の内部運営について国家権力が深く介入するということは避くべきであるという認識を持っております。  それで、いろいろな情勢が具備すれば、政党に対して公的負担をするのがよいという認識、それから、政党の内部には余り入らぬ方がいいということで、政党のことに関連する法制をいかに定むべきか、今起草委員会のこの段階でも実は議論と申しますか激論を重ねているところでございまして、おっしゃいましたように、表現がいろいろ変わったことがありますが、私どもの考えている筋合いは同じでありますけれども、表現等についてはまだ変わる可能性もあるぐらいなところでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今お話がありましたとおり、一言で政党法と言っても、その法律体系あるいは内容等については各国さまざまだと思いますし、では一体それをどうするか。公的助成を中心とするか、政党に対する規制をどうするか、両方あわせるか等々は当然御議論がたくさんあるのじゃなかろうか、これを拝見しても拝察したところであります。  そうなってくると、本文の中では政党法という言葉が注意深く使われておりませんでして、法律という形で国民の前に明確にすることが必要である、助成の対象となる政党の要件、公的助成の総額、配分基準等具体的内容等は引き続き検討する。なかなか難しい問題なので、憲法論もある、慎重にやっていこうという姿勢をここから読み取ったわけであります。そうなってくると、今回は答申時間切れということもあって、とにかく二十六日までにまとめる、こういうことでありますので、この問題については先送りになるのかなとこの削除の新聞記事を見て感じたわけなのですけれども、十二日の会議では削除するということは一応その段階では決まったことなのでしょうか。

