農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 247 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1989/11/16
会議録
○委員長(仲川幸男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(仲川幸男君) 次に、農林水産政策に関する調査を議題といたします。 まず、先般本委員会が行いました農林水産業の実情調査のための委員派遣につき、派遣委員の報告を聴取いたします。 第一班の報告をお願いいたします。大塚委員。
○大塚清次郎君 委員派遣の御報告を申し上げます。 去る九月五日から七日までの三日間にわたり、仲川委員長、谷本委員、猪熊委員、林委員、それに私、大塚の五名で、佐賀、福岡両県におきまして、農林水産業の実情を調査してまいりました。 以下、調査の概要について御報告申し上げます。 最初に参りました佐賀県におきましては、まず、県当局から本県農林水産業の概要について説明を聴取いたしました。 農業については、農家人口率は三割を超え、農業が基幹産業であり、重要な位置を占めております。現在、昭和六十三年十一月に策定された「佐賀県長期構想」に基づき、生産、消費両サイドの密接かつ多様な相互交流(ツーウェイ・コミュニケーション)を基礎とする「新しい”さが”農業—ツーウェイ・コミュニケーション農業—の創造と展開」に取り組むとともに、昭和六十二年度から平成二年度の後期四カ年の農業産地づくり運動として、サガマンダリン、佐賀牛を初めとする「魅力ある”さが”ブランドづくり」をテーマに諸施策を展開しております。 牛肉・かんきつ等の輸入自由化に十分対応すべく、かんきつについては、「適地、適産、適人」のもとに、サガマンダリン等優良品種系統への早急な更新、品質区分集出荷の徹底、高品質冷凍濃縮果汁製造設備等果汁の高品質化、多彩な消費宣伝活動など生産、流通、加工、消費拡大の各面で対策を講じております。 また、肉用牛については、県や肥育農家等の努力の結果、主要市場における枝肉取引規格での上物率の高さ、大阪、兵庫を中心に主力産品である去勢和牛の出荷拡大により、「佐賀牛」が銘柄牛として定着しつつあるとのことであります。 林業については、県土の四五%を森林が占め、二万八千余戸の林家戸数のうち農家林家が九割近くであり、農業との複合経営となっております。現在、「佐賀県長期計画」に基づき、「県産材時代の確立をめざした”さが”林業の展開」を掲げ、諸施策を展開するとともに、積極的な間伐・保育を推進し、活力ある緑豊かな県土づくりに資するための「道ばた一〇〇メートル運動」や「佐賀県産材銘柄づくり」を実施しております。 水産業については、玄海地域、全国一の生産地となっているノリ養殖で有名な有明海地域及び内水面において営まれております。現在、「佐賀県長期計画」に基づき、「活力ある水産業の展開」を掲げ、諸施策を展開するとともに、「うまい佐賀のりつくり運動」を実施しております。 次に、視察いたしました主な箇所について申し上げます。 まず、多良岳国営開拓パイロット樹園地を視察いたしました。多良岳山ろく台地を樹園地に開拓し、農道、畑地かんがい施設等の整備により果樹農業の近代化を図り、ミカン主産地形成を進め、農業経営の安定と向上を日指して、昭和三十九年度、農林水産省初のパイロット事業として開始されたこの事業は、五十六年度までに総事業費約九十四億円をかけ、六百二十九ヘクタールを造成いたしました。現在、本県ミカンの振興の重要な担い手となっております。 次に、有明漁連七浦培養事業所を視察いたしました。本県主幹漁業である有明地区のノリ養殖に必要なカキ殻糸状体の生産、供給を目的とし、佐賀県有明海漁業協同組合連合会が、昭和五十七、五十八、六十年度にわたり整備したものであります。同事業所において、カキ殻糸状体二百万個を安定供給しております。 さらに、大学卒業後、サラリーマン生活を経てUターンし、現在、黒毛和種七十頭を飼養するとともに、三ヘクタールの水田を経営する和牛肥育農家も視察いたしました。 次に参りました福岡県におきましては、県当局から本県農林水産業の概要について説明を聴取いたしました。 古くから交通、文化の要衝を占め、恵まれた自然条件下にある本県は、鉱工業・商業県であると同時に、福岡市、北九州市という百万都市を抱え、九州の人口の三分の一に当たる人々が居住する、食料の大消費県、西日本有数の農業生産県であります。 農業については、農業就業人口は約十七万人でありますが、六十歳以上の占める割合は四七・一%と高齢化の進行が見られ、第二種兼業農家比率も高く、また、耕地に占める水田の割合も全国平均を大きく上回っております。 主要農産物である米、ミカン、生乳等多くの農産物が需給緩和基調にあることから、計画生産が実施されておりますが、こうした中で、産地としての主体性を持った取り組みが行われ、博多万能ネギ、博多とよおか(いちご)等に代表される産品が生まれております。 なお、牛肉・かんきつ等の輸入自由化に対しては、農産物輸入自由化対策プロジェクトチームを設置し、肉用牛経営の体質強化とかんきつ産地活性化等を図るための対策を講じております。 林業については、森林面積が県下総面積の四五%を占めており、戦後他県に先駆けての民有林造林推進の結果、民有林に占める人工林率は六六%と全国平均を大きく上回り、特に大分、熊本両県に接する地域には、人工林率が八〇%を超える市町村が多い状況にあります。今後、県民ニーズにこたえる森林、国産材時代に備えた森林の整備を行うこととしております。また、水源地域の森林の造成・整備を行うことを目的として、県、市町村及び企業の助成により、昭和五十四年度、水源の森基金が設立され、同基金による事業が実施されております。 水産業については、博多、戸畑両漁港を基地とする遠洋・沖合漁業と筑前海、有明海、豊前海三海区で営まれる沿岸漁業及び内水面漁業に大別されますが、昭和六十年度に、平成七年を目標とする「新福岡県沿岸・内水面漁業振興基本計画」を策定し、豊かで活力ある漁村社会の創出を基本方向として、現在、各種施策を展開しております。 次に、視察いたしました主な箇所について申し上げます。 まず、福岡県緑化センターを視察いたしました。同センターは、県民に対する緑化思想の普及、啓蒙並びに緑化技術の指導による緑化推進を目的として、昭和五十六年度から四カ年計画で建設され、現在、財団法人福岡県緑化センターが委託管理、運営しております。また、全国一の生産を誇る緑化樹芸木の生産に対応して、緑化技術の指導及び緑化木の需給調整を強力に推進するため、同センターの活動の推進を図ることとしております。 次いで、福岡県内水面水産試験場を視察いたしました。同試験場では、河川・湖沼における漁業の振興並びに内水面養殖業の安定を目指し、栽培漁業技術開発、養殖技術開発等の試験研究を行っております。養殖技術の改良開発として、特にバイオテクノロジーによるアユの品種改良の研究に力を入れております。 最後に、福岡市郊外のベッドタウンとなっている粕屋町の大隈花き施設園芸組合を視察いたしました。本県は、大消費地を抱える都市近郊産地としての地域条件を生かし、花卉生産全国第二位であり、バラ栽培の中心産地である本町において、本組合はバラを生産しております。昭和五十四年度に結成された本組合は、県内でもいち早く近代的な大型施設を設置し、廃タイヤボイラー等、省エネルギー対策、冷蔵施設の導入等を行うとともに、県内のバラ生産者の技術研修、情報収集等のセンター的な役割を担っております。 以上が今回視察してまいりました佐賀、福岡両県における農林水産の実情の一端でありまして、近年における農林水産業をめぐる厳しい情勢を反映して、米の市場開放阻止、水田農業確立対策における転作等目標面積の現行水準の維持、牛肉・かんきつ等の輸入自由化対策の充実強化、農業基盤整備事業の負担軽減措置等について強い要望がなされましたが、両県からの要望の詳細につきましては、本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願い申し上げます。 最後に、今回の調査に当たり、特段の御配慮をいただきました方々に心から感謝の意を表しまして、御報告を終わります。
○委員長(仲川幸男君) 次に、第二班の報告をお願いいたします。北君。
○北修二君 委員派遣の御報告を申し上げます。 本調査団は、去る九月五日から七日までの三日間にわたり、秋田、青森両県におきまして、農林水産業の実情を調査してまいりました。 派遣委員は、村沢理事、井上理事、高橋委員、細谷委員、三上委員、それに私、北の六名であり ました。 本調査団は、まず、秋田県に参りました。 秋田県当局から本県の農林水産業の概況について、また、秋田営林局から本県内の国有林野事業の概況について、それぞれ説明を聴取いたしましたところ、その主な内容は以下のとおりでありました。 秋田県は、耕地面積が全国第七位、生産農業所得が十七位、水稲生産量が三位という全国有数の農業県でありますが、近年においては、農畜産物の輸入自由化、米を中心とした生産構造、零細な経営規模、農業就業者の高齢化等、解決の困難な課題を抱えております。県当局は、このような問題に対処して、あきたこまち等の良質米生産の増加、米を中心とする複合経営の普及、中核農家を中心とする生産組織の育成等のための施策を推進していくとのことでした。 一方、本年は梅雨の時期に降雨が少なかったため、本県北部を中心とした水田で用水が不足し、「農家は用水路の整備、井戸の掘削、ポンプの新設等の応急対策を講じました。この結果、八月中旬以降、降雨に恵まれたこともあり、干ばつによる被害はほぼ解消しましたが、応急対策に要した費用が農家経営を圧迫しているため、被害農家を救済してほしいとの要望がありました。 本県は、森林蓄積、素材生産量ともに全国第五位という林業県でありますが、本県の林業を取り巻く情勢は、外材や非木質系代替材等との競争による木材価格の低迷、林業生産活動の場である山村地域の過疎化等、依然として厳しいものがあります。このため、県当局と営林局は、木材の安定供給体制の整備、森林の公益的機能の発揮、山村地域の活性化を図っています。ほかに、県当局は、木材産業の体質強化、県産材の需要拡大等に取り組んでいくとのことでした。 本県の漁業生産は伸び悩んでおり、県当局は、とる漁業からつくり育てる漁業への転換に全力を尽くしていくとのことでした。 県当局からの要望の主なものは、減反については、目標面積が短期的に変動すると農家経営が不安定になるので、長期的な観点から設定してほしい、消費者の良質米志向を考えると現行の割り当ては地域的に悪平等となっているため、本県のような良質米生産県に配慮し、目標面積を減らしてほしい等でありました。また、本年度の水田農業確立対策において、全国で秋田県だけが減反目標面積を下回る見込みとなったことについては、大潟村を除くと目標は達成しているので、大潟村での営農の正常化に最善の努力をしていくとの説明でした。 以下、本調査団が秋田県で視察しました箇所について、視察順にその概要を述べたいと存じます。 まず、男鹿市の秋田県水産振興センターに参りました。ここでは、アメリカンロブスターの養殖の実用化についての研究等を行っており、今後の成果が期待されております。 次に、大潟村の秋田県立農業短期大学附属生物工学研究所に参りました。ここでは、植物新品種の育成と農業技術の改善を目指して、バイオテクノロジーの基礎的研究を行っております。 秋田県で最後に視察したのは、大館市の株式会社大館工芸社でした。ここでは、秋田杉を加工して、地元の伝統工芸品である曲げわっぱ等を製作し、県産材の需要拡大に寄与しております。しかし、近い将来、天然秋田杉が枯渇するため、代替材の開発が緊急の課題となっているとのことでした。 本調査団は、秋田県における日程を終えた後、青森県に入りました。 青森県当局から本県の農林水産業の概況について、また、青森営林局から本県内の国有林野事業の概況について、それぞれ説明を聴取いたしましたところ、その主な内容は以下のとおりでありました。 青森県もまた、農業粗生産額が全国第十五位、特に、米が九位、リンゴ、ナガイモ、ニンニクが一位という全国でも屈指の農業県であります。しかし、本県の農業も数多くの問題を抱えているため、県当局は、個別経営の規模拡大、集落を単位とする生産の組織化等により地域農業の体質の強化を図っていくとのことでした。米については、つがるおとめ等の良質米生産の増加により、自主流通米比率を引き上げ、減反面積の拡大を避けようと意気込んでおりました。次に、果樹については、りんごの腐乱病被害が栽培面積の三割に及んでいるため、その防除が本県での最大課題となっているとのことであり、防除薬の開発事業を開始してほしいと要望しておりました。また、来年四月からリンゴジュースの輸入が自由化されるので、その対策の一環として、リンゴの生食消費を拡大するため、夏場まで新鮮さを保持できるCA貯蔵庫の増設を図っております。 本県の森林面積は県土の七割に及んでおり、県当局と営林局は、木材の安定供給、農山村の活性化等を目標にして、施策を強力に推進していくとのことでした。また、本県内の国有林野面積の半分が保安林に指定されており、水資源の涵養、国土の保全等に寄与しているとのことでした。 本県は、海面漁業・養殖業総生産量が全国第三位、水産加工生産量が四位という我が国を代表する水産県でありますが、水産業を取り巻く環境は、北洋漁場の制約の強化、近海資源状況の悪化、水産物価格の低迷等、厳しいものがあります。このため県当局は、沿岸・沖合漁場の整備、栽培漁業の推進、海面養殖業の振興、高付加価値製品の開発等の施策に取り組んでいくとのことでした。 県当局からの要望の主なものは、減反については、本県では減反の割合が三割近くに及んでおり、これ以上の拡大は到底困難であり、避けてほしい等でありました。また、再来年四月からの牛肉の輸入自由化については、繁殖と肥育の一貫経営、未利用林野の活用、バイオテクノロジーによる双子生産、品質向上によるブランドの形成等で対応していきたい、農業基盤整備事業の促進については、県からの補助の上乗せを検討したい等の説明がありました。 以下、本調査団が青森県で視察しました箇所について、視察順にその概要を述べたいと存じます。 まず、平賀町の森林総合利用施設に参りました。ここは、レクリエーションや森林浴の場として整備されており、林業従事者の所得向上にも役立っているとのことでした。 次に、弘前市の青森県農村工業農業協同組合連合会のリンゴ加工場に参りました。ここでは、見ばえのよくないリンゴ等を原料としてジュースを製造し、リンゴ生産農家の経営安定に貢献しております。リンゴジュースの自由化対策として、価格では外国産に対抗できないので、長期かつ低利の特定農産加工業経営改善資金等を活用し、品質の向上を図っていきたいとのことでした。 次に、黒石市の青森県りんご試験場に参りました。ここでは、矮化栽培技術の改善、腐乱病の防除薬の開発、加工用新品種の育成等について試験研究を行い、リンゴ生産の振興に大きな役割を果たしています。北海道、長野県等の公立農業試験場とは、リンゴに関する試験研究について従来から協力し合っているとのことでした。 次に、青森市の成邦商事株式会社のホタテガイ加工場に参りましたが、ここでは、輸出の割合が高いため、最近の急激な円高で経営が大きく圧迫されていると窮状を訴えておりました。 本調査団が最後に視察したのは、同じく青森市内の市営八甲田放牧地でありました。ここでは、放牧地として八甲田山ろくの未利用原野と国有林野を活用して肉用牛の低コスト生産に取り組んでいる一方、レクリエーションを通じて畜産農家と一般市民の交流に役立っているとのことでした。 以上が秋田、青森両県における農林水産業の概況であります。なお、両県における要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載させてくださるようお願いを申し上げます。 最後に、今回の調査に当たって特段の御配慮をいただきました方々に心から感謝の意を表しまし て、報告を終わります。
○委員長(仲川幸男君) ありがとうございました。 ただいまの報告にありました現地の要望につきましては、それぞれこれを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。 ─────────────
○委員長(仲川幸男君) 次に、鹿野農林水産大臣及び大浜農林水産政務次官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鹿野農林水産大臣。
○国務大臣(鹿野道彦君) 去る八月、農林水産大臣を拝命いたしました鹿野道彦でございます。 農林水産業をめぐる内外の諸情勢が厳しく、また農林水産行政について種々議論がなされております時期に農林水産大臣を拝命し、その責務の重さを痛感している次第であります。 農林水産業は、申し上げるまでもなく、国民生活にとって最も基礎的な物資である食料等を安定供給するという重要な使命を担っているほか、活力ある地域社会の維持、国土・自然環境の保全、生きがいの充足等、我が国の経済社会と国民生活の土台を支える重要な役割を果たしております。 したがって、私は、このような役割を担う農林水産業の健全な発展なくして、我が国経済社会の調和ある発展はあり得ないと考えております。 しかしながら、牛肉・かんきつの輸入自由化の決定や農産物価格の引き下げないしは据え置き等、農林水産業をめぐる諸情勢の急速な変化により、農林漁業者の方々には、将来に対し大きな不安を抱いておられる方も多いと存じます。したがって、今後政策決定に当たりましては、これまで以上に十分手順を尽くして行いますとともに、よりきめ細かな配慮と正確な情報の提供に努め、生産者に信頼される農林水産行政を確立するよう全力を傾注する所存であります。 今後の農林水産行政につきましては、与えられた国土条件等の制約のもとで最大限の生産性の向上を進め、国内での基本的な食料供給力の確保を図りつつ、農林水産業の経営の安定を確保するとともに、国民の納得のできる価格での食料の安定供給に努めることを基本として推進していくことが重要であります。 また、農林水産業は豊かな自然環境の中でこれに携わる者の創意工夫を存分に発揮できる職業であり、技術進歩の余地が多く、魅力ある産業となる可能性を十分に秘めていること、また農山漁村は、緑と水に恵まれたゆとりある生活空間として都会にはないよさを備えていること等の特徴を十分に生かして、文化の香りのする明るい農林漁業及び農山漁村づくりを目指していくことが必要と考えております。 私は、農林水産行政の責任者として、以上の観点に立って我が国の農林水産業に新たな展望を切り開いていくよう最大限の努力をする決意であります。皆様方の一層の御支援を心からお願い申し上げまして私のごあいさつといたします。 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(仲川幸男君) 次に、大浜農林水産政務次官。
○政府委員(大浜方栄君) このたび農林水産政務次官を拝命いたしました大浜方栄でございます。 我が国の農林水産行政は、内外ともに幾多の困難な課題を抱えておりますが、鹿野大臣を補佐いたしまして全力を尽くしてこの難局に当たりたいと存じております。 委員各位の御支援のほどをお願い申し上げてあいさつといたします。(拍手) ─────────────
○委員長(仲川幸男君) これより農林水産政策に関する調査について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○菅野久光君 ただいま大臣からごあいさつをいただきましたが、就任以来三ヵ月、本院での委員会での最初ですね。そういう意味を含めまして大臣の決意を伺いたいというふうに思うんです。 夏の参議院定時選挙は、消費税そしてリクルート、農政不信といういわゆる三点セットで、それが争点になって戦われた選挙でございます。結果はもう皆さん御案内のとおりですね。大臣はそうした中で大臣に就任をされた。 今日の農政は、先ほどごあいさつにもありましたが、極めて厳しい状況にある。そういう状況の中で今日までの自民党農政についての批判、そういうものが今度の参議院の選挙の結果にもあらわれているということは言えると思いますが、そうした中で農政の責任者になられた大臣の決意、先ほどは諸般にわたっての総花的なお話は承りましたけれども、この厳しい中で大臣に就任されたその決意のほどをお伺いいたしたい、このように思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) 私は、私自身がまず農林水産業の非常にその重要性というものを改めて認識していかなければならない、このように考えたわけであります。そして、そういうふうな決意のもとに農林水産行政を着実に推進していかなきゃならない。また同時に、農業者におかれましても、やはり誇りを持って農林水産業の役割というものを新たな決意のもとに認識をしていただくことによって農業にまた林業に水産業に励んでいただく、そして国民全体の人にもそのような農林水産業の重要性を認識していただく、このようなことによって私どもが着実な行政を行うことができるのではないか。このようなことから、あらゆる機会を通しまして今日まで農林水産業の重要性を訴えてきたところでございます。 そして、まず行政を進めていく中において農業というふうなものを魅力ある産業にしていかなきゃならない、ただいまも申し上げました。若い人たちがこれからも引き続いて意欲を持って取り組んでいただくことができるようにするには、やはり創意工夫によって消費者のニーズにこたえていく、そういうことによって新たな意欲を持って取り組んでいただくことができるような農業、そのための産業政策を進めていかなきゃならない。同時にもう一つは、それぞれの農業をやっていただいている地域地域、そのいわゆる農村、そこにやはり明るい農村、魅力ある農村、都会の人も農村に行ってみたいな、住んでみたいなと思うことができるような、そういう農村をつくっていくいわゆる地域政策、このような産業政策と地域政策というものを二本の柱にして、これから農業また林業、水産業、この行政を進めていきたいと思っております。 もう一点は、そういうふうな中で将来果たしてどうなるんだろうか、こういうふうなことに対して、農業をやっていただいている方に将来を見通しながら農業を営んでいただくことができるように将来への見通しも打ち立てていくことが大事なことではないか。こんな基本的な考え方でこれから懸命なる努力を払っていきたいと思っております。
