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118回国会衆議院1990/06/20

外務委員会 第11号

発言数
98
登壇者
13
会派数
4
開催日
1990/06/20

会議録

柿澤弘治自由民主党

○柿澤委員長 これより会議を開きます。  千九百八十九年七月三日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百八十三年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件及び千九百八十九年のジュート及びジュート製品に関する国際協定の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 きょうは、今委員長から御指摘ありましたように、ジュート製品とコーヒー協定の審議になっているわけですが、私は余りコーヒーが好きでありませんから、別の点でお尋ねをさせていただくことをお許しを願いたいと存じます。  国会も会期末になっておりますので、余り機会がありませんから、せっかくの機会で、ぜひ外務大臣にお尋ねしておきたい点があります。  実は、御案内のように、昨日、日米合同委員会で沖縄基地の整理縮小問題が一応合意に達して公表されました。二カ年がかりで、外務省初め関係御当局がいろいろ御努力をした点につきましては敬意を表しますし、また、外務大臣もそれなりのお骨折りをいただきましたことを理解をいたします。しかし、二カ年かかって結論を出したにしては、ちょっと県民の期待に沿えない面が多いのじゃないか、こういう気がしてなりません。  そこで、昨日合意を見たこの沖縄基地の整理縮小問題について、外務大臣はどういう御所見、御認識をお持ちなのか、まずその点からお聞かせを願いたいと存じます。

中山太郎自由民主党外務大臣

○中山国務大臣 委員初め沖縄選出の国会議員の超党派の先生方が、この基地問題についてかねていろいろと御協力、御苦労をいただいてきたことを、この機会に敬意を表しておきたいと思います。  昨日発表いたしました事案以外に、沖縄県の知事事案及び日米安全保障協議委員会事案は、今後日米間で引き続き検討を行いまして、必要に応じて軍用地転用促進・基地問題協議会事案についても、今後とも検討を続け、沖縄の方々が待望されている沖縄の米軍基地の整理縮小の方向で、政府としては引き続き日米合同委員会で協議を続けていきたいと考えております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 そうしますと、昨日のこの合意を見たものは、かねがね政府は中間報告というような位置づけというかお考えもあったわけですが、全体の面積からしますと二・四%程度、三%足らずですね。しかも六カ所は条件つきになっているわけです。この外務省、防衛施設庁で発表した文書の中にも、その三項の中段あたりに「現時点において返還に向けて日米双方で所要の調整・手続きを進めることが確認された事案をとりまとめたものであり、」とあるが、これは今大臣もお述べになりましたように、さらに返還予定のものが今協議中なことを意味するのか。同時に、「その実施にあたっては、今後更に、合同委員会における施設・区域に係る調整・手続きを経る必要がある。」こういうふうにもなっておるわけで、即時返還じゃないわけですね。いろいろ条件がついて、これから調整をしていかなければいかぬという中身になっているようですが、そこらについてもう少し詳しく、これは事務当局でいいわけですが、御説明を願いたいと存じます。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 先生まさに御指摘のように、今回の私どもの日米間の基本的な合意は、今後返還に向けて所要の調整、手続を進めていくという基本的な合意でございまして、具体的な事案の個々の取り扱いに関しましては、今後土地所有者の意向確認等返還のための関係者間の調整が必要でご ざいまして、案件ごとに、各事案ごとに調整を進めて、その上で合同委員会に最終的な承認を求める、そして実施が行われるという手順になります。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 そうしますと、もしその関係者、特に地権者、地主等の了解が得られない場合、あるいは同意がない場合はどうなるのですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 私どもといたしましては、沖縄県民の皆様方の御要望にできるだけおこたえするということで、できるだけ従来からの懸案を、中間的な報告とはいえ、この際基本的な合意に達するということで今回の合意を作成したわけでございますけれども、個々の事案の処理に当たりましては、確かに先生御指摘のように、今から、これは防衛施設庁を中心に進めてまいりますけれども、地主ごとにいろいろ御相談を申し上げなければいけないわけでございますが、ぜひ地主の方々にも全体の趣旨をよく酌み取っていただいて、御理解賜りまして、返還に向けて御協力を賜りたい、こう考えております。     〔委員長退席、浜田(卓)委員長代理着席〕

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 なぜ今のようなお尋ねをするかは、後でもう少し指摘をします。  それともう一点お尋ねしておきたいことは、今後合意に達しなかった施設、区域、いわゆる基地ですが、さっき大臣からもお答えがありましたが、これからの協議の対象になっているのはどことどこですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 今回基本的な合意の対象にいたしましたのは、先ほど外務大臣から御答弁申し上げましたように、安保協、沖縄県知事の要望された事案、それから軍転協、この三つがございまして、それぞれ若干ダブっているものもございますが、この残りの事案について今後米側とさらに話し合いを進めていくということでございまして、具体的に申し上げますと、安保協のうち残っておりますのが、十八件のうち今回九件基本的な合意を見まして、残り九件、それから県知事が御要望されましたのが七件で、今回合意を見ましたのが三件でございますから、残っておりますのが四件、それから軍転協関係は全体で十三件ございまして、今回八件合意を見まして、残っておりますのが五件、したがいまして、これを全部足しますと十八件でございますが、これに関しまして、さらに米側と合同委員会を通じて話し合いをしていくということでございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 ある程度わかるような気もしますが、問題は、大変皆さんが、関係者が御苦労いただいた割には、私に言わせれば、これは目玉なき返還だということを言わざるを得ませんね。部分返還になっているということ。細切れ返還が多い。特に問題は、沖縄の県都である那覇空港から市内、いわゆる沖縄に足を踏み入れるとすぐ基地のフェンスがぎらつく。景観もよろしくないし、基地のイメージというものが観光者の皆さんにとって非常に強く印象づけられる。それだけに那覇軍港の返還というのは大変みんなが期待をしておったことなのだが、これが入っていないということ。もう一点は、宜野湾市の都市計画に大きな阻害要因になっております普天間飛行場、これも全く触れられていない。きょう沖特もありますから、後で防衛施設庁にも強く指摘をしたいわけですが、私が再三指摘をした嘉手納マリーナ、これなどは今ごろ米軍が排他的に一つのビーチなり海を占拠するという時代じゃないというのだ、私は。嘉手納町は御承知のように町面積の八五%をいわゆる基地に占拠されておる。唯一の海辺、浜まで米軍が独占的に使う、こんなばかげたことは許してはならぬと思う。これも入っていない。これはなぜ入らなかったか、今指摘をした点をお答えいただきたい。  さらにもう一点は、昭和五十三年にいわゆるパラシュートの降下訓練機能移設ということを日米間で合意をして、ずっと今日まで十年余、移転を試みながら実現をしていない。同時に、立派な跡利用計画も策定をされている読谷補助飛行場が全く返還の協議対象にされていないということ。もう一つは、リゾートに最適であるということで知事要請でも強く求められている奥間レストセンター等々が入っていない。あるいは十六安保協で返還合意されている伊江島補助飛行場も対象にされていない。これでは県民の期待を裏切った返還内容と断ぜざるを得ないのですね、正直申し上げて。どうしますか。今の点について今後どうするのか、可能性があるのかないのか、はっきりお答えいただきたいと思います。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 先生から目玉がないではないか、全体として不十分ではないかと御指摘いただいておりますが、今回の中に、西銘知事が非常に強く要望しておられました泡瀬ゴルフ場と恩納通信所というのが入っておりまして、私どもとしては、この二つが目玉だと考えておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。全体といたしまして一千ヘクタールに及びますので、かなりの面積でございます。ぜひその点御理解を賜りたいと思います。  先生が一つ一つ御指摘されました具体的な案件が今回どうして入っていなかったかという点、私どもの米側とのやりとりの詳細はちょっと御披露しかねますけれども、私どもとしても、それなりに努力したわけでございますので、御理解いただきたいと思います。  先生御指摘されました読谷補助飛行場、それから嘉手納マリーナでございますけれども、この二つに関しましては、地元の強い要望があるということでございましたので、私どもとしても米側と話し合いをいたしましたけれども、まず読谷の補助飛行場でございますが、一部は今回入っておりますけれども、全面返還となりますと、パラシュート降下訓練機能の移設が前提となりますけれども、代替地の調査について基礎調査をやっていますが、まだ十分な調査が終わっておりませんので、どうしてもまだ読谷の補助飛行場は必要であるということで、今回は返還が難しいということになりました。  それから、嘉手納マリーナの返還でございますけれども、これに関しましても、米側としては米軍の福利厚生施設として必要であるということを言っておりますが、今後も地元の御要望を踏まえまして、さらに検討をしていきたいと考えます。  それから、先生が御指摘ございました奥間レストセンター、那覇港湾施設でございますけれども、これも今回もちろん話し合いの対象にいたしましたが、移設先の選定などにいろいろ困難もございまして、残念ながら今回結論を見ておりません。  今の先生御指摘の那覇港湾施設は、米軍としても補給物資等の積みおろしのために現在使用しており、米軍にとって不可欠であるということで、これは先生御承知のように、安保協におきましても、全面返還は合意はされておりますが、あくまでも移設を前提にしているということで御理解いただきたいと思います。  それから、普天間の飛行場でございますけれども、これも県知事より全面返還の要望が出されておりましたので、鋭意検討はいたしましたが、米側は運用上必要な飛行場の施設であるということを言っておりまして、これは引き続き検討をしてまいりたいと思います。  それから、伊江島についても米軍の運用上どうしても必要であるということを米側も言っております。  いろいろな具体的な案件について今申し上げましたけれども、全体としては、外務大臣が冒頭申し上げましたように、残りの案件に関しましては引き続き米側と鋭意話し合いをしていきたい、こう考えております。     〔浜田(卓)委員長代理退席、委員長着席〕

