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116回国会参議院1989/10/26

予算委員会 第5号

発言数
385
登壇者
40
会派数
2
開催日
1989/10/26

会議録

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を開会いたします。  予算の執行状況に関する調査を議題といたします。     ─────────────

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本調査のため、本日、新幹線鉄道保有機構理事長石月昭二君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) それでは、これより竹村泰子君の質疑を行います。竹村君。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 初めに、政府広報についてお尋ねをしたいと思います。  政府広報には大別して二つのタイプがあると思います。その一つは、単なるお知らせ、政府が告知広報と呼んでいらっしゃるものでございますけれども、第二は、政府施策の円滑な推進のために国民の理解と協力を広く求められるというもので、政府が啓発広報と呼んでいらっしゃるものでございます。  問題はこの後者でありまして、国民のかなりの部分がその政府施策に対して反対意見を持っている、あらかじめわかっている場合は、啓発と称してこれを広告すればそれは賛成を推進する立場の政党の意見広告となる、実質的には同じ効果を持つのではないでしょうか。しかし、行政は政党と違いまして、その施策に反対する人々をも同じ納税者として扱って平等に対処しなければなりません。したがって、国論を二分しているような問題について啓発広報をつくろう、例えば消費税や原発あるいは自衛隊などについて啓発広報をつくろうというのがどだい無理なのではないかと私は思います。  八、九、十と三度にわたりまして、全国紙すべての新聞に二十一世紀の福祉のためにと大きな広告をお出しになりました。「語り合いましょう消費税について」、いずれも橋本大蔵大臣の御出演、ソフトムードでやんわりと包み込むように御出演になられました。消費税は必要と説いてあるわけです。「子どもたちの負担を、過大なものにしない」、「お年寄りも、働き手も、豊かで生きがい」のあるなどなど甘い言葉です。  本文に入りますと、山口県の年金受給者の方が言っていらっしゃる言葉ですね。「お手紙ありがとうございます。」とこうお答えになっておりまして、年金生活者も本当に何とかしていただきたいと存じますと言っていらっしゃるんですが、この中で「同じだけの消費をすれば同じ税金を負担するという意味では公平な税金と考えます。」とお答えになっておられます。この課税の公平ということを一体総理、大蔵大臣どういうふうにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から御指摘になられました広告、政府の広報の中に三通のお手紙を御紹介いたしております。いずれもそれぞれの方々から御了解を得まして掲載させていただきました。  そこで、今御意見の出ました課税の公平ということについて、基本的に私どもは二つの考え方があると思っております。税負担の公平と一口に申しました場合、まず第一は担税力の等しい方が等しい負担を負うべきであるという水平的な公平、もう一つは担税力の大きい者ほど大きい負担を負うべきであるという垂直的公平、この二面があると考えておりますし、そのいずれもが税制に求められる重要な原則であると思っております。まさに改革前の日本の税制というものは所得課税に関しては非常にその累進度が高く、また課税の捕捉のアンバランスを国民から御指摘を受けるなど、給与所得に税負担が偏りましたためにサラリーマンの重税感、不公平感というものが大変募っておりました。  こうして所得課税というものは確かに所得水準に応じて累進的な負担を求めることができて、垂直的な公平というものについては資する部分がございます。しかし反面、これに依存し過ぎます場合には、把握の状況いかんによって実質的な公平が確保できないということから、重税感、不公平感が深刻化するという問題もございます。  消費課税は、消費という一つの経済行為、経済力に着目をして、それぞれのその消費の規模に応じた負担を求めていくという意味で、これは給与所得者でありましても事業所得者でありましても所得把握の状況いかんにかかわらず適正な負担を求めることができるという意味では、水平的な公平に資するという面を持っております。所得課税等と適切に組み合わせることによって実質的な税負担の公平に資するものと私どもは考えております。  本来、所得、資産、そして消費という三つに対しての適正な課税というものが求められる中で、今回の税制改正は今申し上げましたような視点から私どもは公平に資していると、そう考えております。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 今大蔵大臣が詳しく御説明いたしましたが、課税の公平ということは、これはやはり税制改革の基本理念の一つでもあったわけでありますから、社会に必要な公共の費用をできるだけ広く薄く多くの国民の皆さんで公平に負担をしていただく、そして、水平的公平のお話も垂直的公平のお話もありましたが、特に我が国においてはサラリーマンの皆さんの所得が全体の税収の中で占める比率というものが上昇ぎみであったということは、それだけそこに偏っておったということの反省でもあり、そこのところの負担を下げなければならないということもございました。  そして、消費税をお願いするということは、いろいろな負担の中で資産と消費とそして所得との間のバランスをとりながら公平も確立していきたいということでございますので、いろいろな政策を組み合わせたところで公平をできるだけ確保して理想に近づけていきたいと、こういう考え方で行っておることでございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 水平的な公平というのはなるほどそうかもしれませんが、垂直的な公平ということを考えた場合には課税の公平ということには全くならない。それに国会で審議中の問題を一方的に取り上げますのは、そして内容的にも問題がありますのは、国民を欺瞞するばかりではなく国会に対する越権行為ではないかと私は思いますけれども。  憲法二十一条で言論、表現の自由、知る権利の保障をしているわけですけれども、例えば欧米などではアクセス権、反論権というふうなものを持っている国もあると聞きます。いかがお思いになりますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 垂直的公平の問題に厳しいお触れがありましたけれども、今お触れになったヨーロッパの大勢を見ましても、垂直的公平というものは余りにもそれが著し過ぎますとかえって勤労意欲の減退その他のことが起こるというので、アメリカでもイギリスでも垂直的公平の理念はきちっと持っておる国でございましょうが、現実の税制においては最高税率を下に下げて、なるべくフラットな税制に変えていこうという動きが過去二、三年の間にあったことは委員もよく御承知のとおりと思います。  そういった意味で、我が国は世界のあるべき姿に近づきながら、垂直的な公平という面においても徐々にこれは努力をしていかなければならぬと、こういう面で取り上げておるわけでございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 反論権ということについてどうお思いになりますか。  例えば力の強い人が一方的に広告を出した場合に、私たちはそれを反論する権利があるという権利ですけれどもね。アメリカなどでは、例えば納税者、国民が税金の使い方について納得がいかないと、すぐ行政を相手どって訴訟をする傾向もございます。だから、政府は意見広告ととられるものはほとんどできない、そういうふうに聞いておりますけれども、その実情をどう理解されますか。近い将来、日本でも一般国民が法廷に訴えることがあると私は思いますけれども、政府はどうお考えになりますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 突然の御質問でございましたし、反論権という権利の問題について、私はそういう話を初めて今聞きましたのでいささか的外れになるかもしれませんが、言論の自由という立場からいけば、いろいろな御意見があり、いろいろ物申されることもありましょうし、また、どうでしょう、現実に課税に対してこれは自分は不満だというときには、税務署に対してもいろいろ御意見を述べて反論なさっておるということは日常生活の間であると思います。  ただ、反論権という権利のことについては、私ちょっと、突然初めてお尋ねがありましたので、答えることのできる方があったら答えてください。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) ただいま委員御指摘にございました反論権なるもの、いわゆる言論の自由の一つとして認められてしかるべきものと思います。  ただ、委員御指摘の部分につきまして申し上げますと、制定されました消費税法その他の法律につきましての政府の広報と、それからそれに対します一般の言論の自由と、これはもう明らかに二つあることは、もうそのとおりでございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 私は、国が税金を使って国を二分するような論議が行われているものに対しての広告はいかがなものかと言っているわけでございます。  一体、これに幾ら使っているんですか、予算を教えてください。総理府の広報費及びこの消費税に幾ら使われましたか。大蔵省にもお聞きしたいと思います。

小粥正巳大蔵省主計局長

○政府委員(小粥正巳君) 広報予算についてのお尋ねがございましたので、お答えを申し上げます。  元年度予算における政府広報予算の総額は百八十五億円でございます。  なお、省庁別に申し上げますと、総理本府のいわゆる政府広報予算が百二十二億円、その他大蔵省が税制を中心としまして二十二億円、それ以外の省庁合計で四十一億円ということでございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 消費税の広告にはどのくらい使っていらっしゃるんですか。

小粥正巳大蔵省主計局長

○政府委員(小粥正巳君) ただいま申し上げました広報予算の総額百八十五億円でございますが、そのうち税制の広報についての予算額は二十三億円でございます。  なお、総理本府のいわゆる政府公報予算におきましても税制についての広報が行われていると承知しておりますけれども、この総理本府のいわゆる政府広報予算につきましてはあらかじめ特定のテーマについて予算枠を決めているわけではございませんので、さっき申し上げました税制と特定をいたしました広報予算の総額二十三億円とは別でございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 大変なお金を使っておられるわけでして、きょうは時間の関係もありまして、このことに深く立ち入るわけにはいかないですけれども、しかし、これは将来的にもやはり政府が国民の税金を使って広告をするということの是非をぜひお考えいただきたい、そういうふうに思います。  それでは、次に移りますけれども、社会保障の国庫負担についてお尋ねをしたいと思います。  租税負担率は全体として増大しているにもかかわりませず、社会保障に使われます国庫負担率は着実に低下をしております。このことを報告していただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、御質問でありますけれども、最近におきます社会保障関係費の推移を見ますと、各種社会保障施策の充実や高齢化の進展を背景にして着実に増加をいたしておりまして、元年度予算におきましては十兆八千九百四十七億円となっております。一般歳出に占める比率で申し上げますならば、いわゆる福祉元年という言葉が使われました昭和四十八年当時におきまして一九・六%でありましたものが、元年度予算におきましては三二%に達しておりまして、社会保障のために毎年巨額の国費を投じているところでございます。今後の高齢化の一層の進展を考えますと、今後とも社会保障に対する国庫負担は増大をしてまいると思われます。  こうした国庫負担の増大に伴いまして、今後租税負担と保険料負担を合わせました国民負担も高くなっていかざるを得ないということが想定をされますけれども、我が国が引き続き活力ある経済社会を維持していくためには、国民負担というものを適正な水準にとどめていく努力をどうしても我々は払わなければなりません。昭和六十三年度の状況から考え、また本年の状況を考えてまいりますと、これから先、我々としては非常にこの問題については真剣な討議を必要といたすと考えております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 端的にお尋ねをしたいんですけれども、政府は社会保障の国庫負担率の対GNP比、これを一体どこまで引き下げようというおつもりですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) あるいは今委員がそうした御発言をされましたのには、例えば昭和六十年度あたりから六十三年度等をごらんになりました場合の国庫負担の対国民所得比の低下を指しておられるのかとも思います。  これはまず第一に、分母となります国民所得が順調に推移をしておりましたのに対しまして、例えば全額国庫負担の恩給関係費でありますとか、あるいは老齢福祉年金が受給者の減少から横ばいあるいは減少になっておるといった状況があることも御理解をいただかなければなりません。  いずれにいたしましても、昭和六十三年三月に政府として公表いたしております「二十一世紀初頭における高齢化状況等及び社会保障の給付と負担の展望」によりましても、国庫負担の対国民所得比は、高齢化の進展を背景にしまして、例えば平成十二年度には五カ二分の一%程度、平成二十二年度におきましては六%ないし七%程度上昇することが見込まれておるわけでありまして、社会保障負担率も同様に上昇していくものと見込まれております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 国民は福祉水準を上げるためならば負担の増大もやむを得ないと考えている、これはNHKの世論調査などでも出ているわけですけれども。しかし、現実は租税負担の増大が福祉に結びつかない、社会保障以外により多くが使われるようになったということではないでしょうか。例えば防衛予算でありますとかODA予算の突出、それがそうだと思いますけれども。社会保障の国庫負担をこれ以上引き下げないでいただきたい、これは国民の強い要望であると思いますが、どうお思いになりますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど申し上げました数字を実際としてお聞きをいただきたいのでありますが、まさにその昭和四十八年、福祉元年と言われた当時、一般歳出に占める社会保障関係諸費の比率は一九・六%でありました。本年度の予算におきましてはこれが三二%に達しております。そして将来を論議いたしますならば、最終的には私は国民の選択によるところになると思いますけれども、租税と保険料負担いずれに重点を置かれるかはその時代時代においても変化はあるでありましょう。しかし、臨時行政調査会の答申におきましても、現在のヨーロッパの水準よりはできるだけ低位に国民負担の増大を抑えるべきであるという一つの目標も示されておることでありまして、私どもとしてはそうした方針を頭に置きながら努力をしてまいりたいと考えております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 私たちは、今緊急に国庫負担を拡大しなければならないポイントが少なくとも幾つかあると思うんです。その一つは基礎年金ではないでしょうか。  この点政府は既に拒否回答をしていらっしゃいますので同じことを繰り返したくありませんけれども、次のことを明らかにしていただきたいんです。基礎年金は老後の生活の基礎的な部分をカバーすると。しかし、月五万円余りで一体どの部分がカバーできると考えていらっしゃるんでしょうか。

水田努厚生省年金局長

○政府委員(水田努君) 前回の改正で基礎年金が設定されたわけでございますが、そのときの考え方としましては、老後生活の基礎的な部分を保障するということで水準が設定されました。今回もその考え方を踏襲いたしまして、前回設定した以降の基礎的な消費支出の増大に即応いたしまして、前回改正時の月額五万円の年金額を一一%アップいたしまして五万五千五百円といたしておるところでございます。  具体的な根拠といたしましては、五年に一回行われます最も直近の昭和五十九年の総務庁の全国消費実態調査における六十五歳以上単身無業の高齢者の月々の基礎的な消費支出、すなわち食料費、住居費、被服費、光熱費、これを取り出しますと五万七百二十六円になります。これは五十九年の価格でございます。その後の基礎的消費支出の上昇率年率一・二%で伸ばしまして平成元年度価格が五万三千百円となります。これに前回と同様、諸雑費の一部といたしまして二千四百円を上乗せし、五万五千五百円を設定いたしました。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 皆さんのところのお家賃がどのくらいか私は知りませんけれども、お家賃、食費、光熱費、そういった基礎的な生活部分が五万五千円でカバーできるとお思いになっているかどうか。これは恐らくこういう人は余りたくさんはいないと思いますが、大臣はどうお思いになりますか。

戸井田三郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(戸井田三郎君) 基礎年金ですべての生活を保障していくということは私どもは考えておりませんので、生活の中でも衣料であるとか食費であるとか、そういう基本的なものをひとり保障していく年金として設定されたものであります。したがって、家賃というものでもそれぞれ個別にいろいろな階級の家賃もあるでしょうから、そういう意味で一律には申し上げることができないと思います。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 現実の生活の中で平均的な給付水準、年金ですけれども、国民年金が月三万円弱、厚生年金が十三万円余り、各種共済年金が十七万から十八万円ぐらい。国民年金水準とほかのサラリーマンの年金水準との格差はこのまま放置なさるおつもりですか、大臣。

水田努厚生省年金局長

○政府委員(水田努君) サラリーマンの場合は、今お尋ねの一階部分の基礎年金の上に二階部分としての厚生年金あるいは共済年金がございます。特に厚生年金は、民間サラリーマンの場合は三階部分の企業年金としての厚生年金基金といわゆる三階建てになっております。国民年金はいわゆる一階部分しかないという意味で老後保障に格差があることは事実でございまして、これを補完すべきであるということから、今回の改正案の中で国民年金基金というものを整備いたしまして、民間のサラリーマンの方とほぼ同じ水準近くまでいけるような仕掛けを用意いたしているところでございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 社会保障における国庫負担を緊急に拡大しなければならないもう一つのポイントは、老人医療であると思います。  現行の老人保健法は老人医療費の拠出における加入者按分率を九〇%、来年四月からはこれを一〇〇%に引き上げるとされているわけですけれども、拠出側の財政状況からすればもう限界ではないでしょうか。加入者按分率を九〇%に据え置くべきだと思いますが。そうしますと、不足財源がおよそ六百億円と見られているわけですね、これを国庫負担にしていただきたい、強く思いますが、いかがでしょうか。

戸井田三郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(戸井田三郎君) 老健法は、御承知のとおりに、昭和五十八年にお年寄りの医療費を公平に負担していこうということを目的にして発生したものであります。そして、御承知のとおり国民健康保険の中にはお年寄りの加入者が非常に多い。したがって、一番財政力の弱い国民健康保険のところに非常に負担がかかるということから、各保険者間で公平に負担をしてもらおうじゃないかということで、だんだんだんだんそういう改善をしながら、六十年の改正のときに、六十一年からでありますが、のときに御承知のとおり按分率を一〇〇までにいたしました。しかしながら、その結果、それぞれの保険者間で大変負担が重くなってきているという御意見も聞いております。そして、最終的には平均七十四人のお年寄りを支えていくということになっております。  したがって、本来それぞれの保険者間でそれぞれの被保険者のサービスをしていくわけでありますけれども、お年寄りという大変医療費のかかる方々に対しての一つの方法として、世代間みんなで支え合おうということで一〇〇%ということになったわけであります。したがって、このことについては各界にそれぞれ御意見もありますし、私どもも御承知のとおり審議会に諮問をいたしております。その結果に基づいてさらに具体的に考えていこう、こういうふうに考えております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 社会保障における国庫負担を緊急に拡大しなければならない第三のポイントは、鉄道共済年金の救済であると思います。  衆議院の予算委員会の村山富市委員に対する橋本大蔵大臣のお答えは、鉄道共済のみに特別な国の負担を行うことは公平性の観点から不適当とおっしゃっております。しかし、被用者年金制度間の負担調整という名目で千四百五十億円他制度に拠出を求め、そのうち給付水準が共済よりもはるかに悪い厚生年金から千百四十億円という政府案の、どこが公平なのでございましょうか、大臣。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 鉄道共済年金の問題につきましては、現在鉄道共済の自助努力などによりまして千五百五十億円、また委員が御指摘のように、公的年金一元化の地ならしとしての被用者年金制度間の負担調整によりまして千四百五十億円を拠出するという考え方で、現在所要の法律案を国会に御提出申し上げております。  この対策に当たりましては、まず鉄道共済自身の最大限の自助努力が必要であると考えておりますけれども、同時に、今回の制度間調整は平成七年に予定されております公的年金一元化に向けましての地ならしとして行われるものでありまして、その結果として鉄道共済が救済されるというものでございます。  今委員からお話がありましたような、例えば剰余金の使用など、一般会計による国の負担というものを考えます場合に、これは結局は国民からの税金で賄うということになるわけでありますが、どの年金制度につきましても、それぞれ財政事情には固有の問題を抱えております中で自助努力を行っておりますし、各公的年金制度がそれぞれを通じて基礎年金の三分の一に集中して国庫負担が行われている状況の中で鉄道共済だけ特別の国の負担というのは、私は本当に公平の観点から問題があると思っております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 ほかの制度に依存する分千四百五十億円は五年間続きますので、トータルしますと七千二百五十億円。これを国鉄清算事業団、JR各社の拠出増だけではなく、一般会計で見ることがどうして不公平なのでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今申し上げましたように、それぞれの年金制度、それぞれ固有の財政事情を持っております。そして、その中で特別に鉄道共済のみ他の制度とは別種の国庫負担を投入することは、私はやはり不公平だと思います。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 厚生大臣、いかがでしょうか。

戸井田三郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(戸井田三郎君) 人生が八十年から中には百歳の人も三千人以上いる時代でございますから、そういう中でこれからの老後を支えていくというのはすべて基本に年金が入ってくるだろうと思います。そうすると、その年金財政というものをどういう仕組みにしたら安定するのかということが非常に大事なことではないかと思います。その中で、今までの共済のように小さな基盤の上でやって経営していくということは非常に困難であります。そういうために、厚生年金にしても、大きなものでありますけれども、やはりそういった意味でのすべての被保険者、国民が老後に向かって安定した供給を受けるために、どうしても年金の一元化というものは避けて通れない。そして、その共済年金の基盤強化の一つの方策として、一元化の過程の一つとして今度国鉄の問題も処理されているわけでありまして、私はぜひこの法案を通していただきたいと、かように思います。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 大蔵大臣にお聞きいたしますが、六十三年度決算における決算剰余金というんですか、一兆七千億円、これはどう利用なさいますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 御承知のように、その半分は国債整理基金繰り入れが決められております。そして、例えばパート減税を今回法律案の形でお願い申し上げておりますけれども、これが通過成立をいたしますならば、これに対する財源措置も必要であります。また、人事院勧告の結果、給与財源、ちょっと正確な数字は忘れましたが、たしか三千二百億程度でありましたか、負担が増になります。あるいは災害その他予備費として計上しております以外に必要になる経費もあるかもしれません。また社会福祉のための基金の造成等に投入する経費もありましょう。いずれにしても国民福祉の向上にそれぞれ所要の内容を持って使用されていくことになろうかと思います。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 それらのことに幾ら使われるか、それでも半分だと八千五百億円残るわけですけれども、こういった予期しなかった財源は、臨時応急の拠出にこそ使うべきではないかと思います。  鉄道共済の救済処置は、被用者年金一元化までの五年間のつなぎでありますね。ですから、このつなぎの間、他制度からの拠出にコンセンサスを得る努力をして、その間の応急処置としてこの財源を活用してはいかがかと御提案を申し上げます。いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは今委員の御提案でありますけれども、政府としては、現在、年金関係各法としてその中にこの問題をも含めて国会に御審議をお願いし、成立を願っておるわけでありまして、剰余金の使途とは別途の問題と心得ております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 お考えをいただければ大変幸いと思いますけれども。  次に、それでは介護の問題に移りたいと思います。  橋本大蔵大臣は先般のNHKの討論会で、日本型の福祉社会というものは世代間同居を大切にしていくことによってただ単にお金にかえられない民族の心というものを残していきたいと、そういうあなたの持論を言われました。そこで端的にお答えいただきたいのですが、国民が世代間同居を選択できるような条件を整備促進することが政府の責務であるという認識をお持ちでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、国民が世代間同居の方向を求められて、それに対応できるような施策を講ずるのは当然の責務だと思います。また仮に世代間同居を求めないという国民の御意思が示されるなら、それに合ったまた対策を考慮するのも政府の責任であろうと思います。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 国民が世代間同居を選択できるような条件というのは、基本的にどんなものがあるとお思いでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうど私が本院に議席を得ました直後、私の祖母が病気に倒れました。私の母親は仕事を持っておりましたので、私そのころまだ独身でありましたし、昼間はどうしても介護の力をお願いしなければ介護が十分にはできませんでした。また、今私の母が病気に倒れまして一年余り、残念ながら病状が固定をいたしませんために自宅に帰せずにおります。ただ、党におりますときには、私自身も病院に随分泊まる時間を持つことができましたし、郷里におります家内あるいは長女、家族が交代でできるだけの泊まり込みの介護をすることができましたが、今この立場になりまして病院に見舞うこと自体もままならない状況になり、介護の方をお願い申し上げております。  ですから、在宅の例えば高齢の寝たきりのお年寄りを抱える、あるいは現在私の母が倒れておりますように長期療養を要する病気というものを想定いたしますと、例えば世代間同居を前提といたしますならば、ホームヘルパー等の増員といいますか、層を厚くし質を高める努力というものは、国としては当然なさなければなりません。また、逆に世代間同居を求めないという場合でありますならば、病気に対する介護をも可能ならしめる老人ホームの建設を急がなければならないということになろうかと思います。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 世代間同居ということで言いますと、その条件は私は三つ少なくともあると思うんです。一つは、ゆとりのある広さで、手の届く価格の住宅、これはもちろん土地政策も伴いますけれども。それから二番目に、在宅福祉を支援する医療福祉サービス。それから三番目に、やはり家族介護手当の創設や年金の改善。  建設大臣と厚生大臣にお聞きしたいのですけれども、あなた方は多世代間同居を選択しやすいようにとの立場から、以上の施策の推進に取り組まれているでしょうか。

原田昇左右自由民主党建設大臣

○国務大臣(原田昇左右君) 世代間同居については、委員仰せのとおり、大いに促進すべきものと考えておりまして、公的住宅の供給においても考慮されておりますし、また民間でも開発をされて売り出されておる次第でございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 何が売り出されているんですか、具体的にお答えいただけますでしょうか。

原田昇左右自由民主党建設大臣

○国務大臣(原田昇左右君) 具体的にというお話でございますから、実はおとといでしたか、予算委員会が終わってから、あそこの汐留で今ハウジングのショーをやっております、そこへ行きましたら、あるハウスメーカーですが、陳列した中に世代間同居を目指す住宅が出ておりました。こういったものに対して、私どもは金融公庫等から低利な長期の融資を供給するという施策を行っておるわけであります。  なお、今低利と申しましたが、割り増しの融資を一般の住宅よりは余計に割り増すということを公庫を通じて出しておるわけであります。