○菅野久光君 本当に厳しい中で、特に今回の選挙の結果がああいう結果にあらわれたということを踏まえながら、本当に農漁民の方々が安心して営農、営漁、そういったようなことができるような、そして農林水産業というものがまさに国の基本だ、その国の基本である農林水産業が大変な厳しい状況に置かれてきたということに対する国民の怒り、あるいは関係者の怒りといいますか、そういうことなども踏まえながらひとつ懸命な努力をしていただきたいということを最初に申し上げておきたいと思います。 今日の農業問題について、何といっても最大の課題は水田農業確立後期対策の問題でございます。けさ、政府は自民党は対して何か考え方を示されたように報道されておりますが、そのことはどういう状況なんでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(松山光治君) 水田農業確立後期対策の取り扱いにつきましては、これまで各方面の御意見、御要望をいろいろと承りながら鋭意検討を行ってきたところでございますが、そろそろ大詰めの段階にまいったわけでございます。自民党に おきましても、特に小委員会におきましていろいろと御議論がございました、御要望もございました。それに対する政府の考え方をということもございまして、きょう、一定の私どもなりの考え方と申しましょうか、方針を御説明したところでございますが、私どもといたしましては、こういった方針をもとに来週早々にも正式決定する運びにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
○菅野久光君 ただ現在、きょう自民党に説明をされたようでありますが、その内容等について例えば記者発表だとかそういうようなことはなさっておりませんか。
○政府委員(松山光治君) 状況の報告をさしていただいております。その際に、こういう検討の状況になっており、私どもとしては来週早々に正式決定する運びにしたい、こういうふうなことを申し上げておる次第でございます。
○菅野久光君 それでは、検討の方向を私どもは新聞によってしか知ることができないわけでありますが、関係者には何か一枚の刷り物になって出ているようでありますが、それは公式なものではないということになるのでしょうか、どうなんでしょう。
○政府委員(松山光治君) 一応皆様方に御説明をしておるものでございまして、そういう意味では正式決定ではございませんが、現段階におけるこれから私どものやりたいと思っております対策の骨子の形をとっておるわけでございます。
○菅野久光君 それでは、その骨子についてはきょうこの委員会の席に配られておりますか。
○政府委員(松山光治君) 特にお配りはしてございませんが、御要請がございますればすぐにでもお配りさせていただきたいと思います。
○菅野久光君 今日の時点でこのことがやっぱり最大の課題だと。ただ、これは水田の問題だけではなくて、もう私が今さら申し上げるまでもないことですが、当然きょうの審議に当たってそういったような資料は、私どもが要求をしなくてもあなた方として配るべきではないかというふうに思うんです。我々が全くそういう資料を手に入れていないときにそうでない人たちが手に入れているんですよ。その辺もやっぱり国会を軽視するということになるのではないか。我々は野党だから野党には渡さなくてもいいということになるのかどうなのか。その辺の政府の対応というものがちょっとおかしいんじゃないかというふうに私は思うんです。それは今回だけじゃないですよ。これからもいろんな場でそういうことが起きてくると思うんですが、その辺について大臣、どうでしょうね。
○政府委員(松山光治君) 実は、私どもなりの考え方を取りまとめるにつきまして、多少言いわけめくのでございますが、けさまでやっておったような実情でございまして、甚だ不行き届きの点がありましたことをおわび申し上げたいと思います。
○菅野久光君 不行き届きはまさに不行き届きなんですが、今までもこういうことが往々にしてあったわけですよ。でも参議院の状況は違うわけですから、これは参議院だけじゃない、衆議院だって同じだと思うんですが、国会に対する政府の取り組み方の、姿勢といいますか、そういうものについてやっぱり落ちているのではないかというふうに私は思えてならない。そのことを私は言っているんです。ですから、これから農林水産省として国会に対してどういう対応をしていかなければならぬのか、そういう私の指摘に対して大臣の考え方を聞きたい、こういうことなんですよ。大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 議院内閣制でございますので、いろいろな考え方はございますけれども、これから配慮をもってやっていきたいと思っております。
○菅野久光君 いや、いろんな考え方ではなくて、きょうの委員会で今まさに水田農業確立の後期対策の問題が最大の課題になっておるわけです。課題になっているときのこの委員会なんだから、そういうような説明資料というものは当然できているわけですから、せめて農林水産委員のところだけでも配るべきではなかったのか。ただ、単なる手落ちということだけでは私は済まされないものがあるのではないかというふうに思うんです。これは考え方とかなんとかそういうことと違うんですよ。国会と政府との関係、そういうことの中で私は申し上げておるわけですから。いかがですか、大臣。
○国務大臣(鹿野道彦君) これからいろいろ配慮を持って対応してまいりたいと思っております。
○菅野久光君 そのことは今後、こういうようなことのないように、十分に我々の委員会審議に役立てるというようなことでひとつ対応してもらいたい。特に官房長は先ほど答弁したかったようだけれども、官房長、よく配慮してくださいね。 私は、その資料はもらっておりませんが、けさの日本農業新聞の中で骨子のあらましが出ておりますので、骨子のあらましの中で一、二の問題についてちょっとお聞きをしたいというふうに思います。 何か、お聞きいたしますとことしは政府米の集荷、これが思うようにいっていないというような話もちらほら聞くんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生御指摘の点でございますが、米の政府の集荷の関係でございますけれども、この点に関連いたしましては、現在先生御案内のように、政府が管理をしております米の区分といたしまして、一つは民間の市場の長所を生かした自主流通米、それから狭義の意味での政府米ということでございますが、ともに私ども、例えばことしの三月に計画をいたしております政府の基本計画に基づきまして管理をしているところでございますが、狭義の政府米につきましては、自主流通米の量の増大に相伴いまして、政府の直接管理する米の量がだんだん減ってきております。 今御指摘の点につきましては、政府の直接管理する政府米、これが集荷が思うようにならないのではないかということでございますが、この点につきましては、確かに今の初歩的な私どもの計画によりますと、二百万トンを切るということでございまして、形の上では、政府米の数字として二百万トンを切るということは初めてのことでございますが、全体の上での限度はありますけれども、一定の米の量は確保できるものだというふうに考えております。 なお、この具体的な数字がどのくらいのものになるかということにつきましては、現在集計中でございまして、基本的に政府米及び政府管理の対象であります自主流通米と相まちまして、国民の必要とする食料である米をきちっと安定的に供給することについては、問題は一つもないというふうに考えております。 ただ、御指摘のように、ことしの産米におきましては、やはり今までの歴史にはありませんけれども、一応二百万トンを切るのではないかというふうに予想しております。なお、この具体的な数字につきましては、改めて私どもは毎年三月に計画を立てるという段階になっておりますので、その点に十分御説明をしたいというふうに考えております。
○菅野久光君 お聞きすることがちょっとばらばらになるかもしれませんが、今回の後期対策を決めるところまでの段階の中でいろいろな論議がなされてきたと思うんです。そうした中で市街化区域内の水田、これの取り扱いですね。これはいろんな話が出ておったようですが、それらについてはどのように考えられておるのでしょうか。
○政府委員(松山光治君) 市街化区域内の水田につきましては、前期対策の際に、市街化区域内で転作等を行ってもらうという考え方をかなり鮮明に出しました傾斜配分をいたした次第でございます。実績を見ましても、例えば関東圏で市街化区域だけの水田の市町村といったようなものをとってみますと、転作率が五五%程度になっておるといったような形に相なっております。 今のお尋ねは、後期対策の場合にどういうふうな扱いにするのかということにもつながるのかと思うわけでございますが、今私ども検討しております考え方でございますが、前期対策の目標面積というのをベースにしながら、そういう意味ではそこに市街化区域への傾斜という考え方が一つ入り込んでおるわけでございますけれども、追加になります分の調整を行います際には、農業の担い手地域への配慮あるいは自主流通比率といったようなもののほかに、生産量といったようなものも勘案しながら、地域農業の実態を勘案して調和のある形で配分していくのが現段階では一番現実的かなと、こういうふうな考え方をとっておる次第でございます。
○菅野久光君 これは三年間ということですね、計画をしているんですが、前期の場合もこれは一年間で破綻をしたのではないかというふうに思うんです。 今回のこの八十三万ヘクタール現行据え置きにするということは、これはこれでいいんですが、何かいろいろ聞くと、どうも衆議院の解散総選挙もあるというような全く政治的な意味合いでこの八十三万ヘクタールということを決めたのではないかという、これは勘ぐりかどうかは別にして、そういうこともあります。しかし、この八十三万ヘクタール三年間ということをこれからずっとやっていくことになるわけですけれども、三年間このままの状況でやり得るという、いろんな検討の結果から確信を持ってなされたのだとは思いますけれども、いよいよ来年から始めるに当たって、そのことについての何というんですか、決意というのかな、絶対大丈夫だという確信を持っておられるとは思いますが、その点についてお伺いいたしておきます。
○政府委員(松山光治君) 転作等目標面積の扱いにつきましては、今ちょっとお話のございました現行の目標面積八十三万へクタールというものを三年間原則固定にするという方針のもとに、来週早々正式決定する運びにいたしたいと思っておるわけでございますが、こういう私どもなりの現段階の考え方に至りましたにつきましては、これまでの米の需要動向なり、単収の動向といったようなものにつきまして慎重に精査をいたしたつもりでございます。また農業団体におきましても、相当の決意を持って消費拡大努力をするんだという、そういう意向の表明もございます。そういうことも頭に置きました上で、八十三万ヘクタールで何とかいけるのではないかという考え方に至ったということでございます。 もちろん農作物のことでございますから、豊作もあり不作もあるといったようなことで、そういう意味での弾力的な対応の必要な場合もあるかもしれませんけれども、私どもといたしましては八十三万ヘクタールという目標面積のもとで特段の問題が生じないように、消費拡大その他について関係方面挙げての御努力をまた期待したい、このように考えておる次第であります。
○菅野久光君 天候による豊作、不作の問題はこれはいたし方がないわけですね。だれが考えてみてもいいんですが、それ以外の要素の中でこれがおかしなことにならないように、ひとつ最大の取り組みをしていかなきゃならぬ、そのように私も考えております。 これが、一応来週早々にでも決まるということになれば、当然減反目標面積の都道府県への割り当てということになるわけです。これは前期の三年前の状況と今の状況とは、それぞれ都道府県の例えば米づくりということだけに限定してみても相当状況は変わってきているのではないかというふうに思います。それぞれおいしい米をつくるということで、宮城だとか新潟、山形、福井などはこれは有名なところで、これらは特に消費者の要望に対応するために米の増産を望んでいるということは当然ですね、国民のニーズにこたえる。そういうところでは、先ほど派遣報告の中にもありましたけれども、減反面積をこれ以上ふやすなと、逆に減らしてくれという要望が強くあることもこれは当然だというふうに思います。 私のいる北海道でも、東京都と並んで減反率が四八%、全国最高になっているわけでありますが、最近ではきらら三九七という品種、これは大臣も試食をされたかなとは思うんですけれども、ほとんど米の主産県であります宮城だとか新潟のコシヒカリやササニシキなどともそんなに遜色がないほど味のいい、食味のいい米ができるようになってきましたし、青森県のつがるおとめ、あるいは秋田県のあきたこまち、大臣のところの山形県のはなの舞ですね。こういうような食味のいい品種が次々に出てきているというようなことなどを考えていけば、今までの減反の割り当てということだけでそれを基準にして、大体今の面積をそのままということになるんですけれども、こういう努力をしているところについては、もう少し傾斜配分を是正してもらいたいという意向も強くあるわけです。それらをどのように判断をされるのか。特に東北から北海道、この方にかけては、減反の問題についても、米の消費拡大についても実に涙ぐましい努力をしてきている。そういう努力にどうこたえるのか。 それから、東北にしても北海道にしても、規模の問題からいっても随分他の府県から見ると優位な状況といいますか、コストを下げる、そういう面でもかなり優位な情勢にもある、そういう全国的ないろんな問題からいけば、こっち側を減らせば片方がふえるというようなことで非常に難しい問題ではありますけれども、コストの問題だとかそういうことを含めながら、これからの減反目標面積の都道府県への割り当てを進めるに当たってどのようなお考えで進めようとされるのか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(松山光治君) 近年におきます米づくりの各地域における取り組みの状況を非常に大ざっぱに申し上げれば、各産地がそれぞれの特色を生かした米づくりをしよう、その中で良質米志向が強くなっております需要に何とかこたえていこうということで、それなりにそれぞれの産地が取り組みを強化されておるというのが一つの特徴ではないかというふうに思うわけでございますし、私どもといたしましても、そういった各産地がそれぞれの地域の特色を生かした米づくりに励まれるということについて敬意を表したいというふうに思っておるわけでございます。 そういう状況の中での転作等目標面積の配分の問題でございますが、率直に申し上げまして、いわゆる良質米地帯といわれるような地帯からはもっと傾斜配分を強めてほしいという要望があるわけでございますが、反面、転作率の高い多くの地域からは一律的と申しましょうか、均等配分的な要素を強めてほしいという、そういうかなりそれぞれのお立場での御意見があるわけでございます。 私ども来年からの後期対策の配分に当たりまして、今鋭意どういう形でやるか検討しておるところでございますが、こういった地域の要望あるいは水田農業確立対策自体のねらい、趣旨といったようなものを考えましたときには、先ほども申しましたように、前期の転作目標面積、それをやっぱりベースに置きながら今後とも農業生産を担う地域なり担い手に配慮していくということ、さらには良質米の要素を加味するといたしますれば、自主流通米比率を勘案する。かつまたどちらかと言えば、均等配分的要素という意味では水稲の生産量といったような要素も勘案する必要があるのであろう、そういうふうなことを頭に置きつつ消費拡大努力を含めまして一定の需給調整努力が各地域において行われておるのでありますから、そういった実態とそれほどかけ離れたことにならぬような、そういう意味での調和のとれた形の配分を心がけることが現実的ではなかろうか、このように考えておる次第でございます。
○菅野久光君 一生懸命努力している農民に失望させないように、十分なひとつ配慮をしてもらいたいということを要望しておきたいと思います。しかし、何といってもやっぱり米の消費拡大ですね。これは牛乳がお医者さんのあれによって何というか、飛躍的にと言っていいかどうか別にし ても、相当量消費がふえたというようなこともありますですね。まあ我が参議院からは、先ほどごあいさついただきました大浜方栄先生が、今農林政務次官でございますので、ひとつ何とか大浜先生のお力をおかりして、米がいかに健康の上でいい食品であるかということをPRできるような、そういうこともぜひ政府としても考えてもらいたいというふうに思うんです。 どうも我々が言ったり農民の方々が言ったりしても、何か手前みそのようになって余り聞かないんですね。しかし、お医者さんの言うことというのは、やっぱり国民は非常に聞くわけでありますから、そういう意味でせっかくのところですから、ぜひ大浜先生のお知恵などもおかりして、米の消費拡大策に取り組んでもらいたい。そうした中で学校給食の問題なんかもいろいろあります。これは、まさに農林水産省だけでなくて、政府全体で取り組んでもらわなきゃならない問題だということでありますので、米の消費拡大の問題について、大臣ここは一番大事なところですので、ひとつお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) ただいま先生申されたとおりに、米に対する正しい知識、これを国民の人たちに理解をしていただく、この努力をしていかなきゃならない、この啓発運動を積極的に展開していかなきゃならない、このように考えております。 私自身も就任をいたしましてから米の消費拡大につきましては、やはり新しい展開が必要だと、このような考え方で今省を挙げて取り組みをいたしておりまして、大浜政務次官のお話も出たわけでありますが、政務次官も今日そのような理解のもとに懸命に努力をしていただいているところでありますし、またやはり、これからの日本型食生活というふうなものをつくり上げていく上において、若い女性の人にとにかく米の正しい知識を認識してもらうということが非常に大事なことだと、このようなことから農林省としてはなかなか今までと違った形でのいろんな企画もいたしておりまして、ヤングレディ・ライスクッキング・コンテストというようなこともやらさしていただいておりますし、これからは米の料理サミット、このようなこともやってまいりたい、こんなことで努力をして引き続きやってまいりたいと思っております。
○菅野久光君 時間が余りありませんので、通告したとおりにはなかなかいきませんが、今度の減反の問題について、最初何か時には政府が一生懸命推進をして、その後は農協にも協力してもらって、そして今度はその農業団体ですね、農協だけに減反を推進してもらうというようなことで変わってきているんですね。しかし、これはやっぱり国の政策でありますから、農協に依頼する、そのことによって国としての何ていうのですか、責任を逃れるだとかなんとかということではないと思いますけれども、その辺のところはどうなんでしょうか。
○政府委員(松山光治君) どの産業部門でもそうだと思いますが、需給の不均衡が生じましたときにまずどうするかと考えるのは、生産者であったり関係団体であったりというのが一般論ではなかろうかというふうに思うわけでございます。ただ、米の場合には御案内のようなもろもろの事情もございまして、過去の生産調整の実施はどっちかといえば行政主導のような形で進められることが多かったわけでございますけれども、やはり原点に立ち返って考えたときには、生産者なり生産者団体なりがまずはみずからの問題として考えていただく、それを行政が支援していくといったようなことが筋ではないのかというのが、先般出された農政審議会の報告の基本的な考え方ではなかろうかとも思っておるわけでございます。 そういうふうな考え方のもとに、既に前期対策におきましても、生産者なり生産者団体なりの主体的な取り組みを基礎としながら、関係者と行政とが一体的にこれを推進していくという考え方をとって一緒になって進めておるわけでございまして、後期対策の推進に当たりましてもそういった考え方を基本に置きながら、やはり生産者団体にとりまして需給調整というのは非常に重要な関心事でもあるわけでございますので、団体なりにやり得ることをいろいろと考えてほしいと、我々としてはそのように期待をいたしておる次第でございます。
○菅野久光君 転作助成金なんですけれども、今度何か二万円を一万四千円にする、そしてほかの関係でいろいろやっていくんだというふうなことですが、端的に聞きますが、このことによって農家の所得に対する影響、それはどのように考えておられますか。
○政府委員(松山光治君) 転作助成補助金の問題につきましては、これまでから何と申しましょうか、一種のばらまき的になることはできるだけ避けて、できるだけ望ましい営農の方に誘導していくという考え方のもとに加算を重視するといったような考え方で、いろんな見直しをやってきておるわけでありますが、今回の対策におきましても、そういった観点からの助成体系の見直しというのはぜひやりたいというふうに考えておる次第でございます。 今一万四千円というお話がございましたが、現在、一般作物の基本額は二万円でございます。これを一万四千円にすることを今予定はしておるわけでございますけれども、それに対しまして望ましい転作営農の方向に誘導していくという観点から、現在生産性向上等加算という形で幾つかの加算がございまして二万円の加算が出ておるわけでございますが、その加算の中の一つの種類といたしまして、新しく高生産性の生産単位を誘導するという観点からの加算を設けまして、これを二万六千円の加算にいたすつもりでございますけれども、それに加えまして地域営農加算というのが一万円ございますので、これを足し上げますと十アール当たり五万円になるわけでございます。 現在の奨励金体系におきましても、一番高い形になっておりますのが諸加算合わせまして十アール当たり五万円でございますので、望ましい転作営農に励んでおられる方につきましては、現状どおりの十アール当たり五万円が確保できる、こういうふうな措置をとりたいというふうに考えておるのが一つでございます。 それからもう一つは、これも対策の中身にかかわることでございますけれども、新しく地域間の目標面積の調整といったような仕組みも入れたいと思っておるわけでございますが、そういうことを含めました転作の円滑な推進、あるいは各地域の実情に応じました水田の多面的な利用等々、地域の水田農業を前向きに進めていくための経費に充てるための特別対策費というものも別途用意をいたしまして、現行の転作助成に見合うだけのものは十分に確保したい、こういう考え方で全体を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○菅野久光君 時間がないので端的にお答えをいただきたいと思いますが、次に、コスト軽減の中で今やっぱり問題になっているのは土地改良費の農家負担問題です。これについてもういろんなことを申し上げる必要はないというふうに思いますが、これが大変な問題になって、来年度の予算要求で土地改良負担金総合償還対策事業、そして新規に百億円を要求しているわけですが、しかし、農家負担分の金利をゼロにするとしても千五百億かかるというんですね。 そこで、この百億円という額とその活用方法について農水省としてはどのように考えておられるのか、ひとつ簡単にお答えください。