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 あなたは泡瀬ゴルフ場と恩納通信基地が目玉と言うのだが、これはそうならないですね。もう時間も余りありませんが、特に泡瀬ゴルフ場の返還も、これは条件つきじゃないですか。どうして嘉手納弾薬庫地域に新たな自然破壊をして——今泡瀬はたしか四十五ヘクタールくらいでしょう。新しく代替施設としてゴルフ場をつくるのに百ヘクタールも提供するという説もあるので すよ。なぜ米軍にゴルフ場までつくってあげて、その代替施設として泡瀬ゴルフ場を返せと言うの。これは目玉抜きですよ。全く目玉にならない。こういうことは恐らく県民の相当強い反発を受けることは間違いない。もう既に地元の新聞は一斉に「不満が残る合意内容」、全く期待を裏切られたというふうに大々的に報道している。「失望した返還リスト基地縮小の全体計画を示せ」ということで、厳しく今回の返還内容について指摘をしております。私もそのとおりだと思う。こういうふうに細切れ、部分返還をされたのでは跡利用計画もできない。  そこで、大臣にまとめてお答えいただきたいわけですが、今私が指摘をした目玉中の目玉、大きな返還を期待したものはほとんどペンディングにされている。継続協議をなさるということを冒頭お述べになったのですが、今後の見通しと、あれだけ二万五千ヘクタールもあるわけですから、そのうちの千ヘクタールというと大きいように見えるけれども、実際は今指摘したような中身でしかない。基地の返還、整理縮小、撤去ということを本気でお考えになるならば、懸案事項についてさらに政府として積極的な対米交渉が必要だと思うんですが、今私が指摘をしたものとあわせて大臣の決意をひとつ改めてお聞かせをいただきたいと存じます。

中山太郎自由民主党外務大臣

○中山国務大臣 今委員御指摘の米軍基地の整理縮小を促進してもらうということにつきましては、政府は引き続き日米合同委員会で努力を続けてまいります。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 既にもうこれは十四、五年かかっているわけで、今後努力なさると言うんですが、さらに前進させるための大体の目標はどこらに置いていらっしゃるんですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 先生御指摘のように、沖縄の返還時以来の懸案を今回中間的な形とはいえそれなりにまとめさせていただいたつもりでございますけれども、残りの案件に関しましても、外務大臣が申し上げましたように、これから鋭意さらに検討、折衝を続けたいと考えておりますが、具体的なタイミングに関しましては、これからまさに引き続き米側と話すわけでございますので、いついつまでということはちょっと申し上げかねますけれども、鋭意これから最大限の努力をしていきたいということを申し上げたいと思います。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 きょうのところはこれで終わりますが、今指摘をしましたように、皆さんがこれだけ一生懸命やっても、こう苦言を呈されるかとあるいは内心思っていらっしゃるかもしれませんが、これは私が自己評価しているわけじゃないんです。県民の偽らざる心境、評価なんでして、そこはぜひ大臣初め関係者の皆さんがよくお酌み取りをいただいて、これからも県民の要望に沿うように、さらに御努力を願うことを申し上げて、きょうのところは質問を終えたいと思います。ありがとうございました。

柿澤弘治自由民主党

○柿澤委員長 山田英介君。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 本日の案件はコーヒー及びジュート、ジュート製品に関する国際協定ということでございますが、冒頭外務大臣に四問ほどちょっとぜひお伺いをしたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  まず第一点は、ECの外相会議が開幕されまして、そこでヒューストン・サミットの主要な議題の一つに対ソ連経済援助の問題が急浮上してくるだろう、こういう情勢のようでございます。そこで、日本政府としてヒューストン・サミットで対ソ経済援助の議題が具体的に上がってきた場合に、どのように対処なさる御方針なのか、これをぜひお伺いをしたいと思っております。

中山太郎自由民主党外務大臣

○中山国務大臣 現在の経済混乱をきわめるソ連に対する援助問題が昨日のECの外相会議で議論されたことは委員御指摘のとおりであります。この問題につきまして、ヒューストンでこれからこの問題がどういうふうな扱いになりますか、これからシェルパの会議等を通じまして調整が行われるものと考えております。  そういう中で、いよいよヒューストン・サミットの議題が確定をするという段階になり、その中に今後ソ連に対する経済協力問題が登場してくる場合、これに対しての我が国の対応をどうするかということが委員御指摘の問題の中心だと思います。この日本の立場というものは、他のG7の国と異なることは委員もよく御存じのとおりでありまして、我々の国はやっぱり自分の領土にソ連の占領軍がいるという一つの固定した事実がございます。また、国民もこの問題を解決して、日ソ間の協力を進めたいという気持ちがあることも事実でございます。そういう中で、日本としてはペレストロイカの正しい方向性というものを支持するということを政府は既に内外に声明をしておりまして、委員も御案内のように、昨年秋以来、経済調査ミッションを二度にわたり受け入れをし、その報告もソ連の政府で高い評価を得られているという状況の中で、日本は知的協力をするという姿勢を今日まで堅持をしてまいりましたし、当委員会で御質問のございましたチェルノブイリの被曝者等に対する医療協力も積極的に行いたいという日本政府の意思も既に申し上げているところでございます。  具体的に経済問題という問題になりました場合に、これからの対応につきましては、議題が確定をいたします段階で、政府としては関係国とも協議をしながらどのような対応で臨むかということを検討さしていただきたい、このように考えております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 もう一問は北方領土に関する件でございますが、ロシア共和国の共和国主権宣言の中に、連邦の憲法、法律に共和国の憲法、法律が優越をするという趣旨の規定が織り込まれている。と同時に、ごく最近また明らかにされているところによりますと、領土の変更につきましては、ロシア共和国の国民投票によらなければならないという、そういう条項が入っていることも明らかになりました。  そこで、北方領土問題解決を目指す上で、そういうことになりますと、いずれロシア共和国との交渉に入らなければならないあるいは入るべきそういうタイミングが来るのかな、そういう率直に印象を持っております。政府としては連邦政府との交渉ということで従来当然来ているわけでございますが、予期せざるソ連邦内におけるこの急激な変化でございます。これが新たな領土問題解決へ向けての障害にならなければいいがな、私はこう思っておるわけでございます。政府の基本的な見解をぜひお示しをいただきたいと思います。