戸井田三郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(戸井田三郎君) 世代間でお年寄りを助けていくというのは、私たち日本の家族的な古い昔からの伝統であります。本来、それが子供の時代からずっと育ててくれた親に対する子供の親孝行という形で、そういうことが日本民族の中では推奨されてきております。  しかし、今日の社会というものは非常に高度な社会になってまいりましたし、そして生活も複雑になってまいりました。それから家庭にいる女性が社会に進出するという傾向も非常に多くなったし、そういうことからお年寄りを家でどういうようにして健やかに、そして生きがいのある生活を送っていただくことができるかということが大きな課題になっておるわけでありますが、それはもちろん世代間ですべてできればいいですけれども、今言いましたように、世代間、非常に複雑な家庭に、家庭のそれぞれのあり方が変わってきております。  そういったものを守りながらいこうとすれば、やはりそのお年寄りに対する介護とかサービスとか、そういったものはもっともっとマンパワーを強化しながらその家庭を助けていく、そういうことによってお年寄りが寝たきりにならないで、ほうっておくという言葉は悪いけれども、手が行き届かないというとどうしても元気でいけるお年寄りが勢い寝たきりになってしまう。そういう意味で、在宅三本柱のようにホームヘルパーなりあるいはショートステイなり、いろんな形でのサービスをするようにいたしておるわけであります。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 多世代間同居を選択できるような条件づくりのために、ますますしっかりと頑張っていただきたいとお願いを申し上げておきたいと思います。  私は、近ごろ自立、在宅ケア、介護というような言葉が随分聞かれるようになりましたけれども、その大前提は、一人の人が人間としてごく普通に当たり前に幸せに生きられるという観点がなければならないのではないかと思います。御老人にしても、御老人はこれまで幸せに生きてこられた方もあるかもしれないんですけれども、生まれつき障害を持ってきた人は一度も普通の生き方をしてこなかった、一度も幸せな味わいを生きてこなかったという、こういう人もたくさんいらっしゃると思います。  首相、あなたは所信表明のキャッチフレーズを「対話と改革」とされ、また、人間味のある生活を送ることができるために、と言っておられますけれども、一人の御老人やハンディを持った人が人間味のある生活を送ることの難しさを御存じでしょうか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 社会的にいろいろな制約があったり難しい問題をお持ちであろうということは私も想像をし、そして推測をいたしております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 私はここに、私の友人であります一人の女性、そしてその仲間たちが出しております「いちご通信」というのを持っているんですけれども、重い障害を持って助け合って生きている仲間たち、在宅ケアを進めている仲間たちでございます。この中にこんなことが書いてあるんです。  時間の都合で余り詳しく御報告できませんけれども、一人の重い障害を持った男性がありまして、この人と小山内美智子さんというこの「いちご通信」を出しているいちご会の主宰者との文通が出ているわけなんですけれども、親元で何不自由なく暮らしている、欲しいものがあればすぐ買ってきてくれる、行きたいところがあればすぐ連れていってくれる、上げぜん据えぜんで何でもしてくれる、けれども、親が死ねば施設が、国が第二の人生を与えてくれるのでしょうか、でも、何かが足りないのですと、そう言っているんですね。そして、一人で生きられるようになりたいと。  しかし、この方のおうちもぎりぎりいっぱいの暮らしをしておられて、弟さんを大学に行かせなければならない。だから、この方に対する障害者年金もそのために使われなくちゃならないような状態であると。そういう中で、この人は自立を求めて叫びを上げているわけです。一人の男性としては、もちろんいろいろな欲望もありますでしょう、お酒も飲みたいでしょう、映画にも行きたいでしょう、恋人とデートもしたいでしょう。けれども、そういうことはすべてこの親元にいたのでは何一つできないのだと。そして、ある日、恋をして失恋をしたけれども、そのときにはもう思いっ切りお酒を飲みたかったけれども、与えられたのは缶ビール一本でしたと。  こういうふうな中で、私たちはこの人たちにどうやったら本当にごく普通に生きている状態を保障してあげられるのだろうか、どうやったら幸せになっていただけるのだろうか、こういうことが在宅ケア、介護、リハビリの根本になければいけないのではないかと思いますね。  自立に向けてこれまで厚生省がやってこられたことは、本当の自立に向けてのヘルプであったのか、介護、在宅ケアをどのように充実させようと思っておられるのか、厚生大臣にお伺いしたいと思います。

戸井田三郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(戸井田三郎君) 御指摘のとおりに、やはり障害者であるとか、あるいはお年寄りであるとか、あるいは困窮者であるとか、そういった身体の上でハンディキャップ、あるいは経済の上でも、いろいろな生活の上でもハンディキャップを持っている方々に対するお世話をするということは、やはりその人たちの外から見た形の上での困っておられることと、それから心の中でいろんな問題について悩んでいること、そういったことに対して十分心を向けていかなければいけないことはお説のとおりだと思います。  そのために、やはり家庭における自立のためにも、いろんな意味でのそういった専門家の指導であるとかあるいはリハビリであるとか、そういった意味でのサービスをこれからより一層強く進めていかなければいけない。そういうつもりで本年度の予算の上でも十分考慮して、漸進的ではありますけれども、前へ進んでいこうという努力をいたしております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 厚生省は、最近ねたきり老人ゼロ作戦というのを発表なさいましたけれども、要介護者の数を把握しておられますでしょうか。  それから、在宅三本柱と言われます家庭奉仕員、ショートステイ、デイサービスなどなどの実態を教えていただきたいと思います。

岡光序治厚生省大臣官房老人保健福祉部長

○政府委員(岡光序治君) まず、数から申し上げます。  寝たきりの状態になっておいでのお年寄りが全体で六十万人程度。それで、この方々は在宅それから老人ホームあるいは病院、それぞれのところに入っておいででありまして、トータルで六十万人程度というふうに把握をしております。こういう寝たきり状態から脱するようにということで、私どもねたきり老人ゼロ作戦ということをとりあえず展開していこう、こう考えております。  その基本的な考え方は、寝たきりになる原因の病気がいろいろありますが、例えば脳卒中であるとか骨折であるとか、そういったいろんな原因の病気を発生させないように予防していこう。それから、原因の病気が発生した場合でも、それから生ずる障害をできるだけ軽くするようにしていこう。それにはまず動かすことではないだろうか、こういうふうに考えております。基本的には、寝たきりは予防できるんだということを広く国民にわかっていただこうということで意識啓発運動をしていきたい。  それから、今申し上げましたその原因疾患を予防するために知識を普及するとか、あるいは健康相談とか健康指導をするとか、あるいは病気になった場合にもリハビリテーションを適切に行うとか、それからいろいろ今お話がありました在宅サービスにつきまして、これを十分やっていこうというふうなことで考えておりますし、またそのサービスが必要とされるお年寄りなり家族の方に適切に届くように、そういうシステムをつくり上げていきたい、そんなふうに考えております。  また、例えば車いすの生活を考えた場合に、そういった生活ができるように住宅改造をするとか、あるいは先ほどのお話にもありましたように、そういう公営住宅のようなものを確保するとか、そういうことを全体的に進めたいた考えております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 要介護者数、身体障害者の方もお願いしたいと思います。

長尾立子厚生省社会局長

○政府委員(長尾立子君) お答えさせていただきます。  十八歳から六十四歳までの身体障害者の方の中でADL、日常生活動作一項目以上、つまり介助を要する者という理解で申し上げますと、六十二年二月の実態調査におきまして九万二千人というふうに承知をいたしております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 六十万人と大体十万人、七十万人ぐらいですか。それに対しましてヘルパーさんの数は何人ぐらいなんでしょうか。

岡光序治厚生省大臣官房老人保健福祉部長

○政府委員(岡光序治君) ヘルパーでございますが、元年度現在で三万一千四百五人でございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 七十万人に対して三万人でケアをしようと。これはふやそうと努力をしておられることはわかっております。しかしそれにしても、そんなに一挙に何倍にもふやせるわけはないと思いますけれども、余りにも少ない数だとお思いになりませんか、厚生大臣。

戸井田三郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(戸井田三郎君) これからさらに年次計画を立てて進めていくわけでありますが、私は数も非常に大切でありますけれども、数と同時に、そのサービスを受ける人たちがどこへ行ってどういうふうにしたらそのサービスを十分に受けられるのか、どの程度のサービスを受けられるのかという細かなことまでが徹底しない。先ほど政府広報の問題がありましたけれども、そういう面でも、むしろ政府は広報をもって大勢の人に知らせてあげなければいけない。そして、例えば年金なんかの場合でもそうなんですよ。実際は国民年金の場合に無年金者が出てくる、知らないでいる人がたくさんいるんです。自治体にも常に言っているんです。中には一地域でもって一億円ぐらいの経費を使ってPRをしている場合もある。でありますから、そういうことをサービスを受ける人たちに十分知らせる手だてを立てなきゃいけない。  そういうので、今までの県であるとかあるいは市であるとか大きなところではなく、小さな町村にそういったサービスの拠点を置こう。そうして、もっともっと行政レベルでそういうサービスの必要な人たちの手にとるようにわかるようなところまでの訓練をしていかなきゃいけない。この間からもお話ししていますが、デンマークのアンデルセンさんに話を聞いてみると、やはりそういうようなことが十分に行き渡って寝たきり老人がいなくなったということを聞いております。  御指摘のとおり、この推進の方向に前向きで検討していきたい、かように思っております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 経済大国、先進国と言われる割には余りにもお寒い状態であると思うわけです。私たちも本当にこのことには心を痛めております。並みの御努力では済まないと思いますが、どうか一生懸命やっていただきたいと思います。  たくさんお聞きしたいことがございますけれども、時間の制約がありますので……。  一時、盛んにパイ論というのがありましたですね。限られた大きさのパイから限られた一切れを切り取る、だから、パイが大きくなればその一切れも大きくなるだろうという、こういう論理が盛んに論じられたことがありましたけれども、日本は今世界でも指折りの金持ち国になり、GNPも大変大きくなっている。しかし、パイはどんどん小さくなっているじゃありませんか。全体は大きくなっても、そういう切り取られるパイは相変わらず小さいではないですか。私たちはこのようなことでは非常に困ると強く思うわけです。  介護の問題はそのくらいにいたします。  次に、難民の問題に少し触れさせていただきたいと思います。  国際法上、難民と認定されればこれは受け入れられる、保護する義務が生じる。しかし、その義務のない経済難民、偽装難民、便乗難民と呼ばれる人々が今大量に押しかけてきておられるわけですけれども、もし本国に強制送還をした場合、その国で不法出国者として処罰を受けるだけではなくて、例えば反革命といったレッテルを張られ、命や体に危険が生じるおそれのある場合、この場合は人道上の見地から強制退去を求めずに、この方たちも難民として処遇すべきと考えますが、法務大臣いかがですか。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) ただいまのボートピープルの問題についての御指摘でございますが、本年五月以来、中国等からのボートピープルについてこれまで当局で調査をしておりますところ、中国側によって不法出国者としての取り扱いを受けるという以上の問題を有すると思われる者はいないというような状況がございますので、退去強制手続上、特別な考慮を要するとは考えておりません。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 これから十分にスクリーニングをされるところだと思いますけれども、もしもそのような方が発見できた場合、この人たちに対して法務大臣はどのような態度をおとりになるおつもりですか。

後藤正夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(後藤正夫君) お答えいたします。  ただいま政府委員からも御答弁申し上げましたが、不法入国者につきましては、出入国管理及び難民認定法に基づく退去の強制手続が行われるのでございますが、同法は原則として、難民条約にいろいろ言っております政治的意見等を理由としてその者が迫害されるおそれがあると認められる国を送還先とはしないという旨を定めておりますので、そのような御懸念は起きないものというふうに私どもは考えております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 起きないものと考えておられるという、ちょっと私のお聞きしたことと食い違っていると思うんですけれども、もしもそういう方が発見された場合にはどうなさいますかとお聞きしたんですが。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) 現状について先ほども説明申し上げたとおりでございまして、委員のただいまの御質問は、あくまで純粋に仮定の問題でございますので、その事態についてそのときにまた状況を判断して対処するということでございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 変わったんですか。態度がかたくなったんですか。もしもそういう場合には柔軟に考えるというふうに言ってらっしゃるんじゃなかったですか、従来。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) 不法入国者の問題については、このようにずっと考えてきております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 私がお聞きしましたのは、人道上の見地から命や体に危険が生じると思った場合、そういうふうに判定をされた場合、日本国はどうなさいますかとお尋ねをしているんです。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) 仮定の問題でございますので、その際は法の規定に基づいて対処いたします。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 仮定仮定とおっしゃいますけれども、実際には十分に考えられる問題ですよね。その場合に、それからまた何日もかけて考えさせていただきますということでは大変困ると思うんですけれども、大量の難民やボートピープルの入国という現象が起きているわけですが、これはことしが異常に多いだけで今後は鎮静化するというふうにお考えでしょうか。

後藤正夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(後藤正夫君) お答えいたします。  非常に予測困難な問題でございますので、何とも今の段階でお答え申し上げることはできません。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 予測困難ということは、今後も起こり得るかもしれないという可能性もあるわけでして、そうすれば、一時庇護センターや定住促進センターの機能を拡充する必要があるのではないでしょうか。外務大臣、いかがでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 日本国は、国際的に一万人の難民まではここに定住をすることを国際的に公約いたしておりまして、それに対応するだけの準備は政府といたしましても考えております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 私は先日、大井の国際救援センターを見せていただきましたけれども、例えば医療の確保などはどんなふうに考えておられるんでしょうか、外務大臣。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 先生のお尋ねのセンターの医療の問題は、医師一名、看護婦三名がこれらの方々の健康管理に当たっておりまして、もし疾病等の異常が起きました場合には、通院において治療が可能な者は通院、または入院の必要な者は入院の措置をとるというふうな方針を持っております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 看護婦さんはお一人ですね、あとのお二人は国で派遣しているのではないですね。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 医師一名、看護婦一名につきましては、厚生省の予算にて派遣をいたしておりますが、このほか看護婦二名がアジア福祉教育財団との契約によって勤務をいたしております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 厚生大臣にお聞きしたいんですけれども、私、中を見せていただきました。食事なども見せていただきましたし、健康を維持するために十分かどうか、その医療センターも見せていただきましたけれども、そのときは千二百人に余るたくさんの方たちがあそこに住んでおられたわけですから、もうとてもとてもそれだけでは十分とは思えない。妊婦の方が二十六人いるとおっしゃっていました。栄養障害とか皮膚病とかいろいろな病気の方たちがたくさんおられる。医療費あるいは食費はどこが負担して、食費の場合は一日どのぐらいかけていらっしゃるんでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員お尋ねの難民に対するこの食糧の問題は、国連難民高等弁務官事務所が国際的に管理をいたしておりまして、日本もそちらに我々の国民の税金を国会の承認をいただいて一部拠出しているわけでありますが、日本の場合は一日の食費が大体平均約九百円、年間通じて約三十三万円と認識をいたしておりますが、国際的に比較をいたしますと、その国その国の物価の関係がございます。日本では一九八八年で香港、タイと比較いたしますと、年間約三千八百ドルが一人にかかっております。香港では約四百九十ドル、タイでは百五十ドルでございます。

戸井田三郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(戸井田三郎君) 厚生省は協力をいたしているわけでございまして、五十二年の閣議了解に基づきまして、外務省と相談してやっております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 医療の確保には私は厚生省がすべて責任を負うようにしていただきたい、そう思うわけです。国立病院だけで対応できないときは厚生省がほかの医療機関に協力を求めて、もう少し万全の体制をとっていかなければ、いろいろな病気や危険な状態が起こってくるかもしれない、非常に危惧をいたしますので強く御要望をしたいと思います。  それでは次に、少し問題が離れるんですけれども、実は私の地元の北海道の北の方の留萌支庁幌延に立地計画中の、高レベル放射性廃棄物研究貯蔵施設についてお尋ねを申し上げたいと思います。  ここは御存じのとおり立地計画中でありますけれども、道民の過半数の反対と、また、その反対の意思を明確に打ち出しまして二度の選挙を戦い、二度目の選挙は二百二十万票という大変大きな得票を得ました横路知事の強い反対の方針もあります。しかし、最近幾つかの動きがありまして、道民は、とりわけ周辺町村では非常に心を痛め、警戒をしているわけであります。今まで、あくまでも地元の理解と御協力をと繰り返しずっと言って訴えてこられました。調査をやることも含めまして、あくまでも地元の御協力が得られる、御理解が得られるということになって始めるものでございましてと繰り返し言ってこられたわけでありますけれども、最近の動きを見ておりますと、どうしてもそのように思えません。  例えば動燃が幌延町に測定装置、モニタリングポストをつくってもう動き出したり、周辺の八市町村の推進議員が集まり、立地推進道北議員協議会を旗上げした。このとき、自民党の国会議員、道議会議員、動燃の理事などが集まり気勢を上げている。たびたびのアンケートでも、二度にわたる知事選でも道民の気持ちははっきりとしておりますのに、これを無視してよろしいのでしょうか。科技庁、お答えいただきたいと思います。

緒方謙二郎科学技術庁原子力局長

○政府委員(緒方謙二郎君) 動燃が幌延で計画をしております貯蔵工学センターについてのお尋ねでございますので御説明をさせていただきますが、この施設は、我が国が核燃料サイクルを確立してまいります上で大変重要な施設でございまして、昭和六十二年に原子力委員会が策定をいたしました長期計画においても、国がその着実な推進を図るものとして位置づけられているものでございます。御指摘のように、まだ計画中の段階でございまして、累次御説明をしておるところでありますが、この種のプロジェクトを進めるに当たりましては、地元の御理解、御協力を得ながら進めていくというのが基本でございまして、目下そういうことで鋭意努力をしているところでございます。  御指摘のように地元で諸情勢があったわけでございますが、経緯を振り返ってみますと、昭和五十六年に地元幌延町から立地の御要請をいただき、五十九年に町議会で誘致の御決議をいただき、動燃が実施をいたします調査につきましては、昭和六十年の六月に申し入れをいたしましたところ、道議会からは六十年十月に調査促進の御決議をいただいておるところでございます。  六十年に動燃事業団が調査を実施いたしまして、その調査結果は、本計画を進めていく上で特に支障となるような点は見出されなかったという報告でございましたので、その調査結果を地元に御説明をし、御理解を賜るようにしているところでございます。また、継続的にデータをとる必要があるものにつきましては、気象であるとか地下水等についての計測は継続して実施をしているところでございます。最近地元の周辺市町村におきまして、これを推進しようという地元の議員の方々の間で促進議員連盟というものが設立をされたということで、大変ありがたいことであると承知をしてございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 道民のあるアンケートによりますと、九〇%の非常に多数の人が反対の意思を表明しているわけでありますけれども、これを強く推進されるということに私たちは激しい憤りを感じております。  同時に、今ここに私が持っておりますのに、「貯蔵工学センターに係わる調査報告」というのがあります。これは天塩町という、近くの港の、核廃棄物が陸揚げをされるのではないかと最近報道されている町でありますけれども、この天塩町の放射性廃棄物問題調査特別委員会、この人たちの報告書があるんです。この中にこういうところがあります。輸送については、今私が申しました海上輸送として、荷揚げは天塩港を専用港として使うことになりますので、計画に長い月日を要しますので間に合わぬことともなりますので、議会の決定を願いますというふうなことを前の宮崎長官が言っておられるわけです。  これはことしの三月の調査の報告なんですけれども、この中に、非常に責任あるポストの対策室の方がこういうことを言っていらっしゃるんです。電源立地促進対策交付金として六十三年度七百二十一億円使われるようになっております。当然電源三法による算定がなされ、これらの勘定より交付されますが、細部はまだ確定しておりません。しかし交付されることは間違いありません、言い切っておられるんですね。幌延というのは原発ではないわけでして、貯蔵工学センターであるわけなんです。この電源三法の適用が今の現状のままでされるのかどうかお伺いしたいと思います。科技庁長官、お願いします。

緒方謙二郎科学技術庁原子力局長

○政府委員(緒方謙二郎君) 電源三法の交付金についてのお尋ねでございますが、先生御案内のとおり、電源三法の場合には法律がございまして、法律に基づいて施設を政令で指定する仕組みになってございます。法律の上では、原子力発電所、再処理施設その他原子力発電を行う上での重要な施設であって政令で定めるものという書き方になってございます。現在の政令ではこの貯蔵工学センターに該当するものは政令で指定をされておりませんので、現在ただいま交付金が出せるかといえば、それは対象にはなりません。ただ、法律の趣旨、重要性にかんがみまして、私どもといたしましては、これは先ほども申し上げましたように極めて重要な原子力関係の施設でございまして、立地交付金の対象に該当し得るものというふうに考えてございます。  なお、御引用になりました報告書は地元の方が記録をとられたものと承知をしておりますが、当庁からの説明は、以上申し上げましたように、政令を改正すれば立地交付金の対象になり得るということを申し上げたものと理解をしております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 そうしますと、この報告書にあります「電源三法による算定がなされ、これら勘定より交付されますが、細部はまだ確定しておりません。交付されることは間違いありません。」という報告書の言葉は間違いですね。

緒方謙二郎科学技術庁原子力局長

○政府委員(緒方謙二郎君) 交付金の七百二十一億というのは一年間の全体の交付金の総額でありまして、幌延が指定になると七百二十一億円が出るというわけではありませんからその部分は明らかな間違いでございますが、交付されることは間違いないという断定的な言い方はそのときは担当者はしていなかったようでございまして、この幌延の貯蔵工学センターについては立地交付金の交付対象に該当し得るということを断定的に申し上げた、こういうことでございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 それでは、この報告書はそちらで発言をしていないことが書かれている、間違っている記録であるというふうに断定されるわけですね。

緒方謙二郎科学技術庁原子力局長

○政府委員(緒方謙二郎君) 地元の方々の方でおつくりになったものでございまして、私の方で内容について責任を負うものではございませんが、今のお話を伺う限り、私どもの説明とは一致していないと考えます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 幌延の現状のままで電源三法が適用されない、交付金もということですけれども、将来的には適用されるように政令を改正していくということですか。それはいつなんでしょうか。

緒方謙二郎科学技術庁原子力局長

○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほど御説明しましたように、私どもは交付金の交付対象にし得るものであると考えておりますし、したいと考えております。政令の改正が必要になるわけでありますが、政令を改正して追加をいたしますのは、通常、当該施設の建設が開始される予定の年度になりまして予算措置をとり、それとあわせて指定をするというのが通例でございますので、この幌延について立地が決まるということがまず前提にならなければならない、このように考えております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 原賠法の幌延適用はどうですか。

緒方謙二郎科学技術庁原子力局長

○政府委員(緒方謙二郎君) 原子力関係の施設でございますので、でき上がりますれば当然原子力損害賠償法が適用になります。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 これは改正をしないでそのまま適用になるということでしょうか。改正をされるならその予定をお聞かせください。

緒方謙二郎科学技術庁原子力局長

○政府委員(緒方謙二郎君) こちらの方、原子力損害賠償法につきましては法律改正、政令改正を要することなく自動的に対象になります。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 納得できませんけれども。  ちょっと次のところへ行きます。きのうこの予算委員会でプルトニウム輸送のことが質問されておりましたけれども、今のところ海上輸送がより安全というお答えだったと思いますけれども、プルトニウムはいつ輸送されてきますか。

緒方謙二郎科学技術庁原子力局長

○政府委員(緒方謙二郎君) プルトニウムの日本での利用は、もんじゅなどの高速増殖炉で利用いたしますのが中心になってまいります。もちろんそれ以外の利用もいろいろございます。国内のプルトニウムの需給のバランスをいろいろ見てまいりますと、一九九二年に国内でのプルトニウムの需給が不足をしてまいる見込みでございますので、一九九二年に返還のプルトニウムの輸送を実施したい、始めたい、このように考えているところでございます。  なお、輸送方法について航空輸送、海上輸送という問題がございましたが、現在まだどちらとも決めてございませんが、国際的には安全な容器に入れ国際的なルールにのっとり手続をすれば航空輸送をすることももちろん認められているわけでございまして、昨日御議論になりました核ジャック等のテロ対策という観点では一長一短がございまして、航空輸送の場合には輸送時間が非常に短いという意味で危険にさらされるリスクがそれだけ少ないということから、むしろその面ではプラスという評価もあるわけでございます。したがいまして、総合的に考えてどちらが安全ということを一概に言えるものではなくて、技術的に現在検討を続けているところでございます。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 どちらが安全かどちらをとるかという問題ではなくて、私たちはプルトニウムや高レベル廃棄物のようなものが輸送されないことが一番望ましいと思っているわけでありますけれども、高レベル廃棄物は英仏からいつ戻されてきて、どんな話し合いになっているんですか。

緒方謙二郎科学技術庁原子力局長

○政府委員(緒方謙二郎君) 高レベル廃棄物と申しますのは、日本の発電所で使われました燃料を再処理するわけでございますが、国内の再処理施設、東海村に動燃が持っておりますが、能力が十分でございませんので不足分をフランス及びイギリスに委託をしているわけでございます。この中でフランスに委託をしている分につきましては、高レベル廃棄物につきましては一九九三年、平成五年以降に返還をされるというふうに承知をしてございます。英国に委託をしております分については、現在電気事業者とイギリスの再処理業者との間で話し合いが行われておりまして、今後その取り扱いが決まるものとこのように承知をしてございます。輸送方法はいずれも海上輸送で専用船を使うというふうに承知をしております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 プルトニウムは九二年、高レベル放射性廃棄物についてはフランスが九三年、イギリスが九四年というふうな情報があるんですけれども、これはいかがですか。

緒方謙二郎科学技術庁原子力局長

○政府委員(緒方謙二郎君) ただいまお答えしましたように、フランスについては九三年以降ということでございますが、英国については目下事業者間で話し合い中でございますので、九四年ということで決まったとは承知しておりません。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 いずれにしてもあと四、五年すれば戻ってくるわけですよね、今のところ。釜石市では市議会が拒否宣言をしております。岡山の哲西も断られ、幌延も道民、知事の猛反対、これ一体どうするんですか、どこへ持っていくんですか。長官、お答えください。