○政府委員(片桐久雄君) 土地改良の負担金の軽減問題につきましては、六十三年度、平成元年度、種々対策を講じてきたところでございますけれども、最近の厳しい情勢を勘案いたしまして、さらに一歩踏み込んだ対策を平成二年度から実施したいということで現在いろいろ検討を進めているところでございます。 平成二年度からの対策といたしましては、負担金の償還が困難な地区に対しまして、償還総額を増加させずに償還の平準化を図る制度の創設とい うものを現在考えておる次第でございます。このために必要な資金といたしまして総額約一千億円を五年間で造成したいということで、予算案をこれから要求してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○菅野久光君 とにかくここのところをやっぱりしっかりやらないと、なかなか今の農業の問題というのは大変な問題ですし、農民団体からも水田の場合には米一俵、畑の場合には麦一俵分。すなわち、水田の場合には償還限度というのは一万五千円、畑の場合には一万円が限度ですと、農家経済からいけばですね、そういうようなことでの要求なんかも出ております。そういうことに見合うような対策をということが農民の人たちの今強い要求だと思うんですよ。そういうことにどのように政府として対応していくのかということが私は今の最大の課題だというふうに思うんです。大蔵のひもがかたいことは私もよくわかっておりますが、私どももこのことについて努力をしていきますが、ひとつ政府としても最大限の努力をしてもらいたいというふうに思うんです。 そうした中で、金額が大きくなるとなかなか大蔵も大変だと思いますが、すぐやれるようなものということで、例えば転作で遊休化しているこの水利施設などですね、あるいは割高となっている維持管理費、これは国の政策で減反をしていることによってそういったような状況が起きているわけですから、せめてこのぐらいは国費による負担や援助措置を講ずるべきではないかと私も思いますし、また農民の方々もそう思っていると思うんです。金額にしたらそう大して、私はまだ試算しておりませんけれども、大したことではないと思うんです。こういうやれるもの一つ一つやっていくということが農民の政府に対する信頼というものを戻していくことになるのではないかというふうに思うんですが、そういったようなことについて検討したことがあるでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 土地改良施設の管理につきましては、受益者が自主的に行うということを原則としているわけでございますけれども、公共性の高いダムとか頭首工とかそういうものにつきましては、国が直轄管理をするとか、それからまた都道府県の管理に対しまして助成をするとか、そういうこともやっているわけでございます。それからまた、土地改良区などが管理する施設につきまして、定期的な整備とか修繕工事を行う場合にも助成を行っている次第でございます。 また、水田地域におきまして転作と稲作を混合してやるというような場合にいろいろ施設の管理上問題がございますので、揚水機場等の合理的な管理を行うためのいろんな施設の修繕、改善、そういうものに対する助成も、これは昭和六十二年度から実施している次第でございます。今後とも施設の適正な管理のための施策については強化してまいりたいというふうに考えております。
○菅野久光君 こういう何というんですかな、ささやかかどうかは別にしても、そういうことにまでしっかり目を向けたことをやってもらいたいということをこの機会、特に私から要望しておきたいというふうに思います。 次に、時間がなくなりましたので畜産局長にも実は尋ねたいことがあったんですけれども、きょうは割愛をさせていただきたいと思います。せっかくおいでになったのに済みません。次回にやらさせていただきたいと思います。 久しぶりに水産庁、現在日本の水産業は、サケ・マス沖取りの禁止をねらう米ソの合意、漁業分野での韓国とソ連の急接近、さらに流し網禁止の大合唱が広がる国連など、水産王国日本の土台を大きく揺さぶっております。経済摩擦や環境保護運動が絡んで、日本漁業への締めつけが南や北の海で起こっております。 そうした中で、北洋サケ・マス漁業の補償問題でありますが、百二十九隻の実に三分の二、八十六隻の減船をやるということを自主的に決めました。いろいろな困難な状況の中で、今その状況を申し上げる時間的な余裕がございませんので申し上げませんが、これの救済措置、特に漁民のみずからの意思でそうなったということではなくて、漁業外交の中でやっぱりこういったようなことになってきた。一隻当たり二億八千万というような特別救済金の要望があるわけですけれども、かつてのように共補償ということができるような状況ではないことは、長官も御承知のとおりでございます。 そうした中で、一日も早く政府としてこれらの補償の問題についての何らかの手を打つように、漁民の強い要望があるわけでありますが、この救済措置の検討、それをいつごろまでになさるのか。また考え方なんかについて、私は十八分までという時間帯ですので、余り長々とやらないで簡潔にひとつお願いいたします。
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま御指摘のございました件、サケ・マス漁業のうち母船式漁業に係る問題でございまして、業界の方からも私どもお話をお伺いしております。 ただ、現在の状況を考えますと、そういう意向はありますが、私どもとしては海洋秩序の再編成を求めるという国際的な動向を考えながら、全体として考えていきますと、これまでのような事後的な救済策というやり方でいいのだろうかということを実は私ども非常に懸念しております。したがいまして、今御指摘のございました母船式サケ・マス漁業に限らず、サケ・マス漁業全体、あるいはまたその他国際規制にかかわるいわゆる国際漁業全体についての問題として今後どう対処していくべきかということを検討しておりまして、できるだけ早くその結論を得て、いずれにしても適時適切に業界の一部から出ておりますような、そういった御意向を踏まえながら、必要な仕組みの確立なり必要な財源措置の確保に努力をしていきたいというふうに考えております。
○菅野久光君 だんだん暮れも押し詰まってくるような時期ですから、大体いつごろまでにというめどですね、それをひとつ示してください。
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま申し上げましたとおり、実はこのサケ・マス漁業につきましては、特にソ連との関係で申しますと、明年の二月の末ないし三月ごろから来年の漁期に向けての交渉を予定しております。それがどういうふうに進んでいくかということを見なければなりませんし、それからまた、ソ連との漁業交渉にかかわるサケ・マス漁業、ただいま先生から御指摘のありました母船式に限らず基地式のサケ・マス漁業が相当多数ございます。これら業界との調整問題もございますので、なかなか全体としての仕切りをつけていくのにまだ手間暇がかかるのではなかろうかというふうに考えております。 いずれにしましても、業界全体の足並みの問題あるいは交渉とのかかわり合いということをにらみながら、関係する皆さん方の御心配を十分踏まえて必要な対応を具体化していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○菅野久光君 いずれにしましても、これはもう織船を決めてしまったわけですよ。ですから、これからのソ連とのあれがどうだとかこうだとかということではなくて現実の問題なわけですから、政府としてもやっぱり早急にこれらの対応策を決めていかなければ大変だというふうに私は思うんです。時間がありませんから、ここのところは本当に大臣、これはもう二百海里になったときから織船の問題というのはずっとついて回っているんです。私は五十八年に出てきたんですが、そのときから私はこの問題をいつも取り上げてきているんですが、農林水産大臣としても、この解決のためにひとつ特段の努力をしてもらいたいということを要望しておきたいと思います。 あと流し網規制の国連決議の問題だとか、あるいは韓国漁船の不法操業、相変わらずですね、ここは。北海道はもう本当に大変な状況になっております。 そして、今また漁業にとって最大の問題はやっぱり魚価安の問題です。とったらとったでこれはもう価格が安くてとても大変だという問題がありますが、この魚価の安定という問題について具体的にどのような対策を進められようとしているの か。これはやっぱり漁家の経済にとっても大変な問題になっております。私は、かつて京谷長官が畜産局長のときに、関税分を牛肉の輸入のあれに充てたような形で、今水産の輸入が相当な額ですね。一兆四千百億円ですから、これの関税、例えば五%だって七百億ですよ。この関税を何とか魚価安だとかあるいは減船補償なんかに充てるようなことを考えていくべきではないかという提言も申し上げて、時間になりましたから長官から簡単に、後の人に迷惑がかからないようにひとつ答弁いただきたいと思います。
○政府委員(京谷昭夫君) いろいろな問題を提起されたわけでございますが、特に魚価の問題でございます。確かに現在の魚価の状況を見ますと、イカ、サンマといった特定の魚種について生産過剰という事態のもとで魚価が低迷、低落をしておるという現象がございます。 私どもは、やはり基本的には需要をいかに確保、拡大をしていくかということとあわせまして、マーケットの状態に合った生産の調整をしていくことが必要であるということで、サンマにつきましては、御承知のとおり漁期を早目に切り上げるというふうなことでマーケットへの対応を図っております。また、イカにつきましても、現在関係業界が大変多岐にまたがりますのでやや難渋をしておりますが、今月中には来漁期に向けての生産抑制計画というものを確立したいと考えております。また、そういうことを前提にして需要拡大なり、あるいはまた関係者についての経営対策を検討していく必要があるであろうということで、まずはやはりマーケットの状況に合わせた生産量の調整ということを現在先行して努力しているところでございます。 また、一連の水産施策に関連をして、水産物にかかわる輸入関税を財源とした施策というふうなお話がございましたけれども、私どもはやはり畜産物について、畜産物といいますか、牛肉について行った措置とはかなり状況なり背景というものが違っておりますので、実はそのような構想を具体化する考えは現在のところ持っておりません。
○菅野久光君 今のところは持ってなくても後から持ってくださいよ。 終わります。
○三上隆雄君 ただいま委員長からお許しをいただきましたので、私は社会党・護憲共同、そしてまた農家、農民の立場、消費者の立場で、私のレベルで質問を申し上げたいと思います。よろしくお答えをいただきたいと思います。 なお、今回私は委員会で質問するのは当然初めてでございますし、また会派の方から提示された問題が五件でございます。 まず第一点は、農業、農村の将来展望について、そして二点目には水田農業確立後期対策について、三番目には食管制度について、四番目には土地改良の農家負担の軽減について、そうして五番目には農産物の自由化問題についてという五点について質問をいたしたいと思います。ただ、前任者の菅野さんからもいろいろ質問がありましたので、割愛させる点もありますので御了承をいただきたいと思います。 先ほど鹿野農水大臣からいろいろ大臣としての抱負、それがまさしく私は日本の農業の一つの方針だと思います。その意味でいつも時の農水大臣、そうしてまた政府は、日本の農業は足腰の強い農家をつくらなきゃならない、国際化の中でその国際化に対応できるような足腰の強い農家を育成しなきゃならぬと言いますけれども、そのいわば理想像というか、しからばその足腰の強い外国の農業と太刀打ちのできるような、そういう農家像というものを具体的に示していただきたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) 足腰の強い農業ということは、基本的には農業の基盤をしっかりと確立していくことだと、このように考えるわけであります。 そのようなことから一つは、やはり農地の貸し借りなりあるいは農作業の受委託なり、そういうふうなことによって一層生産性の向上を高めていく、農業構造の改善を図っていく。そうしてもう一点は、やはり担い手を育成していく。経営の問題なりあるいは技術の問題なり、そういうふうなことについて研修教育の充実を図っていく、そしてすぐれた担い手をつくり上げていく。もう一点は、今日の消費者のニーズも高度化、多様化している、この流れにどうこたえていくかということを考えた場合に、バイオテクノロジー等の先端技術によるところの新しい農産物の開発、普及というふうな、このようなことを推し進めていかなければならないのではないかと、このように考えておるところでございます。
○三上隆雄君 やはり将来の農家像を議論する前に、国の基本的な政策をただしておく必要があると、こう思うわけでありますから、まずもって具体的に、余り長い答弁をしないでください。 まず、食料の自給率をどこに設定しますか。少なくとも二〇〇〇年前後ですね。あと十年、この食料の自給率をどこに設定する考えですか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今長期見通しということで、二〇〇〇年時における需要生産というようなものがどうなるか、こういうような中で自給率も出てくるわけでありますが、自給率といいましてもいろいろございます。カロリーベースの自給率もございますし、食用の穀物自給率もございます。そのような中で私どもといたしましては、基本的には今日まで自給率が低下しておる中で、何とか気持ちの上でこの辺で歯どめをかけたいなと、こういうふうな考え方を持っておるところであります。
○三上隆雄君 現在の自給率が穀物で三〇%、カロリーで四九%、そしてまた総合自給率が七〇%弱という、そういう状況の中で今まで、戦後の農政を見ますと、私は縮小再生産の方向に来ている、こう思うんです。そういう中で実際、将来とも農業を経営していきたいという者が、むしろ今までの流れからいくとやる気をなくしているというのが現状ではなかろうか、こう思うわけです。そしてまた、近年の米価の算定方式を見ますと、努力をすればするほど次の年の、順次米価の算定が下がるようなそういう方式になっている。 そういうような実態を見たときに、果たして農家が、やる気のある農家がやっていけるかどうか、その辺が私は、今まで一農家として、一農業団体のリーダーとして疑念を持ってきたわけであります。その意味で、これからは自給率を社会党としては六〇%にするというそういう政策を掲げている。自民党がさきに出されました試算でいきますと、穀物自給率で二八から三〇という、そういう数字が出されている。そういう状況の中で、しからば将来の理想的な農家の所得の位置づけというか、どのあたりに農家の所得を基本として定めていくのか、その辺を具体的に示していただきたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 現在農政審議会で、長期見通しの中で将来の営農の姿、これはやっぱり基幹的な農家を中心に規模を拡大していく、あるいは基幹的な農業者を中心に生産単位を拡大しながら、機械の効率等を上げながら生産性を上げていくというようなことで、現在そういう作業の生産単位の規模等について議論をしていただいておるところでございまして、そういう中で、将来の農家像とかあるいは生産組織像を明らかにしていきたいというふうに考えております。
○三上隆雄君 少なくとも農家に一つの展望を与えるためには、将来農家が一定の努力をした場合にはこのぐらいの生活ができますよ、この程度の所得が獲得できますよというような、そういうことを示さないと今の農業の実情ではやっていく農家がないんですよ。ですから農家の後継者不足が出てくる。今現在日本で三千人を割っているという、そういう状況になっているんです。今回の参議院の選挙を見てみなさい、参議院の一人区は全部農村部です。農村部が全部自民党を拒否したということは何だと思いますか。やはりそれは私は、農業が、農村が自民党から離れたと思うんです。その意味でもっと農業、農村というものを温かい目で、今の日本の置かれている農業の実情と いうものを見きわめて農政というものを展開してやらないと、私は永久に自民党政権は誕生できない実態になる、こう思うんです。 私は、今まで団体のリーダーとしてあらゆる政党に不偏な立場をとってきました。私の団体が推薦してきたのは自民党から共産党まで推薦してきました。今回は自民党を離れたわけであります。ですから、やはり日本にとって農業、農村というものが、地方というものをもっと重要視していかなきゃならない、もっと温かい目で政策展開をしていかなきゃならないというのであれば、もっとそれに即応したような具体的な施策が欲しいわけであります。 そこで、今一般労働者の賃金体系はどのぐらいになっていると思いますか。公務員の年間の平均ベースはどのぐらいになっていますか。それから、一般企業のベースはどのぐらいになっていますか。簡単に申してください。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 今ちょっと手元に資料ございませんので、今すぐ御答弁することができないのをお許しいただきたいと思います。
○三上隆雄君 おおよそ何百万でもいいから、それもできませんか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) それも余りいいかげんなことを申し上げてもあれですけれども、ちょっと数字持っていませんので、御了解いただきたいと思います。
○三上隆雄君 でしたら、これは簡単な資料ですから、私の質問中に提示を願いたいと思います。 私の手元にある資料は、三十人以上の規模の全国の平均の年間ベースはおおよそ八百四十万ぐらいです。それから五人から二十九人までの一般企業の賃金が六百六十万、そして一人から四人までの企業のベースが二百七十万から二百八十万というそういう実態にあるわけですから、しからばその国際化の中での農業の将来像というところで、そこで農家の所得というものをどの辺に押さえて算定されておるのか。農政審の報告も、実態も含めながら御報告を願いたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 私ども農業政策を展開していく場合に、農業経営につきましては、基幹的な農家、農業者につきましてはできるだけ農業所得を上げて、それで家計を賄っていくというようなことをねらいとすべきだと思います。また兼業農家につきましては、これはやっぱり兼業農家、しかも兼業所得が多い、安定所得が多い農家につきましては、それらの農地をできるだけ中核農家に流動化させながら対応していくというような政策を進めていく必要があろうかというふうに考えております。
○三上隆雄君 なかなか期待した答弁が引き出せないけれども。 実は、稲作農家を中心に考えてみてください。例えば十町歩農家の場合ですね。今生産者米価が、我々が政府米で売った場合に幾らだと思いますか。一万五、六千円ですよ。十町歩やったら何俵売れると思いますか。反当六百キロで一千俵なんです。十町歩つくって一千俵だと幾らか、一千六百万でしょう。粗収入で一千六百万、十俵取ったら大した農家ですよ。その所得率が最大限よくて五〇%にしても約七、八百万。それに拘束される労働力というものは、私は十町歩やったら少なくとも二人あるいは二・五人が最小限必要だと思います。 勤労精神が、意欲があれば、それでも農家の人は冬期間は出稼ぎに来ると思う。そのプラスアルファ入れてもそんなに、皆さんが唱える十町歩になったら現行米価でいいという、しかも理想的なそういう経営形態ができた場合に約三〇%は米価を下げるという、そういうことが米価審議の時点では毎回言われることでしょう。そういうことを聞いて果たしてやろうとする農家が出てきますか。日本の置かれたあらゆる環境の中で私は今の米価というのは最低の米価であると思うんです。日本の農家の努力は世界のどこの国の農家に比べても私は劣っていないと思う。置かれた条件の中でやるからこうなるんです。 そこで考えてみてください。我々農家が生産している、所得の、純所得の消費者価格と比較をしてみた場合に、農家の純所得というのは消費者価格の一〇%以上とってないんですよ。それを具体的に言うと、生産者の粗収入は例えば三千円とする、消費者の価格になると約九千円から一万円、三倍になるんです。その生産者の手取りの三〇%、それが農家の純所得なんです。 そこで考えてみてください。私はいつもこんなことを例えます。米一合、大人の一食分が、我々生産農家が販売しているのが約三十円なんです、三十円から四十円。皆さん食堂で米一食幾らで食べていますか。百五十円から二百円で食べている、消費税も入っている御飯であれば、それを何とも思わないのが今の世の中なんですよ。それを経費込みで三十円は高いから外国から輸入しろというこの議論が私は間違ってないかと思うんです、今の農家の実情を考えた場合に。そして、あとの九〇%は農家以外の人たちが利益の配分を受けているんです。その九〇%がなくなったら日本の経済に、労働界にどんな影響を与えますか。その辺を考えた場合に、私は少なくとも最低の米価が二万円でなけりゃならないと思うんです。そして生産努力した分が、それが報いになるようなそういう仕組みでないと私はやっていけないと思うんです。米の問題を私は言っていますけれども、私はリンゴ農家です。ミカンにしたって野菜農家だって同じだと思うんですよ。 ですから、例えば所得が同じであっても労働の質なんですよ。労働の質がいわゆる格好がよくないから農家のやり手がないんです。そのことを考えた場合に、農業、農村、地方というものをもっと温かい目で見てやらないと、私はなかなか日本の自然環境の面から考えてもおかしな国になるのではないか、そういう懸念でいっぱいであります。 そこで、それでは具体的に私の質問に入らせていただきます。 先ほど菅野先生も申し上げましたが、転作目標面積八十三万ヘクタール、これをベースとしてことしは、ことしというよりも向こう三年間実施するという先ほど御答弁がありましたが、それをもう一度確認したいと思います。
○政府委員(松山光治君) 後期対策におきます転作等目標面積につきましては、八十三万ヘクタールという現行面積を三年間それでやっていく、こういう基本的な考え方のもとに来週早々正式に決定してまいりたい、このように考えております。
○三上隆雄君 その八十三万ヘクタールというものの中身は、七十七万へクタールプラスその需給均衡化対策の六万ヘクタールプラスした分だと思うわけであります。 そこで、今国民のニーズは私は二つのニーズがあると思います。一方では、高くてもおいしい米を食べたいという階層があると思うんです。一方では、高くなくて安全で安い、安いというか適正な米を願うという二つの階層があると思うんです。その意味で今、日本全体で見てその自主米の状況がおよそ全体ではどうなっているのか、全国の平均ではどうなっているのか、一番自主流通米の低い地帯はどうなっているのか、転作の一番多いところはどこで少ないところはどこなのか、その辺簡単に申してください。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生自主流通米の比率のお話がございました。県別の比率今調べておりますけれども、全体の平均からいきまして約六割近くになんなんとしております。具体的な数字は、これ集荷の問題とそれからトータルの流通の問題と数字が違いますけれども、最近の時点のトータルの数字といたしましては、大体五八%ぐらいかなというふうに私ども把握してございます。 もちろんこれにつきまして、自主流通米の地域におきますそれぞれの流通のいろいろな慣行、そういったものから各地でいろいろな違いのものもございます。かなり少ないところもありますし、あるいは九割近くなろうというところもあることは事実でありまして、これは昭和四十四年に自主流通米が発足して以来のいろいろな経緯に基づき まして、各地域の数字が形成されたというふうに考えておるところでございます。 自主流通米の比率等の全国的な姿については以上でございます。
