交通安全対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1990/04/18
会議録
○権藤委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 この際、交通安全対策の基本施策について、関係大臣からそれぞれ所信を聴取いたします。まず、総務庁長官塩崎潤君。
○塩崎国務大臣 総務庁長官を拝命し、交通対策本部長の職責を担うこととなりました塩崎潤でございます。よろしくお願いいたします。 委員各位には、平素から交通安全行政の推進に格別の御指導と御協力を賜っておりますことにお礼を申し上げます。 今国会における交通安全対策に関する審議が開始されるに当たり、一言所信を申し述べたいと思います。 我が国の運転免許保有者数及び自動車保有台数は年々増加の一途をたどり、国民生活における自動車交通の役割はますます大きくなっております。 一方、道路交通事故については、昨年は年間の死者数が一万一千八十六人と過去十五年間で最悪となるなど、第二次交通戦争と呼んでも過言ではない大変厳しい状況にあります。 また、鉄軌道交通、海上交通及び航空交通においても、輸送の高速化及び大型化により、一たび事故が発生した場合には、多数の死傷者を生ずるおそれがあります。 私は、国民を交通事故の脅威から守り、安全、円滑かつ快適な交通社会を実現することは極めて重要な課題であると考えております。 政府といたしましては、このような厳しい交通事故情勢に対処するため、一昨年以来、交通事故防止に関する緊急総合対策、高齢者の交通安全総合対策、二輪車の事故防止に関する総合対策を交通対策本部で決定し、死亡事故抑止に重点を置いて、交通事故防止対策の推進に努めてまいりました。今後も、交通環境の整備、交通安全思想の普及、安全運転の確保等の諸施策を、国民の皆様方の御理解と御協力を得ながら、関係省庁が一体となって推進し、交通事故の増勢傾向に歯どめをかけ、さらにはその減少が図られるよう努力してまいる所存であります。 また、総務庁におきましては、平成二年度における交通安全対策の事業として交通安全思想の普及活動の推進及び交通事故被害者の援護を行うほか、交通事故の実態を踏まえて、二輪車の総合的事故防止対策、高齢者の交通安全総合対策等を推進するとともに、平成三年度からの五年間に講ずべき交通安全に関する施策の大綱を定める第五次交通安全基本計画を策定することといたしております。 以上、所信の一端を申し述べましたが、委員各位の深い御理解と格段の御協力をお願い申し上げます。
○権藤委員長 次に、国家公安委員会委員長奥田敬和君。
○奥田国務大臣 このたび国家公安委員会委員長を拝命いたしました奥田敬和でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。 委員各位には、平素から交通警察行政の推進に格別の御理解と御協力をいただき、厚く御礼を申し上げます。 交通安全に関する諸施策について御審議をお願いするに当たり、所信を申し述べたいと存じます。 最近の我が国におけるモータリゼーションの著しい進展は、産業経済活動と国民生活の向上に大きく寄与しているところでありますが、その反面、交通事故の多発、違法駐車等による交通の渋滞、交通公害による生活環境の悪化等をもたらしているところであります。 特に、昨年の交通事故による死者数は、十五年ぶりに一万一千人を突破し、第二次交通戦争と言われる厳しい状況にあり、交通安全の確保は緊急課題となっているほか、特に大都市においては違法駐車が蔓延し、これが、道路交通の安全と円滑を阻害し、ひいては都市の機能を阻害させかねない極めて憂慮すべき状態にあると言えます。 警察といたしましては、このような厳しい交通情勢を踏まえ、交通事故の防止については、若者及び高齢者の事故の防止に最重点を置いて、交通安全施設の整備、交通安全教育等の諸対策を推進するとともに、先般の第百十六回通常国会において成立した運転者の資質向上を図ることを目的とした運転免許制度の改善に関する道路交通法の一部を改正する法律が、九月一日に施行されることになりましたので、その所期の目的が達成されるよう円滑な施行、運用を図っていくことといたしております。 また、違法駐車問題については、国民生活上緊急に対処すべき重要な課題であると認識しているところであり、関係法令の改正等を含め、的確に対処してまいることといたしております。 以上、交通警察行政の当面の課題について、所信の一端を申し述べましたが、委員各位の格別な御協力によりまして、その実を上げることができますように、一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げます。
○権藤委員長 次に、運輸大臣大野明君。