河野義克選挙制度審議会第二委員会委員長

○河野参考人 起草委員会その他の状況をどの程度申し上げる自由を有しているかわかりませんが、御指摘の点は私はそのとおりであると思います。  それで、政党法という問題は初めから大きな問題としてとらえておりましたから、政党法ということが題名に出てくるのは、我々の審議会からいえばごく自然なことであったわけであります。ところが、だんだん審議が押し詰まりますと、政党法という概念が一方ではやや偏った形で理解されているところもあるし、そういうような政党法を今直ちにつくろうということに我々の意識が一致しているわけでもないので、事の重要性、政党というものに対する公費の助成をしたり、政党という公的な意義を重んじるためにどういうことを規定するかということは、今回の答申の後にもあれを続けていく。ただ、政党に対する何らかの法制を具備する必要があるんじゃないかということは答申の中でうたうべきではないかという意見も出て、もう答申も間近い現在ですが、なお議論をしているところであると御承知を願いたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 以上です。終わります。ありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山委員長 井上義久君。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 両委員長に御報告の内容につきまして、公明党を代表して、幾つかの疑問点を質問させていただきたいと思います。  最初に、堀江委員長にお伺いをいたしたいと思います。  まず、選挙制度につきまして、御報告の中で小選挙区制案、また比例代表制案、あるいはまた小選挙区比例代表並立制案、同併用制案について、その得失をいろいろ御報告いただいたわけでございますけれども、この選挙制度につきましては既に議論が出尽くしておったわけでございまして、第七次の選挙制度審議会では結論を出すに至らなかった。それが今回十七年ぶりで第八次選挙制度審議会が開かれたわけでございますけれども、この間、昭和四十八年、田中内閣当時にこの小選挙区比例代表制の並立案の導入が試みられたほか、一貫して自民党内で小選挙区制の導入の試みがなされてきたわけでございます。  また、自民党の政治改革大綱にも、やはり小選挙区制を基本として比例代表制を加味するというような表現がありまして、これは当然この並立案を前提にしていたと思うのでございまして、こういう経緯を踏まえて今回の御報告を承りますと、どうも小選挙区比例代表並立制案ということで、やっぱりかという感じは否めないわけでございます。どうもこの審議会の性格がまず小選挙区制ありきで進められてきたものであり、また、小選挙区比例代表並立制の結論を出すための審議会ではなかったかというようにも思わざるを得ないところがあるわけでございますけれども、この点についてどうでしょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 ただいまの御質問の件でございますが、先ほども申し上げましたとおり、審議会における第一委員会の運営におきましては、まず自由な討議から議論を始めました。ところが、この議論の過程で各委員からこもごも現行中選挙区制の弊害について御指摘がございまして、先ほど申し上げたとおり、それではこれにかわる新しい選挙区制度のあり方を考えよう、こういうことに相なりました。  そうして、小選挙区制、比例代表制、そしてその組み合わせの三つのタイプについて毎回議論が重ねられたわけでありますが、小選挙区制についても先ほど御紹介申し上げましたような議論が十分尽くされました。比例代表制につきましても、都道府県単位の比例代表制はどうかという強い御主張もございまして、それについては何度も議論が展開されたわけであります。しかし、どうもいずれも問題があるようだということで、委員会の大勢は組み合わせの方式、併用制か並立制かということに順次進んでいったわけであります。  この両論につきましても委員会では繰り返しそれぞれの立場の議論、それに対する批判等が交わされておりまして、三月の末の委員会におきましてそれぞれ十分議論を尽くした上で、これも先ほどちょっと申し上げました選挙権の平等という見地から一票の格差を一対二未満におさめるべきである、こういう大原則も考え合わせながら、組み合わせとしては、どうも併用制より並立制の方がよろしいようだということに最終的に三月の最後の段階の委員会で大勢が落ちついたということでございまして、御指摘のような最初から並立制をということでは全くございませんでしたと申し上げていいかと思います。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 選挙制度を最終的に決めるのは国会ということになるわけであります。選挙制度を決めるべき国会が、現状において定数の非常に大きな不均衡があって、正確に民意が反映されていないんじゃないかということが言えるわけでございます。既に住民基本台帳では三倍を超えておるわけでございますし、憲法違反の疑いもある。  そういう観点からいいますと、今回の審議に当たっては、まず現行の定数是正というものを議論するのが手順ではなかったのかというふうに思うわけでございます。先ほども若干お触れになりましたけれども、一足飛びに飛んで選挙制度そのものを変えるというような議論になってしまったその経緯、それから、中選挙区制ということについて先ほどからさまざま議論をされておりますけれども、いろいろな問題があることはもちろん承知しているわけですが、果たしてその一つ一つが中選挙区制固有の欠陥なのかどうかという詰めた議論がなかったのかどうか。  例えば、地盤培養のために非常に金がかかる、あるいは政治活動、政策活動以外の選挙活動のために非常に労力がかかってしまっているということについて言いますと、これは我が国の政党の現状なり国民性なり、選挙民の政治意識が非常に大きな影響を及ぼしているわけでございまして、そういうことを考えますと、そういう政治意識のままで例えば小選挙区制に移行された場合に、区域が非常に狭くなって、かえって選挙戦が激烈になってしまうのじゃないかというような指摘もあるわけです。したがって、これらの問題、例えば金がかかり過ぎるというような問題を選挙制度だけに帰着して考えるのはどうか。やはりこういう政党の置かれた現状なり国民性なり、あるいは政治意識なりというものを今後どう成熟させていくかということを議論としてきちっとすべきじゃないかと思うわけでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 定数是正の問題につきましては、総会における自由討議の段階から、衆議院議員の定数是正の問題をめぐっていろいろな議論が提起されてまいりました。議論の過程においては、何らかの緊急提言をすることが必要ではないかという議論もなされたところでありますが、ただ御存じのとおり、衆議院議員の定数是正は、従来から国勢調査人口によって行われているところであります。今年秋に国勢調査がまた行われるわけでありまして、暮れにはその結果が出ようかと思いますが、住民基本台帳の数字あるいは有権者人口等は必ずしも国勢調査の数字と一致するわけではございませんので、現に確定している国勢調査人口に照らして見る限り、その格差は一定の範囲内にとどまっておるということで、審議会といたしましては、定数配分のあり方について根本的な論議をする中で議論をしよう、こういう結論に至ったわけであります。  また、私どもは国会決議のあることは十分承知しておりまして、各党の皆様方で寄り寄り御協議が進んでおることであろうと思っておりますし、個人といたしましてもその御意見のまとまることの一日も早からんことを期待しておるわけでございます。私どもは諮問にこたえて抜本的な是正について議論を進めていった、こういうことでございます。  それから二つ目は、どのような選挙区制度をとりましょうとも、やり方によっては金がかかるということは当然でございますので、これも先ほど来第二委員長がるる御質問に答えましたように、政治資金の調達あるいは政治資金の使用等について、金のかからぬ選挙あるいは清潔な選挙を実現するという見地からいろいろと改革を進めていきたい。そしてまた、そういうことと関連して、選挙公営の拡大あるいは国庫による公費の助成等も考えていく。これと選挙制度の改革を車の両輪のように考えて、ともに改革を進めていく、こういうことでございます。  中選挙区制についても十分いろいろ議論をいたしました。そして、すべてを制度に起因するものであるというふうに論ずるわけではもちろんございませんが、現行の制度がそういったいろいろ批判されておるような問題を一層強めるという点で、どうも制度には問題がありそうだというのが委員会の大勢の結論であったわけでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 定数の問題、確かにおっしゃった意味はわかりますけれども、ただ、今回の報告の中でも格差を二倍以内におさめるという基本線を出していらっしゃるわけです。これは憲法違反であるかどうかということは別の問題にして、現状ははるかに二倍を超えて、恐らく国勢調査でも三倍を超えることはほぼ間違いないだろうというふうに予測されるわけでございまして、少なくとも二倍を超えている現状について、やはりもうちょっと議論をすべきではなかったか。また国民も、選挙制度そのものよりも、定数の不均衡ということについては非常に強い関心があるわけでございまして、その辺はもっとちゃんとした議論をして、少なくとも現状を一歩でも改革するということが大事ではなかったかと思うのですけれども、その辺の議論はもうちょっとなかったのでしょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 先ほど申し上げましたように、殊に審議会の初期の段階で、そういった定数是正等についてのさまざまな御議論が繰り返し展開されました。果たして一対三でいいのかどうかというような判断は裁判所の問題で、私どもの判断すべき問題ではございませんが、しかし、いずれにしても選挙権の平等という見地からいろいろ議論はなされました。しかし、基本的には、我が国において定数は国勢調査を基本としておるということにもかんがみ、また、この秋には国勢調査が行われる。そこで、そういったことも踏まえ、この選挙制度の抜本的改正の中で定数の問題を考えていこうという結論に至ったわけであります。