緒方謙二郎科学技術庁原子力局長

○政府委員(緒方謙二郎君) 高レベル廃棄物につきましては、フランスから返還される廃棄物につきましては青森県六ケ所村に保管をする、保管施設をつくってそこで受け入れをするわけでございます。幌延の地上の管理施設と申しますのは、動燃の東海再処理工場から出てまいります廃棄物を保管するわけでございます。  なお、釜石のお話がございましたが、釜石で検討されております地下研究施設あるいは幌延の地下研究施設といいますものは研究の目的でございまして、ここに高レベル廃棄物を貯蔵するあるいは最終処分をするという計画にはなってございません。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 どこからも嫌われ者のどこにも行き場のないこの廃棄物、どういうふうになさるおつもりか、私たちの道民の気持ちを押し切って強行的にこれを推進しようというこの政府のやり方に強く抗議をしておきます。  次に、もう時間がありませんけれども、地球規模の環境破壊が叫ばれておりますが、経済大国と呼ばれる日本、余りにも資源をむだにしているのではないでしょうか。私一人が節約したってという思いが森を破壊し、世界一の木材消費国となっております。私は、国会や中央省庁の中の書類や紙の使用量など大変なものだと思います。さすがに環境庁では環境白書をすべて再生紙でおつくりになったということを聞いておりますけれども、経企庁の中にも省資源・省エネルギー生活推進室というのがあって、古紙を使って報告書を出しておられる。環境庁、推進室ではほかにどのような省資源のお仕事をしていらっしゃいますでしょうか。

志賀節自由民主党環境庁長官

○国務大臣(志賀節君) お答えいたします。  ただいまおっしゃっていただきました環境白書はこれでございまして、お説のように再生紙を活用させていただいております。それから私ども環境庁の役所では、これは答弁用紙でございますが、これも再生紙を活用しておるわけでございます。  環境庁でまだやっておりますことは、昭和五十七年から環境白書を再生紙でやっておりますほかに、一部のコピー用紙も使っておりますし、それからまたエコマーク事業につきましても、古紙利用のトイレットペーパー等の普及、促進に努めておる次第でございます。また、再生紙の利用拡大を含め、地球環境への負荷がより少ない方法で経済社会活動が行われるように国民各界各層に対する普及、啓発運動を今一生懸命推進しておるところでございます。  そのほか、私個人的なことでございますが、再生紙という以前になるべくむだを省かなければいけない、こういうことで、よく陳情書等が参りますが、それの裏表紙などは裏表このとおり立派な紙でございまして、これをむしりまして活用をさせていただいております。そういうようなことでございます。(「簡単に」と呼ぶ者あり)

高原須美子経済企画庁長官

○国務大臣(高原須美子君) 簡単にという声が聞かれましたので、簡単にさせていただきます。  今後の我が国にとりましても、地球規模の環境保全にとりましても、資源を有効に活用するため資源リサイクルを定着させていくことは非常に大切だと思っております。そこで、経済企画庁といたしましては資源とエネルギーを大切にする国民運動に取り組んでおりまして、その中で今御指摘のリサイクル再生紙につきましても取り上げて、積極的な推進に努めております。例えば、十月十六日には省資源・省エネルギー生活推進研究会報告書というのが発表されまして、リサイクルの推進について触れております。ちなみに、この報告書もリサイクル再生紙でつくられております。さらに、当庁では公用の封筒も再生紙を使っております。  そういったことで、引き続きまして委員御指摘のように再生紙の利用には大いに努めていきたいと思っております。

竹村泰子日本社会党・護憲共同

○竹村泰子君 地球を守るため、資源を守るために各省庁努力をしていただきたいとお願いを申し上げまして、終わらせていただきます。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 以上で竹村泰子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 次に、石井一二君の質疑を行います。石井君。

石井一二自由民主党

○石井一二君 時計の針は今ちょうど十一時半でございまして、私の持ち時間も三十分でございます。皆さんお昼を気にされることと思いますが、御答弁の方も簡潔、明快によろしくお願いを申し上げたいと思います。  予算委員会でございますから、まず財政問題から私は質問を始めたいと思います。  大蔵大臣にお伺いいたしますが、我々はかつて三K赤字という言葉に悩まされ、またいろいろ思いをはせてまいりました。だがしかし、今その言葉がやや遠き昔の言葉となり、特に平成二年度は赤字国債発行がゼロになるという悲願とも言える状態に差しかかっておるわけでございます。時あたかも消費税の導入問題もございますが、国家財政の見通しについて、もういろんな論議がございますからごく簡単で結構でございますから、一言御所見をまず承りたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今日まで三K赤字と言われますものに対する対策につきまして、本院を含め院の御協力をいただきましたことに対してお礼を申し上げます。おかげで本当に何とか明年度、赤字国債依存体質脱却というところまで参りました。しかし、やはりいわゆる隠れた借金と当委員会でも御指摘を受けましたようなものは、これから我々はそれを処理していかなければなりませんし、また、高齢化、国際化の進展などの内外情勢の変化に財政が適切に対処をしていく必要を考えましても、私どもは引き続き厳しく歳出のチェックを行いながら行財政の不断の見直しに努め、今後再び特例公債に依存しないで済むような財政構造を目指して努力をしていかなければならないと考えております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 今、大臣いみじくも隠れた借金があるというお言葉がございました。私の調べが正しければ、それらは国債の償還財源として一般会計から国債整理基金特別会計への定率繰り入れ停止による分、厚生年金特会への繰り入れ特例、これは二兆七百三十億円、地方交付税特会の運用部借り入れ、あるいは国民年金特会への繰り入れ平準化、住宅金融公庫への利子補給分等々で約二十五兆四千億と私は理解をいたしておりますが、そのうち昭和六十三年度の補正予算で厚生年金からの借金約一兆五千億余をお返しになっておる。差し引きいたしますと、これから未来に向けて例えば五年間で返そうかというようなことになりますと、我が国の防衛費は三兆九千億あたりでございますからそれをも上回る高額なものになる。こういった面で、今おっしゃった隠れ借金の返済についてどのような御計画をお持ちか、ちょっと伺っておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 例えば、今委員が例示を挙げられました以外にも、国鉄清算事業団の累積債務の償還等につきましては同じような見方で対応しなければならぬものかもしれません。そうして、今例示に挙げられましたものの中には、国民年金のように平準化法の対象として今後の対応が決定いたしておるものもございます。今、次年度の予算編成をも今後に控えて特別にこれらの項目に対してどうこうと申し上げることは控えますけれども、いずれにいたしましても、これらの問題については我々として誠心誠意対処していかなければならないものと心得ております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 いずれにしても、我々が健全なる財政状態をつくるためには、かっちりと歳入を確保するということとできるだけ歳出を抑えるということが基本であろうと思いますが、例えば高齢化時代を迎えて今国民医療費は年々一兆円ぐらいのペースで伸びておることは御高承のとおりでございます。我々金額の高い数字を並べておりますと、つい一兆円、二兆円、五兆円というように簡単に申しますが、一兆円の重みというものは極めて重いものがあると私は平素から理解をいたしておるものでございます。  先般、たまたま私が自由民主党遊説局長ということもございまして、茨城の参議院議員補欠選挙に総理とともに私は三度行ってまいりました。我々の消費税見直しをも含め、また新生自由民主党の姿勢というものが評価をされて我が党は勝つことができましたけれども、たまたま今席をお立ちでございますが、そのとき総理が県民の皆さんに対して、一兆円の重みを示すために次のような演説をされたことを私は非常に印象深く受け取ったわけでございます。総理がおられないのが残念でございますが、今ごろくしゃみをしておられるかもわかりません。  いわく、県民の皆さん、こうおっしゃったわけであります。一兆円は大きな金であります。例えば神武天皇に始まって歴代の天皇が毎日毎日百万円ずつ使ったとしたらどうなるとお思いでしょうか。今は平成でございますが、その前は昭和、そして大正、明治とさかのぼるわけでございますが、初代天皇神武天皇、綏靖、安寧、懿徳、孝昭、孝安、孝霊、孝元、開化、崇神、これは総理がそこで言われた。こういうぐあいに順々に言ってまいりますと、一日で百万円、百日で一億円、一年三億六千五百万円。こういうことになってまいりますと、紀元二千六百年でおよそ八千六百億円、なかなかこの一兆円というものは大きなお金ですよということを申されました。その大きなお金が積もり積もって我が国は今、公債の残高というものが百六十兆円になんなんとしておることは御高承のとおりでございます。今総理がお帰りになりました。あなたのことを申しておりました。  さて、この百六十兆円でございますが、国民一人当たり約百三十万円、仮に四人家族といたしますとその家族の収入は五百二十万円になりますから、勤労者一世帯当たりの年間可処分所得を上回るというものでございました。一日に百万円ずつ使うとしても、先ほど申しましたが、四十四万年かかるというすごいものでございます。我が国は、今青函トンネルの事業費で五千二百億円、関西国際空港事業費で約一兆円、明石海峡大橋の事業で約一兆円。いかにこの一兆円あるいはまた百六十兆円というものが大きいかということを我々は認識して今後のいろんな税制改革並びに財政論議に臨みたい、まずそう思っておるものでございます。  大蔵大臣、こういった中で財源を確保するということの重要さの中で自然増収についていろんな論議がございます。  私は、幸いにもことしの七月二十三日の参議院の選挙で当選をいたしましたけれども、その三日前の日経新聞に、「消費税見直し?廃止? 与野党の改革案総点検」という記事が出ておったわけであります。有権者の皆さん、恐らくこの記事を見てだれに入れようかということを決めた方も多いわけでございますが、その中で社会党さんは三兆円とお書きになっておる。これは新聞が書いておるんですから言うてないと言われたらそれまでですが、社会党のほかの書類にもそう書いてございます。公明党さんは三千億と一けた違った数字を挙げておられます。  私は、ここに一枚のパネルを持ってまいりました。(資料を示す)どんどんどんどん一般会計の総額の黒いカーブは、表は大きいですが裏は小さいんですが、同じあれでございます。上っていっておりますけれども、赤い自然増収というものはいかに不安定であるかということを御認識いただきたいわけでございまして、私は良識ある国民が、また将来政権をもとらんという政党が本気で自然増収というものに大きく依存しようと思っておるとは思わないわけでございますが、この点大蔵大臣、いかがお考えか、御所見を賜りたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 自然増収という言葉は大変耳ざわりのよい言葉でありますが、つまりは税収見積もりの誤りであります。誤りと申しますものにはプラスの場合とマイナスの場合がございます。マイナスの場合には歳入欠陥を生ずるわけでありまして、いずれにいたしましても不安定という意味では委員御指摘のとおりであります。それだけに、私どもとして年度の予算編成の際には厳しく歳入のチェックを行わなければならないと、みずからを戒めております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 私は、次にちょっとテーマを変えまして、運輸関係で特殊法人新幹線保有機構について若干お伺いをしたいと思います。理事長、参考人としてお越しかと思います。よろしくお願いをいたします。  まず、この機構はどういうことをなさっておるのか、お教えいただきたいと思います。

石月昭二新幹線鉄道保有機構理事長

○参考人(石月昭二君) 私ども新幹線鉄道保有機構は、現在ございます東海道、山陽、上越、東北の四新幹線を一括いたしまして保有いたしております。これを有償でJRの各旅客会社に貸し付けまして、これによりまして各旅客会社の経営基盤の均衡化と、それから利用者負担の適正化を図ることといたしております。同時に、その貸付料収入をもちまして現在の四新幹線の資産の再調達価額に見合う八・五兆円の債務の償還をいたしておるところでございます。  そのほかの事業の内容といたしましては、ただいま申し述べました新幹線鉄道施設の一括保有貸し付けのほか、国鉄から承継しました膨大な資産がございますが、これの承継登記を行うとか、それから新幹線建設の工事の際に道路や水路の位置のっけかえ等を行っておりますが、そういうつけかえ等を行いました後それの財産整理、それから現在まだございませんけれども、大規模災害が起きましたときのその復旧工事を旅客会社の申し出を受けまして私どものところで行うことになっております。そういう仕事。それから東北新幹線の上野から東京への乗り入れの建設工事、それから先般、今年の六月に新幹線鉄道保有機構法の一部改正によりまして、整備新幹線の建設費の一部を私どものところから鉄道建設公団に補助することになりましたが、その交付の事務というようなことが主たる仕事でございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 いわばJR三社その他のオーナーで線路を貸してやっておるんだと、そう理解をいたしました。  私は、自分の持っている車は同じようにリースで乗っておりますが、リース料を払っておる。同じような情景ですが、その場合に修理はただでリースで借りておる先がやってくれるわけですが、当然この機構も修理はただでなさるわけですね。

石月昭二新幹線鉄道保有機構理事長

○参考人(石月昭二君) お答え申し上げます。  新幹線鉄道保有機構法によりまして、管理、運営は私どものところでは行わないということになっております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 では、貸しているが修理もしない、貸しっ放しで、都合が悪くなったら自分で修理をしろと。例えば、きのう一日に三件もJRさんは事故を起こしておられる。じゃおたくの存在意義がないんじゃないんですか。ややピンはね的な感がいたしますが、いかがですか。

石月昭二新幹線鉄道保有機構理事長

○参考人(石月昭二君) お答え申し上げます。  御承知のように、現在ございます四新幹線のうち東海道新幹線は早い時期にできておりますし、建設費も安い、償却も相当進んでおります。同時にまた、利用者も非常に多くて大変収益性のある新幹線でございます。後につくりました東北新幹線、上越新幹線等につきましては、建設費も随分高騰しておりますし、また利用者も東海道新幹線に比べて少のうございますので、いまだに赤字になっております。  それで、この新幹線をそのまま各社が引き継ぎますと、東海道新幹線を引き受けました東海株式会社は大変よくなりますけれども、JRの東日本鉄道株式会社、西日本株式会社等は収益性が非常に悪くなる、そういうことで各社ごとの収支均衡が非常にアンバランスになりますので、これを均衡化するために私どもが輸送量その他を勘案しまして各社の経営基盤の均衡化を図るという目的で設立されたものでございます。したがいまして、そういう経営基盤の均衡化、ひいてはそれは各利用者の運賃負担に響いてまいりますので、利用者負担の均衡化ということが私どもの主たる任務と理解しておるところでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 要するに収益調整をやるんだということですが、やがてJR各社は上場会社として多くの一般国民が株主となる。それぞれの経営者はどんどん引退される方もありますし、また新たに下の方が出世してくる。自主的な努力でもって収益を上げられる。そういった中で天の声のごとく、おたくの機構がこちらの利益をこちらへ回せと言うようなその権限というのはどこから出てくるんですか。

石月昭二新幹線鉄道保有機構理事長

○参考人(石月昭二君) お答え申し上げます。  六十二年度の国鉄の民営化に際しまして、全体の組織の改革法に基づきまして私どもの組織ができたわけでございまして、その際に決められました新幹線鉄道保有機構法にそのように書いてあるわけでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 法律を精査してまた御意見を申し述べますが、では八兆五千億と先ほどおっしゃいました償還金額。いつの日かこれが償還できた場合に、施設はJR三社あるいはその他に有償であるいは無償でどちらで返却されるんですか、あるいはそれとも返却しないんですか。

大塚秀夫運輸省大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○政府委員(大塚秀夫君) ただいま、JRの民営化とともに、今先生御質問されましたようなJRの財務体質、そういうものを総合的に勘案しまして新幹線の将来の譲渡問題ということを考えたいと思っています。  現在のところは、先ほど理事長が申し上げましたように、毎年債務に見合う貸付料を支払っているところでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 どの会社でも、減価償却という言葉がございますが、それをためておいて将来大きな修理等をする。そうなるとJR三社の減価償却というものはどういう格好でどこにあらわれておりますか。

大塚秀夫運輸省大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○政府委員(大塚秀夫君) 今新幹線保有機構が所有しておりますのは現在の営業されております新幹線でございますので、他の在来線につきましては当然JR各社が減価償却しております。東海道新幹線について減価償却が各JR自身でやっていないところは確かにJR各社の財務体質上問題がございますが、これは民営化という問題とともに今後の検討課題であろうかと思い、私どもも今後十分詰めたいと考えております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 まさかそういうことはないと思いますが、役員の多くが天下っておられますか。いや少なかったら結構ですよ。ちょっと全体のバランスの中で。

大塚秀夫運輸省大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○政府委員(大塚秀夫君) JR各社は民営化の趣旨に基づき、それぞれ独自の経営をしていると私ども考えております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 あなた、日本語はわかるんでしょう。天下っているかということはだれかが行っているかということですよ。あなたのそういう抽象的な答弁はなってないですよ。  理事長、今の質問に答えてください。

石月昭二新幹線鉄道保有機構理事長

○参考人(石月昭二君) 現在、私どものところは理事長は私でございます。そのほかに理事二名、監事一名おります。  前歴を申し上げますと、理事の一名は旧国鉄の新幹線総局長の経験者でございます。もう一名の理事は高松国税局長の経験者でございます。監事は会計検査院の元局長でございました。

石井一二自由民主党

○石井一二君 この問題に長くかかっておれないので、最後にもう一問だけ聞いておきます。  先ほど理事長が整備五線の工事費の一部を鉄建公団に払っておると言われましたが、このお金の性格、これは交付金ですか、何ですか。

石月昭二新幹線鉄道保有機構理事長

○参考人(石月昭二君) お答え申し上げます。  交付金でございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 交付金をもらっておられる理由、交付金を出すということの理由を聞きたいわけですが、時間の関係があるので次回に譲ります。答弁は要りません。  続いて、私は防衛問題について若干の質疑をいたしたいと思います。  防衛庁長官にお伺いいたしますが、ごく最近に「日本の防衛」と題する防衛白書が発表になっております。この特徴、特にここがポイントだというところを、ポイントだけおっしゃってください。長々とした御説明は要りません。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) 委員御高承のとおり、最近防衛白書を刊行いたしました。これは国民の防衛に関する理解を深めるということがねらいでございますが、第一部におきまして世界の軍事情勢、それから第二部におきまして憲法及び国防の基本方針等我が国の基本的な防衛政策、第三部は防衛力整備や日米防衛協力の現状と課題について述べており、第四部は災害派遣や各種民生協力を通じての国民と自衛隊との触れ合いの現状等を述べておりますが、本年の白書におきましては、第一部の世界の軍事情勢、これに重点を置いて詳しく記述しておりまして、これがあるいは特色と言えるかとも考えております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 私は今目次を読んでいただくことを期待しておったわけではないわけですが、最後の方で若干内容を言っていただきました。  私なりに理解をいたしますと、デタントという流れを背景としながらも、特に今までの版に比べて極東ソ連軍の配備を詳しく説明された、私はそう理解をしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、我々は長いこと一生懸命一生懸命GNP一%論議をしてまいりました。その結果、結論として六十二年、六十三年、そして元年と、当初予算額において一・〇〇四、一・〇一三、一・〇〇六という数値を見るに至ったのでございます。だがしかし、決算書を見た場合に、あれだけ大騒ぎをしておいて六十二年は〇・九八四、六十三年は〇・九八八と私の持っている資料にはなってございますが、この辺のことについてどのような御所見をお持ちなのか、またなぜそういう数字が出てきたのか、そのまたぎぐあいは微妙なだけに、ちょっと御説明をお願いしたいと思います。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) 防衛費の決算が一%以内に終わりました理由と考えられます一つ二つは、円高ドル安あるいは原油安、こういったものが全体として響いたと考えております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 一般論議として、政府の自然増収の見積もりが大きく違ったとか違わぬとかいう論議もございます。また特に、一%をまたぐかまたがぬというのは極めて大きな関心事項でもございますので、いたし方ないことと言えばそれまでですが、今後ともひとつ見積もり等には十二分な配慮をしてやっていっていただきたい、そのように思うわけでございます。  さて、防衛費の話をしておりますと、特に我が国の防衛費は硬直性を持っておるという言葉がございます。すなわち、いろいろ大きなものを買う、最初はいいですが、どんどんどんどん後々それをローンのように払っていかねばならない。かのチャーチルの言葉に次のような言葉がございます。兵器生産の特性というものは、一年目はゼロに見える、二年目は少しだなと思う、三年目はたくさんだなと思って、四年目は洪水が来た、こう思うという言葉がございますが、私は、最近の防衛庁の高価装備、例えば洋上防空構想、空からの脅威に対する対抗としてイージス艦一隻一千二百二十三億円、八八年度予算の頭金は三十三億円のみでございます。そして八九年以降へ後年度負担として二兆五千九百十六億円を回しておられる。日米地位協定の解釈の拡大としてまたいろんな肩がわりもなされておる。こういった中で、最近買われた特に大きな買い物で、私が今申すようないろいろ後年度負担という面で重くなりそうなというものがあればひとつ仰せをいただきたいと思います。

藤井一夫防衛庁経理局長

○政府委員(藤井一夫君) お答えいたします。  防衛庁の装備品は、先生御案内のように、発注をいたしましてから領取をいたしますものの間に二年ないし長いものは五年というような関係にございます。それで、会計法の建前といたしまして、物が入ったときに払うというのが建前でございますので、やはり装備品のお金は予算に計上されました年度以降後年度負担という形で大きなものになってくるのは事実でございます。大きなものの例といたしましては、ただいま先生おっしゃいました海上自衛隊のイージス艦あるいは航空自衛隊のF15、海上自衛隊のP3Cといった航空機等々がございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 東西の対立さえなければ、本来こういったものは要らぬのです。我々も喜んで防衛予算を計上しておるとは思いませんし、また関係者の御労苦に対しても強い敬意の念を絶えず持っておるものでございますが、要は脅威というものが果たしてどうなっておるかということが大きな関心事でございます。  ここに私は「ストラテジックサーベイ」という分厚い本、「世界の軍事情勢」と訳されておりますが、英国の国際戦略研究所、あるいはミリタリー・バランス、同じような世界的に名の売れた世界の軍事情勢を分析した本でございますが、これらと内容を同じくするように、四月二十九日に発表された米国国防総省八八年版の「ソ連の軍事力」報告というものを見てみますと、その二部第七章で地域、機能バランスという項目がございまして、日本はソ連の脅威にさらされることとなった、特に対日強襲上陸の可能性というものをアメリカは指摘いたしておるわけでございます。  片やソ連はどうかということを見てみますと、プラウダ記者の質問に対するヤゾフ国防相の回答というものが一九八九年五月二十八日に出ておるわけでございまして、その項目では、極東と東太平洋というところに、ソ連海軍は米国と日本の軍事的プレゼンスに対抗するものとしてこの地域に配備されている。我々の推定では、この地域における米国と日本軍事力は兵力で二倍、大型水上艦艇で四倍、攻撃機で二倍、それぞれ対応するソ連の勢力を上回っておる。我々はこの地域の軍事力の削減に関して交渉する用意があると。言うことが違うわけですね。  それで、この防衛白書で一体それじゃどうなっておるかということを見てみますと、こういう地図がございまして、北としてはソ連、中国、北朝鮮、それぞれ細かく兵力というものを書いて、北からの脅威と仮想敵国としての存在というものを強く認識しておられるわけでございます。ちなみにソ連、中国、北朝鮮合わせて三百四十四万人の兵力がある。そういうことでございますが、防衛庁長官、ソ連とアメリカとがこれだけ見解が違う中で、あなたは東西の勢力バランスについてどのような御認識をお持ちで今そこに座っておられるんですか。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) まず、今委員は仮想敵国という言葉を使われましたが、我々は累次申し上げておりますように仮想敵国という考えはありません。ただ、脅威とか潜在的脅威というものは常に考えておるわけでございまして、それは周辺諸国の軍備の状況、国際情勢、こういうようなものを考えながら検討しているところであります。そこで、ソ連並びにソ連に近い国々の力なりそれに対する日本の最小限の防衛力、さらにはアメリカのプレゼンスと比較した場合に、かつてはかなり自由陣営側の方が優位であると言われておりましたが、その差は縮まりつつありまして、現在ではむしろ拮抗に近いところにある、こういう認識を持っております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 今たびたびソ連の名前が出ておりますが、長官、モスクワ放送というものを聞かれたことがございますか。  いや答えなくていいです。顔の表情を見て私は推測をいたします。その中にいろんなことが出ておりますが、例えば、日本社会党の平成元年一月二十三日の放送でございますが、社会党大会に対してソ連共産党は次のメッセージを送ったということを言っておるわけであります。これは放送が言っておるわけであります。もし御希望であればここにそのテープがありますので、ダビング代はいただきますがお貸しをしてもよろしゅうございます。  すなわち、世界やアジア・太平洋地域でのよい変化に注目し、ソ日両国の相互理解と善隣関係を発展させることを目指す日本社会党の努力はソ連では高く評価されています。社会党のこうした努力がソ連共産党と日本社会党の今後の協力のためにしっかりとした基盤を築いています。このように述べたソ連共産党のメッセージのおしまいに、日本社会党の成功と成果を望んでいると、このように結んでおるわけであります。  これは一つの放送でございますけれども、話はさかのぼりますけれども、昭和六十二年の一月二十九日の放送の中で、我が国の国会審議に対して次のような注文をつけておるわけであります。  すなわち、審議をしていただきたいのは、日本政府が西欧諸国と異なり、退役軍人への恩給や家族手当を軍事費に含めていないということです。国家予算の他の諸項目から出ているこれらの費用を防衛庁の予算に含めれば、軍事費の新しい枠というふれ込みの今回の政府決定は、実際には枠と名のつくものはすべて外れてしまうということです。  このようにいろいろと注文をつけて、我が国の政治に対して間接的な影響を及ぼされ、また社会党の大会に対しても祝電も打ってこられておる。こういった中で我が国の政治は今とうとうと動いておるわけでございます。  我が国は言論の自由がございますから、いろんな方がいろんな自由なことをおっしゃいますけれども、例えば福井工業大学教授の森本眞章先生によりますと、日本社会党の軍事方針はソ連の対日思想戦に同調する傾向が非常に強い、このように心配しておられる方もあるわけであります。そのような中で私は先ほど防衛白書でソ連と北朝鮮とそして中国というものを出したわけでございますが、最近、日本社会党さんが南北等距離外交ということを韓半島に対して言っておられる。こういった中で最近の週刊文春に「土井委員長が署名した「北朝鮮スパイ」釈放要求書」、このように題する記事が出たわけでございます。  その記事をよく読んでおりますと、土井委員長らほとんど日本社会党の国会議員、すなわち百十九人が署名した北朝鮮スパイ釈放要求書というものが盧泰愚大統領のもとに送り届けられたと。もう少し記事等の内容等を読んでおりますと、日本人の原敕晁さんという方が八五年二月二十六日にソウルで逮捕されておるわけでございますが、その前にこの方は行方不明になったまま現在行方がわからない。その替え玉として北朝鮮の方が五十七年から五十九年まで年一回ずつモスクワ、スイス、北京、北朝鮮等を経由していろんな活動をなされたということでございました。私は週刊誌がひょっとして間違っておらぬかということで八方手を尽くしましたら、ここにそれがございますが、このようなきれいな表紙のついた「在日韓国人政治犯の釈放に関する要望」という書類があるわけでございます。まさかと思って中をずっと見ておりますと、ここに土井たか子委員長の御署名もある。これは本物ですか。そのとおりということでございます。  私は、このような中で東西の緊張というものが我が国の平和のために極めて大きな意味を持つ。このような中で将来政権をも担当されようという日本社会党さんがどのような言動をされるかということは国民の極めて強い関心事であり、国家にとっても重要な事項ではないかと思うわけでございます。  また、我々は時間の許す限り先般来パチンコの問題等々についても論議をしてまいりましたけれども、まだまだいろいろと語り合っていきたい問題もあるように感じます。私はそのような観点で、できればこういった問題に関する二日間の集中審議を理事会に諮っていただきたい、そのような要望をいたすものでございます。  もう一つテーマを持っておるわけでございますが、時計の針が十二時七分でございますので、一たんここで中断をさしていただきたいと思います。  ありがとうございました。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 石井君の提議は後刻理事会で協議をいたします。  石井一二君の残余の質疑は後刻に譲ることとし、午後一時十分まで休憩いたします。    午後零時六分休憩      ─────・─────    午後一時十五分開会