○大野国務大臣 このたび運輸大臣を拝命いたしました大野でございます。委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 第百十八回国会に臨みまして、運輸省の交通安全対策に関する所信を申し述べます。 一九九〇年代を迎え、世界の政治、経済、社会が従来の枠組みを超えて激しく変化する中で、我が国においては、昭和六十一年末以来長期にわたって内需主導型の景気拡大が続いており、交通運輸に関しましても、旅客、貨物とも輸送最は好調に推移いたしております。しかし、一方で、交通分野における社会資本整備の必要性が高まるとともに、交通安全の面においても交通事故の増加が見られるなど諸問題も顕在化しております。 このような問題を克服し、豊かさを実感できる国民生活を実現するために、交通運輸に課せられた使命はまことに重大であり、新しい時代に対応した運輸行政を積極的に展開すべく、全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。とりわけ、安全の確保は運輸行政の基本でありますので、私は、安全対策の確実な実施に最善の努力を尽くすとともに、あらゆる機会をとらえ、交通にかかわるすべての人々の安全に対する自覚と責任を促しつつ、交通安全の確保に万全を期し、同氏の皆様の信頼にこたえていく決意であります。 次に、当面、重点的に実施する施策につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、陸上交通の安全対策であります。 まず、自動車交通についてでありますが、昨年は、道路交通事故による死亡者数の増加というまことに憂慮すべき事態を受けて、交通事故非常事態宣言が発せられたところでございますが、運輸省といたしましても、これに対応して事故防止対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。具体的には、自動車の構造・装置に係る安全規制の強化、自動車の検査体制の整備、自動車の点検整備の励行の徹底等を図るとともに、自動車運送事業者に対する運行管理の充実強化、過積載及び過労運転の防止、安全運転の指導の徹底、交通安全に関する広報活動の強化等の諸施策を引き続き強力に推進してまいります。 特に、トラック事業については、貨物自動車運送事業法による輸送の安全確保のための規制の強化とあわせ、事故防止の徹底を図ってまいります。 また、暴走族対策につきましても、車両の不法改造の防止等の施策を推進してまいります。 さらに、自動車事故被害者の救済対策につきましては、自動車損害賠償保障制度の適切な運用を図るほか、重度後遺障害者等に対する援護の充実を図ることといたしております。 次に、鉄道についてでありますが、昨年、常磐線における貨物列車脱線事故等基本的動作の励行を怠ったこと等による事故が相次いで発生したことは、まことに遺憾であります。運輸省としては、これらの事故の重大性にかんがみ、同種事故の再発防止についてJR各社を強く指導したところであります。今後とも、鉄道輸送における安全の確保に万全を期するため、引き続き安全施設の整備、職員の教育訓練の充実、適正な運行管理の徹底等を鉄道事業者に対し指導してまいる所存であります。 さらに、踏切事故の防止対策につきましても、立体交差化、踏切保安設備の整備等を引き続き強力に推進してまいります。 第二に、海上交通の安全対策であります。 まず、施設面の対策といたしまして、港湾及び航路の整備、並びに、船舶交通のふくそうする海域における海上交通情報機構の整備を推進するとともに、航路標識の整備を計画的に実施することとしております。 また、船舶の安全性及び船員の資質の向上につきまして、その充実を図るとともに、旅客船の運航管理体制の充実などにより、船舶の安全運航の確保を図ってまいりたいと考えております。なお、最近における海洋性レクリエーションの進展に対応して、各種海洋レジャー活動の安全対策の一層の充実を図ってまいる所存であります。 さらに、全世界的な海上遭難・安全制度の平成四年の我が国への導入のため、所要の準備を進めてまいります。 海上保安の面におきましては、今後とも巡視船艇や航空機を整備することにより広域哨戒体制を充実し、また、船位通報制度の有効な活用及び関係諸国との協力関係の密接化を通じ、船舶の捜索救助体制の強化を図ることとしております。 なお、一昨年七月の東京湾における潜水艦と遊漁船の事故にかんがみ、政府の第一富士丸事故対策本部で決定された船舶航行の安全に関する対策要綱につきましては、引き続きその着実な実施を図ってまいる所存であります。 第三に、航空交通の安全対策であります。 昨年は、諸外国においては重大な航空機事故が発生したものの、幸いなことに我が国では重大な事故は起こっておりませんが、引き続き、航空交通の安全を確保するため、万全の措置を講じてまいります。 特に、昨今、国際的に航空機の経年化による問題が発生しており、我が国においてもこの問題の重要性にかんがみ、航空会社に対し、航空機に対する点検整備の強化及び改修等の促進を指示するなど、万全の措置を講じてきておるところでありますが、今後とも経年航空機対策を初めとして、航空機乗組員等の資質の向上、運航管理体制の強化等航空機の運航の安全対策の充実強化に取り組んでまいる所存であります。 