逓信委員会 第2号
- 発言数
- 264 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1989/11/30
会議録
○委員長(青木薪次君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十一月二日、尾辻秀久君が委員を辞任され、その補欠として宮田輝君が選任されました。 ─────────────
○委員長(青木薪次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本放送協会関係の付託案件の審査、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、放送に関する事項の調査のため、日本放送協会の役職員を参考人として今期国会中、必要に応じ随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(青木薪次君) 日本放送協会昭和六十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。 まず、政府から説明を聴取いたします。大石郵政大臣。
○国務大臣(大石千八君) ただいま議題となりました日本放送協会昭和六十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の国会提出につきまして、概略御説明申し上げます。 これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。 日本放送協会から提出された昭和六十一年度の貸借対照表等によりますと、昭和六十二年三月三十一日現在における資産総額は三千四百五十七億三千万円で、前年度に比し百二十七億五千三百万円の増加となっております。これに対しまして、負債総額は一千五百八十億七千二百万円で、前年度に比し六十九億四千八百万円の増加となっております。資本総額は一千八百七十六億五千八百万円で、前年度に比し五十八億五百万円の増加となっております。 資産の内容を見ますと、流動資産六百六十一億九千四百万円、固定資産二千六百十八億三千七百万円、特定資産百七十四億二千七百万円、繰延資産二億七千二百万円であり、固定資産の内容は、建物六百四十五億六百万円、機械及び装置七百八十七億一千百万円、土地二百十九億一千三百万円、その他の固定資産九百六十七億七百万円となっております。 また、負債の内容は、流動負債六百三十九億六千五百万円、固定負債九百四十一億七百万円であり、固定負債の内容は、放送債券四百八十億円、長期借入金三百五億七百万円、退職手当引当金百五十六億円となっております。 資本の内容につきましては、資本一千六百五十一億六千万円、積立金百六十六億九千三百万円、当期事業収支差金五十八億五百万円となっております。 次に、損益について御説明申し上げます。経常事業収入は三千四百六十億六千八百万円で、前年度に比し五十三億五百万円の増加となっておりま す。これに対しまして、経常事業支出は三千四百七億三千四百万円で、前年度に比し百四十九億八千四百万円の増加となっております。 この結果、経常事業収支差金は五十三億三千四百万円となり、これに経常事業外収支差金二十四億円を加えた経常収支差金は七十七億三千四百万円となっております。これに特別収入十二億八千百万円を加え、特別支出三十二億一千万円を差し引いた当期事業収支差金は五十八億五百万円となっております。 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(青木薪次君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。島日本放送協会会長。
○参考人(島桂次君) ただいま議題となっております日本放送協会の昭和六十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書の概要につきまして御説明申し上げます。 まず、財産目録、貸借対照表の当年度末現在の資産総額は三千四百五十七億三千万円で、この内訳は、流動資産六百六十一億九千四百万円、固定資産二千六百十八億三千七百万円、特定資産百七十四億二千七百万円、繰り延べ資産二億七千二百万円、このうち固定資産の内容は、建物六百四十五億六百万円、土地二百十九億一千三百万円、機械及び装置七百八十七億一千百万円、放送衛星百七十二億一千七百万円、その他の有形固定資産、無形固定資産四百九十七億五千万円、出資その他の資産二百九十七億四千万円でございます。 当年度末資産総額を前年度末と比較しますと、百二十七億五千三百万円の増加となっておりますが、これは主として、当年度の建設計画に基づく衛星放送設備の整備、テレビジョン、ラジオ放送網の整備、番組設備の整備等により固定資産が五十九億二千四百万円増加し、また、事業収支剰余金の発生等により、流動資産が五十九億三千百万円増加したためでございます。 一方、これに対する負債総額は一千五百八十億七千二百万円で、この内訳は、流動負債六百三十九億六千五百万円、固定負債九百四十一億七百万円、このうち固定負債の内容は、放送債券四百八十億円、長期借入金三百五億七百万円、退職手当引当金百五十六億円でございます。 当年度末負債総額を前年度末と比較しますと、六十九億四千八百万円の増加となっておりますが、これは受信料前受金の増加等により流動負債が十六億四千四百万円増加し、また、長期借入金の増加等により固定負債が五十三億四百万円増加したためでございます。 また、資本総額は一千八百七十六億五千八百万円で、この内訳は、資本一千六百五十一億六千万円、積立金百六十六億九千三百万円、当期事業収支差金五十八億五百万円でございます。この資本総額は、前年度末と比較し五十八億五百万円の増加となっております。 次に、損益計算書により経常事業収支について見ますと、まず、受信料等の経常事業収入は三千四百六十億六千八百万円で、前年度と比較し五十三億五百万円の増加となりました。これは主として受信料の増加によるもので、受信契約の維持、増加に努めた結果でございます。 なお、有料受信契約件数は四十四万件増加し、当年度末には三千百七万件となりました。 次に、経常事業支出は三千四百七億三千四百万円で、この内訳は、国内放送費九百十五億六千百万円、国際放送費二十三億九千四百万円、契約収納費三百五十七億六千六百万円、受信対策費十一億八千五百万円、広報費十五億一千万円、調査研究費三十七億六千八百万円、給与一千百六十億三千七百万円、退職手当・厚生費三百三十八億一千万円、一般管理費九十四億三千四百万円、減価償却費三百五十二億六千二百万円、未収受信料欠損償却費百億七百万円となっております。 これは前年度と比較し百四十九億八千四百万円の増加となりましたが、主として放送番組内容の充実刷新、受信契約の維持、増加施策の推進及びこれらの事業遂行に伴う事業運営費の増加等によるものでございます。 以上の結果、経常事業収支差金は五十三億三千四百万円となり、これに経常事業外収支差金二十四億円を加えた経常収支差金は七十七億三千四百万円であります。これに特別収入十二億八千百万円を加え、特別支出三十二億一千万円を差し引いた当期事業収支差金は五十八億五百万円となりました。なお、この当期事業収支差金は、翌年度以降の財政安定のための財源に充てるものであります。 これをもちまして概要説明を終わらせていただきますが、今後の事業運営に当たりましても、公共放送としての使命と責務を銘記し、一層放送事業の発展に努力してまいる所存でございます。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(青木薪次君) 次に、会計検査院から検査結果についての説明を聴取いたします。安部会計検査院第五局長。
○説明員(安部彪君) 日本放送協会の昭和六十一年度決算につきまして検査いたしました結果を御説明いたします。 日本放送協会の昭和六十一年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書は、昭和六十二年八月十四日内閣から送付を受けましたが、その検査を終えて、同年の十二月七日内閣に回付いたしました。 同協会の会計につきまして検査いたしました結果、特に法律、政令もしくは予算に違反し、または不当と認めた事項はございません。 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○委員長(青木薪次君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田健一君 ただいま御説明をいただいたわけでございますが、日本放送協会、NHKと言わせていただきますが、協会の財政等に絡んで少しお尋ねをいたしたいと思っております。 今六十一年度決算が議題になっているわけでありますが、五十九年度から六十一年度まで経営三カ年計画の最終年ということもありまして、大変努力をされてきた跡もうかがえると思っております。評価するにやぶさかでないんですが、結果的に五十八億円の収支差金が出された。これをトータルで見ますと、昭和六十二年度以降に二百二十四億円の繰越金を見ることができたわけであります。 ところが、六十二年度、六十三年度と、この後の決算状況といいますか、そこら辺を少しフォローしてみたわけでありますけれども、後がまたやっぱりよくないんです。六十二年度で四十一億、六十三年度で百八十三億収支の不足が生じておるということであります。五十九年度に一五・五%受信料が値上げをされた。その後ずっと据え置きになってきたことも事実でありますし、ことしあたりという話があったようでありますが、衛星放送料金等の絡みもあって延ばされてきておる、また受信料の値上げ問題等々についていろいろとうわさが今されておるという状況でございまして、ことしの、平成元年度の予算を見ますと、予算的には二百五十億円の収支の不足が出る、こういうふうに言われておるんですが、今もうぼちぼち十二月にかかるわけでありますけれども、現時点でことしの収支の見通しをどのように持っておられるのか、まずこれからお伺いしたいと思います。
○参考人(尾畑雅美君) ただいま御質問がありましたように、昭和五十九年にNHKが皆さん方の御承認を得てつくりました三カ年計画は六十一年に終わっておりまして、その後長期計画がない状態になっております。NHKといたしましては、世界じゅうの放送が多メディア化、しかもソフトの高騰等がございまして、放送を取り巻く資金需要が非常に高まる情勢でありますけれども、できるだけ皆様方からいただきました受信料の効率的な運用ということで努めてまいりました。しかし、先生御指摘のように財政状態は極めて逼迫という状態であります。平成元年度の予算におきましてはついに二百五十億円という赤字を見込みました けれども、そのほかに、この資金に供すべく放送所の一部を、川口にありますけれども、これを売りまして百四十八億円というものを出しております。結局これを繰り入れますと三百九十八億円の赤ということになるわけであります。六十二年度から一般経費のゼロシーリングを始めまして、特に去年からは五%またさらに切り詰めるということで、ことしも継続しておりますけれども、先生御指摘のように、さらに財政状況は厳しくなっておると。できるだけ私どももこの節約及び効率的な使い方については一段と力を強めてまいりますけれども、大体私が言いましたような赤字というものが出るような情勢になってきたということを、やむを得ないということで一応御報告させていただきます。
○山田健一君 今御回答いただいたんですが、大体予算と見込みどおりの不足といいますか、そういうような形で推移をしているようでございますし、NHKにとっても一番やはり大きな課題というのは財政構造といいますか、ここら辺を見まして数年置きには受信料の値上げをしなくちゃ収支が相償しない、こういうような形でずっと来ざるを得ない、こういう基本的な実は構造になっているわけでありますが、一方では公共放送としての使命も果たしていかなきゃならぬ大変大きな課題を抱えているわけであります。そういう中で収支の構造を少しでも改善していかなきゃならぬ、こういう一つの大きな責任があるだろうというふうに私は思うんですが、こういった収支構造の改善に向けてどのような手を考えておられるのか、今後進めていかれようとしておるのか、そこら辺についてもあわせてお尋ねをいたしたいと思います。
○参考人(尾畑雅美君) NHKは視聴者の皆さん方から聴視料をいただいて、それで成り立っている企業でございますので、先生御指摘のように、いただいたものを非常に貴重な財源として効率的に使うということで諸施策を行っております。 それで、特に我々が一番苦しんでおりますのは、放送のソフトが平均二〇%ないし一〇〇%というような暴騰をしていく中で、いかに良質で皆さんに喜んでいただけるような放送ソフトを獲得するかということにつきましては、会長を先頭に、世界じゅうに今までNHKと友好関係を持つ放送局がございますので、そういうところから極安でニュース及び番組を提供していただきますとか、放送確保につきましては非常にいろいろ知恵を絞ってやっております。 一方、経費の使う方につきましても、六十二年度、さきの三カ年計画が過ぎましたころからは一般経費についてはゼロシーリングをやっております。五十八年度からは放送の経費にかかる単価は据え置きにしております。それを各部局でもって節減計画をきちんとやらせまして、その徹底を図る。細かい話までいきますと、プリント代ですとか、それから旅費に至るところまで節約の目を届かせておる。使う方を極めてシビアにしておりまして、そういう形で今日まで推移しております。その方向は平成元年度においてもさらに徹底してやっているという状態でございます。
○山田健一君 基本的にそういった収支の構造を抱えているだけに、その中でいろいろ苦労されながら進めておられるんだろうと思いますが、まず会長に、こういったような一つのNHKの置かれておる財政状況、一方で受信料等にしてもそんなに伸びが期待できないというか鈍化しておるというような状況の中で、一方ではどんどんこれからニューメディアといいますか、新しい時代に備えた基盤の整備をしていかなきゃいけないということで、また、先ほどもソフトのお話がありましたが、そういった形でいわゆる支出の方はこれからどんどんふえる。言ってみれば毎年毎年綱渡り的な一つの経営が強いられておる。その中で、基本的にこの経営方針といいますか、将来に向けて会長としてどのようにお考えになっておるのか、まずその点からお尋ねをしたいと思います。
○参考人(島桂次君) 先生御存じのように、この数年間、放送を取り巻く現状というものはもう革命的な変化を来しております。いわゆる情報化社会とかニューメディア時代と言われるものでございます。その中にあって、公共放送としてNHKがやっていくためには、今までにないいろいろの新しい公共放送をこの際再構築しなきゃいかぬということを私は痛感しております。 そこで、今までやってきたやり方を基本的に改めて、これからは本当は十年、二十年後の、二十年間にわたる公共放送のあり方をきちっと明らかにすべきではありますけれども、余りにも変化の激しい時代でございますから、一応これから五カ年ぐらいの間をひとつ見まして、その間にNHKとしてこの情報化社会の中で一体何をやるべきか、どういう方向に向かうべきかということを実は今真剣に討議しております。これは、部内の一万五千人も相当今やっておりますし、平岩先生を座長とする外部の有識者の方々にもお諮りしておりますし、同時に日放労の諸君、あるいは郵政省、政府側の方々でいろいろ真剣に、我々は、この五年間いろいろ公共放送として仕事を進めるために、一体どれだけの規模でどういう仕事をどれだけ金をかけてやっていくか、また一方、収入の方はどういう形でその収入を得るかということについて今鋭意検討中でございます。できますればことしじゅう、遅くとも来年早々にはそういったものを取りまとめまして、郵政省あるいは国会その他の皆さん方にお示ししたいということで現在努力を重ねているところでございます。
○山田健一君 今会長の方から、来年、年が明けて早々にでも取りまとめていきたい、こういうことのようでございまして、お話の中にありましたように、NHKの長期展望に関する審議会等でもいろいろ今やられておるようでございますので、そういったものを踏まえてこれからの五カ年長期見通しを出していこうということだというふうに受けとめさせていただきます。 そこで、今のNHKの収入の柱というのは何といっても受信料が中心になっております。大体、元年度で見ますと事業収入が三千九百十四億、このうちの三千六百四十一億円が、九三%が受信料で何とかやっていける、やっていかざるを得ない、こういうような状況でございまして、受信料がやはり中心になっておるわけであります。 一方、調べてみますと、これはまた随分、滞納状況といいますか、要するにNHKにとってみれば未収の部分があるわけなんです。六十三年度のこれは資料でありますが、受信契約者が三千百五十万件のうち受信料の滞納者が九十八・一万件、約百万世帯、契約拒否者が十五・三万件、それから一時的未契約者三百三十八万件、こういう形で実は出ておりまして、これは額にすれば大変大きな額になるだろうというふうに思っておるんですが、ここら辺についてどのようにこの確保を目指して今取り組んでおられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○参考人(高橋雄亮君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、滞納が九十万台あるということは事実でございまして、この滞納解消に私どもは、受信料制度というものをやはり守るためには公平負担ということで、日夜心を砕いているところでございます。 過去数年間の傾向を見ましても、ほっておきますと大体滞納が三十万件ぐらいずつふえてきておるわけです。それを私どもは努力いたしまして、発生件数だけは何とか抑え、できるだけそれを改善の方向に努めようということで先生御指摘のような数字におさまっているというのが実情でございます。 それから未収の部分につきましては、これは私どもとしましては、それぞれ御契約をいただいていますので、その視聴者のリストでもって一応は押さえておるわけでございますけれども、最近、転勤がふえたり共稼ぎができたり、あるいは地方の単身赴任というようなことがございまして移動に伴う捕捉に若干時間がかかる、そういうタイムラグが出るわけでございます。それを解消するために、最近ではかなり夜遅くまで訪問をして、御都合のいい時間を伺いながら、メモを入れて相手の了解を得て、夜遅くでも訪問してこれを収納に結びつけるというような努力をしながら、年間では新しい契約者を大体四十二万件から四十三万件ぐらいこの数年間ふやしてきておるという実情でございます。 いずれにしましても、この受信料制度でもってNHKは成り立っておるわけでございますので、これが崩れることは一番怖いということでございますし、そういう意味で、公平負担を貫く意味でも我々はそういうところに最大限の注意を払っているということでございます。
○山田健一君 確かに、大変に現場では苦労して契約なり収納活動をされておるようでございますが、ただ、約百万件、九十八・一万件、これだけ滞納件数がある中で、そのうちの約四割近くが制度、番組への批判というのがあるんです、これが約三十四万件。これと、契約を拒否しておる方、これが約十五万件ですから、合計約五十万件ぐらいは何らかの形でNHKの受信料に対して不満があるとか批判があるとか、あるいは番組に対していろいろクレームがある、こういうような形で来ておるんではないか。公平負担というふうに先ほどおっしゃいましたけれども、この負担のあり方について国民なりあるいは視聴者の間と少しギャップがあるのではないかというふうに私は思っております。この受信料の法的な性格というものについて私は改めて今少し問われているんではないかというふうに思っております。 特に受信料というものは、言われておりますようにNHKを維持運営していくための一つの視聴者に対するいわゆる特殊な負担金、こういうような言い方がされております。実際に放送法の三十二条で、要するにこのテレビの映る受像機を設置する、買えばその人はたとえNHKを見ようが見まいが、あるいはNHKを何時間見ようとこれは同じように全部受信料を払いなさい、こういうことに実は今なっていまして、特にこれから衛星民放あたりが始まってくれば、いろいろ有料化に向けてスクランブルをかけてやるというような話も聞いておるんですけれども、そういう形になってくれば従来のように公平負担ということだけで果たして国民の理解が得られるのか。少し無理が出てきておるんではないかというふうに思うのですが、この辺の受信料の法的な性格についてどのようにお考えになっておるのか、お示しいただきたいと思います。
○参考人(島桂次君) 御指摘のとおり、ニューメディア時代、これは非常に多メディア時代でございます。今までやってきた状況とは、受信料もいろいろな形で非常に難しくなるということは十分自覚しております。 ただ私は、今全国的な規模を持つ公共放送と五つのキーステーションを持つ有力な民間放送が競争的共存状態にあるということ、これは私は世界の中にいろいろの放送実情ございますけれども、世界各国に比べまして極めてすぐれた制度じゃないか。私どもは当然その中にあって、公共放送としてやらなければいかぬこと、これはたとえメディアの数がどうふえていこうが必ず私はあると思うし、やはりコマーシャリズムに基づかない放送というものはどんな時代になっても要るんじゃなかろうかということを確信しているわけでございます。 ただ、技術的にかなりなメディアがふえ、スクランブルとかいろいろの形が出てまいりますから、要は質のいい、多様性のある番組をできるだけ視聴者の負担を軽くしながら放送を続けておる限り、私はこの受信料制度というものは続けなければいかぬし、また続けるべきである、こう信じておるわけでございます。
○山田健一君 私も、そうは言いましても、受信料制度が現実に定着をしてこれだけあるわけですから、それを否定しておるわけでもありませんし、これはやはりきちっと持っていかなきゃいけない。ただ、いろいろ衛星放送等も入ってまいりましたが、これからハイビジョンあたりもどんどんやろうという時代になって今のような性格づけで進んでいけるのかどうか。これはやはり考えていかなければならぬ問題だろうと思います。 これは郵政の方にもお伺いをいたしたいと思いますが、要するに受信料も消費税が今度課せられたわけです。これはやはり一つのサービス等に対する対価に対して課税がされる、これが消費税です。さらには、ことしの八月から始まった衛星放送なんかについても受益者負担、こういう立場から、まさに言ってみれば対価的な考え方が導入をされてきておる。こういうことでだんだん場合によっては部分的にでもそういうものを導入していかざるを得ないんではないかというような意見も一方であるわけでありますが、この点について郵政の方はどのようにお考えになっておるのか、お尋ねいたします。
○政府委員(大瀧泰郎君) いわゆる受信料は、先生の御指摘のとおり、受信設備を設置した者によるNHKの維持運営のための特殊な負担金というふうに解されているわけでございまして、その経費の負担を受信者に求めているわけでございます。そういうことでございますので、この受信料の支払いについて法律で何らかの強制をしなければ財源の確保というものが難しいわけでございますので、現在の放送法では受信契約というものを義務づけているわけでございます。したがって、受信料に関しまして新たに消費税の課税対象にも加えられ、また衛星の受信料金も設定されたわけでございます。 消費税が国民一般に広く家計の消費に負担を求めるということでございますので、消費税の法令におきましては、NHKの受信料を放送を受信できる状態にある者の便益に着目したいわゆる料金というふうにとらえまして、対価を得て行う資産の譲渡等に類するものというようなことで課税対象にしているわけでございまして、これによりまして受信料が放送の対価とされたわけではないのでございまして、これまでのNHKを運営するための負担金であるという解釈には変わりはないのでございます。 それから衛星受信料について、いわゆる地上放送の受信料との関係でございますが、従来のいわゆるカラーの受信料と白黒の受信料との関係と同様でありまして、受信設備を設置した者に受信契約が義務づけられる、それらの者がNHKの事業の費用を分担するということでありまして、受信料の性格に変更はないものと考えておるわけでございます。
○山田健一君 それでは、ちょっとついでにお尋ねをいたしたいと思いますが、かなりNHKも今ハイビジョンに力を入れてやろうということでおられます。このあたりも今からどういう形の料金体系か、いずれこれは考えていかなきゃいけない時期が来るだろうと思いますし、衛星放送なりこういったものを今のような形で位置づけして同じような法的な負担という形でいけるのかどうなのか、大変大きな実は疑問を持っております。ある意味ではもう割り切って、現行の放送サービスを一つの基幹として、さらに衛星なりハイビジョンなりそういうものについてはこれを特別の一つの扱いにしていくというような形のものも具体的に提言がされている部分もありますけれども、そういった形で考えていかざるを得ないのではないか、このままでいって視聴者の理解が得られるんだろうか。しかも衛星民放なんかも始まってまいりますと、そういう状況の中でいつまでもこういう形で受信料を徴収する、しかも値段が今度は大分上がりまして、さらにまたハイビジョンを見通したときにもまた料金が上がってくる、こういうことが想定されるわけであります。 したがって、そこら辺はいずれ抜本的に考えていかなければいけない時期が到来をするというふうに思っておりますが、当面ハイビジョンなりあるいはその料金政策というものはどのような方向で検討がされようとしておるのか、この辺についても少しお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) この受信料制度におけるハイビジョンの位置づけでございますけれども、ハイビジョン放送が現在ではまだ実験局として運営がなされておるわけでございますので、そ れに対しまして受信料制度に対する考えを申し上げることは非常に困難な状況でございますので、その辺を御理解いただきたいと思います。
○山田健一君 いずれにいたしましても、BS3から少しハイビジョンもやっていこうというような計画になっているわけですから、今のところまだそういうことは出せないにしても、いずれ考えていかなきゃならぬだろうと思いますし、その場合の料金体系といいますか料金政策というものも俎上に上がってくるわけでありまして、そういった意味では、受信料のあり方、法的な性格づけ、そうしたものについて抜本的にこれから検討をされる必要があるんではないか、こういう意見を私申し上げさせていただいて次に進みたいと思っております。 次に、これはNHKが今財源難だということで、各関係省に放送受信料免除を廃止したいということで今要望書を出されておりまして、文部省が小中学校等対象で約六十億、それから法務省が、更生保護事業施設等でこれは一千三百億、それから厚生省関係が全額、半額免除を合わせて約六十億近く、これは文部省、法務省、厚生省にNHKから要望が出されておりますが、これは今どういうふうに協議が進められているのか。また、それぞれ各省の対応は今どのようになっておるのか、このことについてまずHNKからお尋ねをいたしたいと思います。
○参考人(高橋雄亮君) 受信料の免除につきましては、先生御案内のように国会の附帯決議とか、HNKの財政が厳しいというようなことから、昭和五十三年以来順次これを廃止するという方向に来ておりまして、御指摘の教育関係それから厚生関係の一部、法務関係の一部につきまして、昨年に引き続きましてことしも政府の概算要求を固める段階の前の段階で各省に文書でお願いいたしました。その結果、各省もそれぞれ真剣に御検討いただいたようでございますが、文部省から私ども承っておるところによりますと、大蔵その他の、財政措置を国が講ずることは難しいということで、何とか引き続き来年度も免除の廃止はしないでほしい、免除を継続してほしいということで御回答いただいております。私どもは、冒頭申しましたような趣旨でございますので、引き続き御努力を願うようにお願いしておるというのが現状でございます。
○山田健一君 それはそうでしょう、大変難しいだろうと思います。これは現実にそういう形で免除措置がとられておって、その中で教育なりあるいは福祉、こういったところに着目して今まで政策的に導入をされているわけでありますから、これはNHKが本来その部分のしわ寄せを受けるというのは私は本当は筋が違うのじゃないか。 きょうは郵政大臣がお見えですからお尋ねをいたしたいのでありますが、先ほどおっしゃいましたけれども、国会の附帯決議というのがありますが、最近は受信料軽減措置等の改廃など、協会の負担の軽減を図る措置を検討すること、こういう一つの附帯決議がつけられているわけでありますが、一番最初の昭和五十年、このときの附帯決議は、「生活困窮者、学校等に対する受信料の免除について、国庫による補てん措置等を含め抜本的な検討を行うこと。」、具体的に国庫で面倒を見なさい、こういう附帯決議であったわけです。現実に昭和五十七年度に、基地周辺、射爆場周辺、こういったところが免除措置が廃止をされた。しかし、その前はいわゆる国により防衛施設庁が補てんをしていたわけでありまして、昭和五十七年以降から防衛施設庁の事業として直接助成金を今度は交付をして免除措置を廃止した。こういう形に現実に基地周辺と射爆場周辺はなっているわけです。 先ほども言いましたように、附帯決議ももともとそういう形で、ある意味では国の福祉政策なり文教政策の一環としてこういう措置がとられてきているわけなのでありまして、本来NHKがそこら辺まで負担をしなきゃならぬというのは私はおかしいのではないか、この辺について大臣としてどのようにお考えになっておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(大石千八君) 山田委員御指摘のとおり、逐次NHKとしては免除を廃止してきており、受信料の徴収を図ってきておるところでございますが、それに伴って、その附帯決議の精神というものは当然守っていかなければならないものと私も考えているところでございます。そういう意味におきましては、先ほどNHKの方からも財政当局等あるいは担当の役所等の折衝の状況を述べられましたけれども、当然我々といたしましても、現在、特に小中学校、社会福祉施設等に対するものがまだ免除として残っているわけでございますけれども、廃止になっておらないわけでございますが、そういったことが公費によって負担される、それぞれの担当の行政機関が財政負担をすべきものというふうに認識をしておりますので、郵政省といたしましても、さらにそのような方向づけで行政において財政負担が行われるようにこれからも努力をしてまいりたいと考えているところであります。
○山田健一君 わかりました。その問題はそういうことで今後ともぜひ御努力をお願い申し上げたいと思っております。 次に、少し衛星放送に関連をしてお尋ねいたしたいと思っております。 今いろいろテレビを見ておっても衛星放送のPRが随分積極的に行われておるなというふうに受けとめているわけでありますが、平成元年度末で衛星放送、二百三十万件の普及を見込んでおられるんですが、普及の現況とこれからの見通しについてまずお尋ねをしたいと思います。
○参考人(高橋雄亮君) お答えいたします。 衛星放送の普及状況でございますが、先生御指摘のとおり平成元年度三月末で二百三十万台の普及を目指しておりますが、十月末現在では百八十万台を超えたところでございます。この二百三十万台の目標を達成するためには、これからかなりのペースで普及を図らなければならない、大変しんどい状況ではございますが、私どもとしましては、年末にさらなる普及を図るということで、この十月以来協会を挙げまして内容の充実等ステップアップキャンペーンということで、いろんなイベントを利用しまして衛星放送に対する御理解を求めて普及を促進しておる段階でございます。