○政府委員(松山光治君) 自主流通比率といわば転作率の関係の御質問でございますので、私の方からちょっと申し上げますが、今転作率が一番高いのは東京でございますけれども、農業県という意味で一番高いのは北海道でございまして、前期対策の転作率が四八%、これに緊急対策の分が乗っておりますので、今ちょっと手元に資料がございませんけれども、これに上回っておるという状況でございます。 ちなみに、六十三年の北海道の自主流通比率は四〇%でございます。他方一番低い県でございますが、同じく前期対策の転作率で宮城県が一七・三%と一番低うございます。
○三上隆雄君 何県ですか。
○政府委員(松山光治君) 宮城県でございます。 なお、宮城県の六十三年の自主流通比率は九六%でございます。
○政府委員(浜口義曠君) 地域の点につきまして先生お尋ねでございましたから、自主流通米の地域の数字、手元の数字で申し上げますと、自主流通米集荷比率の、集荷の場合ですね。集荷の場合で六十三年の見込みは一番大きいのでこれは一〇〇%沖縄県、それから一番小さい比率、東京ゼロと。
○三上隆雄君 実は、私資料見ましたから。 そこで、先ほども言ったように、消費者のニーズが高くともおいしい米、割合に高くなくてもうまくなくてもというか、安くてもまあ普通の米という、そういう二つの階層があると言われています。 それから、そのうまい米と言われる地帯の農薬の散布回数はどのくらいになっていると思います
○政府委員(松山光治君) 突然のお尋ねでございますので、今手元に資料がございませんのでちょっとお待ちいただきたいと思います。
○三上隆雄君 いや、私の聞くところでは、まず私は青森県ですから青森県あるいは北海道、その北二県、一道二県というか、そのあたりでは除草剤が一度か失敗すれば二度ぐらいです。病害虫防除二度です、基本が二度。時期を失敗したり天候が悪かったりすれば三度。せいぜい年間四回ぐらいで今の稲作をつくっているわけであります。しかしながら聞くところによると、私は何もその県を非難するわけじゃないんですよ、うまい米を追求するがために病害虫を抜きにした品種改良が行われている。そういう実態からいって十回前後もかけなきゃならない、そういう地帯もあるということを皆さんおわかりですか。
○政府委員(松山光治君) 一般的に良質米というのはつくりにくいということが言われるわけでございますけれども、やはり私の存じ上げております限りでは、病害虫への耐病性といったようなことにも十分配慮した品種改良が行われておるというふうには承知をいたしておるわけでございます。 ただ、御指摘がございましたように、日本列島北から南まで相当長いわけでございまして、そういう意味での気象条件にかなりの違いがございますから、病害虫の発生なりあるいは雑草の発生の仕方、おのずから地域性があろうかというふうに考えております。 先生から今御指摘がございましたように、確かに、需要には言ってみれば多少コストは高くてもいいからいいものを、あるいはコストを重視したどちらかといえば安いものをという需要、いろいろと多様であろうかと思います。私ども、そういう意味ではそういった多様な消費者需要が存在するということを一つ頭に置いた上で、各地域の実情に合った適地適産の考え方でひとつ適切な品種の選定、組み合わせを考えてほしいといったようなことを常々指導いたしておる次第でございます。
○三上隆雄君 ですから私は、最終的に向こう三年間後期対策を実施する段階に当たって、やはりそういう事情を勘案しながら、それぞれその県によって、地域によって消費者のニーズに合わしてそういう生産体系があるわけですから、その辺も十分配慮されて配分をしていただきたい。少なくとも私は傾斜配分をすべきでない、そう思うんです。そしてまた、なるべく自然に近い稲作形態で、日本国民の健康を十分に留意されるような、そういう農業の生産体系をつくっていただきたい、以上申し上げてこの問題終わりたいと思います。 それから作況指数のとり方、これについて若干異議を申し上げたいと思いますが、今現在の全国の作況指数はどうなっていますか、一言だけ答えてください。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 全国では、十月十五日現在の作況指数は一〇一ということになっております。
○三上隆雄君 この基準をなす、いわゆる米を精米するときに万石の網なんですけれども、これを算定するときには一・七ミリでふるいにかけているわけです。それを基準にしているわけですよ。我々一・七でやったら自主米はもちろん、政府米だって売れっこないんですよ。そういうことを基本にしながら作況指数の調査に当たってもらわぬと、その実態はどうですか。
○政府委員(松山光治君) 統計情報部長からお答えするのが筋でございますが、稲作の関係でございますので私から便宜お答えさしていただきたいと思います。 米として流通し得るものをどういうふうに押さえるかという問題でございまして、これまでから検査規格自体がたしかそうであったと思いますが、一・七ミリのふるい目でふるったもの、そこに残ったもの、それをもって一応主食用に充当し得る米と、こういう形の整理になってございますので、そういうものとして統計情報部では坪刈りに当たりましては対応しておるわけでございます。 ただ、先生御指摘ございましたように、現実に自主流通に回すといったような場合には、地域によりますけれども、一・八とか一・九とかというふるい目が使われていることも事実でございます。他方、政府米のウエートがかなりのウエートを占めておりますところでは一・七でやっているところも間々あろうかというふうに考えております。 そこで統計情報部では、たしか全国統一的には一・七ということで数量を押さえるわけでございますけれども、ふるい目によりまして、どういうふうな数字の違いがあり得るかといったようなことも資料としては別途用意して、地域の方の御質問にはお答えするようなたしか体制になっておったというふうに記憶をいたしておる次第でございます。
○三上隆雄君 だから、こういう末端にはこういう実態があるということ、やはり実際政府米で販売する場合に一・八とか一・九でなきゃならないとしたならば、それ以上のものはこれは加工米に回すとか、そういうことを考えていただきたいと思います。加工米、あえて加工米を生産の段階でつくらなくても、そういうこともこれは政府の負担でやろうとすればできることなんですから。ただ、金を出したくないということからこんなことになっているわけですから。 それから、次に消費拡大のことでもう一つ申し上げたいと思いますけれども、酒税法の関係、大蔵省おいでですか。——今日本酒は一〇〇%米で製造されている酒というものはあるんですか。
○説明員(蓼沼誠君) お答えいたします。 六十三年度で六万五千キロリッターの米だけのお酒がつくられております。全体の生産量の約五・七%に相当いたします。
○三上隆雄君 それでは、ほとんど米だけの日本酒はないということですね。わかりました。 そこで、ある酒屋の社長に私聞いてきましたが、純米酒の、米だけでつくった場合にはおおよそ十度以上にアルコールが上がらないというんで すね。純米酒で飲ませればこれは健康的にも大変いいようなんです。その米のエキスというものが健康上大変いい働きをして、しかもそれは消費拡大になるんだけれども、いかんせん国の規定がそうなっていないからできないという。なぜ十五度以上でなければならないという規定があるんですか。十五度以上でないとならないというところにアルコールを添加しなきゃならないという事情が出てくるんでしょう。アルコールを添加しなきゃならないその事情を説明願います。
○説明員(蓼沼誠君) 技術的にはアルコール二〇%までは発酵で出ます。それは、日本古来の特有な技術でございます並行複発酵、糖化と発酵が同時に進行するというすばらしい技術によりまして米だけからでも二〇%以上のアルコールはとることができます。非常に優秀な技術でございます。世界に誇れる技術でございます。 それから、先ほどの酒税法で一五%以上しかお酒はつくってはいけないということでございますけれども、現在の酒税法では一%以上ならすべて可能でございます。ただ、飲みやすさからいえば一二%以上はあった方が香味のバランスがいいお酒はできるということでございます。
○三上隆雄君 そこで確認したいわけですが、酒に対する課税の基準は何度からですか。
○説明員(蓼沼誠君) 一%以上の飲用に供する、供し得るアルコール含有物はお酒ということに酒税法で決まってございます。
○三上隆雄君 じゃ、一%以上の飲み物については全部酒税がかかっているんですか。
○説明員(蓼沼誠君) さようでございます。
○三上隆雄君 はいわかりました。それが実態であるならば。 酒の問題が出ましたからもう少し突っ込んでみたいと思います。 消費拡大の意味で、しかも健康も含めて、健康上の問題も含めて家庭の醸造酒を認めていただけないものか、その辺の事情はどうなんですか。
○説明員(福田進君) お答えいたします。 先生御案内のように、酒類の製造につきましては免許制度を採用し自家醸造を禁止しておりますが、これは一つには、酒類につきましては高率の酒税が課税されております。その税収は国家財政上重要な地位を占めておりますことから、酒税の保全を図りますとともに、税負担の公平を期するため必要と考えられることによるものでございます。また他方で、国民の保健衛生上の見地から品質を保持するためにも、この制度は維持する必要があると考えられているところでございます。したがいまして、私ども今後も自家醸造を認めることは考えございませんということをひとつ御理解いただきたいと思います。
○三上隆雄君 それについては税負担の公平、それから国民の何て言ったのですか、民生安定というか、その意味ですか。
○説明員(福田進君) 保健衛生上の観点でございます。
○三上隆雄君 保健上から考えた場合には、むしろアルコール添加したものが健康を害するということは医学的にもはっきりしているわけですから、その点についても私は検討を要する、こう思うんです。よろしくお願いしたいと思います。 時間がないから進めたいと思います。 土地改良費の農家負担の軽減の問題お願いしたいと思います。 先ほど菅野委員からもいろいろお尋ねがありましたけれども、この土地改良というものはそもそも、例えば団地に百ヘクタールあったならば、そこへ新たに旧面積で百ヘクタール、そこをまた構造改善して、土地改良して幾らになるかという一つの事業なんです。ここには道路も水路も入るわけなんです。実際我々農家の負担というものは、その百町歩を何億かかってその百町分の一が我々一農家の一町歩の負担という、そういう格好になっているんです。私は、ここで国民に理解していただくために農水省が、そういう公共な地面、道路なり水路についてはやはり農家の負担にすべきでない、その論法で大蔵省を説得したならば、私はその分の償還金は免除願えるものだと、今の時世から言って。その辺の見解をいただきたいと思います。
○政府委員(片桐久雄君) 農業基盤整備事業につきましては、その公共性に応じまして国の負担をなしているわけでございます。特に、ダムとかそれから幹線的な用排水路、そういうものにつきましては国の負担率を高くいたしておりますけれども、圃場整備等個人の財産の整備に係るものにつきましては、国の負担を四五%というような程度にいたしておるわけでございます。圃場整備の場合の導水路でございますけれども、これは原則として共同減歩で供出をしていただくという建前になっておるわけでございます。
○三上隆雄君 共同減歩ということはどこまでですか、その入る範囲は。例えば百町歩あった。その基幹道路は一本なら一本、二本なら二本より見ないでしょう。道路なり水路は将来転作して宅地化になっても、やはりこれは公共に供する面が多分に強い、そういうことから私は主張しているんです。 ですから、現行法でいくとそれは農水省のやられていることが私は違法ではないと思う。だから現行法を超越して、今のこういう時代ですから、そうでないと農家の軽減は理由が出てこないでしょう。これも一つの理由として、当然農家の負担でなくてもいい性質のものではないか、道路と水路については、将来自分が売買してもその分導水路については権利がないんですから。その辺の御検討をいただきたいと思います。
○政府委員(片桐久雄君) 現在の農業基盤整備事業におきましても基幹的な農道等の整備につきましては、これは公共負担が主となっておりまして、農家負担がほとんどないというのが実態でございます。 ただ、圃場整備等におきまして、整備する農道とか水路というものにつきましては、主としてその受益者が使用するという観点から共同減歩の建前になっております。これは宅地造成の場合の土地区画整理事業等におきましても、街路整備に要する用地とか工事費はやはり共同減歩で供出をしているという状況でございます。ただ、そういう大規模な圃場整備を行う場合に、主として通過交通を処理するような基幹的な道路を圃場整備とあわせて整備することがございますけれども、そういうものにつきましては公的な負担で整備している場合もあるわけでございます。
○三上隆雄君 事務局の答弁では法に従った答弁、規定に従った答弁よりできないから、やはりこういうことは大臣の政治的な判断によって、これからの行動いかんにあるわけですから、大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今構造改善局長から答弁申し上げましたとおりに、国の施策といたしましても、ダムというようなそういう公共的なものにつきましては補助率をかさ上げするとか、いろいろ具体的なことにつきましても施策を講じておるわけであります。そしてまた、償還の方法においても改善をする、償還の期間を延長する、それだけでは足りない、このような考え方から、さらに先ほど局長から申し上げましたとおりに千億規模の金額において農家の負担軽減をやってまいりたい、この辺にも私どもの決意のあらわれであるということも御理解をいただきたいと思うわけであります。
○三上隆雄君 満足な答弁ではないにしても相当前向きな、しかも大胆な発言がありましたから、どうぞひとつ大臣、農家、農民の立場で、期待していますからよろしくお願いしたいと思います。 それでは、我々農家というものは単なる食料を生産するという、主たる目的は胃袋を膨らますということではない。やはり安全で新鮮な食料を、しかも安定的に消費者に国民に提供しなきゃならぬという、そういう立場で誠心誠意努力しているわけであります。その意味で、食品の安全性という面から若干ただしてみたいと思います。 ちょっと資料が見当たらないから、ないままに質問を続けたいと思います。 いろいろ自由化なる品目が多くなりまして、件数にして自由化される件数が相当多くなっていますけれども、少なくとも十年以前から現在までの輸入の件数と検査体制について伺いたいと思います。
○説明員(野村瞭君) お答えを申し上げます。 食品の輸入につきまして御質問がございましたが、件数で申し上げますと、十年前という御質問でございますが、昭和五十四年におきます届け出件数でございますが、三十四万五千四百六十二件でございます。昭和六十三年は六十五万五千八百六件になっております。これらの輸入食品につきましては、全国に二十一の検疫所の食品監視の窓口がございますが、ここにおきまして八十九名の食品衛生監視員がこれらの輸入食品の監視業務に当たっております。 具体的に申し上げますと、書類検査及び必要な各種の検査を行いまして、食品衛生法に照らしまして違反しているものにつきましては廃棄等の処分を行わせるなどいたしまして、輸入食品の安全確保に努めているところでございます。
○三上隆雄君 ようやく資料が見つかりましたから再開したいと思います。 私は大体な数字で申し上げます。一九七〇年で約十八万、ただいまお答えいただいたように八八年で六十三万という、そのぐらい件数が膨大に増加したわけでありますけれども、行政検査と自主検査とこれに対する見解と実態をお願いします。
○説明員(野村瞭君) 六十三年の実績で申し上げますと、届け出件数に対します検査率につきましては二〇%を占めておりますが、このうち行政検査につきましては、検査の中の割合でございますけれども、一八・五%でございます。 それから、御指摘のございました自主的な指定検査、これは民間の指定検査機関に検査をさせるものでございますが、これの割合が四四・七%でございます。
○三上隆雄君 ただいまそれぞれの割合が示されましたけれども、その検査の検査されたその中での割合じゃなく、輸入全体の件数の中の何%を実際行政で検査されていますか。
○説明員(野村瞭君) 全体の届け出件数に対します行政検査の割合につきましては三・七%、六十三年の実績でございます。
○三上隆雄君 私は、全体の三・七%を検査しているということで、日本のこのぐらい膨大な輸入食品の安全を確保されると思いますか。大臣、お願いします。
○国務大臣(鹿野道彦君) 安全の問題は大変重要な問題でございまして、厚生省の方でも万全を期していろいろな手を打っていただいているものと思っております。
○三上隆雄君 大臣はどう思いますか。農水大臣としてどう思いますか。
○政府委員(鷲野宏君) 食品の安全性の問題は大変重要でございます。基本的にはただいま厚生省の方からお答え申しましたように、食品衛生法に基づきまして厚生省の方で行政をとっておられるわけでございますが、農林水産省といたしましても厚生省と連携をよく図って、安全な食品を国民に供給する立場から輸入食品を含む食品全般につきまして諸般の行政を進めております。今後もこの安全性の問題はますます重要性を増すと考えておりますので、厚生省その他関係省庁との連絡を一層密にしましてできるだけ食品の安全性の確保に努めてまいりたい、こういう考え方でございます。
○三上隆雄君 再度、大臣の決意をお願いします。
○国務大臣(鹿野道彦君) まさしく国民に対しまして安全な食品を供給するというふうなことは、農林水産省におきましても大変重要な問題である、このように認識いたしおります。これからも厚生省と密接なる連携のもとに、そのような趣旨に沿って全力を挙げて取り組んでいきたいと思っております。
○三上隆雄君 大臣から今決意が示されましたけれども、その決意を裏づけるのは、やはり来年度の予算に人員の確保、その施設の確保を盛らなきゃ決意が実らないわけですから、どうぞその辺の御努力をお願いしたいと、こう思います。 最後になりましたが、その安全の問題、科学技術庁の方にお願いしますけれども、これはきょうは主たる議論する所管の委員会ではないけれども、安全な食料を守るという立場で私は確認をしておきたいわけです。 どうぞ科学技術特別委員会でもいいから、この安全を期するために少なくとも国会が、これほど国民に問題になっている、疑問視されている核燃サイクル施設というもの、原子力エネルギーというものをつぶさに検分しなきゃならない、調査しなきゃならない、こう思うんです。その意味で、それに最も適した機関が、私は科学技術庁とそれに関係する科技特の委員会でもいいから、それに調査団の派遣、それからもう一つは公開討論会の実施を事業者側でなく国の責任で、これだけ国民が騒いでいるわけですから、安全な食料というものと命というものを考える場合に、これが農林水産省の私は大きなまた使命でもあると思うんです、安全な食料を供給する意味で。その意味できょうはこの窓口として、そういう安全を期するための諸政策の道順として科学技術庁が調査団の派遣と、科学技術庁が公開討論会をやることをこの場からレールが敷かれるように、ひとつ希望を申し上げておきます。 終わります。
○委員長(仲川幸男君) それでは、午後三時四十分まで休憩いたします。 午後三時十二分休憩 ─────・───── 午後三時四十二分開会
○委員長(仲川幸男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○谷本巍君 先ほどの同僚の三上委員と同じように、私もきょうは初質問であります。大変緊張しておりまして意を尽くせぬ発言が多かろうと存じますが、その際はひとつお許しいただきたいと存じます。 私の属する会派で協議をいたしまして、私は主として食管と市場開放問題、これについて伺うことにさせていただいておるのでありますが、その前に、先ほど来問題になってまいりました水田農業確立後期対策、この問題と絡んで全国的に注目されております八郎潟対策の問題について伺いたいと存じます。 御存じのように、八郎潟で米の転作をやっている農家が三百五十四戸であるのに対して、転作に応じない皆さんが二百二十八戸であります。転作に応じておられる方が多数派であるのであるが、来年はどうなるのか、このことが八郎潟の内部でもいろいろな話し合いが起こっておるところであります。 来年はどうして減反がやれない農家がふえてくるのか。私は、秋田県と大潟農協の合同調査による十戸平均の所得なるものを調べてみました。参考までに申し上げますというと、昭和六十一年が九百九十一万円、六十二年が九百四十七万円、六十三年が九百十三万円であります。二年間の間に一割近くの所得の、収入の目減りがあったということになりました。それじゃ家計費はどのぐらいかかるのか。数字がございません。入植者の多くは、大学など今進学期に入っておる息子さんなどを抱えておる方が多いのでありまして、そうした皆さん等に話を聞いてみましたところ、家計費は大体六百万というのが割に多かった。ょその地域と比べてみますというと非常に多いような感じがいたすのでありますが、そういう話を伺いました。これに土地元本百七十五万円を合わせて所得から差し引いていきますというと、残りが百三十八万円であります。これは余剰ということなのであります。 減反をやっておられる皆さんの話を聞きますと いうと、四年先が問題だと言うんですね。なぜなのか、転作奨励金がなくなるのではないだろうかということであります。六十三年の転作奨励金を伺ってみますというと、十戸平均で二百三十三万円でありました。つまり、転作奨励金がゼロということになりますというと、百三十八万円の余剰というのがマイナス九十五万円に変わる。さらにもう一つは、生産者米価の引き下げであります。仮に四年先までに一〇%の米価引き下げがあったら、それによって起こるマイナスは百五十九万円というふうに伺いました。そうしますというと、転作奨励金ゼロ、米価が一〇%引き下げになるということになってくると、昭和六十三年の百三十八万円の余剰金がマイナス二百五十五万円になる。こういう見通しの中で減反を続けるのかどうかというようなことで悩んでおられる皆さんがふえたということであります。 農林水産省は、この八郎潟対策についてどんな対応をされようとしておるのか、概略をまず初めに伺いたいと存じます。