高島有終外務大臣官房審議官

○高島説明員 ただいま先生御指摘ございましたように、最近採択されましたロシア共和国の国家主権に関する宣言におきまして、ロシア共和国の領域は国民投票による国民の意思表明なしには変更され得ないというふうに書かれております。他方、ソ連邦憲法では、依然としてソ連邦の法律が共和国の法律に優先するという規定もございまして、その間に調整が必要になってきているという状況にございます。  このような中で、連邦と共和国の関係、それから連邦制全体の将来像につきまして、現在連邦評議会等の場におきましていろいろ議論がなされている状況にございます。したがいまして、政府としましては、まさにこういうソ連邦国内におけるこの問題の調整をめぐる動向をいましばらく見守っていく必要がある、こういうふうに考えております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 その御答弁で結構なんでございますが、できましたら外務大臣、そういうソ連邦内における話し合いといいますか調整の動向をしっかり見きわめてまいりたい、そういう過程の中でロシア共和国との交渉が必要だなというような御判断がなされる場合には、当然協議に入られる、このように理解してよろしいでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○中山国務大臣 委員お尋ねの点は私も大変関心を持っている点でございまして、現在、ソ連の国内で連邦政府と共和国との間に外国との交渉権というものが一体どうなっていくのか、ここいらは、この九月に来日されますシェワルナゼ外相との会談におきまして、今後の日ソの外交交渉の基 本、基軸をどこに置いて交渉をする必要があるのか、あるいは連邦政府と並んで共和国と交渉するのか、そういう点も含めまして、十分ソ連の外相とは協議をいたしたい、その上で、政府としての考え方をまとめてまいりたい、このように考えております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 もう一問は、日ソ関係打開、北方領土問題解決を目指す上で、環境づくりという観点からも、また九月にシェワルナゼ外相、来年ゴルバチョフ大統領訪日という局面を迎えておるわけでございますが、現職の外務大臣が北方四島の視察をなさるということは極めてその意味は大きいものというふうに私は考えております。外務大臣御自身、北方領土を現職の外務大臣として御視察なさる御予定がございますかどうか、また検討をなさってもいいのではないかと存じますが、いかがでございましょう。

中山太郎自由民主党外務大臣

○中山国務大臣 これからの政治日程を十分検討いたしまして、また現地が非常に気象の荒いところでございます。私もかつて総務長官時代に鈴木総理のお供をして参ったこともございました。そういう意味で、改めて外務大臣として、政治日程等を勘案しました上で適当な機会に視察をいたしたいと考えております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 北朝鮮籍による日本漁船の密漁事件に関しましてお伺いをしたいと思いますが、報道されておるとおりだと思います。  それで、日本人漁民が百六十九名北朝鮮に移送されることなく直接ソ連から日本へ帰国ができるという点につきまして、光明が見えてきた。これは外務省の皆さんの御努力がベースにあってのソ連側の対応であるということが前提であろうと思いますが、特に本人の自由意思によって帰国先を決める、このように確約をしていただいておるという点も踏まえて、私はずっと見ておりまして、ソ連のこの事件に対する対応が好意的なのかなというふうに映るわけでございます。したがいまして、ゴルバチョフ大統領訪日あるいはシェワルナゼ外相訪日を前にして、何かソ連側からの日本側に対するシグナルを送られているのかなというような気もするわけでありますが、その辺何か率直に御感想ございましたらお聞かせをいただきたいと思います。

高島有終外務大臣官房審議官

○高島説明員 今先生御指摘ございましたように、日本人乗組員の釈放の問題につきましては、私どもも事件発生以来鋭意ソ連側と折衝してきたわけでございます。そういう中におきまして、最近ソ連側より、この日本人の乗組員の釈放後の帰還先につきましては、本人の自由意思で決められるというふうに述べておりまして、したがって、本人の自由意思に従ってこれらの乗組員が日本へ直接帰国することが可能になった次第でございます。  今までのところ、釈放の具体的な時期等については、まだ明確な意思表示をもらっておりませんので、今後とも引き続き鋭意折衝していこうというふうに考えておるところでございますが、同時にソ連側にも、この問題につきましては、日ソ領事条約に従った適正な対応を引き続き私どもも期待したいというふうに思っておるところでございます。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 外務大臣、いろいろなチャネルをフルに動員をされて、ソ連に対する相当な働きかけ、御努力をなさったんだと思うのです。こういう反応が出てきているが、これについて一言御感想を。

中山太郎自由民主党外務大臣

○中山国務大臣 外務大臣として、この事件が発生いたしまして以来、私は、この事件が日ソ間の外交交渉によって、あるいは国際法上のしきたりによって、拿捕された漁船の日本人が日本に直接返還されることを心から期待をしておったということでございます。一部報道等に載っておりましたように、国交のない北朝鮮にこの日本人がいわゆる移送されるという場合には、外交ルートはございませんから、日本の人たちの日本への帰還が交渉上非常に面倒なことになるわけでございまして、御家族のことを思いますと、私は日ソ間の直接の話し合いによって交渉が実現できれば、これにこしたことはない、このように考えておりまして、今回の措置を、もし実現される場合には、心から歓迎をいたすものであります。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 それでは、最初に条約関係でございますが、ジュート及びジュート製品に関する国際協定の締結について承認を求める案件につきまして、主な原産国は、例えばバングラデシュあるいはネパール、中国などもジュート、ジュート製品は生産されていると伺っておりますけれども、この国際協定の締結について、我が国が承認をいたしました場合に、このジュートの原産諸国に与えられるといいますかもたらされる利益ということについて御説明をいただきたいと思います。

須藤隆也外務省経済局次長

○須藤政府委員 先生ただいま御指摘のとおり、ジュートの主要生産国といたしましては、バングラデシュ、ネパール、インド、中国、タイの五カ国がございます。これらの国はすべてアジアの開発途上国でございまして、特にバングラデシュは最貧国の一つということになっておりますが、外貨収入、輸出額十一億ドル程度のうちの四億ドル、四割弱がジュートの輸出から得ているというように、ジュートのバングラデシュ経済に占める比重は非常に大きいものがございます。  このたび御承認をお願いしておりますジュートの新協定ができた場合には、ジュートの生産費用の削減とか、それから消費振興のような事業を通じまして、ジュートの競争力を強化するとともに、ジュートの市場を拡大していくということを目的としておりまして、このような事業はバングラデシュのようなジュートの生産国の輸出所得の安定に大きく寄与するものではないかと考えております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 バングラデシュ初めジュート生産国、原産国の経済的な安定に貢献する、資する、そういうことでございますが、極めて大事なことだというふうに思うわけでございます。しかも、このバングラデシュにしてもネパールにしても、あるいは中国にしても、アジア地域における極めて重要な位置を占めるそれぞれの国々であるという点から、アジア地域の安定ということの重要さ、重大さということに関連をして、ある意味では経済的にもあるいは政治的にも今非常に世界じゅうの耳目をそばだてておりますミャンマーの民主化ということについてお伺いをしたいわけでございます。  海部総理の施政方針演説を伺いましても、国々の民主化への動き、民主化については、これを積極的に支援をしてまいりたい、こういう基本方針が示されているところでございます。外務大臣もしばしば御答弁の中で、アジア地域における大きな平和とか安定へ向けての胎動があるという中に、しばしばミャンマーの民主化ということについて触れられております。  それで、今ミャンマー情勢の焦点というのはいろいろあるのだろうと思いますが、日本政府は昨年の二月にソウ・マウン軍事政権を承認いたしております。そういう関係もございますものですから、野党第一党、アウン・サン・スー・チー女史率いるNLDが、総選挙が実施されまして、圧勝をしたわけでございます。八〇%以上の議席を獲得した。そこで、軍事政権が果たしてこの国民の意思というものを尊重して、早い時期に民政への移管、移譲に応ずるのかどうか、あるいは逆に銃口を再び国民に向けるのか、極めて重大な関心を寄せざるを得ないところでございます。と同時に、申し上げましたこの政治指導者スー・チー女史を初めとして身柄を拘束あるいは軟禁されている状況にありますけれども、解放されるかどうかということも、またもう一つの大きな焦点であると理解をいたしております。日本政府として、このミャンマーの民主化の動きについてどのように対処されてきたのか。既に米国はソウ・マウン軍事政権に対しまして、新たな局面を踏まえた声明を発表し、これを伝達したとされております。我が国の対応として、このような民主化の流れあるいは動き、特にミャンマーと日本の関係というのは歴史的にも大変深いものがある、経済援助におきましても大変大きな関係ができておるというこ とも踏まえまして、政府として、このミャンマー民主化への動きをどう支援なさるのか、具体的に御見解をお示しいただきたい、こう思います。