○山田健一君 あと実質的には三、四カ月で、大変なことだろうと思うんです。十月末で約五十万台、まだ少し足らぬということになっておるようでございます。 一方、受信契約の方ですけれども、年度末で二百三十万台、これを見通して約六〇%の百三十八万台の契約を見込んでおられました。それで約六十億円入ってくる、こういう見通しを立てておられるのでありますが、この契約の方の現況、それから衛星の収支見通し、どうも先ほど御報告があったように非常に伸びが鈍化をしておるというか、なかなか伸び悩みをしておる状況だというふうに受けとめておりますので、その辺についてもあわせてお尋ねをいたします。
○参考人(高橋雄亮君) 平成元年度の衛星放送の収支でございますが、平成元年度予算で御承認いただきましたのは、収入は、普及途中であるということと八月から有料化するということで、六十億の収入を図ると。支出の方は二百五十八億。したがいまして、百九十八億の赤字ということで当初予算は計画を立てているわけであります。 ただいま申しましたように、普及の状況とあわせて私ども契約をこれに結びつけるために全力投球をしておりますが、十月末現在では約六十万台になったということでございます。これをあと百三十八万台まで持っていくためには一層の努力をしなければならない。しかし、御指摘のとおり環境は厳しいというように思っております。そこで、これまでの例でいきますと、年末とかいろんな大きなイベントがあったときに急速に受信契約が伸びるということもございますので、私どもは十月以来この年末と年始にかけて大幅に受信契約をふやすべく現在努力中であるということでございます。
○山田健一君 そうすると、百八十万台ぐらい普及をしていて、実際に契約がなされておるのが六十万台、三分の一ということです。かなり契約が低い現状にあることは、これは事実だろうというふうに思います。そこで、八月から衛星料金、値上げをされて従来のカラーに加えて二千円、この料金のあり方がどうなのかという問題もありますが、もう一つ、今大変NHKも苦慮されておるんではないかと思いますが、御存じのようにCATVの事業者とのトラブルがいろいろ報道等でも伝えられております。 それは、これからCATVを積極的に一方では広めていこうという施策もこれあり、逆にそうはいいながらも、そのことによって、その人たちからも衛星放送料金をいただくということで需要が冷えるんではないかというような一つの心配も一方であるということで皆さんから大変強い今抵抗なり拒否が出ておる、料金の代理徴収あたりも拒否をされておるというような現状があるやに聞いておるんですが、やっぱり国民的な立場から見れば、できるだけ早期に解決をしてほしい、こういうように望む声というのは強いと思うんです。どのように対応されていこうとしておるのか、そこら辺についてお尋ねをいたしたいと思います。
○参考人(高橋雄亮君) CATVに対しましては、私どもは共存共栄の立場ということで、衛星の普及のためにもCATVが必要ですし、それからCATVの普及のためにもNHKが持っているこういう衛星を含めたソフトというものは必要だろうということで、ことしの四月以来それぞれの放送局を通しまして地元のCATV、また東京では全国の団体の責任者の方たちと話し合いをさせていただいております。現在の段階では、当初CATV側は有料化反対ということを連盟としては決めておりましたけれども、そこのところにつきましては御理解を得られたかなというように思っております。 これからいよいよNHKとCATVが共存していく上でどういう施策があるのかということだろうと思います。CATVに対しましては、これまでNHKと地元の放送局を通して大変親しい親密な関係にございますので、それぞれのCATVの成り立ちにも性格がいろいろございますので、一律的な施策というのはございませんけれども、私どもとしては、衛星料金の妥当性を御理解いただきながら、CATVの発展のためにNHKがどういうソフトが供給できるのかということでお話し合いをしまして、約一万本近いソフトを手元に持ちながら、それぞれのCATVとほとんど原価に近いような格好でソフトを供給しながらお話し合いを進めておるということでございます。したがいまして、私どもはできるだけ早急にこの問題については解決に持っていかなければならないということで、今最後のところに来ておるという段階でございます。
○山田健一君 わかりました。最後のところに来ておるということですから、大変でしょうけれども、先ほど三割の受信契約と言いましたが、その中でも共同受信、CATV関係は二割ぐらいしかできていないわけでありまして、そういったことが大きく影響しておる部分も見逃せないだろうと思っておりますので、早期にひとつ解決をしていただきますように御努力を私どもの方からもお願いしておきたいというふうに思っております。 それからついでに、衛星放送に関連をするわけでありますが、もともとこの衛星放送は、難視聴を解消しなきゃいけない、こういう当初の目的があったわけでありますが、普及を何とかさせなきゃいけないということで、その普及を急ぐ余りといいますか、難視聴世帯はもう全国で約十万ぐらいに落ちてきたというふうに言われておりますが、そうはいってもやはりその基本的な使命といいますか、目的というものは、これはやっぱり果たしていただかなきゃならぬだろうと思っております。 衛星第二あたりも、見ていますと独自番組が約四〇%ぐらいを占めておるようであります。もう既にハイビジョンの一時間ですか実験放送も行われておる、こういうような状況の中で、こうした難視聴解消の本来の目的を達成していくということを含めて、衛星の活用のあり方についてもう一度基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。
○参考人(遠藤利男君) 先生御指摘のように、衛星放送を始めましたときには難視聴解消ということが主要な目的でございました。実際、実験放送などを始めてまいりましてから、衛星放送が持っている新しいメディアとしての機能というものを難視聴解消だけに閉じ込めておくのは、これは新しいニューメディアの時代にはもったいない、もっといろんな活用の仕方をして高度情報化社会のために役立つような使い方もしていきたいということで、先生方にもいろいろ御意見もいただき、御議論もいただきながら現在のような放送に至ったわけでございます。 当然、私どもは難視聴解消というのは重要な柱であるというふうに思っておりまして、主として衛星第二放送で二十四時間の放送のうちの六〇%を難視聴解消に割こうということでやっております。内容的には主要なニュース、それから難視聴解消地域の方々が望んでいらっしゃる主要なエンターテイメントというようなものをきちっと放送するという仕方でやっていきたいと思っております。 ただ、御指摘のように、このメディアをできるだけ早く発展させたいということもありまして、独自放送にもかなり力を注いでおります。特に、この年末は先ほど高橋参考人からも申し上げましたように重要な普及の時期でございまして、若干そういうことでは独自放送に力を注いでおるというところでございます。
○山田健一君 今基本的なお考えをお示しいただいたわけでございまして、これから年末にかけて大変な意気込みでやられるということなんでありますが、いろいろできれば、民放並みのあれではないかというような、いろんな意見も出されておるときであります。分別を持った対応をぜひお願いしながら、それなりの普及目的に向けて力を注いでいただきたいというふうに思っております。 あわせて放送衛星に関連してお尋ねをいたしたいと思っております。 例のBS2bがなかなか思わしくないということで、御存じのように大変苦労されまして、2XをGE社から手配されて、百四十五億かかったようでございます。これはBS3aまでの一つのつなぎといいますか、BS2の一つの補完というか予備機ということなんでありますが、当初は十二月の中旬ぐらいですか、打ち上げ予定。こればかりはどうしようもないので、予知ができないんですからしようがありませんが、サンフランシスコで地震が起こった。打ち上げについて、NHKのこれは責任じゃないようでありますが、向こうさんの都合のようですけれども、もう一回再点検をやらなきゃいけないということで、来年の一月中旬以降、まだ未定だということになっておるようでございます。いずれにいたしましても来年の夏にはBS3a、これは打ち上げられる。 そういうことになりますと、当初からやはりわずか一年間の期間を補完するのに百四十五億というのは、これは余り大きいんじゃないかという議論があったようにも聞いておりますが、この一年がましてや来年以降になると半年そこそこ、さらには3aが打ち上げられた後、いわゆる耐用期間があるわけですから、その間これをどう活用していくのか、このことがやはり大きなこれからの課題になっておることは事実だろうと思います。 これはNHKと郵政省双方にお尋ねをいたしたいと思うんですが、このBS2Xの活用の方向を打ち上げ以降どのように考えておられるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○参考人(中村好郎君) 2Xにつきましては、打ち上げの趣旨が2bの不測の事態に対処するために緊急避難的な措置として打ち上げることにしたわけでございます。したがいまして、今先生御指摘のように、その趣旨から申し上げますと、なるべく早く打ち上げるということが我々にとっての 最大の課題でございますので、延期という話もございますけれども、これは一刻も早く打ち上げるということでただいま努力中でございます。 なお、BS3運用開始後の2Xの利用の問題につきましては、今後の課題といたしまして国とも相談して検討してまいりたいというように思っております。
○政府委員(大瀧泰郎君) このBS2Xは、BS2bの不測の事態に対処するために、NHKが現在運用中のこのBS2bのバックアップとして緊急避難的な措置として打ち上げるものでございますので、その後の問題というのは、今NHKの方からもお話がありましたように十分検討していかなきゃならないと思いますが、周波数に関する国際手続という問題もございます。BS3の電波が出せなくなったというような場合になりますれば、このBS2X等の活用というのも真剣に考えていかなければならないと思っておるわけでございます。現在のところはこの2bのバックアップであるということで御理解をいただきたいと思います。
○山田健一君 それはしかし、現実には来年の夏に3aを打ち上げるわけでしょう、そういう方針でいかれるはずなんですけれども。百四十五億円実はかけられておるわけです。そして2bをバックアップしていくという形で、これは来年一月以降になるか知りませんが、打ち上げられる。まさに来年にもう迫っているわけでしょう、打ち上げる。打ち上げて、そしてその2bの役割が終わった以降はまだ何とも言えませんと。こんなことでこういう放送衛星を打ち上げて運用していっていいんですか。何といっても多くの国民の期待にこたえていくといいますか、衛星放送にかけられたNHKの意気込みもあっただろうと思いますし、2bが、これは故障が出ておった、何かの拍子でまた直ったというようなこともついこの前も言われておりましたけれども、なかなか地上でやるのと違って難しい面がある。したがって、それを補完、バックアップしなきゃいけない。そのことで百四十五億円投入をされていった。しかも来年の夏にはもう3aが打ち上げられていく。そういう時期に今至っているにもかかわらず、当面はまだバックアップだけで打ち上げられようとしておるわけです。来年以降どういうふうにこれを活用していくのか明らかにしていかないと、行政としても責任が私はあるんじゃないかというふうに思っておるんですが、そこら辺はどうなんですか、もう一度お伺いしたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) BS2Xの打ち上げということで、周波数の利用という面から考えまして国際登録というのが必要であったわけでございますが、2XはBS2bと同じ周波数で同一の諸元で使用するということから、改めて国際調整を行うことなくこのBS2bの予備という形での運用を前提として私どもはBS2Xの打ち上げというものを考えたわけでございます。したがいまして、BS2bのバックアップ以外の利用に関しましては周波数に関する国際的な手続が必要なのでございます。しかしながら、BS3の周波数とBS2Xの周波数というのは一部重複しておりますので、そういう意味からいきますと、BS3の電波が出なくなったというような場合にはバックアップとしての利用というのも考えられるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○山田健一君 一つは周波数のそういった調整、国際的な意味を含めての調整が必要だということと、それから、今度のBS3の補完機としてそのまま周波数が一部一緒だから使えるんではないか、こういうことで考えておられるようでございますが、活用していく方法があるんであれば、せっかくこれだけの高い金を出してやっておるわけですから、そこら辺について国際調整が必要なんであれば必要なような対応をぜひお願いいたしたい、こういうふうに思っております。 ただ、そのまま打ち上げて、言ってみれば遊ばせておくというか、そういうことじゃ少しもったいないんじゃないか、こういう気もいたしますので、そういったところのいわゆるNHKとのまた調整もあるでしょう、そこら辺を含めてこれから活用のあり方について早く検討をいただきたい、そして方針を明確にぜひ出していただきたい、こういうふうに要望をいたしておきたいと思います。 最後に、もう時間があれですから、もう一つ衛星の開発方針についてお尋ねをいたしたいと思っております。 大臣お見えですが、日本は放送衛星、通信衛星も今いろいろ言われておりますが、要するに自主開発路線でいくんだ、こういうことを表明されているわけでありますが、御存じのように、日米の経済摩擦等の一環でぜひアメリカからも調達をしてもらいたいというようなことがいろいろ伝えられているわけでありますが、この自主開発でいくという基本的な考え方、これはこれからも堅持をされていくのかどうか、そのことについてまずお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(大石千八君) BS3につきましては、宇宙開発計画に基づき、平成二年度にBS3aを、それから三年度にはBS3bを打ち上げる予定で現在順調に開発が進んでいるところでございます。 また、BS3の後継衛星のあり方につきましては、技術開発動向、衛星放送の普及動向を踏まえつつ今後検討していくということになろうと思いまして、我が国におきましての放送あるいは通信衛星の技術開発というものは我が国の自主開発という観点からも極めて重要なものであるというふうに認識をしております。
○山田健一君 同時にNHKにもお尋ねをしたいと思うんですが、先般ちょうどこの問題に関連をいたしましてアメリカの議会ですか、これは新聞報道でちょっと私は見たんですが、輸入をするのは困難だというふうに大使館の方に何かNHKからあったということが向こうで取り上げられた。しかし、NHKの方としてはそういう事実はないということでたしか否定をされておったわけですが、NHKとしてはどういう考え方でこの衛星放送についてこれから臨んでいかれるのか、そこら辺もお尋ねをいたしたいと思います。
○参考人(島桂次君) NHKといたしましては、あくまで放送屋、つまりブロードキャスターでございますから、できるだけ安い値段で、できるだけいいものを衛星放送においても使いたいというのが私たちの願望でございます。ただ、私どもは、当然のことながら政府の国策というものがございますから、その辺は郵政省、国会の皆さん方とよく御相談しながらやらなきゃいかぬと。しかし、NHKとしては、あくまで視聴者の負担を軽くしてできるだけいいものをできるだけ安く上げたいというのが私たちの基本的な考え方でございます。
○山田健一君 最後ですが、ハイビジョンの関係も、せっかく会長がお見えですから少しお尋ねをしたいと思います。 ハイビジョンの取り組みを今期かなり積極的になさろうとしておるわけですが、結局これから将来のことでありますが、今NHKの保有メディアといいますか、そこら辺について先ほどお話があり、審議会の方でもいろいろ検討がされておるようでありますし、いろんな提言等も現実に出されておることも承知をいたしておるんですが、ここら辺の保有メディアについて、将来今の衛星放送なりあるいはハイビジョンがどんどん出てくるといいますか、そういうことを想定しながら会長としてどのような見解をお持ちなのか、最後にそのことをお尋ねいたしまして終わりたいと思います。
○参考人(島桂次君) 御存じのように、ニューメディア時代、情報化社会というのはメディアの数がどんどんとふえておるわけでございます。 私は、少なくとも先進国において一つの放送機関が巨大化していくということは、これはやっぱり社会的な常識に合わないということもわかっております。ただ、現時点では、少なくとも私どもが今やっております衛星二波、それから地上波の 二波、それに音声その他やっておりますけれども、これが将来どうなるかということにつきましては、この情報化社会の進展、どういうメディアがどういうふうに発展していくかということをもうちょっと見定めさせていただきたいと、例えば五年後どういう状態になるか、十年後どういう状態になるかということを。そういう客観情勢の変化に応じて、だれが見てもNHKが放送を独占するような巨大な機関であっては困るというような線というのはおのずから出てくると思うのでございますけれども、現時点で例えば今のチャンネルが多いとか少ないとかというのはもうちょっと時代の進展を見させていただきたいというのが私の立場でございます。
○山田健一君 終わります。
○松前達郎君 きょう予定しておりました質問については既に御連絡を申し上げてあったと思うんですが、ただいま山田委員から既にその点について、一部ですが質問があったわけであります。例えばNHKの経営に関する今後の展望、あるいは経営を健全化させるための施策というもの、これについても先ほど会長からお答えがありましたので、私の方からは重複を避けたいと思います。 そこで、幾つかの点に絞って質問させていただくんですが、まず、これは通告していなかったんですが、郵政省に意見を一つ伺いたいと思うのは、先ほどから受信料の問題が随分出てきております。この受信料そのものについては、民放と発想の違う公共放送である、ですから受信料を国民に負担してもらうんだ、こういうふうなことだと思うわけですが、実際によく考えてみますと、まず、ブロードキャスティング、いわゆる放送というのは不特定多数の受信を期待して行うのが一般的な放送なわけであります。なるべくたくさんの人に聞いてもらいたい、これは当たり前の話であります。ですから、そういうことから考えますと、原則的には料金を取らないのがいわゆるブロードキャスティングというものの性格ではないかと思うんです。しかし、現状ではNHKは聴視料を徴収する、しかも公共放送であるということです。そういうふうに定義をされておるわけでありますが、そのブロードキャスティングそのものに対する郵政省の考え方というのは一体どういうふうなところにあるんでしょうか。これは通告はしていませんでしたけれども、基本的問題なので一言御意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 先生も御存じのように、日本ではNHKによる公共放送と民間放送といういわゆる二本立ての放送制度というものを取り入れているわけでございます。いわゆる受信料というものはNHKのためにどうしても必要でございますし、民間放送に対しては広告放送ということでの収入ということを基本にして経営しておるわけでございますので、今後ともこの二本立ての放送制度というものを維持してまいりたい、このように考えているわけでございます。
○松前達郎君 それは私も十分理解をしておるわけでありますが、料金を取るということになりますと当然国民が参加をするということになります。経営にも国民の意見を反映させなきゃいけない。また同時に、放送ですから、当然番組というものが国民の目の前に次々と編成されたものが出てくるわけですから、そういう意味からやはり番組についてもいろいろと国民の意見を取り入れなきゃならない、こういうことになろうと思うんです。それについては番組審議会ですとか、あるいは経営関係の組織として既にありますので、国民の代表かどうかわかりませんけれども。この選び方についてもいろいろ異論があるんですが、一応形式上はそういった組織でもっていろいろ検討されているということになり、また同時に国営放送でもないわけですから、当然国営放送になると国の一つのそういった政治戦略的な問題がその中に入り込んでくるんで、やはり国営放送でないということも非常に重要な存在であろう、こういうふうに思っておるわけです。 そういうことで公共放送というふうに言われているんじゃないかと思うわけなんですが、料金を徴収するという点からいきますと、きょう私は国際放送のことを中心にお伺いしたいんですが、国際放送まさにブロードキャスティングでありまして、聞いている方から料金徴収は不可能であります。ですから、国際放送というものは一体どういう趣旨で行うのかという基本的な問題もあろうと思いますが、大体国際放送になりますと、日本の事情とか日本のニュース、そういったようなものを世界に知らせるという役割を私は持っているんだと思うんです。しかも日本の場合、通信社その他を含めても日本の情報が世界にくまなく、いち早く大量に伝達できるというシステムがほとんどないんです。ですから、これは前から問題になっているんですけれども、やはりこういったことから考えますと、NHKがおやりになっている国際放送というのは非常に重要な役割を持っているんじゃないか。重要な役割を持っているんだけれども料金は取れない、こういうことでありますから、当然政府の交付金その他もそのことから出ているんじゃないか、こういうふうに思っておるわけであります。 いろいろ調べてみますと、BBCは日本語放送をやっているんですが、最初の放送を始めた趣旨というのがおよそこれは戦略的でありまして、日本の世論に強い影響を与えるため、こういうふうにBBCでは考えてニューデリーで放送を始めたんです。今香港から中継をしているようであります。我々NHKの日本の国際放送、これについて命令を出せるのは郵政省でありますから、国際放送というものを一体どう考えておられるのか、これもまた郵政省の方からひとつお考えをお聞かせいただければと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 我が国の国際放送は、諸外国の我が国に対する正しい理解、認識というものを十分に得るということと、国際協調を推進するということ、海外に在留する邦人に対する慰安や必要な情報を提供する、こういうような目的で行われているわけでございます。国際社会における相互依存関係が深まる中で、その果たすべき役割はますます増大していると考えております。そういうことでございますので、今後とも国際放送の重要性というものを十分認識いたしまして充実強化に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○松前達郎君 充実強化とおっしゃったわけですが、後でまたその現状をお伺いしたいと思うのです。 現在、情報化社会というふうに言われておるわけですが、こういった新しい社会の中での放送の役割が大きいということはもう先ほど申し上げたとおりなんで、これは恐らく皆さんもそういうふうにお考えだと思います。ちょっと外れるかもしれませんが、ソ連、東欧で今非常に大きな変化がありますが、これもエレクトロニクス技術に基づく国際情報化社会における情報流通という問題がやはりその震源の一つになっているということも考えられるわけであります。かつて情報はミサイルよりも強いという言葉がどこかにあったと思いますが、非常に情報の流通については重要なものとして我々は考えなきゃならないんじゃないか。ですから、そういう意味も含めて国際放送というのは強化していこう、こういうふうにおっしゃったんだと思うのです。 さてそこで、国際放送を担当しているのはNHKさんだけでありますから、まだ短波放送が一部ありますが、主体としてはNHKさんが大部分をやっておられるわけです。その国際放送の施設とか設備について前に私はたしか外務委員会で質問をしたことがあるんですが、なかなか新しい設備が導入できない、出力も余り大きくない、こういうことを当時伺ったわけですが、施設設備あるいは経費等について数多くの問題点があると思うんです。この際ひとつこれらについての状況と、それから今後の計画等もありましたらお聞かせいただければ幸いだと思います。
○参考人(遠藤利男君) 先生御指摘のように、日本の情報を世界に出すということは、今この国際化の時代の中で非常に重要な時代になってまいっ ております。そういう意味でも私どもの国際放送というのは重要な役割を果たさなければいけないということで日夜励んでおるわけでございます。 まず、御質問にありました設備の点でございますけれども、埼玉県の八俣に送信所がございまして、三百キロワットの送信機四台、それから百キロワットの送信機四台を使用して世界に情報を発信しております。そのほかに、これだけですと到達しにくい地域がございます。そのためにカナダの放送局の放送設備を借りまして、一日四時間二百五十キロワットで北米に向けて、主として東海岸でございますが、放送をしております。 それからもう一つは、ギアナの中継所を借りまして五百キロワットで一日六時間送信しております。これは交換中継といいまして、八俣の送信機を同じ時間だけその放送局に貸すということでカナダとギアナは行っております。 そのほか、南米中部にありますガボンの放送所の中継機を、これはお金を払って借用いたしまして、五百キロワットで一日十二時間送信しておるというのがございます。これは、さらに我々が国際的に情報を到達させるためにいろんな中継所を増設したりするということはかなり費用がかかるわけでございまして、この交換中継というのが、海外にあります放送所を借りて、それから八俣の送信機を貸して、交換して同じ時間でできるだけ安く国際的に情報を送るという方法のためには非常に有効なわけでございますが、八俣の送信所の送信機の使用の状況はこれは目いっぱいでございまして、これ以上交換中継をふやしていくというのも非常に困難です。あるいは一たん故障がありますと代替機がないというような状態で運行しておりまして、非常に設備という点ではまだまだ充実していきたいというような状況でございます。
○松前達郎君 今お伺いいたしますと、やはり先ほど私が申し上げたように、かつての状況とそう大きく変わっていないような気もするわけでありますが、これについては料金を徴収できないということをさっき冒頭に申し上げた。これは当然のことなんですが、しかし、国の一つの情報戦略という言葉を使ったらまずいんですが、それと同じような意味でやはりこれは大いにやっていくべきだと思うんです。ところが経費がなかなか捻出できない。そうなってくると、当然政府の方もこれに関して何らかの手当てをしていくということになろうと思うのですが、郵政省として何かその点について前向きなお考えがありましょうか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 現状に関しましてはただいまNHKから御説明があったわけですが、将来的にも交換中継方式というようなことで世界的にもあちらこちらにそういうような放送局を設けまして中継方式でもって充実をしてまいりたい、このように考えておりまして、調査その他も今後とも進めてまいりたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○松前達郎君 中継方式が一つのやり方と。確かにたくさんつくればそれなりにくまなく届いていくと思うんですけれども、衛星を使うというのも一つあるんです。ただ、衛星の場合はいろいろと制約条件があるわけですから簡単にはいかないかもしれませんが、衛星のネットを使って例えばいろんな外国の放送会社等がやっているものとリンクをしていくというふうなことも考えられると思うのですが、そういうことはお考えになったことがございますか。
○参考人(島桂次君) これだけ国際化時代になってきますと、これはもう大変重要な問題でございまして、松前先生御存じのように情報というのはアメリカ、ヨーロッパから洪水のように日本に流れ込んできて、日本の情報というのはほとんど出ておりません。これはまさに今の貿易摩擦の逆でございます。したがって私どもは、今短波の話だけが問題になっておりますけれども、短波という時代から今や映像で日本の実情をもっと全世界に伝えなきゃいかぬという時代を迎えておるわけでございます。 私どもは、国は国としていろいろお考えがあるでしょうけれども、私ども公共放送のNHKとしてまさにこの問題について本格的に取り組む必要がある。既に「ニュース・トゥデー」という一日の日本の動き、あるいはアジアの動きを毎日三十分アメリカに送り出しております。これは映像で送り出しております。 それから、これは本来いけないことなんですけれども、今NHKのやっている「ワールドニュース」、これがスピルオーバーと言って韓国とか台湾とかそういうところへも流れ出ております。これはあくまで違法といいますか、いけないことであるのですけれども、逆に実態を申しますと、韓国の方々、台湾の方々のかなりの方がこの放送を見て日本の実情、世界の実情を見ているということがあるわけでございます。 したがって私どもとしては、短波による国際放送の充実、これは先ほど来の話のとおりやっていきますけれども、私たちの放送局間あるいは民間ベースでこれを何とか日本の情報を外国に伝え、外国の情報をもっと日本に取り入れるということを今いろいろ考えております。これをどういうふうにして持っていくかということにつきましては、具体的には五カ年計画、この中で何ができるかということを徹底的に考えたいと思っておりますので、いずれいろいろの方法がはっきりしましたらまた先生方に御報告していきたいと考えております。
○松前達郎君 テレビ、映像ですね、これも情報量は物すごく多いわけですから、短波に比べればまさに比較にならないぐらい多いので、「ニュース・トゥデー」というお話がございました。私も時々拝見をいたしております。こういうものが特に日本に対する理解が少ない地域、特定の地域を言いますとだれかみたいに批判を受けますから言いませんけれども、そういうところにもどんどん流れていくということ、これが恐らく今後我々としてやるべきことの一つに入っているんじゃないか。そういうことで今島会長がおっしゃったように研究課題としてひとつ御検討いただければ大変結構な話じゃないかと思います。 もう一つだけ。国際放送に関連して国外からの反響があるわけです。普通だと受信カードとかいろんなので、数でもってその反響を評価するんでしょうけれども、大体どういう状況なんですか、国外におけるNHKの国際放送の反響、それをちょっとお伺いしたいと思います。
○参考人(遠藤利男君) これは国内の放送のように視聴率調査とか世論調査というのは、非常に全世界に聴取者が散らばっておりますので組織的にはなかなかできないという状況でございます。ただし、毎月毎月あるいは毎日毎日国外のNHKの国際放送を愛聴していらっしゃる方々からたくさんお手紙をいただいております。そういうことでいいますと、一年間合計しますと万を超える手紙をいただいておる。そういう御意見を総合しますと、NHKの国際放送は非常に公平でよろしいと。アメリカのVOA等ありますが、非常に国策に偏ったような情報が流れてくる。そういうときにはNHKの国際放送が非常に頼りになるという評価をいただいております。
○松前達郎君 大変結構なお話でございます。 まだたくさん質問させていただきたいと思っていたんですが、重複もありますので、これで最後にしたいと思います。 これは私の提案なんですが、今、日本にいる外国人、この数が物すごい数になっているんです。九十四万一千名という非常に多くの外国人が日本に今在住している。一時的な人もあろうと思います。留学生あるいは就学生、いろいろあると思うんですが、非常に多い。しかも日本語そのものの教育というものが非常にまたこれは限られたところでやっているし、あるいはオーソライズされてないところでもたくさんやっていまして、ビザとかそんなような問題で非常に大きな問題になってきているんです。 NHKのこれは番組のことなんですが、ドイツ語講座、ロシア語講座、中国語とかいろいろあるんですが、日本語講座というのがないんです。日本人に向けて考えると日本語講座は要らないん じゃないか、こういうふうに見えるんですが、時間としてそうたくさんはとれないかもしれませんが、ぜひ日本語講座というのをやっていただいて日本語をもっと普及するといいますか、せっかく日本に来ている人たちですから、そういう人たちのためにもサービスをする。これは聴取料を払うかどうか別としまして、そういうこともおやりになったらどうだろうかと私前から考えているんですが、何か御意見ございますか。最後に御意見だけお伺いしておきたいと思います。