さらに、航空保安施設の整備を初めとする航空保安体制の充実のための諸施策を引き続き推進するほか、空港等の整備を計画的かつ着実に進めてまいります。 第四に、気象関係につきましては、交通機関の安全を初め、国民生活にとって極めて大きな影響のある台風、集中豪雨、豪雪、地震、火山の噴火等について、その監視と適時適切な予報・警報または情報の提供等を行うため、観測施設の整備、静止気象衛星業務の推進、気象資料伝送網の整備等により、気象業務体制の一層の充実強化を図ってまいりたいと考えております。 以上、運輸省において推進しようとする交通安全施策の概要につきまして申し述べてまいりましたが、これらの施策は、申すまでもなく委員長を初め委員各位の深い御理解と御支援を必要とする問題でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○権藤委員長 次に、建設大臣綿貫民輔君。
○綿貫国務大臣 建設大臣に就任いたしました綿貫でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 交通安全対策に関する諸施策について、私の所信を申し述べます。 近年の道路交通需要の増大と多様化に対処し、安全かつ円滑な道路交通を確保することは、極めて重要な課題でありますが、一昨年においては交通事故死者数が十三年ぶりに一万人を突破し、昨年はさらにこれを上回る一万一千余名のとうとい人命が失われており、まことに憂慮すべき状態にあります。 これに対処するため、緊急に交通の安全を確保する必要がある既存の道路につきましては、第四次交通安全施設等整備事業五カ年計画の最終年度として、事業費の拡充を図り、事故の発生状況等に対応した重点的な交通安全施設等の整備を積極的に推進することとしております。この場合、弱い立場にある歩行者及び自転車利用者を交通事故から守るための歩道等の整備、安全かつ円滑な自動車交通を確保するための交差点の改良、道路利用者に対して適切な道路交通情報を提供するための施設の整備等に重点を置くこととしております。 さらに、道路の改築事業におきましても、歩道等の設置、バイパスの建設、自転車専用道路及び歩行者専用道路の整備等の事業を行ってまいります。また、落石、のり面崩落、雪崩等の危険を防止するため、道路の防災対策についても万全を期してまいる所存であります。 また、踏切道における交通事故の防止と交通の円滑化を図るため、立体交差化等の事業を推進することとし、多数の踏切が連続する中心市街地等におきましては、これらを同時に除却する連続立 体交差事業を推進してまいることとしております。 次に、既成市街地の居住地区等における交通事故を防止し、居住環境の改善を図るための事業、積雪寒冷地域における冬期の道路交通確保を図るための事業、通勤通学等のための自転車駐車場の整備、さらに、自動車駐車場の整備等を推進する考えであります。 なお、児童の交通事故防止及び児童、青少年の心身の健全な発達に資するため、第四次都市公園等整備五カ年計画の最終年度として、児童公園等の住区基幹公園、都市基幹公園、緑道等の計画的な整備を推進することとしております。 最後に、道路交通の安全と交通の円滑化を図るため、道路法及び車両制限令に違反する車両の通行に対する指導及び取り締まりの強化を図ることとしております。 以上、交通安全に関する諸施策につきまして所信の一端を申し述べましたが、交通事故防止のため、今後とも総合的な交通安全施策を強力に推進していく決意でありますので、よろしくお願い申し上げます。
○権藤委員長 以上をもちまして、関係大臣の所信表明は終わりました。 次に、平成二年度における陸上交通安全対策関係予算について説明を求めます。徳宿総務庁長官官房交通安全対策室長。
○徳宿政府委員 平成二年度の陸上交通安全対策関係の予算につきまして、お手元にお配りいたしました「平成二年度陸上交通安全対策関係予算調書」という資料に即しまして、概括的に御説明を申し上げます。 陸上交通安全対策関係予算の総額は、平成二年度の予算案といたしましては、一ページの冒頭にありますように、一兆二千九百四十五億四千万円で、前年度予算額に比べ四十六億九千六百万円、〇・四%の減となっております。 大きな五つの項目ごとにその主なものを御説明いたしますと、一番目の道路交通環境の整備につきましては、一兆一千五百二十四億二千万円、前年度に比べ九十九億九千九百万円、〇・九%の減となっております。 (1)の特定交通安全施設等の整備は、第四次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画に基づく交通安全施設等の整備のうち警察庁所管分に係るものでありまして、平成二年度は五カ年計画の最終年度になります。百三十三億九千万円を計上しており、前年度に比べ六・六%の増加となっております。