○政府委員(松山光治君) 御案内のように八郎潟につきましては、入植後、米の過剰問題が顕在化するという状況の中で、田畑複合のモデル経営を育成していく、こういう考え方のもとに、当初の入植者は十ヘクタールの入植者でございましたけれども、それにプラス五ヘクタール加えまして十五ヘクタールの規模にする。で、七・九ヘクタールと申しましょうか、おおむね半分を稲作で、半分を畑作でということで始まったというふうに理解をいたしておるわけでございます。 その後、いろいろと紆余曲折があったわけでございますが、現在の私どもの対応といたしましては、六十二年に秋田県の知事が私どもと相談されて定められました新しい営農方針、これに従いましてきちんとした田畑複合の経営をおやりになるという方につきましては、これまで一部畑作扱いにしてございまして転作奨励金を出しておらなかった分も含めまして、畑作的部分につきましては、全部転作奨励金の対象にするという措置を平成元年度からとったところでございます。 大変残念なことに、今御指摘のございましたようないわゆる過剰派と申しましょうか、転作を行っておられない方がかなりの数に上っておるわけでございますけれども、私ども常々申し上げておるところでございますが、やはり全国の農家が大変な御苦労をいただきながら、制度的な枠組みをきちんと守ろうということで転作問題に取り組んでいただいておるわけでございますので、そういうことであっては困るではないかと、そういうことでの秋田県の指導も常々お願いしておるところでございます。別途食糧庁の方からも必要に応じてお答えあろうかと思いますが、不正規流通問題への積極的な取り組みも含めまして、今申し上げましたような枠組みの中で、大潟村の営農正常化ということに大潟村自体がひとつ積極的に取り組んでもらいたいものだ、このように考えておる次第でございます。
○谷本巍君 この問題がなぜ重大かといいますというと、過剰作付派にも理屈があるんですね。過剰作付派の皆さんの言っておられることは、食管制度があるから減反が押しつけられる、食管制度はなくしてしまった方がよろしい。食管制度をなくせば消費者はうまい米を食べることができる、こうおっしゃっています。これは私どもは誤解だと思いますけれども、これに対して一生懸命、忍びがたきを忍んでと申し上げましょうか、転作をやっておられる皆さんは食管制度を何としても守っていかなきゃならぬ、とりわけ米の市場開放問題が出てくる中で、食管制度を崩してしまったらもう日本の米作農業の将来はないのではないか、そういう立場で我慢をしてやっているわけです。 先ほども申し上げましたように、転作をやらない人たち、ことしはふえるのではないかというような話が出ておるのでありますが、そういう状態になっていったらどんな状況変化が起こってくるだろうか。きょうになりましてから私どもが伺いましたのは、後期対策についての面積は前年並みということでほっとしたのでありますが、例えばこの後期対策は、前年にかなり加算をされるというような状態でもなったならば恐らく反乱が起きたでしょう。 例えば水田農業で、都道府県で最も近代化、合理化、機械化が進んだところはどこかといいますと北海道でありますが、北海道の米作農業は一戸平均三・三ヘクタールであります。一戸平均三・三ヘクタールで所得は三百五十万円。そうしますと、十アール当たりで見てみますと平均一万六百円の収入ということになるわけです。土地改良費はどのぐらいになるかというと一万五千円。それにまた租税公課負担がある。赤字なんですね。 じゃ、どうやって生活をやっているのかということになりますというと、一つには生産調整奨励金がある。それから転作収入も幾分ある。それからもう一つ大きいのは冬場の賃労働兼業であります。主として土建業であります。ところが先行きを見てみますというと、これがそれぞれ全部が全部お先真っ暗なんです。転作奨励金はあと三年の命とされておる。それじゃ、冬場の日雇い土建はどうなるのか。北海道じゃもう土地改良をやろうというところは非常に限られてしまいました。公共事業が中心で、その中心がまた土地改良。それがふえていかないということになってくれば、冬場の日雇い土建だってなかなか勤めにくくなってくるのじゃないかという状況が展望される。そういう中で、米価引き下げとともに減反の割り当てがさらに加算されるということになってきたら反乱が起きて当たり前でありましょう。今そういう状況になってきておるのです。 そして、そういう中でこの大潟村、八郎潟、ここでもって転作をやらぬ農家が来年に向けてさらに大きくふえていくということになりましたら、全国への影響というのは極めて多大だと言わなければならぬと思います。忍びがたきを忍んで減反をやっておられる皆さんが、今農林水産省に出している要求が十五ヘクタール全部水田と認めて、普通の農家と同じような減反の割り当てにしてくれぬかというような要望を出しております。 きょうは、このことについて大臣から直接御回答いただこうとは思いませんが、ともかくもこの要求を少しでもかなえてやろうとすれば、事務当局の皆さんに伺いますというと、他とのつり合い等があって非常に難しいという話がいつも返ってくるのであります。ともかくも、大臣自身政治判断をしなきゃならぬ、そういう状態に私はなってきているのではないかと思うのです。ともかくも来月に入りますというと、減反をやっておられる皆さんもどうしようかという対応を決める、そういうふうな時期に、差し迫った状況になってきておるわけでありますから、この際、大臣の政治判断で窓口をきちんと開いて、これらの皆さんと十分な話し合いをして遺憾なきを期すよう、ひとつ要望したいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) この大潟村の問題につきましては、今先生からお話がございましたとおりに、私ども基本的には正直者がばかを見るということがないようにしなきゃならない、そういうようなことから取り締まりにつきましてもさらに努力をいたしておるところであります。 もう一点は、今先生申されたとおりに、まさしく今生産調整という大変な全国で農家の方々が、稲作農家の方々が努力をしていただいておるわけでありまして、そういう方々の気持ちというようなものも体していかなければならない。このように考えるわけであります。 しかし、いずれにいたしましても、この大潟村の営農問題に関する指導は大潟村なりあるいは秋田県を通じて行ってきているところでございますけれども、いわゆる遵守派の農家の方々の御意見につきましてもこれから私どもが、当省に対しまして実情を報告され、要望を述べられることにつきましてはいつでもこれをお聞きするつもりでございます。
○谷本巍君 続きまして、食管制度問題について若干伺いたいと存じます。 これまで、政府は食管制度の根幹を堅持すると言ってこられましたけれども、今もその点は変わ りはないでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘のとおり、食管制度の基本を堅持するということをこれまでやってまいりました。去る六月に農政審の報告が出されておりますが、この点につきましても、この報告におきましても一つは国内で自給するという大方針、さらに先生御指摘の点についての基本を堅持するという点が指摘されているところでございます。
○谷本巍君 たしか二年前でありましたか、米流通研究会が、三ないし五年後には自主流通米と政府米との比率を六対四にしていくというような報告が出されたことがございました。その状況は最近どんなふうになってきているのか。先ほど浜口食糧庁長官の話ですと、政府米、ことしの場合には二百万トン切るんじゃないのかというお話がございましたが、この政府米と自主流通米との比率問題ですね。売り渡しべース、それから集荷ベースで、パーセンテージで六十一年、六十二年、六十三年どんな変化になってきておるか、これをひとつ伺いたいと存じます。
○政府委員(浜口義曠君) 先ほど、ことしの見込みみたいなものにつきまして、今の時点で私の予想といったようなものをお話し申し上げました。ただいま先生の御指摘は過去の数字はどうかということでございます。 まず、とりあえず私の手元にあります数字を申し上げますと、これは集荷ベースではありませんで、まず流通ベースでいきますと、数字を先に申し上げますと、四四、四六、五四という数字でございます。六十一年が四四、六十二年が四六、六十三年が五四。これはくどいようでございますが、政府の在庫、持ち越し在庫を含めましての実際の流通の中の比率でございます。
○谷本巍君 私が伺っているのは、政府米と自主流通米の比率のことです。それがどんなふうに変化してきているかということなんですよ。それを集荷ベースと流通ベース、これで示してほしいということなんです。
○政府委員(浜口義曠君) それでは先生御指摘の、まず集荷ベースで申し上げさせていただきますと、六十一年の自主流通米の比率、集荷ベースでございますが、四三・七%、六十二年五一・二%、六十三年六四・三%でございます。集荷ベースでございます。
○谷本巍君 これは自主流通米。
○政府委員(浜口義曠君) 自主流通米の比率でございます。 それで、その次に先ほどお答えいたしましたように、流通べースにおきます数字といたしまして自主流通米の比率でございますが、四四%、四六%、五四%、それぞれ六十一年、六十二年、六十三年でございます。こちらの方は少数が入っておりません。これの比率は結局のところ、後で申し上げました比率は、言うなれば自主流通米の比率が比較的低く出ておるわけでございます。これは当然に、原則といたしまして在庫といったようなものは政府だけが基本的に持っておりますので、もちろん流通在庫というのはございますんですが、政府米の流通在庫とそれから先ほどの集荷の数字と合わせましてその年度におきます比率ということでございますので、政府米の方がやや高く流通の場合はなります。最初申し上げたのは集荷でございますので、自主流通米の方が高く出るわけでございます。
○谷本巍君 ことしの場合は、検査実績から見てこの数字がどんなふうになりそうですか。
○政府委員(浜口義曠君) この年度におきまして政府が買い入れるという実際の行為は、十一月、十二月というのが一つのピークになるわけでございます。一応そういうようなことから、全体の数字は米穀年度第二年度の基本計画において示すべきだというふうに考えておりまして、そういう意味で予想でございますが、先ほど先生からの御指摘のように二百万トンを政府ベースでは切るかなということを申し上げたわけでございます。そういうことからいきますと、全体大まかに政府の管理する数量六百万トンというふうに置いてみますと、丸い数字でございますが、そのうちに政府米が二百万、自主流通米が四百万と、こういうふうにいたしますと、三三%というのが政府米で片や六六%というのが自主流通米の姿になるわけで、もちろんこれは予想でございますので確たる数字ではございません。私の現段階での予想ということでお含みおきいただきたいと思います。
○谷本巍君 このピッチでいきますと、どうも来年あたりは自主流通米七割になりはしないかといったような声も一部あるわけであります。このピッチでいきますと、食管制度が一体どんなふうに変わっていくのか、事実上の間接統制になってしまうのではないかという声もあるわけであります。 そこで、私伺いたいと思いますのは、なぜ自主流通米の量のふえ方が米流通研究会が見通したそれよりも早足になってしまったのか、その原因は一体何なのか。当然そこには行政上の幾つかの変化があったわけでありまして、その辺の原因について承りたいと思うんです。
○政府委員(浜口義曠君) 自主流通米制度は昭和四十四年から発足をしておりますが、その間、これまで約二十年間たっておるわけでございます。今先生御指摘のように、自主流通米の比率がここへまいりましてピッチを上げてという御指摘でございましたが、スピードを上げまして高まってきているという事実は事実でございます。過去の二十年前の時点から考えますと、それぞれ自主流通米を入れますときには、農家の方々に政府米よりも手取りが多くと、あるいは消費者の立場から消費者のニーズに合うような米が供給されるというような願いをもって入れられたわけでございます。なかなかこれが進みませんでした。 ここへまいりましてのことは、簡単に申し上げまして、やはり政府米の価格と、それから現に自主流通米の価格が格差が開いているということだろうと思います。いろいろ政府からの良質米奨励金等々もございますけれども、現在全農あるいは卸との間で交渉された値段といったものが、トータルで考えますと自主流通米の値段と政府米の値段の間に格差が最近において開いてきている、そういうことによるものだと思います。もちろんそれで尽くされない、それぞれ地域の中で、やはりこういう流通というものでございますので地域地域に、先ほど御質問のときに申し上げましたけれども、自主流通米の比率というのがいろいろ千差まちまちでございます。そういったものの説明といたしましては、やはりそういう価格だけの話ではございませんで、卸売業者の方々とかあるいは経済連の対応とか、そういったものの差があることもまた一つの要因になろうかと思います。
○谷本巍君 政府米と自主流通米との価格の格差が開いたのが大きく影響しているというお話でございましたが、これは、自主流通米が上がったというよりも政府米が引き下げられたと、生産著米価が。そして生産者米価、政府決定の生産者米価を引き下げたら売り渡し価格、いわゆる消費者価格の方は同じような率で下げなかった。かくして順ざやが拡大されたということなのではないでしょうか。 かつては政府の買い入れ米と売り渡し価格の間には逆ざやがありました。そういう逆ざや状況の場合には、多くの農家と農協はもちろんのことでありますが、政府売りに集中する。卸売業者が政府からの米を払い下げといいましょうか買い入れてまいりますね、それに集中するということになってくるのでありますけれども、これが順ざや状況になってきますと、これは当然のこととしてやみ米がふえやすい。したがって、自主流通米がそれがふえやすい条件になってくる。問題の基本というのはここにあったんじゃないですか。
○政府委員(浜口義曠君) 今の先生の御指摘におきまして、政府米の価格、売買逆ざやの問題は、御指摘のようにかつての逆ざやから順ざやになったことは事実でございます。ただ、先生御指摘のように、それといわゆるやみ米と申しますか、そういったものとの自主流通米の関係ということが直になるということではないと思います。端的に 申し上げましたように、具体的な自主流通米の比率が上がったということは、もちろん政府米との逆の比率でございますから、政府米と自主流通米の価格差の間に懸隔が開いた事実としまして、それが主要因であろうというふうに考えます。 もちろんその中におきまして、米価政策の関係から食管の逆ざやの解消といったようなことがうたわれてまいりまして、そういう解消は実施に移されたということも一つの遠因であろうというふうには考えますけれども、基本は先ほど申しました相互間の価格の差だというふうに思います。
○谷本巍君 ともかくも、自主流通米と政府米との比率の関係というのが大きく開いていくという状況になってきた。そしてこれがこのまま進んでいきますというと、食糧管理制度は事実上間接統制も同然になっていくであろうという見方が多くなってきておるわけでありまして、その点どういう対策をこれからとられるのか、長官の考え方を伺いたい。
○政府委員(浜口義曠君) ただいまのお話につきましては、政府米、直接的な狭義の政府米と、政府が関与しております我々政府管掌米と言っておりますが、うちでの自主流通米、そういったものにつきまして間接統制というお言葉をお使いになったわけでございますが、私どもは二つの点で自主流通米と政府米というものは、やはり政府が関与している米であるというふうに考えているわけでございまして、一つは、役所的な言い方ではございますが、基本計画というものを策定いたしまして、実際に自主流通米を扱っております集荷業者といいますか、農協等々との十分の連絡の上で、政府米と自主流通米の比率といったようなものを相互に相談をしながら決めていく。もちろんそういう基本計画の傘下におさめていくというのが第一点であります。 それから、その実際の流通の経路につきまして、端的に申しまして良質米奨励金等々、私どもといたしましては助成対策と言っておりますが、自主流通米、いわゆる民間的な流通の自主流通米につきましても、政府からの補助金等々助成金を交付しているということでございまして、そのうちで業者の間は間接統制あるいは部分的な管理というものではないというふうに私ども考えておるところでございます。
○谷本巍君 まだまだたくさん伺いたいことがありまして、できるだけひとつ簡潔にお答えいただきたいのでありますが、それでは、食糧庁長官は、食管制度の持つ最大の役割である需給調整の機能ですね、これを維持するためには政府米は少なくともどの程度なければならぬというふうにお考えですか。
○政府委員(浜口義曠君) 先ほどの御指摘の流通研究会等々当面の考え方で、これも先生御指摘のように、一つの数字といたしましておおむね四割といったものを出されたわけでございます。これは三年ないし五年ということが当時言われておりまして、明確な文書になったわけではございませんけれども、一つの方向づけというものでございます。そういう意味で、私の個人的な考え方というよりも一つの考え方といたしまして、公的な考え方といたしまして四割といったようなものがある程度前提にされているというふうに理解していいと思います。
○谷本巍君 四割を前提としますというと、どうも今の自主流通米のふえ方は異常であるということになるわけでありまして、そこらの関係を是正するために、ひとつ篤と対策をとっていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。 またさらに、四割を持つといっても量の問題とともに質の問題があるわけです。現在、政府の手持ちの米を見てみますというとほとんどが三類以下の米である。今の市場実勢を見てみますというと、いわゆる良質米の値上がりという状況があるわけであります。とりわけやみ米の世界で見てみますというとそういう状況が顕著にある、こう申し上げてよかろうと存じます。そうして見ますと、四割を持つということだけじゃなくて、三類以上の米ですね、これをやっぱり政府は買い込むようにしなきゃ需給調整というのはやれないんじゃないかと私は考えるんですが、その点長官はいかがお考えですか。
○政府委員(浜口義曠君) まず結論を最初に簡単に申し上げますと、私どもの考え方といいますか、農政審の考え方あるいは流通研究会等の考え方から申しまして、政府米の役割といったものはもちろん備蓄等々の安定供給という考え方が一方ではあるわけでございますが、役割として価格の下支え的なことが提言の中にございます。 そういったことから考えますと、いろいろ具的な問題につきまして詳細に述べなければいけませんが、骨子を申し上げますと、やはり政府米の役割といったものは今申し上げたような三類等を中心にしたものではないか。いわゆる良質米志向にこたえるような、あるいはまた市場原理によって対応するものが政府の管掌の一分野でありますし、自主流通米の役割ではないか、そういうふうに考えているところでございます。
○谷本巍君 政府米の役割というのが備蓄とそして価格の下支えだというお話が出てまいりましたが、価格の下支えということになりますと間接統制の場合によくそれが言われるんですね。麦の場合だってそういう言葉に最近変わってきた。現在の食糧管理制度というのは果たしてそういうものでしょうか。食管法というのはあるんです。そして、そこでは再生産の確保云々という文字は私から改めて申し上げるまでもなかろうと存じますが、そういう規定があるわけですね。それに違反するということになりはしませんか、今の考え方は。
○政府委員(浜口義曠君) 食糧管理制度は、第一条に掲げておりますように生産者におきましてはその生産、再生産を確保し、消費者におきましては安定的に供給するということをうたっているわけでございます。この理念あるいはこの目的というものは、政府が管掌しております狭義の政府米、あるいは政府がいろいろな助成等あるいは計画の中に置いております自主流通米を挙げてのものでございまして、五十七年の法改正等々の中で機能しているところから、私は先ほどのようなやや比喩的な言葉ではございますけれども、報告書に述べられたことを引いて申し上げたわけでございます。 先生御指摘のように、しからば良質米を含めての一類、二類、そういったものも政府が買うかという問題でございます。もちろん門戸は開いているわけでございますが、現在の自主流通のルートあるいは政府のルートといったものから考えますれば、先ほどのような機能の分化的なものがあるし、それを両々相まちまして、もちろん政府の方は備蓄を中心に持ち越し在庫の回転備蓄ということでございますので、単に棚上げ備蓄の部分だけではなくて買い入れを行って対応しているということでございますが、おのずから自主流通米の存在と政府の存在から、そういうふうな機能の分化的な面が行われるのではないかというふうに考えているところでございます。
○谷本巍君 食管問題、もう少し私も意見があるのでありますが、時間がなくなってきましたので、続いて米を中心とした市場開放問題について伺いたいと思っております。 まず初めに、大臣に伺いたいのでありますが、ガットに臨むに際して米の問題について、一粒も新たに米は輸入することはしないというような御決意であるやに伺ってきたのでありますが、その点は間違いないかどうか。それからまた、本院では米の完全自給というのをかつて決議をしたことがありますが、その点についても大臣は同じような考え方であるかどうか、このことを初めに、簡単にひとつお答えいただきたい。
○国務大臣(鹿野道彦君) 私どもといたしましては、過般の予算委員会におきましても申し上げておりますとおり、少量といえども入れる考えは持っておりません。このような考え方でありますし、また参議院におけるところの御決議の意を体して、趣旨を体してこれからも取り組んでまいり たい、こういう考え方であります。
○谷本巍君 米の完全自給をしていくのにはまず国内的に何が一番大事なのか、私は担い手だろう、こう思っております。 中山間地帯を歩きますと担い手がもう失われてしまっておって、農業も林業も荒廃状況が極度な状況になってきております。農業政策や林業政策だけでは、とにかく中山間部の担い手確保というのはもう不可能な時代に入った。じゃ、平場はどうなのか。御存じのように労働力のリタイアのピークに達するのはあと七年後であります。地域的にはもうあと三、四年たちますというと、おれの村の総耕作地は二割になる、三割になるという声がぼろぼろ出てくるような状況になってきました。 ことしの新規学卒者で農業についた者が二千百名でありまして、自動車産業のトヨタの新規採用を下回ったという状況が生まれてきました。さらにはまた、今中核農家の中心的なところになってきたのは四十前後の皆さんでありますから、この皆さんの息子さん、娘さんというのは中学生が多いんです。話を聞いてみますとほとんど農業高校にはやらない。普通高校に入れてサラリーマンにするという声が圧倒的であります。 こうして見てみますと、中山間部から平場の場合の担い手の面から見ていくと、やがて過疎化の時代が来るのではないかという状況が構造的にでき上がってしまっておるんです。そこのところを何とかしていかなきゃ、これはもう米の完全自給を言ってみたところで、国内から崩れていくという時代がやってきそうな状況になってきておるのでありますから、そこをどうするのか。それは農政問題だけじゃなくって、もう一つは農村政策といいますか、そういう観点に立った、ECなんかの場合そうなってきておりますから、そういう政策も必要になってきているのではないのか。大臣はその辺どうお考えになるか承りたい。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今日の状況は今先生からお話があったわけでございますが、私どもも中山間地域に対する施策の重要性というふうなものを考えまして、平成二年度におきましても、予算要求につきましてもめり張りをつけなきゃならない、こういうふうなところから相当色濃く要求もさしていただいております。 また農村政策の重要性、まさしく私自身もそのような考え方であります。農業政策、同時に地域政策としての農村政策、この二本柱でこれからやっていかなきゃならない、そして農山村の活性化を図っていかなきゃならない、こんな考え方でおるところでございます。