○参考人(遠藤利男君) 先生御指摘のように、在留外国人というのは非常に今、日本でふえておりまして、私どもも先生御指摘のような在留外国人向けの日本語講座が必要であるというふうに考えておりまして、現在はまず衛星放送で外国人向けの日本語講座を始めております。外国人向けの講座をつくるというのはなかなか難しゅうございまして、いろんな国の方がいらっしゃるので、まず英語を話せる方々向けの日本語講座、実践的な日常会話の講座を始めております。これを幾シリーズかつくりましたらまとめて今度は地上でも放送したいというふうに思っております。 日本人向けには「実践はなしことば講座」というのを教育テレビとラジオ第二放送でもやっております。
○松前達郎君 終わります。
○及川一夫君 同僚議員の皆さんがそれぞれ幅広い立場で問題をとらえておりますので、私の方からは決算ということを意識して三つほど問題を取り上げてみたいと思います。 その一つは放送衛星にかかわる2Xの問題なんですが、私の記憶によれば、この2Xというのはどんなに遅くとも年内中に打ち上げます、これが約束であったように思うんですが、現状打ち上げられていない。一体どうなるんだということをまずお聞きしておきます。
○参考人(中村好郎君) 2Xにつきましては、その性格から一日も早く打ち上げて2bの予備機として機能を果たすということが当初の目的でございますので、その考えは今も変わっているわけではございません。そういうことで鋭意、アメリカのGE社が我々の衛星を担当するところでありますけれども、GE社と検討してまいりまして、先生先ほど言われました十二月には打ち上げ可能だろうということで進めてきたわけでございます。 この衛星につきましては、2Xとそれからもう一つ相乗りの衛星ということを考えておったわけでありますけれども、たまたま相乗りの方の衛星がぐあいが悪くなりまして十二月の打ち上げが難しい状況になっている、こういう状況でございます。
○及川一夫君 今お話しの中に相乗りという話が出ましたけれども、これはいつから相乗りになったんですか。私は全くそういうことは記憶していません。速記録を見たけれども相乗りなんという話はありません。相乗りというのはいつ決まったんですか。
○参考人(中村好郎君) 私どもといたしましては、GEに対して、衛星の性格からともかく安いものを早く上げてほしい、当然高信頼度のものが前提でございますけれども、そういう条件で折衝してまいりましたので、どういうロケットを使ってどういう形で打ち上げるかということはすべてGEとの契約の中でGEに任せてある、こういうことであったわけでございます。したがいまして、今年度のNHKの事業計画を確定させていただいた以降にこの問題が具体的な形として出てまいったわけでありますので、三月の時点での2Xの説明の中には相乗りという具体的な御説明は私どもといたしましてもする段階ではなかった、こういうことでございます。
○及川一夫君 これは会長が副会長時代の話です。あなたが直接世界じゅうを回られて、安いものがないかと探したあげくにこの2X、GEにぶつかった。我々もえらい安いな、国産から見たら三分の一、五分の一じゃないか、数字はともかくとして。いや、そういう安いものを見つけたから使うんだ、使わせてくれというのが当時の島副会長のお答えなんです。私は大変不思議でしようがなかった。国産でいけば五百億、七百億もかかるのが何で百四十五億で終わってしまうんだろう、中古じゃないか、中古品だ、そんなものを打ち上げて宇宙でうまくいくんだろうかというような話の展開が正直言ってありました。そのときに、いや実は相乗りなものだから安いんですというお話は一つもなかった。単独で打ち上がるという私は認識で実はおったわけです。ところが、スーパーバードBというのが相乗りだそうです、民間の衛星放送会社か何か知りませんが、そういったところのものらしいです。私もごく最近聞いたわけですから余りよく調べていません。 そういったことは、会長、どうですか、当時おわかりになっていなかったんですか。そして、あなた自身もなぜ安いのかということに疑問を持たなかったですか。
○参考人(島桂次君) ただいまの御質問のとおり、私が国会で答弁したことは事実でございます。 安いということは事実でございまして、実は十二月十五日に予定どおり上げることも可能でございます。その場合はあと百億円ばかりかかるわけでございます。ですから、単独で打ち上げても二百四十五億で、国産で打ち上げますと、これがその二倍、三倍近くかかる。そういう意味では初めから安かったわけでございます。 そこでさらに、その後折衝をした結果、相乗りにすればさらに安くなるということで、二百四十五億円を百四十五億円で上げられればさらに安くなるということで、その後この相乗りということができるということをGEの方から言ってまいりましたので、それで私はその方がいいなと思って実はそれに切りかえたという事情が途中段階でございました。しかし、その切りかえた段階と国会答弁の段階がどうであったかはちょっと記憶は定かじゃないのですけれども。 いずれにしても、この補完衛星、これはもう絶対必要だと私は考えましたし、その上げる場合、最大例えばこの後一カ月、あるいはいつになるかその時期はまだ明確じゃありませんけれども、一カ月程度あるいはその前後ぐらいのおくれで上げるならばやはり既定方針どおり相乗りという形でいった方がいいんじゃないか、現在の判断ですね。ただ、どうしても急ぐというなら、むしろ向こうGEの方から言ってきているのは、NHK単独で上げれば予定どおり上がります、ただし百億円はプラス、これはおおよその見当でございますけれども、百億はプラスしますよという提案が私のところに来ているわけでございます。 ただ、私といたしましては、一カ月で、あるいは二カ月で百億円というのは、余りにこれはむだかなということで、現段階は少なくとも相乗りであれ何であれ、十二月十五日に上げるということを相手側は明言したわけでございますから、したがって、この間中村技師長をアメリカにすぐ行かせました。今現在も一日も早く上げてくれということで、向こう側の現段階における返答は、一月の上旬になれば具体的にどういう形でどういうふうに上げられるかということを返答したい、こう言っておりますので、今それを待っている、こういう段階でございます。
○及川一夫君 会長、軽々に百億などというお話はできますか、この種の問題。あなたのところががっぽりもうかっていればいいんです。もうどうにもならない財政状況じゃないんですか。来年度予算どうされるのか知りませんけれども、そういう状況の中で、しかも三千八百億ほどの財政規模の中で百億というのはどう見ても大きいですよ。私は、そういうことは軽々に考えるべきじゃないし、笑い話にもできないと思います。 それと同時に、あなた方は十二月十五日までには上げられるとGEが言うと言うけれども、本当にそう思いますか。私は首を曲げているんです、一方では二月、三月という話だってされているんですから。あなたのお話を、よしわかった十五日だということでそれを確認して、これで終わっていったとして、十五日に上がらなかったら一体どうするんだろうかということと同時に、遅くとも 年内というふうにあなた方はおっしゃられたのは、十二月じゃないんです。常識的には八月、九月、十月ぐらいなんです。そうでなければ、BS3を上げるのはいつですか、来年打ち上げるつもりでしょう。そして試験期間を含めて来年の十一月には運用するという大体国内の衛星は計画を立てておられるはずだ。2Xがおくれればおくれるほど現在の2bをカバーする期間が短くなってしまうわけです。障害が起きなければいいですよ。起きたら大変だというあなた方が最も心配している事態になる。しかもこれは有料で今やっているんですから大変な事態になるわけでしょう。本来ならおちおち夜も眠れない状態でなければならぬと私は思うのですよ、皆さんの立場というのは。 それも、相乗りということが全然なかった。それはあったかなかったか、ちょっと記憶に定かでない、こうおっしゃるが、私はなかったんだろうと思います。私はそういうふうに見たいですね。その方がむしろ受けとめやすいんです。あったものを隠しておったとすればこれは大変なことでしょう。打ち上がっていないんですから、これはある意味では食言になりますよ。 そう考えていくと、一体百四十五億とか言われるこの問題について、何としてもカバーをしなければいけない衛星であるということはわかっておっても、果たして六カ月とか三カ月の用にしか立たない、後これをどう使うかについても、先ほどの放送局長の話じゃないけれども、あと皆さん方の話じゃないけれども、必ずしも2Xを使うということははっきりしていない。何かカバー用に使うみたいな話に今なっているんです。その程度じゃないんです。カバーし終わったときにはどうするんだという話まで予算編成のときにはあったんじゃないですか。それに対してあなたは、長期計画の中できちっと利用方法、使用方法、マイナスにならないように計画を立てて皆さんにお示しをしますという約束もあるんです。今予算は提案されていませんからいいですけれども、しかし少なくともこういう事態になれば、2X自体の今後の使い方の問題についても、おろすわけにいかないんですから、もうそろそろかくかくしかじかで衛星を上げた後こう使いますというようなことがあるべきだと私は思うんですよ。こう考えていくと、ちょっと乱暴かもしれませんけれども、もうあきらめなさいというのはちょっと問題があるかもしれませんけれども、そういうものに類するようなところまで私は来ているんじゃないか。特に二月、三月まで打ち上げができないということになれば、なおのことそういう様相が出てくると思いますが、会長いかがですか。
○参考人(島桂次君) 先生に一つ御了承していただきたいと思いますのは、衛星というのは過去の例を見ましても予定どおり上がるということは半分ぐらいの可能性しか現在残念ながらないわけでございます。私は十二月十五日に必ず上げるということを理事から聞きまして、それをうのみにして簡単に考えたという点について見通しの誤りを指摘されればやむを得ないのでございますけれども、これはやはり今の衛星技術からしますとある程度の、若干のずれはやむを得ないのかなという側面もあるわけでございます。そういうことを含めた上で十二月十五日前後には上がるということを皆さん方に申し上げたつもりでございますけれども、その辺の見通しがおまえ甘かったと言われればこれは私の責任でございます。 2Xにつきまして、これはBS3につきましても同じでございまして、私ども一応今スケジュール組んでおりますけれども、これが果たして予定どおり上がるかどうかということは、当分の間、今の技術でございますと今後の衛星計画も含めまして若干のずれというものは覚悟しなきゃいかぬ、今の衛星技術というのはそういう状態にあるということじゃないかと私は考えているわけでございます。
○及川一夫君 ますますおもしろいことになるんですが、それは会長率直でいいけれども、だからといって語られた言葉をそっくりそのままいただくわけに私はいかないと思うんです。皆さんのお使いになるお金はどっちにしても受信料なんですから、ある意味では税金ではないかと言われるほど法律によって義務化された一つの性格を持ったものでしょう。それだけに、やはり金の使い方についてはというのはどうしてもうるさくなるんです。 だから、そういう意味で言うと、それはあなたが衛星を上げるわけじゃないんだから、あなたが判断を誤ったと言っても、上げる上げないの問題はあなた自身の責任じゃないかもしれませんよ。だけれども、衛星というのはそういうものだから仕方がないと思われてはこちらはかなわないんで、アメリカは衛星問題では世界随一と言っているんですよ。この前も郵政大臣とアメリカの通商代表がやられたでしょう。買いに行くんでしょう。恐らくこれはBS3のことを言っているんだと思うんです。そういうものまで含めて、名称は出なかったかもしらぬけれども、政府が使用する衛星は、アメリカが最高なんだからアメリカのを買え買え言っているんでしょう。その最高先端いっているアメリカの衛星技術が、いやそれは打ち上げがおくれるのは半分、だから間違いじゃないみたいなことで会長済まされようとしても、それは僕はやっぱり了解はできないです。 ただ、これはもう宇宙だから空論だと言うわけじゃないけれども、押したり押されたりしても私はしょうがないと思うんだけれども、しかし現実に百四十五億というものを購入して一つの目的に使うという趣旨がどんどん日がたつごとになくなっていってしまう。言いかえればお金のむだ遣いになりはしませんかと。しかも目的を達した後の使い方までどうするかということがないということになりますと、次の予算の際には大変な問題に私はしなければいけない、こう思っていますから、あなたの方も、言葉は悪いけれども腹をくくってこの問題をどうするかということを真剣にひとつ考えてもらいたいということだけは注文をしておきたいと思います。 次に移りたいと思いますが、これもこれからのNHKの経営というか運営というか、そういう問題にかかわる、とりわけNHKの信頼にかかわる問題なのでお伺いしておきたいんですが、まず東京都電機商組合というのは、これは何でしょうか。どういうことをやっておられる団体なんですか。
○参考人(高橋雄亮君) 御質問の東京都電機商業組合、これは各町などにあります電気店、そういう方たちの集まった業界でございます。
○及川一夫君 この東京都電機商組合から、以下組合と言いますが、組合からNHKの報道について偏向があるということで指摘されたことはございますか。
○参考人(高橋雄亮君) ございます。昨年の十二月以来三回指摘されております。
○及川一夫君 偏向が指摘されたが、それに伴って抗議文というものは来ていますか。
○参考人(高橋雄亮君) 三回の指摘の最後の段階、六月の段階でございますが、その後抗議文が参っております。
○及川一夫君 それから、この問題についてNHKの理事者の方がお会いになったことはありますか。
○参考人(高橋雄亮君) 当初この組合は、私が担当しております営業、技術関係が日常的に放送の技術関係の相談をやっておりますので、私が窓口で折衝しておりました。
○及川一夫君 高橋さん以外の理事者でお会いになった方がありますか。
○参考人(高橋雄亮君) 副会長が最終段階で会いました。
○及川一夫君 会長はお会いになっていない。
○参考人(高橋雄亮君) この問題で直接会長は会っておりません。
○及川一夫君 偏向というのはどういう内容ですか。
○参考人(高橋雄亮君) これは、私どもは番組の内容が偏向しているとは思っておりませんが、組合側が申し述べてきたのは、六十三年十二月に、これはいずれも総合テレビジョンの番組でござい ますけれども、「経済千夜一夜」という中で「高い買物あぶない日本」という番組を取り上げました。これは大型店の出店をめぐり、地元の商業組合との交渉を取材したものであります。それから平成元年の四月でございますが、「ドキュメンタリー89」ということで、「三%の攻防―あるディスカウント店の挑戦」ということで、この部分については一つございます。それから六月に「モーニングワイド」で「貿易摩擦が流通を変える」、安売り店の現金取引現場を取材した分がございます。いずれも取り上げた三店が何か適正な価格で消費者に奉仕していて、地域店、つまりこの組合に所属している町の電気商の方たちが高い暴利をむさぼっているのではないかというような印象を与える番組であったということで、これは一方的な取材ではないかということで抗議があったわけです。
○及川一夫君 これは今現在から見ても偏向だとは思わないという立場にNHKは立ちますか。
○参考人(高橋雄亮君) NHKの放送番組というのは公平を期すということでございますが、こういう意味で言うならば、今流通業界は大きく変わっているわけでございまして、この問題は非常に重要な問題であるということで、私どもとしてはNHKの放送番組をつくる基本的な姿勢に立ってこの番組はなされたというように信じております。
○及川一夫君 私もたしか二回ほど見ているんですよ。別に偏向だというふうに私も受けとめませんでした。ところが、そういうものがそれほどしっかりした対応をNHKはしているのに、なぜ偏向ととったんだろうかという問題と、NHKの会長が謝ったという週刊誌が出ましたね。私は、会長を責めるとか責めないとかの問題じゃなしに、NHKというのは冠たるものだと私は思っていますから、したがって、本当に何のために謝ったんだろうかということがやっぱり気になります。そうすると、いわば商店街の電気屋さんは高く買ってきて高く売っていると。それから現金を持っているストアみたいなところは安く卸値で買ってきて、それで安く売っていると。流通とはという、要するに本当の意味のなぜ安くなるかというような問題。消費者から見れば安い方がいい、こういう意味でとらえるものですから、当然何となくそういうことがあったらいいなというふうにどうしてもなりますよ。それが偏向か偏向でないかということと、偏向だということを前提にしたとしか思えないんだけれども、会長が謝ったという記事になっている。しかも十一月の十六日に表敬訪問においでになったということになっているようですが、五月の十二日の小山副会長がお会いになった以降六月に一遍会ったようだけれども、その後はどうもそうした放映がNHKはされない。 あるいは最近話題になっていますね、安売りという意味で、運用益を返すという意味で。渋谷でも立川でも城南電機というのが半額で売っていました、高級電気製品ですけれども。私もどんなものか現地へ行ってみたんです。それから、買う人にどんな気持ちでやっているのかも聞いたり、またアンケートもとらしてもらったわけです。大変みんな喜んでいる。そういう運用益があるならここの会社と同じように我々に返すべきだと、消費税の運用益です。こういう話がどんどん要するに返ってきたわけです。だから、城南電機という会社は社会的責任というか、ひとり占めしないというふうに非常に正直だということで大変評価されていて、同じ業者にもいろいろ波紋を呼んでいるようなんだけれども、一体こういうものについて、じゃ取材があったんだろうかと思ってじっと見ていたら、NHKだけなかったですね、私二カ所行ったんですけれども。 そうすると、こういうものが、謝ったという中身が、これからこの種の報道はしないということをNHKが約束したということになったらこれはやっぱり大変です、よもやそんなことをされるとは思わないんだけれども。ところが、そういう疑いがあるという意味で書かれているわけです。だから、これを取り上げてNHKがどうしたかというところまで聞く気はないけれども、一体このままにしておいてよろしいのかどうか。そのほかに何か理由があるんじゃないですか。それとも電機商組合とは密接な関係とかなんとか書いてありますが、一体どういうことなんだろうということをちょっとお聞きしておきたいと思います。
○参考人(高橋雄亮君) 事実関係をまず正確にお話ししておきたいと思うんですが、先ほど申しましたような経過の中でNHKに対する抗議がございまして、私と最終段階で副会長が対応いたしまして十月初めに話し合いがついたということでございます。 それで、かねがねこの組合とは愛宕山の時代からラジオの受信機の普及とか、テレビの時代になりましたらテレビの修理とか普及とかということで、この組合とは全国的にNHKは共同をして普及に当たってきておるという事実がございます。そういう中で、会長就任がございましたときに表敬訪問したいということを当初申し入れがあったわけです。ところが、そこにこういう問題が出たものですから、私どもも今来ることはそちらも気がなじまないだろうし、私どもも、来ていたずらな混乱を、誤解を与えては困ると。NHKが何か頭を下げたような格好になっては困ると。誤解を与えるだろうと。それでなくてもNHKに対する週刊誌の取材というものは大変厳しいわけですから。そういう事実がございまして、十月の初めに解決しましたのでぜひ一回会わせてほしいということで、十月三十日に、十五分間ばかりでございますけれども、向こうの理事長さんと二人の副理事長さんがNHKを訪ねてきまして会長とお会いになったということでございます。それが事実でございます。
○及川一夫君 会長がお会いになるというのはどの組織でも同じですが、いろいろと問題が整理をされて、ひとつこの問題では過去は過去としてこれからの問題としてこうしようああしようというようなことがよく行われます。だから私は、こういう事件がなかったら会長のところに表敬訪問などといって行くことはないと思いますよ、そういったことは、この業界新聞にも書いてあるんですけれども。問題解決のために会長が会ったりすることは別に悪いことでも何でもないわけです。むしろ誤解を受けないように、問題をすりかえられないようにきちっと措置をするためにも会うということは決して私は悪いことじゃないと思います。 しかし現実には、この業界の皆さんが帰って理事会に報告をしたことは鬼の首を取ったという報告になっているんですよ。これは業界紙で紹介されているんです。だから、書いてある限りにおいては何かあったなということになるんですが、例えばこの点もうちょっと高橋さんにお聞きしておきたいけれども、NHKの東京営業センター受信サービス係というんですか、これはNHKの組織でしょう。その組織から業界に何か御依頼をしておりませんか。
○参考人(高橋雄亮君) これはNHKそれから電機商組合、それからメーカーも含めて番組の向上とか受信向上の委員会、いろいろなことがございます。そこで、最近のビルのラッシュに伴う難視とかいろんな問題が出てきますので、その障害防止の話し合いはしております。 先生御指摘のお話の点は、最近何かNHKが電機商組合に首根っこを押さえられるようなお願いをしてないかということだろうと思うんですが、私どもの受信技術センターがやりましたのは、今衛星の普及につきまして日本電子機械工業会の出荷という数字が私どもの衛星普及の算出をする根拠の一つのよりどころになっております。これはメーカーが出荷したということで、果たしてそれがどういう格好で小売店段階までおりているかということはその数字だけではわからない。そんなことがございますので、この東京都の電機商組合に入っております地域店に対しまして、約千店でございますけれども、おわんの普及状況はどうなのかということをアンケート調査の格好でお願いした事実はございます。
○及川一夫君 時間がありませんから、必ずしも私はよくないなという前提で申し上げておきますけれども、これは公式の文書でしょう、「各電器店店主様」となっておりますし、中は、前段ごあいさつで、関係ありがとうというのから始まって、なお書きで「衛星放送を受信されている視聴者のご住所・お名前をご紹介頂きたく連絡用の葉書を同封させていただきました。既に多くの販売店様からご協力を頂戴しておりますが、何分よろしくお願い申し上げます。」、こう書いてある。そして、こういう記入すべき表まで配っておられるわけです。 NHKが、我が党の山田議員が指摘をされましたように、なかなか普及に対して三分の一の契約にしかなっていない、だから何とかしなきゃいかぬということでいろんな努力をされることは僕は賛成なんです。大いにやっていただきたい。それこそお役人と言われないようにやってほしいというふうに私は思います。 ただ、厳密にこの問題をとらえますと、通常国会で成立をした個人情報の保護法というのがありますが、もちろんこれは行政にだけ課したものであることは間違いないんですけれども、しかし、その第九条に、そういうものは本人の了解をもらわなければいけませんよという趣旨が書かれているわけです、他に利用する場合には。私どもは、行政だけではない、コンピューターなんというのはもうむしろ行政以上にあちこちにいっぱいあるじゃないか、いろんな情報がみんなたくし込まれている、だからこの際、行政というんじゃなしに全部にかぶせた保護法にすべきであるという主張をしましたけれども、数が足らずにばさっといかれたということなんです。 行政でさえそのぐらい慎重な配慮ですから、個人の場合にも配慮をしなければ、特にNHKは公共放送である、こう言われますとなおのことそういう批判が出てくるんじゃないでしょうか。そういう批判が出てくるようなことを、いかに契約促進とはいいながらこういう措置をなされることはいかがなものかという疑問も実はあるわけであります。 時間がありません。したがって、これ以上この問題は取り上げないんですが、会長、いずれにしてもNHKの信を問われるような問題をとにかく起こさないこと。それから、少なくとも個人のプライバシーというものがそがれるようなことがあっては私はならないと思うんです。そういう二つの面から、この問題については今後の対応の中でひとつ克服されるように希望したいというふうに思うのですが、いかがですか。
○参考人(島桂次君) 先生の御趣旨まことにごもっともでございますので、今後我々の仕事の進め方の中でぜひ生かしたいと思っております。
○及川一夫君 それでは、これも時間がありませんから郵政大臣にちょっとお聞きしたいんですが、実は山田議員や松前理事の方からも、NHKという問題について、それから衛星放送なり地上放送なり、とにかく今日の情報という問題をめぐって新しい要するに段階に来ていると。会長自身もかなり意欲的なことをおっしゃっているわけですよ。ただ、それをやるについてはいろんな問題があると思うのです。 情報化社会における民放あるいは公共放送それぞれの役割は何かとか、あるいはハイビジョン放送と公共放送の関係は今のままでいいのかというような問題とか、公共放送の役割とあり方の問題について大分長い間やってきたけれども、状況が違う、それだけに抜本的に見直してみる必要があるんじゃないか。あるいは受信料の決定のあり方などというのは一体これでいいんだろうか。予算決算などをめぐっての国会論議というのはあるわけですけれども、もっと経営を自主的にといいますか、あるいは能動的にというか、もっと受信者と密着した形において展開するためには予算決算の扱いはこれでいいんだろうかというような問題。私は、挙げればかなり疑問を持って検討しなきゃならぬなと思われるものがたくさんあると思うんです。したがって、この際抜本的にひとつ公共放送と民放との関係を含めて、放送行政というか放送のあり方について検討をするという時期に来ているというふうに思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。それだけお伺いしてきょうはやめたいと思います。
○国務大臣(大石千八君) 放送そのものも、これまでの経過を振り返ってみても時代とともに移り変わってきているし、また、新たな時代のニーズにこたえるためにNHKも、あるいは民間放送もそういった努力を続けてきているというふうに思います。そういう中で、ただいまは衛星放送もNHKにおきまして試験放送から、ことしの八月ですか、有料放送に、本放送にスタートを切ったというような事情もあり、また来年、再来年はBS3も打ち上げられるというようなこと、これにまた民間放送も衛星放送のチャンネルが加わるというようなことで、非常に放送の形態の種類もふえておりますし、クリアビジョンに続いてこれからはハイビジョンといったものが本格的に技術改良も進められ、そして実際の放送に利用される時期もだんだん近づいてくると思います。 そういうことを考えますと、及川先生おっしゃるとおり、放送はその時代時代に移り変わっておりますけれども、特に今変化が非常に大きい時代に、ときに来ているということを考えますと、放送のあり方全体を含めてこれは十分検討し、その時代のニーズにこたえ、あるいは時代を先取りしていく、そういった時期に来ているということを認識しておりますので、いろいろまたそういった観点から努力をしていきたいと思っております。
○及川一夫君 終わります。
○委員長(青木薪次君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ─────・───── 午後一時十六分開会
○委員長(青木薪次君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、日本放送協会昭和六十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○永田良雄君 昭和六十一年度の決算でございますので、まず中身についてお伺いしたいと思います。 六十一年度の予算では九十九億円の収入不足をNHKの予算は予定しておったわけでありますが、それが決算の段階では三十三億円に縮小いたしておるようであります。また、要員の効率化も予算上二百人の予定であったところ実際は二百五十六人の効率化となって一万五千人体制の一年早い達成がなされたわけであります。このような成果を上げるため、NHKとしてはいろいろ御苦労があったと思うわけでありますが、会長自身この決算についてどのような感懐を持っておられるか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(島桂次君) 六十一年度決算につきまして、先生のおっしゃるとおりいろいろ我々としては精いっぱいやってきたわけでございますけれども、これから先もまだまだこの六十一年度の私たちの仕事の進め方についても改良、改善すべき余地が十分あるんじゃないかということを考えておりますので、それをこれから以降の問題につなげて一生懸命やっていきたい、こう考えておるところであります。
○永田良雄君 今会長から、一生懸命努力してきたけれどもまだ十分であるとは思わない、今後とも一生懸命やる、こういうお話でございます。その決意を大変了とするものであります。 なお、郵政大臣は六十一年度の決算についてどのようにお考えになっておるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(大石千八君) NHKに関してましては、会長も述べられましたとおり、特に財政状況が厳しいわけでございまして、その現状を深く認識して一層の経営効率化のための具体的な方策に ついて検討を行うことを求めていたところでございますが、全体の観点からすればNHKの六十一年度決算についてはおおむね適当なものと思います。
○永田良雄君 六十一年度の決算は今御答弁いただいたようにまあ順調にいったと私も思っておるわけでありますが、平成元年度につきましては、衛星放送の衛星契約の新設という事態があったわけであります。予算では、事業収支ベースで百四十三億円の赤字、それから債務償還をカウントすると二百五十億円もの収入不足があることになっておるわけであります。今、平成元年度予算は執行中でありますが、このような元年度予算の現状はどうでありましょうか。それから決算の見込みはどのようなものになるか、見通しがあるとすればお伺いしたいわけであります。
○参考人(尾畑雅美君) 平成元年度につきましては、御承知のように五十九年度から立てました三カ年計画が六十一年で終わっております。その後三カ年を経過しております。衛星料金については八月から有料化ということは認められましたけれども、御存じのように元年度の収益はうまくいった場合でも六十億、支出が二百五十八億という状況になってきております。それで、総合テレビにつきましては、ただいまのところ五十八年度から番組経費の単価はもとのまま抑える。同時に一般経費につきましては、六十二年度からゼロシーリングをやっておりまして、去年からは五%削減という厳しい財政執行を行っておりますが、予算で御説明しましたその後の節約の状況によりましても、二百五十億円の赤字をできるだけ圧縮するべく努力はしておりますが、今のところまだ、それが大幅に節約できるとか、そういう見通しは立っていない状況でございます。