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 抜本的な改正がなければ、定数是正ということについては審議会としてはタッチなさらないというふうに受けとめてよろしいわけでしょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 私どもがいただいております諮問は、選挙制度あるいは政治資金等についての抜本的な見直しというのが諮問事項でございます。現行の定数是正については、既に国会決議のあることを承知しております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 選挙制度というのは民主主義の基本であると思いますし、私は選挙制度というのは、多元的な民意がともかく公平、公正に反映されることが最重要であるというふうに考えているわけでございます。  そういう観点からいいますと、この報告にまとめられました小選挙区比例代表並立制、この選挙制度というのは、小選挙区において死票が多く民意が公平に反映されない、それからまた、多数党が得票率を超えて多くの議席を得るような制度でございまして、比例区があるからいいじゃないかというお考えもあるかと思いますけれども、この比例区についてももちろん多数党が多数の議席を得るわけでございますから、この比例制と合わせますと、これは圧倒的に多数党が有利であるというような選挙制度になってしまうと思いますし、民主主義の基本からいっても重大な欠陥があるんじゃないか、こう思うわけです。  報告の中で、政局の安定あるいは政権交代の可能性ということを理由に挙げていらっしゃるわけでございますけれども、もしこの並立制によって政権交代ということを考えますと、いわゆる二大政党制への移行というものを想定していらっしゃるとするならば、これは結果的にいわゆる中小政党を切り捨てることになるわけでございまして、価値観の多様化した国民のニーズを多元的に吸い上げるというようなことはできなくなるわけでございますし、政局の安定あるいは政権交代、これを選挙制度を変更することによって行おうとするというのは本末転倒ではないかというふうに私は思うわけでございます。選挙制度の変更によって中小政党が切り捨てられるというようなことは承服しかねることでございまして、政局の安定や政権交代を理由にそういう制度を導入することはいかがかなというふうに思うわけでございますけれども、この点いかがでしょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 中選挙区制の現行制度のもとにおいては、政権交代の可能性が非常に少ないということは否定できない事実ではなかろうかと思います。そういうことが実は場合によってはある種の緊張感を欠き、それが政治腐敗等の原因にもつながりかねないというのが私どもの基本的な認識であります。そこで、政権の交代が可能な制度、第二党以下の政党も政権をとり得るチャンスがあるという制度を考えなければなるまい、こういうふうな議論の結果、小選挙区比例代表制の並立案を採用してはいかがか、こういう結論に達したわけであります。  そして、確かに小選挙区制につきましては、いわゆる死票が多くて少数意見が反映されにくいという意見もございましたが、しかし、僅差で議席がとれなかったというような死票というのは、逆に当選された議員にとりましては非常な脅威でありまして、常にその種の緊張感というものが一つの力として働いていくのではなかろうか。そこで、そういった小選挙区制の特性を大いに生かしつつ、反面、比例代表制の側においては、少数勢力に対しても議席が確保できるようなそういった制度的な保障としてまいりたい。両輪が相まって望ましい結果が得られるのではないかというのが私どもの結論でございます。また、現実に制度を実施する場合には、これはそれぞれ各党あるいは各候補者がいろいろのお考えに基づいて行動の幅も出てくることでありましょうから、必ずしも従来の固定的な観念だけで議論するわけにもいかぬのではないかなという気がしております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 比例制を一部導入したから少数政党にも道を開いたじゃないかというような御議論だと思うのですけれども、現状は、我が党をとってみますと五百十二という定数の枠の中で我々は戦っているわけでございまして、そうしますと今度は二百という枠の中で、しかも十一ブロックに分けられるというこの枠の中でしか、現実は今の政治状況を考えますと勝負できないということになるわけでございまして、これは結果的には、選挙制度の変更によって非常に党としての存在の枠を狭められてしまうということになるわけでございます。そういう意味からとても承服しかねるわけでございますけれども、一部に比例代表制を導入したからいいじゃないかという議論は、我々としては承服しかねるということだけちょっと申し上げておきたいと思います。  それから、この並立制、併用制の問題でございますけれども、第七次の選挙制度審議会では最終的には結論が出なかったということになっているわけでございますけれども、今回の報告の中でも併用制についてかなり強い意見があった。どの程度の強い意見であったのかということと、最終的にこの並立に一本化した経緯、この辺をちょっとお聞かせ願えますでしょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 併用制がよろしいのではないかという御議論は、委員の中でそれを御主張になった方もたくさんございます。ただ、この併用制には幾つかの問題がございまして、これは基本的には比例代表制であるといういわゆる一般的な議論のほかに、併用制の場合には超過議席が生ずるということがございます。西ドイツにおきましては、この超過議席が各選挙において数議席にとどまっておるようでございますが、これは西ドイツの政党の勢力配置にこの制度がたまたまうまくマッチしているからでございまして、日本に仮にこれを導入いたしますと、この試算というのは甚だ難しく、どこまで信頼できるかという問題はございますが、幾つかの試算結果等を見ますと、日本では非常に超過議席が多数出る。場合によっては二十、三十という超過議席が出ることも考えられる。  これは、日本が人口が多くてという問題もありますし、政党の勢力配置が西ドイツと非常に違うということもございますので、そうしますと、せっかく定数を五百に削減いたしましても、開票の結果当選した議席の数は五百二十、三十になって、現行よりふえてしまうということも時に可能性としてないわけではないといったような問題もございますし、そういった超過議席が出てまいりますと、一票の格差、選挙区の区割りの段階でいかに格差の是正に努めましても、実際の結果では必ずしも計算どおりにはいかない。選挙区による有権者の格差が大きく広がる等々の問題もございます。それからまた非常に複雑にもなるということで、そういったいろいろな問題点等を勘案した上で、委員会の大勢としては、単純明快でかつ理論的にも説明のよくつく並立制がよろしいのではないか、こういうことで意見がまとまっていったわけであります。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 定数の割り振り、また区割りについて、この原案を作成するための権威ある第三者機関ということが報告書では述べられているわけでございますけれども、どのような機関を想定されているのか。それからまた、審議会としてそこまで踏み込んでやるお考えがあるのかどうか、これが一つと、それから、今回比例区を十一ブロックに分けられたわけでございます。この分け方について、何が根拠なのかなという素朴な疑問があるわけでございまして、その区割りの考え方について御説明いただければと思います。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 委員会では、選挙区間の人口の不均衡の是正につきまして、国会あるいは政府が直接手がけられるよりも、別に原案を作成するための機関を設ける方がより公正かつ円滑にできるのではないか、こう考えまして第三者機関を設置することとしたわけであります。イギリスや西ドイツの第三者機関などもその参考になるものと考えられますが、必ずしもこれにとらわれることなく、この趣旨に沿った具体的な案を検討したらいかがか、かように考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 それでは時間がございませんので、河野委員長に政治資金の関係についてまとめてお伺いしたいと思います。  今回、リクルートの問題を契機として政治不信が大変広がっておりまして、国民の政治に対する信頼は今極めて低下している状況でございます。その最大の原因の一つはやはり政治資金の問題であろう、こう思うわけでございまして、先ほどからも議論がありますけれども、この点について報告は「政治資金制度の改革は、選挙制度の改革が行われるこの機会に、その改革と歩調をあわせて行うことが適当であると考えた」というふうにあります。そうしますと、今回の報告は小選挙区比例代表並立制、これを前提として改革案を出されているというふうに受けとめられるわけでございますけれども、果たしてそうなのかどうか。それから、現行選挙制度のもとでも実行し得ると考えていらっしゃるのかどうかということでございます。やはり国民の願いは、必ずしも選挙制度というところばかりではないわけでございまして、現行選挙制度のもとでも何とか金のかからない選挙、また政界の浄化をぜひやってもらいたいというのが希望であろうと思うわけでございまして、この点が一点。  それからもう一つは、政治資金の問題につきまして、我が党はこれまで一貫していわゆる企業献金、団体献金が政治腐敗の温床であるということで、個人献金に限るという主張をし、また、みずからもそのように実行しているわけでございます。ところが今回の報告を見ますと、これまでの議論、例えば第二次審議会においては、これは会社、労働組合等の寄附を禁止し、個人献金に限るというような答申をされているわけなんですけれども、今回は公的助成の創設に伴い、企業・団体献金は政党に対するものに限るということで、個人献金への全面的移行を断念するかのように受けとめられるわけでございます。  審議会が始まる前に自民党の政治改革大綱が出されておりまして、この政治改革大綱の中でも、要するに企業献金は自由であるべきであるという強い主張がなされておるわけでございまして、聞きようによっては、この自民党の政治改革大綱を追認するための審議会ではなかったかというふうにも受けとめられかねないわけでございまして、政治資金の問題についてこの二点、まとめてお答えいただければと思います。