谷野作太郎外務省アジア局長

○谷野政府委員 お答え申し上げます。  ただいま仰せの先般行われました総選挙につきましては、日本政府といたしましても、ミャンマー政府が当初からの公約を守りまして三十年ぶりに複数政党制に基づく総選挙が実施されたということ自体歓迎すべきことだというふうに考えておりまして、その旨、公にも申しておる次第でございます。今後、近々と私どもは聞いておりますけれども、選挙結果がいずれ公式に確定いたしまして、これが公表されると思いますが、その後起こり得べき新しい憲法の制定あるいは新しい政府の樹立という重要なプロセスが今後残されておるわけでございますけれども、日本政府といたしましては、現在の政府とただいま仰せのNLD、国民民主連盟の双方が、理性的なかつ大局的な見地からこの課題に取り組んで、円滑な民政への政権の移譲がなされることを期待いたしております。  それから、アウン・サン・スー・チー女史の件についてお話がございましたけれども、アウン・サン・スー・チー女史の身柄、処遇の問題につきましても、政府はかねてから大きな関心を寄せてきておりまして、同女史の選挙の立候補の資格が認められなかった時点で、そのような決定は大変残念なことであるというような外務報道官の談話も出しましたり、あるいはその前後いろいろなルートで私どもの関心を先方政府に伝えてきた次第でございます。  いずれにいたしましても、近々公式に選挙結果の発表があるということでございますので、そのことを待ちまして、政府といたしまして、まとまったミャンマー情勢についての考え方を公にしたいというふうに考えております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 いま一つ、アジア地域の安定という観点から、先ごろ外務大臣は、ベーカー長官との日米外相会談に臨まれました。その中で、対中国第三次円借款問題につきまして、かなり強い調子で早期凍結解除へ向けての日本政府としての意思表示をなされたと伺っております。そこで、新聞報道等では知り得ない、そういう部分で外務大臣が実際に凍結解除のテーマでベーカー長官とお話しされたときに、アメリカ側の対応として感じられたこと、そういうようなことがありましたら、ぜひこの際明らかにしていただきたいと思います。  時間が迫っておりますので、もう一つ加えますが、ベーカー長官の御発言の中に、米国が対中国最恵国待遇を与えた、与えたというか、更新を決めたということは、中国における改革派をこれ以上追い詰めることがないように、追い詰められないように更新を決めたのだというふうに報道では読めるわけでございます。その辺も含めまして、仮にそういうことであれば、第三次対中円借款凍結解除というのも、何といいますか、改革派を追い込まないためにという同じ理屈になるのじゃないかなという気もするわけでございまして、その辺も踏まえまして、御印象などを明らかにしていただきたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○中山国務大臣 先般のサンフランシスコにおきます日米外相会談で、日本としての一つの大きな問題は、対中問題、この問題がアジアにとっても極めて重要であるという視点から、日本政府の考え方を改めてベーカー長官に申し上げた次第でございます。それはやはり天安門というような、あの事件、悲しい出来事が起こったけれども、中国が孤立をしていくことは決して好ましいことではない、それは単にアジアのためだけでなしに、世界全体のためにとっても好ましいことではない、日本はかねがねそのような考え方を持ってきたけれども、現在もその考え方には何らの変化もないのであるというお話をまず申し上げますと同時に、アメリカが最近決定をいたしました最恵国待遇の一年延長という問題につきましては、日本政府としてはアメリカ政府の措置を高く評価しているというふうに私は申し上げたのであります。  いずれにいたしましても、この問題は西側の国にとりましても極めて大きな共通の課題でもございますが、日本政府としては、竹下元総理が行かれて、第三次円借款につきましては、既にいろいろとお話があり、この予備調査段階も行っているという状態を説明いたし、日本政府としては、中国を孤立させないために、適当な諸条件がそろえば、ある時期に前向きの判断をいたす考えを持っておるということを率直にお話をいたした次第でございます。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 もう少し今の点伺いたいのでございますが、三分前でございますので、最後に、これはちょっときょうの一部報道にかかっている部分でございまして、通告が間に合わなくて大変恐縮でございますが、お答えできる範囲で結構でございます。  「キューバのカストロ首相が十一月十二日に行われる天皇陛下の即位の礼に参列し、その際、ブッシュ米大統領の来日を前提に、対米関係の改善に向け、同大統領と会談できるよう、日本政府に非公式に仲介を要請していることが十九日わかった。複数の政府・自民党関係者が明らかにしたもの」こういうことになっておりますが、これについて、事実関係の確認を含めまして、日本政府の対処の方針がありましたらお示しをいただきたい。米キューバ首脳会談が実現することに仮になった場合には、その持つ意味は極めて大きいものだと存じますけれども、その点についても簡潔に御答弁いただければと存じます。

田中克之外務省大臣官房外務参事官

○田中説明員 先生御指摘のとおり、米国及びキューバが話し合いの場に出るということになりますと、これは極めて大きな意義を持つことになろうかと思います。  それで、事実関係でございますが、けさの新聞に出ておりますような、まずカストロ首相が来日するというようなこと、あるいはブッシュ大統領との会談の希望を伝えてきているということ、あるいは日本の仲介を頼んでいるということ、実はこの点については私どもは存じておりません。したがいまして、現在のところは、私どもはこれにつきましては何をやるというようなことは考えていないというのが現状でございます。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 終わります。

柿澤弘治自由民主党

○柿澤委員長 古堅実吉君。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 最初に、議題になっております協定について二問だけ質問させていただきます。  ジュート協定についてなんですが、商品協定としては大変重要なものだというふうに考えますし、このジュート協定には価格安定を目的とする経済条項がない、欠陥を持つものと言わざるを得ない、そういう一面もございます。そのことに関連して、三十条で引き続き検討するというくだりがございます。価格安定のための措置について結実できる見通しがおありですか。それが一点。  もう一つは、第一条第一項の(d)に、「特に、天然の産物としてのジュートの利用がもたらす有益な影響につき周知を図ることにより、環境上の側面に妥当な考慮を払う」、そういう規定が出てまいったのは経済関係条約で初めてだというふうに思いますし、意義も大きいと思います。問題は、それについてこれから実効あるものとなし得るかどうかにかかわることだろうと思います。政府としてはどういう考慮を払われるおつもりか。  その二点について……。