○永田良雄君 先ほど山田議員の質問にもあったわけでありますが、NHKの収入のほとんど大半が聴視料の徴収ということに専らかかっておるわけであります。そして、これは先ほど来御議論がありましたように、特殊な負担金だということになっておるわけでありますが、意見が全く違うことから、なかなか払わないという人がいるわけであります。それに対して何ら強制的な方法もとり得ないという状況であります。もちろん、罰則等をつけたからといって直ちに罰則を適用するということではありませんが、私は、やはり公共的な性格の大変強いものだということになるならば、そういった意味での法的な位置づけをやる必要があるのではないかという感じがするわけであります。そういう性格を与えた上で何らか技術的に余り経費をかけないでほぼ完全に徴収できるような方策が考えられるんじゃないかと思うのですが、その点についてNHKのお考えをお伺いしたいと思うわけであります。 今のままでいいのか。今のままでいけば徴収のために物すごい費用がかかる。しかも一方で経費は、先ほどからお話がありましたようにソフトはどんどんふえていきます。それから人件費も、人がふえなくても人件費は上がっていきますから、ふえていくわけであります。そういう事態を考えると、NHKの経営をある程度健全化するためには、NHKの料金の徴収方法について、あるいは料金の負担金について特殊な何か性格を与えておくということが必要ではないかと思うのですが、その点についての御意見を伺いたいと思います。
○参考人(島桂次君) ただいま先生の御提案された問題につきましては、私の記憶でも、この十年間ぐらい、いろいろ国会の先生方、郵政省、あるいは私どもが真剣に考えてきた問題でございます。ただ、今のところ、本当に質のいい番組、これをできるだけ聴視者の負担を軽くしていくということを基本にしまして、我々のそういう姿を国民の皆さん方に見ていただいて、何か法律化して罰則とか義務とかというものを強化するということではなくて、我々の番組の内容をよくし、我々が精いっぱい仕事をやっていれば今の形でもやれるのではないかということで今までやってきたことも事実でございます。しかし、これから先、午前中のお話し合いの中であったように、情報化社会とか多メディア時代とか、いろいろ放送を取り巻く環境というのがもう劇的に今変わってきつつある、急激に変わってきつつある。その中で受信料の取り方もますますこれから困難になってくるという事情もよくわかっております。 そういうことも含めまして、これから五年の間にNHKが一体どういう方法でどういう収入を図り、どういう仕事をやり、さらに最終的に将来にどうつなげるかということを今鋭意検討中でございます。いずれにいたしましても、この平成二年度の予算案を皆さん方の前にお示しするそれまでの間にいろいろ真剣に考えてみたい、こう考えておるわけでございます。
○永田良雄君 受信料の徴収の問題について特に私が気になるのは、受信料を徴収する経費がNHKの場合に非常に率が高いということであります。一八・何%とかということでございますから、恐らく受信料を徴収するために六百数十億の金がかかっておるということであります。しかも、それに必要な人間を合わせると、NHKの職員及び委託の職員を合わせると六千名を超える人間が当たっておるというふうに聞いておるわけであります。いわゆる口座振り込みで七五%ぐらいが徴収できるわけでありますから、二五%がいろいろ調査とか、はっきり納めてくれないとか、そういったもののために使わなきゃいかぬということになるんじゃないかと思うわけでありますが、これは大変なことだと思うわけであります。 しかも、これからは人件費は毎年毎年上がっていくわけでありますから、今会長がおっしゃったように、公共放送の使命をよくよく考えて立派な内容の放送をし、それによって国民の理解を得て徴収していくというのはまことに立派な考えではありますが、現実はなかなかそういうわけにはいかぬのではないかと思うのであります。この受信料の徴収経費の削減についてどのように考えておられるか、今お考えがありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(高橋雄亮君) 受信料の徴収経費でございますが、先生御指摘のとおり、平成元年度ですが、六百六十億かかるという見通しを予算上は立てております。御案内のように、昭和六十三年からこの経費をできるだけ抑えていこうというようなことで新営業構想なるものを立てまして、鋭意努力をしている最中でございます。 簡単に新営業構想について申しますと、一つは、NHKの努力で受信契約者をふやして六十二年度に比べまして五カ年間で三百億円程度の増収を図りたい、あわせて、それに携わる人間もできるだけ能率よく働くといいますか、効果的に活動してもらうために、いろんな受け持ち地域の編成替えや何かしながら、これも少しずつ減らそうと。あわせて、一番問題の営業経費でございますけれども、受信料に対する営業経費が昭和六十二年のときは一八・七%だったわけですが、これを今後五カ年間に一五%台にしたいという挑戦を実はしておるわけでございます。その結果、六十三年度決算ではこの営業経費の経費率は〇・三%改善いたしまして一八・四%になりました。これを平成元年度ではさらに〇・三%改善して一八・一%ということで予算措置をとっているわけでございます。 私どものこの経費節減のチャレンジはまだ始まって一年半ばかりでございますけれども、その間、当初計画で考えておりませんでした衛星放送の有料化というような新しい仕事が平成元年度生じましたけれども、そういうものも含みながら、当初の計画どおり目標達成に全力を投球したいということで今鋭意努力しておる最中でございます。
○永田良雄君 一五%台までに削減する計画を立て、一生懸命努力しているというお話でございます。経費の節減には大いに努力していただかなきゃいかぬと思っておるわけでございますが、やはり私は発想を転換して何か新しい方法を考えていかないとなかなか行き詰まるんじゃないかと思うわけであります。 したがって、そういう意味で、この問題につい てももっと長期的な視点から技術的に考えた場合にいろいろ方法があり得るんじゃないかというふうに私は思うわけです。その前提として、先ほど言いましたように、極めて公的性格の強い受信料なんだよという位置づけをはっきりして、その上でそういういろんな便法を考えていくことが必要ではないかというふうに思っておるわけであります。 例えば、これは思いつきで申しわけありませんが、電力料金とうまくドッキングする方法を考えるとか、あるいは市町村とうまく連携をとってやる話とか、いろいろ私は考えられるんじゃないかと思うのです。そうしませんと、例えば納めない人はいつまででも納めない。それがNHKの経営の悪化につながる。そうするとそれは番組を悪くする、内容を悪くすることにもなるし料金そのものも高くするということになるわけでありますから、やはり善良な聴視者が、受信者が損をするような格好であってはならないので、そこら辺は善良な受信者のためにも受信料の徴収方法等を十分考えていただきたいということを申し上げておきます。 それから平成元年度衛星契約を新設されて、その契約締結に努力されておるところでありますが、どうも契約状況が思わしくないという先ほどもお話がありました。発足早々でありますから、なかなか思惑どおりにいかない面もあろうかと思いますが、余り契約状況がよろしくないという原因はどうなのか。そういう面について将来どのように考えておられるか、めどはあるのかということについてひとつお伺いしたいと思います。
○参考人(高橋雄亮君) 衛星放送の受信料は平成元年の八月から有料化ということで、今鋭意御承認いただいた収納に努めているわけでございます。元年度の衛星放送の収支は、百三十八万台の有料化を図りたいということですので、収入は六十億程度ですから、放送権料その他も値上がりいたしますし、番組をよりよくするということで二百五十八億の支出ということが必要だろうというような計画を立てておりますが、百九十八億円の当面赤字でございます。 しかし、このことにつきましては、私どもは、放送番組の内容を充実し、このすぐれた衛星放送の機能というものを御理解いただき、これをまた普及させ発展させる放送界における将来の大きな役割をこの衛星放送が担っていくんだということを御理解いただきながら、私どもが鋭意努力することによって将来も期待が持てるだろうというように考えております。 それで、平成元年度の衛星予算を御承認いただいたときの考え方ですと、当面は赤字でございますけれども、平成四年度の段階では、単年度では黒字に転じ、五、六年では設備投資も赤字の分を解消して黒字に転化できるんではないかという見通しを立てております。この見通しを必ず実現する方向で今後とも努力してまいりたいというのが現在の心境であります。
○永田良雄君 大いに努力していただきたいと思うわけであります。 いずれにいたしましても、NHKの財政状況は大変厳しい状況にあるというふうに言えるわけでありますが、現在、NHKでは長期経営計画を策定するため、NHKの長期展望に関する審議会を開催すると聞いております。この審議会で近々新しい提言がなされるんではないかというふうにも聞いておるわけでありますが、今検討状況はどういうことなのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(尾畑雅美君) 当委員会で平成元年度のNHK予算を議決していただきました際に、できるだけ早く六十一年で切れている長期計画をつくって、それでしっかりした目標を持って事業経営を頑張りなさいという御指示を受けました。それを受けまして、NHKといたしましては、今多メディア化、非常に難しい時代のNHKの将来の計画につきまして全職員大変熱心に検討いたしまして、その後を受けまして十八人の外部の各界各層を網羅する有識者の先生方にお願いしまして七月から長期計画審議会というものをつくりまして今鋭意審議していただいている最中でございます。忙しい先生方でございますので、六人の方に小委員になっていただきまして、いろいろ細かい点まで議論していただいております。 今のところは、多メディア化、つまり我々の放送だけではなくて、衛星放送とか、ハイビジョンとか、パッケージメディアとか、それから多チャンネルのCATV等いろいろありまして、放送業界の行く手は非常に不透明ではありますけれども、会長が申しましたように、少なくとも五カ年ぐらいは見越した、NHKの事業規模はこのぐらいのことでどうかとか、それから放送のサービスは国民に対してこのぐらいやりなさいとか、そういうことを今審議していただいている最中でございます。ことしの末を一応めどに取りまとめをいただいて、会長に御意見をまとめていただいたらということでありまして、ただいま一生懸命小委員会で議論していただいている最中でございます。
○永田良雄君 NHK予算を審議するときに郵政大臣からいつも意見が付されるわけでありますが、二年続けて長期計画を策定しなさいという郵政大臣の意見がついているわけでありますが、郵政大臣としてはこの長期計画について具体的にどういうあり方が望ましいというふうに考えておられるか、その点についてお考えがありましたらお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(大石千八君) 長期計画をしっかり練っていただいて、そういった基本的なスタンスの上に立ってこれからの放送事業に取り組んでいただくためにそういったことを期待しているわけでございますが、特にNHKには厳しい財政状況を深く認識して、事業運営の刷新、効率化を徹底し、受信者の負担増を極力抑えること、それから、公正な報道と豊かな放送番組の提供に努めて番組の面で国民の期待にさらにこたえてもらうということを期待しているところでございます。
○永田良雄君 ひとつNHK、郵政省とも大いにNHKの将来について努力していただきたいと思うわけであります。 今民放が大変発達してきております。それからNHKの財政も今言いましたように大変苦しい、厳しい状況になってきておるわけでありますが、NHKの持っておるメディアの見直しの問題が議論されておるように思うわけであります。現在NHKは、主なものだけでもテレビで四つ、それからラジオで三つのメディアを持っておるわけでありますが、一体たくさん持つのがいいのかどうか。やはり公共放送でありますから公共放送にふさわしいものに特化して、それを純化して国民に奉仕するということもいいんではないか、手を広げ過ぎても金ばかりかかって困るんではないか、こういう話もあるわけでありますが、メディアの見直しの点についてはどのように考えておられるか、NHKのお考えをお聞かせください。
○参考人(尾畑雅美君) 先生から大変有益な御指摘をいただきました。私どもNHKの中の議論も、それからただいま長期計画審議会の先生方で議論していただいている議論も、NHKが現在持っているチャンネル、それから将来国民のための新しい公共放送としてどのぐらいサービスすればいいかというのは、当然審議する最重要課題だと思っております。 NHKは、今先生御指示のとおり、テレビ、総合、教育、それからラジオ第一、第二、FMということでサービスをしておりまして、これらにつきましてはそれぞれの性格で国民にあまねく情報、文化の提供ということで役割を果たしているわけでありますけれども、もう一つ加わりましたのは御存じのように衛星放送です。ですけれども、これは先ほどから御審議のとおり緒についたばかりでありまして、どのぐらいの発展を見るかというのはまだ見定めがたいということであります。それから音波の方につきましても、衛星放送を通じましてPCM音楽等、非常に高音質の音楽が普及できるというような考え方もありますけれども、これも定かではありません。 ただ、NHKといたしましては、先生ただいま 御指摘のとおり視聴者からいただく受信料で賄っておるわけでありますので、民放との共存その他を考えまして、適宜その進展ぐあいを見てNHKみずからの手でそれを判断し、国民に御理解を求めるということでやっていきたいというふうに考えております。
○永田良雄君 メディアの見直しについては、今NHKから御意見を聞いたわけでありますが、郵政省当局はどのように考えておられるか、お考えを聞きたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 先生御指摘のように、NHKは多メディアを持っているわけでございますが、民間放送の発展あるいはさまざまな放送ニューメディアの発達等、放送を取り巻くところの環境が変化しているわけでございます。 またさらに、NHKは厳しい財政状況にあるわけでございますので、このように多数のメディアを所有することはどうかというようなことが郵政省の放送の公共性に関する調査研究会の中間報告においても御指摘があるわけでございます。したがいまして、保有メディアの見直しの必要性ということは、私どもも早急に検討を要することであるというふうに理解しております。またさらに、NHKみずからの再編成の計画であるとか、あるいは国民の意見等も踏まえまして慎重に検討してまいりたいと思っております。
○永田良雄君 次に、ハイビジョンに関連して幾つかお伺いしたいと思います。 NHKはこの六月からBS2bを使ってハイビジョンの定時実験放送を行ってきておりますが、これについての反響はどのようなものがあるか、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(遠藤利男君) 先生御指摘のように、ハイビジョンの実験放送につきましては六月から衛星放送の第二放送を使いまして午後二時から一時間行っております。これは全国で現在ハイビジョンの受像機を持っていらっしゃる方々、電機メーカーの方とか、ハイビジョンの常設施設を持っていらっしゃる方あるいは郵政省の関係の方々、約九十カ所で見ていただいております。 皆さん方の反響としましては、画像、音声のすばらしさ、あるいはこれからの情報分野でのシステムで大いに展開できるというようなことから、実際これを買うにはどのくらいの値段がかかるのかというような反響をいただいておりまして、ハイビジョンウイーク、十一月二十日から二十六日まで行いましたけれども、このときには一日平均三万人から四万人の方々が全国で、合計でございますけれども、会場を訪れて放送を視聴していただきました。
○永田良雄君 ハイビジョンは大変きめ細かで迫力のある映像、それからすばらしい音声を出すメディアでありまして、国民の期待は大変大きくなっていくものと思うわけであります。 一方、国際規格やハイビジョン受像機の価格の問題がありまして、まだいろいろ大きな問題を抱えておるわけであります。先般、ハイビジョンの国際規格を検討するITUの会議が開かれ、相当の進展があったと言われておるわけでありますが、その実情と今後の見通しについてお話を伺いたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) ITUの中にいわゆるCCIRという、国際無線通信諮問委員会というのがございますが、その最終会議が十月に行われまして、ハイビジョンの番組制作関係の規格の勧告案が作成されまして、来年の五月のCCIRの総会に提出されるということになったわけでございますが、しかしながら、全体で二十七項目ある項目のうち、その中でいわゆる二十三項目だけが合意したということで、残りの四項目が未合意のままでございます。特に有効走査線数というような大変重要な問題が未合意のままになっております。 そのために、来年の三月に中間作業会議、こういうものをアメリカで開催いたしまして、さらに五月に行われます総会のために一層の審議をしよう、こういうふうになっているわけでございます。私どもは、この世界的な統一標準ということに向けまして一層最後まで努力をしてまいりたいと思っているわけでございます。このように統一が行われますと、大変番組交換等にも有効でございますので、最後まで一生懸命に統一問題について取り組んでまいりたいと思っております。
○永田良雄君 二十七ある統一項目のうち二十三はできたけれども一番大事な四つはできていないという話でございます。私どもはハイビジョンに大変大きな期待を持っておるわけでございますから、大変難しい問題ではありましょうけれども、できるだけ統一をして我々の期待にこたえるように今後とも御努力をお願いしたいと思います。 以上で私の質問を終わります。
○磯村修君 先ほどからいろいろな御質問が出ておりまして、重複の面はできるだけ避けていきたいと思っております。 NHKは五十九年度に料金の引き上げをして三カ年間財政運営の均衡を保ってきたということがこの数字にもあらわれているわけなんですけれども、しかし、六十二年度以降収支が非常に不足してきているというふうなことで、元年度以降ゼロというふうなことも予想されるわけなんです。 そこで、このNHKを取り巻く財政事情というのは非常に苦しい状況にあるわけなんですけれども、先ほどお話がありましたように、長期展望に関する審議会等で向こう五カ年間くらいの経営計画についていろいろと御審議をなさっているというふうなことでございます。当然、私ども視聴者の立場に立って考えてみれば、これほど財政が非常に苦しい中で運営されているということになれば、向こう五年間の財政基盤ともなる受信料は一体どうしていくのかというふうなことが一つ考えられると思うのです。 そこで、お伺いしたいのですけれども、まずこの受信料の新年度引き上げがあるのかどうか、その辺のことを検討しておるのかどうか、まずその辺からお伺いしたいと思います。
○参考人(尾畑雅美君) NHKといたしましては、長期計画が六十一年で切れておりまして、その後は計画がなしという状況が続いております。一方でソフトを中心に世界的に高騰を続けておりますし、あらゆる放送にかかわる費用が上がっているわけでありますから、NHKの財政事情というのは極めて厳しくなっております。 しかし、その中で私どもは、非常に不透明なこういう放送業界でありますけれども、できるだけ長期にわたる見通しを立てなさいという国会の命令もございますので、一万五千人の英知を集めると同時に、先ほどから御指摘がありますように、長期計画審議会という各界各層の有識者に集まっていただきまして、NHKがこれから少なくとも五年程度の間にどういう事業をなすべきであるか、多チャンネル化の中で国民のためにどういうサービスを展開すべきであるかということを御議論いただいておりまして、それをことしの末にもいただくことになっております。 そうした中で財政問題が当然かなり議論の対象になると思いますけれども、今は審議の途中でございますので、そういうものがNHKに届きましたら郵政省、皆さん方と御相談したいということでありまして、ただいまはこれからやるべき問題の事業範囲とか、サービスすべき問題の検討が続いているという状態でございます。
○磯村修君 とにかく新年度以降受信料がどのようになっていくのかということは我々視聴者にとっては大変重要な問題でございます。ぜひ財政の面でもって視聴者の立場に立った運営というものをお願いしたいと思っております。 その受信料でございますけれども、今多チャンネル時代ということがよく言われておりますが、チャンネルが幾つも幾つも出てきて視聴者はそれぞれ選択権というものを大変持ち始めているというふうなことを考えた場合、地上波あるいは衛星、ハイビジョン、いろいろな分野におけるメディアの整備ということも先ほどお話がありました。それに伴いまして当然、NHKの受信料制度をどのようにこれから改善していかなければならないかということも大変NHKにとっては重要な検討課 題であろうと思うんですが、既にそういうふうな問題につきまして具体的な将来ビジョンというものを検討し始めているのかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○参考人(尾畑雅美君) 長期計画審議会におきまして有識者の先生方から、多チャンネル時代の中の新しい公共放送というのは今までどおりでいいのか、それとももっと新しい何かやり方をしなきゃいかぬのかということも含めて非常に幅広い角度から御審議をいただいております。 ただ、私どもといたしましては、今のNHKと民放がお互いに競い合って共存、競争していくという形が最適だと考えておりますし、それから、受信料制度を基礎に置くNHKと広告料収入などで補われる民放というものがお互いに特色を出し合うという形が適当だと思っております。ですから、そういう受信料制度というものは、私どもは今のところにおいては最適の制度だと思っておりますけれども、これからどうだということになりますと、いろいろ御審議をいただいている最中でありますし、まだそういう段階には至っておりませんので、私どもの信念としては、受信料制度がやはり公共放送としては基礎となるものとして最適であるということだけは申し上げておきたいと思います。
○磯村修君 受信料制度というのは言論、報道の自由の保障制度であるというふうなことも言われております。それから先ほど来も、将来にわたってNHKとそれから民放が共存する形の中でともに切磋琢磨して放送を発展させていくというふうな趣旨のことと思いますけれども、そうした多チャンネル時代の中のNHK、公共放送とは何であるかというふうないわば基本的な理念と申しましょうか、そういうことが非常に問われている時代ではないかと思うわけなんです。 そこで、放送法によりますと、従来は全国あまねく放送を普及するということがNHKの一つの義務でもあったわけです。しかし、現状を見渡せば、既にその責務は果たしているんではないか。いわば多チャンネル時代のNHK、公共放送の責任というものは、これから内容に変わってきている。多分に内容に重点が置かれてきている時代である、こういうふうに私は理解しております。 そういう中で、視聴者に対しまして、いわばNHKならではの質の高い番組とか、あるいはいわゆる公正な番組、つまり放送法で言われているところの豊かな放送時代、これを公共性として積極的に位置づけていく、そして視聴者の立場に立ったジャーナリズム、あるいは文化の創造、こういうことを明確に視聴者のイメージに位置づけていく、これがやはり受信料制度を維持していくために大変必要なことではないかというふうに考えるわけなんです。 そこで、NHKに対してお伺いしたいんですけれども、多チャンネル時代の公共放送の存在意議という基本理念、これは今どんなイメージを持って将来的なものを描いているのか、まずその辺の姿勢というものをひとつお伺いしたいと思います。
○参考人(尾畑雅美君) 今先生から大変的確な御指摘をいただきました。まさに歴史も流動しておりますし、このように情報化、国際化、個性化というようなことがどんどん進んでいく中で、NHKが報道、教養、教育、娯楽、あらゆる面にわたって多岐にわたる国民の要望に的確にこたえていく、また時代のうねりが非常に大きい中で、先見性を持っていろいろな問題のテーマを国民の前に提出していくということが大変重大であると私どもも感じております。 一方では、今御審議いただいております長期計画審議会でもそういう話が出ておりますけれども、多チャンネル化という私ども公共放送にとっては極めて厳しい時代になっております。しかし、そういうふうに情報が非常にはんらんする中にありましても、一番基礎になるといいますか、信頼できるものはやはりどんな時代になっても必要なんじゃないかという有力な意見もございます。そういう意味からいって、まことに信頼できる、これだけは信頼できるという、事実に基づく報道を中心に生涯教育、それから非常に健全な娯楽といったものをいろいろなところにちりばめて、ひとつ時代を先取りするような放送局はどういう時代になっても必要だということを言われておりますので、そういうことを重く受けとめて我々は新しい時代も頑張っていきたいというふうに考えております。
○磯村修君 NHKの経営合理化の一環として財政的な絡みから番組の外部委託という問題があります。NHKの関連団体とのいわば協力、協業と申しましょうか、そういうことをこれから積極的に展開していかなければならない時代でもあろうかと思うわけなんです。 ただ問題は、私ども視聴者の立場に立って考えた場合に、いわば外注によって、視聴者の支持を得なければならない番組の質の低下というふうなことがあってはならないということです。それからもう一つは、内部的に余りにも外注指向になってしまって、NHK自体の番組制作能力と申しましょうか、そういうものの低下というふうなことがあってはならぬのではないかという一つの懸念も残ります。 そういう問題を解決していくための外注の基準とも言うべきものをどういうふうに位置づけているのか、考えているのか。それから、現在外注している実態、さらには副次収入がどの程度現在NHK自体にあるの、その辺のことをまずお伺いしたいと思います。
○参考人(青木賢児君) お答えいたします。 今先生御指摘のとおり、社会の非常に大きな進展が続いておりますけれども、これに合わせて放送内容というのもどんどん変わってまいりますが、NHKといたしましては、公共放送としての番組の水準のさらなる高度化、それから国際化、多様化というものを必要とされているわけでございますが、先ほどから御指摘の経営的な厳しい条件の中でこういった新しい番組への挑戦を我々がなし遂げていくためには、さらにより経済的なつくり方、あるいはより効率的なつくり方、しかもなお水準を上げていくということが求められるわけでございますが、そのためにNHKは現在関連団体との協業というのを一つの方法として積極的に進めていることは御承知のとおりでございます。この関連団体との成果をさらに上げるために、ことしの春からNHKの関連団体の再編成というのを精力的に進めてまいりまして、この番組の質的向上あるいは経営効率の改善ということに努めてまいっております。 現在、NHKが委託をしてつくっております番組は、地上波のテレビに関して申し上げれば全番組編成比率の中でおよそ一〇%に上っているということでございます。これはあとラジオとか衛星放送とかありますが、それぞれのメディアの特徴に従ってこの編成比率は変わっておりますが、現在関連団体との協業では、主として地上波のテレビジョンを中心に協業が行われているというのが実情でございます。 この質的低下について、外注することによって番組の質が低下しはせぬかというふうな御指摘でございますが、この点については公共放送の命でございますので、いささかなりとも質の低下があってはならないということで、NHKでは関連事業の推進本部というものをつくりまして、これがきめ細かに日常的に我々が事業の遂行には全責任を持って当たっているということでございます。なお、ことしの十月からは放送法が一部改正になりまして、この業務委託についてはきちんとした基準をもって当たるようにというふうに法律によって求められておりますので、我々は、NHKの自主的な考え方に基づきまして、この十月一日から全十二条にわたる業務委託基準というのをつくりまして、これを常に参照しながら委託については細心の注意を払ってこの事業を進めているということでございます。なお、この委託につきましては、ニュース、報道番組、こういったNHKの本当に公共的な、公正にかかわる部分については委託しないということもこの中で我々は考え ておるところでございます。 質的な水準については、エンタープライズを中心としてつくっております、現在放送しておりますが、「人体」とか「北極圏」というような番組につきましては、我々は内容的にはNHK本体がつくるものよりも何ら劣ることはないというふうに考えております。 なお、関連団体で番組をつくることによってNHK本体の制作力が低下しはしないかという御心配につきましては、なお九〇%はNHK本体でつくっておりますわけで、我々としては、番組制作能力というのがNHKの命でございますので、この制作能力をさらに高めるための努力というのはあらゆる面で続けているということでございます。 それから副次収入についてのお尋ねがございましたけれども、六十三年度の副次収入の総額は三十七億円ということになっております。 以上でござます。
○磯村修君 NHKの内部の印刷物の「ネットワークNHK」というのですか、これに外郭団体のいろんなことが書かれているんですけれども、その中に一つ、エンタープライズを改組して、そして放送分野の中核的な役割を果たす。番組制作部門の分社化を推進し、放送分野の関連団体をNHKエンタープライズの系列グループとして再編成をしていく、そして放送分野の中核的役割を果たすと書かれているんですけれども、この意味から受け取って、NHK本体とそれから関連団体が何かひっくり返ってしまって、NHK本体が従になって関連団体が主体になっていくというふうな、これは極端な受け取り方かもわかりませんけれども、そういう懸念もされてくる表現がここにあるわけなんです。その辺、NHK、公共放送の公正中立ということを保っていくためにもそれがあってはならないということです。 それからもう一つは、これからこういう外注というものがさらにパーセントがふえていくのかどうか。パーセントは大体どの程度でもって抑えるべきだというふうに協会自体はお考えか、お伺いします。
○参考人(青木賢児君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたNHKの関連団体の再編成の中で、エンタープライズが中核となって番組制作の中心的な役割を果たすというふうな形で再編成を行っておりますが、エンタープライズに関連して八つの系列会社をつくりまして、それぞれが分担しながら番組の分野別、あるいは出版であるとか、あるいはいろんな催し物、そういったものをそれぞれの系列会社が自分たちの特徴に応じて全体として一体となって活動していくというふうな形で再編成を行っていくということでございます。しかしながら、こちらの方が中心になってNHK本体が逆転していくのではないかというふうな御指摘がございましたけれども、我々としては、そのようなことがあってはならないし、また、あるべきでもないというふうに考えております。 現在、先ほど編成比率で申し上げましたけれども、委託の総額で申し上げますと、番組制作にかかわる委託の比率というのはNHK全体の制作費の六・八%という割合になってございます。この委託が今後どのようにふえていくのか、無限にふえていくのかという御指摘については、おのずからこれには限度があるというふうに我々考えておりまして、現在何%までを限度とするというふうには我々決めておりませんけれども、我々としては、これについてはおのずから公共放送としての限度があるというふうに考えております。 これは、世界の公共放送で似たようなことをやっておりますけれども、欧米では、およそ二五%ぐらいを委託するというのが世界の傾向になっておりますが、NHKの場合にはまだ、制作費でいえば六・八%、番組編成比率でいえば一〇%というふうな段階でございます。
○磯村修君 次に、国際放送の問題についてお伺いしたいと思うんですけれども、先ほど会長も、世界の中の日本の姿というものを世界に伝えていくためにも国際放送というものは大変重要な意味を持っているんだというふうな趣旨の御発言がありました。 そこで、郵政省にお伺いしたいと思うのですけれども、国際放送に対する交付金の増額というものをお考えかどうか、お伺いします。