河野義克選挙制度審議会第二委員会委員長

○河野参考人 選挙制度審議会の審議の過程において、特定の政党の意向に従って考慮するというようなことはいたしておらないことは、先ほど申し上げたとおりでございます。  それから、いろいろなところに選挙制度の改革に伴ってこういうふうにするのがいいというようなことがあるけれども、それは小選挙区と比例代表の並立制、そういうものが実現して初めてこういう政治資金の改革とかその他のことができると考えているのかというようなお尋ねであったように存じますが、それはいかなる選挙制度であれ、金がかからない清潔な選挙が行われるようにぜひありたいと思うわけであります。ただ、政治資金が必要とされる政治活動のありよう、そういうものは現実には選挙制度と密接な関連がありますので、小選挙区比例代表の並立制という方向に一定しているということではないけれども、いかなる方向であれ、選挙制度が改革される機会に、我々がこういう方に改革したのがよろしいという方向と相まって、政治資金の問題や連座制の問題も考慮する。その間に一定の整合性を保って行われることがそういった改革がより実効を上げる、効果的である、そういうふうに考えた結果、選挙制度の改革としては一定の方向が出、それから政治資金の改革としては一定の結論が出たということでございます。  それから第二点の団体献金のことは、先ほどの御質疑に対して申し上げましたけれども、従来のたびたびの選挙制度審議会が団体献金を禁止する方がよいではないかという趣旨の答申をされたことは、おっしゃるとおりでございます。我々第八回の選挙制度審議会としては、従来の選挙制度審議会の意向は尊重いたしましたけれども、独自の立場でいろいろ審議しましたその過程において、そもそも企業その他の団体の政治参加の意欲、それが献金という形であらわれる場合に、それを禁止しなければならないという理由はないではないかという意見がございました。それから、現在の政治風土、社会風土のもとでは団体献金に依拠していることも歪みがたいことであって、今直ちにこれを全部禁止することはしかるべきでないという意見もありました。  しかし、それと同時に、巨額な団体献金、企業献金が政治に不当な影響を及ぼしている現実というものがあるではないかという意見もありまして、いろいろ検討した結果、選挙制度が政党本位になるということと相伴うものとして、団体献金は政党に限るというふうにするのがしかるべきではないかという結論に達した次第でございます。御提唱の趣とは少し違うかもしれませんが、私どもの意向はそういうことでございました。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 ありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山委員長 東中光雄君。

東中光雄日本共産党

○東中委員 日本共産党の東中光雄です。  最初に堀江さんにお伺いしたいのですが、堀江さんのお話を聞いておりますと、論議の出発点は、現行中選挙区制は非常に弊害が多過ぎる、そういうことで委員の意見が一致したから中選挙区制はやめるということが前提になって進んでいった、こういうことでございますね。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 はい、さようでございます。

東中光雄日本共産党

○東中委員 その現行中選挙区制が弊害が多過ぎるということの内容は、非常に簡単にしか書かれてないのですけれども、要するに、多数党はどうしても複数の候補者を立てなければいかぬ、同士打ちになる、政策本位の選挙にならない、個人本位になるとお金がかかる選挙になる、だから派閥選挙にもなるということ、この論理が一つですね。  もう一つは、現行中選挙区制では政権交代は起こりにくい、だから政治の緊張がなくなる、だから政治腐敗が起こる。これをなくするためにはこういうことになっておる中選挙区制はだめだ、それが大前提で、あとは小選挙区か比例代表か、こういうことでございますね。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 はい。

東中光雄日本共産党

○東中委員 そこで私お伺いしたいのですけれども、自民党がこの大綱で指摘した点が全くそれと論点が同じなんですね。それ以上に加わっているものもなければ、それに入ってないものもないのです。これは結局自民党の大綱を政府の選挙制度審議会の第一委員会でオーソライズし、確認をしたということになってしまっているのじゃないかという感じさえ受けるのですが、その点はどうでしょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 御指摘のように、自民党の政治改革大綱の論理と私どもの中選挙区制に弊害が多過ぎるという批判の論理とは相似通ったところがあるかもしれませんが、実はこういった考え方は、単にこの自民党の政治改革大綱のみならず、今日多くの新聞、雑誌等に発表され、あるいは放送等で議論されておりますいわば世間におけるさまざまな中選挙区制に対する弊害の指摘の論理もまた全く同様でございまして、私どもといたしましても、この現行中選挙区制にもちろんいい点もないわけではないわけでありますが、いかにも弊害が多いという世評と全く同じような見解に達した、こういうことでございまして、格別特定の政党の御意見を参考にということでは決してございません。