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を再開いたします。  予算の執行状況に関する調査を議題といたします。  休憩前に引き続き、石井一二君の質疑を行います。石井君。

石井一二自由民主党

○石井一二君 では、午前に引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。  私は、日本海における漁業の操業と日本の外交について若干お伺いしたいと思います。  韓国は、我が国にとりまして近隣の非常に親しい国の一つでございます。この関係を反映いたしまして、最近でも、八三年八月、八五年八月、また八六年十二月というように日韓閣僚会議というものが断続的になされております。そして、その主な議題を見ておりますと、必ずテーマとして出てまいるのが漁業、竹島問題等々、そのほかの題目とともに出てくるわけでございますが、韓国、北朝鮮、日本、それぞれの国の発行した文献等を見ておりますと、竹島に関してはそれぞれ自分のところの領土だと言っておる節があるわけですが、これがどこの領土だとお考えになっているのかということも含めて、この閣僚会議において漁業、竹島についてどのようなお話をなさっておるのか、外務大臣の御答弁を願います。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) まず、私の方から御答弁させていただきます。  仰せのとおり、竹島の問題につきましては日韓の間の外相会議、定期会議におきまして必ず我が方からこれを取り上げておりまして、竹島に係る韓国側の領土権の主張というものは我が方としては認められないということを明確に主張してきております。それに対しまして、もちろん韓国側は韓国側の主張を繰り返すわけでありますけれども、いずれにいたしましても、我が方からは必ず日本側の主張を明確に述べてきておるということをまず申し上げたいと思います。  それから漁業につきましては、最近の閣僚会議におきまして大臣から申し述べておりますことは、せっかく日韓の間にきちんとした操業秩序についての取り決めがあるにもかかわらず、韓国が特に九州の周辺におきまして大変手荒な違法操業を繰り返しておりますので、この点につきまして厳重に先方の注意を喚起いたしまして、日韓の友好の観点からこの点はぜひ早急に改めてもらいたいということを、これまた厳重に申し入れております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 今外務省より九州の周辺でという発言がたまたまございましたけれども、沖縄開発庁長官、何か現場的な意見としてそのようなことをお感じになっている節がありましたら、一言御発言を願いたいと思います。

阿部文男自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(阿部文男君) 私の所管事項ではございませんので、沖縄の漁業としては特別関係することはございません。

石井一二自由民主党

○石井一二君 御発言の機会が少ないので御所見を賜りたいと、そう思ったわけでございますが、なかなか現実は厳しいようでございます。  さて皆さん、竹島の問題の経緯について、昭和二十一年以降昭和六十三年までにどのような経緯を経たかという一枚の紙を私は外務省からいただいておりますが、それによりますと、二十九年の十月に「韓国側、口上書をもって日本側提案を拒否」、それから四十年六月まで実に十一年間にわたって何らの記入事項がなくて、「紛争の解決に関する交換公文を締結」と、このようになってございますが、この十一年間一体どのような交渉をされ、またこの交換公文の締結というのは、内容はおよそどのようなものであったのか、わかっておればお聞かせをいただきたいと思います。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  竹島問題、この領有権をめぐる問題が日韓正常化にかかわる会談の過程で大変大きな争点であったことは委員御存じのとおりでございます。そういたしまして、結局最後の正常化をまとめ上げる段階におきまして、ただいま委員御指摘の、日韓間におきまして、紛争の解決に関する交換公文というのを双方で取り決めました。私どもの立場と申しますのは、ここに申します紛争の最たるものはこの竹島問題である、これを両国間で平和的に話し合いによってぜひ解決したいものだという思いを込めましてこの交換公文の締結に至ったわけでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 今、農業者の方々から自由民主党の農業政策についていろいろ御意見をいただいておるという意見がございます。私は、この漁業の諸問題の中で、日本海の操業に関する問題というものには非常になまぬるい対応を政府がなさっておるのではないかということを心配するわけであります。旗国主義という一つの主義がございまして、たとえ見つけてもその国の政府でないと抗議したりあるいはいろんな行動がとれない。しかも国名、船名等を隠しておられることも多いとか、いろんな問題点がございます。この旗国主義あるいはまた特に日韓の漁業の操業に関して、私は、もっともっと毅然たる態度で臨むということがこの竹島の問題も含めて今後日韓関係をさらに二十一世紀に向けて正常化する大きな取っかかりである、そのように思うわけでございます。  先ほど来、外務大臣と御指名をいたしまして常に違う方が出ておられますが、今度こそひとつ大臣御登場いただけませんでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今委員御指摘のとおり、この竹島の問題をめぐりましては、ただいまアジア局長が御答弁申し上げましたとおり、交換公文に基づいて粘り強く我が国の主張を続けてまいりたいと考えておりますし、漁業の問題におきましても、日本国としての立場を引き続き主張してまいらなければならない、このように考えております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 私はここに十二年前の五十二年十月二十七日の東京新聞を持っておりますが、「竹島に「韓国人が定住」」、「手も足も出ない日本の法と秩序」、「権利放棄になる?」等々という記事もございます。私は、きょうを一つの境としてこの問題に対する新たなる御出発を御要望いたしまして、時間の関係で次のテーマに移りたいと思います。  さて、私は厚生大臣にお伺いをいたしたいわけでございます。  我が国の人口構造というものが大きく変わってまいりまして、俗に高齢化時代の到来と言われております。我々が長生きできるということがその一つの直接の原因でございますが、同時に、全人口の中に占める御高齢者の割合が高くなるということは、逆に言うならば、分母、すなわち人口全体の増加が少ない、このようなことにもつながるわけでございます。これはつい二、三週間前の産経新聞ですが、「子供ふやす環境づくり厚生省が出生減少に歯止め策」というような大きな記事が産経新聞の一面を飾っております。私は、戦時中の生めよふやせよといったような、何となく暗いイメージもございますが、昨今は外国人労働者の問題もございますし難民の問題もございますが、要は中小企業を中心として若手労働力が不足しておる、我が国のあすの活力に関する問題である、このようにも感ずるわけでございます。  このような観点から、実は余りにこの問題を重視した私の一人の友人が「低出生率社会への警鐘」というこのような本を書きました。この方は印刷屋の社長であるということで、自分のところで印刷した関係で出版社が書いてない。もし御希望の方があれば、友だちだから多分くれると思いますので、もらってきてお配りをいたしますけれども、この中にいろいろとおもしろいことが書いてあるわけでございます。その一つは、赤ちゃんを生みましょう運動を展開しようということで、特にそのような運動を成功させるためには、経済的理由、特にその中でも住宅事情とかいろんな数字を挙げて今後の出生率アップのインセンティブを言っておるわけでございます。  ちょっと時間がありませんが、主なところだけ紹介しておきたいと思うわけでございますが、例えば、彼いわく「第三子を生んだ夫婦が新築にせよ、中古にしろ住宅を購入する際には、この第三子が成人するまで一〇〇〇万円を無利子で貸し与える。」とか、「住宅購入を希望しない場合、四〇坪程度の公営住宅に優先的に入居させ管理費を除く家賃は無料とする。」とか、あるいは第四子以降は、祝い金として一人につき政府及び市町村より何がしかのお金を支給するとか、いろいろ個人的な御意見を書いておられるわけでございますが、このような問題に関して厚生大臣、どのようにお考えでございましょうか。

戸井田三郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(戸井田三郎君) お答えいたします。  基本的には、子供を生むか生まないかというのは御夫婦の自由な選択だろうと思います。しかしながら、今御指摘のように、住宅の問題であるとか、あるいは生活環境のいろいろ厳しい中でどうしても子育てはやりにくいというような考えの方もおるだろうと思います。そういう場合には、やはりそれなりの対策というものも国として進めていかなければならないわけでありますけれども、不幸にして日本の国は今出生率は非常に低下をいたしております。しかし、子育てに夢を持てるようないろいろな政策というものは、これから環境整備の意味で必要だと思います。  それは、今、一千万金を貸してやったら、生んだらどうというようなことはありますけれども、金で誘導して自由な選択で子供が生まれるかどうか。やはり子供を生むためには、例えば一人の子供と二人の子供ではその家庭の中で子供自身がいろんな違った体験をする。二人いればけんかもあるだろう。しかしながら、けんかもしながらそれぞれお互いが人間的に成長していくし、親がそばについていていろんな指導もできる。三人いれば、けんかをした中で仲裁する人も出るだろう。そういうように社会の一つの環境というものも生まれてくるわけでありますが、そういったこと一つとっても、御両親がそういう環境の中でどうやって子供を育てていくか、やはり最終的にはそういう選択にならざるを得ない。しかし、将来の高齢化社会の支えになっていく大変大切な子供でございますから、そういう環境づくりを十分にやっていきたい、かように思っております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 我が国は、ありがたいことにほぼ完全雇用に近い雇用状態を維持しております。そのような中で有効求人倍率といったような数値もあるわけでございますが、社会にとって極めて重要な、ほかの仕事も極めて重要でございますが、その中でも私は特に重要な仕事の一つとして、警察官、消防職員、自衛官、このような仕事も極めて重要視をいたしておるわけでございます。若手の方の中でこのような分野へ喜んで入っていくというような方、すなわちこれからいろいろ、世界一治安がよいといわれておる日本の警察が若い警察官を募集して果たして人が集まるのか。自衛官についても同じような論議を繰り返していった場合に、私は、雇用形態というものは定年とか昇給とか勤務時間とかいろいろありますけれども、やはり若人の供給ということは社会にとっても極めて重要であるということを特に力説いたしておきたいわけでございます。  最後に、あと一分ですから、もう一つだけ問題を提起いたします。  最近ごみが非常に多くなってまいりました。日経新聞は、ことしの九月十六日に社説で、特に「生活様式見直し迫るゴミ」と。清掃工場は建てにくいし、どんどんどんどんごみの山というものがふえ、また環境的にも極めて悪い影響を及ぼしておる、この際リサイクルとかそういったことを新たに社会運動として起こして世の中を変えなければならない、大量消費時代が終わりを告げるべきであるといったようなことも申し述べておるわけでございますが、この点に関し、環境庁長官から環境についての御意見と、そして厚生大臣のごみ戦争に対する御意見を承りたいと思います。

志賀節自由民主党環境庁長官

○国務大臣(志賀節君) お答えいたします。  大変使い捨てが目に余ることは、先ほどの私ちょっと触れましたこととも関連いたしておりますが、ごみを焼却いたしますとごみに含まれております塩化ビニールなどのプラスチックが主な原因となりまして有害な塩化水素等の物質を発生するわけでございます。ごみ焼却炉からの排気ガスについては、大気汚染防止法によりまして塩化水素等について排出基準が適用されております。  ごみ焼却に伴う大気汚染問題に対応するためには、以上のような大気汚染防止のための規制と同時に、国民生活においても有害な物質を発生させるような廃棄物を少しでも減らしていく努力、これを行わなければならないと存じております。ただいま石井委員御指摘のとおり、物の使い捨てが多過ぎるようでございます。多過ぎれば当然それに伴って、例えば紙であれば森林資源を枯渇させる方向にも行くわけでございますから、このような環境保全に対してもそうでございますし、また開発に対してもそれぞれのある程度の自制を働かせながらともに調和点を見出して、これが両々相まって成り立つような、そういう社会風土をつくるべきである、このような考え方を持っております。

戸井田三郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(戸井田三郎君) 委員御指摘のように、大都市ではごみ戦争と言われたように東京都でも一時は大変激しい、町の道路に大きなごみが散乱して市民の生活を大混乱に陥れた時代もあります。  ごみについては御承知のとおり、地域住民との協力という関係も非常にしなきゃいけないし、今一般に捨てられているごみを処理するだけで一兆円という大金を使っているということも現実であります。そして、ごみ処理の方法としては、やはり焼却をするとか、埋め立てをするとか、再利用するとか、こういった問題に限られております。  しかしながら、焼却をするにしても、今言ったように一方に大気汚染の問題が出てきたりする。そして地域住民は余り芳しい顔はできない。そうなってくると、やはり地域住民の人たちが利用をするのにも喜んで、そういった焼却の結果としてあるいは温水プールをつくるとか、あるいは地域に歓迎されるようないろんな施設をつくったりしてようやっとつくる。それでもその灰を埋めるというところにも困っている。そして、御承知のとおり、今はフェニックス計画なんかでも、やはり関西でも、尼崎でも行われておりますけれども、そういった意味で公害を取り除きながら処理をしていく。再利用の問題もこれから大事な問題の一つでありますので、平成元年、ことしから再利用に対する補助金制度も今概算要求で要求しているわけで、鋭意努力をして、ごみというものが国民の中で理解をされながら処理をされるという方向を検討していっておる次第であります。

石井一二自由民主党

○石井一二君 わずかに時間が残っておりますが、新しいテーマに入るには若干時間が足らないと思います。  通告をしておって私が質問できなかった方々におわびを申し上げまして、私の質問を終わります。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 以上で石井一二君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 次に、田英夫君の質疑を行います。田君。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 私は、主として外交、防衛問題に絞って論議をしたいと思います。  言うまでもなく、現在の国際情勢というのは何百年に一回というような大きな変化の曲がり角に差しかかっていると言っていいと思います。それだけにこれに適切に対応していくということが外交、防衛含めて極めて重要な時期でありますから、こうした激動の国際情勢を基本的にどういうふうに認識しておられるかということについて、まず外務大臣から伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘のように、現在は国際政治の場で数百年に一度というか、あるいは何十年に一度、最低五十年に一度ぐらいの大きな歴史的変革の曲がり角に立っていると私は認識をいたしております。  御案内のように、第二次世界大戦後、世界は東西両陣営を中心として激しい冷戦の時代、こういう中でそれぞれの米ソ両大国が軍事力の拡大に狂奔したわけでありますが、そういう一つの激しい対立の時代から、一九七〇年代に入りまして対話の時代に入ってまいったと思います。そしてさらに、今日では対話から話し合いを通じての協力という状況に入ってまいったのではないか。  また、一方におきまして、マルクス経済理論を信条としておった社会主義経済が一つの矛盾を露呈し始めてきた。そういう中で、この社会主義国の中で、国民のいろんな層に現在の経済というものがどうもうまくいっていないという認識が非常に強くなってまいったというふうに私どもは考えております。  その一つの姿は、ポーランドにおいて長い共産党指導の政府のもとに行われてきた経済政策というものが大きな破綻を呼びまして、四百億ドルに上る累積債務を抱え、来るべき寒い冬に国民にいかに食糧を確保するかということが、ポーランドのみならず、西側陣営にとっても一つの大きな国際政治の課題となって登場していることも委員よく御存じのとおりだと私は考えております。また、ハンガリーにおいては複数政党制が認められて、新しい民主政治というものの方向が出てまいった。  一方、ソビエトにおきましては、ゴルバチョフ書記長の大変勇気のある政治姿勢、つまり、グラスノスチ、ペレストロイカと言われるような新思考に基づく国内政策、また、東西緊張の緩和のためのいわゆるヨーロッパにおける軍備の縮小、このようなことはかつて考えられなかったような大きな変革を全世界に示しておると見ております。  また、そういう中でヨーロッパの方は、ECの経済統合が一九九二年を目指してどんどんと進行しておるという状態。一方ではこの新しいヨーロッパの経済統合がどのような新しいヨーロッパの活性化を生じていくのか。あるいはまた、中近東における和平への志向、あるいはイラン・イラクの停戦。また、カンボジア等におけるソビエト、ベトナムあるいは中国あるいはフランスを含めて、日本も含んだ国際会議の場における平和への努力。また、アフガンからのソ連軍の撤退。  こういうふうな状況を見ておりますと、これからの新しく始まる歴史は我々がかつて想像し得なかったような新しい歴史をつくるものであろうという認識に立って日本はこれから外交を展開していかなければならない、そのように認識をいたしております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 私は、政府がかわられるごとに、外務大臣がかわられるたびに実は同じ質問をしてまいりましたが、今外務大臣が言われたようなところまで踏み込んで、いわゆる東西対立の時代ではなくなりつつあるということを明快に言われたのは実は初めてであります。恐らく国会の公の場で政府の外交責任者がそういう意味のことを言われたのも初めてではないかという印象を持っておりますが、逆に言えば、それだけ世界が大きく変わってきているということの証左であると思いますが、最高責任者として海部総理はどうお考えでしょうか。その点を伺いたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 今世界が大きく動きつつあるということは御指摘のとおりでございますし、特にきょうまでの世界の中で東西対立と言われてきて、その東側陣営の中においては、外務大臣が詳しく申し上げましたように、ペレストロイカとか自由化とか開放・改革とか一連の動きがあることは御承知のとおりであります。  同時にまた、西側の先進諸国の間にも、自由貿易体制をめぐっての問題とか貿易不均衡をめぐっていろいろ話し合いを続けながら、この自由貿易体制を確固たるものにきちっと守り抜いていかなければならぬという動きもございます。しかし、東西両陣営がそれぞれ今までと変わった枠組みの中で話し合いをしていこうという気風が出てきておることは御承知のとおりでございますが、私はそれはすべてが解決したものだとはまだ考えないで、本当の信頼関係のもとにおける話し合いができるような、そういったことが世界的に定着していくように心から期待もしておりますし、また地域紛争も、例えば中東とかあるいはカンボジアとかいろいろなところで話し合いの機運は出てきてはおりますけれども、しかしまだ完全に解決したと楽観的に見るわけにもまいりません。十分にこれらの展開を眺めながら、話し合いに移っていくという方向を定着させて、本当に国家間の信頼関係に基づく安定と繁栄に世界が導いていかれることを強く期待して私も眺めておる次第であります。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 今、趣旨としては同じことを総理も外務大臣も言われましたが、外務大臣が言われたことは、実は平成元年版の外交青書、これはいただいたのは白で表紙がまだ青くなっておりませんが、これに同趣旨のことが書いてある。外交青書で東西対立がなくなりつつあるということを書かれたのも、これまた私の記憶ではこんなにはっきり書かれたのは初めてではないかということを申し上げておきたいと思います。  ただ、今お二人のお話を聞きながら気になりますことは、主として社会主義陣営に変化が起こっているというところに力点を置いておられる。これも事実でありますけれども、例えばあしたからワルシャワで始まるワルシャワ条約機構の外相会議で、ハンガリーの外相が、この際ワルシャワ条約機構とNATOを同時に解体してはどうかという画期的な提案をするのではないかという、これはわかりません、情報ですが、情報があります。これは外務大臣御存じでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 外交問題で大変造詣の深い委員のお尋ねでございますが、私もそのような情報は持っております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 事ほどさようにと、こう申し上げたいわけでありますが、確かにソ連、中国あるいは東欧諸国、そうした社会主義諸国の変化は著しいわけでありますけれども、同時に、それを受けて、例えばアメリカも非常に大きな変化をし、機敏にこの状況に対応していると言っていいのではないでしょうか。つまり社会主義陣営とか資本主義陣営とかいうその陣営という存在自体が、東西対立というものが薄まっていく中で枠の意味を失ってきている。つまり青書にも書いてありますが、イデオロギーの比重が低くなってきているという気がいたしますが、この点政府は納得されますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 確かに委員のお説のように、そういう枠組みが緩んできたかのような感じがないでもありませんけれども、今日のいわゆる激しい対立から、対話、そして協力へといった話をつくり上げている舞台の背景には、米ソのバランスのとれた抑止力が相互に働いた中でこの対話が進みつつあるという現実も無視することはできないと私どもは考えておりまして、私どもは何としても東西間の緊張緩和、そして国際的な平和をつくり上げていくことが、我が国にとっては何よりの大きな国民の願望であるというふうにも考えておりますし、外交の基本的な考え方もそこに力点を置いてまいりたい、このように考えております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 防衛庁長官に伺いたいのでありますが、午前の御答弁の中で仮想敵国というのはないんだと、こうおっしゃった。これはもう歴代政府のおっしゃってきたことでありますが、今のこういう状況の中でソ連というのは日本にとって敵対的な国でしょうか。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) 国際政治に御造詣の深い田委員のおっしゃるとおり、また総理あるいは外務大臣の答弁のとおり、世界が大きく変化の兆しを見せておるということは事実でございます。しかしながら、そういう中で、軍事情勢という立場から考えますと、やはり変化の兆しはありますがそれが那辺に落ちついていくのか。そしてまた、その落ちつく先がどうあろうとも、いましばらくの間は依然として東西の対立といった枠組みの中で動いていく。  先ほど外務大臣の答弁のとおり、米ソの力の均衡に基づく抑止力というものが背景にあって対話が進み、緊張緩和が進むという認識のとおりだと思うわけでございまして、そういう観点からいたしますときに、やはりソ連の極東における潜在的な脅威というものを、我々は現実の立場に即して防衛方針を立てなければなりませんので、これをネグっていくわけにはまいらないという感触を持っております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 外交のお立場と防衛庁長官というお立場からの違い、またここに防衛白書がありますけれども、今防衛庁長官が言われたまさにそういう線で防衛白書は書いておられる。それぞれの立場ということは私は認めますけれども、東西関係は変化の兆しを示し始めているものの、しかしソ連はと、こう常にそっちへ重点が置かれている。この防衛白書、防衛庁のお考えというのは明らかに外交青書のトーンとは違う。当然といえば当然かもしれませんが、違いますね。  そこで防衛白書の方は、ソ連の軍事能力といいますか、そうしたものに余りにも重点を置く余り、ソ連の基本的な姿勢の変化というものを過小評価しておられるのではないか、こう思いますが、重ねて防衛庁長官いかがですか。