これによりまして、交通管制センターの拡充並びに信号機の高性能化等の事業を行うこととしております。 次に、(2)の交通安全施設等の整備につきましては、一千九百八十八億四千二百万円を計上し、前年度に比べ四・九%の増となっておりますが、その大部分は第四次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画に基づく交通安全施設等の整備のうち建設省所管分に係る予算であり、その他は地方道路整備臨時交付金による緊急地方道路整備事業に係るものであります。これにより、歩道、自転車道等の整備を行うこととしております。 なお、第四次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画の調整費を除いた事業計画額に対する平成二年度までの累計進捗率は、警察庁所管分並びに建設省所管分ともに、一〇〇%に達する見込みであります。 (3)は、歩道等の設置を伴う現道拡幅、小規模バイパスの整備等の交通安全に寄与する道路改築事業であります。 (4)は、落石、雪崩等を防止するための施設の整備、交通危険箇所の局部的改良等の事業に係るものであります。 (5)は、踏切事故防止総合対策を推進するための踏切保安設備の整備並びに踏切道の立体交差化等の事業に係るものであります。 二ページに参りまして、(6)の交通安全対策特別交付金は、道路交通法の反則金を財源とし、道路交通安全施設の設置、管理に要する費用に充てるため地方公共団体に対して交付されるものであります。平成二年度予算では六百六十六億九千六百万円が計上され、前年度に比べ二百八十五億六千万円、三〇・〇%の減となっておりますが、これは、反則告知件数が減少し、反則金の納付額が減少する見込みであるためであります。 (7)及び(8)は、第四次都市公園等整備五カ年計画に基づき、路上における遊びや運動による交通事故の防止等のために行われる基幹公園及び緑道の整備事業に係るものであります。 (9)は、居住地区内における交通事故を防止し、居住環境の改善等を図るため、地区内街路を体系的に整備する事業等に係るものであります。 (10)及び(11)は、三大都市圏の駅周辺等で行われる自転車駐車場の整備並びに都市の商業業務地区等で行われる都市交通施設の整備事業に係るものであります。 三ぺージに参りまして、(12)は、市町村が学校体育施設を交通事故防止のために子供の遊び場等として地域に開放し、管理指導員を置くために要する費用を補助するものであります。 二番目の項目の交通安全思想の普及につきましては、二億九千万円を計上しており、前年度に比べ五二・七%の増となっております。 (1)は、ダンプカー事業者の安全意識の向上等を図るための交通安全指導事業等の経費に係る補助金であります。 (2)は、交通安全母親活動推進事業及び交通安全フェアの開催の委託、高齢者の交通安全思想普及事業、その他講習会等に係る経費がその主な内容であります。 続きまして、(3)並びに(4)は、交通安全に関する広報活動及び交通情報に関する業務委託、学校における交通安全教育指導等に係るものであります。 三番目の項目の安全運転の確保につきましては、四百三十七億二千九百万円を計上しており、前年度に比べ五・六%の増加となっております。 (1)は、優良な運転者の育成を図るための運転者教育用の映画制作等に要する費用であります。 (2)は、運転者の違反歴、事故歴等を電子計算機に集中管理する運転者管理センターの運営費であります。 (3)は、交通取り締まりの強化及び交通事故処理の円滑化を図るための交通取り締まり用車両等の整備に係る経費であります。 (4)は、暴走族事犯、ひき逃げ事犯等の捜査活動の強化等を進めるものであります。 四ページに参りまして、(8)は、自動車検査登録事務所の整備等、自動車検査登録業務の円滑化を図るための経費であります。 四番目の項目の被害者の救済につきましては、九百七十億一千百万円を計上しており、前年度に比べ三・三%の増加となっております。 (1)は、救急業務施設の整備等でありますが、救急自動車等の整備のための経費であります。 (2)は、救命救急センターの整備等救急医療の体系的整備の推進と救急医療担当医師に対する研修等、交通事故等による傷病者のための医療の充実を図るものであります。 次に、(5)は、通勤災害について被災労働者及びその遺族の保護を図るための経費を計上しております。 五ページに参りまして、(6)は、都道府県及び指定都市の交通事故相談所の運営に必要な経費であります。 また、(8)は、自動車事故の防止並びに交通事故被害者の救済・保護を図るため、自動車事故対策センター等へ補助等を行うものであります。 最後に、五番目のその他は、調査研究費でありますが、十億九千百万円を計上し、前年度に比べ一五・六%の減となっております。 (1)は総務庁分でありますが、二輪車の総合的事故防止対策、高齢者の交通安全教育に関する調査研究等を行うこととしております。 以上、簡単ではありますが、平成二年度陸上交通安全対策関係予算の説明を終わらせていただきます。