○谷本巍君 さらに、もう一つ大臣に伺いたいのでありますが、食料安保という立場からしても米の市場開放はできないという御見解と承ってきておったのであります。八〇年代の農政の基本方向では食料安保という文字があったんですね。そのために農用地の確保問題等々の問題が提起されておった。ところが、二十一世紀へ向けての農政の基本方向ではこの食料安保という文字は消されてしまっておる。国内では食料安保というのを消しちゃって対外的に食料安保を主張するというのは、これはつじつまが合わないんじゃないですか。そこはどういうことなんですか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 確かに、八〇年代の農政の基本方向で言及しました食料安保は二十一世紀へ向けての基本方向では触れられてないわけでございますけれども、食料は国民生活にとって最も基礎的な物資であり、また一億二千万に及ぶ国民に食料の安定を図っていくことは、農政の基本的役割であるというふうに認識いたしております。二十一世紀へ向けての農政の基本方向におきましても、このような認識のもとで「国民に対して食料の安定供給と不測の事態にも対応できる能力、すなわち食料供給力を確保する必要がある。」と明記されております。また、「米等現に国内で自給する体制が確立されているものについては」「その供給体制を維持する」とされておるところでありまして、その趣旨は毫も変わっていないというふうに承知いたしております。
○谷本巍君 食料安保という文字は消えてしまっているけれども、八〇年代の農政の基本方向で言ったところの食料安保の考え方は変わってない、こういうことですか。端的に答えてください。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 新しい農政審の報告においても、その趣旨は毫も変わってないというふうに承知いたしております。
○谷本巍君 ほぼ変わっていないんなら後でこの論議はまた機会を改めてさしてもらいたいと思います。 続いてもう一つ大臣に伺いたいことがあります。それは前川レポートの問題であります。 前川レポートでは、御承知のように、我が国の経済の拡大均衡及びそれに伴う輸入の増大することを基本に経済政策を歴史的に転換させるというふうに述べておりまして、輸出突出、輸入拡大、輸出を維持していくために輸入を拡大してバランスをとるんだと。簡単に言うなら前川レポートの考え方というのはそういう考え方であります。そして、そういう考え方を前川レポートが強調しながら、農政推進の項では輸入制限品目について次のように述べています。「ガット新ラウンド等の交渉関係等を考慮しつつ、国内市場の一層の開放に向けての将来展望の下に、市場アクセスの改善に努めるべきである。」こう述べています。 これは、あなた方の党の前の総理の中曽根さんがアメリカに持っていってこれを示しておる。いわばアメリカなどの外国に対して公約をしたということになる、事実上そういう意味を持っておるわけであります。でありますから、アメリカならずとも日本は米は輸入を自由化するんだろう、少なくとも一部輸入ぐらいはするのではないかというふうにとられて当たり前のような書き方になっておるのであります。一粒も米は輸入しないということであるとするならば、この前川レポートを棚上げしなきゃつじつまが合わないと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 前川レポートの問題につきましても、先生御案内のとおりに牛肉・オレンジの自由化の決定等々、いわゆる市場アクセスの改善というふうな問題も今日そういうふうな結果に至っておるわけであります。しかし、私どもは、先ほど申し上げましたとおりに米の問題につきましては国内産で自給する、こういうふうな考え方に何ら変わるところはございません。
○谷本巍君 いいですか大臣、ガットの問題で日本が米の市場を開放しなかったならば、つまりアメリカにとって満足のいくような状況にならなければあとは二国間交渉でやると向こうは言っているんですよ。その最大の理由にしているのは何なのかというと、貿易赤字の問題です、黒字の問題ですよ。 なぜ今貿易が異常な黒字状況にあるのか。技術水準がもともと高いところへきて労働時間が長過ぎますよ。なぜそれじゃ労働者が働け働けになったのか。行革以降の福祉抑制、教育などの国の負担の抑制、そういうものをやってこられたから先行き不安感が増大してくる中でみんながせっせせっせと働いてため込まざるを得ない、そういう状況が生まれてきたわけです。そうして見てみますというと、日本の農業を守っていくのには経済のあり方というものを福祉型に変えなきゃしようがないんじゃないのか。例えば、ここに参議院選挙の投票日の一日前、これは共同通信が流した記事でありますけれども、次のように書いてあります。「経済成長・輸出増一本やりできた自民党政権に「反省を求める」好機として社会党の大幅議席増、さらには社会党政権の誕生さえ歓迎する意見が」ワシントン筋に「出始めている。」、そしてその記事の中では「福祉・国内政策の充実により輸出主導型経済が改まることに期待する議会関係者は多い。」、この記事はそう述べているんです。 日本の米を守っていく、国境保護措置をきちっとやって、せめてEC並みに農業を守っていこうとするなら経済のあり方を国民本位のものに変えなければ、これは私はどうにもならぬと思うんです。そこのところは、大臣は農林水産大臣であると同時に国務大臣であり一閣僚でありますから、 その是正に向けてひとつ努力をお願いしたいのでありますが、いかがでありましょうか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 農業というふうなものの果たす役割というふうなことから勘案いたしますならば、経済合理性というふうなことだけからの農林水産行政であってはならない、やはりそこには、国土の保全なり自然環境の保全という地域社会を維持していく非常に多面的な役割を果たしておるわけでありますから、農業の健全なる発展なくしては我が国社会経済の調和ある発展はあり得ない、このような考え方に立ちましてこれからも農業生産の振興に努めてまいりたい、このように考えております。
○谷本巍君 時間がなくなってしまって、もっと伺いたいことたくさんあったのでありますけれども、その一つは、アメリカのガットへの九月提案、もう時間がありませんから大臣の考え方、簡単に答えていただきたいのです。これについてどう思っておるか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 簡単にということでございますから一言で申し上げますならば、現実的なものではないものと思っております。
○谷本巍君 現実的でないという意味はどういう意味なのか。 私の方で申し上げますと、あの提案でやっていきますというと世界じゅうの家族農業が滅ぼされていって工場生産的企業農業、そういう状況というのが一層進むということになっていくのじゃないか。それは水を汚し土を滅ぼす環境破壊型の農業、こんなふうに私どもは思うのです。やはりそういうふうな点からして、環境を保全し、持続可能な農業を続けることができるようにするのには家族農業を守っていく、それを基本にして農村社会を維持する、これが必要だろうと思うのです。つまり環境保全型の農業ということですね。 ガットの場の中でも、そういう主張をされながら米の市場開放問題等々に対処していかれるのかどうか、その点についての所見を承りたいのです。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生申された家族農業の果たしてきた役割、地域社会の安定のために、その維持のために大変な貢献をしてきたわけです。それから環境保全、これも農業の果たす大変な重要な役割を果たしております。このような非経済的な関心事におきましても主張をしながら、私どもの考え方を確保すべく努力をしていきたいと思っております。
○谷本巍君 あと二分間になってしまいました。 最後に大臣に要望しておきます。 一つは、アメリカ共和党政権のガットへの提案ですね、九月提案。これに対する徹底批判をしていただきたい。これが第一点。それからもう一つの問題は、第三世界の経済の自立化、そして環境保全を進めていく上での日本政府がリーダーシップを発揮すること。それから三つ目は、日本経済がそれに貢献できるようなそういうものに組みかえていく、この三つの点を要望しておきたいと存じます。 最後に一言だけ。それは、牛肉とオレンジの輸入自由化問題に端を発した農政不信、なぜ発生したのか。これは、政府と自民党の皆さんは自由化は困難だとおっしゃってきた。だからしないというのではなくて困難だからするということになった。その前提に前川レポートがあったんです。今回は一粒も入れぬということを言っておられるのでありますが、ガットで主張はしたがどうにもなりませんでしたということでは、牛肉・オレンジの場合よりももっと強い農政不信が起こってくるだろうと思います。一粒も入れないと言っておいて、そのための条件整備をびしっとやっていなかったのじゃないかというような批判が出てまいりますし、そして他方では前川レポートをとにかくしゃにむに実行しながら、片っ方じゃ一粒も入れぬというようなことを言ったという。だから、だましたんだというような話になってくるわけでありますから、その辺の点も踏まえてガット対策に万全を期していただきたいということを要望申し上げて、私の発言を終わります。
○一井淳治君 私は、米の輸入自由化の問題について質問をさせていただきたいと思います。 現在日本にはどういう米がどの程度輸入されておるのか、この御説明をまずお願いしたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) 沖縄県につきまして、その特殊事情から本土復帰以降、モチ米及び泡盛用砕米を輸入しております。輸入量は六十三会計年度におきまして、モチ米五百トン、泡盛用砕米一万トンでございます。
○一井淳治君 私は先日の決算委員会におきまして、大臣から米の輸入自由化はしないという御表明をいただいておるわけであります。重ねて今説明いただいたお米は入っていますけれども、これ以上の米の輸入はしないという、そういうお考えであるというふうにお聞きしていいかどうか、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) 米は我が国の農業の基幹をなすものでありまして、また国会両院におきまして決議もしていただいた。その重要性にかんがみ、また国会の決議の趣旨を体して国内産で自給する、この方針を貫いてまいりたいと思います。
○一井淳治君 米自体の輸入がなくてもピラフ等の加工品ですね。米の加工品の輸入が増加していくということになりますとしり抜けになるわけでございますけれども、それに対するお考え、対応はどのようになっておるでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘のように、米そのものではございませんが、米調製品等の輸入が実績としてございます。米菓、米粉調製品、この場合は米粉の重量割合が八五%以下のものというものでございまして、さらにピラフ等の輸入がされておりますが、これそれぞれ自由化品目でございます。為替レートの変動によります内外価格差の拡大等を背景にいたしまして、その量が変動をしております。 これに対する考え方ということでございますが、まず現下の国際情勢あるいは貿易環境等々からいきまして、このAA品目、自由化品目を規制するということはなかなか困難であるというふうに思います。それに対抗いたします部分につきましては、例えば他用途米の活用等々、これに対抗する価格の形成を行っていく必要があろうというふうに思っているところでございまして、そういう対応のもとでこの輸入、現在行われておりますピラフ等々のものに対抗していく必要があろうというふうに考えているところでございます。
○一井淳治君 米は生のままで食べるのではなくて煮炊きして、必ず加工して食べるわけでございますけれども、加工品がどんどん入ってくるようでは、結局この米の輸入自由化反対という大原則が揺るぐようになりますので、どうか、もっと自由化反対という基本姿勢に従って厳重に、積極的に対処していただきたいと、このように要望しておきます。 〔委員長退席、理事北修二君着席〕 次に、昭和六十三年度に、これは我が国の酪農民の強い反対があったわけでございますけれども、乳製品が相当大量に輸入されております。ECからは乳製品がどれくらい輸入されておるか、説明いただきたいと思います。
○政府委員(岩崎充利君) ECからの乳製品の輸入につきましては、六十三年度で総額で四百五十七億円となっております。そのうち主な乳製品の輸入量と金額でございますが、ナチュラルチーズが四万五千トンで百四十六億円、食用の脱脂粉乳が二万七千トンで六十一億円等となっております。
○一井淳治君 その輸入した乳製品についてECでは、いわゆる共通農業政策がありまして輸出補助金を出しているわけですけれども、この輸出補助金の額はどれくらいになるでしょうか、大ざっぱで結構でございます。
○政府委員(岩崎充利君) ECから輸入しております乳製品の対日輸出補助金額でございますが、どうも日本向けの輸出補助総額の公表数値がないということと、それから日本の輸入時期と向こう からの輸出時期がずれるということもありまして、なかなか厳密な把握が困難だということを御理解願いたいと思いますが、仮にEC公表の輸出補助金単価をベースに、日本の輸入価格と比較して補助割合を算定してみますと、一九八八年で、バターで一三九%ぐらいでございます。それから、脱脂粉乳では大体六八%ぐらい、それからナチュラルチーズでは七九%程度というふうに考えております。
○一井淳治君 金額的に総額でどれくらいになるか試算をされておったら、不正確であるという前提で結構でございますからお教えいただきたいと思います。
○政府委員(岩崎充利君) 主なもの以外にかなり細かいものも入っていますので、なかなか総額自身の計算そのものができがたいということでございます。 なお、EC全体での乳製品にかかります輸出補助金額、これは全世界を相手でございますが、一九八七年の実績で三千六百八十五億円、それから一九八八年度の予算で約三千五百八十七億円という数字でございます。
○一井淳治君 ECではそういうふうな農業保護政策をしておるわけでございますけれども、農林水産大臣のECの共通農業保護政策に対する御感想というものをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) 農産物の輸出補助金につきましては、農産物貿易を歪曲させている主なる要因となっておりますので、少しずつ減らしていくあるいは終局は撤廃、このようなことが必要と考えておりまして、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉におきまして、日本といたしましても具体的な提案を行う考え方であります。
○一井淳治君 私は、日本の農業を守るために関税障壁という障壁か、あるいは助成金の障壁かは別にしてECを学びたいというふうな、そういう御感想が出ることを期待しておったのでございますけれども、そういうふうな御感想が出るようにできるだけ御勉強をお願いしたいというふうに希望をさせていただきます。 次の質問でございますけれども、米の輸入自由化をした場合、日本の農業や農村がどのような打撃を受けるか、どういう状態になるかということについて、農水省では、これはあくまでも仮定の問題でありまして、私どもは絶対そういったことはない、あってはいけないというふうに考えておるんですけれども、仮定の問題としてどのような状態になるということを予想しておられるのか、参考までにお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) 先ほど大臣が御答弁を申し上げたところでもございまして、政府といたしまして米及び稲作の格別の重要性にかんがみまして、かつ国会における決議等の趣旨に対応いたしまして、今後とも米につきましては国内産で自給するという基本的考え方に立っておるわけでございまして、私ども食糧庁あるいは農水省といたしまして自由化を前提とした影響の試算というものは行っておりません。もちろん、農水省の傘下の中に一つの研究機関がございますので、例えばRMAの参考資料のピアソン論文というものに対応いたしましての試算等々を行った事例はございます。ただこれにつきましては、私どもから申し上げるのはいささか問題がありましょうけれども、前提についてのいろいろな問題がございます。したがいまして、その影響について農水省として行っているということはないわけでございます。 なお、いずれにいたしましても、現在におきます国際市場等々の価格等から見まして、米の内外価格差がかなり大きいわけでございます。 〔理事北修二君退席、委員長着席〕 そういう意味で、こういう状況の中で大幅な輸入を行いますれば、日本の基幹作物である米の生産量の減少、価格の低下等、農業生産構造の変化を引き起こします。さらに、地域経済のみならず日本経済確も大きな影響を与えるというふうに考えているところでございます。
○一井淳治君 これはもちろん仮定の問題でございますけれども、米の自由化を許したら日本の農村が壊滅状態あるいは壊滅状態に近い状態になるという御認識をお持ちというふうに考えていいでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) ただいまお答えいたしましたように、日本の農業のみならず日本経済に大きな影響を与えるというふうに考えているところでございます。
○一井淳治君 アメリカの方から非常に強い門戸開放という要求が起こっておるわけでございます。この輸入自由化を求める声というのは、やはり日本の工業製品をどんどん輸出しておるという関係との裏腹の関係ではないかというふうに考えておりますけれども、農水省は、この工業製品の輸出との関係についてはどのような御認識をお持ちでございましょうか。
○政府委員(塩飽二郎君) お答え申し上げます。 日本の貿易収支は大変巨額な黒字がなかなか解消してない。そこからいわゆる貿易摩擦、市場開放、いろんな問題の根源になっているわけでございます。したがって、その輸出を何とかしなくちゃいけないという考え方もかなり日本のいろんな階層の方々にあるわけでございます。 政府としては、御案内のように輸出依存型の経済体質から内需主導型といいますか、そういう方向に政策運用もしていかなくちゃいけない。そのことを通じて貿易収支の改善に寄与していくべきであるという考え方がございます。 確かに、そういう方向は今後推進すべきと私どもも考えておるわけでございますけれども、やはり内需拡大主導型といいましても、現に日本の輸出は国内の経済成長のかなりの部分を占めているわけでございますので、黒字に起因する問題はございますけれども、輸出を直接制限するといったようなことについてはいろいろ問題があるのではないかというふうに思います。やはり内需拡大の経済体質に持っていく、それを基本としつつ対応していくべきである。片や農産物につきましては、御案内のように、日本は今や農産物の最大の純輸入国でございますので、そういう日本の地位といいますか、世界の農産物貿易に寄与している日本の役割、貢献というものをあらゆる機会に主張してまいりたいというふうに考えるわけでございます。
○一井淳治君 農水省は農民や農業を守る立場でございますから、そのあたりの考えについてはだれもが言っていることですから、だれもが言うことをはっきりと普通に言えるということがやはり大事ではないかと思います。どうなんでしょうか、工業製品の急激な輸出が現在の農業に対するさまざまな外国からの要求を引き起こしているという、この認識についてはいかがでしょうか。
○政府委員(塩飽二郎君) 先ほど申し上げたことの繰り返しになるかと思いますけれども、やはり貿易摩擦あるいは市場開放の要求の根源には日本の巨額の黒字があることはもう間違いないわけでございますから、先ほど申し上げたように、内需拡大志向型の経済運営を的確に行うことによって少しでも黒字の解消に持っていくということが、農業政策の面からも極めて必要なことであるというふうに認識をいたしておるわけでございます。
○一井淳治君 数字からはっきりしているわけでございますけれども、農産物以外の品目の対米輸出の総額と、仮に農産物なりあるいはお米を輸入した場合のその金額を比較すると、もう全然問題にならないくらい対米工業製品の輸出の額が大きくて、仮に多少の農産物や米を輸入しても全くこの解決には貢献しないということが数字上ははっきりしていると思います。そういったことで、私どもは工業製品の対米輸出について、工業製品の方で自己規制をしていただきたいというふうなことを農民を守りたいがために考えておるわけでございますけれども、その辺は、農水大臣としてはどのような御感想をお持ちでございましょうか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 先ほど来から申し上げますとおりに、米は国内産で自給するという考え方を貫いていくわけでありますから、仮定として どうであるかということを申させていただくことはできませんが、黒字解消の問題また黒字解消策としてこれはやっていかなきゃならない。しかし、私自身申し上げますとおりに、米は国内産で自給する、この考え方を貫いていきたいと思っております。
○一井淳治君 お米も大事でございますけれども、お米以外の農産物、畜産物についても守っていただくように強く要望いたしておきます。 きょうは通産省の方にもおいでいただいておりますけれども、同じ質問でございます。日本の工業製品がどんどん外国へ輸出されている。そのために日本の農業に対していろいろな外圧が加わっているわけでございますけれども、通産省ではこういったことについてどのようなお考えをお持ちで、またどのような配慮をなさっておるのか、そのあたりについての説明をお願いしたいと思います。