小野寺龍二防衛庁参事官

○政府委員(小野寺龍二君) 防衛白書の国際軍事情勢についてまとめた責任者といたしまして、私の方から答弁させていただきたいと存じます。  委員御指摘のとおり、防衛白書におきましては軍事能力という点に重点を置いて書いておりまして、必ずしも東西の政治的な動きというものを重点に置いてないというところから、印象としては違うというふうに見られても仕方がないような面もあるかと存じますけれども、我々としては政治的な変化とは別に、軍事のその能力という点においては今のところまだ大きな変化というものは見られないというふうに認めざるを得ないというふうに考えております。いろいろな東西の動きの中にありましても、米ソは依然として圧倒的な軍事力を有しております。  ソ連につきましては、特にゴルバチョフのいろいろな発言にもかかわらず、つい最近までは軍事予算の削減というものも行われていなかったわけでございます。最近の一方的な削減についてもまさに緒についたばかりでございますし、他方においては兵力の再編成、それから近代化というものが非常に強力に依然として進められているわけでございます。そういったようなことから、軍事的な対峙というそういう状況においては今のところまだ大きな変化を見ていないという、そういう点に着目いたしましてその白書を編集した次第でございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 この白書では、今も長官が言われたように、ソ連は極東地域において軍事力を重点的に増強しているという認識なんですね。  しかし、石井委員も先ほど使われたミリタリー・バランス、これは世界的に権威ある軍事問題の本ですが、それによりますと、ソ連は極東で例えば海軍力、巡洋艦、駆逐艦といった海軍力は以前よりも減少している、こういう明らかなデータもあるわけでありまして、率直に申し上げて私は防衛白書は余りにもソ連脅威論を過大に表現しているのではないか、こういう気がしてなりませんが、防衛庁長官いかがですか。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) ゴルバチョフの軍縮発言等を期待しておるわけでございますが、事、極東に関しましてはどのような具体的な内容になるのか、これがまたどこまでいくのかいまだに不分明な点が多いわけでございます。そしてまた、委員御指摘のとおり、極東におけるソ連海軍というものが、量的には艦艇その他を減らしつつはございますが、これはむしろ老齢艦を除籍しながら新しいまた大きな艦艇を配備したり、あるいは最近の実験艦のヨーロッパからの回航のような事実もございますし、航空機についてもその他についても新鋭のものを装備しつつあるのは事実でございまして、量は減りましたが質的にはスリムになりながらより潜在的な軍事力は大きいのではないか、こういうふうな認識も持っておる次第であります。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 どうも、政府の一部とあえて申し上げますが、防衛庁の見方は率直に言ってソ連は敵だということが基本にあるのではないかと思わざるを得ない。  ちょうど今来日している西ドイツのシュミット元首相、この人は首相当時ソ連に敵のイメージを持つべきではないということを言い続けて、いわゆる東方外交を展開して見事に成功させた人であります。この政治の手法というもの、ある国を、率直に言うとソ連とか北朝鮮とか、こういう国を敵と見て、それに対して対抗的な姿勢をとっていくという外交、政治のやり方というのは私は稚拙ではないかという気がいたします。  ここに一つ、アメリカの最近の世論調査で、ワールド・ポリシー・インスティチュートというアメリカの有力な世論調査会社がありますが、その最近の調査によりますと、ソ連を敵だとは思わない、ソ連とはうまくやっていけるというアメリカ人が七二%、ソ連とはうまくいきっこないという人が二二%、こういう数字が出ております。ちなみに日本に対するイメージは、日本はアメリカにとって脅威であると答えた人が七三%に上っている。脅威という意味は、軍事的な脅威ではなくて経済的なものが中心でしょうけれども、少なくともそういう世論調査の結果があります。  敵というイメージを持つべきではないという考え方、海部総理どうですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 今日の段階において敵味方という分け方の時代的な認識が世界的に薄まりつつあることは先ほど私申し上げたとおりでございますし、またそのようなことで事を構えようというのでは決してなくて、ソ連と日本との間にも友好な関係を打ち立てていきたいという願いは常に持っておりますから、敵視はしておりませんけれども、そのためには、繰り返して申し上げておりますように、本当の信頼関係というものが樹立されることが大切であって、私どもは北方領土の返還を実現し、平和条約を結んで友好関係を樹立していきたい、こういう願いを持っておるわけでありまして、敵視しておるということはございません。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 シェワルナゼ外相が外務大臣に、一九九一年にゴルバチョフ議長は日本を訪問することになるだろう、こう言われたという、これは事実だと思いますが、これは一九九一年に本当に来日するんだと、こう受け取っておられますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 少なくとも正式の日ソ外相会談において、ソ連邦の外務大臣であるシェワルナゼ氏が日本国の外務大臣に対して、自国の最高指導者が相手国を訪問するという年限を明確に示されたことは、確かなお話であるというふうに日本政府としては承っております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 私は若干違った受け取り方をしておりまして、あの報道を見た瞬間に思いましたことは、今のこの激動する世界情勢の中で、来年春というならまだわかりますが、もう一つ先のところまで言われるというのは大変異例のことではないかと思うんですね。ということは、まだ行きませんよという方に力点があって、日本のソ連に対する姿勢を変えなさいということが言外に秘められているのではないかという気がいたしますが、外務大臣いかがですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 現在、ソ連におきましては、委員御承知のようにペレストロイカを推進するために大変ソ連の指導部は苦労をしていると私は認識いたしております。ペレストロイカに反対する勢力、あるいはまた民族運動の多発、また東ヨーロッパにおける各国の経済的な破綻、こういう問題を踏まえてソ連の最高首脳部は国内の政策をいかにうまく完遂させるか、これがソ連の政府にとっては目下一番の国内的な重要問題であろうと思っておりますし、対外的には明年米ソ首脳会談が予定されておりまして、私は、田委員のお話でございますけれども、ソ連側のいろいろな政治的な事情もあろうかというふうに理解をいたしております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 この問題はいずれ答えが出ることだと思うんですが、次に朝鮮半島の問題に移りたいと思います。  ことしの三月三十日に衆議院の予算委員会で、社会党の村山富市委員の質問に対して、当時の竹下総理が朝鮮半島政策についての政府の基本姿勢を答えておられる。これを外務省の方、答弁を要約してお答えいただけますか。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。全文はかなり長文のものでございますので、ポイントだけを御説明いたします。  第一点は、総理がお答えになりましたことは、朝鮮半島のすべての方々に対して、日本として過去の関係、朝鮮半島との間に持った過去の関係について深い反省と遺憾の意を表明したいというのが第一点でございます。  第二点は、そう申された上で、朝鮮民主主義人民共和国との間に日本としては関係改善をぜひ進めていきたいという点が第二点でございます。  そして最後に、そのような考えに基づきまして、日本政府としては日本と北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国との間にありますいろいろな懸案につきまして、前提条件なくぜひとも話し合いに入りたい、そういう希望を日本政府は強く持っておるということをお答えになりました。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 当然海部内閣においてもこれは継承されていると思いますが、総理いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 私の内閣としてもその考え方は受け継いでおります。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 この内容からすると、一日も早く、つまり早期に対話を実現したいと、こういうことを表明しておられるわけですが、具体的にはいつどこで北朝鮮側と対話をしようとしておられるんですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) いろいろと当方の、日本国の政府のいわゆる北朝鮮に対する考え方というものは、国会答弁等を通しまして広く国民の皆さん、また国外にも呼びかけているわけでございますが、さらに海外におきましても接触を求めているものと私は理解をいたしておりますが、現在のところ北朝鮮側からこの日本の姿勢を評価するような様子は受け取れる状態にございません。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 この竹下答弁の中にも出てくるわけですけれども、過去のことを反省するということ、この点については、韓国の地域の住民の皆さん、韓国民の皆さんには過去に対する日本の反省ということは及んでいるわけでありますけれども、北半分については、そうしたことが国交がないために伝えられていないといいますか、及んでいないということをやはり重大に考えなければいけないのではないかと思いますが、いかがですか。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お答えを申し上げます。  したがいまして、この御答弁で総理が申されたことは、朝鮮半島地域のすべての方々に対して日本としては過去の関係について深い反省と遺憾の意を表明したい、こういうふうに申されたわけでございまして、御答弁の趣旨は韓国だけに限るものではないということをここではっきり述べられたわけでございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 そうなりますと、やはり過去を反省し、本当に友好的な関係を北の皆さんとも結びたいということになるわけでありますが、衆議院の予算委員会あるいはこの予算委員会で今臨時国会における政府の、特に治安当局の答弁の中には、北朝鮮を敵視し、その北朝鮮を支持する在日朝鮮人の皆さんの団体である朝鮮総連を極めて危険な団体であると決めつけるというような、こういう姿勢があらわれておりますけれども、これは大きな矛盾ではありませんか。

後藤正夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(後藤正夫君) お答えいたします。  先般の衆議院の予算委員会における公安調査庁の答弁についてでありますが、公安調査庁は日本の国内治安の観点から国内の団体であります朝鮮総連を調査しているものであって、日朝関係改善を進めるとの政府の外交政策とは次元の異なる問題であるというように認識をいたしております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 次元が違うというのはきのうも海部総理も答弁の中で言われたわけでありますけれども、これは全く同じ次元の、つまり対象は一つですよ。北朝鮮、そしてそれを支持する在日朝鮮人の皆さん。その北朝鮮の側から見たら、片方で握手しましょう、対話をしましょうと総理大臣が言われていながら、一方で治安当局は、これを支持する朝鮮総連の人たち、そして北朝鮮を含めて、横っ面をひっぱたくような、そういう姿勢をとりながらこの対話がうまくいくと思いますか。

後藤正夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(後藤正夫君) 両国の関係をできるだけ正常化すると申しますか、改善をしようという政府の努力は、これは今後も続けなければならないと思いますし、現在行いつつあるところでありますけれども、しかし公安当局としては、国内団体については他の国内団体と同じように調査すべきことは調査しなければならないという趣旨で調査をいたしている、そういうことでございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 朝鮮総連が以前あった団体から脱皮をしてできてから三十年になります。朝鮮総連になってから以後私も極めて深くつき合っておりますけれども、九月二十日の朝鮮総連大会にも私は出席してあいさつをしました。これが危険な団体などと私は全く思えませんね、これは私の意見でありますけれども。  対話を進めるということに話を戻しますと、アメリカは既に北京で四回大使級の対話をしております。日本は現在可能なはずですけれども、北京には双方の出先があるわけですから、北京でもあるいはスウェーデンでもジュネーブでもやろうと思えばできるはずですが、なぜできないんですか、やってないんですか。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  私どもは、総理答弁の趣旨に従いまして、先方との対話の窓口を政府レベルで何とか開きたいということで、いろいろなところでその努力はしております。先方の扉が非常にかたいということは委員仰せのとおりでございまして、その背後にいかような理由があるのかについては、私どもが判断すべき立場にないと存じます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 今、谷野アジア局長がいみじくも言われましたが、それの原因がどこにあるのか。例えば、実際に北京で、我が方出先が、大使館の方が苦労して北朝鮮大使館に接触しようとしても、向こうは扉を閉ざしているという現実があることを私も承知しております。なぜそうなっているのか。さっきの法務大臣の御答弁など、自民党政府の治安当局を中心とするそうした姿勢が原因であると思いませんか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 御案内のように、この問題はきょうきのうに始まった問題ではございませんで、我が国といたしましては、第十八富士山丸の二人の船員が家族の面会も認められないというような状況の中で、私どもは外交としてやはり北朝鮮側との接触をし、そしてこういうふうな問題の解決も含めてあらゆる側面から接触をいたしたいということで、いろいろな場所で努力をしておるということを御理解いただきたいと思います。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 実は向こうが扉を閉ざしているのは、日本政府のそうした姿勢に原因があるということを皆さんもう御存じなんじゃないでしょうか。私ははっきりそうだと思います。そして、今回のこの臨時国会で、衆議院から始まって一連の朝鮮総連攻撃、北朝鮮攻撃というものの及ぼすことは、結果的にどんなにいい答弁を竹下さんがされ、それを海部総理が確認をされても、絶対に北朝鮮との関係が円滑になる、よくなるということにはならない。この姿勢を変えない限りだめだと思いますね。そして、そのアジアの最も近い朝鮮半島との関係をよくするということにつながらない責任は日本の政府にある、私はこう思います。すぐに北朝鮮そして朝鮮総連に対する敵視姿勢をやめるべきだと思いますが、海部総理いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) いずれにいたしましても、今御議論を伺っておりますが、我が国国内の団体たる朝鮮総連を、我が国法令に従ってどのように認識しておるか、あるいはどのように対処するかという問題と、我が国を取り巻く国際情勢の中で、我が国が北朝鮮との関係をどうしていきたいと思っておるかという外交政策の問題は、やはりおのずから別に考えて努力をしていくべき問題であると、私はこう思っております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 この問題ばかりやっているわけにいきませんけれども、現実に北朝鮮が扉を閉ざしている原因はそこにあるということを重ねて申し上げます。  中山外務大臣は、九月の国連演説で、韓国の国連への単独加盟も認めるというような意味の演説をしておられるわけでありますけれども、この真意はどういうことですか。その結果として、朝鮮半島、特に先ほどの北朝鮮との対話を進めるという政府の姿勢とこれは矛盾しませんか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 韓国の国連加盟に関する国連における私の政府演説というものは、何ら従来の考え方と変わってはおらないのであります。従来、政府は、同時であれ個別であれ国連に加盟する国が一国でも多くなるということが国連の普遍性を高める上で極めて大切なことであるという考え方に立っております。  また、その件につきましては、かつて当院におけるこの参議院予算委員会で、田中寿美子委員の質問に対して政府側が答弁いたしました答弁と何ら食い違っておらない、従来の一貫した姿勢でございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 変わっていないんだということを私はこの場で確認をしたいと思います。  実際には、私も調べましたが、一九八一年園田外相、八二年の櫻内外相、このお二人はこの問題について、南北の対話が再開をするよう国連事務総長があっせんすべきだという提案をしておられる。加盟の問題には触れておられませんが、八三年の安倍外相、八七年の倉成外相、そして同じ年の中曽根総理、この三人の方は、さっき外務大臣が言われたように、同時であれ個別であれということを言っておられないんですね。ここのところは今度加わってしまった。このために明らかに北朝鮮を憤激さしているということをぜひ銘記しておいていただきたいと思います。  時間がありませんので次の問題に移りますけれども、アメリカとの問題ですが、特に日米安保条約に絡んで、最近アメリカでは日米安保条約が変質をしてきた、こういう受け取り方がかなり政府部内を含めて広がっております。最近、九月ですが、国防総省のこれはトップの人ですけれども、あえて名前は挙げません、迷惑がかかるといけないから。日米安保条約は今や日本の軍事大国化の歯どめとして役立っているという発言をしているんですね。もちろん、一方で同じ国防総省の別の高官は、日本はもっと軍事力を強化すべきだという今までよく言い伝えられてきた発言もしております、別の人が。この日米安保条約は日本の軍事大国化の歯どめになっているという考え方について、政府はどうお感じになりますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) そのようには考えておりません。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 ところが九月上旬にブッシュ大統領がテレビ演説をした中で、日本を経済問題で余り追い詰めると軍国主義的諸傾向を助長することになる、こうはっきり言っているわけですね。ブッシュ大統領の頭の中にも、日本の軍国主義的諸傾向が助長されるということを懸念しているということがここに明らかに出ている。この点はどうお考えですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 現海部内閣におきましても、恐らくまた海部内閣以外に、日本の多くの国民の方々は、日本が軍国主義化をすることを好んでおらないというふうに私は認識していると信じております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 これはアメリカの中でも、今やこの現状になった日本の防衛力の状態、そしてそれを推進しようとする一部の皆さんの勢力、こういうことを懸念し始めている。もちろんアジア諸国は以前からもっと明快にそのことを言ってきたわけでありますが、このことをぜひ政府の方々も御注目をいただきたいんです。  そこで、防衛問題です。  来年でいわゆる中期防が終わる。したがって、今その意味で日本の防衛力を今後どうするのかということは非常に重要な時期に来ていると思います。八月のいわゆる来年度予算の概算要求のところで四兆一千六百八十八億、実に前年比六・三五%増という防衛費の概算要求が出てきていますね。アメリカでも今、軍事費を減らしているんですよ。これはいわゆる中期防を一〇〇%完結するためにやったことなんじゃないですか。

日吉章防衛庁防衛局長

○政府委員(日吉章君) お答え申し上げます。  我が国の防衛力の整備は、昭和五十一年に策定されました防衛計画の大綱に基づいて整備されております。この防衛計画の大綱は、委員も既に御高承のとおりでございますけれども、我が国が限定的かつ小規模の侵略を受けた場合に、原則として独力でもって対処し得るような、平時から独立国として自衛権の発動として持っておくべきものを備えようということで五十一年に策定されたものでございますが、それから十年たちました段階でも依然としてその状態に防衛力の整備が進んでいないということで、六十一年から五カ年計画でこの防衛計画の大綱の防衛力整備水準に達することを目的としまして中期防衛力整備計画をつくったわけでございまして、来年度がその最終年度でございまして、私どもは、昭和五十一年に策定いたしました防衛計画の大綱の防衛力の整備水準に一応おおむね来年度でもって到達させよう、かように考えているところでございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 来年度で中期防が終わる、その先は一体どうするのか、次期防、きょうたまたま防衛庁ではこれに対する検討会議をやられるということを聞いておりますけれども、次期防はやはり五カ年というようなそうしたものにするのか、あるいは単年度で積み上げていこうというふうに考えているという説もありますが、防衛庁長官いかがですか。

日吉章防衛庁防衛局長

○政府委員(日吉章君) 現在、事務的作業の段階でございますので、まず私の方からお答えを申し上げさしていただきたいと思います。  中期防後の防衛力整備計画、俗に次期防というふうに言われておりますが、その計画対象期間につきましては、今後安全保障会議等におきまして本格的に検討される問題でございますが、現在それに最も関係いたします防衛庁の中で検討を進めているところでございます。  その関係省庁の一つとしての防衛庁の立場から一般論として申し上げますと、中期的な防衛力整備を計画的に進めるという観点から見ますと、ある程度の期間の見通しが必要であろうかと思います。特に主要な装備につきましては、調達リードタイム等もかなり長く三年から五年というようにかかるものでございます。ところが、冒頭にも委員から御指摘がございましたように、現在国際情勢は大きな変動期を迎えております。そういう点から申しますと、対象期間が余り長くなりますと正確な国際情勢等の見積もりが難しく、それに対応することが困難な面も出てまいります。そういうこと、あれやこれや総合的に考えますと、常識的には一応五年とかあるいは三年とかいうようなことが考えられるのではないかと思います。  いずれにいたしましても、この点は防衛庁の作業を前提といたしまして、今後政府全体で計画の内容全体との関連を見ながら安全保障会議等で検討されていくべき問題だ、かように考えております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 これは防衛庁長官にお答えいただきたいんですけれども、基本的な姿勢として、冒頭申し上げた、今も局長の答弁にもありましたけれども、国際情勢がいい方に激変をしている。平和という立場からいい方に激変をしている。こういう状況の中で、今までのように前年比六・何%、GNP一%をぐんぐん突破していくというようなそういう姿勢から転換をすべきときに来ているんじゃないか、日本の防衛政策というものもこの際根本的な姿勢の転換を考えるべきときに来ているんじゃないか。そういう意味で、中期防のような五カ年というものから、今三年、五年ということを言われたけれども、もっとフレキシブルに世界の変化に対応できるようなものに変えるべきではないかと思いますが、いかがですか。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) 田委員御指摘のとおり国際情勢が変化しつつあるという前提に立てば、おっしゃることにも理解ができるわけでございますが、先ほど防衛局長が答弁申し上げましたとおり、装備の主要なものでございます艦艇とか航空機はやはり三年、五年とかかるものでもございますし、あるいはまた、施設等も一定の期間を経なければ完成しないということでございますので、やはり事の性質上、中期的な観点で事を進めるというのがいいかと思うわけであります。  ただ、おっしゃるように単年度方式と単純に申しましても、一年ローリングというんでしょうか、中期的な見通しを持ちながらその中で単年度をやったらどうかというお考えだとすれば、それはまた今後検討に値すると思いますが、ただいま決まっておりますことは、昨年の安全保障会議におきまして平成三年度以降の防衛計画については中期的なものをつくるのがよかろう、ここまで決まっておりまして、検討委員会ではそれを受けた防衛庁内部のさらに事務的な検討の段階でございまして、政府全体として安全保障会議がどういうふうに決まってまいりますか、それらも勘案しながら今後のことにつきましては検討を続けてまいりたい、こういうことでございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 これはアメリカの雑誌ですけれども、USニューズ・アンド・ワールド・リポートの八月号に、ここにその写しがありますけれども、アメリカの議会の軍事委員会のメンバーとかあるいは軍事専門家、民間の人たち、そういう人たちを対象にしたアンケートの結果が出ておるんですが、アメリカが持っている兵器の中のワーストテンを挙げろという中で、一番はB2ですが、六番にイージス艦というのが出ています。まさに防衛庁が今一隻、来年度予算で二隻目と計画をしておられるイージス艦です。これは、私は英語が得意じゃありませんから、外務省の英語の達人、だれかちょっとこの六番目を訳してくれませんか。

小野寺龍二防衛庁参事官

○政府委員(小野寺龍二君) 兵器に関することでございますので、防衛庁の方から答えさせていただきます。  コストにつきまして、一隻ごとで八億五千万ドル、それでプログラム全体として二百四十一億ドルかかるということが書いてございます。今までに三百十五億ドルかかっている。これにかわるシステムとしては在来型のレーダー、それから指揮命令系統を使うことができるということ。それからコメントといたしまして、イージスの指揮命令系コントロールシステムはレーダーのシグナルをプロセスいたしまして、それでその艦上の指令システムにそれが入ってきて、それがその船の兵器を動かしている。海軍によりますと、このシステムによってこちらに向かってくる数百の航空機それからミサイル、それを敵味方に識別しつつそれに対応できるとしている。しかし、このシステムの問題は、昨年七月、ペルシャ湾においてイージスを装備した巡洋艦がイランの航空機を戦闘機と見間違えて撃ち落としたことによって証明されている。この誤りによって二百九十人の人命が失われていると、そういうことでございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 どうもありがとうございました。  まさしくアメリカの軍事専門家、議会の軍事委員会のメンバーがアメリカの持っている兵器の中のワーストテンの中に挙げたイージス艦です。しかも、今読み上げられたとおり、ペルシャ湾ではイランの民間機を軍用機と誤って撃墜してしまって、二百九十人の人命を失うということをやってのけている。  こういう船を、日本のお金にして千二百億ですよ、そういう巨額なお金を投じて、今世界が変わっていこうとするときに、なぜ防衛庁は装備しようとするのか。防衛庁長官、いかがですか。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) 委員御指摘の、アメリカの雑誌で、燃料を食ってどうにもならない戦車と並んでイージス艦が余りよくないという記事は読みました。そしてまた、イランの民間機を撃墜した不幸な事件もありました。そういうことを前提としてアメリカの中でそういう議論が起きたと思うのでございますが、我が国の場合はすべての資源その他を海から輸入しているわけでございまして、シーレーンの防衛ということは一億二千万国民なり日本にとってはどうしても欠かせない大事な課題でございまして、そういう角度から見ますと、経空脅威と申しましょうか、空から来る脅威というものに対処するためには、どうしてもこの新しいイージスシステムを持った艦艇というものが必要であるというふうに我々は考えております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 どうも最近の中期防あるいは今の御答弁などの内容も含めて考えますと、防衛庁の防衛力増強の姿勢というものは、過去のいわゆる脅威対処論に戻りつつあるのではないかという気がしてならないわけです。まさに海部総理の師匠である三木さんが総理大臣のとき、三木内閣のときに、そうした過去の脅威対処論は防衛費の歯どめのない増大、防衛力の歯どめのない増強を招くということでいわゆる防衛計画大綱をつくられて、そしてその一週間後にGNP一%という枠を閣議で決定された。  今海部内閣でこのままの方向で進んでいくならば、せっかく三木さんがつくられた歯どめというものが失われて、脅威対処論に逆行するのではないかということを私は懸念いたしますが、これは総理からお答えいただきたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 脅威対処論というものをずっととってきたわけではございませんし、また御指摘の昭和五十一年の閣議決定においてつくりました節度ある防衛力の歯どめの精神というものは引き続いて守りながら、中期防の最終年次までに、これが平時における我が国防衛のための節度ある防衛力の姿であるということを示してやってまいりました政策の一貫性の中でこれをきちっと守っていきたい、こう思っております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 次に、非核三原則を守るという問題に触れたいと思います。  言うまでもなく、つくらず、持たず、持ち込ませずの非核三原則、これは、海部総理、厳守をされますね。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 今後とも堅持してまいる所存でございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 これももう言うまでもないことですけれども、つくらず、持たずは日本国民の決意の問題ですから、これはもうお互いに守られると思います。  問題は、持ち込ませず、この点が非常に問題になっているわけですが、いわゆる英語でイントロダクション、こう言っているこの持ち込みという問題、これにはトランジットは含まれるのかどうか確認をしておきたいと思います。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) そのようなものを含んでおります。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 これが政府の今までずっととってこられたトランジットもイントロダクションの中には含まれる、つまり一時的寄港、そうしたものも政府の御答弁によると事前協議の対象になる、こういうことで確認をしておきたいと思います。  今世界で非核地帯と言われるものが、条約がまとまっているものは二つあると思います。一つ、別に南極条約、これも結果的に南極大陸は平和な、軍事基地にしてはならないというのがありますから、これもそう受け取れますけれども、実際にはいわゆる中南米のトラテロルコ条約、そして南太平洋のラロトンガ条約、この二つともトランジットの場合はこれを認めるかどうかは主権国家の判断に任せるということが条約上明記されている。ということになれば、これもトランジットが含まれるということになれば日本政府はそこで判断をする必要がありますけれども、これはどなたか、外務大臣ですか、これは今までのとおりですか。

福田博外務省条約局長

○政府委員(福田博君) 南太平洋非枝地帯条約というものがありまして、いろいろなことが書いてございますが、これは別に日本が入っておる条約ではない。日本がアメリカと結んでおる条約というのは日米安保条約であって、それとその関連取り決めにおいて、核の持ち込みというのは事前協議の対象となるということが非常にはっきりしておるわけでございますから、我が国に関する限りその持ち込みの問題については事前協議の対象となって、そういうことをやりたいという場合にはアメリカ側がそれを提起する義務がある。それで、その場合には日本側はそれを拒否するということは従来何回もお答えしたとおりでございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 まさに、私も何回も御質問をして同じ答弁が繰り返されてきたという歴史があるわけです。私だけではありません。にもかかわらず、日本の国民は核の持ち込みについて疑惑を持ち続けてきているというのが現状だと思います。  そこで、今の御答弁に関係をして聞きたいことは、アメリカは核の所在について肯定も否定もしないという基本政策をとっている、これは間違いありませんね。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) さようでございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 そうしますと、今条約局長の答弁あるいは歴代の政府の答弁というのは、実はそこのところに根本的な矛盾を持っているんですね。事前協議の対象だから、核を持ち込もうとするなら、トランジットを含めてアメリカは日本に事前協議を求めてくる、求めてきていないから核は持ち込まれていないんだ、これが歴代の政府の答弁。ところが、アメリカは核を持ち込みますよと言って、事前協議を求めるなどということは絶対にあり得ないじゃないですか、そうでしょう、核の所在を明らかにしないんですから。事前協議を求めるということは、ここに核があります、この船には核を積んでいます、寄港したいからよろしくと、こうくるわけでしょう。所在を明らかにするわけじゃないですか。この矛盾はどう説明されるんですか。