○権藤委員長 次に、平成二年度における海上交 通及び航空交通安全対策関係予算について説明を求めます。中村運輸省運輸政策局長。
○中村(徹)政府委員 お手元に「平成二年度交通安全対策関係予算調書 運輸省」という資料がお配りしてあると思いますが、これに基づきまして、海上交通及び航空交通安全対策関係予算について御説明させていただきます。 まず最初に、海上交通安全対策関係の予算でございますが、平成二年度の予算案といたしまして、一千五百三十三億一千四百万円を計上しております。これは、前年度に比べまして三十五億八千七百万円、二・三%の減となっております。 その内訳でございますが、まず、1の交通環境の整備として、一千百二十八億七千七百万円を計上しております。これは、(1)の関門航路等の航路の整備、室津港等の避難港の整備、各港湾の防波堤等の整備、それから(2)の各種航路標識及び海上交通情報機構の整備・運営、(3)の海上交通に必要な情報を得るための水路業務及び海洋気象業務の充実のための経費でございます。 2の船舶の安全性の確保として、一億六千三百万円を計上しております。これは、(1)の船舶の構造・設備に関する安全基準の整備、(2)の船舶検査、型式承認等の実施のための経費でございます。 3の安全な運航の確保として、八十三億八千九百万円を計上しております。これは、(1)の海難防止指導等海上交通安全対策の充実強化、警備救難業務の運営、次のページに参りまして、(2)の運航管理の適正化を図るための旅客航路事業者に対する監査等、(3)の航海訓練所等におきます教育訓練、船舶職員の資格試験、水先人試験の実施等のための経費でございます。 4の海難救助体制の整備等として、三百十八億五千八百万円を計上しております。これは、(1)の巡視船艇・航空機の整備、(2)の海難救助・海上防災体制の整備等のための経費でございます。 それから、5の海上交通の安全に関する研究開発の推進として、二千七百万円を計上しております。これは、将来の航行援助システムの開発研究のための費用でございます。 以上が海上交通関係の経費でございます。 次に、三ぺージに参りまして、航空交通安全対策関係の予算でございますが、平成二年度の予算案といたしまして、三千百二十三億七千万円を計上しております。これは、前年度に比べ二百十二億一千四百万円、七・三%の増加となっております。 その内訳でございますが、1の交通環境の整備として、二千七百六十八億一千九百万円を計上しております。これは、(1)の空港、空港用航空保安施設等の整備、(2)の航空路関係の管制施設及び航空保安無線施設等の整備のための経費でございます。 2の航空安全対策の推進として、三百五十三億四千七百万円を計上しておりますでこれは、(1)の航空機の耐空証明検査、機長路線資格審査、航空従事者の技能証明等、それから(2)及び(3)の航空大学校、航空保安大学校における教育の充実、(4)の航空機を使って実施する航空保安施設の検査、(5)の空港、航空路及び航空気象施設の維持運営等のための経費でございます。 3の航空交通の安全に関する研究開発の推進として、二億四百万円を計上しております。これは、人工衛星を使って実施する将来の航行援助システムの確立のための実験、航空機衝突防止方式の機能向上等の研究開発のための費用でございます。 以上、簡単でございますが、平成二年度における海上交通及び航空交通安全対策関係予算案の御説明を終わらせていただきます。
○権藤委員長 次に、平成二年中における交通警察の運営について説明を求めます。関根警察庁交通局長。
○関根政府委員 平成元年中の交通事故発生状況並びに平成二年中の交通警察の重点施策につきまして御説明を申し上げます。 まず、平成元年中の交通事故の発生状況についてであります。お手元の資料「交通警察関係資料」の二ページから三ぺージに概況及び特徴を掲載しております。 平成元年中の交通事故発生状況は、発生件数が六十六万一千三百六十三件であって、前年比四万六千八百八十二件、七・六%の増であり、死者数が一万一千八十六人であって、前年比七百四十二人、七・二%の増であり、負傷者数が八十一万四千八百三十二人であって、前年比六万一千九百八十七人、八・二%の増でございます。 平成元年における交通事故死者数は十五年ぶりに一万一千人を突破することとなったのでございます。平成元年における交通事故発生状況を過去の交通事故統計と比較してみますと、悪い順に数えて、発生件数は史上四番目であり、負傷者数は史上六番目であります。まさに第二次交通戦争と言っても過言でない情勢となっております。 次に、昨年の交通死亡事故の特徴的傾向といたしましては、第一に、若年者と高齢者の死者数が全死者数の過半数を占めたこと、第二に、自動車乗車中の死者数が増加したこと、第三に、週末及び夜間の死亡事故が増加したこと、第四に、高速道路の死亡事故が急増したこと、第五に、自動車乗車中の死者数のうち約七割がシートベルト非着用であったこと等を主な特徴的傾向として挙げることができます。 