○説明員(鹿島幾三郎君) 通産省の鹿島でございます。 我が国といたしましては、今後とも自由貿易を維持強化するという立場におきまして、輸入の拡大を通じた貿易の拡大均衡による貿易黒字の是正を図りたいというふうに思っておる次第でございます。 現在、自動車、鉄鋼、工作機械といった品目につきまして輸出の自主規制措置を行っておりまして、今後とも個別品目について節度ある輸出を確保するといったことによりまして適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 なお、通産省といたしましては、主要企業三百社余りにつきまして輸入の拡大要請ということを行っておりまして、この中で、特に輸出を行っております主要各社につきましては特段の製品輸入を中心といたしました輸入の拡大を要請しておるところでございまして、こうした企業、主要輸出メーカーの中には輸入の拡大あるいは輸出の適正化につきまして、長期的あるいは中期的な戦略を打ち出してきておりまして、通産省としましてはこうした動きを今後とも支援し、ほかの会社に拡大していくことを期待している次第でございます。 以上でございます。
○一井淳治君 この種の質問というものは国会で余り出ない質問かもしれませんけれども、それからまた、決定権限のないあなたにこれ以上質問しても余り意味がありませんのでこの程度にさせていただいて、またの機会にさしていただきます。どうか今も周りの議員の方から声が出ましたように、農業問題というのは外圧ではなくて内圧だという声が出ておるということをお帰りになりましたらお伝えいただきたいというふうに思います。 それから次に、昨年はいわゆる十二品目の交渉で、二月にガット理事会で部分的に異議をとどめながら日本が了解をするという場面がありまして、その前に六十二年の十二月に、十二品目についてのガットパネルでの報告書が出るということがあったわけでありますけれども、このガットの十二品目の交渉の中で、米の自由化に関連してはどのような防衛策がとられておるかということについての御説明をお願いいたします。
○政府委員(塩飽二郎君) 農産物十二品目のガットのパネルでは、主としてガットの生産制限が政府の措置として行われている場合に、輸入制限を例外的に認めるという根拠規定があるわけでございますので、それに立脚しつつ、日本の十二品目関連の産品についての生産調整の実態等を主張しつつ、我が国の立場をパネルの中で主張したわけでございますけれども、御案内のようなパネルの判断が下って理事会でそれが採択に至ったという経緯でございます。
○一井淳治君 米に波及しないように、どのような防御策がとってあるんでしょうか。
○政府委員(塩飽二郎君) これは、今後のウルグアイ・ラウンドの交渉の中で、私どもとしてはその確保を主張していこうというふうに考えておるわけでございますけれども、十月に我が国としては、いわゆる食料安全保障のための基礎的食料についての必要な国内生産の維持を確保するために、必要なルールといいますかあるいは制度といいますか、そういうものをウルグアイ・ラウンドの中で実現すべきであるということで、日本の基本的な主張を行ったわけでございますが、今月の末に予定されております農業交渉グループにおきまして、それをさらにより一層具体化した提案として我が国の考え方を打ち出していきたい。米のような基礎的な食料については、国内生産の確保のために必要な国境措置がガットの制度として認められるべきであるというのが、我が国の主張の基本でございますけれども、それを中心とする日本の提案を出していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○一井淳治君 私は、十二品目交渉の中で、米の問題についてどのように予防線を張っているかということをお尋ねしたかったんですが、これは余り聞かない方がいいかもしれませんので、次の質問に移らしていただきます。 ウルグアイ・ラウンドの農業交渉で、EC諸国は自分のところの輸入課徴金とか、輸出補助金の制度を守って貿易障壁を廃止しないということを当然言うておると思いますし、アメリカも輸入禁止とかあるいは輸入制限の対策や制度を持っているわけでございますけれども、これはどうなんでしょうか。ECはこの共通農業政策を放棄しますというふうに言うとるんでしょうか。あるいはアメリカは輸入禁止や輸入制限を放棄するというふうに言うてるんでしょうか、どうなんでしょうか。
○政府委員(塩飽二郎君) 今先生の方からお話がございましたように、ECは農産物交渉の中では、今回のウルグアイ・ラウンドの農業交渉においては、各国の農業保護の総体を段階的に削減するということについては主張をしておりますけれども、共通農業政策の基本的な枠組み、ただいまお話がございましたように、国境では輸入課徴金制度、あるいは輸出の場合には輸出補助金をつけて輸出する。その前提として域内価格水準と国際価格水準の間にいわば二重価格制があるわけでございますけれども、そういった共通農業政策の根幹は撤廃する意思はないということをはっきり言っているわけでございます。 それからアメリカは、お話がございましたように、非常に徹底した自由化を内容とする提案を出したわけでございますけれども、これはあくまで他の国が同等の措置をとる場合に、アメリカについても、例えば現在ウエーバーでカバーをされている輸入制限についても、このアメリカの提案に即した行動をとるんであるという条件づきになっているわけでございまして、そういう提案の内容であるということでございます。
○一井淳治君 そういたしますと、我が国も食料安保論のような消極論ではなくて堂々と、これは我々の方から農水大臣の方にも要望をさせていただいておりますけれども、例えばカロリーベース七〇%、八〇%の自給率達成までは農産物の輸入制限ができるというふうな、そういうふうな主張を出すとかして、堂々とガットの場でも、日本の農業を守るためのいろんな主張をぜひしていただきたいと思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(塩飽二郎君) まさに先生がおっしゃっているようなことで、私どもは端的に日本の米——米というふうに具体的な産品の名前ではなくて基礎的食料と言っておりますけれども、これは日本の場合には間違いなく米が基礎的食料になるわけでございまして、その国内生産は、米の自給については国内産で自給をするという基本方針が先ほど来、大臣からも述べられておるわけでございまして、その基本方針をガットの場で実現するための手段として基礎的食料についての我が国の提案を行っているわけでございます。
○一井淳治君 大臣にお尋ねいたしますけれども、農民の立場に立ちますと、自由化はしないということを繰り返し繰り返し言明されておったけれども、最後は自由化されてしまうという非常に悲しい歴史がありまして、そういったことは絶対 あってはならないという悲願を持っておるわけでございます。ウルグアイ・ラウンド等外交交渉において積極的に我が国の主張を展開していただきたいと思いますけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) そのような考え方に立ちまして、今年中くらいにさらに詳細なる基本的な考え方を提示いたしまして、私どもの考え方が確保されるように全力を挙げて取り組んでいきたいと思っております。
○一井淳治君 そういうお立場に立った上で、具体的にどのように自由化をしないという目的を達成しておいきになるのか、そのあたりについても御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) 先ほど来、経済局長あるいは大臣からもお話し申し上げておりますように、この自由化措置等の具体的な対応ということにおきましては、一つは外交交渉の問題だと思います。さらにまた、もう一つ国内的には国内世論の形成といったようなことが重要だというふうに考えておるところでございます。米の自給方針についての国民の理解を得るということが必要でありまして、そのためにも生産性の向上を通ずる積極的な取り組み等、日本の稲作農業の体質強化の努力と相まちまして、国民的な合意を強固のものにする必要があると考えるところでございます。
○一井淳治君 まさに内圧という側面もあるわけでございますから、国民的側面ということをこれもお忘れなく頑張っていただきたいというふうに思います。 次に、過剰米による食糧援助についてお尋ねをいたしますが、過去に昭和四十四年から四十八年までの間、それから五十四年から五十九年の間、二回にわたりまして日本の過剰米を処理するために食糧援助規約によって後進国へ食糧援助をしたことがございますけれども、これはどのような方法でなさったのか、御説明をいただきたいと思います。きょうは外務省の方おいでだと思いますが。
○説明員(斎藤泰雄君) お答えいたします。 先ほど先生御指摘になられました、二回にわたりまして我が国が食糧援助規約に基づく食糧援助という枠内で余剰米を使用したケースがございますが、その方法は、通常我々が食糧援助をやっております相手国が購入する資金を供給する、すなわち資金供与方式といった方法で実施したわけでございます。
○一井淳治君 何年かの間に行われておりますけれども、過剰米の割合が一番高い年は昭和何年でございましたでしょうか。また、その年は日本の援助の何%を過剰米が占めておったでしょうか。
○説明員(斎藤泰雄君) 昭和五十五年度に実施いたしました食糧援助総額、我が国の食糧援助総額が百二十五億八千万円でございましたが、うち五十九億五千万円を余剰米として使用してございまして、この年が四七・三%ということで一番高い比率を示しているわけでございます。
○一井淳治君 昭和五十九年でこの過剰米の利用は終わっておるわけでございますけれども、この終わる段階で何か今後日本の米は使わないとか、同じような趣旨の約束なり宣言をされておるんでしょうか、どうでしょうか。
○説明員(斎藤泰雄君) そのような事実はないものと承知しております。
○一井淳治君 これはあくまで仮定でございますけれども、日本に現在過剰米がどえらいあるものですからお尋ねしたくなってしまうわけです。例えば過剰米を現時点で食糧援助規約による食糧援助として使わしていただくような場合に、条約なり協定なり明文の条項との関係でどういったものが問題になってくるんでしょうか。何か違反するような条項があるでしょうか。
○説明員(斎藤泰雄君) 現在日本米を食糧援助において使用するということを具体的に検討しているわけではございませんので、仮定に基づいた形で法的な問題について詳細に申し上げるわけにまいりませんが、ただ一つ申し上げられますことは、現行の食糧援助規約との関係について申し上げますと、現行の食糧援助規約では現金拠出による穀物の買い入れ、我々がやっております資金供与方式による場合には、その相当部分を開発途上国から買い入れるという一般的な目標を掲げているという事実がございます。
○一井淳治君 今のはいわゆる現金贈与方式といいますか、現金を差し上げる方式で行った場合ですよね。これは規約の何条にそういう規定があるんですか。 第四条の(a)にいわゆるこの援助が穀物の贈与方式とそれから現金の贈与方式とあると、その四条の(7)に穀物買い入れを行う場合として規定してありますが、この(7)でしょうか。
○説明員(斎藤泰雄君) 現行の食糧援助規約は、千九百八十六年の食糧援助規約でございますが、同規約の第三条七項において「穀物の買入れを行うに当たつては、相当な部分を開発途上国から買い入れることを一般的な目標とする」というふうに規定してございます。
○一井淳治君 現金贈与方式の場合にはそういう障害があるけれども、現物贈与方式の場合にはこれはないわけですね。
○説明員(斎藤泰雄君) そのように理解しております。
○一井淳治君 それから、食糧援助規約の加盟国全体で一千万トン、うち日本は三十万トンを援助するということが決められておるようでございますけれども、現実にはその基準以上に出されておるように聞いております。世界全体であるいは日本でどれくらいの額が援助されておるのか、そしてどういう理由でそういったふうな最低限度以上の数量が援助されておるのか、御説明をいただきたいと思います。
○説明員(斎藤泰雄君) 現行の八十六年の食糧援助規約につきましては、一九七四年の世界食糧会議におきまして採択されました、年間一千万トン以上の穀物を援助に使うということになってございますが、その中で各加盟国の年間最小拠出義務量とといったものを具体的に規定してございます。 年間最小拠出量は七百六十一万七千トンというふうに規約上なってございますが、そのうち我が国につきましては、小麦換算三十万トン相当とされているわけでございます。現実には一九八七—八八穀物年度、すなわち八七年七月から八八年六月までの間でございますが、全加盟国で小麦換算千三百八十六万四千七百トン、我が国につきましては同じく小麦換算で五十四万五千百十五トンという、年間最小義務量を上回る実績を示しております。
○一井淳治君 さて、具体的に特定の国に援助をするという場合に、どのように交渉をしてまとめていくわけなんですか。その経過について簡単に御説明いただきたいと思います。
○説明員(斎藤泰雄君) どの国にどのような形でどの程度供与するかという点につきましては、被援助国側からの要請に基づきまして、当該国の食糧不足量あるいは経済状況等々も勘案いたしまして決定しておるわけでございます。また、供与いたします穀物の種類につきましては、先方の要請にできるだけ沿う形で決定しているといったところでございます。
○一井淳治君 そうしますと、相手国との交渉の中でどこの食糧を幾らぐらいで買うとかいうふうな相談もその交渉の中で行われるわけでしょう
○説明員(斎藤泰雄君) 私ども国会で御承認いただいております食糧援助予算の枠内において、当該国からの要請にどの程度の額を供与できるかといった形で交渉するわけでございますが、供与する穀物等につきましては、相手国の嗜好、希望等を勘案の上決めているということでございます。
○一井淳治君 個別に相談をして決めるわけですね。
○説明員(斎藤泰雄君) さようでございます。
○一井淳治君 昨年度ですけれども、米とか小麦とかいろいろ先方が購入をした品目があると思いますけれども、その購入品目別内訳と、これをど こから購入しているかという購入先の国別、これをお教えいただきたいと思います。
○説明員(斎藤泰雄君) まず、穀物の品目別内訳でございますが、昨年度におきましては、米につきまして四十三億九千百万円、小麦につきまして六十億七千六百万円、白メーズにつきまして一億六千百万円、ソルガムにつきまして二億二千二百万円使用してございます。 次に、調達国別の内訳でございますが、米につきましてはタイ米が四十億三千四百万円、パキスタン米が三億五千七百万円、小麦につきましては、米国産小麦が五十五億八千六百万円、豪州産小麦が四億九千万円、白メーズにつきましてはジンバブエが一億六千百万円、ソルガムにつきましては、スーダン九千二百万円、チャドが一億三千万円となってございます。
○一井淳治君 それから、贈与の方式ですけれども、現金を贈与する方式、それから穀物を贈与する方式、もう一つは信用供与による売り渡し方式と三種類があるようですけれども、この三方式をどういう国がどのようにとっておるかということの御説明をいただきたいと思います。
○説明員(斎藤泰雄君) 我が国と同様、資金供与方式を採用しておりますのはノルウェーでございまして、その他の加盟国は現物供与の形をとっております。
○一井淳治君 我が国の過剰米をいわゆる食糧援助規約にのせて外国へ出すという問題については、国会で何遍も取り上げられておりまして、予算委員会におきましても農林水産大臣の答弁が既にあるわけでございますけれども、現に余っておる米を、特に今後八十三万ヘクタールを三年間維持するというふうにいたしますと、米をどうするかという深刻な問題も出てくると思います。 そういう中におきまして、やはり現実に後進国の中で飢えて子供たちが困っておるという状態、そしてそういった人たちから民間団体に対して米の援助を求めてきておって、現に民間団体がお米を出しておるということがだんだん広がっておるという事態があるわけでございます。そういう中におきまして、いろいろと国際関係の調整等は厳しいとは思いますけれども、やはり農水大臣としてこの余剰米を使って外国援助に充てるということを、何とかこの際道を開いていただきたいというふうに思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 国内で生産された米をいわゆる政府が買い入れて援助用とすることにつきましては、先ほど来から先生と外務省とのやりとりの中にありましたとおりに、FAO余剰処理原則等の絡みの問題とか、あるいは食糧援助規約との関係とか、このようなことから、また米の国際価格と国内価格、大きな格差がありまして膨大な財政負担を余儀なくされるというふうな問題等から、いろんな問題を抱えておりまして慎重に対応すべき問題だと考えております。
○一井淳治君 膨大な財政負担というのはこれはわかるんですけれども、それ以外の外国との協定等につきましては、現実にその条項を見れば法的な義務というふうにはなってないわけでございます。それから、大臣が今FAOと言われますけれども、これはKRの援助規約外の問題でありまして、しかもこのFAOは任意的な規定で、法的な拘束力はないわけでございますから十分に根回しをしていただきまして、何とか米の余っておる非常に残念な状態を打破していただきたいというふうに要望さしていただきます。 それから、米の消費拡大ということが非常に大事だというふうに思います。学校給食における米飯給食の拡大について、農水省としてはいろいろと取り組んでくださっていると思いますけれども、子供たちの間で米を食べる習慣をつけていくというのは非常に大事であると思いますし、また家庭に米の消費の雰囲気をつくり出すという意味で非常に大事だと思いますので、ぜひとも一層努力していただきたいと思いますけれども、農水省として米飯給食の拡大についてどのような御努力をいただいておるのか、あるいは問題点はどういう点があるのか、今後とも努力をいただきたいという点につきまして御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) 学校給食の問題につきましては、先生御指摘のように、将来の成長する子供たちに米の習慣をつけるといったようなこと等から、その対象となる量、現実の週に五回のものを対応いたしましてもトータル二十五万トンということではございますけれども、重要なことだというふうに考えております。農林水産省におきましても、米の需要拡大の一環といたしまして五十一年からこの対応を行ってきたところでございます。もちろん、この実際のことをおやりいただいているのは文部省でございますが、十分連絡をいたしましてこの学校給食の拡大というものを推進してまいったわけでございます。 一つは、予算の上におきまして、農林水産省、食糧庁に二百億円以上に上ります値引きの予算を計上しているわけでございます。それから、現在のところ大都市周辺等々でいろいろ隘路が起こっているというふうに理解しておりますが、米におきますおいしい米というふうなことから、平成元年度からは自主流通米等が学校給食に供給される場合においても政府助成を行うこととしたところでございまして、引き続き今後ともその需要拡大につきまして、関係省庁と相まちまして対応していく考えでございます。
○一井淳治君 文部省の方がきょうお見えだと思いますけれども、同じような質問に対する回答をお願いいたします。
○説明員(石川晋君) ただいま農水省の方からも説明がありましたように、学校給食では、学校の食事を通じて好ましい食習慣を身につけさせる、こういったことを主たる観点といたしまして、昭和五十一年度から学校における御飯の給食の普及ということに努めておりまして、現在週二・三回程度という現状でございますが、当面の目標を週三回程度実施ということを目途に進めているところでございます。 先生も御承知のように、なおそういう中で実施回数は、生産県、都市部、大いに違うわけでありますけれども、実施回数の少ないところ、こういうのは主として大都市部でございます。
○一井淳治君 大都市部がおくれておりますので、これは無理やり食べさせるという趣旨のものではございませんので対応は非常に困難だとは思いますけれども、どうか一層促進していただくように要望いたします。 それから、米の消費拡大にも関係いたしますし、また将来米がある程度余る、これを味が落ちないように保存やあるいは備蓄していくという、そういう技術開発が必要であるというふうに思います。 消費拡大について言いますと、ただいまは余り工業用の原料あるいは飼料用の原料にはお米が使われておりませんけれども、今後はそういったふうな方向に米が使われるように、いろいろと技術開発をしていただくということが必要だと思います。この技術開発のための対応がちょっとおくれておるんじゃないかという気がしてならないのでありますけれども、現状と今後の対応についての御説明をお願いいたしたいと思います。簡単で結構でございます。
○政府委員(西尾敏彦君) 主食用以外の米の利用の拡大に関する試験研究でございますけれども、私ども昭和五十六年から通称スーパーライス計画という名前のもとに十五年計画で実施をしておりまして、広範な遺伝資源を導入いたしまして品種の育成に努めているところであります。 その結果、これまでに二割ないし三割の増収が見込まれますハバタキ、さらにまたオオチチラというような品種を育成しておりまして、目下五割の増収の品種に向けて努力をしているところであります。また、醸造用に適するという米粒の大きな巨大粒米、さらにまたビタミンでありますとか食用油をとるということで、胚芽の大変大きな巨大胚米というようなものも育成しているところであります。いずれにしましても、収量がたくさん とれてしかも安くないといけないということでございまして、そういう多収かつ低コストの研究に努めているところであります。
○一井淳治君 お米が味が落ちないようにうまく保存するという、そちらの方の技術開発もよろしくお願いしたいと思います。 それから、最近不正規流通米がだんだん増大してまいりまして、農民の心配は、いわゆるこの流通段階から食管制度が取り崩されてしまうんじゃないかという心配でございます。もう一つは、いわゆる減反に非常に苦労して協力した正直者がばかを見るんじゃないかという点でございますけれども、これについての対策はどうなっているんでしょうか。簡単で結構でございますけれども、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) 不正規流通米の対策でございますけれども、今お話しのように、水田農業確立対策の実施の上の点からいきましても、正直者がばかを見る、あるいはルールを守る人の方が損をするということでは甚だ問題があるわけでございまして、また食管制度の維持というような点におきましてもこの点は看過できない点でございます。 過去に不起訴といった事態がございましたけれども、私ども食糧庁の全勢力を挙げまして、今回大潟村あるいは秋田県におきます農協の集会等々と相呼応いたしましてこの対策に取り組んでいるところでございます。もちろん、ひとり食糧庁のみならず、ある場合は農水省全体の組織を挙げまして対応するということが必要だというふうに考えておりますし、さらにまた、この流通経路におきまして、運輸部局の者もこの輪の中に入っていただくという方途をとっていただいているところでございます。 そういう意味でことしの元年産の米穀につきましては、食糧庁の対応あるいはその他の御協力も賜り、さらには農民団体の大衆的な対応も相呼応いたしまして、第一段階におきます対応は十全に進んでいるというふうに考えております。今後とも粘り強く長期的な対応で、不正規流通米の対策を遂行していく必要があるというふうに考えているところでございます。