須藤隆也外務省経済局次長

○須藤政府委員 お答え申し上げます。  まず最初のジュート協定に経済条項がないという点でございますが、先生御指摘のとおり、本件ジュート協定には経済条項がございません。一次産品の価格を安定させるための手段といたしまして、緩衝在庫とか輸出規制のような規定が採用されている商品協定もございますが、個々の産品別にいかなる措置をとることが適当であるかということについては、各産品の性質等によって異なるところもございます。特にジュートに関しましては、ジュートの性質上保存しても質が変わってしまうとか、それから市場操作を可能とするような国際取引市場が成立していないということ、あるいは緩衝在庫のようなものをつくった場合に、生産国、消費国両方から費用分担の問題等出てきま すが、一般的にジュートの生産国の方は貧困国が多いというような資金負担上の問題等もありまして、確かに経済条項を入れてほしいという要望も協定作成過程にはあったわけでございますが、いろいろ議論の結果、価格安定措置を伴わない範囲で研究開発あるいは市場の拡充、費用の削減等の事業の実施を協定の主な活動として、今回の協定案ができ上がっているわけでございます。  そこで、先生御指摘のとおり、三十条一項で「ジュート製品の価格及び供給の安定化の問題について、引き続き検討を行う。」ということになっておりまして、今後国際ジュート理事会の場でこのような検討を行う可能性が残されているわけでございますが、あえて見通しを申し上げるとすれば、ただいま申し上げたような経緯、問題点がございますので、近い将来に経済条項を伴った協定が作成されることはなかなか難しいのじゃないかという感じは持っておりますが、引き続き討することにはなっております。  それから、第二の御質問でございますが、環境上の考慮を払うということがジュート協定の一条一項に書いてございますけれども、その趣旨は、ジュートの競合品であるパルプとか石油化学製品のようなものは、生産、流通及び廃棄の過程において資源の枯渇、パルプの場合でございますと、木材資源の枯渇とか大気汚染のような自然環境問題を惹起する可能性があるのに対しまして、ジュートは植物の天然繊維である、それから再生も可能である、環境に対しても無害である、このようなジュートの特性を考慮して、ジュート機関の活動において、市場開拓等に当たって、そのようなジュートの特性を大いに宣伝して、市場開拓努力に協力していこうという趣旨でできたものと理解しております。これを実効あらしめるために、今後国際ジュート理事会において具体的なプロジェクトが審議されることになっておりますが、そのような環境面を強調したプロジェクトが出てきた場合には、日本としても積極的に協力支援をしていきたいと考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 大事なことですから、ぜひ重視して努力をなさってほしいというふうに思います。  先ほど上原議員から御質問がございましたが、私も昨日発表となりました沖縄米軍基地返還問題について若干質問させていただきます。  正直申し上げて、この問題についてはかなり長期にわたってマスコミにもいろいろと報道されてきましたし、戦後四十五年もたつ、戦場さながらの状況にもある、こういう米軍基地、一日も早く県民の願いにこたえて大幅な返還を実現してほしい、こういう願いがあり期待があったことは事実であります。  そういう中で、跡地利用の計画がないから返還がおくれているかのような言い分もあったりして、跡地利用についての市町村段階でのいろいろな努力というものがこのごろ急速に強まる、そういうこともありまして、これも返還を期待するという気持ちを込めての動きになっておったという面もございます。しかし、昨日発表になりましたのは、大臣を初め外務省関係者が一定の努力を払ったというお気持ちはあられるかもしらぬが、正直言って、沖縄から言わせれば、本当に期待外れ、一種の失望感、そういう感じさえも生まれる、そういう程度のものになってしまいました。大変残念です。  それで、そのことにかかわって二、三事実関係を明らかにするために質問させていただきたいと思います。  今回の報告というのは、あくまでも返還に向けての調整、手続を進めることが確認されたということと、その実施に当たっては、今後さらに日米合同委員会における交渉を経なければならないということが明らかにされたということであって、返還の決定そのものではない。そのとおりか、念を押してもう一度確認しておきたいと思います。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 先生御指摘のように、具体的な個々の事案の返還は、まさに土地所有者の意向の確認等、具体的な手続を関係者の間で進めていただいて、その上で案件ごとに合同委員会にかけて承認を得た上で実施されるということではございますけれども、今回その調整、手続を進めるという基本的な合意ができたということは、大きな前進であると私ども考えておりますので、ぜひその点は御理解いただきたいと思います。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 見ますというと、移設条件つきのものが大変多うございます。いつまでに全体についてのめどづけが考えられているのか、その見通しを聞かしてください。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 先生御指摘のように、今回基本的な合意を見ました二十三の事案のうち、移設条件つきのものが十一件ございます。その十一件のうち三件に関しましては、もう移設先につきまして基本的な見通しがございますけれども、残りの八件に関しましては、これから具体的に詰めていく必要がございます。  ただ、念のため申し上げますけれども、この移設先はあくまでも現有の施設、区域内へ移設するということでございまして、安保協で移設先ということが当時条件づけられまして、必ずしもそういう限定がついていなかったわけで、今回あくまでも米軍が現在使用している施設、区域内に移設するということでございます。  いずれにしましても、そういうことで、私どもといたしましてできるだけ早く残りの八案件についても移設先についてめどをつけて、具体的な返還を進めてまいりたい、こう考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 第十五回、十六回日米安保協議委員会で合意したものがございます。それから十数年がたちましたが、いまだに実現されないもの、例えば那覇軍港などは、今回のリストにさえ載らなかった、そういう結果になりました。アメリカは必要だと言う、日本側はそれを容認する、それでは全く前進ではなく後退という一面も出てきたように思うのですが、どうですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 先生御指摘の那覇港湾施設に関しましては、確かに第十五回安保協で全面返還が原則的に合意されておりますけれども、それはあくまでも移設が条件になっております。今回も、私どもは、地元の御要望、それから米軍の運用上の必要性等々を考えまして、この那覇港湾施設に関しましてもいろいろ話し合いをしてまいりましたが、残念ながら、移設先の選定等の問題もございまして、合意を見ませんで今日に至った次第でございますけれども、これにつきましては、残りの他の案件とあわせて今後鋭意米側と話し合いをしていきたい、こう考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 今の御説明を受けてもわかりますように、これは言ってみれば、やはり後退ですよ。今度は中間報告というふうに言われておるのですが、いつをもって最終報告とする考えですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 安保協、それから県知事が要望されました事案、それから軍転協事案等残りの事案に関しまして、私どもこれから鋭意米側と話し合いをしてまいりたいと思っておりますので、最大限の努力はいたしますけれども、現時点でいついつまでに合意ができるかどうかはちょっと見通しは立てにくい状況でございますので、鋭意努力をしていくということで御理解賜りたいと思います。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 全体についての最終報告のめども、ここで皆さん説明していただけない。先ほど聞いた今回発表されたものについて、いつごろをめどにするかということについても、できるだけ早くということしかおっしゃらない。せめて今回のものについて、年内でとか何らかの形でいつまでにやろう、そういうような考えぐらいでも明らかにしたらどうですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 先ほど来今後の具体的手続に関しては御説明しておりますが、まさに個々の事案につきまして、土地の所有者の意向の確認、それから幾つかの案件については、現有施設内での移設ということで申し上げましたけれども、いずれにいたしましても、移設先の問題等がございますので、これをしっかり関係者の間で詰めた上で、その上で具体的な案件を合同委員会にかけたいと思っておりますので、先生御指摘のように、年内にすべて終了するかどうかという点は、これはま さに関係者の話し合いの進展いかんということで、外務省といたしましては、できるだけ早くこういう手順を進めていただきたい、こう考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 第十五回、十六回の日米の委員会で合意した、そしていまだに返還が実現されずに残ってきたもののうち、今回リストに挙がったのは何%ほどに当たりますか、面積の方で。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 安保協で残っておりました事案は十八件でございますが、今回九件合意を見ておりまして、それは面積で申し上げますと三四%になりますが、従来約四六%返還を見ておりますので、これで安保協関係は、面積で申し上げまして、七〇%返還がされるということになります。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 今説明がありましたように、十数年かかって合意してきたものの、残されておったものとの関連でいえば、三分の一程度しか今度リストに挙がってこない。今度の発表というのが、そういうことだけをもってしても、いかに県民に失望を与える程度のものになったかということが申せます。それだけに、冷戦構造の終結へという国際情勢、戦後四十五年もたった、こういう段階での返還問題ですから、大臣を初め本当に県民、国民の願いにこたえて、もっと真剣に米軍基地の大幅な返還を早急に実現する、そういう方向でのさらに大きな努力を払われるよう強く要求いたしまして、終わらせていただきます。