福田博外務省条約局長

○政府委員(福田博君) この問題も前に国会に出たことがございますが、いわゆるNCND政策、核を特定の艦船に積んでいるか積んでないかということを、その存在を肯定も否定もしないということはアメリカの戦略的な考え力、つまり核の抑止力を有効に働かせるために持っている政策でございます。  我々が先ほど申し上げましたのは、要するに核の持ち込みというものを日米安保条約に基づいてやりたいというときには、これは事前協議という条約上の義務があるわけですから、それを阻害するということにはならないわけでございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 私は政府の御答弁を助けるわけじゃありませんけれども、そういう言い方をするから矛盾しちゃうんですね。そうじゃなくて、核を持ち込みますとアメリカが言ってくるわけがないということを認めれば、これは私は筋が通ってくると思うんです。だから、持ち込みません、とこう言えば、これはまだ筋は通るんですよ。自分たちは日本との間にはこういう約束をしている、そのためには核の所在を明らかにしなければならない、それは基本政策に触れるから事前協議を求めません、つまり核は持ち込みませんとアメリカが言うんなら、これは筋が通るんです。事前協議を言ってくるはずです。ところが、アメリカは核の持ち込みは、核は所在を明らかにしないと言う。これが変わらない限り、実を言うと、この問題は、アメリカが核の所在を明らかにしない、肯定も否定もしないということについて、世界的に今論議が起きているのは御存じのとおりですよ。  スウェーデンなどは議会で大激論をやって、そしてその結果をひっ提げてカールソン首相が昨年の第三回国連軍縮特別総会に出席をして、アメリカはこの政策をやめるべきだということを明快に言っているじゃありませんか。海部総理、どうですか、この点は。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 前半が技術的なことでございましたので、政府委員からお答えいたします。  核の存否について肯定も否定もしないということは、先ほど条約局長が申しましたように、核抑止力の信憑性を担保するための戦略的な必要性に基づく政策でございます。他方、米国政府は繰り返し日米安保条約及びその関連取り決めに基づく義務は忠実に履行してきているということであって、その中には事前協議が含まれているわけであります。これも先ほど条約局長が申したとおりであります。そして、この国際取り決めに基づく義務を全うするに当たって、この問題について事前協議を我が方に提起するに当たって、これを阻害する国内法的な問題はないと米側は繰り返して申しております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 海部総理から核の持ち込みというこの問題、私のついた矛盾の問題もお聞きになったとおりです、御所見を伺いたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 日米間の信頼関係の上に立った日米安全保障条約の条約上の義務として、核持ち込みのときはアメリカ側が事前協議をする義務を有する、こうなっておるわけでありますから、私はその信頼関係に立ってこれは対処していくべき問題であると考えております。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 残念ながら時間がありませんので、ここにスウェーデンの国防省の顧問をしているヤン・プラヴィッツという人の「「核兵器の存在を肯定も否定もしない政策」をめぐって」という非常に見事な論文がありますので、後で総理、外務大臣にお届けをしたいと思います。  最後に、ODAの問題について質問をしたいと思いますが、去る六月二十二日に当参議院本会議においてODAの問題について全党一致で決議が行われているのは御存じのとおりであります。政府は、この参議院の決議を受けて、どういうふうにされるおつもりですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 参議院の六月二十二日の御決議の趣旨を尊重しながら、今後ともODAの拡充に努力をしてまいる所存でございます。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 この点については堂本委員から関連質問をいたしますが、私から最後に一言基本的な問題で伺っておきたいのは、日本のODAは今や世界一という数字に近づこうとしているわけですけれども、にもかかわらず、一兆数千億という貴重なお金が使われているという中で国民に対しては全くガラス張りでない、そしてしかも基本理念がないという批判があることは実は事実であります。こうした問題について政府はどう対応されるおつもりですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) ODAの基本的な理念と申しますか、我が国は軍事大国にならないという、この国民及び国家の方針がございますが、これだけの経済力を有するような国家になりまして、やはり国際社会のために我々の経済力を有効に使って、これからの発展をしようとする国々の方々に協力をするということのために、ODAを充実していかなければならないと考えております。  御案内のように、ODAは国際目標といいますか、GNP対比〇・七が国際目標値でございますが、現在日本は〇・三二ということでございまして、他のOECD加盟国は〇・三六でございます。私どもは、田委員の御指摘のとおり、このさらなる内容の充実、これに向かって外務省としては努力をいたしてまいりたい、このように考えております。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 関連質疑を許します。堂本暁子君。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 私はつい半年前まであちら側の記者席におりまして予算委員会を取材してまいりました。閣僚のお顔が横に見えたのが、議員席に座りますと正面から見えるようになりました。記者時代は子供の問題とか女性の問題、そして障害者や老人の問題、さらにODA、第三世界の問題を中心に取材してまいりましたけれども、これからは政治の場でこうしたテーマに将来展望を持ちながら取り組んでいきたいと考えております。  総理を初め閣僚の皆さんに初めてきょう質問をさせていただきたいと思っております。  ここに立ちましてまず最初の質問なんですけれども、まさにそのODAの問題でございます。今、田議員が外務大臣に情報公開ということを伺いましたけれども、そこのところにお答えがございませんでした。私も実は、身近な内政の問題と比較して非常に際立って見えないのが外交問題だと思っております。外交に秘密という特性があることは承知しておりますけれども、それとやはり国民の知る権利、その調和の中でこれからの外交は展開されなければいけないのではないか、そういうふうに思っておりますので、最初に外務大臣に、どのような政策をお持ちか、ぜひ伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 堂本委員御指摘のように、日本のODA、これの中身というものは国民の納めていただいた貴重な税金でございます。そういうもので、このODAの内容についてできるだけ国民の皆様方に御理解をいただいて、自分たちの納めた税金がむだに使われていないということを認識していただくことが極めて大切なことであるということは、十分認識をいたしております。  なお、この経済援助あるいは経済協力、技術協力というようなものは、今日のいわゆる軍事力によらない経済外交と申しますか、国際外交の中で日本国家としてはやはり外交の中の大きな部門を占めるところでございまして、外交の機密性というものも十分踏まえた上で、このような運営をしていくことが国家のために利益になるという場合には、あえて公開をしない場合もあるわけでございますけれども、予算面におきましては、外務省関係あるいは各省のODA関係の予算を国会の御審議をいただき、また決算委員会においてもその予算の執行等について御議論をいただき、おただしをいただくわけでございますから、私どもといたしましては当院の御決議の趣旨を尊重しながら、できる限り率直に報告をさしていただくようにしてまいりたい、このように考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 ただ、私が実際に何とかODAの情報をと思いますときに、もう大変に外交機密、企業秘密、そして相手国の内政干渉ということで必要以上に情報が与えられない。しかも、その情報を何とか手に入れてみると、もっと国民に当然知らされるべき情報がいっぱいあったという経験を持っております。  で、何よりもやはりODAの情報がガラス張りにならない。さっき大臣がおっしゃいましたように、大変額が大きくなっております。一兆数千億という大変大きな額でございますから、その額がどのように使われているかわからないということは大変に一人の国民としても不安なわけですので、もう少し公開することはできないんでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 公開できる範囲で国会の場あるいはいわゆるODA白書で公開をしてまいる考え力でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 そのことはまた追って伺うといたしまして、今理念の問題も田議員から出ましたけれども、大臣のお答えは、充実するという方のお答えでございました。  私がよく耳にいたしますのは、日本の国内でもそれからアジアの国においてもそうでございますが、経済発展、それは日本の経済発展の目的としてODAは使われているんだという声をよく聞きます。そういった考え力に対して、大臣は日本の理念としてはどういうものをお挙げになるか、ぜひ伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) いろいろと御批判のあることも十分私は承知をいたしておりまして、できるだけアンタイドローンと申しますか、無償援助と申しますか、そういうものをこれからふやしていくということが必要であろうというふうに考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 無償と有償というそのバランスはよく問題にされるわけでございますけれども、理念というのはそのバランスだけで解決する問題ではないのではないか。大臣のぜひ……。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) これは当然相手国の国内の問題が原点でございます。そして、相手国の政府から我が方に対してどのようなことを申し込んでこられるか、また我が方から見てそれが果たしてその国の経済発展あるいは国民生活の向上に大きく貢献ができるかどうかということは、双方の協議の上でやるというのが一つの原則ではなかろうかと考えております。理念として考えておるとお考えをいただきたいと思います。  なお、相手国がこれが我が国にとって最も必要なものだと言われる場合におきましても、いわゆる問題は、相手国がその協力を十分そしゃくできる人材を待っておられるかどうかという問題も極めて大きな今日の発展途上国の問題でございます。これは現実にそのようなことを私自身が体験をいたしております。  そういう意味で、相手国と十分協議の上、さらにまた経済発展だけではなしに、その協力によって公害が相手国に起こらないかどうかということもこれから十分に配慮をした上で協力をしなければならない、このように考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 大臣のお話、理念を伺っておりますと、大変受け身なように聞こえてしまうわけでございます。相手から求められるものに対して日本が援助をする。そうではなくて、日本が何らかの方針なり理念なり目的なりというものをODAに対して持つ必要があると私は常日ごろ思うんですけれども、政府の見解をぜひ伺いたいということで、もう一度伺わせてください。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) もちろん、理念といいますか、我が国は世界のGNPの一二%を持つような経済大国でございますから、先ほどから申し上げてきたように、これからはやはり世界の平和と繁栄のために協力をしていく、そういう中にODAが一つ大きな柱としてあるという、これが理念だと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 同じ質問を総理に、ODAの理念について伺いたいと思いますが。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 突然の御質問でありますから、私も思ったとおり率直に申し上げますが、人道的な考慮とか相互依存関係を高める、そのためにやるんだと。私も青年海外協力隊の発足に当初から参加してまいりましたが、そのために汗を流すような協力をできるだけしていきたいんだと、そういう考えでおります。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 今、人道的とおっしゃいましたけれども、それではその人道的という理念をどのような形で具体化する方針でいらっしゃるか、その政策を伺いたいと思います。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 恐縮でございますけれども、私から御説明さしていただきます。  今総理が述べられましたように、私どもは基本理念といたしまして相互依存と人道的考慮と二つを掲げておりますが、今御質問の人道的考慮ということは、具体的な二国間援助の適用に当たりまして、相手側にどれだけ開発ニーズがあるか、平たく言えばどのくらい貧困の度合いがあるかということを勘案いたしまして、そういうものに応じて援助をしていくということでございます。  具体的に申し上げましたら、日本の例えば二国間援助の中でも、このところアフリカ向けの援助が非常にふえておりまして、この十年間で十倍以上に伸びておりますけれども、まさに人道的な考慮を優先させまして、アフリカに対する援助を伸ばしてきている次第でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 外務大臣に伺いますけれども、先ほど世界の繁栄のため、平和のためというふうにおっしゃいましたけれども、そうであれば、ODAは当然相手国の一般市民と申しますか、民衆に届くべきだというふうに私は考えますが、いかがでございましょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員の仰せのとおりであります。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 外務大臣は、実際に届いているとお考えでいらっしゃいますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 私まだ外相に就任してわずかでございまして、一々世界各地のODAの対象国を見て歩いたわけでございません。御満足のいくような答弁は、まだ控えるべきだと考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 それでは質問を変えさせていただきます。  先ほど田議員からもございましたように、大変国の内外から経済大国そして援助大国である日本に対しての批判が多いんですけれども、この批判されているのはどういうことなのかということをどういうふうに認識していらっしゃるか、伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 私は、批判ばかりがすべてされているとは思っておりません。感謝をされている面も極めて多いと思います。先般国連総会に出ました際も、実に驚くべき多数の国の外務大臣から、日本のODAに対する感謝の言葉を私は受けまして、私自身が実は驚いたようなことでございました。  私どもといたしましては、そのように批判があると、もし委員の御指摘のようなことを現実的にこう申し上げれば、その相手国の必要なニーズを満たしていない、それに対する不満、不平というものがあるのではないか。私はそういう面から、やはり事前のフィージビリティースタディーと申しますか、あるいは事後の評価といいますか、そういうものをきちっとやはりもう少し充実をさしていく。また、一国だけでやらずに、二国間でそれをやるというような評価システムというものをこれからとっていかなければならないと、このように考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 私、税務署の前に立ちまして、日本のODAがどのように使われていると思うかということを、来る人、来る人、納税者ですが、聞いたことがございます。ほとんどの方が、例えばエチオピア、飢餓に瀕している子供たちとか、それから貧しい国ですとか、そういったところに贈られているであろう。たまにマルコスさんのような事件があるから信じられないというお答えもございますが、大体そういうところに行っているのであろう、行ってほしい、渡してほしいというふうに、納税者の声は大変強うございました。  逆にここ一、二年、アジアですとかアフリカ、ずっと援助相手国を歩いてまいりましたけれども、先方でも一般の市民は、もっと子供とか教育とか福祉とか、本当に貧困の地帯に日本の援助を持ってきてほしいというもう実に切実な訴えがございます。どちらの側も日本のODAは満たしていないのではないかと私は思っているんです。その辺はどうお考えでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 全部行き渡っているわけではなかなかないと思いますけれども、私、先ほどの国連総会におきましても、日本政府を代表して発言しました中に、日本は今世界一の長寿国になった、それにはやはり戦後の日本の医学の進歩あるいは医療システムの充実あるいはヘルスケアの問題、いろんなノーハウを日本が持っているので、今委員の御指摘のように、いわゆる発展途上国の一人一人の方々が肌に感じて喜んでいただけるようなODAを実施しようと思えば、我々の国が持っている医療技術、こういうものを通じて発展途上国の方々の健康をつくり上げていくということを、今後日本の一つの大きな柱にいたしたいということを国際社会に約束をして帰ってまいりました。これからそのような方向にも努力をしてまいる方針でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 総理は文部大臣もお務めになっておられて、大変子供のことに関心が深くいらっしゃると思いますが、ストリートチルドレン、路上の子供たちというような言葉を御存じでいらっしゃいますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) それは路上で遊んでおる子供もおりましょうし、それから路上に放置されて路上でしか眠ることのできないという貧しい子供もありましょうし、いろいろな意味であると思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 ありがとうございました。  余り日本では今言われていない言葉ですけれども、ヨーロッパやアメリカ、それから第三世界では一つの大変ポピュラーな言葉になっております。と申しますのは、親に捨てられたり、売られたり、それから家出をした子供たちが路上に生きている。ひったくりをしたり、それからごみ拾いをしたり、盗みをしながら生きている子供たちのことです。アジア、アフリカ、それから南米、そういったところに主にいますけれども、先進国でも大変多いわけですね。  特に開発途上国へ行くと、都市には大変ストリートチルドレンが今もう多く、どこへ行っても見かけるわけなんですけれども、そういった子供たちが駆け込む駆け込み寺みたいなところがあちこちにございます。そこへ行って、どこからの資金をもってこういうところを運営しているのかと、私聞いて歩きました。それはもう一年間にわたって随分しつこく聞いたんですけれども、そのときにヨーロッパですとかアメリカ、そしてスカンジナビアの国々からのODA、またはNGOのようなところからの資金が届いているんですけれども、日本からは私の知る限り一カ所もございませんでした。そして、そういうところの人がいつも言うことは、何十億円、何百億円という日本の援助で自分たちのすぐそこを道が通り、ビルが建ち、ダムができ、発電所ができると。しかし、私たちの子供たちは飢えて死んでいく子供もいる。そして教育も受けられない。どうして日本はこういう子供たちにただの一銭の援助もくれないんだろうかということをよく言われるわけです。  先ほど総理は、人道的という言葉をおっしゃいましたけれども、実際に人道的ということはことしの白書にもうたってございますけれども、言葉では言っているんですが、実際に日本のODAというのは、そういった本当に貧しい子供たちとか女性とか、そういうところに届かないような仕組みになっているように私は感じました。  例えばフィリピンの場合なんかでも、八〇%の子供たちが栄養失調です。何千キロの道が建設されても、もし将来栄養失調の子供たちが大きくなったときには、その道を果たしてどう使うんだろうかという言葉を随分言われました。なぜ日本のODAが届かないのか、やはり企業リードの巨大プロジェクトが優先されているのではないか、そういうふうに思います。いかがでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員から、発展途上国の子供たちが非常に困っている、その子供たちを救うために日本のODAをもっと出すべきだという御意見でございますが、このことは実はあくまでも政府間の交渉で進められるのが一つの仕組みでございますから、そのような国際的な外交の手続、そういうことを通じて相手国の要請にこたえてやっていっております。また、子供たちにおきましては、国連のユニセフを通じて政府は協力をいたしております。  なお、先生の御指摘のような点につきましては、私が就任して以来、外務省の経済協力局と、さらに厚生省、厚生大臣にも文部大臣にもお願いをいたしまして、そういう子供たち婦人たちの問題も含めて、これからの協力をどのように進めていくかということにつきましては、三省間の局長を中心にした協議を既に始めておるということもこの機会に御報告を申し上げておきたいと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 今大臣がおっしゃいましたその政府間の交渉というのが問題だと思うんです、すべて政府間。ですから、フィリピンの場合もマルコス疑惑がまさにすべてを示しましたし、フィリピンの子供たちに届かないというのは、そこまでずっとお金が浸透しないわけです。ですから、もっと違うルートとか、それからもっと庶民に届くようなシステムが必要なのではないかと私は思いますが、どういう方法があると大臣は思われますでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘の点も、お話を承っておりますと私どもは先生のお感じになっていることもなかなか意味の大きいことだと思いますけれども、外交ルートを通じませんとこれはできない仕組みでございます、国際的に。もし外交ルートを通じない場合にはNGOのルートを通じて行う。オイスカとかいろんな団体が現在活動していらっしゃいます。そういうNGOに対する日本政府の援助も進んでおることも御理解をいただきたいと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 NGOですけれども、大きいNGOには参りますけれども、もっと本当に草の根で実際にいい仕事をしようとしているNGOにはなかなか日本の援助は行きませんでした。ことしから予算がついたと思いますけれども、その予算についてはいかがお考えでいらっしゃいましょうか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 今までのところ、政府もNGOに対しましてかなりの支援を行っておりますが、そのNGOは、先生御承知のように、主として日本国内でいろいろな援助活動をするのが中心でございます。つまり海外からの研修生、留学生等を受け入れるということに関連したのが多いわけでございますが、先生御指摘のように、最近は日本のNGOの中でも海外で活動するのが大分ふえてまいりまして、そのNGOは規模が必ずしも大きくないし財政的基盤もしっかりしていない、なおかつ法的なステータスもしっかりしていないということでございましたのでなかなか私ども支援しにくかったのですが、今年度からそういうようなNGOに対します事業補助金一億一千万円が認められまして、そういう海外で活動しているようなNGOに対しましても補助をすることを始めまして、今までのところ十五団体二十四案件、金額にいたしまして九千四百万円、予算のほぼ八五%でございますが、交付を決定しております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 大蔵大臣に伺いたいんですけれども、ODAの予算は大変大きくなりました。その中で、外務省で唯一そういう草の根に届くための予算、それが一億ちょっと、一兆の中の一億というのは、日本の目玉といいますか、平和外交のための予算としては余りにも小さいということはないでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどから委員の御指摘を伺っておりまして私も同じような感じを持った場面がありますだけに、御主張の内容がわからぬではありません。ただ、委員が例示で挙げられましたようなケースばかりではないということも、事実問題として私は存じております。例えばネパールに唯一の小児病院があります。この小児病院はもともとソ連が援助で建設をしたものでありますが、途中で放てきされて廃屋寸前になっておりました。現在この小児病院は非常に立派に活躍をし、ネパール国内唯一の小児専門病院として活動いたしておりますが、これは日本のODAであります。  ですから、そうした例もこれはあるわけでありまして、必ずしも委員の御指摘のようなケースばかりではないということは私は申し添えさせていただきたいと思いますが、よりODAが、それこそ個々の世界の人々、子供たち、あるいはハンディキャップを負った人たち、さらに貧困との闘い、こうしたもののために役立つよう努力をしていくことは、我々もまた心しなければならぬと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 私もそういう小児病院はあちこちで見ました。しかしそういうことではなくて、むしろ構造的に、そういう何百億という援助がつぎ込まれているところの横で実際に飢えている人がいる、貧しい人がいる。これは余りにも、経済的な基盤を持ち上げるということはいいんですけれども、一方でその人たちの心は日本から離れていくわけですね。むしろODAは加害者である、日本は加害者であるという反感を、援助をしながら一方で受ける。そういう批判が多くなっていると思います。そういう意味ではODAは決して平和外交ではなくなってしまうのではないか、そういう意味で伺いました。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今、ODAは平和外交のいわゆる加害者ではないか、こういう御指摘でございますが、私はそのようには思っておりません。それだけの我々の、国民の納めていただいた税金の中からよその国に資金を差し上げるわけでございます。そのようなことを受け取っていただいた相手国の政府が自分の国の国民に、日本の国民がどのような協力を自分たちの国家にしてくれたかということを十分広報をしていただくことが極めて必要ではないか。私は、相手国の大きな問題である、このように考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 それは時間がないのでとてもここでは長いこと話せませんが、環境破壊、そしてODAでつくるための人権侵害、そういう現場もいっぱいございます。ですから、相手の政府の立場とそして一般民衆の立場と違うということも申し上げたいと思います。  次に、子供の権利条約について伺いたいと思います。  子供の権利条約は早ければ十一月の二十日ごろに国連総会で採択される見通しだと聞いておりますが、この条約に対して日本政府はどのようにお考えか、また外務大臣、伺いたいと思います。

遠藤實外務省国際連合局長

○政府委員(遠藤實君) ただいま御指摘のように、児童の権利条約につきましては今国連総会で採択を予定しております。これにつきましては我が国としては、この条約草案は児童の自己決定権あるいは思想、表現の自由等の諸権利を規定している、それによりまして児童の保護に資するということを目的としたものと考えておりまして、その趣旨については大変評価している次第でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 国連機関の場で子供の権利条約が作成されなければならなかった背景、そして日本がこの審議にどのようなかかわり方をしたか、ぜひ伺いたいと思います。

遠藤實外務省国際連合局長

○政府委員(遠藤實君) 児童の権利につきましては、実は一九五九年の国連総会で宣言として採択されております。その後二十年たちまして、やはり単なる宣言ではなくてこれを条約化しようではないか、こういう動きが出てまいりまして、七九年以来、国連の人権委員会、それからワーキンググループにおいて作業が進められてきたわけでございます。そこで、本年三月の国連の人権委員会におきましてこの草案がコンセンサスで採択をされ、そして現在開かれております国連総会に採択される予定となっております。  我が国につきましては、国連人権委員会でのこの条約草案の審議に参加してきておりまして、今回国連総会におきましても、この採択に関して積極的に討議に参加したい、こう考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 この条約を評価しているとおっしゃいましたけれども、これが採択された場合には外務省はどのように受けとめられますでしょうか。

遠藤實外務省国際連合局長

○政府委員(遠藤實君) 先ほども申し上げましたが、我が国の政府といたしましては、この条約の趣旨に基本的に賛同しているわけでございます。ただ、条約はまだ草案の段階でございますし、この批准その他につきましては、これから国連総会での採択の後に我が国の国内法との整合性、それからそのほかこの国連総会採択に際しましてのいろんな議論、そういったことを十分勘案いたしまして検討いたしたい、こう考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 そうしますと、国連総会の場では採択には賛成なさるんでしょうか、反対なさるんでしょうか。

遠藤實外務省国際連合局長

○政府委員(遠藤實君) 基本的に賛成すると思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 法務大臣に伺いたいのですが、人権の視点からどのようにこの条約をごらんになっていますか。

後藤正夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(後藤正夫君) お答えいたします。  国連の人権委員会とワーキンググループがこの問題について作業を進めているということは承知をいたしております。この趣旨についてはもう十分理解ができますけれども、まだ国連でこれが採択をされておりませんし、この条約の審議に法務省が直接関与する立場に置かれておりませんので、今法務省としての意見を申し述べることは差し控えさせていただきたいと思います。  しかし、将来これが採択されまして、正式にこの条約に加入する批准の手続がとられました場合におきましては、法務省といたしましてもこれを十分検討し、また必要な作業も行わなければならないだろう、そのように考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 もし批准されたならば、国内法との整合性で非常にいろいろ国内法を整備しなければならないという意見と、それからほとんど整備しなくてもいいという意見がございますが、今法務省ではどのように見ていらっしゃいますか。

遠藤實外務省国際連合局長

○政府委員(遠藤實君) この点は、草案が採択されました段階で、さらに検討したいと考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 まだ採択されてないのでこれ以上中身に触れることはやめますが、前文で、子供の定義に「出生後のみならず出生前」というのが去年の暮れに入れられてしまいました。この「出生前」という部分が追加された事情について御説明いただきたいと思います。