東中光雄日本共産党

○東中委員 自民党が大綱で、政党本位でなく個人中心の選挙になりがちである、同士打ちが避けられない、このことは政策以外に選挙運動の重点を置くことになってしまう、多額の金がかかる選挙になると言うたことと全く同じことですね。よく似ているのじゃなくて、そういうふうになっておりますことをまず指摘をしておきたいのです。  それにしましても、例えば派閥問題。中選挙区制だから派閥が起こるんだ、諸悪の根源中選挙区制という感じで聞こえるのですけれども、あの参議院の比例代表選挙の候補者決定については、派閥による物すごい争いがあるということなんで、中選挙区制と関係はない。小選挙区制にしようが、それは自民党の中で起こっていることで、前の衆議院議長の田村さんが「新樹」という雑誌の四月一日号で、小選挙区制にしたら金がかからなくなるとか、あるいは中選挙区制なら金がかかるとか、派閥が比例代表にしたらなくなるというようなのはとんでもないことだ、「現にこの制度」小選挙区制ですね、「この制度を導入することによって派閥を解消できると言う人がいるが、これは全く逆だ。」こういうことを公にしていますね。  それから、小選挙区制になったら金がかからぬどころか一層金がかかるんだというのは、日本で今の中選挙区制を採用した一九二五年のときの加藤首相がはっきり言うていますね。金がかからなくなるなどというのは真っ赤なうそだというふうに公式に発言しておりますね。だから、今奄美の例も出ておりましたけれども、派閥の問題、金のかかる問題、こういうものは全く違う。今の中選挙区制でも、政策中心にやっている人も自民党の中にはたくさんいらっしゃいますよ。金権、むちゃくちゃなことをやる人も多い。それが金権選挙になってしまっておるということが国民の批判なんであって、制度を切りかえるのは全く事実に反するのじゃないか、私はこう思っておりますが、どうでしょう。  それで、具体的にお聞きしたいのですけれども、四月の十日に選挙制度審議会の総会の後で第一委員長として記者会見されましたね。その記者会見の席で、第一委員会の報告で事前にでき上がっていた報告を修正したといいますか、「衆議院議員の選挙制度のあり方をめぐる論議」のトップの「選挙制度のあり方についての基本的な考え方」の第一項に「政策本位、政党本位の選挙が行われることが重要であるとの意見」というのを、原稿になかった部分を入れられたということを言われましたね。この間の経過が、準備されていたものになかったものを、さあというときになったらまた「基本的な考え方」の第一番に入れた。常識的に言うと非常に妙な感じを持つのですが、経過は何なのでしょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 これは、私が第一委員長といたしましてこの日の総会で委員会における審議経過を御報告いたしましたところ、その趣旨は十分わかるけれども、さらにその趣旨をより鮮明にするために、「基本的な考え方」の第一に、この議論全体をお読みいただければわかることではあるが、さらに誤解なきを期すために、「(1)政策本位、政党本位の選挙が行われることが重要であるとの意見」、これをつけ加えてはいかがか、こういうことでこの総会での御意見がまとまったわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中委員 これは第一委員会の委員長報告の要旨なのです。第一委員会では選挙制度のあり方をめぐる論議をしてきたのだ。「基本的な考え方」には今言われたことはなかったわけですね。ところが今度は総会へ行って総会で意見が出たら、第一に政党本位の選挙をやることが重要なことなのだということを書き加えた。これは過去にやってきたことを報告しているはずのところが、報告されたら、そこで意見が出たからといって第一番目に入ってくる。  これは非常に奇妙でありますが、こういうことになったのは、そのころになって小沢幹事長や、海部首相もそうですけれども、私もこれについて予算委員会で質問をしましたが、金のかからぬ選挙、それから政策及び政党本位の選挙をやるんだということ、要するに政党法と小選挙区比例代表制、小選挙区制と政党法を導入するために政党本位の選挙ということが非常に強調されています。そうしたら、報告した後で報告の要旨が第一番につけ加えられるという格好になっていますので、非常に奇妙な感じを受けたのです。普通ならそういうことはありませんね、論議してきた経過を報告するのですから。どうでしょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 審議会の委員は、それぞれの御希望によりまして第一委員会と第二委員会に所属するということで、一応の所属が決まっておりますが、実際の第一委員会、第二委員会の審議は、この所属いかんを問わず原則として、でき得るならば全員集まって審議を続けようということで、第一委員会と第二委員会が交互に審議を続けてまいりました。そして、その審議に基づきまして四月十日に総会を開きました。この総会は当然第一委員会の委員と第二委員会の委員が全員出席されて、両委員会の所属委員が全部おられるわけであります。そうして、私がいたしました報告要旨をお聞きになりまして、私のまとめた報告の要旨は、第一委員会で論議されておったことが十分正確に表現されておらぬのではないかということでこの御提案があり、こういう形になったということであります。

東中光雄日本共産党

○東中委員 河野さんにお伺いしたいのですが、第二委員長報告の中には、政党法については具体的な内容の記述がないので、答申では削除することになったというふうな報道もされまして、そして先ほど政党法のことについては、まだ今第二委員会で激論をしているんだというふうにおっしゃいましたね。これは経過を報告してから後、入っていないものについてまで激論をするというのはどういうことなのかよくわかりませんが、このことにつきまして小沢幹事長が記者会見で、「選挙制度の改革は、個人本位の政治活動や選挙を政党本位、政策本位に変えるためのものだ。(政党法の制定で)政党を位置づけ、政党活動のあり方を定めるのは当然であって、答申にも当然、入るものと思っている」という発言をされているのです。これは朝日の四月十三日付の夕刊ですけれども、こうなりますと、第二委員会の報告には政党法は実際の中身は入っていませんね、表題には書いてあるけれども。それが今度の答申で入れるか入れぬか、当然入るものだと思うと与党の幹事長が言って、ここで河野さんが今激論中なんだ、こう言われますと、第二委員会の報告というのは第二委員会の報告ではなくて、後でまた変えられていくというふうな印象を受けるのですが、どういう経過なのでしょう。