○政府委員(大瀧泰郎君) 国際放送の交付金につきましては、これまでも厳しい予算の事情の中からその増額について国としても最大限の努力をしてまいったところでございます。 平成元年度におきましては、対前年比で二千二百万円の増ということで十四億七千七百万円を確保しているところでございますが、来年度の予算におきましても、シーリングの枠の厳しい中にありまして、増額として九百万円程度でございますが、これを要求しているところでございます。
○磯村修君 増額の額からいえば大変国際放送重視ということとはほど遠いような感じもするわけなんです。国際放送、これから大変重要な放送メディアである。しかも音声から映像の時代でもある。国際放送も大いに映像を提供していかなきゃならないという時代にあって、やはりこの交付金の増額というものをこれから十分に考えていかなければ国際放送の重要性というふうな意味が生きてこないんではないか、このように思います。もう一度郵政の方の決意を伺います。
○政府委員(大瀧泰郎君) 今後とも一生懸命増額について努力してまいりたいと思います。
○磯村修君 それ以上回答はどうもなさそうですから次に移ります。 NHKの長期ビジョンに関する審議会でいろいろこれからの経営計画というものを御審議なさっているそうですけれども、協会に一つお伺いしたいことは、これから経営計画の中で災害時の緊急放送の必要性というものが大変出てくると思うんですけれども、それに伴っての放送時間の延長というふうなこともいろいろと聞いております。 ラジオあるいはテレビの放送時間の延長ということ、ラジオ第一の二十四時間放送ですとか、あるいはテレビの早朝時間繰り上げとか、あるいは深夜放送の延長というふうなことがいろいろ伝えられているようなんですけれども、この辺についてのお考えはどうなんでしょうか。
○参考人(尾畑雅美君) 国民生活の調査によりますと、若い世代を中心にやや夜型に変わってきております。一方でモータリゼーション、自動車に乗ってラジオを聞くという人が非常にふえました。また、この方々の夜間ラジオを聞くパーセントが三、四〇%あるという、非常に国民生活の変化がございます。NHKはそういう国民生活の変化に合わせてサービスをできるだけ向上させるという役目がございますので、そういうことについても慎重に検討したいと思います。 ただ、よりよき国民生活をリードするという役目もあるんじゃないかという意見もありますので、その辺につきましては、今後慎重に検討しながら、よりよきサービスはどの辺かということを見定めていきたいというふうに考えております。
○磯村修君 いろいろNHKの果たしていかなきゃならない役割というものはあるんですけれども、例えば放送時間の延長、延長することはこれは非常に結構なんですけれども、例えば国民生活の時間によってそれに対応していく、あるいは緊急時に備えての延長というふうな、いろんな考え方に基づいて放送時間の延長ということは理解する面もあるわけなんですけれども、問題は、放送時間を延長して仕事をしていくには人が必要なわけです。例えば効率化が進む中での要員の確保、それが果たして放送時間の延長につなげていくことができるのかどうか、というようなことも懸念されるわけですけれども、その辺のお考えをお伺いしたいと思います。
○参考人(遠藤利男君) 先生御指摘のように、放送時間の延長というものには、公共放送としての緊急報道の役割というものと、それから国民の生活時間あるいは生活態様に応じた情報の送り方と二つの側面があると思います。その送り方、これは現在公共放送として最も効率的で、なおかつ視聴者のニーズに応じた情報の送り方をするという のが私どもの使命でございまして、放送時間の延長があったとしてもいろんな手段のとり方がある、あるいは情報の送り方があるというふうに私どもは思っておりまして、長期ビジョンについての審議会の先生方の御答申、あるいは番組審議会の先生方の御意見、そういうものも踏まえまして目下いろいろ研究をしている最中でございます。それで御懸念のように水増しになったり、あるいは労働条件の上で非常に逼迫するということのないような方法をきちっととっていきたいというふうに思っております。
○磯村修君 NHKは全国放送、それから地域放送というふうなことを実施しているわけですけれども、会長に伺います。 会長はこの一年間に地域放送局を尋ねたことがございますか。
○参考人(島桂次君) なかなか忙しいので、そうたくさん行けませんけれども、大体十カ所ばかり参っております。
○磯村修君 皆さんのNHKという言葉がよく使われております。私は、NHKというのはやはり地域の人々が支えている事業体である、こういうふうに思います。 そこで、地域放送について協会側の考えをただしたいと思うんですけれども、今NHKというのは地域の中にどのように根差していくか、どのように生きていくか、これが大変重要な課題ではなかろうか、このように私は思います。いわば地域放送局というのは、やはりそれぞれの地域の実情に合った放送というものをしていかなきゃならない。これがやはり地域放送局の私は使命だと思うのです。 往々にしてNHKというのは、従来の姿というのを見てみますと大変中央集権化、中央集権的な色彩が強かったんじゃないか。例えば右へ倣えで、右に倣った放送番組が編成されて放送されていく。こういういわば中央集権的な番組編成というものがなされてきたんではないか。やはりそれに偏ってしまってはいけないのであって、地域放送局というのは、そこの土地に根差したものを本当に生かしていかなければ地域の住民には支えられてはいかない。こういうふうなことで、これからのそれぞれの地域の放送局というのはその実情に合ったサービスを行う必要がある。そのためには、やはりその土地の地域放送局が自主的に番組を編成するということも大きな役割ではなかろうか、こういうふうに私は思います。あるいはまた、NHKのいわば特性のネットワークを大いに生かして、そして共通している問題を最大限に視聴者に訴えるというふうな体制づくりもこれから番組制作に必要になってくるのではないか、こういうふうに思います。 それからもう一つは、地域放送局の施設というものが大変今生かされていないんではないかというふうな感じもするわけです。地域の人々と歩む放送局、あるいは文化の拠点というふうなことをしていくためには、やはりそれぞれの土地の人々がそこのNHKの放送施設に集まって、いろんな催しもできれば、いろんな文化的な活動もできるというふうな状況に放送局自体の施設を開放していく必要があると思うんです。それには、今の施設では十分ではない面も多いわけですから、この辺を計画的に整備して、そしてその地域の人々に大いに開放して、いわば放送局が地域の人々の中にあるんだ、そして土地の人々に囲まれた中にNHKという放送局があってそこから放送が出ているんだといふうな、いわば地域サービスというものをしていかなければ、これからのNHKというものは、地域の人々とともに歩む本当の意味の姿というものがそこには出てこないと思うんです。そういう姿というものをやはりつくってほしい、私は視聴者の立場からそういうふうに思うわけなんですけれども、これからの経営の中でもって地域放送というものを本当に大切にしていく、大きな柱にしていく考えがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
○参考人(島桂次君) 磯村先生、長い間NHKにいらっしゃっておわかりのとおり、確かにNHKの放送というのはどうしても東京中心になり、中央集権的な性格を持っていたことは事実でございます。そのため、この数年間、特にこの二、三年間、我々は地域の方々と密接な連絡をとり、その地域住民の方々の御意向をできるだけ尊重し放送の上で生かしていくということを徹底的にやろうということで、NHKの地方の放送局が自主的に番組を編成して、地元の方々と協力し合えるかということをやるために、静岡と熊本と秋田、この三カ所をテストパイロット的な放送局に指定しまして、徹底的に一体どういう方法が、もっと今までやってきた方法と違う方法があるかということ実はもう既にやらせております。この成果がほぼいろいろな形で出てまいりましたので、これから五カ年計画の中で今までのNHKの東京対地方との関係を抜本的に改めるようなひとつ具体的なことをいろいろやっていこうじゃないかということで、鋭意今検討中でございます。 もちろん、その中には先生御指摘の局舎の問題その他もあるわけでございますけれども、そういったすべての問題について今基本的にNHK始まって以来再検討する時期に入っているということだけお話ししておきたいと思います。
○磯村修君 最後に要望しておきたいんですけれども、公共放送というものは大変国民にとっては大事な機関でございますので、協会側は、お答えになった趣旨というものを財政的にも十分に裏づけられるような形の中でもって実行してほしいということです。 それから郵政省に対しては、先ほどの国際放送ではございませんけれども、国際化の大変重要な時代であるというふうなことも、口先だけで言うんではなくて、やはり財政的に裏づけのある、実効性のある施策というものを展開してほしいというふうなことを要望して私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○鶴岡洋君 私は、国際放送の話が今出ましたけれども、国際放送から二、三点お伺いしたいと思います。 郵政省にお願いしたいんですが、国際放送の交付金の増額については先ほどお話がありましたけれども、お聞きすると非常に心細い感じがするわけですけれども、一生懸命おやりになるというんですから一生懸命やっていただきたいと思います。 この国際放送は、NHKが郵政大臣の命を受けて放送するいわゆる命令放送と、それからNHKの自主放送。海外向けに放送しておるわけですけれども、毎年海外に出かけていく人、旅行者を含めて、統計でいくと年間五百万人、それから海外の日系人が百五十万人、それから在留邦人が五十万人、こういうたくさんの方々が海外で生活をしておるわけでございます。そういう現状を見る上で、この国際放送、いわゆるラジオジャパン、これは今後ともさらに拡充し強化していかなきゃならないんじゃないか。今申しましたように、交付金の件についてはそうでございますけれども、具体的に受信の改善をしていかなきゃいけないんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。 海外にいる人のいろいろな御意見がおたくから出された「ラジオ日本」というのに出ておりますけれども、異国にいて、しかも山の中にあって仕事をしておられる方、へんぴなところにおってこのラジオ日本の放送というものを聞くのが毎日の楽しみであるとか、ラジオ日本放送のない生活は考えられないとか、日本の出来事を異国において早く知る、また知ることができるということは非常に安心感がある、こういういわゆる国際放送であるわけですから、今言った点で受信の改善方をどういうふうに考えておられるのか、その点を最初にお伺いいたします。
○政府委員(大瀧泰郎君) 国際放送のいわゆる果たす役割というのは本当にますます増大しているわけでございます。したがいまして、平成二年度におきまして郵政省といたしましていろいろ計画しているものに、まず第一に中継放送局の増設ということを考えているわけでございます。これは、 これまで受信状況が非常に不安定でありました南西アジア地域の受信改善を図るためのスリランカからの中継放送というものを実施いたしたい。それから、東南アジア地域の一層の受信改善を図るための大洋州における海外中継局の確保のための調査を実施したい。大洋州と申しますのはオーストラリアとかニュージーランド、あの辺を言うわけでございますが、そういうところに海外中継局を置けないかというような調査でございます。さらにまた、欧米地域で発達が著しい短波以外の音声メディア、すなわち中波であるとか、あるいは超短波放送等の国際放送への活用の可能性についての調査というようなことを計画しておるところでございます。
○鶴岡洋君 現在はカナダ中継局、ギアナ中継局、それからガボン中継局、これはできたばかりですけれども、こういうところはもちろん外地でありますからいろんな面で支障があるわけです。土地の面であるとか経費の面であるとか、また人の面でもそうですけれども、今おっしゃった件については、方向としてはお聞きできますけれども、具体的に何か進んでおりますか。
○政府委員(大瀧泰郎君) とにかく来年度実施したいということでの私どもの計画でございますが、最初に申し上げましたスリランカからの中継放送の実施ということは、できるだけ早急にやってまいりたいということで計画は進めております。
○鶴岡洋君 次に、NHKの国際放送によるKDDの費用の負担の件ですけれども、国際放送は毎年約七十億円という経費で運営されておるわけです。そのうちNHKは人件費等のいわゆる共通費を差し引いて約三十二億円を予算計上しているわけです。この国際放送はKDDの、あれは茨城県でしたか、八俣送信所を使って世界に放送しているわけでございますけれども、このKDDの施設は国際放送を送信するため毎年約十九億円という費用を負担することになっているわけです。これに対してNHKは約八億五千万の使用料を払っているんですが、KDDは、こうなってくると自分の業務ではないにもかかわらず毎年約十億円という費用を負担する、こういうことになるわけです。 聞いてみれば、KDDとNHKそれから郵政省、この三者が今までも合同でやってきたという経緯があって、それが引き続いてKDDに負担がかけられるようになっている、こういうふうに聞いておるわけでございます。私はKDDの肩を持つわけでも何でもございませんけれども、なぜこの負担をかけなきゃならないのか。六十二年度の場合は約十億ですか、六十三年度は四億五千万ですか、こういうことになっておりますけれども、この点はどういうことなのか、ちょっと教えていただきたいのです。
○政府委員(大瀧泰郎君) 国際放送の送信所といいますのは非常に広大な土地を必要とするというようなことで、昔からKDDが持っておりますところの設備をNHKがお借りして国際放送というのをやっているわけでございます。したがいまして、このいわゆる八俣の送信所の管理運用はNHKがKDDに委託しているわけでございまして、その費用は両者間の契約に基づきましてNHKがKDDにお支払いをしているということでございます。
○鶴岡洋君 そうすると、KDDの方は自分の業務ではないわけでしょう。にもかかわらずNHKのために負担をしている、逆に言えばそうなるんじゃないですか。この十億円というのはどうなるのかという……。
○政府委員(大瀧泰郎君) このいわゆる八俣の送信所の管理運用にかかわるKDDの収支は徐々に改善をしてきていると私どもは聞いております。収支も相償の見込みが立っているというふうにも聞いております。しかしながら、現在のところまだKDDが若干持ち出しをしている、現実にはそうなっておるようでございますが、今後とも、私どももこの辺の問題に関しましては、国際放送の充実強化ということからも、国としてもこういう面の改善に一層の努力をいたしたい、このように思います。
○鶴岡洋君 もう一点ですが、地上中継所、これは海外に幾つかあるわけでございますが、それもふやそうというお考えのようですけれども、将来の問題として国際放送を衛星を利用して行う、こういう研究をしておられる、こういうふうに聞いておりますけれども、将来像として、概要と将来の見通しはどうなのか。衛星を使って国際放送をやる、この点についてはどういうふうな今計画というか、見通しがあるのか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(大瀧泰郎君) 私ども郵政省といたしましては、いわゆる音声による衛星放送という周波数の分配の問題や各国への提案というものが必要なわけでございます。したがいまして、計画といたしましては、周回衛星を利用した国際放送の充実というようなことを構想としては持っているわけでございまして、このためのいろいろな技術的な問題点、あるいは制度上の問題点というものを調査するということで、そのための調査研究費を来年度予算として要求しているところでございます。
○鶴岡洋君 これは九月五日の日経ですが、これに「地球を周回する衛星を利用して世界各国にラジオ放送を流す国際放送の実現」、こういう記事が出ておりますけれども、そうすると、勝手というんじゃないんですけれども、これはあくまでも想像で書いたんでしょうか。郵政省の方でこれぐらいのものは研究しているんじゃないかと思うのですけれども、この点はどうなんですか。 これをやると地上局を設置するに比べて低コストであるとか、地上での周波数の過密化を緩和できるとか、音質が向上するとか、地上局ではございませんのでそういう点が非常に利点といえば利点で、だからこの衛星を使って、星を使ってやるのがこれからの課題であるということが大分詳しく出ておりますけれども、この点はどうなんですか。
○政府委員(大瀧泰郎君) これは私どもがいわゆる来年度の予算要求としていろいろ考えておるものでございますので、その辺の紹介があったのではないかと私は思っております。 これは、やはり周回衛星と申しますと、ほかの国の上にも飛んでいくわけでございますので、メモリーを持たせまして、自分の国の上に参ったときにだけ放送してもらうとか、いろいろな工夫をしなければなりません。そのためにはかなりの関係国との調整ということもやってまいらなきゃなりませんし、制度的な問題としてもいろいろな検討を進めなきゃなりません。したがいまして、現在の地上放送による短波による国際放送とはまた別の意味での各国間の調整というものが大事になってくるのではないかと思っておりまして、そういう面での調査ということをしっかりやっていかなきゃならないと思っております。
○鶴岡洋君 その各国との調整とか電波の点とか、それはわからないわけじゃないんですけれども、私もこういう点については非常に暗いのでわからないんですけれども、技術的には郵政省としてはどうなんですか、できそうなんですか。
○政府委員(大瀧泰郎君) 検討項目としましては、技術的にも実現の可能性ということも重点的に研究をせなきゃならないわけでございますので、そういう調査をした上でこういうふうな周回衛星による国際放送というものを実施できるかどうかというものを決定してまいりたいと思うわけでございます。
○鶴岡洋君 わかりました。 それでは、NHKにお聞きしますけれども、NHKの受信料の性格のことですが、これはNHKの予算のときも、また今回は決算ですけれども、毎年この問題は出てくる問題でございますが、NHKの受信料の性格というのは、NHKの業務運営を支えるための視聴者による費用分担であると一応されているわけです。すなわち、受信料は放送サービスに対する対価ではなく、特殊な公的負担金とされているわけですけれども、NHKの受信料の性格について今まで随分議論されてきまし たけれども、いまだにその議論が絶えないわけです、今私も言っているんですけれども。それは受信料に消費税が課税された、それから受益者負担、こういう点から衛星放送の受信者に衛星放送の料金を課している。これは対価的な意味があるわけです。 こういったことで、受信料の性格というのが非常にいまだにあいまいなんですけれども、NHKはこの点についてどういうふうに考えておられるのか、もう一度ここで会長の方から、できれば位置づけというか、性格というか、教えていただきたいんです。
○参考人(島桂次君) 受信料の性格につきましては、長年国会議員の皆様方、私どもも含めましていろいろ議論があったことは私も承知しております。私どもは、現在の段階では、少なくともこの受信料にもっと法律的な義務とかそういうものを負わせるということで徴収をするということよりは、その前に我々が本当に質的に量的に多様な文化性のある公正な番組を出して公共放送としての使命を全うすれば、今のままの形でも何とかやっていけるんじゃなかろうかということを考えて今までやってきたわけでございます。 ただ、御存じのように今情報化社会、ニューメディア時代、この数年間非常にメディアの数もふえてまいりましたし、我々放送にとってまさにラジオからテレビに移った時代以上の大きな変革時期に来ているわけでございます。こういう時期になってきますと、果たして今までどおりでやっていけるのかどうか、これは甚だ、私も今までよりもこの受信料の徴収ということがこれから先非常に難しくなる、そういうことは十分わかっておりますけれども、これはまたいろいろな問題点もございます。いずれにしましても、今五カ年計画、これから五年間一体NHKは何をどうやっていくかという青写真を描こうとしている最中でございますので、その計画と並行しながらこの問題を考えていきたい、かように考えているわけでございます。
○鶴岡洋君 今会長からお話があったとおりだと思いますけれども、受信料だけでやっていくのは非常にこれから無理がある。情報化時代を迎えて生活自体も変わってきているし、放送体系も変わってきておりますし、それから民放はたくさんできてくる。そこへもってきて時代の流れというのは非常に速い。それに対するニーズも変わってきている。先ほどもお話があったように、夜だか昼だかわからないようないわゆる視聴者の生活になってきている。 こういうことを考えあわせると、受信料だけでやっていくことについてこれからよほど真剣に考えていかないと、NHK自体、公共放送としての使命が果たせるかどうか、そういう点も含めて私は考えていかなきゃならないんじゃないか。そういった意味で先ほどお聞きしたわけですから、ぜひともその点を考えていただきたい、こういうふうに思うわけです。 それと、今申しましたように、NHKを支えている運営財源というのは九十数%受信料収入で賄われておるわけですけれども、とりあえず受信料中心による運営には異論はないわけでございますけれども、数年ごとに受信料を値上げしてきた経緯から見て、将来において安定収入の確保という観点からスクランブル方式によるいわゆる有料放送の導入、こういうことも一つ考えられるんじゃないか。これは捕捉率を高めるとか、それから経費削減のためとか、いろいろ理由はあるんでしょうけれども、この点についてNHKは現在どういうふうに考えておられるか。
○参考人(島桂次君) 先ほど申しましたように、私は少なくとも現段階において直ちにスクランブルという方式をとる考えは今のところ持っておりません。それはなぜかと申しますと、衛星放送の受信料を八月からいただいているわけでございますけれども、これはモノクロ料金あるいはカラー料金と同じ、意味合いの延長線上でいただいているわけで、将来十年後、二十年後、これはもうすさまじい勢いで世界の放送を取り巻く環境というのは変わっていくわけですから、将来は別としましても、少なくとも現時点ではスクランブルという方式をとることが今の受信料のあり方にかなり重大な影響を与えてくるということを考えますと、もうちょっと慎重な配慮というか、いろいろのことを考えてみなきゃいかぬなと、こう考えておるわけでございます。
○鶴岡洋君 大臣にお聞きしたいんですけれども、公共放送としてのNHKは視聴者のほとんどが現状の体制を是認していると、私もそうなんですけれども。何となれば、公平であり公正であり、正確、しかもニュースというんですから迅速である。それに加えて民間放送から比べればコマーシャルがないので連続的に見られる、こういうことで国民から信頼されているわけでございますけれども、ある人に言わせれば、雑誌で見たんですけれども、経営委員会がその割に機能していないのではないか、こういう意見を言う人もおります。例えば、イギリスのBBCが私は完璧であるとは申しませんけれども、BBCに比べると、仕組みというか、それは同じですけれども、実態は言われるように経営委員会が十分に機能していないんではないかというような気持ちもしないわけではないんです。この点について経営委員会に対する大臣の認識、これはどんなふうに持っておられるのか、お聞きしたいのです。
○国務大臣(大石千八君) 経営委員の皆様には、御指摘のとおり、NHKの経営上の問題等につきまして、これは放送法等にのっとってその職務を果たしていただくということになっているわけでございまして、いずれも公共の福祉に関し公平な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者として衆参両議院の同意を得て内閣総理大臣から指名された方々でございまして、広く国民的立場からこれらについて十分な検討をいただいているというふうに認識をしているところでございます。
○鶴岡洋君 今大臣が言うのは、それはもう確かにそうなんですけれども、そういうふうに果たして十分な機能が果たされているのかどうかという疑念を持つ人がいるわけです。この点については、前国会ですか前々国会ですか、この場でも非常に議論になったわけでございますけれども、今大臣のおっしゃるような形でなされていれば私はそれでいいと思うんですけれども、経営委員会のあり方、その点についても、目を光らせるというんじゃないんですけれども、大臣の方で監督官庁として十分気をつけていただきたい、こういうふうにお願いをしたいわけでございます。 それに関連して、NHKの放送全般に対する国民の、いわゆる視聴者の意向、要望に対してどんな方法で番組に反映されておられるのか。これも毎回出ますけれども、視聴者の意見をどんなふうに聞いているのか、どのような形で吸い上げているのか、具体的に番組にどういうふうに反映されているのか、まずこの点について例がありましたらNHKにお聞きしたいのです。
○参考人(遠藤利男君) 先生御指摘の視聴者の意向の吸収ということと番組への反映でございます。私ども、例えば中央番組審議会あるいは地方番組審議会という会議を放送法によりまして設けまして、東京それから地方でそれぞれ毎月毎月会議を開きまして私どもの番組についてのいろいろな御意見をいただいております。そのほかにも視聴者会議が各都道府県でも行われ、それから、日ごろは電話、投書、新聞に載りました批評あるいは投書、そういうようなものも常に吸収しまして番組に役立てたいというふうに思っております。 番組審議会の先生方にはその月その月の番組の内容についても御批判をいただいておりますし、あるいは年間の編成のあり方、番組の置き方、先ほども話題になりましたけれども、深夜の時間をどうすべきかというようなことも御意見をいただきながら編成を進めております。例えばことしの九月、十月に私どもはNHKスペシャルで地球の環境を考えるシリーズというのを三日連続で二度行いました。これも各番組審議会とかあるいは視聴者会議の皆さん方から、今地球環境の問題の重 大性にかんがみてもっとNHKは力を入れなさいというような御意見をいただいたこともあって行った編成でございます。あるいはもっと充足感のあるドラマをスペシャルドラマのような形で長時間つくって放送してほしいという御意見も、今のドラマスペシャル、秋にいろいろ放送しておりますそういうものに反映されておりますし、また、消費税の問題でも、さまざまな皆さんから御意見をいただいたことに基づいて三日間の連続討論というような番組の編成もいたして放送しております。
○鶴岡洋君 これは私の提案ですけれども、今お話しになった御意見を聞くその機関というのは、もちろん新聞の声の欄とかそういうところからもあるとは思いますけれども、この御意見の大半というのはNHKが用意した機関の意見ではなかろうかと。NHKが好きな人を集めて、その好きな人が出す意見、それを聞き、そしてその中から選んだものというようなのがほとんどではなかろうか、こういうふうに私は思うわけです。 そういうことで、それには関係なしに本当に第三者的な機関といいますか、これをどこへつくるかというのはまた問題でございますけれども、受信者の意見を聞くような機関はつくれないものなのか。その点についてはどういうふうにNHKで考えておられますか。そういうのは必要ないというのか。それともあればいい、つくるとすれば、じゃどういうところへつくったらいい、何か構想がありますか。
○参考人(島桂次君) 鶴岡先生おっしゃるとおりの面もございまして、番組審議会あるいは視聴者会議にいたしましても私どもが最終的に選任するというような形をとっている、そういうケースというのは非常に多いわけでございます。おっしゃるように、我々がもっと広くやはり視聴者の要望なり御意見を集めなきゃいかぬということはかねがね考えておりまして、今まででも例えば世論調査とか視聴者の意向調査とかいろいろやっているわけでございますけれども、おっしゃることもよくわかりますので、いろいろの形でさらにこれから進めたいというふうに考えております。 ただ、具体的な方法となりますと、どういう方法が一番効果的かということにつきましてはもうちょっと検討させていただきたいと思います。今すぐこうこうこういうものを考えているというはっきりしたものはございませんけれども、いろいろぜひ検討してみたい、こう考えております。
○鶴岡洋君 時間がありませんので端的にお聞きしますけれども、NHKは一チャンネルを返上するという研究をしている、こういう話をちょっと聞いたんですが、教育チャンネルと総合チャンネルと中身がだんだん同じようになってきたということもありますし、VTRが非常に普及してきて、生でなくてもいい、こういうこともあるからそういう研究がされている、こういうふうにもとれるわけなんでございますけれども、もし返上するということになると、公共放送の使命、これを放棄したというか、そういう感じも受けないではないんですけれども、この研究はされているんですか。それとも、そういうことは全然、だれか遠いところで言っているんだ、こういうことなんでしょうか。その点はいかがですか。
○参考人(尾畑雅美君) 教育テレビについて返上ないしは廃止するということを検討していることはありません。NHKはあまねく豊かでいい放送を多数の方に見せるということと同時に、少数であっても非常に熱心な方々にこたえるという義務がございます。特に、先ほどから申しておりますように、民放とNHKの共存という中で、民放がやらないそういったものにつきましてはNHKが国民におこたえするということが一番正しいと思いますので、そのような方向で検討しております。
○鶴岡洋君 次に、NHKの新営業構想が六十三年度から平成四年度までの五年間で、契約数の増加であるとか、受信料収入の増加であるとか、また要員の削減による経費の圧縮等を盛り込んでスタートしたわけでございます。まだ一年間しか経過しておりませんけれども、この新営業構想の成果というか状況については現在どういうふうになっておるか教えていただきたいのです。
○参考人(高橋雄亮君) 先生御案内のように、新営業構想は六十三年の六月からスタートいたしまして、ちょうど一年半たったわけでございます。六十三年度の成果につきましては、一番新営業構想でねらいましたのは、営業経費が六十二年度一八・七%と非常に高かった、これをできるだけ抑えるようにということで、五カ年間で一五%ということを目指そうということで取り組みが始まったわけでございますが、六十三年度はこれが一八・四%まで、〇・三%まで下がりました。それから、これに行くに当たりましては、受信者の契約数を当然ふやそうという計画で臨んだわけですが、総数については、目標四十三万件の増というところを四十四万八千件の増が達成できたというようなことで、収入の増を図りつつ支出を抑えて、今の段階ではわずか〇・三%ですが、一年間でそれだけの経費の節減を行っておるということでございます。
○鶴岡洋君 最後に、ハイビジョンについて二点お伺いします。 最初は、このハイビジョンの普及ですけれども、この促進方、重要な政策として郵政省は今やっておられるわけでございますけれども、現在ハイビジョンのいわゆる価格といいますか、もちろん何台もないわけですから、一千万程度かかると私聞いておるんですが、これが量産体制になった場合には大体どのぐらいのいわゆる価格になるのか、その辺はどうなんですか。
○政府委員(大瀧泰郎君) ハイビジョンの受像機に関しましては、メーカーが現在一生懸命になりましてLSI化をしております。小型化というようなことで一生懸命やってくださっているわけでございますが、来年にはそういうふうな形での商品がかなり出回ってくるんじゃないかと考えられております。それで、三十二インチ程度のミューズデコーダー内蔵型というもので一千万円を切るということが予想されているわけなんです。その後、量産効果によって数百万になりというふうにどんどん値段が下がっていくことを期待しているわけでございます。