遠藤實外務省国際連合局長

○政府委員(遠藤實君) 御指摘の点は、現在の草案の前文の第九項に関してかと存じますが、この前文の九項につきましては、これは一九五九年の国連総会が採択いたしました児童の権利宣言の文言をそのまま持ってきたわけでございます。したがいまして、この宣言の中に既に「出生の前」ということは入っていたわけでございます。それをそのまま持ってきたということでございます。  これを持ってまいりました一つの理由は、この出生前の問題、出生前の児童の権利、これをどうするかということでいろんな議論がございました。この児童の権利に関する宣言の一項を前文に持ってくる際しましていろんな議論がございました。その結果、妥協としてこの部分は前文にそのまま宣言を引用する、しかしながらこれは定義の解釈について影響を及ぼすものではない、こういうワーキンググループの議長のステートメントとともにワーキンググループで採択した、こういうことでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 この点についてフランスですとかインドは積極的に反対の態度を表明していると聞いております。日本政府はいかがでしょうか。

遠藤實外務省国際連合局長

○政府委員(遠藤實君) この点につきましては、条約の権利義務関係には影響がないというのがまず大前提としてございます。これはあくまで定義につきましては、第一項にございまして、これとは関係がないということがまず大前提でございますが、その上で、さらにこの前文を入れることがどうかという点につきましては、率直に申しましていろんな考え方がございました。しかしながら、条約の権利義務関係には直接関係がない、こういうことで、この点につきましては特別に賛成反対という意見を表明いたしておりません。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 女性団体ですとかそれから日本産婦人科学会、それから家族計画連盟などから修正の希望が外務省には届いているはずですが、それにはお答えになることはないわけですか。

遠藤實外務省国際連合局長

○政府委員(遠藤實君) これは、実はこの前文の趣旨に反対される方あるいはそのまた逆に賛成される方、両方のお考えの方からいろいろ御意見はちょうだいしております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 森山官房長官に伺いたいと思います。  女子差別撤廃条約の中に子供の数や出産の期間を自由に選べる権利というのがございますが、これは前文と抵触するおそれはないでしょうか、政府の見解を伺いたいと思います。

森山眞弓自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(森山眞弓君) 条約や法律の解釈というのは私の所管ではございませんけれども、先生は恐らく以前私が婦人の問題あるいは女子差別撤廃条約、さらには優生保護法の改正問題等に大変深くかかわっていたことを御存じでお聞きいただいているんだと思います。  私は、この条約それぞれについて、特に子供の権利条約について深く勉強したわけでございませんので何とも申し上げられませんけれども、私の個人的な感触といたしましては、子供が出生前にもその健康上のためにいろいろとケアを必要とするということは確かだろうと思います。そのことを主として頭に置いて書かれたものではないかと想像するわけでございますし、また一方、女子差別撤廃条約の方にあります子供を持つことについての男女の平等な立場ということは、これとは矛盾しないのではないかというふうに思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 そこのところは明確にする必要があると思いますけれども、十年間審議されている過程の中で最後に、去年の暮れにこれは入れられたわけですが、それははっきり中絶を禁止しようとする人たちによって入れられたわけです。ですから、これはやはり抵触するのではないかと私は思いますけれども、いかがでしょうか。

福田博外務省条約局長

○政府委員(福田博君) 一般に国際法の慣習の問題として申し上げますと、前文というものがどういう意味を持つかと申しますと、一般に条約の前文はその条約の締結に至った背景、それから条約の目的、それからその条約のよって立つ基本原則等を述べるのが通例でありまして、前文自体で当事国間に権利義務関係を発生させるものではないというのが確立した原則であろうと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 でしたら、厚生省に伺いたいんですが、今の条約局のお答えですと、これは日本の優生保護法とは抵触しないかどうかを確認させていただきたいと思います。

長谷川慧重厚生省保健医療局長

○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。  優生保護法との関係でございますが、優生保護法におきまして人工妊娠中絶につきましての規定があるわけでございますが、その規定につきましては、私ども、医学の進歩を踏まえて適宜直すべきものは直すというぐあいに考えておるところでございまして、そういう面での検討は進めているところでございますけれども、現在問題になっておりますお尋ねの条約につきましては、特段この優生保護法につきましての問題はないというぐあいに理解いたしております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 どういう意味でございますか。抵触しないということですか。

長谷川慧重厚生省保健医療局長

○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。  前文での定義の問題は、ただいま外務省からお話しございましたわけでございますけれども、優生保護法で人工妊娠中絶につきましては一定の時期未満のものに限ってやるというような規定がございまして、そういう面で、その規定に関しましては私ども絶えずいろいろ検討はやっているわけでございます、そういう形で優生保護法を施行、動かしているわけでございますけれども、そういう観点と、それから現在の児童の権利の条約につきましては、そういう面ではちょっと別な話であろうというぐあいに思っております。  それから児童の権利の条約が仮に採択され我が国に適用されましても、その条約の文章と優生保護法との間の関係におきまして特段の改正、優生保護法の改正というような措置については今のところ特段のものはないというぐあいに理解いたしております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 今優生保護法のお話が出ましたので、もう一つ確認させていただきたいことがあります。  今人工妊娠中絶の時期が二十四週未満となっておりますが、厚生省はこれを二十二週未満にしようとしているのはなぜなんでしょうか。

長谷川慧重厚生省保健医療局長

○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。  人工妊娠中絶につきましては、先生御案内のとおり、優生保護法におきまして胎児が母体外で生命を保続できない時期に人工妊娠中絶が行えるという形になってございます。そういう面で、この胎児が母体外で生命を保続できない時期ということにつきましては、未熟児に対します医学の進歩に伴った医療水準の向上によりまして変化することがあるわけでございますから、従来、そのときどきの医療水準を勘案して一定の基準といいますものを事務次官通知で示しているところでございます。  この現行の基準は、先生お話しございましたように、五十一年に当時の胎児の生育例の実態に基づきまして二十四週末満というぐあいに定めたものでございます。その後十数年経過いたしまして、その間に医学の進歩に伴いまして未熟児に対します医療水準の向上等が認められますことから、昭和五十一年のときと同様に、日本産科婦人科学会、それから日本母性保護医協会におきまして最近の木熟児の生育状況についての調査をお願いし、その結果を私どもいただいているところでございます。  そういうことで、現在の胎児の生育例の実態を十分踏まえまして、慎重に検討しておるところでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 二週間早まることによって何人ぐらいの人が実際に、過去の計算からと申しますか事例から、そういうことが適用されるとお思いでいらっしゃいますか。

長谷川慧重厚生省保健医療局長

○政府委員(長谷川慧重君) 数字、件数の件になりますと非常に難しい問題でございますが、昭和六十三年におきます人工妊娠中絶件数が総数で四十八万六千百四十六件ございます。そのうち、現在二十から二十三週の方々が五千七百七十八件ということで一%強でございます。これを単純に三で割ったらいいのかどうか疑問があると思いますけれども、そういう面で非常に全体の件数から申しますと少ない件数であろうというぐあいに推計いたしておるところでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 これを決めるのにどちらかに諮問なり喚問なりしておられますでしょうか。

長谷川慧重厚生省保健医療局長

○政府委員(長谷川慧重君) 先ほど申し上げましたように、優生保護法に基づきます母体外で存続できない、保続できない時期といいますものは、従来から事務次官通知という形で示しておるわけでございますが、一応この問題は非常にいろんなところの関心を呼んでおる問題でもございますので、私どもとしましては、関係の審議会に十分御相談を申し上げまして、御意見を承りました上で所定の措置をとりたいというぐあいに思っております。    〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 そこには女性はおられるんでしょうか。それから、女性のあり方についての諮問というようなことは計画していらっしゃいますか。

長谷川慧重厚生省保健医療局長

○政府委員(長谷川慧重君) 実際に御審議といいますか、御相談申し上げますのは優生保護部会でございます。その部会には、全体で十四名の委員がいらっしゃいますけれども、その中に四名の女性の方がいらっしゃいます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 今二千五百人とおっしゃいましたけれども、大体この時期にはティーンエージャーの若い人が自分が妊娠をしていることを知らなくて遅くなる場合が大変多いと産婦人科の医師から聞いております。そのために、もしそれが週が早まりますと、例えば自殺をするとか、それから生まれた子供を虐待するとか、いろいろマイナス面が多く出ているということです。そういった、医療の進歩だけではなくて、やはり女性の立場、そのことが考慮されずに一方的に次官通達が出ることに対して大変危惧を抱きますけれども、その点いかがでしょうか。

長谷川慧重厚生省保健医療局長

○政府委員(長谷川慧重君) 現在の人工妊娠中絶件数の中の数字でございますが、二十歳未満の方々の中で人工妊娠中絶を行っておりますのが全体で二万八千五百九十八件ございます。その中で、いわゆる二十週から二十三週の中で中絶をなされます方が千三百九十三件ということでございまして、全体の数から見ますと二十歳未満の方々は非常に少ない割合ではございます。  そういう状況にございますが、先生がお尋ねの御疑問の点につきましては、私どもいろいろな機会等を通じまして、医師会等を通じまして、いろいろ優生教育なり健康教育をやってまいりたいというふうに思っております。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 そこで、今二千五百人という数をお出しになりましたが、そうなりますと、ここでその時期より遅くなった人にとっては堕胎罪が適用されると思いますが、法務省の見解を伺いたいと思います。

根來泰周法務省刑事局長

○政府委員(根來泰周君) 御承知のように、刑法の二百十二条以下に堕胎罪というのを決めております。これは今のお話とは全く別でございまして、要するに妊娠の月数いかんにかかわらず、人工的に母体から排出した場合には堕胎罪が成立する、こういう解釈でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 その堕胎罪は二十二週より後だったら適用されるわけですね。

根來泰周法務省刑事局長

○政府委員(根來泰周君) そのとおりでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 法律について伺いたいと思います。どのような法律でしょうか。

根來泰周法務省刑事局長

○政府委員(根來泰周君) 先ほど申し上げましたように、刑法に堕胎ノ罪というのがありまして、二百十二条から二百十六条までの規定がございまして、これで処罰されるわけでございます。ただ、優生保護法の適用される場合には、いわゆる違法阻却事由ということで処罰されないことになります。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 罰金刑はございますか。

根來泰周法務省刑事局長

○政府委員(根來泰周君) 罰金刑はないようです。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 そうしますと、こういう安易な次官通達が出ますと、もしやみ中絶というようなことがあったりし、それが発覚した場合には、そういった女性は刑務所に送られるわけですね。

根來泰周法務省刑事局長

○政府委員(根來泰周君) 刑務所というのは若干語弊があると思いますが、執行猶予もございますから、要するに刑罰に処せられる、こういうことでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲共同

○堂本暁子君 いろいろ社会的な問題がございます。厚生省は医学的なことだけではなく、もっと社会的な問題、そして女性の健康という視点からこの点を御検討いただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

田英夫日本社会党・護憲共同

○田英夫君 最後に海部総理に申し上げたいのは、私が冒頭お話をし、また総理、外務大臣もおっしゃったとおり今世界が激動している、そういう中で経済大国である日本の総理大臣並びに政府の立場、地位というものは世界的に、あるいは海部総理御自身が今感じておられるよりもはるかに私は高いのではないかと思いますね。    〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕 過去には日本の総理大臣は日本の国政を担当し、もちろん外交を含めてやっていけばよかったかもしれませんけれども、今や日本の総理大臣は世界の指導者として世界の平和あるいは地球的規模の諸問題というものに高い見識で立ち向かっていかなければならない、そういう重要な役割を担っておられると私は思うわけです。きょうのやりとりはその意味でまだまだ残念でありますけれども、ぜひそういう高い立場から海部総理が世界の大きな問題に目を向けながら対応されることを心から希望をして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 以上で田英夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 次に、永野茂門君の質疑を行います。永野君。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 最初に、世界の歴史的転換期における緊張緩和、平和についての日本の役割について、三つの重要な側面から順次お伺いいたします。  既に同僚の谷川委員あるいは石井委員、そしてただいまの田委員から同種の質問がそれぞれ違った角度から行われましたけれども、まさに今や共産主義体制の敗退は明らかであります。そして、冷戦構造は崩壊しつつあると言えます。東側で進むペレストロイカあるいは民主化、自由化に対して、西側は封じ込め、対立から対話、そしてさらには交渉、調和へと、もちろんそれは確固たる抑止力を維持しながらの話でありますけれども、と対応をシフトしています。  ここで、後ほどの防衛問題に関する質疑のために特に今私が申し上げましたところで、冷戦構造は崩壊したとは言わずに「崩壊しつつある」と申し上げたところと、「確固たる抑止力を維持しながら」ということをつけ加えてあるところに私は注意を引きたいと思うわけでありまして、冷戦構造はまだ崩壊しておりません。崩壊している途中でありまして、恐らく崩壊するでありましょうけれどもそれには非常に時間がかかるでありましょうし、崩壊に持っていかなければならないことも確かでありますが、その間が極めて危険であるということ、したがって我々は今抑止力をしっかりと維持しながらこの長い行程を進まなければならないということをここでつけ加えさせていただきたいと思います。  そこで、このような情勢に対しては、世界の対応、東西双方の努力いかんによっては、東側の政治的、経済的な困難を越えてかなりの緊張緩和、あるいは平和のレベルを達成できる可能性もあると見ることができると思います。  三つの側面と申し上げましたけれども、この緊張緩和、協調の傾向を促進し、平和を確立するために、第一にポーランド、ハンガリーなどの民主化、自由化、ソ連のペレストロイカ、そしてまたさらに隣の国の中国の開放、近代化を定着させ成功させる必要があると考えるものであります。  そこで最初に、ソ連、東欧に今起こりつつある変化をどのように御認識になっておられるか、外務大臣にお伺いしたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 現在ソ連、東欧において起こりつつある変化は、私は歴史的な変化であろうと思います。マルクス経済理論に基づいた共産党支配のこの今日までの政治機構、そういう中で結局経済活動というものがうまくいかなかった。こういう中で、ソビエト連邦における新しい指導者になられたゴルバチョフ書記長がソ連の憲法を改正し、そしてグラスノスチ、ペレストロイカという新しい政策、新思考の外交を展開し始めたために、一挙にソ連の国内ではこの新しい動きに対するソ連国民の期待感が高まったと思います。しかし、一方において、グラスノスチの結果、民族運動も多発しております。  また、単にソ連のみにかかわらず、ソビエト連邦のペレストロイカの推進を見ながら東ヨーロッパの社会主義圏におきましては自国においても同じようないわゆる状況が発生をしてき、さらに最も共産主義体制の中では国民の所得水準の高いと言われた東ドイツからその国民が、豊かな生活をしておると西側から見ておったその国の国民が、一万あるいは二万といった数で自由を求めて西ドイツに移動するというこの現象、こういうものを見ておりますと、確かに委員御指摘のように、これは歴史的な大きな変化でございますけれども、このような大変化が起こる場合には、必ずいわゆるその変化に反対する勢力も現存していることは事実でございまして、そういう国内のいわゆる政治体制あるいは人事異動、そういうものが指導者の思うとおり進むかどうか、こういう問題によってすべてのこの新しい考え方による変革というものの結果が出てくるのではないか。  そのような考え方から、私どもは十分な注意をしながらこれからの変化の推移を見詰める必要があろうかと考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 九月末の米ソ外相会談では、シェワルナゼ外相が、ソ連は伝統的な安全保障上の利害が確保されている限り、東欧の自由化を容認するということを言明し、またポーランド新内閣では外交安保関係の閣僚には社会主義労働党より起用する配慮をせざるを得ませんでした。あるいはまた、ソ連の国内の民族独立運動に対してはその独立を許さないというようなことでありますが、したがいまして、ソ連は少なくも国境の現状であるとかあるいはワルシャワ条約機構の状況を変えること、つまりステータス・クオを修正することは欲していない、こういうように観察されますが、いかがでございますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘のとおりだと思います。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 なおまた今大臣御指摘の、今や東独にまで民主化の波は押し寄せてきたわけでございますけれども、この変化はまさに予測を許さない急激な変化が起こる可能性もあり、そしてまたそれはさらにヤルタ体制の変更というところまで行くかもしらないということが予測されます。そうなるかならないかということは別といたしまして、そういうことも考慮に入れておかなければならないという状況にあると思います。  こういう状況におきましては、ワルシャワ条約機構内における利害の対立でありますとか、あるいは東西両ドイツの統一に向かう動きに対する東側、西側双方からの反対等極めて難しい混乱、状況によっては手綱を誤ると戦乱にまで至るというような可能性があるのではないかということが危惧されます。そういうようなことについて、御見解はいかがでございましょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) この各国における経済改革あるいは政治改革という問題は、その国その国の国民の考え方によるものでございまして、日本国といたしましては、あえてその国にどういうことを求めるということではなしに、私どもとしては、もし民主化が進めばその国の経済再建のために応分の協力を西側の主要国の一員としてやらなければなるまいという考え方を持っております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 そこで、こういうような状況において今大臣がおっしゃったように適切な協力、援助をやるということにつきまして、世界の平和への貢献を外交の柱の一つとする我が国として、このような世界の転換期においてこの種支援、協調についての我が国の包括的な基本方針をどのようにお考えでございましょうか。総理にお伺いしたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 先般ニューヨークにおきます国連総会に出席をいたしました際に、アメリカのベーカー国務長官を中心とする西側サミット加盟国の外相会議が最終日に開かれました。ポーランドあるいはハンガリーに対する西側の支援というものをどうするかということが議題になった次第でございます。政府といたしましては、ブラッセルにおきます関係各国の協議、これに基づきまして、米国を中心とする西側諸国がそれぞれ協議をいたしながらポーランドに対する支援、あるいはまたハンガリーに対する協力というものの方向を決めていかなければなるまい、このような時点ではなかろうかと考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 既に多国間協議は一回、二回、三回まで持たれたと承っておりますが、その中で我が国はどのような具体的な支援をやることになりそうになっておりますか、概要を承りたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) この問題は現在関係各国間で協議の最中でございまして、きょうこの時点でその結論を申し上げるわけには少しまいらないと。御理解をいただきたいと思います。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 それではこの問題はそれまでにいたしまして、次にソ連の問題に移りたいと思います。  北方領土問題は与野党を問わずまた全国民大変な関心を持っておるわけでありますけれども、北方領土問題について最近ソ連側の非公式見解等があちらこちらで発表され、我々の耳に伝わっておりますけれども、公式の交渉としてその後どういうような交渉が持たれていますか。また今後の見通しをどういうようにお持ちでございましょうか、承ります。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 日本政府といたしましては、衆参両院におきますたび重なる北方領土返還要求決議の御趣旨を体して、今日までソビエト政府に対しては北方領土の返還というものを要求し続けてまいったわけでございます。  私どもはしかし、一番大きな政府の懸案というものは、戦後四十数年たちました今日もなお日ソ間に平和条約の締結が行われていない状況である。その締結が行われない一番大きな障害物になっておるのは北方領土問題でございまして、この問題を協議し、この問題を解決して、そうして我々の懸案である日ソ平和条約を締結し、日ソ間の友好を進めますとともに、将来は日ソ間の経済協力も拡大していかなければならない、このように考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 北方領土問題は大変重要な問題でございますので、また平和条約につきましても同様でございますが、一層の御努力をお願いいたします。  そこで、今ちょっと触れられました対ソ支援、協力の問題でございますが、新聞によりますと、米国あるいは英国等におきましても対ソ協力についていろいろと努力をしておるようでございますけれども、ペレストロイカを成功させ、そしてソ連を我々が欲するような世界に有用な平和志向の国に持っていくことは、あるいは我々の国際社会の中の一員として迎え入れることは極めて重要なことだと思いますが、いずれにいたしましても、対ソ支援、協力は北方領土問題を解決しそしてまた平和条約を締結したる後に行われるべきものである、こういうふうに考えますが、この点についての御見解を承ります。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 日ソ外相会議におきましては、この問題を、双力の責任者がお互いに信頼関係を確立し、そうして協議を進めることが原則であるということを双方でまず確認いたしております。そして、これらのいろんな懸案問題を解決するに並行いたしまして、人道的な問題あるいはまた環境問題、いろんな各般の問題で日ソ間で話し合いをするということが現実に進んでおりまして、さらに平和条約作業グループが日ソ両方で話し合いをいたしておりますし、この十二月も行われます。  また、先日はソビエト外務省の対日担当官を日本が招待いたしまして、我が国の外務省のソ連担当官と相互にいろいろと話し合いをさせるという場がつくられておりまして、さらに日本国内も旅行してもらうということをいたしております。また、明年はソビエトにおいて日本の外務省の担当官が出向くということで、相互の信頼関係、こういうものの醸成が今後の日ソ間の事務レベル協議あるいは政府間協議の一つの大きな基盤になっていかなければならない、このように考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 次は、中国問題に移りたいと思います。  中国は最近経済の中央集権化構想を発表したり、あるいはブルジョワ資本主義による汚染排除のための社会主義学習を強化したり、あるいは天安門事件についての政府対応の正当性に対する学習などを強化しておるようでありますが、また一方、我が伊東あるいは奥田両訪中団に対しまして、開放・近代化政策の不変、継続を強調していると承っております。中国の開放・近代化継続性に対しての御見解を承ります。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 中国の問題につきましては、私どもはかねてこの一衣帯水にある日中関係の発展、良好な関係の維持ということを基本に考えておりましたが、まことに残念ながら六月の天安門事件が発生をいたしまして、これがやはり情報化の進んだ我が国の国民の皆様方には大変大きなショックを与えたことも事実でございます。日本のみならず西側先進国においても同様な反応が起こっておりますが、私どもは人道的な問題あるいは緊急災害救助の問題、こういう問題については引き続き協力をいたすという方針を堅持しておりますし、なお中国政府に対しては、この改革・開放路線を進めていただきたい、そして西側陣営との話し合いを十分進めていただきたい、このようなことを政府としては願っておる次第でございますし、先般訪中していただきました超党派の議員団の先生方にも、いろいろとそういう面で中国首脳との意見交換をいたしていただいたような次第でございます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 中国の開放・近代化の継続については、その信憑性といいますか、信頼性を持っていいのではないかと思いますけれども、その過程においていろんなことが今後もあると思われます。  いずれにしろ隣国中国が安定して発展していくということは、アジアだけではなくて世界の安定と平和のために極めて重要であると思います。したがいまして、適切な経済協力、技術協力を拡大していく、あるいは再開していくということは極めて重要であると思いますけれども、これに対する現在の状況を承りたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 従来行ってまいりました継続案件につきましては、引き続きこれを行うという考え方を持っておりますが、新規分につきましては、中国側のいわゆる改革・開放路線の拡大、また西側陣営との話し合い、あるいは世界銀行等における協議、そういうものも十分認識した上で日本政府としては新しい考え方を決定いたしたいと、このように考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 次は、軍縮・軍備管理あるいは信頼醸成措置交渉のあり方についてお伺いしたいと思います。  第二に重要なことは、軍縮・軍備管理、信頼醸成措置を進めて相互信頼を高めることが重要であると考えます。  御承知のように、欧州ではジュネーブ、ヘルシンキ、ウィーンなどでの各種の交渉で、あらゆる兵器体系にわたる軍縮・軍備管理そして信頼醸成措置で大きな成果を上げつつあるように承知しております。そこで、軍縮・軍備管理は確実な検証のもとでグローバルに行われなければなりませんが、欧州交渉は御承知のように主としてウラル以西についてのものであって、アジア・太平洋地域はこの種交渉では穴となる可能性があって、もし本当に穴となった場合には好ましくない状況が生ずる、こういう心配があります。  一方で、しかしながら、当方面での交渉には慎重な準備が必要であると考えられるのでありまして、日米間の十分な調整でありますとか、地域の地政学的あるいは戦略的な特質、すなわち大陸国対海洋国でありますとか、あるいは陸上兵たん路対海上兵たん路でありますとか、あるいは周辺地域対中心地域といいますか中枢地域でありますとか、いろんな特殊性があります。並びに、東西いずれにも属さないポテンシャル大国である中国の存在でありますとか、そもそも現在の軍事力の把握さえも、先ほども問題になっておりますように、かなり不分明な点があるわけでありまして、これらの複雑な条件について十分な検討、評価を先行させることが重要である、こういうように考えます。  そこで、今まで対ソ交渉で、アジア・太平洋地域、特に北東アジアでの軍備管理あるいは信頼醸成案件が議題になったことがありますか。あるいは、近く予定されているシェワルナゼ外相の訪日に際しまして、そのようなことが議題になることがありますか。また、米国とは当然いろいろと調整を進められておると思いますけれどもいかがでしょうか、承ります。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘のように、ヨーロッパにおける軍備管理あるいは軍縮の状況、これと我々の日本が位置するアジアでのいわゆる国際情勢との間には大きな開きがあると認識をいたしております。米ソ間の話し合い、あるいはEC諸国との話し合い、ソ連との関係、こういうものを見ておりまして、私どもといたしましては、先生御指摘のように、アジアにおけるいわゆる安定化をどのようにこれから模索していくか、これはアジアの責任のある一国の日本としては極めて大きな外交の課題であろうと考えております。  なお、アジア地域におきましては、ヨーロッパと違いまして、カンボジアにおいてはまだなお戦闘が続いております。先般、パリにおけるカンボジア和平会議に出席をいたしまして、各国の外務大臣といろいろとこのカンボジア和平のための議論をいたしてまいりましたが、残念ながらカンボジア内部の四派の合意が、暫定政権の樹立にはまだほど遠いという段階で、会議は共同声明を発して終わったわけでございます。幸い、ベトナム軍がカンボジアから撤退をしたという情報が伝えられておりますけれども、まだまだ内戦状態がこれから乾季に向かって拡大をしていくという認識を持たざるを得ないと思います。  私どもといたしましては、アジアにおける中国の今後の動向、また朝鮮半島の状況、あるいはアジア全域における問題等を踏まえまして、これからやがて新しい歴史が開こうとされる中でのアジアのいわゆる平和安定の模索というものを日本としては相当力を入れてやらなければならない。そういう意味で、明年三月中旬に来日をされるシェワルナゼ外務大臣と私との外相会談、またそれに先立って十一月十二日に来日をされるヤコブレフ・ソ連の最高会議の代表団の方々、この方々とのいろいろな政治的なお話し合いの中で、これからのソビエトの新しいアジアに対する外交がいかなる展開をするかということも十分日本国としては御意見を聞きながら、新しい時代へ向けての外交戦略を展開していかなければならないと考えておりますし、もちろん安全保障の当事国である米国政府あるいは西側諸国とも十分協議の上でこの構想を進めなければならない、このように考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 私は、まず取っかかりとして、双方の軍事力の配置、あるいは軍事集積の状況、あるいは軍事産業配置の状況、こういうものを両方で掌握し合うということが必要であるし、またヨーロッパで既に行われておりますように、少なくも通常戦力についてはヨーロッパでは大変な非対称的な状況である、二倍以上の戦力を持っているということをソ連は認めて二十世紀中にその約二分の一に削減するということを声明しているわけでありますけれども、恐らくその点は極東においても変わりはないんじゃないかとこう思うわけでありまして、その付近を明確にすることがまず第一歩ではないかと感じておるものでございますが、これについての所見はいかがでございましょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘のとおりであろうと考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 そこで、土井構想にアジア平和保障会議というものがうたわれております。趣旨として将来そういうものが必要であるということについては私どもも理解していいと思いますが、まだ大変に時期尚早であるとこう考えます。今までの御答弁によってそういうように察せられますが、それでよろしゅうございましょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 土井委員長の構想は構想として私どもも勉強させていただいておりますが、アジアの環境はいまだなかなか困難な状態にある、このように認識をいたしております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 次に、第三の問題に移らせていただきます。  第三に、地球環境保全あるいは薬物対策、テロ対策などというものは、広い経済協力あるいは人権確立問題あるいはさらに国際文化交流などとともに地球的規模の協力、解決を要する重要課題でありまして、これらについて我が国はリーダーシップを発揮することが極めて重要でありますが、それぞれ重要なこれらの事業は平和への貢献策の一環としてもまた極めて重要であります。欧州でも御承知のように信頼醸成のための重要な柱としてこれらは挙げられておりまして遂行されておりますし、また米ソ間でも対話の議題として本年追加されておるものであります。  そこで、まず最初にアルシュ・サミットにおいて地球環境、テロ対策、薬物対策などに関して国際協力についてどのように扱われたかをお伺いしたいと思います。