河野義克選挙制度審議会第二委員会委員長

○河野参考人 特定の政党の幹部の方がどういうふうに言われたか私は存じませんが、選挙制度審議会としては、終始自主性を持って独自的に審議してまいったことは、再三繰り返し申し上げたところであります。  政党法の問題につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、そもそも初めから、この段階になれば政党に対する公的な助成を考えるのがいいのじゃないかということがございました。それについて、政党法というようなことでいろいろなことも論議されていました。それで、大きな問題で来ておりましたから、自然の形で題名等にも政党法というものがあったときがございます。  しかしながら、ある指摘がございまして、政党法と題名には麗々しく挙げているけれども、その内容いかんということになれば、委員の中にも単なる政党に対する国家助成をやろうというお考えの人もあるし、政党法と銘打って出す以上は、政党の内部運営や何かについて責任を持てる国の体制として、ある程度のことを具体的に表現しないでいいだろうかというようなこともあって、そこが煮詰まっていない段階で題目にだけついているのは妥当でないじゃないかという御指摘もありまして、それではこの題目のところは取りましょうか。しかし、本文にいろいろ書いてあることは多くそのままになったのです。しかし、その後の検討もありまして、政党に対する法制を具備する必要があろうじゃないかといういろいろなあれがまた起草委員会でも出まして、それはもちろん審議会委員の自発の意思でいろいろの御意見が出まして、そういうことも答申の中に何らかの形を示すのがいいかどうか、今論議しているところでございます。

東中光雄日本共産党

○東中委員 もう一点、企業献金問題ですけれども、「政治資金の多くを企業等の団体に依存しており、直ちに団体献金を禁止することは、」要するに企業献金を禁止することは「我が国の社会実態からみて困難であるとの意見がありました。」こう書いてあるのですが、企業献金という場合は営利企業ですね、株式会社。営利を目的として企業活動をやっているわけですから、株主に利益を還元していくという活動ですね。その企業団体から政治献金を出すことによって、今度は国民一人一人が持っている選挙権の行使がゆがめられる結果になる。アメリカでも西ドイツでも連邦裁判所やなんかで、そういう趣旨で企業献金はだめなんだ、選挙権にかかわる問題なんだ、基本的人権にかかわる問題なんだ、こういう考え方が一般だと思うのです。企業も献金するのは、見返りを期待しない献金なんかあり得ないですよ。財界のそうそうたる人たちがそういうふうに言っていますね。そういうことが全然議論にも何にもならないのですか。その点をお伺いして、もう時間がございません。

河野義克選挙制度審議会第二委員会委員長

○河野参考人 そういう点はまさに相当な論議を呼んだところでございます。おっしゃることは一応よくわかる御主張であり、従来の選挙制度審議会の答申もそういう筋になっておりましたので、そういう考え方も大分述べられました。  ところが、一方において、社会的な実在であり、社会的な機能を現に持っている企業が、政治参加の一つの形として献金をすることがそもそもよろしくないという理念は自分にはわからない、反対であるということを言われた委員もあり、いろいろさらに論議を進めましたが、現実に巨額な政治献金が政治をゆがめている点もあるので、選挙制度の改革が個人本位から政党本位、政策本位に移ろうとしているこの機会に、そういう資金の問題についても政党に限るというふうにしようということで意見の一致を見たわけであります。そういうことは非常にたくさんたびたび論ぜられました。