一方、都市部における駐車問題や交通渋滞も一層深刻となっており、特に大量の違法駐車は、交通の安全と円滑を阻害し、ひいては都市機能を麻痺させることともなりますので、違法駐車対策は国民生活上緊急に対処すべき重要な課題であると認識しております。 以上申し述べましたような厳しい交通情勢に対処するため、警察といたしましても、国家公安委員会委員長の所信表明にありましたとおり、交通安全対策及び交通円滑化対策を積極的に展開していくこととしております。 そこで、本年講ずべき施策につきましては、お手元の資料「平成二年中における交通警察の運営」に記述したとおりでございますが、特に重点的に推進すべき施策につきまして御説明を申し上げます。 その第一は、道路交通環境の整備についてであります。まず、交通安全施設整備につきましては、昭和六十一年度を初年度として策定された第四次交通安全施設等整備事業五カ年計画に基づき、交通管制センターの整備充実、信号機の改良、系統化等、引き続きその整備充実を図り、安全で円滑な道路交通環境の確保に努めているところでございます。 交通安全対策の基盤をなすこれらの交通安全施設は、平成二年三月末までに交通管制センター七十四カ所、信号機約十三万基等と膨大な量となっておりますが、これらの安全施設の老朽化や機能の衰えが進み、今日の過密かつ複雑な交通情勢に対応できなくなっておりますので、今後はこれらの施設の整備充実とあわせて、施設の更新、高度化等を図ることとしております。 次に、都市部を中心とした駐車問題につきましては、深刻化している交通渋滞や違法駐車の問題に的確に対処するため、関係法令の改正の検討を含め効果的な駐車対策を推進し、安全で円滑な道路交通環境を確保するよう努めてまいりたいと考えております。 その第二は、交通指導取り締まりと暴走族対策の推進についてであります。 最近の著しい交通事故の発生状況を踏まえつつ、重大事故に直結する悪質、危険な違反や迷惑性の高い違反の指導取り締まりを推進するとともに、交差点、横断歩道等における街頭保護活動を効果的に実施することとしております。 また、暴走族対策につきましては、共同危険行為等の禁止違反及び騒音暴走の取り締まりを重点的に実施するとともに、関係省庁、機関とも緊密な連携を図り、総合的な暴走族対策を推進することとしております。 その第三は、交通安全教育と交通安全思想の普及についてであります。 交通事故増加の大きな要因となっております高齢者及び若年者の事故の防止を図るため、これら年齢層に焦点を置いた重点的な交通安全教育と交通安全思想の普及・高揚の施策を強力に推進していくこととしております。 具体的には、関係団体と協力し、老人クラブ等における交通安全教室の開催、若年者等を対象とした二輪クラブ等に対する指導、育成、正しい方法によるシートベルトの着用の徹底を図るための広報啓発活動等を推進することとしております。 運転者教育につきましては、引き続き若年者を中心とする二輪運転者、高齢運転者等を重点とした実効ある運転者教育の充実強化を図ることとしております。 特に、さきの第百十六回国会において成立の運びとなりました初心運転者対策を中心とする道路交通法の一部を改正する法律につきましては、本年九月一日の施行に向けてその準備を鋭意進めているところであり、附帯決議の御趣旨を踏まえ、事故防止のため円滑な施行、運用が図られるよう努めてまいりたいと考えております。 第四は、適正な運転免許行政の推進についてであります。 国民皆免許時代における運転免許行政は国民行政であるという認識のもとに、国民の理解と共感に支えられたきめ細かな施策を展開していく必要があります。このため、運転免許業務の機械化、OA化を進め、免許手続の簡素合理化に努めるとともに、国民の利便を考慮した施設等の改善を行う等、国民のニーズに的確に対応したきめ細かな施策を積極的に推進していくとともに、市民応接の向上等にも配意することとしております。 以上、申し上げましたような諸施策の推進に全力で取り組み、安全で快適な交通社会の実現に努めてまいる所存でございますので、引き続き、御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
○権藤委員長 次に、平成二年度の運輸行政における交通安全施策の概要について説明を求めます。中村運輸省運輸政策局長。