林貞行外務省経済局長

○政府委員(林貞行君) お答え申し上げます。  先般のアルシュ・サミットにおきましては、地球環境問題、麻薬問題、テロリズムの問題等につき、全世界的に対応すべき問題として活発な議論が行われました。特に先生御指摘の地球環境問題につきましては、地球温暖化問題、オゾン層破壊問題、熱帯雨林消滅問題、海洋汚染等の問題に取り組むに当たって踏まえるべき基本原則、例えばグローバルな対応の必要性、持続可能な開発の達成、科学的知見の重要性、開発途上国に対する協力の必要性等々が議論されたわけでございます。  麻薬問題につきましては、麻薬の需要供給両面にわたるさまざまな側面につき検討が行われまして、国際機関を通じた麻薬対策の強化、麻薬及び向精神薬の不法取引に関するウィーン条約の速やかな締結、麻薬取引から生ずる資金の金融機関を通じた洗浄を防止するための金融活動作業部会の設置等につき合意を見た次第でございます。  テロリズムに関しましては、国際支援テロ及び人質行為を含むあらゆる形態のテロに断固反対し、これら行為の放棄を要求する、ICAO等を通じての国際航空機爆破テロ防止への国際的取り組みを強化する等の決意を再確認しまして、右はテロリズムに関する宣言として発表された次第でございます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 地球環境保全に関する我が国の国際協力を含む基本的なスタンスと、政策の基本的なものをお伺いいたします。  また、環境庁を中心に政府全体の窓口機能を一本化し、かつ政府部内の総合調整を強力に進めるべきと考えるものでありますが、承りたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 我が国は工業化の過程におきまして公害問題で非常に苦しんだ国家でありますが、幸い国民の英知と努力によって公害問題の処理が大変うまく進んでまいったと思います。そのために、多くの技術が蓄積されております。今委員御指摘のように、地球の環境保全につきましては人類全体の問題でございまして、アルシュ・サミットにおきましても今後三年間に三千億円の資金を供給するとともに、日本の蓄積した技術、また必要な機材、人材等の提供を国際社会に約束をいたしております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 一本化問題についていかがでございますか。

志賀節自由民主党環境庁長官

○国務大臣(志賀節君) お答えいたします。  地球環境問題への対応についてでございますが、関係行政機関の緊密な連携を確保いたしますとともに、その効果的かつ総合的な推進を図るために地球環境保全に関する関係閣僚会議を設置してございまして、本年の六月、地球環境保全施策に関する基本的方向についての申し合わせもなされたわけでございます。また、これらの施策を政府一体となって円滑に推進するために、七月には地球環境問題担当大臣として環境庁長官が指名されまして、その行政各部の所管する事務の調整を担当させていただいておる、こういう状況にございます。現在、閣僚会議の申し合わせに沿って各省庁が連携し、政府一体となって諸施策の推進に努めておりまして、また環境庁を全般的な窓口とする各省庁の地球環境保全に関する調査研究等の情報窓口の整備についても検討をしている最中でございます。  以上、お答えとさせていただきます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 時間がありませんので、薬物と国際テロは一括してお伺いいたします。  薬物対策につきましては東西南北を問わず世界的な大問題でありまして、コロンビアでは麻薬戦争が展開されておることは新聞をにぎわしたとおりでありますし、日本を中継地とする麻薬密輸も増加しています。世界各国は協力して薬物禍の汚染源である麻薬組織と対決しようとする機運が高まっています。そういう意味におきまして、薬物の問題については緊密、不断の国際協力が必要であると考えられますが、国際協力についての基本的な方策をお伺いします。また同時に、今まで本案件について東側との協力関係をお持ちになったことがあるかどうかを付言していただきたいと思います。  なお、国際テロにつきましては、国家が支援するもの、すなわち国の戦争遂行手段としての最も低いと称する戦争スペクトラムに位置させて政治目的に使用するものも含まれております。使用する武器は正規軍と同等、かつ対応がかえって複雑困難なものもあります。適切な情報の収集、評価はテロ対策の基本的な要素であり、世界各国ともそれに大変に努力しておるところであると思います。  そこで、国際テロ対策については国際的な情報収集など各国間の国際的な緊密な連携、共同が重要であると考えますが、我が国警察はどのような対策をとっているかお伺いいたします。国家公安委員長にお願いいたします。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 先生御指摘のとおり、麻薬あるいは覚せい剤等の乱用、治安の維持を図らなければならない警察庁にとっても極めて重要な問題であり、またこれは国際的な協力のもとに目的が達成できるということから、これを担当する課を新設するなど、先生の御趣旨に沿って努力を続けておるところでございます。  また、これも世界的な規模で行われるものでありますから、東側との情報の収集等大変重要なことでございますので、最近では本年の十月に中華人民共和国で開催された国際刑事警察機構アジア地域麻薬シンポジウムに警察庁からも代表者を出席させ、情報の公開や取り締まり方策についての意見交換などを行ったところでございます。今後ともさらに一層各国が連携を強め、共同して取り組んでいくことが必要であると考えております。  国際テロについてもこれは同じような考え方かと思いますけれども、今やこれは組織的な国際化の問題になっておりますから、警察庁としても、これもこれを担当する課を新設するなど、先生の御趣旨に沿うように、国際的な情報収集等によってテロの防止、治安の維持に当たってまいりたいと思います。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 私は今まで歴史的転換期における我が国の重大な役割に関する三つの側面についてお伺いしてきたわけでありますが、こういうことをしっかりとやっていただくことももちろん基本的な重大なものでありますけれども、これをまた一方で支えるためには、我が国に派遣されてきておる外国の高官が東京において快適な業務が遂行できるということも極めて重要であると思うものであります。  そこで、今までの御質問内容とちょっとトーンが違いますけれども、地価高騰に起因する家賃の上昇等によりまして、諸外国特に開発途上国の在日公館の維持に重大な影響が生じました。六十二年にウガンダの大使館が閉鎖されて以来問題化して、既に二年がたったわけでありますが、そしてまたこの間政府あるいは与党におきましてもいろいろと対策が協議され、ある程度の対策が合意を得ているわけでありますけれども、問題の解決にいまだ十分な進展が見られておられないように思われます。この問題は土地問題の一環と考えられますので、国土庁長官の所見をお伺いしたいと思います。

石井一自由民主党国土庁長官

○国務大臣(石井一君) 御指摘のとおり、緊急そして速やかに解決しなければいけない、また政府機関一体となって協力をしなければいけない問題であると認識をいたしております。御指摘のとおり、これらの諸国が外国公館建設推進協議会なるものを結成されまして、この二年間積極的に強い要望、陳情を続けられておることも事実でございます。また、先般、昭和の大喪の礼がございましたときに各国より百五十以上に及ぶ国家元首、大統領、総理等がお見えになりまして、我が国に対しますいろいろの希望の中に、果たしてODAの援助がどのように適切に行われておるかというふうな基本的な問題の中に、最も多かったのがやはり東京で生活がしにくい、大公使館を維持するのにこれだけの苦労をしておるという、そういう声が非常に多かったことも事実でございます。  国会におかれましては、特に参議院で御熱心に、参議院の本会議で二回、また決算委員会とか外務委員会、衆議院におきましても大蔵委員会等々で野党の皆様方からも強い要望がございますので、この際政府一体となりましてこの問題につきましては解決をしていかなければいけないと思っております。  ただ問題は、外国であるからと申しましてそれでは特別な価格を設定できるのか、あるいは公有資産をそのまま流用できるのかというふうなことになりますと、具体的な難しい問題が存在いたしております。今後、民間とも協力をしながら、土地問題の一環としても、また外交問題の一環としても、各省と協力をいたしまして懸命に取り組んでいきたい、そう思っております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 外務大臣、御所見を承りたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今国土庁長官が先生の御質問にお答え申し上げましたとおりでございまして、実は私、外務大臣に就任いたしまして在京外交団のレセプションをいたしましたが、東京が地価が高いということで、公館を持てないいわゆる発展途上国の大使の方々はわざわざレセプションに出席するために北京から東京へ飛んで来られた方が何人もおられました。こういうことから考えまして、やはりこの問題は何とか解決を早急に考えなければならない、こういうふうに外務省としては考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 次に、防衛問題に移らせていただきます。  防衛力は、脅威となる相手の能力に基礎を置くべきであって、これは脅威対応ということではなくて基礎を置くということでありますが、ムードとか期待とかによって定めるものであってはなりません。したがって、みずから適切な防衛力を保有しながら日米安保体制を堅持して、それをますます有効なものとするということは極めて重要なことであります。また、専守防衛について申し上げますと、いろんなことがありますけれども、とにかく我が国が必要な反撃力というものを我々が保有することは政治的に非常に難しいものであり、あくまでも日米安保条約による米国に依存せざるを得ませんし、また核戦力につきましても、国是として保有しないのでありますので、これもその抑止力としては日米安保条約による米国に依存せざるを得ません。このようなことから、日米安保条約はますます強化すべきものであろうと考えられるわけであります。  そこで、最初に、アジア・太平洋方面における特に北東アジアにおけるソ連の軍事力の近代化、増強の状況について、極めて簡単にお願いしたいと思います。

小野寺龍二防衛庁参事官

○政府委員(小野寺龍二君) ソ連は、一九六〇年代中期以降、極東地域において一貫して質量両面における軍事力の増強を続けてまいりました。その結果、核戦力においても通常戦力においても四分の一ないし三分の一、ソ連軍全体のうちのその戦力をこの地域に保有いたしております。その蓄積は非常に膨大なものがございます。ゴルバチョフ書記長になりましてから、御承知のとおりのいろいろな提案が行われております。それで、一方的な削減、これは極東におきましてもことしの五月に兵力十二万人削減、それから師団にして十二個、航空連隊十一個、艦艇十六隻というような一方的削減を発表いたしております。モンゴルからの四個師団のうちの三個師団の撤退も発表いたしております。こういうものは一部実施に移されつつございまして、例えば最近戦車二個師団をモンゴルから撤退したということをソ連は発表いたしております。また、航空師団も撤退したということを発表いたしております。  こういう削減というのは行われつつあるというふうに思われるわけでございますけれども、それと同時に、ゴルバチョフ政権が誕生した後も近代化というものは続いております。特にこの地域におきましては、海空の近代化が非常に顕著なものがございまして、船舶でありますと海洋発射巡航ミサイル搭載の原子力潜水艦、それから新型ミサイル駆逐艦というものが増強されております。航空機につきましては、いわゆる第四世代戦闘機というものが現在依然としてふえてきております。これらの航空機の性能というのは、従来ございました戦闘機よりもはるかに航続距離におきましてもそれから能力においても上回るものでございます。  削減が行われると同時に、その部隊の再編成というものも行われております。そういったことから、近代化、再編成を通じて、削減が行われているものについてもかなりの部分ないしはそれ以上に相殺されているということが考えられます。そういったことから、アジア極東地域におきますソ連の戦力というものは変わらない、ないしはむしろ戦力においては上回っているということもあり得るというふうに見ております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 ソ連は、先ほど申し上げましたように、ヨーロッパでは二分の一に削減しなければいけない、これは恐らく極東においても同じだと思います。二分の一に削減するということは、恐らく十年以上の年月を必要とすると思います。十年以上の年月を必要とするということは、その間に政権もかわる可能性もある。したがって、ソ連の意思が今のような状態で継続する可能性もあるし、継続しない可能性もある。政権が交代する、しかもその政権の意思は全然変わった意思になる可能性もある。そういうことについてどういう御見解をお持ちでしょうか。防衛庁長官、お伺いいたします。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) 防衛に格別詳しい永野委員でございますので簡潔に答弁いたしますが、委員御指摘のとおり、今ソ連は新しい米ソ対話の進展なり軍縮の方向に進んでいることは事実でございますが、この兆しがどのように進んでいっていつ大体決着が見られるのか、あるいは途中でまた流動的な要素が出てくるのか、これは何とも言えないと我々は考えるわけでございまして、防衛の立場からいたしますと現実に即して物事を決めていかなければなりません。そういう意味で、動きにつきまして慎重に見守っていこう、こうしているわけであります。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 そこで、他国に脅威を与えないような、軍事大国にならないという理念、これは我が国の基本方針でございますが、のもとに実質的に整備する節度ある防衛力というものは、いたずらにデタントムードや軍縮声明を期待して先取り対応するものであってはならないと思うわけでありまして、現実の脅威、軍事能力を見積もり、これに適切に対応できるようにしなければならないと考えますが、この点を確認したいと思います。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) その意味でも永野委員御指摘のとおりでございまして、今現実に即して我々は今後の防衛政策を樹立したい。来年で中期防は終わりますが、その後の防衛政策をどうするかということにつきましては、最終的には安全保障会議によってシビリアンコントロールのもとに決めなければなりませんが、今事務的にようやく防衛庁としましては検討段階に入ったわけでございまして、その検討の過程におきましてはあくまでもそのような軍事力の測定と見通しというものを前提に詰めているわけでございます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 今のような世界の緊張緩和志向、あるいはさらにもっと言えばデタントムードがその上に先行しているわけでありますけれども、実際に緊張緩和を志向しておりますけれども、ムードはもっと先を行っておりますが、そのデタントムードの中でこの点について国民のコンセンサス——この点と申しますのは今長官が御答弁なさったことでございますけれども、この点について国民のコンセンサスを得ながら適切な防衛力を整備していくということは大変重要なことでありますけれども、極めてまた難しいことだと思うわけであります。政府はどのようにして国民の合意を得るように努力をなさろうとしておるか、お伺いしたいと思います。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) この点もまた委員御指摘のとおり、大変難しいことではございますが、国の平和と安全を保つためには、安全保障政策に関する国民的な合意が不可欠であります。また、防衛に対する国民の理解と支持及び国を守る気概があって初めて国の防衛が全うされます。  このような認識に基づきまして、防衛庁といたしましては、現在進めております防衛力整備の考え方や各般の施策さらには自衛隊の現況等について、「日本の防衛」、これは白書でありますが、を初めとする各種印刷物、映画等の各種メディアを活用して広く紹介しているほか、部隊見学、音楽隊の派遣あるいは運動競技会の支援等、あらゆる可能な機会を通じまして防衛に対する理解と支持を得られるように努めておるところであります。ちなみに、最近の世論調査の結果を見ますと、現在の我が国防衛の基本的なあり方につきましては、大方の国民の理解を得ているところと考えております。  いずれにいたしましても、我が国の防衛を国民的基盤に立脚したものにするためには、今後とも国民の皆様の理解と支持を得るように一層の努力を続けてまいる決意でございます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 一部の人は日米安保について基地を縮小し、そして経済協力重視の方向へシフトした方がいいというように提案しておる人がいますけれども、先ほどからるる述べておりますように、これは情勢認識を誤っている、こういうように考えます。  そこで、日米安保体制はますます軍事的に強化する必要があります。その一つの手段として、現在、ガイドラインのもとに行われておりますところの研究は、日米双方の共同の計画として承認する手続をとる、そしてさらに、それに基づく高度な共同訓練を実施すべきである、こういうように考えるものでありますが、いかがでございましょうか。防衛庁長官と外務大臣、双方の御見解を承りたいと思います。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) 日米防衛協力のための指針、ガイドラインに基づく各種の研究はあくまでも研究でございまして、その結論を日米両国に義務づけるものではないことはしばしば申し上げてきたところでございます。また、指針に基づく各種の研究と日米共同訓練、これは直接の関係を有するものではありませんが、現在各種のケーススタディーを実施している共同作戦計画についての研究等を今後とも一層充実させることによりまして、日米共同訓練にも反映されるような成果を得るよう努力してまいりたいと考えております。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 外務大臣といたしましては、我が国の安全保障、これが外交の基本でございますから、この安全保障の面から日米安全保障条約を堅持し、そしてできるだけの自主的な努力をしなければならない、このように考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 次に、土井構想にアジア非核地帯化の構想が示されておりますが、これは核抑止の作用を拒否するものであり、かつアメリカの核抑止力の運用を制限し日本に対する核の傘のかかり方が非常に難しくなる不適切なものであると考えますが、これについて外務大臣並びに防衛庁長官の御見解を承りたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 土井委員長のお考えはお考えとして承っております。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) 我が国は従来から、一般的に、適切な条件がそろっておる地域につきましては、その地域の国々の提唱によります非核地帯が設置されることは、核拡散防止、この目的にも資すると考えてまいりました。一方、政府としましては、防衛計画の大綱にあるとおり、核相互抑止を含む軍事的な均衡や各般の国際関係安定化の努力によりまして東西間の全面的軍事衝突またはこれを引き起こすおそれのある大規模な武力紛争が抑止されているという考えを持っておりまして、アジアに非核平和地帯をつくるという構想が現実的なものとなるためには、何としても当該地域のみならず世界全体の平和と安定に悪影響が及ばない等々、種々の条件が満たされる必要があると考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 次は、精強な自衛隊員の確保についてお伺いいたします。  まず、基本的に、精強な自衛隊を維持していく上で隊員の確保が重要であると考えますが、そのための基本的な方針をお伺いいたします。

畠山蕃防衛庁人事局長

○政府委員(畠山蕃君) お答えをいたします。  御指摘のとおり、自衛隊が精強なものであるということは必要なことでございまして、そのために防衛庁といたしましては各種の対策を現に実施いたしているところでございます。一つは、隊舎、宿舎といったような生活環境施設の整備、あるいは給与面におきますその特殊性を考慮し、一般公務員との均衡をも考慮した給与制度の改善、向上、それから若年定年をとっておりますことに伴います特別の対策、そういったもろもろの面での処遇改善策ということで、質のよい自衛官をより多く確保できるというようなことをねらってそういう施策を講じておるところでございます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 処遇改善でありますとか環境改善、もちろん大事でありますけれども、一番の国防の基礎は国民の国を守るという意志でありますけれども、その意志に支えられた自衛隊員の士気、これが一番大事であると思うわけでありまして、自衛隊員が本当に国のためにお役に立っている、国民から支えられているということを実感することが極めて大事なわけでありますけれども、そういうようにはお感じになりませんか。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) 委員御指摘のとおりでございまして、国民から理解され支持され、また御苦労さまという気持ちを持っていただくことが、自衛隊員の誇りと責務に対する責任感の旺盛につながっていくと存じます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 次は、外務省にお伺いいたします。  現在まで我が国は国連平和維持活動などにどのように要員派遣面で協力してきたか、お伺いいたします。また、現在までのところ自衛官とか自衛隊が派遣されたことはございませんけれども、それはどういう理由でございましたでしょうか。

遠藤實外務省国際連合局長

○政府委員(遠藤實君) 現在まで我が国が国連の平和維持活動に協力してまいった事例といたしまして、要員派遣の面では昨年の国連のアフガニスタン・パキスタン仲介ミッション、それからイラン・イラク軍事監視団、これに政務官を派遣しております。それからさらに、今般ナミビア独立支援のための選挙監視要員の二十七名、支援チーム四名、計三十一名を派遣いたしまして、本日出発いたしました。  それから自衛官についての御質問でございますけれども、国連の平和維持活動は個々の事例によりましてその目的、任務が異なりますので、自衛隊の参加につきまして一律に論ずるということは難しいと考えております。しかし、一般論として申し上げますと、平和維持活動の目的、任務が武力行使を伴わないものであれば、自衛隊がこれに参加することは憲法上は許されないわけではないというふうに考えております。他方、現行の自衛隊法は自衛隊にこのような任務を与えておりません。したがいまして、これに参加することはできないというふうに承知しております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 戦闘、交戦を目的としない、そういうような海外への自衛官あるいは自衛隊の派遣について前向きに検討して諸制度を整備して、できるものから実行に移すようなお考えはございませんか。外務大臣並びに防衛庁長官に御所見を承りたい。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 国連の平和活動に日本が協力することは、今政府委員が申し上げましたように事例がございますし、さらに明年はニカラグアのいわゆる国連参加のうちの選挙、これに人を派遣するという考え方を約束しておりますけれども、自衛官の海外への派遣という問題につきましては、まず国内法自衛隊法の改正を必要とするというふうに考えております。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) 武力行使の目的を持たない自衛隊の部隊を海外に派遣することにつきまして、憲法上できないわけではないというのが先ほどの答弁にありました。現実に南極地域の観測に対する協力とかあるいは遠洋練習航海、このようなことは法律上許されておって実施しておるわけであります。  今後のことにつきましては、先ほど外務大臣答弁のとおり、自衛隊法を改正する必要もございますが、これらの点についてはやはり広く国民一般や国会における御論議等を十分踏まえさしていただきまして検討してまいりたいというところでございます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 さらに進んで、広く現在の軍事力に期待する機能を考慮して、自衛隊に新たな任務を付与することを検討してはどうかと考えますが、いかがでございましょうか。  例えば、七、八年前に、平時における軍隊に対していかなる任務を与えるかという会議がイギリスでありましたけれども、今や平時とか戦時とかじゃなくて、ずっと平時、戦時なんかわからない状態が続くと思うわけでありまして、もちろん武力である自衛隊が抑止力をもってその中核的な任務とすることは当然でありますけれども、しかし、訓練し、存在し、対空監視をし、領空侵犯対処し、あるいは時に応じて海上警備に任ずるとかそういうようなことだけではなくて、もっと広く任務を改めて考えるというようなことは私は効率上からいってもいいことではないかと、こういうように考えるものでありますが、いかがでございましょうか。

松本十郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(松本十郎君) 平時におきまして、先ほど申しましたように災害派遣とか南極観測あるいは不発弾の処理、こういったものをやっておりますことは委員御承知のとおりでございますが、これらに加えまして自衛隊に新たな任務を付与したらどうかと、こういう御指摘でございますが、これこそまさに広く国民一般や議会における、国会における論議等を十分踏まえまして今後検討しなければならないと考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 次に、自衛官の年金についてお伺いいたします。  自衛官の定年制は御承知のように非常に若年定年制でありまして、したがいまして生涯賃金の問題でありますとか、あるいは生涯賃金をとらなくて年金だけをとりましても、一般公務員に比較して大変に不利な条件に置かれております。その他の条件もいろいろ不利な条件があるわけでありますが、これが一つは今の募集難に影響しておると思われます。したがいまして、これについて改善の方向を打ち出すということは極めて大事なことだと思いますけれども、この点について今どのように政府において検討されておるかお伺いいたします。

畠山蕃防衛庁人事局長

○政府委員(畠山蕃君) 自衛官の年金問題につきまして問題があるということから、現在政府部外の専門の委員の先生方にお集まりをいただきまして鋭意検討を進めているところでございます。その結論が得られ次第、それに沿って適切に対処してまいりたいというふうに思っております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 以上をもって質問を終わります。  ありがとうございました。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 以上で永野茂門君の質疑は終了いたしました。(拍手)  明二十七日は午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十九分散会

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