東中光雄日本共産党

○東中委員 時間ですから、終わります。

中山利生自由民主党

○中山委員長 川端達夫君。

川端達夫民社党

○川端委員 堀江委員長、河野委員長、どうも御苦労さまでございます。私で最後ですので、少しおつき合いをいただきたいと思います。  今回の報告に至るまで、両委員長あるいは各委員の皆さん、大変御苦労いただき、熱心に真剣に御討議をいただき、おまとめになったということに対しては敬意を表したいというふうに思います。御苦労さんだと思いますが、せっかくの御議論の中で我々としてどうしてもよく理解できない部分というか、はっきり見えない部分というのが幾つかありますので、お伺いをさせていただきたいと思います。  きょう午後からの各委員さんの御議論の中でもずっとあったのですが、どうもいろいろな審議された経過、御報告に至るまでが初めに小選挙区制ありきではなかったかという御指摘を皆さんされました。我々も若干そういう疑問を持っております。委員長の方からは、決してそうではない、白紙の立場で、現行の選挙制度にはいろいろ問題があるという中で、それにかわるものとして一から考え直したんだ、こういうことであったわけですが、もともと選挙制度を抜本的に見直さなければいけない政治背景というのは、やはり国民が非常に今の政治状況に不信を持っている、どうもお金に汚れ切っているではないか、政治家は何もしてくれないというふうな部分、あるいは一票の格差が非常に大きい、これは民主主義の原点としておかしいのではないかというふうな部分がたくさんあったと思います。そういういろいろな御議論を聞いている中で、今回の御報告の中で、現在そういう政治状況を醸し出している、国民の政治不信を招いている要因の一つにやはり選挙制度がある、これは事実だと思います。  そういういろいろな要因の中で選挙制度としてかかわっているときに、今中選挙区制でやっているわけですが、その中選挙区制のもとでどう改革が可能であるかという部分に関してはっきり見えない。そういう議論をいろいろされた中で、いわゆる現状分析の中で中選挙区制に問題があるとしたら、その部分は現行の制度の中で可能なアプローチはないのだろうか、問題解決はないのだろうか、そのステップの中でやってもここら辺に限界がある、あるいはこれは全然不可能である、そこそこできる。いろいろあるという中で、限界の部分に関しては一度違う選挙制度というものを議論してみたらどうだ。そして、新しい違う選挙制度を議論するにしても、常にそれをやったときの効果と現行中選挙区制で最大限努力するという部分との比較というものが見えてこないと、やはり最終こういう形がいいというのには説得性を欠くのではないか。  そういう部分で、前段として今の政治状況いろいろある、中選挙区制だからだめなんだというので、御報告ではこれぐらいのところに尾をつけて終わりという部分で、あとはだから御破算で、中選挙区制というのは一切議論としてはなくなってしまった中で、小選挙区制がいいのか比例代表がいいのか組み合わせたらいいのかというふうなところに延々とくるという部分で、何か諸悪の根源が中選挙区制にあり、ばっさり切り捨ててパラダイスが小選挙区制にあるみたいに読めてしまう。そうすると、こう見ていると、初めからそこに行くために何か無理があるのじゃないかな。本当に比較していろいろな問題点があり、中選挙区制は確かに問題を抱えているけれども、それを直すときの部分で出てきた小選挙区制が、振り返ってみれば本当によくなっているかという検証がどうもされているようにも思えないというふうな気がして、きょうの議論は随分すれ違うなというふうに思うのですし、最後には、初めに小選挙区ありきという部分の印象をぬぐい切れないという部分があります。  その部分に関して、いわゆる現状分析の中で、選挙制度について現行のそういう枠の中でいろいろな御指摘があるような問題点、例えば一票の格差の問題も制度としてはお触れになっています。そうすれば区割りの問題というのは国会でお決めになればというふうに先ほどからおっしゃいますけれども、例えば区割りの問題というのは、小選挙区制であろうと中選挙区制であろうと、やはり一票の格差をなくすということをやらなければいけない。そういうときに、議論として中選挙区制でやるという部分もあってもいいのではないか、当然あるべきではないかというふうに私は思うのです。  全般的に中選挙区制は、例えばいろいろお金がかかるというときに、これは第二委員会にも触れるかもしれないですけれども、現にお金を使うという部分で、制度の問題以前の政治家のモラルの問題であるとか、あるいは現に地盤培養行為をするということが選挙につながるということでは、必ずしも複数の自民党の候補者の方の中で政策本位で選ぶということをしない部分の国民の選挙行動というもの、あるいは日本の民主主義の成熟度というものも問われることかもしれませんし、そういうものに関して現行の枠で何とか変えていこうという御議論はどの程度あったのかなというのをお聞かせをいただきたいと思います。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 ただいま川端先生の御指摘がございましたが、私ども限られたスペースの中で審議した内容を報告、文章にまとめるといったような制約もございまして、主としてこれから採用すべき制度について説明をするという部分に多くが割かれた結果、中選挙区制の問題点等についての比較考量の記述が不十分であるという御批判が生じたのではないかと思うわけでありますが、私ども自由な意見交換の中で、中選挙区制の問題については随分議論が出ました。私、委員長としては、余り皆様、各委員が中選挙区の批判ばかりをなさるので、中選挙区を批判するのが目的ではございませんで、この委員会の意見を発展させなければいけないということで苦慮したということがあるほどいろいろ御議論がございました。  中選挙区制の中には、大国では日本だけがこの制度をとっておりますが、まことに日本型のうまい知恵であるという見方ももちろんございました。しかし、政党が政権をとるということを目指す以上は、同一政党から複数の候補者が立候補せざるを得ませんし、そうなると同士打ちが避けられない。このために政策本位の選挙にはならなくて、個人本位の金のかかる選挙となってしまうではないか、あるいは派閥選挙が横行するといったような御批判が続出いたしまして、どうも現行中選挙区制のもとでは、政権交代が起こりにくいために政治腐敗の原因となっておるのではないか、こういう御意見が重なりまして、それでは中選挙区制、我が国における長い歴史と伝統を持っている制度ではあるが、この際日本の政界を浄化し、日本の政治を政党本位、政策本位の政治へと進めていく上においては選挙制度の抜本的な改革が必要ではないか、こういう結論に達したという次第でございます。

川端達夫民社党

○川端委員 先ほどからそういうややすれ違いの議論が続いているのですけれども、そういう部分でいろいろ問題がある。そうしたときにその問題が、中選挙区として宿命的に抱えている問題とそうでない問題とがあるのではないかというふうに私は思います。と同時に、その宿命的に抱えているという以外の問題、グレーゾーンというのは意外に多いのではないか。そういうことで非常に批判があるということの罪が中選挙区にかなりかぶりまして、その後の議論のときには、その中選挙区制との比較検証という部分がこれから見ますと行われていないのではないか。  例えば、先ほどからいろいろ議論がありましたように、お金がかかり過ぎる。それは同じ政党で政策じゃなくて個人でやるからだ。そうしますと、奄美の話がありましたけれども、一人区の部分で、あるいは現実には一人しか出られないような選挙区を含めましてお金がかかっていないかといえば、必ずしもそうではないという事象はいっぱいある。それは相対論としては、多少かかりにくいかなというくらいの説得力だと私は思うのですね。それはすべてではなくて、制度的に言えば本当に少しの差くらいの話ではないかな。  それから、逆に懸念されるのは、先ほども大きい市であれば一つの市で二つに割らざるを得ないケースがあり得るという山花委員の御指摘。そうしますと、市会議員よりも狭い選挙区で国会議員が選挙をするということになる。そうすると完全にいわゆる土着型、そして地域密着、その地域の人といかに顔なじみになるかという部分が果たして政策を問うのであろうか。同時に、一度当選をすれば国政で云々という部分で、いわゆる利益誘導をその地域に集中的にやるというのは、範囲が狭くなるわけですからやりやすい。あるいは、それこそ後援会をつくってということをやれば、同じ政党の中でほかの人がかわり得るという状況がなかなかできにくいというので、今度はその公認争い、またそれに負けじと新しい人が同じことをするのかということでは、五十歩百歩の可能性も十分あるなということは御指摘のとおりだと思うのですね。そういう意味でいったときに、今こういう御議論の中で、中選挙区制が果たしてどれだけクリアできるのかという評価を私はぜひともしていただきたいなというふうに思うのですけれども、その点に関してはいかがでしょう。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 もちろんどのような選挙制度をとりましても、選挙運動の仕方いかんではさまざまな弊害が出てくることは予想されるわけでありますが、問題は、そういった弊害を除去するために、有権者あるいは候補者の倫理観ということにだけ求めるわけにはどうもいかぬのではないか。そうすると、そういった望ましい選挙をやる上でその制度がかかわる部分がどの程度であるかということで、できるだけ望ましい選挙が展開できるように寄与できる制度を採用した方がよろしいのではないか、こういうことで寄り寄り議論を進めた結果、先ほど来申し述べておるような結論に達したわけであります。