柿澤弘治自由民主党

○柿澤委員長 松原修雄君。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 最初に、前回当委員会で質問しました件について、若干追加して質問をさしていただきたいと思います。  前回、私は、アメリカの核兵器積載艦船の日本の寄港問題につきまして、十四日のNHKのニュースセンター九時、そこで最初の報道がなされました。その件についてお聞きをしました。その後、この日曜日に「こうして安保は改定された」という形でかなり長時間のドキュメンタリーとして報道されたわけです。この報道を見ておりましたら、非常に特徴的なことは、アメリカはこの六〇年の安保改定に際して、非常に早い時期から核兵器を積載した艦船等の寄港や領海の通過、この問題については、アメリカとしては、自由に日本にこれをいわば持ってきたい、そのために事前協議の対象とはしないということを当初の方針として立てて、そして安保改定交渉においても一貫してそれが提案をされ、その後のフォローの段階でも非常にこれを気にして行動しておったということが明らかになったわけです。これはアメリカの国立公文書館で既に公開をされた資料、向こうでは三十年ぐらいの区切りでどんどん資料の公開をされてきますが、それの解析等の結果わかったわけであります。  こうしますと、今まで日本の政府が、核艦船の寄港等については、これもまた事前協議の対象に入るという形でずっと国会論議では押し通しをしてきたわけでありますが、そういう日本政府の議論と、それからアメリカ政府が主張しておったこととは大変大きく矛盾をしてきているのではないか。そういう意味で大変問題は大きいと思うのですが、この報道に関しまして、まず最初に外務大臣の御所感をお伺いしたいと思います。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 いろいろな報道があることは承知しておりますが、これは前回先生の御質問に対して申し上げたことでございますけれども、交渉の経緯、交渉過程のことに関しまして、私どもは報道に基づきましてコメントすることは差し控えさしていただきたいと思っております。  重要なことは、ほかの条約交渉の場合も同様でございますけれども、この安保条約につきましても、日米両国政府間の合意内容というのは、交渉の一過程におきます当事者のそれぞれの立場がどうであったかということではなくて、あくまでも交渉の結果得られた両国間の合意によって判断されるべきであると考えます。  そういう点から申し上げまして、これは、前回も申し上げたことでございますが、事前協議の対象であります核持ち込みの中に寄港、領海通過が含まれておりますことにつきましては、交渉の結果得られました現在の事前協議に関します交換公文の規定及びいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解から十分明らかであると考えております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 そういう御説明ですが、それが全く納得できないということは従来の国会論議で我が党もまた主張してきたところです。今度のNHK報道で明らかにされたことの重要性は、三十三年十月四日に安保改定の第一回交渉がされています。そこでは、当時の岸首相、藤山外務大臣、マッカーサー大使という皆さん方が交渉をされておる。この間のニュース報道でも、まさにその交渉場面がきちっと写っておるわけですね、写真で。そしてその中でアメリカは、核艦船の寄港については事前協議の対象としないということを、まず第一回目の交渉できちっと主張しましたということをマッカーサーから当時のダレス国務長官に対して電報という形でこれを打った、報告をした、それが今度の公文書で明らかになったわけですね。  ところが、当時その交渉に出席しておった岸首相は、昭和五十六年五月十五日の毎日新聞の「灰色の領域」という連載記事の中で、当時インタビューに答えているのです。「寄港などの一時通過は日米間の交渉ではでませんでしたか。」と聞かれて、「そういうことは議論にならなかった。国会でいろいろな論議の末に、そういうことになったと思いますよ。」という形で答弁を返しているわけです。実際、この寄港問題に関しては、確かに安保改定の後、数年ほどたってから藤山・マッカーサーの口頭了解といったものが国会で議論になってきた。だから、その議論の経過を追うとそうなっていますが、実際その交渉の当事者である岸首相は、そもそも核艦船の寄港問題は協議の対象にならなかったということを、こうやってインタビューで答えているのです。それと矛盾するような形で今度のアメリカ側の公文書が明らかにされたわけですから、これはますますおかしいな、変だなということになるのは当然であります。したがって、私はこの問題に関しまして、時間がありませんから、こういうふうに一度外務省にお願いをしたい。  アメリカは、三十年もたてば順次重要な、現行生きておる安保改定に関する文書といえども、これを公開をしてきておるわけであります。ところが日本では、先ほどの答弁にも明らかなように、まさに交渉の経過等は実際明らかにしないという立場をおとりになっています。しかし、そういうことではますます疑惑といったような問題が膨れ上がっていくばかりであります。アメリカから流れてきた情報をもとにして——日本は隠していますから、何もわからない。したがって、外務省としては、今後日米の改定交渉も含めた外務省内にあるそういう文書等を、そういったものの情報を公開をして、そして事の真偽を国民の前に明らかにしていくということが必要な段階に至ったと私は思うのですが、その点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 先生御指摘のように、現行安保を締結いたしましてちょうどことしがまさに三十年に当たります。私どももまさに一つの節目を迎えたと思っております。この点を踏まえまして、先生御指摘の安保条約等に関連します記録の公開の問題についてでございますけれども、記録公開制度の原則に照らしまして、今後適宜検討してまいりたい、こう考えております。しかしながら、我が国の安全保障体制に直接かかわる問題でもございますので、慎重な検討が当然必要でございます。また、記録も膨大に及びますので、その検討のためには相当の時間を要することは必至でございますので、当面結論を得ることは困難であろうというふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 どうも話の内容がよくわからない。要するに、出すと言っているようであり、まだ時間がかかって慎重だから出さないと言っているようであり、全くそれはいいかげんな答弁としか言いようがないと思うのですね。  これはちょっと外務大臣にお答え願いたいと思 うのですが、今言ったような状況ですので、安保の改定等を含めて外務省にある文書、安保改定三十年ですから、外務省関係の文書をアメリカのように同じように公開をして、そして国民の疑惑といったものを解いていくためにも必要な措置だと思うのですが、その点について外務大臣のお考えをお聞きをしておきたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○中山国務大臣 今委員お尋ねの安保条約に関するいろいろな資料につきましての公開問題につきましては、基本的に我が国の安全にかかわる重大な問題でございますので、慎重に検討さしていただきますが、この膨大な資料を整理して適当な機会にこれを公開していくということには、私は基本的にそういう考え方を持っております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 アメリカが今回出してきましたね。この出してきたものと見合うような形の日本側の文書、資料、それは少なくとも出してもらわないと、要するに疑惑というかな、そういうものの解明にならないのですよね。その点、いまひとつはっきりその方向で資料公開をお願いをできないものでしょうか。いかがでしょうか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 外交記録の公開に当たりまして、一般的に申し上げまして、我が国は我が国としての独自の判断に基づいて公開の適否を決定しております。米国政府も同様で、米国の判断に基づいて公開しているわけでございますが、その結果として、米側が公開した今回の安保関係の文書と将来あり得べき日本側の公開の文書が必ずしも一致しないという場合も当然予想されるわけでございますが、いずれにしましても、先ほど私も申し上げましたように、さらには中山大臣から申し上げましたように、これから慎重に検討していきたいと考えております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 早急に文書の公開を強く要望いたしまして、本問題のジュート協定について若干お伺いさせていただきます。  このジュート協定は、ジュート及びジュート製品の生産及び品質の向上、需要の拡大等に寄与するために今度協定をなされたというふうになっておりますが、ここで言う援助あるいは協力、これは概括的に言えばどのようなことを指すのでございましょうか。