○鶴岡洋君 それでは、最後に島会長にお伺いしたいんですが、九月の初めにソ連へ行かれましたね。そのときに、いわゆるハイビジョンのデモンストレーションということで、ソビエトのテレビ技術研究所へ行かれてデモンストレーションをされたという記事が載っておりました。そのときにソ連のべロウーソフ副首相は、ソ連のいわゆる高品位テレビ、HDテレビは日本方式か欧州方式かよりすぐれたものを採用したい、こういうお話があったと聞いておりますけれども、このデモンストレーションの成果はどうだったのか、これが一つ。 それから心配されるのは、このハイビジョンというのは半導体を多く使うわけでございますので、日本方式を使うということになった場合には、これは取り越し苦労かもしれませんけれども、今問題になっているココム規制の問題がそこで発生してくるのではないかと考えられるわけです。この二点について会長からお答えいただきたいと思います。
○参考人(島桂次君) 私は、この数年間世界の主な国のガバメント、それからブロードキャスターのリーダーに対して精力的にハイビジョンのデモンストレーションをやってまいりました。それはどういうことかと申しますと、このハイビジョンというのは放送だけではございません、映画制作にも印刷にも医学にも、あらゆる分野にこの技術はいろいろ利用できるわけでございまして、まさに二十一世紀にかけての情報産業の基幹的部分を占めるというようなシステム技術でございます。 そのために、当初我々がハイビジョンを開発した放送面での規格統一問題を促進していた段階では、数年前まではまだそうでもなかったんですけれども、この一、二年間はそういう放送問題を超えてこれが著しく各国の政治問題となり、経済問題にまで発展してまいってきたわけでございます。 したがって、フランスのミッテラン大統領はEC統合の一番大きな柱の一つにヨーロッパ方式によるハイビジョンというものを進めております。それで、ゴルバチョフさんのところへ行って、ぜひヨーロッパの方式を採用しろというようなことも既に行っているとおりです。また、アメリカでは、日本ではなくてアメリカ独自の方式を開発したいということがもう議会に提出する寸前までこの前いったという状況もございます。 そういうふうにハイビジョンを取り巻く国際的な情勢というのは非常に激しくなってきておりまして、このままほっておきますと、日本方式、これは先ほど放送行政局長の方から話があったように単なる技術的な問題としてどちらがすぐれているかという観点からだけではなくて、そういういろいろな広がりを見せているような形になってきているわけでございます。 そういう情勢の中で、私はあくまでブロードキャスターでございますから、私どもとしては、我々が十数年かけて開発したこのすぐれた技術をできるだけ多くの国の方々にやっていただきたいということで、こういうものができますよ、こういうものができましたよということで、これは西側であろうが東側であろうが大いにやっておりますし、番組の共同制作につきましては、例えば中国の「大黄河」とか今度の「北極圏」とか、これはソビエトとの共同制作でございますけれども、そういうものには一部分でありますけれども既にハイビジョンで共同制作しているわけでございます。ただ問題は、これを技術的な観点から見ますと、このハイビジョンシステムを特に東側の方へ輸出する、提供するということは、おっしゃるようにココムという問題があるやに私も聞いておりますけれども、我々はそういうメーカーではございませんから、その技術を相手側にやるとか、あるいは生産して売るとか、そういう立場ではなくて、あくまで放送関係者として、やはり今のテレビが三つに方式が分かれて非常に不便であるので、今度のハイビジョンはぜひそういう放送関係者としてできるだけ規格も統一し、できるだけこれの普及を図るというためのデモンストレーションをやっているわけでございます。 ソビエトにおきましては、初めヨーロッパ方式を見たときにはこれはすばらしいと思ったけれども、今度あなたが持ってきた日本方式を見たら、こちらの方が圧倒的にすぐれているということもわかったので、いろいろ我々が将来このハイビジョンを採用するときには、どちらの方がいいか慎重に検討したいというようなことも話しておりましたけれども、そういう意味合いで私はこの数年間世界各国を回りまして、我々の開発したハイビジョンのデモンストレーションを行っているということでございます。
○鶴岡洋君 委員長、済みません、もう一つ。 それはよくわかりました。趣旨はわかりますけれども、ココムの問題というのは、これは日本の問題ですから、そういう点も含めて、島会長は説得力があるし、声は大きいし、向こうへ行けばこれはいいと、こう言うかもしれませんけれども、そこにはやはりココムの問題が含まれているわけですから、今言ったように。その点も勘案してやった方が私はよろしいんじゃないかなと。ただ自分がひとり歩きをする、こう言っては失礼ですけれども、そうではなくて、やっぱり日本の国の問題として、デモンストレーションをやっていくのは結構ですけれども、そういった配慮をした上でやっていただきたい、こういうふうに私はお願いしたいわけです。よろしいでしょうか。
○参考人(島桂次君) もちろん、このデモンストレーションの場合は、ソビエトの場合にも武藤さんという駐ソ大使の方にも一緒に立ち会っていただきましたし、絶えずこの種の催し物をやるときは政府側と十分相談といいますか、報告をした上でやっておりまして、私は、何遍も申すようですけれども、放送的な観点から、こういういいものができたというデモンストレーションをやっているだけでございまして、これをいわゆる輸出云々、ココム的な問題、これは当然のことながら政府の所管でございますし、さらに私の立場からいえば、もっと政府の皆さん方にも積極的にNHKが開発したハイビジョンをどんどん外国へ、西側の特にアメリカでございますけれども、そういうところへぜひ共同でやっていけるようにやっていただくよういろいろお願いしているところでございます。
○鶴岡洋君 終わります。
○山中郁子君 郵政大臣の私的諮問機関であります放送の公共性に関する調査研究会が昨年十二月に中間報告を出しました。この中には当面検討しなければならない問題も指摘されておりますけれども、やはりいろいろと多面的に考えなければならない問題を持つもの、あるいは意見があるものも多く含まれているように思います。それで二、三この問題に関連して郵政省並びにNHKの見解をお伺いいたしたいと思います。 一つは、例えば「関連団体による事業展開」ということで、「経営効率が前面に出ることは、放送番組の質の低下を招く等公共放送としての役割の確保にマイナスとなるおそれがある」という点の指摘が一つあります。しかし、それと同時に「本来業務については慎重な検討が求められる。」という点があります。それからまた同時に「これまでにNHKが築きあげてきた番組制作等のノウハウ等は」、これは人材も含まれると思いますが、「国民的財産であるので、その維持発展に支障のない範囲にとどめること」という指摘もあります。これは「業務の外部委託の在り方」の項についてですけれども、それからもう一方では「外部委託のもたらす効用は決して少なくない。」ということで、「検討の必要性」のところにそのようにも出ている。かなりやっぱり矛盾した指摘というか、問題提起というか、中身があるんです。これは、一つは放送番組の外部委託の問題をめぐってのことですけれども、いろんな意見が出てくるだろうから、こちらのことも言っておく、こちらのことも言っておくというふうにいろんなところを言っておくと。結局それじゃ何を言わんとしているのかというのがわからなくなってくるという、そういう一つの矛盾のあらわれ方だとも思えるのですけれども。 郵政省は、この中間報告の今私が取り上げましたところについてにまず限っていただいて結構なんですけれども、どのように受けとめていらっしゃるのか。そして、この中間報告を仮に尊重する、仮にというか、尊重するというお立場に立つならばどういうことをそれじゃこれによって進めよというふうに言われているというふうに受けとめていらっしゃるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(大瀧泰郎君) 先生御指摘のとおり、放送の公共性に関する調査研究会の中間報告にはいろいろな提言がなされております。番組の質の低下を起こさないようにきちっと外部委託もやりなさいというようなこともあるわけでございます。私どもはこの中間報告等を十分に踏まえまして、業務委託がNHKの業務の推進にとってマイナスにならないように、NHKの本来業務についてはNHKみずからが業務委託の基準を策定しなければならないというように、本年の放送法の改正によりましてこのようなことにお決めいただいたわけでございます。 それで、それに基づきまして十月二日にNHKからその基準の届け出がございました。郵政省といたしましては、そのような基準に基づきまして適切に業務委託が行われることを期待しているわけでございます。
○山中郁子君 それで、同じことをNHKにお伺いした上で再度また今の御答弁に関連して質問させていただきますが、NHKの側としては、今私が申し上げましたこの中間報告の矛盾、要するに、その本来業務というものも重視しなきゃいけないし、しかし外部委託のもたらす効用も決して少なくないんだというふうな、こういうことで、どうしろと言われているというふうにお受けとめになっておられますか。
○参考人(尾畑雅美君) NHKといたしましては、放送の業務について、これは聴視料で業務を 執行しているわけでありますので、その点を十分踏まえて、例えば国際的な放送番組をつくります際にはこれは各国と共同してお互いにその取材をし合うとか、いろいろなことを考えながらやる方が放送は効率的にできるというようなこともございまして、最近そういう放送のつくり方が国際間でも非常に慣行的に行われております。ですから、放送を効率的に使うためには今言われたような方向もやっぱり検討して取り入れていく必要がある。しかしながら、あくまでもやっぱり公共放送は聴視料で成り立っているということを忘れないで、そこを基本としてやりなさいというふうな受けとめ方をしております。
○山中郁子君 要するに結論的にはどういうことですか。節度をもって、外部委託もするけれども、だけれどもそれはおのずと公共放送で、受信料ももらっているんだから、やたら何でも経営効率的にだけ考えてやってはいけないよと言われているんだと。しかし、だけれどもある程度は外部委託もやって進めなさいと言っていると――私が何か答弁の代弁しているみたいでぐあいが悪いんですけれども、そういうふうに受けとめているということですか。郵政省、重ねて今の点について。これは文面上は明らかに矛盾しているんですよ。矛盾しているでしょう。そこのところをどういうふうに受けとめていらっしゃるのかということを私は伺いたいわけです。
○政府委員(大瀧泰郎君) 私どもはやはり公共放送としてのNHKというきちんとした節度を守りながら経営の効率化というものを進めていただきたいということでございますので、おのずとその辺は、NHKの業務の行い方といいますか、やり方というものには節度があるんではないかと私は判断しております。
○山中郁子君 あなたの御答弁もちょっとずれるんです。私は、中間報告が言っていることをどういうふうに受けとめていらっしゃるのかということを伺っているんです。あなたが今御答弁なさったように中間報告が言っているというふうに受けとめている、という御答弁だと理解してよろしいのか。
○政府委員(大瀧泰郎君) NHKの業務には多種多様なものがあるわけでございますので、その中には、NHKみずからが行う必要のないものだとか、あるいは民間のノーハウを活用して効率的に実施することが適当なもの、そういうふうな本質的に外部委託になじむものがあるわけでございます。しかしながら、この委託のやり方ということによっては番組の質の低下もあり得るから、そこはないようにしてほしいというふうに私は提言の内容を受けとめているわけでございます。
○山中郁子君 そうすると、もう少し具体的にお答えいただきたいんですけれども、今おっしゃいましたNHKが本来業務として行う必要のないもの、あるいは外部委託になじむもの、これは例えばどういうことを想定されていらっしゃるんですか。今の御答弁の具体的な中身です。
○参考人(青木賢児君) ただいま御指摘の委託業務というものは非常に幅広く実は行われておりまして、六十三年度にNHKが委託業務として支払った総額というものは二百九十二億円に上っておりますけれども、これの内容は極めて複雑多岐でありまして、番組制作に支払っております委託費というのはその中のごくわずか、四十七億円前後でございまして、残りは、NHKのアンテナの保守でありますとかいろいろな放送機器の維持保管、そういったこと、それからNHKで放送する番組の美術、後ろの大道具とか小道具とか、そういうものをつくる仕事、こういうものに五十一億円がかかっておりますけれども、あとNHKの放送を周知する普及事業などにも三十九億円のお金がかかっている、あるいはNHKのビルのメンテナンス、あるいは守衛業務とか、そういった事業にも委託費がかなり使われておりまして、そういったものを総合してNHKが委託しております六十三年度の総額は二百九十二億円ということになっております。
○山中郁子君 そうすると、六十三年の場合で二百九十二億円とおっしゃいましたけれども、そのうちの番組制作は四十七億円であるから、先ほどあちらの方がお答えになりました本来業務としてNHKが行う必要のないもの、あるいは外部委託になじむものというものの中には番組制作は主要な問題としては位置づけられていないというふうに理解してよろしゅうございましょうか。
○参考人(青木賢児君) 私どもは、番組制作にかかわる委託も、NHKの現在の置かれている状況、環境からして極めて重要なものと考えておりまして、委託になじむ番組につきましては、その内容がよりすぐれている、より国際的である、より多様である、NHK本体では実現できないような番組制作につきましてはこれを委託することがこれから必要であるというふうに我々考えておりまして、そのような成果が上がるような関連事業の推進ということを考えております。 特に、現在ではNHKの放送番組というのは、放送に使用するだけではなくて、それの二次、三次利用が可能になっておりまして、これはほかのメディアが発達すればするほどNHKの番組に対するニーズが高まってくる、私どもはこれをメディアの多角的展開あるいはメディアミックスというふうに申し上げておりますが、そういった面で、NHKのソフトを多角的に利用することによってNHKが逆にそれによってまたお金の収入を得ることができる。それによって受信者の負担がその分だけ軽くなるということも現実にはございまして、これからNHKの番組の制作についてはそういった多メディア時代の新しいあり方というのを我々としては模索したい。そのためには、こういった委託の方法、関連事業を十分に活用するということが必要だというふうに考えております。
○山中郁子君 私はここで余り本筋から離れたことを言うつもりはないんですけれども、やっぱりフェアに答弁していただいた方がいいと思うのです。 私は、郵政省の方からの御答弁があって、本来業務として行う必要のないものだとか外部委託になじむものというものがある、そういうことだとおっしゃったから、じゃそういうものは何なのかと言ったら、あなたの方でお答えになったのは、六十三年度の経費を紹介なさって、二百九十二億円のうち番組は四十七億にすぎないんだ、こういう御答弁をなさったんです。番組制作は大したものじゃないんですよ、位置づけてないんですよという趣旨の御答弁を一たんなさったわけです。だから私がそういうことですかと伺うと、今度は、いや番組制作の中でもそういうものはあるんだ、こうおっしゃるんです。 私はそういうのは余りフェアな答弁の仕方じゃないと思うのです。余計な時間を使うだけだから、そういうことは今後もぜひお気をつけてください。私が申し上げている趣旨は十分おわかりのはずなんですから、そういうことをちゃんとストレートにわかるようにというか、持って回った、かわすようなやり方をしないできちんと私が伺ったことについては正面からちゃんと真っすぐ答えていただきたい、これは申し上げておきます。 それで、その外部委託の問題、番組制作の問題に関してですけれども、あなた方もやはり今結局はそういうことだというふうにおっしゃったんですけれども、実態上もかなり番組制作が下請というか外部委託されています。具体的には、NHKエンタープライズ、NHKエデュケーショナル、NHKクリエイティブ、この三つが柱になっているというふうに思いますけれども、これはそれぞれ会社の目的だとか区分、具体的な番組づくりはどんなふうな形で委託がされているのか。それぞれ年に何本つくられているか。一人当たりというのは、お話をいろいろ伺いますと、現場の実情を私どもが調査した結果もありますけれども、NHKではプロデューサーとディレクターと一緒にしてPDというふうに、職責名を何かそんなふうに言っていらっしゃるらしいので、私もそのPDという言葉を使わせていただきますけれども、つまりPD一人当たり一つの番組を何日間でつくると いうことになるのか。これは事前に数字をお示しくださるようにお願いしておりましたので、簡潔にお答えいただければありがたいです。
○参考人(青木賢児君) お答えの仕方が要領悪くて申しわけありませんでした。
○山中郁子君 要領の問題じゃないです。
○参考人(青木賢児君) ただいま御質問がありました、どういった番組をどういう会社に委託しているかということでございますけれども、現在NHKがNHKの放送番組として委託しております外郭団体は、主としてNHKエンタープライズ、NHKエデュケーショナル、NHKクリエイティブ、この三つの会社を中心に委託を行っております。六十三年度におきましては、NHKエンタープライズに四千四百二十八本の番組を委託いたしました。今年度、平成元年度におきましては二千二百七十本の番組を委託しておりますが、この番組は、例えば「きょうの料理」でありますとか「きょうの健康」、あるいは「エルミタージュ」というような特別番組、それからキッシンジャーのインタビュー、「オーディオグラフィック」あるいは「人体」というような番組をエンタープライズに委託しております。 それからNHKエデュケーショナルには主としてNHKの教育番組を中心に千百八十一本、これは今年度でありますが、平成元年度千百八十一本の番組を委託することになっておりまして、これは主として教育的な「日曜美術館」でありますとか「婦人百科」、あるいは「中学生の勉強室」、「英語会話」というような番組を中心に委託を行っております。 それからNHKクリエイティブという会社、これもことし誕生した会社でありますが、今年度五百八十八本の委託を行う予定になっておりますが、「大英博物館」、「北極圏」、「モーニングサテライト」というような大型のメディアミックスのきく番組を中心にここに委託するというふうな計画になっております。
○山中郁子君 PD一人当たり。
○参考人(青木賢児君) PD一人当たりの制作本数でございますか。
○山中郁子君 どのくらい。それと、何日間ぐらいかかることになるのか。
○参考人(青木賢児君) これは番組によって制作のスパンというのが非常にまちまちでございますが、大型番組になりますと大体十人ぐらいの人数で一年とか二年とかいう歳月をかけておりますが、小さな三十分ぐらいの番組になりますと一人のPDが一カ月に三本とか四本とかいうような番組を担当するというふうに、番組一本一本について制作のスパンが変わっておるというのが現実でございます。
○山中郁子君 それは当然そうだと思うので、私の方が事前に聞かせていただきたいと思ってお願いいたしました趣旨は、そうはいっても平均というものが出るでしょうという意味で一人当たり結局何日ぐらいと。それは現実に、一人当たりといっても別に一人でつくるわけじゃありませんけれども、PD一人について、もちろんそのスタッフがあるわけですけれども、本当に短い期間で番組一本つくらなきゃならないような実態があるということも伺っているので、私はそういう趣旨でお尋ねをしたつもりでありますけれども、それは結構です。そういう御用意がなければ、それはまた何らかの形でお調べいただきたいというふうに思っております。 そのことに関して基本的な問題として、いずれにしてもかなりな番組数をこのエンタープライズ、あるいはエデュケーショナル、あるいはクリエイティブに委託しているわけです。これらのことを進めてきている過程で、番組制作条件が向上しているのかどうか。まさに会社の名前はクリエイティブなんですけれども、創作、創造にかかわる仕事をただ効率面だけを重視して、スタッフがコマネズミのように走り回ってとにかくつくればいいというものじゃないということは私が申し上げるまでもないことだと思いますけれども、現状一定のレベルが保たれているとしても、職員、かかわる人々、従事者の苦労というか、そういうものによって支えられているということだとしても、やはりそれは息切れがしてくるということは、これはもう予想せざるを得ない危険な成り行きだと私は考えているんですが、質的水準を維持して、そしてさらに向上させるためにはどんな配慮をされていらっしゃるのか。これは委託番組の量の大きさというものを考えますとどうしても重視しなければならない問題だと思いますので、その辺の御見解をお伺いしたい。
○参考人(青木賢児君) 御指摘のとおり、NHKの番組の質がいささかなりとも低下するということは公共放送としてあってはならないというふうに自覚しております。 冒頭から御指摘のとおり、安易な委託、安易な外注というのが番組をだめにしていったケースはたくさんございますので、この委託に当たっては、よりすぐれた水準の番組を確保する、より多様な性格の新しい内容の番組を開発していくということを我々としては心がけている。NHKの中ではできないようなもっと多様な、あるいは新しいつくり方をこの関連団体の新しい組織の中でやってもらいたいということでお願いをしておるわけでございますけれども、現在、番組制作のためにNHKからおよそ千人前後のNHKのPD経験者が参加しておりますが、そのうちの半分、五百数十人がNHKの現職のプロデューサー、いわゆるPDが出向としてこちらに参加しておるということでございまして、NHKの現場の人たちの能力がこの番組制作には大きく貢献しているというふうに思いますし、また、NHK以外の人たちの能力というのが一体となって、NHKの中では実現しないような新しい多様な番組制作にこれが大いに力を尽くしているというふうに期待しております。 そういう意味で、人材の育成あるいはPDの能力の向上というのが我々の一番大事な点でございますので、こういった職員の研修並びにNHK以外から参加している人たちの能力の向上のために我々は研修も含めてさまざまな角度から人材育成に努力しているというところでございます。 さらに、労働条件につきましては、これもただ効率を上げればいいというものではない。番組というのはやはり人間がつくっていく一種の分身みたいなものでございますので、我々はそういった、もちろん能率のいい効率的な番組制作は考えますけれども、それが本末転倒になってはならないというふうに考えておりまして、この労働条件の確保については、それぞれの会社の経営者に十分配意するように我々は指導をしておるというところでございます。 そういう意味で、一応の我々が期待する水準の番組が現在のところ確保できているというふうに考えております。
○山中郁子君 先ほどNHKから出向という形で五百人のPDが出ているというお話がございまして、私は具体的に、例えばエデュケーショナルでは四十人足らずのPDだというふうに実は伺っているんです。三十六人とか七人とかということを伺いましたけれども、それでほぼ大ざっぱに言って年間二千本の教養教育番組をつくっていると。これを単純に計算しますと一人一本当たり五日で仕上げるという、そういう勘定になるんです。それで実際人手不足で、結局NHKを退職された方にアルバイトというか臨時というか、そういうような形で来てもらって人を集めているとか、そういう実態があるということを訴えられてもいますし、またいろいろ把握もしているんですけれども、そういうことはあるでしょう、どうなんですか。エデュケーショナルの場合にはあなたは先ほどこういう、こういう、こういうものとおっしゃって、主として教養教育番組を委託しているということですけれども、それは三チャンネルに限りませんね。総合テレビの方にも放映されるそういう教養教育番組だと思うんです、相当な数がやはり委託されているようでございますけれども。今私が申し上げました数字がちょっとぐらい違うとか違わないとかという議論をするつもりはありませんの で、見当として現場ではそういう受けとめ方がされているし、それでは、今は一生懸命皆さん方がレベルを維持しようと思ってやっていらしても、息切れして物理的にもそれができなくなって、番組の水準が維持できないという状況になってはまずかろうということを申し上げています。 それから同時に、一緒にお答えいただければ幸いなんですけれども、今労働条件その他についてもというふうにおっしゃいましたけれども、現実には、これはもう再委託だとかアルバイトなどはもちろん、休日出勤、それから残業、こういうものはもうのべつ幕なし当然の状況でもってこうした業務が行われています。これははっきりしています。それで例えば週休二日制といっても、こういう委託会社では週休二日制なんか全然もちろん顧みられてもいない、そういう実態ですが、努力するとおっしゃるのは、それじゃ最低、例えばNHKの職員の方たちが、今それだって不十分ですけれども、休日やなんかについての保障をこういう委託会社においても保障する、そういうような形で努力をなさる、あるいはそういうことを保障なさる、そういう御見解と伺ってよろしいかどうか、お尋ねいたします。
○参考人(島桂次君) 先ほどからの話を聞いておりますと、私がその関連団体をつくり、そこへ番組を発注しているのは、人、物、金につきまして、これはNHKの中ではなかなかできない、そういうものをよりよい労働条件、金の場合でも、例えば一つのものが十円かかるわけです。ところがNHKの番組費の中では十円一時間の番組にかけられない。しかし、それを委託し、できた作品がNHKの放送に放映されるだけではなくて、外国の放送局に使ってもらったり、あるいはこれを印刷して出版物にしたり、そういうことによってNHKの放送費が五円のところを十円でできる。そういうさらに質のいい番組をつくるためにはたくさんの金がかかるわけでございます。ところが、なかなか聴視料の値上げもそれほどありませんし、どんどん上がっていく放送制作費を有効に使うために、しかも労働条件も一部には先生御指摘のように、確かにNHK本体で働いているよりは忙しい人もそれは部分的にはいるかもしれません。しかし、私としてはそれは不本意なことであって、あくまで人間も放送の予算も、それから放送の番組の質もより高くなるような、そういう目的でやったわけでございます。何かどこかの会社に下請に出して、できるだけ下請会社を値切って、それで自分のところでつくるより安くやるというような形でこれをやっているのではございませんから、この辺は少なくとも、今おっしゃったような部分的な労働強化というようなことがあるいはあるかもしれません、担当者によく調べさせますけれども。しかし、あくまで新しい情報化社会の中での、いわゆる今まではNHKの放送番組というのはNHKの放送だけで終わらせていた。これがいろいろの付加価値を持つ、そういう付加価値を十分つけるということは、ひいては受信者の、聴視者の負担を軽くする。しかも質のいい番組が、NHK放送ができるという趣旨で私はこの関連団体の展開というものを基本的には考えたのでございますので、その辺のことは山中先生よく御了解いただきたい、こう考えております。
○山中郁子君 会長のおっしゃろうとしていることは、それはそれで私はわかります。私も別に頭から何の前提もなしにNHKが関連会社に番組委託することが、要するに値切って安上がりの粗悪番組をつくるということを目的としてやっているなどと今まで一度も言ったこともありませんし、今も言っておりません。しかし現実には、会長は今部分的にとおっしゃったけれども、それはかなり普遍的です。 先ほど会長がおっしゃったことを私は大変ありがたいと思いますよ。だから、ぜひその立場から改めて現実にこの三つの会社で働いている人たちの労働条件、そうしたものをもう一度よくお調べになっていただきたい。それで、それはなくすと、労働条件についても、それから人材についても、あるいは番組の質についても決してそれを低めていくようなことはしないと。そういうことだということを今会長が御自分の信念としてやってるんだと、それはそのお立場からちゃんとチェックするとお約束をいただいたわけでございますから、私はぜひそれをやっていただきたい。 私が申し上げたのは、先ほど一つの例として申し上げましたけれども、エデュケーショナルで具体的に伺えば、四十人足らずのNHKの出向のPDの方たちが責任を持って、結局その周りにどういう人たちがいるか、何人がそれぞれいるかということは番組それ自体によっていろいろ違いましょうけれども、平均すれば年間二千からの番組をそれでつくっているというんです。そうしたら、もう一人が数日間でもって平均すれば一つの番組をつくる。そして、しかもそこへ来る人たちはみんなアルバイトだとか、昔NHKに勤めていた人を人が足りないからまた呼んでくるとか、そういう再委託をするとか、そして低賃金で、労働条件も悪くて、残業もひどくて、休日もなくて、こういう週休二日制の時代だというのにそういう実態が現実にあるから私はそれを申し上げている。会長もよくお聞きになっていただきたいんですけれども、私も最初に申し上げましたが、今はNHKから行っていらっしゃるPDの方たちも含めてそういう方たちの本当に大変な努力でひどい質的低下を免れているとしても、そういう状態が続けばいずれ息切れがして、今会長が絶対そういうためにやったんじゃないというふうにおっしゃるけれども、物理的にそうならざるを得ないということ、危険があるんではないかということを私は申し上げているんです。 ですから、今もう私は改めてお約束をいただく必要はないというふうに思っておりますけれども、私がお約束をいただきたかったことは、現実のその実態が、そういうひどい状況があるということを私どもは調査の上確認しておりますけれども、あればそれはもう直すというふうに会長が今お約束なさいましたので、直ちにそうした実情を調査し、NHKの正規の職員であると否とを問わず、その会社の番組をつくるスタッフの人たちのそういうレベルを維持するということをぜひ実現していただきたいというふうに思います。それは今会長からお約束をいただいたというふうに承知してよろしゅうございますね。 それでは、あと端的に幾つかお尋ねをいたします。 娯楽番組やドラマも下請する、外部発注するというふうな話も聞こえてくるんです。それとか、NHKは本来報道番組だけあればいいんだ、こういう意向もあるんだ、そんなようなことがやはり聞こえてくるんです。先ほどの御発言とも関連するんですけれども、いや、そういうことはありませんというふうにおっしゃっていましたけれども、そういうことはないならないで明言していただくと同時に、こういうことが何で聞こえてくるのか。NHKの内部から聞こえてくるんですよ。そうすると内部にもやっぱりそういう意見もあるということなのかどうか、教えていただければ幸いです。
○参考人(遠藤利男君) 山中先生の御質問の件でございますが、どういう番組をどういう趣旨で委託するかということは、先ほど会長からも申し上げましたように、単に効率的に聴視料を使わせていただくということだけではなくて、番組の質とか番組の多様性とかあるいは制作形態の多様性とか、そういうことをもっと公共放送として多様に展開したいということでございます。そういう意味から申しますと、現在も既にドラマの一部は関連団体に委託しておりますけれども、ドラマを中心とした娯楽番組、これからもっと多様な番組のつくり方あるいは内容、質の向上ということを目指して委託するということもあり得ると思うのです。 それからもう一つ、報道番組でございますけれども、ニュースあるいは報道に関することは、これは公共放送として一番中核的なことでございます。しかも政治的に中立であり公平であるという使命をNHKとしては負っております。これは非 常に難しい番組のつくり方をしていくところでございますので、これに関しては私どもは委託するというふうな考え方はございません。
○山中郁子君 私が質問したのは、NHKの内部にも、NHKは報道はやる、だけれども、あとは娯楽番組も、今ドラマも一部とおっしゃいましたけれども、大部分は下請になっていませんね、外部発注していないでしょう。今後どんどん発注は外部へ広げていく、それで報道だけはやっぱりNHK本体でやりますよと。今の御答弁はそういうことがあるというふうに受け取ってよろしいんですか。