○中村(徹)政府委員 平成二年度における運輸省の交通安全施策の概要につきまして、お手元にお配りしてある「交通安全施策の概要 運輸省」という小冊子がございますが、これによりまして御説明申し上げます。 まず、第一章に交通事故の部門別推移を取りまとめてございます。 二ページの表一というのをごらんいただきたいわけでございますが、道路交通事故につきましては警察庁から説明のとおりでございますが、鉄軌道事故及び鉄軌道事故の過半数を占める踏切事故についてはおおむね横ばいの傾向となっております。 海難につきましては、平成元年は、隻数、死亡・行方不明者数ともに減少しております。 航空事故につきましては、事故件数は増加、死傷者数は減少しております。 次に、第二章の陸上交通の安全対策について御説明申し上げます。 最初に自動車交通についてでございますが、昨年は道路交通事故非常事態宣言が出されるなど道路交通事故による死亡者数の増勢傾向はまことに憂慮すべき事態となっております。このことから、運輸省としても事故防止対策のより一層の充実強化を図ってまいります。 具体的には、三ぺージから六ページまでに取りまとめてございますとおり、自動車の保安基準の改善や自動車検査コースの増設などにより、自動車の安全性を確保するとともに、自動車運送事業者に対して、監査等により運行管理体制の充実強化等について指導の徹底を図り、事故防止に努めるとともに、広報活動の積極的な展開について指導を行うこととしております。 さらに、万一事故が発生した場合の被害者救済対策につきましては、重度後遺障害者療護施設の整備、交通遺児に対する貸付額の改定など、自動車事故対策センターの業務の拡充等を図ることとしております。 次に、鉄軌道交通につきましては、六ページから九ページまでに取りまとめてございます。 列車運転の高速化等に対応した信号保安設備の整備や鉄軌道車両の検査体制の充実などによる安全性の確保、あるいは乗務員等に対する教育訓練体制の整備や適性検査の実施、厳正な服務の徹底を指導するなどの対策を総合的に講じますことにより事故の防止を図ってまいります。特に、昨年は基本的動作の励行を怠ったこと等による事故が相次いで発生しましたことにかんがみ、運輸省とJR各社の安全担当者で構成される鉄道保安連絡会議の場等を通じ、同種事故の再発防止のため、安全対策の徹底を図ってまいります。 また、鉄軌道事故の過半数を占める踏切事故の防止につきましては、九ページから十ページにございますとおり、踏切道の立体交差化、構造改良、踏切保安設備の整備などの対策を推進することとしており、そのために必要な費用の補助を行うほか、税制上の優遇措置を講じることとしております。 次に、第三章の海上交通の安全対策については、十二ページから二十一ページまでに取りまとめてございます。 まず、航路・港湾の整備や航路標識の整備を推進するとともに、船舶交通のふくそうする海域において海上交通に関する情報の提供と航行管制を一元的に行っております海上交通情報機構については、大阪湾等においても整備等を進めてまいります。また、船舶の安全及び船員の資質の向上について、船舶の安全基準の整備、検査体制の充実、海技免状の更新制度の充実整備、教育訓練体制の整備に努めるとともに、旅客航路事業者の運航管理の適正化等を図ってまいります。 さらに、緊急時における救助体制につきましては、船舶から定期的に航行位置の通報を受ける船位通報制度を活用するなどにより海難救助体制を充実してまいります。特に、国際海事機関が進めている新しい全世界的な海上遭難・安全制度の我が国への導入について、所要の法制度及び陸上通信施設の整備を推進することとしております。また、ヘリコプター搭載巡視船及び航空機を増強し、広域哨戒体制を整備することといたしております。 なお、一昨年七月に発生いたしました第一富士丸事故につきましては、同十月に政府の第一富士丸対策本部で決定された船舶航行の安全に関する対策要綱に基づき、航行安全対策の一層の充実強化等を図り、事故再発防止に万全の措置を講じてまいります。 次に、第四章の航空交通の安全対策について御説明申し上げます。 二十二ページ以降にございますとおり、航空保安施設の整備と空港の整備を進めてまいりますとともに、航空機の安全基準の整備、検査体制の強化、運航管理体制の強化を進めてまいります。また、最近の事故状況を踏まえ、小型航空機の事故防止対策の充実、ニアミス防止対策の充実、航空機に対するテロ行為についての対策などの推進を図ってまいります。 また、長期間使用されている航空機、いわゆる経年機の安全対策につきましては、通常の点検整備に加え、補足的な検査プログラムを設定する等の措置を講じておりますが、より一層の安全対策の強化を図ってまいります。 以上、運輸省におきます交通安全施策の概要について御説明申し上げましたが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○権藤委員長 次に、平成二年度の建設行政における交通安全施策について説明を求めます。鹿島建設省道路局次長。