須藤隆也外務省経済局次長

○須藤政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、ジュートに関する本件協定につきましては、ジュートの生産性向上あるいは消費振興を通じてジュートの価格の安定、市場開拓等に努力するということになっておりますが、具体的に何を、どんな事業を行うかということに関してでございますが、現行のジュート協定は一九八二年の協定でございますが、二年後の八四年に発効して以来、現在までに研究開発等に関する多くの事業を承認してきております。  例えば、ジュートの品種改良を目的といたしますジュート及び関連繊維の胚原質の収集、保存、分類及び交換というようなプロジェクトがございますが、そのようなプロジェクトが本格化した場合には、今後多収益、高品質の優良品種が開発されて、ジュートの生産及び供給の安定、生産コストの削減のような効果があるものと期待されておりまして、そのような場合には、生産国におけるジュート産業の活性化につながるものではないかと考えております。  そのほか、我が国の関連では、日本におけるジュートやカーペットの生地の消費の振興とか麻袋の消費振興とか、その他外国では、ジュートの害虫とか病気の総合管理、あるいは収穫システムの開発及び拡充というような種々のプロジェクトを実行しております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 やはりジュート生産といいますとバングラデシュが一番大きな国でして、たしか今度のジュート機関もバングラデシュのダッカに設置をされるということのようですが、バングラデシュにとってのこのジュート協定の持つ意味、これは大体どのようにとらえておいたらよろしいのでしょうか。

須藤隆也外務省経済局次長

○須藤政府委員 御指摘のとおり、この協定から最大の利益を得ることが期待される国はバングラデシュでございますが、バングラデシュは世界の最貧国の一つでもありまして、輸出所得が極めて限られておりまして、一九八七年の統計ですと、総輸出額が十一億ドル弱でございます。そのうちジュート及びジュート製品の輸出から得ております外貨収入が四億ドル強ということで、四割弱の外貨収入がジュートの輸出から来ているということで、ジュートはバングラデシュ経済において非常に大きな役割を果たしておりまして、このジュート協定によりまして、ジュートの生産性の向上、特に費用の削減とか消費振興によってジュート製品に対する需要がふえてきた場合には、バングラデシュの輸出所得の増大、安定に大きく寄与するのではないかと期待しております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 ジュートのみならずいわゆる一次産品の問題は、価格が乱高下をする、そのためにいわゆる南北問題がますます大きくなるという非常に大きな、途上国にとっては大変重要な位置を占めていると思うのですが、ジュートそのものの価格とか、あるいはジュートの今後の消費拡大の問題ですが、化学繊維などとの競争状態、その辺のところで問題点等はどんなところにあるのでしょうか。

須藤隆也外務省経済局次長

○須藤政府委員 先生御指摘のとおり、ジュートはバングラデシュのような開発途上国にとっては非常に重要な産品でございますが、実際の世界の商品市場におけるジュートの状況はなかなか難しいものがございまして、ジュートの使用されるものといたしましては、ワイヤロープのしんだとか、カーペットの裏生地、それからひもだとか穀物袋、そういうような産業用の資材としていろいろな目的に用いられてきているわけでございますが、近年、再生可能な紙だとか合成樹脂のようなジュートと競合する製品がより安い価格で出てきたものでございますから、ジュート製品が比較的困難な状況に置かれているという事情がございまして、将来の見通しは必ずしも明るいとは言えないという状況にあるのではないかと思います。  そういう状況にあるからこそ、ますますジュートの主要生産国でありますバングラデシュとかネパールとかインドとかタイとか、こういうアジアの開発途上国にとりましては、何とかいろいろ工夫をしてジュートの生産性を向上させ、品質を向上させ、あるいは新しい用途を開発するというようなことを、国際協力も得ましていろいろ努力していく必要があるということで、今度の新協定もつくっていきたいということではないかと思います。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 一次産品をそのままの形で流通に置くということになりますと、それはなかなか途上国の経済浮揚といったものは厳しい状態にあるだろうと私は思うのです。実際今度のこのジュート協定の作成についても、日本の外務省は、今までの、従来のありようじゃなくて、例えば加工度の向上であるとか、あるいは新たな用途の開発といったことも、この協定の目的に入れるというふうに努力をされたというふうに聞いておりますが、その辺についての外務省の協定作成における関与の基本的な方針、姿勢はどうであったか、ちょっと聞かしておいていただけますか。

須藤隆也外務省経済局次長

○須藤政府委員 ジュート協定の作成の過程におきましては、先ほど申し上げましたようなジュートが開発途上国の経済に占める重要性にかんがみまして、外務省としても、消費振興、生産性の向上等に引き続き国際協力を行っていくことが望ましいという立場からいろいろ意見も出し、協力をしてきた次第でございます。     〔委員長退席、浜田(卓)委員長代理着席〕

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 そこで、いわゆる日本でいえば畳表の糸であるとかカーペットの裏地であるとか米袋に使われるとか、これが従来のジュートのイメージでした。しかし、ジュートというのは、そういう従来の用途から、さらにいわゆるバルブ原料としても使えるということが昨今だんだん明らかになってきました。ちょうど私、国際協力事業団、JICAが出した「バングラデシュ人民共和国ジュートパルプ工場建設計画調査報告書」という のが五十七年の三月に出されておるわけですが、この報告書を拝見しておりましたら、ジュートをカットして、いわばくずですね、くずになったジュートの部分を原料として製紙用のパルプを製造できる、技術的にそれができるというふうな形の報告が出ております。実際そのようにカッティングされた部分は、一部は輸出に向けられるが、残りは余剰となり、余剰は年間約十万トンだ、その十万トンのうちの半分を使って製紙用のパルプに製造できる。今バングラデシュでは紙そのものは実は輸入をしておるわけですね。長繊維の木材パルプは輸入をしておりますが、もしこのジュートを使ったパルプ工場ができれば自国の需要は賄える、さらに一部は輸出も可能だ、こういうふうになっています。  そういうことにつきまして、詳細な調査報告書が出ておって、実際バングラデシュの該当の工場用地、地域あるいは工場の見取り図等もラフなデッサンですが、既にかいて、そして報告がなされております。結果として、一応見込みがあるから、このジュートパルプの工場を建設する方向で日本も対応すべきであるというふうな報告書になっていると思うのです。今バングラデシュというのはアジアでも最も貧しい国だと言われるくらいです。実際主な工場といったものもない、少ない。そのためにバングラデシュは必死になって技術やあるいは人材の育成という方向に向かおうとしていますが、そういうときにこういうジュートパルプの工場建設などというプランはバングラデシュ自身にも大変歓迎をされる、こういう内容を持っていると思うのですね。  そこで、私はこの点につきましては、参議院の種田誠議員が現地にも行って調べをしてきた。実際現地の方々もこのパルプ工場建設については大変望んでおられる。つい昨日もバングラデシュ大使と種田議員が話をして、ぜひこのパルプ工場建設の方向で日本の方でも努力を願いたいという趣旨のことをおっしゃって、いずれこれは本国政府と連絡をとった上で正式の要請という形で日本の方に要請が来るだろうと思いますが、そういう場合、外務省としてどういう対応をもって対処されようとしておられるのか、そこをちょっとお聞かせ願いたいと思います。

茂田宏外務省大臣官房外務参事官

○茂田政府委員 お答えいたします。  JICAがバングラデシュのジュートパルプ工場建設計画に関しましてフィージビリティー調査を行ったというのは、先生御指摘のとおりでございます。その結果としまして、このジュートパルプ工場というのはいわば見込みがあるという結論が出ております。  ただ、その後、このJICAの調査以外の調査もございまして、そういうJICAの調査も踏まえて、現状はバングラデシュ政府の方でこの計画を進めるかどうかということを検討を行っている段階でございます。我々としましては、今後バングラデシュ側から正式な要請があれば、その要請の内容を踏まえて検討していきたいというように考えております。  ただ、この案件自体の長所といいますかメリットといいますか、それと、バングラデシュ側からこの要請が上がってくる際に、ほかの案件で上がってくる他の案件との優先順位をどうするかということ、それからそのときにバングラデシュ側に供与される円借款の総枠の問題等踏まえて検討していきたいというように考えております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 確かにいろいろ技術的な問題というのはあるだろうと思います。しかし、やはりこれからのODAの方向性としては、現地の技術力やあるいは工場の力を現地の要望に即してきめ細かに、しかも彼らの経済的な浮揚に本当に寄与するような形でODAの方向というのは持っていかなければいかぬと思うのですが、そういう筋道からしますと、このパルプ工場の建設というのは十分に本当に前向きに検討してしかるべきものだと思うのですね。この点についてちょっと外務大臣の御意見をお願いしたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○中山国務大臣 具体的に要請が参りました際には、十分慎重に検討させていただきたいと思います。  委員御指摘のように、地元の民生向上、産業が発展するためにお役に立つような方向でこれからODAというものは運用するという考え方は委員と全く一緒でございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 そこで、これは一次産品全般にかかわる問題であります。一次産品については、すずであるとかコーヒーであるとか、その他の諸商品について各協定ができておりますが、こういう一次産品が、一方では高値を保ち続けるというのもあれば、安い値段で低迷を続けるという形で大変不安定な状態にもなっている。そのために共通基金協定というのが昨年六月に発効いたしております。この協定は非常に長い期間かかってやっと発効してきたわけですが、これが発効するに当たって、これほどの長い期間実際効力を生じてこなかったその原因、そこのところをお聞かせを願えますか。