○参考人(島桂次君) NHKも多種多様な番組を提供する公共放送として義務があるわけでございますから、決して報道番組だけつくればいいというものではございません。あらゆる分野について質のいい番組をできるだけ視聴者の負担を軽くしてつくるということになると思います。 念のために申し上げておきますけれども、我々は、いわゆる報道番組だけやっていればいいとか、芸能番組は外注してもいいとか、あるいは報道以外の番組は何か価値が低いとか、やる必要がないというような考え方は一切持っていないわけでございます。ただ、なぜ報道だけそれじゃ外注しないのかという話になると思いますけれども、やはり報道というのは、これはなかなか統一的な共通項というものを一人の編集責任者のもとでやりませんと非常に難しい実態があるわけです。 それと、さらに公正さというか、こういうものについての必要性というのが非常に高い。これは先生も御存じのとおりだと思うのですけれども、そういうもので、これがいろいろの形でばらばらになるということは非常にNHK報道の全体像というものを損なう場合もあるかと思いますので、そういう性格上、今のところ少なくとも外注したりなんかするということは考えておりません、こういう方針をとっているわけでございます。
○山中郁子君 少なくとも報道番組を外注に出すという考えはないということだけはわかりました。 しかし、今ドラマとか娯楽番組とか、その他多様な番組が確かにあって、それは今後どういうふうに外注に出していくかという問題点は、先ほど一番最初に私も指摘いたしました中間報告の中の矛盾している部分と、あなた方が受けとめていらっしゃる節度のある部分だと、こうおっしゃるものと微妙に関連して、やはり視聴者の利益とかニーズ、そういうものにかなりシビアに絡んでくる問題だというふうに私は考えますので、その点については、きょうはもう時間が限られておりましてこれ以上深められませんので、次の機会にそのことについてはさせていただきます。 私に与えられた時間があとわずかになりましたので、お願いをしておいたすべてのことについて触れられません。したがいまして、最後に、これはもう毎回申し上げておりますけれども、予算委員会の理事会でも改善を要望してきたという経過があるということも申し上げてきているところですけれども、予算委員会を中心とする国会中継、この国会中継のあり方を改善してほしいという問題についてであります。 予算委員会の代表質問のテレビ中継などは、確かに国民の知る権利にこたえて国民の政治参加を進める上で大きな役割を実際に果たしています。また、そういう目的のためにNHKもそのように扱っていらっしゃるということは再々伺っているところで、当然のことで、私どもがかねてから要求してきたところです。 しかし、これも何回も申し上げておりますけれども、一九八七年以前においては一部の中継が深夜に至るという、通常的な生活パターンを送っている人たちにとってはとても視聴が困難だ、不可能だという異常な事態が頻発していました。そして、このような事態の改善方を私どもは重ね重ね何回も委員会においても、また委員会だけじゃなくて直接NHKにも要望もし、要求もしてまいりました。今年度のNHKの予算の審議の際の逓信委員会におきましても私はこのことを申し上げましたところ、当時副会長でいらっしゃったと思いますが、島会長からも、解決するべく検討したいという趣旨の御答弁があったと記憶しておりますので、ぜひどのような検討がされ、どのような解決の見通しがあるのかということを伺いたいし、何とかして今後ともこういう事態は起こらないということをNHKのサイドから、予算委員会の運営がどうあるかということはそれはまた別な問題ですから、そういうことがないように保証する、そういうお約束をいただきたい。これが私の最後の質問でございますけれども、いかがでございましょう。
○参考人(遠藤利男君) ただいま御指摘の件でございますが、当時副会長でありました現島会長がそのときお答えしましたように、私どももいろいろ工夫をし、努力をしてまいっております。ただ、現在まで総合テレビの時間の使い方あるいは教育テレビの時間の使い方につきましては、国民、視聴者の皆さん方のかなりいろいろな御要望、ニーズもございます。それとの兼ね合わせの中で編成形態を決めて私どもの判断で編成させていただいているわけですが、その後の努力の中で、まずは衛星第二放送あるいは第一放送で、できる限り総合テレビで放送できないところを同時で中継するということをやらせていただいてまいっております。 例えば四月十一日の衆議院予算委員会につきましては、総合テレビでは十一時五十五分にいつものように終わらせていただいておりますが、その後零時三十四分までBSの第二放送で同時に放送させていただいておりますし、五月十一日の参議院の予算委員会も十一時五十五分から、これは二分間こぼれましたが、衛星第二放送で放送させていただく、その他いろいろございますけれども、そういうような放送で工夫させていただいております。
○山中郁子君 委員長、一言だけ。 私は、今の御答弁が努力という言葉のカテゴリーの中にいささかも入らないと言うつもりはありません。しかし、衛星放送というのは今どういう状況にあるかということを客観的に考えれば、この問題が、つまり政治参加を進めるという上で多くの国民が、視聴者がそれを享受することができるようでないのが問題なんだといって、だから夜中にやるなんというのは困るじゃないかということと衛星放送でやるということと、どういうことかということは、私が言わんとしていることはおのずと皆さんおわかりだと思います。ですから私が申し上げるのは、今の衛星放送の普及の段階で、そういう段階で多くの国民が知る権利を保障されるということは皆さん方もゆめ思われていらっしゃらないと思いますので、私は、そのことは努力のうちに入らないとは申し上げないけれども、もっと抜本的な保証のお約束がいただきたいところであるということを重ねて強調いたしまして終わります。
○足立良平君 まず第一点目にお聞きをいたしたいと思いますのは、六十一年度のNHKの決算の内容についてでございますけれども、予算上、事業収支均衡になっていたわけでございますけれども、改善をされまして事業収支差金が五十八億円ということに相なっているわけでございまして、収入面あるいはまた支出面、それぞれNHK側におきましても努力をされているというふうに判断をいたしていたところでございます。そのうち、受信料収入が十億六千万円の増収というふうに認識をいたしているわけでございますけれども、その要因について一体どういうものであるのかということがまず一点目でございます。 そして経営効率化の推進につきまして、経費の節減というものにつきまして一体具体的にどういう点が経費の節減として努力をされたのかということをまず明らかにしていただきたい、このように思います。
○参考人(尾畑雅美君) 先生御指摘のように、協会挙げまして有料視聴者の増加に努めました。その結果、目標の四十三万件を上回る四十四万二千件を達成いたしました。それが一番収入増の大き な要因であります。 一方、この年から衛星放送の二チャンネル化をいたしまして、その要員の増を見込んだわけでありますけれども、その予定をかなり下回らした、かなり効率的な要員運用にしたということもありますし、一方では組織の見直し、例えば地方の通信部の統廃合なんかも進めましたし、それから節減を徹底いたしまして、五十九年―六十一年の最終の年度であるのでこれは全国に徹底いたしまして、出張旅費とか印刷代とかそういうところまで切り込んだ結果、このような予算の当初の目的に対して改善を見たということでございます。
○足立良平君 さらにその上につきまして、昭和五十九年から六十一年度の三カ年に関しましては約二百二十億円の収支改善を果たしてきているというふうに考えているところでございますけれども、問題は、六十二年度以降、相当収支というものが逼迫してきている、このように判断をいたしているわけであります。特に元年度におきましては土地の売却収入を除きますと予算上三百九十八億円、約四百億円の収支不足を見込んでいる、このように思っているわけでございますけれども、六十二年度以降に特に収支が急激に悪化をしてきておるその具体的な要因、あるいはまた数字等をもちまして具体的にひとつ説明を願いたい、このように思います。
○参考人(尾畑雅美君) 先生御案内のように、NHKは五十九年から三カ年計画で長期計画を立てまして、それが過ぎて三年経過しておりまして、今は長期計画はない状態になっております。ですから、五十九年から三カ年の計画で収支相整うということでありましたけれども、その後受信料の改善もやっておりませんので、私どもの努力といたしましては、要員の効率化を進める一方、五十八年度から番組の単価も上げておりません。それから一般の経費につきましてもマイナスシーリング五%ということを継続しておりまして、それでも間に合いませんので放送所の売却等で埋めながらしのいでいるという現状でございます。
○足立良平君 本年三月のNHKの予算の承認に当たりまして附帯決議がなされていることは御案内のとおりであります。「協会は、厳しい経営環境にかんがみ、事業運営と営業活動の効率化を一層積極的に推進するとともに、ニューメディア時代における公共放送としての役割を踏まえ、長期的視野に立った計画的な経営方策を早急に策定すること。という附帯決議でございます。この附帯決議に従って私はお聞きをいたしたいというように思うわけでありますけれども、第一点目は、効率化の一層の推進と長期的視野に立った計画的な経営方策の策定、こういう課題につきまして、現在の具体的な進捗状況についてまず第一点目お聞きをいたしたい、このように思うわけであります。 そして第二点目といたしまして、平成元年度も半ばを過ぎたわけでございますけれども、本年度の予算の執行状況についてお聞きをいたしたい、このように思います。 そしてそれを踏まえまして、第三点目でございますけれども、来年度の予算編成方針、先ほど来一応個々の問題につきましては若干議論が出ているところでございますけれども、来年度の予算の編成方針につきまして第三点目ひとつお聞きをしておきたい。 そして第四点目でございますけれども、昨年の十二月でございますけれども、郵政省の放送行政局長の私的懇談会といたしまして、放送の公共性に関する調査研究会の中間報告がなされているわけでございますけれども、この中におきましてNHKの経営につきまして、「より長期的視野に立った計画的な経営を可能とするような制度的検討も行う必要がある」、このように提言をされているわけでございまして、現在の検討状況あるいはその方向性につきまして、これは郵政省の側からひとつお答えを願いたい、このように思います。
○参考人(尾畑雅美君) 先生御指摘のように、平成元年度のNHKの予算を当委員会に審議、議了されるに当たりまして附帯決議をいただきました。その中で、こういう難しい時代にあっても長期を見越した計画をみずから策定して事業を進めるようにということをいただきましたので、私どもといたしましては一万五千人全員の、これはNHK始まって以来ぐらいの熱心な討議を経まして、その後国民の各界各層を代表する十八人の先生方による長期計画審議会で今議論を進めていただいております。 進行状況といいますと、ことしの暮れまでに何とかまとめて会長のもとに御提言いただきたいということでやっているわけでありますけれども、やはり最大の問題は、多メディア時代ということで映像がいろいろな形で見れる時代にありまして新しい公共放送の長期計画というものを立てるのは非常に難しい、そこのところに一番論議が集中しております。しかしながら、今一生懸命やっていただいている最中でありますので、それをいただきましたら私どものところでできるだけ速やかにまとめて郵政省、先生方のところに御相談したいということでございます。 それから平成元年度の予算の執行状況でありますけれども、御存じのように放送ソフトというのは世界的に見ても年々高騰しておりまして、放送事業というのはなかなか難しゅうございます。しかしながら、私どもは極めて厳しい財政状況の中にありましても、聴視料で賄っている企業でありますので、節約を旨として今執行しておる最中でありまして、まずおおむね順調な執行状況で推移しております。 来年度の方針につきましては、長期計画の計画が策定されまして、NHKの今後の長期の事業範囲がこのぐらいということが定まりましたらなば、これに基づいて編成作業を進めていきたいというふうに考えております。
○政府委員(大瀧泰郎君) 放送の公共性に関する調査研究会から昨年の十二月に中間報告をいただいたわけでございます。その中では、保有するメディアを見直すことであるとか、あるいは衛星放送、国際放送の財源のあり方を検討することとか、あるいは関連団体による事業展開のあり方を検討すること等、提言がなされているわけでございます。またさらに、長期的な計画の策定というものも、このNHKの年度ごとの収支予算、事業計画等の策定の指針として十分に活用するように、そういうような御報告をいただいているわけでございます。 そこで、私どもはこれらの報告を受けまして、関連団体による事業展開が適正に行えるように監事が子会社を調査できるようにすることとか、あるいは業務委託はNHKみずから定めた基準により行うようにすること等の内容の放送法の改正を実現していただいたわけであります。さらにまた、衛星放送の受信料に関しましても、国会の御承認を得て本年の八月から導入されているわけでございます。また、この財政問題の改善のための方策に関しましては、引き続きこの研究会報告やNHKみずからの検討結果、その他国民の意見を十分に踏まえまして慎重に検討してまいりたいと思っております。
○足立良平君 次に、衛星放送に関しましてちょっと質問をさせていただきたい、このように思います。 先ほど来これは議論をされているわけでございますけれども、この受信者契約につきましては、目標がまだ未達の状況にあるという実態の上に立ちまして、NHKは、本年の七月でございましたか衛星放送につきましてのアンケート調査をされた、このように伺っているわけであります。その内容をちょっと拝見いたしますと、見たい番組が多いかどうかということにつきましては、半数の人が見たい番組が多いとは思っていない。そして番組に満足をしているかどうかにつきましては、半数以上が満足をしているとはいうものの不満に思っておる人もかなり多い。こういうふうな結果が出ているようでございます。 さきに鶴岡委員からもこの調査結果と番組編成問題につきまして質問があったところでございますけれども、このようなアンケート調査結果につ きましてNHKとしては一体どのような見解を持っておられるのか、そして番組面での工夫など、この結果をどのように今後生かそうとされているのか、この点につきましてお聞きをいたしたいと思います。
○参考人(遠藤利男君) 先生御指摘のように、確かに六月の衛星放送を持っている方々の世帯を対象にしました調査によりますとそういう数字が出ております。ただし、六月はまだ本格放送を始めたばかりでございまして、さらに七月には充実し、八月にはまた一層充実し、十月にはまた充実してまいっております。そういうことでは、八月からは例えば衛星第二放送では夜十時から映画を見られますよというようなことを行いまして、十月からは完全に年末まで百本映画を連続上映するというようなことをしてまいっております。そういうことで多くの方々が今衛星放送に注目してくださり、衛星放送をごらんになっている方々もかなり前の調査とは違う満足度を味わっていただけるということになってきているのではないかと思っております。 ただ、私どもこの衛星放送の使い方についてはまだまだ工夫する余地があると思っております。来年の四月に向けて、また衛星第一放送も含めまして番組の充実をしたいと思いますし、それ以後も続けて視聴者の皆さん方のニーズを伺いながら番組の充実を図っていきたいと思っております。
○足立良平君 次に、BS2bの問題につきましては、これは午前中からもいろんな議論がされたところでございますけれども、トラブルの原因、あるいは究明結果と現在の運用状況、若干トラブルが直った、故障が直ったとかいろんなことを聞くわけでございますけれども、そういう運用状況につきまして、一体どういう状況になっているのかということをまずお聞きしておきたい、このように思います。そして、復旧したという話を今聞いているわけでございますが、その間の事情につきましてもお聞きをいたしたいと思いますし、今後の信頼性の問題についてどのように郵政省そしてNHKは認識されているのか、この点をまず第一点目お聞きいたしたい、このように思うわけであります。 2Xの打ち上げの問題等につきましては、これまた議論がされているところでございますが、いわゆる補完期間がますます短くなってきているという実態はやはり私も極めて問題であるというふうに認識をいたしているところでございますし、さらにまた、この2Xの役目、終わった段階におきましてのその後の利用の見通しというものもこれまた立っていないということにつきましても、既に議論されておりますので重複を避けますけれども、私自身もやはりこれは問題点であるというふうに認識をしているというふうに申し上げておきたいと思います。 その上で、BS3では三チャンネル全部の利用が決定をしているようでございますけれども、平成九年度打ち上げ予定のBS4につきまして、我が国に割り当てられておる八チャンネルにつきましては利用先は未定である。仮にこのBS3の放送を継続させたといたしましても、五チャンネルが実は残っているのではないか、このように思うわけでございます。したがいまして、このBS4の活用方法について今後どういうふうに考えておられるのかということをまずお聞きいたしたいと思います。例えばアメリカにおきましては、PBSあるいはまた国会放送のような公共性の高いものに活用していくというふうなことですが、残っているチャンネルにつきましての活用方法につきまして郵政省の方にその考え方をひとつお聞きしておきたい、こう思います。
○政府委員(中村泰三君) 最初に、BS2bの故障の関係についてでありますが、昨年十一月十九日に衛星各部の温度データでありますとか機器の電圧、電流等、いわゆる衛星の状態を地上に送信しておりますテレメトリーデータの一部が欠落をするというふぐあいが発生していたわけでありますが、本年十一月九日に自然回復をしまして、テレメトリーデータの全項目が取得可能となっております。また、ことしの九月二十一日に、現在送信されておりますテレメトリーデータの一部につきまして、データの最下位ビットが正しく送信をされてこなくなるというふぐあいが発生しておりますが、この原因につきましては現在宇宙開発委員会の第四部会において究明中であります。しかし、現在のところ衛星の運用を行うために必要な精度は得られております関係上、衛星放送の安定運用には特に支障がないものと考えております。
○参考人(尾畑雅美君) BS2bの安定性についてでございますが、今郵政省の方からの御見解と同じでございます。 私どもは、2aのいろんな失敗を2bに生かしていただいたということで、少なくとも2aで経験した不安定要素は2bではほとんど解消しているというように理解をしております。 ただいま御説明がありましたテレメトリーの部分については、なお今後も引き続き監視を十分やっていくというようなことで安定運用が可能だろうという見通しをただいま持っておるところでございます。
○政府委員(大瀧泰郎君) BS2Xに関しましては、できるだけ早期に打ち上げられるように私どもも祈っているわけでございますが、BS3の後継機でありますBS4の問題でございますけれども、これは先生御指摘のように八チャンネル全部を利用してやっていこうじゃないかという構想が出されております。これは衛星放送の将来展望に関する研究会において提言がされているわけでございます。私どももその提言を参考にいたしまして、今後の衛星放送の動向等を見きわめつつ具体的な利用方法について検討してまいりたい、このように考えておるわけでございます。 それから国会中継専門放送局に関する御質問でございますが、これに関しましては、国会からの御要請があるならばCATVあるいは通信衛星の利用の可能性などいろいろな方法を検討いたしまして、その制度面での諸課題等について幅広く検討してまいりたい、このように考えております。
○足立良平君 多チャンネル化の進展の中で、この電波の有限希少性と申しますか、そういうものが緩和傾向にあるというふうに考えているわけでございまして、その社会的な影響力につきましても、この電気通信メディアやいわゆる活字メディアとの関係から相対的に低下をする状況にあるというふうに考えているところでございます。したがいまして、表現の自由を保障した憲法二十一条の趣旨に照らしましても放送への規制を緩和する方向で検討すべきではないか、このように私は今思っておるところでございます。 ちょうどイギリスにおきましても、政府はBBCを含めました放送制度に対して消費者主権による市場原理に基づきました自由競争体制が望ましいのではないか、こういう姿勢を示しているようでございますし、そういう状況の上に立ちまして、この衛星放送の開始によりましてNHKは二つのチャンネルを新たに獲得してきた。そして、これはもう午前中も議論をされたところでございますけれども、一つのメディアが余りにも大きく巨大化し過ぎるということにつきましても、言論の多元性の確保という面からこの理念に反するのではなかろうか、このようにも考えたりいたしているところでございます。 このようないろんな観点から、これは永田委員からも指摘をされているわけでございますけれども、メディアの見直しの問題等については早急に検討するという回答を得たことを承知の上で再度私がお聞きをいたしたいと思いますのは、今後のNHKの存在の意義というものをそういう観点からもう一度お聞かせ願いたい。そして、その役割及びその事業規模あるいは業務範囲のあり方等につきましてどのようにお考えになっているのか、再度お聞きをいたしたいと思います。
○参考人(尾畑雅美君) 今先生から貴重な御指摘をいただきました。 多チャンネルという方向は、我々に寄せられている限りでも非常に多様な文化、情報の発信を求められておりまして、国民各界各層からの要望と いうのは実に多岐にわたっております。そういうことにNHKがこたえるのは当然でありますけれども、私どもの審議及び長期計画審議会での協議でも、NHKがどの程度の事業範囲を持てばいいのかというのは、国民の負担もありますし、先ほど申しましたように民放との共存共栄ということもありますし、あるべき姿というものはかなりそういった面を重大に考えながら検討していく必要があるだろうと思っております。 しかし、その中で存在意義というものは、それはいろいろな情報がはんらんする中で本当に信頼できる、事実に基づく報道ですとかそういうものは、最後はやっぱり求められる方に帰ってくるんじゃないか、戻ってくるんじゃないだろうか。 それともう一つは、世界一の長寿社会になりまして、生涯教育というものはもっともっと多様にNHKから展開すべきじゃないだろうか。それから娯楽についても、健全な形の娯楽は、これはいつまでも必要なんじゃないだろうかというようなことをいただいておりますので、多チャンネル化のNHKの公共放送のあり方、サービスのあり方につきましては、そういったことを全部考慮しながらひとつ審議会で御意見いただいて、私どもの方でもまとめていきたいというふうに考えております。
○足立良平君 同じ質問につきまして、郵政省としては一体どういうようにお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(大瀧泰郎君) NHKは、公共放送として放送の全国普及、豊かでよい番組を通じた我が国の文化水準の向上への寄与、さらには放送番組や放送技術の面における先導的な役割、国際放送の実施というような基本的な使命を持っているわけでございます。このような使命を果たすために、NHKはテレビが四波、ラジオ三波など多数の放送メディアを持っているわけでございます。 一方、民間放送の発展であるとかNHK自身の厳しい経営状況等もありまして、NHKの保有すべきメディアのあり方に関しましては、先ほども申し上げましたとおり、放送の公共性に関する調査研究会の中間報告においてもその見直しの必要性が指摘されているところでございます。言論の多元性の確保という御指摘、これも十分に考えなければなりません。 郵政省におきましても、衛星放送の本格化時代に向けまして、NHKのいわゆる事業規模、業務範囲について慎重に検討してまいりたいと考えております。
○足立良平君 次に、受信料の収納の関係につきましてお聞きをしておきたい、このように思います。 受信料の収納につきましては、未契約を減らしていく、あるいは契約収納経費を圧縮していく、そういう観点でこれも既に議論が出ているところでございますけれども、昨年来、新営業構想というものを実施されたというふうに承知いたしているわけでございますが、その中で、口座振替の増加にNHKとしても努力をされているという実績を承知いたした上でお聞きいたしたいと思うのであります。この収納関係経費が受信料収入の増加とほぼ同様の割合で実際的には増加をしてきているということになりますと、口座振替ということになりますと相当収納経費というものは削減されてくるだろうというふうに一般的に考えられるわけでございますが、そういう点がほとんど同様の比率で増加をしているということにつきまして、若干これと矛盾しているんではないか、こんな感じを受けるのでありますが、その点につきまして実態をお知らせ願いたいと思います。
○参考人(高橋雄亮君) お尋ねの、口座がふえている割には収納経費がそれほど下がらないじゃないかということでございますが、実は、口座は確かに七三%普及しておりますが、NHKが契約している全体の中でなお八百三十万を超える訪問集金ということがございます。私どもは、職員一人当たり委託さん一・四人、そして委託さん一人当たり約一万世帯、これを一つの単位といたしまして、そこの受信者の収納ということを口座も含めてやっておるわけでございますが、口座がふえればふえるほどその地域において訪問集金をして御家庭を訪ねて契約収納する方々は点在的になるわけでございまして、非常に能率が悪くなってくるという一つの側面がございます。 それと、最近では単身者がふえているとか、共働きの方がふえておるとか、そういうような方たちがふえまして、なかなか面接して御契約どおりお金をいただくということも難しくなってきておる。そういうことで、ある程度人的な力によって収納せざるを得ないというのがございます。 しかし、それはそれとしまして、私どもは新営業構想で申し上げているように、受信料の増加を件数にしますと約四十二、三万ずつですが、契約者を毎年ふやしつつ、そして収納コストも当初の六十二年の一八・七%を五年後には一五%台にしたいということで努力しておりまして、六十三年度においては一八・四%まで下げました。平成元年度は、衛星放送という新しい仕事が入ってまいりましたけれども、さらに努力して一八・一%まで下げたいということで現在対応しておるということでございます。
○足立良平君 次に、放送権料につきまして二点ほどお聞きをいたしておきたい、このように思います。 その第一点目でございますけれども、経費がNHKでこのように増加をいたしておりますのは、いろんな要因がたくさんあるわけでございますが、放送権料の高額化も一つの要因ではないか、このように実は考えているところでございます。例えばオリンピックの放送権料は年々上昇してきているわけでございまして、バルセロナ・オリンピックにおきましては日本円で八十億円以上というふうに承知をいたしておるところでございます。スポーツ放送権料が全体として高騰していく傾向にあるわけでございますが、その理由についてまず第一点目お聞きをいたしておきたい、このように思います。 第二点目といたしまして、この放送権料の高額化を抑制していくという方法は一体どういう方法があるんだろうかということをもしHNKの方でお考えがあればひとつお聞きいたしたいと思うわけであります。オリンピックにおきましても、モントリオール大会以後、NHKと民放とで共同して放送権を取得していく、こういうふうな方法も採用しているようでございますし、他のスポーツ放送権につきましても、NHK単独で交渉するのではなしに、先ほども議論がありましたけれども、公共放送と民放放送との共存という観点から共同で交渉していくというようなことも考えられないか、この点につきましてもひとつお聞きをいたしたい、こう思います。
○参考人(島桂次君) 放送権料の高騰という問題は、これは午前中からいろいろお話ししておりますように、情報化社会は多メディア時代でございますから、言うならば需要がどんどんふえてくるわけです。したがって、これはスポーツに限らず、あらゆる放送権料というものがどんどん幾何級数的に高くなってきているわけでございます。 オリンピックに関しましても、十数年私がNHKとそれから全民放を代表いたしまして交渉をやってまいったわけでございますけれども、現にバルセロナ・オリンピックに対しましても、一億ドルぐらい要求してきたわけでございますけれども、二年間にわたって、日本が最後になったわけでございますけれども、値切りに値切ってようやくこういう御指摘のような金額になったということでございます。参考のために申しますと、ヨーロッパの場合なんかは、ソウル大会の五倍近い八千六百万ドルというような、実質的には一億ドルに近い形にまでなった。ヨーロッパというのはEBUがヨーロッパ全域を放送するわけでございます。 そういうふうに年々高くなる。これを防ぐ方法があるか、これははっきり言って全くございません。この際私として言いたいのは、このままほっておきますと、これは全世界の放送界が大変なことになりますので、やはりこれは日本なら日本と いう、我々NHKあるいは民間放送その他すべての放送関係者がかなり世界的な何か機構の中に加わって、もっと強く、我々放送局同士がよほど団結しませんと、これはもうとても防げないという実感がございますので、非常に頭に痛い問題として残っておるわけでございます。
○足立良平君 時間も余りないようでございますから最後に一点だけお聞きをいたしておきたい、このように思います。 教育テレビの視聴率の関係についてでございますけれども、このNHKの教育テレビにつきまして昨年十一月にも世論調査が行われたようでございますけれども、教育テレビの視聴状況あるいはまた視聴者の評価について、どのようになっているのか、この点まず一点目お聞きをいたしたい、こう思います。 第二点目でございますけれども、教育テレビの視聴率の問題でございます。NHKの世論調査所が本年の六月に発表いたしているわけでございますが、視聴率の調査結果表によりますと、〇・〇%、これはひょっとするとさらに若干出てくるのでありましょうけれども、〇・〇%の視聴率という番組がかなりあるように承知をいたしているところでございます。〇・〇というのは、全く見ている人はいないということではないかもしれませんけれども、こういうふうな実態についてNHKとして一体どのように考えておられるのか、あるいはまた番組編成上の工夫というものは検討されているのか、これを最後にお聞きいたしておきたい、こう思います。
○参考人(遠藤利男君) 先生御指摘の教育テレビの視聴状況の点でございますが、視聴率調査というものと、もう一つには教育テレビの視聴状況の調査というものと私ども二つやっております。 視聴率というのは、これは総合テレビの調査をするときに同時に調査をしているわけでございますが、先生御指摘のように〇・〇%の番組もたくさんありますが、例えば「お母さんと一緒」とか「きょうの料理」とか、そのほか「将棋の時間」というように一・五%とかそういう数字が出てまいっておる番組もたくさんございます。 一方、視聴状況の調査でございますけれども、例えば教育テレビでいつも見ている番組があるという人は、十六歳以上の国民の二三%の人が見ているという御返事をいただいております。時々でも見る、そういう番組があるというお答えの方を含めると四二%に達するわけでございまして、これは約四千万人の方に上るということでございます。同じような調査の中で、教育テレビが日本文化に大きな役割を果たしてきたというふうに答えてくださった方は四〇%ぐらいにわたっております。 そういうことで、教育テレビというのは総合テレビと調査と同時に行うような調査では数字になかなか出にくいところがございますが、私どもは、国民の生活の中で重要な役割を果たしてきているんではないかというふうに考えております。 また、〇%の番組でございましても、それには例えば語学講座がございます。この語学講座というものも、実際はテキストを売ってそれと一緒に見ていただくということをやっておりますが、そのテキストはいろいろな分野がございますけれども、かなりの部数のテキストが売れているということから考えますと、〇・〇%の数字の中でもきちっと教育テレビの語学番組を見てくださっている方がいらっしゃるのではないかというふうに思っております。 私ども、今後の工夫でございますが、教育テレビというものは、一つはもっと皆さんの生活の中に定着するように、どんな放送をしているかわかっていただきたい。それからもう一つは生涯教育ということで、学校放送も含めまして、これから生涯教育の時代と言われておりますけれども、生涯を通じて皆さんが生き生きと生きていただく、そのために学んでいただくというような番組をもっと積極的に編成し、制作していきたいというふうに思っております。 ─────────────