○一井淳治君 やはりこの問題は農水省が立派な政策を出していくということで、農民の共感を農水省の政策面でいただくということがまず第一だということで、農業政策全般もお考えいただくという点からも引っ張っていただきたいと思います。 そして、これは決して刑罰的にどうこうするというふうな問題ではないわけでございますけれども、いろいろと誤解がありますので、きょうは法務省の方においでいただいているわけでございます。いわゆる六十三年一月に大潟村の方に対する食管法違反事件がございましたけれども、これについてどういう罪名で告訴をされておったのか。これが不起訴になったんですけれども、どういう理由で、すなわち起訴猶予ということで許したのかあるいは証拠不十分であったのか、そこのところの御説明をいただきたいと思います。 あわせて、この食管法違反事件について特別の取り扱いをする趣旨でもあるのかどうか。私は、一般の刑事事件と同じような取り扱いが行われておって、特に検察行政においてどうこうの影響がない、これが普通だということで思っておるんですけれども、そのあたりのことについて御説明をお願いいたしたいと思います。
○説明員(馬場義宣君) お答えをいたします。 お尋ねの事件でございます。これは食糧管理法の八条の三、無許可で卸売業務をやったという事実で告発がございまして、警察から送致がございまして、秋田地方検察庁において先生御指摘のとおりに不起訴処分に付されたという事件でございます。不起訴にしました理由でございますが、被疑者三名につきましていずれも証拠上、食糧管理法八条の三に言う卸売業務を行ったとまでは認定しがたいということで、嫌疑不十分とされたというふうに承知いたしております。 それから、最後のお尋ねの点でございますが、具体的な事件につきましてどのような処分を行うかということは、あくまで当該事件を捜査しました検察当局において、捜査によりまして収集した証拠に基づいて判断されるべき事柄でございまして、このことにつきましては、食糧管理法違反であれ、他の刑事事件であれ変わるところはないというふうに承知いたしております。
○一井淳治君 次に、飲用牛乳の指定団体とメーカー間の契約に関してお尋ねいたしますけれども、本年度はどういう状態でございましょうか。契約は各団体間で成立したんでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(岩崎充利君) 平成元年度の状況でございますが、一部の県を除きましてほぼ合意に達しておりまして、現在契約の文書化が行われているところでございます。平成元年度は、一部の県でまだでございますが、それ以外はほぼ合意に達しているという状況でございます。
○一井淳治君 本来から言えば、酪農の振興法によりまして文書契約が成立する。しかも、これは年度ごとに切りかえですから、四月一日付で文書契約が成立するのが本来の姿であると思いますけれども、非常におくれおくれになっていることは残念でございますので、これに対する農水省は早期に契約をするように御指導いただいていると思いますけれども、そういうような御指導をいただいているのかどうか、そのあたりの質問が第一点でございます。 もう一つは、こういったふうにおくれおくれになるのは余り好ましくありませんので、今後は交渉を少しでも早くから、例えばもう十二月ぐらいから、これは思いつきでございますけれども、交渉を早くから進めること。それからもう一つは、指定団体が四十幾つございます。これがばらばらでありますので、中央団体による情報交換や助言、指導を強めることが必要じゃないかというふうに思いますけれども、そのあたりについてのお考えを聞かせていただきたいというふうに思います。 これで私の質問は終わります。
○政府委員(岩崎充利君) 先生御指摘のように、生乳取引の近代化を図るという観点から、これまでも生乳取引交渉の早期妥結、早期文書化の推進につき指導を行ってきたところでございますが、これからもそういうことで適切に指導してまいりたいというふうに思っております。 それから、交渉を早くということでございますが、これにつきましては当事者間での契約に基づいてやっておるということで、期限の切れます二カ月前にどちらかの当事者が契約更改を申し込むということでございまして、三月末ですと大体二月から交渉が始まるということでございますので、これはやはり当事者間の話し合いということになろうかというふうに思っております。 それから先生御指摘のように、中央団体が指導、助言をするということはやはり重要でございますので、現在も中央団体、中央段階での助言、指導ということが行われておりますが、そういう形の中でやはり今後ともやっていくことが必要であるというふうに考えております。
○村沢牧君 ちょっと議事進行で委員長にお願いしますが、きょうは農林水産委員会として初めてのあれですよね。私は野党の質問だけ我慢していたけれども、与党の皆さん方はきょうやっとここで過半数ですね。これから与党の質問に入ろうとしているのにこういうことであっては、これからの委員会の運営が私は非常に心配なんです。野党これだけずっとそろっているでしょう。もう少し誠意をもってやってもらいたいと思いますね。きょうは一般質問なんでずっと我慢したが、法律審議は絶対許しませんよ。委員長にぜひ、委員長与党ですから配慮してください。
○大塚清次郎君 それでは、あらかじめ通告いたしておりましたけれども、きょうは時間も非常に遅いようでございます。一時間の持ち時間でございますが、なるべく能率的に片づけていきたいと思いますので、私の質疑は各項目について総論にとどめますから、具体論はまたいずれかの機会に いたしたいと思います。 それで実は、まずこれは総務審議官ですか、お尋ねしたいのは、農政の中間答申、審議会の基本方向というのがありましたね。それからかなりの時間がたって、その骨になるべきいわゆる需要と生産の長期見通し、これがいよいよ聞くところによると近々に出そうでございますが、おおむねの時期はいつ、しかもその長期見通しの期間幅をどの程度とらえて作業をおやりになっているか。それを先に聞きたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 今農政審議会の需給見通し小委員会で御検討をお願いしておるわけでございますけれども、目標年次を二〇〇〇年に置いておりまして、今年じゅうに審議会での検討を踏まえまして、今年じゅうに策定したいというふうな考えでございます。
○大塚清次郎君 中間答申に基本指針は盛られておりますが、方向としては。これも待つこと久しでございまして、特にこれからの担い手農家にやっぱり一つの目標を与えるというには、大いにこれは早く出してひとつ展望を与えていかなきゃならぬということでございます。手探りではどうにもならぬと思うのでございます。また、そういうことを想定していろいろな施策の積み上げを今おやりになっていると思いますが、問題は、私は非常に御苦労があった点は、非常に複雑な経済情勢の変化、それから嗜好の急速な変化ということ、あるいはまた外国との輸入自由化との関係、貿易との関係、こういうものでなかなかいろいろな計測上の不透明な部分が多かったので今まで長くかかったんだろうと、こう思います。理解をいたしますけれども、いざ出てきたとき、これは一つは需要予測というものがここにあって、それからそれに対する供給というのがあるんです。この需給はやっぱりタイトであるということが、タイトな形で出てくると思うんです。 しかし、その供給側では昔と違いまして米だけが今守られておりますが、かなり自由化されてほとんどオープンになりつつあるということがあるわけでございます。そうした場合、これが出てそこの中で、供給の中で国内生産という指標が出る、数の上で。そうした場合、この輸入と国内生産の升目が出てくると思うんですよ。それがないと長期展望は出てこない。そうなってまいりますと、その輸入について果たしてどんなに努力してみましても、外国とのスケールの差、それから品質をだんだん日本向けにしてまいります。 そうした場合、今購買力平価水準は二百八円と言われておる。今の百四十円という円高はつくられたものだと我々は見ておるわけです。そうした場合、内外格差、内外格差ということだけれども、実際そういうものの輸入を防ぎ得るようなことになるのかどうか。それが出てこないと、努力によってなり得るかどうか。なそうということで望んでいるのはいいんですが、望みだけではこれはいかぬ、結果が出てくるわけですから。そうした場合に、これを出したときに相当な気構えを政府は政策的に、あるいは財政のパイ、そういうものでこれは農林水産省だけじゃなくして国として考えていかなければならぬ点が出てくるのではなかろうかと、こういうことも思いますが、そういう点についての御認識をちょっと聞いておきたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 先生御案内のとおり、農産物の需要と生産の長期見通しにつきましては、農業者が農業を営むに際しての方向を示すものであるとともに、私ども政府としてもそれを指針として農業政策を推進していくものでございますので、そういう指針に沿って政策を進めていくという所存でおるところでございます。
○大塚清次郎君 そういうことですから、ひとつよほどこの点につきましては、行政の今後の質と内容とそれから財政のパイの問題で、これが出た上は相当しっかりしたディフェンスを構えていかぬとこれはいかぬのじゃないかと、こう思いますので、ひとつ御努力を願いたい。また、そういう方向に今積み上げをしておられると思います。ひとつお願いいたしたいと思います。 それから第二点でございます。 実は、今盛んに言われておる中山間地域なんでございますが、ここにはおおむね中山間地域対策としましては、来年度予算から活性化という名のもとに、あるいは土地改良の事業負担金の軽減という名のもとにかなり強い施策を今要求してもらっておりますし、平成二年度から一歩前進と、こう見ておりますけれども、いわゆる中山間地域はやっぱり皆さん方がお考え以上にスプロール化しておる。だから、これを活性化をやろうとしても、それの客体になって対象者が参ってしまうという状況が出てくるのを非常に恐れております。 そういう点からいいますと、今までの政策の手直しあるいは補強ということよりも、むしろ中山間地域の果たす役割、自然環境保全、あるいはまた景観維持、美化、そういったような多面的なひとつの中山間地の役割というものを色濃くやっぱり出していかなきゃならぬ。 そうした場合に出てくるのが、私はこの前一井先生と一緒に西ドイツに行きましたが、ひとつこの強い、弱い政策は別にして、もういろいろなものをわけのわからぬようにやるよりも、もっとわかりやすい中山間地対策がここで必要ではないか。これは農家がさっとわかるような対策、例えて言えば一つはいわゆる土地改良事業です、中山間地の。この補助あるいは一般のいろいろな、さまざまな活性化の施設補助について補助金を格上げしていく。負担金の軽減よりも、むしろ今からやる活性化対策の補助金を格段にかさ上げしていく。これはドイツのデカップリングのあの地域指定の問題でそれが出ておるわけです。 ここは自然保護、ここは景観維持というようなことで、そういったような農家がわかりやすい法にこれは新たな構築をすることも考えていった方が、政策の新たな構築をすることもお考えになった方がいいんじゃなかろうかということでございますが、その点につきましては所管局長どなたかひとつ代表して。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 中山間地域は、確かに御指摘がありましたようにいろんな制約がある、ハンディも確かにあるわけでございますけれども、ただ逆に日本列島は南北に横たわり、しかも標高差があるとかあるいは自然条件がそれぞれ違うというふうなことで、交通網が発達するとか、あるいは情報化が進みました場合に、立地を生かしたいろんなこともできる可能性を秘めているのではないかというようなこともございまして、私ども政策の重要課題として来年度予算でも取り上げておるわけでございます。 デカップリングということが直ちに日本の場合になじむかどうか、その辺はまだ議論いろいろあろうかと思いますけれども、来年度予算でも、例えば農業基盤と林業基盤を一体的に計画的に整備する、その際の採択基準でありますとか、あるいは補助の考え方というのを平場地帯と若干変えていくとか、そういう基盤の問題あるいは上物施設の整備の問題につきまして新しい視点から予算要求をしているわけでございます。 また、それとあわせまして緊急的な対策といたしまして、さらに農林家等を中心としまして中山間地域の活性化でありますとか、あるいは土地利用型農業の体質強化でありますとか等々について、新しい資金を設けて金利負担を軽減することによって対応ができないものかどうか、今勉強しているところでございます。
○大塚清次郎君 少し質疑がすれ違いになっておりますが、やはりこれを私が言いますのは、内なるもの、国内対策もありますけれども、私はやっぱりウルグアイ・ラウンドの今後の成否を見てまいりますと、そういったような外に対しても言いわけのできる鮮やかなものでやらないと、行政指導とかなんとかじゃ、いわゆる行政指導で法制度によらないものだから日本はどんどん責められるというわけです。行政指導などというのに近いものは、一つ政策で行われてもまた行政指導ということがついていくものだから外国にはわかりにくいという問題もある。だから、わかりやすい、外にもわかりやすい、内にも、中山間地域にやっぱ り鮮やかな目に見える手だてをしたということになるのが望ましいと。 大体役所は今までの継続なものに新しいものを積み上げるのはお上手ですけれども、一つの新しいそういう政策の思い切った構築、新しい構築ということについてはもうやるべきじゃないか、こう思っておるわけです。幸い農政審の方向も出ましたから、その裏打ちとしてひとつやっていただきたいという、これは要望でございます。 それからもう一つは、私がお願いしたいのは後期対策に絡んででございます。これは松山局長さんですね、今度後期対策、いよいよ方向決めができそうになってまいりました。それで、前期対策の経験にかんがみて後期どうするかということになってまいると思いますが、この一つのねらいは担い手に対する単純集積、これは非常に時間がかかるんじゃないですかね。いわゆる農地を財産保有観念というものが、日本人は特に狭い国土ですからこれが払拭できない。土地の生産手段よりもむしろ財産保有観念でこれは持っておる。特に都市周辺はそういうことなんです。だから、これを無理して集めていって果たして何年後に、何十年後に集積ができて担い手が五十万なら五十万になるか、これは非常に道遠しだと私は思います。 一番手っ取り早い手は、私は、幸い今度農業協同組合が農地の利用調整に乗り出せるということでございますので、それを一歩進めて、農協は物ばかり売って何しているかというような批判もありますから、むしろ生産集団、そうでもありませんけれども、生産集団としての、やっぱり集団で、カントリーならカントリー、ライスセンターならライスセンター中心、その中で担い手をつくっていくというようなこと。今期間借地は麦その他については行われておりますが、いわゆる地域輪作体系もそれに含まれている。 私は農業委員会も長く携わってきましたけれども、今県の農業会議の常議員でもございますが、手足がないんです、実は。手足がない。もう本当にこれは手足がない。ですから、ここじゃ百年河清を待つようなことにしかなりません。そして、実際農家の一人一人を知っている農協そのものが組織全体を挙げてそういうふうに仕組んでいくならば、これは私はかなり早くスピードは進むと、こう思っております。 そういう点で、それもできるようになったじゃないかということだけれども、その先が問題です。スピードが私は問題だと思いますので、ぜひそういう一つの考え方ができないものかなと、それに色濃い一つの推進ができないものかなということを考えておりますが、その点松山局長はいかがですか。
○政府委員(松山光治君) あるいは構造改善局長の方からお答えした方がいいのかもしれませんが、水田農業のあり方ないしは転作の進め方にかかわる問題ということで私の方から便宜お答えさしていただきたいと思います。 担い手のあり方自体につきましては、各地域の実情に即しましていろんな形態があり得ると思いますし、どういう形態で進めるのがいいのかというのは、それぞれの地域が自分たちの置かれておる条件に即してみずから選択していく問題ではないかというふうに私どもは考えております。そういった地域の選択がより易しくなるようにできるだけの条件をそろえ、支援措置を用意していくということではないかと、こういうことでさきの国会で農地二法を御審議いただきましたときにも、今御指摘のございました農協が相当各地域で土地利用調整なりいろんな土地の使い方について間に立つような役割を期待して、農業委員会その他の関係機関と一緒に働いてほしい、そういう思いを込めた法律改正を実はお願いしたわけであります。 そういうことを前提にいたしながら転作のあり方とのかかわりについて申し上げますと、前期対策におきましても地域輪作農法の確立、推進ということを非常に重要な政策課題として掲げました。これは御案内のように、一定の地縁的なまとまりのある土地というものを一応頭に置きながら、それぞれの関係の方々に御相談いただき、ばらばらの転作ではなくて転作をまとめて行うと同時に、土地の利用なり水の利用なりをお互い調整して順繰りに回すといったような形で定着を図っていくということでございますが、いろいろとこれまでの取り組みを見ておりますと、そういう形で、地域ぐるみでお互いいろいろと相談しながら望ましい方向に努力していっていただく事例がふえております。今回の後期対策の策定に当たりましても、そういった芽をできるだけ伸ばし、かつ豊かなものにしていくという方向で助成措置のあり方についても検討を行っておるところでございます。 そういった地域的な取り組みにおける担い手の姿を見てみますと、地域の事情によりまして、その地域における中核的な農家に利用権を設定するというようなことだけではなくて、作業の受委託等を通じてお願いするといったような形態と、それからそういった中核農家が中心になりながらも、一種の集団的な生産組織で対応していく、こういった形態が見られておるわけでございます。 どういうのがいいのかというのは、まさにその地域地域の条件に即して恐らく選択してもらうのが一番いいだろう。私どもとしてはその場合に、現状のそういう取り組みの中で、残念ながらまだ転作の部分だけを、言ってみれば能率的な生産単位が担当しておるという事例が多うございますので、今回新しい転作の加算制度を予定いたしておりますが、それは転作だけではなくて、せっかく土地利用調整が進んでおるのでありますから、転作も水稲の部分もできればそういった能率的な生産単位で担っていただいて、全体としての生産性の向上が図られるような方向に誘導していくという、そういう観点で今度新しい加算を考えたい、このように考えておる次第でございます。
○大塚清次郎君 それはもう地域地域の実情でおやりなさい、全体的にやります、制度はありますよと、こうおっしゃいますが、大体これは農業委員会と農協と一体になってやれ、協議会をつくってやれ、こういいましてもそこは垣がありまして、なかなかこれがうまくもやいますといいんですけれども、難しい点がある。ですから、やっぱりそこはそこでチョイスに任せるということじゃなくして、早く進めるためにはどうするかということをやっていかねばなりません。今まで農業委員会というのは、いつも私は局長に言っておりますが、おい、条件緩和したよ、農政局に行くと絞る、県の農業会議へ行くとまた絞る。それから農業委員会へ行くとまた絞るというようなことになりましてなれていないんですよ。許認可というものがありますから、これに何十年となれ切っておるという問題がありますので、そういう点の長い間の一つのなれというものから早く切りかえるようにしないと、うまくいくようになっているよと、東京論理ではそう言っても、末端ではそうじゃないという問題がありますからこれは急がなきゃなりませんので、ひとつお願いしておきたい、このように思います。 それから、もう一つは最後でございます。 土地改良の負担金の問題でございます。これは今非常に手厚い手だてが一歩前進してやられようということになっておりまして、大変ありがたいわけでございますが、一つは土地改良負担金というのは、公共性にかんがみて県、市町村が持つ部分があるんです。例えば二五%という受益者負担金、それからある部分は、個人の分は個人の受益者直接負担金、土地改良区を通じて持っていく、二つあると思うんです。そうした場合、やっぱりどうしてもこれは両々やらないといかぬのじゃないですか。もうそこまで生産のパイがうんと転作その他で、減反その他で縮まっておる。価格政策も内外格差、さあ何だと言いまして非常にあるところで頭打ち。やっぱり持てないということなんですね。 ですから十アール、年間元利合計で一万五千円以上ぐらいの人はこうやっていきますと農業の収支は決して楽じゃない、赤字になる。したがいまして、ここは国家的に私は取り組まないといかぬ のじゃないかと思います。そういう意味では農林水産省と自治省、財政当局横断的に両々、県、市町村のいわゆる負担金は例えば交付税の、地方交付税なり特交の基準財政需要額ですか、の中に入れてやっていくということにならぬと、もう農村では市町村が仕事ができないように、その負担金がたまってきている、こういうことになりつつある。 だから両方から二五%が、全体が下がることが望ましいわけですけれども、今あるものについて前後の整合性もありますから、そうなった場合、両方からひとつそういう支援策を、枝ぶりだけはできましたが、中身が、枝ぶりがやっぱり均衡のとれた対応をやっていくきっかけに今度の平成二年度の政策をひとつ出していただいて、そして近いうちにそういう枝ぶりのいい軽減対策ができ上がるように、農林大臣、ひとつこれはぜひ御努力いただきたいと思いますが、最後に農林大臣の御所見を聞きまして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) この問題につきましては、最近の厳しい農業情勢における土地改良負担金の実態等を踏まえまして、平成二年度において負担金の償還が困難な地区に対し償還総額を増加させずに償還の平準化を図る制度の創設等必要な助成策、措置を講ずることとし、このために必要な資金といたしまして総額一千億を五年間で造成すべく要求をいたしてまいりたいと思っております。全力を挙げて取り組んでまいります。
○委員長(仲川幸男君) 本調査に関する本日の質疑はこの程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十三分散会