川端達夫民社党

○川端委員 そういう選択というのはよく理解ができるのですけれども、一方、こういう小選挙区比例代表並立制を採用することによって、結果的には中小政党というものはもう生き残れないのではないかというふうに私は思います。先ほども井上委員から御指摘ありましたように、もう選挙のときから、まず五百分の二百の枠からスタートするということではないか。初めから三百はゼロと考えるという現実の問題がある。そういう部分で、現に今三十年にわたってここにおられる先生方の各政党がそれなりの役割を果たし、政治を動かしてきたという部分を、制度によって結果的に二つの大きな政党に収れんをしていくようなことをやっていいのだろうか。  現に、現在の政治状況を見ますと、確かに参議院で与野党の勢力が衆議院と異なるようになった。そういう中で国会の議論のあり方も今問われている。そういう状況の中で、国民の皆さんも政治というものの選択の重みというものも今随分お感じになっているでしょうし、それから野党も、本当に政権をとるにはもう少し努力が足りないなということもあるでしょう。そういう中で、政界を再編していくとか、例えば連合型で勝ったとか、今の選挙制度の中で政治というものが動いていっている部分が非常に大きな影響を受け、選挙制度自体がその流れをごろっと変えるという部分に関して、いかがなものかなというふうに思うわけです。  先ほど政党法云々の部分でも、国家権力というものが政党に介入するのはいかがなものかという委員長の御説明がありましたが、その部分ではもっと大きな政治の流れ自体を、政党に国家権力が介入するのではなくて、選挙制度によって政党がなくなってしまうのかということまで及ぶ部分は、私は非常に大きな問題として考えなければいけない。同時に、二大政党に収れんしていくという部分で、現実の政治勢力で参議院の選挙で見られましたように一人区で与野党逆転したじゃないかという部分で言いますと、基本的にはやはり連合型あるいはいわゆる選挙協力型なんですね。選挙協力型ということで、政権交代の可能性は現にそういう形でしかできない。一方、二大政党であればつぶさないということであれば、そういう協力型でやらざるを得ない。協力型でやっていくという部分は、何か御報告の基調としては、連合政権というもの自体が安定なものではないというふうな御主張になっているわけですね。  そうすると、結局は小さい政党はもうどこかと一緒になって大きくなっていかざるを得ない。あるいは逆に言えば、今の選挙で言えば、そんなところは戦えないというのは、選挙協力をやったらおかしいみたいな御主張が織り込まれている。同時に、選挙協力でおのおの今の現実で自民党さんと対抗するかというと、今度は比例区がありますよ。だけれども、比例区でやるのに選挙協力なんかできるかという、参議院の選挙のときに我々が苦労した部分がある。そうすると結局のところ、この選挙制度自体が現在圧倒的な勢力をお持ちになる自民党の安定多数を望むことになってしまうのではないか。そういう重大な問題ということに関しては非常に疑念を持たざるを得ないというのが一つ。  それから御報告の中で、痛みを伴う政策も必要だ、そのためには安定政権が要るんだという部分と政権交代をしていくという部分の論理が何となくそぐわないような部分がありまして、おのおのの皆さんの意見ですからいろいろあったということだと思うのですが、安定政権で痛みを伴うのは嫌だと言った人の方が勝って、政権が交代する可能性の方が大きいんじゃないかなというふうな思いもありますし、そういう部分では、御議論としてこの結論に至るのにはやや無理があるのではないかなという印象を私は持っているのです。時間がほとんどありませんけれども、いかがでございましょうか。

堀江湛選挙制度審議会第一委員会委員長

○堀江参考人 選挙制度そのものが現行と変わった場合に、実際に選挙が行われた場合どういう結果になるかということは、これは机の上ではいろいろ議論することも可能でございますが、しかし、それぞれ政党や候補者の方々がいろいろとお考えになり、そして実際に選挙運動を展開されるわけでありますから、机上の理屈どおりにはいかないことは言うまでもありませんので、確としたことを申し上げる立場には私はないと思っております。  しかし、現行の例えば選挙制度のもとにおきましても、各市町村単位の各党の候補者の方々の得票数等を見ておりますれば、この小選挙区制の部分において、現在の第一党がさらに多くの議席を占めるといったような結論には必ずしも直ちに結びつくものではないように思いますし、また、私ども選挙協力を想定していないというようなことは全くございませんで、私どもは政党本位、政策本位の選挙を実現するということを申し上げているのでございます。それぞれのお立場に立って政党が選挙協力をなさるということは、これはもう当たり前のことでございまして、これを排除しようなどというつもりは、委員の多くの方々にそういうお気持ちはなかったものであろう、こう考えております。

川端達夫民社党

○川端委員 まだまだ申し上げたいこと、お伺いしたいことはあるのですが、残念ながら時間が来てしまいました。どうもありがとうございました。

中山利生自由民主党

○中山委員長 堀江、河野両参考人におかれましては、長時間にわたり貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。  次回は、来る五月九日水曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会する予定であります。  本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