○委員長(青木薪次君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として猪熊重二君が選任されました。 ─────────────
○平野清君 以前、国会はNHKの六十一年度決算をまだ審議してないのかとおしかりになった方がいらっしゃいますけれども、もう間もなく採決が行われると思うので、大臣初め会長さん、大変長いこと御苦労さまでございますが、最後の質問者なものでもうしばらくの間おつき合いのほどお願いしたいと思います。 まず、島会長さんにお伺いしたいのですが、今度新しく会長になられてちょうど六カ月おたちになったと思うんです。今まで会長になる前も実質的にはNHKのドンということで実力を内外に知られていたわけでございますけれども、実際に会長の座につかれて、思ったとおり局が動き出しているのか、そういう意味で一番痛感されている点はどういう点なのか、お伺いしたいと思います。 ある民放に転出したァナがある雑誌で、NHKの水に合う人はいないんじゃないか、合う人は怠け者ですよと言っているんですが、これは長い間お世話になったNHKを出た人が言う言葉じゃないと私自身は思いますけれども、そういうふうに思う人がいないとは限らない。NHKの体質の中にそういうものがあるやもしれません。島会長、半年たたれた御心境と、今一番痛感されている点をまずお伺いいたします。
○参考人(島桂次君) 今平野先生に半年たったなと言われて、そうか、もう半年たったのかというのが私の実感でございまして、まさに朝晩NHKの仕事に明け暮れておるわけでございますけれども、そもそも私は会長なんという器じゃなくて、本当は会長を補佐する立場でこそ私の真価が一番出るというふうに、私の生活信条としてやってまいったわけでございますけれども、いろいろの事情がございましてハプニング的に会長を仰せつかりました。仰せつかりました以上は全力を挙げてやっているつもりでございますけれども、午前中からいろいろ議論の中でも出ましたように、何せまさにNHKにとっては愛宕山でラジオを始めた大正末期以来初めてと言っていいくらい大きな変革期を迎えたわけでございます。これが仮に十年前に私が会長になっていたら、ある程度左うちわの面もあったんでしょうけれども、今やこのニューメディア時代、新しい情報化社会の中で公共放送が生き残るために一体どうしたらいいのか、本当にいても立ってもたまらないような毎日が続いております。 今、辞めた方が怠け者が云々というような話がございましたけれども、これは確かにNHKに今までそういう傾向がなかったとは言いません。一部の者にそういう空気が現在も残っております。しかし、今やこの一万五千人が火の玉になってやっていっても果たして公共放送として引き続いてやっていいという国民のいわゆる信頼感というものが得られるかどうか、まさに正念場に入ってきたという感じでおります。
○平野清君 会長の御心境、よくわかります。一生懸命ともう心血を注いでNHK再建に努力をされているわけです。されればされるほど外部からは「巨大化・営利化へひた走る雪だるまメディア NHK」、こういうようにでかでかと出た新聞も出るわけです。その反面、NHKとしては、これに反論する材料というのはお持ちじゃないわけです。そういう点では極めて損だと思うのです。 例えば、実務畑から会長になられた島会長として、じゃこの際〇・〇五%しか聴取率がない第二ラジオ放送を思い切って切るとか、経費的には大したことはないと思いますけれども、そういうような、圧力とまでは言いませんけれども、巨大化に対するそういう波に対する一つのNHKの方針なりをぱちっと打ち出されるときが来ているんじゃないか。もう何とか審議会の答申を持っている、五カ年計画の間に何かしましょうと言っている時代じゃないような気がするんです。そういう点で会長としてはどういうふうに思われている のか。 それからもう一つ。会長が以前ある雑誌で衛星放送の実施には私は極めて消極的だったんだがというような御発言をしたのを私読んだことがあるんですが、衛星放送がいよいよ八月から有料化されて、会長の立場に立たれて、今衛星放送が思ったほど伸びていない現状を踏まえて、そのときの立場と今の会長としての立場を御説明いただけますか。
○参考人(島桂次君) ただいま御質問にあったように、我々はこの情報化社会、多メディア時代の中で新しい公共放送を新しく構築するために、一体適正規模がどういうものであるか、これはやがて私は私なりに組織の総意を受けて決断して皆さん方にお諮りしなければならない時期が近い時期に来ているということはわかっております。 御存じのように、目まぐるしいこの放送をめぐるいろいろの環境の変化といいますか、放送技術の革新的な発展というものは、まさにこの数年間物すごい勢いで変わってきている。したがって、これから先、三年、五年、十年後を見通すということはなかなか難しい条件もございます。しかし、そういう難しい時期であればあるほど慎重に、NHK局内の職員はもちろん、広く国民の皆さん方のNHKに対する考え方を聞いた上でやりたいと。そのためにも平岩さんを座長とする外部の有識者の意見も今聞いている段階でございます。いずれ五カ年計画を明らかにする際には、大体五年間のNHKの青写真を描かなきゃいけませんし、その際には何らかそういう意味での決断をしなきゃいかぬという時期は、そんなに一年も二年もほうっておくわけにいかぬという感じが今のところしております。 それから後段、衛星放送についておまえは消極的だったのに今こういうふうに始まって矛盾はないかというお話でございますけれども、実は、この衛星放送が難視解消でスタートしまして、二年半ばかり前でしたか、これでモアサービス、いわゆる新しい波を一つつくるということをNHKは始めたわけでございますけれども、その際に、今でも思い出しますけれども、私は当時の川原会長に対して、一つのチャンネルを新しくつくるということがいかに大変なことかと。ちょうどNHKでも、昭和三十四、五年に総合テレビとは別に教育テレビというものをつくったわけでございます。そのとき私どもの先輩の経営者は何と三千人の大学卒業者を採用したわけです、そのために。その当時、総合テレビ一つチャンネルがあったわけですけれども、それと同じぐらいの金をそのとき使ったということを私は覚えております。 したがって、島君、これをひとつぜひつくってくれと会長に言われましても、あなた、それだけ人、物、金がそろうんですか、そろわなければ、君自身、君一人の努力で云々と言われても困りますよ、これはひとつ慎重に考えてくれませんかと言ったことを今でも覚えております。川原さんも覚えていると思います。それに対しまして、やはりこの新しい時代、新しいこの衛星放送というのが難視解消でスタートしたにしろ、何百億かの星を上げて非常に難視世帯が少なくなってきている。そこへ新しい任務として公共放送としてぜひ取り組んでくれと言うので、会長命令でもありましたし、なるほどそうかということで、私は体を張って、その当時からほとんど全世界を飛び回り、いろいろな放送素材を集めまして、実験放送を続けて今日ようやくこの本放送までたどりついたわけでございます。これから先これがどう普及するかということは、これは大変困難な問題だということは人一倍私は実感として持っております。それだけに、これは一万五千人の我々全員が全力を挙げてやってもなお難しい非常に重要な問題になってきた、まさにある意味ではNHKの命運がこれにかかってきたということでございます。したがって、もうルビコン川を渡ったわけでございます。今さら衛星放送やめたということは不可能でございます。 そういう経緯がございましたということを申し上げて先ほどの質問にお答えさせていただきます。
○平野清君 御苦労のほどよくわかりました。もう前進したんですから頑張っていただかなきゃいけません。 以前の委員会で私は、職員が一万六千人もいるんだから全職員の英知を結集して何か再建策を模索したらどうかという御提案をしました。まさかそれを御採用いただいたのかどうかわかりませんが、島会長になられたら全職員に対して提案の提出を実施された。新聞によりますと千二百件もの職員から提案が出てきたと。非常にすばらしいと思うんですけれども、その中で、審議会その他いろんな提言よりもはるかにいい提言で、これはといって会長賞をやってもいいようなものが出てきているんでしょうか。
○参考人(尾畑雅美君) 今会長が申しましたように、NHKは開局以来最大の難しい局面を迎えておりますので、私も入社以来三十余年になりますけれども、一万五千人がこのぐらい真剣に討議したのは恐らく初めてだろうと思います。合わせて各放送局を含めまして千二百ぐらいの提案がございました。これにつきましては、一つ一つここでは言えませんけれども、かなり抜本的かつ大胆な提案もございます。そういったものを我々役員会でももう十数回議論いたしまして、NHK内でも議論しておりますし、たびたび申し上げておりますように、ただいま各界各層の先生方に御討議される際のいろいろな参考にもしていただいております。そういったもので非常にすぐれた提案もございますけれども、ちょっとここで御披露するのははばからせていただきたいと思います。
○平野清君 ぜひ職員の意向をくみ上げて、少しでも再建に役立てていただきたいと思います。 大上段に振りかぶった質問はそこまでにいたしまして、前の方とダブらないような質問をしたいと思います。 第二衛星放送の番組のことなんですけれども、ある新聞によりますと、小笠原諸島で「春日局」、連載ドラマが見られなくなったり、「ニュース・トゥデー」が見られなくなったというようなことが大きく報道されています。NHKの方に聞いたら、「春日局」の方はやめたんじゃなくて大幅な時間変更があったので、それを知らない人が見られなくてやめたんだろうという誤解だったようです。新聞報道がちょっとあやふやだったと思います。「ニュース・トゥデー」が見られなくなったことは事実のようです。 私ここで提案したいんですけれども、私の知る限りでは、「和っこの金メダル」も「春日局」も地上波と衛星放送と同じ時間に放送しているんじゃないかと思うんです。それは何となく脳がなさ過ぎるような、例えば地上波で八時十五分から半まで「和っこの金メダル」をやるなら、第二衛星放送では六時四十五分から七時のニュースまでやればサラリーマンも見ていける。それから、昼の四十五分からのものを今度は第二衛星放送ではほかの時間帯、例えば三時から十五分間とか工場の昼休み、休憩時間、そういうものに切りかえて放送すれば、衛星放送でもそれを見られるのかというようなことになれば衛星放送の普及にも役に立つ。それから御主人は朝早く出ていってしまって「和っこの金メダル」というのはほとんど見ない。奥様方は後片づけしたり洗濯しているときに見ている。夫婦の対話がそこで全然ないわけです。そういう意味からいっても地上波と第二衛星放送を違った時間帯でみんなが見たい番組を流したらどうかなと思うのですが、どうでしょう。
○参考人(遠藤利男君) 大変参考になる御意見をいただきましてありがとうございます。 難視聴解消のための放送というものの工夫の仕方はいろいろあると思います。先生御指摘のように、同じ時間だけではなくて少しずらした時間で放送した方が難視聴解消の方だけではなくて多くの視聴者にも楽しんでいただけるという方法もあると思います。とりあえず私どもは、来年一月から大河ドラマ「翔ぶが如く」というのを放送しますが、これは先生御指摘のような方法で、総合テレビですと日曜日の夜八時から放送いたします が、九時十五分から放送して、八時からごらんになれなかった方には九時十五分からごらんいただけるような方法をとりたいというふうに思っております。そのほか、朝のテレビ小説等々についても今後検討させていただいて、できるところはそういう方向でいきたいなと思います。
○平野清君 もう一つ衛星放送で意見がございます。これは質問ではないのです。 衛星放送のPRを盛んになさいます。ある識者に何秒かを与えて、衛星放送というのはこういうすばらしい利点があるんだぞということを言われて、なるほどなと思うことも多々あります。だけれども、たまには何でそんなことが衛星放送のPRに役に立つのかなというようなことがあるんです。そういうものはやっぱりどこかでチェックされる必要があるんじゃないかと思うのですが、これは人によって感覚が違います。 二つばかり例を申し上げます。衛星放送で、タイの王様の母君がイギリスを訪問された。これこそ衛星放送でないとわからないニュースだ。僕はそんなこと、タイの王様の母親がイギリスに行くこと、そんなニュースを国民が望んでいるかなと不思議に思うんです。それからもう一つはロンドンの地下鉄の火事なんです。娘さんがイギリスに留学されていて、その地下鉄によく乗るんだろうと思います。衛星放送でロンドンの地下鉄の火事を見たんですぐ娘に電話をした。そうしたら娘はその日は乗らなかった。自分はほっとした。衛星放送は娘の無事だったことまで教えてくれた。地下鉄の火事が日本の新聞で大きな問題になって、死傷者が何人も出たとか五両丸焼けになったというような火事なら、これはニュース性として、衛星放送を見ているとそういうこともわかるのか、それから映像を見たら燃えている地下鉄が映ったなんというんだったら、これはいいと思いますけれども。この二つ、発言された方に大変申しわけないから名前も何も言いませんけれども、どうでしょう。
○参考人(遠藤利男君) 先生御指摘の番組につきましては、「わたしのテレビタイム」ということで、衛星放送をごらんになっていらっしゃる、また愛好していらっしゃるいろんな方々に出ていただきまして、衛星放送と自分との関係というか、楽しみ方というか、そういうことを語っていただくごく短い番組でございまして、今お取り上げいただきました二つの点につきましては、「ワールドニュース」ということに関してその方々がどう考えていらっしゃるかということを語ってくださったんだと思うんですが、その内容の価値判断につきましては、私どもとしましては、「ワールドニュース」というのはそういう日本のマスメディアや放送やマスコミが取り上げないような側面から世界のいろんなことを取り上げている。それが外国から直接入ってくるので日本人の国際的な視野を広める上に役に立つと私どもは思っておりますので、そういう面でその方々の発言を取り上げさせていただいたのだと思います。 ただし、御指摘のように、私もあの番組を見ておりまして、全部の皆さんの御発言が的確で適切で我々に納得できるようなものばかりではなかったことは確かでございまして、放送を見ながら私も現場に対してその放送を数回でやめさせたりいろいろな指示もいたしました。今後とも、そういう意味ではもっといい内容の衛星放送の宣伝をしていきたいというふうに思います。
○平野清君 私とほぼ感覚が併行だったということで安心をいたしました。 次に、受信料の免除問題が長いこと国会で問題になっております。今度衛星放送が有料化されたわけですが、そのときに小中学校、それから身体障害者の方々、いろんな方々に普通の地上波の免除をなさっているのをそのまま衛星放送も免除措置をとられたように思えるんですけれども、衛星放送というのは新しいチャンネルで、NHKが大きな決断をして新しい放送をされたんだから、免税措置というものは新しい形で見直して、衛星放送まで免除しなくても僕はよかったんじゃないか。これだけの大きな苦しい経営の中で。それで、今一生懸命になって文部省やなんかとちょうちょうはっしとやって、何とか地方自治体で払ってもらえないだろうかとか、文部省で払ってもらえないだろうかというようなことをNHKの方が言われております。衛星放送を実施するときに免除措置をどういうふうにお考えになったのか、お聞きしたい。
○参考人(高橋雄亮君) お答えいたします。 先生の御意見も大変もっともな点で、非常に示唆に富んでいるわけでございますが、私どもとしましては、契約の種類にかかわりなく一定の免除条件、基準に合っておりましてそういう手続をとっていただいた方には免除するという方針で今のところ臨んでおるわけです。したがいまして、衛星放送につきましても衛星カラー料金、衛星普通料金―それから特別料金についても要件を満たして申請していただければ免除をするということになっております。 ちなみに、先生十分御存じだと思いますけれども、放送法三十二条で、受信料の免除はあらかじめ郵政大臣にお届けした基準を満たさなければこれをしてはいけないということになっておりますので、NHKは受信料の規約の十条の中で免除基準を定めて適用しておるということでございます。九月末現在で衛星放送については半額、全額含めまして六千百九十件が免除の対象になっております。
○平野清君 それはそれでお考えがあったとは思うのですが、一つのいい機会だったと思うんです。もうやられてしまったので、地上波の免除措置をどうするかということのときにまたお考えいただくとして、ただ、それを余りやりますと、地上波だけしか見られないボーダーラインより上の方、衛星放送までは手が出ない方たちの反感が出てくるんではないかなというような危惧もあるわけです。変な言葉を使うとこれはちょっと問題かもしれないけれども、逆差別というか、地上波しか見られないで衛星放送まで手が届かない人たちからそのことに対して大きな反感が起きては何にもならないんじゃないかという危惧を持つわけです。それはお答えは結構ですけれども、その点も十分配慮をしていただきたいと思います。 さらに、郵政省の方にもそれから国会にも、自分も国会なんですけれども、そろそろ小学校、中学校の受信料免除問題は、いつも留保留保で先延ばしにしていますけれども、ある段階でもうきちっと文部省なり地方団体なりが肩がわりをするのかNHKの財政も考えて対応すべきだと思うんですが、郵政省の方はどうでしょう。本当は文部省の方もお呼びしてお聞きしたかったんですが、文部省を呼べばぜひ免除してほしいと言うだけで、そういう答弁が返ってきたら何もならないのでお呼びしなかったんですが。
○政府委員(大瀧泰郎君) NHKの受信料は、いわゆるNHKの放送を受信することのできる受信設備を設置した者から徴収するということです。公平に御負担をいただくというのが原則でございますので、先生御指摘のように、この受信料の免除措置に関しましては昭和五十三年から徐々に、段階的に免除を廃止してきておるわけでございます。現在では小中学校それから社会福祉施設等に対するものが残っているわけでございまして、これらの免除をするということは、財政負担はむしろそれぞれの行政において行われるべきではないかというふうに考えているわけでございます。 したがいまして、私どもも文部省等関係の省庁とお話をしておりますが、現在のところ、なかなか難しいというようなお答えが返ってきておりますが、一層調整をいたしまして公平な負担の原則を守ってまいりたいと思っております。
○平野清君 そのお答えを聞いてからもう何年もなるわけで、ぜひ早く各省庁と結論を得て御報告いただきたいと思います。 さらに、衛星放送についてもう一つお尋ねします。 平成四年をめどに五百七十万世帯、平成六年で累計赤字を解消するという御方針だそうですが、この九月現在で百七十万台ぐらいしか伸びていな い。そうしますと平成四年の目標というのは大変難しくなると思うのです。どのようにして衛星放送の契約者をふやそうとされているのか。 それからもう一つは、前の委員会だったと思いますが、私は集合住宅での集金問題が非常に大きな問題になってきますよと。古いマンションならともかく、今建つ大きなマンションは初めからもうアンテナなり何らかの措置で全入居者がテレビを差し込みさえすれば衛星放送が見られるようになっていく。それを、そのビルは全部見られるんだから、テレビを持っているから衛星放送見られるじゃないか、じゃ衛星放送の代金を下さいと言っても、本人たちが見ていないと言えばなかなか取れないと思うんです。そういう難しい面をどう克服されるのか。 その端的な例がこの参議院会館なんですが、参議院会館に恐らく二百五十二人の先生方は全部テレビを置いていらっしゃると思います。それで、ある日それに衛星放送が見られる設備をどこの作業員かわかりませんがやってきて全部やりました。私はその作業を見ていましたので何をしているのかと言いましたら、衛星放送が見られるようにすることを命ぜられてきた。それで私は、議員やっていて衛星放送なんか見る時間なんかあるわけがないじゃないかという話をしたことをこの間の委員会で御報告しました。そうしましたら、八月から有料化されて九月になったら参議院の先生方には全部見られるようになっているんだからひとつ料金はお払い願いたいと来ました。私は筋が通らないのでお断りしましたら、逓信委員さんがNHKの料金を払っていただかないなんということになりますと大変営業所のメンツにかけても困るので、そこのところは大した金額じゃないから何とかお願いしますと。秘書の方が根負けして何か払ったようでございますけれども、そういうような問題がいろんなマンション、集合住宅で起きてくると思うのです。 そうしますと、隣のうちは払っている、隣は払わない、極めて不公平な形態が出てくるはずです。その公平さと不公平さ、それから集合住宅のこれからの料金徴収のやり方、どういうふうにお考えか。
○参考人(高橋雄亮君) 最初に、集合住宅の衛星につきましては、先生おっしゃるように今大きく分けますと二つございまして、各家庭がチューナーを買っていただいてつけないと衛星が見られないようなシステムをとっている集合住宅、それからあとは、衛星を受けたところで転換しておりまして、各家庭が今お持ちの受像機の中で衛星が見られるようになるシステムのマンションといいますか集合住宅、二通りあるわけです。前者につきましては、チューナーを持っていなければこれはいわゆる衛星が受かる体制になっていないわけでございますので、私どもはそういう格好になっているかどうかということをまず確認することに大変苦労しているわけであります。 それで、その集合住宅全体の要するに受信状況というものがどうなっているかは、アンテナのところを専門家が見ますと、大体今申し上げましたような格好でチューナーを必要とする受信方法なのか、各家庭で見られるような受信方法になっているかということはわかるわけでございます。それで私どもは、NHKの放送が見られるような受信機を持っている方には契約をお願いするということで各家庭をお訪ねいたしまして、理解を求め収納契約に結びつけるということで、先生のところにも、私どものところの管轄は神田営業所になっておりますので、恐らく営業所の者がお訪ねして御理解をいただいて契約していただいた、こういうように思っております。 それから衛星放送の収支見通しでございますが、大変厳しいことではございますが、まだあと四カ月今年度は残っておりますので、私どもは衛星放送の普及を図りつつ、それを契約に結びつけるということで今全力投球しておるということでございます。どういう格好でおまえたちは普及を考えておるのかということでございますが、これにつきましては、何と申しましても衛星放送の内容を見ていただいて御理解を得なければならないということでございます。したがいまして、六月の本放送以来、第一あるいは第二につきましても手を加えつつ皆さん方の御要望も聞きながら番組の充実を図っておるということであります。そういうことによりまして御理解を得たいと。 それから一番問題はやはり集合住宅なりCATVでございますので、これにつきましても、私どもはソフトを供給しながら、そして御理解を得て円満な格好で収納契約に結びつけたいということで努力しておるということであります。
○平野清君 会長さんも今の参考人さんも、受信料徴収がだんだん難しくなるのはわかるけれども、五カ年計画の青写真をよく考えて前進していきたいというふうに何回も言われております。何か聞いていますと、精神武装を聞いているようで具体的なお答えが返ってこない、攻撃精神、やるぞやるぞというふうなことしか聞こえないので、何の兵器で何の火力でぶつかるのかよくわかりませんが、それは後日早急に御検討の上で出てくると思いますので、御期待申し上げます。 次に、先般行われました川崎市長選のことでちょっとお伺いをいたします。 開票一%、双方の候補が二千票で当確が出ました、私はたまたまテレビを見ておりまして、開票一%、何々候補二千、何々候補二千、早くも片方の方に当確、非常に奇異な感じを持ったんです。そうしましたら、次の日の新聞に川崎選管からNHKの方に抗議があったという記事が出た。それについて当該の報道部長ですか局長ですか、それとも横浜の放送部長ですか、抗議に対して、報道の自由への介入だというような談話を発表しているんです。そのとおりおっしゃったかどうかわかりません。ただ、私もマスコミ出身ですけれども、あの数字を見て本当に奇異な感じはしました。それで一言コメントがあったことは事実なんです。NHKとしては、各開票所の進行状況を見てこの方に当確を決めたと言っておりますけれども、数字を出してしまって言うのはおかしいので、もうそれならいっそのこと数字なんか何も出さないで、平野清、当確と。いろんな調査結果を見たら、NHKは責任を持って言えるというのが本当なので、何も一%で二千票ずつ並べて載せることはないような気がするんです。聴視者に嫌な、嫌なというより奇異な感じを与えるだけだと思います。 ちなみに、自分の選挙のときに、比例区は五十人です。私は二十六番か二十九番だったんですけれども、民放は一時間前に発表したんです。それでNHKさんは一時間後に発表して、私の代表にNHKが言わない限りは万歳させないと言われた苦い経験がある。民放から一時間待たされて、ここは一%でぱっと出て、結果的に調べたら五十人中二十六位か二十九位。とても私は同じマスコミとして考えられないんですけれども、この点どうですか。
○参考人(遠藤利男君) ただいまお話がありましたように、川崎市長選のときには、ああいう状況でNHKが当確の発表をいたしました。この報道につきましては、先生御指摘のように二つの側面があります。一つは、これはやっぱりNHKが事前の調査あるいは当日の投票者の動向、それから川崎の各所で行われております開票所の開票のされ方、その中での集計のされ方、まだ市の選管には集中しておりませんけれども、各所で行われているところにNHKの人間を派遣しましてその開票状況を見ております。そういうものの集計からこれは当選確実であるなという判断を、NHKの責任でそういう判断をしたわけでございます。 それはそれであるのですが、その報道の仕方につきましては、先生御指摘のように、十分だったというふうには私どもは思っておりません。やっぱり一般の視聴者の方々にそれを御納得いただけるような方法で発表すべきですし、コメントもきちっともっと納得できるような形でされるべきではないか。私どもは、その放送を見た後、自分たちで自己批判といいますか、批判し合い、下部の人間にも的確にそういう指示をいたしております。今後ともいろいろな選挙があります。そうい う中で、そのときそのときのいろんな判断で、総合的な判断のもとで、当確ということをNHKの御判断のもとでやっておるわけですが、いろんな難しいケースの場合には、しかるべき御納得がいただけるような情報をきちっとつけ加えて発表させていただきたいというふうに思っております。
○平野清君 もう時間がありませんので、国際放送だけちょっと触れさせていただきます。 今年度で九百億円増の予算要求を考えていると言いましたけれども、各委員からも国際放送に対する予算措置が非常に甘いのではないかと。私は前から申し上げているんですが、単に郵政省予算ではなくて、あれはもう日本というものを外国に知っていただく、国外にいる日本人に日本の情勢を教える、いろんな意味が、多面的なものがあるので、NHKだ、郵政省だという問題ではないと思うんです。そういう意味で、文部省予算または外務省予算の中にそれぞれ国際放送予算を計上してそれに郵政省の分を足すとか、三省一致したものを国できちっと見るとか、そういうことが本来の国際放送のあり方じゃないかと思うんです。経営の苦しいNHKに全部を、全部とは言いませんが、任せ放しで、国が国際放送に対してもっともっと大きな援助を与えないということはおかしいと思うのです。 最後に郵政省のお答えを聞いて質問を終わります。
○国務大臣(大石千八君) 国際放送は、当然我が国が国際化を推進していく中で、さらに国際放送の役割も増大していくという認識の中で放送行政を実行していかなければならないというふうに考えているところでございます。これはいろいろNHKにおきましても、放送所といいますか、中継所といいますか、そういったものを海外にふやすとか、それから放送時間等も質量ともに充実していくとか、そういった方法をとられておるわけでございますが、郵政省としても当然、国際放送の役割ということに関して重要な役割をさらに負っていくということを念頭に置いて取り組んでいきたいと考えております。 ─────────────
○委員長(青木薪次君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、宮田輝君が委員を辞任され、その補欠として鹿熊安正君が選任されました。 ─────────────
○委員長(青木薪次君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました日本放送協会昭和六十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の国会報告に関し、これを是とすることに反対の討論を行うものであります。 我が党はこれまでも、国会の予算委員会などのNHKによる中継放送は、時の主要な政治問題に関し国会論議を直接国民に知らせることによって、国民の知る権利にこたえるとともに、国民の政治参加を進める上で大きな役割を果たすべきものであることを主張してまいりました。 ところが、NHKの中継時間枠の問題もあり、一部の政党や会派の質疑の放送が夜十一時以降となり、深夜の一時、二時に及ぶ事態が続き、通常の生活様式を送っている人には視聴することは困難になる事態が生じ、事実上知る権利を奪い、政治的公平を欠く実態となってきました。 これを是正するため、放送時間の延長や録画放送時間の繰り上げなど、改善方を強く要望してまいりました。衆議院予算委員会の理事懇談会でも同様の改善方の検討を要望してきたことは御承知のとおりであります。特に、本日の逓信委員会の審議の対象となっている六十一年度つまり一九八六年度においては、衆議院予算委員会の理事の方々や我が党の改善方の申し入れにもかかわらず、NHKは現行の方式を――その当時の発言でありますが――現行の方式を最善とするかたくなな態度をとり続けたのであります。また、そればかりでなく、その年の予算委員会の中継も時間枠を超え、衆議院の場合でいえば、残余の部分は午後十一時二十五分から午前一時過ぎまでという異常な時間帯の録画放送ともなったのであります。 こういう事態が基本的に解決されるというお約束がいただけない以上、NHKの報道姿勢の上で重要な問題が残るということを指摘せざるを得ません。 以上で反対の討論といたします。
○委員長(青木薪次君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 日本放送協会昭和六十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきましては、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青木薪次君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十三分散会