石垣泰司外務省大臣官房審議官

○石垣説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘ございました一次産品のための共通基金を設立する協定は、一九八〇年、十年前に採択したわけでございますが、当初、八二年三月末を発効目標といたしました。しかし、主要国を含みます各国の締結が遅延したため、その発効要件、一つには九十カ国以上による締結、直接拠出資本三分の二以上の応募、それから任意拠出の二分の一以上の誓約、こういう発効要件を定めてございますために、長らく発効要件を満たせず、未発効の状態が長期にわたって続いたわけでございます。  しかしながら、八七年の国連貿易開発会議の総会でソ連が締結について誓約いたしましたために、にわかに発効の機運が高まり、八八年七月に実質的な発効要件が満たされ、ただいま御指摘ございましたように、八九年六月に発効をしたわけでございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 問題は、アメリカはまだたしか批准をしていませんよね。まさにここに問題があるように思うのですね。そこのところをちょっとアメリカの対応についてお聞かせを願えますか。

石垣泰司外務省大臣官房審議官

○石垣説明員 主要国のうち、確かにアメリカがまだ締約国となってございませんが、これにつきましては、米国は従来より一次産品共通基金が有効に機能するためには、緩衝在庫を有する十分な数の商品協定が成立することが必要であるという理由、それからこの共通基金が定めてございますいわゆる第二勘定の手当ては、新しい機関をつくらなくとも既存のいろいろな方法でできるのではないか、あるいは財政的な理由もあったと思いますが、そういういろいろな理由でこの締結につきましては消極的であったことによります。     〔浜田(卓)委員長代理退席、委員長着席〕

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 アメリカのその消極的な姿勢というのは、いまだに続いていますよね。そうしますと、この共通基金協定が果たしてアメリカの参加抜きに有効に機能していくのでしょうか。その辺はいかがでしょうか。

石垣泰司外務省大臣官房審議官

○石垣説明員 確かにアメリカは依然入ってございません。したがいまして、私どもとしては、米国を含むできるだけ多数の国が締約国となるように期待してはございますが、またアメリカを除きますサミット国、それから世界の主要な国、現在百四カ国が既に加盟してございまして、昨年第一回の総務会が開催され、いろいろな財政規則その他の規則が着々と採択されておりまして、私どもとしましては、この機関の実質的な活動が始まりましたら、一次産品安定のために好ましい効果を果たすものと期待してございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 やはりこれは日本もちゃんとお金を出しているんですからね、見通しをちゃんと持っていてもらわないと困るのですよね。アメリカは加盟していませんが、アメリカが加盟しないままでこの共通基金を立派に運用していかれるおつもりかどうか、できましたら外務大臣の方にお聞かせを願いたいと思います。

石垣泰司外務省大臣官房審議官

○石垣説明員 ただいま先生御指摘ございましたように、この共通基金、大変な重要な機関でございまして、一次産品安定化に対する国際協力の重 要な一つの枠組みであると考えております。したがいまして、我が国としましては、アメリカが参加してない現在の状態で義務的拠出、任意拠出第一位の国でございますので、その責任を十分認識しつつ、この機関のいろいろな検討の場で十分その役割を果たしてまいりたいと考えております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 今の件をちょっと外務大臣の御決意でお願いをしたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○中山国務大臣 ただいま政府委員が答弁いたしましたとおりで、私もそのつもりでおります。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 共通基金には第二勘定というのがあります。ジュートに関する研究開発等の事業資金にも第二勘定を充てることができるというふうに書かれておりますが、実際この第二勘定はどのような事業に使われる見込みなのか、それをちょっと説明をしていただけますか。

石垣泰司外務省大臣官房審議官

○石垣説明員 お答えいたします。  この共通基金の第二勘定といいますのは、主として一次産品の研究開発、それから生産性の改善、市場開拓、さらに垂直的多様化といったようなもろもろの目的、プロジェクトに対して贈与または貸し付け業務を行うこととなってございます。ただ、先ほど申しましたように、共通基金自体の財政規則、第一勘定、第二勘定運用規則等がまだ作成段階にございまして、実際の業務は開始に至ってございませんが、私どもとしましては、第二勘定につきましても、有用な効果を果たすように期待してございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 一次産品の今の共通基金の支出額については、いわゆる分担金の制度と、それから任意拠出額という二つのものがありますね。それぞれ総額とそれから日本の拠出をしている額、それを明らかにしていただいて、結論的に言えば、これは日本の拠出金が一番大きいと思うのですが、その大きい理由を説明をしていただきたいと思います。

石垣泰司外務省大臣官房審議官

○石垣説明員 ただいま御指摘ございましたように、この共通基金、二つの勘定から成りますが、その第一勘定、これは義務的拠出でございますが、総額は四億七千万ドルでございます。これに対しまして我が国の義務的拠出の額は三千三百六十七万ドル、比率七・一六%でございますが、他方、第二勘定につきましては、全体が目標額が二億八千万ドル、日本の拠出は二千七百万ドル、九・六四%でございます。(松原委員「一番大きい理由は」と呼ぶ)  これにつきましては、種々な理由がございますが、我が国としましては、発展途上国の一次産品の価格安定につきましては、従来より大変重大な関心を持っております。この背景としましては、我が国の一次産品貿易に対する大きな比率というのも挙げられると思います。この点についてはいろいろ数字がございますが、米国に比しても劣らない大きな一次産品を開発途上国から輸入しているといったような基本的理由でございます。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 これが最後の質問になるかと思うのですが、今回のジュート協定ですね、ジュート機関の本部がバングラデシュのダッカにあります。そして、いわゆる国際商品協定全般を見渡してみましたら、八五年あたり、つい最近くらいから発効しております国際熱帯木材協定という協定につきましては、横浜が事務局を持っておるという状態で、これは盛んに今活動を続けておるというふうに聞いております。先ほどからの御答弁にありますように、特に途上国との関係、日本がこれからもっと緊密に協力しておく必要がある、そういった場合に、こういう国際的な協定のいわば機関、事務局といいますか、そういうものについてももっと日本が積極的に前へ出ていって国際協力に貢献するということも、また私は必要だと思うのですね。  その点について外務大臣の御意見をお伺いをしておいて、終わりたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○中山国務大臣 日本政府としては、これから国際機関を日本に誘致するという姿勢で臨んでいくべきだと私も考えております。

松原脩雄日本社会党・護憲共同

○松原委員 終わります。

柿澤弘治自由民主党

○柿澤委員長 これにて両件に対する質疑は終了いたしました。     ─────────────

柿澤弘治自由民主党

○柿澤委員長 これより両件に対する討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、千九百八十九年七月三日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百八十三年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

柿澤弘治自由民主党

○柿澤委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、千九百八十九年のジュート及びジュート製品に関する国際協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

柿澤弘治自由民主党

○柿澤委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柿澤弘治自由民主党

○柿澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕     ─────────────

柿澤弘治自由民主党

○柿澤委員長 次回は、来る二十二日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十二分散会

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