○鹿島説明員 平成二年度におきます建設省の交通安全に関する施策につきまして、お手元の資料「交通安全施策について」によりまして御説明申し上げます。 まず、一ページの交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づく事業等についてでございます。 昨年、一昨年と二年続けまして交通事故死者数が一万人を突破し、特に昨年におきましては昭和 四十九年以来十五年ぶりに交通事故死者数が一万一千人台となる等、交通安全をめぐる情勢が非常に憂慮すべき状況にあります。 かかる状況にかんがみ、昭和六十一年度を初年度とする第四次交通安全施設等整備事業五カ年計画に基づきまして、歩道等の整備、交差点の改良を進めるほか、道路標識及び道路情報提供施設等の整備を強力に推進しているところであります。 平成二年度におきましては、五ぺージにございますとおり、その五カ年の最終年度といたしまして、事業費約二千四百四十一億円を計上し、特定交通安全施設等整備事業を重点的に実施するとともに、事業費約五百七十六億円をもって緊急地方交通安全施設等整備事業をあわせて推進することといたしております。 また、高速自動車国道及び一般道路について、事故多発箇所等の抽出、交通事故発生状況等の分析を行い、事故特性等に即した交通安全緊急実行計画を推進することといたしております。 さらに、改築事業による交通安全対策事業でございますが、歩道等の設置困難な区間におきます小規模バイパスの建設、現道拡幅など交通安全に寄与する事業として、平成二年度は事業費約九千五百三十一億円を計上いたしております。 次に、七ページの防災対策事業でございます。 昭和四十六年から、道路災害の発生を防止し、道路交通の安全を確保するため、数次にわたり総点検を行い、その結果に基づき計画的に対策を進めているところでありますが、平成二年度におきましても、落石等のおそれのある箇所の全国総点検を実施するとともに、約二千百九十一億円の事業費をもって各種防災施策の推進を図ることといたしております。 次に、八ぺージでございます。 踏切道の立体交差化等の事業でございますが、踏切道につきましては、事故防止と交通の円滑化を図るため立体交差化及び構造改良を促進することといたしております。十ページにございますとおり、平成二年度におきましては、事業費約一千六百七億円を計上いたしております。 次に、十一ページでございます。 大規模自転車道整備事業でございますが、平成二年度は事業費約百三十億円をもって継続四十七路線、新規五路線の整備を進めることといたしております。 次に、十二ページからでございます。 都市交通環境の整備につきまして、まず居住環境整備事業についてでございますが、平成二年度におきましては、事業費約六十三億円をもちまして、安全で快適な居住環境の整備を図ることなどを目的として、三十七地区で事業を実施することといたしております。 次に、総合都市交通施設整備事業でございますが、本事業は環状線等幹線街路、歩行者専用道、駅前広場等都市交通施設を総合的に整備するものであり、平成二年度は十四地区において事業を実施することといたしております。 次に、十五ページにございますスノートピア道路事業でございます。 豪雪地帯対策特別措置法に基づき指定された豪雪地帯の都市において冬期交通の確保を図るため、昭和五十八年度より実施しておりますが、平成二年度は事業費約四十二億円を予定いたしております。 次に、十六ページの自転車駐車場整備事業でございます。 平成二年度は、二十八カ所の整備を予定しており、これに要する事業費といたしまして約五十億円を計上いたしております。 また、民間による有料自転車駐車場につきましては、財団法人自転車駐車場整備センターが地方公共団体の補助金等によりその整備を促進することといたしております。 さらに、路上駐車により道路交通の円滑化が妨げられている現状にかんがみ、増大する駐車需要に対応できる駐車スペースを確保するため、十七ページから十八ぺージに記載をいたしてございますとおり、平成二年度は道路整備特別会計からの無利子貸付制度の強化等により自動車駐車場の整備を推進することといたしております。 次に、十九ページでございます。 都市公園整備事業でございますが、路上における遊びや運動による交通事故を防止するため、昭和六十一年度を初年度とする第四次都市公園等整備五カ年計画に基づき、住区基幹公園、都市基幹公園、緑道の計画的な整備を進めることといたしております。平成二年度におきましては、最終年度といたしまして、事業費約一千六百二十億円を計上いたしております。 次に、二十ページから二十四ページにかけて記載をいたしておりますが、道路の管理につきまして、道路交通の安全確保等の観点から、電線類の地中化のための簡易なボックス、いわゆるキャブの整備、地下埋設物件に対する管理の強化、共同溝の整備、不法占用の是正を推進することといたしております。 以上申しました施策のほか、道路交通情報の収集提供体制の整備拡充、道路交通安全に関する調査研究等の施策に関しましても強力に推進してまいる考えでございます。 簡単でございますが、平成二年度におきます建設省の交通安全に関する施策につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。
○権藤委員長 これにて関係省庁からの説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時二十五分散会